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87回国会衆議院1979/02/01

予算委員会 第2号

発言数
89
登壇者
10
会派数
2
開催日
1979/02/01

会議録

竹下登自由民主党

○竹下委員長 これより会議を開きます。  昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算、昭和五十四年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、総括質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 きょうは、新大平内閣が誕生して初めての予算委員会であります。いろいろ五十四年度予算全般にわたって、私の持ち時間を、総理を中心にお尋ねをいたしたいと思っておりますが、いま全国民が最も疑惑を持ち、政治に不信感と嫌悪感を感じている問題が、連日のように新聞で報道されていることは、総理も御承知のとおりであります。アメリカの証券取引委員会におけるグラマン、ダグラス社の不正支払い問題をめぐって、日本の財界のみならず、政界にも深くかかわり合いがあるであろうという報道を中心にしてであります。特に、日商岩井と自衛隊の使う飛行機の購入問題をめぐっての疑惑、国民の大変不安と不信が全国にみなぎるような、そういう残念な状況にあります。  しかもけさ、先刻のニュースによりますと、日商岩井の常務取締役島田三敬氏がついにこの事件の犠牲者になった、大変痛ましい出来事がけさ起こったようであります。現場を見たわけでありませんから確認できませんが、この日商岩井の常務取締役は、みずから生命を絶ったものなのか、それともだれかが後ろからでも突き落として亡くなったものなのか、すでに国家公安委員長の手元にはその状況が報告されていると思いますが、島田常務の死の状況について、国家公安委員長から説明を願いたい。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 お答えをいたします。  けさ七時四十四分ころ、赤坂署管内において、赤坂二丁目日交山王ビル前の路上に人が倒れていたのを新聞の配達人が発見いたしました。いま御指摘の日商岩井の島田三敬常務の死体ということが判明いたしました。現在、調査中でございますが、飛びおり自殺と一応現在の段階では認められるわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 法務大臣にお尋ねをいたしますが、新聞報道によると、すでに検察側は島田常務の事情聴取をいたしたやに承っておりますが、この島田常務についての事情聴取はすでに終わっているものなのか、進行中だったのか、その辺をちょっと明らかにしてください。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 関係の方面の調査は捜査当局が進めておるわけでありますけれども、具体的に島田常務、何の何がしということまでは、この際、申し上げかねるという状況でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 法務大臣、しかし新聞にはすでに、島田常務は事情聴取をされたとか、日商岩井のその他の人たちもいろいろと呼び出しをいただいて調査をされていると、こう報道しているのに、国権の最高機関の国会で、事情聴取をしたかしないかが答えられないのですか。新聞にみんな出ていることじゃないですか。では、新聞の報道は事実でありますとかあるいは違いますとか、どちらかでそれを表明すべきじゃありませんか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 格別隠すつもりでもありませんけれども、捜査中のことでありますので、それはそう、これはこうということまではいまの段階では申し上げかねる、こういうことを言っているわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 大平総理、総理は、このグラマン事件を徹底解明をするために努力をする、一月二十二日のNHKのテレビ座談会では、国民にわかるような処理をすると言っているのであります。いまのようなことでは初めから国民にわからぬじゃないですか。あなた、最高指揮官として、そんな程度は、事情聴取しているなら、していると言ったらいいじゃないですか。中身を聞こうとしているのじゃないのだから。どうですか総理、国民にわかるような処理という、総理の大方針に反するのじゃないですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 この事件の解明の現段階でございますが、御案内のように、捜査当局は捜査を開始いたしておると私は承知いたしております。われわれ政府といたしましては、捜査当局を信頼いたしまして、その捜査の進展を期待いたしておるわけでございます。捜査当局の捜査が円滑に進展するように配慮するのが政府の任務だと思っておるわけでございますので、古井法務大臣が、ただいまの御答弁はそういう趣旨から言われたものと存じますので、御理解をいただきたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 それは総理、私は新聞に出ているということをまず指摘しているのですよ。島田常務はすでに検察側から事情聴取をされたという。新聞に出ておるのですよ。それ以外に、日商岩井についてもいろいろ調べられているというのは、全部新聞に出ていることなんです。中身のことを、私は、島田が何をしゃべったか、どういう経路で政治家と接触したかなんという中身を聞こうとしているのではない。事情聴取をしたかしなかったかということを聞いているのですよ。これは重大なんですよ。本人が亡くなったのですから、非常に重大なことなんです、これは今後のこの問題の処理について。あたりまえじゃないですか。法務大臣、中身を聞こうなんて私は意地悪いことを言っているんじゃないですよ。もう一度、法務大臣、したかしないかだけを答えてくださいよ。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 ただいまの点ですが、新聞の記事がどうか、正しいか間違っているか、その点について事務当局から答えさせたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 けさ突然のことでございましたので、大臣に十分御報告ができておりませんので、私から御説明申し上げます。  亡くなられました島田常務の関係におきましては、これまで東京地検におきまして数回、任意の事情聴取をいたしておるそうでございます。お亡くなりになられました方のことでございますので、明らかにさせていただくわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 これは、やがてその内容については集中審議の段階でつまびらかに解明をいたすことと思いますから、私は先へ進みます。  総理、政治家として、ことしの正月、まだ新年の新しい気分に浸っているそういうときに、新聞が大きく、岸元総理大臣初め四名の、元総理大臣と防衛庁長官、この四名の名前を大見出しで、まさに第二次世界大戦勃発ぐらいな大きい記事で報道されました。これを読んだときに、自民党の総裁とし、内閣を預かる総理大臣として、どんなお感じを持たれましたか。あなたの感想を聞かせてください。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 この事件がこのような大きな形で中央紙に報道されるということは容易ならぬ事態であると直感いたしました。そしてまた、国民がこの事件につきまして当然疑惑を深めるに違いないということも思いに浮かんだわけでございまして、政府としてはこの解明に厳正に当たらなければならない、解明を通じてこの疑惑の解消に努めなければならないというように感じたのでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 総理大臣、私もこの記事を読んで非常に奇怪に感じますことは、事件にかかわり合いがある人だとか、金をもらっているとかそういう判断ではなくて、政治家の姿勢として、日本を動かすような大立て者の人たちが、自分の選挙区の人たちともなかなか会う時間のとれない激務の人たちが、なぜアメリカの、飛行機の売り込みをする商売人の社長と会食をする、料亭で飯を食った、総理大臣をやる人や大臣をやる人がいとも簡単に、ちまたでは死の商人と言われる、軍事兵器を売る会社の責任者と会食をすること自体が許せない、国民はそういう感じを持つと思うのですね。あなたは総理大臣の任期中に、もしそういう話が、どんな親しい国会議員から誘われても、私は断じてそういう会合には臨まぬとあなたは決意できますか。もし、こういう新聞で報道されるような事実が、日本の政界上層部に、これが習慣とし、常識として行われるとしたら、あなたはどう感じますか。その辺をちょっと御見解を聞かせてください。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 政治家がどういう方々と接触の機会を持つかということでございますが、国内におきまして各界の方々と接触を広く持つことは当然考えなければなりません。今日のような国際化時代におきまして、国際的にも各国の方々と接触の機会を持つこともあろうかと存じまして、接触の機会を持つこと自体問題があるとは考えないのでございます。問題は、そういう機会を通じましてどういう内容の話し合いが持たれるかという問題であろうと思いまして、恐らく、いま報道されておる接触の問題につきましても、実相を究明いたしますといろいろ了解できるところが多いのではないかと思っております。しかし、若干の疑惑がありとすれば、これは解明しなければならぬと思いまして、接触を持つこと自体いけないと言うわけにはまいらないのではないかと私は考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 しかし相手は、兵器を売り込む、私的利益を追求することを目的とする会社の社長ですよ。外務省関係の公務とか政府間における折衝とかと全く違うのですよ。相手は、金もうけオンリーが最大の価値と思って動いておる人なんです。そういう人と、総理大臣までやる人がいとも簡単に会見をする、飯を食う、そのこと自体、国民は不思議に思いますね。やっぱりぐるになって金もうけを手伝っているんじゃないか、そう思いますよ、国民は。時と場合によったら会うのもいいというが、会う相手によるんじゃないですか、総理。相手によっては、それは政治家というのは警戒に警戒をして、何の用件であるか、どんな話になるんだろうかということは事前に自己反省をしながら時間は割くべきじゃないんでしょうか。どうなんでしょうか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 相手の選択を誤らないようにという御注意はもっともでございまして、そうあるべきだと私も思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 こういう不信を国民の前にまき散らす最大の原因は、やはり自民党の金権体質、あるいは選挙に金がかかる、あるいはいまの入札制度や官公需の注文の仕方、いろいろ原因はあると思いますね。しかし総理は、この前ロッキード事件のときに、自民党はみんな神様のみそぎを受けなければならぬと。ところが、どうなんですか、どんなみそぎを受けたのですか。またこういう問題がすぐこう起こってきちゃって、自民党は本当にみそぎを受けてないんじゃないか。