予算委員会第四分科会 第3号
- 発言数
- 358 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/03/01
会議録
○笹山主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上泉君。
○井上(泉)分科員 私も幾つか質問を申し上げたいと思うわけですが、大臣は、いわば農林行政というのは、大臣の農林行政に取り組む姿勢としては、前の中川農林大臣と同じような姿勢の中でやられるというようなことを所信表明のときの質問に答弁をされておるわけです。それでも余りかわりばえがないようですが、何か大臣は、おれだったらこうする、おれはこの任期にこうするんだ、そういう決意のようなものが、あなたなら当然あると思うが、何か農林大臣として就任したことに当たって、決意を持って取り組むという問題をお考えになっておるかどうか、まずその点。
○渡辺国務大臣 農林行政というのは毎年毎年ちょいちょいなかなか変えられないものでございます。中川前大臣が農林水産大臣第一代ということでございまして、言うならば、農林水産省にしたぐらいですから、水産問題については二百海里を迎えて特に力を入れなければならぬ、スタートをしたばかりでこういうことは継承をして大いにやる。それからそのほかの水田利用再編対策につきましても十年間でやるということで、しかかっばかりでございます。したがって、そういうものは当然継承してやるということで、余り大きな違いは私はない、こう思っておるわけでございます。
○井上(泉)分科員 それは、農林水産行政というものは、これはその年にどうするというようなことだけではいかないのは当然であります。しかし、やはり農林水産行政を進めるに当たってあれも大事、これも大事ということは、これはあるわけですが、およそ国会で論議をされたことが、やはりその翌年なりあるいは新しい法律を制定する場合とかいうときには、そのことが生かされるような姿勢があってしかるべきだと思うのです。これはあなたの所管ではない、建設省の方できのう委員会で提案理由の説明があったばかりでありますけれども、しかし、これはあなたにとっても無関心でおられない法案であるのです。農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法という法律がきのう建設委員会で付託になって明日質疑が行われる、こういうことになっておるわけですが、今度の改正案を見ても、前回この法案を可決したときの附帯決議というようなものは全然生かされてないわけです。そういうことは、これは建設省が出したからあなたはあずかり知らぬと言えばそれまでですけれども、やはり事農地に関する問題であるから、農林省としてもこれをそのまま無関心ではおれない問題だと思う。やはり附帯決議というものを生かした法案というものに整備をして、そうして改正の法案というものを出すのが議会政治の姿ではないか、こういうように思うわけです。それで、あなたはあしたの建設委員会へ出てこられないわけですから、きょうあなたにそのことを質問するわけです。その中身は、やはり適用地域の問題についても「実情に応じ、地方都市にまで拡大するよう配慮すること。」こういうことに附帯決議がなっておるのですけれども、今度の法案ではそのようなことは全然規定されてないし、そしてまた賃貸住宅も経過を見ればほとんど実効が上がってないという点もあるわけです。その点は指定された首都圏その他の地域だけではなしに、適用地域を地方都市に広げることによってこれを利用する住宅というものは促進されると思うわけですが、それについての大臣の見解を聞きたい。
○渡辺国務大臣 まだ決議を見ているわけでもないのでございますし、いろいろ各委員会で関連することについていろいろな御決議がなされたり、あるいは参考になるようないろいろなヒントを与えてもらうことが多いと思うのです。そういうことは私は謙虚に受けとめまして、いいことはどんどん農林行政の中にも取り入れていくというようにしたい。ややもすると役所は縦割りでして、横の連絡が余りないというようなことも多いのですが、なるべくそういうことのないようにさせたい。適用地域の問題その他についてはよく検討をさせていただきます。
○井上(泉)分科員 それでは検討するということと同時に、法の運用の中で適用地域というものが拡大できるようなことがあるかどうか、その辺もひとつ、これは米の生産調整をやる場合にも農地が関係するし、宅地をつくるということも農地なりあるいは山林等が対象になるわけですから、いま国民が非常に宅地難で苦しんでおるときでありますので、その点についてはなお農林省の方としても建設省との間において意見の交換もして、この附帯決議が生かされるような方向を追求していっていただきたいと思います。 そのことを要望して、その次に、今日、大変農家に明るい展望というものがないわけで、農林水産大臣もずいぶん苦労されておると思うわけですが、いま農家を対象にした農林漁業金融公庫とかあるいは農林中金というものは相当膨大な貸し出しをしておると思います。その金額等を承っておれば時間がないので……。貸し出しておることは事実である。ところが、今度はその借入金の返済に当たって、たとえば構造改善で資金を借りて果樹園の造成をやった。ところがミカンは作付制限をするというような形で伐採をする、あるいは他の作物に転換するということでそれに支払いができない。あるいは水田の構造改善の事業をやった。ところが生産調整でそこは米もつくれない。そうなると、米にかわる有利な作物のない中でこれの支払いも困る。つまり農林漁業金融公庫とか農林中金とかいうようなもので借り受けた農家が支払いに非常に困っておる。問題によれば支払いに不能な状態というものも相当数あると思うわけですが、これに対して農林水産省としてはどういう恩情ある施策を考えておるのか、その点承りたい。
○今村政府委員 お尋ねの、農林漁業金融公庫等の貸し出しを行いました後、その融資状況はどうなっておるかにつきましては、私たちも非常な関心を持って見守っておるところでございますが、回収不能という観点から見てみますと、制度資金の延滞状況は、大体六カ月以上延滞をしておりますのが農林漁業金融公庫で見ますと〇・〇九二%くらいでございます。農業近代化資金で見ますと〇・六五%くらいでございまして、これは、延滞状況は全体として見ますれば、私は決して多い方ではないと思うわけでございます。しかしなお、お尋ねのように、畜産でありますとか果樹でありますとかいうふうな部門につきまして、価格の変動その他によりましてこれを金融的に支えなければいけないということにつきましては、御存じのように畜産経営改善の資金でございますとか、あるいは肉用牛の生産合理化資金でありますとか、あるいは果樹につきまして言いますと、ミカン園の転換の農業経営維持安定資金という特別な資金を用意いたしまして、それで手当てをいたしておるわけでございます。 全体的な畜産なりミカンなりの部門的な手当てはそういうことでございますが、今度個々の経営をとらえますと、何かの理由で経営がうまくいかない、そういう問題もございますので、私たちとしましては、今年から自作農維持資金に特認制度を設けまして、五百万までは特認で貸せるという形で、これにつきましては大体五十億の資金手当てをいたしておりますので、個々の農家につきまして、もし問題がございますれば、自作農資金で対応していく、全体的にミカン部門についていろいろな問題がありますれば、いま申し上げました特別な融資制度によって対応していく、かように考えておる次第でございます。
○井上(泉)分科員 融資制度に対応するということは、つまり金の借りかえ等の措置を講ぜしむる、こういうことですか。
○今村政府委員 趣旨は大体そういうことでございます。
○井上(泉)分科員 それでは一%にも足らない状態といいましても、一%に足らない者が非常に苦しんでおるし、これは支払いは、出かせぎに行って土方をやってその支払いをしなければいかぬ、それに借りたときの金利も払っていかなければいかぬ、これは非常にかわいそうじゃないかと思うわけです。 それからわきの保証とかいろいろなもので、おまえが払えなければ保証人の乙が払う、あるいは保証の組合が払うというような形で、普通借金をした場合、借入金というものは大体ががんじがらめになっておるものですが、そういうふうな国の政策の転換とか、あるいはまた外的な事情等によって、せっかく借りたものの支払いができないというのは、支払い猶予なり、あるいは利子の減免なり、そういうふうな措置というものは、借りかえしても、借りかえるものが利子が要らなければいいですけれども、その借りかえする場合の利子が安くいくのか、あるいはそれに対しては減免の措置があるのか、そういうことは問題だと思うわけですけれども、どうですか。
○今村政府委員 先ほど申し上げました特別対策で行っています経営維持安定の資金は、たとえばミカンについて言いますと三分でございまして、利子補給を五分いたしまして、償還期限を大体五年くらいにいたしておるわけでございます。肉用牛につきまして申しますならば、金利は大体四・六%で償還期限が五年以内、それから畜産経営改善資金でございますれば、金利は五分で償還期限が大体五年、こういうふうになっております。自作農資金で申し上げますならば、金利が四・六%で償還期限が二十年という形に相なるわけです。したがいまして、たとえば農協のプロパー資金の毎年度の償還期限一年というふうなものは、そういう低利の中、長期の資金に乗りかえていくというのが一つの方法でございます。 もう一つ、先ほどお話のございましたように、個々の農家にとりまして、経営が不安定になっていくというものについては、一つは自作農資金の手当てがございまするが、それから公庫資金、近代化資金につきまして、償還猶予等の措置を講ずるようにいたしておりますから、農家におきまして、経営がなかなか思ったようにいかない、経営の維持が困難であるというときには、どうか遠慮なく公庫なり、あるいは農協なりに申し出ていただきたいと思っているわけでございます。
○井上(泉)分科員 それで次の問題に移るわけですが、何といっても農家の収入の基本になるのは米の問題です。米につきましては昨年も相当な生産調整をやったわけですが、ことしは農協が昨年度に上回る自主的な生産調整をやるということで、農協が大変苦労してやっておられるわけですが、このことについて政府としては、農協のそういう方向にどう対応しようとしておるのか、これは大臣、ひとつお願いいたします。
○渡辺国務大臣 最初は生産調整に対して農協等の理解がなかなか得られなかったわけでございますが、昭和四十六年からですから始まって八年、米過剰ということは農政全体の問題としても困る。まして食管法を守っていく農協の立場からすればことさらに困るというようなことを深く認識をしていただきまして、そして政府から言われるということよりも、むしろ自発的に過剰なものは少なくして、足らないものはつくっていこう、そして転作物の定着を図っていかなければならぬということでやっていただいておるわけで、政府は非常に高くこれを評価いたしまして、農協がそういうふうな姿勢で取り組まれる地域に対しては、排水事業を初めあるいは機械の導入、その他集団のいろいろな生産、販売に対する助成等を広く応援をしていきたい、こう考えております。
○井上(泉)分科員 この場合、農協の生産調整を実施するに要する諸経費とかいうようなものは、農林省の方で手当てをするように考えておられるのかおられないのか。
○二瓶政府委員 農協等が水田利用再編対策を推進するという角度での事務的な経費といいますか、そういう面につきましては、水田利用再編の推進費がございまして、その中に農協の関係の分も相当織り込みまして予算を計上いたしまして、現在御審議をいただいておる、こういうことでございます。
○井上(泉)分科員 その推進費がどれくらいか、政府が調整にかけた経費等を考えてみて、対比してどうなるのか伺いたいと思います。農家が農協という自分たちの団体によって自主的な生産調整をやる、いわば自己防衛でもあるし、国の政策にも協力をするわけであるし、経費が要る分に対して農協が出すということは農民が出すということですから、農民が自分の金を高く出して生産調整に協力するということは非常に酷なことですが、その推進費というものは国がやればどれだけかかるか、農協がやるに対してはどれだけ出すのか、対比してお答え願えればと思います。
○二瓶政府委員 五十四年度の予算案の面におきましては、都道府県の農業団体推進費といたしまして三千六百二十五万、前年対比二五二%ということで二倍半ほど伸ばしております。それから中央農業団体の推進費でございますけれども、これは六百七万七千円、同じく対前年比二〇〇・七%ということで二倍にふやしてございます。それから市町村分につきましては、単協等につきましては、市町村の推進指導費十七億四千六百八十五万とございますが、これは前年対比一五〇%、五割増しでございますが、この中から単協の方には市町村から交付をするということで、中央農業団体、都道府県農業団体、単協、これにつきましても十分その面は配慮したつもりでございます。
○井上(泉)分科員 仮にいま農協が考えている生産調整を国がやろうとすれば、どれだけ経費が要ると推定されておるのか。これは農協がやってくれるから安心でしょう。いわば農協が仮に自主調整をやらなくとも、やはり生産調整というものはやらなければならぬ。農協が生産調整を自主的にやらぬでもことしはよろしいというのなら問題ないですけれども、農協が生産調整をやる、政府が言うよりも自分たちでひとつ食管法を守るために生産調整に踏み切ろうじゃないか、こういうことを言うた場合に、対前年の倍に伸びておるからというようなことではなしに、この際農協に国の農政の協力を求めるようなことで、もっと予算的にも協力したらどうか、私はこのように思うわけですけれども、どうですか。これで結構だ、自分のことだから自分でやれ、こういうことですか。
○二瓶政府委員 水田利用再編対策に関する事務的な経費の面につきまして、ただいま前年よりは相当増額して配慮しておるということを申し上げたわけでございますけれども、それとともに、別途農協系統組織による需給安定活動の推進ということで、これは新規の事業ということで経済局の方で計上をしておるわけでございますが、三億五千九百万円で農産物の需給安定協同活動推進ということをやっていただくために新規の予算を計上をしておるということでございます。
○井上(泉)分科員 去年は政府が生産調整をやったことによって風当たりが政府に来たわけですけれども、今年は農協がやることによって農協に非常に強い風当たりが来ておるわけで、それに対して農協の幹部連中は連日各地域でこの問題についていわば悪戦苦闘しておるというのが現状でありますし、そしていま、事務当局の方では、それに要する経費等についてはかなりなめんどうを見るようなことにはなっておるということでありますが、私も別に農協から話を聞いたわけでもないけれども、これはいわば農協としては、米を減らすということによってそれだけ農協の収入も減るわけで、減ることをみずからやるわけなので、これは追加予算とかなんとかということではなくても、実情に応じて本当に農協がこの運動をする上に立って、相当経費というものが政府が当初予想したものよりも多く要るというような現状の場合には、農林省関係の予備費なり何なりでめんどうを見るという心構えはあるかどうか、大臣にお伺いしたい。
○渡辺国務大臣 いままでも実は農協はいろいろ御協力をいただいております。しかしながら、今回は政府の割り当てよりももっとやるように啓蒙普及をやっていこう、それから生産調整をやる人にはいろいろな指導もしようというようなことでやっていただいておるので、それぞれの地域によって千差万別なやり方があると思います。しかしながら、いろいろそういうような点で効果を上げるようなことをやっていただく場合においては、将来実態を調査した上でよく検討していきたい、こう思います。
○井上(泉)分科員 それでは次に、二百海里問題ということを大臣も言われたわけですが、この二百海里時代に入った今日、やはり四面を海に囲まれた日本としては、むしろ自分のところの水域内で、沿岸あるいは近海において漁業振興というか、魚族の繁殖を図って、そして水産物の収量の増大を図っていくということは、これは漁民の所得をふやすことにもなるし、また一方においてはいわゆる漁労に従事する者を近海で、つまりその地域でとどめることもできるし、これは非常に考えようによっては、この際水産政策というものの一つの大きな転機である、こういうふうに思うわけです。 そこで、海洋牧場構想とかいうものを打ち出しておるわけですか、これについて昨年度海洋牧場の調査地点というようなことで幾つか選んでおるわけですが、これは実験段階と思うのですが、大体何カ所ぐらいを予定してやっておるのですか。
○森政府委員 予算の名前で言いますと、海洋牧場というのが出てまいりますのが一つありまして、その方は沖合いの漁場を利用する技術開発、それから浮き魚礁の設置の技術開発試験というのがあるわけでございまして、これはいろいろマグロ、ブリ、今度は、来年度はギンザケというようなことで、五十三年から浮き魚礁については五カ所を設定してやっておるということでございます。 それから先生御指摘の問題は、恐らく五十三年、去年からやりました海域総合開発調査事業のことだと思います。去年は四海域を位置指定をいたしまして、来年は五海域をさらに追加する。四海域といたしましては、北海道と和歌山、山口、大分。それからこのほかに国土庁の、先生御承知のように四国の西南総合開発計画調査ということで、高知、愛媛につきまして昨年から、海洋牧場と言ってよろしゅうございましょうか、その調査に入っておるというのが現状でございます。
○井上(泉)分科員 いま五十二年から成り立っているというのですが、それは将来性というものはかなり期待ができる状況にあるのですか。
○森政府委員 先ほど申しましたのは、五十三年からというのはちょっと前後しましたけれども、五カ所というのは浮き魚礁でございまして、これは非常に技術的には定着しておる。それからいま、去年から海域総合開発調査でいろいろやっておりますのは、こういう浮き魚礁、種苗の生産からいろいろなものを全部含めましていろいろな開発の調査をやっておるということでございまして、一つ一つの技術につきましては相当進んだ段階に来ているというふうに認識いたしているわけでございます。
○井上(泉)分科員 時間がないので細切れ的な質問になるわけですけれども、ひとつこの際私は、意欲満々の農林水産大臣としては、海も平野も山も、とにかく日本のそういう第一次産業地域というもの、第一次産業というものに対する一つの展望というか、第一次産業に従事する者に明るい未来を与えるような、そういうビジョンをつくり、それに基づいて着々と農林水産行政を進めていく、そういうことが今日必要ではないかと思うわけです。昨年も林野庁を中心に営林署の統廃合というようなことで、山村地帯はやっさもっさと大騒ぎをしたわけですが、そして結局国の方針に協力する体制をとったわけですけれども、やはり体制をとったが、しかしその話の過程の中では、決して山を見捨てはしない、山林振興はより一層やるよ、林業に対する施策はより一層進めるよ、こういうことを言っておるわけですけれども、それが果たして実際的にそういうふうなことが進められておるのか。あるいはまた平野地帯における米を中心にした農作物につきましても、転作はしたわ、それが全く市場価値がない、商品価値がない、あるいはまた蔬菜をやっても、蔬菜がたんほの中で、キャベツにしても白菜にしても、これが野ざらしになってすき込まなければいかぬ、こういう状況というものにあるし、また海においてもやはり沿岸漁業あるいは近海漁業というものを促進させていくためにも、これはもっと積極的な、つまり国民の全体的な衣食住の関係の中で食住というのはほとんど農林水産省の所管であるわけなので、そういう点で私はもっと明るい展望を与えるような施策というものを打ち出して、それに基づいて行政当局が仕事を進めていく、そういうふうなものを農林水産省としては考えられないものだろうか、こういつも思うわけですが、大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 時間の関係で私もとうとうとお話をすることができませんが、私は明るいと思うのですよ。やり方次第である。何と言ったって一億一千万の国民がおって、しかも非常に消費購買力を持っておるわけですから、すぐ近間からその食べ物を提供する。これは一番有利な条件ですね。ただ、二戸当たりにすると面積が狭い。そういうところに問題があるわけですから、この生産性を高めるような方途、これを考えていけば、私は農林水産業というものは決して暗くはない。したがって、それらの方途については、そのやり方が今回の予算でかなり出ております、こういうことでございます。
○井上(泉)分科員 最後の質問になるわけですが、そこで、一つはやはり食の基本になる食管法、生産調整をすることによって食管法を守るという消極的防衛ではなしに、積極的防衛のために積極的に食管法を強化するために、国民の食糧自給確立について、日本の国土の中でこういうものをしてこうやって、七八年には、何年先には少なくとも自給率が八〇%になるのだ、それに向けて農林水産省としては行政を進めていくのだ、そういう食糧に関する自給の目標を設定されておるのかどうか。また設定をして進んでいかなければならぬと思うわけですが、その点について大臣の御意見を聞いて、私の質問を終わります。
○渡辺国務大臣 自給の目標は一応昭和六十年七五%というのを立てております。ただその中身については、すでに目的を達したものもあるし、なかなかそこまではできないなというものもあるし、いろいろございますので、最近の需給動向を見ながらもう一遍検討しなおしたい。 それから大豆とか牛乳、それらのものも食管法に入れてはどうかという御趣旨かと思いますが、米麦のような基本食糧と違いまして、それを食管法に入れることはなかなか困難だと思います。しかしながら、生産の安定を図るための価格支持制度は続けてまいりたい、かように考えております。
○井上(泉)分科員 どうもありがとうございました。
○笹山主査 これにて井上泉君の質疑は終了いたしました。 草川昭三君。
○草川分科員 公明党・国民会議の草川でございます。 私は、濃尾平野を貫いて知多半島へ、夢の運河と言われております愛知用水のことについて質問をしたいと思うわけでございます。 この愛知用水も、水が流れてから早いもので十八年目を迎えることになります。この愛知用水は、昭和二十四年ころの初期の構想においては、干ばつに悩む知多半島を中心とする尾張の東南部の農業用水として計画をされたものでございますが、大名古屋の周辺都市を通るわけでございます。その後、都市化が非常に激しく進んでおりまして、また伊勢湾の臨海工業地帯の経済の拡大の中で、農業用水にとどまらず上水道、工業用水あるいは発電などの非常に幅の広い多目的の有意義な運河になっており、地元の経済の発展のためにもはかり知れぬ効果をもたらすわけでございます。そういう意味では国家的な非常な大事業であったわけでございまして、改めて私どもも評価をしておるところでございます。 これは、御存じのとおりに建設当時には国際復興開発銀行の四百七十万ドル、総工費約四百二十二億のプロジェクトが組まれておるわけですが、通水以来非常に長い時間がたっておるわけでございまして、用水施設の管理状況はその後どうなっておるのか、お伺いしたいと思います。
○大場政府委員 愛知用水の施設の管理は、基幹施設、つまり牧尾ダムだとか兼山の頭首工あるいは幹線水路、そういった基幹部分は水資源公団が愛知用水公団を引き継いで直接管理をしております。それから末端の支派線は愛知用水土地改良区が直接管理をする、こういったかっこうでやっておりますが、十七年を経過して農業用水、都市用水、それから工業用水、かなり多目的な機能も発揮していると思います。ただ、いま私ども一つの問題点として意識しておりますのは、規模が大きなわりには管理の形がややおくれているのではないかという感じも、率直に申し上げればするわけでございます。リモートコントロールという形にはなっていない。管理の形態は五ブロックに分けて、そこに水資源公団の管理所を置いて公団の職員が直接管理する、こういうかっこうで現在まで大した支障はないわけでありますけれども、施設の近代化とともに管理機能を向上させる、具体的に申し上げますればリモートコントロール等によりまして省力化を図る、そういったことがいまの管理上の問題点として私どもは意識しております。
○草川分科員 現在の愛知用水は、御存じのとおりに取水点の高さは約九十メーター、山岳地帯でございますが、末端の知多半島の先まで行きますと二十五メーター程度のところになるわけでございますが、非常に緩やかに流れておりまして、幹線水路の延長は大体百十キロと非常に長いわけでございます。これができた当時は山の中を走っておったわけですが、先ほど私が触れましたように、都市化の波が激しい勢いで寄せてきまして、住宅地の真ん中を走るような状況になってきておるわけです。それだけに環境変化に伴って水路の傷みが非常に目立ってきておるわけでございまして、水難事故も、私どものごく最近の資料で、昭和三十六年以来百件にもなっております。それから山を削ったり田畑をつぶした結果、雨水の流れが一斉に水路の方を襲うわけでございますから、オープン水路というのですか、開水路のり面の斜めになったところに災害がひどくて、これも最近七年くらいの資料でありますが、四十五年から五十二年まででメンテナンス、補修費用が二億八千万くらいかかっておる、こういう状況になっております。それから住宅地域が近いこともございまして、水路にごみが入ったり、幼児の転落事故も多くて、水質維持の面でも問題があるわけでございます。全線にわたって老朽化が目立っておるわけでございますが、今度設計費用がついておるわけでございますか、愛知用水の第二期の事業計画の基本計画はどういうようになるのかお聞かせ願いたい。
○大場政府委員 愛知用水事業は、その当時としては最新の技術を駆使してつくり上げたわけでございますが、いまになって考えてみますと、いろいろ問題点が出てきている、いまおっしゃったような問題も確かにあるわけであります。それから十七年の歳月で施設が老朽化している、それから、ことに地震とかの災害の視点がいまになってみればどうか、こういったこともあるわけでございます。それから、御指摘になりました都市化に伴って水路に落ちて子供さん等が死んだ事故がありましたが、そういった人身事故が起こるといったことがありますので、やはり水路を改修して安全度の向上とか通水の安定的な確保を図ることが一点、それからもう一つは、都市用水を初め農業用水でも、水の需要量は畑作等の振興に伴って今後かなりふえていくということがあるわけでありますから、通水断面を拡幅する、水路規模を拡大すること、それから、ことに農業用水との関連においては、地区内ため池の高度利用あるいは調整池の増設、そういったことをあわせて考えていくこと、それから三点目といたしましては、先ほど私が申し上げました、施設の近代化に伴ってその管理形態の高度化、セルフコントロール、そういった形の機能を取り入れていくというようなことが主な構想のねらいであります。
○草川分科員 総事業費は幾らになっておるわけですか。それから、いまもおっしゃられたわけでございますが、基本計画の中で通水断面を拡大すると言われておりますが、確かに愛知用水はアメリカ工法ですから、上部より底が広がっておるV字型水路であるわけですけれども、現実にはどういう工法になるのか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○大場政府委員 事業費は農業部門その他の部門を含めて、正確な計算はこれからでき上がるわけでありますから、きわめて大ざっぱな話でありますが、かっての四百二十二億という事業費に対して恐らく一千億を超えるのじゃないだろうかというふうに、目見当でありますが考えております。 それから、水路の規模でありますが、V字型になっておる、これをコの字型というのですか、オープンの上の方と底と断面を同じにするような形のものにしたらどうか。それから、ライニングでありますが、現在薄いライニングをやっているわけですが、それを地震等を考えて鉄筋コンクリートの堅牢なものにしたらどうか。それから、あと問題になりますのは、ことに災害等を考えてサイホンとかトンネル、そういった部分をどうするか、そういったところにはバイパスをつくるとかいう問題が一つあります。 それから、普通の水路につきましても二連方式、たとえば、かなり堅牢な形で建造しても不測のことが起きてクラックが入ったりするということが起こり得ますから、そういう場合には通水しながら補修できるような形の二連式の水路構造といったものが大体いまわれわれの頭にあるわけであります。
○草川分科員 いま具体的に二連式で、しかも薄いライニング方式から鉄筋コンクリートの工事で、特に耐震性というのですか、災害対策を十分考えてやるというお話でございますので、これは非常に強くお願いをしておきたいと思うわけでございます。 この用水路部分で二重水路構造をするというのは非常にわかるわけですが、たとえば暗渠部分というのはあるわけでございますか。
○大場政府委員 もちろん暗渠の部分は考えております。先ほど冒頭に御指摘がありました、いろいろ人身事故が起きている、都市化に伴って、かつては全部山の中を通っていた水路が都市の真ん中を通るような部分がかなり出てきているわけでありますから、水路に落っこって死ぬ方が出てきているということがありますので、そういったオープンの水路を暗渠にするということによって人身事故の発生を防止するという観点も、ちょっと言い落として恐縮でしたが、当然入っているわけでございます。
○草川分科員 それでは、全水路の暗渠部分は何割くらいの位置づけになりますか、ちょっとお聞かせください。
○大場政府委員 これから決めていくわけでありますけれども、目見当で恐縮でありますが、オープンが四二、三%、暗渠が二〇%、トンネルが二五%、サイホン一〇%強、その他、大体こんな割り振りになるのじゃないかなというふうに思っております。しかし、これはこれから全体設計の過程において詰めて確定していくということであります。
○草川分科員 それから、いまも最初の方でお話かございましたが、省力化ということも含めて、自動遠隔装置をやりたいという、当然のことでございますし、これからどういう災害が予測されるかわからぬわけでございますから、ぜひお願いをしたい。現実には、たとえば大雨なんか降りますと、職員の方々が自動車で現地へ行ってそこで開閉をするという、どちらかといえば、大事業にもかかわらず水量調節等について非常に御苦労をなさってみえるわけでございますから、遠隔自動装置というものをやっていただきたいわけでございます。私の質問が悪いかもわかりませんが、何カ所あるかという言い方をしたって、数が多いですよという答弁だと思いますが、先ほど言われましたように、まず管理部が五つぐらいあるのですか、そして、下から流れていくわけですから、いわゆる遠隔自動装置というようなゲートというのですか、そんなようなものは大体何カ所ぐらいになるのか、概略で結構ですけれども、お聞かせ願いたいと思います。
○大場政府委員 世紀の大事業のわりには管理機能というものがそれに伴っていなかったということは、まさにそのとおりだろうと思うわけであります。一々雨が降ったときに自動車で飛んでいってゲートを開閉するという、そういった人力を使ったようなかっこうで対応しているわけですが、これでやりますと、省力化という問題は確かにあるわけですけれども、そのほかに通水の安定ということとか、あるいは災害に対する備えといった点でやはり欠ける点はあるということで、これはセルフコントロール、リモートコントロール方式に切りかえたいと思っております。これはもちろん五つの管理所というようなかっこうではなくなって、中央でコントロールすることになるわけですが、私も技術の専門家でありませんでようわかりませんが、何カ所そういったものをつくるかということについては、いまちょっと技術者に聞いてみたところ、これから詰めていく過程だといったことであります。
○草川分科員 そこで、概略はこれでわかったわけですが、いずれにしても、通水断面積を広くして能力をアップするわけでございますが、どうしても水源等の関係もございまして、さっきも説明がございましたが、調整池の利用というものが大きな役割りを果たすことになります。同時にまた、末端の方では、ため池等も利用をして、むだな水をためておくということが非常に大きな役割りを果たしますが、一体調整池についてはどういうようなお考えを持っておりますか。
○大場政府委員 ことに農業用水の需要増、畑作の伸展ということに伴って冬季の灌漑用水というものがふえているということであります。もちろん工業用水とか都市用水の需要もふえるわけですが、これは別途対応することにして、農業用水の需要増に対応する形といたしましては、いまお話がありました調整池あるいは地区内のため池といったものを活用しながら対応していく、地区内のため池はたしか入鹿池を高度利用する、しゅんせつという形をとるかどうかいまいろいろ検討しておりますが、入鹿池を高度利用してうまく活用していく、間接的に愛知用水の水の活用をしていくということと、それから末端に要らない水が場合によって出てくるわけでありまして、それが無効の放流をしているということがあるわけですから、それを節約して有効な水として使っていくためには、やはり調整池ということも必要でありますから、調整池の能力あるいは調整池を増強するといった二面的なかっこうで考えていきたいと思っております。
○草川分科員 いま入鹿池を調整池として利用するというお話が出ましたが、あれは大体何万トンくらいの能力があるのか。それから末端の方のむだな水を活用するためにある程度ため池を利用するというので、それも大体何万トンになりますか、何十万トンになるかわかりませんけれども、どんな程度のものを考えておみえになりますか。
○大場政府委員 入鹿池は貯水量千五百万トンということであります。それから末端の方はそう大規模じゃないものでいいわけですから、二十万トン程度のものを考えております。
○草川分科員 そういうようなことで、具体的に流れというのですか、一つのルートがこれでわかってきたわけでございますが、この改修工事はぜひひとつ早急にやっていただかなければいかぬわけです。実際生きているわけですから、水が流れているわけですから、現実に工法というのは水をとめずにそういう作業ができるのか。これも技術的なことになりますけれども、しかも今度の場合は相当腹を決めてやっておみえになると思いますが、用水施設の安全性だとか、特に災害に強いものをつくるという自信を持ってやっていただけるのかどうか。細かいことになって悪いわけでございますけれども、わかり切ったようなことではございますが、基本的なそういうことについて考えを聞かせていただきたいと思います。
○大場政府委員 ことに都市用水は年間通水しなければなりませんし、農業も冬季の利用ということがふえてきているわけでありますから、やはり水をとめちゃうわけにはもちろんいかないわけであります。ですから、やはり水を通しながらこの改修をしていく、そういった工法を具体的にどうするかはこれからの全体設計の過程で技術の知見を集めて固めていくといったことだろうと思うわけであります。 それから、災害等に対して耐久力というものは、ことに地震というものが心配されている折からでありますので、いまの科学的知見を集めて最新の技術を導入してそれにこたえていくということが課題だろうと思います。
○草川分科員 さっきオープン水路は大体四二%で、それから暗渠部分が大体二割で、これは設計でどういうことになるかわかりませんけれども、一割程度サイホンになるのではないかという概略の話が出ましたけれども、現在でもサイホンになっているところが何カ所かあるわけです。ところが、国道と交差をしているようなところですし、山の上にサイホンなんかがありまして、さっき申し上げましたように一たびかなり大きな地震でもあったら、山が崩れてサイホンそのものも崩れるのじゃないかというぐらいに、実は素人判断でございますけれども、実感でそういう場所というのはたくさんあるわけです。それを今度直されるということでございますけれども、部分的にはバイパスなんかを使う場面があるわけですか。サイホンですから、サイホンは一本しかないわけですから、それをとめるということになるわけですから、やはりそういうところはバイパスなんかを使うということになるのかどうか、お聞かせ願いたい。
○大場政府委員 トンネル、サイホンは愛知用水は非常に多うございます。先ほど申し上げましたようにトンネルが二五%、サイホンが一一%ということで、比率としてもかなり多いわけでありますが、これは多くの場合、農業用水だけじゃなしに、都市用水との共用部分ということになっているわけです。ですから、そこを特に補強する必要があるということで、かなり離れてバイパス的なものをつくって、そして安全面を高めていく、こういった形で工法を詰めていきたいというふうに考えております。
○草川分科員 それから、渇水対策について少し質問したいと思いますけれども、昨年は第二次節水までやっておるわけです。一昨年は夏場の子供のプールの使用制限で第三次制限までしておるわけでございまして、たしかあれは二〇%ぐらい、農業用水で一五%ぐらいだったですか、この数字はちょっと違うかもわかりませんが、ある程度そういうことをやっております。先ほども、愛知用水の第二期の事業計画で今後の水需要の増大にどう対処するかということで若干御答弁はあったわけでございますけれども、上流のダムなんかがあると思いますけれども、一体それをどういうようにうまく高度利用をしていくのか、基本的な水需要の増大にどう対処するか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○大場政府委員 農業用水の水需要につきましては、先ほど御答弁したとおりであります。 それから、ことに工業用水を初めとする都市用水の需要増ということにつきましては、これはやはり上流に新たな水源を仰がざるを得ないと思うわけです。木曽川水系で具体的に申し上げますれば阿木川ダム、これは建設省から水資源開発公団へすでに実施方針が出されて、いま用地交渉をしたりあるいは準備工事中というふうに聞いております。それから同じく木曽川水系の味噌川ダム、これの建設につきましても、近々建設大臣から水資源公団へ実施方針の指示が行く、こういうふうに聞いておりますが、そういったダム群の建設によってその需要増というものにこたえ得る、こういう計画になっております。
○草川分科員 それから、これは地元からの要望も非常に強いわけでございますけれども、基幹施設以下の末端の実は用水施設についての要望があるのですね。同時にひとつやってくれないかという。これは当初は公団事業で一貫施工をしたわけでございますけれども、この整備計画をどのようにお考えになっておみえになりますか。
