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87回国会衆議院1979/02/28

予算委員会第一分科会 第2号

発言数
505
登壇者
63
会派数
5
開催日
1979/02/28

会議録

愛野興一郎自由民主党

○愛野主査代理 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。  昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算中、総理府所管について審査を進めます。  環境庁に関する事項について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場昇君。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 私は、さきに成立し、施行されました水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法による臨時審査会についてまず御質問をいたします。  臨時審査会委員の任命が総理大臣により先ほど行われましたけれども、これにつきまして昭和五十三年七月三日にいわゆる新次官通知が出ておるわけですが、これにかかわりまして、昨年の十月十二、十三日、公環特で集中審議が行われました。同十九日に環境庁長官から、この新次官通知についての環境庁の統一した見解が委員会で表明されたわけでございますが、委員の任命に当たりまして、この新次官通知の集中審議の模様、そして長官の統一した見解、このことを委員に十分説明されて、委員はこの見解を守るという約束をして任命したのかどうか、まずお尋ねします。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 臨時措置法に基づきますところの委員をお願いするに当たりまして、当然、これはいま御指摘ございましたように、国会中におけるいろいろな審議の状況、それからその意味するもの、さらにはこれもいま御指摘ございました環境庁長官の認定に当たっての統一見解、その他たとえば附帯決議等、そういったものも一切率直に申し上げまして、こういう状況であるということを事細かに説明申し上げた上で御了承いただいているところでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 端的に聞いておるわけですけれども、その統一見解というようなものを必ず守って審査に当たります、こういう約束を委員からとってあるのかどうかということです。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 お願いするに当たりましては、そういったことを確約という意味ではとっておりませんけれども、その趣旨は十分にこちらから御説明申し上げたつもりでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 長官、この新次官通知は大変問題になったものでございますし、そこで集中審議が行われ、統一した見解の発表を求めたわけでございますが、この基本というのは一人でも公害病患者が見落とされることのないよう全部が正しく救われるようにしたい、これが基本になっておるわけでございます。そして、この委員の任命につきましては患者との信頼関係というものを重視して任命しなければならぬという附帯決議もついておるわけでございますが、この委員の任命に当たって患者は非常に反発しているのです。  そこで、いま部長から答弁があったのですけれども、この統一見解、すなわち一人でも救うという趣旨、これを守ってやりますというような、宣誓書と言えば言い過ぎかもしれませんが、そういう委員との確約のあかしというものをとって、それを患者に示すということが非常に信頼関係を増すことになるのじゃないかと思うのです。  そこで、そういう意味で、いま言ったようなことを守ります、そしてやりますという委員の確約書といいますか宣誓書といいますか、そういう患者が納得するような方法で何か措置をとって、それを患者に示すということが非常に大切じゃないかと思うのですけれども、長官、そういうことをなさる気はありませんか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 いま御指摘があった通知の問題あるいは附帯決議、そういう問題もよく承知しておりまして、そのことをよく頭に入れて人選に当たってほしいというふうに役所の方へ話しておきました。その際に、この水俣病認定業務を促進するということが一つの大きな使命である。そして、いまお話しのように、患者から信頼を受けてやっていくということも促進の大きなことでもございましょう。そういう意味ですから、そういう点をよく頭に入れて早くやってくれ、そういう意味で二月十四日……(馬場(昇)分科員「いや、経過は知っているのですよ。だから、確約書みたいなものをとるかどうかということだけ聞いている」と呼ぶ)ですから、そのことをよく話をしてやったわけですから、いま部長が申し上げたとおりでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 部長が申し上げたとおりで足らないから長官に聞いているのですよ。患者はいま非常に不信感をこれに持っているんです。だから、その統一見解だとか、あるいは附帯決議とか、審議の状況とか、そういうのを遵守して私たちは審査に当たります、そういうような患者が信頼するような委員個々の誓約書というか確約書というか、そういうものをとって、こういうぐあいにしてやるんですから心配要りませんよというようなことをやる。歴代の環境庁長官は、水俣行政だけではありませんけれども、特に水俣病の行政につきましては、行政の基本というのは患者との信頼関係だ、これがなければ何をやったってだめだということで全部答弁されているのです。確約されているのです。だから、いま不信を買うているわけですから、あなたの手で任命した委員はこんなぐあいにして必ずこの統一見解なんかを守るという確約をして委員になっているんだから心配要りませんよ、こういう患者が安心するようなあかしというものを委員からとって患者に示したらどうかということを私は言っているのです。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 委員にその趣旨をよく説明申し上げて御就任をされたわけですから、私は心配ないというふうに確信しております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 行政に患者は不信を持っているわけですよ。少なくとも患者が心配しているんだから——あなたは心配していない。だから、こういうものがありますから患者さん心配要りませんよということをあなたはしなさいと私は言っているんです。では、今度あなたの文書で、このことをみんな確認されておられる、だから心配要りませんよと一札書いて患者に見せますか。これは大臣に言っているんですよ。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 ちょっと先に答弁させてください。   一部の患者の方々から厳しい批判があることは承知いたしております。しかし、先ほど申し上げましたように、委員の就任に当たりまして事細かに直接依頼する先生方にお目にかかって、確約というものはとっておりませんけれども、十分その趣旨は理解いただいていると解しております。  なお、それを確約するという文書はもちろんとれるものではございませんが、私どもは機会あるごとに、これからたとえば現地説明会等を持たせていただくことによって患者さん方の理解を深めていきたい、また信頼関係を高めていきたい、かように存じております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 部長に聞いていない、大臣に聞いている。  では、あなたは確約書をとり切らなければ、このことは十分理解されておりますから、委員はそのとおりやられるのですから心配要りませんというあなたの確約というものを患者になさってはどうか、このことを聞きます。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 委員にいま言ったようによく御説明をして御就任を賜ったことでございまするので、そういうふうに円滑にいくと思っておりますが、これから認定業務が始まっていくわけでございますから、その間にいろいろな問題が起きてまいりますれば、いま御指摘のようないろいろと患者に対する信頼関係をつなぐように全力を挙げて処置をとっていきたいと思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 国会の附帯決議の中に、「委員の任命にあたっては、患者の信頼を得るよう十分に配慮すること。」これが附帯決議になっております。私は、このことにさらに念を押して追及いたしまして、自民党の提案者も、当然信頼を失することのないようにやります、そうして本田部長も、馬場委員の発言の趣旨を体して、任命するため具体的方策をとります、こういうぐあいにして任命に当たっての約束が国会でできているわけです。それについて、患者に対して任命に当たって信頼を得るようにどういう措置をとったかということだけ、一言だけ答えてください。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 御質問の御趣旨は、患者に対して一々委員の候補を示したかどうかという端的なことかとも存じますけれども、私どもは、東京におきましては幾つかの患者さん方の団体とお会いする機会がございました。その間に、もちろんこの問題だけではございませんが、いろいろなことの御意見を拝聴いたしております。  それから県は、熊本県を中心にいたしまして、関係県におきましては患者さん方と会う機会が私どもよりずいぶん多うございます。そういったことは、逐一私ども連絡を受けておりますので、その際どういう話があったかというようなこともこちらから積極的に聞くことによりまして、患者さん方のいろいろな意向というもの、御意見というものをずいぶんと聴取したつもりでございます。その結果、総合的に判断いたしまして認定に向かったわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 それはうそを言っているのです、あなたは。全然やっていない。東京で、どういう患者団体と会って、その方々の意見がどうだということ、何月何日にどう聞いたらどうだということを文書で出してください。それから、熊本県が患者団体と会ってよく知っているからそれを聞いたと言うのだが、患者団体と会った県の意見をいつあなた方が聞いたかということを具体的に文書で出していただきたい。  次に、国会で議論になった、県を通じて聞くとか、そういう抽象的なことじゃなしに、たとえばあなた方が現地に行って、こういう法律ができました、こういう附帯決議がついております、そうして任命に当たって患者との信頼関係を得るようにという決議もついております、こういうことですからということでみんな集めて、個々の人をどうこうということじゃないのです。委員任命に当たってはどうですかと聞いたら、向こうがこの人はいやだということもあるいは出るかもしれません。しかし、任命に当たってあなた方の信頼を得たいからどうしたらいいか意見を言ってくれ、そういうような、現地に出向いて意見を聞くような会議を一回でも二回でもやるということが大切なんです。そういうことをあなた方はやっていないわけでしょう。そういうことをしたかしないかということについて聞いておきたいと思うのです。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 いろいろな患者さん方と、大した機会ではございませんけれどもお会いした、あるいは県から事情を聞いたことの中身につきまして、文書で提出するということは御勘弁いただきたいと存じます。  それから、確かに事前に現地に参って説明はいたしておりませんけれども、法律の趣旨、そういったものは患者さん方にもある程度御理解いただいておると解しておりました。そこで、申し上げましたように、直接出向いて委員の任命に当たってどう思うかというようなことは、これは人事にかかわることでございますので、なかなかできかねますので、申し上げましたようないろいろな機会を通じて意見を聴取した、これが事実でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 いま言ったけれども、この法律が通って、実際現地で説明会も一回も行われていないのです。そうして、任命に当たっては患者の信頼を受けるような措置をとるということを決めておりながら、それも一回もやっていないのです。ぼくは中身を知っているのです。現地に行って説明したのは私だけです。環境庁からも県からもだれも来ていないのです。そういう中で、一方的にあなたが急がせたというのも私は知っております。ですから、早々の中でやって、とにかく委員の引き受け手がないのにあわを食ってやったものだから、現地に説明する、患者に説明する暇もなかったということも私は知っているのです。そういう中でやっておりまして、患者がものすごく反発しておる。  そこで、今度の任命というのは国会決議違反なんですよ。国会の意思を無視しているのです。附帯決議を守っていない。審議の経過を守っていないのです。だから国会決議違反だ。そうしてまた、信頼関係を得るという水俣病行政の基本に反しておるのです。だから、かつてこの委員会で発足したって、長官は御存じないかもしれませんけれども、たくさん申請者がたまっておる。これは集中検診しなければならないということで、九大の黒岩先生を長とする集中検査をやりました。急ぐはずのものが、患者の信頼がなくて三年間も審査が中断したという例があるのです。急ぐためにつくった審査会が、このようなボタンのかけ違いの発足では絶対に認定促進にはならない、こういうことでございますので、いまかけ違えただけですから、これをここでまた外して、かけ直すという意味で、国会決議を守る、信頼を回復するという手続をとるために、この委員の任命は白紙に返して、もう一遍やり直すというような考え方はないかどうかということを大臣に聞いておきたい。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 馬場委員も水俣病の関係につきまして非常に重要な問題としてお取り上げになっておられます。これはよく承知しております。私も、水俣病というものは公害のいわば原点でありまして、水俣病ということにつきましては、いまの園田外務大臣が厚生大臣当時御一緒に行っております。そんなような関係その他で、私は非常に大きな課題だと思っておるわけです。  それで、この水俣病の認定の促進問題につきましては、裁判所で判決が下っておる。ですから、これは急がなければならぬ……

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 ぼくの聞いているのは、少なくとも国会決議に違反している、あるいは信頼関係がないから、これを白紙に取り返してもう一遍やり直したらどうかということ、それだけです。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 私は国会の附帯決議に沿っておるものだと思います。決して違反しているとは思っていない。と申しますのは、この促進ををさせるという意味におきましては、要は患者の信頼関係というものを重視していかなければいかぬ、これは当然のことだと思うのです。  それで、二つの点につきまして部長にもよく話した。これは促進法なんだからとにかく二月十四日という期限というものはおくれていったのでは仕方がないということ、もう一つは、十分患者の信頼に沿うように配慮しようということになっておりますから、十分配慮していくようにということを指示しております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 あなたは審議のとき聞いていなかったのですけれども、確かに、信頼を受けるよう十分配慮となっております。これに対しては質疑応答があっているのです。具体的な措置をとるということなんです。それをとっていないのです。だから、これは完全に決議違反なんです。患者はみんなそう言っているのです。  そこで、私は聞いておきたいのは、ここで押し問答してもなんですが、一言だけ。これはボタンのかけ違いですから、これじゃ前の黒岩検診みたいにして、促進にはならない。私は知っている。そういう意味でボタンのかけ違いを一遍外して、もう一回信頼を受けるような任命の仕方にやりかえる気はないかどうか、イエスかノーか言ってください。  それからもう一つ、それができないとなれば、第一回目の審査会はいつ開かれるか知りませんが、いつ開くのか、そのときに、私がいま言っておるようなことを環境庁の長官が私の立場に立って委員の人と話して、私が言っていることはこれを解散せよと言っている。やり直せと言っている。あるいは患者に信頼されるような何か方法をとれと言っている。こういうことを第一回目の審査会でお話をして、そうして何らかの措置、行動を起こすという気はあるのかどうか、まず白紙に返せということと、それができなければ第一回目の審査会をいつ開くのか、開いた中で、あなた方と一緒になって、信頼関係を保つためにどうするのかということを議論されて、その結果を患者に知らせるとか、そういう行動をとられるかどうか、この二つ。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 よくわかりました。促進する意味におきまして、患者の信頼ということは最重点であると私は認識しております。それで、こうして十分配慮したということで御委嘱申し上げておるわけでございますから、いまこれを白紙に戻すというわけにはいかないと思います。そうして、これは第一回をいつ開くかということにつきましてはいろいろと事務的な問題がございましょうから、できるだけ早期に開くということが私は促進ということになると思いますが、結局この申し込みと申しましょうか、そういうようなことの実情とも照らし合わせて具体的な時日は決まると思います。  そして、第一回の際におきましては、いまお話しのようにこの附帯決議、そういうような趣旨、そういうことを私自身からも委員の方によくお話しをし、、そして委員会の御決議でございますから、その趣旨に沿いましていろいろと御意見も承りながら、何とかこの認定業務が促進をされていくというようにいたしたいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 本田さん、あなたは事務的だから第一回目は大体いつごろ開かれる予定かというようなことは、大臣は事務的なことは御存じないのですから、いつごろ開かれる予定ですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 先生よく御存じのとおり、この対象になる申請者の方々は一千四百三十九名おられます。申請者の意向によって県で審査を受けてもいいし、こちらの方に申請がえなさってもいい、こういう制度でございます。これは発足してすぐなものでございますから、現地の説明会も近々やりたいと思いますが、まだいたしておりませんし、事務手続その他申請の手続等が若干かかりまして、実際に申請が出てくるのはもう少し後になろうかと思います。その申請者の状況によりませんと実質審議というのは始められぬわけでございますので、いまいつ聞くということは言えない現状にあることを御理解賜りたいと思います。申請者が出てまいりましたならば、それに応じてできるだけ早い時期に第一回の実質審査を始める、こういうことに相なろうかと存じます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 私は、これは白紙に返せと基本的に思っているのです。白紙に返すことができなければ、申請者が出てこなくてもまず一回目をやって、そこでいま私が言ったようなことを討議して、そして信頼を受けるかどうかというような行動を患者に対してとりなさい、そして信頼を受けなければ審査はやったって同じなんですよ。だから、あなたは、審査はいま申請が出てこなければやらぬと言うけれども、私が言っているのは、その前に委員が集まって私が言ったようなことを措置して信頼を受けるような行動をとりなさい、そういう会合を早くやりなさいと私は言っているのですよ。そういうのをやる気はないのですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 当然、審査会の実質審査でなしに、その前にいま御指摘がありましたように、この審査会の運営についてどうするか、たとえば委員長も委員の互選によるわけでございますから、そういったことを決める会議は開く必要があろうかと存じます。それもできるだけ早い時期に開きたいと思っておりますが、まだ日にちは決めておりません。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 委員を任命するときにも信頼関係を十分配慮していないし、そしていま、任命した後でもそれをやろうという行動がまだ予定も立っていない、このような任命は促進にならない。白紙に返せと言って、次に移りたいと思うのです。  委員の中にたくさんの人がおりますけれども、いろいろ巷間、水俣で言われておりますことを申し上げて質問したいと思うのですけれども、椿さんという新潟大の教授が任命されております。この人は患者が非常に問題にしておる人です。たとえば水俣病認定には哲学が必要だと言ったり、あるいは政治的、社会的なことを考える必要があると言ったり、補償金なんかも考慮しなければならぬと言ったり、こういうことを言ったと伝わっておって患者が不信を持っております。さらには、患者が行きますと、あなたは何年か前に申請しておけば認定されたけれども、いまは診断基準が変わったから認定されない、こういうことを患者に言った。多くの患者がこれで憤慨をしておるというようなことも聞いておるわけであります。  さらに、私もよく知っていますけれども、第三水俣病というのが起きましたときに、椿さんを座長とする検討会でこれがシロになりました。ここから水俣病行政の後退が始まっておるのです、公害行政の後退が始まっておる。そうして、この中でもいろいろ精神神経科グループというのは水俣病を広くとらえるとか、神経内科グループというのは狭くとらえるとか、椿さんは狭くとらえる方だとか、さらに昭和四十九年に新潟の県議会の厚生環境常任委員会で、認定基準は甘い、水俣病でない人が認定されているという趣旨の発言があったとも聞いておるのです。  そしてまた、熊本地裁で第二次訴訟が起きておりますけれども、それについて熊大の原田先生は、十二名に対して有機水銀の影響を認めると言っているのに、この椿さんは、一人に影響があり三人は否定できない、七人は影響がないという鑑定も出しているのです。そうして椿さんが、これはシロだと言ったのが、その後行政不服審査で認定をされておる、こういうこともありまして、数え上げればまだたくさんあります。こういう患者が不信感を持っておる、これで信頼関係が果たしてつながるかどうかと私は思います。  さらにもう一人、大分県立病院の先生がおりますけれども、これは二次訴訟の裁判で、経営者、チッソ側の証人として出て、この十二人は全部シロですと言った人なんです。これが委員に任命されているのです。こういう状況とか、熊本大学の先生が一人も任命されていない。熊本大学は患者さんに一番信頼があるわけです。しかし一人も任命されていない。  このように実におかしな任命の方法がとられておる。こういうことについて大臣、いま私が言いましたことは、あなたは知らぬかもしれません。ところが、私が言ったようなことを調べて、事実であれば問題だと思うのですよ。こういう事実があれば信頼関係があるのかどうか、信頼関係があるように配慮して任命したと言えるかどうかということを時間が来ましたからそこだけ一言言ってください。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 馬場委員も十分御承知だと思いますが、この適任者を選んでいくという場合、範囲が非常に限られております。それで、私は先ほど申し上げました二点につきまして十分配慮してやりなさいということで指示しておきまして、後から承りまして、最も力を入れた人選であろうと思っておりますけれども、いろいろな御指摘がございますれば、私は、よく謙虚に頭に入れて、これが所期の目的が円滑に達成できますように一生懸命やりたいと思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 時間がないからですが、まだほかにも名前を挙げればあるのです。だから、少なくとも私はいまここで、失礼ですけれども一人名前を挙げました。また大分県立病院の名前も挙げたのですが、こういう私が挙げたことは、あなたもちょっと調べてみてください、私が誤解しておるかもしれぬから。そういう事実があったのかどうかということを調べてみて、その結果、もしあったとすれば善処してもらわなければ困るわけですけれども、調べてみるということは大臣、約束してください。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 馬場委員が言われておられますし、審議の過程で指摘をされておりますから、関心を持ちまして事情を聞いてみます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 事情を聞いた後、また善処していただきたいし、時間がありませんから、公環のときに質問したいと思いますが、少なくともこのことは国会決議に違反した信頼のない任命であったということを申し上げて、後で追及することにして留保したいと思います。  あと二点、簡単に申し上げます。  これはチッソに対する金融支援措置の問題でございますけれども、熊本県が十二月の県会で三十三億円余り県債を出したのです。そのときに熊本県議会は八つぐらいの附帯決議をつけまして、あなたの方にも、この八つの附帯決議が守られなければ次の県債は保証できないという趣旨の要望書も出ております。そこで、あの熊本県議会がつけました附帯決議を解消して、六月以降もスムーズに県債が発行できるかどうか——そういうことで、いわゆる附帯決議を解消して、あなたは六月以降スムーズにできるような自信があるのかということと、やはり閣議了解事項で、チッソに万一があったら国が補償するとなっていますけれども、一〇〇%補償しなければこの次から出さぬと言っている。一〇〇%補償する自信があるのかどうか、この二点についてお答えいただきたい。

上村一環境庁企画調整局長

○上村政府委員 いまお話しになっているのは、去年の十二月の県議会における附帯決議であるというふうに了解をするわけでございますが、これにつきましては、ことしの一月、県知事と県議会議長の名前で環境庁の方にも御要望がございました。この県議会の附帯決議を拝見いたしますと、国の仕事になるものもありますし、県自身の仕事になるものもありまして、こういうものにつきましては、いま関係各省で検討しておるところでございます。  それから、その中でチッソに万一のことがあった場合云々ということにつきましては、いまお話しになりましたように、去年の六月の閣議了解、それからそれに基づきます関係省庁次官の覚書の線で処理することになるというふうに了解しているところでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 その二点目の覚書の線というのは一〇〇%ですか、どうですか。一〇〇%国が補償するということになっているのですか、なっていないのですか、それだけ答えてください。

上村一環境庁企画調整局長

○上村政府委員 覚書の文面は、「熊本県の地方債による融資について、万一、チッソ株式会社からの返済が履行されない事態が生じた場合には、熊本県の当該地方債に係る元利償還財源については、国において十分の措置を講ずるよう配慮するものとする。」こういう文面でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 その十分というのは一〇〇%ですかどうですかということを聞いておるのです。

上村一環境庁企画調整局長

○上村政府委員 現在の段階では十分であるというふうに御理解をいただきたいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 一〇〇%であるかどうかということと十分ということは違うのですか、違わないのですか。それだけはっきり答えてください。

上村一環境庁企画調整局長

○上村政府委員 十分ということでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 一〇〇%と十分というのは違うのか違わないのかと聞いているのですよ。

上村一環境庁企画調整局長

○上村政府委員 十分は十分であり、一〇〇%は一〇〇%であるわけです。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 だから、違うんだね。違うのか。

上村一環境庁企画調整局長

○上村政府委員 いまお答えしたとおりでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)分科員 時間が来ましたので、後でまた追及します。終わります。

愛野興一郎自由民主党

○愛野主査代理 以上で馬場昇君の質疑は終了いたしました。  次に、大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 私は、瀬戸内海の赤潮の問題について伺いたい。  瀬戸内海環境保全臨時措置法が改正されまして、恒久立法が昨年でき上がったわけであります。その際の議論におきまして、一番大きな一つの問題は赤潮対策であります。  瀬戸内海の赤潮は、言うなれば瀬戸内海全体の汚染度というか、環境のバロメーターのようなものとして議論をされただけでなしに、二百海里時代の沿岸漁業の非常に重要なウエートを占める瀬戸内海の水産資源の確保の問題や、自然景観の保持の問題、そういう瀬戸内海環境保全特別措置法を立法いたしました基本的な政策目標の中の最も重要な象徴的な課題である、こういうことで今日まで議論をいたしてきたわけであります。  まず第一は、瀬戸内海における最近の赤潮の発生状況ですが、昨年の資料によりますと、昭和五十二年までは出ておるわけであります。  いままで振り返ってみますと、臨時措置法ができましてからの状況では、一進一退がございまして、赤潮の件数で申しますと、一番のピークは昭和五十一年である。二百九十九件、こういうふうに出ております。五十二年が百九十六件でありますが、それ以後五十三年度の発生状況についてお答えをいただきたい。

馬場道夫環境庁水質保全局長

○馬場政府委員 瀬戸内海におきます赤潮の発生状況でございますが、ただいま先生が御指摘になりましたように、五十一年度が発生件数のピークでございますが、その後五十二年は若干減少しておるわけでございます。五十三年につきましては、これは水産庁の調査でございますが、総件数が百六十件というようになっております。  瀬戸内海におきましては、御承知のようにハマチ養殖が大変盛んでございまして、養殖ハマチの大量の斃死等の漁業被害があったわけでございまして、五十三年のハマチ養殖の被害につきましては、推定でございますが二百九十五万匹、約三十三億円に上っておる。ちなみに、五十二年のハマチ養殖の被害を見てまいりますと三百三十万匹、金額で約三十一億円というようなことになっておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 五十三年度は三月で終わるわけですが、冬は余り発生しないわけですから、いまの百六十件というのは大体本年度いっぱいの数字である、こういうふうに思われます。  しかし、傾向といたしましては、いまもお話がありましたように、損害額は三十三億円というふうにふえておるわけでありまして、件数が減りましても、昨年のいろいろなニュース、報道等見てみましても、大きな赤潮が発生いたしまして大規模の被害を及ぼす、そういう傾向もあるわけでありまして、これは非常に大きな問題であります。  その赤潮の問題で私どもがいままで議論をいたしました中で問題は、この赤潮のメカニズムを究明をしていく。これは各界、地方自治体等からの強い要請があるわけですが、メカニズムを究明をしていく。そして赤潮発生のメカニズムに基づく総合的な対策を立てる、そういうことであったのでありますが、そのメカニズムの究明については環境庁はどのような考え方で具体的に対策を立てておられますか、最近のその具体策についてお答えいただきたい。

馬場道夫環境庁水質保全局長

○馬場政府委員 赤潮のメカニズムにつきましては、従来からいろいろ調査研究がなされておるわけでございますが、発生の機構が非常に複雑でございまして、いろいろな要因が重なり合っておるというようなことでございます。  そこで、現在までにいろいろ調査研究をいたしておるわけでございますが、赤潮発生の一般的なメカニズムといいますか、その概念的な整理は一応できておるわけでございます。何と申しましょうか、定性的な解明と申しましょうか、そういうものは一応の段階に達しておるわけでございますが、それによりますと、赤潮の発生のメカニズムの要因といたしましては、燐、窒素等の栄養塩類と申しましょうか、そういうものが中心になりまして、それに日照の問題であるとか、あるいは降雨の問題であるとか、あるいはビタミンとか鉄とかマンガン等の微量物質がどう作用するか、そういうような定性的なものにつきましては現段階でほぼ明らかになっているわけでございますが、これの発生要因の定量的な問題あるいはこれらの要因がどう相互に作用し合って赤潮発生に至るのか、あるいは非常に急激に赤潮が出てまいりますその辺のメカニズムが必ずしも十分でございません。さらにまた、赤潮はプランクトンが赤潮のもとでございますが、そのプランクトンが数十種類に及んでおるわけでございまして、それらの解明というものが今後の問題でございます。  そこで、私どもといたしましては、従来から続けてきておるわけでございますが、五十四年度の予算でお願いしておるわけでございますが、赤潮発生機構の総合的な解析調査ということで、これは従来のいろいろデータの集積がございますので、そういうものを総合的に分析をするということで赤潮発生機構の解明に一歩近づこうというようなことでやっておるわけでございます。  その他関係各省いろいろあるわけでございますが、私ども関係の試験研究機関あるいは大学等の先生方にいろいろお集まりをいただきまして、水産庁と共同で赤潮研究会というものをつくりまして、その場でいろいろ研究成果を持ち寄り、また、今後の研究の方向をいろいろ御討議をいただくというようなことに努めておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 赤潮研究会をつくってやると言われたわけですが、これは現在どこまで進んでおるのですか。研究会の構成、それから具体的な活動、それと予算、この三つについてお答えいただきたい。

馬場道夫環境庁水質保全局長

○馬場政府委員 赤潮研究会につきましては、水産庁と環境庁が共同主宰をいたしておるわけでございまして、五十二年の九月に発足をいたしまして、その後漸次組織を強化いたしておるわけでございます。  そこで、その中身は、まず第一が先ほど御質問にございました発生機構の解明をやります機構班というのがございます。それから赤潮にいろいろなタイプがございますので、そういう分類をやる分類班、それから赤潮の発生防止といいましょうか、あるいは発生の予察を行う予察班、それから具体的に赤潮が発生した場合の対策を検討する対策班というようなことでやっておるわけでございまして、この中にいろいろ幹事会等を設けまして全体の方向づけを行うということにしておるわけでございます。  このメンバーは国立公害研を初めといたしまして、水産庁の水産研究所、それから全県ではございませんが、各県の一部の水産試験場あるいは公害研究所、それから赤潮あるいは富栄養化あるいは海洋関係の大学の先生方でございます。そういうことで、いままでに年に数回開催をいたしておるわけでございます。  また、この研究会自体が予算を持ってやる、あるいは国の方で予算措置をしてやるということではございませんで、いろいろ環境庁、水産庁等で予算措置があるわけでございますが、それはそれぞれの研究機関なりあるいは大学の先生等に委託してやっておるものが多いわけでございますが、そういう方々は当然これに参加をしていただくということでやっておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 その研究会の事務局はどこにあるのですか。

馬場道夫環境庁水質保全局長

○馬場政府委員 事務局は、環境庁の水質保全局と水産庁でやっております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 この前われわれいろいろ議論したときは、日本の行政は縦割り行政なんです。しかし、環境庁とか厚生省というのは生活行政、横割り行政と俗に言われておるわけですが、縦割り行政は、通産省にいたしましても運輸省にいたしましても企業と官僚が癒着をしておるわけです。そういう縦割り行政の中でこういうふうな総合的な赤潮というふうな問題が発生しておるわけですから、それをやはり横割り行政、生活行政でコントロールをしていくような体制が必要ではないか。それが赤潮対策のメカニズムを究明し、対策を立てる基本ではないか、こういう議論をしばしばいたしてきたわけであります。  農林省の水産庁が魚がどんどん繁殖するような条件をつくることは、瀬戸内海の環境を改善し水準を引き上げていくことになりますから、言うなれば魚がすめるような瀬戸内海をつくっていく、こういうことですから、環境庁と水産庁はそれほど利害で対立することはない。ただし、赤潮は言うなれば通産省や運輸省や建設省、これは公共事業等の遂行ですが、そういうものに関連をいたしまして、やはり環境庁ができて間もないのでありますから、これは弱体でありますけれども、こういう総合的な研究体制の確立を通じて環境庁の体制を確立することが必要である、これが環境優先、公害問題で議論された点である。そういう点で、やはり予算を環境庁が持ち、そして事務的な機構は環境庁が持って、必要があるならば赤潮対策として各省あるいは大学等に研究を委託して、そしてこれを集約をするのが環境庁、そういう赤潮のメカニズムを究明する研究体制のメカニズムを確立しなければいけない、こういうことであります。  本来ならば瀬戸内海の公害研究所をつくって——われわれの社会党の案にはそれがあったわけです。これは三木総理大臣が前に環境庁長官をやっておったときには原則的には賛成いたしておりましたが、それをつくりましてむしろやるべきだ。あるいは環境庁の国立公害研の、言うなれば瀬戸内海の環境の一つの出先としてもよろしい、こういう考え方であったわけです。しかし、そこまではいかないでも、やはり総合的に研究解明をするということで、附帯決議にも、去年法律案を出すときにいたしたわけであります。これは知事会とか市町村の各関係自治体からも熱心な要望があるわけですが、この附帯決議の第七項に「赤潮発生のメカニズムの解明及び防除に関する総合的研究の整備拡充を図るなど、万遺憾なきを期する」こういうのがあるわけです。総合研究ということであります。予算をちゃんと環境庁が握って、そして事務局も水産庁の協力を得ることはいいわけですけれども、最近よくはやっている各関係局を合わせた事務局の発足でもいいわけですから、そこで系統的に組織的にやっていかなければ、こういう形だけでときどき会議を開いて御意見を聞くというだけではだめではないですか。予算と体制の立て直しが必要ではないかと思うのです。  念のために聞きますが、予算は各省に赤潮対策でどの程度入っておりますか。

馬場道夫環境庁水質保全局長

○馬場政府委員 予算といたしましては、環境庁含めまして関係各省、これは赤潮対策全体でございますが、したがいまして必ずしも純粋に研究ということだけではないわけでございますが、約二十四億でございます。この中には水産庁でやっております被害救済措置の漁業共済の補助等が入っておりますので、それを除きますと約十八億程度と承知しております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 環境庁だけの赤潮関係の予算は合計幾らになりますか。

馬場道夫環境庁水質保全局長

○馬場政府委員 赤潮を直接に対象といたしましたものは一億三千万でございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 これは赤潮発生機構総合解析調査費が出ております。それと赤潮に関する調査費、淡水赤潮対策調査費、これは湖沼、こういうふうに出ておるわけですが、やはり赤潮対策は、私はこの問題をこれから特別委員会等でも議論いたしますが、この赤潮を解明する機構体制といたしましては、これはかなり欠陥があるのではないか。それはもちろん瀬戸内海の対策室が言うなれば事務局を担当することになるのだと思うのです。しかし、これは一番急がれておるのは赤潮のメカニズムを解明することですから、この点については、本年度の予算の修正ということはともかくといたしまして、これの運営につきましては、私が指摘をいたしました点を十分考慮して、環境庁が主体性を持って総合的に運営をしてもらいたい、こういうことですが、大臣いかがですか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 大原委員の御指摘は私も筋において同感でございます。  それで、この赤潮の問題は、これはもう閉鎖性水域におきましては特に最近重要な課題になっております。それで、この予算の関係につきましては、環境庁が主体性をもって各官庁に配分していくという体制をとっていく。これは私はぜひそういうふうにしていきたいと思いますが、従来からのいきさつからいいまして、集計的なものがもらえておるわけでございます。とりあえず五十四年度としまして、環境庁独自の赤潮対策の調査費を増額していただきたいということで、昨年は二千六十一万五千円、ことしは一億三千三百二十九万八千円というふうに約一億一千万ぐらい増額させた。こういうことで漸次独自のものもふやして、何とかこの赤潮の問題については前向きにやっていきたい、こういうわけです。     〔愛野主査代理退席、主査着席〕  それから、調査研究につきましても、これは非常に必要なことである。また瀬戸内海の問題につきましての研究所、これも私はいい考えだ、こう思っております。実際の問題としまして、前進させる意味で、国立公害研究所に五十四年度におきましても相当多額な予算を計上してもらいまして、そしてひとつ世界的なレベルに持っていくとともに、赤潮の問題につきましても、いま鋭意そこで研究調査を進めておることは御承知のとおりであります。そうして、これを前向きに検討しながら、また環境庁の中には瀬戸内海の担当の事務局もございますので、この国立公害研究所のいろんな成果、そういうものを見ながら、いま大原委員が御指摘されたようなことを前向きに検討していきたい、こう思っておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 それらの予算体制の中で、あるいは予算を含む新しい体制の中で、赤潮対策で本年特に力点を置くという点についてはどういう点を具体的に考えておられるか、答えてください。

馬場道夫環境庁水質保全局長

○馬場政府委員 予算につきましては、先ほどちょっと触れたわけでございますが、赤潮の発生機構の解明、これが環境庁が主として取り組んでおる問題でございまして、その中で、赤潮発生機構総合解析調査というようなことで過去いろいろな調査を重ねてきているわけでございますが、そのデータが非常にたくさんありまして、これを系統的に分析をいたしまして、これは今後数カ年間続ける必要があるかと思いますけれども、それによりまして、赤潮発生機構、メカニズムにつきまして十分な解明をしてみたいということでございます。  もう一つは、これは瀬戸内海に直接関係はございませんが、最近湖沼にいろいろ赤潮が発生をいたしておるわけでございます。特に琵琶湖にはこの数年間、二年ほど連続して発生しているわけでございますので、そういう意味で、これも新しく淡水赤潮の調査研究をいたしたいというようなことで予算措置をいたしておるわけでございます。  また、国立公害研におきまして、これも赤潮ないしは富栄養化の問題につきましていろいろプラントをつくりまして、その中で実際の湖なり水域と同じような形の構造のものをつくりまして、いろんな物質をそこに加えて赤潮の発生機構を解明するということをやっておるわけでございます。もう一つは、直接予算とは関係は薄いわけでございますが、先生御承知のように、瀬戸内海環境保全臨時措置法が特別措置法として新発足をするわけでございますが、その中で燐等の削減の基本方針を国が定めまして、知事が削減計画をつくりまして、そこでやっていく。行政指導で燐等の栄養塩類の削減を強力にやっていくというような制度ができたわけでございますので、私ども、それをこれから進めるわけでございますが、その対策を現在やっておるところでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 燐の削減だけをとりましても、これは大変なことであります。下水道、浄化槽、全部関係があります。生活排水、それから洗剤その他関係があるわけですから大変なことでありますが、非常な政治力が要るわけです。  それから、私この問題は時間が参りましたのであれですが、最後に一間だけ、いままで議論になりました点で新大臣にぜひ理解しておいてもらいたいことは、この瀬戸内海は高度成長の中で物すごく重化学工業中心にコンビナートや工場が設営されまして、そしてヘドロのたれ流しをやったわけです。そのヘドロがそういうコンビナートを中心に海底に堆積をしておるわけですね。これも富栄養化の大きな一つの原因です。やはりCODの二分の一カットを中心に臨時措置法等でやってまいりまして、かなり一定の成果を上げた。最近は不景気ですから操業度が下がっておるので、鉄鋼その他ありますけれども、下がっておりますから、それもあって、少し瀬戸内海全体としては、臨時措置法の効果もあって、かなりよくなっておる。しかし、根本的にはよくなっていないというのは、やはりヘドロのしゅんせつをやらなければだめだ。たとえばヘドロしゅんせつをやる場合には、ヘドロしゅんせつ用の、海底をひっかき回して第二次汚染を起こさないような船もあるわけですから、そういう船もつくっていけば造船の仕事にもなるわけです。そういうことで計画的にヘドロのしゅんせつを瀬戸内海でやればかなり長期の事業になる。よく公共事業で議論があるわけですけれども、こういう点にやはり力を注いでやったらどうかという議論をいままでやったことがあるし、やってきたわけであります。特に昨年はその議論をいたしました。  それからもう一つは、埋め立ての規制は、アセスメント法にも関係しますが、いま公有水面についての規制を適用いたしておるわけですから、一応法律はそこにある。その際に埋め立てをせぬというわけにいきませんから、いままでの埋め立てば浅瀬をどんどん埋め立てて、そして自浄作用を低下させるようなことをいたしたのが瀬戸内海の環境を悪くしたもとにもなっておるわけです。たとえば消極的にヘドロをしゅんせつするだけでなしに、積極的に遠浅をつくったり、モ場を育成したりするということであります。そういう新しい環境づくりをしていくということ等を計画的にやれば、雇用の問題から言いましても、あるいは環境保全の問題から言いましてもいろいろ波及するのではないか。中国−四国架橋に大きなプロジェクトで金をやってやっても、さて橋をかけましても、私どもは反対しませんでしたが、どれだけの効果があるかということはかなり疑問であります。しかし、一方ではフェリーとかその他海上交通の面においては、雇用の面では非常に大きな影響があるし、造船にも影響があるわけであります。三本橋をかけたからといって、必ずしもそれは直接どうこうということはありません。ありませんけれども、影響といたしましては非常に大きな影響がある。  そういうことですから、たとえば私は二つの例を挙げたわけですが、ヘドロを計画的にしゅんせつする、あるいは遠浅とか水産資源の自然の養殖になるモ場の造成とか、そういう事業を起こしていくという考えを持ちながら、全体の環境をよくするということをやらないと、赤潮の根本的な対策にはならない。もちろん下水道、浄化槽その他全部の問題があります。農薬の問題があります。洗剤をたくさん使います。そういう窒素、燐ですから、農薬、化学肥料の関係もあります。そういう総合政策が必要だと思いますね。  しかし、私が申し上げたいのは、公共事業等で積極政策で、雇用政策もそういう面で考えたらどうかということで、与野党の国会議員の中ではかなりコンセンサスがあったのですが、この事業は取り上げられて大きな課題にはなっていない、プロジェクトにはなっていない。この点は環境庁長官は十分留意をされて、これからひとつ検討された上で前向きに取り組んでいただきたい。これは環境庁長官……。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 瀬戸内海は日本の重要な資源であるわけです。環境庁としましても瀬戸内海の環境保全ということは重大な関心事であるわけです。いま大原委員からいろいろと御指摘がございましたから、それをよく踏んまえまして施策を進めていきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)分科員 では終わります。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で大原亨君の質疑は終了いたしました。  次に、武田一夫君。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 私は鳥獣保護の問題について二、三質問いたします。  大平総理は施政方針演説の中で、これからは文化を重視する時代である、あるいはまた人間性の回復をあらゆる施策の理念としていく、こういうふうに言っております。私は、こういうことは非常に大事な問題で、非常に同感でありますが、その中に、われわれ日本の現況を見たときに、高度経済成長の中でどうも自然環境の破壊があった、そして鳥獣というものに対する思いやりがなかったのではないか。それがいろいろな面にひずみを及ぼしている、こう考えるとき、環境庁長官としては、こうした自然というものを、言うならば文化遺産としてやはり末永く保存していく大事な立場でございますので、こうした日本の現況、しかも世界各国の先進国から比べますと、こうした問題には非常におくれをとっているのではないか、こう言われている現状をどう考え、どういうふうに対処していくつもりか、その一点をまず最初にお聞きしたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 武田委員御指摘のように、私は、日本の自然というものは非常に恵まれたすばらしい自然だと思いますが、高度経済成長時代に相当自然が破壊されていったということは率直に認めなければならぬ、こう思っております。  それで、最もすばらしい日本の自然につきましては、今後環境庁としましては自然環境保全に十分力を入れていきたい。御承知のように、昭和四十八年にいわゆる緑の調査が行われまして、五十三年でちょうど五年目になりましたので、いま五十三年、五十四年と約八億以上の予算を計上して、第二回目の緑の調査をやっておる。これは自然環境の基礎調査ということになると思います。それを踏んまえながら環境庁としましてはその対策を十分進めていきたい、こう思っております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 そのために、やはりわれわれ国民としましていろいろと理解と協力というものが非常に大事になってくるわけです。その点で、こうした非常に大事な資源というものは、こわれれば、なくなれば二度と戻ってきません。施策的な問題においても一層の力を入れていただきたいということを要望して次に移ります。  ラムサール条約、ワシントン条約、ラムサールに至っては十年前、ワシントンは六年ほど前に出てきた条約でありますが、先進国では二十カ国、四十八カ国という多くの国々では批准しているけれども日本は批准してこなかった。そのために、日本というのはどういう国なんだ、先進国の中では変わった国ではないか、国際協調のない国ではないかというふうな非難も浴びている。そういうことを考えると、どうしていままでこうしたものが批准されなかったか、その理由をまずひとつ聞きたい。  それからもう一つは、今後この二つの条約に対する加入等の見通し、加入した場合のメリットというものはどういうものが考えられるか、簡単で結構ですが、説明していただきたい。

