P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
87回国会参議院1979/06/05

運輸委員会 第9号

発言数
199
登壇者
29
会派数
6
開催日
1979/06/05

会議録

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 まず国土庁にお願いいたしたいと思うのでありますが、地震防災対策強化地域指定専門委員会が、東海大地震が発生した場合に甚大な被害の起きそうな地震防災対策強化地域として、静岡県を中心といたしまして、周辺の山梨、長野、神奈川、愛知、岐阜の六県、百五十九市町村を指定すべきであるとの線引きの最終報告書をまとめまして、五月十二日の午前に国土庁に提出をいたしました。これをもとにいたしまして、中央防災会議では、六つの県の知事と当該市町村長の意見を踏まえまして、正式に決定して大平首相に答申する、これを受けて政府は六月上旬までに指定を告示することになっているのであります。  報告書は、指定すべき地域の外周部についても、今後引き続き調査するということになっているわけでありますが、これは大規模な地震が発生するおそれが特に大きいと認められる地殻の検討を行った結果でありまして、東海地域は早急に強化地域として指定すべきであるということのようでありまするけれども、そのとおりと解釈してよろしいかどうか、お答えいただきたいと思います。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(城野好樹君) 御説明を申し上げます。  大規模地震対策特別措置法によります強化地域の指定につきましては、昨年の十月来、中央防災会議に専門委員の方を任命いたしまして、専門委員会において検討を進めておったところでございますが、今般その結論がまとまりまして、いわゆる駿河トラフにマグニチュード8程度の地震が発生した場合に著しい地震災害を受けるおそれがある地域といたしまして、いま先生お話しの六県百五十九市町村を指定すべきであるという答申を受けたわけでございます。  この報告を受けまして、国土庁といたしましては、現在、法律の規定に従いまして、各県知事さんの方に意見を伺っておるところでございます。知事さんは各関係市町村長さんの意見を聞かれまして御回答が来るものというふうに考えておるわけでございます。その回答につきましては、やや調整に時間がかかるものと思われますので、われわれの方の目途としては、一応強化地域の指定は六月いっぱいまでにはやりたいという予定で事務を進めておるところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 遠州灘あるいは駿河湾の地域にマグニチュード8以上の地震のエネルギーが蓄積さされてりまして、近い将来大地震が起きるだろうとの意見は確定的であります。遺憾ながら確定的であります。昭和四十四年から地震予知連絡会で問題にされてまいりましたこれらの問題について、昭和四十九年にマグニチュード7前後の伊豆半島沖地震が起こりました。そして昭和四十九年中に、同年中に観測強化地域に指定されたのであります。  この理由は、御前崎から駿河湾にかけて、ここ数十年の間に著しく北西の方向、御前崎方面から榛原郡、焼津市の方に向かって地殻が押し縮められているのであります。そういうことから、東海大地震は漠然と遠州灘に震源を考えていたわけでありまするけれども、遠州灘に地震の空白地域があるということが認められているからでありますが、この東海地震が昭和五十一年になって急に問題になってきたのは、その像がはっきり実はしてきたからであります。  フィリピン海溝それから駿河トラフそれから伊豆半島をはさんで、やはり小田原近辺の相模トラフというのですか、のトラフという関係で、広くは太平洋プレートと大陸性のプレートがこの辺で合致している、そして太平洋プレートの方が大陸性のプレートの方にめり込んでいるということが大きな原因の結果になっているわけであります。そしてかつて一九四四年に東南海地震が起こりました。そして地震の一代前の地震と言われておりますのは一八五四年の安政の大地震だと実は考えられているわけでありますが、この辺の関係については、この辺が一つの周期ごとにもうそろそろ地震が、待っているわけじゃないけれども、来るということが、実は確定的な一つの予知の機械、技術が発達するごとに実証されつつある。しかも駿河トラフ等について海図を科学的に検討した結果、もう本当にこの辺を考えてまいりませんと大変な事態になるということであります。国土庁は、指定の関係について意見を聞いているからおくれていると言うけれども、地震は待っちゃくれないわけでありますから。かって私が知っている間におきましても、いま申し上げたようなマグニチュード7前後の伊豆の南の地震が昭和四十九年に起こりましてから、それ以降五年間に大地震が三回起こっているんです。その間、常に小型の地震というものは起こっているわけでございますから、いつどういうように急迫した事態になるかはわからぬということなのでありますが、この点について、こんな状態でいいのかどうなのか。静岡県は非常にのんきなことを言っておりません。それぞれ公共の防災訓練が計画的に消防庁等の関与を受けながら、いま県単位で大がかりに地震対策が行われているし、この防災訓練が行われている。町内会に至るまで起震車を持ってきて奥さん方をそこへ乗せて、そして震度三から四から五から、しかも激震の六ぐらいの揺さぶりをかけながらいろいろみんなで検討し、実態の訓練を行っているというような状態であるわけでありますが、何で国がおくれているんだということ、指導性の問題について問題があるんじゃないかということまで言われているんでありますけれども、この点国土庁はどうお考えになっておりますか。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(城野好樹君) 駿河トラフ沿いに起こりますと想定されます地震につきましては、今回のまさに強化地域の指定対象として取り上げておるわけでございますが、そのレポートにもございますように、駿河トラフ沿いの部分につきましては、地震が起こる可能性があるということでございますが、その西の遠州灘沖の部分につきましては、一九四四年、昭和十九年の東南海地震によってエネルギーが開放されているという見解が出されておりまして、その結果起こる地震自体としましては、マグニチュード8よりやや小さいか、まあ、最大限マグニチュード8程度の地震であろうということになってございます。また、この地震につきましては、安政の地震の再来といたしますと、それから百二十五年をけみしておるわけでございますが、大きな地震であればあるほどその前兆現象はわりあいに早くからあらわれるということでございまして、これは直接の管轄ではございませんが、地震予知連絡会におきまして、昭和五十一年に東海地震説というものが出されました後、地震予知連絡会におきまして当面この二、三年以内に起こるというようなそういう前兆現象は発見されていない、しかしながら、なお観測、測量等を強化する必要がある、というのが現在の見解でございまして、いつかは来るに違いないのでございますが、それがたとえば一年とか二年とかという、そういう切迫度を持った発生ということは、これは自然のことですからわかりませんけれども、   〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕 そういう切迫度を持ったものでは必ずしもないというふうに認識をしておるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私が先ほど申し上げましたように、昭和四十九年の伊豆の南海地震、下田沖の地震ですね、それから昭和五十一年の河津の地震、それから昨年の昭和五十三年一月の伊豆大島近海地震、これは私は先頭に立って、実はいろんな調査やその他に当たったわけでありますけれども、いまのところ二、三年じゃ地震は絶対起きないなんということを国土庁が考えていたら、これはもう静岡県民の感情というものを逆なですることになるというように考えます。その確たる証拠というものについてどうなんだということを言われれば、それは学者の、たとえば萩原予知連会長といい、あるいはまた東大の石橋先生といい、あらゆる先生が、すぐ起きるという人もあるし、まだ大丈夫だろうという人もあるけれども、これを行政的ないわゆる観測の立場に立ってどっちの学者の意見をとるかなんという問題だけでこの問題は考えることはできないと思うんです。問題は、政府で考えた方針というものをそのまま実行していくということについて、やはり当初決まった方針を可及的速やかに実行するという立場に立たなきゃいかぬというように考えておるのであります。予定からおくれた理由について簡潔に意見を聞くのがおくれているのかどうなのか、その点についてお答えいただきたいと思います。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(城野好樹君) この法律案が昨年の国会において審議されました段階におきましては、われわれの方としては当初この地域指定をことしの三月をめどに作業をいたしますということを御答弁を申し上げてきたところでございますが、昨年来学者の先生方の専門委員の方々の検討がややおくれまして、五月十二日に報告をいただいたということでございます。それから各都道府県の方へ現在意見を照会しておるところでございまして、都道府県知事さんの方から御返答が参りますれば、可及的速やかに指定の手続を進めたいと考えておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 きのう私は静岡県の山本知事に電話をいたしまして、できるならばきょうは知事にここへひとつ出席をしてくれと言ったわけでありますけれども、急なことなのでスケジュールが込んでいるので、きょうはできないけれども、ぜひひとつ近日中に参考人として出たいということを実は言っているわけであります。何としてもおくれることはできないということなのでありますが、いま城野課長のお話を聞けば、学者の検討がおくれたということが最大の理由のようでありますが、この防災対策の強化地域の指定というものは防災基本計画の作成、それから強化計画と地震防災の応急計画等の一連の防災対策やその他について実施の前提に実はなると思うのであります。地域指定がおくれればおくれるほど緊急を要する防災対策の実施がおくれることになる。一日も早くこの地域指定を完了すべきだということについて、私は本委員会の全員の声だと思うんでありますけれども、この点についてさらにひとつ早急に結論をまとめるということについての決意のほどをお聞きいたしたいと思います。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(城野好樹君) 関係県知事と相談しまして早急に返事をいただき、かつ返事をいただいた場合には、できるだけ速やかに指定の手続をするように関係各省庁ともお打ち合わせをしたいと思っております。   〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大蔵省見えていますか。  小粥主計官にちょっとお伺いしたいと思うんでありますが、国土庁が地域の指定を六月の上旬に終えまして、七月中にも防災基本計画の策定を完了するというスケジュールを組んでいたのは、来年度の予算の概算要求に、地震防災強化計画に基づき各公共機関が行う地震防災上の緊急整備に対する必要があるからだと思うんであります。避難道路とか、避難広場とか、緊急輸送とか、港湾施設の整備とか、そういう経費を実は見込まなきゃならぬということなのでありますけれども、現状からいって、大体八月いっぱいの概算要求に間に合わせなきゃいかぬと思うんであります。そうでないと来年の当初予算に地震関係の対策費が組めないということになるわけでありますから、その点を非常に心配いたしておりますけれども、いまのスケジュールで間に合いますか。

小粥正巳大蔵省主計局主計官

○説明員(小粥正巳君) 地震対策予算全般に関することでございますが、ただいま計画その他のスケジュールのお話が出ておりましたけれども、私どもといたしましては関係各省と御相談をしながら、何分来年度予算のことでございます、概算要求の期限は八月末でございますけれども、その後の予算折衝の期間も相当期間ございますので、その間におきまして関係各省庁とこの関係につきましては十分御相談をしてまいりたいと思っております。現在の時点で、先生御心配のように、間に合わないかという御懸念でございますけれども、これは関係各省庁とも十分その辺を含みまして予算の御相談があるものと考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 誠実な小粥主計官ですから、大蔵省の立場として、間に合わなきゃ間に合わないだけ金が要らなくていいと思ってはいないと思うんですけれども、そういういまのお話のとおり、これはひとつ国土庁がもう少し一生懸命にならなきゃいかぬじゃないかと、学者先生がおくれたからなんと言ったって、学者先生集めりゃ何でもやってくれるんですから、この問題に対する緊急性というもの、急迫性というものについて認識の度合いがちょっと少ないじゃないかというように考えているわけであります。概算要求がおくれれば一年おくれるということは大変なことです。来年の昭和五十五年の補正でやればいいなんて簡単なものじゃ私はないと思います。ですから、来年度の概算要求に間に合うよう地域指定基本計画の策定を急ぐよう重ねて要望したいと思うんでありまするけれども、そういう決意で臨むかどうか、ひとつ城野課長答弁してください。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(城野好樹君) 御説明申し上げます。  大規模地震法におきましては、先生御指摘のように、地域指定が行われますと、中央防災会議におきましては基本計画、各行政機関、公共機関、地方公共団体等におきましては強化計画、各特別の施設の管理者等におきましては応急計画をそれぞれ作成することを義務づけられておるわけでございます。その中の強化計画、つまり地方公共団体、行政機関、公共機関等が作成します計画の中におきまして、ただいまお話しの避難地、避難路、消防用施設、通信施設、緊急輸送路、関係施設というものがこの法律によります計画づけをもって実施されるということになるわけでございます。  その予算の確保についてでございますが、ほとんどのものは既存の予算制度がございまして、それの枠どりと申しますか、そういうようなかっこうで消化されるというふうに考えておりますし、強化計画自体といたしましては、これは一年でやれといってもなかなかできない問題でございまして、県の方ともお打ち合わせをしておる次第でございますが、おおむね五年間で一応の成果が出るようなものを整理をしてやるということでございますので、予算上の処置といたしましては、初年度、二年度、三年度、どういうふうに効率的にやるかという計画をそれぞれ立てていただくことを考えておるわけでございます。そういうふうに考えておるわけでございますが、できるだけ早くやった方がそれはやはり効果が早く上がることでございますし、また地元住民に対し安心感を与えるということもございますので、自今の手続につきましてはできるだけ早く進め、かつ関係省庁に協力を要請してまいる考えでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 できるだけ早く関係省庁に要求してまいるということでありますけれども、国土庁だけでもってなかなか実施に移すということについての困難性はあるかもしれません。しかし、やっぱり担当の省庁でございますから、そういう意味ではもう国土庁も庁に昇格してから何年たつんですか、六、七年たつんじゃないですか、そういう時期に達しているわけでありますから、もうこの辺で、まとめはするけれども各省庁任せなんという悪口がたたかれないように、ひとつ指導性を発揮してやってもらいたいというように考えております。  運輸大臣にちょっとお伺いいたしたいと思うんでありますが、先日、二十日以降の新聞で各紙に出ておったわけでありますけれども、来年度の国鉄工事規模を圧縮して、今後予算の概算要求のときにひとつ赤字の投資についてはこれを縮めるんだという話が新聞に載っていたわけであります。国鉄財政再建の新しい方策の確立を目指す運輸省と国鉄は、来年度の国鉄の工事決定について圧縮の方針を決めて、二十一日に大蔵省と話し合いで合意に達したということであります。この会談で、国鉄の来年度予算の概算要求案というものは、六月に国鉄から新しい経営改善計画が運輸省に提出されるんで、運輸省はこれをもっていつもより一カ月早く七月中に国鉄の概算要求案のめどをつけたい、工事規模についてだんだんと上がってきたので、この点についてはひとつ圧縮する方向にしたいということのようであります。来年度の国鉄工事規模を圧縮するということ、赤字だから圧縮するんだということは、これは一つの理屈だと思うんでありますが、いま私どもがいままでずっと運輸委員会で積み上げてまいりましたのは、大都市のふくれ上がる通勤輸送をどうするのかと、それから非常に常磐線や東北線に乗ってまいりますと、ビールびんが引っくり返るような線路の状態というようなことについて、これはひとつ基盤強化ができないのかどうなのかというような問題とか、いま私が申し上げている地震対策等について、もし東海大地震が来たらもう東海道本線は、新幹線は申すに及ばず、がたがたにちぎれてしまうんではないかということを実は恐れているんでありますが、すでに明治の時代につくった橋梁がいまも使われている。東海道本線などは使い過ぎてもう期限が切れているというような問題についてどういうようにお考えになっておられるか。現状から言うなら、たとえば一兆の中で六千七百億円が在来線に使われることになっておりますけれども、東北新幹線に三千八百二十五億使われて、整備新幹線の調査費七十五億円というようなことに実はなっているんであります。ですから工事費がそういう形で赤字の国鉄を圧迫していることはよくわかるんでありますけれども、赤字だから圧縮するんだという論理の展開ではこれは実は問題にならないと思うんであります。で、このままいくと圧縮した中の大多数を新幹線に持っていってしまう。あとの通勤対策やあるいはまたローカル線等についても投資をしなければもうパンク寸前に実は来ているわけですね。地震対策もできない。しかも森山運輸大臣が常に言われるように、私は余り賛成できないんだけれども、人を減らすには退職者の半分を人を減らしていって、そして半分しか採用しないということになりますと、これはやはり設備投資の面の機械化、近代化というような問題等を避けて通ることは実はできないと思う。それが人にかわってくるというようなことについて、一体、論理的にちょっと問題が多いようでございますけれども、その点についてどういうように考えておられるのか、お尋ねいたしたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 先ほどのお話は、たぶん大蔵省の主計局長が私のところに参りましたときに国鉄の再建問題について意見交換をしました。これも最終的に決まったものは何もありませんが、ただその際に、私は民間の一般の赤字会社で申しますと、会社が赤字ならば、重役賞与というものはこれは利益金の中から出てくるのであるから、したがってボーナスは出ない、また赤字会社になればこれは売り食いだと、現に函館ドックで見られるようなすさまじい売り食いもしなければならない、それから設備投資も常識的にいえば圧縮すべきものである、国鉄の場合のほぼ設備投資に当たる工事費勘定は昭和五十三年度九千億円であります、ところが昭和五十四年度この年度は一兆六百億円にいまふえているわけであります、今日の国鉄財政からいって非常な財政のピンチに追い込まれておるときにもかかわらず、工事費勘定がこのように膨張していることは問題ではないか、という話をしたのであります。恐らくそのことが伝えられておるのではないかというふうに考えます。  で、現在の国鉄の財政状況下では、過大な設備投資による資本費負担の増大は新たな赤字増の原因となるということを考えていかなきゃならない。したがって、今後の設備投資については投資採算というものを考慮して、慎重に検討した上で具体的な投資の決定を行っていくことが必要であって、基本的には設備投資が過大にならないようにしていかなければならないというふうに考えておるわけであります。それでこういう観点から、国鉄の経営改善計画見直しに当たっては、今後の設備投資のあり方について国鉄の経営の立て直しという観点から事を考えていかなきゃならぬ。  具体的に申しますと、この一兆六百億円のうち、東北新幹線等の設備費は約三千九百億円であります。したがって残りが従来の線の六千七百億円ということになっております。その中身を見ますと、確かにどうしてもやらにゃならぬことがあります。安全の問題とか、あるいは人が減ってまいるわけでございますから、その際においてそれを補うような省力、合理化の問題等、そういう最小限度のものがありますけれども、その他の問題については、国鉄財政の現状から十分に考えていかなければならないということでございます。  なお、退職者の半分ぐらい人を減らすということでございますが、それは私は断定的に申しているわけではございません。ただ、これから十年間に国鉄は年齢構成上約二十万人の退職者が出るわけであります。それで仮にその半分が後補充をしないということになればという、こういう前提を置いての議論は国鉄の年金問題に触れてでございまして、御承知のとおり、現在国鉄は四十二万人の職員で、年金受給者が二十六万人あるわけであります。これを十年間という歳月を別にいたしまして算術的に計算いたしますと、二十六万人に二十万人がふえる、四十六万人ということになるわけであります。そうして十万人、人が減るといたしますと、現在の四十二万人が三十二万人になりますから、現在でさえも百人に六十一人という年金受給率、成熟度でありますが、これが将来百人に百四十四人という、計算上から見るとそういう結果が出てまいりまして、成熟率約一五〇%というすさまじい数字になる。したがって、国鉄の減量ということを考えましても、こういう重大な問題があるという一つの試算としてそういう数字を申し上げておるのでございまして、これは国鉄におきまして、現場からのいろんな問題を積み上げてこの程度という意見も出てまいりましょうし、また、全体から見ましてこの程度でおさめてという考え方も出てまいりましょうし、その辺のところはこれからの問題でございまして、ただ、年金の百人の職員が百四十四人分の年金を背負わなければならないという異常な事態、大体成熟率四〇%でせいぜいというところでございますから、それが現状において六一%になり、将来は一五〇%にもなるかもしれないというような事態を想定いたしまして、先ほどのようなことを申し上げたので、いま直ちにもって二十万人のうちの十万人をということを言っているわけではございません。一つの仮定の議論、試算のための仮定の議論としてそういうことを言ったわけでございますから、その点もどうか御了承くださいますようにお願いいたしたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣のいままで言われてきたことについて、いわゆる民間の立場から国鉄を見た場合におけるいろんな発言というものについて、われわれは森山大臣はタカ派的発言をするということで、前にも申し上げたのでありますけれども、実情についてかえって知らぬ方がいろんな発言ができるなと思ったこともあります。しかし、傾聴に値する発言だと思ったこともあります。しかし、これはどうも実情を御理解願っていない。私も国鉄の組合の委員長の経験もいたしてまいりましたから、たとえばいまの共済年金の問題といわゆる工事費の私の言った問題、損益上の問題というようなことについては、一緒にして議論されると非常に問題が大きくなってくると私は思うんであります。かつて共済組合と、恩給と、あるいはまた両方掛けている、三種類ありました。そのときに私たちは言ってまいりましたのは、共済年金法に統一するということについては、これは相当将来の掛金からいろんな双方の負担率がこれは膨大になってくるぞ、大変なことになるけれどもどうなんだという質問をいたしますと、これはそんなことはないんだということで、昭和三十一年に新しい公共企業体の共済組合法に移行したわけであります。それが今日二十三年間を経過する中で、いま大臣の言われたように、百分の六十という成熟度になってくる。それから、おっしゃいました四十五歳から五十五歳までの間において二十一万人になる。これは戦争中の外地からの鉄道の引き揚げ者、あるいはまた応召された旧日本軍隊軍人の帰還者というような人や、外地引き揚げ者という者について、社会不安を到来しちゃいけないから国鉄で雇いなさいという内閣の告示があって、そして一遍にどかっとこの部分に集中したというような問題が実はあるわけです。私たちはこれを構造上の問題だというように言っているわけでございますけれども、そういう点について過去の経過を、やがて国鉄のような状態を、すべての共済組合がそれぞれ各企業ごとにあるいは省庁ごとに必ずたどるということを、これは政府全体の問題として考えるべきときにきている。その先頭に国鉄が走っているというように私は考えているわけです。大臣も恐らくそういうようにお考えになっていると思うのでありますけれども、私の申し上げましたのは、確かにここにきて新幹線が昭和五十三年度までは内部でもって土地も買い、車両も買い、あるいはまた機械器具から材料からすべて買って、そして工事費がどんどんかさんできた。これじゃとてもやれませんということになって、五整備新幹線等についてはいろんな財源措置をいろいろ考えつつ、今日ひとつやっていこうという時期にきているわけであります。その中で大臣のおっしゃったように、安全投資の問題、これは地震対策を含んでいるわけでございますけれども、通勤輸送の問題、疲れ果てた橋梁や軌道というものについて、もう東海道本線当たりは取りかえるときにきているわけです、酷使し過ぎたのですから。そういうようなときに金は要るということをやはり理解してもらわなきゃいかぬ。しかし、赤字の国鉄で何でもかんでも借金をしてやっていけということになれば、大臣のおっしゃることはよくわかります。これからいわゆる国鉄輸送というものについて、だんだんと輸送量がふえてくる。ふえてくる中でどう消化するかという問題について国鉄輸送なんかカットしてしまえ、みんな内航海運でやるんだ、飛行機でやるんだ、自動車輸送でやるんだと言えばこれはこれでおしまいで、それはそういう方向もあるでしょう。しかし、そうはなかなかいかない。資源エネルギー問題を控えて電化率約六〇%という国鉄においては、これはこれからの石油に対する代替エネルギーというわけじゃございませんけれども、しかし電化されているということについては資源エネルギーの節約という分野から考えても、これは大変な役割りを国鉄はこれから図っていくんじゃないかというようなことを考えているわけであります。  だから、そういう点から財源の問題等については、国として国鉄をどう使い、どう評価するかという、いわゆる政策的な課題に入ってきたのであって、私はただ単に天引き幾らカットするんだということだけでは、非常に内容をある意味では知っておりますだけに問題が大きいのじゃないか。だから赤字の問題とそういう問題等については、これはやはり分離してお考えを願わないと、何もかもいっしょでもってこうだということではなかなかいかないんではないかと、こう思いますので、その辺についてのお考えをお聞きしたいと、こう思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) たとえばいま年金の問題を申し上げましたのは、ちょっと人員減の一つの試算のための数字のはじき方という意味で申し上げましたのであって、その数字は最終的なものだとは思っておりません。もっと減るかもしれませんし、そこまでいかないかもしれません。これからの問題でありましょう。  しかし、もう一つ私が申し上げたいことは、国鉄再建というものは、たとえばローカル線だけをどうするかということで済む問題ではないのでありまして、やはり幹線も考えていかなければならない。そういう意味で、総合的に処置をしなきゃならないというふうに考えております。また、損益計算だけでなくて、工事費勘定というものもやはり念頭に置いていかなければならないということでございますから、そういう点を総合的に考えてこれから処理していかなければならないと思います。  ただ、お話のありました安全に関する工事という問題は、これは私は最も優先すべきものであるというふうに考えております。これは原則的にはそういうことであります。具体的に一つの工事がその安全性の見地から見てどうかということは、いろいろ問題もございましょうけれども、やはり安全性の問題というのは最も重視すべきことだというふうに考えておる次第であります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 気象庁長官見えていますか。  総理大臣が警戒宣言を発令すると、それこそ汽車も電車も自動車もみなとまってしまうわけですね。東海地域判定会が招集されて協議することになるわけでありますけれども、この情報を関係機関に流さないと大変な大混乱に陥ると思うのです。この点については事前にお流しになる予定があるのかどうなのか、それをお伺いしたいと思います。

窪田正八気象庁長官

○政府委員(窪田正八君) 法律上の事前措置としましては、総理の警戒宣言の発令以後ということになっておりますが。具体的にはさまざまな混乱あるいは流言飛語といったような問題もございますので、判定会を招集した以後何らかの形で関係機関には連絡を申し上げた方がいいのではないかというふうに考えてはおります。しかし、そのタイミングあるいはどういう形でというような問題になりますといろいろ多くの問題がございますので、現在、その辺については、各関係機関といろいろ協議を申し上げておる段階でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 予知技術が進んでまいりますと、これから一カ月以上のある意味では長期予報、準長期予報といったようなものと、それから数時間並びに三日、四日という短期予報がある。静岡県等におきましては、一説によれば五十万世帯が瓦解するが、しかし、いわゆる適切な短期予報が出ればこの半分以下で済むというような大きな課題を含んでいると思うのでありますが、また反面、三日四日たっても地震がなかなかこない、地震を待っているわけじゃないけれども地震がこない。そうするとまた海底のいろいろな振動計やその他ラドンの影響や、あるいはまた検潮のメーターがいろいろ動いてきて、その予知についてまた一つ非常に急迫したデータというものが与えられるというようなときに、汽車もとまっている、電車もとまっている、それから自動車もとまっているというときに、さて警戒宣言を解除したらいいのか、またそのまま続けていいのかというような問題に私はぶち当たると思うのです。そういう点についてどうお考えになっておりますか。

