本会議 第16号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1979/03/20
会議録
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。 ————◇————— 日程第一 国際観光振興会法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一、国際観光振興会法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。運輸委員長箕輪登君。 ————————————— 国際観光振興会法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔箕輪登君登壇〕
○箕輪登君 ただいま議題となりました国際観光振興会法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、最近における日本人海外旅行者が急増し、旅行に関する情報の不足などのため、種々問題が生じている現状にかんがみ、海外に十六事務所を有する国際観光振興会をして現地における日本人海外旅行者対策を行わしめようとするもので、その主な内容は、 第一に、国際観光振興会の目的として、日本人海外観光旅客の旅行の円滑化に必要な業務を行うことを加えること、 第二に、同振興会の業務として、日本人海外観光旅客に対し、旅行に関する情報の提供を行い、及び相談に応じて旅行事情につき案内を行うことを加えることであります。 本案は、二月九日当委員会に付託され、同月十五日政府から提案理由の説明を聴取し、三月二日質疑を行い、去る十六日採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し、国際観光振興会の業務の拡充及び要員の適正配置並びに不良旅行業者一掃のための所要の措置及び添乗員の資質の向上を図るための専門的研修の義務づけ等について、五党共同提案に係る附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第二 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第三 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(灘尾弘吉君) 日程第二、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、日程第三、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。法務委員長佐藤文生君。 ————————————— 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び同報告書 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔佐藤文生君登壇〕
○佐藤文生君 ただいま議題となりました二法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、地方裁判所における特殊損害賠償事件等、下級裁判所における事件の適正迅速な処理を図るため、判事の員数を五人、裁判官以外の裁判所の職員の員数を十二人増加しようとするものであります。 次に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、最近における市町村の廃置分合等に伴い、簡易裁判所の名称及び所在地等の変更並びに交通の利便等にかんがみ、簡易裁判所の管轄区域を変更しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、安芸西条簡易裁判所の名称を東広島簡易裁判所に変更するほか、三つの簡易裁判所の名称を変更し、 第二に、久喜簡易裁判所の所在地の表示を埼玉県南埼玉郡久喜町から久喜市に改めるほか、十八の簡易裁判所の所在地を改め、 第三に、鎌倉簡易裁判所の管轄に属する横浜市瀬谷区の区域をこの法律による改正後の保土ケ谷簡易裁判所の管轄区域とするほか、三つの簡易裁判所の管轄区域を変更すること等であります。 当委員会においては、二月十三日二法律案の提案理由の説明を聴取した後、二法律案を一括して審査に付し、慎重審査を行い、去る十六日質疑を終了、採決を行った結果、二法律案は全会一致をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(灘尾弘吉君) 両案を一括して採決いたします。 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第四 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島復興特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(灘尾弘吉君) 日程第四、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島復興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。建設委員長伏木和雄君。 ————————————— 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島復興特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔伏木和雄君登壇〕
