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第87回国会衆議院1979/05/30

法務委員会 第17号

発言数
175 件
登壇者
17 名
会派数
5
開催日
1979/05/30

会議録

佐藤文生自由民主党

○佐藤委員長 これより会議を開きます。  法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 文部大臣が次の委員会に出席をする都合がありますので、冒頭、文部大臣所管の問題について、ちょっとお尋ねをいたしたいと思います。  大臣も御承知のように、永井文相、海部文相当時から、入社試験の指定校制度というものを廃止したい、こういう方針を決められたようでありますが、その後、内藤文相の時代になって、この方針はどのように引き継がれているのか、それとも指定校制度の問題についてはもう手をつけないという段階なのか、その辺をちょっと御説明いただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 指定校制度につきましては、御指摘のとおり、永井さん、海部さん、砂田さんも一生懸命おやりになって、私ども昨年の調査をしますと、だんだん減少の傾向になっているのです。  本年の二月に、大学局長名をもって関係団体に対して、こういう排他的な指定校制度はやめるようにということを強くお願いしましたけれども、私も、これから御指摘のとおり関係団体に参りまして、排他的な指定校制度を今後徹底的に改善していただくように、よくお願いする次第でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 そういたしますと、内藤文相時代も、従来のような指定校制度問題を検討するプロジェクトというのは、文部省内に現在も存置しているのですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 当然、文部省としてはこの問題に真剣に取り組みますから、恐らくそれは続いていると私は思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 当時から労働省との連絡会議も設置をしたという報道がなされておるわけでありますが、労働省との連絡会議というのは、その後ずっと続いておるのか、続いておるとすれば、いつごろそういう会議をやっておるのか、その状況をちょっと説明してください。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 正式に両大臣が御出席いただいてやる会議というのは、常設的なものではございませんで、その都度必要に応じてやるものでございますが、事務的にはその後も連携を密にしまして、私どもも、業界に対する指導を折に触れてやっているという状況でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 文部大臣、指定校制度というのはなぜやめさせなければならないのか。ただいま排他的という言葉で表現されましたが、指定校制度は好ましくないという根本理念は、一体どのように把握なさっておるのでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 こういうことが起きますと、ますます学閥が盛んになると私は思うので、どこの学校に行ったって、やはり人間としては教育の機会均等だと思いますから、できるだけ教育の機会均等を保障するためにも、この排他的な指定校制度はいかぬと私は思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 私も文相に同感でありますが、指定校制度というものを全廃するのは、なかなかむずかしい問題をたくさんはらんでいる。  特に技術系の場合は、採用側が技術系のこういう学科の者しか採用せぬというような場合はむずかしいのでありますが、大きな見地から、学歴偏重、学閥あるいは排他的制度、そういうものをなくしていくという観点から、これを廃止の方向に導くと言うとするなら、大学卒業者がもっと人権を無視され、指定校どころではない、指定人制度ですね、いまのドラフト制度、これはもう指定校よりもっとひどいですね。  指定人制度と全く同じような、くじ一本で青年の未来が決定されてしまう。こういう問題と指定校の問題とは、次元が全く同じだとは思いませんけれども、指定校問題を廃止するために各団体、企業団体に文部省や労働省は要請書を出しておる、そういうことだとするならば、やはりこのドラフト制問題についても、大学卒や高校卒の学生の指定人的なこういう制度についても、文部省は何か一言言うべきじゃないのでしょうか。あるいは企業に要請をすべきじゃないのでしょうか。それはいかがでございましょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 ドラフト制の問題については文部省の所管ではございませんけれども、御趣旨の点はよくわかりますので、私も積極的に御協力申し上げたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 文部省の管轄でないとおっしゃいますけれども、大学生なり高校生という場合は、入ってしまえば球団自体、ドラフト制度内部の問題だけれども、入る過程の問題ですからね、大学卒あるいは高校卒の学生がこれからどうなるかという問題でありますから、いま大臣がおっしゃるように関心を持たれて、できるだけいい方向に世の中を変えていく、そういう前向きのいま文部大臣の御答弁で、私も納得するのでありますが、いずれにしても、いまの指定校制問題とドラフト制問題というのは、私は素人でありまして新聞でずっと見ている限り、将来ある若い者が本当に自分の自由意思、自分の創意工夫を生かす職場、自分の能力を一〇〇%発揮してみたい、そういう胸をふくらませてなんじの希望を星につなごうとする若者が、どうもくじ一本でおまえはここだといって、希望したところへ全く行けない。この制度は、文部省もあるいは法務省の人権擁護の立場からも、もっと積極的に企業側に要請をしてしかるべきではないのか。  私は、特にこの問題をきょう取り上げました最大の原因は、昨年十一月二十二日の新聞で、川崎に住んでいる木田勇という日本鋼管のピッチャーですね。これはなかなか有名な名ピッチャーで、昨年夏の都市対抗野球ですばらしい腕前を全国民に見せてくれた。最後には東芝に敗れて優勝はできなかったのでありますが、この木田勇君がドラフトにかけられた。彼は、そのときに広島が抽選第一で、広島に入らぬかという勧誘をされたわけですね。ところが彼の理由は、お父さんが病気で肝臓が悪くて、もう定年退職して大変苦しんでおる。お母さんももう六十歳を過ぎて病弱だ。このお父さん、お母さんを置き去りにして住所を変えることは耐えられない。したがって本人は、在京球団いわゆる大洋かヤクルト、ここらに入りたかったのですね。ところが、不幸にして広島行きだということで、彼は病気の両親のもとを離れたり家を移すことはできないので、地理的条件がすべてだと言って、涙ながらに彼は職業球団に入ることを断念をした記事ですね。  私は、この新聞記事を読んで、実は胸がじいんと熱くなったのを覚えたのであります。これはいかぬ、この制度のままでは若い者の希望の芽をつんでしまう、能力発揮できない、こう実は感じたわけなんであります。  この木田勇君の実情の一こまをちょっといま文部大臣に申し上げたのですが、こういう制度をこのままにしておいていいというお感じ、これはあくまでまだ感じの問題ですからね、コミッショナーでもここにおって、改善をする実力のある人がおれば話は別なんでありますが、文部省や法務省は行政上の立場からながめて実際に実行する権限は持っていないという状況でありますから、こうしますということはなかなか言えないと思うのでありますが、この木田君の例を見て、いまの一カ所だけ指名を受けたら、それ以外何とも身動きできない、職業球団に当たって入れるか、さもなければプロを断念するかの自由しかないのですね。まさに居住の自由まで放棄しなければならぬ。こういういまのあり方について、文相はいかにお感じでございましょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 先ほど申しましたように、指定校制度もやはり就職の機会均等でなければいかぬと思う。  そういう意味で、文部省も指定校制度を廃止したいと思って一生懸命努力しているのですが、ドラフトもその点同じだと思います。私は、あらゆる機会に青少年が伸び伸びとしてこれから成長するためには、できるだけ就職の機会は均等にしてほしいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 文相のそういう考え方も、若者の立場に立ってひとつ企業側に、文部省としては、こういう方向を希望をする、期待をする、そういうものをぜひこの際、文書で文部大臣としての見解を業界側にも示していただきたいと思いますが、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○内藤国務大臣 機会がありますれば、私は率直に申し上げたいと思っております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 もう一つ文部大臣、これで終わりますが、文部省が、指定校制度をやめさせるためにいろいろ企業に要請して、アンケートをとっているのでありますが、二万五千六百五十社のうち、回答をくれた企業が千二百三十四社ですね。これは十分の一以下、二十分の一ですね。  これは結局、行政官庁の威令が企業に理解してもらえないためなのか、それとも一体何かほかに原因があるのだろうか、この辺ちょっと、簡単で結構ですから説明願いたいと思います。

阿部充夫文部省大学局審議官

○阿部説明員 お答えを申し上げます。  ただいま先生御指摘のございました、この文部省調査の対象でございますけれども、二万五千六百五十社のうち、業種別あるいは従業員の規模別に若干抽出をいたしまして要請しました二千三百八十五社に対してアンケートを出したわけでございまして、その回答率が千二百三十四社ということで、約五〇%の回答率であったわけでございます。  文部省といたしまして、これまで民間の企業との直接のおつき合いというのは実は余りないものでございますので、そういった意味で、いわば初めての調査ということもございまして、必ずしも十分な御協力が得られなかった面もあろうかと思いますが、今後このような機会がある場合には、さらに努力をいたしまして理解を求めて、十分な調査が出るように努力をしたいと考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 文部大臣、時間のようでありますからどうぞ。  法務大臣、ただいまの木田君の具体例でちょっと申し上げたこのくだりを聞いて、いまのドラフト制というものは、職業選択の自由やあるいは人権、生存権的自由権と申しますか、勤労の権利、そういうような憲法の条項を頭に描いて判断をしたときに、違反ではないけれども、憲法に違反するとかあるいは公序良俗の民法規定に全く違反で契約無効だという極論をしようとは私は思いませんが、いまのような制度のままでいいと法務大臣はお考えになりますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 人情細やかな、人間に対する愛情をもとにしてお話がありました。  人情、愛情と人権あるいは法規制あるいは行政指導、そこまでいきますと大分中間に距離があるのでありまして、ことに私などが、これは法律問題ならすぐさまですけれども、こういう問題について顔を出しますことは、大体うっとうしいし、余りいいことかどうかわからぬのでありますが、いまの野球のドラフト制度、これはプロ野球の発達のためにああいう行き方がいいという考え方で、ああいうことが行われているのじゃないかと思うのですけれども、いい目的もあるかもしらぬが、また反面も出てきておる。これについては、おっしゃるような割り切れぬ問題も起こるし、世間でもそれなりの批判もあるでしょう。批判を受けながら、あれが改善されていくのを待つというか、そういう方向で行ってもらうことを望むのが、いまの段階では一番いいじゃないかと私は思うのであります。  それから、就職戦線における指定校の問題でありますが、あれは大体学歴主義の一つのあらわれでありまして、これが大問題なのですね、学歴主義が。それだからまた、学校教育もみんなが有名校に入りたがるということになって、受験地獄だなんということにもつながってくるわけですね。  けれども、これもきょうあすの段階では法律がくちばしを入れるというふうな問題じゃありませんし、やはり社会的な問題として議論をし、批判を受けながら改善をしていく。一方にそうならざるを得ぬような背景があるのに、いけないとか、余り一口に言ってしまえないかもしれませんし、それなりのわけがあるのですから、社会的に大いに論議をして、いいところにこれを落ちつけていくということが、われわれの社会としては一番いいのじゃないか、そんな程度しか私は申し上げる意見がありません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 法務省は、去年の二月十六日、三月二日、参議院の法務委員会で延々五時間にわたるドラフト問題についての質疑があったことを承知していますね。  その当時の法務大臣は、こう答えていますね。せっかくの素質がある若いこれからという人が、何かやはりそういう素質を生かすようなことを球団でも考えられる知恵が出るのじゃないかという気がするわけです。だから、ドラフトで指名する、多少選択の余地があるような幅の指名ができないものか。 これは法務大臣の感じですね。そして法務大臣は、それにつけ加えてプロ野球界に入ろうという素質のある青年なら、多少の選択の幅を持たせるぐらいの、それがドラフト制に当たるのかどうかしれませんけ  れども、 そういう意味の改善をしてもいいのではないか、たとえば一位、二位、三位でもいいから、そういう個人の自由の意思の表明を認めてやっていいのではないか、すなわち、第一志望、第二志望、第三志望までくらい新人選手に認めてやって、そしてそれをドラフトしてやる、どれが当たっても、自分で三つ志望したのであるから、本人は拒否しない、そういう幾らか自由を認めていいのではないかというのが、前任の瀬戸山法務大臣の見解なのであります。  これに対して、現在の法務大臣はどんな御見解を持ちますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 割り切れぬものがある、こういう認識が出発点だろうと思うのですね。大きにその点は残っておると思うのです。  しからば、その割り切れぬところをどういうふうにして改善していくかということになれば、やはり前法務大臣の意見も影響があるかもしらぬが、社会的に議論をして、それは当事者もわかっておりましょう。  そこで、改善すべき点はよいところへ持っていくというふうな、民主的というか、行き方がいいと私は思うのです。余りおっかぶせたような、役所がくちばしを入れたりというようなことに早くいかぬ方がいいじゃないか。大いに議論をして、割り切れぬ点はあるが、世論でもっていいところに持っていくという行き方の点じゃないかと私は思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 後で、民主的な討議が行われているのか、球団でどんな議論をしているのかは具体的に申し上げますが、大臣がこういう見解を述べ、さらに法務省の人権擁護局長も  新人選手側の立場から見ますとそこにいろいろ非常に強い拘束を感じているところがあるとすれば、もし改善ができるならばそれにこしたことはないのではないかと考えるわけでございます。ただ、これはプロ野球の実態をよく観察し、また知識を持った上でないと判断が非常にむずかしいことだと思いますので、そういう意味で、午前中私も大臣も申し上げましたように、まずこれはプロ野球界が自主的に改善を図るべきではないだろうかというふうに申し上げたわけでございます。 改善できるならばそれにこしたことはないと考えるわけでございます、こう答えていますね。  人権擁護の立場からも、あるいは憲法の精神の立場からも、そういう考え方が正しいのだということを、法務省としては、ちょっと干渉になり越権であるという感じから、球団側にはいままで何も物を言わなかったのですか。去年あれだけ法務委員会で議論されても、球団側には助言やあるいは指導めいた言葉は一言も言ってないのですか。