窪田正八気象庁長官

○政府委員(窪田正八君) 警戒宣言の問題は、先生も御承知のとおり、総理大臣のやる問題でございますので、気象庁の長官としましては、地震の予知情報を提供するという義務を負っております。したがいまして、初めの予知情報を提供する段階で、三日後あたりまでが危ないという情報をやって、なおかついろいろ異変がございません場合には、やはりその間いろいろの現象の観測の把握、そういうものを見て改めて新しい気象予知情報の提供ということになろうかと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そういうときに国鉄は大体どういう態度をとりますか。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○説明員(藤田義人君) 先生御心配のように、長期間とめられるという問題については、非常に大きな旅客の支障を生じてまいります。しかし、警戒宣言が出ているという状況下におきまして、安易に列車を動かすことはできませんので、ここいらの問題について、十分いろいろと関係の面と現在検討いたしておるところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 今回指定される予定の個所ですね、震度とか、それからガルですね。これはどの程度を予想されるのか。また想定される被害というものについては大体どんなふうにお考えになっておられるのか、この点をひとつ国土庁にお聞きいたしたいと思います。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(城野好樹君) 御説明を申し上げます。  専門委員会におきます強化地域として指定すべき市町村の範囲としてお決めをいただきました中身は、駿河トラフにおきましてマグニチュード8程度の地震が発生する、この地震波は四方へ散っていくわけでございますが、その距離によって低減をいたします。ただ、地表面へその地震波が達します場合に、非常にやわらかい地盤、沖積層、洪積層というような比較的新しい地盤のところへまいりますとこれが増幅をいたします。つまり揺れが大きくなるのでございます。したがいまして、各指定対象地域の地質、地盤を調査いたしまして距離による低減とそれから地質、地盤による増幅との相関でどれだけ揺れるかという判定をしていただいたわけでございます。日本の場合非常に地質、地盤が入り組んで複雑になってございますが、今回の指定の対象といたしましたのは、気象庁の震度階で震度六以上になると思われる地盤がある市町村ということで一応の線が引いてございます。指定されればその市町村がすべて震度六になるかということでございますが、それはやはり一つの市町村の中でもいろんな地質、地盤がございますので、その市町村の中心部と申しますか、これはおおむねそういうところは平地でございまして、洪積層ないしは沖積層の土地に立地している場合が多いということでございますので、それらの地域が震度六以上の振動に見舞われるというところを今回の指定の対象として取り上げているということでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そういうことで駿河トラフでマグニチュード8、これが地表面にあらわれると増幅されるという話であります。私どももそういうように聞いているわけでありますが、静岡県の土地条件から見た静岡県下の危険地域というのは、軟弱地盤と言われるものが浜名湖沿岸とか東側地域、それから太田川の流域地域、菊川の流域地域、牧ノ原、御前崎台地、朝比奈川、葉梨川沿岸低地、安倍川沿岸、巴川沿岸低地、浮島ヶ原低地、狩野川中流部平野というように実は分かれておりまして、特に新幹線が通って、砂地一帯のあの掛川並びに満水の近くはこれはもう下から水がぶくぶく浮き出てきているというところで、マグニチュード8以上、震度六以上の烈震がここにぶち当たったならば、私はたちどころにこの線路は瓦解してしまうというように考えているわけでありますが、その点についてこの掛川一帯だけでなくて、いま言った浮島ヶ原いわゆる大昭和製紙の本社の近所でありまするけれども、この辺一帯は泥海であります。そこへ新幹線が通っているわけでありますから、そういう点、国鉄はどういうようにこの被害について考えているのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○説明員(高橋浩二君) いま強化地域に指定されると予想されておりますのが、私の方の新幹線で申し上げますと、ほぼ茅ヶ崎付近から豊橋の付近に至る約二百キロぐらいの区域が指定される予定の区域に入ってございます。この二百キロの延長の中に、いま先生のおっしゃいます非常に地盤が軟弱な地域が約一五%ほどございまして、延長にいたしまして約三十キロほどでございますが、この区間にいま震度階六以上の地震が参りますと、私の方のいわゆる築堤と言っておりますけれども、これは沈下したりあるいは崩れたりするというふうに私の方もいま考え、予想されております。で、新幹線等はいわゆる橋梁等の構造物については一応震度階で言いますと五までは絶対に大丈夫、六になってもいわゆる安全率というものがございますので、橋梁等については原則的には震度階六でも大丈夫ということで設計いたしておりますけれども、築堤等につきましてはそういう設計がなされておりませんので、震度階六以上の地震、いわゆる烈震以上のものが出てまいりますと沈下したりするという、そういう危険をはらんでおりますので、いまその地盤の強さあるいは軟弱地盤の深さ等を正確に測量その他調査をいたしておりまして、これに対して処置をしていかなくちゃならないというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大蔵省の小粥主計官、いまの点について私はやっぱり八月三十日までの概算要求をまとめる段階においてそういったような問題等について考えませんと、これは国鉄だけじゃございませんけれども、大変な事態になるということを現地では非常に心配しているんでありますけれども、この点について、安全投資の関係等について先ほども大臣も言われたのでありますけれども、どうお考えになっておられますか。

小粥正巳大蔵省主計局主計官

○説明員(小粥正巳君) ただいまお尋ねの地震対策に関連いたします施設整備等の問題でございますけれども、これは先ほど大臣から御答弁もございましたように、国鉄自体とされて従来から防災対策を含む安全投資には非常に力を入れてこられていると私ども理解をしております。また、国鉄の予算上もその点は明らかになっているように存じます。  そこで、ただいまお尋ねの今後地域指定がなされまして、そこに防災対策強化計画 これが作成をされますと緊急に整備を要する施設の内容等が明らかにされるわけでございまして、私ども先ほど来お話がございましたように、この点はまず国鉄本来の業務とされて十分にこの辺御配慮されながら、施設整備投資計画が立てられるものと考えておりますけれども、御案内のように昨年成立いたしました大規模地震対策特別措置法におきましても、政府の配慮についても相応の規定もございますし、私ども国鉄のこの問題につきましての計画あるいは施設整備の内容等、今後スケジュールが作成されました上で十分拝見をしながら運輸省、国鉄御当局と御相談をしてまいりたいと考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 警戒宣言が発せられますと、その地域に列車は入っていかないことになるでしょう。その点はそういうように理解していいんですか。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○説明員(藤田義人君) そのとおりでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 では警戒宣言が発せられますと、そこの中に入っている列車ですね、それはどうなりますか。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○説明員(藤田義人君) 警戒宣言が発せられましたときに、その地域におきます列車については、先ほどもお話がございましたが、いろいろ設備上の問題もあり、何としてもそこにおきます運転規制方をどういうふうにするかということにつきましては、現在いろいろと検討いたしておりまして、防災強化計画の中の一つとしてこれをいま策定すべく、いろいろと部内で勉強しているところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 まだ地震が起こっているわけじゃございませんから、脱出するということも考えられる、線路は一本しかないんですから、のろのろ運転をして脱出するということも考えられるし、まただんごでもって詰まってしまったら、駅と駅との中間に置いたり、またトンネルの中へ置いたりしたら、これはもう食糧の関係とか医療の関係とか水だとか便所の問題とかいろいろな問題で大混乱に実は陥ると思うんです。そうすると、今度は駅へ列車をとめるということになれば、それじゃホテルというわけにいきませんけれども、一体宿泊はどうするのか、あるいはまた広場はどうするのかということになりますと、これまた大変なことになってしまうと思うんでありますが、私は大混乱に陥ると思うんです。その点どうお考えになっておりますか。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○説明員(藤田義人君) 先生御心配のように、われわれとしても非常にその点の問題についていろいろ具体的に勉強しているところでございますが、先ほど来の話のように、マグニチュード8以上の地震が予定される警戒宣言が発せられているという中で、また相当な盛り土区間の問題もございます。そういう中で列車を動かすということがどの程度できるかという、非常に、まあ一列車、新幹線といいましても千四百名、千名を超える旅客が乗っているような状況でございますし、それが何本の列車になるか、その時間によりますが、そういう面で十分慎重を期してこの問題に対処していきたいということでただいま取り組んでいる最中でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 静岡駅と浜松駅のように、在来線とそれから新幹線の駅が併設されておりますね。こういうところはこれは駅長は在来線の関係の駅長がやっている、しかし、仕事の関係は、新幹線と在来線は全く分離してますね。そういうときに、こんな大きな国鉄のようなところになると、それこそ官僚制というわけじゃございませんけれども、とにかくおれのところはこれをやればいいんだ、おれのところはこれをやればいいんだといってそれで非常に割拠主義になって、それぞれ混乱に混乱を増加させるというようなことが考えられるんでありますけれども、この点はどうお考えになりますか。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○説明員(藤田義人君) いま先生の御指摘の面につきましては、警戒宣言が発せられましたときには、本社に災害警戒本部を設置します。それと同じように、新幹線にあっては新幹線総局にその本部を設置し、また各鉄道管理局にありましては局長を長とする対策本部をつくると。で、いま御指摘の駅のように、新幹線と在来線の両方を駅長が管理しておるというような職場につきまして、そこのところの接点と申しますか、その点がいま先生の御心配がないように、十分具体的に細かくそれについての計画を立て、十分徹底さしていきたいというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私はざっと想定いたしますと、こういう中心的な駅には約数万の人が集まると思うんですよ。そうすると、いま藤田常務理事は局長を長とする対策本部をつくると言うけれども、それは対策本部をつくるのはいいでしょう。それはつくるのは当然です。しかし、これでさばけるかどうか。さっき言ったように、医療の関係、食糧の関係、水の関係やれ何だと、後で水だとかガス管はどうするんだという話を聞きたいと思うんでありますけれども、この点で地方自治体に私はやっぱりいろいろな依拠をし、お願いすることがあるんじゃないかと思うんですけれども、その点——自治省の人来てますかな。その辺どういうように考えていますか。

大竹山龍男消防庁震災対策指導室長

○説明員(大竹山龍男君) お答えを申し上げます。  震災時におきます県、市町村の避難誘導対策につきましては、地域防災計画の定めるところによりまして、避難場所とか避難路の指定とかあるいは誘導標識、避難標識の設置等、この安全化対策を推進していることは御承知だと思いますが、ただ、警戒宣言時の避難対策につきましては、従来の計画を見直す必要があるわけでございまして、これは全く新法によりまして新たに地域防災計画を見直すということになりますので、現在鋭意地方公共団体におきましてもこの対策を検討していとるころでございまして、私どもといたしましては、通過客の安全をも含めまして関係各省と検討して対処してまいりたいと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これは対処するということですね。  道路を通る車はどうなるんですか。とめるんですか、それとも走らせるんですか。

広谷干城警察庁交通局交通規制課長

○説明員(広谷干城君) お答えいたします。  警戒宣言が発せられました場合の自動車交通のあり方の問題につきましては、警戒宣言による発災の危険性が時間的に切迫をしておる場合と、そうでないある程度の余裕がある場合と、いろいろの場合が想定されると思いますけれども、基本的にはやはりいま先生が御指摘になりましたように、防災関係車両等どうしても通さなければならない車を除きましては、宣言が出されました段階から一般の車は停車させると、こういう措置をとるのが基本であろうと、こういうふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そういたしますと、いま静岡県では、避難に車はだめ、というステッカーを車の後に張って、そうして車が衝突でもしたり転覆でもしたら、これはもういま交通規制課長のおっしゃったようにかえって混乱を生ずると、したがって、そういう実は指導も行き渡っておりますので、その点は静岡県ではいいわけでありますけれども、たとえば車が他県から入ってくる、通過車両ですね、そういうような問題等についても、広場とかいわゆる避難地とか、そういったようなものがなければこれまた大変なことになる、空中へ宙づりにはできないんですから。その点はどういうお考えですか。

広谷干城警察庁交通局交通規制課長

○説明員(広谷干城君) 車一台と申しますのは、道路に占める面積というのは大変広いわけでございまして、車がただそこにとまっておる、道路にとまっておると、こういうことになりますと、発災をいたしましたときにも大変危険でございますし、同時に、緊急車両等の通行に当たりましても大変な危険が及ぶわけでございます。そういう意味で先生御指摘のように、これらの道路にある車をその次の段階としてはどういうふうにするか、これは大変な問題でございます。そういう意味で、道路にとめておける車ももちろんございましょうけれども、あふれた車をどこへ持っていってどういうふうな処理をするかという点につきましては、それぞれの県で、それぞれの場所の実態に応じまして、現在、勉強をしておると、こういう状況でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国鉄にお伺いしますけれども、避難路とか避難の、主に避難地ですね、どういうようにお考えになっておりますか。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○説明員(藤田義人君) この問題につきましては各管理局と現地、県等の自治体ともいろいろといままでも相談を進めてきてはおりますが、われわれとしては、まず、旅客の安全を第一に国鉄として考えていくということで、主体的にまずそういう観点に立ちまして、いわゆる安全な個所ということにつきましては駅に極力持ってくる、そこでいろいろな情報の連絡も速やかにいくでしょうし、いろいろな対策も立てられるということで、一応安全な個所としては駅をまず中心に考えていきたい。避難通路とかその点については、よく地元自治体等の方との協議によりまして具体的にこれを詰めていきたい。国鉄としては駅をまず中心に集めて、そこで駅前広場等の中でこれを考えていく、それから状況によっての問題は、自治体の方とよく連絡をとりながらそれを詰めていくというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 警戒宣言発令時に、電気とかガスとか水道等の供給については、これはやっぱり規制されることになるんですか。通産省いますか。

松田泰資源エネルギー庁公益事業部技術課長

○説明員(松田泰君) 電気について申し上げますが、電気につきましては、あらゆる警戒宣言が発せられましたときの準備活動のためにも電気が要るものでございますので、これは停電はいたしません。ただ、排煙、送電設備についての点検を厳重にやらせる計画でやっております。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○説明員(香田昭君) 都市ガスでございますが、警戒宣言が出された場合、これもやはり都市ガスは日常生活に不可欠のエネルギーということで、警戒宣言の段階では停止することは考えておりませんが、ただ、地震防災応急計画に相当いたします、ガス事業法に基づきます保安規程定にめるところに従いまして、地震予知情報の収集、あるいは部内の伝達体制、さらにはガス施設の災害の防止、被害の軽減を図るための非常体制等、さらには保安上必要な設備、救急資材の点検、ガス需要家に対しますテレビ、ラジオ、広報車等によりますガス栓の閉止、あるいは地震発生時にとるべき措置等を広報いたしまして、また、二百五十ガルを超える震度に達しました場合にはガスの供給を供給施設の根元で遮断すると、こういうように指導いたしております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国土庁にお伺いいたしたいと思うんでありますが、大地震対策特別措置法の第二十九条によりますと、「国は、地震防災強化計画に基づき緊急に整備すべき施設等の整備に関する事業が円滑に実施されるようにするため、予算の範囲内において、当該事業の実施に要する経費の一部を補助し、その他必要と認める措置を講ずることができる。」ということになりまして、政令でこのことを実はうたっているわけであります。「大規模地震対策特別措置法の施行期日を定める政令をここに公布する。」として、五十三年十二月十二日に出されました大規模地震対策特別措置法の施行期日を定める政令ということで出されまして、その後に施行令が出されておりますが、この施行令の第二条に、「法第六条第一項第二号の政令で定める施設等は、次のとおりとする。」として、今度は一項からずっと三項まであり、しかも第四条へいきまして、「法第七条第一項の規定に基づき地震防災応急計画を作成しなければならない施設又は事業は、次に掲げるもの」として、以下ずっとこの二十三項まで実は載っているわけであります。これは国土庁が大蔵省と運輸省と相談してつくったそうでありますけれども、第四条以下に掲げる補助金の対象に実は国鉄は載っていないんですね。港湾その他道路とか等については載っているんでありますけれども、この点はどういうような考え方ですか。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(城野好樹君) 御説明を申し上げます。  先ほども御説明を申し上げたと思いますが、強化計画におきまして地方公共団体、行政機関、公共機関等が行います緊急施設の整備ということで、これは法律の方では避難地、避難路、消防用施設その他地震防災応急対策に必要な施設ということで、先ほどお話しのようにその内容を政令の二条で避難地、避難路、消防用施設、緊急輸送関係施設、通信施設、石油コンビナート等におきます緩衝地帯というものを定めておるわけでございます。この中でいまお尋ねの緊急輸送を確保するため必要な道路、港湾施設、漁港施設という部分につきましては、われわれの方の整理の頭といたしましては、警戒宣言が出ました場合にとめるような施設というものにつきましては、緊急輸送を確保するということがむずかしい、ただその中で特にたとえば自衛隊の交通でございますとか、消防、警察というような関係の緊急輸送車というようなものは、どうしても通さなきゃいかぬという部分につきましては、施設整備が必要であろう。また、発災後直ちに今度は応援の人員なり復旧資材なりというようなものを運搬する必要が生じてまいりますが、それらのものにつきましては陸上部の施設がやられた場合には海上からそれを持ち込むということを考えなければならないわけでございまして、非常に復旧に時間がかかるというようなものは一応おいておきまして、戦略上まさに緊急輸送の範囲内で確保できる施設を日ごろから強化しておこうというものでございます。  同じような頭で、避難地、避難路、消防用施設も同様に整理してあるものというふうに御理解いただきたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は警戒宣言が発せられる前の段階で、判定会の情報をいろいろ伝えるということの中には、たとえば組合がストライキをやるというときと同じように全部ヤードへ列車をとめてしまう。そして要所要所に車両運用をやっていわゆるB運行と言った方がいいと思うのでありますけれども、人も配置してそして線路をあかしておくと、それから二俣線とか御殿場線とか身延線とか飯田線とかというようなもの、そういうものをあかしておく、東海道線をあかしておくというようなことは、これは考えられないのかどうなのか。その点国鉄の藤田常務は専門的立場でどう考えますか。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○説明員(藤田義人君) いま先生がおっしゃられました、いわゆる発災前の先ほどの予報の問題からそういう点ができないかという御質問でございますが、いわゆるその予報を受けて現場までの対応、車両の回し方なり人の運用なり、そういう全般にわたっていくのに極力われわれとしてスピーディーにやることについてはいろいろと対策を立てておりますが、いまおっしゃられたようなところまでに果たして全部線路をあかして、その時間帯に必要な列車をいろいろと線があります線群に全部入れておく、また要員もそういうふうに後のことも考えた要員配置をするというようなことにつきましては、非常に問題が大きくなると思います。そういう面でいろいろなケースを十分勉強していかなきゃならない。ただ、予報の段階での状況でもございますし、非常にその点問題が大きくなりますもので、十分勉強していく課題であるというふうには考えます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 港湾局と林野庁にお伺いしたいと思うんでありますけれども、この整備計画についてはどういうように考えていらっしゃるのか。港湾も高潮対策やその他で非常に重要になってくると思うんでありますし、いま言った緊急避難等についても非常に重要だと思うんであります。  林野庁の関係等については、この整備計画の中に入っておりませんけれども、相当静岡県の由比の関係等を見てみましても、昭和三十七年の地すべりのときに非常にりっぱにやりました。昭和四十九年の七夕台風のときには林野庁で施した工事のところについては微動だにしなかった。しかし、東海道本線があの四十九年の七夕台風によって一週間とまった。それから国一等についてもとまってしまったんですね。したがって、そういうような関係についてどういうようにお考えになっておられるのか、その点を港湾と林野庁からお伺いいたしたい。

寺尾健運輸省港湾局防災課長

○説明員(寺尾健君) 御説明いたします。  海岸につきましてでございますが、現在、来年度の海岸事業の予算の概算要求に向けまして、管理者のヒヤリングを実施しております。この結果によりまして所要の措置を講じていく所存でございます。

