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87回国会衆議院1979/03/01

予算委員会第二分科会 第3号

発言数
351
登壇者
27
会派数
6
開催日
1979/03/01

会議録

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算中、文部省所管について質疑を行います。井上一成君。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 私は、義務教育の施設整備について毎回質問を続けてまいったわけであります。     〔主査退席、谷川主査代理着席〕 今回も、とりわけ義務教育施設整備、学校教育に必要な整備等にかかわる予算の計上というものが非常に少額である、そのことが地方自治体の財政に大きな圧迫を加えている、なかんずく超過負担という形で毎回指摘をしてまいったわけであります。その点と、私学振興助成について、二、三の質問をいたしますので、ひとつ具体的に、要領よくお答えをいただきたいと思うわけであります。  まず義務教育施設の中で、現状の中で国の負担として、もちろん十分でないという御認識には立っていらっしゃると思うのですが、さらに、その国の負担をより広く掘り下げて、対象の幅をふやしていかなければいけないという基本的な御認識をお持ちでしょうか。まず、この一点について最初にお尋ねをしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 文部省としても、できるだけ補助率も引き上げたいのでございますけれども、現在のところまだたくさん老朽校舎等の施設がございますので、とりあえずは老朽施設の解消等について全力を挙げておるわけでございますから、しばらく待っていただきたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 大臣、教育というものはもちろん中身それ自体にも重要性があるわけでありますが、その中身をより濃くするためにも一定の器というものが必要になるわけです。しばらく待ってほしいというような、そういう状態で教育が待てるわけじゃないわけです。私は、いますぐにこれをこうしなさいとか、しますという答弁を求めているのじゃない。私が指摘したように、もっともっとより深く、より拡大した対象を考えていかなければいけないという基本的な認識、これについていかがですかということです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 その点は全く同感です。できるだけ幅も広げていきたいし、施設も充実していきたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 そこで今度は具体的に、いわゆる学校施設の中で、たとえば——もちろん校舎というものは一番最初に必要であります。その中で、現時点で十分な国としての補助対象というのでしょうか、部分的にでも負担をしなければいけないのだという認識を持ちながら、それが対象にされておらない幾つかを申し上げたいと私は思うのです。  まず机、いす、あるいは実験に必要な実験机、あるいはカーテンだとか暗幕、あるいは可動式のげた箱、あるいは戸だな、書庫、かさ立て、スクリーン、工作台、あるいはすのこ板、数え上げれば切りがないのですけれども、私がざっといま申し上げたように、こういうことすら文部省は補助対象という枠の中に入れてないわけです。さらに、たとえば学校を新設した、あるいは生徒増によって増築をしていく、そういう場合に、学校敷地外の部分における給排水、上水も含めて給水、排水の設備が必要であります。こういうことすら補助の対象に入れないわけです。  学校というものはほんと落下傘でおりるようなことはできないのですから、そこにつながる通学道路をいろいろな意味からもっともっと見直さなければいけないと私は思っているわけです。子供たちの手洗い場所あるいは鉄棒、テニスコート、バレーコート、焼却炉、数え上げれば切りがないのですよ、大臣。あるいは放送施設、アンプだとかマイクだとか時計あるいはインターホンだとかスピーカーだとか、こういうことを考えれば、一体学校の施設とは何なのか、ただ校舎だけをつくって、これを学校の施設と言えるのだろうか、私の指摘をしたいのはこういうことなんです。裸の校舎だけで十分な義務教育が可能だとはだれも考えてないわけなんですね。大臣もいまそういうふうにお考えになっていらっしゃらない。当然、いま私が指摘したものも充実してこそ、中身の濃い教育というものがそこにおいてでき得るのだ、こう思うのです。私自身は、教育の向上を目指すのだ、あるいはそういう施設の充実を目指すのだ、あるいは人間の資質を向上さすための教育というものは待つことができないのだ、こういうことを強く訴えたいわけです。  これら、いま指摘をした具体的な問題について年次を立てて、本年度というわけにはまいらないかもわかりませんが、年次を立ててぜひその対象に入れるべきだ、こう思うのですが、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 従来から見ますと、国の補助の対象と地方負担の対象、地方負担の場合には交付税その他で措置しておるわけですが、そういう負担区分がございましたので、お説のように、やはり環境整備ですね、そういうものを全部教育の一環だとは考えておりますけれども、従来の負担区分のいきさつ等もございますので、いまお説の点は、これは大きく考えれば教育の一環ですから、教育の一環として考えなければいかぬが、これをどういうふうに措置するか、自治省ともよく相談して、これが完全になるように私もやりたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 大臣、教育には非常に御熱心であるという熱意は、私はかねがね承っておるわけです。もっと具体的な数字を私は挙げてみたいと思うのです。自治省の中で、備品あるいはその他の交付対象になる、何がしかの交付税の対象にはしているわけなんです。しかし実情はどうなのか。本当はこれは交付税の対象じゃなく、当然文部省予算として組み入れるべきだと私は言うのですよ。大臣、その点についてはおわかりですね。自治省の交付税の対象にということではなくして、文部省の予算でこういうものは完全に解消していかなければいけない、こういうことなんです。  私、ある市の小学校の中で、いわゆる学校の経常的運営経費、これは消耗品、教科書以外の消耗品、あるいは実験用の消耗品もあるでしょうし、印刷関係もあるでしょうし、あるいはこの中には恐らく保健関係の委託料も含まれるでしょうし、光熱水質も含まれるかもわかりません。そういうものを合わして小学校の児童一人当たりに対しては年間約一万二千円、中学校の生徒一人に対しては約一万五千円地方自治体は支出させられているわけなんです。  これを地方交付税でそうした経費についてはどれほどしか見ないかというわけです。小学校では三千百六十八円、中学校では四千百三十三円、これは実情から全くかけ離れている。私は超過負担という問題を大きく提起したわけです。ここに私、自治省とよく協議してという御回答があったので、文部省としては実態を十分把握しなければいけない、協議をする以前に。そういうことの上に立って必要な財政措置を講じなければいけないと思うのです。こういう御認識を持っていただいているのかどうか、もし御認識が十分でなかったら、きょうを機会に十分認識を改めてもらいたい。その上に立って自治省と話し合いをしてもらいたい。大臣、いかがでございましょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も十分な認識がないのは大変遺憾に思っておりますが、詳しいことは局長から答弁させます。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いま御指摘の小中学校の児童生徒に対する需要費の実質がどのくらいかということにつきましては、交付税の積算については御指摘のとおりでございますが、実際の一人当たりの各市町村の支出額というものは、私ども調査はございません。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 ひとつ十分な実情認識をしていただくように強く要望しておきます。  さらに私は、前回も義務教育施設を建設する用地の問題について少し質問をしたわけですが、昔から比べれば一定の前進がなされておる。このことについては私なりにも評価をしていきたいと思うのです。ただそれが、たとえば人口急増地域における用地取得は今日きわめて困難である、そういう中から一定の補助率三分の一を補助の対象に年次を追ってやっていく。しかし、その交付率は、去年は掛ける〇・七、ことしは〇・七五になっているわけなんです。こういう形では、補助の対象にするという基本的な考え方から少しずれていると思うのですね。後へ引いている。〇・〇五アップしたのだ、前進だという見方もありますけれども、私はそうじゃないと思う。むしろそういうものは撤廃して三分の一という形に持っていくのが法の趣旨じゃないだろうか。そして、そういう精神こそ私は高く評価をしていきたい。  大臣、ことしは〇・七五ですけれども、これは撤廃の方向に持っていくべきじゃないだろうか、そして三分の一の線に引き上げていく。この点についてはいかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、撤廃の方向で努力すべきだと私も思っております。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 大臣、ひとつ御努力を願いたいと思います。  そしてできることなら、実質的には粗整地、いわゆるあらかたの造成地を対象にしておるのですけれども、部分的にグラウンドで整地をして体育の場あるいは学校の運動場としての形態、そこまで持っていくべきだと思うのです。その点についても、さっき指摘した給排水の対象をも当然学校の校地だけに限らず、校地に通ずる関連する部分についてもひとつその対象に検討をすべきだという私の意見、このことについても前向きに御努力をいただけるかどうか。それはぜひ前向きに検討していただかなければいけないわけですけれども、大臣からこの点についても御見解をお伺いしたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことに御趣旨はごもっともでございます。ただ、文部省としては、いまたくさん校舎を抱えているので、そこまでいかないけれども、御趣旨の点はよくわかりますので、今後よく検討させていただきます。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 気持ちは十分わかっていただき、そして大臣の気持ちも私は理解したつもりです。ただ、言いわけ的に数が多いのだとか、あるいは対象が多いのだということで教育は待てないということですね。大臣、これはわかっていただけますね。ですから、財政的な問題ということだけで、じゃ教育をほっておくのか。ですから、何物にも増して子供たちの成長、子供たちの人間教育というものが優先されるべきだ。国際児童年だ、こういう年にこそ改めて原点に返って教育の本質をみんなで考えていくべきじゃないだろうか、私はそう思うわけなんです。  そういう意味では、地方自治体の声あるいは父兄の声というものも、本当に子供たちのことにわれわれがどう協力すべきかということをみんなで考えていかなければいけない、その先頭に文部省は立たなければいけない。おわかりいただけますね。うなずいていただいているから理解をしていただいた、こう私は受けとめまして、もう一点申し上げたいことがあるわけです。  たとえば消防法が変わるとか、これは人命尊重の立場から当然だと思うのです。あるいはいろいろな意味から法令の改正があるわけです。そんなことによって既設の校舎、建物等に改築を施さなければいけない。具体的には自動火災報知機だとか非常用出入り口だとかあるいは防火とびらだとか、そんな改正をするために、部分的には解体を必要とする個所もあるでしょう。こんなことすらいずれも補助の対象外なんですよ。  法律は片方で改正しなければいけない。これは当然改正を必要とする。こんなことすら現在文部省は補助の対象から外しているんですよ。中へ入れないんですよ。本当に子供の生命を尊重する姿勢になっていないのじゃないだろうか。大臣、いかがですか。たくさんの危険校舎があるんだ、そういう対象を抱えているんだということも理解します。具体的に消防法の改正だって、防火とびら、非常口、こんなことすら文部省はほったらかしである、表現は悪いけれども、財政事情が困難だということだけで片づけてはいけないということを指摘したいのです。大臣、少しお答えいただけませんか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 ただいま御指摘の消防法改正の関連につきましては、先生も御承知のことかと思いますが、新増築の際にはこれを工事費の単価の中に算入いたして国庫補助の対象といたしておるわけでございますが、既存のものについての改修につきましては、これは財源の仕分けの問題でございますが、地方交付税の措置の中で建物維持修繕費というような形で対処をしていただくということにいたしておるわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 地方交付税、幾らを対象に見ているのですか。既設の校舎に対して十分だとお考えですか。私はそういう認識を改めてもらいたい。文部省自身が一これは、私は大臣からお答えをいただきたいと思うのです。一言で結構です。そういうものは文部省自身が考えていかなければいけない問題で、自治省の交付税で若干それを補てんしているんだという認識ではちょっと困るのじゃないだろうか、こういうふうに思うのですよ。私は大臣から、基本的な考え方で結構ですから、自治省の交付税で部分的に補てんをしているということだけでは十分でない、そういうことは文部省自体が対象に考えていくべきだ、こう思うのです。一言。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 井上先生、交付税で見るというのも国が見ているわけですから、直接国庫負担の対象にするかあるいは地方負担の対象にするか、これは負担区分の問題なんで、地方負担の場合に地方は勝手にやれというのじゃ困るので、いまおっしゃるように、非常に大事なものは全部交付税で見させているわけですから、御趣旨の点はできるだけ実現するように努力しているわけです。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 地方自治体が負担をしても国民の税金なんです。もちろん地方交付税も国からの税負担になるわけです。私、そんなことを言っているのじゃないですよ。文部省の所管の中で処理ができる、対応ができるように、この問題については取り扱うべきだと言っているのです。もちろん微々たる負担についても問題がある。文部省が、いや自治省に任せているんだ、自治省から一定の交付税として算入されているんだということで済ましてはいけない。これは時間がありませんから、強く要望しておきます。もう一度そういうことを考え直さなければいけない、こういうことです。  それから、就学援助制度というものがあるわけなんです。これは学校教育法の第二十五条「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、市町村は必要な援助を与えなければならない。」あるいは四十条では、中学生にも準用されているわけなんです。これは市町村に一定の義務づけをしているわけなんですね。国はこういうことに対して、市町村の負担というものを考慮して、やはり国なりの対応をしてきたわけですね。  これだって、そう昔からの話じゃないわけですが、就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律というのがあるわけです。これに基づいて補助金を出しているのですね。これは御承知いただいていますね。現状はどうでしょうか、大臣。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 この法律は先生御指摘のように、市町村が経済的に困難な父兄に学用品、通学用品、修学旅行費等の助成をする場合に、国が予算の範囲内でこれに援助をするという法律でございます。  そこで、実施の実態といたしましては、大体、生活保護法の対象になるクラスについては、厚生省関係の生活補助で実質的に大部分補助をする。それに準ずるようないわゆる準要保護の家庭については文部省が補助をするというかっこうになりまして、予算の扱いとしては、一つは実態に応じた補助単価をいかに定めるかという問題と、もう一つは補助の対象の範囲の数をどのくらいにするかということでございますが、その単価につきましては、毎年、予算で物価指数等を見ながら私どもはほぼ妥当な単価を出しておると思うわけでございます。  対象の数の問題が一つの課題だろうと思いますけれども、これは従来の実績によりまして、要保護というものをたしか全児童数の一・七、準要保護がその上の四・六五ということでやっておるわけでございますから、そこで、各府県の実態等によりまして多少その範囲に過不足が生ずるということで、それを調整をしながら実施しているというのが実情でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 数の対象の問題ということも言われてますけれども、それは生活の問題、所得の問題がありますから、それは当然社会的な収入の度合いによって変化が生じてくるわけですが、実際は、五十一年度では国の補助の予算の枠で五〇%ぐらいだったのですよ。五十二年度では四五%に下がっているわけです。まだこれは決算が終結されておりませんけれども、恐らく五十三年の決算見込みでは三五%程度になるんじゃないだろうかと私は危惧しているわけです。これは全くおかしな話で、やはり五〇という枠からぐっと下がっていくという。これは一定の予算の総枠の中でということになるわけですね。そうなんでしょう。それで対象者がふえればこうだとか言う。その差額は市町村にかぶさっていくわけなんですよ。地方自治体がその差額を持っているわけなんです。こういうことはおわかりですね。  こういうことをしていけば、本当に、就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律の趣旨から、これまた遠ざかるのではないか、市町村に対するその財政というものが非常に押しつけられていくのじゃないか。こういう具体的なことを実情認識されたら、文部省としてはしっかりやんなはれ、やってもらわな困るやないか、大蔵の予算云々で、そんなことで引き下がっておって、何が本当の教育だというのが私の考えなんです、大臣。私は大臣の基本的な姿勢というものに対して、私なりにこの質疑をしたいわけで、こんなことをしているようでは、せっかくの法律が泣きまっせ、こういうことなんです。大臣、いかがですか。やはり五〇なら五〇の枠から下らないように、補正をしてでも十分な予算措置を組んでいくべきでないだろうか、こういうことなんです。もうパーセンテージについてはよろしゅうございますから、その法の趣旨を尊重する、こういうことです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにお説のとおりで、法の趣旨を尊重してしっかりやります。

井上一成日本社会党

○井上(一)分科員 大変時間がないものですから、次は私学振興助成について、問題を四点ほど申し上げてお答えをいただき、その回答によってまたさらに質問をいたしたいと思います。  私自身は、就学前教育も、人間形成の上では大変重要な役割りを担っているというふうに思うわけです。とりわけ幼稚園の位置づけというものは、今後明確にする必要があるんじゃないか。ということは、現状の問題として、五歳児ではもうその大半が公立であるとか私立であるとかという別、あるいは幼稚園であるとか保育所であるとかいうことは別にいたしまして、何らかの就学前教育を受けているわけなんですね。  当面、五歳児については義務教育の一環として位置づけて、公立幼稚園については施設整備費の補助率を、いわゆる義務教育施設並みに改善するべきではないだろうか。義務教育施設でも、指摘をしたように、いま現在十分ではないですよ。十分ではないけれども、とりわけ公立幼稚園の施設整備費というものも、その義務教育施設並みに改善をすべきではないだろうか。これが一点。  二点目には、義務教育費の国庫負担法というのがあるわけですけれども、これを一部改正して、幼稚園の先生、幼稚園教諭の給与費については国庫負担の対象に入れていくべきではないであろうか、こういうことです。  三点目には、私立の幼稚園については公立との格差の是正をひとつ図っていくべきである。そういう意味では、就園奨励費の補助額を大幅に増額するとともに、補助対象を拡大して、すべての園児を対象にしていくべきではないであろうか。そしてまた、私立学校の振興助成法による私立幼稚園に対する経常費補助金を大幅に増額をすべきである、そういうふうに私は考えるわけなんです。  四点目に、私学振興財団の貸付財源の総枠を増額すべきではないだろうか。あるいは償還期間の延長を考えていくべきではないだろうか。あるいはさらに利子補給、あるいは利子軽減というのでしょうか、低利というのでしょうか、何らかの形で負担軽減を考えていくべきではないだろうか、こういうことを私は問いたいわけであります。ぜひこの四点について前向きな回答をいただきたい。  さらに、二点目で申し上げました義務教育費国庫負担法の一部の改正、これは恐らく学校給食調理員等については奨励法だ、学校給食法が二十九年に制定されて、奨励法だと言われるかもわかりませんけれども、実質的には義務教育に準じているわけなんですね。いろいろ問題はあろうかと思いますけれども。そういう調理員だとかあるいは、用務員等についても、給与費について、現在は国庫負担の対象から外されているわけなんです。こういうことも検討を加えるべきではないであろうか、こういうふうに思うんです。  以上、私学振興助成の一部分を大まかに御質問申し上げて、私の質問を終えたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 公立幼稚園についての施設補助の問題、それから公立幼稚園の教員の給与費国庫負担の問題等御質疑がございましたけれども、この問題は、実質的に就園率が非常に高くなって、義務教育に準じているんじゃないかということからいいますと、高等学校とも関連する問題でございますので、私どもとしましては、事務的に申して恐縮ですけれども、それらのことは将来の検討課題ではあるかもしれませんけれども、現段階においてはやはり義務教育に限定して国庫負担を考える。同じ義務教育でも、おっしゃるように、調理師とか雇用員とかいうものは国庫負担の対象としておりませんけれども、直接学校給食に携わる栄養職員については先年国庫負担の対象にしたというようなことで、逐次実態に応じて検討はしていかなければならないと思いますけれども、現段階においてはそういう考え方でまいりたい。また、私立幼稚園に関する問題としては、運営費の補助あるいは就園奨励費等につきましてはおっしゃるとおりの問題がございますので、今後ともその予算の充実には努力をしてまいりたい、かように思うわけでございます。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 私学振興助成法に基づきます経常費の問題につきましては、昭和五十四年度予算案におきましても、高校以下幼稚園までの総枠でございますが、前年に比しまして百六十億円増の六百億円計上いたしまして、年々経常費推定総額に対する国庫補助並びにこれに関連します地方交付税措置の合計額の比率を上げてきておるわけでございまして、これは今後もできるだけ振興助成法の精神が実現されますように努力をいたしたいと思っている次第でございます。  なお、施設につきましては、希望者全員入学という趣旨から始めたものでございまして、公立のみならず私立につきましても補助の制度を設けておると同時に、私学振興財団からの長期低利の融資の対象にしてその枠もふやしてまいっておりますが、これはそういう趣旨で始めたものでございますから、当分現在の仕組みでその充実に努めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で井上君の質疑は終わりました。  次に、谷口是巨君。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 私は生徒児童のいわゆる保健衛生のために設けられている学校医、学校歯科医、学校薬剤師というのがあるわけでございますが、これの使命に対してどのように文部省が認識されているか、まず簡単明瞭にお答え願いたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 学校教育におきましては心身ともに健全な発達を期すことが最も基本の一つでございます。そのゆえに、学校における健康診断その他児童生徒の健康管理に十分意を用いてその教育の目的を達する、その中におきまして専門的な知識と技術を身につけられた方が、それぞれ学校医あるいは学校歯科医あるいは学校薬剤師の専門的な先生方による御協力、指導のもとに、この面の健康の推進の実効を上げていくということで、大変重要な役割りを果たしていただいておるという考え方です。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 非常に大事な仕事であるという認識にお立ちになっているということですね。そのような認識を地方公共団体のいわゆる教育委員会でも同じように持っておると思われますか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 このような学校医、学校歯科医、学校薬剤師の現在の設置状況をちなみに申し上げますと、学校医につきましては小学校、中学校、それぞれ九九%に近く、また学校歯科医につきましても小学校で九六%、中学校で九七%、学校薬剤師の方々も小学校八八%、中学校も同様八八%台の設置率を見ておる。このような配置状況からも、この学校医関係の先生方の御協力に対する認識は学校の設置者が十分持っておるというように受けとめております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 確かに数の上からいきますと、設置状況からいきますと、そういう見解が出てまいりますね。しかし、また後刻その問題は触れたいと思いますが、報酬の財源につきまして、要するに地方交付税の中に入っているわけですね。その算定基準はそれぞれ幾らになっておりますか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 地方交付税におきまして積算されております学校医等の報酬につきましては、年々その増額の措置が講ぜられておりまして、五十三年度で見ますと、標準規模の小、中、高等学校で学校医、学校歯科医の先生方が九万円、それから学校薬剤師の先生方が七万七千円というふうな積算になっております。  なお、五十二年度の学校医の先生方の報酬の実態もほぼこれに近い実態ということをもとに積算されているということでございます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 積算額はそのようになっておりますね。実際にこれが支給されておる金額というものについて、文部省に私は資料を要求をいたしましたら、平均的な数字しか出ていなくて、各県別のあるいはもっと細かい分の資料というものがどうもないようでございますね。したがって、平均の支給されておる金額はいかほどか、お聞きしておきたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 お答え申し上げますが、五十二年度の年間平均報酬額が、学校医の先生を例にとりますと、小学校で八万八千五百十円、中学校で八万一千七百二十円、高等学校。九万一千六百八十円でございます。それから学校歯科医の方が、小学校七万七千六百三十円、中学校七万一千九百十円、高等学校八万四千三百二十円、学校薬剤師の方は小中が三万円台でございます。高等学校で五万円ということでございます。御指摘のとおり、これは全国の平均値の状態でございますが、ちなみに学校医の方につきまして報酬額別の分布状態を見ますと、五万円以下の方が小学校で三二・七%、五万円から十万円までの方が三六・五%、十万円から十五万円が一五・一%、十五万円以上が一五・七%というような状態になっております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 報酬算定の基準からいきますと、学校医、学校歯科医、これは同額ですね。薬剤師は少し少ないですね。また、これからずっと増額になった分を見ますと、増額の分もずっと差がついておりますね。そうすると、本体が少なくて年々改定するに従って差が開いていくことになりますが、これの基準はどういうことですか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 報酬の積算に当たりましては、それぞれの資格取得にかかる大学での修業年数、この辺を考慮して、これは一般に給与の基本の考え方に立っておるわけでございますが、その考え方に立った報酬の算定がなされております。したがいまして、これに基づき算定がなされておるわけでございますが、五十二年から五十三年度にわたりますときに、学校薬剤師の方は七万二千円から七万七千円、学校医の方が八万四千円から九万円ということでございまして、その間千円の差はございますが、ベースをもとにいたしますと、それなりに見合った改定がなされておるということも言えるのではないかと思います。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 確かにそういう面が一つの算定の基準になっていると思いますね。  もう一つ基本的なことを聞きたいのですが、この報酬基準というのは一人についてでございますか。それとも一校についてでございますか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 一人の学校医の先生についてという積算でございます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 そうすると、一人で何校も受け持った場合も同じ報酬ということになりますか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 この辺の問題は、いま平均して一人の学校医の方がたしか三・六校程度お持ちになるような平均が出ようかと思います。その場合には、それなりの実態に応じた加算がなされて執行されておると思います。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 時間がないので余り細かいことは聞きませんが、加算がされておるということですね。先ほどお話を聞きましたが、確かに年々よくなってはきているわけです。私も学校薬剤師制度が設けられた最初の何年間かやったことがありますけれども、当時たしか年間千円でございました。それから見ると、少し金額がふえておるわけでございますが、この問題について、いろいろ地方に行きますと話が出てくるわけですね。いわゆる積算基準の金額はあるのに、たとえば学校医、学校歯科医師については大体基準を満足しているのだけれども、薬剤師に関する限りどうもそれが十分に考えられていない。文部省は指導しているのか、こういう声もあるのですが、指導されておりますか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 御指摘のとおり、文部省では交付税の方でそのような措置がなされております。その面の内容、趣旨を各都道府県教育委員会にも通知いたしまして、それぞれの地域に応じて所要の予算措置等の実効が上がるよう指導してきておるところでございます。  先生御指摘の各地の状態、全国的な平均は先ほど申し上げましたが、私どもいま十数県について追跡をいたしております。そういたしますと、学校薬剤師の方の報酬が地域におきまして最高二十万円、最低の場合は五万円というような状態で、確かに御指摘のとおりまちまちでございますが、学校薬剤師の方が受け持たれる学校の数その他の実態もあろうかと思いますが、十分この面の、せっかく積算しておる趣旨が実効あるものになりまして、学校薬剤師の方々に学校の環境衛生あるいは健康管理の上の役割りをしていただくようにしたいということで、来年度予算では学校薬剤師の方々による衛生検査体制の整備ということで、先生方のお集まりをいただいて、講習会、研究会を通してこの面の問題も実効あるような方向を打ち出していきたいと考えておるところでございます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 私は文部省だけ責めるわけにいかない面が多分にあると思うのです。私もわかっておるのです。というのは、学校医、歯科医の場合は生徒さん一人一人に直接手を触れていくわけでありますから、そうでなくて、学校薬剤師の場合は環境的な問題が多いのですから、これは評価がいろいろにむずかしいわけですね。したがって、幾らでもすれば仕事がある。しなければしないで、いままでは何とか名目だけで済んでいたという面があるわけですね。これは内部の関係者の方々の反省も非常に必要なことだ。そのことは関係者は若干反省されつつあるようであります。たとえば先ほどちょっと御説明もありましたけれども、一人当たりの報酬額のこれを見ると、確かに低過ぎますね、学校薬剤師の場合は。これは実例は御存じかどうかわかりませんが、文部省、余り関心なかった一つの例は、各県別にデータをお持ちじゃないのですよ。きのうくださいと言ったら、平均はあるけれども、調査ができていない。それじゃできるだけ、何県でもいいから最高、最低を調べてくださいと言ったら、けさに至るまで資料は届きません。ということは、お持ちじゃないと私は判断するわけです。そういう資料をお持ちでなかったら関心はなかったということになりかねませんね。これを私は一つ注意しておきます。  それから勤務日数なんかでは、学校医は確かに日数が多いですね。それから、学校歯科医と学校薬剤師を比べますと、むしろ学校薬剤師の方が多いですよ、日数が。だから、仕事は非常に重大なものがある。一人一人が、周囲に及ぼすいろんな問題、衛生状況とか、あるいはこれはどうすればよいかということをやっていくためには、一年に一カ月以上でもやれば、幾らでもあるということですね。そういうことを教育委員会が認識した上でこれを遇し、またいろんな便宜を計らっていくことが生徒児童のいわゆる健康増進あるいは保持に役立つと私は思うのですが、その認識についてはどうですか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 御指摘の勤務日数でございますが、小学校で学校医の先生が七・九日、学校歯科医が四・九日、学校薬剤師の方が四・四日ということでございますが、中学校、高等学校につきましては、確かに御指摘のとおり学校歯科医の方が三・八日に対して薬剤師の方が四・四日というような実態です。高等学校では、五・一日に対しまして五・六日というような勤務の実態でございます。  御指摘のとおり、先ほど申しました環境衛生等の学校環境の改善に関します学校薬剤師の方々の御協力を受けるということがそれなりに重要になってきておりますので、この面の検査体制の整備に今後取り組みながら、御趣旨の点については検討してまいりたいと思っております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 私は、取り組み方がやはり十分ではないとつくづく感じますね。やはりあなた方が学校医、学校歯科医、学校薬剤師の仕事が本当に必要だと、最初答弁されたようにお考えならば、もっと早く手を打つべきだ。しかも考えて、みると、社会的な力がある、強弱によってそういうことがもし左右されることであると、これは重大な健康上の問題でありますから、ひとつ注意しておきたいと思います。  実は、先ほど答弁がありましたけれども、多いところは確かに東京都内、特別区ですね、調べてみると。それは薬剤師だけ多いのではないけれども。全国的に見ますと学校薬剤師会の話を聞きますと、半分がまだ一万円以下ですよ。七万七千円と今度は五十三年にできたわけですけれども、七万七千円に対して一万円以下が半分あるのですね。三千円、五千円もあるのですよ。  それから、こういう話を聞いたことがありますか。ある村で学校が十校あるのだそうですよ。これを全部めんどうを見てくれ、一万円やるから全部見てくれという話もあるのですが、こんな話を御存じですか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 いまの実態は私ども承知いたしておりません。  先日、十数県の県立の高等学校につきましての実態を調べましたら、かなりの……。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 資料がないのだからいいです。私きょう言いたいのは、もっと真剣に取り組んでほしいということです。現状もわからないで、ただ指導しているだけではいけないんじゃないですか。  実は私が調べているところでは、やはりいいところは二十万を超えているところがありますね。それから東京都あたりが大体十二万から十八万くらいあるようですよ。それから関東周辺が大体標準の七万七千円くらいですね。それから千葉県では一万円以下、五千円ぐらいもありますよ。そういう状況ですから、これはもっと真剣になることが大事だし、この仕事というのは、やれば幾らでもあるし、また事実どんどん仕事をやっているところは報酬は確かに高くなっているのですよ。やらぬところは少ないのですよ。それはなぜかというと、やはりやらぬでいいものだから、また教育委員会あたりも余り真剣にそういうところでは取り組んでいないと思いますから、やる方もやる気がない、形だけなんですね。これじゃいけないのだけれども、これはすべて文部省の今日までの取り組み方に問題があると断定せざるを得ないと私は思いますが、総括的に今後の問題として大臣から伺っておきたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御指摘の点は、文部省で十分でない点がございますれば、いまの点は大事な問題ですから、しっかりやらしていただきます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 十分でない面がございますれば、私はちょっといただけませんね。いま現実を私は指摘をしたわけですから、十分でないから今後取り組みますという答弁が私は出るはずだと思いますが、再度答弁願います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、十分でない面があるから、しっかり取り組ましていただきます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 それでよろしいと思います。  それからもう一つ、文部省御存じだと思いますが、国民医療の一つの大きな抜本的な柱として医薬分業というのが問題なんですね。現在みたいに、乱療、乱診、薬づけと言われる現状でございますが、これはもう薬価基準に大きな問題のウエートがかかるわけですけれども、結局、医薬分業というものがなされていないから、一部の批判によりますと、いろんな内容のものも重複して出てきて、要するに出来高払いですから、ここに問題があるわけですね。したがいまして、本来の分業でなければならないのだけれども、薬事法でも、現実に実際がおかしくなっているわけですね。したがいまして、医薬分業ということを政府も言い始めましたけれども、その問題に関連して、日本医師会あたりから、現在の薬剤師の教育の問題あるいは薬剤師としての資質の問題、ということは、はっきり言いますと、臨床的な問題が現在の大学の教育内容に含まれていない、非常に少ない。したがって、現在のままで医薬分業に踏み切ることは医師として信用できない、こういうことが大きな問題になって立ちはだかっているわけでございますが、これは文部省、御存じですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 先生御指摘のような事情あるいは医療の進展というものに対応いたしまして、従来の薬学教育のあり方について改善をすべきであるという要請が高まっていることは承知をいたしております。薬物と生体との相互作用の問題であるとか、あるいは医療と薬学との関連とか、そういった点を重視をした教育内容の改善ということを進めるべきだという御要請であり、また各大学とも、現在それにできるだけ対応すべく努力をいたしておるところでございます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 努力をなさっているんですか。内容が実際のニーズに合うように文部省として努力をなさっているんですか。再度答弁を求めます。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 それぞれの教育内容の改善というのは各大学が取り組んでいるわけでございますけれども、いま申し上げましたような薬物と生体との相互作用の問題あるいは医療と薬学との関連、それらを重視した教育内容というものをカリキュラムに盛り込む、あるいは病院実習を課するというような方向での努力が各大学で行われております。  文部省としては、こういう要請に対応いたしますために、たとえば昭和五十一年度に東京大学の薬学研究科に生命薬学専攻を増設をする、あるいは五十三年度に富山医科薬科大学の薬学研究科に医療薬学専攻を設置する、そのような措置を講じているところでございます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 医師も六年ですね。それから歯科医師も六年、獣医師も六年、薬剤師はいま四年ですね。では、根本的に聞きますけれども、現在、厚生省から文部省に対して、何かそういうような正式の話がございましたか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 教育年限の延長の問題について、厚生省の方から文部省の方へは正式にお話はございません。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 では、まだ一度も正式の話はない。しかし、文部省は文部省でいろんなことを検討しているというのがいまの答弁の内容ですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 薬学教育の問題につきましては、いま申し上げました教育課程の内容の改善の問題と、もう一つ教育年限の延長の問題がございます。これはもちろん密接にかかわり合っていることではございますけれども、教育年限の延長の問題については、日本薬剤師会であるとかあるいは薬学教育協議会等において検討が行われておりますし、薬剤師会からは、五十二年七月に各方面に対して教育年限の延長についての要望が示されていることも承知をいたしております。年限の延長の問題については、正直に言っていろいろな意見がございますけれども、現在の薬学教育の関係者の大方の御意見は、薬剤師会の御意見もそうでございますけれども、当面、学部段階の教育を充実をする、そして、必要に応じて専攻科なりあるいは修士課程の制度を活用していろいろな課題にこたえていく、それが先決であろうということでございます。今後、この問題についてはさらに各方面の御意見を聞きながら慎重に対処をしていかなければならぬと考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 時間が迫ってきましたので、もう一度私はくどいようだけれども確認をするのですが、文部省自体で検討しているのであって、厚生省からは何にも話がないということは事実ですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 厚生省の方から正式に御要請等があるわけではございません。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 それで事情がはっきりいたしましたけれども、実際これは重要な問題なんですね。抜本的な問題の解決として教科内容は非常に大事であります。しかし、御承知のように関係者の間で意見が一致していないことは、事実そのとおり、あなた方が言われるとおり。それはなぜかと言われますと、公私立の学校を比べてみて、私立の学校に問題が相当あるのですね。それはなぜかというと、現在四年で課程が終了して国家試験が受けられる。そうすると、実際にその道に進もうという意思が現在なくとも、将来何かのために役立てばということで資格を取っておこうということがかなりあるわけです。これはあなた方よりも私が一番知っているかもしれない。そういう意味で、学校経営という面から見ると、もしこれを六年に延ばすとすれば相当危惧される面があるだろうと思う。しかし、そういうことによりまして根本をいつまでもゆるがせにはできない。国民的なニーズの一つとしてこれは大事なことだと思うのです。  したがいまして、年限の延長ももちろん私は必要であると思う。そして、教科内容を実際に検討して変えていかなければならない。いわゆる専攻課程の一年間とか、あるいは修士課程二年間ということでこそくなやり方でやっておったら、また大きな問題が起きますよ。なぜかなら、国家試験の関係がありますから、国家試験は四年で受けられる。そうすると、五年やった、六年やった方々は同じ試験を受ける。ではどこでどう違うのか、こうなってくるとまた問題ですね。したがいまして、これはここで言っていいか悪いか私はわからぬけれども、たとえば四年でどうしてもやむを得ないというんだったら、四年の薬剤師の資格、あるいは五年なら五年、六年なら六年の薬剤師の資格、そして業務の内容に差をつける、こういうことを考えない限り、なかなかうまくいかないわけです。  これから以上のことは文部省に幾ら言っても、肝心の厚生省から正式な話がないんだから、あなた方としては頼まれもしないことを一生懸命検討されてまことに御苦労さまですけれども、この辺のところは重大な問題として私は受け取っていただきたい。というのは、繰り返し申し上げますけれども、本来の医薬分業、医は医師、薬は薬剤師という姿にならない限り、現在の医療体制というのは根本的な解決にはならないわけです。医療費だってぼんぼん上がっていく。薬剤費の一部負担が行われたでしょう。これだって、患者の一部負担という名において診療あるいは受ける機会を減らすことになりかねないわけですね。こういうことからいきますと、適正なる国民の医療費というものは非常に大事な問題だと思う。こういう問題から考えて、この重要な問題を理解をいただいて、文部省が頼んでくるまで待つんじゃなくて、文部省は文部省としてのそういう取り組み方、検討を真剣におやりいただきたいと思いますが、これは大臣から答弁を願います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 大変大事な問題でございますので、文部省としても慎重に検討させていただきます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 もう一つ養護学校のことを私は質問する予定でございましたけれども、時間が参りましたので、以上で終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で谷口君の質疑は終わりました。  次に、林孝矩君。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 学校教育の円滑な実施とその成果の確保のための基本的な要件として、学校保健行政は重要な使命を担っていると思うわけでございます。かような観点から私は昨年の四月に決算委員会においてその具体例として脊柱側彎症対策の問題を取り上げました。  まず、お伺いしたいわけでありますが、その後約一年近くたっておるわけですが、この脊柱側彎症対策に対してどういう取り組みをなされてきたか、質問申し上げます。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 御指摘の児童生徒の側彎症の問題につきましては、昨年都道府県教育委員会に学校保健課長通知を出しまして、定期健康診断等におきましてその早期発見を図るよう指導してきたところでございます。その後、これらの健康診断における実態あるいは各方面の御意見をお聞きしまして、保健体育審議会の御審議を経まして昨年の秋に学校保健法の施行規則の一部改正を行いました。  この規則におきまして、脊柱の疾病及び異常の有無は形態等について検査し、側彎症等に注意することということを規定いたしまして、特に側彎症の発見に努めるよう改正をしたわけでございます。定期の健康診断あるいは日常の児童生徒の活動を通しての健康観察におきまして、いまこの面の側彎症の発見と早期治療の指導に当たれるようにしておるところでございます。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 大臣も認識をしていただきたいわけでありますけれども、この脊柱側彎症の発生率は、最近の千葉大、旭川医大、こういうところの調査によりますと、百人のうち、一・三人から二・五人というデータが出ているわけです。東京都大田区教育委員会の調査結果では小学校で一・六%、中学校で四・五%が発見されております。さらに千葉市内での調査によりますと、機能性側彎症を含めると一三・二%と、このような高いデータになっておるわけです。このうち要治療ないし要観察の学児は三・四%の発見率、いずれにしても非常に多くの小中学生が脊柱側彎症の対象である。私はこれは全国的なことだと思いまして昨年取り上げたわけです。案の定、非常に重大な問題ということで、その後関心は高まりつつあるわけであります。  ここでもう一つお伺いいたしますのは、文部省の統計で掌握していろいわゆる胸郭、脊柱異常合わせた数字よりもいま申し上げました実態調査が非常に高い数値を示しておるということは、健康診断などを通して学校保健の現場で発見する数字と専門家の調査で判明する発生率とがかけ離れているということだと私は思うわけです。このことはもう一年前にも指摘したわけでありますが、文部省は全国の学童を対象とした側彎症の発生の実態、こういうものを把握しておられるかどうかお伺いしたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 側彎症だけに着目した全国的な調査は行ってきておらないわけでございますが、いま先生御指摘のとおり、脊柱や胸部に異常がある者の結果が学校保健統計調査によって把握されております。五十二年度の学校保健統計調査報告書によりますと、脊柱、胸部に異常がある者は幼稚園、これは五歳児でございますが、幼稚園で〇・七四%、小学校で〇・八九%、中学校で〇・七五%、高等学校で〇・六%の状態になっております。なお、五十三年度の調査結果は現在集計中でございます。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 従来の健康診断では、先ほども申し上げましたように脊柱異常としての側彎症、これを発見でき得ない場合が多かったわけです。したがって、当然、出てくる数値というものも非常に格差がある、これをまず認識していただきたいということです。この点についても同じことを前回私は指摘いたしました。そのとき私が提案したのは、健康診断の方法を改善したらどうかということです。それに対して、いまこちらにおられる前文部大臣がそのとき答弁に立たれておったわけでありますけれども、健康診断の方法を改善するということを約束されたわけです。  まず第一点にお伺いしたいことは、いま五十二年度の調査を報告されたわけですけれども、これは脊柱側彎症においてはどうかという数字は出ておりませんね。まずそういう点に関して、これは提案でございますけれども、この際文部省として、先ほど冒頭にデータを申し上げましたようにこの脊柱側難症が小中学生に多い、ふえつつある、こういう現状を認識されてこれの総点検をなされたらどうか、この提案が一つです。  それからもう一点は、これはお伺いでありますけれども、健康診断の方法を改善することを約束されたわけでありますが、その実施はどのようになっておるのか。健康診断の方法ですね、この点についてお伺いします。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 先生御指摘の側彎症の問題につきましては、私どもが胸部疾患と合わせて得ておる実態よりもそれぞれの地域で行われておる調査結果がわりあいに高い。学校医の先生によると、一割ぐらいあるんじゃないかという万もおられますし、また、ほとんどないという方もおられますし、なかなか側彎症のとらえ方がむずかしい面もありますので、いま私ども、この面の研究につきまして日本学校保健会に補助金を出しまして、側彎症の症状あるいは側彎症の発見、診断の方法、また早期治療に対する措置、あるいは日常の活動を通しての矯正というような問題を保健会の方で検討委員会を設けて御検討いただいてまいりました。その結果、いま側彎症に対する手引きを作成する段取りまで進んでおります。近く手引きが刊行できるのではないかというように考えておりますし、さらに引き続きこの日本学校保健会で学校医の先生方あるいは各方面の権成の先生方にお集まりいただきまして、側彎症の問題の検討を続けてまいりたいというように考えておりまして、そのような体制の中で側彎症問題に対する総点検ないしはその改善の方途をさらに詰めていきたいというように考えておるところでございます。  そこで、側彎症の発見の問題につきましては、先ほど先生御指摘のとおり、砂田文部大臣も御答弁申し上げましたとおりでございまして、その線に沿いまして施行規則の改正をいたしまして、二つの健康診断に当たっての方途を示しております。  一つは、背部から両肩あるいは体全体の左右均衡の状態をよく観察する。それから二つ目には、体前屈をさせまして、その前屈の状態によって不均衡の状態を目で発見できる、正面あるいはわきからながめますと簡単に発見もできるということでございますので、その二つをいま強力な指導をしておるところでございます。  なお、それ以外の機器による診断という問題が大学その他でも研究されておりますが、これにつきましてはなおいろいろ議論もあるところでございますので、さらに各方面での慎重な研究の成果を待つということの対応をしておるところでございます。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 最初の調査、これは学校保健会だとかいろいろなところに文部省が研究を命ぜられたり、あるいはその研究の内容については矯正であるとか、私は非常に大事なことだと思います。それは大きな一歩前進だと思うのです。ただ、実態をまず掌握するということが非常に大事じゃないか、そういう研究の材料、素材というものがやはり実態から生まれてくる、そういう面で実態調査を提案したわけです。  もう一つは、いま通達でもってあるいは施行規則の改正で、いわゆる学校の健康診断のときに前屈をさせて様子を見たり、あるいは両肩の均衡がどうなっているかとかいうことで目で発見する、診察で発見する、こういうことが実際現場できちっと行われておるかどうかということも一つの問題なんです。ですから、これは後でも申し上げますけれども、早期発見すれば真っすぐになる、しかし、おくれると結局何かの形で、手術だとかいろいろな形で治さなければならない、こういうことなんですね。ですから、ぜひともその実態調査、それから健康診断の実態調査、この二つ、子供たちの状況とあわせていわゆる実態というものがどうなっておるかということについてまず掌握される。そのことで、文部省がいま非常に研究されておる矯正であるとか、どういう発生原因があるのかというようなところまでの大きな参考資料が生まれてくるのではないかということで申し上げたわけであります。大臣、この点だけは、大臣の所管でございますから、再度確認しておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御指摘のとおり大変大事な問題ですから、早期発見、これが大事だと思う。砂田文部大臣もお約束されましたから、私もその跡を継いで早期発見、早期治療、この二つの方針でしっかりやりたいと思います。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 この脊柱側彎症の原因についてはいろいろ言われているわけですけれども、七〇%が原因不明だ、学者によっては八〇%原因不明と言われるほど発生原因というものがまだつかめていない、こういうものなんです。したがって、治療方法も、原因がそういうふうに不明なものでありますから、特効薬的効果といいますか、そういうものを求めるということも非常に困難である。ただ最近、矯正体操というものがございまして、そういうふうに発見されたら直ちに矯正するための体操をさせる、そういうものによってもとに戻っているという実態もあるわけです。ですから、いろいろなことがあります。ミルウォーキー装具というものによって行われている治療、あるいは先ほど申し上げました手術で効果を上げておる。この手術なんというと相当重症じゃないかと思うのです。いずれにしても、原因について決定的なものがないという現在においては、完全な予防法、これも存在しないというふうにも考えられる、これが現実の問題ではないかと思うのですね。したがって、その原因や予防それから治療法について研究を進めなくてはならない。先ほどの御報告にもありましたように、当然文部省においてもこの研究というものを進められておるわけでありますけれども、この点についてはやはり予算も伴うと思います。内容の充実した、効果の上がる原因の究明、予防、治療法に対する研究、こういうものをさらに一段と進めていただきたい。これは要望として申し上げておくわけであります。  先ほども学校保健会での検討というものが報告されたわけでありますけれども、その最終まとめとかそういうものはいつごろ出てくるということが決まって行われているわけでありましょうか、それとも相当期間がかかって出されるものでありましょうか、その点だけ確認しておきたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 資料がほとんど整いまして、いまこの手引きにつきましては印刷中でございますので、近々この手引きを交付できると考えております。  その中で、先生御指摘の発見の方法あるいは側彎症の治療方法等につきまして、この問題は専門医の方の御指導ももとよりでございますが、いま御指摘のとおり、日常の子供たちの活動を通しての矯正ということが大事でございますので、学校のみならず、親のこの面に対する認識ということが大変基本になると思いますので、この面に向けましても、この手引きが役立つように講習会その他を通して活用してまいりたいと思っているところでございます。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 昨年の九月に学校保健法施行規則改正及び健康診断の方法、技術的基準の補足的事項を改められた、これに基づいて局長通達、課長通達が出されておるわけですけれども、この周知徹底という面でありますが、これはきちっと周知徹底はされておりますか。  といいますのは、過去には、たとえば市という行政単位、そこまで通達が行った、しかし受け入れる方の認識の問題がないところ、ここにおいてその通達がしまい込まれておって全然効果を示しておらなかった。俗っぽい言い方をすれば、握りつぶされておったというようなことが地方議会で取り上げられて、それから日の目を見たというような地域もありまして、通達というものの周知徹底が大丈夫かどうか、この点はいかがですか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 この問題は、直接大事な児童生徒の健康あるいは生涯にかかわる問題でございまして、このこと自体に対立のある問題ではございませんので、この種の通達は必ず現場の学校に渡り、周知徹底されておると私は確信しております。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 これは私の心配でございますので、そういうことがないように取り計らっていただきたい。  それから、この脊柱側彎症が取り上げられ始めたのは、たしか昭和五十年ごろからだと思うのですけれども、この件についての研究会だとか講習会というようなものは、文部省として行われたことはございますでしょうか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 五十二年に側彎症の、特に早期発見の方途等につきまして、重点的な研修会を行ってきております。これは養護教諭の先生方を対象にして、先生も御案内の千葉大学の整形外科の先生方等が専門的な立場からの講習を行うというようなことも行いまして、その後、保健大会あるいはブロックの講習会と、その都度この側彎症の問題は、現在の注意する、努力する課題として取り組んでおるところでございます。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 それから、先ほどお話のありました手引書、これはいつごろどのような方法で配布されるかという点が一点と、それからもちろん学校の教師、養護教諭、こういったところに注意を喚起するということも大事であります。家庭における発見の努力、こういうものも大切だ、私はこのように思うわけでありますけれども、そういう点も含めて、この手引書が発刊されるその時期と配布方法、こうしたものについての見解を……。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 今月中に発刊いたしまして、四月、来年度当初には各方面に所要の部数は配布いたしますが、さらに実費でもって広く普及されるように取り進めてまいりたいという考え方でございます。今月中に発行いたしたいということでございます。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 この側彎症などの難病対策として、これは文部省と厚生省の協力の問題でありますけれども、学校保健という立場から、予算の問題も含めて、やはり厚生省と協力をして取り組んでいかなければならない、これも前回私が提案いたしました。予算措置も含めて、どのような取り組みをされておりますか、お伺いしたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 この側彎症の問題は、先生御指摘のとおり、特発性側彎症ということが大部分ということが言われておりまして、いま、その原因等につきましては、それぞれ大学あるいは外科医学会等でも御研究がなされているという過程でございますので、私どもは、この問題につきましては、その各方面の側彎症をめぐる調査研究等の衆知を集めた結果を十分いただきながら、見守りながら、対応してまいりたいということで、先ほど申しました保健会を通して、さらに研究調査を進めていくということと同時に、各学校等でのこの面の取り組みを大いに指導していくということで当面対応してまいりたいということで、来年度、側彎症プロパーの問題としての予算措置はいたしておりません。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 側彎症プロパーとしての予算措置はしていないということですか。そうしますと、たとえば具体的に言って、これがいいかどうかということは別問題、参考として申し上げますけれども、モアレ・トポグラフィーというような測定機がある。こういうものの導入ということですね。あるいは専門家がいろいろ研究開発して、それ以上のものでいける、こういうのがあるとか、こういうものをつくったらどうかというようないろいろな測定機の改善、開発というものも必要ではなかろうかと思うんですね。そうした場合に、当然予算措置がなければできない。それからこういう面についても、厚生省の協力というものの必要性も生まれてくるのではないか。そういう点を考えて、それを前提として、私、先ほど申し上げたわけですけれども、そういう前提がないという考え方なのか、その点いかがでしょうか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 いまお示しいただきました一つの側彎症発見の簡易な機器といたしましてモアレ写真機器が開発されておることは承知しております。また、これを利用して、市町村等でこれによる発見に努力しているというところの地域もあるということも承知しておりますが、なお、この種の機器の開発につきましては、専門家の間でもいろいろ議論がございます。まだ確定した結論を得ていないというようにも承っておりますので、これらの導入につきましては、各方面での成果を待って対応してまいりたい。  もう一つ、この種の子供の体の異常あるいは問題につきまして、進んだ医学機器をもってそれに対応していくということが、ある面で追跡調査の過程では必要であろうと思いますが、私ども、いま一番気にしておりますのは、どうも全部の子供を器械に当てるということばかりの仕事をしてはいかぬじゃないか。子供というのはもっと自然の中で自分の体に自信を持って、自分で意欲を持って生き抜いていくということ、そこに余りに機械文明だけを当てはめるということの危険を常にこの種のことには感じていかなければならぬと思いますので、私は、この問題は追跡調査の方途の問題として、その面に対応していくという面で、十分各方面の御意見を聞きながら対応してまいりたいと思っております。

