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87回国会衆議院1979/02/28

予算委員会第二分科会 第2号

発言数
451
登壇者
33
会派数
7
開催日
1979/02/28

会議録

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算中文部省所管について政府から説明を聴取いたします。内藤文部大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 昭和五十四年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、文部省所管の一般会計予算額は四兆三百六十七億三千七百万円、国立学校特別会計の予算額は一兆二千二百三十億八千四百万円でありまして、その純計額は四兆三千三百三十五億二百万円となっております。  この純計額を昭和五十三年度の当初予算額と比較いたしますと、四千四百九十一億六百万円の増額となり、その増加率は一一・六%となっております。また、一般会計予算額の増加率も一一・六%であります。  何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申しあげます。  なお、時間の関係もございますので、お手元に配布してあります印刷物を、主査におかれまして、会議録に掲載せられますよう御配慮をお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いします。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 この際、お諮りいたします。  ただいま内藤文部大臣から申し出がありましたとおり、文部省所管関係予算の主要な事項につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————  〔内藤国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、昭和五十四年度予算において取り上げました主要な事項について、御説明申し上げます。  第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。  まず、義務教育諸学校の教職員定数につきましては、児童生徒数の増加に伴う教職員定数の増及び特殊学級の新増設に伴う増を見込むほか、養護教諭及び事務職員の定数改善等を図ることとしたことにより、昭和五十三年度に比べ、一万六千三百三十人増の七十二万八千四百七十六人の教職員定数を計上いたしております。  次に、教員の現職教育の充実につきましては、新たに、教員の自発的な教育研究活動の活発化を図るため、教員のグループによる研究に対して経費の補助を行うこととしたほか、免許外教科担当教員に対する研修を実施するなど、各種研修の拡充に努めることといたしております。  幼児教育の普及充実につきましては、特に私立幼稚園園児の保護者の経済的な負担の軽減を図るため、幼稚園就園奨励費補助について、保育料等の減額免除の限度額を引き上げることとしたほか、引き続き、幼稚園の増設を計画的に進めることとし、施設整備の促進を図ることといたしております。  特殊教育の振興につきましては、昭和五十四年四月からの養護学校の義務制実施を円滑に行うため、新設養護学校の設備費、通学用のスクールバスの拡充及び重度・重複障害児のための介助職員の増員等の措置を講ずることとしたほか、新たに、一般学級担当教員の啓発のため、推進校の設置、指導資料の作成等を行うことといたしております。  英語教育の振興につきましては、中学校、高等学校における英語教育の充実に資するため、新たに、音声教材を用いた外国語の効果的な学習のための教育機器等の整備を図ることとしたほか、英語担当教員の海外研修等を実施することといたしております。  また、学校給食の整備充実につきましては、米飯給食の導入を一層推進するため、米飯給食関係の施設設備の整備を大幅に拡充することといたしております。  さらに、学校保健の改善充実につきましては、新たに、都道府県に対し歯科保健指導車を整備するための経費を補助することとしたほか、日本学校保健会が行う児童生徒の心臓検診調査研究事業及び学校環境衛生検査体制整備事業についても補助することといたしております。  公立文教施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について、事業量の増と補助単価の引上げを図るとともに、養護学校校舎等の補助基準面積の改善を行うこととしたほか、児童生徒急増市町村の公立小中学校用地取得費補助についても事業量の拡大を図るとともに、交付率を改善するなど、公立小中学校等の施設整備の促進を図ることとし、これらに要する補助金として五千五百三十七億六千四百万円を計上いたしております。  以上のほか、義務教育教科書購入単価の改訂、要保護及び準要保護児童生徒援助の強化等、各般の施策についても所要の経費を計上いたしております。  第二は、高等教育の整備充実に関する経費であります。  まず、多年調査準備を進めてまいりました放送大学につきましては、その設置主体となる特殊法人放送大学学園(仮称)を新設し、広く国公私立大学との連携協力のもとに、生涯教育の中核的機関として、放送を効果的に活用した大学教育の実施を推進することといたしております。  また、高度の専門性を備えた図書館等職員の養成を図るとともに、図書館情報学に関する教育研究を推進するため、図書館情報大学(仮称)を創設するほか、医・歯学教育について、琉球大学に医学部を創設するとともに、岡山大学及び長崎大学に歯学部を創設することといたしております。また、山口大学について医療技術短期大学部の創設を図るほか、新設医科大学等の附属病院の創設、創設準備を行うとともに、既設附属病院についても救急部の新設整備等その充実を図ることといたしております。  教員養成につきましては、上越、兵庫の両教育大学の整備を進めるとともに、鳴門市について新教育大学の創設準備を推進するほか、横浜国立大学の大学院に教育学研究科を新設し、既設の教員養成学部について課程の新設、拡充、附属学校の新設、整備を行うなど、その改善充実を図ることといたしております。  なお、教育実習につきましても、教員養成実地指導体制の改善、教育実習地域連絡協議会の実施等によりその改善充実を図ることといたしております。  以上のほか、筑波大学、長岡、豊橋の両技術科学大学について所要の整備を行うとともに、熊本大学法文学部、広島大学水畜産学部、琉球大学理工学部の改組等をはじめ、地方における国立大学を中心に学部、学科の整備充実等を図ることとし、大学学部及び短期大学の学生入学定員を一千七百十八人増員することといたしております。  大学院の拡充整備につきましては、旭川医科大学に新たに大学院を設置するほか、研究科の新設、改組、専攻の新設、整備等により六百八十二人の入学定員増を行うことといたしております。  なお、国立学校の入学料及び検定料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し昭和五十四年度にこれを改訂することといたしております。  また、公立大学の助成につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助等について、引き続き充実に努めることといたしております。  次に、育英奨学事業につきましては、日本育英会の学資貸与について、私学の学生生徒及び大学院学生に対する貸与月額の増額並びに貸与人員の増を図るとともに、高等学校の自宅外貸与月額を設けるなどその充実を図り、このために必要な経費として政府貸付金を六百二十八億円計上し、返還金と合わせて、昭和五十三年度に対し百四十一億円増の七百五十四億円の学資貸与事業を行うことといたしております。  また、私立大学の奨学事業に対する資金援助につきましては、学校法人に対する資金の融資枠を拡大するとともに、学生一人当たり融資限度額を引き上げる等その改善を図ることといたしております。  さらに、大学入学者選抜方法の改善につきましては、共通第一次学力試験を取り入れた新しい大学入学者選抜方法を円滑に実施していくため、引き続き大学入試センターの整備等を行うことといたしております。  第三は、学術の振興に関する経費であります。  まず、重要基礎研究の推進につきましては、核融合等エネルギー関連科学のほか、宇宙、地球環境の解明、生命現象の究明など特定領域における研究を引き続き推進することといたしておりますが、昭和五十四年度においては、特に地震予知等に重点的な配慮を加えております。  また、学術研究の基盤を強化するため、研究所等の整備を行うとともに、独創的、先駆的研究を推進するための科学研究費については、総額三百五億円を計上いたしております。  特殊法人日本学術振興会への援助につきましては、引き続き研究者交流事業及び発展途上国との学術交流事業の拡充等のための経費を計上いたしております。  第四は、私学助成の拡充に関する経費であります。  まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、新たに非常勤教員給与費及び教職員の福利厚生に要する経費を補助の対象とすることとしたほか、特別補助の規模を拡大する等その充実を図り、昭和五十三年度に対して三百八十億円増の二千三百五十五億円を計上いたしております。  また、私立の高等学校等の経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましては、補助単価の引き上げ等により大幅な増額を図ることとし、昭和五十三年度に対して百六十億円増の六百億円を計上し、一層の充実を図ることといたしております。  日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金二十億円を計上するとともに、財政投融資資金からの借入金五百八十七億円を計上し、自己調達資金と合わせて、昭和五十三年度当初計画に比べ、八十一億円増の七百九十七億円の貸付額を予定いたしております。  私立学校教職員共済組合に対する補助につきましては、長期給付の改善を図るため、補助の拡大を行うことといたしております。  また、専修学校につきましては、教員の研修事業に対する補助及び専修学校に対する日本私学振興財団の貸付事業の拡充等を行い、専修学校教育の一層の振興を図ることといたしております。  第五は、社会教育の振興に関する経費であります。  まず、公立の社会教育施設の整備につきましては、特に公民館の大幅な館数増と単価の引き上げを行うほか、その他各種の社会教育施設についても補助金額の増額を図ることとし、これらの施策に要する経費として、昭和五十三年度当初予算額に対し、五十四億円増の百六十五億円を計上いたしております。  社会教育事業の助成につきましては、従来からの事業の拡充を図るほか、新たに家庭教育総合セミナーについても補助を行うこととし、生涯教育事業の充実強化を図ることといたしております。また、社会教育活動のかなめとなる社会教育指導者の養成、確保については、社会教育主事給与費の単価の引き上げを行い、指導者層の充実を図ることといたしております。  次に、国立の社会教育施設の整備につきましては、まず、国立婦人教育会館の定員の充実と主催事業の拡充を図ることといたしております。また、計画的設置を進めております国立少年自然の家については、奈良県曽爾村に国立として第五番目の少年自然の家を設置することとしたほか、引き続き所要の施設費、創設調査等の経費を計上いたしております。  さらに、現在特殊法人として運営しているオリンピック記念青少年総合センターにつきましては、昭和五十四年度から文部省直轄の社会教育施設とするため所要の経費を計上いたしております。  第六は、体育、スポーツの振興に関する経費であります。  国民の体力つくりとスポーツの普及振興につきましては、まず、ひろく体育、スポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設について従来からの施策の拡充を図るほか、新たに体育、スポーツの研究、研修機能をもつ特別体育施設の整備を進めることとし、これらに要する経費として、昭和五十三年度に対し六十億円増の百九十二億円を計上いたしております。  また、学校体育の充実につきましては、新たに、学校体育実技指導協力者の派遣事業に対する補助等を行うこととしたほか、全国中学校選抜体育大会について補助を行うことといたしております。  さらに、体力つくり推進校をはじめ家庭、地域における体力つくり推進事業の充実を図り、たくましい青少年の育成と、明るく活力ある地域社会の形成に資することといたしております。  以上のほか、国際競技における日本人の競技力の向上を図るため、新たに、都道府県競技力向上ジュニア対策事業及びスポーツ指導者在外研修事業に対し補助を行うとともに、日本体育協会への補助、国民体育大会の助成等各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。  第七は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。  まず、芸術文化の振興につきましては、地方文化の振興を図るため、特に地方文化施設費補助の館数増と単価の引き上げを行うほか、地方芸術文化活動費補助の充実等、各般の施策について、引き続き所要の経費を計上し、一般国民の文化活動の促進を図ることといたしております。また、国際児童年に当たり、ASEAN諸国との記念交流特別公演の実施を計画いたしております。  芸術家の創作活動等の助成につきましても、芸術関係団体補助、芸術家研修経費の増額等、その充実を図ることといたしております。  次に、文化財保護の充実につきましては、新たに、指定文化財管理費補助等を計上するほか、引き続き国宝、重要文化財等の保存修理、埋蔵文化財調査等の諸施策を充実するため、所要の経費を計上するとともに、無形文化財、民俗文化財等の保護にも留意し、その助成を図ることといたしております。  また、文化財の公有化を促進するほか、文化財保存施設費補助の増額等その整備を進めることといたしております。  国立文化施設の整備につきましては、本年度から、国立能楽堂(仮称)の建設工事に着手するとともに、引き続き国立歴史民俗博物館(仮称)の建設工事の促進を図ることといたしております。 さらに、国立文楽劇場(仮称)につきましては基本設計を行うこととし、第二国立劇場(仮称)についても設計競技準備費を計上し、その設立準備を積極的に推進することといたしております。 第八は、教育、学術、文化の国際交流の推進を図ることであります。  まず、留学生事業につきましては、国費留学生の受入数の大幅増、留学生宿舎対策の拡充及び日本語教育体制の整備を図ることとしたほか、昭和五十四年度から文部省への移管が予定されている財団法人国際学友会への補助を新たに計上するなど、施策の一層の拡充を図ることといたしております。なお、中国からの留学生受入れ等についても配慮いたしております。  また、ユネスコ事業活動を引き続き推進するとともに、新たに日米教育交流計画及び日米科学技術協力事業を行うための経費を計上したほか、アジア諸国との学術交流の拡充を図ることといたしております。さらに、第二十一次南極地域観測を推進するとともに、観測船「ふじ」の代船建造に着手することといたしております。  海外子女教育の推進につきましては、在外教育施設への派遣教員の定数改善及び教材の整備を行うとともに、帰国子女受入高等学校の設置について引き続き特別の助成を行うことといたしております。  以上、昭和五十四年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。     —————————————

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 以上をもちまして文部省所管についての説明は終わりました。     —————————————

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷川正三君。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 限られた時間でございますので、私きょうは、文部大臣及び関係政府委員、さらに大蔵省、外務省の関係の方に対し、できれば三つの問題について御質問申し上げたいと思います。  その第一は、義務教育諸学校の用地提供に対する課税緩和の措置がとれないものかという問題であります。  第二の問題は、御承知のように、心身障害児の義務教育制実施に当たって、いろいろ関係当局は御苦心をして準備されてきたと思いますが、現実にはいろいろな問題が全国各所で起こっておるようでありますので、それらに対してどのように対処されているかをこの際ただしたいと思います。  それから三番目には、最近日本に対する諸外国の研究熱が非常に高まって、留学生等も多くなっておりますが、これらに対する日本語教育の体制の整備の問題。それから逆に、日本人で海外に行かれ、かなり永住される方もありますので、そういう方の海外における日本語教育並びに日本に帰ってきたときに日本語になじめない日本人子弟の教育の問題。前に中国との国交回復の際に、中国から相当多くの方が日本にお帰りになったときの問題を永井文部大臣のときに私一応ただしたことがあって、対策をお願いしたわけでありますが、これらはもっと広い範囲からお考えいただく時期に来ていると思うのです。そのほか、文化財保護問題についても時間があればお伺いしたいのですが、あるいは時間がないかもしれません。  そこで、早速第一の問題について伺いますが、人口の急増市、児童生徒急増地域に対して自治体が予算のほとんど大半を教育整備に充ててなお間に合わず、超過負担に苦しむというような現状の中で、数年前に特別立法を時限立法したと記憶しております。その時期は一応終わったけれども、なお引き続き同様の措置を講じておると思いますが、校舎の建物、それから用地買収について現状どういう補助をなされているか、人口急増という規定が現在どういう基準で指定されているのかということと、それに対して国の補助対策がどうなっておるか、それをまず第一に簡単に伺いたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 人口急増地におきます義務教育施設の整備につきましては、これが当該市町村の財政上非常に困難を来しておる問題であるということから、長谷川委員ただいま御指摘のように、臨時特例の措置といたしまして手厚い処置を続けておるわけでございます。  建物につきましては、五年間の臨時措置を今年度からさらに五年間法律を改正して延長いたしまして、そして事業量の方もできるだけ十分確保しますと同時に、負担率を通常の二分の一を三分の二ということにいたしますし、地方財政上の措置も一番手厚く講じておる次第でございます。  用地につきましては、昭和四十六年度から臨時措置として国庫補助の措置を講じておりまして、これは補助率三分の一といたしまして、裏負担につきましても、これは従来地方債等で見ておったことでございますので、本来のそちらの手当てをしていただいておる。  交付の仕方といたしましては、通常の市町村も用地を購入するわけでございます。これは補助対象になっておりませんので、その部分につきましてはいわゆる交付率ということで従来七割、人口急増市町村が特別に普通市町村よりも負担がかかるという部分を算定いたしまして従来七割といたしておりましたが、明年度予算案につきましてはこれを七割五分に改善をするという計画になっておるわけでございます。交付は三年間分割交付でございまして、単価につきましては、それぞれの土地の事情に即しまして、実際の売買単価あるいは公示価格を基礎に当該市町村が公正なる方法で算定した価格のいずれか低い方をとるということでいたしておりまして、これは土地によってそれぞれの差を設けた単価を用いて交付しておる、こういうのが、急増市町村に対します義務教育施設に対する現在の国としての助成措置の概要でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 いま御質問申し上げた中に、人口急増地帯としての指定の基準ですね、それをちょっと。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 人口急増のとらまえ方といたしまして、五月一日現在の児童生徒数をとらまえるわけでございますが、既往三年間に、小学校で申しますと人口増の比率が五%で実際の増の人員が千人、それから一〇%で実際の増の人員が五百人、中学校でございますと、率は同じでございますが、人数を半分にしております。  それで、これを一昨年度から、やはり周辺の小さな市町村でも増の現象がございますと当該市町村の財政規模からいうと非常に負担でございますので、さらに緩和の措置を講じまして、増率が一五%あれば、小学校の場合には増加の人員が三百人、中学校の場合には百五十人といった小人数の増加の場合も急増市町村に加えるというふうに、新たな要件を設けておるというのが現在の姿でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 いまの基準、二つの要件がありますね。人口の増と児童生徒増、それは両方を具備したということですか。そのどちらかですか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 児童生徒の実際の数の増加と率、両方をあわせて要件といたしておりますので、いずれか一方ということではございません。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 そういう措置でずいぶん地方自治体も教育施設の整備には、何と言いますか、仕事を進める上で非常に進んだわけでありますが、いま東京周辺、私の地元などを考えますと、学校を建てるのに一番苦労するのは用地の確保でございまして、予算はぎりぎりの中でしぼり出していても、なかなか実際に用地が買えないという、お金を準備してすら買えないという事態が起こっている。きょう御質問申し上げたいのはその一点なんですが、一つは、いまお話しの人口急増地域について用地買収についても三分の一の補助ということになっていますが、これは建物の三分の二とは違って、三分の一きちっといっていないようですね。これは何か予算の範囲内というようなことになっているのか、足切りというようなことがすぐ行われたり、その二分の一というようなことになると、すぐ六分の一になる。それから単価の算定についても、この法律が施行当時は非常に差がありまして、問題にならないような事態があったのですが、その後、年々改善されて、最近では実際の買収の費用とほぼ同じ程度の算定になってきたことは大変結構だと思いますが、実際には十分の一ぐらいきていればいい方じゃないかとよく俗に言われているのですが、実態はそうでしょうか。もちろん、あと起債という措置ではいろいろめんどうを見ていただいているのでしょうけれども、これはやはり市町村の借金になっていくわけですから、その元利の返済に大変追われてくるような市町村が多くなっていると思うのですが、実態はどうですか、用地買収についての補助の実態は。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 用地に関しましては、長谷川委員御指摘のように、各地で価格その他いろいろ違うものでございますから、それからいわゆる実際の取引価格と市町村といったような公的な立場で購入価格とし得るいわゆる公的な価格との間に若干開きがあるというようなケースもあり得るわけでございますので、一概に精密な計算ができないのでございますが、ただ実際に計算をいたしてみますと、それから推算をいたしてみますと、やはり交付率七五%がかかっております関係上、補助率を三分の一ということでございますので、究極の国の負担額は約二割五分になるということでございまして、あとの七割五分は地方負担ということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、本来、土地というものはその地方公共団体の固有の財産になるものでございますので、これは地方債で措置をしていただくということになるわけでございます。ですから、実情も補助率が四分の一、実質国の負担分四分の一、それで既往におきましては確かに予算措置とそれから土地を必要とするといういわゆる申請との間に開きが若干ございました関係上、その率が低かったということは事実でございますが、近年は、実際の必要を極力事前に調査をいたしまして予算上も手当てをしてまいりました関係上、いわゆる申請と予算額との開きというのはもうほとんど皆無と申しますか、五十三年度の私どもの推算では九九・八七%まで予算で手当てをしてございますので、あとは問題はいわゆる実勢価格と市町村としての基本に定められる価格との開きというものは若干あり得るかもしれませんが、私どもとしてはかなり十分に改善を図ってきたというふうに考えておる次第でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 ずばりもう一回伺います。  用地買収の三分の一を補助するというふうに一応基準がなっていますね。そのとおりにはずばりいっていますか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 四十六年の当時で見ますと、当時はいまよりもやはり人口急増市町村の数といいますか、比率が少なかったと存じますので、現在、先ほど御説明申し上げました交付率七五というのが、当時は四四ということでいたしてございます。それは一般の市町村が全部自前で処理しておる部分を差し引く思想でございますので、そういうことであったかと存じます。  それから、何せ当時は制度を始めてすぐのことでございますから、予算額も実際の申請、これは経験を積んでおりませんとそういう数字のはめ方がしにくいということがあったと存じますが、約八割弱でございましたか、そこで約二割の開きがあったというようなことで、やはり地方債の方にそういう部分が回って、そういう措置が回っておったということは言えるかと存じますが、先ほど申し上げましたように、漸次経験を積みまして改善を図ってまいったということでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 東京あたりでも最近の傾向は、前には学校用地というと一般の地価よりは比較的安く提供者もしたものですけれども、いまは学校用地を買うとそれが一つの基準でその付近の地価が上がる、こういう現象ですから、一番高く買わなければならないような実情になっている。これはひとつ認識しておいていただきたいと思います。しかし、その点は実情にかなり即して処置されていることは大変結構だと思うのですけれども、いまの三分の一という字に実質本当になるように今後努力をしていただきたいということと、きょうの御質問の中心はその次なんでありまして、たとえば私の住んでいる三鷹で、どう安く見積もっても、学校用地としての空地と申しますか、農地のようなところがあるわけで、これを提供していただくのはもうほとんど大きな地主さんだけになっておりますから、一人か二人の方が了解すればすぐ手に入るわけです。ところが、三千坪として一坪五十万円——五十万円というのは三鷹付近ですと少し安いくらいなんですが、それだとしても十五億ですか、小学校一校建てるのに。これが半分ならともかく七割近く税金で持っていかれてしまうというふうに俗に言われているのですね。そうすると、市長としては、お金を用意しても、まるで地主さんに学校を建てるのだからあなたはもう財産なくしなさいという説得になってしまう。だから、せめて学校用地のときには少しは提供者も平常よりは潤うという課税についての減免措置というものはとれないものなのか、こういうのが痛切に、これは市当局からの声なんですね。きょう私は具体的な数字をもう少し持ってきて、——これは文教委員会か何かでもし機会があればまたやりたいと思いますが、きょうは短い時間ですから抽象的に言いますと、こういう実情なんです。  こういう実情を御存じかどうかということが一つと、大臣として何とか、こういうふうに学校のためなら出してもいいという地主さんもいるわけなんですよ。しかし、みすみす財産をただなくすことになってしまうのだ、こういうことだものですから、これについてはどうお考えか。何か対処を大蔵大臣あたりと御相談願えないものか、ひとつその点について大臣に御質問いたします。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 文部省といたしましては、日本PTA全国協議会でございますとか、全国都市教育長協議会、そういった関係諸団体からの要望も聞いておりますし、ただいま長谷川委員御指摘の児童生徒急増地域の学校用地取得に関しまして税制の問題がどう絡んでおりますかということについては、承っておる次第でございます。  私どもとしては、できるだけ用地の取得を容易にいたしまして学校建設の促進を図りますために、いわゆる長期譲渡所得に係る税額の軽減について、これは小、中、高等学校用地として地方公共団体に地主の方が譲渡した場合の話でございますが、この軽減について関係当局に御要望もしてまいった次第でございますが、今般の公的な土地取得の促進でございますとかあるいは住宅地の供給を促進しよう、そういう見地からの土地譲渡に係る税制の見直しの中におきまして、学校用地につきましても税負担についてかなり大幅な緩和措置が図られておりまして、その結果として私どもは、今後は円滑化に資するものとして今回の見直し措置が働いてくれるというふうに期待しておる次第でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 念のため、その税の緩和措置はいつから実施されますか、もうされているのですか。

水野勝大蔵省主税局税制第一課長

○水野説明員 ただいま御説明のございました今年度の改正につきましては、現在この国会で租税特別措置法の改正といたしまして御提案申し上げておるところでございまして、これが成立いたしましたら本年一月一日分から適用になる、こういうふうな法律構成で御審議をお願いしているところでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 済みません。その中身をもうちょっと詳しく具体的にお願いします。

水野勝大蔵省主税局税制第一課長

○水野説明員 地方公共団体の義務教育施設につきましては、従来からも三千万円特別控除という特別の控除制度があったわけでございます。今回、先ほど御説明のございましたように、公的な土地取得につきましては通常の場合におきましては二千万円までは二〇%の比例課税、それを超えます部分につきましては四分の三総合課税、こういう措置がとられておるわけでございますが、公的な土地取得につきましては四千万円までが二〇%、それを超えます部分につきましては二分の一総合課税、こういうふうな案で目下御提案をしているわけでございます。そういたしますと、先ほどの先生のお話の十億とかそういう場合につきましては、下の方の比例課税部分というものの軽減もかなり響きますけれども、その上の部分につきましての総合課税の負担がかなり軽減されまして、四分の三総合課税と二分の一総合課税では所得の二割近くが軽減になるわけでございます。そういたしますと、先生の十五億ということでございますと三億円ぐらいが違ってまいります。そういう改正に相なるかと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 それが実施されると現在よりはるかによくなると思いますが、なお今後この面につきましては十分配慮いただきたい。文教委員長も御専門のようですから、ひとつよろしく御指導を願います。  それでは、時間もありませんので、この件については以上にいたしまして、次に心身障害児の義務制実施がいよいよことしで、これは数年前に私、予算委員会の一般質問のときに、愛知文部大臣であったかと記憶するのですが、憲法で保障されている義務教育を受ける学齢期の子供でこの憲法が適用されてない子供はいま日本に幾人いるかと伺ったら、当時の御答弁で文部省から、二万人ぐらいおると推定される、就学免除とか猶予とかいう形で教育を全然受けてない子供、これは五十四年度を目指して義務制に移行するとそのときもお言葉がありました。その年がいよいよ来たわけで、その点では大変喜んでおります。しかし、実情を見ますと、この間その準備には相当な御努力をなすったと思うので、どういうことを逐年おやりになったか、実は伺いたかったのですけれども、これはこの時間では無理ですからそれは飛ばしまして、いよいよ実施を目の前に控えていろいろな現象が起こっている。その代表的なものを二つ申し上げたいのです。  一つは、東京地方にあります島田療育園に収容されておる子供たちで学齢期の子供が、みんなそれぞれ養護学校等に行きたいんだけれども、それだけの施設設備が整っていないのでほんの一部しか養護学校には行けない。逆に、行けない子供は出張教授のような形で先生に来ていただいてそして教育を受けた、それはどうも打ち切られてしまいそうだ。かえって義務制になってほうり出されるというような心配をしておるようであります。  そういうところがあるかと思うと、逆に滋賀県の止揚学園、これは私、行って一晩泊まってよく実情を見てまいりましたが、重度心身障害児を非常によくめんどうを見て驚くべき効果を上げていると私は思ったので、文部大臣にも一遍見ていただきたいと思うくらいなんですが、そこは土地の学校に特殊学級として通わせていただき、それからいろいろな機会に土地の子供たちと学校の中でもあるいは寮の方でも交歓が行われて、相互に大変教育的な美しい効果を上げている面がある。そうでないいろいろな見方もあるようですけれども、そういうところが、今度の義務制施行で一自治体を飛び越えた遠い養護学校まで全部地元の学校から引き離されてやられることになる。これに対して非常に嘆き、抗議をしているというような実情なんですね。これがどう処理されているか。これはすべて最終的な処理の仕方は地方自治体の責任でしょうけれども、しかし、その指導は文部省がなすっておると思うのです。そういうような入れないで弱っているところ、無理やりに入れられるので困ると言っておるところ、そういう現象が、これはそのほか複雑ないろいろな事態が全国に起こっておると思うのですが、そういう実態をどのように把握され、どう指導されているか。たしか砂田先生、ここにおいでですが、文部大臣であられたときに、私の党の木島先生か何かの御質問にお答えになって、それは親や子供たちの気持ちもよく考えてケース・バイ・ケースで柔軟に機械的でなしに対処する、こういう御答弁をいただいて、私どもああよかったと思ったのですが、現実にはまだまだそれがこなされていないように思いますので、その点はいかがか御質問申し上げます。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 砂田前文部大臣がケース・バイ・ケースとおっしゃった。私もケース・バイ・ケースで。ですから、非常に軽い子はいまおっしゃったような特殊学級でそこで一緒にやっているわけですよ。それから重度の者については、これは訪問教師の制度もございますから、ただ、一般的にやはり障害の種類と程度に応じて適切な教育をしなければいかぬ、こういう原則でございますから、教育するのにどうしたらいいかということで就学指導委員会がございまして、その指導委員会にはもちろんお医者さんも入るし、心理学者も入り、専門家が入って、親の意見も聞くし、子供の実態も見て、どういうふうにしたらいいか、適切な教育をしたい、こういうことで指導委員会でやっておりますので、最終決定は教育委員会でございますが、就学指導委員会の意見を尊重して、どういうふうにしたらその子の一番幸せになるか、そういう教育をいまいたしておるところでございます。  詳細は局長から説明させます。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ただいま御指摘になりました二つの施設の子供さんの取り扱いですけれども、島田療育園ですか、これは重度障害の子供さんが三十五人から四十人いるというふうに報告を受けておりますが、要するに重度障害ですから、先ほど先生が猶免の子供が何年前か御質問のときに相当いるようなお話をされましたけれども、義務制になりましても、私どもの予想ではどうしても大体二千五百くらいいるだろう。というのは、勉強よりも健康の保持あるいは療養に専念しなければならぬ子供、そういう意味でいまの島田療育園におります子供さんのうち療養にまず専念するという意味で、相当就学猶予をされるような子供がおるように聞いておりますが、できるだけ訪問指導の対象といたしまして、現在のところでは十七人の子供について訪問指導をするというふうな決定があるように聞いておりますが、私どもはやはり障害の程度等に応じまして、いまのようなことでさらに訪問教育が可能だというような子供があればその対象にするように指導いたしたいと思っております。  それからもう一つの滋賀県の止揚学園の方でございますが、これは現在二十二人の子供が町立の能登川小中学校に籍を置いて行っておる。そこの特殊学級だ。そこで今度、養護学校の義務制になれば、遠く離れた草津ですか、そこの養護学校へ行くのは困るというようなお話で、これはすでに小中学校へ在校している子供でございますので、私どもその点を考えて県に指導してまいったわけでございますが、県としては、その能登川小中学校に県立養護学校の分教場を設けてその養護学校の子供にするということでどうだということでお話をしているようでございますが、現在のところまだ当事者の間では、障害者の方は引き続き能登川小中学校の特殊学級の子供でよろしいじゃないかということのようでございますが、この場合も障害の相当重い子供さんのようでございますから、やはり養護学校の分教場という形にした方が、施設なりあるいは将来の教員の配当なり考えますとより条件のいい環境づくりができるんじゃないかというふうに思いますので、その線で関係者と十分話し合ってもらいたい、こういうふうに言っているわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 いま伺いまして、当局も実態をつかまれて対処され指導されていると考えますので、ぜひ機械的にならないように全国的にも御指導をお願いしておきたいと思います。  それじゃ時間がもう来ましたので、最後に、先ほど申し上げました外国人に対する日本語教育の問題、それ一点にしぼりまして、先日、文部省の国語研究所に参りまして、創立三十周年ですか、日本に来る留学生も非常に多いので、日本語教育をする場合のテレビ等も導入してのかなり科学的な進歩した方法を工夫されているようですが、私つらつら思うに、これから日本が世界の各国、各民族といずれも心を開いて語れるような日本人として育成し、そしてお役にも立っていくというためには、あの構想をもっと広げて、予算なんかを大きく広げて、そうして世界じゅうのいろいろな国の言葉をみんな専門に研究している人が日本に養成されていて、それでああいう国語研究所はむしろ世界の言語研究所ぐらいにさせて、そうしてどういう国から日本に学びに来てもそこでその国の言葉で日本語を教えて、日本の文化や日本の状態、学問を教え、紹介してあげることができるようなそういう構想を大きく持つ必要があるんじゃないか。  と同時に、これはまた外務省とも関係ありますが、日本の研究所が世界のどの都市から要請があってもどんどん人を派遣してやっていける、そこの国の言葉でちゃんと教えられる、英語を媒介にしなければ日本語はわからないというようなことでないように、これからは配慮すべきじゃないか、こういうことを大変感心しながら、一方、せっかくここまで手をつけたならもっと大きく発展させるべきじゃないかと考えましたので、これについて文部大臣なり関係の方の御見解を伺いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御趣旨まことにごもっともでございまして、国語教育研究所が、いまお話しのように日本語の研究を始めまして、資料もつくりまして、ことしの予算で聞きましたら三六%という大幅な予算の増額を認めていただいたので、御指摘のように、日本語教育がいま国際交流の障壁になっていますから、この障害をなくすために日本語教育を外国人にもわかりやすく勉強できるような資料なり設備を充実すべきだと思います。そういう意味で国語教育研究所の今後の発展を期待をいたしておりますし、私どもも最善の努力をいたします。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 先生御指摘のとおり、外国人に対して日本語を教えるということは大変大事な仕事でございますし、諸外国でも非常に関心が高まっております。  後から外務省の方からも御答弁があると思いますけれども、外務省におかれましても所轄機関の国際交流基金を中心にいたしまして、特に外国における日本語教育については力を入れておられるわけでございますが、文化庁といたしましても、いま大臣からお答え申し上げたとおり、国語研究所に、これは多年の要望がございまして五十一年に発足したわけでございますけれども、日本語教育センターというものをつくりまして、特に日本語教育の方法その他につきまして基礎的な研究をする、そしてそれは単なる机上の研究ではなくて、その成果を外務省さんとも御協力しながら活用していくということで努力してまいろうと思っております。  それで、いま大臣からもお答え申し上げましたように、五十二年度で施設設備の整備がほぼ終わりまして、五十四年度から実質的な事業をさらに活発にしていくということに重点を置きまして、その事業費におきまして三六%余り、正確には三七・六%の増加を見た、そういう状況でございますので、今後とも努力してまいりたいと思います。

