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87回国会衆議院1979/02/21

予算委員会 第16号

発言数
445
登壇者
42
会派数
5
開催日
1979/02/21

会議録

竹下登自由民主党

○竹下委員長 これより会議を開きます。  昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、一般質疑を行います。市川雄一君。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 私は、雑豆すなわち小豆、インゲン、エンドウ、ソラマメ等に関するIQ制度、輸入外貨割り当て制度につきまして、この制度に関連して生まれる調整金あるいは差益金の使い方等について、農林省あるいは通産省に御見解を伺いたいと思います。特に、安い輸入の豆がなぜ国内で三倍近い価格にはね上がるのかという問題をお伺いしたいと思いますが、雑豆の中でも外貨割り当ての一番量の多い小豆に話をしぼって順次お伺いをしていきたいと思います。  最初に、雑豆の輸入を自由としないで、なぜ外貨割り当てで輸入量というものを抑えているのか、この点、通産省並びに農林省のお考え方をお伺いしたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○江崎国務大臣 国内の農家保護、それから価格安定というような意味でそういう形になるわけですが、私、資料もないわけではありませんが、事が実務的な細かい話になりまするので、時間の節約を含めまして、政府委員からよく御納得のいく答弁をさせたいというふうに思います。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 小豆につきましては、御承知のように北海道を中心といたしました畑作農家がつくっているわけでございますけれども、その国内品と外国の品物との値段の格差が相当ございますので、それによりまして国内の畑作農家が打撃を受けるということを保護するために外割り制度をとっておるものでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 特に小豆の場合、農林省ではいまおっしゃられたような理由から国産の小豆の収穫量を予想し、その収穫量にあわせて輸入量というものを考える、こういう需給計画をお立てになっているようですが、輸入量をコントロールするためにおやりになっていると思いますが、これも同じ理由からですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 雑豆の需給計画というお話でございますが、需給計画と言うほどりっぱなものでございませんですが、需給推算というものをやっております。要するに国内生産量あるいは消費見込み量、在庫量というようなものから需給推算を行いまして、それで国内で不足する分を輸入したい、こういうことでやっておるものでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 なぜやっているかという理由をもっと端的にお伺いしたがったのですが、先ほど大臣から生産者の保護、価格安定という御答弁がございました。もちろん生産者を保護することは結構なのですが、これは農林水産大臣にお伺いしたいのですが、農林省というのは生産者の保護だけで、消費者の立場というのは全く考慮しないでおやりになっているのかどうか。そんなことはないと思いますが、その点はどうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 農林省は、そんなことはございません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 当然だと思いますが、通産省に確認したいのですが、通産省も、農林省が守ろうとしている生産者の保護、これにあわせて外貨の割り当てをおやりになっていると思います。これはやはり生産者だけの保護じゃなくて、当然消費者という立場をお考えであろうと思いますが、どうですか、確認のために。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○江崎国務大臣 もとより消費者の立場も考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 そこで実態のお話に入りたいと思いますが、大ざっぱに言って、私の調査したところによりますと、本年二月上旬の、台湾から入ってくる小豆でございますが、これは現地FOB価格でトン当たり十万八千九百円から十一万八百九十円。ところが、これが日本に入ってきますと、東京輸入雑豆市況の相場でこれを見ますと、トン当たりで二十七万九千八百八十八円、二・五二倍から二・五三倍に値段が上がっておるわけです。さらに、これが消費者あるいは実需家に渡るまでには中間の経費やマージンが入りますから、一般消費者に渡るときにはもうちょっと高い値段になって渡るのだろうと思うのです。これで単純な計算をしますと、トン当たりで十七万から十八万近い値上がりをしておるわけですけれども、こういう実態について農林省、通産省は御存じなのかどうかという点をお伺いしたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 先生がいまお挙げになりました数字、精密にはあれですが、大体そういうことだと私どもも考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 もう少し具体的なお話をこれからしたいと思いますが、まず、これは小豆だけではなくて、肉もそうでしょうし、落花生もそうでしょうし、あるいは生糸も、いま国が訴えられていますから、そういう意味ではそういう実態があるのだろうと思うのですが、向こうのFOB価格が非常に安いのに三倍近い値段で国内で販売される。もちろん生産者の保護ということは非常に結構ですけれども、消費者の保護という立場がそういう意味では全然考えられていないのじゃないかと思うのです。こういう点について、農林大臣あるいは通産大臣として、これは細かい実態にいきませんとよくおわかりにならないかもしれませんが、大ざっぱに言ってどうですか。こういうことは好ましいとお考えなのか、そうでないとお考えなのか、その点はいかがですか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 せっかくのIQの品物が、国内の保護ということが一方にあるわけですが、それがために特定な人が仮に大幅な利益を得るというようなことは是正をしていかなければならぬと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 もうちょっと具体的なお話を申し上げます。たとえば五十四年の二月一日、ことしの二月一日の話です。これは実際に取引をなさった方からいただいた資料でございますけれども、台湾の小豆を例に申し上げますと、台湾の高雄港渡しFOB単価で、一俵六十キロで六千八百四十円。これが港湾諸掛かりとか運賃、保険、関税、銀行諸掛かり、あるいは後でお話ししますが、調整金等を加えて約一万百四十五円。これが国内で幾らで売られるかということになりますと、約一万六千五百円。したがって、六千三百五十五円のもうけということになるわけですが、これをFOB単価に対する利益率で計算をいたしますと九二・九%という利益率があるわけでございます。     〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕  それから同じ日のアオエンドウマメ、これも英国の港渡しで一俵六十キロで五千七百六十円、諸掛かり、経費を含めて九千百八十九円。販売価格が、相場では一万一千三百円ですが、三百円低く売られたと見て一万一千円で計算しても、FOBに対する三一・四%の利益率がある。  それからもっと新しいデータで申し上げますと、今月の十六日取引をされたもので台湾の小豆ですが、FOB価格で一俵六十キロが八千円、運賃、保険を入れて一万一千七百八十八円、日本国内の販売価格が一万八千五百円、利益が六千七百十二円、FOB価格に対する利率が八四%。同じく十六日の台湾小豆で八九%の利率を上げているものもございます。あるいは八三・四%の利率を上げている例もございます。大体これは、受け渡し時期は二月、三月ごろからあるいは五月、先物で取引されているわけですが、こういう実態があるわけでございます。  先ほど大ざっぱな数字で申し上げましたが、こういう台湾なり中国なりから小豆を輸入している、この輸入のFOB価格に対して、輸入している商社の利益率が八四%とか八九%とかという非常に高率なパーセントを占めているのだというこの実態について承知していますか、どうですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 お答えをいたします。  民間商社の利益率が小豆の関係でどのくらいあるかということにつきましては、厳密なことを申し上げますと、いろいろ共通経費というような問題もあるとかいうようなことで、分離困難だとかいろいろ問題もあるわけでございますが、私の方もいろいろ試算等もやっておりますが、大体いま先生のおっしゃったような利益率程度のものが、私の方ではじきましても出てまいります。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 これはFOB単価に対する利益率でございます。しかし八四%、八九%、八三・四%というのは非常に高率ですよね。こういう実態を、いま私が申し上げたような数字とほぼ同じだということをお認めになったわけですが、これは望ましい価格なんですか、農林省や通産省がお考えになっている価格としては。要するに、消費者の立場を守るという立場でお考えになってこの販売価格は妥当である、こういうお考えですか、どうですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 ただいま台湾小豆の価格につきましてお話がございましたが、国内産の北海道産小豆等の価格との格差、こういう面等も考えますと、国内で最終的に、当初申されましたトン二十七万九千とかいう数字は、これは国内の相場の面から見れば妥当な線だろうと思います。ただ、御指摘のように、商社そのもののいろいろな利益といいますか、仕入れ値との関係からすれば、相当の収益があるということは、これは否めないかと思います。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘のございましたような利益があろうかとは思いますが、ただ小豆の値段といいますのは非常に変動いたしておりまして、その年によりましてかなり差があろうかと思います。  なお、国内の価格は、先ほど農林省から御答弁のありましたように、それよりもさらに高い価格、数千円が常識でございますけれども、高い価格になっておりますので、その点との競合を考えますと、国内価格としてはそういう数字にならざるを得ないかというふうに思います。(市川委員「もうけ、利幅についての見解」と呼ぶ)利幅につきましては、先ほど農林省から御答弁になりましたとおりでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 国内販売価格は、国産の状況から、その相場で決まるわけですから、価格としてはやむを得ない、しかし、この価格から考えると、利幅は相当な利益があるでしょう、こういう御答弁ですよね。  そこでお伺いしたいのですが、かつて昭和四十一年に、国内産の雑豆が非常に連続の凶作に見舞われて、そのために大量に輸入した。しかし、豆の値段は下がらないで急騰した。そのために国民から、商社が相当もうけ過ぎているのじゃないかという御批判がございまして、通産省では当時、他に適当な方法がないため現行制度を踏襲しているが、社会正義に反せざる範囲内の適正マージンで販売するように、こういう御指導をなさったというふうに聞いておりますが、今日の時点においてもこういうお考えに立っておられるのかどうか、その点をまず確認したいと思います。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 具体的な価格が、どの程度が適正であるかというふうな指導はいたしておりません。ただ、昨年の円高等の場合におきまして、円高差益を極力還元するよう要請はいたしております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 これは通産省にお伺いしたいのですが、昭和三十八年に、雑豆に関してIQ制度を適用した。昭和三十一年に施行された特定物資輸入臨時措置法という法律がございます。漏れ承るところによりますと、このIQ制度を適用した背景には、この特定物資輸入臨時措置法のいわば精神というものを踏まえてやったという経緯があるというふうに聞いておるのですが、通産省、間違いございませんか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 お答え申し上げます。  多額のそういう差益が生じる場合に徴収いたします、ただいま先生の申されました特定臨時措置法の趣旨は踏襲いたしております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 この趣旨は踏襲しておる。この臨時措置法の中には「その輸入により通常生ずる利益をこえて異常な利益を生ずると認められる」場合云々、こうなっておるわけですね。この法律の条文の中には「通常生ずる利益」という概念が一つ。「異常な利益を生ずると認められる」場合という文章で「異常な利益」という概念が一つ。それから第二条には、「その割当の申請の際におけるその者の輸入価格に適正な利潤及び諸掛の額を加えた額と国内販売価額との差額」これを取るという意味なんですが、ここで「適正な利潤」という表現というか概念が入っているわけです。これは主にバナナを対象にした法律だったと思うのですね。バナナもいまの小豆と同じように国内販売価格が高い。現地での輸出価格が非常に安い。したがって、外貨割り当てを受けますと、外貨割り当てを受けたその人たちが自動的に、労せず一かご三千円とか六千円とかという利益を生む。そういうことでは社会的公平が守れないということで、この法律をつくって適正な利潤を超えた部分についての差益を国庫に納付させようということでつくった法律だと思うのですよ。こういう法律を踏まえながら、小豆の場合もIQ制度を適用しました、考え方は踏襲しておりますということですが、この法律の中で「通常生ずる利益」あるいは「異常な利益」「適正な利潤」こういう概念が三つあるわけです。  そこで特にお伺いしたいのは、こういう法律をかつて通産省は所管した。しかもこの法律を踏まえて現在の小豆に対するIQ制度も適用された。当然この「適正な利潤」というものに対する具体的な基準をお持ちだろうと思うのですが、この小豆の場合、先ほど申し上げたような実態、お認めになった実態があるわけですが、FOB価格に対して何%が適正な利潤だとお考えですか。どうですか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 お答え申し上げます。  通常輸入商社等のマージンにつきましては、国際相場、国内相場は絶えず変動いたしておりますので、そのマージンはかなり変動いたしておりますが、具体的に何%の利益が適正であるかどうかというふうな数字は持っておりません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 そういうことでは先ほど大臣がおっしゃった消費者の立場を守るということはできないのじゃありませんか。そうでしょう。それは生産者の立場はいいですよ。われわれもそれを守ることにやぶさかでありませんよ。しかし、幾らで売られているのか、もうけ幅が異常だ、相当なもうけがあるというところまでは御存じのはずなのに、しかも、後でまた触れますけれども、これは調整金二〇%を取っているわけですよ。もうかり過ぎるから国で取っているのでしょう。国が直接取っているわけではない。農林省あるいは通産省の外郭をつくって、そこで二〇%の調整金を先に、外貨割り当ての二〇%を業者から払わして、払ったという確認を得ると業者は外貨割り当てを受けることができる。それでその外貨で輸入する。それでもこれだけのもうけの利率があるのですよ。したがって、商社がどういうマージンでやっておられるか、私たちは存じませんなんということじゃ、これは通用しませんよ。異常にもうかるのだという認識は十分お持ちなんですから、その証拠として二〇%の調整金を取っているのですから。しかもそれでもかなりもうかっているということは御存じなはずなんですから。しかもこの法律、特定物資輸入臨時措置法というものの精神を踏まえております、踏襲しております。この法律には、「異常な利益」「通常生ずる利益」「適正な利潤」という概念がちゃんとある。かつてこの法律を通産省は所管したのです。にもかかわらず、適正マージンについての基準は持ち合わせておりませんということでは、消費者の立場は守れないじゃありませんか。  もう一度お伺いします。どうなんですか、その辺の考え方。もうちょっと具体的にお答えいただきたいと思います。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 私どもとしましては、具体的に何%の利益が適正であるかというふうな数字は持っておりませんが、一般的に需給を通じまして非常に利益が拡大するような場合には、供給量をふやすという形で間接的にそういうものを減少させるという努力をしておるところでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 その話も後で触れますけれども、では、これはこういう法律をかつて所管していて、この法律の精神を踏まえたと言うけれども、全く形だけですか。「適正な利潤」とこの法律の条文に書いてある。そういう基準を持ちませんと、消費者の立場を保護するなんと言っても、これはできないと思うのですよ。輸入量をコントロールしていますとおっしゃいますが、その輸入量コントロールがまた問題なんです。これは後で触れますけれども、これは要するに国内販売価格をつり上げる効果を非常に上げているわけですが、それはまた次のところで触れることにいたします。  それではお伺いしますが、通産省の公報の五十三年五月二日号によりますと、乾燥した豆の輸入割当てについてという項目がありますが、その中で、この乾燥した豆というのは小豆も入ると思いますが、この割当てにより輸入される乾燥した豆については、輸入価格、国内販売価格、売り渡し先等について報告を求めることがあると、こういうふうに書いてあります。最近報告を求めたことがございますか、どうですか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 求め得ることになっておりますけれども、現在とっておりますのは、通関の数量をとっておるだけでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 そうすると、この輸入価格、国内販売価格、売り渡し先、この三項目ではとってないのですか。どうですか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 とっておりません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 そうすると、要するに、この乾燥した輸入の豆が幾らで売られているのかということについては、通産省は全然関心がないということですか。どうですか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 価格につきましては、小豆の価格は国内で穀物商品取引市場におきまして公正に取引され、値段が決まっております。それに任してございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 公正に取引されているかどうか、また後で触れますけれども、では、関心は持ってない、要するに公正に取引されているのだろう、そういうことですね。要するに、この国内販売価格にも関心がない。適正な利潤がどうのこうのという法文を踏まえてやったと言いながら、消費者の立場を保護するという観点からこの国内販売価格をチェックするなんということに関心がないというのは、これはちょっと問題だと思うのですがね。大臣、どうですか。これは報告を求めて、少なくともこの輸入した安い豆が異常に高くなっているのかなってないのか、これを命令で下げたり何かはできないにしても、そのくらいの関心は持つべきじゃありませんか。大臣、どうですか。そうしないと、先ほど大臣がおっしゃった消費者保護なんというのはできないのじゃありませんか。大臣、ちょっと御答弁してください。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○江崎国務大臣 生産者の保護も大事ですが、消費者の保護も御指摘のように大事だと私は思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 ですから、それには通産省で出したこの公報に書いてあるわけですよ。輸入される乾燥した豆については、輸入価格、国内販売価格、売り渡し先等について報告を求めることがあると。やらしたらどうですか。大臣、どうですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○江崎国務大臣 もとより放置しておるということではないと思いますが、御趣旨はよく体します。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 この通称IQ制度、輸入外貨割り当て制度について何点かお伺いしたいと思います。  これは正式には昭和三十八年に適用されたと聞いております。いま雑豆に関しましてIQ制度によって外貨割り当てを受けておる商社は何社ございますか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 四十五社でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 このIQ制度が三十八年に正式に適用される以前、昭和三十二年から昭和三十九年まで通産省では、当時財団法人の海外貿易振興会、現在のジェトロと言われておる前の法人ですが、ここに商社が輸入外貨割り当ての二〇%の差益金、払う側から言うと課徴金と言うべきなんですが、それを支払った後に発注書というものあるいは確認書というものをその財団法人からもらう、それを条件に外貨の割り当てをしていたという経緯がございますね。したがって事実上IQと同じことをやっていたというふうに私たちは理解するのですが、間違いございませんか、どうですか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 昭和三十九年までは外貨割り当て制度というのがございまして、お話しのように三十九年から輸入割り当てに変わったわけでございますが、その以前からやっておりました。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 この外貨割り当て制度、輸入ということですが、では、三十二年、三十三年当時の外貨の割り当てを受けていた商社は何社ですか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 その当時の資料がございませんので、何社かわかりません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 これもまた変な話ですね、当時の資料がないからわかりませんというのも。これだけ大事な問題なんです、後で申し上げますけれども。  それじゃお伺いしますが、昭和三十八年にIQによって輸入外貨割り当てを受けている商社は四十五社といういまお答えがあったのですが、これは発足時四十五社、いまも四十五社という意味ですか。それとも、発足時は何社で、いまは何社なんですか、それを教えてください。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 発足時の数字はよくわかりませんが、四十八年ぐらいには四十八社ございました。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 発足時の数字がわからないとか非常に無責任だと思うのです。というのは、これは新規参入がほとんど認められていないのです。では、だれでも小豆を輸入したい人が通産省に届け出れば外貨の割り当てを受けられるかというと、そんなことはない。ほとんど昭和三十二年当時の商社、それが三十八年のIQに移ったときも、そのままその商社が実績として認められてきて今日に至っている。新しくどこかを入れるなんという新規参入の余地は全くない。そういう四十五社なり四十八社に固定化された状態で二十数年間来ておるわけです。しかもその商社というのは、外貨割り当てさえ受ければFOB価格で八〇%近い利益率が保証されている。自動的にもうかる。そういうことを行政でお決めになったのが通産省です。そういうことを意図したわけじゃないだろうと思うのです。しかし、結果としてそういうことになっておるのですが、それを決めた当時の資料がございません、何社だったか、わかりませんなんて、そんな無責任きわまりないとぼくは思う。  それじゃ、これから、そういうことをおっしゃるならお伺いしますが、どこか新しい商社を入れますか。商社でもだれでも、台湾なり中国の小豆を買いたいという人は、どういう条件がそろっていれば入れるのですか。新規参入を入れますか、ちょっとお伺いします。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 小豆の輸入量につきましては、国内需給の差額を埋めるということで量は非常に変動いたしております。たとえば四十九年には……(市川委員「量を聞いているのじゃない、商社を聞いているのだ、扱い商社をふやすかどうか」と呼ぶ)量に関係がございますので、ちょっと申し上げます。  四十九年には一万六百トン、それが五十年には千二百トンに減りまして、五十一年には四万二千トン、昨年は四万一千トンというぐあいに、量が非常に変動いたしております。したがいまして、量が恒常的にふえてまいります状態でございましたならば、新しい業者をどんどん参入させていくということも考えられるわけでございますけれども、一たん入れました方は取りやめるわけにまいりませんので、安定的な状態にならない限りふやしていくことはむずかしかろうと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 それではお伺いします。  いま四十五社とお答えになった、四十五社を選定された基準は何でしょうか。どういう基準で四十五社にしているのですか。やりたい人が大ぜいいる中から四十五社を選定した基準は何ですか。  もう一つついでにお伺いしますが、私の調べたところでは、全部外貨割り当てのシェアというかパーセントは決まっているのです。動かない。総量がふえても減っても、四十五社なら四十五社のシェアというものは全然動かないわけです。このシェアを決めた基準、そういう何か納得するような基準をお持ちですか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 最初の参入を認めましたときには、昭和二十年代に自由化をしておりました時期が、短い期間でございましたけれどもございまして、そのときの輸入実績を持つ者、豆類等の輸入に関しまして知識と経験を持った人ということで、そのときの実績を案分して最初の割り当てを行ったわけでございます。その後は毎年の輸入実績、実際に輸入したかどうかという額に応じまして、割り当ては行っておるところでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 そうすると、毎年輸入を行っているかどうかということで、これは輸入を行っていない人が新しく入ることはできないということですね。それでこの問題も本当はもっとやりたいのですけれども、時間がありませんから……。  私の調査では、四十六社から四十八社、四十五社、この程度の変動はあったかもしれません。しかし、ふえていることはない。しかも、トップの商社を中心として外貨割り当てのシェア、パーセントも全部決まっているわけです。外割りの総枠がふえたからといってパーセントが変動するものじゃない、みんなもうかりますから。前の実績といったって、前の外貨割り当ては全部使い果たして買ってしまうわけですから、当然これは同じになるわけです。そういう意味では、シェアも変わらない。しかも四十六社の中に入ろうとすると、何かわけのわからない、さっきおっしゃったような理由ですね、輸入量がそんなに恒常的に伸びていくという見通しがないから入れないのだという一般論的な事情で入れない。そういう意味では、二十二年くらい前からほとんど四十六社で、あるいは四十五社、四十八社、その辺でずっと来てしまった。新規参入ができない、シェアも決まってしまっている、こういう状態で、しかも競争がないわけですよ。四十五社の競争があるかもしれないけれども、シェアが決まっているのですから競争とは言えないのです。しかも競争をしなくたって、四十六社の中に入って外貨割り当てさえ受ければ、これは輸入すればもうかるということで利益が保証されているわけですから、競争がない、無競争状態です。  しかも現在の四十五社の上位八社のシェアを調べてみますと、八社で六二%という市場支配率を持っているわけです。あるいはこの五十三年下期で見ても、上位八社で五九%、要するに上位の七社か八社くらいで市場支配する力、六〇%のシェアを押さえることができる、こういう実態がある。仮に上位八社が国内販売価格を大体幾らくらいにしましょうと話し合えば、これは国内販売価格は上がってしまうわけです。こういう力を持っているわけです。言ってみれば、やみカルテル的な実態がある。うわさ程度ですから、こういうところで申し上げるべきじゃないのでしょうが、どうも四十五社の中にグループがあって、そういう話し合いをしているやに聞いております。  こういう実態をこのまま放置していていいのかどうか。先ほど大臣もおっしゃった、通産省としても消費者の立場も守らなければならない。これは全然消費者の立場を守ってないじゃありませんか。こういうことをずっと二十二年間認めてきた。これからも変えないということになれば、国内販売価格というのは、これはいいようになりますよ。というのは、北海道産の小豆がいつも高値安定ですよ、農林省の保護のおかげで高値安定。これに右へならえで輸入の安い豆が国内で高く売られるのですから、当然商社としては外貨割り当てを受ければ自動的に利益がある、こういうことになるわけです。生産者の方はいいとしても、同時に商社の利益も守っているのです、この制度は構造的に。消費者の立場は全く犠牲にされている、こう言えると思うのです。こういうものをこれから放置していいのかということです。何らかの検討をしなければしようがないのじゃないかと思うのです。どうですか通産省。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 御指摘のような問題はあろうと思います。国内の畑作農家保護のために数量を制限いたしておるわけでございますから、その国内価格に比べまして輸入品が若干、数千円安い段階にはございますけれども、なお外国で買ってくる値段に比べますと、かなりの差益があろうとは存じますが、そこは調整金その他で過剰な利益をもう少し公共的な用途のために使うということで、調整金を自発的に納付をしていただくという制度をつくったわけでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 もうちょっとはっきり御答弁いただきたいのですが、自発的に調整金をいただいていますとかいうが、それだって矛盾していて、これは自発的じゃない。その調整金を払わなければ外貨割り当てをしてもらえないのですから、これはある意味では強制的です。調整金さえ取ればもうそれでいいのだという考え方では、国産の高値安定に右へならえして輸入の豆は上がって商社はもうかる。     〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕 国は調整金を取っているから、もうそれでいいのだ。結局高い豆を食わされるのは国民ですよ、こういうことを申し上げているのです。どうですか大臣、いまの御答弁では何だかあいまいな御答弁なんですけれども、これは放置していいことですか、どうですか。大臣の見解を伺いたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○江崎国務大臣 御趣旨、私聞いていましてごもっともな御指摘だと思いますよ。ただ、生産者の立場を保護するというところからこれは始まっているわけですが、十分検討をいたします。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 それで、公正取引委員会の方においでいただいておりますのでお聞きしたいのですが、事実上二十数年間、実質的には昭和三十八年IQ制度を雑豆に適用してから、要するに、いま扱っている商社は四十五社、これは動かないわけですね。ふえることがない、ずっと固定している。しかも、何回も申し上げていますが、シェアが決まっているから競争がない。外割りを受ければ自動的に利益が保証されてしまう。もちろん相場はある程度動いていますよ。そういう商社としてのリスクはあるでしょうけれども、この場合は、わりあいそういうリスクは少ない。こういう輸入商社の実態、しかも、あるグループが、上位八社で市場支配率の六〇%を押さえている。談合すればやみカルテルが可能だ。  しかも、この商社で雑穀輸入協議会というものをおつくりになっている。目的が、会員相互の共通の利益の増進となっている。商社が集まって会員相互の共通の利益の増進というのは、私はこれはやはり価格だと思うんですよ。それから雑穀輸入協議会の第十四条には、国内取引の情報交換、こういうことも入っている。こういう雑穀輸入協議会というのを商社でつくっている。そこで会員相互の共通の利益の増進と、堂々とうたっている。輸入商社が集まって会員相互の共通の利益と言えば、これはまさしく文字どおり価格の利益、幾らに価格を決めるかという、利益に話がなるに決まっていると思う。これは公正取引法違反になりませんか、どうですか。

伊従寛公正取引委員会事務局経済部長

○伊従政府委員 お答えいたします。  輸入団体で輸入物資につきましてIQのもとで輸入割り当てを受けておりますこと、そのこと自体は、これは関係大臣の承認に基づいてやっておることでございますから、独占禁止法上の問題は生じません。しかし、先生御指摘のように、もし団体の中でカルテルをやりますと、これは独禁法上の問題になります。ただ、先生御指摘の共通の利益の増進というのは、独禁法上非常に広い概念で、これが直ちにカルテルということにはなりません。また情報交換にしましても、たとえば外国の小豆の供給事情あるいはその国内の事情につきまして情報交換すること自体は、これは独禁法上の問題になりません。ただ、その情報交換が価格について協定するということに至りますと、これは独禁法上の問題になると思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 この雑穀輸入協議会は届け出された団体ですか。通産省、御存じですか。