鬼塚賢太郎法務省人権擁護局長

○鬼塚政府委員 公式な面では、ただいま大臣が申されましたような理由によりまして、やはりあくまでもこれはプロ野球界の自主的な解決が一番望ましいということで差し控えておるのでございますけれども、ただ、私どもがよく事情を知らないものですから、事務局の方などに来ていただいて、いろいろと説明を受けたようなことがございますが、そういう機会に、ただいま先生が読まれました前の私の答弁の趣旨を、私の考えとして申し伝えてございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 一応あなたの考え方を球団側には伝えてあるのですね、それは文書じゃなくて口頭で。

鬼塚賢太郎法務省人権擁護局長

○鬼塚政府委員 コミッショナーの事務局長に口頭で伝えてございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 当面プロ野球に関しては、日本野球機構というのは文部省所管になっているわけですね。これは主として野球の普及、発展、選手の福利厚生を目的とする、前段で野球の普及、発展という言葉があるのですから、これは広く解釈をするならば、やはり野球が国民的スポーツとして盛り上がり、しかも強いチームができるという方向まで考えて、野球の普及、発展という言葉の中に、概念の中に包摂できると思うのですね。  でありますから、文部省は、そういう監督的権限あるのですから、少々枠を広げて球団に物を言うべきじゃないでしょうか、言ってしかるべきではないか、こう思いますが、文部省の見解はどうなんですか。

佐藤文生自由民主党

○佐藤委員長 武藤委員に申し上げますが、文部省当局はいま退席をいたしましたが……

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 退席したのは文部大臣だけじゃないの。文部大臣だけは十分でよろしいという最初からの約束だが、文部省の答えられる人はおらなければいかぬでしょう。これは文部省所管だもの。それはだめだぞ。  文部省が来るまでは、違う角度から質問をしておきますが、いずれにしても、文部省はそういう日本野球機構というものを監督する官庁なんですね。ですから、行政側からプロ野球界に対して何らかのアプローチが当然あってしかるべきだと私は思うのでありますが、そういう理解はどうなんだろう。だれに聞いたらいいのかね。管轄が文部省なんですが、管轄である文部省が物を言う権能があるかどうかという解釈の問題は、これはだれですか、法務大臣ですか、委員長ですか。(古井国務大臣「委員長でしょう」と呼ぶ)

佐藤文生自由民主党

○佐藤委員長 それでは、阿部審議官が後刻参りますから、その節に質問をお願いします。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 はい。  そこで、なぜ私がきょうこういう質問をするに至ったかということの経過を踏まえながら、私、新聞をずっと切り抜いて読んできましたが、大変奇々怪々に思うのは、昨年の三月に法務委員会で徹底的な、参考人も呼び、あるいは各党が全部この問題を取り上げて、政府に善処方を要望しておるわけですね。当時の法務大臣も先ほど申し上げましたように答えておるし、擁護局長もあるいは民事局長も労働省も皆答えているわけですが、これだけ国会で議論されれば球団側は幾らか考慮するだろう、配慮するだろう、実は私はそう受けとめていたのです。  ところが、ドラフト審議委員会というものを新設をして、昨年三月二十八日の第一回会議から始まっていくわけでありますが、その中で、このドラフト審議委員会は、新人選手の立場というものを少し認めていこう、そういう方向でまず出発しているのですね。大体この審議委員会ができたこと自体が、指名選手の自由というものをどう認めていくか、そういう趣旨からできたということを確認をして出発しているわけなんです。六月一日のこの審議委員会の中で、選手に球団を選択する権利を与える方向に制度を改めることで意見の一致を見た、その議論の中で、国会であれだけいろいろ議論があり、注文がつけられ、世論化したのであるから、その方向を審議委員会として取りまとめて改善をしなければならぬのだという趣旨のことを協議しているのですね。  これは、なかなかいい方向に結論が出るのじゃないかと私も期待をしていたところが、七月の十一日になりますと、今度は実行委員会、十二球団、いわゆる企業側、金もうけを考える方ですね、この方から横やりが入って、今度は実行委員会で選手の選択権は認めてはならぬという異論が出てきた。そうすると、この審議委員会はへなへなとなって、とうとう最終的に八月になっての最終改善案では、選手の選択権は全く認めない、従来の人権無視の、選択権のないそういう改善に終わってしまった。  この経過をずっと読んでみて、私はまことに不思議に思うのであります。満場一致で改善の方向まできちっと決めておきながら、一カ月後にはまた改正案差し戻し、もとのもくあみ、これでは一体誠意があるのかどうか、球団側は、国会議論を踏まえて、本気で新人選手のことなどを討議する気になっているのかどうか。  文部省、来ましたね。文部省、その後この球団側の検討の状況を皆さんはどのように把握しておるのですか。

阿部充夫文部省大学局審議官

○阿部説明員 大変恐縮でございますけれども、ただいま先生からお話のございますドラフトの問題につきまして、私ども文部省の中では体育局が所管してこの問題に対応いたしておりますので、私どもの方といたしましては、先ほど先生のお話にもございましたように、一般的な大学卒業生の就職の問題というのとやや次元が違う問題という観点から、体育局の方で所管しておるという関係がございまして、ちょっと私、お答えするだけの資料をただいま持っておらないのでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 それじゃ、あなた、全然だめじゃないの。もう通告してあって、ドラフトの問題を質問するのだということを文部省も法務省も知っておるわけですよ。  しかも、このプロ野球の直接的監督官庁は文部省なんですね。しかも、野球の普及、発展、そのために社団法人日本野球機構というのがあるわけでしょう。それの監督官庁が文部省なんだから、単なる選手の福利厚生だけじゃない。職業野球がいかに国民的スポーツとして全国民的な支持を受け、いまはもう茶の間でも、女性でも野球ファンというのはかなりの数になっていますね。相撲に匹敵するぐらいのスポーツなんですよ。だから、これはもう第三者でも、全国民がみんな関心を持ち、くちばしを入れていいはずの大きなスポーツなんですね。  そういうものを監督する文部省が、この改善策に全く乗り出していないというのは怠慢じゃないですか。介入をしたり抑圧したりするのじゃなくて、適切な国会の議論を踏まえて、それをピックアップして、国民の代表である議会はこういうところに大体収斂される意見だ、そういうことを文部省は当然言うべきじゃないですか。その点はあなた、言ったか言わぬかはわかるのですか、球団にそういう注文をつけたかっけないかはわかるのですか。

阿部充夫文部省大学局審議官

○阿部説明員 まことに申しわけございませんが、体育局の方とこの点についてまだ十分連絡がとれてございません。今後十分注意して連絡をとるようにいたしたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 文部省、体育局は怠慢だな。事務局はどうなの。通告しないの、出てこいということを。彼は担当じゃないと言うんだ。  あなたは何が担当ですか。この野球機構だけを、経理か何かのことを知っているということだけですか。あなたの知っていることは何ですか。

阿部充夫文部省大学局審議官

○阿部説明員 私ども大学局でございますので、先生先ほど御指摘のございました指定校制度の改善の問題等を直接担当いたして、学生の就職問題ということを担当いたしておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 ドラフト関係の間接的な監督権限を持っている文部省がいないということになりますと、これは答えられないですね。  委員長にお諮り願いたいのでありますが、下田コミッショナーも出てこない。恐らく、こういういままでの一年間の野球界の紆余曲折、ドラフト審議委員会の決定が覆され、結局また実行委員会でパアになる、こういう経過から、コミッショナーとしてはここへ出にくいのじゃないかという感想ですね。しかし、これはやはりコミッショナーに出てもらわぬと、いまのような答えを聞いていたのでは、まさに隔靴掻痒の感ですね。これはやはり国民の最高の権威を持つ議会でそういうことが直せないということは、議会に対する国民の不信も買いますね。  われわれは、決して下田さんをいじめようなんて思っていないのですから、よりよい方向に人権が守られ、職業選択の自由が保障され、勤労の権利ができるだけ広く拡大をされていくというのがいまの憲法の精神なんですから、それを具現しようというために提言をしているのに出てこない。しかも文部省の担当もおらぬ。こういうことでは、質問を続けても解明がむずかしいですね。これは次回、コミッショナー、同時に文部省の担当責任者を、さもなければ大臣をきちっと一時間なら一時間とってもらわぬと、これ以上進めても答えが出てきませんね。

横山利秋日本社会党

○横山委員 議事進行。かねてお願いしておる下田コミッショナーについては、さらに委員長からひとつ事務局を督励して、この国会中にぜひ御出席を願うようにして、それまで文部省にも十分御検討を願うことにして、次回に継続をお願いいたしたい。