金子太郎環境庁自然保護局長

○金子政府委員 ラムサール条約についてでございますが、御承知のとおり、水鳥、渡り鳥などについての国際条約につきましては、アメリカ方式と申しますか、二国間の条約を結ぶ方式と、ヨーロッパ方式と申しますか、多国間の条約を結ぶ方式とございまして、わが国は日米渡り鳥条約を中心に、いわゆるバイラテラルなやり方をとってまいったのでございますが、ラムサール条約というものに豪州、ニュージーランドも最近加入いたしましたし、またアメリカも加入の準備があると聞いておりますように、ラムサール条約に世界じゅうの国が入るのは大勢となってきたというふうに感ぜられますので、実はこの条約がイランのラムサールで結ばれましたときはわが国は呼ばれていなかったのでございますが、おくればせながら加入したいということで、ようやく関係方面の御了承をいただきまして、先般国会に加入の承認を求めるところまでこぎつけたということでございます。  それから、ワシント条約の方でございますが、これは絶滅に瀕する動植物の一部を原材料として加工している業者がわが国に相当数ございまして、しかもその大部分が中小零細業者でございますので、その転業その他どうするかという非常にむずかしい問題がございます。そういうことが主な理由となりまして、関係省庁間の調整がおくれているわけでございます。しかしながら、これに入らないことに対する国際的な非難というものは非常に強まってきておりますので、何とか各省に御回調いただきたいということで鋭意努力しておるところでございまして、できれば近日中に各省庁の御了承をいただいて国会に批准の承認をお願いするという段取りに持ち込みたいと考えておるところでございます。  この二つの条約にわが国が入りますれば、先ほど御指摘ございましたように、わが国は経済成長、所得の向上ばかり考えて国際的な協調なりを余り考えないというような非難が薄くなるという非常に大きなメリットがあると考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 次に、鳥獣行政について二、三お尋ねしますけれども、いろいろ聞きますと民間の自然保護団体の方々、一生懸命がんばっている。私の宮城県でも白鳥のたくさん来るところがありまして、そういう愛護の会の方々が自然を守ろうとして一生懸命がんばっているのですが、どうも日本の国でつくられた研究所みたいなのが余りないのじゃないかと言う。鳥獣研究所とか、あるいはまた自然保護研究所というものがどうも少ないんじゃないかとか言われていますが、現状はどうなんでしょうか。そしてまた、そこではどのくらいの方々が専門的な仕事として仕事をしているものか、ちょっと実態を聞かしてもらいたいと思います。

金子太郎環境庁自然保護局長

○金子政府委員 国立の自然保護研究所ないしは鳥獣研究所の必要性につきましては、各方面から強く指摘されておるところでございますが、環境庁といたしましては、まだ国立の公害研究所そのものができ上がっておりませんで、毎年施設費、定員などにつきましてそれを強く引き続き要求しなければならないという情勢にございますし、また昨年からは国立の水俣病研究センターというものが横から飛び込んでまいりまして、この方が緊急性が高いというようなことで、なかなか鳥獣保護あるいは自然保護の研究所を要求するところまできていないというのが実情でございます。  しかしながら、現状で全然やっていないかと申しますと、たとえば国立公害研究所の中でも自然保護に関するものをだんだん広げてもらうようにいろいろお骨折りいただいておりますし、また林野庁の林業試験場の本場または支場の中に五つほど鳥獣科というのがございまして、そこで研究をやっておられるというふうに聞いております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 長官、これはやはり今後の課題としまして、大学の先生方などでもこの鳥獣関係のことをやりましても仕事にありつけないということで、余り熱が入らない、担当の主任教授でも特にそういう方の熱意があれば別ですが、そういう仕事に携わろうとしないということは非常に文化国家としても嘆かわしいわけなんですが、今後の方向性として、やはりこうした問題にこたえていくような方向性というのはやはり考えていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 同感でございます。ただ、現実の問題としましては、いま局長が御説明申し上げましたように、国立公害研究所の方の職員をこの五十四年度に二十名ばかり増員し、それから水俣病の研究センターの方へ十名ということで、いま御承知のように国家公務員の増員関係につきましてはなかなか厳しい体制に入っております。そういうことで、いまのごもっともな御提言でございまするけれども、ちょっとそこのところへ至っていないという実情です。前向きに検討していきたいと思います。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 ひとつよろしく御配慮いただきたいと思います。  そこで、この自然保護と関連して必ず問題になってくるのは鳥獣被害の問題。私も岐阜県のカモシカでは現地の方にも参りまして、あるいはその後何度か陳情もいただきまして相当苦労している。環境庁も文化庁もまさに地元の人たちも大変苦労している。なかなか決着がつかないわけです。私の宮城県の伊豆沼、内沼という白鳥の来るところでも、いま農業、漁業補償をどうするのだ、環境保全が大事か、人が大事か、鳥か人間かということがまた問題になってきておるわけですが、まず最初に、カモシカの問題で文化庁にちょっとお聞きします。  文化庁の次長来ていないですか。——次長が去年の十月、参議院の農林水産委員会ですか、答弁したことがあります。その内容は、損害補償の問題について、ここのところが非常に問題になっているのですから、こういう問題をはっきりしないと自然環境保護といっても地元の協力を得られないおそれがある。それに一つの明確な指針というのを打ち出さなければいけないと思うのです。そのときに次長さんが、当該因果関係というものを立証したり、あるいは当該因果関係が金額としてどの程度あるか算定することは困難であるというふうに答弁した。それじゃ文化庁が言ういわゆる因果関係の立証というのは具体的にどういうことを言うか、説明をちゃんとしていただきたいと思うのです。  もう一つは、金額の算定が困難だ、この困難性というものは具体的にはどういうところにあるのか。この点をまず要点だけ、時間がございませんから説明していただきたいのです。

逸見博昌文化庁文化財保護部記念物課長

○逸見説明員 それじゃ簡単に御説明いたします。  途中を省略いたしますので、御勘弁いただきたいと思います。たとえばカモシカを撃ちたいということで文化庁長官に許可願いが出てきた。それに対しまして、文化庁長官が不許可あるいは条件を付して許可いたします。そういうことをいたしました場合に、現在の法律のもとでは、不許可等と被害の発生の間に相当因果関係がある場合に、その範囲内の損失を補償するというふうなたてまえになっておるわけでございます。  そこで、一体相当因果関係というものを具体的にどういうふうに考えれまいいかということでございますが、たとえば野生の鳥獣の食害につきまして不許可等の処分をするということは、不許可という処分によって直接的に食害が起こってくるのではなく、むしろたとえばカモシカの生息環境、特にカモシカのえさ、そういうものの状況が悪化してまいる。そうすれば食害が発生する。そういう状況がございます。またカモシカが一定の地域に適正密度以上にたくさんふえてきたというふうな状況がございますと、それも食害の発生の原因となります。そういうことで食害を起こします要因はさまざまなものがあるわけでございまして、それらが複雑に絡み合いまして、作用し合いまして一つの食害という結果をもたらすわけでございます。  そこで、一体そういうものがいろいろと絡み合って起こる食害について、不許可という処分によって起こった分はどれだけであるかというような証明は大変むずかしいということでございます。すなわち、相当因果関係があるということを証明することは大変むずかしいということでございまして、そのことがむずかしいゆえに、結果としてどれだけの損害額として算出するのかということがまた大変にむずかしい。こういうふうな説明を前回次長がいたしたわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 それじゃ現実の問題として、不許可にしたそのときから毎年毎年食害があって、それでヒノキが一億、二億、三億、七億というふうにたくさんの被害が出てきた。これを放置しておいた責任と、もう一つは、現在の植林事業というのはすべて一つの施業計画というのがきちっと出ておるわけです。ですから、植林の期日を初め撫育作業、そういうものが全部はっきり記録されておるわけです。そういうものを一つずつチェックしていけば、明らかに食害の発生がそういう原因によって起こったことははっきりわかるわけです。現地の人たちは、そのことがなぜ文化庁では理解できないのか。要するに、自分たちのそうしたいままでの不手際というものをこうしたわからないような、いま言ったようなことでごまかして、あいまいにしようとするのでは不届きだ、これはえらい反発、不満です。これはまた来ますよ。そうしたはっきりした事実関係があるのですよ。ですから、そういう点をはっきりしないと——この後、自分の地域の伊豆沼の話にもいきますが、これはそういう形で全部因果関係が不明だからどうしようもないという形であるならば、言うならば、そんなものは要らないという形が国民の中に、あるいは地元の人に起こってきたらどうするかという重大な問題なだけに、やはり納得のいく返答が欲しいと思います。どうですか。

逸見博昌文化庁文化財保護部記念物課長

○逸見説明員 お答えいたします。  たとえば人が植えました木の芽、あるいは野菜、そういったものをカモシカが食べて食害を起こしております場合に、法律の網の目を通さないで、ごく単純に物事をながめますと、そこに被害が発生しておる、被害があるではないか、それを即補償すべきではないか、そういったお考えといいますか、物の考え方は一つの考え方であるわけでございますが、ただ、現在私ども文化財保護法上の補償制度として持っております文化財保護法第八十条第五項という規定がございます。これが補償制度を定めておるものでございます。この網の目をかぶせますと、どうもそういったものをすべて補償しろというたてまえにはなっていないわけでございます。先ほど述べましたようにその相当因果関係の範囲内で補償するということになっておるわけでございます。そこで、現在の私どもが持っております文化財保護法第八十条第五項の運用だけでは大変むずかしい。それで、私ども文化庁といたしましては、まず被害を防止すること、そのことを最大の目的といたしまして、現在その被害防止対策、さまざまな方策を検討し、具体化しよう、こういうふうなところでございます。  先生御承知のとおり、カモシカだけではなくて、たとえばツルとかサルとかカモであるとか、いろいろな鳥獣が食害をもたらしておるわけでございますので、私ども文化庁といたしましては、カモシカの被害、ツルの被害というふうな個々別々にとらえるのではなくて、むしろそういった保護される鳥獣、そういったものの結果として生ずる食害、これを全体的にとらえる、そういった食害による補償の問題といったものを考えるべきで、カモシカあるいはツル、カモという形でとらえるのはどうであろうかと考えておるところでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 この問題は後でまたお尋ねします。  伊豆沼の問題をちょっと聞きますが、この伊豆沼には日本のほとんどの鳥が集まってくる、湿地帯が多くていい場所らしいのですね。大体一万数千あるいは三万くらいになるというふうに言う方もいるのですが、この伊豆沼、内沼で、稲が食べられるということで、五十一年ごろから騒ぎが始まったのです。ところが、最近、今度は漁業もちょっと遠慮してくれという声も出てくる。というのは、エンジンの音で、白鳥、カルガモ等が逃げてしまうので、これは毎年やられたらこわがって来ないのじゃないか、だから御遠慮願いたい、こういうふうなことまで出ました。これはどうするんだということで、若柳という町ですが、ここで、大体六百人くらいの方々から、農作物の被害補償条例を制定して農民を救済すべきであるという被害補償条例の制定を求める直接請求が町に出されたわけです。町の方でも、この地域は国が指定したんだし、国から指定された天然記念物があるんだから、おれたちこれを受け取るにはどうも抵抗がある、何とか国の方で考えてもらえないか、こういうことで、いま小競り合いというか、そういう状況が続いているわけです。調べてみましたら、確かに沼で漁業に従事する方が約四十人、これだけで生計している方が。大体十月から三月、フナやコイをとりまして、年間一億三千七百万です。一日当たり最低でも十万、多いときは二十万というわけです。現在は、それでも協力しまして、日曜、祭日、いわゆる観光客が来るようなときには極力遠慮して協力しているのだけれども、何せ日ごろ出漁する際に、風が強いとなれば、小さな船ですので、そういうときにはかわりに日曜、祭日も出なくてはいけない。こうなりますと、やはり生活権というものがどうなるんだ、この問題を何としてくれるんだという声が当然起こってきてあたりまえだと私は思うのです。  かつて五十一年のときには、何か国でもってあの稲作の被害に対しまして二百万ですか、県と国で四百万の補助金みたいなものを出して、それで地元民に補償という形で出した、こういうことがあるのですが、これは考えてみますと、こういうことが一たん五十一年にあって、その後どうして五十二年、五十三年とできないのだ、こういう素朴な疑問もあるわけです。これに対してはどういうふうに答弁していただけるのですか。これはまず農林省ですな。この四百万出したというのをひとつ……。

栗田年代農林水産省農蚕園芸局植物防疫課長

○栗田説明員 お答えいたします。  ただいまの補償金の件につきましてはつまびらかでないわけでございますが、このカルガモを主体としたカモの被害と私は理解するわけでございますが、それにつきましては、伊豆沼周辺を中心といたしまして五十一年ごろから被害が出ております。それで宮城県全体では、カルガモの被害として水稲の方では何らかの被害があったのが五十二年ごろに約六千ヘクタールぐらいではないかという県の報告がございます。それで、特に被害の多い地域は、いまお話のございました伊豆沼を中心とした若柳町を主体といたしまして十九市町村にわたっているという報告がございます。  それで被害の状況でございますが、特に被害の多い面積、これは五十二年ごろでは宮城県では二千二百五十二アールと承知しております。これにつきましては五十二年にも共済金を支払っております。また、五十三年には被害の比較的多い被害面積といたしまして千三百九十二アール、これにつきましても共済金を支払って被害の一部を補てんと申しましょうか、している状況でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 そうすると、この五十二年の四百万というのはどういうものだかは、性格はわからないわけですな。地元の人は、これは恐らく補償料としてもらったのじゃないか、こういうふうに思っておるのですが、こういうあいまいな受け取り方をするようなものはいけないと思うのですな。その点、これは何なのですか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○金子政府委員 五十一年に支出いたしました四百万円と申しますのは、特殊鳥類監視員謝金というものでございまして、当時、マガン、ヒシクイの被害がございましたので、それを追い払う監視員を置く、それに対する謝金を国と県で助成する、こういうものだったと聞いております。その後出ておりませんのは、マガン、ヒシクイの被害がその後出ているという報告がないものですから、出ていないということのようでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 それではもう一つ聞きますが、いま漁業の問題が出てきたのですが、今後もしこうした問題が出て補償すべきであるという声が出てきたときは、どういう形でこういうものに対処していこうと考えているのですかな。

岩崎壽男水産庁振興部振興課長

○岩崎説明員 伊豆沼につきましては、ただいま先生御指摘のありましたように二十隻ぐらいの小型な漁船がおりまして、そのエンジンの音で白鳥等が逃げてしまうというような話があるということは私どもは聞いておりまして、実際漁民の方々も、ここは白鳥その他カモ等の鳥獣保護区その他になっておるようなところというふうに聞いておりますので、えさ場に近づかないというようなことをやっておるわけでございますけれども、ただ、そこに生活を依存しております漁業者であります以上、さらに漁業規制を強化するとか禁止をするというようなことは非常にむずかしい話でございまして、やはり鳥の保護ということも考えながら、同時にそこでの漁業が併存していくような形という方向でやっていくという方針でいきたいというふうに考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 そうすると、そういう問題が出たときに、一応そういう問題に対する対処は十分にしてあげたいという気持ちはあると伺っていいですね。それでいいですね。  では最後に長官。こういう問題がたくさん出てくると、正直言って守る会の方々も御苦労なんですね。それから大体そばにいるのは農民、漁民ですから、皆自分の土地のそばです。そうすると、結局お互いに顔を合わせる仲です。市町村もまた大変です。三つも四つもの町村にまたがっているのです。ですから、こういう問題を未然に防ぐためには、もっと適切な、しかも親切な——一つの指導にしたって、聞いてみますと、ずっととり方がばらばらです。また浸透の度合いもおそい。たとえばカルガモが来るというときには、季節的にいつごろ来るというのがわかるということで、事前にそのための駆除というのは申請もしておいて計画的にやれるのだということは、国や県の方で言っているそうですが、地元の人たちはそうじゃないのです。いつも許可をもらうために時間がかかって、そして手間がかかって、許可がおりたころには皆いなくなってしまうというような苦情とかはしょっちゅうその周りにあるわけです。だから非常に丁寧な、親切な指導というのはないわけです。それで、その保護については、大方善意によって、地元のそういう愛護をする方々の真心からの応援によって、そういうものが保護されているケースが多いだけに、環境庁も文化庁も、あるいは水産庁も農林省も、もう少し有機的にこうした問題、特に国で指定したところとかというような重要な資源のところには、もっと何か温かい手を差し伸べなければ、言うなれば、今後のそうした自然環境の保全にはいつもこうした問題がつきまとってくるのではないかということを懸念するのですが、長官としての立場で、この問題について、こうした問題を未然に解決し、円満にひとつ地域の皆さん方のお力添えの中で、この自然の資源を保全できるような方向性というものを考えていただきたいと思います。そういう点につきましてどうでしょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 私のところへも鳥獣の保護に御熱心な団体の方々から御陳情があったり、今度は逆に大分被害を受けるというような御陳情があったりします。よく私話してみますと、鳥獣を愛護していく、あるいは自然を保護していくということは、いろいろ苦情を申し込まれてこられる方々も同じようですね。そういうところを見ると、どこへバランスをとっていくかということは非常に問題だ。そこを御指摘されて、ひとつ関係省庁ともよく連絡を密にして——みんな考えておることは一緒です。ただ、現実の問題でどうもぶつかる。ですから、これを親切に御相談に乗り、それから適切な処置を常時講じていくということにすれば、私は非常にうまくいくというふうに思っておりますので、その面を努力していきたい、こう思います。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 終わります。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で武田一夫君の質疑は終了いたしました。  ただいま新東京国際空港公団総裁大塚茂君及び理事角坂仁忠君に参考人として御出席いただいております。  参考人の御意見は分科員からの質疑によってお述べ願いたいと存じます。  小川国彦君。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 私は、成田空港の騒音問題、それから成田空港の中に日本航空が設置しておりますノイズサプレッサーの設置の問題、これらの点を中心に質問をいたしたいというふうに思います。  最初に、きょうの各紙に一斉に出ているのですが、これは環境庁の長官にお伺いしたいのでございますが、「夜間騒音に慰謝料」というので「東京品川区に住む生け花のお師匠さんが隣のプラスチック工場の騒音などでノイローゼ、不眠症になった、と主張、工場の夜間操業停止と慰謝料百万円を請求した」いわゆる近隣騒音訴訟というもので「東京地裁民事十八部・佐藤安弘裁判長は二十七日「夜間の騒音は隣人として社会生活を営む上で受忍すべき限度を超えていた」と述べ、被告の工場主に慰謝料四十万円の支払いを命ずる判決を言い渡した。」こういう判決が出ているわけでございますが、こういう隣の工場騒音で、この場合に判決の中では「四十五年四月以降の昼間騒音はおおむね都公害防止条例の規制値(五〇ホン)以下で受忍限度内」こういうことになっておりまして、五十ホンというものを都の条例の場合には一つの限界に置いているわけです。この判決では、明らかにそれ以上を超えた隣人に対して四十万円支払えと厳しく罰する判決を出しているわけです。これと成田空港の騒音下における住民の騒音の問題、これはいずれも同じ人間であって、夜間の騒音に対する限界というものはやはり同じだというふうに考えるのでございますが、現下の航空機騒音の問題とこの判決とを対比して、長官はどういうふうにお考えになるか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 私はこの判決の全文を拝見したわけでございませず、きょうの新聞に出ておる範囲しか存じませんので、適切かどうかわかりませんけれども、裁判所の考え方というものは、もちろん国民は皆平等でございます。ですから、同じような考え方に立っておられるのじゃないかというふうに、新聞の記事だけでございますから、もっと検討しなければ的確な判断はできないと思いますけれども、通常の常識から言いますれば、こういう判断をしておる。裁判所としては、成田に対しても同じような判断をしていくんじゃないかという感じがいたします。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 裁判の考え方は、そういう方向が出てくるかどうか。これは大阪空港裁判もあり、今後の問題にまたねばならないと思いますが、長官として環境庁というものは、環境基準をいろいろに定めているわけですが、その中で一般の住宅騒音基準と、航空機の離発着する空港周辺の騒音基準というものは差があるわけです。しかし、こういう新しい判決を踏まえて考えますと、人間の住むところはすべて同様の条件に考えなければならぬじゃないか、行政の姿勢もそうあらねばならないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点もう一度長官としての見解を承りたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 この問題につきまして、現状の問題と理論的な問題ということについて、私も非常に疑問を持ったわけです。というのは、騒音の規制ということについては、受ける方の被害者から見ますれば、航空機騒音も、こういう住宅の一般騒音という場合も、受ける方から見れば同じ立場ではないか、こういうふうに思うのですよ。ところが、現実に行われているのは、航空機騒音と一般の騒音とは多少基準が、判断が違っておることは御承知のとおりだと思います。これは航空機の場合は世界的な基準を採用しておる。これはおのおの使命を持っておるのではないか、こう思うのです。それで純理論的に言いまして、いま御質問のような点について私は非常に疑問を持ったわけですよ。  それで、いろいろ経過を聞いてみますというと、航空機騒音の場合は、要するに世界的な関係もございますから、その基準に基づいて航空機騒音は策定されておる、こういうふうになっておりますから、とにかく一般理論も考えながらどういうふうにこれを処理していくかということは、私個人としましては一つの問題点に思っております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 環境基準からいいますと、これは全体的に環境基準の達成ということが目標になっているわけで、いま六年目、あと四年後の五十八年には空港周辺の環境基準をWECPNLで七十以下にしなければならぬ。八十五から七十に引き下げる努力を行政的にやっているわけです。より理想的な住宅環境基準といえば五十五ホン、今度の判決では五十というふうに出てきているわけですね。そういうふうな趨勢から見れば、これは航空機の離発着する空港周辺であっても、そういう努力がなされなければならないので、そういう方向について、やはり環境庁が五十八年の環境基準達成、さらにまたその次の目標達成というような構えがなければならぬと思うのです。そういう点については……。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 後から政府委員の方から具体的に御説明をすると思いますが、きょうの判決などを見まして、いま言ったような一層の努力をしていかねばいかぬなという感じを持ちましたが、具体的な問題につきましては政府委員から説明させます。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 先生よく御承知のように、成田空港につきましては航空機の騒音に係る環境基準というのを設定いたしまして、五年を中間目標といたしまして、昨年の十二月二十六日だと思いますが、ちょうど中間の目標達成期限ということになっておりまして、これにつきましては運輸省の方でどの程度の達成状況かというような発表をされました。  先生も先般の予算委員会のお尋ねの中で質疑応答があったろうと存じますが、民家防音工事につきましては、多分七二・三%の達成率ということで、五年中間目標値につきましての一〇〇%達成でございません。そういうような意味から、環境庁といたしましては、航空局の方の関係の方に、その中間目標の達成を早期に図るように、かつまた十年後の達成についても十分努力をしてくださるように申し入れをしておるところでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 いまの御答弁では対策がなされているようなお話でございますが、環境庁、現地へ行ってお調べいただきたいと思うのですが、現実には百ホンを超えるところに依然として残されている農家がたくさんございます。そういう実態もございますので、七〇%というのは、従来千葉県がやってきた目標が、一室、二室のものが七〇%であって、全室防音というのはまだほとんど未着工という現状にあるということも御認識いただきたいと思うのです。  私は、きょうはノイズサプレッサー、成田空港の中に日本航空が設置しておりますノイズサプレッサーは、夜間、飛行機が着きましてからエンジンの取りかえとかエンジンの機能テストあるいは故障テスト、そういうことのために消音装置、音を消す装置として使われているのですが、これが夜十一時飛行機が着いてから翌朝六時の間にエンジンテストでこのノイズサプレッサーが使われるということで、約一千世帯五千人近い人々が夜間この振動ではね起きる。戸障子ががたぴしがたぴし鳴りまして、夜明けまで眠られないという状態が非常に起こっているわけです。これは私の調査でも大変な回数に上っておりまして、昨年の十二月、この消音装置が一カ月間で百十回使用されているのです。そのうち五十九回は夜十一時から朝六時の間に使用されているわけです。ですから、毎晩二回、夜十一時から六時の間に大変な、ごおっという音とがたぴし戸障子が鳴る地震のような振動で周辺の一千世帯の人が目を覚まされる、朝まで眠られない、中には憤慨して一一〇番に、こういう加害者に対する措置を講ぜよという住民も出ているというわけです。ところが環境庁では、低周波公害に対して現在環境基準がないというために、この対策が全く不十分で放置されている、こういう状況が伝えられているわけなんですが、これに対して環境庁の取り組みは一体どうなっているのか、その点をまず御答弁願いたい。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 低周波空気振動の障害というのにつきましては、高速道路の橋げたあるいは工場のいろいろな発生装置というようなところから出るものが現在ございます。ただ、私ども、現在のところ、低周波空気振動によってどのような生理的な影響があるかということにつきまして、昭和五十年から調査研究を続けておるところでございまして、現在まだ結論を得ておりませんので、これをどのような方向で規制に持ち込むか、あるいは環境基準という形で持ち込むかということにつきましては、まだめどが立っておりません。しかしながら、公害の問題と申しますのは、基準あるいは規制という数値の問題もさることながら、御迷惑をこうむっている方々に、その御迷惑がなくなるように何らかの措置をすることによって、それがやむということが一つの原始的な対策であろう、かように考えておりますので、成田のノイズサプレッサーにつきましても、耳に聞こえる騒音の消音装置としては一応基準にかなっているかと聞いておりますけれども、低音公害につきましては、それなりの対応、対策を関係の筋でやっていただくように、私の方からお願いしているところでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 そうしますと、これは迷惑がなくなる措置を当事者で行うということになってまいりますと、公団の責任になってこようかと思うのです。  公団の空港管理規程を見ますと、第九条三項で「航空機のエンジンの試運転は、地上試運転用消音施設が設置されている駐機場その他公団が指定する駐機場において、公団が指定する時間及び方法に従って行わなければならない。」ということになっておりまして、エンジンの地上試運転用施設の設置と運用については公団の権限で運用が定められる、こういうふうになっておりますが、このとおり理解してよろしゅうございますか。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 ノイズサプレッサーの使用につきましては、公団がおっしゃるような規制をいたしております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 そして新東京国際空港の運用管理規程第三十四条二の6では、「試運転の時間は、地上試運転用消音施設が設置されている六〇三番スポットにあっては二十四時間、六〇四番スポットにあっては午前六時から午後十時までの間とすること。」となっておりまして、このノイズサプレッサーの使用を二十四時間認めている。これは公団が決めていることである。ところが、これの設置に当たって公団は、騒音テスト、いわゆる騒音のデシベルを二十下げるという前提に立って検討されたようでありますし、また許可条件もそうなっておりますが、低周波公害が起こるという事態は予想していたのかどうか、こういう点が明確でないわけですが、この点についてはどういうふうに処置されておりましたか。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 低周波公害については、設置の段階では十分認識いたしておりませんでした。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 予想しないということは公団の怠慢であったと私は思うのです。日本航空から公団に出された設備設置許可申請書の中には、この施設の機能、構造について全く触れてないのです。これはスイスのチューリッヒにおいて一カ所あるだけで、世界で二つ目の施設であるということであって、その機能や構造がどういうふうになっているか。それからまた、デシベルを二十下げることはできても、こういう低周波公害が起こるだろうということは、当然機能テストの中で予想しなければならない問題だと思うのです。そういう機能について公団はチェックなさったですか。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 おっしゃられますように、スイスのチューリッヒに一つだけございまして、その当時低周波公害というような問題はスイスにおいても別に問題になっておりませんでしたので、そういう点についてのチェックをするだけの公団としての知識も経験もないというようなことから、率直に申し上げまして、高い音についての規制については十分検討いたしましたが、低周波の問題については十分なチェックをしなかったという状況でございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 それで問題は、それはもうおっしゃるとおり公団の方が、昭和四十八年四月二十四日の公団総裁から日航あての「ノイズサプレッサーの使用について」という中では、第五項目では「当該施設に対する消音効果が公団の定める基準に達しないときは、当該施設の使用時間等について規制することがあるものとする」ということで、消音効果については規制することがあると書いているのですが、肝心の、いわゆる周辺集落に対して六十デシベル以下という配慮をしたものと思うのですが、低周波に関する規定は、このときにないのです。それから五十三年二月十四日の施設設置許可書にもこのことはないのです。そういうようなことは、やはり公団が少なくとも一いま毎日このために眠られないという状態、一晩に二回もこの施設が使われて夜中にたたき起こされる。夜中に二回であっても、たたき起こされた人間はすぐ眠るということはできないわけですから、結局夜明けまでいらいらして過ごす。子供の勉強とかあるいは翌日の労働にみんな支障を来しているという被害を訴えているわけですね。ところが、この間の予算委員会での総裁の答弁では、これについては「日本航空も調査検討いたしまして、大体対策のめどが二つ、三つついたようでございますので、それを実施に移した結果を見て、さらにその後のことをわれわれは考えたいというふうに考えております。」と非常に気長な考え方を持っているわけです。端的に言うならば、夜十一時から朝六時までの間は何もノイズサプレッサーを使用させないでも、公団が指示をすれば現実に済むはずだと思うのです。  私はこの間現地に参りまして、日本航空が現在約七十機くらいあそこに飛行機を持っているそうですが、予備機というのがありまして、その予備機の使い方やあるいは夜帰ってきた飛行機が必ずしも翌日朝立つわけではなく、翌日の夕方立つ飛行機もあるはずなんです。そうすれば、そういう夜十一時から朝六時まで飛行機を飛ばさないでほしいという、公団が現地へ飛ばないと約束しているその時間帯に、何もそういうことで夜半住民をたたき起こすような、住民に迷惑をかけるような機械の使用を禁止すれば、少なくとも夜間の低周波公害はまずなくなるはずなんですね。そういうことについては、公団が整備しなければならない飛行機は、その時間にどうしても整備しなければならない事態にあったのかどうか、そういうチェックはされてないと私は思うのですよ。こういうところをきちんと調べるならば、現実には、昼間ならいいとは言いませんけれども、少なくとも夜間の睡眠時間、少ない睡眠時間をさらにたたき起こすという被害は、公団の指示一つでなくすことができるんじゃないか、その点について総裁がきちんとした決断を下せるかどうか、伺いたいと思います。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 確かに権限といたしましては、公団総裁が使用禁止をできるということになっておりますが、航空機運航の現状から言いまして、やはりそれだけの禁止をするためには、夕方から夜にかけて到着しました航空機のエンジンのテストをやらないということになりますと、その分の予備機というものを準備しなければいけないということになります。これは結局貨物機に対しては貨物機の予備機、旅客機については旅客機の予備機、しかも、それもジャンボ機についてはジャンボ機の予備機、DC8についてはDC8の予備機というように、機種等によりましていろいろの機材の予備をあらかじめ準備しておかなければいかぬというようなことにもなりますので、いまの段階で直ちに使用を禁止するというのはまだ適当でない。先ほどもお読みになりましたように、せっかく日本航空が改善策を講ずるということですので、その結果を見てから判断をして遅くはないというふうに考えております。  その間、もちろんその時間帯、深夜の時間帯にはできるだけエンジンテストを控えるように、やらないで済むものはやらないようにという指導は厳重にいたしております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 私は日本航空にも行ってまいりましたけれども、空港公団は、日本航空の夜間作業をしなければならない飛行機と翌日離発着の関係のチェックをされましたか。どうしてもこの飛行機は夜間しなければならないものである、翌日、夜間やった飛行機が何時に出発しているという関係、これはチェックされておりますか。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 まだ、そこまでのチェックはいたしておりません。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 怠慢じゃないですか。夜間やらなければならないというからには、その必然性というものがなければならないわけです。公団は、周辺の住民が五千人も毎晩眠られないと困っているものを、どうしても日本航空が夜間しなければ、翌日の出発が何時だからこの飛行機は必要性があってやっているということを、当然その作業の流れをチェックして、これは昼間に回せるじゃないかということを詰めていなければならないはずです。  それから、いま総裁言うように、日本航空では現在改善策の知恵は立っていないのですよ。あったら説明してください。日本航空がどういう改善策が立ったか、説明してください。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 その時間内にどうしてもエンジンテストをやる必要があるかどうかということについては、今後厳重にチェックをして、なるべく少なくするように指導してまいりたいというふうに考えております。  それから、日本航空の改善策でございますが、私が聞いておりますところでは、ダクトの中に棒のようなものを追加するとか、あるいは開閉板か何かの部分閉鎖をやるとかというような対策を考えておるというふうに聞いております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 これは全部試行錯誤で、これからやるしかないわけなんですよ。日本航空は、いまあなたが聞いているきわめていいかげんな説明しかできないように、これからやるいろいろな方式は試行錯誤でやってみるしかないという改善策なんです。そういうようなものをやらせておいていいわけですか。人体実験をその間やっていくというわけですか。私どもが言うのは、昼間なら昼間きちっと飛行機をノイズサプレッサーの中に全部入れて、そして音を出させてみれば、どの辺のところにどういう振動効果が及ぶかということは、昼間十分テストできるはずなんですよ。夜間でもテストをする分ならできるわけですね。そういうことをやらずに、こういう人体実験で試行錯誤のようなことを繰り返しておいていいのかどうか。公団としてきわめて無責任じゃないかと私は思うのですが、これを監督する立場の航空局長さん、成田空港の夜十一時から朝六時まで、これも地元では朝七時から夜九時までにしてくれと市議会は議決をしているんですね。夜間の飛行時間をとめてほしいと言っているのに、そういう時間も、国際空港だから夜十一時まで、朝六時から夜十一時まではひとつ認めてくれ——今度夜十一時から朝六時の間に、平均して毎日二回、こういうテストで地元の人間をたたき起こしていたんでは、これは全くひどいんじゃないかというふうに思うのですね。人権侵害もはなはだしいというふうに思うのですが、そういうことを、日航の流れの作業のチェックもしなければ、改善のプランもしっかり掌握をしないで、野方図にこれをやらしておくというやり方を航空局として許しておいていいかどうか、この辺ひとつ航空局長の見解を承ります。

松本操運輸省航空局長

○松本(操)政府委員 先ほどの環境庁の御答弁にもありましたように、実は低周波振動というものはわりあいに新しい現象でございますので、公団が初期の段階においてこれに十分な配慮が欠けておったという点は、私どもとしては、あながち責めるのは多少酷かなという気はいたします。しかし、昨年空港がオープンしました後に、六月の測定の時点で、一軒の家でございましたけれども、床振動がある程度以上あり、戸障子が振れるという現象を発見したわけでございますので、その後の立ち上がりが果たして妥当、適切であったかという点になりますと、先生るる御指摘のように、必ずしも迅速な対応ができていたというふうにはあるいは言えないかもしれません。  そこで、日航に対しまする私どもの考え方といたしましては、まず第一に、ノイズサプレッサーというものの原理から言いまして、先ほど先生試行錯誤と仰せられましたその面もございます。ございますが、実は先日、その一部の装置をつけまして試験をしようとしたわけでございますけれども、風が強くて妥当な試験日でないということで断念せざるを得なかったのですが、邪魔板を入れる、整流板を入れる、出口をしぼる、いろいろ理論的にもあるいは実務的にも経験音の中から出てくる問題があるようでございますので、これは昼間最も適切な時点、気象条件のときにきちっと試験をさせまして、速やかに対応方針が出せるように、私の方でも強く公団、日航ともどもに指導をいたします。  それから、現実に夜間運用している状況、私どもの承知しておる数字では平均一・三回、こういうふうに承知をしておりますが、それにしても平均一・三ということは一ないし二回ということになるわけでございますので、先生仰せのような問題が起こらないとは決して私も申しません。  そこで私どもの方も、どういうことを理由にしてこのノイズサプレッサーを夜間使用しているのかという点についてはチェックをいたしました。確かにエンジンを交換した場合とか、あるいはパイロットがおりました場合に、スコークと申しましていろいろと注文をつけてくる場合がございます。これは速やかに手当てをしておきませんと、安全上の問題もございますので、やはり必要なものでございますが、それを同じ夜間にいたしましても、まだ寝つかないころとか、もうそろそろ皆さんが起きてくるころとか、いろいろ方法もございましょうし、また全体的に可能な限り数をしぼっていくということも具体的な方法であろうと思いますので、先生の御趣旨を十分に踏まえまして、さらに日航及び全日空に対して積極的な指導を私どもとしてもしてまいりたい、このように考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 それからもう一つ、こういうような点についての怠慢もあるわけですが、夜間の飛行時間の厳守ということが守られていないわけです。すでに開港以来、夜十一時以降は飛ばないということを空港公団も現地に対しては約束をしているわけですが、先日は二月二十一日、八機もずれ込んで、夜二十三時六分から二十三時二十一分、二十三時三十一分、三十四分、四十五分、四十九分、五十八分、零時二十九分と、八機も十一時過ぎにずれ込んで飛んでくる。そして開港以来今日まで、すでにもう八回も時間を守らないということで、こういうずれ込みを繰り返してきているわけですね。これに対しては成田の市長なり芝山町の助役なりから厳重な抗議が公団、運輸省に対してなされたと思います。それからまた、本年に入りまして一月十日には、軍用機の離発着も、成田空港は民間空港で絶対軍用機はおろさないという約束であるのに、制服を着た米軍人が、シアトルから横田−韓国と飛んでいく飛行機が、あえて成田に着陸したというような事態も起こっているわけですが、こういう約束違反ですね、夜十一時以降の飛行機は絶対飛ばないという自治体に対する約束、住民に対する約束、それから軍用機の離発着はさせないという約束、その二つはきちんとこれから守ってもらわなければならないと思うのですが、その点に対して航空局長と公団総裁からそれぞれ、時間厳守それから軍用機の離発着の問題について、約束違反がこれから再びあってはならないというふうに思いますが、その点の考えを明らかにしていただきたいと思います。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 成田空港の夜間の使用制限の問題につきましては、緊急の場合というような特別の例外を除いて認めないということにいたしておりまして、いままでの制限時間内の着陸等は、いずれもその例外の緊急事態、その他例外の場合に該当したものでございます。  ただ、つい先日の八機については、今日私も考えまして、必ずしも現場での措置が妥当であったかどうかという点については問題があるように考えておりますので、ああいうことは再びないようにするというふうにしたいというふうに考えております。

松本操運輸省航空局長

○松本(操)政府委員 成田空港のカーフューの問題につきましては、開港前の地元の方々とのいろいろなお話し合いの中において、このようにいたしますというお約束をしたわけで、その中で、たとえばノータムにもはっきり書いて皆様にも御説明をしてあると思いますけれども、実際安全上の問題その他で緊急やむを得ないという場合には、地元の了解を得てやらざるを得ない場合もあろうかと思います。現在までに起こりましたカーフューの時間破りというものが、すべてこれに、適法適正に該当しておるかどうかという点におきまして、私は別に疑わしい点があるとは思いませんけれども、ただ、地元に対する事前の御相談なり、あるもは御了解を求める手はず等について、とりわけせんだって起こりました案件につきましては、非常に不手際があったように私自身も思います。したがって、この点については、公団の担当者に対しましても今後再びこういうことのないように、よく地元の方ともう一度打ち合わせをし直しなさい、だれからだれへ、どういう御相談をして、だれがどういうことになったらば御了解があったということになるのかどうかということをはっきりさせなさいということを指示いたしましたが、現実にCIQの関係で飛行機に乗ったままどうにもならぬ、こういうふうな現象が起こりました場合には、これは何とか地元の御納得を得て、場合によってはせざるを得ないかもしれませんが、これもまた遠因を探しますと、成田の滑走路の上におりました航空機が故障を起こしまして、これを取りのけるのに予想外に時間がかかったというふうなところにも一つの原因がございます。  そこで、別途、私どもの方からは、日本航空に対しまして、こういうふうな事故が起こった場合には、速やかに滑走路上の障害物件を取りのけるための特別の体制と、それからそれに応じた機材の整備、そういったようなものについて特段の努力を早急に払えという指示をいたしました。したがって、今後こういうことが起こらないように私は期待をしているわけでございますが、いずれにしましても、地元にお約束をいたしておりますカーフューの時間の厳守という点については、あくまで常に初心に立ち返りながら、その方向で今後ともやってまいりたい、公団を指導してまいりたい、関係航空企業にも折に触れて厳重に指示をしていきたい、こう思っております。  それから、軍用機の問題につきましては、これは安全上の問題で、操縦室の窓ガラスにひびが入ったということで、緊急やむを得ない状況ということで早急に最寄りの空港に着陸せざるを得なかったという事情がございます。しかも、これは純粋の軍用機ではございません。MACチャーター機、民間機でございますので、したがって、必ずしも先生おっしゃるほどの問題であるかどうかについては、私、多少疑問を抱きますが、しかし、少なくとも軍用機と呼ばれるにふさわしい航空機の成田空港への離発着という点については、これも地元にお約束した考え方というものを今後とも守ってまいりたい、このように考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)分科員 軍用機の点だけ一点ただしたいのですが、これに対して、米軍当局に対する民間空港の基本的な性格からの抗議なり忠告なり勧告なり、そういうものはいたしたかどうか。それから米軍機の実態というものをきちんと把握されたのかどうか。  これは非常に重大なことで、私ども成田空港決定時からこういうことがあるんではないかということを再三当該大臣にただしてきたときに、絶対あり得ないということを再々この議会でも繰り返してきたことでありまして、そういうことがあったという現実は、政府の重大な背信行為になりますので、この点についての措置はとられたのかどうか。とってなければ、こういうことは絶対繰り返さないように、航空局において、運輸省において、これは防衛庁なり米軍当局にきちっとしたそういう措置をとるように要求していただきたいと思いますが、その点をひとつお聞かせ願いたい。

松本操運輸省航空局長

○松本(操)政府委員 ただいまの御答弁でもちょっと触れましたように、当該航空機は米国の民間機を米軍がチャーターして飛ばしておる飛行機でございまして、飛行機そのものは民間機でございます。当該軍用機の性格いかんという点につきましては、私どもはこれは米軍にチャーターされた民間機、こういうふうに理解しております。したがって、米軍機であるとかないとかいうことではなくて、パイロット席の窓ガラスにひびが入ったという、最寄りの空港にぜひとも至急おりなければならないという状況下において、最寄りの成田に緊急の着陸を要求してきたということでございますので、軍用機の成田空港の使用というふうな形では、私どもは必ずしも受けとめておりません。したがって、御指摘ではございますけれども、これをもって米軍に抗議するとか、あるいは今後の善処方を要求するとかいうふうな特段の措置は別にいたしていないわけでございます。  先ほども申し上げましたけれども、軍用機と呼ばれるに値する航空機、こういうものが成田空港に勝手気ままに出入りするということについては、長い間のいきさつもあって、十分に地元にも御説明し、国会等でもお答えしたことがあろうかと思いますが、この点については、今後ともこの方針は厳守してまいりたい、このように考えております。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で小川国彦君の質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。午後零時三十分から再開することといたします。     午後零時十三分休憩      ————◇—————     午後零時三十二分開議

