予算委員会 第6号
- 発言数
- 436 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1979/02/06
会議録
○竹下委員長 これより会議を開きます。 昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、総括質疑を行います。 この際、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。園田外務大臣。
○園田国務大臣 本委員会で大出委員初め、元国務次官補グリーン発言に基づいて外務省の調査資料を出せ、こういうことでございましたが、それぞれ検討いたしました結果、当方には記録は全然ございませんし、当時の随員で一人、首席随員の奈良君が亡くなっておりますが、そのほかは記憶がないということで、やや食い違いますので米国の方に照会いたしましたところ、その結果が判明いたしましたので御報告をいたします。 事務当局から報告させます。
○中島(敏)政府委員 ハワイ会談当時、東アジア太平洋担当国務次官補であったグリーン氏が、日本の報道関係者に対して、ハワイ会談の非公式協議の場において日本側に対し、E2C購入の要請を行ったと述べた旨の報道が去る一月十八日に行われました。これに関連する事実関係について調査を行いましたところ、その結果は次のとおりでございます。 前記のグリーン発言が報道されましたので、外務省といたしましても、わが方に残存する記録を再度チェックし、また会談出席者にも詳細照会するなどの再点検を行いました。その結果、グリーン氏がE2C導入の話をしたという事実は全く確認できませんでした。 他方、外務省といたしましては、在米日本大使館を通じまして、グリーン氏自身についていかなる場でE2C問題が取り上げられたのかの確認を求めさせましたところが、ハワイ会談において第二回の外務大臣・国務長官会談が終了し、大平外務大臣及びロジャース国務長官が合同会議に出席のため退席した後、残った参加者が出入りしたときであると思うということでありました。そこで、アメリカの国務省に対しましてグリーン発言に関するアメリカ側の記録の有無を調査するように依頼しておきました。これに対しまして、昨二月五日付をもって先方から次のような回答がございました。 国務省として調査した結果、このほどハワイ 会談記録のうち、日米経済関係に関する討議の 報告書の末尾にE2C航空機への言及部分を見 出した。当該記録の概要は、国務長官、外務大 臣が、ジョンソン次官、インガソル大使ととも に部屋を出た後、グリーン国務次官補が、日米 貿易に関する幅広い論議の一環として、E2早 期警戒システムを日本が購入してはどうかと鶴 見外務審議官に示唆したのに対し、同外務審議 官は、四次防がどのようなものになるか見通し の立たない現段階では、その点については何と も言えないと返答をしたということであった。以上がアメリカ側の回答でございます。 米側の記録において、グリーン次官補がE2Cの導入を示唆したとされる場面があるとすれば、次のようなことではなかったかと思われます。 九月一日の午前九時から外務大臣と国務長官会談がクイリマホテルのアリ・スイートと呼ばれる部屋で開かれ、その同席者は、日本側から鶴見外務審議官、吉田アジア局長、大河原公使、橘アメリカ局長代理、それから米側からインガソル駐日大使、ジョンソン国務次官、グリーン国務次官補、ボルドリッジ国家安全保障会議部員、エリクソン国務省日本部長でありましたが、午前十時に会談が終了いたしました。大平大臣とロジャーズ長官は、別室で行われておりました総理・大統領会談に合流して合同会談を行うため部屋を出られました。さらにアメリカ側の随員のうちのジョンソン次官とインガソル大使も米側の記者会見に出席するために部屋を出ていきました。その後、右の合同会談が終了するのを待つためアリ・スイートに残った双方の随員の間で三々五々の雑談的な話し合いが行われていた模様であります。したがいまして、米側の記録が正しいとすれば、グリーン次官補が鶴見外務審議官に対し、E2Cの購入問題に言及したのはこの間であったということになります。 わが方に記録がありませんのは、グリーン氏がE2C購入問題を持ち出したのが右のような雑談的な場であったということ、また鶴見外務審議官も現段階では何とも言えないと答えているだけで、同審議官として特に記録に残すほどのやりとりではなかったというふうに判断されたためだと考えられる次第でございます。 以上が調査いたしました結果でございます。
○園田国務大臣 お尋ねのハワイ会談における外務省関係の現実の調査は以上のとおりでありますが、なお、ハワイ会談の後において本件に関連するようなことがあったかどうか、こういうことについても前もって御報告いだしておく方が適当であると考えますので御報告いたします。 いま報告いたしましたハワイ会談の後、七三年の二月、ハワイ会談から半年くらい経過した後でありますが、ここでエバリー米通商交渉特別代表と鶴見外務審議官との会談において、日米貿易の不均衡を是正するためという観点から兵器の購入について増額するよう要請されております。これに対して、鶴見外務審議官からは、兵器を国産にするか外国から買い付けるかはわが国自体の政策決定の問題であると応酬したことは判明しております。ただし、この言葉のやりとりの中には機種の名前は一切出ておりません。 次に、その後五月に在京インガソル米大使が鶴見外務審議官に対して、日米貿易不均衡是正の観点から兵器問題に触れたことがあります。その際はE2C、P3Cが例として言葉の中に出されておると承知いたしております。 以上が外務省関係で調査をした結果の報告でございます。
○竹下委員長 川崎寛治君。
○川崎委員 私は、総理に質問いたします前に、ただいまの外務大臣の報告に関連をいたしましてちょっと言及しておきたいと思います。 それは、トップ会談なりそうした交渉における話を、アメリカ側は、グリーン国務次官補のそうした国務長官なり外務大臣なりが退席をした後の話であっても、二国間の政府間の話として記録にとどめておるということは、いかにその会談を重視をし、またそうした交渉というものを常にオープンにしていくか、つまり将来にわたって責任を問われるという問題でありますから、その点をきちんと記録がされておるわけであります。残念ながら鶴見さんお亡くなりになっておりますからそのことを問う手だてはないのでありますけれども、後引き続いてエバリー公使との間にも日米貿易の不均衡是正として問題が発展をしておるわけであります。そういたしますと、そうした外交交渉における日本政府の腹芸的な、テーブルに着いて話し合ったから記録になっておる、それ以外は知りませんでした、こういう形で進められるのではいけないと思います。でありますから、特に国際間のそうした問題については厳密な処理をすることをまず担当責任者であります外務大臣の方にお願いをしておきたい、こう思います。 そこで、総理にお尋ねいたしますが、今日の時代は国際的にも国内的にも大変動の時期であります。そして大きな枠組みが変わりつつある。その中でどのようにして日本の平和と生存を図っていくかということはきわめて大きな課題でありますし、それは国会の重要な任務である、こういうふうに思います。ところが、ロッキード事件に相次ぎまして、こうしたダグラス、グラマン、こういう問題が出てきておるということは、日本の民主政治といたしましては大変残念なことだ、こう思います。そうした腐食の部分をいかに取り除いていくかということは、それは大変痛みのある問題でもあるかと思います。特に政権を取っております皆さんとしてはその点大変痛みのある問題だと思いますが、勇気が求められる、こう思います。 総理は、これまでの各党の代表者の質問に対しましても、疑惑の解明には政治生命をかけて対処する、こういうふうに強い決意を述べられております。ところで、第一、第二、第三とアメリカのSEC側から衝撃が与えられました。第四、第五のSECからの衝撃はないとあなたは断言できますか。
○大平内閣総理大臣 大変恐縮でございますが、御質問の意味はどういうことでございますか。第一、第二、第三はあったけれども、第四、第五と言われる意味はどういうことなのか、もう一度……。
○川崎委員 兵器購入なり航空機だけでなくて、SEC側は多国籍企業の問題を百幾つにわたって調べ上げておるわけです。そうしてそれは時効がないのですね。十年前の問題でも問題があれば取り上げていきます。そういう状態の中で、SEC側からこうしたロッキード事件やダグラス事件やグラマン事件等に類する問題がもう次には出てきません、日米間にはそういう問題はありません、多国籍企業その他の問題に関連して絶対にありません、これでもう終わりですとあなたは断言できますか。
○大平内閣総理大臣 国際化時代におきまして多国籍企業の絡まる問題というのはいろいろあろうかと思います。それで、いままであったことのうちで全部判明しておってあとはみじんも問題が残っていないと私は断言する自信はございませんけれども、問題は、どういうことがございましても丹念に真相を究明いたしまして、公正に厳正に問題を処理していくということは堅持していかなければならないと考えております。
○川崎委員 第四、第五の問題についてはなしという点については断言できぬ、自信がないということなんですが、しかし問題ごとに解明をしていく。 そうしますと、いま日本の、これは検察庁もそうでありますけれども、アメリカの大統領の直属機関であります独立委員会のSEC、証券取引委員会に振り回されているわけですね。このことについて総理はどういうふうにお感じになっておりますか。
○大平内閣総理大臣 別に振り回されておるということではないと思うのでございまして、事件の解明が行われておる、それに絡まるデータがSEC側から多く出されておるということでございまして、この出てまいりましたデータにつきましてわれわれはそれを自主的に活用するわけでございまして、事案の処理自体をSECに振り回されておるというようなものではございません。
○川崎委員 振り回されているという言葉は大変残念だと思うのですよ。だからそういう言葉を使いたくないだろう、こう思いますが、では、みずから日本国内でなぜそうした腐敗の部分というものが解明できないか。それはチェック機能の問題ですね。日本におけるチェック機能がないという問題にかかってくる、こう思います。だから第四、第五の問題がないというふうに断言できない、こういう事態でありますから、そういたしますと、みずからが日本の国内でこうした問題というか、要するに不正取引、投資家なりあるいは消費者なりあるいは納税者なりそういうものの利益を守る、そのために不正取引を許さない、そういうチェック機能が、では日本に確立をしておると総理はお考えになりますか。
○大平内閣総理大臣 経済社会の実態がだんだんと進んでまいりまして、いろいろ複雑な国際化の段階に入っておるように思うのであります。日本の法体制がそういう事態に完全に照応いたしまして、水も漏らさぬ体制にできているかどうかということにつきまして私まだ自信がございません。もしそういった不備がございますならば改めていかなければならぬことだと思います。
○川崎委員 国際化時代に対応する法体制ができていないという点についてお認めになったわけですね。ですから、それらの点については当然検討せなけりゃいかぬのだ、私はこういう率直な総理の発言を尊重いたしたい、こう思います。 私は、本日の委員会は、東京サミットなり、あるいはマニラのUNCTADなり、あるいはイランをめぐる中東の情勢なり、あるいは日中以後の、米中以後のアジアの情勢なり、大変大きな国際通貨の問題なり、たくさん御質問したいことはありますけれども、そういうものは省きまして、そうした日本の民主主義の基本、国際化時代にどう対応していくかという日本の民主制度、そういうものを、国民の利益を守るという立場から、つまり社会の公正を貫いていく、そうした体制をどうしてつくるか。特に問題になりますのは、航空機の輸入をめぐる問題と、それからソウルの地下鉄の問題あるいはインドネシアのLNGなど、経済協力、政府援助、そういうものがまた問題を起こしておるわけですから、そういたしますと、入れる問題とこれから国民の税金で出していくやつ、そういう関係、つまりそれが国際関係でありますから、そういう国際化の中でこれが広がる、そういう中でそういう汚職というものをいかにチェックしていくか、再発させない、起こさせないようにするには、日本の制度をどうしたらいいか、こういう点にしぼりながら私は論議を進めたい、こういうふうに思っております。 日商岩井の島田三敬常務が亡くなられたことに関しまして、新聞でいろいろな報道もあるわけであります。私はその中の一つを取り上げて、総理に感想を述べていただきたいと思うのであります。 これは読売に出ておる記事でありますけれども、島田日商常務の自殺が商社に衝撃を与えた、その中で言っておりますことは、政治家の介入が悪いんだ、こう言っております。具体的に三菱商事の田部社長が「問題が起きるのがいやで、エンジンはともかく機体は扱うなといってきたが、相手から頼まれたからには堂々とやる」「甘い汁を吸おうと商売に介入する政治家が悪い。政治家が何かいってきてもはねつける」、記者会見でこういう感想を述べておるわけであります。自殺というぎりぎりの現象にぶつかって、そうした関係者としては大変厳しい思いでこういうことを言っておると思います。政治家として、特に与党の総裁としてこの発言に対してどう受けとめられますか、総理の御見解を伺いたいと思います。
○大平内閣総理大臣 政治家の立場というのは、民主主義のもとにおきまして選挙を通じて国政に参加を許されておるものでございまして、国民主権の立場を踏まえて、公私にわたってその言動を慎まなければならぬ立場にあると思うのであります。私的なことにつきましても慎重でなければならぬことは当然でございますが、いわんや公のこと、とりわけ権力にかかわることにつきましての言動は慎重でなければいけない、厳正でなければならぬと思うのでございまして、政治家が商取引に介入するというようなことは許されることではないと思います。
○川崎委員 きのう東京地裁の刑事十二部で全日空の若狭前社長が触れておるわけでありますけれども、この中で、報道によりますと、一般的には、物を外国に売り込む際には、相手国政治家と連絡をとったり、政治家同士の話し合いもあったのではないか、あったと思う、こういうふうにロッキード裁判の中で若狭被告は言っておるわけですね。そしてさらに、成功したときのお礼をするのは、政治家へのあいさつは、これはもう商慣習だ、こういうことを言っておるわけです。このことは若狭前社長が言うだけではなくて、すでに同じく全日空の藤原被告も、五十三年の九月四日の東京地裁でそういう証言を、政治家への礼金は商慣習だ、こういうふうに言って日商岩井の例を取り上げておるわけです。 そこで、私は大蔵大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、いわゆる日商商法あるいは海部商法、こういうふうにときどき報道されておりますが、こうしたロッキード裁判以降、この裁判の中でも次々に問題が指摘をされておるこういう商取引のあり方、そのことについて大蔵省としてどういう調査をされましたか。
○金子(一)国務大臣 どういう調査をされましたかといいますのは……
○川崎委員 SECに対応する日本の機関は大蔵省の証券局であります。そうしましたら、大蔵省の証券局がこうした日商の商法というものをどのようにこれまで調査をし、分析をしてこられましたか。
○金子(一)国務大臣 わかりました。お答えします。 ただいまはもうすでに日商岩井の方には検察庁の取り調べが、手が入っておりまするから、大蔵省の証券局としては調査を差し控えております。
○川崎委員 そうしたら、問題が出てきて検察庁にかかったり裁判にかかったりしたら、もう全部やりませんと。証券局は何のためにあるのですか。
○金子(一)国務大臣 投資家の保護という立場から、会社の財務関係書類を常時チェックしておるわけでございまするけれども、御承知のとおり、これは特に不正を摘発するという立場でやっておるわけではございませんで、SECの場合でございますると、日本と法律制度が違いまして、これはもう川崎先生篤と御承知のとおり、衡平法の立場から証人喚問をやり、証拠その他の資料の提出を強制的に求める、出てこなければ裁判所に告発するというような制度になっておるのでございまするけれども、日本の財務監査はそこまではいっておりませんで、純粋な行政的措置をとっておる段階でございまするから、アメリカのSECと制度、運用について非常に大きく違っておる点につきましてはそこに根本的な相違があることを御理解いただきたいと思うのでございます。
○川崎委員 全日空の前の沢専務がこう言っているのですね。若狭社長、渡辺社長が自由に使うことのできる簿外資金を捻出したいと考え、トライスターのデモフライトで受けるロッキード社からの金を簿外に落として裏金にすることを計画した、稟議も領収書も要らない自由な機密費をつくるのは経理担当重役の責任と考えた、ということがロッキード裁判で問題になっている。つまり裏金づくりが仕事だ、これがあたりまえだ、こうなっている。 そうなれば、有価証券報告を大蔵省の証券局が調査をする、そしてこういう問題が出たときに、その企業の内部の監査が正しいのか、あるいは外部監査が正しいのかということを証券局が検査をするのは当然の仕事じゃないですか。これは裁判や犯罪とは関係のない、つまり投資家保護。証券取引審議会でも重要な取引の事項については調査をすることになっているのです。だから、それはあなたのところの仕事でない、SECとは違うのだということで逃げてしまうのは無責任だ、私はこう思います。いかがですか。
○金子(一)国務大臣 これをほっておくという趣旨で申し上げたわけではございませんので、当然捜査は捜査として、私の方の証券行政の立場としての調査は今後もちゃんと進めるつもりでおります。
○川崎委員 私は、今後どう進めるつもりでおりますということを聞いているのじゃないのです。どのようにロッキード以降調査をされましたか。全日空なり丸紅なりあるいは今日も問題になっておる日商岩井なり、そういうもののこうした会計の問題について、証券局として、大蔵省として、大蔵大臣は調査の権限を持っているのですから、その権限に基づいてどういうことをやってこられたか、あるいは証券取引審議会がこういう問題について議論をしたことは全くないのか。それならこんなものはなくてもいいじゃないですか。
○渡辺(豊)政府委員 大蔵省の証券局は、証券取引法の規定に基づきまして、上場会社等の企業が有価証券報告書を提出いたしました場合には、それを審査するという立場にあるわけでございますが、現在、大蔵省の証券局でこの仕事に従事している証券監査官は十二名でございます。証券局全体では百三十名でございますが、SECは約千二百人の人員を擁している機構でございます。したがいまして、有価証券報告書を審査いたします場合には、先生御存じのように公認会計士がまず監査をいたしまして、その監査証明をつけるわけでございますが、公認会計士は相当な日数を使って監査しているわけでございまして、まず第一義的には公認会計士の監査というものが一番基本になってくるわけでございます。 先生御存じのように、たとえば粉飾事件のような事例がございますが、これは実際問題といたしまして有価証券報告書の審査というふうな形で発見することは大変むずかしゅうございます。公認会計士が適正な監査をするということでこの制度はまず担保していくという形になっているわけでございます。 それから第二に、証券取引審議会でございますが、証券取引審議会は有価証券の発行、流通にかかわる制度について調査審議するという機関でございまして、個別のケースについての調査審議はいたしておりません。ただ、発行、流通にかかわる制度として法律改正等の問題がありました場合には、調査審議はしていただくというたてまえでございます。
○川崎委員 SECは千二百名でわが方は十二名だからできぬのはあたりまえだなんということを言っておるが、それじゃ国際化の時代に対応できていない。総理大臣いかがですか。
○金子(一)国務大臣 ただいま証券局長が答えましたのは、現状についての説明を申し上げたわけでございますが、大蔵省全体としては、ロッキード、グラマンの問題につきましては別途脱税捜査の面での手入れはいたしております。だから、証券局だけでこういった不正の取り締まりをやっておるわけではないのでございますが、遺憾ながら、今日の証券行政の立場で時々不正の容疑があるということで立入検査をし、証拠を収集するというところまでいっていないことは大変残念に思いますけれども、これは今後の問題として十分検討させていただきたいと思います。
○川崎委員 そうしますと、監査証明についても、こういう問題が起きたときに、じゃ公認会計士の監査証明が正しかったのか、つまり簿外資金、裏金づくりを常時やってきた、それがもう大勢だというのであれば、その大勢をどうえぐっていくかということが、投資家なりあるいは国民に対する公正な取引というものを進めていくための機関としてのあり方だと私は思うのです。私は国税庁のことなんか聞いていないのです。国税庁は別ですよ。国税庁は脱税なりそういうものをしたときの納税上の問題だ。いまの日本の企業会計はそういうものが果たしてきちっとされておるか。 これは後ほど日本の株式会社のあり方自体の問題にも入ってまいりますけれども、そういうことを大蔵省が、ロッキード事件以後どこに問題があるか、今日の監査のあり方はいいのか、具体的にどういうふうに問題を整理し──じゃロッキード事件からもう何年たっていますか、そういうことを整理をし、問題を出しておりますか、それを明らかにしていただきたいのです。
○金子(一)国務大臣 公認会計士のあり方につきましては、学者その他実務家の間にもいろいろ議論がございまして……(川崎委員「具体的に言ってほしいのだ」と呼ぶ)今後の証券行政の持っていき方についていろいろ検討はしてもらっておるのですが、それではアメリカのSECのようなものを独立させるのか、現在の機構をもっと充実させるのか、大変むずかしい問題をはらんでおりますから、具体的にいまこういうやり方をとりますというようなところまでまだいっていないということを率直に申し上げます。
○川崎委員 あなたは去年の暮れに大臣になられたばかりですから、そういう抽象的な、将来将来ということしか言えないでしょう。 証券局長、ロッキード事件以後こうした今日の商社のあり方、これは四十八年の売り惜しみ買い占めのときにも、日本貿易会から総合商社の行動指針というのも出されて自粛をやろうと言った。そうすると、そういう商法そのものについて証券局として、企業会計のあり方なり監査のあり方、そういう問題についていまの体制が、体質がいいのかどうか、どこに問題があるのか、国際化の中でどうあるべきか、そういう監査の方式その他の問題について証券局としてどういう検討をされ、どういう問題点を出し、どうしようとしておるのか、事務当局としての御答弁をいただきたいと思います。
○渡辺(豊)政府委員 ロッキード事件の場合には、先生御指摘のように全日空につきまして、本来会社の収入として計上し、支出として計上すべきものが計上されていなかったというのが、あの事件の解明の過程において明らかになったわけでございます。したがいまして、大蔵省に提出いたしました有価証券報告書につきまして訂正報告書の提出を全日空に求めた次第でございます。 先生御指摘の点は、そういうふうに事後的にわかった場合に措置するということではなく、事前にそれをチェックすべきではないかという御指摘かと思うのでございますが、そういう簿外の経理があった場合に、公認会計士といたしましては、監査する際にそういう簿外経理の有無については無論十分チェックをするわけでございます。ただし、あの事件以後、そういう経理のチェックというものに十分努めるように公認会計士協会とも十分いろいろ話し合いをしたわけでございますが、何分にもそういうチェックをいたします場合には、やはり会社側の協力というものがないと、実際問題としては公認会計士がそういうチェックをしていく場合には、なかなかむずかしい問題があるというふうに私どもは聞いております。 アメリカの場合には、先生御存じのようにSECは大変強い権限を持っておりまして、SECの場合にも、何らかの形でそういう事実がありと判断した場合には、会社に対してそういう資料の提出を求めるわけでございますし、これは日本の証券局の場合にも資料の提出命令はございます。しかし、会社が応じなかった場合に、アメリカの場合はSECは裁判所に出頭命令や証拠の提出命令を求めることができるわけでございまして、その裁判所の命令に企業が応じなかった場合には、法廷侮辱罪に問われるというような法律の規定があるわけでございますが、こういう制度というのは現在わが国にはないわけでございます。 なお、そういう形によりましてSECが証拠を把握いたしました場合には、投資家に開示すべき重要な資料であるということで、企業に対してその開示を求めることができるわけでございますが、これも企業が応じなかった場合には、裁判所にその開示を請求することができる。裁判所がそれに対しまして開示すべきであるという判決を下した判例はございませんが、しかし、アメリカの場合には、先生御存じのように、先ほど大臣からも御説明がございましたように、衡平法の原則があるものでございますから、企業は結局、そのSECの求めに応じて、法律違反を認めたわけじゃございませんが、いわゆる同意判決という形でそれに応じ、開示をしているというような現状でございますが、こういうのがアメリカで行われますのは、一つにはアメリカの法律制度並びに司法制度、その運営の面に一つの特徴があろうかと思うわけでございます。 したがいまして、そういう制度のないわが国の場合には、先ほど申しましたように、第一次的には公認会計士の監査というのは非常に重要な問題でございますし、ロッキード事件以後、私ども公認会計士協会とは監査のあり方について十分協議はしておりますが、やはり基本的には、会社の協力と会社にそれを強制していくという手段がないと、実際問題としてなかなかむずかしいというふうに理解しております。
○川崎委員 SECとの比較をされましたが、結局いまの証券局長のお話は、結論から言いますならば、私は権限の面で二つあると思うのです。一つはルールの制定権をSECは持っておる。だから、規則を今後ずっとつくっていけるわけですね。あるいは会計のやり方についても、基準をどんどんつくってやっているわけですし、一方は、いま局長も言っておりました強制的な捜査権、調査権、召喚状つきの調査をやるわけでありますから、そうした二つの権限というのがSECと日本の場合とは大変違うわけです。人員も違う、こういう点も言っておられました。 そうしますと、この日本の今日の複雑な国際化時代の中で、大蔵省が日本は間接金融方式だ、向こうは直接金融方式だ、そんなことで逃げておったのではいけない、私はこう思います。だから、いまの具体的な問題を追求してみましても、日本側にチェックの機能がない。つまり監査証明を、その時点で問題をえぐるというのは、これはごまかしておればなかなかわからぬわけです。しかし、問題が出たときに徹底的に調査ができるかできないかというところに大きな権限の違いがあるのでありますから、そういたしましたら、これは当然制度を変えなければならぬ。 総理は、日本の企業活動の国際化など経済社会の大きな変化に行政機構が対応できない、利潤追求のために手段を選ばないような企業活動を許してはならない、許さないという制度をつくらなければならない、こういうふうに本委員会でも答弁しておられるわけでありますから、そういたしますならば、いまの質疑を通じて明らかなように、今日の日本の制度では足りない、だめだと言い切ってしまうと問題があるでしょうから、だから、制度は変えなければいけないという問題意識は、いま担当局長からも言われたわけですが、これは大蔵省の問題ではなくて総理大臣の問題ですから、そうした制度改正という方向についてどうお考えか、総理の見解を述べていただきたいと思います。
○大平内閣総理大臣 アメリカと日本の憲法体制、沿革が違いますし、性格が違っておるわけでございまして、SECのような機関がアメリカでは一つの足場を持っておりますけれども、わが国におきましては、そういう法体系ではないように思います。したがって、SECと同様の機関を日本で設けるべきかどうかということは、立法政策上の大きな課題だと思うのであります。 私の考えとしては、そういう大きな行政制度の改革というような問題は困難だと考えますけれども、しかし、先ほど川崎さんも御指摘になりましたように、国際化の時代に対応してしなければならぬということ。それから、承っておる間に感じますことは、国内における証券行政のあり方におきましても、立法政策上考えなければならない。もっと踏み込んで証券局のようなものの権限と実体を強化してやってまいるのがいいのか、日本はそういう道を選ばずにいく現状の方がよろしいのか、これはよほど検討しないと軽々に言えないと私は思いまして、できるだけ時代に合うように行政の制度並びに運用は考えなければならぬと思いますけれども、にわかにいまこういたしますというお約束はいたしかねます。しかし、提起された問題につきましては、十分検討いたしましてこたえていかなければならぬと思います。
○川崎委員 日本においても、日本の証券取引法自体がアメリカの証券取引法を下敷きにしておりますし、また昭和二十二年に証券取引委員会という独立委員会があったわけですね。二十七年に廃止になって、今日大蔵省がそれを吸収しておるわけですけれども、しかし、大蔵省の行政局の中に取り込んでおる今日の状況では限界があるということは、先ほど来の質疑で明らかであろう、こう思います。総理は大変慎重なことを言っておりますけれども、しかし私は、大蔵省の中にあるのではできない、やはりルールの制定権なり捜査権なりというものを持った独立の行政委員会をつくるべきだ、こういうふうに考えますが、いかがですか。
○大平内閣総理大臣 にわかに賛成するわけにまいりませんけれども、提起された問題につきましては、われわれの方でも検討いたしたいと思います。
○川崎委員 検討するという方向で、大胆に今日の事態を見詰め、制度の改革を進めることを私は希望しておきたい、こう思います。 そこで、先ほど証券局長からも公認会計士の問題がちょっと出ましたが、アメリカでは、会計士法というのは州法であるわけで、連邦のあれになっておりません。ですから、それを連邦の統一的なものに持っていこうということで、アメリカの公認会計士が協会をつくり、そして行動基準というものをつくっておるわけですね。プロフェッショナルスタンダードということで、職業専門家としての権威のある行動基準というものをつくって、みずからを縛っておるわけです。だから、ロッキード事件のときにも、アーサー・ヤング会計事務所が問題を指摘して、その問題指摘がSECから取り上げられて発展をしていったという経過は、いまさら申し上げるまでもないと思うのですが、そうした企業監査というもののあり方について、つまりこれは後ほど問題にします日本の株式会社のあり方というものとうらはらの問題になりますが、会社と一体になっていかにして裏金をつくることを合法化するか、そういう監査証明ではいけないと思うのですね。アメリカのプロフェッショナルスタンダードというのは、私きょう持ってくればよかったのですが、三千ページからの細かな行動基準というものを決めて、それに違反をするような者は除名をする、そういうふうな厳しい縛り方をしております。それに対しまして、日本の場合には大変ルーズだ、こう思います。不二サッシの粉飾決算の問題も、十五年間わからなかったわけです。 そういたしますと、今日の公認会計士制度のあり方、企業監査のあり方、外部監査のあり方、そういうものについてどういうふうに今後改善し、指導していくかという点についての大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。
○金子(一)国務大臣 いま川崎さんから御指摘のございましたように、公認会計士のあり方自体について相当批判が出ておることも事実でございます。アメリカの制度も日本に広く紹介され、また業界自身でも、そういった一つの団体に監査を依頼するような制度を取り込んだらどうかというような意見も一部出ておるような状況でございますので、早急にこの問題についてもひとつ検討を進めてもらうように持っていきたいと考えております。
○川崎委員 そういう方向で進めていただきたい、こういうふうに思います。 株式会社のあり方、つまり企業監査について、問題が起きたときの対処の仕方をアメリカと日本と比較をしても、今回のグラマンと日商岩井の対処の仕方は大変に違うわけですね。それを問題として取り上げてまいりたい、私はこういうふうに思います。 それで、日商岩井の場合は、部内の、社内の専務が三人で調査委員会をつくった、こういう新聞報道がありました。これは内部の、財務担当であるとか総務の専務であるとか営業の専務であるとかという専務が調査委員会をつくってやるのです。ところが、グラマンの場合は社外の監査役が監査委員会をつくって調査をする、そして調査をした結果、これをSECに報告をする、こういうことが先ほど言った同意審決書の中で同意されて、そういう行動にアメリカの方は入っておるわけですね。ところが、日本では部内監査です。部内で調査しようというのです。自己監査は監査にあらずというのが会計学の原則ですよね。ところが、日本の場合は株式会社全体が、会社全体がそういう裏金づくりをやったり、日商商法だなんと言われるようなことをやってきた、社長を頂点にして。その際にまた、部内の調査で済ませよう。これは前のロッキードのときにも、丸紅は部内の調査である。私や大出君がロッキードの本社でコーチャン氏と会い、その後コーチャン氏がやめて、ロッキードの場合は社外の重役が調査委員会をつくってやっているわけですね。そういうあり方というのを、問題をただ調査したというだけで済む問題ではない、私はこう思いますので、その点について、これは法務省ですか、大蔵省ですか──こういうあり方というものは、自己監査でやっていくというやり方というのは間違いだと私は思うのです。ですから、こういうのは、やはりこの際、国民の疑惑を晴らすというためには、そういう部内の調査の仕方にいたしましても、国民の疑惑にこたえる、そういう処置をするような指導をすべきだ、私はこう思いますが、大蔵大臣……。
○金子(一)国務大臣 いま御指摘の監査役制度のあり方、部内監査でいいのかどうかという問題は、前々から問題になっている点でございますが、そういう点も含め、法制審議会の商法部会で御審議をいただいていると承っております。これは法務省の所管になりますけれども、いま御指摘のような点も、私の方からあわせて御検討いただくようにお願いしようかと思っております。
○川崎委員 そこで、前に商法改正をいたしましたときに、そういう監査役制度を強化することに財界や自民党の諸君が当時大変反対をしたということはずいぶん報道された問題なんですね。そういうことが今日、日本の会社というもののあり方、株式会社のあり方というもので不正な商行為というものを包み込んでいる、こういう今日の体制があるわけです。でありますから、いまも御指摘がありましたが、商法改正という、監査制度を確立していくということは、きわめて重要な課題だと思います。この点について法務大臣、いまどういう検討をし、今後商法改正をどう進めようとしておられるか、そういう問題についての御見解を伺いたいと思います。
○古井国務大臣 時代の要求にこたえますために、商事の基本法の商法の改正をしなければならぬというわけで、御承知のように第一に株式制度について法制審議会で審議をしてもらって、試案を法務省として世間に問うてきたのであります。その次に、いまの会社の機関ですね、株主総会それから取締役及び取締役会、監査役、そういう機関の問題について法制審議会でやはり検討をしてもらいまして、その検討をもとにして去年の暮れ法務省で試案をつくりまして、これを世間に御意見を問うておるわけであります。 まだ残っておる分野もございます。会社の計算とかが残っておりますけれども、会社の機関の辺までは一応試案をつくり、世間の御意見を伺った上で最後案を固めよう、こういう段取りにしておるわけでございます。
○川崎委員 いま作業が進められ、いずれ立法し、そして国会に上程、こういう方向にあろうかと思いますが、恐らくこういう厳しくしていくということについては、財界その他いろいろと反対があるだろう、こう思います。しかし、それを乗り切っていかなければいかぬのが今日の政治家の役割りであろう、こういうふうに思いますから、これらの点については十分な検討の上、当然国民の皆さんにも参加を願い、討論願うわけでありましょうから、そういう討論の上にこの改正という方向に向かって断固として進めていくということについて総理の御見解を伺いたいと思います。
○大平内閣総理大臣 権威のある審議会の御審議をいただきながら、政府におきましても、慎重に検討を重ねておるところでございまして、御趣旨のような方向で手がたく進めてまいるつもりでございます。
○川崎委員 アメリカのウォーターゲート事件の後、この事件の再発防止、さらにロッキード事件等が起き、次々多国籍企業の問題が起きました。そこで、一九七七年に海外不正活動法というものをアメリカの議会は成立をさせたわけでありますが、このことについて大平総理は御存じになっておるか、そして、その方向というものと、ロッキード事件以後対処してきた日本の政府の再発防止についての進め方というものについてどういうふうにお考えになるか、伺いたいと思います。
○大平内閣総理大臣 アメリカにおきましていろいろ改善への動きがありますことは承っておりますが、わが国といたしましても、多国籍企業の行動規制につきましていろいろな角度から検討を進めております。 きのう平林委員の御質問に対しましてお答え申しましたように、五十一年六月のOECDで採択されました多国籍企業の行動指針、これは関係団体を通じて各企業関係方面に遵守方を指導いたしておりますことは、きのう申し上げたとおりでございます。きのう平林さんの御質問に対しまして、これから整備していかなければならぬ問題として、国連の多国籍企業委員会等における腐敗防止対策ということを申し上げたのでございますが、これにはすでに参加いたしております。そして積極的に検討に加わっておるということを申し添えておきたいと思います。この審議の経過を踏まえて、わが国としてもその推進に努力したいと存じております。
○川崎委員 現在、国連の多国籍企業不正支払い防止協定というものが国連で議論をされ、そして作業部会がこの一月から始まっておるわけでありますが、これについては積極的に協力するという参加の意思を述べられたわけですね。そういたしますと、日本の今日の法制度の中で欠けている面、つまり、これは最終的に先進国と発展途上国との間のいろいろの意見の違い等もありますから、どういう調整になっていくか、経過はまだ見なければいかぬですが、現在の状況の中で日本の国内法制度で欠けているその面についてどういうふうに考え、検討しておられるか。これは法務省だと思いますが、いかがですか。
○古井国務大臣 いま国連の社会経済理事会で協定の検討をしておるわけでありますが、それに対しましては法務省関係者を現に参加させておりまして、この協定の審議に加わらせておる、こういう状況でございます。
○川崎委員 いや、参加しているのは知っているのですよ。だから民事局長……。