平岡千之外務省情報文化局文化事業部外務参事官

○平岡説明員 外務省の立場から御説明させていただきますと、私ども、外国人に対する日本語の教育は文化交流の一番基本的な面だと考えております。現在の状態は、先生御指摘のような将来のあるべき姿に比べるとまだ大変劣っていることは事実でございます。私ども、この日本語海外普及につきましては、国際交流基金を通じまして国際交流基金の予算でやっているのが主たる分でございます。いろいろな項目がございますが、まず日本の先生を派遣すること、それから派遣でなくて現地で日本語を教えてくれている人たち、この中には日本人もございますし、外国人もございますが、こういう人たちに謝金を国際交流基金の予算から出す、それから日本の教材を送ります、それから日本語学校の中で一番成績の優秀な人を全部まる抱えで日本にお客さんとしてお呼びする、そのほかいろいろな手段がございますが、やはり先生を送るということが主たる項目でございまして、現在のところは十九カ国、その中に三十カ所ほど日本語の教育機関のために三十六名先生が行っております。これはまる抱えで基金が送る分でございます。  そのほか、先ほど申しましたように、いろいろ現地の先生もございますし、謝金もなしで現地で塾みたいにやっているものまで含めれば相当な数になるわけでございまして、現在大体三十万人ぐらいが世界各国で日本語を習っておると推定されておるわけでございます。  予算の一部だけ申しますと、国際交流基金による先生の派遣は五十三年度までは二億円台でございましたが、来年度予算には約三億五千万計上しております。これが基金の中で日本語関係では一番大きな項目でございまして、そのほか先ほど申しました諸謝金等もございまして、基金全体としましては日本語教育には相当力を入れておるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)分科員 時間が参りましたので、これで終わりますが、私が申し上げた着想については文部省も外務省も同じ方向の御着想を持っていらっしゃるようですから、これはさらに協力をして大きな国策として樹立されるように強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 続いて、鈴木強君。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 最初に内藤文部大臣に、あなたの日教組に対する基本的な考え方を承っておきたいと思います。抽象的ですから、ちょっとおわかりにくいでしょうが、私は、教育のよしあしというものはその国の盛衰興亡を決めるものだと思うのです。非常に大事なものだと思っております。ところが最近、日本におきましては教育の荒廃などという言葉を耳にいたします。非常に残念です。それは、原因はいろいろあるでしょう。しかし、われわれ国民があなたに強くお願いしたいのは、第一線で苦労されている先生方と文部当局との間に戦後三十年間どうもぎくしゃくしたものが続いているのですね。私はそこのところを根本的に変革して、本当に文部省と、団体であれば日教組ですね、先生方との間に心が通じ、相ともに大事な教育を担ってその使命を果たそうという崇高な立場に立ってお仕事ができるような、そういう体制をつくらなければ、いかにりっぱな政策を決めても私はだめだと思うのです。教育以前の問題としてそこが根本だと思うのですよ。ですから、何か大臣がかわると日教組と会うとか会わないとか、あるいは会う大臣もあるし、会わない大臣もあるといったようなことを私たちは聞いておりまして、それでは日本の教育はよくなるはずはないのじゃないだろうかという心配を私は持ち続けておるわけです。  大臣と私は、九年間参議院で一緒に国政に参加をいたしました。あなたは教育一筋に来られた方ですから、私は日本においても得がたい教育者としての人材だと思うのです。生え抜きの方でしょう。ですから、文部省のことについてもよく御存じでしょうし、あなたがまた再び大臣になるという機会があれば結構ですけれども、なかなかむずかしいとも思うので、幸いにしていま一番最高の職責につかれたのでありますから、後世の歴史に残すためにもあなたはそういう問題を整理して、本当に先生方と文部省が一体になってやれるような体制をつくってもらうためにも、私は大いに論ずべきは論じ、譲るべきは譲り合って、そして国民のための教育というものがやられまして、教育の荒廃などということが言われないようにしてもらいたいとつくづく願っているものですから、あえて最初にこの問題を取り上げたのです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 何か私、誤解をされているのではないか。私は終戦後六・三制を始めまして、そのときちょうどシャウプ勧告で一切の補助金、金がなくなっちゃって、それで六・三制をやるというのは無理ですから、初めて義務教育国庫負担法をつくったのです。ところが、半分ですね。あとの半分ができなかったので、それで定数法をつくって、あとの半分を小、中、高等学校の定数法をつくって交付税で保障しましたから、その後日教組と地方とはけんかがなくなったんですよ。そこまではよかったんですが、その後、道徳教育、勤評あるいは学力テストで、何か私が日教組を敵視しているように言われているのは非常に残念ですが、私は、お説のとおり、教育を愛して、教育の発展のためにどういう方でも率直に御意見を伺い、そしてまたやるべき点はやる、こういう気持ちでおるわけでありますから、決して日教組を敵視するなんという考えは毛頭ない。ただ、私は日教組の諸君に頼みたいことは、ストライキだけはやめてください、私はいつでもお会いしますから、ストライキはぜひやめてほしいということを日教組の皆さんにもお願いしている。それはなぜかというと、子供が非常に困るし父兄も困るから、ストライキはやめてくださいね、私はそういうことだけはお願いして、そして鈴木先生もよく御存じのとおり、私も教育一筋に四十年来ましたから、本当に何とかして日本の教育の再建のために及ばずながら私も最善の努力をする覚悟でおりますから、何とぞよろしく御指導願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 私は、あなたが日教組を敵視したなどという言葉は一言も使っておりませんし、そういうふうに考えているものでもありません。あなたはあなたなりに努力していただいていることは認めておるわけです。ただ、いまあなたがおっしゃったように、ストライキだけはやめてくれという、ストライキはこれは労働者に与えられた団結権ですから、罷業権ですから、基本的には認めなければならないものなんです。ただし、ストライキがやられなくて済むような体制をつくり、お互いにそれに向かって裸になって進んでいくという体制をつくることが大事なんですよ。それには、やはり為政者もそこに働く人たちも裸になって、そしてストライキをやらなければならないような条件を排除することですよ。私はそういうことが前提でなければいけないと思うのです。私は、MRA運動というのをやっています。フランク・ブックマンという博士は、ストライキは基本的な労働者の権利だから、これは崇高なもんだ、伝家の宝刀なんだ、これを抜かないように労使がお互いに工夫するということだと教えられている。まさにそうだと思うのですよ。ですから、あなたがストライキをやってもらいたくないという、それだけじゃだめなのです。ストライキをやらないように自分は全力を尽くしてやるから、そういうことのないようにひとつ組合側も協力してほしいというならわかるんだけれども、その表現がそうでないでしょう。と思いますけれども、そういうふうにしていただいて、何とかあなたの在任中に太いパイプを通じて、そしてりっぱな話し合いができて、それを起点にして教育がもっとりっぱになるように、こういうふうにお願いしたいのです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにお説のとおりでございまして、そういうストライキをやらないような状況をつくることが大事で、大平内閣は信頼と合意でございますから、私も信頼と合意によって、そういう事態の起きないように私自身も最善の努力をいたすつもりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 どうぞ、日教組を敵視しているなんということが再び出てこないように、これは内藤大臣の健闘を祈っておきます。  それからその次、放送大学を設置するための放送大学学園法案が二十四日に国会に提案されました。実は私もこの問題につきましては当初から関係してきましたし、深い関心を持っているのです。ですから、終着駅を迎えて法案が提案されたことについては深い感慨を持っているのですよ。  ただ、内容を拝見しますと、やはり問題点がある。その一つは、既設の国立大学に比べて大臣の監督権が非常に強いように思うのです。二つ目には、教員の任期というものを、評議会の議を経てとかいうことになっておりますが、決めておる。これも大学法との関連で私は問題があるように思うのです。それから第三番目は、これは電波を媒体としての大学ですから、当然放送法なり電波法というものがもろにかかってくるわけですね。特に放送番組の編集についてはかなりの制約があるのです。それとカリキュラムとの関係、学問の自由というものがそれによって阻害されないだろうかどうだろうか。そういう点についてかなり疑問があります。  社会党はこれを重要法案と受けとめて本会議の趣旨説明もお願いするようですから、きょうは私はそういう基本的な問題についての質疑は遠慮します。したがって、問題点だけを指摘し、願わくは大臣が今後国会において、せっかく茶の間で大学の勉強ができるような画期的な制度ができるわけですから、従来われわれが主張してきたような点も十分考えていただいて、提案したからそれでいいのだということではなくて、よりよい大学法にするためにわれわれの意見も十分聞いて、そして修正すべきものは修正してりっぱなものにしていくのだ、そういう考え方をあなたはお持ちかどうか、それを承りたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私ども、放送大学学園法案につきましてはお説のように多年の懸案でございます。これがようやく実ったわけでございまして、これはやはり国民環視のもとでやるわけですから、文部省の監督権を強化するなんという気はないわけでございまして、先生のいろいろ御指摘になった点、よく御理解をいただいて、何とかこの法案が成立いたしますように、せっかくの御協力を煩わしたいと思いますが、詳細は局長から答弁させます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 詳細はいいですよ。あなたが今後の国会の運営の中でそういう考え方がありますか。よりよくするために修正すべき点があったら修正していくという、おおらかな気持ちでこの法案の審議に対処していただけますかということなんです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私どもはいま出しておる法案が一番いいと、こう思っているものですから、また鈴木先生の意見もよくお伺いしていきたいと思っておりますが、どうぞまたよろしくお願いいたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それで一応創設の日程について——これは何回もやる、やる、やると言って、オオカミじゃないけれども延びてきているのですよ。それにはそれなりの事情もあったと思いますから了解しておきますが、一応学園の設立等、学生の受け入れまでの日程について、決まっておるところがありましたら教えてもらいたい。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 現在、放送大学の設置主体となる法人の設立に関する法案の御審議をお願いしている段階でございます。創設の日程というのは、もちろんその法案の成立を待って確定をしていかなければならないことでございますが、現在文部省が考えておりますことは、法案が成立をいたしますれば、ことしの十月に設置主体となる学園の設立をいたしたい。そして学園が設立されますと、直ちに文部大臣に対して放送大学の設置認可の申請を行い、郵政大臣に対して放送局の免許の申請を行うわけでございます。これも、できれば五十五年度において放送大学を大臣の認可を得て設置をする、五十六年度には放送局の免許を得る、それを経て五十七年の四月から放送大学の学生を受け入れたい、そのように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 五十四年度の予算に計上されております関係予算というのは、総額で幾らになりますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 約二億九千万でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 学生を受け入れるまでには、大体総額として幾らの予算がかかるというように見ているんですか。本部の建設費、職員、全体としてどのくらいの予算になりますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 現在、私どもが考えておりますのは、御案内のように、第一期の計画として、東京タワーからテレビ、ラジオの電波の到達する範囲、別途関東ブロック内で一カ所送信所を建てて放送を行う、それで一期の計画を考えておりますが、この場合の資本的な経費については約八十億円、経常的な経費については約三十四億円を文部省としては考えているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それから、いよいよ学生が入学許可されますね。その場合に、要するに授業料的なものですね、そういったものはどうなりますか。全体の経費を調達することを考えておられるのですけれども、その点だけどうですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 この大学の場合も、もちろん授業料は徴収をいたしたいと考えております。授業料の額については、現在の私大の通信教育が取っている授業料とほぼ同じものを考えるのが妥当であろうと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 では、大臣のさっきの御見解もありましたが、もちろん文部省は、これは非常にりっぱなものだと思ってお出しになったのでしょうが、しかし国会というのは、国民全体が審議をして、そしてここはまずかったということになれば、自分の出したものにこだわらずにいいものに修正していくというのが仕事なんですから、そういう意味で、われわれは建設的な、国民のだれが見ても心配のない、なるほどりっぱな放送大学ができた、これでは大丈夫だ、こういうふうな安心を持ってスタートできるようなものでないといけないでしょう、あなたの時代にスタートしていくわけですから。ですから、そういう意味において、ひとついいものをつくろうじゃないですか。そういう意味で、あなたもひとつ謙虚にわれわれの声に耳を傾けていただきたいことをお願いして、次に移ります。  それから、国立山梨医科大学の設立につきましては、きょうまで大変御高配をいただきまして、開学の段取りにこぎつけましたことは非常に感謝しております。  そこで、いま事務局がいろいろ準備をされておりますが、学生の受け入れまでの日程はどうなっておりますでしょうか。それと、五十四年度予算に計上されております山梨医大関係の費用はどの程度になっておりますか。項目別に金額を添えて説明をしていただきたい。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 現在、五十五年四月の学生受け入れを目途といたしまして、学長、副学長が中心になって準備を進めておりますが、現在進めている準備の中心的な課題は、教員組織の編成でございます。一月に公募をいたしまして、二月に公募を締め切っておりますが、その公募の状況をも考えながら、教育組織を現在鋭意編成をいたしております。大学としては、ことしの六月までに教員組織等を中心とした大学の設置計画というものを固めまして、文部省の方へ提出をしてまいります。大学設置審議会がこの審査を進めるわけでございますが、設置審議会の審査は、ことしの八月から行われることに相なります。順調にいけば、ことしの十二月に大学設置審議会の方で教員の組織の審査等が終わって判定が出るという形になるわけでございます。それと並行して、入学試験の問題の作成のような学生の受け入れのための諸準備が進んでまいりますけれども、私どもは、五十五年四月の学生受け入れについて支障なく準備が進んでいくと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 五十四年度予算はどうなる……。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 大学局関係の予算というのは、現在学長一、副学長二、それから事務当局が四名、計七名の職員を持っているわけでございますが、それにさらに一般教育の教官を一名、それから事務官が三名、これが予算の成立とともに追加して発令をされますので、それに必要な人件費を大学局関係は計上しているわけでございます。  施設の整備の状況につきましては、管理局の方から。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 施設関係の経費として、五十四年度約二十億弱を用意してございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 校舎がまずありますね。それから付属設備等、特に付属病院は当然おつくりになると思うのですが、そういった面はどうなっておりますか。  それから、大学局長の方で、初年度の募集人員が何人ぐらいか、それをひとつ答えてください。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 山梨医科大学につきましては、昭和五十四年度から六カ年で約八万三千平方メートルの施設整備を行うこととしておる次第でございます。五十四年度には、学生受け入れのための施設といたしまして講義実習棟、研究棟の建設に着手いたしまして、引き続き年次計画によりまして、研究棟、図書館等の整備を進めることといたしております。  ただいま御質問の付属病院につきましては、昭和五十五年度から約三カ年で整備を行うという予定でございます。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 五十五年四月に受け入れる学生は、入学定員百名でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 県の方も、できるだけの御協力をするという体制でおりますし、また、中巨摩郡玉穂村というところに敷地も確保しておりまして、玉穂村も挙げて協力体制をとっておりますので、ひとつ万全の体制をしいていただいて、できるだけりっぱな大学が設置されますように今後の御協力もお願いをしておきます。  それから、次に小中学校の学校図書館の司書教諭のことでちょっとお伺いしたいのですが、御承知のように、議員立法で学校図書館法というものができまして専任の司書教諭を置くことになっておりますが、もう二十年近くたっているのですけれども、「当分の間」という法律の条項をうまく利用してというのか、ごまかしてというのか、今日まだ法律に定むる司書教諭というものが配置されていないように私は聞いているのです。一学級四十五名を四十名にせよという問題がありますから、その面における教職員の定数増もありますので、なかなかむずかしいことだと思いますけれども、しかし法律ができて、その法律を空文化することは許せませんよ。「当分の間」というのは、一体文部省は何年何日のことを考えているのか。三十年も当分の間か、そんな解釈は成り立たない。そんなべらぼうなことはないですよ。これは砂田先生もいらっしゃいますが、大臣の当時、私も御質問をして文部省の事情も多少わかっていますけれども、法律をつくったものが実施されないということはけしからぬことで、これは何とかしなければいかぬじゃないですか。どうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 昭和二十九年だったと思いますけれども、学校図書館法が議員立法でできまして、ただいま先生、司書教諭を置くとおっしゃいましたけれども、置くんですけれども、この法律の仕組みは、教諭をもって充てる、つまり普通の先生にあなたは司書教諭の仕事をやりなさいという、いわば職務命令を出すというかっこうになるわけです。これはたとえば学校の保健主事でございますね、これも教諭をもって充てるということでやっておるわけですが、こっちの方は現在大体七〇%ぐらい設置率がいっているんですね。ところが司書教諭の方は御指摘のようにほとんどない。ただ資格のある人がないかというとそうではないんで、毎年現職の先生も含めて四、五千名の司書教諭の資格をやっておりますから、現在司書教諭の資格を持っておる方は、現職の方も含めまして九万くらいになるんですね。だから実際に現場において資格のある人はもっといるわけですから、司書教諭に補すという命令を出せばもっと普及するわけです。なぜそうならないかということなんですが、私もいろいろ先生に聞いたり現場に行って聞いたりするんですけれども、結局学校図書館の利用というのは学校に司書教諭を置いてその人が調整をするというだけではだめなんで、一人一人の先生が学校の図書館を十分利用しなさいという指導を徹底しないとなかなかできない。そのために、今度の学習指導要領の改正で小学校などは、個々のクラス担任の先生がもっと学校図書館の利用を指導しなさいというようなことまで入れてあるわけですけれども、その点が率直に言いまして日本の場合、学校で図書館を利用するという従来の一般的な風習がないということもあるんだと思いますから。そこで、もちろん私どもも司書教諭の発令について努力しますけれども、その前提として学校図書館の利用、活用ということをさらに活発にさせるように努力をしていきたい、かように思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 主客転倒なことを言っておる。あなた実態を知らないにもほどがある。あなたは何局長ですか。山梨県は私の選挙区ですけれども、これは盛んで盛んで、一坪運動までやっているんですね。だから、問題はその体制がないんですよ。図書館法ができて二十何年もたってもまだ司書教諭一人置けないというところにある。山梨県ではやむを得ず自治体が公費で雇っているところもあります。それからPTAが雇っているところもある。しかし、中には六万円くらいで高等学校を出た娘さんが泣きの涙でやっているところもあるんですよ。かなり司書教諭を配置しておりますね。司書教諭というか、そういう定員外の臨時的な人を。置けば子供たちは本を読みたいのです。まだなじんでおらないなんというのはとんでもない話で、もう少しあなたは現場を勉強しなさい。そして基本的な、当分の間置かなくてもいいところをたなに置いて、そのたなに置く理由の中にそれをしようといったって、そんな理由は全然なじまないですよ。私が聞いているのは、当分の間というのは一体何年間だと聞いているんだ。法律が当分といったら何年か、二十何年間当分でいいのか、そんなべらぼうなことはないだろうと私は言っているのです。まじめにやらなければだめですよ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いま御指摘のとおり、県によって相当やっているわけですけれども、ただそれは司書教諭というんじゃなくて、学校図書館の司書事務をやる方ですね。こういう人は確かに定数上大規模な小中学校しか置いておりませんから、そこで、一般の学校にそういう担当者を置けという要望はあるわけです。ただ、これはいまの定員問題に関係しますので、制度上やってないということで実際の図書館業務をやる職員をどうするかということはこれからの一つの課題でございます。  ただ、司書教諭自身の補職の関係は、いま申しましたように制度としては教諭をもって充てるわけですから、これは現在でもやろうと思えばもっとできるはずなんですが、これをやってないということでこの点は御指摘のように申しわけないと思いますから、これは一層努力をいたしますけれども、実情はそういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それを初めに言えば私はよけいなことを言わなくても済む。もう少し質問者の気持ちを体して……。  大臣、一学級当たり生徒の定数、いま四十五人を四十人にしてくれという強い願いがあるんですよ。行き届いた教育をするのにはそのくらいにしないとうまくいきませんね、ぼくら実態を見ておって。そこで、昨年の暮れに日教組といろいろお話し合いをして、五十五年ですか、そういう点についての改善をするというような意見も出ておりますね。山梨県では県費で県単で四十五名を四十名にしようということを県教委が決めたのですよ。新しい知事が恐らくそれを踏襲してくれると思いますけれどもね。そういうわけで国の方針を待ち切れないでそれぞれの県でやらざるを得ないようなところまで行っているという実情ですよ。だから全部できないとすれば何カ年計画でやるか、そういう点はまたひとつ相談してくださいよ、あなた、組合の方ともはっきり了承したんだから。そうしてできるだけ早くやってほしいと思うのですが、大体五十五年度から若干でも手がつきますか。つけてもらえますね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 実は定数法をつくったのが私の時代なんですよ。私が文部省にいるときに五十にしたのです。それを四十五に下げて今度は四十に下げようというわけですから、これは私の長年の懸案でございますから私もやるつもりです。ただ、この中で非常にむずかしい問題は、過疎地はわりあいにいいが、過密地帯になると校舎の問題、土地の問題、先ほどの土地の問題から全部絡んでくるわけですよ。そういうわけで、いま悉皆調査をしていますからこの悉皆調査を早く完了して、何とかして五十五年度から実現できるように私も一生懸命努力いたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 ぜひお願いいたします。  それから、時間がもうなくなりまして恐縮ですが、最近米が大分余ってきましたね。これを学校給食の面でパンから米に切りかえたらいいじゃないかという意見があるわけですが、そのことに対して文部省の方針はどうか、それから今年度予算で児童一人当たりの補助単金というものは幾ら上がりましたですか。それをちょっと教えてください。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も米飯給食の推進者の一人なんですよ。ちょうど終戦直後日本は食う物が何にもない。それで仕方がないから、パンを向こうがガリオア、エロアでただでくれたんだからやろうと言ってやったわけですよ。ところがこれが長年続いちゃって、今度はパン屋さんがあってなかなかそれを一遍にやれと言ったって無理なんです。それで私も一生懸命努力しまして、とりあえず何とか週二回を目標にこれを五十六年までですか、後で局長から説明させますが、五十六年までに完成するようにしたい。それから補助率を渡辺農林大臣大変協力してくれまして、いままではたしか三五%引き下げだったが、今度は六〇%引き下げてもらいますから、この面からも私は推進できると思うので、せっかく日本では天照大神の時代からお米をつくったんだから、このお米を粗末にするようでは私は日本の国は発展しないと思うのです。そういう意味で、私も米飯給食推進論者の一人ですから御期待にこたえてやりますが、局長からちょっと説明させます。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 学校給食への米飯の導入につきましては、四十五年から五十年まで実験学校で試みてまいりましたが、その結果に基づきまして、五十一年度から計画的にこれを導入していき、五十六年度にはすべての学校におきまして週二回米飯の導入が素直に実現するよういま計画を進めておるところでございます。この計画によりまして五十一年度には三六・五%の学校が米飯を取り入れておる状態でございましたが、五十三年現在で七〇・八%の学校が実施するという着実な普及をいま見ておるところでございます。今後、米の値引き率も高まりましたこともございますので、さらにこれの一層の普及を図りたいと思っておるところでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 では、あと非行少年の問題とか自殺者が多くなっている問題、お伺いしたいと思いましたが、時間がないからこれで終わります。ありがとうございました。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 続いて、二見伸明君。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 私は、放送大学について基本的な問題でお尋ねしたいと思います。  いろいろな経過を経て放送大学が設立にまでこぎつけてきたわけであります。そしてこの放送大学の目指す目的、一つは生涯教育、あるいは大学教育を広く国民に開放するという大義名分は非常にいいし国民にも受け入れられやすいものでありますけれども、しかし、今国会に提案されてきた法案を見てみますと、大義名分とは別に、管理運営の面でやはり大きな問題があるのじゃないかという気がいたします。  このいわゆる放送大学学園というのは特殊法人。ですから放送大学というのは特殊法人立の大学だと思います。学園の理事長は文部大臣の任命になっておりますし、学園の理事は文部大臣の認可を受けて理事長が任命することに法案の十条では規定されております。大学の学長は、評議会の議に基づき、理事長の申し出に基づいて文部大臣の任命、これは二十一条でそう規定されております。それでは、評議会の議に基づくというその評議員というのはだれが任命するのかといえば、評議会の評議員というのは学長と副学長、それと「学長の申出に基づいて、理事長が任命する。」こうなりますと、要するに理事長、学長、それから理事、評議員、これは全部文部大臣からの太い線でずっとつながれておるんじゃないかと思うのです。しかも教授、助教授、講師、助手、これも理事長の任命ということになっておりますので、この大学というのは上から下まで太い線でびしっと貫かれた、非常に国の統制色の強い大学だという感じを私は受けるわけです。大臣はそういう仕組みを見て、国の統制色が非常に強いというふうにお感じになりませんか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私は強いとは思っていませんけれども、やはり責任は文部大臣ですから、何か間違いがあれば文部大臣が責任をとらなければいけません。その場合に、特殊法人だから、だれか適当にやっておけというわけにはまいりませんので、学長とか理事長については、それはやはり学長、理事長が中心でございますから、中心は文部大臣が任命することが私は当然だと思っていますが、その機関が本当に国民の信頼と期待にこたえなければならぬ。その信頼と期待にこたえないような法人だったら法人をつくった意味がないと思うのです。そういう点で、いろいろ御批判があったら御指導いただきたいと思いますが、責任は文部大臣が負わなければならぬ、そういう趣旨でございますので、監督権を強化するという趣旨ではございません。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 これは特殊法人立というわが国では初めての特異な大学でございますから、大臣が何とか責任をとらなければならぬというお気持ちは私わからないわけではないのです。別に理事長を文部大臣が任命することの可否を私論ずるわけではありませんけれども、システムとしてはかなり統制色が強いんじゃないかと思います。  もう一つ別に伺いますけれども、実は、まずスタートの段階からいきますと、附則の第二条では学園の理事長は文部大臣の任命ですね。それから附則の九条では、最初の学長も、それから設置後六カ月以内の教授も、これは本則の「第二十一条第六項の規定は、適用しない。」要するに評議会の議を経て任命するという手続はしないでもよろしいんだ。それは、ないんですから、もともとないところへつくるんだから、文部大臣が理事長を任命し、そして最初の学長も任命するというのは、これはやむを得ない、手続としては当然だと私は思います。そうすると、一つは、このスタートのときに理事長なり学長なりの人選をもし間違ってしまうと、文部大臣は、いや私は文部大臣の権限を強化しようとは思わないとか、国家、国の統制的な色彩はないようにしだいとかいう御配慮があるとしても、最初の人選を間違えてしまうと、これは国民の期待に沿えないようなとんでもない大学になる可能性がありますね。どうですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 そういうことを心配しましたから任期制というものも置いたわけでございまして、私は絶対にそういうことはないと信じているのですけれども、人間のやることですから、それは間違いがないということは私も言えないと思うのです。ですから、放送大学は国民環視のもとにありますから、そういうことのないように私も最善の努力をいたします。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 実は大学と言う限りは、大学の自治とか学問の自由というのがなければいけませんね。そうするとこの大学の場合には、国立大学あるいは私立大学の教授が享受しているような学問の自由というものはどういうふうになりましょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 もちろん大学でございますから、大学の自治について最大の配慮をし、また学問の自由というものと、この大学が放送をもって授業を実施するという特殊性との間の調整ということに十分に留意をする必要がございます。先ほどの鈴木先生の御質問にもございましたように、放送をもって授業を実施するわけでございますから、放送法のそれぞれの関係の規定の適用が原則としてあるわけでございます。したがって、いわゆる放送コードというもののもとでこの大学が授業活動を展開をしていく、その限りにおいては、それぞれの教授が、一般の大学のように教室の中で限られた学生を相手にして授業をするということと、この大学の教育の内容をどのように編成をしていくかということとの間には別途の留意をすべき点がございます。それらはすべてこの大学の教育研究の内容の問題として大学の自主的な判断のもとに行われていくものでございますし、そういう意味において、この大学においても十分に大学の問題として学問の自由というものは確保されていくと考えております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 要するに、この放送大学における学問の自由というのは放送法四十四条二項だったですか、放送コードがありますね、そのコードによって制約をされるのだ。それは他律的か自律的か、この大学は学園の中に大学と放送局を持っているようなものですから、それは恐らく自律的に調整するのでしょうけれども、いわゆる一般の大学で考えられるような学問の自由と比べると制約はあるのだ、これは放送法上の制約があるのだというふうに理解してよろしいのですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 むしろ問題は教授の自由の問題かと思います。  教授の自由については、私は端的に言えば、教育基本法なりあるいは放送法の要請に従ってこの大学がみずからの大学の問題としてそれに対する対応を考える。非常に極端な言葉を使えば、大学の問題として一つの自制が行われる。しかし、それがその大学のいわば自治の内容であると考えます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 もう一点具体的な問題をお尋ねしますけれども、たとえばこの大学で憲法の講義をする。憲法の講義というと必ず憲法九条がひっかかってまいります。これは違憲論、合憲論、いろいろあります。たとえば自衛隊の問題をどう解釈するか。学者の中でも、自衛隊は違憲ではないという論を立てる学者もいらっしゃいますし、とんでもない、これは違憲であるという論を立てる学者もいらっしゃいます。たとえばある大学のある教授が憲法の講義の中で、現在の自衛隊は違憲であるという学説を展開することはこの大学では許されるのかどうか。もう一つ、たとえば経済学の講義をする。経済政策の講義をしていて、たまたま生きた経済学だというので、現在の日本経済の実態を取り上げて、いまの政府の経済政策はこういう点で誤りがあるというようなことを経済学の講義の一環としてしゃべることはこの大学では許されるのでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 先ほど来申し上げておりますように、放送コードの適用がございます。したがって、意見の対立する問題、異なった意見のある問題についてはそれぞれの意見を、こういう意見もある、こういう意見もあるということを示すということがコードで要請をされておりますから、それに従ってこの大学ももちろん教育の内容を固めていくということになります。しかし一般の大学であっても、事柄とすればいろいろと対立する意見のある問題については、私は、担当の教授は、こういう意見もあってこういう意見もあるということは学生に示しながら現在でも講義は行われておると考えております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 そういたしますと、ある教授が、自衛隊は違憲だという説を持っている、この違憲説でもって講義をする、だけれども、私はそういう意見を持っているけれども、また別には自衛隊は合憲だ、こういう説もあるというふうに並列するというか、そういう反対意見もあるということを述べればこれは可能になりますか。逆のことは、自衛隊は合憲だと私は思うという論を展開して、しかし、中には違憲を唱える説もあるというふうにつけ加えればこの放送は可能になりますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 放送コードで要請をされているのは、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることということが要請をされているわけでございます。まさにそういう趣旨に従って放送大学の講義というのは行われなければならないと思いますが、放送大学の場合に一般の大学と非常に異なる点は、一般の大学であればそれぞれの教室においてそれぞれの教官が講義をする場合に、その講義の内容というのは一人の教官が考えてそれに従って講義をしていくわけでございます。しかし、この大学の場合には、対象としている学問分野が非常に学際的な点が多いということはもちろんございますけれども、そもそも単数の教官が教育の内容を考えていくということではなくて、まさにコースチームが組まれて複数の教官によって十分なディスカッションが行われ、それに従って教育の内容というものは固められて放送に移されていくわけでございますから、事の性質からして特定の意見というものを出して、それに対して補足的に他の意見も紹介をするということではなくて、いまの放送コードに示されているような形で、番組は意見の対立する問題については組まれていくと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 そうしますと、たとえばこれは新聞報道ですけれども、二月十六日に自民党の総務会に放送大学法案がかけられたときに、記事はこうなっているのですよ。「十六日の自民党総務会は、同法案をめぐって協議、放送大学の理解が不十分なための議論もあったが、大学の管理や運営面に対する不満、懸念に意見が集中した。大筋では了承したものの、「偏向教育をする教授が採用されたらどうするか」「野党が政権を握ったとき、大学の公正中立性が保持できるのか」など、強硬意見が飛び出し、約一時間半、激論が続いた。これに対して、文部省や自民党文教関係者は、同法案でも教科、教授について十分なチェックができる、と説明、原案通りの了承を求めた。」こういう報道がなされておりますけれども、この大学ではこの法案によって教科、教授について十分なチェックができる仕組みになっておるわけですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この大学の教育研究につきましては大学の問題として学長がこれをつかさどり、所属の教官たちがみずからの問題として検討していくわけでございます。その実際の教育の内容を固めていく場合には、いま申しましたように一人の人がやるということではなくて、複数の方が互いに論議をしながら内容を固めていくというようなコースチーム制がとられるわけでもございますし、全体としてこの大学の自主的な判断と申しますかによって、番組として出ていく場合の教育内容というのは中正なもの足り得るということをわれわれは考えているわけでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 確かにこれはお茶の間に飛び込んでくるわけですから、この内容が一方に偏ったものを常時流されたのではこれはえらい迷惑であります。その点では公正中立といいますか、政治とは中立の立場で番組が編成されることを、やはり私もそう思います。ただ、総務会では、本当にこういう発言があったのかどうかわかりませんけれども、「野党が政権を握ったとき、大学の公正中立性が保持できるのか」という意見があったそうでありますけれども、逆に私たち野党から見れば、政府に都合のいいような方向で番組編成もされたんではたまらない。同じ疑問が、総務会と逆の立場から私たちもそういうふうに思うわけです。  それでもう一点お尋ねしますけれども、三十七条で「文部大臣は、放送大学に対して、教育の調査、統計その他に関し必要な報告書の提出を求めることができる。」こうあります。これはたしか私立大学に対してもこういうような規定があると思いますけれども、私は私立大学に対する規定と特殊法人立である放送大学に対する三十七条の規定とは大分重みが違ってくるのじゃないか。この条文では、文部大臣に報告書の提出を求めることはどういうねらいがあるわけでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 これは御指摘のとおり、私立学校法六条の報告書の提出の規定をそのまま書いてあるわけでございまして、大学でございます、そして特殊法人立ではございますけれども、その位置づけと申しますか、それはかなり学校法人に近い性質を持っている大学でございます。私学法の規定に従って教育の調査、統計その他に関して必要な報告書の提出を求めるという一般的な規定をこの大学についても設けた、それだけのことと御理解をいただきたいと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 私もそういうふうに理解したいのですけれども、これは特殊法人立で国が税金でつくり上げる大学でしょう。私立とは違うし、全く性格が違う大学です。そうすると、この三十七条で文部大臣が報告書の提出を求める、その場合に文部大臣は大学の教科の内容についてまでくちばしをはさむことがこの三十七条でできるのでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 これは私立学校に対して所轄省が権限を行使する場合と事の性質は全く同じことであって、調査、統計その他に関して必要な報告書の提出を求めるということでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 要するに、大学の教育番組は、いわゆる放送大学の自治によって放送コードをにらみ合いながら大学としては調節することになりますね。その実際に出てくる番組がどういう方向になるかわかりませんけれどもね。そのことは、先ほど私が教科についてチェックするのかと質問したときに、それは大学が自主的に討論しながらやるのだというお話でしたね。あくまでもそういう講義内容だとか教科だとかいうものは大学に全部任せるのであって、文部大臣はそういう具体的な大学の講義内容だとか教科だとか、そういうことについては全く介入する必要がないのだ。学生の数とかいろいろな統計資料はとるけれども、教科内容については文部省とは切り離すんだ、それはあくまでも大学に任せるのだということになるわけですか、この解釈は。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘の規定によって、この大学のカリキュラムの内容について文部大臣が直接に物を言うというようなことで設けられている規定ではそもそもないわけでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 そうすると、カリキュラムについては文部省は三十七条、ここで「教育の調査」という文言がありますからね。この教育の調査でもってカリキュラムについては介入をしたり何かはしないというふうに理解してよろしゅうございますね。それは絶対やらないのだ、大学に任せるのだと。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 どのような教育課程を組むのか、あるいはもっと言えば、どのような授業科目を開設をしていくのかというようなことは、もちろん大学が決めることでございます。ただ、この大学は、どのような学部でどのようなコースを開設をしていくかということは、もちろん認可の際に計画書として出てまいりますから、それは大学設置審議会がチェックをいたしますし、それに従って行われるわけでございますが、教育の内容それ自体について直接に文部大臣が物を言うというふうなことは、一般の大学の場合と同じようにあり得ないことでございます。ただ、大学が自主的に教育内容を固めて、そしてそれが今度はこの学園の設置をする放送局から放送をされていく、その放送番組については最終的な編集責任は理事長にございます。したがって、もし大学の行う教育の内容というものが、放送コードとの面で結果的に問題が出てくれば、それは理事長が学長に対して物を言うということになるわけでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 それから、この大学の方では評議会が中心になりますね。普通は教授会ですね。この場合は全国に散らばるから、自治的な教授会は無理なので、評議会で大学の自治的な運営をやっていくことになっておりますね。それに対して実体面的に、あるいはやむを得ないかもしれないけれども、学園の一部の役員だとか評議員という、要するに一部の首脳だけで大学が一切決まるということになると、これはまた逆に、教授のいろいろな意見も吸い上げられないという悪い面もあわせ持つんではないだろうかと思います。それは逆に、やりやすいという簡便さはあるかもしれませんが、やはりこれは間違えば危険な方向に行く、大学が一握りの人に運営されてしまう危険なものになるというおそれは感じませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 一つには、この評議会というのは、放送大学の学長、副学長及び教授をもって構成をいたします。いわゆる法人側の職員は全く入ってまいりません。まさに大学の自治の問題として、大学の自主的判断に基づいて大学の重要事項の審議をし、あるいは教員の人事について審議をしていくという位置づけにしてございます。  それから御指摘のように、この大学の場合には学習センターを各地に持つ。それぞれの学習センターにも専任の教員がいるというような状況があるということもございますが、さらに加えて、できるだけ他大学その他の教育研究機関との連携を密にして、それぞれの機関におけるすぐれた教官の参加を得て、この大学の教育というものを活発に展開をしていくということが要請をされます。したがって、この大学は通常の大学の場合よりもはるかに多数の客員教官に参加をお願いをするという形になります。通常の大学における教授会とこの大学の教授会とは、明らかに態様を異にいたします。そうした点を考えて、最も適切な大学の自治の問題としてこの大学の教学のあり方というものを考えていくときに、どれが最も適切であるかということを考えた結果、評議会ということを考えたわけでございます。その点をぜひ御理解をいただきたいと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 確かに、放送大学が国民に開かれたものであるということで多くの人の期待があることは事実ですし、私も、こうした国民の期待に沿えるような放送大学にしなければいけないと思います。  きょう限られた時間の中で十分な論議ができませんでしたけれども、しかし、いま私が二、三申し上げたようなことは、やはり大学の管理運営面でこれからも論議を深めなければならぬ。内藤文部大臣のように教育に熱心な、志操堅固な方であればともかく、これからどういう大臣が出てくるかわからぬわけです。これは国家統制色はないんだ、そういうことは考えてないんだと大臣がおっしゃっても、これに対する歯どめというのは一切ないのです。まさに自民党の総務部会で、野党が政権取った場合に公正中立の放送ができるかと議論があったと同じように、われわれからすれば、国の、政府の一方的な思想統制の道具にされるんじゃないかという、逆の立場でわれわれはそういうふうに思っている。やらないんだというけれども、その歯どめというものは何もない。この点は恐らく文教委員会等で論議されるでしょうけれども、そういう点については、大臣は前向きに、そういうおそれが少しでもないように、国民みんなが、なるほどいい大学だと喜べるような大学にするために、この法律案は一番いいと思って出したとおっしゃるけれども、歯どめがないのはやはり危険だと思う。その点については論議を深めて、各党とも協議をしながら、うまい歯どめがあるならば考えていただきたいと思います。この点についてはいかがでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 文部省もずいぶん検討して出した法案ですから、私どもはこの法案が最善だと思っておりますけれども、各党の皆さんの御意見も謙虚にお伺いしたいと私は思っております。  ただ、放送大学というのは国民一般に開かれた大学ですから、これはちょっと文部省も、万一間違ったら全部国民から非難を受けなければなりませんから、私はそういうことのないように——りっぱな大学をせっかくつくったのですから、国民から信頼される大学でないと志願者も来ないでしょうね。そういうことを考えますと、皆さんの御意見も十分拝聴しながらやりたいと思っていますが、私は、いまの法案がいろいろ検討した結果できて、私どもも最善だと思っていますけれども、各党の皆さんの御意見を率直に伺わさせていただきたいと思っています。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 もう一つ、時間もありませんので伺いますけれども、これはいわゆる教育番組ですね。たとえばNHKの三チャンネルの教養番組。教養番組と教育番組というのは、接点が非常にむずかしいですね。これも教育番組だ、教育番組だということで、業務の中に、第二十条ですね。「学園は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。一 放送等により教育を行う大学を設置すること。二 前号の大学における教育に必要な放送を行うこと。」「教育に必要な放送を行う」ということでもって、既存のテレビに類似したところまで進出されてくるということは困る。困るというか、これはやっぱり一つの問題になると思うんです。教育番組と教養番組との区別といいますか、ここまでは教育、ここから先は教養と、はっきり分ける基準というものもやはりおつくりいただきたいと思いますけれども、そういう点についてはどうなのか。  それから、任期制の問題がありましたね。この任期制についてはいろいろ議論があります。賛成の意見もあるし、特に中央に集まってくる人たちに対する任期制と、もう一つは学習指導センターですか、そこに教授が一人と四人の助教授、こういうスタッフになりますね。たとえば五年というような短い任期制にした場合には、身分が不安定で十分学問ができないという問題点もあります。そういう点については、いわゆる大学の本部に集まってくる教授と、指導センターにいる所長さんといいますか、助教授ですか、その人たちの任期制とある程度区別をして、画一的にやるんじゃなくて、こっちの方をどうしてももっと長い期間にするとか、そういう配慮は考えてもいいんじゃないかと思います。  この二点についてお伺いしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 初めの方の御指摘でございますが、確かにそれは問題点として、法案を作成する際にも非常に意識をして検討した点でございます。既設の放送事業者の行う教養番組等と競合することになっては困るということでございます。したがって、書き方として、学園が一般的に教育のための放送をやる、それを放送大学が利用するという書き方にはしないで、放送大学の教育のために必要な放送をやるんだ、言いかえれば放送大学のカリキュラムに準拠をして放送が行われる。行われる放送というのは、放送大学のカリキュラムに沿って行われるものであるということを明らかにして、いま先生の御指摘の競合の点については配意をしたつもりでございます。  それから任期については、先ほども申し上げましたように、この大学ができるだけ多数の方々の参加を得て、しかも常に清新な教育の内容を提供していくことが必要であることを考えて設けているわけでございます。確かに、本部の職員の場合とセンターの職員の場合とは、事柄が少し違う点はあろうかと思います。いずれにしても、任期制を採用する場合の具体的な内容は、評議会の議に基づいて、この大学で定めていくことになるわけでございます。そのときに、学習センターの教員の取り扱いにつきましても定められることになるわけでございますが、一般的な考え方からすれば、学習センターの教員につきましても、たとえば本部教員との交流の可能性の問題であるとか、あるいはそれぞれの地元の国公私立大学の先生方との人事交流の促進、そういったことを考えますと、本部教員と同じように任期制を取り入れることについてのメリットは非常に大きい。そこは原則的には同じに考えていいのではないかと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 続いて、兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 文部省の方にお伺いしますが、本年四月一日から新たに養護学校の関係が義務化することになったわけでございますが、本年四月現在でどの程度の障害児が入学する予定になっているのか、その点まずお伺いしたいと思います。     〔主査退席、谷川主査代理着席〕