松本廣治林野庁指導部治山課長

○説明員(松本廣治君) お答え申し上げます。  治山事業は、現在、第五次の五ヵ年計画に基づきまして計画的に施設の整備を進めているところでございますが、地震防災強化地域が今後指定されました場合には、地震あるいはその後の雨によりまして山地の災害の危険性が考慮されるわけでございますが、緊要な個所から逐次整備を進めるように考えております。現在、五十三年度と五十四年度に林野庁としまして山地災害危険地の見直し調査を行っておりますので、その結果を踏まえまして地震対策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  それから、由比地区の地すべりにつきましては、私ども大変重要な地区と考えておりまして、昭和五十年から国の直轄事業として積極的に地すべり防止工事をやっておるわけでございますが、この計画が、当時は大規模地震の発生を考慮した因子が少ないというようなことから、今回この東海大地震に備えまして、五十三年度から二ヵ年計画で、国土総合開発事業調整費をもちまして、地震動が地すべり活動に及ぼす影響を解明すべく震災対策調査を実施しておりまして、この調査結果をまって被害想定を行うこととしております。その結果、必要に応じまして現計画の見直しを行いまして、地震を考慮した防災工事を行う方針でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 施設整備といった考え方は、先ほどお聞きいたしましたように、避難地、避難路といいますか、それから消防施設、通信といったようなことが考えられると思うのでありますけれども、私は輸送の任に携わってきたために、その辺から考えてみますと、いろんな考え方を持っているわけでありまするけれども、これは建設、運輸、国鉄、林野、その辺については、政令の第二条、第四条等について改正して、これらに適応するような考え方というものも実は持つべきじゃないかというように考えているのでありますけれども、その点いかがですか。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(城野好樹君) 御説明をいたします。  この緊急施設整備事業と申しますのは、まず地震の予知を前提といたしまして、それについての人命の損傷を防ぐということを第一優先主義として、必要最少限度の施設整備を計画的に行おうという趣旨で掲げられているものでございます。それだけにここに掲げられたものは計画的に整備をする必要があるし、それについては国の方といたしましてもそれぞれ相応の御援助を申し上げるということで、問題点を非常にしぼりまして構成をされております。  先生ただいま御指摘のように、それではこれだけやれば十分かと申しますと、海岸事業あり、河川の対策事業あり、地すべり対策事業あり、がけ地近接の対策事業ありと、また大都市市街地等におきます建物の不燃建築化の促進という問題ありというようなことで、それは大変にやらなきゃいけない問題は多いわけでございますが、先ほど来御説明申し上げておりますように、五ヵ年間で一応集中的にこれだけはやって人命の損失を防ごうという部分、その部分につきまして、どうしてもハードの施設の方は全般的でございますし、金が非常にかかる、また時間もかかるということから、その部分の足らざる部分はソフトの対応として補おうという考え方でございまして、われわれといたしましては、この法律に決めました目的自体はやはり問題を局限して、これを計画どおりに達成するということが何よりも重要であろうかと思います。  それで、足らざる部分のところをどう計画的に進めるかということにつきましては、その範囲なり、また実際の財政状況、施行能力その他を見まして、そこの部分をどのように災害に強い体質にするかということにつきましては、今後とも各省庁と検討をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国土庁はまあ非常に消極的発言が目立っております。いずれ災害対策委員会で詰めてまいりたいと、こう思っております。  最後に大蔵省にお伺いいたしたいと思うのでありますが、地震保険の改善方を検討中であり、近く保険審議会に諮りまして来年度中にも実施したい意向と言われますけれども、現在検討中の案の内容の概略を説明してもらいたいことと、今後のスケジュール、そしてこの案では現行の全壊のときに限られている保険金支払いを、半壊などの部分損害にまで拡大することが予定されていると聞いております。どの程度の損害まで拡大しようとしているのかお聞きいたしたいことと、それから保険金の支払いがふえるのに伴って保険料率の改定も予定していると聞いておりますけれども、引き上げではどの程度を考えておられるのか、このことをお伺いいたしまして私の持ち時間が参りましたので終わりたいと思います。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○説明員(野村寛君) お答え申し上げます。  現在の地震保険制度は四十一年の六月に発足いたしまして、その後、幸にいたしまして大きな地震はなかったようでございますが、昨年の六月に宮城県沖地震が起こりまして、いろいろ現行の制度の問題点が各方面から指摘されたのは皆さん御承知のとおりでございます。先ほど先生の御質問の中の第一のスケジュールでございますが、現在、昨年来、大蔵大臣の諮問機関であります保険審議会で問題点を総ざらえをいたしまして、今月の半ばに大蔵大臣あての答申が出される予定になっております。それが第一点でございます。  第二点のどのような体制で行こうかという点でございますが、第一は、いま先生の御指摘もございましたように、従来は全損だけでございましたが、分損を担保しようということでございまして、たとえば建物につきましては半壊まで、半壊といいますのは非常にまだ、具体的に何%までだというような作業は今後の問題でございますが、大体のところで三〇%ないし四〇%以上につきましては保険金金額の五〇%の保険金の支払いができるような案になる見込みでございます。  それから、問題点の二番目でございますが、限度額の引き上げでございます。従来の制度は建物につきましては二百四十万円、家財につきましては百五十万円という頭打ちの制度でございますが、この金額を思い切って建物につきましては一千万円、それから家財につきましては五百万円に引き上げる案になるような、現在のところそのような見込みでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 私は二つの問題についてお尋ねをします。持ち時間が三十分ですからそのように御協力をお願いします。  まず一つは、国鉄の問題ですが、問題になっております鉄建公団がやっております建設中のABの路線の見直しということで、最近運輸大臣の名前で関係の県知事に対して通知が出ておるようでありますが、その内容の概要をまずお聞かせをいただきたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 御承知のとおり、一月に運輸政策審議会の小委員会から地方交通線対策について答申が出まして、これによりますと、一日輸送密度四千人以下の線は原則的にバスに切りかえる、こういう内容になっているわけであります。ところで、長い間の懸案でありました地方のAB線の工事もこれは進捗しているものもあり進捗してないものもあります。これらが完成いたしますとおおよそその四千人の輸送密度台に入ってしまうものが大部分でございますので、果たしてこれの措置をどうするかという問題を当然考えなきゃならぬわけであります。でき上がったら、あの小委員会の案によりますればバス転換を直ちにやらなきゃならないようなことになるとこれはなかなか問題でございます。そこで、赤字ローカル線の場合の処理につきまして現在最終的にどうするかということを詰めておる段階にあるわけでございます。一月に小委員会から答申が出ましたが、答申の線に沿って検討すると、こういうことで今日に至っておるわけであります。それにつきましては、かねてから今国会の提出法案として改正案というものを出す予定になっておりましたが、今国会の提案を見合わせて、検討中と。したがって、現在工事中のAB線につきましてもやはり同じように歩調を合わせてこのAB線の問題の取り扱いを決めていかなきゃならぬと。でき上ったら直ちにパス転換ということでは困るわけでございますから、そこで、AB線についての当面の結論が出ますれば、これと見合った形でAB線の処理もしてまいりたい。現に動いておりますローカル線の処理が決まった段階、およそめどがついた段階でAB線の問題も処理してまいりたい、そういう心づもりでございます。  で、それをやりますにつきましては、これは国鉄の再建の採算の上からいって非常な採算のとれないという観点から見るわけでございますが、ローカル線にいたしましても、AB線にいたしましても、それらの鉄道が敷設され、また現に建設をされておりますというのは、ただ国鉄の経営問題だけではございませんので、やはり国土の均衡ある発展とか地域的格差の是正とかいう言葉であらわされるそれぞれの地方の要望に基づいておるものでございますから、各県の知事さんに、これは現に動いておるローカル線の問題の処理に準じましてAB線の問題についても御意向のほどを伺っておかなきゃいかぬ、そういうことで手紙を出したわけでございます。  したがって、そう事務的に何月何日までに返事してもらいたいと、こういうことよりも、こういう問題がありますがいかがでございましょうかということでございまして、現実には空港その他の問題あるいは航空機の便数の問題等で知事さんがたくさん私のところにお見えになりますから、その際に、ときにおたくのローカル線問題はどうしますか、ときにおたくのAB線問題はどうしますかというような形で逐次御意見を承わっておるというようなことでございます。独自で御返事をいただいているところもございますけれども、なかなかむずかしい問題でございますから、真っ正面から返事聞きますと何をおっしゃっているのかようわからぬような御返事もあるわけでございまして、やはり顔を見合わせてお互いにどうしたらいいかというようなことを話すきっかけの書簡というふうに御理解を願いたいと思います。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 いまの大臣のお話によりますとかなり幅のあるようなお話でありますけれども、実は私も昨日その通知をいただきまして内容を見たんですけれども、いま大臣がいろいろおっしゃったんですけれども、私がこの通知の内容を見まして、一番焦点になっておりますのは、いま大臣がおっしゃいましたように、四十路線とも全部国鉄のサイドで検討したところが、おっしゃるように全部赤字路線だと、そういうふうになると。したがって、今後これを開業してやる場合に相当な欠損になると。で、国の方も一定の補助をするけれども、地元の方が相当の負担を出してやる気があるかどうかと、そういうことを一番焦点として求めておられるように私は解釈するんですが、大体そういう解釈でよろしいか。時間がありませんから簡単にひとつ答弁願いたい。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 赤字ローカル線を輸送密度四千人という小委員会の線でこの際手をつけるか、あるいはもう少し現実的に、輸送密度も、こんなにお客さんが少なければもうバス転換もやむを得ないというぎりぎりのところで決めていくかということは、これからの問題ということでございますので、それとのかね合いでAB線の評価も違ってくるであろう。それに建設中のものでございますから、ある程度進捗してなければ——ほとんど進んでないというところをこれからつくるということもどうかと思います。ある程度進捗状態を見て総合的に考えていきたいと、こういうことでございます。そういう際に、書簡の中にもございますように、いろいろな赤字ローカル線についての処理のやり方がございますから、そのやり方について知事さんどうでしょうかと、こういうことでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 そこで、私は全国関係の知事がこの通知を見まして、大臣がおっしゃるように、そういう幅広く考えてそれぞれ報告がされただろうかという疑念を実は持つわけですわ。で、わずか二週間ぐらいの間にこの通知に対するところの回答を求めても、私は運輸省が求めておるような正確なものが出てこないではないかと、そういうように実は心配するわけです。  で、私は各県に寄って一々聞いたわけじゃありませんが、今度伝えられるところによると、五十四年度の予算が三百七十七億、これを配分をするための一つの資料にすると、こういうふうなぐあいにも聞かれておるわけですね。ですから、もし今度報告することによって配分の基準をどういうふうにされるのかと、下手な報告をすると五十四年度の中には自分のところが要求しておる線に乗ってこないと、そういうことになると永久にこれは廃止になるだろうかというような先々の心配をする面もあるわけですね。私が申し上げるまでもございませんが、この中にも書いてありますけれども、やっぱりAB線というのは長い間地域の民の皆さんがいろんな条件を要求をして積み上られて、鉄道建設審議会の中で通った路線でございまして、確かに国鉄が非常に再建をしなきゃならぬということも私もよくわかるわけです。といって、地方自治体に負担をせよと言っても今日の地方財政の非常に厳しいときでありますから、なかなか知事も踏み切れない。この二週間の間にこれにどうして回答するかということで非常に心配をしておると思うんですね。そういうのが私は実態だと思うんですわ。  そこで、時間がございませんので要点を質問しますけれども、今度五十四年度の予算を配分されるわけでありますが、そのときの判定基準というようなものがあるかないか。あればどういうものであるかということを簡単に御説明願いたい。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) その点はまだ最終的に決着は見ておりません。と申しますことは、一つには輸送密度、先ほど四千人という線がございますが、それを現実的にどこまで当面の問題として処理をしていくかという問題もございますし、また工事の進捗度というものをどの程度見るかということでもございますし、そうかと申しまして、地元の要望ということで考えてまいりますと、これはどれもこれも取り上げていかなきゃならない問題でございますから、手続としましては鉄建公団の総裁とそれからこれはいずれにしても将来赤字になるかもしれない線を抱えるわけでございますから国鉄総裁、それから運輸大臣である私とこの三者で最終的に相談をして取りまとめてまいりたいと、こういうふうに思っております。基準はまだそこまでいっておりません。というのは、現在走っておる赤字ローカル線の処理もそう簡単に小委員会のお話のように輸送密度四千人以下は切りかえるんだと、こう言えるかどうか、その辺のところもございますものですから、いずれにしても赤字ローカル線のある程度のめどのついたところでというふうに考えておるわけでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 ここに建設線一覧表というのがあるわけですけれども、この中には工事の達成率も書いてありますし、全く未着工の路線も十線あると、こういうふうになっているわけですね。今度五十四年度の予算をつけるときに、ちょっと確認をしますが、そのようなことはないと思うんですけれども、いままでは鉄建公団がそれぞれの年度の予算を決めておったわけですね。今度の場合は、さっき大臣がおっしゃったような小委員会の報告の趣旨もありますから、特別に考慮をしてやらなきゃならぬということになるではないかと、こういうふうに私は思うわけですね。  そこで、先ほども聞いたんですけれども、今度の予算をつけるときに仮に落ちたと、つけないと、四十線あるわけですから。これに予算がつかなかったものはもう将来見込みがないと、そういうふうに判断がされるのかどうなのか。これは心配の面で言っているわけです。  それからもう一つですね、今度国鉄が六月じゅうに再建計画というものを運輸省に出すと。それによっていろいろと運輸省が御検討になって、八月ごろを目標にして五十五年度の予算要求をされるわけですね。そのときにAB線の予算というものは当然要求されると思うんですが、その要求されるときの基準として、いまいろいろお話をしておりますところのこの線とこの線はやっぱり継続してやっていくと、この線は中止になるかもしれないと、中止にするとか、そういうふうな判断を含めた予算要求になるのかどうなのか、この点、二つ。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 先ほども青木委員のときにお答えいたしましたが、国鉄の再建というとすぐローカル線問題に尽きているような感じをしている時期がございますが、国鉄の再建はローカル線だけではなくて幹線の問題もございますし、また現に赤字ローカル線の赤字は三千億円でありますが、幹線の赤字は九千億円と、こういうふうになっておりますから、やはりそういうものを総合的に考えていかなきゃならないということでございます。したがって、国鉄再建計画の一環として現に走っている赤字線の問題を考えていく、それに関連してAB線の問題を考えていくということでございます。必ずしも時間的に同時決着ではございませんけれども、全体として総合的に考えていくという考え方でやっておるわけです。  六月中に国鉄の方から総合的に一案まとまったものを出していただいて、そして運輸省の方でそれから後検討をして、それで八月末の概算要求につなぐということでございましたが、今年度の財政で七月半ばにサマーレビューというものをやりたいと、非常にむずかしい状態でございますから、そのサマーレビューの方に運輸省が検討した段階でもう一回相談するということになると思うんです。そして、それを八月の概算要求につないでいくと、こういう順序に全体としてなろうと思うのであります。  そして、再建計画というものを総合的に考える際に赤字ローカル線の処理をどうするかということ、それに関連しましてAB線の問題はどう処理するかということでありまして、いずれにしてもその際ある程度の選択は行われることになろうと思いますが、一たんやるという計画ができているものをこれを中止するという考え方はございませんが、再建のための今日の苦しいところを乗り切るまでは一時見送ると申しますか、凍結と申しますか、そういう場所も出てくるかもしれません。しかし、これで中止というようなことを私どもは考えておるわけではございませんが、しかしある程度のそういう措置は必要ではないかと思っておるわけであります。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 大変むずかしい問題ですから短期間のうちに話の結論は出ないと思うんですけれども、私も運輸省が国鉄の再建のために、それが至上命令だと、しかも緊急を要する課題だと、こういうことで非常に努力されておる、なかんずく大臣も先手先手を打って努力されているということは評価をしますけれどもね、この通知の中にも書いてありますようにですな、やっぱりAB線の歴史的な経過というものもあるわけでして、それから、各地方自治体の財政的な状況もあるわけですから、ただ上の方から決めて押しつけるということでは、私は問題の解決には最終的にならない。十分にこの地域との話し合いをしていく。報告書の中にも、地域で協議会をつくって、国も入り、地方自治体も入り、関係団体も入り、住民も入って、そういう協議会の場でやるというふうになっておるわけですから、私はこういう通知が出たということがいけないという意味じゃありませんけれども、受け取る地方自治体の長としては、これは非常に心配をし、深刻に受けとめておると思うんですね。ですから、そういう面のコミュニケーションというものをさらに続けていかなければ、本当の問題のこういうAB線、それからローカル線の解決にはならない、こういうふうに私信じておるわけですわ。大臣のこれからの取り組みについてひとつ所見を承って、この問題は終わりたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 御説のとおり、それぞれの地元地元におきましては、歴史と沿革があるわけでございますから、そう簡単に片づく問題ではございませんけれども、そうかといってほっとくわけにいきません。現に走っている線でさえも、どっかでバス転換等のことを考えでいかなきゃならないというようなことでございますから、でき上がってみればすぐそういうふうな中に入るというものは、やはりこれから工事費をかけてそういうことになるわけでございますから、そういう点を十分考慮してやっていかなきゃならぬと思いますし、その実施の過程は、仰せのとおり、十分地元との意思疎通を図れますようにできるだけの努力をいたしたいと、こう思っております。非常にむずかしい問題に取り組んでおるわけでございまして、私どもも小委員会の答申どおり現在走っている線の取り扱いをすることはいかがかと思ってもおりますし、またAB線につきましても、そういう中で処理していこうということでございますので、どうかひとつ格別の御理解と御支援をお願いいたしたいと思います。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 次は、航空関係の問題をお尋ねをしますけれども、成田の新国際空港ができましてちょうど一年になるわけですが、あの空港ができたことによって羽田空港には当時四百六十発着の枠があったと思うんですが、国際線を中心にして成田空港に移ったわけですから、相当なものがまだ発着の枠の余裕があると思うんですが、この一年間どのように処理されてきておるか、処理という言葉が適当であるかどうかわかりませんが、どういうふうにして余裕のある路線を取り組んできたか、こういうことを、時間がありませんので概要を御説明願いたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) いまおっしゃいましたように、成田空港の開港によって羽田の四百六十の枠は、一見全部四百六十がそのまま国内線に使えるように見えるわけでございますが、実際問題は、成田ができましたために関東地方の空域をかなりいじりました。現実には成田の空域との関連等もございまして、羽田の空域が従来よりもやや狭くなったわけでございます。  それからさらに、それまで羽田で扱っておりませんでした下総基地のIFR機を羽田で直接進入管制をするということをしょい込むことといたしました。そこでいろいろと議論がございましたけれども、結論を申し上げますと、五月二十日から当分の間、羽田、成田を足して四百六十という枠の中でどう扱うかという処理をいたしましたので、この時点では余裕枠というのは全然出ませんでした。で、五月の二十九日から羽田と成田を足して四百八十という枠にふやしたわけでございます。その中で成田と羽田をどう使い分けるかということは特段に指示をしない、適当にまぜて使う、こういう形で六月の七日まで過ぎたわけでございますが、その後のいろいろな具体的な詰めをしていきます間に、だんだんと使い方になれてまいりましたものですから、羽田と成田を足して四百八十というのは七月に取り払ってしまいました。そこで、その時点におきましては、羽田は三百六十まで使えます。こういうことにしたわけでございます。したがって、成田に移動した直後三百ないし三百十程度が残っておったわけでございますので、そこにいわゆる余裕枠的なものが四、五十出てきたということでございます。ところが長い間羽田につきましては、実は全面的整備ができずにおったものでございますので、昨年の十月から羽田のB滑走路周辺を主体といたしまして、相当大規模な改修工事に入りました。そのため残念ながら一たんふやしました枠を、昨年の十月一日からは一日三百五十とまた十削った状態に戻したわけでございます。そして現在、翌五十三年度に予定されておりました工事はほぼ終わったわけでございますけれども、引き続きC滑走路及び関連エプロン部分、こういったところの工事が五十四年度いっぱい残っておりますので、当分の間この三百五十からどの程度上乗せができるだろうかということをいま私ども真剣に検討しているわけでございますけれども、たかだか二十ぐらいではないだろうか。つまり三百五十というのを三百七十ぐらいまで当面持っていけるのが限界ではないだろうかというふうに考えております。  その間どういうふうなところへ飛行機を持って行ったかという点につきましては、個々の路線を省きまして考え方として申し上げますと、やはり時間短縮の効果の大きい海峡越え、脊梁山脈越えあるいは長距離といったような航空機路線の特性が十分に発揮できるような路線でございますとか、それから従来一日一便でどうにも日帰りができないということで大変御不満をこうむっておりましたところと、そういうところに割りつけることにしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、十月一日に三百六十の枠を三百五十にまた十削らざるを得なくなりましたので、一部については一たんふやしながらまた削るという状態で現在きておるわけでございます。  今後の問題としましては、先ほど申し上げました工事の進捗の度合い、管制官のなれのぐあいというふうなものを踏まえまして、現実にいろんなところから増便その他御要求がございますので、そういうものを踏まえながら早急に結論を出すようにしたい、このように考えております。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 私も専門家ではないのでよくわかりませんが、そういう管制の統制ですか、安全上すぐにはならないと、段階的に経験的にやらなければどれだけ延ばせるかわからないといういまの局長のお話であったわけですが、そういうふうな経過を経まして最終的に、最初は四百六十あったわけですから、大体将来の見通しとしてどのぐらいまで供用できるかというような判断はつかないかということが一つと、それから時間がありませんので、いまの説明によりますと、まだ余裕があるようでございますね、いまのところは、一応工事も終わったようですし。実は私も地元のことでちょっと言いにくいのですけれども、これはこの間ちょっと大臣にも立ち話でお話したのですけれども、四月ごろに五便十発着枠ですか、鳥取空港を初めとして新規路線が一つ、二つと、それから増便、そういうものが認可になるのではなかろうかという話があったわけです。そのことは地元のものは新聞にも出ておったわけです。ここに石破先輩もいらしゃいますけれども、地元の方としては挙げてお願いをしておったわけなんでして、大体事務当局としても認可になるだろうというふうに地元では歓迎の準備までしておったのですが、なかなか認可にならない、そういうことで実は地元としても、さっき局長がおっしゃったような基準にも当てはまると思うんですね。非常に便利が悪いわけですよ。しかも込み率も非常に高いというので、一日も早くこれを許可してもらいたいというそういう要望がありますので、なぜおくれておるのか、そこらのことも含めて二つ御答弁を願いたい。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) まず、第一段の御質問の将来どうなるかという見通しについて、ここで明確にお答えできるほど詰め切っておりません。しかし、先ほど申し上げましたように、羽田の空域が従来に比べてやや幅が狭まって長手の方向に変えざるを得なかったということ、下総のIFR機についても羽田でもってやらなければならないというふうなことを考えますと、五十四年度の工事が全部終わりまして、来年の春以降になったといたしましても、四百六十に戻っていくということは困難ではないかというふうに私どもは考えております。その数字がどこら辺にくるのかというのは必ずしもはっきりいたしておりませんけれども、まあ恐らく四百は超えるでしょう。しかし、四百六十まではちょっとむずかしいのではないかというあたりのところで、現場の人の意見などもよく聞き具体的に詰めたいと、こういうふうに考えております。  それから、第二点としての御質問の点につきましては、先ほどお答えしましたように、現在は三百五十で抑えておる。で、それに対して、大規模工事は一応四月いっぱいぐらいで終わりました。したがって、あと十ぐらい枠を乗せて三百六十にする、あるいはその後における管制官のなれ等をも考慮してあと十ぐらいふやせるか。まあ、だから目いっぱいふやせればプラス二十、ぎりぎりにしぼってもプラス十、その間のところでなるべく目いっぱいに近い方というふうなことを事務的に検討しておったことは事実でございますし、またそういうことを聞き及びまして各社それぞれに増便の計画の腹づもりをお立てになった、地元といろいろとお話し合いの過程でどうも今度はうまくいきそうだぞと、こういうふうな感じでおいでであったようなことも承知はいたしておりますけれども、実は具体的に詰めようということになりますと、仮に二十ふやすとしても、そのうちの十便は実は去年の秋に削ってしまったものを戻してやるということをせざるを得ませんので、実質的に上乗せになります分は実は十発着五便しかない。その五便をどこへどう持っていくかと、こういうことになりますと、国内線の場合は通常一日一便がたてまえでございますが、それを一週間に何便というふうなことまでして、御要望にどこまでこたえられるかというあたりのところを、いろいろと苦労をしながら書いたり消したりしてきたわけですけれども、なかなか皆さんに御納得いただけるような明快な案が出てこないということもございます。しかし、だんだんと夏の多客シーズンにもなりますので、先生のおっしゃる意味も私ども十分に理解し、認識しているつもりでございます。大臣等ともひとつ十分と御相談申し上げながら、なるべく早い時期に、少なくとも余裕の生じた分は十分適切にふやしていけるような措置をとってまいるようにしたい、こう考えております。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 時間が来たんですけれども、どうも最終的には大臣の決心にあるというふうに私は思うんですが、そこらで今後の見通しと、ぜひお願いをしたいということで、えらい地方のことを申し上げてまことにこういう場で恐縮ですけれども、実際そういうふうなことで地元はもう一日も早く認可されることを待っておるわけでございますので、将来の見通しも含めて大臣のひとつ前向きの御答弁をお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 広田委員の大変謙虚な御発言がありましたが、武士は相身互いでありますから、御心境よくわかります。各方面からの要望は熾烈でございまして、特にこの乗客が何%ぐらい乗っているかという調査等もございますので、そういう点も勘案しながら、先ほど航空局長が多客期にはその御要望の一部にこたえられるようにいたしたいと。何しろとにかく候補者がたくさんおりましてね、いまのように一日一便というようなわけには全般としてはまいりかねるような状態でございますので、しかし、できるだけ多くの地方にそういう増便の可能性が実現するように努力をいたしたいと、こう考えております。

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時四分休憩      —————・—————    午後一時三十九分開会