○香川政府委員 国連での現在煮詰まりつつありります協定案、これは全部私どもの所管ではございませんが、一部商法との関係で問題になる点があろうかと思います。現在の案のような形で協定が、条約ができるといたしますと、商法に関係してまいりますのは会社の会計帳簿、計算書類等の備えつけ、保管ということ、これが司法取り決めによりまして犯罪捜査あるいは刑事訟訴に利用できるというふうな部分が関係してくるわけでございます。現在の商法では、わが国の株式会社につきましてそういった書類の保存義務を課しておりますので、この点は特に改正は要しない。司法取り決めの関係は、これはケースごとにやるのかあるいは協定自身で一般的に結ばれるのか、そこのところはまだ定かでございませんが、この辺のところが条約いかによって若干国内法制定が必要になってくるかもしれないというふうな見通しでございます。さして商法の面からは、特にこれに関連して法改正を要するという部分はないように考えております。
○川崎委員 国際的なそういう不正行為を防止していくということについては参加をすると同時に、特に日本はこれから経済協力、経済援助等で途上国との関係もふえてまいります。でありますから、そうした点については後ほどまたこれは問題にいたしたいと思い事が、そういう厳しい方向で不正を防止するということを要望したい、こういうふうに思います。 そこで、いまこれまでの議論を通じて言えますことは、国内におけるチェック機能が非常におくれておる、弱いという点について私は指摘をいたしてまいりましたし、総理初め大蔵大臣、法務大臣、それぞれ御回答もあったわけでありますし、制度の改革の方向を示されました。でありますから、こうした不正を防止するというためには、国会における調査権の機能をより確立をしていく、充実をさせていく、このことについては議院運営委員会においても議院証言法という点での改正も進められておりますし、いま大蔵省の証券行政、これの改正あるいは商法の改正、そういう問題あるいは国際的な取り決め、そういう方向で今後のこうした不正を防止していく、そのことが私は納税者の国民にこたえる道だ、また国際連帯の道だというふうに考えます。そういうことでいままでの問題を締めくくっておきたい、こういうふうに思います。 次には、そうしますともう一つ問題は、このチェック機能の中で問題になりますのは会計検査院のあり方です。つまり政府の支出行為に対する検査。日本の会計検査院とアメリカの会計検査院は違います。それは総理も指摘されましたように、日本の制度とアメリカの法体系の違い、いろいろあります。しかし、こうしたいろいろな問題が起きますたびにアメリカ側から問題が指摘をされるという今日の事態の中で、われわれが日本の体制をきちっとしていくということは緊急の課題であろう、こう思います。そこで、会計検査院の院長にお尋ねしたいのでありますが、あなたが本委員会で、ガルフストリームについては住友商事とグラマン社の契約書を検査したかという矢野委員の質問に対しまして、代理店契約はまだ見る段階に来ていない、こういうふうにお答えになりました。なぜ見れないのですか。
○知野会計検査院長 なぜ代理店契約をまだ見れないのかというお尋ねでございます。 これは前にも申し上げましたが、運輸省にとりましても代理店契約は第三者契約でございます。これを当然に提出させる権限は運輸省もないわけでございます。商社の協力を得ましてこれは何とか見たいと運輸省でも言っているわけでございますが、商社の側としましても、相手方の同意がございませんとこれも取れないというふうな状況でございまして、そういう段階でまだわれわれが見るに至っておらないということでございます。
○川崎委員 相手側の同意を求める行為はすでに行われておるのでありますか。
○知野会計検査院長 私の方でもぜひこの代理店契約は見たいということでお願いをしておりますし、そういうふうに相手方の協力を得ることで努力をしておられるというふうに一応聞いておりますが……。
○川崎委員 これは大変おかしな話で、私契約が最高の原則だというのは、これは私は大変問題だと思うのです。というのは、政府が買うわけですね。国民の税金で政府が買う、運輸省が買うわけです。ですからそのものに対して、私契約だからといってそのことにタッチできない、これでは住友商事と相手側の契約というのがどういうものであるかということについて解明できないわけですよ。善意の協力がなければできない、こういうことでしょう。それは私はおかしいと思う。その点についてはやはりいまの制度の問題とも絡んでくる、こう思います。ですから、この点は総理も会計検査院の制度のあり方について問題があれば変えますと。会計検査院は立法、司法、行政──政府と独立をしておるいわば第四権ですよ。でありますけれども、政府としても今日の国際化の時代、あなたが言われておる国際化の時代においては検査院の権限の拡大というのが当然なされなければならない段階に至っておる、私はこういうふうに思います。 そこでE2Cの問題をちょっとお尋ねしておきたいと思うのでありますが、防衛庁の武器の購入方式というのは二つある、FMS方式と商社の買い取り方式だ、こう言っている。ではE2CをFMS方式で購入するという方針を決めたのはいつでありますか。
○山下国務大臣 お答え申し上げます。 E2Cの導入を決めましたのは昨年の概算要求のときでございまして、そのときにまたこの方式はFMSによることを取り決めておる次第でございます。
○川崎委員 総理、いまお聞きのように昨年決めたと言うのですよ。そうすると、ハワイ会談でE2Cの問題が出たのは一九七二年ですよ。だから商社は一生懸命やったんじゃないですか。そうでしょう。あなたはここで一生懸命胸を張って、FMS方式ですから問題ありません、こう言っているけれども、いままでに問題があるわけなんだ。おかしいじゃないですか。ではFMS方式を決めた前に問題があるということについて、あなたは断定できるのですか。
○山下国務大臣 防衛庁の装備品の調達につきましては、国民の疑惑を招かないために厳正に進めてまいりました。この調達の方式につきましては、率直に申しまして政府間契約、いわゆるFMS方式による場合と民間の契約による場合とがございまして、それはケース・バイ・ケースでございますけれども、私どもとしては、このE2Cのような主要な装備品につきましては政府間契約によることが望ましいと考えております。ところで、ただいま御指摘の点につきましては、正式に取り決めたのが昨年の概算要求のときに決めたということでございまして、私どもとしては、このような航空機につきましては政府間契約によること、このように考えておった次第でございます。
○川崎委員 いままで全部FMS方式だったんですか。
○山下国務大臣 すべてFMS方式ではございません。物によってでございます。
○川崎委員 ここに週刊誌の海部日商岩井専務の記事がありますけれども、この中でもやはり言っているのですよ。要するに政治家に頼んでいろいろやるということを海部氏ははっきり言っておる。そういう、方式が一つ一つ違うというところに問題があるわけでしょう。そしてきのうの全日空の若狭前社長の裁判における証言でも、物の売り買いには政治家同士で、こういう話がある。そうしますと、いまの七二年以降FMS方式で買うということが決まったんだからもう問題はないんだ、こういう言い方をしても、いままでの間に疑惑が存在しておる、それを否定できないということは、私は事実関係からして否定できないんだ、こう思うのです。 そこで、買い取り方式とFMS方式がある、こう言う。しかしいずれにしても、この間大出君も指摘をしたように、実際には代行業務もあるわけですね。代行業務がなければできない。そういたしますと、この決算委員会のこれまでの議論というのを一遍振り返ってみたい、こう思います。 それは、五十一年の十月十九日衆議院の決算委員会が警告決議をいたしておるわけです。それは、ロッキード事件を踏まえまして、「一商社が外国航空機メーカーとの間で結んでいた代理店契約の内容が明らかになったことから、防衛庁が購入した航空機補用部品の価格の中に同庁の了知しない商社の取扱い報酬が含まれていた疑いが出ている。政府は、商社の代理店契約の内容の把握につとめ、購入品の予定価格の算定が適正に行われるようにすべきである。」こういう指摘ですよね。 これに対して坂田防衛庁長官は、「ただいまの御議決のうち、防衛庁関係で御指摘のあった事項につきましては、防衛庁としても従来から代理店契約の内容の把握に努めているところであります。しかしながら、代理店契約は当庁にとって第三者間の契約でありますので、当事者の協力にまつ以外に、その内容を把握する有効な手段がないため、当庁だけでは、その実態を解明することは困難な状況にありますが、極力その努力をいたしたいと考えております。」こう言っているのですね。 これに対して内閣が五十二年の四月決めて衆議院議長にこうした措置をしましたと言って報告しておりますのも、「代理店契約の実態のは握に努めるとともに、輸入調達の方法等について検討しているところである。」だから把握ができるという状況じゃない、こういうことをこの議決に対して内閣は措置を議長に報告をしておる。 それから、さらにその後福田総理大臣のころにもこの問題は問題になっているわけです。 こういうことで、要するに契約の内容が把握できないということで来ているわけです。 そういたしますと、今日のE2Cの問題につきましても、まだそうした点がきわめて明快になっていない。でありますから、そういう疑惑の存在が十分に推定できる今日の状況の中においては、この問題が解決をしますまで私は購入の問題については決定すべきじゃないし、予算の削除をやるべきだ、こういうふうに考えるわけです。防衛庁長官。
○山下国務大臣 本院の決算委員会におきますところの五十一年の議決並びにそれに対します当時の防衛庁長官の坂田国務大臣からの御発言につきましては、御指摘のとおりでございます。当庁といたしましては、本院の決算委員会の議決の趣旨を体しまして、次のように努力いたしておりますのは、F15だとかP3Cあるいはただいま御審議願っておりますE2C等の調達規模の大きい主要装備品の代理店契約書につきましては、調達の一層の適正化を図るということが必要でございますので、その提出を強く求め、現在それを入手いたしております。また、その他の代理店契約書についても、機会あるごとにその提出を要請してきており、現在四十社についてその契約書の提出または内容の改善を受けておる次第でございまして、ただいまの御議決の趣旨に沿いまして、特にE2Cにつきましては代理店契約書はすでに入手している次第でございます。
○川崎委員 これは、いずれまた集中審議の中に残しておきたい、こういうふうに思います。 そこで、次には会計検査院に関する問題でありますが、経済協力基金、この点について私はお尋ねをしたい、こう思います。 経済援助が大変大きな国の施策として進められております。そこで、政府にまず経済援助の点からお尋ねをして、そして後で会計検査院の問題に移りたい、こういうふうに思いますが、今回政府がタイとの間に借款を決められました。この借款を決めた決め方というものには私は大変問題がある、こういうふうに思うのです。 といいますことは、当初予定をしていた借款から、クリアンサク総理が参りまして急遽増額をし、特に農村開発の面での援助がなされたわけです。私は、農村開発について途上国の援助をすることは結構だと思います。今後大いに発展途上国のそうした問題を進めなければいかぬ、こう思います。思いますけれども、これは大平さんが外務大臣のころ私、国際局長で、南ベトナムのグエン・バン・チュー政権に対して政権崩壊寸前に日本政府が商品の緊急輸出をされた、このことを私は、いけない、いまやるべきでないという点を強く申し入れをしたことを記憶いたしておるわけです。ですから、こうした不安定な地域であるからそれを支えるのだ、こういうことで特にインドシナ半島との関係で緊急な援助をやる。だから、従来のたとえばインドネシアにもやられてきた緊急商品輸出、あるいは南ベトナム政府にやられた緊急商品輸出、こういうものと、今日、経済的安全保障という考え方のもとに進められております──経済的安全保障というのが、大平内閣あるいは福田内閣続いて、いつ正式に決まったのかは知りませんが、そういう考え方で、こういう援助を問題に応じて急遽やるというやり方は、援助の本来的なあり方として私は間違いだ、こう思います。つまり、長期の展望を持ちながら、いかにしてその国の民衆の生活を高めていくか、安定さすか、こういうことで大事な国民の税金は使われるべきだ、こう思います。 でありますから、この点について今日、経済協力、経済援助の、特に政府援助の基本方針というのが確立をしていないと私は思います。その点についての総理の見解を伺いたいと思います。
○園田国務大臣 タイに対する援助は緊急に行ったものではなくて、私は三回ほどタイを訪問し、前総理もまたクリアンサク氏と旅行の途次会談をせられる等、いろいろ詳細に打ち合わせをした結果、王制記念、それからいまおっしゃいました経済協力がとかく大きなプロジェクトに集中されて地域住民の繁栄を図るということがやや落ちておりましたので、したがって今後は、御承知のごとくASEANで貿易の不均衡あるいはその他の問題が起こるのは、第一はタイであり第二番目はフィリピンというように、往々にしてあそこには事件が多いわけでございます。そういう観点から、農村部面の振興あるいは貿易のバランスの均衡ということから詳細にやりましたことで、決してあそこが不安定なところであるから反共的な意味から援助を増額したわけではございません。御承知のごとくタイは中国ともすでに総理は往来をして連絡をとり、ソビエトとも連絡をとり、あの地域においてアジアの平和ということを考えながら中立的な態度をとっているところでありますから、決して経済上の安全保障という観点から唐突につけたわけではございませんので、そういう意味で慎重に長期を見通しながらやったつもりであります。御注意の点については今後とも十分注意しながら実施していきたいと考えます。
○川崎委員 私は、農村開発の援助等をやるなと言っているのじゃないのです。ただ、やり方には非常に慎重さが必要だ、そのことを私は特に指摘をしておきたい。特にアジアの情勢が大きく動いておるときだけに、長期展望の中でやらなければ、グエン・バン・チュー政権等に対するあの最後の緊急商品援助などあったわけですから、そのことをやはり深く振り返っておく必要がある、こういうふうに思います。 ところで、今日の援助を決める閣僚会議のあり方は私は大変問題だと思います。つまり新農村開発計画という、タイで七九年から八一年にかけての二カ年間にわたる百四十億円を限度とする借款をやるわけですが、そういう問題に農林大臣が入ってない、私はおかしいと思うのですね。農林大臣いかがですか。
○渡辺国務大臣 実はその件につきましては、この間も閣議で私が発言をしたんです。昔と違いまして非常に援助の額が大きくなっておる、しかもやはり低開発国は農業援助を中心にやることが一番民生の安定に役立つとわれわれは思っておるわけでありまして、そのためには、仮に援助をいたしましてもそれが効果的に機能しなければ何もならない、ダムはつくったけれども電気を使うところがないとか、製紙会社をつくったけれども水がなかったとか、そんなことではむしろ反日感情を高めるだけであって余り意味がない。したがって、われわれとしては今後いろいろなそういう援助をやる場合には事前の調査というものをきちんと決めてもらわなければならぬし、仮に農業援助をやって農作物をこしらえても日本で買えないようなものばかりつくられても、これも困る。したがって、そういうような点もいろいろ考えて効果的なプロジェクトをつくってもらいたい。そのためにはまあ農林省がつんぼさじきで、決まってから人を派遣してくれ、これは困りますということを申し上げておるわけであります。 これに対しましては外務大臣からも、ひとつ善処をしたいというお話だけは承っておりますが、私は全くそのとおりであると、こう思う次第でございます。
○川崎委員 元来、援助というのは、まあ大変苦しい中から日本が始めてきた。そのそもそもの始まりというのは賠償ともつながり、要するに貿易、通商をいかに進めるかということが柱であった。だから、それは経済協力基金法あるいは輸出入銀行法の目的を見ましても、そこにはちゃんとそれが入っておるのです。だから、日本が戦後進めてきたそういう経済協力なり援助なりというものについての基本を見直さなければいかぬ、それをやらなければ日本は努力をしながらも喜ばれない、いま渡辺農林大臣も言った、私はそのとおりだと思うのです。本当にやったことが喜ばれる、特にタイの問題については、私はこれは本委員会でこういうことを言うのはその国に対するいろいろな問題があって差しさわりがあると思いますけれども、しかし、そういうことを抜きに少し冷静に議論をいたしますと、タイはいまカントリーリスクとしては高い国になっているのですよ、輸出保険の上においても。だから、イランの問題は後ほどやりますけれども、そうしたイランなりタイなり、あるいは日本政府がずっと進めてきた、また問題もたくさん出てきておるインドネシアにしましても、開発が失敗しておるのです。そういう東南アジアの国々を見ますと、私たちも東南アジアの国々との友好を進めたり、そして東南アジアの人民との交流というものを進め、そして発展途上国の開発、発展というために努力したいと思うのです。しかし、その中で問題になりますのは、多くが軍事政権である。軍事政権でありますから、特定の階層だけを豊かにするというおそれがあるわけです。あったのです、いままでも。それだけに、私は経済的安全保障という、つまり経済的安全保障というのは、両国間の相互依存関係というのをどう強めていくか、そしてその相互依存関係というのを断ち切るのがお互いに苦痛である、そういうふうな相互依存関係を強めていくことが友好の道だし、それが武力によらない平和保障の日本の生きていく道だ、こういうふうに私たちは考えております。だから、その意味においては援助は大いに進めるべきだ、こう思うのでありますけれども、そういう十分な展望なり、あるいは関係当局が参加をしないような形での政治的な解決は慎まれた方がいい、こう私は指摘をしておきたい、こういうふうに思います。 そこで、いまの四省庁の閣僚会議、これは江崎さんを前にして大変済まぬ話でありますけれども、通産省は必ず入るのですね。そして、通産省は所管じゃないけれども、経済協力白書というのを毎年出しておられるわけです。その努力は熱心でよろしいと思いますけれども、しかし、通商本位の援助ではいけないのです。だから、その意味においては、渡辺農林大臣の方からも、外務大臣も検討しますということでしたから、四省庁の閣僚会議というあり方、これはひとつ検討してほしい、こう思います。外務大臣、いかがですか。これは総理大臣だな。
○園田国務大臣 いまの川崎さんの発言は、私非常によくわかります。ばかりでなくて、私も考えているところであります。第一に、今後の経済協力は大型のプロジェクトではなくて、いまおっしゃいましたように域内の住民の繁栄を図るように、逐次向こうの国民とこちらの国民の理解が深まるようにやっていかなければならぬと考えておるところでありますが、そういたしますと、いままでの法律で制定された関係各省と緊密に連絡をしてやるということではなかなか追いつかぬわけでありまして、したがって、いまは御承知のとおりに、財源は大蔵省、調整は企画庁、それから通商の関係は通産省ということで、これに外務省が加わって、四省庁が大体これの大もとになっておるわけでありますが、今後はやはりそういう面がふえてくるとすれば、農林省であるとか、福祉部門の厚生省であるとか、あるいは船舶の関係の運輸省であるとか、そういう関係省も入れて協議をし、実際に足のついた協力ができるようにする必要がある、こういうことでいませっかく事務的に相談をすでに進めておるところでございます。まだまとまっておりませんから私の考え方は申し上げませんが、いまの御発言の趣旨に従って、いまそういう方向でやっているということだけを御報告いたしておきます。
○川崎委員 そこで、対外経済協力審議会という総理に対する諮問機関がありますね。これをずっと見ますと、すべてがいま外務大臣が言うような、つまり改めて考え直す、深く考えていかなければいかぬ、こういう新しい時代におけるそういう問題を審議をする人たちの顔ぶれだというふうに私は思いません。大変検討し直さなければいかぬのじゃないか。たとえば途上国の労働者も日本の労働者と交流を求めておる。あるいは労働基準法をどう変えたらいいか、あるいは労働組合をどうつくったらいいか、そういう基準の問題等も労働省にも来ているはずです。あるいは先ほどのように、厚生大臣のところの民生安定の問題、福祉の問題等もあるわけです。あるいは教育の問題等もあるわけです。そういたしますと、この今日の対外経済協力審議会の名簿というのはやはり通商です。通商本位なんです。だからこれは当然労働者の代表であるとか、あるいは生産をしたものを日本でどうするかという日本の農民の立場、そういうものの協力のあり方が必要なんですから、お互いが協力していこう、連帯しなければいかぬわけですからね。そうしますと、この対外経済協力審議委員の顔ぶれも、そういう形で再検討するということが私は今日求められておる、こう思います。総理大臣の見解を伺いたいと思います。
○大平内閣総理大臣 経済協力の実施に当たりまして、その協議について工夫をこらさなければならぬということ、それから審議会のメンバーの構成自体を再検討する必要があるのではないかという御指摘でございます。 前者につきましては、外務大臣からお答えしたとおりでございます。 後者につきましては、せっかく委嘱いたしましてお願いいたしておりますので、それの改選に当たりましては、いま述べられたような趣旨を体して人選に当たるべきものと思います。
○川崎委員 そのようにひとつ改選時期等には十分再検討していただきたい、こういうふうに思います。 ところで、海外経済協力基金でありますが、これはまるまる国民の税金です。五十四年度は三千四百九十億円。私は経済企画庁に、これまでの実績、それは事業別の内容、それから五十四年度の事業計画を持ってきてくれ、こう言ったら、持ってきたのがこのぺらっとした一枚の紙。しかも一枚の紙の中に五十四年度は三千四百九十億と、この数字しか入っていないのです。これが私に持ってきた五十四年度の事業計画です。これに事業計画と書いてあるのですよ。総理大臣、経済協力基金の五十四年度の事業計画というのは三千四百九十億です、国会はそれを承認しなさい。私たちはそういう承認はできませんよ。経済協力基金というのはソウルの地下鉄あるいはインドネシア、いろいろ問題を起こしているのです。本委員会でもずいぶん議論になってきている。決算委員会でも問題になっているのです。そうしますと、こういう形で国会の承認を求めようなんという、経済援助の一番の基本である経済協力基金の計画、私はこういうものを白紙一任なんというのはできません。経済企画庁長官。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 五十四年度の内容につきましては、いままでのしきたりといたしまして、予算が大体概定されましてから後に個々の国との関係、それらが外務省を通じあるいは通産省を通じ、その他からだんだんと出てまいるものを集積していくようなシステムに今日までなっております。したがいまして、委員からの御要望に対しまして総額だけが記入されているということでございまして、この点につきましては先ほど来の委員のいろいろな御主張も、われわれとして深く同感の意を表する点もたくさんございますので、このシステムを一体どう変えるかということについてはさらに検討させていただきたいと思っております。
○川崎委員 先ほど外務大臣は、決して緊急にぼこぼこやるんじゃないのだ、十分に調査をし、やっているのだ、こう言うのだ。ところが国会に、われわれに承認を求めるのはぺらっとした三千四百九十億円。そして決まったら、それぞれ各省から来るやつに対して計画を当てましょう、こういうのでしょう。それじゃ国会は白紙一任せい、こういうことになるのじゃないのですか。理屈はそうじゃないでしょうか。それを白紙一任でないというふうに理解できるでしょうか。企画庁長官、どうですか。
○小坂国務大臣 基本的に、予算面におきましては海外経済協力を大いに増大して、いわゆる先進国並みのGNPに対する比率を求めて努力するという方針は、すでに御了解いただける点ではないかと思います。それと同時に、今回の計画におけるきわめてラフなスケッチでありますけれども、事業規模として全体で七千二百億円程度のものを概定しておるわけでございます。それの中で無償が大体五〇%、技術協力が二〇%程度、それから世界銀行その他国際金融機関に対する出資額が計上されておるわけでありまして、そのような配分の中で、海外経済協力基金の事業としては、前年度より二二%ふやした三千七百億円で事業いたしたいというのが、お手元に差し上げた経済協力基金の内訳と申しましょうか、その配分がどうなるかということにつきましては、これからの決定を待ちたいという体制でございます。
○川崎委員 経済援助と言えば、グラントエレメントがどうしたの何がどうしたのという議論ばかりじゃないのですよ。それも大事です。国際的な先進国の中での義務として高めていかなければいけないと思います。しかし、先ほど冒頭に言いました航空機輸入などの輸入をめぐる汚職、それから政府援助等の海外援助等を通しての汚職、そういうのが頻発してきているわけです。だからそういうものを、入る方も出る方もきちんとしなければいけないわけです。そして国民の税金というものがきちんと疑いなしに使われる、それでこそ納税者としても納得するわけです。いま企画庁長官が答弁したようなことは、外務省の経済協力局から、また予算の説明書にも出ていることなんです。しかし二国間の贈与、経済開発とか援助だとか、食糧増産だとか技術協力だとか、そういう中身は何ですかと言ったら、何もないわけです。だからそれはいかぬというのです。やはりオープンにして、その計画は当然国会に、金融機関の問題ですから配分がきちんと何ぼ何ぼとならぬにしても、およその大きな計画、ことしはこういう計画をいたします、あるいは二年、三年にわたるものはこういう計画です、そういうことで国会の承認を求めるのは当然のことじゃないか。これはいままでも私たちは要求してきました。 総理大臣、どうですか。そういった点については、企画庁長官も制度を改めなければいかぬなという感じのことを言っているわけです。これもここで見直して、きちりとしたものを国会に承認を求めるということについての方向づけを、では長官。
○小坂国務大臣 この経済援助でございますが、日本が主導権をとって、この部門にこれぐらいとか、こういうプロジェクトにどうだということは、もちろん議論の中ではいろいろ出るのでありましょうが、一義的には相手国からの要求に基づいて、受けて立つということを今日まで基本的な方針にしておったと聞いております。その点につきまして、われわれとしましては、その事業内容等についてさらに細かく御報告をすべきであるということはよくわかるのでありますが、相手国の要求が出そろったりあるいは概定された予算内でそれに対応していくというシステムでございますので、御注意の点は非常によくわかるので、何とかその辺と相手国の要求というものをうまく絡み合わせて、御理解いただけるような方向を進めたいと考えております。
○川崎委員 そういう方向で検討し、またそういうことを論議ができるように進めていただきたい、こう思います。 そこで、決算、会計検査院の問題に少し入りたいと思いますが、この経済協力基金をめぐっては決算委員会ではずいぶん議論があったのです。最近をとってみましても、五十二年五月十九日の衆議院の決算委員会の議決ですね。それから内閣の講じた措置というのは先ほど私が申し上げた点です。あるいは大蔵大臣が会計検査の協力の仕方を各金融機関に通達などもいたしております。さらには、参議院の決算委員会の問題では、福山前総理が、政府関係機関の投融資先でありますとか債務保証先でありますとか、そういうものにつきましては原則として会計検査院の検査権限は及ばない、こういうことになっていると思うのです、だから機能を十分に発揮できるようにしたい、会計検査院も取り組んでいるように聞いておるので、検討の結果出てきたことについては期待したい、こういうふうに答えております。それから大平さんも本委員会で、きのう平林委員の質問に対しても、そういうお答えもいたしておるわけです。 そこで、この衆議院の議決に対しまして、当時の佐藤会計検査院長も、権能強化をやりたい、こういうことを答え、また政府への勧告等もそれぞれ進めてきておるわけです。 そこで、もう時間がなくなってまいりましたが、今日この会計検査院のアメリカでの機能の仕方、そういうものも細かに比較をして、アメリカの会計検査院が国会の付属機関として非常に強い権能を持ちながら進めておる、そういう方向については見習うというか、検討すべき点は私は検討して取り入れるべきだ、こういうふうに思いますが、会計検査院の権能が今日国や公社やそういうところにしか及んでいない、だから投融資とかそういう関係については及ばない、こういう今日の会計検査院のあり方であっては、総理の言われる国際化時代に会計検査院として機能ができない。このことは、ソウルの地下鉄事件やあるいはインドネシアのLNGの事件等をめぐっても、決算委員会で繰り返し繰り返しやられているのです。ですから、会計検査院の機能というのを、具体的に権限強化をやらなければいかぬ段階に来ておる、こう思います。その点について、会計検査院長として、どういう方向で改正を考えておるか。その方向については政府も国会も努力してまいらなければいかぬ、こう思うのでありますが、検査院長のお答えを伺いたいと思います。
○知野会計検査院長 院法の改正についてでございますが、ただいまお話がございましたように、昨年衆議院及び参議院におきまして検査院の権限の強化についての御決議がございます。この決議には、どういう権限を強化するということは具体的にはございませんけれども、その決議に至りますまでの論議を踏まえまして、また一方では、会計検査院が国の収入、支出の決算を検査する機関であるという基本ともあわせまして、いま鋭意改正案の内容を固めておるところでございます。まだ法理上あるいは条文上もう少し固めなければ、調整をしなければならないところもございまして、その内容につきましてはもうしばらく御猶予をいただきたいと思っております。
○川崎委員 いまの知野院長の御答弁では、この国会に出したい、こういうふうに理解してよろしいですね。でありますならば、案が出てきてみなければ議論はできませんけれども、これは、政府も内閣もこのことに協力をして、そして内閣が提出することになるわけでありますけれども、この会計検査院の機能強化ということについては、国際化時代にふさわしい会計検査院のあり方、権限の強化という方向で進めてまいりますことを要望しておきたい。そして具体的に出されました段階でまた論議を進めたい、こういうふうに思います。 次にはイランの情勢について少し伺っておきたい、こう思います。 去年園田外務大臣は、福田前総理につきましてイランを訪れられたわけであります。あのときに、すでにもうパーレビ国王の周辺の諸君は財産を海外にどんどん移しておった、アメリカもそれを見ておった、そういうレポートもあるわけですね。そういう情勢の中で前福田総理や園田外務大臣は行かれて、そして経済協力の問題等についてもいろいろと話し合われたわけです。そしてその報告も、外務省から出ております文書等を見ますと大変楽観的だった、こう私は思います。そのことについて、大変厳しくいま情勢が動いておりますし、ホメイニ師が暫定政権を打ち出してきておりますから、二つの政権が今後どういうふうに動いていくか、なかなか軽々には結論は出し得ないと思いますけれども、こういういまの情勢というものを振り返りますときに、園田外務大臣としてそういう激動しておる国際情勢の見方、判断の仕方、そういうものに誤りがなかったのか、あるいは今後特にサウジは増産をして何とかカバーしてくれる、こう思っていたが、サウジもその増産分は減らす、こういう方向に参りましたし、相次いでおるわけですね、その他の地域においても。こういう情勢の中で、国際情勢というのは、アジアも動いておりますし、中近東も動いておるわけでありますが、あのころを振り返りまして、情勢分析というもののむずかしさはあると思いますが、どういうふうにお考えになりますか。
○園田国務大臣 イランに一月に参りましたときには、総理大臣、外務大臣といろいろ話し合いをしましたが、その当時においては、他の国と違ってイランの国の総理は、国内経済及びイランの未来について相当詳細な青写真を持っておられて、きわめて優秀であると考えましたが、ややその進め方が火急で性急であるという感じがいたしまして、そのときは何らイランの将来について特別のものは感じませんでした。その後福田総理と参りましたときには、ちょうど二万数千のデモがあったときでありまして、向こうの政府はわれわれとデモと会わせないように十分配慮したようで、一見平穏でありましたけれども、第一は、国王の行政に対する態度がわれわれの考えておる国王の態度ではなくて、非常に詳細に具体的に、国王が独裁というか専制ということをやっておられる、これは大変だなあと思った。それから私が行った後政変がありましたが、その政府というものがどちらかというと非常に妥協的である。一方、反政府の体制は強くなってきておる。それからもう一つは、国王個人に対する感情も大分強くなってきておる。これは無事では済まないなという感じを持っておったわけであります。 現在までの経緯はもう御承知でありますから申し上げません。すでにホメイニ師は暫定政権樹立を表明し、総理大臣を指名したわけであります。しかし、まだ閣僚は指名いたさないわけで、国内に二つの政府が樹立されて対決をしながら推移していくのか、あるいは一方、今度指名された総理は、御承知のとおりに現政府とも軍とも話のできるという立場の人でありますから、何らか妥協的な考え方を持っておるのか、いずれにいたしましても、軍の動向というものに非常に注意いたしておりますが、これがどちらにどうおさまるという断定すべき情報はまだ持っておりません。 問題は、これがどのようにおさまりましても、おさまった後、疲弊、混乱の極に達した国内産業、経済、国民生活をどのように復興していくか、これはきわめて重大でありまして、この方がむしろわれわれには影響が大きいわけであります。ただ、ここ数日来少し反政府グループの態度が変わってまいりましたのは、御承知のごとくイランに在住する外国人には非常に厳しかったのでありますが、日本人はお客さんであるから大事にしろ、こういうことは今後の復興を考えておるのじゃないか。これが二番目。 第三番目には、このイランの問題が周囲の中東にどのような波紋を及ぼすか、こういうことを非常に心配をいたしております。石油の問題については、それぞれイランからの分だけは他の産油国で増産をしておるから、ここ当分は心配でないというのが各国の表面に出した言い分でありますが、事実の問題については相当懸念をしておるわけでございます。
○川崎委員 なお、イランはいずれにしましてもアメリカ陣営からは離れる、非同盟諸国の、第三世界の方向に行くであろうということは、いずれの政権であっても明らかであろう。それからサウジも大変多元的な外交の方向に移っておる、こういう激動の状態であります。なお詰めたい点もありますが、これは岡田委員の方に譲りたい。江崎さんにもいろいろ伺いたい点がありますけれども、これは岡田委員に譲りたいと思います。 最後に、私は大平総理に教育の問題についてお尋ねをしたい、こう思います。 今日、日本の教育が荒廃をしておる。それは受験地獄というものからだ、学歴社会である、そして子供、小学生までも自殺が出てきておる、あるいは暴力教室であるとか非行であるとか暴走族であるとか、いろいろな問題がたくさん出てきております。そうして教育の問題については、それぞれの関係者は、どうして豊かな教育ができる体制をつくるかということについては悩み苦しんでおるわけですね。今回の共通一次試験にしましても、受験競争というのを公認をしたようなかっこうになっております。まだまだ軽率には結論は出せないとは思いますけれども、しかし巨大な受験産業を育てたということについては否定できない、こう思いますし、そういう意味で、教育をめぐっております環境というのはいま本当に大変な状況にある。ある意味においては日本全体が一つの大転換期でありますから、教育もその意味においては大きなそのるつぼの中にある、こう思います。 教師と文部省が十分に話し合った時代もあるのです。それは戦後中央教育審議会をつくりましたときには、戦前の教育から戦後の民主教育にするためにはどうすべきかということについては、文部省と教師の集団であります日教組とも十分な話し合いをしながら、制度の改革にも努力をしたことが、非常に短い時期でありますけれども、あるわけですね。 私は、大平総理の本会議における教育についての所信、あるいはあなたがこの総裁選挙の最中に発表されました「大平正芳の政策要綱資料」、こういうものを拝見をいたしました。「文化と教育の思い切った多様化と質の飛躍的向上のために、その基礎条件を整備していく。ただ、文化と教育の発展を政治や行政が主導するということは避けなければならない。」、私はこのことは正しい姿勢だと思います。貫いてほしい、こう思うのです。そういう中から今日の悩みあるいは今日のいろいろな問題というものをえぐりながら、どうして伸び伸びとした教育ができる環境をつくっていくかということが私は政治家の任務だ、こう思います。その意味において、大平総理の教育についての基本的な考え方というのを伺いたいと思います。
○大平内閣総理大臣 わが国は、幸いに教育国と申してもいいほど、国民全体が教育に大変関心を持っていただいている国だと思います。したがって、教育の水準、内容、教育機会の提供等におきましては、相当満足すべき状態にあると思うのでございます。けれども、いま御指摘のように、教育の環境には大変憂慮しなければならぬ事態があるようでございます。したがいまして、教育界全体といたしましても、質の高い教師の養成でございますとか、入試制度の改善でございますとか、いろいろしていただかなければならぬ仕事が多いだろうと思います。政府もそれを支援いたしまして、教育界自体の対応に誤りがないようにお願いしてまいらなければいかぬと思っております。 しかし、環境改善は教育界だけに頼っていてはならぬと思うのでございまして、仰せのとおり政治全体がこれに体当たりで対応していかなければいけない、非常に深刻な問題だと思っておるわけでございまして、その意味で政治の責任をしみじみ感じておるところでございます。あらゆる方法を駆使し、あらゆる機会をとらえまして、教育の環境の改善、整備ということにつきましては全力を挙げてまいるつもりでございます。
○川崎委員 大変済みません、一問だけ。 これは大事なことを外務大臣の方にひとつ詰めておきたいと思いますが、経済協力基金をめぐる、経済援助をめぐるいろいろな汚職があったという事実はお認めだろうと思うのです。いろいろ事件があるということね。また会計検査院も非常に悩んでいるわけだけれども、なかなか検査もできぬという問題もあるわけです。 そこで私は、結論から言いますと、国連における多国籍企業の不正支払い防止協定が論議が進んでおる。また、OECDの多国籍企業の行動指針を、これは強制力はありませんけれども日本は認め、具体的に関係者に指示をしておる。こういうことでありますから、経済援助に関する交換公文というのがケースごとに、国ごとに結ばれますので、この交換公文に、私はソウルの地下鉄の交換公文も、インドネシアの交換公文も、パキスタンも、今度のタイのものもずっと見てきましたけれども、いろいろ協議するということはあるのです。しかし、これじゃ不十分です。ソウルの地下鉄のものが交換公文としては一番ルーズです。ですから、私は交換公文の中に不正支払い防止という条項を入れるべきだ。それはお互いの国がその点について、国際的な問題にもなっているわけですから、お互い守っていくということで、不正支払い防止の条項を交換公文に入れることはどうか。そのことについての外務大臣の見解を伺いたいと思います。