これからこういうことが再び起こらぬようにするということが重要でありますが、一体どうしたらこういう問題が起こらぬ、手っ取り早く、金がかからないで、可能性があって、なるほどと国民の前にわかっていただける、企業と政界の癒着による不正事件が起こらぬようにできるか、企業の社会的責任を明確にできるか、のりを越えない範囲内で自省できる体制というものはどうしたらできるか、総理の見解をひとつ聞かせてください。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 不正に対しましてどういう対応をすべきかというお尋ねでございます。これは、個人、政党、政府、いろいろ立場でそれぞれ工夫してまいらなければならぬことと思います。政治家個人といたしましては、それぞれがみずからの姿勢、行動に、公私にわたってモラルを立ててまいるという努力が不断に必要だと思っております。みそぎは毎日必要だと思っております。  それから、政党でございますが、とりわけ自由民主党は政権を預かっておりますので、責任はいよいよ重いと思っておるわけでございます。したがいまして、先般ロッキード疑惑が問われた段階で、何としてももう一度党の体質、あり方に反省を加えなければならぬということで党改革に乗り出して、いまその実行をいたしておるところでございます。政府といたしましては、ロッキード疑惑が問われた後、閣議でもちまして不正防止に対する対策要綱を決めまして、そのラインに沿いまして、実行すべきものは実行し、検討すべきものは検討しておるわけでございまして、御指摘の問題につきましては、それなりに党としても政府としても努力いたしておるつもりでございます。  第二の問題は、企業とのかかわり合いでございます。自民党が企業からの寄付に多くの財源を依存いたしておりますことは事実でございます。これを漸次減らしていくような努力をいたしておりまするけれども、まだ依然といたしまして半分以上の収入を企業寄付に仰いでおるわけでございますが、武藤さんがおっしゃるように、そこにはやはり節度がなければならぬと存ずるのでございまして、また、これを漸次減らしていく努力を重ねなければならぬということも心得まして、そういう方向にいま鋭意努力いたしておるところでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 総理、アメリカの企業監査というものは、御承知のように、公認会計士は個々に企業と契約をしてお金をもらって監査しているんじゃないのですね。公認会計士協会が企業と契約をしてお金をもらい、どの公認会計士が派遣されるかは企業側はわからないわけですね。だから、公認会計士は厳正、公正、中立の立場で経営の内容を監査する。だからロッキード事件もアーサー・ヤングのように、領収書のないものは断じて認めない、株主の損になるようなことは認められぬと言って、あれは公認会計士から暴露されたわけでしょう。  日本はそうじゃないんだ。公認会計士と企業はぐるになってしまっている、月給もらっているんだから、監査料もらっているんだから。この制度がいかぬのだ。この制度を公正に、公的なものにして、公認会計士協会と企業の契約にして、だれが派遣されるかわからぬ形に改善をすること、これはお金がかからない。政府がやろうと思えば、少し法律を改正すればすぐできる。国民に損害かけずにできることなんです。このくらいなことは、ロッキード事件から今日まで日数があったんだから、自民党・政府はやるべきだったんだ。あなたが総理大臣じゃなかったんだから責めませんよ。今後の問題であります。そういう新しいシステムが不正を摘発できる、公正に監査ができる、そのことが株主の保護にも通ずる、正義を実現することにもなる。お金は余りかからない、やったらいいじゃないですか。どうですか、総理の決意は。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 アメリカ式の行き方というものは、武藤さん言われるような意味におきまして、公認会計士の公的責任を遂行する上におきまして、よりベターな仕組みでないかということは私も理解できます。日本におきましても、しかしながら、公認会計士は会社と独立に会計士法に基づきましてそれだけの公的責任を持っておるわけで、それに違反した場合の責任は問われる仕組みになっておるわけでございます。そして、事実それに違反いたしました事案に対しましては、それぞれその責任が現に問われておるわけでございます。これをどのように──今後改良してまいらなければならぬと思いますけれども、いまの仰せの問題につきましては関係当局によく検討させます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 検討をさせますということでありますから、それぞれの関係担当局長は、ぜひひとつその検討結果を後で報告を願いたいと思います。  総理、このグラマン、ダグラスの問題は、刑事責任を追及するということも重要でありますが、同時に、政治のあり方、政治の道義的責任、そういうものをやはり問われているのであります。  この間多賀谷書記長は、まさに民主主義の問題なんだ、民主主義が崩壊に瀕するんだ、そういう危機感を訴えたわけでありますが、まさにそのとおりだと思うのであります。でありますから、刑事事件の追及は、捜査当局が、法務省がきちっとやる、同時に、国権の最高機関である、人民の代表機関であるこの国会は、立法府と行政府がお互い協力をして真相を明らかにして、道義的な一点の雲もないようにこれを晴らす、これが国民に対する責務じゃないでしょうか。われわれのこの権能は、国民の負託を受けて、主人公である国民のために国会はあるのでありますから、国民のために明らかにすべきであります。  したがって、総理は、このような事件が起こったからには、国会の権威にかけてこの調査活動を徹底的に推進をすべきである。元総理大臣の三木さんは、アメリカ大統領に親書を送り、特使を送り、道を外さないように、道理を尽くしてアメリカに要請をいたしました。三木さんがやったようなことを大平さんになぜできないのか。なぜアメリカ大統領に親書を送り、特使を派遣して、懇切丁寧に協力方を要請する気持ちにならないのでありますか。あなたの心境を聞かしてください。いや、これからやるんだと言うならば、やる前向きの姿勢を示してください。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 ロッキードに関する疑惑が問われたときは、たまたま国会開会中であったと思います。そこで、国会で論議が出てまいりまして、いま武藤さんのおっしゃったような手順がとられたと記憶いたしております。今日の場合は、そういった手順を待つまでもなく、司法共助取り決めというものは先例がございまして政府間で取り決めることができたわけでございますので、先般の場合と今日の場合とは状況が違うように思うております。ただ、究明の意気込みにおきまして何ら変わるところはございません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 意気込みじゃだめなんですよ、総理。態度で示さなければね、歌の文句じゃないけれどもね。そういうあやふやな態度だから、今度の施政方針の演説に関する答弁も、どの新聞もあるいは解説も、針路のない大平内閣の答弁だ。だめなんです、いいかげんにあっちもつきこっちもつき、みんないいようになんてわけにいかぬのですよ、世の中は。やはり一つの基準で物事を割り切らぬとだめなんですね。それはやはり正義という一つの柱を立てて、政治は正義の実現なんですから。やはりどうにもつかぬような、気持ちでは三木さんと同じだなんて言ったって、態度で示さなければ、国民はアーウーをやめたはずの大平さんがまたアーウーになっちゃうなんて悪口を言いますよ。やはりはっきりするところははっきりせぬと。私は不満ですね。やはりアメリカ大統領に親書を送り、特使を派遣して日本政府の方針をアメリカ側に理解してもらう、そういう姿勢こそ、あなたのいう国民にわかるような方法で国民にわかってもらう処理という方向が明らかになるんですね。そういう点を私はぜひもう一回考え直していただきたいと思うのであります。  時間の制約がありますから進みますが、古井法務大臣にお尋ねします。  法務大臣は、一月十七日の毎日新聞社とのインタビューというのが新聞でこんなに大きく報道されております。「疑惑、幅広く根深い」「グラマン解明 古井法相に聞く」これは大きい文字ですね。その中で大変重要なことをあなたはおっしゃっている。とにかくスケールが大きいだけではなく幅も広いんだ。関係者も多い。にぎやかなほどだが──関係者が多いというのだから、どのくらい関係者がいるか大体明らかにしてもらいたい。新聞でこう言っているんだから。これに「政治家があっちにもこっちにもマタをかけて持ちつ持たれつの共存共栄体制で歩いてきた」、なかなかいいことを言っているんだ。真実を語っていると思うんです。だから問題は、政治家が持ちつ持たれつ、共存体制であっちにもこっちにもいるというのだから、何人ぐらい政治家が関与していた形跡があるのか、これをひとつ答えてください。何人ぐらいこれに関与している形跡があるのか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 この問題が起こって以来公式の、たとえばアメリカの証券取引委員会の発表などもありますけれども、そのほかに各新聞等がそれぞれ取材をし、たくさん連日のように記事を書いておるわけです。その新聞記事などによれば、たくさんの人の名前が出るし、まさか新聞記事もそうでたらめなことばかり書くわけじゃないでしょうから。ですから、新聞の記事などによればずいぶん関係の人も多いようだ、こういうことをもとにしていろいろな質問もありますから申し上げただけのことで、われわれのたとえば捜査の範囲内で、まだ始めたばかりで、その関係でどういう人が何人おるかということがはっきりする段階ではないのでありまして、新聞社との話で新聞記事などをもとにしてのやりとりですから、さように御承知を願いたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 新聞記者にしゃべったことが国権の最高機関でお話ができないんですか。新聞記者だとかインタビューだからしゃべったんだ。じゃここでしゃべれないはずないじゃないですか。あなたは法務大臣ですよ。日本の検察の最高の権力者なんですよ。国民は、あなたがべらべらでたらめ、うそを新聞記者とのインタビューだから何しゃべってもいいんだなんて軽く見てませんよ。すべてを承知の上であなたがしゃべっていると国民はそう思っていますよ、この記事を読んで。(「おれもそう思った」と呼ぶ者あり)国会議員ですらそう思うんだから、国民は皆そう思いますよ。しかも法務大臣、捜査は二、三合目だと、こう言っているんだ。しかし八合目まで行くにはうんと険しいところがあるんだという意味のことも言っている。二、三合目まで来たんだ。二、三合目にはどんなことが見えました。富士山の頂上は見えないだろうが、どの辺が、二、三合目でながめたら。うろちょろ政治家がいたというぼやっとしたことで、いたんじゃなくてあれは間違いだったということですか。二、三合目までで何がわかってきました。この構造の全体が大きくて、幅が広くて大変な構造なんだということを言っている。いわゆる構造汚職だということを言っているんですね。構造汚職の外郭、青写真は大体どんなものですか、ちょっとひとつ。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 私は今回のこの出来事は、ただ犯罪になるかならぬかという犯罪問題だけのこととして見るのでは十分でないような気がするのです。もっと広い、あなたもおっしゃったように──あなたと同じ説です、そこは。