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 現在養護学校に入っている子供は約四万でございますが、去年の夏以来、各県から集計報告をとりましたところでは、現在小、中学校における障害児で障害の程度が重くて養護学校へ転入する子供と、新たに養護学校へ入る学齢児童、生徒合わせまして二万四千くらいと見ています。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 では、合わせて六万ということでございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ですから、いまの四万に加えますと、六万四千ぐらいになります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 実は今回の義務課程の問題をめぐりまして、私の宮崎でもやはり一般の子供さんと普通の学校に行きたいということで、現在若干のトラブルが起きているわけでございますが、一番基本的に言われることは、新聞でも報道されておりますし、各地区でも、この義務化によりまして、いわゆる隔離、分類就学ということが、障害児であるがゆえに一般よりも分離され、差別的な取り扱いではないか。義務化ということで、強制であって、他の学校へ行く道がふさがれるのではないか、こういう意見が出されているわけでございます。義務化即強制というやり方ではやはり本当の教育のあり方でないのじゃないかというふうに私は感じますが、その辺の御見解をひとつ大臣いかがでございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 養護学校が義務制になりまして、お説のように大変いろいろな問題が起きていることは私もよく存じておりますが、ともかく、せっかく学校へ行く以上、やはり障害の種類と程度に応じて適切な教育をしてやりたいというのがこちらの願いでございまして、軽い子供はおっしゃるように普通の小中学校の、一般の子供の特別学級に入るわけですから、この点は問題はないわけです。それから重度の障害児については、いままでも訪問教育等をやっておりますから、これも問題は少ないと私は思うのです。一般的な親の気持ちになると、やはり普通の学校へ入れたいというお気持ちも私、わかるのですけれども、やはり障害の種類と程度によって、本当にその子の幸せになるような適切な教育ができるかどうかという問題なんで、そこで文部省も就学指導委員会というものをつくって、お医者さんとかあるいは心理学者とか、あらゆる権威のある方を入れて、それでその人たちが親と相談して、障害児の種類や程度をよく判定されて、これはやはり特殊学校の方が幸せだ、こういうふうにされる。その決定は教育委員会で行うわけですけれども、そういう専門家の意見を聞いて——私はその方が幸せではないかというふうに思っているわけですが、やはり本人の幸せのためにどういうふうにするのがいいかということが問題だと私も思うのです。親の気持ちもわからぬわけではございませんが……。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 ただいまの大臣の御見解は、前提となる保護者に義務化したわけでございますが、保護者の意向、それに受け入れる学校、それから行政機関の教育委員会、こういう三者の十分な合意といいますか、コンセンサスが、今後の新しい制度の適用でございますから、きわめて必要じゃないかと私は思うのですが、この点について大臣どうお考えになりますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにあなたのおっしゃる保護者と教育委員会とそれから就学指導委員会の専門家、そういうものの合意がやはり必要だと思うのです。おっしゃるとおり独断はいかぬと思うので、できるだけ皆様の納得のいくように努力したいと思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 当局にお伺いしますが、現在養護学校というのは全国に幾らあって、そして関係児の入校は、先ほど二万五千と言われたようですが、これは全体から見るとどの程度になっているのか、この点お伺いしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 五十三年の五月現在で約五百校でございます。それで五十三年度中にさらに増設をいたしまして、ことしの四月義務制発足と同時に、もう百四十校ほどふえて六百四十校ぐらいになる予定でございます。  それからその就学する子供でございますが、いま申しましたように、新たに入る者、それから小中学校から編入される者、合わせて二万四千くらいになりますが、それでは障害児が全部養護学校へ行くかと言いますと、障害の程度が非常に重くて学校教育よりもまず健康の維持だ、療養専念だというような子供が、いまの見込みでは二千五百人くらいおる、これが猶予児になる、こういうふうに考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 私の郷里の町にもいわゆる養護学級というのがございます。どうしてもこの障害児というのは、バスなり汽車に乗って遠くまで行けないということで、やはり地域性ということも考慮しながらやらなければいけないわけでございますが、現在全国でこのような養護学級が、全体の小学校の数は二万五千校くらいと聞いておりますが、現在学級のある市町村の学校の数はどれくらいございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ちょっといま正確な数字を持ってきておりませんけれども、概略で申し上げますと、小学校が二万三千、中学校が一万くらいございますから、三万三千くらいですけれども、そのうち特殊学級を置いております学校が約一万一千くらいではなかったかと思います。ただ、そこで特殊学級というのが大部分は精薄児を収容する特殊学級ということで、病虚弱児とか肢体不自由とか、かなりの障害の程度の、一般学校にはなじまないような特殊学級の数は少ないという現状でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 いまの御説明でもありますように、両方で約六万四、五千近い障害児の処置でございますが、結局、小中校含めて三万数千校のうち一万校しか学級がない。とするならば、六百程度の養護学校とそれからいまの一万程度の学級数で、文部省の考えているようなこの義務化の方向が十分達成できる見通し——もちろんこれは短兵急にはいかないと思っています。そういう点から、一体文部省としては、この義務化の方針が十分に徹底される見通しなりあるいはその方向なりというものはどういうふうにお考えか、承りたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまの養護学校の数もでございますが、これは当初の計画では実は五百校ぐらいで発足する予定でおったのですけれども、そしてその場合の一つの学校の収容定員を百五十名くらいと見込みましたけれども、やはり学校の規模を大きくするよりは、規模を小さくしてむしろできるだけ数をよけいにした方が子供の就学にも便利だろうということで、いま申しましたように約百五十くらい増をして各県で計画を立てていただいているわけでございます。それと、やはりその通学につきましては、普通の小中学校へ通うよりも、一般的に数が少ないから、通学上の便、不便ということから言えば、養護学校に行くのは大変な子供さんもいるということで、スクールバスの整備、充実ということを極力努力をいたしまして、五十三年度の現在で約四百八十台くらい全国の養護学校に用意しておりますが、五十四年度ではさらにもう百台近くの予算を準備するというようなことで通学の便を図る。それから、この養護学校に寄宿舎をある程度整備する必要があるわけでございますが、そういう寄宿舎と、それから病虚弱等の子供さんの場合は療養施設等と併設しておりますので、そういう宿泊といいますか、泊まれる設備等を合わせますと、大体三百校くらいはそういう能力があるということで、それでも、率直に申しまして一人一人の子供さんをとった場合には通学の便、不便いろいろあると思いますが、私どもは最善の努力をして今日まで義務制に持ってきたわけでございますから、今後もそういう点について極力各県の努力を要請いたしまして、できるだけ収容児が勉学しやすい環境になるように努力をしてまいりたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 特に障害児の場合は、先生が教育をするためにも、あるいはお手洗い等へ行くためのいろいろな設備の改善、そういうことが非常に重視されるわけでございますが、現在文部省は、各県別、地区別の障害児の分布状況はどういうふうに把握されているのか。細かい数字がわからなければ、たとえば各県に大体どの数の障害児が現在おるのか、申されました六万四千の障害児の分布状況はおわかりかどうか、伺いたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ちょっと各県の実態というのはいま数値を持ってきておりませんけれども、小中学校の全学童数というのが千五百万でございます。それで、養護学校に通う子供が六万くらいになるということですから、約〇・四%くらい、各県もおおむねそのくらいの比率ではないかと思うわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 これから大変問題のある制度でございますので、この際、文部省の方で現在の地域の分布状況についての資料を後で出していただくことをまず要求したい。  次に申し上げたいことは、大臣も御存じかと存じますが、アメリカが一九七七年に全障害児教育法というのを制定されております。私もこの内容について少しばかりかじってみましたけれども、日本の場合よりも歴史も古いわけでありますし、教育制度そのものもかなり基本的な違いもあるようでございますが、これはそこの普通学校が地域に居住する障害児を調査して、そして学級に入れる場合は、その担任が一年ごとにその障害児の教育計画を教育委員会に出して、そして学校と教育委員会との十分なコンセンサスを得、同時にまた、障害児の父兄との交流を密接に提携していくということがこの教育法の中に書いてあるわけでございます。そういうふうな先進国の制度は文部省としても十分これを研究し、採用しながら対応することが必要ではなかろうかと存じますが、この点、いかがでございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにお説ごもっともです。この制度を入れるときに、私は、学校教育法の制定はアメリカとやったんですよ、そこで、これを義務制じゃなかったけれどもともかく入れたいきさつもありますから、アメリカのいろいろおやりになった現状を十分に私どもも資料をいただいて参考にいたしたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 局長にお伺いしますけれども、今回の義務化に対応しまして、施設関係を含めて大体どの程度の予算を投入されているのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 五十四年度におきます、そのさらに残った施設の整備等、それから教員の人件費等を含めて特殊教育関係、約九百億でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 当然こういう障害児というのは手間がかかるわけですね。そういう点から教職員の要員問題ということが必ず起きてくると思うのですが、その辺による要員増というのはどの程度検討されているのか、お伺いしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これも概数で申し上げますけれども、五十四年度は義務制移行に伴って、特にその定員の増が多いわけでありまして、四千三百六十九名でございます。  その養成の方はどうかということでございますけれども、これは国立大学の教育学部の正規のコースで養成する。正規のコースの中には、四年のコースもございますし、現職の先生が一年程度入ってきて研修するコースもございますが、それを合わせまして大体二千名、それからその他の一般大学等において免許資格を取る人が千名ぐらいということでございますから、恒常的に見ますればこれで間に合うわけでございますが、そのほかに特殊学校教員の資格については、認定講習等をやりまして現職の先生の資格を取るというのをやっておりますので、恒常的に見ますと、大体いまの養成制度及び現職教育のあり方をもって数は確保できるというふうに思うわけでございまして、一層その資質を充実するという仕事は残りますけれども、そういう現状でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 大臣も答弁されましたが、この学級の制度化並びに今後各学校におきましてそれぞれの対応があろうかと存じますが、先ほど申し上げたように、十分に関係者の合意を得られて、この義務化問題を今後地方においても必要以上にトラブルが起きないように、スムーズな運営ができるような行政指導を十分要望申し上げたいと存じます。  次に、若干これは内容が変わりますが、現在農林省も真剣な取り組みをしているわけでございますけれども、学校給食に関係しまして米の消費拡大ということと、地域によっては大体一週間以上の米飯の給食ということと、非常に地域的なアンバランスがあるわけでございますが、五十四年度におきまして米飯給食についてどのような措置で対応されようとしているのか。  それから給食に関連しまして、実は私の方はミカンの生産地でございますが、摘果が十分にいかないで大変過剰の状態、そしてもう大変な価格の暴落です。去年の当予算委員会で申し上げましたが、ミカン等の学校給食への増配といいますか、拡大といいますか、そういう点等についてどういうふうな見解をお持ちか、お伺いしたいと存じます。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 米飯の学校給食への導入につきましては、五十三年現在で七〇・八%の学校が実施するに至っております。来年度におきましては、来年度予算で学校給食用米穀の値引き率が従来の三五%から六〇%、新しく週一回以上取り組む学校につきましては七〇%の値引きをするということになりましたので、これを受けまして、文部省としても計画どおり五十六年までにはすべての学校が週二回の米飯導入を実現するように努めてまいりたいと思っておるところでございます。  それから、御指摘の柑橘類等の果物の消費拡大の問題でございますが、このことにつきましては、文部省では、つとに食事内容に関する通達におきまして、食事を豊かにする、また栄養上の問題もございますので、新鮮な果物等の利用の奨励を図ってまいったわけでございます。五十二年度の学校給食における果物の使用推計量が十三万トンと見込まれております。小学校で十万トン、中学校で三万トンが推計でございますが見込まれておりまして、このうち柑橘類は約半分の六万七千トンの使用になっている。いま該当の児童生徒が千三百三十万ほどでございますが、ほとんどの学校において、地域の生産状態等の関連も工夫しながら、果物の導入が実現しつつあるというように見込まれております。  なお、果物の使用奨励につきましては、昭和四十五年から、日本学校給食会でミカンのかん詰めを一括購入いたしまして、各県の給食会を通じて学校に供給するという事業を行っておりますが、これも五十二年度の実績では二千四百トン、約四億円に達しておりまして、五十二年度時点では、営業用のミカンかん詰めの約三分の一程度の実績であったというように思われます。最近、営業用ミカンのかん詰めが伸びておりますから、その比率は若干下がってきておると思いますが、かなりのかん詰めの使用拡大が図られているということでございます。  また五十三年度から、農林水産省の方で果汁消費促進特別対策事業が取り組まれました。週二回、百二十五cc当たり五円の補助を行うという予算措置がされまして、学校給食用のミカンジュースの使用奨励の措置が講ぜられておりますので、これにつきましては、文部省も体育局長通知をもちましてその趣旨徹底方を図るとともに、具体には各県の給食会で県内の需要量を取りまとめていく、そういうような業務もいたしておりまして、さらに今後、その使用の拡大が図られるということを期待しておる次第でございまして、今後とも柑橘類を中心とした果物の使用につきましては、指導奨励に努めてまいりたいと思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 先ほど御説明ありましたが、学校給食用の値引きの問題でございますが、それによって五十四年度の場合、五十三年度よりも米の消費量はどの程度増加の見込みでございますか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 五十三年度の計画数量は四万一千トンでございますが、五十四年度は六万トンの使用を見込んでおります。なお、この米飯導入の計画は、週二回といたしますと、十万四千トンでございますので、五十六年度に向かってこの実現を図るということで、さしあたり来年は六万トンを見込んでおるということでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 大臣が、本来度の予算要求の段階で、特に学級の定数の問題で前向きに取り組むという御説明をされたわけでございますが、この年次別の対策はどういうふうにお進めしようとするお考えなのか、伺いたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 実は、いま五十三年五月一日付で実態調査をいたしておりますから、その実態調査の結果を見ないと、何年計画というのはできないのです。特に一番困っているのは過密地帯ですから、過密地帯は建物だけじゃなくて、今度は校地まで関係しますから、これは大変問題ですが、いませっかく実態調査をやっていますから、その集計の結果を待ってやりたいと思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 実態調査の結果については、のんべんだらりとするわけにいかぬだろうし、もう恐らく各自治体なり県の教育委員会等も十分数字を把握して、どの程度の校舎の増築、幾らぐらいの教職員の増員、こういうことの統計は私は出ていると思うのですが、大体の見通しはいかがでございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 実態調査の結果を電算機に入れまして、いま大臣が言いましたように、過密地などは校舎あるいは校地等に及ぼす影響等も考えながら、具体的な案を試行錯誤的にやるということになりますと、結論を出すまでには相当時間がかかるだろうというふうに、われわれは考えておるわけですが、おっしゃるように、ただ単純に算術計算したらどうなるかということでありますれば、四十九年当時の生徒数を基礎にして、小中学校の一学級を最高四十五人から四十人にした場合には三万四千学級の増、それに対応する教員の増が四万三千人、こういうふうな計算は出るわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 特に、最近は小中学生の非行問題なりあるいは自殺者が非常に多い。このことは、もちろん定員数を減らしたからすぐよくなるというものじゃないけれども、やはり一人一人の指導、教育ということも非常に大事であり、四十五人以上になりますと、先生の指導も十分でない。特に都会地にそういう自殺なり非行の現象が多い点からも、いま申されました、このような過密都市の問題はできるだけ急ぐ必要があろうかと存じますので、この点ひとつ大臣、積極的なお取り組みを願いたいと思います。  これは質問通告してございませんでしたが、一昨年の茨城県の県議選で、筑波大学の学生が百数十名書類送検されるという、まことに一般的には考えられないような事件が発生したわけでございますが、たしか、これは予算委員会でもあったかと思うのですけれども、これは私は、今後の問題として十分、しかも真剣な対応策が必要じゃないかという点について、最後の点だけひとつ大臣の御所見を承りたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 筑波大学で買収事件が起きたという、これは私も、非常に残念なことだと思って学長にもよく注意してありますが、こういうことが二度と起きないように、最善の努力をいたしたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉分科員 それじゃ終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で兒玉君の質疑は終わりました。  次に、田口一男君。

田口一男日本社会党

○田口分科員 私は、いわゆる子供会活動という、社会教育の一環として行われておるものなんですが、その子供会活動でボランティアがお世話をして、たまたま一人の子供が亡くなった、こういう事件があるわけであります。今日、国際児童年、さらにボランティア活動についての意識が高まってくる、こういう状況の中で、この死亡事故に絡んで刑事責任を問われておるわけでございますけれども、一体文部省としては、どういう考えを持ってこれに対処していこうとしておるのか、これをお聞きしたいのであります。  ちょっと概略申し上げますと、事件は古いのでありますけれども、昭和五十一年八月一日、三重県の津市で、四ツ葉子供会というのがございますけれども、その子供会が総勢で三十人、それからOBが六名、育成会というところから十一名が参加をして、安濃川という川へ飯ごう炊さんに行ったのです。飯ごう炊さんが終わった後で、たまたま一人のお子さんが水におぼれて亡くなった。ところが、具体的に名前を申し上げますと、起訴されたのは田村マキ子さんという方なんでありますけれども、指導者であるから、育成者であるから刑事責任があるんだということで、今日公判が進んでおるわけであります。  私は、なぜこの問題を取り上げるかと言いますと、単に一地域の、現在係争中のものであるにもかかわらず言いますのは、冒頭に申し上げましたように、社会教育ということが今日重要である。しかも今日子供の置かれている環境を見た場合に、過保護、遊び場が自動車や何かに取り上げられて、いわゆる昔の餓鬼大将というふうなものもなくなってきておる。こういう中で、地域で子供会をつくって、屋外といいますか、学校が終わった後でいろいろと健全な遊びをする、それに善意のボランティアが参加をして、たまたま不幸な事件に出くわして刑事責任を問われる。これはほうっておくと、日本全体の社会教育活動といいますか、そういった活動に大変な支障を及ぼすのではないかということから、私は取り上げておるのです。  ただ、そうは言っても、その刑事責任を問われた方が直接手を下したとか、それから、だれが見ても責任の範囲内だということであれば、それはそれで処理すべき方法というものはあろうと私は思うのですけれども、起訴事実なんかをいろいろ聞いてみますと、当日子供が三十人おって、それを四班に分けて、それを引率者なりOBが分担する。ところが、亡くなった子供さんは第二班で、起訴された田村さんというのは第三班で、班が全然違うのですね。  そういうことがはっきりしているにもかかわらず、起訴事実を見ますと、たまたま起訴された田村さんというのは、県の職員であって保母の資格を持っておるわけです。保母であるから、指導者という免状を持っておるのであるから、担当の班ということは問わずに責任があるんだという言い方をしているわけでありますね。  いろいろな問題を含んでおると思うのですが、まず冒頭に、これは前回も私は聞いたことがありますが、文部省としては、こういった事態を一体どのように見ておるのか、どういうふうにとらえられて、これからどうやろうとしているのか。そこのところをお聞かせいただきたいと思います。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 先生御指摘の津市におきます子供会の問題は、私どもも、子供会の責任者から田村さんが起訴されたという事実を聞きましたときに、大変ショックを受けました。  これは先生も御指摘のように、社会教育活動あるいは福祉活動等は、多くの方々の善意に基づくボランティア活動によって支えられる部分が非常に大きいわけでございまして、私どもは、かねがね青少年の社会教育につきましては、ボランティアの方々の持っていらっしゃる能力、技術、さらには情熱を背景に、この活動というものを伸ばしていきたい、このように考え、また関係者の方々の御理解もいただくように、努力をいたしてきたところでございます。ところが、いま先生御指摘のようにそういう問題が起きてきまして、善意でおやりになった御本人も、大変ショックを受けていらっしゃるとともに、関係者の皆さんも、この問題については大変ショックを受けるとともに、その成り行きを心配なさっておるところでございます。  ただ何分にも刑事事件でございますので、この具体的な案件につきましては、公判の成り行きを見守っていきたいと思うわけでございますけれども、青少年団体関係者等も、この裁判の帰趨によりましては、それぞれが行っておりますところの活動に、いろいろな影響が出てくるということもございまして、子供会の関係者は、五十三年二月十日の理事会及び総会で、嘆願署名運動を行うことを決定して、子供会全国組織加入の全部の県の子供会連合会から嘆願書が出ております。  また、ボーイスカウト、ガールスカウトあるいは日本青年団協議会等で組織されております中央青少年団体連絡協議会も、五十三年三月二十三日の役員会で、この問題を加盟団体すべての問題として受けとめて支援活動をすることとして、具体的には津の簡易裁判所に対して各団体の県連代表者の署名、嘆願書を提出することなどを決めて、各団体に指示をした。以上のようなことで、現在までに全国の青少年団体三百二十四団体の嘆願書が弁護士のもとに提出され、弁護士の判断で最も適当な時期に津簡易裁判所に提出されることになっておりますように、青少年団体関係者等も、この問題の成り行きには大変憂慮しておられます。  私どもも、この問題によって、せっかく育ってきた全国の青少年団体活動等が意気を阻喪することのないように、念願をしておるところでございます。

田口一男日本社会党

○田口分科員 全子連というのですか、全国の子供会の連合会、そういったところの代表の方々が嘆願書を集めたり、いろいろな署名活動をやっていただいておるということは、私も聞いております。  ただ私は、そういう状態の中であえて言いたいことは、現在公判中でありますから、先般検察庁にこういう問題で聞いたら、事の内客はどうであれ、起訴しておるのだから、すべて公判の席上で明らかになるだろう、これはあたりまえのことなんですね。それをどうこうせよと私は言いません。しかし、いま局長がおっしゃったように、この事件が起きてから、たとえば保育所の遠足、これを保育所が、俗にビビると言いますけれども、恐れをなして、保育所が主体になって遠足をするのではなくて、父兄会が主体になって、保護者の会が主体になって遠足をやってくれ、こういうことが現に起こっておるのですね。本来は保育園が、これは市町村が経営をしておれば公的責任ですけれども、その市町村がやらなければならぬ遠足を、もし事故が起きたら裁判にかけられる、だから遠足のときには父兄が責任主体になってもらいたい、こういうことが現に起きておるわけであります。  さらに、いま裁判中でありますから、公式な表現としては、その事態の推移を見守っていきたいということはあたりまえだと思いますけれども、被告人と言われておるこの田村さんは、先ほど申し上げたように県の職員であります。そうなりますと、御存じのように、地方公務員法の第二十八条第二項によって、起訴されたり何かすると休職になりますね。それから、刑が確定をすれば免職ということになるかもしれない、こういう身分上の問題、これを一体どうするかということが、本人も心配をしておるし、さらに本人に類するような保母さんであるとか学校の先生であるとか、そういった公職にある者でボランティアになってやろうとする者にとっても、重大な影響を及ぼすのではないか。  私は、裁判が行われる前に、ある検事さんに言ったのですが、たとえば起訴状に被告人が保母の資格を持っておるから起訴したと書いてあるけれども、たまたま地域のいろいろな行事に消防職員が参加をして、その消防職員が原因じゃないのですが、ほかの者の原因で出火をした。全く関係がないけれども、その活動中に、行動に参加をしておって火事が起こった。その中に消防職員が入っておったから、出火の責任は、全部その参加をした休暇中の消防職員が負わなければならないのか、こういう道理じゃないかと私は言ったのです。それはケース・バイ・ケース、それはそうでしょうけれども。  ですから、ここでいま言った身分上の問題もできてくるのだから、事態の推移を見守るならば、この裁判の結果が明らかになるまで、全国で何万人いらっしゃるかわかりませんけれども、公務員であるとか、そういった職にある者はボランティア活動を全部やめろ、一たん中止をしろということを、文部大臣、一遍出したらどうですか。そういうことをしなければ、事態の推移を見守る、首になった、気の毒だなということになってしまうのじゃないか。ですから、私は全国で何人みえるか知りませんけれども、そういった身分を持って善意の活動をしていらっしゃる方々に対して、こういうおそれもあるから、事がはっきりするまで、ボランティア活動についてはひとつ御遠慮申し上げるというふうな通達なり何なりを出すべきじゃないか。それが、文部省が社会教育を一生懸命やっていくのだという一つのあらわれだと私は思うのですが、どうでしょう。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 たまたま田村さんが公務員であったために、いま御指摘のようないろいろな問題あるいは心配が出ておることは、私どもも承知をしておりますが、ただ、多くのボランティアの中には、公務員の方で優秀な方がたくさん参加されていらっしゃるわけでございますので、これを先生のおっしゃるようにいたしますと、現実に行われておりますいろいろな活動というものが停とんしてしまって、子供たちの社会教育活動あるいは社会福祉の面等で、事がうまくいかないというような事態も出るわけでございますので、このボランティアの問題について、先生がおっしゃるような気持ちで文部省が真剣に取り組めということとして、先生のお言葉を私、拝聴いたしたいと思います。

田口一男日本社会党

○田口分科員 もっと真剣に取り組めというふうに、そういう受け取り方をされると、それもそれで結構だと思うのですけれども、公判のやりとりでありますからなんですが、私が言いたいのは、こういう事実があるのですね。  たまたま警察に呼ばれたのは当初四名だった。その子供会の地域の会長、それから亡くなった子供さんの直接の責任者、第二班の引率者、これが二名、それから指導者という資格を持った、いま言った田村さん、四名呼ばれて、ずっとしぼられたあげく田村さんになったという、どういう関係でしぼられたか、いろいろな話が私のところにも入ってくるのですけれども、田村さんはだんなさんが教員をしてみえる、いわゆる共働きです。だから、言ったら金が取れるのじゃないかという話があった。これは私、記録を持っていますけれども。二人働いておるのですから、ちょっと吹っかければ金が取れるだろう、ところが、それを断った。だから裁判に訴えた。こういう言い方が、この記録を私、一件書類を持っているのですけれども、公務員であるからという、向こうは言ってないのですけれども、共働きであるから金が取れるであろう、こういう単なることで矢面に立たされたのではたまったものじゃない。したがって、公務員だけがボランティアではないわけですけれども、そういう職にある者は一応御遠慮申し上げたらどうか、ここまでやれば、いまの子供会のあり方に対して、子供の環境に対して、世間というものはもっと目を向けることになっていくだろうと私は思う。  そういう警鐘の意味で、文部省は取り上げてみてはどうかと私は言いたいわけです。もっと金の問題を言いますなれば、これは担当弁護士も言っておるのですが、もし刑事事件がうまくいかなかったら、あとは金で解決するより仕方がない。そこで三千万吹っかけておるそうであります。そうすると、三千万をだれが用意をするのですか。事の推移を見て、仮に全国子供会連合会というものが三千万の用意をしてくれるのか、無理だと思うのですね。  ですから、こういうことも起こるのですから、一つには、この問題の結果がはっきりするまでは、さっき申し上げたようなことの通達を出すべきだ。そうして現実の処理の問題としては、裁判の費用も要るだろうし、いろいろな問題について、これはボランティア活動だから文部省はそこまではというのではなくて、何とか具体的な指導を、それぞれの団体なり何なりにお願いをする、こういった積極的な行動がいま望まれるのではないのか、こう思うわけであります。いかがでしょうか。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 いま先生おっしゃった前の部分の通達の問題につきましては、先ほど私申し上げましたが、いまここで、全体のいろんな教育活動の動きを考えますと、そこまで文部省として踏み切るというところについては、これはなかなか容易ならざることであろうかと思うわけでございます。  それからなお、いまのいろんな費用の負担の問題につきましては、これは正直言って、国がどうするということにはいたしかねる問題であろうと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、各種青少年団体等も、この問題については共通の関心を持っておる事案でございます。私どもからその団体の関係者に申し上げるまでもなく、いろんな面で、いまこの問題について関係者が協力しようという気持ちになっておることは当然のことでございますけれども、なお、いま御指摘のような御趣旨も踏まえまして、よく関係者の人たちとも話し合ってみたいと思います。

田口一男日本社会党

○田口分科員 これは大臣のお気持ちをお伺いしたいのですが、先ほどちょっと申し上げましたように、ことしは国際児童年であるから私は言うのじゃありませんが、今日の児童の置かれた社会環境ということを、もう一遍考えてみたいと思うのです。昔はよかったとかどうとかということじゃなくて、確かに、以前は親子、兄弟、そして地域の餓鬼大将というふうな、年長者と年少者とが一緒に遊ぶ、その中でけんかもやり、少々はおでこをすりむいたりなんかすることもある。こういったことによって、その児童がたくましく育ってきたわけですね。それは今日でははっきり言って崩壊をしていると言っても、私は言い過ぎではないと思う。  そこで、町中へ遊びに行こうと思っても、あそこへ行っては危ないよ、ここはだめですよというふうなことで、だめだ、いけないということで萎縮をしてしまう。親の過保護ということもある。確かに、交通事故だ、何だということで危険な個所も多くなる。これじゃだめだから、そういった児童を何とか健全に育成をしていくために、学校教育だけじゃなくて、地域で児童の健全な発展を願うために、子供会というものをつくろうということになったと思うのです。これは間違いないでしょう。だから、いま私ははっきり言って、従来の年長者と年少者と遊ぶ、餓鬼大将のもとでけんかをするような状態を、子供会ということにして再現をしてみようという状態だろうと思う。それにボランティアが善意でもって参加をして一緒になって遊ぶ。  たまたまこういった、亡くなるというふうな痛ましい事故も起きたわけでありますけれども、それをもって刑事責任を問われるということになれば、一体児童のこれからのあり方は、児童会なんかだめですよ、子供会なんか行ったら、ひょっとして、ひょんなことになるかもわかりませんよということで、全部が全部萎縮してしまう。そうでしょう。幸か不幸か、私はそれに対する一つの事件だと思うのです。  ですから、文部省が、国際児童年ということもこれあり、積極的に前に出て、本来こうあるべきだということを示す、いいチャンスじゃないかと私は思うのです。金の問題もあるでしょう。仮に三千万吹っかけてきても、では、文部省で用意してやりますから大丈夫、とことんまでやりなさいという言い方はできぬと思うのですが、そういう問題についても、心配しなさるな、いろいろな手でひとつ援助の態勢をとるようにしましょう、地方公務員法二十八条の問題についても、事が事だけに、これはひとつ、仮に刑が確定しても文部省は支えていきましょう、こういった方針を出せば、単に口頭禅ではなくて、社会教育というもの、子供のいい環境づくりというものができていくのじゃないかと私は思うのです。  このことについての大臣のお考えをお伺いして終わりたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにごもっともでございます。いま、ともかく、このごろの子供は過密地帯で、交通地獄で、そして勉強を強いられていて、そういう意味で、ボランティア活動が盛んになることは、私は非常に頼もしいと思います。  そういう意味で、いまの時代を考えると、先生御指摘のようなボランティア活動が盛んになることは望ましいのですが、この場合に、いまのような事件が起きて、大変なショックだと私は思います。ですから、これについて、こういうことが二度と起きないように文部省も指導するし、そして、それに対して今後何か救済の措置があれば、救済の措置を講じてみたい、この活動が萎縮しないように、伸びるように、私も積極的に一生懸命努力させていただきたいと思います。

田口一男日本社会党

○田口分科員 終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で田口君の質疑は終わりました。  次に、宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地分科員 大平政権になりまして、総理も今国会の所信表明演説の中におきましていわゆる文化、教育というものの重視につきまして、特に「人間性の回復をあらゆる施策の基本に据え、家庭基盤の充実、田園都市構想の推進等を通じて、公正で品格のある日本型福祉社会の建設に力をいたす決意であります。」こういうふうにお述べになっております。また、文部大臣も御存じのように、憲法の第二十六条におきましても、教育の義務という問題に対しまして、「すべて國民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」こういうように憲法においても、また大平政権においても、文化、教育を大変に重視されて、その決意を披瀝されているわけでございます。  最近、特に憂うべきことは、御存じのように、毎年予算編成を前にいたしまして、大蔵省を中心とした財政当局から、単なる財政難という大義名分の中におきまして、本来の小中学校の義務教育における教科書の無償化の問題に対して何か有償化にするような全く時代逆行的な考えが、またその対応が出てきておるわけでございまして、私たちといたしましてもこれは容認できぬことである。憲法二十六条に保障されたこの問題は、単なる教科書の無償という意味だけではないと思います。これからの日本の国家の建設の基本は人づくりであろう、その人づくりの最も重要な基礎は教育であろう、そういう中でこの第二十六条というものは生きていると思うのであります。私はむしろ教科書の無償化あるいは副教材に至る無償化の拡大など、多角的な無償というものをもっと強化拡充していくべきである、このように考えているわけでございますが、まず大臣の見解を伺いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおりでございまして、実は教科書無償は、私がちょうど文部省の事務次官をしておるころ、当時は池田内閣で、官房長官は大平さんでございましたが、そのときの大臣は荒木さんでございまして、荒木文相が始められた制度でございますから、私はこれは絶対に守っていく決意でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地分科員 また、最近、経済環境が非常に逼迫してまいりまして、特に物価高というものが五十四年度の経済運営の中でも警戒水域に入ったという状況にありますし、戦後の家計の中に占めますところの特に教育費の負担というものが年々増大をしてきていることは、文部大臣も御存じであろうと思います。文部省の五十二年度の調査によりましても、小学校の生徒に対しましても一年間で約十七万円程度かかると言われておりますし、高校になりますれば二十万円を超えるだろう、こういう実態でございます。まさに憲法第二十六条の本旨に沿って考えていくならば、この教科書の無償化の拡大を含め、国民の教育費負担という問題をもう一度考えていかなくてはならない。戦後三十年を過ぎて新しい福祉社会日本の構築に移行していかなくてはならない、経済社会あるいは教育のルネッサンスといいますか、そういうものを興す中において、この国民の家計負担という問題について、政府としても十分に対策を考え、教育投資というものの洗い直しをしていかなくてはならない、そういう時期に来ていると私は思いますが、大臣の所見を伺いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 大平内閣は、文化中心の時代と言われておるとおり、実は施設関係につきましては、一般の施設がたしか二二%、文教関係は二九・何%と、大幅に文教施設を拡充しているわけです。それから、お話しのような教育費の負担の問題についても、相当大幅に育英奨学の関係は増額をいたしたのでございます。しかし、一般的にまだ負担が重いことはお説のとおりでございますから、今後できるだけ負担の軽減に努力いたしたい。私学振興の助成費もことしは大幅にふやしましたが、それでも足りませんから、育英奨学金も相当大幅に増額いたしたのでございます。しかし、それだけでも不十分でございますから、お説のように、父兄の負担の軽減について今後とも努力させていただきます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地分科員 さらに私は、特に人口急増地域の中における小中学校あるいは高等学校の問題について、若干具体的にお伺いをしてみたいと思うわけでございます。  そういう中におきまして、まず、私が住んでいる埼玉県の例をとりましても、大変憂うべきことがあるわけでございます。これは人口急増ということでまだまだ教育環境が整わない、それが追いついていけない、こういう面もございますけれども、いまだに小学校や中学校にプレハブ校舎が存在し、あるいはプールのない、体育館のないような学校が現実にあるわけでございまして、これは単なる人口の急増に予算が追いついていける、いけないといったような問題、校舎の新設ができる、できないといった問題、あるいは国と地方自治体との負担の問題といった、そんな次元でとらえていたのでは、これはいわゆる事務レベルであろうと私は思うのです。政治はそれを容認してはならないと思うのです。  そう意味合いにおきまして、たとえば都心三十キロ圏、埼玉県の人口七万の富士見市などにおきましても、私がいま大臣に御質問する前にちょっと電話で確認しましても、たとえば七万そこそこの人口のその富士見市で小学校が十校あるわけです。そして分校が一校。まあ十でございますが、その中に、プレハブは一校でございますけれども、何とプールのない小学校が十校のうち四校もある。体育館のないのが三校です。  御存じのように、埼玉県というのは海のない県であります。中学校におきましても、この富士見市には三つの中学校があるが、その三つの中学校のうち二つはプレハブがある。そして、その三つの中学校のうち二つはプールがないというのです。この実態。大平内閣がいまだかってない文化論、教育論を打って、総論においては非常に結構なお話をされて、私も政治家の一人として非常に賛同を覚えるところがあります。しかし、現実は、国民の底辺にその教育からほど遠いこういう実態がある。私は地元の政治家の一人といたしましても、もうわがことのように、まことにこれは憂うべきことだ、政治の次元でもう早急に文部省と埼玉県が、また地元富士見市がやはり頭をすり減らして対応していくべきである。単なる予算だとかそんな問題で放置できる問題じゃない、私はそう思っております。大臣、こういうところが現実にこの国会から三十キロのところにあるんです。この実態に対してどうお考えになり、どう対応していく考えであるか、御決意を伺いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 実は私も承知していなかったのですが、私は大体、プレハブ校舎はもうほとんど全部解消されたものと考えておったのですが、これは後から局長から答弁させますが、しかも体育館もない、プールもないなんという学校があることを聞いて本当に私もびっくりしたのです。これは私どもの努力が足りない点ですから、少なくとも体育館やプールぐらいはどの学校にも置くぐらいに整備しなければならぬと考えておりますから、今後一層努力いたします。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 プレハブ教室の解消というのは私どもも年来の課題でございまして、プレハブ教室につきましては、これはいろいろな事情で不足の教室が、建物を新築するある程度の規模、一棟と申しますか、たとえば三階建てでございましたら三階建ての建物を増築するというにふさわしい適切な規模になるまで待たざるを得ないとか、あるいはその市町村計画として新たに学校の分離新設を予定するといったような事情で、一定期間のつなぎの措置として、ある分量のプレハブ教室というものは必要な措置としてどうしても残るわけでございますが、私どもといたしましては、そういった事情のもの以外のプレハブは極力解消するように努めてまいった次第でございます。  そして、プレハブ教室はおおむね三年以内には解消するようにというふうに設置者に対しても指導しておりまして、全国ベースで見ますと、三年たってもプレハブとしてなお残されるというのは現在では約六%ぐらいに減っておりまして、これもまた、新たに発生するプレハブは年々解消する分量を下回っておりますので、次第に減少しておる状況でございます。  なお、宮地委員御指摘の富士見市なり上福岡市の状況でございますが、富士見市には昨年五月一日現在、十三教室のプレハブがありましたが、これは私ども県の教育委員会を通じて調査いたしましたが、五十三年度にこれを解消する計画でございます。それから上福岡市にございますプレハブにつきましては、これは五十六年度に分離新設校の設置を予定しておりまして、その新設によりまして解消いたしたいという計画のように聞いてございます。  それから体育館、屋内運動場についてでございますが、急増地としては、まず校舎を先にということがどうしても計画上は順位として決められますので、そういう点で、現時点で若干おくれておるという事情のある場所があるわけでございまして、富士見市についても御指摘のような事情にございますが、私どもは、当該市の計画に対応して今後屋体の設置が促進されますように、国庫補助上は十分に事情をしんしゃくして配慮してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地分科員 私はいま富士見市の一例を挙げたわけですが、特に埼玉県西部地域は日本有数の人口増加地域でございます。川越、所沢など二十四市町村が存在しておりまして、その中でも大変に端的な一例として、私は富士見市を指摘をしたわけでございますが、ぜひ人口急増地域における小中学校のプレハブ教室の解消、あるいは体育館あるいはプールといった基本的教育環境の整備につきましては洗い直しをし、また総点検など調査をして、文部大臣の力強い積極的な対応策をお願いをしておきたいと私は思うわけでございます。  また、具体的に国庫補助の負担率の問題につきましても、これはやはり改善をしていかなければならない。御努力はされていると思いますが、この問題についてはすでに皆さんの方にも全国公立学校施設整備期成会から陳情などが行っているかと思います。たとえば小中学校の危険改築については三分の一から二分の一、僻地については三分の二、また小中学校の新増築につきましても、過疎、僻地、特豪地域、二分の一から三分の二、あるいは小中学校の屋内運動場の新増築。特に急増、過疎、僻地などにつきましては二分の一から三分の二のこの国庫補助負担率の改善をぜひしてほしい、こういう要請も行っておると思うのです。  この問題についても御検討されておると思いますが、どのようにこの問題に取り組んでおられるのか、簡明で結構でございますので、お伺いをしておきたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 各関係団体からの要請は、私どもも十分承っておる次第でございます。ただ、宮地委員御承知のような昨今の財政情勢のもとでございますので、そのもとでも、先ほど大臣が申されましたように、私どもは、各地方公共団体の計画に即応しまして校舎建設の事業量の確保、これのいわばかなり大幅な増額に全力を挙げたわけでございまして、こういった財政状況のもとでございますので、やはり負担率といった制度面の改善までなかなかこれは手を伸ばすことが困難でございます。  特に、一例を申し上げますれば、急増地域の屋体の問題でございますが、実は屋体の普及率と申しますか設置率というものは、急増地域とその他の地域と比べますと、むしろ急増地域外の方の設置率の方が低うございまして、そちらの負担率がなお二分の一というような、そういうバランスの点もございまして、昭和五十四年度予算案におきましては負担率の改善は見送らざるを得なかったというのが実情でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地分科員 財政的な面から結果的に義務教育における教育の環境整備がおくれておる、まことに残念でございます。しかし、当初大臣が、先ほど御答弁いただきましたように、この重要性については十分認識をしているわけでございますから、大臣といたしましても積極的に対応していただきたいと思います。  さらに、最近、小中学校だけでなくて、御存じのように高等学校に対する進学率、これも全国的に九〇%を超えておりますし、埼玉県におきましてももう九六%前後になんなんとしております。  そういう中におきまして、私は、高等学校についても財政が許すならば義務教育化というような問題も検討していかなくてはならないのではないか。できないまでも、もっともっと国が国庫補助の負担率というものを思い切って改善していかなくては、これは都道府県にいわゆるおんぶにだっこのような形で任すと言っていいのか、私は、こういう問題が残ると思うのです。この点について、いわゆる高等学校の教育、この問題についてどのように大臣としてお考えを持っておるか、伺いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 高校の進学率は御承知のとおり全国平均で九三%で、非常に普及してまいったことは大変私もありがたいのですけれども、いま御指摘のように、義務教育の段階でもいま大変不十分だとおっしゃるから、まず義務教育を整備することが私は根本じゃないか。特に学級の問題、過疎、過密の対策の問題、たくさんの問題を抱えておりますので、高等学校まで義務制というところまではちょっといまのところ、私は無理じゃなかろうかと考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地分科員 特に人口急増地域においての小中学校、高等学校、このいわゆる教育環境整備の問題が大変立ちおくれている。この問題について私はもっと積極的に——財政的な面あるいは教育内容の面あるいは教員の資質の面、人事交流の面など、いわゆる精神的また物質的な面、両面から大変な立ちおくれというものが起きているわけでございまして、私はぜひこの思い切った改善を要求しておきたいと思います。  ただ、そういう中において大変憂うべきことは、時間がないので大変残念でございますけれども、埼玉県におきましても、特に県南を中心といたしまして最近非行少年が大変に増大をしておる。また最近大変問題になっております少年の自殺といった問題が、全国的にも大きな社会問題化しているわけでございますが、埼玉県におきましても、この非行少年の対応というもの、これは大変重要な課題になっております。私は、埼玉県に限らず大都市圏を中心とした人口急増地域、特に最近宅地化が進みましていわゆるミニ開発ということで住宅が手に入った、しかしその支払いにはどうも夫婦共稼ぎをしなければならない。どうしても子供さんがひとり置き去りになってしまう。そういう中で、どうしても少年の非行化が進んでしまう。家庭と学校、社会というもの、この三位一体というものは、この重要性はわれわれも大変深刻に受けとめているわけでございます。  そういう中におきまして、すでに警察庁からもそのデータについても発表があってもう御存じと思いますが、傾向といたしましても非常に年々増加をしておる。内容的にも中学生、高校生に非常に集中的に——自殺にいたしましても、あるいは刑法犯の少年の包括罪にいたしましても、集中的にそこにある。また地域的エリアを見ましても、いま申し上げましたような人口急増のそういう大都市圏を中心にふえている。私は、これは教育の中において新しい傾向としてなおざりにできない大変重大な問題であろう、こう思っておるわけでございますが、大臣からこの対策、また大臣がこの問題をどういうふうにとらえておられるのか、所見を伺いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私もこれほどの問題、本当にびっくりしていて、最近御指摘のように非行少年、特に自殺が多いのですね。これは困ったことだな、その原因の究明、これが大事だと思うのです。せっかく総理府を中心にいまこういう問題の協議会もできましたから、私はその経過もよく聞いておきたいと思いますが、文部省関係は何と言っても小、中、高等学校の子供ですから、やはり一番大きいのが文部省関係でございますから、それには確かにいろいろな問題があると思う。学歴偏重のこの社会、これも一つの大きな原因だと思いますし、特にいまお話のように学校の問題、家庭の問題は私はあると思う。学校で先生と生徒、それから生徒同士が本当に楽しい教育環境であってほしいと思う。文部省でも指導要領の改定をいたしまして、少しむずかしいのですよ、正直言って。私も小学校六年の孫がいますけれども、わからないですね、これは。  もっと基礎的、基本的なものを精選して、そして楽しい学校にしなければいかぬというので、文部省でもせっかく指導要領の改定もいたしましたけれども、同時に大事なのは、私は先生だと思う。何といっても先生ですよ。先生と子供が本当に気が通ってないとだめだと思うのです。そして生徒同士がお互いが楽しむような環境がなければいかぬと思うのです。どうもこのごろの子供は、おっしゃるようにひとりぼっちになっておりますから、先ほど話がありましたようにボランティア活動とか、いろいろな、青少年がお互いにみんなが楽しむような環境づくり、これも大事だと思う。それからもう一つは、やはり家庭環境だと思うのです。おっしゃるように夫婦共稼ぎで子供がなおざりにされているようでは、私は子供がかわいそうだと思うので、家庭がしっかりしてほしい。そういう意味で文部省でも家庭教育学級とか総合セミナーとか新しく家庭教育に非常に力を入れていますが、学校、家庭、そして社会、みんなが子供を大事にしたい。子供は本当に日本の国の宝ですから、この宝を大事にするようにみんながやっていただく、また宮地先生もいろいろと御案があるようですから、私にも教えていただきまして、私も最善の努力をして、本当に非行青年と自殺がなくなるような社会を築きたいと思うし努力します。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地分科員 時間が参りましたので、最後に一間お伺いして終わりにしたいと思います。事務当局にはすでにお話をしておりますので、時間も迫っておりますので、簡単で結構でございますので御説明をいただきたい。  一点は、御存じのように埼玉県は大変医療過疎県でございまして、非常に医療がおくれております。そういう意味合いにおきまして、私は何とか国立総合病院をもっともっと誘致したいと考えておるのですが、実態は総定員法などの関係で非常に厳しい。いろいろ勉強してまいりますと、何らかの形で国立の医科大学を誘致した方がどうも早いのではないかという感じがしておるわけでございます。財政的な面あるいは地域の医療関係との絡み合いなどで、いろいろと非常にむずかしいことは承知をしておりますが、埼玉県に国立医科大学を設置する必要性、重要性の認識を私は大臣に持っていただきたいと考えているわけでございます。この点について、現段階でなかなか御答弁はむずかしいと思いますが、方向性だけでもお聞かせいただければ、こう思うわけでございます。  もう一点は、埼玉県というところは御存じのように畠山重忠など武士、士族の大変な中心地でございまして、埼玉には古墳から文化財、こういった非常に多くのものがございます。私の住んでいる埼玉県西部地域を見ましても、東松山城の城祉だとか畠山重忠のやかたの跡あるいは吉見の百穴、こういった文化財が非常に埋没しております。  埼玉県も資料館などつくって文化財保護にやっきになっているわけでございますが、何せ地方自治体の財政的限界があるわけでございまして、そういう中でぜひ国からも助成をして、文化的な水準を今後もっと高めていく中において、過去の偉人、遺跡、伝統、歴史を振り返って近代化された今日の国民の情操教育を高める意味でも重要であろう、私はこう考えておりますので、ぜひ埼玉県にあります文化財に積極的な国からの御助成をお願いしたい。また、文部省の皆さんの大変な御努力で、日本で初めてわが埼玉の嵐山町に国立の婦人教育会館をつくっていただきまして、大変に敬意を表しているわけでございます。婦人団体の皆さんも泊まりがけで多く御使用になっております。この国立婦人教育会館もさらに国民のニーズに応じて強化、拡充をしていくべきではないか、そして全国的なモデルとしてさらに発展をさせていくべきではないか。本当に成功しておりますし、今後さらに強化拡充することによりまして、第二、第三の国立婦人教育会館を全国的に設置していくべきではないか、このようにも考えているわけでございます。  以上三点につきまして、時間が来て大変残念でございますが、簡単で結構でございますので御答弁をいただきたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まず、埼玉県というところは大変人口急増地帯で、私もよくわかっています。しかし文部省のいままでの方針は無医大県解消ということで、やっとことし沖繩に医科大学をつくって、これで一応達成したわけですよ。埼玉県には国立じゃないけれどもとにかく私立の医科大学がありますので、無医大県じゃないですから除外しましたけれども、今後これもよく検討させていただきたいと思います。私、いまお約束はできませんけれども、膨大な人口を抱えているのですからよくわかる。(宮地分科員「医療過疎は全国で下から二番目、沖繩の次です」と呼ぶ)沖繩の方が先にできてしまった。  それからいま一つ、文化財ですけれども、私もよく知っている。畠山重忠。私が前に学長をしていました大妻女子大学の嵐山高校がちょうどあそこにあるのですが、隣が畠山重忠の居城なんです。ですからよく知っている。それで埼玉県にはこんなに文化財がたくさんあるのかと思って、私もびっくりしているのです。ですから文化財の保護について、埼玉県は急増で、ほっておくとああいうものが吹っ飛ばされてしまうから大事にしてほしいと思いますから、今後私もできるだけの努力はしたいと思います。  それから婦人教育会館も嵐山の隣でしょう。私もあそこに何遍か行きましたよ。いろいろな意見があったけれども、あそこに婦人教育会館を持っていって、いま整備は一段落いたしましたけれども、今後の拡充については局長から答弁してもらいます。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 ただいま大臣が申し上げましたように、当面計画いたしました施設につきましては、体育館あるいは日本家屋が完成することによって一応整備をいたしまして、来年度からまず内容の充実をしたいと思いまして、主催事業の数をふやすこと等についてまず配慮をいたしております。今後につきましては、これからの運営の実績等を勘案しながら、さらに先生がおっしゃったように、ニーズに応じて今後の拡充策については十分検討してまいりたいと考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地分科員 先ほどの非行少年の問題につきまして、時間がありませんので警察庁には大変失礼いたしました。深くおわびをして、私の質問を終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で宮地君の質疑は終了いたしました。  午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時八分休憩      ————◇—————     午後二時開議