○大場政府委員 幹線水路だけじゃなしに支線あるいは派線、それから末端の整備ということは相伴ってやっていかなければならない。これも老朽化している部分があるわけですけれども、やっていかなければならないと思います。そういったところは国営ないしは公団営というような大規模クラスの事業を進めると同時に、それと並行して県営とかあるいは団体営とか、そういった事業で進度を合わせながらやっていく、こういったことになると思います。
○草川分科員 それから、同じくこれも将来の展望になるわけでございますが、事業費の総額がざっと一千億ということになるわけでございますが、問題はこの負担割合が将来相当問題になってくると思うのです。負担者は、工業用水、生活用水の受益者はやはり愛知県ということになるわけでございますし、また農業用水の受益者では岐阜県、愛知県の農家ということになります。しかし、農家の方々は、正直なことを申し上げて、まだ建設当時の負担金が大分あるのじゃないか、こう思うのです。当時のたしか十アール当たり四万三千円ぐらいの償還がまだ終わっていないわけでございますので、そこへさらに負担がかかってくると大変苦しいのじゃないかと思いますが、農業用水、都市用水との費用の負担割合等を含めてどういうお考えでございますか。
○大場政府委員 新規投資をするわけですから、それの費用負担の割合は、原則論からすれば、その施設ないしは水の利用割合という形で振り分けるということだろうと思います。しかし、負担能力とか現在の負担割合ということもあわせて考える必要があるということで、これを具体的にどういうふうにするかということがまさに大きな問題だろうと思っているわけですが、これは地元の愛知県あるいは土地改良区その他の方々とこれから相談して決めていきたい。地元の農家の負担能力ということもあわせて当然考えていかなければならないというふうに思っております。
○草川分科員 ぜひ農家の方々の立場ということも考えながら、たとえば絶対的な負担の金額もありますし、支払いの時期というものがダブらないようにお願いを申し上げておきたい、こういうように思います。 それから、今度は設計のことについてお伺いしますが、今度の五十四年度の予算では、第二期事業の全体実施設計費が五千万円ついておるわけでございますが、実際工事が着工する時期はどのような時期になるのか。設計は、まだ入るか入らぬか、これは予算案が通らなければあれでございますが、まず通るという前提で設計時期と工事着工の時期がどのような見通しになるのかお聞かせ願いたい。
○大場政府委員 調査期間が五十一年から五十三年、そして五十四年から全体設計に入っていくという現況であります。全体設計をどのくらいの期間やるかということでありますが、この事業は御存じのとおりかなり大規模事業であるということと、それから都市の真ん中を水が通っている、そこを水を通しながら工事をやらなければならぬということもありますし、それから新たに耐震性その他の見地から構造を堅牢にしなければならぬというような課題もあるわけですから、かなり慎重にやっていかなければならない事柄だと思います。しかしまた、地元では早くやってほしい、こういう御要望もありますから、できるだけ急がなければならないということもあるので、私どもとしては慎重な態度はとりながらも、できるだけ急ぎたい。通常の場合、一般的に国営事業の場合、全体実施設計は二年ないしは三年というふうにかかっております。それから着工という段取りになっておりますが、大体そういうものを頭に置きながら地元の人たちと相談して着工の年度を決めていきたい、そういうふうに思っております。
○草川分科員 時間が来ましたので、最後に大臣に。これは地元の要望にもなるわけでございますが、愛知用水の改造工事は、このようにいまもいろいろとお話を聞きましたように、農林水産省の土地改良事業の一環ということになるのでしょうか、事業費が一千億を超す大プロジェクトになるわけでございますが、実際に工事は水資源開発公団になるのですか。事業主体はまた後で御説明願いたいと思いますけれども、非常に重要な生きた用水の改造になるわけでございますし、それから特にまた水需要の計画については、正直なことを申し上げてこれも工業用水、上水道の改修あるいは支線水路については国家助成がないわけですよ。どうしても地元の県等に負担になるわけでございまして、地元の県では大変困るわけでございますが、工業用水あるいは上水道の改修等についての国家助成はまた別の機会にも要請をしなければいかぬことだと思いますが、ひとつ工事の早期着工を図りながら、しかもまた円滑に行えるよう非常に国の支援を求めたいわけでございますが、最後に大臣の見解を聞いて、終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 第二用水の事業は、その地区地区にとっては非常に大規模な事業で、またいろいろと農業用水だけでなくてその他にも利用される面も考えられるわけでありますから、どこを主体にしてやったらいいか、公団がいいのかなという気もしますが、それらについてはよく検討をして、なるべく早く着工できるように進めてまいりたいと考えております。
○草川分科員 以上で終わります。
○笹山主査 これにて草川昭三君の質疑は終了いたしました。 津川武一君。
○津川分科員 きょうは、出かせぎ者に人間らしい生活を保障することを求めて、出かせぎの問題点の若干を明らかにして、具体的な問題でまた二、三質問してみたいと思います。 出かせぎ者の実態に対しては、昭和五十二年六月調査の青森県民生労働部出稼対策室の調査がございますが、それによりますと、出かせぎしておる人で六カ月以上十二カ月以内家族のもとを離れて出ている者が九〇・六%、こういう人たちで六年以上続けている者が六二・一%、これからも続けると言っている人が八八・四%ございます。これから考えてみますと、一体出かせぎ者にとってどこが自分の住みかなのかというと、出かせぎで寝泊まりしているところが自分の生活の根城、生活の根拠になっているのではないかと思います。こんな生活をしております。そして夫婦別れ別れの場合が多いのです。そのために、出かせぎ先の夫にも、留守を守っておる妻にも、いろいろここで言いかねるような問題が出ておりますが、きょうはここで申し上げません。 親子も別れ別れです。青森県西津軽郡柏村の教育委員会が、出かせぎ者の家の子供につづり方を書かせ、文集「つなぎ」というのを一昨日発行しましたが、それがいま私のところに届いております。全国で幾つかある文集の中の一つの断面がここに書かれてあります。こうです。「父がいないせいかな。私だけじゃない。弟の三年生になる紳一も、六才になった恒司もだ。どうしてだろう、なにか大切なものを失なったようだ。母も、ぼんやりテレビを見ているだけ。」「ごはんを食べる時、父の席がどかっとあいている。」「いくらテレビの音を強くしても、みんなただぼんやり見ているだけ。きっとみんなも心の中で、父のことを考えているのだろう。」これは小学校五年、岩川美静君という人の作文でございます。また、もう一人、今度は中学三年生の小関恵美子さんという人がございます。私の父と母は、毎年出かせぎに出かけて帰ってこない。「静岡と青森とでは、電話で話をするほかない。それのほんのわずか。私も今、入試を控えているから、一杯話をしたいのに、お金がかかるし、いろいろな面で不便だ。今年だけは、母だけでもいいので残って入試の相談相手になって」もらいたかったと思っている。これが母と出かせぎ者と子供の関係でございます。 子供にこんな思いをさせながら出かせぎしている本人の寄宿舎、飯場も大変でございます。私も何回か行ってみましたが、畳一畳半に寝ています。自由にできるスペースというのは一畳半、押し入れがない、布団は押し入れがないので敷きっ放し、かばんやふろしきも置くところがないので、まくら元や敷いた布団の足元に置いています。これが出かせぎ者の生活です。この二月一日に私が訪ねたある飯場、具体的に名前を言うとぐあいが悪いので、これは労働省には話してありますが、十八畳間に何と二十四人寝起きです。人間としての生活が疑われてどうにもなりません。こんなときに、幸い総理はこの間の施政方針演説の中で、「家庭は、社会の最も大切な中核であり、充実した家庭は、日本型福祉社会の基礎であります。ゆとりと風格のある家庭を実現するため」にがんばりますと述べております。そこへ行ってくれればいいのですが、そこで、国務大臣として渡辺さんに、こうした出かせぎの人たちに、この生活は非人間的であるし残酷だという意味において非情な生活を強いられておりますので、何か、本人をひっくるめ、留守家族、子供さんたちに対して情けある施策が期待されるわけでありますが、大臣の所信を聞かしていただきたいのです。
○渡辺国務大臣 出かせぎの問題は、いろいろな社会的な問題を起こしておることは私も承知をいたしております。したがいまして、総理大臣が田園都市構想というようなことを言ったわけでございますが、このことは、農林省関係とすれば、やはり農村におって自分のうちから通えるところで農業に従事をしたり、あるいはいろいろな、面積その他の問題から、機械化、近代化が進めば余剰労働力ができますから、その場合に、働くにしても、やはり家族とともに暮らせるような職場、通勤可能なようなところ、そういうような職場の創出というものを考えてやらなければならぬ。そういうことによって、同じく他産業から収入を得るにしても家族との間にすき間風の起きないようなことをして差し上げるということは、政治の上においても非常に大切であると、かように考えております。農村工業導入等はそれらの考え方から発足したものでございますが、世界的な不況の中で、日本もその例外ではなく現在まで来たわけでございますが、幸いに景気も底入れ、基調としては健全な方向に、回復の方向に動き出してきたということが数字の上でも見られますので、この機にやはりそのようなことにスポットを当てて、農林省としてもきめ細かい施策を講じてまいりたい、かように考えております。
○津川分科員 この人たちが人間的な生活ができるように一層施策を進めていただくよう大臣にお願いし、具体的なことは、後でまたいまの大臣の発言に関連して若干質問します。 次に、労働省おいでですか。飯場、労務者の寄宿舎はいま言ったとおりでございます。私は、こういう立場から前にも出かせぎ労務者の住宅の改善を、もっと広いスペースを、押し入れなどをつけることを要求してきたことがありますし、出かせぎ者も、ときに大会を開いて労働省にそれを要求してまいりましたが、その改善の状況はどうなっているか、改善された実例がありましたら、ひとつほかのところがまねることができるように示していただきたい。今後飯場の改善を進めていく計画をどうするのか、押し入れはどうするのか、二・五平米というよりもっと広くしなければならない、そういう点でどう指導していくつもりか、まず明らかにしていただきます。 そこで、先ほども申しました十八畳間に二十四人、これは二段ベッドになっているから十八畳間に二十四人いれるのです。ところが、二段ベッドの面積は、国の施策で決めている労務者の床面積に加わってないのです。それをやっているわけです。そんな飯場があるのです。これは具体的に調べていただいて、この名前は私が話してありますので、皆さんがわかっております。これを具体的にどう指導するのか、ここで明らかにしていただきたい。 それから、さっき話した一人二・五平米という基準の床面積ですが、このために非人間的なものが出てくる。押し入れがないから布団は敷きっ放し、上げないのです。その上にみんな座っている。それで今度週刊誌がある。そこの下にある。ここに非人間的な生活の根拠があるのです。こういう基準を資本主義の発達した国でどこがやっているかという問題なのです。日本以外にはないと思います。どう改善していくか、この点でお答えいただきたいのです。 皆さんのところで五十二年九月と十月に建設業者の寄宿舎、飯場の一斉調査をやったら、違反事項が七割、特に防雪、防災関係なんかいけないので、そこで、もう一度労働省として寄宿舎、飯場の調査を一斉にやられて前進させる必要があると思いますが、ここいらの問題、具体的に答えていただきます。
○小粥説明員 いま先生お話しのとおり、一昨年全国の建設業の寄宿舎の臨検監督をいたしました。その結果、相当違反率が出たわけでございます。ただその場合、基準法あるいはそれに基づく規則の違反の有無を中心に調べましたので、実際に一人当たりの居住面積がどれくらいで、また、それがそれ以前に比べてどう変わってきたか、個々の事例までは実は承知いたしておらないわけでございますが、制度といたしまして建設雇用改善法がつくられまして以降、そういう建設業の寄宿舎を設置する場合、国としても助成をするようにいたしております。そちらの方は、規則で定める基準以上のもの、一人当たり三・三平米ということになっておりますが、そうしたものをできるだけ今後つくっていくという方向の助成制度を設けております。そちらの方でさらにいいものにしていきたいと思っております。 なお、基準の二・五平米それ自体が妥当かどうかという点は、確かに問題があろうかと存じております。規則ができましてすでに三十年を超えまして、その間二・五平米はそのままになっております。ただ、恒久的な寄宿舎の場合も含めて二・五平米になっておりますので、これは直ちにどうこうというわけにはなかなかいかない問題もございますけれども、私の方としてもなおその実態を調べまして、今後検討させていただきたいと思っております。
○津川分科員 三・三平米でつくったという実例、私もまたあした見せてもらいますけれども、そういう例を全国の経営者に配って進めていくべきだと思うわけです。 文部省はおいでになっていますか。——実は、子供と出かせぎ者との間における人間、子供のあり方なのですが、これは「出稼ぎと教育」といって、青森県の西津軽郡の教員組合の人たちが、自分の教えている子供さんのお父さん、お母さんが出かせぎに行っている飯場、現場を訪ねて、その状況で討議し合ったもので、嶋祐三さんという名前で発行されておりますが、こう書いてあります。「六月、A子(五年)の父が出稼ぎ先で急死した。葬儀の後、A子は、担任の教師に父の死について「ふだん、家にいないから悲しいともなんとも思っていない」といい、いつもとかわらない態度でいたということであった。私たちはそのことを聞き、」「私たち」というのは先生方ですが、「出稼ぎが親子のきずなを断ち切っていたことにがくぜんとした。(中略)父を失ったことで不幸であることのほかに、子が父にたいして愛情を持てなかったこと、父が子に持つ愛情をA子が知らなかったことにかぎりなく不幸を感じるのである。」「授業のなかで、A子のような「心の過疎」を」どう取り除くか、ここに教育の本質問題があると言っている。先生方、この出かせぎ者の文集を発行した柏村の教育委員会、それぞれの皆さんが一生懸命こういうことをやっている。 もう一つ、私が実際ぶつかった例では、川崎に出かせぎに行って十一カ月ぶりでお父さんが帰ってきた。子供がお父さんが帰ってきたと言わない。川崎の人が帰ってきたと言う。子供とこのずれがある。これは教育だけでは片づかないが、教育にかなり重い責任があると思うのです。出かせぎ地帯というと東北、沖繩、九州の南、ここいらあたりは、少し減ってきたけれども最近またふえ出しているし、かなりの数になっておりますが、先生方や教育委員会や父兄の苦労に文部省としても何らかの援助、指導、アドバイスの特別な措置がこの地域に必要かと思うのですが、この点はいかがでございますか。
○中島説明員 御指摘の点でございますが、御承知のとおり、たとえば小学校におきましては、三つの領域で教育を行っております。各教科と、国語とか算数とか社会とか理科というものでございますが、それから道徳、もう一つは特別活動、この三つの領域で指導を行っております。特にいま御指摘の件につきましては、家庭の重要さあるいは親子の愛情の大切さ、こういったものは道徳で特に重点を置いて指導しておるところでございます。道徳というのは、一週間に一時間の道徳のための時間というものを設けておりますけれども、道徳の指導そのものは、この特設の道徳の時間に限らず各教科、それから特活、学校の全教育活動を通じ、全教員がこれに当たるというのをたてまえといたしております。 それで道徳におきましては、この小学校段階で重要と思われます二十八の徳目を学習指導要領の中に設けておるわけでございますが、その中に「家族の人々を敬愛し、よい家庭を作ろうとする。」ということを重要な徳目の一つに挙げておりまして、その内容は、「低学年においては、父母などに対して感謝の念や親愛の情をもつことを、中学年においては、家族の一員としての役割を果たすことを加え、高学年においては、更に、家族の立場を理解し、楽しい家庭にしようとすることを加えて、主な内容とする。」こういうことを挙げまして、家族、それから家庭の大切さというものを教えているところでございます。 それからもう一つ、家庭科におきましても、被服、食物等と相まちまして住居と家族について重要な指導の一つとしておりまして、「家庭における家族の立場や役割を理解させ、自分の分担できる仕事の仕方を工夫し、家庭における仕事に協力することができるようにする。」ということで、家庭の重要さということをその指導の大切な柱にいたしているわけでございます。 なお、御指摘の出かせぎの問題につきまして具体的にどうかというお話でございますが、私どもでこの学習指導要領を通じましての内容面の充実を各地域、学校の特質に応じて工夫をしていただくことを期待しておるわけでございますが、私ども、たとえば青森県の教育委員会等に連絡をとりましたところ、各地方教育事務所の指導主事等を通じまして、そういう出かせぎ家族の家庭の子供たちの教育について特に入念な指導をするようにというふうな指導をいたしておるということでございます。
○津川分科員 この柏の教育委員会の「つなぎ」という文集、これを見て、私は非常に大事なものを感じたのです。子供さんがお父さんを思い出すのはしかられたお父さん、子供さんと遊んでくれたお父さん、酔っぱらって、おまえ悪いけれどもと子供たちに助けられたり、世話されたり、問題を起こしたお父さんを子供さんは忘れていないのです。教育のもう一つのかなめ、親と子が遊ぶ、そこのところでやはりゆとりを持たないと本当のことにはならないと痛切に感じたわけです。時間も余りないのでそう繰り返しませんが、出かせぎの多いところでは、そういう形の指導が必要であると思います。問題の青森県教育委員会では、かつて出かせぎ者の子供で問題を起こすのは性格がおかしいと言っていたのです。そうじゃない。そういう点での緻密な指導を求めて、次に進んでいきます。 渡辺大臣が話してくれた、うちから通える体制、これがやはり非常に大事なんです。公共事業を扱っている農水省にお尋ねしてみますと、雇用を促進して出かせぎを少しでも少なくする、家の近くで、家から通えるところで働けるようにするということは、大臣の言われたように非常にいいこと、大事なことです。不況と雇用促進のために、農水省でも建設省でも、かなり大規模な公共事業をやる予算を五十四年度も組んでおります。私のふるさとの弘前と黒石では五十年と五十二年に大水害があって、その復旧工事か大規模に行われたために出かせぎ者がかなり減りました。災害は困りますけれども、こういう点では公共事業というのは非常にいいものなんです。 そこで、公共事業という立場で雇用を促進させる、出かせぎ者をもひっくるめた雇用を促進させるという農水省や建設省のやる公共事業に、出かせぎ者を含めて労働者を使う。余りに機械化されると、公共事業を大型の機械作業でやる大会社ばかりにやらせると雇用がふえないから、地元の人たちがふえるような形で、地元の業者を使い、地元の人たちでやる、これを義務づけていく必要があると思うのです。そういうふうな指導をぜひする必要があると思いますが、これは農水省と建設省に答えていただきます。
○大場政府委員 手前みそみたいでありますが、いま基盤整備事業の工事比率の中で、労務比率はかなりほかの公共事業に比べて高い、二六%ぐらい。あとは林野にしても漁港にしても同じでございます。そういう意味で、私ども基盤整備事業を進めていきたいと思っております。また、地元の業者をできるだけ取り入れたい、これはもちろんそういう方向で指導していきたいと思います。 それから、労務比率をさらに高めるために、大規模機械を使わないで手作業的なものをできるだけ取り入れる、これは実はコストとの関連もありますので、一概には言えませんけれども、できるだけ地元の労力を取り入れる、こういうかっこうで指導しろ、こういう御指摘はそのとおりだと思います。そういうふうに指導します。
○津川分科員 建設省来ていないそうですが、建設省にそういう立場で指導して連絡して協議するように、ひとつ労働省いますか、いたらお願いします。
○齋藤説明員 最近出かせぎ労働者の数が大分減ってきております。その理由は、いろいろあろうかと思いますけれども、その一つとして、非常に地元への公共事業の発注が多くなっていることが挙げられておるわけであります。そういう意味で、最近の公共事業の発注が出かせぎ労働者の方々にとって非常に役に立っておるということは言えるだろうと思っております。 労働省といたしましては、従来から、出かせぎ対策の基本はやはり地元で就労できるような体制をつくる、いわば、出かせぎに行かないでも済むような体制をつくるということが基本だろうと思っておりまして、その面で、関係の都道府県にもいろいろ指導しておるところでございます。今後も、そういう基本方針で、できるだけ公共事業には地元の方を使っていただくというような指導を関係都道府県にもしたいと思いますし、また、現にやっております。また、関係の各省にもそういうことでお願いをしていきたいというふうに思っております。
○津川分科員 いま農林省と労働省から答弁がありまして、農林省で本当に事業をやると出かせぎは少なくなるので、この点はぜひひとつ義務的につけるまで、指導だけでなく、いま雇用を促進するというのは非常に大事なときだから、そこまでがんはっていきたいと思うのです。 もう一つ、そこで工事費なんです。青森県の出かせぎについての調査で、なぜ出かせぎに行くかというと、農業だけでは生活ができないという人と、地元の職場は賃金が安くて、東京へ出ていかなければならぬ、この二つが出かせぎの理由の主力なんです。そこで、賃金が問題なんですが、私の調査で、五十三年の十月改定青森県の土地改良事業労務単価表によると、普通作業員が日で六千百二十円、冬季加算六%加えて六千四百八十七円、これが労務単価表に載っている三省協定の賃金なんです。現実に現場ではどうかというと、Aという事業を見たら、普通作業員六千百二十円なのに対して四千二百円なんです。六割五分いっていないのです。軽作業で言うと、青森県土地改良事業の労務単価表だと四千四百八十円、これが四千百円なんです。鉄筋工で言うと、労務単価表だと八千八百三十円、これが何と四千百円なんです。こういう例を私は二つ、三つこの質問のために拾ってきたわけなんです。この例に見られるように、農林省や建設省の事業で、補助事業で行われているものもある。政府が関与している。ここがこの単価表くらいになったならば、実際この単価表に近いものが東京でやられている。そうすると出かせぎ者が地元に定着するわけであります。こういう指導、特に事業の下請、孫請、またその孫請、五段階までの下請に来たときは賃金はぐっと低くなっている。こういう点で、地元で働けるような賃金を確保してやる点で、まず農林省に、次いで労働省にお尋ねします。
○大場政府委員 三省協定、確かにあるわけでありますが、建設、運輸、農林水産、これは建設労務者の賃金実態調査を、たしか年二回だったかと思いますが、しまして、多少調査期間と現在時点との修正ということがあるにせよ、大体その実績というものをベースにして決めているということであります。各県別にもちろんやっておりますし、県の平均値をとっている。青森県は青森県の実態調査と結果の平均値をとって、それを工事発注の際に予定価格をつくるわけですが、その場合の基準労務単価のベースにする、こういったかっこうをとっているわけでありますから、政策的にこうだというかっこうでの採用の仕方では実はないわけであります。したがって、その基準単価というものも、企業でこれだけの賃金単価で雇いなさいということを拘束的な形で縛っているわけじゃないということは御理解願いたいと思うわけであります。したがって、実態と基準単価の間ではかなりばらつきがあって、高いものもあるわけです。先生は低い方をおっしゃいましたけれども、高い方もあるということで、これはかなりばらつきがあるということであります。ですから、実際に賃金の形成というのは、その地方の労働マーケットによって形成されるわけです。そこはいろいろ差が出てくるということは御理解願いたいと思います。 それから、私どもとしては、この基準単価というのは予定価格の基礎になるのでありますから、取り扱いには注意を要するわけでありますが、一方、県にもよく連格して、あるいは県以下の土地改良区、そういったところに工事の発注者がありますから、そういったところにも基準単価というものの性格はよく徹底させたいと思っております。
○津川分科員 そこで、これは知事の査定で上げられるのだ。したがって、強く指導してほしい。 最後の質問です。積寒の労働賃金、特別な補助を出している。これが五十四年度で切れる。あれなりにやはり地元で働ける体制をつくっておるわけ。これは雇用保険を九十日を五十日に直すときに暫定の措置として特別援助をした。これはやはり延ばしていただかなければまた出かせぎが多くなるので、この点の労働省の見解を伺って、私の質問を終わります。
○齋藤説明員 いま先生御指摘ございましたように、積雪寒冷地冬期雇用促進給付金制度は、五十二年度から五十四年度までという三年間のいわば時限的な制度として創設されたものでございまして、このままでいけば五十四年度で終わりということになるわけでございますけれども、現在関係の都道府県にもお願いをしておりますけれども、ことしが終わりますと二年間実績ができるわけでございますので、その二年間の実績を十分踏まえた上で、あるいはこの給付金制度がどのような効果を果たしたか、いろいろな点から過去の反省をしてみなければいかぬだろうということでございますので、その反省を当面やりまして、最終的にどうするかということを決めたいというふうに思っております。私ども現地の方々のお話を伺いますと、あの制度をもう少し延長しろ、こういう御要望は確かにいろいろ伺っておりますので、その辺も十分踏まえまして検討させていただきたいというふうに思っております。
○津川分科員 終わります。
○笹山主査 これにて津川武一君の質疑は終了いたしました。 井上普方君。
○井上(普)分科員 通産省の篠浦農水産課長にちょっとお伺いします。来ているかな。——あなたは、シトラスレポートというのを御存じですか。
○篠浦説明員 シトラスレポート、特に存じませんけれども……
○井上(普)分科員 ぼけるのもそこまでぼけたら大したものだと思うのだな。シトラスレポートというのは、アメリカのCIAがつくったというレポートで、オレンジの輸入に関していかに官界あるいは政界がオレンジ業者にたかっておるかというレポートでしょう。それを知らぬとはよくぬけぬけとおっしゃったものだ、こう思うのだな。知らぬなら知らぬでよろしい。 それで、通産省はオレンジの輸入に関して割り当て制をとっておるが、その割り当て表を要求したい。これは割り当て制を始めてから今日までの各業者の実績を全部発表せい、提出してほしい。
○篠浦説明員 輸入割り当てを受けております業者の具体的な名前ですとかあるいは割り当て量、そういった問題につきましては、各私企業の秘密にかかわる事柄だということで、従来から公表しないことになっておりまして、お答えできないということでございます。
○井上(普)分科員 私企業の利益のために国家権力が介入して割り当てをしているのじゃないか。それがなぜ発表できない。あなた方発表しないなら、われわれ要求するのだから。われわれ予算委員の要求は、予算委員会の議決を経たものとして要求することになっている。しかも国会というのは、こういう行政が適切、効率的に行われておるか否かということを監督する権限を国民からわれわれは与えられておる。したがって、あなたに対して、行政当局に対して私は要求する。
○笹山主査 あなたで答えられない場合は、大臣を呼んできて明確に答弁してください。
○篠浦説明員 私ども先ほど申し上げましたように……
○笹山主査 あなたは説明員の段階なんだよ。政府を代表する資格は君にないのだよ。わかった。
○井上(普)分科員 主査におかれましては、私の要求をひとつ取り上げられることを強く要求したいと思います。
○笹山主査 いや、取り上げるか取り上げないかはわからぬけれども、説明員で答えられないでしょう。
○井上(普)分科員 だから、発表できないと言うのだから、私はそれでは予算の本会議において要求する。そしてともかくこのように、毎日新聞が御存じのように「オレンジの陰謀」という続きものすら書かれておる。CIAレポートというのが、こういうようになって出てきておる。アメリカの議員なり政府関係者は全部オレンジの輸入業者の名前を知って、割り当てを全部知っておるにもかかわらず、われわれ国会議員には全然知らさぬというような不当なやり方をいまやっておることに対しては、私ははなはだ遺憾に存ずるのであります。強くこのことは言っておいてほしい。しかも、このオレンジのシトラスレポートなるものは、オレンジの通商交渉が行われるさなかにアメリカ政界あるいはジャーナリストにばらまかれた文書だ。あなたが知らぬというのであれば、それはあなたの怠慢としか思えない。新聞社の諸君はこれを書いているのだよ。その名前さえ知らぬというようなことで業務ができるとは私は思わない。もういい、あなた。答弁はよろしい。あなたに言われるまでもなく、私も持っているのだ。割り当てがどんなにして行われているかは、ここに持っているのだよ。あなたが極秘にしておるけれども、去年の五月の割り当てをしようとするときには、この書類が添付されて、あなたのところに業者からは行ったはずだ。それまでもあなたは隠すのであれば、私は正式に要求する。 そこで、私は、問題は別なんです。きょうは、全農という農業協同組合の全国組織がある。これは大臣、よくよく農政通で御存じです。ここで私らは全農の諸君から、あるいは全国の農業協同組合の諸君から、ひとつオレンジの輸入の自由化を反対してほしい、輸入をひとつ極力減らしてほしいということを陳情を受ける。それは日本の段々畑であのようなミカンをたくさんつくらしておる零細なる農民と、何千町歩というミカンをつくっておるアメリカの業者とでは太刀打ちできないのだ。われわれもそうだ、そのとおりだ、われわれ自由化に反対しなければならぬ。そして農林省はこれに対して抵抗を示した。アメリカがオレンジの自由化をしろということに対して抵抗を示しておる。その後ろには、われわれに対して全国の農協の諸君がやってくれ、やってくれといって四十八年以降応援してきた、オレンジの自由化をやられて以来。ところがどうだ。組合貿易といって農協の、全農の子会社が輸入しているのじゃないか。このことを大臣どう思う。びっくりした。それはいかにもたくさんの業者がある。ここに私が持っておるのでも、これは九十一と言っておるけれども、その中にはミスターPF氏と関係の深いと言われるような業者もあるように見受けられる。しかし許せないのは、組合貿易がオレンジ輸入の割り当てをもらっておることだ。監督官庁としてどう思う。この点をお答え願いたい。
○二瓶政府委員 組合貿易がオレンジの割り当てを受けておるわけでございますが、これは組合貿易が四十六年の八月にセイコー貿易という会社を吸収合併をいたしまして、この会社はミカンのかん詰め等の対米輸出を主業務としていた会社でございました。そのセイコー貿易を吸収いたしましたので、その際にセイコー貿易が所持しておったオレンジ輸入の営業権、これも譲渡を受けまして、以来組合貿易がオレンジの輸入を行っているという経緯になっております。
○井上(普)分科員 なぜ農協がこれをやめなかったか、なぜそれを指導しなかったか。農協の諸君は、われわれにはオレンジの自由化に反対してくれ、恐らく農林大臣のところへも要求が来ているでしょう。農林大臣、あなたは昔政務次官をやったのだから、そういうことがあったでしょう。ところが組合貿易という子会社が輸入している。大臣、どう思います。これは大臣の答弁だ。こういう不都合なことをやっている。——よし、時間がありませんから、あなたの答弁ならいいです。 去年、チェリーの自由化に対して自由化反対と言って、これまた農協から私のところへ盛んに自由化に反対してくれと言われてきた。山形県あるいは北海道のサクランボの生産業者にとっては大きな痛手をこうむるだろうと思ってわれわれは反対した。しかし、政府は圧力に負けて数量を決めて輸入することにした。実際に輸入しているのはだれかといいますと、これまた組合貿易だ。こういうことをやっている。組合貿易が輸入しているじゃないか。組合貿易の資本金は幾らだ。八五%は農協が出資している。五億三千万円の資本金のところで四億八千万円までは組合が出資している会社だ。いいですか、大臣、あなた方はオレンジの輸入は日本国内のミカン製造業者は零細なので見てくれ、しかもそれは農協をバックにして強く突き上げられている、われわれはひとつ反対しなければならぬ、国内情勢を見てくれということでアメリカに対抗してきたと思う。日本のサクランボも気候条件から一部に限局されている、しかも地域産業なんだ、これがつぶれたら大変なことだからサクランボの輸入は反対だ。しかも農協からもこのような圧力があるのだ。農協と言えば農民の協同組合なんだ。それが反対してきた。ところがふたをあけてみたら、さあ農協の子会社がサクランボをじゃんじゃか輸入している。これで対外交渉ができますか。弱くならざるを得ない。あたりまえの話だ。 もう一つ聞きましょう。畜産局長、このごろモーモーフライトというのがある。アメリカから生きた牛をそのまま飛行機に乗せ日本に持ってくる。これは自由化している。これは牛肉の割り当てになっていない。これは組合貿易はやっていませんか。どうです、わかりませんか。
○杉山政府委員 生きた牛の輸入は現在自由化されております。これにつきましては、成牛と子牛とに分かれております。成牛につきましてはそれぞれ商社が自由に輸入しているわけでございますが、どういう企業が輸入しているか、組合貿易がどの程度輸入しているかということについては、この席では詳細資料も持ち合わせておりませんので、お答えできないわけでございます。
○井上(普)分科員 私の調べたところでは、これまた組合貿易がやっている。アメリカの牛肉の輸入を抑えて、そして日本の畜産業者を守ろうじゃないか、農林省の大方針でしょう。渡辺農林大臣もやがてアメリカに行って、その交渉をするのでしょう。ところが全農の子会社、八〇%以上出資しておる会社が、さあ成牛は自由化だというのでこれを輸入して、国内で売っている。こんなことをされて、あなた交渉できますか、どうです。アメリカに、牛肉を輸入さしてくれるまい、日本の畜産業者を守るために輸入の自由化から守らなければならない国策なんだとあなた言えますか。どうなんです。言えますか。チェリーにしてもミカンにしても言えますか。もう御答弁は、その苦しいお顔を見ただけでいい。言えないはずです。後ろで、畜産業者であり、チェリーの生産者であり、ミカンの生産者の代表がそれらの物を輸入しているこの実態、これを農林省は監督しているのです。指導している。この指導監督の責任は農林省にある。それで一体日本の国益を守るということが言えるかどうか、お伺いしたい。
○今村政府委員 オレンジの輸入につきましては、組合貿易がやっておりますのが約四百トンくらいと承知をいたしておりますが、これは、組合貿易がそれを入れまして、そして国内産の果汁と混合いたしますための数量でございます。したがいまして、一つの目的は、全農がそれぞれの直販を行いますための品ぞろえをやるために、ある程度のオレンジを品ぞろえのために扱っていくことか国内のミカン販売その他について利点があるという観点が一つはあると思います。 それから果汁につきましては、協同果汁が行っておりますミカンとのブレンド用という観点から行っているわけでございまして、必ずしも、国内のそういう販売と全く遊離してオレンジ果汁を入れているわけではないということでございます。(井上(普)分科員「チェリーのことは言わぬじゃないか、チェリーのことは」と呼ぶ)
○笹山主査 井上分科員、発言を求めてからやりなさいよ。
○井上(普)分科員 失礼しました。 大臣、こういうようなやり方でいいと思いますか。ジュースだって同じように組合貿易は輸入しているのですよ。玉ぞろえだの何ぞろえだの、へったくれとか言うけれども、やっているのですよ、チェリーだって。数量を申しましょうか、どれくらい輸入しているか。組合貿易が輸入しているのは、資料を持っているのです。チェリーなんというのは去年からでしょう。どれだけあなた方は抵抗したのですか。ここに私は数量を持っている。こういうことをやっている。これであなた、対外交渉ができますか。あなたの指導監督下にある農協なんだ。どういう指導をこれからやりますか、お伺いしたい。
○渡辺国務大臣 いきさつはどういういきさつかよくわかりませんが、素朴な疑問としてはそういう意見があって一つもおかしくないと私は思うのです。 しかし、このジュースの問題は私は理屈があるのではないかと思います。生産者がジュースをつくっているのだから、それを売るのに日本のジュースだけでは売りづらい、だからまぜて売るから私に割り当てをよこせ。それで、決まってしまったことについては、ほかへばかり売られても困る。これは私もよくわかる。オレンジとチェリー、サクランボですか、それと牛。オレンジの問題については、では農協はだれに売るのですか。組合員のために組合員にアメリカのミカンを売るのかという理屈は一つあるわけですよ。問題はそのシェアの問題だと思いますが、ともかくこれは農協で米を食え、米を食えと言ってラーメンを売ってけしからぬという話と同じような話で、実際輸入したものはだれかに売るのだから、どうせ枠が決まってしまっているのならば農協にも枠をよこせという話だろうと思うわけです。ですから、そのシェアが余り大きかったり何かすればまたこれも議論のあるところだと私は思います。 牛については、これは生体の牛を入れて、農協が、要するに枠はもう決まっているわけですから、だれか入れるわけですから、枠が決まってしまえば。——生体は自由化ですね。失礼しました。生体については、農協としても、国内の子牛が高過ぎるからということかどういうことか、これらの問題については、よく一遍検討させてもらいます。
○井上(普)分科員 渡辺さんははっきり物を言う方だと私は思っていた。そして筋を通す方だと思っていた。いまの態度は何ですか。かつての渡辺美智雄は一体どこへ行ったのですか。あなたは農協の指導監督の立場にある方なんだよ。これを国民が、消費者が何と言いますか。われわれだって、ともかくミカン生産農家のためには反対しなければいかぬと農林省を叱咤激励したはずなんです。ところが、そのミカン生産業者の集まりである全農の子会社が輸入している。ジュースはおっしゃるとおりわかります。だから、おれはジュースを言っていない。丸い玉ばかり言っているのです。いいですか。牛だってそうなんです。チェリーだってそうなんです。これで国益を守れるか。あなたが交渉に行っておる後ろから鉄砲を指しておるようなものではないか。そうして、この割り当て表を出せと言えば割り当て表を拒否する、どうなっているのですか。しかも監督官庁の渡辺美智雄は、いままでの筋を通す男がふにゃふにゃ、ふにゃふにゃ。何だ、その態度は。