もっと幅の広い、ただ犯罪があるかないかだけで済む問題だろうか。そこに私は疑問を持つのです。それで事実は、捜査の結果どうこうといった意味じゃありませんけれども、それぞれの材料で書かれている記事などを見ても、いろんな人の名前が出るし、それは政界の人も出れば経済界の人も出る。それから日本の国内の人の名前も出ればアメリカの人の名前も出る。こういうわけで非常に幅が広いんですね、少なくともきょうまで表に出たところによれば。これをただ一犯罪問題だけとして見てそれでいいのだろうか、私そういう気がしたのですよ。間違っておるかどうか知りませんが、私はそういう気がしたのです。そこでそういう意味で、正確にどういうやりとりしたか、はっきりいたしませんけれども、大体お話しのような新聞にあったようなことを私は申したのです。これは間違っておるかどうか、私がそう思ったということであるのでありますが、ただし捜査で何人が出てきてどうなったなんということは言っておりはしません。また言える段階じゃありませんから、ここは区別してお考え願いたいと思うのであります。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 法務大臣のいまの考え方に私も同感ですよ。犯人を見出すとか刑事事件としてとっちめるとかということよりも、それも必要だが、もっと政治的道義、そういうモラルの問題が明らかにされなければいかぬ、そのとおりです。だから灰色高官をやっぱりきちっと明らかにしなければいかぬのだ、これは。犯罪はあったが時効で一切公判はなくて、やみからやみへ葬られたのでは、これは構造汚職を追及することにならない。徹底解明という大平総理の言うことにならない。どうしてもそういう道義的責任を徹底的に明らかにしなければいかぬ。そういう点では古井法務大臣の見解と私は一致します。さすが日本の政界のわれわれの大先輩で、中国との国交回復に生命をかけた大先輩だけあると思って、いまの一節は大共鳴を感ずるわけであります。さっきのはまずかったね。いまの答弁はまあいい。  そこで総理──総理の前に法務大臣にもう一つ。そういう意味で刑事訴訟法四十七条を適用して、灰色高官名をやがて解明が終わったら発表した方がいいと思うのです。この点の見解についてはどうですか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 いま御承知のように捜査を始めた初期の段階でありまして、一体どういうこれが関係者があるものかもはっきりしておるわけでもありませんし、この段階で灰色高官がどうだというようなことを私どもの方から言うのはまだ段階が早いと思うのです、きょうの段階で。まだ始めたところですよ。せんじ詰まった最後みたいな話をきょう──何が出てくるか、ないのかもしらぬし、ちょっと早いような気がいま、しておるのでありまして、きょうの段階では灰色高官問題はもうちょっと先の方がいいんじゃないかと思いますが、どんなものでしょう。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 ここで言えというんじゃないです。先でもいいんですよ。だから解明したらと、こう言っている。解明したら、もう時効になった事件があっても、不正を働いた政府高官名は灰色高官名として発表すべきだということを、いまは言えない、後で検討する気持ちはあるわけですね。これから九日の集中審議、十四、十五の集中審議がありますね。だからいまはまだ早いが、後でそういう発表についてのことについても考える、こういうことですか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 いうところの灰色高官というものがあるのかないのか、ないのかもしらぬし。ですから、そういう意味でそう先のことまで、きょうゆっくり勉強しておくのもそれはいいでしょう。いいでしょうけれども、ちょっとまだぴんと来ぬのですよ、実は私は。具体的にないのかもしらぬ。ですから、そういう意味でさっきは申し上げたのです。その段階においてと思いますけれども、しかし、あえてこの段階でおまえの考えを言えと言われるなら、この段階における抽象論は、おっしゃるのですから、それは申し上げぬわけにはいかぬと思いますが、私どもの捜査の資料は犯罪があるかないかを究明するために調べた資料なんですね。犯罪というぎりぎりの問題ですからね、場合によったら強制権を用いてまで資料を集めているのですね。それを犯罪に関係のないことに、そうして集めた資料を出すということ──強制権まで場合によったら用いてこれは資料を集めるのですね。そこで、そういうこともありますから、目的外にそういうことを用いるという点について、考慮を払わねばならぬところもありますし、それからまあしょせん罪にならない、シロであった、こうなったらこれはもうシロなんで、捜査のためにもう迷惑をかけておるのです、シロになった人にも。それになおかつ、こうだああだというほかの目的に使ってやることが人権、名誉の立場を考えていいことだろうかということについて、十分考慮を払ってこれは結論を出さなければ、一面だけの見方ではいかぬように私は思うのです。逃げる意味じゃありませんよ。どう考えてもそこに問題があるように思いますので、きょうの段階はまだそこまで来ておらぬですから、少し先にしていただいたらどうかと思っております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 きょうの段階はでいいでしょう。また先に行ってと言いますからね。先に行ってまたそれはひとつ大いに議論をし、法相の決意のほどを伺いたいと思います。  次に、総理大臣、兵器を購入する際の代理をやる日商岩井という商社と政治家というもののかかわり合いは、ある、ない、総理はまずどっちの感じですか。これは感じですが、政治家と日商岩井の、どうも常識では考えられない結びつきがあると考えますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 御質問の意味がちょっとわかりかねるのですけれども、この事件に関連いたした問題でございますならば、捜査いたしまして、解明を待たなければわからないと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 まず日商岩井と政界のある人との関係ということが疑惑なんですから、どんなかかわり合いが政治家とあるんだろうかというのは、みんな興味を持ってながめているわけですね。その際に、海部八郎さんという日商岩井の副社長は、この間新聞記者会見で、岸さん、松野さん両氏とも節度ある交際で個人的関係はない、こう言っているわけですね。個人的関係はないんだ。  そこで少しお尋ねをしたいのでありますが、いまグラマン問題の焦点にある最重要人物は海部八郎副社長ですね。したがって、この海部さんと政界とのかかわり合いというものを浮き彫りにしなければなかなかこの問題は先へ進まぬのではないのかというのが私の感じであります。法務大臣はその点はどう感じていますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 犯罪あるなしの捜査の上において、私の感じですけれども、それは非常に重要な人物だろうと思います。これは、しかし捜査当局が判断する問題ですよ。重要な人物だろうと思います。政治的、道義的責任の問題の重要人物かどうかは別問題です。これは私は犯罪捜査の関係から言っておるわけですから。そういう感じがいたしております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 海部副社長が非常に重要な人物であることは法務大臣もそう思っておるようであります。  総理大臣、けさの毎日新聞にかなり大きい見出しで「海部副社長と松野氏女婿」「親密な関係、浮き彫り」「共同で土地転売」「新千歳空港予定地」とこう出ていますね。かなり大きく出ている。これは一部が報道されておりますね。この問題にちょっと関係してお尋ねをいたしたいのでありますが、運輸大臣、この海部八郎副社長と塚田徹、塚田徹というと自民党代議士ですか、この二人で共同で北海道苫小牧市字美沢にある八町三反四畝五歩、原野八万二千七百二十七平米、坪に直して二万四千九百坪、この土地を運輸省が空港用地として買収をしたことがありますか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 あります。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 ある。海部八郎という人は、東京都杉並区久我山四丁目、塚田徹さんは新潟県上越市本町三丁目、新聞によると、塚田代議士は「正常な商取引であって何で今問題になるのかまったく理解に苦しむ。海部氏とは当時二、三回程度会う仲だったが、ここ数年来会っていない。この取引は個人的なもので、松野頼三とは関係はない。」こう言っている、塚田さん自身が新聞に。  刑事局長、こういう土地の売買を日商岩井の副社長海部八郎さんが行っていたというようなことについて、捜査当局はそういう事情を幾らか承知しているのか、してないのか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 御指摘の点につきまして捜査当局からまだ報告を得ておりませんので、捜査当局が知っておるのか知っておらないのか、その辺をお答えする材料はございません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 運輸大臣、千歳空港を拡張するという計画が閣議で決められたようでありますが、それは昭和何年何月何日であるか、さらに、その整備計画が一般に公表されたのは昭和何年何月であるか、さらに、空港用地として海部八郎と塚田徹共同所有名義の土地を、二万四千九百坪を運輸省が買ったのでありますが、その代金は幾ら、何月何日に支払ったのか、まず運輸大臣から明らかにしてください。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○森山国務大臣 千歳空港の拡張計画が閣議で了承されましたのは、昭和四十一年七月二十二日であります。その内容は、千歳空港は原則として防衛庁関係と民間関係とを分離する方向で検討する。関係大臣は、運輸大臣中村寅太、防衛庁長官松野頼三、北海道開発庁長官福田篤泰。その次に、この整備計画が公にされたのは航空法第三十八条に基づく告示で、昭和四十八年十月三十日であります。空港用地を買収した期日、取得費用、面積等につきましては、これは昭和五十年度より買収しておりますが、この予算は総理府北海道開発庁に一般会計分が、運輸省に空港整備特別会計分がそれぞれ計上されておりまして、大蔵省から実施承認が出ると、総理府、すなわちこの場合は北海道開発庁から運輸省へ一般会計分が移管される、運輸大臣は北海道開発局長あてに施行命令を発するとともに、予算執行上の所要の手続を行う。北海道開発庁はみずから直接に、または北海道庁もしくは北海道開発公社に、買収したものを再取得する方法で用地買収を行う。北海道開発局は、用地買収しようとするときはあらかじめ運輸大臣に対し、大蔵大臣と協議されたい旨を申し出、当該協議が調った後所定の手続を進める。取得された用地は運輸省の行政財産として登記される。こういう手続を経ておりまして、いま御質疑ございました取得費用、面積等の詳細につきましては、目下調査中でございます。また北海道開発庁の方でその詳細はわかるものだ、こういうふうに考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 資料を要求いたします。  ただいまの答弁がまだできない、整わない資料については、後刻あるいは後日予算委員会に提出するように取り計らいを委員長にお願いいたしますが、いかがですか。