愛野興一郎自由民主党

○愛野主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。長田武士君。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 私は、公害患者の救済問題についてお伺いをしたいと考えております。  現在東京都における公害健康被害補償法に基づく第一種地域として、二十三区中練馬、中野、杉並、世田谷の四区が指定されていない現状であります。しかし、東京都における大気汚染の現状は、工場ばい煙等のほか自動車排ガス等、汚染源、汚染物質の多種多様化によるいわゆる都市型複合汚染となっております。また、汚染物質の中でも特に窒素酸化物については、自動車交通量の急激な増加等により、その汚染状況は高濃度化、広域化している実情にあります。しかし、大気汚染の広域化の中にあっては、技術的にも二十三区を区分することは困難であります。こうしたことから、私は練馬区を含む四区が指定地域から除外されているということについて納得できません。  そこで、法の精神が公害患者を守ることにあるならば、疑わしい人をも救済していくべきであり、この際、早急に練馬区を含めた地域指定の拡大を実施すべきであると考えております。この点についていかがでしょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 東京都の世田谷区、中野区、杉並区それから練馬区、この四区につきまして、いま長田委員がおっしゃるような御要望その他があることは承知しております。  ただ、現行の指定要件というものがございまして、その要件に基づいて指定しておりますので、具体的な説明につきましては政府委員からさせますから、よろしくお願いいたします。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 ただいま長官から申し上げましたように、四十九年に中央公害対策審議会から得ている答申の中に、指定要件というのがございます。それの指定要件と申しますのは、大気の相当の汚染があること、それから患者の多発があること、この二つの要件を満たすということを基盤といたしております。そういったことから、確かにおっしゃるように四区につきましては指定できなかった理由は、大気の相当の汚染があるということが認められなかったこと、それから患者の多発があるということが過去のデータをさかのぼっていずれも認められなかったということから、現状のようになっているわけでございます。そういう指定要件をつぶさに私どもも見直してみましたけれども、満たされない現状でございますので、指定することは困難だと存じております。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 それでは、具体的にお尋ねをいたします。  第一種地域指定となっておる東京都内十九区の公害健康被害補償法認定状況を見ますと、十九区合計では五十一年十二月末一万六千百六十四人、五十二年十二月末二万一千三百三十八人、五十三年十二月末が二万六千十五人と年々ふえ続け、五十三年十二月末は当初の五十一年十二月末に比べ約六一%増と認定患者が大幅にふえておる現状であります。  一方、練馬区については、地域指定がなされておりませんので、この法による認定状況を見ることはできないわけでありますけれども、東京都の大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成関係条例に基づく認定のための申請状況を見てまいりますと、五十年の十二月末一千三十三人、五十一年十二月末一千四百二十四人、五十二年十二月末一千七百六十七人、五十三年十二月末二千二百五人とふえ続けているわけであります。この五十三年十二月末の数字は、五十年十二月末に比べて実に二倍以上の申請者が出ておる実情であります。  また、申請者のうち認定された公害患者は、五十年十二月末五百九十六人、五十一年十二月末六百六十七人、五十二年十二月末七百六人、五十三年十二月末七百五十八人とふえ続けており、五十三年十二月末では、五十年十二月末に比べ二七%もの増加を示しておるわけであります。このように、東京都の公害健康被害補償法認定患者は年々ふえ続け、練馬区の大気汚染患者もふえ続けておるのが偽らざる実態なのであります。  先ほども申し上げましたとおり、東京都の大気汚染は都市型複合汚染であり、その汚染状況は高濃度化、広域化しておることを考えますと、東京二十三区中十九区は公害から救済され他の四区は救済されないということでは、公害患者の救済に不公平が生じているのではないかと思わざるを得ないのであります。この点、環境庁はどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 先生御存じのとおり、公害患者といいましても、第一種系の四疾病がございますが、慢性気管支炎、気管支ぜんそく、ぜんそく性気管支炎、肺気腫、こういった疾病はいずれも非特異疾患でございまして、空気のきれいなところでも、いわゆる水俣病その他水系の疾病と違いまして——これは特異的な疾患でございます。水銀がなければ水俣病は起こらないという特異的な疾患でございますが、これはいろいろな原因から起こってくる疾病でございますので、その辺もお含みおきいただきたいと存じます。  それから、東京都の四区を除きます指定地域の地域指定を最後にやったのはたしか五十年の末だったと存じますけれども、非特異疾患という性格も含みまして、地域指定をいたしますと、たとえば四日市とか東海市とか、ずっと以前から指定されていた地域のデータを見てみましても、この数年間というのはどうしても患者さん方がふえていくという傾向にあるわけでございます。その辺もひとつ御勘案を賜ればありがたいと存じております。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 私がこの問題を取り上げますのは、実は昨日練馬区小竹町に住む田中まさひろ君という十歳の少年のお通夜がありました。この少年は、練馬区で生まれ、三歳までは病気一つしない元気な子供であったわけであります。三歳のときに突然気管支ぜんそくにかかりまして、練馬区では治療が恐らく困難であろうと両親が判断をいたしまして、伊豆の下田に疎開させました。その結果、日一日と病状が回復をいたしまして、約半年ぐらいでもとの健康状態を取り戻したということであります。その後約三年間治療に励んで、小学校入学のために自宅に帰ってまいりました。  ところが、自宅に帰ってしばらくいたしますと、まさひろ君は再び気管支ぜんそくの症状を起こしまして、病状は悪化の一途をたどったということであります。しかし、小学校に入っておりますので、まさひろ君は疎開もできない。やむを得ず、自宅から学校へ通いながら病院に行き、また治療をする、そしてまた入院をする、また退院する、そういう繰り返しを約四年間続けておったようであります。  あるときは、発作がひどく呼吸困難を来しまして、生死の間を幾たびかさまようほどの苦痛を訴えるわが子に、両親としても悲痛な日々が続いたことを訴えられました。もちろん、まさひろ君は東京都条例の公害患者に認定されておりましたが、まさひろ君の御両親は、同じ東京都の中で、大気汚染に健康を冒されながら、練馬区に住んでおるために国の公害健康被害補償法の認定を受けられなかったと涙ながらに実は私に訴えたわけであります。私は、まさひろ君の死と御両親の涙ながらのこの訴えを断じて無にしてはいけない、そういうふうに感じたわけであります。  そこでお尋ねするわけでありますけれども、公害健康被害補償法による第一種地域指定のための地域調査は現在も行っておるのかどうか、この点どうでしょうか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 結論的には、現在は行っておりません。と申し上げますのは、これも中公審の答申に示されておりますけれども、指定地域にするかどうかという観点からのそういった意味での調査でございますので、たとえば硫黄酸化物で環境基準を二倍以上超えた地域とか、あるいはきわめて患者が多発している地域とか、そういったものの基準のもとにそういう調査をやることになっておりますので、そういった観点から全国を見ました場合にございませんので、現在はやっておりません。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 そうなりますと、今後この法律で新たに救済される地域は指定されないということですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 いま申し上げましたような、これは中公審で示されている調査の発動要件でございますけれども、そういった観点から、私どもは絶えず全国の状況というものをチェックする責務があると思います。そういったことでチェックはいたしております。しかし、現在のところ、そういった発動要件にかかる状況がないということから、やっていないわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 そうしますと、先ほど質問をいたしましたが、このままでは公害患者の救済の不公平は解消されないと私は思うのですね。先ほど患者がふえても地域指定要件を満たさなければ、この法律で救済することにはならない、そういう意味合いの御答弁でありましたが、現在、地域指定要件となっている硫黄酸化物の汚染状況が改善されたにもかかわらず、東京都においては当該患者がふえ続けているのが現状なんです。したがって、都市型複合汚染と言われる今日の状況においては、公害患者の救済に公平を期するためにも、地域指定の要件に窒素酸化物と浮遊粒子物質を加えることが必要であると私は考えるのですが、この点どうでしょうか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 御指摘のように、地域指定要件におきます窒素酸化物あるいは浮遊物質、そういったものを指標化するという問題につきまして、私どもも従前から検討してまいりました。しかしながら、たとえば窒素酸化物につきましては、現状での汚染状況では健康に被害が出ていない、つまり健康被害との因果関係が明らかにされていないということから、現状、窒素酸化物を指定要件の中に入れるということははなはだ困難であろうと思います。しかしながら一方、中央公害対策審議会におきましてもそういったことを含めた検討が私どもとはまた別に行われております。これはきわめて長期的な展望に立っての検討でございますが、行われております。そういったことも含めまして、私どもも、将来ともチェックしていく必要があろうとは思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 昨年三月十一日に、練馬区の代表者とともに、この件について山田前環境庁長官に直接お会いいたしまして要望いたしました際に、長官から、現在中央公害対策審議会で検討されており、この結論を待って対処したいとの御返事をいただいたわけであります。その後どのように検討され、どのような結論が出たのか、お尋ねをいたします。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 中央公害対策審議会におきましては、一昨年から実は自主的に検討を始められたわけでございます。しかし、これは窒素酸化物を入れるとか入れぬとか、そういう尺度にとるとらぬだけの問題ではございませんで、いわゆる地域指定問題万般を含めまして、公害健康被害補償法ができましてすでに四年有余たっているわけでございまして、そういったことからの検討を、その一環としてなさっているということでございまして、まだ現在は検討の最中でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 現在まだ検討中で結論が出ていないという御答弁でありますが、長官にお尋ねいたしますが、この中央公害対策審議会での検討はいつごろまでに結論を出していただきたいというように長官が諮問されておるのでしょうか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 申し上げましたように、中央公害対策審議会では自主的に自発的に審議会サイドで御検討なさっておりまして、私どもまだ諮問はいたしておりません。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 この問題に積極的に取り組んでおられないようなそういう感触を私は得るのです。と申しますのは、公害患者の苦しみを顧みず、昨年の七月に大気汚染の最大の元凶と言われる二酸化窒素について環境基準の大幅緩和を強行しております。これによって新基準は旧基準の二倍から三倍に緩和されたわけでありますが、この緩和措置はいかなる理由によって行われたのか、お尋ねをいたします。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 環境基準と申しますものは、御承知のように行政の目標として定められるものでございますし、公害対策基本法の中でそのことを規定し、かつ、この環境基準につきましては科学的知見を踏まえて決めるということでございまして、御承知のように旧基準が決められました以後いろいろと窒素酸化物に関する健康影響のデータが豊富になってまいりましたので、そういう意味で、中央公害対策審議会の大気部会にこの問題を御検討いただく専門委員会を設けまして、一年間の専門委員会の御検討を経た上で指針値が出されました。その指針値をさらに環境庁の責任におきまして新しく告示したということでございまして、これは御承知のように、指針値そのものが非常に健康保護の意味での安全性を加味したものでございますので、そういう意味では、私どもこれで十分健康が守れる水準だと考えております。長田分科員 さらにこのたびの緩和は、一時間値の一日平均値が〇・〇四ppmから〇・〇六ppmまでのゾーン内またはそれ以下であることというような大気汚染の環境基準に幅を持たせたことであります。人の健康を維持するための環境基準に地域差があってはおかしいわけでありまして、これは特定地域の住民だけが健康の価値を低く見られるということにも実はなるわけですね。  そこで私は、基準は一つであるべきで、この場合、安全性から見て厳しい方をとるのは当然であると考えるわけであります。この辺について環境庁の大気汚染に対する後ろ向きの姿勢を感ずるのでありますが、この点、長官いかがでしょう。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 環境基準値に幅を設けたということでございますが、これは中央公害対策審議会の答申の指針値を見ましても、年平均値〇・〇二から〇・〇三という数値が出ております。これを日平均値に直しましたのは、観測データの様子を見てまいりますと、年平均値に対しまして日平均値が約二倍になっているということでございまして、数値として幅はございますが、指針値も幅がございますし、その範囲内におきましては健康の意味としては変わりがない、こういうことで決められたものでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 二酸化窒素の環境基準の緩和について環境庁は、環境基準については「常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない。」と規定した公害対策基本法第九条第三項の趣旨にのっとって行われたものであり、あくまでも国民の健康保護を絶対とする立場を堅持すると主張されておるわけであります。  そこで伺いたいのでありますが、東京特別区の二酸化窒素の汚染値は五十二年度で日平均値で〇・〇八ppmとなっており、環境基準を上回っておるわけであります。このように環境基準を上回る汚染が続いた場合、健康にどのような影響を与えるのか、具体的にお尋ねいたします。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 環境基準値そのものを決めるに当たりましては、先ほど専門委員会の指針の考え方にも、いわゆる健康からの偏りを防ぐという非常に高度な安全性を考えた数値でございますので、この数値を少し超えたからと言って直ちに疾病の状態が起こるというものではございません。しかしながら、行政の目標値として決めたものでございますし、私どもといたしましてはいろいろな規制方式を採用することによってこの基準値を下回るように努力をしていかなければならない、かように考えておるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 緩和措置をとられた際、適切な科学判断をなされたわけでありますから、もう少し具体的に、科学的にどうでしょう。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 これは専門委員会の先生方の御検討の内容のことにわたるわけでございますし、私どもといたしましては専門委員会の先生方の科学的な知識というものを信頼しておるわけでございます。  内容といたしましては、動物の実験によりましてどのような影響があるかというようなデータも使っております。また、いわゆる人の集団を観察する疫学的なデータも見ております。そういったような旧環境基準以降の内外の文献を約百七十編近く集めまして、その中で健康の影響のデータをつぶさに見まして、その中からこの程度の数値ならばいわゆる健康からの偏りが守れるという安全性を考えた数値が答申されたわけでありまして、そういう考え方の中には、いわゆる医学的かつ疫学的、さらには実験動物のデータというようなものの総合的な判断が加えられたものであるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 文献によりますと、緩和したことによって健康被害のおそれを生じ、特に目の異常や特有のにおいを感知したなどの急性影響が報告されておる現状であります。したがって、適切な科学的判断が加えられた二酸化窒素の環境基準値が決まったわけでありますから、公害被害補償法の地域指定要件に硫黄酸化物だけではなく窒素酸化物も当然加えられるべきだと私は思いますが、この点どうでしょうか。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 環境保健部長からお答えするのが適切かと思いますが、私もこの問題にずっと長く携わっておりますので、私からお答えさせていただきます。  硫黄酸化物の大気汚染による健康被害というのは先生も御承知のように、四日市、川崎を初めといたしまして、明らかに硫黄酸化物の濃度が高いことによる疾病の多発というのが疫学的にも証明されておるわけでございます。そのことから硫黄酸化物をまず初めのねらいとして規制をしていったというのが日本の大気汚染の行政の歴史でございますが、窒素酸化物につきましては、内外の文献を通覧いたしましても、現在の日本の汚染の程度では疾病の多発という状況はないというデータでございますので、その辺はよく御理解いただきたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 窒素酸化物の固定発生源や移動発生源に対する総合的な規制及び対策がおくれておるために年々増加しておる公害被害者をこのまま救済できないと、東京特別区における患者救済の不公平はますます拡大する一方だと私は考えるのです。したがって、東京都における大気汚染の状況を考えた場合、地域指定を区ごとに行うのではなくて、二十三区を一本化した広域指定を行うことが必要であると私は考えるのですが、環境庁にこのような考え方があるかどうか。この点どうでしょうか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 現在までの地域指定の考え方は、四日市あるいは川崎その他、現在四十一地域指定されておりますけれども、あくまでも、先ほど申し上げました指定要件というものを勘案して決めるわけでございまして、たとえば一市全市を結果的には包含されるところはございますけれども、一つの町、市の中でもその大気汚染の状況の等濃度線といいますか、同じ濃度の線を引きまして、そこからはみ出るところは、道一つ隔てても指定してないわけでございます。そういう方式を実はとっているわけでございまして、東京都であるがゆえに全部を、あるいは東京都区内二十三区を一括して実施するということは、現在の指定方式では一括してやるということはできかねると存じます。あくまでもやはり大気の汚染の状況だけで見てみますならば、等濃度線を描きましてそれから出るか出ないか、そういったところで指定させていただいている、こういうことに相なっております。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 練馬区では、環状七号線を初め関越自動車道、川越街道などの幹線道路が縦横に走りまして、これらの道路を通過する膨大な自動車の排気ガスにより生活環境は著しく破壊されておるわけであります。また、東京都条例による大気汚染にかかわる健康障害者の認定数でも明らかなように、健康被害多発区でもあります。このような状況下にある地域における窒素酸化物を含む都市型複合汚染と健康被害の関係を早急に明らかにすることが必要だと私は考えております。  そこで、環境庁においては調査の方法を十分検討し、この調査を実施する考えがあるのかどうか、この点いかがでしょうか。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 私ども、先ほど申し上げましたように、公害対策基本法の中で科学的な知見に基づいて環境基準は決められるということでございますので、私ども一般的に窒素酸化物の健康影響の問題につきましての調査研究は今後も進めるべく予算措置をお願いしているところでございます。  一方、地域指定の問題でございますが、東京都の練馬区におきまして道路、沿道等における窒素酸化物が高いということも承知しておりますけれども、現在の濃度レベルではいわゆる被害の起こるレベルではない、こういうことで現在指定に向かわない。しかしながら、先生のお尋ねは、地域指定をするための調査をしないか、こういうお尋ねでございましょうが、これは先ほど環境保健部長から申し上げましたように、現時点では調査の発動要件を満たしていないということで、する考えはないのだろう、こう考えておるわけであります。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 そういたしますと、調査の発動要件を満たす条件というのはどこで調べるのですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 四十九年の中公審の答申に従ってすべて実施させていただいているわけでございますけれども、その中に環境の著しい汚染、その尺度といたしまして一度から二度、三度、四度、そういった基準がございまして、おおむねその発動要件を満たすのは、環境基準の少なくとも二倍、そういった条件がございますならば発動する、こういったことに相なっております。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 硫黄酸化物による大気汚染が改善されても、大都市においては公害患者が減少しないという現実があるわけでありますから、このまま公害健康被害補償法で救済できないとなれば、私は新たな補償制度を確立し公害被害者に対して公平な行政の手を差し伸べる必要があると考えるわけであります。この点いかがでしょうか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○本田政府委員 現在の四十九年にできた公害健康被害補償法、すでに補償法ができて四年半になっております。その間に大気の汚染の状況は、全国的に一般的に申し上げますならばずいぶんと改善に向かっているわけでございます。そういったさなかにありまして、健康被害補償法そのものが当時非常に民事裁判を踏まえた上で共済制度と申しますか共同責任、そういった制度に立脚した制度であるわけでございます。そういった意味から、現状いろいろと、当時は是認されても、不都合かもしれないというような問題点もあることも事実でございます。そういったことから、先ほど申し上げました中公審でも自主的におやりいただいておりますけれども、私どもにおいてもこの検討、見直しといいますか、そういったことをやっていく必要は大いにあると存じております。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 最後に、長官にお尋ねしますけれども、十九区だけ指定されてあと四区は指定されていない。私、データをずっと調べておるのですが、その四区だけが被害者が少ないとか、そういう状況じゃないわけなんですね。そういう患者が多発しておるとか、そういう条件が満たされていないことはないと私は考えるのです。そういう意味で、私は、公害問題については道路を隔てて、あるいは区の境をもって基準をつくるということがちょっと無理があるんじゃないかという感じがするんですね。そういう意味で、この公害健康被害補償法を見直す必要があるんじゃないでしょうか。最後にお尋ねいたします。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 先ほど四区内の患者の方で具体的事例を挙げて御説明がございました。そういうようなこともあるから結局四区の方々が指定してほしいというふうな御陳情があるのだろうと思うのです。それで、またいまおっしゃるように道一つ隔てて違う、同じ都民じゃないかというような感じから言いますと、そういう感情があると思います。  実際問題としましては、中公審から出されておりまするところのそれをもとにしました要するに指定条件というものがございます。それに当てはめて従来ずっと四年間やってきたわけです。ですから、常にいま言ったような御指摘のような点を考えていかなければならぬと思いますが、いま担当部長、局長が御説明したような従来のやり方は、中央公害対策審議会の御意向に基づいてやっておる、こういうわけです。  いまとりあえず環境庁として五十四年度考えておりますのは、二酸化窒素なら二酸化窒素とか硫黄酸化物なら硫黄酸化物、いろいろな個別的なものは検討されておりますが、複合汚染というものが非常に問題になってくると思うのですね。これは科学的なメスを入れていきませんと、従来のやり方だけといったんじゃ、これは結果的に割り切れぬ問題が出てくる。それかといってルールというものはあるだろうというわけで、大気の複合汚染というものに対する調査をするというわけで、調査費を二千九百万円計上いたしまして前向きに検討している、そしていま御指摘のような点も頭に入れながら検討していこうという体制でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田分科員 以上で終わります。

愛野興一郎自由民主党

○愛野主査代理 以上で長田武士君の質疑は終了いたしました。  次に、中野寛成君。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 私は、この二月十六日に運輸省航空局が発表されました「航空機騒音に係る環境基準の五年改善目標の達成状況について」これは環境庁の御指導のもとで行われているわけであります。しかし、その改善内容につきましては、地域住民とともに私どもきわめて不満を感じてならないわけでありますが、この点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、その事業主体は運輸省航空局でございますから、まず運輸省にお尋ねをいたします。  先ほどこの発表されました内容を拝見をいたしますと、特に現在最高裁で争っております大阪国際空港に関連をいたしまして重点が置かれていることが列記されているわけであります。そして、その中で、大阪国際空港に関連をいたしますと中間目標値に対するものが八四・三%達成をできた、こういう総括的な数字が発表されたわけであります。地域住民はこれだけひどい航空機騒音に悩まされているにもかかわらず、たとえそれが中間目標値とはいえ八四%も達成できたとは何事かといま怒っております。本来周辺住民の生活環境を守るために設けられました最終目標値というものがあり、その前提、第一段階として中間目標値が設定をされ、それに向かって運輸省は御努力をなさったわけでありますが、本来その中間目標を出すべき五年目の昨年十二月二十六日には中間目標値でありますから一〇〇%それは達成されていなければうそであります。現在エアバス等大型機が導入をされているわけでありますが、その導入の際にも、この導入が地域住民によって認められるならばこれが達成できるのだと運輸省は地域住民に御説明をされたはずであります。私自身もその際に立ち会っておりました。しかしながら、最終目標値の八四%ではなくて中間目標値の八四%達成というそのことにさえ異議がありますが、同時に、その中身を分析をいたしますと、やはり大きな不満を感ぜざるを得ないわけであります。  まず、八四・三%という数字はどこから出てきたか。措置が必要な地域にある世帯数四万二千八百七十九世帯、そのうち、この環境基準値でありますWECPNL、いわゆる騒音値の八十五以下に措置できた世帯が三万六千百四十世帯、ゆえに八四・三%措置できたということであります。それではもとの四万二千余りの世帯数はどの範囲の世帯数なのか。たとえばここに私は地図を持ってきました。こちらが大阪空港です。大阪市の方から進入をしてまいります。その進入をしてまいりますときに、その措置が必要な世帯を一つの線を引いて騒音コンターを示して、その中でこの世帯数を五年前にお出しになっておられます。しかし、その数字は、五年前の八十五のラインから五年たった八十五のラインまでの数字を比較したその上での八四・三%なのか。そのコンターよりも外にはみ出した部分、これは措置の必要上道路等で区切りをつけますからぎざぎざが出てまいりますが、そのはみ出した部分も含めての世帯数だとするならば、何もしないでも八十五以下であったところが世帯数に含められていたことになってしまうのであります。そして、それを加えて八四・三%という数字を示されたとしたならば、これは住民を余りにも愚弄した数字だと言わざるを得ないことになってしまいます。住民はそういうパーセンテージを示してもらって、数字が高いからといって満足するものではありません。  ちなみに、航空局が出しました報告書を見ますと、全国のいろいろな地域で措置を講じてきたけれども、その中でも大阪国際空港に関しては七十何%を投じたというふうな数字さえも入っています。全国での対策費の何%を投じてくださるよりも、それこそ一〇〇%、一二〇%投じてくださること、その数字よりも住民は生活環境が現実的に守られることを望んでいるわけであります。このように、たとえば新聞で報道されまして、大阪は八四・三%達成とまず第一見出しです。見出しをどのようにつけるかは新聞社の責任でありますから、運輸省にとやかく言うことはありませんけれども、このような見出しをつけやすいような発表の仕方をしたと一面言えなくもないと思います。私はこのような発表の仕方に対してどうしても納得ができませんし、以下そのパーセンテージに対してさえも疑問が生じておりますから、時間の関係ですべてを一度羅列してみたいと思います。  まず一つは、その世帯数の最初の設定が、何もしなくてもでき上がっている部分、その部分さえも、いわゆる第一種区域全部を入れたとするならば、これは大変誇大広告的な内容になってくるということをまず第一点申し上げておきたい。  それからもう一つ、運輸省が昨年おはかりになりましたその基礎データが公表されていないのではないか。私もきょうここで質問を申し上げるに先立って基礎データをいただきたいと申し上げましたけれども、残念ながらそれは出てまいりませんでしたが、これはどういうことでありましょう。公表されて、そしてすべての住民に明らかにされて、その上でこういうコンターを引きましたと説明されて初めて住民は納得するはずです。そもそもこの問題は、騒音被害を受けた住民が運輸省に対して航空行政に対して不信感を抱いたところから出発しているわけであります。不信を取り除くことは、この対応策の出発点でなければならないはずであります。  ちなみに、そういう中でぽろっぽろっとこの線が八十五の線ですと言って騒音コンターをお引きになった。その外は八十五以下であるはずです。ちなみに、勝部というところの廃川敷では八十七・一という数字が出ておりますし、豊島保育所では八十五・六という数字が出ている。これがたとえ一つでもこうして出てまいりますと、その基礎データそのものが間違っているのではないかという不信感を住民が持つのは当然ではないのだろうかと思うのでありますが、まず、これらのデータと、そしてそのバックになります運輸省の態度についてお尋ねしたいと思います。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 お答えいたします。  まず最初にお断りしなければならないことは、昨年の暮れに環境基準の中間目標の達成期日前に当たりまして、私どもとしましては、その目的達成のために過去五年間あらゆる努力をしてきたわけでございます。私どもといたしましても、その欠陥がどのようであるか、私どもが所管しております全国の対策空港十五空港につきまして総ざらいをいたしまして、その結果を関係の方々あるいは報道機関に生のままお出ししたいということで、昨年暮れに全国の空港についての分析結果を調査いたしまして、先般発表したわけでございます。  その結果、大阪国際空港につきまして第一種区域として指定されたところにつきましてその対策はどうなっておるか。その対策といたしましては、第一に音源対策、根元から出てくる音をできるだけ減らすということ、それから、二番目に屋内で環境基準が達成されない場合には、その室内において中間目標を達成されておるかどうか、それにつきまして生の数字をそのまま出しまして、その比較をいたしました結果、先生いまお話のございましたように八四・三%という数字が出てきたわけでございます。  しかしながら、運輸省といたしましては、現在の中間目標というもの、あるいは昭和五十八年に参ります十年目標というものにつきまして精いっぱい努力して、その達成を一〇〇%実現しなければ、空港周辺の住民の一部の方々あるいは大多数の方々を含めまして御満足をいただけないわけでございますので、決して私どもが八四・三%という数字を持ったことによりまして合格点であるとか、あるいはこれによって地元の公共団体あるいは住民の方々に御納得いただけるとは毛頭考えたわけではございませんので、そのことをお断りしておきたいと思います。  それからその次に、先生幾つかお話しになりました中で、たとえば第一種区域として指定された区域の中で、その指定された段階においてすでに八十五未満であったために何もしなくても達成された数字を含めたことがどうであるかということ、それから昨年暮れの時点におきまして計測して予測いたしましたWECPNLの八十五の線、その出すデータというものが、昨年九月に実測いたしました数字と比較いたしまして幾つかの点において書き違っているのではないかという点でございます。  最初の方の点につきましては、私どもといたしましては、第一種区域というものを指定した段階で、その中について責任を持って処理しなければいけないという認識のもとに全世帯を考えておったわけでございます。  それから、後の方の問題でございますけれども、実は昨年九月に延べ六日ほどの実測調査をしたわけでございますけれども、これは地元の公共団体と御相談しながら非常に多くの点をとりまして、あるいは日によりまして場所を変えて実測したわけでございます。その結果、ただいま御指摘の勝部等の地区におきまして実測値が出たわけでございますけれども、率直に申して私どもは環境基準を達成するということの目標としまして考えておりますWの数字といいますものは年間平均、いろんな気象条件あるいは滑走路の使い方によりまして離陸着陸の方向が違うこともあるわけでございます。それから機材によって若干コースのデビエートもございます。そういったものも含めまして総合的に判断した結果が環境基準、屋外として八十五を達成するということで考えてきたわけでございますが、ただいま申しましたことにつきましては、やはり一日であるとか三日だとか、そのわずかな期間、しかもこの場合風向きによりまして着陸専門の数字であったわけでございますので、それを年間の数字にそのまま直しますと、ただいま御指摘のような結果が出るわけでございます。  ただ、私どもといたしましては、そういったものを参考にいたしながら、全国におきまして昨年十二月時点におけるダイヤの設定、その際に使用されております機材、そういったものをもとといたしまして理論コンターというものを引いたわけでございますが、その数字とただいまの数字のデビエートのことにつきましては確かに地元の方々に誤解を与えたわけでございますので、今後そういった点十分踏まえまして、新しく第一種区域の線を引く際には、地元の方々の不信を招くことのないように、地元と十分御相談しながら新しい線を引きたいと思いますので、ひとつ御了承願いたいと思います。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 基礎データの公表はどうされますか。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 私どもといたしましては、その予測コンターを引く場合におきましても、どのような基準に基づいてやったか、その点を含めまして一切地元の方々と御協議申し上げたいと思っております。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 では発表されるわけでございますか、基礎データも。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 そのつもりでおります。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 いつ発表されますか。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 関係市と御相談しながら、日を決めてその発表をいたしたいと思っております。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 それはいつごろになるのですか。一カ月も二カ月も一年も先になるのですか。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 ただいま申しましたように、新しく十年目標を達成するための基礎といたしまして一種区域、WECPNL八十の線を引くわけでございます。したがいまして、これは新年度から早々に新しく対策を講ずるつもりでおりますので、新年度早々にWECPNL八十の線が引けるように事前に早急に関係市と御相談申し上げたいと思っております。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 先般五年間中間目標達成状況というものを発表されました。その裏づけをきちんと納得させるためには、結局これと同時に基礎データも発表されなければいけないのではないですか。私はそう思いますが、時間の関係で先に進みます。  もう一つ、八四・三という数字にこだわり過ぎるようですけれども、これを見ますと、いろいろなことがその数字のレベルに達しているような印象を持たされるわけです。ちなみに多くの問題点が残っています。第一種地域の民防の問題につきましても、その地域ですと着陸サイドでは約二万一千世帯、WECPNL八十五以下で約一万三千三百世帯ございますけれども、実際はそのうちのできたのが七千五百六十世帯、二、三種区域が約三千世帯ございますけれども、それでも結局そのパーセンテージに満たないことになります。移転補償は、第二種区域の世帯数一万六百世帯のうち千四百八十世帯しか実現していないわけであります。  一つ一つの問題をこうして御指摘申し上げますと、肝心かなめの激甚地についての対応策は、八〇%どころかそれこそほとんどできていないということになってしまうわけです。中間目標値どころではなくて、それをもう一つ最終目標値から比べれば、その数字は皆様方の御努力に反してまだなかなか進んでいないのが実情です。そのことについて、最初まだこれで十分とは思っていないという御答弁でしたけれども、そのお言葉の度合いは大変厳しいものでなければならないと思うのであります。  これからの対応策を私は特に要請したいと思いますが、この民防にいたしましても原則として一世帯について一室なんです。二室以上はたしか一四%程度しかないと思います。昭和五十四年度から全室を目標にしてやり始めるそうですが、民防をすると決めたところを全世帯一室やったって、たとえば平均三室ずつあれば三三%しかできていないということになるのです。これらの数字と住民の実感との差というものを私は厳しく感じていただきたいと思います。  同時に、民防の遮音効果二十とよく数字が出されますけれども、あの着陸直下の豊南小学校でWECPNL八十八・一、そうしますと、この遮音効果二十を引いたって六十八・一となって中間目標値六十五を達成していないわけです。皆さんが達成していなければいけないとされているところにさえ現実にそういうところがまだ残っているのです。その実態をかみしめていただきたいと思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 先ほどもお話し申し上げましたように、私どもとしましてはこの八四%という数字は厳しく受けとめているわけでございますし、また、その中でも特に御指摘の三種区域あるいは二種区域の激甚地について移転その他の事業がおくれていることは事実でございます。今後精いっぱい努力をして住民の方々の御満足を得たいと思っているわけでございます。  それから民防工事の室数でございますけれども、これも先生御指摘のように、従来対象室数を原則として一室、五人以上の世帯の方々は二室ということでやってきたわけでございますし、それを当面全国の空港周辺の緊急の対策といたしましてとられてきたわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、住民の方々からも、一室ということは世帯の構成によりまして著しく生活の静穏を乱すものであるし、その拡大についても御要望がございましたので、新年度から民防の拡大を世帯構成に応じまして五室までやるように努力していくつもりでございます。  それから、ただいまの遮音効果の話でございますけれども、いまの民防の基準と申しますのは最低二十ホンということでございまして、実際に工事を行いますと、通常の場合に二十五から三十ぐらいの遮音効果があるわけでございます。最低の基準でございます。したがいまして、現在の場合でも屋内における環境基準を満たしておると思うわけでございますが、今後さらに十年目標としまして屋内の基準が六十に下げられるわけでございますので、それに見合いまして今後さらに工法につきまして特級工法の開発あるいは段階的な工法等の検討をいたしまして御要望に沿いたいと思っておるわけでございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 先に進みますが、いま申し上げた、たとえば豊南小学校の件でも遮音効果の問題もありますが、同時にこれもデータとの食い違いの問題なんです。ですから私は、先ほど基礎データの問題でいつ公表するかと申し上げましたけれども、本当はここで出してくださいと言いたいのです。そのことをむしろここで私は要求しておきたいと思います。そしてそれに基づいて先般発表されたこの内容についても、それこそ八四・三%にしても改めてそれを分析していただきたいと思います。これは委員長に改めてお願いしておきたいと思います。  次に、自治省にちょっとお尋ねしたいと思いますが、燃料譲与税が今回また増額して配分をされることになりました。ただ、この中でひとつお尋ねしたいのは、その配分が今度は市町村四、都道府県一の割合で大体配分されることになりますが、これもあくまでも周辺整備に特定して使われるというふうに考えなければなりませんが、それでよろしいかどうか。  それからもう一つ、その配分方法につきましては、三分の一が着陸料の収入額で案分されます。三分の二は騒音激甚地区の世帯数で案分する。その世帯数の案分については、それぞれその騒音値等によって補正係数がつくられております。これは恐らく運輸省とも御相談があったと思うのですが、WECPNLで七十五以上が一、八十以上が二、八十五以上が三、すなわちここが一種区域、九十以上の二種区域が四となっています。一番ひどい三種区域については二種区域と同じ扱いになっていますが、むしろ私はコンター外の七十五以上、八十以上というふうなところについてはもう少し手かげんされても、八十五以上のところ、特に九十以上の激甚地に対しては、この係数をもっと急勾配でふやすべきではないのか、まして三種区域については別途その補正係数をつけるべきではないのか、こう考えるのであります。これらについてどのような御判断を持っておられるのか。ましてこの三種区域等は移転補償制度等によっておのずから移転者が出なければならないところです。世帯数等によってこれが出されるとすれば、移転者が出れば出るほどこの補正係数に基づく配分は少なくなっていくということになります。激甚地で移転補償によって移転者が出た。跡を整備しなければいけない。その整備費を出すのに世帯数で計算していたのでは整備費が少なくなってくるという矛盾が生じてまいりますが、その辺につきましてはどのようにお考えになっておるのでしょうか、お聞きしたいと思います。

丸山高満自治省税務局市町村税課長

○丸山説明員 御質問の第一点にお答え申し上げますが、今回創設いたしたいと考えております都道府県の譲与税の使途につきましては、市町村とほぼ同様な内容で使途を考えておる次第でございます。  それから第二番目の、非常に騒音の程度の高い地域に対します補正をもっと強化すべきではないかという御指摘でございますが、そういう地域の方に財源の手当てをより強くいたしますことは当然のことでございますが、現行の制度より以上の傾斜的な配分をすべきかどうかという点につきましては、何分総額が決まっております関係もございまして、現在でも大阪空港関係市町村で市町村配分額の五割強がすでに譲与されておるという問題がございますものですから、他の空港との関係等もいろいろ問題がございます。  なお、どの程度までどういうふうにしたらいいのかというような点につきましては、空港対策を専門的にやっておられます運輸省ともよく相談をいたしまして、研究課題とさせていただきたいと思います。  それから、世帯割りの問題でございますが、譲与税の配分基準といたしましていろいろな方法が考えられると思うのでございますが、現在私どもで考えておりますのでは、やはり世帯数が財政需要と一番密接に関連をしておるということで、世帯数を基準にいたしておるわけでございます。ただし、御指摘のとおり、立ち退き等で対策が進めば進むほど世帯数が減少するわけでございますから、そのために譲与の配分額が減少するという問題は確かに今後の課題として出てまいろうかと思います。そういう場合でも依然として財政需要が存続をしているというような状況も十分考えられますので、この問題につきましても十分に検討をしてまいりたいというふうに考えております。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 毎日住民は被害を受けているのです。そして、毎年自治体は膨大な持ち出し費用を抱えて頭を抱えているのです。検討するというその期間は、われわれの立場からすれば本当はないとしか言いようがないくらいです。しかし、その検討するというお答えを私は前向きにかつ緊急の課題として検討されることを強く要請しておきたいと思います。  それから、最後になりましたが、先般、環境庁大気保全局交通公害対策室からやはりその運輸省の発表に対しての資料をちょうだいいたしましたが、結局、運輸省の発表したものを要約したものが私の手元に届きました。何かコメントしたものはないのですかとお尋ねをいたしますと、大気保全局長かどなたかが口頭でコメントをしたのみだというお答えが返ってまいりましたが、本来これの監督機関としての、または指導機関としての環境庁の態度というのは、より一層積極的でかつ本当に使命感に徹したものでなければならない。住民がある意味では頼っていくその場所は裁判所よりも前に本当は環境庁であるはずです。むしろ裁判所へ行く前に環境庁が温かい手を差し伸べてこそ、その役割りを果たせると思います。これについての環境庁の正式なコメントはないのですか。そして、この問題について最終的に大臣としてのお心構えをお尋ねし、あわせて先ほどの基礎データについてもう一度、主査からもお諮りいただきたいわけでありますが、むしろこの場ででも、この場でと言ってもすぐは出ないかもしれませんが、それこそきょう、あすにでも地元ないし私どもの手元にもいただきたいと思いますが、その三点、要望とお尋ねをして終わりたいと思います。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 先般、運輸省並びに防衛施設庁で空港問題につきましての発表がございました際に、私どもの方でも記者クラブに要点を要約いたしまして発表いたしました。その際、私どもの方といたしましても、環境基準の中間目標値の達成状況が悪いという点につきまして、十年後の達成も含めまして各般の要請をしておきました。口頭で当時コメントいたしましたが、その後、課長レベルでございますけれども、文書をもちまして運輸省並びに防衛施設庁に私どもの意見を提出してございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 いただけますか。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 後ほど差し上げます。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 御承知のように四十八年に航空機の騒音の基準を示したわけです。ちょうど十年という目安ですが、五年目の中間の調査報告が発表されたわけです。その中で未達成のものがある、御指摘のとおりです。これにつきましては、とにかく地域住民の心情も考え、国民感情も考えまして、早期にこれが達成されるように、ただ達成されておる部分もあるのですから、十年を待たずしてとにかく早期に達成されるように御要請を申し上げたい、こう思っております。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 基礎データだけ——どうですか。それがすんなりと出されないようではますます住民の不信感はつのりますが……。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 お断りいたしますけれども、私どもが今回の中間目標の達成状況の点検に使いましたのは、基礎データと申しますのは実測データに基づくわけでございませんので、あくまで理論式に基づきます予測コンターでございます。その過程におきましていろいろな前提条件を踏まえてやっておるわけでございますので、その点を踏まえまして関係市に十分説明できるようにいたしたいと思います。基礎データと申しますよりは、その予測式に基づきましてコンターを引く際の前提、そういったものでございますので、この場合たとえば一つの表でお見せするようなものでございませんので説明が要ると思いますので、その辺を含めまして関係市と十分調整の上先生の御納得を得るようにいたしたいと思っております。

中野寛成民社党

○中野(寛)分科員 終わります。

愛野興一郎自由民主党

○愛野主査代理 以上で中野寛成君の質疑は終了いたしました。  次に、草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 公明党・国民会議の草川でございます。  私は航空機騒音に関する問題について環境庁と運輸省と防衛庁あるいは防衛施設庁に質問をいたします。  まず最初に、環境庁にお伺いをするわけでございますけれども、航空機騒音に係る環境基準の中間改善目標達成状況というのが出ておると思うのでございますけれども、御存じのとおり、この航空機騒音に係る環境基準というのは昭和四十八年十二月に環境庁の告示で出ておるわけでございますが、その際にジェット機の就航していた飛行場等については五年以内に八十五WECPNL未満とすること、または八十五以上の地域においては屋内で六十五WECPNL以下とするといういわゆる中間改善目標が設定されておりまして、昨年の十二月二十七日にこの期間が経過をしておると思うのです。環境庁でもいろいろと運輸省の方から対策の実施状況についてヒヤリングがあると思うわけでございますが、ひとつ全般的な動向、傾向について環境庁の方から答弁を願いたいと思います。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 航空機騒音に係る環境基準につきましての五年目の中間目標が昨年の十二月二十六日でございましたので、私の方といたしましては関係の省庁からその達成状況を聞いたわけでございます。それに関しまして、運輸省並びに防衛施設庁でそれぞれ詳細な発表をするということでございましたので、私どもの方ではごく簡単にそれを要約して知ったわけでございます。個々の空港ごとにいろいろと詳細なポイントがございますので、全部申し上げるのはなかなかむずかしいわけでございますが、中間目標値の中で、特に民家防音工事等につきましては必ずしも十分でないところがあるというようなことでございまして、そのような形で存じておるわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 そこで、私は今度具体的に名古屋空港の問題を取り上げて、いわゆる小牧空港のことでございますけれども、質問をしたいと思うわけです。  まず第一に、名古屋空港の周辺対策の充実あるいは特に騒音対策について、これは従来は第三空団が駐とんをしておった関係で、防衛施設庁により周辺対策が行われてきたわけです。しかし、今回三沢基地への移転に伴いまして、名古屋空港というものは公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づいて、特定飛行場に五十四年度から指定をされることになったわけでございますが、それに伴いまして所管が運輸省に移ることになります。これは一体何月に運輸省の方は特定飛行場に指定をするのか、その点についてお伺いをいたします。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 先生御指摘のように、五十三年度いっぱいは防衛庁の方で管轄していただくわけでございます。五十四年度から運輸省の方でそれを引き継ぐことになるわけでございます。  五十四年度早々から私ども対策を講ずるためには、可及的速やかに、つまり本年四月一日から対策が実施できるように私どもは政令の準備をいたしたいと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 ではこの予算が通って、四月一日から早々に運輸省にこれは移る、こういうことになりますね。すでにことしになってから愛知県だとかあるいは春日井、小牧、豊山町の地元の各関係諸団体と運輸省との間ではいろいろと話し合いがされておると思うのですけれども、いわゆる騒音コンターを基準とした区域指定というものはいつごろになりますか。これも同じ時期になるか、お伺いします。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 ただいまの政令の件でございますけれども、実は予算の成立後速やかにということに言いかえさせていただきます。  それから、いまの第一種区域等の指定ということでございますけれども、これにつきましては、これから私どもの方で線を引きまして、その線につきまして地元の公共団体等と調整する予定でございます。この調整が済み次第、名古屋空港の対策のための線引きを行いたいと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 この線引きの問題になりますけれども、従来の防衛庁時代のコンターの引き方と運輸省が引く場合とにずれがあるということにならないように、ぜひ地元の各関係団体とよく御相談になられまして、やはり運輸省独自のコンターの引き方があるのだと思いますけれども、よく地元の意向を確かめながらこれを引いていただくようにお願いを申し上げたい、こう思います。  それはなぜそういうことを言うかといいますと、後ほども防衛庁にお伺いするわけでございますけれども、実は第三航空団が移転をいたしまして、その後に第一輸送梯団というのですか、これが駐留をすることになったわけでございますが、地元の方々のお話を聞きますと、確かにジェット練習機というものの飛行は少なくなったわけでございますけれども、後ほど触れますが、タッチ・アンド・ゴーというのですか、いろいろと飛行場を通過をする、利用する防衛庁の飛行機も多いわけでございまして、あるいはまた民間の航空路線も増便だとか、チャーター便などもふえておりまして、新路線の開設も相次いでおるわけでございますが、空港周辺の住民の不満というものが非常に強いわけでございます。  そういう意味で質問するわけでございますが、防衛庁に、小牧空港におけるタッチ・アンド・ゴー、いわゆる着陸はしないのだけれども、着陸練習というのでしょうか、そういうものの回数の推移は一体どういうような状況になっておるのか。  続いて運輸省の方に、小牧空港を利用する新路線の計画はあるのか、あるいはまた増便計画はあるのか、チャーター便等につきましては今後もふえる傾向にあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

