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87回国会参議院1979/03/20

運輸委員会 第3号

発言数
239
登壇者
20
会派数
6
開催日
1979/03/20

会議録

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に日本鉄道建設公団総裁篠原武司君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は、初めに国鉄の再建問題等について、大臣並びに総裁、関係部局長に質問いたしたいと思います。  悪化の一途をたどる国鉄の財政再建のためには、その根源に向かって各般の対策を進めていかなきゃならぬことは御案内のとおりであります。昭和五十二年の十二月二十九日に閣議了解されました「日本国有鉄道の再建の基本方針」は、各種の処方せんを提示していますけれども、特に国鉄の経営上負担の能力の限界を超えると認められる構造欠損の問題について指摘されているのであります。  ちょうどそのころ、高木総裁は、公共企業体等基本問題会議での意見開陳の際に、構造欠損と言われる問題について三つを挙げられたのであります。  その一つは地方交通線から来る負担でございます。二つは、過去債務によって負担を強いられておった、戦中戦後を通じて国策遂行上生まれた要員構成のひずみによる負担。三つは、学生運賃割引など公共負担から生じる負担だというようなことになっているわけでありまするけれども、この構造欠損に対する考え方について大臣からひとつお聞きいたしたいと思いますが、どういうお考えを持っておられるのか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 国鉄の再建につきましては、一昨年の十二月、国鉄再建の「基本方針」によりましてその大筋が明示をされております。私はその大筋に沿ってその再建に当たってまいりたいというふうに考えております。  それによりますれば、国鉄が徹底して経営の改善に当たるということを前提にして、適宜適切な運賃値上げも行い、またこれを補完する意味において国が行財政の支援をするという三本柱の上に立って国鉄再建を進めてまいるわけであります。  そして、その目標は、昭和五十年代に収支相償うことを目標にし、昭和五十五年度から本格的にこれに取り組む。昭和五十三、四年度においてその基本方針のためのめどを確立する、そういう考え方であろうかというふうに思っております。  そういうことで、国鉄の経営改善の徹底した努力というものが前提になるわけでありますが、過密過疎の問題のように国鉄だけの力をもってしては打開できない問題について、その最も大きな例証として地方ローカル線問題があることも事実でございますし、長年にわたる独特の職員構成からいたしまして年金問題等に問題があり、また高額な学割、通勤割引等の問題もございますので、この問題についても考慮してまいらなければならぬ。いわゆる構造的欠損、国鉄だけの努力では打開しがたい問題があるということについては私も同感でございまして、ただそれをいかなるものにするかということをことしの六月ごろまでに最終的な詰めを、とりあえずの詰めを行ってまいりたいというふうに考えております。と同時に、国鉄の努力をもってして打開しなきやならない問題も、その際あわせてこれを検討の対象として進めていかなきゃならない。こういうふうに考えている次第であります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国鉄総裁はいまの大臣の見解についてどういうようにお考えになっていますか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 以前当委員会におきまして、いわゆる運賃法定主義を緩和する法案について御審議いただきました際にも、五十二年の十二月二十九日の閣議了解の考え方の大筋が御討論になったわけでございまして、私どもはその線に沿って取り組んでまいらねばならない、またそのつもりで今日までまいった次第でございます。なかなか容易ではございませんけれども、しかし早く計画を立て、それに向かって取り組まなければならないという意味で、いま大臣からお示しがありましたように、この六月ごろには何とかその概案をつくりたいということで鋭意作業をいたしており、また細かい点についてもその具体的方式について勉強いたしておるところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 先般昭和五十四年の一月二十四日に、国鉄ローカル線問題についての大臣の諮問機関である国鉄地方交通線問題小委員会において最終報告を提言されました。運輸大臣におきましては、あなたの諮問機関がまとめられた最終報告でございますので、これを十分尊重されて提言された諸施策を実施しようとするお気持ちを持っておられるかどうかお伺いいたしたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 運輸政策審議会の委員で構成される小委員会によって答申が出たことは事実でございます。しかしその中身はきわめて重大でございますから、私どもはこれを慎重に検討しなければいかぬ。せっかく答申が出たことでありますから、答申の線に沿って検討したい。しかしそのままうのみにできるかどうか、よく審議会の答申を尊重して、あすにでもやるようなことをよく言うわけでありますが、私はしかく簡単な問題ではないのではないかというふうに思っております。そういう意味で答申の線に沿って検討をするということでこの問題に臨んでおるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国鉄総裁にお伺いいたしますが、あなたはこの諸施策が実施されることを期待しておりますかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 地方交通線の問題は国鉄の経営上の大きな負担となっておるわけでございまして、これに取り組まなければならないということはもう十年以上前から言われており、また国鉄としても過去においてもそれなりの努力をいたしたわけでございますけれども、結果としては成果が上がっていないわけでございまして、きわめて難問中の難問であるという認識を持っております。私どもの公共的使命というものと経営についての責任というものをそうした問題についてどう調整するかということがむずかしいわけでございまして、苦慮いたしておるところでございます。  で、今回小委員会から御答申がありまして、きわめて有力な一つの御提案であると思っております。したがいまして、こうした考え方を基本として、ただそれを現実の行政といいますか、執行に移すようにいたすためにはまだいろいろ工夫をしていただきたい点があるわけでございまして、まあどういうふうに進めるか十分私どもが案を考え、そして運輸省にお願いをして、成案に一歩一歩進んでいくようにしたいというふうに思っております。  ただ、いまも大臣お触れになりましたように、非常に大きな問題でございますので、必ずしも拙速であってはいけないという感じを持つわけでございまして、このことは十何年もやりましたけど、なかなかうまくいかぬということが事実が証明しておるわけでございますので、慎重な取り組みをされるということについては、私どももそれの線に沿ってよろしいんではないかと、特に意見を異にしておるところはございません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣が言われましたように、この提言は、単なる赤字ローカル線の問題だけに限定されない重大な問題を持っていると思います。  で、運輸省の責任者である大臣と、国鉄の責任者である総裁から、この問題についてはその線に沿ってひとつ検討をいたしたいというようなことの御意見がございました。私は、この提言を実施しようとするに当たりましては、いろいろ「国鉄再建のための諸施策の一環として、構造的欠損に係る問題の一つであるローカル線の問題」でありますから、「今後の対策の方向を明らかにすることを目的として」、この所要の立法上、行政上の措置を行うべきであるというように考えてあるわけでありますが、確かに大臣がいま言われたように、この提言を見てまいりますと、不明な点がまだたくさんございます。重要な部分について二、三お聞きしたいと思っているんでありますが、ローカル線の範囲及び区分についてはだれが決めるんだというようにお考えになっておられるか。大臣、この点をひとつ聞かしてもらいたいと思います。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 運輸政策審議会の小委員会の最終報告によりますと、ローカル線の範囲につきましては、注記をいたしまして、「輸送密度が概ね八、〇〇〇人/日キロ以下の中小私鉄に欠損を計上しているものが多いことが参考となる」ということが指摘されております。したがいまして、この報告書の趣旨といたしましては、輸送密度が一日、キロ当たり八千人、これを有力な参考にして考えるべきである、こういう御指摘があると思います。  そこで、大臣もお答え申し上げましたとおり、この最終報告の趣旨に沿って具体的な対策について目下検討中でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 鉄監局長ね、いまこの問題については、赤字ローカル線の範囲及び区分についてだれが決めるんだと、こう言っているんですよ。ですから大臣でしょうと。こういったことについて八千人の中小私鉄の規模を参考にするということは、これは書いてありますからね。だから、だれが決めるんだということを聞いたんです。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) この決める責任者、これをどこに求めるかというのは、実はこれを具体化する具体的対策の一環でございます。したがいまして、その方法論としては、国の責任で、国が、たとえば法律において決めるとかあるいは国が行政上の責任として、内閣の責任として閣議決定なり閣議了解で決めるとか、いろいろ方法論はあると思います。それらを含めまして具体的な対策について目下検討中でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私の質問をはぐらかしちゃだめだよ、局長。だれが決めるんだと。行政上の責任は運輸大臣ですね。だから運輸大臣が決めるんなら運輸大臣が決めると言えばいいんですよ。総裁が決めるわけじゃないでしょう。まさか大平総理大臣が決めるわけじゃないんだから。全責任は運輸大臣にあるんだから、運輸大臣が決めるということになるというように理解していいんでしょう。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 方法論としてだれの責任において決めるかということは、いろんな考え方がございますが、再建の基本方針にのっとって構造的欠損の事柄の一つとしてこの問題を処理するという場合には、政府側においてはやはり運輸省がその責任を負いますし、あるいは事実上の認定問題としては、国鉄の意見を十分に取り入れられるような制度にすべきであろうと、こういうことを考えておりますが、いずれにいたしましても確定的なことは、具体的対策の一環として慎重に検討してまいりたいと、かように存じております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 赤字ローカル線の範囲及び区分が決まらないと、国鉄の個々の線がどれに該当するか決まらないんですね。ただ八千人程度の中小私鉄の規模を参考とするということだけでは、これもやはり漠としたひとつ提言になっていると実は思うのでありますが、したがって対策の講じようがないんでありまするけれども、その点については大臣どういうようにお考えになっておられますか。非常に重要な問題です。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 私は、これ国鉄の再建でありますから、そして国鉄再建の基本方針にもありますように、国鉄側が考えをまとめて運輸省の方へ言ってきて、運輸省の方でひとつそれでやろうということで最終的に事を決めていくと、こういうたてまえになっていると私は思っております。したがって、このローカル線の問題につきましては、まずローカル線の問題に対していかなる考え方を持って臨むかというその大方針について国鉄側の考えをまとめられて、私どものところへ考えを述べていただき、私どもはそれで行ったらいいじゃないかと、それで行こうじゃないかということになれば、そういう線に沿って今度具体的な線別の処置につきましては、その大方針に基づいて国鉄から運輸省に対して申請があり、運輸省がそれに対して認可をするという通常の手続によるものであるというふうに私は考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 赤字ローカル線の問題は、これはまあ構造的欠損の、国鉄の労使の努力によっては償うことのできない構造的赤字の最たるものだと実は思っているんでありまするけれども、ただこれは戦前、戦中、戦後を通じまして、国鉄にその負担が実は全部かけられてきた問題であるわけです。ですから、地域住民にとりましては、過疎になれば過疎になるほど、その国鉄を愛し、その赤字ローカル線に自分たちの生活と経済をかけているというところ、が非常に多いわけでありますから、私はきわめてこの対策については、いわゆる運政審小委員会の提言による問題については、これはきわめて重大な問題を含んでいるというのは実はそこにあるわけです。ですから、鉄建公団の総裁も見えておりますから、後で質問いたしたいと思っておりますけれども、片方でAB線をどんどんつくっている。片方ではこれをひとつただで民間に払い下げを、地方公共団体にやろう、あるいはまた国鉄独自でひとつバスを走らせよう、あるいはまた現行のままで行こう、いろいろな案があるわけでありまするけれども、こういう問題については私は特に一番地元民が心配いたしておりますのは、おれらのところへただ払い下げられても、またひとつ特別運賃でも取られるんじゃないか、そういうことが非常に心配なんでありまするけれども、国鉄総裁、いま国鉄で特別運賃を取っているところはありますか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 現在はございません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 過去においてはあったんですか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 昭和三十五年度に開業した線が四線区ございまして、その四線区について営業キロをある程度延ばしまして取った例がございます。それで四線区は、指宿線、能登線、岩目線、越美北線でありまして、それぞれ営業キロによりまして一・五倍から二倍という運賃を収受いたしております。ただしこの措置は、三十六年の五月限りで廃止をされました。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そういたしますと、これは過去においてあったと。運賃の一・五倍ないし二倍だということでありますけれども、国鉄運賃については国鉄運賃法によって実は決められていると思うのでありまするけれども、昭和三十五年の場合には条文のどこを参照したのかお聞きいたしたいと思います。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 国有鉄道運賃法の第九条の「運賃及び料金の適用に関する細目」という条項でもってやったというふうに記憶しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 法制局おりますか。——いまのは国鉄運賃法の九条細目だそうだけれども、それはできるのですか。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○政府委員(工藤敦夫君) 現在においては九条あるいは三条の二項——運賃法のでございますが、ということを見ますと、必ずしも現在では適当ではないかというふうには思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 現在は適当じゃない、そうでしょうな。  私ども、昭和五十二年ですか、運賃法の法定緩和の問題等についてもあれだけ議論した内容ですからそうだと思いますが、そうすると、特別運賃を取るという問題についてこの運政審の答申に出されているわけでありますが、これは鉄監局長どうなんですか、できるんですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 運政審の小委員会の報告では、先生御指摘のとおり、たとえば鉄道輸送の方が経済的な路線につきまして、「運営合理化の徹底及び特別運賃の設定により、国鉄路線として維持するものとする。」、このような指摘がございます。この特別運賃の設定、特別運賃を取ることができるかどうかの問題につきましては、私どもといたしましては、現在の改正運賃法上可能であると、このように解釈しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうすると、同じ内閣の中において、法制局と運輸省が違うというのは、これはどういうわけなんですか。閣内不統一じゃないか。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○政府委員(工藤敦夫君) お答え申し上げます。  現在におきましては運賃法の十条の二がございまして、「当分の間」、あるいは十条の三というような期間の制限あるいは限度の制限というようなものはございますけれども、十条の二におきまして、三条一項の規定にかかわらず「運輸大臣の認可を受けて日本国有鉄道が定める賃率又は運賃による。」というふうに書いてございます。そこから判断いたしまして、ここでこの提言におきまして「特別運賃の設定を実施することとし、」と書いてあります趣旨はそういうことであろうと私は理解しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 十条の三によって、三条一項にかかわらず、特別運賃ができる、徴収することができる、こういう解釈ですな。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○政府委員(工藤敦夫君) 十条の二に基づきましてそういう設定ができるであろう、こういうふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 わかりました。  そういたしますと、特別運賃というものについて、これは許認可は必要ないのかどうか。その点いかがですか、鉄監局長。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) いま法制局の部長から御指摘がありましたとおり、運輸大臣の認可を受けて日本国有鉄道の定める賃率によるというようなことでございますので、運輸大臣の認可は要ると、かように存じます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 地方ローカル線の範囲については、約九千キロメートルと実はされているわけでありますが、このような広範囲にわたって特別運賃を取ることが現行法制上できるということになると、これはやっぱり大変なことだと実は思うんです。私のいま質問に対して、恐らく新聞社も取り上げると思うんでありまするけれども、これはもう、この運政審の交通線問題小委員会の提言というものは、実はいわゆる天井知らずに取れるというように解釈されると思うんですよ。したがって、この問題については一つのやっぱり限度があると考えていると思われるんでありまするけれども、大臣、これはいかがですかな、重要な問題だと思うんですが。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 改正の運賃法によりまして最高限度の規定がございます。その限度の範囲内においてのみ徴収することができる、設定することができる、かように存じます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 改正の限度というのは運賃法の中に書かれているんですか、それとも私鉄の関係の法律の中に書かれているんですか、どっちに書かれているのですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 現在の国有鉄道運賃法でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうしますと、限度を定めて特別運賃を徴収することができるということでありまするけれども、その問題については後でまた詰めてまいりたいと思っております。  この提言にありますように、「バス輸送の方が適切な路線」というのがありますね。関係者による協議会を組織いたしまして、代替輸送サービスの整備については必要な協議をすると最終報告にあるわけです。この協議会を組織する責任者はどなたと考えればいいのでありましょうか、運輸大臣に聞きたいと思います。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) この最終報告書によりますと、構成のメンバーといたしましては「国及び国鉄の関係出先機関、関係地方公共団体その他の関係者により構成する」と、このように書いてございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 局長ね、最高責任者と私は聞いているんですよ。全部が最高責任者ということはないでしょう。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) この報告書で指摘しております、提案しておりますこの協議会は、この協議会自身が会議体として、協議体自身が共同の会議体として責任を持つ、このように私どもは理解しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 どうも運輸省はここから逃げ出そう逃げ出そう、責任を回避しようとする面が非常に見られる、さっきからね。そうじやなくて、ちゃんと「国及び国鉄の関係出先機関、関係地方公共団体その他の関係者により構成する協議会を組織し、国鉄路線に代わる適切な輸送サービスの整備に関し必要な協議を行うことが適当であると考えられる。」ということでありまするから、この問題については明らかに運輸大臣だということはだれが見てもわかると思うんでありまするけれども、大臣、この点いかがですか。どうも局長は横の大臣の顔ばかり見て答弁しているように見えてしょうがないですから、最高責任者のあなた、言ってくださいよ。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 委員長。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いや、大臣に聞いているんだよ。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) この答申書の表現からいたしますと、「関係都道府県の区域ごとに、国及び国鉄の関係出先機関、関係地方公共団体その他の関係者により構成する協議会を組織」する、こういうことでございますから、国鉄、国の出先機関というとこれはどういうところになりますか。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 陸運局でしょう、陸運局じゃないですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 陸運局かもしれませんね、これは。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 陸運局だと思いますよ。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 陸運局が国鉄の関係についての一応の権限はありますけれども、実際的には非常に薄いですから、これは御承知のとおり。一応形は、この間も陸運局長会議を私ども開いたわけでありますが、国鉄問題を実際担当しておりますのは、国鉄の各地方の管理局がつかんでそれが国鉄総裁の統率下にあるわけでございまして、監督機関としての運輸省の出先に陸運局があり、陸運局が地方の国鉄の問題についても一応の関係はありますが、やはり必ずしもいままでの実際の活動から言えば、陸運局がそれほど深く地方国鉄の運営に関与しているようにも見受けられません。しかし権限上は無関係ではございませんから、そうなれば、国鉄の関係出先機関と言えば管理局を言うんでございましょうね。その他、地方公共団体その他の関係者と言うんですから、県とか市町村の代表者による協議会を組織するということでございますが、方針としましては、これはやはり国鉄の方からこういう方針で、まだこのままやるわけじゃありませんから、こういう方針でやりたいというふうに国鉄の方からお申し出をいただいて、私どもとしても検討してこれで行こうという段階が六月ごろからいよいよ最終的な詰めに入っていくわけだと私は思います。だから、その段階で具体的にどうしようかということを決めていこうということでありますから、いまこの答申の段階で、そこまではっきりしたことをこの答申では言っているのではないのではないかと、こういうふうに思います。どういうふうにやったらローカル線の整理問題がやりやすいかという観点で事を進めてまいりたいと、こう思っておりますが、これは別にそこまで言及してないんじゃないでしょうか。私はそんなふうな感じを持っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それは森山運輸大臣らしからぬ答弁だと思います。あなたのような歯切れのいい答弁をされる人が、地方の交通関係の国の出先機関というのは、自動車局長見えるけれども、自動車局長の配下にある陸運局長、そして日本国有鉄道管理局というようなものが、これがいわゆる運輸大臣の傘下にある、あなたの監督、指導を受ける出先機関だというように考えているわけです。ですから、先ほど冒頭言われましたように、この赤字ローカル線の問題というのは、単なる赤字問題じゃない。やはりこれから、大平さんも言っておられるように、田園都市構想をひとつ推進しようとすれば、それは道路だけじゃなくて、どうしても地方のローカル線を充実強化して、そうしてその中で住宅や文化、教育、医療その他のものとマッチした形の中でこれを強化することにこそ、やはり今後の日本の新しい発展の基盤というものが存在するというように私は考えているわけです。ですから、重大な問題であるだけに、この提言では、責任者は運輸大臣になりなさいよなんということを書いてありっこないですよ、それは。しかし、これから推察するものについては当然運輸大臣がリーダーシップをとって、そしてこの赤字ローカル線対策に当たる。あなたは国鉄の方の意見をよく聞いているということをおっしゃっているけれども、もちろんいま経営主体は国鉄ですから、国鉄から離れるということになったような場合、あるいはまた国鉄に今度はAB線が編入されるというような場合、貸し付けられるというような場合、そういうような場合に国鉄の意向を聞くということもあるでしょうけれども、やはり私は、もう確固たる責任者は運輸大臣であるということを確認していかなければ、赤字ローカル線対策についてあなたに質問する一つの意欲というものは減退するじゃありませんか。いかがですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) やはり地元の意見を反映させるために最もいい方法を選ばなきゃならないと思います。したがって、地元の意見を反映させるために、もし当該——これはこのままやるわけじゃありませんよ、が、こういう方式をとるとすれば、その協議会の組織運営をどうすればいいかということは、これは国鉄側ともよく相談してやらなきやならないと思います。それからまた、こういうことをやるということになれば、政府の側でも自治省の方とも相談してやらなきゃなりませんので、そこまで現在まだ詰まっておらないのであります。したがって、私だけ独走して、よっしゃと言っておなかをたたくのもどうかと思いますので、その問題は、十分この新協議会を設置する目的である地元の意見を反映するということで一番いいやり方を考えていきたい。  現段階は、ひとつこの程度の答弁で御了解を願いたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 時間がありませんから、運輸大臣がいま言われたようなことも、やはり運輸大臣の方針として、指導性として、そういうことをひとつやっていただきたいというように考えます。  それから、協議会において選択する転換措置にバスがあるわけですね。このバスは、当然国鉄バスは含むわけですね。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 含まれます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 民営バスが並行して走っていても、協議会が国鉄バスを選択すればそれを尊重するということにもなるわけですね。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) この報告書におきましては、地元の意見を十分に反映さしたいということでございます。その結果、原則としては、この報告書の考え方としては、そこにすでに民営のバスの輸送力があるという場合、その民営のバス事業者が、たとえば鉄道を撤去するという場合、代替輸送力として増強する必要がありますが、これにも対応できるというような場合には、既存の民営のバスの輸送力を尊重すべきだと考えますが、現在でも、いわゆる過疎バスで民営事業者として経営が非常に悪いという場合に、その輸送力を増強する余地がないというようなときに、たとえば国鉄バスにその必要な輸送力増強についても考えてもらうというようなこと等は当然具体的なケースとして出てくるかと存じます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 第三セクターによる鉄道サービスの整備が協議会において選択できる転換措置の一つとしてあるんでありまするけれども、この場合の第三セクターはどんなようなものだというようにお考えですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) この報告書で指摘しております第三セクターというのは、小委員会の審議の過程におきましては、関係の地方公共団体が主体となって、それに適当な地元の、たとえば商工会議所なり産業界等関係者の共同出資による企業体、これを一応典型的な例として予想しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうしますと、この場合には、関係地方公共団体並びに商工会議所、産業界等が共同出資するんだということでありますけれども、この場合には国は入るんですね。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) この第三セクターというのは、地方公共団体が大体主体になるだろうということでございまして、国が直接参加するということは考えておりません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国鉄はいかがですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) この小委員会の論議の過程におきましては、国鉄がこれに出資で参加をするということは話題に出ておりませんでした。がしかし、これを具体化する場合においてそのような必要があるかどうか、それも含めて検討中でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 自治省の方は見えてますか。——自治省としては、いまの問題について国は入らないということのようでありまするけれども、これは地元の意向は国も入ってくれというような場合もあるし、あるいはまたいまの鉄監局長の話によれば、地方公共団体が主体で、関係の経済団体等を網羅して共同出資にするんだということなんでありまするけれども、この場合の主体は自治省において指導的な役割りを果たすというように解釈してよろしゅうございますか。