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  主査が所用のためおくれますので、主査が御出席になるまで、指名により私が主査の職務を行います。  なお、この際、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  文部省所管について質疑を続行いたします。和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 この一週間ほど前でしたか、十日ほど前でしたか、私の郷里の高知県の者で中央官庁に勤めている子供、十九歳になるのですけれども、これが何とか夜学に入りたいということで、お父さんもいらしてたっての願いなものですからいろいろ調べてみたのです。ところが、夜学に入るのはなかなかむずかしいのだそうですね。大臣、夜学というのは、本来ぼくらの頭にあるのは、昼は仕事をしていて、そして将来の自分の運命を開くために夜勉強をする、その働く者にとって勉強する数少ない場所だと理解しておるのだけれども、そういうふうに理解していいのでしょうかね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにそのとおりだと私も理解しています。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 ところが、私、調べてみてびっくりしたのですけれども、現在の夜学を占領しておる学生は働いている人よりも、昼の学校に入れないから、仮にかどうか知らぬがとにかく入っているという人が多いという事実があるんですね。現在の状態をちょっと御説明いただけませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 国公私立を通じての夜間の在学生の実態というのは、五十一年の調査しかないわけですが、この場合は、在学者のうちいわゆる有職者、職業を持っている者の比率が五二・六%でございます。国立大学については経年でとっておりますけれども、御指摘のように、たとえば五十一年では有職者のパーセントは三四・二%、これが五十三年度では三一・五%というように、職業を有する学生の数が減ってきているという状況にございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 いまの全体の数の数字は私もいただいておるのですけれども、特に国立大学の夜間部というところ、ここにおいては勤労者の数が三一・五%しかない。職を持ってない人が六八・五%です。歴年の数字はいただいていないけれども、恐らくこの数字は、だんだんこういう傾向が加重しているんじゃないかと思うのだけれども、どうでしょう。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘のとおり、国立大学の夜間部学生の中に占める有職者の割合は、徐々にではございますけれども減ってきております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 これは私立大学だけではわかりませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 私立大学の在学者に占める有職者の数というのをとった資料がございませんので、私の方では把握をいたしておりません。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 ごく最近、私立大学においてはこのような傾向がもっとひどいのじゃないか、これはお調べになって数字をいただきたいと思うのですけれども、多いんじゃないかというふうに私は思うのです。いずれにしましても、こういうふうに無職者と言われる人がどのような人かは調べておりませんからよくわかりませんけれども、この実態をよくお調べいただきたいと思うのです。そうでないと、これが単に昼間行けないから、一時夜間でも何でもとにかく学校へ行っているということを示すために入っておるということでしたら、これは大問題だと私は思うのですね。急速にその対策を講じなきゃならない。したがって、公立大学、私立大学、そして国立大学と分けて、もっと細かく夜間部の学生の実態をお調べいただきたいと思います。あれだったら男女別ぐらいを入れて、そして年齢まで入れるとありがたいけれども、何とか実態のわかるようなできるだけ細かい資料をぜひともいただきたいと思うのです。  そこで大臣にお伺いしたいのだけれども、いま、国立大学における状況というのはかなりひどくなっている。三一に対して六八、こういう状態を放置してはいけないと私は思うのですが、これはいろいろな方法があると思うけれども、職業を持っている人を優先的に勉強さすというような対策として新しいそういう機会をもっとふやすとか、いかがでしょうかね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、夜間は、昼間働いて夜勉強するというのが趣旨でございますから、そういう方向でなきゃならぬと思う。昼間遊んでいるような、勉強しないで受験勉強に落ちた者が入ってくるようじゃいかぬと思うので、これは推薦入学をするとか、やはり選抜方法の改善をしないといかぬと思っています。お説のように、夜間学生は昼間働いて夜勉強するという趣旨でございますから、それが本体だと私は思っておりますから、そういう趣旨に沿って努力いたします。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 とりあえず、仕事を持って本当に勉強したいと思っている人を何とか至急に救ってあげる方法はないですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 いま御指摘の点は、国立の夜間の学部あるいは短大の関係者も非常に深刻に受けとめて対応を考えております。たとえば入試のあり方で、面接と小論文と、それから勤務先の推薦書によって判定をし、社会人をできるだけ入れるというようなことを実施しているところがございますし、あるいは高等学校の調査書によって推薦入学をさせる場合に、勤務しながら勉学しようとする者についてその意思を重視して判定をするというような措置をとるような大学が出てきております。  それで、実際にそういう措置をとって社会人を積極的に受け入れたところは、それ以前に比べて明らかに教室の雰囲気が変わってくるということでいい結果が出てきておりますし、そのことをまたほかの大学も注目をしておりますので、できるだけそういった社会人を積極的に受け入れるような選抜の方法を考えていくということを現在やっております。  それから夜間部ということに限定をしないで、いわば昼夜開講制と申しますか、夜間を主体としますけれども昼間の単位も一部取れる、そういうことについても、すでに千葉大学、福島大学、さらに五十四年度からは愛媛大学において、そういう履修の方法の弾力化ということも考える新しい方法を考えておりますし、カリキュラムその他についても、勤労学生の要請にこたえられるような工夫、方法というものを各大学で求めているわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 こういう状態を放置してきたわけではないと思うけれども、これはいかにも大事な問題をおろそかにしているという感は否定できないと思うのだな。これは単にいまの大臣に注文をつけるわけじゃない。まあ前の砂田大臣もそこにおられるのだけれども、こういう問題はもう少し精力的にこの方向を直してもらう。そういう意欲を持った、昼間働いて夜間で勉強するという人はいまの世の中では珍らしいですよ。それがあなた、昼間の学校に落ちたので、ろくろく行きもしない、籍だけ置いておくなんということでもあったとしたら、こういう事実は大変なことだ。これは至急にお調べになって、そうして対策をとるように大臣として御承知をいただきたいと思うのです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおりなんです。私立大学の場合はなるべくそういうふうに、私が前におりました大要ではそういうふうにしまして、昼間働いておる者から推薦入学でやりました。ですから、いま大学局長がおっしゃるように、やはり推薦入学あるいは内申書とか面接とか、やはり学科試験をやりますと受験勉強をした者が勝つのです。そういうことのないように入学試験のあり方も検討し、そして本当に昼間働いて夜勉強したい、そういう特殊な学生が十分勉強できるような、そういう組織にしたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 いまおっしゃるような措置をお願いしたいと思います。特に推薦でも、責任のある推薦というか、もしそれが形だけのうその推薦をしておったらすぐやめさすとか、少し厳しい措置をとらないといまの状態はなかなか直せませんよ。責任のある、本当に勉強したいという意欲を持った推薦者を無条件に入れるとか、あるいは三つぐらいのランクをつけて、あとは試験を大事にするとか、いろんな方法があると思うのですけれども、要するに、本気になって仕事をしながら勉強したい、働きながらある階段を上っていくという大事な制度なんだから、普通の学校の制度と違って、働きながら学問のタイトルを取る、階段を上るという、今後非常に重視しなければならない階段なんですから、ぜひともこの問題については、従来もやっておられると思いますけれども、もっともっと意欲的に改善策を図っていただきたいと思います。  まだ時間がありますけれども、私はこれだけ強調したいと思って参ったものですから、どうかひとつよろしくお願いいたします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御趣旨のとおり、一生懸命やります。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で和田君の質疑は終わりました。  次に、小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 私は、養護学校の義務化がことしの四月から実施をされますけれども、このことはすべての障害児に教育の保障を、そしてまた長年にわたって父母を初め教職員やあるいはまた国民的にもこの運動は盛り上がっておりましたし、このような努力が実を結び、そしてその切実な願いが入れられて今日義務化が行われるということは、大変私は喜ばしいことであるというふうに感じております。  障害を持つ子供に、その障害に見合った教育を行うということは、これは私はぜひこの際本当に完全なものとして実施をすると同時に、効果を上げるという、こういう点について今後の大臣の方針と、そしてまた基本的なお考えについてまずお伺いをいたしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 養護学校の義務制がいよいよことしからスタートするわけでございまして、全国に相当整備いたしまして、ことしも百数十校整備いたしましてやるつもりでございますが、障害児の中には、お話しのようにいろいろな方がおるわけです。それで普通学級、特別学級に行くことを希望される方もある、程度の軽い方は特別学級へ入ってもいいわけです。しかし、相当程度の重い方はやはり療養施設で、この場合には訪問教師をやって、先生がそこへ行って教えてあげる、こういう制度なんです。一般の場合は障害の種類と程度に応じて適切な教育を行うためにそういう養護学校に入っていただくわけですが、その場合に文部省としては、就学指導委員会というのが各府県、市町村にあるわけですが、その中にはお医者さんもおるし心理学者もおるし、専門家がおって、そしてどの程度の障害かを見るわけです。本人の意見も聞き、また親の意見も聞いて適切な教育を行う、そのための委員会がありますから、その委員会の意見を聞いていて、最終的には教育委員会が決定をするという組織になっておりまして、いろいろ問題はありますけれども、私どものやりたいことは、その本人の幸せのために、心身ともに本当に幸せな子供が育つような方法を考えたい、これが私どもの考え方でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 それでは具体的な内容についてお伺いをいたしますけれども、現在就学猶予あるいは免除の対象となっている児童生徒、こういった数はそれぞれどのぐらいになりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 五十三年度の調査でございますと、猶予、免除者含めて九千三百三十という数になっております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 このうち猶予と免除の比率というのはどんなふうになりますか。——ちょっとわかりませんか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 後ほど……。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 はい。結局、猶予とか免除という不就学児童の大部分は、恐らく私は重度の施設に収容をされている、そういう子供たちではないかと思いますし、あるいは現在病気治療を受けている子供というようなことにもなると思いますけれども、こういった子供たちは現在訪問教育の対象にもなっておりませんね。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 この中で訪問教育の対象になっておるのは三千八百ほどおるわけでございます。ただ猶予、免除でございますから、同じ訪問教育でも、学校にちゃんと籍を置いて、学籍を持って訪問教育の対象になっているのは猶予、免除ではないわけでございます。そうではなくて、学籍はとてもとれない、しかし、何らかの形でめんどうを見て差し上げたいということで、猶予、免除という形ではありますけれども、先生あるいは手足の機能訓練などを指導する人がときどき行ってお世話をする、そういう者もおるわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 いわゆる義務教育ということにことしからなるわけです。私がいま五十三年度、いまの現状でどうなるのだろうかとお聞したのは、五十二年度のときには、そちらからいただいた数字では一万七百五十人という、こういう数字をちょうだいしてあります。したがって、ことし五十三年度はいまどうなっているかと、そうしたら、九千三百三十ということですから、私はこの人たちがいわゆる猶予あるいはまた免除の対象というふうに受けとめたわけですけれども、そうなると、これは当然義務教育としてことし学籍にいわゆる載らない人たちですね。だとすれば、当然これは便宜的にいろいろと訪問教育などもやられていらっしゃるかもしれないけれども、しかし正規の形ではこの九千三百三十人の対象児は、結局は義務教育になっても教育の恩典とかあるいは光を受けることができない、こういうふうに理解をいたしますけれども、よろしゅうございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 このいまの九千三百三十というのは昨年の五月一日現在の調査なんですけれども、昨年の夏、各県の担当者を呼んでいろいろ今後の方針等を聞きました結果、いまの猶予、免除者のうちから、さらに正規の学籍を持って訪問教育の対象にするというようなことの可能な子供が相当いるわけです。  そこで、五十四年度の四月義務制発足のときには猶免者は幾らぐらいになる見込みかといいますと、いまの調査では二千五百九十七というふうになっておりますので、約七千弱の者は訪問教育等によって学籍を取得し、できるだけ猶免の対象者を減らそう、こういうことでやってきておるわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 そうしますと、結局五十四年度は二千五百九十七人の予定だということですけれども、二千五百九十七人という人たちは、「教育上特別な取扱いを要する生徒・児童の教育措置について」という通達で明記されている、いわゆる「治療又は生命、健康の維持のための療養に専念することを必要とする」というこの方針に全部が該当するということですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまの数字は去年の段階における各県の調査のまとめでございますから、そのとおりの数字になるかどうかはまだ最終的にはわかりませんけれども、あの通知にもございますように、生命、健康の維持ということをまず第一に考えるような人は猶予、免除だ。しかし、その扱いについては慎重にするようにと通知に書いてありますように、できるだけ教育的配慮を加えて、対象になり得る者は、ひとつそういう方向でやれるように検討をしてくれということで各県にお願いをしているわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 各県ではもうすでにその手続も終了しているわけです。したがって、私ここでこの子供たちがせっかく義務制ということが実施されるという段階になりましても、本当に光も当たらない、教育の恩典にも浴せない、こういうことは——私は猶予ということは一年とか二年とか、その子の発達の段階に応じてあってもやむを得ない、また病弱であれば当然だ、こういうふうに思いますけれども、免除という問題については、よっぽどの、だれが見てもという子供以外は、やはり何らかの教育の恩典を授けてやるということが就学指導委員会の今後の重要な役割りではないかというふうに思うのです。事実、私どももこの重度の子供たちがその発達にふさわしい教育の集団の中で本当に見違えるほど——いままでは寝たきりでほとんど集団の中にも入らなかったという子供が、やはり一年ないし一年半集団の中で教育をするということで、本当に見違えるほど生き生きと活動を始めたという例も知っておりますし、これはまた聞いた話ですけれども、てんかんの発作を常時起こすということで、家庭だとか精神病院などでほとんど寝たきりの生活をしていた子供さんが、学校の集団教育を受けるということになりまして、その間発作の数も非常にずっと減ってまいりまして、口数の余り多くなかった子供ですけれども、友だちともいろいろな話をするようになり、結局はマラソン大会にまで出かけたというお話も聞いたことがあります。  こういった事例は、私はやはり集団の中で子供たちがどんなに生き生きと変わっていくかということは枚挙心いとまがないというふうに思いますけれども、義務化に伴って、こういった子供たちにもふさわしい教育の光というものは、私はどうしても何らかの形で就学をさせるなり、当面はやむを得なければ訪問教育を受けるなり、ともかく免除という問題についてはこれをなくしていく、こういうことが大事だろうというふうに思いますけれども、大臣、この点について御見解をお伺いいたします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、できるだけ猶予で、どうしても就学がだめだという場合はやむを得ませんけれども、おっしゃるように、できるだけ猶予をしてその間に体を治して就学ができるようにするのがいいと思うのです。免除というのはよほど厳選して、どうしてもやむを得ないという場合はやむを得ませんけれども、できるだけおっしゃるように猶予でやるべきだと私も思っています。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 私、できたら、いま質問をいたしました内容について、教育指導委員会が二千五百九十七人の猶予、免除の子供たちについて来年度、五十五年度を目途に再調査をされる意思があるかないか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 就学指導委員会の機能というのは、初めて学校へ入る段階で判断をするというだけではなしに、すでに養護学校へ入っておった子供さんでも障害の程度の回復等によってまた普通の学校へ行きたいという者もあるわけですから、そういう際も機能するようにという指導をしておるわけでございますから、逆に猶予されておる子供さんについてもまた、これなら大丈夫だというような判断もしていただくように指導をしたいと思います。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 それでは、私はまず文部省が就学指導委員会というものにどういう指導をしているのか、このことについてお伺いをいたしたいと思うのです。子供の障害、発達だとかあるいは生活条件など総合的な見地から適切な就学指導を行うという点について、文部省として具体的にその指導あるいは就学指導委員会に対する配慮というものは、現在一体どういう点に重点を置かれているのか、お伺いをいたしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 就学指導委員会は、各市町村及び県に置かせておいていただくという方向でこれまで指導してまいりました。ただ、市町村の場合は単独町村すべてというのではなくて、場合によりましては、数カ町村を一つのグループとしてそこに共同設置していただくというようなことで、そこで一人一人の子供さんについて、いま御指摘のように、これまでの発育歴なりあるいは現在の健康状態というようなものを基礎として入学時の健康診断の結果も見ながら、このお子さんはどちらへ進んだらよろしいかということを専門的な立場で判断をして教育委員会に意見を申し入れるというような機能を果たしてもらいたい。したがって、就学指導委員会の構成といたしましては、県と市町村で標準的な人員構成は県が十五名、市町村が十名というふうにいたしておりますが、その中に必ずお医者さんと学校の先生と児童福祉施設の職員、この方を入れるようにというような指導をして、これまでの方向としては、とりあえず全市町村、県をカバーするようにまず設置をしてもらうという指導のために、設置に要する経費の補助等もしてきたわけでございますが、現段階でほぼ全市町村を覆うような設置状況になりましたので、これからはそういう就学指導委員会の仕事に携わる方々について一層その指導の能力を高めていただくために、五十四年度にはこれらの方を対象とする研究講座、こういうものも国において計画して県の段階でやってもらうというようなことを考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 私はこの構成も非常に問題があるというふうに思うのです。ただいま心理学者の方もというようなことですけれども、私がいま調べた範囲で、心理学者が入っているというところは数少ないですね。  その中で私、一つ例を挙げますけれども、これは兵庫県の心身障害児就学指導委員会の内容ですけれども、ずっと調べてみると、二十名で構成をされているのです。しかも、ともかく全部大学の教授なんですね。あるいは学校長とか官庁の課長とかなんですね。現場で子供たちに携わっている養護学校の先生、あるいはまた子供の問題について非常に関心を持っていらっしゃる人が一人も入っていないのですよ。たとえば養護学校といえば校長、お医者さんといえば医学部教授。ともかくここにずっと書かれている二十名、これで実際に子供たちの教育の問題、本当に発達に応じた、そして親の意見も十分聞いて、総合的、科学的に判断をしていって親の願いもできるだけ尊重していこうというようなそれにふさわしい構成だと大臣お思いになりますか。ちょっと見てくださいよ。現場は全然入ってないですよ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまお示しいただいたのは県の委員会ですから、市町村の委員会の場合にはお医者さんとか、これと違うと私は思うのです。ですから、問題は市町村がどっちをやるかということですから、県の委員会とはちょっと性格が違って、現場の事情のわかる人が市町村の指導委員会には入っていらっしゃると私は思っております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 東京都は大変進んでいると言われていますけれども、東京都の場合には、都の指導委員会の構成メンバーの中に現場の意見を十分反映できる、そういうよく知っている専門家が入っているのですよ。私は市町村あるいは県というふうな形で区別するということは問題だと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 悪い点は今後改善して指導いたします。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 時間の関係もございますので、先へ進みたいと思いますけれども、私は就学指導委員会というのはもちろん肩書きのある、権威のある方、そこに書かれているような方々もお入りになっていただくということは決して悪いことだとは思っていませんけれども、しかし一番よく現場で実態をつかんでいるこういう人たちが必理学者も含めて入っていかなければ、本当の意味で運営も民主的に進めていくことができないだろう、こういうふうに思っております。たとえば、これは私の考え方でございますけれども、ことし学齢に達した子達が実は就学前の教育を受けていた。それは民間の幼稚園であった。いろいろと問題があるけれども、しかし就学前の教育をその子は受けていた。その場合に就学指導委員会の中にその子を直接担当した幼稚園の先生が参加をして、その子の発達の状況だとか、こういう点に問題があるとか、そういったようなことを本当に子供の立場に立ち、そして自分が体験してきたそういうものも意見を述べるというようなことが——もちろん医者は医者の立場から、心理学者は心理学者の立場からそういうことは非常に重要だと思いますけれども、こういった市町村の場合には指導委員会のあり方というものの中にこういう要素が当然入ってきてしかるべきではないだろうか、このように思いますけれども、大臣いかがでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにごもっともでございます。やはり現場の先生が一番よく御存じですから、現場の先生、それからおっしゃるように心理学者、そういう方々が入って適切な運営をしていただくように、私からもよくお願いをいたしたいと思っております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 もう一点は、就学指導委員会が措置をして一定の総合的なあらゆる判断をした上で結論を出して、そしてたとえば養護学校に措置したというような場合、もう一回措置してしまったんだから、それはそれで終わりということにはならないと思うのです。やはり先ほど局長のお話がありましたように、その子の発達の段階を見て、また養護学校から特殊学級に入る子もいるでしょうし、あるいはまた逆に特殊学級から養護学校に行く子もいるだろうし、いろいろな動きが当然あってしかるべきだ、こういうふうに思います。その場合に私は、就学をした後も一定の観察といいますか、就学委員会が責任を持って系統的にこれを見ていくということが必要じゃないか、このように思いますし、とりわけ就学委員会がこの子をどっちへ入れようか、普通教室の方に入れようか、あるいはまた養護学校の方が向いているだろうか、こういうようなことでいろいろと問題あった場合には、やはり後追いの系統的な調査を行うのは当然のことだというふうに思いますけれども、この点について大臣の御見解を伺いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御説のとおりです。やはり絶えず観察して、適切な措置を講ずべきだと思っています。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 あと入学後の措置外といいますか、担任の教師や父母から意見が出てまいりまして、そして学校当局もこの子の発達は大変速度が速い、従ってこの問題については市区町村の就学委員会とも相談をして、そして一般の学校なり特殊教育を選ぶなり、そういうことを措置しようというような場合に、これは当然就学指導委員会が責任持って開かれた体制で今後やっていかれる御意思があるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 性格的に言いますと、就学指導委員会は市町村教育委員会、都道府県教育委員会の相談役的な存在でございますから、それだけではひとり歩きをするという性格のものではないと思います。したがいまして、おっしゃるようなケースにつきましてまず第一義的には担当の先生が十分その子供の実態というものをつかんで、そしてもうこれは特殊学級でいいのではないかというような場合に、やはり就学指導委員会に御相談をしていただく、そういうようなことで、絶えず密接な連携がとれるようにひとつ指導してまいりたいと思います。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 最後に一つ。きょう厚生省お見えになっていると思いますけれども、就学前の障害児教育という問題は、御承知のとおり四十六年の養護学校義務化についての答申が出ましたときに、この身障児の幼児期における教育はその後の発達に重大な影響を及ぼすので、早期に障害を発見し、早期から教育訓練の開始ができるようにするため、必要な判断と就学指導を行う、それを適切に受け入れる教育体制を確立することを早急に検討しなければならない、こういうことが書かれていたわけですけれども、時間の点で、厚生省に伺いたいのは、たとえば保健所で乳幼児健診だとか、あるいはまた三歳児健診だとか、こういうことで障害が早期に発見された場合、これに対して具体的な受け入れ体制と申しますか、そういった整備が具体的にどのようにされているのか、あるいはまた保育園などにこの障害児保育というものを設置して地域の協力も得ながら措置がされているということも聞いておりますので、この問題についてもお伺いをいたしたいと思います。

川崎幸雄厚生省児童家庭局母子福祉課長

○川崎説明員 お答えいたします。  学齢前といいますか、私ども児童福祉行政の分野におきまして、障害児健診、その他もろもろを契機といたしまして発見した場合は、福祉事務所、さらには児童相談所において種々の適切な措置を講ずるということになっております。それで、現在児童福祉施設といたしましては、学齢前児童が約一万人ほど入所の措置がとられておるのが現状でございます。  それからさらに、お述べになりました保育所におきます障害児の取り扱いでございます。これは御承知のように保育所というのは、家庭の事情によりまして保育に欠けておる児童を家庭にかわって保育するという児童福祉施設でございます。それで障害児につきましても保育に欠けていれば入所の道を開いていくべきだ、こういった考え方のもとに一定程度、いわゆるどちらかと申しますと中程度の障害児を引き受けていただいておるような場合には、引き受けを円滑に進めていくために特別に助成を行うというような措置も現在講じておるわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 時間がないのであれですけれども、たとえば障害児三人について保母さん一人とか、あるいはそのほかの助成とか、そういう内容と承っていいですね。ちょっと答えてください。

川崎幸雄厚生省児童家庭局母子福祉課長

○川崎説明員 ただいまの保育所に対します特別な助成につきまして、特に保母の配置についてどうこうというふうな内容のものではございませんけれども、そういう趣旨を含めまして障害児を引き受けていただいておる保育所について助成金を支給するという制度でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 これは文部省に伺いますけれども、幼稚園に対しては、これは一体何名ぐらいの幼児が現在幼稚園に入っているのか。そしてそれに対して具体的にどのような措置をとっているのか。これは御承知のとおり答申の中でも、医療、教育、福祉などの行政組織の連携のもとに受け入れの体制を、早期に発見して早期に治療し、早期に訓練を行うということが早くから言われておりますが、この問題について具体的にお伺いして、就学前の教育のあり方という問題について大臣から最後に答えていただきたいというふうに思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 幼稚園就園相当年齢児の中に障害児がどのくらいあるかという御質問でございますが、この点につきましては明確な数字の調査はございませんけれども、現在の段階で障害児教育にどう対応しておるかといいますと、一つは非常に重い子供については養護学校の幼稚部という制度があるわけでございますが、これは率直に申しまして、現在二十五校程度しか全国にございません。非常に普及がおくれておりますので、義務制実施を第一の眼目にしてこれまでやってまいりましたので、今後は幼稚部の普及というものに十分努力をいたしたいと思うわけでございます。そして、一般の幼稚園につきましても、たとえば自閉症の軽度の者などを大分収容している私立幼稚園等がございますので、そういう面について、一部相当数の障害児を入れている私立幼稚園については運営費の補助等もいたしておるわけでございますが、全般的には、さらに幼稚園等で収容いたします軽度の障害児の教育内容、方法等についてどうするかというようなことを、実は五十四年度に専門家に集まっていただいて検討しようということで、そういう計画も立てておるわけでございます。  率直に申しまして、まだ幼児段階における障害児教育というものはきわめて普及していないという事実を私どもも率直に認めるわけで、これから大いに努力してまいりたいと思うわけです。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)分科員 ことしは、御承知のとおり国際児童年であります。私は、厚生省のとっている措置も必ずしも進んでいるというふうには思いませんけれども、しかし、実際問題として、就学前の障害児教育、これは文部省が担当すべきであって、調査もまだされていない、私は非常に遺憾だと思います。国際児童年に当たって、本当に障害児の問題に文部省が本腰を入れて、教育体系の一環としてその子供たちの発達に応じた体制をつくるべきではないか、このように思いますけれども、その点について大臣の見解を伺って質問を終わります。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 幼稚園と保育所は違うのではないか、幼稚園は御承知のとおり幼児教育でございますが、保育所は保育に欠くる者を収容している施設ですから性格が違うことでございます。  いまお話しのように、幼児教育の観点から、特に国際児童年に際して、やはり子供は日本の宝ですから、これが健全に発展することが日本の国の繁栄につながるわけでありますので、私も一生懸命努力してまいりたいと思います。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で小林君の質疑は終わりました。  次に、中西績介君。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 それでは、同和教育問題に関しまして、一、二の点から質問を申し上げたいと思います。  まず最初に、大臣の同和教育に関する基本的な姿勢についてお伺いをしたいと思いますが、いま論議されております予算の中で、同和に関する総額予算は二千二百六十五億、前年度の伸びからしますと二二・九%増となっています。ところが、その内容をつぶさに検討してみますと、建設省の関係が一千九億円でこの四四%を占めます。そして、企業の高度化事業融資資金等が一〇%というように、これらを全部トータルいたしますと、環境改善施設関係費が約八四%に当たります。教育の面だけを取り上げてみますと、三・五%ないし六%しかこの中にはありません。こういうことからしますと、施設あるいは環境を整備することに中心が置かれまして、いま一番問題になっております差別という問題がこの対策の中からはなかなか排除されるような状態にはなっていません。ですから、少なくとも同和対策のための基本法的なものだとか、あるいは人権法的なものになっておらなくてはならないはずなんだけれども、いま事業関係が中心になっておりますのでこういうものにならざるを得ないというのは、ある程度うなずけますけれども、同和教育の基本に関する問題ですから、この点についての基本的な考え方をお述べいただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 文部省としては、基本的人権の尊重、これが一つの大きな柱、いま一つは、教育の機会均等、この二面から同和教育の推進を図っておりますが、施設の面で——学校教育の方は学校の方でやっていますから、集会所の整備はたしか四百カ所以上に上っているのじゃないか、集会所の整備は一生懸命やっておるはずでございます。詳細は政府委員から報告させます。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 ただいま大臣が申し上げましたのは、同和対策集会所の整備の件でございまして、この件につきましては、文部省では昭和三十七年度から補助をいたしておりまして、ただいま五十年の調査及びその後の調査によりますところの建設計画に基づく各地域からの御要請につきましてはほぼ対応をいたしておりますけれども、さらに、今後の御計画に対しましても十分対応できるように、五十四年度の予算においても措置をいたしておるわけであります。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 社会教育面のそういうものだけでなしに、基本的に同和対策に対する姿勢がいまの答弁の中では明らかになっておりません。少なくとも差別をなくす、そのための具体的な対策というものをどう立てていくか、この点をより具体的に私は問うておるわけですから、いまのような、ただ社会教育面でちょっと措置をするということでなしに、これは簡単に解決する問題ではありませんから、長期にわたるものも含めてどうあるかという点についてどのようなお考えを持っておるかをもう一度お答えください。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 教育というのはやはり基本理念が一番大事です。ですから、今度学習指導要領を改正しましたから、その中で基本的人権の尊重とか、教育の機会均等というような理念を述べて、そうして、そういう差別をなくすことが私は根本だと思う。ですから、そういう趣旨のことを十分徹底すると、これが教育の基本理念です。もちろんそのほかに育英奨学の問題とか、いろいろ広範囲に文部省としてもやっていますから、同和対策の法律の趣旨に沿ってできるだけのことをやっていくつもりでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 時間の関係がありますから……。  いまお答えになりました基本的人権、それから教育の機会均等、これを中心に据えて同和対策、特に同和教育を行っていく、こういうお考えのようです。ということになりますと、中学校の教科書の中にも幕藩体制の確立の中で身分制度などが具体的に文章化されていますね。えた、非人、この身分について社会的な位置づけだとか、両者間の違いだとか、あるいは対立関係の明示だとか、さらにまた支配者の分裂政策の仕組みのあらましだとか、こういうものまでも全部出ておるわけです。ところが、これを今度は教える側の教師、これをどのようにとらえ、そして、同和教育という視点から具体的に措置をし、あるいは教育面でのいろいろな問題に対処するために、教員の養成大学、こういうところでは、あるいはまた、教員資格を取得する場合に、この同和教育という問題についてどう取り扱っておるか、これがおわかりであるならばお答えいただきたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 国立の教員養成大学あるいは学部におきまして、同和教育に関する授業科目を開設する大学は逐年ふえてきております。九年前には七大学にすぎなかったわけですが、その後増加をいたしまして、五十三年度には二十二大学で同和教育に関する授業科目を開設いたしております。  大学における教育研究に関する事項は、もとより大学の自治の立場から、それぞれの大学が自主的に決定をし、大学の責任において実施をするものではございますけれども、文部省としては、今後とも同和教育の充実について一層配慮をしてまいりたいと考えております。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 もう一度お尋ねしますけれども、この五十三年度二十二大学というのは、国公立ですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 いま申し上げましたのは、国立の教員養成大学、学部についてでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 国立の教員養成大学で二十二大学。ですから、これはまだ半数に満ちていないということになるわけですね。さらにまた、教員資格取得のためには、その他大変な大学の数があるわけでありますから、まだ一部でしかない、こういうことになると思うのです。  そこで、教職の単位をとるときに、必須ということになりますと、これは学内におけるそういう問題もあるけれども、ある程度指導的な立場にある文部省なり、話もできるとは思いますけれども、いまそこまでは行っていないわけでしょう。そうですね。そうしますと、学内における必須、選択、あるいは教職課程の科目中に教育原理だとかあるいは道徳教育だとかいろいろありますね。そういうものと置かえるような形で、同和教育論、こういうものがなされておるのではないかと私は推察をするわけですね。ですから、こういう点で、ぜひ各大学におきまして、国公立だけでなしに、教職関係の資格取得のできる体制にあるところでは、可能な限りこういう同和教育論なりを選択できる体制というのも、直接はできないにいたしましても、何らかの方式で指導をしていただきたいと思うのですが、この点どうでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 先ほども申しましたように、大学側の努力によりまして逐年開設をする大学はふえてきておりますが、御指摘のように、その数はまだ不十分なものでございます。  免許状を取得するために必要な最小限度の修得単位数を定めております現在の免許法の必修科目というものに手をつけるということは、御指摘のように、非常にむずかしい問題がございますけれども、各大学が同和教育に関する授業科目をより積極的に開設をするように、いろいろな機会をとらえて私の方も大学に要請をしてまいりたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 それに加えまして、教師の採用試験の受験をする側からいたしますと、採用試験をする側から、これらの問題について、同和教育に関して設定をしていただけば、そういう点についての深さを増してくると思いますね。ですから、この点どうでしょう、各県教委なりの指導の中に、やはり道徳教育あるいは教育原理と同じような位置づけで、採用試験の中に入れるような指導体制は文部省では考えられないかどうか、この点について。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 現在、各県におきます教員の採用試験の実態は、それぞれの県におきまして適宜テストを行い、面接をするという方法をとっておるわけでございますので、御指摘のような内容を選考あるいはテストの中身として加えるということも一つの考え方であろうと思いますが、なおよく関係の教育長協議会等の意見を聞きまして考えてまいりたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 この点は、上から押しつけるというわけには、大学にはできませんから、大学局長が答えたように、まだまだ年月のかかる問題だと思います。そうしますと、やはり受ける側から進んでこういう内容について学習するということの意味は、この同和教育を推進するに当たってまた大変意味があると思います。ですから、ぜひこの点は教育長協議会なり何なりに対しまして御提起願えれば幸いと思います。ぜひこのことは達成をしていただきたいと思います。  次に、同和教育充実のための同和加配、教員の加配の問題であります。この点につきましては、局長も昨年、子供の能力、適性に応じた教育ができるよう加配し、きめ細かい教育をということで、この目的については明らかにされておるわけであります。  そこで、一つは、手抜かりなく調査を進めて対応するということを昨年大臣が約束をいたしましたけれども、手抜かりなく調査を進めて対応するというこの調査でありますけれども、これはいまどのようになっておるかが一つです。  それともう一つは、計画を立てる場合にはデータが必要なんだということを言われました。そこで最新の基礎データという言葉を使っておりますけれども、これはどのようになっておるのか、この二点について……。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ちょっと順序が逆になりますけれども、最新の基礎データというのは、たしか去年の先生とのお話で、総理府の行った四十六年の調査では古いじゃないかというお話がございまして、そこで、できるだけそれは新しいもので考えたいということで、その後いろいろ調べますと、総理府において同和地区の指定というものを逐次県から上がってくると指定をする。そうすると、その地区について学校の実態はどうかというようなことがございますので、五十三年の五月現在で、いまの同和加配の基準であります、一校に同和地区出身者が一五%以上あるいは百人以上というその配分基準を当てはめますと、さらに三百八十名でしたか、増員する必要があるというので、ことし五十四年度の予算に計上したわけですから、そういう意味で、最新のデータというのは総理府の同和地区指定の実績を踏まえて五十二年五月の実績、こういうことになるわけです。  それから、あのとき、やはりもっと調査をして今後の方針を考えたいということを申し上げたわけでございますが、その調査の中身としては、御質問にありました、同和地区における県の単費支出による教員の実績とかあるいは同和地区の実情、こういうものについては去年の五月一日現在でやりましたあの調査の中へ織り込んで調査をいたしたわけでございます。したがいまして、その結果は、まだ集計ができておりませんので、それがまとまりましたならば、それをもとにして今後の施策を考えてまいりたい、かように思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 それはいつまとまるのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これだけ抜き出せばわりに早いのですけれども、御承知のようにいろいろなファクターをやっておりますので、われわれとしては、年度を越すかもしれませんけれども、できるだけ早い機会にそういう必要な資料はまとめて、次の予算要求等の参考にしたいというふうに考えておるわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 できるだけ早くまとめていただきたいと思うのです。  次に、いま問題になっております加配の場合に、教員を配置するに当たって最も教育効果が上がるようにということでもって、一クラスの定数などについていろいろ手だてをしておるわけですね。この一クラスの生徒数、大体目標三十名としていままで実施しておると思いますが、これはそれでよろしいですね。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これはそれぞれの地区の実態それから県の方針等ございますから、文部省として一律に幾人というふうな指導はしていないと思いますけれども、基本的には、前回も申し上げましたように、できるだけ丹念に指導ができるような体制ということでやってまいりたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 それじゃ、重ねてお聞きしますけれども、ということになりますと、それは三十名以下であり得るのですか。その点はどうなんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまの加配の基準が同和地区における、その学校の同和出身者の数とか比率だけでいっておるわけでございますから、それが学級編制として三十人以上になるか以下になるかというようなことは、重ねて申し上げますけれども、やはりそれぞれの学校なり教育委員会の考え方によって決めていただくのがよろしいのではないかと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 それでは、各地区の実態によるわけですから、そうなりますと教育委員会なりが一定の実態に即応した要請をある程度文部省に報告をし、それをすれば将来的にはそれに対応するものとして配置ができるのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ですから、文部省としてはいまの学級編制を幾らにするかという基準をもって加配をしているわけではないので、その学校における同和出身者の数あるいは比率でこれからもやってまいりたいということでございますから、県においてはその配分された数の範囲内でひとつ工夫をしていただくということになるわけです。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 逆にいっているわけですね。ですから、少なくとも一〇%なり何なりということでなくて、そういうたとえば一五%以上あるいは百名以上いる地域においては現在では一名、一名、プラス二名でしょう。そうでなくて、私は今度はクラスというものを単位にしてとらえなくてはならぬのではないかという視点からいまこれを聞いているわけです。そうした場合に、将来的には、普通のクラスでも四十名というのがいま常識になって、だんだん進められつつあるわけでしょう。討論されているわけですね。そうした場合に、同和地区の子たちのいるところの一クラス、その点は、もし一五%以上あるいは百名以上いるところではこれを使うとすれば、クラスについてもやはりある程度制限をし、数を三十名なら三十名ということで考えられるかどうかという、この点について聞いているわけですよ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 大変むずかしい御質問でございますけれども、一般の小中学校の学級編制の基準につきましても、確かに国会の附帯決議等で四十人というのが一つのめどとして出ておるわけでございますが、そのこと自体についても念頭に置きながら、いま検討中ということでございますので、私どもとしましては、同和地区の実態というのもやはりいろいろあるわけでございますから、その点についてだけ、たとえば三十名とかというふうにいまの段階で考えることはしておらないわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 なぜ私はそのことを申し上げるかと申しますと、小規模部落の散在地域、そういうところではこの一五%あるいは百名という基準になかなか達しないわけです。これが高等学校だとかいうところでもってした場合にはその可能性は出てくるのです、散在部落におきましても。そこに集中的にある学校に行けばこれはその数が出てくるわけでありますから。ところが、小学校なんかの場合には規模が非常に小さい、限定された地域でありますから出てこない。そういう地域では、現在の一名、一名、大変少ないこの加配についてもできない状況にある。これはおわかりでしょう。そうなりますと、このクラスをどうするか、何名にするかということを一つ考えないと、全く措置がされないまま、いわゆる同和教育を強化するとか充実させるということには相ならぬ、こういうことになるわけですね。ですから、このことを聞いておるわけなんです。その点ひとつ理解をしていただいた上で答弁してください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 その点はたしか去年も同じような御質問があったと思うので、私どももその後いろいろ調べまして、たとえば九州でも佐賀県とか、長野県とか、そういう同和地区はあるけれども一般的に人口規模が小さいというようなことをどうするかというのは、確かにそれは一つの今後の課題でございますから、そういうものも踏まえて、あのときもさらに検討しますと申し上げておりましたし、いまも一つの課題だというふうには考えておりますが、それを改善していく方策としてただいまのような御提案があったわけでございますが、そういうことも踏まえてひとつ検討させていただきたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 この点はぜひ検討していただきたいと思います。  そこで今度は、県が独自に負担をしている教員の数は正式にはどの程度になったか、トータルしてあるならお答えいただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これも先ほど申し上げましたように、今回のその実態調査でその点を一緒に調査をいたしておりますので、調査の結果を待ってまた御説明申し上げたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 これでは具体的に、隠された数でなしに正確なものが出てくるとお考えですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは御承知のように、教員の定数配置というのは標準法による一応の基準で算出した数を県へ分ける、しかし、県は、その配分については県独自のいろいろな配慮もあって配分するということでありまして、それと県単の職員をどれだけ置くか、それから一般の、本来同和のための定数でない者を県の判断において回すというのと両方あるわけでございますから、実際にどれだけ正確に出るかということになりますと、私どもはできるだけ正確にしてもらいたいということで調査の用紙をつくってやっておるわけでございますから、結果を集計した上で、なおできるだけ検証した上で、必要に応じて発表するようにしたいというふうに考えております。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 これは正確の度合いを期すというのは、やはり将来的な展望というのがあればそれに対応して、そういうことであってはならないけれども、この調査をされる側としてはそれを正確にすることが将来的に予算面なり何なりで文部省からちゃんと裏づけがされるということがあれば正確になるとぼくは思いますけれども、この点、もうすでにこれは実施されておりますから、大変困難だと思いますけれども、これから後でもこれの問題のみについてでも、もしそれが不正確である——私たちが調べたのでは、小中学校で三千八百十八名あるわけですから、これと違うということであるなら再度調査をして、その内容をやはり確実なものにされる。そのことが、将来的には、文部省からそういう点についての加配だとかこういうものも含めてやるための資料なんだということを明らかにしながらやっていただくと、そのことは正確の度合いを期すると私は思うのです。そういう意味でこの実態調査等についてもこれから考えておいていただきたいと思うのです。よろしいでしょうか、その点。どうでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 御趣旨の点も踏まえましてひとつ検討させていただきます。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 それから次に高校の問題でありますけれども、高校の場合には現在のところまだこの加配というのは全然ありません。ところが、もう時間がありませんから申し上げることはできませんが、この教育困難度というのは、学校格差がますます拡大をされまして大変拡大をされておる。このことは私が説明せずともおわかりでしょう。どうでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 高校の教育困難という問題は、私は、一つには生徒の能力がきわめて多様化したという問題と、一つは高校の教育内容の水準をどこに置くかという問題と両方あると思いますが、おっしゃるように非常に困難な場合もあるということは認めます。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 それで、現在私たちが調査しておる中でも約三百四十名近く県で負担をして配置をしておると言われています。この点、やはり凝縮されたものが地域で特定の学校に、私立学校だとかあるいは職業高校に、同和地区の子どもたちあるいは同和奨学生が集中しておるという状況があります。ですから、そういうところにおきましてはこの点を加配をしながら、一つの教育困難校としての指定を私はすべきではないだろうかと思っているわけです。そういう意味で、これから後どのようにこの問題——昨年検討課題とするということになっておったわけですから、この点はどうなっておるのか、お聞かせをいただきたいと思うのです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 小中学校と違いまして高等学校の場合はちょっと学区というものもございませんし、一つの目安としては同和教育の就学奨励金の受給者の数というようなものもあるのかもしれませんけれども、ちょっと高等学校と小中学校は私は角度を変えて検討すべき課題ではないかというふうに考えておりまして、昨年の場合も引き続き検討しますと申し上げたわけです。今後も高等学校教育のできるだけ円滑な運営という見地からも、ひとつこの問題は検討させていただきたいと思っておるわけでございます。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 もう時間がありませんから意見だけ申し上げておきますが、奨学金を受給しておる生徒の数だとか、あるいは、その地域にたとえば一定の学区があるわけですから、私立学校の場合学区はありませんけれども、おおよその通学地域というのはあるわけですから、そういう地域で登録されておる部落の数、そういうものあたりを参考にしていただければ一定の数が出てくると思いますね、基準になるものがあるんではないかと私は思います。この点について、社会教育の関係の方も、社会教育主事あたりの配置の関係だとか何とかからいたしましても十分検討していただいて、特にこの前文部省と折衝いたしました際に、三年間の延長をいたしましたけれども、実態調査というのはこれは改めて調査をする内容のものでないというような返答が返ってまいりました。少なくとも、やはり本当にいまここで同和対策を進めていく、あるいは同和教育を推進するということになれば、実態調査なりを完全なものにして、科学的なよりどころを得て、皆さんが行政を推進していくというこういう姿勢でなくてはならぬと私たちは思いますので、この点、最後に、大臣、どうでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御期待に沿うように、実態調査は完全なものでなかったら振興策はできませんので、お説のとおりしっかりやります。