伊従寛公正取引委員会事務局経済部長

○伊従政府委員 この団体につきましては、五十年の七月に届け出が出ております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 通産省、農林省が認可してやっていることだから、独禁法違反にはならないということなんですけれども、しかし、もう農林省、通産省公認でいわば商社の利益を保護している、こういうことになるわけですけれども。  それでは、次に農林省にお伺いいたします。時間が迫っていますので、こちらでどんどん申し上げますが、九月が小豆のとれる時期ですよ。収穫量を予想して、その収穫量と見合って、在庫も当然お調べになると思いますし、輸入量を決定されると思うのですが、この輸入量の決定というのは、いつ、だれが行うのですか。もちろん最終的には大臣がおやりになると思うのですが、輸入量の決定は、毎年大体いつごろおやりになっているのですか、まずお伺いしたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 おおむね十月と四月に通商産業省と農林水産省で協議の上、決定をいたしております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 この輸入量は事前には公表しないのですね。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 輸入量につきましては、対外的な考慮等も考えまして公表しないことといたしております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 先ほどから価格のことを申し上げますと、生産者の保護で輸入量をふやしたり減らしたりしているからやむを得ないのだ、そういうことをおっしゃっていたのですけれども、ここでも一つ問題があるのですね。輸入量をなぜ公表しないのか。対外的なことを考慮して、これだけではちょっとわからないのですが、どういう対外的な事情を考慮して公表なさらないのですか。もうちょっと具体的に教えてください。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 小豆につきましては、供給ソースが台湾、中国と非常に限られております。したがいまして、日本でこの程度買うということがあらかじめわかりますと、それに対しまして価格のつり上げその他いろいろなことが考えられるわけでございます。  それからもう一つ、最近MTNの場におきまして、輸入割り当てについての数量を公表するかどうかという問題が討議されております。その行方も考慮いたしたいと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 先ほど農林大臣にも伺ったのですけれども、IQを適用したのは決して生産者の保護だけではありません、価格の安定のことも考えています、消費者の立場も考えています、こういう御答弁だったのですが、輸入量を発表しないということは思惑が働くのですよ。国産の小豆が、北海道産が五十一年凶作だった。そうすると、凶作で国内の生産量が落ちるのですから、当然思惑で値段がぽんと上がってしまうわけです。国産が凶作ですから、ある程度ことしは輸入をふやしますよ、きちっとした数字まで言わないまでも輸入をふやしますよ、当然輸入をふやすわけですよ、そのときは。外貨の割り当てもふやす、輸入もふやす、何とか小豆の国内価格を安定させようというお考えでやっておられるのだと思うのですが、公表しないでしょう。発表しないでしょう。  ですから、結局、さあ大変だ、国内産が凶作だ、足らない、値段が上がるぞというのでどんどん値段が上がってしまう。この日本の国内の上がった値段を中国や台湾は見ておるわけです、当然国際市況で。ですから、いま幾ら輸入量を発表したってしなくたって、向こうはこっちの値段を見ているのですよ。これば上がる。上がるから今度はあわてて輸入量をふやす。台湾や中国も値段を見ていますから、多少高くはなるにしても、商社はたくさんの外貨割り当てを受けて輸入をする。それでもかなり今度は量が多いですから、利益率は多少落ちたとしても、やはり巨額の利益になる。計算だと五十億近い利益になる場合があるわけです。そうなりますと、輸入量をコントロールしています、価格の安定のためですと言っているけれども、価格の安定のために何もなっていないのです。  要するに、国内産が凶作のときは上がる。輸入の豆はそれに右へならえして上がる。だから商社は同時にもうかる。生産者は高値安定で安泰。消費者はどうなっているのですかというと全くなし。消費者対策は全くゼロ。じゃ豊作になったら値段が下がるのかというと、豊作になると今度は輸入量をぐっと減らす。なるべく国内産が売れるように、農林省は輸入を早くしないように抑えますから、豊作になっても需要期にはそんなに値段が下がらない。ですから、輸入量が少なくなっても商社は外貨割り当てでそれなりのまた大きい利益率で輸入ができる。ですから、国内産が凶作になろうが豊作になろうが、生産者はもちろん守られていますよ、高値で。しかし消費者の立場は全くないじゃありませんかということなんですよ。このIQ制度、輸入量をコントロールしていることが生産者の高値安定の擁護と商社の利益擁護に構造的にはなっているということなんです。  二〇%の調整金を取っています。この二〇%を国民に還元しているのかというのです。使い方をそこまで厳しくチェックしていますか。していないでしょう。外郭から外郭にトンネルで回っているのじゃないですか、年間百億とか五十億というお金が。農林省、通産省のOBの方が天下った外郭にお金が入って、三分の一、三分の一ずつで分けられて、大蔵省に三分の一入りますよ。あと残ったた三分の二は外郭を転々として回っているのじゃないですか、お金の動きも調べてみましたけれども。調整金は取っています、じゃ調整金は消費者に還元するために使われているのかと言ったら、その調整金も消費者に還元するためには使われていない。それで輸入量をコントロールしています、価格の安定です。価格は高値で安定しているんです。安定はしているかもしれませんが、高値で安定している。全く消費者保護という立場が考えられていないんですよ。その点について、いままでやってきた慣習、制度というものはあると思う。早急に、直ちに直せないかもしれません。しかし、これは現状のままじゃまずいですよ。何とか検討して改善をしなければいかぬ。どうですか、通産大臣。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○江崎国務大臣 十分検討いたします。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 農林大臣、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 このIQのものについては大なり小なり似たようなことがあります。問題は生産者の保護というところから一番きておるわけでありまして、これはやはり保護していかなければならない。だからと言って、生産者保護というにしきの御旗の陰で不合理なことが続いておっていいというわけにはいかない。この問題は商品取引所の問題とも関係あるんです。御承知のとおり、大豆の商品取引の総額というものは恐らく生産高のの何百倍になるでしょう。ということは、ほかに品物がないから大豆にばかりいって、ヘッジの役というよりも投機商品化するというようなこともあり得る。したがって、これは全般に絡んだなかなかむずかしい問題であります。  しかし、あなたのおっしゃることももっともな御主張だと私は思う。したがいまして、これらについてはよく通産大臣と相談をいたしまして、いますぐというわけにはまいりませんが、ひとつどういうふうにやったらうまくいくか。ただ、調整金で作用させるということもありますよ。しかし、これは国がやっているわけじゃないから、もうかりそうだから二割の調整金を四割にするとか、もうからなくなったから一割に下げるとかということは、ガットの問題から言って非常にむずかしい問題もあります。いま貿易自由化なんて言われている最中に、ここの調整金をぽんと上げてもうからなくしてしまうということは、理屈の上ではできるが、国際関係から見るとこれもなかなかむずかしい。したがって、商品取引所の問題や  いろいろな問題とも絡んでおりますので、もう少し皆さんに納得のいくようなものにしなければならぬと私は思います。したがって、これは十分に  検討さしてもらいます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 そこで、また調整金の話がいま出たわけですけれども、いま二〇%調整金取っていらっしゃるんですよ。国では取ってないと言うのですけれども、国で取っているのと同じことなんです。それは国際的な問題があるのでカムフラージュなさっているのかなと思うのですけれども、実際は雑豆輸入基金協会という財団法人、ここに二〇%の調整金を商社が払ったという確認書を添えて通産省に出さなければ、外貨の割り当てが受けられないのですから、これは国がやっているのと同じことです。  その調整金の使い方なんですけれども、先ほど御答弁の中に、調整金は取っているのです、その使い方で考えていくしかないのだ、こういう御議論なんですけれども、調整金だって有効に使われてないんじゃありませんか。大分たまっていますよ、お金が。こんなにためちゃってどうするのかなというくらいたまっていますよ。国はいま財政が赤字だ、赤字国債を出さなければならないというのに、今度は調整金はたまる一方ですよ。こういうことでお伺いいたしますが、この法的根拠はございますか。国が外貨割り当ての前提条件として二〇%の調整金を払いなさい、その払ったという確認書がなければ外貨割り当てはしませんよという、二〇%を払えという法的根拠がございますか。  それからもう一つ、適正マージンについてお答えのできない通産省が、二〇%という数字をどういう根拠ではじかれたのですか、これをお聞きしたい。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 法的根拠はございません。これは自主的に納付をしていただくという形をとっておるわけでございます。先ほどお話のございましたように、三十九年まではジェトロを通じまして納入金を受け入れ、それを国庫に入れていたわけでございますけれども、それはやはりガットの課徴金その他の問題にかかわるのではないかということで、現在の自主的な納付金という形に改めてございます。  その二〇%の根拠でございますけれども、この根拠ははっきりいたしませんけれども、三十二年当時一五%でありましたものが、その後二〇%になっております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 適正マージンは、法律でつくっておきながら、所管しておきながら、お答えができない、二〇%の根拠もありませんが、こういうことでいいんでしょうか。非常にまずいと思うのですよ。  それから、自主的とおっしゃっていますけれども、この契約書を見ますと自主的じゃありませんよ。とにかく品物が実際に取引されなかったとしても、払った調整金は返さないぞということまでうたってあって判こを押しているんですから。  それから、この雑豆輸入協会に取った調整金、このお金を三分の一法人税で大蔵省、農林省の関係の豆類基金協会ですか、そこに三分の一、あと三分の一をジェトロヘ、こういう配分方針に現在なっていると思うのですが、この決定の許可を行うのは通産、農林大臣。その通産、農林の両方の担当局長の決裁を受けなければ——雑豆輸入基金協会が決めているわけじゃないのだ、この調整金の配分三分の一は、ちゃんと農林省、通産省の許可を得て、はいこっちへ三分の一、こっちへ三分の一、こっちへ三分の一、こう決めているわけですよね。もし、おっしゃるように自主的、自発的におやりになっているというなら、財団法人雑豆輸入基金協会が農林省、通産省に関係なくおやりになることならいいですよ。そうではない。自主的にはやってないのですよ。ちゃんとお役所の許可を得てやっている。しかも、この二〇%の調整金を取るという法的根拠は全くない、こうおっしゃるわけですから、それはある程度わかるのですよ、国際的な事情を考えておやりになっているということは。しかし、それだけ莫大なお金を取りながら、結局そのお金が生きてないということを申し上げたい。これは監査だって本気になってやってないんじゃないですか。法的根拠に基づかないでこういう巨額の二〇%の差益金を取る、取ることを条件に外貨割り当てをする、こういうことは異常だというふうにはお考えになりませんか。どうですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○江崎国務大臣 先ほど農林大臣が申し上げましたように、生産者の保護から始まって、商品取引所の問題、いろいろ影響するところは多岐にわたりますが、私、繰り返し申し上げておるように、よく検討をして、御趣旨を体しながら、やはり合理化、近代化をする必要があるというふうに思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 具体的な話をすると御答弁がない。困るのですが、もうちょっと具体的にお話ししておきたいと思うのです。  結局、国が二〇%の調整金を取ることを条件に外貨割り当てをやっているということが輸入商社をスポイルしているわけですよ。国が二〇%という法的根拠もない、また基準もはっきりしないというものを平然と取っている。国でさえ二〇%取るんだから、おれたちが二〇%もうけたってあたりまえだ、こういう考えを商社に与えておるわけです。商社はもちろん、現実には二〇%以上もうけているわけですけれどもね。そうなると、生産者保護、生産者保護と言いながら、さっきから何回も申し上げておりますように、要するに国は二〇%の調整金を取って事足れりとしている。消費者の保護というのは全く欠如しているということです。財団法人雑豆輸入基金協会に幾らお金が入るかといいますと、五十一年の七月一日から五十二年の六月三十日までの一年間で五十八億七千百八十万円、こういう巨額のお金が調整金で雑豆協会に入っているんですよ。これが農林大臣認可の財団法人日本豆類基金協会に三分の一お金が行くわけですね。三分の一は大蔵省に入る。あとの三分の一はジェトロ、日本貿易振興会に行く。ここへ通産省と農林省のOBの方が理事長だ、副理事長だ、常務理事だとみんなやっているんです。しかも、取った調整金の二〇%を雑豆輸入基金協会が農林省、通産省の御許可を得て、決裁を受けて、また農林省の外郭の財団法人日本豆類基金協会に三分の一渡す、この日本豆類基金協会がまたさらに農林省の外郭である財団法人日本特産農作物種苗協会に十五億円の寄付をしているわけですよ。ここも農林省の元局長をおやりになった方が理事長でおさまっているところです。二〇%の調整金を生産者の保護のために取りました、商社はもうけ過ぎてはいけません。しかし、それは外国のガットという問題があるから、表向き国が取っているというふうにはできませんということはわかるのですが、じゃこの二〇%の調整金を消費者の擁護に還元したらどうですか、もうちょっと本気で。こういうことをやっておきながら、四十五社はそのままというのは、これは全くまずいじゃありませんか。どうですか、そういう実態なんです。生産者の保護保護とおっしゃるのですが、北海道産の小豆というのは、農林大臣も御承知だと思うのですが、要するに特産品としての味を持っているわけですよ。ですから、北海道産の小豆が凶作で少なくなったから輸入の安い豆を買ってなんという人はいないのですよ。やはり最近の消費者のニーズとしては、糖分は余り使わないという傾向がある。糖分を使いませんから、どうしても小豆の風味が味に敏感に出てくる。したがって、またますます北海道産の小豆というものが重んじられる。北海道産の小豆でなければならぬという、国内の需要が安定してあるわけです。ある意味では、過保護といっても過言ではないんじゃないか、自由化したってやっていけるんじゃないかなと思う。あるいは、もし生産者を擁護しなければならないんだったら、二〇%の調整金を全部北海道の農家にあげちゃってもいい、そういうやり方をするのだったら。全部北海道の農家に渡して、基準価格を決めて、この価格を割った場合はこの調整金二〇%で保障してあげます、それで商社を四十五社にしぼって商社の利益を保護しない、生産者の保護をすることだってできるじゃありませんか。それはどう考えますか。一〇二瓶政府委員 財団法人雑豆輸入基金協会の方から農林水産省所管の団体でございます財団法人日本豆類基金協会、ここにも資金を約三分の一ちょうだいをいたしておるわけでございます。そこで、日本豆類基金協会の方では、このいただきました差益金を雑豆の生産性の向上を初めとして、流通及び輸入の円滑化等に使用するということで、主として生産流通関係の面に使っておるということでございます。  先ほどもお話が出ました種苗協会の関係の方もございますが、日本特産農作物種苗協会、これの方も豆類等の種苗の確保というのが非常に大事でございますので、その面に対して日本豆類基金協会の方から寄付をいたしているというようなことでございます。したがいまして、間接的に消費者にもそういう面では大いに益するところがあるというふうに考えております。直接的にこれを消費者に分配するというような話になりますと、消費者というのはだれからだれまでにするかとか、いろいろな技術的な問題がございますので、それはなかなか困難か、かように考えるわけでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 そんな消費者にお金で返せなんということを申し上げているのじゃないのですよ。さっき申し上げたような、要するに二〇%の調整金の使い方を基準価格なら基準価格をある程度見ながら、食管の制度だってあるわけですから、農家を保護するというならそれはそれで結構だから、二〇%の調整金を農家の保護にお使いになって、あと豆が商社によって暴利をもうけられて高くなるという制度を防いだらどうですかということを申し上げているのです。生産者を保護することを反対しているわけではない。生産者を保護して結構だ。こういう保護の仕方だってあるじゃありませんか、いまのままじゃ構造的に生産者の高値安定保護と商社の暴利保護になっているじゃありませんかということを申し上げている。制度を改善すればできるはずじゃありませんかということなんです。     〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕 大分時間が過ぎましたので、そういう改善を、農林大臣、通産大臣がとにかく現状ではいかぬ、何とか検討いたしましすうという御答弁が先ほどございましたので……。  もう一点だけお伺いしたいのですが、どうですか、一社とか十社とか、四十五社の現在の状態を十社とか二十社ふやしてしまえ、そんなことを申し上げているのじゃないのです。一社か二社でいいのです、社でなくていいのです。実際小豆を輸入商社から高く売られている実需家というのがいるわけです、あんこ屋さんとかお菓子屋さんとか、こういうところは一年間の使う量が決まっているわけです。この人たちに直接外貨を割り当ててあげたらどうですか、そうしたらこの方々は商社から買わなくて済むわけです。この方々は今度は小売さんを相手にしていますから、商社みたいに高い値段はつけられない。あなただって中国の小豆、台湾の小豆をこの価格で買ったのでしょうということを向こうは知っているわけですから、良心的に商売せざるを得ない。こういうモデルケースをつくってあげれば、商社だってそうもうけてはいられないと思うのです。こういうことでちょっと風穴をあけてあげただけでもこの制度は一歩前進になるのです。四十五社なんて商社だけにかちっと固定してしまっているからまずいと思う。そういうお考えはありませんか、どうですか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○水野上政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、数を大幅にふやすということはなかなか問題があろうかと思いますけれども、ただいまの御指摘は需要者割り当てを考えたらどうかというふうなお話ではなかろうかと思いますが、これにつきましてはまた農林省と十分御相談をさせていただきたいと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 それでは雑豆の問題は以上で、通産大臣、農林大臣にぜひ御答弁の方向で前向きに御検討いただくということで終わりたいと思います。  次に、運輸省にお尋ねしたいと思います。  昨年の三月の予算委員会の分科会でLPGタンクローリーの輸送に関連して、運輸省が道路運送法で認可した料金を——運送業者というのは中小零細企業ですから非常に力が弱い、荷主というのは、元売、卸は大企業、したがって力が強いという関係で値をたたかれて、道路運送法で認可して、運送業者には一〇〇%認可料金を受け取るようにという義務づけを法律でなさっている、支払いの方には義務づけはしていない、だからたたかれて守れない。元売のレベルで認可運賃の六〇%、六五%、七一%、あるいは卸のレベルで三二%、四五%、五六%、こういうように値をたたかれている。  このためにどんな社会的な弊害が生まれているかといいますと、結局認可運賃を払ってもらえませんから、しかも中小企業ですから、LPGタンクローリーというプロパンガスを運ぶ危険な仕事、あるいは危険物を運ぶ運転手、輸送の安全というものを考えれば、本来運転手を二人置いて交代で勤務するということが望ましいわけですけれども、料金がそういうふうにたたかれますからどうしても一人にしなければならない。しかも一日十六時間労働なんという実態がごろごろあるわけですよ。危なくてかなわない。タンクローリーを一日十六時間一人の運転手さんが運転している。ぶつかったら大事故になる。イタリアでもアメリカでもこの間事故があった。日本は幸い最近ない。  しかも、そういう事故が起きやすい過労運転を強いられていながら、一方では、もし事故を起こした場合被害者に対してどういう補償をするのかというと、保険制度があるのですが、お金がないためにこの保険金が払えない、だから加入をしない。通産省は一生懸命加入を促進しているのですが皆さんがなかなか入らない。したがって、認可運賃が適正収受されないために、そういう危険物の輸送が非常に運転手の過労を生み出し事故を生みやすい状態をつくり出している。一方ではそういう事故を生みやすい状況をつくりながら、一方ではまた保険の加入を阻害している、こういう社会的な弊害を生んでいる問題を指摘いたしました。  とにかく運輸省は、荷主団体には通産省所管の業界ですから影響力ありませんからと、なかなか腰を上げなかった。しかし去年一年間、それなりに御努力をされたようでございます。  そこでお伺いしたいのですが、まず労働省の方お見えになっていると思いますが、昨年、そうした一日十六時間労働というような労働基準法違反の実態を御指摘申し上げて、その後御調査いただきまして運輸省等に通報されたと思いますが、その調査の結果を簡単に確認の意味でお聞きしたいと思います。どうですか。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 お答えを申し上げます。  昨年御指摘をいただきました件について、直ちに神奈川の局ほか主要都道府県労働基準局に対して監督指導の実施を指示しまして、さらに九月に、全国の都道府県労働基準局に対しましてタンクローリーについての監督指導を指示いたしました。  その結果、現在までにわかっておりますところで、対象事業場全体の六三%に当たる三百七事業場を臨検監督いたしまして、そのうち二百三十四事業場に法違反が見られたわけであります。その主なものは、労働時間違反が一番多いわけですが、そのほか休日違反あるいは割り増し賃金違反というようなことがあります。  そこでこの全国的なものが、その臨検監督が、その後九月の指示に基づきましてやりましたので、年末の繁忙時期にしたこともありまして、まだ監督指導の結果に基づきます業界等に対する改善指導等については、今後行われる局も多かろうと思いますが、昨年早速やりました神奈川の場合について申しますと、五月に神奈川県高圧ガス防災協議会に対しまして、タンクローリー運転者の労働時間等の労働条件の改善について文書で要請する、それから、荷主を含めた関係業界に対する集団指導ということでやっております。そのほか、法違反がありましたもので特に悪質なものにつきましては、運輸省の陸運関係機関につきまして通報等の措置を行っております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 次に運輸省にお伺いしたいのですが、最近の実態をまたちょっと聞いたり調べてみたりいたしました。確かに運輸省、通産省あるいは労働省にそれなりに御努力をいただいて、関東地区はわずかながら一歩前進、改善という数字が出ている。しかし、全国的にこれを見ますと、関東地区を除いた地域は、数字の上では全くもとのままということなんです。特に一番利用の多い五十キロ圏とか七十キロ圏というキロ数で見ましても、軽石油の場合で見ますと、新料金でいいますと五三%、五三%、五八%という実態ですからね。旧料金で見ても五九、五八、六〇ですから、たいして改善はされてない。特に仙台、九州は非常に悪い状況です。  皆さんのお話を伺いますと、関東地区はよくなったけれども次は大阪、ここがやはり改善されないと西日本はだめだというのです。ところが、大阪の大手の荷主団体が非常に非協力的だということを伺っております。この点につきまして、せっかく関東地区でそれなりに、運輸省なり通産省なり労働省が腰を上げてやれば、行政サイドが本気になれば一定の改善の効果が出てくるということは数字で出たのですから、次は大阪を目標にしておやりになる、あるいは九州関係についてもおやりになる、こういう強い御決意がございますか、どうですか。

梶原清運輸省自動車局長

○梶原政府委員 御指摘のLPガス輸送におきます適正運賃収受、安全輸送の確保につきましては、先生が先ほども御指摘のとおり、昨年当委員会で先生から強い御指摘があったわけでございます。運輸省におきましては、各陸運局長に指示をいたしまして、通産当局の協力もいただき、荷主業界、運送業界の懇談会を開催いたしますとか、特に関東地区におきましては、荷主四団体に対して適正運賃遵守につきまして文書で要請をしたところでございます。こうした私どもの努力がかなり成果を見つつあるように見受けられるわけでございますが、先生の御指摘のとおりいま一歩前進という状況にございますし、とりわけ地域格差が見受けられるようでございますので、今後全国的に引き続き努力を続けてまいりたい、かように考える次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 全国的に努力していただく、結構なんですけれども、首都東京、第二の首都大阪、大阪というのはやはり大きな拠点ですね。大阪で、関東でおやりになったような運送業界、荷主業界、運輸省、通産省の三者懇談会を陸運局単位にお開きになって、やはり荷主団体に、業者だけの交渉じゃどうにもなりませんから、行政サイドがそういう関東でおやりになったような形を——全国に通知はなさっていると思うのです。関東だけはいまおっしゃられたように改善されたけれども、ほかは全く昔と同じ数字という実態、これは御存じだと思うのですよ。大阪をまず手がけるというお考えはございませんか。もちろん行政にばらつきがあってはまずいので全国おやりになるのでしょうけれども、やはり関東を最初にやった、次は大阪という、こんな感じでおやりになるとかなり西日本の関係が改善されるのじゃないかと思うのですよ。どうですか。

梶原清運輸省自動車局長

○梶原政府委員 各地の実態を十分把握いたしまして、大阪なり福岡といった重点のところにつきまして力を注いでまいりたい、かように考える次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 二月に入ってプロパンガスをトン当たり平均五千円から三千円ですか、いま値上げをしようとしているのでしょう。荷主団体がプロパンガスの値上げを小売店と交渉しているいまさなかですね。もちろんこれは認可ではないでしょうから、認可と引きかえにというわけにいかないと思うのですが、向こうも値上げをしようとしているこういうタイミングをつかんで、やはり運送の安全を守るために認可運賃の適正支払いを荷主に強く働きかける、そういう意味ではいま非常に絶好のタイミングではないかというように思うのです。この時点を外しますとまた需要期を過ぎちゃいますから、ちょうどいま需要期ですし、しかも向こうが値上げをしようとしておるところですから、ここでやるということは非常に大事じゃないかと思いますが、その点はどうですか。

梶原清運輸省自動車局長

○梶原政府委員 LPガス輸送事業者を初めといたしましてトラック事業者は、先生御指摘のとおり、中小零細規模の事業者が多うございまして、荷主との経済的な立場が弱いわけでございます。御指摘のとおり、多かれ少なかれ運賃ダンピングという状態がございまして、運輸省としましては過積載の防止とか適正運賃収受の実現のための努力を続けてまいっておるところでございまして、いま御指摘のとおりの状況にございますので、格段の努力をいたしたい、かように考える次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 何か漏れ承るところによりますと、昨年、五十三年の三月、いつだか日にちはわかりませんが、運輸省では全国の陸運局に指示をなさったのでしょう、この問題について。運送業者の自主的な努力も大事だけれども、それに任しておいたのじゃ解決はつかぬ、したがって荷主側の協力が必要である、それには行政サイドとしては運輸省だけじゃなくて通産省の協力も得ながらやろう、しかも運送業界と荷主業界と行政の三者の懇談会を陸運局単位に開いてそれでプッシュしていこう、こういう御指示をなさったと思うのですが、こういう指示は出していますか、どうですか。

梶原清運輸省自動車局長

○梶原政府委員 私どもから各陸運局長に指示をいたしております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 その指示を出して、大阪とか悪いところに報告を求めるとかあるいは状況を聞くとかということはなさったわけですか。なぜ改善されないのだということまでお聞きになっていますか。どうですか、その点は。

梶原清運輸省自動車局長

○梶原政府委員 先生御指摘のとおり、とりわけ安全確保のための保険への加入につきまして実態調査をいたしまして、その結果を九月末までに集計をいたしましたものがございます。全国的にはLPガスにつきましては八八・一%という数字がございますが、いま地域別の数字を持ち合わせておりませんので、遺憾ながらこの席でお答えできないのは残念でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 私の調べでは、通称爆発保険というLPGタンクローリーの爆発保険の加入台数が確かに最近増加はしました。増加はしましたけれども、やはり関東地区が伸び率は六〇・七%でトップなんですね。これはやはり料金が上がったからという理由なら、全国的に加入がよくならなければならない。ところが、全国的には加入はよくない、関東地区だけがずば抜けていいということは、関東地区の適正支払いが一歩前進の改善が図られたからということは言えると思うのですね。ですから、このように認可運賃の適正収受、これが進めばやはり通産省という立場で考えておられるこの保険の加入促進というものも進んでいく、こういう関係がはっきりするわけですね、この数字から見て。そういう点で、保安対策という点では通産省もやはり非常に責任があるわけですから、運送業者を所管しているのは運輸省ですが、通産省としても、今後この問題について運輸省と連携をとりながらそういう立場で荷主に協力を呼びかけていくお考えがあるのかどうか、これをお聞かせいただきたいと思います。

伊勢谷三樹郎通商産業省立地公害局長

○伊勢谷政府委員 ローリーの爆発に備えまして保険に入っていただくということは、私どもの行政の上からとりましてきわめて大事な点でございます。そこで、私どもの方の高圧ガス保安協会を通じまして、輸送業者の方にその加入の促進をお願いしてきたところであります。さらに、昨年の一月には関係者に通産局長から指導するよう要請をいたしました。それからもう一つ、昨年の十二一月からは零細企業の方でも加入しやすいように、保険料の分割払いという制度を設けるということを始めまして、そういったようなことでできるだけ多数の方にこの保険に入っていただくということを努力しております。今後ともなお一層加入者がふえますよう努力を続けるつもりでおります。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 運輸省と協力してやっていくお考えはありますか。それを聞きたい。

伊勢谷三樹郎通商産業省立地公害局長

○伊勢谷政府委員 もちろん運輸省と協力してやっていきたいと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 最後に運輸大臣、いま申し上げたような経過でございます。やはり運輸省が本気になって取り組めば解決するということが関東で証明されたわけですが、この関東での御努力をぜひとも全国に強い決意で広げていただきたい、こういうふうに思うのですが、運輸大臣から締めくくりでそのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 先ほど来、LPガスの運送の問題で非常に多角的な貴重な御質疑、御意見がございまして、関係各省からいろいろお答えをいたしました。いずれも前向きの御答弁であったと思っております。  特に中心になりますLPG運賃の収受の問題は、御承知のとおり非常に重要なことでございますから、今後ともこの荷主、業界の理解と協力を得て、トラック運送業者を強力に指導してまいりたい、そういう心づもりでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 以上で終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長代理 これにて市川君の質疑は終了いたしました。  次に、神田君。

神田厚民社党

○神田委員 まず外交問題につきまして御質問申し上げます。  中越紛争が一日一日と新たな展開をしておりますが、現在におきまして、中越紛争の現状と今後の見通しにつきまして外務大臣のお考え方を聞かしていただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 中越紛争の経過についてはすでに先生御承知のとおりでありますから、省略をいたします。  その後、中国の次官の発言で、これは限定作戦であって、中国は話し合いの方に持っていく、撤退というような報道が流れましたが、その後正式に、この発言は事実ではないという否定がございました。しかし、いずれにいたしましても、中国は限定作戦をしばしば繰り返しておりまして、一方ベトナムの方も、撤退をしてからなら話し合いに応ずるというようなことでありまして、一方にはまだこれが拡大するという懸念もありますが、大体拡大しない方向でいくのではないかと想像いたしております。

神田厚民社党

○神田委員 この問題につきましては、その後日本のとるべき態度、日本としてどういうふうな外交努力をするかということが二、三言われておりますが、現在、外務大臣においては日本の外交的な役割り、こういうものをどういうふうにお進めになっていくおつもりでありますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 日本としては、すでに御報告してございまするとおりに、事変が発生をし、これを確認をし、直ちに中国、ベトナム両方に対して平和的解決、話し合いをやられたい、中国に対しては即時停戦、軍の撤退、こういうことを強く申し入れ、ベトナムに対してもカンボジアから停戦、撤退を申し入れております。  なおまた、ソ連に対しては総理と私から、在京大使を通じて、この戦争が大規模なものにならないようソ連の協力を求めるというような申し入れをいたしておるところでありますが、今後とも平和的解決、話し合いということで、日本のできるありとあらゆる努力をしたいと考えております。

神田厚民社党

○神田委員 日本のできるありとあらゆることというのは、具体的にその中で近い期日でできるというのはどんなことでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 当事国に対してさらに平和的解決、停戦、撤退を強く要望しながら、関係国とASEANと足並みをそろえてこの実現に努力し、かつまた、これに影響のあるソ連やアメリカについてもそういう努力をやる、これはその国に対しても国連の場所においてもいろいろな方法でやりたいと考えております。

神田厚民社党

○神田委員 この中越紛争が発生してから、外務省及び防衛庁がこの情報を持つまでに非常に時間がかかったという話があります。発生したのは未明であるけれども、現実に外務省がこの情報を確認したのは何時でございますか。

柳谷謙介外務省アジア局長

○柳谷政府委員 今般の場合は、その前から中国軍の国境集結等の情報がかなりございましたので、防衛庁のみならず関係各省庁と相当情報の交換をいたしまして、そういうことが起こる可能性がかなりあるということにつきまして、また起こった場合にどういう形でこれに対応していくかということについては、かなり事前に準備と申しますか、その場合に備えていたわけでございますが、いま御質問のありました情報そのものについてでございますが、これは十七日の夜九時半ごろだったかと思いますけれども、そのころに二、三の外電が入りまして、中国軍が従来とは違って、国境からかなり広い範囲で行動を起こしたらしいという情報が入りましたが、その時点ではその情報があるだけでございまして、直ちに私どもは外交機関、その他あらゆる方法を通して、電話その他を使ってこの情報の確認に努めたわけでございますが、その時点では世界の各地の首府においてもそういう情報はほとんど流れておりませんでした。それが、大体深夜から未明にかけて、その情報が各地で確認されるということでございましたので、その情報が正しいという判断に立ちまして、その後、日曜日、十八日の外務大臣談話その他へと仕事がつながっていったというのが経緯でございます。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、発生したのは十七日の未明。外務省がそれを確認したのが九時から始まって翌日になったわけですね。中国大使館及び東南アジアの外務省の関係のところからは全然そういう情報等は入ってこなかったわけですか。

柳谷謙介外務省アジア局長

○柳谷政府委員 情報が入ったときに、直ちに北京あるいはASEANの首都も含めまして電話連絡をとって、そういう情報はないかということを確かめ、また現地においても、念のためさらに確認に努めたわけですけれども、その時点ではその土地においてそういう情報は流れてなかった。確認されたのは数時間後という経緯でありました。

神田厚民社党

○神田委員 常識的に見ると情報が非常に遅かったという感じを持っておるわけです。こういう問題につきましては、今後これは一つの教訓としてきちんと対応してもらいたいという要望をしておきたいと思うのであります。  続いて、この問題に関連しまして、日米安保条約の第四条の極東の国際の平和、安全問題等に関連して、現在においては直ちに事前協議、随時協議の対象にはならないだろうと考えているわけでありますが、これから先の見通しの中でアメリカとの随時協議の方向をとる必要があるというふうに判断がされますか、いかがでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 御発言のとおりでありまして、日米安保条約第四条に規定してある日本及び極東の平和あるいは安全に対する脅威という事態ではないと判断をしておりまするし、また、インドシナ半島の問題で安保条約に基づく日米協議をする事態にはならないと判断をいたしております。

神田厚民社党

○神田委員 この問題につきましては、ソビエト軍の紛争に対する介入ということも言われておりまして、そういうふうなことを考えていきますと、どういう状況になっていくと協議の対象になるのでありましょうか。その辺はいかがでございますか。

中島敏次郎外務省アメリカ局長兼外務省条約局長

○中島(敏)政府委員 お答え申し上げます。  安保条約第四条に基づきますいま先生御提起の協議は、いずれにしろ「日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたとき」ということでございますので、このような脅威が具体的な状況においてどういう状況かということをあらかじめ云々することはやはり問題ではないか、むしろ発生いたします具体的事態に照らして、それがいまのような日本国の安全または極東における国際の平和及び安全に脅威を及ぼしているかどうかということを具体的に判断いたしてまいるということが正しい態度ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 日本はアメリカ軍に基地を使用させているわけでありますから、そういう意味では、在日米軍がこの紛争に介入していくという状況になっていけば、やはり必然的には安保の状況にかかわってくるという判断を持っているわけでありますが、そういうことも含めていま御質問したわけです。状況がそういうことで、まだ対応がし切れないという形でありますので、この問題につきましては一応これ以上のことを言いませんけれども、ひとつ紛争の平和的解決のために外務大臣は精いっぱいの努力をしてほしいと要望しておきたいと思います。  続きまして、昨日、衆議院本会議におきまして、北方領土の返還及び国後、択捉にあります軍事施設の撤退、「軍事的措置」という言葉で決議をされたわけでありますが、その問題が決議されました。本日、参議院の本会議におきましても決議がされるようでありますけれども、外務大臣といたしましてはこの国会決議をどういうふうにお考えになっておりますか。御見解を述べていただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 先般来から両院の特別委員会で決議が成り、続いて昨日、本日と両院の本会議で院議が決定されるわけでありますから、この院議に基づいて、直ちにソ連に対しては院議の決議の趣旨に基づいて申し入れを行い、その趣旨に基づき最大限の努力をするつもりでございます。

神田厚民社党

○神田委員 この決議の実行の方法として、申し入れを行って最大限の努力をするということでありますけれども、具体的にはどういう形でそういうことを伝えるおつもりでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 基本的には、日ソの間の未解決の問題及びこれに関連する問題は平和的な話し合いで解決するというのが基本でありますから、ソ連に対して、お互いに理解を求め、日本の要望を強く伝え、日本の真実を伝え、一歩一歩努力をしてみたいと考えております。

神田厚民社党

○神田委員 その伝え方でありますけれども、それは具体的にはどういうふうなことで伝えるのか。つまり北方のいろんな状況が変わってきておりますから、そういうことも含めまして、外務大臣自身がソビエトに行くなり、あるいはそういう形でのもっと強力な行動というものが必要だと考えるわけでありますが、その点はいかがでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 北方領土返還の問題及びこれに関連する問題は、長い間日ソ間に横たわっている問題でありまして、現状では遺憾ながら一歩も前進しておりませんのみならず、ソ連の方はこれは解決済みであると言っている問題でありまするから、なかなか一回、二回ということではなくて、いろいろ努力をしなければなりませんが、その期間の間に、いますぐというわけではありませんけれども、日ソの定期外相会議、これも要望しておりまするし、あるいは場合によっては私が行くような事態も将来はあるかもわかりませんが、いま直ちに出かけるということは考えておりません。

神田厚民社党

○神田委員 外交ですから、積み重ねていろいろやらなければならないわけでありますが、やはり私はこういう事態は、国会の中で決議をされたというタイミングをうまく生かさないといけないと思うのですね。したがいまして、将来ということは、近い将来もあるし遠い将来もあるわけでありますから、ひとつできるだけ早い機会に訪ソしたらいかがかと思うのですが、いかがでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 御意見は参考として十分検討いたしますけれども、訪ソするについては、それぞれ、向こうの立場もありますし、こちらの立場もありますし、訪ソしたらどの程度の成果があるものか、こういうことも検討してやりたいと考えております。

神田厚民社党

○神田委員 そうすると、大臣としては訪ソをしたいという強い意向を持っている、こういうふうに判断してよろしゅうございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 この問題に関しましては、今度はソ連の方からおいでになる番でありまして、平和条約その他もくんで、グロムイコ外務大臣にはなるべく早くおいで願いたいと要請をしている最中でございます。そういうことも考えながら検討いたします。