井上孝男自治省財政局調整室長

○説明員(井上孝男君) お答えいたします。  国鉄再建のための諸施策の一貫といたしましてどのようなローカル線対策が講ぜられますかは、地元の意向も十分尊重されつつ、鉄道等の交通行政を所掌されます運輸省あるいは国鉄において判断されるべき問題であるというふうに基本的に考えております。  なお、自治省といたしましてのローカル線対策が進められます場合の基本的な考え方を申し上げさしていただきますと、現行の国と地方との間の事務配分あるいは財源配分のたてまえからいたしますと、ローカル線対策が講ぜられる場合におきましても地方公共団体に自後の処置をゆだねたり、あるいは財政負担を生じせしめるような措置はとられるべきではないというふうに考えておるわけでございます。  ただいま先生のお尋ねの問題につきましては、私どもこのような基本的な考え方に立ちまして、今後具体的に検討をしてまいりたいというふうに存じております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 わかりました。そうすると、自治省の室長の話では財源配賦の点等から考えて、いまでさえも地方財政は硬直化しているわけですからね、地方公共団体に財政負担を求めないということは、これは非常に結構なことだと思いますけれども、しかしだからといって自治省としてはそれじゃその分を全部持つということを言わなければ、このことに対してやはり責任を背負って、ひとつ第三セクターについてのアウトラインをつくることはできないんじゃないかというように考えますけれども、その点はそれでいいんですか。

井上孝男自治省財政局調整室長

○説明員(井上孝男君) どういう形で第三セクターが構成されますか、あるいはまたその第三セクターが経営いたします路線の経営収支、こういうものがいかがなものに相なりますか、いろいろ十分な見通しを立てる必要があるわけでございますけれども、地方財政の現状からいたしまして第三セクターへの出資あるいは第三セクターへの財政援助、これらの点につきましては地方団体は慎重に対処すべきであるというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 先ほど鉄監局長は国は入らないと言った。この国というのは、あなたの場合には自治省まで権限はないんですから運輸省のことを言っていると思うんですね。そして、いま自治省の方の答弁としては、自治省関係のいわゆる国の負担で、地方財政に負担をかけないということとの関係というのは非常に微妙ですよ。ですから、これもどうも閣内不統一という関係がここに出てきたというように考えるんですけれども、その点自治省は当然これは財政負担するということになれば出資はしますよ、それは当然。あなたは出資はしないと言った。この点はいかがですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) この第三セクターに対しまして、先ほどの御質問に対しまして私は関係の地方公共団体が主体として出資をし、それに関係者がいろいろ共同出資をするというような例を申し上げました。この場合の地方公共団体の出資と申し上げましたのは、これは当該地方公共団体の自主的な意思で援助を行うんだということで、自主的に判断されて出資をするという場合を期待している、このような意味で申し上げました。国の出資、国の直接の出資ということは、この小委員会の報告においてはそれは全然予想していないということでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 この問題も重要ですけれども、自治省どう考えますか。