○笹山主査 丁寧な言葉を使ってください。
○井上(普)分科員 こういうことなんです。これでできるか。まだ私は一つ、二つ申し上げる。 農協の指導官庁は農林省だ。しかし、この農協の実態を聞いてみますと、はなはだ私はどうも農民から離れておるように思われてなりません。農協法の第一条、第二条に農民の利益を守るのだということが書いてある。これから外れたような運営がなされてないかどうか。 一例を挙げますと、子会社をたくさん持っています。子会社は持っておるけれども、その中には同じような会社が二つある。計算センターというのも持っておる。第二計算センターというのも持っておる。同じ仕事をやっている。そうして役員は全部この共済連の連中と大体重なり合っている。そうして、見てみたら、役員報酬も二重取り、三重取りしているのではないかという疑いが私にはある。少なくとも子会社の役員報酬なりあるいは特別報酬なんというのは、普通の会社であっても良心的な経営者は辞退するのが普通であります。ましていわんや農民の組織である農協においてこういうことが行われておる、まことに残念であると同時に、農林省の指導は一体どうなっているのだと言わざるを得ない。この点について、わかっておるのなら答えてください。
○今村政府委員 協同会社と申しますのは、御存じのように農協系統で出資の過半数あるいはまた議決権の過半数、二分の一以上を持っておるというふうに私たちは考えておりますが、そのほかにも、議決権の二分の一等以外にも出資をいたしておるわけでございますが、そういうふうな出資につきましては、これは農業協同組合について申しますれば、その事業の円滑な実施といいますか、事業の延長線上の協同会社を設立すべきものであるというふうな方針のもとに、協同会社の設立につきましては総会の議決を得るように、また協同組合の総会の議決以前におきましては、目的でありますとか事業計画等について組合員によく周知させ、また同時に定款でありますとか事業計画でありますとか出資者の構成、役員の構成等につきましては行政庁に届け出る、それからまた管理運営につきましては、事業内容を変更するときにも同じく総会にかけ、それから行政庁に届け出、経営内容につきましても所要の報告をさせるようにいたしておるところでございます。これは農協法上出資をするということは特に規制をいたしておりませんが、私たちとしましては模範定款その他、指導上、以上申し上げたようなことをいたしておるわけでございます。 したがいまして、そういう出資の過半数、議決権の過半数を持ちますような協同会社の設立につきましては、私どもとしましても、今後十分指導をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○井上(普)分科員 顧みて他を言うといいますか、御自分の責任を果たしていないことを転嫁するための言いわけにしかすぎないと思います。 ここに一つの例があります。これは全共連、共済連の全国組織ですが、ここは金が余っていますから財産を持たなければいけないというので、不動産を買いました。これは四十五年の十一月十日に新潟県の妙高高原の土地を買いました。そして長野県の茅野市の土地を買いました。片方は価格にして八億三千万円、片方は七億四千万円であります。一体この売買契約はどうなっておるかといいますと、全共連の会長滝沢敏さんなる人が売り手になりまして、そして御自分で御自分に売ることができませんので、代表監事の内山清一郎さんという方に売っております。この契約ができましたのが四十五年の十月十二日であります。ところが今度は、先ほど買い主になった代表監事の内山清一郎さんが、この会長の滝沢敏さんに十日後に売っております。何のことはない、キャッチボールをしているのです。十日後に片方が売り主になり片方が買い主になって、同じ土地じゃありませんよ、別々の土地を買っている。しかもその土地はどうなのかといいますと、これは明治百年の植林事業で、今後百年間はともかく売れない土地、自然公園法の土地、国立公園の土地、こういうのを手に入れておるのであります。ここしばらくは全然売買ができないあるいは法的規制のあるような土地なのです。それを全共連に買わしているのじゃないですか。知っていますか、こういうこと。
○今村政府委員 御指摘の案件につきましては、私の方でよく調査をいたします。全共連は財産運用で土地を取得できるわけでございますけれども、その土地の取得の形態がどうであったのか、また、いま御指摘のように、その売買を転々とさしたのがいかなる理由によるものか、これらの点について私どもの方で十分調査をいたします。
○井上(普)分科員 転々じゃありませんよ、農協が買っているのだから。しかも、売り手は代表監事であるときがあるし、片っ方は、代表監事に会長が売る、今度は内山さんが会長に売っている。売買契約はそうなっているのです。しかもその土地は、先ほど言いましたように開発不可能の土地、こういうことをやっているのです。これで、あなた方指導できておると言えるのですか。 さらにまたもう一つ、最後に申しますが、昭和四十九年に岩手県岩手郡玉山村において、土地三十万坪を七億一千万円で買うています。これまた明治百年の記念植林地で、百年間は開発が不可能の土地であります。こういうことをやっている。これが、全国の農民の利益を守らなければならない全共連の姿です。一体、このようなやり方、農協、全共連あるいは全農というのは、まさに官僚化していると言わざるを得ないのであります。そして利益のためであれば、先ほども申しますように、下部組合員のミカン生産農家、畜産農家あるいはチェリー農家の反対にほおかぶりして、しかも人に知らさないようにして子会社で輸入している。これが実態じゃありませんか。根本的に農協の組織を改編しなければならないと思うのですが、農林大臣の御所見を承りたい。
○渡辺国務大臣 大変貴重な御批判をいただいたわけでございますから、よく実態を調査をして、御批判にこたえたいと存じます。
○井上(普)分科員 以上で終わりますが、ひとつお調べになりたら御報告を願いたいと思います。
○笹山主査 これにて井上普方君の質疑は終了いたしました。 田畑政一郎君。
○田畑分科員 私は、農業労災のことに関しましてお伺いをいたしたいと思います。 まず、昨年同じこの分科会におきまして、私ども社会党の同僚議員でございます川崎先生がこの問題を取り上げられまして質問をされておるわけでございます。その中におきまして、特に、この農業労災が創設されましてから相当な年月を経ておるにもかかわらず非常に加入者が少ない、停滞しておるということにつきましては農林省の責任ではないか。特に、この膨大な農林省におきまして一名しか係の者がおらないというような実態を指摘されておるわけでございます。今日は農林水産省となりまして名前も非常に大きくなったわけでございますが、昨年から本年にかけまして、この問題に対する係員、あるいはその他の増設が行われまして、十分な対策を講じられたかどうか、まず第一にお伺いしたいと思います。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話ございました担当職員の問題でありますが、従来一名でございましたものを二名ということにいたしております。さらに、その他のものにつきましても応援をするという形でこの問題に取り組んでいく、こういう姿に変えてございます。
○田畑分科員 一名が二名になったといたしましても、とうてい今日の農業労災の加入の状況の劣勢を挽回するようなそういう姿勢とはこれは判断できません。 そこで、今日農業労災の加入状況は、きょう時点でどうなっておるのかということでございます。そして、その加入が少ない原因について農林省はいかが考えているかということをお伺いいたしたいと思います。
○二瓶政府委員 労災保険の特別加入制度、これに対します加入状況でございますが、現在把握していますのは、五十三年三月末現在、これが最新でございますので、この数字で申し上げますと、合計で八万七千人でございます。内訳は、指定農業機械作業従事者、これが五万二千人、それから農業事業主等、これが三万五千人という内訳になっております。 それから、この加入者が少ないということの理由はどう認識しておるかということでございますが、実は五十二年度に農林水産省の方におきまして、県を通じまして労災保険未加入農家に理由を、聞き取り調査をやったわけでございますが、その際の結果から見ますと、この制度を知らなかった、あるいは制度の内容がわからないという答えをした農家が六七%、それから他の保険で十分であるというのが一三・三%ということでございます。その他、あとは一けたのウェートになりますが、危険な作業に従事しないとか、補償される範囲が狭い、あるいは掛金が高い、加入団体がない、保険はきらいだというようなこともございますが、ただいま申し上げましたように、この制度を知らなかった、あるいは制度の内容がわからないというのが六七%ということでございますので、よくこの制度の内容等につきまして周知を図るべく今後努力を傾注しなければならないもの、かように認識をいたしております。
○田畑分科員 このことにつきまして、全国農協中央会の営農部の金田さんという人がいろいろ論文を出しておられるわけでありますが、その内容を見ますと、一つは、適用につきまして加入の制限がある、農業に従事している者ならだれでも入れるものではないということが一つでございます。それからまた、二つ目には認定の問題がいわゆる労働災害とは違いまして、一人で仕事をしているという場合が多うございますので、そういう認定の問題がございまして、どうしても適用になる機会が繁雑であるという点があるわけでございます。それから第三番目といたしましては、ただいまもお話がございましたように、宣伝が非常に不足をしておる。それから加入の手続につきまして、これは労災保険事務組合あるいは加入組合等をつくらなければなりませんので、その点個人が希望したからといって直ちに入れるものじゃないということからいたしまして、組合の設立がないと入れないという根本的な問題がございまして、これが大きな支障になっておるということでございます。それから四番目といたしまして、御案内のように、労働者災害補償保険制度によりますと、これは労働者個人の自己負担で掛金を掛けるわけではございませんけれども、この農業労災につきましては保険料が自己負担になるというような幾つかのいわゆる隘路を挙げておるわけでございます。こういう隘路が一つずつ解決をいたしていきますならば、農業労災は大きく発展をするのではないかと私は思うわけでございます。したがって、いまお話がございましたけれども、個々の農家に調査をいたしまして、知らぬとかわからぬとかということは大した問題じゃないと私は思う。実は労働者の場合にいたしましても、三千万人ほど加入をいたしておりますが、制度の実体とか給付の内容とかいったものをどれほど熟知しているかといいますと、必ずしも知っておらないと思うのですね。しかし、実際には保険は非常に適用範囲が広まっておるわけでございまして、そういうことを考えますと、やはり制度自体あるいは手続の方法自体に大きい問題があるのではないかというふうに考えるわけでございまして、そういった点を、この農業労災についてどのように農林水産省としては判断をされているのかということをお伺いしたいと思います。
○二瓶政府委員 ただいま先生が申されました理由が、確かに加入か少ない面であろうかと思います。 そこで一つは、加入の制限と申しますか、だれでも入れないということでございますが、現在の特別加入制度という際に、農業事業主等というものと指定農業機械作業従事者という二つのものがあるわけでございますけれども、農業事業主等という場合は雇用労働者を使用する農業者とその家族従事者ということでございますので、雇用労働者を使用しない農業者は入れないという姿に現在の仕組みはなっている。また指定農業機械作業従事者、これも指定した農業機械を使用いたしまして、耕作等の農作業に従事する者ということでございますので、指定した農業機械で作業をするという農業者でなければならぬという問題が確かにあって、ここは制限的に相なっておるかと思います。したがいまして、特にこの指定農業機械の対象の機種、現在十三機種になってございますが、この面の拡大といいますか、対象機種の拡大の面については所管の労働省の方とも十分折衝して拡大を図っていきたいと思っております。 それから、認定の問題は確かにあるわけでございます。これも本当の農作業上での災害なのか、それ以外の災害であったのかの認定の問題も確かにございます。この辺は、農作業の作業形態といいますか、そういうものの本質の問題ともかかわりを持つわけでございまして、この面は非常にむずかしい問題があろうかと思います。 それから、宣伝不足という面につきましては、先ほど申し上げましたように、今後農業団体等とも連携を密にしながら宣伝をやっていきたい、こう思っております。 それから加入手続の問題でございますが、これは確かに個人で加入ができない、労災保険の事務組合をつくるとかあるいは加入組合をつくるとかという形に現在なっております。 〔主査退席、森(清)主査代理着席〕 いろいろ農協等がこういう労働保険事務組合になったり、あるいは加入組合という際も必ずしも法人格のあるものでなくてもいいわけでございますが、やはりそういう組合という形で団体的な姿で加入するという手続、この面は簡素化というものは非常に困難ではなかろうかと思っております。 したがいまして、以上総括して申し上げますと、対象機種の拡大の面について強く労働省の方に働きかけをし、実現を図っていきたい、かように考えているわけでございます。
○田畑分科員 それでは次の問題としまして、ごく最近の農業労災と申しますか、必ずしもこの制度適用とは言えませんけれども、災害関係は一体どれくらい発生しているのか、農林省どういうふうにおつかみになっていらっしゃいますか。その中で労災適用者というのはどれくらいの範囲でございますか。
○二瓶政府委員 近年におきます農業労働災害の発生状況でございますが、まず一つは農作業事故によります死亡者の方でございますが、全国で四十八年四百二十四人、四十九年四百四十五人、五十年になりますと若干減りまして四百十三人、五十一年が三百九十六人ということでございます。全体的には四十九年がピークで、それ以降漸減傾向にございます。 それからもう一つは傷害事故というのがあるわけでございますか……
○田畑分科員 いや、一つだけでいいですよ、幾つも言わなくても。それじゃ、死亡事故の労災適用者は何人ですか。
○二瓶政府委員 先ほど申し上げました農作業事故による死亡者、これは厚生省の人口動態調査によります個票を拾いまして、そこから農作業事故というものを拾い上げたものでございます。したがいまして、この中で労災の保険にどのぐらい入っておったかという形の調査をあわせてはここではやっておりません。別途、農業専従者の中で労災保険にどのくらい入っておるかを標本集落調査ということで、二百五十分の一の抽出率で集落を押さえまして、その中の全農家につきまして調査をしておるのがございます。それで申し上げますと、労災保険に加入をしている者が三%という数字が出てまいっておるわけでございます。
○田畑分科員 そこで、大臣に聞いていただきたいのです。お話がございましたように、農業労災というのは家族が入れないわけです。いわゆる機械を取り扱う第一人者しか入れない、こうなっておるわけです。ところが、私の県で農業会議が調査いたしました資料によりますと、これは九つの町村について一町村三十人ずつの婦人を摘出いたしまして調査をいたしたわけでございます。その中で、婦人がいわゆる農業機械を操作しているかどうかというのに対しまして、百九十九人の調査のうち百七人がいわゆる農業機械を操作している、こういうように回答しているわけでございます。そうしますと、半分以上が婦人が農業機械をなぶっているということでございます。 それから、事故につきましては農林省の統計資料が出ておるわけでございまして、五十二年度農作業事故調査結果というのが肥料機械課から出ております。これによりますと、全国的に見まして、死亡の場合は大体男三人に婦人は一人、こういう割合で婦人の死亡が記録されておるわけでございます。そういうことを考えますと、最近の農業機械化に伴いまして、婦人が相当なけがをしたり死亡しているものと推定されるわけでございますが、これをいわゆる農業労災から除外していることは決定的な欠陥だというふうに私は考えざるを得ないのでございます。 それから、ついでにもう一つ申し上げておきますが、いままでは農業というとじいちゃん、ばあちゃん農業というふうに見られておったわけでございます。これは私どもの福井県で調査をいたしました結果でございますが、五十三年度内にコンバインによってけがをした人だけでございます。これを見ますと、四十人けがをしておるわけでございますが、そのうちで四十代十五人、五十代十二人、六十代六人、三十代五人、二十代二人となっておりまして、四十代、五十代のコンバインによるけがの比率が非常に高うなっておるわけでございます。大体四分の三はここに集中しておる、こういう状況でございます。そうしますと、農業機械によるところのこういうけがは、どうしても働き盛り、一家を支える人に集中しておる、こういう傾向があらわれておるわけでございます。 そういう中で農業労災が非常に伸び悩んでおるということはまことに重要であると考えなければならぬわけでございまして、したがってここで家族労働者をどのように適用させるか、あるいはまた働き盛りを失うのでありますから、この農業労災を積極的に広めていくことが必要だと思うのでありますが、こういう点について大臣、いかがお考えになるか御答弁をいただきたい。
○二瓶政府委員 現在の労災制度の特別加入の際に、二種類……
○田畑分科員 大臣に答弁してもらいたい。私、大臣が出ているからこれを聞きたいのだ。大臣が答弁しないなら帰りますよ。
○二瓶政府委員 大臣の前にちょっと事務的にお答えをしておきたいと思います。 指定農業機械作業従事者につきましては、現行制度におきましても、運転者のみならずその補助者につきましても区別なく労災保険に加入できることになっております。 それからもう一つの、農業事業主等として加入する場合でございますが、こちらの場合におきましては、事業主とともに家族従事者も加入している場合には、当然所定の補償対象になるということでございます。 事務的な面をお答えを申し上げました。
○渡辺国務大臣 御指摘のように実態は、確かに高齢者の方がむしろ運動神経も鈍くなっていますから、けがする率が多いのではないかと思います。そういうような実態に合わせるようにひとつ何か工夫をする必要がある。 私、かねて思っておるのですが、これは保険金の問題等いろいろな問題とも関係をするので、いま直ちに農林省だけでどうだということはお答えできませんが、関係各省ともよく相談をしてなるべく多い人が労災保険に入れるようにし、また、現在ある制度に、知らないために入らない人がうんとあるわけですから、こういうものをもっとPRをして入りてもらうようにすれば、労災保険の恩恵がもっと受けられるのではないか、したがってそういう努力もあわせてやりたいと考えます。
○田畑分科員 大臣、ここに私ども福井県でやっております、これは町村単位で、農協もしくは町村が音頭取りになりました共済制度、いわゆる損害補償の共済制度でございますが、これが最近でき上がっております。全国からいろいろ照会があるわけでございます。現在、三つの市、町において行われておりますが、これは全戸加入でございまして、この三つだけで農家戸数一万一千戸が加入をいたしております。これは家族にも適用があるわけでございますから、仮に主婦を適用範囲内に含めましても二万二千人に適用がある、こういうことでございますね。これに対しまして、わが福井県の県全体で三十五市町村ございますが、ここで労災保険に加入している者の数は七百人でございます。たった三つの町村で一万一千の戸数が入っておるのに、片や労災には七百人しか入ってない。いかに労災が評判が悪いかということがはっきりすると思うのでございます。ことしじゅうにまた四つわが県においてはできることになっておりまして、全国からも照会がございます。 こういったいわゆる労災がいかに力を発揮してないかということを物語るわけでございますが、最近では、こういうふうに市町村にできてまいりますと、危険負担をなくしていくためにも再共済制度というものをつくってはどうかという話さえあるわけでございます。私は決してこれをいいとは思いません。本当は農林水産省が進めておる労災が全部に行き渡ることが一番望ましいと思うのでございますけれども、実際は次善の策としてこういうものが生まれてきているわけです。こういう現実を踏まえてこの労災問題を考えていかないといけないのではないかという状況にあるような次第でございます。農林水産省は、こういった市町村単位の相互共済事業について、一体どう考えられるかということでございます。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話ございました市町村なり単協でもって農作業中の災害の共助制度のような制度をつくっておるのは、現在全国で十市町村等ございます。この十市町村等のうち福井県が二つの市町と一つの単位協、坂井町農協というのがございます。ただいま御指摘ございましたように、この面につきましては、市町村といたしましてこういう互助活動というような角度のものとしてつくられておるのであろうと思いますが、ただ、やはり災害の危険の分散といいますか、そういう角度からいたしますと、なお不安定な要素が否めないということがございます。 それから、あと共済金の補償の水準でございますが、これも死亡の場合二百五十万程度とかいうのが多いようでございます。そういうことで、この補償の内容が必ずしも十分ではないという感じもいたします。 そういうことでございますので、共済保険の加入を進めますとともに、もう一つは、農協の方でいろいろな共済をやっております、養老生命共済なり普通傷害共済等種々の共済をやっておりますので、そちらの面への加入等の促進も進めてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○田畑分科員 時間がございませんので、最終的に大臣のお答えをいただきたいと思うのでございます。 最近、農業関係も大変変わってまいりまして、いま指定されております十三の機械取り扱いだけではなかなか農民は満足しておりません。私のところの農協組合長は、けさ電話によりますと、マムシにかまれたのもやはり補償してもらわなければいかぬ、こういう新聞発表をしているそうでございますが、農薬の被害とかいろいろ新たな事象が生じておるわけでございます。したがって、農業を行うに当たりまして起きるいわゆる傷害というものについて、これを全面的に補償していくという立場に立ったいわゆる農業災害補償制度、そういったものが今日の農家にとっては絶対に必要になっていると思います。だから、農林水産省がやらなければ自分でやるということにならざるを得ないわけなのです。しかし、農林水産省がある以上におきましては、やはりそういったことについては、農林水産省所管の農業労災と申しますか、当然そういった方向に向かって動かなければならない状況に来ておるのじゃないかというふうに私は考えておる次第でございます。農林水産大臣はかつて厚生省にもおられて、何せこういうことには非常にお詳しいわけでございますから、そうした点についてひとつ御回答をいただきたい、こう思います。
○渡辺国務大臣 これは私もそのような考えで調べてみたのです。ところが、労災といっても労災保険ですから、保険ということになるといろいろな統計とか作業基準がやはり一つ必要なわけです。機械なら機械はこういうふうに使いなさいとかいろいろあるので、全部の農作業の中で、いま言ったマムシにかまれるというようなことがあるでしょう、これは実際あると思います。それから、転落事故というのが多いのです、馬から落っこちる、がけからトラクターで落ちるとかカキの木が折れて落ちるとか。そういうような場合は、それじゃ、リンゴの木はどうなんだ、ナシの木はどうなんだ。細かくなってきますと、木の太さとかなんとかまでどういうふうに基準を決めるのか。馬にけ飛ばされる、これは案外あるのです。牛につつかれるとか馬にけ飛ばされる。ところが、馬というやつはあれは人を見てけ飛ばすからね、家族の場合はけ飛ばさないけれども、ほかの人ならけるとか。そういう場合の基準というのはどこに引くのだ。馬なら馬は全部同じといったってそこらのところの統計をどうとるのか、学問的に非常にむずかしい問題が実はありまして、ここらのところは何とかうまく詰まらないかどうか。それとも社会保障的に、保険には入らぬけれどもお見舞いといいますか、二百万とか幾らという額もあるが、それじゃそういうふうな制度で救ったらいいのか、そこら辺のところ何かうまい知恵はないものか、一遍研究をさせてもらいたい、かように思います。
○田畑分科員 終わります。
○森(清)主査代理 この際、午後二時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後二時三十二分開議
○笹山主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産省所管について質疑を続行いたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 これより渡部一郎君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に対し、参考人として有松晃君が御出席になっております。 なお、御意見は質疑に対する答弁をもって聴取することといたします。 渡部一郎君。
○渡部(一)分科員 私は、国際問題をここ十数年見てまいりました議員の一人として、日本の農業政策の根本に国際的な配慮がきわめて大きいという観点から大臣の御見識を承りたいと思っております。大臣が問題を非常に率直かつ簡明に整理せられておるお立場を承るにつきまして、私も率直に申し上げたいと思います。 たくさんのポイントがありますが、まず私の問題とするのは、世界的な食糧の需給の緩和基調はございますが、今後十年、二十年の中期的な時間帯を考えれば、人口の増加と相まって世界的には食糧の需給はやはりタイトにならざるを得ないのではないかと思っておるわけであります。こういう点について大臣はどういう御認識か、簡明に承りたいと存じます。
○渡辺国務大臣 おおよそそのとおりであります。
○渡部(一)分科員 そこで、これに対してわが国としてはお米やその他が現在非常に過剰であるとかいう問題も言われておりますが、わが国としての食糧の余剰処理あるいは食糧の備蓄という問題についてはどうお考えでございますか。
○渡辺国務大臣 すでに過剰生産されたものは何とか処理をしなければならない。処理の方法についてはえさとか工業用あるいは輸出、いろいろなことがお米については考えられております。備蓄といっても大体二百万トンが限界であって、この過剰状態の中では古い米を食わしてくれという声はありません。したがって、備蓄という場合は新しい米と古い米を入れかえていくわけですから、なかなかそうたくさんの備蓄はできない。したがって、お米なら大体二百万トンが限界ではないか。これとても、食糧用としては結局は新しい米と差しかえてということにはなかなかいかぬではないか。したがって、過剰状態をこれ以上つくらないための水田再編対策に本腰を入れているところであります。
○渡部(一)分科員 そこで、いままでのところ、こうした御認識については私も全く同意見なのでありますが、それではわが国としてこれからどういうふうに何をしなければならぬかという前に、わが国の食糧の輸入態様が余りにも米国一辺倒になってい過ぎないかという感じがするわけであります。こういうように全般的な食糧の輸入の対象が一国あるいは一方向に偏っていることについてどうお考えでございますか。
○渡辺国務大臣 別に米国から政府が奨励して仕入れておるわけではございません。自由貿易でございますから、ともかくえさとかそういうものはどこから仕入れても構わない。小麦についてはある程度規格を示しておりますから、品質のうんと落ちるものとか規格外のようなものを政府の食糧として買うことにはならない。したがって、そういう結果、小麦はカナダとか米国にどうしても集中するのはある程度やむを得ないと思います。 しかしながら、万一の場合において一国に食糧の輸入が集中することは、日米間のいまの状態では心配ないわけですが、やはり多角的な、安定的な輸入は国家の安全保障の上からいっても必要である、かように考えておるわけです。
○渡部(一)分科員 多角的な輸入に対しての施策といいますか、基礎的なお考えはわかりますが、それに向かってある種のメルクマールをおつくりになる気持ちがあるかどうか。今後何年間かかかりまして小麦についてはこう散らすとか、大豆についてはこう散らすとかいう御計画をお持ちでございますか。
○渡辺国務大臣 目下そのような計画は持っておりません。ただ、日本に輸出したい国は日本で買う食糧の規格はわかっておるわけですから、それに合わせたような生産体制をつくっていただかなければなかなか入ってこないだろう。したがって、そういうような生産体制を将来つくりたいというような技術援助その他については御相談に応じます。
○渡部(一)分科員 この点についてはいま率直にお答えいただいたのでお話が非常にしいいのですが、今後需給関係の多角化という問題についてはひとつ御工夫をいただきたい、こう思っております。 といいますのは、わが国の安全保障の問題とこの問題は非常に密接な関係がありますし、純然たる商業ベースの輸出入関係に依存すればわが国のそうした配慮を必要としない立場になってまいりますので、私としてはこうした点についても農林省の今後の指導力といいますか、行政指導の立場を強化してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 これは余りぎらぎらとやりますと、いまの日米関係のような問題もございますが、ぎらぎらやることはいかがかと思う。しかし終局的には多国間の安定輸入がいいのだということですから、何となくそういうようにするのが一番いいのではないか、こう思っております。
○渡部(一)分科員 これは非常にめんどうな問題ですが、基礎的なお考えをお示しいただいたのを一歩前進といたしまして次に行きます。 わが国では中国との間の貿易の問題がいま非常に大きな問題になっております。ところが、中国との関係において、工業を中心とするプラント輸出が中心になっておりまして、先方からは原油の輸入が中心になっている構造でありますが、きのうきょうにかけての新聞の報道にも見られるようにこうした関係では非常に不安定な関係であり、信用供与にも問題があり、中国側は既存のプラント輸入に対する発注を見直すため一斉に四千億近く発注を取り消したというような状況が生まれつつあります。乗り越えなければならぬ問題もありますが、私はやはり中国の現状に合わせて、これは中国だけでなく、開発途上諸国はいずれも農業構造を自分の国内に確定したものを持ち合わせない限り、工業的な発展あるいは輸出というものについても前進しかねる面があると存じます。そういった面では、中国に対する農業産品に対する輸出ができますように日本からも援助するなり行って、むしろ工業産品の日本に対する買い取りというよりも、農業産品における大きなきずなをつくっていくということがより安定した関係になるのではないかと思っておるわけであります。この点はどうお考えでございますか。
○渡辺国務大臣 私が特定の国の名前を挙げてどうこう言うことは差し控えたいと思いますが、いままでの海外援助というのが、ややもすると発展途上国ではデモンストレーション的に、時の為政者がでっかいものをつくってくれ、それに盲従的に従ってつくった結果が、水のないところへ製紙工場をつくってしまったり、電気を使う人がいないのに発電所をつくってしまったり、そのうちさびついたとかいう例もないわけではないのでございまして、そういうようなところに援助をしたり今度は日本までしかられたり、これはとても間尺に合わない話でございますから、やはり諸外国においても近ごろはもっとじみちな、同じく援助を受けるにしても地域の住民に直接役立つ、喜ばれるようなことがいまずいぶん考え直されております。したがって、それはとりもなおさず農業開発、人に売るよりもまず住民に腹いっぱい食わせることが先なのですから、したがって、そういう意味でも、売るというばかりでなく住民に腹いっぱいひとつ食べさせられるような体制をつくる、そういうところに日本もお手伝いをするのがいいのじゃないかというようなことなども考えまして、やはり中国の問題については、相手国からいろいろな御相談があればそれには応じてまいりたい、こちらから余り差し出がましいことは言う立場ではない、こういうことであります。
○渡部(一)分科員 大臣は非常にいいポイントを押さえておられますので、私は質問する必要がだんだんなくなってきましたのですが、過去の例に戻っても恐縮で、そういうことは反省されておるのはわかっておるのですが、いままでの経済協力の場合に、開発輸入という用語が農林省関係で使われ、特に東南アジアの某国に対しては、マイロの大栽培地が日本の企業の手でつくられ、日本の政府援助の手によって開発輸入の面においてつくられた。ところが大飢饉が来た。大飢饉が来たときに、そのマイロ畑の周りで農民が飢餓状態になって多く倒れて大問題になったというケースがここ数年ございました。そして結局は、したがって開発輸入の方式を第一にするのは問題が多いということがテーマになってまいったように思います。 私の手にしておりますのは外務省のあれで「南北問題と開発援助」という報告でありますが、その中で食糧の増産援助「被援助国の食糧増産計画に対して肥料、農薬、農機具及び農業機材を供与するものであるが、これらの供与された農業物資を現地で売却した見返り現地通貨を更に同計画の推進に必要な現地経費に充てることを義務づけており、わが国の技術協力とも相まって、人と物と資金とが三位一体となった真に効果的な援助として国際的に高い評価を受けている。」と書かれてあります。要するに、その国の国民が自分で飯を食うために必要な農業物資の援助あるいは農業技術の援助というものを中心に据えるということは、開発輸入よりも前に行われなければいかぬというふうに、序列をつけなければいけないのだろうと思うのです。この段階ではまだ序列がついていない。序列がついてないで、並列的に論じられている一項目であります。開発輸入は問題があるが、農業の食糧増産援助というのは非常にいいというふうに、これはただ書かれておるわけであります。私は先ほどの大臣のお口ぶりから見れば、当然被援助国の国民の希望する農業インフラの確立、あるいはそこにおけるところの国民が飯を食えるための手続というのを第一にして、日本はその要請に応じて取り組むという立場が必要だと思いますが、この辺大臣の御見識を承りたいと思います。
○渡辺国務大臣 私も全く同感であって、日本は皆さんが食べて余ったものを買うことはいいけれども、飢餓状態であるのに契約だからといって先取りして取ってくるということは、なかなか援助としても適当ではない。したがって、私は同感なのです。
○渡部(一)分科員 大変私は力強く感じておるのです。大臣は今後の農業の援助については、国際協力事業団なんかが実際はおやりになっておるわけでありますが、そういう方向に指導していくことが政府としての方針と承ってよろしいわけですか。
○渡辺国務大臣 いままでは、要するに外務省が勝手にプロジェクトを決めちゃって、それで持ってきて、農林省なり何なりにやってくれ、こう来たわけですよ。それはいかぬということで、私も閣議でこれを問題にいたしまして、ともかく莫大な援助をする時代になっているのですから、事前に関係各省とそれぞれの関係あるものについては協議をして、そうして失敗のないように専門家の話も聞いてもらって、それでプロジェクトを決めてほしいというので、閣議でもそれはそういうようにするということが取り決められましたから、われわれにも今度は相談があると思いますから、その節は私の持説を申し上げて、いま言ったようなことが実現するように極力努力をしてまいるつもりであります。
○渡部(一)分科員 いまの大臣のお話で非常に明快でありますが、国際協力事業団の有松理事がお越しでございますから、国際協力事業団としては、この農業援助に対しては、いままでの開発輸入を中心とされた面から被援助国みずからの食糧の充実という方向に中心を据えるべきだと私が申し上げ、大臣が賛意を表明していただいたこの問題に対しては、どう考えられ、今後どういうふうに計画を進められるつもりかをお伺いしたい。
○有松参考人 ただいま農林大臣がおっしゃった方針のとおりでございまして、国際協力事業団は関係各省で協議され、決定されます方針に基づいて農業協力も実施しておるわけでございますが、まず第一には、相手国の要請に基づいて援助相手国における食糧需給の改善に資する、こういうことを第一義に考えまして、余力ある場合は輸出にも資する、したがって、わが国の買い付けにも資する、こういうふうな考え方でございます。
○渡部(一)分科員 そうすると有松さんに伺いたいのですが、いままでのところは、たとえば日本の畜産業に役に立つトウモロコシであるとかマイロであるとか、そうしたものを開発輸入の形で相当大幅につくらせ、かつ入れたエリアがあります。そうした既存の計画については今後再考なさるということでございますか。
○有松参考人 ただいままでの事業におきましても、一例を挙げますと、タイにおきましてトウモロコシの増産をやる、こういうふうなプロジェクトをここ数年来実施しておりますけれども、タイの場合には主として輸出に充てる。輸出に充てるということは、相手国において輸出による外貨の獲得、こういうふうなことがございますので、そういった農産物の輸出国については外貨の獲得をもっとふやす、こういうふうな方向に対して相手国の要請に基づいて実施しておる、こういうこともございますが、やはり多くの発展途上国におきましては国内の食糧不足の問題が大きいわけでございますので、今後におきまして重点としては、やはり相手国の国内需給の改善に資するということを重点に今後は進めてまいりたいというふうに考えております。
○渡部(一)分科員 そうすると、今後においてはそういう点を大幅に改善すると見ていいのだろうと思いますが、いままで私がそれらの国々を回ってきた限りにおいては、外貨を獲得するためと称して、日本側が乗ってそのプロジェクトを推進したにもかかわらず、飢饉だあるいは農産物の産出が非常に不安定だとなった瞬間に、すべては日本が悪いことになり、すべては日本の農林省が悪いことになり、すべて全部こっちに責任をかぶせられて、日本帝国主義の陰謀というような形で一発で片づけられてしまう。外交も援助ももう全部みんな飛んでしまう。そして当該政府の不安定さまで惹起する。この点十分今後お考えいただくということで、いかがでございますか。