○園田国務大臣 交換公文については御指摘のような線で努力をしてきたところでありますけれども、なお不十分であり、ただいまの御発言のような趣旨に従って検討いたします。
○川崎委員 検討というのはだめですよ、検討というのは。やるのかどうか。これから研究するのか、やるようにしますというのか。
○園田国務大臣 研究ではございせん。やるように検討をいたします。
○川崎委員 では、交換公文に入る、こういうふうに私は確認をしておきたいと思います。 終わります。
○竹下委員長 これにて川崎君の質疑は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ────◇───── 午後一時五分開議
○竹下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岡田利春君。
○岡田(利)委員 昨年ボンにおいて七カ国の首脳会議が行われて、今年は六月の末に東京サミットがすでに予定をされておるわけです。ボン会議の後、東京サミットの議題は、前回の会議と同じように通貨、金融あるいは通商、貿易、景気と成長、エネルギー、南北問題の五つの議題が取り上げられることが決まっておると思います。しかし、初めてアジアにおいてこの首脳会議が開かれる、そしてまたアジアの情勢は、日中条約さらに米中の国交回復が行われて、新しいアジアの情勢が今日生まれておるわけであります。 聞くところによりますと、ジスカール・デスタン・フランス大統領はこの後北京を訪問する、あるいはまたカーター米大統領はソウルを訪問する等の日程もすでに予定されておると伝えられておるわけです。したがって、朝鮮半島を含むアジアの新しい秩序と先進国のかかわり合いの問題について、当然協議をされるところにまた東京サミットの意義があるだろう、私はこう判断をするわけです。もちろん、エネルギー問題に関連して中近東情勢、あるいはまた今日のインドシナ半島の問題、そういう意味で経済問題に限らず、そういう政治的な課題についても議論をされることが予想されると私は思うわけです。この会議のホストを務める大平総理大臣の東京サミットに臨む、私の意見に対する見解をこの機会に承っておきたいと思います。
○園田国務大臣 サミットは、御承知のとおりに世界の安定的経済拡大が主なる議題でありまして、政治問題はいままで取り上げられていないところではありますけれども、御発言のとおり初めてアジアで開かれるということで、南北問題は一つの大きな問題となり得る、それからまた、イラン情勢の影響を受けてエネルギー問題に関心が高まる、こういうことで、東京サミットは東京サミットなりの特徴のある会議になると存じております。 なお、いま御発言のような問題は、東京サミットの会談の議題にはならぬかもわかりませんが、食事あるいは雑談等のときに話が出てくるかもわからぬ、こう考えております。
○岡田(利)委員 私は東京サミットの前に、特に日米間において解決しなければならない当面の二つの問題があろうかと思います。その一つは東京ラウンドの問題であります。東京ラウンドも難航しているようでありますけれども、この見通しについて一体どうか。さらにまた、もう一つは、先般、電撃的な米国のドル防衛策の中でスワップの取り決めが行われて、必要な資金の三百億ドルのうち、特にスワップの拡大としてわが国は従来の二十億ドルから五十億ドル、そして西ドイツ、スイス等含めて半分の百五十億ドルを調達をする、それ以外に、IMF、SDRの売却を含めて五十億ドル、加えてあとの百億ドルは外貨建て財務省証券の発行によってこれを賄う、こういう方針ができて、私はすでに合意が成り立っておろうと思います。 すでに西ドイツの場合には、このアメリカの発行する債券を、去る十二月十三日に、合意に対して十五万九千二百万ドル、さらにまたスイスは、一月十六日ころに、十二億ドルの発行を引き受けるという決定、合意がすでになされておるわけであります。このいわゆるカーター・ボンドについて、わが国も当然西ドイツやスイスと並んでこの債券を引き受けなければならないと思いますし、すでに、伝えられるところによれば、一月十一日に、財務省のアルトマン債務担当次官補が日本を訪れた、そして、わが国政府とこの点についていろいろ協議をしたという情報もあるわけであります。したがって、このわが国の引き受けるカーター・ボンド、一応日本は四十億ドル、西ドイツは四十億ドル、スイスは二十億ドルとも言われておるわけであります。したがって、この起債の発行についてどういう話し合いが行われておるのか、いつ、いかなる時期にこの債券引き受けについて日本は引き受けを決定をするのか、この点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
○金子(一)国務大臣 岡田さんから御質問の第一点、東京ラウンドの交渉の経過でございまするけれども、関税引き下げ交渉と非関税措置等に関するコードづくりが並行して今日まで行われてまいりましたけれども、そのうち関税交渉の方は、これまで米国ほか一部の国とは合意に達しました。しかし、まだECと合意に達する段階に至っておりません。これはアメリカもECとの間は同様でございまして、まだ話し合いがついてないと伺っております。 それから、コードづくりの問題でございまするが、昨年末先進国の間で大体合意に達しましたけれども、なお一部本年に持ち込まされておるというのが現状でございまして、わが国といたしましては、保護貿易主義が台頭しては大変困ることでございますし、特に東京ラウンドを成功裏に終結させるためには一日も早くこれをまとめる必要があるということで、鋭意努力をしておる最中でございます。 それから、カーター・ボンドと申しますか、日本でアメリカが円建て債を発行したい、これはもうドイツ、スイスでは御指摘のとおりすでに発行に踏み切っておりまするけれども、まだ日本には正式に申し出がございません。申し出がございましたら、これはその際処理したいという考えでおりまするが、実際のところ話がまだ出てきていないというのが現状でございます。 以上でございます。
○岡田(利)委員 その際わが国の引受高は大体四十億ドルがめどだという点についてはいかがですか。
○金子(一)国務大臣 金額についても、巷間伝えられるところはそういうことかもしれませんが、実際には正式なタッチは、政府間のタッチは現在ございません。
○岡田(利)委員 現在円レートが二百円台になっておりますから、情勢は若干違うかと思います。しかし、百億ドルを三国で引き受けるとすれば、常識的に日本と西ドイツが四十億ドルずつ、スイスが二十億ドルというめどについては大体そう違いがないと思うわけです。 ただ、私は、これを発行する場合は、もし四十億ドルとすれば八千億円でありますから、しかもアメリカの会計年度を目途とすれば九月末までにその発行が行われるとすれば、発行高によって、わが国の後半のいわゆる金融、こういう関係について多少影響が出る。四十億ドルなれば相当逼迫をすることが考えられるわけであります。こういう点については、当然昨年来から話し合いが行われておるわけですから、どういう対応策を考えておられますか。
○宮崎(知)政府委員 カーター・ボンドにつきましては、御承知のように、これはアメリカが介入のために必要とする資金を調達するために発行する債券でございます。したがいまして、日本の場合には、ドイツとかスイスの場合と若干違っておりまして、円につきまして介入を始めましたのは昨年の十一月ということでございまして、まだ期間はそれほどたっておりませんし、それから、その後の市場の動きを見ましても、円とドルとの関係は比較的安定しております。そういうような意味で、いまのところカーター・ボンドをすぐに出すという必要性は少ない、こういうことでございます。 今後の問題でございますが、これは数字も具体的にまだ決まっておりませんし、もちろん、日本で発行ということになりましたら、その場合には、日本の国内の資本市場に対するいろいろな影響、そういうようなことを考えて、適切にやっていきたい、こういうふうに考えております。
○岡田(利)委員 わが国の今年度の予算はすでに四〇%近い国債発行に依存をするという財政であります。そういう意味で、今後の推移を見なければわかりませんけれども、特にこの問題については政府として慎重な対応策をとるように、この機会に強く要望いたしておきたいと思います。 同時に、また、東京サミットの場合、わが国としては、もちろん、経常収支の黒字幅、これらも議論になると思います。さらにまた、わが国としては通貨の安定対策が特に東京サミットを通じて重要な議題になるのではないかと思います。すでに昨年末からアメリカの通商専門家代表とECの通商評議会の代表との間に、ドル残高の縮小、すなわち残高の各国分散管理を含む国際通貨管理、これらの制度の試案をつくるという作業に入っていると伝えられているわけです。もちろんEMSの発足がいま多少足踏みをいたしておりますけれども、これが正式に発足するとなれば、同試案は当然その後に固まるものと考えられるわけであります。 また、伝えられるところによりますと、十二月のボンにおける東京サミットの準備の話し合いにおいて、日本が新しい円の基準レートの設定、通貨発行の国際基準設定などについて具体的な方針を東京サミットに出すように求められた、こういう情報があるわけです。この真偽のほどは一体どうなのか。 いずれにしても、この動きは、わが国の通貨問題をめぐる国際環境は好転している徴候ではなかろうかと思うわけです。したがって、総理は、これまで東京サミットに向けて、通貨安定対策構想、いわば暫定的な円・ドルのレートを決めて、上下五ないし一〇%の変動幅を設けて、変動、固定の中間的な措置を構想として考えられておることも漏れ承っておるわけです。これの情勢をめぐって通貨安定対策の構想を一体どのように東京サミットに具体化していく考え方であるか、この点承っておきたいと思います。
○大平内閣総理大臣 私まだ具体的な通貨構想というようなものを固めたこともございませんし発表いたしたこともございません。私が申し上げておりますのは、国際通貨は、よりよい、より安定した状況に置くために、各国の通貨当局がより一層緊密な協力を遂げなければならぬし、その他、より安定した通貨体制をつくり上げていくためには、その基礎条件を各国各通貨当局が協力してつくり上げていかなければいかぬ、わが国ももちろんそういうラインに沿って努力していかなければいかぬということが一つと、現実に為替市場における為替相場が乱高下するような事態は避けなければなりませんので、通貨当局間の協力を一層緊密にしていく必要がある、そういうことを申し上げておるわけでございます。 来るべきサミットで、どのようなことで臨みますか、これからいろいろ検討していかなければいかぬと思いますけれども、そういう考え方を基調にして考えていきたいものと思っております。
○岡田(利)委員 今日円レートは二百円若干というところで安定いたしておるわけです。これからの通貨構想を組み立てるに当たって、一応今日の対ドル円レートについては、政府としては経済運営上まあまあ満足すべき線だ、こういう理解をいたしておりますか。
○金子(一)国務大臣 岡田さんのいまの御質問の、円レートをどれくらいに考えたらいいのかという考え方は、これは大蔵大臣としても、政府当局としても、いろんな波紋が出るものですから、答弁を容赦さしていただきたいと思います。
○岡田(利)委員 今年度の経済見通しは、円の為替レートは百九十円ということを基礎にして積算をして、経済成長率を六・三%、こういう数字をはじき出しておるわけです。また貿易収支についてもそのとおりでありますが、二百円でずっと推移する場合、当然十円の違いがあるわけです。本年度平均二百円で推移をした場合には、経済指標についてあるいはまた経常収支について一体どういう数字になるのか、経済企画庁は試算をいたしておりますか。
○小坂国務大臣 現時点ではまだ二百円というもので計算はしておりません。
○岡田(利)委員 次に、この三月にキャンベラにおいて第十回の太平洋貿易開発会議の開催が予定されておると聞いております。また第五回の国連の貿易開発会議が五月にマニラにおいて開催される。いわばこれらを通して東京サミットの南北問題にわが国も対応策を固めていくだろうと私は想定をいたしておるわけです。 これと同時にまた、わが国として第一回のパンパシフィック主要国の外相会議をぜひ開きたい、初めは東京サミット前という構想もあったようでありますが、多少ずれるような情報も私ども承っておるわけであります。これは今年の大体いつの時点を目標にして行われるのか、あるいはまた今年は行われないのか。行われるとすれば域内諸国に対する経済及び技術の協力、さらに農産物、原材料、加工品の安定市場の提供、物産品の関税引き下げの問題、円の域内流通の促進の問題、こういう問題が恐らく主要議題として挙げられると思うわけです。しかもこの構想は大平政権の環太平洋連帯構想の一つの具体化である、このようにわれわれは受けとめておるわけです。したがって、この第一回のパンパシフィック主要国の外相会議の開催について今日政府はどのように対応され、準備を進められておるか、説明をいただきたいと思います。
○園田国務大臣 東京サミットの前に開かれまするアジア各地の、主としてアジアの国々に関係のある各種会議の動向はきわめて大事であり、一次産品貿易問題あるいは資源の移転の問題等主に討議されることでありましょうけれども、この会議の動向は必ずしも楽観を許しません。しかし、この会議がうまくいくことがまた東京サミットには大きく影響するものでありますから、各国の動向を、緊密に連絡しながらこの会議の成り行きに注意をしておるところでございます。汎太平洋会議については、まず外相会議を先にやったがいいか、民間会議から先にやって外相会議にいったがいいか、ただいま検討しているところでございます。
○岡田(利)委員 大平内閣が発足をして、前福田内閣が発議いたしました日韓首脳会談は白紙還元をすでに発表いたしておると承知をしているわけです。このことは米国の対韓新政策の展開、ずいぶん変化が見られているわけです。したがってこの首脳会談を大平総理として白紙還元をしたということは、アメリカの対韓政策の軌道の修正、これに沿ってわが国の対韓政策の手直しは当然考えられなければならないことであるし、そういう意味をも含めて現時点における日韓首脳会談を白紙還元したのではないかと私は判断をいたしておるわけです。この間のいきさつと、そして、では一体今年じゅうに日韓首脳会談というものが持たれる予定があるのかどうか、この面について承りたいと思います。
○園田国務大臣 朝鮮半島における南北の関係が大きく変わりつつあろうとしておることは御承知のとおりでありますが、これに伴いまして、米国は南北の対話が平和裏にできるよう期待はしております。わが国もそうでありますが、対韓政策がこれによって変わったとは判断いたしておりません。したがいまして、わが日本としても米国と同様、南北の均衡が維持されつつ平和的に話が進めばいいと期待をしておるところでありまして、対韓政策が変わるべき筋合いではないと考えております。日韓首脳会談は、特別な関係にある日韓でありますから、両方の首脳者が会談をするということは好ましいことではありますけれども、現実の問題としては、いま日韓首脳者会談が開かれるかどうか、いつごろか、そういうことはまだ見通しもつかないときであると思います。
○岡田(利)委員 外務大臣は、変更はない、こう答弁をされたわけでありますが、しかし部分的な手直しとか見直しというのですか、やはり米中国交回復後情勢は変わっておるし、朝鮮半島の情勢についても変化があるわけでありますから、そういう意味では部分的な手直し、見直しというものは当然あるのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○園田国務大臣 御発言のとおりでありまして、変化はないと言ったのは基本的な方針に変化がないということで、国際情勢の必然の変化による個個の変化は、当然これは実情に応じて進んでいかなければならぬと考えておるところであります。そういう意味におきましても日韓首脳者会談が当分予測し得る時期に開かれるとは想像いたしません。
○岡田(利)委員 きのう、外務大臣は、ソ連ポリャンスキー大使に対して、国後の軍事基地の問題について抗議を申し入れられました。ただしかし、北方の四島は戦後わが国が実効的な支配をしておったところではないわけであります。だが、竹島については、これはわが国は実効的な支配をしておった国土であり、しかも今日では韓国が監視人を置いて実効的な支配をしておる。この周辺、わが国の領海あるいは二百海里においては安定的な漁業の操業もできない情勢にあるわけです。したがって、むしろいまわが国の立場からすればこの領土問題の解決、特に対韓関係の問題の処理が一番優先されなければならない、こう私は思うのでありますが、今日の日韓の関係からいって、竹島問題についてどう具体的にこの問題の解決を進められようとしておるのか承っておきたいと思います。
○園田国務大臣 竹島は、御発言のとおり、わが国の領土であることは明々白々たる事実でありまして、昨年、日韓定期外相会議の際、私はわが国の領土であることを懇々と主張し、説明をし、ただし日韓の間ですべての紛争は平和的に解決するということになっているから、わが方はあくまでも粘り強く今後もこれを主張し、交渉を続ける、こういうことを言ってきたわけでございます。
○岡田(利)委員 韓国に対してはわが国は政府ベース、民間ベースの援助をし、今日までの韓国の経済発展に対して援助、協力をしてきた国であります。しかもまた貿易の関係についてもそうでありまして、そういう立場からすれば、この日韓の間に竹島問題が依然として未解決に残る、そして一方、日中条約の場合に、尖閣列島に別に上陸したわけでありませんけれども、漁船が領海を侵犯したということであれだけ問題になったわけですね。しかし、自民党・政府は事竹島問題に関しては口をつぐんで余り語らない。また自民党内部からも、他の問題についてはずいぶんごっつい意見が出ますけれども、竹島問題については余り意見が出ない、こういう点について私は非常に不思議に思うのであります。いわば対韓政策の姿勢を問われると私は思うのです。そういう意味で今後の日韓の外相会議あるいはまたいろいろな会議を通じて、これらの問題について解決のために努力をすべきだと思うのです。この点は答弁要りませんから、強く指摘をいたしておきたい、かように思います。 次に、今日のイラン情勢の問題でありますが、問題は、イランの情勢をどう受けとめておるか、どういう認識をしておるかということがきわめて重要だと思うのであります。わが国会でいま大変問題になっておる人物のハリー・カーンの「フォーリン・レポーツ」の最近号によりますと、イランにおいては内戦は避けられない、こう彼は報告しておるわけであります。したがって私は、今日の情勢は、ホメイニ反体制派、こう言いますけれども、すでに暫定政権を確立しましたし、いずれにしても回教徒の民族的な共和国家というものはイランにおいて成立するであろう、これは避けられないであろう、こう言わざるを得ないのではないかと思うのです。そういたしますと、今日ペルシャ湾岸のゲリラ活動の拡大、拡大連鎖といいますか、こういう傾向も出てくるでしょう。アラブ王制派の動揺も当然これと連動すると思います。また、アフガニスタンにおいても今日回教徒の自治運動というものが起きて、民族統一戦線が、辺境の地でありますけれどもアフガニスタンの三分の一を支配しておる。こういう情勢もありますから、回教徒の自治運動の世界的な拡大という傾向は新しい問題として出てくるであろうと判断せざるを得ないと思うのです。そして、イラク、シリアの連合、中東における米ソの対抗関係の変化、そして石油生産の長期停滞、これによる経済波乱、したがって国際的な危機、そういう性格をイランの今日の情勢は展望しておるのではないか、こう厳しく今日の情勢を受けとめざるを得ないと私は思うわけです。問題は、今日のイラン情勢をどう認識するかということによって対応策は変わってくると思うわけです。この認識が非常に重要であると思います。先ほど川崎議員の質問に対しても答えられておりますけれども、いわばそういうもう少しハイレベルの立場に立ってイラン情勢をどう認識をしているか、この点についての見解を承っておきたいと思います。
○園田国務大臣 イランについては、経過は御承知でありますから省略をいたします。すでに回教徒の方では暫定政権をつくることを発表し、総理大臣を指名をいたしました。しかし閣僚の指名はまだいたしておりません。したがいまして、これはある面から言うと、ホメイニ師の方で指名した総理大臣は、軍とも話ができ、現政府とも連絡がつくような人を指名し、軍部に対する説得工作と相まって、漸次柔軟な方向で自分たちの政権を立てていきたいというふうにも見えますけれども、一方、現政府及び軍部はこれに対して強い姿勢をやっておるわけでありますから、国内で二つの政府ができて対決をするか、あるいは漸次一定の方向に進むか、これはまだ予断のできないところであるわけです。 しかし問題は、これがどのように落ちつくかということよりも、御発言のとおり、今後これがどのように展開していくかということがきわめて大事であります。 第一は、これが小康を得た後、混乱の極に達したイランの産業、経済の回復がどのようにしてやっていかれるか、インフレは相当強くなってきておりまするし、また、国民の中には、この争いの中に自分たちの生活が見捨てられておる、両方とも同じじゃないかという声も逐次出てきておるし、また政府擁護のデモ等も若干出てきておる、反政府グループの足並みも乱れておる、こういうことで、今後の経済回復ということは非常な問題である。これが、わが国を初めイランから石油供給を受けている国々の一番懸念すべき問題でなかろうか。これはしかし、余り言いますとまた石油その他の混乱にもつながりますので、深く懸念をしておるところであります。 次に、もっと大きな問題は、これから発する、この周辺の中東諸国に対する影響がどのようなものであるか。一つは、いまの回教徒共和国というものがどのように広がっていくか、あるいは王制その他にどのような問題を投げかけていくか。もっと大きな問題は、その周辺の一部の国を見ておっても、あれを中心にした米ソ、これの関係に、一方だけに頼っておっては困る、不安ではなかろうかということで、腰がそろそろ動く気配もないではありませんから、この二つの問題に十分な懸念を持ち、御発言のとおり、これを静観し、これに対応の準備をする必要があると考えております。
○岡田(利)委員 今日のイラン情勢の中で、中近東の石油の供給についていろいろいままで情報が流されておったわけです。私どもは二、三年前から、サウジアラビアの生産量というものは確かに能力は一千万バレル以上の生産能力があるが、しかし、油井その他のいろいろな条件からして、専門家筋ではこれはもう一千万バレル以上は無理である、大体八百五十万バレル程度が適当であろうと、だがサウジアラビア政府はこの面について具体的なことについてはコメントをしないできておるわけであります。最近の情報によっても、大体最近の生産量が八百五十万バレルのようでありますから、したがって大体この水準で推移していかざるを得ない、こう考えてまいりますと、イランの石油に二〇%依存しておりましたわが国として、この産油国の動向をどう把握をするか、きわめて重要だと思います。イラクやベネズエラが増産をするといいますけれども、またリビアが減産をする、こういう方向もあるわけですから、短期、中期に見て考えていきますと、イランの情勢というものは非常に厳しく受けとめて、そしていつでも対応できる体制をつくらなければいけない。備蓄を取り崩すとか取り崩さないとか、いろいろな議論もあります。しかし今日の情勢では、一回備蓄を取り崩すと、わが国の使用量と備蓄の両方の油を確保することは、長期的に非常に困難になるのではないか、こういう点も明らかだと私は思うわけです。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕 一方においてスポット買いでは三ドルから五ドルという、三〇%以上などという価格も実は出てきておるわけです。したがって、これらの情勢をめぐるわが国内の石油価格政策も重要でありますし、また厳しい見方をしておきながらこれに適確に対応する姿勢も非常に重要であろうかと思われます。そういう立場から、省エネルギーの推進は余り心理的な影響を与えてもいかぬと、こういう配慮もあるようでありますが、大体今月末ごろには政府も相当思い切った具体的な対応策を出さざるを得ないのではないか。省エネルギーの推進を積極的にさらに進める、新石油エネルギーの徹底的な活用を図る、あるいはまた同時に重質油の対策もスピードを上げて急がなければならない、こういう問題が次々と横たわっておるのでありますけれども、石油の安定供給、三十年代は低廉かつ安定でありましたけれども、四十年代は安定かつ低廉、五十年代は安定かつ安定という時代でありますから、通産大臣の見解を承っておきたいと思います。
○江崎国務大臣 御指摘の点はきわめて重要だと思います。現在までは御承知のようにサウジその他の産油国の増産、これによって積み増しをしてどうにか不自由のない計画的輸入がなされたということはおっしゃるとおりであります。さてこれからどうなるのか、問題は今後の対策でありまするが、すでに二十二日には省エネルギー・省資源対策特別委員会でまず官公庁が節約を始めよう、民間にも協力を求める、特にあの石油ショックのときよりも一般消費が伸びた電力量その他を含んで、一般消費者に節約協力を求めて今日に至った、こういうわけでございます。いまのサウジの問題も、これはやはり毎日一千万バレル以上増産をしていくということは、これはやはり労働力にも限界がありましょうし、おのずと八百五十万バレルぐらいの日産に抑えていく、これはいつまでも特別の条件が続くわけじゃありませんですね。もっともなことだと思うのです。ただ、いま日本の場合は、あの石油ショックの場合は備蓄が五十九日分しかありませんでした。現在は民間備蓄が八十五日、先ごろ本会議では八十四日と申し上げたのですが、これは日によって違うわけですが、きょう現在でとおっしゃると八十五日弱ぐらいあります。それから政府備蓄が七日間強ございます。そんなことで石油ショックの場合よりはおかげで備蓄が多い。いや、世界諸国に比べればその程度では少なきに過ぎるという説もないわけではありませんが、その使用量の全体の上から言いますると、今日までの計画というものは順調に進んできた。しかし、イランの情勢が長期化しますると、これはやはり供給が鈍ることも当然考えられまするので、御指摘のように、今後、事態の推移に応じて適当な施策を打ち出さなければならない。特に、無資源国の日本でありまするので、エネルギー源を節約するということは、これはもうふだんから心がけなければならない重要な問題だというふうに心得ております。
○岡田(利)委員 わが国としては順調な手だてがこの十二月から一月について行われた、こう言いますけれども、生産量が限られればどこかにまた穴があくわけでありますから、石油の安定確保というのは国際連帯の行動の中で律しられなければならない、こう思うわけです。しかも、OECDの国際エネルギー機関であるIEAにおいて、すでに石油火力発電所の新規建設は禁止をする、こういう問題について一応の合意といいますか方針が出されております。近くまた引き続き会議を開いて、これに加えて石油の節約、同時にまた石油需給の関係についても追加をする。したがって、五月のIEAの閣僚理事会においてはこれらがほぼ仕上がりを見せて東京サミットにこれを持ち込む、そして合意に達する。もちろんこのIEAには決定的な拘束力はございませんけれども、エネルギー源の最大の輸入国として国際協力に絶対に背を向けることはできないと私は思うわけです。したがって、この方針に一体どう対応するか。もちろん日本の事情も、わが国の日本列島の中で環境問題等もありますから一様にはいかない特殊事情もあろうかと思いますが、大筋としてはこのことを認めてわが国も臨まなければならないだろう、こう私は判断するのですが、いかがですか。
○江崎国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。特に石油のほとんどを海外に依存しておる日本としては、やはり代替エネルギーをどうするかという問題は今後の重要な課題であります。これはさっき申し上げたように、備蓄をどんどん強化していくという点、それから供給地域の分散化、これはいままでにもしきりにここでも議論になったところであります。それから自主開発、これは何としてもやらなければなりません。一方、いま御指摘の石油代替エネルギーをどうするか、これはやはり石炭を初めいろいろ問題解決をしていかなければならぬ。そうして、消極的な面からではありまするが、日本のような工業国家としては省エネルギーを推進する、大体この四つに重点を置いて対策を講じていかなければならぬ。わけても、御指摘のように、石油の代替エネルギーの開発研究というのには相当金もかかりますが、旺盛にひとつ努力をする必要があるという認識に立っております。
○岡田(利)委員 ことしの冬は東京から北海道から九州まで暖冬異変でございますから、いわば家庭におけるエネルギーの消費でも少ないのが常識なんですね。ところが、今年、統計をとりますと、二〇%灯油の消費が伸びているわけです。これは直接だきの石油ストーブから温風式に変わりますから効率が非常に落ちる、この分が消費増になってあらわれておるという現象がこの数字になってあらわれておると私は思うのです。そういう意味で、このエネルギー問題に関しては人間の生活価値観を変えるという問題でありますから、そういう点と、経済の成長とエネルギーの消費、このことに余りこだわると、いつまでたってもエネルギー節約に関する国民合意といいますか、意識の革命というものはできないと私は思うわけです。そういう点について、特に私は政府の姿勢の中でもいろいろ今日まで問題があったかと思います。けちけち運動なんというのは経済成長にマイナスだなんということを昨年の予算委員会で言われたわけですから、福田さん自身がそういう認識を述べたのでありますから、私はきわめて認識を疑うのであります。そういう意味で、これが綿密な対応策を、もちろん心理的な影響を与えることは無理がありますけれども、政府としては万全の対策をとるように要望いたしておきたいと思います。 そこで、こういう情勢の中で、残念ながらわが国の石炭産業は、もう御承知のように五千五百万トンがいま千八百六十万トン程度に生産は落ちました。しかし、今年三月末の貯炭の見込みは大体三百七十万トンを超えるだろう、こういう状況であって、わが国の石炭産業は新しい危機にいま立っている、こういう認識が私は至当だと思うのです。この現象はわが国だけではなくして、すでにヨーロッパに駒いてもあらわれておるわけです。 そこで、私は外国の例を申し上げますけれども、もうすでに西ドイツにおいても、この政策の展開については政府は思い切った措置をとっておりまして、特に連邦政府あるいはまた州政府の予算を大幅にこれに拠出をいたしているわけです。トン当たりにすると約四千円。そして、一千万トンのコークスを政府が買い上げる、コークスにして買い上げる、こういう政策を次々ととって、輸入炭と自産炭、自国内炭の格差を補給する、こういう政策がとられています。三千二百億を超える予算を計上いたしているわけです。 わが国はフランスと非常に出炭規模が似ていまして、今日フランスではなおかつ二千二百万トンの生産をいたしているわけです。そして、一千六百億を超える予算を出して、これはトン当たり七千円になります。そういう状況で、積極的な石炭政策の展開をいたしているのです。 わが国の特別会計の今年度の予算は一千二百九十億。だがしかし、西ドイツやフランスの予算の内容と対応する予算は一体幾らあるか、こう計算をしてみますと、大体四二%であります。トン当たりにすると三千円弱であります。西ドイツは四千円、フランスは七千円、日本の場合は対応する予算は全体の予算のうちのわずか四三%で、三千円弱であります。そして、いま石炭産業は危機的状況を迎えておるというのが現状であります。 さらに話を進めますと、特に原料炭の貯炭が一般炭の貯炭を上回っておるわけですが、第四次政策以降、わが国の産炭構造を原料炭重点に変えていったわけです。ですから、一般炭をスクラップして、原料炭はたとえば三菱の南大夕張とか北炭の新鉱、あるいは三池の有明、新しい原料炭の炭鉱を三つも次々と開発をしてきたわけであります。したがって、この政府の政策からいって、当然、安定供給、需要の確保という責任は私はあると思うのです。いまわが国の輸入炭総量の中に占める原料炭のウエートは一三%であります。これを一四%か一五%に伸ばせば需給のバランスはとれるわけであります。一般炭の割り当てをしている場合には二〇%以上必ず輸入炭と込みでたくという条件で認可をしておるわけです。一般炭の場合は若干問題がありますけれども、それでもいま輸入一般炭はIQ品目で約百万トンあるわけです。この百万トンをぴたっととめれば需給はバランスがとれるわけです。これはちょっと無理でしょう。それでも、私の計算によれば、四、五十万トンは抑えることは可能であります。そうしなければ、いま減産体制で日本の石炭産業は崩壊せざるを得ないような傾向すら、徴候すらあるわけであります。私はそういう歴史的な経過あるいはヨーロッパにおける石炭政策との比較、こういう面から考えても、少なくとも鉄鋼の場合一五%弱のわが国の原料炭は引き取ってもらう、このことによってバランスがとれます。三方一両損という話もありますけれども、もちろん鉄鋼業界も企業格差があります。そういう点についてはやはり政策バランスをとりながらこの面を解決する。一般炭については、当面、輸入炭を一応抑えて、いずれもう五年後になれば約二千万トンの火力発電所ができる、昭和六十五年には四千万トンの石炭を輸入する、IEAの方向から言えばまだまだこれはテンポを速めなければならぬ、こういう情勢でありますから、問題は三、四年ある程度やりくりすれば解決するのであります。ところが、これがなかなか一向進まないというのが今日の現状である。そして、貯炭対策についても確たる政策がない。当面、原料炭、一般炭、貯炭、三つの対策がわが国の石炭政策上きわめて重要なポイントであります。通産大臣の所見を承っておきたいと思います。
○江崎国務大臣 おっしゃるように、これは非常に重要な問題だと思います。 そこで、五十四年度予算案には、石炭増加引取交付金の拡充、これを図りました。それから、現在向こう三年間の石炭鉱業の生産計画について事情聴取を鋭意進めておる段階であります。したがって、貯炭対策を含む需給改善のための施策をどう展開するか、これは検討中でありますが、鋭意これを進めたいというふうに思います。 中長期的には、いま御意見にもありましたように、二千万トンの需要水準の実現を目指しまして、新規の石炭火力の建設の推進、こういったことを図り、いわゆる国内炭需要の確保に努める、また今後のためにも石炭の液化であるとか、ガス化であるとか、こういった技術開発を旺盛に進めるという形で対応していきたい。特にいま石油問題が世界的な困難に逢着しておりますときだけに、この問題を大きく取り上げていく必要があるという認識でございます。
○岡田(利)委員 具体的な問題はいずれ委員会で行いますけれども、私は具体的な問題のポイントを指摘いたしたのでありますから、これが早急な具体的な対策を要望しておきたいと思います。 同時に、かつてわが国の石炭政策は油炭格差といって、油の価格、これにどうマッチをさせるかという政策が伝統的にとられてきたわけです。たとえば北海道電力の場合には二百円の為替レートで、しかも今日のOPECの値上げを換算しますと、大体油炭格差はないのですよ。よく政府は間違うのですけれども、もう油炭格差はなくなるのですよ。そんなに値段の差があるものではないのです。それ以外の要因が今日北海道電力の問題点、これは九電力対策の問題で、燃料格差というものはもうなくなるわけですよ。そういうことを十分認識をされて、これの対策をとってもらわなければならない。いずれ委員会で質問いたしますので、具体的な答弁ができますように、ひとつ検討願っておきたいと思います。 時間がございませんので、次に雇用問題に入らさせていただきたいと思います。 まず冒頭に、先ほども東京サミットの前に、ボン会議のときも同様でありますが、労働サミット、こう言っておりますけれども、国際的な労働組織の代表者が集まって会議をするわけです。ボンにおいてもシュミット首相はこれらの代表の方方と懇談、会見をいたしております。ホスト役である大平さんも当然この労働サミットに参加する代表者とは会見、懇談されると思いますが、いかがですか。
○大平内閣総理大臣 できるだけそういう機会をつくりたいものと思います。
○岡田(利)委員 西ドイツのシュミット首相は、その会談、懇談で得られた各国の大体共通した意見については、ホスト役であるシュミット首相がこれを首悩会議に反映をさせる、こういう措置をとられておるわけであります。当然、会見、懇談する以上、大平総理もそういう措置をとられるものと期待をいたしておりますけれども、いかがでしょうか。
○大平内閣総理大臣 サミットにはどういう議題を構えるかということにつきましては、準備会議でだんだん固めていくことになろうかと思います。そこで決まりました議事運営のやり方に沿いましてやっていかなければならぬと思いますけれども、いま仰せの点につきましてはそういうラインで進めるように、できるだけ心がけていきたいと思います。
○岡田(利)委員 政府は五十二年度の予算審議に当たって、公共投資による雇用増十七万人と試算をされて資料を提出されておるわけであります。五十三年度、一体結果として何万人雇用増が見込まれるのか、その見込みについて伺いたいと思います。
○金子(一)国務大臣 総理府の労働力調査によりますと、五十三年の一月から十二月までの平均の増加は二十一万人という数字が出ております。
○岡田(利)委員 その数字は労働力調査でありますから、公共投資の試算の対象数字としては無理があるのではないか。政府が積算をした基礎があるわけですから、この積算根拠によって一体何万人ふえるのかという意味であります。民間の関係については別でありますから、ちょっと数字が無理があるんじゃないでしょうか。
○長岡政府委員 お答え申し上げます。 ただいま大蔵大臣から申し上げました数字は、労働力調査によるもの、暦年で、一月から十二月までで申し上げまして、これが二十一万人でございます。これを五十三年の四月から十二月までの平均で申しますと、大体二十四万人ぐらいになっております。昨年の本委員会におきまして多賀谷委員からの御質問がございまして、五十三年度の当初予算では、公共投資で約十七万人の雇用の吸収が計算上予想されるということを申し上げました。それは補正を含めますと、さらにふえております。もしあれがございましたら後ほど正確な数字を申し上げますけれども、もうちょっとふえておると思います。それに対してこの二十四万人がどの程度政府の期待の数値に近いかという点でございますけれども、実は労働力調査の方が民需と官公需に分かれておりません。ただ、常識的には民需の方は余りふえておりませんので、私どもとしては大体において公共投資で予定をした追加吸収人員に近いものが実際問題として吸収されているのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○岡田(利)委員 ことしはどういう見込みですか。
○長岡政府委員 公共投資関係で約十六万人の吸収を予定いたしております。