神田厚民社党

○神田委員 私は、この問題については、できるだけ早い機会にソビエトに対しましてこの国会決議がきちんと伝わるようにひとつ努力をお願いしたいと思っております。  続いて防衛庁長官にお尋ね申し上げますが、ここの決議の内容には軍事的措置を速やかに撤回しろということが盛られております。こういうことも含めまして、防衛庁長官としてはこの決議にどういうふうな御見解をお持ちでございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 お答え申し上げます。  実はこの国後、択捉両島地域に、昭和三十五年ごろ以降は国境警備隊程度のものがあったにとどまっておりましたが、昨年の夏以来部隊が増強されて基地も建設されているということは、私はこの情報を確信を持って申し上げる段階だと思いまして、あえて公表に踏み切った次第でございます。これはやはりわが国固有の領土であり、しかも非常に近接した地域でございます。これにつきまして、十数年来何もなかったところに新たな軍事能力ができたということは、私も軽々しく見逃すことができない問題であると思います。ただ、この意図については、私どもはまだよくわかりませんけれども、そうしたものができたということについては重大なる関心を持ちまして、あえて公表に踏み切った次第でございます。ただ、いろいろ滑走路の状況等、あるいはまた海空勢力の動き等につきましては、私どもの確認する限りにおきましては、主としてこれは島嶼防衛的なものであろう、このように観測するわけでございますけれども、しかし先ほど申しましたように、このような軍事能力が昨年来発生したことにつきましては、これは十分に監視し、この動きについては怠りなく見ながら、そしてまた重大な関心を寄せながら、適時適切な措置はいずれ講じてまいりたいと考えておる次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 そういう話は後で聞こうと思ったのですが、私は国会決議について、軍事措置の問題も盛られているのだから、防衛庁長官としては、どういうふうな考え方を持って、どういう決意で当たるのか、こういうことを聞きたいのであります。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 これは先ほど申しましたとおりに、そのような基地が建設され、部隊が増強されたわけでございますから、私どもはこれにつきまして、直ちに外交的な措置が講ぜられたところでありますが、防衛庁といたしましては、このあり方につきまして監視を怠りなく対処してまいりたいと思っておる次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 私が聞いているのは、国会決議の中でソビエト軍のいわゆる軍事措置を撤回せよということが盛られている。したがって、防衛庁長官はそういうことについてどういうふうに考えているかということを聞いているのであります。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 御決議の趣旨を体してまいりたいと思っております。

神田厚民社党

○神田委員 そういうことになりますと、軍事措置撤回のいわゆる趣旨を尊重するということは、具体的には防衛庁としてはどういうふうな形をとる、どういうふうなことで対応しようとしているのか、その辺はいかがでございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 先ほど申しましたとおりに、このような新たな軍事能力がごく近い地域に発生したということをわれわれは軽々しく考えては相ならないと考えております。しかし、防衛庁といたしましては、あくまで国の安全を守る立場でございまして、その動き等につきましては、冷静に監視して対処してまいりたいと思いますが、御決議の趣旨のございます点につきましては、外交上の措置をとりましていろいろ働きかけをされるわけでございますけれども、防衛庁といたしましては、いま直ちに「防衛計画の大綱」を改める、修正するというふうなことは考えておりません。     〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、先ほど来申しておりますとおりに、このような軍事能力が発生したことにつきましては、そのあり方を冷静に監視し、そして重大な関心を持ちまして、適時適切な措置を講じたいと考えておる次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 どうも余りはっきりしたお答えがないようでありますが、この問題につきましては、そうしますと、一体どういう勢力が国後、択捉にあるのか、いつからそういう勢力がそこに進出をしてきているのか、こういうものの具体的な姿が明確にならなければ、一体それが島嶼防衛的なものであるのか、それとも、もっと日本に対する脅威をもたらす存在になっているのか、その辺がわからないと思うのであります。したがいまして、それでは国後、択捉に進出してきて、あるいは進駐してきていると言われているソビエト軍の実態というのは一体どういうものであるのか、これをひとつ明確にしていただきたいと思います。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 国後島につきましては、すでに私ども公表いたしておりますとおりに、地上部隊数千名、そして強いて言えば旅団クラスというふうに考えておる次第でございます。また、火器とか砲の問題につきましては、確認をいたしておりますけれども、申し上げる段階ではございません。  それから、滑走路につきましては、いろいろ伝えられているようでございますけれども、防衛庁は、どのようにしてそう言うのかということは申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、従前の滑走路と変わったことは確認いたしておりませんし、現在においてもそれは同様でございます。したがいまして、海空の動きにつきましては、確認をいたしておりますけれども、陸上部隊のようなことはございません。したがいまして、そのようなことを総合判断いたしまして、主として島嶼防衛的なものであろう。そのような陸上部隊あるいは滑走路あるいは海空の状況からしまして、それは考えられません。  しかしながら、先ほど申しましたとおり、これは十数年来なかった一つの動きがこのように出てきたわけでございますから、軽々しく考えてはおりませんけれども、それでは意図は何であるか、これは私どもとしては察知することはできないのでありますけれども、そういう軍事能力があることははっきりいたしております。これを国民の前に公表いたしましたのが防衛庁の態度でございますが、それはどうかといいますと、直ちに脅威を与えるものではないだろう。意図は別でございます。意図いかんは別でございますが、したがいまして、これによりまして直ちに「防衛計画の大綱」を修正することはないというのがただいまの考えでございます。

神田厚民社党

○神田委員 いま御答弁をいただいたものについて、少し具体的にそれでは御質問申し上げますが、ただいま火器あるいは砲についてはこれは言えない。言えないというのは、確認はしているけれども言えないのか、確認されてないのか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 情報の情報源または入手方法等につきましては、防衛庁としては申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。私どもといたしましては、防衛庁に与えられております機能をフルに活用いたしまして、情報をとるようにいたしておるわけでございますが、そうした中において、その部隊があり基地が建設されていることは確認されておりますけれども、その詳細については目下確認中でございますが、なお具体的には政府委員をもって補足させていただきますので、お聞き取り願いたいと思います。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 お答え申し上げます。  戦車及び火砲を装備しているというのは確認しております。ただ、その戦車、火砲の数及び性能につきましては、まだ確認の努力中でございます。

神田厚民社党

○神田委員 これではちょっとあれですね。どういうものがあるかという中で、たとえば戦車があるということがわかっていて、どうしてその性能がわからないのですか。それから火砲はどういう程度あり、どんなところに配置されているのか、その辺はどうなんですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 戦車、火砲につきましては、存在については確認しております。ただ、その戦車の種類等詳細につきましては、これは未確認であるという以外、申し上げられない状況でございます。  それから、場所でございますけれども、戦車、火砲が認められております場所は、国後島中部、国後島南部及び択捉島中部でございます。

神田厚民社党

○神田委員 これでは、どうして島嶼防衛的だという判断を防衛庁は持てるのか。一体どんなものがどのぐらい配置されているから現在は島嶼防衛的だ、いろいろあるわけですね。ところが、現在戦車はあるけれども数はわからない。そうすると、千台ぐらいあるかもしれないということですか。たくさんある可能性もあるわけですね。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 戦車、火砲の数と、それからわれわれが想定しております、強いて言えば旅団クラスということも、これも情報の総合的分析におきまして相互に関連ある問題でございまして、島嶼防衛の部隊ということでもって、普通の部隊編成とは若干異なる可能性はあるのでございますけれども、逆に言えば、旅団クラスと推定したということから逆算いたしますと、千台には達しない、そういうふうに考えております。

神田厚民社党

○神田委員 それでは、旅団クラスと判断をした場合には、一体ソビエトのその一旅団というのはどういう装備を通常は持っているのか、それはどうなんですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 実は旅団クラスと申し上げましたときに、これは外務省の防衛専門家が記者ブリーフをしたのでございますけれども、非常に確信を持って言える範囲というものは、大隊クラス以上、師団クラス以下であろう。それに対しまして、それでは余りにあいまいで把握できないではないか。実はソ連の自動車化狙撃師団、すなわち歩兵師団でございますけれども、その通常の編成には旅団というものはございません。僻地に特殊な任務を持った旅団というものはございまして、それならば強いて言えば旅団クラスであろう。ただ、旅団というもの自身、これは非常に特殊な編成でございまして、旅団によりまして数量は非常に変化しております。それで、まことに申しわけないのでございますけれども、人員そのものが非常に不確定であると同様に、それの持っている装備につきましても非常に不確定であるという状況でございます。

神田厚民社党

○神田委員 これでは話できないですよ。やはりもう少しきちんとしたことで出してもらわなければ、旅団クラスと言って、いや旅団クラスと言ったけれども、大隊と師団の真ん中だから旅団だろうというような、そういうことでは論議にならないんじゃないですか。どうですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 私並びに政府委員から御答弁申し上げておりまして、御指摘はまことにそのとおりであると思います。ただ、私どもほ、先ほども申しましたように、情報収集の機能をフルに活用いたしまして、確信を持って言えることがその程度でございまして、もっと言わなくてはならぬ点もあるいはあるかもしれませんが、これはこの際遠慮させていただいているわけでございます。  それで、私どもは、そうしたことを申し上げないために御指摘を受けましてはなはだ恐縮いたしておりますけれども、いろいろの情報を総合いたしまして、主として島嶼防衛的なものであろうと推測いたしておるわけでございますが、これは決して他の目的を排除するものではございません。私どもは、少なくともいまの陸上部隊なり、滑走路なり、またその状況からしてそう申しておりますけれども、したがいまして、さらに他の目的を排除するものではございませんし、また、非常に近接した地域にこのような軍事能力ができたわけでございますから、十分監視してまいります。また、それにつきましては、防衛庁は一生懸命やっております。それで、その情報活用の機能は御信頼いただきたいと思いますし、それにつきましては、また必要な場合には国民の皆様に公表し、あるいは適時適切な措置を講じてまいる覚悟でございます。

神田厚民社党

○神田委員 そう言っていたって全然わからないじゃないですか。一体どういうものがあるのかわからないのに、なぜ島嶼防衛以外の性格的なものを判断するように監視をすると。——監視しても結局確認できないのでしょう。たとえば滑走路一つの問題も、従前と変わらない。それでは、従前というのはいつのことなんですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 従前と申しますのは、一九六〇年以後でございます。

神田厚民社党

○神田委員 一九六〇年以降ということは、きのうまでのことも入るわけでしょう。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 入っております。

神田厚民社党

○神田委員 それじゃだめだ。それじゃ従前と変わっていないと言えないじゃないですか。それでは、どこに起点を置いて、滑走路が改修されてない、あるいは拡大されてないということのあれにならないじゃないですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 ただいま政府委員から御答弁を申したとおりでございまして、従前のものと変わっておらない。というのは、いろいろと報道をせられるところによりますると、何か滑走路が相当拡大されたかのようなことがございますけれども、これらにつきましては、私はこの場で一々申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、防衛庁は確信を持ちまして、滑走路は従前と変わったとは確認しておりませんという大変回りくどい言い方しかできないのでございますけれども、(発言する者あり)いえ、そうなんです。それで実は滑走路は、最近におきまして拡大されたとは思っておりません。

神田厚民社党

○神田委員 それでは、従前から変わってないということは、たとえば昨日まで、あるいは従前の起点のとり方は昨日だと言ったら、これは話にならないじゃないですか。だから、言えないというのはどうして言えないのか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 私どもは、自分たちがこれを公表いたしますにつきましては、非常に重大な問題でございますから、確信を持ってなければ申し上げませんが、ただ、滑走路につきまして、従前と変わっておりませんという私の言葉は、これは決して簡単に申しているのではございませんで、防衛庁が自分の持つ機能を十分に発揮いたしまして、活用いたしまして申し上げているのでございます。ただ私は、この問題について非常に御関心が深いために、拡大されているのではないかというふうなことがいろいろ言われておりまするが、これにつきましては、先ほど来繰り返しておりますとおりに、防衛庁は自分の持てる機能を活用いたしまして、従前と変わったことを確認しておりませんということを申し上げるしかないのでございますが、これでお聞き取り願いたいと思うわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 それでは、従前の滑走路の長さは何

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 二千メートルグラスでございます。

神田厚民社党

○神田委員 二千メートルグラスということは、これは一九六〇年には何メートルだったのですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 現在と全く変わりません。二千メートル級でございます。それが一九六〇年でございます。

神田厚民社党

○神田委員 そうすると、一九六〇年から、あるいは一九六〇年の前、一九五九年から現在まで、滑走路は一切変わっていないという判断を持っているわけですな。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 確信持って申し上げられますのは、一九六〇年以降変わっていないということでございますけれども、その前にも変わっているという情報は持っておりません。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、二千メートル級というのは、二千メートルの先を超すとどこまでのことを言うのですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 二千メートル前後としか申し上げようがございません。

神田厚民社党

○神田委員 私はなぜこの滑走路にこだわるかといいますと、これによりまして配備されている航空隊の機能が変わる、そういうふうなことが非常に大事な問題なんですね。したがいまして、防衛庁としては、そういうことも含めて、たとえばこれから問題にしようと思うのは、これが島嶼防衛的な性格のものだということがどうして判断できたのか。たとえば滑走路の長さ一つにしましても、二千メートル級である、あるいは旅団編成も詳細がわからない、あるいは火砲、戦車の数もわからない、あるいはミサイル等のそういう問題についても、これはわからないのでしょう。そういうふうなことの中でどうして島嶼防衛だということが言えるのか、なぜ脅威がないというふうな判断ができるのか、その辺はいかがですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 私が防衛庁長官といたしまして国民の前に公表申し上げ、また委員会で御答弁申し上げるにつきましては、私は十分な、情報の源等につきまして聞いております。そして、その上におきますところの判断でございます。それで滑走路の問題につきましては、政府委員から申し上げておりますとおりに、その程度でございますし、それは、私はそのように信じております。  しかも、そうした滑走路の状態においてはどういうことであるかということも、ただいますでに御指摘のとおりでございまして、いまの滑走路の従前と変わっていないという点は、この判断につきまして、まことに大事な問題でございます。したがいまして、その状況についての防衛庁の見解は御信用願いたいと思います。  さて、しかし、ともあれ、このような能力があるということについてどう考えるかにつきましては、いろいろとまた御意見もあろうと思いますけれども、私どもといたしましては、そうしたことを十分判断いたしまして、主として島嶼防衛的な性格であろうか、こう申しておりますけれども、繰り返し申すようでございますけれども、他の目的を排除するわけではございませんので、引き続き、監視を怠っておりませんし、怠らない、また適時適切な措置もとりたい、このように思っております。  以上でございます。

神田厚民社党

○神田委員 これは大変不明確でありますね。  それではもう一つ具体的な問題について、この兵力等の施設の確認をしたいと思うのですが、ミサイルの建築されるような状況はあるのかどうか、あるいは港湾施設の改修はされているのかどうか、この点はどうですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 ミサイル建築及び港湾の改修あるいは増築の情報には接しておりません。

神田厚民社党

○神田委員 情報に接していないということでありますけれども、情報のとり方はいろいろだというから、いろいろどんなふうにとっているのかわかりませんけれども……  それでは、一部民間航空会社等の飛行機から見ておりますと、いわゆるミサイル基地になるだろうと言われているような施設があるというふうに言われております。さらには、港湾施設の改修がされている徴候があるというふうに言われています。この辺はいかがでございますか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 その点につきましては、一部報道による推測と考えております。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、今後、たとえば港湾改修の可能性、ミサイル基地の建設の可能性はありますか、どうですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 私は、このたびその両島地域におきますところのソ連の状況について公表いたしましたのは、繰り返し申すようでございますが、結氷期を迎えましてその動きが一段落いたしております、この機会におきましての状況を申し上げたわけでございます。したがって、現在結氷期でございますので、その後の状況も、あるいは春になりまして氷が解けました動きは、これはもっと十分見てまいりたいと思っておりますが、そのいまの段階におきましては、ただいま政府委員が申しましたとおりに、推測の域を出ていないと思うわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 それでは、こういうことでいま論議をしましたけれども、依然として不明な部分が多いですね。しかも、その不明な部分を踏まえて防衛庁長官は、島嶼防衛的であるけれどもそのほかの性格を排除するものではないと言っている。ということは、排除するものでないということは、これから先の推移を見ると、この部隊の性格というものがあるいは変わってくるかもしれないというものを持っているわけでありますね。それはどうなんですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 その可能性いかんにつきましては、先のことでございますから私からは申し上げられませんが、ただ、現状におきましては、はっきりと先ほどから申し上げているとおりでございます。  しかしながら、繰り返し申すようでございますけれども、私どもの固有の領土であるこの地域、しかも大変隣接している地域に新たな軍事能力ができたのでございますから、そのことにつきましては、私どもは、現在の状況からするならば、主としては島嶼防衛以上の域を出ないだろうと思っておりますけれども、しかし、今後の問題もございますし、御指摘の点もございますから、私どもは十分に監視をしてまいりたいと思っておる次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 監視すると言っても、要するにわからないのでしょう。どういうような形で監視するのですか。自衛隊の飛行機が飛んでいっても、結局十分に監視できないのでしょう。どうなんですか、その辺は。監視の体制というのはどうなっているのですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 何をしているか、どういうふうにして情報をとっているかということは、これは私が防衛庁長官としては申し上げることはできません。繰り返し申すようでございますけれども、防衛庁の機能をフルに活用いたしておりまして、その点は御信頼願いたいということしかないのでございます。御了解賜りたいと思います。

神田厚民社党

○神田委員 とにかく言えないということであっては論議が進まないのですね。どういう状況なら言えるのですか、これは。どういう状況なら防衛庁長官は発言できるの、この問題内容については。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 私は、この両島地域の問題につきまして報告を受けましたときに、これは重大な問題であるから直ちに公表せねばならないというふうに踏み切ったわけでございますが、それは確信を持って申し上げることができるということで、あの程度申し上げているのでございます。それは、もし許されるならば、申し上げたいことは山ほどございますけれども、それは申し上げてはならない。しかし、どうぞ、防衛庁として確信を持っていたしておりますので、御信頼願いたいと思うわけであります。

神田厚民社党

○神田委員 そうすると、長官、たとえば秘密会か何かの形にすればそれは言えるのですか。それはどうなんですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 これは事機密に属する面もございますので、私どもといたしましては、あとう限り公表すべきものは公表いたしたいと思いますけれども、おのずから限界がございます。ただ、私どもとしては、十分知っておりますことでも申し上げにくいということだけは御理解願いたいと思うわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、私はこういうものを進めていく委員会の形が、なかなかどうも言えなかったり、あるいはいろんな目的が入ってしまう、そういうことで、われわれは従来から防衛委員会を設置しようというふうなことを主張しているわけでありますけれども、長官としてはどうでございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 国の防衛ということはまことに大事な問題でございまして、これは申すまでもなく国民の皆さまのコンセンサスと御理解を得なければならない。それはコンセンサスと御理解が必要不可欠と考えております。したがいまして、いま御指摘の問題につきましては、これは国会が御判断される問題であると思いますけれども、趣旨といたしましては、私はきわめて同感でございます。

神田厚民社党

○神田委員 それでは一番大事な問題に入ってまいります。  というのは、島嶼防衛の性格とあわせまして、そこに駐留している軍隊が脅威であるかどうかという判断をここで求めたいと思うのであります。脅威というのは防衛白書にも出ておりますね。意図と能力の問題だと。そういう中では、それでは、意図としては先ほどちょっと御答弁がありましたけれども、能力としては、日本として脅威を感じるような存在であると私は認識しておりますけれども、防衛庁長官はどうでございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 御指摘のとおりでございまして、これは国後島だけの問題ではなくて、全体の総合的な判断に立つものであると思いますが、私どもといたしましては、この国後、択捉両島の地域のことからいたしますならば、これは主として島嶼防衛的なものではないかと、このように判断しているわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 全体的なものであるとするならば、それじゃ、どうなんですか。国後、択捉だけであるならば島嶼防衛的だ、しかし、全体的なことを考えていくと違うと言いましたね。やはり日本にとって脅威であるというふうな判断を持っているわけでしょう。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 それは、ソ連軍の極東方面におきますところの勢力は増強、近代化の道を進んでいるということは、私ども十分認識いたしておる次第でございます。そのかかわり合いにおいてどう判断するかの問題があると思います。

神田厚民社党

○神田委員 現在、しかし増強されているわけでありまして、これは極東のソビエト軍が増強されているということは公然の秘密でありますね。そういうことから考えますと、防衛庁長官のいまの答弁から言うと、日本としては脅威と感じているというふうにとってよろしゅうございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 ソ連軍の極東方面の勢力は、潜在的な脅威であると考えております。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、国後、択捉に配置をされましたのは、ただ単に国後、択捉だけに配置をされたのではなくて、ソビエトの極東軍の一つの役割りを持って配置をされたわけでありますから、これは防衛庁長官としては脅威と感じるというふうに私は判断しますが、よろしゅうございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 極東ソ連軍の姿は、いま申しましたように潜在的な脅威でございます。ただ、国後、択捉につきましての動きだけをとらえてみるならば、これは島嶼防衛的でないか、こう申しておるわけでございまして、全体としてどう考えるかにつきましては、私は、ソ連の極東の勢力というのは潜在的な脅威であると思うわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 ちょっとどうもわからないのですね。そうしますと、全体的には潜在的な脅威を感じるけれども、新たに数千人の性格不明の軍隊が国後、択捉に進駐してきたものについては、これは脅威かどうか判断できないということですね。それはちょっとおかしいんじゃないですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 御答弁申し上げましたように、再々申しておりますように、このように近接した地域に新たな軍事能力ができたということは、いまの御指摘の意図と能力の二つがございますけれども、この能力につきましては一つの問題点でございます。したがって私どもは公表いたしたわけでございますし、またこれを監視し、適時適切な措置を講じたい、こう申しておるわけでございます。その意図は那辺にあるかにつきましては、それはただいま御指摘のソ連軍の極東の方面におけるところの増強とのかかわり合いの問題があるわけでございますから、私どもはそうしたことを含めまして十分監視をいたし、重大な関心を持って適時適切な措置を講じてまいりたい、このように考える次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 ですから私が言っているのは、脅威でないという判断はまず持たれない方がいいと思うのであります。脅威であるか脅威でないかまだわからないわけでしょう。どうなんですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 これは脅威というものの解釈でございますが、御指摘のような御解釈もできようかと思います。私どもといたしましては、この国後、択捉両島地域だけのいまの問題は、確かに新しい動きはございますけれども、これをもって直ちに脅威になり得るものにはつながらない。ただ、しかし、意図は那辺にあるかはわれわれも十分監視してまいらなければなりませんけれども、したがいまして、主として島嶼防衛的なものであろう、こう判断しておるわけでございますが、脅威のお考えにつきましては、それは御指摘のような見方もあろうかと思いますが、私どもといたしましてはこの国後、択捉両島地域に関する限りにおきましてはそのような見解を持っておる次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 防衛庁長官として責任のある答弁を求めたいのでありますが、いわゆるソビエト軍の極東軍が増強されていて、国後、択捉にそれだけ新たな軍隊が進駐してきている、そしてさらにその性格が不明である、そして意図が不明である、それで能力は脅威を感じさせる能力を持っている。そうであるならば、どうして全体的に判断して脅威でないという判断に立てますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 お答え申し上げます。  ソ連の極東方面における増強は、先ほども申しておりますとおりに潜在的な脅威でございます。しかも最近の国際情勢なり、あるいはオホーツク海等に対する一つの見方等からいたしまして、その意図は那辺に出るやわれわれはこれはわかりません。わかりませんが、その中において、昨年夏以来国後島に地上部隊が増強された、しかも基地が建設されたということは、これはもう私どもが確信を持って申し上げることでございますし、公表したわけでございますが、それでは防衛庁長官は、直ちに一部伝えられますとおりに、それで近接した地域において直接的な動きがあるのではないかというふうな、このような観測も推測も流れておりましたので、そうしたことにつきましては、私どもは、このただいまの状況からするならば、直ちに脅威を与えるものとは考えない、主として島嶼防衛的なものだと思うわけでございますが、しかし、先ほど来申しておりますとおりに、極東ソ連軍の動きというものは、やはりわが国にとりまして潜在的な脅威でございますから、その中におきまして十分監視してまいりたいというのが私の考え方でございますので、御理解賜りたいと思う次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 どうもこの問題はなかなか明確な答弁が得られませんで、私は不満であります。潜在化している脅威が国後、択捉で顕在化してきたというふうな判断をとる方が私はむしろ常識的だというふうに考えるわけでありますが、どうも防衛庁長官は明確な御答弁をなさらないようでありますから、観点を変えまして御質問を申し上げます。  御案内のように、日米安保条約の第四条、日本の安全と極東の国際の平和の問題について書かれておりますが、この国後、択捉に新たにソビエト軍が進駐をしてきたという形の中で、アメリカも島嶼防衛的だという見解で日本と一致しているのかどうか、この点はいかがですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 私の信ずるところによりますと、アメリカも同様な見解を持っていると思います。

神田厚民社党

○神田委員 防衛庁長官の信じるところということは、それはひとつ判断の問題としては明確でありませんね。具体的にアメリカ軍もこの国後、択捉のソビエト軍の動きについて島嶼防衛的だという判断に立っているかどうか、したがって、具体的にそういう問題について協議をしたのかどうか、その辺はどうですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 そのことについては、申し上げることを差し控えさせていただきます。

神田厚民社党

○神田委員 ちょっとそれはおかしいじゃないですか。どうして言えないのですか。一番大事な問題じゃないですか。来ている軍隊の性格が、日本の防衛庁とたとえばアメリカ軍で性格のあれが違うということになったら、それは大きな問題じゃないですか。どうして言えないのですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 繰り返して申しておりますとおりに、情報源、また入手方法等については申し上げることを差し控えさせていただきます。先ほど申しましたとおりに、私はアメリカも同様の見解を持っていると思います。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、もう一度お尋ねします。この問題についてアメリカと協議をしたのか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 そのことを申し上げることも差し控えさせていただきます。

神田厚民社党

○神田委員 これは協議をしたかどうかということは非常に大事なことなんです。そして協議の内容というのがどういうふうになっているかということは非常に大事なことです。やはりこれは言ってもらわなければだめですね。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 これは協議したかどうかということを一々申し上げることはお許し願いたいと思います。ただ、一般的にどのような形において情報を入手しているかということにつきましては、政府委員から御答弁いたさせます。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 お答え申し上げます。  在日米軍と防衛庁とは必要に応じまして随時協議をしております。また、その定期的な連絡会議もしておりまして、一般的に意見交換をしております。種々の情報につきまして、一般的に防衛庁と在日米軍あるいは米太平洋軍が協議しておるということは、これはもう十分御信頼いただきたいのではございますけれども、特定の情報について、あるいは特定の判断について、これについてアメリカに確かめたか、そういう御質問に関しましては、これは軍事情報というものの性質から申し上げまして、お答えするのは差し控えさせていただきたいと存じます。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 いま政府委員から申しますとおりに、一般的には米軍の情報もいま政府委員の申したとおりでございますし、そういう状況である。ただ、特定の問題につきまして申し上げるということはお許し願いたい、こういうことでございます。

神田厚民社党

○神田委員 これは一番大事な問題ですよ。いま、やはり北方の基地を、国会の決議によって、ソ連軍の軍事的措置を撤回せよということを言っているわけでしょう。そういう中で、アメリカ軍とこの問題について協議をしたかということはみんなが知りたいことじゃないですか。どうしてこれは言えないのですか。私は納得できませんよ。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 大変大事な問題であるということは御指摘のとおりでございます。また、大事な問題であるからこそ、私どももただいまの答弁を繰り返すしかないという点も御理解願いたいと思う次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 ですから、脅威であるかないかという問題が非常に問題になっていると思うのです。それが島嶼防衛的な性格かどうかという判断にも非常に大きな影響を与える。それをアメリカ軍も同じ見解に立っているかどうかという判断もいまの答弁の中では私らは判断できない。だから、本当は、正確なところはどういうふうな協議をこの問題でしたのかどうか。やはり明確にしてもらわなければだめです。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 御見解は私も十分ごもっともと思いますが、ただ私といたしまして、防衛庁長官といたしまして、それらのことにつきまして申し上げることは、これはもう差し控えさせていただきたい。このことは、やはり私は日本の防衛上大事な問題でございます。  そこで、私が申しましたことは、防衛庁はこのような情報を判断いたしまして、ただいま公表しているところでございます、しかもこれらにつきましては、今後さらに努力いたします、そしてこのことにつきましては、アメリカと同様の見解を持っておると思いますと申しましたことで御理解を賜りたいと思います。どのように協議したかとか、どのようにしたかというようなことについては、これはやはり申し上げることはお許し願いたいと思います。——一般的には随時協議をいたしておりますが、この問題も当然その中に含まれていると思います。(「思いますとは何だ」と呼ぶ者あり)含まれております。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、この問題についてアメリカ軍と、あるいはアメリカと協議をしたというふうに判断をしてよろしゅうございますね。それでは、その中におきましてまたいろいろ……。  そうしますと、私は米軍が同じ見解を持っているということについては納得しないのです。というのは、どういうものがそこにあるかということについては、そうだ。ところが、どういうふうな性格であり、どういうふうな意図を持っているかということについては、私は意見が一致していないと思うのであります。その辺は推測でありますから、これ以上言えませんけれども、ひとつそういうことを含めまして、今後この問題についてもう少し具体的な対応を今度は防衛庁としては考えていかなければならないのではないかというふうに考えております。  先ほど触れられましたが、それではこのことに関して防衛計画の変更をする必要はないと言っておりますけれども、その辺はどうでございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 ただいまの「防衛計画の大綱」は昭和五十一年に決めておりますし、その大綱を決めますところの前提と申しますか、判断するについての国際情勢につきましては「防衛計画の大綱」にも明記しているところでございますが、そうした情勢からいたしました場合に、この国後、択捉両島のものだけで、そのことのみをもってしてこの「防衛計画の大綱」を修正することは当面必要ない、このように思っておる次第でございます。ただ、現在の国際情勢は御承知のとおりでございますので、私どもとしては十分にその監視を行い、分析、検討を行い、適時適切な措置を講じてまいりたいと考えておりますが、当面「防衛計画の大綱」を修正する考えはございません。

神田厚民社党

○神田委員 大綱の修正というのはいろいろ国際情勢や何かの問題がありまして、私は判断としてはもうすでにあれを決めた時点からいろいろ変わってきていると思うのです。ですから大綱についての考え方、変更の問題についても、すでにその方向転換、変えていく方向をとっていいと思うのですが、具体的な問題としてたとえば自衛隊の北海道における配備の状況などは、これは変更する必要はないのでありますか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ただいま陸上自衛隊北部方面隊が北海道に約五万人ほどおりますし、航空自衛隊も航空団が千歳にあるわけでございますが、ただいまの国後、択捉の問題から直ちに北海道の部隊を配備の変更をするということは考えておらないわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 直ちには変更はないけれども、将来当然その変更をされるわけですね、状況が変われば。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ただいまの段階は先ほど申しましたように考えておりませんので、これから国後、択捉にさらに監視を続け、どういう状況の変化が起こるかを見きわめた上で、その段階で判断をいたしたいと考えております。

神田厚民社党

○神田委員 それでは、防衛庁長官に最後にお尋ね申し上げますが、こういう問題が惹起しております。  ところで、長官としては北方領土の視察に近日中に行かれるおつもりはございませんか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 国会で御審議をいただいておる状況でございますので、ただいまのところその意図はございません。

神田厚民社党

○神田委員 私は、これだけ問題になっているところでありますから、防衛庁長官自身が早い機会に北方領土の視察をすべきであると考えますが、いかがでございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 御意見として十分拝承いたしました。私は一月に実は雪のさなかの北海道へ参りまして、現地部隊も視察してまいりましたが、ただいまは国会の御審議をいただいておる最中でございますので、当面は考えておりませんが、御意見は十分拝承いたしました。

神田厚民社党

○神田委員 状況が変わったから当然行かなければならないのだろうというふうに私は思っているわけでありますが、ひとつそういう方向で検討していただきたいと思っております。  最後に、外務大臣に御質問申し上げます。  日米安保の問題やいろいろな問題とこの問題はかかわってくる問題で、外交的には大変むずかしい状況を迎えると思うのであります。そういうことで、先ほどお話がありましたけれども、北方領土の問題、さらにはこの軍事基地、軍事措置の撤回の問題、こういうものを含めまして、外務大臣は精力的に対ソ外交について責任を持って取り組んでいただきたい、そのことをお願いをしまして、御見解をいただきますと同時に、北洋漁業との関係でちょっと心配をしておりますのは、長い間漁業相でありましたソビエトの漁業相がやめました。そういう問題から、全体的に対ソの経済問題やその他も含めまして、日本政府としての対応というものを今後どういうふうに考えていくのか、その辺ひとりお聞かせいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 御趣旨のありました点につきましては、最大限の努力を今後も続ける所存でございます。  漁業の問題については、農林大臣、前々から非常に心配をし、いろいろ努力をしておられるようでありますが、今度の北方四島における軍事の増強によって、これが漁業問題に大きく影響するとは考えておりません。事務的な問題、経済的な問題は、御承知のとおり逐次日本とソ連の間では話は進み、また具体的な方向に進んでおりますから、漁業問題についても農林大臣と密接に連絡をして、いまの御趣旨のありましたように努力する所存でございます。