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 最初に御承知のとおりに六月の二日に、信越本線の篠ノ井駅での修学旅行列車と貨車との衝突事故、また相次いで六月四日には岡山駅構内で入れかえ作業中の客車二両が脱線するという、これはいずれも私は現場にいたわけではありませんけれども、職員の不注意による事故ではないかと推察されるわけなんですが、こういう事故が起きております。さらに昨夜は、新幹線東京駅におきまして、入れかえ用の重要ポイントであります五十九号ポイントに故障が生じまして、多大の乗客に迷惑をかけたという事故が起きておりますけれども、このような事故が起きました概要と、どのように取り組んでいかれるのか、この点につきまして、大臣いらっしゃいませんが、総裁いらっしゃいますから、総裁からお答えいただきたいと思います。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○説明員(藤田義人君) 私の方から説明をさせていただきたいと思います。  まず、六月二日の篠ノ井駅構内の衝突事故でございますが、いろいろ新聞でも報道されておりましたが、この列車衝突は、入れかえ作業中にいわゆる突放車両に対してブレーキを担当する職員が添乗しておるのを操車掛が確認しなければなりませんが、その確認を欠きまして突放したと、またそのブレーキを担当する人間がそれに欠乗したということで、ちょうど入ってまいりました修学旅行電車の八八〇三列車でございますが、その列車にぶつかったということでございます。  また、六月四日の山陽本線の岡山駅構内におきます事故でございますが、これもまた入れかえ中にありました事故で、入れかえ機関車が客車二両をもちまして転線する作業の中で、入れかえ標識に従って操車掛が機関士を誘導し、転線するわけでございますが、その入れかえ標識の確認を欠いたために起きたという事故でございます。  また昨夜の東京駅におきます新幹線の五九号のポイントの問題につきましては、たまたまその前に五月の十九日とそれから二十四日でございましたか、二回発生しておりましたのですが、その際いろいろと手を打っておりましたのですが、不幸にしてこのポイントはいままでのとは違うもう一つのポイントの方でございます。事故内容としましてはちょうどこのポイントを定位側、反位側と二つのあれがございますが、その状況に対してロックするそのロットがございます。その取りつけているところで傷が入り十分な鎖錠条件をつくらなかった、いわゆるCTCの方にそういう不動作が入りまして列車をとめ、この間の復旧をして六十分ばかり列車をとめましてから運転再開に至ったという内容でございます。  前の二つにつきましては、入れかえ作業中に起きた事故でございまして、これにつきましては正しい入れかえ作業を実施する、また特に入れかえについては操車が中心でこの作業をやってまいりますが、この作業者間のいわゆるグループの中の連絡または確認を徹底さしていかなければいけない、こういうところが欠けていたということで、この点についても十分再指導していきたい。いずれにしろ、こういう事故について十分その内容を生かしながら再発防止に対して一層努力いたしたいというふうに考えております。  また東京駅のポイントの問題につきましては、前回の事故からこの事故原因につきまして、鉄道技術研究所にその傷の入りましたロットを持ってまいりましていろいろと分析調査等、事故原因の追求をいたしておりますけれども、いわゆる列車の繰り返し振動によってそういう亀裂が入ってきたのではないか。またこの金具につきましては、一年半ごとに定期的にこれを取りかえて交換してまいっておりますが、今回のものは前回取りつけましてから一年二ヶ月経過したものでございまして、とりあえず新品と交換いたしましたが、この故障にかんがみまして金具の強化を図るなど、また定期的な交換周期も変えていきたい、特にいわゆる新幹線の東京駅は非常に動作回数も多く、使用頻度も高いポイントでございますので、一層の点検強化なり、そういうような手段を講じて再発を防止していきたいというふうに考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 特に私お尋ねしたいんですが、昨夜の新幹線のポイントの事故ですけれども、これはいまお話がありましたとおりに、五月の十九日にもこれは金具にひびが入りまして上下線が約一時間半とまりまして、九十本のおくれが目立って約九万人の人が影響を受けております。いま局長は五月の二十四日とおっしゃいましたけれども、二十六日のことじゃないかと思いますが、二十六日ですね。二十四日じゃないと思う、二十六日だったと思いますが、この日はまくら木が一ミリ余り沈下したために、やっぱり三十分ぐらい不通になって五十七本がおくれている。そして昨夜上下三十一本がおくれて一時間二十分ぐらいおくれている。言うなれば東京駅というのは新幹線の出発の駅でありますし、ここで事故が起きるということは一体どういうことなのか、特にこの五月の二十六日の事故のときには、深夜にいろいろなポイントを分解するなり、修理するなりして徹夜で徹底的な作業が行われている。にもかかわらずこういう事故が起きたということは、これはちょっとただ単なる事故でありましたというように看過するわけにいかないと思うんですけれども、総裁ここらあたりいかがでございましょう。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 四月以来全国的に見まして、実は篠ノ井の例に見られましたような衝突事故あるいは東京駅の例に見られますような列車遅延を伴います事故、これが統計的に見ましても少しふえておるわけでございます。五十一年、五十二年、五十三年横ばいないし若干事故件数が減っておったわけでございますが、ここのところへきまして四月、五月と大変申しわけない次第でございますが、事故がふえております。全体として、何といいますか、その事故の内容は、東京駅の場合はちょっと別でございますが、概して当然励行すべき約束事が励行されてない、ケアレスミステークというようなものが非常に多いわけでございまして、このことは私どもとして非常に深刻に受けとめております。最近、昨年の秋にかなり大幅な列車ダイヤの改正をいたしました関係もありまして、ことしの三月から四月へかけての職員の職種変更あるいは人事異動あるいはまた勤務場所の変更というようなことがふだんの年よりも少し多くなっておるわけでございまして、その結果、何といいますか、勤務しております一人一人の職員の勤務内容が変更することに伴って起こっておるというようなことでありますと、非常に心配でございます。  そこで、先般来こういう現象にかんがみまして、特に本社からもそれぞれの出先へ人を派遣いたしまして、きわめて基礎的なことであるところの約束事を励行させるべく、改めて現場管理者を通じて職場の雰囲気を引き締めるように指導いたしておるわけでございますが、その指導の最中にまたこうした事故が起きてきておりまして、私も非常に何といいますか、気にしておるところでございます。しかし、これは安全ということは、国鉄にとりまして一番何よりも真っ先に確保していかなきゃならない最小限の要請事項でもあることは重々承知をいたしておるわけでございまして、一段と現場への指導ないしそういう基礎的訓練についての注意を喚起をいたしまして、こうした四月以来の傾向に何とか歯どめをかけたいというふうに思っております。利用者の皆様あるいは国民の皆様に大変御迷惑をおかけし、また、不安の念を持っていただくような事態になっているということは、これは大変大問題でございますので、ここのところ担当者相寄りまして、いま申しましたような形で個別に指導に努めております。一日も早くこういう事態から抜け出したいと思っております。  この機会に、こういう事故が起こりましたことにつきまして、おわびを申し上げる次第でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで、いま大臣がお着きになりましたが、大臣がお着きになる前に、最近の国鉄の事故が相次いで起きている問題をお尋ねをいたしました。それに対して御答弁をいただきましたが、その中で信越線の事故、また岡山駅の事故、新幹線の事故を通じて、いまお聞きしたことで、私、気になることがあるんです。それは、連絡をとるべきところが連絡をとってなかった、確認すべきところが確認されてなかったと、そういう不徹底がされたために起こった事故とみなされても仕方がない。それと新幹線の場合には、励行すべき約束事が励行されてない。こういうことをいまこの場所でお聞きいたしまして、これは本当に私は職員の基本的作業の基礎となるべき根本じゃないかと思いますが、この励行と、重要施設の管理というものは安全輸送を本来の業務とする国鉄にとりましては重要課題ではないかと思うんです。どうしてそういう確認すべきことが確認されなかったのか、連絡がとれなかったのかということにつきまして、この三、四月に人事異動が行われたけれども、例年よりもかなりの人事異動が行われた、そういうところで、勤務内容の変更に伴って起きた事故ではないと思うけれども、もしそれから出た事故であるならば、これは大変なことであるというようなお答えでございますが、いま言うような、このような安全輸送を本来の業務とする国鉄にとりましては、これは私たちから言うならば、基礎の基礎がこのように徹底されてないということは、弛緩しているのではないかと思わざるを得ません。特に、この連絡、報告がとれてないということは、これは国鉄だけではありません。一般の企業であれ、あらゆるすべての団体であれ、この連絡、報告がとれてないということは、われわれの体に当てはめるならば、半身不随と同じ状態ではないかと思うんです。五月の十九日、五月の二十六日、六月の四日と、同じ東京駅構内でこういうことが起きるということは、その半身不随と同じような状態が端的にあらわれているんじゃないかと思うんですけれども、こういうようなことに対して、やはり解決し、国民にそういうような不安感といいますか、これを取り除いていくための対策というものを明らかにすべきではないかと思うんですが、運輸大臣にその決意のほどをお聞きしたいと思います。  また、総裁がいま控え目に申されたと思いますけれども、こういう基礎的訓練の徹底ということに対しまして、ただこういう徹底じゃなくして、もう少しやはり国鉄でございますから、国民の命を安全輸送すべき使命を持った国鉄でございますから、この指導徹底をもっとやっていただきたいことを総裁にお尋ねしたいと思いますけれども、その点お願いいたします。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 輸送の安全確保は国鉄の最大の使命であります。お話がありましたように、篠ノ井駅の事故等、最近国鉄において従業員の取り扱い誤りによる運転事故が頻発しておりますことは、まことに遺憾にたえません。先ほど国鉄総裁に対しまして、安全管理の体制の確立と基本的な作業の中での安全確認について徹底した措置を講ずるよう強く要請をいたしました。こういう文章であります。   最近、従事員の取扱い誤りによる運転事故が頻発し、注意を喚起してきたところである。   申すまでもなく、公共輸送機関として、輸送の安全確保は最大の使命であるにもかかわらず、安全管理体制の不適切と基本的な作業の中での安全確認が確実に行われていないことの結果によるものと認められ、誠に寒心に堪えない。   よつて、この際、徹底した措置を講じ、もつて国民の負託に応え、その使命を全うするよう強く要請する。 という文書をきょう昼の時間、ちょうど田代委員が御質疑を決意をされた前後に、私どももこのままほうっておけないということで、昨日来このことについて対策を講じ、このような文書をもって国鉄総裁に注意を喚起をいたしたわけでございます。  いずれにいたしましても、この種事故が起きる実際の背景はどうなっておるかということをよく調べ、それから、また従来、この種事故に対する対策等に遺憾なきように万全の措置が講じられたかどうか、責任の追及等が十分行われたかどうか、そういう問題について総裁の方で十分ひとつ注意してやってもらいたいということをきょうは総裁にお願いをしたわけでございます。田代委員が先ほどからおっしゃっていることは一々ごもっとも、私も同じような感じを持っておる次第でございますので、今後安全の確保につきましては万全を期してまいりたいと思いますので、了承をお願いいたしたいと思う次第でございます。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 先ほどもお答え申し上げましたように、かねがねといいますか、この春以来大変おもしろくない現状になっておりますので、気を配っておった失先でございます。ただいま御指摘もございましたし、また、いま大臣のお話のように、きょう文書による御注意も賜りました。何とかこういうことから早く抜け出すように指導してまいりたいと思います。  指導の心構えといたしましては、やはり現場現場におきます基礎的な作業手順、守るべき約束事、これを着実に励行いたしますように職場における注意喚起と基礎的訓練といったことを主体に、ここ短期間の間にレベルアップに努めてまいりたいと思います。ぜひともこれを徹底するということで御了承いただきたいと存じます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 それでは引き続きまして航空機の墜落事故の問題についてお尋ねをしたいと思います。  御承知のとおりに墜落事故が起きまして、関係者の皆様にとりましては非常に大変なことだったと思いますけれども、私たちの運輸委員会の立場からは、不幸は不幸として、また将来のために、この機会に反省すべき点は反省し、そうして不断の努力を重ねて、再び事故を起こさないように努めていくのがわれわれの立場ではないかと思うのでございますけれども、この航空機事故を防止するためには何が一番大事か、さまざまなことが言われるわけでございますが、一つは、じみな仕事であるかわかりませんが、ふだんからの対応が大事であるのではないかと思うわけなんです。その場合、航空機のメーカーと、それから航空機の型式などを承認したその国の政府または航空会社、つまり、ユーザーやそれぞれの国の政府がいろいろな情報をお互いに交換していくということは非常に大事なことではないかと思うわけなんです。これは一つの事実起きたことで、反省させられる点は、一九四七年に、御承知のとおりにトルコ航空機が墜落をいたしました。そのときはそのときの原因と考えられまして、その原因というものは事前に同様な事故が起きていた。貨物ドアの故障でございますけれども、そういうことが起きていたけれども、FAAがダグラス社に素早い改修措置を命じなかった。そこで命じていたならば、この事故は起きずに三百四十六人の犠牲者を出さずに済んだのではないかということも指摘されているわけなんです。このようにいろいろな情報というものは未然に大事故を防ぐ場合もあり得るわけでございますから、このことにつきまして国際的にいまどのように行われているのか、ひとつ御説明をしていただきたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 先生おっしゃいますように、わが国の航空機はほとんどが米国製でございますので、メーカーはもとより、これに対して耐空証明を出しました、米国で申しますと運輸省の連邦航空局とわが方の航空局との間の連絡、こういうものがより密接になることはまことに望ましいことでございます。現実には米国運輸省の連邦航空局と私どもの運輸省航空局との間には直接の連絡ルートというものを持っておるわけでございます。そのほかにも連邦航空局の職員が在日アメリカ大使館に派遣になっておりますので、ここを通して相当頻度多く内容の高い情報の交換をすることも可能でございます。また現に行われております。また、必要によりましては在ワシントンの日本大使館を通して、FAAに対して直接資料を請求するということもできるわけで、現に今度の事故におきましても、私どもの方は後で御説明申し上げますが、多少ルートの混乱がございましたので、この方法を使って的確な情報を後から確認をするというふうな手段も講じた次第でございます。  そのほかに民間の情報交換のシステムといたしまして、日本航空も全日本空輸もあるいは東亜国内も、いずれもそれぞれのメーカーでありまするボーイングとかダグラスあるいはロッキード等との間に各種の直接的な連絡ルートというものを持っております。実は今回の場合も、FAAからの情報がどちらかというとおくれぎみであったのに対しまして、ダララス社から日本航空に入りましたテレックスによる情報というものは、わりあいに早い時期に流されておったような経緯がございます。こういうふうなものは、今後とも十分に生かして使うようにしたいと考えております。  そのほかにも、特に日本航空あたりでございますと、駐在員を相当数米国に派遣をしておりますし、また彼らも何人かの連絡窓口的なものをこちらに派遣しております。その駐在員を通しての直接、間接的な情報の交換ということも可能になってまいっておりますし、また、特にこれもJALの場合にそうでございますけれども、いろいろな面で相互に運送契約その他を結んでおる外国会社がかなりございます。そういうところとまた絶えず情報の交換を行っていくというふうなことで、常日ごろそういった情報の積極的な収集ということには努めてまいったわけでございますけれども、実は今回の事故におきましては、恐らくFAA側の方に非常な混乱があったのではないかと思います。  したがいまして、たとえば一つの例として申し上げますと、三十日の早朝からの全機の飛行停止の指示のごときものも、役所の方にしかるべき筋を通して流れてもまいりましたけれども、朝の八時ごろ私の自宅に、ここにおりますFAAの駐在員が直接電話をかけてくるというふうな異例の措置をとったりなどしておった例がございます。多少FAA側に混乱があったように思いますので、再び私どもの方からFAAあてに手紙を送りまして、こういった異常、緊急の場合の連絡方式についてもう少しはっきりしたものを確立したいということを近く申し入れたい、このように考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そういうような国際的な情報交換が行われまして、それによりまして改良を加えたり、あるいは場合によりましては運航停止にするようなこともあって安全を確保していくということでありますけれども、航空機の安全を確保するために、相当以前においてはオーバーホール方式をとられておりましたけれども、技術が進歩した今日は、信頼性管理方式がとられているということを聞いておりますけれども、信用性管理方式というものはどういうものか、簡単で結構でございますから御説明いただきたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 大体エアバスあたりの設計に入りますころから、従来のDC8、707等と違いまして、航空機の設計に関する考え方が変わってまいったようでございます。  最近の航空機設計思想の変化と申しますのは、機材の品質水準というものをあらかじめ予測をいたしまして、それは幾つもの部品から成り立つわけでございますが、そういったようなものの間に、品質のみならず、寿命的にもよく十分にバランスのとれたような、アンバランスにならないような工法というものであらかじめ設計を行う。そういうことを前提に必要な部品についての品質水準というものをあらかじめ決めておく。次に、これらの品質状態を一定の点検方式によって常時監視する。これも、最近非常にこういった各種の監視方式というものが発達をしてまいりましたので、これを飛行機の中に組み込み、その他の工法によって取りつけることによりまして常時品質を監視するようにする。そういたしますと、設計のときにあらかじめ定めてございました一定の品質というものに対して現状がどういう状態になっているのか、だんだん低下の傾向を示しているのか、同一品質を維持しているのかというふうなことがチェックできるわけでございますが、このチェックのやりようが、また何せ膨大な数の部分についてチェックをしなければなりませんので、コンピューターを導入した相当大規模な統計処理を行う、あるいは予測処理を行うというふうなことによって、この部品は早期に取りかえるべきであるとか、この部品はまだ使えるとかいうふうな判断をしていく。要するに、あらかじめ全体の部材、構成部品等につきまして一定の水準を想定して設計を行い、その性能が維持されているかどうかを各種の方法によって絶えずチェックし、そうしてそれによって得られたデータをコンピューター処理のような方法によりまして的確に解析をいたします。少しでも問題点があれば、早目早目に手をつけていく。そのかわり、全く異常なく動いているものについては、従来のオーバーホールのように、わざわざその異常のないものを取り外して、ばらして、組みつけるときにトラブルを起こすというふうなことは避けようというふうな考え方でやっておるのが、先生おっしゃいました信頼性管理方式というものの概略であろうかと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま信頼性管理方式というものについて御説明をいただきましたが、従来のオーバーホール方式よりも数段進んだやり方だと思います。このような、常時、品質を監視するという、こういうやり方で早目にいろいろ交換をしていくと、従来と違ったやり方をしているにもかかわらず今回のDC10のような大きな事故が起きた、これは私は一体どういうことかと、特に、航空局長は歴代の航空局長と違いまして、技術畑では運輸省の中でも第一人者だということを聞いておりますから、そういう技術者の立場から見て、このような信頼性管理方式がとられているにもかかわらずこういうDC10の事故が起きたということをどのようにとらえていらっしゃるのか、お尋ねいたします。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 私、航空の方の別に専門家でもございませんので、的確なお答えが申し上げられるかどうかわかりませんけれども、私の現時点において理解いたしております限りについて申し上げますならば、従来のオーバーホール方式であろうとあるいは品質管理方式であろうと、エンジンをぶら下げております。パイロンというものについて、どういうふうな考え方で設計をしたかということが問題であったろうと思います。もともとの整備の指針によりますと、一万二千時間とかあるいは二万時間とかというふうな時間でこれをチェックすればよろしい。それはそれなりに、そのために今度はメーカーの方としては十万時間とか十二万時間とかというふうな疲労試験というものを実施いたしまして、それは十分にその期間は保証できるという前提の上に、先ほど私が御説明しました、一定の品質水準を念頭に置いて設計し、というのは、その十万なり十二万時間というものは大丈夫であるということを前提において設計をし、したがってチェックをするのも大体一万二千とかあるいは二万とか、そういう時間でチェックをしていけば十分に通常の品質が維持できると、こういう判断でスタートしたのであろうかと思いますが、現実には、しかし問題が出てきておる。これが設計上の問題なのか、材質の問題なのか、あるいは整備上に問題があったのか。と申しますのは、エンジンを取りつけて、このパイロンというのは何トンという相当の目方になりますので、これを正確に部材に取りつけるという作業が当然なされなきゃなりません。これに無理にこじったりなどいたしますと妙なところに力が入る、そういうふうなものが積もり積もってということも考えられます。しかし、これらはすべて現時点では憶測の範囲を出ませんので、NTSBの現在行っております事故解析の結果というものを注目したいと思いますけれども、信頼性管理方式そのものの破綻ということではなくて、この部品についての基準性能というものを置いたその置き方が妥当だったかどういというところから始まって、設計のありよう、あるいはメンテナンスマニュアルを含めての運用の仕方、そういう点全般について適切だったかどうかという別の意味で、これは大いに検討しなければならない問題ではないだろうか。仮にオーバーホール方式であったとしても、恐らくこの部材は二万時間ごとに全部あけてばらして締め直すと、こういうふうな規定になっておったんであろうかと思います。ということでございますので、整備方式そのものの矛盾あるいは破綻が出たということではなくて、基本の設計から始まった段階以降の面において、まだ原因がはっきりはいたしませんけれども、そこら辺のところを速やかに解明して基本的な対処方針を決めていくということが大事ではないかと考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 次に、いま局長がちょっと述べていらっしゃいましたが、五月二十六日のシカゴにおきますDC10の事故の第一報が入りまして以来、運輸省は国内の航空会社、特に日航に対してあるいはFAAとの間にどのような情報交換を行われたのか、またそれぞれの情報交換の中で行われた行政上の措置についてどのようにされたのか、経過を追って御説明いただきたいと思いますが、またいまもお話ありましたけれども、FAAの指示の内容を運輸省では明確につかめなかったと、戸惑いがあったと、このようなお話でございまして、このことを明確に今後できるような申し入れをするというような、こういうお話をいましていただきましたけれども、このような情報の流れにも不備な点があったということですから、これはやはり大事なことではないでしょうか。いまさっき、私、国鉄の事故の問題を質問した折にも、確認すべきことを確認されてない、励行すべきことが励行されてない、それから連絡がとれてなかったというようなところに事故が起きておりますし、これも連絡の中身が不十分であると。こういう特に航空機の場合は情報というものが大事である、こういうようなシステムが明確に確実な内容で伝達されるような、そういうようなものに改めていかなくちゃならないじゃないかと思いますが、この点につきまして局長並びに大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) まず、私の方から御返事申し上げますが、五月二十六日、以下すべて日本時間で申し上げますが、午前五時にこの事故が起こりました直後におきましては、私どもニュース等で承知はいたしましたけれども、原因がどこにあるかという点については、やはり海の向こうのことでもございますし、必ずしもよくわからないままでございました。ただこれをとらえまして、大臣の方から今後の各航空会社の整備についての心構えをこの際ひとつ他山の石としておこうということで、たまたま土曜日でもございましたので、翌月曜日に、大臣のところに三社の社長に集まってもらって、口頭で大臣から注意を喚起したわけでございます。  それは別といたしまして、具体的事実を以下順序を追って申し上げますと、五月二十八日、月曜日の昼ごろになりまして、ダグラス本社が緊急サービスブレティンというものを出しております。これはFAAの承認を得たものではないけれども、ダグラス社としてはこの点について問題があるのではなかろうかと、よってこういうふうなやり方で整備をしていくことをダグラス社としては推奨したい、こういう趣旨のものと理解してよろしいかと思います。これが同じく二十八日の午後、昼過ぎでございますが、日本航空には入手されたわけでございます。日本航空といたしましてはそれを前提に、追ってFAAの方から何らかの指示があるだろう、それをオーソライズする形で指示があるだろうということを念頭に、ダグラス社の出しましたサービスブレティンA54—68というのに従って点検を開始したわけでございます。準備的な作業を開始したわけでございます。  連邦航空局の方は、明けて五月二十九日の真夜中、これ日本時間ですから真夜中になるわけでございますが、耐空性改善命令というものを発出いたしました。これはダグラス社がさきに出しましたサービスブレティンというものを承認する、追認する、あるいはオーソライズするというふうな形で出てまいったものでございますが、内容はいろいろございますが、一番大事な点としてとらえておりましたのは、スラスト・リンク・ボルトの点検、つまりエンジンの推力を羽に伝えるためにボルトが二本あるわけでございますが、このボルトの折損されたものが墜落現場近辺から発見されたということに基づいたのだろうと思いますけれども、このボルトを点検しろという命令が出てまいりました。これを受けまして、五月二十九日の夕方に私どもの方は耐空性改善通報を出したわけでございます。  何でここにこれだけのおくれが出たかということでございますが、日本時間の二十九日午前零時五十八分という時間では、わが方としては役所としての活動が全然ございませんので、この時点では受け取りようがなかったわけです。しかし、日航に対しては諸般の情報が入っておりましたので、私どもの方は先ほど第一問について御説明申し上げましたいろんな方法でFAAに対してコンファームを迫ったわけでございますが、結局FAAの通常の電報、KDDを通す電報という形で連邦航空局の改善命令が入手され、それを受けて五月二十九日の夕刻にわが方が通報を出した。ここに多少のおくれがあったことは事実でございます。しかし、作業は日航の方において別途進んでおったわけで、したがいまして、二十九日の夜十時ごろにはほとんどすべての点検を完了した、こういう状態でございました。  ところが、明けて五月三十日の日本時間午前二時、連邦航空局は、追って耐空性改善命令の訂正を出すまでの間とりあえず飛行を禁止せよと、これはアメリカ国籍機に対する指示でございますけれども、そういう指令を出した。この条項は同じく五月三十日の早朝に私どもの方にいろんな方法で連絡が入ってまいりました。先ほどもちょっと御報告しましたように、私の自宅にもそういう電話連絡が入ってまいりました。  そこでわれわれとしては、まず口頭で日本航空に対しDC10型機の全面的な飛行禁止を指示するとともに、文書でこれを後から追認するという形をとったわけでございます。同じく五月三十日の午前九時ごろ、ダグラス社は緊急サービスブレティンA54−69というものを出しまして、点検する場所を変えて、より大事なところはここだということを指摘して、点検の場所と方法を指示してまいりました。これは受けて連邦航空局は、同じく三十日の十時ごろ耐空性改善命令の改訂版を出したわけでございます。で、日本航空は、三十日の午前中にこれらのサービスブレティンを入手いたしましたので、直ちに点検の準備作業に入る。私どもの方はやはり同様、多少のタイムラグがございまして、五月三十日の夕刻に耐空性改善通報を出しました。日航としては早目に手をつけてございましたので、五月三十日の夜までに八機のうち一機を除いて全機の点検と整備を完了した。したがって、この八機につきましては、五月三十一日の午前一時に向こうの責任者の専務からその旨の報告がありましたので、それを受けてわが方は飛行禁止の解除を指示したわけでございます。残っておりました一機につきましては、五月三十一日の夜に完了をいたしました。私どもの方は六月一日の夕刻、すべての飛行機、最後に残っておりました一機についてさらにチェックの上飛行禁止を解除した。  これが大体順序を追って、メーカーと連邦航空局、私ども及び日本航空、この間でどういうふうな時間差で作業が進んでいったかということの御説明でございますが、お気づきいただきましたように、メーカーであるダグラスはわりあい早目に緊急サービスブレティンというものを出し、先ほど冒頭の御質問に御返事しましたメーカーとユーザーとの間のダイレクトルートというものによって、日本航空はわりあい早い時期にこれらを入手しております。ただ、FAAがこれを追認するのに多少時間がかかった、あるいは追認したものを各国政府に流してくるのに時間がかかったというふうな点が今回いささか気になってまいったものでございますから、冒頭お答えしましたような形で、今後こういう点をもう少しきちっとしようではないかということをFAAの方に申し入れようと、こういうふうに考えているわけでございます。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 先ほど局長から話がありましたように、DC10の事故は二十六日でございました。ちょうど土曜日でございまして、私はその報道を聞いて日本の航空各社にもそのことを注意喚起をしなきゃいかぬなと思っておりましたので、翌日は日曜日でありましたから、早々に、二十八日、航空三社——日本航空、それから全日本空輸及び東亜国内航空の社長を大臣室に招致をいたしました。御承知かと思いますが、日本の航空各社は競争激甚なせいか、なかなかこの一両年、大臣室に一堂に会するということはなかったそうでありまして、それを私が初めて三社の首脳の顔合わせをいたしたわけであります。ですから、記者クラブの一部では少し大臣オーバーじゃないかというようなこともその直後は言われたものでありましたが、ちょうどその日の夕方ごろからいろいろ情報が入ってまいりまして、三社の首脳に安全について特に留意を願いたい、DC10だけではなくて他の大型機についても同じような措置を講じてもらいたいということを要望いたしたわけであります。当面はDC10に重点を置かれておりますから日本航空だけでございますが、航空機は大型化してまいりますから、事故が起きると非常にたくさんの死者を出すという大惨事も起こるわけでございますから、特にその点を注意を喚起いたしました。  またその後小型機と申しますか、STOLというのは何と訳すんですか、小型機といいますか、そういう事故等もございますから、それに引き続きまして、南西航空及び近距離航空の首脳部にも航空局長の方から、この際、航空機の事故について特に注意をするようにという連絡をしておるわけでございます。  