○有松参考人 それはおっしゃるとおりでございまして、私どもも、今後におきます農業協力の推進におきましては、援助を相手国の農民の福祉の向上に資する、こういうことを第一義に進めてまいりたいというふうに考えております。
○渡部(一)分科員 ここで問題が一つ起こると思います。 これは大臣にお答えいただきたいのですが、相手国の農民のためにはこういうものを推進した方がいいという場合と、相手国の政府が多少堕落してたりして、お金が欲しいから、農民の利害よりもこっちの方がいいのだとなった場合に、ただ相手国の政府の要求を一概に聞いているだけにはいかなくなってくる。あなたの要求はそうですけれども、おたくの農民は飯を食っておらぬじゃないですか、そのためにはこっちのものが先でしょうと言わなければならぬ場合が起こってくる。これは私は、内政干渉ではなく、日本国があえて言わざるを得ない面だと思う。この点を、いままでの経済協力の関係で接触なされた部局は比較的向こう側の言うなりになってきたために、逆にマイナスをかぶってくる。今後はそういった点についても勇敢に発言をし、おたくにとってはこういうプロジェクトは不要ですよ、むしろこっちがいいじゃないですかというふうに言っていただけるかどうか、そこのところが非常に肝心なので、ちょっとお伺いしたいのですが……。
○渡辺国務大臣 全くそのとおりなんですよ。それは私も、東南アジアを回ってみて、牧場を畜産のセンターにするというわけでつくった、行ってみたところが半分水浸しになっているわけですよ。どういうわけだ、何でこんな場所につくったのだ、向こうの政府が言うからというような話で、これは一つの例で、たくさんあるのです。 だから、それは、あなたのおっしゃったように、いままでと違って、それはもう相手国と外務省だけやっているからそんなことになるのだと、私、外務省からしかられるかもしれぬけれども、言っているのですよ。専門家の話も少しは聞きなさいということで、これからはそれぞれの専門家の意見をよく聞いて、きちんとした、各省とも協力するからには、政府の金でやるのだから、外務省の金だとかどこのとか、予算は違うかもしらぬけれども、国民の金なのだから、むだのないように、言うべきことは言って、助言すべきところは助言をして、そして効果のある援助をしなければ、かえってそれを反日運動の種にされるということがあるのですよ。だから、そういうことのないように、これから連絡を密にしてやりましょうということで、閣議決定をしたばかりであります。
○渡部(一)分科員 非常に力強く思いまして、多年にわたる日本外交の最大の難点が実はこれでありましたから、私も心配しておるのです。この辺、外務省のお役人と農林省のお役人との間の省内の交流、国内で交歓ももっとやられていいと思いますし、連絡が不十分だなんていうのは聞くにたえない事実でございますね。現地に大使館まであって、そういう言語に絶するようなことが行われているというのは、高い国民の税金で何をしているかということになるわけでありますし、私は非常に不愉快なわけであります。この点ひとつ今後においても十分の御配慮をいただきたい。 特にこれから人口が、現在四十億ぐらいですが、今世紀の末は七十億、低く見積もる方で五十九億、多く見積もる方で七十五億ぐらいという算定をされておりますが、食糧を実際に供与するということは重大な世界の安定のためのテーマになると思います。日本が食えるだけでなく、日本の周りの人を食わさなければならない。そうしますと、私は、日本の周辺の国との平和外交、平和友好の増進、日本の周りに戦争状態を起こさないというための非常に大きなテーマは、周りの国々に食糧を安定的に供与するということが第一に上がってこなければいけない。私は、経済協力なんというのをがたがた書いてあるけれども、一番の大きなテーマはその国に食糧をちゃんとあてがうということだと思うのですね。だから、主要テーマ、メーンのテーマになってきて、もっと予算も大幅につかなければならない、人ももっと養成しなければならない、機構ももっと整備しなければならぬと実は思っているわけであります。この点、周辺の諸国に対して、もうほとんどが食糧では不十分な国でありますから、そうしたプロジェクトをつくり直して、見直して、この国とこの国は何年までにちゃんと食事ができるようにするというようなことを、われわれ自身がむしろ主体的に考えてかからなければならぬ立場にいまや追い詰められつつあるのじゃないか、それが日本の外交の大きな判断の一つになるのではないかとまで思っているわけでありますが、いかがでございますか。
○渡辺国務大臣 私もそのように考えております。
○渡部(一)分科員 最後に私は、大臣、もう一つお伺いしたい。 これは畜産の関係でございますが、中国から食肉の輸入という問題が長い間こじれております。言うまでもないことでありますが、中国側で口蹄疫が撲滅されていないという判断をわが方側は持ち合わせ、先方においては、口蹄疫は撲滅されたと言い、そういったことで輸出輸入の状況が断絶しているやに伺っているわけであります。昭和三十年以来ですから、二十四年こじれているわけであります。 私は、中国はまだ牛や豚を大量に日本に送り込む段階ではないと思います。穀物も少ないのでありますし、牛、豚の頭数にいたしましても、人口割りにすれば、わが国より少ないのですから、そう無理はできないはずです。しかしながら、口蹄疫という病気があるから入れないのだというのと、おたくは売る物がちょっとそれは無理じゃありませんかと言って買わないのとでは、話が全く違うのであって、特にプライドというか、メンツの面が多く支配する東洋の国を相手にした場合には、そうした口実については慎重を期さなければならないと私は思っております。したがって、口蹄疫の問題については、ある意味の早い決着をつける必要があるのではないか。先方に口蹄疫に関する技術が足らないのであるならば、すでに経済協力事業の中に口蹄疫に関する研究所を設置した前例、口蹄疫ワクチン製造センターをタイ等には出した例もあることでもありますし、先方の都合もあるでしょうから、共同研究所を設立するというような口実で両者の協力体制をとってもいいし、こうした問題について、口蹄疫があるから牛を入れないのだという口実ではじくというやり方は、そろそろ変えた方がいいのではないかと私は思うのですが、御担当の方にその辺をお伺いしたいと思うのです。
○杉山政府委員 中国からの食肉の輸入につきましては、御指摘のように、口蹄疫、動物検疫上の問題が非常に大きな問題となって長いこと懸案になっておったわけでございます。何も中国だけということではなくて、口蹄疫の問題につきましては、私ども、あるからだめだというよりは、むしろ、ないということが確認できない、ある疑いがあるからこれをオープンにして入れることはできないという姿勢をとっているわけでございます。したがいまして、口蹄疫がないということの証明が得られますれば、これは何ら問題ないわけでございますが、率直に申しまして、この点についての意見の交換あるいは情報の交換ということは今日まで必ずしも十分ではなかったわけでございます。 それぞれ原因をたどれば複雑な事情もあるわけでございますが、これだけ中国との間で意思の疎通もできるようになってきた今日におきましては、私の方は、中国側から家畜衛生の制度なりあるいは伝染病の発生状況なり、あるいは輸出の検疫制度そのほかにつきまして資料の提供を受けて、その説明を十分なものと思い、かつ、こちら側から調査官を派遣して、向こうの実態について調査をして、差し支えないものというふうに判断できれば、いつでもこれは解禁する用意はあるわけでございます。 その意味では、やはりお互いのそういう意思疎通を一層徹底させることが前提になろうかと思います。その点、昨年あたりから私ども畜産局におきましても、直接口蹄疫の関係ではございませんが、先方の家畜の飼養状況を視察、かつこちら側の技術的な問題について助言をするというようなことで、意思疎通を種々図って、専門家同士の交流も行われつつある状況でございます。 私どもの方は、中国だけを特別にぐあい悪いというふうに考えているわけではなく、一般的にほかの国と同様に扱っておるわけでございますので、そういう事実関係の確認を待って今後の展開を図るようにいたす必要があるのかというふうに考えております。
○渡部(一)分科員 この問題について早急に両国政府の担当者の間のすり合わせを行い、明快な結論を、二十何年も長く引っ張るというのは相当の技術だと私は思うのです、両方で相当いやな気がしたに違いないので、こうした問題についてはさわやかな御報告をいただきたいと思いますが、これは省としての問題ですから、大臣に最後に一言承って終わりにします。
○渡辺国務大臣 私の方からその病気があるかないか調べさせてくださいというようなことはなかなか言えないわけです。ましていま牛肉輸入問題というのは生産者にとっても非常に不安で騒いでおる状態でもあるので、農林省から口蹄疫があるかないかひとつ調べさせますからなんということを余り言うと余計な騒ぎを起こす。したがって、こういうことは向こうの国から話があれば、私の方としては、いま局長の言ったような方針に従ってやらせていただきます。
○渡部(一)分科員 では、結構です。
○笹山主査 これにて渡部一郎君の質疑は終了いたしました。 古寺宏君。
○古寺分科員 最初に、鶏卵の生産調整の問題についてお尋ねをいたします。 昨年の国会におきましても鶏卵の問題は大分論議がなされまして、六月十四日には農林水産委員会で決議もなされているわけでございます。しかしながら、四百二十万羽を超えると言われるやみ増羽があるためになかなか生産調整が思うようにいかない。そのために中小の養鶏農家は最近は非常に苦しい状態に追い込まれているわけでございますが、このやみ増羽対策は行政指導だけでできるのかどうか、今後飼料価格安定基金等への加入を認めないというような措置を講ずる考えがないかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○杉山政府委員 鶏につきましては、これはブロイラーも同様な傾向がございますが、特に鶏卵の養鶏につきましては四十九年以降過剰供給が目立ちまして、業者間の自主調整による生産調整が行われているところでございます。これは生産者だけに任しておきましても確かになかなかうまく行われない、十分に守られないということがございまして、政府もこれに対して直接指導をするということを従来からやってまいったわけでございます。指導と言いましても、単にかけ声だけ、号令をかけるというだけではこれまた十分に徹底を期しがたいということで、今日まで各種の行政上の手段をあわせ用いまして、その効果を発揮するように努めてまいっております。たとえば鶏卵価格が暴落いたしました場合には一鶏卵価格安定基金というものがございまして、これに対する価格補てん措置を行うことになっております。その鶏卵価格安定基金への加入については、生産調整を履行していることを条件にするというようなことをやらせておるわけでございます。 それからまた、養鶏関係の各種の国の補助金がございますが、これも生産調整を行っていない農家に対しては補助をしない。あるいは制度融資これも生産調整を行っていない者に対しては融資をしないというようなことをあわせ用いまして、生産抑制を厳に行わせるようにやってまいったわけでございますが、率直に申し上げまして、価格の安定保証に頼らなくてもいい、あるいは国からの補助金をもらわなくても自力でもってやる、資金も自力でもって調達をするというような、企業としてある意味で合理化が進んだ競争力の強いところ、大手の一部にはあえて生産調整に従わないというようなところも出てまいったわけでございます。これが昨年大変問題になりまして、私どもといたしましてはさらに一層その徹底を期する必要があるということで、個別に呼びまして、これに対する抑制の要請を強く指導するというようなことで、着々その歩を進めつつあるわけでございますが、現在までやみ増羽の傾向は若干ながら減少する方向にございまして、幾分その効果を見つつあるということが言えると思います。 それから、これはえさの問題でございますが、飼料価格安定基金というのがございます。養鶏農家でそういった飼料価格安定基金に加入をしている者もあるわけでございますが、これについて加入を生産調整に協力をしない者は認めないかということになりますと、やや制度の趣旨は違うのでございますが、私どもといたしましては、飼料価格安定基金の助成を受ける者は生産調整を行っている者に限るとまではいきませんが、生産調整をやっておりますという一札をとりまして、あるいは行いますという一札をとりまして、そして加入をさせるということにいたしております。ただ、実際に生産調整が守られなかったときにこの飼料の価格安定制度の対象から除外できるかということになりますと、制度の趣旨も違うことから、まだ実際にそういう事例は出ておりませんけれども、そこまでペナルティーを科すということはなかなか困難ではないかというふうに思っております。 飼料の価格安定制度への加入の問題も含め、全体として私どもは、いま申し上げましたような対策を総合的に強化することによって生産調整の実効を上げるように今後とも努めてまいりたいと考えております。
○古寺分科員 四十九年の五月の時点で凍結をされて、生産調整に協力をしてまじめに一生懸命やってきている農家がつぶれて、青森県の例を申し上げましても、四十九年の時点と五十三年の時点では、羽数においても生産量におきましても四十九年を下回っているのです。ところが、大口のやみ増羽があるために、まじめな農家がつぶれているわけですよ。それをいまのままで、行政指導やそんな甘い対策でもってこれの生産調整ができるかというと、ちょっとこれはむずかしいと思う。したがって、これについてはやはり思い切った措置をしなければこの問題の解決は私はできないと思うのです。現在、卵価安定基金ももうパンクをしまして、三十一億の赤字を抱えて、また農林省としては液卵の加工等も考えているようでございますが、こういうような非常に不平等な、不公正な状態を一日も早く是正をして、まじめな養鶏農家を守ってあげなければ、これは大変な事態になると思うのです。 そういう観点から、農林大臣にお伺いしたいのですが、今後思い切った措置をとるお考えがあるかどうか、また消費の拡大をどのように進めていくお考えか、この二点をお伺いします。
○渡辺国務大臣 いまやっている行政指導というのは、これはかなりすれすれのことをやっておるわけですよ。補助金やらぬとか金貸さぬとか、これは問題になりかねないぐらいきつい指導を実際はやっておるのです。あとそれ以上のことを、立法措置をつくるかどうかといっても、憲法問題もあるし、なかなかむずかしい状態であります。ありますが、これはともかく余り生産がふえればみんなが損するわけですから、そこはやはり自覚をしてもらわなければということで、大手に対してもかなり厳しいことをやっておりますから、最近は反省の色が私は出てきていると思います。 消費拡大につきましては、これは政府としても、国内良質液卵製造流通実験事業ということで、液卵として大量に使うような仕事についての助成というものもことしの予算に計上いたしております。
○古寺分科員 農林大臣は、米の消費拡大については医師会等の協力を得て拡大を図る、そういう方策をお進めになっているわけです。大分医師会とは対立をした時代もございましたが、米の消費拡大では医師会も非常に協力的なようでございますが、この卵の消費拡大ということも、今後のわが国の日本人の栄養の問題については非常に大事な問題でございますので、一億国民が仮に現在一日一個食べているとすれば、これを二個食べるようにすれば、この生産過剰の問題は解決できるわけです。そういうような方策をお考えになっていないのかどうか伺いたい。
○渡辺国務大臣 これは世界の統計を見ますと、ともかく日本などはもう一番食っている方なのですよ。ですから、いまよりも倍食うなんということはちょっと私は考えられない。イスラエルのように四つ足の牛とか豚とかを信仰上、宗教上食べない、そういう国は別ですが、世界的に見ても、卵の消費量というのは大体頭打ちのところに来ているのじゃないかというふうに私は考えております。したがって、需要に見合った生産でなければ、消費がどんどん際限なく伸びるというようには考えられません。また、もう少しダウンさせて、それじゃ輸出ができるかというと、また輸出ができるほど強くないというのが実情でございますから、当面適切なる需要に見合った生産というような生産調整が一番の決め手であろう、こう思っております。
○古寺分科員 私は、生で卵を一日に二個ずつ食べるというお話をしているのじゃなくて、いろいろな加工製品が食品の中にはたくさんあるわけでございますので、そういう面も加味して消費の拡大を図る。 それからまた、先ほどいろいろな制度の関係でもってやみ増羽を抑えるような方向で対策を進めているとおっしゃいますが、大口のやみ増羽をやっている業者というものは、こういう安定基金ですとか、政府の融資制度ですとか、そういうものには全く無関係なのです。無断でやっているわけです。治外法権的な立場になっている。そういうような大口のやみ増羽を放置しておいて、養鶏農家を守れるかというのです。ですから、そういうような大口のやみ増羽に対してはどう対処していくかということが解決のかぎになるわけでございますので、先ほどの御答弁だけではこの問題は解決がつかない、こういうふうに私は考えているのですが、いかがでございますか。
○杉山政府委員 大口のやみ増羽に対する有効な手段ということでございますが、先ほど大臣からも申し上げましたとおり、鶏卵の価格安定の対象にしないあるいは補助金は出さない、さらには融資もしないということで、それはそれなりの効果を上げてきておると私は思います。 ただ、それでもなおかつ十分に生産調整を守らないという者は、ごく一部ではございますが、確かにございます。いまその状況を見ますと、五月末で、これは五千羽以上飼っている農家といいますか、むしろ企業化しているところでございますが、対象にして見ますと、二百四戸、四百十五万六千羽という数字でございましたが、八月末にはこれがわずかではございますが、百六十四戸、四百二万一千羽ということになっております。十一月末の調査をいま集計中でございますが、これがさらに減るという見込みが立っております。そういう状況でございまして、それなりに減少の傾向は見られる。それから、その百六十四戸の違反といいますか生産調整を守っていない企業につきまして、それぞれ各府県、あるいはその程度のひどいものについては地方農政局なり、直接本省側で個別に是正指導を行っておるわけでございますが、減羽計画の協議中のものが百五十二戸、それから、なかなかそこのところがまだうまくいっていないものが十二戸というような状況になっております。そういう意味で、国が本来その地域の問題あるいは個別の企業の問題に立ち入るのは限界がある話でございますが、できるだけ個別の企業の内部にも立ち入って個別の指導をして、それなりに効果を上げていきつつあるところでございます。
○古寺分科員 時間がないので次に移ります。 八戸平原の総合農地開発事業の世増ダムの建設の問題についてでございますが、この世増ダムの水没者が求めております代替地の取得については、現在、関係の地元市町村が当たっているわけでございますが、事業施行の当事者である農林省としても、この点については十分に協力をしていくべきであると思いますが、いかがですか。
○大場政府委員 世増ダムの水没の代替地の問題ですが、いまお話しのように、八戸外三町村、それから水没地の方々といろいろ折衝して進められております。私どもの聞いている限りでは、水没土地の大体八割くらいのところまでは代替地の目やすがつきかかっている、もちろん水没農家の方々はもう少し大きい面積を要求なさっているわけでありますから、まだまだ努力の必要がありますが、かなりいいところまで行っている、あと一歩というような感じもしているわけでございます。私どもももちろん協力を惜しむつもりはございません。 ただ、私どもがデリケートな段階に出ていくのは、立入調査もまだ遠慮しているわけでありますから、その辺のところがどうかということもありますので御遠慮しておりますが、県庁の方ともよく相談して、事業主体である国がお役に立つようなことがあれば、もちろんできる範囲内での努力はいたしたいと存じます。
○古寺分科員 この世増ダムの建設により水没する水田があるわけでございますが、この水田の代替開田と申しますか、水田を代替地としてぜひ欲しい、こういう要望があるわけでございますが、この点についてはいかがでございますか。
○二瓶政府委員 世増ダムの建設によりまして水没する水田、これにつきまして代替開田が行われた場合に、現在の水田利用再編対策等の面でいわゆる新規開田という扱いを公平確保措置等でやっておりますが、その際には施策開田はこの新規開田から除かれるという扱いになっておるのですが、その施策開田扱いにできないかというような御趣旨のお尋ねかと思います。 一般論として申し上げますと、公共的な事業に供された水田の代替開田につきましては、一定の要件に照らしまして個別に審査をいたすことにいたしておりまして、公平確保措置の対象から除外し、施策開田として認める道は開いてございます。 そこで、この一定の要件に照らしてという一定の要件は、実は四点ほどございまして、これのすべての要件を満たさないと施策開田という扱いにならないわけでございます。 簡単に申し上げますと、第一点は、公共的事業の実施主体が補償の一環として行った開田であることということで、公共的事業の実施主体が補償の一環としてやった開田。それから第二点目が、公共的な事業に供した水田が市街化区域及び用途地域に属していないことというのが第二点。第三点は、農業者ごとに公共的事業に供した水田面積を超えない面積であることということで、代替水田の方の面積が水没なりします水田の面積の部分までで、それを超えないということでございます。四番目は、地方農政局長がその必要性なり妥当性を検討して、やむを得ないというふうに認めたこと。この四つの要件をすべて満たした場合には施策開田ということにいたしまして、いわゆる新規開田は補正措置、加算措置をとるということからは除かれることになるわけでございます。 ただいま御指摘の世増ダムにつきましては、現在、代替地の取得を進めておるという段階にあるように承っておりまして、まだ具体的な補償交渉前であるというふうに聞いておりますので、いま具体的にこういう要件に照らしてどうかというようなことは、まだいまの段階では申し上げかねるということでございます。
○古寺分科員 そうしますと、世増ダムの場合は、水没者の要望に対しては、同じような、これは公共事業でございますから、代替地として水田は認めるというふうに受け取っていいのですか。
○二瓶政府委員 ですから、この世増ダムの建設によって水没する水田、その代替開田というものをやります際に、いわゆる事業実施主体等が先ほど申し上げました補償の一環としてやるとかいうような四つの要件を満たすということになれば、当然これは施策開田として認めるということになろうかと思いますが、いまの段階はまだそういう段階まで具体的には進んでおらない段階であるということでございます。
○古寺分科員 次に、草地造成のために国有林野を活用するに当たって、立木を買い取るわけでございますが、現在はこの立木の買い取りに対しては補助制度がないわけでございます。しかし、これにつきましては、延納制度とか、あるいは間伐行為等は認められているわけでございますが、そういう延納制度あるいは間伐制度、そういうものは具体的には活用されていないわけでございます。ほとんど活用されておりません。したがって、草地造成等に伴う農民の負担を軽減する立場からも、こういう点については関係機関に制度というものをきちっと指導徹底をしていただく、あるいはまた、農林省においては将来こういうものについての補助制度も導入するように考えていただきたい、こう思うわけでございますので、この点についてお答えを願いたいと思います。
○藍原政府委員 いま御指摘になりましたように、国有林野の活用に関する法律に基づきまして活用された方々、その代金についての延納措置を認められておりますし、それから、残された林地に対する伐採につきましても、その保全機能を損なわない範囲でおやりになることは問題ないわけでございます。そういう点で、御指摘がありましたように、もし指導徹底が欠けておるとすれば、私ども、今後十分下部を指導徹底するように努力してまいりたいと考えております。
○古寺分科員 最近、緑のコンビナート、または林野生産複合という政策があるわけでございますが、今後の林野政策、また福祉政策あるいは雇用政策、こういう地域政策等から見て、非常にこれはわが国にとっては今後必要な政策であるというふうに考えているわけでございますが、林野庁としてこれを取り入れていくお考えがあるかどうか、承りたいと思います。
○藍原政府委員 いま先生御指摘になりました緑のコンビナートというのは、私も不勉強でよく存じませんけれども、考え方とすれば、林業というのは非常に気の長い産業でございますし、また相当の面積の林地を使うということで、これを時間的あるいは空間的に、もっと有効に使ったらどうだという考え方ではなかろうかと思います。そういう観点から、林野庁におきましても、林地の間でいろいろな林産物、特用林産物をつくるための指導をいたしております。たとえばシイタケ、ナメコあるいはウルシ、竹、キリ、それから一部の地域につきましては、その間に薬草等をつくられるということで、オウレン等の薬草を林間につくられるというようなこともやっておられます。そういう点につきましては、特用林産物の振興という形で対応いたしておりますし、また国有林におきましても、そういうものをつくられる地域について、国有林事業との調整の中でお貸しして、やっていただくということも考えております。したがいまして、考え方が先生の考え方にどんぴしゃり、そのままかどうかわかりませんけれども、私どもといたしましても、地域の山村の振興のため、あるいは林地の有効活用のためにそういう方法をいろいろとっておりますので、その辺については今後とも十分研究し、対応してまいりたいと考えております。
○古寺分科員 私の方から林野庁の方には資料も差し上げてございますので、今後十分に検討して、ぜひひとつこういう政策を取り入れていただきたいと思います。 次に、二百海里時代を迎えまして、わが国起源のサケ・マス資源を増大する必要があるわけでございますが、来年度から未利用河川につきまして試験放流を行う、こういうことになっているのですが、これが非常に枠が少ないということで、地元からいろいろな要望が強いわけでございます。今後、この開発河川数を増加することについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。 さらにまた、サケ資源を増大させるためには種卵の供給が必要でございますが、青森県は河川がたくさんある。ふ化場もあるが、種卵が足りないという問題で非常に困っているわけでございますが、この対策につきましても、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○森政府委員 未利用の河川の開発につきましては、来年度十五県、二十三の未利用河川につきまして、ふ化放流の調査開発事業を実施するという計画でおります。要するに、いま九十四河川でございますけれども、さらに二十三河川をふやして調査してみるということでございます。 それから種卵の供給の問題でございますが、確かに親魚の確保がこれから重要な問題でございますので、定置漁業者の協力によりまして、親魚の河川の遡上を確保するということがどうしても必要でございます。場合によりましては、海産卵の採取も行うということで、できるだけ地場の親魚の未利用資源の増大を確保していくということを、まず第一に各県の御当局にもお願いをしたいというふうに思っております。しこうして後に、なお不足のものにつきましては、水産庁自身、全国的な調整を図りまして、種卵の確保を図っていくということで、まず第一に県でできるだけ親魚を確保していただく、第二は、国の段階で調整を行うということで対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○古寺分科員 昭和五十五年度を目標年度としております海洋水産資源開発基本方針というものは、二百海里時代を迎えて改定する必要があると思うわけでございますが、その改定時期がいつになるのか。それからまた、今年度は北海道と長崎に国の栽培漁業センターが設置されるやに承っておりますが、少なくとも日本海海域にもこの栽培漁業センターというものはぜひとも必要であると思うわけでございますが、この点について承りたいと思います。
○森政府委員 前段の基本方針につきましては、新しい情勢により変化が著しくありましたわけでございます。水産物の需給の動向、また生産の推移等を検討した上で早急にその見直しについて検討いたしたいというふうに思っております。 それから第二の、日本海におきます栽培漁業センターの設置の問題でございますが、これは栽培漁業推進全体の体制の一環といたしまして、今後の検討課題にさせていただきたいというふうに思っております。
○古寺分科員 終わります。
○笹山主査 これにて古寺宏君の質疑は終了いたしました。 西田八郎君。
○西田(八)分科員 まず農林水産大臣にお伺いをいたしたいわけであります。 日本の農業はいまいろいろと農林水産省を通じて農用地の高度利用促進事業であるとか、あるいは地域の農業促進活動等、いろいろ御苦労をいただいておるわけでありますけれども、このままの状態でいきますと、本当に壊滅的な危機を招くのではないか、しまいには農業をする人がなくなってくるのじゃないかという心配をするわけであります。 そこで、いろいろと御苦労いただいているわけですが、基本的に一体日本の農業というのはどういう方向へ持っていかれるのか。いわゆる従来の小作としての小農、このままではいかぬということははっきりしてきたわけですが、それでは中規模のものにするのか、あるいは大農とするのか。大農というのは、地形の問題もありますし、部落形成その他の問題があろうと思いますので、若干無理かもわかりませんが、一体どういう方向へ持っていけばいいのか。 それからまた、最近東欧諸国でも日本に輸入してもらいたい希望のものといえば農産物だ、こういうことなんですね。そうすると、世界の食糧が戦略物資となりつつある今日において、日本に対して購入を期待しているというような状況からいきますと、日本としてむげにあれもだめだ、これもだめだというわけにいかぬだろうと思うのですね。そうすると、当然のこととして日本人に適した食事、要するに飯とみそ汁ということになるわけですが、そういうようなものを自給するには、やはり七〇から六〇以上の実質自給率というものは確保していかなければならぬ。そういう面でおのずから日本の農業の方向が定められてくると思うのです。これに対して大臣に所信をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 私は農林水産委員会で所信は申し上げてあるわけですが、時間の関係もありますから、ごく簡単に骨組みだけを申し上げたいと思います。 日本の農業に夢がないということは絶対にない、夢は非常にあるというのが一つなんです。その理由は、要するに一億一千万の消費人口がある。しかもその人たちは、お金がなければ買えないが、お金を持っているから、食う物ぐらいの購売力はある。しかもすぐ近いところにいる、ぜいたくだ。したがって世界じゅうの生産者が皆ねらっている。われわれは近くにおってなぜこれをぶん投げておく必要があるのだということなんですね。 その次は、やり方ではないか。やり方を上手にやれば世界の農業に対抗できますよ。現に、たとえばいま過剰生産になっているなんて言われますが、豚肉にしたって、これは自由化しているけれども、ちょっとした税金だけでもう入ってこない。これは大体うまくいっているでしょう。鶏にしたって自由化ですよ。ブロイラーにしたって卵でも何ぼでも入ってきていいわけです。これは入ってこないじゃないですか。 次に酪農ですが、北海道の酪農というものはすでに三十頭になっている。ドイツあたりの十頭に比べれば三倍です。したがって北海道だけなら酪農は十分できるわけです。ですからやり方である。問題は耕種農業だ。しかし日本は土地が狭いから、一人の人が土地を買って大きくすることは言うべくしてなかなか不可能だ。だからといって非常に非生産的な農業をやっておったのではだめですよ。だから中核農家に土地が集まるような工夫をしましょう。そのためにはじゃまになっているものが幾つもあるじゃありませんか。じゃまになっているものは少し保護(ほご)していったらどうですか。いまの農地法というものは、自分の土地は自分がつくることになっているのですから、人に貸すのが原則じゃない、自分がつくるのが原則ですから。ということになれば、そこらの再点検というものは逃げて通れない問題になってくるわけです。安心して貸せるようにしなければならぬ。そして農作業からは解放されるが、零細な農民は土地を手放してはいかぬとぼくは言っているのです。それは無産階級になってしまうからです。だから土地を手放さないで農作業だけからは解放されるような仕組みをつくってやればいいじゃないですか。需要の動向を見て、それぞれの土地の面積に合わせた労働価値のあるものをこしらえる方向へ持っていけばいい。やり方であって、それは就労人口は減りますよ、減りますけれども、産業としては日本の農業というものは魅力がないとは言えないというのが簡単に言うと私の持論であります。
○西田(八)分科員 その点私と全く同感なんです。私も農業は魅力のないものだとは思わないのです。私は元来繊維の関係の仕事をしてきたわけですが、繊維でも、日本の繊維は悪い悪いというけれども、日本ほどいい品物をつくっているところはないわけです。ただ、そのつくり方と市場に対する流し方なんです。市場に対する流通、こういうものをうまく考えていけば、衣食足って礼節を知るというのですから、繊維だって拾てたものじゃない。同時に食糧というのは、食う物も食わぬということはおかしな話で、まず食う物を食わなければ人間というのは徳も備わらなければ人格的にも形成されていかない。昔の人が、武士は食わねど高ようじなどというのは気取ったことを言うたのであって、実際は腹が減っては戦はできぬわけですから、そういう意味では、食糧というのは国民生活にとって何と言ったって一番大事なものじゃないか。それをつくる作業が危機だ危機だと言われているのはおかしい。 どうしてそうなるの、だろうということになると、私は農業については素人でありますが、去年もここでそういう議論をしたわけでありますけれども、仮に私の選挙区でいま言いますならば、一部落六十戸から大きいところで大体百四、五十戸です。仮に六十戸の部落でもどのくらいの耕作面積を持っているのか、畑地がどれくらいあるかといいますと、全部集めれば、大体四百反から五百反、四十ヘクタールから五十ヘクタールくらいです。そこで、現在は米をとるだけではだめですから、そのほかに肉をやったり野菜や果樹をやったり、そういうことをやりながらどれくらいのものが持てるかということになると、一人当たりは大体三ヘクタールから二ヘクタールくらいじゃないか。そうすると現在の六十ヘクタールの部落でこれを部落経営でやろうとするなら、二十人ないし三十人の人が専業でやれば十分やれる。そして十分に収穫もあるし、私は生産者米価を上げなくても済むのではないかと思うくらいの生産性に高まると思うのです。ところが現在のやり方は、一人一人が七反なり八反なりという小さい面積、言うならばネコの額のようなところを耕しておる。ですから、どこかで収入を得てこなければならぬから兼業になってしまうわけです。そして県庁なり役場、工場なりに働きに行って、年収二百八十万から三百万くらいもらってきて、その中の三分の一から半分で農業機械を買い入れる。ところがその農業機械は一年のうちに何日間使うかというと、せいぜい三日か四日です。これほど高い投資はないと思うのです。だからそういう機械を買うのをやめて協業でやるならば、トラクターを一台入れるか二台入れるかで済むことではないだろうか。資本投下も非常に安くて、効率の高い、しかも生産性の高い農業が営まれるのではないかということで、あっちこっちの農協へ行ったり、農業青年が集まったときに話をするのです。大方の人が賛同してくれるのですが、さてそれをだれか言い出すかということです。 そこで、ことしいわゆる推進委員というのを設けられて戸別訪問してやるということなんですが、問題はいま買ったその機械、それはコンバインにしてもバインダーにしてもかなり高いものを出しているのです。それをまだことし買ったばかりのものを来年廃棄しろと言ったって、これはとてもできることじゃないと思うのです。ですから土地に対して賃貸料を払う、これはことしの一つの方針として打ち出されましたね。三年から五年が一万円、六年以上の人は二万円の賃貸料を払いましょうということなんですが、同時に、そうしたら投資した設備に対してどう処置してやるかということが問題じゃないかと思うのです。たとえば繊維が悪くなってきた、三十七万台の織機要らぬから七万台廃棄せよ、もちろんこれは残存業者負担ということではあるが、しかしいまの農業専業者におまえら残存者負担だぞということになれば、とてもじゃないが引き受けてくれない。したがって、高い価格差補給を出して米の手当てをしていくくらいなら、思い切って農業機械を買い入れてあげましょう。そして土地を、それを法人化しなければいかぬと思いますね。要するに協業化する形でひとつ提供せぬかというふうなことをしてやれば、ある程度集落的にまとまった農業としての位置づけもできるし、安心して働いていけるのじゃなかろうか、やるのじゃなかろうかというふうに私は思うわけですが、その辺について、これは大臣というよりも局長からでも、そういう点、どこに隘路があるのか、ひとつお聞かせいただきたいのです。