林孝矩公明党・国民会議

○林(孝)分科員 最後にお伺いいたしますが、いまの質問と関連いたしまして、なるほど非常に一理あるお話であり、私もそう思います。ただ、現在の学校医の実態といいますか実際といいますか、それを見てみますと、大体内科、眼科、専門医がほとんどなんですね、小学校の場合を考えても。いわゆる整形外科というような医者は少ない。ですから、そういう実態からすると、いま指導なされている日常活動の中での側彎症の発見の仕方というものも、そうであるならばそれでいいのですけれども、結局、内科専門の医師だとか学校医ですね、それから眼科専門の学校医、そういう人たちに、健康診断の中で、いままで全然専門外のことをしなさいというわけでしょう。ですから、そういう点で、中には専門外だから、そういう測定機があればというような医師の声もある。こういうことが、すべてではありませんけれども、参考のために申し上げます。  それから、眼科、内科という専門医がほとんどの学校医ですから、こうした側彎症の発見、診察ですね、これに対して専門外ということで、文部省としては何か医師会であるとか、そういうところへ働きかけるような考え方があるかどうか、その点だけお伺いして、終わります。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 先生が御指導賜っております奈良市では、この機器も利用いたしまして、最終的な診断は県立の医大の方で読み取るということで追跡をされておるということはこれはまた一つの方法であろうというように、またそれなりの成果につきまして、私ども報告を受けながら検討してまいりたいと思っております。  私ども、この学校保健の関係につきましては、幸い日本学校保健会がございまして、この日本学校保健会には学校医の先生方、また日本医師会、日本歯科医師会等の各方面の、医師会のこの面の堪能な先生が参加されておりますので、学校保健会を通しながら、先ほど申しました手引きもこの学校保健会で発行していただくということでございます。その場で十分先生の御趣旨の点を踏まえながら、この側彎症の問題について取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で林君の質疑は終わりました。  次に、中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 私がきょう取り上げる問題は、私の説明が非常に多うございますので、大臣に理解していただくために二、三の参考物件を見ながら大臣に聞いていただきたいと思うのです。  それは、五郎兵衛新田用水というのがあるのですけれども、明治二十七年につくった図面、それから五郎兵衛用水の写真、それに関連する古文書の写真六枚ございます。それから学習院大学でつくりました古文書の目録、冊子になっています。それと、古文書が実は学習院大学にございまして、それを村に返還するという運動が起きたわけです。その経過などを書いた冊子。それから合意いたしました合意書。それと用水開発史研究所という仮称の設立趣意書。(中村(茂)分科員、資料を示す)  まず五郎兵衛新田古文書、この問題について、特に大臣の理解を得て、文部省の全面的な御協力をいただきたい、こういうことで問題を提起いたしたいと思うわけです。  そこで、この五郎兵衛新田古文書というものについて私から若干説明申し上げたいと思うのですが、これは長野県の北佐久郡浅科村、ここに五郎兵衛用水という川が流れておるわけです。浅科村は、旧南御牧村、旧中津村、旧五郎兵衛新田村、これが昭和三十年に合併いたしまして、戸数は千六百戸、人口は約六千人、この五郎兵衛用水を中心にして農業を営んでいる非常に小さな農村でございます。  この五郎兵衛用水は、江戸前期の寛永年間に市川五郎兵衛という人が徳川幕府の許可を得て、山をくりぬいて谷をはいながら、五里八町、いまのメートルに直しますと約二十四キロに及ぶ用水路、これを切り開いたわけであります。この用水を利用して水田を開発し、そういう形成の中からこの地域の村落が形成されてきた。ですから、この開拓者の名前をとって、五郎兵衛用水、また五郎兵衛新田村、五郎兵衛古文書、ここには五郎兵衛記念館、こういう幾つかのものがあるわけです。  この古文書は、そういう中における古文書でありますから、用水工事の様子、用水の維持管理、水利権、また入会権、こういうものにかかわる用水開発の全貌があるわけです。それから村の人たちの生活や文化の記録、特に被差別部落の形成、それからこの用水に携わった建設の状況、こういうものが総計といたしまして約三万六千点に及ぶ古文書があるわけです。  ところが、いろいろ経過がございましてこれがいま分散されているわけです。学習院大学に二万点、それから先ほど申し上げました五郎兵衛記念館に一万点、この祖先である市川家に五千点、それから名家でございました柳沢家、これは柳沢家にあったものがほとんど学習院大学に行っているわけでありますけれども、その本家に当たる前の村長さんの家に一千点、計三万六千点があるわけでございます。  こういう中で、一つの問題が昨年、昭和五十三年の三月に起きました。それは一つの差別事件であります。朝起きてみたところが、ある家の玄関のところに一枚の張り紙があったわけであります。そこに何と書いてあったかというと、「チョウリッポの住む土地は、ミマヨセには一坪もない。早く出て行け。区民一同」こういう張り紙があった。この「ミマヨセ」というのは、そこの住んでいる部落の地名です。そこで、被差別部落の人たちは、こういう差別事件が起きたわけでありますから、大変悲しむと同時に、その差別事件が大きな地域的な全体的な問題になったわけです。この浅科村には被差別部落が三カ所、合わせて四十五世帯がいるわけです。ですから、この人たちは部落差別の中で非常に悲しみを感ずると同時に、何とかしなければならないという怒りに燃えたわけです。  聞くところによると、先ほど申し上げました用水、部落の形成がずっとなされてきたわけでありますけれども、ほとんど被差別部落の人たちがこの作業に非常に大きな貢献をしているわけです。ですから、古文書を通じてその経過がはっきりすれば、ここに住む土地は一坪もない、そういう差別の感情——いや、私たちこそこれだけの村をつくってきたのだから、ここに住んでいるのだ、私どもこそここに住んでいる権利があるんだ、そういうふうにやった人はよそから来た人じゃないか。したがってこの古文書を、学習院大学へ行っているのを全部取り戻して、村にあるのを全部集めて、部落というものが形成されてきた経過というものをきちっとさせて、言えば、部落解放運動の文化、学術運動の大きな柱にしようということで、この古文書の返還運動というものが起きたわけであります。当然、村も前からその返還要求をしておりましたから、村当局それから部落解放同盟、この用水を利用し管理している五郎兵衛用水土地改良区というのがあるのですけれども、そこの人たち一体となって、この村に浅科村古文書返還特別委員会というものができたわけであります。村当局はもちろん、村議会も全面返還の決議をいたしまして、文部大臣にも御協力をいただきたいということでその決議を差し上げたわけでありますが、そういう経過を通じまして、学習院大学の児玉学長、大石先生、それから文部省の学校法人調査室の岡室長、それから部落解放同盟の多くの人たち、こういう人たちの運動、理解、御協力をいただいて、一応の合意書というものが成立したわけです。大臣のお手元に合意書があります。しかし、この合意書は、学習院大学にある二万点をそっくり村に返すというものではございません。一応寄託形式ということで、言えばお預けしておきます、こういうものなんです。ですから、この特別委員会の人たちは、完全返還が達成するまでこの要求を捨てたものではない、こういうふうに言っているわけでありますけれども、しかし、一応この古文書が村に寄託されるわけでありますから、形式は別として村に集まるわけです。ですから、一応こういうことで収拾しよう、しかし全面返還はまだ捨ててはいませんよ、こういう形で一応おさまったということになっておるわけです。  そこで、村当局、関係者の皆さん、三万六千点、約四万近くのものは集まったけれども、先ほど申し上げましたように、村は非常に小さな村でございまして、長野県でも下から数えて三番目という小さな村で、財政力がほとんどございません。そこで県当局、文部省、それぞれの御協力をいただいて、これらのものについて学術的にも文化的にも、また保存の面からしても、どういうふうに活用していくかということについて、これから検討していくことになっているわけです。  そこで大臣に御質問したいというふうに思うわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、この返還運動の発端というものが差別事件から起きてきた。いまでもこの村においては幾つかの差別事件が起きているわけです。それで、いま小学校の統合問題も起きて、文部省と非常にかかわり合いがあるわけですけれども、この中でも一部差別事件が起きております。村当局は前々から同和教育、この面に非常に力を入れまして進めてきているところです。この事件を通じまして私はつくづく感じたわけでありますけれども、これだけ被差別部落の形成というものがこの村の長い歴史の中でつくられてきた、そして協力もしてきた。そういう中における今回の差別事件、そういうことを考えてみると、これからの部落解放の運動、それから同和教育、特に昨年の臨時国会において、同和対策事業特別措置法が三年間延長になりました。その中の附帯決議の三項に、啓発活動を積極的に充実していく、こういうふうにあるわけです。そこでこの古文書につきましても、部落解放同盟の人たちを中心に、そういう被差別部落というものが形成されてきた経過というものをきちっとさせて、この部落解放運動の啓発活動にしていこう、こういうことで、全国的な組織を通じて取り組んでいるわけです。  そこで、この附帯決議の啓発運動とあわせて、大臣のお考え方をひとつお聞きしたい、こういうふうに思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 いまお話を承っておりまして、本当に私も感激が深かった。すばらしいことだと思ってね。われわれの祖先が、その浅科村五郎兵衛新田ですね、そこを中心に灌漑用水されて、その土地の開発をされた。特に長野県は余り水がないところですからね、よくおやりになった。そういう意味で本当に偉大な業績だと思うんで、それを広く国民に知らせることは、啓発活動に非常に役立つだろう、こう思って、私も及ばずながらできるだけのことをいたしたいと思っています。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 大臣、特に部落解放運動、それから同和教育、この面についてのお考えをひとつ明らかにしていただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私は、やっぱり基本的人権の尊重ということが根本だと思います。それから、あらゆる場合に機会の均等をやらぬと、こういう差別ということは絶対にいかぬと思うんで、日本人の中で差別なんか行われるということは本当に情けないと思うんで、そういうことのないように、小中学校の教育課程を通じて徹底していきたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 そこで、先ほども若干申し上げましたけれども、これだけの古文書を本当に広く開放して、これからの文化、学術の研究に資していくというには、いろいろな設備とか、または研究していくものが必要になってくるわけです。特に考えていますのは、保存をどういうふうにしていくか、学術研究を、この古文書を開放してどういうふうにしていったらいいか。それから、先ほども申し上げましたけれども、この古文書を中心にして部落解放の啓発活動をどういうふうにしていったらいいか。  そこで、そこのところにも、資料で差し上げておきましたように、用水開発史研究所というものをつくろうということで、地元を含めて長野県全体にいま呼びかける段階に来ているわけです。特にこういうものを広く開放して研究していくという段階で、文部省の全面的な御協力をひとついただきたいというふうに私は思うんです。  具体的に御質問したいというふうに思うんですが、まず第一番に古文書について、いずれにしても三万六千点をこれからきちっと保存しなければならないわけです。そういう点について、文部省として何か協力していただく点があるのかどうか、明らかにしていただきたいというふうに思います。

吉久勝美文化庁次長

○吉久政府委員 いまの御質問につきまして、まず文化庁のサイドから御答弁申し上げたいと思いますが、御指摘の文書は、私ども文化庁から考えましても、近世における信濃の民衆の生活等に関して残されました数少ない古文書であるというふうに考えるわけでございまして、それらの古文書約三万六千点に及ぶものが、まとまった状態で適切に保管されるということは、きわめて望ましいことではないかと思うわけでございます。そういう意味におきまして、まずその内容面についていろいろ御調査になるという必要があろうかと思うわけでございまして、この点につきまして長野県または浅科村が主体となっていろいろな御調査を今後計画的に行うということがもし必要でありますならば、また当然必要かとも私ども思うわけでございますが、それらに要する調査費につきましては、ひとつお申し出を待ちまして十分前向きに検討させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 大切な古文書でございますから、私どもは文化財として県の指定を得たいというふうに思っているのです。県の指定が得られれば、この古文書について文化財として、文部省として何か援助をいただけるのでしょうか。

吉久勝美文化庁次長

○吉久政府委員 長野県教育委員会がこの文書をいわゆる県の文化財として指定するかどうかにつきましては、県当局のお考え等を今後承ってまいりたいと思うわけでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、これが古文書であることは間違いないわけでありまして、そこら辺の内容を十分調査する上での調査費ということでありますならば、県の指定を待たずに私どもの方の補助対象にはできるかと存ずるわけでございまして、その点につきましても十分調査、検討させていただきたいと思っております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 次に、学術研究費の補助というものがあるということを聞いているわけでありますけれども、こういう古文書を保管する研究施設、管理施設もつくりたいというふうに思うのですけれども、そういうところに直接この研究費が補助で出てくるようなシステムはないのでしょうか。

篠澤公平文部省学術国際局長

○篠澤政府委員 ただいまの学術研究の問題でございますが、先生も御案内のとおり、学術研究につきましては科学研究費補助金の制度があるわけでございます。したがいまして、この古文書につきまして学術研究の希望がもし御提出がございますれば、学術審議会におきます審査がございますので、その審査を経た上で研究費の配分を行うということが可能でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 どうも私にはまだそのほかうまい補助の話があるのかないのか、その辺はよくわからないのですけれども、私がお聞きし、調査した限りでは、縦割りでこういうそれぞれの補助があるわけですね。しかし、これだけの古文書が有効に活用される、そのために非常な資金が必要だ、そういうことを考えると、いまいろいろお話がありました補助程度ではとてもやっていけない、またそれだけ活用できないような実情なんです。そこでもう少し一括横の方の文部省の連絡をとっていただいて、何とか陰に陽に全面的な御指導と御協力をいただきたい、こういうふうに私ども思っているのですけれども、そんな点について大臣のお考え方はどんなものでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 これほどすばらしい文書はないと思うのです。私は、こういう文書が国民の間に広まったら、いまおっしゃるような部落問題なんて吹っ飛んでしまうと思うのです。そういう意味でもこれは非常に大事な文書だと私は思っているのです。何かどういうふうにしていいか、地元の皆さん、長野県の皆さんとよく相談して、これが国民の間に、さっきおっしゃった啓発活動になると大変ありがたいと私は思っていますから、まず地元、県の御意見もよく伺いながら文部省として適切な措置を講じたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 私どもも十分研究していきたいと思うのですけれども、これは全国的に見た場合に、こういう古文書というものが、どういう段階というか、程度に学術研究の資料にするというような動きになってきているのか。それから市町村、県それから文部省のつながりの中で、どんな経営形態というか、施設等を含めてどんなかっこうになっているのか、参考になる事例があったら御説明いただきたいと思います。