佐藤文生自由民主党

○佐藤委員長 ドラフト制問題については、理事会を開きまして今後の進め方について協議したいと思います。  正森成二君。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 私は、金大中氏の事件について、若干質問をさせていただきたいと思います。  まず外務省に聞きますが、外務省はどなたが来ておりますか。(三宅政府委員「アジア局でございます」と呼ぶ)三宅さんですね。  三宅さんに伺いますが、五月二十八日に、報道によりますと、田英夫委員の質問に答えて園田外務大臣が、どういう場合に政治決着を見直すかということについて答弁をなさったようであります。報道では、朴政権もしくは金大中氏などの当事者がKCIAの犯行であることを認めるというか認定すれば政治決着を見直す用意がある、こういうように言われたと報道されているのですが、それは本当ですか、もしそうでないなら正確な表現を言うてください。

三宅和助外務省アジア局次長

○三宅政府委員 園田外務大臣は、そのときの答弁において、それは具体的にそのときのケースを考えなくてはいかぬけれども、たとえばと言って、一例として朴政権がそのようなことを明確に認めた場合は当然それに該当するであろうということを申し上げたと私は了解しております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 田英夫氏は、当事者という中には金大中氏も入るのだというように言われたと報道されておりますが、それは誤りですか。

三宅和助外務省アジア局次長

○三宅政府委員 田委員の方からはそういうことを御発言になりましたが、園田外務大臣の方は、これに対して明確なお答えをなさらなかったということでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 あなた方は、朴政権が明確にKCIAの犯行であると認めた場合というようなことを一例として挙げられましたが、そんなことを公的に認めれば問題も何もないわけで、それでは、日本の方からいろいろ捜査をして新しい資料あるいは証拠が出てくる場合を全く放棄していると考えざるを得ないのですね。日本側がいろいろ調べて一定の心証を持った場合にも、政治決着を見直すということはやらないのですか、全くの朴政権任せなんですか。

三宅和助外務省アジア局次長

○三宅政府委員 基本は、現在でも捜査を日本側において継続しておるということでございます。  したがいまして、当然ながら日本側においてこれをまず捜すことが本筋でございます。したがいまして、たとえばと申しましたのは、それに限定されないという意味で大臣が申し上げたということだろうと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 当然そうあるべきであると私どもは思います。  そこで、私は法務省側に伺いたいと思うのです。  先日、アメリカが情報公開法に基づいて出しました資料の中に、KCIAが関与していることを示す重大な内容が含まれておりました。いろいろございますが、たとえば一九七五年一月十日、在韓国大使館発国務長官あてのスナイダー大使の公電によりますと「日韓関係」という件名の中で  金(外相)は金大中拉致に責任のある在日韓国CIA要員の金東雲は韓国CIAから静かに解任されることになっている旨述べた。申CIA部長は、外相の要請に応えてこの措置をとったところ、金に対して法的措置をとった方が良かったであろうが、これを行うには遅過ぎるとの感触であった。   外相は、本件情報はくれぐれも内密に願いたい旨述べた。 こういう内容であるということで、外務省も、この内容自体は正式に認めたようであります。  そこで、伊藤刑事局長に伺いたいと思います。  私の承知しておりますところでは、五月二十四日に参議院の外務委員会におきまして、寺田熊雄委員が法務省の政府委員に、この公電の証拠法上の地位あるいは能力について質問があったように聞いております。それを要約してもいいのですが、要約をする前に、法務省としては証拠法上これをどのように位置づけておられるか、御説明を伺いたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 参議院の外務委員会で刑事局担当の官房審議官が、刑事訴訟上の証拠能力の一般論をお答えしましたところ、一部報道機関で証拠能力ありなどという見出しがつきまして、当惑しておるわけでございます。  釈迦に説法のような話でございますが、証拠能力と申しますのは、刑事訴訟におきまして具体的な刑事事件が公判に係属をいたしました場合に、その訴因とか立証の趣旨とかの関連において証拠とすることができるかどうかを決めます特有の刑事訴訟法上の概念でございまして、したがいまして、具体的な公判係属案件がない場合に、一般的にこれを論ずることは無意味であり、かつまた不可能なことであろうと思います。  ただ、あえて金大中事件に関連するような事件が公判に係属しておる場合を考えますと、一般的に言いまして、その公電の内容を証拠としょうといたしましても、伝聞供述になりまして、原則として証拠能力はない、かように考えられます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 いま刑事局長が言われましたのは、刑事訴訟の一般原則としては当然のことであります。当該事件についての刑事事件も係属していないのに、一般的に証拠能力について云々することはできない、言うとおりであります。  しかし仮に、日本国政府は金東雲の指紋を発見しているわけでありますから、金東雲が金大中事件の何らかの被疑者であるというようなことを前提にいたしまして、金東雲の地位等を立証するという場合には、やはりこの公電は何らかの意味で証拠となり得るものである、こう思うわけです。  そこで、その内容の場合には、いま伊藤刑事局長の話では伝聞証拠であるというように言われましたが、刑事訴訟はもちろん伝聞証拠を原則として排除する立場をとっておりますが、三百二十一条以下の何条かの規定は、例外的に伝聞証拠を認める場合を規定していることは御案内のとおりであります。  そこで、この公電の場合には当該三百二十一条以下のどの条文に該当する可能性があるか、一般論としてお答え願いたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 公訴事実がはっきりしておりませんので、的確なお答えはできませんが、仮に大変な仮定をいたしまして、金東雲という人が金大中氏監禁、誘拐等の罪の被告人として起訴されているというような状態を仮に仮定をいたしまして、それで、ただいまお読み上げになりました電文を何とかして証拠に使おうということになりますと、検察官としてまず考えますことは、三百二十六条の同意を得て証拠能力を付与するという方法を考えるでございましょう。同意が得られない場合には、三百二十一条一項三号の書面の要件に当たるかどうか、そういう点で吟味をすることになるかと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 それでは、条文に基づいてお伺いしたいと思います。  三百二十六条の同意書面であれば、これは問題ないわけであります。同意が得られない場合にも、三百二十一条の一項三号書面に当たる可能性は十分にあると私は思うわけであります。それはなぜかといいますと   前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、且つ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。但し、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。 こういうようになっております。これはもちろん言うまでもなく、三百二十四条の伝聞の供述の制限に基づいて、この条文が準用されるわけであります。  そういたしますと、スナイダー氏というのは被告人以外の人であります。そして、スナイダーという被告人以外の人が、金東作外相という被告人以外の人の内容を報告しておるということになりますから、明らかに伝聞でありますが、金外相が、日本から見ますと国外にいるために、日本において証言していただくことができないという可能性は、きわめて大きいわけであります。  そうしますと、この条文の、国外にいるためにその証言を求めることができない、かつ金東雲が関与してきたということについて欠くことができないというように判断いたしますと、これはほかに証拠がたくさんありまして、何もこんな電文を証拠にしなくても、そろい過ぎているほど証拠がそろっているという場合には、犯罪の存否の証明に欠くことができないと言えないと思いますが、そこが微妙であると仮定すると、三百二十六条だけでなしに、三百二十一条一項三号書面に該当する可能性はあるというように考えますが、いかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 何を立証しようという趣旨で証拠にするかによって変わってくるわけでございまして、ただいま仰せになりました電文に即して言いますと、スナイダー氏が作成した書面ではないかと思われるわけでございますが、そうすると、スナイダー氏が原供述者でございまして、スナイダー氏がかく語ったという部分については、三百二十一条一項三号の適用がございますけれども、今度はスナイダー氏が金東作氏から聞いたという部分、その内容につきましては、伝聞の伝聞になりますから証拠能力がない、こういうことになろうかと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 それは、しかし三百二十四条を見ますと——被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第三百二十一条第一項第三号の規定を準用する。 こうなっていますから、スナイダー氏はこの条文でいう被告人以外の者の公判準備における供述ということを努力すればすることができる。そうなると、この中における金東作外相の供述は、その「被告人以外の者の供述をその内容とするもの」ということになるのではないですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 それはそうではございませんで、スナイダー氏が証人として日本の裁判所で証言をした際に、金東作氏からこういうことを聞きましたとおっしゃった、その金東作氏語る云々の部分は、三百二十一条一項三号の適用を受けるということでございまして、スナイダー氏が日本において証人となられない限り、スナイダー氏が金東作氏から聞き取った内容というものは証拠能力を持ち得ない、こういうことでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 三百二十四条はそうですが、三百二十一条が準用されるわけですから、三百二十一条は、その方の供述書面さえ取れば、結局、金東祚外相の内容は証拠にすることができるということになるのではないですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 どうもそうはならないのでございまして、ロッキード事件におけるコーチャン、クラッター尋問調書の採否におきまして、コーチャン、クラッター氏がだれかから聞いたその話の内容が、裁判所によって原則として排除されておりまして、同じような法則の適用を受けるわけでございます。  繰り返して申しますと、三百二十四条は、だれかが公判期日または公判準備において証言をした場合に、その内容に、たとえば日本にいない人の話が出てきた場合に、三百二十一条一項三号を準用して、その伝聞の部分に証拠能力を与えるという規定でございます。かようになっております趣旨は、被告人の反対尋問権を保障するという趣旨から、そうなっておると思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 私の承知しておるところでは、コーチャン証言の場合でも伝聞が証拠として採用された例があり、それは例示されていると思いますが、いかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 たとえば、Aという人が私に対してこういうことを話しましたのに対して、私はこういう返事をしました、こういう場合に、そのA氏がこういうふうに話しましたのでというところを全くネグってしまいますと体をなしません。  そういう場合には、そのコーチャン氏あるいはクラッター氏が語った部分に意味を持たせる意味において、必ずしも排除されていない部分もございます。それは個々具体的な状況によって決まってくるわけでございまして、立証趣旨によっても異なってまいりますが、ただいま申し上げたようなのは、きわめて例外的なものであろうと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 この公電を見ますと、当然、金東雲氏の地位についていろいろ話し合われた中で、向こう側からの答えとして出てきたというように解されますから、その点については私は、刑事訴訟法の三百二十四条ないし三百二十一条というのに該当する余地はあり得るというように思います。  特に、いま刑事局長が言われましたように、金東雲については現在訴訟が起こされているわけではないのですね。そこで、わが国の政府としては訴訟を起こして、そして金東雲が有罪にできて、しかもそれがKCIAの当事者であるということになればもう何をか言わんやで、証明されてしまっているわけであります。そうなる前に、政治的に判断する資料として一体どの程度のものであればいいかということが、いままさに問題になっているわけであります。その場合には、いま刑事局長が言われた、まだ裁判が起こっていないのですから、立証趣旨をどうするかとかあるいはどの程度供述を得られるかというようなことは、これは仮定の仮定の問題であります。  そこで、政治的な決着をどうこうするというような時点で考えますと、この公電というのは、やはりある場合には刑事訴訟においてさえ用い方によっては証拠になり得るかもしれないというものでありますから、私は、政府としては十分にこの点を考慮する必要があるというように考えているわけであります。  特に、最近の田英夫氏あるいはその他の報道によりますと、金大中氏が、当初は金東雲は犯人の中の一人ではないと思っておったが、その後はっきりした写真を見せられて、間違いなくそこにいたと思い起こすようになったと、こういうように言っております。  そうだといたしますと、この金大中氏の供述を得ることができるなら、すでにわが国は金東雲氏の現場からの指紋を発見しておるのでありますから、金東雲が犯人の一人であるということは十分に証明し得るはずであります。そして、その金東雲がKCIAの要員であるかどうかということについて、まさに証拠が十分でないために公権力の行使であると言えるかどうかということに疑問が残っているわけでありますが、そのKCIAの要員であるということについては、当該政府の外相が、当該KCIAの責任者が、KCIA要員の金東雲は韓国CIAから静かに解任されることになっているというように認めているわけでありますから、これは、この公電について信用を置くとすれば、まさに韓国政府がKCIAの要員であると自認しているということになると思うのですね。  これは、政治決着を見直すべき重要な機縁になると思うのですが、いかがですか。