神田厚民社党

○神田委員 いろいろまだ質問を残した点もございますけれども、以上で、外務、防衛に対する質問を終わらせていただきます。  続いて、農林大臣にお伺いいたします。大変時間が少なくなってしまいましたものですから、要点について御質問を申し上げたいと思うのであります。  まず第一点は、農業基本法の見直しの問題でありますが、この問題につきましては、各所におきまして大臣がいろいろ御発言をされておりますが、私はやはりこの農業基本法が果たしてきた役割りをきちんと評価をしなければならないと思うのであります。それと同時に、農林大臣はその見直しについては農業を単に生産の場としてではなくて、別な面からも見直しが必要だと言っている。この別な面というのは一体どんなふうなところなのだろうか、こういうことをお聞きしたいのでありますが、この点についてはいかがでございますか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 仰せのとおり、農業基本法はそれなりの実績を上げてきたと思います。しかしその中には上がらないものも残念ながらあります。ただ、農業基本法は非常に合理化、近代化というような経済性だけを追求をしておる面も強くあります。しかし農村というのは単に生産の場だけでなくて、これは民族のふるさとであるし、自然の

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 私は、本日は、大きく二つに分けまして、婦人問題を中心にいたしますけれども、その一つは、国際婦人年の関係に関しまして、総理府総務長官の御意見を聞かせていただきたいことが少しございますので、質問させていただきます。  一九七五年にメキシコにおきまして、国連が定めた国際婦人年の世界会議が開催されました。そのときには日本政府の代表も出席いたしております。ただ、このとき日本政府は、この国際会議に出席するに当たって提案する案件は何も持たずに出かけております。出席される前に、私どもは衆参両院で婦人問題の集中審議をいたしまして、そのときに、初めての国際会議に出席する日本代表が何を提案するのかということをお尋ねしたのでございますけれども、そのときの御答弁といたしましては、今回は特別なものはございませんが、もっぱら世界の国々の御意見を承りましてと、こういうようなお返事だったわけです。大変に残念に思いましたけれども、日本側には何の用意もなく、空手で出席したわけでございました。全くの受け身の姿勢で終始いたしました。  そのときの決議で、御案内のように、会議のテーマでありますところの平等、発展、平和、このテーマを推進していきますために、そしてその推進によって婦人の地位の向上を図る、そのために各国が努力をするということが決められまして、具体的には世界行動計画というものを議決いたしましたわけです。世界の国々はそれに基づいて自分の国の国内行動計画を策定して、十年の間に、すなわち一九八五年に再度世界婦人会議を開く、そのときには目標が達成されているということを努力目標として進めていこうという話が決まりました。しかし、十年という時間は大変長いから、その間の五年の中間で会議をいま一度開催して、そして各国がお互いにその努力がどこまで進められてきたかということについて報告をし合って、そしてお互いに切磋琢磨して目的を貫徹しようではないかということになったということは御承知のとおりだと思います。  そこで日本では、御案内のように婦人問題推進本部を総理府の中に設置をいたしまして、本部長は総理大臣ということで組織をつくったわけでございます。この間によその国では、もうすでに一九七二年アメリカでは雇用の機会の平等法、それから一九七五年イギリスでは性差別禁止法、それぞれもう実施の段階に入っております。おくればせながら、世界婦人会議が終わりました後、スウェーデン、イタリー、カナダあるいはECの国国、これらもこれに似たような形の法律を次々と策定をしながら、男女平等の問題を実現させるという努力が続けられてきているわけでございます。  日本では、いま申し上げましたように組織が一応できたわけでございますが、きょうお尋ね申し上げたいと思いますことは、中間会議である一九八〇年に開かれます世界婦人会議に、今回は日本は空手では出席できないと思います。ですから、このときに出席をいたしますためには、どのような報告を用意しておいでになるのか、どのようなものを提案なさるおつもりであるのか、日本側の御用意を聞かせていただきたい、まず、そのように思いますので、お尋ねいたします。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 まず、お答えいたします前に、婦人問題について何かと御協力を賜っておりますことに対して感謝申し上げるところでございます。  ただいま御指摘のように、来年デンマークで婦人の十年の中間の会議が行われるということを承知をいたしておるわけでございます。したがいまして、わが国におきましても、その中間年の会議に処するためにいろいろ検討を進めておるわけでございますし、また国内の実際活動の推進について努力をいたしてまいっておるところでございます。そこで来年の会議の主題にもなるわけでございますが、前半五年間の実績を見直してみる、そしてその成果を踏まえながら次の後半五年間に対処するというようなところで準備を進めておるわけでございます。  御指摘のように、前回の会合におきましては、初めてのことでもございましたし、遠慮をしておった点もあろうと思いますが、皆さん方お帰りになっての御報告では、いろいろ有意義であったという、また何かと御活躍を願ったことも承知をいたしておりますけれども、専門家の先生の立場等から見ますと、いま申されましたような多少物足らなさのあったということも承知をいたしておるわけでございます。したがいまして、わが国も帰りましてから国内行動計画をつくって、その計画に基づいて事業の推進をしてまいっておるわけでございます。したがって、明年参ります際には、そうした五年間の実績の検討、そして後半に対する、こういう行動に出たいということを会議の中で申し述べたいと考えておるわけでございます。したがいまして、来年度の五十四年度の予算におきましても、そうした準備体制とともに会議への出席の準備予算等も計上いたしておるという現況でございます。  なお、具体的中身につきましては、政府委員が参っておりますので、政府委員から説明させたいと思います。

赤松良子内閣総理大臣官房参事官

○赤松説明員 ただいま三原総務長官からお答え申し上げましたように、来年度の予算案に世界行動計画のための活動費として五千百万円計上させていただいておりますので、この中で推進会議のための資料の作成及び会議の関心を盛り上げるための活動費及び出席のための予算、なお地域会議がインドでも開かれる予定でございますので、そのための準備等の活動をいたしたいと考えている次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 世界行動計画に基づいて、日本でも国内行動計画が政府の手によって作成されたことは承知いたしております。この問題は、内容につきましてはいろいろ問題がございますけれども、きょうはそれを取り上げることにはいたしておりません。  この次の会議に準備がされているというお話をいま承ったので、今度はうまくいくかなと思って期待をするわけでございますけれども、いま御答弁がございました中で、私が次の質問でお尋ねしたいと思っていたことが出てまいりましたのですが、それは、実は国際婦人会議のことやら、あるいは世界婦人会議が開かれたことやら、あるいはそれがどのような計画で、さらにどういうふうに進められていこうとしているかというようなことにつきましては、一部の関係者だけが承知していることでございまして、広く日本の婦人一般は、こういうことにつきましては承知いたしておらないのです。  それで、私どもの心配は、明年、中間会議がございますが、そこで、いま赤松参事官がお話しくださいましたような形で日本政府は出席することになるのだろうと思うのですが、それについて、政府がすでに決めて持っていらっしゃる既設の委員会や推進会議のようなものがございますが、それだけでなくて、もっと広く、各層を含めた幅広い、一般の婦人だけでなく男子の方たちの御意見も取りまとめて、そしてこういうことが世界的に進められているのだということをもっとPRとでも申しますか、よく普及徹底させていかなければ、ごく一部の人だけが仕事を進めているというかっこうになりまして、日本の婦人全体のためには決してメリットがいかないというふうに考えられますので、その点を具体的にどんなふうに進めようとしていらっしゃるのかということをあわせて伺っておきたいと思います。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 世界婦人年の目標が、先ほど御指摘のように、平和、発展、平等というような非常に高い理想、理想というよりも、そうした目標に向かって、これが実現を図りたいということでございますので、政府はもちろんでございますが、国民各層が理解をし、そして運動展開に協力するという体制が必要であるという御指摘のとおりだと思います。  そういう点によって今日までの状態を見ると、施策において欠けておるのではないかということでございましたが、この点につきましては、御承知のように、国内行動計画に基づきまして事業の推進を図りますにつきましては、やはり公的な機関あるいは民間の機関あるいは民間の団体、広く国民各層の方々の協力を得なければできぬわけでございます。御指摘のとおりでございますが、そういう点を配慮いたしまして、御承知のように、政府関係機関は十分連絡を緊密にいたしまして、婦人の問題につきましては、婦人ばかりでなく、一般団体等に対しましても、十分な啓蒙工作というか、理解、協力を願う工作はいたしておるわけでございます。そしてまた、御承知のように新聞、テレビあるいはラジオ、講演会等を実施をいたしまして、理解と協力について努力をいたしてまいっておるわけでございまするが、なお一層、いま御指摘のような十分でない点につきましては、今後もそういう点を受けとめまして努力を積極的にいたしたいと考える次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 どうぞその点はしっかりとお進めいただきますように、強く要望申し上げておきます。  それでは、次に、女子の労働政策の問題について質問をさせていただきたいと思いますので、労働大臣にお願いをします。  昨年の十一月二十日に労働大臣は、大臣の私的諮問機関でございましょうか、労働基準法研究会というのがございますが、その労働基準法研究会から報告をお受けになっていらっしゃるはずでございます。これは公表されましたので、みんなが承知しているものでございますが、その報告をお受けになって、労働大臣となさっては、それをどのように受けとめていくおつもりでいらっしゃるか、まずそのお取り扱いを聞かせていただきたいと思うわけです。     〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕 たとえば、こういう報告をお受けになったら、その報告を受けて、労働大臣となさっては、しかるべき機関を通じてさらにそれを検討するというようなことがおありになるのではないかと思うのでございますが、そういった問題について具体的に御用意がおありになれば、お知らせいただきたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 基準法研究会の報告につきましては、省としてもいまいろいろ検討しているところでございますけれども、長年にわたりまして、それぞれの専門家の方々にいろいろと労作を願いまして、それはそれなりに有益な、示唆に富んだ問題も出ております。しかし、これをどう取り扱うかということは、これから労使の代表を含めた関係の審議会で慎重に検討してもらう、こういうつもりでおります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 大変に抽象的な御答弁だったのですが、私はこんなふうに考えますので、その点をひとつ確認させていただきたい。  労働大臣は、婦人問題について諮問機関をお持ちになっていらっしゃいますね。婦人少年問題審議会というのをお持ちになっていらっしゃる。その婦人少年問題審議会が組織的に二つに分かれていて、そのうちの一つに婦人労働部会というのがあるというふうにも承知いたしております。私の想像では、恐らくこの部会でこの報告の内容が検討されるのではないだろうかというふうに思うわけです。多分そうだと思いますが、その場合に、確認させていただきたいことが一つございます。  それは、婦人少年問題審議会は法的裏づけのある労働大臣の諮問機関でございますね。ですから、その部会もおのずとその性格が伝わってきていると思いますが、片方は私的諮問機関ということになっておりますね。そこで、私が確認したいのは、この婦人労働部会が報告書の内容を検討するに当たって、報告書の内容に左右されるものではないということを私は明らかにしておいていただきたいと思うわけでございますが、その点いかがでしょうか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 ただいまも申し上げましたとおり、この報告書は非常に長い時間をかけまして、専門家の方々から御意見を聞いたわけで、それはそれなりの貴重な御意見である、こう受けとめておりますが、終局的にこれが審議会の審議を決定的に左右する、そういうものであるとは考えておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 もう一つ確認させていただきたいことがあります。  それは、この報告を拝見いたしてみますと、男女平等の基本的なあり方ということと、そして、女子の、いわゆる従来ございました保護の問題というのとが大きく二つに分かれているわけなのです。それで、二つに分かれておりますけれども、これは、本来的には決して別々のものではなくて一つのものでございますから、審議をお進めになる段階では別個にお取り扱いにならないで、必ず総合的にとらえて検討していかなければならないものだと考えますが、そのようにお進めいただくということについては確認させていただけますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 この報告では、男女平等法の制定の問題と、それから、保護には合理的な理由がなければならないという問題と、必要な母性保護、そういうものは遵守しなければならないということが書かれてありますので、それらを総合的に考えていくという立場でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 もう一つお願いします。  検討のお見通しですが、何か目標を置いて、いつごろまでに大体一応のあれをするというような腹づもりを持っていらっしゃるでしょうか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○森山(眞)政府委員 お答えいたします。  労働基準法研究会の報告書は非常に幅の広い、また多岐にわたるものでございますので、これを尊重いたしまして、各審議会で御検討を十分いただくという方針でございますので、時期的なめどはいまのところ決まっておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 めどは決まってないかもしれませんけれども、しかし、いつまでもだらだらするわけにいかないだろうと思いますし、来年の中間報告、世界婦人会議に政府側としてお持ち出しになる、提案される、あるいは報告されるものの中に含まれるのではないかというふうに考えられますが、それを目標にするくらいのめどで進めていただければありがたい、そういうふうに私は考えますので、これは要望として申し上げておきます。  さてそこで、いまの研究会報告の問題の中身に入らせていただきたいと思いますが、この報告の内容は、先ほども申し上げましたが、大きく二つに分かれておりますね。  その一つは、新しく男女平等法のようなものを、名前は別に決まったわけじゃございませんが、雇用、採用を初めとして労働条件の万般にわたる、そして行政的救済をも含めた平等法のようなものをつくるのでなければ、現時点では、いまのままでは婦人の労働問題は解決しないというふうに考えられておりますことが一つ。  それからいま一つは、いろいろと説明が加わってはおりますけれども、それを省略いたしますが、結論的に申しますれば、過度の保護規定が女子の職業選択の幅を狭める原因になっているから、平等を位置づけるためには、特別措置すなわち保護措置と規定されておりますが、これは解消されるべきである、言葉をかえれば撤廃するべきである、こういう提言になっていると私は理解いたしましたが、そのとおりでございましょうか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○森山(眞)政府委員 研究会報告の御趣旨は三つポイントがございまして、先ほど大臣からも申し上げましたように、男女平等法制定の必要、それから女子の特別措置については合理的な理由がなければならないということ、そして必要な母性保護は充実しなければいけないという三つのポイントであるかと考えております。  先生御指摘の点について申し上げてみますと、要するに女子は子供を産むという点について男子とは決定的に違うところがある。したがって、その部分につきましては十分手厚く保護をする、それによって初めて平等も実現できるという御趣旨ではないかと考えております。そのような意味に受けとめているところでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 一番最後の点は私は落としましたが、三つに分けようと思えば、そういうふうに三つに分けられるというふうに考えていけるだろうと思います。  そこで、男女平等法のようなものをつくって法的に明文化するということが必要だということはよくわかるわけでございますが、そればそれとして進めていく必要があると思います。実は、その点につきましては、私ども社会党では、八十四国会に参議院の方から提案いたしましたが、雇用における男女の平等取扱いの促進に関する法律案、これをすでに提案いたしております。ですから、報告の提言にございますように、行政的救済を含めた男女の平等法のようなものがつくられることが必要だという提案については私どもは異存がなく、ぜひそれは進めてもらいたいというふうに考えているわけでございます。  ところで、それはそれとして進められるのが一つの行き方だと思いますが、それ以外にいま一つ平等の問題で、現行規定でありますところの労働基準法についても、やはり手直しをしなければならないと考えられる面が一つあるわけでございまして、その点について御意見も伺いたいと思っております。  申し上げるまでもございませんけれども、それは、いま労働基準法の中で男女平等の点が明記されておりますのは第四条だけでございます。第四条は男女同一賃金の原則をうたった条文でございますね。ですから、これがただ一つの男女平等の取り扱いを明記している部分だというふうに私どもは理解できるわけでございます。  ところで、いま一つの問題になると思われますのは、均等待遇を明記いたしました第三条というのがございます。この第三条は「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と書いてございますけれども、この三条も四条も、もともとは憲法第十四条を受けてつくられている条文でございます。憲法第十四条はここで改めて申し上げるまでもございませんけれども、これは法のもとの平等でございますから、その中身は「すべて國民は、法の下に平等であって、人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、經濟的又は社會的關係において、差別されない。」というふうに規定されておりますが、これを受けてつくられた三条、四条といたしましては非常に不十分だと考えます。  ことに、平等の点において三条の中に性別は入っていない、性別ということがうたわれていないのです。その性別がうたわれていないことによって、現状では非常に大きな不平等が女子労働者と男子労働者の間に現存しているということを、後ほど申し上げますが、そういう事実があるということを労働大臣も御存じだと思うのでございますが、私はいまお尋ねしたいと思いますのは、この法律がつくられた昭和二十二年の時点において、なぜ三条に性別が入れられていなかったのか。憲法十四条を受けてつくられたものであるならば、ここでほかの文言と同じように性別という字が入っていてしかるべきであると思いますのに、なぜ性別を入れなかったのかということについての御見解を聞かせていただきたい。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 お答え申し上げます。  法の制定当時の資料について調べたわけでございますが、労働基準法で賃金についてだけ男女の差別的取り扱いを規制しているという点については、労働法上顕著な弊害の認められる事項について特に罰則をもって禁止規定を設けたものである、こうされているわけであります。  もちろん、労働条件の非常に大きな問題としては労働時間、休日、休暇の問題あるいは賃金の問題、それから安全衛生の問題というようなことになるわけですが、安全衛生とかあるいは労働時間あるいは深夜労働というような問題については、基準法上女子について一定の保護規定等もございますので、それで重要な労働条件のうち、賃金について「差別的取扱をしてはならない。」という規定を四条に置いたのではないかというふうに考えられます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまの御答弁でございますと、賃金だけはしてあるが、ほかのことについては保護規定が設けてあるからしてないのだというふうにおっしゃっていらっしゃいますね。この報告書の方を読んでみますと、「三条が性別による労働条件の差別を禁止しなかったのは、同じ法律の中に、女子の時間外労働の制限、産前産後の休業等特別の労働条件の基準を設けているためであると解される。」と書いてあるわけですね。これはこういうふうに考えているということなんですが、いまのお話と同一になるわけでございます。これをもう一つ解釈いたしますと、労働基準法の中では賃金以外のところに女子に関する保護規定があるからである、保護規定がつくられているからということは、言葉をかえて申し上げますと保護は差別であるというふうに理解できるわけですね。同一ではない。ですから、そういった差別の扱いがしてあるからここでは性別を入れることはできないのだ、こういうふうに解釈ができるわけなんです。そういうふうに理解していいでしょうか。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 法制定当時の考え方はどうかということでございますので、私ども先ほども研究会の報告にも御指摘がありますような考え方を申し上げたわけでございますが、その女子について、女子なるがゆえの特性に基づく特別な取り扱いという規定があること自体差別ではないかという考え方もあろうが、それはそのような規定があって女子が初めて男子と平等に取り扱われるべきものだ、したがって、憲法十四条の平等規定に反しないのだという記述もその当時の立法経過を見ますとございますので、私どもそのように理解いたしておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 わかりました。やはりそういうことなんだろうと思います。  そこで、差別と考えられるからというふうに理解されたのだと思いますが、そうだといたしますと考えを改めていただかなければならないわけでして、ILOの百十一号、これは雇用及び職業についての差別待遇に関する条約なんですが、この条約の中の第五条に「国際労働機関の総会が採択した他の条約又は勧告で定める保護又は援助に関する特別の措置は、差別待遇とみなしてはならない。」という規定がございます。ですから、母性を保護する、母性を保障する意味合いでつくられた特別の規定は、差別待遇とみなしてはならないと解釈することができるわけであります。  もともとこの百十一号がつくられたのは、雇用や職業における差別に関する条約は生存権や労働権など、個人の基本的人権擁護のためにつくられたものであることはもうおわかりになっていただけたと思いますが、重要な点は、企業活動の自由とか使用者の契約締結の自由というものがありますが、そういうものを乱用することを規制するためにつくられている条約なのだということが説明されているわけですね。ですから、そういうものが乱用されるということになりますと、労働条件ははなはだしく低下する、あるいは悪化されることが考えられますので、それを防ぐためにつくられたものであるということを考えますれば、いま百十一号で規定しておりますように、特別な措置を仮につくったといたしましても、それは差別だとみなしてはならないということでございますから、いままで差別差別と、母性保護があることは差別だという解釈、だからそれを撤廃しなければ男女平等にはならないのだぞという言い方をされることは間違った解釈であると理解すべきではないかと考えますが、間違っておるでしょうか。労働大臣、いかがお考えになりますか。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 いまの御指摘の点は、男女の雇用の平等を実現するためにどうあるべきかということを御提言いただいておるわけですが、その場合に母性保護なり、あるいは女子に不可欠な保護規定があるがゆえに差別待遇なんだから、それを取っ払わなければ平等でないという法律的な見解を言っておられるわけではないと理解しております。  ただ、雇用の平等を実現するためにもそのような一般の使用者がたとえば募集、採用に当たって女子に、母性保護規定は別といたしまして、そこに指摘いたしておりますのは、不合理な沿革的な、むしろ過剰な保護と申しますか、そういうことがあったのでは、雇用における男女平等が使用者のマインドからいってもなかなか実現できないのではないかというような意味で御指摘があったものと理解しております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 不要な過度の保護という言葉が出てきたわけですけれども、この問題は何も母性を保護するための条文とかあるいは規定とかいうことだけではなくて、一般の女子の労働条件の問題がうたわれなければならない、考えられなければならないわけでございます。私はいま申し上げたように、三条の中に性別が入っていない、四条で賃金の同一だけしか決めていない現状では、労働条件が女子については非常に不利な形になっている。これは報告書の中にもちゃんとそのことが記されているくらい報告書でもよく知っていらっしゃることなんですね。それを踏まえていらっしゃるはずだと思うのです。  たとえば、職員の配置の場合に、女子を全く配置していない仕事が九一・五%あるという報告がございましたり、あるいは配置転換の場合に、定期的な配置転換は女子については行わないというのが六九・六%ありましたり、あるいは昇進の場合に、管理職手当、役付手当が支給される役職への昇進の機会が女子についてもあると答えたのが四七・七%で、ない企業が五二・三%あるとか、あるいはさらに退職などの問題では男女別定年制の規定を設けている企業が非常にございますが、その中で男子は五十四歳以下がわずか〇・三%  で、残りの九九・七%は五十五歳以上であるのに対して、女子は四十歳未満が三・五%、四十歳以上五十五歳未満は五四・九%、五十五歳以上は四一・六%、かなり開きがございます。  このように男女の労働条件については非常に大きな開きができてくるというのは、どこにもそれを規制する条件と申しますか制度がないからだと考えます。この四条だけの規定では賃金だけでございますから、賃金以外の問題については直接禁止されているということにはならないわけですね。ですから、どういうふうに進めてもいいのだというふうになってしまうわけでして、雇用におけるあるいは労働条件における男女の差別の撤廃というのは、合法的な根拠が大変に弱くなるというふうに考えられるわけです。ですからいまのような結果が起こってくるのだと思いますので、労働基準法を手直しなさるチャンスをお持ちになるのでしたならば、いま申し上げましたような理由で三条に性別を入れることが適当である、それの方が正しいと私は理解いたしますが、大臣はどうお思いになりますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 いま保護か差別かといろいろ御議論ございました。私は報告書を全部読んだわけではございませんが、これは学問的とかなんとかいうことじゃなくて、私の政治的な感じから言いますと、時代とともに保護とかあるいは差別とかいうものは変わってくるものがあるのではないか、労働基準法研究会におきましてもそういう点に着目をしていろいろ提言をされているものと私は理解をしております。  そして、いま金子さんがおっしゃいましたとおり、第三条に性別を入れたらどうだというお話でございますが、この研究の報告書を見ましても、三条に入れることによって募集から採用、その入り口のところで必ずしも有効な手段になっていないという御意見もありますし、また、労働基準法は刑事罰を伴いますね。そういった場合に、これの入れ方にもよりますけれども、勧告とかそういうものがなじむかどうかということについて法制上の問題も意見がございます。これは先ほど申しましたとおり、長年にわたって専門家の方々がやっていただいた結果でございますので、一応それはそれとして私どもはいま承っているわけです。しかし最終結論をどうするかということは、一番最初に申し上げましたとおり、労使の代表で構成される関係の審議会で十分御協議をいただいてやるということでございますから、そういう意味合いで御理解をいただきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 これから検討していただくわけでありますから、いまここですぐお返事をいただくことは無理だと思いますので、いま私が申し上げました点についても考慮に入れながら検討をしていただきたいということを強く要望いたします。  それから、私は申し上げなかったのですが、いま大臣がおっしゃったのでつい申し上げますが、報告書が三条に性別を入れることによって、採用とか雇用とかそういうものは解決するわけじゃないからという意見があることは私も承知いたしておりますが、私は、それで雇用や採用を解決してもらおうなんて思ったことはありません。労働基準法というのは採用されてから後の労働条件を決める規定でございますから、雇用については新しい法律をつくらなければできないということはわかっております。だから報告書があのようにお書きになったことすらおかしいな、報告書は勘違いしておられるなというふうに私は思っているくらいでございまして、大臣、そういうことを活用なさるとおかしくなりますから、お使いにならない方がいいと思います。  それから、その次は一般女子の保護の見直しの中の一つでございますけれども、この報告書の中には、このことは必要じゃない、このことは理由がないというようなことがございまして、外した方がいいという御意見はたくさん出てまいりますが、それを一つずつ申し上げている時間がございませんので、最も重大だと考えるものだけにしぼって大臣の御意見を伺わせていただきたいと存じます。  それは何かと申しますと、深夜労働と時間外労働の問題でございます。  本来、労働基準法で最も問題になっていると思いますのは、基本の労働時間が現状は週四十八時間です。欧米の週四十時間に比べればはるかに長い労働時間だということが言えるわけでありますが、日本でも昨今四十時間を指向して少しずつ進めようとしている傾向があるということもわかっております。ですから、現状では四十八時間は長いから四十時間にするべきであるという意見があちこちから出ているということは御存じだと思います。ILOの看護職員条約でも看護婦の労働時間は週四十時間、そして継続四十八時間の週休をとるべきであるということはもうすでに明示されているわけでありますから、その点は改めて申し上げるまでもないと思うわけでございますが、問題だと思いますのは、現在の労働基準法の三十六条による労使協定があれば、いわゆる三六協定ですが、深夜労働も時間外労働も無制限に許されるという問題でございまして、いまそういう事態になっているところを、これはいま対象は男子だけですが、この報告書を読みますと、報告書の御意見はそのことを女子にも及ぼせ、こういうことになっているわけです。女子も同じようにしなさいということになっているところに非常に問題があると考えます。  それで、もしこれが女子に及ぼされるということになりますれば、共働きをしております女子はとてもできなくなる。というのは、社会的条件、たとえば家事ですとか育児ですとかということがかなりいろいろな条件が整ってきたから、いままでとは違うから外していいのだと、大変乱暴な御意見をこの報告書は書いていらっしゃいますけれども、実際問題として、いま社会的、環境的条件がそういう状態になっているかどうかということは、もう労働大臣御存じのはずでございます。ですから、そちらの条件を改善しておかないで、働く時間だけは男の人と同じで無制限に真夜中でも時間外でもできるのだというような乱暴な意見をお出しになるということは、結論的には女子に仕事をやめなさいと言うのと同じことになる、退職を強いるようなかっこうになると思います。そのことは国際婦人年の趣旨にも逆行することでございますし、私はそれは女子の労働政策として決していい方向だと考えないのですけれども、大臣はそれでもそれは間違っていないとお考えになるのでしょうか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 研究会の報告書の内容に立ち入った話でございまして、私、先ほどから申し上げましたとおり、報告書は報告書として一応私どもは承っておきまして、そして労使の代表で構成されるそれぞれの審議会で十分に御意見をいただきたい。ここで私が労働大臣の立場から金子さんの質問に対して、これはどうだあれはどうだということをお答えすることは適当でないと思うのです。そういう意味合いで御返事は差し控えさせていただきたいと思いますが、しかし、この報告書の中でも、時間外労働が長時間にわたるということは男女ともに好ましくない、総合的に考えるべきだというのもございまして、読み方によりますと、今後の行政に大きく役立つのじゃないかという点も感ずるわけでございまして、いずれにいたしましても、ここで一つ一つの内容についてお答えを要求されることはお許しをいただきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 大臣はお逃げになっていらっしゃるのですけれども、まあ個人的な見解を伺うといってもそれは無理かと思います。それはこれから審議をなさるということでございますので、それでは考え方についての御意見を聞かせていただくということにいたします。  いまの問題でございますけれども、深夜労働なんというのは女子だけの問題ではなくて、男子にも同じ問題があるわけでございますから、今度の報告書が深夜労働あるいは時間外労働というものを無制限にするなどということが、働く人たちの身体的あるいは精神的、社会的生活に非常に大きな支障を来しているということがあるという現実に目をつぶっていらっしゃるというのは非常に問題だと私は思うわけです。  なぜかと申しますと、この報告書の中に、それによってどういう結果が生じているかという大変に芳しくない資料がすでに出ているわけですね。時間がございませんので細かくは申し上げませんけれども、深夜業をいたします職種と昼間業務だけしかいたしません職種と比較いたしますと、女子の場合ですと流産や早産や死産や異常分娩がはるかに多いという数字が報告書の中に載っていますから、報告書をつくられた方は御存じのはずなんです。そうだとすれば、大変矛盾した意見をお出しになっているなと私は思うのでございまして、その辺は篤とお考えになっていただきたい。  それで、平等平等というふうに申しておられますけれども、平等というのはレベルダウンの平等ではないのでして、レベルをアップされた形の平等、言葉をかえれば、よりよい条件での平等でなければならないというふうに私は考えますが、今度の報告書はレベルダウンでの平等になっているというところが非常に大きな問題だと思うわけです。その辺を御審議なさる場合に、そのことについては大臣も私の考えが間違っているとはお思いにならないだろうと思うのですが、これは一般論で、決してこの報告書の中身ということでなくて、平等にするということはレベルアップの平等だということは間違いないというふうにお考えいただけるのじゃないでしょうか。——お聞きおきください。時間が迫ってまいりましたから次にまいります。     〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕  報告書はたった一つ大変においしいあめをしゃぶらせてくれています。そのあめをいまからお話しするわけですが、この辺からは厚生大臣にも聞いておいていただきたい問題でございます。言葉をかえて申しますと、母性機能に関する部分だけは丁重に扱うと申しますか重要視して大変に手厚くする、こういう考え方を出してきていらっしゃるのですね。どんな手厚さを出してくださったかしらんと思って見てみましたら、母性というのを妊娠と出産期だけに限定しているのです。大変狭義の解釈をしています。  時間がございませんから質問いたしませんが、かつて母子保健法の問題を社会労働委員会で議論いたしましたときに、母性という言葉が法律の中にいっぱい出てくるわけです。ところが、その母性とは何だという定義がどこにもないのです。それで厚生省にお尋ねしたことがあります。いまの大臣ではなくて前の前の方でございますけれども、そのときに厚生省の御答弁は、母性機能を持つ女性はすべて母性であると解釈するというふうにおっしゃった。公衆衛生局長の御答弁でしたが、私はそれは正しいと思っているのです。ですから言葉をかえて申しますれば、女性イコール母性だと解釈していいと思う。決して妊娠や分娩だけが母性ではない。これはもう明らかにわかっていただきたいのです。ですから、これから御審議なさる場合にそういう間違いが起こらないように、基本的な問題として労働省はしっかりとこの点をわきまえていただきたいと思うわけでございます。  そこで、女性の心理的あるいは社会的あるいは身体的状態というのはそのまま母性機能に影響するのです。直接のものでなくても非常に影響があるということが証明されておりますので、この点で一つ例を挙げますと、今度の報告書が、撤廃する方が正しい、合理的な合法的な理由がないから撤廃するべきであるということで問題を醸し出しておりますのが例の生理休暇の問題でございます。私はここで生理休暇の問題を論ずるつもりはございませんけれども、労働大臣にわかっておいていただきたいと思いますこと、あるいは厚生大臣にも同じ問題になりますけれども、報告書の中で、なぜ撤廃する方が正しいかという理由について、よその国ではないとか、日本と韓国とインドネシアしかないとか、日本は大変に後進国だみたいな言い方をされているとか、あるいはこれは産婦人科医の意見としても医学的に全く根拠がない、こういうふうに報告書を出していらっしゃいますけれども、実はそうではないという資料も片っ方にはあるわけなんですよ。  たとえば私の手元にある資料は、大阪大学の医学部の公衆衛生学教室の研究でございます。生理休暇をしたかしなかったかということが、その人が後に妊娠したときにどういう影響が来るかということに対する研究です。さらにまた、大阪の佐道正彦さんという先生の御意見もあります。それから京都の大塚いづみ先生という先生の御意見もございます。  その先生方の御意見を集約いたしますと、「生理時就業の影響とともに、生理時にも休めないような職場や労働条件の影響も考えなければならない」「現在の労働のあり方は健康と母性に有害であり、改めなければならない。しかし、この状態がつづくかぎり、働く婦人にとって生理休暇は必要であると考える。」産婦人科の先生です。ですから、私が労働大臣に申し上げたいことは、少し私の言葉が過ぎるかもしれませんけれども、お医者さんたちの意見というのは一人ずつ違うのですよ。御承知のようになかなかまとまってなんかいない。ですから、いろんな意見があるということを御存じでなければならないと思うのです。政府にとって都合のいいような意見をお吐きになる方だけで委員を構成なさったりしないで、もっと幅広くいろんなところから専門家をお集めになって、そしてもっと総合的な立場で公平な意見が出るような形でまとめていただきたいのです。もうすでに報告書は出ましたから、この報告書はこれで仕方がないでしょうけれども、これから労働省が中身を詰めていらっしゃるわけですから、そのときに再度それはぜひやっていただきたいということを強く要望しておきます。  そこで、いま一つ、問題のあめの問題になりますが、報告書は、産前産後の休暇がいま六週間ずつございます、それを産後八週間にしたんですね。産前をそのまま据え置いて産後だけ八週間にしたわけです。その理由はなぜかということをこの報告書は書いております。  その理由は、産前は平均三十六・四日休んでいる。産後は平均四十八・七日休んでいる。だから平均四十二日よりも産後の方が長いじゃないか。だから産後の方が長くしておく必要があるのだろう、こういうふうになっているわけです。それはそれでも間違いじゃないと思いますが、私が申し上げたいのは、いまの報告はなぜ産後に長くみんなが休んで産前が短くなっているかということです。それはなぜかということは、申し上げておきますと、全体で合わせて十二週しかないのです。ですから、働いている人たちは無理してでも産後のつらい時間を休みとして長くとりたいのです。産前の分を産後へ回しちゃうんですよ。ですから、産前は五週ないし四週間しか休んでおりません。ということになりますと、ここで厚生省の問題にかかってくるわけなんですけれども、産前が大変短いということは大変問題です。  厚生大臣、お尋ねしますよ。厚生省は五十四年度の予算で総合母子保健センターの整備に六億円とっていらっしゃる。何でこの金を準備なさったかということなんです。何をするためにこれをおとりになったのかということを一言おっしゃってください。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 非常に簡単な答え方をさせていただきますと、総合母子保健センターは、妊娠から乳児期、特に分娩周辺期の母子保健また医療を強化していく、またそうした方面に対する研究を推進していく、そのためにこしらえたものであります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 わかりました。  そこで、私が関心を持ちますのは分娩周辺期の問題なんです。これを申し上げておきたいと思うのです。労働大臣もよく聞いていていただきたいのです。  今度この予算が組まれたことは私は非常によかったと思って評価しているわけなんです。いままで長い間何もしていらっしゃらなくて残念だったのですが、しかし今度お組みになったので大変よかったと思っています。何遍も私は申し上げているものですからついそう言いたくなる。なぜかと申しますと、この分娩周辺期というのは大変問題があるわけです。というのは、周産期死亡というのがあります。周産期死亡率は日本は大変高いのです。そして周産期死亡率の中の特に後期死産、妊娠八、九、十カ月の間に起こる死産、これは世界一です。出生千人に対してデンマーク六・二、スウェーデン六・六、オランダ八・九のとき日本は一一・三です。世界一が好きな日本でこんなところにも世界一がついているのですけれども、しかしなぜこんなに世界一高いかという問題なんです。これは一口にして申しますれば母性の保護が不十分だからなんです。妊娠後期というのは妊娠八、九、十です。いま申し上げた産前の休暇ですね、六週間だと一カ月半です。ですからこのときもうすでに妊娠の九カ月の半ばに入っているのですよ。その分をさらにみんなが出産後へ回しているでしょう。ですから出産の前はせいぜい一カ月しか休んでいない。妊娠十カ月のときだけしか休んでいないことになるわけでして、そうすれば産前を非常に痛めつけているわけですから、この産前に起こるところの死産が世界一高くなるのも無理もないと思うのです。せっかく産後を八週間になさったのならなぜ産前も八週間になさらないのです。産前八週間だって十分じゃありませんけれどもまあまあです。四週間とれますから九カ月と十カ月はちゃんと休めることになるわけですね。せめてそれぐらいやっていただかないと、産後だけを八週間にしても片手落ちです。意味がないとは申しませんが、片手落ちです。この大事な厚生省が計画をなさった分娩周辺の問題というのを取り上げましたときには、産前も当然なければならないというふうに考えますので、御検討をお加えになるときにはぜひそれをしていただきたいと思うのです。厚生大臣もそのことについては私の言っていることが間違いでないとお考えでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 いま金子さんお述べになりました数字は昭和四十九年の数字ではないかと思います。確かに周産期死亡率の中で後期死産率だけをとりますと日本は必ずしも成績がいいとは申せません。ただ、少なくとも五十一年には九・七、そして五十二年には九・一と年々努力のかいがあって低下をしてきておることも事実でありますし、周産期死亡率全体では必ずしも日本はそう不成績な方ではないことは金子さん御承知のとおりであります。ただ、私どもとしては、こうした分野は非常に大切なことだと考えておりますし、労働省の方から御要請があれば関係のデータ等幾らでも私どもは御協力をしていくつもりでおります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その点については、いまの数字は私も承知いたしております。ただ、私が強調したかったのは、その二つの死亡の中の生後一週間の死亡というのは日本はかなり低いのですけれども、後期死産が大変高いということをいまの休みの時間とあわせて説明をしたわけでございます。ですから、私はできれば厚生大臣から労働大臣に進言していただきたいのですよ。労働大臣がこれから内容を検討なさるのだそうですからそれに間に合うように、データをつけて、厚生大臣が専門のお役所の立場から労働大臣の方へ進言していただきたいと思いますが、やってくださいますね。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 ことしちょうど国際児童年でありますし、私どもは母子保健制度全体の見直しをいまやろうとし、専門家の方々に御協力を願おうとしております。当然その一環としてこの問題も十分御意見をいただく分野でありますので、その結果として、そういう必要があれば関係当局には私どもの意見は十分申し述べたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 お願いいたします。  では、もう時間になりましたので、最後に労働大臣から御所見をひとつ伺いたいことをお尋ねいたしまして終わりたいと思います。  それは、いままでいろいろとお話ししてまいりましたような次第でございますので、私どもが考えますのは、研究会の報告の御提言というのは平等平等ということを非常に表にお立てになっていらっしゃる。これをたてにして、家事とか育児とかといった社会的条件がまだ改められないままに労働条件の低下が強いられていくようなことになるおそれがあるというふうに考えますので、そうなると、女子の労働権も生活権も奪われてしまう。同時にそのことは男子の生活権にも影響するわけでございますから、その点を十分に考えていただきたいと思うのです。  そこで、男女平等法のようなもの、こういうようなものを早急に制定なさる御努力を進めてくださって、そしてそのことが定着するまでの間は、社会的環境や条件が改善されない間は、女子の労働条件を悪化させるような特別措置を撤廃するなどということを早計になさらないように、それをなさってはいけないと思います。女子労働政策上ゆゆしい問題になると思うわけでございますので、そういうことがもし行われるとすれば、明年の中間報告あるいは五年先の国際婦人年に報告をいたしますときに、私は日本は大変立場が困るだろうというふうに考えますし、そのようなこともあわせてお考えになって、いままでのやりとりの中で労働大臣がお感じになっていらっしゃる、どうしたらいいかということについての御本心ですね、女子の労働政策について、ポーズやたてまえでなくて、本音のところを一言お聞かせいただいて質問を終わりたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 先ほど申しましたとおり、この報告書というのは専門の方々が長い時間をかけて御検討いただいて、そしてその中では、いわゆる男女平等法の制定、合理的理由を失った保護は解消する、必要な母性保護は充実する、この三つ立てになってきております。これらの御意見を踏まえまして、きょうはまた金子さんからもいろいろ貴重な御意見も出まして、今後の審議会でそういったことを中心としてやられるのではないか、私どもはどこまでも総合的に考えたい、こう考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そのお考えは徹底させていただきたいのです。報告書が出ているから報告書を中心に、それは専門家が大ぜい長年かかってやったことだからというふうに尊重されるのは結構だと思いますけれども、別の意見をお出しになっている専門家があるということやら、そのほかの意見があるということもお忘れにならないで、もっと幅広く総合的にしっかりとこれからの検討は進めていただきたいということを強く要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