○渡辺国務大臣 私はあなたと全く同じなんです。ただ、協業化というのは、日本人はなかなかうまくいかないのです。だれが親方になるのだ。同じく労働しても、うんと作業能率のいい人も悪い人もある。配当、分配は同じこと、だから必ずけんかになる。私も三つ四つ協業化を勧めてやらせてみたのだけれども、うまくいっているのは一つしかない。NHKでテレビまでやってくれたのが一番先につぶれた。実際は宣伝して、これは頼んでやってもらったわけですから、NHKが悪いわけじゃありませんよ。しかしなかなか、それが現実の姿なんです。そうすると、やはりワンマン、ボスがいて、道徳的にも権力的にも、りっぱな、知恵のある人がやって、みんな服従してやればいいのだけれども、宗教の背景でもないとなかなかそういうのはむずかしいのですよ。ですから、やはり専業農家がその土地を、有効に使わない人のものを借りてつくれるような形が一番いいのです。そのときに、やはり日本は地価が高いですから、貸したら最後十年間返ってこないとか、途中で返してもらうとき離作料を取られるとかという心配があったのでは、それは貸す人はない。そこらのところをどうするか。それから一町歩の土地を持っている、みんな米をつくっている、米だけでは飯食えない、それじゃ二十アールだけは花をつくろう、これで手数いっぱいだ、八反歩の水田はだれかに貸そうということになれば、何百万円かの土地収入が上がるという方法もあるわけです。愛知県なんかでも、ともかく一町歩ぐらいでも一千万台ぐらいの収入を上げている人もあるわけです、新たな何かのやり方で。ですから、そういうように労働条件、土地条件等を考えて、これは地域によってみんな一概にいきません。いきませんが、ともかく土地の生産性を高めるということを基本としていろいろ考えたらいい。 それから売り方についても、これも私がいまここで言うのはちょっと問題かもしらぬが、米を消費してください消費してくださいと言っても、米はともかくお歳暮に使ってはいかぬ、何に使ってはいかぬということになると、これも消費しろ消費しろと言いながら実際は非常に問題がある。私は米のお歳暮があったっていいのじゃないかと思っているのです。砂糖のお歳暮があって、ヤマイモのお歳暮があって、ジャガイモのお歳暮が北海道から来て、ニンジンも来るのに、米だけはお歳暮大っぴらにできないという話ですから……。しかし、こんなものは何とか、消費宣伝するのだったら、お歳暮にうまい米があったっていいのじゃないかというような売り方の問題、そういう問題もひっくるめてこれは皆さんのお知恵も拝借してやらなければならない。だれが言い出すか、これが問題なんです。農林大臣が言い出すと、これはすぐ反対するからね。ですから、言い出す人を、うまい人をひとつあなた方に頼むかどうか知らぬけれども、そういうようなことでやはりもっともな人が言い出せば、全くもっともだということになって、みんなが賛同するのじゃないかと私は思う。したがって、農業団体等が言い出してもらうことかこれは一番いいことであるというように考えておって、その間の意思疎通をわれわれは図っていくことが一番いい。どういうふうに対応すべきかということについて親身になって生産者の団体の方とも相談をしていきたい、こう考えております。
○西田(八)分科員 だれが言い出すかということなんですが、本来それは農協の仕事じゃなかろうかと思うのです。現在の農協というのは、どこの部落へ行ったって、高い、りっぱな建物があれば農協の建物、その次は小学校、役場、こうなっていくわけですね。農協が一番りっぱな建物を持っておるのじゃないかと言われるぐらい、農協というのは金を集めているわけです。ところが、本来農業協同組合というのはそういうものじゃなかったはずなんですね。農業をひとつ共同で、共存共栄で小作人ばかり、地主も中には入っていましたけれども、要するに一番下で働いている、しかも大事な食糧をつくっておる者が集まって力を合わせようじゃないかというのが農協の発足じゃなかったかと私は思うのです。ところが、いまでは農協というのは金融機関の代行機関になってみたり、あるいは流通の一部署を占めて、そしてそこで口銭かせぎをする。最近は農機具から家庭電気器具のいわゆる売りさばき人というような形になっておる。しかも、それがどんどん広域にすればするほど資金繰りもよくなるし、消費も非常に拡大されていくからということで集まってくる。むしろ、この農協を、いま言う小さな集落単位に一つ一つの単協をつくっていくというような形も一つの方法じゃないか。協同組合法あるいは農業振興法等には、農事組合なりあるいは生産法人というものが設けられるようになっておるが、実際にはそれをやっていない。それはやはり農協が体質的に、それを奨励しようという形になってない。ここで農協のことを言うたってしょうがないのですけれども、少なくともそういう指導をされていくことが必要じゃないか。 そういう意味で私は、この兼業者に対して戸別訪問をされることについては非常に期待をしておるわけです。そして本当に農業に従事する、いわゆる農業従事者という人がその気にならなければこれはできないことですから、大いに期待をしたいわけですが、それにしても、これは農業委員がそれにかわるということで、ちょっと報酬も少ないし、なかなかそこまでもやっていられぬだろうと思うのですが、そういう点についての配慮、これは二つ問題があると思うのです。農協の指導に対してどういうふうにしていくか、そしてまたそこを通じて別の方向で農業推進員、いわゆる戸別訪問をされる、今度の事業の一つとしてやられる農地流動化推進員ですか、そういう人に対する処遇問題、二つあると思うのですが、それについてどうお考えになるか。
○渡辺国務大臣 これも基本的な問題で、非常に短い時間の中で意を尽くしませんが、そういうように本当に時代がもう変わっちゃっているわけですから、いろいろな制度は時代に合わしてつくりかえていかないと、私はこの経済に対応できないと思うのですよ。したがって、そういうような本音の議論というものが国会でもどんどん行われ、農業団体とそれから農林省の間でも、市町村と部落の間でも行われるようにしなければならぬ。われわれも選挙をやっておりますが、私は案外ずばずば物を言うのです。その割りに反感を買ってない。ということは、大部分の人が腹の中では思っているのです。たてまえになってくるとまた別な話になる、たてまえに押されちゃって。しかし実際の実態からかけ離れるということがよくある。したがって、こういうような農業問題は一つの経済問題で、経済政策ですから、やはりそういう原理、原点に返ってよく話し合いをして、新しいものにつくりかえていく。 農協法の場合も同じです。それは都市農協の場合は他の農協と同じ仕組みでいいのか。ある東京の農協へ行ってみたら、営農指導員は二人しかいない、不動産取引員が二十五人いる、それで大部分、八割以上のものは金融と購買の収入です。これは本当に農協なのか。同じ農協法のもとで、同じような仕事と同じ目的で、同じやり方でいいのか、これは大問題のあるところなんです、実際は。農業委員会というものは、また逆に、都市へ行くとこれは仕事はないわけですね。転用という問題が一番大きな問題だけれども、転用はもう自由、届け出すればいいという話ですから。しかし純農村地区では、農業委員会というものはやり方によってうんと大変な仕事を持っておる。ここらのところをどういうふうにしていくのか、これは農地制度の問題と農業委員会の制度の問題は切り離しては考えられない。ですから、こういうようなことについて本当にここ一、二年の間に少なくとも全部洗い直しをして、時代に合った、現実にマッチしたような形に持っていく必要があるのではないかというように私は考えております。
○西田(八)分科員 そのためにも従来の単なる百姓という物の考え方ではなしに、食糧を生産する産業という位置づけが大切ではないか。そうしてその集落にしても、共同で農作業をやるようになれば、現在兼業をやっておられる人がほとんど専業になる。兼業の人で、いま勤めている方が農業に残るよりもいい、これは取捨選択できます。そして本当に農業専業の人たちだけを集めて、その気になって食糧生産をやらせれば、雇用対策にもなると思うのです。現在、あっちで勤めて、そっちで銭をもらってきて、その金を農業の方につぎ込んでという形で、何がために農業をやっているか。しまいには米をつくりたい者だけつくれ、野菜をつくりたい者だけつくれというようなレジャー産業になっては大変だと私は思います。 そこで、食糧生産産業としての位置づけをきちっとすることが大事だ。これは農業だけじゃなしに林業にしても、林業は食糧とは言わないけれども、漁業にしても同様のことが言えるのではなかろうか。そういう意味で、いま言われたようにだれが言い出すかということですが、これは農林省当局が、大臣を初め皆さんが言い出さなければできないことであるので、そういう関係者にだんだんと啓蒙していただきたい。そして日本の農業が安心してやっていける農業になるようにしていただきたいというふうに思うわけですが、この食糧生産産業という考え方はどうですか。
○渡辺国務大臣 原則的には食糧生産の産業であると私は思います。しかしながら、日本の農村というものはただ単に生産の場だけで、工場とかそういうふうなものだけにはなかなかできない。もう自然の生態系の循環の中で農産物というのは生産されて、農村社会というものは自然環境の保全という点からも必要ですから、ただ合理性だけで割り切ってしまうということもできない点もあります。また農村にはいい風俗習慣、その他われわれの先祖の地としてのルーツがあるわけですよ。それはそれのよさを持っておるわけですから、そういうものはそういうものとして残しながら、しかし生活手段としての農業というものについてはまさしく近代化、合理化というものも進めなければならぬ。 いまおっしゃったようにたくさんありますよ。機械を買って、その借金のために出かせぎに行っておるわけです。出かせぎでかせいできた金で機械買って三日しか使わぬ。金利だけだって人の機械が使えるじゃないかという話も出てくるのです。これは全くそのとおりであって、しかしそれには個々の農家がそのような気持ちに納得してもらわないとできないわけですね。機械を自分で財産として持っていた方がいいなんて思われたのじゃできないわけですから、それにはみんなが腹を割って話し合いをして思想改造——改造という言葉は余りいい言葉じゃないが、そういうふうな一種の精神革命ですよ。そういう気持ちになってもらえばできるし、案外もう機は熟してきておる。だれかが話し出せば燎原の火のごとくこの問題は納得する人が非常に多く手を上げて来るのじゃないか、こう思っております。
○西田(八)分科員 渡辺大臣にこの点大いに期待をいたしたいと思います。私もいま大臣が言われるようにあちこちで、口のきたない者ですから、どこへ行っても物を言うのですが、この話をすると、わりあい真剣に目を輝かせて若い人が聞いてくれるのです。小作でいじめられて後生大事に土地だけを守ってきたお年寄りにはまだ無理な話かもわかりません。しかし、時代は変わりつつあります。そこで、農業をする人も、朝は朝星、夜は夜星というような長時間労働、重労働を強いられるのではなしに、機械化すれば短時間のうちにこういうものが生産できるし、もちろん天然相手ですから普通の工場労働者のようにいかないにしても、かなり高度な労働環境というものはつくり上げることができるのじゃないか、私はそういう意味で大いに期待をしたいと思います。 その次に、最近琵琶湖が非常に汚染されてまいりまして、従来、琵琶湖でとれる魚というものは、言うならば滋賀県の総水揚げの中でもかなりな量を占めてきておったわけでありますが、最近だんだんと漁獲量も減ってきております。そういう面で、水産庁では特に大きいからということで海面漁業としてのいろいろなお手当てをいただいておるわけでありますが、何分にも湖そのものが汚染されてきておるわけでありますから、農業と一緒で、捕獲になかなか費用がかかって、捕獲した量が少なくて単価が高くつくというようなこと、それに川魚独特のにおい等もありまして、なかなかうまく売れないわけであります。こうした点についての振興策、これについて水産庁からお見えになっておりましたらお伺いしたいと思います。
○森政府委員 御指摘のように、琵琶湖は最大の湖沼でございます。アユ、コイ、貝等の生産で非常に重要な役割りを果たしておるわけでございます。 いままでも二次構造改善事業でコアユの養殖の施設、荷さばき施設等を整備したり、沿岸漁場整備開発事業で魚礁を設置したり、大規模な増殖場の開発あるいは漁場の保全の事業をやっておるわけですが、来年度から琵琶湖周辺の河川等につきまして種苗生産施設の設置等を実施する内水面の総合振興対策事業を実施いたしまして、ともかく減少ぎみの琵琶湖の漁業について何とかてこ入れをしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○西田(八)分科員 この点は特にお願いをしておきたいと思います。 次に、こんなことが果たして問題になるかどうかわかりませんが、これは一つの部落の重要な問題になってきておるのが琵琶湖でとれるスジエビというもの、これが毎年大体千五百トンぐらいの水揚げをされておるわけです。主としてタイの養殖だとか、そうした養殖業のまきえに向いておったわけなんです。ところが、最近、南極からのオキアミというのですか、よく似たようなのが入ってきて、そのために大暴落をいたしました。去年キロ六百円しておったエビが十分の一の六十円に下がっております。ところが、一定の時期になると、これだけしかとれない。御存じだろうと思いますが、沖島にしましても尾上にしましても主としてこれしかとれないという現状であるわけであります。したがって、価格補償せいと言ったってそれは無理だろうと思いますが、少なくともオキアミが日本へ入ってくる過程としては、たん白源の一つとしてということであったと思うのです。それが大量に入ってきて、もともとまきえの領域を荒らすということは非常に問題じゃないかと思うのですが、そうしたことに対して特別の御配慮をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○森政府委員 確かに御指摘の問題が起きておりまして、まさにオキアミとの競合でつりえとしての需要が落ち込んでいるというふうに聞いておるわけでございます。そこでオキアミも、鯨等の関係でいろいろ船団維持等もございまして、だんだん補助は減らしながら一人歩きをさせるということでやっておるわけでございますが、当面、御指摘の問題につきましては、滋賀県でいまいろいろ考えておられますつりえの需要喚起だとか、つくだ煮としての販路を拡大するとか、スジエビにつきましての新加工の利用方法の開発研究で助成していくというふうに聞いておるわけでございます。 私どもといたしましては、せっかくの御指摘でございますから、滋賀県から具体的な御相談がございますれば、私どものできる限りの協力をいたしまして、何とかこの問題の解決に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○西田(八)分科員 よろしくお願いをいたしておきまして、私の質問を終わります。
○笹山主査 これにて西田八郎君の質疑は終了いたしました。 新村勝雄君。
○新村分科員 私は、都市政策と農地あるいは農業の保全という関係につきましてお伺いをいたしたいわけであります。 まず初めに、市街化区域の設定と、その中のいわゆる市街化区域内農地の関係でありますけれども、先に市街化区域の現状、それからいわゆる線引きの将来構想について伺いたいわけであります。現在の市街化区域の面積、そしてその中に占める農地、A、B、C農地についてお伺いいたします。
○高橋説明員 市街化区域のことでございますが、私から最初お答え申し上げます。 五十二年三月現在、市街化区域の面積が全国で百二十五・八万ヘクタールございます。それからそれに近い時点で、五十二年一月現在の市街化区域内の農地が二十三・四万ヘクタールということになっております。
○新村分科員 そういたしますと、この政策が実施をされまして、市街化区域内の農地は宅地化されることが期待されたわけでありますが、その後の状況、どのくらい当初の目的が達成されたか、その実績についてお伺いしたいと思います。
○高橋説明員 当初の線引きを行いましたのは、昭和四十五年、四十六年に非常に多くやったわけでございますが、市街化区域に設定されました後の農地転用、これはむしろ農林省の方からお答えいただいた方がよろしいのかもしれませんが、農地転用の数字を見ますと、四十七年から五十一年の五年間をとりますと、約六万二千ヘクタールが転用になっておりまして、そのうちの相当部分が宅地へ転換されたものというふうに伺っております。
○新村分科員 六万二千ヘクタールが転用されたということでありますけれども、これは転用と言っても必ずしも全部が宅地ではないわけだと思います。その内訳等おわかりでありましたら、伺いたいと思います。
○高橋説明員 うち住宅用地向けは三万七千ヘクタールでございます。
○新村分科員 そういたしますと、転用面積六万二千のうちで住宅が三万、半分に達しないわけでありまして、あとの残りはどういうことになっておりましょうか。これは土地会社の買い占めであるとか、そういう当初の目的から外れる方向に転用されたのかどうか、その点をお伺いいたします。
○高橋説明員 住宅用地以外にも一般的な、たとえば公共施設用地、道路とかそういったものもございましょうし、それから工場用地等もあろうかと思います。ただいまちょっと手元に具体的な数字の内訳をお持ちしておりませんが……。
○新村分科員 その他いろいろ、そして工場用地というようなお話もありました。これは市街化区域でありますけれども、もちろん工業専用地区も中にはあると思いますが、農用地の転用は工場用地の確保ではないと思います。これはあくまで主たる目的は住宅の供給ということであろうと思いますけれども、それらの事情はどうなっておりましょうか。
○高橋説明員 先ほど申し上げましたように、六万二千ヘクタールのうち約三万七千ヘクタールは都市住宅用地向けでございまして、あと二万五千ヘクタールぐらいございますが、これにつきましては、やはり公共施設用地なども相当多いのではなかろうかと思っております。
○新村分科員 お答えが大変あいまいでありまして、これは住宅用地の確保のための政策として推進されたわけでありますから、もう少し詳しい内容の資料なりお答えをいただきたいわけでございますけれども、いかがでしょうか。
○高橋説明員 ちょっと手元にございませんので、後でお答えいたしたいと思います。
○新村分科員 それでは詳しい資料をひとつ後でちょうだいをいたしたいと思います。 それから、さらにこの政策を推進する見地から、建設省では市街化区域の拡大といいますか、いわゆる線引きの見直しを現在検討されておるということでありますけれども、その辺の事情をひとつお聞かせいただきたい。
○高橋説明員 先ほど申し上げましたように、四十五年、四十六年に線引きを行いました区域、二百八十都市計画区域がございますが、それにつきましておおむね五年ごとに見直しをすることになっておりますので、ただいまその二百八十の都市計画区域について線引きの見直しを行っております。そのうち、現在百十七の都市計画区域につきまして見直しを完了しております。その他の地域につきましては作業中でございまして、鋭意促進しておるところでございます。 それの基本的な考え方といたしましては、その後の人口増加が、必ずしも都市計画区域内の人口増加が予想されたほど多くないこと、あるいは市街化区域内の農地も相当多数残っておるようなこともございまして、優良な宅地供給に直接結びつくような土地について市街化区域内に入れるようなことを基本方針といたしておるわけであります。具体的には、公的な供給主体、地方公共団体等が行う住宅宅地開発事業とかあるいは土地区画整理事業等が行われることが確実な地域に限りまして市街化区域内の編入を行うよう、基本的な方針としておる次第でございます。
○新村分科員 この市街化区域の指定、いわゆる線引きの実施によって必ずしも当初の政策目標を達成していないようにわれわれは地域の状況を見て感ずるわけであります。これについては、この指定というか運用に弾力性がないという面が一つあるわけであります。それから、その中の農地の扱い方について一貫した方針がない。特にその中の農地を排除していこうといういわゆる農業切り捨て的な発想が、地域の農民から総反発を食っておるわけでありまして、いまだにこの政策はきわめて不徹底な状況の中に置かれておるわけであります。発足をしながらペンディングの状態が続いておるということであります、 そこで、今回さらに見直しをされるということでありますけれども、その主たる目的は宅地供給、そしてまた同時に、その中の農地の転用を促進していくという基本方針であるのかどうか。そうであるとすれば、農業との関係においてさらに徹底した代替施策、かわりになる施策が必要だと思いますが、それらの点を含めてお答えいただきたい。またその中に農地がどのくらい含まれているのか、あるいはまた農地以外の宅地に適した土地がどのくらい含まれているのか、それもひとつお示しをいただきたいわけでございます。
○高橋説明員 今回の線引きの見直しに当たりましては、先ほどお答え申し上げましたように、優良な宅地供給に直接つながるようなものに限って市街化区域への編入ということを基本原則にしております。その際に農林水産業との調整、調和を保ちつつ行うことは当然のことでございまして、また実際の手続の上でも農林水産省当局と十分協議をして行っておるところでございます。したがいまして、今回の見直しによりまして、原則として、あるかたまりを持った優良な農地が市街化区域に編入されるということにつきましては、慎重な協議を行って十分考慮しておるところでございます。
○新村分科員 具体的に市街化区域の拡大が予想される地域なりあるいはその地域に含まれる農地その他の地目別の大体の推定面積、これらがおわかりでしょうか。
○大場政府委員 農林省から申し上げます。 先ほど建設省の方からお答えがございましたが、都市計画区域が全部で三百十二あって、その中で基礎調査を完了した区域二百八十が見直し中であるということでございますが、現在までに決定、それから両省間の協議を了した区域が百四十一あって、現在協議中のものが五十六あります。ですから合計百九十七は大体日程に上っておる、こういった状況であります。ですから、ほとんどのものは日程に上っておる。それからあと今後見直しをされるのが残り八十三ある、こういった地域数であります。 それから見直しの結果どの程度のものが市街化区域へ入り、逆にまた見直しの結果市街化区域から外れるというものがあるわけですが、その数字を申し上げますと、全国でいままで協議を了した区域を含めまして市街化区域へ編入した面積が三万二千ヘクタールございます。それから逆に市街化区域から外して調整区域へ編入したものが約五千四百ヘクタールございます。お尋ねの農用地面積でございますが、市街化区域へ編入した面積が三万二千ヘクタールと申し上げましたが、そのうちで農用地が七千四百ヘクタール、それから調整区域へ編入した面積全体は五千四百ヘクタールと申し上げましたが、その中で農地が約千四百ヘクタール、こういった状況でございます。現在までの進行状況を申し上げました。
○新村分科員 そうしますと、それによってどのくらいの新しい宅地の供給が可能性として期待されるか。それからそれは日本の全体の現在必要とする宅地の何%ぐらいに当たるのか。
○木内説明員 お答えいたします。 市街化面積の拡大が現在作業中でございますけれども、作業がほぼ全部終わったところの推定としまして約五万ヘクタールぐらいの追加になるのではないかと考えておるわけでございます。この五万ヘクタールと申しますのは素地でございますので、宅地の量に直しますと、ずっと道路とか何か要りますので、ちょっと減りまして三万五千ヘクタールぐらいになろうかと思います。現実に十年間ぐらいの宅地の必要量は、三全総あたりでも十三万ヘクタールぐらいでございます。そういうことで、たとえば十年間ぐらいにそれが市街化されてまいりますと、四万ヘクタールぐらいでございますから、追加分は年間四千ヘクタールぐらいになるわけでございます。必要量は年間一万二千ヘクタールから三千ヘクタールぐらいの量に該当するというふうに見ていただいていいのじゃないかと思います。
○新村分科員 この三万五千というのは全部農地ではないわけだと思います。そのうち農地の占める割合はどの程度でしょうか。
○木内説明員 ただいま手元に詳しい資料がございませんけれども、市街化区域内の農地の布存状況は、大体いま利用してないところの半分ぐらいでございますから、半分か半分ちょっとぐらいではないかということでございます。詳しいデータは手元にございません。
○新村分科員 大体のことがわかりましたが、そこでこの施策によって農地がまたある程度転用を余儀なくされる——余儀なくされるということじゃなくて転用を政策的に誘導しようということでありますが、そういたしますと、農業の立場からすれば、それは大変困ることだと思います。 そこで農地を守る、農業を守るという見地から、そういう政策に対するかわりの政策が当然なければならないわけでありまして、いわゆるあめとむちということが言われますけれども、この代替施策について、従来のものを含めてこれからどういうことをお考えになるのか、また農業に対してこれからどう対応していこうとするのか、これはまず建設省のお考えをお伺いしてから農林大臣のお考えを伺いたいと思います。
○木内説明員 市街化区域でございますので、建設省の立場から申しますと、なるべく円滑に市街化していっていただきたいと考えているわけでございますけれども、その市街化の方法としまして農地所有者の方になるべく協力というふうな形でお願いしたいというたてまえでございまして、たとえば農地をお持ちの方が賃貸住宅を建設する場合、住宅金融公庫の貸付金をお貸しするとか、あるいは農地所有者の方が土地を譲渡する場合には一般の譲渡所得税よりは軽い形で譲渡所得税をかけるとか、あるいはまた区画整理等は農地所有者が主体となって行う事業でございますので、できるだけ自主的な区画整理というふうなものを伸ばしていきたい。その場合に新しい五十年からの制度でございますけれども、特定土地区画整理事業というのが大分軌道に乗ってまいっております。この事業によりますと、一定の農地を集合的に換地できるという集合農地地区というふうなものもとれるわけでございます。そういうふうなもので農業者の農業経営と宅地開発とができるだけ両立できるような形、そういうふうな形をできるだけ取り込みながら市街化を図ってまいりたいと考えているわけでございます。なお地域の環境その他から緑地というふうな形で残した方がいいようなものにつきましては、生産緑地の規定等をできるだけ活用しまして、そういうところの保全にも努めたいというふうに考えておるところでございます。
○新村分科員 いま伺った政策は、これはどうしても農業切り捨て的な発想ですね。そうじゃなくて、宅地供給ということは国家的な要請でありましょうけれども、同時にまた農業も保全をしていかなければならない、また保護をしていかなければならないという、同時に同じくらい重い要請があるわけです。ところがその区域内の農家が土地を売って建物を建てるとか、あるいはそれに対する金融を考えるとかということは、これはあくまで農業をほかの仕事に転用さしていく、農業を排除をしていくという方向には変わりはないわけですけれども、そうじゃなくて、土地というのは農家にとっては唯一絶対の生産手段でありますし、土地を失えば農民はもう農民としての生きる道はなくなってしまうわけであります。そこで農地を農地として保全をしていく、そして農業ができるような配慮を国がやってあげるということは絶対必要ではないかと思う。これについては、大変問題になりましたけれども、新東京国際空港の建設の過程においても大分問題になったわけでありまして、これは金を与えて解決のできる問題ではないわけであります。金を与えればいいということではなくて、いかにして農業を続けていかれるか、その配慮をすべきであろうと思いますけれども、こういう点からひとつ農林水産大臣の基本的なお考えを伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 宅地と農地という問題だけからすれば、これはやはり私は整合性を持たせなければいけないと思っています。私は、農林大臣でございますから、農業の温存ということについては、人一倍の情熱を持っております。持っておりますが、人類ばかりではなくて生物が生きていられるための最大の条件というのは、土地と水と空気だと思うのですね。これは非常に公共性の強いものだというように私は思っております。自由主義経済のもとですから、社会主義ならそういうものの個人所有は認めませんね、どこの国だって。自由主義の国ですから、土地の個人所有というものを認めている。しかし、水の個人所有というものは非常に限られたものしか認められていない、水利権というものは。これから水利権というものは個人には認めない方向です。空気は管理できないから、自然に風が来ればどこへでも行ってしまうし、これは一番公共性が強い。問題は土地ですよ。これだけ日本の狭い国土の中でその土地をどういうふうに利用するかということで、やはり最優先するものは、社会の公共性じゃないかと私は思うのです。 たとえば、地主が、土地を持っておるから、おれの土地を何に使おうが何をしようが自由勝手じゃないかという議論もあるが、やはりそれは社会公共のためになるように使っていただくということであって、農産物をつくるというのも社会公共のためになる。なるけれども、一方人が住むのに土地がない。住宅公団が土地をつくっても、二時間も先のところへ土地を求めてもだれも入る人がない。つくってはみた、希望者がいないというのは現実にはあるわけですね。ということになれば、昔からおれが住んでいるのだから後から来た連中が土地が欲しいなんてけしからぬことを言うなと言ってみてもこれはなかなかそうは通用しない話なんですね。したがって、どういうようにしてこの住宅問題と農業の市街化の中の土地の利用というものを整合性を持たしていくかということは、私はそれぞれの地域によってみんな違うのじゃないかという気がするのです。 ですから、私は千葉県と東京とはやり方は違うと思います。やはり私は東京で野菜をつくりたいのだ、ここで花をつくっているのだから、どうしても永久に花をつくるのだという気持ちはよくわかるし、守ってあげたい。あげたいけれども、それよりもその周囲の住民や国、その地域全体として見て、そこは住宅や学校にしてもらった方がいいという方が圧倒的に多いとすれば、私はそういうふうに御協力をいただくことがいいのじゃないか。どうしても農業をやりたいという方には税制上も免税にして、また土地もあっせんして、今度は畜産は三十倍までの土地を買っても税金は取りませんというような誘導政策も一緒にやっているわけですから、できるだけ個人の意思も尊重してあげたいが、そういうような社会の要請というものが強いものについては、ある程度農地が宅地化されるのはやむを得ない時代の趨勢であるというように私は考えております。しかし農業全体としては、日本国全体としての国民に対する、何ぼの食糧を供給するかという責任はもちろん農林省はあるわけですから、仮に都会地の中で一ヘクタールつぶれたというのだったら、それはもうそれ以外のところで一ヘクタール以上のものをこしらえて、農産物の供給を図っていくということで、国民全体としては食糧の供給に事は欠かないのじゃないかという気がいたします。しかし、長い間の歴史があることでもあるから、一挙にそんなこともできないでしょう。したがって、緩やかな形で建設省とか何かがおやりになっておるものであるというように思います。
○新村分科員 よくわかるのですけれども、現在の土地政策が土地政策として貫徹していないような気がするわけでありまして、宅地が欲しい、そこでこういう地域指定をする、そうして誘導的に百姓が逃げていくように仕向けるということでありますけれども、これでは土地政策にはなっていないと思うのですね。途中から貨幣経済の中へ解消してしまっておるわけです。金で解決しろということですね。それではやはり農民は納得ができない。土地政策は最後まで土地問題として一貫していかなければいけないのじゃないかと思うわけであります。早く申し上げれば、優良農地を持っている農家に対しては国が政策的に、ほかに全く同じような経済条件あるいは経済環境の農地を用意するくらいの配慮がなければいけないのじゃないかと思うわけであります。 時間がありませんので、もう一つお伺いしたいのですけれども、この政策に関連して、いわゆる税制上の誘導政策をとられております。しかし、税制によって農民を追い出そうとする政策は全く破綻したと思うのですね。これはいまだもってその当初の考えが貫徹できない。できないということは、もうこの施策が実際にはできないということですよ。ですから、大臣、ひとつこれは関係省もあろうと思いますけれども、市街化区域内の宅地並み課税ということは一切廃止をしていただきたいわけですよ。こういうことで誘導したって決して成功するものではないし、この政策自体がきわめて矛盾に満ちたものであります。課税というのは資産そのものに課税するかあるいは所得に課税するかいずれかであると思いますけれども、そのいずれにもこれは当てはまらないわけでありまして、それ以外の全く政策目的を達成するための誘導的な、便宜的なこそくな手段としてとられた宅地並み課税、これは農民の立場からしても大変遺憾なことでありますし、課税の原理からいっても全く外れたやり方であると思います。これは時間がありませんので、要望だけにいたしておきますけれども、宅地並み課税という考え方はすでに破綻をしておるというふうにわれわれは考えておりますので、これを全面的に御検討願って、おやめをいただきたいということをお願いを申し上げまして、終わりたいと思います。 大変ありがとうございました。
○笹山主査 これにて新村勝雄君の質疑は終了されました。 藤原ひろ子君。
○藤原分科員 お疲れのところ御苦労さまでございます。私はきょうは、お米の消費拡大と、それから流通対策、消費拡大におきます流通対策ですね、そういう問題と蚕糸事業団の問題につきましてお尋ねをしたい、こう思います。 昨年の十二月、食糧庁は「米の流通の改善について」と題します六項目から成る試案を関係者に提示されておりますが、この目的について御説明いただきたいと思います。
○澤邊政府委員 最近米の消費が漸次減少しておるわけでございますが、その要因いろいろございますけれども、その一つの原因といたしまして、消費者に接する小売段階あるいはその前の段階である卸売段階等におきます販売努力が他の競合食品、パンだとか即席ラーメンだとか、そういうものと比べましてどうしても低調であるということは、どうしても免れられないところでございます。食管制度という一種の統制の中でやっておりますので、完全に自由な競争ということはできませんけれども、最近の需給事情にかんがみまして、いま少し競争条件を入れまして販売努力を促進し、消費者に対するサービスあるいは品質に対する信頼感の回復というようなことをやっていただくことが消費の拡大にも役立つということを考えまして、御指摘にございました六項目について業界に提示をしまして、種々意見を聞いてきたわけでございます。
○藤原分科員 この試案につきましては、当初予定をしておられました四月実施は、この予定を変更して、継続し、検討を進めるというふうになったようでございます。そうですね。——しかし、その案そのものを白紙に戻すということではないようでございますので、二点について私はお尋ねをしていきたいと思う次第でございます。 まず最初に、お米の消費拡大についてでございますが、この案を出す以前には、小売店に対してはどのような指導援助をしていらっしゃったでしょうか。いまの御答弁にありました販売努力が低調だ、もっと促進させ、消費者にサービスすることが大切だ。それじゃ、そういう大切なことをする小売店、消費者にすべてつながっているという小売店でございますし、小売店の果たす役割りは私も非常に大きいと思うわけでございますが、食糧庁の今日までの指導援助の内容、これを具体的にお教えいただきたいと思います。
○澤邊政府委員 まず、価格が、現在は物価統制令を外しておりますけれども、適正な価格で販売される、それからまた適正なということは余りマージンを大きくしない、また中身と表示が合っておる、中身にふさわしい価格がつけられるということがまず消費者に対するサービスでもあり、また消費者の米に対する信頼感を得るゆえんでございますので、そういうことをまずかねがねこれまでも指導をしてきておるわけでございます。 そのほかに、特段に消費の促進を図る必要があるということで、これまでやってきておりますことは、当然米の消費の拡大、販売の拡大になるわけでございます。これは小売屋さんであっても、自分の商売が発展をして利益もふえるということにつながるわけでございますので、みずから当然やっていただくことでございますが、先ほど言いましたように、他の業界に比べてやや低調であるという点がございますので、それらについてできるだけ努力をしてほしい。具体的には消費者との間のそういう品質についての問題を含めまして、価格等も含めまして各種の懇談会を開くとか、あるいは米の講習会を開くとかいうようなこと、あるいはまた個別の小売店舗といたしましては、サービスの一つといたしまして配達をやるとか御用人夫をやるとか、昔はよくやっていたのですが、最近はなかなかやらなくなってきておりますけれども、そういうようなことも消費拡大の努力の一つだということで、それらの例示をいたしましたけれども、各種のことをできるだけやってもらうようにお話をしておるわけです。 小売業界に対しまして、私どもの方から特段に助成というようなことは単独ではいたしておりませんけれども、現在米の消費拡大につきましては、全国米穀配給協会というものがございまして、これは小売業界を含めまして、卸とかその他の団体を含めまして一緒になって消費の拡大をやっております。これは米祭りをやったり展示会をやったりテレビで放送したり新聞広告を出したりと、各般のことを広範にやっておるわけでございますが、これに対しまして、政府としては援助をいたしております。補助金を出しておりますし、さらに資料なり何なりの問題で事実上の協力もいたしております。これが間接でございますけれども、小売店舗の消費拡大努力に対する援助という面でございます。
○藤原分科員 政府がお米の過剰を言い出しましてから、農家に対して減反を要求し出したのはもうたしか十年にもさかのぼるというふうに思います。そして消費拡大を言い出しましてからももう四年になるのじゃないかというふうに思うわけですけれども、お米屋さんに対します御指導、いまいろいろ聞かせていただきましたが、まだまだ不十分な点があるのではないかと思われるわけです。一人一人のお米屋さんとお話をしてみますと、みんなそれぞれに考え、努力をしておられますし、それからいろいろないいアイデアも出してこられるわけです。直接会ってお話を聞く中で、私はここでぜひ食糧庁の指導の強化といいますか、具体的な援助が必要だなということを強く感じたわけなんです。いまのところは、そういうきめ細かいといいますか、かゆいところに手が届くといいますか、そういう指導が余り強めておられないのではないかというふうに感じたわけだったのですけれども、そういう点でそのまま放置しておきますと、やはりせっかくそれぞれの善意とかエネルギーとかは発揮されないままになって大変残念だなというふうに思うわけです。 そこで私は宣伝費用としてお伺いいたしますと、手数料の中に若干のものを出すというようなことはしておられますけれども、もっともっとお米屋さんがお米についての知識を広げるという点での具体的な施策、こういうことも含めまして積極的に国民に向かって消費拡大ができるように、財政的にも措置をしてやるということが必要だ。そういう点取り組んでいただく必要があるというふうに思うのですけれども、食糧庁としてはどのようにお考えでしょうか。