三宅和助外務省アジア局次長

○三宅政府委員 本件につきましては、外務省といたしまして、百四十四点の資料を綿密に検討いたしまして、質問すべき点につきましてはアメリカ及び韓国に照会したわけでございます。  韓国につきましては、質問に対しまして、まずこの金東作自身に韓国政府が当たったところ、記憶はない、それから韓国政府の中でいろいろ調べてみた、本来正式な会議であれば当然議事録がある、しかし、いろいろ調べたけれども記録がないということを言っております。これは繰り返し繰り返し私たちも言っておりまして、きのうもそういうことをさらに在京の公使から確認しております。また、実際問題としてそういうことはあり得ないはずだから、なぜそういうことになったのかわからぬというのが韓国政府の説明でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 一方には公電があって、一方には何もないというのは、非常におかしな話でありますが、二十八日に衆議院の外務委員会で同僚委員である楢崎弥之助氏が、この当日にスナイダー氏と金東祚氏はソウル郊外の在韓米陸軍第八軍専用ゴルフ場でゴルフをしながら非公式に話し合ったのではないかという質問があり、それについては至急照会するという約束をされたようでありますが、その結果はいかがですか。

三宅和助外務省アジア局次長

○三宅政府委員 現在、本件につきましては早速調査することにいたしまして、調査中でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 その調査の結果は、当委員会ないしは私、正森にも御報告を願いたいと思いますが、いかがですか。

三宅和助外務省アジア局次長

○三宅政府委員 御報告をいたしたいと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 法務大臣に最後に伺っておきたいと思いますが、先ほどの委員会で同僚の稲葉委員が御質問の際に引用されましたが、「公研」という雑誌の一九七九年の五月号に、田中伊三次元の法務大臣の一間一答といいますか、インタビューの結果が載っております。  この中で、一九七三年八月八日に秘書官も通さずに入ってきた人が、あれはKCIAの犯行であるという意味のことを言ったんだということを述べておられます。詳しく引用するのはやめますが、それからさらに、その後で反朴系の韓国人が、某大国の秘密警察が殺してはいかぬと韓国秘密警察に指令を出して命が助かったということを言っておられるのですね。私の仄聞するところでは、最初に入ってきた政府高官というのは公安調査庁の高官である、二番目に入ってきた反朴大統領の韓国人というのは金在権であるというように私どもは聞いております。そうだとすると、これはゆゆしい事態であります。  田中伊三次氏は、参議院の外務委員会の参考人としての出頭の求めに応じて、自民党の国対が了承するなら、進んで自分の知ってることは言いたい、こう言っておられるわけであります。あなたの二、三代前の前任者でありますが、一国の法務大臣が、当時は諸般の政治情勢から第六感で自分は言っているということを、いまはもうアメリカ政府も公電を発表したことであり、公にしてもいいという立場をとっておられる。しかも、この本の中では、ああいう政治決着のつけ方というのは「これほど筋の通らん話は、近代政治の上にないですよ。外国に荒されて文句が言えない。そんなばかな話はない。」こう言っておられるわけです。  わが国の法秩序を維持すべき最高の責任者である法務大臣として、どのように考えておられますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 田中伊三次元法務大臣の言われた「公研」に載っておるとおっしゃった話でありますが、これはいまおっしゃったように、本人が委員会に出るなりして話すのが一番正確であって、あれをこうだろうああだろうと、憶測でもって内容をほかの者が言うのは混雑するから控えるほかないと思いますが、田中元法務大臣在職中のことでもありますし、それだけの事実が果たしてあったというなら、そこでしり切れトンボというか、おしまいになっているということがちょっと解せないというか、わからないことでもあり、そうとすれば、あの話自身も、本当にそういうことでしょうけれども、本人からこれはお話しになって、供述して、内容も正確にされた上の方がいいのじゃないかと思うのであります。なかなか事柄が重大なことに触れているような気がいたしますので、本人も何さままだ出てこられる可能性もあるかどうか、残っているようですから、はっきりしてもらってから意見を述べた方がいいと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 それでは、どうも現在の法務大臣は、元の法務大臣がもう少しはっきり物をおっしゃってから意見を言いたいということのようですから、いずれその機会が来るでしょうから、そのときに十分御意見を拝聴したい、こう思います。  それでは、別のことをほんの短い時間聞かせていただきます。運輸省海上保安庁来ておられますか。  本年の五月の二十二日に、大阪の砂子海運の従業員であり、かつ、全港湾の築港支部船舶分会砂子班の組合員五名が、自分たちの乗っているはしけでストライキを行いピケを張っておりましたところ、砂子海運の元請である上組の関係者約五十名ぐらいがはしけに乗り込んでまいりまして、しかも強制的に上組の他の曳航船で約一キロも海上を曳航する、しかも、はしけに乗っている組合員を他のはしけに移そうとして暴行を加えるということを行ったようであります。  この暴行のときには、近くに官公署のランチも何隻かいたということでありますから、まず最初に伺っておきますが、海上保安庁は、そのときに現場付近に自己に所属する巡視船その他がおりませんでしたか。もしいなかったとすれば、当該地域の海上保安庁の巡視船はどこにいたのか、答えてください。

宗形健寿海上保安庁警備救難部警備第二課長

○宗形説明員 五月二十二日事件発生当時、海上保安庁大阪海上保安監部所属の巡視艇は、いずれも巡視警戒等に出動中でございまして、事件発生現場海域には一隻もおらなかったものでございます。  具体的に申し上げますと、事件が発生いたしました船だまりには、当日巡視艇三隻が係留しておったものでございますが、いずれも事件発生時刻には出動しておりまして、留守中の事件でございます。各船ごとの動静につきましては「よしかぜ」という巡視艇が八時三十分に出航いたしまして、大阪南港の巡視警戒に従事しております。それから「ちぬかぜ」という巡視艇も同じく八時半に出航いたしまして、大阪北港の巡視警戒に出動中でございました。それから巡視艇の「こまかぜ」これは朝の四時に出航いたしまして、泉南沖の巡視警戒に出動しておったという状況でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 結構です。  それでは警察に伺いますが、そのときに大阪の水上警察署のランチが少なくとも二隻現場にいて、約四、五十メートル離れたところにおったというように聞いておりますが、それは事実ですか。

依田智治警察庁警備局警備課長

○依田説明員 トラブルのあった当時は、大阪の水上警察署の警備艇「しらゆき」が警備課員二名を乗せて現場におりまして、トラブル発生のおそれがあるということで再三にわたって警告しておりまして、どうも警告を聞かずにトラブルが発生しそうだということで応援を求めて、十一時四十二分、警備艇の「ひばり」「せっつ」これが増援のため現場に到着しておるという状況でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 この問題については、五月二十五日に、港水上警察署長に上組のはしけ船課長の堀本、課長補佐の三宅、そのほか氏名不詳者を相手取って傷害で告訴も提起されております。  私は警察に申し上げたいのですが、そのときに被害者の一人である後藤氏は、警察が近くにおったので大声を上げて、殺される、助けてくれ、こういうぐあいに再三呼んだにもかかわらず、何らの措置もとらなかった。それどころか、急を聞いた全港湾関西地本の支援部隊がはしけに乗って駆けつけたら、警察の船とおぼしき一隻が、その応援部隊が救助のために接舷しようとするのを妨害したということで、非常な憤激を当時組合員がしているわけであります。  私は、こういう当事者間の争議行為に、当事者の使用者側でもない元請会社の関係者が介入するということは、労働争議上いかがかと思いますが、まして、それらの元請会社の人間がピケットに介入をして暴力行為を働くということは、暴力行為を禁止した労働法の精神からいいましても、また当事者に対して第三者的な立場にある元請関係者が介入しておるという意味からいきましても、二重に違法であるというように思うわけですが、刑事局長の法律的な見解を承っておきたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 具体的事案をまだ検察庁で受理しておりませんので、具体的事案に基づいたお答えができませんけれども、一般的に申しまして、ピケッティングを破るための暴力によって相手方に傷害を負わせるというようなことになりますと、特段の違法性を阻却する事由がない限り、犯罪として問擬すべきものであろうと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 そこで警察に伺いたいわけですが、かつて全港湾の組合員が自分たちのはしけに乗り移ろうとして、そこでトラブルが起こったときにも、刑事事件として逆に起訴されておるという例があるわけです。本件の場合には、まさに自分たちのはしけにおった者に対して外部の者が入ってきて、おまけに傷害を与えるということになりますと、これはどういう点から見ても、そういう暴力の行使は許されないということになると思うのですね。  そこで、私が初めに言いました、助けてくれと言っているのにそれを救助せず、逆に救助に近づいた同僚組合員の接舷を妨げたという訴えがあるわけですが、それについての御見解と、それから、その事実の有無は別として、このような傷害に対しては断固とした取り締まりをするかどうかという、この二点について答弁をしてください。