井上孝男自治省財政局調整室長

○説明員(井上孝男君) ただいま鉄監局長からお答えございましたように、第三セクターの設立あるいは第三セクターへの財政援助、これは基本的には地方自治の範囲に属するものでございますので、当該自治体の判断によりまして一定の対応がなされる場合もあろうかと存じますけれども、その場合におきましても、国が制度として財源措置をするというふうなことは現時点では考えておらないところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それでは未開業の国鉄新線についても、現存する「ローカル線の区分及びその区分に応じた措置に準じ、所要の措置を講ずることが適当」だというようにあるわけでありまするけれども、このような措置を講じない限り、現在鉄建公団が建設中の新線を国鉄に貸し付けることはあり得ないと理解していいですね、運輸大臣。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) AB線は——これはAB線の問題ですね。AB線は開業後も収支相償うものでないことにかんがみ、その建設については十分慎重でなければならないと考えております。このため当該地域における生活基盤の整備に必要不可欠と認められる路線について重点的に工事を進めておりますが、今後の扱いにつきましては、地方交通線小委員会の報告書の趣旨に沿って地方交通線対策全体について所要の措置を検討中でありますので、その結果を勘案して決めたいと考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣、あなたの選挙区に野岩線というのがありますね。この野岩線というのは会津滝ノ原から今市間の五十キロで、総額二百五十億円のいわゆる総額予算でやるわけです。この点について鉄建公団総裁、どういう見通しにあるか、ちょっと聞かせてください。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○参考人(篠原武司君) 野岩線につきましては、現在北の方から仕事を進めておりまして、大分仕事がはかどってまいりまして、東武と接続する近くまでいま鋭意工事を進めております。今後この東武と接続する藤原から今市の辺までがまだ認可を得ておりませんし、ルートも決めておりません。そういうような関係で、せっかくここまでやったものをどういうふうに早く生かすかということを運輸省に御相談しながら検討している段階でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 工事決算としては五十三年度までに私の調査では七十六億六千八百万円使っているわけです。したがって、残額は二百五十億マイナス七十六億六千八百万円で百七十三億三千二百万円ということになっているんですけれども、この点の建設の見通しについて総裁から答弁してください。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○参考人(篠原武司君) 総額二百五十億でございますが、現在お話しのように進んでおりまして、全体といたしましては四六%進行しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 先日、運輸大臣、私は栃木県に実はある所要があって行ったんです。あなたの談話を見まして、わしの運輸大臣の在任中に見通しをつけると、こういうふうに言ったんですけれども、どうもやっぱり運輸大臣といえども、自分の選挙区の関係になると、やはりAB線といえども早く建設したいというように思われると思うんでありますけれども、やはりこれはいま私が申し上げました、いわゆる赤字「ローカル線の区分及びその区分に応じた措置に準じ、所要の措置を講ずることが適当」だというこの提言にもありますように、そういうものが前提となってなされないといけないと思うんでありまするけれども、大臣、それは自分の選挙区だからといってこの野岩線はあなたの談話のようにはなりませんと思うんですけれども、いかがですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) まああれですな、自分の選挙区の路線のことであなたからそういう露骨な質問を受けることは余りいい気持ちはいたしません。しかし、だれでもみんな選挙区がありますから、選挙区にはできるだけのことはしたいと、皆任命されて議員になった方々ではない、皆選挙でなった方ですから、それだけのお気持ちはお持ちだろうと思います。私もその一人であります。しかし、天下の方針を決める際に自分の選挙区のことを中心にして決めようとは思っておりません。したがって、私は野岩線の問題についてめどをつけるという意味は、あなたがどういうふうに御理解になったか知りませんが、私の在任中にめどをつけざるを得ない情勢にあると思います。それはたとえば、いま議題になっているローカル線の問題につきましても、私の在任中にめどはつけざるを得ない問題であろう、要するに方針は決めざるを得ない問題であるというふうに私は考えておるわけであります。  そして、いろいろ考えてみまして、私はこの案でもってこのローカル線の整理をやっていった場合に、果たしてこれで具体的に、総論はこれでいいが各論はどうかということになりますれば、私はそれぞれ超党派的に問題が出てくるのではないかと、このままやった場合にはですね。したがって、そうかと申しましてせっかく出てきた案でありますから、この考え方というものは尊重してどこかでその線を引かなければならないというふうに私は考えておるわけであります。やはりその考え方の一つは、地域格差の是正とかあるいは国土の均衡ある発展とか、そういうことをできるだけ配慮した考え方でこの案の中にそういう考え方をある程度織り込んで決めていかなければ問題はなかなか打開できないのではないかというふうに考えておるわけであります。  しかも、この国鉄の再建のためにこういう案が出ましたところ、早くも国鉄労働組合及び動力車労働組合は、これこれの線は廃止になるとかなんとかってもう頭から決めてかかって反対運動などをやってストライキをやっておりますね。私は遺憾至極だと考えております。まだこれは、私が申し上げているように、これをこのままやるとはいささかも言ってないのであって、その線に沿って検討すると言っているのにかかわらず、ある線はこれはもう廃止に決まったんだと、ある線はそうじゃないんだというようなことを言う、そういう段階にはないと言うのであります。一つ一つの線はないと言うのであります。この考え方の中身は、大きく申しますれば、私はやはり地域的格差の是正とか国土の均衡ある発展というところから既存の線もでき得る限りこれを救い得るものは救ってまいりたいというふうに考えています。そういう線の中で得た結論で現在着工中のAB線の問題も処理してまいるつもりであります。また、そういう線の中で、私は地元の問題も解決するつもりでございまして、私は地元に急行列車をとめるような気持ちはございませんから、どうかひとつそういう御質問は、選挙区のそういう線を出してそういう御論議になられるということは、まあ率直に言って本当にいい気持ちしないんです。  それから私もう一つ申し上げたいと思いますのは、ローカル線の赤字は過疎過密だけの問題ではないのであって、やはり国鉄の経営の非能率性、中小私鉄よりも劣るという非能率性は地方ローカル線の場合もまたあるということは十分おくみ取りになっていただかなきゃなりませんね。過疎過密だけが問題のことではないのである。したがって、国鉄の経営努力、労使の協力というものが大きな前提になっていることもお考え願いたい。その意味では国鉄の経営だけではどうにもならぬ問題であるというふうにローカル線の問題は考えるべきではない。これは過疎過密の問題はどうにもならない点もございましょう。しかし、国鉄の経営努力、それから国鉄従業員が汽車を動かすということに対して一生懸命働くこと、そういうことはまだまだ改善の余地は私はローカル線問題の中にはあると思っていますよ。そういうことも入れてローカル線問題は考慮していくべき問題だと私は思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私が野岩線の問題取り上げたからといって、大臣そんなに頭へこないで、何も聞きもしない国鉄労働組合、動力車労働組合のストライキなんという、ストライキをやるなんということを言つちやいないじゃないですか。そういうことが、やはり私は一番手っ取り早い話は、あなたに聞くにはやっぱりあなたの近所のAB線の建設という問題について野岩線が適当だろうし、また運輸大臣はこの期成同盟の会長をやっていらっしゃったわけですからね、いまもやっているんでしょう。ですから、あなたといえどもやはりこの赤字ローカル線の問題については地域住民の立場というものを考えなきやいかぬ。国労、動労の話だけじゃなくて、新潟県じゃもう新しく従来のローカル線を守る会というものができたし、鳥取県でもできましたね。あちらこちらで雨後のタケノコのように実はできているわけですよ。そのことは地方自治体が中心となってやっているということなんでありまして、その点を考えたときに、いろいろ各方面からその解決が言われておったこの赤字ローカル線問題については、政府、国鉄においても種々の対策が検討されたけれども、どうしてもやはり国鉄の財政の収支を改善したいという立場からのみこの問題が取り上げられた傾向というのが強いものですから、だから、そういう意味で私は、このAB線を国鉄に貸し付ける場合における条件というものについては、やはり確固たるものをつくっておかないといけませんよということを言っておるんでありまするけれども、この点大臣いかがですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) まあ野岩線の問題が出ましたから、ちょっとあなたが、まだ私が期成同盟の会長をやっているというふうに聞かれるお言葉もございましたが、私は先般運輸大臣就任前からこの問題に関係しておりますが、先般野岩線の期成同盟の会長は辞任をいたしました。これは念のために申し上げておきます。  それから、ローカル線の問題についてのこの答申はあくまでもその一案でございまして、私どもはこの線に沿って慎重に検討するということでございまして、最終的なまだ意見はまとまっておらない、検討中の段階であります。したがって、具体的にどの線が残るとか、どの線が残らぬとかということはまだそこまでいってないのであります。したがって、具体的な線の問題を出して論議するような段階ではないと私は考えておるわけでございますので、どうかひとつ、何かこの一案が、これがそれで本決まりのようなことでお考えのようでございますが、せっかく出していただいた答申案でありますから、これをできるだけ尊重はしたいと思っております。しかし、それじゃこのままやるのかといえば、このままやるわけにはこれはまいらぬというふうに私どもは考えておりますので、この答申の線に沿って検討を進めていこうという現在段階にあるわけでございますから、どうか具体的な一つ一つの線が、これが残るのか、これが残らないのかというようないま状態にはないんでありますから、したがって、これは残らないからいろいろな動きが出てくる、これは残らないから組合が実力行使をやるというようなそういう段階にはいまないのであります。だから、それを、何かすでにそういうふうに決まったような形で進まれますと私どもはいま非常に困るということを私は先ほど来申し上げておるのでありますから、どうかいろいろそういうことあっても、そういうことはまだ決まってないんだというふうに青木委員の方からもお話を願いたいと思いますし、青木委員が先ほど申し上げましたお考えも、これはきわめて重要な意見の考え方の一つでございますから、そういう点も勘案して今後の処理に当たっていきたいと、こういうことでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 鉄建公団総裁ね、大臣は自分の選挙区のことを言われるといやだと言ったけど、大分怒っていらっしゃるけれども、私だって自分とこの選挙区の問題については、もっといいかげん進捗せんかというふうに思っているんですよ。佐久間線なんというのは一体もう百年もかからなければできませんよ。これはやっぱり私どもの静岡県の出身の議員が与野党を問わずだらしないからこういうことなのか、森山運輸大臣のような大物がいるから栃木県はいいのか、そういう点についても勘ぐりたくなるくらい遅々としているわけです。ですから私どもはこのAB線なんというものは余りつくるべきじゃない、新しい赤字線をつくるようなものじゃないかということを言ってきたわけでありますけれども、佐久間線のことについてちょっと言ってください。いままで幾らかかって、これから何年かかるか、あと百年かかるのかどうなのか。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○参考人(篠原武司君) AB線につきましては、御承知のように、総枠がなかなか大きくしていただくことがむずかしいものですから、CD線はほとんど七十何%というふうに工事命令をいただいているものは片づいてきておりますけれども、AB線では大体三十数%というような形で、これはまあ一般会計のお金をいただくためにそういう枠がなかなか大きくしていただけないということもありまして、佐久間線についても、御指摘のように、非常に遅々として進まない。特に私の方で抱えておりますAB線全体で見ますと、四十線、千六百六キロ工事の御指示をいただいておりますが、認可をいただいているのは三十線、千三百三十三キロということになっておりまして、重点的にこれをやれという御指示もいただいて、鹿島、北越北、智頭、内山、そういうようなものには相当の金を入れておりますが、なかなか全般的に潤うという形にまいりませんので、佐久間線としては総工事費は百八十六億でございますが、五十二年度までたった二十七億しか使ってないというような形でございまして、五十三年度以降まだ百五十九億というような大きな予算が残っておりまして、御指摘のように、遅々として地元にいろいろ御心配かけておるということば事実でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 まだほかに、国鉄もつくるときの赤字欠損の補てんの措置が心配されるもので近年中に開業予定線区としては秋田県の鷹角線というのですか、鷹の角と書いた線ですね、それから油須原線、これは福岡、それから丸森線、これは宮城・福島、それから四国の阿佐線、こういうものが近年中に実は竣工するわけですよ。こういうものについても、先ほどから野岩線と同じように大きな問題に実はなるわけですよ。で、長崎県の久保知事が大村線の問題について一つ提言しているんですよ。この提言は、向こう十年間赤字が出たら、その赤字については国鉄しょってくれと。それから第三セクターになった場合に、これは御免こうむると、いろいろな勝手な案を出して、地元でも、あれはひどいじゃないか、久保知事の思いつきだというようなことを言われているわけですけれども、それくらい地元としては現在のままでいいというような結論にどうもなりつつあるようです、余り久保さんがほら吹いたものだからね。だから、そういうようにきわめて赤字ローカル線といえども地元の生活、そして伝統ある歴史文化に沿って今日まで生々発展してきたものだと、今日モータリゼーションの世の中で据え置かれたような形になっているけれども、今後の大臣の言われている資源エネルギー問題、特にエネルギーの節約という問題を考えたときに、これは非常に重要な脚光を浴びつつあるというように実は考えているわけですけれども、これらの点について、鉄建公団総裁としては国鉄総裁と相談をして運輸省の指導のもとに、これらの関係についてコストを賄うだけの収入はないんだから、特別運賃にするのかどうなのかという、貸し付けの条件等について赤字にならないような措置について考えて、その措置を講ずる用意があるのかどうなのか、その点をお聞きしたいと思います。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○参考人(篠原武司君) これは非常にむずかしい問題でして、私ども前から考えておりますんですが、このAB線については、御承知のように、一般会計の利子のつかない金で建設しております。それから固定資産税に相当するものも免除していただいております。それからもう一つ、地元にいろいろ御協力いただく意味で、たとえば鉄道債券、公団がやっております工事に要る鉄道債券を持っていただいているというような面もございまして、いろいろ地元の御協力はいただいております。この金はAB線に使うわけじゃないのでございますが、いろいろな全般的に御協力いただきたいということでお願いしているわけなんですが、そういうような意味で地元に非常に御協力いただいておりますので、そういうような面をやはり配慮しながら国鉄でやっていただきたいというふうに思っておりますが、どういうふうにやるかと、赤字のかからぬようにということでございますが、実際問題としてそういうような措置をとっていただいておるために、一般のローカル線よりも赤字の額は非常に少なくなっております。たとえば国鉄全体の赤字、これは在来線の赤字でございますが、それの中で公団のAB線が与えている、いわゆる無償貸し付け線と言っておりますが、無償貸し付け線の与えている赤字額というものは全体の〇・三%というような枠でございまして、私はそこまでやっていただいているので、それから先は国鉄で何とか、たとえばワンマンで運転するとか、いろいろなあらゆる合理化を考えていただいてやってもらうしか方法はないんじゃないかというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いま現在国鉄の赤字が八千三百億円という重大な事態です。で、赤字ローカル線九千キロのうち五千キロをカットするという考え方のもとに、山上鉄監局長の言によれば、それで赤字を一千億程度にするというような具体案をもとにいたしまして、この構造欠損の処理の問題と今後の財政再建の問題等について森山運輸大臣は、この五月末までに国鉄の一つの成案を得て、六月に大体その発表をいたしたいというように理解をいたしているわけです。そういう関係になってまいりますと、現存の九千キロの赤字ローカル線のうち五千キロをカットするというようなことは、これはまた地域住民にとってはきわめて重大です。いま鉄建公団総裁の言われたように、固定資産税の減免あるいはまた債券をしょってもらうということと同時に、特別運賃が重くのしかかってくることは火を見るよりも明らかでありますから、そのことなくしてこの赤字ローカル線の対策というものはないように思量されます。そうなりますと、そこへまたAB線のいまのお話のような問題がのしかかってくるということになりますと、これはやはり地域住民の負担というものが、やはり財政再建という問題だけにそのことに重点が置かれて、そうしてその地域住民の足を確保するという問題が据え置かれることを私たちは憂慮を実はいたしているわけであります。ですから、この問題について、高木総裁、あなたは関係ないような顔しているけれども、一番重大なんですからよく聞いてもらいたいと思うのでありますけれども、受け入れ側の総裁としてはどういうように考えておられるか、お聞きいたしたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) いま篠原総裁からもお話がございましたように、新しくできました線は昔からあるものに比べれば大変コストが低いといいますか、能率的な運営ができるわけでございます。したがって、これをどうにかして生かす方法はないかということを考えるわけでございますけれども、赤字線全体、特に在来の赤字線についていろいろ御論議ありましたようなことが議論されておりますときに、そちらについては何らかの対策を講ずると、まあバスに代替するとか、あるいは特別運賃の制度ということを考えるということがバックとしてではありますが、一方において考えられている現段階におきまして、新しくできる線が、AB線がさらにその国鉄経営全体に負担をふやすということが許されるかどうかということ、大変むずかしい問題であるわけでございます。で、したがって、在来線の処理の問題と新しい線の処理の問題は同時並行的に考えなければならぬというふうに考えておりますが、在来線の処理の方が先ほど来いろいろ御指摘がありますように非常にむずかしい問題をたくさん抱えておりますので、そっちの方の御方針が運輸省としてもなかなかお決めになりにくい点もございますし、私どもとしてもお願いしなきゃならぬ部分がありますけれども、まだなかなか決心がつきにくいという部分があるわけでございまして、いまこの段階で鉄建公団の方で建設を進めておられます線の処理をどうしたらいいかということについて明確なお答えができない現状でございます。いずれにしましても、在来線の方の処理について具体的にどうすれば地域住民の方々の御要請と私どもの赤字処理とバランスがとれたといいますか、まあそれぞれががまんしながらやっていく線がどこであるかということを早く見つけ出した上で新線の方の対策をそれに右へならえといいますか、これまたバランスをとりながら考えていくということではないかと思っております。まだちょっと、AB線の今後の受け入れ方について何か変更を加えるべきかどうかということについては、まだきょうの段階で何か申し上げるほど私の考えはまとまっていないということでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 運輸大臣、いまの問題は、これはまだ検討中という域を出ておらないようです。しかし、この問題は従来のもの、新しいAB線による新しいローカル線、いずれも赤字を生ずる線区であることは間違いないわけであります。したがいまして、五千キロカットする。で、その中で新しく無償で第三セクターかその他にくれてやる。あるいはまた国鉄がバスを通す。あるいはまた現行の鉄道で行くというような、また暫定的に鉄道で行く、将来はバスで行くというようなことで、これから生ずる赤字については国民経済的視野に立ってひとつ国でめんどうを見ようじゃないかということを言われても、それは五千キロじゃなくてもっともっとふえていくわけでありまするから、この問題についてやっぱり協議会の設置が非常に重要だと実は思うわけであります。この協議会の設置なくして地方ローカル線対策の進展はあり得ないと実は考えているわけであります。で、したがって、あなたは六月にちゃんと対策の方針を確立するということを言われているんですけれども、この点は非常に国民全体がかたずをのんで実は見守っていると言っても過言ではないと思いますから、その点についてのひとつ方針について説明をいただきたいと、こう思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) これは青木委員よく御承知のとおり、非常にむずかしい問題なんです。むずかしい問題だけれども、やらなきゃならない問題です。すでに助成前の赤字は一兆二千億円に達しているんですから、したがって、まあ民間でいえばもうこれは破産会社のようなものです。非常な一つの事態でありますからこの打開を何とかしなきゃならない、こういうふうに思っております。したがって、このローカル線の問題の処理も必要なことであって、頭からこれをいかぬというわけにはいかぬ。しかし、赤字という面だけから見れば幹線の赤字の方がもう金額からいえば多いわけでございますしね、したがって単に赤字からだけで言えるものかどうか、国鉄もやはり国土の均衡ある発展と地域的格差の是正という考え方もそういう段階において全く無視してやっていいかどうかということもこれございますから、したがってこのローカル線の答申は、これはこれを中心にして検討は進めるけれども、このままで最終決着をするわけにはいかぬと、こういうふうに考えておるわけでございますし、それからAB線の問題ももう長年にわたっての問題でございますから、したがってやはりこの問題の取り扱いとほぼパラレルな線で取り扱いをやっていかなきゃならないというふうに考えております。しかし、これ口で言うのは簡単でございますけども、実際やることになりますとこれは大変だと思います。が、いずれにいたしましても、まあおおよその考え方の線を六月ごろに取りまとめるということになろうと思います。これは国鉄の方からも案を出していただいて、私どもとして一つの考えをまとめていく。これはちょうど五十五年度の概算要求の基礎固めをする時期に当たっておりますからね、そして概算予算は八月末ということでございますから、それから約二カ月かかって、三カ月ですか、かかって概算をまとめて五十五年度の予算に向かっていくと、こういうことになっておるわけでございますから、そういう段取りの中でこのローカル線の問題を解決したいと、こう思います。一挙に解決できるとは私は思っておりませんので、これは一つの方向をつくって、その方向によって一つ一つかなりな年月をかけてということになりましょうが、五十年代に収支均衡でありますから、いま昭和五十四年でありますからあと六年ということになりますが、まあ五十九年までというふうにきちっとしたことでもなかろうかと思いますから、その辺に多少の前後があろうかと思いますが、いずれにしましても、再建の基本方針に示された時期をめどにいたしましてこういう形で処理していこうということで、この基本計画の具体化を六月ごろまでのめどでやっていこうと、こういうことであります。ですから、これローカル線もこのままさっとやれればきわめて簡単でよろしいんでございますけど、それはなかなかここに書いてあるとおりに処理することは容易ではございません。したがって、現実にもう少し配慮したやり方で措置していくということで、苦心の存するところでありますが、どうか青木委員はこの方の権威でございますから、ひとつ力をかしていただいて、最終的な取りまとめに入っていきたいとこちらの方からひとつ改めて御協力をお願いする次第でございます。どうぞよろしくお願いします。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣、発言なんですがね、一兆二千億というのを、この間から衆議院の予算委員会、参議院の予算委員会、運輸委員会ずっと見ていると、あなたもずいぶん勉強されたというように私も思います。運輸省の場所を知らなかったというんだから、あなたは。だけどずいぶんよく勉強したと思います。しかし、そのことはまあ冗談といたしましても、この一兆二千億というのは、私はいろいろこの資金関係やその他ずっと見てきたわけですけれども、これはひとつ検討してください。九千億というのは大体赤字の概算、それからあと六千億というのが資金援助を受けるわけですよね。で、そのうち三千億は損益の関係で赤字、片方は工事費の関係ということになるわけでしょう、六千億が。そうすると、九千億と三千億足して一兆二千億と、これを言っているわけですよね。そうして、これはいわゆるそういうものじゃないんじゃないか。で、三千億のいわゆる赤字部分についてもたとえばいわゆる貸付金というのがありますわね。都市交通、大都市の交通の貸し付け二百二十五億だと思ったけど、私どもこれ熱心にやってきたから、大蔵省と一緒に詰めて。二百二十五億だと思います。それから、あとの特別勘定の七百七十五億円だったかね、その辺ですよ。そうすると、それ足すと一千億になるわけです。だから、六千億の赤字ということで見てもそれから一千億を引くと五千億、別にどうのこうのと言っているわけじゃないけれども、ただオギャーと生まれた赤ん坊から死んでいく年寄りまで一万円ずつ国鉄の赤字をしょっているんだぞと。中には勢い余って二時間しか働かないと。それは通勤時間帯で、あるいはまた非常にラッシュのときに仕事にかかると列車が来る、見張りがっく、それこうだということもあるかもしれません。仕事は私は一生懸命やらなきゃいけないと思っていますよ、これは大臣が言うまでもなく。しかし、そういうことと一兆二千億は、一人国民が一万円負担してるんだよ、遊んでいるんだよと、ストライキばっかりやってるんだよという、そういう解釈だけで、何か放言のようなことを言われたんじゃサボっているように思われるので、これは児玉委員にあなたはずいぶん、運輸大臣ね、大分突っ込んでおられるけれども、そういうことはちょっと誤解を生ずるから、これはひとつ念のために、こういう誤解を生ずるような話というものは、これは余りされないようにお願いしたいと、こう思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 私は、先ほど助成前の赤字と申しますか、負担と申しますか、一兆二千億円という言葉を申し上げました。その内訳はいま事務局から御説明いたさせます。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 大臣がおっしゃる助成前の赤字につきましては、五十四年度の例で申し上げますと、先生御承知のように、五十四年度の、現在御審議をいただいております国鉄の予算案といたしましては、純損失が八千九百九十八億でございます。で、これは損益勘定の収支差でございますが、その場合の収支の中に、ただいま先生の御指摘もございましたが、助成金受け入れといたしまして二千九百八十九億ございます。で、この中身は六千百八十一億という国鉄全体に対する助成の中で損益勘定に繰り入れられるべきものといたしまして、工事費の補助金、合理化促進特別交付金、地方交通線特別交付金、地方バス路線運営費補助金、大都市交通施設運営費補助金、特別退職手当補給金、それから臨時補給金、これを合計いたしまして二千九百八十九億が損益勘定に、助成金の中で組み入れらるべきものでございます。したがいまして、この組み入れがない場合には、これを足した金額約一兆二千億になりますが、それが助成前の赤字であるということを大臣はおっしゃっていると、そのように理解しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 財政論議やるわけじゃないから、その点はまた議論をしていきましょう。  いずれにしても少しの赤字でも赤字はいけないわけでありますが、特にこれは国の財政だって、あなた御承知のように、昭和五十三年度末で四十三兆の赤字がありますよね、赤字公債。で、ことしは三九・六%という赤字を生じているわけですよ。これというのは、やっぱり年金がふえたとか、教育費だとかあるいはまたいろいろ大型プロジェクトの関係、景気対策その他あるわけですけれども、国だって実はそうなんですね。ですから、私はそうだからと言って国鉄が赤字であっていいというわけじゃないんですけれども、やはり順次そういう構造的赤字というものをなくしながら、お互いに赤字解消を、ひとつそのために努力していくということが必要だと思っているわけです。まあその面では決してすべてを、くそもみそも一緒にするなんてことは考えておりませんけれども、とにかく赤字ローカル線の問題等については、構造欠損の最たるものであるということでありますので、私は、この点については特に突っ込んでいろいろと議論をしてまいった次第なんであります。  そこで、自由民主党で昭和四十七年に赤字ローカル線を廃止することは地元民の意向というものを中心とするという決議が、実はあるんでありますが、私も覚えているんでありますけれども、この点は、大臣、いかがですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 先生御指摘のように、四十七年に赤字ローカル線の対策が考えられましたが、与党の自民党の総務会におきまして、先生御指摘のように、地元の同意が要るという条件を付せられて、そのために非常に再建対策が実現が困難な情勢になったということは承知しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 したがって、やはりこの問題は先ほどの話もありましたように単なる赤字対策でないということを重点として、この答申、提言についてやっていかなきゃいけない、対処していかなきゃいけないというように考えておるわけであります。そこで、「国鉄の再建の基本方針」では、「国鉄再建のための施策」の中で、「健全経営の回復」の項で、「国鉄経営全般について抜本的な見直しを行い、次のような考え方に基づいて所要の体質改善を図る。」とありまして、その「ロ」項に、「他の輸送機関との関連において効率的な輸送体系を形成するための施策を強力に講ずるとともに、国鉄経営上の負担の限界を超えると認められる構造的欠損について、国民経済的観点を考慮して、公的助成を含む所要の対策を講ずる。」ということとされていますけれども、国鉄のローカル線問題が国鉄の構造欠損の最重要な課題であるというように、ここでもう一度確認をしておきたいと思うのでありますけれども、いかがですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 御指摘のように再建の基本方針の中で指摘しております構造的欠損の問題の中で、地方交通線問題というのはいわば典型的な事柄の一つであろう、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 したがって、今回の提言というものを尊重するという立場だけれども、そのかぎを握るというのは、これは立法上、行政上の措置についてこれが確立されなきやいけないということなんでありますけれども、まだ運輸大臣としては国鉄再建のための施策を強力に進めるということについてはペンディングの段階にあるというように認識を私はしたわけですけれども、そういうように確認してよろしゅうございますか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 先ほど私からお話いたしました助成前の赤字一兆二千億円というのは、五十四年度予想される損益勘定の一般純損失八千百五十二億円に対し、それに加うるに各種助成金二千九百八十九億円を足したものだということは先ほど局長のお話ししたとおりであります。それで国でも赤字があるじゃないかということですが、こういう一般の損益勘定でこれだけの赤字が出るということは好ましいことではございませんから、これは事業でございますから、やっぱり企業でございますから、国の会計とはまた違うわけでございますから、したがって、国有鉄道としての特殊性を考える意味において、ローカル線問題その他についていろんな配慮を加えなきゃならないということはわかっております。またそれについてそれぞれ措置をしなきやならぬということはわかっておりますが、そういう措置をした後においてはやっぱり企業体は収支相償うものでなきやならないというふうに考えております。その収支相償うようにする最終段階がこれ重要でございまして、国鉄の企業努力と言われるものであります。したがって、そういう国鉄の企業努力だけではどうにも片づかぬ問題につきましては政治性を持ってこれに対処して、国として措置をしなきゃならない、同時に国鉄の企業努力で片づく問題についてはこれはそれだけのことをきちんとやってもらわなきゃいかぬと、現在のように中小私鉄よりも能率が落ちているというような見方をされるということはこれは好ましくないわけでございますから、そういう意味において、国鉄再建の問題は一昨年の暮れに基本方針が決まっております。その基本方針に従って私どもは何とかしてこれを実現しなけりゃならないと思っておるわけでございまして、いまその成案を得べく鋭意努力中であると、ペンディングと、こうおっしゃいますが、おおよその時期を六月とか九月とか、あるいは五十五年度の予算の決定時期というような時期のめどを置きながらこの問題にいま取り組んでおるわけでありまして、この先どうなるかわからないというようなことではなくて、やはり先のめどをつけていま私どもは取り組んでおる、そういう過程にあると、こういうふうに御理解を願いたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 一月二十七日の新聞によりますと、運輸大臣は国鉄に対して、地方ローカル線の国鉄独自計画を出せ、先ほどもちょっと言及されたようでありますけれども、言われているようでありますけれども、これは事実ですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 私はそういう記憶ありませんが、何に、新聞でございますか、それは。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 新聞に出ていた。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) はあ、別にそういう記憶ございません。総裁の方、何かありますか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 地方ローカル線の問題については、片一方においてこの御答申に沿っていろいろ検討をしておるわけでございます。また、運輸省においても検討されておるわけでございますが、それと並行して私どもの方のいろいろな工夫が一段とできないかと、ローカル線の運営の仕方についてもうちょっと工夫の仕方ができないかと、そして、一線一線ごとの赤字額を減らすことができないかということで工夫をしておるところであり、大臣の方からもそうした作業を並行的に進めるべきだというお指図をいただいておりますが、それは至極当然のことでございまして、私どもとしましても、何とかこのいまの赤字額、そのままでいいとは思っておりませんので、これをいまのままの状態でどうやって減らすことができるかということを工夫しておるわけでございまして、そうしたことを運輸省ないし運輸大臣からお話がありましたのがちょうどそのころでございますから、そうしたことに関連した報道ではないかと推測いたします。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣、いま総裁から、国鉄独自の計画を出してみろというように言われたという新聞なんですよ。あなたは出した覚えはないと言うけれども、その辺いかがですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 私はちょうどその前日に国鉄の理事さんと私、鉄監局長同席で会合をやったということがございます。その席でローカル線の問題、これは答申が出たのがいつだったかな——二十四日ですかに出たばっかりでありますから、したがってその問題に言及をしたことは事実でございますが、国鉄独自の案を出せというような言い方はいたしておりません。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 私の記憶では、いま大臣が申し上げましたように二十六日に大臣と国鉄総裁、国鉄監査委員長との懇談がございまして、そのときに大臣から六月じゅう、六月いっぱいまでに国鉄としての経営改善計画の全面的な見直しの案と、それから、国鉄としての構造的欠損についての具体的な考え方、これを考えて出すようにという指示が大臣からあったわけであります。それを私、クラブ——新聞の方にレクをいたしましたので、それが明くる二十七日の記事になったのではないかと、このように記憶しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうしますと、国鉄から出てきた案というものについては、運輸省としてはこれをそのまま認めるつもりなのか、あるいはまたその企業努力部分だけ認めるつもりなのか、そういう点についても非常に関心が寄せられているんですけれども、いかがですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 大臣からその際指示がありましたのは、まず当事者である国鉄、この国鉄が経営改善計画の全面的な見直しをして、新しい経営改善計画をまず考えるように、それからそれとあわせまして構造的欠損についても当事者である国鉄としてこういう事柄のこういう範囲がそれに該当すると思うと。国鉄としてどんなに徹底した合理化をやってもこれだけは手が届かぬ範囲として残るというようなことをあわせて国鉄の考え方を出していただくわけです。したがいまして、それを当事者の国鉄の考え方でありますので尊重しながらも、やはり、運輸省はそれに対して指導監督の立場にありますし、あるいはこれが助成等財政問題につながりますので、よくそこら辺を十分に検討さしていただいて、それで政府としての概算要求にそれを含めてまいりたい、かように存ずるわけであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いままで新幹線に乗っていて走っていたところが、今度は急にこれはだめだから東海道本線に乗りかえろというようなことだけでは混乱しますから、したがって、そういう点でひとつ尊重するということですけれども、国鉄総裁にお伺いしたいと思うんですけれども、この案についてはどんなふうに考えておられますか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私どもとしては国鉄再建の基本方針に従って一日も早く案を立てなければいけない、したがって、いまでなくてもっと早い時期からそういう作業に入っておるわけでございます。それで先ほど来お話が出ますように、どうしても五十五年度の予算要求とも関連をいたしますから、その意味においてはことしの六月ごろにはそれをまとめなければならぬということで、鋭意作業を進めております。  その作業の中身はいろいろございますけれども、どうしたもの、どういった性格のものを構造的な赤字と考え、その構造的赤字の中でどうしたものについて助成をしていただきたいかということを具体的に立てるつもりでございますし、そして、その助成といいましても、それは一気になかなか解決がつかない一種のたな上げ措置のようなものも必要であろうかと思いますし、そうした助成のあり方といったものについても具体的にお願いをいたしたい。その際に当然のこととしてそれをお願いいたします以上は、われわれ自身の努力によって何とか経費を節することについて工夫を重ねたい、また、収入を増加することについて具体的な案を立てなくちゃいかぬということでございまして、単にこういうことでどれもこれも手がつきませんと申し上げたのではいけないわけでございますので、私どもは私どもなりに努力目標といいますか、目標というよりは、具体的にここまではいまのやり方を変えて経費を節する、あるいは収入をふやすという具体案を当然煮詰めまして、それと一緒にして計画——一緒にしましたものがいわば具体的な計画ということになろうかと思いますので、それをお出しをしていろいろ論議の種にしていただきたい、一日も早くそれを詰めていただくということをお願いしたいと思っております。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 御承知のとおり、「日本国有鉄道の再建の基本方針」五十二年十二月二十九日の閣議了解の一番最後の「国鉄再建の目標」というのは、第一に「健全経営の基盤の確立」ということで、「国及び国鉄は、昭和五十三年度及び昭和五十四年度中に所要の対策を確立し、昭和五十五年度以降健全経営を目指すための基盤とする。」と。それから二番目として、「収支均衡回復の目標」は、「国鉄財政の収支均衡の回復は、昭和五十年代に達成することを目標とする。」という、一番末尾にこういうのがございます。私はこれを再三申し上げておりまして、去る一月の二十七日に新聞に出ましたのは、二十六日に国鉄の幹部との会談におきまして、こういう意味で国鉄から案を出してもらいたいということでありまして、単にローカル線問題だけについて案を出してくれと言っているわけじゃありません。全体として、たとえば、構造的欠損と考えられる、と言われておるローカル線の問題もあれば、年金の問題もあればあるいは公共負担の問題もあれば、そういう問題のほかに、やはり、国鉄の努力をもってして打開し得るものはいかなるようなやり方でこれを実現するかという、そういう全般的な問題を国鉄として意見をまとめてもらいたい。そしてこれは国鉄だけではできないわけでございますから、国の力もかさなきやならぬわけでございますから、当然、運輸省としましては国鉄と御相談をして案をまとめるということになろうと思います。それが「国及び国鉄は」という表現であろうと思います。何て言ったって国鉄は自分のことですから、やっぱり自分たちの努力でここまでやるんだ、自分たちの努力が及ばぬ点についてはこういうことを希望する、それに対して国である運輸省はそういう面についてはわれわれはこれだけのことをしましようということで、意見の一致を見たところで事を進めたいという考えでございますから、どうか、一月二十七日にローカル線の問題だけを取り外してどうしようという案を出せと言ったわけではございません。この「昭和五十三年度及び昭和五十四年度中に所要の対策を確立し、昭和五十五年度以降健全経営を目指すための基盤とする。」という時間的なりリミットに従いまして、ことしの一月に国鉄側が考えをまとめられるように私が要望したと、こういうふうに御理解を願いたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国鉄財政再建という課題はきわめて厳しいけれども、これはやはり着実にその成果をあらしめていかなければならぬということについては同感です。ただ、この国鉄再建の基本方向に基づいて基本方針が出されて、そのことがなかなか実行に移されないというようなことを前運輸大臣あたりも非常に嘆いておられたんでありまするけれども、それらの点について、政府の方としても、ただ内部に厳しいことを押しつけるということだけじゃなくて、政府がやはり全体としてこの構造赤字の問題等について前向きに努力をしていただくということをひとつ大いに期待いたしてまいりたいと思っているわけであります。  それで、これは最後の質問になるわけでありますが、過積載問題で、トラックが非常に過積みをしておったそのことが、昨年十二月一日から改正道路交通法が施行され、過積載の取り締まりが強化されて、昨年の年末から、年末年始用のミカンの輸送等に若干の混乱は起きたけれども、年末明けとともにその影響もおさまって、運送業界の自主的努力もあって現在は平常になっている。このことについて、これは一時的な対策でなくて、将来ともこの対策については不変であるということについて、自動車局長いかが考えますか。