○岡田(利)委員 政府は中期新経済計画を出されたのでありますけれども、これによりますと、昭和六十年度目標年次は完全失業率は一・七、こう出されておるわけであります。前期計画では目標年次完全失業率一・三、こういう数字になっています。 そこで私は伺いたいのでありますけれども、政府は一体完全失業率を中期計画でどのように見ているのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○小坂国務大臣 われわれの六十年においての失業率一・七でございますが、これは前期計画のときは一・三と言っておりましたけれども、その後特に労働市場が、非常に私は変化していると思います。特に女子の就業希望者が非常にふえているということ、また経済が非常に慢性的に不況であったということ、いろいろな累積を想定しまして、今度の七カ年計画におきましては、大体想定といたしまして、現在が五千五百五十五万人の労働人口が六十年には五千八百三十万人ぐらいになるだろうという推定でございます。あとは大体六%弱の経済成長を行って、その他二百四十兆円の公共投資を行う、いろいろなことをしながら、さらに労働省関係においてもいろいろな施策を行うわけでございますが、大体想定として五千七百三十万人くらいの就業人口というふうにいたしまして、その差が大体百万人ということが大体一・七%と申し上げている具体的な意味でございます。しかし、これはあくまで推定でございますので、現状は百三十万人の失業でございますが、これは二・三、これに対して百万人程度ということを押さえておるわけです。
○岡田(利)委員 そうすると一・七が完全雇用失業率である、こういうことでよろしいのですか。
○小坂国務大臣 完全雇用という状態には、私はいろいろ考え方もあると思いますが、大体その辺のところが、特に前期計画において一・三というのは、大体昭和四十年ごろの非常にブームのときの、それでもなおかつ失業していたという数字に等しい数字をもって当てたと思いますが、われわれはそれ以後の日本の経済情勢の変化、社会構造の変化、いろいろなものから推定いたしまして一・七、百万人というところがまあまあではないかというふうに考えております。
○岡田(利)委員 どうもはっきりしないのですけれども、もし一・七が完全雇用失業率とすれば、六%程度の経済成長は完全雇用経済成長率であるということになるわけでしょう。そういうことになるわけでしょう。だから、中期計画が示しているものは、では一体、完全雇用失業率は一・七で、したがって六%弱の経済成長率は完全雇用経済成長率である、こういう確信を持ってお出しになっておるかどうかということを聞いているのですよ。そうでないならそうでないで結構ですから……。
○小坂国務大臣 従来、計画という場合には非常に明確な数字を示すものであったと思いますが、しかし、御承知のように、二百兆円の規模からさらに実質成長でも三百兆円規模になり、名目におきましては四百兆円になるという非常に巨大な日本の経済機構になりますものですから、しかも大体主体が民間経済、民間活動というものが主体でございますので、私はそういう面から見て六%弱程度の成長と、ある程度の幅をもってこの七カ年計画も考え、また五十四年のものも考えたというわけでございまして、明確にその線を真っすぐ引いてしまうということには考え方として異なるものがあるということを御理解いただきたいと思います。
○岡田(利)委員 このことがやはりこれからの雇用政策上非常に重要な出発点ではないか、こう思うのであります。もちろんある学者は、大体いま企画庁長官が説明された一・七、百万人というのは、このときの年齢構成や就業構造から言えば、まあまあ完全雇用失業率ではないかというのもあります。しかし、昭和四十八年は、これは一・三という数字が出ているわけでありまして、もちろんそういう変化があるわけですが、私なりに試算をしますと、一・七を完全雇用失業率と見るのはちょっと無理があるのじゃないか、大体一・五若干というところですね、この点が今後の就業構造や年齢構成から考えれば一応完全雇用失業率と言えるではないか、こういう一応の試算をいたしておるわけです。したがって、それに見合う成長率は六%弱ではなくて六%強の成長率があれば大体完全雇用失業率、こう中期計画では言えるのではないか、こういう一応の私なりの試算もあるわけであります。 この点を申し上げて、一体政府は完全雇用失業率をどう見るか、そのことによって完全雇用経済成長率が安定成長であれば最も望ましいわけでありますから、こういう点についてさらに検討を深められることを強く要望いたしておきます。 次に、前にも問題になっておりました過剰雇用の問題であります。 民間の試算がいろいろ発表されておるわけですが、この内容を検討してみますと、非常に問題があると思うのですよ。昭和四十八年のいわば投入労働力、これに時間をかけたものでGNPを割って単位当たりの数字を出して、そうして今度はトレンド線を出して潜在生産性というものを出して、それで今度割って既存の雇用者との差を求めて、これが過剰雇用だ、こういう計算であれば、高度経済成長時代でもいつでも必ずこれは過剰雇用の人員がはじき出されるわけですから、これはちょっと無理だと私は思うのであります。政府は一体こういう計算をしたことがあるかどうかということが一点であります。 それから同時に、労働省はこのような試算に一体どういう見解を持っているのか。もうこういう部面だけは労働白書にちゃんと資料として出しておるわけですよ。後から私が指摘するような民間水準は出していないのであります。労働省の見解を承っておきたいと思います。
○栗原国務大臣 御指摘のとおり、労働白書でいま民間の方々の統計が、数字が出ております。労働省としては労働省自体の資料は出しておりません。そういう意味で、これは参考にとどめるという意味でございまして、それ以上でもそれ以下でもございませんが、ただ、過剰雇用につきましては、雇用の過剰感といいますか、そういうものにつきましては、最近企業側にアンケートをとったところ、漸次解消しておる、特に中小企業においてはそういうようなことが出ております。
○岡田(利)委員 都合のいい数字だけを労働省が労働白書に参考数字として述べる。たとえば時間短縮の場合、一体雇用がどれだけ増すのか、こういう民間数字は余り取り上げない。何か意図的にそういう資料をそろえている。労働省としてとるべき態度ではないと思うのです。それが相当民間の試算について労働省として合意できるものであればいいですよ。この点は特に注意をまずいたしておきたいと私は思うのです。 そこで、最近の大量解雇の問題ですが、私は一つの例を挙げてお話をしたいと思うのですが、これは住友重機工業株式会社ですから大手でございます。ここでいま合理化が進められて、三月末までにさらに千二百名減らすということであります。もちろん、昭和五十年当時から下請工の整理をしまして、三千名を八百名に一挙に下げて二千二百名解雇した。五十二年九月末から五十四年三月末まで、第一次から第三次にわたる人減らしが行われておるわけです。いままでトータルしますと六千七百五十名という数字になるわけです。第三次の場合には千九百十七名の解雇に対して最終的に千二百名に減らす。七百十七名をダウンさせた。千百六十四名の造船部門に対しては七百七十名に減らした。三百九十四名も大幅にダウンする。何か首を切るのに掛け値をしてやっているような気配が、データで非常に濃厚であります。 そこで大量解雇の基準が問題であります。いわゆる第一分類から第三分類があるわけですが、特にその中で第一分類では大正十二年以前に生まれた者、これはやめてほしいということですよ。閣僚では渡辺農水大臣あたりが該当するのであります。そういった幾つかの基準があって、第二段階目としては大正十三年生まれの者、その次は大正十四年生まれ、その次は大正十五年、すなわち昭和元年生まれ。ここの定年制は五十八歳であります。五十五歳以上を全部切って、その次に上の方から年齢を一歳ずつ下げて、そして昭和元年まで首を切る。こういうところに年号が生きてますね。ちょうど年号のかわり目でみんな首を切る、こういう解雇基準になっているわけです。中には非常に問題もあるわけです。これは大体大手七社皆同じ基準です。関東経営者協会で大体基準をつくったとも言われておるわけです。ですから、これは一般的な経団連の一つのモデルになっているような解雇基準であります。 こんなことをやっておったのでは、定年制なんというのはおかしい話でしょう。終身雇用なんというのは、これはもうお話にならないわけでありましょう。完全に年齢によって差別をする、こういうことについて労働省は何も指導できないのですか、物も言えないのですか、いかがですか。
○細野政府委員 一般的に、特に高年者であるということで、それをいろいろな雇用上の扱いの差別の理由にすることにつきましては、私どもは一般論としてはこれはあるべきじゃない、こういうように考えておるわけです。ただ、企業が経営的に苦しくなりまして、それの打開の道として人員整理をしなければならぬという場合につきまして、それがどの程度必要であり、どの範囲で整理をするか、これはすぐれて労使関係の問題でありまして、労使の間でそういう点についてのお話し合いがついている場合について個別にまで私どもは介入するというのは適当でない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○岡田(利)委員 そういう答弁をするだろうと思っておりました。だが、これは倫理性から言っても、企業の社会的責任から言っても不当解雇であります。私はそう明確に指摘せざるを得ないのであります。いま、そういうことで、こういう基準で大量解雇が行われるとすれば、行政指導でやっている定年延長は一体どういう意味を持つのか。しかもこの企業において、きのうも指摘されておりますように残業がどんどん延びているわけですよ。製造工場だけで見れば、もう十五時間程度に五十三年は残業、所定外時間等が延びてきている。したがって、いまの雇用関係の立法体系にやはり不備、問題点があるのじゃないか、こう私は思うわけです。雇用基本法といえばいまの雇用対策法でありますけれども、これは大体高度経済成長時代に労働力をどう一体移動させるか、中小規模なんかの労働集約型のものをどう一体スムーズに移転をさせるか、いわばその発想は高度経済成長型のパターンですべての立法がされておる。訓練法についてもそのとおりであります。 だから私は、そういう意味で、この雇用関係の立法体系を全部見直しをして、中期経済に見合った安定成長のシステムに立法体系も変えていくべきではないのか。たとえば雇用基本法をつくる、その中には解雇規制的な、いわば年齢差別の問題ですね、こういう問題についてもある一定の指針を入れる、定年についてもそういう指針を入れる、そしてまた、単に届け出た人員をどっちに移すかという問題ではなくして、届け出された人員についても、審査をするとまでは言いませんけれども、内容によっては労働大臣が勧告するぐらいの法的根拠がなければ今後雇用問題というのは社会的な問題になっていくわけです。そういう意味で私は、この実例からしても雇用政策というものの転換が今日重要である、新しいシステムをつくらなければならない、そういう意味で私は幾つか指摘をしておるわけですが、前のそれぞれの各党の議員からも出ておるように、この点見直しをする用意があるかどうか聞いておきたいと思います。
○栗原国務大臣 まず最初に、先ほどの減量経営に籍口する解雇、それについて労働省しっかりやっておるかというお話でございますが、私どもは、非常に重大な問題でございまするし、経営者側に、余力ある企業が減量経営に籍口して解雇をするということのないようにさらに強く熱意を込めていろいろやってみたい、こう考えておりますので、労働省の努力を見守っていただきたいと思います。 それから雇用対策法にかわって雇用基本法というものをつくったらどうだ、いろいろ皆様方の御指摘はそれなりの根拠があると私ども考えておりますが、しかし、いまの段階では私どもは、雇用対策法というのは、いわゆる高度経済成長期にできたものであって低成長期には向かない、こういう御指摘でございますけれども、この雇用対策法に基づきまして、これを生かして、いま第三次の雇用対策基本計画、これを見直して善処してまいりたい、こう考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
○岡田(利)委員 そうしますと、この大量解雇については便乗解雇がある、私に言わせると、大体大量解雇の中には最低で一割、ちょっと多ければ一五%寸一割五分余分な解雇、いわゆる便乗解雇が行われている。大体個々のケースで見ると、そういう数字が出てくるわけであります。その点についてあなたは、これはちょっと行き過ぎだという場合にどういう措置をとられるのですか、どういう権限があるのですか。
○細野政府委員 個々の企業で整理が行われます場合に、どうしても企業が生き延びるためにここまでがぎりぎりであるというふうな判断を外の第三者がするというのはきわめて困難、むしろ不可能な問題でございまして、そういう意味で、一番よく企業の実情を知っている労使の間においてお話し合いをしていただく、それでどうしてもお話がつかないという場合には、これはまさに労使の紛争の問題でございますから、労働委員会等において調整をしていただく、こういう筋道の問題ではないかと思うわけでございます。
○岡田(利)委員 原則的に労使の関係にゆだねるという考えのようでありますけれども、しかし、こういう大量解雇が行われて、しかも内容的に年齢差別が極端に行われている、便乗解雇が見受けられる、こういう場合でも労使にゆだねるというだけでは問題が済まないのではないかと思うのです。まして経済情勢が悪いのでありますから、そういう土俵の中で労使の話し合いが行われる、こういう意味では労働大臣が何らかの、行政指導しておると言っても何もないのですから、何らかの指導をする権限、いわば勧告権といいますか、本当は大量解雇を届け出をして認可をするのが一番いいのですけれども、そこまでは私はきょうの時点では申し上げませんが、やはり労働大臣が勧告できる、そういう根拠がなければならないと思うのですね。まして今日の雇用構造から言っても、将来の変化から考えても当然だと思うのです。労働大臣、いかがですか。
○栗原国務大臣 私どもその実態を早急に確かめまして、しかる上でいかなる処置をとることが行政上適当であるか、これをよく確かめたい、それを確かめた上で適切な処置をいたしたい、こう考えております。
○岡田(利)委員 総理大臣は二十三日ですか、経団連の土光さんと会っていろいろ話した中でこういう発言があるわけですね。中高年齢者の雇用は現状を検討すると非常にむずかしいが、雇用問題解決には自信を持っている、労働省は上品な雇用対策をやりたがるが、そんなのはだめだ、ミクロをよく見てやれと指示してある、こう発言されたと報道されているわけであります。そして、一方において総理は、高年齢者の雇用の問題で、高年齢者の義務雇用基準というものを率をつくって、これを制度として、たとえば雇用率に満たないものについては身障者と同じように納付金を納めさせる、こういうようなことをひとつ検討すべきだ、こういう指示を労働省に出されておる、こうも伺っておるわけです。今日の雇用問題あるいはまた大量解雇の内容から言って、総理のこの発言というものは非常に私は注目をいたしておるわけです。この真意のほどをこの機会に承っておきたいと思います。
○大平内閣総理大臣 労働省の行政のやり方が上品過ぎて困るというようなことは言うた覚えはございません。問題は、ミクロの配慮、つまり役所的な処理の仕方、方針を立てて指令、通牒しておくというようなことでなくて、一つ一つの職場にみずから当たるというぐらいの熱心さが要るのではないか、関係各省に対してはもとより、そういうラインでお願いをして、ひとつどろんこになってがんばっていただきたいということが一つでございます。 それからもう一つは、中高年齢者の雇用の達成率を上げていく上におきまして、何かそれを達成するもっと具体的な手ごたえのある手段がないものだろうかということにつきまして、労働省に検討を求めていることは事実でございます。
○岡田(利)委員 労働省は非常にむずかしい、むずかしい、こう頭をひねっているようでありますが、私は総理のいまの提言というものは今日の情勢から言って非常に当を得た問題点の提起だ、こう思うのであります。もちろん雇用率の義務化ということになりますと、五十五歳以上でありますから、今日の定年の水準から言えばやはり定年との関連も出てまいります。しかしせっかく定年を五十八にしても、先ほど言ったように上から切ってしまうと、今後五年も六年も定年者が出ない、こういう構造になる。もちろん資本主義ですから、地球をとめることができないように解雇というのはいかなる場合も絶対とめるということはむずかしいと思うのですよ。その場合といえども、年齢構成から考えてやはり会社が公平な提案をするのが本当だと思うのですね。もうなりふり構わず、こういう姿勢が今日の大量解雇に見受けられると私は思うのであります。そういう意味で、強制的にはどうかという発言が多いのでありますけれども、そういう一定のルール、慣行というものを認めながら、ある意味においてはわが国の今日の雇用情勢や産業構造や年齢構造、老齢化していく状況、こういう中で一方においてはある程度公正な規制というものをする、こういう手法がこれからの雇用問題を安定化するためには避けられない手法だと思うのですね。労働大臣、そういう考え方についていかがですか。
○栗原国務大臣 お説のとおり高年齢者の問題をどうするか、その場合、定年から年金にリンクする、そういう方向に進まなければならない。私どもはそれをめどに、どういうふうにこれを実現させるかということで、いままで行政指導をやってきたわけです。ただ、この行政指導の中で、業種別の定年延長推進会議というようなものだけでよかったかどうか、この反省をしております。そこで、さらに業種別に、また企業別に実態を突き詰めて、何がネックかということを確かめた上で処置いたしたい、こう考えております。 ただ、先ほども申し上げましたとおり、先生からも御指摘がございましたが、わが国の賃金慣行というものがございますので、定年制をどうして延ばしていくか、そこが一番のネックであって、そのためにいま苦慮している最中でございます。
○岡田(利)委員 過般、総評も、年功序列賃金の是正についてはやぶさかではない、こういう考え方を公にいたしているわけですから、問題はそういう一定の目標年次に向かって、そして時間に余裕を置いた規制をしながら労使でこれに対応する、こういう方法をとれば何も私は問題がないと思います。ただ、いま労働大臣の発言で気になるのは、厚生年金の支給開始が六十歳だから、これに合うように指導をしてきた、結構です。だが、すでに厚生省の方においては基礎年金構想で近く支給開始を六十五歳にさらに五歳上げる、こういうことなんです。わが国の厚生年金は昭和十七年に発足をして、昭和二十九年に一回改正しているのです。そのときには支給開始は五十五歳なんですよ。それを六十歳に延ばしたわけですね。このときには、まだ発足して受給資格者がおりませんから、支給開始が行われていませんでしたから、まあまあスムーズに通ったわけです。五歳引き上げ六十歳、現行制度に改正されたわけです。 ところが今日は年金の受給者が多くなってまいりましたし、国民の年金意識は大変な高まりを見せておるのが現状であります。労働省がもたもたしている間に厚生省が厚生年金の支給開始を六十五歳に上げるとするならば、これは暴動的抵抗が国民から起きますよ。だから、ぼやぼやしていると、そういう取り返しのつかない状況が予想される。そういう意味からも、労働省がしっかり雇用政策をやらなければならないし、そしてまた雇用政策と大宗をなす厚生年金の支給開始というものがうまく接点を求められるような方向がなければ、そんな改正は、幾ら若い橋本厚生大臣ががんばったって、暴動が起きますよ。予言いたしておきます。暴動的抵抗が起きる、こう思うのであります。そういう意味で、労働省もう少し、一歩進めたそういう理論武装の中でこの問題を解決するように強く指摘をいたしておきたいと思います。 同時に、この機会に厚生大臣に私はそういう意味で警告を発しておきますが、厚生大臣としてはこれらについてどう考えているか、ということと同時に、いま在職老齢年金の場合には基準があって、八万幾ら以下は八割、十二万幾ら以下は五割支給、十四万何がしは二割支給という形で厚生年金の在職支給が行われているわけであります。これは今日の雇用情勢、高年齢層、六十歳以上でありますからもう高年齢層の上位クラスばかりであります。むしろ十五万ぐらいまでは五割、十二万までは八割、思い切ったことをやることによって厚生年金受給者がむしろ働き、そのことによって保険会計の方も支出が多くならない、こう思うのです。したがって、今日の雇用情勢から考えて、在職厚生年金の支給についても早急に検討してこれが対応策をとることがむしろ望ましい、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 先生せっかく御指摘でありますが、私は、社会保障制度審議会から示されました基本の年金構想そのものは、やはり今後の年金制度を考える上においては非常に貴重な御意見の一つだというふうに受けとめております。 ただ、いま御指摘になりました支給開始年齢の引き上げについて、これはやはり最近の日本の平均寿命の延び、また年金受給者の増加、さらにその年金を受給する期間が非常に延びてきている状況等考えますと、これは確かにそれに要する費用も非常に膨大になってきておりますし、後世代の負担というものが大変大きなものになることは、これは御理解のいただけることだと思うのです。しかも海外諸国の場合、御承知のようにほとんどの国が六十五歳からの支給開始という状態になっている。そうしますと、支給開始年齢の問題というのは、費用負担に限界があることを考えれば、今後の人口の老齢化とか年金制度の成熟化に際してはやはり私は避けて通れない一つの大きな問題だと思いますし、真に年金が必要な時期に手厚い給付をしていくことをお互いに考えていかなければならなぬと思うのです。ただ、現在私どもは、年金制度基本構想懇談会の方で支給開始年齢の問題も含めて今後の年金制度のあり方について御検討いただいておるところでありますし、その御意見を踏まえて改めて検討もいたし、御相談もいたしたいと思います。 ただ、御指摘のように、この支給開始年齢を引き上げます場合には、これはもうすでに受給を開始しておられる方々もあるわけですから、その個人の老後の生活設計とかあるいは雇用政策とかの関連をそれは十分に考慮をしなければならぬことは間違いありません。そして段階的な実施、また十分な経過的な措置というものを必要とすることも間違いのないところであります。その点の御指摘は私どもも参考にさせていただきたい、そのように思います。 ただ、六十歳から支給をいたしております在職老齢年金について、これはもう実は岡田委員よく御承知のように、現在在職老齢年金の支給割合が、働いておられる方の場合に、その賃金収入と受け取る年金額とを合わせて、退職している方々の年金額とのバランスを大体とるように定めた仕組みでございますから、御指摘のように支給割合を改めるということはなかなかそう簡単にいくとは私はちょっと思えません。ただ、せっかくの御指摘でありますし、またすでに社会保険審議会の厚生年金部会の御意見を踏まえて、五十四年度においても一部改善をいたしておるところでありますから、今後厚生年金部会において御議論を願う項目の一つとしてちょうだいをしたいと思います。
○岡田(利)委員 いま答弁をいただきましたけれども、先ほど具体的に指摘をいたしておりますので、この点十分配慮をされてやらなければ、法案を国会に出しても、これは暴動的な抵抗を受けて通らぬだろうということを申し上げておきたいと思います。 なお、時間短縮の問題についていろいろ意見も出ておりますが、これはやはりわが国のこれからの労働政策で国際協調、雇用のためのワークシェアリングといいますか、労働の分け合い、社会の進歩という、こういう理念に立って労働時間の問題を考えなければならぬと思います。 民間の試算は、完全週休二日制をやれば二百二十二万という人もおるし百二十二万という人もおる。残業の完全禁止をやれば三百六十九万という人もおるし四百万という人もおる。あるいは有給休暇の完全消化をやれば九十九万人という人もおるし三十四万人という人もおる。トータルをすると、これで六百九十万、それから五百五十六万という数字が出るわけですね。昔から話半分という言葉がありますけれども、一〇%と見ても、これは六十九万人から五十六万人という数字になる。二〇%と見れば、上限が百三十八万人、下の方で百十二万人という雇用増が期待できるという数字になるわけです。そういう意味で考えますと、私は週休二日制の実施ということは国際協調からいってもう早急に実施をすべきではないか。これも直ちに実施はできないと思うのですよ。私どもが主張をいたしておりますのは、デノミの宣言はやる必要はないが、週休二日制の実施を宣言すべき段階に来た。そして三年なら三年の期間を置いて、三年目には完全に週休二日になれるように、その間大企業は早く進むでしょう。中小企業は準備をしなければならぬでしょう。これに対しては金融政策等もとりながら近代化を進めなければならない。こういう一定期間を置いて週休二日を完全に実施をする、こういう手法をとらなければならぬのではないか。 もちろんその場合には、特に銀行法を改正するとかあるいは手形法を改正するとかという問題もあるでしょうし、基準法その他の改正もやってまいらなければなりません。もう中期計画を出した大平内閣は一定の目標を持って進むべきだ、こう私は思うのでありますけれども、この点についていかがでしょうか。
○栗原国務大臣 人間が余暇を持って人生を深く探るという意味からも、あるいは国際協調の観点からも、私は時間の短縮とか週休二日制というものは好ましいものだと思います。ただ御案内のとおり、そういう好ましいものであって、それを推進しなければならぬけれども、いまここですぐにということのできないのには、それぞれの事情があるわけでございます。それぞれの企業における実態、そういったものとも関連がございまするし、ただいまお話のありましたような銀行その他の問題もございます。しかしこれは前向きにひとつ検討も進め、推進ができるようにいたしたい、こう考えております。
○金子(一)国務大臣 いま銀行法の改正の問題が出ましたので、私からも一言……。 御承知のとおりでございますけれども、金融制度調査会で前々から消費者の代表、労働者の代表、その他いろいろな方に入ってもらって議論しておるのですが、一番問題は中小企業がまだ週休二日制をやってないものですから、なかなか国民的合意が得られないぞという点と、それからいま手形法、小切手法の改正の問題がございましたけれども、金融機関全般として、たとえば郵便局、農協の扱いをどうするかというような議論がございまして、まだ最終結論は出ません。しかし方向としては、各国でやっていることですから、なるべく早い時期に結論を出してもらいたいということで、ことしの前半にでも最終結論を出してもらうように鋭意いま努力をしている最中でございます。
○岡田(利)委員 これもかねがね国会で問題になっている問題でありますので、特に大蔵大臣に、この改正についてできるだけ早い国会に改正案を出すように強く要望をいたしておきます。 そこで、所定外労働時間について若干議論があるのですが、日本の所定外労働時間の基準というものは問題があるわけですよ。もちろん割り増し率は最低が基準法で二五%、外国は大体五〇%、日本の実勢では二五%から三〇%、これが大体わが国の所定外労働時間に対するペナルティーレートといいますか、こういう実勢にあります。ただ、これを計算しますと、日本的賃金になりますからボーナスとか退職金とか後払い賃金は全部除かれるわけです。しかも日給のうちの全額が該当するのではなくして、そのうちの固定部分といいますか、本人給部分、これだけが割り増し率の対象になる。そうすると、総体賃金を計算しますと、割り増しをつけても総体賃金で見ればゼロなんです。割り増し率はついてないという計算になるわけです。だから容易に時間外をやるわけです。だから一人を雇用する場合に対して二・八人の所定外労働をやれば、これは等価なんです。だから二・八人に残業させて一人を雇用しないということなんですよ。それは外国と比べてもペナルティーレートが非常に低いという問題もある。安易に労使が協定すれば何ぼでも時間外がやれる、こういう仕組みに問題があるわけです。これは社会の進歩に反するわけです。これの改善も私は当然なされなければならないと思うのです。こういう検討は行われているのですか、いかがですか。
○岩崎政府委員 お答え申し上げます。 時間外労働につきましての割り増し賃金率でございますが、これはILOの条約でもやはり一・二五ということになっておりますし、アメリカは五割増しという法定がございますが、そのほかの西欧諸国も大方法定的には一・二五ということになっております。 いま御指摘の点のボーナスの問題については、先生おっしゃったとおりでございまして、これは事後的に支払われる賃金でございますので、法律的にもこれを基礎賃金には非常に算定しにくいという問題がありますし、それからそのほかの問題につきましては、たとえば家族手当とかそういったものが除外になっておりますが、ただ本人給と申しましても、職能給とか職務給とか、そういうようなものは当然算定基礎になっておるわけでございます。
○岡田(利)委員 西ドイツではペナルティーレートはもう十割、こういう段階に来ているわけです。これはぜひそういう意味で今後の雇用政策上検討してもらわなければならない、こう思います。 同時にまた、わが国では年次有給休暇制度があるのですが、これも国際水準から低いことは御承知のとおりです。ただ私はここで問題にするのは、労働省の調査によっても、有給休暇を取得する場合に、有給休暇を取得すると、これをボーナスや賞与の計算の中に欠勤扱いとして処理している企業が二〇%、二割あるわけです。これは論外ですよ。だからますます年次有給休暇がとれないわけです。年次有給休暇を完全にとると、あいつは協力しないということで、解雇するときに優先順位に入っていく。だから実際問題十三・四日の水準があるのに取得は八・二日、こういう惨たんたる状況にあるわけです。こんなばかな話がありますか。有給休暇はむしろ連続的に義務的にとらせる。イタリアの憲法では年次有給休暇というものはこれを必ずとらせなければならないと義務づけしているのです。しかも三分の二は連続的にとらせる。これはとらなければならない義務がある、こうイタリア憲法では定めてあるぐらいの問題なんですよ。こういう調査が出ながら適確な措置をとっていないのはどういうわけですか。
○岩崎政府委員 お答え申し上げます。 一昨年暮れ、労働基準審議会、これは公労使三者構成でございますが、これの一致した建議として、労働時間短縮問題あるいは週休二日制についての取り組み問題について御建議をいただきました。その中の一つに「有給休暇の消化の促進」という項目がございます。それで私ども、いま先生御指摘のような実態を調査したわけでございますが、確かに御指摘の面がございました。これはぎりぎりのところ労働基準法に違反するかどうかということになりますと若干問題がございますが、確かにそういったやり方が適当でないことはもちろんでございます。 〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、昨年その建議に基づきまして労働事務次官通達あるいは労働基準局長通達でその点は特に指摘をいたしまして、行政指導を適確に進めるように、それからまた有給休暇につきましてはできる限り長期に計画的に取得できますように、たとえば年度初めに労使が話し合って年次の取得計画をしっかり立て、それを生産計画と結びつけるというような形で進めていくことを強力に指導してまいりたい、このようにすでに指導に努めております。
○岡田(利)委員 時間がありませんから……。 今年度予算の雇用政策の中の目玉商品として、雇用対策経費として一兆七千三百四十七億、胸を張っておる様子でありますけれども、これはしかし、政府、一般会計からは二割くらいで、あとは全部労使が負担をしておるお金でありますから、余り自慢にはならないと思います。むしろいままで金が余ったからこういう措置がとれたんじゃないかという疑いが濃厚であります。 いずれにしても、改善の方向については私は賛成をします。だがしかし、この中にも問題点は幾つかあります。たとえば挙げてみますと、給付金の限度額がありますから、このことはある一定の水準に逆に賃金を抑える役割りを果たすのではないか、こういう問題があります。あるいはまた一年ないし一年半後の雇用継続に関する保証がないではないか、こういう問題もあります。第三には、世帯主完全失業者の四〇・四%は全く収入のない階層である。そうすると、優先順位についての方針というものが明確にされなければならないのではないかという問題があります。第四点としては、失業者の滞留する不況地域内の雇用企業が少ないではないか。大量解雇で滞留しておりますから、マクロ的にはわかりますけれども、ミクロ的にはなかなかこれだけのお金をつけても採用する企業はない、われわれが経験的に考えてもそういう現象は必ず出ます。そういう点で問題がある。それから第五点目には、大企業ほど高年齢層も六%に達していないわけですから、半分以下の水準でありますから、結局中小企業の方に流れていく、こういう傾向を非常に強く持つだろう。 私、こういう五点を挙げましたけれども、この雇用開発事業の中でもこういう問題点があるのですよ。目玉商品と言いながら、私は問題点があることをまず指摘をしておきたい、こう思うのです。 そこで、結局はいままでのわが国の雇用政策というのは、経験的には、先進的には石炭の離職者対策が大体基準になっているわけです。だから石炭政策を見ると全部わかるわけですよ。ただ、それが時代とともに若干進歩したという程度で、発想のポイントはみんなあるわけです。そうすると、結局雇用創出機構の問題がいろいろ問題になって、企画、立案から相談から、あるいは企業への実行面についてまで意見が述べられておるのですが、そういう器用なことは私はできないんじゃないかと思うのですね。私もずいぶん読んで勉強しましたけれども、なかなかわからない。だが石炭の場合には産炭地振興法があるわけですね、かつて事業団があった。いま地域振興公団の中に入っている。これは団地をつくり、実績を持っておりますけれども、出資もできるし、金も貸すし、あるいは運転資金も貸す、こういう制度ができ上がって、十数年間それなりの実績を上げているわけです。そうすると、これを受け持っておるのは、いま地域振興公団の中に入っていますから通産省の管轄になるわけですね。労働省だけではなかなかできないわけでしょう。そうして雇用促進事業団というのは労働者の福祉の問題あるいは給付金を支給する問題、こういう面に限られている。 そして安定所を見れば、これは大変なことなんですね。計算をすると一年間七十万件の求人求職があるわけです。これに応対する時間を職員数で計算をすると、三分間に一件なんです。もう全部まるっきりそれだけやっても三分間に一件しかできない。そうしますと、あとは雇用開発もしなければいけない、給付金も計算して出さなければならぬ、こういう業務がたくさんあるわけですから、職業安定所なんというものが機能しないのは当然で、七百五十万人くらいのいままでの離職者に対して、十何%という非常に低い求職の世話しかできないという実態なんです。 そうしますと、いま私が申し上げましたこのポイントがあるわけですね。こういうものを総合的に組み立てなければ、雇用を創出をしていく、そして新しい産業構造の転換に対応しながらそういうものを開発していく、こういうことはなかなかできないと思うのですよ。 そこで、私は一つ提案をするのでありますが、そういう前提を申し上げながら、これを実行に移していく、まず準備会的なものが必要ではないか。これには政府、労使、それから公ですね。もう一つ必要である。これは地方自治体です。大体五者からなる準備会をつくって、下からいろいろなアイデアを吸い上げて新しい雇用創出に向けての機構をつくるなり方針を出していく、こういう方向がいままでの労働大臣の答弁からしても今日時点では一番現実的じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○栗原国務大臣 雇用創出について、機構をただつくるというだけではいかないのじゃないか、もう少し実態をよくわきまえてやるべきじゃないかという御意見につきましては私も同感でございます。私どもはどういうものをやらなければならぬか、それをやるためにはどうしたらいいか、そのために衆知を集めようというのがわれわれのもともとの発想でございます。今度政府が予算で御提案申し上げております雇用問題政策会議というのはまさにそれでございます。そういう意味で各界の方々の御意見を承りたいのでありますが、特にいま岡田さんからもお話しございました地方自治体の意見、これは非常に重要でございます。どこに仕事があるか、どこが問題があるかというのは、やはり地元でございますから、地方でございますから、地方自治体の意見は尊重しろという御意見には全く同感でございます。
○岡田(利)委員 時間がないので早口でいろいろ質問して申しわけないと思うのでありますけれども、いま労働大臣から答弁ありましたけれども、問題はダイナミックに具体的に推進をしていくということが肝要でありますので、早速今国会中にでもそれらが具体化するように私は期待を申し上げたいと思うのです。 同時に、もう一つ忘れてはならない問題を指摘しておきたいと思うのですが、厚生年金以外に船員保険法の適用を受けておる者、いわば船員と漁民であります。これは保険の立て方が別になっておるわけです。しかも対象者、被保険者が非常に少のうございますから、財政的にもなかなか大変な状態であります。いま政府は雇用政策雇用政策といろいろ言っていますけれども、この方々には何もないのです。前の離職者法の適用だけですよ。就職促進の給付金だけですよ。あといま言われておる政策というのはこの方々は除外なんですよ。これでは不公平ではないですか、こう申し上げたいのであります。だから中高年齢の開発給付金の制度もなければ、あるいはまた短期の雇用の一時金制度もなければ、あるいは北海道やその他の積雪寒冷地域の冬期雇用促進給付金の制度、事業、これも適用されない。同じ地域にいて漁民と船員は適用されないのであります。これはきわめて不公平である。しかし保険でそれぞれ負担の原則があるから、財政が乏しくてできない、だからおまえたちは差別をする、これは片手落ちだと思うのです。保険でできなければ何らかの形でやるべきじゃないですか。運輸省の所管ですね、どう思いますか。解決する方法がありますか。差別を続けますか、いかがですか。