依田智治警察庁警備局警備課長

○依田説明員 お答えいたします。  救助を求めたのにしなかったということの詳細について、私、現場から聞いておりませんが、現地からの報告では、警察は再三警告し、もしトラブルをやめない場合には全員検挙するということで採証を開始しておるということでございます。ただ、海上におけるトラブルのような場合に、当時ちょうど現場にいたのは二名というような状況でしたので、警察官がその現場に入った場合には、さらに現場が紛糾するというような状況を判断して、採証を重点に警告ということで措置したというように聞いておるわけでございます。  それから、事案の今後の問題でございますが、現時点までに、当日直ちに関係者を数名呼びまして事情を聴取しておりまして、現在までに十数名から事情を聴取しておる。その過程で、上組の方、それから労組員の方、合わせて三名が一週間ないし三日程度の負傷をしておるというような事実がはっきりしておりますが、われわれとしては、いま先生からいろいろ御説明ありましたような経緯も踏まえて、事実関係を十分把握した上で、法に照らして適正に処理したいというように考えておるわけでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 よくあることですが、被害者が逆に加害者にされたりすることのないように、本件については、どちらが先に暴行を行ったかというような事情は非常にはっきりしているようですから、厳正な処置をしていただきたいと思います。  最後に一運輸省に伺いますが、こういう紛争が起こったのは、砂子海運の社長が突如として閉鎖を宣告する。しかも閉鎖を宣告して退職金も十分に出さないで、おんぼろのはしけを退職金がわりに取れというようなことで、労使の間に非常な紛争が起こっておるというように聞いております。その原因というのは、上組というのは一部上場の大きな会社ですが、認定料金を支払わないで非常なダンピングをさせておる。六百円の運賃について、末端へ行ったときには二百円を切っておるというような状況の中で経営が不振になっておる。また給料や退職金も払えないというような状況が起こっておると聞いております。  そこで私は、昨年の予算委員会の分科会でも、その当時の福永運輸大臣に質問いたしまして、荷役料金のダンピングを許さないように、いろいろ運輸省が措置をするという答弁をいただいておりますが、本件の具体的な例に即して、もともと、こういう労使紛争の原因が解決すれば、こういう傷害事件などは起こりようもなかったわけですから、運輸省として、どのような措置をおとりになるつもりか、伺っておきたいと思います。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○山田説明員 お答えいたします。  本件につきましては、昨日でございましょうか、砂子海運から廃止の許可申請が出ております。したがいまして、この事案につきましては近畿海運局の所管でございますので、現地におきまして慎重に審議をいたすことになろうかと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 すでに四、五日前にも、私が運輸省の人を呼んで言うておりますし、現地において近畿海運局が慎重にやると思いますというようなことでは、答弁にも何もなってないですな。どう慎重にやるというのですか。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○山田説明員 砂子海運の労使紛争につきましては、五月二十二日までは円満に話し合いが進められてきたと聞いております。問題はございましたでしょうが、円満に話し合いが進行している。  したがいまして、本件は労使問題でございますので、さらに労使間の努力によりまして問題の解決が図られるよう、私ども期待しておりますけれども、当省といたしましても、できる限り協力をしていきたいと考えております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 協力をする点については、上組の料金が非常にダンピングされているのが大きな原因だと労働組合側は言うておるのですね。その上組が、今度はこういうようにピケット権に介入をして、傷害事件を起こすということもやっておるわけですから、その上組に対して、運輸省が相当強力な行政指導をするのはあたりまえじゃないですか、それをやらないのですか、われわれがたびたび言うておるのに。どう慎重にやるのです。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○山田説明員 ダンピング問題につきましては、料金は認可制になっておりまして、その料金は荷主と元請の業者の間の料金の認可でございます。したがいまして、その間の料金の適正収受につきましては、従来から事業者団体に対しまして私どもから、十分な適正収受をするようにということで指導をいたしております。  今回の砂子海運の話につきましては、元請と下請との下払い関係でございますが、現在のところ、どのような実態でございますか、私、承知しておりませんが、今後十分調査して、必要な場合には必要な措置を検討いたしたいと考えます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 実に不誠実な答弁ですな。  大体私が、二十二日の事件の起こる前からすでに言うているわけですからね。あなたの部下から報告を聞いてないのですか。現地の、暴行を受けた後藤君が陳情に来ているのですよ。あなたの部下の課長補佐か何かを私の部屋に呼んで、後藤君に会ったでしょう、そのときに後藤さんが資料を示したでしょう。それなのに、まだあなたの方は事実をつかんでないと言うのですか。それで慎重にやる、慎重にやると言うているのですか。  それじゃ、慎重にやるというのは、何もしないで元請側の肩を持ってサボるということじゃないですか。中央へ陳情に来た後藤君が現場で暴行を受けて負傷しているのですよ。そういうことにならないように陳情に来たのに、何もしないで、また料金の点についても調査していないとは何事ですか。余りに不誠実じゃないか。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○山田説明員 先生おっしゃられました件につきましては、私、課長補佐から十分聞いております。  実際に海運局の所管事項でございますし、現地の問題でございますので、現在、地方の近畿海運局で関係者から十分な事情聴取をいたしております。そして、相互の信頼関係を回復して、話し合いによる問題の解決を図るよう要請をいたしております。さらにまた、大阪地区の業界団体でございます大阪港運協会に対しましても、協会として努力するようにということで十分な指導をいたしております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 それでは、その十分な行政指導を希望して、これで質問をやめたいと思いますけれども、暴力事件が起こる前に、すでに中央へも措置してほしいと言って陳情に来た人が、不法な元請から寄ってたかって、殺される、助けてくれというまで暴行を受けておる、こういう事態が起こっておるのです。そういう事態が起こらぬように私が言うたわけですから、近畿海運局に十分な、強力な行政指導をするように措置をとってほしいと思います。よろしいですね。