○伏木和雄君 ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島復興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、奄美群島及び小笠原諸島が本土に復帰して以来、それぞれ特別措置法の制定により各般の事業が実施されてきたにもかかわらず、両群・諸島をめぐる諸条件は依然として厳しい状況のもとに置かれているため、この際、現行法の有効期限をさらに五カ年間延長する等の措置を講ずることにより、本土との間の格差の是正を図ろうとするものであります。 本案は、去る二月九日本委員会に付託、三月十六日質疑を終了、日本共産党・革新共同瀬崎博義君より提出された補助率の引き上げ等に関する修正案が少数をもって否決された後、直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対しては、水資源の開発等五項目の附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第五 国立学校設置法及び国立養護教諭 養成所設置法の一部を改正する法律案(内 閣提出)
○議長(灘尾弘吉君) 日程第五、国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。文教委員長坂本三十次君。 ————————————— 国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔坂本三十次君登壇〕
○坂本三十次君 ただいま議題となりました国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案について、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、国立の大学の新設、学部及び大学院の設置等、国立学校の拡充整備を図ろうとするものであります。 その内容の第一は、筑波研究学園都市に図書館情報大学を新設し、これに伴い図書館短期大学を廃止することであります。 第二は、学部の設置及び改組等についてであります。 すなわち、琉球大学に医学部を設置し、これに関連して同大学の保健学部を廃止するほか、岡山大学及び長崎大学に、それぞれ歯学部を設置することであります。また、学部の改組等により、広島大学に生物生産学部を、熊本大学に文学部及び法学部を、琉球大学に理学部及び工学部を、それぞれ設置することであります。 第三は、旭川医科大学に大学院を設置することであります。 第四は、山口大学に医療技術短期大学部を併設すること、その他、付置研究所の廃止等であります。 第五は、徳島大学及び熊本大学の各養護教諭養成所を、両大学の教育学部の課程への転換により廃止することであります。 本案は、去る二月十六日当委員会に付託となり、三月二日文部大臣より提案理由の説明を聴取し、自来、慎重に審査を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。 かくて、去る十六日本案に対する質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第六 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(灘尾弘吉君) 日程第六、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。地方行政委員長松野幸泰君。 ————————————— 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔松野幸泰君登壇〕
○松野幸泰君 ただいま議題となりました新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 現行の法律は、新東京国際空港の周辺地域における公共施設その他の施設の計画的な整備を促進するために必要な経費について、国の補助負担割合の引き上げ等財政上の特別措置を講ずることを目的として昭和四十五年三月に制定されたものでありまして、この法律の有効期限は本年三月三十一日までとなっているのであります。 しかしながら、諸般の事情により、成田用水事業等が本法の有効期限内に完了できない見込みであり、また、最近における諸般の事情の変化に対応し、新たな事業を整備計画に追加する必要があると考えられております。 本案は、このような状況にかんがみ、新東京国際空港の周辺地域における道路、農地及び農業用施設等の計画的な整備を促進するため、法律の有効期限を昭和六十四年三月三十一日まで十年間延長し、引き続き国の財政上の特別措置を講じようとするものであります。 本案は、二月二十日本委員会に付託され、同月二十七日澁谷自治大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。 三月十六日質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して小川省吾君は本案に反対の意見を述べられました。 次いで採決を行いましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第七 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