児玉良雄防衛庁防衛局運用課長

○児玉説明員 小牧基地におきますタッチ・アンド・ゴーの状況でございますが、五十三年一年間を見ますと、約一万三千回となっております。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 民間航空機でございますけれども、現在、名古屋空港を中心といたしまして新規路線の開設あるいは増便等についてエアラインの方から申請は出ておりません。  ちなみに、現在国内線が十五路線、国際線が三路線、運航回数は、国内線が一日約三十三往復、国際線は一日約十四往復となっております。それからチャーター便でございますけれども、これは随時あるわけでございますが、一般的な傾向といたしましては、中京地区の国際交流の前進に伴いましてふえる傾向にあると考えられます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 防衛庁にもう一回お伺いいたしますが、五十三年の平均は一万三千回のタッチ・アンド・ゴーだといいますが、私どもの五十二年度の手持ち資料によりますと、一月が千八十七、二月が千百四十九、三月が下がって九百五十八、ずっと八月、九月と行きましても大体千百回数ぐらいになっておるわけでして、五十三年になりましても、一月が九百五十二、二月が千五百八十二、三月、四月、こう来まして大体千二百、千とふえておるのですが、傾向としてはタッチ・アンド・ゴーはふえていくのではないでしょうか。

児玉良雄防衛庁防衛局運用課長

○児玉説明員 タッチ・アンド・ゴーの回数につきましては、いま先生がおっしゃいましたような数字が本年上半期にはございます。  本年の上半期について見ますと、八月が約千五十回、九月が約八百六十回、十月が約八百九十回、十一月が約千三百六十回、十二月が約八百回という数字になっております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 いずれにいたしましても、当初地元としましては、第三航空団が移転をするということによって航空機騒音は減ると常識的に受けとめたわけでありますが、タッチ・アンド・ゴーは、実際は着陸はしないのだけれども着陸体制に入り、離陸体制にそのまま移行するという状況が、いまも御答弁になりましたように非常に数が多いわけでございますので、それだけ騒音というものは減っていないというふうにこれはつながっていくわけであります。そういう意味で、私は航空自衛隊の方の基地というものは依然として騒音的には残ると見なければならぬ、こう思うわけであります。  そういう意味で、これは今度は運輸省にお伺いをするわけでありますけれども、空港周辺対策については、防衛施設庁時代の諸対策よりも少なくとも下回らないように運輸省は今後対策を立てる気があるのか——というと言葉が悪いわけでありますけれども、そういう約束ができるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 運輸省が五十四年度から周辺対策を行うに当たりまして、運輸省といたしましては、地元住民の方々に従来の防衛施設庁がとりました時代に比べまして対策が低下することのないように全力を挙げるつもりでおります。  ただ、私どもといたしましては、あくまで先ほど先生の引用されました法律に基づきます周辺対策でございまして、民間航空というものを中心に考えていく、あるいはその民間航空と自衛隊の飛行機から発生いたします騒音に対しまして必要な対策を講ずるということでございます。したがいまして、いわゆる基地対策でございますけれども、小牧基地として存続するために、基地周辺のための対策ということにつきましては、引き続いて防衛施設庁の方にお願いすることになっております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 防衛施設庁に対する要望は要望でまた申し上げます。  具体的に運輸省にお伺いいたしますが、うるささ騒音は今度は八十五から八十になって、対象地域が広がることになると思うのです。その場合に、今度は具体的に民家防音工事になりますけれども、名古屋空港関係で大体どの程度の世帯数を予定しておみえになるのか、同時に、名古屋の場合は移転補償費は入りませんけれども、積算で結構でございますが、名古屋空港関係の予算は何億ぐらい予定をされておるか、お伺いをします。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 新しい十年目標の達成のために、現在のWECPNLの八十五から、さらに外側にとりあえず当面八十の線を引くわけでございます。この線につきましては、先ほどお話し申し上げましたように、現在当方で積算いたしまして、今後地元と調整に入る予定でおります。したがいまして、この線の中にどれくらいの世帯が入るかということは、現段階ではまだ確定いたしておりません。  また、もう一つ、予算の問題でございますけれども、これは今後財政当局と調整いたしまして具体的な実行計画を決めることになりますので、現段階で確定的なことは申し上げられませんけれども、大ざっぱに概算いたしまして、名古屋空港につきましては五十四年度約二千世帯、それから民家防音工事費といたしまして約七十億円程度が予定されるのではないかと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 民家防音の世帯数は大体一万五千ぐらいというふうに聞いておりますが、二千世帯ですか。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 ただいま申し上げましたのは五十四年度に対策をしたいと考えておるところでございまして、先生おっしゃいますように、五十八年目標の達成のためには、さらに多くの世帯が入ってくるものと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 十年目標というのですか、それはアバウトで結構でございますけれども、何万世帯ぐらいになるのですか。概算で結構でございます。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 二万世帯か、あるいはさらに若干それを上回る数字ではないかと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 民家防音の具体的な工事費になりますけれども、平均費用というのは大体幾らぐらいになりますか。これも、それぞれ細かいことになると切りがございませんが、概算的に平均費用は幾らぐらいで予定をされるのか、あるいは追加工事の平均費用はどの程度のものをお考えになっておるのでございますか。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 五十四年度から民家防音工事の対象室の拡大、つまり限度を五室まで行う予定としております。したがいまして、従来は一世帯当たり一室もしくは二室でございまして、平均いたしまして百八十万くらいでございました。五十四年度からは、いま申しました部屋の拡大に応じまして、約三百六十万くらいではないかと思っております。  それから、追加工事でございますが、現在一室をやりましたところに対しまして室数を拡大いたしますと、さらにやはり三百万くらいかかるのではないか、いずれも非常に大ざっぱな数字でございますので、平均の数字としてこんな感じではないかと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 平均の金額で結構でございますが、そういうものが大体総工事費というのはトータル的には八十五億ぐらいになるわけですね。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 民家防音工事の費用といたしましては約七十億くらいと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 民家防音工事は大体七十億という御答弁です。  続いて、これは地元の方でも非常に強い関心があるわけでございますけれども、テレビの受信障害対策というものでテレビの受信料の減免区域が非常にいま関心を持っておるわけでございます。従来の防衛施設庁時代に対象としていた区域を運輸省がそのまま引き継ぐかどうか、あるいは引き継いでもらえるとするならば、現在のところ、対象戸数は大体何万戸ぐらいになっておるのか、あるいはその費用、予算、名古屋空港関係で大体どんな程度のものになるのか、概算で結構ですからお答え願いたいと思います。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 現在防衛施設庁が対策を行っております世帯は約四万一千世帯というふうに聞いております。私どもといたしまして引き継ぎに当たりまして、ほかの施策と同様にこれを下回るようなことはしないつもりでおります。  したがいまして、全体の予算でございますけれども、五十四年度におきましては約一億七千万円くらいになるのではないか、これも先ほど申しましたように、これから全体の予算の中で各空港ごとの張りつけを決めるわけでございますので、現段階ではまだ確定しておりませんけれども、おおよそそのような数字になるのではないかと見込んでおります。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 いま、防衛施設庁時代の減免地域の状況については下回らないという明確な御答弁がございましたので、ぜひそのように対策を立てていただきたいというようにお願いをするわけであります。  そこで今度は、いわゆる空港所在市町村としては、騒音対策の周辺整備事業あるいはまた安全対策事業等で多額の財源が要る、これはいろいろと指摘をされておるわけでございます。いわゆる航空機燃料税の配分の提案がいまなされておるわけでございますが、外国の往来機からも航空機の燃料税相当額の獲得などの要望があるわけでございます。しかし、これは正直なことを申し上げると、こちらが取れば日本もまた向こうへ行ったときに取られるとか、国際関係があるわけでございますが、実際地元ではそれほどまでにして予算が欲しいという素直な意見があると思うのです。今度また新たに県に譲与制度の創設が決まったと伝えられておりますけれども、一体県にどの程度の配分になるのか、名古屋空港の場合は愛知県ということになりますけれども、愛知県に幾らぐらいおりるのか、これも概算になると思いますけれども、お答え願いたい。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 ただいま自治省の方から提案されております航空機燃料譲与税法によりますと、全体の燃料譲与税の中で五分の一の額を府県に、残りの五分の四を市町村に配分する、全体の二割を府県に配分するというふうに伺っているわけでございます。私どもといたしまして、これから交付の要領、要綱につきまして自治省と御相談を申し上げるつもりでおるわけでございますので、現段階では愛知県にどれくらい回るのかという数字は非常に積算しにくいわけでございます。  ただ、五十三年度に地元の関係三市一町に配分される数字、これも実は三月期の締めがまだ出ておりませんのではっきりいたしませんけれども、大ざっぱに申しまして、五十三年度は地元の三市一町で一億七千万円くらいの金だと思います。それが五十四年度にそのまま倍になりますと三億四、五千万、自然増もあると思います。それで基準がどう変わるかというのは、これからいろいろ検討するわけでございますけれども、仮に三・四億といたしますと、その二〇%が府県に回る、残りが関係の市町村に回るという数字になるわけでございますが、これはあくまで仮定の数字でございますので、今後どう変わるかはっきり申し上げられません。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 ということになりますと、これも単純な計算になりますけれども、六千八百万前後になるわけですね。そういうことになりますね。  それからついでに、もし実施をするとすれば九月期くらいに実施をすることになりますか、お答え願いたいと思います。

田代雅也運輸省航空局飛行場部長

○田代説明員 燃料譲与税の地方配分は九月及び三月の二回に分けて実施していると聞いているわけでございます。  それから、いまの数字でございますけれども、いままで申しておりますように、これはこれから交付要領あるいは各府県あるいは市町村配分につきまして調整されるわけでございますので、その数字につきましてははっきり申し上げる段階に至っておりませんので、御了承を願いたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 時間がございませんので、一つ、これは要望申し上げておきますが、これで民家防音の工事が始まりますと、当然のことながらクーラーを入れるわけでございますが、ただいまのところ運輸省の方は、指定の条件をつくりまして、結果的にはメーカーの指定になるわけですけれども、やはり一次問屋の方から一括購入ということになります。そういうのが実態になっておるわけですが、地元の業界にしてみると、メンテナンスというのですか、アフターケアサービスだけは地元の業界がやらなければいけない。せめて空冷装置の購入も行うべきではないだろうかという非常に強い要望が地元の業界からあるわけです。これは主体は市町村になると思いますけれども、ひとつ運輸省の方としても、そういう地元の中小企業の方々の要望がかなえられるように、ぜひしていただきたい。この要望を強く申し上げておきます。  それから、防衛庁にお伺いをいたしますが、昨年の七月に防衛庁のファントムが風防を落とした事件があるわけです。この原因が明らかになったのかどうか、まずお伺いしたいと思います。

児玉良雄防衛庁防衛局運用課長

○児玉説明員 昨年の七月、小牧を離陸しましたF4EJの前席の風防が離陸直後に落下した事案がございますが、この件の事故の原因につきまして究明いたしましたところ、風防をロックする機構の微妙な調整にずれがあったこと、それから、風防が高温により熱で膨張したというような要因が重なりましてロックの機構が不完全な状態であった、そのために、離陸後風圧などによってそれが外れて地上に落下したというのが原因であるというふうに考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 いま非常に重要な御答弁でございますが、それはたまたまその飛行機に限ってロックの機構が不十分であったのか、同種類の飛行機全体にそのような不備があるのか、どちらですか。

児玉良雄防衛庁防衛局運用課長

○児玉説明員 当然、同種類の航空機については同じ機構になっておるわけでございますが、これはいま申し上げましたようないろいろな要因が重なって起こったものであるというふうに考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 非常に答弁としては不十分でございますし、高温であるということも、摩擦の関係だとかいろいろなことがあるわけでございますが、予測をされることでございますし、それから、風防でございますから、当然乗務員が乗りおりする場合に開閉するわけですから、ロックはもう初歩的な問題点だと思うのです。それが原因で風防が落ちたということは非常に重要だと思うのですが、一体再発防止にどのような対策を立てておみえになりますか。

児玉良雄防衛庁防衛局運用課長

○児玉説明員 本件事案にかんがみまして、事故原因がわかりましたので、その結論に基づきまして、風防をロックする機構の点検整備を強化するというようなことによって、確実にロックして離陸するというような再発防止策をとっておるところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 確実にロックをするなどというのは、いわゆるルーチンワーキングというのですか、もう初歩的なことでしょう。そういうものが非常に欠けていてこのような事故があったというのは、たまたま人身等に災害がなくてたんぼに落ちたからこれはよかったようなものの、非常に重要なことでございますから、私は、これはひとつ相当基本的に抜本的な対策を立ててもらわなければいかぬと思うのです。  しかも、地元の町村からは決議文が出ておるわけですね。それに対して文書で防衛庁に回答してもらいたいという要望を出しておるわけです。しかし、今日まで地元の議会の文書回答の要求についても防衛庁は具体的に回答を示していない。口頭で、まだ原因が明確でないからというような答弁をなすっておみえになりますが、地元に文書回答をいつ行われるか、お伺いをしたいと思います。

児玉良雄防衛庁防衛局運用課長

○児玉説明員 事故の原因であるとかあるいは再発防止策について、地元関係の方面からいろいろ御要望なり決議なりいただいておることは承知しております。それで、そのような内容につきましては、現地の部隊を通じて地元の関係の方面には十分に御説明するように指導しておるところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 もう一回念を押しますが、文書回答をされますか、どうですか。

児玉良雄防衛庁防衛局運用課長

○児玉説明員 いま申し上げたような内容のことをお答えをするつもりでおります。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 時間が来ましたので以上で終わりたいと思いますが、先ほども、環境庁長官の方にもいろいろな地元の問題をお聞かせしたわけでございますが、特に長官も愛知県の御出身でございますし、航空機等の問題については非常に関心を持っておみえになるようだと思いますので、ひとつ最後に、この航空機騒音にかかわるいろんな住民の要望等についての御見解を賜りたい、そして終わりたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 草川委員からいろいろお話がございました。私も愛知県でございますから、いろいろとおっしゃることがよくわかります。  この小牧空港の場合、運輸省の方の所管に移りますとずっと騒音その他の問題が緩和するのじゃないかというような一般のイメージがあるんじゃないかと思います。それが現実にどうなるかというような御指摘でございます。後退のないように、十分環境庁としましても心がけていきたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 以上で終わります。

愛野興一郎自由民主党

○愛野主査代理 以上で草川昭三君の質疑は終了いたしました。  ただいま日本住宅公団理事澤田光英君並びに日本道路公団理事持田三郎君に参考人として御出席いただいております。  参考人の御意見は、分科員からの質疑によってお述べ願いたいと存じます。  近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 私は、きょうは限られた時間でございます。そういう中で、全国的に非常に深刻な問題になってきております交通公害の問題についてお伺いをいたしたい、このように思います。  五十二年の十一月一日の公害対策並びに環境保全特別委員会におきまして、私はこの交通公害の問題を取り上げたわけであります。その中で、この具体例といたしまして、日本最初の、しかも最大と言われております大阪の千里ニュータウンの交通公害の問題を代表的な問題として私は提起をいたしたわけでございます。そうしてその解決を政府に対して迫ったわけでございますが、その後関係各省はどのようにこの問題解決のために取り組んでこられたか、お伺いをいたしたいと思います。各省庁別に御答弁をいただきたいと思います。まず環境庁、それから建設省、運輸省、警察庁、この順で御答弁をお願いしたいと思います。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 先生が五十二年の十一月に公害環境特別委員会で御質疑以降でございますが、五十二年の十二月二十日付をもちまして環境庁長官から建設大臣あてに「環境保全上当面講ずべき道路交通騒音対策に係る措置について」という要請を出しまして、これは自動車に関係する一般的な問題でございますが、高速道路周辺の対策であるとか騒音の低減の問題であるとか、こういったようなことにつきましての要請をいたしております。  なお、環境庁といたしましては、昨年、昭和五十三年十月から大気保全局に交通公害対策室というのを設けまして、交通にかかわる公害問題を特にそこで取り扱うということにいたしまして、現在いろいろな問題の整理をいたしまして、今後交通問題についてどう取り組むかというようなことの方向を出したい、かように思っておるところでございます。

渡辺修自建設省道路局企画課長

○渡辺説明員 お答えいたします。  五十二年の十一月の御質問のありました後でございますが、大阪府におきまして対策を検討いたしました。と申しますのも、御堂筋線あるいは中央環状ということで、主要な道路を大阪府が管理しておる、こういうことでございますが、昨年の十二月に地域の住民の方々、これは豊中市千里地区交通公害対策協議会でございますけれども、ここに対しまして対策の内容を御説明申し上げ、現在地元の皆さんの御意向を伺うという段階でございます。  考えました対策は、この主要道路の十三断面につきまして、建物の階層別にいろいろ騒音計算を行いまして、遮音壁を設置すればどうなるか、それから窓を二重窓にした場合はどうなるかというようなことを資料をつくりまして御説明を申し上げておる段階でございます。建設省といたしましては、大阪府がこういった地元の方々とのお話し合いを通じまして適切な措置を講ずるよう今後とも指導してまいりたいと考えておるところでございます。

尾松伸正運輸省自動車局業務部貨物課長

○尾松説明員 御説明いたします。     〔愛野主査代理退席、主査着席〕  トラックによる騒音等の公害対策でございますが、トラック輸送そのものを確保しなければならないという要請がございますので、私どもといたしましては、公害防止のために、たとえば法定の速度をきちんと守る、あるいは過積みをしないで法定積載量を完全に遵守する、あるいは急加速、急発進の自粛など運転マナーの向上を図るということをトラック業界あるいは末端の運転者に至るまで指導しなければならぬということでやっておるところでございますが、また、特に法定積載量の遵守という昨年の改正道交法の施行を契機にいたしまして、過積載自粛の一層の徹底を図っているというところでございます。  以上でございます。

広谷干城警察庁交通局交通規制課長

○広谷説明員 前回の御質問をいただきまして以来、大阪府警察におきまして、主として交通規制、交通取り締まりの面から対策を検討いたしまして、昨年、五十三年の六月より新御堂筋線の速度部分のことにつきましては、昨年自動車運送事業等運輸規則を改正いたしまして過積載防止の徹底を図りました。最高速度を従来の五十キロから四十キロに制限をして走行速度の低下を図り、騒音、振動をできるだけ低く抑えるというふうな対策を講じております。また、吹田市内の新御堂筋の本線上に現在無人の速度取り締まり装置を設置いたしておりまして、規制速度での走行が守られるように、近くこの装置によります取り締まりも開始する予定にいたしております。さらに、道路管理者とお話し合いを重ねまして、「静かに」という文字を表示いたしました立て看板を新御堂筋線あるいは中国縦貫自動車道、中央環状線に設置をして、一般のドライバーの方々の協力をお願いをしておる、こういうような状況でございます。  なお、規制をかけましても、取り締まりをして担保するということも必要でございますので、特にこの地域における取り締まりの強化も図っておりまして、たとえて申し上げますと、新御堂筋線におきましては、五十二年中に一万七百八十五件の取り締まりを実施しておりますけれども、五十三年中には一万二千九百四十七件の取り締まりを実施しておる。これは二千百六十二件の増加でございます。また、大阪中央環状線におきましては、一昨年、五十二年中に二万六千二百五十五件の取り締まりをいたしておりましたが、昨年は五万五千二十三件の取り締まりを実施しておる。これは二万八千七百六十八件の増でございますけれども、そういうふうな取り締まりの強化を図っておる、こういうふうな対策を講じておるわけでございます。  なお、ただいま申し上げましたような幹線だけでなく、千里地区自体の交通規制につきましても検討をいたしまして、同じく五十三年の六月に千里ニュータウン内の千里中央線、千里一号線、同二号線、同三号線など計七路線につきまして、延べ二十・七キロメートルでございますけれども、同様に最高速度を五十キロメートルから四十キロメートルに落として騒音防止を図った、こういうふうな状況でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 各省庁から御答弁をいただいたわけでございます。それなりに御努力をいただいておることはわかるわけでございますが、現地のそうした被害の甚大さからいきますと、非常にまだまだ手ぬるい。もっといわゆる抜本的な対策をしていかなければいけないのではないか。このように、ただいまの御答弁を聞きまして痛感いたした次第でございます。  そこで、御承知のように、この千里ニュータウンの中をいわゆる中国自動車道、中央環状線、新御堂筋線、北大阪急行線、その他幹線道路が縦横に走っておりまして、前回の私の質問に対しましても、全く政府として見通しを誤った、まさかこれだけ車がふえるとは思わなかった、こういう御答弁がございまして、政府としては積極的に対処していきたい、こういう御答弁があったわけであります。  それで、名神から中国縦貫に入るいわゆるジャンクションですね、この四月一日から名神高速と中国自動車道を結ぶ吹田ジャンクションが開通されるということを聞いておるわけでございますが、これがまた開通するということになってまいりますと、いま問題になっておりますところにさらに被害が増大してくる、こういうことになってまいりまして、地元の被害の状況を考えますと、このままではとうてい放置できない、そういう状況であります。この吹田ジャンクション付近には、既設を含めまして延長一千三百メートルの防音壁が設けられるということになっておるわけでございますが、この中国自動車道の通過する千里地域というものにつきましては、いわゆる被害を減少させる対策というものは何ら講ぜられておらないわけであります。  そういうことで、この地元にあります各種団体等がいま非常に立ち上がっておりまして、たとえば豊中市千里地区交通公害対策協議会、公団新千里東町自治会、新千里西町経営団地住宅管理組合、新千里南A一棟自治会等四団体が吹田ジャンクション供用開始の延期につきまして、豊中市議会に要望して決議してほしい、こういう陳情もまいっておるわけでございます。こういう現状の中で、ニュータウンができてから今日まで放置されておるということについて、私はこれは重大な問題だと思うのです。  そこで、これは一つ一つ解決をしなければならぬと思いますので、まず初めに、いわゆる中国自動車道に面しております新千里東町あるいは新千里西町、南町等、こうした住宅であります。これは、新千里東町の方は公団でございます。それから新千里西町、南町等につきましては、大阪府の住宅供給公社あるいは民間も一部ある、こういう状況でございますが、一体これだけの大きな被害が出ておることにつきまして、日本道路公団、また住宅公団としてどのようにこの対処をされようとなさっておられるのか、この点につきましてひとつ誠意ある御答弁をお聞きしたいと思うわけでございます。

持田三郎日本道路公団理事

○持田参考人 ただいま先生から御質問の中国縦貫道は道路公団が管理いたしております。千里ニュータウン地区の騒音問題についても十分承知しておりまして、これの対策について種々調査並びに検討いたしてございますが、先ほど建設省御当局から御答弁がございましたように、大阪府並びに各関係公共機関と現在騒音対策に伴ういろいろな問題点を協議いたしております。この協議を早く進めるよう努力いたしたいと思っておりますし、なおまた、先生の御趣旨のように、当公団といたしましても前向きに、積極的にこれに対処していきたいと考えております。

澤田光英日本住宅公団理事

○澤田参考人 私どもの東町団地でございますが、住民の方々が騒音で悩まされておるということで、特に支社中心にいろいろと対策をやっております。私どもは、入居者が音に悩まされているということでございまして、一日も早くこの状態を軽減することに意を使っておるわけでございますが、とりあえず道路沿いに私どもの現在でできる範囲で植樹をしたりしておりますけれども、なかなか基本的な問題にはなりません。  そこで、ただいま道路公団からもお話ございましたが、関係各省庁あるいは特に道路公団、大阪府、この辺と、私どもの建物といたしますれば恐らくサッシの防音化が一番の問題だろうと思いますので、その辺につきまして財源問題等含めて協議を続けておる次第でございまして、一日も早くこれに対処したい、私どももできる限りのことを処置をしていきたいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 道路公団、住宅公団さんから御答弁いただいたわけでございますが、中国自動車道は、御承知のように中央環状線と並行しているわけですね。そういうことで、いままでなぜおくれたかというと、結局その中に中央環状線と中国自動車道が走っているわけですから、責任の回避といいますか、いつも話し合い、話し合いということで今日まで放置されてきたわけです。ですから、これはまた大阪府とも話し合っていくということであれば解決せぬわけですね。また、一般道路等に面する住宅等の交通公害、これに対する対策について政府としても何らやってないわけですね。そういう中で大阪府と相談すると言ったって、これは実際上また同じような遅々とした歩みになると思うのです。  そこで、この吹田ジャンクション等の開設もあるわけでございますし、大阪府が、いろいろな政府の助成制度がないから私の方は財源的にも少し無理だ、こういう場合もあるかもわからないと思うのです。そういう場合に、何よりも主体者として道路公団にはっきり自覚してもらわなければ、また同じような状況になると思うのです。特に東町なんかは全く吹田ジャンクションからの流入口にありまして、いずれも基準値をオーバーしておるわけです。ですから、現地をごらんになれば、私が言っておることが本当に無理じゃない、よくこんなものを放置してきたなと管理者として反省されると思うのです。  そういう点におきまして、まず道路公団が主体者となって、先ほど住宅公団理事から誠意を持ってやっていくという御答弁もあったわけでございますから、早急にひとつ調査をし、二重窓を初め、いわゆる高速自動車国道等防音工事助成、これは政府が決めておられるわけですから、冷房器具、換気装置等もあわせてやることになっておるわけでございますから、早急に責任を持ってやっていただきたいと思うのです。もう一度道路公団さんに、主体者として責任を持って今後進めていかれるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

持田三郎日本道路公団理事

○持田参考人 道路公団といたしましても早急にこの対策に対処していきたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 前向きの御答弁をいただいたわけですが、早急にと言いましても、政府の御答弁というのは非常に長くても早急だと解釈される場合もよくあるわけですね。ですから、それは本当にこの数カ月以内に間違いなくやっていただく、こういうことですね。いかがでございますか。もう一度御答弁ください。

持田三郎日本道路公団理事

○持田参考人 その御趣旨のように努力いたしたいと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 それでは道路公団さん、住宅公団さん等の誠意を私は期待したいと思います。  なお、新千里西町、南町の方には一部住宅供給公社、あるいは本当に一部民間があるわけですね。ここにつきましても道路公団さんは話し合いをして進めていただくわけですね。もう一度確認しておきます。

持田三郎日本道路公団理事

○持田参考人 現在大阪の方がイニシアチブをとっていろいろ御協議してございますが、私どもの方もそういうふうにしたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 それではひとつ早急に住民が納得する対策を進めていただきたい。強く要望いたします。  次にお伺いしたいのは、一般道路の交通公害の問題であります。  御承知のように、新御堂筋線に沿って特に大阪府営住宅がまるでびょうぶのごとく建っているわけですね。また、新御堂筋線の真ん中には北大阪急行が大阪市内から乗り入れているわけです。ですから、一般自動車の騒音、そして北大阪急行の騒音、また、その中にパトカーであるとか救急車等も入りまじり大変な騒音になっている一般道路の騒音の解決でございますが、この問題につきまして、本当に戸数も多いわけでございまして、何とか一日も早くこの対策を進めていただきたい、こういうことで私も要望してきたわけです。大阪府にも私は直接当たりもいたしました。  そうしますと、昭和五十三年九月二十八日、大阪府建築部住宅管理課長の松田さんという人から私に対しましてこういう文書が来たわけです。   平素は本府行政につきまして、種々のご尽力 を賜り深く感謝いたしております。   さて、千里ニュータウンの新御堂筋沿線の府 営住宅の自動車交通騒音対策についてでありま すが、その経過および今後の方針につきまして は、概ね下記のとおりでございますのでよろし くお願いいたします。      記   一、経過および現状   新千里南町の道路騒音対策につきましては、当該地域住民の皆様の要請にもとづき、本府公害室特殊公害課を中心に関係部が種々協議をすすめるなかで、当面の対応策といたしまして、速度制限による規制、標識による注意の喚起および緑地帯への植樹などの対策を講じてまいりましたが、所期の効果は望みがたく道路騒音に対する抜本的な解決策として、現段階では、一般的には道路側に防音壁を設置したり住宅の窓等に防音設備をほどこす方法が通例となっています。   二、今後の方針   住宅防音対策の費用負担につきましては、航空機、新幹線、高速道路の例のとおり原因者負担が原則となっております。   因に、前記方法等により新千里南町府営住宅に窓の防音対策を実施しますと、二百四十戸を対象に約一億円の費用を要し、同様な国道等幹線道路沿線の騒音対策対象の住宅は三十七団地に及び、これに要する工事費は約五億円余となります。   このような施策を、住宅管理者の側で直ちに実施することは困難であり、国等において何らかの負担原則の確立が待たれており、国庫補助などの助成制度の新設について要望してまいりたいと存じます。 こういう回答が来ておるのですね。  いまでは助成制度はないのですよ。二重窓をつけたい、防音壁をつけたいといっても、既設のものについてはないのです。ないからということで、大阪府も財源難だから手がつけられないと言っているのですよ。こんなことをいつまでも放置しておいていいのかという問題なんです。建設省さんとして、一体何を考えておられるのですか。建設省から誠意ある答弁を聞きたいと思うのです。

渡辺修自建設省道路局企画課長

○渡辺説明員 有料の自動車専用道路につきましては、すでに先生の御指摘のように助成策を講じておるところでございます。これは通行車によりましてその費用を適正に負担させることができる、こういうことでございます。ただ、無料の一般道路の場合は、まずごく一般的に申し上げますと、沿道からの出入りがあるという点で、自動車専用道路とは非常に異なる性格がございます。  それから、既成の建物の防音助成ということでございますが、中層の建物にしても低層の建物にいたしましても、その点は住んでおる人の防護という点では全く変わりがない。しかしながら、たとえば不良住宅等にまでその防音装置を施すのかということなども、したがって、もしやれば出てくるわけでございますが、私どもといたしましては、むしろ一般道路の場合は、幹線道路の沿道をこれにふさわしい土地利用に変えてまいり、かつその周辺の環境対策に資するということにしたいと考えておるわけでございます。  そういったことで、実は一昨年でございますが、道路と沿道の土地利用との調和を図るための緩衝建築物の整備の促進ということで通達を出しました。これはかたい建物を建てることによりまして、もちろん防音施設の完備したものでありますが、その後背地の環境を守ろう、こういう施策でございます。しかしながら、この施策は、いま先生御指摘の千里ニュータウンのようにすでに中高層の住宅が建っているところにはどうしようもないわけでございまして、そういった意味では、三十五年にああいう団地をつくったこと自体が若干特殊なケースであったかと思うのでございますが、御指摘のように、そういったことを含めまして、一般道路の周辺における環境対策の促進、これはやはり場合によりましては法律も必要かと思いますが、その合理的な土地利用を図るという意味合いにおきまして、どうしたらいいか、ただいま省内に、特に一般道路にかかわります道路環境対策の強化充実を図るという点の特別の委員会を設けて検討をやっておるところでございます。この結果がまとまりました場合に、そういった方向にも、なるべく早期にそういった施策の実現を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 こういう既設の地域、しかもニュータウン、全く道路沿いに、先ほど申し上げましたようにびょうぶのように公営住宅が建っているのですよ。これは防音壁を設けてあげるとか、二重窓をつけるとか、当然、いわゆる除湿の装置であるとか、それぞれ地域地域の要望もあるでしょうが、これは本当に一日も早くそういう助成措置をしてあげないと、地方自治体だって腰の上げようがないわけですよ。ですから、これは、私は何回も申し上げておるわけですから、本当に建設省として真剣に取り組んでいただきたいと思うのです。  大体のめどをおっしゃってください。いつから補助金をつけるようにするか。もう時間がありませんから、簡潔におっしゃってください。

渡辺修自建設省道路局企画課長

○渡辺説明員 ただいまお答え申し上げましたように、省内で委員会をつくって検討しております。相なるべくば、五十五年度の予算要求の前に結論を得たいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 あと私の持ち時間は一分ちょっとしかありません。最後に、各省今後の対策について聞きたいと思いますが、もう時間がありませんので、まとめとして環境庁長官、いろいろ聞いていただいたと思います。これは騒音に苦しむ住民の立場に立って、本当に政府の中で住民の立場に立ってがんばっておられるのが環境庁であり長官だと思います。いま私がお話ししたことを十分聞いていただいたわけでございますので、さらに今後関係各省庁に、それが一日も早く速やかに実現できるように勧告もしていただきたいと思うのです。最後に、御決意をお聞かせいただいて、終わりたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 いろいろと承っておりまして、よく胸に畳んでおきます。  環境庁としましては、五十二年の十二月二十日に、環境庁長官から建設大臣あて「環境保全上当面講ずべき道路交通騒音対策に係る措置について」ということで、正式に書面をもって御要請をしてあります。きょういろいろと関係省庁の方々の答弁を見ましても、五項目私どもの方から建設大臣の方へ御要請してありますが、その点には触れておられるようです。  御趣旨をよくわきまえまして、前向きにやっていきたい、こう思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 終わります。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。  次に、伏屋修治君。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 私は、昨年来アメリカで問題化されておりますところの電磁波公害について、数点にわたって質問をしたいと思います。  五十二年の十一月に朝日新聞の一面に掲載されたその記事によりますと、アメリカでは、電磁波による環境汚染、これを完全に公害ととらえておるわけでございます。そして、その中では、具体的な事例としては、飛行機が衝突を起こしたとかあるいはコンピューターが誤動作をしたとか、あるいは電子ブレーキが効かなくなったとか、あるいはペースメーカーがコンピューターの前へ行った途端に機能を停止したというようなこと、そういうようなことが全米各地に頻繁に起こっておる。そういうことから、米商務省エレクトロニクス担当官等が、「全米がまるであらゆる種類の電波の中にどっぷりつかった状態」である、こういうような発言もいたしております。また、アメリカのボルツマン下院議員も、「米国民はいまや危険水準のマイクロ波にさらされている」こういうような発言をいたしております。  その問題に対しまして、日本側はどういう電磁波による環境汚染をとらえておるのか。その新聞記事と同時に掲載されました記事によりますと、これは環境庁としてのとらえ方でなくて、通産省とか郵政省とかあるいは運輸省というような個々の省庁のとらえ方として、別段日本では支障を来しておらないというような非常に甘い認識があるのではないかと思います。  そういう面におきまして、現在、環境庁として、その電磁波による環境汚染、これに対してどのような認識を持っておられるか、まずそれからお尋ねをしたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 きわめて専門的、具体的になっておりますので、政府委員から説明させていただきます。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 私の方からお答えするのがいいかどうかも若干問題がございます。と申しますのは、先生御承知のように、環境庁におきましては、公害対策基本法に基づきます公害を問題として取り扱っているわけでございまして、現在電磁波につきましては公害対策基本法の中には挙げてないものでございます。原子力と同様に公害対策基本法に挙げてございません。また、私ども現在日本の中におきまして、この電磁波による問題というものを定かに把握しておらない状況でございまして、これは今後の問題として私ども研究を進めていかなければならない、かように考えているところでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 アメリカも、この電磁波公害について今後米国の環境保護局でこれを鋭意検討して、その対策を立てていくというとらえ方、非常にシビアなとらえ方をしておる。こういうことを環境庁も十分考慮に入れていただきたい、このように私は思います。  一つ環境庁にお尋ねいたしますけれども、日本でいま使われておる使用電力量というのは御存じでしょうか。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 私、いま手元に資料を持っておりませんので、適切なお答えはいたしかねます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 では私の方から申し上げますが、昭和五十年の使用電力量は年間平方キロメートル当たり百十キロワットアワーでございます。これが昭和六十五年になりますと倍増するだろうと言われております。そしてそこから漏れる電磁波というのは、専門家の方に言わせますと〇・〇一%というものが不用磁気エネルギーとして空間へ放出されておる、こういうことがはっきりしておるわけでございます。それから、その漏れる電磁波によるところの影響というものは多大なものがあると私は思います。ただ、先ほど答弁がございましたように、目に見え、鼻ににおうというような性質のものでないだけ、それだけにこわいということも一面言えるのではないかと思います。そういう面で今後の公害の一つの課題として、これは鋭意検討を進めていただかなければならないと私は思います。  そこで、ちょっと国鉄にお伺いしたいと思います。  国鉄と電電公社との間に一つの協定が結ばれましたね。いわゆる公衆電気通信線路の誘導防止対策に関して国鉄と電電公社が協定を結ばれたということは事実ですか、どうですか。

八木正夫日本国有鉄道電気局信通課長

○八木説明員 協定は結ばれております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 それはどういうことで協定が結ばれたのか、時間がございませんので簡潔に御説明を願いたいと思います。

八木正夫日本国有鉄道電気局信通課長

○八木説明員 これはわが国におきまして交流式の電気鉄道が初めて北陸本線に採用されたわけでございますが、それにさかのぼる昭和二十八年ごろから交流電気鉄道に伴う誘導障害というものが予測されるということでいろいろと研究を重ねておりまして、国鉄の側で誘導障害はできるだけ防ぐという前提の上で、さらにそれを超える部分については通信線路の方で対策をしていただくということになりまして、電電公社といろいろな技術的な基準につきまして打ち合わせをいたしまして協定を結んだものでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 それをもう少し平たく言いますと、いわゆる新幹線のトロリーワイヤから生ずる電磁波によって電話回線というものに障害が起こってきた、こういうことでございますね。

八木正夫日本国有鉄道電気局信通課長

○八木説明員 この障害は二色ございまして、トロリーワイヤから電気をとりまして、それがレールに返るわけでございますが、その返る電流が一部大地を通って変電所に返るわけでございますが、それによります相互誘導作用によって起こる障害と、もう一つはトロリー線とパンタグラフとの間で火花が発生いたしますけれども、ここの部分から出ます電磁波と二つあるかと思っております。前者の方は非常に低い方の周波数帯、後者の方は高い周波数帯において出ておるように承知いたしております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 いま国鉄の方のお話でもわかるとおり、いわゆるトロリーワイヤから出るところ、それは二種類あるとはいうものの、電磁波によるところの電話回線への一つの障害であるということはいま話されたとおりでございます。とすると、新幹線の通るところ、トロリーワイヤが通るところ、両サイド一キロあたりについては、それぞれ電磁波の何らかの障害が起こっておるということは事実でございます。その影響がどのような形であらわれておるかということは、環境庁は恐らくつかんでおみえにならない、最初に御答弁がございましたように、これを公害とはとら見ておられないようでございますので多分つかんでおられないと思いますが、いまの国鉄の御答弁から申しましても、両サイド一キロにわたっては何らかの形で電磁波の障害が起こっておる。その中に住む方々はその障害の中で生活せざるを得ない。そしてまた、それが電気機器あるいは電話、いろいろなものへの障害、あるいはまたそれ以上に人体に及ぼす影響というもの、こういうものもかなりあるのではないか、このように考える次第でございます。  そういう面から考えますと、いま東北大学の佐藤教授あるいは高木教授という方が環境磁気工学ということを専門研究されております。学術会議の中にもそういうグループがあって、電磁波によるところの環境汚染ということを専門にして研究しておられるようでございますが、その佐藤教授あるいは高木教授の言葉を聞きましても、人体に影響あることはまず間違いなかろう、このように言っておるわけでございます。五十三年にフィンランドのヘルシンキで国際電波科学連合会議というのが開催されたわけですが、そこではアメリカあるいはソ連などがマイクロ波の人体に対する影響などを百件に及ぶ事例を挙げまして、いわゆる電磁波の生体への影響というものが報告されておるわけでございますが、そういうものを環境庁はお持ちでございますか、どうですか。

山本宜正環境庁大気保全局長

○山本(宜)政府委員 先ほど申し上げましたように、現在環境庁の基本法に基づく公害でないということで、資料は十分はそろえておりません。ただ、私も医学を専攻いたしましたので、その範囲におきまして、電磁波による治療というような面もございますし、またある種の周波数におきましては、それが人体に危害を及ぼすような影響があるというようなことも一般的にだけ存じております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 まだ資料がお手元にないとするならば、この百件に及ぶ具体的なアメリカ、ソ連の電磁波による影響というものの資料を早急に取り寄せていただきたいと思います。そういうものの研究に着手することが即公害に対処する環境庁の主務ではないかと私は考えるわけでございます。すべて公害というものが日本の高度経済成長に並行して、そして高度な技術発展に伴い生活が非常に多様化されてきた。その中から、一九六九年あたりから、いわゆる公害の問題が出てきた。それに対してエンジニアたちの対応がおくれてきた。高度な技術の開発にのみ目を向けて基礎的な研究というものに余りにも目を向けなかった。そこにこそ公害の発生する要因があったのではないか。いわゆる環境アセスメントも考えられておる現在であるならば、速やかにそういう事前調査に対しての神経をとがらせて、そういうものに積極的に取り組んでいかなければならないということを考えるわけでございますが、そういう面からもそのフィンランドにおける資料は早急に取り寄せていただきたいと思いますし、取り寄せましたら私の手元の方にもいただきたいと思います。  そこで佐藤教授がその記事の中で話されておる言葉の中に、「電磁エネルギーの利用は増加の一途であり、これによって生じる電磁波環境が社会に悪影響を及ぼす傾向や危険も増加している。地道な研究だが、公害として叫ばれる前に、成果を発揮したい」、このように環境電磁工学に取り組んでいる学者はおっしゃってみえるわけです。公害と言われる前に何とか自分たちの学問的な裏づけをはっきりしたい、こういうふうにおっしゃってみえます。これはもう一歩も二歩も譲歩した物の言い方であって、本来ならば公害であるということを佐藤先生もおっしゃりたかったのでしょうけれども、環境庁のいわゆる七項目にこだわる姿勢、そういうことからこういうことになったんではないかと私は考えるわけでございます。そういう面からも、もう少しそういう電磁波の影響について神経をとがらせてもらいたいと思います。  現在、アメリカ、ソ連等では、その人体に及ぼす影響というものから考えまして、人体の許容量というものを一応決めております。ソ連では一平方センチメートル当たり十マイクロワットですか、それからアメリカではそれの千分の一ですか、そういうような単位で決めております。人体に及ぼす影響、アメリカのとらえ方は、そのマイクロ波が熱現象を起こすという観点からそういう測定値を出し、許容量を決めておるようでございますし、ソ連は、それが精神的な、いわゆる神経系統を冒される、長時間にわたってそういう電磁波を受けておりますと、マイクロ波を受けておりますと神経系統が冒されるという、そういう観点から厳しい許容量にしておるようでございます。  そういうことから考えますと、日本はまだまだそういう公害という範疇にまで取り上げられないし、また、ましてその電磁波による人体、生体に及ぼす影響、それの許容量というようなことについてはまだまだ手がつけられておらないようでございますが、このことについては、本当に厳しくこの問題は取り組んでいただいて、そういうものを決めていただかなければならない、このように私は思います。  それから、国鉄の方にお尋ねしたいと思います。  国鉄がいま開発研究を進めておりますところの二十一世紀を目指す夢の超特急、いわゆるリニアモーターカーでございますが、これの経緯について少しお話を聞きたいと思います。