佐藤文生自由民主党

○佐藤委員長 西宮弘君。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私は、この前も一遍この問題を取り上げたのですが、戸籍文字という点について、この前は私の質問も中途半端になってしまった感じがありますし、なお大臣の御意見も伺いたいと思ったのですが、それも時間足らずでやめてしまいました。ただ大臣には、あの際も、終始聞いておっていただいたので、私の気持ちは察していただけたと思いますけれども、きょうは大臣の御所見もお聞きしたいと思います。  実は、政府にお尋ねをするだけでなしに、この問題は民事行政審議会というところで具体的には審議をされるわけですから、そっちの方の代表の方に参考人として来ていただきたいということで、いろいろ取り計らってみたのですけれども、これは全く非公開の委員会である、それでは事務局長でも結構だと言ったのでありますが、事務局長という特別なものがなくて、法務省の民事局ないしは第二課ですか、その局長なり課長なりがいわば事務局長だ、こういうお話でありましたので、それもやむを得ず、断念をいたしました。  そこで、私の申し上げることは、ぜひ実質上の事務局長であります民事局長に聞いていただいて、できるだけその審議会の方に反映をしていただきたいということをまずお願いしたいと思います。法務省の民事局が事実上事務局を担当しているということになりますと、法務省の考え方、法務省の態度が審議会に対しては非常に強い影響を与えるわけで、実質的にはそれで決まってしまうと言ってもいいくらいの重みを持っているのではないかと私どもは考えますので、そういうことをお願いしたわけです。  さて、お尋ねの第一は、今回審議会のメンバーを一新いたしまして、これに備えたということであります。これは新聞報道によりますると、学界、教育界、経済界、報道関係、こういう人から二十六人で構成している。有泉亨東大名誉教授、橋田寿賀子作家、渡辺道子弁護士、稲垣房男教科書協会長、宇野精一東大名誉教授、山田年栄日本新聞協会編集部長、その二十六名の一部でしょうが、こういう名前が挙がっておりますが、今度メンバーを一新したというのは、漢字問題を検討するためにメンバーを変えた、こういうことでしょうか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 法務大臣の諮問機関でございます民事行政審議会と申しますのは、常置機関でないわけでございまして、戸籍、登記、供託、もろもろの民事行政事務につきまして、大臣から諮問があった都度開かれるものでございます。  しかし今回は、まさに人名漢字の問題でございますので、その審議をしていただくのにふさわしい各界の方にお集まり願うということでメンバーを一新した、こういう関係にあるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 いまの御答弁でその点わかりました。  私は、名称が民事行政審議会というので、民事行政各般の非常に広範囲な問題を扱う審議会かと思ったわけです。ということになると、必ずしも人名問題に適当な人だけが参加しているわけではない、そういう審議会であるのだろうというふうに想像しておったのですが、そうではないわけですね。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 諮問事項に応じまして、最もふさわしい各界の方に集まっていただく、かような考えでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは、これはできれば大臣にも御意見を聞かせてもらいたいと思いますが、そもそも人名漢字について制限をする、これは大臣御承知でありましょうが、戸籍法の中に人名は「常用平易な文字を用いなければならない。」というのが第一項で、第二項では、それは命令で決めるのだ、こういうことになっておって、別個な命令、施行規則ですか、そこで具体的に何と何という文字の枠が決められておるわけです。     〔委員長退席、青木委員長代理着席〕 だから、それ以外の名前をつけて市役所、役場等に持ってくると、それは受け付けない、こういうことになっているわけですね。それがいまの人名漢字の取り扱いの法的基礎なんです。なぜ、そういうことをするのかという、そういう制度を設けた理由を聞かせてください。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 戦後、いろいろ漢字の問題が各方面から取り上げられて議論の対象になっておったことは、西宮委員御承知のとおりでありますが、戦前の例、これはそう多数あるわけではございませんけれども、珍奇難解な名前がつけられる事例が間々あって、そういう場合に本人がいろいろ迷惑する点もございますが、さらに社会的にいろいろ他人が迷惑するというふうなことが言われておるわけであります。  そういう観点から、人名というものも自由にしておいたのでは社会的に不利益になるということから検討されまして、そしてただいまお示しのような、常用平易な文字を用いなければならぬということに制限するという立法になったわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そのいま言われた社会的な不利益というのは、もう少し内容を言ってください。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 この人名漢字の制限が憲法違反かどうかということで争われたことがあるわけでございますが、その裁判にも挙げておりますように、たとえば新聞あるいは電話帳とかいろいろのそういった人名を用いる印刷物におきまして、珍奇難解な文字があると、それだけ社会的に能率を害するというふうなこと、あるいは読めないために他人がいろいろ苦労するというふうなこと、それからさらには名前によっては子供が心理的に非常に苦痛を感じるというふうなこと、そういったことをその判例も挙げておるわけであります。     〔青木委員長代理退席、委員長着席〕 こういった本人のみならず社会の不利益というものは、やはりそれ自体重視すべきであって、つまり公共の福祉の観点から人名漢字を制限するのは決して憲法に違反するものでない、こういうふうなことを言っておるわけでありまして、ただいま申しましたようなことが、判決においても社会的な不利益として挙げられておるということでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 いまの御答弁を仮に分析してみると二つになると思うのですが、一つは、新聞その他の印刷の関係であるとか、あるいは他人が読めないで困るとか、そういう便、不便というような問題ですね。それからもう一つは、妙な名前をつけられて子供が苦痛を感ずる、したがって、子供のためにいい名前をつけてやるべきだ、こういうことだと思うのですね。  仮にそういうふうに二つに分けると、子供の幸せのためにいい名前をつけてやれというのと、社会的な不便さを除く、こういう二つに分かれると思うのだけれども、どっちにウェートがありますか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 私どもの考えは、やはり一般社会のこうむる不便さ、不利益というものに重点を置くべきだろうというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 実は、前回の私の質問に対するお答えはほとんど後者の方、子供の幸せのためにという点が強調されておったわけです。後で読み上げますけれども、そっちの方に非常にウェートがあるかのごとく強調されておった。  私は、そういうふうに考えた際に、確かに、第一の点の社会的な不便というような問題も看過できない問題だと思います。第二の子供の幸せのためにというのも当然なことだと思います。しかし私が指摘をしたいのは、それをあえて法律で決めるということに多分な疑問を感ずる、こういう点、これはこの前も強調したわけでありますが、こういうふうに人名漢字を制限するというふうになったのは、沿革的に言うと、終戦直後の占領治下における特殊な環境あるいは特殊な心理状態、そういうことでここまで突っ走ってしまったのではないかと思う。  第一、人名漢字のもとになっておるのは当時の当用漢字ですね、これからの常用漢字、それがもとになっている。そのもとになっている方は法律で強制しているわけではない。内閣の告示にすぎない。ところが、それを土台にした人名漢字だけは法律で強制する、こういうことになったので、私は、何かそのときの非常に行き過ぎた考え方で、ここまで来てしまったのではないかというふうに想像しているわけであります。想像というか、私ではなかろうかというふうに考えるわけですが、その辺はどうですか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 確かに今日におきましても、そういった制限は決して好ましいことではないというふうな御意見があることは承知いたしております。  ちなみに国会におきましても、終戦直後に、そういった人名を法律でもって強制するということは適当でないのじゃないか、むしろ行政指導でやるべきではないかというふうな御議論もございまして、たしか昭和二十九年だったか二十七年だったか、ちょっと定かではございませんが、議員立法で現在の戸籍法の五十条二項を削りまして一項だけにする、そして精神だけ、つまり人名は「常用平易な文字を用いなければならない。」という、いわば訓示的な規定のみにいたしまして、市町村の窓口で行政指導によって、珍奇難解な名はなるべくつけないようにというふうに持っていく、こういうお考えもありまして、たしか議員提案されたのでありますけれども、いろいろ議論があって、これはとうとう日の目を見なかった経緯がございます。  確かに、行政指導でという考え方は一面妥当な線もあろうかと思いますけれども、実際の市町村における窓口事務の処理といたしまして、さような形になっては、とても市町村の窓口においてその任にたえない、円滑な戸籍行政が運用できない、こういうことは明らかだと思うのであります。  そういう意味から、私どもとしては、制限するかあるいは全然制限しないか、いずれかであるべきでありまして、その中間の訓示規定的なものを設けて行政指導でやるということは、戸籍行政の実態に照らして、とうていうまくいくものではないというふうに考えておるわけでありまして、その点も含めましてですが、現在、民事行政審議会で御議論願っておるということでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 戸籍事務の担当者が非常に迷惑をする、それが局長の考えるように、いわゆる常用平易な文字というのを一々窓口の戸籍担当官が判断をする、そして、これは常用平易ではないのじゃないかということでオミットする、これは結構だ、こういうことをそこで選別するということになったら、お話しのように、まことに煩にたえないと思うのです。  私がこの前言ったのは、常用平易な文字を使わなければならぬということを言うのは、国民に対する一般的な訓示規定だ、こういうことにとどめて、あとは、持ってきたものは戸籍担当官はそのまま受け付ける、こういうことにすべきだ、こういうことを言ったわけです。  しかし、もう一歩さかのぼって議論をすると、さっきちょっと話が途中になりましたので朗読しますが、たとえば、この前私が、妙な名前をつけると本人が迷惑する、だから本人が自分で迷惑するような、そういう奇妙な名前をつける人はいないのじゃないかということを言ったらば、局長はそれに答えて、いやいや名前をつけるのは本人ではない、親なんだ、したがって「子供の保護のためには、やはりそこのところは制限しておいた方がいい」こういう意見を述べているわけです。名前をつけるのは親で、妙な名前をつけられて困るのは子供なんだから、その親の自由をいわば制限しなければならぬ、こういう趣旨のことを言っておられたけれども、その辺の基本的な認識の仕方が、私とは大変に違う。  