竹下登自由民主党

○竹下委員長 資料要求の点につきましては、あらかじめ理事会で決められた手続によりまして、御趣旨に沿うようにいたします。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 自民党の国会議員の塚田さんの名前が出てきました。やはり政界と日商岩井の副社長とのかかわり合いが出てきました。政界と日商岩井とのかかわり合いの事実がここに出てまいりまして、松野さんとこれがまた無関係というわけにいかない状況があると私は思います。  総理、いま運輸大臣は買ったことの事実を明らかにした、日はまだわからぬけれども。この事件が新聞ではまだ全貌を詳しく報道されていないようでありますが、松野さんが防衛大臣を務めた期間は四十年六月から四十一年七月三十一日。この千歳空港の防衛庁が持っている、民間と今度分離して、さらに別な滑走路をつくろうという話を、計画をつくったのは、松野さんが防衛大臣をやめる八日前、四十一年七月二十二日、だから自分がやめる一週間前に千歳の拡張計画がばんと閣議で承認されているんです。  そして海部、塚田両氏の名前で、その用地になると思われる土地を東京の人と新潟の人が、わざわざ北海道のこの土地を四十五年九月二十八日に平野という農家の方から買っておる。それを運輸省が、いよいよ今度は空港地を、滑走路をつくるということになって工事が始まって、五十二年三月二十四日、いまから二年前、運輸省が買い上げておる。この事実を総理いまお聞きになってどんな感じですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 政府として買い上げたことでございまして、それはそれなりの理由があり根拠があったことと思いますけれども、いま仰せのような関連もよく調査をいたしまして、疑惑が残らぬようにしなければならぬと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 疑惑が残らぬようにするということはどういうことですか。疑惑が残らぬようにしなければならない、どういうことをやるのですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 そういう事案そのものの実態をまずはっきりしなければいかぬと思います。そしてそれはなぜ、そういう買い上げ、そういう飛行場の計画が変更になったのか。また、それに対して買い上げる必要がなぜ、どういう理由であったのかという点につきまして解明をいたしまして、疑惑がないようにいたすのが当然の任務だと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 あなた、疑惑を解明するというなら塚田徹代議士を、自民党総裁なんですから、あなた呼んで、どういう経過でこうなって、幾らもうけて、何で新潟の人が北海道の土地を買うようになったのか、そういう経過、あなた全部聞いて調べて。いいですか、いつまでにそれをきちっと、一応あなたのところの所属代議士ですから、調べて委員会で報告できますか、解明して処理すると言うならば。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 事情は塚田君からも聴取いたしまして、できるだけ早く御報告するようにいたします。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 総理、この問題が重大だというのは、日商岩井の副社長と政治家のかかわりということを、事実を物語っておるのですよ。しかも塚田徹代議士は松野頼三代議士の二女のだんなさんなんだ。義理の親子なんだ。松野頼三さんは塚田さんのお父さんだ。しかも住所を調べたら、東京の住所は、松野さんも塚田さんも同じ住所で電話番号も同じなんだ。国会で電話番号を調べてみたら同じ電話番号になっておる。これは関係ないというわけにいかないでしょう。住所は港区白金台二の十四の十、電話は両方とも、松野さんの電話も塚田さんの電話も、国会の電話番号を見ると四四五の七八七八となっておる。これじゃ当時の防衛庁長官、しかもいまグラマン問題で焦点にしぼられておる海部八郎と共同で土地を二分の一ずつ買っておるのだ。これは深い関係が日商岩井と松野さんのところにあるということを物語る証拠じゃないですか、どうですか、総理大臣。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 だから、塚田君からも事情を聴取いたしまして、できるだけ早く御報告いたします。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 これでも旧商岩井の海部八郎さんと松野頼三さんとの関係はかなり深いと、事実物語っている。  法務省はあるいは刑事局長は、こんなにいまグラマン問題が騒がれているのに、こういう状況を全く知らぬのですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 私は、ただいま御指摘をいただいて初めて知ったわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 海部八郎氏は、岸氏や松野氏とは個人的に何も関係がない、こう言い張って新聞記者会見をやっているわけですね。それだけにこの事実は海部氏がうそを言っているか、こういう点を私は疑惑と言っていいと思うのですよ。こういう疑惑があり、商社と政治家のかかわり合いというものが事実なのでありまして、これは総理大臣、日商岩井とグラマンはコンサルタントの間に密約を結んで、手数料のうちの四〇%を支払うという約束まで秘密協定があったということを日商自体が言っているのです。しかも、その金の行方がまだわからないでいる。そういう疑惑がもう明らかなのですね。にもかかわらず、予算の中に急いでなぜE2Cの予算をがむしゃらに通そうとするのか。こういう疑惑がきれいにある程度晴れて、予算委員会でも集中審議をやり、国民になるほどと疑念が晴れたときに予算の中にE2Cをきちっと入れたらいいじゃないですか。これじゃ、国民にわかるような処理をしてありますなどということは言えないじゃありませんか。そこのところは、この次に答えを聞きます。  国税庁長官、塚田代議士と海部八郎さんのこの土地を売った税金はどうなっておるのか、申告をしてあるのか、してないか、脱税か。五十二年だからまだ二年前、五十二、五十三、二年間、申告してありますか。国税庁長官、わかっていたら答えてください。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊政府委員 ただいま初めてお聞きしたことでございますので、申告してあるかどうか、しかとまだわかりません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 国税庁長官、恐らく海部八郎さんも塚田徹さんも一千万円以上の高額所得者だと思いますから、恐らく税務署が公表するランクの所得者だと思います。この際、この土地問題がどう申告をされておるのか、されてないのか、きちっと予算委員会において明らかにしてもらう。(「すぐ持ってこい」と呼ぶ者あり)すぐと言ったって、そんなすぐ持ってこれないよ、現地が違うのだから。すぐ持ってこいなどという無理なことは申しませんが、とにかく速やかに、恐らく一日か二日あれば手に入ると思いますから、その内容を予算委員会において明らかにしてください。いいですね。そういう脱税の疑いが濃厚であると思います。速やかにひとつ報告をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊政府委員 御承知のように、一千万円以上の所得がありました場合には所得税法の規定によって公示になるわけでありますけれども、その所得の内容については公示をするということになっていないわけであります。したがいまして、その総額についての御報告はさせていただきますけれども、個々に内容までにつきましての御答弁というのはお許しいただければ幸いだと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 いや、国税庁長官、この土地の所得が申告されているかいないかについては答えられるでしょう。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊政府委員 そこまでは御協力いたします。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 これはこれだけ疑惑が出ているのでございますから、こんな答えでは、私はもう先に進むわけにいかぬね。初めはぼくは寛大にあしたでもいいと言ったのに、それはいかぬ。やはりこの土地の問題が申告されているかどうかを直ちにここで明らかにしてください。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊政府委員 私が御協力いたしますと申し上げましたのは、御承知のように所得税法、法人税法等の守秘義務と、それから国会の調査権というものがお互いに並行になった場合に、行政当局としてはできるだけ国政の調査権に協力すべきである、そういったことをかつて参議院の予算委員会だと思いますが、決められたことが記憶にございます。そういった意味で御協力申し上げますということを申し上げたわけでありまして、言いかえますと、御答弁申し上げますとお答えしてもよろしいかと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 国税庁長官、電話で問い合わせしたら、午後までにその内容は把握できますか。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊政府委員 ただいま私の手持ちの資料といたしましては、海部八郎氏の公示所得金額が昭和四十八年から五十二年までございます。それについて申し上げます。  昭和四十八年千六百六十三万四千円、昭和四十九年千八百八十万五千円、昭和五十年千九百九十五万四千円、昭和五十一年二千四百九万五千円、昭和五十二年二千三百六万六千円。  以上であります。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 国税庁長官、これではわかりません、いまの土地の所得が入っているかどうかがね。どうもいまの数字で見ると、五十年が一千九百万、五十一年が二千四百万、五十二年が二千三百万というと、これは土地の所得が入っていない。入っていれば五十二年が図抜けてばんと多くならなければいかぬのであります。結局五十三年に申告しているかもしらぬ。五十三年の所得を明らかにしてください。──これは今度の二月が申告だから、まだだね。十五日にならぬとわからぬわけだな。そうすると、いまの五十二年のには入っていないということだけはやや想像にかたくありません。  塚田君の方の所得は、いまのところ手持ちはない。これも速やかに調査をして、できるだけ早い機会にここで報告をしていただきたいと思います。よろしゅうございますね、国税庁長官。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊政府委員 調査の上、御答弁申し上げます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 総理大臣、いま質疑応答をお聞きになって、やはり日商岩井と政界の黒い霧というものは厳然としてある、こう思わざるを得ない、総理の所見はいかがですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 それぞれの方の名誉にも関係があることでございますので、よく事案を解明いたしまして、事実を確かめて、疑惑があるかどうか明らかにしなければならぬと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 この疑惑が晴れるまで、日商岩井とのそういうくされ縁がどういう状況になっているかを明らかにするまで、いま予算に計上しているE2C四機分、五十四年度支出分はわずか十一億五千万円です、あとは債務負担行為、この十一億五千万円の頭金を削除すべきである。こういう疑惑のあるときに、飛行機は国民の血税で買うのですから、国民感情から見ても、そういう拙速な、あわてた、軽率な予算を国会は通すべきでない。予算委員会で野党五党が結束をして、この予算を削れと予算委員会で決議したら、あなたは素直に削りますね。その前に、そういう力による解決でなくて、良心による解決を自分で図りたいと考えるか、二者択一であります。総理の見解を聞きたい。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 機種の選定につきましては、たびたび申し上げておりますように、手がたく技術的にも専門的にも検討を加えまして、純防衛上の見地から決めさせていただいたものでございます。したがいまして、私どもとしては、この選定いたしました機種の導入は、防衛上の立場からできるだけ早く措置いたしまして防衛要請にこたえなければならぬと考えております。そういう意味で、予算に計上いたしまして御審議をいただいておるところでございます。  一方において、この問題につきまして疑惑が問われておりますことも承知いたしております。その解明を待ってこの予算案についての措置をしたらいいでないかという御見解も理解できないわけではございません。ただ、私どもとしては、そういう解明は解明といたしまして厳正にやってまいるつもりでございますし、予算は予算としてお認めをいただいて、解明は解明としてやってまいる政府の方針を何とか御理解をいただきたいものと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 総理、そうかたくなに──あなたの性に合わぬ答弁をしておるのですね。あなたは就任のときに、日本の政治は私の性に合う政治をやりたいと言ったのです。いまの答弁はあなたの性に合わぬ。防衛庁の押しつけ、こじつけ、それがにじみ出ているよ、いまのあなたの答弁。顔色を見てもそう思う。この十一億五千万円の金をことし支出しなければならぬ積極的な理由は一体どこにあるか。  総理、飛行機四機はいつ日本に来る飛行機ですか。いつ来るのですか、総理。──だめだ、総理、そのくらいのことを知らぬで、見解は理解できるが予算は予算だ、別だなんてことは。いつ日本に来る飛行機ですか。──総理だ。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 性に合うか合わぬかという問題でございますけれども、私は責任上、ただいまのような措置を講ずるのが政府の責任者といたしまして当然の措置と考えたわけでございます。  それから第二に、この十一億円余の予算を計上しておかないと三年後に入る計画ができないわけでございまして、国庫債務負担行為を行う上におきまして支障を来すわけでございますので、この予算でそれを御承認いただく必要があるからでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 国民の皆さんがこのやりとりを聞いていてどう感ずるでしょうか。  飛行機は昭和五十七年に二機、五十八年に二機なんです。三年も先の話なんです。しかももうE2Cは製造工程に入っておるのだから、オプションなんか簡単にできるのです。なぜ十一億五千万という金をいますぐこの国会で議決して払わなければならぬかなどという、国民から見たら、そんな三年も先に来る飛行機の話は、これだけの疑惑のある日商岩井が代理店をしている、そういう飛行機を買うなどというのはこじつけだ、ごり押しだ。元来無理がある。大平さんなら、この事情がわかったら、よし、じゃもうしばらく皆さんの集中審議や何かの議論もずっとあるのだから、スムーズに予算を成立させるためにはこの際野党の皆さんの意見に耳を傾けよう。なぜ、船出をする、この晴れの出発の総理が冒頭からこういうことでかたくなな態度をとるのでしょうか。私には理解できない。私の尊敬するクリスチャンの大平総理のとるべき態度じゃないと私は思う。もしこのことがはっきりできないことには、次の予算の中身にわれわれは入れない。総理、この際、あなたは勇気を持ちなさい。決断をしなさい。正月の世論調査で、総理に求むるものは何かという世論調査の最高の投票は、あなたの勇気と決断を期待するという国民多数の世論調査が出ている。優柔不断ではなりません。正しきものに対しては直ちに味方をする、悪に対しては断固闘う。悪に味方をするものは悪だ。悪魔だ。大平総理が悪魔になってはなりません。この際勇断をふるってE2Cの予算を今国会はがまんをする、それを天下に声明すべきであると思いますが、総理の深刻に考えた決断を聞かしてください。