篠澤公平文部省学術国際局長

○篠澤政府委員 参考になる事例、たとえば学術の研究ということに限りますれば、古文書の研究は、日本の歴史を調べるという土で研究の申請も非常に数多くございます一まあ大変あるわけでございますが、それの個別につきまして、先ほど申し上げたような科学研究費の、学術審議会の委員会における審査を経まして個別に決定しておるわけでございます。具体的な例といたしましては、たとえば土佐家文書の調査研究であるとかあるいは西山派寺院の寺宝調査であるとか、江戸時代末までに発生した、たとえば地震資料等の研究だとか、そういったものがあるわけでございます。そういうことと、研究が終わりました段階で、そういう研究成果を刊行するということも含めて学術的な面では補助をするという制度があるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 どうも、総論的にはわかりかけてきたのだけれども、具体的にそれぞれ地元、県を含めて対策を立てて、県の文化財としての認可などもきちっとさせて、それぞれ予算要求をすれば、文部省の全面的な御協力をそれぞれいただける、こういう御回答になっているわけですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まず市当局、県ですね、県、市がどういうお考えなのか、この古文書をどういうふうにされるのか、そういう点について県、市のお考えもよくお聞きして文部省は全面的に御協力したいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 私どもの一番の悩みは、文部省と言っても、先ほどの古文書の調査の問題にしても、学術研究の補助の問題にしても、それから文化財の指定を受ければ補助というような問題にしても、縦なんですよね。ですから、文部省のどこのところへ行って相談すれば、いや、こういうものはこういうふうにやったらいい、こうだというような御相談をいただけるのですか。大臣のところへ直接行ったらいいのですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 いや、私に直接来られても困りますけれども、やはり一番関心の深い問題ですね、たとえば古文書を保存するのは文化庁の方でございますから文化庁、それからあるいはこの古文書をどうしても内容を研究するとか解明するというようになると、これはいま学術国際局長が申しましたように、科学奨励金の問題とかありますから、どこか中心が一つなければ、おっしゃるようにあっちへ行け、こっちへ行け、それじゃ気の毒ですから、文化庁なら文化庁でまずやって、それで各局が協力するような体制でいきたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 わかりました。それじゃ、文化庁へ行く、そうすれば文化庁の所管のものはあるけれども、これはここのところでこういうふうになっているからということをよく指導してくれる、こういうことですな。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 そうです。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 それでは、これは繰り返すまでもございませんけれども、全体的に部落解放の問題と非常に絡まってきた問題で、経過は複雑でございますけれども、これだけ集まったものをどういうふうに活用していくかということは全く一体になってこれからやっていきたいというふうに思いますので、文部省の全面的な御協力を心からお願い申し上げまして私の質問を終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で中村君の質疑は終わりました。  次に、春田重昭君。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 私は学校給食の問題につきましてお尋ねしてまいりたいと思います。  義務教育における小学校、中学校の学校給食実施状況を御説明いただきたいわけでございますけれども、時間の関係で完全給食の実施状況だけを御説明いただきたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 昭和五十三年五月一日現在で申し上げますが、小学校の児童数では九七・一%でございます。中学校は五五・六%、夜間定時制高校が五〇・三%、特殊学校が七三・六%の完全給食の実施状況でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 いまのは生徒数に対する実施状況でございますけれども、学校数に対しまして、これは小学校、中学校だけでいいですから御説明いただきたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 中学校の完全給食、学校数で六二・八%でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 小学校は。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 小学校が九一・三%でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 余り時間がないですから、てきぱきとやってください。  ただいま御説明があったように、完全給食を見た場合、小学校の場合、学校数で九一・三%、児童数で九七・一%にいっております。ところが、中学校の場合は、同じ義務教育の中でも、学校数で六二・八%、児童数でいったら五五・六%ということで、非常に格差が大きいわけですね。これは、同じ義務教育の中で小学校と比べて中学校はなぜ低いのか、この辺の原因はどのように見ておられるのか、御説明いただきたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 学校給食が戦後再発足いたしましたのは、小学校ではすでに二十一年ごろから始めておりましたが、中学校につきましては十年ほどおくれまして三十年代に始められたという経緯がございます。その十年間のおくれの取り戻しというのが、いろいろな意味で、当時の経済情勢等の変化その他もございまして、きわめてむずかしいということもあろうと思います。その間に小学校は完全給食の実施がどんどん進んだわけでございますが、中学校につきましてはなかなかに学校給食には苦労がございますので、学校給食の完全実施についての教職員の理解がもう一つ十分得られなかったというような問題もございますし、また、特に大都市等で学校給食のための施設設備あるいは人員配置等にかなりの大幅な財政需要を伴うということもございまして、現実に東京を除きます大都市における未実施がなかなか進まないということで、私どももこの面の推進を期待しておるわけでございます。それから、父兄の方は学校給食の開始に対する希望はありますが、小学校と比してもう一つ盛り上がりがという感じがいたしております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 いま局長から御答弁がありましたように、いわゆる大都市が非常に低いのです。大都市の中でも特に関西地域が非常に低い。私、大阪でございますので、特に関心が強いものですから実態を調べてみましたならば、特に生徒数におきましては、京都は九・三%、大阪は七・四%ということで、一〇%に満たない。それから学校数で見ても、京都が一八・三%、大阪は九・六%ということで、全国レベルから比べた場合も極端に差があるわけです。いま局長がいろいろ中学校給食が小学校に比べて低い理由をおっしゃいましたけれども、京都、大阪に限っていった場合になぜこんなに全体的レベルが低いのか、その辺の原因はどのように調査されているのか、御説明いただきたいと思うのです。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 私も給食課長のときに、この問題がございますので六大都市の学校給食推進の教育長連絡会を持たせていただきまして、まず京都から第一回の会合を持ち、その後名古屋、横浜というように続けてきたわけでございますが、やはり大都市で取り組むのに、給食施設の体制と人員の配置の財政事情というのが一番の理由でございました。しかし、片方ではそれなりの財政需要に対する対応は各種の施策では進んでおるわけでございますから、この面は積極的な取り組みを勧奨してきたわけでございますけれども、なかなかに教職員の先生方やその他の対応等も絡みまして、いまだに教育委員会も踏み切れないでおるというところでございます。今後この辺はさらに努力を重ねていかなくてはならぬ問題だと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 そこで、文部省としては、中学校給食につきましてもアンケートといいますか、モニターを過去にとられたことがございますね。その結果を簡単に御説明いただきたいと思うのです。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 中学校における学校給食の実施につきまして、中学校で完全給食を行うことについてどう思うかということで、賛成であるとするものが七四・一%で完全給食を望んでおるという状態でございます。反対が二一・二%でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 賛成であると答えた人が父兄で七四・一%、非常に高い率になっております。私は大阪の守口でございますけれども、この市でもいま中学校で完全給食をやっておりません。そこで数年前ですかアンケートをとったことがございます。そのときには約八〇%以上の父兄からの強い要望があります。ぜひ実施してほしいということで、私の地元の北河内地域でございますけれども、学校、教育委員会等に聞いてみますと、なぜできないか、いろんな理由がございましたけれども、共通して言えることは一番大きなのはやはり財政問題なんです。私の地域は人口急増地域でございまして、非常に校舎、建物にもやっとの状態でございまして、プレハブ教室がまだ残っている地域もあるわけです。そういう財政状況で、いわば給食設備までは手が回らない。そこまで予算、財政が回らない、これが現況なんです。小学校は私の地域では百二十五校ございますが全部やっております。ところが、中学校は四十八校の中でわずか十三校ということで、非常に悪い。それはいま言ったような理由なんですね。そこで、当然国の大幅な援助といいますか、国庫補助が期待されるわけでございますけれども、私のいろいろな調査から言ったら非常に低いと言わざるを得ないわけでございまして、特に施設整備というのがございますね。これは基準面積、基準単価の約二分の一を国が補助するという形になっているわけですよ。ところが、基準単価の問題でございますけれども、五十四年度が非常に低い。これは五十三年度に比べて対前年度どれくらいのアップ率といいますか、上昇率を見ているのですか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 建築単価につきましては、学校施設と見合った四%の単価アップを計上いたしております。また、設備につきましては、特に重点を置きまして、来年度一〇%の設備単価のアップの実現を期しておるところでございます。  なお、基準面積につきましては、四十八年、四十九年にわたりましてかなり大幅な改善をいたしまして、基準をほぼ倍に近い改定をしたという経緯がございますので、基準面積につきましては現在いじくっておらないという状態でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 そこで、建築単価の問題でございますけれども、四%ということですね。私はずっと過去の推移を見ました。たとえば鉄筋の対前年度のアップ率、上昇率を見た場合、五十一年度は七・三%見ているのです。五十二年度は七・三%と同じ。五十三年度は六・三%、一%下がっております。ところが、五十四年度につきましてはがたっと減りまして、四・四%という形になっているわけですね。過去確かに円高という問題もありまして、資材とか物価を押し下げて、結果的には非常に落ちついたという現象になっておりますけれども、五十四年度は相当状況が変わってきておる。ことしの年頭から鉄も合板もアルミも相当上がっておりますし、またOPECは、今年度何段階か知りませんけれども、一四・五%原油を値上げすると言っておりますし、さきのイラン政変に見ても、かなり周辺のサウジやクウェート、あのあたりも一四・五ではだめだ、二〇%以上の値上げをしなければならないということで、資材の価格に大きな影響を及ぼす原油の価格が大きく今回値上げされるわけでしょう。ところが、四・四%になれば、過去はそういう落ちついた時点でも七%出していた。ところが、ことしは相当そういう値上げが予想される中にわずか四%。これは非常に見通しが甘いのじゃないですか。一〇%以上の値上げが資材面では見えるのじゃないか。結局これは最終的には地元のいわゆる超過負担という形になっちゃうわけでしょう。こういう点十分把握された上での対前年度に対するアップ率かどうか、検討されていますか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 学校の給食施設につきましては、およそ小学校、中学校がつくられれば、そこに給食施設を持つという考え方に立ちまして、公立文教施設整備費の事業費の一環に繰り入れておるわけでございます。それらの関係もありまして、建築単価につきましては、学校の施設の建築単価と見合う、均衡を保った積算をしておるわけでございまして、学校建築の方の全体の単価アップが四・四%、それと見合ったということで御理解を賜りたいと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 したがって、これは何も体育局長だけを責めるわけじゃないですけれども、これは全体的な面に大きな影響を及ぼすわけであって、文部省だけじゃございません。厚生省関係の保育所やそういう問題にも影響するわけですよ。だから、これは政府全体の問題だと思いますけれども、非常に四%というのは低い。だから、常識的に考えてみて、もう年度当初から相当な値上がりになっておるのですね。あのアルミサッシというのはいままでも乱売されていって、非常に投げ売り的な安さで出ておたのですよ。ところが、そのアルミサッシでも相当値上げになっているという業界の情報です。こういう点から考えたら、他の施設がそういうようにやっているから給食設備も四%、まあ右へならえしましたという形だと思いますけれども、これでは通らないと私は思います。  この点について、大臣どうでしょうかね。年度途中くらいに単価アップしなかったら、とてもじゃないがおさまらないと思うのです。あの四十九年の石油ショックのときは、年度間で数十%上がったということで単価改定があったと聞いておりますけれども、そのようないわゆる補正を年度途中において考えざるを得ない状態になったときは、文部省全体の施設としてどうお考えになりますか。

西崎清久文部大臣官房会計課長

○西崎政府委員 ただいま体育局長から申し上げましたように、公立学校施設につきましての単価アップに学校給食がならっているわけですが、公立学校施設の単価の執行につきましては、先生おっしゃいますように、年度途中で地域的にもいろいろ変動が起きるわけでございます。学校施設の補助に当たりましては、地域的な単価というものを、管理局の助成課でございますが設定をして、単価の配分をするという作業をしておりますし、それから著しく高い場合、これは資材の今後の見通しがございますけれども、若干単価調整をするというふうな作業も管理局でいたしております。そういうふうな管理局の学校施設の作業に準じて、恐らく学校給食施設の方も単価執行をおやりになると思いますので、その点、年度の執行を通じまして配慮をしなければならない、そういうふうに考えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 若干であればいいのですけれども、私は大幅な修正をせざるを得ないのじゃないかという見方をしておるわけでございます。  そこで、基準面積でございますけれども、これは四十八年、四十九年度大幅に改善されたという局長の答弁がございましたが、私から言ったら、まだまだこれは少ない。そういう点で、四十九年度改正されまして、ここ五年間は据え置きのままになっておるわけですね。この点も見直す必要があるのじゃないか。また二分の一の補助率にしても、これは昭和二十九年ですか、法律が制定されてから依然として変わっていないということで、実際にやっていない面があるわけですね。こういう点、私は見直す必要があると考えますけれども、どうでしょうか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 来年度予算では、先ほども申しましたとおり、設備の近代化と申しますか、もともと学校給食が必ずしも十分な設備を整えませんで、たなとまないたと包丁という式で始まってまいりました経緯がございますので、必要の都度、基準の改定を図ってきたということで努力を重ねておるところでございます。来年度は設備改定に少し重点を置いた取り組みをいたしたということでございまして、なお、学校給食の今後のより充実につきましては、幾つか問題がありますが、最大の努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 最大の配慮をしていただきたいと思うのです。  これは結論になりますけれども、私の地元の学校給食の施設、それから設備の実態を、国の場合は二分の一という形になっておりますけれども、いかに実態と違うかという点を大臣、お聞きいただきたいと思うのです。  守口に五十二年度建設された春日小学校というのがあるのです。総事業費が四千五百六十万かかったのです。ところが、国の補助は三百九十五万円なんですね。したがって、率にして八・六%。四十九年度建設された同じく守口小学校の給食設備があるのです。これも総事業費が一千九百十万円かかりました。ところが、国の補助は三百三十四万ということで一七・四%です。公称は二分の一補助という形になっておりますけれども、実態はこのように本当にわずかである。時間がございませんので、設備の整備費につきましても、これは基準金額の二分の一という形で国がなっておるのですね。ところが、同じくこの春日小学校の備品購入費はトータルで三百九十四万円かかっておりますけれども、国の補助は七十万、率にして一八%しか出ていないのです。先ほど言った守口小学校にしても、トータルで三百九十七万円かかっておりますけれども、国の補助は五十五万円、一三%ということで、非常に実勢といいますか、実態と国の方針というのは相当かけ離れておるわけですね。したがって、確かに過去いろんな努力をされまして若干ずつ改正はされていっておりますけれども、及ばない。相当地元が大きな超過負担の原因になっている。したがって関西地域ではそういう点で極端に低いということは、やはり人口急増で、いわゆる学校の本体そのものが相当整備される必要がございますから、そういう方面にいったり、またいろんな下水道の問題とかその他の事業に相当お金が要るものですから、いわゆる中学校給食まで手が届かないというのが実態なんですよ。もっと実態に即した国の手厚い保護といいますか、国庫補助をしなかったならば、とてもじゃないが中学校給食は、このままでは関西地域では伸びない、そのように私は思いますけれども、どうでしょうか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 学校給食の施設設備につきまして、あるコンパクトなものが必ずしもなかったというような経緯もございます。その面から、確かに御指摘のような地元負担の問題を生じておるということで、それなりのいま努力を重ねておるところでございますが、幸い公立文教施設整備費の中で、学校給食の施設も対応していくということでございますので、将来にわたりましてその面の改善につきましての私どもの検討を進めてまいりたいと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 先ほど大臣に御決意をお願いしたわけでございますけれども、小学校給食の場合は、いま言ったように九〇%以上実施されておるわけですね。生徒数でいったら九四、五%いっているわけですから、そういう点で、ある程度特殊な地域以外はほとんど行き渡っている、こう見ていいと思うのです。  ところが、中学校の給食の場合は、そういったように非常に低い。最近の推移を見ますと、中学校の給食の実施率を学校数で見た場合に、五十年度は六一・六%だったのです。五十一年では六一・九%、〇・三%伸びただけなんですね。五十二年度はさらに六二・四%、〇・五%年間で伸びている。五十三年度は六二・八%、これはもう〇・四%しか伸びていないのです。ということで、本当に一年間で一%も伸びていないのですね。  ということは、もうこれは、中学校給食につきましては、いま言ったような理由で、大きな理由は財政の問題だと思うのです。これでもう行き詰まっている。国としては一生懸命やっている、手厚い保護を考えております、若干毎年毎年修正をしておりますと言いながら、年度では全然伸びていないという点から考えたら、完全に六〇%前後で行き詰まっているわけですね。この六〇%をやはり開いてあげようと思ったら、よっぽど大きな政治的な配慮が必要で、いわゆる従来の方式でいったならばこれは伸びない。義務教育ですから。小学校がそこまで伸びていったならば、中学校も、十年おくれたといっても十年追いつくための施策を国がとっているかといったらとっていない。いま言ったような事情で伸びていないのですから、これを大きく開いていこうと思ったら、やはり思い切った国庫補助といいますか、拡大しなかったならば、私はもうこれで精いっぱいだと思うのですよ。  そういう点で、中学校給食につきましては、もっともっといわゆる目を開いて、国の方が大きな施策をしていただきたい。特に、地元エゴじゃないのですけれども、関西地区が非常に低いわけですから、こういう点につきましても、もっと強烈な国の補助ないし指導というものが必要じゃないかと思うのです。大臣、どう思いますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおりですが、実は私も、終戦後、ちょうど食う物がなかったのですよ、だからガリオア、エロアでパンを司令部がただでくれるからやれと言うから、やって、食う物なかったから、それで来たわけですが、小学校の場合はわりあい施設がゆっくりしておったから給食施設が普及したわけですけれども、中学校になると、その後できた学校ですから、どうも全体が狭いのですね。それで今度、給食施設となると、土地問題がまた絡んでくるのですね。それで非常におくれたことは私も申しわけないと思っているのですが、ことしの文教予算は、大体は、全体の公立の文教施設、文教関係の建設費が、建築関係が全体でたしか二二%ぐらいでした。しかし文部省関係はたしか二九%ぐらいふやしていただいたのですけれども、ただ、物価上昇率というのがあったもので、大体予算編成当時は物価が落ちついていましたから、それで四・何%になってしまったこと、現実に合わないとおっしゃるけれども、私も本当にその点は残念に思っていますけれども、しかし小中学校の給食は、これは学校行事の一環で、みんなが、お勉強するだけじゃなくて、一緒に食事し、一緒に遊ぶということが大事ですから、この点が不備な点は、これから一生懸命やって、改善するように努力いたします。特に京阪神の場合、人口急増地帯ですから、施設も大変だと私も思いますけれども、まず、おっしゃるように、学校がそれぞれちゃんとした給食施設を整備して、そして子供たちが本当に楽しく給食ができるようにしたいと思っています。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 教育の機会均等の上からも、義務教育においては、給食というのはそういう点では非常に大事だと思うのです。  時間が迫ってまいりましたので、最後に、米飯給食の問題について若干お尋ねしますけれども、これは文部省としては、昭和五十一年から五カ年計画で五十六年度に向かって、週一回だったのを二回に上げるといいますか、いわゆる目標にして、各都道府県の教育委員会に通知されておりますけれども、この進捗状況というのは、どの程度までいっておりますか、つかんでおられますか。後二年先でございますけれども、時間がないので、簡単に……。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 五十三年現在で七〇・八%の学校が米飯の導入を実現いたしております。五十一年、この導入を計画的に進めた初年度は、三六・五%でございましたから、順調な普及が図られておりますが、これからが大変でございまして、いま幸い米穀の値引き率が高まりました関係もありますので、私ども米飯の導入の実現について一層の指導をいま強化しておるところでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 米飯給食の意義づけというのは幾つかあると思うのですね。米の消費拡大といいますか、それもまた国策でございますし、これは必要だと思うのです。ところが、順調に進んでいるという局長の答弁でございますけれども、これも私、地元で若干、十三校やっておりますから、実際に行っていろいろ調べましたら、米飯給食は必要だというけれども、やはり何点かのネックがあるわけですね。  たとえて言うならば、一つは、米飯給食を導入することによって副食費が高くつく。いわゆる給食費全体が高くなるという問題があるのですね。それから、先ほど局長がおっしゃったように、教職員の方の理解が非常に薄いという面が指摘されました。また、施設整備の改善費が非常に高くつく。また、職員の増加に伴う人件費の増加。また、センター方式といいますか合同調理場をつくったとしても、あと配送の問題があるのですね。  こういうもろもろの問題が出てきたわけでございますけれども、正直いいまして、五十六年度週二回というのは非常にむずかしいと、その十三校の担当者は言っているわけですね。そういう点で、よほどの決意といいますか配慮がなかったら、この週二回の、これは一応目標でございますから、しなければならないということはないのですけれども、非常にむずかしくなるのじゃないかという感じがいたしました。そういう点でどういう配慮をされるのか。  それから、もう一点、今回、文部省として、これは大臣にお聞きした方がいいと思うのですが、今回の放送大学の新設に伴い、いわゆる特殊法人を新しくつくりますね。したがって、従来米飯給食の米の供給をしておりました学校給食会が学校安全会と統合するような、そういう構想が出ておりますけれども、このことによりまして、各都道府県に学校給食会というのがありますけれども、この辺に影響はないかどうか。この二点につきまして最後に御答弁をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 米飯のさらに一層の推進につきましては、来年度予算で炊飯のための施設、設備の整備費を四十一億を計上いたしております。前年に引き続きまして五割以上の増額を図ったわけでございます。さらに、米穀の値引きにつきまして、農林の方で百三億の予算が計上されました。これまた六十数億の増ということも図られました。これから各市町村あるいは学校の先生方の理解を受けて、これらの施策を背景にして、ぜひわが国の学校給食で大事な米飯が導入されて、食事内容も米ありパンあり、めんその他があるという、多様な楽しい食事の実現するように、先生方の御協力を得て推進を図りたいと思っております。  いま、放送大学の特殊法人の設立と関連いたしまして、日本学校安全会と日本学校給食会の統合につきまして具体案を得るよう、私ども検討いたしておるところでございます。この法人は、従来学校給食会が行ってきております業務、これは引き継ぎまして、それぞれの法人の行った業務は引き継ぎ、合理的な再編成を図って所期の目的を達成していくということの新たな法人をつくりたいということでございます。この法人の円滑な統合への展開を図りながら、米飯導入等の従来の施策の推進にマイナスがないよう十分心得て、具体の作業を進めてまいりたいと思っておるところでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 大臣から一言だけ、米飯給食につきまして……。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 米飯給食について、私はもともと米飯給食推進論者ですから、ですから文部省にも積極的に指導してきたのです。日本はお米が余っているのですから、いままでパンで来ちゃったからなかなか文部省もしぶっておりましたけれども、私は強力に推進しなければならぬ。渡辺農林大臣も今度は六割下げてくれたんです。週一回の場合は七割ですけれども、思い切って値引きもしてくれたから、週二回だけはとりあえずやって、やはり米飯に国民が親しむことが米の消費拡大に資する、私はそう思っていますから、できるだけの努力をいたします。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で春田君の質疑は終わりました。  午後二時三十分から再開することとし、この際休憩いたします。     午後零時三十四分休憩      ————◇—————     午後二時三十分開議