私は、そういうふうには全く考えないわけです。というのは、第一、子供の幸せのためにそういうものを法律で決めておかなければならぬというようなことは、およそ国が考える問題ではないと思うのです。もし、子供の幸せのために親はこれ以外の名前をつけてはならぬ、こういうことを考えるとするならば、子供の衣食住すべてだと思うのですよ。つまり、たとえば子供の発育をよくするために、食い物はビタミンが幾ら、たん白質が幾ら、脂肪が幾らということで、何歳から何歳までは供給すべきだ、あるいは衣服にしてもしかり、あるいは住宅でも、たとえば採光とか通風とか、そういうことを考えて、子供の生活条件を法律で決める、こういうことにならざるを得ないと思うのですよ。  そういう発想の仕方が間違っている。そういう問題は、あくまでも親の自由に任せるべきだ。親は、当然に子供の幸せを考えてすべてやっていくのだから、そういうことを法律で考えるというのはそもそも僣越であり、行き過ぎであり、きわめて妥当でない、こういうことを私はまず基本的に考えているのだが、その点どうですか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 子供の幸せを願わない親はないわけでございますから、そういうことをすべて親に任しておけばいいじゃないかということは、確かに一つの御議論だと思うのであります。大いにそういうふうにあってほしいものだ、さような意味で、非常に尊重すべき御意見だと思うのであります。  ただ、実態と申しますか、過去の例から申しますと、必ずしもそうはいってないということで、子供が迷惑するのみならず、社会が迷惑するというふうなこともあるわけでございまして、その辺、若干そういう迷惑することがあっても、やはりたてまえとしては、そういうことは自由にしておいた方がいいのじゃないかということは、確かに一つの考え方だと思うのであります。  そういうことも、現に民事行政審議会において力説される委員もいらっしゃるようでありますが、しかし現在のところは、現在の民事行政審議会の大多数の委員の御意見は、やはり子供の名というのは一生つきまとう、しかも社会生活上欠くことのできない特定のためのいわば徴憑であるわけであるから、それを全く親に任せるというふうな考えはとるべきでないという御意見の方がむしろ多いようでございまして、その辺も、今後民事行政審議会において議論が闘わされることだと思いますけれども、私どもは、その結果を待ちまして対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 この点は一番基本的な問題ですから、大臣にも御所見を伺いたいのですが、私は、子供の幸せのためにこれこれしなければならぬ、社会的な迷惑とか、いまその問題をしばらくたな上げして、子供の幸せのために、これだけの範囲でなければ名前をつけてはならぬというふうに法律で制限するということはそもそも僣越だ、国はそういうことを考えるべきではないということを私は基本的に思うのです。  たとえば、例が適当かどうかわかりませんけれども、いま問題になっている元号の問題ですね。これなども、これは長い伝統のある歴史的な文化遺産だということを元号推進論者は盛んに強調しているわけですね。私もそのことにちっとも反対じゃありませんよ。それは結構だと思うのですけれども、ただそれを、長い伝統的な文化遺産だから、法律でそのやり方を決めなければならぬという結びつき、それが私は問題だと思うのですよ。  つまり、もしそういうことを言うならば、日本の伝統的文化、いろいろなものがありますよ、歌もあろうし踊りもあろうし、あるいはお正月の行事だとか結婚式のやり方とか、種々さまざまなものがあると思うのです。こういう伝統的な日本の文化を、これは大変文化の香り高いものだ、子々孫々これを伝えたいというので、そのためにその法律をつくるのだというようなことになったら、これはとてもその煩にたえない。  それと同じように、そういう大事なことは国民の良識に訴えてそれをやらせる。いい名前をつけて子供を喜ばしてやる、子供の将来を幸せにしてやるというようなことは、法律で決めるというのではなしに、あくまでも親の良識に訴えていく、私はこういうことでいいのだと思うのですよ。だから、そういう基本的な態度について、ぜひ大臣の御所見をお聞きしたいと思います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 国民一人一人を信頼し、その考えを一番尊重していくという考え方は、私は大賛成で、そういう考え方で、余り行政機関である、あるいはことに権力機関である、また余り法律をやたらに、必要があるかどうかわからないようなものをつくったりするようなことはせぬ方がいいというふうな考え方の人間でありますが、いまの人名の問題ですね。  これは、どうもそういったからといって、いろいろな場合があるかもしらぬし、親の愛情、良識というものはそうでありますけれども、どうもこれは事柄が大事だし、外れる場合もなきにしもあらずではないかという気もいたしますので、ちょっとこれは、じゃ任してしまおうというのには、すぐさまああ結構ですなと言うのにはちゅうちょするのです。  ですから、さっきも局長も話しておりましたように、審議会などでいろいろな人にさんざん議論してもらったりして、その上で決めるのが一番間違いないのじゃないか。いまこうなっているのですから、いまはいまのところでいくというところが穏当ではないか、それ以上私は、ちょっとこの場でお答えをする自信がありませんので、御了承願いたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 審議会で審議をされる案件でありますから、ぜひその審議会に、私が申し上げていることを事務局である民事局を通して強く反映してもらいたいことを希望しながら、申し上げているわけです。  大臣にもう一遍申しますけれども、土台になっておるのは、従来当用漢字と言われたものですよ。これからは常用漢字です。これは法律で決めていないのですよ。内閣の告示で出しておる。しかし、告示で出しただけで、実際には、もう法律同様に強い心理的な強制力を持って、これが普及しているわけです。ですから私は、戸籍法の第五十条の第一項の常用平易な文字を用いなさいという規定だけで十分だと思う。  いま申し上げたのは、私は、それも少し僣越だということを言ったのだけれども、大きく譲って、法律で書くのだというならば、私は、それで十分だ、それを実行するかしないかは国民の良識に任せる、こういうことでいいと思うのです。そのことをぜひ大臣、そういういわゆる土台をなしている当用漢字の関係と関連づけて考えていただきたいということをお願いしておきます。  私は、実際に使われている文字、名前の文字、ちょっと検討してみたのです。この前、自分の西宮弘という名前を例に挙げて申し上げたので、大変僣越だったなと思って考えてみたのです。  渡辺三男という、これはその道の専門家ですが、この人の書いた書物によると、名前の条件は、第一は識別性、第二は平明であること、三番目には詩美豊かであること、詩情豊かであること、こういう三つを挙げているわけですね。私は、まさにそのとおりだと思うのであります。  そこで、まず古井喜實法務大臣を例にすると、東京の電話帳には古井という名前は八十四名あります。しかし、喜實という方は二人だけ。これは御本人なのかどうかよくわかりませんが、一人は京橋の片倉ビルにある弁護士の古井喜實、もう一人は葛飾区の堀切にある古井喜實、これは全く字も同じてすが、これは御本人てすか、葛飾、堀切。——違いますか。そうですか。それじゃ東京には、御本人でない古井喜實が二人おるわけです。私は、この名前などは実にすばらしい、詩美豊かな名前だと、つくづく考えるわけですね。ことに上の姓と名前のコンビネーションがまことにいい。「フルイヨシミ」つまり、古い友情を大切にしよう、こういう東洋の道徳に一致するわけですね。まことにすばらしいと思うのです。  香川民事局長、これは恐らく「ヤスカズ」(保一)さんとでも読むのだろうと思いますが、これは新宿の住吉町に一人おられますが、御本人てすか。——そうですが、それじゃお一人しかいない。ただ、香川という姓は二百八十八名あります。  漢字はとにかくとして、今度は読み方がむずかしいという人がたくさんあるわけですが、法曹関係等でわれわれの近い範囲を拾ってみると、最高検察庁におられた平山「ヒイズ」(禾)、これは速記の方には後で私が説明します。それから警視総監の中原「タダシ」(〓)、有名な弁護士の正木「ヒロシ」(昊)、会計検査院長の白木「ヤスノブ」(康追)、こういう人は、とてもこれは読めないのですな。絶対に読めないですね。なぜこういうむずかしい読ませ方をするのか。  伊藤刑事局長は大変いい名前でありますが、ただし読み方は、これは伊藤「シゲキ」(榮樹)と読ませるのですね。これも普通われわれの知識ではとても読めない。ですから、何かけさの新聞の囲みによると、この次全国区から出るのじゃないかという話が載っておりましたけれども、恐らく伊藤「シゲキ」(榮樹)と読ませたのではとても当選できないと思いますね。考えてもらいたいと思う。  次は佐藤文生さん。これは佐藤なんという姓は全くほうきで掃いても掃き切れないほどあるわけですよ。しかし、恐らくこれは「フミオ」とお父さんは読ませるつもりだったのだろうと思いますが、選挙用に「ブンセイ」になったのだろうと思うけれども、幸いにしてその数多い佐藤の中で「ブンセイ」も「フミオ」も一人もいないのです、電話帳にですよ。だから、こういう名前をつけたことによって明瞭に識別性がある。ほかの人と区別がつかないということのない、こういう名前であることを発見して、われわれのごく身近におられる方々は、まあまあおおむね合格、いい名前だ。渡辺三男教授の言っております三要素を備えているのではないかというようなことを感じました。  その程度にいたしまして、時間が参りましたから終わりにいたしますが、ぜひ大臣、繰り返して申しますが、やはり国が国家の権力をもって介入するという点は、これはよほど厳重に考えてもらわないと大変な間違いを犯す。さっき申し上げたように、恐らく、人名漢字にああいう法律で制限をするというようなことをつくったのは、終戦直後の占領下にあっての特殊の環境のもとで、ああいうことになってしまったのだろうと思います。ですから、今度審議会で検討される際に、ぜひいま私が申し上げたようなことを大いに参考にしていただいて、審議会に反映してもらいたいということを重ねてお願いいたします。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 一言だけ、誤解があってはいけませんから、お話の中で黙っておったもので、おっしゃったとおりだと思われてはいけませんので……。  京橋の私の名前のあの弁護士事務所、これは私自身ですから。もっとも、いまは使っておりませんけれどもね。だから、あれは別人じゃありませんから。そこはだから二人になるわけですな、つまり。  それからお話は、ついでですけれども、大変有益でありましたので私もよく覚えておきますが、民事局長は事務の責任者として十分伺ったと思います。  ただ、お話は非常に有益でありましたけれども、たまたま私の名前のお話がありましたが、ほめていただいたけれども、そうばっかりでないのです。あれは「ヨシミ」と読まない人が多いのです。「キミ」と読む。女かと思う人もあるのですよ。投票などには「キミ」というのがずいぶん、いまは少なくなりましたが、出てくるのです。だから、ほめてもらうばっかりでもないのでして、これはなかなかむずかしいのです。  感想を述べまして、御趣旨はよく承りました。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ちょっと一言。  その電話帳に載っているもう一人の葛飾の堀切の人ですね、この人も「ヨシミ」と読んでいるのですよ。大臣と同じところに二人並んで載っているのですから、これはもう当然「ヨシミ」と読んでいる。それだけ申し上げておきます。