竹下登自由民主党

○竹下委員長 ちょっと総理お待ちください。  防衛庁長官。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 要らない、要らない。君に聞いておらぬ。聞いてないよ、彼には。(発言する者あり)

竹下登自由民主党

○竹下委員長 それじゃ防衛庁長官の指名は取り消します。  大平総理大臣。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 いまこれを削除するということになりますとアメリカとの間の契約がそれだけおくれてまいりまして、三年後に入る飛行機がそれだけおくれることになるわけでございます。したがって私といたしましては、この政府の措置を御理解いただきまして、もくろみどおりやらしていただくようにお願いをいたしたいと思います。  これに関連いたしまして防衛庁からお願いしたいことがあるようでございますから、お聞き取りをいただきます。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 ただいま総理からお答えになったとおりでございますが、私から総理の御答弁を補足して申し上げたいと思います。  ただいまお尋ねの件につきましては、私どもとしては、このE2Cを早くから導入さしていただきたい、このように考えておりました。これはもう純粋に国の防衛上の見地からでございまして、その意味におきまして、本年度の予算におきましても、国防会議の議を経まして、その導入について国会の御審議をいただくようになったわけでございます。  ただ、いま御指摘の、本年に十一億五千万円を計上せねばならぬのはどういうことかと申しますと、実はこの早期警戒機は早くから導入していただきたかったものでございますが、ようやく諸般の審議を進めまして本年度予算案に入れさせていただきました。ところで、これは実は防衛庁とアメリカの政府との間の契約によるものでございますが、政府間の契約でございますので、本年に十一億五千万円を前金として払いますことによりまして実際に早期警戒機が入ってまいりますのは、いま御指摘のとおりに五十七年に二機、五十八年に二機でございます。しかし、現在国の防衛上欠陥があるということがはっきりいたしておりますので、私どもは、防衛の責任を負う者といたしましては、これを本年の予算で計上していただきまして、どうぞ国会の御審議をいただきまして国の防衛の欠陥を埋めたい、こういうことでございますので、御了解賜りたいと思う次第でございます。