竹下登自由民主党

○竹下委員長 これにて金子君の質疑は終了いたしました。  次に、矢山有作君。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 きょう私は同和問題一本にしぼってお尋ねしたいと思いますが、きわめて時間が制約をされておりますので、簡潔に、しかも核心をついた御答弁をお願いしたいと思います。  まずお聞きしたいのは、今後の部落問題の早急かつ効果的な解決のためには、特別措置法十年の間の施策の成果と欠陥、それから現在の部落差別の実態、そういったものを総括をしてみる必要があると思うわけです。そこで、それぞれの大臣から、どういうふうに総括をされておるか、まず承りたいと思います。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 お答えをいたします。  総括的な所見を述べろということでございます。まず同和対策に対しまする基本的な私ども政府の考え方を申し上げたいと思いますが、かねて申し上げておりまするように、同和問題というのは何と申しましても憲法が保障する基本的人権にかかわる問題である、きわめて重要な問題だと考えております。したがいまして、特別措置法を基本といたしまして、この精神を踏まえてこの事業の推進に積極的に当たりたい、そういう姿勢で参っておるところでございます。  そこで、現状をどう総括的に見ておるかということでございまするが、第一には心理的な問題と申しまするか、国民にこの特別措置法の本旨を十分理解願う、そして同和問題の早期解決のために国民全体に協力してもらわなければならないと思うわけでございます。そういう点において、啓蒙運動というものを徹底させなければならぬという考え方に立っております。  第二番目には、五十年からスタートしてまいりました同和対策事業の推進の状況でございます。効率的に事業を推進しようという配慮のもとにやってまいりましたそうした事業が、どう今日まで推進されたかということをこの際見直してみる必要がある。  次には、第三番目には、あと三年になってまいりましたが、その三年間で残された残事業というものをぜひ果たさなければならぬ。それには今日までの実績を踏まえて、どう対処してまいるかというようなことについて具体的に準備を進めておるし、積極的にこれが推進をいたしたい、そういう考え方で進めておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 あと総括的な意見だけ各大臣から……。総括的な意見だけでいい。基本的な認識はもう聞いたから、総括的にいままでの事業の成果についてどういう考え方をしておるか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 基本的な認識については、いま総務長官の答えられたように、同和問題の解決は国並びに地方自治団体の責務である、国民的課題である、そういう点については全く同感であります。  それから、労働省としましては、同和地域住民の方々の就職の機会均等を確保する、このことが問題解決の中心の課題である、そういう認識に立ちましていままでも積極的にやってきたつもりでございますが、さらに積極的にこの点について努力をいたしたい、こう考えております。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 基本的認識につきましては、もうすでに話がありましたから触れません。  特別措置法の制定以来十年間の成果、結果につきましてどういうふうに受けとめておるかということでございますが、事業の効果を数量的につかまえることはなかなかむずかしいことでございまするけれども、一、二の例を挙げまして申し上げまするならば、高等学校の進学率等について、あるいは住民税の所得割課税世帯等の数字についてみますと、全国平均とはまだ格差がございまするけれども、相当の効果が上がっておると思われます。また昭和四十四年度以降五十三年までに物的な施設に向けられた国費は、単純累計で申しまして五千九百七十三億円に達しまして、隣保館とか保育所、改良住宅、公営住宅等も相当に整備されてまいっておりまするが、今後も私どもはできるだけの努力を重ねてまいりたい、かように考える次第でございます。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 基本認識につきましては、各大臣が申し述べられたと同じ認識を持っております。関係する省庁も多いわけでございますから、関係省庁が本当に一体になって、力を合わせて国民的課題である本問題の解決に真剣に取り組んでいかなければならぬ、かように考えます。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 法務省としましては、人権という立場からこの問題に一生懸命になっておりますことは御承知くださっているかと思います。人権尊重、社会正義、そういう考え方から、いままで人権擁護委員、これの活動を促したり、資質の向上を図ったり、あるいは人権侵犯事件に対応したり、人権相談に協力しましたり、そういうふうなことをやってきておりますが、これは細目といたしまして、基本的には先ほど申したような考え方でおります。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 文部省としては、基本的人権の尊重ということを教育の中心にして指導しておるのであります。特に教育の機会均等という観点から、同和地区における教育を高めていきたい、こういうふうに努力しております。  それから、十年間の成果でございますが、文部省が重点を置いていますのは、高等学校、大学に対する就学奨励を積極的にやっております。そのほかに、地域の集会所の整備を強力に進めております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 いま聞きましたら、各省それぞれやったことの成果の面だけをおっしゃったわけで、欠陥の面なり、さらにこの面に努力しなければならぬということについての見解の表明はなかったわけでありますから、これは総括にはなっておらぬと思うのです。  それはそれとして、次にお伺いしたいのは、これは各大臣からお伺いしたいのですが、時間がありませんから総務長官の方から伺ったらいいと思います。  先ほど総務長官は、残る三カ年の間に残事業については全力を挙げてこれを果たす、こういうふうにおっしゃったのですが、残事業を果たせばそれで部落問題は解決されるというふうに認識しておいでになるのかどうか、これが承りたいところであります。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 お答えをいたします。  私は、事業も三年間で膨大な事業でございまするので、ぜひ果たしたいという努力目標を立てておるわけでございますが、それだけで同和問題がすべて解決をするというような見通しは持っておりません。やはりこれから先も続けなければならないという見方をいたしておるのでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 五十四年度以降も相当の残事業が見込まれておりますので、特措法を三年延長したというのでありますけれども、政府は残事業として国費負担分が約三千二百六十億円と考えておるようであります。ところが、残事業については、また異なった意見がありまして、たとえば全国の市長会、これは二百四十一の関係市の方の集約分を出しておるのでありますが、これが五十二年度以降の残事業ということで、物的施設だけで約一兆二千億円ということを言っております。また、解放同盟の側は、これに全国の町村分、未指定地区の分を加えますと、物的施設だけで約四兆円になると言っておるわけであります。これは大変な開きがあるわけでありますが、部落問題の解決が、先ほどもおっしゃったように物的施設のみではできない、これは私もそう思うのです。しかしながら、物的施設の整備ということもこの部落問題の解決に大きな意味を持っております以上は、少なくともどれだけの物的施設の整備が必要なのかということぐらいは調査をすべきであると思うのですが、この点については、総理府総務長官、どうお考えですか。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 お答えをいたします。  残々事業の実態把握をすることは、事業推進のためにきわめて重要な問題であると考えておるわけでございます。  そこで、私どもも、いま申されました政府サイドで考えておりまするあの五十年に全国的な調査をいたしました成果、その後また具体的に県、市町村から上ってまいりました追加事業、そういうものについてもこれを追加集計をいたしまして、将来の残事業として整理をいたしておるわけでございます。  なお、市長会から出ました事業、これとの格差がございます。この格差の内容等につきましても、事業面とまた予算面との検討も私は進めておるわけでございまするが、予算面におきましては、実はあれは国庫補助対象のものと、それから、しからざる単独事業でなさいました、また、なさろうとする事業等の検討も必要であるようでございます。そういう点で数字の差があり、また当時の物価等を見ました予算の立て方等にも検討する問題があるなということで、これは整理をしてまいりますれば、市長会から出たものについてはある程度の整理がなされる点もあろうと思いますけれども、それから単独事業の中で国で認められるものがないかというような点から、そういう点で整理をして、これも検討を進めておるわけでございます。  なおまた、同盟関係から出てまいりました数字はきわめて膨大でございます。これらの問題につきましても検討は進めてまいっておるわけでございますが、そうした点でいま指摘をされましたような三つの立場から、政府そして市長会、それから組織から出ましたような数字等も十分検討を加えまして、合理的な、しかも効率的な成果を上げるために整理をいたしておるところでございます。  そこで、残事業をどうそれじゃ処置していこうといたしておるのか、調査はどうするかという御指摘でございます。そこで調査問題につきましては、五十年に実施いたしましたような抜本的な一斉調査をまた行い得るかどうかというような点につきましては、いまのところすぐそれが行えるというところまではいっておりません。そこで、現状におきましては、私どもの職員の出張調査、それから関係各省庁におきましてやっておりまする同和関係の担当局におきまして、県あるいは市町村等と連絡をとりながら、そこで究明、検討をいたしまして整理をいたしたい、そういう処置で調査の終結を見たいというような考え方のもとに現在は取り組んでまいっておるところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 残事業の把握がきわめて重要だというふうにおっしゃったわけでありますが、この点については私も同じ意見でありますから、ぜひ残事業については的確に把握していただくようにしたいということと、残事業残事業といいましても、五十年調査で出ておるのは、いまお話しになったように物的施設についてのみの調査でありますから、したがって、物的施設のみが整えばそれで部落問題が片づくのかというと、そういう問題ではない。これはよくおわかりのとおりであります。したがって、そういう意味で残事業の物的施設の面についてもこれは検討していかなければならぬが、同時に、各面の問題についてもこれは調査をする必要がありはしないかということを私は思うわけであります。  この点については後でもっと詳しくお伺いするとして、次にお伺いしたいのは、特措法の一部改正のときに三カ年の延長がなされたわけでありますね。この三カ年の延長がなされたその意味をどう理解しておられるかということを聞きたいのです。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 三カ年の延長につきましては、先ほども申しましたように、第一には心理的な、国民への理解、啓蒙の運動が将来とも展開をされなければならない、こういう点について問題が残っておる。なおまた、残事業関係におきましても相当な残事業が残っておる。それから今日までの事業推進について見直してみる必要がある。そこに、この現行法によって効率的な運営が、事業推進ができるのかどうかというような問題とともに、またそういう意味で広く検討した上で法の改正までやらねばならないのかどうかというような検討も残されておる。また、運営上の問題にいたしましてもいろいろな意見があるわけでございます。そうした窓口一本化を展開すべきではないかというような問題もございます。あるいは事業の内容等につきまして、先ほども申し上げましたが、そういう残事業についての具体的な検討をこの際していかねばならぬ。そういう問題を残しておりますので、三カ年延長して最終的な一つのめどをつけていくというようなことで三カ年を延長したものだと思うのでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 この三カ年延長したという意味については、五十三年十月十九日、これは参議院の内閣委員会ですが、当時の稻村長官が、「このたび三年間の延長というのは、これをもって打ち切るという、こういう意味合いのものではありません。そういう意味で、この三年間で中で今後同和対策事業をどう進めていくか。たとえば基本的な問題、あるいはまた人権的な問題、教育問題等、こういったことがこの三年の中でいろいろ研究をしていただいたり、あるいはまた現地の実地をいろいろ調べていただいたりして、そしてこの三年間の中でこれから同和対策事業というものをどう進めるかと、こういうことで今度の三年の延長の私は意義があると思っております。」こう言っているわけでありますから、したがって簡単に言うと、後段の部分はあなたがおっしゃったように、この残事業を含めその他部落解放の問題での必要ないろいろな面の検討をやって、この三年間でこれをやるのだ、この点については私もわかります。ところが、この三カ年でそういうようないろいろな検討をやるのだけれども、そのことは逆に言うなら、三カ年でこの特措を打ち切り、これで済んだということになるのではないということを稻村長官は言っておると私は思うのですが、その点は三原長官も、三年間で打ち切りになるのではないということについてははっきりしておりますか。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 御承知のように、三カ年延長の問題につきましては、私も党の代表委員の一人として、この三カ年延長について参加をしたわけでございます。したがいまして、その際に三カ年延長ということは、一つの区切りをつけて、三カ年の間に、事業等については一つの目安をつけませんと、なかなか遷延してまいるも一のでございますから、三カ年の間にできるだけこれをこなしていくという一つのめどをつけたと思うのでございます。しかしながら、それが残った場合はどうなのだという、その当時いま御質問のような御意見があったことは承知をいたしております。したがいまして、その時点に立って、私はこの問題は取り組んでまいりたいと思いますということを申し上げたことを記憶をいたしておるのでございますから、この場で、私が三年後にはまたこれは延長を考えておりますというようなことを申し上げることは適当でなかろう、そう考えておりますけれども、いま申し上げました中で残事業、まだ事業が終わらない点あたりについてどうするかというようなものをあわせながら、そういういま申されたような御質問の意向等も含みながら、私は、その時点に立ったならば、再度ひとつ御相談を申し上げる時期があろうと思いますということをお答えをしておきたいと思うのでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 いまの御答弁を聞いておりますと、必ずしも三年で打ち切りということは考えていらっしゃらないようでありまして、三年で打ち切らぬのだということははっきりは言えない。しかしながら全体の御答弁の趣旨からすると、これはまあ三年で打ち切ろうと言ったって打ち切れないはずだし、打ち切る意思はないものというふうに私ども理解しながらお尋ねを進めたいのでありますが、問題は、国会の附帯決議で実態調査の問題について触れておりますね。今後実態調査をやらなければならぬという意味の附帯決議がついておるわけでありますが、さらにまた、当時の稻村長官の先ほど私が会議録を読みました御答弁を見ても、実態調査の必要性というものは言っておると思うのです。そうするとこれは当然五十四年度予算の中で、実態調査のための経費というものが計上さるべきであると、私どもはその御答弁なりあるいは附帯決議を見て考えておったわけでありますが、計上されてないようでありますけれども、これは実態調査をするのかせぬのか、一体どうするのですか。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 実態の把握が今後の事業推進にきわめて重要でございますので、実態調査をしなければならぬと思います。しかし先ほども申しましたように、五十年に実施いたしましたような全体的な調査というようなやり方でなくして、私の方におきましては担当者が現地出張をして調査をする、関係省庁は関係省庁において窓口として都道府県と連絡をされまして、そういう中で都道府県あるいは市町村から出てまいります事業等を検討していただいて調査をやっていく、そういうことでおるわけでございます。したがって、私ども本庁におきましてはきわめてわずかでございます。百数十億円の調査旅費を組んでおるということでございますが、関係省庁は関係省庁でそういうものをお組み願っておるわけでございます。——ちょっと失礼しますが、百数十億でなく百数十万でございます。訂正いたします。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 百数十億組んでおっていただければ、これは実態調査が十分できると思ったのですが、百数十万ということですから、これでは実態調査にならぬと私は思うのです。ただ自治体に電話をかけたりあるいは職員を出向かしていって、おまえのところの残事業どの程度あるのだとか、その程度聞くことなら、それは百数十万ぐらいのことでできると思うのです。ところがこれだっていま電話代上がっているし旅費も上がっているし、それはなかなかできないと思う。またそういうことのやり方では部落の現在の実態というのはつかめぬのじゃないですか。私は、附帯決議で言っておる「法の有効期間中に、実態の把握に努め、」云々というのは、そういう意味のことを言っておるのではないと思うのです。五十年度のときにやったような調査はできぬとおっしゃるけれども、しかしながら現在十カ年間の特別措置法の間にやられたことを考えてみて、後で申し上げますけれども、一向に部落問題は解決したということにはいっておらぬと私は思う。差別事件は続発するし、しかもそれは悪質化してきておるし、そういうことを見ると、金はかかっても実態調査というものを精密にやって、その上に立って今後の総合施策をどうやるかということを考えるべきじゃないのですか。附帯決議にあること、しかも実態調査をやらなければならぬということは稻村長官も言っておるのに、それを変えるというのはおかしいですよ。これはどうなんですか。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 実態調査をやらないということではございません。先ほどからるる申し上げておりますように、ただ五十年の実態調査を踏まえ、また先ほど申しましたように市長会から出ております資料もございます。また、組織から出ております資料もございます。それから、各県、市町村においていろいろな計画もお持ちでございまするので、そういうのを現地に行って調査員が調査いたしますとともに、なおまた、市町村あたりからあるいは県から担当者がお出ましになって、よくそういう点について各事業をやっておりまする省庁が窓口となって調査をし実態を把握して、連絡会議においてこれをまとめていこう、そういうことでやっていこうという方針でございまするので、その方針でことしはやらしていただきたいということで、各省庁もそういう予算を持っているわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 五十年のときの調査にしても、あなた方が言っておられるように、物的施設の面を中心にした調査になったわけでしょう。だから、教育だとかあるいは生活だとか就職だとか、そういった全体の面についての調査が徹底したことになっていないのですよ。だから、今後の総合施策を進めていく上においては、同対審の答申にも言っているように、そういう全体の部落の実態を把握する必要がある、こういう立場から私は話をしておるのであって、物的施設だけ府県が何ぼ持っておる、市町村が何ぼ持っておる、それをまるで寄せてきて、それに対してこちらの判断で切るものは切るなんということをやるのが実態調査だと私は思っていないのです。したがって、先ほど私が言ったような意味での実態調査は必要であるし、附帯決議で言っておるのもそういうことの実態調査を要求しておるのだし、また稻村長官の答弁を見る限りは、そういった面の実態調査を要求しておると思うのです。したがって、あなたのいまのお答えはきわめて不満足でありますが、時間をとってはなんですから、ぜひそういった意味の実態調査をやらなければならぬということを将来の問題として考えていただきたい。このことを強く要望をしておきたいと思います。  それからさらに、いまおっしゃったのですが、総理府だけで百数十万組んでおるというのですが、しかし、その他の省庁もこの実態調査について組んでおるという意味のことをおっしゃいましたね。各省庁、組んでおるのですか。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 この点は各省庁にわたりますので、私からお答えをいたします。  連絡会議においてこの点を相談をいたしまして、各省庁は既定経費の中から捻出をしてやるということで話し合いをまとめてまいっておるところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 話を聞いてみると、既定経費の中から何とか捻出をしてやろうというのですが、これはとてもこの実態調査に値するものではないと思うのです。そうなると、国会がつけた附帯決議は一体どうなる。その当時の大臣のしゃべったことはどうなるのか。しゃべったことはしゃべりっ放し、そのときの都合によって都合のいいことをしゃべっておく、附帯決議はつけたらつけっ放し、つけられた附帯決議についてそれを十分尊重してやるといっても、それはそのとき限りの話、こういうことになったのでは、政治に対する信頼は生まれてきませんよ。かえって信頼を損なうだけの話じゃありませんか。少なくとも当時の大臣がしゃべったこと、附帯決議の真意を考えるなら、実態調査というのは、あなたが考えておられるようなものでは実態調査にはならぬ、私はこのことをはっきり申し上げておきたいと思います。したがって、先ほど申し上げましたように、今後における御善処を強く重ねて要望しておきます。  さらに実態調査の中には、先ほど長官もちょっと言われましたが、現地調査的なものもあるいは考えておられるのかもしれません。またこの問題は、稻村長官も現地調査が部落解放の問題を理解するのにきわめて有益だったというようなこともこの前の国会で言っておるわけでありますから、そうすると、私は、関係各省庁の長は進んで部落の中に入って現地視察をやるべきだと思いますが、これは、きょう御列席の各省庁、そういう気構えでおりますか。また言いっ放しになってはだめですよ。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 先ほど来、言いっ放し、そして責任逃れではないかという御指摘がございましたが、私は真剣に同和対策については考えております。したがって、この実態調査につきましても、いまあなたが言われたように、果たして手持ちの事業費で賄えるかということまでお互いの連絡会議で相談をしたぐらいでございまするし、したがって、この残事業についての取りまとめもひとつ精力的に責任を持ってやろうではないかという決意でおります。  それから、いま、各大臣は範を示す意味で、現地に行って実態を把握するというようなことをやる意思かどうか。私もそうでございます。各大臣もその決意でおるということを申しておられますので、代表してお伝えをいたしておきます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 きょうおいでの各大臣は進んで現地視察をやるということを総務長官が確認をしておるから、そのことを私の方から申し上げますということでありますので、ぜひこれは早急に現地に入って御調査を願いたい。私は、現地に入って直接調査をされるということがやはり同和地区の住民の皆さんとの信頼関係、協力関係を打ち立てる上に非常に重要だ、そしてそのことが同和対策の効果的な推進にきわめて有用だと思いますので、それはぜひやっていただきたいと思います。と同時に、関係省庁の中できょう御列席をいただいておらぬところもあるわけですが、これについては、総理府総務長官、あなたの方で責任を持って現地調査をやっていただくようにひとつ要請していただけますか。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 適当な機会を見て各大臣にも御相談をいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 総務長官、適当な機会を持って相談をするでは、責任を持って行くようにしますということにならぬので、大分違いますので、きょうおいでの方は皆行くと言うておる。それだったら、その他の方も、これは通産にしたって農林水産にしたって、厚生省にしたって建設省にしたって、部落解放の問題にはきわめて関係が深いのですから、責任を持って行かせるようにします、こう言ってほしいのです。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 言葉は要領を得なかったかもしれませんけれども、私、一国務大臣でございまするので、各大臣には、いま御要請のあった気持ちを十分訴えて、結果的にはそういう結果が生まれるように努力をいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 重ねての御答弁をいただきまして、私もきょう御列席でない大臣の皆さんにも現地視察をやっていただけるものと大きな期待を持っておりますので、ぜひそれの実現については、総務長官、今後とも責任を持った立場で推進をしていただきたいと思います。  次にお伺いしたいのは、五十年の十一月に第一の地名総鑑が発覚いたしました。それから現在までに大体九種のこの種差別文書が出ております。しかも、その内容にわたっては申し上げませんが、きわめて悪質化の傾向にあるところであります。そしてまた、私の知っておりますところでは、この地名総鑑等の続発に対する真相の究明は余り進んでいないようであります。私はこれでは、ほかに差別文書があるのかないのか、あるいはほかに購入した者があるのかないのか、あるいは今後このような差別文書が出てくるおそれはないのかどうか、こういう点、はなはだ心配なのであります。  たとえば、「ぬれ手にアワのリスト屋商法」これは啓明書房が出した本であります。著者は武代という人でありますが、この中を読んでみますと、現在各興信所の金庫の奥には「日本の部落」、「地区別部落民名簿」といったような書類が秘蔵されておると指摘されております。そしてまた、大方の大企業の人事部にはこうした差別文書が用意されておるということも指摘されておるわけであります。しかし、真相究明が進まないで、しかも資料入手先が突きとめられておらぬようないまの状態では、そういった「ぬれ手にアワのリスト屋商法」の指摘を待つまでもなしに、私はこうした差別文書はまだまだ出てくるのではないかというふうに思うわけであります。これに対して、法務大臣はどう思っておられますか。

鬼塚賢太郎法務省人権擁護局長

○鬼塚政府委員 地名総鑑関係の実態調査の状況についてちょっと御説明申し上げます。(矢山委員「それは大体わかっておるから、いま質問したことだけに答えてください」と呼ぶ)  ただ、先ほど調査が余り進んでいないという御指摘がございまして、確かに昨年の時点までそういう状況があったのでございますが、その後、調査も進展した面もございまして、第一から第六までのリストにつきましては、いま御指摘のように、発行者の一部に死亡または不明者がおります関係でそれがわからないことは確かにございますが、それ以外の点につきましては、もうかなり処理が進みまして、未済はわずかになっております。  それから第七のリスト、これはいわゆる本田リストと言われるものでございますが、それも最初関係者が非常に非協力でございましたために、調査が困難をきわめたわけでございますけれども、これもその後協力を得られるようになりまして、調査が進展いたしましてかなり進んでおりまして、これを購入しました一部企業に対しても啓発を実施しているところでございます。昨年、いわゆる第八のリストというものが発覚いたしましたが、これはまだ新しいものでございますので、この点については現在大阪の法務局で鋭意調査中でございます。  第九のリストに対しましては、いまのところ投書だけでございますので、その裏づけについて調査中という状況でございます。  ちょっと調査状況について御説明申し上げました。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 いまかなり調査が進んでおるというような話なのですけれども、資料の入手先等が全部突きとめられておらぬという状態では、調査が進んだということは口幅ったくて言えぬのじゃないかと私は思うのです。というのは、資料の入手先がわからなければ、その資料が残っておる限りは幾らでもこういう差別文書が出てくるのです。資料が一体どこから入ったのか、それを突き詰めて、そういう資料をなくしていくということが一番大事なのですよ。それができていない。そして、第七ですか、発行者、購入者ともに興信所や探偵社だ、こういうふうになっているのは。しかも、第八に至っては、家庭訪問までして販売しているわけでしょう。こういう状態があるのです。  いまおっしゃったのは、なるほど真相究明は日にちがたてば多少進みましょう、あたりまえの話です。しかし、それで真相が究明できたということにはならぬ。私が先ほどこの本に書いてあるリスト屋商法の問題を言ったでしょう。そうなると、やはり抜本的な対策を講ずる必要がありはせぬかと言うのです。いまの機構で資料入手先まで突きとめて、あるいは探偵社、興信所がそういうものを持っておると言われているのだから、それまで突きとめられるのか。それはできないでしょう。それをどうするか。そういう機構の問題を考えないと、これはいつまでたっても解決がつかぬのではないか、こう言っているのです。  そこで、私はかつて、五十二年十一月十五日に、内閣委員会でこのための対策本部を設置することを要求したわけであります。それに対して黒川同和対策室長は「真相究明ということについてこれが不十分であるということであれば、どういう体制が適当か、なお検討してまいりたい」とおっしゃった。私は、先ほど言ったように不十分だと思っているのです。であるとするなら、何かこういったような真相究明の新しい体制をつくるのかつくらぬのか、この点もう一遍お答え願いたいのです。