佐藤文生自由民主党

○佐藤委員長 長谷雄幸久君。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 航空機輸入問題についてお尋ねをいたします。実は、昨日の予定で私やらせてもらえるかと思ったら、都合できょうになりましたので、これから質疑をいたします。初めに、今回の不正事件につきまして、一月九日、東京地検は異例の捜査開始宣言をいたしました。そこで、捜査開始宣言の原因となった犯罪被疑事実は、すべて解明されたと考えてよろしいでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 そのとおりでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 この問題について、さらに現段階で補充捜査の必要性があるかどうか、お尋ねします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 現在なお補充捜査をいたしておりますが、それは、いよいよ公判に臨むに際しまして、証拠の整理をし不備な点を補うという程度のことをやっておるはずでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 起訴があった日商岩井関係者の公判について、お尋ねをいたします。  この公判については、将来のことでございますし、さらにまた、事件が否認事件であるかあるいは自白事件であるか、こういうことも判明しない現段階では、予測は困難だろうと思いますけれども、国民としましては、第一回の公判期日がいつになるのか、そしてまた、特に冒頭陳述の内容がどういうものであるかということにつきまして、大変強い関心を持っております。  せんだっての局長のお話では、第一回公判期日につきましては、夏休み明けだとのお話もちょっと聞いたように思いますけれども、この点も含めてお尋ねをいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 大体の見通しでございますが、補充捜査が終わるのが来月にかかると思います。  そういたしますと、弁護人に対して証拠の開示をいたします。証拠の開示をいたしました上で、公判準備の期日が開かれまして、弁護人側と検察官側で争点の整理等をいたしまして、その結果を裁判所がお聞きになりまして期日の指定をなさる、こういうことでございますから、段取りの順序からいって、私見でございますが、恐らく夏休み明けに第一回公判という程度のテンポでいくのではないかと思っております。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 冒陳は……。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 第一回公判におきましては、順調に進めば冒頭陳述をやることになります。  冒頭陳述におきましては、特に海部氏の偽証の関係におきまして、二百三十八万ドル、百五万ドル等の流れについて記述することになるのではないかと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 SECレポートの関係について、若干お尋ねをいたします。  このレポートによりますと、一九六九年に一人の政府高官の提案により販売代理店を住友商事から日商岩井に変更したとの指摘がありますが、これにつきましてはおおむね解明されている、名前は言えない、こういうお話を承りました。  そこで、これとは別に、E2Cの販売代理店変更問題に絡んで、E2C売り込み工作ないしその成功報酬についての合意の存否についての捜査はなさったのかどうか、その結果についてお尋ねをいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 その点の捜査は尽くしております。  SECの資料にもございますが、一九七五年、グラマン社は、日商岩井が手数料の一部を米人コンサルタントに支払う可能性があること、その一部が日本の公務員に支払われる可能性があることを知ったというような記載があったわけでございますが、この点につきましても調査をいたしておりますが、犯罪の容疑は認められなかったと、こういうことでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 ちょっと食い違いの点のように思いますけれども。  次の問題は、日商岩井とハリー・カーンの密約、いわゆるコンサルタント契約の件でありますけれども、GI社が日商岩井に支払う手数料の一部が、米人コンサルトを通じて一人もしくはそれ以上の日本の政府高官に流れる可能性があった、この指摘につきまして、お尋ねしたいことは、政府高官に流れる可能性があるという、そういう指摘につきましては、少なくともその前提として金銭授受の合意の可能性があったのではないか、こういうことが論理的に言えるかと思いますけれども、そうだとすれば、この点については、どういう捜査結果になっておりましょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 日商岩井とハリー・カーン氏との間にいわゆる密約と言われるものがありまして、日商岩井が将来受け取るべき手数料の相当パーセントをカーン氏が受け取る、こういう約束になっておったわけでございます。  そのカーン氏が受け取るべき手数料には、その余の人に渡すような金も含む趣旨で、そういう高い手数料が約束されたということのようでございましたが、具体的にどういう人に幾らというようなところまでは話がいっていなかったし、また現実にE2Cの導入がございませんでしたので、日商岩井の手数料も入らないし、したがってカーン氏にも金が渡っていない、こういう状況でございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 その問題について、約束罪という問題の検討はいかがなっておりましょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 公務員とカーン氏との間に約束というようなものはなかったようでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 次は、五億円の関係についてお尋ねをいたします。  職務権限の関係でございますが、捜査当局の御報告によりますと、海部に対しては贈賄の容疑はない、こういうことでございますが、それとあわせて、五億円近い金を受領した人は職務権限がなく、収賄でもない、こういう御答弁がございました。  ここで、その贈賄の容疑はないということは、その金銭そのものが、贈った側から見て構成要件的には賄賂なんだけれども、受領者の側において職務権限がない、こういう意味に理解してよろしいかどうか、もちろん時効の点は除きますけれども。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 結論から申し上げますと、いまいわゆる贈賄側ということで御指摘になりました日商岩井側においても贈賄の構成要件を充足しない、こういうことでございます。  と申しますのは、贈賄罪の構成要件の非常に重要な部分として、公務員に対し、その職務に関する謝礼として金銭を供与する等の行為をなすことが必要でございますが、五億円が渡った先の方は、日商岩井が考えておりますファントムの導入に関する職務権限を持っておられませんでしたので、贈賄罪も構成要件に該当しない、かようなことでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 この職務権限につきまして、これがなかったのだと認定することについて、捜査当局は確信を持っておられたと思うのですけれども、実は、これは法務大臣に伺った方がよろしいかと思いますけれども、法務大臣は、捜査終了時の記者会見で「時効だが職務権限は微妙」こういう発言をなさったという趣旨の新聞記事が日本経済新聞の五月二十四日、同じく同じ日の読売新聞に大体同じような言葉で記事がございます。  そうしますと、その辺について職務権限の認定については、どういう御見解を持っておられたのかお尋ねします。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 どこかのときに、そういう機会に、そういう種類のことを言ったかというふうに思っておりますけれども、余り正確な用語を用いなかったのじゃないかと思いますけれども、職務権限の関係もないし、時効にもなってしまっておるし、こういうことを大ざっぱに言ったような記憶があるのであります。法律的に正確な言葉かどうか知りませんが。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 その点について、刑事局長の御見解を承りたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 東京地検が捜査の実質的終結をお話をいたしまして、一問一答を記者団の方とやっておるようでございますが、その際も、職務権限がないし古いことでもあり、こういうような説明をしておりまして、それが一番実態に合うと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 わかりました。  この五億円の性格でありますけれども、いわゆる五億円の授受があったということにつきましては、松野氏も認めておられます。ところが、その授受の趣旨につきましては、双方の間で全く対立をいたしております。検察側の主張のようにファントム売り込み工作費あるいはその成功報酬と見るか、松野氏のように政治献金と見るか、この問題は、刑事局長が言われるように、認識の相違であるという面もあるかと思います。しかし、事柄が重大な問題であるだけに、単に認識論にとどめることでなくて、これを乗り越えて客観的に確定をしていかなければならない、こう思います。  そうしますと、五億円授受に対する反対給付、これの有無を明らかにしなければならないのだと思います。松野氏の証言によりますと、この金銭授受に対して、条件、ひもは一切ついていない、こう言い切っておられます。  そこで、この五億円が航空機売り込みに絡んでいたとの認定が捜査当局の見解でありますけれども、これを立証することについての証拠について、どのようにお考えでございますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 私、再々申し上げておりますように、日商岩井側といたしましては、ファントムを導入することができれば、その利益その他から五億円を出しても引き合うという判断から出しておるわけでございます。したがって、そういり意味におきまして、日商岩井側では、ファントムの売り込みに関して五億円を出すのだという認識が一致しておるわけでございます。  ただ、ただいまお尋ねになりましたように、私どもの捜査の内容としては、二百三十八万ドルのからくりの前段としての五億円の支出というものさえはっきり立証できればよろしいわけでございますので、それを受けられた方が、どういういわゆる工作をされたのかされないのか、その辺までは調べが及んでいないというのが実情でございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 五億円を給付するについては理由がなければいけない、こういう趣旨の局長のお話でございます。  そうしますと、五億円の給付に対するいわば反対給付というのは、事の成り行きからF4Eファントムだ、こう考えてよろしいかと思いますが、いかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 日商岩井としては、その方にお願いをしておけばファントムの導入について力になっていただける方である、そういう認識でおったようでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 そうしますと、五億円の給付につきましては、せんだっての局長の御答弁から、松野氏からの要求に基づくものである、こういう事実が明らかになっておりますが、この五億円という給付に対して、ファントムがその反対給付に当たるのだということについての証拠、これはいかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 その辺から先が主観の差になってくるわけでして、何らかの反対給付をすべしと思って授受をされたのか、あるいはそういう考えもなしに授受をされたのか、その辺は、刑事訴追の対象となる事案でございませんので、詰め切っていないというのが正直なところでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 主観の問題はあろうかと思いますけれども、捜査当局におけるこの問題についての証拠はあるかないか、この点はいかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 日商岩井側がファントムの導入を期待して金を出したという関係につきましては、証拠がそろっておるように思いますが、それを今度は受け取られた側がそのとおり認識しておられたかどうかという点については詰められていない、こういうことでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 そうしますと、松野さんの側におきまして、そのファントム売り込みということが反対給付にかかっているのだ、こういう認識があったかどうかは必ずしもはっきりしない、こういう趣旨なのか。それとも、認識としてはあったのだ、またあり得べき立場にあたのだ、こういうことでございましょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 そこは詰めてないということでございまして、私どものような金のない者からしますと、いろいろな思いがあるかもしれませんけれども、その辺は推測の域を出ないわけでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 この五億円という金銭と、それから航空機の売り込みというものが、対価関係にあるかどうかは別にしまして、これをビジネスというぐあいに割り切ってしまえば、それは給付と反対給付の関係にある契約だ、こう考えていいかと思います。  この契約の性質については、委任契約か媒介代理商的な契約、いろいろな見方はあろうかと思いますけれども、いずれにしても、そうすると航空機商戦というものも、一般の商取引と同じように、金銭の支払いや売り込み工作など契約内容の履行に先立って着手金や成功報酬について取り決めをするのは、事の成り行き上私は当然ではないかと思うのです。  そうしますと、捜査当局におかれて、ファントムについて事前にその五億円の支払いに対して、明示、黙示を問わず合意があったと見てよろしいかどうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 先方の御要望によって、そのぐらいの金は出すよりしようがないだろうというようなことでございまして、いまいろいろな契約の名前を仰せになりましたけれども、詰め切っていないこの証拠の関係で見る限り、ある種の願望を動機とする贈与であろう、こういうふうに思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 五億円の要求につきましては、これは松野さんの方で出したのだ、こういうことは伺いました。  それでは、F4Eの売り込みを持ちかけたのは日商側だ、こう理解してよろしいかどうか。この問題は、もし犯罪が成立すれば重要な情状であると思いますので、捜査は当然済んでいるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 お金の問題は離れまして、松野さんにいろいろお近づきになって陳情をするというのは、もちろんF4ファントムの件で陳情をする、こういう趣旨でございまして、その関係で何回か陳情をしておるようでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 捜査報告によりますと、F4Eの話は海部と松野の二人の間で相当のやりとりがあった、こういうお話を伺いました。  ここで二人の間というのは、日商側は海部だけか、それともほかの者が含まれているのか、そしてまた松野氏の側では松野氏本人だけなのか、この点はいかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 はっきりわかっておりますのは、海部氏及び島田氏と松野氏、こういうことでございます。  だんだん時期が後になりますと、島田氏が接触を重ねておったものと思われますけれども、お亡くなりになっておりますので、その辺がもう一つわからない状況でございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 相当のやりとりがあった、こういうお言葉の中からお尋ねをしたいのですが、ファントムの売り込みを引き受けるについて、相当難航したともとれるような御発言だと思うのです。真相はどうなんでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 私は、ファントムの売り込みを松野さんに日商岩井が依頼して、松野さんがこれを応諾されて、さてそれではお金をというような話であったようなことを念頭にお置きになっておるのではないかとも思うのですけれども、そういう証拠関係にはなっておりません。  したがって、私が申し上げていることは、何回も松野さんにお目にかかって、F4ファントムの性能がいいとかいろいろな陳情をされたということのようである、そういうことを申し上げておるわけでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 五億円近いお金を日商岩井が松野さんに出すことに決まった時期は、いつになっておりましょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 昭和四十二年の秋から始まっておるわけですが、その直前でございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 この五億円の支払い方法についてですけれども、支払いの時期については何か特別な合意があったかどうか。  たとえば、定期に一定額を支払う、こういう約束があったのか、あるいは始期と終期だけを決めて、あとは要求の都度払うとか、あるいはそれ以外の対応であったか、その辺はどうでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 始期と終期を決めるとかあるいは年間幾らとか、そういう話はなかったようでございます。  さて、どういう段取りで具体的な授受の際に渡されたかということは、ほとんど島田氏がやっておりまして、はっきりしないのでございます。私どもできっかり把握しているのは、日商岩井が支出したその日時、金額等、こういうものを把握しておりますけれども、具体的な状況は、島田氏がお亡くなりになった現在、必ずしも判明しない部分が多うございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 松野氏の証言によりますと、四十二年四月ごろ二百万から三百万、この時期も四月から五月あるいは五月から六月、こういう御証言もございます。しかし四月と、こうはっきり言われた御証言もありました。三百万とはっきり言われた御証言もあったように思います。  そうしますと、第一回の支払いについては、検察の認定が四十二年の秋、こうなっていますね。ちょっとずれがあるのですけれども、それはどうでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 松野氏が宣誓の上で証言されまして、選挙の後始末の陣中見舞いでございますかということで二、三百万円、四十二年の春に持ってきたということをおっしゃっておりますので、そういう事実はあったものと思っていいと思いますが、これは、私どもの見るところ、五億円と関係のないものでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 そのとき、松野さんの御証言では、高畑氏の御意向で海部が持ってきた、こういうことですけれども、それは特に捜査ではっきりしておりましょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 その辺は、当面問題となっております五億円、二百三十八万ドルに関連する五億円以外の部分でございますので、詳細を申し上げることを御容赦いただきたいと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 松野さんは御証言の中で、現金をふろしきで、こうおっしゃっておりますが、国内で授受が行われた場合は、すべて現金をふろしき包みということになるのでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 そこが、島田さんがお亡くなりになっておりますので、わかりかねます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 同じく御証言の中で、御自分が受領したうちで一番大きい額は五千万円、これを二、三回に分けて二回もらった、高畑さんの御意向で島田さんか海部さんが持ってきた、こういうことですけれども、この五千万、二回というのは、五億の枠の中のものでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 私どもの持っております資料と対比いたしまして、五億の中だと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 五千万、二、三回に分けて二回、これより大きい額があったかどうか、この点はいかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 大体正しいと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 高畑さんの関与についてはどうでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 五億円について、高畑さんは関与しておられないようでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 授受の回数でありますけれども、捜査当局の御発表では、全部で十数回、うち海外が数回、こういうことでございます。  そうしますと、国内は残りの十回程度、こう考えられますけれども、国内は正確に何回か、その国内についての場所は全部松野氏の事務所、こう考えてよろしいでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 正確な回数その他をだんだん申し上げていきますと、検察の持っております資料の中身そのものを申し上げることになりますので、全部で十数回、海外の分を除いてなお十数回、こういう程度で御容赦をいただきたいと思います。  授受の場所につきましては、これまた島田氏がお亡くなりになっておりますので、日商岩井の側からは必ずしもはっきり確定はできません。松野氏が御証言になっておりましたところからすると、何か事務所でお受け取りになったことが多いようなことをおっしゃっておったような気がいたしますけれども、私、ちょっと確認いたしておりません。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 松野氏はその御証言の中で、米国についてはワシントン、シアトル、ヨーロッパではロンドン、こういう御証言でした。それについて捜査当局は、これは五億円の枠の外であるということのようでございました。  そこで、お尋ねをしたいのですが、捜査当局の御発表の中で、支払い場所について通常でない場所での受け渡しがあった、それはヨーロッパと米国だ、こういうことでございましたが、この捜査報告については、現在でもそのまま維持されますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 そのとおりでございます。  ただ、松野氏が御証言になりましたものが、もう一つ詰めて御証言がなされておりませんので、松野氏がどのことを考えておられたのか、これは私、自信がございませんが、多分五億円の話とは違う話じゃないかという印象で伺っております。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 捜査当局の御発表の中で、海外での受け渡しが数万ドル、数回、こういうことでございますが、その内訳についてのお話はできましょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 その辺は非常に具体的なことになりまして、また今後の公判の運営ということもさることながら、松野さんの私的な関係等にも若干触れますので、御容赦をいただきたいと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 五億円の出についてでありますけれども、松野氏からの流れ先につきまして、捜査当局はほとんど解明されてない、こういうお話も伺いました。  それで、少数の政治家に渡っているかどうかということにつきましては、刑事局長の御答弁が何かいまのところ私どもでは余りはっきりうかがい知れないのでありますけれども、その点はいかがでございましょう。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 五億円が松野さんからどういうふうに使われたかという点は、ほとんど解明ができておりません。  ごく一部、おのずからにしてわかるような形でわかったものがございますけれども、松野さん以外の方が使われた分につきましては、その中に政治家という方がおられるかどうかを含めて、御容赦をいただきたいと思います。といいますのが、松野さんの私的な関係になりますので、御容赦をいただきたいと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 一般的に政治家に渡ったと認めるに足りる証拠はない、こういうお話でございましたが、こういう言葉の中に、渡ったことをうかがわせるあるいはにおわせる証拠があるかどうか、この辺はどうでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 ほとんど解明されておちないわけでございまして、ごく一部わかっておる部分の中に、どういう方に渡ったか、そういう問題につきましては、政治家である方が入っておるかどうかも含めて、松野さんの私的な関係に触れることになりますので、御容赦をいただきたい、こういうことでございます。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 この私的な関係ということでございますが、これは少なくとも公人ではないという意味に理解するのですが、当時私的な関係であっても、その前あるいはその授受の後公人であった方がいる、こういう意味も含まれているのでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 その辺を含めて御勘弁をいただきたいと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 ボーイングの関係でございますけれども、使途不明金四十七万ドルにつきましてはおおむね解明がなされた、こういうことでございました。  そして、政治家に流れた形跡はない、こうもおっしゃられました。その販売活動、売り込み工作については公判で明らかにする、こうもおっしゃられましたので、お尋ねをしたいのですが、こうした具体的な内容につきましては、冒頭陳述の段階で明らかになるのかどうか、それはいかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 私が冒頭陳述をいたすわけでありませんので確信は持てませんけれども、多分その概要は書かれ、かつ立証上明らかにされることであろうと思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 FXの選定問題に関しまして不正があったかどうかにつきまして、防衛庁のしかるべき人に対する事情聴取はやったかどうか、その結果についてはいかがでございましょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 FXの選定経過については、もちろんそれぞれ関係者から事情を聞いていると思います。

長谷雄幸久公明党・国民会議

○長谷雄委員 終わります。      ————◇—————

佐藤文生自由民主党

○佐藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  西宮弘君外五名提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤文生自由民主党

○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来る六月五日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十四分散会

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