その後の経過は、ただいま航空局長から御報告申し上げましたような経過で、私ども当初予想しておったよりははるかに深刻な問題を含んでいたわけでございますが、現段階といたしましては、事故の真相というものがまだ十分につかみ切れておらないわけでございますが、現段階といたしましてはできるだけの措置を講じてまいったつもりでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま森山運輸大臣から、このような三航空会社の社長が一堂に会することはないということを実現されたという、これは歴史に残るべき会合だと思いますけれども、このようにして安全運航のための徹底を図られた、これが二十八日でございます。この事故が起きました直後、FAAがDC10の全面運航停止を勧告してきております。ところが、御承知のとおりに、日航はどうしたのかと言えば、日航は、二十九日じゅうに保有するDC10の点検を済ますと運輸省に報告をしております。ところが、二十九日の朝、成田発マニラ便のDC10が点検もせずに出発をしている、このように新聞に載っております。それであったならば、二十八日に大臣がこのような日航の社長も呼んで徹底を図られたということが不徹底になっておりますけれども、これは新聞の報道が間違っているんでしょうか。ヨーロッパにおいては、早速、航空会社がいち早く航空安全点検のためにDC10の運航を停止している。もしそういうことであるならば、ここで論ずるよりも対応というものが機敏でないと言われても仕方がないと思いますけれども、ここらあたりの問題はどうでございましょうか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 航空局長から答弁いたさせます。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 実はこれは二つの点で多少新聞報道が事実と違う点があるように私ども理解をいたしております。  一つは、アメリカの東部標準時というものでアメリカの耐空性改善命令が出ております。これを時差によっていろいろといじるものでございますから、国によっては朝早くなったり、国によっては夜遅くなったりするというふうな点の違いがございました。これは後ほどもう一度御説明を申し上げます。  それからもう一つは、すべてのDC10の飛行を直ちに中止せよというのが出された耐空性改善命令の内容ではなかったわけでございます。念のために申し上げますと、所定の措置というのがずっと書いてございまして、この所定の措置が未整備であるDC10型機については、日本時間の五月二十九日午後四時以降有償で、つまり旅客を乗せる等の状態で出発してはならない、こういうことでございます。ですから日本時間で十六時ということになるわけでございますが、たとえばヨーロッパでございますと、これが朝の七時とか八時というふうな時間帯になってくるわけでございますので、整備ができていなければ七時、八時から飛行機が飛ばせない、つまり朝から飛んでない、こういう現象になるわけですが、日本の場合には十六時以降、こういうことになるわけでございます。  御指摘のございましたマニラに飛んでまいりました飛行機は、朝の八時半に実は成田を出ていった飛行機でございます。八時半に出まして、マニラを十五時四十分に折り返して出発をして帰ってきた。でございますから、このFAAの出しました耐空性改善命令は、二十九日の十六時以降、処置の済んでいない飛行機を有償で飛ばしてはならないということでございますから、この面からいきまして特に違反であるというふうなことには、まずなっていないわけでございます。  それからもう一つ、このFAAの出しました命令は、本来的にはアメリカ国籍機にのみ強制力を持つものでございますので、私どもとしては、また別途の解釈による耐空性改善通報というのを出しておりまして、これはすべてのDC10型機を二十九日じゅうにFAAの指示する方法に従って整備を完了せよ、こういうことでございました。この飛行機は成田に戻ってまいりましたのが午後七時半前でございますが、それから直ちに整備にかかりまして、二十九日の夜十時ごろには整備を完了いたしておりますので、私どもの出しました耐空性改善通報にも実は違反をしているというわけではございません。ですから、多少新聞の書きようによりまして非常なバイオレーションのようにとられる報道がなされた向きもございますけれども、厳密な意味では御指摘のようなそごは起こしていないというふうに私ども考えておりますが、たまたま、これはそういうことできちっとやらせたつもりではございますけれども、先ほどの御質問に対する御返事も申し上げましたように、これらの指示、指令というものが的確に伝わってまいりませんと、場合によっては失敗をしてしまうということがあり得るわけでございますので、そういう点につきましては今後とも十分に注意をしてまいりたいと、こう考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 これは理解できました。  では、次に質問いたしますけれども、理解した上でございますけれども、やはりこれだけいま時間を追っていきますと、二十八日からさまざまないろいろなそういう情報を入手されていらっしゃいますし、そういうことでやはり、これは大事を踏むべきであったのではないかと私は思うわけなんですが、時間的に五月二十九日の十六時以後であるし、マニラを立ったのも十五時四十分、ぎりぎりのところでございますけれども、これは、時間的にはそうであったかわからないけれども、安全性という点から言うならば配慮すべきではなかったかと、また、そのような措置をとってこそ姿勢を正したことになるのではないかと私は思うのでございます。  そこで、そういう改善の通達が参りまして、事故を契機にDC10を全部点検、調査されたと思います。またアメリカにおいても大小さまざまな欠陥が指摘されておりますけれども、具体的に日航機は何機調査して、どのような結果が得られたのか、また、どういうような処置をされたのか、わかる範囲内で御説明をいただきたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) まず最初に行われました耐空性改善通報によりまして、先ほど申しましたスラストボルトを全部点検さしたわけでございますが、これは一機に四つくっついておりまして、九機でございますから三十六本あるわけでございます。もともとの耐空性改善通報は、これを点検し、異常があったら取りかえろと、こういうことでございましたけれども、私どもの方はJALをして全部新品に取りかえさせました。抜き取りましたものをその後磁気探傷器その他によってチェックをいたしました報告を昨日受けましたけれども、これにつきまして一本も異常はなかったと、こういう結果でございます。  それから第二回目の、全機フライトをとめてやった大チェックでございますが、現在九機DC10型機を持っておりますが、その九機のうち五機については何らの異常を認めておりません。で、残る四機については、これから申し上げますような多少の異常がございましたけれども、いずれもこれらにつきましては正規の手続に従って整備をし直したということでございます。  まず羽田におりました一機につきまして、右側のパイロンのファスナーと呼ばれております小さなボルトみたいなものがございますけれども、これが一本破損をしておりました。これは新品と交換をいたしました。次に、福岡におりましたもう一機、これが左側のパイロンについて同じくファスナーと呼ばれる小型ボルトの二本について緩みを発見いたしましたので、これを正規の力で増し締めをいたしました。アンカレジで点検をしておりました一機につきましては、右及び左のそれぞれのモノボールという、これはエンジンパイロンを翼からつり下げるところにはめ込んである部品でございますが、これが多少正規の位置からずれておるということが発見されましたので、正規のポンチマークに合わせボルトを締め増しをいたしまして正規の状態に戻しました。それから、成田におりました一機、これは左エンジンについてファスナー一本破損、右エンジンについてファスナー二本破損、こういう状態が発見されましたので、いずれもこれらは新品と交換をいたしました。  外国機につきましては、いまだ必ずしも正確な全情報を私ども把握しているわけではございませんけれども、二十九の航空会社、百五十九機について点検を完了——これは六月二日時点の情報でございます。その中で、調べたところによりますと、いろいろと故障が出ておりまして、大きなものは十一機について、ファスナーの破損、合計三十七本が発見された、あるいはモノボールにつきましても、十四機につきまして前、あるいは下部のモノボールについていろいろと正規の位置についていないとか、あるいはワッシャーが緩んでいたとか、あるいはボルト締め上げトルクが緩んでいるとかいうふうなことが発見をされ、報告をされております。六月二日現在で未報告の航空会社が十四社あったわけでございますが、ちょっとさかのぼりますけれども、三十一日の午前七時、日本時間午前七時で一応どの程度グラウンドしているかということを調べましたところでは、アメリカで七機がグラウンドをして整備をしているという状態であったようでございますから、まだ全世界のを的確に把握するに至っておりませんけれども、米国における点検の結果は日本航空のものに比べますとやや程度が悪かった。これは機体が古いというようなこともあるいは原因として入っておるのかもしれません。もう少し委細に分析をしてみないとわからないわけでございますけれども、大体私どものつかんでおります概要は以上のようなことでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま詳細に御報告をいただきましたが、これは私も航空機の専門家でございませんから、詳しくは申し上げるわけにはまいりませんけれども、私がお聞きしたのでは、DC10が世界で四十一社、二百七十五機が飛んでいるそうでございますけれども、五月四日までにその二百七十五機のうち、六十八機は何らかの問題がある。そしてその中でも二十九機は金属疲労に基づく共通のこういうひび割れというものがある、こういうような異常な問題が報告されておるわけでございまして、現在墜落したその原因につきましては、第一次原因となった空中でのエンジン離脱は、メーカーのマクダネル・ダグラス社のパイロン部分についての強圧検査や計算や疲労試験が十分でなかったといった設計ミスというような疑いが濃いということで、まだ結論は出されていないわけなんですが、それ以外のいろいろな状況を調べてみますと、ボルトの緊急点検を行ったおかげでそのような、いまさっき申されたように、最初に改善命令がボルトの点検ということでありましたから、それに従ってやったユナィテッド航空機では、より重大な異常が見つかった。それはパイロン後部の翼と接する箱型の上板部分に五十センチぐらいのひび割れが入っていた。板を固定する周囲八十本以上あるリベットの三十本が飛んでいた、こういうことが指摘されているわけなんです。  また、アメリカン航空の事故機を調べたところ、同じような亀裂が発見された。そういうところからFAAは、こちらの方がより事故原因の根本ではないか。再度このような全DC10の運航を停止して、点検をするようにというような命令が出されたというようなことも承っておりますけれども、そういうような点検が済んで、百九十七機のうち延べ二十九機に、パイロン後部に共通する異常が見つかった、このようにお聞きしているわけなんですが、日本航空の六千時間から八千時間使った四機が含まれておりますけれども、そのひび割れは二機あったということで聞いていたんですけれども、それ以外にリベットの破壊、緩みがあったということでございますけれども、そういうひび割れ的な心配事項というものは、いまの報告にはなかったんですけれども、事実はどうであったのか。私はやはり、ここで明らかにすべき点は明らかにして、そして、安全運航できるように対処していくのが運輸省の立場ではないかと思いますけれども、この点ひとつお尋ねしたいんですけれども、どうでございましょう。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 先ほどやや詳しく一機ごとに私が申し上げました点検状況は、一部については私どもの検査官が立ち会ったものもございますが、それは別といたしましても、点検の内容について有資格でございます確認整備士が確認をして報告をしてまいったものでございますので、私は事実そのとおりであったろう、こういうふうに理解をしております。したがいまして、問題となるような亀裂というふうなものはなかった。ただし、百本からございますファスナーと称される小型の締め金具の中なんかについては、一本または二本の程度で折損あるいは緩みがあった。この程度のものであれば、即座にどうこうということはなかろうかと思いますけれども、いま先生おっしゃいますように、一万二千時間ぐらいのところで一応チェックをすると、こういうふうなもともとの設計思想でできておったものが、八千時間足らずのところでチェックしてそのような現象が生じているのが発見されたわけでございますから、今後は百時間または十日のいずれか短い期間で全部調べる、こういうことにいまなっておるわけでございまして、これを励行させてまいるわけでございます。したがって、この問題において、当面、直ちに問題をさらに大きく発展させるという要因はなかろうかと思いますけれども、しかし一万二千時間ということを念頭に置いてデザインしたものが、現実には百時間ごとに見てみないといけないというのは、やはりどこかおかしいわけでございますので、早急にこの点を解明したい。  ただ、私どもの方の技術力というものが、そこまで徹底解明ということがなかなかいたしかねる面もございます。したがって、こういう点については、関係各社からの情報がダグラス社にも入りましょうし、それを統計的に処理もいたしましょうし、また連邦航空局も相当の今度は責任を持ってこれに対処してまいるものと、こう期待をいたしておりますので、われわれとしては、当面、こういった短かい期間ごとの点検を着実に励行して、いささかも危険な徴候がないようにするということと同時に、別途われわれの持っている知識、経験の中から導き出せる技術的な手があれば考えていきたいと思いますし、また、FAAあたりをさらに督促をいたしまして、速やかに基本的な対処方針というものが定まるようにしていきたいと、こう考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで、国内問題に移りまして、この事故が起きた前後に、日本でもいろいろな異常を起こした飛行機があります。御承知のとおりに、六月の二日、東亜国内航空の花巻発の羽田便、これはYS機ですけれども、それと六月の三日、函館に緊急着陸しました全日空、以上についてどういう事故であったのか。特に、ここでお尋ねしたいことは、後でもあわせて聞きたいと思っておりましたけれども、六月二日のTDA花巻発の羽田便のおくれが六時間半だったそうでございますが、この間に乗客に対して何ら説明もなかったと。これは安全運航とまた別の立場から非常に問題ではないかと思うんですけれども、ここらあたりに対してどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思うんです。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) まず、六月二日の東京−花巻間の東亜国内の便、これはYS11でございますが、花巻空港で着陸態勢に入りましたときに、NO1エンジンの滑油圧力計が振り切れたというふうなことで、滑油圧力計をチェックいたしましたところ、その圧力計からデータを送ります発信機を接続いたしますプラグに不良があったわけでございます。この接続プラグを取りかえれば簡単に修理ができるわけでございますけれども、花巻空港にはそういうふうなものが実は常備されていなかったということがございまして、それを別途取り寄せて修理をした。技術的にはそれだけのことなんでございますけれども、いま先生おっしゃいましたように、その状況に立ち至りました時点で、乗客に対する的確なサービスと申しますか、案内と申しますか、これが実はきわめて遺憾な状態でしか行われていなかったようでございます。これは東亜国内が直接やっておるということではなくて、地元の会社にそういったグランドサービス的なものを委託してやっておるわけでございますが、どこに委託しようとも、東亜国内の名において航空機を運航いたしております以上、そういった点は一定のマニュアル、一定のルールに従って、的確な案内あるいはその後の善後措置というものはとられてしかるべきだと思います。私どもの方といたしましては、東亜国内に対し、今後あちらこちらに大なり小なりこういう可能性があり得るわけでございます。今後再びこういった混乱を起こすことのないよう、乗客に対して的確な案内、指示ができるように体制をきちっと立て直して、所要の訓練その他を行うことということを近く申し入れたいと思い、いま事情を聴取しておるという段階でございます。  それからもう一つの、全日空の727が千歳−名古屋間を飛行中、函館に臨時に着陸をいたしましたのは、これは火災警報装置が作動したということで、エンジンに消火操作をした上、函館に緊急着陸をしたわけでございます。これは着陸後徹底的に調査をいたしましたけれども、警報装置の誤動作ということが結論であったようでございます。エンジンそのものには実は何の問題もなかった。警報装置の誤動作というのは、実は残念ながらときどき起こる問題でございます。で、実際のフライトにおきましては、また誤動作ではないかというふうな感じになるのがむしろこわいわけでございますので、誤動作であっても、必ずそれはそれに対応した措置をとるということを原則としてやってきておるわけでございます。ただもちろん、そういったようなものが誤動作をするということはほめた話じゃございません。単なる整備だけで解決のつかない問題もあるようでございます。非常にたくさんのそういったウォーニングシステムがございますので、それらをすべて完璧な状態に保っておくということはなかなかむずかしいことのようではございますけれども、しかし基本的には、やはり警報装置はあくまで警報装置として適切に働かなければどうにもなりませんので、そういう面に対する整備のありようというものについては、従来も関係各社にそれぞれ勉強させてきたわけでございますが、今後さらにそういう点について努力を重ねていくようにしたい、こう考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 それから二月の二十八日も東京発福岡行きの全日空のトライスター、それから三月の十二日も東京発鹿児島行きのトライスターの事故が起きておりますけれども、この事故も大体同じような傾向の事故ですか、簡単に御説明ください。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 二月の二十八日に起こりましたのは、羽田空港を離陸上昇中、二番エンジンの燃料の圧力が下がったというウォーニングライトがつきまして、エンジンをとめておりてきたわけでございますが、これは燃料ポンプが破損をしておったわけでございます。これを分解してチェックいたしましたところ、この燃料ポンプを組みつけます場合に異物と申しますか、ボルトを中に入れたまま実はふたをしてしまったと、こういう問題であった。これはさらに突っ込んで調べましたところ、ボルトを別に用意をして、混同しないような作業手順は踏んでおったようでございますけれども、最後の段階のところで、何か勘違いをして中にボルトを入れたままふたを閉めてしまった、こういうことであったわけです。これは事前のチェックのときにはフル回転まで回さなかったものですから、回さないことにもなっているものですから、これが発見できなかったということのようでございます。  三月十二日にございましたのは、後部の貨物室ドアに十センチぐらいのプラスチック発泡スチロールのシールがついております。このシールが、一応びしゃっとはまってはおったわけでございますけれども、シールのやはり一部に欠損している部分がございまして、そこが圧力差のために吹き飛んで、中の圧力が下がるということのために、三万一千フィートまで上がったものを、客室気が下がったということで羽田に引き返した、これはやはり二つの面で問題があると思います。一つは、ドアのそういったシールの整備という点について落ち度がなかったかどうかということと、今度はドアを閉めます操作員の方で、確実にそのシールが密着しているかどうかということの確認にやや欠ける点がなかったかどうかという二つの面がございます。いずれも全日空に対しましては、特に前段の異物を中に入れてしまったのは明らかな作業ミスでございまして、そういうことが起こらないよう、すべてそういうおそれのある作業工程について、もう一度見直しをいたしまして、間違って入れてしまうようなものは必ず別の袋に入れて、別のところに置くとか、そういうような作業手順の面から改善をするということを指示した次第でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまお聞きしておりますと、すべてのそういうような起きてはならない事故でありますが、初歩的な整備ミスが多いような感じがしてなりません。このことは徹底しなくちゃならないと思いますが、それともう一つ大事なことは、今後わが国の各航空会社、全日空も一月からジャンボSRを導入しておりますし、日航は五十六年から五百五十人乗りのジャンボ機を起用すると言っているし、東亜国内航空はエアバスA300を飛ばす。こういうような超大量輸送時代に入ってくるわけでございますが、いま言ったような初歩的な整備のミスで終わればよろしいんですが、これが一たび大きな事故につながった場合には、これは大変なことではないかと思うわけなんです。そういう意味から安全チェックということが要請されるわけでございますが、そういう意味から一つの例といたしまして、最近の電子工学の発達で故障を大事に至らないうちに発見する装置といたしまして、AIDSなどが開発されておりますけれども、これらのシステムを広く導入する必要があるのではないかと思いますが、このAIDSの開発並びに導入についてどのようにお考えになっているのかお聞かせいただきたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) AIDSとおっしゃいましたのは、ハミルトン社製の製品でございます。多少メーカーによって名称が違うようでございますが、たとえばロッキードがつくっておりますものはDFDRと通称されておる。これらはいま先生おっしゃいますように、特に信頼性管理方式によって整備をしてまいります場合には、なるべく多くのパラメーターについてデータを蓄積していくということが大事でございます。非常に有効な手段であろうかと思います。  一方、航空法におきましても、五十年、航空法の改正の時点にフライト・データ・レコーダーというものをつけろということを強制化したわけでございますけれども、このフライト・データ・レコーダーとして強制化されているものは、実はチェックいたしますポイントの数が非常に少ないわけです。これを非常にふやして百ぐらいになっておりますのがDFDRと呼ばれるもの。これは全日空のトライスターと、それからいまお話に出ましそ全日空の747SR、これにはこういう装備をされておるわけでございます。で、日本航空の方におきましては、このDFDRとは別にAIDS——いまおっしゃったエーズというものをつけようということでございますが、まあしかし安い機材でもございません。一機全部つけますと、やっぱり一億近い金もかかるわけでもございますので、そういうふうなこともあり全機に一遍にとはなかなかまいりませんので、五十五年の四月末までに747九機、DC10二機、これをまずAIDSをつけるというふうなことをいま計画をし、実行に移しておる段階でございます。  在来機種についてもつけられれば順次つけていくことがよろしいかと思いますけれども、やはり基本的な設計の思想がいろいろ違うものですから、なかなかうまく取りつかないというふうな面もあって、この点は多少今後の検討の余地が残っているように思います。  いまDC10二機と申し上げましたとしたら間違いでございまして、三機でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで、大臣にまとめてお尋ねいたしますが、いま私は、緊急時の情報伝達の不備、それから安全チェックの問題等を指摘してまいりましたけれども、強く望みたいことは、行政当局及び航空会社がセーフティーファーストに徹して、安全対策により積極的に行動をして、国民の空の交通安全に安心感を与えていただきたいことではないかと思うわけでございますが、そのためにもこの機会に全面的に、または抜本的に航空機の安全点検を実施して、疑わしい場合は飛ばさないという決意で臨んでいくべきではないかと、いまさきにも申し上げましたけれども、大臣のまとめた決意を聞かしていただきたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 先ほど御答弁申し上げたことと重複するかと思いますが、航空運送事業者にとりましても、その監督に当たる運輸行政の立場からも運航の安全確保は至上命令であります。この認識の上に立って、私は、先ほど申し上げましたように、事故発生の当日航空局に対し、翌週早々日本航空及び全日空及び東亜国内航空の三社のトップを招致することを指示し、二十八日月曜日、三社の社長に対し、単にDC10型機についてのみならず、この際、各社ともその使用機材全般について安全確保について最大の配慮を強く希望をしたところであります。  これを受けて先週末来、各社から、利用者に対する信頼回復のため社を挙げての対応について報告を受けており、目下その迅速な実施を強力に指導しておるところでございまして、先ほど来お話がありました点を拳々服膺いたしまして、その航空事業における安全の確保に今後とも努力を尽くす所存でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 次に、旅客のサービスの問題についてお尋ねしたいと思いますが、昨年の十月十九日の当運輸委員会におきまして、私は航空関係の旅客サービスの問題を質問いたしました。キャンセルの手続の問題、出発時刻の二十分前に搭乗手続を済ませるということに対する周知徹底の問題、これに関連した羽田空港の施設の改善の問題、キャンセル料の問題等を質問いたしましたが、その後どのように改善されたのか、御説明をいただきたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) まず例示的に東京空港におけるやり方と、それから一般的な面と分けて申し上げますと、まず施設以外のいろいろな面につきましては、航空機に搭乗する場合には二十分前に来ていただきますということについてのちらしを四十万ばかりつくりまして、いろんな機会を通して、これは昨年の十月から実施に移しております。それから時刻表への案内文の掲載、これらにつきましても昨年の十月から券面の印刷の中に入れてわかるように措置をいたしました。チケットホールダーの案内文の掲載につきましては、昨年の十一月から、券面はわりあいに入れる場所がないものですから、字が小さくて見にくいという面もございましたので、チケットホールダーの方にも重ねてその旨を入れるということにいたしました。それから電話及びラジオによる案内、これは昨年の九月から一部実施しておったわけでございますが、こういうふうなものをさらに強力に実施をするというふうなことにしておりまして、まだ総合的に見て何点がつけられるというふうなところまで詰めた評価はしたわけではございませんけれども、従前よりは多少の前向きの効果が出てきたのではないかというふうな感触を得ておる次第でございます。  そのほかにも乗りおくれ等を防止するためのいろいろな案内でございますとか、あるいは注意を喚起する標識板でございますとか、あるいは東京の例で申しますと、浜松町駅の改札口に乗りおくれ防止の案内板を掲げますとか、いろいろな方法で、二十分前までに有効な搭乗券をお持ちの方が確実に来ていただけるようにという努力をしてきておるわけでございますけれども、まだ多少トラブル的なものが発生するようでございますので、今後さらにこういった点の改善について、もう少しきめ細かな対応をしていくというふうにしたいと、こう思っております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 特に私がこの前指摘したのはキャンセルの問題でございましたが、その後、昨年十一月以降に電話による予約あるいは窓口での予約のシステムが改善されまして今日まできているわけでございますが、それによりましてトラブルも未然に防止する効果が出てきていると思います。このシステムが改善される前に、実はこういうようなキャンセル防止のためにということもありまして、キャンセル料の料金値上げがされたわけでございますが、十一月以後このような改善がされましたならば、未然にこのようなトラブルも防いでいることになりますし、こういうことから考え合わせますと、この値上げというものは、いまから見るならばシステム改善とは逆行しておかしいのではないか、そういう意味から、もう一度このキャンセル料の問題については検討し、旅客サービスに徹底する必要があるのではないかと思いますけれども、この点どうでございましょうか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 新しい予約システムにつきましては、全日空がわりあい早く昨年の十一月から、日本航空はことしの三月から、それぞれ新しいプログラムが動いております。東亜国内はややおくれておるわけでございますけれども、これもことしの秋ごろから新しいプログラムの稼働に入れるのではないか、こういうふうに考えております。これによりまして、従来指摘されました仮押さえでありますとか、二重売りでありますとかいうふうな点についてのトラブルは大幅に減少していくことが期待されるわけでございまして、現に二重発売という点については相当の効果を見ておるようでございます。したがって、今後の状況等をもう少し見さしていただきたいと思いますけれども、仮押さえといったような面に対するペナルティー的な意味での払い戻し手数料の値上げというのが、確かに昨年の七月行われておりますので、そういうふうな面については大分様相が変わってきているという見方もできようかと思います。したがって、いまここで手数料だけを早急にいじるかどうかという点については多少の議論もあろうかと思いますので、この秋ごろから動き出します東亜国内のプログラムの稼働状況等も踏まえ、今後十分検討いたしまして、いま御指摘のございましたような矛盾撞着を生じないように、他種の交通機関その他の取り消し料等との対比などもよく考えた上で措置をしていきたい、こう考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまの局長のお話はわかりますけどね。だから、この値上げの前は、いろいろそういうようなトラブルが起きるということを未然に防ぐためにこれをやられたわけでございまして、システムが改善されたならばその目的は達成されてるんですから、東亜国内航空の稼働を見てからということでございますけれども、私はこれは旅客サービスに徹するという、昨年も私質問したことから続いて言っていることでございますけれども、これはやるべきじゃないかと思いますけれども、大臣、見通しについていかがでございましょうか。まあ東亜国内の稼働を見てからということですから、秋ぐらいか、年末ぐらいからやるのか、ここらあたりはいかがですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 専門的ですから、ちょっと航空局長にL3。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 私も、おっしゃるような方向で措置をすべきであろうという点については全く異存がございません。ただ、いつごろからということになりますと、もう少し状況を見て、どの程度のところへ抑えればいいのか、値上げ前の状態に黙って戻すということがいいのいどうかというふうな点も含めて、具体的な面はもう少し検討をする時間をいただきたいという程度の趣旨でございますので、しばらくこのままほっておこうということでは全くございません。という意味で、この秋には東亜も新しいプログラムが動き出すし、三社体制というのが整ってまいりますので、そういったような状態で、同じ前提が整いますから、そういうところで取り消し手数料の問題というものをひとつ積極的に取っ組んでみよう、このように考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 それから、自動車局長もおいでいただいておりますが、昨年の運輸委員会で、同じく私は旅客サービスの問題を取り上げましたが、その時点で、時間の関係から委員会の席上で質疑することができず、直接自動車局長にお願いをした問題がございます。これは、御承知のとおりに、大阪の伊丹空港へ飛行機で、特に最終便近くでお客が着く、東京あるいは福岡から一時間かかって大阪へ着く。そしてターミナルでタクシーに乗る。そのときに、飛行場の近くの豊中、吹田、箕面の近郊の皆さんたちが帰ろうとしても、なかなか車が入ってこない。すべて大阪市内へ行く車であるとか、そういう車は入ってくるけれども、近郊のお客さんが帰れない。二時間、二時間半、三時間近く待って帰る。飛行機で一時間、自動車待ちが三時間。その間、家に電話をしようとしましても、電話の場所が少ない。また、そのうちに、最終便で帰ったために、空港ビルは時間的に消灯をしてしまう。真っ暗やみで車を待たなくちゃならない。こういうことは看過するわけにはいかないということで、私は直接申し入れをいたしましたけれども、その後どのように改善されたのか。特にこのタクシー利用につきましては、お聞きしたところによりますと、自動車局長自身が体験されたということも聞きましたから、あわせて、どのように改善されたのか、御説明願いたいと思います。