○澤邊政府委員 確かに御意見だと思いますが、個別の小売店舗にそれぞれ財政的な援助をするということはいかがかというふうに思います。これは商業活動でございますから、当然自分で販売努力をする、一種の拡販運動をやるわけでございます。当然の役割りだと思いますので、そこまでやるのはいかがかと思いますが、先ほど申しましたように、団体に対しまして財政的な援助をしていくということは、これまでもやっておりますし、今後も強めていきたいというように思うわけでございます。 御指摘ございましたように、標準価格米のマージンの中にも一部そういうような経費も織り込んでおりますし、それからさらに先ほど申しましたように、小売業団体だけではございませんが、小売業団体が主体になって各種の団体が入った米穀配給協会という、これは公益法人でやっておりますが、これを中心にして私ども援助をしておるわけでございます。それらはさらに今後一層強めていきたいというふうに思っております。
○藤原分科員 ぜひ強化をしていただきますようにお願いをして、第二点目へ移りたいというふうに思います。 小売店の新規参入、この問題でございますが、食糧庁の試案によりますと、全国平均で人口千五百人に一つの小売店を義務的に設置させるという案でございましたが、この千五百人ということにした根拠ですね、これは一体どこにあるのか、御説明いただきたいと思います。
○澤邊政府委員 新規参入につきましては、六項目の中の重要な一項目といたしまして、案を業界にもお話をして、種々御意見も聞いてきておるわけでございますが、私どもの考えといたしましては、一小売当たり平均担当消費者数が全国の平均あるいは県の平均のいずれかを上回るような場合に限って、そのような条件を満たすところについてはふやしていくようにしてはどうかというような考えを持っております。先ほど御指摘ございました千とか千五百とかいう数字は、案の過程でいろいろそういう議論もいたしておりますけれども、固まったものとしてお示ししているわけではない。いまのところはただいま申し上げましたように、全国平均、県平均を上回って一小売当たりの平均消費者数が多い地区、そこらにふやしていく、こういう考えでございます。
○藤原分科員 私も京都で実際に調べてみたわけですけれども、京都の場合には小売店の数は府下全部で千二百五十三軒、それで人口で見ますと千七百七十七人に一軒ということになっているわけです。しかし、これも市町村ごとに見てまいりますと、大変アンバランスがございますし、大都市と中小都市、農村によりましては小売店の経営の形態も違いますし、専業もあれば兼業もあります。大量に取り扱っているという店もあれば、少ない店もあるわけです。非常に複雑な状態で存在をしているわけです。それを上から一定の枠を決めてやるということになれば、大変な混乱が起きるというふうに思うわけです。 そこでお尋ねをいたしますが、食糧庁は、この案を実施したとして、実際にはどれだけ消費が拡大されるというふうに考えておられるでしょうか。
○澤邊政府委員 ただいま申し上げた案も一応最初の原案としてお示しをして、意見も承りながら詰めていこうということで進めてきておる過程でございますので、最終ではございませんし、また、いまお話がございましたように、地域によりまして、単なる消費者人口の頭数だけではなしに、消費者一人当たりの小売から買う量も産地とか消費地等によって差がございますので、余り画一的なことばかりもいかぬ、議論のスタートとしてそういうことを申し上げているわけでございます。 それからお尋ねのございました、こういう対策によってどの程度消費がふえるだろうかということは、大変むずかしい御質問でございまして、私もいまここで何%ふえるということは、数字的に申し上げる自信もございません。ただ、私どもはこういうのも一つの消費拡大の対策ではないか、これだけではございませんので、学校給食に米飯を入れていくとか、あるいは一般的なPRだとか、その他各般の消費拡大の対策を進めておるところでございますので、これだけの対策で何万トンふえるというようなことは、特に具体的な目標を掲げておるわけではございません。
○藤原分科員 京都の場合で見ますと、二百十六店ございます。一七・二%ふえるということになるわけです。これは言いかえますと、すべての小売店は、現在の経営状態を維持するためには、一七・二%販売量をふやさないと維持できないということになるわけなんですね。これは単純化して極端な言い方をすれば、こういうことになるわけです。しかし、現実にそんなに一気に消費量がふえるわけではないし、そういうはずはないというふうに思うわけです。これは食糧庁が頭の中で考えられた案であって、現実にはちょっと合わないものではないか、お米の流通を混乱させていくというふうなものではないかというふうに思うわけです。 こういう中で、京都の府議会では、昨年の十二月、定例の議会におきまして、府民の請願を受けて審議をしました結果、米の流通改善試案に関する意見書を全会一致で採択をいたしました。 この意見書は、このように述べているわけです。 米の消費拡大に資するためとして、食糧庁は 「米の流通改善試案」を発表したが、この試案 が具体化されると食管制度に重大な障害を与え るものとなる。 しかも、この試案のような急激な改革は零細 な小売業者の生活を脅やかす措置である。 よって政府は、この試案を白紙撤回し、末端 小売業者が犠牲にならないような施策を講じる よう強く要望する。こういうものでございます。 私もこの試案を撤回をされた上で十分に検討されることが必要だというふうに思うわけでございますが、この問題の最後に大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 実は私が大臣になりまして、言われるまでもなく、この案については仰せのような部分があるのです。産地等においても、それは販売数量が多くたって産地はほとんど標準米ですから利益がうんと少ないというような矛盾もありまして、これはもう少し検討をし直す必要があるということで、それで、この中にいいと思うところもあるのですよ。競争原理の働く、いいと思うところもありますが、実情に合わないところも散見されるので、もう少し研究し直そうということで、いまはこれは別な角度から検討しておる最中であります。
○藤原分科員 それでは、次に、蚕糸事業団の活動につきましてお尋ねをしたいと思います。 まず最初に、蚕糸事業団はどんな事業をやっていらっしゃるのか、御説明いただきたいと思います。
○二瓶政府委員 日本蚕糸事業団の業務でございますけれども、事業団の主たる業務といたしましては、生糸の買い入れ並びに売り渡しというようなことを通じまして繭糸価格の安定を図るというところが主たる業務になっておるわけでございます。もちろんそのほか乾繭の、繭でございますが、その辺の関係も扱えるというようなことがございます。あとは付帯事業的に若干の助成事業というようなものもやり得るということが、大ざっぱに申し上げれば日本蚕糸事業団の業務でございます。
○藤原分科員 蚕糸事業団は、国内糸の買い支えと輸入生糸を取り扱うだけでなくて、いま御説明がありましたように、助成事業もやれるということになっております。こういう中でいま皆さんの御努力をいただいているわけですけれども、五十二年、五十三年度にはどのような事業に対してどれだけの助成をされたのか、お伺いをしたいと思います。
○二瓶政府委員 五十二年度でございますが、五十二年度は二億一千万の助成事業をやっております。この内容といたしましては、繭生産改善緊急対策事業が一億二千四百万でございます。それから蚕業技術員の養成研修基金造成事業が三千万、それから副蚕処理悪臭防止装置研究開発事業千四百九十一万、それから生糸の需要増進事業ということで四千百七十八万でございます。合計いたしまして二億一千万というのが五十二年度でございます。それから五十三年度は、総計をまず申し上げますと、三億六千五百万ということでございまして、繭生産改善緊急対策、これにつきましては二億八千七百万、それから養蚕農家リーダー養成特別事業六百四万、それから繭生産活動強化施設導入事業五百万、生糸の需要増進事業、これは六千六百二十九万という内訳に相なります。 以上でございます。
○藤原分科員 皆さん御承知のように、一月十六日に京都の西陣織ネクタイ業界の方々が国を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしております。ネクタイ業者の人たちは、生糸の一元化輸入の制度によりまして高い生糸を買わされている。外国に比べて高い原料を使っているので、外国産のネクタイには太刀打ちできない、こう言っているわけです。それでもみんな長い間しんぼうをしてがんばってきた、それにもかかわらず、政府は養蚕業に対してはいろいろと対策を講じているけれども、自分たちには何にもしてくれない、がまんできない、こう言っておられるわけですね。私は、決して一元化輸入は廃止すべきだ、こういうふうには考えておりません。廃止するという方向ではありませんけれども、いま御説明のありました蚕糸事業団の助成事業を見てみまして、絹業の方には非常に少なくしか助成が行われていない。この辺に政府の姿勢があらわれているのではないかと思われるわけです。私は、この絹製品の需要の増進がなければ養蚕そのものの発展もない、こういう観点でもう少し考えてみる必要があるというふうに思うわけでございますが、その御用意はあるのでしょうか。
○二瓶政府委員 生糸の需要増進事業の関係につきまして今後どう考えるかということでございますが、この助成事業の中におきましても実は、五十年度は需要増進事業に対する助成はゼロでございました。五十一年度になりまして百八十五万円ほど需要増進事業に出したわけでございますか、五十二年度は先ほど申し上げましたようにそれが四千百七十八万、さらに五十三年度は六千六百二十九万ということで、相当そういう意味ではウナギ登りの感がするぐらいこの助成事業の中では絶対額がふえてきておるということでございます。五十四年度の分は今後の問題になるわけでございます。全体の助成事業の枠をどうするか、これは法律の面でも前々事業年度の八掛けのものということで、利益金の八掛けという枠がございますし、さらに当該年度五十四年度なら五十四年度の財政事情が事業団としてどうであるかということ、あるいはまたこの助成事業の対象として考えるものがある程度公共性があり、また相手方の方も適格なものであるかどうかというようなことを詰めた上で、この生糸の需要増進を初め養蚕振興の面につきましても詰めてまいるわけでございますので、今後の問題であるというふうに思いますが、考え方としてはさらに充実をしたいという意気で考えておるわけでございます。
○藤原分科員 しかし、このままでは絹業に携わる人たちから輸入一元化撤廃せよなどという声になるのではないかという懸念も私はするわけです。同じ生糸を扱い、日本の伝統をお互いに守らなければならないという立場の養蚕農家と絹業家があたかも敵対するような心を持っては大変だし、そういったことが危惧されますので、私は内容的に少し突っ込んでお尋ねをしたいというふうに思います。もうあと時間がございませんので、まとめて全部お聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 五十二年度は養蚕業の振興のために約一億七千万円、それから絹製品の需要の増大のためには約四千万円ですね。五十三年度はそれが片や約三億円と片や六千六百万円になっているわけです。いまおっしゃいましたように、法律では前々年度の利益金の八〇%までは事業の助成に使ってもよいということになっているわけなんですね。そこでこれを五十三年度に当てはめてみますと、五十一年度は十億七千万円の利益があったわけですから、八億円の範囲で助成事業ができたわけです。それにもかかわらず、三億六千万円しかおやりになっていないわけです。とりわけ絹製品の需要増進につきましては六千五百万円で、それも宣伝事業にだけしかやられていないわけです。私は需要の増進と言えば、宣伝だけではなくて、安くてよいものをつくるための試験であるとか研究事業、こういったものもありますし、需要動向調査事業といったものもあるわけです。たとえば先ほどもお話をいたしましたネクタイの需要動向についても調査をしようというお話も産地では出ているわけです。こういう事業の場合は助成の対象になるのかどうか、その点お伺いをしたいわけです。 同時に、それだけではなくて、絹織物の多くは伝統的工芸品産業でもありますので、伝産品に共通の問題として後継者の養成というものも大変困難な事業になっているわけです。より高度な技術を習得させるという事業もまた需要の増進にとりまして欠くことのできないものでありますが、こういう性格のものについてどのような扱いになるのか、通産省の御意見も皆さん聞いていただいて、検討してもらわなければならないというふうに思いますけれども、こういう点やっていただけるでしょうか、時間がありませんので、簡潔にお願いをいたします。
○二瓶政府委員 実は生糸の需要増進事業ということで、生糸及びその加工品の需要増進に助成事業は投入できるということでやっておるわけでございますが、ただ問題は、繭と生糸、これは農林省の所管物資でございますが、よりました糸、織物それから最終製品のネクタイのようなもの、これは通産省所管物資ということに相なっております。したがいまして、ただいま先生からお話ございましたようなたぐいのお話につきましては、たとえばネクタイの需要動向というようなものの調査にはどうかという話等もございましたけれども、その辺はやはり通商産業省の生活産業局の方とよく話し合いをして、そこでこのことも生糸の需要増進につながるという角度で、農林水産省の方の関係で事業団からの助成事業として扱うということでよければという話の調整はできるかと思います。 なお、現在やっております事業団の助成事業の基本的な事項といたしましては、試験研究の面につきましては、基礎的な研究といいますものに対する助成は事業団の方は扱わない、むしろそれはそれなりに国の研究機関等もございますし、そういうことで一応線を引いておるということでございます。したがいまして、通商産業省の方とも十分相談をし、また先ほど申し上げましたような適格性がどうかというような面等、財政当局とも相談をして五十四年度の助成事業の枠といいますかそういうものを決めていきたい、こう思っております。
○藤原分科員 ぜひとも御検討いただいて、御相談いただいて実施できる運びにしていただきたい。 また、宣伝事業につきましても、絹織物といいますのは西陣織とか京友禅、丹後ちりめん、大島つむぎというふうに産地によりまして物が違います。特色もあるわけです。すると独自の宣伝もまた必要になってまいるわけでございます。たとえば京都では毎年京都の絹織物業者や関係者が「染と織の祭典」というのを開いております。私も参加をさせていただきましたが、この祭典といいますのは、京都の染色業に携わる者の文化創造者としての自覚や連帯を高めていく。事実六万三千四百人の入場者であったわけですが、これからわかりますように、消費者との対話も深められている。それから、千年の歴史と伝統を誇ります京都の染色業界を興隆発展させるために、これは非常に意義が深かったと思うわけなんです。 こういう産地独自の宣伝事業も需要の増進のためには必要な事業であるわけですが、これも当然対象になる事業だと思いますので、農林水産省としてぜひ先ほどの検討と一緒にやっていただきますように、時間がありませんので、やる、やらないだけで結構でございます、よろしくお願いいたします。
○二瓶政府委員 検討させていただきます。
○藤原分科員 どうもありがとうございました。
○笹山主査 これにて藤原ひろ子君の質疑は終了いたしました。 西中清君。
○西中分科員 私は、栽培漁業につきまして御質問させていただきたいと思います。 わが国の栽培漁業は、御承知のように二百海里時代の到来によりまして、漁業生産の縮小、さらにまた中高級魚介類を消費者が嗜好するという需要動向に対応いたしまして、飛躍的に拡充されることが非常に強く要望されているように私は思います。これに対しまして政府は、国や県の栽培漁業センターを全国に設置をされまして、五十四年度予算でも国のセンターが二事業場、県のセンターが八カ所、京都も今回その予定になっているわけでございますが、それなりの対応をしておられると評価をいたしておるところでございます。しかし、いまこの事業はまだまだ課題が多いのもまた事実だろうと思います。 本来、栽培漁業というのを考えますと、日本沿岸全域にわたりまして魚介類を資源的にふやしていこう、これがねらいだろうと思いますが、種苗生産や放流ということだけでなくて、そういうためには生育場、産卵場といったものの造成であるとか、進めば操業規制というか、そういった資源管理の手法も一体として進めていくことが理想ではなかろうか。少なくとも当面、理想を性急に求めるわけにはいきませんから、中高級の魚介類を対象にして事業を進め、最終的には多くの種類、そして日本海域全体にわたって培養、増大に進むへきである、そういう長いスケジュールになると思いますけれども、私どもはそういうふうにぜひとも将来なってもらいたい、このように思っておるわけでございますが、この事業についてのいまの私の話を皆さん方はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、まず伺っておきたいと思います。
○森政府委員 栽培漁業が非常に重要な問題にますますなってまいっておりまして、今回も東日本の栽培漁業センター、さらに来年度北海道、長崎の方も拡充していく、これは国の栽培センターでございますが、そういうことでいろいろ重点を置いて予算を編成したわけでございます。 そこで、いまの先生のお話に関連をいたしまして、今後国の栽培漁業センターと県の漁業センターとの間の仕事の関係をどういうふうに考えていくかということにつきましても、そろそろ整理検討する時期に入ってきているわけでございます。現在までのところ、国の栽培漁業センターを通じて主として栽培漁業の技術開発を行う、県は県営の栽培漁業センターを通じて事業化段階に入った魚種の種苗の生産なり放流の事業を実施するということでやってきたわけでございますが、現状では、事業化段階に達した魚種が少ないということもございまして、県営の栽培漁業センターの事業はアワビ等の地先種が中心になっているのが現状でございます。先ほど申しましたように、ますます重要な課題になっておるわけでございますから、マダイ等の回遊性魚種も含めまして技術開発の促進にさらに努める考えでございますけれども、県等を越えて回遊するようなマダイ、ことにマダイが一番問題でございますけれども、そういう問題をどういうふうに考えていくかということについていろいろな考え方もございます。個々の県の栽培事業に任せるといたしましても、たとえば瀬戸内海の中で、自分のところで放流して瀬戸内海に——中と言っていいのかどうか、三年たちますといなくなる。そこで一体その放流権をどうするか、こういう問題もございます。そういうことで、今後の体制のあり方も考えまして慎重に検討をしてまいりたい。 それからもう一つ、いまの中に重要な問題が一つ入っておりました。管理問題、これも含めまして今後の重要な検討課題だと私ども非常に認識をしておる次第でございます。
○西中分科員 ただいま現在の問題について若干お挙げをいただいたわけでございます。確かに私もこういう問題について実地にいろいろ話を聞いてみましたが、何といっても都道府県としましては当然漁民の利益を図る、こういうことを抜いて事業というものは成り立たない、そういう立場でございますから、勢い貝やエビ、いわゆる地先物に集中する、積極的にそれに取り組む、こういう形態で進んでおるわけですね。どうしても受益者が特定しにくい、いまのお話があったように、どこかへ行ってしまうというようないわゆる回遊性の強い魚につきましては、これは当然消極的になる、これは無理からぬところだろうと思います。その背景としては、やはり各府県では技術開発が伴わないといいますか、技術陣も層が薄いとか、運営費がかさむとか、国の補助をもっと欲しいとか、ひれ物などというものは回遊性のあるもの、漁業団体なり漁業者から金を取って放流することはできない、いろいろな問題があるわけです。ですから、国が栽培漁業を振興しようとするならば、やはりこれは思い切った研究投資というものを国がしっかりめんどうを見るということが基本になるかと私は思います。 ですから、方法としては、やはり二通りあると思うのです。 一つは、県のセンターに委託して、回遊性のあるひれ物等についてどんどん研究をし、放流をし、管理もする、いろいろな手当てをしていくというこういうもの。それには漁業者の協力も必要でございますから、管理の問題も当然出てくるわけでございますから、そういった面に関連して法の整備も行わなければならぬ。わが党としましても、実はそれについての立法というようなこともいま作業を続けておるわけでございますが、いずれにしてもそういう方向で個々の県にもしっかりと予算をつける、研究投資を行う、そしてひれ物もやらせる、そのかわりお金の方のめんどうはしっかり見る、こういう方向でどんどん進んでいく、これも一つの方法。 それからいま御説明ございましたが、国のセンターを充実して県のセンターと異なった性格のもとに、いままでもやってこられておるようでございますけれども、それをより充実するために、回遊性の強いもの、ひれ物等につきましては国で徹底的にやるのだ、そして日本列島沿岸の魚をふやしていく、こういう考え方で各県とは切り離す、これも一つの方法でございましょう。 それからもう一つは、この両方が連携をよくとって、やはりそれぞれの地域地域におきましては、各県の栽培漁業センターの得意な魚種といいますか、この点についてはここの方が一番進んでいるのだというような形がございますから、そういうものを委託する形でどんどん進めていくとか、大きく分けて大体三つの形ではないかと思いますが、水産庁としてはこういう点はどういうお考えであるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○恩田政府委員 ただいま先生御指摘の問題につきましては、おっしゃるとおりいろいろ方向があると思います。ただいま現在私どもで進めておりますのは、まず技術開発は国のセンターがやる、その技術開発を府県の栽培センターで実用化していただく。その際に、御指摘のように、いろいろ大きく回遊する魚もございますものですから、そういうものの調整をどうやるかというのが非常に大きな問題になってくる。それに対しまして、私どもとしては五十四年度予算で全国の栽培協会をつくって、それを中心にひれ物に対応する考え方を固めていこう、このように現在の段階では考えておる次第でございます。
○西中分科員 私は、いま申し上げましたように、将来展望の上からいってやはり立法化してそういった体制を整えるという作業が必要ではないかと考えておるのです。どういう方向へ進むか、いま御検討中だということでございますけれども、いずれにしても管理その他の面を考えてまいりますと、これは立法措置がなければなかなか進まない問題でございますから、将来そういう点について立法措置をお考えであるかどうか、お伺いをしたいと思います。
○森政府委員 ただいまの問題につきましては、いろいろ漁業制度、漁業法にかかわる問題も含む問題だと思っております。ただ、必ずしも法制的な準備がないとできない問題でもないのではないか。むしろ事実としてそういう新しい栽培漁業の管理の組織なり方法を実際にやりながら、必要に応じて法制の準備をしていくという方向が一番適切な方法ではあるまいかというふうに考えております。
○西中分科員 要するに、実情を推し進めながら必要に応じて立法措置を考える、こういうことでございますね。 そこで、私は、当面積極的に進める上においては、国の機関というか、国のセンターがやはりこの点については事業をどんどん進めていただかなければ、なかなかこれはおいそれと簡単に開発ができるわけじゃございませんから、ぜひとも国のセンターを積極的にその役割りを果たすような方向で進めていただきたい。 同時にまた、今日まで瀬戸内海、北日本にこれが建設されたおけでございますけれども、今度また北海道と西海という二カ所、こう見てまいりますと、日本海沿岸というものががらあきになっておるというのが実情でございます。この栽培漁業センターが日本海沿岸でどういう成果が上がるかということはまだわかりませんけれども、今日、県のセンターも数がふえてまいったことでございますから、こうした県のセンターの中軸、柱となるような国のセンター、これはやはり早急に建設されるということが非常に大事だろうと思うのですね。 現に京都府におきましても、知事は積極的にこれを進めるというか、誘致をしたいと、陳情といいますか、いろいろとお話をしていると思いますけれども、土地も手当てもいろいろ考えているようでございますから、こういうものを含めまして、ぜひとも来年度でということになるでしょう、国のセンターを日本海側に二カ所なり三カ所なり設置をする、こういうような方向で御検討いただきたいと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○森政府委員 ただいまの御指摘の問題につきましては、国の栽培漁業センターは各海域の特性に応じた技術開発を進めるというたてまえでございますから、日本海海域の設置の問題につきましても、国の栽培漁業センターあるいは栽培漁業そのものの推進体制の全体の検討の一環といたしまして今後検討をしてまいりたいというふうに考えます。
○西中分科員 今後検討ということですけれども、五十四年度予算では組まれてないですから無理としても、できれば五十五年ぐらいにはやはり考えていく、こういうふうに私たちは要望したいわけですが、その点どうでしょうか。
○森政府委員 日本海側から非常に強い御要望がございます。そういう御要望が現在ありますということは十分私ども認識をして検討をいたしたいというふうに考えております。
○西中分科員 次に、マツクイムシにつきましてお伺いをいたしたいと存じます。 森林資源に重大な被害を与えておりますいわゆるマツクイムシ、この対策につきましては、被害が非常に激甚をきわめておる現状で、その駆除というものは積極的に強く推進をしていかなければならない、このように痛感をしておるところでございます。 いろいろお話を伺いますと、昨年九月現在では、被害の最も多い茨城県を初めとして三十六都府県で被害が続出し、被害量は民有林で百二十七万一千六百立米と史上最高を記録いたしております。京都府でも昨年九月には一万九千四百立米と言われておりましたけれども、その後二万三千立米、こういうように被害量が伝えられておるわけでございます。いま風致地区を初め、京都市内も、古い都で景色がいいのだと言いながら、赤茶けた松がどんどんとふえてきておるところでございまして、町を愛する人たちが非常にこれは心配をいたしておるところでございます。こういう被害を見ておりますと、一体これはどういうふうにこれから推移をしていくのか、こういう心配があるわけでございます。その見通しといいますか、今後どういうように展開されていくのか、皆様方のその予測をまず伺っておきたいと思います。
○藍原政府委員 ただいま先生から御指摘になりましたように、五十三年度はマツクイムシの被害が非常に多うございまして、その原因を調べてみますと、五十三年度は非常に雨が少なかった、それから非常に暑かった、こういう異常な気象が、ちょうどマダラカミキリあるいはマツノザイセンチュウの活動する時期に、気象の関係がそういう形にぶつかってしまった、そういう関係で非常に発生が多かったという調査結果になっております。 ちなみに、過去数年の傾向を見ますと、五十一年、二年、この二年間は空中散布等の特別防除をやったわけでございますが、一番ピークでございました四十八年あるいは四十九年、五十年百万立方台の被害が出ておりますが、五十一年、五十二年は八十万台になっております。 こういう形で私ども、特別防除のあの法律をもとにいたします防除をやっていけば、一応私どもの期待しております、マツクイムシの被害程度が軽微の方向に行けるというふうに思っておりましたが、昨年ああいう異常気象のために非常に被害が多うございました。そこで私どもも予備費を使って、昨年の暮れからいままで徹底的に、被害にかかりました木の伐倒駆除を、現在県を中心にやっていただいておるわけでございますが、五十四年度につきましても私ども予算を大幅にふやしまして、マツクイムシの防除に対します特別防除あるいは立木伐倒駆除、これらを両々並行しながら対応して、できるだけ早くその蔓延を防いでまいりたいというふうに考えております。
○西中分科員 確かにお聞きしておりますと、空中散布等いわゆる特別防除によりましてやったところは非常にいい成績が出ているのだ、こういうことでございますが、やらないところはまたふえているのだとか、いろいろ説明を聞いておりますと、それじゃあっち抑え、こっち抑え、あっち抑え、こうしながら恒常的に薬をまいていかなければならないのじゃないか。また逆に言うと、自然生態系がある程度影響を受けて環境が悪化する、こういう心配もあって、雨がちょっと降らないとふえてくるのだ、こういうことじゃ、非常にあやふやな面も感じられるわけですね。ですから、根本的な対策というか、そういうことはいろいろお考えだと思いますけれども、空中散布を一応やられて、徹底的な見直しといいますか、これが必要じゃないか。同時にまた、五十二年の附帯決議の中にもございましたけれども、いろいろ特別防除以外の天敵による防除であるとか、抵抗性の強い松の品種の育成であるとか、松の樹幹に直接薬剤を注入して防除するとかいろいろな研究があると思いますが、これを並行して進めていくように附帯決議でも強く要望しておるわけですが、この成績が一体どうなっておるのか、現状をお伺いしたいと思います。
○藍原政府委員 私ども、現在の技術におきましてこのマツクイムシを防除するためには、最良の方法としては伐倒駆除と、それから薬の散布、これが現在の技術では最良であるというふうに考えまして、その対応としておるわけございますが、御指摘がありましたように、それだけの技術で満足しておるわけじゃございませんで、そのほかの技術も並行して開発しなければならないということで、特にいままで国あるいは都道府県がそれぞれ独立して試験研究をいたしておりましたけれども、五十三年度から国と都道府県の試験研究機関が一体になりまして、松の枯損防止新技術に関する総合研究ということを進めております。そしてできるならばこれは五カ年計画によりまして試験研究を行いまして、できるだけ早く実用化できるような方途を見出したいということを待望しておりますが、内容を申し上げますと、研究項目としては天敵微生物の利用、その技術、それから誘引剤によりまして虫を引きつけて殺す高度の利用技術、それからもう一つは薬剤をそれぞれの個体に注入いたしまして、そして単木的な処理をする技術、大きく分けますとこの三つにつきましてその研究を進めておるわけでございます。そしてそのほかには国立林木育種場というのがございます。ここにおきまして、枯れた松林の跡、マダラカミキリに対して抵抗性の強い松を早く発見しようということで、抵抗性の強い育種の研究も開始いたしております。こういう進め方をいたしておりまして、まだ最終的な結論はそれぞれ出ておりませんけれども、一部にはマダラカミキリの幼虫に病気を起こさせるような微生物、こういうものも発見されておりますし、それから天敵昆虫というものも一応は見つけられております。それから誘引剤につきましても効果があるということは十分わかるようなことまでいっておりますが、やはりこれについては薬剤の問題がありますので、その辺の研究もしなければいけないということで、私どもも鋭意こういう研究を国並びに都道府県の試験場一体になりまして、進めてまいりたいというふうに考えております。
○西中分科員 いまのお話の点は、確かに予算面でもはっきり出ておると思うのです。特別防除は非常に効果があるのだということでございましょう。前年比かなりの伸びをいたしておりますから、私も評価をしておるところでございます。ただ地上散布の数量が一万五百ヘクタール、こういうふうに前年と全く変わっていない。これは特別防除、いわゆる空中散布がいいので、地上散布は大体これくらいでいいのじゃないかというふうな、何か比重ががらっと空中散布の方へ偏ってしまったのではないかというような感じを持つのですが、その点はどうでしょうか。 それから時間もありませんから、もう一つ自然生態系が空中散布が行われる前と散布の後とどう変化しているかということについては御研究なさっておるのかどうか。もしもしておられるならばどういう変化があったのか、お伺いしたいと思います。
○藍原政府委員 マツクイムシの防除は、先ほども申し上げましたように、空中散布あるいは地上散布、それから立木の伐倒駆除、それぞれその林地の状況、あるいはその松の生えております状況等を判断して対応しなければいけないというふうに考えております。したがいまして予算上は一応こういう形になっておりまして、できるだけこの予算に沿ってわれわれは対応いたしておりますけれども、いろいろその地域によりまして実情等々があればその辺は十分われわれも検討し、打ち合わせをし、実態に合うような形でも研究しながら対応してまいりたいというふうに考えております。特に立木伐倒駆除につきましては前年度に対しまして金額におきまして一四三%という高い伸びで予算を組んでおりますので、そういう面で対応してまいりたいというふうに考えております。 それから後で御質問のございました生態系との関連でございますが、これにつきましてはただいまそれぞれの現地におきまして調査地点を設けまして、十県につきましてプロットを設けまして、定点的な観測をやっております。したがいまして、まだ始めましてから二年でございますので、ちょっといまここでまだお答え申し上げる段階に行っておりませんけれども、これについては経年的にその変化を十分調査し、そして必要な時期にはまた皆様方にお知らせするということを考えております。
○西中分科員 時間も終わりになりましたので、いまの調査ですね、でき得れば早い時期に、たとえ中間報告であろうとしていただくということが、これから空中散布をする地域にとりましても一つの安心材料といいますか、はっきりした一つの目安、それから注意すべきこと、こういうものを十分考えながらやっていけるということでございますから、でき得れば中間的な報告がいつごろできそうか、こういう点についてまずお伺いしたい。 それからもう一つは、今日松の価格というものが非常に低いものですから、低価格でございますから、松林が枯れても惜しくないというふうな雰囲気が非常にあるのですね。ですから、少々枯れてもしようがないや、わざわざ切ったりなにするよりもほっとけというような、山へ三年も五年も入らないというところがいっぱいあるわけですね。これは樹勢を非常に弱める大きな原因にもなっているのじゃないか。ですから、この辺の価格を上げるという意味じゃなくて、需要の拡大という政策が必要だろうと思います。その点はどういうふうになっておるのか、五十四年度の予算でどういうお考えで手を打たれておるのかお伺いしたいと思います。
○藍原政府委員 前半の御質問でございますが、私どもも先ほど申し上げましたように鋭意調査をいたしておりますが、いまの段階ではいつということは申し上げられませんけれども、できるだけ早くまとめまして皆様方にもお知らせしていきたいと考えております。 それから、松材の売り払いの問題でございますが、確かにいま木材価格は余り高い方ではございませんし、特に松についてはいろいろ問題もございます。したがいまして、私どもとしては関係業界、特にパルプ産業、チップ産業、そういう方面でも積極的に松を使っていただくようなことを業界の方にもお願いをし、県の方においてもそういうことに努力をしていただくような指導をいたしておりまして、その辺につきましても今後とも十分そういう指導をしてまいりたいと思っております。
○西中分科員 終わります。
○笹山主査 これにて西中清君の質疑は終了いたしました。 山本悌二郎君。 〔主査退席、森(清)主査代理着席〕
○山本(悌)分科員 二つにしぼって御質問を申し上げたいと思います。 一つは漁業でございます。水産庁おいででございますか。——二百海里の問題でありまして、北洋漁業から追い出された漁民がたくさんいるわけであります。一昨年離職者法をつくっていただきましていろいろお手当てをいただきましたけれども、率直に申し上げまして五十一年以降約千二百隻減船、一万六千人有余の離職者が出ているのです。ところが、私どもの仲間であります海員組合が調べたところによりますと、この人たちの再就職というのが全く不可能なんですね。そこで、まず大臣、どんなふうにお考えになっているか、お聞きになっていられるか、またこれからどんなふうにしたらいいのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 減船に伴うところの漁業離職者の対策につきましては、八十三国会で成立をした国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法によりまして職業訓練及び職業転換給付金の支給等を労働省及び運輸省等においてそれぞれ講じていただいておるところでございます。その他水産庁としてもいろいろなことをやっておりますので、それについては水産庁長官から答弁させます。
○森政府委員 御指摘の問題につきましては、数字の把握がなかなか困難でございますが、私どもなりにいろいろ数字を当たってみております。確かに、まずどれだけ離職したかというのは、船で計算をするということでやってみますと、約五割が離職者の求職手帳の発給を受け、その五割のうちの六割が再就職をしているということのようでございます。
○山本(悌)分科員 人数はわかりますか。
○森政府委員 人数は一応推計でございますが、一応もとの数字をいろいろ、五十二年の北洋の漁業と五十三年の北洋の漁業、それから五十三年のニュージーランドも入れまして約一万二千人と推定をいたします。 そこで、公共の職業安定所なり海運局での手帳の発給数を見ますと、六千三百二十九、そういう数字になっております。そこで再就職数が三千七百五十四ということでございますから、一万二千の約半分、その半分の約六割が再就職をしているということを申し上げたわけでございます。 ただその相当部分、これはこれから先はちょっと推定——推定といいますか、一応その相当部分は臨時的な就労形態であるというふうに関係省からは聞いておりまして、再就職の状況としては必ずしも安定しているというふうには考えておらないわけでございます。 そこで水産庁としては、御承知のように調査船だとか取り締まり船だとか、できるだけそっちの方で活用するものはその船ごと活用するということでやっておりますけれども、それも限度でございます。そのほかには結局水産庁として、沿岸に戻ってくる、それがUターンだとかなんとかという話はあるにしても、そういうものは沿岸の漁場整備等、それから栽培漁業だとか、基本的に沿岸を見直そうといっているそういう施策全体の中でそういうものを吸収していくほかないのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。 しかしまたほかに、漁業就業者の再就職、就業をさらに円滑に進めるということのために、来年度予算で漁協系統の組織、これは全漁連でございますが、全漁連に漁業労働力の需給情報を収集させていろいろ情報を流していく、これはたしか昨年、国会で御質問、御提案がございまして、これを早速来年度予算に組み込んで努力してみたいということをやっておるわけでございます。
