法務委員会 第8号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1979/03/23
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 お諮りいたします。 本日、最高裁判所西山民事局長、岡垣刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○佐藤委員長 内閣提出、参議院送付、民事執行法案、内閣提出、参議院送付、民事執行法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案及び内閣提出、民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 法案に入ります前に、三、四点御質問させていただきたいと思うのですが、これは伊藤刑事局長にお答えを願いたい、こういうふうに思います。 衆参両院の証人喚問が一応終わって、それをどういうふうに当局としては受けられたかというか、どういうふうな印象づけをされて今後に資するのか、こういうふうな点について、最初にお聞きをしたいと思うわけです。
○伊藤(榮)政府委員 衆参両院におきます証人喚問につきましては、検察当局も深い関心を持って見ておったようでございます。 どういう点に印象を受け、あるいはどういう点について問題を感じたかというようなことにつきましては、何分検察当局の腹の中でございますので、しかと申し上げる材料もございませんが、強いて申し上げれば、やはり昨日の証人喚問などは、さきに行われました海部証人の証言との一致点あるいは矛盾点といいますか、そういうようなものに相当関心を持っておったのではないかと思っております。
○稲葉(誠)委員 二十日に検察首脳会議が行われて、二十一日に有森氏の任意取り調べが行われた。 そうすると、今後の捜査の進展、これは、たとえば二人の人が外為法と私文書偽造だけですね。私文書偽造というものは普通ない、ないことはありませんけれども、当然、行使が伴うのが普通ですね。その行使がないということと、それからもう勾留期間が一応切れる段階になってきておる、こういうことを考えますと、この段階で一つの区切りで新しい発展があるのが当然だ、こういうふうに常識的に考えられるのですが、その点はいかがでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 まず、二十日にいわゆる検察首脳会議と言われるものが行われたようでございますが、その内容についてはつまびらかにできませんけれども、要するに、非公開資料が全部到着して一応の検討を終わった時点で、検察首脳に報告が行われたというふうに承知をしておるわけでございます。 それから、二十一日に有森氏を取り調べたということを前提としてのお尋ねでございますが、公式には、検察当局はその事実を肯定をいたしておりません。ただ、私自身の感じとして、多分調べたのではないかと思っておりますけれども、公式には認めていないわけでございます。 したがって、それらの二つの前提を置いての御質問でございますので、私としましては、この前提の上に立ってお答えするわけにもまいらぬのでございますが、いずれにいたしましても、現在勾留中の二人の被疑者の身柄の勾留満期の問題もございますので、検察としては、他に犯罪の嫌疑があるものがあるといたしますと、さらにその方面に捜査をするとか、その他所要の段階を踏むのではないか、かように考えております。
○稲葉(誠)委員 官房長いるかな。官房長、よく伊藤刑事局長の答弁のやり方や何か勉強しておいた方がいいですよ、非常に内容のある、いい答弁をされるから。なぜ官房長にそういうことを言うか、後でわかると思います。 それから、聞いておって、あの中で非常に私が関心を持ちましたのは、ある一人の人が、田中・ニクソン会談、ハワイ会談の前後に、早朝田中さんの家を訪ねたかと海部さんに対して質問したら、海部さんが、早朝とは七時半から八時か八時半ごろまでですかということを聞いているわけですね。それでE2Cに関係ないということを答えましたが、早朝訪ねたかという質問に対して、早朝とは何時から何時までですかということを、わざわざ確認しているのですよ。 これは一つの意味があるので、私の聞いた範囲の情報、確かめた範囲の情報では、田中さんのところに行ったのは、そのほかに、新聞記者の来ない朝早く行く、六時ごろ行くんですね。