○向井政府委員 お答え申し上げます。 いまお尋ねの船員あるいは漁民に対しますところの対策でございますが、船員につきましてはいろいろ外航船舶への乗り組みに関する対策というものをやっております。 漁民の問題につきましては、船員保険の中でやはり雇用安定事業等の事業を行うべきであるという議論は前々からあるところでありまして、これにつきましては、運輸省といたしましても、かねてからの問題として真剣に検討するということになっておるわけでございます。ただ、先生も申されましたように、保険の問題というのは、基本的に関係者間の合意というのがどうしても必要でございますので、厚生省の所管でございますが、社会保険審議会の場におきましても早急に検討するという答申も出ておるようでございますので、これの成果を十分見きわめつつ対応をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○岡田(利)委員 もうそういう答弁は、何回聞いてもそういう答弁なんですよ。できないんじゃないですか。私はできないだろうと思うのですよ。まして、船員保険に入っておる漁民のうち五三%より失業保険に入ってないでしょう。だから何ぼ検討を重ねたってできますか。できないことを検討を重ねたってできないのですよ。何らか思い切ったことを考えなくてはいかぬわけですよ。私も、これは検討してみてもむずかしかろうと思うのですよ。そうすれば、雇用政策からいってこれを除外するわけにいかぬわけですから、何らか考えるべきですよ。このことを強く指摘をしておきます。余り機械的な答弁は欲しくない。問題を解決してほしいのですよ。この点、特に要望しておきます。 時間がありませんので、最後に、韓国漁船の問題について触れたいと思うのですが、一つの事件がありました。昭和五十三年五月二十四日、これは網走沖の北見大和堆における事件でございます。韓国のクリスタルダイヤ号千九百トンのトロール船が日本の第十一神徳丸の網にひっかけて損傷を与えた。そこでこの監視に当たっておった船は第二十二興南丸、これは捕鯨船のキャッチャーボートをチャーターしたものです。ここには水産庁の監督官も乗っておりました。ところが、網をひっかけて交渉しましたところ、向こうの方ではなかなかこれを認めない。その結果、向こうの漁船員が使いものにならない網を無理に押しつけて、絶対にサインを拒否して行ってしまった。渡辺という技官は、非常によくやったといって漁民からは感謝されています。水産庁のこういう船がいて、こういう事件が起きておるのに、この問題は依然として解決されていないわけです。ここに写真がありますけれども、これがクリスタルダイヤ号であります。これが損傷された被害の状況であります。これが向こうから無理に押しつけられた網の現物であります。こういう事件が起きておるし、しかも最近もいろいろな事件が起きておるわけです。昨年の予算委員会でも問題になりました。──総理にちょっと渡しておきます。
○竹下委員長 どうぞ。
○岡田(利)委員 そこで、今日の状況で、水産庁の次官会議が二月に延びたという話でありますし、韓国との長官会談は三月、こう承っております。だが、日本の国は韓国水域では規制ラインで規制されていることは御承知のとおりであります。大体十二万七千トンの魚をとっておるわけです。そして、北海道から鳥取、武蔵堆とか、ああいう一帯でも韓国の漁船が出ておりますし、また、対馬海峡、ここはわが国の漁業専管水域十二海里、領海三海里で、領海侵犯事件、漁業専管侵犯事件が枚挙にいとまがないのであります。そして、この状況というものは今日社会問題に発展をし、韓国の漁船に対する集団的な抗議行動が北海道の様似沖でも展開をされておる。これは放置させておく問題ではないのであります。韓国の水産物は、わが国の水産物の輸入の二〇%を占めておるわけです。そしてこの問題が社会問題になっておるのに依然として解決できないのであります。ここまでくれば、韓国と日本の場合に実績とかいろいろ言わないで、等量主義でも結構だと私は思うのですよ。向こうが十二万七千トンなら、こっちも十二万七千トンとらせますという等量主義で結構だと思うのです。わが国の資源を守るために、また安全操業ができるために、二百海里の原則に従って日韓の政府交渉の中でこの問題は解決されなければならない段階に来た、こう思うのであります。この点についての所見を承っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 御指摘のとおりでありますが、数量から言えば、確かに韓国の方がわが方よりも三万トンかその辺は多いのじゃないかというようなことが言われるのでございますが、魚種が違いまして、金額的に言うと、わが方で韓国二百海里水域の主なところでとっておるものはアジ、サバ、イカ、ヒラメ、カレイというようなもので、これが大体三百七十億円ぐらい、それから韓国がわが国の二百海里水域の中でとっておるものは北海道沖のスケソウダラ、それからサバ、グチ、タチウオ等で、おおむね百四十億円ぐらいでないかというようなこともございまして、なかなか等量主義でというばかりに割り切れない。しかし、一番北海道で問題になっておるのはオッタートロールの禁止地域に入ってくるということであります。この点は非常に問題でありまして、再三韓国に対しても申し上げて、近く次長会談も開いて、向こうの首脳部とも話をしておりますので、何とか円満に解決をしたい、かように考えております。
○岡田(利)委員 では、各国は、二百海里の二国間協定の交渉の中で金額で協定しているのですか。そうじゃないでしょう。漁場割り当て方式の原則に従って双方が交渉して決めるわけでしょう。しかも韓国はスケソウダラがほしいわけでしょう。韓国の一般の家庭は、ミウタンという料理でスケソウダラを食べるのが普通一般の生活なんですよ。日本で言えばチゲなべであります。ですから、お互いに必要な魚種を交換しよう。その金額で論じるとすれば、日ソ交渉はどうなるのですか。ニュージーランドとかそれ以外の相互入り会いの交渉はどうなるのか。日中だって今度問題になってきますよ、もし遠洋に出れば。私は、それは海洋法会議の原則に反する政府の認識であり答弁だと思うのです。そしてしかも、わが国の政府の方から金額が違うなんて言う姿勢は、渡辺さんらしくない姿勢だと思うのですよ。やはりこの機会に、韓国の言うことも十分聞きなさいと言うのです、十分聞いて、協力できることは協力しながら、隣接しているわけですから、お互いに資源を大事にしながら、そしてお互いに安定秩序を保って操業できるように協定しましょう。向こうは一方的に規制ラインを引いて、しかもすべてが規制されているわけですよ。これは明らかに片務協定ですよ。こういう形でいつまでも続けるということはもはや許されない。決断すべきときですね。総理、いかがですか。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、これは金額で言うべきものじゃないけれども、裏返しに言いますと、そういう問題もございますから、量が同じならいいとばかりもなかなか言えない、なかなかむずかしい問題もございます。いずれにいたしましても、トラブルが起きないように、まずそれをすることが先決であって、お互いに二百海里を規制すればどうだということは岡田さんが一番わかっておることでありますから、北海道沖でトラブルが起きないように努力いたします。
○竹下委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。 次に、坂井弘一君。
○坂井委員 一連の航空機疑惑についてお尋ねをしたいと思いますが、私は具体的に問題を提起しながら、その中で若干の資料の要求をしたいと思いますので、まず大平総理から疑惑解明に取り組む姿勢につきまして御決意のほどを承って、具体的な内容に入りたいと思います。 実は五十一年の四月二十一日でございますが、国会正常化に対する衆参両院議長裁定第四項に「国会は、ロッキード問題に関し、本件にかかわる政治的道義的責任の有無について調査するものとし、国会の国政調査権の行使に当たっては、政府は、事態の推移をみて、刑事訴訟法の立法趣旨をも踏まえた上で事件の解明に最善の協力を行うものとする。」というのがございますが、現在、この時点、この事態に際しましても、大平総理は、いま申しました趣旨については最善の努力をする、国会に対する協力は惜しまない、この御決意のほどには変わりはございませんか。
○大平内閣総理大臣 事件解明のために政府みずからが努力をしてまいることは当然でございますが、国会が国政調査権の発動によって事態の究明を行われるという場合におきまして、政府といたしましては従来どおり、法令の許す範囲内において協力してまいることは当然と心得ております。
○坂井委員 御決意、お示しのとおり承りたいと思いますが、私は、国政調査権に対する最大の協力というものの具体的なあり方、その内容は、一つはやはり国会の資料要求、いま一つは証人喚問、これが国政調査権に協力する最大の中身であろう、こう思います。したがって、大平総理は、総理・総裁として、いま申しました二つの点については協力をするにやぶさかではない、こういう決意を示されたと受け取って間違いないと思いますが、いかがでございましょうか。
○大平内閣総理大臣 資料でございますが、これは、公開資料はもとよりでございます、提供申し上げなければいけませんし、非公開資料でアメリカから司法取り決めによって入手いたしますものにつきましては、入手の場合にありまする条件を遵守しなければならぬ立場にあることは御了承いただきたいと思うのであります。その他の資料につきましては、法令の許す範囲で提供申し上げなければならぬことは当然と思っております。 それから証人喚問の問題でございますが、これは国会で篤と御相談をいただくことと思うのでございまして、国会の方の御意向を受けまして、政府といたしましてはその趣旨を尊重していかなければいかぬものと心得ております。
○坂井委員 具体的にお尋ねを進めてまいりたいと思いますが、E2Cに関する問題でございます。 五十三年の八月二十二日に昭和五十四年度概算要求の防衛庁庁議の決定を見ております。この時点におきましては、五十四年度の概算要求としてE2C六機の要求の決定でございます。それを受けまして八月三十一日に大蔵省に対しまして五十四年度の概算要求を行っております。つまり、この時点におきましてはE2Cは六機の要求をされた。これは先日来議論がございますが、E2C四機一ポイント、これは限定的小規模の最小限度の対空防衛というわが方の考えから、四機一ポイントとして四機の予算計上をいたしました、こういう御説明でございますが、少なくともいま私が申しました八月三十一日の概算要求段階におきましては、二ポイント九機案、これは四機一ポイントとしまして二ポイントで八機、予備機一機を加えまして九機、これを三、三、三で、三機、三機、三機ということで初年度三機、次年度三機、この六機の概算要求を行ったはずであります。それが明けて五十四年一月十一日の国防会議に付せられまして、なぜかこの六機が四機に二機減りまして、一ポイント四機になった。そして予算計上は四機、こういう経緯でございますが、六機がなぜ四機になったのでしょうか、わかりやすく御説明をいただきたい。
○山下国務大臣 お答え申し上げます。 ただいま御審議願っておりますE2Cの予算要求に関しまして、昨年私どもが概算要求いたしましたのは、昭和五十四年度につきまして六機でございます。それは確かに御指摘のとおりでございます。 それは、大体いまお話のございましたように、当初われわれといたしましては、五十一年十月の「防衛計画の大綱」によりまして警戒飛行部隊一個飛行隊、それは二個哨戒点、つまり一個哨戒点について四機、したがって八機でございます。その八機に予備機を一機加えまして九機といたしたわけでございますが、そのことによりまして実はこの九機をどのように調達するかにつきましては、実は五十四年にアメリカ政府に発注いたしましても、それが入ってまいりますのは五十七年度からでございます。したがいまして五十七年、五十八年と入ってまいるわけでございますが、御承知のとおり国庫債務負担行為は五年が限度でございます。したがいまして、いまお話のございましたように九機といたしまして三機、三機、三機となりますと、五十七年、五十八年までの分はちょうど国庫債務負担行為の関係で五十四年度に請求せねばならぬわけでございます。したがいまして六機を実は概算要求いたしたわけでございます。 その点につきまして異論はございますが、少なくともこの二個哨戒点を別の地点に配置するとするなれば一機の予備機が要るわけでございますが、配置につきましてはこれから決めるわけでございまして、もしそれを一つの基地に集結するならば一機の余分はなくてもいい、したがって八機でやっていけるというふうなことでございます。 そこでいろいろ折衝いたしましたところが、いろいろ国の財政事情もございまして、大蔵省の方でいろいろ検討されましたが、私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますとおりに、どうしても一個哨戒点四機は早期に導入さしていただきたいということで、概算要求のときは六機でございましたが、四機で実は納得したと申しますか、原案は四機として申し上げている次第でございます。なおそのあとの四機につきましては、できるだけ早く国防会議の議を経て、また御審議を賜りたいと思っておりますが、概算要求の六機が四機となりました点は、以上のとおりでございます。
○坂井委員 本当に納得ができないわけなんです。納得ができません。山下防衛庁長官も決して納得しているわけではないでしょう。腹組みは大体わかる気がするわけです。 一月の十日、予算の折衝最終段階、つまり大臣折衝があった。大蔵大臣と防衛庁長官が一月の十日に折衝されたはずですね。そこで六機が四機になってしまったというわけですね。防衛庁は押し切られたのでしょう。この場合はお金がないという理屈は通らないと思いますよ。つまりわが国防衛上絶対大事だ。まあこの疑惑もあることだから、したがってこの予算計上を見合わせろ、削除しろというのが野党一様の要求であります。あなた方はこれは絶対必要なんだ、こう言った。必要ならば最初の二ポイント九機案、これが必要なはずだったのです。それに基づきまして概算要求では六機を要求されたはずなんですよね。それが折衝段階、大臣折衝で六機が四機になった。大蔵省に押し切られてしまった。それで、明けて十一日の国防会議でやむなく、仕方がないやということで四機になってしまった。 こんな経緯を追っていきますと、では四機が二機でもいい、二機はゼロでもいい、こういう理論が常識的に成り立つわけです。あなた方が四機が絶対必要だと言う根拠はありませんよということを私は実はきょう指摘しておきたい。したがって、この問題については場を改めて議論することといたしまして、むしろ内容に入りたいと思います。 E2Cの導入を決定した。そこでもって予算に計上いたしまして、先般来の防衛庁長官の答弁によりますと、従来の日商岩井──代理店であります、この日商岩井は排除する、コミッションは一銭も入りません、こういう明快なる御答弁がございました。そこで、果たしてそうであるかどうかということについて以下具体的に明らかにしてまいりたいと思いますが、その問題に入ります前に、順次質問をいたします。 防衛庁がE2Cに関してFMS、つまり政府間取引、この適用の検討を開始したのはいつからでしょうか。答えはいつからだというように簡明にひとつお願いしたい。
○山下国務大臣 ちょっと政府委員から……。
○倉部政府委員 正式にFMS輸入として導入することを決定いたしましたのは、御承知のように五十三年八月二十三日の庁議でございまして、その前にはいつからということは必ずしも明確に申し上げにくい問題でございますが、具体的な検討といたしましては、五十三年の初めごろから入っておるというふうに思っております。
○坂井委員 わかりました。 そういたしますと、この予算が通過すればという前提がございますが、予算が通ったならば、アメリカ側に対して正式な通知をする、こういう運びになるのだろうと思うのですが、いまのお話では去年の初めごろからFMS導入の検討が始まった。そして最終的にFMSということが決定されたのは八月の二十三日の庁議である。そういたしますと、このE2Cのメーカーグラマン社に対して、ないしは日商岩井に対してFMSでいきますよという通知といいますか、あるいは相談といいますか、それをなさったのはいつですか。
○倉部政府委員 特別な通知というものはいたしておりません。
○坂井委員 通知という私の言い方がいいのかどうか知りません。知りませんが、グラマン社とは折衝されたはずでしょうね、常識的に。FMSでいくのですから、グラマン社、あなたの代理店契約をしている日商岩井とは縁が切れます、日本政府は、防衛庁は。したがって、グラマンさん、あなたのところの飛行機は米政府から、米海軍から直接わが方の防衛庁に入ってくることになりました。政府間でございますということについてはグラマン社と防衛庁は一定の接触を持たなければ、グラマンにそのことがわからぬということでは困るでしょうから。そういうグラマンに対する接触なり何なりをされたのはいつでしょうかと、私はこう伺っているわけです。
○倉部政府委員 私ども、FMSの導入に関連しましていろいろな検討をするわけでございますが、昨年の一月に米軍に対しまして提案価格というものを出してもらうように依頼しております。それから同時に、日商に対してではなくグラマン社に対して、二月ごろやはり価格について検討を依頼しております。それで双方を検討いたしたわけでございます。
○坂井委員 その問題は後で聞くといたしまして、防衛庁、早期警戒機の導入についてことしの一月にこれを出されましたね。これを見ますと、こう書いてあります。「FMS調達方式について」、「特に販売代理人手数料については、そもそも米国法律が不当な販売代理人手数料をFMSのために米軍が調達する価格中に含めることを禁じているところであるが、更に我が国等に対するFMSの場合には、これらの国々からの申入れにより、正、不正を問わず一切含まれないこととなっている。」と明確であります。 これを受けまして、先般山下防衛庁長官から御答弁があったと思いますが、その御答弁の趣旨は、E2C導入については契約は日米両政府の直接取引であるから、グラマン社から日商岩井にはコミッションが支払われることは全くない、こういうことであったと思います。それに間違いございませんか。
○倉部政府委員 お答えいたします。 FMSにつきましては、ただいま御指摘がございましたように、政府間の契約でございますが、アメリカにおきましては、従来、調達価格の中から不当な代理店手数料を排除するということになっていたわけでございます。ところがそれ以上に、外国の要請があれば正当な代理店手数料であっても排除できるということになりましたので、私どもの方から正当な代理店手数料も調達価格の中に入れないように依頼をしまして、向こうの引合書といいますか、その中に明確にそれを書くということになっております。
○坂井委員 正当なコミッションを調達価格の中に含めない、よくわかります、これは。日商岩井に対してコミッションが入るのか入らないのか、全く入りません、日商岩井には手数料は全くありません、こういう明快な答弁だったと思うのですね。そうであるならば、それを立証するものは何ですか。あなた方がそこまでおっしゃるというならば、確かに日商岩井にはコミッションは一銭も入らないのだということを証明するものがなければ、そうは言えないはずですね。私はそれを証明するものは、これは日商岩井とグラマン社の契約書しかないと思う、まず。その契約書は従来の契約とは違った契約になっているはずだ。つまり改定された契約書がなければならぬと思います。修正契約、その改定契約書は、防衛庁は入手されておりますか、これが一点。 同時に、その改定契約書の中には、防衛庁が御説明されるように日商岩井には全く手数料が入らないということが明記されておりますか、これが二点。 それから、この改定契約書はいつ発効するのですか、いつからの発効になっておりますか。またこれを入手した時期はいつでしょうか。以上の点について簡明にお答えをいただきたい。
○倉部政府委員 グラマンと日商岩井との代理店契約書でございますが、これは十一月一日から発効されているものを私どもは入手いたしております。昨年の十一月一日から締結されたものでありますが、これを入手いたしております。 これは昨年の案の段階から、というのは代理店契約書を求めたわけでございますが、昨年の夏求めたときに、古い代理店契約書がすでに切れておりまして、新しい代理店契約を検討しておる段階でございまして、その案を入手いたしまして、その段階から大体の中身は知っておったわけでございます。 その新しい代理店契約書の中でFMSに関する部分を読んでみますと、簡単でございますが、報酬につきまして、ただしFMS取引の場合は一切報酬は支払われないということを明記してございますので、代理店契約書の方から見ましても、代理店手数料は払われない仕組みになっている、こういうふうに了解しております。
○坂井委員 FMS方式導入を決定いたしましたのは昨年の八月二十三日の庁議でございます。この時点において日商岩井対グラマンの代理店契約があったということは、皆さんよく御承知のとおりであります。FMS協定、つまり政府間取引によるならば、商社の手数料を排除することができる。仮にいまSECの報告に言われるようなきわめて不可解な、あるいはダーティーマネー的なそういうものが商社の手に入らない。それのためにFMSでいきましょうと八月二十三日の庁議決定の段階で、一方においては日商岩井の代理店契約書がある。この契約書の中には恐らく報酬率とコミッションが書かれていることは間違いない。これがはっきりしているのかどうかということはその時点で確認しなければならぬ問題だと、まず私は一点そう思います。それがなぜ下って十一月一日からの発効になったのか、それが一つ疑問でございます。 同時に、いまお答えがございましたけれども、この修正契約書といいますか改定契約書、これを防衛庁が入手された時期は一体いつなんですか。だれが持ってきたのですか。同時に、その中にはただし書きがありまして、FMSの場合にはコミッションは商社には入らないと明記されておる、だから間違いないとおっしゃいますが、もし仮にそうだとするならば、改定契約、修正に至りました前のもとの分、つまり本契約といいますか、旧契約がありまして、それを受けて初めて改定修正契約になるはずです。本契約は皆さんごらんになりましたか。本契約をごらんになって、あるいはいま改定だと言うなら旧契約でしょうね、もともとある契約ですよ。つまりFMSに決定以前にすでに日商岩井とグラマン社の間に交わされた代理店契約書をごらんになって、それを受けまして、いまあなた方が手にされました十一月一日からと言われるこの修正契約、改定契約、この意味が初めて事実であるかどうかということが確認できる。それは常識だろうと思います。そういう意味で、本契約、旧契約をごらんになって、いまの修正契約というものを対比しながら、いまおっしゃったように全くコミッションは日商岩井には入らない、こう断定されたのかどうか、お答えをいただきたい。
○山下国務大臣 ただいま政府委員から御説明いたしましたとおりに、十一月一日の契約書によりますと、はっきりと明記されていることは事実でございまして、私どもはこれから予算を御審議をいただきまして、その上で米政府との間に契約することにつきましては、グラマンと日商岩井との間においてすらこのようにはっきりしておることはそれで明確でございますので、御了解賜りたいと思う次第でございます。
○坂井委員 本契約をごらんになったのでしょうか、もしくは本契約書をお取りになっていますかということに対してお答えをください。 それから、いまの修正契約はいつ防衛庁がお取りになったのか。以上二点。
○倉部政府委員 私ども一番新しい代理店契約書の前の契約書もその後入手いたしております。(「いつだ」と呼ぶ者あり)これはごく最近でございます。日付は後で報告いたします。 それから、旧代理店契約書が昨年六月解約されましてから若干時間がかかりましたのは、新しい契約について両社間で交渉がございまして、その後アメリカの武器輸出管理法に基づきまして米国政府に対する手続が必要であるということで若干おくれたというふうに聞いております。
○坂井委員 私どもの方にオラムさんから回答が参っております。グラマン・インターナショナル社長ピーター・B・オラム氏のここでの回答を申し上げます。これはE2Cに関しまして、FMSでわが方がいくということについて、グラマン社は日商岩井にコミッションを払うことはないか、あるのか、その辺はどうなのか、こういうわが方からの問い合わせに対するオラム氏からの回答であります。その部分だけ読んでみます。 「E2Cが売れた場合に、グラマンより支払われる手数料は、現在貴政府が入手されている契約書の中に謳われたものだけです。わが社は当該契約以外他には何の契約も保持しておりません。」重ねて申しますが、「E2Cが売れた場合に、グラマンより支払われる手数料は、現在貴政府が入手されている契約書の中に謳われたものだけです。」ちなみにこの返事の手紙は一月二十四日であります。 前段申しましたように、私どもは、どうなるのかということを心配いたしまして、そのことをオラム氏に問い合わせたところ、いまのような回答を得た。つまりこの中には明確に、E2Cが売れた場合においてはやはり手数料は日商岩井に払う、しかしこの契約書は貴政府が持っておる、いまあなた方が説明されますと、これには、FMSの場合には手数料は全く支払われないと明記されておると言われます。言われますが、ここにはこのようにコミッションが払われる、こうあるわけであります。しかも、いまお尋ねいたしますと、本契約は最近において入手をしたとおっしゃる。防衛庁がかねがね、修正契約だけを見まして、そして絶対に商社にはコミッションは入らないのだ、こうおっしゃっておる。が、いま本契約と一緒に照らし合わせてごらんになっているのでしょうが、少なくともオラムさんのこの手紙、それからあなた方が契約書の内容をおっしゃるその中身とは全く相反しております。少なくともこの事実を明らかにするためには、グラマン社と日商岩井の本契約及び修正改定契約、この二つをわれわれも見なければ、このオラム氏の回答が正しいのか、間違いなのか、あるいはまたどういうわけでこういう返答が来たのか、ただいま米国に調査団を出しまして確認中でございますが、きわめて不可解なようでございますので、私は、この際、この二つの契約書を本委員会に提出をしていただきたい、そのお取り計らいをいただきたいと思います。防衛庁の方から出せるとおっしゃるならば、出していただいた上でよく検討しますから、出していただきまして、審議はやりながら、それは十分吟味さしていただきたい。出すという御確約をいただきたいと思います。
○山下国務大臣 いろいろ御指摘がございますが、私は防衛庁長官といたしまして、この諸般の事情を調査いたしましたところは先ほど来申し上げておるとおりでございます。独自の御調査によりましてお聞き合わせの点はございましょうが、これはそれぞれ解明せられると思いますけれども、私は、防衛庁が十分聴取いたしまして、このFMSに関する限りは一切の手数料が支払われないことは先ほど来申し上げておるとおりでございますので、お聞き取り願いたいと思います。 なお、第三者の契約書と申しますのは、これは事態解明のために、私どもは、先ほども政府委員から内容の一部を明らかにさしていただきましたが、第三者の契約でございます。これはあくまで商慣習もございますし、企業秘密もございますので、私どもとしては公表することは差し控えているわけでございますけれども、しかしながら先ほどお尋ねの点がございました重要な部分につきましては、その部分を明らかにしておりますので、御了承賜りたいと思う次第でございます。
○坂井委員 それで信じろと言われても、このオラムさんの手紙からどうも信じられないということを私申し上げたわけです。ですから、先ほど総理に、解明のためにはひとつ御協力をと、資料の要請をいたしますと、こう申し上げたわけです。 では、もう一、二点お伺いしますが、防衛庁、このE2Cの初度部品、これはよろしい。将来の補用部品については、これはFMSによらないで商社、この場合は日商岩井、これを通じる、手数料は日商岩井に入るという余地は全くないと断言できるか、あるいはある、可能性としてはあるということなのか、両方の答え、どっちか答えだけをください。その場合には当然日商岩井には手数料は入るということに私はなると思いますが、まず補用部品について将来日商岩井を経由する場合もあり得るという判断か、全くないと断言できますか。
○山下国務大臣 本年度の予算に計上いたしております分、そしてそれは国庫債務負担行為を含みますが、三百四十三億に関する限り、これは完全にFMS方式でございますので、日商岩井に手数料が入る余地は絶対にございません。ただ御指摘の補用部品と申しますか、これは初度調弁と違いまして、いずれ後で修理に関するような部品を購入する場合には、これはFMS方式に一々よることはないのでございます。それは、政府間協約と申しますのは、大きいことにつきましてはFMS方式でございますけれども、細かい部品とかいうことにつきましては、むしろ経済的、効率的には商社を通ずる方が有利な場合がございますので、そうした補用部品、つまり修理のような部品につきましては、一般契約による場合もございます。したがいまして、そのときには日商岩井を通ずることが考えられますが、これはただいま御審議願っておる三百四十三億とは全然別の問題でございます。そういう可能性があるかとお問いでございますので、補用部品につきましてはあり得ると申し上げる次第でございます。
○坂井委員 将来においては補用部品があるわけですね。 それから四機に限っているわけです。防衛庁はどういう計画かわかりませんが、将来ともこのE2Cを導入する、何ポイントかふやしていくのでしょう。その場合において、将来のE2C導入の場合にもFMSは適用いたしますと、これは断言できないでしょう。確定していないでしょう。将来においてはどうなるかわからぬでしょう。そういう余地はあるわけです。もし誤解だったら回答してください。 ただ、私が申し上げたいのは、補用部品においては、必然的に商社を経由せざるを得ないという状況になる、その場合にはこれは日商岩井に落ちつく。及び、今回の四機は別といたしまして、将来のものについては、やはり代理店であるところの日商岩井を経由する可能性がある、こういう可能性の残されたものが、いま申し上げました本契約あるいは改定契約、こういう両者をにらんでみませんとそこのところがはっきりしない。 委員長、今回SECから、こういう日本政府に知られざる形で何がしかのコミッションが渡されたとかなんとかという非常に不明朗なことが言われる。この辺の仕組みを私は私なりに、いろいろいままでのロッキードでやりながら考えてまいりました。そういたしますと、これはまた後ほど指摘したいと思いますけれども、確かにそのような不当なコミッションを生み出す仕組みがある。ここのところは、そういう契約書、代理店契約書、これをつないで見る、あるいはまた、他社の契約書を見る、その関係性においておかしくないか、あるのかというようなことを、まず初歩的に基礎的に見なければ、この疑惑の解明に向かうことはできないというのは、私がいままでのこの事件究明に対してやってまいりました経験上申し上げることでございます。 そういう意味合いにおいても、いまの二つの契約書はぜひ国会に出していただきたい。この問題を避けて、そうして上っ面な、糊塗的な、皮相的な議論に終始しては断じてなりません。そういうことは意味のないことです。何のためにいままでロッキードであれだけのことをわれわれがやってきたか。十分とは言えません。しかし、そういう問題に常に直面しながら、いろいろな場面において、会計検査院、あるいは検察庁等々の御協力を得ながら、あるいはまた国会における解明、政府におけるそれなりの解明、検察における解明、それぞれがそれぞれの立場で、こういうようなところにこういう問題点があるなということを寄り寄り相談しながら来ましたそういう経緯を振り返ってみましても、この契約書は解明のためには、ぜひ私は必要欠くべからざるものだ、こう言わざるを得ないわけでございます。私契約上の問題があるということは百も承知をいたしております。そういうものを通常軽々に出せと言うことの方が不謹慎のそしりを免れないことも私は百も承知しておるつもりでございます。しかしながら、いま言われるE2Cに関しまして、これだけ大きな事件になり、日商岩井では犠牲者まで出した、ここのところを解明するためには、ぜひ手がかりとして、この代理店契約書はわれわれもつぶさに見てみなければならぬ、こう思っております。そういう意味合いにおきまして、そういう観点で私は物を申し上げておるつもりでございますので、ここのところは、これは防衛庁長官に聞いたって無理かもしれません。総理、どうでしょうか。それぐらいの資料は、いま防衛庁の手元にあるわけですから、国会にお出しになっていただけないものでしょうか。いかがでしょうか。
○山下国務大臣 ただいま御指摘の点で、重大な問題のことにつきまして申し上げておきたいと思いますのは、本年度予算では四機をお願いいたしておる。では、もう一個哨戒点について次の四機はどうかということでございますが、これはまだ決まっておりませんし、そしてまた、今後国防会議の議を経てまた御審議をお願いせねばならぬのでございますが、この四機についても、その代理店というか、一般契約による可能性があるというふうな御所説でございましたが、この飛行機の機密保持上、これは先の話でございますから、まだ、いま断定的に申し上げることは控えねばなりませんが、もし国防会議の議を経てさらに四機のことをお認め願って御審議願うときには、これは当然FMSにならねばならないと考えておりますし、しかも、これほどの御論議を経ておるわけでございますから、国民の皆様の疑惑を一掃する意味からも、これは次の四機についても当然FMSになる、このように私は思うわけでございます。もしあり得るとすれば、これもまだ決まっておりませんけれども、本当に修理程度の部品については、これにつきましてアメリカの大統領と日本の政府との間で契約するような煩わしさを避ける意味におきまして、一般の契約によるかもしれませんが、初度調弁という大きなものにつきましては、絶対にそのような一般代理店によるものはないと思うわけでございます。 なお、資料につきましては先ほど申し上げましたとおりでございますが、お認めのように、やはり第三者の契約というのは、私企業の秘密もございますので、公表を差し控えねばなりません。しかしながら、こういうような問題でございますので、先ほども一部実は政府委員から申し上げましたとおりに、お尋ねがございますれば、そのことにつきましては十分御説明申し上げますし、いろいろお調べの点もございますけれども、日本の政府が責任を持ちまして御回答申し上げていることにつきまして、どうかお聞き取り願いたいと思う次第でございます。
○近江委員 議事進行。 ただいま坂井委員から資料要求が出ておるわけでございますが、防衛庁長官の答弁では全く坂井委員の要求とはほど遠いものでございまして、御承知のように、このE2Cの予算計上につきましては、いまや国会の論議の焦点になっておるわけでございます。こういう中で、いやしくも坂井委員が要求しておりますことは、同席の委員の皆さんも、ほとんどの方が了解されておられると私は思います。これは、これだけの疑惑が起きておるわけでございますから、それを解明せんためにはどうしても必要な資料であるわけです。 総理は、この疑惑の解明については政治責任をかけて徹底究明をするということを表明されておりますし、国会に対して資料の要求等については最大の協力をすると冒頭でおっしゃっているわけです。これだけの問題につきまして出せないということ自体、一体どういうことか。国民はみんな疑惑に思いますよ。出せないというような答弁では、坂井委員に、審議を今後このまま続けろと言ったって無理ですよ。直ちに委員長といたしまして理事会をこの場で招集していただきまして、ひとつ検討していただきたいと思います。このままでは議事進行はできません。
○大平内閣総理大臣 坂井さんの御質疑が始まりました冒頭お答え申し上げましたように、資料は三つのカテゴリーがある。一つは公開された資料、その次は司法共助取り決めによって入手した資料、非公開の資料、それからその他の資料、いま仰せになりましたのはその他の資料だと思います。その他の資料につきましては、法令の許す範囲内において御協力申し上げますと申し上げたのでございます。すでに民主社会におきまして確立しております慣習法というのは尊重していかなければいかぬと思います。それはあなたが御指摘のとおりでもございます。 そこで、防衛庁の方は、しかしながら事態が大変重要な、中核に触れたことになっておりますので、御質疑に応じまして、差し支えない範囲におきましては重要なことは、政府はそれを持っておるわけでございますので、お答えいたしますからということを申し上げておるわけでございまして、いま御審議は始まったばかりでございますけれども、政府のそういう言明を御信頼いただきまして御審議を続けていただきたいと私は思います。
○近江委員 総理は一般的な資料ということでいま御答弁になったわけでございますが、少なくともこの件に関しましては、御承知のように国民の血税で購入するわけです。したがいまして、すべては、これだけの疑惑の中で事が進行しておるわけでございますから、国民の前に一切を明らかにしていく、こういう点におきまして、確かに企業のそういう秘密もあるかもしれませんけれども、それの方が優先する、私はこのように思うわけです。したがいまして、私は委員長に、ひとつこの場で理事を招集していただきまして、どうするかにつきまして相談をお願いしたい、このように思うわけです。
○竹下委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○竹下委員長 速記を始めてください。 坂井君の資料要求並びに近江君からの議事進行の発言の問題につきましては、後刻、理事会を開きまして、取り扱いを十分協議さしていただきます。 坂井君。
○坂井委員 解明のためにということで御要求申し上げたという点をひとつ御理解いただきたい。その前提に、先般来、日商岩井とハリー・カーン氏の間に密約が存在した。頑強に日商岩井はその事実を否定した。しかし、ついに密約があったことを認めた、こういう経緯が一つございます。さらに、けさほどは、あのハワイ会談におきますグリーン国務次官補のあの発言、これがきょう政府からあの辺のくだりについての発表がございました。下って、エバリーの来日、あるいはまたインガソル・鶴見会談等々、あの一連の経緯をずっと見てまいりまして、E2Cに関しましてはいま申しましたようなところに発端があったということが一点。そういう中で、前段申しましたような日商岩井とハリー・カーン氏の密約の存在というような事実関係。そして、この問題につきましては、先般、わが党の矢野書記長の質問に対しまして、防衛庁では、この密約関係の契約書を含めて国会に提出するということをお約束になりました。非常に結構だと思います。したがって、その延長線上の問題として私はいま申し上げているわけでございまして、決して私は、必ずしも無理な御注文を申し上げたつもりはございませんので、どうかまた理事会におきましてその辺をおくみ取りいただきまして、御配慮をいただきたいと思います。 質問を続けてまいりたいと思いますが、検察はこの代理店契約書を入手しているかいないかと聞くほど私はやぼなつもりはございません。恐らく入手はされていると思います。 そこで、会計検査院、かねがね検査の対象としては、すでに売買されました軍用機等を含めて、あるいは運輸省のガルフストリームも検査をされています。E2Cについては、これはまだ予算が計上された段階でございますから、実際の検査には入ってはいないと思います。思いますが、会計検査院、いかがでしょうか、いま申しましたような二つの代理店契約書、これは検査院としてはぜひ将来の問題として入手して調べてみたいという希望をお持ちだと思いますが、いかがでしょうか。
○知野会計検査院長 E2Cは、いまだ検査の対象にはなっておりません。一般的な代理店契約につきましては、前にも申し上げましたとおりでございます。
○坂井委員 予算が通ったら、これは検査の対象になるでしょうね。予算が通りましたら、検査の対象にはなり得るものである、その場合には、契約書も欲しいなあと。いかがでしょう。
○知野会計検査院長 予算が通りまして、いわば契約が行われるという段階になりまして、検査の対象になってまいりました場合には、必要な書類は要求をして、見せていただきたいと思います。
○坂井委員 公正取引委員会、この契約書をお持ちだと思います。ほかにもいっぱいあると思います。お持ちでしょうか。