○議長(灘尾弘吉君) 日程第七、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 委員長の報告を求めます。逓信委員長石野久男君。 ————————————— 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔石野久男君登壇〕
○石野久男君 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本件は、日本放送協会の昭和五十四年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めようとするものであります。 まず、収支予算について申し上げますと、受信料の月額につきましては前年度どおりとしておりまして、事業収支においては、事業収入は、受信料収入二千百六十億一千万円を含めて、前年度に比べ四十六億七千万円増の二千二百八億三千万円であり、これに対し事業支出は、事業運営費、減価償却費など、前年度に比べて百六十九億一千万円増の二千三百六十億円となっております。その結果、事業収支において百五十一億七千万円の支出超過となっておりますが、これについては、昭和五十二及び五十三両年度からの繰越金百二億円と長期借入金四十九億七千万円をもって補てんすることとしております。 資本収支につきましては、収入において、繰越金受け入れ、放送債券、借入金等を含めて合計四百三十七億円を計上し、また、支出においては、建設費二百十九億円、放送衛星を管理、運用するための法人への出資に一億四千万円、債務償還に六十四億九千万円、合計二百八十五億三千万円を計上しております。 次に、事業計画は、難視聴の解消を図るための中継局等の建設、視聴者の意向、視聴態様に対応した番組の編成、広報、営業活動の強化などの諸施策を実施することとしております。 また、資金計画としては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てております。 なお、本件には、「おおむね適当である。」との郵政大臣の意見が付されております。 本件は、三月十四日本委員会に付託され、三月十六日郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、日本放送協会当局から説明を聴取した後、質疑に入り、慎重に審査を行いましたが、昨十九日質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって本件はこれを承認すべきものと議決した次第であります。 なお、本件に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの六党共同提案に係る附帯決議を付したことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。 ————◇————— 通信・放送衛星機構法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(灘尾弘吉君) この際、内閣提出、通信・放送衛星機構法案について、趣旨の説明を求めます。郵政大臣白浜仁吉君。 〔国務大臣白浜仁吉君登壇〕
○国務大臣(白浜仁吉君) 通信・放送衛星機構法案について、その趣旨を御説明申し上げます。 わが国における通信衛星及び放送衛星につきましては、昭和四十八年以来国の計画として開発が進められ、すでに実験用の通信衛星及び放送衛星が打ち上げられ、各種の実験が行われているところであります。 この開発成果をできるだけ早く国民に還元するため、昭和五十七年度に実用のための通信衛星の打ち上げが予定されており、また、実用のための放送衛星につきましては、昭和五十八年度打ち上げを目途に検討が進められております。 本法案は、実用の通信衛星及び放送衛星の利用推進に当たり、両衛星の管理等を効率的に行う法人として通信・放送衛星機構を設立すべく、その設立の根拠法を制定しようとするものであります。 次に、法律案の概要を御説明申し上げます。 第一に、通信・放送衛星機構の目的でありますが、機構は、通信衛星及び放送衛星の位置、姿勢等を制御し、これらの人工衛星に搭載された無線設備をこれを用いて無線局を開設する者に利用させることなどを効率的に行うことにより、宇宙における無線通信の普及発達と電波の有効な利用を図ることを目的としております。 第二に、機構の資本金でありますが、資本金は、政府及び民間の出資によって構成され、必要があるときは、郵政大臣の認可を受けてこれを増加することができるとしております。 第三に、機構の設立及び組織でありますが、設立は、発起人からの申請に基づく郵政大臣の認可によるとするとともに、その認可の基準を定めております。また、機構の役員として、理事長、理事及び監事を置くことができるものとし、理事長及び監事は郵政大臣が任命し、理事は郵政大臣の認可を受けて理事長が任命することとしております。 