六時ごろ行って、数回行っておる。だから新聞を幾ら見たって出てこないわけです。ということが伝えられてきたわけです。だから、早朝ということを海部さんはわざわざ時間を確かめているんですよ。あの人はうまいから、そうすると、あのとき一回行った、だけれども、時間を限定して、その前のほかの時間には、聞かれなかったから言わなかったというふうに必ず逃げてくるに違いないのです。 ですから、六時ごろ、非常に早い、新聞記者が来ない前に、海部さんが目白を何回となく訪れておるのだというような話が伝わってきているわけですが、その点について、当局としては関心を持っていらっしゃいますか。
○伊藤(榮)政府委員 ただいまの御指摘には関心を持つかと思いますが、そういうことを検察当局が知っておるかどうか、私、報告を聞いておりませんので、何とも申し上げられません。
○稲葉(誠)委員 それから、あなたが予算委員会で、RF4Eについては射程距離内にあるという答弁をされましたね。 それは、そのときの空気で適当な答弁をしたわけですか、あるいはそうでなくて、しかとした見通しの上に立って、そういう答弁をされたのでしょうか、そこはどうなんでしょうか。 しかも、あなたの見通しに徐々に沿ったことが実現されつつある、明らかになりつつある、こういうふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 私、いつも御答弁申し上げるときに、その場その場で適当に申し上げているつもりはないのでございまして、申し上げられませんけれどもいろいろ知っておることもあるわけでございまして、そういうことを全体を踏まえながら、申し上げられる範囲で簡潔な言葉を選びましてお答えをしておる次第でございます。
○稲葉(誠)委員 わかりました。 そうすると、その射程範囲内だということは、それがあなたの聞いており知っておることの範囲に沿って、徐々に事態は進展しつつある、こういうふうに常識的に理解をしてよろしいでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 私は当時、私の持っておりました知識から、RF4Eの問題についても犯罪捜査の範囲内にあるという認識を持っておりましたので、そのまま申し上げたわけでございますが、最近の二人の逮捕事実にそれが出ておるわけでございますが、そのようなはっきりした形で出てくるということまで知っておったわけでは、もちろんございません。ただ、捜査の対象の範囲内であるという認識のもとに、そういう御答弁を申し上げた次第でございます。
○稲葉(誠)委員 きょうは法案の質問の日ですから、余り質問をして、ここのルールを乱すといけないので、この程度にしておきますが、さっきのあなたの話を聞くと、衆参両院の喚問の中から、だれだかちょっとわからないのですが、何か偽証のにおいがしないでもないというふうにもとれたのですが、そういうとり方もできないわけはないと思うのですが、これはこういうふうにとっていいですか。
○伊藤(榮)政府委員 さきに衆議院では証言拒絶罪の告発がございました。それからさらに衆議院の予算委員会においては、海部氏の筆跡鑑定等もおやりになっておる。 そういうような大筋の流れを見てまいりますと、仮定のまた仮定の問題でございますけれども、将来、両院のいずれかから何らかのそういった点の御措置が仮にあるといたしますと、検察としては、それに備えておかなければならぬということも事実でございます。そういう意味のことを申し上げたわけでございます。
○稲葉(誠)委員 それから大臣、通告してないのですけれども、これはきのうも出てきたのですが、日商岩井が四十三年から十年間に九億八千万円ですか政治献金している、しかもそれが自民党筋が大半だということが出てきたでしょう。こういうことについては、あなたはどういうふうにお考えでしょうか。これは何とかしなければいけないのじゃないですか。
○古井国務大臣 いま、あれに関連して政治献金のお話でありますけれども、この問題は、法的な規制はあるわけですけれども、御案内のように、実情は非常に複雑になっておるわけですね。 そのあたり、だから規正法をもっと整とんしなければいかぬという意見もあったり、なかなかそうもいかぬという意見もあったりというような、いま段階ですね。実情については、これはめいめいがどう判断するかという以外にはないと思いますが、率直に言って、届け出が全部政治献金をカバーしたかどうか、これはよく検討してみなければわからない問題じゃないかと思うのであります。これは正直な気持ちですけれども……。