梶原清運輸省自動車局長

○政府委員(梶原清君) 御指摘のトラックの過積み問題、運賃ダンピング、それから自家用車の営業類似行為等々、トラックの輸送秩序の問題がわが国のトラック業界の古くして新しいきわめて重要な問題であったわけでございます。とりわけ、トラックの過積みはトラック事業者間の過当競争の原因ともなるわけでございますが、輸送の安全上きわめて重要な問題でございますので、昨年八月、運輸省におきましては道路運送法に基づく自動車運送事業等運輸規則を改正をいたしまして、過積みの禁止等に関する規定を設け、違反者に対して車両の使用停止処分ができるようにしたわけでございます。御指摘の昨年十二月以降の道交法改正に伴います過積みの取り締まり規制、トラック業界の過積み自粛等によりまして、一部、一時期、車両不足という状態もございましたが、御指摘のとおり、鎮静化をいたしておるわけでございます。今後とも、この過積みの徹底的な取り締まりの強化、定量積載の励行ということを続けてまいりまして、同時に、荷主の協力をいただいて定額運賃収受、また自家用自動車の営業類似行為の撲滅という方向で格段の努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 最後に、警察庁の方、見えてますか。——これは、いま要望です、時間がありませんから。  過積載、その他違反の取り締まりについては、これは十分やって成果をおさめておるようでありますけれども、やはり違反はいけないわけでありますから、その点で、さらにひとつこの取り締まりについては、私は強化をすべきだ、こう考えておりますので、その辺要望いたしまして、私の質問を終わります。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 時間が限られていますからごく簡単に要領よく答弁をしていただきたいと思います。  さて大臣、昭和五十四年度の予算は、福永運輸大臣のときに要求が提出をされて、それから森山大臣のときに確定をした、こういう経緯があるわけですね。そこで、私ども運輸委員としてはその経緯を非常に注目をしておったわけですが、要求した大きな目玉商品がこの決定の段階では外されたというふうに言われておりますのが、いわゆる交通特会ですね。交通特会と私どもは見ているわけですが、その点は大臣いかがですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 予算要求で交通特会の要求を出したのでありますが、途中で実現できなくなりましたのは財源問題であります。財源問題につきましては、政府原案をつくります過程におきまして継続してさらに検討しようということになりましたためにペンディングになった、こういうふうに理解しております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 過去のことはいいんですけれども、さて、この交通特会あるいは公共交通を守るというこの政策は、そのまま森山大臣に引き継がれて、今年度あるいは来年度の予算編成の際も御努力になりますか、お伺いします。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 私が着任前からのそういう構想でございますけれども、私がそれを引き継いだ以上はその線で進みたい、そういう考えであります。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 これは政労交渉にも上った問題でもあります。いま大臣がその政策あるいは財源の問題の要求について引き続いて努力をするということですから、確認をさしていただきます。  さて、去年の十月十八日でしたか、衆議院運輸委員会で地方陸上公共交通維持整備に関する決議が特別に行われたわけですね。これは行財政にわたりまして十分検討しろ、しようではないかということが決まったわけです。大臣も国会決議の趣旨に基づいて努力をしますというふうに所信の表明がされているわけです。この決議は去年の十月ですから予算編成の時期に問に合ったわけですが、これについて森山大臣どういうふうに措置をされたのか——あるいは措置が現実的にはされなかったわけですが、これからどういうふうに具体的にプログラムを組んでいくのか、はっきりしてもらいたい。

杉浦喬也運輸大臣官房審議官

○政府委員(杉浦喬也君) この決議の御趣旨の中で、安定した財源の確保ということがまず述べられております。そういう点から、私どもはまず特別会計によりましてこの安定した財源を確保したい、その他立法、行財政上の措置を講じたいというふうに努力をしたわけでございますが、結論といたしましてこれが実現をできなかったわけでございますが、ただいま大臣が申し上げましたように、今後ともそういう方向で検討をしたい、また事実検討を進めております。なおまた、昭和五十四年度の予算の中におきましても、地方バスの問題あるいは国鉄地方交通線、こうした点に関しましてはかなりの予算上の成果が上がったというふうに思うわけでございますが、今後とも一層こうした点での検討をさらに推し進めたいというふうに考えておるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 大臣、もう一回お伺いしますが、航空とかあるいは造船、いろんなことがありますけれども、これに限りますけれども、経緯的に言えば、交通特会の問題と国会の決議というものは非常に重要ですね。ですから、昭和五十五年度の予算編成に当たり、運輸省はいまの二つの問題について具体的に御努力されますか、あるいは要求の柱に立てますか、この点お伺いします。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 去年こういう御決議があったお話は承りましたし、私が就任後も特別会計制度を実現するために大いに努力いたしましたけれども、財源難のために見送ったということは事実でございます。しかし、最近エネルギー問題が出てまいりまして、先週の金曜日の閣議でエネルギー節約についての政府の取りまとめがありました。その際私は、総合交通政策を省エネルギーの見地から見直す必要はないかと、総合交通政策、現在ありますものは昭和四十六年でありまして、四十八年以降の石油ショックの事情は組み込まれておりません。安い石油がふんだんに入ったそういうときの考え方で交通政策が立てられておるわけでございますから、もちろん総合交通政策と言えば航空もあり海運もあるわけでございますが、陸上が大きな問題であることは申すまでもありません。そういう観点から、経済企画庁長官が総合交通政策担当ということに決められておりますから、経済企画庁の長官が従来の総合政策を見直してもらいたい。そういうことを言うゆえんのものは、この前の国会の御決議というものを念頭に置いてそういうような発言をしたというふうに御理解を願いたいと思います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 私は決意を聞けばそれでいいんですけれども、重要な問題ですから、五十五年度の予算編成あるいは政策の上に具体的に出してもらうというのが大臣の立場ではないかというふうに申し上げておきます。  さて、国鉄再建の問題についてお伺いしますが、国鉄と運輸省は、国鉄の合理化努力では赤字の解消が困難な構造的欠損の範囲を六項目だというふうに、けさの新聞では一斉に発表されていますね。これは中間見解としています。このうち、学割と累積債務について運輸省は異論があるというふうに書かれております。で、中身のことは別にして、きのう記者会見でレクチャーをされたんですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 運輸大臣と国鉄総裁以下全理事、それから監査委員長以下監査委員との懇談を一月以来毎月行っておりますが、三月の懇談を先般したわけでございます。月曜日でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 結論だけでいいです。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) その結果のレクを私からいたしました。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 ということは、おおむね、項目の分け方は別にして、要員構成など含めて大筋六項目というのが出されています。さて、そこで総裁、先ほどから大臣の答弁がありますように、六月までに国鉄の考え方を出してもらうと、こうなっているわけですが、この構造的欠損の分野あるいは地方ローカル線、交通線のものについて、運輸省の考え方と国鉄の考え方、必ずしも次元は一致していないと思うんです。そういう不安定な要素の中で、国鉄側は運輸省に六月までに案が出せますか。そのことをお聞きします。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) どの程度詳細なものまでできるかということは別としまして、六月には出さないと全体が間に合わないというぐらいのテンポで考えておりますので、出したいと思っております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 私は前回の運輸関係の決算委員会でも構造的欠損の問題の指摘をしまして、たとえば昭和五十二年度の決算の八千三百三十九億円のうちで、国鉄側はこの構造的欠損の部分というのをどのくらいの割合に見るんでしょうかということをかなり追及したわけですけれども、当時はお答えがなかった。いまはいかがですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 六月の段階になればそういう数字を申し上げられる時期が来るんではないかというふうに思っております。その作業をいま鋭意進めておるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 運輸大臣にお伺いしますが、六月の段階になればかなり精査ができて出せるということになりますが、国民の立場から言ってみても、運輸省と国鉄がよく基本的な次元の部分を十分に調整をして、それで作業を進めさせるということの方がいいというふうに思うわけですね。国鉄側から自助努力の部分、いろんな部分について運輸大臣のところへ持ってくる、運輸大臣のところで切ったり張ったりいろいろのことをやるわけですね。それで八月には予算の要求をしなければならないという時間的なリミットのこともあるわけです。ですから、私どもとするならば、運輸省はこういうふうな考え方で行きたいという何らかのものが公にされて、それで国民も十分に審議をする、あるいは国民の合意を得るということも必要じゃないかと思うんですが、その点いかがですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) やはり国鉄の経営は、国鉄総裁のところで、国鉄だけの努力ではどうにもならぬ問題はこういうことですと、国鉄の努力でやるのはこういうことですと、そういうことでお考えを示され、国鉄の努力でできない問題というのは国の力をかりなければいかぬということでございますから、そういう意味で国を代表している運輸大臣としては国鉄総裁のお話を承って、そして両者で意見の一致を速やかに見るように努力をして次の段階に進んでいくということになろうかと思います。これは運輸省の方でもって国鉄の方のお考えも決まらぬうちにこれであれしろというわけにはまいらぬ問題だと思っております。やはり国鉄の経営というものを中心にして考えていくべきであろうと思います。それで出てきた結論に対して私どもとして意見を申し上げなければなりませんし、国としてそういう問題はお助けしなければならぬわけでありますから、当然私どもがやらなければならぬ問題も出てくると、そういうことになると思います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 時間がありませんので、きょうはその程度にしておきます。  さて、労働省お見えになっていますか。——スト権の問題について、お答えだけいただけばいいんですけれども、私の理解によりますと、いわゆる公企体のスト権問題につきましては、歴史的に言えば、おととしの十二月の二十七日に政労交渉が行われて、当時の官房長官、安倍官房長官と藤井大臣の方から政府の考え方を提起をした。組合側はそれを同意をして、同意をしたので改めて基本問題会議に組合側の代表が意見を開陳をする。こういう経緯になっているわけですが、その席上政府側の最終回答というものは、「政府は、スト権問題について、七四春闘合意五項目の趣旨をふまえ、結論を出す。その場合、組合の意見を聞き、十分参考にし、問題の解決をはかる。」。二つ目、「政労間の話し合い(労働側は交渉という)を今後も継続し煮つめる。具体的な進め方は、官房副長官、労政局長と労働側の間で協議する。」。これが経緯的に言えば公式に残っているスト権問題の労使の合意だというふうに私は理解をするわけですが、間違いありませんか。

松井達郎労働大臣官房審議官

○政府委員(松井達郎君) 先生お話しのとおり、十二月二十七日に、いまおっしゃいましたメンバーの間でそのような話し合いが行われた、こういう合意がなされたというのはそのとおりでございます。その後、御存じのとおりの基本問題会議の意見書が出まして、そして政府の方針を決定するというような経緯があったわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 時間が来ているそうですから。  そうしますと、各省各省でスト権問題についてニュアンスの違ったことをおっしゃっているところもありますけれども、いま私が申し上げたことがスト権問題についての結論だということの理解でいいですね。

松井達郎労働大臣官房審議官

○政府委員(松井達郎君) この問題につきましては、これは一昨年の十二月二十七日以降、基本問題会議におきまして、またそのほかの場におきましても労働組合側の意見の聴取が行われたわけでございまして、そのような経緯を踏まえまして基本問題会議の意見書が出、そして六月二十三日に至りましてこの意見書を尊重し対処するという政府の方針が決定されたわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 もう終わります、時間が来たようですから。あと、リニアモーターカーと行政改革についてお伺いをする予定でしたけれども、時間がありませんから終わりますが、先ほど青木委員からも指摘されましたんですけれども、森山大臣は労働行政についての専門家でありますので、私どもがとかくのことを申し上げる必要はないと思いますけれども、あえて私がきょうこの確認を労働省にいたしましたのは、大臣が余分なことを言っているからという意味ではありませんけれども、そういうふうに労働者側がとられやすい発言をしばしば大臣がされているというふうに聞くものですから、きちっとしておいた方がよかろうという意味であえて確認をしたわけで、答弁は要らないのです。いいです。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) ちょっと委員長。  いま私のことが引き合いに出されて、何かスト権問題についてのお話でございますと、私は、先ほど労働省の審議官からありましたように、公共企業体等基本問題会議の結論が出まして、それでスト権問題はけりがついたと、こういうふうにいま審議官の話を理解して聞いておりますので、何か私が、従来の経過から見て、非常にそういう結論とたがえたようなことを言っておるというふうにお考えでございましたら、これは誤解であろうと、こう思っております。スト権問題を認めることは現段階において適当でないというのが基本問題会議の結論であり、政府もまたその答申を尊重したということは天下に明示されておりますから、私はスト権問題についてはそのように考えております。そのことだけは念のために申し上げておきますし、労働省の方も、私の考えと違っておったら労働省の方からそのことを明らかにしてもらいたいと、こう思います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 ややすれ違いがあるのですけれども、私のお伺いしたのは、政労交渉——政府が代表し、総評なり公労協なり地労の代表が集まって、スト権問題について合意を得たことについて確認をしているわけです。ですから、少なくとも天下に明らかになっておりますスト権問題についての考え方というのは、先ほど私が一項、二項で指摘をしたことが現実に残っている——残っているといいますか、それがスト権問題についての経緯であるというふうに私は確認を求めたものであって、そのことについて大平内閣が否定をするということはあり得ないというふうに私は考えておるわけです。

松井達郎労働大臣官房審議官

○政府委員(松井達郎君) 先生が合意があるかとおっしゃいましたので、合意の内容を申し上げ、その経緯をお答えをしたわけでございます。それで、いまおっしゃいました合意がありまして、それに基づきまして組合の意見を基本問題会議とかその他の場面でも聞きまして、そして先ほど申し上げた基本問題会議の意見書が出、それを尊重し対処するという政府の方針が決定したということでございまして、政府の方針は、いま申し上げた基本問題会議の意見書を尊重し対処するというのが政府の方針でございます。

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 午後二時十分まで休憩いたします。    午後零時三十六分休憩      —————・—————    午後二時十三分開会