○橋口政府委員 法律の問題でございますから、ちょっと御説明申し上げたいと思いますが、独占禁止法第六条の規定によりまして、国際契約の内容が、独占禁止法違反の疑いがあるかどうか、情報を集める見地から、ほとんど例外なしに国際的契約は、契約締結の日から三十日以内に公正取引委員会に届け出をするように法律で決められておるところでございます。したがいまして、当委員会には、いま論議になっておりますグラマンと日商岩井の契約書は現存いたしております。
○坂井委員 本論から外れるといけませんので、いま現存するということでございますから、それはそれとしまして、あとにも公正取引委員会はずいぶん契約書をお持ちだと思います。どんな契約があるか、これは後ほどお聞きしたいと思います。 いまの問題に関連をいたしまして、日商岩井とGI社のコンサルタント、ハリー・カーン氏との密約の問題でございますが、これはすでにいろいろ言われているとおりでございます。結果的には解消された、こういうことでございますが、防衛庁に伺いますが、この密約が解消された時期、これはいつだと見ておられますか。
○倉部政府委員 私ども、グラマンの米人コンサルタント、カーン氏と日商とのいわゆる密約という問題につきましては、私どもの立場を申しますと、全く第三者の立場でございます。したがいまして、私ども、先般、グラマン社のオラム社長からいろいろ事情を聞きまして、その後、米人コンサルタントのコンサルタント契約の解除、解約の通知書の原文をもらいましたので、それからの推測しかできないわけでございまして、それでは、私ども、いつやったかということは必ずしも明確にわからないと思います。
○坂井委員 いつだったかわからぬということですか。密約が解消された時期がわかりませんか。それでわからないのですか。それは重ねて答弁いただきたいのと、それならば伊藤刑事局長、これは感触で、密約が解消された時期ぐらいは、検察はつかんでいる、いつだということは聞きませんが、いかがでしょうかね。
○伊藤(榮)政府委員 従前も御答弁申し上げましたように、背景事情の一つのポイントでございますから、十分入念に詰めておると思います。
○坂井委員 防衛庁御答弁いただけませんか。あなた方はその書類をごらんになりまして、要するに解約通知書とか契約書とかいろいろごらんになりまして、いつ解消されたと御判断されましたか、こう聞いているわけですよ。見たけれどもさっぱりわからぬという返事ならばそれで結構なんだけれども、いまの返事はそういう返事、そんなことはないでしょう。解約されたのは何年何月、この時点だなということぐらいの判断はされたでしょう、こう聞いておるわけです。
○倉部政府委員 グラマン社とカーンとのコンサルタント契約につきましては、たしか二月二十日に解約通知を出しまして、四月一日から切れておるということでございます。それ以上には解約通知書からはわからないわけでございます。(坂井委員「五十三年」と呼ぶ)そうでございます。
○坂井委員 時効の関係もございまして、いまのは一つの大きなポイントだろうと思います。刑事局長には伺いません。これは非常に重要なポイントと思いますので、またこの辺につきましては、やがて証人喚問あるいは集中審議がその前にございますので、おいおい究明していかなければならぬと思っております。 実は、私の手元に日商岩井の経営会議の書類が入っております。つぶさに見ました。なお、これに伴います議事録等も存在をしております。 概略、経営会議のどういう形で行われているかということを申し上げますと、開催期日は原則として月二回、第二及び第四木曜日に開催することになっておりまして、経営会議の構成は、会長、社長、副社長、専務取締役、常務取締役をもって構成をする。この運営は、経営会議の議長は社長がこれに任じ、社長が差し支えあるときは先任の順序により副社長がこれに当たる。欠席した構成員に対しましては、議事の内容を事務局から報告をする。さらに議事録につきましては、経営会議の議事については事務局が議事録を作成いたしまして、出席した構成員でもって記名、捺印をする、こういうことになっております。したがって、いま申しましたような方法、運営によりまして、議事録もきちんとあるはずでございます。 この問題につきましては、集中審議等もございますので、きょうはあえてこの内容については触れません。触れませんが、いかがでしょうか、伊藤刑事局長、少なくとも日商岩井内のそういう重要な経営会議等の開催及びその内容、それを証する議事録等のたぐいは、これはすでに検察が、事件解明の第一歩としてこの辺は丹念にごらんになっていると私は思います。少なくとも、いままで日商岩井の最高幹部らが知らなかったとあの密約等については言っておるようでございますが、私にはどうもそうは思えない。つまり、いまこのような運営が現実に行われているとするならば、社長、副社長、専務、常務、すべて知り得る立場にあります。そこら辺を踏まえまして、場所を改めて明らかにしていきたい、究明をしていきたいと私は思っておりますが、検察に若干伺っておきたい、感触として。すでにこのようなものは入手をし、捜査をしておるというようなことだと思いますが、いかがでございましょうか。
○伊藤(榮)政府委員 きわめて具体的な捜査の内容についてのお尋ねでございますので、大変恐縮でございますが、御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○坂井委員 グラマン社と住友商事、飛びまして恐縮ですけれども、住友商事のS2F、UF2、この航空機用部品に係る問題がSEC資料で指摘されているわけでございますが、この分に対する代理店契約書は、日本政府は、どなたになりますか、防衛庁でしょうが、入手されておりますか。
○倉部政府委員 ただいま御指摘の代理店契約書は入手しておりませんが、中身については大体了知いたしております。
○坂井委員 入手していないけれども中身は知っているというのは、見たということですか。それなら、いま防衛庁が提出を求めておる、あるいはごらんになった、あるいはごらんになりたいと思う代理店契約書を、機種別、商社別にいまここでおっしゃっていただくわけにはいかぬでしょうか。もしできないとするならば、後刻提出をしていただく、代理店契約そのものじゃありませんよ、どういうものを資料として提出を求めているかどうかについて。
○倉部政府委員 前にロッキード問題が非常に議論されましたときに、御審議されましたときに、代理店契約書を防衛庁としてももっと入手して、それを検討しながら調達すべきではないかという御意見が出されたわけでございまして、その方針に従いまして、午前中の審議でもたしか私どもの大臣から御説明があったと思いますが、昭和五十一年の初めごろには二十九社から代理店契約書をとっていたわけでございますが、最近におきましてそれを四十社とるように努力いたしまして、その中には、たとえばP3CあるいはF15、あるいは現在のE2Cについてもとっておるということでございます。
○坂井委員 これはちょっと総理に伺わぬといかぬと思うのです。 いま聞きますと、S2FとかUF2という、これはグラマン社の航空機用部品で、今度SECの公表資料で言われているのですね。これは代理店契約を防衛庁とられましたかと言ったら、とってはないけれども見たというのですね。内容を知っているというのだから見たのでしょうとぼくは言ったのですが、御提案したいことは、せめて国が調達する物品、特に航空機等ですな、外国の航空機会社から買う飛行機ですな、軍用機を含め飛行機、国が関係する、防衛庁とか運輸省とかあるいは日本航空、このあたりがそういう買い物をする場合には、代理店契約書は国がとるということを原則にされてはいかがでしょうかね。どうでしょうか。お答えになるところが……。
○山下国務大臣 本院の決算委員会におきます昭和五十一年の決議並びにその当時の坂田防衛庁長官の発言の趣旨を体しまして、ただいま政府委員から御説明申し上げましたとおり、私どもとしては代理店契約書の入手に努めておりますが、特にF15であるとかP3C、E2Cのような主要なものにつきましては、強く強く要請しまして、これを入手いたしておる次第でございます。
○坂井委員 だから、こっちから要請しないと出ないのですよ。強く強くやらぬと出ないわけです。出すか出さないか向こうの自由なんですね、これは任意契約ですから、私契約ですから。しかし、少なくともここで国民の血税をもって買うのでしょう、国のものを。大きなものですよ。特に防衛なんか、それは大変なものだ。そういうものを買うときには、代理店契約を出しなさい、強く強く要請しなければ出ないというようなことでなくて、出しなさいということをまず原則にされたらいかがでしょうか、こういう御提案をしたわけです。総理、どうでしょうか。
○山下国務大臣 先生のただいま仰せのような趣旨で努めたいと思います。
○坂井委員 ぜひそうあっていただきたい。つまり、私が言いたいのは、こんなことが問題になってから、後になって代理店に言って何とか出してくれ、出せ、出せ、出せ、こんなぶざまな話はない、こういうことなんです、申し上げた趣旨は。 会計検査院長に伺いますが、防衛庁、それから運輸省の方はガルフストリームですね、一生懸命いま検査されているようですが、なかなか代理店契約等も手に入らないし、むずかしい、こういう状況にあるように伺っております。そこで、将来の方向としては、たとえば日商岩井でありますとか住友商事でありますとか三井物産でありますとか、そういう代理店、関係商社に対して会計検査院が直接行って、そして状況はどうであるかということをお調べになるということも可能性としてはあり得ましょうか。
○知野会計検査院長 先般来申しております見直し検査の順番、順序としまして、まず防衛庁なり運輸省なり、そういうところから検査を始めるのが手だてでございます。ただ、将来直接商社等の検査に入るようなことがあるかという問題でございますが、これはないとは申しませんけれども、そういう進展のぐあいを見ました上で、検査上必要があります場合には検査官会議の議決をもって行うということになる順番でございます。
○坂井委員 そういうことが将来あり得るかもわからぬ。私はそんなことはあり得てもらいたくないのですよ。もらいたくないわけだ。その前にすべきことがあるでしょう。たとえば代理店契約なんか会計検査院は見たいわけだ。防衛庁に行くわけです。防衛庁、お取りになりましたか、いや実はまだ取ってない、何とか防衛庁はそういう代理店契約をお取りにならないと検査院も検査のしょうがございませんよ、こう言うわけだ。一生懸命請求するんだけれども、向こうが出しません、困ったですね、こんな話。そうこうしているうちに、向こうの代理店の方が、これはやはり出さぬとまずいだろうというわけで──強く強くですよ、山下長官、大変御熱心におっしゃったのでしょう、だからやむなく出してきた、こういうことですね。こんなことをやっておりますと会計検査にずいぶん手間取りまして、むだです。出せる資料は先に出させるという方が手っ取り早いじゃありませんか。また、そのこと自体がこういう不正といいますか、疑惑を生む、そういう素地をなくすというある種の抑止力の意味もあるんじゃないかと私は思いますから実は申し上げているわけです。まあ、あと続けまして、後で総理からまた伺いたいと思います。 そこで、実は一昨年の二月に、私はボーイング747SR、及びこの場合はLR五機分につきまして、価格調整幅が非常に大きい、特殊な値引きがあるのじゃないかという点についての指摘をいたしました。そういうことがございまして、そのときの会計検査院の御答弁がございますが、ベテランの調査官を特に配しまして厳重に検査をしている、こういう答弁がございました。このほどアメリカの方からの要請を受けまして国税当局が、ボーイング川SR七機分につきまして、百五万ドルの日商岩井に対するコミッションがきわめて不可解である、貴国において調査されたしという要請を受けまして国税局が調査をいたしました。そういたしますと、百五万ドルのうち五十五万ドルが使途不明金であるという事実が明らかになりました。五十五万ドルの不明金の行方を一生懸命になって国税当局は追っかけた。そういたしますと、日商岩井の言い分は、十万ドル弱は海外子会社に対する分でございます、あと四十五万ドル強は海外の工作資金でございます、こういう話に落ちついたようであります。少なくともボーイング747の日本に対する売り込み、そこに介在いたしました日商岩井が受け取りましたコミッション百五万ドル、これがおかしいと言う。それで調べたら確かにおかしかった。五十五万ドル、行方がわからない。どこに使ったかもわからぬ。いま言ったような海外の工作資金だとかなんとか言っているようですけれども、きちんと詰めたものではありません。それで、この事実に対しまして、いま会計検査院はこのような事態、これをどうごらんになっておりますか、会計検査院としての御見解を承りたい。
○知野会計検査院長 日本航空が過去に購入いたしましたB747機につきましては、これは日本航空とアメリカの会社との直接取引でございますことは御承知のとおりでございまして、それでこれに商社がどのようなかかわり君持っておるのか、あるいは言われるところの使途不明金の存在が会計検査上の問題になるのかどうか、非常にむずかしい問題だと考えております。
○坂井委員 検査はさらに続行されますか。
○知野会計検査院長 先般、見直しの範囲につきましては大体申し上げましたが、コミッションというものの性格がどういうものであるかということに関連いたしまして、過去に日本航空が購入いたしましたB747及びDC10につきましても、見直し検査の一環として指示いたしております。
○坂井委員 磯邊国税庁長官にお伺いしますが、日商岩井側では、今度のこの百五万ドルにつきましては、これはボーイング関係のものじゃないんだ、ほかの、航空機とは別の取引で五十五万ドルというのが使途不明金で重加算税を追徴されたんだ、こう言っている。ボーイングとは違うんだ、こう言っている。そうですが。これは明らかにボーイングでしょう。
○磯邊政府委員 私どもが五十一年三月期におきまして、五十五万ドルに及ぶ使途不明金と否認いたしまして、それを重加算税を徴したわけでありますけれども、まさにそれが使途不明金であるということで、何に使われたかということははっきりしたことがわからないというからであります。当該会社の方の説明といたしましては、飛行機とは関係のないプロジェクトに関して海外においてそれを受注するためのもろもろの必要な支出金である、こういうふうな説明を受けておるわけでありますが、われわれとしては、いまのところ、まず飛行機、ボーイングの売り込み等には関係はないであろうとは思っておりますけれども、しかし同時に、それが当該会社の言うとおりな方向で支出されたかどうか、その心証もつかんでない、したがってこれは使途不明金だということで否認したわけであります。
○坂井委員 金に色はついていないわけですから、厳密に言えばそういうことかもしれません。しかし、これはもう明らかにボーイング747SR七機に関する分として米側からの調査依頼があったというところが発端であることは紛れもない事実だ。 実は私の手元に、これは日商岩井の、これまた資料です。概略申しますと、ボーイング747SR、これを日商岩井が日本航空あるいは全日空に売り込みにがかった際に、政府高官とかかわり合いを持ったということを示した実は文章でございます。内容等につきまして、あるいは出所等につきまして後日明らかにしていきたいと思いますが、いずれにいたしましても、この五十五万ドルが最初から正当なコミッションであるならば、会計処理上計上されまして、これに対する正当な課税、納税が行われなければならぬことは理の当然であります。元来、この五十五万ドルが使途不明金として突きとめられたごとく、会計処理できない、いわゆるキックバック、リベート的な金であったことは、これは想像にかたくないわけであります。言うなれば、眠り口銭ということも言えるかと思いますが、これが、先ほど会計検査院長御説明になりましたが、果たしてこのような商社に対するバックマージン的な、リベート的な、キックバック的なそういうコミッションが、いわゆる購入価格、機体本体、品代の中に含まれておったのかどうなのか、元来、もともと含まれておったものがUターンして商社に返ってくる、こういうことになっているのかどうか、これは今後の解明を待たなければなりません。なりませんが、少なくとも、そういう眠り口銭的な、リベート的な意味合いのある五十五万ドルであったということは、国税の調査においても、これが使途不明金という扱いになっておったということからしても言い得ることであろう、こう私は思います。 そういうような事態でございますが、先般、伊藤刑事局長は、この問題に関しまして、私の聞き違いかどうかわかりませんが、犯罪を構成する要素といいますか、そういう部分は見当たらなかったというかのごとき御答弁であったと思うのですが、いかがでございましょうか。これはずいぶん問題がある。しからば、五十五万ドルの行方について検察はきちんとお調べになった上で、犯罪を構成しないという結論を得て先般の御答弁になったのかどうか。恐らくそうではなかろうと私は思っておりますが、検察の御感触を聞かしていただきたいと思います。
○伊藤(榮)政府委員 ただいまお尋ねのボーイング社関係の使途不明金の件につきましては、かつて既存の資料などに基づきまして一応の吟味を行ったところでは、時効などの関係もあったりして、直ちに犯罪として立件すべきものとは認められなかったということでございまして、その意味で大出委員からさきにお尋ねをいただきましたときに、一応吟味済みということを申し上げたわけでございますが、今回のダグラス、グラマン問題の究明の過程におきまして新たな事情が判明いたしますれば、検察当局といたしましても当然あらためて再吟味することになるものと考えております。したがいまして、前回、大出委員に対する御答弁は、やや簡潔に過ぎたのではないかと反省しておる次第でございます。
○坂井委員 反省してもらわなくても結構です。そういうことであったということならば、よく私はわかるわけです。こちらの聞き違いであったかもわかりません。 きのうのロッキードの公判廷におきまして若狭被告が、ボーイングの売り込みに関係しまして、日商岩井が政治家と接触をした、あいさつをした、こういう趣旨の供述をしておるようであります。さかのぼりましては、昨年の六月の同じロッキード公判、これは第五十五回でございますが、全日空顧問であります藤原被告は、ボーイング社に要求して、四十六年暮れから四十七年十月までの計九千万円、これを日商岩井を通じて受け取りました、これを全日空の簿外資金に繰り入れた、こういう証言がございます。さらにさかのぼりまして、同じ藤原被告証言でございますが、五十三年九月四日の第六十四回公判におきましては、三十八年ごろ全日空がボーイング機を購入した際、日商もやっている、贈り先については聞かなかったが、これは亡くなった美土路先生から聞いたことである、こういう一連の証言等々からいたしまして──これは日商岩井にかかった分でございます。この種の金が裏金として、簿外資金としてボーイングから来たというような証言もあるわけでございます。 したがって、こういう一連の黒い事実関係を重要な証人の口によって証言されるというような事態をよく見ながら、国会におけるこの解明も、なお真剣に徹底解明に向かわなければならぬということを申し上げまして、以下お聞きしたいと思います。 SEC筋によりますと、ボーイング社の海外不正支払いに関する報告書を近々公表する、恐らく今月半ばかと思いますが、これを公表するということになりますと、その時点でわが方、日本政府は直ちにSEC資料を入手して国会に提出されるというように計らっていただきたいと思うのですが、従来、公表されましても、かなりの期間がありませんとなかなか出てこない。伝え聞くところによりますと、外務省の方でもそういう感触を得ておるようでございますので、出たならば直ちに提出をしていただく。外務大臣、いかがでしょうか。
○中島(敏)政府委員 ボーイング社のケースにつきまして新たな調査の結果が出ますれば、もちろん公表のものは直ちに入手いたしまして、できる限り早く御提出するように取り計らいたいと思っております。
○坂井委員 同じSEC報告によりますと、ダグラス社に対しまして、一九六九年から現在までの間日本で行ってきた航空機売り込みに関連して、百八十万ドルに上るコミッション、このことにつきましてダグラス社が特別調査委員会を開いて再調査をするように要請した。いま調査中であろうと思いますが、その辺の模様が入っておりましたら報告をいただきたいというのが一点。 それから、近くダグラス社の特別調査委員会が日本に来まして調査をするというようなことを聞くわけでございますが、そういう情報といいますか、そのようなことは外務省に入っておるでしょうか。
○中島(敏)政府委員 お尋ねの二点、いずれにつきましても私どもといたしまして特に申し上げるべきような情報を入手いたしておりません。
○坂井委員 SEC報告の中に、一九七〇年、つまり昭和四十五年、ダグラス社は日本において国の関与している航空会社への売り込みに関して一万五千ドルの販売促進費を支払い、この一部が単数の政府高官に流れる可能性ということについての例の記述がございますが、ここで言う日本において国の関与している航空会社、これはどこを言うのでしょうか。
○松本(操)政府委員 必ずしも定かではございませんが、日本航空の場合、国の相当の株数を持っておりますので、ここを指すというふうに考えられます。
○坂井委員 まあ考えられるということでしょうね。 ダグラス社のSEC報告では百八十万ドル。DC9、DC10、これは三井物産ですね、この手数料が約百四十万ドル。一方、RF4E偵察機、これは日商岩井、この手数料が約四十万ドル、こういうことになっております。 まず、ダグラスDC10について運輸省に聞きますが、日本航空が昭和四十九年度に契約して五十一年度に取得しました六機、それぞれの購入価格、幾らで買ったか、それを示してください。
○松本(操)政府委員 六機の機体番号順に申し上げますと、JA八五三〇、ドル換算二千七百九十四万五千ドル、八五三一、二千七百九十三万三千ドル、八五三二、二千九百四十万二千ドル、八五三三、二千九百四十万二千ドル、八五三四、二千九百八十二万六千ドル、八五三五、二千九百八十五万八千ドル、計一億七千四百三十六万六千ドルでございます。
○坂井委員 内訳はわかりますか。基本価格とか、価格調整とか、仕様変更とか、買い主提供部品、そういう内容等についてはおつかみになりましたか。
○松本(操)政府委員 価格構成の内容の詳細については、私ども現時点で承知をいたしておりません。
○坂井委員 会計検査院、その辺は御承知でしょうか。
○知野会計検査院長 日本航空が過去に購入しました航空機の基本価格、価格調整等の問題につきましては、それぞれ個別的に検査をいたしまして、特に問題がないとして処理したものでございますが、価格調整の問題につきまして必要がございますれば、前にもお答えをいたしました東島次長から答弁させます。
○坂井委員 わかっておれば、私の方から若干言いますから、合っておれば合っておる、合っていなかったら合ってないと言ってください。運輸省が先ほど申されました価格は私どもの調査とは一致するようであります。内容がむしろ価格調整とかいろいろなところにあるわけでございまして、前のボーイングのときの価格調整というのは、クレジットカードを切りましてカードでもって部品と交換する、こういうようなやり方を価格調整の中でやったようですね。いま私が申し上げておるのは、DC10です。この価格調整はそういうやり方をしていない。通常、価格調整と言いますと、物価、人件費、この値上がりに対しまして基本価格にスライドさせる、こういうことであります。価格調整の幅が非常に大きいということで、前回私は、747五機に対します価格調整が一機当たり三百二十万ドルから三百六十五万ドルあったということを御指摘申し上げました。この価格には間違いございませんか。それだけお答えいただければ結構です。時間がございません。
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。 先般、先生から御質問がありましてから、私ども丹念に資料を調査いたしましたが、その金額には間違いございませんでした。
○坂井委員 それではDC10の方も調査されたと思いますが、DC10の場合の価格調整は六百万ドルから七百三十万ドル、つまりボーイングの場合の倍近くあるということも検査院は御存じでしょうか。知っておれば知っておる、知らなければ知らぬ、それだけで結構でございます。
○東島会計検査院説明員 これにつきましても関連して調べましたが、約六百万ドルということは間違いございません。ただ、ボーイングとダグラスと比較しました場合に、基本価格の基準年度が多少違っておりまして、ダグラスの方が一年前になっておりますので、その間の価格調整が多少変わってきたのじゃないか、このようにわれわれ理解しております。
○坂井委員 丹念に実はわが方が調査をいたしてございまして、契約時点では約三カ月のずれがございまして、取得時点では約一年間のずれがある、わかっております。ただ、価格調整幅というのはボーイングで一二%程度、これがダグラスになりますと二二、三%、非常に大きい。当時のインフレの状況、物価、人件費等いろいろの状況から判断いたしましても、どうにも幅が非常に大きいということをきょうのこの場では一点申し上げておきたい。同時に、これには、私どもは現金値引きだと思うのですが、二十五万ドルから五十万ドルダグラスDC10につきましてあった、この辺の事実関係については会計検査院いかがでしょうか。
○東島会計検査院説明員 おっしゃるとおり、そのような値引きがございました。
○坂井委員 私、いま申し上げておりますのは、SECの資料によりますと百八十万ドル、うち百四十万ドルがDC9、DC10の分でございまして、これの経理処理が不適当な経理処理であるということでやり玉に上げたわけです。ですから、この不適当な経理処理とは一体どういう経理処理がなされたのかということを究明しなければならぬという観点から申し上げたわけでございまして、この価格調整とかあるいは現金値引き、それから基本価格の中に通常の代理店業務として、代理店契約の中には一定の役務を義務づけられております。つまり、たとえば日商岩井なら日商岩井、住友商事なら住友商事が飛行機を売る場合に、商社活動、売り込みのための活動を一生懸命やらなければいけない。この活動が前提にありまして、したがって、これこれの飛行機が売れた場合にはこれこれの報酬率によってコミッションを払いましょう、こういう契約が通常の契約の形のはずでございます。これは会計検査院に確認するまでもないと思います。間違いならば間違いであると指摘してください。 そういうことでございまして、メーカーから商社に支払われるべきコミッションというものが品代の中に含まれているのかいないのかというようなところが非常に重要なポイントに実はなるわけでございまして、その辺を見てまいりますと、ボーイングの場合におきましても、ダグラスの場合におきましても、どうも基本価格そのものが、いまの段階ではこれが間違いない価格であるという断定はできない。これを断定するためには、基本価格を構成する原価計算というものをきちんと積み上げなければわからない。それができない。できないから、基本価格が正しいのか正しくないのかということは直ちには判断しがたいというのが現状であろうと思いますが、会計検査院さんいかがでございましょうか。
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。 先生おっしゃるとおり、基本価格につきましては、海外市場での価格というようなものにつきましてはなかなか把握しにくいということで、私どもも日本航空が示した価格を信用しているというのが現状でございます。
○坂井委員 もう一回防衛庁が調達する物品に返りたいと思います。 かつてロッキードが問題になりましたときに、防衛庁が知らない形で防衛庁の購入品の中に丸紅の報酬が含まれていた疑いにつきまして私はただしました。これは、エリオット氏との間に大久保レポート等がございまして、実は奇妙なことが書いてあります。プライベートコントラクトになされた場合──プライベートコントラクトというのは、私的にとか個別にとか秘密にとか、どう訳すのか知りませんが、いずれにしてもそういうような形で防衛庁に品物を入れたときには手数料はたくさんもらいます、そうできないときには半分で結構です、手っ取り早く言えばそういう趣旨のやりとりでありました。 それを受けまして、その後決算委員会で議決をいたしました。それは、 一商社が外国航空機メーカーとの間で結んでいた代理店契約の内容が明らかになったことから、防衛庁が購入した航空機補用部品の価格のなかに同庁の了知しない商社の取扱い報酬が含まれていた疑いが出ている。 政府は、商社の代理店契約の内容の把握につとめ、購入品の予定価格の算定が適正に行われるようにすべきである。つまり、防衛庁が知らないで、その中に商社のコミッションが入っておったということで、ですから代理店契約等これをしっかりつかめ、こういう趣旨であります。 これを受けまして、衆議院議長に対します内閣の措置報告がございます。この措置報告では、「代理店契約の実態のは握に努める」というのが一点それから「輸入調達体制を整備する」、この二つのことを措置報告といたしております。 今回のSEC報告を見ましても、日本政府に知られない形で、あるいは隠した形でというのは、まさにロッキードの際に審議の中で出てきたこのようなことを指して言っているのだろうということはおよそうなずけるわけでございますが、防衛庁に確認しておきたいと思いますが、防衛庁が物品を購入する場合、飛行機を買う場合あるいは補用部品を買う場合、防衛庁訓令第三十五号「調達物品等の予定価格の算定基準に関する訓令」これに基づきまして、輸入品に関する算定基準といたしましては、二十三条、二十四条の規定に従って購入する、こういうことに相なっております。そういたしますと、二十三条では三つの項目を決めてございまして、一つは「品代」であります、一つは「輸入手数料」であります、いま一つは「販売直接費」であります。つまり、この三つをもって価格を構成する、こういうことに相なっております。この三つの合計額が防衛庁の購入価格である、こう理解してよろしゅうございましょうか。
○倉部政府委員 ただいま御指摘がございましたように、輸入する場合に、その物の品代とそれから通関その他の輸入諸掛かりと、それからいろいろな輸入に伴います業務をするための人件費等を見ました輸入手数料、この三つ合計したものが輸入品の場合の契約額になるわけでございます。
○坂井委員 そういたしますと、防衛庁が飛行機を買う、補用部品を買う場合には、その購入価格の中には商社のもうけ分の手数料も入っておる、こういう理解でよろしいでしょうか。
○倉部政府委員 輸入代行の手数料は入っているはずでございます。
○坂井委員 商社の利益分は全くございませんか。
○倉部政府委員 輸入手数料の中には若干の利益を一応見て計算しております。
○坂井委員 そういたしますと、防衛庁はメーカー側からの手数料の支払いは商社に対してはないという前提で外国の飛行機を買っておるのか、あるいはメーカー側から商社に対しては手数料はあるという前提で買っておるのか、どちらの前提が正しいのでしょう。
○山下国務大臣 また後ほど政府委員から補足して説明いたさせますが、私の理解するところによりますと、輸入手数料と代理店手数料とはその性格を異にしていることは御承知のとおりでございますが、私どもといたしましては、こうした価格決定につきましては、代理店契約の提出を求め、その手数料率等につきましても国際商慣習に照らして不当に高いものでないことを確認するとともに、調達価格の審査に当たりましては、海外の市場価格の調査等をできる限り広範に行い、また過去の実績価格、類似品の価格等に基づく外国メーカーの見積もり価格の審査を一層緻密に実施する等、極力その適正化に努力しているのでございます。
○坂井委員 ちょっと私の質問に対する答えとしては私は理解しがたいわけなんです。普通、航空会社が商社を通じて飛行機を買う場合に、商社に払う手数料はないという前提で買っているはずです。防衛庁は若干とも商社に対する手数料は払っているわけですね。商社はまた外国メーカーからも手数料をもらっている。どれぐらいの率で払っているか、防衛庁が払っている額、私は大体わかります。会計検査院の方はわかっているはずです。そうすると、一方この輸入商社が、代理店が外国メーカーからもらう手数料、コミッションはどれぐらいの率のものをもらっていると判断されているのですか。そうでありませんと、実際買う飛行機の値段が高いか安いかわからぬでしょう。いかがでしょう。
○倉部政府委員 ただいま御指摘の問題は、輸入手数料と代理店手数料というものは二重に支払われることになっているのじゃないか、こういう御趣旨じゃないかと思いますが、その点につきまして申し上げますと、先ほど申し上げましたように、輸入手数料は、その輸入業者が個々の契約につきまして、製品の受領でありますとか検査でありますとか、あるいは輸送の保険契約でありますとか通関手続、そういった業務をやる、あるいは事務をやることによる報酬という性格を持っているわけでございます。 ところがこの代理店手数料と申しますのは、御存じかと思いますが、外国のメーカーがその国にいろいろな市場開拓をする場合に、自分の会社として営業の拠点をつくるよりも、むしろその国のいろいろな法令、商慣習、言語等を詳しく知っておるあるいは精通している商社と代理店契約を結んで仕事をやった方がいいというような判断から、それに見合った経費を払うというのが代理店手数料ではないかと思います。そういう意味でこれは国際商慣習上も認められております。そういう意味で、両者は同じ手数料ということで翻訳は同じでございますが、対象は違うというふうに了解しておりまして、私どもとしては二重にはならない、こういうふうに考えているわけでございます。
○坂井委員 それは二重にならないと防衛庁の立場からは考えなければいかぬわけですね。しかし航空会社はそんな手数料を払ってないわけです。ということになりますと、これは非常におかしな話なんでして、会計検査院長、ちょっと伺いますが、通常代理店契約の骨格の部分は、先ほど言いましたように、代理店としての役務、市場開拓等のかなり広範な任務を持っているわけですね、それに対して最善の努力をいたします、こう決めまして、しかる後において飛行機が売れたならば報酬率に従ってコミッションを払います、こうなりますね。そういたしますと、この役務に対する対価、これが一体原価計算の上でどう反映されるのか、どう品代に反映されるのか、ここのかかわり合いについてはっきりしなければ、いま防衛庁の方では、代理店に対して若干とも輸入手数料を払っておる、一方、購入物品品代、飛行機にはそういう役務の対価たるべきものは含まれていないのだ、こういう認識だろうと思うのですけれども、私は必ずしもそうは言えないと思うのです。役務の対価は品代と非常に大きなかかわり合いを持つと思うのです。ですから、こういう品代と、一方防衛庁が払っている輸入手数料と、いま一方メーカーから来るコミッション、この三つのかかわり合いについては非常に問題だろうと思います。ですから、こういう点についてしっかり見きわめませんと、商社がもうけて悪いという論理を私は決して言っているのじゃありません。商社は商社活動をやるのですから、一定のコミッションがなければできないことは当然なんです。当然なんですが、そういうことではなくて、いま申しましたような三つのかかわり合いについて、これがどういう性格を持つのかということについてしっかり見きわめないといけないということだろうと思いますが、この点について会計検査院はいかなる見解をお持ちでしょうか。
○知野会計検査院長 まさにいまのところが非常に問題なのでございまして、品代の中にそういう代理店手数料というものが入っておるのかどうかということは、アメリカの航空会社の原価計算を見なければわからない問題もあるでございましょうし、そういうところの究明は非常にむずかしいが、できるだけ詰めて究明しなければならぬポイントであることもまた確かでございます。
○坂井委員 もう一遍防衛庁に聞きますが、ダグラスのRF4E、これは日商岩井を通じて入っているわけでございますが、これに対する輸入手数料は幾らお払いになりましたか。
○倉部政府委員 RF4Eにつきましては十四機取得したわけでございますが、昭和四十七年度におきまして機体のほか部品等を含めまして約五十件の契約を締結しておりますが、契約総額は約二百三十九億円でございまして、このうち日商岩井との契約額は約百九十六億円でございまして、このうち輸入手数料として支払ったのは六千万円弱でございます。 以上でございます。
○坂井委員 会計検査院もお調べになったと思いますけれども、今度は逆にダグラス社から日商岩井にはどれぐらいのコミッションが入っておりますか。
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。 日本航空はダグラス社と直接契約しておりますので、日商岩井にどのぐらいのコンペンセーションが入ったかということは、新聞情報によって四十三万ドルというようなことをわれわれは知り得ているだけでございます。
○坂井委員 わからぬわけですな。だが、その辺をはっきりしませんと、購入価格が妥当かどうかというようなことはわからぬわけですよね。また、品代の中に入ってないのだと幾らそうおっしゃっても、それは結果的には、要するに眠り口銭的な、つまり役務に対する対価として品代の原価構成の中に含まれるという部分がかなりあるのではないか、こういうことになりますので、そこら辺のところを今後しっかり見きわめながら検査をしてもらわなければならぬじゃないかということを申し上げておきたいと思います。 それからSEC報告、同じくグラマン社の七〇年から七七年までの軍用機の部品の概略、これが十四万ドルのディスカウントが支払われて日本政府にこれまた知られないように行われた、こういう記述かあるわけでございますが、ディスカウントというのは一体どういう意味なのですか。ほかではコミッションと言っているが、これはディスカウント、こう言ったのはどういう意味なのでしょうか。どう判断されていますか。
○倉部政府委員 SECの報告におきましては、ディスカウントという言葉が使われておりますので、先般グラマン・インターナショナル社の社長オラム氏が参ったときに私どもからこの点について確かめましたところ、グラマン社では事実上のコミッションである、また住友商事の方も、これについては代理店契約に基づく代理店手数料であるという説明をいたしておるわけでございます。
○坂井委員 これは事実上のコミッション、割引なのか、最初からこれだけのものを値段を引いたのかというような実は私は感じを持つわけですがね。この辺も一つおもしろい表現だなと思いますね。これらが日本政府に知られない形でというところに結んでいく、そういう表現だろう、そういうことを意味しているのだろうと思いますので、これはしっかり見きわめてもらいたいと思いますが、いずれにしましても、これらの代理店契約書を見なければ、そういう意味というのがこれまたはっきりしてこないわけですね。そういう意味においても、代理店契約書というのは非常に大事だと思うのですよ。 会計検査院どうですか、これは代理店契約、こういうものを見ればいまのような意味もほぼわかるというようなことになろうかと思うのですが、いかがですか。
○知野会計検査院長 代理店契約を見れば何もかも全部わかるというように、簡単にはいかないのじゃないかと思っております。
○坂井委員 それはそうでしょう。そうですね。そうですけれども、代理店契約を見れば、いまのようなことについて一つの手がかりを得るということにはなるでしょうね。