第四に、機構には、運営評議会を設けることといたしておりますが、運営評議会は、出資者及び学識経験者をその構成員とし、定款の変更等、重要事項を審議するものであります。 第五に、機構の業務でありますが、機構は、通信衛星及び放送衛星を他に委託して打ち上げること、これらの衛星の位置、姿勢等を制御すること、搭載無線設備を宇宙局の開設者に利用させることなどを行うことにしております。 その他、機構の財務、会計及び機構に対する国の監督などについて、所要の規定を設けることといたしております。 なお、この法律の施行期日は、この法律の公布の日から起算して、三カ月を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手) ————◇————— 通信・放送衛星機構法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(灘尾弘吉君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。野口幸一君。 〔野口幸一君登壇〕
○野口幸一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました通信・放送衛星機構法案につきまして、総理並びに関係各大臣に対し、若干の質問を行うものであります。(拍手) まず最初に、わが国の宇宙開発のあり方について質問いたします。 世界における宇宙開発が目覚ましい進展を見ている今日、アメリカ、ソビエトなどに比べ大きく立ちおくれているわが国の宇宙開発について、その早急な発展向上を図ることは当然でありまして、わが国の宇宙開発のあり方は国の重要課題であると言わなければなりません。 この法律案は、宇宙における無線通信の発達等を図るため、実用衛星の管理、運用を一元的に行うための法人を設立しようというものであり、わが国の宇宙開発につながる重要な意義を持つものであります。 さて、宇宙開発委員会は、昨年三月十七日、今後十五年間のわが国の宇宙開発の方向とその枠組みを示すものとして宇宙開発政策大綱を策定しておりますが、その大綱の基本方針におきまして、わが国の宇宙開発のあり方として、これまで先進国に依存するか、またはその影響下にあったわが国の宇宙技術の分野について、今後は独自の技術を駆使し、高度な技術力を確立することにより、わが国の宇宙開発対策の自主性を高め、さらに国産化を進めて、宇宙活動システムの主要部分についてはみずからの手で措置できるようにしたいと述べているのであります。 国産化を推進することはまことに当然なことでありまして、私も賛成でありますが、そのためには多額の費用を必要といたします。また、先ごろのECSの打ち上げ失敗の例もありますように、大きな危険を伴うことも事実であります。 現在、静止軌道に打ち上げられて種々の実験が行われている実験用の通信衛星及び放送衛星は、その経費がそれぞれ二百八十億円程度であり、その国産化率は通信衛星で約二三%と聞いております。これに対して、昭和五十七年度に打ち上げを予定している実用通信衛星につきましては、その国産化率を二倍程度に高めるためもございまして、経費は約五百四十億円が見込まれていると言われているのであります。 この点に関し、ある新聞は、これをアメリカにまるまる製造、打ち上げを頼んだ場合には二百億円以下で済む、そして、将来スペースシャトルを利用すればもっと安上がりになるという趣旨のことも報道しております。この数字の当否は別にいたしましても、国産化を推進しようといたしますれば、それだけ余分に経費のかかることは避けられないところであります。 そして、この五百四十億円もかかる実用通信衛星の経費について、その六〇%を利用者である電電公社に負担させることになっているようでありますが、私は、この点に大きな疑問を持つものであります。すなわち、実用通信衛星といいましても、国産化の推進は政府の方針のもとに行われまして、開発段階の部分が非常に多く、そのために余分な経費がかかるわけでありますから、このような人工衛星の打ち上げについては、すべて国の負担で行うべきではないかと考えるのであります。(拍手) 打ち上げた衛星の利用に当たっては、利用者から適正な料金を徴収することは当然でありますが、打ち上げについては、国が全責任を持つということがわが国の宇宙開発のあり方であり、また、宇宙開発委員会を設置し、宇宙開発事業団を設立しているわが国の宇宙開発体制の趣旨にも適合するものではないかと考えるのでありますが、この点につきまして、わが国の宇宙開発の総指揮者でもあります総理並びに担当大臣の科学技術庁長官のお考えをお聞かせいただきたいのであります。 次に、認可法人の設立に関して質問いたします。 この法人は、「宇宙における無線通信の普及発達と電波の有効な利用を図る」ために、実用衛星の管理、運用を一元的に行うものでありまして、その任務はまことに重要であると考えられますが、かかる重要な任務を持つこの法人を、なぜ郵政大臣の認可に係る法人の形式をとるかということについて、郵政大臣のお考えをお聞きしたいのであります。 すでにわが国も加盟しております月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約、すなわち、いわゆる宇宙条約の第六条には、宇宙活動については、国が国際的責任を有することが規定されておりますし、また第七条には、宇宙活動によって他に与える損害については、国が国際的責任を持つことが規定されているのであります。