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 それでは、最初に運賃の問題について質問さしていただきますが、国鉄が運輸大臣に運賃の値上げを申請しましたけれども、この国鉄運賃値上げのもたらす影響というのは、やはり国民生活にとっても重大なものがあると思います。また法定制緩和によって毎年値上げが当然のようにいま実施されているような状況です。大多数の国民にとりましては、赤字だから値上げをするんだというだけでは納得できない問題ではないかと思いますし、最初に、国民に納得させるだけの理由を明らかにしていただきたい、このように思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) いまおっしゃるとおりでございまして、運賃の改定がいろいろな意味で、利用者、国民の皆さんに御迷惑をかけるということにつきましては、十分心得ているつもりでございます。しかし、現実問題といたしましては、さきに運賃法定制度緩和法案が当委員会で御審議いただきました当時に十分御議論いただきましたように、やはり毎年どうしても物価、賃金が上昇すると、そうした場合に、現在国鉄が巨額な赤字を抱えておりますので、その巨額な赤字の解消は、企業努力による増収あるいは経費の節減と政府からの助成によって何とか一日も早く解消するという方向で取り組むといたしましても、毎年上昇を余儀なくされます物価なり賃金の動向に照らしまして、私どもの経費がふえるという部分につきましては、やはり利用者のお客さんに負担をしていただくということによらざるを得ないのではないかということは、まあいろいろ御議論もございましようけれども、大方の御了解を得られる線ではないかと思っておるわけでございまして、昨年七月から改定をさしていただきましてまだ一年もたっていませんのに、またお願いをするということは非常に心苦しいわけではございますけれども、今回も昨年とことしとの物価上昇に伴う経費の増加を賄うために、五月の二十日から千六百五十億円という大きさでの値上げをお願いしているわけでございます。  その際、いわゆる法律によります限度額とほぼいっぱいの値上げをお願いしているわけでございますが、もう少しその辺について何か余裕を持たせるというか、含みを持たせる可能性はないかということをよく言われるわけでございますが、何分現在の赤字が余りにも大きいわけでございますので、それを企業努力あるいは助成ということによって赤字を減らしていく努力を重ねるといたしましても、きわめて容易ならぬ事態でございますので、この際といたしましては、御迷惑は十分承知の上で八%ないし九%の値上げをお願いするということにいたした次第でございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 本年も五月二十日から国鉄運賃値上げが申請されているわけですけれども、この中身で一言聞きたいのですが、長距離輸送と大都市圏旅客輸送ですね、この上げ幅に大きな差がついているわけですが、どのような理由によってこの差をつけられたんでしょうか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 今回の改定案につきましては、最近の輸送の実態等を加味いたしまして、千六百五十億、五月二十日からの収入を確保するという観点に立ちましていろいろ勉強をしたわけでありますが、最近の実態を見ますと、長距離あたりは航空機との非常に競争が激しい、あるいはそういった内航海運とかいろいろそういうような競争条件がかなり厳しくなっておるわけであります。そこで、従来の形のままでフラットにインクリースいたしますと、長距離におきましてはかなり利用減率が高いであろうと、そういうようなことも過去の実績から照らし合わせまして、できるだけ利用減率を低く抑えて実収が上がるようにということで、実は現在までの二地帯制を六百キロ以下を二つにさらに分けまして、三地帯制にしたということでございます。  それから近距離の通勤、通学につきましては、すでに通勤定期は二十五キロまで法定限度五〇%割引率いっぱいまで来ておりまして、この場合には普通運賃の値上げに見合う分だけ定期が上がるということになるわけでありますけれども、通学につきましては、かねてから政策実施官庁で負担をすべきではないかといういわゆる公共負担の問題との絡みがございます。しかし現在八〇・八%というふうな割引率でありますので、これ、戦前あたりと比較しましても現在非常に割引率が高いということで、昨年も実は三%、そこの修正をお願いしたわけですが、結果的に一%になりまして、現在八〇・八%引きということになっておりますが、この際、その辺も引き続いてぜひお願いをしたいということで、通学につきましては三・五%の修正をお願いして、八〇・八%から七七・三%という割引率まで修正をいたしたい、かような考え方でお願いをしておるわけでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 割引率の問題につきましてはまた後ほどお伺いいたしますけれども、大都市圏とか通勤、通学の問題なんですけれども、国鉄を利用する以外にほかの交通機関を利用する余地のない大都市圏の通勤、通学客だと思いますが、そういう人たちに負担を強いるような今回の運賃の上げ方というのは、取れるところから取るという、そういう方式で、非常にこれは公平を欠くんじゃないかと、このように思うわけです。国鉄を利用する以外に選択の余地のない、こういう方々に対しては、近距離値上げというのは公共性を無視するものじゃないか、こういうふうに私は思うわけですけれども、その点いかがでしょうか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 国鉄の再建をいたします際に、先ほど総裁から申しましたように、運賃値上げによってだけやるということではございませんので、運賃値上げは経費の増加分の限度内において行うということで、あとは合理化と政府の助成ということでやるわけでありまして、現在の国鉄の置かれた立場から考えますと、そのうちで運賃の部分というものをある程度確保せざるを得ない、そういう際に、どういった形で組むかということで、先ほど申し上げましたようなことで、なるべく実収は利用減を幾ら見てもいいというわけにもいきませんので、そういったものをふくらまして、名目はやたらに上げるというよりは、むしろ全般的に御利用いただいておるような実態を見ながらやるというようなことが筋ではないかということでお願いをしておるわけでありまして、決して公共性云々ということを欠くというような気持ちでやっておるわけではございません。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 この問題につきましては、やはり基本的な運賃体系というものが明確になってないからではないかと思うんです。国鉄財政というものは、これは総括原価主義のたてまえをとっております。また、個別的原価と運賃の対応についてはある程度の不均衡があるのはやむを得ないと思いますけれども、それにも限度があると思います。個別原価の考え方を導入しているかもしれませんけれども、必ずしも原価に見合っているものではないし、そういう競争率を考えた、取れるところから取る方式じゃないか、こういうことが思われるわけです。先ほど申し上げましたように、運賃体系が明確でないところからそういうことが発足しているんじゃないかと思いますので、基本的な運賃体系を明確に示していくべきじゃないかと思うんですが、その点どうでしょう。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) その点は御指摘のとおり非常に問題のあるところでございます。長年にわたりまして国鉄の場合には全国統一運賃というのを基本原則にしておるわけでございますし、もともと、いま政府でお考えになっております運賃の原則は、やはり何としても企業別原価主義といいますか、そういう考え方に立っておりますので、国鉄としても企業別原価ということを前提にして考えておるわけでございまして、その場合に、一つの企業体であります関係と、長年の慣習といいますか、国民の間に定着した考え方によって均一運賃制がとられてきているわけでございます。しかし、私ども、競争力が落ちてまいりましてなかなか運賃改定も容易でないという事態になってまいりますと、やはり漸次競争力というものを頭に置いた考え方に変えていかなければならないんではないか。現状のように、都会では私どもの方が私鉄よりもむしろ高い、しかし、地方ではまだまだ大分私どもの方が安いという低い運賃水準であるという状況を現状におきまして、運賃の建て方について、いままでの考え方でいいかどうかについてはいささか疑問なしとしていないわけでございまして、長年続けてまいりました物の考え方を少しずつ考えていく必要があるのではないかと思います。しかしながら、そうしたことはそうみだりに変更があることも許されませんし、よほど細かい検討を必要とすることと思われます。内部におきましては、そうした方面について見識をお持ちの方々に御参集いただきまして、いろいろいま研究をいたしております。しかし、五十四年度の改定にはそうした研究を織り込んで、新しい考え方のもとにおける運賃のあり方ということを主体に置いた建て方に改めるまでにはとうていまだ時間がたっておらない、勉強が不十分であるということでございますので、大体従来の考え方によった次第でございまして、ただ、先ほど担当常務が御説明をいたしましたように、遠距離について二段階制を三段階制に改める、昭和三十年代の中間までは何段階かありましたものをだんだん簡素にいたしてまいりまして、三十年代の中ほどで二段階制にいたしました。自来二十年間、それを続けてまいったわけでございますが、そこを直させていただくということによって多少とも遠距離逓減的な思想を盛ってまいりましたが、それを除けば均一運賃の考え方によっておるわけでございまして、これから先の問題といたしましては、地域別あるいは路線別の原価というものはどういうことになっているかというようなことをもう少し勉強した上で、またいろいろ御批判をいただきました上で改めるということを考えてもよろしいかと思っておりますけれども、現状ではまだそこまで至らないということで、従来の運賃の考え方いかんというお尋ねに対しましては、やはり従来どおりの均一運賃制を前提として、あとは、具体的に飛行機であるとか他の輸送機関との関係を頭に置きながら、それぞれの水準を建ててまいったということでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 さらに研究を進めていくということでございますが、大都市圏の通勤、通学客にとりましては、やはり通勤、通学の条件というのは非常な劣悪な条件に置かれておるわけですが、この通勤、通学輸送への整備とかサービスについては今後どのような対策を立てられる方針ですか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 大都市圏の通勤、通学につきましては、従来から、昭和三十二年の第一次五ヵ年計画から、すなわち、二十年ぐらい前からかなり力を入れてやってきたつもりでございます。東京付近におきましては東海道、中央、京浜東北、あるいは常磐、総武と、五つの幹線に対して、いずれも線路増設を行って、その線路増設もかなり外縁から進みまして足が長くなってくるという実態もありますので、複々線にする際には一方を快速線にして片方を緩行線にするというふうなことで、サービスにもバラエティーをつけまして、それで対応してきたつもりでございます。一部まだ対応してないところもございますが、そのうちにこれも対応するわけであります。大阪につきましても、片町線とか、その辺のところにつきましては線増をやり、あるいは関西におきましては、各線区につきまして電化を進めてまいりました。首都圏につきましても電化を同様に進めてまいったわけでありますが、そういうことで線路増設、あるいは電化、あるいは駅舎の改築というものを行いまして、さらに車両の新性能化、これもほとんど新しい性能の電車にかなりの部分取りかわっておるわけですが、そのほか冷房というようなものにつきましても、なるべく通勤、通学が楽にできるようにということで、かなりのお金を投じてやってきたわけであります。今後につきましても、さらに現在工事中の線が東海道本線の品川−小田原間、あるいは総武本線の津田沼−千葉問、常磐本線の安孫子−取手間、あるいは大阪におきまして、片町線の四条畷−長尾間というようなところの線増を進めていきますと同時に、関西本線とかあるいは草津線、桜井線、和歌山線等につきましては電化を行う、さらに、新しい車両の電車も入れますし、それから冷房化もさらに進めていくということで、全般的に線増、電化、車両の新製、改造につきまして、これまでと同じようなテンポあるいはそれ以上のテンポで進めていきたいというふうに考えております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 次に、先ほどお話のありました通学定期についてちょっとお尋ねいたしますが、今回の通学定期の問題につきましては、予算委員会でも取り上げられておりました。今回三六・九%の値上げになるわけですけれども、これでは非常に家計への負担が重くなるわけです。この定期の問題につきましては、福祉ないし文教政策的な公共負担として、国鉄以外の分野で国の政策としてこれは責任を持って行うべきじゃないか。昨年の六月の関係閣僚会議ですか、及び国鉄が八月の三日に公共負担軽減について関係省庁に申し入れを行っておりますけれども、その後の経過について御報告願いたいと思います。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 通学定期等の公共割引の負担につきましては、国鉄が実施しております各種の公共負担の一環といたしまして、国鉄経営の危機的状況にかんがみまして、七十八国会における衆参両院の附帯決議もありまして、「国家的政策にもとづく国鉄の公共負担は、それぞれの政策実行部門が負担するよう努力する。」という御決議がございます。また、五十二年十二月の例の再建の基本方針におきましても、運賃上の割引制度を全般的に見直すということになっております。この各種の割引制度のうちには、いろいろ性格の相違がございます。したがいまして、その割引の性格を十分検討いたしまして、いま先生御指摘のように、文教政策あるいはその他社会福祉政策等の公共的な見地から、従来実施されておるものにつきましては、引き続き関係各省と協議をいたしまして、しんぼう強くといいますか、粘り強くその軽減を図るように努力していきたいと思っております。いま先生御指摘のように、昨年の六月にこの件につきまして関係の閣僚会議を開催していただきまして、論議をしていただいたわけでございますが、なかなか長年定着した制度でありまして、この問題を早急に解決することにつきましては、いろいろ困難の指摘がございました。しかしこの閣僚会議で指摘がありました問題点を含めまして、その後関係省庁の事務当局間で検討を続けているところでございます。また、五十四年度の予算の概算要求の段階で、国鉄におきましては文部省、それから厚生省に対しまして、通学定期の旅客運賃の割引、それから身体障害者等の割引にかかわる公共負担に関しまして、特段の配慮方につきお願いをしたところでございますが、残念ながら、五十四年度の予算案におきましては、各省が概算要求も出していただけなかったものでありますので、予算案においてそういう措置はなされておりません。運輸省といたしましては、今後とも国鉄の公共負担につきまして関係省庁と忍耐強く協議をいたしまして、その軽減が図れるよう引き続き努力をしてまいりたいと、かように存じております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 予算委員会のさなかでは、経済企画庁長官も運輸大臣とこの点については話し合いをしたいという発言もありましたが、その後いかがですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 閣僚問の昨年六月に開かれましたような懇談会はその後開催していただいておりません。しかし各省間の事務的なレベルでの話し合いというのは、非常に困難な問題がたくさんございますけれども、引き続いてやっております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 やはりこの通学定期の大幅値上げによって、割引率を下げるなら、その分はある程度文教予算でカバーするという手当てがなければ利用者に与える影響は大きいと思います。その辺、もっと関係閣僚会議で詰めてからこれは提出すべきではなかったかと思いますし、運輸大臣としましては、公共負担の問題について、関係閣僚会議を早急に開いてこれは詰める必要があるのじゃないかと思うのですが、その点御決意いかがですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、事務的段階でいろいろ問題点の詰めをやっております。しかし、いろんな割引制度は、すべて相当の長い時間経過してまいりまして定着しておりますので、これを一挙に解決することにつきまして、いろいろ壁が厚いものでございますので、できるだけ事務的に争点といいますか、争いの点を整理いたしまして、それで閣僚ベースでもって御検討願える段階になりましたら関係の閣僚懇談会をお願いしたい、かように存じております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 先ほど穐山さんも取り上げてみえましたけれども、国鉄再建案の全面的見直しとして、国鉄と運輸省が中間報告で構造的欠損の範囲を、一つは変則的職員構成による退職金の超過負担、二つは年金の過重負担、三つは赤字ローカル線、四つは国鉄バスの過疎路線、第五点は学生割引など、公共補助的性格の運賃制度、第六は、累積債務の利子負担のこの六点を挙げてみえるようですけれども、この学割制度と累積債務については、運輸省側には構造的欠損とすることに異論があるように聞いておりますけれども、その点の理由は何でしょうか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) ただいま御指摘の構造的欠損についてのいわば予備的検討の中間報告ともいうべきものが一部報道されたわけでございます。これにつきましては、運輸大臣と国鉄総裁以下との懇談の場におきまして、本来、六月末までに提出を国鉄にお願いしております経営改善計画の全面的な見直しと、それから構造的欠損についての国鉄としての考え方、これを出していただくわけでございますが、その前にもできるだけ、順序は逆かもしれませんけれども、構造的欠損について問題点の整理をしていこうということで、本日報道されましたのは、その幹部同士の懇談の場におきまして中間報告が行われた、それが報道されたものでございます。その中身といたしましては、いま先生御指摘のように、四点につきましては、事柄としては、これは構造的欠損であろうということで、国鉄と運輸省の事務当局間においては大体合意に達しておるということでございます。それは先生御指摘のように退職金の問題、あるいは年金の問題、あるいは地方交通線の問題、あるいは過疎バスの問題でございます。そのあと二点御指摘になりました公共負担の問題、それから過去債務の問題につきましては、これは現在まだ国鉄と運輸省との間では合意に達していないということでありまして、それはいろんな考え方がありますので、それをさらに詰めていく必要があるということでございます。いずれにいたしましても六月じゆうには国鉄としての考え方をまとめてお出し願うということでありまして、その間のいわば予備審査といいますか、予備協議の中間報告でございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 鉄監局長のお話で、いま合意に達していないということでございますが、国鉄がやはり通学定期の割引を社会的慣行とか、やはり教育的な問題からこれやってきているわけですね。ですから私たちとすれば、これは構造的欠陥として当然見直してやるべき問題じゃないかと、このように思いますが、その点いかがでしょうか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) ただいま申し上げてきましたとおり、いろいろ事務当局間で検討している最中でございますので、ただいま先生の御指摘のような御意見、十分に拝聴いたしまして、参考にいたしたいと存じます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 それでは国鉄さんにちょっとお尋ねしますけれども、通学定期の割引率ですが、これはどのくらいが適当とお考えですか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 通学定期の割引率は絶対的な意味でどれぐらいかというのはなかなか問題があると思いますが、戦前におきましては大体通勤定期の割引に対して二割、二五%から三〇%引きというぐらいのところで昭和二十二年ごろまで推移をしてきまして、その後徐々に両方の割引率の差が広がってきて、今日の大体五〇%強から八〇%というふうな差になってきておるというような沿革的なものがあります。そこで、現在の運賃の定期運賃の割引の法定限度が五割でございますので、もし戦前のような差というものが一応勘定できるとすれば大体六〇%から七〇%ぐらいの線になるかと思います。ただそれがいいのかどうかというような点につきましては、まだ私の方でこれならいいんじゃないかということも得ておりませんので、慎重にこれから勉強をしていきたいと思います。いずれにしてもいろいろ問題が出ておりますが、八〇・八%というのは非常に大きな割引率であるということで今回三・五%の修正をお願いしたというような事情にございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 やはり国鉄も企業努力をされる一つの企業体であれば、通学定期につきましてもやはり企業割引の限度というものは目標として設定されているんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 割引限度は、ただいま申しましたように、私の方で成案を持っているわけではございません。ただ、いままでの沿革だとか、それがどうしてこういうふうになってきたのかというようなことからかんがみまして、一挙にそこに持っていくということも、いずれにしても激変が起こるわけですから、そういった点も考えれば、仮にそういうものがあったとしても一度にそこに持っていかずに、もう少しある段階を追っていくべきであろうと思うし、今度お願いしております三・五%というのは、そういう意味においてはどこがいいかという点を別にいたしましても、それの範囲に対して非常に近いとも言いにくいんじゃないか、つまり、ある段階の中に入っておるんじゃないかというような気持ちでお願いをしておるわけでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 おっしゃることはよくわかるんですけれども、ひとつやっぱり企業体と考えた場合、法律では五割以上となっておりますけれども、ここまでがもう最低限度だというところがやはりあるんじゃないですか、企業目標として、企業として。それはどうでしょうか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) これは現在、私鉄におきましても通学におきまして八〇%とか、あるいは通勤におきましても企業別に格差がありますし、大手の私鉄と、それから公営につきましても、あるいは中小私鉄につきましても、かなり企業別に差がありまして、国鉄がまあこうだということも、その辺のにらみ合いからも非常に出しにくい点があって、ただいまこれがいいんだということは、お答えする資料を持っていませんが、ただいろんな観点から計算しますと、たとえば一カ月に定期というものは何回ぐらい使うものかとか、あるいは原価的に見て、定期の走っておる時間帯とその他の時間帯とか、あるいは定期の場合には時間が限られた時間にたくさん乗られますから、その辺の混雑率とか、いろんな面からある程度の推測はつけられると思いますが、これは長期的に見て、そのどれで計算したものが正しいかというのは、先ほど来申し上げておりますように、まだこれだというものを持っておりませんので、これからなお勉強していきたいということでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 局長、お話を聞くと、なかなかはっきり言いにくい面もあるんじゃないかと思うのですが、運輸省としてはどの程度考えてみえますか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 国鉄の通学定期の問題につきましては、これは現在運輸審議会にその他の運賃改定の内容と一緒に諮問しておりまして、運輸審議会において御検討をお願いしておりますので、その結果を待ちたいと思いますが、一般的に申し上げますと、通学定期の妥当な割引率につきましては他の交通機関の割引状況との関連、それから定期旅客と普通旅客との負担の公平の関係等を総合的に勘案いたしまして、さらに検討する必要があると思います。  具体的な例で申し上げますと、先ほどもちょっと話題になったようでありますが、たとえば大手十四社の民営鉄道、これにつきましては一カ月の通学定期といたしまして現在八二・二%の割引率であります。しかし地下鉄になりまして、公営の地下鉄で申し上げますと、たとえば東京都営につきましてはすでに六七・七%の割引率であります。それから横浜市は五七・六%というように割引率が相当に低くなっております。  それからさらに、同じ民営鉄道でも中小の鉄道になりますと、これは非常に差がございますが、低いところでは五〇%というところも相当にございます。それから高いところで六一、二%というようなところでございまして、大手の十四私鉄に比べますとぐっと割引率は低いということでございます。  このような実情にございますが、いまさっき申し上げましたように、いろんなこれを判断する基準的な、基本的な考え方があると思います。それによって実情にも即応しながら今後さらに検討してまいりたいと思います。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 大臣、せんだって予算委員会で同僚の山田議員から質問がありましたね。やはり、この公共料金の抑制というものは物価対策上非常にこれは重要な問題ですので、今回一年足らずのうちに三回ぐらい値上げをするわけですけれども、国民感情からしてもこれは非常にそぐわない面がある。ですから、五月二十日の実施を希望しているようですが、もう少し先に延ばす考えはないか。あるいは通学定期にしましても、やはり七月ごろに値上げをすれば夏休みで、買うのが九月ごろになるから、それだけ各家庭の負担が少しでも軽くなるのじゃないか、こういうような提案がありましたね。その点でいかがですか、運輸大臣。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 運賃値上げやらなくて済めば、それに越したことはないと思います。しかし、先ほど来、国鉄総裁からもお話がありますように、また私も午前中の委員会でお話ししましたように、損益勘定だけで、すなわち資本及び工事勘定を除き、あるいは特定債務整理特別勘定を別にしまして、損益勘定だけで八千九百九十八億、約九千億円の純損失であり、それに助成金が二千九百八十九億でありますから、両方合わせて助成前の赤字というものは一兆二千億円。一兆二千億円というといかにも大き過ぎるんじゃないかという話が午前中の話に出ましたが、五十四年度の予算は、損益勘定の純損失八千九百九十八億、約九千億円、それから助成金の受け入れ約三千億円、こういうことになって一兆二千億円でありますから、まあこれだけの助成を受けるためには国鉄自身も経営努力をやっての上で運賃の値上げをしてもらわなきやということになったわけであります。しかし、いろいろ諸般の点を勘案いたしまして、千九百億円を四月から実施すると、増収を当てにしなきやならないわけでございますが、五月二十日から、ちょうど連休の明けたところでありますから、その辺から値上げをさせてもらおうということで、千六百五十億円という赤字の額になったわけであります。  それで、そういう値上げの内訳としまして、先ほどお話しの通学定期の割引率を何とかならぬか、いままで八〇%引き、八〇%ちょっとでありますが、を割り引いたものを今度は七七%、七割七分引きということにしたわけでありまして、これ、できればもっと割引率を前のとおりの方がいいねと、また運賃も前どおりの方がいいねということは確かに言えるわけでありますが、ただ私は、閣僚が、たとえば文部大臣が通学定期はできるだけ上げない方がいいという希望を表明することはわかるんですよ、それから、ひとつぜひそういうことで何とかならぬかということを運輸大臣と相談してみたいというお気持はわかるわけでありますが、ただそれを、先ほど話があったと思いますが、国有鉄道運賃法の第五条に基づく割引率五割ないし六割、その五割ないし六割の上積みの約八割と言われるその差額がどのぐらいになるかというと、六百六億円ぐらいになるんですね。だから、法律で決まった以上の割引率をやっている分が六百六億円になれば、やはり文部大臣はその六百六億円ぐらいは文教予算としてひとつ考えてやらにゃならぬなというふうなことぐらい考えてくれてもいいぐらいの国鉄の財政悪化状態というのが今日の実情なのでございますね。ただリップサービスで、少しでも安ければいいねというようなことで済まぬような状態に私はなっているんじゃないかと思います。いわんや物価担当大臣と言われる経済企画庁長官が、かっこうよくそういうのを、安ければ安い方がいいねというようなことを言っておられるのでは困るのであって、それは学割だけでも、年間、法律の基準よりも上積みの割引分だけでも六百六億円になっていれば、その分ぐらいは、口先でかっこうよく、ただかっこうよくしないで、やっぱりそれだけの責任を持った、六百億円ぐらいはそれじゃ何とかひとつ考えてやろうという、裏づけのある姿勢でこういう問題を議論してほしいと思いますね。私はそういう権威ある行動が必要なのではないかと。私は運輸大臣として、それは値上げはやらなきや結構であると人ごとみたいなことを言っているわけにまいりませんから、国鉄の再建はどうしたって、午前中来申し上げましたように、今年度ある程度のめどをつけなきやならない状況に立っており、それに対する責任を持つ国務大臣である以上は、そんなかっこうのいいことばっかり言っておれませんので、それはだれだって運賃値上げはしたくありませんし、通学定期の割引率を下げるということはいたしたくないのはもうやまやまでありますが、事ここに至っている以上は、ともかく今回はひとつこの程度でできるだけ御勘弁を願いたい。  もし通学定期等について本当に考えるならば、学生のために本当に考えるならば、六百六億円ぐらいの文教負担というものを用意しての上で文部大臣なりあるいは経済企画庁長官がやっぱり物を言うべきじゃないですかね。それをかっこうよく、いやおれは余り賛成しないよなんていうようなことで相済むような事態ではないと、私はそういうふうに考えておるわけでございまして、そういう気持ちから申しますと、先般来参議院で御質疑がございました点、お気持ちは全くよくわかります。私も本当は運賃値上げをしたくないし、定期の割引率は引き下げたくはありません。がしかし、もう背に腹はかえられないという状況でございますので、そういうことで私は国の財政が許すならば、公共負担等についての対策も講じていくようにしなければならないとさえ思っておりますけれども、なかなか今日の財政上そこまでいかない以上は、昭和五十四年度はこの程度でとにかくがまんしてお許しを願わなければならないのではないかというふうに考えておる次第であります。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 いま大臣からお話をお聞きしましたけれども、ぜひともわれわれはそういうことを希望しているわけですので、ひとつ閣議でも大いに発言していただきまして推進を図っていただきたい、このようにお願いするわけです。  それで、やはり運賃値上げということが毎年行われてくる。運賃法定主義が緩和されて、いまは国会の審議なしで運輸大臣の認可で認められるようになりましたのでそういう方向になるんでしょうが、何となく安易な値上げがルール化していく感じが国民の中にあるわけです。こういった毎年の値上げを続けていきますと、社会的にも経済的にもやがては限界が来るんじゃないか、こういうことをわれわれとしては心配するわけです。そういった点でどのような見通しを持っておられるのか、その点をお願いします。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 私はあなたと同じような心配を持っております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 大臣も心配されているそうですが、来年の予算につきましてはまた存分に力を発揮していただきたいと、このようにお願い申し上げます。  運賃値上げの前提として企業努力、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、これは当然だと思いますが、昭和五十四年度に国鉄の企業努力によって見込まれる増収分あるいは成果というのはどの程度期待されるんでしょうか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○説明員(加賀山朝雄君) 五十四年度の予算に盛り込まれておりますそういった数字というのは、具体的になかなか把握しにくい点がございます。当然営業収入をふやします努力といたしまして、いろいろな努力を重ねるということを前提にして収入の全体的な収入計画を立てておりまして、需要の動向あるいは輸送力の推移とかあるいは経済の動きとか、いろいろな要素を織り込みましてマクロ的に収入の想定見込みを立てております。したがいまして、そのうちのどれほどのものがどういう形において見込まれているかということは、ちょっとなかなか算定がしにくい点がございます。で、国鉄は昨年からSSオペレーションと申しておりますセールス・アンド・サービスというような標語を掲げまして、旅客のいろいろなサービス改善、収入努力をいたしておりますし、また貨物につきましても、いろいろの荷主の方々のところへ参りまして、いろいろな形におきます増収努力を職員の全力を挙げましてやってまいってきておりまして、最近におきましてはかなり客貨両面におきましても収入の動向は従来よりは若干よい条件と申しますか、従来減ってまいりましたような動向が下げどまってきているような感じも出ておりまして、今後ますますそういった問題につきまして適切な営業努力を重ねまして、より一層の収入を上げてまいりたいというふうに考えております。  また、企業努力の一つといたしまして当然合理化をやっていくということでございまして、昨年、五十三年十月におきまして全国的な規模におきますダイヤ改正を行いまして、特に貨物におきまして相当の輸送力削減もあわせ行いまして、今年度予算におきまして約五千人からの人員規模の縮減をしたというような努力を重ねておりまして、さらに今後そういった努力を引き続いてやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 国鉄財政再建の三本柱と言われている中で、国鉄自体の最も真剣に取り組む問題は企業努力であると思いますし、その点については国民の目も厳しい目があります。しかし、過去においても、実績を見てみましても、それほどはかばかしいものではないようですね。運輸省として、この国鉄の企業努力につきまして、どの分野でどの程度の企業努力というものを期待してみえるのか、その点お聞きしたいと思います。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 先生御指摘のように、国鉄の再建のためには、再建の基本方針にありますような三本柱でありますが、その中でもすべての大前提になりますのが国鉄自体の徹底した経営改善であります。このような見地から、五十四年度の予算につきましては、国鉄の方からいま御説明したとおりでございますが、五十五年度の予算に再建の基本方針にのっとって反映し得るように、要員合理化計画をも含めた経営改善計画の全面的な見直しを行うことといたしまして、遅くとも六月いっぱいまでに、まず当事者である国鉄としての具体的な案を運輸省に提出するように、国鉄に大臣から要請をしているところでございます。今後はこの経営改善計画の見直しを前提といたしまして、五十四年度中にその他の具体的な対策を確立し、再建の基本方針にのっとって、五十年代中に何とか収支均衡に持っていきたいということでございまして、三本柱といっても一番大きな柱は国鉄自体の経営改善であるということでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 時間もありませんので、次へ進みますが、総合交通体系についてちょっとお伺いしますけれども、総合交通体系につきましては、政府の一貫した方針がこれは不明確なために、公共輸送機関を初めとして各分野で大変な混乱をしているわけです。そこで、基本方針では「総合運賃政策の導入、トラック対策の強化など総合交通政策上の具体的な施策を講ずる。」と、このように言っておりますが、総合交通政策上の具体的な施策をどのように考えて実施されようとしているのでしょうか。