鬼塚賢太郎法務省人権擁護局長

○鬼塚政府委員 先ほど調査の関係は進んでいる面もかなりあると申しましたが、また、御指摘のような点につきまして発行者が死亡または行方不明のために調査が進まない面があることも事実でございまして、今後この種の図書はもう出る心配がないかどうかと言われますと、遺憾ながらこれはやはりそういうおそれがある。差別というものはいかに根強いものであるかということを、私も現地調査などをいたしまして身にしみて理解しているところでございまして、そのためには、私どもの組織の全力を挙げてこれに対応しなければならないという姿勢で調査に当たっておるわけでございます。  ただ、この問題は、単に法務省だけではございませんで、関係各省もあることでございますし、各省の間で緊密な連絡をとって対処していかなければならないという問題でございますので、そういう方面の協力にも非常に努力しているところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 この前の答弁は、何らかの体制を検討したいということでしたが、大分後退した答弁になりました。しかしながら、私は、やはり真相究明のためには、そういう関係省庁との間で法務省が中心になって、真相究明のための機構をつくるべきだということをあくまでも要求していきたいと思います。今後の真相究明の度合いがどう進んでいくかという問題とにらみ合わせながら、さらにこの問題についてはお尋ねをしていきたい、こういうことで次に移らしていただきます。  次に、この差別文書の続出と悪質化の傾向に対して法的規制の必要があるということは、これまでも法務省当局も述べられておるところであります。答申を読んでみますと、「「差別事象」に対する法的規制が不十分であるため、「差別」の実態およびそれが被差別者に与える影響についての一般の認識も稀薄となり、「差別」それ自体が重大な社会悪であることを看過する結果となっている。」ということまで指摘されているわけであります。したがって、私は何としても法的規制を急ぐべきだと思いますが、この点についてはいまどういう段階にありますか。

鬼塚賢太郎法務省人権擁護局長

○鬼塚政府委員 前に内閣委員会で先生にお答えいたしましたように、私、着任早々でございましたけれども、これは非常に重大な問題であって、単に啓発だけで処理できる問題かどうかということに非常な疑問を持ちまして、法務省の役割りと申しますのは、啓発活動によってあくまで心理的差別の解消を図るということでございまして、そういうことで実務を行っているわけでございますけれども、このような部落差別を金もうけの種にするというものにつきましては、果たしてそういう啓発活動だけで有効な措置がとれるかどうかということには大きな疑問がございました。その後、また幾つかのこの種の図書が出たことにもかんがみまして、やはり何らかの法的規制が必要ではないかということで、法的規制と申しましてもずいぶん広い概念でございまして、いろいろあるのでありますけれども、さしあたり法務省といたしましては、この種の差別図書について罰則を伴う法規制にとりあえず取り組もうということで鋭意取り組んでおるわけでございます。  ただ、国会でもたびたび私御答弁申し上げましたように、資料を集め問題点を検討していくにつれまして、非常に困難な問題がいろいろあることがわかりました。しかしながら、何とかしてこの関係で芽を出したいという気持ちで関係者を督励いたしまして、鋭意検討を重ねている最中でございます。特に表現の自由に関する関係では、最高裁判所の大法廷の判例などもございまして、やはりいろいろな条件がございますので、そういうことを解明しなければならないということで、いま、申しますならば一番困難な段階にかかっておると思いますけれども、何とかしてこの点を努力していきたいということでやっているわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 答弁が少しは前向きに進んでいくのかと思うと、やはり余り進んでいない。この前聞いた御答弁と余り違わぬわけであります。  そこで、私は一つ、提案という形で申し上げたいのですが、いま部落差別で、特に就職差別、結婚差別につながる問題として大きな役割りを果たしておるのは興信所なり探偵社等であるわけです。したがって、当面、こういう興信所だとか探偵社に類するようなものは少なくとも登録認可制にする、それでその条件に違反したら強制的に調査していって行政的な措置をとっていく、こういうことは考えられませんか。

鬼塚賢太郎法務省人権擁護局長

○鬼塚政府委員 差別図書に対する罰則を伴う直接的な規制のほかに、おっしゃるようにこの地名総鑑事件の関係者に興信所の人たちが非常に多いというところから、何らかの規制があれば有効な措置がとれるのではないだろうかという考えを私ども持ちまして、興信所関係の資料を集め、または実態の把握に努めております。  同時に、そういう問題点も検討しておりますが、ただ、業界に対する登録制あるいは許可制というような規制ということになりますと、これは果たして法務省の所管であるかどうかということが問題でございまして、私どものいまの検討の段階では、これはどうも法務省の所管事項ではないのではなかろうか。先ほど申しましたように、差別図書そのものに対する規制ということならば、これは法務省の所管ということが考えられるのでございますが、業界に対する規制問題というのは、これは恐らくほかのいろいろな省にわたることではあるかもしれませんが、法務省の所管事項ではないのではないだろうかとただいま考えておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そういうことで、どこの所管庁かわからぬからということを言っておったのでは、この問題すら解決は進まぬわけですよ。総務長官、どう思いますか。あなた、そんな頼りない話では困る。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 この問題につきましては、いま法務省からお答えがございましたが、同対協の幹事会なり連絡会議等でもっと掘り下げて検討してまいりたいと思います。もちろん法務省と十分連絡をとりながら検討を進めさせていただきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そうすると、法務省はどうも自分のところの管轄ではなさそうだと言っているのですから、法務省と連絡をとりながらあなたの方が中心になってやりますか。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 法務省が自分のところでないと言われますれば、同和対策の木部でございまするし、私の方で各関係省庁の連絡会議もございますし、同対協の幹事会もございますから、そういうところでひとつ検討させていただかなければならぬ。もちろん法務省の今日までの検討の経過等を踏まえて取り組んでまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 次は、労働省にちょっと聞きたいと思うのです。  ILO百十一号条約、つまり雇用及び職業についての差別待遇に関する条約というのがありますね。これは日本も賛成してすでに百カ国近い国が批准しておるわけですが、これは一体どうするつもりなんですか。これは批准に対しては検討するということになっておったはずなんです。  これも五十二年十一月十五日の内閣委員会で論議した。ところが、労働省の方はいろいろ言っておられた。一つは、閣議の方針があるからやれぬということだった。しかし、閣議の方針があるからやれぬというばかな話はない。すでに日本が賛成し、たくさんの国々が批准をしておるものだから、これは雇用、職業についての差別待遇をやめていこうと思えば当然批准すべきじゃないかとしつこく言ったところが、当時の藤田長官は、私もこの問題は閣議の中に持ち出して条約批准の問題について話してみる、こう言っておったのですが、その後検討しましたか。

関英夫労働大臣官房長

○関政府委員 お答えいたします。  ILO百十一号条約の批准問題でございますが、ILO総会におきますわが国の態度として、条約に賛成した場合に直ちに批准できるかどうかということになりますと、先生も御承知のとおり国内法の関係がございまして、たとえば現在皮膚の色とか職業訓練とか、あるいは就職差別の問題とか、そういう国内法令の整備をした上で批准する。これは大分昔の話でございますが、かつて閣議の決定がございました。それと同時に、その後ずっとこういう方針で政府は取り組んできておりまして、また、その方針が確立して、ずっと閣議の方針どおりに今日まできてまいりますにはそれなりの、他のILO批准条約との歴史的な背景もございまして、政府としては国内法令の十分な整備をして欠陥のない場合に初めて批准をしよう、こういう方針で現在もおるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 私が聞いたのは、なぜ批准できぬかということについてはこの前いろいろ議論したのです。だから、労働省の言い分はわかっておる。わかっておるのだが、それをあえて批准をすることが先ではないか、国内法が全部整理ができておらなければ批准しては悪いということではない。第二条を見ても、国内法がまだ未整備であっても、そういう方針を出して、それを実現させることを約束すればいいということになっておるのだから批准しなさい、こういうことを言ったわけです。そうしたら藤田長官は、閣議の決定もあるからそこへ出して相談をしてみる、こういう話であった。だから、そういう手続を進めましたかと言っているんですよ。進めたのか進めないのか。もう時間がないから、簡単に言ってください。うそかね、これも。

関英夫労働大臣官房長

○関政府委員 閣議の相談というのはまだ進めておりません。その前段階の事務連絡をいたしておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 これもまた藤田総務長官の言いっ放しであった。こういう言いっ放しをしてはいかぬというんだ。言った以上は、できるかできぬかは別問題として、そういう手続をとってもらわなければ無責任きわまる。これはぜひ閣議の中にかけて相談してもらいたい。総務、長官、どうですか。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 労働省と今日までの経過等を十分連絡をいたしまして、閣議にかけるかどうかというような問題について積極的に取り組んでまいります。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 今度はそれを信頼しておきます。信頼を裏切らぬようにしてください。  次に、企業における就職差別の多発の実態からいたしまして、部落出身者の就職の機会均等を確保するのには、ただ単なる指導啓発だけではだめだと私は思う。そこで、就職時における差別を禁止する、そういう方法を立法的な立場で考えられないかということでありますが、労働大臣、いかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 就職という問題で立法的な措置をとるということにつきましては、私も大臣就任以来ずっと考えておるわけでございますけれども、一番問題になりますのは、事業主の理解、認識、これがまだ非常に徹底していないところにあるのですね。ですから、その点について精力的な指導といいますか、それを継続反復していく、そういうことでなくて、ただ法律でばっとやることが適当かどうかと実は私は私なりにこれで考えておるのですよ。労働省に来まして、この問題だけじゃございませんけれども、全体的な行政指導のあり方というものについていま検討中でございます。先ほど矢山さんからも話がありましたとおり、現地を見ろというお話もございますから、そういう現地も見せていただきまして考えをまとめたいと思いますので、この点はいましばらく回答を保留させていただきたい、こう思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 これは私もむずかしいことは承知しておるのです。そこで、これは御検討いただきたいということで申し上げておきますが、たとえば、差別事件であると確認できたものに対して勧告する、と同時にその差別の実態を公表する、こういうことについて行政措置をとるかとらぬかということも、就職における差別を抑制していく上に効果があると思うので、この点はひとつ御検討をお願いしておきたいと思います。  それから、もう時間がないので質問を移しまして、これは文部省に聞きたいのですが、学事出版株式会社という会社がある。そこで子ども会新書というので「たのしい子ども会のゲーム集」というのが出ておるのです。それでその中の百四十三ページに「字ぬき歌」ということで、こういう字を抜いてこういう字を入れたらおもしろい歌ができるということで「お猿のかご屋」という歌の「さ」の字を抜いたところに「た」を入れてみましょう。「「エッタ、エッタ、エッタ、ホイ、タッタ」となります。」こういうのがあるんですね。しかもこの著者が目黒区教育委員会社会教育主事の前田裕由、千葉県教育委員会社会教育課青少年教育係小菅知三、東京・玉川学園小学部教諭脇悳、この三人であります。これを一体文部大臣、どうお考えになりますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 私は、そういう差別の教育に対しては絶対反対なんで、やはり学校教育で一番大事なのは基本的人権を尊重することをたてまえにしておりますが、いま御指摘の点については、私存じておりませんから、担当の局長からお答えさせます。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○望月政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のケースは、私もいまここで初めて伺ったものでございますので、よく調査をして、また御連絡をさしていただきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 これは大変な問題だと思う。著者が教育関係の仕事をしておる連中でしょう。学校の先生もおる。こういう人がこんなものを平気で書くというのは、一体文部省がいままでやってきた同和教育はどうなっておるのだと私は言いたいのです。この点について私は文部省に深刻な反省を求めます。これでもって見るならば、文部省がいままでやってきた同和教育の効果は全然上がっていない、私はこう言っても極言ではないと思うのです。  もう一つ、私がお伺いしておきたいのは、文部省がいままでやってきた同和教育というのは、同和地区を対象にしたいろいろな施策だったのですね。それが中心になっておったのですよ。ところが、答申にも言っておるように、これは一番問題は、国民の心理的な差別感というものをなくさなければならぬ、そのためには、全国民を対象にした学校教育なり社会教育というものを徹底させなければならぬのだ、こう言っているのですよ。どう思いますか。この面が抜けておったのじゃないですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 矢山先生の御指摘、まことにごもっともでございまして、教育委員会に集めてそういうことのないように、差別をしないように、基本的人権を尊重するように、これからも注意しますし、大学の学長会議等でも、そういうことの起きないように積極的に指導してまいりたいと思っています。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 私がいま言ったのは、同和地区を対象にした、それだけの施策じゃだめだと言っているのです。同和地区における先生だけに幾らそんなことを言ったってだめなんだ、同和地区にある学校の子供だけを対象にして指導したのではだめだと言うのです。全国民を対象にした教育を徹底させなければこれはだめなんだということを私は言っているのです。一体どうなんですか。見当違いの返事をしないでください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるように、差別というものに対する心理的なものでございますが、これは国民一人一人の意識がそういう点に目覚めなければいけない。そういう意味で、現在の学校教育においてそれに関連する勉強としては、御承知のように基本的人権の尊重、平和主義、国民主権というのは、いわば学校における憲法学習の三本柱でございます。そういう意味で、基本的人権の尊重ということは、社会科や道徳等を通じまして、小、中、高の段階で相当私どもはやっておるつもりでございますが、なお一層そういう面におきます考え方といいますか、そういうものについて徹底を図るように学校教育を通じて努力をしてまいりたい、かように思うわけです。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 私はそんな抽象的な一般論を言っているのじゃないのですよ。基本的人権を憲法の趣旨に従って教える、あたりまえの話なんです。私の言っておるのは、今日の文部行政の状態を見ておって部落差別をなくしていく、心理的な差別をなくしていく、これが大事なんだから、そのためには全国民を対象にした同和教育が必要ではありませんか、こう言っているわけですよ。そこのところをどんぴしゃりと答えていただけばいいんです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるように同和教育の基本というものは、私がいま言ったような基本的人権の尊重あるいは個人の尊厳ということでございますから、やはりその精神というものを子供のうちから徹底して頭へ入れていただくという教育に力を注いでまいりたい。もちろんそれぞれの学校なり教育委員会におきまして、そういう趣旨のもとに適宜教材等を選んで教育をしていただいておるわけでございますが、基本的立場はいま申し上げたようなことであろうと思うわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 もうちょっと時間をかしてください。——恐れ入ります。  文部大臣、いま言っておられることは、いまさら私はそんなことは話を聞かぬでもいいのですよ。私が言っておるのは、いま例示しましたような問題や文部省が承知しておるいろいろな差別の問題を考えたときには、全国民を対象にした同和教育が必要なのではありませんかと言っておるのですよ。これをやらなければ、同和地区の人たちだけに幾ら言ったって、これはだめなんです。差別をしておるのは全体の国民なんだから。全体の国民と言ったら語弊があるけれども、広い範囲の国民なんだから、ここに対する教育が必要だと言っているのですよ。どうなんですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 御指摘のとおりでありまして、ですから、文部省も教育課程の改正で基本的人権というものを大事にするというわけで、全国民を対象に御説のように差別のないような教育を徹底いたしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 時間がもう過ぎましたから、これでやめますが、私は、文部大臣は文部省の御出身で教育については理解の深い人だと思ったから、私の質問に対してもっと適切な、断固とした御答弁がいただけるかと思ったら、あなたもお役人と一緒で何やらわからぬような答弁をしておるわけです。しかし、私は、この問題はきわめて重要ですから、後からもさらに問題を提起をしたいと思います。そのことを申し上げて、なお、きょう予定しておった質問につきましては、地方自治体の財政負担の問題や、あるいは部落差別解消の啓発活動の問題についての質問が残ってしまいましたが、これは改めてまたお尋ねする機会もあろうと思います。  要するに、部落問題の解決というのはきわめて困難であるということは皆さん御承知のとおりであります。それだけにこの問題について全力を挙げていかなければならぬ。しかも、この問題は国の責務であり、国民的な課題だと答申も指摘をしておるわけでありますから、今後一段の努力をお願いして、私の質問を終わります。

竹下登自由民主党

○竹下委員長 この際、関連質疑の申し出がありますので、これを許します。小川国彦君。(「こんな状態で質疑なんかできないよ。待った、待った」と呼ぶ者あり)——与党委員の出席が悪いため、一時定足数を欠いたことはまことに遺憾であります。委員長として厳重注意をいたします。  それでは、小川国彦君。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 三十八兆六千一億円という貴重な予算を審議する中で、この予算委員会の審議が二十分間も空白を持ったというのは、この間の光熱費とかその他諸経費というのは自民党の浪費でありまして、こういう点は委員長の単なる注意じゃなくて、国費の浪費である、こういうことを厳重に重ねて御注意を願いたいと思います。一生懸命質問をやろうという立場が二十分も待たされた、こういう点はそういうことにつながっているということに御注意願いたいと思います。  運輸省予算の中で、成田空港の二期工事の問題について私は質問をいたしたいと思います。  これは今年度の予算の中で成田空港関連の二期工事を実施する、こういうことを言われておりますが、二期工事に当たって政府は何を問題点として考えておられるか、まずその点を運輸大臣にお伺いしたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 成田空港は御承知のとおり当面四千メーターの滑走路、それに付随する誘導路、エプロン、ターミナルで開港いたしました。しかし、国際空港としてはまだ十分な設備ではございませんで、平行滑走路あるいは横風滑走路の整備等、空港機能を充実強化することによって増大する航空需要にこたえていく必要があると思います。わが国に航空路を開きたいという国でまだ実現できない国が三十三カ国もあるような状態でございます。しかし、こういうような整備を行うに当たって、何といたしましても大事なことは、空港と周辺地区社会とが調和ある発展を遂げていくということが必要でありますから、御承知のように住宅の防音工事を初めとする環境対策、それから周辺地区に対する農業振興対策等、種々地元対策を推進して、地元の理解と協力のもとに無事空港施設の整備を進めてまいりたい、そういうつもりでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 運輸大臣、いま一番肝心なことを落としているのですが、二期工事をやらんとするならば、二期工事の中にB滑走路、C滑走路を含めて、その滑走路の上に十七戸の農家が残っておるわけです。この農家の同意なくして二期工事はまず行い得ない、こういうふうに思うのですが、十七戸の農家に対してどういうふうな対策なりお考えを持っていらっしゃるのか、その辺なくして工事はなし得ないと思いますが……。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 御説のとおりでございまして、十七戸の農家に対しましては、代替地対策等できるだけのことはいたしたいということでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 実に軽々と、代替地対策を立てると言っておりますが、現在二期工事を実施するならば、一般常識で考えれば地主対策が最優先ということになるわけですが、それについて代替地対策はおありになるのですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 代替地対策等を目下検討中でございますし、できるだけ実施をいたしたいということで準備をしておりますので、その状態につきましては、事務方ないし空港公団の方から説明いたさせます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 その代替地については昭和四十一年の閣議決定で、臨接市町村の中に集団で移転できる用地を確保する、しかも同面積の、こういう条件がついておりますが、そういう条件の中で対策をお進めになっていらっしゃるわけですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 それらの問題につきまして、とりあえず現状の説明をいたさせます。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 十七戸の代替地対策につきましては、おっしゃられました四十一年の閣議決定というものに基づきまして、その十七戸の御意向を尊重いたしまして、北総台地周辺に従来の農業経営に見合うような面積の代替地を確保するという方針でわれわれは努力をいたし、また話し合いを進めることにいたしております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 このことは、いま公団総裁は北総地帯の中でというふうに、非常にごまかした形で表現をされているのですが、この閣議決定というのは、十三年たつとその後の大臣には引き継がれないのでございますか、運輸大臣。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 これは、累次にわたって閣議で相談いたしました結果によって今日公団が準備しておる、こういうふうに承知をいたしております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 その問題について、現に第一期工事で開港をしたわけですが、その中でまだアプローチエリアの中におる三戸の農家すら、百ホンを超える騒音地帯の中で移転が終わっていないのです。いわんや、この十七戸、四十五ヘクタールに及ぶ農家を集団で移す代替地というものはもう現状ではないというように思われるような状況なんですね。ところが大臣自身が、ことし二期工事の予算は空港施設として三百五十億の予算が組まれておって、当初は空港施設に二百億それからパイプラインに百五十億と言われたのが、現在の段階ではパイプラインに約二百五十億で空港施設に約百億。それでこの百億は、二期工事の中のC滑走路の谷を埋める。こういう工事を行うということを言われているのですが、C滑走路の谷を埋めるということになれば、当然C滑走路に所在する農家の移転対策なり代替地対策なりを国がきちっと持った上で、そういう二期工事をやろうというならわかるのですが、大臣も総裁も農家に対する二期工事の具体的な話し合いもなければ、あるいはまたそういう代替地対策も見通しが立っていない。そういう中でいたずらに工事だけを強行しようというやり方は、きわめて非民主的なやり方ではないかと思うのですが、大臣の頭の中には、基本的な問題として農民の対策の問題というのはないのですか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 それでいっぱいでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 それでいっぱいの方が公団総裁にかわって答弁してもらわなければならないということ自体が不勉強だと思うのです。——それは答弁はいいです。不勉強だということを指摘しておきます。  その次に、二期工事の問題点はそれだけかといいますと、決してそれだけではない。二期工事については、B滑走路、C滑走路をやるようになれば、成田市芝山町の敷地内の住民だけではなくて、下総町とか神崎町、大栄町、佐原市、多古町あるいはまた八日市場市、光町、野栄、富里、八街それから茨城県南部の関係町村、こういう滑走路延長上にある、騒音下に置かれる状況になる地域住民なり自治体の納得なり理解を得なければならないと思うのですが、そういう点については地域の自治体なり住民の同意を得て、全体の納得の中でなければ着工できない。こういうことについて大臣はどういうふうに判断をされておりますか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 一期区域における騒音対策という問題は、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律によりまして、学校等の防音工事の助成、移転補償等を行うとともに民家の防音工事の助成を行ってきておりますが、開港後、特に地元の要望の強い民家の防音工事につきましては、昭和五十三年度からいわゆる全室民防工事に着手するとともに、五十四年度からとりあえず八十WECPNL——私は技術屋じゃないので、これは意味がわかりませんが、うるささ指数とかいうのだそうでありますが、その区域まで対象地域を拡大する。いままで八十五でありましたものを八十まで対象地域を拡大して充実強化を図っていく、これによって対象戸数は約八百戸から約千戸に増加するという措置を講ずる等、これらの問題につきましては、現段階においてはできるだけの配慮をしてまいっておるつもりでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 勘違いをして答弁されているのです。私は、本年度予算で百億で二期工事を着工しようというからには、その延長上にある騒音地区の自治体なり住民の同意というものなり話し合いについては、どういうふうな措置をとられるかということを聞いているので、一期工事のことを聞いているのではないのですから。二期工事の関係市町村や住民の意向をどういうふうに参酌されるかということを聞いている。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 当然十分意思疎通を図るようにやっておると私は考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 やっておるじゃなくて、やるとか、その大臣の意思をお聞きしているわけなんです。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 当然相談するものと考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 相談するものというのは第三者的な言い方なんで、相談するのかどうかという大臣の意思を聞いているのですよ。もう少し表現を的確に……。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 おっしゃられたような周辺の市町村に対しましては、二期工事の計画の中で周辺の環境対策についての計画等十分御説明をいたしまして、その理解と協力を得て二期工事をやるというふうにいたしたいと考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 現在、二期工事の騒音対策の問題についてはきわめて不十分である、こういうことでありますし、それからまた現在まで行われてきた一期工事の騒音対策がきわめて不十分でずさんである。こういうことから地元の成田市でも成田空港の公害対策連絡協議会というものがつくられましたし、それから隣接の富里村あるいは大栄町にも同様の組織がつくられて、二期工事の騒音の問題あるいはまた現在まで一期工事の中で放置されてきた騒音の問題について、住民の関心が非常に高まっているわけです。  それはなぜかというと、運輸大臣、現在までの騒音対策については、運輸省自体が成田空港の騒音対策は落第であるということをみずから認めているわけです。これは四十八年十二月の航空機騒音の環境基準に基づいて五十三年十二月二十六日に実施した達成状況を見たところが、成田、大阪、福岡、函館の四空港は落第、成田の一期工事の公害環境対策は落第ということが書かれているわけです。そういうようなことについて大臣は、二期をやる前にこの落第生を合格させてもらわなければならないわけですが、小学校が落第の人に中学校へ——小学校では落第はありませんが、仮に言うならば、高校で落第の人が大学へ進むわけにはいかないので、一期工事の騒音対策が落第しているのに二期工事にかかるのは早計じゃないか、こういうふうに思うのですが、一期工事の騒音公害対策について、運輸省みずからが認めた落第の改善については、どういうふうに取り組まれる考え方を持っておるか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 うるささ指数八十五という基準を八十まで上げて、八百戸の戸数を千戸までふやしてという当面の目標を先ほどお話しいたしましたが、先般運輸省で発表いたしました問題につきましては、落第という意味じゃないと思うのです。もっとやらなければいかぬ、こういうふうに考えておるということであります。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 さっき私、大臣は不勉強と申し上げたら、与党席から、不勉強とは失礼、こういうお話があったのですが、現実には、大臣は、これから八百戸のところを千戸やる、こうおっしゃる。大きい数字を言われるのは結構なんですが、現在まで一期工事の中で政府が決めた環境基準を達成するための民家防音工事が三百五十五件あるのですが、すでに開港して十カ月たちますが、この民家防音工事の三百五十五件のうち完了しているのは何件ございますか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 航空局長にまず現状の報告をいたさせます。

松本操運輸省航空局長

○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  東京国際空港につきましてWECPNLが現在八十五以上と考えられる地域内の世帯数は千八十八戸でございます。この中で移転補償または民家防音の措置がすでになされておるというふうに判断される戸数が七百八十七戸でございますから、単純な割り算で申し上げまして、先ほど先生のおっしゃったように、七二・三%というのが民家防音及び移転補償に係る達成率でございますが、この内容について先ほど来大臣が申し上げておりますように、七二・三という数字は決して胸を張って言う数字ではない、これは大臣も申し上げたとおりでございます。  そこで、次の段階として、この内容に立ち入って考えますと、これも先生御案内のように、一室、二室の防音という従来のスタイルでこの数をこなしてきておるわけでございますので、今後は、一般の空港については五十四年度からとしておりますものを、五十三年度から成田空港についてはいわゆる全室防音に踏み切ろう、また、八十五で引いておりました線をとりあえず八十まで広げる、それによって対象戸数を一千戸に広げよう、こういう計画によっていま着手をしておるわけでございます。先生おっしゃいました三百五十五という数字は、私の記憶しておりますところでは、現在、新しい制度にのっとってお申し込みのあった戸数というふうに理解をいたしておりますけれども、一応終わった数は先ほど申し上げましたように七百八十七戸、このようになっておるはずでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 全室防音で三百五十五件の申し込みに対して着工は何件かということを聞いているのですよ。いま出された数字の七百八十七戸やったというのは、従来千葉県が庭先に一室か二室の離れのようなものをつくってきたのが大半であって、国がやったものではないということなんです。これから国がやろうという全室防音の三百五十五件のうち、着工されたものは何件あるかということを聞いているのです。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 おっしゃられます三百五十五戸のうち、審査がすでに済みましたのが二百八十五でございまして、補助といいますか、そのうち決定しましたのが六十戸、すでに工事に着工したのが四戸でございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 四戸しかやってないということを最初から答えればいいわけなんです。  その次に、三百五十五件も申し込みを受けながら着工がわずかに四戸しかされてない、こういう全室防音、国がやらんとしている工事の実態というものはどこに起因しているかといいますと、結局は、全室防音をしましても、全室防音で密閉しますと冷暖房がなければならぬ。ところが、国はその冷暖房の費用は全く見ない。自治体の成田市の場合には年間六万円、芝山町では三万円というふうに聞いておりますが、この光熱費は、冬場ですとわずか二カ月で費消されてしまう。結局、国の言う全室防音をやれば生活費がかさんでしまって世帯がやりにくくなる。こういうことが民防の進まない原因なんです。そういう点について、積極的にこの冷暖房についても国が責任を持つという考え方はないのかどうか、お伺いをいたします。

松本操運輸省航空局長

○松本(操)政府委員 現在の時点におきましては、まず騒音から日常の生活を遮断をいたしまして、通常の家庭生活が営めるようにするということについて、先ほど来申し述べましたような全室防音の線での助成事業に着手し、これを早急に達成しようということが第一目標でございます。  したがって、先生御指摘のことも十分に承知はいたしておるわけでございますけれども、いま直ちにこれらの防音工事をいたしました家屋についての冷暖房費に係る全面的な助成ということを、国の予算をもって行うというところまでは、現在立ち至っておりません。ただ、この点につきましては、全国的には燃料譲与税を、成田空港の周辺においては交付金を、こういうふうなものをもって関係の市町村が独自の御判断でこれに対して何がしかの措置を講じられるようなことについては、私ども積極的に御相談にあずかってまいりたい、こう考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 先ほど七二%やったという一室、二室の防音が、まだ統計的にはまとめていませんが、私も先般調査をしましたら、大半が使われてないのです。なぜ使われてないか。冷暖房費がかさむために使わないのです。農村ですから、そういう実態が起こっている。したがって、この民家防音についてもせっかく、一般的な居住にたえるという答弁をいま局長はしましたが、一般的な居住にたえるのにはやはり生活できるという状況がなければならないわけで、そういう点に問題点がある。私は、こういうことを政府においても十分今後考えなければ、この民防工事はなかなか実績が上がらないだろう、こういう点を指摘をしておきたいと思います。  それから、騒音対策の中で、西ドイツのフランクフルト空港では、成田の防音堤というようなもののかわりに防音壁をつくって、一昨年までに三億円かけて二キロ近い防音壁をつくっている。ところが成田の場合には、一キロか一キロ半くらいの防音堤しかなくて、隣接の三里塚とか本三里塚だとかあるいは南三里塚、大清水というようなところは、政府の言う八十五以上の地域には入らなかったために、大変に高い、九十ホンとか百ホンという瞬間的な騒音の中で不眠に悩まされておりますけれども、全く対策がないという状況に置かれているのです。ドゴール空港では、やっぱり畑の真ん中の空港ですけれども、二十万本の樹木とか六十万本の灌木とかを植えて騒音対策をやっている。  ところが空港公団は、逆に防音林を切り飛ばしてしまうというようなことをやっておりまして、そういう点では西独のフランクフルトなりドゴール空港なりに見られるような、そういう積極的な、防音壁によって隣接の地域の騒音を少しでも引き下げる、こういう考え方はないかどうかですね。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 防音堤あるいは防音林の整備につきましては、今後も引き続いて必要な努力をしてまいりたいというふうに考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 それから飛行コースの問題ですけれども、直進上昇、直進降下という空港決定時の千葉県知事と政府との約束というのは全く守られておりませんで、直進上昇でまいりますと、千葉県の上空を通り過ぎ、利根川を渡って茨城県の龍ケ崎上空において旋回をして銚子上空に向かう、これが一般的なコースとして言われていたんですが、現実には利根川を渡らず、千葉県の荒海とか安西とか、そういう地域で旋回をしていく軌道外れの飛行機が多い、こういうことが地域の住民から指摘されているわけでありますが、この飛行コースを守らせるという対策については、どういうふうに公団で監督が行われておりますか。