竹下登自由民主党

○竹下委員長 大出俊君の関連質問の発言を許します。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 いまの山下防衛庁長官の御発言がありますから、これに対して私の見解をまず申し上げて、それから、総理は、E2Cの予算は予算で審議をして通してもらいたい、疑惑は疑惑で解明をしてもらいたい、こういう御発言ですが、私どもは聖徳太子じゃございませんで、最も疑惑の中心のE2C、その予算が十一億五千百万組まれている、これを片っ方で疑惑解明を一生懸命やる、こっちは疑惑に包まれて疑惑ふんぷんたる予算は予算で審議する、そんな器用なことはできませんよ、人間だから。疑惑解明と言うならば、とことんまで解明しなければ明らかになりはしません。こっちで疑惑の中心のE2Cの予算を審議しろ、こっちで今度は疑惑は解明しろ、そんな器用なことが一人の人間の頭の中でできますか。間違っていますよ。  それは後にいたしますが、いま防衛庁長官が言いましたが、今回の中身を見ますというと、私も長く防衛をやっておりますけれども、FMSの方式をとろうとこう言う。日本流に言えば有償援助方式、こういうわけです。つまり、アメリカ政府と日本とで契約をする。ただこれは有償だ。FMS方式、フォーリン・ミリタリー・セール、こう言っているわけですね。外国に武器を売るについてのルール、こういうわけです。前金だということなんだが、十一億五千百万ぐらいが適当であろうということで話を進めている、こういうわけです。私も専門屋の一人だからそれはよく知っています。そして予算の方は、国民の皆さんおいでになるから明らかにしておくわけですが、五十四年十一億五千百万、五十五年が三十九億、端数を切ります。五十六年百三十九億、五十七年百四十八億、ここが一番多い。最終年度五十八年は端数を切れば三億ですね。こうなっている。だから五十七年、五十八年に二機、二機と入ってくる、こういう理屈なんですね。そんなことはおっしゃられぬでも、私ども検討していますから百も二百も承知なんだ。  あなたはつい最近防衛庁長官になったばかりだ。あなたは大蔵出身でミスター大蔵省だったんだ。最近どうもけしからぬ。防衛庁の次官亘理さん、大蔵省、防衛庁長官は今度大蔵省、防衛局長原さん、これまた大蔵省。どうもこれ大蔵防衛庁だ、大蔵省コントロール。あなた、防衛知りやせぬじゃないですか。  そこで、このE2Cというのは私どもは長い論議をしているんです。ただし、私が非常に不満なのは、突っ込んだ議論をしたのは、私が坂田防衛庁長官と議論をした、このときの相手方の防衛局長は伊藤圭一さん、これだけなんですよ。ここに議事録を私持っています。つまり、早期警戒機の中にも種類は多いが、E2Cについて、技術的な問題を含めて、経費がどのぐらいかかり、維持費がどのぐらいかかり、管理費がどのぐらいかかるということについて、国民の税金を使うのですから、詰めた議論をしたのは、調べてみても、ここにある議事録、これしかない。「信頼と合意」と総理は言う。信頼も合意もあったものではない、議論していないんだから。そういう段階で何でE2C、E2Cと言うんだ。勘ぐれば、この契約によってもうかる人がいるから、政治家を含めて数限られた方々がしきりにE2C、E2Cと言う。国民の皆さんだって恐らく、どこかで聞いておられるかもしれぬが、E2Cというのはどういう性格の飛行機で何をやるんだ、金は一体どのぐらいかかるんだ、だれも御存じないと私は思う。だから一言申し上げておきます。  ワンポイント五機という言葉が出てくる。私と坂田さんのやりとりの中に防衛局長伊藤さんの答弁。ワンポイント五機。今回四機です。ワンポイント五機という言葉はどういうことかといいますと、防衛庁がいま考えているのは、日本海の北の方から日本海の南の方に流す。この部分をワンポイントとすると、そこだけで五機要るのです、E2Cを使った場合に。たとえば、非常に高いところを飛ぶのですが、二百海里沖にE2Cが出て、レーダーがついていますからそこから二百海里レーダーを使うとすると、四百海里索敵ができる。低空に対するつまりクラッターというのがありまして、波がこうあるとはね返るから映らない。土地の起伏がありますとはね返るから映らない。クラッターなんと言うとどうもロッキード事件を思い出してうまくないのだけれども、このクラッターをE2A、E2Bのときには消せなかったがE2Cになって消せるからということを宣伝をして入れようとする。これに問題があるのですよ。ワンポイント五機。ところがこの五機じゃ何にもならない。なぜならば、一機の索敵滞空時間というのは四時間しかないのです。二十四時間を四時間で割れば六でしょう。だから六回一機が飛ばなければ二十四時間勤務にならぬのだ。しかも高いところを飛ぶから五百キロ向こうのレーダーでもすぐ映る、E2Cが飛んでいるか飛んでいないかは。飛んでいなければそのとき入ってきちゃえば一緒なんだ。そうでしょう。しかも日本というのは島国でどこからでも日本上空に入れるのでしょう。ワンポイント五機で、日本海、ここに五機要るのなら、太平洋にも五機要るでしょう。それで十機でしょう。九州水域から沖繩にかけて何機要りますか。ここも五機や六機はどうしても要りますよ。じゃロ領沿海州を相手にしている北の方はどうするのだ。これも五機や六機要りますよ。だから、この方の本当の専門家の意見を聞いても、ローテーションを考えてどうしても二十機ワンセットで入れなければこれは明確に無意味である。意味がない。こんなものは定説ですよ。そうでしょう。  さて、二十機入れると年間どのくらい維持費がかかるかという、ここに私は藤井治夫さんのお書きになったものを持っているけれども、二十四時間飛ばしていきますと、二十機で六ローテーションですから六、二、十二、延べ百二十機飛ばさなければ一日終わらないのです。一日延べ百二十機です。十日で延べで言えば千二百機ですよ。三百六十五日やったらこれはどうなるのです。ガソリン代だけだって大変なものです。約一千億かかる。二兆円ぐらいの防衛費で、こんなものの維持や燃料費その他全部管理費を含めて一千億近いものをかけて、国民の税金で、どうなるのですか。ちゃんとここに書いてある。  だから、アメリカでも、フロリダ州に一九五六年キューバの少尉の方が亡命というので飛んできた。アメリカですぐ目の前に来るまでわからない。海上すれすれに十数メートルでメキシコ湾を飛んできまして、百六十キロ飛んだところで上に上がった。すぐ目の前。そうしたらレーダーがとらえたのだが、着陸するのに九分しかないのだからスクランブルができない。フロリダの基地に入っちゃった。大騒ぎになった。E2Cがあったじゃないかと言われた。実は飛ばしてないのです、金がかかるから。いっぱいE2Cを置いているのだが経費がかかるから飛ばさないのです。入っちゃう。それで、まさかそうは言えない。国民の税金を使ってたくさんE2Cを買って置いてあるのだから。だから、鳥の集団だというふうに誤認をしてうっかりしたら入っちゃった、こう説明をしたら国民世論が沸いちゃった。ついにうそを言ったのだということを白状をして、実は大変な維持経費がかかるから常時飛ばしておくわけにまいらなかったのだと釈明して国民を説得したのですよ。  こういう性格を持っているE2Cを論議も何もろくにせぬで、一機いま八十五億七千万でしょう。藤井さんの書いているのを見ると、じきに百二十億円になると書いてある。ファントムを見なさい。二十四億から始まっていま三十七億でしょう。バッジシステムを見なさい。百三十億で入れて二百五十億かかったでしょう。国民の血税を使うのなら、そういうところを明確にして国民の皆さんの了解を得る。だから防衛庁は必要なんだ、それで国民の皆さんが納得をするなら一つの方法だ。