杉浦喬也運輸大臣官房審議官

○政府委員(杉浦喬也君) 総合交通政策上の具体的な問題といたしましてここに書いてございますまず「総合運賃政策」でございます。総合運賃政策につきましては、一般の原則といたしましては、能率的な経営のもとに適正な原価、利潤に見合った水準というものに持っていくのが原理でございますが、単にそれだけでは済みません。やはり各交通機関がその特性を十分に発揮できるような、そういう仕組みに持っていくということが必要かと思います。そうした観点からいたしますと、具体的な問題といたしましては、たとえば航空機と鉄道——特に国鉄でございますが、そうした分野の特に遠距離逓減の問題、あるいはトラックと国鉄の貨物の輸送の同じく遠距離逓減の問題というようなこととか、あるいは、先ほどお話が出ました国鉄の全国一律運賃制度のあり方の問題、あるいは定期割引率の是正の問題、こういうような諸点につきまして、運賃上の諸問題を総合的に検討をしなきやいかぬという点がございます。それから、単に運賃政策だけで問題が片づくわけではございませんで、国鉄の対策に例を見ますように、いろんな意味で社会的費用、そうした点をどうしたらいいか、あるいは国家的、社会的な要請というものと、それに対応する助成制度というもののあり方はどうかというような諸点も絡み合わせまして、運賃制度の問題に関連をつけなきゃいかぬというふうに思います。大変むずかしい問題でございますが、運賃の総合的な観点からは、そのようなことで検討をしておるわけでございます。  それからまた、トラック等の問題でございますが、トラックにつきましては、自家用トラックの営業類似行為とか、あるいは先般来から問題になっております過積載の問題、あるいは運賃ダンピングの問題、こういうような点が指摘をされておるところでございまして、行政的にはこうした諸点につきまして、関係の役所とも十分連絡をとりまして、特に運輸省におきましては陸運局におきまして貨物輸送監理官というものを設けまして、関係の業界の指導に当たりまして、こうした諸点の問題の解決に当たっているところでございます。こうしたトラック関係の適正化ということが、ひいては全体的に貨物問題の総合的な政策の有効なる手段であるというふうに考えて、鋭意努力をしておるところでございます。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 このためには先ほども同僚議員から質問がありました、運輸大臣が閣議でお話をされた省エネルギーですが、そういうエネルギーを初めとする制約要素を考慮に入れた総合交通政策の確立というものが必要ですね。また、その中での公共輸送の位置づけというのがこれ肝要になってくると思うんですが、その内容の点と総合交通体系の見直しをやはりしていかなきゃならない、そういう問題で、時期的にいつごろまでをめどにしてその省エネルギーに関する総合交通政策というものを、体系というものを、つくり上げをされているのか、その点をお聞きしたいと思うんですが。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 先週の金曜日でしたか、私が閣議で発言をいたしましたのは、次のような文言であります。「今後、省エネルギー問題は極めて重要な課題となると思われる。」、ちょうどエネルギー節約のいろいろなことが問題になっておったときでありますから、「運輸省においても、わが国のエネルギー消費量のうち少なくない部分を占める輸送機関について、各般にわたり省エネルギー対策を推進してゆきたいと考えている。特に総合交通体系については、昭和四十六年臨時総合交通問題閣僚協議会において、その方針が決定され、その基本的な考え方については今日も尊重される部分が多いが、その後オイルショック等経済社会の変化があり、特に今後は、省エネルギーの観点からこれを早急に見直しをしてゆくことが緊要であると考える。」、これは安い油がふんだんに入った時代に考えた総合交通体系、その後オイルショックがあり、また最近の事態があれば、それは物の考え方は相当違ってきているし、そういうものを織り込んで決めていかなきゃならない。「総合交通担当大臣である経済企画庁長官を中心として関係閣僚とも密接に連繋をとり、この方向で新しい政策を樹立するよう努力していただきたい。」、これは閣議において申し述べた意見であります。まあそういうことで、運輸委員会を中心にして、これは衆議院も参議院もでありますが、委員各位、与野党を問わず起きておりますが、こういう時世におけるわが国の総合交通政策のあり方、特に省エネルギーの観点からの反省ということは、私も閣議において総合経済政策の見直しという観点から、先週のたしか金曜日の閣議でいま申し上げましたようなことで申し上げております。  ちなみに、わが国の国内交通機関のエネルギー消費構成でありますが、国内交通機関のエネルギー消費原単位旅客一人または貨物一トンを一キロ輸送するために必要なエネルギー量を五十二年度実績で申しますと、旅客部門で申しますと、鉄道を一とした場合、バスは一・五、乗用車は八・九、航空機が七・六。それから貨物部門でありますが、鉄道を一とした場合に、営業用トラック三・一、自家用トラック一〇・六、船舶一・二というような比率になります。したがって、エネルギーの節約から申しますれば、消費原単位の少ない輸送機関に極力重点を置くような総合交通政策をこれから立てていかなければならない、そういうふうに考えております。そしていつごろこれができるかということになりますれば、いままでのすでにあります案についても、すべてがこれが悪いというわけではありませんから、ただその後における事情の変化というものを織り込んでやっていかなければならないということでございますから、そうきょう言ってあすできるというほど安直にいくものとは思いません。昭和四十六年の案がどのぐらいの時間かかってやったかわかりませんが、やはり前回の実績等もありますから、前回の実績も踏まえてできるだけ速やかにこの事態に合ったような案を押さえていかなければならない、こういうふうに考えております。