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  文部省所管について質疑を続行いたします。近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 非常に限られた時間でございますが、そういう中で私は、きょうは私学助成問題についてお伺いしたいと考えております。文部省におかれましては、この私学の助成につきまして努力をしていただいておるわけでございますが、この問題につきまして若干の質問をしたいと思っております。  私学が果たしております役割りというものは非常に大きいわけでございまして、いまさら説明を申し上げるまでもないと思います。けれども、若干のデータを申し上げてみたいと思います。  五十三年四月現在、私学におきます小中学校、高校、大学の学校数、学生数の割合を見てまいりますと、小学校では学校数は全体の〇・七%、学生数が〇・五%、中学校では学校数が五・一%、学生数が三・一%、高校では学校数が二四・二二%、学生数が二八・三%、大学の四年制の場合は学校数において七二・三%、学生数は七六・九%、このように非常に私学が果たしております役割りは大きいわけでございます。一昨日でしたか東海銀行が発表いたしました調査結果によりますと、この調査は教育費の実態を明らかにしたものでございますが、幼稚園から高校までの十四年間全部私立で通しますと、公立だけに通った場合に比べまして、私立が六百二十六万円、公立が百九万円と五・七倍もの費用がかかるということが発表されておるわけでございます。  この私立学校におきます父母負担の軽減につきましては、私立学校それ自身の努力も必要であろうかと思いますけれども、何といいましても国として、さらに教育の重要性にかんがみまして抜本的な強力な対策が必要ではないか、このように思うわけであります。去る八十四国会におきまして授業料等学費に対する直接補助を求める請願が全会派一致で採択されておるわけでございます。これらの経緯にかんがみまして、国としまして、この父母負担の軽減と国公私立間の格差縮小を図るために、授業料等学費に対する直接補助をぜひ行うべきであると思うわけでございます。  この点に関しまして文部省のお考えを承りたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、私学がわが国の教育に果たす役割りは非常に大きいわけであります。特に大学では八割を占めていますから、私は私学が大事だとよく存じております。  私ちょうど、文部省におりまして三十八年に事務次官を退官したのですけれども、私がやり残した課題の一つが私学問題でした。そこで私は文教委員長のときにこの私学振興助成法を通したわけですから、私も私学振興のために一生懸命努力しました。私も文部大臣になる前は大妻女子大学の学長もして、私学のいいところ、むずかしいところをよく知っております。国公立はそのままおってもつぶれませんけれども、私学はちょっとしたらつぶれてしまうのですよ。一生懸命やらないと大変ですから、御説のように、私学というものが非常に大事なことは私もよく存じている、身にしみていますから、そこでことしも経常費の大幅な助成をやったのです。学費については育英資金の方で相当画期的にやりましたが、詳細は政府委員から答弁させます。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 授業料等学費に対する直接助成につきまして請願が出ておったわけでございますが、私どもといたしましては、これまでも私立学校振興助成法の目的の実現のために、私立大学あるいは私立高等学校等に対して経常費の補助を、ただいま大臣からも申し上げましたとおり、年々拡充してまいったところでございまして、この施策を通じて修学上の経済的負担の軽減にも資していきたいと考えておる次第でございます。  また、これは大学局の所管でございますが、日本育英会の育英奨学事業について、貸与月額、貸与人員等の改善を図りますとともに、私学振興財団の私立大学奨学事業に対する援助事業についても、資金の増額とか融資条件の改善等を図ってまいったわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 御努力をなさっていることはわかるわけです。後でまた経常経費補助の問題とか奨学金等の問題についてお聞きしたいと考えておりますが、いま私が特にお伺いしておりますのは直接補助の問題です。  これは国会において全会派一致で採択しているわけです、大臣も御承知だと思いますけれども。国として財政的にも非常に困難なことはよくわかるのですけれども、国会の決議ということは非常に重いわけです。ですから、現在やっておられる努力はわかりますけれども、それだけでいいものかどうか。これだけ私学に通っている人たちが多いわけですし、父兄負担軽減の意味においても、ぜひ門戸を開いていただきたいと思うのです。再度この直接補助に対する考え方を承りたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 先ほどもちょっと触れたつもりでございましたが、私どもは、現状では、同じく国会で議員立法により成立しております私立学校振興助成法の規定に基づきます各般の私学振興措置のより充実拡充に努めたいと思っておりまして、その面の充実がなお私どもとしては大きな課題でございますので、近江委員御指摘の直接助成の方につきましては、ただいまのところは私どもはこれを取り上げるわけにまいらないというのが実情でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 いずれにしましても、これは五十三年六月十六日に決議をしているわけです。第二項目として「父母負担軽減のため授業料等学費に対する直接的な助成を行うこと」というようにはっきり入っておるわけです。ですから、この点については、先ほどおっしゃったもろもろの対策がございますけれども、その充実とあわせて、これも門戸が開けるように今後格段の努力をしていただきたいと思うのです。  それは対大蔵との折衝等もございますし、むずかしいと思いますけれども、文部当局自体がどうもそれはあきませんわという弱腰であっては、大蔵省の壁を通すことはなかなかむずかしいと思うのです。ですから、今後文部省としては努力をしますということが、この国会決議の重みをかみしめた政府の態度じゃないかと思います。そうでなければ、これは国会軽視になるわけです。今後努力なさるということは当然御答弁されるべきだと思いますが、いかがですか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 近江委員の御主張はよくわかるつもりでございますか、いわゆる直接助成の問題になりますと、これは助成のあり方としての一つの非常に基本的、原則的な考え方についての検討が必要かと存じます。  それから、あわせて現在やっております私学振興助成法から出てまいりますいろいろな諸措置との関連、それから直接、学生生徒に及ぼす施策でございますから、日本育英会の奨学事業その他の奨学事業との関連でございますとか、総合的な体系的な検討というものが必要になってくると思いますので、この問題につきましては、なお慎重に研究をさせていただきたいというふうに私ども考えます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 その点、慎重にかつ前向きに今後努力をしていただくことを強く要望いたしておきます。  それからその次に、先ほどから何回もおっしゃっておりますが、経常費の補助の問題でございます。  御承知のように、私立学校振興助成法第四条によりまして、政府は補助をなさっておられるわけでございますが、たとえば私立大学昼間部の経常費に占めます割合について見ますと、五十年度では学生納付金が五八・一%、国庫補助金が一八・二%、寄付金が一八・七%、このようになっておりまして、その後文部省も努力をしていただきまして、国庫補助率というものは、年々わずかずつではございますけれども、上がってきておるわけです。  五十三年につきまして確定した数字がお聞きできるかどうかわかりませんけれども、私の推定によりますと、学生納付金が六〇%、国庫補助金が三〇%、そうすると寄付金があと残りということになろうかと思うのですけれども、そこで、国は私学振興助成法に言います二分の一以内、すなわち五〇%に最も近い割合をいつごろまでに達成されるおつもりであるか、まず、これについてお聞きしたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 ただいま近江委員御指摘の補助金の経常費に占める比率でございますが、五十四年度におきましては、これは五十四年度のことでございますから推計になりますが、四年制大学について見ますと、全大学の総経常経費推計金額に対して約三二・四%くらいの比率になろうかと思っておりまして、これは先ほど大臣が申されましたように、かなりことしも大幅な増を図りました結果、前年よりは四%構成比率として伸びたということでございます。ただ、この三二・四というのはすべての経常経費に対する比率でございますので、経常経費の推計金額の中には、いわゆる定員の三倍以上もとりまして補助金がいかない学校でございますとか、その他学校の財務状況その他の理由によりまして不交付になっておる学校の分まで入っておりますので、そういう要素を除きますと、さらに四%余りこの率が上がるというように私どもは見込んでおるわけでございます。さらには補助になじまない経常経費というようなものもあろうかと存じます。ですから、必ずしも、これを最終的に五〇%というところまで持っていくということではないかと思っております。しかし、それにいたしましても、まだかなり努力しなければならない金額でございますので、ここで直ちにいつまでにということは申し上げられないのが正直なところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 文部大臣も私大の学長も務めてきて、その窮状についてはよく知っておるとおっしゃっておるわけですね。  そうすると、この法律におきましても二分の一は出せるということになっておるわけですから、これはやはり国がそこまで、大臣も重要性については御認識であるわけですから、この五〇%に近づける努力は、本当に教育の重要性から見ましても、私は格段の努力をしていただく必要があろうかと思うのです。大臣のお考えをひとつお聞きしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、私が参議院文教委員長のときに、この私学振興助成法をつくって二分の一以内ということで、なるべく二分の一にするという附帯決議までつけたわけですから、御趣旨のとおり私も最善の努力をいたします。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 今後最善の努力をしていただくという御答弁があったわけでございますが、この学生納付金は六〇%ぐらいになっているわけですね。そうしますと、これはやはり非常に負担が大きいと思うのですよ。そして、あといわゆる寄付金、大きく分けますと、そういうようになると思うのです。  先ほど大臣が御答弁になりましたように、補助を五〇%まで努力していただいて、これは一日も早くしていただきたいわけですが、来たとした場合、学生納付金の占める割合、また寄付金の占める割合、これについてはどの程度お考えになっていらっしゃるわけですか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 やはり私学にとりましては、学生納付金は現状では一番主要な財源になっておるのが事実でございます。いろいろな意味での善意の寄付金、これを集めるということも私学にとっては大事な経営努力の道でございますが、昨今の事情で申しますと、一番主要な財源が学生納付金ということでございます。  これにつきまして、経常費の補助金を、できるだけ法律で定められております目標に近づける努力をいたしますとしても、これはあくまでも教育研究に係る経常的経費に対する補助でございますので、その余の各種の管理的経費でございますとか、さらには校舎等につきますいわゆる施設関係の経費、臨時費と申しますか、そういった部分もございまして、そういった部分も、私学におきましては施設拡充費といったような形で、学生納付金として父兄に負担を求めておるわけでございますので、そういった要素もございまして、私どもとしては、これが一体どのくらいになるかという計算はいたしておらないわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 国の補助が二分の一、五〇%、これはもう早急に大臣、努力していただきたいと思うのです。  そうしますと、残り五〇%ということになるわけですね。そうした場合、できるだけ学生納付金も少なくしていくということになってきますと、残るのは寄付金ということになるのですね。  欧米先進諸国等を見ますと、特にアメリカ等を見ますと、寄付金については各私学とも大幅にその援助を仰いでいるわけですね。これは大蔵省の優遇措置の問題もあろうかと思いますが、私学に対しては大幅に寄付ができるような優遇措置の拡大、これを図っていかなければいかぬと思うのです。これにつきまして今後政府としてさらに努力をされるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 現状におきましても、私学に対する寄付につきましては、これをいわゆる指定寄付金という取り扱いができるようになっておりまして、個々の私学がそういう指定寄付の許可をとってやります方途もございますと同時に、一々そういうことをせずして、日本私学振興財団を経由して寄付を求めるという方法をとりますことによりまして、寄付者が当該寄付の金額につきまして、一定の要件と申しますか原則によりまして、これを損金に算入いたしましたり、あるいは個人の場合には課税所得の中から控除する、そういうような措置は現状でもとっていただいておるわけでございます。  なお、諸種の物価あるいは経費の高騰等に伴いまして、いま申し上げました計算の基礎について、これを改善していただくというような努力は今後引き続きいたしたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 この寄付につきましては、御承知のように、資本金掛ける千分の二・五プラス所得額掛ける百分の二・五、これを全体でくくって、それの二分の一、こういうような限度額というものがあるわけですよ。ですから私は、大蔵に対して、こういう枠の拡大とかそういうことについて文部省は努力すべきである、こう申し上げておるのですよ。現状はこういう制度でありますから、私たちはそれでいいのです、そんな消極的なことでいいのですか。これは大蔵に対してさらに努力すべきでしょう。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 私どもといたしましては、極力、私立学校に寄付金が集めやすくなりますような、ただいま近江委員御指摘のような方向での努力はいたしたいと思っておりますが、実情で見ますと、こういったいまの制度でやっていただいた結果としての寄付金の枠みたいなものがあるわけでございます。現下の経済情勢等もあるかと存じますが、なかなかそこまで私立大学に対してお金が集まってこないというような面も一方においてございますので、そういった方ともにらみ合わせながら、できるだけお金が集まりやすいように努力をいたしたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 そういう努力をしていただいて、学生の納付金というものについて少なくできる努力、父母の負担の経減について努力していただきたいと思うのです。  それから、私立高校等の経常費助成費のいわゆる補助の問題でございますが、これは年々若干努力をしていただいて、五十四年度は六百億ですか、その努力は認めますけれども、対前年の伸び率から見ますと、必ずしもいい方向で伸びておるとは言えないですね。ですから、この点大学と同時に、大学も対前年の伸び率から見ますと非常に下降現象があるわけですね。そういう点で、補助はつけてはおりますけれども、これだけの多くの学校数からしますと、まだまだこれは微々たるものだと思うのです。  高等学校以下の私学のいわゆる経常費の助成の問題につきまして、今後のお考えにつきましてお伺いしたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 御指摘のように、五十四年度予算案におきまして六百億円をお願いしているわけでございますが、これは前年が四百四十億円でございましたから百六十億円の増でございまして、そして前年の四百四十億は、三百億円から百四十億円を上乗せて四百四十億にしたということで、百四十億増に対しまして、ことしは百六十億増をお願いしております。分母が三百であったわけでございますので、確かに御指摘のように伸び率としては落ちておりますが、これはいわば一種の成長過程にあるような感じの補助金でございますので、だんだんに背丈の伸びというのは少しずつ少なくなるというような面があるわけでございます。  それで、今回の六百億の国からの補助金に合わせまして、これは県が行います補助に対する国の協力でございますので、県の方で行います助成措置の手当てとして、近江委員御承知と存じますが、交付税措置で千七百十二億円の措置が行われますので、それを合わせますと、明年度の推計といたしまして、高校の経常費総額の約三五%を財源措置することができたということになるわけでございまして、これにつきましても、今後なおこれまでの努力を継続して充実に努めてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 いろいろな制度をやっていただいていることはわかるのです。だけれども、何回も申し上げておりますが、教育ほど大事なものはないのですね。ですから、さらにその充実に努力していただきたい、こういうことを重ねて申し上げておるわけであります。  時間も来ましたので、次に奨学金制度の問題ですが、今年度はかなり伸ばしていただいているということはわかります。たとえば高校については九千人、大学については四千四百名と、それはわかるわけでございますが、しかし全体の貸与率から見ますと、まだまだ希望者が多いわけです。そういう点で努力は認めますけれども、さらに格段の努力をしてもらわなければいかぬと思うのです。ですから、今年度若干伸ばしたからという安心感がもしも漂っておるとすれば、私は問題だと思う。今年度努力された、これをワンステップとして、さらにこれからもその飛躍を望みたいわけです。今後の方針についてお伺いしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘のように、ことしの育英奨学事業についての予算措置というのは、従来の改善に比べると画期的とも言える前進をしていると考えます。しかし、なお問題が残っておることもまた事実でございますので、重ねて努力を続けていく所存でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 いま大学局長から御答弁いただいたわけでございますが、貸与率等を見ましても、高校につきましても、一般、特別も入れましても、まだ全体の二・三%なんですね。大学におきましても一般、特別合わせて九・二%、その他教員養成学部であるとか国立養護教諭養成所であるとかを合わせましても、大学全体でも一〇・三というようなことなんですね。全体を見ますと、これだけの経済の厳しい状況下におきまして希望の学生は非常に多いわけです。ですから、さらに格段の努力をしてもらわなければいかぬわけです。  最後に、大臣は学生の状態というものをよく知っていただいておるわけでございますから、大臣の決意をお伺いして終わりたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 いま大学局長が申しましたように、育英奨学金は本年度は文部省としては相当大幅に努力したつもりでございます。しかし、御指摘のように、まだ困っている生徒もたくさんおるわけですから、この程度で安心だと言わぬで、今後とも引き続き最善の努力をいたします。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で近江君の質疑は終わりました。  次に、竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 三つばかり簡単にお伺いいたしたいと思うのです。  文部大臣はかねがね特異な風格を持っておられるということで大いに敬意を払っておるわけです。  そこで、これは私の持論でもありますし、前の文部大臣にも言ったことがあるのですが、実現しなかったのですが、その一つは、国会が始まりますと政府が施政方針演説をやりますね。この場合に、一番大切な精神文化の面について、総理大臣がたまに触れることがありますけれども、その程度で終わっておる。もちろん、私は経済を専門にしておりますから、経済が大事なことはよくわかるのですけれども、より以上に大切なものは精神文化の問題である、思想の問題である。したがいまして、国会が開かれて、通常国会なら通常国会の冒頭に施政方針演説をやるのならば、総理大臣だけやるというなら、それも一つの考え方だ。しかし、並んで外務大臣もやり大蔵大臣もやり経済企画庁長官もやるというならば、少なくとも文部大臣は精神文化を代表してやるべきだという意見なんです。これは一つは経済企画庁長官、総理大臣、大蔵大臣、大体わかったような同じような話を繰り返して、聞いている方も退屈なんだが、それは一応別にしましても、もう少し要約、集約ができる、あるいは要約、集約ができなければ時間を延長してもよろしいから、いずれにしても精神文化を代表する文部大臣として、当然通常国会の冒頭においては施政方針演説をやるべきであるというふうに私は思っているのですね。  これは精神文化の面の重要性を強調するという意味からも、当然そうあるべきだと思うのですけれども、大臣、閣議で要求されるのか、どこで要求されるかは別として、次の通常国会あたりからは必ずそういうことを実現してもらいたいと思うのですけれども、これに対する大臣のお考えはどうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 大変御激励をいただきまして、私感謝しておりますが、しかし総理大臣が施政方針演説の中で特に文化、教育を重視して、文化中心の時代だ、こうおっしゃっていらっしゃるので、せっかく総理がそうおっしゃっているのですから、文部大臣が言うよりは、総理が全責任を持ってやっていただいておるわけですから、総理でいいのじゃないかという感じが私はいたします。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 大臣のいまの御議論だと、それなら、たとえば今度の施政方針を聞いてみてもそうですが、大体大蔵大臣、経済企画庁長官が言っていることとダブっていますよ。だから経済問題が大事だ、一般消費税の導入が大事だというならば総理大臣が言えばいいので、大蔵大臣は言う必要はないという議論になるのだけれども、現実はそうでない。  そこで、重複が許されるならば、もう一度お伺いするのだけれども、総理大臣も言ってもよろしいが、文部大臣も特に言うべきである。これは旧来の陋習の方ですよ。何となく文部大臣なんていうのは言わなくてよろしいとか、昔は、そう言っては失礼だけど伴食大臣だとか、そういうつまらない古い考えが非常にあり過ぎた。ことに、これから日本は大きな思想変革をやり、意識改革をやらなければならぬときですから、文部大臣なり文教政策の使命が特別に重大なんだから、重複しても結構ではないですか。  もう一度お伺いするが、そのことをさらに努力してみるお考えはないかということですね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 大変激励をいただきまして、私も感謝しておりますが、しかし施政方針演説になりますとやはり時間の関係等もございまして、私が言うたからといってやるというわけにもまいりません。まあ総理の御見解もありますから、あなたのせっかくの御趣旨でございますから、総理にもよくお伝えを申し上げます。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 ただいまの御答弁では私はまだ納得できないのですが、少なくとも閣議にその問題を持ち出して、精神文化の問題がいかに重要であるかということを閣議にもあるいはマスコミにも国民にも、なるほどそう言われてみればそれが本当だというところを考えさせることだけでも、私は非常に意味があると思うのですね。いまの大臣のように、初めからあきらめられたような話では問題にならぬ。もう少し教育についての使命感があれば、もっと本格的にこれを言わずしてどうするんだという問題があるべきだし、あるのじゃないかと思うのですよ。  そういう意味で、少なくとも努力してみるに値すると私は思うのですね。大臣のように時間の関係だとか重複するだとかいうようなことは、内閣官房長官あたりが言うならばわかりますよ。しかし、そうではなくて文部大臣としては、もう少し誇りと使命感を持っていただきたい、少なくとも、実現しなくてもそういう努力をするに値する問題だ、努力してみるお考えはありませんか、さらにもう一度伺って終わりにします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私は、予算委員会の総括質問あるいは文教委員会あるいは分科会、あらゆる機会に教育のことを申し上げているつもりなんで、別に、施政方針演説のときに述べないから何か文教を軽視したと先生からおしかりを受けていますけれども、そういうことじゃないと思いますが、いずれにしても先生の御趣旨はよくお伝えいたします。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 この問題ばかり言うわけにいきませんから、ひとつもうちょっと前向きにより積極的、意欲的にこの問題を考えていただきたい。私は、少なくともわれわれの政権が将来樹立されるというようなことになれば、当然、精神面、経済面、外交面ということはそれぞれ施政方針演説をやるべきだ。そのぐらいに教育、文化の問題のウエートは大きいのだ。時間をけちけちする必要はありません。二時間あるのが二時間半になっても結構なんですから、その点、もう一度再考していただくように要望を申し上げておきます。  それから第二番目は、この間文部大臣が、国を愛する、国を守る、当然なことだということを相当はっきりと言われたように新聞で拝見いたしました。この点は私は全く同感です。私は、デモクラシーというものの歴史的な使命、そういうものは非常に高く評価しておりますけれども、民主主義というものは、長くなるのは困りますから簡単に申しますが、開放の原理、アトムの原理、したがいましてこれは分散の原理ですよ。国民的エネルギー、創造的エネルギーを集約する指導理念ではないですね。だから私は党の政策にタッチする立場でも、十年やりましたけれども、民主主義を通じて民主主義の上にということを言っておる。民主主義を通じないで民主主義の横から後へ、そういうことでは時代の進歩に沿えませんから、これは困る。しかし民主主義、そこにとどまっておったのでは、より大きな連帯、コミュニティー、国、そういうものの指導理念は出てこないと思うのですね。でありますから、私は、民主主義を通じて民主主義の上に、ネオナショナリズムだと言っておる。そういう立場から、国を愛する、国を守るということを教育するのも当然だという大臣の発言は非常に評価しております。  そこでお伺いしたいのは、それとともに今日教育問題で大事なことは、いま申しましたネオナショナリズムというか、愛国といったものと並んで、同じような意味でもう二つ考えるべき問題があるのではないかと思うわけです。  その一つは経済問題、これは低成長時代に入ったとか——安定成長というのは、ぼくはちょっと言葉が間違っていると思うのです。安定的成長というのが本当だと思うのですよ。減速経済、これもよくわかるが、安定成長なんというのは、安定と成長は概念が違いますからおかしな言葉だけれども、いつの間にかそうなったのですね。ドイツ語の経済安定成長法を翻訳したときに、ウントというのが入っておるのを略して書いた。それが言葉の間違いの始まりなんですよ。ぼくは佐藤さんに指摘したことがあるが、そんな議論は別として、とにかく安定的成長というか低成長というか、いわゆる高度成長でなくなった。  そこで福田さんは、福田語録として言葉がうまかったが、資源有限といういい言葉を考え出した。しかし、資源有限という単語を四つ考えついただけで、資源有限に即応するような産業構造の改革も、われわれの生活様式の変革も、あるいは行政機構の改革もほとんどやられないままに福田さんは退かれた。私は非常に残念に思っておるのでございますが、いずれにいたしましても資源有限、高度成長の時代は去った。  そこで、これからの経済政策の指導理念としても、誰がために鐘が鳴るという言葉がありますけれども、何のための成長であったか、だれのための成長であるか、われわれはここで静かに踏みとどまって考えなければならぬ。  私は、かつて衆議院本会議の演説でも言ったことがありますが、古い二つのQから、新しい二つのQに変われということを言っている。古いQというのは速くというクイック、もう一つはクォンティティー、大量生産、大量消費という量このクイックやクォンティティーの時代から、われわれはクワイエット、もう少し静かに物を考える、生活のクォリティー、質を考える、新しいQに変わらなければならぬ、こういうことを私、本会議で言ったことがあるのです。後で当時の前尾議長がえらく激励をしてくれましたが、まあそれは別として、そうならなければならぬと思うのですね。要するに、経済生活並びに経済体制なり経済組織の運営についての指導原理を変えなければならぬと思うのですね。古い組織のままに、古い考え方の上に古い生活方式の中で資源有限、低成長なんと言っても始まらないでしょう。  そこで、教育の重大な指導原理として、私の言うそういう新しいクワイエットやクォリティーの問題を考えなければならなくなったと思うが、これが小学教育、中学教育、高等教育の中にいかに指導理念として織り込まれていくのか、あるいは織り込まれつつあるのかということについてのお考えを伺いたい。  同時に、時間がありませんからあわせてもう一つ申し上げますが、いまのにまたちょっと関連して言いますが、二十一世紀は日本の世紀だと言ったハーマン・カーンというのがおりますね。これは御承知のように経済未来学者ですが、彼が、最近は日本の高度成長はもう大体限界に来た、といっても彼は一〇%くらい考えておりますが、昔のような高い成長はだめだ、これからはそれこそ安定的な成長だ、日本人のすべての人たちは、驚くことに、油の面からその他資源、資材の面から供給力の面から、高度成長は終わったというふうに言っておるけれども、私は違うと、こう言っているのです。どういうふうに違うかと言えば、日本国民の価値観がいま大きく変わりつつある。いま私の申しましたように生活の質を求めるようになる。何のために働くかということも反省するようになる。こういう価値観の変化そのものが、日本の高度成長をいままで支えてきたものが支えなくなるわけだから、それで変わるのだということをハーマン・カーンのような経済専門家でさえも言っておるわけですね。  そういうことも含めて、いま申し上げたことは、指導理念が変わらなければならぬということと、それからついでにもう一つ、その指導理念で考えなければならぬことは、いまはすべての問題がインターナショナル、グローバル、地球的規模というか世界的規模において考えなければならないような時代になった。したがいまして、日本人の国際感覚というものをもう少し充実して、小さいときから物の考え方について、常にインターナショナルなあるいはグローバルな広い視野に立った物の考え方をするように指導していかなければならぬ。変なナショナリズムや軍国主義では困りますし、それかといって単なる平和主義でも私どもいろいろ異論がありますが、いずれにいたしましても、国際的に物事を見るという国際感覚が大事だ。ただ油の問題でイランの問題が大事だというようなことを言っているだけじゃなくて、すべてを国際感覚的に考えなければいかぬ。一番いい例を申しますと、たとえば一ドルが二百四十円か百八十円かといったような問題のときでも、日本銀行が一生懸命わいわい騒いでやる、そんなことで解決するような問題じゃないのですね。国際的に問題をとらえなければならぬというのだけれども、とらえた感覚が全然なくて、ひどい目にも遭ったわけです。  それも含めて、一つは、いま申しましたように、安定的な低成長というか新しいQを求めなければならぬ。もう一つは、すべてをグローバルに考えなければならぬ。その国際感覚を、あるいは国際的に物を見る視野を開くということについて、大臣はどういうお考えを持っておられるかということと、局長の方からでも結構ですが、その考え方を受けて、新しい指導理念として教育あるいは学習指導要領その他の中に、それがどういうふうに生かされつつあるかということを伺いたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御指摘のとおりでございまして、いままでは量の時代、これからは質の時代だと私も思います。そういう意味で先般学習指導要領の全面的改正を行いまして、いままではむずかし過ぎた、ただ勉強すればいい、それじゃ子供はかわいそうですからね。ついていけないのですよ。基礎的、基本的なものを精選して、そして充実して、たくましい人間をつくっていきたいということがねらいでございます。後から局長から指導要領の説明があると思いますが……。  いま一つは、おっしゃるとおりグローバルな、日本はこの小さい島国の中でじたばたしてもどうしようもないので、やはり全地球のグローバルな人間でなければいかぬと思う。ですから、国際的に本当に信頼され尊敬される日本人でなかったら、私は日本の将来はないと思う。そういう意味で、先生の説には全く同感です。  あとは局長から……。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 御指摘のように、今日の世界の経済なり政治なり、あるいは日本国内をとってみても、人々の価値観というものがきわめて多様化しているというときに、先般小中学校の学習指導要領を改定したわけでありますが、私は、いまの学習指導要領の一番大きな問題は、いろんなことは子供の頭に詰め込むけれども、それが本当に子供のものになっているかどうか。そこで今回の指導要領の一番の基礎には、一人一人の子供が自分で考え、自分で判断する力を養うのだ、その上に立って、本当にこれから生きていくために必要な各教科等の基礎、基本をしっかり身につけるということを基本として専門家の検討をお願いしたわけでありまして、そういう考える力、判断する力、それをもとにして自分で自分のものをとにかく最低限身につけて、そして社会に生きていくということが、これから国際的にも国内的にも変化の多い生活に対応していく基本ではないか、そういうふうに考えるわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 自主的に判断をしなければならぬということも当然のことでございますが、いまの御答弁は、私の質問申し上げた趣旨とちょっと食い違った面もあるようです。  これは要望ですけれども、後からで結構ですが、いま私が申し上げました愛国心教育の問題は一応別にして、グローバルに物を考える、これは文部大臣、昔徳富蘇峰先生が、日本人は眼光狭きこと豆のごとしと言ったことがあるのです。その眼光狭きこと豆のごとしを改めるためにどういう教育をし、あるいは学習指導を変えていくのかといったような問題、低成長というものに対する物の考え方、改め方といったようなものについて、現にこういう努力をしておるんだということをもう少しわかりやすいように、項目別でも結構ですが、後でひとつ教えていただければありがたい、要望を申し上げておきます。  第三番目にお伺いをする問題は、国際協力の一つとしての留学生の交換の問題についてでございますが、もう時間が余りありませんから私の方から主として申し上げますが、私の友人から特に言われたので、先般文部省の係官にもちょっと申し上げておきましたが、在日留学生が今日どれだけおるかということをひとつ承りたい。国別ならなお結構。次に、それらの学生が不平や不満をどういうふうに持っているかということを吸い上げるための努力は、どういう努力をしておられるかを聞きたい。

篠澤公平文部省学術国際局長

○篠澤政府委員 ただいまの第一点の、現在どれだけ留学生がおるかということでございます。  これは国費留学生及び私費留学生を含めまして、約五千八百人の留学生がおるわけでございまして、その約八割近くがアジア諸国ということになってございます。国別に申し上げますと非常に細かくなりますが、国の数といたしましては八十五カ国、五千八百名でございます。国費留学生の数は千二百名でございます。残りが私費留学生でございまして、国別で申し上げますと、一番大ぜい来ておりますのが台湾でございます。これはほとんどが私費留学生でございます。それから三けた台の国を申し上げますれば、韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、香港、北米のアメリカ、南米のブラジル、以上が三けた台で来ておる国でございます。  それから第二点の、留学生がいろいろ問題を、こちらに来ましてから生活、学習指導上の問題を持っておることにつきましては先生御指摘のとおりでございまして、私どもも平生、各国立大学につきましては学生部が担当いたしておりますので、緊密な連絡をとっておりますとともに、留学生担当職員の研修会を、これは年に一度、秋に、国公私立を含めて開いております。それからなお、研究協議会というものにつきましては、昨年は東地区、西地区両方に分けまして、これも国公私立の留学生担当の方を集めて研究協議会をいたしております。そこで、留学生に対します処遇も含め、いろいろ具体的な問題点を含め、非常に細かい話し合いを、お互いに事例研究など発表いたしまして検討いたしておるわけでございます。  私どもといたしましては、できる限りの気を遣って、いろいろな情報も得ながら、そういった不満の解消のために、具体的にどういう手だてを講ずればいいかということについて、日夜気を配っておるところでございます。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 時間がありませんので、一つ具体的なことを聞きますが、これは私の友人からこの間言われたので気がついた話ですけれども、どの学生会館か詳しいことはよくわからないのだけれども、大臣、冬休みになって、日本人も、そこに一緒にいた連中も皆田舎へ帰ってしまう。そうすると、暖房それからおふろ、そういうものをストップしてしまうというのですね。特に南の方から来た人が冬に暖房をとめられたらたまったものではない。そういう話を聞いて、まさかそんなばかなことはないだろう、こう言ったのだけれども、この間文部省の係の方にもぼくは言ったのだが、そういう事実があったのか、あるのか、また御調査はなさったか、結果はどうかということをちょっと聞きたい。

篠澤公平文部省学術国際局長

○篠澤政府委員 学生の入っております寮もいろいろございまして、特設宿舎と申しまして留学生だけを収容する宿舎、あるいは日本人の学生寮の中に入っておる留学生もおるわけでございます。  私の方の考えでは、特設宿舎、いわゆる留学生のために設けました宿舎につきましては、そういうことはまずなかろうと思っておるわけでございますが、日本人の、いわゆる学生寮に入っております場合には、往々にしてあり得ることかということでございます。全部調べ上げたわけではございませんが、一つの例といたしましては、この冬に、筑波大学は日本人の学生と留学生と一緒に入っておりますので、そういうケースがあったやに聞いております。事務局の方では、その留学生のために、たとえば暖房がとまるということのためには、ファンヒーターを個別に使うように、申し出ればファンヒーターをお貸ししますということもいたしたわけでございますが、全員が全員ファンヒーターを貸してくれということでもなかったようでございます。詳細はまだ十分調べ上げておりません。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 これはよく調査もされて、今後気をつけていただければよろしい。私も詳しい事情は調べたわけでもありませんし、まさかそんなことはないだろうという、ただ感じだけで応対をしたわけですから、調べた上でやっていただきたい。仮にまた、それが日本人学生寮の場合であっても、残って何人かの人がそういう立場に立てば、それに対して気をつけてやっていただきたい。気がつかないということは愛がないことだという言葉もございますから、やはり愛を持って、誠意を持って学生たちに接してもらいたい。よく言われるように、日本に来た学生が一番反日的であるというようなことが一番困ります。  そういう点で、いまのグローバルな問題にも関連しますが、大体、日本人ぐらいうぬぼれだけが強くて、昔はアジアの盟主と言った、今はアジアでも経済的にはまた大国だと言っているし、人も尊敬すると言っているだろう、これが多いのですけれども、大臣、私はそうではないと思うのですよ。  たとえば一番いい例は、ぼくの経済で言いますと、アジア経済開発の銀行がありますね。アジア銀行ですよ。そして金は日本が一番出している、アメリカと一緒に。したがってアジア開発銀行は、だれが考えても、本社というか本店は東京に持ってくるのが常識でしょう。東京にないのですよ。総裁は日本人だけれどもね。それは日本に置くということにアジアの連中が皆反対したのです。そういうことは何も留学生と直接結びついた問題じゃないかもしらぬが、私が言うのは、日本人が考えるほど、日本人はアジアの諸国民から愛されたり尊敬されたりしていないのだという現実は、はっきりと認めなければなりませんということを申し上げているわけです。  そこで最後に大臣、これも要望になりますが、いま実は国際看護交流協会というのがありまして、会長は鈴木善幸、それからいまの齋藤自民党幹事長さんもそれに関連して、これは看護婦さん、ナーシングの国際交流、特にアジアの交流、タイやシンガポールの交流をやっている。私もその発起人の一人なんですが、わずか半年あるいは三カ月日本に来て勉強したり交流したりするのですが、帰るときには、多くの場合皆涙を流して、泣いて帰る。これは民間外交として一番いいと思って私も協力しておるわけですが、知ることは愛することであると言いますから、やはり知ることが大事だ、接することが大事だというので、最後に大臣に、まあ数も多いことでしょうから、そう簡単にいきませんけれども、年に何回かはそういう留学生を直接呼んで、ライスカレーで結構だから一緒に食べて話をしてみる、彼らの肩もたたいていく、話も聞いてやるというようなことを試みられたならば、ずいぶん感じが違うのじゃないかと思いますが、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 いま年に一回やっているそうですけれども、お話しのように、日本に来た留学生が排日になったら、何のためにお招きしたかわからぬと私も思うので、国際交流というのは一番大事な問題ですから、日本人というのは外国人をもっと親切にしなければならぬ。いまお話しのように、寮の問題、ストーブの問題、これはささいなことだけれども、こんなことはきちっとして、そして温かく迎えてやらなければいかぬと思う。そうでないと、お招きした理由がないと思うので、私も御趣旨にまことに賛成でございます。年に一回懇談会をやるそうですから、局長も私も出さしていただいて、皆さんと本当に肩をたたき合って、そして交流をしたいと思っています。

竹本孫一民社党

○竹本分科員 いまの大臣のお考えで、年に一回とか言わないで、ひとつたびたびやっていただいて、大臣のお人柄を通じての日本に対する信頼、尊敬というものをかち取るように御努力を願いたいと御要望を申し上げまして、質問を終わります。失礼しました。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で竹本君の質疑は終わりました。  次に、金子みつ君。     〔谷川主査代理退席、川崎主査代理着席〕