○知野会計検査院長 そのように存じます。
○坂井委員 公正取引委員会に伺いますが、最初に申し上げました代理店契約書、公正取引委員会が入手されました代理店契約書をだあっと並べてここで報告をしていただきたいと思います。
○橋口政府委員 グラマン及びダグラス社の関係の契約で公正取引委員会が届け出を受領しておるものを申し上げますと、一つは日商岩井とマクダネル・ダグラス・インターナショナル・セールス・コーポレーションとの間の契約でございまして、これは代理店契約書と言っております。アグリーメント・フォア・レプレゼンテーションというふうに英語が付記されております。それから、やはり同じく日商岩井とマクダネル・ダグラス・インターナショナル・セールス・コーポレーションとの間の代理店契約でございまして、これはアグリーメント・フォア・レプレゼンテーションでございます。それから、これは現在の議論と直接関係がないかと思いますが、三井物産とマクダネル・ダグラス・インターナショナル・セールス・コーポレーションとの間の販売支援契約、アグリーメント・フォア・レプレゼンテーションというものも届け出を受領いたしております。 以上の三件でございます。
○坂井委員 時間も参りましたので、最後に総理に一言。 いまのような、若干集中審議あるいは証人喚問に備えまして、基本的なことを私は伺ったつもりでございます。十分ないぶしにはならなかったという実はうらみがありますが、それはそれといたしまして、総理にぜひ資料要求等に対しては御協力をいただきたいのが一点。 それから、この事件が捜査がかなり進展をする、あるいは政府、国会における解明が進むというような段階を待ちまして、中間報告をやはりされた方がよろしかろうと思いますが、そういう御意思をお持ちでありますかどうですかを伺いまして、質問を終わりたいと思います。
○大平内閣総理大臣 私、申し上げておりますように、国会の御調査に対しましては、できるだけ御協力を申し上げるつもりでございます。 それから、中間報告というものでございますが、捜査が始まったばかりでございますので、捜査の経過を見て、また国会の御審議の状況を見た上で考えさせていただきます。
○坂井委員 時間が参りましたので終わります。
○竹下委員長 これにて坂井君の質疑は終了いたしました。 次に、稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 外務大臣が公用でお出かけのことでもございますので、先にお伺いしておきたいと思います。 それはアメリカ局長が日米ハワイ会談の中のグリーン氏の記録か何かにE2Cのあれが載っているということを報告されたわけです。私ちょっとおくれて来たので全部聞いてなかったものですから、それはどういうふうな経過からわかったのですか。
○園田国務大臣 本件が話題になりましてから、元の国務次官補のグリーンさんが、これについて議事録があるというような情報があったわけであります。そこで、各委員から要求もありまするし、外務省としては会談その他にはそれぞれ随員または通訳として出ていくわけでありますから、会談その他の詳細な記録が残っている。その記録をまず調査をいたしましたところ、その記録は完全でありますけれども、この中でE2Cその他航空機の話が出たという記録はないわけでございます。そこで、当時の随員でそれぞれ健在している者一人一人にメモか記憶はないかという調査を、国会からお尋ねになる前に資料要求がありましたから調査いたしましたところ、首席随員の奈良君は病気で亡くなりましたけれども、あとの健在している者は全然記憶がない、こういうことでございます。しかし、どうも日本の外務省の方とグリーンさんの言うことが少し食い違いがありますから、どういう記録でどういう経過だったのかということを問いただしまして、それについての返答を得ましたので、けさほどのような報告をしたわけでございます。──いま奈良と申しましたのは鶴見の間違いでございます。
○稲葉(誠)委員 何か変だと思った。 そこで、それはアメリカのどこへ問い合わせて、どこにあったのですか。国務省にあったのか、あるいは個人的に持っていたというのですか、どうなんですか。
○中島(敏)政府委員 アメリカの国務省に問い合わせたわけでございます。(稲葉(誠)委員「だから、どこにあったんだ」と呼ぶ)国務省の記録の中からそのようなものが出てきた、こういう回答があったわけでございます。
○稲葉(誠)委員 だから、国務省の記録というのはどうなの。正式な記録の中にあったということなんですか、あるいは単なるメモ程度のものがあったという意味なのか、そこのところはどうなんですか。
○中島(敏)政府委員 先ほど申し上げましたように、アメリカ側の回答によれば、このほどハワイ会談記録のうち、日米経済関係に関する討議の報告書の末尾にE2C航空機への言及部分を見出した、こういうことでございます。
○稲葉(誠)委員 法務省の刑事局長にお尋ねするわけですが、それは、今後この事件全体の捜査にとって重要なポイントになるというふうに見ていいかどうかですね、そこら辺はどうでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 検察当局も関心を持って聞いておったと思います。
○稲葉(誠)委員 そこで、外務大臣がおられるときにお尋ねするのですが、これは単に自由民主党の内部の総裁選挙ということで聞くのじゃなくて、現実の問題として自民党の総裁選挙が総理大臣の選挙につながっているわけですね。非常に残念なんだけれども、まあこれはそういうことだから。そこで、それがきわめて非民主的であり、近代的な合理主義にそぐわない形で行われているというふうなことを明らかにしたいというようなことから聞くわけですが、前の福田内閣から続いておるのは、これは園田さんだけですね。ほかの方は知らないわけですね。あなたに聞く以外にないわ、これは。 そこで、そのとき中川農林水産大臣が何か辞職書に署名しなかったとかなんとかありますね。あのときの事情はどういうふうなことだったのでしょうか。ぼくもテレビでは見たけれども、それは出てきてからのものだからそのときの模様はわからぬけれども、どういうことですか。
○園田国務大臣 私も記憶でございますからはっきりいたしませんが、中川農林大臣が辞任の署名をされなかったことは事実であります。そのときの中川農林大臣の主張は、福田内閣はやるべきものは片づけ、するべきものはし、外交から内政から手落ちはない、したがって辞任する必要はないと自分は思う、総裁選挙等についても自分は不服だ、こういう趣旨のことで辞任届に署名をされなかったように記憶いたしております。
○稲葉(誠)委員 その総裁選挙について、ぼくもあの後で、中川さんが閣議から出てきて顔を真っ赤にして何かいろいろなことをしゃべってましたね、テレビで見たんだけれども。──あれ、いないな、さっきいたのだけれども。いたら在廷証人として申請しようと思ったのだけれども、いなくなっちゃった。これは竹下委員長とも非常に仲のいい人のようなので聞こうと思っていたのですが……。この人が目に涙を浮かべて、相手は予備選でインチキ、大どろぼうをやった、なぜわれわれが総辞職しなければならないのか、署名はいやだ、やるなら私を解任してからにしてもらいたいとか、それからこの総裁選挙は自分が国民運動本部長をしてつくった制度であり、派閥解消、反金権のねらいだったのに、この仕組みは冒濱された、こういうようなことを言っているわけですね。 そこで大平さんにお尋ねしたいわけですけれども、この総裁選挙というのが金権選挙であった、それから理想的な形の選挙ではなかった、これは福田さんの方では、何か公選法が適用になればおれの方が勝ったのだなんて、そんなことをどこかで言っていましたね。だからあなたとしては、この総裁選挙が一体どういうふうに清潔に理想的に行われたか、こういうふうに思っていらっしゃるわけですか、これは大事なことですよ、日本の民主主義のために。
○大平内閣総理大臣 総裁選挙は秩序正しく清潔に行われたものと考えております。
○稲葉(誠)委員 あなたはそういうふうに思われているのですかね。それじゃしょうがないでしょう。中川さんはそうじゃないというようなことを言っているわけですが……。 そこでもう一つお尋ねしたいのは、これはあなた方内部の出来事であるというふうにおとりになるかもわかりませんけれども、ぼくは日本の政治というものの民主化のために必要だというふうに考えてお聞きするわけなんですが、福田さんとあなたとの間に、何と言うのかな、政務は福田、それから党務はあなた、大平さんがやるというような、元来三年で任期が切れるところを二年にして、そういうふうなことを話し合われた、あなたが直接話し合われたかどうかわからぬけれども、仲に立ったのが園田直さん、これはソノチョク、ソノチョクと言っているのだけれども、園田直さんのことでしょう。あなたのことだよな。鈴木善幸さん、二人だ、こういうようなことが言われておるわけですね。これはぼくはあなた方個人の問題というよりも、日本の民主主義のために非常によくないことだ、こう思うのです。だから、あなたとしては、そういう事実があったのかなかったのか、まずお答え願いたいのですが、その前に、ぼくは官房長官にお聞きをしておきたい、こういうふうに思います。 これはある自民党の代議士がしゃべったものをノートというか、プリントしたものなんですが、この中でこういうのがあるのですよ。「田中六助君に言わせると、保利さんのところにごく最近行ったところが、保利さんは、福田君は道義的問題をどうするのかねと言ったというのだね、これは田中君を呼んで聞いてみればいい、今度保利系の地元の人がだれを応援しますか見ものですね。」こう書いてあるのです。あなたが保利さんのところに行ったときに、そういうような話があったのじゃないですか。ということは、そういうふうな一種の、何か知らぬけれども、話し合いみたいなものを保利さんのところに預けてあるということが現実にあったのじゃないですか、どうですか、官房長官。
○田中国務大臣 そういうことは聞いておりません。
○稲葉(誠)委員 聞いておりませんじゃないよ、あなた。これは田中君を呼んで聞いてみればいいと言っているんだよ。それはだれが言ったか、もうこれ以上しないけれどもね。そこまでぼくもここでちょっと明らかにするのはあれだから。もっといろいろなことを言っているのだよ。だれが言っているか見当つくでしょうが、あなた。まあここら辺にしておきましょう、あなた方内部のことだから。 そこで総理大臣にお聞きしたいのですが、E2Cの問題で導入に不正があれば、あなたは政治的責任をとるということをおっしゃっておられましたよね。そのことは間違いないわけですか。
○大平内閣総理大臣 私が申し上げたのは、E2C機の導入に最終的に決断をいたしたのは私でございます、したがって、それについての責任は当然私が負うべきものであると承知しておるということでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、E2Cの導入に対して不正というか、そういうふうなものがあって大きな問題になってきた、こういうときに責任をとるという意味がはっきりしないのですよ。総理大臣が責任をとるということは、これは常識的に言うと、前提はあるかもわからぬけれども、総理大臣が責任をとるということになれば、内閣が総辞職するという意味なんですか。これはどういうことなんですか。それ以外に総理大臣の責任のとりょうというのはないのじゃないですか。何かありますか。どうなんでしょう。
○大平内閣総理大臣 私が本議場で申し上げたのは、政治家として、この決断は政治責任を負う、この決断は政治責任を負わない、この行為は政治責任を負い、この行為は政治責任を負わないのだというようなことはおかしい、すべてのことについて政治責任を伴うものであるという自覚を持って職務に当たっておるということでございます。いま御指摘の具体的なケースがどのようにいまから進展してまいりますか、私が決断いたしましたことについて、今後解明が続きましてどのようなことになってまいりますか、私はわかりません。わかりませんが、その推移を見ながら、政治家として私がどのように政治責任を感じて処理したらいいかということにつきましては、その時点で考えていかなければならぬものという一般的な政治家としての姿勢を、心構えを申し上げたのであります。
○稲葉(誠)委員 一般的なことならあたりまえの話なんで、そんなこと言わなくてもいいのですよ。だから、具体的な事件の進展によってはあなたが政治的責任をとることもある、こういうことでしょう。そういうことじゃないの。総理大臣が政治的責任をとるということは、内閣総辞職以外にないでしょう。ほかに何があるの。ただ謝るの。どうするの。あなたがクリスチャンなら本当のことを言わなければだめよ。どうですか。おかしいか、ぼくの論理は。それはおかしくないよ。おかしくないさ。そこまで言ったならば、あなたが政治責任とると言ったのに、今度は政治責任をとるような気構えでやっていくとかなんとか、だんだんトーンダウンしちゃうんだよ。危ないな、こう思ったからそういうふうに防衛しておるのかもわからぬけれども、それはいかぬですよ、一たん言った以上。ちゃんと政治責任とる、それは国民の納得いくような形で政治的な責任を推移に従ってとります、そういうことでしょう。
○大平内閣総理大臣 こういう重大な問題について決断をいたしたわけでございますから、それなりの決意を持って当たっております。
○稲葉(誠)委員 そこだけ聞けば、あとは内政干渉みたいになるからお聞きするのはやめましょう。 そこで、この前、官房長官に武藤委員は千歳の土地のことで質問して、総理もこれを官房長官によく調べるようにということを言いましたよね。言って報告があったんだけれども、あの報告はただ登記簿に書いてあることを報告しただけで、幾らで買ったか、金銭は登記簿に書いてないけれども、そんなことを聞いているんじゃないんじゃないですか、問題は。この問題は、こういうことを聞いているんで、これはここですぐあなたに答えてくれということを言うわけじゃないですよ。それは無理ですから。もう一遍調べ直して九日に、集中審議のときに報告してくれ、こういう意味ですよ。いいですか。 松野さんが防衛庁長官になったのは四十年六月から四十一年七月末まで、この空港の拡張が閣議決定されたのはやめる前の四十一年七月二十二日。それから海部さんと塚田氏が土地を購入したのは四十五年九月二十八日、運輸省が空港用地として買収したのは五十二年三月二十四日。そこで、問題として考えられるのは海部八郎氏と塚田代議士が一体どうして知り合ったのか、これが第一点。それからなぜ共有で買うようになったのか、こういうような北海道の土地を。それが第二点。それから、この空港の拡張があるということは松野さんの防衛庁長官のころに決まったことですから、それを知っていてだれからか聞いて、そして将来値上がりをするか、空港になるかということを考えてこれを買ったかどうか、こういうことがポイントなんであって、ただいつ幾日買って金を幾ら払った、そんなことはあたりまえな話で、そんなことを聞いているんではない。いま言った大きく分けて三つの点を九日までに塚田代議士から聞いてください。あなた、電話で聞いたと言うけれども、電話なんかで聞いてもだめよ、それは。ちゃんと呼んでよく聞かなければだめ。そうしないとわからないですよ、話は。そういうことをしなさい。しなさいじゃない、しなくてはいけませんよ、これは。しなさいじゃない、してちょうだいだ。ちょうだいがはやるから、してちょうだいだな。 それからあともう一つは、これは検察庁というか法務省に聞くんだけれども、運輸省からこの関係の書類を法務省、東京地検は取り寄せしたのですか、それはどうなんですか。
○伊藤(榮)政府委員 ただいま御指摘の件は、当委員会で御論議がありましたから検察当局もよく知っておると思いますが、その知り得たことに基づいてどんな行動をとったか、これは御勘弁いただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 御勘弁いただきたいと言われると、こっちも人がいいから、ああそうかということになっちゃうので……。 それで、もう一つ調べてほしいことは、これは新聞にも報道されておるのですが、塚田代議士が日商岩井の島田三敬常務と去年の、これはいつごろになりますか、ちょっとはっきりしないのですけれども、島田さんが塚田代議士の議員会館に来て、日本の総合商社トーメンとアメリカの電子機器メーカーヒューズ社のヘリコプターの輸入代理店契約があった。そのとき何か島田さんは葉巻を持ってきたとかなんとかいうんだけれども、葉巻を持参して塚田さんのところの部屋へ行ったというのです。それで塚田代議士がその代理店を日商がやったらどうか、こういう話を島田さんにした。そうしたら島田さんがいろいろな違約金の問題なんかがあるから断った、こういうことなんですね。そういうことが報ぜられておるわけです。これはそのほかに、さらにクラスを分けて、上の方のクラスは海部八郎氏がいろいろな連絡をとっておる。それから下の方のクラスというと余りよくないのですけれども、下の方のクラスは島田常務がいろいろ連絡をとって、二班に分かれて自民党の国会議員のところをいろいろ接触していた、こういうことなんですね。 そういうことが言われておるものですから、よくこの関係の事情を調べてください。これは塚田代議士の名誉だけの問題じゃなくて、自民党というか、全体の問題でもあるわけですね。報ぜられている以上、私はこのまま聞くわけじゃなくて真実を調べていただきたい、こういうふうに思います。それも合わせて九日の集中審議のときに質問しますから、それまでによく聞いていただきたい、こういうふうに私は思います。どうですか、官房長官。
○田中国務大臣 私といたしましては、塚田さんの私事にわたることでございますし、稲葉委員のおっしゃるとおりをそのまま伝えることはできますけれども、いろいろそれを強制して調べるというようなことはどうかと考えております。
○稲葉(誠)委員 これは塚田代議士の私事にわたることですか、総理大臣、どうなんですか。こういうことが報ぜられて、しかも、日商岩井に変えたらどうかということまでが言われておるのですよ。報ぜられておるのですよ。それは塚田代議士の私事にわたることじゃないでしょうが、あなた。大変大きな問題でしょうが。しかも代理店変更で相談したとまで言われておるわけですね。 これは、前の土地の問題、飛行場の土地の場合のときにも、総理は、なぜそういう買い上げをしたのか、飛行場の計画がなぜ変更になったのかを解明して疑惑がないようにするのは当然だという意味のことを答えていますね。それであなたが官房長官に命じて塚田さんにいろいろなことを聞いてもらったのでしょう。それはあたりまえの話じゃないですか。もしそれがどうしてもできないというのならしようがない、当委員会に証人なり参考人なりとして来ていただいて、その間の経過を明らかにしなければならないのじゃないですか。総理、どういうふうにお考えです、それは。千歳の場合は官房長官に命じて、こっちの場合は官房長官には命じないの。どういうわけなんですか、それは。
○田中国務大臣 ただいま申し上げましたように、これはやはり塚田氏にとってはプライベートなことでございますし、同僚議員としてそれを伝えることはできますけれども、私として塚田氏にそういうものを調べろということはちょっと無理ではないかと考えられます。
○稲葉(誠)委員 まずプライベートな問題かどうかが、これは大きな認識の相違ですよ。これが第一点。だって大平さんも言っているでしょう。政治家というか、公務員というものは普通のあれとは違うんだと、こう言っているじゃないですか。決してプライベートな問題ではないですよ。それから取り調べというのは、これは言葉が、ぼくの言い方が悪かったかもわからぬけれども──取り調べと言ったかな、ぼくは。──言った。じゃ、まずい。ぼくの癖が出ちゃったんで、それはまずいから取り消すけれども、よく内容を聞いてください、本当かどうか聞いてください、こういう意味です。どうなんです、総理。
○田中国務大臣 あなたからそういう要望があったということを塚田議員にお伝えいたします。
○稲葉(誠)委員 それでは、その問題については理事会でよく取り扱っていただいて──全然要領を得ないですね。これはもう参考人なり証人なりとして御喚問いただく以外ないですよ。もう本人から直接聞く以外ないです。それは私としても同僚だから、ぼくはそんな人知らないですけれども、見たことがないから知りませんけれども、気の毒だと思うからそういうふうにしているわけなんですがね。しょうがないですな。では、後でよく理事会で相談をしていただきたい、こういうふうに思います。委員長どうです。
○竹下委員長 理事会になじむ問題であるかどうか、それをも含めて相談させていただきます。
○稲葉(誠)委員 いや、理事会になじむかどうかということについては、私どもの方で相談をして、理事会の方に、参考人なり証人として御喚問願いたい、こういうことで手続をとらしていただくように相談をしたいというふうに思います。 そこで、官房長官にお聞きをしたいのは、こんなことを言うと、これもまたおれの個人の関係だから、私は答える必要がないと言うかもしれませんけれども、率直な話、あなたは日商岩井とはどういう御関係なんですか。そもそものなれ初めというのか、なれ初めというとちょっとおかしいけれども、それはどういうことから始まってくるのですか。
○田中国務大臣 私と日商岩井のなれ初めは、数代前の社長でございます西川政一社長を、私の知人のある人から紹介を受けたわけでございます。
○稲葉(誠)委員 その後のいろいろなおつき合いはどうなんですか。海部八郎さん、それから島田三敬さん、あるいは植田社長、その他の方とはどの程度のお知り合いでしょうか。
○田中国務大臣 西川社長から海部八郎さんを紹介受けました。
○稲葉(誠)委員 そのほかの人はどうしたの。やけに簡単に答えるな。もう少し詳しく話してくださいよ。あとの人はどうしたの。知らないの。会ったことないのですか。
○田中国務大臣 島田さんは海部八郎さんと一緒に会った記憶はございます。
○稲葉(誠)委員 いや、人に会ったから悪いと言っているのじゃないですよ。そんなことだれも言わないですよ、憲法で認めているのだから。 そこで、海部さんなり何なりとお会いしているというのですが、海部さんとはどの程度お会いになっているわけですか。
○田中国務大臣 最近の五、六年間は会ったことはございません。その以前はパーティーなどでも物を言っておりましたし、まあ、その程度でございます。
○稲葉(誠)委員 これは自治省から正式にもらったもので官報に載っているのですけれども、古いのはわからないのですが、日商時代ですね。これは日商岩井との関係というより、むしろ日商との関係ですね、そうですね。四十年が八万円、やけに少ない。四十一年が二十二万、四十二年が二百二十六万、四十三年が六十二万、四十四年がゼロ、四十五年が四百二十六万、四十六年が三十三万、四十七年が六十万、四十八年が百六十万、四十九年が五百万。東京六宏会というのですか、これはあなたの後援会か何か知りませんが、そこへ届けてありますがね。届けてあるから官報に載っているのでしょうけれども、こういうふうな寄付というか、これは寄付と書いてあるな。寄付を日商岩井からされていることは間違いないわけですか。
○田中国務大臣 私の記憶によりますと、もう十数年前からでございますので定かではございませんが、西川社長の当時二万円からスタートをして、それは会費ですが、二万円からスタートをいたしまして、五万、最後は十五万になったと思います。それから寄付としては、盆、暮れに五十万か百万があったように思います。
○稲葉(誠)委員 五百万というのは何ですか。大分多いですね、四十九年に五百万。これは、寄付を受けたことは間違いないわけですね、官報に載っているのだから。これはどういう関係なんですか。
○田中国務大臣 そのまま自治省に届けるようにしておりましたので、それは事実だと思います。
○稲葉(誠)委員 なぜ日商岩井があなたに五百万をくれるのでしょうかね。どういうわけだろう。何かなければなかなかくれないのじゃないですか。くれるかな。
○田中国務大臣 それは一度に五百万ということじゃなくて、年間の会費と寄付金でございます。
○稲葉(誠)委員 いや、会費と寄付金にしても五百万は多いというふうに思いますが、それで、ともかくあなたが一番多いんだな、自民党の人の中から比べると。これはどういうわけかよくわかりませんが、五十年からはなくなっちゃうんですね。それはどういうわけなのかな。これはあれかな、国民政治協会ができて、そっちの方へ行くようになったのでなくなっちゃうのかどうか知りませんけれども、わかりました。とにかくほかの人と比べるとあなたがずいぶん多くもらっているのですね。あなたをどうこうするという意味じゃないですよ。そんなことじゃなくて、ただ、こういうものが新聞に出ていましたから、事実を確かめなくてはいけないから、それで官報によってあれした、こういうわけです。 それから、私事にわたって恐縮でございまして、お答えがないならないでしょうがないのですけれども、西本菊男という方を御存じでいらっしゃいますか。
○田中国務大臣 知っております。
○稲葉(誠)委員 木下という秘書が十八年間秘書をやっておられて、それがおやめになった、こういうことは事実でございましょうか。
○田中国務大臣 事実でございます。
○稲葉(誠)委員 きょうはこの点はこれだけにしておきますが、いろいろな事実関係を調べて、道義的な責任が追及できるなら追及するということになる場合もあるとも思います。いずれにいたしましても、きょうはこの程度にしておきます。 そこでお聞きをしたいのは、もうさっき出たE2Cの問題で防衛庁長官にお聞きをしたいのですが、予算書に十一億五千百万円という数字がありますね。「航空機購入 うち、早期警戒機」として総額三百四十二億九千三百万円、「うち五十四年度歳出分」として十一億五千百万円、こういうふうにあるわけですね。この数字が一体どこから出てきたのか。これは全然説明も何もないのでわからぬわけですよ。この数字はどこから出てきたのですか。わかるように説明をしていただきたい、こう思います。
○山下国務大臣 ただいま御審議願っております昭和五十四年度予算要求に計上されております御指摘のE2Cの歳出予算額十一億五千百万円は、FMS契約を前提とする米軍提案価格に基づき計上しているものでございます。FMS契約におきましては、購入国からアメリカ政府に前金を支払うことが原則であり、これは米国の武器輸出管理法第二十二条により、米国政府が外国のために装備品等を調達する場合に、米国政府は必要となる資金を購入国政府、つまりわが国でございます、わが国から事前に徴収するとされているためでございます。 この前金は、米国政府が契約相手メーカーに前金として支払うための資金及び米国政府が調達事務等に関しみずから必要とする経費を含んでおるのでございまして、FMS契約を締結するときにはこの前金を支払わねばならないということがアメリカの法律、制度上そうなっておるわけでございまして、これがないことには締結ができないという仕組みになっております。
○稲葉(誠)委員 そんなことはわかっているよ。そんなことは子供だってわかるんだよ。もっとも子供はわからないかもわからないけれども。どこから出てきたのですか、この数字。全体の計画があるでしょう。全体の計画の中の何%とかなんとかいろいろなのがあって出てくるのでしょう、これは。わからないのですよ、これが。(「三百四十三億」と呼ぶ者あり)三百四十三億じゃないですよ。三百四十二億九千幾らだよ。だめだよ、それは。
○倉部政府委員 約三百四十三億円でございますが、そのうちの頭金、これも約十一億五千百万円でございますが、これにつきましては、ただいま長官から御説明いたしましたように、米軍の方からFMSに基づきましてこれだけの頭金でやってほしいという要請がございまして、その価格見積もりの細部につきまして説明を受けるとともに、その資料等いろいろ集めまして、価格の妥当性と積算根拠を確認したわけでございます。
○稲葉(誠)委員 だから、十一億五千百万円というのは約だと思いますが、どこから出てきた数字かと聞いているのです。これはいろいろ集めた数字なのですか。全体の概算の中の何%という数字なんですか、どうなんですか。ちょっと待ってくださいよ。それを認めてくれ、認めてくれと言ったって、わけがわからないじゃないですか、それは。何なんですか、これは。
○山下国務大臣 これは後ほど政府委員から細かく説明いたさせますが、この五十四年度予算につきましては、ただいま御指摘のとおり十一億五千百万円を計上しているのみでございますが、これは正確に申しますならば、E2C四機の購入に要する経費として、国庫債務負担行為を含めまして総額は三百四十三億円、これは正確に申しますが、それの各年別の機体並びに部品等の価格につきましては、後ほど政府委員から説明いたさせます。
○稲葉(誠)委員 そんなこと聞いてないよ。三百四十三億、三億と言うけれども、数字が違うよ。三百四十三億じゃないでしょう。だめだよ、そんなのは。だから、その十一億五千百万円というのは、それじゃどういう中身を持った数字なのかということですよ。説明してごらんなさいよ。計算の基礎は何かということをちゃんと表を出しなさいよ。そういうものを何も出しもしないで、ただこれを審議してくれ、通してくれと言ったってだめだよ、それは。山下さんは人がいいから、あなたのことを余り責めるのは気の毒だと思うんだけれども、しようがない。何なんだ、これは。
○山下国務大臣 申し上げます。 総額は三百四十二億九千三百万円でございますが、そのうち航空機四機分は二百五十一億一千八百万でございます。その単価は六十二億七千九百万円でございます。そして初度部品が九十一億七千五百万円、したがいまして、二百五十一億一千八百万円と九十一億七千五百万円を足しましたのが三百四十二億九千三百万になるわけでございます。 そのうちの単価は、もう一度申しますと、機体といたしましては六十二億七千九百万、初度部品として二十二億九千四百万でございます。そのうちの五十四年の年割り額を申しますと、航空機につきましては八億六千万、そして初度部品は二億九千百万、合計十一億五千百万を五十四年度予算として御審議願っているわけでございます。 大変失礼いたしました。
○稲葉(誠)委員 初めからそれを言えばいいんだ。 そうすると、いまあなたが言った初度部品、これはもう概算要求の書類があるでしょう。これを見ますとこういうふうに書いてある。「一機あたりのフライ・アウェイ・コストは約七十二億円、補用品を含めると約九十四億円であり、将来E−2C九機による監視体制を計画している。」まあ九機の問題はいい。これはいいんだけれども、これは七十二億とそれからあと二十二億を含めると九十四億になる。これは概算要求、そうなっていますよ。それとこの数字の「諸器材購入」、「早期警戒機(E−2C)関連」総額で二十億八千七百万、初年度が五億二千二百万か、これとどういう関係になっているのか。
○山下国務大臣 政府委員から申し上げます。正確に申します。
○倉部政府委員 E2Cの価格は、五十四年度予算要求に計上しております一機当たりの価格につきましては、先ほどフライアウエー・コストと申されましたが、これは飛行機が標準状態で飛ぶときの価格ということでございまして、ただ、ミサイルであるとか、あるいは燃料等は入っておりませんが、ともかくそういった標準の状態で飛べる価格ということでございまして、これが一機当たり平均六十二億七千九百万円でございます。その上に一機当たり初度部品としまして、これは予備エンジン関係その他の部品等があるのじゃないかと思いますが、二十二億九千四百万円でございます。これが一機当たりのフライアウエー・コストと初度部品の費用でございます。
○稲葉(誠)委員 だって、ここの概算要求は七十二億と書いてあるじゃないの。それで補用品を含めて約九十四億と書いてありますね、これは。六十二億と二十二億を足すと八十四億か。これはどうなんだ。減っちゃったのか。どういうふうになっているんだ。
○山下国務大臣 正確にはまた政府委員より説明いたさせますが、実は概算要求と正式に予算計上しましたことにつきましては、アメリカのE2Cは航空母艦に載せるのが大体主であるようでございます。ところがわが国におきましては陸上から発進するということになっておりますので、そうしたことで設計変更等がございますし、また、その他につきまして多少、日本の国情に合うような設計変更等がございますために、最終的にはいろいろ価格がそのように違ってまいったと思うわけでございます。
○倉部政府委員 ちょっと補足させていただきます。 ただいま長官は、アメリカにおける調達価格と私どもの購入する価格との差に関係する問題をちょっと御説明されたわけでございますが、先ほどの概算要求のときの数字の違いにつきまして申し上げますと、要因が二つほどあると思います。一つは、一番大きな理由は、当時の一ドル当たりの円の為替レートの問題がございまして、これが当時二百三十四円で計算しておりましたが、その後百九十五円で計算し直しましたので、非常に大きく効いたわけでございます。それが中心でございます。
○稲葉(誠)委員 もうさっき長官は、概算三百四十三億、これについては何かFMS方式でいくから、だから日商岩井のコミッションなんか入る余地はない、こういうふうにおっしゃいましたね。ところが、いま言った中で、当初の、初年度の調度品というのは九億一千七百五十万か幾らか、そういうのがありますね。こういうのはどうなるのですか。これも全部アメリカから買うのですか。これはどうなっているの。──初め二十五億で、それから補用部品が九億一千幾らと言ったでしょう。その方もどうなっているのですか。
○倉部政府委員 ちょっといまの御質問の御趣旨がわからないのですが、申しわけありません。
○稲葉(誠)委員 もうさっきは、三百四十二億九千三百万、これについてはFMS方式でいくから、だから日商岩井やなんかのコミッションなんか入る余地はないと長官は言ったでしょう。ところが、いまの説明だと、この三百四十二億幾らの中には、調度品というかいろんな部品みたいなものも入っているのではないか、こう言うのですよ。
○倉部政府委員 初度部品が入っております。
○稲葉(誠)委員 初度部品が入っているのでしょう。その分はどうなっているのかと聞いているのですよ。
○倉部政府委員 その分もFMS方式で同じように扱うということでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、この金額全部については、どういう計算をして三百四十二億九千三百万円というのが出てきたのですか。円レートの換算はどうなっているのか。将来、五十七年、五十八年に入るのでしょう。そうすると、いまの契約するときのレートでいくのですか、また、いつのレートで計算してこういう金被になって出てきているのか、これがまたよくわからないわけですね。そういうのがはっきりしないとだめだな。
○山下国務大臣 実は、部品につきましてはっきりしておきたいことは、部品はやはりFMSでない場合があるのではないかと先生おっしゃいましたが、これは初度部品につきましては完全にFMSなので、あとの修理とかいう補用部品につきましては一般契約による場合がある、細かいことでございますが、その点だけはっきり申し上げておきます。 あと細かくはまた政府委員からお答えいたさせます。
○倉部政府委員 先ほど、将来の、たとえば三年後の価格がどうなるかを加味してあるかどうかという御質問がございましたが、現時点での価格で計算をしておるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 だから、現時点というのは本当はいつなんだ。まだ契約していないのでしょう。これは契約するときでいくのか、いつのレートでいっているの。これはどうなっているのですか。
○倉部政府委員 一ドル百九十五円という前提で計算した数字でございます。
○稲葉(誠)委員 それはいつのやつですか。
○倉部政府委員 その予算の査定を受けたときに百九十五円ということで大蔵省の査定を受けておるわけでございます。
○長岡政府委員 お答え申し上げます。 外貨関連の予算の計上の仕方でございますが、これは支出官レートというものが支出官事務規程で決まっておりまして、現在のレートの決め方は、六月から十一月までの六カ月間の平均のレートを、これは予算の編成の直前でございますので、それを用いまして予算に計上をいたしてございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、債務負担行為の金額は変わる可能性があるわけですね。そうすると、十一億五千百万円も変わる可能性があるのかな。それはどうなんですか。
○長岡政府委員 お答え申し上げます。 ドル建てでございますから、ドルの方は変わりませんが、円の方は相場が変われば変わる可能性がございます。 そのときの仕組みは、現実にこちらが金を払いますときの、相場によって払うわけでございますけれども、国は、ただいま申し上げました支出官レートで小切手を切りまして日銀に支払いを依頼するわけでございます。その時点で、百九十五円よりも円高になって円が余るというような事態には、その差額は雑収入として国庫に還元されます。足りない場合には、日銀の方から請求がございまして、貨幣交換差減額という予算が組んでございまして、それで不足分を日銀に追加払いをする、こういう仕組になっております。
○稲葉(誠)委員 そうすると、その上に「諸器材購入」として「うち、早期警戒機(E−2C)関連」として総額二十億八千七百万、五十四年度が五億二千二百万、これがありますね。これはアメリカから買うんじゃないんですね。アメリカから買うとしても、民間取引で買う、こういう形になるわけでしょう。そうするとこれはコミッションなり何なりというものは──そうあわてなさんなよ。落ちついてよ。落ちついてよく見なさいよ。あなたは人がいいから気の毒でしようがないけれども、落ちついてね。これは民間取引になるわけでしょう。民間から買うわけでしょう。
○山下国務大臣 これは関連器材のことでございますね。(稲葉(誠)委員「予算書を見てよ、あなた。予算書を持ってこなければだめじゃないか。予算書を持ってこいよ」と呼ぶ)
○倉部政府委員 どうも失礼いたしました。 関連器材につきましては、そのすべてがFMSではなくて、一部一般輸入も入っております。この関連器材と申しますのは非常にむずかしい名前の器材がたくさんあるわけでございますけれども、簡単に申しますと、飛行機の整備、試験をするための器材でございまして、当初はアメリカにおいてその器材を使いまして、日本から参る整備関係の教育用に使い、日本に戻りましてそれを整備用に使うという器材でございまして、総額約二十一億円ということでございます。五十四年度分としては、歳出額約五億円だったと思いますが、という形になっております。 以上でございます。
○稲葉(誠)委員 この諸器材購入のいま言った金額、全部で二十億でしょう、二十一億近いけれども、これのうちどの程度がFMSで、どの程度が商社輸入なんですか。その辺は一体どうなっているんだ。そういうのをちゃんと初めから書面で出しなさいよ。
○倉部政府委員 約二十一億円ございますが、その内訳としまして、FMS──この二十一億円が六品目でございます。申し上げますと、計算機表示装置、統合試験装置とかあるいは計算機制御テーブルとかあるいは受動電波探知装置用プログラム試験器材とかいうふうなものが六品目あるわけでございますが、このうちの三品目、九億円につきましてFMS契約でいきたい、それから残りの三品目、十二億円につきましては一般輸入でいきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
○稲葉(誠)委員 大体わかりました。 そうすると、この初度補用品というのですか、それはどのくらいたつと取りかえるのですか。何年ぐらいもつのですか。それはどうなっているの。