私は非武装中立論だが、民主主義の原理に従いますよ。何もしないで、一遍しか細かい論議をしていないで、いきなりいまのあなたの御発言だって説得力何もないでしょう。これではいけません。だから私は、少数の方々の、つまり何がしかの利益に結びつく方々の物の考え方で動かれてはいけないと言うのです。あなたの答弁は求めませんが、ここにある議事録どおり言っているのですから。  そこで、総理に今回のこの事件について総理の見解を聞いたいのだが、いまのはあなたが先にしゃべったから私の反論です。そこで、あなたに言いたいのだが、私どもにグラマン、ダグラスという事件は関係ありますか。野党の方々おいでになるけれども、関係ないでしょう。入り込みようがないでしょう。権力の中枢に近い方々が、グラマン、ロッキード戦争以来、長年、今日までしきりに利権の争いをやったことをわれわれは結果的に見て知っているだけだ。そうでしょう。ロッキード事件のときに私はワシントンに八日、不眠不休で調べたが、しみじみそう思った。何で私はこんなに苦労しなければいかぬのか。しかし、対国民、民主主義の原点に立てば仕方がない、そう思っている。その意味では被害者ですよ。なお大変なのは国民の皆さんですよ。政治不信が起こりますよ。だから本当ならば、あなたは、捜査当局がやって疑惑があったならば解明するなんてのんきなことを言わないで、謝らなければいけませんよ。あなたの率いる党の、あなたも中枢にずっとおいでになったのだが、その中で起こってきている問題で、われわれの方じゃないのだから。そうでしょう。責任感じてください。  防衛庁だって、FMSの方式といったって契約の相手方は防衛庁でしょう。RF4Eのように、日商岩井が買い取り方式で十四機買い取ってから防衛庁に売ったのだ、あの契約の方式というのは。完成機だから、その契約の相手方は防衛庁です。そうでしょう。すべて防衛庁が相手方で、契約している相手がいる。そこで疑惑が起こったら、半分の責任は防衛庁にあるのです、最小限度。それをわが方に責任がないがごとき発言というのは何事か。そんなことで審議ができますか。断じて審議はできない。これ以上物は言わない。削除してください。わかればいいんだ、そんなことは。小理屈じゃない。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 御指摘のとおり、私も大蔵省出身でございまして、貴重な国民の税金をお預かりいたしまして防衛のために使わしていただくことにつきましては非常な責任を感じております。したがいまして、この原案の作成につきましても慎重の上にも慎重に審議いたしまして、ただいま御審議をいただくわけでございますが、先生の御所見につきましては私もかねがね非常に傾聴いたしておるわけでございますから、実はこうした問題につきまして御審議を賜ることこそ私はお願いをいたしたいのでございまして、これはこの機会に、なぜこれが必要なのかにつきましてはいろいろお尋ねに従いまして明らかにいたします。  ただ一点申し上げますことは、防衛庁といたしましては、この機種選定の経緯につきましては、私がいままで自分の承知する限りにおきましては、防衛庁に関する限りはいささかも不正はないと信じております。しかも今度のE2Cの導入につきましては、いま先生からも御指摘のとおりに、FMS方式ということで全く政府間の契約でございまして、不正の入り込む余地はないものと承知いたしておりますが、ただいろいろな問題につきましてはぜひとも御審議をいただきまして、われわれとしても国の防衛のためにこれは大変に必要なものである、しかも長い期間かかってこれを審議してまいったことだけを明らかにさせていただきたいと思いますので、御了承賜りたいと思うわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 私は予算委員会理事会で長いおつき合いだから、ミスター大蔵省と言われる山下さんだが、大変生まじめにお考えになっていること、よく知っていますよ。いま新防衛庁長官で初めて手がける分野で、あらゆる部面にわたって日夜懸命にレクチュアを受けて御勉強のことも実は聞いています。防衛局長原さんという人も大蔵省で全くのずぶの素人なんだから、困っているでしょう、防衛庁は。細かいこと聞かれたらわからぬというので、答弁するのはだれか、課長さんは古いけれども、課長は答弁権ないんだから。そうでしょう。そのあなた方なんだから……。私は歴代の防衛庁長官や大臣諸公に、国会討論会だ、座談会だ、質問だというときによく言われるのですが、あなたは専門家だ、あなたの方がよく御存じなんだからと、こう言う。いつも皆さんそう言っておいて、それならこんなときは専門家の私の言うことを聞きなさいよ、皆さんが。年じゅう専門家のあなたがと言っているのだから、あなたの御説は正しいと言うのだから、私も国会に十六年目なんだから、五期やっているのだから、あなたより私の方が長いのだから、山下さん。それならたまには私の言うことを聞きなさいよ。そうでしょう。  いまのその論議はさておいて、FMS方式だから、国家間協定だから入り込む余地はない、そんなことは素人が言うことだ。山中防衛庁長官のときに、次期FX論争のときに、いまの方式を改めろ、FMS方式に切りかえろと言ったのは私じゃないですか。そのことを含めて検討しますと言ったじゃないですか、その当時。議事録に残っているじゃないですか。新聞にも大きく出た。山中さん、一生懸命そっちへ持っていこうとした。だが残念なことに、日本の防衛庁から二百人もワシントンならワシントンへスタッフが行っていれば、国家間契約で持ってくるのも、日本国で、政府でやれますよ。西ドイツは二百人からいますよ。日本はロッキードのあるあの場所だって二人か三人でしょう。何もできないでしょう。だから代行業務を商社にやらせるところに問題が出るんだよ。わかりますか。代行業務、口銭をもらうのだから、莫大な金になる。だから、また戻るけれども、あなた方の責任なんだから。どうですか、この問題は。われわれの責任じゃないのだから、そのわれわれの言っていることを、あなた方は、「信頼と合意」と言うなら、素直に応じて、削除なり組み替えなりおやりになったらどうなんですか。その他の方法ということを、ほかの野党の方も含めて同じように国民が納得する、この予算に対処をしろと申し上げている。  私は九日の日に、官房長官田中さんの責任は一切問いませんが、公式に飛鳥田委員長名の文書を持って広瀬特別委員長と私とでお伺いしたはずだ。十一日に国防会議が開かれて、その後の閣議で決めるとおっしゃるから、やめていただきたいということを素直に申し入れた。いいですか、手続は踏んでいるのです。御返事なくあなた方はお決めになったが……。だからといって、とやかく言っているわけじゃない。手続は素直に踏んだのだ。だからそれだけに納得できないのですよ。頭の半分で、疑惑に包まれて真っ黒けというふうに考えなければいかぬようなE2Cの方の予算の審議をして、同じ予算委員会で、こっちの方の頭で疑惑解明なんて器用なことはできないです。だから、冒頭に集中審議で一日でも半日でもいいからこの問題の処理を先にやらなければ予算審議にならぬとぼくは申し上げているのだ。わかりますか。それをあなた方強行されたのだから、あなた方に責任があるのだから、これ以上申し上げぬけれども、審議に応じかねます。これは審議のしようがないのだ。だから、E2Cについての適切な予算の措置をしてください。その上で予算審議しましょうや。一日もゆるがせにできない、ぼくらだって早くやりたいのだ。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 グラマン問題に絡まる疑惑の解明も解明が始まったばかりでございます。