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 私はきょうは、障害のある子供さん、それは身体的にも精神的にもでございますが、障害を持っている子供さんたちが学齢に達してまいりました際に、すべての子供さんに就学をさせる義務があるという政策がことしの四月から実施になるわけでございますね、その件に関しまして少しお尋ねをして、御所見を伺いたいというふうに考えるわけでございます。  まず、先般の一月二十九日の衆議院の本会議で、総理大臣の所信表明の御発表がございました。その所信表明に対しましての質問の中に、私どもの方の社会党の兒玉末男議員が質問をいたしましたものの中にこれに関するものがございます。ちょっと読んでみますので、お聞きいただきたいと思います。  「なお、五十四年度養護学校義務化実施に伴い、障害児が校区の普通学校に行きたくても、その意に反して養護学校に入学させられる問題が起きておりますが、文部省の言う父母の意思を尊重するとは、具体的にどのような対応をいうのか、お答えをいただきたいのであります。」こういう質問がございました。  それに対して総理のお答えは、「身体障害児を普通の学校に受け入れる問題でございますが、この問題につきましては、障害の程度、それから種類等に応じまして対処していくべきものと考えております。」こういうふうに御答弁なさったのでございますが、私はそれを伺っておりまして、質問者の趣旨にお答えになっていないというふうに考えたわけです。  と申しますのは、質問者ははっきりと、父母の意思を尊重するというのは具体的にどういうことですかと質問しているのですけれども、それが御答弁になかったわけでございまして、私は、文部大臣からそのことについてのお答えをいただきたい、そういうふうに思いますので、ひとつお願いいたします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 総理が申しましたのは、やはり障害の種類、程度に応じて、子供の幸せにはどうしたらいいかということを申し上げたと私は思うので、ことしから、おっしゃるように、養護学校が義務制になったわけです。ですから、程度の軽い子は普通の特別学級に入れて、普通の子供と一緒にやれるわけですよ。また、非常に重い子供については、これは訪問教師の制度もあるわけです。いずれにしても、就学指導委員会というのがありまして、その中にはお医者さんもおれば、心理学者もおれば、あるいは教育者もおるわけですから、みんなで相談して、障害の種類と程度をよく見て、そして、これはやはり養護学校へ入れた方が本人の幸せだなという判断をされた場合は、私は養護学校に入れていただきたいと思うので、それは本人の幸せのためなんです。ですから、その場合、やはり父兄の御意思もよく聞いて、そして、関係者の意見も聞きながらやらなければいかぬと思う。私は、できるだけ御納得いただいて、そして通学させるべきだと思うのですが、詳細は局長からやらせます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 大臣はそういうふうに御答弁くださるのですけれども、大臣がそのようにお考えになっていらっしゃることが、各都道府県教育委員会、教育指導委員会ですか、関係のところにすみずみまで行き渡っておれば、こういったトラブルは起こるはずないと私たちは思うのでございますけれども、実際問題といたしましては、就学指導に際して父母の意見というものは余り尊重されていない、そして、行政が行政のサイドからの尺度で判断されてしまって、はなはだしいところは半ば強制的にそれが行われる、そのために全国的に大変トラブルが起こっているわけでございます。  そのトラブルがどれぐらい起こっているかというような問題もあるわけですけれども、これは私は数の問題ではないと思いますが、数もばかにはできないと思いますね。私どもの手元には一千三十一件、これはことしの一月十九日の資料でございますが、これも先般二月七日の予算委員会のときに、川俣(健)議員からやはり同様に質問がなされておりますけれども、その時点では文部省御当局では調査はなさっていらっしゃらなかった。その後まだ一カ月にならないわけですから、どの程度にお運びになったか存じませんけれども、現時点あるいは最も近い時点でとらまえていらっしゃる、いわゆるそういう関係の就学に関するトラブルというのはどれぐらいあると把握していらっしゃいますでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ちょっとその前に恐縮ですけれども、大臣のおっしゃったことと現場の県の対応がどうもそのとおりでないという御指摘がございましたが、ちょっと理屈めいて恐縮ですけれども、いまの学校教育法のたてまえは、健常児と言われる普通の子供さんと障害のある子供について、それぞれ小中学校なり盲聾養護学校へ入るという基本的たてまえがあるわけでございますね。そして、その場合にそれでは親の意思との関係はどうなるかということでございますが、これまでいろいろありましたケースとして、非常に障害の程度が重くて、食事、排便等、身辺のことも自分でできないような子供さんでも、親は普通学校へ行きたい、そういう親の意思を尊重しないのは困るというような御意見があったりしますけれども、こういうものはちょっとやはり法律のたてまえからしても無理ではないか。ただ問題は、個々の障害について見ます場合に、学校教育法の施行令で言いますところの養護学校へ行くべき基準というのは、やはり人の体の問題ですから、かなりその基準が抽象的である。そこで、そのようなケースについてはどう判断するかということでございまして、その際は就学指導委員会の意見等を聞く際に、同時に親の希望なり考えというもの、あるいはこれまでこの子はどういうふうな成育歴であったというようなことを十分お聞きなさい、そういう意味で親の考えを十分聞きますとかという意味の大臣の御意向であろうと私は思いますので、決して、私どもが指導しておる現場とはそう違いはないのではないかと思うわけです。  そこで、実際にトラブルをどのくらい把握しておるかということになるわけですが、先般川俣先生の御質問がありまして、私どもは早急の間でありますから、各県に電話連絡をしたわけでございます。そうしますと、この問題はまず市町村の段階で障害者の親と話し合いをして、その結果、この子は養護学校に入れた方がいいというものは県へ上がってくる。そこで県の教育委員会が、あなたのお子さんはどこの養護学校へ入れなさい、こういう通知が行くわけですが、そこまで行ってしまって、はっきりして、いや、その通知をもらったけれども、うちの子供はそこの養護学校にやりたくないのだというようなトラブルは全国的に見ましてもわずか数件でございます。現在私の方に来ておりますのは、市町村の段階で、その個々の子供の親について、いや、これは養護学校へ行った方がよくないか、いや、私の子供は普通学校へ入れたいのだというようなことで、いわばまだ話し合いのついていないケース、これが相当あることは御指のとおりだと思いますが、ただ、その件数でどのくらいかというのは、末端の市町村と親との関係であり、話し合いは、言ってみれば毎日進行しているようなケースでございますから、具体的に何件ということはちょっとつかみにくいわけでございますけれども、すでに本来なれば就学通知が行っていなければならない現段階でまだそういう話し合いがついていないという意味において、各所に具体的ケースとしてそういう問題があるということは十分承知しております。しかし、これは私ども期日にとらわれず、といって入学期も、タイムリミットもありますけれども、十分話し合いをしてひとつやってくれというふうに指導しているわけです。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 それはそのとおりだと思うのですけれども、ただ、もう入学期は目の前に迫っているわけでして、それでまだそれが決まらないで、どっちにしようか、どうしようかこうしようかということで、親とそれから行政側とがどうもぴたっと一致していないというのは両方のために大変問題だと私は思うのです。ですから、これは調査は何件という数字をきちっと出さなければいけないというようなものではございませんけれども、そういうことがあるということがおわかりになったのなら、少しでも早く、そして少しでも広くそういうものをお調べになって、そういうことが起こらないために、あるいはそういうことがあったらばどのように解消するかについての御指導があってしかるべきだ、こういうふうに考えたから私は申し上げたわけなんです。  その点は、ではそれだけにいたしておきますが、このトラブルの問題はどういうふうに申し上げたらよろしいでしょうか。幾つかございますけれども、ここできょうも時間がございませんので、一つ一つ実例を申し上げる必要もないし申し上げることもないと思うのでございますが、たとえばいままでずっと普通学校に通っておって、数年も十年も、あるいはそれ以上も、子供によっては十何年も普通の小学校から中学校へ上がってというのもあるわけですね。そういう子供たちがそこでやはり続けて勉強したいと思っているのに、養護学校に転校させられてしまうという訴えもあるわけでございます。そういう悩みもあるし、それからこういう障害のある子供さんというのはどちらかといえば健常の子供たちよりももっともっと家庭の中におって家族の協力がなければならない子供たちだと思うのです。それですから、家庭から通うということはみんな前提にしているわけです。それを家庭から通うのではなくて、養護学校に行きなさいということになると、県に何カ所しかございませんから遠いところへ行かなければいけないし、しかもそれは入所が前提であるから入所しなければならない。言葉をかえれば、親元から離れて寄宿舎生活をしなければならないというようなことを強いられているという子供たちもあって、これにはとても賛成できないというのもございます。あるいはそういったようないろいろな事情が示された通知が来ますと、とてもその通知はいただきかねるからというのでその通知を返上する、こういうようなケースもあるわけです。いろいろな形のケースもあるのですが、私が一つ大変に問題だと考えておりますケースは、昨年の十一月に、滋賀県の止揚学園という障害児の子供たちを預かっている施設がございますが、ここの子供たちは十三年間地元の小学校と中学校にずっと健常児と一緒に勉強して、お互いに非常に有益にプラスになって、いい教育環境が生まれていたのですけれども、今度この子供たちが養護学校に入らなければならないというふうに言われてびっくりしまして、それでそれは教育委員会から言われたものですから、子供たち並びに親や学校の先生方が、そうじゃなくていままでどおりにということを盛んに陳情しても、いや、それはだめだ、文部省からそう言われているからだめなんだ、上から命令なんだ、こう言われて、それなら文部省の御意見を聞きましょう、確認しましょうということで上京してきたわけです。二十日間歩き通してきたのですね。歩いてきたのです。道々訴えながら来たのだと思いますが、そして文部省へ参りまして、初等中等局長でなくて、局次長でいらっしゃいますかにお目にかかって、そして訴えをしたのです。いろいろのことは抜きにしまして結論だけ申し上げますと、そのときの文部省側のお答えは、子供さんの問題はケース・バイ・ケースだから文部省が決めることにはならない、だからそれは全部教育委員会に任せてあるのだ、こういうふうにおっしゃったのですね。そうすると、教育委員会の方へ行きますと、いやそれは文部省からの命令だから自分たちではだめなんだ、こういうふうに言われている。一体自分たちはどっちを考えたらいいのだ、どっちが正しいのか、どっちの言うことを聞いたらいいのかということで、非常に悩んで困っていたわけです。しかし、この問題はとうとう最後まで結論が出ませんで、文部省側は教育委員会に任せてあるから教育委員会で話を進めてくださいとおっしゃる一方だったのですね。それでもう上京してきた人たちは非常に満足しないで帰ったのでございますけれども、私はその後この通達を拝見しまして、これは五十三年八月十八日、文部事務次官通達でございますが、これは(五)のイの(エ)ですか、大変細かく分かれているのですけれども、それを見ますと、市町村の教育委員会は、その通知、これは特殊学校へ行きなさいという通知ですね、その通知を受けた学齢児童または学齢生徒のうち、特別の事情があるため、引き続き小中学校に就学させることが適当である者については、都道府県の教育委員会に対してその氏名などを通知しなければならない。だから、特別の事情があって引き続き小中学校に就学させることが適当である者があった場合には、それでいいということになっているわけですね。こういう通達が出ているのですね。こういう通達が出ているにもかかわらず、先ほどの止揚学園の例などはそうでなくて、養護学校に行きなさい、こういうことになるものですから、問題が起こるわけだと思うのです。そこで私は最初に申し上げた、文部大臣のお考えになっていらっしゃるようなことはずっと下の下部機関まで通っていれば問題は起こらないのではないかというふうに私は申し上げたわけだったのです。この通達がちっとも生きていないのです。これはどういうふうに理解したらよろしゅうございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 この止揚学園の問題は確かに文部省にも話がございまして、私どももいろいろこれを考えたわけでございます。そして根本は県の教育委員会と止揚学園、そしていまの小中学校のあります能登川町との関係になるわけで、おっしゃるように現在普通の小中学校に入っておる障害児については教育長が適当と認める場合には引き続き在学しても差しつかえないという経過規定がございますから、それを踏まえながらよりこの教育をよくするためにどうしたらいいか。ただ、一方、この止揚学園におります子供さんというのは二十教名でかなり重度の障害者なんですね。そこで町立の能登川小中学校というものに行っておるわけですけれども、養護学校義務制を境に、本来ならばこの能登川町に養護学校はございませんから、そこからちょっと離れた八日市ですか、そこの養護学校へ行きなさいということになる。それはちょっと通学上困るというので、そこが発端になるわけですが、そこで県と市といろいろ相談しました結果、結局いまの能登川町のいまいる小中学校に県立養護学校の分教場をつくる。そこへ通うのであれば、実質、いままでと変わりがない。そしてその教育は専門家でありますところの養護学校の先生が担当できるということになるのだから、それでいいではないかというのが県、市の言い分で、能登川の関係者に申し上げてきた。しかし、止揚学園の方ではいままでの小中学校でいいんだと言われるわけですけれども、そこのところは私はもう少し話をしていただいた方がいいということで、私の方からは直接いま何ら連絡をいたしておりませんけれども、双方の話し合いの経緯をいま見ておる、こういう状態でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 わかりました。その問題をずっとやっておりますと時間がなくなりますので、その問題はそこまでお取り扱いになっていてくださるのでしたら、もう少し先まで様子を見てやっていただきたいと思うわけです。いまの学校にいたいというのは友達関係だと思うのです。分校であっても別の学校に行くことになりますので、友達関係がなくなってしまうという、そういう問題が非常に大きな問題だと思いますので、そのことも考慮に入れていただきたいというふうに思うわけでございます。  次にお尋ねいたしたいと思いますのは、先ほど大臣の御答弁の中に入っておりましたけれども、就学指導に当たっては専門医も一緒に相談をしているからということでございますので、それは通達にもございますし、そのとおり行われているはずだと思いますが、そのことは必ず行われているかどうかというチェックはなさっていらっしゃるのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 この就学指導委員会の設置というのは、いわば法律に根拠のあるようなものではございません。従来交付税でもってその設置を奨励してきたという、いわば相談役的な機関でございますから、しかしこの四月までに県及び市町村、一〇〇%設置できる見通しになっておりますので、私どもはそれが実質的に機能できるように今後も指導してまいりたい、こういうふうに思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 わかりました。  もう一つお伺いしたいと思いますのは、この通知書が親のところへ出ますね。その通知書なるものの持つ力なんですけれども、これは何か強制力とか拘束力とかそういったものがあるのでしょうか。あるとすれば、どんなものが根拠法令のようなものになっておりますでしょうか。大変強い力で言われるというので非常に問題になっているのですが、ございませんでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これはちょっと、法律で言うとぎすぎすしますけれども、制度の解説として申し上げますならば、いまの学校教育法では、子供が学齢に達したならばその親は子供を小中学校あるいは養護学校に就学させる義務を負うわけですね。具体的にその義務というのが具体化するのが、県の教育委員会からあなたのお子さんのこれこれはどこの養護学校へ行くことになりましたよというその通知によって、具体的に親の就学させる義務が発生する。そういう意味で義務になるわけですね。したがって、その義務を履行しない場合はどうかというようなことになりますと、これは制度上は、一応校長さんが出席しているかどうかというのを絶えず見て、そして欠席しているような場合には早く子供を出しなさいよという督促もし、それをやってなお就学させる義務を親が履行しない場合は学校教育法上は罰金というような規定になっているわけですが、決してそれを科する目的ではありませんけれども、全体的に、義務教育に就学させる義務というのは法令上そういう形で制度化されておる、こういうふうに理解していただいていいかと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 制度化されたことはわかります。そうしたら、それに関連してでございますが、障害児を就学させることを義務化した本来の目的は何だったのでございましょう。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは教育の制度として言えば憲法にまでもさかのぼるわけでございますが、日本国民としてその子供に、障害のいかんにかかわらずすべて義務としての教育を課する義務があるわけでございますから、普通教育を課する義務があるわけですから、その一環として、養護学校教育だけがまだ未整備だということで、今日まで延び延びになっておった。それを今回補って、すべての子供に義務としての教育を課する制度をいわば制度的に整備した、こういうことになるのだと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 いままで障害があるために行ってなかった子供がありますね。あるいは行くことを免除されていたという形で行かされていなかったというのがございますね。私は、そういう子供さんたちが全部行けるようになるということが一つの大きな目的だったんだろうと思うのでございます。そういうふうに考えるわけでございますけれども、それが、今度はそのことが実現する段になったらば、具体的なやり方として、先ほど来お話に出てまいりました普通学校に行ける、あるいは行きたい子供も、義務化ということを盾にとって養護学校に入らなければいけないというような形式的な分類に合わせようとしているというふうに感じられる点があるわけですね。この辺、大変に問題だと思うわけでございます。結局は子供の幸せということを両方が考えるのだと思うのですけれども、何が本当の子供の幸せかということがお互いに納得できないでいては、本当に子供の幸せにはならない。何か親が子供の幸せのことを考えることに対して、行政側がそれは親のエゴであるというふうに感じとっておられるような節が大変にございますのと、それから養護学校というものに対する親の理解が大変足りないじゃないかというふうに行政側がお考えになっていらっしゃるという向きもあるようでございます。あるいはそういうことがあるかもしれませんが、親のエゴであるというふうに考えるのはどうかと思うのです。理解の不足ということはあるかもしれないと思いますが、しかし、それだったならば、不足しないように、ちゃんと理解できるようにやはり指導するのも行政側の役割りではないかしらというふうに考えるわけでございますので、その辺が非常にいまの問題を起こすポイントになっているんじゃないかと思うのです。ですから、親御さんたちにちゃんと理解ができるようにすることのためにどんなことがなされていたのかしらと。この四月から強制入学になるんだということについて、体の悪い人はみんな養護学校に行っちゃうんだぞというふうに非常に単純に考えさせられてしまっている。その辺を、いままで時間があったのですから、この制度が決まるまでは数年間予備期間があったわけです。ですから、その間にどういう教育がなされてきたのかということが大変疑問なんですけれども、何かございましたら教えてください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 わが国で盲聾学校の教育というのは百年の歴史があるわけですけれども、いまの精薄とか肢体不自由とか、こういう子供につきましては、実は国が全国的に実態調査をしたという悉皆調査のその最初というのは、わずか十年前、昭和四十二年なんですね。それですから、やはりそういう障害を持つ子供の親御さんというのはむしろそれまでは表に出したがらない、こういうような傾向もありまして、教育の対象として非常にむずかしい課題を抱えておったわけですが、そういう空気が解けてまいりましたから、実はそういう義務制を施行して、この教育がそういう障害を持つ子供さんにとっては本当に大切で適当なんだということをPRするために、五十二年度におきましても、この親御さんを対象にして「就学する子のために 障害を持つ子供の教育について」という啓発的なパンフレットを数十万部つくりまして、県の教育委員会を通じて配布するというようなことをやっておりますし、五十四年度も引き続きそういうことをやりたいということを考えておるわけでございまして、おっしゃるように、親とか、それから来年はさらに普通の学校の先生、こういう人にもやはり障害児教育というものの意味とその重要性あるいはやり方というようなものもひとつPRしたいということで、いま計画をしておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 せっかく御計画なさったのにしては徹底してないですね。残念なことだと思います。これはもう少し積極的に、具体的にお進めいただかなければならないんじゃないでしょうか。  それからいま一つ、もう時間もございませんので一つだけにいたしますが、養護学校に行くことを判断するその判断の母体が、どうも県の教育委員会だとか、就学指導委員会とか、そういう行政のサイドに、何というんでしょうか、判断する母体があって、主体があって、先ほど来のお話しのように、親の人たちの意見というのは余り入り切っていないという問題が起こっているわけなんですけれども、その判断をお決めになるときに教育委員会の方たちが金科玉条のようにお用いになるのが、学校教育法施行令の二十二条の二に定める一つの別表の標準があるわけでございますね。基準というんですか標準というんですか、意味が違ってくると思いますが、これに従ってなさるわけですね。そして、これにこう書いてあるから、あなたの子供はここですよと、こういうふうにお決めになるわけですね。指導なさる行政側としては、こういうものがあることは大変にやりやすいと思いますけれども、この内容が、私、拝見してみたら、大変に何とでも解釈できるんですね。役所の書類、こういうものというのはどこからでも読めるようにできているし、どっちにでも読めるようにできているのが特徴かもしれませんけれども、こういう基準はそれじゃ困るんですね。それで、この基準があるからといって、この基準を盾にお決めになるものですから問題が起こると思うのです。ですから、この基準は大変に抽象的であるということで通達が出ている、説明がついているんですね。この説明を読んでみたら、私なんかここに当たりそうだなと思って読んでみていた、ああ、これになりそうだわ、私も養護学校へ行かなければならないのかしらと思うようなのが出ています。そういうふうな基準もあるわけなんですが、しかし、これだけでもまだわからない。そこで、私はこの基準の使い方が余りにもしゃくし定規であり過ぎるというふうに思うわけです。  で、もう時間がございませんので、一つ例がありますが、例を申し上げている時間がないのでございますけれども、この基準で決められたために、せっかく養護学校の分校に行こうと思っていたのが行けなくなったとか、それで遠くの養護学校へ寄宿舎に入って行かなければならないというふうに決められた子供がおりますが、それはやはりこれに従って決められたからだ、こう申します。  そこで、私は、この基準などというものは絶対的なものじゃないですよね。これは一つの目安に違いない。しかし、それは絶対的なものではないから、これをお使いになることはいいんですけれども、これを絶対のようにお使いにならないで、もっと総合的な判断をして、これは原則としてとでもおつけになって——役所は原則としてという言葉がお好きですよね。よくお使いになるでしょう。だから、そういうふうにこの基準も原則としてこれを使う。ですから、形式的になさらないで、総合的になさることが必要だと思いますが、この基準の使い方はそのように改めて指導していただくようにならぬでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 確かにおっしゃるとおり、その政令で書いている特にその精薄のところは、精神発育の遅滞の程度が中程度とか、おっしゃるように非常に抽象的です。私も抽象的だと思うのです。ただ、しかし、そうは言っても、こういう人の体の問題ですから、なかなか具体的にはできない。そこで、通達でもう少し詳しく書いて、実はそのほかにもたとえば私の方で専門家にお願いしまして、発達診断表というのをつくったわけです。これは普通の子供さんが零歳から五歳くらいまでの間に衣服の着脱とか食事のような身辺自立、あるいは手足の機能の運動、あるいは言語表現といった言葉の問題、対人関係、そういうものが健常児の場合はどのくらいずつ発達していくかという平均的プロフィールをとりまして、それに障害児を当てはめて、障害児の精神年齢はこのくらいだ、よって、これはやはり普通の学級は無理じゃないかという、いわば判断の参考資料になるようなものをつくってお配りをしているようなわけでございまして、そういうことを私はこれからもいろいろ専門家に研究してもらって判断の基準になる資料をつくりたいと思います。そういうふうにして、なお判断も、おっしゃるように画一的でなしに、そういう資料をもとにして医学的、心理的、教育的に総合的に判断しなさい、こう言っているわけですから、私はその精神は先生のおっしゃるのとそう違いないんじゃないかと思うわけであります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 時間がなくなりましたので、一言大臣にお答えをいただきたいと思いますのは、いろいろとございましたのをお聞きくださいましておわかりになったと思うのですけれども、一言申し上げておきたいことは、養護学校でなかったら障害児の教育はできないのだというような狭い形式的な考え方を、少なくとも教育関係者はお持ちになってはいけないというふうに私は強く思うのでございますが、その点の大臣のお考えをお聞かせいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 もちろん養護学校に行く児童の中で、これはあくまでも障害の種類と程度によって判断するわけでございます。軽い子は特殊学級に行っているし、重い場合には訪問教師までやっているのだから、全部が養護学校というわけじゃない。いま局長が申しましたように、あなたもおっしゃったように、抽象的とおっしゃるけれども、それを審査される方は、やはりお医者さんであり、あるいは心理学者である教育学者で、その人たちが現実に見てこの子は養護学校に行った方が本人の幸せだな、親御さんのお気持ちもよくわかるがその方が幸せだ、こういうふうに判定されると思って、私はそうしゃくし定規にやっているのではなくて、実情を十分に検査して、そしてこの子の幸せのために養護学校へ行った方がいい、こういうふうに判定されるのが就学指導委員会だと私は思うので、あなたの御期待にこたえるように、私もできるだけ子供の幸せになるように善処したいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 ありがとうございました。終わります。

川崎寛治日本社会党

○川崎主査代理 西中清君。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 私は最初に国民体育大会についてお伺いをいたしたいと思います。  国体が戦後日本に果たした役割りというものは、敗戦後の日本に希望ないしは躍進へのともしび、こういった役割りを果たしてきたというように、私は一定の評価をいたしておる立場でございます。しかし、その後の経済の発展とともに、御承知のように国体は非常にはでになりまして、各府県の優勝争いというようなところから数々のひずみが今日まで指摘をされてきたわけであります。もちろん関係者としては、大会の簡素化であるとか選手の出場資格の問題であるとか、いろいろな手直しをやってこられたこともまた事実だろうと思います。  しかし考えてみますと、昭和六十一年で国体は一応全国を一巡することになっております。そして六十二年から二巡目に入るわけでございますが、今日までこの長い歴史の中で、日本の置かれました社会情勢であるとか物の価値観であるとか、そして人間の価値観であるとか、こういったものががらりと変貌をしてきたことも、また否定できない事実だろうと私は思っております。国体の理念なり性格なりは法律で述べられておるわけでございますけれども、いずれにしても二巡目に入るという一つの区切りでございますから、一巡目六十一年までにやってきたこの国体の姿というもの、今後二巡目やるとするならば、果たして二巡目も従来のやり方をそのまま継続していっていいものかどうか、私は疑問を持っているわけですね。これは性格の上でも内容の上でも言えることではないか。したがって、国体を本質的に問い直すということをこの機会にやったらどうか。少なくとも開催県の内定は開催の四年前に決められるわけでございますから、余りせっかちにいろいろ議論を早く進めるということではなくて、六十二年からの二巡目については、ことしあたりから幅広い、単に体育関係者であるとか日体協の人たちだけであるとかいうことではなくても、もっともっと各界各層にわたってのいろいろな意見を吸収する、そういう立場で何らかの機関または検討していただくグループ、そういったものをおつくりになる、こういう具体的な考えはないか。同時に確認をしておきますが、二巡目も続けてやられるのかどうか、まずそれだけお聞かせいただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も、終戦後この国体が始まるときに文部省におりました。あの当時、確かに国民は敗戦というどん底にぶち込まれて、非常に悲惨な思いをした。しかし、この国民体育大会というものが国民の意気を盛り上がらせた点において非常に大きな功績のあったことを私も認めます。六十一年で一巡しますけれども、まだ沖繩が一つ残っているんですよ。ですから、沖繩をどうするかという問題が一つある。その後にこれが第二巡目に入るのですが、その二巡目に入る場合に各方面の意見をよく聞きたいと思うのですが、詳細は局長から……。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 将来の国民体育大会のあり方につきましては、現在財団法人の日本体育協会の中に国体委員会、それから国体将来問題検討懇談会が置かれまして、スポーツ関係者はもとよりでございますが、御指摘のとおり学識経験者を含めて検討が続けられておるところでございます。文部省といたしましても、すでに大臣も申しましたとおり、二巡目の希望する向きも参っているわけでございますので、国民体育大会の望ましいあり方について鋭意検討をしてまいりたいと思っております。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 要するに、選手権などと同じような優勝争いとか記録争いに終始することがいいのかどうか、この辺の疑問を持っているわけですね。中にはパン食い競争を入れたらどうだというような御意見もあるくらい、この問題はじっくり、もっと幅広く、日体協の中にあるのではなくて、日体協を飛び出した範囲でやっていただく、これが私の希望であります。  それから、いま沖繩のお話がございました。いずれにしましても、一応順序からまいりますと六十二年は中ブロックということでございますね。私は京都でございますけれども、一巡目のトップ、昭和二十一年に京都では第一回の大会を開きました。したがいまして、知事を初め関係者は非常な熱意を持って二巡目のトップにという意向が強いわけでございます。この点、大臣の十分な御考慮と御努力をお願いしたいと思っておりますが、同時に、去る二月十六日には近畿二府四県の体育協会長会議におきまして、近畿ブロックとしては京都でよろしい、これを大いに推進しよう、こういう決議をしたわけであります。ぜひともこの点もよくお考えいただきたいと思うのですね。大体、わが県というのが多いのですが、ブロックとして結構だというのは、ちょっとこれは異例じゃないかと思うのですが、大臣、ひとつこの辺のところをお考え願いたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 これは体協がやるわけで、文部省じゃございませんが、いま体育局長が申しましたように、第二巡目をどうするかということについて、いま各方面の意見を聞いて、体協の中でも慎重に検討しておりますから、その検討の結果を待って対処したいと思います。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 体協の一つの大きな近畿ブロックでもそういうことでございますから、十分の御配慮をいただきたいと思うし、いまちょっと答弁はいただいておりませんが、体協の中の審議会といいますか、そういうものはわかりますが、もう一歩広げてやる気持ちはないかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 国体は、主催者に国、開催県、それと最も自主的なスポーツでございますから財団法人の日本体育協会が主体で開催するということでございますので、開催地等につきましてもこの面の協議の上で決めていく形になりますが、いま御指摘の中にもございましたとおり、三十四回の経験を経て今日の国民体育祭の性格を持ったこの大会を二巡目をいかにしていくか。その際にもう一つ、わが国の民族が国際競技に参加して栄光を得るということは民族の生きるあかしの問題であり、民族の張りの問題として大きな国民の期待がございます。この辺の世界を目指したスポーツの責任もあるわけでございまして、それと広く国民スポーツの普及、振興という二つの性格を持っておりますので、この辺の両々相兼ねた国体のあり方につきましては大変議論のあるところでございますので、この懇談会の十分な審議を経てまいりたいと思っておるところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 その際に、これに関連しましていま中学生の対外競技出場についての諮問をなさっておるというように聞いておるわけでございます。いろいろと問題はあるようでございますけれども、時間もありませんからもう内容は飛ばしまして、何点かをお聞きをしておきたいと思います。  一つは、中学生の対学競技、これは社会体育の一環としての競技を今度は学校活動、教育活動の一環としての対校競技、こういう扱いをされるように聞いておりますが、そのねらい。  それから次は、五十四年度予算で七種目これを認めるんだというようなことが伝えられておりますが、将来どの程度にふやしていくつもりなのか、お伺いしたい。  第三点は、五十四年の国体に中学生は出場させることになるのか、ないしは将来と言うならばいつごろをお考えになっておるか、お伺いをしたいと思います。  それから第四点は、中学の総合体育大会はお考えかどうか。  それから、一部のエリート選手を養成するということで先ほどのお話に関連しますけれども、金メダルを取るというのは国威の高揚にはいいのだというような考えもわからぬことはないですが、逆に今度は若年層のしごきといいますか、無理な養成ということもあるわけでありますから、その辺の歯どめは一体どういうようにお考えなのか、お伺いをしておきたい。  それから、小学生は今回のこういう改正といいますか、諮問の中では何かお考えの項目があるか、お伺いをしておきたいと思います。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 中学生の対外競技につきましては、中学校長会あるいは直接には中体連でございますが、中体連の関係者からつとに学校教育の一環としてこれを適正に開催していくということの強い要望がございました。これを受けまして文部省としても、来年度それが実現するような方向でいま検討しております。  このねらいは、申すまでもございませんが、対外競技というのはある面で生徒が自己の能力を最大限に発揮できる貴重な場でございますので、その面の活発化と同時に適正化を図っていきたいという趣旨でございまして、学校教育から離した形でいろいろな面で、この面のことがかえって活発化の上からいろいろまた新しい問題が起こってきておりますので、その辺の適正化に資したい面もございます。  それから二番目の、来年はさしあたり七種目を行うということで中体連がスポーツ競技団体と意見が一致いたしました。将来これをどのくらいにしていくか、いま対外競技の形が社会体育スポーツで行われておりますが、二十ほどございますが、それらが必ずしもすべて全国選抜大会の対象になるとは言い切れませんが、逐次この面につきましては、学校教育の一環としてとり得るものを競技団体と中体連とで詰めた上で拡充が着実に図られるべきだというように考えておる次第でございます。  それから、中学生の国体への参加につきましては、これにつきましてはきわめて慎重な検討をしてまいりたいということで、五十四年度からその面が実現するということはいまのところ考えておりません。スポーツ関係の団体ではいろいろ御意見がございますが、いま申しました中学校の学校教育としてのむしろ選抜大会の方を進めるということのそれらの経験の上に立って、さらに将来の国体のあり方とも絡んで慎重な検討をすべき課題だというふうに考えております。  それから、中学校のこの大会をインターハイのような総合体育大会の形に持っていくかどうかにつきましては、いま種目別のことでのまとめをしておりますので、これと関連いたしておりますが、私どもは方向としては、全国の中学生が一堂に会してスポーツを通して人間のわざを競い合う、同時に人間の交わり、心の交わりを結ぶという意味でその面はまた大変意義あることだということは言われますが、これもまた中体連自体の自主性を待って検討してまいりたいと思っておるところでございます。  それから、これらと関連いたしまして、常に若年層の青少年の健全な心身の発達、その面から過度な障害が起こらないような歯どめの問題、このたびの選抜大会も学校教育の一環として行うということはこの面で学校が責任を持っていこうということでございます。その面の節度を決めておくということにもつながりますので、十分心得た指導をしていく必要があろうと私どもは感じております。  それから小学校につきましては、現在対外競技につきましては、学校内における運動競技会を原則とするということでございます。この原則に立ちたい。ただし、同一の市町村内あるいは隣接市町村で適正な範囲で現実に行われている実態が相当ございますので、その辺は地域の実態に即して関係者の合意が得られる場合はそういう場合もあり得るというような余地があっていいかどうかということで、保健体育審議会の御意見をいま承っているところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 若干お聞きしたい点もありますが、時間もありませんので一つだけ、いまの御答弁の中で聞いておきます。  中学生の国体への参加については、これから検討するということはわかりますが、やる方向で御検討なのか、その点はどうなんでしょう。やらないというふうにお決めになっておるのか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 中学生は、むしろ国体への参加については相当慎重な判断をしていきたい。国体はいまの形は都道府県対抗でございますが、全国選抜大会の形をとりたいということもございますので、いまの国体のままでの中学生の参加については慎重な扱いをしていきたいというのが意向です。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 次に、学校の老朽化、設備の低劣化、こういった問題はいろいろな面から取り上げられておるわけでございますけれども、これは公的な財産としても非常に貴重なものでございますし、今日新しい建設をするということになりますと非常に膨大な予算が必要になってくるわけでございます。それだけに、逆に申しますと建てたものは大事にというか、そういう面で私は若干の問題があると考えておるのは学校の消防施設の整備の問題であります。大ぜいの生徒児童がおります学校でございますから、この点については生命の安全を守るという点からやり過ぎるほどやったっていいんじゃないかというように私は考えておるわけであります。ところが現状は、地方自治体の財政が非常に逼迫しておるという関係からか、それともほかに原因があるのか、いずれにしても整備が非常におくれておるというのが実情であります。現にこういった問題については、大ぜいの人が焼死をしたというときは大騒ぎになるわけですが、いま建築基準法の改正にしたってなかなかいかないということもありますが、少なくとも公共の建物についてはやはり政府がある程度の責任を持ちながら整備を図っていただくということが非常に大事だろうと思うのです。とりわけ幼稚園、聾学校、盲学校、養護学校、こういったところにもまだまだ十分な消防施設が完備をしておらないという現状は非常に残念なことだと私は思っております。  そこでお伺いをしますが、消防法上いまだ設置をしておらない、早く言うと違反であるということになるのでしょうが、こういうものが全国で一体どのぐらいに上っておるのか、文部省で掌握をされておられましたならばその数字及びそれを設置させるための費用、これをお伺いいたしたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 小、中、高等学校等におきます消防設備等の全国的な整備状況につきましては、私どもとしては統計的には把握しておらないのでございます。消防庁でそういう調査をなされておると置いておりますが、しかし、これは西中委員御存じのことと存じますが、昭和三十六年でございましたか、そのときの消防法改正以後の施設についての調査であろうと思いまして、それ以前のものを分母にした調査ではないのではないかというふうに承っております。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 大臣、お聞きのとおりです。大事な児童生徒を預かっておる学校の実情が全くわからないというのはまことに残念であるし、怠慢ではなかろうかというふうに私は思うわけですね。私も文部省がないと言うから消防庁の方へ聞いてみたのです。その数字を一応申し上げますと、義務設置対象物、屋内消火栓設備三百三十、未設置な分が三百三十、スプリンクラー四、自動火災報知設備千八十、非常警報設備千二百六、避難器具二百六十一、誘導灯九百二十四、これが幼稚園、盲学校、聾学校、養護学校の分であります。  小、中、高等学校、高等専門学校、大学、専修、各種学校等につきましては、未設置の分が、屋内消火栓設備が九千六首十六、それから自動火災報知設備一万一千六百四十七、非常警報設備七千百六、避難器具五千六百十、誘導灯五百、こういう御報告をいただいております。これは公立、私立にわたっての数字でございまして、残念ながら公立の数字は出していただけませんでしたけれども、これは消防法上の問題であって、先ほどの御説明のように、三十六年以前は含まれておらないでこれだけの問題があるわけであります。  京都におきまして私どもの方が調査いたしました結果を申し上げますと、やはり膨大な数字が出ておりまして、小、中、高校、幼稚園だけを見ましても、非常警報設備が九十、自動火災報知設備十七、漏電火災警報器三十、避難設備四百二十三カ所、屋内消火栓七。これだけやるとすれば実際どの程度金がかかるのだと専門家に聞くと、ざっと数えて八億近いものがかかるだろうということでございます。これは三十六年以降の問題でございまして、京都には百年祭を迎えるような学校があちこちたくさんありまして、実態はもっともっと膨大な数字に上るわけであります。要するに公共の建物が消防法に違反をしてこういうように大変なおくれを来しておるというような実情でございますが、大臣はこの点についてどのようにお考えになるでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 公共建造物が消防法違反のようなことがあっては絶対いかぬと思うのです。文部省でも早急に調査してできるだけの努力をいたしたいと思います。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 厚生省では、保育所については過去この法改正に合わせまして今年の三月三十一日を限度としておりますいろんな設備につきまして毎年幾らかの予算がつけられておるわけでございまして、ほぼその目的を達しつつあるというように報告を聞いておるわけでございます。ですから、これに対して文部省が全然今日まで放置されたということは私は非常に問題が多かろうと思います。ですから、文部省だけでやるようにというそんな無理なことを私は申しておるわけじゃないのです。関係機関の協力をいただいて、もう早く調査をして、補正をやるかどうかわかりませんが、補正なりまた来年度の予算なり、いずれにしても財政上の助成をしなければ、地方公共団体にやれなんと言ったって非常に無理な話なんですね。  ここに文部省の管理局長さんが各都道府県の知事さんにいろいろと防災の上の協力依頼を通達しておられますけれども、この中に、防火組織とか、防火規程の整備とか、避難体制の確立とか、子供もしっかり教育せいとかいうようなことが書かれております。そして、同時に早急に防火施設を整備しろ、こういうふうに書いてある。口は出しても金は出さぬという今日までの姿勢なんですね。先ほどもちょっと答弁いただきましたけれども、大臣、これは断固今年度中に調査をしてそれ相応の予算措置を講ずる、もう一度明快な御答弁をいただきたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 文部省といたしましては、ただいま西中委員引用してくださいましたように、毎年春、秋の全国火災予防運動の際をとらえまして、その都度いろいろな意味の指導を行ってきておるわけでございますが、先刻来御指摘の消防法に定める設備等の設置につきましては、本来学校設置者の責任で設置するたてまえでございますが、公立学校につきましてはそれらの設備等のうち、建物の付帯工事といたしまして設置されますところの屋内消火栓設備、自動火災報知設備、非常警報設備、誘導灯等につきましては、建物の新築または改築を行います際にこれを当該建物の工事費に含めまして、単価の中に取り込みまして国庫補助の対象としているわけでございます。  それから、問題とされております古い建物につきましては、これはさきに申し上げましたように、そういった建物の維持管理、保守、修繕等につきましては、これは設置者の方でやっていただくというたてまえになっておりまして、それのための財源措置といたしましては、先生御承知かと存じますが、地方交付税におきまして投資的経費と経常経費のそれぞれの中に修繕費あるいはこういった設備の保守点検費といったような形で算入をしていただいておるというわけでございまして、幼稚園等につきましてまだ不十分な点がございますれば私どもは関係当局に要望を続けてまいりたい。  それから、先ほどの調査につきましても、消防庁と相談いたしまして、これはいろいろむずかしい面があろうと思います。建物の設置の年次もいろいろございますので、どういうぐあいの調査をしたらいいか研究させていただきたいと存じます。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 そういうことをおっしゃると、あるんだなんとおっしゃるけれども、ではこれを見ましょうか。施設設備、保守点検料、十万のモデル都市で二十万ですよね。この機械を考えたら、とてもじゃないけれども、これはあくまでも点検料ですよ。いまついているものをずっと定期的に調べていくだけでも相当な金がかかるわけですからね。ですから、これが出ているなどということになるとこれまた議論はありますけれども、もう時間がございません。ですから、そういう姿勢では地方自治体としては財政負担にたえられない、これだけ申しておきたいと思います。  最後に、もう時間が参りましたので、私学振興助成についてお伺いをしておきます。  私学への公費助成を拡充していくことは、親の教育費負担における公私の格差を是正するという点では非常に大事であるし、国民の教育を受ける権利から考えても、実質的なものとして保障していく点からもこれは非常に重視しなければならぬ問題だと思います。そこで、もう時間がありませんので、三点だけ申し上げます。  私学振興助成法に基づく公費助成においては国の負担範囲が明確に法定化されていない。これを、当面何とか大学については経常費の二分の一、小、中、高については四分の一の国庫負担、そして残り四分の一は都道府県、こういうような形にならないものか、法定化できないものか、これが一点。第二点は、私立学校と国公立学校との教育費負担上の格差分を何とか国で補てんして、できればそれは全額公費負担、こういう方向で平等な立場で教育を受けることができないのか。第三点は、私学における教育費の会計を厳密にして、いろいろの問題が起こっているわけですから、公開を義務づける措置をとることは必要なことではないかと私は思っておりますけれども、その点はどうお考えか。以上三点でございます。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 議員立法によりまして、必ずしも全党の一致ではなかったようでございますが、成立いたしました私学振興助成法の目的を実現するために、年々、ただいま西中委員御指摘の経常費に対する国の負担の割合を伸ばしてきておる次第でございます。その経費の対象につきましては法律には定めてございませんが、これは政令の方で規定いたしまして、予算措置と並行して政令の方も改正を加えていくということになっておりまして、そこで明記をしておるわけでございます。  それから第二点の公私の格差ということは、負担の上でかなりの格差がありますことは事実でございますが、これも私どもは現在までのところ、私立学校振興助成法の各規定に従いまして、私学に対する助成の充実に努め、それによりまして負担の軽減に資するように努めてまいりたいと思っておる次第でございます。  それから教育費の会計の経理の適正化の問題でございますが、これは、私学振興助成法の規定に基づきまして、国なり地方公共団体なりから公費の助成を経常費について受けます場合には公認会計士の監査を義務づけております。もちろん学校法人でございますから、当該学校法人自身の機能として監事という役員がおりましたりあるいは評議員会というような制度がございまして、一つの自己規律として会計経理を適正に処理し、学校法人の公共性を高めるという機能をみずから果たしていくという仕組みでございまして、学校法人は一つの学校の運営の責任を持つ主体でございますので、その当該学校の経理をどの程度関係者に理解を求めるために公開と申しますか、披露すると申しますか、これにつきましては、私どもとしては当該学校法人の判断にゆだねたいというふうに考えておる次第でございます。