梶原清運輸省自動車局長

○政府委員(梶原清君) 昨年十月、先生御指摘のようなことがございまして、田代先生を初め、たくさんのお客様に大変御迷惑をかけましたことを心からおわびを申し上げる次第でございます。私どもといたしましては、早速関係者の間で対策を協議いたしまして、幾つかの改善措置を積み重ねておるところでございます。  まず、タクシーの配車の関係でございますが、昨年十一月から、近距離のタクシー乗り場に特にお客さんが集中されます二十時以降につきまして、地元のタクシー事業者五社が三十両のタクシーを空港専用車として固定配車をする、この車でも足りません場合、そういうような異常事態が発生いたしました場合には、この五社の全無線車に緊急配車を指令いたしまして、車両を確実に確保するようにいたしたわけでございます。この措置によりまして、先生御案内かと思いますが、ことしの四月十日から大阪国際空港の東門が開放されたわけでございますが、この東門の開放と相まちまして、近距離乗り場におけるタクシー輸送というのは大幅に改善が図られたのではないだろうかと、かように考えておる次第でございます。  次に、タクシー乗り場における照明でございます。空港ビル側と話し合いをいたしまして、タクシー乗り場にお客さんがいらっしゃる間は国内線の到着ビルの消灯をしないようにいたしますとともに、乗り場を明るくいたしますために、昨年の十一月、それからことしの五月と、この二回にかけまして投光器を計四基設置をいたしたところでございます。  最後に、公衆電話の関係でございますが、先生御案内のとおり、現在、国内線の到着ビル内にはこの電話ボックスがあるわけでございますが、ちょっと離れておりますしいたしますので、電話局と交渉いたしまして、去る四月の二十七日にタクシー乗り場の近くに電話ボックスを四基新設をいたしまして、先生御指摘のようなことのございませんように努力をしてまいっておるところでございます。  以上が、いままで改善のために努力をしてきた事項でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 最後に、運輸大臣に決意のほどをお聞きしたいと思います。  いまさっきも、東亜国内航空の花巻発羽田便が六時間半も何の説明もなしに乗客を置き去りにしたということを申し上げましたし、ただいまも、飛行機でおりたお客さんがタクシーに乗る場合のそういう問題が未解決であったのが徐々に解決されていきつつあるわけですが、根本的な解決になっておりませんが、こういうような運輸関係における乗客へのサービス向上につきまして、やはり大臣としてこのようにやっていくという決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。  これで質問を終わります。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 先般の、花巻から大阪への航空便について問題がありましたことは、新聞で私も読みました。はなはだ結果的に遺憾なことでございますし、そのほか、先ほどお話がありましたようなことにつきまして、いろいろ機会がございますから、そういうことにつきましても十分留意するように、改善を図るように極力努力をしてまいる所存でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 きょうは航空機の安全の問題にも関連をいたしまして、日本航空の労使関係に絡らむ問題について航空行政上の観点からの質問を行いたいと思います。  日本航空株式会社に対しては、政府が予算の範囲内で出資をし、補助金を交付するほか、監督、指示、認可などの権限を日本航空株式会社法によって持っております。航空安全のためには当然この労使関係がどうなっておるか、特に乗務員の労働条件なり待遇、安全衛生関係がどうなっているかということについて関心を持ち、適切なやはり対応をすべきだと思うのであります。また、これは日本航空に限りませんが、運航乗務員あるいは客室乗務員の労働条件の維持向上ということは、航空機の航行の安全の最も重要な基礎であって重視すべき問題であります。ところが、私どもいろいろ調査したところでは、日本航空の労使関係には非常に問題が多い。先年、私は当委員会におきまして、集団的労働関係、つまり労働組合とのかかわり合いの面も含めて質疑を行い、この問題を追及いたしましたが、本日は主として個別的労働関係の面といいますか、乗務員の労働条件にかかわる幾つかの問題についてお考えを伺い、質問を行いたいと思うのであります。  そこでまず最初に、労働省にきょうは来ていただいておりますが、日本航空では運航乗務員、客室乗務員についてのいわゆる三六協定、労働基準法三十六条に基づく協定はあるのかないのかという点につきましてお調べ願っておったと思いますが、いかがでございましょうか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 三六協定を結びました場合、当然所轄の労働基準監督署に届け出がされるわけでございますが、私ども把握いたしております限りでは、日本航空関係の三六協定は、地上勤務員についての協定でございまして、運航乗務員あるいは客室乗務員については三六協定はまだ結ばれていないというふうに理解いたしております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 これは言葉としては簡単なんですが、重大なことなんですね。労働基準法三十二条で、一日八時間、週四十八時間、これを超えれば三六協定を結ばにゃならぬ。しかし、国際線の飛行機はローマまで八時間で行けるわけでない。ロンドンまで八時間で行けるわけでない。東京とサンフランシスコで十二時間というものですから、当然これは三六協定がなければならない。三六協定なしだとすれば、八時間たったところで飛行機はおりなきゃならない、そういうことになるわけです。どっちか、八時間で切るわけにいかなければ三六協定を結ばなきゃならぬということで実は問題なんであります。  そこで、私も大田と佐原の労働基準監督署で調べたところ、いまの課長のお答えどおりである。そこで、非常にこれは重大な問題だと思いますが、局長、これいかがですか。この問題の重大性、私のいま言った重大性、これはお認めになりますか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 日本航空関係の乗務員等の労働条件につきまして、所轄の監督署にいろいろと申告が関係の労働組合から出されておりまして、現在それぞれの監督署で調査をいたしておりますので、詳しい内容はその調査を待ってからということになるわけでございますが、私ども中間的に報告を受けている限りで申し上げますと、労働時間は、一日八時間あるいは週四十八時間という原則が基準法に定められておりまして、それによりがたい場合は変形労働時間制といいまして、四週を平均して一週が四十八時間というようなことであれば、ある特定の日において八時間を超えてもこれは差し支えない、こういうことになっておるわけでございます。  日本航空の場合の労働時間の定め方がいわゆる変形制をとっているのかどうか、これは必ずしも職制上明らかではございませんけれども、いろいろ乗務員の勤務の実態等を聞いておりますと、必ずしも画一的に一日何時間あるいは一週何時間というふうに決めかねる要素があるようにも承知いたしております。仮にそれが変形労働時間制という考え方をとっているとすれば、四週平均して四十八時間でございますから、たとえば月間でならしますと普通四週より若干多目、したがって四十八時間の四倍の百九十二時間でございますが、そのあたりが、言うなら法定の一週間当たりの時間数の基準ということになるわけでございます。  問題は、そうした法定の線以上にこの乗務員あるいは客室乗務員が勤務労働しているかどうか、その労働時間をどういうふうに見るかというところにいろいろ問題があるようでございます。詳しくは調査を待って判断をいたしたいと思いますが、そういうような法律的な関係になろうかと存じております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 もちろん厳重な調査を要求いたしますけれども、いまのお話の中で、変形労働時間があるかもしれぬと言いましたが、これはないんですよ。この三十二条の二項によって変形労働時間の場合は、ただあるだろうというんじゃなくて、就業規則その他によって定めをしてなきゃならない。こういう定めはないんですよね。就業規則で言いますと、日本航空の就業規則では、乗務員——運航乗務員と客室乗務員についてはいわゆる労働時間に関する就業時間、休憩、休日、時間外勤務、休日勤務、こういったものの規定は適用除外だと別に定めるとなっていますが、別にこれは定まっていないんです。ですからこの変形労働時間の点を幾ら探してもそんなものは出てきません。ですからこれはもう重大なやはり私は労働基準法違反の疑いを持ってこれは見ておるわけです。このことが一つ。  それからもう一つは、東京地裁で日本航空の裁判がありまして、その裁判で出た会社側の証人、これは会社側の労務担当の責任ある立場にある方の証言でありますが、この中で労基法三十二条二項の定めというものはないんだ、いわゆる変型労働時間の定めはないということをはっきり、ここに私、証言記録を持っています。ちゃんと原告側代理人の追及に対して答えているんです。ですからあなた方は、その何か三六協定がない合理的な理由があるのじゃないかと思って探しても、これはむだなんで、そういうものは恐らく存在しないだろうと思う。そういうことをいま申し上げておきたいと思う。  それで同時に問題は、いわゆるスタンバイそれからデッドヘッド——デッドヘッドというのは、たとえばサンフランシスコから飛行機で乗務する、そこまで便乗していくデッドヘッドですね、こういったものを労働時間としてこれを取り扱うかどうかという問題があります。これについても同じく会社の重要な労務担当の責任者は、法廷の証言で、こういうスタンバイとかデッドヘッドの便乗の時間は労働基準法上の労働時間であるということを法廷で認めているのですね。そうして明らかにこうなりますと、一日八時間を超えることはさっきの私の話で明らかです。週四十八時間はもう超えていることが明らかなんですね。これでなおかつ三六協定がないということは、これは運輸省の監督下にある日本航空の問題としては大問題なんです。ですからこれはやっぱり鋭意調査をして、会社側をかばうのじゃなくて、労働者のやっぱり重要な労働基準法上の権利の問題ですから、その立場でやはり厳重に調査をして速やかにこの点の解明をしてもらいたいと思いますが、局長、いかがですか。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 先ほど先生御指摘の週一日、あるいは週一日休日あるいは四十八時間労働、一日八時間ですか、その問題につきまして、それ以上超えたものについては飛行機からおりなきゃならぬというようなお話がございましたが、その点は労働基準法はそういった就業形態なり業態というものは当然予定しているわけですから、したがって先ほど監督課長が申し上げましたように変形労働時間制というのを認めているわけです。したがって、私はいまの航空事業などにおける乗務員の労働実態というのは、そういう場合に当然あり得ることだと思います。ただ、それは先ほど監督課長からも申し上げましたように、先生御指摘の就業規則というものでどのように規定することが妥当であり、それがどうなっているかということは、これは実態を調査しなければいかぬことだと思います。  それから、スタンバイ、デッドヘッドの問題については、また監督課長からちょっと御説明させていただきたいと思います。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) スタンバイについて私どもいま監督署で会社からも事情を聴取し、調査をしておる段階でございますが、署の方からの中間的な報告によりますと、いろんな形態があるようでございます。またデッドヘッドについて、たとえばこれを勤務時間と見る場合に二分の一しか見ないというような形のものもあるようでございます。その辺の取り扱いについて、たとえば勤務時間への算入に当たってスタンバイは算入しない、それからデッドヘッドについては二分の一しか算入しないという形になっておりますのは、これはさらに事情をよく調べないとわかりませんが、要するに勤務時間の制限についての制限条項の適用に当たってそういう算定の仕方をするということで、会社自体としてはスタンバイあるいはデッドヘッド、いずれも何らかの拘束を労働者に及ぼすものとして、たとえば賃金算定に当たってはそれを基礎に置いているというような主張もございます。したがって、果たしてそのとおりの賃金体系になっているのかどうか、この辺はよく調べてみないと即断はいたしかねますけれども、そういうような段階の報告を受けている状況でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 これはたとえば同業他社のTDAにしてもANAにしましても、これはデッドヘッド、スタンバイともきっちりやっぱり定めをしているわけですね。日本航空がこの点で非常におくれている。それから、やはり月間の労働時間の定め、後で申しますが、この問題も落ちているというふうな問題があります。まあきょう初めて私があなたにこれを質問するならいいんですけれども、所轄の大田労働基準監督署や佐原の労働基準監督署にいろんな申し立てが日航関係ではたくさん出ているでしょう、あなたもうなずいておられるように。ですから、まだ調査をするという答えでは、せっかくきょうこういう委員会なんですから、ちゃんとお調べになってきていただきたいと数日前からお願い申し上げましたし、質問通告もしているんですから、もっときちんとした答えを私は期待したいと思うのですよ。  それで、いま私が言った月間、週間の労働時間、普通はこういう場合は一日の労働時間はもちろんのこと、月間、週間の労働時間というものをこういう航空会社の場合はしっかりとこれを定めておかなきゃならない。そういう観点で見てみますと、日本航空は運輸省の監督下にあるんですが、遺憾ながらこの週間、月間労働時間の定めがない。就業規則は調べてないとおっしゃいましたが、就業規則は労働基準監督局当局としてはまず調べるべきである。われわれのような役所でない人間でも労働関係を調べるときは、最初に就業規則を持ってらっしゃい、協約はありますか、組合の規約はありますかと、就業規則というものは調査のイロハのイですよ。個々の会社を見るときはどんな会社でもその会社の就業規則を見なきゃいけない。それがよくわかりませんがというのは、はなはだいただけないのですよ。六十四条を見ますと、たとえば運航乗務員は就業時間、休憩、休日などを適用除外する。「適用除外した部分については別に定める。」というふうになっておって、肝心の就業時間、休憩、休日、時間外勤務、休日勤務というものについては運航乗務員と客室乗務員の就業規則がない、規定がない。ないのはどうするかというと「別に定める。」と。「別に定める。」ということは、別の特別な就業規則をつくるということを予定しておると思うのですね。そうなりますと、この別の定めができているのかどうか。この点、どういうふうにお調べですか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 先生御指摘のとおり、就業規則、一般的な就業規則では、乗務員については適用を外しまして「別に定める。」となっております。別途運航乗務員就業規程というのがございます。そこで就業規則上適用除外された事項及び就業規則に定めのない事項についてはこの規程の定めるところによるということで、いろいろな定めがございます。その内容として、実は運航乗務員の勤務に関する協定、これは労使協定でございますが、それが結ばれておりまして、たとえばその中で勤務時間に関連する事項も幾つか取り決めがございます。たとえば乗務時間は月に八十時間とするというような定め、あるいは一日当たりの乗務時間はリミットとして一勤務当たり九時間、乗務時間は九時間ですが、それ以外に勤務時間としては十三時間というような取り決めがございます。その協定の内容が先ほど申し上げた運航乗務員就業規程の内容として取り組まれておりますので、その意味ではいわゆる勤務時間あるいは乗務時間に関する定めはなされている、こういうふうに理解をしているわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 私が聞いたのは、さっきからの質問でおわかりのように、週間、月間の労働時間の定め——いまの規程では勤務時間という表現をとっていますが——これはないでしょう。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 勤務時間という言葉は、一勤務当たりの勤務時間としてはたとえば十三時間というのがあるわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 週間、月間はないでしょう。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) はい、週間はございません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 月間もないでしょう。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) それからスタンバイあるいはデッドヘッドを含めて何らかの拘束時間として見た場合の全体の時間というのは、これは決めてございません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 これも異常なことであります。これも同業他社と比べて私は非常に異常な事態だと思います。なぜこういう事態が起きているのか。どうしてこれができないのか。これがありませんと、たとえば労働基準法では平均賃金というものの算定方法がありますが、これは三ヵ月分の賃金を平均して一日の平均賃金を出す、それから時間当たりでこれは労使の賃金交渉の場合、時間当たり幾らかという、こういう計算もしますが、その算定の基礎が成り立たない、存在しないということになっているわけですね。ですから、こういう点でも私は異常だということをさらにここで強調しておきたいと思うんです。  それから、さっきから言っているように、所轄の大田労働基準監督署では、ことしの四月二十三日に、この申告案件につきまして発言を行いまして、乗員組合の代表に対して就業規則の欠落、「別に定める。」と書いてあるこの欠落は、整備させるということを言明しておるんですね。そしてその所轄の署長は、月間または週間の労働時間の定めがないことがはっきりした、これはいま課長が言ったとおり。乗務員組合側がこれは重大な労基法違反だと、協定を下回らないように早急に定めよということを言ったのに対して、所轄の署長は整備させるように行政指導をする、かように口頭で答えたのであります。週間、月間の定めがない、航空機労働者の中でも運航乗務員、客室乗務員という飛行機に乗る一番大事な人たちについてない、それについて大田の労働基準監督署がかように言明をしております。  さて、これについて行政指導はすると言っているんですが、したのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 先生御指摘の点は、ことしの四月何日とかというお話がございましたが、その点私どもちょっと承知いたしておりませんでした。従来から羽田空港管轄の大田の監督署において、そうした労働条件の問題での指導もいたしている面はございます。いま御指摘の週間あるいは月間の労働時間の定めがない、それをはっきりさせるべきだという点の指導を大田の署がするというふうに回答したという御指摘でございましたが、その点はさらに私ども承知いたしておりませんでしたので確かめたいと存じます。ただ、私ども承知しております点では、たとえば個々人の月間の、言うなら労働時間がどうなるかというのは、前月二十五日までにあらかじめ各人ごとにちゃんと定めをしておく、こういうことになっているというふうに承知いたしております。したがって、便によっては遠距離へ行くところ、近いところへ行くところ、それぞれ違いますから、通常の工場労働のように従業員全員について、一律、たとえば月間何時間であるというような定めは、航空機の乗務の場合なかなかしにくい面もあるように話は聞いております。そういう場合に、個々人ごとに定めをするのも果たして一つの定め方たり得るかどうか、それは私どもも法律解釈の問題として、さらに検討をいたしてみたいと思っておりますが、そういう事情は報告を受けている状況でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 近代的な労使関係において個々人ごとに決めるということは、私はもうあり得ない。昔の、十八世紀の徒弟制度のヨーロッパ諸国の労働法の考え方ですね。ですから、いまのは集団的な、多角的な、定型的な労働関係ですから、これは決めるべきものなんです。そのために就業規則とか労働協約という制度があるわけでしょう。はなはだいまの点は、私はそれだけの御説明では合点がいきません。新しい学説が出てきたのかもしれませんが、私はそれは理解できない。  で、いまあなたは承知していないと言った。しかし所轄の大田労働基準監督署は、かように乗員組合の代表に明言をして、それをちゃんと文書で確認もしていますから、これは確かめてもらいたい。もしあなたの方に報告がない、組合にだけは、行政指導をしましたよとか、しますよと言っているんであれば、これはやはり重大な責任問題ですよ。それから、もししたのに、あなたの方が、これはしてないと言うとすれば、これは本省のやはり調査が十分でなかったということになります。これは私どもは、行政指導はしたというふうに報告を受けている。しからば、したとすれば、この会社の方はどういうふうにこれを受けとめていたか、どういうふうに対応をしたのかという問題が次に出てくるんです。これは聞いていないんですか。聞いていないということですね。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 先生のきょうの御質問の通告もいただいておりますので、私ども、所轄の署が従来どういうふうな監督指導を行ってきたか、そういった状況についてはそれなりに報告を受けているわけでございますが、御指摘の、ことしの四月の指導という点については承知いたしておりません。  で、これは全国幾つか——数多くの監督署があるわけでございまして、個々の監督署が扱ったすべての事案について、指導をしたあるいは是正勧告をした、それがすべて本省へ報告されてまいるわけじゃございませんから……

内藤功日本共産党

○内藤功君 いや、通告をしているんだから。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) その意味で、地元の所轄の署が報告を怠慢でしなかったというわけではないわけでございますが、ただきょうの質問の事前の通告に関連する部分については、私ども照会をしたわけでございますが、その中には残念ながら入ってなかったので私どもも承知していなかったという状況でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そうすると、やはりこれは現場の労働基準監督署においても、果たして本当にこの行政指導をしたのかどうかということが、さらにもう一つはっきり確かめなきゃならぬ問題として浮かび上がってくると思います。  次に、この問題に関連をして、機長の労働時間の問題についてお伺いをしたいと思うんですが、会社側のいろんな御発言——たとえばさっきから私が引用しております、これは具体的に言いますと、五十三年二月七日に東京地方裁判所の法廷で行われた証言でありますが、この中には機長の労働時間などの労働条件は運航規程によると、運輸省が航空法百四条関連で承認をした運航規程によるんだと、労働条件や労働時間などの規範は、というふうな趣旨の証言をしておるんです。ほかにも若干そういうことを耳にすることがあるんです。私は奇異な感じを持つわけなんですが、この点は、まず運輸省航空局にお聞きをしたいんですが、機長の労働条件は運航規程による、これについてどのようにお考えになりますか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 運航規程に定めております乗務時間あるいは勤務時間というものは、航空機乗組員の運航の安全の面から、一定の基準によって定めているものでございます。労働基準法に規定する労働条件というものを決めようという意図ではないわけでございますので、おのずから法域が違っておるというふうに私どもは考えております。あくまで航空機の安全な運航——航空機に乗り込む乗務員、乗組員が安全に航空機を運航できるようにするための基準、こういう考え方からこれを航空法の中の体系に取り入れている、こういう考え方でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そうしますと、運輸省にお伺いしますが、運航乗務員のいわゆるデッドヘッドの扱いにつきまして、日本航空の運航規程の中の細部規定を見ますというと、オペレーションズマニュアルというのがあって、その中の「〇七」ですね、「運航乗務員の勤務および休養に関する細部規定」一九六八年八月一日、この3の(1)のAというところに、いわゆるデッドヘッドの場合、「便乗機のダイヤ上のブロック・タイムの二分の一を航空機便乗の際の勤務時間として、この勤務時間と乗務のための勤務時間との合計が、十三時間をこえるよう乗務割を予定してはならない。」、まあ全文読むとそういうふうになる。つまり、便乗で行った場合は二分の一というふうに計算をすると、東京—サンフランシスコ間を十二時間で行った場合は、六時間と計算すると、こういうふうになるわけです。  そうすると、まず伺いますが、この細部規定というものは運輸省のどなたの承認事項になりますか。これは運輸省の航空局の運航課長の承認事項なんですか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 運航規程そのものは大臣の認可にかかっておりますが、そのずっと下の方に細かな点が入ってまいりますので、これは一々大臣まで上げることなく、おっしゃるように、この恐らくいまおっしゃいました細部規定なるものは、課長レベルで承認をするという形になっておると思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 航空局長に伺いますが、そういう運航規程なりあるいは細部規定なりが、一たん承認をしたけれども、その後の情勢の変化、事情の変更によって不適当になった場合は、これに変更を求めることは当然できると思いますが、いかがですか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 当然、客観的に不適当になった場合には、それは企業の方から訂正方を申請してくるのが筋であろうかと思いますが、それがなされず放置されているということが明らかであり、それをもとのままにしておくということが非常におかしいということであれば、これは航空法上の立場から適宜変更しろということを指導することはできます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いま私が読み上げた部分ですね、つまり普通、二分の一を勤務時間として扱う。つまり、実際はその二倍の時間飛行機に乗って、体は拘束されて便乗して行くのに、半分に計算される。このやり方は、機長の心身に及ぼす疲労、労働の実態から見て、非常に実情を無視しているということにはならないか。十時間動いた人が、五時間動いたこととされるわけですね。これで一体航空の安全が理想的に守られるでありましょうかという問題なんです。  さっき私は、東京—サンフランシスコ間の十二時間を盛んに言っておりますが、実態を、いろいろな例を聞いてみますと、大変なやはり労働を機長さん初めとして運航乗務員の方が強いられている状況を聞いておるんです。  まず、航空局長にこのような実態をひとつお示しをしたい。これは乗員組合の方の集められた資料であって、乗員組合の人は自分たちが働いている人ですから、その実態に基づいて書いたんですが、ある一つのケース。これは、三月二十八日のある機長さんは、グリニッジ時間で以下言いますが、零時に成田にショーアップ、つまり出頭した、二時十三分に第六便に乗りまして、これはデッドヘッド——便乗でアンカレジに向かったんですが、途中、コンパストラブルのためにその飛行機は引き返しまして、四時三分に成田に帰ってまいりました。そうして、約六時間レスト、休養をとって、十一時半にショーアップを再びしまして、今度は、当然そこで普通はかえるべきところなんですが、一時間五分後の十二時三十五分に今度は四二五便でもって再びアンカレジに向けてデッドヘット——ほかに人がいないということでデッドヘッドですね、そうしてこれは六時間三十八分乗っていった、そして向こうに着いたのが十九時十三分、一時間アンカレジでレストをして、二十二時四十分に今度は四三四便にみずから機長として乗り込んで、七時間飛んで、翌日つまり三月二十九日の午前五時四十分に成田空港に立ち寄った。私が言葉でこう言いますと何でもないようで、物理的に動くのを見ると何でもないようだが、乗っている人はこれは大変だと思うんですね。これはえらい肉体的な精心的な疲労を私は受けていると思うんですね。これは総計しますと、零時に成田でショウアップしてから六時四十分仕事が終わるまでこの人は三十時間四十分拘束されております。そうしまして、二十三時間十三分動いておりますが、勤務時間はこの場合にさっきの二分の一換算でやられますから十七時間二十一分、二十三時間動いたのに十七時間二十一分という範囲で動いたことに取り扱われておる。これは一つの例ですがね、いっぱいほかにも例がありますが、極端な例ではないと思うんですね。たくさんこういう例がある。  そこで、私はこういう実態から見て、いまの二分の一という、このデッドヘッドは二分の一と計算する、ここのところに非常に大きな現在において見直さなきゃならない問題、会社の方からくれば当然だと局長おっしゃったが、場合によってはこちらから出ることもある、これはもう当然そのとおりだと思う。非常にこれは問題である。運輸省としてやはりこういう実態を御存じだと思うけれども、やっぱり調査してこういう実態に合った変更というものを運航規程に対してなすべきことをやはり検討すべきじゃないのかと、私は本当にこう思うんです。航空行政上のお考えを伺いたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 労働基準法的な観点からの面については、私、責任のあるお答えをする立場にございませんが、航空法に基づいて定められた筋といたしましては、航空法の百四条に運航規程の定めがあり、これを受けて運航規程の具体的な規程が省令にあるわけでございます。その中に航空機乗組員の乗務員割りというものを定めることになっており、この乗務員割りについては同じく省令の百五十七条の三に乗務員割りの基準は次のとおりであると、こう書いてある。ともかく乗務員割りの基準というもので決めなければならないものは「航空機乗組員の乗務時間が、次の事項を考慮して、少なくとも二十四時間、一暦月、」云々、云々という第一項と、「航空機乗組員の疲労により当該航空機の航行の安全を害さないように乗務時間及び乗務時間以外の労働時間が配分されていること。」、この二つの大きな柱からなっておりまして、そのうちで「乗務時間」と、こう申しておりますものは「航空機に乗り組んでその運航に従事する時間をいう。」、こうなっております。したがって、デッドヘッドで乗っておられるキャプテン、パイロットの方というのは航空機に乗ってはおりますけれども、運航に従事はしていないわけですから乗務時間にはならないのであって、乗務時間以外の労働時間、こういうふうに解すべきであろうかと思います。それはどういう乗り方かと言えば、長距離の場合にはリクライニングを倒し、カーテンで仕切ってある程度仮眠もとれるような形にするとかいろいろ工夫はなされておるようでございます。それを二分の一と判断することが妥当なのか、あるいは先生のおっしゃるのは二分の二とせよということかどうか存じませんけれども、そこら辺のところについてはさらに人間の疲労に関する具体的なデータというものがはっきりとつかまれて、そこで現実には乗務しているわけではございません。ただ飛行機に乗っているだけでございます、目的地に行くために乗っているだけでございますけれども、その間の現実の疲労というものが、実際にハンドルを持っているのと全く同じであるというのであるとするならば、それはおっしゃるように二分の二ということに理屈もつくんではなかろうか。現在までのところ私どもの理解は航空機に乗ってはおりますが、他の一般旅客とは別に一区画を限ってそこで別に航空機を操縦しているわけでもない、こういうことでございますので、デッドヘッドの時間を二分の一として乗務割りの中に勘定していく。そしてそれを制限時間の枠の中に入れるときにデッドヘッドに乗った分を何時間として中にほうり込むかという形で決めるいまのやり方がいまの時点ではなはだしく妥当性を欠くというふうにも言い切れないのではないか、こういうふうに思いますけれども、先生のおっしゃるように、ここに非常に問題があって、現実にそういったようなことで、はなはだしくパイロットの方が心身ともに疲労するものであるというふうなことであるとか、あるいはそうでないにしても、いま例示的におっしゃいました、私は必ずしも十分には理解いたしかねましたけれども、そういうふうな例が特異なものではなく、のべつ起こっているんだというふうなことであるとか、何か積極的な事由がそこにあるといたしますれば、私どもとしても別途十分に検討いたしたいと、こう考えます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 ここで長い論争する時間がないのは残念ですけどね、このデッドヘッドで行く人は、たとえばさっきの例でアンカレジでもって確認するんじゃないですね、成田または羽田。成田ですね、そこでまずいわゆる確認、陸上で言えば点呼のようなものですね、やってそしてそのままずっと継続して今度は自分が乗務して帰ってくるわけですね、そういうこと。ですから、一貫してこれは実態は労働時間として見るべきなんです。それからやはりその間の緊張度というのは、われわれ、あなた方が観光的な仕事で行くのと全然違います。これは拘束されている、ほかに方法はない。こういった点でこれは私は二分の一というのはおかしい。同業他社、外国の例なども調べて問題だと思うんです。ただ、これは論争すると時間が切りがありませんので、私はいま航空局長がさらに検討する余地を含む答弁をされたと理解をして、次の問題に入りたいと思います。  それは、労働省に伺いたいんですが、これは非常に大きな問題である。いわゆる基準法四十一条の二号に言う管理、監督者という者に当たるかどうか大きな問題。私はもうこれは当たらない、明白だと思うんですね。出社、退社等について名称のいかんにかかわらず厳格な制限を受けないもの、昭和二十三年の発基十七号という古い通達でこれはもう一貫しておるという点で、この機長の実態は、名前は機長であるけれども、それこそは名称のいかんにかかわらず、これは最も肉体的、精神的疲労を伴う労働をしているやはり労働者であります。そしてこれは別に経営者と一体になっているものでもないし、私はこれは管理、監督者ということに当たらないことが明白だと、こういう見解をいままでの通達から見て考えておるわけなんです。もしこれを公然と四十一条から外すことになりますと、四十一条というのは非常に拡大をされていく、国際的なILOその他の動き、国際労働基準の動きを見てもこの中間監督者で労基法の保護法の適用を受けない人をなるべく減らしていくという傾向がある現在において、この基本的な考えをどう持っておられるか、一遍伺ってみたいと思うんです。いかがですか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 航空機の機長の職務範囲あるいは職務権限と申しますのは、航空法にもいろいろ詳細な規定があるようでございます。そうしたものを見ますと、言うならば船の船長に準ずるような形でその飛行中の機内の秩序の維持からすべてひっくるめての責任を持たされている。かつクルーに対する指揮、監督も行うというような面を考えますと、私ども一応はこれは管理、監督者の範囲に該当するのではないかというふうに考えます。同時に、確かに勤務時間の面からしますと、ある便に乗る、またそのフライトを終わって勤務が終わるという面では、たとえば通常の会社の管理、監督者のように労働時間の幅といいますか、出社、退社の自由というものはそう認められていないという面で違う点もあるようにも見受けられますけれども、機内の勤務時間あるいは乗務時間の延長等についても機長が乗務員と協議の上決定するというような権限もあるやに聞いております。そういう面を考え合わせますと、事労働時間に関して言うなら、管理、監督者としての立場に立つ者というふうに理解し得るのではないかというふうに考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 これは私と根本的にいまの答弁は考え方が違うんですね。これは国際的に見ても、機長というのはどこでも労働組合に当然入っている人が多いですね、組合法の観点から言えば。それからいまの出勤、退社の場合の厳格な制限という点の認識も労働省の御判断、御認識というのは非常に私は実態というのを見てない。さっきからのいろんなお答えを見ても、これは実態認識をもう少し深めていただく必要があるということを私は思うんです。いまの見解については私は法律の解釈としてはなはだ同意できないということであります。  最後に、私に与えられた時間が四十分でありまして、時間がそろそろ近くなりましたので、一問だけお伺いをしておきたい。  これは女子の客室乗務員の資格喪失問題であります。婦人少年局にお伺いをしたいんでありますが、日航の内規としての客室乗務員規程があって、そうして、この第一章職種制度の中で、女子乗務員の資格制限の規定があります。現在は、スチュワーデス、それからアシスタントパーサー、パーサー、いずれも四十歳ということになっております。それから結婚制限、いわゆる結婚制限の条項は、四十九年の十一月五日に取り除かれましたけれども、第一子の妊娠による資格喪失がこの三職種に適用されているという実情でございます。年齢制限自体も非常に不当ですけれども、それ以上に、この妊娠によって不当に資格を奪われるということは、私は問題だと思う。これは、もう詳しく私がここで言うまでもないと思うんですが、結婚制限がなくなっても妊娠の確認で資格が喪失する。出産後にもう一遍戻りたい、客室乗務員に戻りたいとしても、資格は一たん喪失して復活しない。客室乗務はできない。本人の希望いかんにかかわりません。ほかの外国会社の例をとってみると、パンナム、それからSAS——スカンジナビア航空、これは出産後は乗務できる。ルフトハンザもそうであります。産前産後三週間は有給になる。それからノースウエストは第二子の妊娠時に退職。日本のようなこういう制度をとっているのはないんですね。私どもは、こういう点からも問題だと思う。  それから、客室乗務員として一たん資格があると言って採用しながら、妊娠の一事をもって資格を喪失して復活を許さない。これはもうどう見てもおかしいことであります。人間というものは、子供を産んで育てるということ、かわいがって育てていくということは、これは親の願いであります。人間みんなの権利であります。一方また、客室乗務員になりたいと志願をして、そうしてその試験に通って、自分の職場でさらに年を経るにしたがってみがきをかけていこうというのも、これもやっぱり男女を問わず、人間の権利、労働者の権利でございますね。この二つを両方立つようにさせることにしなきゃいけない。両方立てることは不可能じゃなくて可能なんであります。したがって、この制度自体を、私はやはり民法で言えば、それこそ公序良俗に反すると言って構わない問題ですが、これについて、労働省婦人少年局としてはどういうふうにお考えであるか。好ましい、黙認していていいものとお考えなのかどうか。でないとすれば、どのように改善されるお考えであるか。  もう時間がありませんから、最後のもう一問だけまとめて申します。それから次に、年齢制限という点について言えば、一般に、四十歳を過ぎたということで資格に障害があるんでございましょうか、ということですね。この点につきましては、四十歳を過ぎるとすぐに資格がなくなるというのではなくて、職種別能力基準というものに当たるかどうかをある一定の審査機関で審査をいたしまして、そうして、資格を、この人は延長する、この人はしないということを決定するということになっているんです。この資格の基準、どういう人を延長するかという職種別能力基準がいまだ労使間に公開されてない。労の方に公開されてないんです。これが問題なんです。ですから、どうして私は延長されないか、あの人は採用されたかという基準がはっきりしない。こういうことも、正常な、明朗な労使関係を進めていく上においてはよいことであるか。私は正しくないことだと思いますよ。こういう点についてのお考えと、改善すべき点はどういうふうにしていくかというお考え、姿勢を、私はしっかり伺っておきたいと思うんです。  なおこの後で、大臣にもこの点を伺いたい。