松本操運輸省航空局長

○松本(操)政府委員 飛行コースにつきましては運輸省の所管かと存じますが、現在、必要な航空無線施設を置くということと、それからパイロットに対しましては、ノータムというものがございますが、これを出すことによりまして、このような直進上昇、直進下降のコースをとるようにということを指示をいたしております。北へ向かって上昇をいたしました場合に、大体利根川あたりのところから右旋回を始めることになろうかと思いますが、これは、空港の設置に関連いたしまして千葉県といろいろお話し合いがございましたときに、千葉県内においては直接着陸または離陸に係るものを除き六千フィート以上で千葉県内を飛行することと、こういう千葉県知事からの御要望があったわけでございます。これを私どもは前提の条件にセットをいたしております。したがって、高度が六千フィート以上なるべく高い高度になった時点におきましては、右あるいは左に旋回させるということを行っておるわけでございます。  ただ、現実に飛行機を飛ばします場合に、安全上の問題、つまり飛行機と飛行機との間の距離を適当に保たなければならない必要上、六千フィート以上の高度でレーダーを使って飛行機のコースを変更させるというふうなこともせざるを得ない場合がございます。こういうふうな点につきましては、その都度地元の方々に御説明をし、御納得を得るよう努力をしてまいっておりますが、まだ完全には御理解をいただくに至っておりません。しかし、これは航行の安全とも関連のある問題でございますので、私どもは、努めてノー夕ムどおりの飛び方という点についてパイロットを指導しつつも、安全のためにやむを得ず行いますこのようなレーダーによる操作につきましては、これからも続けて地元の御理解を得るように最善の努力をしてまいりたい、このように考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 その監督体制がきわめて不十分のようでありますので、徹底方を要望しておきます。  それから、二期工事の中のC滑走路についてでありますが、C滑走路の目的、使用頻度、それから使用開始の時期、これはどういうふうに考えておりますか。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 C滑走路はいわゆる横風用滑走路でございまして、主滑走路であるA滑走路が使えないようなやむを得ない場合に使うというのが、一言で申し上げますと趣旨でございます。そういうやむを得ない場合と、それから、成田につきましては十三ノット以上の横風が主滑走路に対して吹いた場合にC滑走路を使わせるようにしたいというふうに考えておりまして、これは、できるだけ早く着工をいたしまして、できるだけ早く完成をしたいというふうに考えておりますが、先ほど来二期工事の着工についてその考え方を運輸大臣から申し上げましたように、地元と十分協議をし、その理解と協力を得て着工し、また工事を進めるというふうなやり方でやっていきたいというふうに考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 使用頻度について答弁されてないのです。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 いまデータを集めまして、その詳細の数字を作成しつつありますが、いまの見当では大体一・数%という程度であろうというふうに考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 一・数%ということを公団は再三言ってきているわけですが、羽田において横風用滑走路があると思いますが、これの使用度はどのぐらいになっていますか。

松本操運輸省航空局長

○松本(操)政府委員 羽田ではC滑走路とB滑走路が交差をしておりますので、一見B滑走路が横風滑走路のように思われるわけでございますが、これは必ずしも横風専用という意味ではございません。騒音を陸岸に及ぼさないという優先滑走路方式というものを羽田でとっておりますので、したがって、いま手元に正確な数字を私持ってきておりませんけれども、C滑走路とB滑走路の使用頻度というのは、三、七あるいは四、六に近い三、七ではなかろうかと思います。Cの方が多うございますが、B滑走路の使用頻度というものは相当に高うございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 成田空港の場合に、いま公団総裁はクロスする滑走路について横風用滑走路というふうにお答えになった。これは言うならば羽田と同じような形態をなすクロスする滑走路。ところが、開港してから十カ月の間、濃霧のために欠航したことはありますが、横風のために欠航したことはないわけなんです。それで公団の方では、風速十三ノット、風速六メートル以上のときのみ使う、したがって使用度は一・数%、こういうふうに言っておられて、そのためにC滑走路の延長上の大栄町、富里村、アプローチエリア、それから一種、二種、三種と思われる騒音区域の対策は、今日まで全く行っていないわけです。  そうしますと、これは運輸大臣にもお聞きしたいのですが、いま公団総裁が言われるように、C滑走路は横風用滑走路であって、使用頻度は一・数%というふうにおっしゃられるならば、いま皆さんがそういうふうに言っておられるために、その地域の騒音対策は全くゼロという状態ですが、この一・数%という使用度は、C滑走路が仮に完成した場合、その頻度は守られるのかどうか、この点を大臣に伺いたいと思います。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 確かにその点は問題点であろうと思います。騒音対策につきましても、できるだけ現実的なやり方で考えていかなければならぬ、そう思っております。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 過去何年かの、約十年近い統計を平均しますと一・数%ということでございまして、気象は気まぐれでございますので年によって相当の差がございます。二%以上の場合もあるようでございます。したがって、必ず年平均一・数%という制限ということになりますと、年によってそれでは足りないという年も一起こると思いますが、やむを得ない場合のほかは十三ノット以上しか使わぬというような約束といいますか、そういう制限は厳重に守っていきたい。その結果は、長い目で平均すれば一・数%になる、こういうふうに考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 成田空港は十カ月で、あと二カ月たてば一年たつわけなんです。ですが、いま言うように、それ以上の風が吹いて運航停止したときというのはないのです。しかも、日本航空を調べてみると二十五ノットの風まで飛んでいい、それから全日空の飛行制限を調べると三十ノットまで飛んでいいということなんですよ。そうしますと、そういう航空会社の体制から見るならば、公団が言うような十三ノットの段階で飛行制限を加えていくなんてことは不可能だと思うのですよ。このC滑走路ができれば、当然日本航空の言う二十五ノットまでは飛べるということなんです、全日空は三十ノットまで飛べるというのですから。そういう形の中で使用頻度は、さっき航空局長は正確に数字を覚えていないとおっしゃられましたが、羽田のB滑走路は三二・二六%、二万六千二百五十三同着の場合に使っていますし、発の場合には三八・九三%で三万一千七百二十六回使っているわけなんです。  そうすると、政府、公団はいまうそを言っておるということなんですよ。一方では、年間百日に一日しか使わない滑走路だから、騒音対策はしなくていいというのでやらないのですよ。ところが、大臣もいま答弁の中で微妙な答弁をしたのですが、じゃ、C滑走路をつくって三百六十五日のうち年三日しか使わなくてよろしいですか。そういうことを確約できますか。やはりつくったら少なくとも三〇%から四〇%羽田の横風では使っているのですよ。現実にこれは横風用として使っているわけなんです。そうすれば、この成田のC滑走路もでき上がれば当然三〇%、四〇%どころか、いまの飛行機のエンジンをもってすれば、もう全日数使えば使える滑走路なんですよ。そういう滑走路をことしの予算で百億かけてつくらんとしておりながら、その騒音対策については、年間一・数%しか使わない滑走路だから、それの対策は要らないというのじゃ、これは矛盾していませんか。どっちなのか、大臣、これはひとつはっきり答弁してもらいたいのです。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 使用頻度が一・数%であるかどうかということは技術的にすぐ出てくる数字でありますから、ただいま公団総裁、航空局長がお答えしたとおりでありますので、しかもなお、騒音の問題がないと私は申しませんから、実際的な対策を講じなくてはいかぬのじゃないかな、こういうことを申し上げたわけです。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 騒音の対策を講じなくてはならぬということは、大臣もこの使用頻度において一・数%以下では困る、こういうことですね。この点はっきり確認しておきたいのですが、一・数%の使用で通すのか、あるいはいま言うように騒音対策をやるというなら使用頻度は高まるというふうに、横風用ではないということをはっきりされるのかですね。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 一・数%という数字は、それでやるのだという方針でありますから、そういう範囲内において、しかもなお騒音の問題が起こり得るわけでありますから、実際的な対策も考えなければならぬのではないか、あなたのおっしゃることも問題点の一つですということを私は申し上げたのです。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 どうも答弁が非常に不明確なのですが、大臣も、総裁も、もし仮にC滑走路がつくられた場合にそういう事態になったときには、あなた方が言われたことというのがうそをついたか、本当を言ったかということは、三年か五年くらいでわかる場合があるわけですよ。そういう場合に、総裁が言うように、総裁は、この間公明党の吉浦議員にも一・数%と言っているのですよ。きょう私が言ったら、一・数%よりもちょっと上がるかもしれない、そういう微妙な言い方をしているのですが、はっきりさせてもらいたいと思うのですが、何%ぐらいまであなたの方は利用するということなのですか。あいまいな数字じゃなくて、はっきりした数字をこの際言ってもらいたい。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 先ほども申し上げましたように、長い間を平均しますと一・数%、それ以上は使えません。しかし、単年度だけをとると、それをオーバーする場合も場合によってはある。いずれにしても横風が十三ノットを超えない限りは使わせないということで、先ほど小川先生がおっしゃいましたように、日航は二十五ノットまでとか、全日空は三十ノットということも言っております。これは主滑走路が乾燥しておるときは、そういう一ことは可能な場合があります。したがって、十三ノットを超えたから必ずすぐC滑走路を使うということではございませんので、十三ノットを超えても、パイロットの判断でA滑走路の方に安全に着陸できるという判断をしてA滑走路に着陸するならばそれで結構で、無理にC滑走路をわれわれの方は使えということではなくて、むしろ制限的に、十三ノットを超えた場合以外はC滑走路を使わせない、こういう考え方でございますから、御了承をいただきたいと思います。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 どうもこの辺の歯どめがつかないのですが、これはもう一遍また分科会で運輸大臣に私、お目にかかる機会があるかと思いますので……。  さっき大臣は、騒音対策の必要性を認める、こういうふうにおっしゃいましたので、その騒音対策の必要はどの程度までというふうにお考えになっておりますか。A滑走路、B滑走路に対すると同じようにC滑走路に対する対策も必要、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 横風用滑走路に係る騒音対策の問題ですが、使用頻度がきわめて少ない、一・数%、こう言っておるわけでありますから、A滑走路と同様の方式による対策は講じにくいかもしれません。しかし、滑走路を使用する以上、地域住民に騒音によって迷惑を及ぼすということになりますから、先ほども申し上げましたように、今後実務上の騒音対策を具体的に検討してまいりたい。騒音対策をやらぬというわけではありません。これからの推移によってこれをひとつ考えてみたい、こういうことを申し上げたわけです。あなたの御質問もそれは大きな問題点であるということを、私は先ほど来再三申し上げておるわけであります。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 この点は、大臣にこれ以上の答弁はなかなかむずかしいと思いますので、これはまた次回にします。  次に、ノイズサプレッサーの問題についてただしたいのですが、空港の中に消音装置といいまして、日本航空に六億円の予算をかけてノイズサプレッサーの設置を公団が認めた。ところが、飛行機が夜十一時までに到着しまして翌日の六時にそれが出航するまでの間に、ノイズサプレッサーでエンジンテストとか、エンジンの取りかえをやらせる。これが夜半の一時、二時、三時、四時。飛行機が運航を停止している時間にやらせる。それが地震のような微振動を伴って、周辺の約一千世帯、五千人ぐらいの人が、夜半、地震のようなカタカタという微振動とか大きな音に目を覚まされる。これでは二十四時間、空港の騒音に悩まされるという状況ではないか。そういう点で、公団が設置を認めたときに機能とか構造についてどうも十分なチェックをしなかったのではないか、いわゆる飛行機のエンジンテストをやる音の騒音だけが二十デシベル下げられればいいということで、こういうようなノイズサプレッサーによるところの低周波公害が起こるという事態を予想しなかったのではないかというふうに思われるわけであります。これが日航のノイズサプレッサーによる公害であるということは、運輸省、公団はお認めになりますか。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 ノイズサプレッサーによりまして高い音は吸収をされまして、その意味においての消音効果というものは非常に大きいわけでございますが、低周波騒音といいますか、低周波による微振動がときどき起こるということはわれわれも認めております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 ときどき起こるということではなくて、私が先日、公団の方から受け取った調査ですと、十二月一カ月だけでも百十回使用しておりまして、そのうち五十九回というものは夜十一時から朝六時の間に行われておるわけです。したがって、これは公団が二十四時間やってもよろしいという設置許可を与えたためにこういう問題が起こっているわけなんです。しかも公団は、被害状況についての具体的な調査も積極的に行っておりませんし、日本航空に対する注意もしておりませんし、しかもこの機械自体がスイスのチューリッヒ空港に一カ所あるだけで、世界のどこにもそういう機械がない。それを機能もチェックせずにいきなり設置を認めた。そしてちょうど私も先日現地でその機械の——機械といっても、ずん胴になって煙突が横に行って上を向いているだけの大きな装置で、飛行機が後ろのエンジンを吹かすところと両翼のエンジンを吹かすところを入れて、そこでエンジンを思い切り吹かす、それだけの簡単な施設ですから、どういう障害が起こるかということは予測されなかったと思うのです。世界で二番目につくるわけで、そういうものをつくるからには、その機能とか影響がどういうものであるかということを事前に調査をして、チェックをしてから設置をするならいいのですが、いきなり空港の中にその設置を認めて稼動させている。しかもわずか一カ月で百十回、夜間に五十九回も使用させている。ですから周辺の住民からの怨嗟の的になっているわけですよ。しかも飛行機は夜エンジンの取りかえとか整備をしなければならないかというと、昼間、予備機という制度もあるのですから、その夜帰ってきた飛行機を昼間エンジンテストをしても取りかえてもいいわけなのです。日航の整備の体制さえそういうふうに持っていけば、最小限、夜間のこういう機械の使用を中止できるはずなのですね。そういうことに対して公団は全く誠意を見せてないという現状なのですが、この千世帯を超える人たちの不眠の状況に対して、これを放置しておくのですか。

大塚茂新東京国際空港公団総裁

○大塚参考人 低周波公害があるということを認めましたので、公団としましては、設置者であり、また使用者である日本航空に対しまして、文書で、できるだけ低出力で使うようにとか、使う場合はできるだけ短時間にするようにというような指示をすると同時に、その原因と対策を調査検討するようにということを指示いたしまして、それに従って日本航空も調査検討いたしまして、大体対策のめどが二つ、三つついたようでございますので、それを実施に移した結果を見て、さらにその後のことをわれわれは考えたいというふうに考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 これは大臣においても、公団任せでは、すでにもう開港後十ヵ月、これが住民を不眠のままに稼働されているわけでございますので、運輸省においても機能チェックなり実態の調査をされてその対策をなしていただきたいと思いますが……。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 住民への影響が少なくなるようないろいろな方法を考えてみたいと思います。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 私、ちょっと次の委員会の時間がございますので、農林大臣に対する質問は農林水産委員会の方でいたします。したがって、本日の質問はこれにて終わらしていただきます。