西中清公明党・国民会議

○西中分科員 終わります。

川崎寛治日本社会党

○川崎主査代理 田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 大臣、御存じかどうかわかりませんが、ママさんバレーというのをお聞きになったことがあると思います。これはレクバレーと言ったり家庭婦人バレーと言ったり、いろいろ言っておりますけれども、一応きょうはママさんバレーという言葉で質問したいと思います。  これは二月十六日の新聞ですけれども「太目も解消、みんなイキイキ」「お友達はたーくさん“漬け物”の話だって」というような形でこんなに大きく報道されています。いままでにあちこちでこれは非常にふえているわけですね。それで、じゃどれぐらいママさんバレーをしている人がいるのだろうか。文部省にお聞きしましても十分つかめないというお言葉です。しかし都道府県の大会があります。これの予選に参加したチームが五千百四十四チーム。人数にしますと大体十万三千人というわけです。予選に行かなかった人もおりますし、それから名古屋市のように、五百近いチームがあってもルールが違うのでこの大会には出ていないという都市もあるわけです。  そういうふうにして大きく推定してみますと、全国で大体数十万人はママさんバレーをしているのではないかと推定できると思うのですね。これがいまバレーだけでなくて、テニスとかバドミントン、バスケット、ソフトボールも非常にふえていますね。比率を見ますと、大体半分がママさんバレーなのですね。そうしますと、大ざっぱに見て百万を超す婦人が、ママさんがスポーツをやっている。いわゆる主婦のスポーツ熱というのは急激に増加している。百万を超す。これも施設さえあればもっともっとふえていくということですから、これに対して文部省がもう少し対応するという姿勢を出していただきたいと思うわけです。  それで、実態を少しお話ししたいと思います。  私、名古屋市の場合をずっと聞いたり見たりしてきたわけですけれども、大体名古屋市には四百三十七チームある。これはふえる一方なんですね。やる場所はといいますと、社会教育センターと言って、文部省では公民館と言っていらっしゃるわけですけれども、これと、小学校の体育館と青年の家と民間の会社にある施設、こういうのでやっているわけなのです。  このチームは大きく分けまして大体二つ。一つはPTAに属しているお母さんたち、これはPチームと言っているわけですけれども、このPチームの方たちは小学校の体育館が借りられるわけですね。これも不十分ですし、子供が使わないときですので非常に不自由していらっしゃるのですけれども、一応そこへ行くわけです。しかしもう一つのチームは同好会というのでつくっているチーム。この方が数が多いのですね。これは二百七十ある。この人たちはどこへ行くかというと、いまの社教センターと青年の家に行くわけです。いま名古屋市に社教センター、青年の家というのは九つあるわけなのです。ここへこういう人たちが殺到するわけですけれども、こういう市のつくったところというのは、成人式だとか講座だとか休館日だとかこういうのがありますから、大体月に二十日くらいしかそういう施設は使えない。それもバレーだけでなくて、卓球、バドミントン、バスケットも使うわけですから、二十日間が全部バレーのためにあるわけじゃない。分け合って使っていくわけです。お互いに非常に日が少なくなるわけですね。それで、とても順番などということではできませんので、抽せんをしているわけです。ママさんバレーの方たちはせめて週に一回やりたい。私これは週に一遍ではとても足らないと思うのですけれども、せめて週に一回やれるようにしてほしいというのが心からの希望なのですね。この抽せんがどういうふうになるかといいますと、場所を確保するのに二カ月前の毎月の一日に抽せんが朝十時からあるわけです。そうすると、ここの会場にはバレーだけでも大体五十チームの人が来るわけです。あとほかの卓球、バドミントン、こう来るわけですね。代表が一人来て五十人ですから、二人来れば百人というので、ものすごい人の数、そこで抽せんをやるわけです。大会があるとかそういうときには特に練習したいというので、そういうときはもうものすごい競争になるわけです。外れた人たちはそこでわっと泣き出してしまう。それから今度は知恵を働かして、当選したチームに電話が殺到するのですね。相手に自分のチームを選んでくれ、こういうわけです。そうすると当選しなくても行けるということです。そういうことをしててんやわんやの騒ぎになっている。ここを一度大臣に見てほしいと思うのですね。これは殺気立ったものです。ママさんバレーというと若いお母さんだと思っている方が多いのですけれども、名古屋市の場合では平均三十七歳ですから四十近い人が中心なんですね。それで新聞の写真に出ている方、小島なを江さんというのですが、五十九歳です。この人は一番年が上だから会長をやっているのじゃないのです、連絡協議会の会長なんですけれども。年は六十代の御婦人もいらっしゃるということで、相当幅広い層の婦人が参加しているのです。それで、いまのところママさんバレーのチームの側からしても、市や県の担当官にしても、場所の確保が一番の悩みになっている。この数字を見ただけでおわかりだと思うのですね。それで体育館の建設はまさに急務だと思うのです。保育所が必要だと同じように体育館というのは非常に急務だ、こういう状態になっている。特に大都市が人口の割りに非常に少ないわけですね。ですから、ここは新しく決意を持って体育館建設に文部省が取り組んでいただきたいと思うわけです。  それで、お伺いしますけれども、五十三年度にミニ体育館というのを二十三カ所おつくりになるという計画を出されたわけですが、いまのところで申請は幾つありますか。簡潔にお願いします。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 十五カ所でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 これだけ物すごく殺到しているほど体育館が欲しいのに、せっかく文部省が二十三カ所つくるように補助金をつけますよと言っても、なぜ申請がないのかということは、やはり文部省の計画にずさんさがある。非常に評判が悪い。あちこち聞いてみたわけです。どうしておたく申請しないのかと言うと、非常に評判が悪いのです。それはどういう評判かというと、まず単価が低い、補助率が低い、土地代は別だ——土地代は、これは論争は別にしますが、五百平米では小さい、こんな小さいものをつくっても焼け石に水だというので、もっと大きなものをという考え方があるわけですね。私が聞いてきたのはこういう不評判なわけですね。ですから私は、これをもっと評判がよく——今年度二十三カ所というそうですけれども、全国から殺到して、ぜひ自分のところにというふうにならなければ、本当に民意が反映されたというふうに思わないのです。これだけ現場では体育館を欲しがっているわけですからね。そういう意味で、どうしてこんなに低い補助率に文部省はしていらっしゃるのか、なぜこんな低いもので計画をなさったのか、それをちょっとお聞きしたいと思うのです。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 体育館の整備につきましては、総合体育館あるいは国民体育館、大小の規模、地域の実態に応じた建設に対応するという補助政策をとっておりましたが、いま御指摘のとおり、ママさんバレー等の方々の身近にできる施設が欲しい、そのことは大変ゆえあることだということで、文部省では、あえて今年度から身近な体育館として二十三カ所を計画いたしました。これは初年度でございます。いろいろ評判悪いというお話でございますが、市町村関係では大きいものをつくりたい、隣が大きいのをつくったらもっと大きいのをというその動きだけがございますので、それでは本当の国民の要望にこたえるものにならぬのではないかということで、あえて身近な体育館をつくりました。その面で、いま初年度でございますから、なかなかに最初の年から計画どおりいかなかったということがあろうと思いますが、体育館の全体的な整備の中でこの身近な体育館の要望は逐次高まってくるというふうに感じております。  ただ、御指摘のとおり、全体的に単価の問題等での御指摘がございます。来年度五十四年度予算では思い切って四五%の単価アップが、財政当局も御理解いただきまして実現をいたしましたので、この面から、身近なところでスポーツに励むという施設の整備を推進したいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 四五%アップしたというのをいかにも御自慢そうにおっしゃいますけれども、公共総合体育館だって単価というのは九万四千六十円じゃないですか。それなのになぜミニ体育館だけ六万五千円にしていたのか。それを総合体育館と合わせただけじゃないですか。ミニ体育館をもともと低く予算を組んでおいて、これは評判が悪いから——あなたは評判が悪いということをお認めにならないで、PRがまだないから来てないのだとこう言いますけれども、たった二十三しかつくらないのに十五しか申請がない。それも大都市なんて一件ですよ。三鷹だけでしょう。あとは地方都市じゃないですか。さっき言ったような、抽せんのときはむんむんして物すごい興奮状態渦巻くようなところが、なぜ体育館をつくろうとしないのかということは、こんなに低い補助率の建物というのはよそにないからですよ。この補助金が日本最低だからなんですよ。ですから、ほとんどその市が持ち出しをしなければならない。  私、大津市と三鷹に聞いてみたのです。そうしましたら、大津市では、単価が十万九千円なのに単価を六万五千円に計算しているわけです。それの三分の一でしょう。ですから、実際にはもう五分の一しか補助金が出ない。これはまだ地方都市です。三鷹のような大都市では——これは土地代、全部別ですからね。これでは単価が十五万三千円ぐらいかかっているのですね。これを六万幾らにしかしていない。それを四五%アップで九万四千六十円に、総合体育館に合わせた。それは四五%低かったということなんですよ。それを合わせた。合わせたからといったって単価は十五万ですね。九万円になったとしても、その九万円の三分の一しか補助が出ないわけでしょう。結局五分の一ぐらいしか出ないのですね。これではほとんどもう持ち出しだということで、いま地方財政の困難な中で、手が出るほどつくりたいけれども、実際には補助金が少ないから建たないということです。それで、結局補助金がだめならば、名古屋市のような、こんなにミニ体育館は公民館よりも低い、それならそんなものは建てないで公民館を建てよう。名古屋市の場合は社教センターを建てよう。そうしますと、これはほかの要望もあるわけですね。いろいろ勉強する教室、そういうものも欲しい。そういう要求を一緒に合わせて、それにちょうどミニ体育館程度の五百平米か六百平米の体育館をくっつけて一緒につくって補助金をもらっているのです。ですから、ミニ体育館なんか全然目もくれないわけですね、こんな補助金の安いものでは。今度やっとそれとそろえたというだけではだめだと思うのです。ですから、このむんむんした状態を解決するためには、せめてミニ体育館だけは補助金をほかのものよりも多くするから皆さん早急にこれをお建てなさい、こう言えば、これはPRしなくたって口コミででも、ミニ体育館、補助金が多いそうだぞということになれば、申請が殺到すると思うのですね。それはその地方都市の好みがありますし、いろいろありますけれども、三十三や二十三ぐらいはあっという間にはける。それがはけないというのは、PRが足らないのではなくて補助金が安いからです。早急にこの補助金を上げてほしい。単価を上げることと補助金を上げてほしい。事実上半分くらいの補助ができるような形に早急に、せめてミニ体育館からやってほしいというのが大臣にお願いしたいことです。何もかも一遍にやれやれと言っても無理ですから、早急にこのミニ体育館、来年度からほかのところよりも補助金を大きくしてほしいのです。そうすればPRもできるし……。それをちょっと検討していただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 ことしはお話のように公民館を大幅にふやしたのですよ。いま御指摘のようにミニ体育館が補助金が少なかったことは大変遺憾に思いますが、ママさんバレーは私も見たことがあるし、大変結構なことですから、今後よく検討さしていただきます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 それで、大臣、私も学校の先生だったのですけれども、文部省のこういうものを建てる熱意というものが、私は、大臣初め皆さん、ちょっと足らないんじゃないかというふうに思いますのは、保育所などが二分の一補助があるということは、これは福祉施設だから、こういうふうに言われるかもしれませんけれども、必要性においては、農村婦人の家にしても保育所にしても、いろいろなものを建てるとき——各省で建てますね、その中でなぜ文部省だけが最低の補助率で大蔵省に要求するのか、熱意が足らないじゃないか。     〔川崎主査代理退席、谷川主査代理着席〕  農村婦人の家というのは、補助率二分の一ですね。それに単価だって、それは体育館と違いますけれども、十三万七千円ぐらいになっていますし、それで、内部の設備に百六十二万とか設計料に五%とか、いろいろなものをつけて要求しているのですね。これは厚生省だけでなくて、農林省だってやっているのです。それなのになぜ文部省のつくられるのはこんなに少ないのか、それは学校だけしかお考えになっていないのか、そういうふうに思ってしまうのですね。  文部省にいじわるばかり言っても、いじわるばあさんみたいに言っても、過去のことは仕方がありませんけれども、いま社会教育的にこのママさんバレーというのは大変な——これは私が、いろいろお聞きしたり、書いたものを読んだりしてちょっとまとめてみたのですけれども、名古屋のママさんバレーの、名古屋ではレク・バレーと言っているのですけれども、ここの連絡会長小島なを江さんという方と、それから、コーチをしていらっしゃる、これもバレーをやっている中でコーチになられた方で久野千代さんという方と、それからPTAのチームのキャプテンをやっている村瀬道代さんという方、こういうそれぞれの立場の人の御意見を聞いてみると、大体同じような意見なんですね。  これは、体を動かし、汗を流し、人間と人間の連帯が深まって人間性が回復される、それが非常に大きいと言っているわけですね。それから、社会的訓練になるので非常に主婦の視野が広がる。それから、核家族になっていますので、家族が少なくなる、夫が出、子供が出てしまった後一人になるというような孤独の主婦というのが減ってくるわけですね。先ほどありますように、お友達がたくさんできる、孤独の主婦が減る。それから、つけものの話だとかおみそのつくり方だとか、また、性教育、性の話をしたり、育児の話をしたり、いろいろな話をすることによって、これも人間回復や、またいろいろ知恵を得るとか視野が広がるということにつながると思うのですけれども、かつては家庭の中にお年寄りがいて、こういう人たちがいろいろな知恵を授けてくれた、こういうものが、ここで役割りが果たされているのですね。  それから、いま都市は家が狭くなってきていますから、それで、家具だとか、オール電化されて家の中に置くものも多くなっている。そういう意味で、体を動かすチャンスが少なくなってきているということでこれは一般の主婦が好むのだろうと思うのですけれども、それ以上に、先ほど述べたようなことというのが非常に大きな魅力になっているわけです。母親が生き生きしていますと、子供の教育にとっても非常にいいわけです。  大平さんは、家庭基盤を充実する、こういうふうに口ではおっしゃるわけだけれども、具体的に何にもない。やはり家庭基盤を充実して人間性を回復するということは——非常に多くの主婦が参加しているということは、新しい現象だというふうに思うのですね。これに対して文部省が早々と目をつけて、何とかこれに対する努力をしていただきたいというふうに思うわけです。  それで、ぜひ私としてお願いしたいのは、先ほど言いました、単価を検討すると大臣はおっしゃいましたので、せめてミニ体育館から、農村婦人の家並みの補助金をつけて、そしてそういうものを大都市の中にもできるように、大都市一件しか希望がないというような、そういうものでないものをつくっていただきたいというふうに思います。  その次になるわけですけれども、先ほど学校を使っているというのがありましたけれども、これも各学校開放というのが少し進んでいると思うのです。しかし、これも進まない隘路になっているのは何かというと、やはりお金なんですね。そのままどうぞ勝手にお使いくださいというわけにはいかないわけですから、フェンスをつくったり、照明をつけたり、クラブハウスをつくったり、こういうことをしなければ学校開放はできないわけですね。  これをちょっと聞いてみますと、名古屋市ではクラブハウスをつくるのに国力らの補助金は九十万円ぐらいしか出ていないですね。ちょこっとしたクラブハウスの、シャワーがちょっとついていたりロッカーがあったりしたもの、それが一千万かかっているのですからね。ですから、もう十分の一しか補助金がついていない。これもさっきの体育館と同じように、なぜ文部省はこんなにけちな一せめてほかの省に合わせるなり、緊急なものはほかのものより補助金を上げていくというような、そんなに永遠に続くものじゃないのですから、こういうものも補助率と単価を早急に上げていただきたい、それで学校開放が順調にいくようにしていただきたいというふうに思います。ちょっと大臣の御見解を……。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御指摘の点、一々ごもっともです。大変いいお話をいただいて、私も感謝しているのですけれども、実は文部省ではともかく一番困っているのは、何といっても小中、高等学校、これが多くて、過密地帯における学校の改築、これも老朽校舎がたくさんあるのですよ。どうしても学校が重点になっちゃって、いま申しましたように、これからはおっしゃるように社会教育、体育の時代だからそういうものにいま遅まきながらも一生懸命やっておりますが、御指摘の点、まことにごもっともですから、今後改善していきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 これはもう文部省が出されたので御存じだと思うのですけれども、保健体育審議会答申というもの、これを見ますと、保体審では七百二十平米の公共の体育館は十万人に五カ所というふうにある程度基準を出されているのですね。この基準を参考にして愛知県が試案を出しているのです。名古屋市ではどれぐらい要るかというのを見ますと、九十一カ所公共の体育館が要るという試案が出ているのです。現在ありますのは、先ほどはママさんバレーで使えるところだけを言って、九カ所と言ったのですけれども、県の体育館とか市の体育館がありますので、十一カ所しかないですね。ということは、保体審にしても愛知県の試案にしても約十分の一しかないというのは、大都市はもっとひどいんじゃないか。東京、大阪ありますけれども、大都市はほとんどこんなところじゃないかと思うのです。十分の一しかない。ですから、全国でいけばそれはもうちょっとになりますけれども、そういう意味で、大都市のこのおくれをどう解決していくかということで、大臣もこれをお認めになっていらっしゃるし、今後社会教育の中でのスポーツには力を入れていかれると言われるので、早急にやっていただくということでいいと思うのですけれども、いますぐ間に合わないわけですね。すぐやったからといって、すぐまた来年幾つ幾つといった、殺気立ったようなこの状態には焼け石に水なんですね。それを、計画的に体育館建設を進めていくと同時に、私は、民間のいまある施設を使わしてもらうということを文部大臣のお力でお願いしてもらえないか。これは権利でありませんので、民間ですから、あくまでもお願いをするわけですね。この保体審にも、民間の施設を使わしてもらうことが非常に好ましいんだというふうに書かれているのですね。ですから、これは焼け石に水だから、少しでも緩和するために、あいているところをほんのちょっと使わせてくださいということです。名古屋市では、いま市はもちろん一切タッチはしていませんし、県もタッチはしていないのですね。それで、ママさんバレーの方たちが、ブラザーミシンだとか住友金属だとかというところに、いま二カ所のようですけれども、ここの昼間あいている、労働者が働いている、そこを交渉しまして、そしてちょっと使わしてもらっているわけです。そうしますと、ちょっとは抽選のときでも潤うわけですね。それから練習時間がちょっとできる。これはあちこちにあるわけなのですね。これを文部省の力で何とかお願い、指導という傲慢なことは言いません。お願いをするような指導を教育委員会にしていただけないかと思うのです。いやなところはいやで結構です。しかし気がつかないでいる企業の方もあると思うのですね。ですから、私のところは絶対貸しませんというところまて無理にとは言いません。しかし、善意はある、あるのだけれども気がつかないでいるという企業もあるわけですから、そこら辺のところを何とかやっていただけないか。主婦たちは飛び回るのですね、そういう企業を。これはちょっと苦労話を聞いてきた話なのですけれども、東海銀行のある支店の施設を頼みに行ったそうです。そうしたら、あなたのところに貸したらよそが殺到するから、社教センターの状態を見ておればそんなになるのじゃないかという不安を持つのでしょうね、だから貸さないと言ったそうなのです。そうしたら、女は強いですから、その銀行の貯金から口座から全部引き揚げてしまった。これはいい悪いの問題じゃなくて、やはり人間関係がスムーズに、みんなが仲よくしていい社会をつくっていきたいと思うには逆行した行き方ですね。どちらが悪いという意味ではありません。そういうことも起こっているわけですね。それで中部電力に今度はお願いに行った。そうしたら、中部電力の家族にしか貸さない、こう言うのですね。そうすると、主婦は本当に私は粘り強いと思うのですけれども、今度は中部電力の従業員の家族に話しかけて、それでその家族にママさんバレーのチームをつくってもらって、そのチームの相手をさせてくれということになると、その施設がちょっと使える。そんなほんのちょっとのすき間にでも入り込んで会場を貸してもらうという、考えてみたら笑い話と言う人もあるかもしれないけれども、涙ぐましいような努力をしてやっているのですね。ですからこういうことを主婦の知恵だけに任せておかないで、地方の教育委員会に文部省の方から通達なり何なりを出して、そしてそこの仲介の労をとるというか、いやな企業にまで無理に言わなくていいですから、仲介の労をとって、そこのルールを混乱しないような形で貸してくれないか、そしてもし貸してくれるというところがあれば、私は感謝状一枚でもいいから、文部省からそういう貸してくれた企業に出すというくらいの、まさに大平さんが口で言っていらっしゃることを文部大臣が——大平さんは予算書を見ていると口だけではないかと思うようなあれですが、だけれども、やはりそれを本当のものにするには、すぐお金というのは要らないわけですから、そういうことを文部大臣、やっていただけないか。それは非常に主婦から歓迎もされるし、社会というものが、人間関係はよくなるし、企業としても、いま企業は社会的責任をとらないというような激化した状態があるわけですから、地域の婦人にそういうものを貸している、文部大臣からちょっとお礼の感謝状が来たというようなことは非常に私はいいことだと思うのです。お金もできないですぐできることです。そしてこのママさんバレーの人たちやほかのスポーツをやっている人たちに多少とも潤うと思うのですね。ぜひそれをお願いしたいと思うのですけれども、大臣の御決意を聞かせていただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 後から局長から答弁させますが、私は原則として、公共施設、やはり学校を開放することが一つ。それから公民館、これも結構使えると思いますから、公民館等あるいは社会教育施設、文部省所管の施設を最大限に利用することが、これがやはり一番早道だと思うんで、おっしゃるように民間会社にお願いすることも一つと思うのですけれども、しかしこれはなかなか私はむずかしいのではないかと思いますが、局長からちょっと……。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 民間のスポーツ施設で三種類ございます。職場のスポーツ施設、それから財団法人等によります非営利のスポーツ施設、それから民間の商業スポーツ施設。現在のところ約二〇%ほどこの種の施設があるわけでございます。積極的にこの施設を開放されておるところも出てきておるわけでございますが、何分先生御指摘されましたとおり、民間の私有財産の利用の問題でございますから、これはなかなかに私どもの一方的な要請ということはむずかしい問題でございますが、職場のスポーツ施設の運営の問題、また職場スポーツの振興の問題がございまして、この辺につきましてはいま関係者とお話をしておりまして、職場スポーツの協議会を持っていきたいということを文部省としていま検討しておるところでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 その職場スポーツをというふうに言いますと、それに対してママさんバレーなんか参加できるということですか。いま大臣は公共を使うのが早いと言われますけれども、いま言っているように、名古屋市の場合にしても大都市にしてもそれが満杯になっているから、それが整うまでほんのちょっとでも貸してくれないかというお願いをしてくれ、こう言っているのです。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 その辺の問題につきまして、職場自体、事業自体の積極的な善意でのお取り組みがいただけるということが望ましいわけでございますが、市なり行政の方がかかわりますと、そこに利用関係の設定におけるいろいろの問題が起こってくる可能性もあるわけでございます。したがいまして、この辺の問題につきましてはまた税制上の問題とかいろいろあろうかと思いますので、この面につきましては職場スポーツの振興とまた地域住民のスポーツ振興とのかかわりの問題でございますので、その面の協議会等で自主的な御検討をいただくということで検討したいと思っております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 そういうむずかしいことを言わないで、何も税金だとか、やれ、何だとか言わないで、善意で貸しているところがあるのですから、その善意を引き出すように検討していただきたいし、そういうお願いをしてほしいと言っているわけです。ぜひ、大臣、もう一度回答をいただきまして終わりにしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 なかなかむずかしい問題ですけれども、できるだけ御趣旨に沿うよう努力してみます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 では、お願いします。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で田中君の質疑は終わりました。  次に、武田一夫君。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 大臣にまずお尋ねします。月並みな常識的な質問ですが、現代のわれわれ一般庶民がいろいろ不安を持っています。この生活の中で心配がある。大体、現代の不安が五つある、こう言われているのですが、大臣、この五つというものがどういうものかということは一応御存じだと思いますが、大臣はどう思いますか。いまの一般庶民が生活を送っていく上において不安が五つあると言われているのですな。大臣、何だと思いますか。これ、常識的な問題だと思いますが、ちょっと、そういうのは聞いたことがありませんか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 ちょっと聞きとりにくかったのですが、もう少し具体的におっしゃっていただきたいのです。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 いまわれわれがあちこちでいろいろな新聞、ラジオあるいはまた生活している方々にお聞きしますと、生活、人生を送っていく上においていろいろと心配、不安があるけれども、特にこの五つ、この不安を解決すれば住みいい世の中になるんだと言っている五つがあるのだそうですよ。聞いたことございませんか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 不安があるなら、どういう点なのかおっしゃっていただくと、その不安を解消するように私も及ばずながら一生懸命努力いたします。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 一般的にどこへ行っても、住宅の問題とかそれから医療の問題とか、これはいつも問題になっていますが、それから災害、それから教育の問題、そして年金の問題、これがどこへ行っても一般常識的に大変心配な生活の中の大きな問題だ、こういうわけなのですが、その中に教育が一つの大きな比重を占めている。そういう意味で私は、大臣もいろいろと御苦労なさっていると思いますが、この五つの中の一つを分担する大臣としては相当がんばっていただかなくてはいけない、こういう意味で知っていただきたいと思うわけです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにごもっともだと思います。いまおっしゃった生活上の五つ、住と医と災害、教育、年金、これはいずれも大変大事な問題で、やはり国民が一番心配しているものです。  そのうちでも、特に教育は自分の子供と孫ですから、これしか自分の生きがいはないわけですから、自分はやがてあの世へ行くかもしれぬけれども、子供と孫がしゃんとしなければ死に切れないと思うんですよ。そういう意味で私は、教育は最大の課題だ、私も教育一筋で四十年参りましたから、及ばずながら一生懸命努力したいと思っております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 まことに心強い決意を聞きまして、安心しました。  私も七年ほど教員をやりまして、特に私は私学ばかり教員をやってきました。いろいろと苦労してきた一人でございますが、現在の教育の実態を見ますと、一つは、公立、国立、私立を含めまして、全体の教育費が家計の中に占める割合が非常に高くなった。言う人は、高負担なんというものではない、超高負担の時代である、こういうように言っております。  現実に調べてみますと、何か総理府なんかで所得の階層によって五段階にやっているもので、いわゆる低所得者である第一、第二段階の方々などに占める教育費の割合というのは、もう三〇%かあるいは五〇%と言われております。最近特に大学あるいは高等学校あるいは幼稚園というものが、そうした家計の中に占める負担が大きいものですから、これは毎年のように経常費の二分の一云々という話、県の補助金ももっと増額せよという話がありますが、これはやはり日本の中に占める私学の位置というものは非常に大きいわけです。大体学校にしたって八割くらいでしょう。大学の場合は生徒数にしても九割ぐらいという。高等学校だって三割や四割というのがその比重を占めているだけに、いつも質問しますと何%上がったからというような答えしか返ってこないのですが、そういうような行き方ではなくて、家計の中における教育費の負担というものはもう限界に来ておると私は思うのです。特に低所得者は、いま言いました二百万、三百万台ぐらいの方々が子供さんを大学に送る、あるいは高校に送るにも相当苦労しているということを考えたときに、こうしたいわゆる私学への助成というものをもう少しピッチを上げなくてはいけないのではないか。しかも最近は恒例となっておりまして、文部省が調査して御存じだと思いますが、大学などの場合はことしもまた値上げする、しかもこれは物価にスライドしてアップする、こういうような傾向。こうなりますと、もうわれわれ貧乏人は学校にやれないのか、子供たちもそういうふうに思ったら、これはいわゆる教育の機会均等などというものがここでもう挫折するのではないかという心配があるのですが、この点について大臣は今後、いままでのようなやり方ではなくて、最初のころは五〇%か四〇%ぐらいの補助率を出しましたね、いま大体二〇%台でしょう。これはやはり改めて、いわゆる私学と公立との格差是正のためにひとつ勇断をふるってもらいたいと私は思うのですが、どうでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私学の父兄負担の軽減ということはまことに私も同感なんでございまして、実は私が参議院の文教委員長のときに、この私学振興助成法を非常に無理して通したわけです。これは経常費の二分の一を目標にやっているわけなんです。私も三十八年に文部次官をやめましたときに、大妻コタカさんにどうしてもやれと頼まれて、私は大妻で十年私学の学長をして、私学のむずかしさはよくわかっているのです。ですから、大要では私は寄付金は一切取ってはいかぬと言って、寄付金は取らせませんでした。ですから、経常費をやはり国の補助金を期待しているわけですから、ことしも大変苦しかったけれども、大学の場合でも、高等学校以下でも相当思い切ってやったつもりですけれども、まだ先生から見れば御不満があろうかと思いますけれども、これといま一つは、育英資金の増額をして、なるべく父兄の負担を軽減したい、こういう趣旨でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 きょうも朝日ジャーナルでキャンペーンを張っているのですが、「低所得層をしめ出す“狭き門”」、ここでその問題をまた一つの大きな問題として、特に日本人の意識としまして、中流家庭だというようなそういう意識を持っている人がふえてきたけれども、その中流家庭の中にこの狭き門というのが入ってくるということは、日本のいわゆる生活構成といいますか、その中で大学へ入るむずかしさというのが相当大きな社会問題となっていく、こう考えますと、そうした家庭の中における負担の解消というものはどうしてもしなければならない。  それからもう一つは、余りにも公立や国立の方に力を入れ過ぎてないかという、半面そうしたやっかみも出てくるわけです。現実に私の——私は宮城県ですが、調べたところによりますと、補助金もいただいていろいろ努力して、ことしなどは高等学校を一つ取り上げても、授業料を上げないといって努力している学校がほとんどです。これは父兄なんかも非常に喜んでいるのですが、しかしながら、それではどのくらい国から金をいただいているかというと、やはり公立学校と比較した場合相当の開きがある。宮城県の場合は公立高校一人当たりが約三万六千円、ところが私立の場合は一万だ、こういうような一つの問題。学校をずっと調べてみると、やはり全体の、高等学校の場合であれば七割というのは生徒からの寄付金とか授業料でやっている。大学においても六〇%近くがそういう方向で、三〇%がせいぜいだ。こうなりますと、やはり物価が上がって人件費も大変、私などが学校へ行ってみますと、若い人を採用することも大変困難なために、いわゆる定年退職なさった方を入れてしまうということで老齢化している。高等学校なんかとればひどいものです。こうなりますと、私立というのは御承知のとおり、大臣も経験のあるとおり、正直言いましていろいろと元気のいいのが集まってくるところです。私も出たのは県立ですから公立ですが、比べてみますと、ずいぶん元気のいいのが集まってきて、先生の苦労というのは私立の方は相当ひどいなと私は思っております。そういうふうに考えますと、先生方の給料とかあるいは設備とかというのをもっと充実しなければならないとなれば、どうしても父兄負担というのは大きくなるということを考えるときに、ずっと七六年、七七年、七八年と、大体私大の経常費の場合は、二八%が二四、二三と、七五年が五七、七四年が四七、七三年が四四と比べると相当それは金額が多くなったかもしれないけれども、パーセントから言うとずいぶん少なくなっていますね。だからせめて、これは三〇%ぐらいまでになっているわけですから、ひとつ大臣の決意として、こうした是正を早急にしながら、やはり憲法の精神である教育の機会均等というのを守って、特に一生懸命勉強をして成長したいと願う子弟が低所得層の中に非常に多いという事実を私も知っております。だからそういうことで、奨学資金の問題もありましょうが、やはりその点の一層の努力を私は期待するわけですが、大臣としての考えをもう一度聞かせていただきたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私学助成について今後とも一生懸命やって御期待にこたえたいと思います。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 二番目にちょっとお尋ねしますが、養護学校の義務化、これはいろいろと話題を呼びまして、いよいよ四月からスタートするわけですが、関係者に聞きますが、今度この義務化に従って学校に入学する予定の子供さんは全国でどのくらいいるものですか。まず最初にその数を……。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 今度養護学校教育が義務化しますと、この四月、学齢に達して新しく養護学校に入学する子供と、従来義務制になっておりませんから一般の小中学校に入っておって養護学校へいわば転校する子供と両方あるわけですけれども、いまの各県からの報告等を集計いたしますと、約二万四千名と推定しております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 その子供さんたちを受け入れる体制、設備、施設等あるいは先生、そういうものは十分対応できるだけのものは用意されていますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 四十八年に五十四年度を期して義務制を実施しますよということで、それから各県に年次計画を立てて施設の整備をお願いしてきたわけです。その当時二百六十校ほどでありました養護学校が、ことしの四月には六百四十校ほどになる予定でございます。そしていま申しましたように、ことし新たに子供の数もふえますが、それに対応する教員増を三千七百名ほど予定いたしております。これで全く十分だというふうに私は考えておりませんけれども、われわれとしてはできるだけの努力をしてここまで来たわけでありますから、これをもってその義務制をスタートさせたい、かように思っておるわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 いろいろと努力しておるようです。五年間の準備期間もありましたからね。  私はいまから二、三質問いたしますが、それについて簡単にひとつお答え願いたいと思う。  私、いろいろ現場を歩きまして、そういう子供さんたちの生活状況を見てきて感じた点です。不備の点はかなりあるというのも認めていますので、今後の課題として、こういう点はひとつぜひ早急に改善してほしいと考えていたものを二、三申し上げます。  一つは、子供さん方が通ってくる通学の範囲が非常に広い。高等学校以上の広範囲にわたるところも出ているわけです。山間僻地あるいは農村を抱えているような東北、私の宮城県などもその例ですが、そういう施設は往々にして仙台とかという都市に偏っている傾向がある。そちらが設備もいいわけです。そうすると、親として子供をそういうところにやりたい、これは当然の願いです。それで仙台市などではスクールバスを出しまして運んでくるわけですね。しかしながら、それのできないお母さん方あるいはお父さん方は、あるいは車で連れてくるなり、ひどいのはバスで来て汽車に乗りかえてハイヤーで来るというケースがあるわけです。そういう旅費等はいただいているんだと言いますけれども、もっとバスをふやすような方向で便宜を与えてやった方がいい。御承知のとおりああいう子供さん方というのは同じ体重でも普通の子供より体が重いわけです。ですから、そうした二度、三度という中でお母さん方が大変苦労している例を私は見ていますけれども、こういう交通の便を図りながら希望するところに入れてあげたいという願いを考えて検討の中に入れていただきたい、これが一つでございます。  もう一つは、この子供さんを見ていますと単独症というのは余りないですね。大体合併症、要するに言語障害、虚弱体質あるいは精薄、肢体不自由、大体合併症の子供さんが多い。そういう子供さんでいままで来れなかった人が入ってくるわけですから、親も非常に期待している。ところが、たとえばある施設などをとりますと、肢体不自由の車いすの子供さんを入れたいのだが、それが入れるような施設がつくられてないわけです。私は五年の準備があればそのくらいの配慮をしてやってもよかったのではないか、五年間の準備というのがどうも疑わしくなってくるわけです。こういうことを考えますと、総合養護学校というシステム、あらゆる方が入れるような設備、施設等を県内に、たとえば中心に一カ所とかあるいは仙北、仙南とか、宮城県で言えばそういう農村地帯に一カ所とか、合併症の子供さんたちが多いということを考えるとそういう設備の配慮も必要でなかったか、この点も今後の一つの課題として検討していただきたい。  それからもう一つ、今度は週二回出かけていく訪問指導というのがあるわけです。一人の先生が五人を持つそうですね。これまた大変だというのですね。しかも自家用車じゃだめだということですね。だからバスあるいは汽車とかで行くということです。間違っているかどうか、私が聞いた範囲では自家用車でやると事故を起こしたときどうするのか、あるいはガソリンをどうするのかという問題があるので、どうも公共の機関の乗り物を使ってくれということらしいのです。ある地方では、そのために町で車を買いましてこれでやろうというところもあるのだそうでありますが、教えに行く先生方の苦労が大変である。これは重障とかあるいはいろいろよく検討した中で、五人一律でなく三人であるいは四人でというような幅のある指導体制が必要じゃないか。またそういう方々の交通機関の配慮も欲しい。  そしてもう一つは、このバスとも関係があるわけですが、要するにバスで運んでくるときの一つの欠陥としては、あちこち回ってくるものだから、学校へ来ると遅くなってしまって、午前中回るともうお昼だというようなケースになりかねない。しかも先生が一緒に乗る。帰りも送る。大変だ。介助員というのですか、そういう人をせめて一人くらいは——何か八十四人に一人くらい仙台市ではつけているようですが、見てみますと大方は学生さん方のボランティアに頼るという傾向が強いわけです。これではいけないと思うのですよ。この機会にそういう介助員の問題も適切な数でやっていただいたらどうか、こう思うのですが、その点について簡単に今後の方向性を示していただきたいと思う。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃること、われわれとしてもぜひそうしたいという点がたくさんあるわけでございます。  スクールバスにいたしましても、現在四百八十台ほどになっておりますが、来年さらに九十一台だったと思いますが、予算補助をする準備をいたしておりますが、おっしゃるようにさらにこの充実を図ってまいりたい。  それから二番目の重複障害者の施設の問題でございますけれども、先ほど申しましたように現在義務制移行に際しても、総学校数が六百四十といたしまして一県平均で十一、二校でございます。それでいま申し上げましたような通学の問題等もありまして、私は規模は小さくてもできるだけ通学の便を図るように、学校の配置をさらに整備していってもらいたいと考えておりますので、おっしゃる点は将来の課題としては一つの問題だろうと思いますが、さしあたってはそれぞれの障害別の学校の整備を図りたい、こういうふうに思うわけでございます。  それから訪問指導につきましては、一人の先生が五人担当というのは、現在の標準法のたてまえで、重度重複障害の学級編制の基準を障害児五人というふうにしております関係でございまして、これは今後の研究の課題と考えていただきたいと思います。  介助員につきましては、本年度の予算でたしか六百五十名の国庫補助を計上いたしましたが、これは将来に向かってさらに充実を図るべく努力をしてまいりたい、以上でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 今後の試金石のことし、そしてここ二、三年は相当力を入れていただきたい、最初が何でも肝心ですので、その点よろしくお願いします。  三番目に、これは大臣も非常に関心を持っていると思うのですが、子供さん方の自殺が多い。特に中高が非常に多い。文部省の発表でも昨年の調べで三百三十五人ですか。この三百三十五人のうちで男が多いのは非常に不思議な現象でして、中高合わせますと二百二十六人。男って弱くなったんだなと私も思うのですが、女が百九人。しかも、報告の中ではなかったのですが、聞くところによると自殺をした子供よりも未遂者がその十倍以上もあるという報告もなされているわけですから、四千名くらいの子供がそういう経験をしたりそういうことをしているわけですね。  それで、大臣も総理府の懇話会の様子を聞いたと思うのですが、私は確認の意味で、きょう総理府の方も来ておいでになっていると思うので、この間二十六日の初会合でいろいろと学者の皆さんとか児童心理学者の皆さん方が意見発表、交換をされたということを聞いていますので、その具体的な内容と、具体的な話の中で今後自殺防止のためにはこうした問題を早急に具体化しなければならないというように思う点がございましたら、ひとつ簡単で結構ですから話をしていただきたいと思います。