中西績介日本社会党

○中西(績)分科員 終わります。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で中西君の質疑は終わりました。  次に、鳥居一雄君。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 人口急増地における大変な教育施設の立ちおくれ、この問題をテーマにして伺ってまいりたいと思います。  それで最初にまず大臣に伺いたいのですが、人口急増の責任というのは一体だれが負うのか。国なのか、県なのか、それとも住民なのか。いかがでしょうか。大平内閣の国務大臣という立場でひとつ反省を込めて所信を伺いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 人口急増の責任はどこにあるか、これはやっぱり最終的には国の責任だと私は思っております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 五十二年十一月に閣議決定をされました三全総、これによりますと、七十一ページに、「人口急増地域の生活環境の整備は、緊急の課題である。」そして「特に、東京圏・大阪圏の義務教育該当年齢人口は、昭和六十年において約七百三十万人となり、五十年に比べ約百五十万人の増加が見込まれ、そのほとんどが大都市周辺の人口急増地域に集中するものと予想されるので、緊急に義務教育施設の整備を図る。」、こう明記されているわけですけれども、文部省としてこれまでどういう対策をとってこられたのか、かいつまんで御説明願いたい。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 これまで児童生徒急増地域の小中学校施設の整備につきましては、重点的に取り上げてまいっておったわけでございまして、建築費に対する負担率につきましても、校舎につきましては通常の二分の一を三分の二とするというような措置を続けてきておるわけでございます。明年度の予算案におきましてもこれを最重点といたしまして、小中学校校舎については前年比三五%増の約千七百六十億円を計上いたしておりますし、その他、小中学校の用地の取得費につきましても、前年度比二五・八%増の約四百四十一億円を計上するといったようなことにいたしまして、また、用地の交付率につきましても、各般の御要請にもかんがみ、かつ、実態も考慮いたしまして、従来七〇%でございましたものを七五%に引き上げるといったようなぐあいに、年々手当ての改善に努めてきておる次第でございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 それで、実は私もこの問題について調べてみました。特に人口急増地域、これが全国に百八十四市町村指定地域がございます。三全総の中で指摘しているとおり、東京圏、大阪圏というのが特に問題だと思うのです。それで、東京圏について具体的に調査をしてみました。いわゆるゼロキロから五十キロ圏、一概に五十キロ圏内というのが全部平均的に大変な事情にあるというのじゃない状況にあることは、文部省ですから御存じだろうと私は思うのです。それで、この実態を調べてみました。ゼロから十キロ、十キロから二十キロ、正確には二十一キロから三十キロというのでしょうか、二十キロから三十キロ、三十キロから四十キロ、四十キロから五十キロ。大変な問題がここにあるのは、二十キロから三十キロ、三十キロから四十キロ、それからさらに四十から五十というゾーンです。仮にこれをAゾーン、Bゾーン、Cゾーンとします。いわゆる二十から三十をAとしてこれを見てみました。これはある国の機関の調査でありますが、昭和四十年の人口を一〇〇といたしまして、二十キロから三十キロのAゾーン、これの人口の伸びが一六一という指数が出ています。昭和四十年を一〇〇として昭和五十年、これが一六一。それからBゾーン、これが一八九・三、Cゾーン一四七・三、これは人口の伸びです。こうした実態を文部省は御存じですか。イエスかノーで。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 ただいまお聞きして承知いたした次第でございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 それで、人口の伸び率、増加率に比例していわゆる児童生徒の伸び率というのが大体出てきているように指数を見ますとわかります。ちなみに例を挙げたいと思うのですが、Bゾーンの千葉市は、児童の伸びが昭和四十年を一〇〇として昭和五十二年二八八と出ております。それからAゾーンの中の一つの地域、船橋、これが二九五、Bゾーンの八千代市、指数が五〇〇と出てまいります。こういう児童生徒の大変に著しい伸び、この中で義務教育の施設、学校整備という点が非常におくれているのが実情で、学校施設、これは校舎、教室の建設、それから屋体、老朽校舎の改築、こういう目標でありますけれども、昨年のたしか負担法の一部改正のときにも、ほかのものはさておいても不足教室については最善の努力をしたい、当時の砂田文部大臣はこのように答えているわけです。  それで実際に実態を見てみますと、Bゾーンの千葉市、これは実際の学級数があります。それに対して不足数が出ているわけですけれども、たとえば千葉市の場合には一三四という不足教室数。それで一三四という不足教室数というのは学級数のどのぐらいを占めているか、これを見てみますと一四・三%、いわゆる学級数の一割以上、一割五分に相当する。それで先ほども申し上げましたが、百八十四指定市町村があります。人口急増地として指定をされている自治体がありますが、その自治体つおける不足教室数がどのぐらいの割合を占めているかといいますと、六・九%。ですから実に千葉市の場合には、いわゆる急増市町村の平均の二倍を超える不足数というのが学級数に対する比率として出てきているのが現状です。これはもう大変な問題です。先ほども例に挙げましたが、船橋市は不足教室が八十五、学級数が五百四十四ですから一五・六%を占めております。これも急増市町村の平均の二・三倍。八千代市、これはBゾーンに入りますが、不足教室数に対する割合をとってみますと二八・四%です。二八・四%といいますと、平均的な急増市町村が六・九ですから四倍を超えています。こういう大変な実情です。教室の不足というのは大変な事態です。一体どういう形でこの教室の不足を賄っているかといいますと。まず一つはプレハブ教室をつくるという形でしょう。それから特別教室をつぶして教室に充てる、あるいは屋体に間仕切りをして教室として使う、あるいは職員室をつぶして教室にする、学校以外の建物を臨時に使う、あるいはすし詰めにして学級数をふやさない、こんな対応が実はとられているわけです。この急増地に対する対策というのは、補助率を引き上げて、それで何とか建てられるようにしようという程度の対策しか文部省にはないのでしょうか。三全総で言ういわゆる急増地対策というのは、料率だけの問題としてとらえていらっしゃるのか、その辺ひとつ大臣の考え方を聞きたいと思うのです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 校舎の整備は早急にしなければなりませんので、本年度予算におきましても大蔵省は相当重点的に考えまして、一般の公共事業はたしか二二%でしたが、文教施設に関しては、公共事業と言えるかどうか知りませんが、とにかく二九・何%というので大幅にふやしてくれました。これでも足らないわけですから、これからも一層整備に努力したいと思います。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 そうすると、三全総で緊急に義務教育施設の整備を図るというのは、計画を持って整備をしていこうとか、何か目標をお持ちですか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 私どもは、それぞれの義務教育諸学校の設置者であります市町村ができるだけ円滑な施設の整備計画が立てられますように、先ほど鳥居委員御指摘のように、補助率、負担率のような面につきましても、これは五十二年度で最初の五年が過ぎたのでございますが、今年度から新たにさらに五年延長の措置をとるというようなこともいたしまして、あわせて、いわゆる地方負担分につきましても交付税措置で一部見ていただくほか、全額政府資金充当の地方債を充当できるようにすると同時に、その元利償還につきましても交付税で見るということで、実際の市町村の究極の負担額が一五%ないしそれ以下というようなぐあいの手だても講じまして、市町村とよく連絡協力して指導をし、計画を立てていただいておる。その計画につきましても十分にこれを前向きに数年先まで把握するように努めまして、これに対応するような予算措置を年々講じていくという努力を例年続けてまいっておるというのが実情でございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 要するに、予算がついただけやればいいのだという考え方でいらっしゃるんじゃないのですか。その不足教室からくるいわゆるプレハブ教室という問題に深刻な事態が出ているわけです。プレハブ教室というのはどう定義しているんですか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 これは人口の社会増と申しますか、自然増の上に加えて社会増の現象が、先ほど来鳥居委員の御指摘のようにあるわけでございます。ですから、大変な変化が生じてきておるわけでございますので、その変化に対応するための一つのどうしても必要な対応措置としてプレハブと申しますか、一種の仮設の教室ということで当座の対応をせざるを得ないというのは、社会生活上からいってもやむを得ないことだというふうに考えておりす。  ただ、私どもは、こういった仮設の教室がいつまでも使われるというのは本旨ではございません。やはり本来市町村がある程度まとまった棟としての永久建築ができる規模にまでなりましたときには、これを新築の教室にしていただく必要がございますし、それから市町村の計画によりましては、将来を見越して、学校を新設するという形でプレハブの解消という状況に持っていく場合もございます。それから、状況によりましては、社会増の傾向が最近ダウンするという場合もございまして、そういう場合はやはりプレハブということにもなろうかと存じますが、私どもは仮設の教室はできるだけこの三年以内にいま申し上げましたいろいろな措置によりまして解消していただくというように指導、勧奨をいたしておりまして、現在のところ三年を越してなお残っておるプレハブというのは全体量の約六%という状況でございますので、市町村もかなりがんばってプレハブでつなぐ期間というものを減らしてきております。したがいまして、プレハブ自体の量はここのところかなり減少してきておりますが、しかし一定量はどうしてもそういうもので対応していかざるを得ないというのが実情であるというふうに考えております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 それで、先ほど問題提起をいたしました地域、Aゾーン、Bゾーン、Cゾーンにおけるプレハブの実態なんですけれども、プレハブの教室が実際の学級数の中にどのくらい占めているか。Bゾーンの千葉市が百二十五プレハブ教室、ですから九百四十学級に対しまして一三・三%、人口急増市町村の平均的な比率が二・三%ですから、このBゾーンにおける千葉市の比率は六倍に近い数字です。急増地対策というのはきめの細かさが要求されている。しかもそれにこたえようということを明記しているのが三全総であり、昨年の国庫負担法一部改正のときに論議されたものではなかったかと私は思う。同じくAゾーンでも船橋市が五・七倍、急増地域の五・七倍です。急増地域といっても、いわゆる指定を受けていながらも特に著しい地域とそうではなかったという地域があるわけです。文部省としてはそれすらも手に持っていないと言っていいのじゃないでしょうか。五十キロ圏、その対策を進める、こう言いながら、五十キロ圏の様子がどうなっているのか実際に何にも実態を知る数字というのはつかんでいないわけですね。全部市町村任せじゃないですか。建てたいというのは対して許可をする、補助率が一定、決まっている、それで一体何の急増地対策なんでしょうか。私は空文に等しいと思うのです。特にこの急増地対策についてはそれぞれの部門があります。環境整備の上でごみ焼却場をつくらなければならない、環境庁、あるいは建設省は下水道の問題がある。しかし、学校施設については文部省じゃないですか。その文部省が実態をつかんでいないというのは私は納得できない。どうでしょうか、大臣。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 先ほどもちょっと申し上げたっもりでございましたが、それぞれの急増市町村が当面しておる必要な校舎の建設計画なり、そしてそれをどういうふうにこなそうという具体的な実施のプランを持っておるかということについては、私どもは都道府県の教育委員会を通しまして調査をいたし、そして承知をしておるつもりでございます。やはり一番の問題は、急増市町村が非常に財政上困難な状況に置かれておるということでございますから、これに対しましては国の負担あるいは国の負担すべき事業量を十分に確保するということとあわせて、自治省その他関係省にもお願いをいたしまして、地方財政上の十分な措置も施していただくということで対応してきておるつもりでございます。  必ずしも東京の都心から何キロというような視点では、私ども、先生から先ほど伺って知ったわけでございますけれども、市町村ごとにどういう状況に置かれており、そしてどういうふうにそれを解消していく計画を持っており、それに私どもが円滑に協力をしてまいりますためには、国の一般会計予算上ないしは地方財政計画上どういう措置をしなければならないかということにつきましては、年々努力させていただいてきたというふうに考えておる次第でございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 それで、私が指摘したプレハブ教室、それからその前段として不足教室数、不足教室数については昨年よりもことしの方が数がふえているわけですよ。これも市町村任せの対策に流されて、文部省としては主体的な手だてが全くない、こういう事態がもたらしたものだと思うのです。先ほど大臣からも人口急増の責任は国が負うべきだというお話がありました。しかし、いつまでにどうするとかという目標すら現状においては持っていないわけですよ。ただ、補助率の料率をちょっと手直しして建てやすくしたというだけの話じゃないですか。どういう目標でこの問題に取り組んでいく考え方ですか。その目標は以前にはあったじゃないですか、施設整備五カ年計画。予算がつかないとかつくとかという問題に振り回されて、計画すらあっても無意味なものになってしまった。そういう中で、いまは持っていない、こんな事情も実は聞こえてくるのです。ですから、はっきり目標を決めて、その目標に従って解決をするということであれば私たちも理解できる、納得できるわけですけれども、その点についてはどうでしょう。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 文部省といたしましては、先ほども申し上げましたが、各市町村の実情を調査いたしまして、そして計画につきましても県を通じましてこれをいただきまして、将来どの程度の予算ないしは財政措置で対応していかなければならないかということにつきましては調べはいたしておるのでございますが、これはあくまで私どもの手の中と申しますか腹づもりとしての腹構えを決めるための材料として持っておるわけでございます。そういうことで、予算でございますから、毎年努力をいたしましてそういった市町村の計画に十分に対応できるよう、あるいはそれに近い事業量を確保するように極力努めてまいってきたわけでございます。  なお、昭和六十年度までを見通しましたいわゆる新経済計画というものがございますが、これにつきましても文教施設の所要額が盛り込まれているわけでございますが、この計画期間中にも文教施設に対するる投資額として約二十兆余を盛り込んでございまして、この金額は、今後の小中学校の児童生徒数の増加に対応するために盛り込んでいただいておるものでございます。ただ、先生御指摘のように、社会増の問題につきましては、これは地域的に起こることでございまして、そして社会増というのは一つの社会の変動現象でございますので、これにつきましては、五年先までにどれだけの社会増が起こるかということにつきましては、かなり流動的な部面もございますので、その辺のところはできるだけ先を見ながら、そのときどきに最善の対応をしていくということを心がけざるを得ない面があろうかというふうに考えておるのでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 そうすると、おかしいのですよ、資料をつかんでいると言っていながら……。それでは聞きますけれども、増加のピークを何年と見ているのですか。恐らく資料はあるけれども何も使われていないということじゃないですか。それから、社会増は変動現象で、そんな言い逃れは大臣の言い分と違いますよ。先ほどの大臣の答弁はそうじゃなかったじゃないですか。国の責任において受けとめていかなければならないという答弁じゃありませんか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 児童生徒数のピークでございますが、これは個々の市町村についてピークがいつかという推定は非常に困難なことでございますが、全国における児童生徒数のピークについて見ますと、小学校は昭和五十六年度において千百八十二万人、五十三年度に比べますと約七十八万人の増でございます。中学校は昭和六十一年度五百八十九万人、五十三年度に比べまして約百三万人の増、その程度の数になるというふうに見込んでいる次第でございます。  なお、先ほど申し上げましたのは、社会増というのは、国なり何なりが何らかの手だてでそういう方向づけをしておる事柄ではございませんで、やはり全体の社会の営みの中で起こる事柄でございますので、そしてその社会増に対応する施策は、やはりそれとの間に極力ギャップが生じないように最善の努力をしていく必要があるという意味合いで私、先ほど御説明させていただいたつもりでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 それで大臣、実はこういう状況ですね。文部省が予測としてとろうとしている実態は、公団、公社の建物については幾人ふえるだろうということをつかむのです。バラ建ちについては全く——バラ建ちという言い方をしているのです。民間のいわゆる社会増の中でも、どんどん広がっていく地域においてそれを正確につかんでいこうという対応が非常におくれているのです。これは市町村任せであり、しかも市町村がそれに対応しようというのに対して非常に繁雑な事務が待っているわけですね。ですから、きめの細かい対応という上から言って、一体東京圏のどこにどういう手を打つべきかということを文部省は持つべきじゃありませんか。どうでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御指摘のとおりでございますが、文部省としてはやはり各県を通じて各市町村の実態から積み上げてきているのですよ。ですから、先生のお話のように、たとえば東京圏のどの辺、いまB、C地区とおっしゃったけれども、そういう総括的な調査が足らないことは私も認めますが、そういう御指摘のような点もしっかり整備して、そして全体計画をつくって、その中に学校の地位というものを確立しなければいかぬと思うのです。今後私ども一生懸命検討さしていただきたいと思います。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 ちょっと時間の都合がありますので、自治省に資料の要求をお願いしたいのですが、学校施設に関して自治体の財政裏負担の総計、急増地に限ってどうなっているか、それから地方債、交付税等の対策、今後どう拡大していくか、この二点について資料をいただけませんでしょうか。

井上孝男自治省財政局調整室長

○井上説明員 自治省におきまして児童生徒急増市町村という形での決算集計はいたしておりませんで、人口急増市町村、それは昭和四十五年から五十年の国調人口における人口増加率が一〇%を超えるという定義でもちまして人口急増市町村と呼びまして、それらの経費負担の状況、これは把握いたしておりますので、資料としてお出しいたしたいと思います。  それから、今後の地方財源措置につきましても、現状及び将来の対策につきまして資料を提出さしていただきます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 ありがとうございました。

谷川寛三自由民主党

○谷川主査代理 以上で鳥居君の質疑は終わりました。  次に、中馬弘毅君。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 きょうは質問の通告では教育費負担の増大ということで申し出ておりましたけれども、その前提としましていま大学問題全般について基本的なことを大臣にお聞きしておきたい、むしろその方に重点を置きたいと思っております。  現在の大学というものなんですけれども、進学率は、御存じのように四〇%近くなっておる、戦前の中学校に行く人よりもむしろいま大学に行く人の方が多いような状況でございます。あるいは進学希望者全部入れたとしたらもっと高い進学率になるのかもしれません。そうすると、本来大学というものはエリート養成、高等専門教育の場ということかもしれませんけれども、現実におきましてはそういう形じゃなくて、大学に籍があってもほとんど学校で勉強はしていないというような状況でございますね。これについてどうお考えになっているのか。ただたてまえだけでそういう高等専門教育の場ということよりも、あるいは現実を認めた方がいいのじゃなかろうか。むしろ私学におきましては逆にそれを認めているような形でございまして、それがいいか悪いかは別ですけれども、何といいますか、実際に教室に入らないくらいの人数を採ったりしているわけですね。しかし、それは実際にその学生が授業にほとんど出ないということでそれが賄われているのかもしれません。いま学生たちが大学を目指すのは、たとえば東大であれば東大卒という資格を得たいためであったり、あるいは慶応なら慶応というキャンパスで自分の四年間を過ごしたいということであって、何かそこで法学を学びたいとかあるいは理学を学びたいということでも必ずしもないのですね。そうしますと、それを現実として認めた方がいいのじゃないかという気がするわけです。その四年間が、あるいは青年期における人格形成の場としてむしろ必要なことじゃないのか、それだけの経済的なゆとりがあれば、ただ高等学校を出てすぐ職業につくよりも、四年間というものを、場合によっては本を読んでおってもいいし、あるいは山に登っておってもいい、芝居ばかり見ておってもいい、この四年間をそういう形で過ごすことが、人間一生の中において何物にも煩わされずの有意義な四年間というものがあることが、人格形成に非常に大きな役割りを果たすという気が私はいたしております。実際問題としましても、高卒の中で非常に優秀な方がおられることは個々のケースとしてはありますけれども、総体的なことで言うならば、高卒よりも、何もしなかった大学卒も含めて、大学卒の方が、物事の判断とかいったことが少しは幅が広いというような事実もございます。そうしますと、いまの大学の存在意義というものを従来どおりの形で、たてまえだけでエリート養成高等専門教育の場ということに限っておく必要があるのかどうか、この点について大臣、どのようにお考えでございましょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御指摘のように、大学が広い意味の教養の場になっていることも事実なんで、しかし、私は、根本的には学歴偏重の社会的風潮というものが一つ大きい原因で、何か大学へ行かなければ将来出世ができないような、そういう錯覚を起こしているのじゃないかと思って、やはり学校というのはお勉強もしなければいかぬし、しかし、お友達と楽しく学生生活を四年なり二年やるということも、これもまた人生に意義があると私は思う。  しかし、せっかく大学に学ぶなら、私は何でもいいから一つは専門をやってもらいたい。昔から一芸に秀でる者は万能に通ずるというけれども、何か一つぐらいは取り柄を持ってほしい。それは広い意味で、クラブ活動でもいいですよ、何でもいいですから、何か特色のある人間になってもらいたい。それからいま一つは、人柄のいい人になってもらいたい。ただお勉強さえできればいいんじゃ困る。やはり人から信頼され、尊敬されるような、そういう人間関係をつくってもらいたい。それだけでも大学教育の意味はあると私は思っていますがね。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 その場合、現実にはどういう形が考えられますでしょうか。大学のいまのあり方とかその制度といったものをもう少し発展させて、いま大臣がおっしゃったようなことを実現さしていくためには、どういう形が考えられますでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 これは非常にむずかしいのですけれども、私学ですと、わりあい自主的にやれるのですよ。ところが、国公立の場合はそうもいきませんが、私学なら自分の大学の特色を生かさなければ、その学校はつぶれてしまうのですよ。そういう意味で特色を生かすという点で私学は真剣にやっておるし、またやれると思うのですが、国公立の学校の場合はそうもいきませんので、なかなか具体的にはむずかしいと私も思っています。  しかし、日本が終戦後、おっしゃるように昔は中等学校が二割以下だったのですよ。それがいまや大学が四割も超え、倍になってしまったのですよ、大学の方が。そこまで進歩したんだから、これからの日本は資源がないんだから、国際的に信頼と尊敬をかち得る日本人にならなければいかぬから、国際交流を盛んにして、国際的にも、なるほど日本の学生はいいというふうに評価されるような大学であってほしいというのが私の願いです。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 非常に短絡的に物事を判断されたら、私、これから発言することについて困るのですけれども、いま大臣がおっしゃったような意味で、少なくとも四年間何か一つのものでもつかんでもらうというような制度なりができることを前提にして、先ほど言いましたように、ただ十八歳になったらすぐ勤めるとかということじゃなくて、四年間を有意義に過ごすという、一つの人間の人格形成上そういうことであれば、そしてまたそういう希望があれば、どうしても十八からすぐ勤めたいという人は別でございますけれども、行きたいという人は極力行ってもらうという形にすることですね。大学までも一つの義務じゃなくて希望で行ける人には全部入ってもらうという形、これについてどうお考えでございますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘のように、高等教育への進学率が上昇をすることに伴いまして、高等教育のあり方はかつてのようなエリートの養成機関ということから明らかに姿を変えて、いまは高等教育の大衆化と言われているような状況にございます。そういった高等教育というのは当然に、いま大臣からお答え申し上げましたように、それぞれの高等教育機関がその多様な学生の要請というものを受けとめて、それぞれ特色のある発展を遂げるということを考えていかなければならないし、また教育の方法等についても、できる限り学生の多様な要請にこたえていけるようなものを工夫しなければならないということがございます。  しかし、いかに高等教育が量的に拡大をしたといっても、私たちは、その高等教育の質というものが明らかに問題であるし、その高等教育の質というのは、たとえば私学の定員超過率に象徴されるような形で是認されていいものではないと思います。やはりできるだけ質を高めていくということを考えなければならぬ。  従来、高等教育への進学率というのは四十年以降年率二・六%くらいのスピードで伸びてまいりましたけれども、五十年ころから明らかにさま変わりをしております。高等教育への志願率も停滞をし、したがって進学率も停滞をしてきているという状況にございます。それが経済的な要因によるものか、あるいは若者の大学に対する考え方が変わってきたのか、必ずしももここ二、三年の経緯をもってしては言うことはできませんけれども、明らかに高等教育に対するニーズに変化が起こっているということは言えると思います。  そういったことを踏まえて、現在、高等教育についてはできるだけ量的な拡充はむしろ抑えて、質的な水準を上げる。上げながら、高等教育全体の構造をいまよりももっと弾力的な開かれたものにしていくという工夫をしているわけでございます。そういう方向は今後もなお継続してとられてしかるべきであって、量的な規模というものの拡大に力を入れるというのは、それは現在の地域間の不均衡の拡大、それを是正をするとかあるいは地方における大学を整備するとか、そうしたこれまでの著しい高等教育の拡大の間に生じたひずみを是正するために必要な手当てはしなければなりませんけれども、原則的には質的な面に力を入れていく。さらに高等教育へのチャネルをもっとふやして、全体として国民の要請を柔軟に受けとめていく、そういうことを施策の中心に据えた方がいいというのが現在の文部省の考え方でございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 質的な向上といったようなこと、たてまえとしてはもちろんそうでございましょうし、行政サイドの御答弁としてはそうかもしれませんけれども、私が言っているのはもう少し広い意味でございまして、たとえば先ほど申しましたように、四年間、別に何か勉強したいわけではないのだ。しかし、そこで友達もつくりたいし、人生を豊かにする意味でやりたいという人、その人は大学に質的なことだけ重視して入れないのだ、行きたくなくても働きに出ろということなのかどうかなんですね。ですから、これは大学という場でなくてもいいと思いますよ。しかし、そういう十八から二十二歳までのあの四年間をどう考えていくか、一つの国民教育の意味も含めまして。それはどうでございますか、大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 非常に大事な時期ですから、お話しのように、大学に行ってお勉強することも大事だけれども、人間関係を育てるという点で非常に大事だ。そういう意味では、大学というのは、人間環境を整備するという点では非常に有効な一つの機関だと私は思うのです。もちろんお勉強も大事だけれども、お勉強以上に、お友達をつくり、そして人間関係を改善していくという点において、私は、人間教育の上から非常に大事な時期だ、時期的にも大事だ、期間としても大事だ、こういうふうに思っています。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 これを可能な限りでの具体的なことで考えていきますと、それこそある程度、どの大学も全部そうしろということじゃございませんし、一部に、東大がそうであるのかあるいは京大がそうするのかともかくといたしまして、本当のエリート養成機関があっていいとぼくは思うのです。そしてそこには非常にむずかしい試験があってもいいと思うのですが、かなりの大学において入学をオープンにしてしまう。そして簡単な常識テストか何かでもいいと思うのです。共通一次の非常に低いレベルのところでカットしてもいいと思うのです。  そして、そこに入ってから、あなたはこの大学に何がために入ってきたのかということですね。どうしても自分は法学を学びたいという方には法学部に入れる。どうしても理学を学びたいという方には理学部に入ってもらう。いや別に自分は大学に来て勉強したくないのだ。しかし、このキャンパスで有意義に四年間を過ごしたいという人は、学びに来たんじゃないですから、学部じゃなくて一般部ということで、これはその数の教室もそろえる必要もなければ何もないわけですね。もちろんそれに対するある程度の講座は開いている。聞きたいときに聞けばいいじゃないか。そういうことまでも考えていかなければいけない時代になってきたのではないかと思うのです。いまの大学生というか、あるいは人生の中での有意義な四年間の過ごし方という国民的な要請も含めまして、その点についてはどうでございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 中馬さんの御高見は私も大変傾聴に値するものだと思いますけれども、現実はそうはいかないのです。やはり志願者が殺到するから、どうしても入学試験の選抜をやらざるを得ないのです。お話しのように、特定の大学でそういうことをやるのも一つの方法だと思うので、新しい大学、特色のある大学として、そういうことを私立大学あたりでやっていただくと、私も非常におもしろいのではないかと思っておるのです。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 私立大学でなくても、公立でもできることだと思うのです。大学という一つの場が欲しいわけですから、最近の特に若い人たち、しかも、こういった四〇%未満ということになっていますけれども、実際にそういう形でやれば、大学など行きたくないという人は全く別でございますけれども、進学希望率ということで言えば六〇にも七〇にもなるかもしれません。そうすると、それを無理やりに社会に出して十八歳から働かすのがいいのかどうか。このことについて、とりあえず予算措置も何もほとんどかからずにできる方法として、いま言ったようなことも、たとえばの話でございますけれども、考えられるのではないかと思っておるような次第でございます。  次に、もちろんそれと関連するのでございますけれども、日米両国高校生の意識調査というのが日本青少年研究所で行われたようです。ごらんになっていると思いますが、勉強第一主義あるいは将来生活設計が非常に欠如しているといったような結果も出ております。これは大学受験とも関連した問題ではないかと思うのです。受験地獄の解消あるいは高校教育の正常化といったことを目的とした共通一次試験、いま大学の試験があちこちで行われておりますけれども、これの現段階での評価を、一つの反省なんかも含めまして、大臣どうお考えでございましょうか。     〔谷川主査代理退席、主査着席〕

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 共通一次を取り入れた新しい入試の制度というのは、現在なお二次試験の実施前でございますから、全体としてこれをどのように評価をし、さらにどのように改善をしていくかというのは、さらに二次試験を終了してのことになるとは思いますけれども、共通一次に限って申しますれば、出題された試験問題の内容、程度についてはおおむね適切であるという評価をいただいております。  それから、共通一次の実施から第二次試験への段階を見ておりましても、各大学への志願の状況というのが、かつての一期校、二期校のあったころのような非常な偏りを見せるということがなくて、全国的に大体平均をしてきているというようなことがございます。高等学校の先生方の進路指導も非常に大変だとは思いますけれども、共通一次の導入に伴って、われわれが考えた入試制度のあり方については所期の方向へ向かって進んでいると思います。  問題はなお二次試験のあり方にございますので、これについては、全体が終了した後でさらに関係方面の御意見を伺い、それぞれの大学にも検討を求めて改善の努力をしてまいりたいと考えております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 共通一次の目的を、大学入試への足切りとか、そういうことではなくて、高校教科をちゃんと履修したかどうかの一つのテストだというように、まあそれが本当の目的であったと思うのですけれども、そうするのであれば、文化的素養だとかあるいは社会奉仕の精神といったことまでも何かテストできる方法がないものかという気がいたしておりますが、それらは少なくともいまの共通一次には入っておりません。  それから、おっしゃるように、大学側の入試におけるこの取り扱いでございます。これを足切りに使うようでは意味がないことでございますし、また、もう少し共通一次の中で、たとえば数学と理科だけが九十点以上取っている、しかしそのほかは非常に悪いといったような生徒さんは、何とか理科大学は無条件にとりましょうといったようなことも必要じゃないかと思います。  そういうことも踏まえて、共通一次というのは、先ほど言った開かれた——開かれたと言ってはちょっと語弊がありますが、希望があればどんどん入っていただくというような意味での、本当の最小限の高校課程を履修しているかどうかの判断基準に使って、そして大学はむしろ行きたい人は極力行っていただくという形をとる方がいいのではないかと思っておりますが、大臣いかがでございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 共通一次のテストの趣旨は、高等学校における学習をどの程度マスターしたか、これを見るためにやったわけでございます。ですからその意味では、私は今回の一次テストはおおむね妥当ではなかったかと見ているのですが、いま先生のおっしゃったような趣旨もこれからひとつ検討させていただきたいと思いますが、局長からちょっと答弁させます。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘のように、共通一次を前提として各大学が第二次試験で、どのようにそれぞれの大学の特色というものを考えて工夫をするかというのが、新しい入試の制度を成功させるかどうかにかかるわけでございます。  もちろん、まだ十分ではございませんけれども、学科試験の科目は減っておりますし、さらに学力検査を二次試験の段階で課さないで、面接とか実技とか小論文で対応するという大学が四十四大学、六十五学部ございます。これは主として教員養成系の学部でございます。あるいは面接あるいは小論文についても、たとえば面接は五十三年度は実施をする大学が六大学にすぎなかったのが、五十四年度は二十八大学にふえている、あるいは小論文も八大学であったものが四十八大学において導入しているというような、それぞれの大学における努力はうかがわれるわけでございます。この方向をさらに伸ばして、共通一次というものを実施をする、その上に立って各大学がそれぞれ特色のある入学試験を実施できるような方向に、さらに関係者の検討を求めてまいりたいと思います。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 今度共通一次が実施されましたことによって、少なくとも公立を二つかけることはできなくなったわけでございますね。一方、大学の授業料、入学金でございますけれども、これは御存じのように非常に大きなアップをいたしております。石油ショック前の四十七年あたりを基準にとりましても、一般の全国勤労者世帯実収入あたりは二倍ぐらいにはふくらんでおります。しかし大学の入学金、授業料といったものは三倍ないし五倍にふくれているわけです。そうしますとこの負担というのは非常に大きいわけでございますが、この点についてどうお考えになりますか。  それから、もう一つあわせて、これが一つだけで、一発勝負でそこしか受けないのだという方はいいでしょうけれども、多くの方は二つないし三つ、もちろん私立とかけて、滑りどめというようなことも含めましてやられるわけです。そうしますと、これの入学金ないし若干の施設料なんかも含めて払い込みをするわけでございますけれども、これが非常な金額になるわけです。大体六、七十万ないし百万ぐらい、医学部系なんかは別でございますけれども、そのぐらいの負担が要るのですね。そうしますと、これは現在二十数万円ぐらいの四十四、五歳の家庭におきましては、ちょっと手が出せないような金額になってまいります。いろいろ借金をしたりしてやっておられるようでございますけれども、こういうことも含めて、どうお考えでございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、教育費の父兄負担が増大することは私ども大変遺憾に思っておりますが、ただ、私立学校にしても国立にしても、人件費の増と物件費の増、それから教職員を補充するというような点の必要な経費は、これはやむを得ないと思うのです。そういう意味で——ことしは国立は授業料は上げなかったのです。私立は上げましたので、私立に対しては、御協力によって育英資金の大幅な増額をいたし、人員もふやしましたが、いずれにしても父兄の負担をできるだけ軽減するように文部省も努力いたしたいと思っています。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 これは私学の方が財政的に非常に困っている窮余の一策でしょうけれども、例の入学手続のときに授業料から施設費から全部取ってしまう、これは二、三年前から問題になっておりまして、二段階方式で低減はされておりますけれども、実施状況はどうですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私学につきましては、御承知のとおりに私学振興助成法がございまして、経常費の二分の一まで補助しようといって、いま大分これがふえてまいりまして、ことしも相当大幅にふやしたわけです。それから高等学校につきましてもふやしまして、経常費の助成は強化してまいりました。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 中馬委員御指摘の授業料あるいは施設整備費等につきましての改善状況でございますが、現状では、すべての学校が何らかの方式で改善の措置を講じておるという結果になっております。やり方としては、延納方式をとるところでございますとか、あるいは一たん納付を受けておいて、ほかの学校に回ったという結果になりました場合に、それを返還するという方式をとるところとございまして、大ざっぱに申しますと約半分半分ぐらいでございますが、いずれの学校もそういった方式によりまして、いわば入学をしない人から授業料なり施設整備費を取るという事態は改善をされておる次第でございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 この入学金といいますか、教育費の負担でございますけれども、もちろんこれは国に有為な人材の養成でもあるわけですから、国家が大幅にそのめんどうを見るといいますか、教育費を負担するのは当然だと思いますけれども、また一方で自由経済体制を前提にするならば、個人的なそれがかなり有利になることも事実でありますね。しかし実際に入学するときにその負担ができないというのが現実であります。そうしますと、たとえば奨学金のような形で、卒業して何年か後に、大学を出た者はそれこそ教育費の返還みたいな形になるかと思いますけれども、それを月々五千円だとかやっていく。こうしなかったら、先ほど言いましたような意味で教育費は私学の助成も相当ふくれております。それからもちろん全体のもふくれておりますし、と同時に、こういった形で父兄の負担もふえてきているわけでございますから、その辺の方策についてはどのようにお考えでございましょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 入学一時金につきましては、現在、日本私学振興財団が四十九年度から学校法人に対する私立大学奨学事業援助を実施しておるわけでございます。この中に、入学一時金についても学校法人に対して措置をする制度を設けまして、大学側が入学一時金を免除しあるいは分納を認めるというようなことをした場合には、それに見合うものを私学振興財団の方から当該大学に対して援助をする、融資をするというような方法も講じているところでございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 時間もございませんが、大学というものをただ高等教育の場ということでなくて、生涯教育における四年間といいますか、青年期における四年間、これをどう考えるかという立場で今後の大学教育制度あたりを考え直していただきたい、かように願うわけであります。  ちょっと話は別になりますが、文化庁長官に来ていただいておりますので——大臣でも結構でございます。  今度の予算で国立文楽劇場、これは大阪でございますが、これの設計費がついたわけでございますね。来年からは実質設計という形になってくると思いますが、これに対して、私たちいろいろな場でも主張しております建築費の一%相当を芸術的装飾に使うという形、これは前の大臣からも前向きの御答弁をいただいているわけでございますが、これを実際に移す問題として国立文楽劇場に御配慮になるかならないか、その辺のところをちょっとお聞かせ願っておきたいと思います。