太田淳夫公明党

○太田淳夫君 最後に一問だけ。  整備五新幹線の建設についてお尋ねをしますけれども、政府は昨年十月に整備五新幹線の具体的実施計画を決定して、その着工を原則的に了承しました。そこで、この財源措置が本年中に具体化されれば工事に着工する、こういうことですけれども、財源措置が具体化される可能性はあるのか。その見通しと、この整備五新幹線の総工費は当初五兆五千億円と言われてますが、現在では八兆円とも十兆円とも言われています。運輸省は、いま再建途上にあります国鉄に負担にならないよう全額国の負担で建設すると、そういう方針であると伺っていますけれども、その点の確認をしておきたいと思います。この二点ですが、お伺いしたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 整備五新幹線はなかなか財源的に非常にむずかしゅうございますし、それから、これらの線が実際やった場合に採算がとれるかということであります。国鉄は先ほど来申し上げましたような財政事情にございますから、ここで赤字をふやすようなことはできないということになってまいりますと非常にむずかしいことに相なるわけであります。財源問題もあり、採算としてペイするかどうかということでございます。がしかし、ともかくいままでのように借りた金で、後で返さにゃならぬ利子がつく金でやるということになりますと、これからの新幹線は採算がとれないと見るのが常識的であります。これを国費でもって建設して、後で返さなくてもいい、利子を払わなくてもいいという資金でやれば採算が合う場所があるということだけは言えるのであろうと思うわけであります。しかし午前中の議論にもございましたように、採算だけでこういう交通機関の問題、特に公共的な交通機関の問題考えることできるかどうかということになってまいりますと、その辺は非常にむずかしい問題が現在もあり、将来もあるだろうと思います。これは予算委員会でも申し上げたかと思いますが、昭和五十八年ごろ青函トンネルが多分開通すると、こう思います。ただ、あそこに通す鉄道は在来線を通すのか、新幹線を通すのかということになれば、新しい鉄道を通すわけでありますから、新幹線をというふうなことになってくる可能性はかなり大きいというふうに私は見なきやならないと思います。両方やるというよりは、やっぱり一つの方がいいわけで、北海道や東北の方は非常に喜ぶわけでありますが、あのトンネルができるということと、新幹線整備五線と言われるうちの二線はあれによってかなり促進をされるであろうというふうに思うのであります。  そういうふうに見ていきますと、裏日本の方に計画しておる新幹線は、これは現在でも政府出資で鉄道をつくれば採算に合うというようなことになってまいりますから、これもそのうちにつくらにゃならぬなということにいずれなるでありましょう。そうすると、整備五線のうちもうこれで三線がある程度のめどがつけば、これは九州だけをほっておくことができますかと、こういうことになるわけですね。地域的格差の是正とか、国土の均衡ある発展とかというような点をやはり政治の世界でやることでありますから、考えていかなきゃならぬ。ただそろばんだけ、交通機関をそろばんだけですべての考え方を律するということは私は許されないと。もちろん赤字なら赤字で、赤字の埋め合わせば立ててやらなきゃなりませんですよ。しかし、とにかくそういうことになれば九州もほっておけまいという時代はくるのではなかろうかと推察します。そうなると、今度は本州で四国だけが取り残されると、一体これでいいのかということになりますから、やはり鳴門大橋を残して新幹線の将来への含みを残していくということもこれは現在においても大きな善政でありますし、将来をやっぱり見通したということにも私はなるのではないかというふうに考えておるわけであります。  そんなことを前提に置きながら、整備五線の問題は、余り短兵急に、きょう言ってあすというようなことで考えるべきことではありませんけれども、しかし、一番早く出てくるのが昭和五十八年、あの青函トンネル、五十八年にできるんですから、その辺からはいやでもおうでもとにかく手をつけざるを得ないような事態になってまいるわけでありますから、そういう点で、私は、整備五線の問題をいまは財源がないから知りませんよというような態度をもって臨むべき問題ではないと私は思っております。私は、整備五線の問題は財源がないからできないというんじゃなくて、財源を何とか見つけてひとつやるようにしようじゃないかという姿勢をもって望むべき問題である、こういうことでございます。  しかし、まあこういうことを申し上げても、来年の財源が果たしてどこまで準備できるか、私はめどを持っているわけじゃございませんよ。しかし、先行き整備五線の将来を考えた場合に、たとえば昭和五十八年の青函トンネルができた場合において、あそこに新しく鉄道を引くというのは、一体在来線なのか新幹線なのかというようなことから考えれば、もう新幹線が整備五線のうち二線はいやでもおうでもこれはやらざるを得ないようになってくるんじゃないですか。そういうことを見て、ことし言って来年の問題というのは、そういう目先だけの問題で考えるべきことじゃないんじゃないかと思うんですね。もう少し長い時期で、やはり十年とか十五年とか二十年とか、まあとにかく相当長い先行きを考えて考えるべきであり、同時に、国鉄再建ということは赤字を解消するということでありますから、ここで国鉄の赤字をふやさないという考慮も必要でありますから、それだけのことをやるなら、もし、そうして、それで赤字が出るというならば、それは、そういう赤字を国の力で埋め合わして実行するということでこれはなきゃならないわけでありますから、それだけの国力をそのときにわれわれが維持するようなやっぱり大きな責任もあると思っております。ただ鉄道だけつくればいいというものでもない。しかし、それだけの力もないのにつくるわけにはいかないのでありますから、それは将来のかなり先を見越して、しかも日本の国力の可能性もありということを確信をしてこの問題に対処すべきものであるというふうに考えておるのであります。  御返事になったかどうかわかりませんが、去年の問題でことしはどうする、ことしの問題で来年はどうすると、そういうことで解決する問題ではないということではありますが、しかし、去年のことしであり、ことしの来年でありますから、当面の事態も一生懸命努力したいというのが主務大臣である私の気持でございます。どうか、その辺のところを皆様も政治家でございますから、十分御理解いただけるのじゃないかと、私はほらを吹いていることにならぬと思いますよ。これはやはりそれだけの将来への希望を持ってこの整備新幹線の将来に当たるということが私どものとるべき立場ではなかろうかと、こう思っているわけでございまして、どうか皆様の格別のひとつ御支援をお願いをしてやまない次第であります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 二月十五日の当委員会で大臣は所信表明をされました。運輸行政の進むべき方向として、国民の要請を的確に把握し、あくまで国民本位の姿勢に立って、国民が真に必要とする良質の輸送サービスを確保することが基本だ、という決意を表明されております。これはまことに総論としてはそのとおり、一点の非の打ちどころもない問題なんですが、さてこれが具体的にどう実行されていくかということにつきまして御質問申し上げたいと思うんであります。  同僚委員からすでに国鉄運賃の問題出ておりますが、三月十四日の新聞の投書欄「気流」というところですが、六十八歳の東京都世田谷区居住の方の投書に私非常に引かれたんですが、昨年の十月に一斉値上げをして、通学定期は去る一月にやったばかりではないかと。そういう怒りもさることながら、今度の値上げ案の内容が、弱者いじめの色彩を一段と強めているということを指摘しておるんですね。一つは、値上げ率が近距離ほど高いということ、国民の日常生活に最も密着しているのは近距離だと。この実情を無視しているのではないかという指摘が第一。それからもう一つは、グリーン車や寝台車の料金が据え置かれるのが納得できない。これはまあ庶民感情の逆なでではないか。庶民泣かせの方式で赤字に対処しようとするのは、一層国鉄離れに拍車をかける、こういう論旨なんですね。  いま国民は国鉄が赤字で経営が大変だということの一般論、これはもうよくわかっているんですね。いるんですが、その上に立って、同じ値上げを仮にするにしても、こういうような国民の気持ちというもの、国民に血の通わないやり方だと思わせるやり方はいかぬ。私はこの投書の重点はそういうところにあると思うんですよ。この声は相当われわれの身の回りにあるわけなんですね。政治というものは、やはり単なるつじつまを合わせるだけじゃなくて、こういう国民の気持ちの上に立ってどのようにやっていくか。同時に、国鉄は私が毎度ここの国鉄審議のとき言っていますように、一つの営業でもあって、物を売る買うという関係にある。物を売る者は良質の物を売らなくちゃいけない。買う人が満足するような物を売らなくちゃいけないということを私はいつも言っているわけなんですね。この投書について最初の質問ですから運輸大臣にお伺いしたいんですが、どういうふうにこれを受けとめられ、お答えされるかという点をまずお聞きしたいと思うんですが……。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) ちょっといまの説明ね、ちょっとそれを見せていただいて、国鉄側のまずそのことについてのお考えを最初に申し上げて、それから私が……。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) ただいま御指摘になりました投書は、実は私も拝見をいたしまして、非常に胸痛む思いをいたしておるわけでございます。率直に申しまして、今回の値上げのウエートが近距離によっておると、それから学生定期によっておるということはまさにそのとおりでございまして、私どもがいろいろ案を考えますときにも、いま御指摘になりましたようなことをできるだけ避けたいという気持ちを持ってABCいろんな案を並べて考えてみたわけでございますが、何分にも最近他の輸送機関におきますところの運賃制度は比較的安定的でございます。特に航空機の場合には急激にお客さんがふえたということもあり、また、飛行機の型が大きくなったということもありまして、かなり長期間運賃の安定をしておる。改定が行われていないという現状でございます。  それやこれやいろいろ考えてみますと、なかなか率直に言って競争関係が厳しいわけでございまして、もし仮に私どもの案よりももう少し平均的な案を考えてみた場合にどういうことになるかということになりますと、どうもいま私どもの経営が容易でないからこの際無理をしてでも改定をお願いするという志と反しまして、実際の増収にはなかなかつながってこないということが考えられるわけでございます。ここ数年の間にきわめて状態は厳しい状態になってきておるわけでございます。  そういうことで、いま御指摘のような何か非常にこう冷たい案だという御批判を受けるのではないかという気持ちを持ちながら、しかし、どうもいろいろな案を並べてみましたけれども、これ以外にうまい方法はないんじゃないかということでこの案を選んだ。そして、お願いすることにした次第でございます。私も経営者といいますか、経営責任者としてその点は非常に責任の重さを感ずるわけでございますが、そしてまた、なおもう少しいい案があればとも思ったわけでございますけれども、いまのところはこの案でお願いする以外にないということでなったわけでございまして、決していささか冷たいという御批判を受ける案が最良な案であるということでお願いしているわけではないのでございまして、これ以外にはないのではないかというそういう感じで案を決めて申請さしていただいた次第でございます。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 値上げ率が近距離ほど高いということとグリーン車や寝台車の料金が据え置かれておるということ、この前提に通学定期をまた上げるのか、こういうことでいずれも私はごもっともだと思います。しかし、現行の国鉄運賃法で国鉄限りでと申しますか、国会にかけないで上げられる範囲内の値上げ率、それを四月からやれば千九百億、できるだけあとに延ばすという形で千六百五十億という増収を図ろうというふうにいたしますと、ただいま国鉄総裁からお話がありましたように、まことに心中なかなかつらい思いをしながらこういう案を出してこられたわけであります。でありますから、私どもの方でもそれを検討いたしまして、この段階よりいい手があれば、当面の問題といたしまして、同時に、いい手があればそれなりのこともあるわけでありますが、どうもただ、たとえば通学定期にいたしましても、通学定期はこんなに上げる必要ないよと、割引率は下げる必要はないよと、基本料金が上がって割引率下げたんだから若干通学定期が上がったわけでありますが、あれを下げる方法はないかね、運輸大臣に相談したいよと、口先だけじゃ問題になりませんので、とにかくこれは国鉄運賃法に規定してある上積みの割引率だけ足しても六百六億円であります。五十四年度で六百六億円でありますから、ただ値上げは賛成できないよと言うわけにいかないようなことでこういうことになったわけでございまして、庶民泣かせの方式で赤字に対処しようというような気持ちは、私は今日の国鉄当局にはないと思います。  しかし、国から一兆二千億円の穴埋めをしてもらってやっている国鉄としては、国鉄自身の運賃を値上げをやろうと思えば、今回のようなやり方以外に方法がまず見当たらぬということで、もう本当に悩みに悩み抜いた末の今回の運賃値上げであろうというふうに私は考えておるわけでありまして、国鉄総裁の心情というものも私はお察しして今回の国鉄の値上げ申請を運輸審議会に取り次いだ次第でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 具体的に数字で言うと非常にはっきりするんですが、新宿−八王子間で普通運賃がどういうふうに私鉄と国鉄で差がついてくるかと言うと、新宿−八王子間で京王線では二百十円ですね。国鉄は現行が三百六十円ですから値上げで四百十円で、比率が一九五、つまり約二倍になります。通学定期で言うと、私鉄が千八百円、大学生一カ月。国鉄が四千二百六十円で二・三七倍ということになります。以下、詳しく数字を挙げると非常にはっきりしてきますが、やはり私はいまの庶民の声というもの、これをやはり本当に生かせるような運賃政策、経営というものが貫かれなくちゃいかぬと思うんです。この再建対策は今後いろんな機会に大いに私どもも論じたいと思っております。決してこれしか方法がないというようなものではないと私たちは思うんです。  私がきょう聞きたいのは、高木総裁もこの際質のよいサービス提供に向かってさらに前進するということをいろんな機会に言っておられるんですが、値上げの直撃を受けるのは近距離客、特に首都圏あるいは大阪圏などの通勤ラッシュというのは非常にひどいもので、事故も続発しておるという段階なんですね。  まず、首都圏の輸送力増強計画については先ほど御論議もあったようですが、それに関連をして、通勤用の新車両の導入については一体どのようになっているのか、通勤用の新車両増強、更新について具体的にどんな計画をいまお持ちであるのかという点をまず伺いたい。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 通勤用の車両、首都圏につきましては本年度、五十三年度でございますが、約三百五十両導入をしております。これから、来年につきましては現在債務で購入しておりますもののほかに、いろんな配置がえと言いますか、全体計画と言っておりますが、そういったものを含めまして計画が固まるのがもう少しかかりますので、来年度に入ってからということになります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまのを首都圏の線区別にちょっと言っていただけますか。答弁の用意がありますか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) ただいま線区別の五十三年度に入りました車両の数を持っておりませんので、ちょっとここではお答えをしかねるわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 それでは、もう一つこの首都圏の問題で、ちょっといま三月で時期が早いようですけれども、いまやっておかないといけないので、冷房化率の問題ですね。これは毎年私聞いているんですが、首都圏の各線区別にどういうような改善計画がいまありますか。お持ちの計画を線区別に述べていただきたい。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 首都圏、たくさんございますが、五十三年の夏、今年度の夏に、たとえば京浜東北線で言いますと六四%の冷房化率であります。これは五十二年の夏、一年前に比較しまして一二%アップしておりますが、京浜東北線につきましては大体こんなような程度で推移したいと。  一般的に言いまして、この前いつか先生の御質問に対して私答えたと思うんですが、現在首都圏におきましても、私鉄と比べても若干総体の率は上がっておると。しかし、中には線区にばらつきがございまして、ゼロのところもあるということで、ある程度その平準化といいますか、平均化を図るように、なるべくゼロのところに入れていくように手当てをしたいというような考え方であるということを申し上げたわけですが、そういう意味で言いますと、たとえば京浜東北の六四%、山手の五四%、それから中央の特別快速はもう現在一〇〇%でございますので、この辺はそういう感じだということでありますが、中央線におきましては快速線が五十三年で三四%でございます。この辺をもうちょっと上げていったらいかがかと。  それから中央線と並行しております総武線の各停は五十二年はゼロでありましたが、五十三年は一%ということになってきております。この総武線の各停につきましては車両が古いのでこの改造をいたしますというにしても非常に手数がかかるということがありますので、新車の購入をやることによって徐々にふやしていきたいということで、当面は若干の増加ということになるかと思います。  それから常磐線は快速につきましては二三%ということで五十二年より一〇%ほど上がっております。この辺ももう少し上げていくべきであろうというふうに考えます。  それから南武線、横浜線、青梅線、この辺は五十二年はゼロであったわけなんですが、その後一年かかりまして五十三年に南武線では三%、横浜線で一七%、青梅線で三%ということでございます。これらの線区につきましては、つまりゼロから入れていきますと後の検修の設備の問題、それに伴う要員の問題、場合によっては電源設備とかそういったようないろいろ車両の手当てだけでなくて、地上の手当てまで含めた手当てが要りますので、これを一挙に持っていくということもなかなかむずかしいので、これも徐々に持っていきたいということであります。  それから湘南、横須賀につきましては、これは地下乗り入れの関係があって新車を入れておりますので、ほぼ一〇〇に近い、いずれも九七%というふうになっております。  それから東北、高崎につきましては約三分の二の六七%でありますが、前年に比べますと二六%ふえております。  総武線の快速につきましては、これも地下乗り入れの関係があってかなり高くて八四%、それから中央線の高尾以遠に行くところ、この辺が六〇%ということで、それから常磐線の終電、これは三つドアの交直電車でありますが、これが現在五十三年の夏で一八%でありますので、この辺は新車の購入、つまり取りかえ計画との絡みにおいてもう少し持っていきたいということであります。そのほか周辺の線でたとえば武蔵野線であるとか鶴見、赤羽線、五日市線というようなところがまだ冷房が入っておりませんが、この辺はいずれもお客さんの足が短いので、どちらかといえばかなりの時間乗られるというようなところを優先してやっておりますが、その辺が片づきましたらその次あたりにこの中には考えていく線があるかと思います。  それからなお常磐線から営団の千代田線に乗り入れている線につきましては、これは千代田線の中が冷房が効かないということで、常磐線の各停についてはこれは入っておりません。  そういうようなかっこうでございまして、多少とも進行をしておるというような状態であります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 まだまだアンバランスがあります。値上げだけやられてしまって、設備の改善、サービスの改善がなされないという非難を受けないように一層の改善努力を要求をしたいと思うんです。  次に、いわゆる国鉄の犬走りの問題についてきょうは伺いたいと思うんですが、犬走りというふうにわれわれ普通聞いておりますが、これは正式の施設の名前は何と言うんですか、一言で言うと。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○説明員(高橋浩二君) いま先生のおっしゃいますのは、線路の砂利——線路には砂利がございますが、砂利のちょうど底面、一番下の面、この面のことを私どもは施工基面と申しておりまして、施工基面の上に砂利が乗って、その砂利の中にまくら木とレールが組まれておるというのを施工基面と申しております。犬走りというのは、盛り土の場合に、その途中に段を設けてある場合がありますが、それを犬走りと申しております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 よくわかりました。  そこで、この施工基面の整備は保線職員の方や、あるいは工事関係者の移動をする場合、それから工事中の人が列車を待避するときなど、関係職員の体の安全を守る上で非常に重要なものだと思うんですが、現に施設局関係で列車との接触による死亡事故も発生しているというふうに聞いております。年間数名というところですが、発生していると。  整備状況について伺いたいんですが、五十三年度末の要修繕延長キロ、修繕延長キロ及びいわゆるし型ブロック、アスファルトなどの施工を含む五十三年度の整備実績の延長キロ、これはどうなっておりますか。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○説明員(高橋浩二君) いま先生の御質問の施工基面の肩、砂利の両端でございますが、施工基面の肩が年々砂利を、線路を上げていく補修をするために施工基面の残った余裕がだんだん少なくなっているというのがございます。恐らくいまの要修繕量と申されたのは、したがってそこの幅が狭くなって、したがって砂利がこぼれるとか、あるいは非常に歩きにくいとか、そういうような状況になっているものを要修繕量と申されたのだと思いますけれども、一応そういう観点から調べた私どもの統計では、一応全国の線路延長の約一割、約二千キロほどその辺の幅が少し狭くなってきた、肩が崩れるというものがございます。それは逐次現地の保線作業員がその都度直したり、あるいは非常にはなはだしく進行しているものについては別途工事をいたしまして、のり肩を整備していくということを行っておりますので、本社では正確には実は年々どのぐらい直しているかということはわかりませんけれども、そののり肩を整備しているのは年に百キロぐらいの延長があるんではないかというふうに推定をいたしております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまの百キロというのは、私の聞いた二点目の方ですね。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○説明員(高橋浩二君) 先生のおっしゃいますのは、何かL型ブロックのようなものを入れて、そして従来、昔は線路をつくったときは何もございませんが、最近そういうL型のブロックを入れまして、これは通路のための目的だけじゃなくて、砂利がこぼれるのを防いで、線路全体を強化していくという、そういう目的で試験的にやっているところはございます。これはまだ全国ほんのわずかでございまして、これをもって私どもは修繕とは申しておりませんので、これは通路を整備し、なおかつ砂利をこぼれないようにきちんと整備することによって線路状態をよくしていくという意味の工事をいま試験的にやっております。したがって、たとえば五十キロレールを六十キロレールにするといったような軌道強化をいたしますときに砂利の厚さを少しよけいにしておりますので、それに付随して行われていると思います。ただ、本社では軌道強化に伴ってやっておりますので、それだけの延長キロは把握いたしておりません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 ひとつ実情把握を一層正確にしていただきたいと思うんです。いまの御答弁でもうかがわれるように、遅々として進んでいないという実情の訴えを私ども受けておりますから、関係職員のこれは作業環境の整備にとっても、軌道保守の上から言ってもぜひピッチを上げていただくように、これについての何か具体的な御計画というものがございますか。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○説明員(高橋浩二君) 線路のわきを線路巡回と、あるいは作業に行くために線路の肩を歩くということは非常に多く歩かれておるわけでございますけれども、いまのブロックのようなものを入れて整備をしていくというのは、歩くための目的だけじゃなくて、もちろんそういうかっこうになりますと非常に歩きやすくなる、あるいは待避しやすくなるということはございますが、直接の目的は先ほど申し上げたように軌道を強化していくことに伴って砂利圧を増していくというときに、そういう設備をしていきたいというふうに考えておりますので、両方の目的、がうまくかなうようにいろんなケース・バイ・ケースあるいは場所場所によりまして、あるいは路盤が沈下しているところは早く進むといったようなことで整備をしていきたいというふうに考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 もう一つ、これも私が前にこの委員会でいろいろほかの区域でお伺いしたことがありますが、いわゆる無人駅問題ですね、これが東北方面は非常に整備していただいたわけですが、全国的にアンバランスがある。きょう御質問申し上げるのは、豪雪地帯と言われる北陸地区における無人駅問題であります。この無人駅問題は前にも質問をいたしましたし、国鉄に対するサービス改善要求の中でもわりと重要な位置を占めておりまして、利用者の方は数は多くないけれども、さまざまの非常に切実な声が寄せられているわけであります。昨年、実は私どもの党の調査団で北陸方面の鉄道の方を調べたんですが、そのときにあるラッセル運転士さんの話ですが、雪の降る日にずっとラッセル車を運転していた。駅名等もちゃんと調べてありますけれども、下校途中の小学生が数人、列車は動いていないんだが、何時間もの間無人駅で待っているのを発見したということを非常に深刻なそのときの印象を話しておりました。私どもは特に放送設備、いまこの線区は列車が動いているのかどうか、それから動く可能性はどうなのかというような情報について知らせる放送設備を整備するということについて最低限、これはやっぱりやるべきであろうと思うんです。国鉄の資料によりましても、豪雪地帯と言われている北陸地区の整備状況というのが、これは特に金沢局管内が多いと思うんですが、全国的に見てきわめて悪いという感じがするんですね。これを少なくとも東北並みぐらいに大至急引き上げるように努力を、これはしていただきたいと思うんです。これは努力をすればそう大きな予算というものが要る問題でもなかろうかと私は思うんですがね。全国的に見て、こういう放送設備の設置状況、北陸、東北、この二つを比べてみて、国鉄当局どんな状況ですか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 御指摘のように、放送設備につきましては大体豪雪地帯を中心にして列車の状況を周知するというようなことで逐年進めております。御指摘になった金沢の局でありますが、無人駅は現在百五駅ございまして、その中で放送設備のある駅が二十三駅ということでありますが、放送設備を実際につけます際に、新しくつけますと通信関係の線の設置とか、そういったものが入ってきまして、それをかなり遠くから持ってこなくちゃいかぬということになりますと、一駅で高いところは二千万円とか、そういうふうな金額になります。これは無人駅のいろんな放送設備もありますし、あるいは電灯、電力の関係あるいは駅舎の関係とか、そういったものがたくさんございまして、地元の人といろんな話をしながら、どれから優先順位をつけてやるかとか、あるいはどの程度やるかということは管理局の予算の範囲でやっておりまして、これはある程度管理局長の決定に任すというような形で持たしてある予算があります。その範囲内でいろんな施策をやるわけですが、その一環として無人駅対策をやっております。特に雪のところにつきましては、その辺は気をつけていろいろ指導もしておりますが、金沢の局の百五駅で二十三駅というといかにも少ないようでございますが、実はそういう非常に高いお金をかけて放送設備をやる方がいいのか、あるいはその駅の近くにいる人に電話をしてその都度連絡をしてもらう、いわゆる協力員と申しておりますが、そういった方式でやっておるところが二十九カ所ございまして、この辺集めますと五〇%ぐらいになります。そのほかに、これは金沢だけじゃなくて、新潟とかそういうところでもそうなんですが、新線建設その他で、できたときにもう初めから無人になっておるところと、それから営近——営業の近代化で、実際人がいまして、その後から無人になったというところは、お客さんのなれのぐあいとか、あるいは数の問題で違うものですから、われわれの調べた範囲でも、各局とも、もともと人がいて、それから無人になったところから優先的にやっておるというようなやり方をしておるようでございます。金沢の場合には、たまたまいわゆるそういった立ち上がり無人といいますか、できたときに無人のところが五十三駅ございます。ここ全部やらなくてもいいというわけではありませんが、そういったもろもろのことを考えますと、ほかのところと比べて金沢が特に施策がおくれておるということではなくて、それぞれに考えて局なりの手当てはしておるというふうに理解しております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 それにしても、やはり協力員方式を合わせても五十二、半分ぐらいですね。東北を見ますと、いまの金沢の説明、一応そう聞いておくとしても、東北の場合は無人化駅二百九十九のうち二百三十七が放送設備設置協力員方式その他が二十七という、この割合から見ますと、なおこの金沢局においては実情を調べて改善の余地があるように思われるので、ひとつ総裁、この点についての御努力をお願いをしたいと思いますが、いかがですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) いま担当常務が御説明しましたように、この種の施策は各管理局に任してあるわけでございまして、こまごまとしたもので、しかし非常にサービス改善の上で喜んでいただけるものがあります。なかなか本社では目が届きませんので、一定金額枠以下でできるものは局長さんのところでやってくれということで、総枠を局ごとに渡しましてやっておるわけでございますが、先般来御指摘がありますように、雪の深い地区におけるこの種の施設は、採算とかなんとかいうことは別としまして、安全の問題を含めてかなり優先度の高い仕事であると思いますので、かねがね折を見てそういうことを関係局長に申してきたわけでございますが、いま金沢のお話がございましたからもう一遍少し見直して、御指摘のようにおくれているようであればこれは少しでも、たとえ二駅でも三駅でも少しずつでも進めていくように指導してまいりたいというふうに考えます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 私は、大臣、きょうは朝から国鉄の問題ばかり出ているんですが、私も国鉄の再建の問題でお聞きをしてまいるんですけれども、きょう午前も大臣は、いまの国鉄はもう破産寸前だと言われたんですが、私もそういう見方をするわけです。この国鉄の再建ということは口では簡単に言えるけれども容易なことではないと思うんですペニシリン注射もないと思うんです。じゃどうするかと言えば、あの国鉄に働く四十数万の人たちが、職員の人たちが本気になってみんなが再建するんだという気で取り組んでいく、その積み重ねの結果でしか出てこないと思うんですよ。だから、そういう点でもってそういうことが大事なことであるし、その中でも特に私が気になるのは、管理職の人たち、約五万から恐らくいると思うんです、第一線の駅長さんも含めて。この一番の中核というか、中核というこの管理職の人たちが、その意思がどこまでもって本気になって働いているんだろうか、熱意があるんだろうか、監督官庁の立場から私は、ですから運輸省の方、運輸大臣にお聞きをするんです。  第一には、大臣、国鉄再建の最大のかぎというのは労使関係を正常化させることだと思う。いまのような状態ではこれはどうやったって再建なんかできやしないと思うんです。そういう点に立って、管理職の人たちというものは労使関係の正常化ということを本気になって努力をしているのかどうなのか、その辺を大臣はどういうふうにごらんになっているか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 国鉄再建のために必要なことは午前中以来るるとして論議の対象になりました。いままでの重点は構造的欠損という名で呼ばれる、国鉄だけの努力ではいかんともなしがたい問題は何か、また、その限度はどこにあるかというような点に重点が置かれて論議をされたわけであります。そのこともきわめて重要でありますから、当面の範囲内においてお答えできる限りのことをお答えしたのでありますが、それだけで相済まないのはもとよりでありまして、国鉄の努力によって打開しなきやならない、これが大事であります。国鉄の努力とは何かということになれば、それは国鉄自身で直せることでありまして、国鉄自身で直せることということの中で最も重要なことはやはり労使関係にあるという御意見には全く同感でございます。そういう労使関係ということになりますれば、管理者がきちんとしているということが何と言っても大事でございます。これは民間企業で申しますれば、組合が勝手なことを言っていいかげんなことをやっておりますれば、国内競争もあり国際競争もありますから、したがって、そういう勝手なことを言ったりしたりすることは許されないということになっておりますし、また、そういうことを経営者がやらしておけば、これは業績が低下することは必至でございますから、あなた、かわってもらいましょうということで退陣になるわけであります。しかし公共企業体——国鉄だけではございませんが、公共企業体につきましてはそういう関係はございませんから、したがって経済法則の歯どめがないというところに大きな問題点があるわけでございまして、労使関係の場合を考えましても、やはりそこで組合の方がしっかり物を考えていただくような組合であるならば、またそこに救いの道もありますけれども、もし組合の中に職場における階級闘争をもって組合の使命と心得ているような組合がありといたしますならば、そういう組合運動の中からはその救われる道というものを発見することは非常に困難であります。そういう際、やはり何と言っても大事なことは経営者でありまして、経営者がしっかりしているということが経済法則にかわるべき唯一のかぎになるわけでありますが、経営者と申しましても経営者だけではございませんね。これは経営者、その立場に立ってやる人がどこまできちんとしておるかということでございます。そういう意味で、管理者というものがしつかり腹構えができているかできていないかということが、特に公共企業体なんかの場合においては大きな問題点になるであろうというふうに考えておる次第であります。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 続いてお聞きしたいことは、職員の人事管理の問題。  この人事管理というのは信賞必罰をきちんとして対処をしないと職場の秩序というものは保てないと思うんです。職場の秩序の保たれていない企業が私は発展するはずもないし、また、いまの国鉄のような状態では再建されるはずもないと思うんです。そういう点に立って大臣は、いまの国鉄の管理職というのはその辺が信賞必罰をきちん上して、こういう毅然たる姿勢でもって日常のそういう問題に対処しているとごらんになっているかどうか、その点で今度は次にお聞きします。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) これはなかなかむずかしい御質疑をなさるわけでありまして、先ほど来ずうっと申し上げていますように、助成前赤字が一兆二千億というような、そういう損益勘定の国鉄の現状からすれば、これはもう民間企業だったら立っていかないわけでありますし、とつくの昔にこれは恐らく破産しているんでしょう。だから、民間企業なら国鉄はまさに破産企業と言ってももう差し支えないんじゃないかと思うんですね、こういう状態では。だからしたがって、経営者の立場に立つ人たちが、本当にこういう数字に出てくる面、数字の裏にあるものについて自覚をして、経営者としての気構えを痛感するならば、もっといろんな行き方があるんじゃないかと私は思っております。しかし、人間でございますから、決まったときにちゃんと決まって月給をもらうと、また一兆二千億円の助成前赤字があっても、ボーナスはまるまる経営者、役員から職員の末端に至るまでもらうと、それで別に遅配、欠配もないということでありますから、きわめてのんきな気持ちでこういう事態にぶつかっているという面も私は否めないんじゃないかと、こう思いますね。そういう意味では、私は国鉄の管理者諸君がときどき、特に最高の経営者の立場にある方々は、そういう企業体の役員であるということを思い出していただく必要が私はあるのではないかと、こういうふうに思っています。観念的にわかってるだけじゃだめですね。先ほどのように、学生割引率は高い方がいいよ、通学定期は上がっちや困るよと、ただ言っているだけじゃ困るんです。やはりそれには、国鉄運賃法に基づく割引率に上積みの分だけで六百六億円というほどの金を国鉄が負担しているんですから、やっぱりそういう意味の、口先だけではないという面を国鉄の理事者というものはよく考えて御行動を願わなけりゃならないんじゃないか。そういう意味で、これはいろいろ与野党の中に御意見はあろうと思いますが、私は総裁ともお話をいたしまして、国鉄の役員諸君のボーナスは予算上二分の一にしたわけであります。それは、民間会社だったら、赤字会社の重役さんはボーナスなんか一文ももらえないんですから。とにかく一兆二千億円の赤字のあるこの企業体で、理事者がまるまる五カ月分のボーナスをもらって、もらっている本人もいささかも気にならないし、それから国民もまあそういう事実は余り気にならないというような、そういうところにやはり経営の刷新は生まれないんじゃないかと思うんです。だから私は今年度の予算案でもって、まあ公共企業体——公共というのは親方日の丸というような意味もありますから、これはそういう意味で、はなはだ論理的ではありませんが、ボーナス二分の一ということにして、ボーナスの時期には、おれは経営者だなということを思い出してもらおうと、そういうことにいたしたわけでありますが、私は同様の考え方は幹部職員にはあってしかるべきじゃないかと、幹部職員の中からおのずから沸き上がってくる、その何物かが国鉄を救うのではないかということを、このことを一つのきっかけとして期待をしておる、こういうわけでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 よくわかりました。で、私が言っているのも大臣ね、単に総裁以下の、上のいまの重役さんだけじゃなくて、先ほども言っているように、第一線の管理者も含めてそういう気持で取り組んでいただきたいということからの質問をしたわけです。  次は、これは鉄監局長の方でいいですから、やっぱり管理職の問題ですが、部下が不正行為をしたときに、管理職がそれを承知でもって、言うならば秘匿をして上司に報告をしない、そういうことについてどういう処置をなさっているんですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) ただいま先生御指摘のような、懲戒されるべきような事実を隠したり、法令や規則によりまして報告すべき事項を報告しなかったような場合には、懲戒処分の対象となるものと考えられます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 いや、そんなことは私が聞かなくたってわかっていることで、そういうことがあったんであろうし、そういうときにどういう指示をし、処置をしてきたんですかということを聞いているんですよ。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 先生御指摘のは国鉄の管理上の問題でありますか、あるいは、たとえば運輸省の省内の問題であるか、ちょっと私正確に理解できなかったわけでありますが、国鉄自体の問題としては国鉄側から御答弁申し上げたいと思います。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 いや、国鉄の中のこと。しかし、きょうはね、冒頭に申し上げたように、国鉄の総裁なり常務理事さんにお聞きをするんではなくて、監督的立場にある運輸省の側がそういう問題についてどの程度把握をして、どのような処置をとり、指示をしているかどうか。それとも、そんなことは一度もいままで聞いたこともないというならばそれはまた話は別で、何もするはずもないんですから、聞いたことがないというんならないでまたその御返事を聞かしていただければ……。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 国鉄におきまして、先生御指摘のようなことで懲戒処分が行われたということは、二、三の例につきまして承知をいたしております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 その例は、金銭的なことが含まれたような事件ですか、そうでない問題ですか。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 私が承知しておりますのは、金銭的な関係がない事例でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 それじゃあ、これはお調べをいただいて、そして、あえて私は運輸省の監督不行き届きとは言いませんけれども、恐らく皆さん方も知らないはずはないと思うんです。ですから、そういう点できょうここでこれ以上私言いませんから、さっきも言うとおり、やっぱりいいことはいい、それは表彰する、悪いことをしたら悪いことをしたで、それはそれなりの処置をして、やっぱり職場の秩序ってものはきちんと保っていかなければ、どんなに一生懸命やったってね、国の方からだけ財政措置でもって赤字の穴埋め穴埋めってやっておったって、これは再建なんかできるものじゃないんで、だから、そういう点からいくならば、私は国からも必要なそういうことはやらなくてはいけないし、いろいろと赤字の補てんもしなくちゃいけない、同時に、国鉄で働いている人たちも、それだけ言うなら税金を使っているんですから、そういう点から立ったら、やっぱりみんなも一生懸命になって再建をして、ということでないと、私鉄の方はそれなりのものが何で国鉄だけはと、こういう疑問がやっぱり国民の中にあるんですから、そういう点で十分配慮をしていただきたいと思います。  それから、次にお聞きしたいこと、これもね、鉄監局長、国鉄側に本当は聞いた方がいいんだけども、きょうはみんなそちらの方にお聞きをすることにしているんですから、おわかりできる範囲でよろしいです。というのは、先ほどから言いましたように、管理職の人たち五万からいるんですからね、たとえば末端の駅長さんなら駅長さんにしたって、少なくても一般の職員以上にこの国鉄を何とかしなくちゃいけない、再建しなくちゃいけないという、そういう意欲、熱意はあると思うんですよ。あるとするならば、自分ならばこういうことをやって改革、改善をしたならばよくなるんじゃないかという、そういうふうな知恵が出てくるだろうし、その出てきた国鉄全体のことであろうがあるいは自分がおる一つの駅の中のやり方のことであろうが、何かそういうものが一つのアイデアというかプランでもって出てきて、そして上司というか、上にこういうことの改革をしたならば少しでも国鉄再建に役に立つんじゃないかと思うんだと言って、そういう建議が私はあると思うんです。どの程度そういうものが出てきているんでしょうか。また、その出てきている内容というものがどういうようなプランで出されているでしょうか。若干無理なことは承知でお聞きしているんですから、その点でそちらの、鉄監局長の方でそこまで把握はしてないんだというならばこれはまた次のときにしまして、一応御質問だけしておきます。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) いま先生おっしゃるような国鉄再建のための建議というような事例につきましては、私、寡聞にして存じておりません。しかし、私が日常接します国鉄の管理職の諸君からは、まあこれは私見といいますか、非公式な国鉄再建へのいろんな考え方、これは絶えず聞いているわけでございます。ただ、先生おっしゃるような建議として、何といいますか、やや公式なそういうものが出たということは存じておりません。  なお、国鉄につきましては、再三申し上げておりますが、経営改善計画につきまして全面的な見直しを運輸省の方から国鉄に要請しているわけでありますが、この国鉄としての考え方、これにつきましては国鉄が組織を挙げて、特にこれは管理職が中心になって、幹部が中心になって新しい経営改善計画、これをつくることに全力を挙げて取り組むということを期待しているわけでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 もうそれ以上申しませんので、これはきょうは総裁もいらっしゃるんで、総裁の方はお聞きだけいただいておいて、御答弁はもう求めませんので。  私も歩いておりまして、それで本当におやっとびっくりするような管理職に会うこともあるんです、末端といいますか、普通の駅の駅長さんとか助役さんとかのようなところで。同時にこれでよく駅長なんという役職が勤まるなあというような、正直言ってそれこそぼけっとしたような、そういう管理職にもぶち当たるんです。余りにもその極端が私激し過ぎると思うんです。それで、その辺が結局そういう末端の駅長さんや助役さんに会って話をいろいろする中から受ける感じからいくならば、結局上層部の人たちが本気になってそういうことについて下に向かって指示をし、そして下のいろいろなそういう知恵を求めることを日常してないところに私はあると思うんです。それで、もうともかくいまの国鉄をどうやって再建するかということは、これはみんなが考えていることです。再建しないでいいなんて言っている人は一人もいないんですから、そういう点に立って、そしてもう何といっても国鉄の中におる四十二万なり四十三万のこの職員の人たちが、まずおれたちの、自分たちの創意、発想でもってどうやって再建するかみんなで知恵を出そうじゃないか、それをみんな結集してひとつやってみようじゃないか、それでやった上でもってさらにいろんな点についてはそれは国から政府からいろいろな点で、お金も含めてのやっぱり援助をしてもらおうではないかという、そういう何というんですかね、前向きでもって国鉄の再建の問題に取り組んでいただきたいという、私はこれはそういう要望だけ最後に申し上げましてきょうのあれは終わりたいと思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 まあ今日のように多様化され複雑になった運輸事情の中で、それを総合的に掌握し、最も効率的に機能させることは、これは先ほど来の御議論の中でも言われているとおり、口では簡単ですがなかなか実行しにくい問題がたくさんあると思います。しかしながら、国民のニーズに合った運輸行政を推進するためには、毎日毎日一歩ずつ改善の道を進まなければならないと思います。  ところで、大臣は所信表明の初めに、公共輸送の重視を特に配慮しなければならないと申され、その後、私的交通手段の交通体系の中に占める割合は年々高くなっていると、こう続いているわけでございますが、この公共輸送と私的交通手段のかかわり合いについて見解が述べられてないように私は思うんですが、いかがでしょうか。どう受けとめればよいのでしょうか。公共輸送を重視することと、私的交通手段がふえ続けているということを黙過しているのは若干矛盾しているように私は思うんですが、その点大臣の所信をお聞かせいただきたいと思います。