宮崎邦夫日本国有鉄道技術開発室計画主幹

○宮崎説明員 国鉄では、鉄道技術研究所を中心としまして長い間基礎研究を続けてまいりました成果を踏まえまして、宮崎県にただいまリニアモーターカーの実験線を建設し、五十二年七月以来走行実験を続けております。この宮崎実験線は、超電導磁気によります誘導反発浮上、それからリニアシンクロナスモーターによる推進という方式を持っておりまして、現在四・七キロメートルの実験線でもって時速三百キロメートル前後までの諸特性を得るための実験を行っているところでございます。ことしの夏には走行路は七キロメートルになる予定でございますので、そうしますと、さらに高いスピードで走らせまして、車両温度であるとか、あるいは走行安全性、走行制御あるいは環境に及ぼす影響といったような諸特性を把握するための実験を行いたいというふうに計画しておるところでございます。  次いで、現在の走行路はローマ字のTという字を逆にしたような逆T形と称するものでございますけれども、これを以上のような実験が終了しました後で、その断面形状をU形と称する新しい形に改造する工事に取りかかりまして、車両の方もそれに合わしたものの生産に取りかかりたいというふうに考えておるところでございます。  リニアモーターカーにつきましては、低公害高速輸送機関としてきわめて有望であるというふうに私ども考えておりますけれども、現在のレール車輪式の鉄道と異なりまして、全く新しい方式の鉄道でございますので、システムの総合的な機能、性能の確認といったようなことに必要なデータを得るためには、今後さらに多くの実験、研究が必要であるというふうに考えておるところでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 そこでいまのような、先ほどから申し上げておるような観点からしますと、その問題解決にどのような対処を国鉄としてはしようとしておるのか。強力な超電導を使うわけでございますので、先ほどから申し上げておりますところの電磁波の影響というものは、これは当然出てくる、こういうように考えても当然だと思います。その問題について国鉄はどう研究を進め、その対策を立てようとしておるのか。

宮崎邦夫日本国有鉄道技術開発室計画主幹

○宮崎説明員 リニアモーターで使います電気は、在来の鉄道のようにトロリー線からパンタグラフを通して入るというものではございませんで、エネルギーの供給は地上側だけでやっておりまして、車両の上にエネルギーを供給するということはやっておらないわけでございます。したがいまして、いまの鉄道のように電磁波の雑音がたくさん出るということではないのでございますけれども、いま御質問の中で、特に私ども気をつけなければいけないと思っておりますのは、超電導磁石の磁気が与える影響ではないかというふうに考えますので、その辺を主体に御説明したいと思います。  御承知のように、磁気の性質としましては、磁石の近くでは非常に強力でございますけれども、ちょっと離れますと急激にその強さというものは減少してまいるわけでございます。これは超電導というものを使っておりましてもやはり同じことでございます。そういう点からいきますと、このリニアモーターカー鉄道の場合、磁気の影響について配慮しなければいけないのは乗客だけであろう、要するに沿線に住んでいる方々には全然その磁気の影響はないというふうに私どもは考えておるわけでございます。  乗客に対してどうかという観点からは、国鉄では鉄道労働科学研究所というところがございまして、そこで磁気と生体に関する定量的な関係を把握しようということで、現在ネズミとかウサギを使いましてじみちな研究を行っておるところでございます。  一方、人や物のある場所に磁気が届かないように、車両に超電導磁石から出る磁気を、軽くて——軽くなければ困るのですけれども、軽量な車両構造物で遮蔽しようということの研究を鉄道技術研究所でやっておりまして、これによりまして超電導磁石の磁気が乗客あるいはその所有物に与える影響を無視できる程度まで弱めることが可能であるというふうに考えておる次第でございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 いま国鉄の方から、強力な磁界、磁場によって人体に及ぼす影響というものが、いま労働科学研究所ですか鉄道技術研究所ですか、そこでやっておられるようでございますけれども、具体的な数字を挙げますと、多くの方々がそれによってその厳しさを認識できると思いますが、一向に数字を挙げて説明がなかったのですが、現在の六分の一の実験車でどれぐらいの強力な磁場が生ずるのかというようなこと、それに対してどうこれから対策を立てていくのかという具体的な数字を裏づけての御説明をもう一度願いたいと思います。

宮崎邦夫日本国有鉄道技術開発室計画主幹

○宮崎説明員 超電導磁石の一番中心の点では数万ガウスというような、ガウスという単位で言いますとそういうものでございますけれども、数メートル離れますと数十ガウスとか数ガウスとかいう程度に落ちてまいります。したがって、その辺になってくると全然問題ないということでございますので、本当に車両の周りだけが配慮しなければいけない区域であるというふうに考えております。  ちなみに、地磁気ですね、地球全体、いまこの場所でも大体〇・二ガウスとか〇・三ガウスという磁気はあるわけでございます。それに比べて十とかせいぜい数十、百ガウス以下ぐらいのところ、数メートル離れればそういうことになっているということでございます。したがいまして、超電導磁石の一番中心で数万ガウスといいましても、そう心配しなくてもいいのじゃないかと思っておりますけれども、先ほど来申しましたように、いろいろ基礎的な研究を続けて万全を期したいというふうに考えておる次第でございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 いま生体に及ぼす研究を続けておられる、その一資料を私も手に入れたわけですけれども、それによりますと、磁気というものが生体に及ぼすよい面の影響、いわゆるネックレスとか磁気シートとか磁気サンダルとか、そういうものを挙げておるわけでございます。確かにそういう面では生体によい影響を与えておるかもしれませんけれども、やはり薬もたくさん飲み過ぎると毒になるのと同じことでありまして、そういう面から逆に言うならば、許容量を超えると生体に対する悪影響が出てくるということが、この言葉を裏返せば言えるのではないか、このように考えるわけでございます。  そこで、国鉄の副技師長あたりも人体の許容量の問題というようなことを提起しておられます。その許容量の問題については、先ほど来私が申し上げておるように、それを測定する機械もまだ開発されておりませんし、そしてそれが測定値がどうなのか、そしてまた国内的に人体に影響を及ぼさないという測定値すらまだ出ておらない、こういうような状況でございます。そういう中でいま開発研究が進められておるわけでございますが、そういう観点からも、いち早く環境庁等も、こういう問題、不特定多数の方々が乗車するそういう夢の超特急でございます、何も死んだ人を乗せる汽車ではないわけでございますから、そういう面からも、もっと人体に及ぼす影響を鋭意研究されまして、そして環境庁ともタイアップしながらその許容量というものを考えていかなければいけないと思います。そしてまた、これはひとり国鉄の夢の超特急だけでなくて、冒頭からずっと申し上げておりますところの電磁波による環境汚染、こういう観点からとらえて、いわゆるリニアモーターカーにおいては許容量はこれだというようなことが出てくると思います。その都度その都度の国内の電磁波の影響というものは測定値として、数として出てくると思います。そしてその中でやはり対処をしていかなければならないことではないかと私は考えるわけでございます。  また、国鉄の生体の研究の立ち会いでその研究を進めてみえる医者の方の発言にも、生体の影響ということになるとどうにもわからない。わかったようなわからないような話になってしまうという非常にあいまいな発言をしておるわけでございます。そういうことから私が考えるに、四十七年からでしたか、研究開発が進められましたそのリニアモーターカーがいまだに人間を乗せて走る段階にまで研究開発が進められておらない。やはりその問題は強力な電磁波によって生体に与えられる影響が強い。その解決が未解決であるがゆえにまだまだ実用化への踏み切り方というか、研究助成がそこで一つとんざしておるのではないか、このように考えるわけでございます。そういう面からも、本当にそういう電磁波によるところの生体に及ぼす影響、これは本当に深刻に受けとめていただいて、そして環境庁が、これは色でもない、においでもないということから、これは公害として範疇から外されるものだ、こういうような解釈をしておられるようですけれども、ますますエレクトロニクスの技術が発展して、そしてこの宇宙の中に電磁波がもう本当に入り乱れてしまうということになりますと、学者に言わせると、二〇〇〇年ぐらいには、二十一世紀にはもう飛行機も飛ばなくなるだろう。いわゆるコンピューターも始動できなくなるのではないかというような危惧も持っておるようでございますので、環境庁としてはこのことについて早急に姿勢を立て直していただきたいと思います。  そして現在アメリカでは、その測定値を出すための測定器の開発というものが進められておりますけれども、日本ではまだその測定器すらない。ゆえに測定値も出てこないということでございますので、この測定値を出すという環境電磁工学を勉強してみえる専門の方々から言えば、何とか早く一億二、三千万も予算がつけばその測定器を開発することができる、こういうことを言っておるようでございます。これは文部省の方の所管になるかもわかりませんが、環境庁も側面的にそういうことは強力にバックアップする中で、こういう測定器の開発を急ぎ、そして測定値を出し、そして人体に悪影響のない許容量というものを決めていかなければいけない。そういう面について最終的に環境庁長官の決意等をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○上村国務大臣 電磁波によりますところの生体に対する影響、これはどういうふうにいっておるかというわけでございましょうが、公害対策基本法に言ういわゆる七公害の中には入っていない、しかしながら環境庁としましても関心を持たなければならない重要問題である、こう思いますので、専門家の方々からもお聞きして勉強してまいりたいと思います。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 終わります。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で伏屋修治君の質疑は終了いたしました。  これにて総理府所管中、環境庁に関する事項についての質疑は終了いたしました。     —————————————

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 次に、科学技術庁に関する事項について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 私は、科学技術庁を中心とした関係諸官庁に対し、筑波研究学園都市に予定をされている国際科学技術博覧会をめぐる諸問題について御質問をしていきたいと思います。  まず最初に、茨城県の筑波研究学園都市は本年概成し、六十年には完成の予定であります。その完成をさらに充実させ、より発展させるために、「人間と地球の健康のために」をテーマとした科学技術に関する大規模な博覧会が予定されていることにつき、私初め多くの関係者は心からこれを歓迎している。これは科学技術庁の所管になると思いますが、これについて長官として今日までどのような経過と、またお考えを持っておられるか、これをお伺いしたいと思います。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 お答えします。  私は、御承知のとおり昨年の十二月の初めに科学技術庁長官に就任いたしたのでございます。入って予算の関係の説明を受けた中で、この筑波学園都市に科学技術世界博覧会の計画があることを知ったのでございます。私は説明を受けて、率直に、こんな大きい問題は大臣が三人くらいかわって、三年くらいたたなければ実現しないのじゃないかなと言って、これはぼくの手に負えないなというような感じでおったのでございますが、その後いろいろ予算の関係でずっと毎日説明を受けておるうちに、私自身が科学技術が何たるかを認識不足であったことを大変反省するようになりまして、私自身が二十一年国会におりながらこのような状態ですから、国民は、小学生から青中壮に至るまで、わが国の科学技術が何たるか、大変認識が不足しておると私は直感いたしましたので、科学技術がいかにわが国の将来にとって大変重大な使命を帯びた部門であるかということを痛感いたしましたので、まず国民にその認識を深め、関心を高めていくというその手順は、やはり筑波学園都市に計画されておる科学技術世界博覧会を実行に移すことが何より手っ取り早い手段である、そのように考えまして、それから予算折衝に入りまして、これは大蔵の関係ですが、なかなかむずかしい問題だということで容易に理解を得ることができなかったのでございますけれども、この博覧会の実行に、いわゆる超党派で四百十二名の議員の先生方が促進議員連盟をつくって御協力いただいておるこの背景も考えまして、全力を挙げて、いろいろな経過を経て調査費がついたわけでございます。したがって、これからいろいろ手順を踏んで、昭和六十年を目安としてこれが開催できるような努力をひとつ続けていきたいと思うのでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 いま長官からお答えをいただきましたように、今年度の予算に科学技術庁の六百万、通産省の五百万、それに国土庁は概成記念行事として二百五十万、これはちょっと性格が違うかと思いますけれども、いずれにしてもこの土地に関係する問題でございますが、計上されております。一日も早く閣議決定されて多くの国民の期待にこたえていただきたいと思いますので、この点についてもう一度お願いいたします。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 私も、初めはできますならば二月中に閣議の了承を取りつけたいという目安でいろいろ段取りをしていましたけれども、各省庁の合意を取りつけるだけでもなかなか大変でございまして、かつて大阪万国博覧会あるいは沖繩博覧会、ああいう博覧会をやったいろいろなケースを見まして、前例に従った行き方をするならば、やはりまず組織、いわゆる受け入れ体制というものをつくってかからなければ大蔵の理解を得ることも了承を得ることももちろんできないし、閣議の了承を求めることもできないということで、目下鋭意各省庁の合意を取りつけ、受け入れ体制の組織づくりに努力を続けておるのでございます。目安としては、三月中には必ず世界博覧会事務局にその手続申請をするまでの閣議の了承を取りつけたい、このように考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 いまお答えがありましたように、確かに地元の議員を初めとして、昨年来よりその実現に対し、衆参両院議員七百六十三名中四百十一名、衆議院において二百七十三名、参議院において百三十八名と、いずれも過半数の議員がこれに賛意を表し、同時に知事会議においても協力が求められ、そして財界、学界においてもこの構想に賛意を表しておりますので、なお一層の御努力をお願いしたいと思います。  そこで、これを進めるためには、国際的な行事でありますから国際博覧会協会に立候補あるいは承認を得る、こういう手続が必要だと思いますが、このことについてどのようにお取り扱いをされようとしているのか、この点についてお伺いしたい。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 先ほど申し上げたように、一つの目安としましては、三月じゅうに閣議の了承を取りつけまして、それから世界博覧会事務局にその手続をとるわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 聞くところによると、一九八二年にはアメリカのノックスビルでエネルギー博覧会が、また一九八五年あるいは一九八六年にはカナダのバンクーバーで交通博覧会、さらに一九八四年にはアメリカのニューオーリンズで水の博覧会等の計画がされている、こういうことであります。したがって、わが国の場合においても、いま長官からお話がありましたようになるべく早くこの手続を終了して国際博覧会協会に向かって立候補し、その手続をとられんことを重ねて要望しながら、またお答えいただきたい、こういうふうに思います。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 竹内先生御指摘のとおりでございますので、急いでおるのはそういう関係がありますので、ひとつ手おくれにしないように早く閣議の了承を取りつけ、そして手続を終わりたいと思うのでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 そこで、この構想が実現するまでには多くの克服しなければならない問題があろうと思います。まず用地が大体二百ヘクタール、それから準備のための資金も一兆円というような金額が予定をされ、完成後においては国内、国際的に人間の交流というのは三千六百万から三千八百万だ、こういうように聞いておりますが、この概要についてわかるだけひとつ説明をしていただきたいと思います。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○大澤政府委員 お答えいたします。  先生からただいまお話がございましたのは、科学技術庁として持っております基本構想と申しますか、当初考えておることでございます。これは過去に大阪の万博それから沖繩の海洋博という二つの国際博覧会をわが国は経験をいたしておるものでございますので、それらを参考にいたしまして、私ども科学技術の博覧会を開くならば筑波研究学園都市の周辺と申しますか、そういうところが場所としては大変いいのではなかろうかということをまず考えまして、敷地の大きさにつきましては、ただいま先生からお話がございましたようなものが必要なのではなかろうかと思っております。  これらにつきましては、科学技術を国民に理解をしていただく場の提供というふうに考えておりますので、その具体的な構想は、これから基本計画なりに有識者を集めて詰めるところではございますけれども、私どもいま持っております構想は、人間というものを中心にいたしまして、科学技術がわれわれのこれからの人間の生活にとっていかに大事なものであるかという理解を深めていくような場をつくる。これを中心に据えまして、科学技術が展開されております大地の上あるいは空中あるいは宇宙あるいは水中といったような場をそれぞれ考えまして、そういうところで先端的なもの、あるいは過去から人間が築き上げてきた足跡といったようなことを展示をしてまいりたいというふうに考えております。  私ども、やります以上はできるだけ多くの方々に見ていただくことがいいことだと思っておるのでございますが、ただいま先生が挙げられました数字——観客の予想ということもある程度しなければならぬわけでございますが、これについては大阪の万博が六千五百万人というような人が入っておりますので、あそこで実現できれば東京の近郊で日帰り圏にできるのではなかろうか、そんなふうに私ども考えております。大阪の方は、当時日本で初めての博覧会という人気もございましたし、また規模もずっと大きゅうございます。そんなことで大阪ほどの人を動員することは当初から必ずしも考えられるところではございませんので、そういった観客の想定をしているというわけでございます。  そのほか、昭和六十年という年を一応考えておるわけでございますが、私どもの考えでは、過去の実績から見まして、これから基本計画をつくり、それから詳細設計に入り、実際に会場を建設しあるいは展示を国際的にも呼びかけていくということで考えますと、これからの六年間で時間的にはかなりぎりぎりということでのスケジュールを考えておるわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 そこで、通産省にお尋ねしますが、通産省は、過去において、いま局長からお話があったように大阪で万国博覧会、続いて沖繩で海洋博覧会を催しました。これに関しては、それぞれ各省庁が関係をしたと思いますが、通産省が主体となってやったわけでありますから、そのとき窓口になった省として、その成果及び将来この種の国際的な行事を行う場合に配慮すべき事項というようなものが必ずあると思いますが、このことについて通産省からお答えをいただきたいと思います。

細川恒通商産業省産業政策局商務・サービス産業室長

○細川説明員 大阪万博におきましては、先ほど先生がおっしゃいましたように「人類の進歩と調和」というテーマで開催をいたしたわけでございまして、また、沖繩の場合には、世界で初めて海をテーマとする国際博覧会を行ったわけでございます。前者の場合には一般博覧会、後者の場合は特別博覧会で、それぞれ性格が違うものではございますが、参加国あるいは入場者総数におきましてそれぞれの成果をおさめたとわれわれは考えております。  大阪万国博覧会の場合は、六カ月の会期を通じまして各国における産業、技術、文化の成果が相互に交流され、わが国の国際交流の上でも新しい一つの機会が提供されたと高く評価をいたしております。また、海洋博の場合は、海洋に関する諸問題が非常に重要性を帯びてきておる今日でございますので、非常に時宜にかなったものということで内外から高い評価を受けたわけでございますが、特に海洋開発の分野で自然との調和を十分に配慮した技術開発の促進に貢献いたしたとわれわれは考えております。  地元への影響でございますが、大阪万国博覧会の場合には、それを機会といたしまして大阪地方におきますニュータウンの建設あるいは道路、上下水道等の関連公共施設の拡充整備が進められまして、近畿地方の発展の基礎を築くことになったとわれわれは考えております。  また、沖繩の海洋博の場合には、沖繩の本土復帰記念事業の一環として実施されたものではございますが、海洋博を機会といたしまして、沖繩において同様に社会資本の充実整備が図られまして、同様に沖繩の発展の基礎が築かれることになったと考えております。  最後に、配慮すべき点は何かという御質問でございますが、博覧会の開催時期あるいは開催地、テーマ等によって配慮すべき内容は当然変わると思いますから、一律に論ずることはむずかしいかと思いますが、過去の二つの国際博覧会で得ました大きな教訓は、国際博覧会とはすべての参加国との共同の事業であるということではないかと思います。したがいまして、多数諸国と共同して準備すべき大きな事業でございまして、また主催国としては、関係省庁間の協力はもとより、地方官庁あるいは民間団体等との密接な協力を保っていくことが必要であると思います。  このほか、地元経済社会との調和、事故防止、安全衛生対策の確保等々につきまして万全の対策を講ずべきことは申し上げるまでもないと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 大体そういうところが問題だと思っておりました。おおむね出されたと思いますが、なお細かい問題についてはいずれ別なところで聞いてみたいと思います。  そこで、この博覧会を成功させるために一番大事なことは、先ほどの手続はもちろん必要でありますが、このことと関連をして大事なことは交通網の整備であります。茨城県が今日非常に後進県であると言われている一つの問題は、利根川によって交通が遮断されたということにあるわけでありまして、何としてももっと交通網を拡充する。したがって、この国際科学博覧会を契機に、あるいはまた筑波研究学園都市をより充実させるためには都心との交通の便をよくすることがきわめて重要であります。  そこで、いままで常磐線の複々線が問題になっておりましたが、本年から我孫子−取手間に関しては工事が前進をすると思いますが、取手以北、土浦、水戸方面については、柿岡の地磁気観測所があるために直流と交流の問題で複々線の問題は非常にむずかしい、こういうことは前から問題になっておりました。したがって、そのための車両をつくるかあるいはプラットホームを延長して車両を増車するか、こういう問題が今日までの課題でありますが、地磁気観測所が同じ運輸省の指揮下にあってもどうしても動かせないものであるとするならば、地磁気観測所との関連で直流、交流の操作はもうあきらめて、常磐線の複々線化でなくて第二常磐線をつくっていくかということが当然話題に上ってくるのではないか。もし直流、交流についてなお検討を加えて——一車両二千万円くらいかかると言われておるけれども、これはやはり国の仕事であるから、国が関係するものを地元の犠牲でということはちょっとおかしいという意見もある。だから運輸省は交流、直流の問題について最終的にはどう考えられるのかということについてまずお答えをいただきたいと思う。

岩橋洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部施設課長

○岩橋説明員 ただいまお尋ねのございました交流、直流の問題につきましては、現状が地磁気観測所との関係で交流になっておりますので、これを簡単に直流に変えることは非常にむずかしいかと思います。したがいまして、交流でどのようにしたら最もよいかということを国鉄において検討してもらうべきだ、このように考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 そうすると、常磐線の複々線という問題についてなお一層研究する余地がまだあるということですか。

半谷哲夫日本国有鉄道建設局長

○半谷説明員 国鉄から答弁させていただきます。  先ほど御質問にございました科学博覧会が開かれた場合の輸送量でございますが、実は私どもの方にも茨城県の方からいろいろお話もございますし、地元の方々からもお話を承っております。  その数字を参考にいたしますと、六カ月間で三千六百万人くらいの方が入場されると承っております。そういたしますと、平均しましても一日に二十万人くらいになるわけでございまして、そのうち万国博覧会等の例を引いて国鉄常磐線に係るお客さんの数を推定いたしてみますと、多い日には一日十八万人くらいになるということでございます。したがいまして、私どもこの輸送は非常に大きな問題だという認識でいるわけでございます。  一方、いまお尋ねのございました常磐線の対策でありますけれども、さしあたっては、いま工事を続けております取手までの複々線化を極力進めたい。これは今日ただいまの輸送対策に役立たせることでありますが、またこれが一つには将来に向かってのこのような輸送の対策にもなるかと思うわけであります。  それから、その先の問題でありますけれども、御指摘のように地磁気観測所の問題がありまして交流になっておりますので、この条件のもとに対策を立てなければいけないということになります。  いま私どもの方で検討いたしておりますのは、いまの中距離電車であります土浦以遠から来ております電車のほとんどが十二両以下でございます。さしあたりましてこれを十五両にするということでいま検討を進めている状況でございます。十二両が十五両になりますと、簡単に申しまして輸送力が三〇%くらいアップするわけでございます。これは今日の通勤輸送対策ということで考えているわけでありますが、これもひいてはこの科学博に対する一つの対策にもなるかと考えているわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 もう一つこの問題に関連をしてどうしても尋ねておかなければならないのは、第二常磐線を竹ノ塚から筑波に入るそのコースの問題がいま一つの案として主張されているのです。この問題に関してどういうふうに御検討されているか。  もう一つは、国際的な事業でありますから、成田の空港に入ってくる外国人が東京から入ってくるというのは非常にぐあいが悪いわけで、直接入るためには成田から江戸崎−土浦−筑波、こういう路線が必要だ、こういうふうに言われて、これも一つの主張としてあります。鉄道を引くのが無理であるならば、国鉄の自動車等々によってこれを満たしていくということについてはどうか。  なお、土浦駅の改修、それから荒川沖駅に急行をとめて学園の方へ行く道はできないかどうか。  こういう問題について、かいつまんで関係国鉄当局からお答えをいただきたい。

半谷哲夫日本国有鉄道建設局長

○半谷説明員 ただいま御質問のございました第二常磐と申しますか、新しい線を引くということでありますが、基本的な対策としてはこのような対策しかないと思うのであります。しかし、線を引くということになりますと工事費も相当かかることでもございますし、また都心へこれを持ってこなければいけない。いま竹ノ塚というお話もございましたけれども、私どもの方でもいろいろ内々検討しておりますけれども、都心へのアプローチ、既成市街地の通過等、あるいは駅のあり方、沿線の土地利用、開発計画等々、絡むものが非常にたくさんございます。もう一つ建設費も莫大だということでありますと、この建設費の原資をどうやって調達するかも問題でありますし、また経営上の問題も出てまいるわけでございまして、それらを含めまして、いま慎重に検討しているという状況でございます。  それから新線建設のお話、通称土飯線と言われている新線建設の問題等に関連してのお話だったと思います。これは私の方からお答えするのもあれか患いますが、予定線としてあることは承知しておりますけれども、今日の状況から見まして、これをどうするということは現在私どもの方ではちょっと考えられない状況でございますので、その旨申し上げたいと思います。

岩橋洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部施設課長

○岩橋説明員 御質問のありました中で、成田へ科学技術博へのアクセスのための鉄道をということでございましたが、ただいま半谷建設局長もお話しになりましたように、新線をつくりますときには、鉄道敷設法に記載されている鉄道であれば、これを鉄道建設審議会に諮って工事線にするという手続が必要でございます。いまお話のございました土浦−成田間となりますと、御承知と存じますが、土浦−江戸崎間は鉄道敷設法に記載されておる路線でございますが、江戸崎−成田間は計画がございませんので、この計画を実現するためには鉄道敷設法の改正手続というものも必要でございます。このあたりなかなかむずかしい問題があるということだけ御説明させていただきます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 駅の問題については……。