菊池貞二青少年対策本部参事官

○菊池説明員 先生御承知のとおりに、二月二十六日、月曜日でございますが、総理府におきまして青少年の自殺問題に関する懇話会の第一回の会合を開きました。  その内容を簡単に御説明申し上げますが、まず、自殺問題に関していつも御研究なさっていらっしゃる三人の先生からお話をいただきまして、それをもとにいたしまして自由討議をしたわけでございますが、最近の子供の自殺者を昔、十年あるいは二十年前くらいと比較すると、質的に変化をしてきているというお話がまず最初ございました。これは具体的にはどんなことかということでございますが、それは、かつての子供の自殺者といいますと、家庭的にある意味では、たとえば片親であるとか、経済的に恵まれていないとか、そういった家庭が多かったわけですが、最近の子供の自殺者の家庭は非常に平均的な家庭が多くなってきている。それが非常に昔と比べると特徴であるというお話をされておりまして、また自殺する子供のタイプといいますのも、非常に生まじめで内向的であって、周りの人に対する思いやりのある人が非常に多いのだ。そういった人はぜひ長生きをしていただきたいというような子供が多い。それから、幼い子供の自殺の場合は非常に唐突で思い切った手段をとる。それからまた、その動機は大人には非常にわかりにくいといった意見がございました。  また、ほかの先生からも、子供を取り巻く環境が自殺に走りやすいと考えられるような要因が昔に比べるとふえている。また、精神面の発達と体の発達とのバランスがとれていないというようなことも最近の特徴として挙げられる。ある調査によりますと、命は自分のものだから、自殺をするのは自由だというふうにお考えの子供も二〇%くらいですが、ある。こういった子供というのは、自殺とか親子心中でありますとか、そういった死に対して非常に共感を持つ者が多いのだという結果が出ておるというお話を聞いております。  それから、臨床を担当されている先生からのお話ですと、青少年の自殺の原因や動機というのは、社会的因子だとか生物学的な因子であるとか心理的因子とか、こういったものが非常に複雑に絡んでいるので、周囲の人々がそれぞれの立場で、それぞれの協力をするということが必要である、そういう発言等もございました。  また、いま各方面で行っている相談機関というのがございますが、そういったところで自殺の危険のある子供を治療できる専門家がおいおい育ってきている。そういった意味では、危険のある子供を早期に専門家のところに連れていくことにより、相当の効果を上げることができるというお話もございました。また一方、そういったところに子供が来る場合にはいいのですが、相談に来ない子供を早期に発見するということが非常に大きな問題になるし、またそれが非常に困難なものではなかろうかというような発言等がございました。  以上が中身でございますが、そういった第一回目の会合をまだ始めたばかりでございまして、ただいま申し上げたような内容でございますので、私どもといたしましては、勝部先生という方が座長になられましたが、そういった先生を中心にして今後とも十分の検討、協議をお願いいたしまして、できるだけ早くそのまとめというものをいただきたい、かように考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 ありがとうございました。  それで大臣、総理府では総務長官の諮問機関として懇話会を設けておるのですが、その多くの管轄というのは、文部省の中にある子供さんがあるわけですよ。ですから、何か大臣は、せっかく総理府の方でそういうのをつくっていただいたのだから、そっちの方の様子を見ながら対処するというような話をされたそうですが、私はもう少し前向きに、というのは、現場の校長さんやあるいは監督している先生方からの意見書というものが、その状況報告とともに必ず出てくると思うのです。それをよく丹念に、こういう一つのデータを出すときには、数だけでなくて、所感といいますか所見というものが添付されると思うのですね。これを通して考えたとき、現場の先生方というのは一番敏感に感じるはずだし、もしそうでないとすれば、これまた教育それ自体が問題なんですからね。そうじゃない、先生というのは親を除いては生徒と接触する時間が一番多いわけですから、そう考えましたら、文部省としましてはもう少し、これは総理府だけにおんぶするのじゃなくて、そういう経験豊かな、高等学校でいえば指導科というのがありまして、私などいた学校では、指導科の先生というのはもう一番権威があるわけですわ、私立学校の中では正直言いまして。その先生が生きておる限りは、もう子供は悪いこともできないし、死ぬこともできないというような、正直言うとそういう厳しいしつけをしておるわけです。  それで、子供たちの非行、そうした問題についてもよく相談に乗り、厳しくやることをやっているというケース、カウンセリングなんかも充実しているということがありますので、文部省としても、学校にはそうした具体的なものを通して一層の防止対策をアドバイスしていく、また、逐次そういうような学校同士の報告があったものを通して、何か通達は局長通達を出しているというのですが、これは今回だけでなく前にも出しておるわけですね、そうでしょう。出していてもなおかつこうなんですから、その通達の中身も通り一遍の通達であったのではないかという反省もしているのじゃないかと思うのですね。  そういう点で、もっと具体的に総理府の方の専門家の方々との連携を密にしていくような体制をつくっていくべきじゃないかと私、提案するのですが、どうでしょうか、大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにごもっともでございます。ただ、総理府で総合的にいませっかく懇談会もできましたから、その懇談会の経過を一つは見たいと思いますが、私は、中学生、高校生の自殺の多いのを見て、学校にも原因があると思って、特にこの間アメリカの報告を見たら、アメリカの学校は非常に楽しいというのですよ。日本の学校はおもしろくないといって書いてあったのを見たが、私、非常に印象的だった。やはり学校が楽しくなければいかぬ。そして家庭もよくなければいかぬけれども、学校が楽しくて、子供たちが学校へ行くのがうちにいるよりも楽しいんだ、そしてお友達同士仲よくできる。先生と生徒が、これは私どもも昔は先生を本当に尊敬していましたけれども、いまはどうもそういう点が少ないのじゃないかという気がして、先生と生徒の接触、本当に生徒のことを思って生徒の指導をしてくださる先生、それからお友達同士でお互いにさびしさがなくなる、楽しくする。私は楽しいような教育が大事だと思って、教育課程の改正を行いました。少しむずかし過ぎるのですよ。私自身、小学校の六年の教科書は見てもわからないですよ。これじゃ子供がかわいそうですよ。もっと基礎的、基本的なものを精選して、それだけはしっかり覚えるというふうに今度いたしましたから、内容も精選して、そして先ほどおっしゃった体育、スポーツもやり、楽しい学校生活ができますように私も一生懸命やりたいと思うし、また関係の教育者から私も直接意見を聞いて善処したいと思っています。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 以上で終わります。  どうもありがとうございました。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で武田君の質疑は終わりました。  次に矢山有作君。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 まず最初に、この間の二十一日の予算委員会で取り上げました学事出版株式会社発行の子ども会新書「たのしい子ども会のゲーム集」について、その後調査をされて、何らかの措置をとられましたかどうか。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 お答え申し上げます。  先般の予算委員会で先生から御指摘のあった問題につきましては、早速調査をいたしました。この書籍は株式会社学事出版が昭和四十四年に初版を刊行したものでございまして、執筆者は目黒区教育委員会社会教育主事前田裕由、執筆当時は……(矢山委員「それはもうわかっているから」と呼ぶ)そういうことで一応関係者から事情聴取した結果は次のとおりでございます。  一つは、学事出版社は昨年の十二月二十日に大阪府の読者から指摘を受け、問題の重大さを認識し、即刻同書を絶版とし、在庫は廃棄することといたしました。当時までの出版部数は、第七版までで総数一万二千九百部ございます。  それから、学事出版社は引き続いて都道府県知事、市町村長及び都道府県並びに市町村の教育委員会の教育長あてに、謝罪と問題図書の回収を依頼することといたしております。これは来週早々印制が完了の予定でございますので、早急に発送をするという予定にいたしております。  それから、雑誌に広告を掲載して謝罪と問題図書の回収を図ることといたしております。これも原稿がいまできたところでございます。  それから同時に、こういう問題が起きたことを深く反省いたしまして、社員の同和問題の認識を高めるために社内研修を実施することといたしております。  それから、先ほどちょっと名前を申し上げかけたところであれいたしましたけれども、三名の執筆者の方は深くこの問題について反省をされまして、単に自分たちが反省するだけでなくて、子供会の指導などに当たっていらっしゃる関係の方何人かと御一緒に、二月の六日に第一回の研修会を自分たちでお開きになりました。そしてさらに同和問題の認識を深めるために今後も研修を行うという御予定のように承っております。  それから、執筆者の関係では、東京都及び目黒区教育委員会あるいは千葉県の教育委員会は、関係機関への指導の徹底、研修事業の強化などを通じて同和教育の一層の促進を図るということで、いろいろと対策を協議をなさって、それぞれのところに御連絡をなさっておるというのが現在までの調査の結果でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 同和対策事業特別措置法が制定されまして十年になるわけですが、今日もうお聞き及びのように、部落地名総鑑等に見られる差別文書が続発する、あるいは悪質化してくる、それからまた、政府高官の中でも差別事件をたびたび起こす。また今回の学事出版社の子ども会新書の問題。さらにこれもよく御承知でしょうが、小学校から大学に至る教育現場で悪質な差別事件というものがたくさん起こっているわけです。まさに最近の差別事件を数え挙げると枚挙にいとまのないような状態ですが、その原因というのは、やはり部落問題に対する認識と理解を十分徹底させるような、そういう同和教育というものが欠けておるんじゃないかと私は思うのです。  部落問題の解決のために、差別される側の少数者である同和地区住民への施策が重要だということはもちろんであります。したがって、それらが積極的に、また強力に行われなければならぬわけですが、他方、もっと重要だと言ったら比較するようなことになってぐあいが悪いのですが、もう一つ重要なことは、差別する側に立っておる多数者の方に根深い差別意識があるわけです。だから同和地区の住民に対する差別的な偏見を根絶するということが非常に必要なんじゃないか。  そうすると、そのための学校教育なり社会教育というものを徹底してやらなければならぬ。これは明確に答申でも言っておりますね。ところが文部省の同和教育施策を見ておりますと、大体同和地区住民を対象にする施策が私は中心になっておるように思うのです。これでは差別というのはよくならない。差別する側の多数者に対する学校教育、社会教育を通じての同和教育というものが徹底されなければならぬと思う。その点は文部省はどうお考えになっておるかということなんです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおりです。文部省も従来、部落の方々の育英奨学の問題とかあるいは集会所の設置とか、それは積極的にやってまいりましたが、御指摘のとおり、これは一般国民の意識の問題だと思うので、それをなくさなければいかぬと思うのです。そういう意味で、基本的人権を尊重するという線で文部省も指導要領を改定したわけでございますから、そういう差別意識のない人間にしなければいけない。  私は、きょう午前中に長野県ですばらしい古文書が発見せられておるという話を聞いて大変感謝したのですが、何か学習院大学にあったのだそうですね。とてもすばらしい古文書が発見せられた。広く国民にもっと積極的にそういう指導をしていかなければいけない、お説のとおりだと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 この間もそういうふうなことをおっしゃったのです。基本的な人権教育をやるのだ、こうおっしゃったのですが、どうも私は、一般的なそういう基本的人権教育をやるということだけでは問題が解決しないのじゃないか。その点があるから答申にもこんなことを言っているでしょう。「憲法と教育基本法の精神にのっとり基本的人権尊重の教育が全国的に正しく行なわれるべきであり、その具体的展開の過程においては地域の実情に即し、特別の配慮に基づいた教育が推進される必要がある。しかも、それは、同和地区に限定された特別の教育ではなく、全国民の正しい認識と理解を求めるという普遍的教育の場において、考慮しなければならない。」こういうことを言っているわけですね。  さらに四十七年の三月に、同対協の会長の堀木鎌三さんが時の高見三郎文部大臣あてに「同和教育に関する当面の指導指針並びに同和教育行政に対する要望事項について」というのを出しておられるのですが、この中でこう言っているんですよ。「部落差別は身分的差別であり、しかもそれは、心理的差別と実態的差別がかかわりあって根深く存在しているのである。同和教育は、このような差別の二つの側面をとらえて行なう必要がある。」次が大事なんですね。「心理的差別に焦点づけて行なう教育は、広く国民一般を対象とし、日本国憲法で保障された基本的人権を阻害するような不合理な差別を払拭し、すべての国民が自由で平等に生活することのできる民主的な社会を築くために行なう教育であり、」云々、こう言っているわけです。さらにそれを受けて「同和地区のない地域においても、学校教育ならびに社会教育を通じて、積極的に啓発するよう努めなければならない。」と言って、広く一般国民を対象とした部落問題に対する認識と理解を深める同和教育の重要性ということを指摘しているわけでしょう。  だから、一般的な基本的人権を尊重する教育をやるということだけでは、私は問題が解決しないと思う。具体的に部落差別が現存をしておるという事実をとらえて、しかもそれが広範な国民の意識の中に根深くあるわけですから、それをどうしたらなくすることができるのかという、学校教育、社会教育の中で積極的にこれを取り上げていかなければいけない。そこで、私はもう少し具体的な考え方が聞きたいのです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、落書きとか、先ほどの文書もそうですけれども、そういう具体的事実を発見したら、これは厳重に注意して、そういうことが二度と起きないように指導してまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 事件が起こったときに、それを指摘して、これを改めるということだけじゃだめなんですよ、そういうことだけでは。私が言っておるのは、基本的人権を尊重するという一般教育もさることながら、その基本的な人権を尊重する教育が行われて、民主的な国家だと言われておる日本の中で、なお根深い悪質な差別があるのだから、それをなくするためには、その心理的差別をなくしていくということ、そのためには具体的にどういう社会教育なり学校教育が必要なのかということを言っておるわけです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 社会教育の面でまた社会局長からお話があると思いますが、学校教育の面でその点をどう扱うか、先般の総括質問の際にも先生からおしかりを受けたわけですけれども、私の考えは、確かに基本的人権の尊重といっても、小中学校の段階で、発達段階からいっても具体的にはなかなか取っつきにくい。  そこで、具体的な指導要領でどの程度までこれを扱うかということですけれども、たとえはいまの道徳の教科において、偏見を持たずにだれに対しても公平な態度で接する、こういう精神を養うのだ、あるいは温かい人間愛の精神という面も深めるのだ、これは私は小中学校の段階でそういう教育がやはり必要だと思うので、それを受けて具体的に、それでは学校の先生はどういう教育をするか、どういう教材を使うかということになるわけで、それは各学校あるいは教育委員会の判断に任せる。現実に各地域におきましては、いろいろな副読本等を使ってそういう教育を深めておるわけでございますから、私は、いま先生がおっしゃるような心理的差別というものは、そういう基本的な態度を子供の発達段階に応じて子供の中へ植えつけていくことが大事なのではないか、こういうふうに思っております。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 社会教育の立場でお答え申し上げます。  法のもとの平等の原則に基づいて、国民の間に人権尊重の精神を啓蒙することがきわめて重要であることは改めて申し上げるまでもないことでございまして、文部省では、社会教育の面では同和対策事業特別措置法にのっとり、同和地域におきますところのいろいろな教育活動あるいは同和対策集会所の整備あるいはその活動の充実等に配慮をいたしておるわけでございます。  なお、同和問題解決のための啓蒙活動の重要さについても先生御指摘のとおりでございますが、これにつきましては、総合的な見地から進めるのが一番適当ではないかという考えから、現在政府としては総理府を中心として推進をしておるところでございまして、一般国民に対しても、各府県の協力をいただきながら講演会、資料配布、テレビ、新聞等を通してのいろいろな啓蒙啓発のための行動等をしておるところでございまして、私ども、先生の御指摘の趣旨を踏まえて、なお今後総理府とも十分御相談しながら、同和問題についての啓蒙啓発活動をより一層促進充実してまいりたいと思っております。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 中学校の社会科の教科書の中には、部落問題についての記述が簡単にありますね。その記述に基づいて具体的に一体どういう教育をしておるのだろうか。あなたがいまおっしゃったように、各学校にそれぞれ任して、その判断でやらせておるのだ、一口に言えばそういう意味のことをおっしゃったと思うのですが、私はそれが一つ問題だと思うのです。  なぜ私はこれを恐れるかというと、中学校の社会科の教科書にあると、部落問題を十分認識し理解するような各学校の段階における同和教育というものが徹底されないでおりますと、部落差別があるのだというなまはんかな知識だけを持っておる。そこへ、現実の社会には非常に根深い部落差別が存在しておる。それどころじゃない、その部落差別をあおり上げるような悪質なキャンペーンまで行われておるような状態の世の中なんですよ。それが結びつくと、ますます差別を拡大されるのではないか、また現実はそうだと思うのです。それが心配なんですよ。  だから、たとえば学校教育の面でおっしゃるなら、そういうようなそれぞれの学校に任せて適当にやらせるのではなしに、やはり同和教育に対する基本的な指導方針というのが要るのではないか。このことは答申の中にも、同和教育を強化するためには基本的な指導方針をつくらなければいかぬということを指摘しているわけです。そうしてみると、私は恐らく文部省はつくってないだろうと思うのです。つくってありませんね。その点で私は大きな疑問を持つのですが、どうでしょう。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私の考えが間違っておれば御指摘をいただきたいと思うのですが、同和の問題という具体、特定の問題は、小学校段階の子供などでは、同和を身近に持っている子供と、そうでない子供と、やはり認識が違うと思うのです。ですからその段階では、人間はだれでも同じなんだ、そして人に対しては偏見を持って接してはいけないよというこの態度を養っていくのが、やはり私は基本だと思うのです。  そして、いまおっしゃるように中学校ぐらいになれば、歴史の勉強で、明治維新と同時に四民平等だという新政府の方針があったけれども、現実には差別というものが出てきましたよ、そういうことを教師が自分の身近の問題として子供に教えていくことが必要なんで、余りそういう知識として、表現は悪いかもしれませんけれども、教師が千編一律に同じようなことを教えるのがいいのかどうか。私は、子供の発達段階ということを考えますと、中学校ぐらいの義務教育段階は、そういういろいろな条件を考えながら、教師が教材をいろいろ駆使してやっていただく方が適切だというふうにずっと考えておりますので、大体そういうやり方で今回の指導要領の改正もつくってあるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 同和教育の基本的な指導方針ができているのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは前からいろいろ議論がございまして、現在私どもがまとめておりますのは「同和教育資料」という、資料という名称にしておりますけれども、この第一章の部分が「同和教育の推進について」ということで、ここで基本的な同和教育の考え方と、学校教育や社会教育におけるそのねらいというものを示しておりますので、私どもはこれを基本方針と考えておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 ところが、これは解放同盟の方からも、やはり教育の基本的な指導方針に示すべきではないか、ばらばらな教育では徹底しない。なるほど発達段階に応じて適切な教育をやっていくのはあたりまえですよ、あたりまえだが、そのやり方について、発達段階に応じてどういう基本的な方針でやっていくのだというのを示すべきではないかというのが同盟側の非常に強い要望だと思うのです。  いまおっしゃった「同和教育資料」の問題については、ここで余り議論できませんけれども、すでに同盟側の方では、融和主義的な内容を持っておるということで、大分文部省の方にも問題提起をされておるはずなんですよ。だから私は、特措法が施行されて十年、同対審の答申が出て十年ですから、そういう中で部落問題について相当な知識を持った人たちが慎重に検討した結果答申をまとめあげられて、その中で部落差別をなくしていく同和教育というものに対しては基本的な指導方針がなければいかぬ、こう言っているのだから、大臣、これはやはり検討してみる必要があるのではないですか、どうなんでしょうね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 検討はいたしてみますけれども、私は差別するということが根本的にいけないと思うので……(矢山分科員「それはもうわかっている」と呼ぶ)ですから、子供のときからそういう意識を少なくとも与えてはいけない。実は私の村にもすぐそばにあるのですよ。私のところでは、そういうことは一切させないのですけれども。ですから、子供のときから差別意識を持たせないように、私の方の学校では指導してまいりましたが、そういう指導の仕方、少なくとも差別意識を持たしてはいけない。ですから、そういう特別なものをつくった方がいいのかどうか、私も若干局長と同じ疑問を持っていますから、差別意識をなくすことが大事なので、それが教育の根本方針だ、そういうふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 繰り返しになりますが、私が恐れるのは、中学の社会科なんかで部落問題が触れられておる。それから以後、おっしゃるようなそれぞれの発達段階に応じて十分な認識、理解を深める教育がなされていかぬと、先ほど言った中途半端な部落に対する認識を持っておって、それが現実社会に出て行って、現実社会の深刻な差別なりあるいは差別をあおり上げるような悪質な宣伝や、こういうようなものと結びついたら非常な差別の拡大になると思うのですよ。  だから、そういう意味ではぜひとも、専門的な検討をされた結果として、同和教育の推進のためには基本的な同和教育の指導方針が要るといって指摘しているわけですから、これは改めて考えてみていただきたいと思います。宿題にしておきます。  時間がありませんから、次に、私は一つ問題だと思っておるのは、特別措置法は第二条で「この法律において「同和対策事業」とは、第六条各号に掲げる事項を実施する事業をいう。」として、第六条の第六号に「対象地域の住民に対する学校教育及び社会教育の充実を図るため、進学の奨励、社会教育施設の整備等の措置を講ずること。」となっておるわけです。それからまた第五条で「同和対策事業の目標は、対象地域における生活環境の改善、社会福祉の増進、産業の振興、職業の安定、教育の充実、人権擁護活動の強化等を図ることによつて、対象地域の住民の社会的経済的地位の向上を不当にはばむ諸要因を解消することにあるものとする。」となっておるわけです。  そこで、この法律が、いま文部省の方で学校教育、社会教育を同和地区の住民を対象に展開すればそれで事足れりなんだというふうなことから、そこに焦点がいって、全国民を対象にした系統的な徹底した学校教育、社会教育の中での同和教育が行われておらぬ一つの大きなよりどころになっているのじゃないか。  そこで、このことは答申の趣旨から見るとかなりずれておる。これは答申のことを私がいままで質疑の中で言ってきましたから、それをお考えになっていただけばいいのですが、大分ずれておると思うのです。そうなると、本当に同和教育というものを今後進めていくためには、この特別措置法のままではいかぬ。これは特別措置法それ自体を変えて、対象地域の住民に対する社会教育や学校教育だけじゃだめなんで、全国民一般に対するそういった同和教育の徹底をやらなければならぬという方向に法改正する必要があると思っておるのですよ。どうですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私が法改正の責任者でもないのですけれども、御趣旨はよくわかって、そこで文部省もおっしゃるとおり育英奨学も高等学校だけじゃなくて大学の特別奨学もやっています。それから社会教育では集会所を大幅に整備しているのですよ。だから対象地区なんですよ。  しかし根本は、対象地区だけじゃなくて全国民に対して差別意識をなくすことですから、これが一番大事なことだから、教育全体を通じて御指摘のように私も一生懸命やりますが、ただ法律改正の問題は私の所管じゃないから、御意見はよくお伝えしますけれども、私は、実態はあなたのおっしゃるようにやりたいと思っています。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 いや、あなたが所管大臣だからどうこう言うのでなしに、いま私が申し上げたことで、やはり法改正の必要があると、個人の立場でもいいですからお感じになるかどうかですよ。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私は文部省所管のことだけですから、おっしゃるように、とにかく国民全体に差別意識をなくすように、教育課程全部を改定したわけだから、私はその趣旨に沿って少なくとも、これは一番大きいのですよ、文部省が。そういう意味で文部省が、法律改正の有無にかかわらず、あなたのおっしゃることを実現しますから、見ていていただきたい。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 法律改正のことについてはお触れになれぬようです。私は、内藤文部大臣というのは相当心臓の強い大胆な人だから、ずばりとお話しになるかと思ったら、えらい用心しておられるようですが、しかしまあ実態としては私の考え方に賛成だということだから、そういう方向でぜひ強力に進めていただきたいと思います。  そこで、時間がありませんから、具体的な問題点一、二を時間の許す範囲でお聞きしておきたいのですが、いま府県や市町村では、全県民あるいは全市民を対象にした同和教育というものをかなり積極的にやっているのですよ。ところが困るのはお金の問題なんです。したがって、府県や市町村がやっておるこの同和社会教育事業に対して、国庫補助対象にするということはできぬのか、これはぜひやってもらいたいと思うのですが……。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、国民に対する啓発活動につきましては総合的な立場で実施することが一番適当だということで、現在、総理府を中心に実施いたしております。いまの御指摘の点につきましても、総理府とよく連絡をとらしていただきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 それで啓発啓蒙の予算が、各省にまたがっているのを全体として見ても非常に少ないのですよ。だから、それはそれとして、府県や市町村が財政困難なときに同和教育の重要性を認識して社会教育として進めているわけですから、これは御相談になるということですから相談をして、ぜひ国庫補助対象事業に挙げていただくように強く要望しておきたいと思うのです。  それからもう一つの問題は、放送大学の設置の問題がいま論議されております。これをどういうふうな形で設置をするのかという、その論はしばらくおいでおいで、もし放送大学が実現したとする場合に、そういうものの中で同和教育を推進していくということは非常に効果があると思うのですが、それはお考えになりませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 放送大学の教育課程については、現在国会に御提案申し上げている放送大学の設置主体となる学園の設立後において、文部省に対して学園の方から大学の設置認可申請が出てくる、そしてその大学が大学のカリキュラムを決めていくわけでございます。  これは大学のまさに自主的な判断によって、これからカリキュラムがいわゆる教養学部のカリキュラムとして組まれていくわけでございますけれども、大学側に対しても、先生のいまの御指摘の点についての配慮ができないかどうかについて、将来の課題ではございますけれども、私の方からも申し添えるようにいたしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 恐らく大学の自主性だとか大学自治の問題を持ち出されると思ったのですが、私は、憲法や教育基本法に基づいて基本的人権を尊重する、そして民主的な社会をつくるのだということでやってきた、それにもかかわらず依然として根深い部落差別が存在しておる、まさに民主国家としての日本の恥だと思うのですね。そうすれば、この憲法やあるいは教育基本法で言っておる基本的人権の尊重を本当に実現して真の民主社会をつくろうというのなら、やはり放送大学あたりでもこれを積極的なカリキュラムに入れていくというのは決して大学の自主性を損なうものではないと私は思うので、いまおっしゃったように、ぜひこういったものが実現するように御努力を願いたいと思うのです。  それから、それに関連して、NHKなんかでも家庭教育講座か何か、あんなのがありますね。ああいう中にも積極的に取り入れていくべきだ。この問題については同盟の方に対する回答としては、放送法があるとかあるいは番組編集権の問題で云々というようなことを言っておられるようですけれども、しかし、いま言ったような見地からすれば、これができるだけNHKあたりの放送でも取り上げられるような方向で考えるということは、決して押しつけなさいというのじゃありませんよ、方向で考えるということは、憲法や教育基本法の基本精神に沿うのだと思うのですが、どうでしょう、大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私は、部落問題というようなことを直接言うのはいかがかと思うのですが、おっしゃるように基本的人権を尊重するということは、これはもういかなる場合でも当然のことだと思って、それは放送大学でも当然明確にすべきだと私は思っています。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 NHKなんかでも積極的に取り上げていくように努力してくださいね。いいですか、努力を。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 NHKについては私、所管でないから……。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 家庭教育講座というのがあるのですよ。あんなのに入れるように……。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まあ文部省の所管の関係では家庭教育講座もございますし家庭学級もありますから、あらゆる機会に、あなたがおっしゃるように、差別ということは一切やってはいかぬというように強力に指導いたします。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 そこで最後に一つだけ。  文部大臣のお話を聞いており、また各局長さんのお話を聞いておると、きわめて同和教育に積極的なようなお話をされるのですが、それにもかかわらず、私どもは文部省から出ておるいろいろな広報関係紙誌を見ておりますが、部落問題とか同和教育の問題についてはほとんど取り上げられておりませんよ。こういうところをきちっとやっていかなければ、文部大臣がこの場で、いや、やります、差別はなくさなければいかぬ、そんな教育をやるのだと言っても、言っておることとやっておることが全く合致しないのですよ。これは点検して、少なくとも文部省関係の広報紙誌には積極的にこれを取り上げるように一遍したらどうですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も、まだ文部大臣になったばかりで……(矢山分科員「あなたは文部省長いのだから」と呼ぶ)私がおったころには、こういう問題がなかったのですよ。三十八年に文部次官をやめて、その後の問題ですから、最近の事情を存じませんから、よく事情を調べまして、そういうことがないように私も一生懸命やってみたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山分科員 それでは時間が参りましたから以上で終わりますが、きょうは、文部大臣がきわめて熱心にこの同和教育の徹底化の必要を強調されたと私は受けとっておりますから、それが単なるここだけの話にならないように、ぜひ実現する方向で御努力をいただきますようにお願いをいたしまして、終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で矢山有作君の質疑は終わりました。  次に、和田一郎君。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 三点についてお尋ねいたします。  まず、国立、公立、私立等の大学を問わず、その県内に人文社会系の学部のない県はどことどこか、ちょっとお聞きしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 栃木県、福井県、鳥取県、宮崎県の四県でございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 私、栃木県の関係が深いものですから栃木県の場合を申し上げますと、公立高校だけの統計でも、例年七千人から七千五百人の大学進学希望者がおります。そのうち約半数は人文社会系に進学希望しております。これらの生徒はすべて県外に出てしまう。ですから、そのほかの鳥取、福井、宮崎も同じようなケースだと思うのですけれども、この不均衡をどういうふうにお感じですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘のように、わが国の高等教育は、四十年以降非常に急激な膨張と申しますか、拡大を遂げたわけでございますが、その間に大学等の高等教育機関が大都市に過度に集中をいたしました。収容力なり専門分野構成の面で都市間に不均衡が生じております。これは一つには、わが国の高等教育の規模の拡充というのが多く私学に依存して行われる。その私学の場合は、わが国の人文社会系の収容力の九割を占めておる。その私学が経営上の問題等もあって立地土大都市を選んだということがございます。それからまた、国立大学の場合にも創設の経緯等からしまして、必ずしも各県に人文社会系の学部を備えるに至っていないということがあることも事実でございます。  こういった事態の改善をするために、文部省では、五十一年三月の高等教育懇談会の報告を受けまして、大学の大都市への集中を抑制する、大都市には大学をつくらせないという方針をとる、一方、地方における大学の整備充実を進める、こういう形でいまのような不均衡をできるだけ是正をしていく、そして大学の適正配置を図るということで進めてきているわけでございます。  現実に、これまでいろいろと文理学部の改組であるとかあるいは人文社会科学部の創設であるとか、法文学部の改組であるとか、そういった諸施策を進めてまいりましたけれども、それらはすべて地方における大学の整備ということで進めてきておるところでございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 お説はよくわかりましたけれども、しかし、県内に人文系のいわゆる人文社会学部がないために、どうしても県外に出てしまう。結局は自宅外から通学するということで経済的負担がものすごく多い。したがって、進学を断念しなければならぬ、そういうケースも相当あると聞いております。向学心に燃えた前途有望な青年が、県内に人文社会系の学部がないことによって経済的理由で進学を断念する。これは非常に哀れなことだと思うのですけれども、その点についてお考えはどうですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘のように、教育の機会均等ということを考えていく場合に、できるだけ大学なりあるいはその専門分野構成というものが全国的に地域の均衡をとった形で整備されていくことが必要であると思います。  私ども承知しておるところでも、その県の高等学校を出て大学に進学する者のうち、その県の大学に残っている者、これをわれわれは残留率と呼んでおりますが、わが国で最も低いのが鳥取県の七・三%、栃木県も八・二%というような非常に低位にございます。こういった県について、特に人文社会科学系の学部の設置の要請が強いということも承知をしております。  いずれにしましても、基本的には、いま申しましたような均衡のとれた高等教育機関の整備を図っていくという方針で対処いたしてまいりますが、具体的にどのように対処していくかということになりますと、各国立大学における具体的な御検討の結果というものを受けて、わが方もまた検討するということに相なるわけでございます。人文社会系の学部の適正配置についても御意見はよくわかりますけれども、そうした方針に即して、今後それぞれの大学の将来の整備計画というものを十分に配慮しながら対処していきたいと考えております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 結論を申し上げますと、栃木県に宇都宮大学がございますけれども、その宇都宮大学に人文社会系の学部をぜひ増設してもらいたい、これは地元の切なる要望でございます。また県議会でも数度にわたって議決しております。そういうことで、とにかくこれは県または地域住民挙げての実は熱望でございますけれども、文部省の方には、どのような形でその声が伝わってきているか、その点についてちょっとお聞きしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 栃木県からは、五十四年度の国の予算編成に対する予算化の要望事項の中に、御指摘のように宇都宮大学の学部増設につきまして、人文社会科学系の学部が欠如している、地元国立大学である宇都宮大学に人文社会科学系学部及び夜間部の設置を要望するということが掲げられております。  ただ、私どもの承知している限りでは、宇都宮大学においては、現在のところ人文社会科学系の学部を設置するという将来構想がまだ固まっておりません。そういう状況でございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 そうしますと、一応そういう要望は聞いておるけれども、大学側としてはまだそこまで構想は固まってない、こういうことでございますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 地元の県側は要請をしているけれども、大学が自分の将来構想として検討している場合に、人文社会系の学部の創設ということが宇都宮大学自身の課題としてまだ出てきていないということでございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 いろいろ事情はあると思いますけれども、しかし、ただいま大学局長の方もその実情というものをよくおわかりになって御答弁されましたから。  これはとにかく急務だと思うのですけれども、それじゃ宇都宮大学側からそういう要請がございましたら、直ちに前向きな検討を始められる、そのように解釈してよろしゅうございますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 現在、人文社会系の学部を設置したいという要望をお持ちの県というのは非常に数が多いし、また、大学自体ですでに具体の構想の検討に入っているところもずいぶんあるわけでございます。  たとえば鳥取県等については、鳥取大学に経済学部をつくろうということで、大学も非常に積極的な検討を自主的に始めております。あるいは宮崎につきましても、宮崎大学の将来構想の中には人文社会系の学部というようなものがあるわけでございますけれども、そうしたたくさんの大学における構想というものを、どのように今後受けとめていくかということにつきましては、先ほど申しましたような大学の自主的な検討の実り方というものを見ていかなければなりませんし、また地域的にどのような形で整備をしていくかということを考えなければなりませんし、また今後の高等教育全体の整備のための財政的な状況というものを考えながら、財政当局との十分な協議も必要でございますし、諸般の情勢を考えて対応していかなければならないことでございますから、宇都宮大学の構想が固まれば、直ちにそれがその年から実現に動いていくというわけにはなかなかまいらないと思いますけれども、当面、宇都宮大学は、将来構想として、現在の大学のあり方をどのように改革をされていくかということを御検討いただくのが急務であることは間違いございません。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 大臣にお聞きいたしますけれども、いまの局長の御答弁を要約いたしますと、地元で、とにかく大学側の方から要請があれば検討はするというふうな形だと思うのです。先ほどからずっとこの状況をいろいろやりとりしておりまして、とにかくもう大変な事態である。ほとんどの方が進学を断念しなければならぬ、そういうこともございますので、そういうところを勘案しまして大臣の御所見を伺いたいと思うのです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 地方大学の充実というものは文部省の大きな政策でございます。ただ、宇都宮大学自体がどういうふうにされるかということが第一の課題ですね。  それからいま一つ、局長が申しましたように、ほかにもたくさんあって、その場合、国全体の構想を見てどこから先に始めるかという問題もあるわけです。しかし宇都宮大学から出てくれば、それは慎重に検討させていただきます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 次に、東京電気通信大学が中心になっての工学系の博士課程の大学院ですか、それをつくる構想、もう一つは、関東地区の国立大学の話でございますが、東京農工大学が中心になっての農水産系の大学院の構想が出ていると聞いておりますけれども、現状はどうかということ、見通しをお聞きしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 工学系の連合大学院の構想は、昭和四十九年ごろから各大学において検討が始められております。  現在、御指摘のように、電気通信大学を中心としまして関東地区の、これは関東周辺を含みますが、七つの国立大学が参加をして検討が進められております。構想の内容につきましてはなお流動的な段階にございまして、これから関係者がより詳細な調査研究を進めていくということでございます。しかし、文部省としても、いま御指摘の農水産系の連合大学院構想とあわせまして、学識経験者の協力も得て、一般的に連合大学院構想を検討していく場合の問題点、制度上のあり方等について、工学の問題も含めて現在検討をしている段階でございます。現在においては、まだ工学系の方は構想が固まっているという段階ではございません。  農水産系の方はそれよりもややテンポが進んでおります。しかしなお、農水産系の場合であっても、その構想自体については検討を要するところがございますので、農工大学を中心とした参加大学の御検討をお願いをしていると同時に、いま申しました連合大学院一般の問題点の検討の中で学識経験者等の意見を徴して、私ども対応をいたしております。こちらの農水産系の連合大学院の方は一応創設準備という段階まで来ているわけでございます。しかし、まだかなり検討を要する点が残っていると考えております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 それでは、何年ごろという見通しもまだつきませんでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 工学系の場合はもとよりでございますけれども、農水産系の場合につきましても、なお何年の段階で創設になるかということは申し上げられる段階ではございません。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 次に、二番目の質問でございますが、特別史跡、特別天然記念物に指定されております日光杉並木街道、これは御承知のとおり、世界的に比類のない文化遺産でございますが、この保護行政についてちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、特別天然記念物ですか、こういう歴史的なものに対しての行政をどうやっているかということを、簡単にひとつお述べになっていただきたいと思うのです。