高橋久子労働省婦人少年局婦人労働課長

○説明員(高橋久子君) 先生がおっしゃいましたように、職場におけるすべての面におきまして、女子が男子と同じように、その機会と待遇の平等を確保されるということはきわめて必要なことであると思いますし、私どもも行政の基本にそのことを据えているわけでございます。したがいまして、合理的な理由がないにもかかわらず、女子についてだけ第一子を妊娠したとか、あるいは一定の年齢に達したとか、そういうことを理由にして一律に配置転換が行われる、そのために労働条件が低下するというようなことは、男女平等の観点からは好ましいこととは言えないというふうに存じます。  御指摘の具体的な事例につきましては、私ども、直ちに調査をいたしまして、その調査の結果に基づき必要な場合には指導してまいりたいと、このように考えております。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 先ほど来いろいろお話ございましたが、運輸省は、日本航空の乗務員の労働条件に関し、労働関係法規に違反するかどうかを直接監督する立場にはないことは御承知のとおりでありますが、明らかにもしそのような事実があるとする場合には、適宜、労働省とも連絡をとりつつ、航空運送事業の適正な運営と航空の安全を確保できるように、日本航空を指導してまいりたい、そう思います。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 建設省おいでになっていますか。——簡単な方ですから最初にお聞きをしてまいります。  国道十三号線の尾花沢北バイパス工事、この十三号線が福島市を起点にして山形市から秋田市に至る延長三百二キロに上る道路なんですが、だんだんバイパスができてきまして、私がお聞きをしたいのはこの尾花沢のバイパス、これは地図をごらんになってあるいは見ておられると思うんですが、この市内に入るところまでできてきて、肝心な市内のところがこちらで計画だけ残っておってまだやられていないんですね。だからせっかくここまできて、市内の町の中に入っていって旧道を通るわけです。このところは学校が小学校とか中学校が四つあったり、保育園が二つあったりして非常に狭い道路のところを、大体一日に一万台超える車がその状態で走っているので大変危険だというわけです。ですから、何とか早く、この当初の計画どおり、バイパスを走らせていただきたいという陳情が来ているんですけれども、その点についてお聞きをしてまいりたいと思います。

松井宏一建設省道路局国道第二課長

○説明員(松井宏一君) 一般国道十三号の尾花沢地区につきましては、昭和四十八年度から尾花沢バイパスの整備を進めておりまして、本年度積雪期までには暫定二車線で供用できる見通しでございます。御質問の尾花沢の北バイパスにつきましては、いまの尾花沢バイパス北側に接続するパイパスでございますが、計画線が圃場整備事業の中を横断するということから、圃場整備の事業の進捗に合わせてバイパスの整備に着手してほしいという地元からの要望もございますので、今後、予算の見通しも踏まえながら、早期に事業化するよう検討してまいりたいという考えでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 それで問題は、具体的にいつごろ着工になって、でき上がる見通しなのか、その辺、もうちょっとはっきり言ってくれませんか。

松井宏一建設省道路局国道第二課長

○説明員(松井宏一君) 今後の予算の見通しがまだはっきりいたしておりませんので、はっきりした日時等はまだ詳しくは出ないと思うんですが、予算の見通しを見ながら、できるだけ早期に事業化させていただきますように、前向きに検討さしていただきたいと存じます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 その予算の見通しというのは、だから建設省としては五十五年度の予算に計上して、大蔵省に出すという、そういうお考えでいるのかどうか、その点をお聞きをします。

松井宏一建設省道路局国道第二課長

○説明員(松井宏一君) やはり今後の予算の見通しを見ながら、その辺を検討させていただきたいと存じております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 私は、建設省の考えはと聞いているんです。