杉浦喬也運輸大臣官房審議官

○政府委員(杉浦喬也君) 御指摘のように、交通体系全体の中で私的交通機関が占める割合が年々高くなっております。これは最近のあれでは、乗用車で大体人キロで三七%のシェアを持っておるわけでございますが、今後の交通政策の推進の方向といたしましては、安全とか環境あるいは空間の有効利用というような見地はもちろん重要な課題でございますが、今後の非常に重要な問題といたしまして省エネルギーの観点、これがございます。したがいまして、公共輸送の充実強化を図ることによりまして、できるだけ自家用の輸送を公共輸送機関に誘導していくというような施策がぜひとも必要であるというふうに思っておるわけでございまして、そういう観点から、私どもの方はこれから諸般の施策を講じてまいりたいというふうに考えております。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 国民生活と経済活動の基盤として必要不可欠な運輸は、国民の多様なニーズに適切に対応しなければならないと思います。それが、ただ個々の利便を追求するだけでなく、移動のシステム全体として統合調整された交通体系が望ましいと私は思います。最近の石油情勢、またエネルギー全般の将来の展望を勘案しますと、運輸行政についても洗い直す面が多々あるように私は思います。五%の石油消費節減対策が発表され、バス、鉄道など公共輸送機関の積極的な利用の反面、マイカーによる通勤、通学、買い物、レジャー等の自粛が呼びかけられておりますが、省エネルギー時代における公共機関の位置づけ、マイカー対策、交通総量の規制など多角的に検討しなければならないと思いますが、その点からの御所見を伺いたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 御説のとおりでございまして、まあマイカーで走っておれば快適でありますね。石油が安い値段で幾らでも入ったという時代と、昭和四十八年の石油ショック以後は今日六倍ぐらいになっておりますね。そしてときどき節約をしてもらわなきゃいかぬと、現在のようにかけ声がかかっております。したがって、当面の事態に対処しても、マイカーの自粛というようなことが言われておりますが、ただ、道義的にマイカーの自粛というようなことだけでは相済まないような状態になっているんじゃないか、それはわが国の総合交通体系というものをこういう機会に見直していかなきゃならないんじゃないかと、こういうふうに考えられるわけであります。  いまのわが国の総合交通体系は昭和四十六年に決められたものでありまして、石油ショックと言われたのは昭和四十八年であります。恐らく今回のような事態にもなっておりますから、従来の総合交通体系をこの機会に見直す必要があると私は考えております。それで、先ほど申し上げましたように、先週の金曜日の閣議におきまして、省エネルギーの問題から運輸省でもこの輸送機関について省エネルギー対策を推進するが、特に総合交通体系は四十六年度臨時総合交通問題閣僚協議会で方針が決定され、基本的な考えは今日もその中でいい点もありますけれども、その後のオイルショックと経済社会の情勢の変化があって、省エネルギーの観点から早急に見直しをする必要もある。だから、ひとつこれは内閣全体の問題としてこれに取り組もうではないかということを私も提案をいたしておるわけでございまして、まさに御説のとおり、自分の好き好みを中心にして、ただ便利だからといってマイカーを勝手に乗り回してそれで片づくというような時代ではなくなってきたというふうに考えます。道路も有限でございますし、したがってバスの問題とか、あるいはトラックの利用方法とか、国鉄の見直しとか、いろんな面で従来と違った行き方で物を考えていかなきゃならぬ、こう思っております。具体的にどういうふうになっていくかはもう少し準備をよくいたしまして再検討を進めてまいりたい、こう思っています。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 大臣おっしゃられたとおり、具体的な個々の物の考え方がないということですが、運輸省という大きな省の中で一つの車というものは所管にあるわけですから、きのうも質疑通告等で、省の若い方がお見えになったときいろいろ話したんです。外国の例をとりますと、これは三車線という道路状況は違うにしても、二車線は通勤ラインで走っている。一車線はまるまるあいている。そこをぼんぼんとたまに走る車があるということで、私は、どうしてあのあいている車線をこの車走れないんだと言えば、あれは四人以上車に乗っている人間が車で走れるラインであるというふうな、そういうふうな諸外国のいい省エネルギー対策の一環として、そういうのもどんどんと自動車の所管を持っておる運輸省の方でも具体案を出していくなり、都心乗り入れに対しては、五人とか六人とかいうふうな規定を設けて都心へ余りマイカーを乗り入れないようにするとかいうふうな、これは一つの例なんですが、そういうような形の中でもっと具体化していっていただきたいと思います。  続いて国鉄にお尋ねをいたしますが、国鉄は省エネルギー対策について具体案があるのでしょうか。それともソーラーシステムというんですか、太陽熱利用などの研究を始めているというふうに聞いておるんですが、その点いかがなっておるでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私どもは、蒸気機関車からディーゼルになり、ディーゼルから電化を進めてまいりました。大ざっぱに言いまして、二十五年間、四分の一世紀の間にエネルギー消費量が三分の一に減ったということを一つの誇りといたしております。これからもその精神でいきたいと思っておりますが、現在一番興味を持っておりますのは、エネルギーが少なくて走れる電車をいま開発中でございまして、この五、六月から第一号機が中央線で走ることになっております。これは、ブレーキをかけましたときに発生します電力を逆に取り返しまして、そして車体を通じて架線に戻しましてエネルギーを、つまり発電をしながら走るというふうな形の車をいま考えております。これはかなりエネルギー消費に役立つものということで期待をいたしておるわけでございます。ただ、いろいろ車両に金がかかるとか、あるいは後の修繕に手間がかかるとかということがございますので、全体としての効率がどうなるかを一年ないし二年研究いたしまして大量生産に入ってまいりたいと思っております。  第二番目としましては、太陽熱利用の問題でございますが、これは日本におきます研究がまだまだ十分とは言えない状態でございまして、エネルギー面では大変効率が期待されますけれども、現段階では投資額が非常に大き過ぎるということでございます。ただいまのところは、ごく試験的に一部の貨物駅等においてソーラーシステムによる太陽エネルギーの利用設備を現在つくっておるところでございまして、これはちょっとことしじゅうには無理でございまして、来年ぐらいから、実際どのぐらいの効率を上げるかというようなことを実際のデータとして挙げられることになろうかと思います。まだほかにもないわけではございませんが、いまのところはそういう省エネルギー車両の製作と、それから太陽熱利用というようなことに、まあこういう経済、財政事情でございますので余り金を使うことできませんものですから、何とか少ない金でいい結果が出るようにということでいま研究をいたしておるところでございます。  なお、御存じのリニアモーターカーというようなものが、これは音が出ない、それから振動が余り大きくないということで、公害上のメリットがあり、スピードのメリットがありますが、こちらの方は今度は電気の量を相当よけい食うという問題がありまして、リニアカーの研究につきましても、これがエネルギーとの関係でどういうことになるかということも、エネルギー問題に関連する、私どもいま持っております大きなテーマの一つでございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 いま総裁からリニアモーターカーの話が出ましたものですから、世界に冠たる本当に画期的なリニアモーターカーの研究をなさっておられます。私たちも高橋常務と一緒に行って、見せていただいたこともあります。それほどすぐれた頭脳を結集した技術を持っている国鉄でございます。ですからこういう太陽熱利用のエネルギーというようなものを非常に期待をしている一人でございます。そこでリニアモーターカーの今後のプログラムといいますか、営業のプログラム、こういうリニアモーターカーが営業として活動するのは、あと何年ぐらいの目標を持っておられますでしょうか。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○説明員(高橋浩二君) 先生も御承知のように、ただいま宮崎の実験線でテストをいたしております。ただいまのところは、約四キロのテストコースの中で、しかもこれは直線の中で、しかも車両は一両ということで試験をいたしております。私どもはもう少し実験を続けまして、車両も一両でなくて二ないし三両の連結車両、しかもカーブ中でどういう車両運動をするかということを宮崎の実験線でなお確認をしてまいりたい。  なお、基本的な問題といたしまして、私どもでやっております超電導磁石というものはごく超低温、いわゆる非常に冷たい温度を必要といたしますので、それは非常に技術的にむずかしい問題を含んでおりますので、その研究の開発がこれからどうなっていくか、両々相まって今後の見通しについてこの二、三年のうちにはぜひ将来の見通しをつけてしまいたいという考えでおります。ただいまのところ、何年後に実用化されるかということについては、きょうただいまのところはちょっとまだわかりませんので御勘弁をいただきたいと思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 続いて、航空運賃についてお尋ねします。  日本の航空運賃は、IATAによる強力な運賃カルテルと政府認可の二つに支えられてまいりましたが、最近大西洋に始まった低運賃競争が日本周辺にも流れ込み、往復割引など実施され、特にカーター政権は低運賃政策を推進しているようですが、これは利用者にとっては大歓迎なことなんですが、適正運賃という立場から日本側は今後どういう形でこれを処置していくおつもりでしょうか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) いまお話ございましたように、IATAというものが国際線開設以来の長い間運賃設定機関としての効用を果たしてきたのは事実でございますが、最近に至っていささかその機能が陳腐化したと申しますか、活気を持たなくなってきたということもまた事実であろうかと思います。それに対してやや違った観点から、これもただいまお話にございましたように、アメリカ政府が、画期的低運賃の導入でありますとか、あるいは運賃に対する一切の規制の排除とか、こういうふうなことを特に昨年の夏以来文章にもいたしまして盛んに標榜しているわけでございますが、この問題は、実は現在のところ必ずしも関係者——国、キャリア両方を含めまして関係者の賛同を得るには至っておりません。したがって、現在のところは、IATAの機能が現実的に低下したという事実と、それに対して一部の国、特にアメリカが指導力を握っておりますけれども、全く新しいやり方で運賃を決めていこうではないかという提案はございますけれども、具体的にどうするのかという点になるとまだ非常に詰めが甘うございまして、アメリカの言い分のままでにわかに新しい運賃制度が導入できるかというと、この点については日本のみならず各国とも非常に疑問を持っておるようでございます。  そこで、じゃあ当面どうするかということでございますが、現在一番問題になっておりますのは、やはり極端な円高が急激に起こりましたために、いわゆる方向別運賃格差というのが非常な大きな問題になっております。日本発の運賃は円建てでございますから円で往復運賃を買う。ところが、仮にアメリカからの帰りの片道を向こうで買いますと、結局その方が安くなるという非常な不合理がございます。そこで、往復運賃を思い切って割り引いてしまう、それによってその円高による方向別格差をなくそうではないかということを、大臣の非常な指導もありまして、日航が関係のキャリアと強く詰めてまいりました。現在のところヨーロッパ、オーストラリア、それからカナダ、それから南米、ここら辺の国と日本との間におきましては往復運賃の一割ないし一割五分の割引制度というものが発効いたしております。全く同様の制度をアメリカに対しましても一割五分引きということで申し込んでおるわけでございますが、遺憾ながら現在のところアメリカはこれを承認するに至っておりません。したがって、日米間の円高による方向別格差というのは依然として残っております。  それから、そういったような単なる方向別格差だけでなくて、現実にいまおっしゃいました運賃は安いほどいいではないかという考え方ももちろんあるわけでございますので、思い切って運賃を安くするという意味においての一つの試みといたしまして、大体三十日前にまとめて運賃を払えば三五%程度運賃を割り引くという、つまりアペックス方式と申しますが、この新しい運賃制度についても、これをカナダ及びアメリカに対して適用しようということでIATAの合意を取りつけ、それぞれ申し入れをしております。カナダにおいては政府としても承認するところとなりましたので、これは対カナダ、つまり日本とカナダの間におきましてはこの新しいアペックス運賃というのが導入されていくわけでございますが、同じく米国政府当局はいまだにこれを承認するに至っておりませんので、遺憾ながら単なる方向別格差でなくて、新しい低運賃に実質的に踏み切ろうというその第一歩であるアペックス運賃につきましても、日米間においては実はいまのところ成立をいたしておりません。  そこで私どもといたしましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、アメリカを除く関係の向きとは積極的にこういった新しい考え方というものを導入していく。アメリカといえども、一応も二応も理屈が周りに立ってまいりますと、ちょっとそれ以上はがんばり切れなくなるんではないかという形に押し込んでいこうということをいまいろいろと考えておるわけでございまして、さらに引き続きいまの方向別運賃あるいはその他の割引運賃、こういったようなものを範囲を広げて、たとえば東南アジアあたりにも範囲を広げていくというふうなことにつきまして、現在日航が関係の航空企業の間と鋭意詰めておる段階でございます。この方向で、当分の間、できるだけ合理性のない運賃の是正とそれから新しい低運賃の中でも最も実行に耐える、当面可能性の高い制度というものの導入という方向で対処してまいりたい、このように考えております。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 最後の質問をさしていただきます。各局の方、お呼びした中で全部消化し切れなかったことをおわびしておきます。  最後ですが、二点お尋ねいたします。  まず、第一点。質疑通告しておりませんが、資料で前年度の除雪費、それの償却金額を文書で結構ですから、後ほどあれば部屋の方へ届けていただいても結構でございます。  新東京国際空港、いわゆる成田空港のことですが、これはだれも新東京国際空港なんて長い名前を言う人はおりませんが、成田空港でいいんじゃないですかと私は思うのですがね。まあそうなれば、初めから成田空港というふうにしておけばよかったんじゃないんですかなというふうに思います。この問題も若干検討してもらうことといたしまして、第二期工事が始まりまして、着工を発表したということで、反対派の人たちが再び態度を硬化しているようですが、またいわゆる過激派によるゲリラ活動が活発化しております。先日大阪でもそういうふうな爆弾の事件があったりしておりますが、この一年間二期工事に関連する地元側との交渉、話し合いはどの程度進められてまいりましたか。まず、こういう問題には根気強い説得、納得のいく解決でなければ安全第一をモットーとする空港の運営は成り立ちません。そういうことで、特に新任の大臣でございます。これからこういう反対派の人たちと常に接触を持って、運輸全般のいろんな問題に対して、国民と根気よく対話を続けていってもらいたい、そして調和のとれた行政をぜひお願いいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 私は運輸大臣に就任いたしましてから、この新日本国際空港……そう言うんだね。新東京国際空港……

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 大臣も覚えられへんでしょう。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) あなたの言うように、やっぱり成田と言った方が早いですなあ。成田の問題については対話路線で行くということを申しました。それから二期工事のいろいろ問題はあるが、いますぐはやりませんということも申してまいりました。そして、適当な時期にというのがこの運輸大臣の所信表明にも書いてございます。この中にも申し上げましたとおり、「周辺対策を中心とする所要の措置を強力に推進するとともに、地元の理解と協力のもとに、その一層円滑な運営を確保しつつ、空港機能の整備拡充を図るため適当な時期に第二期工事に着手する」ということで、大臣就任以来そのことは一貫をいたしております。ですから、昨年の五月開港以来、地元工作、騒音対策とかあるいは農業対策とか、そういう方向にできるだけの力を注ぎ、また地元市町村それぞれいろいろな御要望がありますから、その御要望の線に沿ってできるだけのことを尽くすということで今日に至っておるわけであります。  私が年内にこれやりたいと申し上げましたのは、大体各大臣任期は一年間程度が原則でございますからね、したがって私も任期中にやるよという意味で、年内にやるつもりであるということを申し上げた。それがこれは意外な波紋を呼びましたね。実は皆さまにぜひ御理解願いたいのは、二期工事について具体的にいよいよ始めるぞと言ってここにおる航空局長に指令をしたり、空港公団の総裁に段取りをつけろと言ったことは全くないんです。だから私は、先ほども申しましたような意味で年内着工を言ったのでありますが、これが意外な波紋を呼んだという理由は、恐らく三月二十五日に昨年のあの異常な騒ぎの一周年というんですか、をまたやるというので、準備をしている諸君にとって何かいい言いがかりできっかけはないかという意味では、私の発言は大いに力があったのではないかと思っておりますが、実は別にそういう二期工事について具体的には何もありません。いままでどおり周辺対策に力を入れるということで、今日この段階においても——しかし二期工事をやらないよという意味ではないのであります。そういう意味で、何しろこれを申し上げましたきっかけが、先般イラク国との間の航空協定を結んで、これが三十一カ国目であります。そして、三十三カ国が航空協定を結びたいということをわが国に申し出ておるのでありますが、空港の施設が足りない、油が足りない、それを入れるだけの面積がないということのために、しかも三十三カ国が待っており、いままで三十一カ国の航空協定を結んだところも増便をしてもらいたいとか、いろいろな要望が出ておるわけでございますから、国際空港を一日も早く一人前の空港とするためにパイプラインも早くやらなきゃならない、あるいは平行滑走路もつくらなきゃならない、横風滑走路もつくらなきやならない。そして早く二期工事で一人前の空港にして当面の国際航空需要にこたえなければならない、年内にやりたいものだと、こう私が任期中という意味で申し上げたわけでありますが、それがまあ波紋を呼んだわけでありまして、いま新聞に取り上げられているような意味で御心配になるようなことではないのでありますが、三月二十五日をねらいにしている一部の諸君にとってはかっこうの口実がついたという意味でございまして、口は災いのもとでございますかね、これ、よけいなことを言ったのかもしれませんが、まさに二期工事着工命令を私がさっそうと下したなんということは全くございませんから、どうかひとつ就任以来この成田空港問題は地元に対する周辺対策に終始をし、騒音対策を、あるいは農業対策を、あるいは地元市町村のいろいろな御要望に対する真剣なる検討、そのことに終始しているということをどうか御銘記を願い、御理解を願いたいと思う次第でございます。

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 本日の調査は、この程度にとどめます。     —————————————

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 次に国際観光振興会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず政府から趣旨説明を聴取いたします。森山運輸大臣。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) ただいま議題となりました国際観光振興会法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申し上げます。  国際観光振興会は、過去二十年間にわたって外国人観光旅客の来訪を促進するための海外宣伝活動等を通じまして国際観光の振興に大きな役割を果たしてまいりました。  一方、我が国国民の海外旅行者数は、近年、急激に増加をいたしておりまして、昭和五十三年には三百五十二万人に達し、さらに今後も相当の増加を続けることが予想されるところであります。  しかしながら、これら日本人海外旅行者については、現地において旅行に関する情報に不足し、また、現地の旅行事情につき不案内のため、とかくの問題が生じているところでありまして、このような事態を改善することは、きわめて重要な課題となっております。  このため、政府といたしましては、国際観光に関し長年の知識、経験を有し、かつ、十六事務所に及ぶ海外組織を有する国際観光振興会を活用し、同会をして現地における日本人海外旅行者対策を実施させることが最も適切な施策であると考える次第であります。  以上がこのたびこの法律案を提案することにいたしました趣旨でありますが、これにより、日本人海外旅行者の旅行の円滑化が図られ、国際観光の振興に資することになると信ずるものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、国際観光振興会の目的として、日本人海外観光旅客の旅行の円滑化に必要な業務を効率的に行うことにより国際観光の振興を図ることを加えることといたしております。  第二に、国際観光振興会の業務として、日本人海外観光旅客に対し、旅行に関する情報の提供を行い、及び相談に応じて旅行事情につき案内を行うことを加えることといたしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。

三木忠雄公明党

○委員長(三木忠雄君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十四分散会      —————・—————

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