○原政府委員 この飛行機の耐用命数は約一万時間でございますので、約十五年ないし十六年使える、こういうことでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、このFMS方式をとるようになったのはどういう経過から、どこからの話、どことどこの話でこういうふうになったのですか。アメリカからの話、こっちからの話、どっちなんです。
○倉部政府委員 どこからということではなくて、私ども自主的に判断いたしまして、と申しますのは、FMS制度というのは前からございますし、一般輸入等、十分に比較しまして、どちらが有利であろうかということを考えたわけでございます。 その際、FMSでありますと、たとえば米軍用を生産するときに一緒にロットとして生産できる便利があるとか、あるいはそのソフトウエア関係につきましては、非常に米軍の秘密の問題もございますので、これは新しい特殊な飛行機でもございますので、FMS方式で米軍のいろいろな面での支援を受けた方がベターではないかという判断に立ってFMS方式を自主的に選んだわけでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、FMS方式をとることの場合は、アメリカ軍との間に何か協定みたいなものをやって、そして秘密を守ることのアグリーメントか何かやるのですか。それはどういうふうになっているのですか。
○倉部政府委員 日米間の相互防衛援助協定に基づきまして、防衛秘密として私ども秘密を守るということでいきたいということでございます。
○稲葉(誠)委員 いきたいと思うということは、まだそこまでの契約を──どういうふうになっているの、アメリカとの間の話が。何だかわからないなあ。
○山下国務大臣 ただいま政府委員も申しましたFMS調達、フォーリン・ミリタリー・セールスと申しますが、これは日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定、昭和二十九年条約第六号に基づき、米国の法律──米国の法律はずっといろいろ根拠法が変わってまいりましたが、現行は、一九七六年でございますから昭和五十一年になりますが、一九七六年六月三十日制定の武器輸出管理法に従いまして、有償援助として日本国政府が米国政府から防衛物品及び防衛役務を調達する方式でございまして、いわば政府間契約というべきものでございます。
○稲葉(誠)委員 これは一体どこが援助なんだ。こっちは金を出して買うのに、一体どこが援助なんだ。
○山下国務大臣 正確には政府委員から申し上げると思いますが、無償援助と有償援助とございまして、一ころは無償援助もございましたが、これは有償援助となるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 だからどこが援助なんだ。金を払うんじゃないの、どこが援助なんですか。
○倉部政府委員 お答えいたします。 商社のかわりに米軍がいろいろな調達をやり、また、先ほど申しましたように生産管理あるいは秘密の管理等について米軍が取り扱ってくれるための便宜がたくさんございますので、それがいわば援助に当たるというふうに考えます。
○稲葉(誠)委員 何だかわかったような、わからないようなことを言っているけれども、これは後でぼくらの方で別にあれします。こういうことばかりやったって時間がもったいないもの。 そこで、こういうのがあるのです。昭和四十六年二月一日の予算委員会で、楢崎さんが中曽根さんに聞いているのだけれども、中曽根さんはいろいろ言っているが、「AEWという飛行機は、超低空で侵入する敵機を捕捉するために必要で、」云云と言っていて、「私はこれをいま検討しておりまして、空幕のほうでも最終報告をまとめるという段階になって、慎重にやっておりますが、これは非常に慎重を要すると実は思っております。日本のようなこういう国柄で、そういう高いお金のつく飛行機を、一機や二機で済まぬのでありますから、やはりある単位をもって周期的に飛行して、常に一機、二機は上空におってその用意をしていなければならぬ、そういう体系の飛行機でありますから、機数も若干要るし、お金も非常に高くかかる。そういう場合に、日本のようなこういう防衛体系をとっている国において、小学生にダイヤモンドの指輪をはめさせるようなことになりはしないか。」こう言っているんだね。この「小学生にダイヤモンドの指輪をはめさせる」というのは、どういうふうに理解するのですか。
○山下国務大臣 いま御指摘の点については、私からはっきり申し上げます。 当時、中曽根長官が、いまお読みになりました速記録によりますと、「日本のようなこういう防衛体系をとっている国において、小学生にダイヤモンドの指輪をはめさせるような」というふうなことでございますが、そうお話しになったのは、実はこの早期警戒機はただいまも御審議いただいておりますように大変高価なものでございます。したがいまして、いやしくも不必要なものを買ったなどという批判を受けることのないように、その採用に当たっては、いろいろ防衛体系や効率性等々につき慎重かつ十分な検討を行う必要がある、このような趣旨で申されたと思うわけでございます。 ただ、早期警戒機の導入は、重ね重ね申し上げておりますとおり、わが国の防衛上欠陥がございます、穴があるわけでございまして、その低空侵攻対処機能の欠落を是正するため、これは欠くことのできないものであるということの認識については、先ほど申し上げたとおりでございまして、そのために長年にわたり検討いたしまして、E2Cが最適であると思いましたものであります。したがいまして、現在の防衛庁の自衛隊の体制からいたしまして、決して小学生がダイヤモンドを買うようなものではない、このように考えておるわけであります。
○稲葉(誠)委員 昭和四十六年当時は小学生にダイヤモンドの指輪をはめさせるようなものであって、いまは違うというなら、昭和四十六年当時の国際情勢といまの国際情勢と一体どこがどういうふうに違うのか、そこら辺のところをはっきり説明しなければだめだ。だからあなたの話は、野呂さんがこの前質問したでしょう、いないかな。体はりっぱだけれども説得力がちっともないんですよ。
○原政府委員 国際情勢ということよりも、兵器技術の進歩でございまして、あの当時と比べますと飛行機の性能が大変進歩をいたしまして、エンジンの強さも強くなるし、それから低空で入るというのは普通は大変危険なことでございます。それが航法技術が進歩いたしました結果、いまでは非常に超低空で入り得るというのが戦法としてむしろ普通になってきている、あの当時は必ずしもそうではございませんでした。そこが非常に違うわけでございます。
○稲葉(誠)委員 これはいろいろ議論があるところですが、ミグ戦闘機のとき亡命したんだって、ソ連だって中尉が出発するのを全然わからなかったのでしょう。それは大出さんが詳しく質問していますよ。(大出委員「そう、そう」と呼ぶ)だから、それはあなたに任せよう。それはあなたに任せてあれしますが……。 それで、ちょっとあれを聞きましょう。せっかく法務大臣来ているし、それから刑事局長来ていますから聞きますが、これは集中審議のときに詳しく聞くと思いますが、ロッキード裁判のときに、日商岩井の人を証人として調べたことがありますね。それは、どういうことからだれを調べたのでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 捜査段階におきましてどういう人を調べたかということをくまなく申し上げるわけにもまいりませんが、まず申し上げられますことは、ロッキード事件の公判におきまして検察官は島田三敬氏の検事調書を証拠調べ請求しておりますが、被告人側の不同意によりまして撤回いたしまして、同氏を証人として申請いたしました結果、全日空ルートの第十五回公判、丸紅ルート第十五回公判におきまして、それぞれ検察側証人として全日空に対するB747SR型機の売り込み状況等について証言しておるわけでございます。これによって御了承願いたいと思います。
○稲葉(誠)委員 外務大臣、いいですよ。
○竹下委員長 外務大臣、退席されて結構だそうであります。
○稲葉(誠)委員 いまの話は直接ロッキードの事件と関連するのではなくて、いわば傍証ではないのですか。それでなぜ日商岩井の島田さんを二回にわたって調べて、不同意で証人として出廷するようになったのですかね。関係ないんじゃないですか。どういう点が関係してきているわけなんですか。
○伊藤(榮)政府委員 どういう点で関連しておるかということを一言で申し上げるのは、立証の全体系を御説明しないと正確でございませんので、簡単にはなかなか御説明しにくいわけですが、検察側の尋問の内容その他によりますと、当時の大庭社長から若狭社長に切りかわる前後にかけまして、いわゆるジャンボ機につきまして熾烈な売り込み合戦があった。そういう関係がひいてはロッキードの実態関係に影響を持っておりますので、そういう観点から立証に努めたように思われます。
○稲葉(誠)委員 ちょっとよくわかりませんけれども、集中審議のときにまた改めて聞きましょう。 私どもわからないのは、今度の事件で島田さんを六回調べた、こういうことですね。その六回調べたということは──なぜ島田さんを調べたのかということですよ。調べたという言葉は悪いかもしれませんけれども、どう言うのかな、事情聴取か、それは日商岩井の方に来てくれということを言ったのか、あるいは海部さんに来てくれと言ったのに本人が出てこれなくてかわりに来たのか、あるいは島田さんを名指しで来てもらったというのか、その前に何かプロセスがあって島田さんに来てもらった、こういうふうなことなんですか。そこはどういうことになっているわけですか。
○伊藤(榮)政府委員 島田さんにつきましては、御承知のように不幸な、異常な事態がございましたので、特に数回にわたって事情をお聞きしたということを申し上げているわけでございます。 ところで、現在検察当局がやっていますことは、島田さんから事情聴取をするというだけではなくて、あらゆる手がかりその他を求めまして、参考になる方から事情を聞いたりいろいろな資料を集めたりしておるわけでございまして、その一環として島田さんも事情をお聞きした、こういうことだろうと思います。
○稲葉(誠)委員 だから、その島田さんの事情を聞くのは、そうすると直接はどういう必要があるのかな。どうなんですか、それは海部さんではいけなかったのですか。どうなの。
○伊藤(榮)政府委員 察するに、島田さんから数回にわたってお話を承る必要があるほど、いろいろ御存じの方であったのではないかと思います。
○稲葉(誠)委員 まあ亡くなられた方で本当にお気の毒ですから、これ以上は余りお聞きしたくないのですが、検事の調べが三十一日にあって、それから一日にまた来いと言ったわけですね。これは宗像検事かな、ぼくは宗像という人知りませんが、これはまだ中堅の検事だな。それで三十日に役員会があったときに、何か島田さんは役員会に来なかったですね。検察庁に呼ばれているというようなことを言われておったようなんですが、三十日は検察庁では呼んでなかったのじゃないですか。
○伊藤(榮)政府委員 東京地検からの報告によりますと、中旬からお亡くなりになる前日までに六回事情を聞いておるそうでございますが、御指摘の三十日でございますか、役員会のあった時点、時刻には事情をお聞きしていない、こういうことのようでございます。
○稲葉(誠)委員 いまのはちょっとむずかしい答弁で、余り内容に立ち入ってもなんですけれども、その前の二十九日の晩に海部さんと島田さんが、郷土料理か何かやるところがありますね──検察庁は知っているでしょう。つかんでいるのじゃないかな。二人が会っていろいろ話をしておったということは聞いておられますか。
○伊藤(榮)政府委員 ただいまの点はちょっと、郷土料理か何かの店の点を含めまして、私は報告を受けておりません。仮に報告を受けておったとしましても、なかなかお答えしかねる問題であろうと思います。
○稲葉(誠)委員 伊藤刑事局長というのはやはり頭がいいね。ぼくより頭がいいよ。本当だ。この点はまた後で料理屋のなんの方はゆっくり聞きましょう。 ただ、問題になってくるのは、ここだけ聞いておきましょうかね。SECの資料の到着、これはボーイングとグラマンとそれからダグラスがありますね、これは大体いつごろ到着するというふうに考えておられますか。非公開資料だな。
○伊藤(榮)政府委員 もうこの司法取り決めに基づきます資料の引き渡し要請をしましてから若干の日時を経ておるわけでございますが、アメリカ側のいろいろな事務手続、法律上の手続等があるようでございまして、それらの問題につきまして、グラマンとダグラスの関係で若干手続が違うようでございます。その関係から、結論的に申し上げますと、今後米側の手続が順調に進みますと、二月中旬から同月下旬にかけましてグラマン、ダグラスの順で入手が可能になるのではないかと考えております。
○稲葉(誠)委員 常識的に考えると、その資料が到着をするというと捜査が急展開をするということも、常識的にですよ、一般的にか、そういうこともあり得るのではなかろうか、こういうふうに考えられますか、どうですか。
○伊藤(榮)政府委員 私も中身がわかりませんから何とも申し上げられませんが、来れば来ただけのことはあるのじゃないかと思います。
○稲葉(誠)委員 なかなかしかしいい答弁をするなあ。感心したよ。 それじゃ、今度は経済のことを聞きますよ。ぼくは経済のことわからないなんて言われるとしゃくにさわるから聞くんだよ。本当だよ。いまの前の問題はまた別の集中審議のときに聞きます。 これは大蔵大臣、あなたに聞くのだけれども、ぼくはわからないんだけれども、不公平税制、不公平税制と言うでしょう。これは一体何なんです。不公平というのはあるの、そういうのは。
○金子(一)国務大臣 私どもは普通政策税制と呼んでおるものを、間々不公平税制と言われておる場合が多いのでございまして、政策的に、たとえば中小企業育成のためにあるいは少額貯蓄の助成のために特別の措置を講ずるというようなのは比較的問題なく、不公平税制とは言われないと思うのでございまするけれども、たとえば医師、お医者様に特別の概算経費率を適用するとか、そういった特殊の場合に、それがよく不公平税制と言われておるのであります。私どもは、そういうことじゃなしに、政策目的を果たしたものはどんどん整理していきたいということで、ここ数年相当思い切った整理をやってまいっております。
○稲葉(誠)委員 そうすると、医師の優遇の税制というのは、これは不公平税制として認めるの。
○金子(一)国務大臣 世間で最も典型的な不公平税制と言われてまいりました。だから、それは私どもとしましては、過去相当長い期間いろいろな面で、ある程度公共的な役割りを果たしながら診療に従事していただいておった方々に対する特殊の概算経費率、こういうふうに見ておったわけでございます。
○稲葉(誠)委員 世間で言っていることじゃなくて、大蔵省として不公平税制として認めるか認めないかと聞いているのですよ。──ちょっと待ってよ。 ここで、官房審議官福田幸弘君というのが一般消費税についてという中で言っているんだけれども、これは去年の九月二十五日、国民政治研究会で言っているんだけれども、「医者の問題が不公正であることは間違いない。われわれは、これを直すことをしょっちゅう言ってるのです。これが不公正であるということについては、異論はない。」「医師税制は間違いなく不公正」こう言っていますよ。だから、大蔵省でも医師税制、いろいろなほかのやつはありますよ。だから特別措置全部がどうというのじゃなくて、医師税制は不公正だということは、これはもう認めているんじゃないんですか。どうなの。認めないの。
○金子(一)国務大臣 その福田審議官の書いたものか言ったものか、ちょっと見ておりませんけれども、現実にお医者様の概算経費率が時代にそぐわなくなった、これは庶民感情からあるいは国民感情から速やかに是正してほしいという強い声が出ております。私どももその必要性を認めて今日までいろいろ努力してきた、こういうことでございます。
○稲葉(誠)委員 何だか大臣らしくない答弁をしますね。役人の答弁だな、いまのは。(「根が役人だもの」と呼ぶ者あり)もっとも役人だ、前は。 それで、わからないのは、医師優遇税制というものにおきまする非課税分、これはたとえば七二%でしょう。実際の会計検査院のやつは五二%ね。だけれども五二%じゃない、大蔵省では五〇%と見ているんじゃないですか。これはどうでもいいや。五二%でもいい。そうすると、二〇%の間があくわけだ。そうすると、非課税分というものは、たとえば五十三年度の国民総医療費が十兆四千億とすれば、二〇%として二兆幾らというものが非課税分になってくるんじゃないですか。どうなの、それは。
○金子(一)国務大臣 計算の仕方は、数字的には政府委員から答弁させまするけれども、いまお話しのように、従来の概算経費率は七二、それから、大蔵省がまあ平均的な概算経費と考えておるのは五二です。その二割を要するに甘く見過ぎておったと。それが二千二百六十億円、こういうふうに計算しておるわけでございまして、社会保険診療の分だけでございますから、医療費全部やっておるわけじゃございませんから、いま申しましたような数字になってきた、こういうことでございます。 細かい点は、場合によれば政府委員から答弁させます。
○稲葉(誠)委員 私の聞いているのは、非課税所得の分というのは、たとえば二〇%と見れば、それは十兆とすれば二兆でしょう。半分に見たって一兆円でしょう。それを二千二百六十億という根拠がどういうのかわかりませんが、それを書面で出してもらいたいと思うのです。 ここで、税理士で有名な大臣がいるわけだ。非常に謹厳実直なイギリス型の紳士がいるわけだ。ええと言ったって、笑ったって、あなたのことじゃない。その人の書いたものを見ると、こういうふうになっているんだな。これはよく聞いて、あなた方も言ってくださいよ。「たとえば開業医の、二十ベッド以下の薬代の年間の請求は四十何%なのです。ところが医師会のつくった資料だと二十何%しかない。そこにだって一五とか、二〇%とかという開きがある。この開きというのは非課税所得なのです。」これはなるほどそうだよね。「そうすると兆の金になってしまう。一〇%違えば十兆円医療費の中では一兆違うわけですからね。大蔵省の言ってる医師優遇の免税額が千六百億とか二千億円というのはウソなのです。では何でそれを大蔵省は言えないかというと、本当のこを言ったら、袋だたきに会うからです、莫大な免税をしておきながら何で黙っていたのだということで。今まで、批判されるのを恐れて免税額を少なく言ってきているから、突然本当のことは言えない。罪を重ねてきているから、突然言ったらえらいことになっちゃう。現実の姿というのはね。少しずつしか本当のことに近づけない。」こう言っている。これは渡辺美智雄さんが言っているわけですけれども、これだと、大蔵省はうそついてごまかしているのだ、だから、本当のことを言うと袋だたきに遭うから言えないのだ、こう言っている。だから、あなたのいま言っている、あなたの方二千二百六十億というなら、それはどういうような数字でこの数字は出てくるのか、それを明らかにしてほしいと思うのです。──ちょっと待ってください。そうすると、それはぼくらのところで計算しますから、どこにごまかしがあるのかということを計算して出してきますよね。二〇%の違いがある、だから国民医療費、診療総額、それに対して二〇%掛けたものが非課税所得であるということは間違いないでしょう、それは。それの何%か掛けたものが税金なら税金になるということになるかもわからないけれども、累進だから高いからということで相当な金額になるんじゃないの。ぼくの言うのよくわからないですか。渡辺国務大臣どうなの、あなたの言っていることは……。
○高橋(元)政府委員 ただいま御質問ありました社会保険診療報酬課税の特例の対象になります医療費というのは、総体の医療費の一部分であります。どう違うかと申しますと、たとえば公立病院等で行っております診療行為、これが十兆円の中には入っております。 そこで、個人の開業医が受け取った社会保険診療報酬の額が幾らかということでございますが、それはまた、医療保健業という私どもの方の税務統計で分類いたしております業種の所得から推計していくわけでございますが、医療保健業の中には、たとえば柔道整復師でございますとか、はり、きゅう、マッサージというような方が入っておりますから、これは一応除外いたします。その後で、また自由診療というのがございます、これも除外いたします。それから、残りましたのが、たとえば国民健康保険、健康保険、日雇い健保、船員保険、各種の共済、医療扶助、精神、結核等々法律に列記してあります租税特別措置法二十六条の適用を受ける社会保険診療報酬になるわけでございますが、受けられる、特例の適用対象になります社会保険診療報酬でも二八%課税を選択されない部分というのがございます。これは、たとえば大きな病院でございますと当然経費が高くなりますから、それは二八%課税の適用を受けていない。そういうものを逐次除外していきまして、私どもの方の税務統計を基礎にしまして五十三年度の申告所得税分の特例の対象になります社会保険診療報酬の額を推計いたしますと、二兆五千三十億ということになるわけでございます。それはなぜかと申しますと、たとえば先ほど公立病院と申し上げましたが、かなり大きな大病院がございますね、こういうものはすべてこの対象外でございます。大学病院で行うものもそうでございます。そういうものは全部社会保険診療報酬課税の特例の適用対象外でございます。したがいまして、個人の開業医が受け取ります特別措置法の二十六条にいう社会保険診療報酬の額は、全体の中で二兆五千億ということになるわけでございます。 そこで、いまもお話がございました特例経費率、これは法定された率が七二%でございますが、実際の平均経費率が五二%、こう見込みまして、その差額二〇%をこの二兆五千億に掛けますと五千十億円ということになるわけでございます。五千十億円が仮にその所得率が二八%でなくて四八%であったならば、その場合に受けられる所得税の累進税率というものと、現に二〇%をよけいに経費とみなして低い平均税率を受けておられるわけでございますから、その差額をわれわれは技術的に上積み税率と言っておりますが、その上積み税率が大体平均の医業の開業医の方々で四五%というふうに見込むわけでございます。これはいろいろ計算してみますとそういうことに相なるわけで、五千十億円に四五%掛けたものが昨日大臣が申し上げておりました二千二百六十億円という五十三年度の減収見込み額と相なるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 いまの細かい数字は資料として出してもらいたいと思うのですよね。そうすると、今度の医師の税金、あれではどのくらいが、いまあなたの方で言う二千二百六十億、このうちからどの程度が削除されるというか、取れるというか、総収入になってくるのはどういうふうになってくるのですか、今度の法律でいくとこれとの関係は。
○高橋(元)政府委員 五十四年の四月から適用になるわけでございますが、五十四年の四月からを仮に五十四年の一月からの平年度であったというふうに仮定いたしますと、一千億円の増収になります。
○稲葉(誠)委員 これはたとえば二千五百万円以下は七二そのままだ。ただ、三千万円のときは七一か七〇か。それは三千万円のところは全部が七一とか七〇になるのじゃなくて、上積みされたところだけでしょう。それを世間ではそういうふうに見てないわけだよね。三千万円のところは全部が七一になるのだというふうに見ておるようですね、よくわからないかもしれませんけれどもね。 いま言ったような数字が出てくるのですかね。それじゃそれは後でよく検討しますが、いまは、渡辺国務大臣が言ったこれはどうなんだ。うそだ、うそだと言っているんだよ。何でそれを大蔵省は言えないかというと、本当のことを言ったら、袋だたきに遭うから、こう言うんだな。どうなんだ、これは。「莫大な免税をしておきながら何で黙っていたのだということで」云々と言っているんだけれどもね。同じようなことをほかの本でも言っているけれども……(渡辺国務大臣「それは何」と呼ぶ)これはあなたがしゃべっているんだよ。五十三年十月三十日に国民政治研究会で言っている。あなたよくしゃべるから忘れちゃっているんだ。書いてあるよ、ここに。これを見てください。
○渡辺国務大臣 ちょっと見せてください。──大体間違ってないと思います。大蔵省がいまちゃんと証拠をつけました。二千億じゃきかないです。(稲葉(誠)委員「何がきかない」と呼ぶ)そこに書いてあるのは、世間で当時免税額が千六百億とか二千億とか言うのはうそです。だからもっと多い。ということはいまも大蔵省が説明をしたとおりこれは免税額……
○稲葉(誠)委員 それはわずか一割ぐらいの差じゃないの。一割ぐらいの差であなたうそだとかなんとか言うのはおかしいのじゃないの、それは。いま大蔵省が二千二百六十億と言ったのでしょう。これではあなた方、二千億とかなんとかいうのはうそだ、こうはっきり言っているんだもの。何でうそを言うかというと、こうだと説明しているんだ。──まあいいや、後で大蔵省から資料をもらって、説明を聞いて、こちらの方でも検討をしながらやっていくようにしたい、こういうふうに思います。 それから、これはぼくは調べてみたけれどもよくわからないのですが、これも渡辺国務大臣言っているんだがね。「ことしも医師会は補助金を四十五億円ももらってる、自分の健保を運営するために。だから医者の掛け金が保険では一番安い。一家族当たり年間十四万ぐらいですかな。医者は自分で国保組合をこしらえてる、各県ごとに。そして四十五億も補助金をもらってる。一千数百万も加入している、」この数字はおかしなものだと思うんだな。「皆さんの会社の組合は、十二億円しかもらってない。一人八十円足らずです。医者は一世帯当たり、六万円ぐらいもらってる。医師国保に対する国庫補助金は案外に知られていない。隠しているから、わからない。」どこにこの四十五億というのが出ているの。これは大蔵省か厚生省かどっちかだ。
○石野政府委員 医者につきましては、医師国保組合というのを結成しておりまして、その組合に対しましては医療費の二五%を定率補助をいたしております。その額が恐らくその数字であろうと思います。
○稲葉(誠)委員 恐らくその数字だろうじゃないよ。ちゃんと研究しなさいよ。計算して出してごらんなさい。
○石野政府委員 ただいま手元に数字がございませんので、すぐ調べてきます。
○稲葉(誠)委員 何だ、医師国保二五%……。何を払っているの。補助金。四十五億円ぐらいになるの、これは。
○石野政府委員 医療費の二五%を定率補助をいたしておるわけで、これはどの組合でも出しているわけです。最低です。
○稲葉(誠)委員 どの組合でも出している。そうするとほかの組合でもそういうものを出しているの。医師の会にどうしてそんなに出す必要があるの。
○石野政府委員 これは国保組合につきましては、いろいろ財政的によいところも悪いところもございますけれども、最低二五%は医療費助成をいたしております。最高では、たとえば土建国保等につきましてはまだいいものですから、その点につきましてはやはり二五%、さらにいわゆる一番悪い財政状態につきましては最高四〇%まで医療費の補助をしております。
○稲葉(誠)委員 計算すると「医者は一世帯当たり、六万円ぐらいもらってる。」というのはこれはどういう数字かな。正しいのか正しくないのか。割ってみればわかるだろう、数で。
○石野政府委員 恐らくいまの国庫補助金額を開業医の数で割った数字ではないかと思います。
○稲葉(誠)委員 出してごらんなさいよ。──では、きょうでなくてもいいですから、あれしてください。 それから厚生大臣、ちょっと通告してなかったかな、いわゆる武見メモというのがありますね。プライマリーケアがどうとかなんとかというやつ、それからもう一つのあれがありますね。あの二つのこと、あれはどうするの。自民党としてはどういうふうなことになっているんですか。齋藤幹事長との間のあれらしいね。あれがもし実現するとなると、この予算はまた修正しなければいけないことになるの。どういうふうになるんですか。
○橋本国務大臣 昨年の十二月末に自由民主党の齋藤幹事長と日本医師会の武見会長の間において合意された事項というのは、一つがプライマリーケアの重視、もう一つが政府管掌健康保険と組合管掌健康保険間の負担、給付の不公正の是正、すなわち社会的公正の確保、その二点であるということは承知をいたしております。 プライマリーケアの重視という方向につきましては、その重要性というものは従来から厚生省自体としても当然取り上げていくべき方向として検討を続けてき、関係施策の充実に努めてきていたわけでありますから、これは私ども、当然今後においてもそういう方向で十分適切な対応をしてまいりたいと思っております。 また二つ目の政管健保と組合管掌健康保険間の不公正の是正というものもきわめて重要な問題点を含んでおることは御指摘のとおりでありまして、私どもとしては、自由民主党の結論が出た時点で慎重にこれは考えたいと考えております。 なお、ちょっと追加をさせていただきますと、政府管掌健康保険と組合管掌健康保険の格差の是正というものにつきましては、現在継続審査の取り扱いになっており、御審議をお願いをいたしております健康保険法等の一部改正案の中におきましても、健康保険組合の付加給付の規制とか、あるいは健康保険組合における賞与等からの保険料の強制徴収を行うこと、さらに政府管掌健康保険、組合管掌健康保険間の財政調整が行われるまでの間、健康保険組合間で財政調整を行うことというものを改正事項として加えておるところでございます。私どもは、あくまでも今回の継続審議になっております健康保険法の御審議を願い、早期可決をお願いを申し上げておるわけでありまして、自由民主党におきましても、そうした政府の立場は十分御了承いただいておるものと考えております。
○稲葉(誠)委員 そうするといま、いわゆる武見メモ、齋藤幹事長との間のメモというのは、これはちょっとよくわからなかったのだけれども、どうするの、自民党の中で。総裁の大平さん、あの武見メモというのはどうするんです。どういうふうにしてやっていくの。
○橋本国務大臣 私は、それは党の方のことまで申し上げる段階ではないかもしれませんが、党は党として御検討を開始されるというふうに承っております。同時にその内容がコンクリートになったとも伺っておりません。ですから、そのコンクリートになりました内容、決まりました時点で私どもはこれは慎重に対応してまいりたいと先ほども申し上げたとおりでございます。
○稲葉(誠)委員 だからコンクリートになった段階においては、この予算、五十四年度の予算を直さなければいけないということが起きてくるんですか。総理、どうなんです、それは。その点が大事なんだよ。
○橋本国務大臣 自由民主党の方で予算を修正しなければならないような御意見をおまとめになると私信じておりませんし、またその御意見がまとまりました段階において、そういう事態にならないように十分御相談を申し上げるつもりであります。予算の修正を伴う事態には至らないと私は信じております。
○稲葉(誠)委員 その点はまた別な方とか社労の中で論議をされることだ、こういうふうに思うわけです。 そこでお尋ねをしたいのは、これは一般消費税の問題で、一般消費税が仮に五%になれば物価は何%上がる、こういうことがよく言われますね。政府もたしか半分ぐらい上がるようなことを言ったと思いますね。それはどういうような計算方式でそれが出てくるのですか。これはわからないのですよね。
○金子(一)国務大臣 大蔵省で試算いたしておりまするのは、いまお話しのように大体半分、五%の税率ならば二・五%程度ということではじき出しておりますが、その試算のやり方につきましては、専門にわたりますので事務当局からちょっと申し上げさせます。
○高橋(元)政府委員 答えはいま大臣からお答えのありましたとおりでございますが、それを推計いたしてまいりましたプロセスをごくアウトラインを申し上げますと、税制調査会の大綱の中で、たとえば食料品それから社会保険料、学校の授業料等々のものは非課税ということになっております。そういう家計の支出をCPI、消費者物価の支出ウエートというのがございますから、それを使いまして足し上げますと大体五七%ということになります。したがって、残る四三%が課税品の値上がりによる影響ということに相なるわけであります。そのほかに非課税品でございましても、たとえば食料品を運搬するトラックの運送費というようなものが課税の対象になるといたしますと、それは非課税品であるという理由で仕入れから引けませんから、非課税品についても値上がりが起こってまいる。そこを産業連関表を使いまして補足推計をいたしまして、それを加えたところで大体消費者物価の上昇率は税率の半分程度という答えになったわけでございます。
○稲葉(誠)委員 そういう計算はよくわかりませんからね、資料として出していただきたいと思うのです。どうしてそういう計算ができるのか、とてもぼくら素人にはよくわかりません。(金子(一)国務大臣「よろしゅうございますよ」と呼ぶ)出してくださいね、これを。よく研究しましょう。もっとも研究する必要もないんだな。一般消費税やらないというんだから。そうでしょう。一般消費税は社会党の合意がなければやらない、こういうんでしょう。だから、する必要はないわけだ。じゃ、いいんだ、それは。いいや、これは出さなくても。 だけれども、それはそれとして、この福田幸弘という官房審議官の書いたものを見ると、こういうのがある。これはもちろん全体の中の一こまですから、ここだけを見て判断するということはぼくもいけないと思うのですね。これはフェアじゃないと思うのですが、こういうのがあるのですよ。これは去年の九月二十五日に「一般消費税問題について」というので述べているわけです。その中でいろいろ言っているわけですね。「その価格というのは、需要、供給からくる価格ではない。需要、供給からくる価格は、それが需要が強ければインフレ価格になるわけですが、これは、その分が税金であるということで、国が吸い上げて、また歳出に使うなり、公債減額に使う。要するに、国が吸い上げる、という性格のものです。これが、ほかの物価と違う点です。ですから本来、増税の際、一回限りということになる。そういうことで、一般消費税によって価格が上がるのは、端的に言って当たり前というか、上がってもらわないと困る。ですから、上がらなくては間接税としては成り立たない。ただし、便乗値上げは困る。」これはあたりまえの話ですが、「税率分だけ上がる、」こう書いてあるんだな。「税率分だけ上がる、ということでなければいけない。しかし上がらないということになると、これは反対に欠陥を持つわけです。」こう言っているんですね。これがまたぼくにはよくわからないのですがね。一般消費税によって価格が上がるというのはこれはわかりますよね。だけど、「上がってもらわないと困る。」と言うんだな。「ですから、上がらなくては間接税としては成り立たない。ただし、便乗値上げは困る。」これはあたりまえな話だな。「税率分だけ上がる、ということでなければいけない。」という、それはどういう意味ですか。
○高橋(元)政府委員 間接税でございますから、その間接税の納税義務者と実際に税負担を負われる消費者というものは違うわけでございます。これは酒、それからガソリン、すべての間接税について言えることでございます。したがいまして、納税義務者である製造者または販売業者の方が税負担をしょい込むということがないというのが、間接税の前提でございますから、納税義務者に課した税負担はすべて価格の中に入って消費者によって買われるという想定であります。間接税の税制を組み立てますときはすべてさようでございますが、税額相当分が全額転嫁されるということを税の仕組みの基本といたしております。稲葉委員の御質問は、先ほど私が税率の半分程度消費者物価が上がると申し上げたことと、いまの福田審議官の言っておりますこととの差だと思いますが、それは課税された物品につきましては税額が全部転嫁されるという頭でこの税制はできておる、九月十二日の政府の税制調査会の一般消費税特別部会の組み立てばできておるということを申し上げておるわけで、私が半分程度とお答えしましたのは、課税品と非課税品がございます。その中の課税品の割合が約四割強でございまして、そのほかに非課税品についても、価格の面で仕入れ等の上昇に基づく価格の上昇がありますから、それを加えると大体半分になる。そこで福田が言っておりますのは、恐らく課税品については全額税額相当分の転嫁が起こる、非課税品については起こらない、これを足し上げると全体の半分になる、こういうことで御理解願いたいと思います。
○稲葉(誠)委員 全体の半分になるなんていうことは言っていないぞ、これは。言葉が足りないんだろうと思うけれども、全体の趣旨はそういうんだけれども、そんなことは言っていないよ。「税率分だけ上がる」と言っているもの、この人は。「税率分だけ上がる」ということを言っているんで、半分物価が上がるとは言っていないぞ。まあいいよ、いいよ、あなたの話はわかったよ。 そこで、あなたの方の主税局長をやった塩崎さんはもう大反対しているじゃないの。一生懸命あちこちで、こんなものは実現できないって演説されている。あの人は元気のいい人だからやっているけれども。ただ、それはあなたの方から言わせれば、あれは取引高税のときで、証紙を一々張ったのでしょう。あのときといまとは違うと言うかもわからぬけれども、主税局長をやった人が、こんなものはできっこないと言っているんだよ。主税局長をやった人が、これはもうだめだと言っているんだよ。技術的にできっこないと言っているんだもの。いま自民党の総務局長でしょう。そう言っているんだもの。それはどういうことなの。恐らくあの取引高税のときの状態、何か証紙張ったのかな、あれといまとは違うからと言うのでしょうけれども、どういうことなんだ、これは。
○高橋(元)政府委員 昭和二十三年から三年弱行われました当時の取引高税と、現在税制調査会から提案になっております一般消費税との主な差というのは、大まかに申し上げて三つあると思うのです。 一つは、取引の際に累積的に税金がかかる。当時は、私、正確な数字を失念いたしましたので、正確な税率でないかもしれませんけれども、たしか一%ぐらいの税率であったかと思います。すべての取引の段階で累積的に課税されたというのが取引高税でありますから、したがって、繊維のように非常に取引段階の多いものについては、最終的には税負担が非常に高くなる。しかし、取引段階の短いものは税の負担が安かった。そういう意味で、消費者から見ますと非中立的な税金であったということが一つ言えると思います。 もう一つは、当時は証紙を一々交付したわけでございますね。取引高税証紙を相手に渡した。一回一回の取引について証紙を渡すか渡さないかということで、納税が行われているかどうかということを決めたわけです。したがいまして犯則処分の対象になりまして、通税をしておればすぐ犯則処分で訴えられるという問題がありました。 三つ目は、経済的な情勢の変化でございまして、当時のように非常に物価統制も行われ、物の配給制であった時代と、ヨーロッパを初めとして二十三カ国でいま付加価値税が行われておりますが、現在の状況とは経済的な情勢を著しく異にしておるということ、これもまた非常に重要なことかと思うわけでございます。
○稲葉(誠)委員 時間が来たので、これで質問を終わります。 この次は、九日ですかな、集中審議でまたやらせていただきます。
○竹下委員長 これにて稲葉君の質疑は終了いたしました。次回は、明七日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十六分散会