このように、宇宙活動については国が国際的責任を負わなければならないわけでありますが、さきに述べましたように、宇宙開発の発展向上を図ることは国の重要な施策であるということからしましても、宇宙活動の一環である実用衛星の管理、運用につきましては、国の責任で行うべきではないかと考えるのであります。 この意味におきまして、重要な業務は国みずからが行うか、少なくとも国の全面的な指導監督の届く特殊法人に行わせるのが妥当ではないかと考えるのでありますが、なぜ認可法人に行わせることにしたのか、郵政大臣の明確な御答弁をいただきたいのであります。 なお、この問題に関連してお聞きいたしますが、政府は、行政機構等の簡素化という見地から、特殊法人の新設は極力抑制する方針をとっております。このたびの場合も、この方針に沿って特殊法人の設立が認められないために、認可法人の形式をとったのではないかとも考えられますが、もしそうだとすれば、認可法人といいましても、政府以外から出資が入ることのほかは特殊法人とほとんど変わるところがないわけでありますから、見方によっては、これは単なるすりかえにすぎないとも言えるわけでありまして、これでは政府の行政機構等の簡素化という方針もなきに等しいということになると考えられるのであります。 この点について、総理並びに行政管理庁長官のお考えをお聞かせ願いたいのであります。 続いて、この法人の出資者に関する問題について質問いたします。 この法人の出資は、政府が半額出資し、残りは政府以外の者の出資となっております。そして、政府以外の出資者については、法文上は規定してありませんが、実際には、さしあたり電電公社、KDD及びNHKに限られるように聞いております。政府以外の出資者がこの三者に限られるということにつきましては、逓信一家の独占機関であるという批判も一部にあるようであります。また、この法人が、郵政省官僚の天下り機関として設立されるのではないかという批判もございます。 今日、役人の天下りという問題はいろいろな面から批判の的になっているわけでありますが、重要なわが国の宇宙活動の一翼を担うべきこの法人が、郵政官僚の天下りのために設立されるということは、決してあってはならないことでありまして、この点について、郵政大臣の明確な答弁をお願いしておきたいのであります。 最後に、この法人の業務についてお伺いいたしておきます。 まず、この法人は、通信衛星及び放送衛星に限って業務を行うことになっていることであります。 申すまでもなく、わが国の人工衛星は、通信衛星と放送衛星のみではありません。気象衛星もあれば、種々の目的で打ち上げられている科学衛星もございます。それであるのに、なぜ通信衛星と放送衛星に限定するのかという疑問がございます。この法人が、「宇宙における無線通信の普及発達と電波の有効な利用を図ることを目的」としているのでありますから、通信衛星及び放送衛星に限ることなく、すべての人工衛星の管理、運用をつかさどってしかるべきではないかと考えるわけでありますが、この点について郵政大臣の御説明をお願いしたいのであります。 さらに、この法人の業務として、「衛星を他に委託して打ち上げること。」が規定されております。「他に委託して」とは、宇宙開発事業団を予定しているものと考えられますが、衛星の製作については何も書かれておりません。衛星の製作はこの法人の業務に入るのか、また、この法人の業務でないとすれば、どこが製作することになるのか、説明していただきたいのであります。 また、五十七年度に打ち上げが予定されている実用通信衛星の経費につきましては、さきにも述べましたように、国が四割、公社が六割を負担することになっております。この衛星の所有権は、国と公社が四対六の割合で所有することになろうかと思います。ところが、この衛星の管理運用権はこの法人が持つわけでありまするから、公社など、この衛星を利用する者は、この法人に利用料を支払うことになろうかと考えられます。 このように、衛星については所有権と管理運用権が分離されているのでありますが、なぜこういうことになるのか、郵政大臣の御説明をいただきたいのであります。 以上、本件は将来にわたりきわめて重要な事案でございますので、御答弁を明確にお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
○内閣総理大臣(大平正芳君) 野口さんの第一の御質問は、わが国の宇宙開発の先進国依存の状況を改めるために、国産化を積極的に行うべきでないかという御趣旨でございました。 御承知のように、わが国の宇宙開発は、国際間の調和を十分に配慮しながら、自主技術の確立を目的として、国力に応じた開発を進めてまいっておるところでございます。御指摘のように、国産化を高めることは重要と政府も考えておりますので、その方向に鋭意努めてまいるつもりであります。 第二は、この機構は認可法人の形をとっておるが、本来特殊法人とすべきものを、わざわざすりかえたのではないかという御趣旨の御質問でございました。 そうではございません。この通信・放送衛星機構は、その業務が民間の行う事業経営的な性格と、これに対して政府が適切な指導監督を行う必要と、両面の要請にこたえてつくりました法人でございまして、本来特殊法人でやるべきものをすりかえたという性質のものでないことは、実態から御検討いただきまして御理解いただけることと存ずるところでございます。 その他の点につきましては、関係大臣から御答弁申し上げます。(拍手) 〔国務大臣金子岩三君登壇〕