それからこの予算も、本日から委員会で御審議を願うことになっておるわけでございまして、大出さんの言われるように、われわれはあらゆる事案につきまして十分国会において御審議をいただきましてコンセンサスを求めていかなければならぬと考えておるわけでございます。防衛庁当局が、今日の事態におきまして、防衛上の見地からこういう措置を講じたいという意思を強く表明してまいりまして、私といたしましては防衛当局を信頼いたしまして、この措置をいたすのが私の任務だと考えたわけでございます。それにつきましては当然いま言われたような御批判があり、御検討願わなければならぬ面はいろいろあろうかと思いますけれども、これはきょう審議が始まったばかりでございますから、どうぞひとつ御審議をいただきまして、その過程におきましてわれわれの方も精いっぱい御審議に応じまして解明に当たりたいと思いますので、審議をいたさないなどとおっしゃらないようにひとつお願いいたしたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう余り物を言ってもしようがないのですが、総理に、始まったばかりだと言うから申し上げますが、ここに私持っておりますのは、ある新聞社の検察、警察のその衝に当たっている方々にぴたりとついて、いわば密着取材メモです。これはタイプ打ってありますが、これを見ますと、問題の焦点ははっきりしているのですよ。いいですか。「東京地検特捜部の考え方」から始まりまして、「日商岩井の島田三敬常務(五十六)から事情聴取するなど国内での基礎捜査を精力的に検察が進めている。捜査対象は、問題提起されている疑惑はすべて解明が必要(検察幹部)として、米証券取引委員会(SEC)が公表したすべての問題にまたがり関係者からの資料入手や事情聴取を次々に行っている。」法務大臣はさっきああいうことを言ったが、次々に行っているのですよ。私は不明にして海部八郎さんについての事情聴取をやっているかどうか知りませんが。そこで「しかし、当面、特に重点を置いているのは、グラマン事件関係の日商岩井の自衛隊機売り込みにまつわる疑惑、中でも政府高官の介在がうかがえる早期警戒機E2C導入問題と見られる。」重点を置いているのは、ほかならぬあなたが審議をしてくれと言う本予算に組まれているE2C、これが特に重点を置いている問題だ。密着取材している方々が検察の方々と一緒について歩いてやりとりをしているわけです。重点はどこですか、あくまでもE2Cが中心だと言っている。その疑惑の焦点、疑惑の中心と捜査当局が考えているE2Cの予算、それをあなたは、簡単に、ここで審議してくれとおっしゃるのですか。国民は一体何とお思いになりますか。皆さんの税金ですよ。民間機じゃないのですよ、そうでしょう。それでも審議せよと総理はよく言える。私は感心している。あなたは国民に、われわれにわびなければいかぬのですよ。そうでしょう。そんなあなたの御都合主義で、出したのだから審議してくれ、防衛庁が必要なんだから、ろくに議論もしないで。これは応じられませんよ。  念のためにひとつ、伊藤さん、海部八郎さんについての事情聴取はなさいましたか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 東京地検で捜査を始めましてから、もうかれこれ半月以上たっております。その間、亡くなられました島田常務の件については先ほどもちょっとお話し申し上げましたけれども、そのことから御推察いただきたいと思いますが、所要の捜査を着々とやっておるようでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 それでいいです。亡くなられた島田さんについてはさっきお話しになりましたが、あとはまだ現在おいでになる方々だから言いにくい、わかります。  それはここにも書いてある。これは、二十九日付の朝刊用の密着取材メモです。「検察当局がグラマン、ダグラス事件の捜査開始を宣言してから二十日間を超えた。」そうでしょう、二十九日で二十日を超えたでしょう。「そこで捜査はいまのところ日商岩井など、商社関係者からの事情聴取を中心としている。」次々とやっているわけです。「各商社、防衛庁、運輸省から任意提出された航空機関係資料の分析に主力が注がれており、二月中旬と予想される米司法当局、米証券取引委員会の非公開資料の引き渡しを待って新たな展開を示しそうである。」こうなっている。進んでいるということですよ。そうでしょう。これだけ疑惑があって、E2C中心で二十日たって、どんどん進んでいるという、その焦点のE2Cの予算、それをここでのんびり審議できますか、片方で疑惑を解明しなければならぬというのに。それは矛盾でしょう。お考えください、総理、人間ならば、頭一つしかないのだから、これはできません。審議できない。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○大平内閣総理大臣 私、別に矛盾と思わないのでございまして、御提案申し上げた予算につきましては御審議をいただかなければならぬと考えておりますし、予算委員会の方でも御審議のスケジュールをお決めいただいておるようでございます。政府の方はそれに応じまして誠心誠意御審議に対応いたしましてあらゆる資料の提出、その他万般御審議の便宜に応じなければならぬことは当然の責任と考えておるわけでございますので、いま数々の問題点が大出さんによって提起されましたけれども、それなるがゆえにこそ御審議をいただかなければならぬのではないかと私は考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 島田さんという人が亡くなりましたが、私は、これは権力の中枢にある方の利権、金権あさりというふうなところの被害者だという気もする。お気の毒だという気がする。捜査の面からすれば、中心点にいた人が亡くなって壁ができるかもしらぬが、人間的には大変気の毒な気がする。しかし、これは、私は国会へ出てきてしばらくたって、吹原産業事件を私が追及したときに、焦点の人の一人である池田さんの秘書の中林さんが、世田谷の方のマンションの上から飛びおりて死んでいた。主婦が戸をあけたら亡くなっていた。自殺だと言ったら、そうではないという意見が当時捜査当局では勃然と出てきた。なぜならば、放物線を描いてこんなところに飛びおりるばかがいないからだ。だが、そのままにしてしまった。今度もだからわからない。しかも、防衛庁にかかわるバッジシステム、次期FXの問題で山口二三空将補が亡くなった。これだって井之頭の、行ってみましたが、四十センチしかない水の中で死んでいた。普通の人間がそんなところで死ねますか。森田装備局長も当時亡くなった。先般のロッキード事件だって、田中さんの運転を担当していた方が亡くなっているでしょう。こういう異常なところで今度は島田さんが亡くなっているでしょう。そんなところで疑惑に包まれたE2Cの予算審議はできませんよ。常識でしょう、そんなことは。矛盾だと思わない、私はそんな神経を持っていない。だから、何と言われてもこれ以上の審議はできません。中身に入りようがない。それだけ申し上げて、もう物を言いません。     〔発言する者あり〕

竹下登自由民主党

○竹下委員長 委員長から申し上げます。  今日まで集中審議等を含む合意に達した審議日程もございますので、引き続き審議を続行されるよう要望をいたします。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十三分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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