西崎清久文部大臣官房会計課長

○西崎政府委員 ただいま先生からお話がございました芸術的装飾を官庁の建物にどういうふうに適用していくか、これは先生お話しの文楽劇場のみならず、学校建築その他についてもかねてよりお話があるところでございます。  この点につきましては、国立学校なりあるいは公立学校、それから官庁営繕の建物で申しますと、文部省所管以外にもいろいろあるというふうな点で、五十四年度予算自体の問題として芸術的装飾を適用するということにはまだ相なっておらないわけでございます。全体の問題として、文部省としても鋭意検討しておるという段階で、まだ文楽劇場自体について特にそれを適用するということには相なっておりません。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も、学校建築がいままで大体マッチ箱みたいなもので、本当に何か魅力がないので、やはりもう少し芸術的な学校でありたいということです。  私は実は非常にびっくりしたのは、徳島県の鳴門へ行ったときに、あそこでは本当に学校がりっぱなのです、小学校、中学校が。子供がうちにいるよりも学校で遊んだ方がいいと言って、教室も広いし、集会所もあるし、とても楽しい。それで私はびっくりして、谷市長さんに、あなたのところはどこでこんな金があるのかと言ったら、私のところは競艇収入が年間三十五億、全部教育に使う、私は残すのは教育しかないからやるとおっしゃった。私はびっくりしたので、なるほど学校建築はもう少し芸術的にしたいなという希望を持っております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)分科員 学校の建物の芸術性ということですけれども、神奈川県はそういうことをやっておりますね。ただ建物に何か丸い窓をつけたら芸術的だとか、そういうような感覚でおられるというケースもあるのです。だから、ラブホテルみたいなものをつくったら、それが芸術性だというようなことでも困ると思うのです。建物自体、設計自体がこれは芸術でございますし、私がいまさっき言いましたのは、設計以外の別のことで考えていただきたいということでございます。そのことを要望いたしまして終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 では続いて、竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 私は、昨年の十二月十日の茨城県の県会議員の選挙のときに、筑波大学の学生が組織的で集団的で、しかも構造的な膨大な選挙違反をやった、この問題について、去る二十一日に文教委員会で若干のやりとりがあったと思いますけれども、あれを聞いているとまだ不十分なところがありますので、これを補足する意味で、なお質疑をしていきたいと思います。  この問題については、大臣は厳重に大学に注意をする、局長の方からも悪質な者については処分をするというような形で、いろいろと指示をされておるようでありますけれども、しかし、その実態というものについてはやはり明確にしなければならないというので、この際この問題を捜査をした警察庁の方から、その大学の学生の選挙違反に問われている実態について、わかるだけ説明をしてもらいたいと思います。

宮脇磊介警察庁刑事局捜査第二課長

○宮脇説明員 お尋ねの事件は、昨年十二月十日に施行されました茨城県議会議員の一般選挙におきまして、新治郡選挙区から立候補して当選しました藤沢順一派の現金買収事件についてのことだと存じます。同派の選挙運動員十二名が筑波大学の学生に対しまして藤沢候補への投票を依頼いたしまして、現金五千円ないし三千円を供与した事件でございます。これにつきまして茨城県警察におきまして捜査をいたしました。その結果、筑波大学の学生百三十七名を公職選挙法二百二十一条第一項第四号、これは買収罪の現金受供与の罪でございますが、その被疑者といたしまして二月一日に検察庁に送致をいたしたというふうに承知をいたしております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 大体内容は以上のようなものでありますが、これまでに至るについては、十二月六日ごろから今日の段階に至っても地元の新聞では、将来の日本の教育を担って立つべき、しかも大変困難な試験の中から選ばれて入学した学生が、自分の権利を三千円や五千円で売り飛ばす、こういうことに対してその感覚に驚くと同時に、しかもそれが一人や二人じゃなくて、かなり組織的に集団的にやられているところが特徴でありますから、こういうような事例がかつて日本の大学の歴史にあるかどうか、これを大臣にひとつお尋ねします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 こういう事件は私はないと思いますが、そこで私も昨日筑波の学長に、こういう事件が国会でも問題になった、二度とこういう事件を起こしてもらっては困るということを厳重に注意いたしました。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 日本の歴史始まって以来、大学は多いわけですけれども、その大学の中で初めて起きた。しかもこの筑波大学は昭和四十八年に教育大学が移転をして、開かれた大学としてこれは注目された大学です。その開かれた大学の中でこのような事件が起こったということの根本的な原因について、どのようにお考えですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 今回の事件は、御指摘のように、かつて生じたことのないような事例でございます。  筑波大学の立地されている状況からして、筑波大学は、むしろ寮に入っている学生を含めて、学生に対して、地域との密接な連携と申しますか接触と申しますか、そうしたことに意を用いて、地域から筑波大学が孤立することのないように、筑波大学が愛され、かつ地域に対して開かれたその地域の大学として育っていくことを学生指導の上でも考えて、常々学生を指導していたと聞いております。そういう立地条件のもとにおいて生じた事件であるということは理解できますけれども、しかし、このことが筑波大学の学生指導の方針というようなものから出てきたものとは、私たちは考えておりません。現在の学生一般に見られる社会人としての自覚の不足、そういった傾向がこの筑波大学に出てきたというように考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 二十一日にもいまのようなお答えだったと思うのです。筑波大学の管理運営から出てきたものではなくて、それはいわば学生のミスであった、こういうように説明をされていると思うのですが、そのように自分の権利に対して非常に無意識に選挙違反に巻き込まれる。あるいは、これはここで言っていいかどうかわかりませんが、土浦の駅の改札に行ってみると学生がきせるをやるんですね。いわばただ乗りだ。それでつかまると、何が悪いんだ、こう言って開き直る、こういう学生が筑波大学におるということも言われているのです。これは名前は挙がっているから言えばすぐ出てきますけれども、学生の名誉のためにそういうことは言いません。そういうただ乗りをするというこの意識、あるいは金をもらって選挙に投ずるというこの意識、こういうものを生んでいる土壌、これがそもそも問題だと思うのです。  こういう点について学校の管理運営、つまり筑波大学の学生の規則というものがありますね。これとの深い関係があるのではないかと思われるのですが、この点について大学当局というか、きょうは大学の人は来ていないと思いますから、文部省、どうでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 いま大学局長が申しましたように、この筑波大学の管理運営の体制が間違って、こういうことになってきたのではなくて、いまおっしゃる学生のきせる、選挙違反、こういうことは本当に情けないと思うので、私はもっと指導を徹底してほしいと思うのです。こういう者が将来教育者になるのだと情けないような気もしますから、宮島学長には厳重に注意して、そういうことが二度と起きたら大変なことですから、二度と起きないように最善の努力をいたします。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 もう一度文部省の方に聞きますけれども、よその大学で、いま筑波大学が持っているような、ああいう学校規則というものを持っている大学がありますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 学内における学生の行動について、たとえば学内における印刷物の掲示であるとかあるいはいわゆる立て看板等の掲示等について、学内でルールを設けるというのは一般的なことでございます。ただ筑波大学の場合に、筑波大学が定めている学生の学内における団体活動なり集会なり掲示等について加えている制限というのは、一般の大学において行われている制限よりも厳しいものがございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 いまそういうお答えがあったから、私もそれはそうだと思うのですが、現在六千五百名この筑波大学には学生がおります。有権者と思われる者が三千五百人。この学生の中で家庭を持っている者は、学生群として四世帯、大学院で四十九、こういうふうに生活の方だけは完全に権利が与えられている。それで宿舎もちゃんとそういうふうにつくられていますね。夫婦の別の宿舎があります。りっぱなものができている。ところが一たん選挙になると、政治活動になると、十四条によって、政治の問題については、あるいは宗教に関する集会は一切これを禁止する、こういうことになっている。これはおかしいじゃないかと思う。これはおかしくありませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 特定の政党を支持し、あるいは特定の宗派を支持し、あるいはそれに反対をするための行動というのは、一般に国立大学においては、これは教育基本法の定めるところに従って、それぞれ大学当局が対応すべきことでございます。筑波大学の場合にそのような趣旨をもって規則を定めているということは、大学の方針であり、それを非難することはできないと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 ここがどうも私は問題だと思うのですね。教育基本法なり、むしろその前の日本国憲法にこれは抵触するのではないかと考えられる。憲法の第十一条、これは基本的人権、十四条では法のもとにおける平等、十九条においては思想及び良心の自由、二十条においては信教の自由、第二十一条では集会、結社、表現の自由、通信の秘密、それから第二十三条の「學問の自由は、これを保障する。」という、こういう項目に照らしてみて、筑波大学がいまとっている運営規程というものは、集会をする場合には五日前に届け出をして許可を受ける、許可のないものはすべて認めない、こういうことになりますと——筑波大学に入ったら確かに開かれておりますね。どこからでも入れることは入れる。あれは、その辺の大学のように、あちこちにへいをめぐらして門をつくってありませんから、大変広いところで、自由に入れることは入れます。入れるけれども、一たん学生になったが最後、政治的な集会というものは学内ではもちろんできないし、学校の外でやってもこれは大変な問題になる。こういうことでは、どうしてもそこには没社会的な、そういう学生が生まれてしまって、将来そういう人たちが教壇に立つわけですから、そういう人たちが出たときには一体どういうことになるのだろうか。世の中というものはそんなに宗教から離れたり政治から離れて存在するものじゃないと思うのです。それをどういうふうに調和をしていくかということは大変な問題じゃないか。こういう点について、これは大臣どうでしょうね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 憲法のお話がございましたが、教育基本法の中には教育の政治的中立性が一つ大きな柱にあるのです。いま一つは、宗教教育は学校ではしてはいけないという、こういう二つの原則があるもので、私は、あるいはそれから来たのじゃないかなということをいま思っているのですけれども、とにかく筑波大学ができたゆえんは、先生も御存じのように、大混乱が起きたのですよ、大学の臨時措置ができて、その後に新しい構想としてできた学校ですから、先生は茨城県の方ですから、いましばらく見守っていただきたい。私は、二度とこういう事件が起きたら、これは大変なことですから、学長にも厳重に注意しているし、そして新しくできた大学だから、行き過ぎがあればこれは是正してもらわなければならぬが、新しい意味の大学として生まれたものでございますから、その点をひとつ御理解いただきたいと思う。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 いま言われますように、筑波大学が新しい大学であることも、それから教育大学から筑波に移っていく経過についても十分に承知をしています。そういう意味で、学則が厳しいということも理解できないことはありませんが、学生の方だけはそう厳しくしながら、教授会あるいは副学長という人々はかなり政治的な動きをしているのですよ。だから、学生は政治的な動きはしていけない、しかもこれは二十歳から、もうりっぱな家庭を持った成人ですよ。憲法に認められている基本的人権を備えた者が学校へ入って、とじ込められている。ところが、教授なり副学長というのは、堂々とある宗教の、引っ張って大いに激励をしたり、ある集会に行って堂々と政治的な発言をしている。その発言について、学生が支持する人もいるし支持しない人もいる。これはやむを得ないと思うのです。だから、どういう宗教を支持しようとしまいと、どういう政党を支持しようとしまいと、それは自由であるべきものを、それから分離し、逃避するというところにいろいろな問題が起こってくる。  この辺のことについて、これは大臣、大臣は名誉ある教育大学の大先輩だ、筑波大学の大先輩だから、ちょうど幸い、いい機会ですから、あの学則というものをもう一遍取り上げて検討して、少なくともこの段階では、届け出制、五日前に届け出て認可をする、しかもそれは、教授会などというものはもうおよそなきに等しいんじゃないですか。何人かのあれがやっているという、何か管理されてしまって、格子なき牢獄と言っては悪いけれども、ややそれに似ているんじゃないですかね。そういう点について、これは再検討する余地があると思いますが、どうでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 実は私も何遍か行ったのです。行ってみて自分でも見てきました。最近は非常によく整備されてきたと私は思っているのですけれども、いまお話しのような点は私も中身まで検討する暇がなかったのですが、教師が生徒たちに禁止するなら、自分がちゃんとしなければいかぬ。自分は政治活動をし、あるいは宗教活動をしていて、生徒はおまえはしてはいかぬというのは、私はいかぬと思う。やはり教師みずからが生徒の模範でなければいかぬと思うので、そういう教師であってほしいと思いますし、また私も筑波大学へ行って御指摘の点はよく研究さしていただきたいと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 私は、きょうは三十分の時間ですから余り細かいことを申し上げる時間がありませんが、あそこの地元の選出の議員として、よく聞かれるのです。あの膨大な、しかも将来の自分の子供を任せなければならない、日本の次の世代を背負って立つ教育をする者があのように自分の権利を粗末にするということについては情けないというように、みんなが言っています。ですから、あれをうやむやにしてしまったのでは困る。けじめをつけなくちゃならない。そして、そのよってもってできてくる根源というものを突きとめて、これに対してメスを入れる。そして、悪いものについては悪い、それから伸ばすべきものについては遠慮なく伸ばしてよろしい、こういうふうにけじめをつけてもらいたいと思う。そのけじめをどうつけるかということは、もちろんいま警察庁の方からお話がありましたように百三十七名が書類で送検をされておりますから、これに対して一定の判断が出るだろうと思います。そのときには、残念だけれども、この学生に対しても一定の処分をしなくちゃならないだろうと思う。同時に、学生を出した学校当局がこれでいいあんばいな顔をしているわけにもいかないから、学長以下それは黙っているわけにはいかないと思いますけれども、そこら辺のことについて大臣どうでしょうね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御指摘のとおり、教育大学の後ですからね、教育者を養成するなら、私は、本当に国民から信頼されるような大学でなければならぬ。御承知のとおり、あの大学臨時措置法ができてから、大学の管理運営がだめだという大変強い御批判があったので、それで新しく生まれた大学でございますから、新しく大学が生まれてまだ設立後間もないわけでございますから、十分な整備ができない点もあろうかと私も思いますが、いずれにしても、御指摘のような点について筑波大学は国民の批判を受けるようなことがあっては絶対にいかぬと思うので、そういう意味で、私も何遍か行きましたが、またよく行って、不備な点があれば改善するように、私も一生懸命努力します。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 何遍か申し上げますが、あの学校運営規則の十四条の、届け出をして五日間の間がなければ許可できないということは、学生はほとんど集会ができなくて、いま自主的な動きがまた行われてきますね。それは余りよくないと思う。あれだけの大学のあれがあるのですから、集会所もあるのですから、十分にそれは学校で開いて、そしてそれに対していろいろ指導をしていくということでないと、学校の外で集会が持たれるようなことになると、あれが移った意味もないし何もないと思うのですね。  そういう意味で、筑波大学のあの運営規程というものは、ぼつぼつ再検討する時期に来ていると思う。特に大学の自治という問題について、これは憲法の基本的人権なりさっき言った各項目に照らして、あれは非常におかしいです。だれが見たっておかしい。だから、その点についてももう一度大臣なり局長なりの親切な答弁をお願いしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 大学の自治は私も尊重しますけれども、学生がきたない字で看板を書いて、一体これが大学かなと思うほどきたない看板を書いているところもたくさんあるわけですからね。大学は大学らしくきちんとしなければいけない。だから、その秩序は守ってもらいたいと思う。私も、大学当局に行き過ぎがあれば、大学当局とよく懇談してそういうことがないようにいたしたいと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 筑波大学に関する限り、ああいうきたない看板は探せども見えず、書く意欲も学生にはない。キモを抜かれていますよ。それに金にどん欲で権利を売り飛ばしていく、そういうような人間ができてしまった。つまり無菌培養と世間では言っています。だから、これじゃいけないし、もう少し野人であってほしいのですね。そして、もっと世間に通用する人間であってほしいですね。もっと赤いちょうちんの下で酒くらい飲んだっていいじゃないですか。そうしないと、没社会的な、非社会的な人間ができてしまって、そういう人に教えられる生徒、子供というのは将来もう心配でしようがないというふうに考えます。  ですから何遍も繰り返すようですが、またこれはいずれ別の機会で大臣にお目にかかってお話をすることがあれば、あれはどうなったと必ず言います。同時に、筑波大学の教授がかなり政治的に動いているという事実をたくさん知っていますから、これについても、その教授たちにも厳重に注意なり警告を発してもらわないと片手落ちになりますから、そういう点はひとつしっかり御指導を願いたいと思います。これに対して、もう一度大臣から答弁をいただきたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 大変結構な御忠告をありがとうございました。私もよく実態を見て、いい点は伸ばしてやり、行き過ぎがあれば是正するように努力いたします。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 もう時間もありませんが、もう一つ今度は別な角度から大学の病院の問題について要請をしておきたいと思う。  私は、筑波大学病院について、早く病院をつくれということをいつも主張した者の一人ですが、確かにりっぱな病院ができました。だが、あれは筑波大学病院で文部省の管轄下にあるわけですね。ところが一般の地元民たちは、筑波大学に病院ができたから、だれでもあそこに行って治療がしてもらえるものだと思い込んでおりますね。地元の病院だという形で大変喜んでいるけれども、あそこへ行くと、すぐ入院とかということにはなりません。やはり二次病院という形になる。大学の付属病院というものは東京大学にもあるし、その他の大学にもあるけれども、もう少し入院の形が違っているような感じがする。筑波大学の患者の取り扱いについてはいろいろ意見があります。例を挙げるとたくさんありますから申し上げませんが、筑波大学の治療を受けようと思って予約をしているうちに、その病気が悪くなって、せっかくの就職がだめになってしまったという地元の情けない話もありますが、また治ったといということで喜んでいる人もいますね。いるけれども、多くは、地元にありながら、あれだけのりっぱな病院に本当に安心して治療してもらえないということで、いろいろ意見を出しております。それで、もしあそこの病院がだめであれば、もっと自由な国家公務員共済病院のようなものをもう一つつくってもらいたいという声もある。やがてあそこの地区は二十万の都市になろうとしておりますから、それはそれでもいいわけでありますけれども、せっかく筑波大学にあれだけの病院ができたのですから、あの大学病院がやはり開かれた病院としてもう少し、多少直ってはきておるけれども、いまよりももっと民衆に開放された病院になってほしいということを要望しますが、これについて何か文部省の方で御意見がありますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も病院に行きましたら、非常によく整備されていまして、東大病院よりも整備されているのじゃないかと思うほど整備されていました。ただ、いまお話しの点、地元の病院はまさにそのとおりですけれども、やはり予約制をやっていますから、来たからすぐというわけにはいかないじゃないかと私は思う。詳しくは局長から答弁させます。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御案内のように、入院患者数、外来患者数、それぞれ五十二年度と五十三年度を比較してみますと大幅にふえておりますが、予約診療はもちろん行っておりますけれども、救急患者のように緊急性の高い患者については、予約の有無にかかわらず診療を受け付けております。それによって診断後、症状によっては直ちに入院させるという弾力的な運用も行われておるわけでございます。しかしいずれにしましても、今後とも筑波の付属病院が地域医療により積極的に寄与するように、関係者の努力を促してまいりたいと思っております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 時間が来たからこれで終わりますが、先ほどからるる申し上げておるように、せっかく教育大学が筑波に移ったのですから、もっと地元に親しまれ、大衆に信頼されるりっぱな学生が出ていくように、教授が余り権威をほしいままにしないようにしてもらいたい。教授会をもっと大事にしてもらいたいと思うのです。そういう点についても教授会というものの権威なども全く見られないような感じがします。学生は没社会的、非社会的になってしまって、そして金にどん欲になり、権力に対しても余り批判なしにくっついていくというようなことになってしまっているのでは、将来の日本の子供を背負って立つ教育大学、内藤文部大臣の後輩としては好ましくないと思うので、くれぐれも運営規約を再検討されるように要望して、終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 続いて、新井彬之君。

新井彬之公明党・国民会議

○新井分科員 私は文部行政の若干の問題についてお伺いをしておきたいと思います。私は教育というのが一番基本であるし、大事な問題である、こういう認識に立っておるわけでございます。これからの文化の向上におきましても、あるいはまた技術革新の面などにおきましてもそれはだれがやるかといえば人がやるわけでございますし、その教育が前向きな国の発展、個人の幸せ、そういうものを目指した教育ということが非常に大事ではなかろうか、こういうぐあいに考えておるわけでございます。  そういうわけで、文部大臣の基本的な文教行政というものはどういうものを基本にしておるのか、まずそれをお伺いしておきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御説のとおりで、私も教育一筋に四十年参りまして、教育ほど大事なものはないと思っております。私は文部省で、終戦後六三制を始めて、文部次官を最後に昭和三十八年に退官しまして、自来国会に出まして、十数年文教しかやらない。ほかには能がないのですけれども、文教一筋に来た。それはなぜかというと教育ほど大事なものはない、あなたと同感なんです。日本は資源はない、あるのは人間だけですよ。この人間が本当に国際的に信頼され、尊敬されるような日本人でなかったら日本は滅びてしまいます。そういう意味で教育が一番大事だ。しかも教育の中で何が大事か。このごろ学歴偏重社会で私は本当にいやな思いが一ぱいなんですけれども、何といっても人柄ですよ。人物が大事です。人柄のいい人。本当に国際的に信頼され尊敬される、日本人はいいねということで世界各国から尊敬されるような日本人になってほしいなというのが私の願いです。

新井彬之公明党・国民会議

○新井分科員 もう一つ、これは文教行政と関係ないのでございますが、人生の中で個人にとっても社会にとっても国家にとっても一番の損失というもの、これは病気ではなかろうか、私はこういうぐあいに考えておるわけでございます。私もよく各病院にお見舞いに行ったりなんかするわけでございますが、本当に長年寝ている方がいらっしゃるわけですね。そういう方は、非常に知識もお持ちである、そういう方であっても病気のために何ら社会に貢献できませんし、それよりもっとひどいことは、その苦しみを断つために死んだ方がいいというような方もいらっしゃるし、自分の足で、はだしで歩ければもうそれで死んでもいいのだ、それだけが希望みたいな形で生きている方もいらっしゃるわけであります。そういうような様子を見ますときに、個人にも一番のマイナス、社会にも国家にもマイナス、それは病気ではなかろうか。健全なる精神は健全なる肉体に宿るということが言われておるわけでありますから、当然、健康の問題については、健全なる肉体が自分の幸せにもまた社会の発展にもつながるのだということが一番の基本であろうかと思います。大臣、いま私が言ったようなことについてどのようにお考えになるか、お聞かせ願いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 新井先生のおっしゃるとおりですよ。私は健康が一番大事だと思う。私自身が実は昨年の六月、胆石の手術をしたのですよ。それでまだ体が十分に健康になっていないけれども、やはり健康ほど大事なものはない。これは個人にとっても社会にとっても国家にとってもやはり健康が基本だ。だから、丈夫な子供を育てたいというのが私の願いで、やはりおっしゃるとおり、病気になって、死んでしまいたいなんて思ったら、私は本当に不幸だと思うので、健康教育のために私もこれから全力を傾けてやってみたいと思います。私自身痛切に感じますから……。あなたのおっしゃるとおりです。

新井彬之公明党・国民会議

○新井分科員 そこでちょっとお話をしたいことがあるわけでございますが、いま本屋に行きますと、健康のための本が非常にたくさん出ているわけでございます。それともう一つは、健康機器ですね。ルームランナーであるとかあるいはまた鉄棒に一日に何分間かぶら下がると脊髄矯正法ということで非常に健康になるとか、あるいはホームサウナがあって、そういうものに入ると非常に健康になるとか、そういうこととともにマラソンなんかもよくはやっているわけであります。そういう中で、文部省は、昭和五十三年度までをめどといたしまして医学部をつくらなければいけないということで非常に設置をしてまいったわけでございますが、確かに病気になってそれを治すということも大事なことでございます。しかしながら、一番いいことはどういうことかと言えば、病気にならないようにするのはどうしたらいいかということが本来の考え方でなくちゃならないわけでございますね。  この前も、去年でございますが、兵庫県で知事選が行われまして、坂井知事が当選をされたわけでありますが、そのときに、立会演説会とかあるいはまた個人演説会等において再々にわたっていろいろのお話をされた中で、私は、これからは病院といっても、病気になってから治すというのではなくて、病気にならないためにはどうしたらいいのかというようなことのための専門的な病院がどうしても必要なんだというお話をされたわけでございます。いろいろ例を引かれて、本当に病気の方が多い、この前まで元気な人がころっと亡くなってしまった、あるいはまた私がさっき言ったように、本当に病気のために一生を棒に振っておられる方がいる、その方は瞬時にして病気になったのではない、やはり若いときからの何らかの原因、いろいろなことが積み重なってそういう病気になっているのだ、こういうようなことを言われたときに、それこそそこに来られている多くの方々が、知事全くそのとおりだ。そういうことは何も兵庫県だけではなくて、日本国の一国の問題として、先ほど大臣も肯定されましたが、とにかく健康な人が多いほど幸せなことはないわけです。病気の人が多いほど不幸せなことはないわけでありますから、そういうことについて当然今後考えていかなければいけない、こういうほとんどの方の御意見であったわけでございます。確かに私たちだって、虫歯一本あればもうそれで食事もおいしくない、あるいは夜も寝られない。ちょっとしたことでも非常に不幸に感ずるわけであります。そこで、虫歯の場合というのは大体日本全国徹底しておりまして、朝晩御飯を食べた後は歯をみがきなさいというようなことでみがいて、虫歯の予防をやっておるわけです。だけれども、これはそういう予防対策があるからみんなやりますが、たとえて言いますと、私なら私がマラソンをやりたい、そのときにだれに聞いてマラソンをやっていいかなんといっても、データをとったりいろいろすることはなかなか大変でございますから、体力をつくるためにちょっと走るのだ。本来なら走ってはいけない体かもわからない。この前もそういう専門の先生が、何でもかんでも走っていいというのではないのだ、歩いていてもいいのだ、だから、その人の体とか体調とかいろいろの要素を考えて、そこで初めて、こういう形で運動するのが一番理想的だというようなことで、事故があったときにテレビとか何かで話をされておりまして、なるほどなと私も思ったわけでございますが、少なくとも小学校あるいは中学校のときに、だんだん年がいったときでもこういうのが健康法だよ、こういうことには気をつけなければいけませんよというような、基本的な基礎的な知識というものがあっただけでも大きく違ってくるのではないか、こういうことも私は考えたわけでございます。  そこで私はもう一つの面から思いますことは、大蔵省にしましても、ことしの国民健康保険なら健康保険のそういう赤字の埋め合わせにしたって、もう一兆円をはるかに突破したようなお金を出さなければいけないような状態になっているわけです。したがって、そういうようなことから考えたら、本来文部省もそうでありますし、大蔵省もそうですけれども、昭和六十年なら六十年を見通した医療行政、そういうものから考えましても、本当に病人になってから治すのではなくて、やはり健康なときに健康に留意して、そうしてそのままお元気で余生を暮らしていただくのだというような形のことが今後やはり研究されるべきではなかろうか、こういうぐあいに感ずるわけでございます。  そこで、兵庫県から、仮称でございますが、国立健康科学大学、こういうものの設立について、文部省の方にもお話が行っていると思いますが、大臣にもちょっと直接聞いておいていただきたいのです。  ちょっと読みますと、その意義の中で、   近年における科学の進歩は、人間の活動領域を拡大し、文化を深め、文明と繁栄に貢献してきた。特に疾病の治療及び予防に関する医学の分野では、その進歩にはめざましいものがあるが、従来は、ややもすると一般健康者を置き去りにし、疾病対策に重点をおいてきたきらいがある。人間が健康で文化的な生活を営むための心身の状況とは何かを考え、その保持・増進と到来必至の高齢化社会における健康及び生活の調和を図る必要がある。しかし、そのための総合的・体系的な研究は、ほとんどなされていないと言っても過言ではない。   人類のより大いなる繁栄と福祉のためには、個々の疾病に関する研究をさらに推進することはいうまでもないが、それに加えて、複雑化する社会機構や環境の中にあって、それに適応できる人間の条件を究明する学際的な教育研究を行う機関の設置を、国の施策として積極的に推進するべきである。現時点は、人間とは何か、健康とは何かを科学的にとらえ、生命の維持、生活圏の拡大、人間の存続、さらにはそれらの調和をはかる人間理解と健康科学の教育研究を急ぎ、指導者を育成し、将来に備えなければならない時期にきている。 ということで、いろいろの提言がなされているわけでございます。  これは、「建学の理念」「教育研究の基本構想」「大学の基本構成」ということでいろいろこれから検討されなければいけませんけれども、そういうような問題が出ている。それから「この大学は、生物学・医学・工学・社会科学を総合した新しい学問領域の開拓を目指すものである。したがって、既存のものと比較できないが、部分的には類似するものとして、」千葉大学の看護学科、東京大学の保健学科、琉球大学の保健学科、高知女子大学の衛生看護学科、それから私立においては北里大学の衛生技術学科、順天堂大学の健康学科、こういうのがあるわけですが、これらの大学の多くは、高知女子大学の衛生看護学科二十名を除いてほとんどが関東地区にある。そういうことでぜひとも関西に、特に兵庫県の姫路につくるのが妥当である。そこにも書いてありますが、   大学がその創設の地を考える場合、全く未開発の地を開拓することも意義はある。ここに創設しようとする大学のような場合には、実践協力機関が十分に整備される必要がある。そのためには、この大学より先行して着手される県立の協力機関があり、大学設置についての歴史的・地理的背景を持つ姫路地区(昭和五十二年九月末人口約四十四万人、旧制高等学校所在地)は格好の地であり、地元の多年にわたる宿願とも一致するので、その協力も期待できる点が有利である。 ということで、こういう一つの提言、考え方が出ておるわけでございます。私も先ほどから申しましたように、これは世界にもまだ類例を見ないような一つの構想であろうかと思います。確かに病気になって治すというようなそういう大学はたくさんあろうかと思いますが、これからはいかにして健康を保つか、今後その中のいろいろな専門的分野については研究をしていただかなければならないと思いますけれども、経験豊かな博識ある文部大臣でございますから、いまのこういうような提言がおわかりになると思いますけれども、そのお考えだけを聞かせていただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 まことにごもっともでして、私は小学校のとき二十四町の道を歩いたのですよね。中学のときは四キロの道を毎日歩いたのです。それが私の健康のもとになりましてね。おっしゃるように病気をしないことが大事なんで、病気をして病院でいろいろやっていただくのもありがたいけれども、それは後始末なんで、やはり病気をしないことが根本で、おっしゃるような健康科学ですか、そういうことは私も非常に大事なことだと思っているのです。  ただ、文部省としては無医大県解消を長年かかってやったのですよ。ようやくことし沖繩にできて一応無医大県を解消いたしましたので、前の文部大臣もいらっしゃるけれども、あなたのところの兵庫県は坂井さん、坂井さんというのは私も非常に懇意なんですよ。あれは大達文相の娘のお婿さんなんです。とてもよく知っているんです。懇意でございますから、御趣旨はよくわかるのです。ただ、いま申しましたように、これは文部省ですぐやれとおっしゃってもなかなかむずかしいし、神戸の新構想の教員養成大学もことしから動くですよね。ですから、いまやれとおっしゃっても困りますけれども、よく検討させていただきます。

新井彬之公明党・国民会議

○新井分科員 文部大臣のことでございますから、本当にあしたからでもやりたいんだ、そういうお気持ちは私よくわかるわけでございます。これは大蔵当局との打ち合わせ等もございますけれども、やはり大蔵当局も、金を使うなら今後は当然そういう方向へ使うべきなんだ、こういう構想を直接その担当者が聞いた場合には、さすがそれはそのとおりだ、このように私は思われると思いますので、ひとつそういう点もお含みおきをいただきたいと思うわけでございます。  とにかくこの前も、これはある県立の高等学校ですけれども、一人の生徒さんが亡くなって、六十名ぐらいの方がそのお葬式に参加したようです。外に立っているだけでございますけれども、一時間二十分のうちに二十五名倒れたのですから。何にもしないで立っているだけで真っ青になってぱたぱた倒れてしまった。それでそこの町議会で、一体何でだろう、勉強はどうかは知らないけれども、いまの高校生の体は一体どうなっているんだ、これはとんでもないことではないかということで非常に問題になった、こういうこともあるわけでございます。したがいまして、そういう問題は何も小さな範囲ではなくて、これからの高齢化社会を迎える、あるいはいまの青少年に対するいろいろな問題、子供が大人みたいな病気になっているなんていう現象もあるわけでございまして、そういうものを後から追っかけるような文教行政であっては日本の方々の命と暮らしは守れないのだ、こういうぐあいに、文部大臣と同じ考えを私は持っておるわけでございますので、どうかひとつ、その点について御推進方をお願いしたいと思います。  次にお伺いしたいことは、中学生や高校生の殺人とか自殺とか、あるいはまた非行問題、そういうことについては、文部大臣は文教委員会における所信表明の中では何にも触れられておらないのですけれども、こういう問題についてはいかがお考えになっておられますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 非行と自殺問題、これはもう本当に私は最大の問題だと思って、最近新聞を見るたびに、自殺の記事が出ると私もう涙が出るほど悲しいのですよ。これはどうしたんだろうと思ってね。その原因はいろいろあると私は思うのですよ。もちろん学歴偏重社会もあるでしょうし、家庭教育の問題、それから学校教育の問題、お友達との問題などいろいろある。いまの子供はひとりぼっちでかわいそうなんですよね。ですから、非常に複雑な要素が絡み合っているから、私も所信表明で申し上げるほど自信がなかったのだけれども、本当にこれは憂慮すべき問題で、私は日本の将来を考えたときにこれほど大きい問題はないと思うのです。幸いに、今度総理府に何か総合研究機関ができたそうでして、各省の連中も出るそうですから、私もその結果を見守りたいと思っていますが、この問題は本当に大事な問題で、何とかして子供たちが伸び伸びとできるようにということで、ですから入試改善もその一つなんです。私は文部省時代からやりまして、何とか、子供たちを伸び伸びとさせたいというのが私の願いなんです。そういう意味で入試改善にも取っ組んだわけでございます。問題はまだいろいろあると思うのです。家庭教育でも家庭教育学級とか総合ゼミナーとか、いろいろな問題をやっていますけれども、何しろいまの子供たちは本当にかわいそうだと私は思う。こんなに自殺の多いのは世界でもまれじゃないのか、日本は物質的には繁栄したけれども、こんなことでは日本の将来は非常に心配だと私は思って、これは重大関心を持っています。ただ所信表明で述べなかったのは、私に自信がなかったから述べなかっただけでございます。

新井彬之公明党・国民会議

○新井分科員 文部大臣が自信がないほど深刻な問題ですね。私もいろいろ見ておりますが、確かにわれわれの小さいときはもうどろんこ遊びをして、そして学校時分も楽しく学校に通い、よく学びよく遊びという一つの形があったわけでございます。それがいまは保育園に行きまして、また幼稚園の二年制か何かへ行って、そうして小学校へ入ればもう塾へ通わなきゃいけない。それも一つの塾じゃ勝てないからということで、本当に子供らしさというようなものは何にもないわけですね。そういう中で、私この問題についてはいろいろの提言もしたいし、本当にこれを直す一つの方策も言いたいのですけれども、きょうは時間がないのでまた今後にしますが、きょうは、非行問題に対してどういうような手を打っておられるか、考え方をされておるか、それをちょっと聞いておきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 最近の非行問題というのは中学生の段階まで下がってきて、学校内における子供同士あるいは教師に対して暴力をふるうとか、あるいは女子学生の非行あるいは不純異性交遊といいますか、そういうことからだんだん悪く転落していくというようなことが警察庁なんかの調べでもよくわかっておるわけでございます。この問題については、われわれも単に通達を出して事が済むという問題ではないのですけれども、いろいろな角度からお願いをして、一つは学校自体の対応策というのが、一人一人の先生がばらばらにやるのではなくて、学校全体として組織的に生徒指導を徹底し、特に問題の生徒の実態把握というものを個人的にしてもらう。同時に家庭との連絡をしっかりやってもらって、大臣もよく言われるように、家庭が、特に両親がその子供の心をしっかりつかむということがなければどうしてもいかぬ、そういう面の配慮、それから学校自体の教育活動全体が、きょうの新聞にも出ておりましたように、アメリカの子供と日本の子供と比べて、日本の子供の方が学校自身に興味と喜びを持たない。それは大変問題なんで、そういう学校の教育活動自体のあり方の問題というようなこと、いろいろございますが、そういうことをいろいろな機会を通じまして、県の指導担当者あるいは校長さん、あるいは指導主事等に協議していただいてやっておるというような実情でございます。

新井彬之公明党・国民会議

○新井分科員 では具体的な問題で一つお伺いしておきたいのですが、兵庫県より岡山県の私立高校へたくさんの方が汽車通学をやっているわけでございます。それもだんだんとふえてきている、広域化している、こういうような現状がありますが、これらの通学途上における問題というのがたびたびにわたって指摘をされておるわけでございます。そういう問題点というのは、こういうものがあるのだということを把握されていらっしゃいますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 学校と通学途上の非行化の問題は、中学校の場合は学区がございますから比較的その問題が少ないわけですけれども、高等学校は広地域の通学区になっておる。さらに私立の高等学校になりますとそういうことがない。それで、いま御指摘のように、学校によっては県を境として他県から来ているというようなことになりますと、非常にその指導がむずかしいということは実態でございます。  そこで、私どもその一つ一つの実態をつまびらかにしておるわけではないのですけれども、そういう意味で一校単位の生徒指導ではだめだ、通学問題を取り扱う場合には中、高、それからその地域の何校かのグループが、関係者、学校の先生のみならず、輸送機関あるいは警察、そういう人々が協力し、情報を提供し合って非行を未然に防ぎ、またあれば指導するというような体制をつくっていくべきではないかというようなことで、広地域の生徒指導推進地域というものを実は来年の予算でも十地域ほど計上しまして、これをモデル的にやっていこうというように考えておるわけでございますが、それにしても県を境にするような問題は非常にむずかしいということで、決め手になるものはないですけれども、できるだけそういう点を各県あるいは県同士の担当者の協議、努力を促してやるようにしたいというふうに考えております。