○国務大臣(金子岩三君) 野口さんの私に対する質問は、衛星の打ち上げ費用一切を国が負担すべきではないかという、大変積極的な御提言に大変敬意を表するものでございます。 わが国の宇宙開発は、いままですべていわゆる開発途上の段階であったために、全額国の費用をもって衛星の開発を行ってきたわけでございます。しかしながら、わが国の宇宙開発もようやくその基礎が固まりましたので、今後は多様な各方面の応用の実用活動が開始される、このように考えておりますので、宇宙開発のこのような段階においては、人工衛星を事業に使用する場合には、やはり原則として受益者たる事業者がそのための費用を負担することが適当かと考えておるのでございます。ただ、わが国の宇宙開発の現状では、実用に使用する人工衛星であってもなお開発の要素が多分にありますので、その費用の、まあ四、六ですか、四を国が持つことになっておるのでございます。(拍手) 〔国務大臣白浜仁吉君登壇〕
○国務大臣(白浜仁吉君) 野口議員の御質問にお答えします。 まず、機構の組織形態についてでございますが、通信・放送衛星機構の業務は、事業経営的な性格を有しております。したがいまして、民間の創意工夫と協力によりまして一層の発展が期待されますので、民間の発意により、民間の事業として行うことが適当であると考えております。また、宇宙活動につきましては、御指摘のように、宇宙条約により、国以外の機関の活動であっても、国が国際的責任を負うことになっております。 以上のような観点から、機構は、民間の発意により発起、設立及び運営される一方、国費の一部を投入するとともに、政府が法律に基づいてこれを認可し、必要な限度で指導監督するという形の認可法人とするものであります。 次に、政府以外の出資者として電電公社、NHK及び国際電電を予定している理由についての御質問につきましては、第一世代の実用の通信衛星及び放送衛星については、公共性の高い非常災害時の通信や辺地及び離島との通信並びにNHKのテレビジョン放送難視聴対策用に利用することとしており、当初の段階において衛星の利用者となる電電公社及びNHKが出資することといたしているものであります。また、国際電電については、これまでの衛星通信の経験等を機構の運営に活用することのほか、将来における衛星の利用の可能性も考えられるため、出資することといたしているものであります。なお、将来は、出資者の範囲について、通信衛星及び放送衛星の利用の進展に応じて検討してまいりたいと考えております。 また、本機構は郵政官僚の天下り機関ではないかという批判があるという点につきましては、有限な資源であります静止衛星の軌道及び宇宙通信用周波数の有効な利用を図ること、わが国の宇宙通信分野における最新の技術及び要員並びに資金を効果的に結集することなどの観点から、実用の通信衛星及び放送衛星の管理等を民間の創意工夫と協力により一元的に行わせる機関を設置することとしたものであります。 次に、機構は、すべての人工衛星の管理、運用を行うこととすべきではないかという御意見につきましては、わが国において、通信衛星及び放送衛星以外の衛星については現在研究または開発段階であり、実用化の目途及びその時期が現段階では明確ではありません。したがいまして、それらの衛星の実用化が明確になった段階におきまして、国家的見地から最も効率的な管理体制のあり方について検討していく必要があると考えております。 次に、衛星をどこが製作するかという御質問につきましては、機構はみずから衛星の製作を行うことはいたしません。他に委託して製作することとなります。なお、昭和五十七年度に打ち上げを予定しております衛星につきましては、宇宙開発事業団に委託して製作することといたしております。 最後に、衛星に関する権利関係につきましては、関係法令に照らし、この機構の業務遂行上支障のないように取り計らいたいと考えております。(拍手) 〔国務大臣金井元彦君登壇〕
○国務大臣(金井元彦君) お答えをいたします。 本機構につきましては、ただいま総理並びに郵政大臣からお答え申し上げましたとおりでございまして、これを国が強制設立するような特殊法人とすべきものであるとは考えないのでございます。なおまた、郵政省からも、これについて特殊法人としてというお話もございませんでした。したがって、行政機構改革の見地からこれを無理にすりかえた、さようなことではございません。(拍手)
○議長(灘尾弘吉君) これにて質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○議長(灘尾弘吉君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十三分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 大平 正芳君 法 務 大 臣 古井 喜實君 文 部 大 臣 内藤誉三郎君 運 輸 大 臣 森山 欽司君 郵 政 大 臣 白浜 仁吉君 自 治 大 臣 澁谷 直藏君 国 務 大 臣 金井 元彦君 国 務 大 臣 金子 岩三君 国 務 大 臣 中野 四郎君 出席政府委員 郵政省電波監理 局長 平野 正雄君 ————◇—————