松井宏一建設省道路局国道第二課長

○説明員(松井宏一君) 来年度の予算編成にまだ入っておりませんので、具体的にその辺がまだちょっと詰まっておりませんが、内容といたしましては、早急に事業化するように検討させていただきたいと存じております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 もうお帰りになっていいですよ、子供みたいな答弁聞いておったってしょうがないですから。  あと、また国鉄の方にお聞きをしてまいります。  国鉄再建問題と絡んでこの前の小委員会でもいろいろ聞いてまいったんですが、続いてそれを聞いてまいるんですけれども、第一に減価償却の問題なんですが、昭和四十六年から償却前赤字になっているのは御承知のとおりだと思います。償却前ですでに赤字になっていながら依然として減価償却をおやりになるんだけれども、それはどういう意味をお持ちになるんでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 申すまでもなく、減価償却というのは固定資産を期間に案分して費用化するという制度でございます。それによって企業の経営の実態を損益面に表現する一つの会計的な技術だということが言えると思います。これは当然に、民間の企業において法人税の計算等が行われる場合に、どれだけの経費があり、どれだけの利益があったかというときに一つの意味がありますし、それから一種の、償却を進めることによって実質的に企業の体質が強くなるということのためのものと私思います。国鉄の場合は、四十六年から減価償却前にもうすでに赤字になりましたので、現状においては減価償却制度をとる意味は事実上ないということが言えると思います。ただ、一体幾ら赤字になっているかということを計算する上においては、やはり本来の企業の姿に従って減価償却をすれば幾ら赤字になるかということも織り込んで、国鉄の経営全体としてはいまの赤字は幾らだという計算を出すことが、正確に企業の経営実態を反映するという意味においてはやはり正しいんではないか、したがって、税金との関係において非常に意味を持つ普通の企業の場合とは、まず私どもは税金と、法人税と関係ないものですから、意味が非常に薄くなっておりますし、それから仮に税金と関係ないにしても、経営の実態を明らかにするというだけの意味は公共企業体でもあると思っております。ただし、現在は赤字でございますから余り意味がないので、たとえば、赤字がいつも八千億、八千億と言っておりますけれども、八千億から減価償却の額の三千五百億、三千億強を引きました五千億余りが赤字補てんのための借入金で賄われておるというかっこうになっておりまして、八千億全部、赤字全部がそういう不良借り入れみたいなことで償われているのではなくて、三千億強の償却部分はこれは計算上減価償却として出ておりますけれども、八千億のうちのその部分は借り入れをしなくても償いがついているということでございます。で、現行、私どもの今後の再建の目標としましては、何とか赤字経営を、黒字経営とまではいかないにしても収支とんとんに持っていかなければならぬということでございますが、その過程においてやはり何とか早く、せめて償却前とんとんというところへ持っていこうと、しかし償却前とんとんへ持っていってもなおかつ実はそれではまだ償っていないんだという意味になりますけれども、たとえばそういうことを考える場合に、やはり償却を前提とした計算システムを持っていることは、一つの経営目標としてはっきりするというだけのささやかな意味を持っているということではないかと思います。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 総裁よくわかりました。ただ、私が言いたいのも結局数字をどこへ積み上げるかということだけであって、それでいまも言っている四十六年から五十三年までのところ償却がトータル二兆一千四百二十六億と、だからこれだけのものが償却をしたと言っても、まあ言葉をかえれば借金がそれだけかさむと同じことであって、そういう意味のないことをおやりになって、そして赤字がこんなにある、こんなにあると言っても仕方がないんじゃないだろうかということでお聞きをしたわけなんで、その点は理解をしてまいります。  次に、収支係数というのが全線区にわたって毎年発表になるわけですね。あれはあれだけのものを発表して、これはその答えを見てどういう対策をとられるんですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 収支係数はいまは線区別に出しております。線区別に出して、線区別に経営成績がいいとか悪いとかということの一つの経営の判断資料にいたしております。経営の判断資料としては、しかし収支係数だけにとらわれてはいけないので、収支差額の絶対額が大きいか少ないかという問題も一つ頭に置かなければならないと思います。いわゆる地方ローカル線が大変収支係数が悪いわけでございますけれども、それじゃ収支係数の面から言えばそれほど問題になっていない東海道在来線はそれはそれでいいのかといいますと、絶対額では東海道線や山陽本線の赤字が非常に大きいわけでございまして、収支係数だけにとらわれてはいけませんので、収支係数と赤字絶対額とを双方にらみ合わせながら判断をしなければならないというふうに考えております。  なお、過去におきまして、主として地方ローカル線を中心にそれを管理するポストの人を置きまして、その人に、あなたはあなたの管理しているそれぞれの各線はこういう収支係数になっておるので、この収支係数を少しでもよくするようにがんばりなさいと言って叱咤激励した時期があるわけでございますが、そういうことに使った例も過去においてはございます。今後の問題としては、しかし特にいま現実においては、ローカル線の位置づけを考えます場合に、収支係数がいいとか悪いとかということを言っておるわけでございまして、これはやはり一つの尺度としては私は意味があるのではないか、そして何とかして収支係数をよくするようにということには役立つんではないかと思っております。  一例を挙げますと、私どもの仕事の中でごく一部にすぎません自動車の部門というのがありますが、私どもは担当の自動車局長には、君のところの収支係数を何とか早く一〇〇にしなさいと言って毎年毎年がんばってもらって、少しずつよくなって、そういうことが職員の頭に入っておりますから、そういう意味ではやはり収支係数というのは一生懸命改善するための目標としてある程度の役割りは果たしていると思います。しかし、繰り返して申し上げますが、今度は余り収支係数にとらわれますと、赤字の絶対額が少なくても収支係数のひどく悪いところもありますし、収支係数としては一一〇とか一一五とかということでそんなに悪くないが、ひどく赤字額が大きいというところもありますから、両方の組み合わせをうまく使って経営努力の目標にするということではないかというふうに考えております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 了解しました。私もせっかくあれだけのものをお出しになる以上は、八〇〇だったならば来年は七〇〇、その次は六〇〇というふうに、よくなるためにあれが使われなくちゃ何にもならないし、それからあれは一つの係数であって、いま総裁が言われたように絶対額がどうだということも大きな問題ですから、そういう点でいろいろ対策がとられているということで了解をいたします。  次にお聞きをしていきたいのは、これも大変めんどうなことですけれども、営業収入の中での人件費の割合ですね。国鉄では何%ぐらいが妥当だとお考えになっているんですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 国鉄は、民間の製造業に比べますと非常に労働集約型産業でございます。製造業では、最近の数字を私勉強いたしておりませんが、一〇%とかなんかということでございますけれども、輸送業の場合には非常に人件費の割合が高いということではないかと思います。そこで、私どももどの辺を目標にしたらよろしいかということは余り的確なことを申し上げられませんが、経費の中のウェートをどう考えるかということではなくて、収入との関連で申しますと、収入を一〇〇としてどういう数字になっているかということを申しますと、非常に国鉄が大黒字でございました昭和十年、十一年ごろは人件費割合が三三%という数字——古い数字でございますが、過去の統計を見ますとそんな数字が出ております。収入を一〇〇として人件費が三三。それから、先ほども触れました国鉄が償却後黒字でありました最後の年であります三十八年は、収入を一〇〇として四九%でございます。それから今度は、償却前黒字最後の年であります四十五年度が人件費割合が六一%でございます。そして次に、一番悪い実績を残しましたのは昭和五十年度で九二%でございます。収入のうち九二%が人件費に使われておったということでございます。そこで、最近は五十二年度決算で見ましても、また五十四年度の予算で見ましても五十年度よりはやや改善しましたが、まだ非常に成績は悪くて八一%でございます。ところが、非常に困ったことに、八一%のうちで五十四年度の予算で見まして二三%が退職手当と年金でございまして、いわゆる給与だけとりますと五八%になっております。私どもはこの年金と退職手当は何とも減らす方法がない——そういうことではいけないかもしれませんが、当面はちょっとなかなか簡単に退職手当、年金は減らせませんので、退職手当、年金をのけました人件費をどのくらいにしたらよろしいかということでございますが、現在はそれをのけますと五八%でございますけれども、この五八%を何とか大至急五〇%ぐらいのところに持っていきたい。と申します意味は、ちょうど四十五年度の状態が退職手当、年金込み五〇%でございますけれども、ちょっとそこまでは望めませんので、とりあえず退職手当、年金別五〇%ぐらいのところへ早く持っていきたい。そうして、でき得べくんば、償却前黒字の最後の年であります昭和四十五年が退職手当、年金をのけての人件費率が四〇%でございますし、先ほど申し上げましたように、黒字であった三十八年が四一%でございますから、やや長い目で見た意味での経営目標としては、その辺に持っていかないことにはどうもならぬのではないかというふうに考えておるわけでございます。しかし、これはかなり容易なことではないと思っております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 次にお聞きをしていきたいことは、昨年の五十三年暦年で、一年間に国鉄でどれだけのストライキがあったんでしょうか。時間、それからそれでとめられた列車の本数、そのために、損失というか減収というんでしょうか、損害を受けた金額。さらには、ああいう違法な争議をしたんですから、これは違法でなくったって、ストライキをやれば賃金カットとなるんだけれども、それらがどのくらいになるのか。さらには、正常な状態ならば当然支出をしないでいいものが、そういう争議の状態になったために支払った経費はいろいろあると思うのです。それらにどのくらいのお金を使っているか。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) ただいまお尋ねのございました五十三年中におけるストライキの回数でございますが、昨年は五回でございます。延べ時間は百五十一時間でございます。参加しました人員、これは延べ人員でございますが、約十四万人でございます。列車の運休本数は七万四千本。それから減収額でございますが、これは推定の手法を用いまして推定いたしました額が二百二十七億。それから賃金カットでございます。先ほど申しました参加者は対する賃金カットは総額約四億円ということでございます。  最後にお尋ねのございましたそれは、スト期間中のお客さんの整理のために人を現地に派遣し云々、こういう経費でございますが、実はこれらの経費につきましては、特に予算上もしくは決算上特別の扱いをいたしておりませんので、いまから非常に把握が困難でございます。ちょっと最後のお尋ねの金額につきましてはお答えする用意を持っておりません。こういうのが現状でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 私鉄の関係は、これはわかるところまで、何というんですか、ストライキととまった本数などL3。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 昭和五十三年の春闘時における私鉄におけるストライキについて申し上げます。  六十五社がストライキを行いまして、これによる運休本数は約四万五千本、影響人員は約二千万人、減収額は約十五億円程度と推定しております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 この問題についてはもう少しお聞きをしてまいりたい点があるんですけれども、時間の関係で省いてまいりたいと思います。  ただ総裁の方でも、こういう状態で総裁がいかに御努力をなさっても、国鉄を再建させるということは私は至難だと思うんです。これは前に小委員会のときにも——何といっても国鉄再建ということについては、労使関係を正常化させるということがない限り、私は再建なんということはできないと思うんです。ですから、いまこういう形で行われているストライキの問題について、あれこれ言うことは省きますけれども、しかし、そういうことがいろいろの面でどういう影響を及ぼしてきているか、そうしてそれが、私は、監査報告書も監査委員会から出されてごらんになっていることだから、私があえて言うまでもないと思うんですが、結局国鉄と私鉄を比較いたしまして、昭和四十七年と五十一年の対比で出ているんですが、国鉄が私鉄の大手ではなくて中小と対比をしても国鉄の方が業績が悪くなってきている。そして、先ほどもお聞きをいたしました収入に対する人件費の比率というものが、昭和四十七年には国鉄が七六%、大手の私鉄が四七%、中小の私鉄が六四%、そして五十一年にきたときには国鉄は収入に対して人件費が九四%になってきている。ところが、私鉄の方は大手も四六%、中小の私鉄は六二%といって、四十七年に比べれば幾分下がりぎみでいるわけなんです。それが国鉄の場合には七六%から九四%という、こういうふうなもう人件費に九四%ということは、これはもう企業の体をなしていないわけなんですから、そういう状態になってきてしまっている。ですから、その辺のところが国鉄離れをしたとか何とかと言って、そういうことだけで私は逃げちゃいかぬと思うんです。いろいろの問題があるけれども、先ほどから言っているように、特にそういう労使関係の問題、違法なストライキが平然と行われるという、そういうことについてはやはりきちんとしていただかなきゃいけないし、それが再建に通じるんだということをお考えもいただき、そしてこの監査報告書を、これはもう監査委員会から出されたんですから、これはどういうふうに受けとめられたのか、そこのところだけはお聞きしておきたいと思うんです。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私どもの経営の改善の指標を立てます場合に、私鉄と比較してみるということは非常に有益なことだと思います。一面において国鉄と私鉄ではいろいろ仕組みも違いますし、役割りも違いますし、置かれた条件も違いますから、それが差があるからといって直ちにそのことが非常に、いわば経営がそれだけ悪いというか、それを私鉄と同じにしなけりゃならぬというか、そこまでは即断はできませんけれども、しかし非常に有効な参考資料だというふうに考えております。  そこで実は私鉄との比較は、ただいま監査報告書で御指摘いただきましたが、この五十二年度の監査報告の前に五十一年の監査報告でもある程度の私鉄との比較をやっていただいたわけですが、それをさらに、むしろ私の方からもある程度お願いをして、五十二年度の監査報告書ではそれを高めていただいたわけでございます。そこで、われわれとしては非常にこれは参考になっておりますし、現実、職員組合の諸君と経営問題についていろいろ話しますときにも、こういう点を大いにひとつ参考にしていこうじゃないかということを呼びかけておるわけでございます。これではまだ不十分でございまして、なぜこうなっておるかというのをグローバルなこういう全体の経営の姿だけではなしに、もう少し部分的に追求していく必要があるわけでございまして、率直なところかなりの程度それぞれのセクションが、たとえば運転の部門ではどうだろうかとかあるいは改札、出札というような駅の部分ではどうだろうかというような勉強をいたさせております。しかし、いろいろな都合で、私鉄側としても必ずしも全部あからさまに資料を出すわけにもいかないということがいろいろありますから、全体の統計はつかみやすいのでございますけれども、今度は部門別にどこがどう違うのかという議論になりますと、なかなか正確なところが把握できないということでありますが、そうは言いながらもだんだんとそういう勉強を深めていっております。  そこで、今後の国鉄の再建計画を立てます場合にも、全体としてどうあるべきかということも非常に重要ではございますが、運転の部門についてはどういうふうにしたらいいのか、施設の部門についてはどうしたらいいのか、営業の部門についてはどうしたらいいのかというようなふうに部門別にもいろいろ勉強してもらって、そして各部門、部門がそのつもりでやっていくということが必要でございますので、そういう際にもそれぞれの部門が、監査委員会というような、われわれの経営の方から言いますとちょっと距離を置いた、やや第三者的な機関でなしに、われわれ自身のセクションが、しかもそれぞれの担当のセクションが少しそういう勉強をしていかなければならないということにしておりまして、うちの管理者側がいわば改めていろいろ新しい勉強が進んでおるということでございます。これだけではいけませんけれども、こうした私鉄との比較というものも今度の再建計画を立て、そしてその中身を積み上げていく過程におきまして非常に重要な参考資料として使わさしていただきたいというふうに考えております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 時間もあれですから、これから後総裁に特に再建の問題をめぐって幾つかの点をお聞きをしてまいりたいと思うんです。  私が申し上げたいことは、一昨年の法定制を廃止をする法律を審議をするときにも申し上げたはずなんですが、国鉄を今日の状態にしてしまったということは、これは国鉄の当事者自身もそうだけれども、それだけの責任ではないのであって政府にも責任があることだし、この国会にも責任があることなんですという判断に立っているわけなんです。それだけにあの法案に賛成のときにも、今度この法定主義が廃止をされるならば、国鉄当局が当事者能力を持てるんだから、それだからその当事者能力を発揮をして、親方日の丸意識から抜け出してもらいたい、経営に責任を持ってもらいたい、それと思い切りなことをやっていっていただきたいんですということを言って賛成の発言もしたわけなんですが、そういう意味に立ちまして、まず一つお聞きしたいことは、総裁、これいろいろむずかしい問題があると思うんですが、どうなんでしょうか、常務理事に民間人を思い切って起用をして、そしていままでの常務理事さんがどうだこうだと私言うわけではないんですが、公企体の中に育ってきた常務理事さんらのよさとそれから民間の重役さんが持っているよさと、そういうものの長所をうまくミックスして国鉄の経営に当たっていく、再建に取り組んでいくという、そういうことをおやりになるというお考えがないかどうかです。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 基本的には先生の御意見に賛成でございます。  それで、具体的には私参りましてから民間の方でどなたかしかるべき方に常務理事になっていただく方法はないかということを考えましたけれども、中へ入ってやってみますと、やっぱり国鉄のことを知らないではどうもうまくいかないということがありまして、一つの試みといたしまして、一遍私どもの常務理事を過去においてやっておりまして、一遍やめまして国鉄の非常に縁の深いところではありますけれども、一応民間の企業に行っておりました山口君に常務理事に戻ってきてもらったわけでございますが、私は山口君の仕事ぶりをずっと見ておりまして、やはり民間で多少の期間ではありましても経験になったことが、いまの仕事に大変役立っておるんじゃないかと思っております。それから昨年夏から私の方に非常勤理事という制度がございますが、非常勤理事については従来から民間の方々にお願いをいたしておったわけではございますけれども、特に地域の事情に通じておられる方々にお願いをしてはどうかということで、特に問題の多い北海道と九州とにつきまして、それぞれ北海道の産業界なり九州の産業界できわめて活発に御活躍の方にいま非常勤理事になっていただいて、北海道の鉄道の経営問題、九州の鉄道の経営問題について御参画をいただいております。さらにそれを強化するというか、そういう方向を進めていくかどうかということについては、私は少し、何といいますか、物事をゆっくり進めていくという個人的な性格もありますものですから、いますぐ性急にそこまでいくべきかどうかということについて疑問——そこまではなかなか一挙にやっていいかどうかは、基本的には賛成であっても、いまやっていいのかどうかということはまだ決断ができていないわけでございますのと、現在まあ法律の上では定数は十七人ということになっておりまして、そのうち二人だけはこの間のいわゆる行政改革の結果欠員にしておかなきゃならぬことになっておりまして、十五ということになっておるんでございますが、その中で、地方在勤の理事を入れますと、本社に勤めております理事は六人だか七人だかでございまして、それがそれぞれ非常に専門的な問題である建設の問題とかあるいは運転といったような問題とか、そういうことを分担して持っておりますと、実は、いま一生懸命やってくれています理事諸君の分担で、この分担を全く鉄道のことを知らない、しかし民間の経営者として非常にりっぱであるという方に差しかえるということは非常に困難でありまして、どうもそういう、どうしても国鉄の全く専門的なことを知らない人の方にそれを割きまして、そして従来の仕事をいままでより一人少ない人でやってもらうという具体的な案がなかなか立たないというようなことから、おしかりかもしれませんが、決めておりません。しかし、根本的にはそういう思想は大事なことだと考えております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 あともう三つばかり。  総裁、次に、これはもちろん日鉄法にも関係をするんで、その法にもひっかかってくることだけれど、いま副総裁お一人でしょう。副総裁を二人にして、それで一人に副総裁として労務担当に専念してもらって、そして対組合といろいろと労使協議といいますか、いろいろな問題を、もう少し事前協議とか何とか、そういう問題で労使関係の改善に本気になって取り組んでもらう、そういう副総裁を置くというそういうお気持ちはございませんか。これは法のことは別問題です。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私は必ずしも労務担当が副総裁でないとぐあいが悪いとは思っておりませんので、現在の常務理事で担当してもらってもいけるんではないかというふうに思っております。  ただ、法の問題は別としてということでございますから、陳情のようなつもりでお聞き取りを願いたいと思いますが、私どものような大規模な組織で副総裁一人というのはちょっときついと。失礼ですけれども、よそのもう少し規模の小さい政府関係公団、公社等の中で副総裁二人というところがあるわけでございますし、ちょっときついなという感じは持っております。ただし、必ずしも労務担当が副総裁でなきゃならぬとも思っておりません。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 総裁、私が言うのは、別に職員局長がいらっしゃるんだからあれだけれども、いまの国鉄にとっては労務問題、労使関係というものは、それほど重要にお考えになって取り組まなくちゃいけないじゃないかという気があるから申し上げているんです。それで、一々総裁が出てくるなんてことはできはせぬのですから、総裁が出るとなると、結局それは会議はなかなか持たれない。もっと頻繁に持ってそして組合の意見も聞く、当局側もいろいろ言いたいことを言う、そうしてそういう中からやはり再建の道を切り開くということを、これはどうしたってお互いの労使の当事者でやっていかなきゃならないことだから申し上げたんです。  次には、先ほども言ったとおり、総裁は当事者能力というものをお持ちになったんだから、あの法定主義の法律があった前と後ではそれはやっぱり私は違うと思うんです。ですから、そういう点に立てばもっと権限を発揮してやっていただきたいし、それからさらには地方の管理局長にある程度の権限を委譲して、いろいろ細かいそういうことについてはどしどし地方管理局長のところでもって問題が片がついて進むような、そういうこと、そういう改革をやるお考えがないかどうか。  それからもう一つの点は、総裁として本気になってこの国鉄を再建するために、四十何万おるんですから、その全職員に向かって、君らが考えておるアイデアを出してくれと言って、それでそういう再建についての考えを、募集と言っちゃおかしいですけれども募って、それで本当にいいアイデアが出てきたらそれは賞金ぐらい出したって私はいいと思うんですよ。本気になって上の方の一握りの人たちがどうしよう、こうしようと言ってやって片のつく段階じゃないんです。末端の第一線で働いている人たちからも、いまの国鉄をどう考えてどうしよう、どうして再建しようかということの考えを聞くような、そういうことをやっていただきたいと思うので、時間ももう参りましたんですが、その辺のお答えをお聞きしたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 当時者能力を発揮しなきゃならぬことは当然でございます。どうもなかなか思うようにいっておりません。御期待に沿えないのは遺憾でございますが、基本的にはそういうつもりでいたしたいと思います。  それから、権限を地方に渡すことも賛成でございます。一昨年の十月に政府の基本問題会議というところで意見を求められました際にも、基本問題会議の中にありました、経営を分割してはどうかという御意見については反対をいたしましたが、そこでも、運営をもう少し分割すべきものと考えておりますということを申し上げましたし、いまそういう方向にいたしておりますが、何しろ長年の伝統で全国一本で物を考える習慣がなかなか抜けないわけでございまして、しかし、ダイヤの編成等につきましても、北海道から九州までを一本で考えるということになりますと何もできなくなりますので、ダイヤの編成等につきましても、もう少し地方で主体的に考えて、中央は余り統制しないという方向を少しずつ採用させておりますし、まだ程度は不十分でございますけれども、少しずつそういうことは定着をいたしております。  職員からの経営等に関する意見の吸い上げでございますが、これは制度としてはりっぱな提案制度がありまして、件数としても非常に多くの件数の提案が出てきております。ただ、いま遺憾なことは、その提案が、本社側といいますか、当局側といいますか、そちらが取り上げてこれを物にするというところまでは十分は行っておりません。ただ、一部の例として、たとえば昨年の十一月ぐらいから博多−小倉間の新幹線に定期で乗れるようにいたしましたが、それは組合側からの提案を採用したわけでございまして、そういう意味で、ごくわずかでございますけれども、組合側あるいは職員側の提案というものは採用の方向に向けておるわけでございます。ただ、すべてそういうことがまだまだ思ったように早いテンポでどんどん変わっていかないというところが、私見ておりまして、もう少し私自身しっかりして、その方向の進め方のスピードを上げなきゃいけないというふうにみずからをむち打っているつもりでございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 ことしも夏が近づいてきましたが、国鉄といたしまして、サービスの一環といたしまして車両の冷房化を推進しているようですが、ことしの冷房化率はどのようになっておるでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 手元にごく一例でございますけど——現在新幹線と特急は全部冷房になっております。次は急行の問題でございますが、急行はいま余り車両の関係がいろんな事情がございまして、改善するとしますと後で手戻りになりますので、現在の七五%程度の冷房率を、お恥ずかしいんですがわずか一%改善して七六%にするというぐらいがこの夏の計画でございます。いまわりあいに積極的にやっておりますのは、車両取りかえの機会があるということもありまして、大阪とか東京の通勤電車、普通列車、こうしたものは通勤を含めましてわりあいに車両を取りかえる機会がありますので冷房を進めておりますが、東京は昨年の四七%から五三%、大阪は昨年の五二%から五五%という程度に改善されるはずでございます。他の九州なり北海道の地区についても、少やずつは考えておりますけれども、東京、大阪ほどの改善率にはならないと思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 いろんな財政上の問題、省エネルギーの問題もあると思いますが、サービスの一環として冷房化は今後も続けていってほしいと思います。  続きまして、夜行列車の効率が悪いということでその縮小、廃止が国鉄再建の一環としまして取り上げられておりますが、具体的にはどう取り組んでいくんでしょうか。効率の悪い列車をある程度削減するのもやむを得ないかもしれませんが、ブルートレインなどといいまして、愛称で非常に親しまれておる夜行列車もございます。非常に旅情をかき立てるような列車でございますし、愛好者も潜在的にたくさんおられるように聞いておりますが、宇野−東京間の「瀬戸」などは大変乗車効率がよいということですが、今後その夜行列車の廃止ということになるについては、ケース・バイ・ケースによって存廃するということでしょうか。それと、今後この夜行列車の乗客に対するPRなどはどうなっておるでしょうか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 国鉄から答弁いたします前に、夜行列車の廃止の問題が私の考えとして、運輸省の考えとして表に発表されたようですから、ちょっと経過だけ申し上げておきます。  御承知のとおり、東海道新幹線、山陽新幹線が完成いたしまして、東京−博多間を新幹線で列車が走るようになりました。したがって、これと並行する在来線は、従来と趣を変えてやっていく必要があると。そういう観点から見ると、東京−西鹿児島でございましたか、直通特急列車があるが、そういう汽車は本当に必要なのかと。在来線の夜間特急で博多に着く時間とそれから新幹線で東京から博多へ着く時間とはそう大差がございません。二時間ぐらいでございましょうか。ということであるならば、せっかく新幹線ができたわけでございますから、朝早く乗っていただいてそして博多から鹿児島までの特急列車をつくれば同じ目的を達成するのではないかと。それはいろいろ多いにこしたことはございませんが、国鉄は御承知のような異常な赤字でございますから、したがって乗客の便宜ということを十分考えなきゃいけませんけれども、同時に国鉄の経営というものを考えてこれらの問題を考えていかなきゃならないんじゃないかということを言っておるのでございまして、まだ新幹線が通ってない、たとえば上野−青森間の夜行列車を直ちに廃止しろとか、その他の全国の夜行列車を直ちに廃止しろというような議論をしておるわけではございません。しかし、私がそういう口火を切ったものですから、そういうしり馬に乗ったような形で夜行列車全廃論が出てまいっておるわけでございますが、このことは国鉄当局で検討してもらいたいということで私が話をしておることであります。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 夜行列車は、一面においてやはりお客さんは少しずつ減っております。そこで、昨年、五十三年の十月のダイヤ改正のときに、関西と九州との間の夜行列車のうち、特急三本と急行一本を廃止をいたしました。それで、いま様子を見ておるところでございますが、いまでも関西から西へ向けては乗車効率が余りよくない状態でございますので、これからも乗車効率を見ながら減らしてまいりたいというふうに思っております。ただ、非常に夜行列車をうまく使って宿泊費その他が少なくて済むということで、会議等にお集まりになるのについて夜行列車を絶えず使っていらっしゃる方もございますし、それから子供さん連れで、特に小さい子供さん連れの場合に飛行機ではいろいろぐあいが悪いということで、夜行——これ寝台でございますから寝台を利用していらっしゃる方もございますので、それを見ながら需要に合った形で減らしていきたいと思っております。なお、サービスが少し落ちますけれども、経費を減らしたいということで一昨年の十月からいわゆる列車ボーイ制度というものをやめたわけでございますが、こうしたことは夜行列車のコストを下げるためにやったわけでございまして、今後ともいろんな角度でコストを下げることを考えながら、そうしてお客さんの動向を見ながら、多少とも減りぎみでありますので、それに合わせて減らしながらまいりたいと思いますが、東北その他ではいまのところ猛烈に混んでおりますので、もちろんこれは動かすつもりはございませんし、関西につきましてもだんだん減らしていくということでいってはどうかというふうに考えておりますが、しかし、再建問題との関連で、いままでの思想のつながりだけでは問題が片づきませんので、抜本的な発想の転換が必要でございますので、そうした面でなお研究する余地があるのではないかということで現在のところはおるわけでございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 法改正後の付帯事業などによりまして、駅ビルなどの関連事業がいろいろ手がけられて非常に成果を上げておるようですが、いま柳澤先生もおっしゃったとおり、民間企業から新しい事業体系にそういう人たちを雇用してはどうかとか、いろいろいま先生もおっしゃっておりましたが、私も全くそういう観点に立っている者の一人でございます。実にPRが——こういうことを言いますと総裁おしかりあるかもわかりませんが、PRが何か非常に下手でございましてね、私もマスコミの一部にいる者ですからよくわかるのですが、大阪の九条なんかにりっぱな交通博物館、子供博物館なんかあるんですがね、近所の子供たちに聞くとぼくらそれは知らぬと、こういうことなんですが、相当りっぱなものが建って、この間ぼくもあわてて見にきたような状態なんですが、すばらしいものが建っているし、もっと子供にああいうものを見せてやりたいという気もいたします。ですから、ストのときの御理解のビラを配るのも結構ですが、同時に皆さんの力によって、やっぱり駅でたまにはこういうものもできましたよ、見てくださいよというふうなひとつPRをやるとか、たとえば先日見ましたが、忘れものだけでも国鉄で三億あるということで、そのアイデアからいま私たち勝手な企画でございますが、また総裁にもお願いにあがりますが、ああいう忘れ物一大セールスキャンペーンなんかやりまして、その売り上げの一部を身障施設にあげていくとか、そういう非常に国鉄のPRとして企業のイメージを上げていくというふうなこと、いろいろ私らは私なりにお手伝いをして、また企画書をあげたりしてお願いしますが、そういう点においては、何かつくられてもそれが非常にうまく効果が出ていないように思います。  そういうことで、無人駅なんかにいまミディショップなんかが、こう自動販売機なんか置いてかなり成績を上げておられる。これなどは本当にすばらしいアイデアだったと思います。まあインベーダーは置かぬように。あれは青少年に余りいい影響を与えてないようですが、自動販売機などですと、やっぱり駅というものの親しみということで、ミディショップなんというのはこれから随所に置いていかれてもいいんじゃないかというふうにぼくは思います。  それから、私も七、八年前にやっぱりこの運輸委員会で、新幹線の座席の改良ということで、いろいろ力学的なお話も伺いましたが、いま、六月七日から試作車を二両走らせるようですが、新しい試作車というのはどういう形の列車なんでしょう、客車なんでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 新幹線のお客さんがどうも減りぎみだということの中に、やはりあきられてきたということがあるのではないかということで、新幹線の中のアコモデーションをあちこち直そうという研究をいたしておりましたが、その中の一つとして座席のあり方をいま考えております。それは、御指摘を受けておりますのは、座席が普通車は横に五列になっておりますが、あの五列というのは窮屈じゃないか、特に三列と二列になっておりますうちの三列の真ん中の席が非常にぐあいが悪いということで、二列、二列にしてはどうかという御意見が出ております。しかしこれは、五列を四列にしますとお客さんが二割減りますので、それだけ収入が減るか、あるいはそれを補う——満員のときには列車をよけい走らせなきゃならぬということになりますと、一番多いときに現在ダイヤ上は一時間十本新幹線は走っておりますから、これ以上ふやすことができませんので、その点は、そういう営業政策、それから輸送可能性ということとの関連で、いま内部でいろいろ議論をいたしております。ただ、長い目で見ますと、大阪まではとにかく、非常に長い博多までの距離のような場合に、ああいう幅の狭いところでがまんしていただくというのはそろそろ時代おくれではないかというようなことで、いまとつおいつ悩んでおります。  それからもう一つは、ピッチと申します前後の幅が非常に狭くて、また背もたれが真っすぐになっておりますので、もう少しリクライニングを大きくできるようにしてはどうかという御指摘があります。ところがこれは、リクライニングを大きくするためには、いまのように背もたれが前後にひっくり返って、そして絶えず進行方向を向けて座っていただくという形をとりますと、リクライニング角度を大きくできないわけでございますので、リクライニング角度を大きくし。ピッチを広げるために、むしろ、いまのは転換式といっておりますが、それを固定式にしてしまったらどうか。在来線の特急はみな回転式になっております。これは二列ですから回転式ができますが、三列だとつかえて回転できません。そこでいま、ひとつ固定式にして、ある数のお客さんは後ろ向きでもがまんしていただくという方式はどうだろうか。後ろ向きについてお客さんがどういう感覚をお持ちになるかということを調べるために、試作車をつくりましていま走らせ始めておりまして、お乗りになったお客さんにアンケートをして、後ろ向きについて非常に不愉快とお考えになるかどうか、それによって判断をいたしたいと思っております。  あれこれ考えておりますが、いろいろな問題があってなかなか急には変わりませんけれども、しかしもういまこういう状態で、このままではいけないということで、全体として新幹線のデザインを変える方向で研究中でございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 まあ、長時間高速で後ろ向きというのはどうも私は生理的に問題があるように思いますが、いずれにしても、最近日本人の体位というものが非常に向上しておりますので、総裁の言われたように、ゆっくりゆったりと座れるシートというのが理想だと思いますので、逐次改良の方をお願いしたいと思います。  続いて空港関係についてお尋ねをいたします。  成田空港が先月の二十日で開港満一年を迎えましたが、この一年間大きな妨害や事故もなく、まずまずの状態ではなかったかと思うんですが、都心から世界で一番遠い空港、アクセスの悪い空港などと言われております。約一年間に成田空港の総出入国旅客は五百七十七万六千人余となるようですが、その大半がリムジンとか京成のスカイライナーなどを利用して都心と空港を行き来しているわけですが、行く行くはこの二期工事が完成しますと現在のアクセスだけではさばき切れないように私は思いますが、当初計画されていました成田新幹線の問題について、現在どのような状況に置かれているか、お尋ねいたします。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 先生御指摘の成田新幹線につきましては、工事の実施計画は御承知のように四十七年に認可をいたしまして、現在、成田線の交差部と空港駅との間の工事、それから用地買収を行っております。その他の区間につきましては、公害問題等から地元住民の強い反対運動が続きまして事業が実は進捗しておりません。一方、千葉県からは、成田空港へのアクセス対策と千葉ニュータウン等から都心への通勤対策を共用するような新らしい新高速鉄道の構想につきまして、その実現方の要望が出ております。このような状況から、成田の新幹線の工事につきましては、いま申し上げました新高速鉄道構想等との関連で、目下のところ手戻りの生じない範囲内で工事を実施するように鉄道建設公団に対しまして指導しております。この成田空港へのアクセス問題につきましては現在いろいろ検討している段階でございますが、その結論を得た段階でこの成田新幹線につきまして最終的な決定をいたしたい、かように存じております。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 日本航空の国際線を飛んでいる飛行機、成田から国内の地方空港経由で海外へ飛ぶ路線で、国内の区間だけ空席のある場合は旅客を運ぶことができるようにしてほしいという要望が運輸省に寄せられているそうですが、日航としましては、空席のまま飛ぶより席を満たして飛ぶ方がむだを省き、省エネルギーの観点からも良策というわけでございますが、一方の全日空、東亜国内航空は、国内の航空輸送秩序を乱し航空政策にも抵触するものという言い分のようですが、空席を有効に利用するということはよいことだと考えるんですが、運輸省の見解はどうなっておるのでしょうか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) いま御質問のございましたのは、いわゆるフィル・アップ・ライトと一般に言われているものだと思います。これは御案内のように日航法によりますと、日航は国際路線及び国内幹線において定期航空運送事業を行う、こういうふうになっておりますので、日本航空が国内において運航いたしますのは幹線に限られるというのが法律上の解釈であろうかと思います。しからばその幹線とは何ぞやという点についていろいろ議論があるわけでございますが、現在のところは四十七年の運輸大臣示達というのがございまして、この中で幹線は括弧書きという形で現在日航が運航いたしております札幌から那覇に至る空港が列記をしてある、こういう形になっております。  そこで、いまお話しのフィル・アップ・ライトというものは、国内を経由して国際線が飛びます場合に、その国内部分について空席を利用して国内の旅客を乗せる、こういう問題になってまいりますので、理屈の上からだけ押してまいりますと、これはやはり国内線としての免許を持たなければいけないのではないか、こういう法律上の解釈論が出てまいります。そういたしました場合に、現に国内亜幹線は多くダブルトラックになっておるわけでございますので、そこにさらに、たとえば成田発−鹿児島経由−香港行、この場合、成田ではございませんが東京と鹿児島との間には現在全日空と東亜国内航空がダブルトラックになっております。そこへ日航が仮にこれを幹線として入れるということになりますとトリプルになってまいります。で、その前にまず幹線であるかないかの議論も要るではないか。仮にそれを幹線と考えてトリプルにいたしました場合に、現在既存の姿で何年か前から入っております二社との関連を一体どのように扱うのかといったような問題のほかに、一台の航空機の中に国内線の旅客と国際線の旅客とをダブらして乗せるということが場合によっては必要になってくるわけでございますので、この場合、片や通関をした人、片や通関をしてない人、こういうふうな形にもなりますので、実務上どうするかといったような問題も出てまいります。ここら辺の法律上の問題、実務上の問題あるいは運用上の問題いろいろ問題がございますので、そう簡単に思い切って決めてしまうということも困難ではございますけれども、しかし一方国内幹線というものが現在四十七年の通達で決められているといいながらも、それは幹線空港が列記されているということであるということでもございますので、今後の地方空港の国際化の動きとかそういったようなものをよくにらみ合わせまして、ここら辺のところはやはり前向きに取り組むべきではないかということで、いろいろむずかしい点はございますものの、私どもとしてはいま積極的に答えを出そうということで鋭意研究をしておると、こういう実情でございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 続いてチャーター便についてお尋ねいたします。  航空機を利用する者にとっては航空運賃が安くなるチャーター便は歓迎するところでございます。定期便との関連や影響もいろいろあるようですが、近距離の国際チャーター便などは積極的に私は拡大する方がよいと思います。大臣は、全日空の近距離国際チャーター便の範囲を限定し縮小していく方向と聞いておりますが、大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。  近年、海外旅行者が非常に急増しているとき、低運賃のこのチャーター便は利用者にとっては大変ありがたいことだと思います。松本航空局長は二十四時間で往復できる距離も一つの概念だというふうにおっしゃっておられますが、少なくとも縮小するということはおかしいと私は思うんですが、その辺を大臣と局長にお尋ねいたします。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 近距離チャーターということであって、何をもって近距離とするかということが問題であります。いままではシンガポールとかインドネシアとかそこまで飛んでおりますし、それからそういう飛行機を飛ばす会社は将来の国際線参入というような気持ちを持っておるようでもございますし、どこかでけじめをつけなければいかぬと。近距離という概念からいたしまして、とにかく中国、香港、マニラというのは近距離と。しかしそれ以上に、これはただ例示的に申したのでありますが、通常チャーターで使う727で、途中また油を入れ直していかなきゃ飛んでいけないというところまで近距離ということが言えるかどうか。そうなればもう際限がないではないかということにもなりますので、近距離チャーターをとりあえず中国について二便はこれを承認する、シンガポールの問題はとりあえずこれを認めないと、こういう判断をいたしたわけです。  これはどういうことから起きたかと申しますと、全日空がインドネシアのパリ島にチャーター便を出す、そしてそれを五十便今年度出すということを現地で取り決めてまいりまして、そしてこれを新聞に発表しました。この問題については事前または事後に私とか航空局長が全然聞いておらないことでございまして、こういうことはよく相談してやるというたてまえになっておるわけでございますから、国の航空当局というものがありましても、自分のところが行きたければどんどん行くというようなとはいかがかと。その前に、この委員会でも——衆議院でごさいましたか、問題になりまして、バリ島につきまして一種の運送契約まがいの約束事がありまして、これは少なくも二年前でございますけれども、航空当局に話を通じてやるべきことである。国は国でインドネシアの方と正規の航空交渉をしておる、全日空は全日空で自分で勝手にそういうことをやっていくというようなことは、国の航空政策上、これはおもしろくないわけでございます。特にバリ島の五十便のチャーター便につきましては、私が大臣になってからのことでございますから、こういうことを、勝手に、と言うと表現がいいかどうかわかりませんが、やるようでは困るではないかということに対して、全日空の方からこれはまことに相済まぬことである、おわびいたしますと、今後は大臣の趣旨に沿ってチャーター便を飛ばしたいとこういうことで、時に中国とかシンガポールにチャーターを、これは一便一便認可をするわけでございますから、それについてお話がありましたから、これは中国は結構でしょうと、しかし、シンガポールは近距離と言えますかねということで見合わしたというのが現状でございます。しかし何をもって近距離とするかという近距離という言葉の意味でございますが、これにつきましては、いま目下検討中ということであるわけでございまして、なお足らざる面につきましては最近はチャーター便の様相もいろいろ変わってきてまいっておりますものですから、その点につきましては航空局長の方から説明いたさせます。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 大臣のお答えを補足する意味で申し上げますが、チャーター便についていま御質問ございましたように、低運賃で旅行の自由が担保されているということ自身については、これは結構なことであろうかと思います。世界的な傾向を見ましても、かつて十年程度前に比べますと、チャーターの伸びというのは大きくなってまいりました。しかし、ここ一、二年の様子を見ますと、再びチャーターの鈍化が起こっておることも事実でございます。それはそれといたしましてわが日本におきましては、従来、チャーターというものを非常に厳密な意味に解釈をしておったわけでございます。つまりある旅行目的としない特定のグループがありまして、そのグループが旅行をしたいという意欲を持った場合に、適当な航空会社と契約を結んで飛行機を一機借りて飛んでいく、これがチャーターの本来の姿である、こういう考え方で従来やっておったわけでございます。そういう考え方を貫く限り、これは定期便との間に何も問題は起こさない。まずそこにお客があってそれが飛行機を探してくる、こういうことでございますから、飛行機がそこに毎日飛んでおってお客が寄ってくるという形の定期便とははっきりと違っておるわけでございます。  しかし、世界のチャーターに関する趨勢というのは非常に激しく動いてまいりました。世界的な傾向としてとらえてみますると、そういうチャーターではなくて、ITCとこう呼ばれておりますけれども、飛行機会社なり旅行業者の方が飛行機を用意し、スケジュールをセットいたしまして皆さん乗りませんかと言ってお客を集める、こういうチャーターが非常に伸びてきている。そこでずいぶん私どもも議論を重ねたわけでございますが、昨年の秋以降、日本としてもこのITCチャーターを試験的にやってみようということにいたしました。そうなってまいりますと、従来のチャーターと激しく違いますところは、初めに飛行機ありきという点において定期便と余り変わらないという問題が出てまいります。そこで定期便は飛んでいる、そのほかにまたITCチャーターが盛んに飛ぶ、こういうふうなことが出てまいりますと、現に二国間協定に基づいて定期便を飛ばしておりますそれぞれの指定航空企業との間に非常に問題が出てくる、あるいは航空当局間の議論の中にも非常に別途の問題が出てくる、こういうことになってくるものでございますので、従来のような形でいくという点についてはやや修正を加えざるを得ないだろう。特に市場が非常に豊かなマーケットであって、多少オーバーキャパシティーぎみにチャーターを導入いたしましてもびくともしないという場合ならよろしゅうございますけれども、必ずしも東南アジアの市場はそういったものばかりでもございません。したがって、かつかつの状態で定期便が飛んでいる、そこに従来は年に何便かという程度のチャーターが飛んでおったというのが、おしなべて近距離チャーターであるということで、ITCを含めてチャーターが増加してまいりますと、非常にそこに問題が出てくるという心配もございます。そういう点から、先ほど大臣が御答弁申し上げた近距離とは何ぞやという点を含めてこの際見直しをしておきたい、きちっとしたルールの上に立って処置をしてまいりたい、こういうことでございますので、チャーターそのものをことさらに抑制しようというふうな意図に出たものではございません。ただ、従来とチャーターの概念が大きく変わってきているということを踏まえて、秩序のある発展を図れるようにしたいと、こういう意図でございますので御理解いただきたいと思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 最後の質問になると思いますが、関西新空港について若干お尋ねをいたします。  昭和四十九年の八月、航空審議会が運輸大臣に対し、関西につくる新しい国際空港は、その位置を大阪湾南東部の泉州沖の海上空港が望ましいと答申をしました。その後、自然条件、社会条件、環境への影響、また先日の五月二十二日から二十五日まで延べ四十回にわたる実機飛行での騒音テストなどを実施してまいりましたが、運輸省としては泉州沖以外はもう考えられないということで進めているのでしょうか。答申は、新空港が完成すれば、伊丹空港の廃止も含めて検討するというようなことも一部言われておりますが、その点についてお尋ねをいたします。  それと、その工法によって非常に業界が揺れ動いております。答申では埋め立て、干拓、桟橋、浮体工法ですが、推進者の中には、鉄鋼の構造不況という中のことで、浮体工法というのが非常にクローズアップされてきたというふうなことで大変有力視されておりますし、現にわれわれ運輸委員の方にもそういうような陳情も来ておりますし、かなりでき上がったプロジェクトを持ってお見えになっているようです。地元大阪では、土木界と鉄鋼工業界ががっぷり四つに組んだところだというふうなことになっておりますが、よけいな摩擦はなるべく避けて、適切な指導なり発表なりをして、一日も早く関西新国際空港を実現をしてもらいたいものだと思うものでございますので、その点について、お答えにくい点があれば結構でございますが、知る限りの点でお答えをいただきたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) ただいまお話がありましたように、関西国際空港は、航空審議会答申に示されている泉州沖候補地、それが公害がなくて地域社会と調和のとれた新空港の建設が可能であるかどうか、環境影響調査を実施しているところでありまして、これらの調査は今年度末に完了することになっておりまして、その結果、関係府県等と協議を行って、合意が得られれば、同候補地において建設を推進をしてまいりたい、そういうふうに考えております。  近来、関西財界等大変御熱心に取り組んでおられるようでございますが、地方自治体は、多くはこれに対して必ずしも賛成していないというようなことでございまして、そういう中で国際新空港を促進するということについては、いままでいろいろ先例がございますものですから、率直に言って、将来に大きな希望を持つと同時に、また、心配もしておるというのが現実の姿であります。  それで、これが開港した後、現在の伊丹空港のあり方につきましては、昭和四十八年七月、運輸省が大阪国際空港騒音対策協議会に対して、「大阪国際空港の将来のあり方については」、関西国際空港の「開港時点にこれを撤去することをも含めて」「検討するものとし」、「検討に際しては地元公共団体の意志を十分尊重する」というふうに回答をいたしておりますから、現在もその考えに変わりはありません。  それから関西国際空港の工法につきましては、いまお話しのとおり、埋め立て、桟橋及び浮体の三工法が考えられるわけでありますが、航空審議会の答申においては、埋め立て工法を主体とすることが最適であるとされておりました。しかし、答申以後時日も経過しており、その後の技術開発もいろいろありまして、さらに検討を加えるため、昭和五十二年度、五十三年度、両年度において技術的、経済的観点から調査、検討を行いました。今後はこれらの研究成果を踏まえて、できるだけ速やかに工法の決定をいたしたいというふうに考えておるわけでありますが、造船業がいま未曽有の不況でございまして、何とかこの浮体工法を採用してくれという強い御要望もあり、またそれについては、技術的になお心配だという意見もあり、まだ最終的な結論を出すに至っておらないというのが現状でございます。

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。森山運輸大臣。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) ただいま議題となりました新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  新東京国際空港は、長期にわたっての航空輸送需要に対応し、将来における主要な国際航空路線の用に供することができる空港として、新東京国際空港公団において、その建設を鋭意進めてまいりましたところでありますが、関係各方面の協力を得て、昨年五月二十日、開港に至り、現在、ほぼ順調に運営されております。  今後とも地元の理解と協力のもとに、日本を代表する国際空港としての新東京国際空港の整備・拡充を行ってまいる所存であります。  ところで、新東京国際空港の運営につきましては、新東京国際空港公団が行う業務と空港関連事業者が行う事業が、一体となって行われることが必要でありますが、同空港の円滑かつ効率的な運営を確保していくためには、同公団が、これらの事業に対し投資することができることとすることにより、これらの事業の着実な遂行を確保していく必要があります。このため、この法律案を提案いたしました次第であります。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  この法律案は、新東京国際空港公団が、運輸大臣の認可を受けて、同公団の委託によりその業務の一部を行う事業及びその業務と密接に関連する事業で新東京国際空港の円滑かつ効率的な運営に資するものに投資することができることといたしますとともに、同公団の業務の範囲、大蔵大臣との協議等の規定につきまして所要の改正を行うことといたしております。  以上が、この法律案を提出する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十七分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