山内英夫日本国有鉄道開発局次長

○山内説明員 土浦の駅はすでに経年四十三年、かなり古い駅でございますので、私どもとしましても、駅施設の改良、それと同時に駅ビルの建設あるいは地元で御要望のございます切符なしで東西自由に通り抜けられる自由通路の設置というようないろいろな問題がございまして、こういうもの全体をひっくるめまして、将来とも地元のお役に立ち得るような駅施設にしたいということで、地元の関係の方と現在下協議中でございます。こういう協議が調い次第、具体的な計画を立ててまいりたいと思っております。私どもの希望としては、何とか五十四年内に基本的な合意ができましたら直ちに具体的な計画に入りたい、かように考えておるわけでございます。  荒川沖駅の停車の問題につきましては、今後の利用状況等を十分勘案しまして検討してまいりたい、かように考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 時間が参りましたからこれで終わりますが、いずれにしても重要な課題であり、筑波学園都市は日本の筑波でありますから、単に茨城県の筑波というようには考えておりませんので、金子長官初め関係者の一段の御努力をお願いして、なお、この交通関係についても今日までいろいろ主張してきましたが、これとの関連で円満にいきますように、これは御協力をお願いするという形になりますけれども、進めるようにぜひがんばっていただきたいと思います。  終わります。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 各省庁の御協力を得て、御要望のとおり全力を挙げたいと思います。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で竹内猛君の質疑は終了いたしました。  次に、二見伸明君。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 私も、ただいまの竹内委員の質問に関連いたしまして、国際科学技術博覧会の開催の件と、もう一つは海洋開発、この二つのテーマについてお尋ねをしたいと思います。  竹内委員の質問に余りダブらないように、私も二、三お尋ねをしたいと思いますけれども、最初に、ことしは六百万の調査費がつきました。私もこの科学技術博覧会の開催を何とか成功裏に実現させたいと考えておる一人でございますけれども、この調査費が計上されたということは、筑波学園都市に博覧会を開くのだという前提のもとにこの調査費がつけられたのか、それとも調査してみた結果、場所がほかに変わることもあり得るのか、まずその性格からお尋ねしたいと思います。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○大澤政府委員 お答えをいたします。  私ども科学技術博覧会を国民に科学技術を理解していただくための一つの手段といいますか、催し物として非常に効果があるものと考えて、これをどこの場所でするのが適切かということを考えたのでございますが、筑波研究学園都市は五十四年に概成をいたします。ここには筑波大学を初めといたしまして、わが国の国立試験研究機関の一線級のものがほとんど集中するという都市でございまして、これは世界的にも大変珍しい都市でございます。私ども日本の科学技術をこれから支えていきますには、この筑波都市というのが非常に中核的な役割りを果たしていくところであろう、こういうふうにも考えておるわけでございますので、第一義的には、博覧会を開催いたしますには筑波研究学園都市ないしはその周辺が一番適切な場所ではなかろうかと考えた次第でございまして、私ども五十四年度の予算要求をいたしましたときにも、そういう構想を考えておるということで予算の要求をいたしてきておるものでございます。これは開催の場所を具体的に決めるとすれば、そのことについての地元の協力、そういうようなことで決まっていくものでございますが、現在構想の段階としてはそういうふうに思っておるものでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 先ほどの御答弁にもありましたけれども、これは三月中にも閣議了解をまず取りつけて、その後のスケジュールとしては、六月二十日に博覧会事務局の理事会が開かれるので、そこに立候補したいという意向のようでありますけれども、そのスケジュールはどういうふうになっているでしょうか。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○大澤政府委員 お答えをいたします。  スケジュールと申しますのは、私どもこの科学技術博覧会を国際博覧会、いわゆる万博ということで開催をいたしたい、こう考えておるわけでございますが、万博を開催いたしますためには、いわゆる万博の条約というのがございまして、この条約に基づきましてパリに博覧会の国際事務局というのができております。この国際事務局に、何年にどういう場所でどういう内容のものを開催するかということの届けをまずいたさなければならないわけでございまして、この事務局で開催されます理事会というのが大体年に二回、六月ないしは十二月にございます。こういう機会に、各国から人々が集まられますので、そこで御説明をしていくというようなことがまず最初の手続としてあるわけでございますので、できるだけ早い理事会にそれを出していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 そういたしますと、この理事会に立候補して、オーケーになるかどうかはその段階にならなければわからぬことになりますか。立候補すれば大体間違いはないということになりますか。  それと、八月に予定されている国連科学技術特別総会で、一九八五年を国際科学技術年に提唱したいという政府の意向がありますね。たとえばことしは国際児童年ですか、そういう形で一九八五年を国際科学技術年に設定されるということも、やはり博覧会が開催される条件にはなるのでしょうか。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○大澤政府委員 お答えをいたします。  国際博覧会につきましては、八〇年代の半ばと申しますか、八〇年代に入りまして非常にあちらこちらからの要望と申しますか、構想が出ておる段階でございまして、すでに八二年にアメリカのノックスビルでエネルギー博覧会ということが決まったようでございます。その後、八四年には米国のニューオーリンズで河川文明博、それから八五年にはカナダのバンクーバーで世界交通博、一九八七ないし八年にオーストラリアでいわゆる一般的な万博、こういうようなものがメジロ押しに並んでいるというふうに、私ども事務局の方の話として聞いております。国際博覧会はなるべく多数の国が積極的に参加するというねらいを持っておるものでございますので、開催につきましてはある程度条件がございます。特別博のようなものにつきましては、同じ年に二つの国で開催をするといったようなことはできない、そういうことを調整するというのが事務局での会議の役割りでございます。そんなことで、ただいまのところ全く両者とも構想段階ではございますが、カナダのバンクーバーで開かれます八五年、昭和六十年、世界交通博覧会と競合をしておるという状況でございますので、両方とも同時に進めば調整を受けるというようなことになるのではなかろうかというふうに思っております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 そういたしますと、一九八五年、カナダとの調整の結果、一年延びるとか一年前になるということも可能性としてあり得ることになりますか。われわれは一生懸命進めているわけだけれども、どうでしょうか。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○大澤政府委員 ただいまも申し上げましたとおり、同じ年に二つの博覧会の開催ということの実現はできないというふうに私ども思っておりますので、同じ年が出てまいりましたら、両方とも何らかの調整を受けざるを得ないというようなことになるのではなかろうかと思っております。  それから、まことに失礼でございましたが、先ほどの御質問の一つの国連の方のお答えを申し上げます。  国連の科学技術の特別総会というのが本年の八月ウィーンで開催をされますことにつきましては数年前から決まっておりまして、このことのために各国は準備を進めておる段階でございます。私どもこの筑波で考えておりますものはやはり科学技術の国際博でございますので、科学技術を国際的に移転し合おうじゃないかという国連の会議の趣旨にも大変沿っておるものというふうに思っておりますので、できましたら、この開催の年をいわゆる科学技術年ということにいたしまして博覧会をやりますならば、その意義をもっと上げられるように図ってまいりたいというふうに思っておるわけでございますが、これは先ほど来申しました条約とか、そういうこととの関連のものはございませんので、ある意味では必須の条件ということではございません。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 この博覧会を成功させるためには、先ほど竹内委員からも指摘がありましたように、交通問題等々いろいろございます。この点については、先ほど運輸省の方からお考えが示されましたのでお尋ねしません。  ただ、この所要経費、これは科学技術庁でお出しになったものによりますと、会場建設費及び運営費として千四百億円、政府出展館建設費二百十億円、関連公共事業費一兆円という数字が一応ありますけれども、これは大ざっぱなものだろうと思います。ちゃんと調査した結果これよりも出ることもあるだろうし、いろいろあるだろうと思いますけれども、この関連公共事業費の中には、たとえば鉄道、先ほど常磐線の複々線化の話がありましたけれども、複々線化があるとするならばそうした費用も、あるいは土浦駅だとか関係の駅の改築、そうしたものもこの関連公共事業費の中に入るのかどうか。  もう一つ、これだけの大きなことをやるわけですけれども、地元負担というのはどういうふうになってくるのか、もしそこら辺まで詰まっているようでしたらばお示しをいただきたいと思います。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○大澤政府委員 お答えをいたします。  私ども当初の非常に粗い構想といたしまして関連公共事業費約一兆円というのをそこに書いたのでございますが、これは過去の大阪、沖繩万博等の公共事業費等がわかっておりますので、そういうことでの推計、あるいはこの三千六百万人という輸送を要する人員の推定といったようなことから、私ども実際そういうことにつきましては所管官庁じゃございませんので非常に素人でございまして、素人なりの一応の推計という、いまお話がございましたように非常に粗い数字でございます。実際にこれらの構想を固めてまいりますときには、科学技術庁だけではとうていできるわけでもございませんし、おっしゃいますように国家的な事業でございますので、関連省庁皆さんの御協力が得られなければできないわけでございまして、現在そういうようなことにつきまして、具体的にどういう鉄道なり道路なりが、たとえば三千六百万人あるいは三千八百万人という人を運ぶ場合に実現可能であろうか、あるいはまた、これらについての財政負担等々のことにつきましても大きな問題があるわけでございますので、そういうことの可能性というようなことにつきまして関係各省と協議を進めさせていただいておるというのが現段階でございます。  また、三千六百万人あるいは三千八百万人という人の見積もり自身にも、もちろんいろいろと御意見があるわけでございまして、そういうことにつきましてもいろいろな角度から詰めなければならないものというふうに考えております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 始まる前から終わった後の話をするのも変な話なんですけれども、やはりこれだけの大きなことをやるわけですから、それだけではなくて、博覧会をやった後の施設の利用だとか跡地の利用というのは非常に大事な問題だろうと思います。これは東京大学の前OECD科学技術工業局長をやっておられた大島さんの論文でございますけれども、この人もやはり国際科学技術博覧会への期待を込めているわけです。それで、「技術協力の推進にあたって最も重要な課題は、ほんとうの協力の担い手となり、技術革新の中核となる国際的な人材の確保である。そのため、私は博覧会の発展として、その跡地に大規模な研修所の建設を提案したい。」これは一つの提案で、これでなければいけないということではございませんけれども、科学技術庁としてはこれだけの計画を進めていく、たとえば大地の科学ゾーン、水の科学ゾーン、大気の科学ゾーン、宇宙の科学ゾーン、そしてその中には大地の科学館だとか大噴水だとか、こうしたものをつくるいろいろなものがあるわけですね。その跡地をたとえばこういうものにも使いたいというような構想がもうすでに現在固まりつつあるならば、あわせてお示しをいただきたいと思います。  私は、ただ単にそこで博覧会をやって終わりというのでは意味がないだろうと思う。やはり研究学園都市の真ん中でやるわけですから、これは日本あるいは開発途上国の人たちがそこへ訪ねてきて、博覧会が終わった後もそこへやってきて、日本あるいは世界の科学技術を学び取っていける、あるいはそういうような施設として残していくことも非常に意義があるのじゃないかと思いますけれども、そうしたお考えがおありならばあわせてお示しいただきたいと思います。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○大澤政府委員 過去の万博の経験等から見まして、やはり跡地利用のことを当初から考えていくことは必要であろうかというふうに一般的にも私ども思っておりましたが、さらに私ども考えております科学技術の博覧会の意義と申しますのは、先生もただいま御指摘がございましたように、科学技術を国民によく理解をしていただくためのものでございますので、半年というこの開催のときだけではなくて、ずっと将来にわたってもそういう場の提供ということは非常に意義深いものというふうにも考えております。  博覧会の跡地としては、できるだけ当初から一つの構想を持って進むべきものというふうに考えておりまして、国民への科学技術の理解と、さらには国際博の意味合いでございますが、国際的に科学技術というのを移転をしていくことに、将来にわたりましても何らかの効果を発揮できるような場ができる方がよろしいのではなかろうかと思っております。  しかし、これらにつきましては、いろいろな意味合いでの財政負担の問題なり、あるいは各省とのそれぞれの所管についての問題等もございますし、また地元の御意向といったこともあろうかと思いますので、具体的には、時間をかけて、基本計画なり何なりを練る段階でそういうことを固めてまいりたいというふうに考えております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 次に、海洋開発について二、三お尋ねしたいと思います。  最初に、二百海里時代のもとにおける海洋開発の推進ということでありますけれども、一昨年わが国も領海を三海里から十二海里に拡大し、さらに漁業水域をいわゆる二百海里に設定したわけであります。海洋国家であるわが国にとっては、海洋開発の重要性というのはもう言うまでもないと思いますけれども、特に海洋というのは陸上と違ってかなり開発困難な分野でございますので、海洋開発の場合には科学技術の開発に負うところが非常に大きいと思います。  それで最初に、政府の海洋開発に関する取り組み方についてまずお尋ねしたいと思います。時間もありませんので簡単によろしくお願いします。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○園山政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のように、海洋開発は非常に重要なものであると認識いたしておりまして、特に資源、いわゆる水産資源から鉱物資源等たくさんの資源を持っておるわけでございます。あるいは海洋の持っておりますエネルギーあるいは海洋空間の利用というようなことが非常に重要と考えております。特に、御指摘のようにいわゆる二百海里時代というものに入っておるわけでございますので、私どもといたしましてもその推進に努力をいたしておるところでございます。また、御指摘のように、非常に広範囲な科学技術を活用しなければならない問題でございますので、技術開発がきわめて重要な要件であると考えておるところでございます。  そういった認識のもとに、科学技術庁といたしましてやっております施策を大ざっぱに申し上げますと三つございまして、まず第一は、総理府に置かれております海洋開発審議会の事務局を当庁が務めております。これは単に科学技術だけでなく、海洋開発の制度、法制、体制その他全部含めましてやっておる審議会でございますけれども、関係省庁十三省庁の協力を得まして、私どもがその総括事務局を務めております。  この海洋開発審議会に対しまして、昨年の二月、総理から長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策という諮問が出ておりまして、現在非常に精力的な審議が進められておりまして、ことしの八月を目途に答申が出される、こういう予定と聞いております。こういった答申が出ますれば、政府といたしましてもこれに対処すべき施策をしなければならないものと考えておるところでございます。  また、御指摘の海洋技術につきましては、先ほど申し上げましたように非常に多様な技術でございます。科学技術庁といたしましては、科学技術に関しましての総合調整、推進の役割りを持っておりますので、この海洋科学技術につきましても、各省庁の試験研究経費等につきまして調整を行っておるところでございます。また、科学技術庁みずからもこの海洋技術を進展させますために、私どもの所管しております海洋科学技術センターというのがございますが、このセンターを中心に非常に共通的な基礎的な技術の開発の推進をいたしておるところでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 海洋開発というのは非常に多岐にわたるわけですね。魚の栽培もありますし、それから鉱物資源の問題もあるし、あるいはエネルギーとして活用する場合もある。科学技術庁の分野は科学技術の開発だけですね。それを行政上統轄する官庁というのは、海洋開発の場合にはあるのでしょうか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○園山政府委員 お答えいたします。  現在、いわゆる海洋開発を全部一括しまして所掌しているという省庁があるわけではございませんで、それぞれ関係各省庁が所掌の分野におきまして努力をいたしておるところでございまして、当然、その調整はそれぞれの分野におきまして、たとえば科学技術に関して科学技術庁が調整するといったようなことで調整が行われておるわけでございます。  また、その全体の構想につきまして、先ほど申し上げました海洋開発審議会で総理からの諮問が出まして、体制、法制その他を含めての審議が現在行われておるところでございまして、この答申が出ました上は、この答申の線を踏まえて政府部内どのような体制にすべきか、あるいはどういう法制を整えるべきかということの検討を始めなければならない、こう考えておるところでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 この科学技術の開発というのは、海ですから、かなり効果的に、そして真剣に推進していかなければならないわけですけれども、政府は技術開発について特別に何かプロジェクトを強力に推進しているのかどうか、その点はどうでしょうか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○園山政府委員 御指摘のように、海洋開発には非常に多くの技術が必要であるわけでございますけれども、先生御質問のプロジェクトという点から見ますと、先ほどもちょっと申し上げました科学技術庁が所管いたしております海洋科学技術センターを中核といたしまして、共通的な技術あるいは大型の施設等をつくっていくということにいたしておるわけでございまして、現在プロジェクトといたしまして、この海洋センターを中心に進めておりますものは六つございます。  一つは、二千メートルまで潜水可能な潜水調査船の建造をいま行っております。それから、三百メートルまで人間が潜水して作業するための潜水作業技術の研究開発。それから次は、黒潮の調査でございますが、御承知のように黒潮は日本にとって非常に影響の深いものでございますので、その黒潮の持っております浄化能力でありますとか、あるいは生物生産機構あるいはその持っておりますエネルギーあるいはその変動の機構といったようなことの調査をいたしております。また、海域制御技術ということでよく言われます、のっぺらぼうな海、海域を制御いたしまして湧昇流を起こすと魚が生育するというようなこともございます。あるいは波を消して海浜の活用を図る、そういった海域制御技術の研究、あるいは海洋を非常に広域にわたって同時に観測する、能率よく観測するという新観測システムの研究開発、それから海洋の持っておりますエネルギーを活用するということ。この海洋の持っておりますエネルギーはいろいろの形がございますけれども、たとえば潮流を使って発電するというようなことも考えられておりますが、現在海洋センターで行っておりますのは、波の力を使いまして、波を消しながらその波の力をエネルギーとして電力に変えていくという波力発電を中心にプロジェクトを組んでおります。  こういったプロジェクトを海洋科学技術センターを中心に進めておりまして、このための経費といたしましては、五十四年度予算案で約四十一億円でございますか、そのうち、海洋科学技術センターに対する出資金、補助金合計三十八億二千四百万円ということで、これらのプロジェクトの推進を図っておるわけでございます。それで、これらに対しましては、必要なものは関係各省庁の協力も得て進めておるところでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 海洋開発というのは海を相手にするものですから、船の一隻や二隻あってあたりまえだと私は思うのです。ところが、聞くところによりますと、この海洋科学技術センターというのは、いろいろな仕事をする、あるいは調査をするためのいわゆる実験船というのは一隻もないのだそうです。海洋開発をやる、その技術開発をするところで、まあ陸上でやる仕事もあるでしょうけれども、海洋開発というものは海ですからね、そのための実験船が一隻もないというのは、海洋開発は大事だ大事だと言うけれども、それは言葉だけであって、上滑りしているのではないかという気持ちがするわけです。これについて局長からの御見解もいただきたいけれども、時間もありませんので、最後には長官に、海洋開発の重要性を口にしながら船一隻ないというこの現状を長官としてどういうふうにお考えになるのか、その点について御答弁いただきたいと思います。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 二見先生にお答えいたします。  御承知のとおり、日本は海洋国、島国であって、小さい島で陸上資源は非常に乏しい。ところが、海洋には世界でまれに見る大変恵まれた国になっておるわけでございますから、これからのわが国の資源を開発するためには、やはり海洋に全力を挙げるべきではなかろうかと思うのです。  先ほど局長が、二千メーターの水深まで調査をするとか、人を乗せて三百メーター潜水する船があるとか、いろいろ申されておりましたけれども、生物資源、鉱物資源、これから未知数の資源開発をするのには、御指摘のとおりまだ設備が足りません。水深六千メーターまでは調査ができるような船がヨーロッパではもうすでにできておるというような時代に、日本では二千メーターの船をつくっておるということで盛んに大きな宣伝をしておるようでございますけれども、本当に海洋を開発してあらゆる資源を海洋に求めようとするならば、御指摘のとおり、もっと金をかけてやるべきだと私も痛感いたしております。御期待に沿うように努力をいたしたいと思います。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○園山政府委員 若干細かい点でございますが、先生御指摘の実験船、ただいま大臣がお答えいたしましたいわゆる潜水していくものは二千メートル等をやっておりますが、海上で常に調査その他に使える実験船を海洋科学技術センターとしても持つことを希望いたしております。これは従来いろいろチャーターしたりしてやっておったわけでございますが、私どもも、当面進めております三百メートルまでの有人潜水技術の開発といったようなことには、やはりその支援をいたします船が必要でございますので、ぜひこれを持ちたいということで、五十四年度予算におきます海洋科学技術センターへの出資金の中には、その調査をすることができる経費が組み込まれております。したがいまして、私どもは、海洋センターが日常研究開発に使う船としてどういう実験船が適当であるかといったことの調査を進めまして、五十五年度予算でできるだけその要求を図っていきたい、このように考えております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見分科員 以上で終わります。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で二見伸明君の質疑は終了いたしました。  次に、谷口是巨君。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 質問に先立ちまして、今度科学技術庁長官の重責を担われた長官に対してお祝いを申し上げるとともに、ひとつ今後のしっかりした御活躍をお願いをしておきたいと思います。  いろいろ質問をしてみたいと思いますが、皮肉なもので、最も汚染の危険性の高い原子力船「むつ」、それを推進しなければならない立場に立たれた長官は海を一番大事にする業界の大御所でございます。しかし、「むつ」の修理港問題がひとまず片づいた後にあなたが長官になられて、まことによかったと思っていらっしゃるだろうと私は思います。非常に大変なことだと思いますが、「むつ」についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。  それで、「むつ」がいろいろな問題をはらみながら佐世保に入港したのが昨年の十月十六日ですね。今日まで約四カ月ぐらい日にちを経過したわけでございますけれども、その後「むつ」の修理その他が行われたという話は聞かないわけですね。しかも、当初、話によりますと入港したら直ちにカキがらですか、貝がらの落とし、あるいは船底の検査、あるいは塗りかえ、こういうものが行われるように聞いておったわけでございますけれども、それがどうもなされていないようですね。したがいまして、これらの五十三年度の予算というのは残っていく可能性が非常に強いと思いますけれども、五十三年度のいわゆる「むつ」に関する予算はどれくらい組まれておるのですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 五十三年度におきましては、「むつ」関係の予算は約二十億円を組んでおります。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 その二十億円の予算の中で執行できないで終わりそうな金額はどれくらいになりますか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 概算で申しまして、約二億円程度のものが残るかと考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 当初、約束がなされておったのじゃないかと思いますが、昨年の年内に、先ほど申し上げたようないわゆるカキのから落としとか、いろいろそういうものが今日までなされていないというのは、これは何か約束されたのができなかったのか、あるいは初めから約束がなかったのか、どちらなのですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 事業団におきましては、「むつ」におきまして遮蔽の改修と安全性の総点検と船底の点検、この三つを予定いたしておりまして、このおのおのにつきましてできるだけ早急に行うべく準備を進めておるわけでございます。  一つは、遮蔽改修につきましては、本年一月にすでに安全審査の申請を行っておりまして、ことしの夏ぐらいまでにこの審査の終了を待ちまして、遮蔽の改修工事に入りたいという予定でございます。  それから、安全性の総点検につきましては、同じく本年の一月から機器の安全性につきましての点検作業というものに入っております。  それから、先生御指摘の船底の点検につきましても、これは私どもといたしましてはできるだけ早くその作業に入りたいわけでございまして、現在事業団の方におきまして、佐世保重工に対しましてできるだけ早く入渠が可能になるように配慮してほしいという申し入れをいたしておりますが、現在のところ入渠を予定いたしております第五ドックがほかの修繕船でいっぱいであるといったふうな事情がありまして、若干おくれておるようでございますが、引き続きできるだけ早くこれができるように督促したいというふうに考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 もうちょっとお聞きしたいのですけれども、早急にそういう外側の作業をやるつもりであったということは、事業団が勝手に自分だけでそういう計画をしておったのか。要するにSSKに持っていくときにそういう約束があったのか。これはどちらなんですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 現地におきますしさいな工事のスケジュールにつきましては、昨年十月に入港します時点ではまだ事業団と佐世保重工とは話し合いをいたしておりませんで、その辺は入港しました後で事業団と佐世保重工とが話し合いをして決めていく問題であるというふうに考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 実は佐世保に事業団の事務所がありますね。そこの所長さんがこうおっしゃったように伝えられておるわけですね。東京の事業団本部が佐世保重工の本社に再三お願いしているけれども、残念ながらなかなか実現しない、カキがら落としなんかをしなくても本格的な修理はできる云々と書いてあるのですけれども、これからいくと、やはり何らか約束があったと思うのですけれども、あるいは入港してから協定をするというのは正式の協定であったとしても、事前にこういう約束があったのが守られなかったということをこの言葉は物語っているように思いますが、どうですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 特に入港に先立ちまして、あるいは入港直後に、この船底点検のための入渠につきまして事業団と佐世保重工との間に約束があったといったふうなことはもちろんないわけでございますが、私どもとしましては、これは相当長期にわたりまして船底の点検をしてないというふうな事情もございますので、当方の強い希望として佐世保重工側にできるだけ早く入渠して点検をさせていただきたいということを申し入れておるわけでございます。  それから、現地の事務所長の発言に関連してでございますが、遮蔽の改修工事と申しますのは、先ほど申し上げましたように本年の夏以降を頭に置いておるわけでございますが、一方船底の点検作業の方は、入渠いたしますれば大体十日から二週間程度で終了し得るものというふうに私どもは考えておりますので、そういう意味におきまして船底の点検作業というものがいま若干おくれておるということが直ちに遮蔽改修工事につながるものではないという趣旨のことを言っておられるのではないかというふうに考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 もともとこの原子力船「むつ」は、いわゆる相当な反対も現実にあったわけですね。ところが、最後には入港できたわけでございますけれども、これが多分にいろいろなSSKの経済的な問題も絡んでおったわけであります。したがって、そういう意味もあってSSKに相当救援の手が伸べられたと一部に批判もあったわけですね。そういう状態の経緯を踏まえているのですから、本来ならこれは早く手をつけなければいかぬ。ところが、いまに至るまでその契約ができないというのは、これはどういうわけですか。理解できないのですね。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 これは契約当事者としましては事業団と佐世保重工と両者あるわけでございまして、両者の話し合いが調いませんと、当然のことながら契約できないわけでございます。この点、事業団側には特に契約をおくらせる必然性、理由といったふうなものはないわけでございますので、佐世保重工側におきましていろいろ社内の御事情等もあろうかと考えます。私ども今後とも佐世保重工の方に格段の協力を求めまして、御指摘のような契約ができるだけ早くできるように努力してまいりたいというふうに考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 SSKの中に内部事情がいろいろと云々、こう言われているのですけれども、そういうことがいろいろ誤解を生んでいるのかどうかわかりませんけれども、結局SSKが「むつ」を引き受けるということについてもっといろいろなことが内面で約束されていたのではないか。それが思うとおりに、あるいは最初の約束どおりに実行できないがために、そういうことがやはり一つの取引、駆け引きに使われているのではないかという、そういう憶測までこれは生んでいるわけですね。したがって、これはもっと強硬に契約だけは急がなければいけないと思うのですよ。これは私は国民の一人として強く要望して先に進みます。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 谷口先生、私に言いづらい、聞きにくいつもりで事務当局にお尋ねになっているのでしょうが、私が入ったのは十二月の初めでございます。そこで予算の編成が終わりましてから十二月の十二日に、まず「むつ」の視察を行いました。そのときに事業団の理事長がついてきておりまして、いろいろ報告によりますと、船が入ってもうすでに二カ月たっているのにどうしてドックに入れないんだ、こういう説明をしてもらうと、五番ドックが船が込んでおる、これは十日するとあく、十日後には入れます、こういう説明だったのですね。当時記者会見ではそのとおりの話をしたわけですよ。入ったらいわゆる船底だけを掃除して点検するのは二週間もあれば大丈夫だという、いわゆる船の常識によって私は話をしておったのです。それ以来、どうも新聞にちょいちょい、「むつ」が佐世保で人質にされておるということを書くものですから、初め私はそういう事実はない、こう思って余り気にもとめてなかったのですけれども、どうもその後やはり「むつ」が前進してないということをつくづく考え込むようになりまして、事業団の理事長、専務を呼んでいろいろ話を聞きますと、どうも当初の予定どおりいかなくて、この会社は社長ワンマンで社長がオーケーを出さなければ仕事に着手してもらえないで困っておるような報告がありましたので、それは大変だということで、ひとつ早く社長にお願いに行って工事が進捗するように努力しなさいということで二、三日前、松山に理事長が乗り込んでいって、いま交渉をしておるところでございます。御指摘のとおり、またいろいろ御心配なさっているとおりでございます。大変申しわけないと思いますので、これからひとつ全力を挙げて、おくれたものを取り返したい、このように考えておりますので、御了承を願います。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 長官からまことに率直な答弁をいただきました。私も多分そういうことだと推察はしておりますけれども、とにかくしっかり交渉していただかないと現在五十四年度の予算も四十億以上組まれているわけですね、これは繰り越し分が入ると思いますけれども。SSK自体非常に経営困難であり、労使の紛争もいろいろあるわけです。したがって、過酷と言われるいろいろな条件が課されて、やっとこの前一応解決を見たようでございますけれども、金が欲しいに決まっているのですね。そうすると、五十三年度の二億ですか、それからまた五十四年度の予算もぼやぼやすると使いこなすことができないのではないかという気もする。そうなってくると重大な問題ですね。われわれもあそこの問題については耐えがたきを忍んで企業を守るためある程度応援をした。あそこが消えると佐世保の灯が消えると同じですから、最後には私たちも実際の行動には出なくて理解を示したわけですね。そういう意味の経過がありますから、長官も局長やもう少ししっかり腹を据えて交渉しないと、科学技術庁頼むに足らぬ、予算が取れないのも無理はないということになりかねませんから、ひとつしっかりやっていただきたいと思います。  それからもう一つ、先ほど本格的な修理については夏ごろとおっしゃいましたね。夏も広うございまして、大体何月ごろをめどにされておるのか、めどでいいのですが、言ってください。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 ただいま規制当局におきまして安全審査を行っておりまして、私どもはこの安全審査が本年の六月くらいまでに終了することを強く期待しております。この安全審査の終了を待ちまして、引き続き設計、工事方法の認可等所要の法手続を済ませまして工事に入ってまいりたい、このように考えております。設計、工事方法の認可等の所要期間というのは、恐らく一、二カ月はかかると思いますので、それをできるだけ早く済ませた後で工事に入ってまいりたい、このように考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 では六月ごろまでにいろいろな法的なことを済ませて、具体的にはその一、二カ月後、大体七月か八月——八月ごろですか、こういうふうに解釈されるわけですね。——では、そのような理解いたします。貝がら落としみたいな交渉すらできないのだから、本交渉でまたてこずらされるのじゃないか、私はそういう心配を持っているのですよ、向こうはいろいろなことを考えているでしょうから。そうなってくると、もっともっと腰を据えてがんばってもらわなければいけないと私は思います。  それから、長官がいらっしゃる間には母港問題は起きないで済むかもしれませんね。だけれども、これはいずれ起こらざるを得ない。そうなってくると、母港化はまた大変困難な問題を抱えるだろうと思うのです。母港についていろいろな基準があると思います。先ほど資料をもらいましたけれども、この基準はいろいろなことがここに述べられておりますけれども、現在候補地として考えられているところはどれくらいありますか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 新定係港につきましては、過去収集したデータをもとにかなり幅広くやっておりまして、十指に余る候補地につきましていろいろ机上調査をいたしておるわけでございます。この調査の結果につきましては、具体的な数字で何港程度にしぼったと言い得る段階にはまだ至っていないという実情でございます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 自分の方からひとつ誘致したい、そういう申し出があったところもありませんか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 二、三の都市からそのような申し出は受けております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 母港としてのいろいろな条件がございますね。その母港としての条件を満たすことがまた非常に大事なことですけれども、新規に申し込んでいるところで、もしそういう条件を満たさないところがあれば、それが適地であれば、そういう施設を新たにするのか。あるいはすでにそういう条件をあらかた整えておるところを対象にするのか。全般的に新しく見るのか、あるいは限定されるのかということを私は聞いておるわけです。どういうような方針ですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○山野政府委員 先生の御指摘のような地理的な、物理的な条件も判断のベースとしましてきわめて重要なポイントでございますが、それに加えまして、やはり地元の方々の理解と協力が不可欠でございますので、そういう社会的条件もあわせて考えなければならないわけでございます。そういう意味で、できるだけ既設の設備等を活用できるということが望ましいわけではございますが、それだけで判断するわけにはまいるまいかと考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 モニタリングの設備が非常に大事だと思いますが、そうしたら新しいところでも条件が合えばそういう施設も新たにすることもあり得るということですね。そのように了解しております。これは非常に大事な問題ですから、慎重にかつ速やかに結論を出されるように願いたいと思います。  話を進めますが、先ほどもちょっと触れられたわけですけれども、海洋の問題については現在日本の置かれた立場は非常に重大な問題を抱えているわけですね。大臣もそうでございますが、私の所属県長崎県は海に囲まれた地域でありまして、陸上の資源はないけれども海の資源は豊富にある。それがいまだに十分に利用されていないという現状なんです。したがいまして、海洋開発の重要性は私も長崎県も認識しておるし、また長官みずからが一番おわかりだと思います。ところが、海洋開発というのは名前だけ口ではよくいままで言われてきているのですけれども、華々しく実際活動に入っているような話はなかなか伝わらないのですね。こういう面から考えて、国は一体海洋開発に対して長期的な展望に立ってどう考えているのか、どのように取り組もうとしておるのか、ひとつその構想をお聞かせ願いたい。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○園山政府委員 お答えいたします。  御指摘のように海洋開発は非常に重要でございますし、わが国としての海洋開発の将来展望が重要かと思います。しかし、御承知のように昭和四十八年以来国際海洋法会議が国連で行われておりまして、現在、この三月からその第八会期が行われようとしておりますが、いまだに決着を見ておらないわけでございます。総理の諮問機関として海洋開発審議会というのがございますが、これが四十八年、ちょうど海洋法会議が始まります前に、第一次の日本の海洋開発に対する進め方の答申を出しておられるのでございますけれども、その後国際的動向を見ておったわけでございます。  しかし、国際海洋法会議はなかなか決着いたしませんし、一方では、わが国もそうでございますが、各国それぞれ領海問題あるいは二百海里水域問題を実効的に進めておるわけでございますので、わが国の海洋開発も新しい二百海里時代においてどうすべきかということを早急に検討しなければならないということで、昨年の二月に総理から長期的展望に立つわが国海洋開発の構想とその推進方策という諮問が出されたわけでございまして、それ以来この海洋開発審議会において非常に精力的な御審議が進められております。総会だけでも十数回、部会等を含めますとすでに数十回の検討がなされておりまして、ことしの八月をめどに答申を出される努力をしておられるところでございます。  私どもは、この答申が日本の海洋開発の将来につきまして諮問そのものが長期的展望に立つということでございますので、この審議会におかれては二十一世紀を見渡して、当面一九九〇年ぐらいまでに進めるべき方策をお出しになるということでございますので、この答申が出ましたときにこれを検討いたしまして、日本の海洋開発の長期展望、将来展望ということで世の中に明らかにいたしまして、必要な施策を進めていかなければならない、このように考えておるところでございます。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 海洋開発については、いわゆる海洋科学技術の開発というのが非常に重要なウエートを占めるわけでございますけれども、予算の面で見ますと、原子力関係あるいは宇宙関係に比べますと海洋開発の予算は非常に少ないですね。たとえば原子力関係は千六百億ですか、それから宇宙開発関係が八百億、海洋開発四十億、けたがずいぶん違ってくるんです。これからいくと、やはりいままでの海洋開発に対する取り組み方というものが私は弱かったと思うのですが、どうでしょう。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○園山政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、現在の科学技術庁の予算の中で、原子力、宇宙に比べますと、額におきまして海洋関係は四十一億でございまして非常に少ないわけでございますけれども、五十三年度の予算が約三十億余りでございますが、これは五十二年度に対しまして八〇%以上の増をいたしておりますし、また五十四年度も四十一億でございますが、非常に財政の厳しい中で三五%余りという伸びをいたしております。今後とも十分努力をいたしていきたいと思っております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 パーセントは伸びるでしょうけれども、もともとが小さいからもっと私は伸びなければいけないと言っているわけです。  時間がぼつぼつ来ますので最後の質問に入りますけれども、先ほどもちょっと問題になりましたけれども、海洋科学技術センター、これは私は今後中核になっていく非常に大事なところであろうと思います。先ほども指摘がありましたけれども、そのセンター自体、海洋調査の船を直接持たない。ということは、これは長官もお聞きおきいただきたいけれども、やはり従来取り組み方が弱かった。しかも、昭和五十一年の三月に、六百メートルまで調査できる「しんかい」というのがありましたね、それが廃船になっています。そして今度は新たに二千メートルまでの調査船をつくる、いまその段階にあるわけですね。何年かブランクがあるわけです。このこともやはり予算の面といい、取り組み方といい、私は指摘せざるを得ないんじゃないか。もっと取り組み方を積極的にやらなければならないんじゃないかという私の指摘であります。私、この二千メートルができますと相当日本の程度も進み、調査も進んでいくのではなかろうかと思います。大陸棚でもあらかたこれでフォローできるのではないかと思います。  以上についての答弁と、これは大臣にひとつお答えいただきたいのですが、長崎は御承知のように非常に海洋の問題については密接な関係があるし、これからまた真剣に取り組まなければならない。したがって、海洋開発の問題について長崎県にそういう出先みたいな、支部というのですか、こういうものをぜひつくってくれという相当強い熱意のある要望があると思うのです。現状においてどういうものをつくればよいか具体的施策はこれから先になると思いますが、国としてもそういう積極的な施策が大事だし、県としてもやはりぜひ長崎につくってもらいたい、こういう要望があることに対して、ひとつ大臣の見解も伺っておきたいと思います。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 最後の御要望の件でございますが、ひとつこれから検討を続けてみたいと思います。  御指摘のとおり大変海洋開発がおくれていますね。これは私も痛感いたしております。先ほどもちょっと二見さんに申し上げたとおり、海洋開発にもっとわが国は力を入れるべきだということを痛感いたしております。私どもに言わせると、海洋を二千メーター、またヨーロッパでは水深六千メーターまでの調査をやっているということでございますけれども、単なるそんな水深を深く探索し、生物、鉱物の資源を調査するだけでなくて、もっと手近な海洋における資源開発をやる事柄が拾い上げるとたくさんあると私は思うのでございます。これは農林省の予算でございますけれども、五島列島の西方にずいぶん大規模の海洋牧場をやろうとして、この間長官にも現地を見に行ってもらっております。それは所管が違いますけれども、やはりそういうことも加えて、特に谷口先生は長崎県のあの立地条件、四五%は離島である、恵まれた海洋資源を持つという見地から、先ほど後段で何かそういう出先機関でも置くべきではないかという御要望が非常に強いということは、よく私も承知して、これから検討いたします。  いずれにしましても、科学技術庁の予算の中で海洋開発は大変手おくれしておる、大変なおくれだということを痛感いたしておりますので、御指摘のとおり前年度予算の五〇%、一〇〇%いったからといって、もとが小さいのだから間に合うことではございません。いろいろな施策を検討して御期待に沿うように努力をいたしたいと思います。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○園山政府委員 潜水調査船につきましてお答えいたします。  御指摘のように「しんかい」が一昨年解役いたしまして、今度二千メートルの潜水調査船は五十六年度ということで間があきましたことは、私どもまことに残念に思っているところでございます。なお、その先は、大臣もお答えいたしましたように、さらに六千メートルを目指してやっていかなければいかぬわけでございますが、非常に高い水圧の中で耐圧殻の中に人が入るわけでございますので、人命安全ということを考えまして「しんかい」につきましても一昨年解役したわけでございます。今後そういった間があくことのないように進めていきたいと思います。  また、大陸棚につきましては、御承知のように大体三百メートルまでが大陸棚でございますが、これは深海潜水調査船、新しい潜水調査船並びに別途進めております有人潜水技術を開発いたしまして、人間が直接もぐって調査等ができるようにいたしたい、このように考えております。

谷口是巨公明党・国民会議

○谷口分科員 終わります。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で谷口是巨君の質疑は終了いたしました。  次に、東中光雄君。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 原子力発電所等の中で作業をする労働者の放射能被曝による障害なりそういう将来の障害に対する不安、恐怖というのは非常に深刻なものがあるわけですが、きょうは安全チェック体制と被曝障害に対する万全の保障を確立されなければならぬという立場から若干お伺いしたいと思うのです。  これは少し古い資料でありますが、一九七七年十月に毎日新聞が「「原発」現地からの報告」というのを連載したわけですけれども、その中にこういうことがあるわけであります。「美浜、高浜などで、原発の中へ入って定期検査や修理をしている三菱重工の技術者Aさんから、作業の内容を聞いた。——一番危険なのは原子炉の熱を蒸気に変える蒸気発生器の中での作業だ。直径四メートルの大きな釜の中で、破損した蒸気細管の取り換え、溶接などをする。放射能塵を吸い込まぬよう、特殊作業服は宇宙服とそっくり。空気は背中につながる管から送られる。ストップウオッチを見ながら三−五分で交代する。作業の限度値は一日五百ミリレム。五分間で限度値に達し、それだけで一日の仕事から解放されることもある。原発へ出かける場合、事前に必ず白血球などの検査を受ける。原発では、まず安全管理室のチェックポイントで下着一枚になり作業着に着替える。ポケット線量計、フィルムバッジ、危険を告げるアラームメーターをつけ、二重とびらをくぐって原子炉建屋に入る。建屋内の放射線量が高い場合、床などを水やアセトンで除染する。作業が終わると、再びチェックポイントで手足や体の放射線をはかる。汚染がひどいとブザーが鳴り、汚染部分を何度も洗浄する。最後に、その日の被曝線量を放射線管理手帳に記入、やっと外へ。」こういうふうに書いてあるわけであります。  それから、また別のところでは、本院の科学技術特別委員会で七六年に問題になりました村居国雄さん、日本原電敦賀発電所の下請、ビル代行に臨時で雇われて、ここで「原子炉建屋の一次冷却水浄化装置のある部屋で、床にこぼれた水を布でふき取る作業を命じられた。昼前、ポケット線量計を見ると針が飛んでいる。作業場の線量を測定した係員の血相が変わった。村居さんは病院に運ばれ、採血された。翌日、上司が「異常はなかった」と告げた。でも、不安になりすぐやめた。約四カ月後、異常なけん怠感、関節の痛み、毎夜、三八度もの発熱。やがて頭髪が真っ白に変わり、歯が八本次々に欠けた。」云々ということになっているわけですが、非常に深刻な状態というものをよく書いておると思うのでありますが、この安全チェックの体制、それから、もしそういう問題が起こった場合の補償とか、そういうものについての体制、基本的な考え方というものを科学技術庁と通産省にまずお伺いしたいと思います。

向準一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○向説明員 まず、原子力発電所での放射線従事者でございますが、その数についてまずお話ししたいと思います。  昭和五十年度でございますが、放射線従事者の数が一万六千人。それから、五十一年度は約二万人でございます。昭和五十二年度は約二万五千人ということになっております。  それで、これらの放射線従事者につきましては、原子炉等規制法あるいは労働安全衛生法に基づきまして、電気事業者あるいは雇用主がそれぞれ厳重な被曝管理をやっているという現状でございます。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 ただいま通産省の方からお答えしたとおりでございますが、従業員、特に下請従業員の方が、被曝によりまして原子力の放射線を受けたということによりまして災害を受けた場合には、その災害につきまして当然労災法の適用も受けるわけでございますが、そのほかに、原子力損害賠償法というものがございまして、その救済措置が講じられておるところでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 これは原発のことについて一万六千、二万、それから二万五千とふえてきている状態が示されたわけですが、このほかに再処理施設なんかで放射線管理区域内で労働している労働者というのもふえていると思いますが、それはどういうふうになっていますか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 先生御指摘のように、再処理施設、これは動燃事業団の東海村におきまして現在試運転中でございまして、その作業人員は、五十年当時が五百三十名強でございます。五十一年度六百六十五人、五十二年度に八百六人と試運転の状況に応じて関係する人がふえてきておるのは事実でございます。  しかしながら、再処理施設の作業者の被曝につきましては、これはきわめて堅固なコンクリートのセルの中に施設自体が入っておりまして、作業者は通常はその外で作業をするということでございまして、その被曝の量は、原子力発電所等に比較いたしますときわめて少ない状況で経過しております。  なお、機器の故障等によりまして、そのセル内に入って作業をするような場合がございます。この場合には、当然被曝が予定されるわけでございますので、厳重な被曝量の予想をいたしまして、作業時間等も限定いたしまして、また、先ほど先生もおっしゃいましたような防護服等を着用するというようなことで、被曝を可能な限り減らすような手順でもって作業を進めるというふうなことで対処しておるところでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 被曝線量の総和何レムもずいぶんふえてきているのじゃないかと思うのですが、原発関係全体でどういうふうになっておるか、それから原電の敦賀原発あるいは関電の美浜、中電の島根、こういう点についての総和がわかっておれば明らかにしていただきたい。

向準一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○向説明員 まず原子力発電所につきましてお答えいたします。  放射線従事者の総被曝線量でございますが、昭和五十年度約五千人レムでございます。昭和五十一年度約六千二百人レムでございます。昭和五十二年度でございますが、約八千百人レムというふうになっております。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 再処理施設の被曝線量についてお答えいたします。  五十二年度でございますが、八百人の方がこの放射線の管理下の中で働いたわけでございますが、総被曝線量は二・六六人レムでございます。したがいまして、被曝の平均被曝線量は一人当たり〇・〇〇三レムでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 原電の敦賀、関電の美浜、中電の島根については、わかりませんか。

向準一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○向説明員 お答えいたします。  関西電力の美浜の発電所でございますが、放射線従事者数でございますが、五十年度約二千人でございます。昭和五十一年度約二千百人、昭和五十二年度約二千二百人でございます。それから、総被曝線量でございますが、それぞれ約四百七十人レム、約五百六十人レム、約五百三十人レムというふうに五十、五十一、五十二年度がなっております。  それから日本原子力発電株式会社敦賀発電所でございますが、放射線従事者の数でございますが、昭和五十年度約二千八百人でございます。昭和五十一年度約二千六百人、昭和五十二年度約三千九百人となっております。総被曝線量でございますが、それぞれ約千九百人レム、約九百人レム、約二千人レムというふうに五十、五十一、五十二年度がなっております。  それから中国電力の島根発電所でございますが、放射線従事者の数でございますが、昭和五十年度約千九百人、昭和五十一年度約二千七百人、昭和五十二年度約二千人となっております。総被曝線量でございますが、それぞれ約二百三十人レム、約五百五十人レム、約三百九十人レムというふうに五十、五十一、五十二年度が推移しております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 作業員の被曝規制といいますか、許容線量といいますか、これは従事者に対する規制と、それから一時従事者、臨時に立ち入る労働者に対する規制と、一般住民に対する規制と、許容量が別々になっているように聞いておるのですが、その内容を明らかにしていただきたい。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 わが国の放射線防護に関します基準は、これは私どもICRPと呼んでおりますが、国際放射線防護委員会、この国際的な防護委員会の勧告に沿って、国内におきましては放射線審議会に諮りまして定められておるわけでございます。したがいまして、国際的な基準とも大体同等の規制の基準としておるわけでございます。  そこで、先生御指摘のように、三つのカテゴリーに分けまして規制基準が定まっておる次第でございます。職業上被曝する個人に対しましては、いわゆる放射線作業従事者でございますが、これは三カ月三レムを超えないということ、それから平たく言えば年間五レムを超えないような規制をとっておるわけでございます。それから放射線作業場に、作業に直接関連いたしておりませんが、ときどき放射線の管理区域に入る職員等がございます。この管理区域に随時立ち入る者につきましては、ICRPの勧告を受けまして年間一・五レムを超えないように規制しております。それから一般の個人、集団全般の個々の構成員、いわゆる一般人でございますが、これは職業人の十分の一の年〇・五レム以下と定められておるわけでございます。  このようなカテゴリーに定められた理由といたしましては、これは世界的な研究データ等をICRPの場で検討いたしまして定められておる次第でございますけれども、職業人につきましては、先ほど申しました年五レム、三カ月三レムというのが定められておる次第でございます。  一般公衆とどうして違いがあるかということでございますが、一般公衆につきましては、この中には当然幼児であるとか小児あるいは妊婦等が含まれるわけでございます。また、一般の方々につきましては放射線の被曝管理ということを行う手段がないわけでございますので、職業人よりも一層厳しい低い線量限度が定められておるわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 一時従業員といわゆる従事者が五レムと一・五レム、ずいぶんランクが違うのですけれども、これはどういう考えなんですか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 随時立入者と申しますのは、仕事の上でたまに管理区域の中へ入る方でありまして、そういう方について定められておるわけでございまして、これらの方はできるだけ線量を少なくした方がいいということではございますけれども、これらの方々に対しましては、普通、事業所におきましては放射線に対する影響の調査あるいは放射線の管理が十分できる方々でございますので、一般人よりは高くされ、ICRPでも一・五レムという数値に勧告されておりますので、私どもその数値を使っておるということでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 ちょっとよくわからないのですけれども、五レムまで行ったらいかぬ、一・五レムでとめておかなければいかぬのだということでありますから、あるいは一般人だったら〇・五レムというのは、幼児とか老人とかいろいろあるからだ、妊婦も大いに関係があるからということもあるわけですけれども、この臨時の従事員にしても、妊婦なんかはいないかもしれませんが、一般の労働者だということであれば、従事員の五レムというところまで行ったらいけない、それ以下でないと何か悪い影響があるということをおもんぱかっての一・五じゃないのですか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 この五レムというのは、先生御指摘のようなことではございませんで、ある仕事を放射線下でやるときに五レムまでは十分許される、また安全な線量であるということで国際機関が勧告し、それを日本でも採用しておるわけでございます。しかし、放射線による影響というものは低線量であっても影響があり得るわけでございますので、考え方といたしましてはできるだけ少ない方がいいわけでございます。したがいまして、職業人でありましても、随時、時たま放射線下に立ち入る方の線量につきましてはできるだけ低い方がいいわけでございますので、いわゆる放射線下での放射線従事者、職業人とは仕分けして厳しく規制する方が望ましいという考え方のもとに一・五レムという数字で規制しておるということでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 だから、五レムだったら絶対いいということではなくて、五レム以下でも影響があり得るということで、それは少ない方がよりよろしいということで、臨時に入る人は一・五レムというように基準を設けてあるのだ、私もそのとおりだと思うのです。  それで少ない方がいいのだということでやられているのですが、一番最初に申し上げましたように三菱重工のある技術者が言っている。いわゆる定期検査あるいは修理に入る人というのは一番危険な状態になるのだということであり、先ほども申し上げました村居国雄さんの例でいっても、これも一般の臨時に入る人であります。そういう人たちは非常に危険な目に遭っておる。だから、基準が〇・五レムというふうに下がっておって、その下がっておる人が実際には非常に危険な状態になっておる、こういう何ともいえぬ矛盾したような現象が出てきているわけでありますが、いずれにしましても一般の臨時の従事員の場合はそういうふうに基準が低いということでありますが、これで作業員が中へ入っていくときには、いわゆるポケット線量計、それからフィルムバッジ、トータル線量計、そしてアラームメーター、この三つをつけていくのが普通のようになっておるわけでありますが、先ほどの村居国雄さんの例では、どうもフィルムバッジはつけてなかったようであります。それから、アラームメーターもつけてなかったのではないかというふうに思います。ポケット線量計は針がもう飛んでしまったという状態であわてたということになっておるわけですが、こういう建屋に入るについて、そういう線量計あるいはアラームというふうなものをつけるのは、これは義務づけられておるのか、あるいは任意なのか、どういうふうにされておるのか、まずお伺いしたいと思います。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 お答えします前に、先ほどの答弁でちょっと私の説明が足りなかった点を補足させていただきますが、下請の従業者が、原子力発電所等で放射線下の作業をする方がいるわけでございますが、これはいわゆる職業人として五レム以下で作業するように規制されておるわけでございますので、その辺、ちょっとはっきり申し上げておきたいと存じます。  それから、放射線下での作業に当たりましては、通常、特別に立ち入り制限区域等に入りますときには、ポケット線量計あるいはフィルムバッジ等を着用することが普通とされておる次第でございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 普通とされておることは承知しておるのですが、それは義務づけられておるのか、任意だけれどもそうなっておるのか、そうでない例も現実に表に出てきておるわけでありますから、お伺いをするわけであります。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 お答えいたします。  このような何をつけろということは義務づけておりませんが、監視装置をつけることは義務づけられております。それで、各事業所におきましては、当然保安規程というものを定めることになっておりまして、そこでどういうものをその施設では着用するかというのを決めております。その保安規程につきましては、監督官庁が認可をするたてまえになっております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 これは関電の例なのですが、アラームメーターが下請の人と関電の作業員とで違うんですね。下請作業員は四十五ミリレムになっている、それから関電の作業員は三十ミリレムになっているというふうに、どうも精度というのですか、警報を出す時期が違うようになっているのです。こういうのは全く、いま言われたのでいけばそれぞれの社が任意にやっておるということになってしまうのか。やはりこういうものについての指導なり、そしてそういう下請と本社の社員とでは違うというふうなことを、こういう非常にデリケートな危険な、後へずっと問題を残すかもしれないというような問題について、そういうことであってはならないと思うのですけれども、その点についてどうでしょうか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 まずアラーム計につきましての御質問でございますけれども、これはある時間にこのぐらい浴びそうだということで、ある線量以上にならないように管理上用いさせておるものでございますので、その作業者の方の被曝の量がどうであったかというものを記録するためのものではございません。  それから、もう一点の御質問でございますが、申しわけございませんが、最後の点をちょっと失念いたしましたので……。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 下請と関電の作業員とで、アラームの物が違うということについて、これはやはり同一にすべきじゃないかということを言っているわけです。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 お答えいたします。  この放射線管理というものは、先生御指摘のとおり、その事業者の従業員と下請の従業員におきまして差があってはならないことは、全く御指摘のとおりでございます。ただ、その事業所におきましての管理につきまして、たとえば発電所の場合におきましては、発電所が全責任を負うシステムになっているわけでございますが、その発電所の指定する管理の制度を満足することであれば、その下請従業者の会社の方のシステムでやられてもそれは構わないわけでございます。しかしながら、発電会社の社員の方と下請の方と管理システム、フィルムバッジの違いがあるとかいうようなことは余り望ましくないことでございますので、その点につきましては実態がどうなっておるか、いろいろ通産省等とも相談いたしまして調査し、改善する必要があれば改善するように業界の指導等をいたしてまいりたいと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 時間ですので、最後に一点だけお伺いしておきたいのですが、いずれにしましても、放射能による影響というものは深刻な問題でありますから、それだけに、下請であるから、あるいは本社であるからというようなことで差別をするようなことのないように、監督官庁がよく指導をしていただきたいということと、それからこの放射線を受けた影響が出てくるのは、数カ月後に出てくるのもあるでしょうし、数年先に出てくるのもあるでしょうし、あるいは数十年先に出てくることもあると思うのです。そういう関係で、そういう影響の追跡調査といいますか、こういう放射線の中で作業をした人たちについての追跡調査というものをずっとやられるのか、やられていないのか、それからやるべきであると思うのですが、それについての対処の仕方をお聞きして、質問を終わりたいと思います。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○牧村政府委員 原子力開発が行われましてから、ごく一部のトラブル等によりまして、規制基準を超えた被曝のあった方が何人かいるわけでございますけれども、大部分の方は、まず障害が起きないとされております年間五ミリレム以下での被曝の方々が大部分でございまして、特別な方々につきましては、放射線医学総合研究所などにおきまして、ケースによりましては、その後の調査が行われておるところでございます。しかし、全体的な被曝を受けた多くの方々の追跡調査ということを実施する段階にはまだ立ち至っておりませんけれども、そういうものを可能にするようなことも配慮をいたしまして、昭和五十二年度に、放射線影響協会というところがございまして、その中に放射線従事者中央登録センターという制度を設けておりまして、そこで放射線作業に従事した方々のうち、放射線量を受けたその個人個人の記録を登録管理いたしまして、たとえば下請の方がいろいろな事業所を渡り歩きましても登録ができるような制度を実はつくりまして、来年度早々からは完全に業務が開始されることになっております。したがいまして、こういうところに集められましたデータにつきまして、これをどういうふうに活用していくか、先生の御指摘の点も含めまして、これから検討してまいりたいと考えておるわけでございますけれども、このような個人的な記録を使う場合に、どうしても心しなければなりませんことはプライバシーの侵害の問題がございます。その点非常にむずかしい問題を抱えておりますが、こういう放射線を受けた方々のその後の追跡調査をいたします場合、非常にいいデータが集まることも事実でございますので、ただいまの問題点等も十分配慮いたしまして、今後検討してまいりたいと思います。  それから、先ほど五ミリレムと私申しましたが、五レムの誤りでございますので、修正させていただきます。

金子岩三国務大臣(科学技術庁長官)

○金子(岩)国務大臣 東中先生の質疑を聞いておりますと、本当に矛盾もあります。下請等のいろいろな差別があること、そういうものを含めまして、追跡調査の問題も、十年も二十年もたって放射線をかぶった人の病気が出ることは、私も長崎におってそういうものを見て体験しております。行政的にやりにくいこともあるかもしれませんけれども、努めて強い行政指導によって追跡調査のごときもやらせ、とにかく原子力を研究開発するためにはいかにして安全を確立するかということが大前提でございますので、御指摘の点、十分ひとつ受けとめまして、これからその安全の確立に全力を挙げるつもりでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 終わります。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で東中光雄君の質疑は終了いたしました。  これにて科学技術庁に関する事項についての質疑は終了いたしました。     —————————————