新井彬之公明党・国民会議

○新井分科員 この問題は、具体的に私も再三にわたって内容的にも聞いているわけでございますが、確かにどこが責任を持つかということがないのです。確かに暴力行為でもあれば警察が来ますし、鉄道公公安だってちゃんとするのですが、そういうようなことまで至らない。そうかといって、まじめな生徒さんがおびえて学校に行かないような状態になるというようなこととか、いろいろなことが行われているわけですね。これについては学校当局にしましても、あるいは近隣の市町村にいたしましても、何とかしなければいけないという気持ちだけは非常な熱意を持っていらっしゃる。ところが、そういうことではどうしようもないということでございます。そういうことで、文部省の方にも出ていると思いますが、「広域的に指導体制を確立し、密接な連携のもとに指導が行なえるよう配慮を願いたい。本年度はさらに具体的な連携方法等について御協議願いたい。」こういうふうにきた場合に、やはりできることから一歩ずつ、これはこうしなければいけないということで、本年度は十カ所程度、モデルケースというお話でございますが、どうか、こういうところが一番大事なことでございますので、よく見ていただきまして、ひとつこういう問題の解決に当たっていただきたいことをお願いしたいわけでございます。  まだいろいろ質問したいことは山ほどありますが、もう時間がございませんので、これで終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 続いて、田畑政一郎君。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 田畑でございます。逐次質問をさせていただきたいと思います。  ここに持ってまいりましたのは、私の県で出しております新聞でございます。県で一番大きい新聞で福井新聞と申します。ここに赤線で表示してきましたが、きのう、二十七日の第一面に、学校放火問題がこれだけ大きく出ております。これは福井市の至民中学校に放火があったわけでございますが、実は二月二十六日の未明に放火がございました。しかし、その一カ月前の一月にまた放火があっております。それからこの新聞を見ますると、過去一年間に四回の不審火が生じておるわけでございます。この学校では、福井市内にある学校でございますが、ときどき警備者が見回りに来ておるという学校でございます。  この放火につきまして、実はちょうど二月二十六日は、高校へ入る生徒のいわゆる進学の打ち合わせをする日でございまして、前にも不審火があったものでございますから、学校の校長は大変動揺いたしまして、お互いに生徒同士が憶測して犯人呼ばわりしたり、疑ったり、そういうことのないように静粛にしてもらいたい、こういう訓示をしておるわけでございます。  御案内のとおり、宿日直を教員がやられるということがやめられましてから、漸次教員以外の方でやるようになってきた、それは結構なんでございますが、こういうような放火がございますと、教育上にも大変大きな深刻な影響を与えるわけでございます。これに対して、こういうことに対する警備体制の現状はどうなっておるのかということについてお伺いいたしたい、こう思うわけです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 小中学校の夜間及び土曜日等の警備につきましては、かつては先生が宿日直ということで泊っていただいたのが一般的だったわけでございますが、これは特に小規模学校などでは先生の負担過重というようなこともございまして、文部省の指導方針としましても、逐次宿日直を廃止して、そのかわり学校に防火壁とか、あるいは火災報知機とか、あるいは耐火書庫とかいうようなものを設備する補助金を出してその整備をさせるというようなことできておるわけでございまして、現在、先生が宿日直をしておるという学校は、全国的に見ますと約五%くらいしかないわけでございます。あとは無人にしておくか、あるいは警備会社などに頼んで夜間見回りをしてもらうというようなことをやっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、小中学校にこれを設置するのは当該市町村でございますから、市町村が法律上その学校を管理する責任があるわけで、その管理の仕方をどういうふうにするかということは市町村の判断によるわけでございます。いまおっしゃったような福井市立の中学校につきましては、たびたび放火があったというようなことでございますので、聞くところによりますと、また先生の宿直を復活されたというふうにも聞くわけですけれども、それにどういうふうに今後対応していくかということは、やはり市教育委員会当局において住民の意向なり学校の考え方、環境に対する判断というようなものを踏まえてひとつ考えていただきたい、こういうふうに私ども思うのであります。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 これは、文部大臣、よく聞いていただきたいと思うのですが、文部省の発表をいたしました昨年の調査でございます。これによりましても、いわゆる宿日直に人がおらない学校ですね、その学校で発生しておる火災件数は約九十件余りに及んでおるわけです。もしそこに番人がおりましたならば、警備員がおりましたならば、そのうち十五件は防止できたのじゃないか、こういう報告が出ております。それからまた、学校における盗難でございますが、盗難はこれは約七百五十件ほどございまして、その中でもしそういう警備員がおりましたならば、そのうちの約三分の一は未然に防止されたのじゃないか、こういう結果が出ておるわけでございますね。そういうことを考えてみますと、いま、なるほど学校の施設につきましては、これは自治体が責任を持っておるわけでございますが、問題はその盗難とか火災とかいうようなことが生じましたときに、教育上は何の支障もないものか、それだけは刑事事件と切り離していいものかどうかということでございますね。しかし、実際には最近の子供の自殺ではございませんけれども、疑われたために死んだとか、しかられたために死んだとかというようなことも頻繁に出ておりまして、大きな社会問題になっているわけですね。そうしますと、こういうような火災、盗難、しかも、これは先生というか警備員がおったならいいのですけれども、おらないときに生じたものはお互いに疑い合うということになりまして、これは教育環境上もまことに好ましくない結果を私はもたらしておるのではないかというふうに思うわけでございます。  それからもう一つ申し上げておきたいと思いますが、同じ報告によりまして、なるほどいまおっしゃったように小学校、中学校、高等学校ではそれぞれ教員の方が宿日直をしているというのは非常に激減をいたしまして、ほとんどなくなってきていることは事実でございます。逆に今度はだれも番人を置かないところはどうか。いわゆる警備員のおらないところはどうかというと、全然おらないところは小学校においては四二%ほど、中学校においては三八%ほど。それからまた、ときどき見回りするというようなところは、これまた三〇%近い数字を持っておるわけでございます。そうしますと、全学校のうちで七割は、これは結局何もおらないということになっているわけですね。そして、そこで事故ができる、先生も困るし、生徒も疑心暗鬼になる、警察が入ってくる、こうなっておるわけです。私は、これは大変教育上ゆゆしい問題だと思うのですね。この問題を文部省は一体どうされるのか、何かしかとした方針でもあるのかどうか。ただ交付税の中に補助金を少しまぜておけばいいというようなことでは事は済まないと思うのですね。現実に、学校問題ということになりますと、いまお示しをしましたように、地方新聞が一面の半分も使ってこうして書くわけでございまして、ほかの民家が焼けたのとは数倍の大きな宣伝力を持っているわけなのでございますよ。だから、そういう点を考えますと、これに対して文部省がしっかりした方針を出してもらわなければ困る。ただ宿日直を廃止すればいいということでは困るわけですね。いまもお話がございましたように、この学校などは一カ月前に火災があった。それで先生が泊まった。泊まらなくてもいいのですが、自発的に先生が泊まったのです。困るものですから。そして先生が宿直はもういいだろうと思ってやめたら、また火がついた、こういうことですね。どうでございますか、文部大臣。お答えいただきたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 昔はお話しのように宿日直の職員がいたからそういうことはなかったと私も思うのですけれども、最近はお話しのように宿日直を廃止しちょったから、これはどうしても警備員か何か置かないと御指摘のような点が起きてくると思う。やはり公共施設ですから、これが焼けたら、これは大変ですよ。子供たちも迷惑するし、地域の人が迷惑ですからね。何らかの対策を考えなければいかぬので、ちょっと検討さしていただきます。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 同じ、先ほど挙げました文部省の資料によりますと、一昨年一年間で小学校、中学校、高等学校におけるところの放火件数は四十四件に及んでいるのです。四十四件あるのですよ。放火だけですよ。もちろん、火災はまだそれ以上あります。そうすると、いまおっしゃったように、公共施設であるところの学校が燃えるということは損害だということじゃないのですよ。これは教育上の問題なんです。一体、生徒はだれか火をつけた者がいるのじゃないかとか、あるいはあの子がどうだろうかとか、あるいは進学に影響しないだろうかとか、成績表を燃やすためやったのじゃないかとか、いろいろなものが出てまいりまして、これは生徒のみならず父兄にも大きい影響を及ぼすのですよ。だから、私はこうした問題については、ひとついま大臣がおっしゃったように前向きで御検討いただきたい。そして少なくともこれは無人化をいたしましたならば、たとえば人口七、八万以上の都市の学校については、これは人口は密集しているわけですから、そこは完全に警備員を置くとか、あるいはちょっとした農村地帯ならば、いわゆる準警備員といいますか、ときどき見回りを置くとか、本当の山村地帯でもこれは見回りぐらい置いていただきたいと思いますが、何か大、中、小といいますか、その危険度に応じてそういう指導方針ぐらい少なくとも、これは実施されてから十年以上たっているのですよ、私は何かあってもいいと思うのです。これは事務当局、ないのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 実態を見ますと、確かに無人の場合に放火とか窃盗とかが相当ありますが、一方宿直をしておってもそういう事故の起こる場合が統計上は相当出ておるわけでございます。そこで、私どもとしましては、宿直は廃止をしたけれども、しかし施設の管理には十分留意して事故の起きないようにしてもらいたい。そのやり方はひとつ各公共団体において十分地域の実情に応じて検討していただきたい、こういうことで指導をしてまいっておるわけでございますが、なお御指摘のように今日いろいろ事故も起こっておりますので、一層指導の徹底を図るようにしたい、かように思います。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 ほかにも質問はありますけれども、私はおざなりの答弁はいただきたくないのです。非常に深刻な問題ですからね。だから、少なくともいわゆる人口密集地帯においては、だれでもたくさん通るようなところでは最低限警備員を置かせるように、文部省としては一つの方針をつくってやるというくらいのいわゆる前向きの御答弁を私はきょうは期待してきたわけです。したがって、これは大臣、もうやっていただくことはわかったのですが、もう少し具体的に積極的にやっていただくという御答弁をいただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 学校施設は非常に大事なものですし、それは子供たちにとっても市町村にとっても一番大事な施設ですから、その施設の管理保存という点について遺憾な点があってはいかぬと思うので、遺憾のないように私も最善の努力をいたしたいと思います。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 それでは次の問題に移りたいと思うのでございますが、御案内のように学校保健法という法律がございまして、これによりましていわゆる小学校に入る前を初めといたしまして、毎年子供に対してはいわゆる身体の健康診断が義務づけられておるところであります。ところで、最近岩手県等におきましては心臓病の発見といいますか、心臓病患者の発見のために心電図の検査を行うということになりまして、これに対しましては、県当局等も一定の助成をいたしましてやっておるそうでございます。  この学校保健法施行規則によりますると、心臓の疾患の異常を調べるにつきましては、臨床医学的検査と、それからエックス線間接検査をあわせて行うことに相なっておるわけでございます。私の出身は福井県でございまするが、福井県を調べましたところ、児童に対する、いわゆる未婚の男女に対するエックス線撮影というのは、これは放射能その他がございまして、できるだけこれを避ける、あるいはどうしても行う場合には生殖器の近くは鉛板で覆うて行うというようなことで、できるだけこれを回数を減らすように努力をしておるということでございます。しかも、岩手県の例などを聞きますると、エックス線撮影をもっては実は心臓疾患のいわゆる有無は、これは大変発見がしにくい、成人であるならば別ですが、子供のは実はなかなか発見がしにくい。したがって、心臓疾患につきましては、これは心音とかそういう音で聞き分ける手はありまするけれども、正確に言えば心電図以外には発見できない、こういう状況であるらしいのでございます。そしていろいろ医療機関の関係者に調べてもらいますると、大体幼児におけるところの心臓病というのは、これは先天性が多うございまして、大体三%前後、百人のうち三人前後が、いろいろそういう病気にかかっておる人が多いというふうに聞いておるわけでございます。百人のうちで二人ないし三人というのは、正直なこと言いまして、かなり大きい比率なんですよ。それに対して心電図を全国においてはほとんど使わないで、ここに文章の中に明らかに書いてあるエックス線撮影だけでこれを処理しているということはいかがかというふうに私は思うわけでございます。  そういう意味で、この際、いわゆる学校保健法の適用につきましては、心臓病検査のために心電図を使うということを明確になさったらどうかというのが私の質問の要旨でございます。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私はお医者さんでないからよくわかりませんけれども、あなたの説明を聞いていますと、それはまことにごもっともでございますから、政府委員から答弁させます。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 心臓病の検査につきましては、先生御指摘のとおり、医師による聴診、打診その他の臨床医学的検査という検査のほかに、レントゲン間接撮影ということを施行規則で基本にいたしておりますが、特に必要の場合は、あわせて心電図による検査を行うことが望ましいという指導通達を出しまして、この面の心電図における検査をあわせ行うことの指導をしてまいっております。  いま御指摘の心電図の検査を施行規則の上で義務づけることのお話もございましたが、このことにつきましては、なかなか心電図の読解に困難であるというような面が具体にはあるようでございます。そこで、私どもとしましては、日本学校安全会を通じまして、都道府県における心臓病検査に関しまして、まず手引きの作成、またその趣旨徹底の講習会を行うなどの検査体制の整備事業を推進してきております。  これらの経験の上に立ちまして、来年度、五十四年度におきましては、コンピューターによる自動解析装置が開発されつつございますので、この解析装置を備えまして、心電心音計を利用した心臓病発見の調査研究事業を新たに安全会を通じまして都道府県を対象に試みてまいりたいというふうに取り進めておるところでございまして、今後心電図の検査の問題につきましては、これらの事業の成果を踏まえて検討してまいりたいというように考えておるところでございます。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 それでひとつ心電図をせめて、たとえば入学前の児童については心電図をやる。先天性のものが多いわけですから、それくらいの積極的な指導を私はぜひお願いしたいと思う。  それから心電図の解読も必要でございますが、なかなかこれは費用がかかるらしいですね。これも文部省で、百人のうち三人もいるならば、このごろは結核よりも心臓病というぐらいのものでございますから、やはりある程度のいわゆる費用等につきましてもこれをやるというくらいの積極的な今後のやり方をとっていただきたいと思います。よろしゅうございますか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 この問題につきましては、確かに御指摘のとおり心臓病に関する検査、またこれの早期発見の問題が大事な課題でございますので、先ほど申し述べましたような事業の進展を踏まえながら検討さしていただきたいと思います。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 これは大臣にひとつお伺いしたいのでございます。  学校の寮とか寄宿舎でございますね。最近は学生の間でもなかなかはやらぬようでございます。ところで、私、この問題に注目をいたしておりますのは、最近だんだん大学がマンモス化いたしてまいりまして、しかもマンモス化する大学は、これは収容学生ですか、入学学生の学生数に応じていわゆる敷地が決まっおるものでございまするから、町の中心部を離れまして田園地区に移転するのがだんだん多くなっておるわけでございます。そうして巨大な、マンモス大学が田園地帯に出現をするわけでございますけれども、実はいろいろ新聞でもごらんのように、入学試験に行っても泊まるところがない。学生は一体どうしているのか。膨大な学生でございますね。そうすると、その近くに協力を求めまして、いわゆる小さな小屋みたいなものをつくって、そうしてみんなそこに収容している、こういう状況ですね。なるほど寮、寄宿舎はこれははやらぬのかもしれない、余り好まないかもしれませんが、学校をつくっていわゆる学生を入れる建物は全然つくらない。野球部と相撲部だけが入っているものがあれば、あとはもうつくらないというような大学がふえてきているわけでございますね。そのために全国の親御さんは下宿に対しては大変苦労するし、また自分の息子の入っているところの下宿を見ますと、余りのひどさにともかくびっくりせざるを得ないけれども、どうにもならないということになっておるわけですよ。  一体、大学を設置する際におきまして、それは強制はできません、学生に対しては。しかし、大学に対しては最小限度のいわゆる寮なり寄宿舎というものを提供できるだけの設備というものは義務づけられておらないのでございますか、この辺いかがでございます。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私はあなたと同感でして、やはり寄宿舎はこれは学校の施設の一部だと思っておるのです。これが教育の場なんですよ。私も学生時代にやはり寮におりましたが、寮というのは、お友達と一緒にいて自分も規律正しくやるから教育の場だというように考えておりますが、現在いろいろな状況で、文部省が認可する場合には事情はよく調べていますけれども、大学設置基準の中には入っていないのだろうと思います。  局長から答弁させます。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 大臣からお答え申しましたように、大学設置基準の中では寮につきましては「なるべく」「寄宿舎を備えるものとする。」という規定になっておりまして、基準上必置のものとはされておりません。しかし、大学の設置認可を審査をいたします場合には、その大学が、学生の確保あるいは教育条件の確保、そういった観点から十分な対応をしているかどうかということを見ますので、その際にそういう観点から寮の有無についてもチェックはいたします。しかし、備えるべき施設として必置のものになっているわけではございません。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 今週のエコノミストを見ますと、これは別なことに出ているのでございますけれども、中央大学が八王子に移転をいたしました際に持っていった品物は、五トントラックにして二万台、十トントラックにして一万台の品物を移転したというんですね。八王子付近に幾つかの大学ができているわけでございますが、これは恐らく莫大な学生がいるんだと私は思うのです。また、それ以外にも、私どものような田舎の県でも最近は私大はいわゆる町の中心から離れて遠隔の地に土地を求めるのです。これは、生徒をふやすとすればそうなるんですね。それは大学の設置基準からいってもそうならざるを得ないわけです。だから、私は本当を言えば、昔のように全寮制みたいに入ってやるということはこれは私も好みません。そこまで学生を強制しては私はいかぬと思うのです。しかし、学生が一万人いたならば、それは千人やあるいは五百人ぐらいの、せめて五百人ぐらいの出入りできる寮ぐらいは持つのは本当じゃありませんか。何万人いたって寮というのはないですね。運動部員が合宿で泊まるところだけですよ。これは少しひどすぎる。それに対して文部省はどういう指導をしてきたのか、一つはこういうことでございますね。  それから、一体文部省というのはそういう学生の下宿先というものを一遍現実に見られたのかどうか。それは全国の親御さんは相当心配しているけれども、いいところもあるけれどもまたひどいところもあるのですよ。そういうことを現実に自分の目で見てどれだけ調査されておるのか、された事実があるかどうか。これは局長さんどうですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 国立大学に関しましては、国立大学が新設されあるいは移転をするという場合には、もちろん学生の居住条件ということを非常に大事に考えます。したがって、大学の立地条件であるとかあるいは大学の周辺における下宿、アパートの状況であるとかそうした事情を勘案をして、移転後学生が住居に困らないように学生寄宿舎は建設をすることにいたしております。最近の例で申しますと、たとえば福島大学がいま統合移転をいたしておりますけれども、寮についても、三百五十人分、収容率にして二一%程度の寄宿舎は確保することにしているわけでございます。全部の大学を通じてそういうふうになっているとはまいりませんけれども、大学の立地条件に応じて学生の居住のための施設というのは確保する配慮を国立大学についてはいたしております。  なお、学生の下宿の状況でございますが、私はごく個人的に保証人になっている子供の下宿を一、二見たことがございますけれども、広く下宿の状況を見ているわけではございません。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 私は局長さんにお願いしておきますが、そういう極端なところというか特殊なところを一遍二、三文部省としても調査をして、せめて文部省が出しておられるこういったようなものにひとつ結果をまとめて出すくらいなことをしてもらわなければならぬのじゃないかと思うのですね。  私の手元にあります資料によりますと、いまから十年前の私立大学の募集定数は約十五万人でございました。ところが、きょう今日では二十二万人を超えているわけでございます。その差七万人あるわけです。私大だけで七万人ふえたわけです。これは募集定数ですから、実際はもっとたくさん入れているのだと思う。私はどれぐらい入れているのかわかりませんが。仮にこの七万人の差をそのままであると見ましても、これが四年間なら四、七、二十八で二十八万人、約三十万人ほどふえているのです。それに大学院を入れますとどうなるでしょう。膨大な学生がこの十年間にふえているわけでございますが、それに対して学生の居住対策というのは私は文部省は実際乏しいと思う。われわれ政治をやっている者はいつも聞くのはそれです。うちの子供をどこかへ入れるところがないのか。実際聞くのだ。それに対して文部省はもう少し真剣にやっぱり目をとがらしていただかないと、大学に対する指導ができぬのじゃないかというふうに私は思うわけでございます。最後に、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私は文部大臣になる前に大妻女子大学の学長をしていまして、狭山に三万坪の土地がありまして、そこで希望者全員寄宿舎に入れるようにしてきました。それから、大学もこちらでやっていますが、特に、男と女と違いますけれども、女の子の場合はちゃんと寮で守ってやらないと後で事故が起きたときに本当に困るのですよ。そういう意味でやっぱり大学は希望者は全部寮に入れるだけの設備を持つことが私は大事だと思う。そういう意味で私もよく指導したいと思います。

田畑政一郎日本社会党

○田畑分科員 終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 それでは、続いて、神田厚君。

神田厚民社党

○神田分科員 大臣には長時間御苦労さまでございます。     〔主査退席、谷川主査代理着席〕  私は昨年のこの分科会でも御質問を申し上げたのでありますけれども、主任手当の支給の問題であります。昨年、砂田文部大臣は、この中で、やはり主任手当の支給が非常にうまくいっていないという状況が当初あったわけでありますが、それについて非常に懸念を表明する答弁があったのでありますが、一年たちました。こういう中で、現実にこの主任手当の支給の全国的な実施状況はどういうふうになっているのかお答え願います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 主任手当の問題は、御承知のように、第一次に実施をしてその次に去年第二次と、二回に分けておるわけでございますが、第一次の主任の制度化とそれに基づく手当支給の問題は、制度化が済まないのが大阪、京都、沖繩、三府県だけになりまして、東京と神奈川は制度化は済んだけれども、まだ現実に手当支給はされていない。したがいまして、四十七都道府県のうち現実に手当が支給されておるのは四十二道県、こういうことになるわけでございます。それから去年の七月、第二次の主任範囲の拡大に伴いまして、規則を制定しすでに手当を支給しておる県が、ことしの二月末現在で八県、さらに四月一日までには十四県が支給される見通しでございますので、二十二県、約半数の県ということになる予定でございます。

神田厚民社党

○神田分科員 そうしますと、東京を初め五都府県くらいはまだ全然支給のめどが立っていない、こういう状況であるわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 京都、大阪、沖繩は、先ほど申しましたように、まだ主任の設置に関する教育委員会規則自体ができませんので、それを早くつくるようにという指導をしておるわけでございまして、ちょっとまだいつからという具体的見通しが立っていないという現状でございます。それから、東京と神奈川は規則はできましたので、できるだけ早く手当を支給してもらいたいということでやっておりまして、これも具体的にいつからというのはまだめどが立っていないのですけれども、東京などは財政事情等もございますので、それも考えておるようですけれども、私どもは年度が変わりましたらできるだけ早くやるようにということで指導しているわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 主任というのは、一つの制度化の中で決められている職務についてやられるわけですね。そうすると、やっているところとやっていないところがあるというのは非常に教育行政上もよくないと思うのであります。したがいまして、そういうところに対しましてもう少しきちんとした指導を強力にすべきだ、こういうふうに思うのでありますが、いかがでありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるとおり、根本は学校教育法の施行規則に、全国的な学校管理運営のいわば基準として、主任の制度化というものをしたわけでございますから、県によってやるやらないがあってはぐあいが悪いわけでございますので、早急にこれをやるように常々指導要請はいたしておるわけでございますが、この問題は実際問題としては、県の教育委員会と県議会、知事部局等との関係がございますので、かなり折衝に手間取っておる、また職員団体との話し合い等にも手間取っておるという実態でございますので、それらを解きほぐしながら努力をしていただくということでやっております。

神田厚民社党

○神田分科員 これは後で御質問申し上げますが、これから後の主任の拡大の問題がありますね。そういうことと関連していきますと、ますますちぐはぐな変な形になってしまうのですね。したがいまして、時期的にどういうところができないのか、どういうところに問題があるのかということを個別的にもう少し文部省は強い指導をしなければいけないと思うのですが、ひとつそういう点を大臣いかがでございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 やはり知事さん、議会が十分理解してもらわなければならぬ。おっしゃるように、主任制度というのは学校で重要な職務でございますから、その重要な職務に対して手当を出すのは当然のことだと私は思うのです。これができないようなことはおかしいのだ、これができないようだったら学校教育は正常化されないと思う。そういう意味で、これは議会の方々、知事部局に十分理解していただいて——教育委員会の方は私は理解していただけると思うのですけれども、知事部局ないし議会人の皆さんに御理解をいただいて協力していただけるように強力に推進してまいりたいと思います。

神田厚民社党

○神田分科員 四月から新しい校務分掌で学校が始まるわけですね。そういう中で、まだなされていないところはいろいろそういう問題もあるわけでありますから、ひとつ大臣の御決意をいただきました形でお進めいただきたいと強く要望いたします。  続きまして、これに関連しまして、この前の分科会でも指摘をしたのでありますけれども、一部組合におきまして主任手当を拠出している、この問題につきましては前の分科会で砂田文部大臣は、拠出は不当であるという見解を初めて漏らしたわけであります。しかしながら現状を見ておりますと、これが非常に大きな問題になっております。このことにつきまして、まず実態はどういうふうになっているのか、この主任手当の拠出の状況というのを文部省はきちんと把握をしているのかどうか、この辺につきましてひとつ御答弁いただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは教員組合の方でやっておりますから、正確な金額はちょっとむずかしいわけですけれども、組合の発表と私どもが県の教育委員会を通じての調査を総合しますと、昨年の十二月までで支給されました主任手当の総額が大体七十三億、そのうち拠出されたと見られる額が約二十億というふうに見ております。

神田厚民社党

○神田分科員 七十億の中での二十億というのは相当な比率であります。そうすると、地域的な状況を見ますと、これは全国的にやられているというふうに考えてよろしゅうございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 その拠出の率は大分違いますけれども、率にかかわらずということでありますと、ほぼ全国的にということでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 この問題は、主任手当が本来どういう性格で支給をされているかということは、これは申すまでもありません。それがこういう形で拠出をされている、こういう実態を大臣はどういうふうにお考えでありますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 主任手当は職務がそれだけ重いからこそ支給するのですから、当然の報酬なんだから、それを拠出するなんていうばかなことはないと思うので、私は主任手当はちょうだいして、その分、それだけ仕事の負担が重いわけだから、その負担を十分果たしていただきたいと思います。

神田厚民社党

○神田分科員 拠出するというばかなことはないと言っても、現実にそういうことが起きているわけですね。そうしますと、本来の目的と違った形でお金が出されて使われているというふうな形になりますね。そういうふうな形になりますと、大臣の方でもいろいろむずかしいことになるんだろうと思いますけれども、こういうことが本当にいいのかどうか、この辺はどうでございましょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 この問題は、その一人一人の先生が手当として支給されたものを各県の教員組合が自発的にその一部を拠出しろという運動ですから、拠出自体を抑えることはむずかしいですけれども、ただ、拠出されたその手当を教育条件の整備のために使うということで、教育委員会等に寄付の申し込みをしておるわけでございますね。そこで、私どもはその後の部分をとらえて、これは本来、いま御指摘がありましたように、教員の主任の職務遂行というものに対する代償ですから、その一部を組織的継続的に拠出して教育条件の整備に充てると言っても、そういう寄付は受けるべきでないということで各県を指導しているわけでございます。したがいまして、現実には各学校でその寄付を受けるというようなことはほとんどないのですけれども、ただ一部学用品などを購入して、直接父兄などに寄付をするということになると、これはちょっと抑えにくい点がございますけれども、全般的に見ましてそういうことですから、私どもは、もう少し時間をかけてみるならば、拠出をしましても、いま大部分の金は宙に浮いている、表現は悪いですけれども、そういうふうに見ているわけでございまして、長期的にやはりそういうことはやめさせるように働きかけたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 これはたとえば合法的な形で拠出がされているのかどうか、そういうことはきちんと確認されているのかどうか。それから、そういう拠出されている現状について何ら指導しないのかどうか。その辺はどうでございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは組合員と組合という組織の内部のことでございますから、われわれ直接介入するということは、その労使不介入の原則からいってもなかなかむずかしい問題がございますから、よそから情報をとって聞いておるだけでございますが、ただ、その拠出の仕方にしても、これは一部でしょうけれども、たとえば拠出といっても実は拠出した先生の名前で預金をするというようなこともやっておるやに聞くわけでありまして、実態はつまびらかにいたしませんが、それぞれの団体で、力関係等もあって、そのやり方には多少ずつ違いがあるように推定をしているわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 どうも推定をしていろというような形で見ているだけのような状況ですね。私は、そこに何かもう少し行政の方での指導が、本来そういうものに向かって出されたものでないのでありますから、それはやはりもう少し指導に対する強い姿勢を持つべきだと思うのであります。いかがですか、大臣。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは、いま申しましたように、私どもの指導はやはり拠出するところまではなかなか抑えにくい。しかし、拠出したといっても、それはもう寄付として受けるべきではない。そこに重点を置き、もちろん各教育委員会に対しましては、そういう趣旨ですよということをよく末端の先生方にも徹底するように指導をお願いしているところでございますので、その後段に力を入れていまやっている、対応していろという実情でございます。

神田厚民社党

○神田分科員 これは地方で非常に混乱している問題なんです。新聞の投書にも載っております。主任制度を教室に持ち込むな。中央では文部省のそういうふうな方針やあるいは一つの大きな闘争は終わったけれども、地方において、今度は、先ほど言ったように、拠出したものを、たとえば組合が独自に本を買って、その本を寄贈するから受け取れ、こういうふうなことをやっておるわけですね。あるいは、いろんな教育器材を買ったからこれを受け取れ。ところが、校長はそれを受け取らないということ、組合の方はそれを常に職員会議の議題としてずっとやっていくというようなことで、非常に混乱している。こういう状態の中で、すでにもう受け取ってしまっているというところも全国的にあるという話を聞いておりますが、そういう実態もあるわけでしょう。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いま御指摘のございましたように、学校として寄付を受け取っておるというところはほとんどないというふうに確認をいたしておりますが……(神田分科員「ほとんどというのは、全然ないわけですか」と呼ぶ)一件だけ、テレビですか、それがありましたのですが、それはひとつ返すようにという指導をいましているわけでございます。直接、先ほど申しましたように、学用品や図書などを父兄を通じて寄付をするということになりますと、これはちょっと制度上つかまえにくい、抑えにくいという点があることは率直に認めます。

神田厚民社党

○神田分科員 それは、その教育委員会なりなんなりに対する指導をもっときちんとすべきですね。たとえば組合が独自の図書を買ってそれを寄贈するというようなものがずっと続いたならば、それはいわゆる教育の政治的な中立の問題、いろんな問題と関係してくる問題なんですね。たとえばどんな本を選ぶか、それはいろいろ良識がありますから、極端な本は選ばないでしょう。しかしながら、やはりそういうものを学校の現場に持ち込ませるというふうな中で、教育委員会が全然その機能を発揮しないということは非常に問題だと思うのですが、その辺はいかがですか。大臣、どうですか。     〔谷川主査代理退席、主査着席〕

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 確かに教育委員会も私はよくないと思う。先生の自覚が足りないと思う。これは自分が正当にもらった報酬ですよ。職務の重要性に対した報酬、それを寄付しろと言われたから寄付する、そういうばかなことは私はおかしいと思うので、まず主任の自覚を私は促したい。  同時に、教育委員会に適切な指導をして、そういうことの混乱の起きないようにやりたいと思います。

神田厚民社党

○神田分科員 ちょっとくどいですけれども、この問題について教育委員会をちゃんと指導していただけますね。教育委員会に対する指導をきちんとしていただけますね。(内藤国務大臣「はい」と呼ぶ)  こういうことで、全国的に非常に混乱しておりますから、これは大事な問題でありますから、引き続きましてこの問題につきましては委員会等で、大臣の答弁、局長の答弁を踏まえて、議題にしていくつもりでおりますから、ひとつその点よろしくお願いいたします。  続きまして、これに関連しまして、主任問題は、これが審議の過程におきまして、今後新たな主任の問題にどう対処していくかという論議の中で、大部分の県やその他でそういう主任制度が定着していけば、当然拡大の方向をとっていくのだという答弁があったわけであります。それによりまして、わが党は最終的な態度を決定した経緯もありますので、その辺につきましては、この拡大の問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 先ほど申し上げましたように、当初、小学校は教務主任と学年主任、中学校はさらにそれに加えて生徒指導主任ということでやったわけでございますが、昨年の夏、国立学校の付属小中学校について実習主任と研究主任という二つの主任を制度化し、手当支給の対象といたしましたので、これにならって、公立の小中学校についてもさらにもう二つくらい手当支給の対象となる主任を拡大するという方向で、これは予算の措置もいたしてありましたので、指導をしてきたわけでございまして、それが、先ほど申しましたように、現在のところ八県について実現し、四月からはさらに十四県にふえる、こういうような見通してございます。

神田厚民社党

○神田分科員 この問題につきましては、なお、私どもとしましては、枠の拡大のあれは非常に不満であります。拡大するという内部的なそういう話し合いもあったわけでありますから、ひとつそれはもう少し前向きに取り組んでいただきたい、こういうように思うのでありますが、いかがでございますか。大臣、いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは、国立、公立というものの均衡を考えながらやってきたわけでございまして、昨年の人事院の勧告の際に、いまの国立付属学校で二つふやすということで、一応この二つふやすことによってこれを法律にも定着させるということが当面の課題であるというふうに私どもも聞いており、考えておるわけでございますので、いまの時点では、さらにこれをふやすということは考えていないわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 そういう答弁ではちょっと私ども納得ができませんが、まあ引き続きこの問題については論議をさせていただきたい、このように思っております。  時間の関係で次に進みますが、次は、教頭職の問題でございます。  これもいろいろ陳情やその他で出ているかと思うのでありますけれども、教頭職の問題はずっと論議が続いているわけでありますけれども、標準法を改正して教頭定数の確保をひとつお願いしたいというふうな形での陳情がずっと続いておりますね。こういう問題につきましては、文部省としてはどういうふうに対処されるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 教頭につきましては、ことしの予算で措置をいたしましたから、詳細は局長から答弁させます。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 四十九年に教頭の法制化をしまして、五十年から本五十四年度までの五カ年間に、十八学級以上の小中学校に専任の教頭が置ける定数増という意味で四千六百七十名という計画を立てたわけであり、五十四年度がその最終年度に当たるわけでございますが、一応それが継続される見通しになっておりますので、十八学級以上は専任教頭ということで、それが済みますと今後どうするかということは今後の検討課題として十分に検討してまいりたい、かように考えております。

神田厚民社党

○神田分科員 この問題はずっと突き詰めていくと十二学級、これなどもやはりどうしても必要だという方向での考え方があるわけでありますけれども、この辺につきましてはどういうふうにお考えでございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 そういう御要望のあることも十分承知をいたしております。ただ、この次の年次計画というものは例の一学級の子供の定数を幾らにするかというような大きな課題も抱えておりますので、それらとあわせて検討したいということで、現段階ではまだ具体的にどういうふうにするかということを決める段階には至っていないわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 四十人学級、これは一つの多くの国民の願いでもありますね。ですからそういうことも含めまして、教員構成その他の問題で前向きな文部省の姿勢を出していただきたい、こういうふうに考えております。いかがでございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 よく検討さしていただきます。