○山本(悌)分科員 よく御努力をしていただいていることは結構なのでございます。 そこで、私は率直に大臣にも長官にも申し上げておきますけれども、困った問題が二つ三つあります。 その困った問題というのはどういうことかと申し上げますと、いま数字の上でも御指摘のように一万二千人、しかもそのうちの半分の六千人、そのうちの半分の三千七百人しか就労していない。だが、そうするとあとの九千人近くは遊んでいる、こういうことなんです。これはどういうことかというと、かっぱがおかに上がって仕事がないということであります。極端なことを言うと、こういうことです。そんなことを言ったのでは漁民の方に怒られるかもしれませんけれども、はっきり言ってそうであります。 そこで、かっぱがおかに上がってできる仕事とは一体何であろう、このことを真剣に考えていただきたい。そこで、おかに上がらなくてもいい方法があるのではないか。おかに上がらなくてもいい方法というのは、遠い海、いわゆる遠洋漁業それから今度は近海漁業、沿岸漁業、こうなるわけですが、いまはもう遠洋漁業がだめになってきて、近海漁業にやや寄ってきたわけだ。さらに今度は沿岸漁業に来るわけですね。 そこで、この遠洋漁業に行っている人たちは沿岸漁業での漁業権や入漁権を持っているのか全然持っていないのか、ここなんですよ。持っている人がなかりいるのですよ。昨年も私はたしか、この委員会だったかどこだったかちょっといま記憶がございませんけれども、この問題を具体的に取り上げた。具体的に取り上げたのは、私の出身地であります新潟県西蒲原郡岩室村間瀬という部落があります、全部漁村であります。戸数にすると三百戸くらいあると思います。昔は間瀬村といったぐらいですから、三百戸以上あると思いますね。その漁村の約三分の二が北洋に行っているのであります。ですから、家も全部そこにあります、親もおります。そして、若い衆は子供を連れて全部北海道へ行ったわけです。北洋へ行ったわけです。ところが、行ったところがこれが残念ながらいまの二百海里にひっかかって帰ってこなくてはならなくなった、もう船は取り上げられてだめということになったのです。そこでどういうことになったかというと、仕方がないから帰ってきた。いま申し上げたように、おかにかっぱが上がって仕事があるわけはない。土方に出るしか道はない。だがしかし、できることなら、自分は魚をとってきたのだから魚をとりたいということで沿岸漁業に手を出した。手を出すということになると、地元の漁協との摩擦が当然でてきます。漁協が承知をしないのであります。 そこで水産庁長官さん、これは昨年も言って問題にして、そのトラブルは一応、水産庁の方から恐らく話があったのでしょう、県も調査に行きまして話をつけて、一応の決着みたいなものはついているようです。しかし、完全に納得していないと私は思うのです。仕方なしにということだと思うのです。これは一その地域の問題だけ、間瀬という部落の問題だけじゃないと思うのです。私の生まれた佐渡島もほとんど漁業として皆生きておりますし、たくさんいるわけです、日本じゅうほとんど漁村ばかりでありますから。周りは海ですから。そうすると、その人たちが、何万人という人が帰ってくることが考えられますね。漁業をしたくても、すでにそこに漁業権を持っている漁協あるいは漁連、この人たちが入れないということになる。入漁権も与えなければ漁業権も与えないということは、これは死活の問題だと思うのです。 そこで、確かに漁協にも言い分がある、小さな単協漁協にも言い分があります。なぜならば、いままで五十万円ずつの水揚げがあったものを百人でやっておった。そこに百人帰ってきた。そうすると二十五万ずつになってしまう。それではおれたちがまんま食っていけない、だからこれは勘弁してもらわなければいかぬ。理屈は理屈だ。しかし、自分たちの親子きょうだい、仲間一族ですよ。それでも殺していかなければならないかというと、私はそうでないと思うのです。そこで、このいわゆる采配というものは結局国がとるしかないと思うのです。これは漁協に任しておけばしまいに血の雨が降る。当然そこのところで血の雨が降りそうだったのだけれども、何とかかんとかいって間瀬の問題は解決したかに見えておりますけれども、まだまだいまお話が出ておりますように世界各国から追い出されてくる、遠洋から近海へ、近海から沿海へ戻ってきたときに、一体その働いている漁業者たちをどうするか。私の身内にもおりますけれども、お尋ねをいたします。
○森政府委員 御指摘のような問題が私はすべてではないというふうに思っておりますし、またそう甘く見てはいけないというふうにも思います。そういうような問題が現に御指摘のようにあったわけでございます。ただ、全体的に見ますと、全体の中でそれほど大きな、いまのはたしか四名ですか、わりにまとまった数で小さい村にそういう問題が起こったというふうに理解をいたしますが、そういうことからいたしますと、むしろいまの沿岸の見直しということを私ども言っておるわけでございますから、そこでいろいろな施設なり増養殖なりというものの事業をいろいろやっておるわけで、そういう個別具体的な問題につきましていろいろな事例が出ますれば、私ども積極的に介入してでも、そういう問題は地元の、要するに沿岸の漁業の中で収容できるだけのことはできるはずだし、またそれだけのことも努力してみたいというふうに思っておるわけでございます。 私もぶつかりました。だけれども、それは要するに一本釣りをやりたいから漁港を早く整備してくれ、こういう話でございまして、いま先生が御指摘のような胸の詰まるような話ではなかったのですけれども、そういうことを積極的にわれわれやっていけば何とか解決していけるのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。
○山本(悌)分科員 時間が長ければもう少し具体的にお話を申し上げると、本当に胸つまされる話がたくさんあるのですけれども、そのことはもう取り上げないことにしたいと思います。だから大臣もひとつ心してください。そういう問題、小さな問題だけれども、本当に考えてみれば、そんなもの県にやらしておけばいいじゃないかと言えばおしまいかもわからぬけれども、そんなことで済まないのですね。その人たちはどこに泣いていきようもないのだ。さりとて土方に出るというたってこれはどうにもならないので、そんな土方ばかりたくさん要るわけではない。土方なんというと大変恐縮でありますけれども、労務者ですね。だものですから、できることなら魚で飯を食いたい。魚で食いたいといったって、いま言ったように沿岸漁業だってそんなにたくさんあるわけじゃないし、非常に困ることだと思うのです。しかし、そこは日本人のまた近親相助け合ういい習慣があるのですから、そこをひとつ長官、うまく使ってやってあげていただきたいということをまずお願いをいたしておきます。 二番目に、提案があります。そういう意味で、いまや沿岸漁業だって決してそんなにたくさんとれるわけではないし、非常に漁獲量も少なくなってきているのです。よくわかっております。そうすると、やはり大型の栽培漁業になっていくと思うのですよ。それについてはどんなふうにお考えになっていますか。これは私はぜひそういうことをやっていかなければだめだと思っておりますけれども、いかがでございましょう。
○森政府委員 先ほどから言われておりますように、沿岸漁業を振興していくということを最重点の事項で私どもも取り組んでおるわけでございまして、いろいろ沿整の事業なりあるいは栽培漁業の事業なりあるいは今後発足いたします沿岸漁業構造改善事業あるいは今度の国会にお願いをいたしております沿岸漁業の改善資金制度等、それから漁港の整備、そういう問題全部、いまの先生の御指摘の問題に向けて努力をしておるというふうに私ども考えておるわけでございます。
○山本(悌)分科員 それに絡まって私のところの佐渡島からお願いが出ておると思いますけれども、漁業総合センターですね。これは相川から出ております。それから漁村の集落環境整備事業というのがありますが、これもぜひやっていただきたいのです。小さなことですけれども、建設省としてめんどうを見てやっていただかないと、実はいま申し上げたようにだんだん過疎になってしまうのですよ。間瀬もさることながら、そういう地域地域を見ますと、たとえば、これは過疎問題としてひとつ取り上げてもいいと思うのですけれども、どういうところが過疎になっているかというと、うんと山の中か漁業ができない沿岸地帯か、どっちかなのです。大臣、これはおもしろい現象です。一遍何か統計を調べたらいいと思うのです。それはなぜかというと、魚がとれなくなったから、漁業者がどうにもしようがないから町へ出てきてしまう。仕方がない。これはあたりまえです。私の佐渡島という島を見ていただけば、かつては人口十二万、いま八万七千人です。一市九カ町村ございますけれども、この一市九カ町村で一番減っているところが漁業です。全部島の周りにいた漁業者です。これは北洋にも行って帰ってこないままにいるし、帰ってきても沿岸漁業で飯が食えない、こういうことです。いる人がなおさら食えないのですから。ですから、そういうことでひとつ長官、せひお手当てをしていただきたいと思います。 もう一つ、二番目に申し上げておきますが、政府船ですね。たとえば監視船、取り締まり船、巡視船なんかの乗組員に離職者を配備するというようなことはできませんか。
○森政府委員 私どもいまやっておりますことは、船ごと、人ごと雇い上げるということでいまの調査船等に使っておるわけでございますが、これも結局、そういう需要が急にあるというわけではないわけであります。大蔵省の主計局のおられる前でちょっとどうかと思うのですが、多少無理をしていただいて動かしておるというのが現状でございまして、ともかく減船をこれ以上なくすということで、これ以上ないとは断言できませんけれども、いままではやむを得なかったかもしれませんけれども、今回のソ連との話でもともかく減船だけは勘弁してくれということで、それを貫き通したわけでございますから、これ以上出ないように努力するということと、それからいままでの方を何とか収容していくというそういう両面のことで対応してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○山本(悌)分科員 わかりました。 二番目の質問に入ります。 大臣にちょっとお尋ねしますが、米、生産者米価の問題であります。大変、大臣、頭が痛いところだと思います。歴代農林大臣が非常に悩んでおりまして、このまま放置しますると、食管制度にまで波及しかねないという状態になっていることもよくわかります。そこで、大臣、一体、転作あるいは生産調整、これについてどんなふうな基本的なお考えを持っておられるか、まずお尋ねいたしましょう。
○渡辺国務大臣 生産調整は、これはもう米過剰ということは、国民経済にとっても困るし、それから、食管制度を守ってくれという人にとっても、なお困る話であります。したがって、米の過剰累積を避けるというために、不足の農作物に転換をしてもらうための助成措置をとっておる。これが水田利用再編対策、こう言われているものでございます。
○山本(悌)分科員 それがことしは何か農協さんが大分肩入れをしてくれて、大臣うまいところに助け舟が出たものだと私は思っているのですが、しかし、それは、そう喜んではいられないのですよ。実は地元の方はそんな甘いことにいかないのですよ。なぜかというと、私はこの五十三年から始まりました調整問題に一つの疑問点を持っております。それはたくさんありますけれども、一、二点申し上げてみたいと思うのです。 たとえば、いままで基盤整備をずっと進めてきたのです。しかも金をかけていいたんぼにつくった。ところが、せっかくたんぼをよくして基盤整備をしたところが、今度は米をつくるなとなったのです。これは転換ができればいいのです。たんぼそのものが転換ができるような体質のたんぼならいいけれども、乾田みたいなところでどうにもならないところは、結局、基盤整備をした、たんぼをきれいにした、つくり直した。さあ減反、休耕、調整しろ、こうなってきますと、自分でいままで、たとえば工費にいたしましても、自分が負担している部分も今度は自分持ちになってしまっているわけです。作物はほかのものはできない。こういうぐあいになって、末端では大混乱をしている様相があるのです。事実、例を挙げれば、挙げても結構でありますけれども、挙げなくても、大臣もよく農村地帯のことは御存じだと思いますので、そこで、大臣、ちょっとその点はどうお考えになっているか、これもお聞きしたいと思うのですが……。
○渡辺国務大臣 その県によりまして非常にやりやすいところとやりにくいところとある。したがって、農林省としては、たとえば北海道は三十何%やってくださいよ、しかし新潟県は五・九%ですよ、秋田県は幾らですよ、こういう差をつけているわけです。県の中でも、やはり、やりにくいところと、やりやすいところとあるはずですから、こっちの方はうんと少なくして、こっちの方は多くして。町村の中でも、全然だめなところというのは余りないかもしれない。しかし、そういうところは非常に少なくなっていると私は思う。しかし、それは、コイを飼っている人もある、ウナギを飼っている人もある、レンコンをつくっている人もある。いろんなことをやっておるわけでございますから、そういうふうな創意工夫をして、そして極力何とかなるようにひとつ仕組んでいただきたいということでお願いをしておりまして、その結果が去年は一一三%というような面積的においては予定を上回る成果を得たというように考えております。
○山本(悌)分科員 それにもかかわらず、百万トンもまた豊作でできちゃって、どうしようもないのですよ。ですから、栃木県なんかは、ことしは勘弁してくれというようなことで、なかなかこう首を縦に振らないでしょう。大臣、困っているでしょう、この調整問題では。(渡辺国務大臣「いや、そうでもない」と呼ぶ)そうなんだよ。わかっているんだよ。そんな隠したってだめだよ。よくわかっているの。 そこで、もし去年積み残しがあったとしよう。あるのです。現に町村によってあるのです。それに対してことしまた追い打ちをかけていきますと、その罰則だ、ペナルティーだ。これは大臣、どういうふうなお考えをしておりますか。やりますか。やりませんか。
○渡辺国務大臣 農林省としては、府県で、府県単位に割り当て面積をやらないところがあれば、やったところが圧倒的多数ですから、やらなかったところをそのままにしておきますと、やった人が九割以上の人、これは知事さんが怒られちゃう。それは小面積だけれども一カ所だけありますよ。そういう点は、その分も加算をして私の方ではおろしてあります。そこから下の話は、県知事さんがどういうふうにやるか、県知事さんのお考えでやっていただくことに、まあお任せをしてあるわけです。
○山本(悌)分科員 逃げられちゃったね。ここが非常に重要なところで、恐らく農林委員会だとこればかりやっているのだろうと思いますけれども、時間がございませんから、もうそれ以上はお聞きしないことにしましょう。しかし、かわいそうですよ。特に私はきょうは米の問題を本当は延々と長くやりたいところなのです。先生のところもそうですけれども、私どものような単作地で米作地帯で、それしかとれないというところを、私も百姓の経験がありますけれども、もうたんぼをつぶしちゃったらどうにもならないんだ。実際かわいそうなんだ。さりとて、米が余ってしょうがないといったって、まずい米とるところなんかどんどんつぶしてしまって、うまい米のとれるところはやはり残しておく必要があるんだな。 そこで、もう一つお聞きしますけれども、それでは銘柄米はどうするつもりなのか。私は、たとえば新潟なんかでコシヒカリといううまい米があるんですよ。この辺に来ると全然、コシヒカリなんてコの字も聞いたことないんだね。残念だと思うのですよ。ところが、コシヒカリなんというのは、反収は少ないんですよ。一反で八俵とれるかとれないか。だから、こういうのをうんと奨励すると、減反政策しなくたって結構やっていけるのじゃないかと思うのですよ。そういうものをどうお考えになっているか、食糧庁長官。
○澤邊政府委員 消費者の需要というのは、だんだん品質に対する選好が非常に強まっておりますので、消費拡大という意味からいいましても、品質に応じた生産流通が行われるということは非常に好ましい。先生おっしゃったように、それが生産調整にも寄与するということでございますので……。自主流通米というのは四十四年からスタートしておりますけれども、まさにそういうことで品質に応じた価格形成ができておると思いますが、御承知のように、政府米につきましては、銘柄奨励金というのは残っておりますけれども、価格そのものには、買い入れ価格には、銘柄格差というのは入っておりません。自主流通米だけではなしに、最近の需給事情からしまして、やはり品質格差というものを政府の買い入れ価格にも、奨励金ということではなしに、価格そのものに導入していくということは、いろいろな意味で望ましいのではないかというふうに考えておるわけです。 ただ、これは技術的にいろいろむずかしい問題がございまして、ということは、やみ市場でそういう価格があるじゃないかという事例的なことはございますけれども、どのような品質銘柄に応じた格差を設けていくのが適正であるかということはなかなか困難がございまして、現在研究会を設けまして昨年末から技術的な問題についてまず検討を始めております。 この問題につきましては、米審におきましても、なるべくそういう方向で進めろという御意見が非常に強く出されておりますし、昨年の生産米価を決めました際に、政府としてもそういう方針を検討するという方針を決めておりますので、鋭意いま検討を進めておるところでございまして、技術的な問題が解決したところで、さらに経営的な問題等もございますが、できるだけそういう方向へ進めたいというふうに思っております。
○山本(悌)分科員 結構なことだと思います。そして、私いつも笑い話に話をするのですけれども、東京の人は、米買って食っている。ところが、新潟のこんなおいしいコシヒカリなんという米、食ったことないのですよ。皆さん方、私たち、米屋さんから買うと、政府米というのを持ってくるのだ。まずいんだよ。あれは私はえさだと言っている。われわれの食べているコシヒカリが、これが米というので、君たちの食べているのはあれはえさなのだ。まずいんだ。なぜそういうまずい米を食わすのか。だから、だんだん、だんだん、米を食わなくなっちゃう。私が新潟から米持ってきて、くれてあげると、みんな、喜んで、はあっといってびっくりする。こんなうまい米が日本にできるのですかと言うから、だからおまえたちだめだ、おまえたちの食べているのはえさだ、米というものはこういうものが米だと言う。 食糧庁長官、米というものはこういうものであるというものを国民に食べさせれば、私は必ずこの米の消費量はふえると思うのですよ。ところが、まずいんだよ。実際まずい。恐らくコシヒカリもがちゃまぜにして、それで売るのじゃないかと思うのだ。売っているのは多分そうだろう。だから、銘柄米を、格差をつけることもいいし、そういうのもいいですけれども、うんと奨励をして、そういうおいしい米を食べさせるように努力をすべきだと思うのです。戦前から見たら、いまは消費量が半分でしょう。半分以下でしょう。それは、やはり、米を食わない食わないと言うけれども、米を食わないような政策をとってきて、食うわけないのさ。やはりうまいものは食べますよ。人間の舌なんてそんな変わりやしませんからね。まあそういうことでございます。 最後に、もう時間がございませんから、大臣に、食管制度について、根幹的にこれをどうするのか。最近いろんな問題を提起をされております。一言だけお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 私もお話ししたいこともありますが、時間がないようですから、簡潔に申し上げますが、やはり食管制度も時代に応じてその運営は直していかなければならぬ。うまい米とまずい米と同じ値段で買うのがいいのか悪いのか、こんなことは常識的に何か考えていったらばいいのじゃないか、こう私は思っておるわけです。個人個人では皆さん賛成してくれる人は多いのですが、政党になりますとなかなかむずかしい話が出てくるので、ひとつおたくの方でもそういうことの取りまとめを願うように私からも陳情申し上げておきます。
○山本(悌)分科員 以上で質問を終わりますが、まあがんばりましょうよ。えさを食わしちゃだめだよ、米を食わせなければ。
○森(清)主査代理 次に、平石磨作太郎君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に対し、参考人として樋貝勇君が御出席になっております。 なお、御意見は質疑に対する答弁をもって聴取することにいたします。 平石磨作太郎君。
○平石分科員 私は養蚕について大臣にお伺いしてみたい。 いまも段々の質疑がございましたように、日本の農業は大変な時期を迎えて大臣も頭が痛いことだと思うのですが、過日、前の中川農林大臣にお会いしたときに、大臣がおっしゃることには、私はアメリカへ行ったら怒られ、ソ連へ行ったら魚で怒られ、国内では責められ、もう立つ瀬がないというようなお言葉がありましたが、そのように渡辺大臣も苦労しておられると思うのです。 ところで、このお百姓が養蚕農家として、日本の伝統産業と言えば伝統産業ですが、そういう安定的な一つの農家の産業がだんだんだんだんと衰微していく。特に日本は山間部が多い。私の地元の高知県あたりも八〇%は山間部。こういうところで昔から蚕が盛んに行われたわけですが、だんだんと過疎になるに従って若い者は土地を離れていく、こういうような形になってきまして少なくなってきたわけですが、このままではもう養蚕もつぶれてしまうのではなかろうかという心配がございますので、これからの養蚕というものについて大臣はどのように位置づけをされ、そしてどのように将来を見通しておられるか、一言お伺いしたい。
○渡辺国務大臣 養蚕は日本古来の、それは天照大神様からやっている産業ですから、ぜひとも残しておきたい。しかも世界最大の需要国であって、輸入しなければ国内の需要に追いつかないというようなものですから、これはぜひ残したい。しかし、値段を上げていきますと、今度は外国から製品が入ってくるというようなことで国内の加工業者が倒産をしてしまう、こういうことなわけですね。ですから、値段を余り上げないで、それでやれるような養蚕というものを大いに奨励をしていきたい、こう思っております。
○平石分科員 いまの大臣のお言葉では、余り値段を上げないように、こういうお話がありましたが、これは大臣のおっしゃるとおり、やはり長く生きていくためにはそういう面をも、外国との調整等も考えねばならぬことは当然です。 ところで、非常に零細な農家がやっておるという現実、そういうところから考えてみますと、やはり養蚕が振興するかせぬかということは値段にかかってくる。だから、値段にかかるからこそこれが不安定で急激に暴落をするとか、あるいはまた一遍に価格が上がるとかといったようなことを安定的なものに持っていく、そして永続的な産業として農家がいけるために繭糸価格安定法というものができて、今日まで安定的な成長を遂げてきておるわけであります。ところで、その一方で、だんだんだんだんと、もう資料でもすでに御案内だと思うのですが、養蚕戸数も減ってくる、それから収繭量も減ってくる。こういうような状態になってきた中で、大臣がいまおっしゃったような形をそのまま踏襲していくということになりますと余り希望が持てないということになるが、もう一回お伺いしてみたい。
○渡辺国務大臣 これはやり方だと思うのですよ。日本の養蚕というのは世界一の技術を持っているのです。われわれの子供のころと全然いまは違いまして、私はこの間栃木県のあるところを見てきたけれども、三眠ぐらいまでですかな、要するに掃き立てをしてある程度大きくして、それまで全部一カ所でやっておりまして、それはコンベヤーベルトで皆人工えさとかあるいは刻んだ何とかをくれているわけです。農家へ持っていけば木のままどんどんどんどん桑を食べさせられますよ。零細に飼っておるけれども、養蚕だけでやっておるという人は余りないのです。お米をつくりながら養蚕もやっておるというようなことですから、手数がうんと省けてくる。したがって、そういうように手数のかかるところをうんと手数を省くようにしてやれば、副業的にやる場合であってもそう値段を上げなくともやっていけるのじゃないか。値段を上げれば結局今度は買い手がなくなってきてしまうわけですから、買い手がなくなれば結局つぶれる話ですね、いずれにしたって。長生きするためにはやはり生産性を上げるというところに国ももっと力を入れていく、それがお互いに長生きできるゆえんではないだろうか、こう考えておるわけです。
○平石分科員 そのように作業においても昔とは変わってきました。もちろん技術の革新によって非常に省力化もされてきた。それから大規模なものも出てきた。時代の進展とともにこのことは結構なことなんですが、それによって省力化できないようないわば山間の零細農家、零細の生産者、こういったものがやはりこの日本の養蚕農家の八割を占めておるということですね。この八割を占めておる養蚕農家の問題についてどう考えるかということをも考えていかなければならぬ。 そうなりますと、いま農林省がいろいろ助成もしておりますけれども、これも実態に合わない面がある、これは後から出てくると思うのですけれども。そのように考えてきますと、基準糸価の決定も間近に迫ってきましたが、やはり山村のそういう養蚕家にとりましては、実勢価格も基準糸価によって動いておるというような情勢でございますので、これをどのように考えておるか、ひとつお伺いしたいのです。
○渡辺国務大臣 基準糸価の計算の仕方というものは、おのずから方式が決まっておりますから、それによって出てきたものに従いたい、私はこう思っております。ただ、先ほど言ったように、政治的にそれを大幅に上積みするというようなことは私はやる考えはございません。そのかわり、山間地であっても、稚蚕の共同飼育とか、そういう手数のかかるところはどんどん近代化をする、そういうような助成や融資やそういう仕事には大いに力を入れて、そこで時間が省けて所得が高くなるような方向をつくって、山間地の養蚕業者もやっていけるようにしたい、こう考えております。
○平石分科員 この繭の値段、それからほかの農家の行っておる農産物等と比較した数字を見てみますと、わりかた安定してずっと価格は伸びておる。だから非常に変動はないわけです。それはそういう形で法で一応保証されておるからそうなっておるわけですけれども、この数字から見てみましても、ここ四、五年前からずっと安定的に上がってきておる。それは大臣のおっしゃるそういった総合的な面を考えながら基準糸価というものを決定をして安定的な上昇という形になっておるので、零細なお百姓さんが安定的な産業としてこれを持っていくためには魅力あるものにしていかなければいかぬ。そうなりますと、昨年あるいは今年にかけましての生糸の動きあるいは糸価というものを考えてみましても、わりかた堅調な情勢にある。それから需要を見てみましても根強い需要がある。この根強い需要とそれから堅調な価格というもの、こういった総合的なものを判断したときに実勢価格に見合うような基準糸価を決めていただきたい、これは農家の要望でございます。もう三月末には決めていかなければなりませんが、これについてひとつお伺いしてみたい。これは大臣でなくても構いません。
○二瓶政府委員 基準糸価は今月中に決めなければならぬわけでございますが、先ほども大臣からお答え申し上げましたように、適正な水準に決定してまいりたいということでございます。 繭の生産費に生糸の製造販売経費、これをプラスして生糸生産費というものを出すわけでございますが、現在まだ集計が全部済んでおりませんので、生糸生産費そのものが固まっておりません。私自身まだどういうふうになるか聞いておらないわけでございます。いま鋭意それを詰めておるということでございます。したがいまして、その辺の生産費の面もよく見た上で、従来からのルールもございますから、その辺で算定をしてみて適正な水準に決めてまいりたいということでございます。
○平石分科員 これは、適正な数字と言えばそれまでの話ですが、そのようなお答えしかできないかもわかりませんが、やはり基準糸価の決め方によっては実勢価格というものに影響が出てきますので、この基準価格が、結局今後の養蚕家の増産意欲が出てくるのかあるいは出てこないのかということの消長にかかるわけですから、この基準価格の決定に当たっては、やはり生産農家の状況等も考えながら、余りにも外の面、よその面を考えることのないように、ないようにと言うても無理かもわかりませんが、限度いっぱいのところまで引き上げてほしい。養蚕団体の方からも恐らく要請が出てくると思うのですが、これらをも参考にしてやられますか。どうです。
○二瓶政府委員 養蚕団体の方では、全養連等は七・二%アップというような線を二十七日に打ち出しておるということは聞いております。他方、織物業界等におきましては基準糸価据え置きという線を固めつつあるということでございます。したがいまして、外回りの方につきましてはいろいろそういう動きはございます。ただ、先ほど申しましたように、まだ具体的に生糸生産費そのものが固まっておりませんので、私自身もどんな線になるのか、これは一応ルールがありまして、一応のはじき方があれば出てくるわけでございますが、それもまだ見届けておらないわけでございます。いずれにしても今月中には決めなければならぬということでございますので、適正にその辺は決めたい、こういうことを申し上げるしか現段階においてはないのじゃないかと思っております。
○平石分科員 過去の決め方をちょっと数字を拾って見ますと、糸価の引き上げが五十年で大体一二%、五十一年で八%、五十二年で八%、五十三年で六・一%、こういう上げ方になっておるようです。いま生産団体の方から七・二%というお話が出てきました。私は、これらの推移から考えたときに、やはり団体から出てきた七・二%ぐらいは引き上げ可能じゃなかろうかというような気がするわけでして、ひとつその点強く要望をしたい。 それから生糸の需給状況等もちょっと見せていただきましたが、五十二年ごろは大体蚕糸事業団の在庫がずっとふえてきておる。そして需要がちょっとダウンになっておりますけれども、五十三年に入りましてからはだんだんと需要が強くなってきて、十二月の数字で見ましても、前年同期で二一%も需要が伸びておるという数字が出ております。それから在庫を見てみましても、だんだんと落ちてきて、前年同期から見ますと八二%に落ちている。これは事業団の方は現在五万一千八百ぐらいの在庫を持っておられるようですけれども、五十二年度ごろから見ますとずっと落ちてきている。そのように、非常に需要が高まっておるということが教字の上から見ましても明らかになっておるということから考えてみますと、やはり生産団体から言われておる、いま言う七・二%ぐらいは満額基準決定に当たって御考慮いただきたい、このように思うわけです。 それで、基準糸価が決定になる、これ一つが、今後の養蚕農家が魅力がある産業としていくかどうかということと、もう一つは、行政的に養蚕農家に対するいろいろな施策が必要になる。これは結局補助という問題になってくるわけですが、本年の農林省の養蚕振興についての助成というものを見てみますと、昨年から比較したときにダウンしておる。これは農林省の一般会計の予算が本年度一三・何%伸びておる。伸びておるにもかかわらず、養蚕については昨年から言うとダウンしておるということ、これはどういうことなのだろうか、非常に不思議に思うわけです。数字で言いますと約四%落ちています。一般会計政府予算が一二・六%の伸びだ、それから農林省の予算が一三・三%の伸びだ、それでこの養蚕関係については四%マイナスだということ、これはどういうことなのでしょうか。
○二瓶政府委員 先生おっしゃいますのは、養蚕振興対策ということで五十四年度十三億六千五百万、前年度十四億二千二百万、この数字のことではなかろうか、こう思うわけでございます。 それで問題は、前年より振興対策の面で減っておるのはどういう理由かということでございますが、これは一つは養蚕近代化促進対策事業、これにつきまして若干前年度使い切れなかった向きがございます。当初予算の方はこの養蚕近代化は十億八千三百万になっておりますが、補正予算の段階では九億七千万ということで、減っておるわけでございます。その関係が一番大きかろうと思います。ただ私たちといたしましては、この総額の金目の問題もございますが、やはり中身が問題でございまして、そういう意味におきましては稚蚕人工飼料調製センター設置事業二億四百万あるいは原蚕稚蚕人工飼料育実証事業、これも新規で五百四十八万九千ということで、今後の養蚕を進めます際に、先ほど大臣からもお話ございましたように、非常に省力化した角度でのやり方ということになりますと、稚蚕段階では人工飼料育というのが非常にプラスになるわけでございますので、こういう面を伸ばしていきたいということで、今回そういうものを新規に織り込んでおるということでございますので、内容的には非常に充実しておるというふうに考えておるわけでございます。
○平石分科員 これは総トータルにおいてダウンをしておる、内容的にはもっと密度の高いものになりますということなんです。 それから、昨年度の予算執行において残が出た、この残が出るということ、これはどういう形で残が出たのか。残が出たからまた落ちます。今年度もまた執行残が出ますと、不用額になりますので、また落とさざるを得ない。そういうことでしたら予算の獲得がなかなかむずかしい。大蔵省の方も、残るものならやる必要はない、こうなってくるのは当然のことです。残が出たのはどういうことなんですか。
○二瓶政府委員 内容的に申し上げますと、養蚕近代化促進対策事業の中での、具体的に申し上げれば稚蚕共同飼育所、これの設置の関係につきまして、需要の方が少なかったといいますか、そういう形で十分消化ができなかった、こういうことでございます。
○平石分科員 稚蚕の人工飼料、そういったものなんか非常に有効なものですので、これはどんどん進めていただきたい。しかも、非常に省力化しますし人手が要らないし、私としても、このことについては振興させていただきたい。特にそれを現実にやる場合に、山村の中で、過疎の中で、平野地ならわりかしよいのですけれども、集まってやるということが現実にはむずかしい面がございます。だから、蚕糸事業団あたりの助成なんかを見ても、また農水省の助成措置なんかを見ましても、非常に大規模なものを計画せられる、そうなりますと、現地では実態に合わない。だからその助成を受け入れることができないということが執行面において出ておるのじゃないか。 それから、セット方式でもって助成をしておる。それでセット方式でこの方はやりたいが、これはどうもぐあいが悪いということになると一切やめたというような形で、もっときめ細かく現地に合うように予算執行というものをやらないと、メニューはできておるけれども、そのメニューを食べることができないというようなことがあるのじゃないかというような心配がございます。その点、どうでしょうか。
○二瓶政府委員 特に山地の方の面でございますが、これは養蚕近代化促進対策事業という大きな柱の中におきまして、山間地養蚕営農という形で、山間地向けの助成を考えておるわけでございます。この際は、何ヘクタールとかという、そういうような面積面での要件はございません。したがいまして、桑園整備施設なりあるいは堆厩肥生産促進施設なり、いろいろな施設の助成があるわけでございますが、いわゆる共同利用という形で使われるものであるということであれば、この山間地養蚕営農というタイプのものにつきましては、養蚕近代化促進対策事業の中で助成をしていくということで考えておるわけでございます。 そのほか、農蚕園芸局の予算だけではございませんで、山地につきましては山村振興対策事業というのが別途ございますが、その総合助成の一環として、養蚕関係事業も実施できるというような手だても講じておるわけでございます。 したがいまして、今後ともこういうような事業の適切な運用を図ってまいりたい、かように考えます。
○平石分科員 いろいろと振興についての農水省の御努力に対しては私は感謝をするわけですが、結局いまも申し上げましたように、現地に合うように、ある程度弾力性を持って現地と話し合って、これだけだから、これを食べてもらわないと困るというような式では、現地に合わないのです。そういう面が出てくるので、これからの予算執行に当たっては、補助要綱等もあるでしょうけれども、それに基づいて弾力的に基準的な適用という形にしてもらわぬと、これでなければいかぬというようなことにせられますと、結局残が出る。だから、本当は欲しいのです。本当は欲しいのですけれども、セットになっている、あるいは規模が大きいというようなことで合わないわけです。そういう点をひとつ考慮いただいて、現地と十分話し合いの上で予算執行が完全にできるようにやっていただきたい。 それから、蚕糸事業団においでいただいたのですが、もう時間も切れました。余りありませんが、蚕糸事業団の今度の予算をちょっと見さしていただきましたら、養蚕助成というようなことで三億六千万くらいの助成措置をとっておられるようです。この三億六千万くらいのものと、それから農水省の十三億、これが結局養蚕農家に対する助成という形になるわけですが、蚕糸事業団の輸入差益とかいうようなものもあると思うし、あるいは利益も出てくると思う。そういったものもいわば養蚕家のお金と言うたら語弊がありますけれども、養蚕家の関係になってくる。この助成についても農水省とタイアップをしてやっていただきたい。それから農水省は、蚕糸事業団の助成費がだんだんと数字が伸びるに従って減ってくるというような、どうも手を抜くのじゃないかというような心配もありますが、どうですか。
○二瓶政府委員 日本蚕糸事業団の助成事業の規模でございますが、これはただいま先生がお話しされましたように、五十三年度は三億六千五百六十九万でございます。前年度が二億一千万、その前の五十一年度は五千四百万というようなことで、規模的には年々拡充をしてきておる、このように考えておるわけでございます。五十四年度はどうするかというのは、これから十分検討してみたい、こう思っております。
○平石分科員 蚕糸事業団にちょっとお伺いしてみますが、蚕糸事業団はもちろんこの価格安定についても非常な寄与をしておられるわけでして、その運用においてやはり運用益が出てくるということになりますが、これらについてはもちろんいろんな面に使わなければならぬでしょうけれども、数字を見ると、だんだんふえてはおるのですが、今後養蚕振興のために、その点についてはもっと積極的に運用益を活用していくというようなお気持ちはございますか。