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 次に、警察庁及び北海道開発庁に関する事項について、それぞれ質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 まず最初に、国家公安委員長にお伺いいたしますが、よく労働争議の際に警察が介入するわけでございますが、一体警察はこの労働争議に対してはどういう関心を持っておられるのか、また事前からどういう対処の仕方をやっておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 警察としては、正当なる労働運動に対しては厳正中立の態度を堅持していくということが、これは一貫した警察の方針でございまして、今後ともこの原則は堅持してまいる所存であります。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 その正当な労働運動ということは一体どの時点で判断されるのか、その辺をまたお聞かせ願いたいと思います。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 どの時点でという御質問の意味がよくわかりませんが、あくまでも事件全体を把握して、それが正当な労働運動であるかどうかということを判断するわけであります。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 それでは、これから具体的な問題についてお伺いします。  これは、去る一月一日及び三日に起きた会津若松郵便局においての労使紛争に関する問題であります。まず、私も元日の日に、警察が大変出ておるというので連絡を受けて行ってみましたら、その郵便局の周辺に私の目では二、三十人いたではなかろうかと思われるほど警察官が待機をしておられた。一体この要請はだれからだれに対して、そしていつの幾日、何時に受けたものか、それからその要請の内容についてお聞かせ願いたいと思います。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 お答えいたします。  会津若松郵便局の事件でございますが、実は全国的に反マル生運動ということで各地でいろいろの事犯があったわけでございます。その間、御承知のとおり、革マル派の介入的な相当悪質な事件等も都内及び全国的にあったりいろいろな事件がございました。その中で、会津若松郵便局の件でございますが、実は十二月三十一日でございますが、この日に三百十人の非常勤職員、いわゆるアルバイトでございますが、これを郵便局側で確保いたしまして就労させようとしまして、そのうちの百九十人、これを午前八時ごろ入局させたわけでございますが、残りの百二十人の者につきましては、全逓信労働組合が行っておりましたマル生反対闘争、これを支援する労組員ら約三十人のピケあるいは組合加入の説得というふうなものに遭いまして、最後まで六十人くらいの者が入局できないというふうな事態がこの十二月三十一日の段階でございました。  これに対しまして午前九時三十二分、会津若松郵便局長から会津若松警察署の署長に対しまして、電話でピケを排除してほしいという出動要請がございました。この出動要請がなされましたが、労組員がピケを解除したということなどもありまして、要請を受けましたけれども、この際は出動しておりません。しかし、この際、あすもピケを張るのだというふうな言動があったりしたこともありまして、その後、翌日、委員のおっしゃいました一月一日になるわけでございますが、午前二時ですが、会津若松郵便局長から会津若松警察署長に対しまして文書で出動要請が出されたのでございます。  それで、一月一日の状況でございますが、郵便局側ではアルバイトを百二十人、これを午前八時に入局させることにしておりましたけれども、労組員八十五人が郵便局正門あるいは通用門にピケを張りまして、アルバイトの入局を阻止するというふうなことから、当局側では携帯拡声機それから掲示板等によりまして警告を繰り返したようでございますが、これに応じないということで、午前九時四十分段階になりまして、会津若松郵便局長から警察署長に対しまして、今度電話で警察部隊の出動要請がなされた、こういうことでございます。すなわち、午前二時に文書で出動要請がございましたが、さらに現場の状況に応じて局長から署長に対して電話での出動要請、こういうこととでございます。  これらの事犯に対しまして、警察では不法事犯の発生も予想されるというところから、郵便局付近に所要の私服の警察官を配置いたしまして警戒すると同時に、警察署にも所要の警察部隊、これは制服が主体でございます。これを待機させましたけれども、午前十時労組員がピケを解除したため、警察部隊は出動しなかった。したがって、委員のおっしゃった相当多数いたというのは私服警察官、これが十六名と思われます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 三十一日にピケを張って、そうして六十名ほどは入局できなかったというお話ですが、これは全く事実と反しておると思うのです。これは局側で、中に入ったのと、最初に帰してしまった——トラブルが起きては困るからというので、玄関で局側が説得して帰宅をさせた。中ではすでに入った六十人が、なぜおれたちだけが帰れないのかという抗議をしたところが、それではやむを得ないということで局側がこれを帰したのであって、ピケで阻止したというのは全く事実無根であります。  それから、一日ですが、一日は何時から待機をしたのですか、その辺をひとつお願いします。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 先ほど申しましたように、一日は午前八時にアルバイト百二十名を入局させる、こういうことでございまして、九時四十分に電話での出動要請、こういうことでございますが、結果的に制服部隊は出ないで終わったことでありますので、この時間帯から見まして、午前八時前には、先ほど言われました私服はすでに現地に当然着いておる、こういうふうに思われます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 だからこれも全くでっち上げと言われても仕方ないのですよ。私はこの日見に行ったのです。アルバイト学生がピケに阻止されて入れなかったというのは全くでたらめで、これは局側が大体三カ所に集合場所を決めておって、労働者側とアルバイトとの摩擦、トラブルは全然なかったのです。それをこういういいかげんに事実を歪曲して事件をつくり上げる。ここに問題があるわけですよ。だから、この私服の十六人と言うけれども、その私服は会津若松署長独断でやったものか、それともあるいは警察庁や県警本部あたりからの指図でやったのか、その辺についてお伺いします。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 先ほど申し上げましたように、警察官出動要請書というものは、郵便局長から署長あてに五十四年一月一日付の日付で出ておるわけでございます。その要請書の内容も、本日、全逓信労働組合及び全国一般労組員の郵便事業に対する業務妨害が予想されるので、警察官を派遣し、排除していただきたいというような要旨のものでございます。しかし、警察といたしましては、こういう事犯につきまして、要請があったからといって、すぐおっ取り刀で出るということではございませんで、やはり署独自で判断した上で、しかるべき段階で出すときには出すしというふうなことでございまして、今回のこの事件も、あくまでも主体は署長の判断というものが中心になりますが、具体的に事件処理に当たる人員の編成といったものにつきましては、当然県警といろいろ相談をした上で事犯に当たった、こういうことであろうと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 非常に時間がありませんので、十分掘り下げるわけにいきませんけれども、まだこういうトラブルも起こらない、しかも警察の方では、いわゆる全逓の労使関係に絡んでの労使の問題である、こういうことを把握しながら、その問題が起こらない前に事前に待機しているということ自体が、いわゆる団交をしようとする労働者側に対する権力の圧力として受け取られるのではないか。これは正常な労使慣行を守る立場ではなかろうと思うのですが、その辺についてはどうでしょうか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 大臣がお答えいたしましたように、労使間の問題は、あくまでも両者の良識ある一つの交渉といいますか、そういうことによりまして円満に解決される、これが本筋だと思いますし、そういうことを警察も絶えず期待しておるわけでございますけれども、残念ながらそういう正当な労働運動というものを逸脱したいわゆる行為につきましては、警察としては厳正にこれに対処するということでございます。したがって、個々のケースにおいていろいろでございまして、やはり労使間の問題、いろいろ秘術を尽くして、いろいろのケース、ケースにおいて、両者において話し合いが行われるということでございましょうが、その間、やはり一つのルールがあるわけでございます。そのルールに外れ、そこに暴行あるいは公妨、いろいろな現象があれば、それはそれぞれしかるべき規律、判断によりまして処置する、こういうことでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 逸脱したと言われましたけれども、一月一日までの労使の間で何が逸脱したか、具体的に指摘していただきたいと思います。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 これは御承知のとおり、その後ですね。一日以降で二人の方を逮捕しておりますけれども、それまでは、要すればそういう違法事態に発展するおそれがある、ピケを張る、それを阻止するというふうなことでおそれがある、そういう際には事前に、要するに情報収集その他、そういう違法事犯に至らないように警戒措置に当たるというのは、警察としてもまた当然の措置でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 これは私は非常に重大な問題をはらんでいると思うのですよ。おそれがあるということで警察をどんどんと出動させられたら、そういう事態の中で労使の交渉なんかできませんよ。何か交渉の中から具体的な事犯が出てきて、初めてそこで警察がこれに関与しているというなら話はわかりますよ。何にも出ていない。そういう中でどんどんと警察入れられたら、むしろこれは挑発じゃないでしょうか。そして脅迫じゃないでしょうか。そういう点をはっきりしなければ、一体民主主義というものはどうして守れるんですか。その辺に対する一つの見解をお聞かせ願いたい。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 今回の事案は、ただいま警備局長から答弁いたしましたように、あくまでも当該郵便局長からの出動の要請があって、それにこたえて警察が出動しておるわけでございまして、警察が独自の判断で、要請もないのに出動したということではございません。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 それじゃ、要請があればいつでも出動するということですか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 このケースの場合は、先ほどお答えしましたように、三回にわたりまして、局長から署長に対して、文書あるいは電話、口頭で要請があるというふうな状況でございます。しかし、要請があって警察官が待機しましたけれども出ないというケースもございます。それは、それぞれのケース、ケースに応じて対処しておるというふうな実態でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 それでは、この一月三日に起きた事件について、一月三十日に総評全国一般の会津支部委員長と、それから会津若松地区労の内海という事務局長、この二人が突如として逮捕されたわけですが、この逮捕の理由、あるいはその理由についてどういう判断がなされたのか、お聞かせ願いたいと思います。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 一月三日午前九時ごろでございますが、会津若松郵便局の仮局舎の二階の庶務事務室内におきまして、総評全国一般労働組合福島地方本部執行委員長等八名の人が、局長に対しまして面会要求を行い、同所で応対しました郵便局の庶務課長が、これを断ったわけでございます。それに対しまして被疑者らが、課長、同じく警戒任務に従事しておりました郵便局の会計課長に対しまして、腕をねじ上げる、背広を破る等の暴行を加え、両人の職務の執行を妨害し、さらに被疑者らは強いて局長に面会するということで、施錠してありました局長室のガラス戸を揺すぶって外しまして局長室にゆえなく侵入し、部屋で執務中の局長に対して腕をねじ上げるなどの暴行を加え、またこれを阻止しました局の会計課長に対しましても顔面を殴打するなどの暴行を加え、よって本人に傷害を負わせて局長なり会計課長の公務の執行を妨害した、こういう容疑でございまして、この件に対しましては、福島県警察としまして、本年一月三十日でございますが、被疑者二人を公務執行妨害、傷害、建造物侵入の容疑で逮捕した、こういうことでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 警察の話を聞いていると、何かはだ寒い感じがします。やはりいままで八海事件、松川事件等いろいろな事件ででっち上げがなされたというのは本当だなという感じがします。  というのは、かぎをしてあったのをこじあけてなどと言っておりますけれども、会津若松の郵便局は御承知のようにプレハブで建てた仮舎でございまして、ちょっと力が入ればあくような仕組みになっているわけです。そして、三日に回答すると約束しておきながら、それを庶務課長あたりに今度はいよいよ回答をもらいに来たと言えばそれを断る。こういうような団体交渉にも応じない、約束も全然守らない、三日にやるからというので行ったのに、それが家宅侵入罪になったりあるいは公務執行妨害になったり、まことに不思議な問題だと私は思うのですよ。それはあなたもわからないんだから、もっと現場というものを厳しく調査すべきだと私は思います。  しかも、一方的に暴行を加えたと言っておりますけれども、最初会計課長がひじで小椋という人のくちびるを打って、そのためにくちびるが切れて血が出たのですよ。それでかっとなって、暴行というほどのものでもなし、相手は何の傷も受けていないわけですよ。ところが、その被疑者の方から今度は会計課長に対して告訴が出ているはずですが、その告訴の方は全然取り合わないで、一方的に暴行を加えたということで逮捕に踏み切ってきた。このことは全く理解できないのですが、ひとつ御説明を願います。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 実は一月三日にこの被害届が警察に提出されております。それで両人の逮捕は一月三十日ということでございまして、その間相当の、二十七日間ほどの時間的な余裕があります。この種事件につきましては、委員の御指摘のとおり詳細なる現場検証、その他関係者の目撃証言等を含めていろいろの素材を集めて、これは裁判官の令状をもらって令状を執行して逮捕しておる、こういうふうな手続を踏んでおるわけでございまして、おっしゃるようにでっち上げということは絶対ございません。裁判官の令状で適正に執行しておるということでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 その裁判官の令状でございますが、少なくとも勾引するにはそれなりの理由がなければならぬと思うのです。その理由が満たされておったでしょうか。どういう法律に基づいてやったのか、お聞かせ願いたいと思います。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 容疑事実の内容及び被疑事実につきましては先ほど申し上げたとおりでございますし、罰条についても申し上げたとおりでございまして、そういった疎明資料に基づいて裁判官が令状を発したということでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 勾引の理由ですよ、私が聞いているのは。すれ違いの答弁をしないでください。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 ちょっと勾引という言葉が私も理解があれでございましたが、逮捕したのが三十日でございます。それで二月二日に釈放になっております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 その逮捕の理由は、本人が住所不定だとか逃亡のおそれがあるとかあるいは証拠隠滅のおそれがあるとか——そういう逮捕の前に呼び出して事情聴取をするとか、そういう手続はなかったのですか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 委員のおっしゃることは勾引ではなく勾留と思いますが……(渡部(行)分科員「はい、勾留です」と呼ぶ)勾留につきましては、もとよりこれを請求しております。その間いろいろの過程がございまして、準抗告等がありましたが、結果的に裁判官の判断で準抗告及び執行停止の申し立て、こういったものが認容されまして、その後、準抗告の棄却があって釈放になっておる、こういうことでございます。  それから、勾留の理由でございますが、これは刑訴法にはっきり一、二、三号と明記されておりまして、おっしゃるとおり住居不定あるいは証拠隠滅、そういった事由があった場合に勾留できる、こういうふうになっておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 時間がなくてとても議論できないのですが、これも事実は非常に違っておると思うのです。これは準抗告が却下になったというその事実によってもはっきりすると思うのです。  それから、これは法務省に聞いた方がいいと思うのですが、検事が準抗告をして、そのときの補充書の内容ですけれども、これも非常に事実と違ったことが書かれておるわけです。これは検事そのものが直接的に取り調べて書いたのではなくて、恐らく警察署から上がってきた書類を通して書いたのだろうと思いますけれども、これも非常に事実と違う点が書かれておるわけです。たとえば先ほども私が申しましたように高校生をピケで入局をさせなかった、あるいは警察の出頭要請に対し言を左右にして応じなかった、こういうような内容が、全く事実と違ったことが書かれておるわけです。一体こういう内容というのはどこから聞いたものでしょうか。

河上和雄法務省刑事局公安課長

○河上説明員 本件については、先ほど警察庁の方から御説明がございましたが、一月三十一日に事件が警察から検察庁の方へ送られてきまして、御承知のとおり身柄事件、こう言っておりますけれども、逮捕された被疑者と一緒に一件記録、これは被疑者あるいは被害者の調書、目撃者の調書あるいは実況見分調書、捜査報告書、資格のある司法警察職員がおつくりになったものですが、そういったものの一件書類がついてまいりますので、捜査の初期の段階ですから、検察官は被疑者を取り調べると同時にその警察でおつくりになった一件書類を調べ、それらの資料に基づいていろいろな疎明をする、こういう仕組みになっておりますし、本件の場合もそういう仕組みでやっているわけであります。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 時間が大体参りましたので、最後にお伺いしますが、逮捕された方々に対して、私の知っておるところでは差し入れが大分入ったそうですが、この差し入れば全然本人に渡されないで、渡されたものは毛布一枚である。その他食料品やあるいは本などを差し入れされたそうですが、それはただ受領証に拇印を押させて、そして後はロッカーに入れられてしまった。そして釈放のときに一括して渡されたというようなことがあるようですが、一体これはどういうことでしょうか。そういうことはやっていいのでしょうか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○鈴木政府委員 差し入れの件でございますが、この差し入れにつきましては、刑訴法あるいは被疑者留置規則等にそれぞれ詳細な規定がございまして、これに基づいてそれぞれの警察署は間違いのないように適確にやっておるということでございます。  差し入れにつきましては、留置場の差し入れば警察のそれぞれ委託している業者がございまして、そこでつくった弁当を食べてもらっておるということでございます。このケースでも一人からガムだ、こっちの一人からパンだ、いろいろの人がいろいろの差し入れがあったようでございます。そういうことで署の方でもこれはまとめて差し入れしてくださいよというふうなことをお願いし指導したりしたというふうなケースもあるようでございますけれども、いずれにしましても、糧食の差し入れにつきましては、留置場の秩序維持の問題もございますし、また留置人の保健衛生というふうな点もございますし、糧食が安全確実に行われるということもございますし、いろいろの点から地元警察署の指定する業者を通じてそこの糧食を差し入れてもらうというのが被疑者留置規則、その他による警察の処置でございますので、御了承願います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 時間が参りましたので、とにかくお答え願っていることと私の方で調べた事実とが大分食い違っておるようでございますが、これ以上追及するわけにもまいりませんので、最後にお願いしておきたいことは、最近の警察官は非常に品位が落ちてきておる。釈放するときに、おまえらまた郵便局にお礼参りなどするとすぐにしょっ引くからな、こういうことを言って釈放しておる。これはもうまさに暴力団扱いでございます。こういうような警察官の言動、私は全く遺憾に思うわけですが、これからこういう問題、その他事実に反するような報告のないように十分御指導願いたいと思います。  以上申し上げまして、私の質問を終わります。

藤波孝生自由民主党

○藤波主査 以上で渡部行雄君の質疑は終了いたしました。     〔主査退席、稲葉(誠)主査代理着席〕

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)主査代理 次に、安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 長官、この三十分は一年のうちでただ一度気がねなしに北海道の問題に集中してお尋ねできる唯一の機会です。ひとつアットホームな気持ちで伺いたいし、そういうことでお答えをお願いしたいわけです。  まず大臣に伺いたいのは、新しい開発計画が去年スタートして、いわゆる総合環境圏構想というのが押し出されてきているわけです。その中でいま二つの観念といいますか、そういうようなものが立ちあらわれてきているような気がいたします。  その第一は、例の大平首相の田園都市構想とでもいうもので、この間うちのこの委員会での審議の中でも明らかになったことは、構想というよりも政策理念みたいなもので雲かかすみのようなものだというようなことにはなっておりますけれども、これがどういうふうな形で開発計画の中にあらわれてくるのか。  それからもう一つは、地方の時代とか地域主義とかという新しい言い方が最近なされてきている。私は、むしろ集権化から分権への方向が強まっていき、それによって地方が見直されていくという、それが具体化されていく、そういうことの方に期待をつなぐわけなんですが、いま田園都市構想というのと地方の時代という二つの観念といいますか、そういうふうなものが立ちあらわれてくるこの段階における北海道開発の進め方、それについての大臣のお考えをまず伺います。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 ただいま安井さんのおっしゃられたように、私は、やはり地方分権という国のこれら進んでいく方向、そういう点に立って田園都市構想なり北海道開発計画というものを見直していく時代に来ておるという御指摘に対しては全く同感であります。でありますから、この田園都市構想もこれからの北海道開発計画の中で具体的にどう取り上げていくかということも、これから十分各方面の意見を聞いて検討してまいりたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 その田園都市構想というのは余り具体的なものではないのですね。北海道開発の進め方の中においてそれが何かもう少し形のあるものであらわれてくるということになるのですか。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 御指摘のように、田園都市構想というものは一つの政策理念だ、こう位置づけておるわけでございまして、これをどう具体化するかということは目下関係各省庁の間で作業を詰めておるわけでございます。自治省でやってまいりました広域生活圏、それから定住圏という考え方も出てきておりまするし、そういったものをばらばらにやられるのではどうにもなりませんから、各省庁で十分に意思の統一を図って、そして統一的な考え方のもとに順次これを具体化してまいりたい、こういうふうに考えておるわけです。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 私は、地方の時代というのもスローガンだけではだめなんで、大臣は自治大臣でもあられるわけですが、そういうものにふさわしい政策を予算の中にもあらわしていただかなければならぬと思います。むしろ北海道開発庁というのは、北海道における道という自治体、市町村という自治体を束ねた自治体の事務局みたいな役割りで、自治体の側が自治権を行使していくことによるさまざまな要求をそこで束ねた国に要求をし、予算化していく、むしろ北海道における自治体の事務局のような立場をもう少しきちっとしてお進めをいただければいいと思うのですが、どうですか。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 私は、考え方としては安井委員と全く同感でございます。同じような考えを持っておる。そうなくてはならぬと思っておりますが、現実は言うまでもなくそうなっておらないわけです。ですから、そういった方向にぜひとも持っていきたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 中央の政策を自治体に押しつける、そういう役割りというのをあべこべにしていただくというのがまさに地方の時代にふさわしい考え方で、大臣、そういう言明ですからこれから期待しておきます。  そこで、五十四年度の北海道開発予算は、全体計画の第一年度としてどのような達成率を期待しているのか。  時間がありませんから、ついでにまとめて伺いますが、この五十四年度予算による雇用の確保あるいは景気の浮揚、そういうことについて具体的な数字の見通しをお持ちですか、それをひとつお示し願いたいこと。それからもう一つは、地元負担が問題で、総額がふえただけ地元負担がふえているわけです。それから、道、市町村、各団体に分けてどんなようなふえ方になっているか、これをひとつ数字でお示しをいただきたいと思います。

吉岡孝行北海道開発庁総務監理官

○吉岡政府委員 最初の御質問の来年度予算による雇用なり景気への効果の問題でございますが、五十四年度の北海道開発予算全体としまして約七千億、五十三年度の当初予算に比較しまして約二二%の伸びとなっているわけでございます。そういう意味で、北海道経済というのは、公共事業に対する依存度が非常に大きい性格を持っておりますので、そういう意味からも、この予算というのは、北海道における雇用機会の拡大、景気の浮揚というのに大きな効果が期待できると考えているわけであります。  それで具体的な数字でございますが、雇用創出の効果がどの程度になるかということでございますが、これは算出が非常にむずかしいわけでございます。事業の種類なり、工種、工法なり、工事期間等いろいろありまして、一概に算定することができないわけでありますが、過去の平均的な数値等を使用していろいろ推計した数字がございます。それによりますと、五十四年度の労働需要量は、これは現場における直接の労働需要量でございますが、前年度に比較しまして約百八十万人目増加するという数字が見込まれております。これが雇用効果の数字でございます。  それから、北海道の景気に対する影響でございますが、御承知のように北海道経済というのは、造船なり鉄鋼等のいろいろ不況業種を抱えていることもあり、それから米の生産作付調整等が行われている。それから二百海里問題等があるということで、日本全体の景気に比べていろいろ立ち直りの度合いが弱いわけでございます。ただ、最近やはり公共投資の効果というものがあらわれてきまして、この公共事業関連業種を中心に北海道経済にも明るさが広がってきているというのが実情でございます。それと先ほど申しましたように、北海道における公共投資の割合が非常に大きい。これはちょっと古い数字になりますが、五十一年の実績で見てみますと、北海道全体における総固定資本形成に占める一般政府投資のウエートですが、これが三〇・五%ということで、全国はこれに対応する数字が一九・四%ということでございます。そういうことで、最近の景気の動向とも比べて、この五十四年度予算というものがさらに大きい力となってこの景気の振興に役立つものとわれわれ考えているわけでございます。  それから、その次の地方負担の具体的な数字でございますが、五十四年度の北海道開発事業費の予算は、全体で六千九百九十八億でございます。これに伴います地方負担額は、全体として二千八百九十三億円で、その内訳は、道が千四百七十四億円、市町村が九百三十四億円、団体等が四百八十五億円ということになっております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 第一年度としての位置づけ、相対的な実質的な開発の目標に対する達成率はどういうふうにお考えですか。

吉岡孝行北海道開発庁総務監理官

○吉岡政府委員 先ほど申し上げましたように、五十四年度予算は、これは名目値でございますが、総額で対前年度約二二%の増になっておるわけでございます。ちなみに、新計画におきまして計画しております計画期間内の政府投資の年平均伸び率、これは実質でありますが、七・二%というのを予定しておるわけであります。そういうことですので、明年度開発予算の伸び率は、物価の上昇等の要因を考慮しましても、計画で見込んだペースを相当上回ることになっておる。それから内容的にも多目的ダムなり、農業基盤などの新規事業が数多く採択されており、それから苫小牧東部なり、石狩湾新港等の港湾整備等も着実に進めるとともに、住宅なり下水道、その他生活関連事業等にも十分配慮したもので、量的にも内容的にも新計画を軌道に乗せるに十分な開発予算が計上されておる、こう考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 ただ、内容的に、生活関連、そういうようなところに私はもっともっと力が入れられていいのではないか、道民生活の安定、向上をもう少し考えていいのではないかという意見を持っておりますけれども、きょうは時間が十分ありませんので、いまおっしゃった景気回復への寄与ということに関連して伺いたいのは、去年はかなり予算の前倒しということで公共事業をやったのですが、五十四年度は余り早期発注は急がないというふうに伝えられているようでありますが、その辺はどうなのか。  それから、最近道交法の改正等もあって建設資材の値上がりがかなり激しくなってきているという情報もあるわけでありますが、これらについてどういうふうにとらまえていますか。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 予算の執行面における前倒しの件につきましては、政府全体として景気の動向をにらみながら、必要があれば前倒しもやるという姿勢で現在経済の推移を見守っておる、こういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 資材の方は、実施官庁じゃないからあれかもしれませんけれども、予算は決まったけれども、最近の資材の値上がりが私はちょっと心配なわけですよ。そういう点もこれから特に配慮してもらいたいということだけ言っておきます。  そこで、全体的な計画の中の非常に大きな要素を占めているのが例の苫東開発計画であります。私どもは、あそこだけにすべてをつぎ込むような姿勢にも疑問を持つわけでありますけれども、いずれにしても、計画の中で、あるいはまた予算の中でも大きな要素を占めていることは間違いないが、しかし、不況深刻化の中で基本計画は完全に破綻したということになるのではないか。石油と鉄の一大コンビナートという、それは大きな問題が出てきたのではないかと思います。長官はこの間北海道に行かれたときも、五十四年度内に見直すという言明をされているようでありますが、政府の新経済社会発展計画もできた際でもありますが、その見直し作業はどういうふうになっているのか、その点伺います。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 御指摘のように、苫東の基本計画が当初策定されたのは昭和四十六年でございますから、その後に石油ショックが起き、予想もしなかったような長期不況が続いておる、こういう状態でございまして、確かにその当初つくった基本計画はもはや現実とはマッチしない状態になっておることは、これはだれが見ても明らかであります。したがって、私はそういった新しい事態に対応する計画の見直しというものが必要だと判断をしておるわけでございまして、関係各方面とも協議しながらできるだけ速やかな機会に見直しをやってまいりたいと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 それはいつごろまでになさろうと考えているのか、また用途地域の変更というところまで踏み込んだ見直しであるのか、それを伺います。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 計画の変更でございますから、これは各方面の意見を聞いて、あくまでも現実に可能な、そしてまた現地に適切な、そういった案に仕上げていきたいと考えておりまして、その時期はどうかと問われますと、ただいまのところ、いついつまでという答弁をするところまでは実は固まっておらないわけでございますが、私としてはやはりできるだけ早い時期にその作業を進めるべきだと考えておるわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 一応承っておきます。  そこで、具体的な問題を一、二伺っておきたいと思いますが、北電の電力料金の問題が一つあります。  昨年石油輸入の、例の円高差益の還元を私どもは強く主張してまいりましたが、北電を除く八電力会社はたしか二千六百億円を上回るくらいの還元をし、五十四年度は値上げをしないという約束もできたと覚えています。しかし、北電は石炭火力依存で、還元どころか、資本の償却負担の増大という事情もあって、下手をすると赤字になってしまうというような状況であったようです。本年度の予算で政府も十億円ちょっと北電に出すというような予算を組んでおられるわけでありますが、これで料金の値上げがなしにいけるのかどうか、これが北海道民の素朴な心配であります。政府はどういうふうな指導を北電になさろうとするのか、それを伺います。

上杉一雄資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○上杉説明員 お答え申し上げます。  御指摘のように、北海道電力につきましては、最近あるいは今後非常に収支が苦しくなっていくことが見通されるわけでございますが、その理由はいろいろございまして、御指摘のように資本費が増加するというのが一番大きな理由でございますが、一面この北海道電力が割り高になった北海道炭の引き取りという国策に協力している、こういうのも原因となっております。したがいまして、この石炭問題に関連いたしまして五十四年度の政府予算で十億円ということが計上されたわけでございますが、もとよりこれで十分だとは、あるいは問題解決したとは私ども考えていないわけで、ことしの六月を目途に、もっと追加すべき施策はないか、可能な施策はないかということで、関連業界とも協議しながら検討してまいりたいというふうに考えております。  料金問題につきましては、料金の値上げというのは非常に影響するところが重大でございますので慎重に考えるべきだともちろん基本的に考えておりますけれども、いま申し上げました対策がどうなるか、こういった結果を踏まえまして、あるいは北海道電力の今後の収支がどうなるかということも見合わせながら、十分慎重に考えていきたいというふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 北海道という地域は、地域が広くて将来への開発の可能性を大きく持っているということ、しかしその反面、寒さとかそういう数々のハンディキャップも背負っているわけです。だからこそ北海道開発法があって、北海道開発庁という役所があるわけなのです。そこで、日本じゅうのホープという北海道の役割りを果たすためには、電力が安いという一つの魅力をむしろつくっていかなければ生産は伸びていかないと思いますね。さらにまた、円高差益に頼って北海道以外の人は安い料金をエンジョイできるが、北海道の道民だけが高い電気料金を払わなければならないというのでも、これもたまらないわけであります。ですから、いま御答弁がありまして、十億円ぐらいのお金を出したからと言われるけれども、これは電発にも石炭の関係ではやっていることなので、別に北海道だけの特殊な措置ではないと思います。ですから、その結果がどう出るかということであります。電力の再編成くらいの大きな考え方がそこですぐ簡単に出てくるとは思いませんが、しかし、そういうようなところまでいかなければ解決しないのではないかというふうな気もいたします。少なくも新しい財政措置をやるというところまで踏み込まなければ結論が出ないように思うのですが、その辺どうですか。

上杉一雄資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○上杉説明員 新しく政府の財政措置を講ずべきであるという御指摘でございますが、もちろん国がどういうことができるかということもあわせまして慎重に検討したいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 これは長官、一通産省だけの問題ではないと思うのですよ。大きな政治問題になってくる問題だと思いますので、北海道開発庁としても大きな関心を持って、政治的にもあるいは行政的にも御措置願いたいと思うのですが、どうですか。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 全く御意見のとおりでございまして、私の直接の所管ではございませんが、北海道全体の開発というものを考えた場合に、電力料金が安定しておるということはもう基本の条件の一つでございます。しかも、北電は御案内のようないろいろなハンディキャップを抱えておるという現状でございますので、これの根本的な解決に向かって関係各方面とも十分協議をしながら、これは政治的に取り組んでいきたいと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 北海道のエネルギーの問題、まず石炭ですが、これは非常に苦しい状況にありますが、これはこれ、さらにまた最近はどこかで新しい石油の可能性が出てきたというような報道もあって心楽しいわけでありますが、さあどういうことになりますか。  それからもう一つ、地熱の問題の可能性を私どもは忘れるわけにはいかぬと思うのです。濁川などの計画も進んでおりますけれども、もう一つ層雲峡の白水沢の開発の問題、これも開発庁もいろいろ調査をこれまで進めてきた経過もございますし、それから北海道も道営発電を計画してもよいというところまで来ているのにもかかわらずペンディングのままであります。どうも資源エネルギー庁と環境庁との間の調整がなかなかつかないのが原因だというふうに伝えられておりますけれども、これは両省庁から問題点を解明していただきたいと思います。

木内貞夫資源エネルギー庁公益事業部火力課長

○木内説明員 先生のお話しのありましたように、北海道は白水沢地点につきましての地熱開発の計画を有しておるわけでございます。このため北海道は、環境保全調査を含むいろいろな調査を実施するとしており、また当省に対しましても環境ボーリングを中心に環境事前調査をやってください、こういう要請を出されております。通産省といたしましては、地熱発電は貴重な国産エネルギー、また電源の多様化に資する、こういう観点から積極的に開発を進めておるわけでございます。北海道のこの計画につきましても推進してまいりたい、こう考えておりますが、白水沢地区につきましては、先生のお話がありましたように大雪山国立公園の特別地域に属するわけでございます。したがいまして、環境保全にも十分留意する必要がありまして、今後環境庁と十分調整してやっていかなければならないか、かように考えておる次第でございます。

中島良吾環境庁自然保護局保護管理課長

○中島説明員 お答えいたします。  国産エネルギー開発の重要性につきましては環境庁も十分理解しているところでございますが、地熱発電所の建設につきましては、一般的には、発電力量が非常に小さいにもかかわりませず、自然環境の改変面積が非常に大きいといったデメリットがございまして、また発電所ですとか冷却塔ですとか、いろいろな付帯施設が必要になってまいりまして、こういった工作物が、自然景観の非常にすぐれた場所に工場といったような大きな人工物が現出することになりまして、自然環境といいますか、自然景観の保護上非常に調整がむずかしい問題だと考えているわけでございます。そういった点から、環境庁といたしましては通産省と協議をいたしまして、当分の間、国立公園なり国定公園なりにおきましては地熱発電所の建設は見合わせようという話し合いができているわけでございます。  それで、この白水沢地区につきましては、大雪山国立公園の特別地域内でございまして、特別地域といいましても第一種特別地域に該当しているわけでございまして、発電所建設行為が自然景観と調整を図る上には非常にむずかしいのじゃないかという現状の考えを持っているわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 自然はかけがえのない大事なものだと思います。したがって、環境調査を十分やってだめなら仕方がないし、たとえこれをクリアできても、北海道には環境アセスメント条例ができました。ですから、もう一つのハードルがあるわけですね。それができればようやく計画がスタートというわけなんで、その最初の調査がうまくいくかどうかもわからないうちに、環境庁と通産省との間で何かごたごたしているのじゃないかというふうに地元では受け取られているわけですよ。その辺が困るので、環境アセスメントの法律の方は環境庁が出すというのに通産省が反対しているし、これの方は通産省がやろうというのに環境庁が反対している。どうも何か話がややこしくなってきているように思うのですが、それじゃ電源特別会計の中の予算で六地区の調査をやるという中に白水沢は入らないのか、入るのか、その辺は通産省、どうですか。

木内貞夫資源エネルギー庁公益事業部火力課長

○木内説明員 お答えいたします。  電源特会におきます環境ボーリングの予算につきましては、五十三年度の予算の中で一応計画の中の一つとして考えておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 三十分またたくうちに過ぎましたから終わりますが、大臣、この地熱開発の問題もクリーンエネルギーの開発ということで非常に大切な問題だと思うので、開発庁としてもぜひ関心を持っていただきたいと思いますが、どうですか。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 十分な関心を持って対処してまいりたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)主査代理 以上で安井吉典君の質疑は終了いたしました。  次に、野村光雄君。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 私は北海道選出の代議士でございまして、当然北海道をだれよりも愛する、こういう立場から、北海道開発庁長官でもありますし、また自治大臣でもあります澁谷国務大臣に、当面する北海道開発の重要課題につきましてお尋ねをいたします。  まず第一にお尋ねいたしたいことは、苫小牧東部大規模工業開発につきまして、ただいまも先輩の委員が触れておりましたけれども、先般長官みずから東部開発を御視察賜ったわけでございます。そこで、この苫小牧東部開発の基本計画を見直しをなさるというお考えの発表がございまして、いままで国家的大事業として現地で進めてまいりました北海道道民は、その見直しという問題に対しまして少なからず不安を抱いておりますのが偽らない現況でございます。  そこで、確かに計画以来思わぬ石油ショックという事態を迎えまして経済不況の波を受けてきたわけでございまして、その計画そのものが遅々として進まない、こういうところにいまジレンマを来しております。その中で一番の企業の立地問題、これが用地は買収したけれどもなかなかやってこない。こういう現況は、長官おいでになりまして目の当たりにごらんになってこられたと思いますが、この見直しということは企業の立地そのものに対してもあきらめた、こういう考えの立場に立っての見直しということなんでございましょうか。その点の基本的な問題、その点の構想というものを地域住民のため、北海道のために、もう少しこの際、長官として明らかにしていただきたい。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 私の言う見直しという意味は、企業立地を断念したという意味では全くございません。私は、基本的には、北海道のこれからの総合的な発展のためには企業の誘致を積極的にやらなければならぬ、こういう立場に立っておるわけでございます。ただ、御指摘のように、石油ショックという全く予想しない事態が起きて長期不況、そういうことで、予定しておった企業の誘致が遅々として進まないというのも御承知のとおりでございます。特に基本計画の中では製鉄関係というのが大きな柱を占めておったのも御承知のとおりでございますが、これももはや実現はほとんど不可能の状態になっておるわけでございますから、そういう点も含めて現実に適応できるような計画の見直しをやるべきだ、こういう考え方でございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 そういたしますと、時代の推移に伴って当初の鉄鋼関係、こういうものはいずれにしてもいま無理な時代だ、しかし企業の誘致に対しては前向きに断固として取り組むのだ、こういう御決意のようでございます。  そこで、これだけの巨大な国自身の開発事業でございまして、企業の誘致は、北海道知事なり道議会、また地元の市町村、こういう立場では当然努力はしているわけですけれども、いかんともしがたい。これは当然国自身の手において計画していかなければならないと思うのでございますけれども、それでは今日までどんな努力をして、どういう状況下にあるのか。この点、開発庁自身の企業立地に対する今日までの具体的な努力の結果について承りたい。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 御指摘のように、国家的な事業として、北海道開発の最大の事業として取り組んできておるわけでございますから、基本計画もできておったわけでございますし、その線に沿って企業の誘致を何とか実現したいということで、歴代の長官を中心に開発庁も一生懸命努力をしてまいっておるわけでございますが、何といっても情勢が悪いわけですね。そういうことで実現しないわけでございますが、だんだん経済も安定し、経済の基調が固まりつつありますし、そういった点も踏まえて、ぜひともこの苫東地区の企業開発が実現できるように最大の努力を傾けていきたいと思います。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 長官、歴代の長官が決意だけ述べては具体的に何もしないと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、結果をあらわさないで、これは大臣をやめたくてやめるのではないでしょうけれども、一年ぐらいでくるくるくるくる、決意、決意、決意で何年たっても終わっているのですよ。これが偽らない実態でございますが、どうですか澁谷長官、御就任になってせっかく現地へもお見えになったわけでございますから、せめて長官の任期中に具体的にこういう問題は、こういう企業の立地に対してはめどをつけたぞ、結果が出たぞと、もうそろそろこれぐらいのことを一つぐらいやってみたらどうかと思うのですが、決意だけでなく、その点どうですか。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 激励を受けておるわけでございますが、私自身もぜひそうしたいと考えております。ただ、それが実現できるかどうかということになりますと、これはなかなか容易ではないとは考えておりますけれども、北海道は、企業誘致というものを考えた場合に、とにかく距離が非常に遠いというハンディキャップを持っておるわけですから、このハンディキャップをどう乗り越えるかという総合的な施策がまず前提になければならぬ、そういったものの解決に取り組んでいきたい、そういうふうに考えておるわけです。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 ぜひ決意だけで終わらないで、なるほど今回の北海道開発庁長官だけは北海道のために具体的な仕事を残していただいたと、こういう成果をおさめていただきたいのでございます。次に、特に自治大臣という立場でこの問題はお尋ねしたいのでありますが、御存じのとおり、地元の苫小牧市を初めといたしまして関係市町村は、この数年来の開発によりまして、特に苫小牧市あたりは、当初は八万人ぐらいの人口が今日すでにもう十五万人ぐらいになって伸びてきております。そういう中で公共事業というものをどんどんやっていかなければならない、そういうことで財政的に非常に負担が重くなってきております。このことにつきまして、昨年の予算委員会で前加藤国務大臣に私はお尋ねをいたしておるわけでありますが、その折に、この開発のために地元の市町村にできるだけ負担なり犠牲をかけない、そのためには、工業再配置促進法でありますか、新産都市法、これを幅広く運用して地元の負担を軽減したい、こういう御答弁がございました。しかし、大臣御存じのとおり、新産都市の指定が苫小牧等におきましていよいよ昭和五十五年をもちまして切れるわけでございます。そういたしますと、苫小牧市だけでも、この指定によりまして約四億円以上の援助を国からいただいておるわけでございますが、これによって切れてしまう、こういう憂き目に遭うわけでございます。この際、この新産都市の指定はさらに延長をするべきである。もしできないとするならば、それにかわる財政援助措置というものをここで明確にしていただかないと、この東部開発に伴う現地の市町村の財政が行き詰まりを来す、こういう状況になっておりますが、これらの対応策について、ひとつ自治大臣としての財政措置問題に対しての明確な御見解を賜りたいと思います。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 地元負担の問題は大きな問題でございますので、できるだけ軽減の措置を図っていきたいというのが自治大臣としての基本的な考え方でございます。それで、新産都市の指定の問題は、私としてはなお延長の措置をとりたいと考えております。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 ただいま自治大臣から新産都市に対する指定の延長、こういう前向きな御答弁が出ましたので、地元の市町村にかわりましてぜひこのことの実現をお願い申し上げて、この問題の質問を終わります。  引き続きまして、石油備蓄基地がようやく地元のコンセンサスも得まして立地の具体化に進もうといたしております。私も地元住民の一人として、この備蓄基地建設に対しまして非常な敬意を表するものであります。五百万キロリットルからの巨大な石油備蓄基地を建設するわけでございますが、先ほど大臣みずからのお言葉にもございましたとおり、特に鉄鋼、造船会社の不況の時代で、すぐ間近に室蘭市を控えておりまして構造不況の波を受けております。そういう中で、この建設に当たりまして、特別な技術的な問題は別として、可能な限り、この構造不況に悩む地元の企業、労働者をぜひ最優先的に使うべきだ、こういう基本的な考えで、今後この石油備蓄基地の事業主体等に対して長官としての積極的な示唆と御配慮をいただきたい、するべきだ、こう考えますが、この基本的な考えに対しましての長官のお考えをお答えいただきたい。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 結論としては、もう全く同意見であります。さなきだに北海道は構造不況を抱えて雇用問題で非常に悩んでおるわけでございますから、この石油備蓄基地の建設に当たっては、当然地元の産業、地元の労務者、これを最優先に使用しなければならぬと考えております。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 前向きな御答弁をいただきましたので、次の問題に移りたいと思います。  次に、室蘭市の白鳥大橋の建設でございますが、これは再三にわたり現地の市からも陳情がございまして、さらにまた国自身も数年来積極的な調査費等賜っております。しかしながら、いまだにこの白鳥大橋の建設時期というものが明確に示唆されていない段階であります。そこで、ただいまも触れましたとおり、特に室蘭というのは鉄鋼の町でございまして、この白鳥大橋に対しましては四車線ということで、白鳥大橋だけで鋼材が約二万トン、関連道路の仕事に対して一万四千トン、約三万四千トンからの鋼材を使い、鉄骨も一万五千トンでございますか、さらにセメントが五万トン、コンクリートが十三万五千トン、労働人員もいろいろな試算をいたしました中からお聞きいたしますと、大体金額にいたしまして百三十二億円、これくらいが労働賃金として支払われるようになるのじゃないか。そういたしますと、ざっと五年間これがかかるといたしましても、白鳥大橋だけで労働人口が延べにいたしまして百三十二万人、関連道路等は五十万人、こういうことで約百八十二万人からの労働者が必要になる。そういたしますと、一日平均ざっと千二百十七人くらいの労働者が必要、こういうことになるわけでございまして、地元で計画的にいま前向きに調査費等をいただいております白鳥大橋を一日も早く着工していだたくことが最大の構造不況の打開策の柱になるのではないか、こういうことで、この白鳥大橋というものを構造不況に打ち沈む地域の救済事業として、ぜひひとつ早期に着工に踏み切っていただきたい、こういう考えを持っておりますけれども、長官といたしまして、この苦境に悩む室蘭市の実情に対応して、これらの早期建設に対する御決意と御見解のほどを承りたいのであります。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 先般現地に参りまして、市長を初め関係者からも、この白鳥大橋の早期着工、特に不況産業で非常に困っておるわけでございますから、それに対する対策としても、御指摘のように一番適切な仕事である、こういう陳情を受けてまいりました。まさに対策としてはこれ以上の対策はないと私も考えております。ただ、これがいつ着工できるかどうかということは、もう少しで調査の結論が出るようでございますから、その調査の結果を待ってひとつ取り組んでまいりたいと考えます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 調査の結果待ち、結果待ちと言っておりますと、これまた歴代開発庁長官が、さっきの苫東の企業誘致の問題じゃございませんけれども、決意表明だけで終わる可能性がございますので、私はぜひ長官の任期のうちに着工のめどだけはひとつはっきりしていただきたい。ことし着工ということには当然いかないと思いますけれども、調査を待って行うというのでなくて、長官自身としては、この苦境に悩む地域住民の救済対策のためには、少なくとも明年なら明年、遅くとも明後年なら明後年に着工するんだ、それを基本として調査活動をさせる、こういう考えに立たない限り、調査をしているうちに五年たった、十年たった、これではならないんですよ。いま窮状を救済するという長官の使命から言うと、私はもう少しはっきりしてもらわなければいけない、いつから着工するんだということを前提条件として調査活動をする、こういうふうに考えを改めていただきたいのですが、どうでしょうか。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 なかなか御期待に沿うような答弁ができないのはまことに遺憾でございますが、従来の調査と違って、昨年からは現実に橋をどうかけるか、またかけるのが適切かどうかという本体に向かっての調査が始まって進行しておるわけでございますから、これはその場のがれの調査の結果という、そういう気持ちで答弁申し上げているんじゃありません。調査の結果が間もなく出てくるわけでございますから、その結果を見て前向きに取り組んでいきたい、このように考えておるわけであります。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 繰り返すようですけれども、大臣の任期中にめどだけははっきりしていただきたい。これを地元の住民にかわりまして繰り返しお願いをいたしておきます。  次に、千歳空港の国際化の問題、これは大臣も、北海道開発庁長官としてもぜひ関心を持って進めていただきたいのでありますが、これに対しましては、空港の運送需要の動向でありますとか、同空港の処理能力でありますとか、飛行場の周辺地域の状況でありますとか、特に千歳の場合は軍民共用の飛行場でもございます。いろいろな問題があるとは思いますけれども、せめて税関、検疫、出入国管理等の付帯施設、こういうものはむずかしくとも、さしあたりできる課題から手をつけていただいて国際化をぜひ早期に実現を図っていただきたい。これが第一点。  それから次に、冬季間の滑走路の整備の問題でございますが、大臣も御承知のとおり、私もしょっちゅう千歳空港を利用させていただいて毎週往復をしておる一人でございます。ちなみに、冬季間の欠航状態をぜひ長官に知っていただきたい。五十二年の十二月から三月までの四カ月間で欠航いたしましたのが一千六十六便ございます。五十三年、すなわち去年の十二月とことしの一月、たった二カ月間で六百二十二便欠航しておる。そうしますと、二年間にわたる六カ月間を合わせますと、千六百八十八便欠航いたしております。これはちょっと聞いただけでびっくりするような状態でございます。そのうち欠航の一番多いのは滑走路の状況が不良だ、こういうことで、千六百八十八便の中で八百二十五便欠航いたしております。暴風雨でありますとか、台風でありますとか、これは乗客の安全第一でございますから欠航してもあたりまえです。やむを得ない。しかし、私たちがしょっちゅう利用させていただいて、天候が全くいい。雲一つない。しかし、悲しいかな滑走路が凍結状態のために離着陸ができないのだ。これは滑走路自体の問題であって、私の素人考えですけれども、運航上だれが考えても心配ない、こういう状況でありながら大幅なこれだけの欠航をいたしておるわけでございまして、科学的ないろいろな対策で金さえかければ改善できるものが、航空業に携わる人が苦労しながら欠航しておる。この改善は早急にやるべきだ、この国際空港化と滑走路の整備対策について御所信を承りたい。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 前段の御質問に対しましては私もお説のとおり考えておりまして、前向きに努力してまいります。  後段の問題は私の所管外でございますので、それぞれの担当者が来ておるようでございますから、そちらから答弁をいたさせます。