吉久勝美文化庁次長

○吉久政府委員 日光の杉並木につきましては、先生御指摘のとおり、きわめて貴重な文化財として史跡及び天然記念物にダブル指定をいたしておるところでございます。  文化庁といたしましても、従来からいろいろ施策を講じておりましたが、特に四十年代の後半に至りまして、さらに組織的、計画的にこの保存管理を適切に進めたいということで、昭和四十九年度に地元の栃木県知事を会長とする日光杉並木街道保存連絡協議会というのを、文化庁も入りまして、それに地元の日光市、今市市それから並木杉の所有者である東照宮、学識経験者等入って協議会をつくりまして、それで五十、五十一年度、二カ年度に国庫補助金を差し上げて、どのようにして恒久的にこの保存管理対策を立てるかということをお考えいただき、その樹立をしていただいたわけでございまして、その計画に従いまして、毎年度の予算の中で適切にこれをこなしていっているということでございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 土地の方はあれは国有地になっているのですけれども、しかし民有地のところも相当あるということでございまして、これはやはりすべて国有地にしていかないと……。  専門家に聞きますと、ここは杉がずっと繁茂している枝の先端と同じ、垂直におろしたところに帳かあるということでございますので、根の部分が相当張り上がっているわけですね。ところが民有地の場合は、そこへどんどん別荘、家を建てるということで、史跡そのものが非常に壊されていくのではないか。ですから、こういう私有地を公有地化するという方向についてはどうでしょうか。

吉久勝美文化庁次長

○吉久政府委員 すでに、先ほど御指摘の保存管理計画の中でもそれは取り上げられておるわけでございまして、私どもといたしましても、杉並木の樹根を保護するためには、その根が張っておりますところの杉並木から二十メートルの範囲内は少なくとも宅造等が入ることは好ましくないわけであります。したがって、文化財保護法の第八十条によりまして、指定自身は五メートルの範囲内でございますが、それを超えて二十メートルの範囲内につきましては一般的に規制をいたしまして、樹根保護のためにそういうものの建設は認めないということでまいっているわけでございます。  さて、そういうところでいろいろ建設工事がある場合には、これを規制する一方、いわゆる私権の代償といいますか、補償もしなければならぬわけでありますので、その場合には、その土地を買い上げるという必要に迫られるわけでございまして、すでに一万八千平米ばかりの土地を八割補助によりまして栃木県が買収をいたしたということでございまして、今後私どもは、必要があればそういうことで土地の公有化を図ってまいり、さらにその整備も進めてまいるという方向で努力したいと思っております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 鹿沼市と今市市というところがございますね。いわゆる例幣使街道と言いまして、そこに例の杉並木がずっと立っているわけですが、その街道が非常に狭い。しかし、あそこは完全な舗装になりまして交通量がすごいわけです。ですから、ああいうところは、具体的にはもう車を入れないでバイパスをつくる。しかも、その杉と杉との間が狭い、やっと二車線ぐらいですから、そこを計装されておりますから、建造物をつくったと同じことになるわけです。だから、いわゆる公の施設そのものがこういう史跡を保護していないという状況がいまあるわけです。これは早いところバイパスをつくって、舗装をはがしてしまって砂利道にして、やはりこういうものは残していかなければならないと思うのですけれども、その点、お考えはどうでしょう。

吉久勝美文化庁次長

○吉久政府委員 いま先生御指摘の方法につきましては、実は先ほど申し上げました協議会の中でもすでに話し合いをされておるわけであります。私どもとしても、そういうことができれば非常に望ましいのではないかと考えているわけでございます。  すでに御承知のとおり、御成街道及び会津街道につきましてはバイパスないしはバイパスにかわるものがございまして、交通量がかなり減っておるという事態の中で、非常に良好な生育環境で保存されておるわけでございます。特に例幣使街道については御承知のとおり十四キロもあるわけでございますが、そういう点が非常に遺憾な状態に相なっておるわけであります。ここらあたりにつきましては、十分私どもも問題点を意識いたしておりますが、これは道路行政の問題なりあるいは住民生活との関係も非常に多うございますので、恒久対策としてそういう点についての問題を指摘する傍ら、当面の対策といたしましては、いわゆる観光地等で車がそういう道路に入ってこないように地元で十分指導をするとか、あるいは都市計画道路との連絡によりまして交通量が減るようにいろいろ対策をほかの道において講ずるとか、あるいは若干ミニバイパスの設置を早急に検討する、こういうようなものも当面の対策として実は考えておるわけでありまして、ここらあたりにつきましては、文化庁の保護行政の限界もございますので、十分実は栃木県の土木部を中心に検討をいただいておりますが、文化庁も一緒になりまして、建設省等の御協力も得ながらそういう方向に順次ひとつお願いをしてまいりたいというふうに考えておるわけてございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 私、地元でございますからよくわかるのですけれども、そんなに観光の車が入るわけじゃないのです。ただ、そこがいわゆる生活道路になっているわけです。ですから、地元の車がほとんどですけれども、しかし大型のトラックも通れば自家用車も通るという生活道路ですから、ひとつこういう問題は文化庁の方も本腰を入れていただいて、建設省であるとか、また地元に任せるのじゃなくて、やはりこういうものを保護するという立場でお願いしておるのですが、大臣、ひとつどうでしょうか、お考えを。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も日光へはたびたび前に行きまして、あの杉並木は本当にりっぱなものですから、ああいうものは大事な遺跡として今後も保存するように最善の努力をいたします。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 第三番目の質問でございますけれども、私ただいま持っておりますのは、全国知事会が発行いたしました「新しい時代に対応する地方行財政に関する措置についての報告」昭和五十三年十一月十日付でございますが、その中に、これはもう文部省もお持ちだと思うのですけれども、補助金のことなんです。「整理すべき補助金等の事例」としまして、文部省関係で二、三挙がっております。  ちょっと読んでみますと、教員研修事業費等補助金、それから定時制高等学校等設備整備費等補助金、それから精神薄弱者療育手帳交付費、こういう補助金でございます。これが「整理すべき補助金等の事例」です。  もう一つには、「一般財源化すべき補助金等の事例」といたしまして、文部省関係では、成人教育振興費補助金、それからPTA振興費補助金、それから地方スポーツ振興費補助金、こういうふうに出ております。  これは毎年知事会が出しておりまして、ずいぶん文部省関係も減ってきたことは減ってきたのですが、これ以外にまだ零細補助金もあるのですけれども、とにかく知事会の方から毎年こういう形で出されておりますけれども、文部省としてのお考えをお聞きしたいと思うのです。

西崎清久文部大臣官房会計課長

○西崎政府委員 ただいま先生お話しございましたように、地方団体からの御要望もございますし、それから五十四年度の予算編成に当たりましては、補助金の整理合理化というのが非常に重点とされております。そこで、私ども慎重に検討いたしまして、たとえば先生いま御指摘のありました中で申し上げますと、教員健康診断費補助金、これは一般財源にすべきではないかという御指摘があるわけでございます。これは補助金計上を取りやめまして、所管省に交付税の基準財政需要額で積算していただくようにというお願いをいたしております。  それからもう一つ、これには挙がっておらないわけでございますが、たとえば高等学校のクラブ活動の補助金をスクラップいたしまして、それをあわせて高等学校教育近代化の設備の補助金にするとか、そういうふうな措置をいたしております。  なお、先生が最初にお読み上げいただきました教員研修費の補助金でございますが、これは教員資格を与える事業費でございまして、これは県別にたとえば中学の免許状しかない人に対して小学校の免許状を与える事業でございますが、これは県当たり四百万円でありましたものを五百万円に上げるとか、いろいろ措置をしておるわけでございます。  なお今後もいろいろ出てまいろうかと思うわけでございますが、十分検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 では、最後に大臣からこの補助金についてのお考えをお聞きして終わりたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 補助金の整理合理化ということは確かに一つの課題でございますけれども、文部省として大事な、たとえば教員研修とかそういうものは、絶対に私は削減には応じないつもりです。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 ちょっと勘違いされているのじゃないかと思うのですが、私が申し上げたのは、地方自治体の方の問題でございまして、受ける方の立場でございまして、零細補助金であるとか、またはどうしても一般財政にしなければ、補助金がくるとその裏をつけなければならぬといういろいろな面がございますね。一般財源化すればそれだけやはり財源措置をしてもらえるということで、地方財政を圧迫しないということにもなるわけでございます。そういう意味からのお願いでございますので、ひとつその点についてお願いしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 確かに補助金の合理化というのは私も大事なことだと思う。ですから、長年やっていますと、もう要らない補助金も出てくるわけですよ。しかし必要なものがあるわけです。しかし、補助金を出す以上はあとの残りの財源はぴしっとやらないといかぬと私は思う。補助だけやりっ放しで地方財源の措置をしないでおくようなことは、これは絶対にいかぬと思います。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 大蔵省によく言っていただけますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 大蔵省にもよく説明——やります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で和田君の質疑は終わりました。  次に、山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 大臣、御苦労さんです。最後になりましたので三点ばかりお聞きしたいと思いますが、最初に、例の私立高等学校に対する授業料補助の問題でございますが、名称は私立高等学校学費軽減措置に対する特別補助十五億円を概算要求として出されたわけでございますが、私はこの点は文部省はよく決断をして概算要求を出されたという点で、大変評価をしておるものです。しかし、予算書を見ますとこれが消えておるわけでございますが、この点大変文部省の意図に反して、消えております。大変これは残念に思っておりますが、この理由について管理局長の方からお答えをいただきたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 私ども、私立高等学校等経常費助成費補助の中におきまして、ただいま山原委員が申されました、授業料減免を行う私立高等学校のために、この学費経減措置に対する特別補助というものを設けたいということで要求をいたした次第でございますが、昭和五十四年度の予算案におきましては、非常に窮屈な財政事情の中で、私どもは大変苦労いたしまして従来のいわゆる一般補助につきまして、非常に昨今といたしましては大幅な拡充を図ることといたした次第でございまして、そういった事情から、さきに申しました新規の要求につきましては、これを見送ることといたした次第でございます。  なお同時に、私立高等学校の生徒に係る教育費の経減に寄与する施策の一つといたしまして、日本育英会の奨学事業について、これまた現在の財政事情から見ますとかなり大幅な拡充を行うこととした次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 まあ御苦労なさったことはよくわかっておりますが、この授業料補助ですね。ずいぶん授業料が高くなってまいりまして、五十万円というような状態にまで来ましたから、それで第八十四国会でこれの請願が採択になっておるわけですね。その点はいままでとちょっと情勢が違っておりまして、そういう意味でぜひこれは実現してほしいと思うわけです。いま奨学資金の拡充が出ておりますけれども、私立高等学校の場合を考えますと、奨学金でありましても実際〇・八%ですね。公立を含めまして二・一%程度になるわけです。これは全く奨学金制度の立ちおくれを示しているわけでして、それを今度拡充したからといって、これは余り理由にはならぬと思います。それで、私は実は国立教育研究所が出しております文書を見ますと、国際的に見てもかなり授業料に対する補助というのは各国とも進めようとしていますね。アメリカにしましても、西ドイツ、それからスウェーデンの場合にしましても、そういう状況から考えまして、特に日本の場合はこれが非常に授業料が高くなっておりますから、文部大臣の御決意にもよると思いますけれども、これはぜひ実現するために、今年度一応つまずいたわけでございますけれども、来年度も要求をしていく、そして必ず実現するという御決意を概算要求のときから文部省としては持っておると思いますが、ぜひこれを進めていただきたいと思います。大臣としてのお考えを伺いたいのであります。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 山原委員御指摘の請願の方の問題は、いわゆる授業料に対する直接補助の話ではなかったかというふうに思うのでございますが、そちらのことになりますと、これは私どもといたしましては、やはり私立学校振興助成法の規定にのっとりました諸施策、まずその充実に力を傾けてまいりたいということもございますし、それから直接補助の問題は、やはり育英奨学制度その他とのかかわりもございまして、それは非常に慎重に検討する必要がありますので、これにつきましては、なお私どもとしては現時点で意見を申し述べるわけにまいらないかと思っております。  それから予算要求をいたしました先ほどの御指摘の学費軽減に係る学校法人に対します特別助成でございますが、これにつきましては、やはり現在なお五十四年度予算案につきまして御審議をお願いしている段階でございますので、これを五十五年度に向かってどうするかということにつきましてはまだ考えておらない状況でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 これは管理局長、そんなこと、途中で出てきてもらっては困るので、八十四国会では請願採択になったという事実を私言っただけですよ。それは直接補助の請願でございました。それから今度あなた方が出されたのはいま申しましたような十五億円のを要求されたわけですね。だから、私はそのことは、いずれにしてもこれは父母の皆さんの要求であることは間違いないと思います。局長も御承知だと思いますが、毎国会ごとに国会へ出される請願の一審多いのは私学助成ですね。それだけ切実な問題でございますから、その中で今度十五億円の概算要求をされたということはりっぱなことだと私は言っておるわけですよ。でも、これが今度の予算からは消えた。しかし、この要求は大変国民の間に強いものですから、これは今度予算書から消えましたけれども、あきらめないで来年度も続けていく、そういう御決意を大臣として持っておられるかという質問ですから、局長、そこで要らぬこと言わないでください。大臣はそのつもりなんですから。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御承知のとおり、私が文教委員長のとき私学振興助成法を出して、あの法案をやっと通して、それで経常費の二分の一まで助成しようというのが一つあるのですよ。これが大きな課題で、いま一つは恐らくアメリカにはないのですけれども、育英奨学という制度が日本にあるわけなんで、これで学費の負担の軽減を図るわけでやっておりますから、いまお話しの授業料の減免の予算がことしだめになったから来年度出せ、こうおっしゃっても、いままだ予算の審議中でございますし、私もこの問題は少し慎重に検討さしていただきたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 予算の審議をやっておるから、この予算委員会の分科会で私は質問しておるのですね。消えたのは残念だから、これは概算要求を出されるときはかなり大蔵省その他のいろいろな制約もあると思いますけれども、しかし、それでも決意をされて文部省は出したことは事実なんです。ところが、その後今度消えてしまうと、来年度やるかどうかわからぬというような出し方ではなかったと思うのですね。やはりこの十五億円というのは、何しろ高等学校一年生については一〇%いくわけでしょう。二年生、三年生で二%の生徒が適用されるという大変な福音なんですよ。だから、これは進めていくべきじゃないかという質問をしているわけでして、ことしの予算ではだめであったけれども、これはさらに改めてこの概算要求は今後も続けていきたいというくらいのことは、一遍出した以上、一遍けられたからもうこれでやめましたということではないでしょうということを言っておるわけです。おわかりですか。局長待ってください。局長出てきたらおかしくなってくる。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 私ども明年度の予算要求につきましては、やはりこれから考えることでございますので、ただいまどういうふうにするかということについてはちょっと申し上げかねると思っております。たとえ同じような、似たような発想の予算要求を考えるにいたしましても、いろいろ今回の要求に関連しまして、私どもなお検討すべき問題を予算要求の経過におきましても私どもなりに気がついておりますので、やはり同じような形の要求をするということについては、なおもう少し慎重に検討しなければならないかと思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 ずいぶん頼りない姿勢でこの十五億円の新規予算を要求したものだと思いますね。このままの形ではないかもしれませんよ。でも何らかの形で現在の父母負担の経減というものをお考えになっておるのだろうと思うのですね。だから、このまま私は出せなんと言っておるのじゃありませんけれども、しかし、あきらめないで来年度もやっていって、何とか救済措置を講じたいという気持ちはあるのでしょう。それを言ってみたらどうですか。ないのなら、もうあきらめた、出したのが大体間違いだったということまで局長の御答弁では受け取れかねない情勢ですからね。文部大臣、まさかそういうお気持ちではないでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私学の父兄負担の軽減ということは、これは非常に大きな問題ですから、その意味の一環として恐らく局長も出したと思うのですが、全体として私学の父兄負担の軽減に資するように私も考えてみたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 お出しになった気持ちは全くそのとおりだと思うのです。だから、改めてまた新規に考えて困難なことをやれということを言っておるのではなくて、いままでのお考え方を、形は変わるかもしれないけれども、ぜひ実現をしていただきたいと思います。これはいまの大臣のお答えで結構でございます。  それから次に、少年自然の家のことですが、現在全国に四カ所できておりまして、これを調べてみたのですが、実は私は、一番最初にできました高知県の室戸市にできております少年自然の家の負担金の問題です。これは少年自然の家をつくったことは非常にいいことでございまして、またあそこの職員の方たちも非常に努力をされておることもよく承知をしております。ところが、この室戸市という市は大きな市ではありませんが、この用地費ですが、これを室戸市が用地を買いまして、それを国が借りて借地料を払っているわけですね。ところが、室戸市のこれを買うための借金をした元利償還が昭和五十年から百七十万、五十一年が八百九十五万、五十二年が千八百八十七万六千、それから五十三年度千八百三十一万四千と、これは小さな市にとりましては大変な負担でございまして、五十三年度までの合計が四千七百八十五万五千円となっています。ところが、この元利償還が六十年まで続くわけです。そうすると、一億三千百八十万というお金を室戸市としては持ち出さなくてはならぬ状態です。  ところが、国の借地料というのは、五十二年に国から室戸市に対して二百四十六万円、五十三年が三百六十八万円、計六百十四万円でございまして、室戸市というあの小さな町の負担が、何とその差額四千百七十一万円の負担になっておるのであります。これはせっかく誘致したわけですけれども、市にとっては大変な負担でございまして、何とか解決をしてもらいたい。  たとえば借地対象面積が、室戸市が購入した少年自然の家にこれだけお使いくださいとして出しておるのが約六十万平米です。ところが、五十二年度、国の借地料としている対象面積が六十万平米のうち二十万平米ですね。三分の一です。五十三年度が少しふえまして三十万平米、それから五十四年度が三十七万平米ということで、一平米が十二円の単価でなされているわけでございます。こうなってきますと、元利償還と借地料との差があるものですから、これがもう市財政を圧迫してどうにもならぬという状態なんですね。これはおわかりになると思います。一挙にこれを解決せよと言うことはできませんけれども、しかし、それにしても、国が借りて、そして少年自然の家というものをやっているわけですから、ほかの三、四カ所調べてみましたら、こういうところは全く珍しいわけでして、これは何とかして上げてもらいたい。  たとえば、対象面積をもう全部に拡大すれば、七百十八万円というお金、大した金額ではございません。しかし、それだけでもずいぶんこの市にとりましては助かるわけでございます。私の計算では、これは結局、複利計算をしますと、何と昭和七十四年までこの差額を持ったままこの市は続けていかなければならぬということになるわけでございますが、これは私どもの方の計算でございますから、正確度は後で検討していただければわかると思います。これは余りひどいものですから、ぜひ文部省としても御検討いただきたいと思いますが、この点いかがでしょうか。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 国立室戸少年自然の家の敷地の関係につきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございます。私どもといたしましても、先ほど御指摘のように、五十四年度におきましては、営火場新設等に伴い、さらに少年自然の家におきまして子供たちがいろいろな活動をするために必要な施設を整備するということで、六万七千平米をさらに借地の対象とすることにいたしまして、三十六万七千平米と先ほど先生の御指摘のような数字に五十四年度からなるわけでございます。  これから後の問題につきましても、一つは、やはり国立少年自然の家のいろいろな活動計画、そういうものとも用地の借り上げの面積は相関する点もございますし、他の施設との関連もございますが、御指摘の点、十分私どもも念頭に置かせていただきたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 国の施設で、しかも役に立っておる施設でございます。だから、それはもうそれなりに、余り下をいじめるような結果になっては下の方はたまらぬものですから、こういう要求が出るのは当然のことだと思いますし、ぜひ局長のお答えになったように御検討いただきたいと思います。  それから、これは全国的に通用する問題ですが、学校プールの建設の問題の超過負担の問題です。これはもう全国から出ておりまして、先ほどの御質問の中にも全国知事会の声が出ておりましたが、私はプールの建設を幾つか調べてみたのです。  たとえば、昨年度できました高知市の介良小学校というのがございますが、これは実際に二十五メートルの八コースのプールをつくりました経費が三千三百十三万円かかっております。ところが、国から出ました補助金が八百十九万六千円です。二分の一といいましても、結局二四・七%の率しか補助されていないのが実情でございます。  吾北村の小川小学校の場合は、これは田舎の小学校でございますが、実際にかかった経費が二千四百万で、補助が六百四十七万四千円、二八・一%の補助率となっているわけでございます。どうしてそういうふうになるのかと調べてみますと、一つはプールに伴う補助対象にならないものが、たとえば浄化施設、シャワー、脱衣場、足洗い場、便所というもの、これが補助対象になっていないのです。便所は近いからもうつくらないでいいと村の方は考えまして、そして県の方へ話していきますと、いや、文部省の指導で当然それは便所をつくらなければならぬ、こういう指導があるからつくりなさい、こう言われるのですね。それは、便所をつくるのは当然ですし、特に学校の子供たちだけでなくて、村の人たちも使う場合を考えますと、便所をつくれという指導を文部省がしていることは正しいことです。しかし、それが補助の対象にならないということですね。こういう矛盾がせっかくプールをつくりましてもできております。これは後で体育局長でしょうか、お伺いしたいのです。  それからもう一つ、今度は社会教育局長に、同じく文部省に関する問題ですが、公民館の場合ですね。これは去年高知県に二つ建設をされております。安芸市黒鳥公民館、この総工費が三千三百万円かかっておりますが、補助金が九百万円で、補助率が二七・三%、須崎市吾桑というところにもできておりますが、この工費が八千五百万円で補助が千九百万円、その補助率は二二・四%と、こうなっています。  そこで、私は何でこんなことを言っておるかといいますと、これはもう全国ほとんどそういう状態ですね。ところが、農林省がつくっております同じ須崎市の農村婦人の家というもの、これは総工費三千百万円でございますが、補助金は千五百万円。ここではもうばっちり二分の一が補助されている。何で文部省がこういうみじめな思いをしなければならないのか。しかも、農村婦人の家にしましても社会施設でありましょうけれども、社会教育の面では文部省が中心ですからね。その中心の文部省のつくる公民館が補助率がぐっと低くて、そしてほかのものが二分の一補助というこの矛盾は、文部省の腕が切れないのか、あるいは文部省はそういういろいろな面でいわゆる差別的な扱いを受けているのか、ここらで私は、いま例を挙げましたが、ひとつこの辺は、たとえば建設省や農林省の同じようなレベルまで当然持っていくべきであろう。しかも、地方財政を最も圧迫するものに学校施設があるわけでございますから、ここらで相当腹を決めまして、これはまあ各党とも反対はないわけでございますし、文部省としても腹も決めて、この辺の、実額に沿うような補助をやっていくということをぜひやっていただきたいと思いますが、その点についてお答えをいただきたい。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 プールの補助につきましては、水槽のほか、これに付属いたします更衣室、シャワー室、管理室、トイレ、浄化装置等の施設の建設費を含めまして、プールの建設費の三分の一の補助を行うということで取り進めております。  補助単価につきましては、毎年度その増額に努めておるところでございまして、来年度に当たりましても、五十三年度は八百三十万でございますが、これを八百七十万円に増額するということで、この面の改善にこたえたということで取り進めておる次第でございます。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 公民館の補助金の単価を大いに引き上げるべきだという御指摘でございます。  私どもも努力目標としてはできるだけ公民館の単価を引き上げるべく今後とも全力を挙げて努力したいと思っておるわけでございます。  ただ、ただいまのところ、公民館をつくりたいという数の方の御要請も大変多うございますので、実は五十四年度予算におきましても従来の三百六館を四百三十館に増館いたしましたし、単価も二千四百万円を二千七百万円にするというようにかなり予算の総額としては前進をいたしました。ただ、単価の問題だけでなくて個所数の問題もございます。その両方を含めましてできるだけ予算がたくさん取れるにこしたことはないのでございますけれども、そこらの均衡を考慮しつつ単価の問題についても今後十分努力したいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 徐々に改善をされているわけでございまして、一挙にすべてをやるというわけにはいかぬと思いますけれども、これはぜひ努力をしていただきまして、他の省庁と大事な社会教育部門において劣るようなかっこうではこれはかっこうが悪いわけですから、ぜひお願いしたいと思います。大臣もぜひお聞きいただきたいと思います。  もう一つ、学校体育施設の開放事業でございます。  これも大変ひどいわけでございまして、学校を体育施設その他に開放するというのは国民の声になっておりますし、政府もこれにこたえようとしているわけでございます。  これも例を挙げますと、高知市に秦小学校というのがございます。これは私の家のすぐ近くでありますが、ここでそのために八百四十三万五千円を使ってフェンス、バックネット、トイレ、手洗い場などをつくるわけです。ところが、この中の補助対象はフェンスだけでございまして、フェンスに六百八十九万円工費が要っております。ところが補助が二十三万円。この二十三万円というのは折衝しているうちになくなる金だそうですね。これでは実際に開放するといっても実情にそぐわないと思います。  それから、南海中学校というところを見ますと、フェンスは千五万一千円かかっておりますが、補助が十八万八千円しかこないわけです。  そこで調べてみますと、一メートル、五千円単価でその三分の一を補助するということになっておりますが、五十四年度は少し改善されまして、一平米五千二百円でございます。実際は一メートルに七万円ないし八万円かかるわけでございまして、五十四年度は少しは改善をしたわけですけれども、実情はこういう状態で折衝費で消えてしまうというような補助金です。実際、学校の開放を青年たちがずいぶん求めているわけでして、スポーツをやる場所がない、野球をやるといったって二年前から申し込まなければ場所が借りられないという状態で、学校の開放ということは大変大事なことですし、この気持ちはみんな変わらないと思いますので、この点の補助の充実ということについてもぜひお考えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 御指摘の学校体育施設の開放のためには、夜間照明施設、フェンスあるいはクラブハウス等の建設費に対する補助を行っておりますので、いまのお話の中でトイレ等のものは、クラブハウスで場合によっては補助対象になるということでございます。  フェンスにつきましては、御指摘のとおりいま延長百五十メートルを限度といたしまして一メートル単価で行っておりますが、もともと境界さくという考え方で、学校等では校庭の片すみは子供たちの大変な理科教育の場でもあるというようなこともございまして、その開放のものと学校との境界さくの考え方で進めておりますが、現実には七メートル、八メートルのまさに球が外にいかないという防護さくのような形のものがいま進められておりますので、この辺の問題につきまして実態にできる限り沿えるよう実行の上で少し検討させていただきたい、かように思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 大臣、どうもありがとうございました。文部省の皆さん、どうもありがとうございました。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で山原君の質疑は終わりました。  以上をもちまして、昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算中文部省所管についての質疑は終了いたしました。  次回は明二日午前十時より開会し、大蔵省所管について審査を行うこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後七時五分散会

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