○樋貝参考人 お答えいたします。 いま先生がおっしゃいましたように、四十九年から蚕糸事業団が一元輸入を開始いたしまして、五十年ごろから次第に差益がふえておるといったような実態があるわけでございます。蚕糸事業団の差益と申しますのは、農林大臣の認可を得て、繭、生糸の生産流通の改善とか、その他必要な事業に使えるということになっておるようなわけでございます。農林省の方でおやりになっております施策を補完するというような形で私どもの方の利益金を活用させていただくというかっこうになっておりますので、いま先生がおっしゃいましたように極力養蚕振興に使ったらよいではないかというお話、私も大変ごもっともだと思いますので、農林省の指導も受けながら活用をしてまいるということについては大変結構なことだと私は考える次第でございます。
○平石分科員 最後に大臣に、いまずっと論議をしましたが、問題は、養蚕振興ということについて生産農家がこれから先を心配しておる、どんなようになっていくだろうかという気持ちでおるわけです。農林省の予算も減ってきたというような現実もあるわけですし、今後養蚕振興のためにひとつがんばってもほしい。今後の見通し等について大臣の決意をお聞きして終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほどから申し上げておりますとおり、養蚕は私も伸ばしたいと思っております。しかしながら、それは価格政策でなくして構造政策によって伸ばすことが長生きできるし、一番いい。また、補助制度で構造政策を進めるわけですが、それはあなたの御指摘のとおり、規格品をどこへでもあてがったってだめなんですから、そういう点は地元の要望を聞いて、地元で、この機械で、こういう仕組みでもいいのだ、しかもだれが見ても客観的にうまくいきそうだという場合は、余り拘泥する必要はないのじゃないか、そこのところは弾力的にやらせるように指示をしていきたいと私は思っております。
○平石分科員 終わります。
○森(清)主査代理 西宮弘君。
○西宮分科員 私は、農林行政について若干お尋ねをいたします。 基本的な方針等について大臣その他にぜひ伺いたいのですが、冒頭に気象庁の関係の方に、ことしの異常気象、しかもマスコミなどはこれは天明二年の状況に酷似しているということを報道されておるのでありますが、ただそうは言っても、ことしは似ていると言っても、まだことしも始まったばかりですから、先々予測するというのは困難かもしれませんけれども、簡単に一言だけその見通しについて御説明を願います。
○片山説明員 お答えいたします。 先生がおっしゃったように、天明二年は暖冬でありまして、しかも夏はかなりきつい冷夏でありました。お尋ねの御趣旨は、暖冬の年は冷夏であるということが果たして正しいかどうかということかと思いますが、ここ三十年間の統計をとってみます限り、暖冬の年が冷夏になった年は四〇%であります。ですから、特にはっきりした関係があるとは思えません。このような異常気象というものはここ二十年間世界的に発生率が多くなっていまして、今後ともこのような異常気象の多発という傾向はなかなかおさまらないのではないかと思っています。
○西宮分科員 次に農林大臣にお尋ねをいたしますが、いまの農業の現状というか、あるいは動向というか、私は非常に危険な要素を持っていると思うのですが、第一は、食糧の自給度が非常に低下をしているという問題、第二は、特に新しく学校を卒業した新卒の若者ですね、こういう人が農業離れをしていくという傾向、そういう二点が非常に目立つので、したがって、そういう意味で将来の日本の農業というのはまことに憂慮すべき状態にあるのではないかというふうに思うのですが、そういう認識の仕方と、それからこれに対する政府としての考え方、決意、そういうものをちょっとお聞きしたいと思います。
○渡辺国務大臣 一つは自給度の問題でございますが、考えてみると、米は余り過ぎて困っておる。菜っぱ、大根、野菜は大体十分である。ミカンも十分だ、リンゴも十分だ、卵も余ってしまっている、豚も余っている、鶏も余っている。何が足らぬかというと、結局えさだけということであります、えさと小麦。これは結局、動物たん白をよけいとるようになったものですから、加速度的にえさの需要がふえて、国内生産で追いつけないという現状でございます。したがって、この自給率論争というのは、その数字だけで論争してみても意味がないのであって、イワシを七キロ食わしてハマチをこしらえてという騒ぎと同じことでございますから、それよりも、やはり空き地あるいはたんぼや何かに裏作をつくらせて、そして幾らかでも自給率を高めるような創意工夫は、何が何でもしていかなければならない、そういうように私は考えておるわけであります。 それから若者の流出という問題については、一つは所得の問題と、文化の問題と、大きく分けて二つあるのじゃないか。所得がうんと高ければ、多少住みづらくてもそれはいるでしょう。ですから、そういうような点で所得の向上をさせるような総合的な道を考えなければならぬ。それからもう一つは、やはり農村に文化というものを考えて、都会の人と同じような新しい文化にも接しられるようにしてやる道を講じてやるというようなことなども考えまして、最近、Uターン現象が起きてきたということは、農村が見直されているからUターン現象が起きているわけですから、こういう機会に農村が住みよい社会になれるようないろいろな工夫をしていきたいと考えております。
○西宮分科員 まず自給度の低下という問題、中身はいま大臣が言われたとおりだと思います。だから、そういう点では日本の農産物は一方において余って困っているというものがあるし、他方において極端に足りない、その辺が非常にバランスを失しているという点について大きな問題があるわけですが、特に大臣が言われた、えさが足りない、いわゆる粗粒穀物の輸入、これが膨大にふえているわけですね。このことは大変に困ったことで、これはわれわれにとっては家畜のえさだけれども、いわゆる発展途上国においては食糧であるわけですね。だから、そういう人たちの食糧を奪ってしまう。こういう点で日本が怨嗟の的になっているということも言われておるし、そういう点では非常に困った現象だと思うのでありますが、ただ、これをどうして防いでいくか、非常にむずかしい問題。中身はいま大臣の言われたとおりですが、そんなものをひっくるめて言うならば、穀物の自給率は一九八五年に三七%になるという政府の見通しだったわけですね。それが今日すでにそこまで来てしまっているわけですよ。あるいはFAO、国連の食糧農業機関ですか、あそこの発表によっても、八五年の日本の輸入量というのはまさに世界第一になるわけですね。たとえば、いま申し上げた粗粒穀物で言うと、中国やソ連の四倍から大体六倍に当たる。私は三つだけ選んでみたのですけれども、粗粒穀物それから食肉、これはソ連の二倍半ぐらいになる。中国は輸入はゼロですから比較ができませんけれども、それから小麦ですね、これも中国、ソ連よりも多い。輸入量で問題にされて日本と比較されるのはソ連あるいは中国だと思うのでありますが、それに比べて非常に輸入が多くなって、まさに世界最大の輸入国になってしまうということは、やはりいろいろなむずかしい問題を引き起こすのではないかというふうに私は考えるわけですね。もう一遍だけその問題についてお答え願います。
○渡辺国務大臣 したがいまして、たとえば豚などはこの十年間に三倍も消費するようになった。鶏とか豚とか卵は、六十年代の国民一人当たりの消費量をもうすでに突破しちゃったわけですから、そのことが結局穀物をたくさん食べることになってしまったという結論でありまして、一方においては豚、鶏はもうたくさんだ、もう要らぬよ、牛も要らぬよということなら、自給率を上げることはむずかしいことも何もない。農林省が転作をやるようになってから、三七%まで下がった穀物自給率が五十二年には四〇%とちょっと伸びたのですよ、三%ぐらいですけれどもね。それにしてもいい傾向なんです。ですから食生活を、動物たん白をもっとうんと食べさせろと言われたら私は自信がない。しかし、動物たん白はいま程度でいい、あとは玄米とか五分つき米とかをうんと広めていくということでしたら、もっとずっと上げることは不可能じゃないし、できる。ましてこれからは、日本人はそんなに肉食には向かないのですから、米の見直し運動でもやった方がいいのじゃないかと、本当のところは私は思っているのです。 それから、仮に輸入する場合には、低開発国から奪ってくるというような形はどうもおもしろくない。したがって、技術協力や経済援助等で向こうにも食糧をつくらせまして、余ったらばそれは日本が輸入をするというようなことがいいのではないであろうか、かように考えます。
○西宮分科員 そういうように日本の食生活が変わってきた、動物たん白質を大変とるようになった、その結果えさを大量に輸入するようになったのだということですが、いまの大臣のお話は、聞きようによっては、日本がそういうことになったのは大変結構なことじゃないかとも聞こえるのだけれども、私は、農産物の最大の輸入国になった、押しも押されもしない、世界第一だということは決して自慢にはならぬことだと思うのですね。だから、もう一遍日本人の食生活をもとに押し戻して、畜産物は食わせないということにすれば、それは確かに問題は一遍にみんな解決するかもしれないけれども、そういうことでは、とる方策としては全く逆だと思うのですね。だからわれわれはえさも日本でできるだけ生産をしていく、無論農林省もそういう方針でやっているのだろうけれども、なかなか簡単にいかないということで困っているのだろうと思いますがね。 そこで、これは大臣の見解ではないのだけれども、最近、輸入をもっと自由化しろ、そうすれば農産物が安くなって生活も大変楽になるという立場から、さらに輸入をふやすために市場を自由化しろ、こういう意見がありますけれども、私は、このことは大変マイナスな問題、そういう面を抱えているというふうに思うので、その点について、これは大臣でなくても結構ですけれども、農林省の見解を聞きたいと思います。
○渡辺国務大臣 えさの問題は、いま千四百万トンから輸入しているものを仮に国内で全部つくらせれば、いまの耕地面積と同じだけの面積がなければできないわけですよ。ですから輸入をするなと言われても、動物たん白をとりたいということになれば、これは輸入せざるを得ないということでございます。 それから、自由化の問題は全然別問題でございまして、われわれは国内で生産できるものは極力国内で生産するという考えでございますから、米、麦を初め、たとえば牛肉にいたしましても、オレンジにしても、こういうものの自由化ということは考えておりません。
○西宮分科員 いま輸入しているものを全部国内で生産するということになったら大変な耕地面積が必要だということは、私もよくわかっています。ですから、さっきも言ったように、なまやさしい問題ではないのだけれども、しかし、特に小麦などは、これは政策のいかんによって日本の余っている米で充当することができるはずなんですよ。ただ、なかなかそうはいかない政治情勢もあると思うんだが、これなどは、農産物の輸入が世界第一だというようなところまで来れば、本当に政府も大英断をもって小麦の輸入は減らす、米で間に合わせるというようなことがやられてしかるべきだと私は思うのですね。アメリカが国際競争力を持っているのは、たとえば航空機とか、そのほかは農産物で、小麦、トウモロコシ、コウリャン、大豆、そういうものだと言われているんですね。しかもそれはアメリカには大量に在庫しているというふうなことで、これがいわば国際的な圧力として日本の農業にのしかかってくる。こういう点をよろしく大決断をもって排除すべきだということを私は言いたいわけです。 それから、輸入を自由化しろというのは、私の言っているのは、いま言われたオレンジとかそういうものではなくて、たとえば近ごろ経済界で提言をしようとしているそういう問題について、私はそれはむしろマイナスになると考えている。あるいは労働組合などでもそういう考え方を持っているところもあるようだけれども、私はそうはならないと思っている。たとえば農産物をたくさん輸入すれば、その農産物を買う購入資金のためにまた工業製品をつくって売り出さなければならぬという問題も当然起こるだろうし、そういうことで農村が荒廃してしまうということになれば、農村から掃き出されてくる労働力が現在の労働市場を圧迫するというような問題が起こってきたり、第一、農村の人がますます減って、さなきだに過密状態の今日の日本の都会に集まってくるということになると大変な混乱を来してくる、ますます都会は住みにくくなってくる。だから、農産物は外国から買った方が若干安くなるということがあっても、今度は逆に公害だとか交通過密渋滞だとか、あるいは住宅も狭くて住めないとか、そういうマイナス面がどんどん出てきて、生活の程度が非常に低下してしまう。そういうことがあるので、いまそういう説が唱えられておるので、それに対して農林省などもよろしく反駁をしてもらいたいということを言いたかったわけです。 特に御意見もなければ、それでは次のことをお尋ねをいたしましょう。 さっきその危険な徴候として自給率の低下ということと、もう一つ若者、特に学卒者の農業離れが大変目立つということを言ったわけですけれども、これは農林省の昨年の十月に発表された資科ですけれども、たしか昭和四十四年がピークだったような気がしますけれども、四十四か四十五年、あの辺がピークで、あれから後は新卒の青年というのがどんどん減っているわけですね。それで最近は一万人を切ってしまうという状況、こういう状況だと本当に農村の将来が私は心配だ。いま申し上げたのは、農林省の調査に基づいて、つまり農家の子弟で学校を卒業して農業につく者の数を言ったのです。それが五十三年の実績では一万人を大きく割っているわけですね。そのほかに、他の職業に従事をしながら農業も片手間にやっているという新しい卒業生も三万人程度あるという統計ですが、仮にそれを加えてみても、これはもちろん一人前の労働力ではないわけだけれども、一人前と数えてみても、その程度の新卒の動向だ。もちろんさっき大臣も言われたようなUターンしてくる人もありますよ。しかし、大臣は、Uターンがあるので、農業に非常に望みを持ってUターンで帰ってくるのは結構だというお話だったけれども、これは必ずしもそうとばかりは言えない。最近の都会の経済状況がこういう状況で、職場から離れてしまって、やむを得ず帰ってくるというような人も相当多いと思うのですね。ことに不安定な出かせぎなどの人はみんなそうだと思う。だからUターンがあったからといって、そうそう喜んでいるわけにいかない。いずれにしてもそういうふうに減ってしまう。だんだん毎年新卒が減少するという傾向に対して政府ではどういうふうに考えておりますか。
○渡辺国務大臣 これは必然的なものとそうでないものと二つあるのじゃないかと私は思います。土地は一定なわけで、そんなに広がらないわけですから、そこへ規模拡大というようなことになってまいりますと、それは分家を出すわけじゃないので、規模拡大でだれかに貸すことになれば就労人口は減る。就労人口が減れば、新卒者の中で農業に従事しない人が出てくる。こういうことは近代化を進める過程ではある程度やむを得ない現象だと私は思います。問題は、農村の農家所得というものが総合的に見てやはりサラリーマンの水準から落ちては困る、これはやはり他産業並みに上げていかなければならぬということは、農業だけで上げられる人とそれから兼業で上げられる人と、土地条件、労働条件によってみんな違うわけですから、それぞれの条件に合ったもので、どちらがいいかは、最終的には農家自身の自主的判断によって決められるべきものだと思います。
○西宮分科員 そういうふうに減っていった反面、ちょうど同じ割合で経営規模が拡大していく、十分の一になったが、残っている農家の経営規模が十倍になった、こういうことならばむろん問題はないと思うのですよ。しかし、その経営規模は決して拡大していない。これは土地を持っている人は容易に手放さない。あるいは仮に手放すとしたって、買う方もいまの値段で買ったのではそろばんが合わないということで、なかなか手が出せない。いずれにしても、そういうことで経営規模の拡大というのはこれと並行していない、それが現在の実態です。とにかくいずれにしても、こういうふうに若い人たちがだんだん減っていくという現象は、いま大臣もその原因について若干の分析をされたけれども、大変な将来の危険な問題を包蔵している重大問題だ、そういう認識で徹底的に分析して対策を練る、そういう必要が特にあるのじゃないかということを私は強調しておきたいと思います。 ところで、その新卒のもう一つ特徴的な傾向は、この農林省の調査にあるわけですが、農業に残ったそういう人も米作から大変に離れている。米をつくらないというふうに変わっていくわけですね。たとえば現在米をつくっておる農家で残った子弟が将来何を希望するかというと、米作以外に行ってしまう。結局米作農家で続いて米作をやりたいという新卒は三分の一程度に減ってしまう。その反面施設園芸というようなものは二倍半くらいになっている、こういう状況ですね。こういうふうにだんだん米をつくるのから離れてしまうということも重大問題だと思う。しかし地域的に見ると、実はここに挙げてあります統計の数字は、いかにもわれわれの常識に一致するような感じが私はいたします。たとえば何が一番多いか、地域別に見ると、稲作については北海道、東北、北陸、施設園芸については関東、東海、近畿、四国、九州、沖繩、野菜は関東、東山、果樹は東山、近畿、四国、酪農は北海道、中国、その他の畜産が南九州など、こういうふうに統計上出ているわけです。このことはいかにも私どももさもありなんという感じがするわけですが、こういうことが明確であるならば、これが新しい農民、若い農民の志向する方向であるとするならば、これを強力に展開していくということがぜひ必要だと思うのだけれども、政府としてこれを強力にさらに推進するということをやるべきであると私は思うのだが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 それは意向調査の数字だと思いますが、政府の示している地域指標とも大体合っていると思うのです。したがってそういうことは尊重して、それぞれの地域の特性が生かせるような施策は今後とも続けてやってまいりたいと思います。
○西宮分科員 私がさっき申し上げた新しい農業に従事をする人が米作からだんだん離れていくということは、将来の日本の食糧を考える場合に相当問題だと私は思うのですね。この点についても、もう時間がありませんから議論をしていることができないので、指摘をしておきますから、ぜひ検討して、どこにその原因があるのか、どういう対策をとったらいいのか検討してもらいたいと思います。 最後に一つだけ要望しておきたいのですけれども、若い生産者が米から離れていく、消費者も同様に米から離れていっているわけですね。私は、消費者に対する米食の普及という点について、今度の予算でも、たとえば学校給食等について米に対する補助金を大分ふやしたということは、大変結構なことだと思います。さらに米の栄養的な価値、これは農林省からいろいろ資料をもらってわれわれも勉強してみると、決して小麦に劣らない栄養価値を持っているということをずいぶん材料としてはもらうのだけれども、こういうことをもっと徹底して消費者に普及すべきだ。しかも、生の米と生の小麦を比較する場合と、でき上がった御飯とパンの比較というのはなかなか説明がむずかしいでしょうか、素人に簡単にわかるような方法でぜひやってもらいたいということを要望として申し上げておきます。
○渡辺国務大臣 承知いたしました。
○森(清)主査代理 岡本富夫君。
○岡本分科員 昨年の十一月の二十日に、食糧庁から米の流通の改善案が発表をされましたけれども、その前に、各食糧事務所長に対して通達が来ております。 〔森(清)主査代理退席、主査着席〕その中に、小売販売業者は現行の営業所のほか大型搗精工場による小袋詰め精米の販売を行うための販売所を届け出の上、事業区域内に設けることができることとする、要するにブランチ制度といいますか、こういう通達が出ておるわけですけれども、どういう考えからこういうことを出したのか。
○澤邊政府委員 この問題につきましては、昨年の春ごろから内部で種々検討いたしました。と申しますのは、米価審議会の懇談会というのを昨年の春ごろから開きまして、生産者米価の米価審議会も七月ごろ、さらに十二月には売り渡し米価の米審が開かれたわけでございますが、いずれの機会におきましても、米の消費拡大を図るためにいろいろなPRをするのも結構であるけれども、販売業者自体がもう少し積極的な販売活動を行う必要があるのじゃないか、そのためには、もう少し現行法の中でも競争条件を入れるということが必要ではないかという趣旨の御意見が強く出されたわけでございます。これらも受けまして内部で検討しておりまして、十一月に業界に政府の一つの考え方を示して、種々御意見を承る機会を持ったわけでございます。 内容は、先ほど御指摘ございましたブランチのほかに、いま申しませんけれども、全体で必要な点が六点あるわけでございます。先ほど申しましたように、販売活動を強化することによりまして、消費者に対するサービスの向上、それから品質、価格等に対する信頼の確保というようなことを通じまして、消費の拡大にも役立たせるということを現行法の範囲内においてやりたいという考えでございます。
○岡本分科員 実は四十七年の物統令廃止のときに、米穀店の新規参入を認めたわけですね。実は私の調べたところによりますと、尼崎市の五店をとってみたのですが、四十七年から四十八年、この一年間で、二百六十軒の既存業者のところに六十軒が新規参入して三百二十軒になった。二三%増でやりましたところが、四十八年には、たった一年間で一軒当たりの扱い数が二百十一トンから百八十六トン、すなわち一年間で一一・八五%販売量が落ちている。こういうことがありますと、後でまた申し上げますけれども、結局いまの米穀店、零細業者がどうしていけるのか。この米の売れない理由。要するに販売店さえふやせば、小売店さえふやせばお米がふえる、こういう考え方はどうも私は納得がいかない。 そのために、私はよく調査をしてきました。そうしますと、どこに原因があるのかということを調べますと、一つは、この五店を平均いたしまして、四十七年に二百十一トン扱っていたところが、四十八年には百八十六トンになり、お米の値段が上がった四十九年には百六十三トン。消費者米価が五十年には一八・八%上がった。そうすると百四十一トンに減ってきた。さらに五十三年を見ますと、米価が四十七年から比べて八七・六%上がると、一軒平均で百九トンに下がっておる。これ、ずっと統計とってみますと、結局お米の値段が上がるたびに消費者が減っておるのです。これは、この五店だけかと思いますと、尼崎の組合全部の平均をとりましても、やはり四十七年が百九十七俵——これは俵で出ておりましたからね。ところが五十三年には、一軒当たり百一俵。こういうことを考えますと、どこに米の売れない原因があるのか。
○渡辺国務大臣 売れない原因はいろいろあるのですよ。一つは、所得がうんと向上した。これは世界的な傾向。第二番目ば、物が豊富になった。第三番目は、米の質がどうもよくならない。人間のせいたくの度は——ぜいたくと言っちゃなんですが、もっとおいしい米を食べたいという要望が強いところに比例して、うまい米が出ていかない。それから第四番目は、要するに米を洗うのはめんどうくさい、マニキュアがはげる、時間もかかる、食器も洗わなければならぬ、夫婦共かせぎだというようなことなど、全部絡まっておることだと思います。それから、やはりパン食が定着しちゃったという点もあります。したがって、われわれとしては、そういうような原因をちゃんと見て、今度はそれの反対のことをやらなければならないわけです、減らないようにするためには。所得を下げること、これはできません。それから、生活程度を変えさせよう。これもなかなかむずかしいけれども、やはりお米というものはこういう御利益がありますとか、いろいろないい点もあるわけですから、そういうPRもし、まずうまい米も出すというようなことなど総合的にやって、要するに消費の減退に歯どめをかけていきたい、こう思っております。
○岡本分科員 いま大臣答えたとおりです。米屋の数をふやしたら消費者がふえる、要するに米の消費がふえるのではありませんね。だのに、こうして米屋の数をふやすということは、結局しまいには——しかも、また見ますと、零細な三十トン以下のところはもう切り捨ててしまえということは、全部お米をなくせというようなことです。どんどん米屋を減らして扱い量を少なくして、それで切ってしまうというようなことになるわけです。ですから、こういった通達を出した、ただ机の上の農林省のお役人さんの考え方は——私の方に陳情が来ているのですよ。そこには、頭につける薬がないと書いてあるのですけれども、これは別としまして、したがってこういう考え方は、一遍再検討をする必要があるのじゃないですか、いかがですか。
○澤邊政府委員 この問題につきましては、昨年の十一月に業界に一つの案を示しまして、それに対していろいろな意見を承っているところでございますが、御承知のように、昨年末の売り渡し米価に関します米価審議会におきまして、逆ざや是正の問題とも絡めまして食管制度の運営全般について改めてどうするか検討すべきである、こういう話が出ておりますので、それらの一環としてこの問題もさらに詰めていった方がいいということで、当初四月一日から一部実施に入るということでございましたけれども、その意味では予定を変更いたしておりますので、引き続き全体の中で検討していくということにいたしております。 なお、店舗のことにつきまして、数をふやすだけが能ではないじゃないかという点につきましては、実は戦前は現在の米屋さんの数の約倍ございました。東京においても同じです。全国的にもそうでございます。流通量は、麦をずいぶん食べておりましたので、別にいまより多かったわけではございません。そういう点からいたしましても、またいま小売店は全部登録制度で自由に店舗が開けないということは、完全に自由にするという意味じゃございませんけれども、もう少し競争しながら販売努力をする、消費者の買いやすい店舗にし、買いやすい売り方をしていくというようなことにつきましては、ほかの商品と違いますから、完全自由というわけには、いきませんけれども、一定の範囲内においてそういうことができないだろうか。これは私どもが机の上で考えているだけではございませんので、先ほど申しましたように、消費者の団体の代表の方々は米審その他の機会で事あるごとに言っておられるわけです。町村長さん方もそういうような意見の方が非常に多いわけでございまして、その辺、制度の範囲内でございますので限度がございますけれども、どこまでできるかというような詰め方を今後していきたい、こういうふうに思っております。
○岡本分科員 いま大臣がお答えになったように、米屋をふやしただけで消費がふえるのではないのだということが一つ。 そうすると、食糧庁長官、いまの通達は一遍取りやめますね、一応。この点だけはっきりしてもらいたい。
○澤邊政府委員 検討の過程としてそういうことを提案をいたします。それに対しましていろいろな意見が出ておりますので、われわれもその意見をさらに今後検討していかなければいけないと思いますので、当初からその案は一歩も譲らない案で、これを実施するのだという意味で提示しているわけでございませんので、今後一つの土台にはなりますけれども、入れるべき意見は入れながら、修正すべき点は修正しながら詰めていきたい、かように考えております。
○岡本分科員 この姿を見ますと、結局米屋さんを皆つぶしちゃって、それで自由に販売する。ということは、結局私は食管制度を壊してしまう、そういう意図ではないかというようにも感じたわけです。大臣、食管制度は堅持なさいますか。これを簡単にひとつ、時間がありませんから。
○渡辺国務大臣 食管制度の根幹はこれを堅持し、運営その他は改善をする、こういうことであります。
○岡本分科員 それからこれを見ますと、消費者米価が上がるたびに減っているのです。ですから、年内はお米の値段は上げない、このことを約束できますか。
○渡辺国務大臣 これは消費者米価が上がるたびにとばかりは言えないのです。据え置きのときも減っておるわけです。ずっと一貫して減っておるわけですから、いま米価を上げるかどうかというようなことは目下考えておりません。消費者米価は考えておりません。
○岡本分科員 せんだって当予算委員会であなたは、年内は、五十四年はお米の値段を上げない、消費者米価を上げない、こういうようにお答えになっているじゃありませんか。この点、確認しておきたい。
○渡辺国務大臣 私は、恐らく年度内は上げないということを言ったのじゃないかと思います。年度内。
○岡本分科員 私は横で聞いていて、年内上げないと聞いたのです。これはもう一遍、議事録をとりまして、それは年内は上げないと言ったか、年度内は上げないと言ったか、議事録をまた参照してからにします。それから農林委員会でまた……。 それから次は、私はお米の消費ができない原因に、一つは、私の家族なんか見ますと、子供は御飯を食べないのですね。皆パンなんです。そのために学校の給食、これを私はこの予算委員会のときに、私は文部省担当のときでしたが、永井さんが文部大臣のときだった、そのときに、もっと米食を給食に回したらどうだということを提案したことがあるのです。その後どうなったかということをひとつ、これは文部省、来ておりますね、簡単に答えてください。
○坂元説明員 御承知のとおりに、米飯給食につきましては、昭和五十一年度から学校給食に正式に導入いたしまして、当面昭和五十六年度中に週二回、現在学校給食を実施しております学校に最小限やっていただこうということで計画を進めておる最中でございます。
○岡本分科員 おかしいじゃないの、あなた。私のところへ表を持ってきているじゃないの。五十六年までで、現在で七〇%。(坂元説明員「実施状況です」と呼ぶ)ええ、実施状況です。——もういいです。時間がないから。 これを見ますと、米飯給食を週二回でもやりますと子供は米を食べる癖がつくわけですよ。米を食べない癖をつける、と言うと悪いですけれども、そういう食生活を学校時代から変えておいて、それで米を食わす、これは無理だと思うのですよ、こんなもの何ぼつくったって。ですから、私はもっとこれを恒久的に、ひとつ大臣も考えて、文部大臣にも言って、これを見ますと、五十六年で一応計画は終わりだと言っておりますけれども、ここをもっと延ばしていく、その点をひとつ要求をしておきたいと思うのです。時間がありませんから……。 その点を考えますと、ただ店をふやすだけでしまいだという考えは私はだめだと思いますから、これはちょっと聞くと、きのうか何か、この通達は取りやめるようなことを言ったとかいうことをたしか聞いたのですが、ただぽんとアドバルーンを上げて、照明弾を上げて、それでかげんを見たというようなことではならないと思うのです。あなたの方で絶えず、こういった通達を出すときには、やはり確たる証拠と確たるところの調査、それに基づいてやらないといけない。 話がもとへ房りますけれども、お米屋さんというのは、いま米の販売だけでは食べてはいけないのです。所得を見ますと三人で二十四万円、一人当たり八万円の所得です。一般公務員の初任給より少ないというのがたくさんありまして、そのために灯油を売ったり、あるいはほかの石けんを売ったりして、それで生計を立てておる。またもう一つ調査しますと、奥さんがパートに行ったり、御主人が日通で百貨店の配達のアルバイトをして、そうして生活をしておる。こういうことを考えますと、もう一度その点きちっとあなたに答えておいていただきたいことは、米の消費は米屋をふやしたらそれでいいのだという考えをここでひとつ捨てていただいて、いまの通達は全部取り消していただきたいと思います。これをもう一遍はっきりしておいていただきたい。
○澤邊政府委員 十一月に食糧事務所に通達を出しましたと申しますのも、こういうことで実施することにしたから準備をしろ、こういう意味ではございませんので、情報としていろいろ検討してきたけれども、業界にこういう案を話しておるから承知しておいてもらいたい、今後これはいろいろ議論を尽くして、既得の商権にかかわる問題でございますので、小売業界からはいろいろな御意見が出ておるわけでございますから、当然それらを踏まえて直すべき点は直しながら今後詰めていくから、こういう情報で通達を出しておるわけでございます。今回出しましたのは、先ほど申しましたような事情がございまして、四月一日に実施するように検討を進めるという点は変更をして、今後全体の問題の一環としてさらに検討をしていく、こういうことになったと、こういう連絡をしたわけでございます。 なお、第二点の店舗の問題につきましては、私は消費拡大が、これが決め手だというふうに思っておるわけではございませんが、先ほど大臣からお話がありましたようないろいろな事情がございますので、いろいろな手を打っていかなければいけないと思いますが、現行法の範囲内においてもう少し競争条件を入れて販売努力とか消費者に対するサービス、それから商品に対する信頼感の回復ということをやらないと、やはり消費の拡大にもならないのではないか、そういう一環の一つとして考えておるだけでございます。
○岡本分科員 その一環の一つとしてふやすということよりも、競争条件といいましても、お米屋は本当に一生懸命、新しい家ができたらすぐお得意さんを探しにどんどん来ますよ。しかも、それだけで食べていけないのに一人で競争せいといったってそれは無理だし、そこらを一遍もう一度再検討をしていただきたい。まあ四月一日には実施しないということだけは受けとめました。要望しておきます。 これだけをやっている時間がありませんから、次に、これは農家の問題でありますけれども、水田を転作した場合の計画加算金と、それから転作奨励金と、こういうふうにありますけれども、この転作奨励金はよくわかるのですが、計画加算金、これは大臣、私、三田市というところのこれを調べてきたのですけれども、九十九地区のうち十二地区が計画加算金をもらってない、もらえない。なぜかといいますと、その集落の中でたんぼを変えましても水が非常に多くて畑にならない、あるいはまた手がなくてできない、こういうのが一軒か二軒ありますと、この計画加算金が入らない、それで一つの集落で村八分にしたり非常にけんかが起こっておるわけです。したがって、こういう計画加算金制度を廃止して、そうして転作奨励金の上に上積みするとした方が、正直にやった人は正直にいただけるというようになると思うのですが、この村の中でけんかするような加算金制度というのは再検討していただきたい、こう思うのです。これはいろいろとこれをお世話する市役所のお役人さんも困っておるわけですよね。いかがですか。
○二瓶政府委員 水田利用再編対策の面におきまして、ただいま先生からお話ございましたように、地域ぐるみで計画的に転作を進めていくという場合におきましては、目標等が達成された場合に奨励金の面で加算措置、こういうものを講じているわけでございます。これは望ましい形のいわゆる集団化等もやったりして地域全体としての問題として転作を受けとめて取り組んでいく、そういう望ましい形態の転作を奨励していこうということで、こういう加算制度を設けたわけでございます。 ただいま先生から、この加算制度を基本額の中に織り込んでしまって一本にしたらいいではないかという趣旨のお尋ねでございますけれども、やはり農家が積極的な話し合いを進めて地域ぐるみで転作の推進に努力した場合には、そうでない場合と比べまして差をつけた方がよろしいのではないかということでございます。現にこういう計画転作の加算というのは、転作全体の七六%ほどが対象になっておる。いろいろ話し合いをしながらやってきておるという実態もあるわけでございます。
○岡本分科員 そういった計画を立てるのもよろしいですよ。そうしてやっていくのもいいですけれども、それも必要ですけれども、その集落の中で一軒か二軒ができなかったために、あとの人たちは正直に農林省の言われるとおり転作をやって、そうして計画加算金の方が入らなかった。これで村八分にしたり非常に問題が起こっているわけですよ。ですから、計画を立ててできるところはいいし、またもしもそのときできなくて、一軒や二軒だけのためにほかの人がもらえない、こういうことはひとつぜひ再検討していただきたい。 時間がありませんから、もう一つは、転作奨励金の交付の基準反収ですね、これが農林省の方では、こうして転作奨励金を交付するときの基準反収として、これは平均でしょうけれども、三田市の場合を見ますと三百九十一キログラムになっておるのです。ところが、今度は税金を取る方、大蔵省の方は、農業所得の基準反収を四百五十四キロに見ておる。こうした奨励金をもらう方は三百九十一キログラムで見て、税金は四百五十四キロで見る。よけい取る。同じ政府でありながら、なぜこういうように違うのかということなんです。これは時間がありませんからもう答弁をもらうことは要りませんから、ひとつ検討してください。それでやはり政府を信頼できるようなあり方にしていただきたい、これを要望しておきます。 最後に、農地の構造改善、土地改良の一区画三十アール、これ以上でありますと補助金が四五%出る。二十アール以下は四〇%しか出ない。ところが、転作をして、恐らく水田のときはそうしてやっておると思いますけれども、今度は畑にしますと、小さいほど排水もよくて畑に適するわけです。だから、この二十アール以下もやはり四五%の補助金にしてもらいたい、こういう意見なんですが、この点いかがですか。
○大場政府委員 御指摘のとおり、そういう補助率をとっておりますけれども、これは水管理の問題だとか機械効率という点からして三反区画を奨励するという趣旨からとっておるわけでございます。しかし、実際には山村とか過疎とかそういった地域もありますし、それから畑地帯というところもありますから、そういったところには緩和措置というものをとって、かなり弾力的に運営しているということで、実質的にはそういったところは四五%の補助率を適用するような形でわれわれは対応しておりますし、今後も対応していくつもりでございます。
○岡本分科員 いまお聞きしまして、こういった山村の方は弾力的にちゃんとするということでありますけれども、これはちょっと聞きますと、大分前にそういうことになっておるらしいのですが、これは三田市の経済部の農林課長ですが、こういう衝に当たっている人がそういうことがわからぬということは、案外農林行政というものが各市町村、こういった役所に知られてないのではないかということを心配するわけです。したがって、私は、今後明確な通達を出していただきたい、これを最後に要求いたしておきますが、くれぐれもお米の消費につきましての再検討、先ほど申しましたようにお願いして、終わりたいと思います。
○笹山主査 これにて岡本富夫君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算中農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。 次回は、明二日午前十時より開会し、通商産業省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十二分散会