竹下登自由民主党

○竹下委員長 これにて矢山君、小川君の質疑は終了いたしました。  次に、玉城栄一君。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大臣がお見えになりましたので、最初に外交問題につきまして外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。  いま重大なアジアの緊張を醸し出しております中越武力紛争の問題についてお伺いをいたしたいと思うわけでありますが、もちろん、中越紛争というものが速やかに平和的に解決されるように強く望むわけであります。  そこで、こういう重大な事態に対して、わが国としてどういうことを一体しなくてはならないのか、何をやるべきであるのか、その点について外務大臣のお考えを承りたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 中越国境問題については、事の経緯、理由のいかんを問わず、中国が停戦、ベトナム領内からの撤退、そして話し合いによってこの国境紛争を解決されるために、両国並びに関係諸国にありとあらゆる努力をしておるところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 現在政府とされてはその速やかな解決のために関係諸国との話し合い、そのための努力をしておられるということでありますが、いまのはわが国としてやるべきこと。今度は逆の立場に立ちまして、こういう事態においてやってはならないこと、こういう重大な紛争が起きている中でわが国の態度としてとってはならないこと、それはどういうことであるのか、お伺いをいたしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 逆に申しますると、平和的解決が、逆に力での解決がどんどん進んでいって、いまの事態が大規模の戦争になるとか、ひいてはこれがアジアの平和の混乱の糸口になるとか、こういうことが絶対にないように、関係諸国、特に米国、ソ連等にも協力を要請する必要があり、またその協力要請をやっているところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 重ねてお伺いをいたしたいわけでありますが、こういう事態の中でやはりわが国として偏るようなことがあってはならないと思いますし、少しでもそういうことがこの問題の解決にとっては非常に大きな影響を与えてくると思うわけであります。  そこで、先ほど外務大臣も御答弁になっておられますとおり、わが国も米国も中越紛争の問題に対して平和的に解決するために努力をしておられる。また当然しなくてはならない。しかし紛争そのものを見れば、わが国もアメリカもその紛争の中に入る気持ちも当然ないわけです。またあってはならない。言葉は悪いわけでありますけれども、この中越紛争そのものは、われわれにとって対岸の火事あるいは対岸の争い、このようにわれわれも見ていいのかどうか、そこを、もう一回外務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 ただいまの御発言の中で一方に偏るなとおっしゃることはきわめて大事でありまして、いかなる場合もそういうことがないように、慎重に当事者両国に中立の立場に立たなければならぬということは十分留意をするところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで重ねてお伺いをいたしたいわけでありますが、私は、中越紛争が起こった、こういう事態に立って、安保条約の立場から少し整理してお伺いをしてまいりたいと思うわけであります。  日中平和友好条約が締結をされたら、中国の一部である台湾は極東の範囲から当然除かれると私は理解しておったわけでありますが、過日の本委員会の総括質疑の際に、わが党の正木委員の質問に対して外務大臣は、台湾は極東の範囲内であるという意味の御答弁があったわけでありますが、そのとおりであるのかどうか、念のためにお伺いしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 米国と中国の話し合いでは、米華条約は一年後に破棄するというわけでありますから、効力を失うというわけでありますから、一年間はこれは全然問題はないわけであります。その先、現状を変える必要があるのかないのか、これは台湾をめぐる米国、中国の話し合いも承わらなければなりませんし、極東条項そのものは米国と日本の間で安保条約をめぐって決められた話し合いでありまするから、行く行くはこれをどうするのかということは米国とも相談をしなければならぬ問題であると考えまするけれども、少なくとも今度の米中正常化によって、台湾周辺に武力紛争が起こる可能性は非常に少なくなってまいりましたものの、いまなお複雑な国際情勢その他もありまするから、これは早急に決めるべきものではなくて、時間をかけてゆっくり相談した上できめるべきことだと考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 ただいまの問題に関連しまして、現時点におきましては米中国交正常化並びに中日平和友好条約は安保体制の中で達成されたものである、従来そのようなお考えのもとに、また御答弁もこれまでの委員会等で承ってきておるわけであります。  そこで、この中越紛争が起きまして、これは私の地元の沖繩基地の問題でありますけれども、非常にあわただしくと申しますか、ざわついてきておるわけであります。  そこで、条約局長に私、お伺いしたいのでありますが、昭和四十年、当時の椎名外務大臣は、ベトナムは——これは当時の椎名外務大臣の委員会における御答弁でありますが、安保条約に言う極東とは、フィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域である、しかし、ベトナムが極東の地域というものに入ってないが、しかし、その周辺の地域であって、そこに起こった事態のために極東が脅威を受ける、こういう場合には米軍の行動は必ずしも極東の区域に限定される必要はない、それがすなわちベトナムであります。ベトナムは極東の周辺地域であるという解釈をされておるわけであります。  そこで、五十年の四月にベトナム戦争が終結をし、ベトナムは極東の周辺地域ではなくなった、そのように思っておりましたところ、その後私がいろいろこれまでの政府の御見解を調べましたところ、やはりベトナムは極東の周辺地域として解釈は変わっていない。当時の宮澤外務大臣も答弁をしておられるわけであります。  そこで、現在の時点におきましては、外務大臣は、安保条約の解釈も含めて、何にも変わっておらない、こういう御答弁があったわけでありますが、今日においてもベトナムは安保条約に言う極東の周辺地域であるという解釈はそのまま残っているのかどうか、そこをお伺いしたいと思います。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 お答え申し上げます。  極東の範囲という問題につきましては、ただいま先生が御指摘なさいましたように、日米が共通の関心を持っておる地域でございまして、それはただいま先生がおっしゃいましたように、大体においてフィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であるということは、もうずっとこの国会において御説明しておるとおりでございます。ただ、いま先生がおっしゃいました極東の周辺地域という言葉は、ベトナム戦争当時に国会でもたびたび使われた言葉でございますが、これは必ずしも安保条約の中で使われておる言葉ではございませんで、その大体意味しておったところは、ただいま先生がおっしゃいましたように、極東そのものの地域ではなくても、その周辺で起こった事態が極東の平和と安全に大きな影響を与える、そのために米軍が安保条約第六条に従って日本の施設、区域を使用して行動する、そういう場合があり得るというときに使われた言葉でございます。したがいまして、そういう意味におきましては、以前も現在においても、わが方の解釈は変わっておらないわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いま私が申し上げますのは、安保条約に言うところの極東の周辺地域という従来の政府の考え方は、現時点においても、ベトナムはやはり安保条約に言うところの極東の周辺地域であるという、そういう考えはそのとおりである、このように受け取っていいわけですか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 お答え申し上げます。  極東の周辺地域というものは必ずしもここからここまでというような地理的な概念で御説明できないところでございまして、ある地域において起こった事態にもよるわけでございます。ある事態が極東の平和と安全にきわめて重大なことであるならば、それは極東の周辺で起こりましても安保条約の中で米軍が行動することになるわけでございます。ですから、ベトナムは周辺地域であるとかないとかという意味では、確定的に地理的にそれは限定できないのではないかと思います。  ただいま「日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威」というものが、いまの中越紛争においてあると現状におきましては私どもは認識しておらない、そういうことでございます。ですから、ベトナムが周辺地域であるかどうかということは、地理的には余りそうであるとかないとかということは言えないので、そのときの時点において判断されるべき問題ではないかと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 その地域で極東の平和と安全に脅威があるとかないとかという、実態的にそういうことはいま考えられないわけでありますけれども、従来ずっと政府が一貫して統一見解としてとってこられた、安保条約に言うところの極東の周辺地域の中にベトナムは入っているのかいないのか、それをおっしゃっていただきたいと思うわけであります。  と言いますのは、先ほど申し上げましたとおり、四十年それから五十年とずっと私が調べてきました限りにおきましては、やはりそういう考え方を一貫してとっておられるわけですから、現時点においてもその考えは変わりはないのか、こういうことをお伺いしておるわけであります。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 先生がさっき御指摘なさいましたベトナム戦争のきわめて厳しい情勢のある時点において、ベトナムが極東の周辺地域であるという答弁がその当時政府の方からなされておったということは事実でございます。それで、私が先ほどからも申し上げましたように、周辺地域という意味は、その地域において起こった事態が極東の平和と安全にきわめて重要な影響を及ぼすというときには、それが安保条約の関心になってまいるわけですから、そこでいまのベトナムにおける事態は、まだそのような事態ではないという認識に立って申せば、これはベトナムが周辺地域であるとかないとかということは、地理的には申せないということを申し上げておきます。  ですから、もし現在の事態がもっと重大な様相を呈したような場合には、それは前のベトナム国会のときにおけるように、ベトナムが周辺地域であるという認識に立つこともあろうかと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 重ねてお伺いしておきたいのです。私がお伺いしたいのは、安保条約で言うところの極東の周辺地域の中に、現在でも政府の考えとしてベトナムは入っているのかいないということであるのか、それをはっきりおっしゃっていただきたいわけであります。  従来の政府の一貫した考え方というものは、いわゆる安保条約で言うところの極東の周辺地域にベトナムは入っているのだ、そういう答弁がずっとあるわけです。これは政府の統一見解なんですね。ですから、それが変わっているというのなら変わっている、変わっているのであればいっそういう考え方を変えられたのか、そこを説明していただきたいわけです。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 先ほどからも申し上げておりますように、ベトナムの周辺地域という言葉は決して安保条約そのものにあるわけでもございませんし、それはある時点における、ある地域における状況が、安保条約に言う国際の平和と安全に影響があるという認識の度合いにおいて申された言葉であると思います。したがいまして、ベトナムが極東の周辺地域であるかどうかということは、常に周辺地域であるとか常に周辺地域でないとかいうことではなくて、当時のベトナム戦争のあの時点においては、それは極東の周辺地域であると認識されておったわけでございます。そういうことで、そういうような事態である限りは、私どもはその解釈は決して変えておるわけではございません。しかし、現在における中越紛争の事態が極東の平和と安全に大きな影響を与える、そういう脅威があるという認識はいま持っていないということでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 何かちょっとはっきりしないのですが、当時の安保条約でいうところのベトナムは極東の周辺地域であるという認識は変わっていないが——変わっていないわけですね。ですけれども、いまはそういう認識がないというのはどういうことですか。もう一回説明していただきたいと思います。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 お答え申し上げます。  当時、ベトナム戦争が非常に厳しかった状況において、ベトナムがいわゆる極東の周辺地域であるという認識を政府は持っておったわけでございます。ですから、同じような脅威がその地域において発生する限りは私どもは同じような認識を持つ、そういう意味において私どもの解釈は変わっていないわけでございます。しかし、それでは現在のベトナムにおける状況が、それが当時のベトナム戦争におけるときのような厳しい、すなわち極東の平和と安全に脅威を与える、そういうような状態のものであるかどうかという認識においては、私どもはそうではないということを考えておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 では、もう一回はっきりお伺いしておきたいのですが、このように理解してよろしいわけですか。  要するに、現時点におきまして安保条約にいうところの解釈の立場に立ちまして、極東の周辺地域の中にはベトナムは入っておらない、そのように解釈してよろしいわけですね。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 事態の推移いかんによりましては、ベトナムが極東の周辺地域に入り得る可能性は十分あると思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 事態の推移といいますと、それでは現時点においては入っていないと理解していいわけですか。(北村説明員「はい」と呼ぶ)  そうしますと、それは政府の統一した見解、外務省の基本的な見解、そのように受け取ってよろしゅうございますか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 先ほどからも御説明いたしておりますように、周辺地域にはベトナムが入るとか入らないとか、どの地域が入るとか入らないとか、そういう地理的な概念では、外務省はいままでそういう見解をとっておらないのでございまして、ある地域における、しかもそれは極東に近い地域であることはもちろんでございますけれども、その地域における事態の脅威の度合いにおいて、それが極東の周辺であるという言葉で説明してきたわけでございます。そういう意味におきましては、現在のベトナムの情勢はそういう事態ではないということでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大変しつこくなりますけれども、ちょっとはっきりしておきたいのです。  五十年の四月にベトナム戦争が終結をし、南北統一がされた、その後におきまして当然そういう事態は変わった、したがってベトナムは安保条約にいうところの極東の周辺地域ではなくなった、そのように理解をしようと思ったわけでありますが、しかし、先ほども申し上げましたとおり、当時外務省の御答弁では、ベトナムが安保条約でいうところの極東の周辺地域の中に入っているという考え方は、あのベトナム戦争が終った時点においても変わっていない、そのとおり入っておる、極東の周辺地域の中にベトナムは入っている、それは従来どおりの政府の統一した見解でありますというふうにちゃんと答弁しておられるわけであります。ですから、そういう考え方は現在はとらない、こういうふうに受け取っていいかということであります。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 当時そういう答弁がなされた認識が、その当時においてそういう認識があったということは理解されるところでございまして、私どももそういう事態が再び起これば同じような認識をとることはそのとおりであると思います。  ただ、私が先生に何度も申し上げておりますのは、極東の周辺地域という概念は決して地理的な概念でございません。ですから、ベトナムは常に極東の周辺地域に入っているとか入っていないとかいう議論は、安保条約の面から見て必ずしも適当な議論ではないのではないか。そのときの事態事態に応じて判断をしていくべきものであろうと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 この問題でいつまでやってもらちがあきませんけれども、結局このように理解してよろしいわけですね。従来政府が一貫してとってこられた、ベトナムというのは安保条約にいうところの極東の周辺地域である、したがって、安保条約上それに伴ういろいろな機能は当然あの当時働いておったわけでありますから、そういう考え方は現在は変わっている、そういう事態はないので、安保条約にいうところの極東の周辺地域の中にはベトナムは入っていない、それが政府の考えである、そのように受け取っていいわけですね。それをちょっと大臣に確認をしてから次に進みたいと思います。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 いまの時点においては先生のおっしゃるとおりでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 安保条約にいうところ、そういうふうに解釈していいわけですね。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 安保条約にいうところとおっしゃいますが、極東の周辺という言葉は、ベトナム戦争当時国会の論議を通じて説明されてきた言葉でございまして、条約上この地域に入ったからどういう条約的な効果があるとかないとか、そういう問題ではございません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 先ほども冒頭にこの問題で申し上げましたのは、特に私、沖繩で大きな五三%の基地を抱えるということで、この中越紛争が起こって、地元では非常にあわただしい不安な状態であるわけです。したがって、安保条約と重大なかかわりを持つ、特に基地を抱える沖繩の立場から見た場合に、こういう重大な中越紛争というような非常に世界的な、特にアジアにおいて関心の持たれるこういう紛争問題に対して。地元では非常にあわただしいだけに、特にベトナムは、従来政府の一貫してとってこられた安保条約にいうところの極東の周辺地域としての考え方があったわけでありますから、それが現在ではそうでない、そのようにただいまの御答弁から受け取ってまいりたいと思いますが、重ねて大臣に、そのとおり受け取ってよろしいのかどうか、お伺いしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 一つの質問で大変時間をとったことをおわび申し上げます。  事務当局の返答は、周辺であるのかどうかという御質問と、脅威を受ける事態であるかどうかということを混同して答弁しております。私の考えでは、条約上に規定されたものではないが、極東並びにその周辺であるという認識はいまも変わりはない、しかし脅威を受けるような事態ではない、こう思いますけれども、大事なことでありますから、仮に認識を変えたとすれば、これは日本だけではなくて、日米安保条約の問題でありますから、アメリカとも話し、そして国会にこういうふうに変えますということで手続上も言わなければならぬ問題でありますから、的確なることを後でまたよく検討して、玉城委員並びにこの委員会で御報告することにいたしますが、それで御勘弁願えればありがたいと存じます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 せっかく大臣がそのようにおっしゃっておられますが、大臣のいまの御答弁では、安保条約の日米間での解釈上は、ベトナムは極東の周辺地域であるということについてはまだ変わってないが、今後その問題についてはいろいろ話し合いを進めるということになるわけですか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 そのとおりでございますが、つけ加えて申しますると、安保条約に規定する極東の周辺ということは現実としては変わっておるべきはずでありますけれども、手続その他でちゃんとしておかなければまた後日問題が出るものと思いますから、御質問の趣旨は十分理解しておりますから、そういうことで検討したいと考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 認識としてそういう極東の平和と安全に脅威を与えるような事態ではないので、ベトナムは従来政府の考えておられた極東の周辺の地域であるということではないので、手続的に今後そういう極東の周辺地域からベトナムは外していく、そういう手続は今後とっていく、このように理解していいわけですね。  それではこの問題はこれだけにいたしまして、重ねて安保条約に関連して沖繩の基地の問題でありますが、先ほど大臣がおっしゃられたとおりに、ぜひ不安のないような、そういうことをきちっとやっていただきたいことを要望するわけでありますが、実は去年の十二月二十九日に沖繩県の名護市の方で米軍の実弾演習に伴う機関銃の乱射事件と申しますか、銃弾が民間地域に降り注いでくる、こういう事件がありまして、政府もよく御茶内のとおりであるわけであります。国土のわずか〇・六%しかない沖繩に在日米軍基地が約五三%を占める。そして先ほどから関連して申し上げておりますとおり、米軍の演習が非常に激化をしておるわけであります。当然それに伴っての基地被害、基地公害と申しますか、それが後を絶たない。これは数え上げれば切りのないほどあるわけであります。常にそのたびに抗議もし、何とか安全な面をということで要請してきておるわけでありますけれども、そこで、いま申し上げました米軍の実弾演習に伴う機関銃の乱射事件につきまして防衛庁の方にお伺いしたい。施設庁になるかと思いますが、その事実関係を概略明らかにしていただきたいと同時に、また外務省の方には、この件で政府のとられたアメリカ側に対する措置をあわせてお伺いしたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 事実関係につきまして御報告申し上げます。  昨年十二月二十九日の午前と午後におきまして、沖繩本島東側にございますシュワブ演習場で行われました米海兵隊の車載機関銃の射撃に際しまして、そこから約五千メートル余り離れました民家に射弾が相当数落下したという事故でございます。  被害の状況は、該地にあります許田正光氏のお宅に四発の弾着があり、屋根が損壊しかつ敷地内に数発の弾が落ちた、裏の畑で作業中に至近弾が降ってきたということがあります。また、それ以外の三人の方々がキビ畑の中でキビ畑を焼損されたとか、あるいは作業中にその付近に射弾が散布してまいったというふうな事故でございまして、ここにおられました周辺の方々に相当の畏怖心を与えたという事故でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 重ねて施設庁の方にお伺いいたしますが、今回のこの事故の原因についてお伺いします。  どうぞお答えしていただきたいことは、そのときに米軍が使用した重機関銃と申しますか、これの射程距離、それから、その銃弾が落ちた住民地域までの距離、それから、その目標とした地点までの距離、これをおっしゃっていただきたいと同時に、どうしてそういうふうな事故が起きたのか、簡単でいいですから御説明いただきたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 まず使用しました機銃の諸元から申し上げますと、使用しました機銃はM85マシンガンでございまして、口径十二・七ミリ、それの射程は最大角で、ともかく飛べるだけ弾を飛ばした場合には六千八百メートル、それから通常使います有効射程と申しますのは二千二百メートル前後で使うものでございます。射座から被害地までの距離は五千メートル余というふうに報告を受けております。  なお、この事故の原因につきましては米側から回答が参りまして、その見解によりますと、本来、当該演習場におきましてこの機銃を使うときは、仰角五度以内で射撃をするように基準、規則が定まっておるところ、当日五度を超える仰角をとって撃ったというところにこの問題が発生した原因があるというふうに報告が来ております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、どうしてもこの機会に外務大臣にお考えをお伺いしたいわけであります。  いまの施設庁の御報告にもありましたとおり、M85口径で十二・七ミリ重機関銃の射程距離が先ほど六千八百メートルとおっしゃいました。そしてその銃弾が落ちた地域が五千メートル余とおっしゃいました。これは私たちの調べでは約五千四百メートルです。それから目標地点が二千八百メートルということで、この実弾の射程距離といいますのは六千八百メートル、そしてその弾が落ちたのが住民地域で五千四百メートル、それでその目標地点が私たちの調べで二千八百メートルなのですが、本来発射角度を五度以内にすれば、その目標地点に当たるわけですが、それが発射角度を間違えたために、その目標地点を飛び越していって、裏側の住民地域に弾が降り注いだ、こういう実情であるわけですね。  そこで私、こんなきわめて危険な基地は閉鎖か撤去といっても、それはいまの政府の立場からなかなかそういうことをおっしゃらないと思いますけれども、演習の仕方が非常にずさんである。しかもその目標地点の裏側には射程距離の範囲内において住民地域があるということをわかりながら発射角度を間違える。発射角度を間違えるというこの操作上のミスなんというのは、これは非常に初歩的、基礎的なミスをやるわけですね。  そこで、私たちも事故の原因についてもいろいろ伺いました。そうしますと、安全係将校を今後は置いて、そうしてまたその発射角度を間違えないように特殊な機材を取りつけて今後は万全を期す、こういうことを米側は言っておるようでございます。しかし今回の事件におきましても、実弾演習をするわけですから、安全将校というのはちゃんと米側は常に配置しておるわけです。しかしそれでも起こる。そして発射角度を固定するといいましても、これで安全とは言えないわけですね。そこで、今後こういう実弾を伴う演習、そしてしかも隣接して住民地域がある、しかもその実弾の射程距離の中には住民地域が相当あるわけです。そういう中での演習のあり方、地域住民のいわゆる生命の安全と申しますか、そういう国民の安全をきちっと確保するという立場から、こういう基地の存在について外務大臣はどのようにお考えになっておられるのか、その点をお伺いいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 事故の原因、アメリカが言ったことは、御承知でありますから省略をいたします。  この事件が起きてから直ちに防衛庁と連絡をとり、わが方は原因の究明、再発防止、再発防止対策がとられざる以上は射撃中止を厳重に申し入れ、その後、また後の日米合同委員会でも厳重に申し入れたところであります。  外務大臣の所見を求められれば、問題は、その事故の原因がどうであったか、どういう事故であったかということよりも、米国国土内でこういうことをやったかどうかということが私は問題だと思います。いま非常に苦しい中に、いろいろな地域住民の方々に不便を願いながら、安保条約という枠組みの中で日本は平和を追求しているわけでありますから、基地をなくするわけにはまいりませんけれども、少なくとも日米安保条約の協力は、ただいまで言えば防衛庁、外務省とアメリカとの関係は、地域住民の方々が安心し、しかも不便ではあるけれども、いざという場合に日本を守ってくれるのだからという、協力のできるような体制でなければならぬということが一番問題だと思います。  その際に、射角を超えれば遠くへ飛んでいく、しかもそこにはだれがおるかわからぬ、そういうところへそういうことをやるということは、これは基地地域並びに住民に対する米軍の基本姿勢が一番大きな問題であると考えておりますので、私はその点は今後とも強く主張したいと思っております。なおまた、基地を撤去するわけには現実問題できませんけれども、その基地で地域住民に不安を与えないように、飛行訓練を含む射撃訓練等はもう一遍両方でよく検討し合う必要があるのではなかろうか、こう考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大臣のお気持ちもよく理解をいたすわけであります。こういう事故のあるたびに地域住民は大変不安と恐怖に駆られるわけでありまして、抗議もするわけですが、その都度に米軍側は、今後は絶対そういうことはない、そういう事故は起きない、こういうことを常に繰り返しておるわけですが、やはりこういう事故が起こる。これは同じ地域ですが、ついでに申し上げておきますが、去年の四月にも戦車の百五ミリ砲弾が、このキャンプ・シュワブという基地ですが、目標地点に当たってはね返っていって、裏側の名護市の住民地域に落下して、これは模擬爆弾であったために大事には至らなかったわけであります。  そういうことで、これは欠陥演習場じゃないかと私は思うのです。といいますのは、この実弾の射程距離の中に、たとえば名護市の人口の三五・五%、これは四万五千ですが、そのうちの一万七千近くの人々が先ほどの事故の、いわゆる重機関銃の射程距離の中にすら入っておる。あるいは百五ミリ戦車砲弾というのはもっと射程距離が長いわけですから、相当の住民地域が入るわけです。ですから、そういう演習地域というものは非常に危険である。そしてそういう初歩的なミスがすごく行われている。同時にまた、固定するといいましても、たとえばその発射角度が固定されないような走行中の戦車などから発射しますと、幾らでもぶれるわけです。それがいつ頭の上に落ちてくるかわからない、こういう不安に常に駆られている。  そこで、私は具体的にぜひお伺いしておきたいのですが、こういう隣接した演習場において演習をする場合に、こういう危険な地域では実弾は使用させない、そういうことをやらない限り不安は消えないわけです。その点いかがなものでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 射撃場並びに実弾射撃場等におきましては、仮に間違いがあっても事故が起きないような地形を選定するとか、施設をするとか、こういうことはきわめて大事なことであろうと考えております。こういう点は防衛庁ともよく相談をし、在日米軍にも遠慮なしに主張し、遠慮なしにいままでの過ちを改めるように申し入れたいと考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 ただいま、そういう危険な基地のあり方については外務大臣としても十分防衛庁と御相談の上に対処される、このように承ったわけであります。ぜひとも、こういう危険な、住民地域と隣接をした演習場においてとにかく実弾を使用させない、そういう危険なものは使わさない、そこをぜひとも両大臣のお力で、お力と申しますか、これは当然だと思うのです。私、くどくなりますが、これは地元の問題でもありますし、本当にこれは人道的な問題だと思うのです。安保条約以前の問題だと思います。安保条約についての見解は別にしましても、常にそういうふうに危険にさらされている。安全だ安全だと言っても、常に事故は続発してくる。それについての国民の安全を守るということは、これはもう安保条約以前の政府の当然の責務だと思うのです。ぜひその点を、今後ともそういうことのないようにやっていただきたい、このように思うわけであります。  以上で外務省は終わらしていただきますが、次に公正取引委員会の方にお伺いをいたします。  公正取引委員会は昨年の後半から流通問題に取り組んでおられ、独占禁止法研究会においてもその問題は研究を始めておられるようであります。こうした公取の方針についてはそれなりに評価をするわけであります。私は、最終的には独占禁止法の第十九条、条文は、もう時間がございませんので申し上げませんが、十九条に基づく一般指定の見直しが必要だと思うわけです。公正取引委員会としてはただいまの件についてどのようにお考えになっておられるのか、御見解を承りたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口政府委員 産業構造の変化に伴いまして、非製造業の分野の中でも重要な地位を占めます流通上の問題がクローズアップされてきておるわけでございまして、これに対しまして幾つかの品目についての実態調査、それから御指摘がございました独占禁止法研究会を設けて法制上の見地、また経済上の見地からの検討を進めておるところでございます。昨年の九月に研究会を始めまして、すでに六回開いておりますが、まだ相当期間検討に必要な状態であろうかというふうに考えております。  検討の結果といたしまして、独占禁止法第十九条に基づく一般指定の内容について修正を加える必要があるかということでございますが、この一般指定はかなり昔にできたものでございまして、その後の事態の変化から見ましていろいろ問題があるというふうに考えてはおりますが、ただ、いまの段階でこういうふうに改正するとか、あるいは改正を意図して研究会に付託をするとか、そういう用意はできておりません。したがいまして、一般指定の問題も含めて検討は進めてまいりたいと思いますが、将来の検討の結果としてはあるいはそういうことになるという可能性も絶無ではございませんが、まだそこまで問題意識が煮詰まっていないというのが現状でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 流通問題での不公正な取引の問題なんでありますけれども、これは新聞でも大きく報道されましたのでよく御案内のとおりですが、昨年の十一月二十八日、独禁法違反の疑いで立入検査をしたいわゆる某百貨店の事件があるわけです。この百貨店の取引先納入業者への押しつけ販売、それから協賛金等の要求、少しひどいやり方が明らかにされたわけであります。  そこでお伺いしておきたいのは、この事件は去年の十一月でありますけれども、公正取引委員会とされてはいつごろまでに結論を出されるのか、お伺いいたします。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口政府委員 昨年十一月に立件審査を開始しました某百貨店に関する事件でございますが、留置物件も多数に上っておりますし、関係人からの事情の聴取も必要でございますので、まだ多少の時間は必要かというふうに考えておりますが、事案の性格から考えましてできるだけ早期に結論を出したいということで、いま審査を急がせている最中でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 ただいまの問題に関連しまして、こういう大百貨店の押しつけ販売、協賛金の要求、こういうことは公取委とされて立ち入りされたこの某百貨店に限ったことではないと思うのですね。あるいは増改築に当たっての協賛金、さらには宝石、そういうものの押しつけ販売、そういうことが横行しているようであります。  そこで、公正取引委員会とされては、その後、ただいま申し上げました某百貨店以外にもそういう押しつけの販売、協賛金の要求、そういうことをしているいわゆる大手の百貨店あるいは大きいスーパーと申しますか、そういう実態などについてお調べになっておられるのかどうか、もし調べておられましたら、その状況をお知らせいただきたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口政府委員 百貨店、大型スーパー店のいわゆる押しつけ販売あるいは協賛金の要求等の事案につきましては、御指摘のように、多かれ少なかれほとんどすべての百貨店及び量販店に見られる現象でございます。ただ、程度の差にかなりばらつきがあるということでございまして、昨年の秋に納入業者を中心としたアンケート調査をいたしまして、その集計もほぼ終わっておるところでございますし、また、調査の結果につきまして事実そうであるかの確認も必要であると考えますので、近く主な百貨店と主なスーパーについての調査をいたしたいというふうに考えております。百貨店の数は、名のある百貨店はほとんど網羅する予定でございますが、数で申しますと二十六の百貨店でございます。それから、スーパーの方は六スーパーということで、両方合わせまして二十二の百貨店、スーパーについての調査をいたしたい。ただ、これは先ほどからお話がございます某百貨店のような形の立件審査、立入検査という方法にはよらないで、実情を把握するという意味での調査をいたしたいということで、これは先方にも通知をいたしまして、先方に出向く必要がある場合は先方にも出向きますし、また必要があれば、納入業者に迷惑がかからないような配慮をしながら、納入業者からも話を聞いてみたいというふうに考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そういうようなことで、公取委のそういう強い姿勢と申しますか、やはり業者の方々も自主的にそういう不公正な取引が行われないようにということをやっておられるようであります。  そこで、日本百貨店協会では、一月二十九日に「納入業者との公正な取引秩序の確立に関する申し合わせ」という文書を会員各社の重役及び本支店長並びに地区協会長あてに通知しておるようであります。その内容は、納入業者との共存共栄を基本理念とする公正取引のルールを遵守する、こういう単なる申し合わせ程度にとどまっておるわけでありますが、私は、こうした通り一遍の通知で、こういう押しつけ販売とか協賛金の要求というような不公正な取引方法の是正というものはできないと思うのです。  そこで、ただいま申し上げましたことについて、公正取引委員会としてはどのようにお考えになっておられるのか、お伺いいたします。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口政府委員 百貨店協会が一月二十九日に会員各社に対しましてある種の通達を出しましたことは承知をいたしておるわけでございまして、率直な感じとして、ようやくスタート台に立ったなという感触でございまして、いままで折に触れて指導いたしておりましたが、なかなか聞き入れてもらえないという状態であったわけでございます。したがって、百貨店協会としては、一口で申しますと前向きの姿勢を示したというふうに考えられるわけでございまして、一応の評価をしてよろしいのではないかというふうに考えております。  ただ、百貨店協会にすべての百貨店が加入しているわけでもございませんし、アウトサイダーもございますので、この措置だけで業界全体の正常化が図られるものかどうか、実現するものかどうかにつきましては、今後の事態の推移を見て慎重に判断をいたしたいというふうに考えておるところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 この問題で最後に、先ほど最初に申し上げました独占禁止法第十九条の指定の問題でありますけれども、百貨店業における特定の不公正な取引方法が、これは今後特別に指定されていかなければならない、このように思うわけであります。  そこで、こうした不公正な取引方法を是正するためには、当然こうした行為は特殊指定の中に含めるべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口政府委員 質問にお答えいたします前に訂正をさせていただきたいと思いますが、先ほど調査を予定をいたしております百貨店を二十六と申しましたが、これは十六の誤りでございまして、百貨店が十六、スーパーが六、合わせて二十二ということでございます。訂正をさせていただきたいと思います。  それから、お尋ねがございました特殊指定の問題でございますが、百貨店業につきましては、御承知のように現行特殊指定という制度がございます。ただ、現行特殊指定の制度では、いわゆる押し込み販売とか協賛金の要求は規制できないというたてまえになっておるわけでございまして、当面の措置としましては、現存する違反行為の状態を排除する、是正するということが第一でございます。将来同じような違反行為が行われないような予防措置をどういうふうにしたらいいかという問題が次の問題であるわけでございまして、そういう点から申しますと、先ほど来議論のございます百貨店協会の通達それ自体もそれなりの評価ができるわけでございますが、それだけで不十分な場合も予想されますので、果たして特殊指定という形がいいか、業界の申し合わせをこちらが追認する、あるいは是認するという姿がいいのか、あるいは特殊指定という形がいいのか、手段方法につきましてはさらによく検討いたしてみたいというふうに考えておるところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 以上で公正取引委員会関係の御質問は終わります。  次に、労働省の方にお伺いいたしますが、大臣もよく御案内のとおりに、沖繩県の完全失業率というものが異常に高い。今国会の最大の政治課題の一つに雇用失業問題があるわけでありますが、それに関連しましてぜひこの機会に労働大臣のお考えを承っておきたいのは、ただいま申し上げました沖繩県における、異常に、そしてまた深刻なこの失業問題についての労働省としての対策をお伺いしておきたいわけです。  その前に、沖繩県が本土復帰しました昭和四十七年、この四十七年を境にしまして沖繩の失業率というのは非常に高くなってきておるわけです。申し上げますと、沖繩県の失業率は四十七年が三・〇一%で、復帰以前の四十六年は一%です。復帰した四十七年が三%で、本土全国平均の二・一倍、四十八年が三・五%で二・七倍、四十九年が四%で二・八倍、五十年が五・三%で二一八倍、五十一年が六・三%で三・一倍、五十二年が六・七%で全国平均の三・一倍、そして五十三年、今年度十二月までの数字でありますけれども、六・〇%、全国平均の二・八倍というふうに、四十七年を境にしてどんどん失業率が高くなってきて、それが一向に下がっていかないというのが実態なんです。  これは地元におきましてもあるいは政府の方でも大変いろいろと御努力をされておられるわけであります。これが当面沖繩県にとっても最大の問題の一つなんですが、そこで、労働省とされて、この沖繩県の異常なそして深刻な失業状態についてどういう対策をとってこられ、また今後どのようにしてこの問題を大臣としては解決していこうというお考えを持っておられるのか、お伺いしたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 沖繩県の失業情勢が内地と比べてみまして大変異常であるという事態はよく承知をいたしております。どこに原因があるかということもいろいろ突きとめております。それに対しましてどう対処するか、労働省といたしましてはきめ細かい配慮をいたす所存でございますが、詳細につきましては政府委員より答弁をいたさせます。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 ただいま労働大臣からお話しございましたように、沖繩の情勢は非常に深刻でございます。そこで、その改善を図りますためには、やはり基本的には沖繩県におきます産業の振興を図って雇用を拡大するということがどうしても必要なわけでございますが、労働省としましては、そのための総合的な施策と緊密な連携をとりながら、先生御存じの沖特法に基づきます沖繩県の労働者のための職業安定計画というのを策定しておりまして、これに基づいて総合的な施策を実施しているわけでございます。  この計画に基づく施策につきましては、まず一つは、沖繩県の失業者の特性を考慮したきめの細かな就職指導促進対策を推進する。特性と申しましたのは、職安の窓口におきまして、中高年齢を中心にした沖繩の復帰に伴う離職者、それから駐留軍関係離職者等の方々が四割くらいを占めておるというような特殊事情、あるいは完全失業者の中で二十九歳以下の若年労働者が失業しているというものが六割くらいを占めておる。これはいずれも本土と比べて非常に異なる特殊事情でございまして、そういう点についての特性というものを考慮しました対策を講じているわけであります。  その中身は、先ほど申しました沖繩関係の失業者等に対しましては、一般の雇用保険による給付に加えまして、就職促進手当の支給等の各種の手厚い援護措置を講じているということが第一点でございます。二番目には、特に若年者を中心としましては、先ほどのような県内の事情でございますので、やはりどうしても県外、すなわち本土への広域職業紹介というものを積極的に推進をしなければならないということで、関係の施策を強化しているわけであります。三番目には、公共事業へ失業者の吸収を図る。四番目には、職業訓練の機動的実施をするというふうな各種の施策を織りまぜながら、総合的に実施をしておるわけでございますが、今後ともこの深刻な雇用情勢に対処しまして、一層その充実を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、昭和五十四年度におきましても新しいいろいろな施策を追加させていただいているという状況でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 ただいまの労働省の沖繩県の失業対策でありますけれども、過去五十年、五十一年、五十二年、三年間の労働省がどういう対策をとってこられたかという実績を私なりにいろいろお伺いしたわけですけれども、予算の執行の状況というものはきわめて悪いのですね。先ほど大臣もきめ細かくこれから充実をしていく、いま局長の御答弁の中でもいろいろなことをおっしゃっておられましたけれども、たとえば訓練手当が五十年、五十一年、五十二年の三年間のトータル実績は一三・〇%、それから広域求職活動費も三年間のトータル実績、予算の執行状況が二・六%、これは全部申し上げると時間もありませんが、訓練手当であるとか広域求職活動費、移転資金、雇用奨励金、再就職奨励金、自営支度金、住宅確保奨励金、職場適応訓練費、債務保証、こういういろいろな細かい制度がございますが、いま申し上げました制度の中で三年間全然執行されないゼロの項目もあるわけです。この九項目を全部トータルしてこの三年間で一一・一%ですか、ちょっと数字があれですが、非常に低いわけです。ですから、ああいう非常に深刻な状態で、労働省としても一生懸命やっておられると言いながら、こういう就職指導、訓練指導という制度があって予算化もされながら、それがこういう非常に低い執行の状況である、これがちょっと私には理解しかねるわけです。その点をお答えいただきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 沖繩県の雇用関係の給付金につきましては、就職促進手当はかなり基本的な手当でございますから活用されているわけでございますが、その他の手当については御指摘のように、その予算に比べると実績が必ずしも十分でないということはそのとおりでございます。  その理由ということでございますが、一つには、対象となる失業者に中高年齢者が非常に多い、そういうふうなことから再就職がなかなかむずかしい、したがって、その訓練等についてこれを十分活用される機会がなかなか見つからないというふうなことが一つございます。それからもう一つには、これらの措置につきまして対象者の関心が、いま一番目に申し上げましたこととも絡みまして、必ずしも高くないというふうな事情もあるわけでございます。  しかし、御指摘のようにせっかく設けられている制度について、この活用を今後とも図っていかなければならないわけでございますので、そういう意味での実態的な再就職の促進に鋭意努力しますほかに、いま申しました諸措置について窓口を通じまして周知について一層努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 せっかくある制度ですらこういうように全く機能しておらないという実態であります。したがって、何とか失業問題を解決しなくてはならない、そのためにもこういう制度を大いにきめ細かく活用されるのは当然だと思うのです。さっきも申し上げましたとおり、なかなか失業率が低くなっていかない。労働省は一生懸命やっておられる、しかし、いろいろなこういう制度があるけれども、なかなか実績が上がっておらない。そういうようなことについて大臣はどのようにお考えになりますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 いま労働省では、沖繩だけでなくて、全国的にいろいろの給付金制度がどうして利用されないのかということで検討をしております。私がいま感じることは、案外こちらの方ではPRしたつもりであっても、反復してやらないと、そういう制度があるのかということで、相当高度の知識を持った人あるいはそういうことについて高度の関心があるべき人にも徹底してない向きもあるようでございまして、たとえば経営者協会の人たちが初めてそういう制度があるということを知ったというようなところも県によってはございますので、したがって、もう一回われわれの方の行政指導に落ち度がなかったかやってみたいと思います。それをやってもなかなか出ないということになりますと、ただいま局長から話がございましたように、それに対する関心がない。むしろそういうことならば、その制度をどう見直すかということになろうと思います。いまのところは、さらに周知徹底を図る努力をやってみたい、その結果に基づいて対処いたしたい、こう考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 制度の見直しということもまた必要な部面があると思いますけれども、私が申し上げました諸制度は、どれをとっても失業雇用問題の解決を促進するためにきわめて必要な制度だと思うのです。ですから、制度の周知の問題、理解されていないという問題、これはやはり行政のそれぞれの方々が一生懸命やれば、私はこの制度の機能は十分発揮できると思うのです。その点強く要望しておきます。  それで、沖繩の非常に高い失業問題の解決の一つとして、先ほどもお話がありましたが、広域職業紹介に力を入れる、基本的には地元における雇用吸収の場の確保ということになるわけです。これは早くやらなければいかぬわけですが、簡単に言えば、当面本土就職を促進する、こういうことのようであるわけですが、この点にも多少問題があるわけです。下手をしますと、これはむしろ失業予備軍を労働省はつくっておられるのじゃないかという感じがしているわけです。といいますのは、非常に地元に帰っていく率が高い、いわゆるUターン。同時に失業軍の中に加わるというような、いい時期にこっちへ来て、また帰っていっている。地元では、そういう雇用吸収の場がきわめて小さい、こういうことで、下手をしますと、これは言葉は悪いかもしれませんけれども、失業予備軍をつくっておられるのじゃないかという感じすらするわけです。  ですから、私が申し上げたいのは、せっかくいろいろな諸制度を動員をして広域職業紹介、いわゆる本土就職を促進しておられるわけですから、ここできちっとそういう方々が定着をしていくような、そういうアフターケアと申しますか、そういう対策が非常に必要だと思うのです。  それで、私、労働省の失業問題あるいは雇用問題についていろいろ見ましたけれども、そういう一たん就職をした、地方から出てきて、そしてこちらで就職をして、そのままずっと定着をしていくという面の指導対策、これがほとんどないような状況であるわけです。特に地方から出てくるわけですから、いろいろな制度を新設をされるなりすれば、相当に定着率は上がっていくと思うわけであります。  そこで、お伺いをいたしたいわけでありますが、私、具体的な例も、また実際にここで地方の方々が就職をしていろいろな悩みとか、あるいは相談などにつきましても伺ってまいりましたけれども、そういう面では、たとえば区であるとか、自治体ではそういうことをお互いに話し合いをして、そしてそういう親睦を深めて、そしてきちっとこれからまた意欲を持ってやっていこうじゃないかというようなことをやっておられるわけであります。  そこで、そういう面についての今後労働省としての対策、定着がされるような指導対策、そういうものをお考えになっておられないのかどうか、お伺いをいたします。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 先生御指摘ございましたように、一貫した定着的の指導の体制をとるべきじゃなかろうか、こういう点につきましては、従来から広域職業紹介をやります場合に、安定所におきまして、まず沖繩県から出ていくときにいろいろな定着に必要な指導をやるというふうな体制、それからもう一つは、本土へ参りましてからも、事業団の中にあります就職援護相談員を活用いたしまして、いろいろな相談を、生活上の問題、職業上の問題をあわせて相談体制をとっているわけでございますが、さらに、定着率を高めますために就職資金の貸付制度というのをやっておりまして、これによりまして本土で二年間定着をした場合にはその返還を免除するというふうな制度をとっているわけでございます。先ほど、先生からもお話しございましたように、もう少し集団的に仲間同士でもって心が通じ合う形で定着するという方法を考えるべきじゃないかという御指摘、私どもも確かにそういう面も必要だと思いますので、たとえば企業の中に沖繩県からの就職者の方が多いところについては、そういう点について特に配慮するような担当者を置いていただくとか、それからもう少し公的な集団指導体制を考えるとか、いろいろな工夫を今後進めさせていただきたい、こう思っておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 最後に、大臣、いままでるる申し上げましたとおりでありますので、全国的に雇用失業問題というのは重大な問題に入ってきているわけですから、その中でも特にこういう非常に深刻に失業率の高い沖繩に対して、労働省としても今後力を入れていただかなくてはいけないと思うのですが、その点についての大臣のお答えをいただいてこの問題についての質問を終わります。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○栗原国務大臣 私も労働省へ参りまして、沖繩の失業率が異常に高いので、大変な関心を持って見ておるのです。そして先ほど申しましたとおり、具体的な施策がなぜ徹底しないのか、その原因も探求したい。それは労働省側にあるのか、あるいは沖繩県というところにあるのか、あるいは本土側にあるのか、いろいろそういう問題をも詰めてみたい。そしてじっくり腹を割ってそれぞれの関係者で話し合ってみたい、こう考えております。一生懸命その点について努力をいたしたい、こう考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 この問題につきましては、先ほども申し上げましたとおり、労働省としてもその担当の省でありますので、ぜひしっかりと力を入れていただくように特に要望いたしておく次第であります。  次に、これも沖繩の問題でございますが、防衛施設庁の方にお伺いをいたします。  沖繩県は戦後この方ずっと特殊な事情によって土地の地籍が混乱したままに今日まできたわけであります。したがって、そういう土地の地籍を明確にさせようということで、一昨年いわゆる地籍明確化法という法律が制定されたわけであります。  これは施設庁長官の方にお伺いをいたしたいわけでありますが、大変むずかしい仕事を担当しておられまして、その御努力に対しては敬意を表するものであります。これまでの進捗状況について簡単に御説明をいただきたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 お答えいたします。  地籍明確化法に伴います作業は、おかげさまでおおむね順調に進んでおりまして、現時点で申し上げますと、防衛施設庁長官が実施機関の長として責めを負わなければならない百十七平方キロのうち、四十一平方キロにつきましては、すでに実態的な調査、測量等すべてが終わりまして、一部分につきましては認証も終わり、大部分につきましては認証の準備をしておる。残りにつきましてはいままでと同じペースで進んでおりますので、およそ法律制定のときに決められました期間内に所定の作業を終わることができるのではないか、このような見通しに立っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、いま長官のおっしゃいましたとおり、所定の期間内に地籍の明確化の作業が終わるというお話でありますが、地籍の明確化すべきその対象地域の中に国有地も当然含まれておるわけです。したがって、その国有地関係も当然この法律に基づいて地籍が明確化される作業が進められなくてはならないと思うのですね。したがって、その際当然こういう込み入った、全然位置、境界が不明ですから、どこからどこまでがAさんであり、どこからどこまでがBさんの土地であるか、境界、そういうものが全然わからないわけですから、当然そういう地元の関係者の協力が必要になってくると思うのです。その国有地も位置、境界すらはっきりしておらないわけですね。したがって、当然ただいま申し上げました法律に基づいてその国有地関係もこの機会に明確化されるおつもりであると思いますが、長官、その点についてお伺いしたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 お答えいたします。  国有地、民有地の差はなくて、そこに所有者がおりますときには、それらすべてにつきまして御協議をいただき、地籍を明確にしていくということに相なります。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで長官、混乱している地域のすべての地籍、施設庁関係は基地関係が主体になりますけれども、その地籍を明確にするために、当然地元の関係の方々の協力を得なければならない。そこで互いに所有権を争っている方々がその中にいるわけですね。そのために、この法律によりますと、そういう関係地主の方々は集まって協議をしなさい、集団和解方式と言われていますけれども、そうしてお互いに納得がいくように、ここからここはあなた、ここからここは私というような決め方をしていきなさいというようにこの法律はなっているわけです。ですから、国有地と言わず、あるいは民有地と言わずそうさせるように、実施機関の長である長官にはそういうことがこの法律に基づいてうたわれているわけですから、そういうことをなさる御意思があるかどうか、お伺いします。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 お尋ねの問題点が、法律に定められておるような手続を差別なく行っていくのかということになりますと、これは当然でございます。  ただ、ちょっとお言葉に出ました所有権に争いのあるという問題になってきますと、地籍明確化法の目的の範囲においてしか行動できないという問題はございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 この問題で深く議論する時間もありませんし、また場所を変えてやりますが、具体的に言いまして、国の所有の土地であるという国有地、いや、そうでない、これは本来自分の土地であったのだというような争いがあって、その地域は所有権問題ではいまなかなからちが明かないということ。したがって、地籍の明確化作業を進めるにもやはりこれが支障になってくると私は思うのですね。ですから、地主であると主張するお互いが協議しなくては、集まって話し合いを進めていかなくては、地籍の明確化の法律に基づく実施も当然困難になってくるわけです。施設庁長官とされては、国有地の地主である大蔵省のそういう関係の代表の方、そして所有権を主張している方方の代表あるいは施設庁が中に入られるとか、そういうことを積極的に進めていかないと地籍の明確化はされないわけですから、そういうことをされる御意思はあるかどうか、お伺いします。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 大変お含みのあるお尋ねでございまして、具体的な問題ではないわけでございますので、正確な答弁になるかどうか危惧いたしますが、いずれにいたしましても、そこに所有権者がおりまして地籍が不明確であるという部分につきましては、地籍明確化法に定められております手続に従いましてわれわれは処理をしてまいるわけでございます。大蔵省というお言葉がございましたが、大蔵省も国の一機関でございまして、われわれと同じお考えだと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 時間もございませんので、最後に、沖繩開発庁長官おいででございますので、先ほども雇用失業問題で労働省の方にお伺いいたしましたが、根本的にこういう問題の解決は、地元における産業の振興とか、いろいろなそういう基本的な問題の解決以外にないと思うのです。沖繩振興開発も七年、あと三年で終わるわけでありますが、こういう問題につきましても、いまのうちにいろいろ検討がされなくてはならないと思うのです。特に失業の問題の解決の立場から沖繩開発庁長官としてはどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

三原朝雄国務大臣(総理府総務長官)(沖繩開発庁長官)

○三原国務大臣 お答えをいたします。  先ほど来労働省との質疑の状況をつぶさに承っておったのでございます。県内の産業、経済の振興、そして雇用の機会の拡大ということが基本的な施策であろうと私は思うのでございます。なるほど、他県において就職なさっておられる方の定着なりUターン現象等に対しまする手当てということもありましょうけれども、やはり根本は県内に問題があると思うのでございます。そういう立場に立って、私どもといたしましては、まず何といっても産業の振興のためには交通基盤を整備していく。道路でございますとか空港、港湾でございますとか、そういう交通基盤の整備がまず第一である。次には、産業の中で農業に対しまする問題がございます。この農業の基盤整備というものがぜひ果たされねばならぬ。そして全体的に産業基盤を整備していくということを主な柱にいたしておるわけでございます。なお、そのほかにおきましても、たとえば、実施いたしております共同施設の整備でございますとか、業種別の近代化施策への補助でございますとか、なおまた産業の近代化の一つの資金を融通いたしておりまする沖繩の関係の開発振興のための金融公庫、これに対しましての融資を拡大していく、そういう点が雇用拡大に役立つのではなかろうかという見方をいたして、これに鋭意努力してまいっておるわけでございます。  予算面にいたしましても、ことしの予算が一千九百三十一億でございまして、昨年に比較いたしまして、他県の上昇率に比較しても、それよりも高い二二・七%の増大をやっておるというような、予算化の状態から見ましてもそういうことでございます。そういう点で雇用拡大について努力をいたしておるところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 以上で私の質問を終わります。

竹下登自由民主党

○竹下委員長 これにて玉城栄一君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十二日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十九分散会

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