神田厚民社党

○神田分科員 次に、障害児教育の問題につきまして御質問申し上げます。  御案内のように障害児教育義務化の第一年目をことし迎えるわけでありますが、就学の状況が一体どういうふうになっているのか。新聞報道などによりますとかなり未就学の者が残るのではないか、こういうふうな懸念もされているわけでありますが、その辺を含めまして、ひとつ御説明いただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 去年の五月現在、養護学校に在学しておる児童生徒は約四万人でございます。そこで、今度義務制になりますと、そのほかに、本来ならば養護学校に行くような障害の程度の子供さんでも、学校が未整備のために普通の小中学校に行っておるというようなこともございますので、それとプラスして、新しく養護学校に入学する学齢児童を含めますと約二万四千くらいが養護学校にさらに就学するようになるであろう、こういう見通しでやっておるわけでございます。  それからもう一つ、いまおっしゃった未就学というのは、要するにいまの制度では障害の程度が非常に重い場合には、就学の猶予ないしは免除という制度がございますが、この対象になっている子供が同じく五十三年五月現在で九千三百三十ございますが、義務制の発足と同時になるべくその教育の対象にしたい。ただし全部が学校へ行って勉強できるような状態ではございませんから、いわゆる訪問指導、こちらから行って養護訓練などの勉強をさせる、そういうようなことで猶予、免除をできるだけ解消するというふうにいたしたいと思いまして、その方面のことをやっておるわけですが、そういたしますと、いまの猶予、免除というものの数もいまのところの推定では二千五百九十七、約二千六百ぐらいになろうかというふうに考えておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 そういう中で、これは初めてですからいろいろ問題が起きておりますね。各地域では普通の学校へ行くのか養護学校へ行ったらいいのかという中で、いま混乱しているような状況があるようでありますが、これはスムーズに一日からスタートできるような形になるのでありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私は率直に申し上げまして大部分はうまくいくと思いますけれども、どうしても障害を持つ子供さんの親と教育委員会なり学校当局の間で、いやどうも自分は普通学校へやりたいのだ、しかしこの障害の程度ではやはり養護学校へいらした方がよくないかというような、意見の一致を見ないケースが、いまでもまだかなりあるように聞いておりますので、それはできるだけお互いに話し合って、やはりそれぞれの学校の趣旨というものを十分理解していただいて、養護学校へ行く程度の障害の重い方はそっちへやらせるというようなことで、四月一日までにできるだけ早く解決するようにしていただきたい、こういうことで指導しているわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 時間的なものを考えていきますと、一日までになかなか間に合わない部分もあるようでありますね。その辺はひとつきちんと指導していただきたい、こういうふうに思います。  この問題の最後になりますが、残されている部分というのはやはり幼稚部、それからもっと小さい人、こういうものについて、せっかく義務制がスタートしたのですから、こういう人たちに対しましても何らかの国の積極的な施策というのが必要だと思うのでありますが、その辺についてのお考えはございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 確かに御指摘のように、養護学校の幼稚部というのは全国的にもきわめて数が少ないわけでございます。しかしながら一方これまでの研究その他の成果から言いますと、障害児教育はできるだけ早期からということでございますので、いままでは義務制の実施ということを至上命令として、小中学部の充実に重点を注いだわけでございますが、今後幼稚部と、もう一つは高等部の整備という方面に努力をいたしたい、かように思っておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 それでは最後になりますが、五十五年に私ども国体を栃木県で迎えるわけでありますが、この国体の中で、私は前々から感じていたのでありますけれども、中学生を国体種目に、いろんな制限はあるかもしれませんが、参加させるような方向で前向きに検討できないだろうか。いま非常に体格はいいけれども体力が落ちているという学生がいっぱいいまして、そういう意味では体育に対する教育というものをもう少ししっかりやっていかなければならない状況だと思うのでございますが、その点いかがでございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 中学校の生徒たちの全国大会を今度やるように、いままではその地域だけで全国大会を認めなかったけれども、ことしから中学校の全国大会を認めるようにしたい。ただ国体に入れるかどうかについては、これはちょっといろいろ問題があるので、文部省もそこまでは行っていないと思いますが、詳しくは体育局長から御報告させます。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川政府委員 中学生の国体参加につきましては競技団体等からの希望がございます。しかしこの問題は、いま文部大臣がお答え申し上げましたとおり、まず中体連等の関係者からは、中学校の全国選抜大会を学校教育の一環として取り進めるということの要望がございます。これにつきまして、いま、できますれば来年度その実施が可能になるような取り進め方を検討いたしておるところでございます。  なお、国体につきまして、なかなかに義務教育段階の生徒の問題でございますし、また国体につきましては、府県別対抗というような仕方でいま行われておるというような実情がございますので、中学生の参加問題は、今後の国体のあり方の問題の検討と並行して、各方面の御意見を聞いて慎重な検討をしたいと考えておるところでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 続いて、薮仲義彦君。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 私は、最近の社会問題となりつつあります青少年の自殺、非行問題を通じて、教育の基本問題について大臣の見解を伺いたい、このように思います。  警察庁の調べや文部省の調査でも、その数字のとり方の差で多少の違いはございますけれども、青少年の自殺の原因あるいは非行の原因に、学校問題あるいは学業、進路問題が大きなウエートを占めているというのは、数字の示す事実でございます。  特に自殺について申し上げますと、本年一月だけで五十二名という異常な数字がここに出ております。  また、非行の原因も学校ぎらい、受験による友達との間の不仲、詰め込み教育による落ちこぼれということが指摘されているわけでございます。警察庁の調べでも、昨年は戦後第三のピークと言われるほど少年の非行が増加した。千人中十三・六人という数字が出ております。さらに非行のうち在学少年の、いわゆる学校にいる少年の占める割合が非行の中の八〇%、こういう結果も出ております。こうなってまいりますと、いずれにせよ人間的な面で脆弱であったと言えばそれまででございますが、やはり自殺ないしは非行の原因の中で学校教育の占めるウエートが大きい。こういうことになりますと、やはり世のお父様、お母様にとっては、教育の中身、教育の実態というも、のについて少なからず不安を持っていると思います。こういう自殺と非行の問題等を通じまして、まず大臣の見解を伺わせていただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お説のとおり、青少年の自殺あるいは非行がふえてきたことを私も非常に遺憾に思って、そんなことをしたら日本はどうなるのだろうと思って、私も日夜、新聞を見るたびに悲しくなるのですよ。どこに原因があるかということですが、私は簡単じゃないと思いますけれども、一つは確かに学歴社会、ある意味では試験地獄、子供が学校へ行って帰ってくると塾へ行って勉強ばかりさせられているのですよ。ですから、勉強がむずかし過ぎるのではなかろうかということで、このたび教育課程の改正を行いまして、基礎的、基本的なものに精選して、もっと学校を楽しくしなければならない。学校が子供たちの重荷になってはいけない。楽しい学校にするために、なるべく内容を整理してやったことが一つです。  それからいま一つは、何といっても試験地獄だと思うので、文部省でも入試制度の改善、不十分でございますが、第一回の試験を行いまして、これから第二回目を行い、これも改善していきたいと思っております。  それからいま一つは家庭教育、やはり最後は家庭だと思うのですね。家庭が不和であってはいかぬし、このごろはどうも夫婦共かせぎですから、子供は一人ぼっちなんです。そういう意味で私は子供がかわいそうだと思うのですが、やはり家庭で子供を大事に育ててほしいと思う。そこで文部省としても、家庭学級とか総合ゼミナーとか、いろいろ母親教育もやっていますけれども、これも十分とは申せませんけれども、総合的に考えて、これは学校、家庭、特に学校の場合は教師、先生方が子供を大事に育ててほしいと私は思うのです。そして友達同士が楽しく遊べるように、何か学校へ行くのが家にいるより楽しいというような、そういう環境にしてほしいと思うのです。先生方の御指導のために、教師の研修会もやっておりますし、新構想の教員養成大学もことしから上越と神戸につくりましたし、教員養成にも力を入れ、それから家庭教育にも力を入れ、総合的にやりたいと思っておりますけれども、文部省のできる範囲で、とにかく何といっても文部省が一番責任を負わなければならない。幸い総理府を中心に自殺問題の協議会ができましたので、各省の意見を私もよく聞いて、そして適切な措置を講じていきたいと思っています。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大臣の大変期待の持てる御答弁をいただいて私も共感する一人でございますが、逐次具体的な問題をお伺いしたいと思うのでございますが、その前段に、担当の局長さんのお考えをもう一度確認しておきたいのでございますが、在学少年の非行がさま変わりしてきた。いままでは学校で余りまじめでない少年がどちらかといえば非行だ。しかし最近では学校で先生方も友達も、あの子はいい子だ、そういう子供が犯罪を犯すというようなことが指摘されておりますけれども、それについて担当の局長はどういうお考えを持っていらっしゃいますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いわゆる非行少年と言われる子供が、従来、学校の中におっても、表現は悪いですけれども、札つきの子とかそういうふうに言われておったのが、そうでないような、よく勉強も比較的やる、あるいは家庭も中流の家庭の子供さんだというようなことでも、どうしたはずみでか非行に走るというようなことがある例を私どもも聞くわけでございますが、これはどうしたことだろうかと考えるわけですけれども、やはりいろいろ理由はあると思いますが、一つは、学校自体の教育活動のあり方、先生と子供の人間的な接触が十分あるかどうか、あるいは学校で教える教育内容自身が、本当に子供が熱意を持って取り組んでいけるかどうか。そういうような学校自身への子供の溶け込みが十分でない、あるいは学校という環境においても、子供自身がほかの友達をつくって、学校生活を友達とともに楽しむというよりは、どちらかというと孤独な子供が、成績いかんにかかわらず出てきている。そういうようないろんな理由があると思うのですけれども、いずれにしましても、御指摘のように、非行の対象になる子供が、範囲が広がったというのもどうも事実でございますので、そういう意味での学校自身の子供への取り組みを一層親密にしていただくということが大切でないかと思うわけでございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 それでは大臣にもう少しお伺いしたいと思うのでございますが、私はいま大臣のお話に共鳴する一人でございますが、特に私が最近お父さん、お母さんお会いして非常に言われることは、いみじくも大臣が言われたと同じことです。いわゆる教育に疲れた、こういう言葉が、われわれ接するお父様、お母様から聞かれるわけです。なぜ疲れるのだ。一つは、いまおっしゃったように受験です。受験戦争に疲れた。それから教科についていけなくて疲れた。もう一つは、国公立に行きたくても行けなくて、父親のあるいは母親の経済的負担で疲れる。大別しますと以上三つの受験と教科とそしてまた経済的な面で、もう疲れた、何とか教育——憲法では教育の機会均等等が言われていますけれども、この教育に疲れてきた。これを何とか取り払ってほしい、こういうことは私、最近になって再三お母様方、お父様に言われるわけでございます。先ほどの大臣の御決意を伺っておりまして、私が大臣にお願いしたい。大臣の時代に何とか糸口だけでも開いていただきたい。それはいま申し上げたとおり、受験戦争と、いわゆる重い教科、そして経済的な負担を取り除くめどを、何とか大臣の時代に糸口をつかんでいただけないか、こう私は思うのです。  そこで私は、時間の関係砥具体的な問題を大臣にちょっとお考えを確認したいのですが、現在、高校というのは進学率が九三・五、ほとんどもう全入という形です。私は、学校教育にはやはり適正な選抜といいますか、競争条件というのは必要だ、絶対無競争ということはあってはいけないことだと思います。ただ、過当な競争が今日の弊害を生んでおりますので、私は、大臣の努力によって、少なくとも高校に行きたいという子供は、能力に応じて全入にしていただく努力を、糸口を何とかつくっていただけないか。  もう一点、私は日本の国民として、いわゆる主権者として、必要にして十分な教育は高校を卒業すればいいですよ。いわゆるすべての資格の取得し得る教育形態、社会形態、いわゆる高校を卒業すればあなたは社会人として十分ないろいろな資格とか、そういうものを受ける資格がありますよ、日本の主権者として通用します、あなたは国民としての十分な教育を受けました、このようなことにして、高校教育を受ければ少なくとももう日本人としてはどこへ出ても恥ずかしくない、がんばりなさいと言って、胸を張って社会に押し出せるような体制にしていただけないものか。大学に行きたい人は専門的に勉強をしたい人が行けばいい。少なくとも高校を出ればもう晴れ晴れと実社会に出て何の差別も受けない。いま大臣がおっしゃったように、学歴偏重の社会通念というものを何とか文部大臣のリーダーシップで一歩でも二歩でも払拭するような御努力をいただけないか、これがなくなっただけでもお父さん、お母さんはどれほど気持ちが軽くなるか、そういう点、大臣いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 いま御指摘のように、親が疲れるとおっしゃる、まことにそうですよ。確かに受験戦争もそうですけれども、私は見ておって、いままでの教育はむずかし過ぎるのですよ。私自身が孫の教育を見て、わからないのですよ、六年生。文部大臣がわからないのだからむずかし過ぎますよ。そういうことで、やはりむずかしいから今度指導要領を改正して、基礎的基本的なものに精選して、それだけはしっかりやれと言っていますから、まずその成果を見て、できるだけ基礎的基本的なものにして、親が子供に指導できるぐらいのものでなければ困ると思うのです。これが一つ。  それから、いまの受験教育ですけれども、これもおっしゃるように、高等学校だけでもうりっぱに社会人としていいので、大学へ行く必要はないと私は思うのです。私は、大学というのは特色のある大学であってほしいと思うのです。何もレッテルだけを持っていばっておってはだめなんで、特色のある大学で、大学へ行かなくても高等学校だけ卒業したらもうりっぱに社会人として通用するようにしていくことが、学歴偏重の社会を是正するゆえんだろうと思うのです。それで高等学校でりっぱな人間をつくるように、小、中、高を通じて一貫してりっぱな教育ができますように、今度は教育課程を全面的に高等学校まで改正しましたから、この機会に一歩でも二歩でもお説のように前進させたい。私も教育一筋に四十年来た。それ以外に私の生きる道はないですから、私も全力を傾けるつもりですから、よろしく御指導願いたい。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大変力強い御答弁を伺って私も本当に安心した次第でございます。どうかそのような時代をつくっていただきたい、このように思います。  せっかく大学局長がお見えでございますので、高校に続いて大学の問題でございますが、いま大臣がおっしゃられたように、共通一次などによっていろいろと大学受験を改革しよう、これは私は非常にそれなりの評価をいたしておるものでございます。  そこで、この大学についても私はいまの大臣の答弁を敷衍して、特色のあるという大学の中で、やはり入試の形を省みて、入りやすいけれども、厳格な学級内容を整えて、入ったけれどもまじめに勉強しなければ出にくい、入るにはさほど困難はしない、そのような形に将来、改革はできないものかどうか、その点、いかがでございましょう。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 入りやすく出にくい大学に日本の大学をしていくというのは、かねてからいろいろな方から御指摘をいただいている点でございます。実際問題としてこれを考えていく場合に、もちろん大学における教育の方法、内容について検討を加え、学生が真剣に勉強するように指導をしていかなければならないことは間違いございませんけれども、現在の非常に規模の拡大をした高等教育のもとで、入る方は非常に入りやすいけれども、なかなか出さないというような形にすることは、実際問題として非常なむずかしさを伴うものでございます。  いずれにしても、教育の方法、内容について、さらに多様化した学生の要請にこたえられるような改善をしていかなければならないということは間違いないことでございますし、そういう方向に沿って努力をしていく。その場合に共通一次を導入をすることによって、共通一次を前提としつつ、各大学が二次試験の段階でそれぞれの大学の特色に応じたいろいろな工夫をして、いわゆる勉強の成績だけでなくて、大学教育に適したいろんな人材を迎える努力をしていくということが一つ非常に大事なことではないかと考えております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 どうか、そういう趣旨をさらに充実、拡大していただくようにお願いをいたしておきます。  もう一点、いま高校、大学を聞きましたので、今度児童の教育でこれは大臣の考えをちょっとお伺いしたいのでございますが、やはりいまの小学校、中学校もそうでございますけれども、いまの教育で通常言われておりますのは、いわゆる勉強ができる子がよい子、こういう考え、評価がございます。特に小学校の場合は、算数とか国語、理科、社会、こういうものができるとよい子、いま申し上げた算数、国語、理科、社会ができないといわゆる落ちこぼれというような評価で、余りよい子という評価は与えられない。私はこのことで非常に残念に思うのでございます。  やはり、知育、徳育、体育と言いますけれども、小学校のころ、特に私は小さな子供さんとお話していて思うのですけれども、算数の集合とか分数ができない。でもそのお子さんは、動物をかわいがったり草花を愛したり花壇の花を大事にするとか、飼っているウサギを大切にするとか、本当に心のやさしい、思いやりのある親切なよい子がたくさんいるわけです。しかし、いまの評価の中では、そういう子供が、いまも出てきましたように、中学から高校へ行きますと受験という壁で何らそのよい子が評価されない。私は、ある意味では勉強のできる優等生もよいかもしれない、よい子であることは間違いないと思います。でも友達に親切で思いやりがあって、何といいますか、本当に気立てのよい子も、ある意味では幼児教育あるいは児童教育の中では頭のよい子と同じように評価してあげていいのじゃないか。学校で優等生が評価されるように、あなたは本当に親切なよい子でした、あなたは思いやりのあるよい子でした、優等生と同じような評価をなぜ子供に与えてやれないのだろうか。教育というのは何も頭のいい子だけじゃなくて、さっきも大学局長が言っていましたけれども、いろんな人が出てくればいい。私は、気立てのやさしい子が日本の国にとって必要だと思うのです。算数ができなくても親孝行な子もいてもいいと思うのです。そういう意味で、私は、何とか気立てのよい子、親切な子が伸び伸び、学校が楽しく行けるような教育に変えることは少なくとも間違いなのかどうか、大臣の見解をちょっとお伺いしたいのです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 いまあなたのおっしゃるとおりなんで、私は、教育というものは何も英語や数学や理科ができればいい子だと思っていない。やはり幼児のときから動物をかわいがるとかあるいは植物を大事にするような、これも一つのことです。そして、そのことがやがて人に対して親切な人間、そういう人柄のいい人が私はいいと思う。  それから、いま一つ教育で大事なのは、何か一芸に秀でてもらいたい、何か一つでいいから。それは何でもいいと思う。  私はこの間、米川文子さんに芸術院会員になられたお祝いに呼ばれたのです。あの人は八十四歳だと言ったけれども、あのおばあちゃんが芸術一筋に八十四年ですよ。それでこのごろ芸術院会員になられて私、本当によかったと思うけれども、やはり何でもいいから一筋に生きて、一芸に秀でる者は万能に通ずるというから、何も英語や数学ができた人がいいと私は考えていない。何でもいいから何か一つ取り柄があって、やはり人に親切で、そして動物や植物をかわいがるような、それでみんなから信頼され、尊敬されるような人間が一番いいのじゃないかと思って、私はそういう教育をしていきたいと思っています。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大臣の話を聞いて私も本当に共感して、大臣の今後の行政の中で、どうかそれを一歩一歩進めていただきたい、心からお願いをする次第でございます。  そこで、これは大臣が先ほども言ったので、重ねて言うようで恐縮なんですけれども、きょうの新聞に日本とアメリカの高校生の比較が出ております。財団法人日本青少年研究所とアメリカの厚生教育福祉省の共同比較調査、そこから、日米高校生の比較、細かいことは除きますが、私が問題にしたいのは、一つは「学校生活」、この点でございます。「学校生活が「大変楽しい」は日本でわずか八・〇%、米二五・四%、「まあ楽しい」を合わせると、日本はほぼ二人に一人、米では四人に三人。」日本では半分が余り喜んでいない、この点。それから「「将来どんな仕事をするか大体決めている」者の比率は、日本四八%、米七〇%。「迷っている者」、日本四四・一%、米二六・六%」、こうなってまいりますと、将来に対すること、それからまた、学校生活が楽しいか楽しくないか、こういう点を取り上げますと、やはり私は、先ほど大臣が言われたように、日本の教育全般を見直していただいて、子供が学校に行くことが楽しい、確かにそれは勉強ですから楽しいばかりじゃないと思います。しかし、卒業して五年、十年、二十年たったときに、あの小学校の生活、中学校の生活、高校時代の思い出がなつかしく思われるような学校教育を何とか大臣につくっていただきたい。重ねて恐縮でございますが、大臣の見解をお伺いしたいのでございます。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も、あなたの説に全く同感なんです。やはり学校を卒業した後で五年、十年たって、ああ学校の生活は楽しかったということが思い出になるように、ふだんから、家庭にいるのもいいですけれども、学校に来ている方が楽しいという気持ちを子供に起こさせるように、学校ももっと整備して、いまのようなマッチ箱みたいでは何か子供がかわいそうですから、もっと学校が楽しいように、環境も整備し、同時に学校の内容も、勉強ばかりではなくて、クラブ活動だとかスポーツ活動だとか、子供の好きなことを勝手にやらせるように、もっと自由にやれるように、そういう環境を整備するために、私も及ばずながら一生懸命努力してみたいと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 何とぞよろしくお願いをする次第でございます。  大臣のお話を伺って、非常に気持ちのいいときにこういう話をするのは、何となくやめたい気持ちでございますけれども、ちょっと具体的な問題二、三だけ、これは今後の問題として伺っておきたいことがございます。  一つは、今度文部省が、「青少年の自殺防止について」という通知をお出しになったわけでございますが、この中で、「学校や家庭で、生命の尊さ、生きることの意味についてよく教えるとともに、青少年自らがたくましく生き抜く知恵と力を身につけさせる。」こういうように書いてありますが、具体的に学校ではこれをどう受けとめておるか、具体的にどう考えていらっしゃるか、これは担当の局長からちょっと伺いたいと思います。  もう一点は、「マスコミ関係業界に対し、生命の尊厳を軽視するような題材の取扱いや、自殺の引き金となるような報道等をできるだけ控えるよう、協力を求める。」これは、具体的にはどういうことなのか。たとえば、ここで慶応大学の教授の一つのデータが出ているわけです。これは、一昨年七月十四日から二十日までの一週間、東京の五つのテレビ局の番組に放映された百三十九番組の中身でございます。ドラマ、漫画、映画の百三十九番組の中で、暴力行為の回数、その長さ、目的、使われた道具、加害者、被害者の関係、それぞれの特性、暴力シーン、こういうものを分析した結果、百三十九番組のうち深刻な暴力行為が含まれていたのが五十一番組、暴力行為は六百二十六回、一番組平均四・五回、一行為当たり二十秒、しかも分析した結果、一週間にけがをした登場人物は七百二十七人、死んだ人は五百五十七人に上った。同じ時間帯に放映されている番組もあり、視聴者がこれだけの暴力シーンを全部見ることはないが、それにしてもいかに多くの暴力が茶の間に送られていたか、こういうことがございます。こういうことは、報道の自由という問題がございますから、私はとやかく申しませんけれども、将来これが児童教育にどういう影響を与えるかということは、文部省としても関心を持って調査する必要があるのじゃないか、この点いかがかと思うのでございます。  それともう一点は、この間札幌で起きた学校からの誘拐事件でございますが、これは警察庁の方に確認だけでございますが、五十二年六月に愛知県で起きたときに警察庁は通達をいたしました。これが事実かどうか。それから、もう一度今回の札幌事件の後に通知を出しました。こうなっております。しかし、ここで私は問題にしたいのは、最初愛知県で通知した後、今回の事件を含めて五件も学校から誘拐される事件が起きている。これは学校に子供さんを預けておる親御さんにとっては不安なことであるわけであります。こういうことを徹底をして、子供さんが学校にいる間、誘拐されることはないということをここで確認をさしていただきたい、こう思うわけでございますが、警察庁の方から簡単に、そのような通知をしたかしなかったかで結構でございますが、御答弁をいただいて終わりたいと思います。

古山剛警察庁刑事局保安部少年課長

○古山説明員 一昨年の六月三日に警察庁保安部長名で、文部省の初等中等教育局長あてに、「児童生徒を対象とする誘かい事件の防止について」ということで文書でお願いをいたしてあります。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 何点かございますが、簡単にお答え申し上げます。  いま、生命の尊重という問題とマスコミ関係に対する要望と二つの通知ですけれども、これは通知としては総理府の方から県へ出した、それを文部省が今度は都道府県の教育委員会に出したという関係でございまして、原案者はそういうふうになるわけでございますが、中身はもちろん私どもも同じような考え方でございますから、そういう意味でこれに同意しておるわけでございまして、子供の生命の尊重ということは、先ほど先生もちょっとおっしゃいましたけれども、たとえば理科の授業で小さい動物を扱う、それに対して命というものはどういうものだ、それで動物をかわいがる、そういうようなところから生まれてくる問題でございますから、そういう理科の勉強とかあるいは社会科の勉強とか、そういうところで人の命の大切さあるいは生き物というものの大事さというようなものを実際の体験を通じて教えていきたいということで、私どもはお願いしているわけでございます。  それから、マスコミの問題は、今度総理府で自殺の問題について懇談会をつくっていろいろ検討しようということになっておりますので、文部省もそれについていろいろ協力し、また御意見を承る等の過程でいまの問題の検討をしてみたいと思います。  それから、いまの誘拐の問題でございますけれども、警察庁からいただきましたこの通知の中身としては、具体的問題について三つの点を挙げているわけです。一つは、うちから電話がかかってきた場合に、それが本当にうちからの連絡かどうか確かめてください。それから、子供に、関係者だと言って面会に来たような場合には、その事実関係をしっかり確かめて、先生が立ち会ってください。それから、子供が外で知らない人に声をかけられたり、車に乗りなさいと言われたような場合には、絶対そういうことをしないようにしてください、そういう具体的な問題をとらえて指導徹底を図るようにお願いしてきたわけですけれども、残念ながらまたこういう問題が何度も起こっている。しかし、とっさの場合、先生がついそういうことを忘れるということがあり得るのかもしれませんけれども、われわれとしては繰り返し、そういうことのないようにさらに徹底を図るように努力してまいりたい、かように思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 内藤文部大臣が御就任になると、日教組との間のみぞが深まるのじゃないかという懸念というのがあったのだけれども、必ずしもそうではなくて、教育経験者としてのよさというようなものは、それなりに生かすような努力をしているのだろうと思うのです。なかなか有効にやっている面もあるようです。  そこで、この間愼枝委員長が教研集会で、子供の健やかな成長であるとかあるいは教育条件の整備、こういうことに反することに対しては抵抗する。そして、いい教育が行われるというようなことの要求よりも、安易な塾通いということを肯定しているような風潮というものに対して、教職員であるとか家庭に対して反省を求めるというような、大体大筋そういうことであったと思うのですが、これらに対する感想はいかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 何か私が日教組をいじめたように言われるのは、私は非常に心外でして、六・三制を始めるときに学校教育法——私は実は英文学を専攻したので、アメリカと全部やったのです、私が。そこで学校教育法をやった。ところが、お金が全然なくてやれというから、シャウプ勧告で全部持っていかれるから、そこで半分の国庫負担金をやったのです、これは天野さんの文部大臣のときに。ところが、半分じゃどうにもならぬから、あとの半分を確保するために定数法をつくって、それ以来日教組と県とのけんかがなくなったのですよ。  その後で道徳教育あるいは勤評、学力テストで日教組とのけんかになってしまったけれども、私は人に対してそういう何か先入観なんか持っていないし、日教組であろうとどなたであろうと、私は喜んで御意見を拝聴しようと思っていますから、何かそういう偏見はひとつ持たないように、私は教育一筋に四十年、私の生きがいは教育だけですから、教育のために私も尽くすつもりでおりますから、日教組の諸君も教育のためにひとつ真剣にやってほしいと思う。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 愼枝発言の感想はいかがですか。教研集会における愼枝発言です。  先ほど言ったように、子供の健やかな成長それから教育条件の整備ということに反するようなことに対しては、それなりに反省を求めるというようなことで、教育条件の整備というようなことは積極的にこれを要求するのではなくて、安易な塾通いを肯定するような風潮、これは好ましくないというので、教職員であるとか家庭に対して反省を促すというようなこと、大筋はそういう内容でしたね。いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私も塾通いはよくないと思うのですよ。大体学校教育法にないのですよ、塾なんてものは。そういうものが全国に何万もあるというのは、日本の教育がいかに異常かということですね。そういうことは私はやはりよくないと思うので、それは一つは、教育内容をもっと精選して、基礎的、基本的なものにしようということで教育課程の改正をいたしましたけれども、おっしゃるとおり、塾が日本の教育を支配しているようなことは、これは間違いですよ。  それから同時に、お話しのように、学校もそうです、家庭もそうですから家庭教育もしっかりやっていただきたいし、学校も先生方が子供を本当に大切にしてりっぱに育てていただきたいし、先生と家庭、これが一体となってやってほしいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 このごろ子供の自殺というのが非常に多いのですね。この原因をどう見ていますか。  それと同時に、文部省、文部大臣の立場から、これに対するところの対応策というものは、まあ諸澤さんの方からと思うのですけれども、各県教育委員会に対して通牒なんかをお出しになって、いろいろこれに対する対応策を求めておるということもあるようですが、大臣としてはいかがですか、この問題。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 これは本当に大問題でしてね。私は毎朝新聞を見るたびに、自殺が出ると涙が出るのですよ。どうしてこうなったのだ、こんなことしたら日本の国は滅びてしまうと思ってね。それで子供たちを健全に育てることが大事だ。やはり学校が楽しくなければいかぬので、それはある意味で試験地獄もあるけれども、授業がむずかし過ぎちゃいかぬと思う。落ちこぼれのようなことになってはいかぬので、私は、子供が学校に来るのが楽しくてしようがない、そういう環境にしたい。先生と生徒、子供同士の仲間づくり、そして学校教育だけでなくて、クラブ活動とかいろいろな面で楽しい学校にしたい。そして子供たちが自殺をやらないように、生命を尊重するような風潮をつくっていきたいと思って、私も及ばずながら努力しますが、これはただ学校だけの問題ではない。一つは試験地獄も私はあると思うので、そういう意味では入試改善も始めたわけですけれども、社会環境、家庭の環境、学校、いろいろなものが重なり合っているから、簡単にはいきませんけれども、せっかく総理府にも自殺問題に対して協議会ができましたから、各方面の意見を聞いて改善に努力されているようですから、何といっても一番の被害は文部省ですから、文部省自体が本当に真剣にこれに取り組まなければならぬ課題だと私は思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 諸澤局長、いまの子供の自殺というのは、基本的にはいま大臣がお答えになったようなことですね。教育の重要性ということがある。  そこで私は、この競争社会というものが相当大きな原因をなしている。共働きの家庭で非行化であるとか自殺などが多いかというと、そうじゃないですね。そういう家庭よりも、比較的恵まれた家庭においてそういうことがある。してみると、やはり競争社会が最大の原因であるとして教育政策の面において十分対処していかなければならぬ。勇断をもって改めるところは改めるということでないといかぬ。  具体的問題として、長崎県で五段階通知表というものを、これは大臣もお聞きいただきたいが、これを三段階にしたらどうかということで、校長との間に対立があるというのですね。五段階というのは、御承知のとおり五、四、三、二、一の五段階でしょう。ところが、五なら五には人数の枠があるのですね。枠があるから、どこかで切ってしまう。これは四も三もみんなそうなんです。これが五段階の弊害ですね。勉強していこうという意欲をそそることではない。むしろこれを阻害するという役割りを果たしているという面がある。三段階ということになってくると、一がよく理解した、二はほぼ理解した、三は理解が不十分である、これだと、枠なんというものもないわけだ。私はこういうようなことが対立になるということがおかしいと思う。  これも文部省として、特にあなたは初中教育局長として、こういうことについては、だれが言い出したことであっても、いいことはいいことだとして採用していく、こういうことが必要じゃありませんか。これは基本的な文部大臣の考え方をお聞きしたいと思うのだけれども、いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 五段階評価というものの考え方は、要するに、五十人なら五十人のグループの中で、子供が到達目標に対してどのくらいの位置にあるかということを経験則に照らして分布した場合、こういう曲線になるという前提でやっているわけでございますが、ただおっしゃるように、子供の学業等の成績評価のあり方というのは、私はこれが一番でこれ以外はないというようなものはないと思うのです。  いままで役所のやってきた歴史を見ましても、いまおっしゃるような五段階評価の前に、絶対評価といいますか、主観的に見て、百点が五十人中三十人、これは五だというような評価の仕方もあるわけですけれども、それをやってみても、どうもうまくいかぬ。そこで今度は、いま言ったような相対評価といいますか、五段階評価のようなものをやっているというようなことが現状でございます。  そこで、いまおっしゃるように、いろいろな意見が常にあるわけでございまして、率直に申しまして、私は、今度新しい学習指導要領が実施される機会に、もう一度いまの評価のあり方について少し検討してみようということで、いまいろいろ資料を集めたりなんかをやっているわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 ともかく総力を発揮していくということですよ。そのためには、いいじゃないですか、日教組が言うことであれ、だれが言うことであれ、いいことはどんどん採用していく、こだわってはだめだ、教育というような問題は。これは基本なんだから。その点を強く提言をしたいと思います。  それから複式学級、これはひとつ勇断をもって解消するのでないと、長崎県なんかには二十くらいあるのですよ。いま入ったばかりの一年生と二年生の複式です。気の毒ですよ。そして朝暗いうちから行って暗くならないと帰れないのですよ、相当道のりの遠いところだから。だから、そういう点もひとつよく調査をして対処してほしいと思います。  時間の関係がありますから、まとめてお尋ねをしてお答えをいただきますが、養護学校の義務化ですね。父母の間に波紋が相当あるようですね。私の県でもこういうものがある。きょうぐらいに解決したかどうかわかりませんけれどもね。養護学校に行くと施設と併設になっているのですね。施設がノーです。抵抗する。それはなぜだろうかというと、やはり寮母が不足をしているというようなことでしょう。これではいかぬ。そうすると、学校が受け入れると言っても、施設の方がノーと言えば養護学校は受け入れられない、併設だ。普通学校になってくると、今度は担任の教師が責任を持たなければいけない。長崎県は広域人事というのがあって、十八年間いたならばそこを移らなければいけない。ちょうどその学校の担任の先生が転勤の時期になっているのですよ。責任を持てません、こう言う。そうすると、後はだれが来るのかわからない。責任を持つ人がいない。だから校長もそういうことで受け入れができないというので、入学がまだ決まらないという実態がある。  これらのことを考えてみると、養護学校の問題というのはやはり父母の選択というものに相当ウエートを持った形で解決をしていくのでないと、隔離教育みたいな形になってくると、障害の種類によって閉鎖教育ということになりかねないという点で、これは気の毒な子供たちだから、それだけに特に配慮というものがなければならぬということです。これらのことについてもお答えいただきます。  それから障害児の学級が新しくつくれないというのがあるのですよ。学籍、学校の籍が必要なんだから、五名なら五名がそろわないと一学級ができない。私は一度文部省にこういうことはだめじゃないかと言ったところが、いや、そこは弾力的にやっていい。Aの学校に二名、Bの学校に三名やる。そうすると、便宜必要な教育というものは一つの学校でやるようにしたら学籍はそのままでいいんだ、そういう弾力的なお答えを委員会の席上ではなくて文部省で伺った。これは生きた行政だなと思った。ところが、それが徹底してない。地方に行ったら、この間障害者と市長との交渉の中に私が立ち会ったところ、この学籍が阻害をして学級ができないのです。こう言うのですよ。ですから、こういった点は調査をして改める点はひとつ改めていくということが必要じゃないでしょうか。  あとは幼稚園のことをお尋ねしますが、以上の点に対してお答えをいただきましょう。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 僻地の学校の複式学級の問題でございますけれども、いま過密地域の四十五人学級をどうするかという議論がもっぱらでございます。確かに複式学級の編制基準をどうするかというのが一つの検討課題でございますので、いまの過密過疎の問題とあわせて、今後の年次計画を策定する際にひとつ検討させていただきたい、かように思っておるわけでございます。  それから養護学校か普通学校の特殊学級かというような選択の問題でございますけれども、これは学校教育法の予定しますところが、障害の程度に応じて養護学校へ行ったり特殊学級へ行ったりということでございますから、その判断に当たって、専門家の集まりであります就学指導委員会の判断というものをできるだけ尊重して、十分話し合いをしてということで指導してまいっておるわけでございますので、御指摘のように、父母の要求、希望というものももちろん十分に聞いた上で判断するということは必要でございますけれども、やはりそれだけで決めるのがいいんだということにはどうもならぬと私は思うのでございまして、その点は混乱が起こらぬように一層指導してまいりたいと思うわけでございます。  それから今度は、特殊学級設置の場合に、人数がいまたしか十二名でございますか、一つの基準になっておりますが、それがならぬ場合どうするかということです。これは教員配置の問題としては確かに十二人でやっておりますのですが、個々の教員配当はまたその枠内で県がやることでございますから、具体的にどういう編制をして指導するかということは、県と市町村の教育委員会の話し合いによってやっていただくということになるわけでございますが、その点についには今度は逆のケースがあったりして、学級を編成するために人が足りないから健常児も一緒に入れてしまうというようなことで、私もおしかりを受けたこともありますが、そういうことはもちろんよろしくないことでございますし、本当に障害の程度に応じて教育ができるような方法というものを個々のケースについて十分に検討してやっていただく。その場合にある程度弾力的な措置ということももちろん考えられることであろうと思いますので、そういう点についてはさらに検討もし、指導もしてまいりたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 現実の問題として非常に深刻なんですから、おっしゃるように、弾力的にやるということでないといけないと思います。既設の方は、初め五人なら五人おりまして、一名あるいは二名と減るでしょう。三名なら三名でもやるのです。新設をするという場合、学級を編制するという場合、ただいま私が申し上げたようなことがありますから、学籍がじゃまになるのです。その点をひとつ実情を勘案して、緩急よろしく対処していくという指導をしてほしいということです。  それから、いまの養護学校の問題でも、父兄の言うことのみを聞いて、それによってといったら、また大変決めにくいということで混乱しましょう。かといって、今度は書類審査で判別をすると、また間違いというものも起こる。実情を余り無視するということになる。これまた緩急よろしきを得て、ともかくできるだけ父母の選択を生かしていくということ。気の毒な子供たちのことですから、しかも養護学校の義務制というものがこれから新しく発足をしていく、初めからつまずかないように光を与える、こういうことでやってほしいということを強く要望をしておきます。  それから幼稚園の公私の格差の解消、今度五十四年度は就園奨励金の五段階を三段階という形にしたのでしょう。それだけ改善をしたということになるわけですが、それであったにしても、この格差の解消ということにはほど遠いということです。それから経常経費の助成というようなことを相当積極的におやりにならないと、就園奨励金は父兄の負担がそれだけ軽減されるということになる。ところが、就園奨励金がふえればふえるほど、今度は園の側の事務はふえていくということになる。園の経営が非常に改善されることは、経常経費の助成というもの、これは大体関連はありますよ。いずれにしても、関連はあるけれども、就園奨励金の大幅な引き上げと同時に、経常経費の助成ということが私は大切であろうと思います。  それから、施設に対する助成もしていらっしゃるのだけれども、これは新設の場合で改造の場合は対象になっていない。これもまた改造の場合も対象にしてやらないと実情にそぐわないと思うのです。  以上の点についていかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 就園奨励費の問題は、五十四年度には一番所得の低いところは年額三万六千円、それでもまだまだ差があるじゃないかということなんですけれども、私どもとして、これはもう予算のときには精いっぱい努力したつもりなんです。これといまの経常費の助成、これは管理局でおやりになっているわけですが、それの両方で今後さらに改善の方向で努力してまいりたい、かように思うわけでございます。  なお、施設の助成について新設だけでなしに改築の場合もということですが、これも御要望があることは承知いたしておるわけです。いま私どもは、五十七年の当初までに就園希望者を全部入れられるようにということで、公私立を問わず施設の整備に極力努力をするようにお願いいたしておる段階でございますので、率直に言いまして、まず新設についてできるだけこれが整備されるように努力してまいりたいと現段階では考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 あとは時間の関係がありますから、まとめてお尋ねしてお答えをいただくことにいたします。  経常経費の一千万円以上というのは公認会計士をということになっている。ところが県の監査があるのです。それから学校法人の監査があるのです。それから公認会計士の監査ということで、三段階の監査があるので大変なことになっている。ときには税務署の監査もある。だから、一千万円というのではなしに二千万円程度までに引き上げるということにしないと、余りにも複雑なんです。ですから、これも十分調査をして改善される必要があるということをまず申し上げておきます。  それから、学校法人に移行する場合、赤字があったら学校法人になることができない。長崎に桃木幼稚園というのがあるのです。ここは個人です。障害児を二十五名ぐらい預かっている。ところが学校法人でないために助成がないのです。それだから五対一。本当は四・五、四人半に一名保母が要るのです。ところが、そこは補助がないものだから五人に一名です。だから、県は四・五人にしろ、四・五人にしろと要求する。  それから今度は、御承知のように幼稚園は時間が早いでしょう。だから父兄の要望、保母の要望、保護者の要望によってアルバイトを雇っている。時間を延ばしている。それにも別に何もふやしていないのです。就園費をふやしていない。ますます苦しくなる。赤字は解消でなくて拡大をしていく。ところが学校法人にしてもらえない。そういう実情を十分調査をして弾力的にしてやらないと、社会福祉の線に沿ってやるものが、早く言えば正直な者、誠実な者が締め出されるということになっていくのですね。そういう点は十分考えてもらいたい。  それから、長時間保育ということ。これは幼稚園の場合も考えなければいけないのではなかろうかと思いますが、この点に対する考え方。  それから、保幼一元化に対する考え方はいかがなものであろうか。  それから、広域人事を長崎県なんかやっていますが、離島等には住宅がないです。それで十八年たって、あっさりぽんと飛ばされる、行ったら住宅がない、こういうことでは広域人事に対して反発が出てくることも当然だろうと思うのです。  以上の点について、それぞれお答えいただきたい。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 第一点の経常費補助に関連いたします公認会計士の監査の問題でございます。  これは幼稚園あるいは高等学校以下の学校の場合につきましては、それぞれの都道府県が都道府県の判断でそういう仕組みを設けているわけでございます。言いますれば、国が大学、短大等に経常費の補助をしております場合に公認会計士の監査を義務づけておりまして、これを必要最小限の公の資金を使う上での担保にしておるということでございます。中村委員おっしゃいました学校法人の監査は、法人としての内部の一種の自己規律としての監査であると思いますし、それから県の監査は、県が県費をそのために充当しておるという関係から、県民に対する責任上、必ずしも毎年悉皆でやるということではないであろうと思いますが、抽出をして順繰りに幾つかの学校法人について監査をするということでありまして、三種類あるわけですが、それなりにそれぞれ趣旨があるわけだと思っております。  ただお話しのように、千万円の補助に対して公認会計士と監査契約をして、公認会計士の監査報酬というのは契約上決まることでございますので、一律一概には申せませんですけれども、余りにもそういった意味で経費もかかりましたり、あるいは事柄として均衡上問題があるというケースがあり得るかと存じますので、具体のケースにつきましては、長崎県当局にも私ども事情を聞いて調べさせていただきたいと思います。  それから第二点の、赤字がある場合に学校法人の設立の認可を行わないということでございます。これも大体国の学校法人の認可基準にある程度ならいまして、各都道府県で都道府県所管学校についての認可基準が定められておるわけでございますので、長崎県につきましても、そういった認可基準に基づいてのいろいろな指導でございますとか措置が行われているかと存じます。  基本といたしましては、新たに法人の設置を認可するということは、一つの人格の存在をそこで生み出すことでございますので、これは当然なことでございますが、そういった認可についての審査はきわめて慎重に行われているのが通常でございます。したがいまして、一つの人格を生ぜしめる場合に、その永続性でございますとか安定性でございますとかいうことを考えますので、非常に健全な資産内容ということがどうしても基本になります。そして学校法人はどちらかと言えば財団法人的なものでございますので、財産の内容と申しますか資産的な基礎というものは重要になってくるわけでございます。ただ、具体の先生御指摘の例につきまして、これまた私ども初めて承りましたので、県に事情を聞きまして、必要があれば県と相談するなり県に助言をするなりさせていただきたいと存じます。  それから、たまたま私の所管でございますので、最後におっしゃいました広域人事に関連する教職員住宅の問題でございます。広域人事ということで、中村委員御指摘の問題は主として僻地の住宅であろうかと存じます。長崎県は僻地、離島が多いということで、私どもは、従来国のレベルといたしましては、僻地教員住宅につきまして地方公共団体が建設を行います場合に通常二分の一、それから過疎、離島、豪雪地帯等については三分の二の補助率で補助を行っておる次第でございます。それから、あわせて公立学校教職員共済組合が地方公共団体にそういった住宅の建設資金を融資するなどの制度もあるわけでございます。  そういったことで、従来かなりの実績をもって進めてきておりますが、この僻地の補助について申し上げますと、五十二年度予算におきまして約七百戸弱の戸数の建設を行いましたが、長崎県には七十七戸を配賦いたしまして、これは全都道府県の中で第二位ということにいたしておりますが……(中村(重)分科員「保幼の一元化は」と呼ぶ)保幼一元化は初中局長から……。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 幼稚園の教育時間が延長の傾向にあるということでございますが、現在の幼稚園教育要領ではたしか四時間ということを標準にしておりまして、この程度が教育時間としては妥当だと思いますけれども、ただ現実に保育所がないということで保育所的な機能を果たしているようなところは長時間保育になるというような実態がございまして、これは四十六年の中教審答申でも、そういう意味で幼稚園と保育所がまだ十分整備し得てない現状では、場合によっては幼稚園と保育所という二つの機能を二枚看板的にやらせるということも考えられるのじゃないかという提案がございます。  ただ、幼稚園も保育所もそれぞれ制度的には目的、性格を異にするものですから、無原則にそういうことをやるのは適当でないと私は思いますけれども、普及状態等を見まして、その実態に応じて弾力的に運営していくということは、現段階では必要な措置ではなかろうかというふうに思うわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 あなたがおっしゃるその学校法人の財政力、そういうものはそれなりに理解できるのです。あなたがおっしゃることを、私は間違っているとは言わない。しかし、障害児を預かってくれないのですよ、どこの幼稚園に行っても。ところが、親はそれを心から願っている。そこは預かってくれる。そういうものが経費増になる、そして赤字が出る、法人になれない、こういうことなんです。そういうのには何かほかの助成の方法とかいろいろ考えてやらないと、温かい行政ということにならないのじゃないでしょうか。私は、そういう点は実情をよく調査もし、そして適切に対処するということでないといけないというふうに思います。この点ひとつ大臣から物の考え方をお答えいただいて、終わります。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 お話よくわかりますけれども、やはり法人には法人の立場がありまして、法人格をつくるわけですから、それは困る点があると思いますが、御趣旨はよくわかりますので、できるだけ親切に扱ってやるように私も指導してまいりたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 では終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 次回は明三月一日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時三十三分散会

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