松井和治運輸省航空局監理部長

○松井説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘いただきました千歳空港の欠航状態の件について申し上げます。  ただいま先生御指摘のとおり、二カ年間で千六百八十八回の欠航をいたしております。これを欠航率で申しますと八%ということで、かなり高い率でございます。その中で、先生の御指摘のございました滑走路の状態の不良によるものが約半分を占めておるということで、この解決につきまして、この空港は御承知のように防衛庁管理の空港でございまして、滑走路の氷を解く、あるいは除雪するというのは防衛庁が行っておるわけでございます。私どもも、もちろん民間航空機の部分については責任を持って除雪あるいは解氷を行っておりますが、防衛庁と共同いたしましてこのような欠航を少しでも少なくするように現在話し合いをしておるところでございまして、二月の十九日までしか実績が出ておりませんが、幸いに二月は比較的凍結による欠航は少なくなっておるというふうに考えております。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 最後にもう一つ北海道新幹線の問題だけ聞きまして、時間でございますので終わりたいと思います。  端的に申しまして、青函トンネルが、五十七年をめどといたしましていよいよ開通、完成するように承っております。本来でございますと、青函トンネルの開通と同時に北海道新幹線も開通するということが理想的でありますけれども、しかし、先ほど来言っておりますところの経済のいろいろな不況、こういうものの中から非常に計画がおくれておるようでございますけれども、この問題につきましても、すでに五十四年度の予算におきまして、環境アセスメント調査というものに対しまして五十億ほどの予算計上がなされております。そういうことで前向きには取り組んでいらっしゃいますけれども、この問題に対しましても、長官がぐるぐるとかわって、そのうちそのうちと、きょう私がお尋ねする課題は歴代長官が決意表明で終わった問題でございまして、せめてそのうち一つくらい、明確に何年度をめどとして着工に踏み切りたいというのを出してもいいと思うのですが、長官、これも決意に終わらないようにひとつ御答弁をいただきたいのです。

澁谷直藏国務大臣(国家公安委員会委員長)(北海道開発庁長官)

○澁谷国務大臣 御指摘の問題は整備五線の問題でございまして、これの解決は大きな政治課題になっておるのは御承知のとおりであります。  問題は財源でございまして、予算編成の中で政府・与党の間でこの問題をどうするか大変な議論をやったわけでございますが、結論としては、御承知のように財源のめどがつき次第着工するということで一応結論を出しておるわけでございまして、しからばこれからその財源をどういう方法で調達するかということを詰めていかなければなりません。しかし、いずれにしてもこの整備五線をやめるというわけにはまいらないわけでございますから、それこそ前向きに財源の調達方法について、私も北海道開発庁長官、こういう立場でこれは真剣に取り組んでまいりたいと考えます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村分科員 繰り返すようでございますが、北海道道民にとりまして非常に大きな課題ばかり、いま長官の決意を含めながら、関心の深い問題を道民にかわりましてお尋ねをいたしたわけでございます。私も、確かに今日の置かれているわが国の経済、いろいろな問題から考えまして一朝一夕にいかない問題ではありますけれども、しかし、何年たっても、先ほど来申し上げておりますように決意決意で長官が入れかわっていく、歴代の長官が実績を残さない、ただ決意表明の長官で終わるという悪評がいま出かかっておりますので、ぜひひとつ新長官は具体的な成果を道民の前に示していただきたいことを心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)主査代理 以上で野村光雄君の質疑は終了いたしました。  これにて警察庁及び北海道開発庁に関する事項についての質疑は終了いたしました。     —————————————

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)主査代理 次に、会計検査院所管について審査を進めます。  まず、会計検査院当局から説明を求めます。柴崎会計検査院事務総長。

柴崎敏郎会計検査院事務総長

○柴崎会計検査院説明員 昭和五十四年度会計検査院所管の歳出予算案について説明申し上げます。  本院の昭和五十四年度予定経費要求額は八十一億七千六百八十八万四千円でありまして、これは日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく本院の一般事務処理及び検査業務を行うために必要な経費であります。  いま要求額の主なものについて申し上げますと、  一、人件費として六十八億二千八百三十万円を計上いたしましたが、これは総額の八十四%に当たっております。これらのうちには、会計検査の充実を図るため、調査官二人、一般職員八人を増置する経費も含まれております。  二、旅費として五億七千八百四十七万五千円を計上いたしましたが、このうち主なものは、会計実地検査旅費が五億六千百四十万六千円、外国旅費が六百十九万三千円であります。  三、施設整備費として四億三千三百八十三万一千円を計上いたしましたが、これは庁舎別館増築及びこれに伴う改修工事費であります。  四、その他の経費として三億三千六百二十七万八千円を計上いたしましたが、これらのうちには、検査の円滑を図るための会計検査活動費三千二百三十三万円九千円が含まれております。  次に、ただいま申し上げました昭和五十四年度予定経費要求額八十一億七千六百八十八万四千円を前年度予算額七十五億九百九十六万円に比較いたしますと、六億六千六百九十二万四千円の増加となっておりますが、その内訳について申し上げますと、一、人件費において四億二千百七十九万三千円、二、旅費において六千七百三十二万三千円、三、施設整備費において一億八百六十八万七千円、四、その他において六千九百十二万一千円となっております。  以上はなはだ簡単でございますが、本院の昭和五十四年度予定経費要求額の概要の説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)主査代理 以上で説明は終わりました。     —————————————

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)主査代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。東中光雄君。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 会計検査院の検査の実施の結果についていろいろお聞きしたいと思うのですが、きょうは電電公社関係について若干お伺いをしたいと思います。  私、ここに「日刊電通情報」というのを持ってきておるわけでありますが、これは五十四年一月一日号でございますが、その一面の「主張」に「現場管理機関長は出勤して管内の指揮をとれ」というのが書いてあるわけであります。その「主張」の一番最後には「ボーナスも受け取り、例年どおりに、年度末出張も”キチッと”実施する手固い姿勢」こうある。「手固い姿勢」というのはわざわざ横に点を打ってあるわけですが、「を崩さない「現管幹部」は、せめて年末の業務指導を、出勤して実行すべきでしょう。」というのが結論であります。いわゆる空出張というのがずいぶんあるのではないか。特に管理者でのそういう問題が非常に起こってきておる。  これはある電話局でありますが、局長、次長が職員を連れて平日にゴルフに出ている。それから、勤務中に自動車の免許を取りに学校へ局長、次長がそろって行く。あるいは出勤状況が、朝何時に来るのか、大変乱れておる。こういう状態が、管理者のモラルというだけじゃなくて非常に問題になっておるわけです。この職場は、電電公社の言う労務問題指定局ということで、逆に労働者側に問題があるようなことに扱われておるわけでありますが、管理者問題指定局にしなければいかぬような状態ではないか。こういう乱れた職場といいますか、こういうものに対する検査、あるいは公社内における監査といいますか、そういうものは一体どういうふうになっておるかということをお聞きしたいわけであります。

岩井毅会計検査院事務総局第五局長

○岩井会計検査院説明員 お答え申し上げます。  まず、私どもに関係のございます件といたしますと、空出張があるではないか、このような点が一番の問題かと存じますが、私ども、検査に当たりましては、一応電電公社の各機関の経理状況というものは検査はいたしておるのでございますが、何分、私どもの担当いたしております電電公社の検査対象個所と申しますと非常に数が多うございまして、本社ですとか通信局、この辺でございますと毎年の検査はやっておりますが、通信部、都市管理部程度でございますと二年ないし三年にせいぜい一度程度、それからただいまお話のございましたような電話局等の末端の現場機関になりますと、きわめて数が多いために、ほとんど検査が徹底していないというのが実情でございます。また、検査に当たりましても、能力上、悉皆検査というのが非常にむずかしゅうございまして、勢い抽出検査ということにもなりますので、ただいま御指摘のありましたような空出張等があるかという点につきましては、まことに遺憾でございますが、必ずしも的確に把握していないのが実情でございます。  その他の点につきましては、ちょっと会計経理とは関係ございませんので、承知いたしておりません。  以上でございます。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  電電公社では、現在、電話局その他の機関を入れまして約二千五百機関ございます。これに対しまして一般監査と現金監査という監査を行っております。一般監査は大体全電話局につきまして二年に一回は通信局の監査部から監査が行われる、現金監査は年一回は行われる、このように行っております。  先生いま御指摘のような問題は、予算あるいは財務会計に関する問題及び服務の厳正さを保つという問題に関連がございますが、これらにつきましては、いま申し上げました監査の機会にできるだけ十分な監査をいたしまして、不適正な問題については報告をする、このような仕組みになっておりますが、ただいまお話しの空出張等の問題につきましては、現在まで報告が出るような事態は、いまだわれわれとしては認めておりません。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 これはある電話局でありますけれども、勤務時間といいますか、いわゆる平日に、局長、次長それから庶務係長、こういった十人を超す人がゴルフに行っておる。もちろん休暇をとって行っておる人が大部分だと思いますけれども、こういうのは、休暇をとらぬで出張で行っておる人がおるのかどうか、それは私はつまびらかにしませんけれども、土曜と日曜に行ったというならまた別でありますけれども、木曜と金曜に行っておるというようなことが起こっておるのですけれども、そういうものは電電公社では容認されていることなのか。そういうことについて、それはいいことだ、いいことじゃないけれども容認しておく、そういう程度のものなのか、そういうことはやるべきでないという姿勢でおられるのか、そこらは、公社の方はどうでしょう。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  職員及び管理者双方に所定の休暇がございます。その休暇中にいろいろな趣味とかスポーツ等をやるということはあると思いますが、勤務の時間中にそのようなことを行うということは、これはもう絶対にあり得べからざることでございまして、もしそのようなことがあった場合には、これについてはもちろん公社として、いまお話しのように容認するというようなことはございません。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 時間が余りありませんので、次にお伺いしますが、接待といいますか、夜間の飲み食いが管理者によってずいぶんやられておるということで、明くる日は二日酔いで遅く管理者が出てくる、そういう状態があるということを聞いているのですが、私の聞いたのでは、昨年この電話局では、六月二十一日に地区の会計監査の接待が料亭でやられておる。六月二十二日、再び地区の会計検査が、今度は料亭じゃないですけれども、スナックでもないが、とにかくやはり接待が行われておる。七月一日には、管理職七人が料亭で宴会をやっておる。七月五日に、局長、次長、庶務課長が、これは一種のクラブでありますが、行っている。こういう状態がこの局では起こっておるわけですけれども、こういう接待というのが、特に会計監査地区から、上から来た会計監査の接待というのは検査院で昨年ずいぶん問題になりましたが、電電公社の中でやっておるということになれば、いよいよ乱脈をきわめていくことになると思うのですが、そういう点はないとはっきり言えるか、これはなくすべきであるとはっきり言えるか、その点はどうでしょう。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  先生いまお話しのように、昨年、会計検査につきまして検査院が非常に厳正な措置をとられるようになったわけでございますが、電電公社の監査におきましても、私どもとしては精神としてこれと全く同じ気持ちでおりまして、監査の機会に部内者同士で接待をしたり受けたりすることは絶対ないようにというふうに厳しく指導いたしておるところでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 そういう料理屋とか、それからその他のクラブとかというところから請求書が来る。それについて決裁をして支払いをしておるというのが各局にたくさんあると思うのですけれども、そういう場合に、部外折衝という項目でやっておるのがずいぶんあるように思うのです。部外折衝ということで局長や次長が飲むということは、どういうことを言っているのかということです。そういうのは監査されたら当然わかってくるはずであります。わかってきた場合に、部外折衝ということで載っておる項目というのは一体どういうことなのかということを検査院の方にも、それから電電公社の局長にもお伺いしたいと思います。

岩井毅会計検査院事務総局第五局長

○岩井会計検査院説明員 お答え申し上げます。  会議費についてのお尋ねでございますが、私どもといたしましても、会議費につきましては、実地検査の際にその支出の適否ということにつきましては検査をいたしておるわけでございますが、何分対象機関の数が多うございますので、先ほど申し上げましたように、必ずしも満足な検査が行われていないことはおわびいたしたいと存じます。ただいま先生から御指摘のございましたように、部内者会議で料亭等で飲み食いをするというのも必要なこともございましょうが、世間の常識を超えたようなものでございますと、これは好ましいことではないというふうに存じております。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  部外折衝というのはその名のとおりでございまして、たとえば電話局とか中継所をつくるという場合に、住民パワーとかそういうことで国民の理解を求めるということが最近非常に大事になっております。そのような場合に、時としてはそれらの代表者の方々と懇談をして、電電公社の事業に理解を求めるということにつきましては、部外折衝費ということで支出を認める、このような仕組みになっておるところでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 打合懇談会、大口加入者懇談会というのがちょいちょい出てくるわけですが、そういうのはどういうことですか。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  これも電電公社ではいま商品の販売ということで黒電話機以外の各種商品というものの販売に非常に力を入れておりますし、また、データ通信とかそういう商品につきましても非常に熱心な販売活動をしております。あるいは例の公衆電話、赤電話を引き受けてくださっている方々の集団というものに対してもいろいろと御理解を得る、このような機会に会議打合費というものを使うということにつきましては認められております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 その打合費というのは当局内の打合費ですか。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 説明不足でございましたが、もちろん外部のお客さんあるいはそうした公衆電話会の方々との懇談あるいは打ち合わせということでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 白々しいことを言うのはそれぐらいにしておいてもらいたいと思うのですが、実情は、局長、次長あるいは庶務課長その他関係者が労務対策と称して、いわば引き続き何回も飲んでいるという状態が現場に起こっています。  たとえば、私ここに若干の資料を持ってきておりますけれども、こういうのがあるのです。これは請求書ですが、料理八万円、酒九千六百円、ビール一万一千二百円、サービス料一万八十円、手みやげ二万一千円、合計十三万一千八百八十円。これは三月の段階でのものです。ところが、料理も酒もビールもサービス料も手みやげも同じ内容の請求書が約半年ほど違って同じ料理屋から来ている。そしてまた違うときに、同じ内容の請求書が今度は違う料亭から来ているという資料を私たまたま手に入れたわけであります。これは一体どうなっているのだ。こういうことがいま局長の言われているようなことでまかり通っておるのだったら、電電公社はどうして電話料の値上げなどということが言見るのだということになりますよ。そういう問題について監査に行っている会計監査が、今度は逆に招待を受けている。招待を受けておって、その招待費についての監査ができるわけがないじゃないですか。そういう実情になっておるという認識は、あなた方の方には全然ないわけですか。そういうことはあり得るということなのですか。そこらはどうでしょう。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  同じ電話局の中の管理者職員が会食するとかいう場合は、もちろん個人負担をすべきであるというふうに私ども厳しく指導しておりまして、そういう問題につきましてはむしろ監査のかなり重要な項目としてこれまでも監査をしてまいりましたし、また現在も指導しているところでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 具体的に局名を挙げてやることを私はいま控えておりますけれども、こういう情報というのは単なるうわさでやっているのじゃないわけです。国会でただしておるわけでありますから。そういう状態が、必ずしも特定のというだけではなくて、ある程度一般化しているというふうに私たちは見ています。そういう点について、電電公社として姿勢を正すという方向をとるのか。あなたが先ほど言われたようなきれいごとで、販売のために必要があるから、それの打合会議をやって、あるいは折衝をやるために飲むんだ——電電公社というのは国家資本でありますし、完全な独占企業ですね。完全な独占企業で、そして国家企業であって、それで、販売のために今度は得意探しに一杯飲んでやるというふうなことは、これは常識では考えられやせぬじゃないですか。そういうことを普通の競争相手のある企業と同じような感覚でおるとすれば、これはあなたの局長のところまで腐敗しておるということになってきますよ。そういう点はどうでしょう。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  先生のいま御指摘のような問題につきましては、今後とも厳正に監査の対象として十分目を行き届かせるようにいたしたいと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 それに関連しまして、非常に奇妙なことは、普通の工事電話局で、タクシーの使用が非常に多いわけですね。タクシーの使用というのは、料金電話局は別にして、普通の工事電話局の場合に、どういう場合にそういう必要性があるのか、どの程度のものなのかというふうに電電公社の局の方では考えておられますか。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  一番具体的な例を申し上げますと、いま電話の交換取扱者が女子でございますが、これが十時に勤務を交代するというような制度になっておりますが、このようなときには、大体順路によって、ほかに交通機関がございませんので、タクシーを雇い上げて順次自宅に送り届ける、このようなことを、これはもう業務の必要上行っております。そのほか、業務の必要上、他に交通機関がない、あるいは深夜に帰らなきゃならぬ、そういうような場合に限りましてタクシーを使う、このようになっております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 そういう業務上の、通勤上やむを得ずそういう場合がある、これは絶無だとは私は申し上げません。私がいま問題にしているのは大阪関係でありますけれども、タクシーがなければ帰れないというふうなものはもうめったにないということであります。いま局長の言われたようなことだったら、そういうことはほとんどないということになるわけです。  ところが実際は、タクシーの使用というのはものすごいものになっている。それで、実情を言いますと、夜、労務関係の会議で飲む、それが打合会議ということになっている。そして遅くなるとタクシーのチケットを、いわゆるチケットをばらまくという式で渡される。だから、渡してもらって、そして、どうもこれを使うのは良心的に許されぬといって、今度はチケットを使わぬで普通の電車で帰るという人もいるぐらい。これが労務対策として使われているということになったら、私は本当にゆゆしい問題だと思うのです。  それが、タクシー会社からの請求を調べてみましたら、ある月では二百件を超している。この一つの電話局でですよ。二百十七件。金額にして一月五十七万五千七百五十円というふうな数字になっています。ある月では、昨年の十二月で言いますと、百八件、二十六万四千四百七十円という数字が出ている。これがほとんどばらまきですね。一般の従業員から聞けば、恐らくこれの一割か二割ぐらいが業務上の必要性だろう、こういうふうに一般の人は言いますね。深夜に、しかも一つ一つのチケットといいますか、一回の走行料金、これが六千円あるいは四千円、三千円。大阪市内の局の中の、近いところだったらそんなものはとてもないわけですが、深夜の、そして郊外へ帰っていくという場合に要る料金なんですね。そういう状態になっている。  これを計算してみますと、年間三百万ぐらいにはなりますね。一局で年間三百万といったら、電電公社、ずいぶん電報電話局があります。この割合でいっておったら年間五十億にもなるわけですね。これは算術計算にしかすぎませんけれども、タクシー会社がわかっているものだから、請求してくるのはわかっております。  実はこういう事態が起こっている。こういうものについての監査がやられないのですか。どうでしょう、そういうことは。

小澤春雄日本電信電話公社監査局長

○小澤説明員 お答えいたします。  公私の別をはっきりさせるということは、これはすべての基本でございまして、タクシー代その他、経費の使用に当たりましても業務上の必要性ということが決め手でございまして、そのような問題につきましては今後とも十分監査の目が行き届くように努力してまいりたいと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 これは公私混淆じゃなくて、組織的にそういうふうにやっているのですよ。これはあるべからざることを組織的にやっているから問題だと言っているのです。たまたまだれかが公私混淆して私用に公のものを使った、それはその人の個人的な問題にしかすぎないのです。私がいま言っているのは、局長やら次長やら庶務課長やら、労務対策ということで、公私混淆じゃなくて、まさにそういう公私混淆のような形で堂々と組織的にやっているというところに対してメスを入れるべきだ、そういうことは許されるべきではないということを言っているわけです。  会計検査院の場合は、そういう問題については、これは不正支出ということになると思うのですが、そういうことについての検査はやらないのですか。

柴崎敏郎会計検査院事務総長

○柴崎会計検査院説明員 深夜タクシー券を支給するということ、これはどこの官庁でもあることだと思いますが、それはやはり先生が最前からおっしゃっているように、正当な業務のために残業するとか、そして一般の交通機関がすでになくなってしまった、そのために必要上やむを得ずタクシーを使わなくてはならないというような、きわめて限定された場合についてだけ認められる事態であろうと思います。  そういう点で、私どもも、タクシー券の問題も含めまして、いずれにしましても国なり公社なりの金というものは不適正なことに使われてはならないということで、そういった面についても検査上目を向けてきましたし、今後もまたそういった心づもりで検査を続けていきたい、このように考えております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 ただ、そういう局なんかの末端へ調査に行かれるときは、事前に一月ほど前に通知をされますね。このやり方というのは、現場で見ておれば非常に不可思議なやり方になっている。そういう通知があったら、指定されたところは、それこそ徹夜に次ぐ徹夜で、場合によっては上局からおりてきて一生懸命に勤務表の書きかえをやったり整理をしたりするという状態が起こっていますね。これはみんな知っていますよ。これはナンセンスなんですね。なぜそういうことをやるのだろう。それは資料を整備しておいてもらわぬと困るから——それは資料の整備じゃなくて、その資料の改ざんの猶予期間を与えているようなものなんだ。それはある日突然来られたんじゃかなわぬから前日か前々日かぐらいに言うというのだったら、これはまだわかります。それを一月ほど前に言う。そうするとみんな寄って一生懸命に書きかえている。それでいま言ったような問題は、だから文句を言われないようにちゃんと整備をしてしまうということになって、これがはびこっているというのが現状だと思うのです。だから、その検査についての事前、しかも一カ月も事前に通知をする、そういうやり方は改めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

柴崎敏郎会計検査院事務総長

○柴崎会計検査院説明員 私どもの検査はやはり限られた人員で限られた期間にこれを実施するというような面がありますので、検査を効率的に施行する、こういうような観点から事前に通告をし——この方が、たとえば検査に臨んで説明をしてくださる相手の担当者も出張なども取りやめてそれに備えてその日に出席してくれるというようないろいろな便宜があるものですので、そこで通告制度というものをとっておるわけですけれども、しかしそれでは経理の実態が必ずしも的確につかめないというようなケースも先生おっしゃるようにございます。そういった面も考慮しまして、一部ではありますけれども現実に無通告検査というものも毎年実施をいたしております。  いま御指摘のようなお話のございました、そういったような経理につきましては、確かにそういった面も中に織り込みながら検査をしてまいらなければ実効が上がらない、このようにも考えますので、その点につきましては今後もさらに検討を加えて御期待に沿うような検査の方法というものを実施してまいりたい、このように考えております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 では終わります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)主査代理 以上で東中光雄君の質疑は終了いたしました。  次に、安藤巖君。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤分科員 私は、会計検査院の検査権限並びに検査機能の拡充強化の問題についてお尋ねをしたいと思います。  御承知のように検査院の権限の拡大に関しましては、国会で一昨年、昨年合計衆参合わせて決算委員会で三回決議がされておるわけです。これに対しまして前の佐藤会計検査院長は、権限の拡大については検討を促進する、それから政府の御協力を期待して実現に努力をしてまいる所存でございますというふうに答弁をしておられるわけです。  そこで、このほど院法の権限拡大についての改正案の要綱、これをおまとめになったということを聞いております。内容についてはお知らせをいただいておりますので知っておりますから、内容について説明をしていただかなくてもいいのですが、改正案を出すとしますと、もうあしたから三月で、三月十六日が法案提出の期限ということになっておりますので、なかなか私どもも気になっておるわけなんですが、この改正案の政府提案についての見通しはどういうようなことになっておりますか、まず最初にお伺いします。

柴崎敏郎会計検査院事務総長

○柴崎会計検査院説明員 権限強化のための院法改正の作業でございますが、私どもは先生御案内のとおりみずから提案権を持っておりませんので、政府提案か議員立法か、この二つの方途しかございません。しかし、私どもといたしましては、まず政府の御理解を得た上で政府提案ということで事を運びたい、こういうような方針で作業を続けてまいりました。  その作業の経緯でございますが、これにつきましては、私どもが権限強化ということで具体的に考えております方針というもの、これに関係する機関が各省各庁にわたっておりますということで、今日まで個別に各省各庁とそれぞれ協議をいたしまして理解をいただくということで作業を続けてまいりました。その過程におきましては、私どもの方といたしましても各省の立場等も十分にお聞きし、その上で検討を加えるということを繰り返してまいったわけでありますが、何せ検査をする者と検査を受ける者という、ある意味におきましては対立した立場のこういう両者がそこで相互に十分な理解を得る、こういうことでございますからなかなか問題が多いということで今日まで参ったわけでございます。  しかし、私どもといたしましてはあくまでも政府提案ということでお願いをしたいということで、なおかっ期限は迫りましたけれども、最後の追い込みということでさらに政府各機関との間の協議の詰めを行って、何とか三月十六日に間に合わせたい、このように考えておるわけでございます。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤分科員 いま関係省庁といろいろ協議をして理解を得たい、そのために努力をしておられるということです。いろいろ問題が多いというお話がございましたけれども、たとえばその問題の一つの例になるのかどうかわかりませんが、これは読売新聞の二月二十六日に載っておった記事なんです。たとえばということだと思うのですが、大蔵省の銀行局の見解が載っているのです。これによりますと、商社あるいは輸出業者に融資をするときは厳正に審査をしているのだ、現在でも検査院の検査の際にはこうした資料は提出している、だから検査院法の改正によっていわゆる権限拡大、融資先まで調査をするというこの改正によるプラス、マイナスを慎重に検討せざるを得ない、こういうような態度をとっておられるわけですね。  これも問題の一つだと思うのですが、いろいろ私の聞くところによりますと、たとえば政策的にいろいろ政府融資機関が金融をする、そういうときに民間の利率の低下でメリットが減っている、民間から借りることもできるのではないかということ、それから手続が複雑で簡素化が求められているというのが現状であるのに、それ以上検査を受けるということになれば借りに来なくなるのではないか、だから政策的な効果に支障を来すのではないかというような話も聞いているわけなんです。  そこで、検査の性格上から言いますと、別に悪いことをやっているからということで検査をするというばかりではなくて、一応計画的に検査をしていかれると思います。だから、そうしますと政府金融機関から零細な融資を受けている個人もあると思うのですが、あるいは法人にいたしましても、別に不正をやっているわけではないけれども、先ほどの予告というのもありますけれども、抜き打ちというのもあろうかというようなことで、いつ検査院の方の検査があるかもしれない、だからそれに対する対応の措置も考えていかなければならぬということで、相当不安な気持ちを抱く、あるいはそういうようなことなら、これからお金を借りようと思うのだけれどもやめにしておこうかというようなことになるのではないかということも十分考えられることだと思うのです。だから、権限拡大の改正案を出すについて、あるいはそれをまとめていかれるいまの過程において、検査院の方として、ねらいはこういうところにあるのだというようなことを一応納得のいくような、なるほどそういうことかというような説明をする必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

柴崎敏郎会計検査院事務総長

○柴崎会計検査院説明員 いま先生が御披露なさいました大蔵省という名前をお挙げになりましたけれども、これは新聞紙上での問題でございますが、これはひとり大蔵省だけではございませんで、今回の私どもが改正の方向として考えております点で一番問題になりますのは、やはり民間について私どもの調査の権限を及ぼす、これを法律上の権限として明確にするという点が一番問題になっておるわけでございます。この点については、私どもも各省各庁のこれについての説明については謙虚に耳を傾けて検討しなければならないことと考えております。  そこで、確かに幾つか先生がお挙げになりましたようなデメリットにつきましては、私どもも非常に真剣にこの点は考えているわけでございまして、これにつきましては実は私どもはこのように考えております。また、先生のおっしゃるように、以下のような点で、各省各庁はもとより、今度の改正案であるいはわれわれの調査対象になるであろう民間の人たちについても十分な理解を得てまいりたい、このように考えているわけですが、それは実は私どもの検査、従来たとえば融資について、融資先については、私どもの言葉で肩越し検査というように呼んでおりますけれども、要するに、われわれの直接の検査対象である金融機関等の検査に臨んだ場合に、そこの方の立ち会いのもとに、形から言いますと、そこの方が、その機関が持っているところの調査権というものの行使にわれわれが乗るような形で、その貸付先についても必要があれば実は事実上の調査をさしていただいているという分野が相当いままでにもございます。  そういった形——これはまさに民間の貸し付けを受けた人たちの協力と理解のもとに、そういう形で事実上のわれわれの仕事をさせてもらっているわけですが、中には、そういった場合にやはり法律上の規定がないということで、あからさまにこれを拒否される、そういう協力も得られない、こういう場合も実はございます。そういうようなことで、実際問題としては、われわれの検査の仕事の遂行というものは、従来の肩越し検査ということである程度の充足は得てきたわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、今後もあくまでも原則はそういう線で、貸付先の理解なり協力のもとに肩越し検査という従来からとっておる方法、つまり権限を真っ向から振りかざした形でない、実質的な、現実的な調査のやり方というものを今後も続けていきたい、このように考えておるわけです。  特に拒否を受けた場合とか、あるいは特にどうしても貸付先を見なければ疑わしいような事態があるというような場合、そういう場合にはえてして協力を拒否されるという事態にもつながるわけでございますので、そういう場合に限って権限としての調査の方法を行使させてもらう、こういうことでやってまいりたい。そういう意味合いにおきましては従来とさして変わらない。要するに、民間の方々が心配されるような点も、にわかにそういった負担がふえるということにはならないように、慎重にその得ました場合の調査権限の行使について考えていきたい、このように考えているわけでございます。  そういった意味合いにおいて十分な、私どものいままでの作業の過程においてそういった理解を得るための努力がまだ至らなかったのではないか、このように反省しているわけでございまして、今後さらに引き続き強くそういった点で理解を得るために努めて、何とか三月十六日に間に合わせたい、このように考えているわけでございます。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤分科員 いまお答えいただいたようなことで御努力をお願いしたいということを要望しておきまして、この要綱案につきましては、私どもの方もまだいろいろ意見がありますけれども、それは法案が提出された段階で、また別な機会にいろいろ議論をさせていただきたいと思います。  そこで、権限強化の以外のことで、先ほど申し上げました決算委員会でのあの決議も、定員の増加あるいは給与などの処遇の改善あるいは検査活動費の増額等々も入っておりまして、検査機能の強化拡充について行われております。このうちの全部をやっている時間がありませんので、定員の問題についてお尋ねをしたいと思います。  検査業務の主力となりますのが実地検査だということも知っておりますけれども、これは調査官の一人一人の力量が大きく物を言う場面だというふうに思います。先ほども、予算案の説明では五十四年度に調査官二名増員というお話がございましたが、現在五十三年度までは調査官の定員は六百九十五人ですね。そうすると六百九十七人になるわけですが、五十年度から見ましても、四名、二名、二名、二名というような調子でわずかずつふえておるのですけれども、こういうような定員の増加ということで調査の能力は十分発揮できているのかどうか、今後の見通しとして調査官の定員増ということを強く望んでおられるのかどうか、いかがでございましょうか。

柴崎敏郎会計検査院事務総長

○柴崎会計検査院説明員 先生も御案内のとおり、国家財政の規模あるいは財政投融資、こういったものの規模、それはあるいは五倍あるいは三倍というぐあいにここ十年ないし五年の間に急速に膨張しております。したがいまして、私どもが検査の対象とする事態も非常に多くなっているということでございますが、過去十年の間に実質上増員を得ましたのは、先生もおっしゃいました四人、二人、二人ということでございます。私どもはこういったわれわれの検査しなければならない対象の増加ということに対応するためには、私どもでかつて試算をしたわけですが、百五名の増員が必要である、こういう計数を得ております。その線に沿って毎年増員のための要求を続けてきているわけでございますが、なかなか国全体のいろいろな事情もございまして、私どもの希望だけがかなえられるという現在の国家情勢でもないというようなところで、幸いにしてことしは調査官二人という増員をいただきました。しかし、これで私どもは決して満足しているわけではございませんで、先ほどから御説明しましたような事態に対処するためにはとても調査官が不足である。現在はそれを内部努力で補っております。たとえば調査官にならない——本来ですと、調査官になるためには入庁して七年ないし八年という年月が必要なわけですが、そこまで至らない事務官やらあるいは主任というものについても、従来にも増した内容のきつい研修をいたしまして、そういったものまで、言ってみれば駆り出して検査に当たらせて、検査の程度を落とさないということに努力しているわけですが、これにも限度もあることでもございますので、やはり今後も引き続き増員ということについてはお願いをしてまいりたい、このように考えております。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤分科員 いろいろ内部努力でやっておられるということもわかります。ということは、結局は職員の方々、調査官あるいはいまお話に出た主任の方々の御努力があるわけなんですが、職員の労働強化によって相当支えられている部分もあるのではないかというふうに思うわけです。  聞くところによりますと、昨年の八月には出張先で、これは山形でしたか、調査官の方が過労のためにお亡くなりになったという話も聞いております。そこで、そういう過労によって支えられているということは大変なことなんですが、一日も早くこういうようなことはなくすように御努力を願いたいと思いますが、年齢の構成から見ましても、ことしの一月一日現在で、検査院の方からいただいた資料によりますと、調査官の方で四十五歳から五十歳未満の人が九十五人で一番多い。五年前の四十九年には、それよりも五歳若く四十歳から四十五歳未満が百十四人と一番多かったわけですね。だから、年齢的に五歳多くなっている年代が一番多いという状態、それから、ほとんど調査官の人が、全部行(一)になるわけですけれども、五十歳以上五十五歳未満の人が百七十二人と一番多いという年齢構成になっておりますね。だから、これでいきますと、八、九年から十年ぐらいの間に相当な退職者の方が出てくるというようなことになろうかと思います。  それで、もう一つの要素といたしましては、検査対象がふえてきているというのも、これも検査院の方からいただいた資料でわかっておるわけなんですけれども、昭和四十五年以降年平均で、これは検査院の内部でやっておられる区分けだろうと思うのですが、検査対象の重要な個所、Aというふうに言っておられるように聞いておりますけれども、これが年平均約三%近くずっと増加してきている。この傾向でずっとふえていきますと、これは行政規模の拡大等々でふえているのだろうと思うのですけれども、大量に退職者が出てくる八、九年から十年というころになりますと、大体現在よりも二〇から三〇%ふえていくとい4計算になるのではないか。そうしますと、そこに大量の退職者は出てくるわ、仕事の数はふえてくるわということになると、検査院はどういうふうにして対応していかれるのだろうか、これも大いに気になるわけですね。だから、先ほどおっしゃったように、一人前に調査できるようになるまでには七、八年ということになると、いまからこれにきちっと対応して、調査官の卵といいますか、そういう人たちを一人前に調査ができるように養成していくということを考えなければならぬと思うのです。ところが、これも一つの資料によりますと、その調査官の卵になる一般職員の定員の数が、四十九年度から五十三年度までの五年間で、五百四十八から五百四十五と下がり、五百四十二、五百四十、五百二十五が五十三年度というふうに、下がってきているわけなんです。だから、これはいま申し上げましたようなことからすると、全く逆になっているのじゃないかという気がするのです。だから、その辺のところを改める必要があると思うのですが、検査院としてはどういうふうに考えておられますか。

柴崎敏郎会計検査院事務総長

○柴崎会計検査院説明員 私どもの役所は、御案内のとおり戦後一挙に膨張した役所でございまして、その際に、一斉に定員を充足するために採用した職員が現在中堅ないし幹部ということで中高年齢者の層を占めているわけでございます。これらの職員が毎年のようにやめていくわけでございますが、言ってみれば頭でっかちといいますか、中だるみといいますか、そういう傾向になっているということで、これらの熟練した調査官クラスが役所を去った後の補充ということのためには、やはり何らかの方法を考えなければならぬということでいろいろ検討しているわけでございます。  その一つの方法といたしましては、そういったピークが将来五年なり十年の先に来るというときを考えて、仮に定員の一挙の増というものが不可能であるとしても、言ってみれば定数をお借りしておくというような形で、暫定定数ということでピークが去った場合にはもとの定数に戻すとかというような方法もあるいはあろうかと思いまして、そのような方法も検討し、関係当局とも御相談もしたこともありますが、これもやはり必ずしも私どもの役所ばかりがそういった状態ではない。各省各庁大なり小なり共通してそういったような傾向があるという事情もよくわかるというようなことで、なかなか私どもの役所だけがこれをお願いしてそういう措置をとるということもむずかしいというようなことでございます。  そういうことで、確かに事務官クラスの人員、定数が減ってまいりました。したがって、調査官の定数もふやさなくてはなりませんが、事務官クラスのところも大いに手当てをして将来に備える、こういうことを考えなくてはならない。そのためには、やはり何といっても定数の増員がなくてはどうにもならない、こういうのが現状でございまして、そこで毎年のように増員を強くお願いしてまいっているわけでございます。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤分科員 そこで、検査院としては増員の要望を毎年毎年強く出しておられる。それから先ほどは百五名増員してほしいということを要求したということもいまお聞きしたのですが、検査院の職員に関しては、いわゆる行政管理庁の方の定員管理の枠の中に入っていないものですから……。大蔵省からも来ていただいていますね。  そこで、この定員増の問題について大蔵省にお尋ねしたいのですが、いまお聞きのとおりなんですね。だから、これは大蔵省の方からもしっかり目を開いていただく必要があると思うのです。しかも、先ほども言いましたように、これから調査官になる人を養成していく、調査官の卵の一般職員として入ってこられるわけですが、その定員がだんだん減ってきているわけなんですね。となると、先ほど言いましたようなことで、退職者は出てくるわ、仕事はふえてくるわというようなときに、ちゃんと一人前に調査をできるような人を養成していくという意味からすれば、一般職員の定員はいまのうちに大幅にふやしておく必要があるのではないかと思っているわけですね。そういう点からすると、目を見開いていただく必要があると思うのですが、その点はいかがでしょうか。

川崎正道大蔵省主計局主計官

○川崎説明員 お答えいたします。  検査院の検査機能の強化ということにつきましては、大蔵省といたしましては従来からも十分に配慮してきておりますが、特にこの五十四年度の予算におきましては、先ほどから話が出ておりますように、定員の増加ということにつきましても格別の配慮をしております。調査官を二名のほかに一般事務官を八名、合計十名の増員を図っております。そのほか検査旅費につきましても、五十三年度の五億八百万から五十四年度におきましては五億六千百万円、さらに検査活動費、これはことしの検査院の重点の御要求でもございましたが、この検査活動費につきましても、五十三年度の千七百万から五十四年度三千二百万円と千四百万円、伸び率にいたしますと八四・一%という非常に高い伸びで伸ばすというようなことにしておりまして、大蔵省といたしましては、検査院の検査機能の強化ということについては十分な配慮をしておるところでございまして、その点、御理解を願いたいと思っております。  それから、ただいま先生の方からお話ございました将来の展望で、調査官を平準化していくという点でございますが、これは定員の問題と申しますよりも、どちらかと申しますと人事管理上の問題が多々あるかと思います。その点につきましては、まず検査院におきまして十分に御検討願いまして、それを待ってまた措置をしていきたい、このように考えております。  先生御承知のように、行政改革、行政の合理化ということが非常に言われておりまして、各省庁定員は非常に厳しく抑制されております。増員どころか、むしろ削減という省庁も多々ある中で、検査院の定員を十名増加しておるということは相当の配慮であるということも御理解願いたいと思いますし、今後定員事情は、なお厳しい事情が続くかと思います。そういうことで、検査院の定員を一挙にふやすということはなかなかむずかしいかと思いますが、検査院の方でも人事管理上のいろいろな御配慮を願うその過程におきまして、大蔵省といたしましても十分に御相談にあずかってまいりたい、このように考えております。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤分科員 時間が来ましたので、これで終わりにしますけれども、大蔵省の方からはなかなか色よい返事をいただくわけにはまいらなかったわけで、詳しいことは申し上げる時間がなくなりましたが、検査官の検査の中身も相当質的にいろいろ多方面にわたっておりまして、いままではそればかりではなかったと思うのですけれども、たとえば積算の間違いだとか、あるいは道路をつくるときにコンクリートよりもアスファルトの方がよかったとかいうようなことではなくて、これは五十二年度決算検査報告の概要で、中を見る時間的な余裕がありませんが、たとえば国鉄の輸送力増強の問題などで新しい設備をつくるというようなときに、その設備をつくるための土地の収用の問題とか、あるいは新しい機械を入れたときのその操作についての労使間の合意の問題とか、そういうような点についてもきちっと配慮をしなかったために、せっかくの設備をつくってもそれが十分稼働しない、あるいは効果的に動かされていない、こういうような指摘もなされているわけですね。これは非常に結構なことだと思うのです。こういうような指摘をするには相当しっかりとした知識も要りますし、それから判断能力も要ると思うのです。だから、そういうような調査官を育てていただくということが必要だと思うのです。事務総長さん、少ない人数で限られた期間にどうこうということは、先ほどの東中議員の質問に対してもいろいろお答えになっておられましたし、それから先ほど来私がいろいろ申し上げておりますような状況になったときの手当ても、大蔵省の方は、それは人事管理で何かやってもらえるのじゃないかというようなことを言っておられるのですが、やはり基本的に人をふやす、しかも、そういう人たちをいまのうちにたくさん採用して養成しておく必要があるという状況にあると思うのです。  そこで、私はお尋ねしたいのですが、財政法第十九条というせっかくのいい規定があるのですから、ひとつここで、これは国会の審議にゆだねることになるわけですから、一遍その辺のところをしっかりと利用して定員増という要求をしっかりお出しになるという、いまもうそういう時期に来ているのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。これをお尋ねして質問を終わります。

柴崎敏郎会計検査院事務総長

○柴崎会計検査院説明員 言ってみますれば、会計検査院の強権発動ということでございますけれども、やはり私どもも国家機関の一つでございますし、行政機関の一つでございます。したがって、国全体が現在置かれている状況も十分に考えながら、しかも私どもの願っているところに一歩でも近づいていく、こういう努力を続ける、こういうことで従来も措置してまいったわけでございますし、また今後もそういうことでやってまいりたい、このように考えております。  と申しますのは、あの規定は、ある意味におきましては、平たく言いますと、会計検査院に与えられました伝家の宝刀でございますので、みだりに行使するものではない。十分に慎重に考えた上で行使をすべきである。このように従来から、新しい会計検査院法ができましてから、ずっとそういうことでまいっております。確かに私どもいろいろとつらい点はございますけれども、しかし、国全体の中で考えていった場合には、果たしてどうであろうかというようなことも慎重に考えなければなりませんので、そういったことでまいったわけでございます。また、そういうことで、この規定の発動につきましては慎重に扱ってまいりたい、このように考えている次第でございます。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤分科員 終わります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)主査代理 以上で安藤巖君の質疑は終了いたしました。  これにて会計検査院所管についての質疑は終了いたしました。  次回は、明三月一日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時五十九分散会

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