○稲葉(誠)委員 だから正直な気持ちで、大平内閣としては、もうああいう会社からは政治献金は受けないんだということは、あなたは閣議の中で発言できないですか。受けないようにしようということ、そこまではとても無理なんですか。
○古井国務大臣 きょうになれば、ああいう会社という話になるのでしょうけれども、きょうの前には、さあどの会社があの会社なのやらわかったものじゃありませんから、これはちょっと広範な問題になりますし、実際問題が、そうどれからもこれからもというふうに、一口に言ってしまえぬかもしれませんし、それはよく考えてみなければならぬ問題だと思います。
○稲葉(誠)委員 余りこういうことを言ってもあれしますから、法案に入りますが、民事局長、これは民事執行法と施行法とありましたね。 長い間民事局長にもおつき合い願って、お別れということでございましょうけれども、大変御苦労さんで、感謝を申し上げるのですが、ただ、私は疑問に思いますのは、片一方の執行法は非常に長くかかったのですね。十何年かかったのでしょう。執行法が十何年かかった、その間に施行法の方はできなかったのですか。国会に一緒に出せなかったのはどういうわけですか。
○香川政府委員 民事執行法案につきましては、法制審議会におきまして十数年いろいろの意見を闘わせながら、徐々にまとまっていったわけでございまして、答申を得まして、それに沿った法案づくりに一年ばかりかかったわけでございますが、同時に、整理法の関係も提案したいということで考えておったのでございますけれども、何分整理の対象の法案が六十幾つもございまして、時期的に間に合わなかったという点もございますし、さらに整理法の中でも若干最高裁判所と意見の調整をしなければならないような問題もございまして、そういう関係で同時に提案できなかった次第でございます。
○稲葉(誠)委員 だけど、十年間も民事執行法を法制審議会や何かで審議していて、あなたの方から言わせれば、民事訴訟法と競売法を合わせるだけだと言うのでしょう。それを十年間もやっていた中で、整理法というか、何かそれが六十一の法律にわたるかもしれぬけれども、できなかったというのはちょっとおかしいというふうに思うのです。 それはそれとして、今度は最高裁で規則をつくるわけですね。その規則はまたずいぶんかかるのですか。どうしてそんなにかかるのか、ちょっとわからないのですがね。
○香川政府委員 御案内のとおり、最高裁判所の規則は、規則制定諮問委員会を設置いたしまして、そこに諮問されて、関係方面の方に集まっていただいて審議していただくというふうなことでございまして、今回の民事執行法関係の最高裁規則は、数においても相当膨大になりますし、中身もいろいろの考え方があろうかと思うのでありまして、そういう意味で、最高裁判所当局からは約一年以上はかかるだろうというふうなことを聞いておりまして、まあ実質考えますと、それくらいは最小限どうしてもかかるだろう。 したがいまして、この法案の施行日までに何とか間に合わせなければならぬわけでございまして、予定したときよりも一年おくれておるわけでございますが、PRも兼ねて最高裁判所にはその点もお願いしなければならぬ、かように思っておるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、規則の中で重要な点というのはどんな点ですか。
○西山最高裁判所長官代理者 仮にいま民事執行規則という名称を考えておりますが、その規則事項に含まれてくるものとして私どもが考えておりますのは、まず第一が、法案の立案の過程におきまして、これは規則事項であるということで考えられているものがございます。第二番目の問題としては、現行法に規定がありますが今回の法律には上がってない条文で、要するに手続を決めた事項、そういったようなものが挙げられます。第三番目には、民事執行法という新しい法律によってつくられました手続の実施に必要な手続事項、この三つが考えられるわけでございます。 その中で、いま御質問がありました一番重点と考えておりますのは、不動産及び動産に対する強制執行の売却の手続の関係が一番重要なものと考えておるわけでございます。そのほかに、今度の執行法では、担保の提供方法、それから買い受けの申し出の場合に提供いたします保証金の関係の提供方法、これが規則にゆだねられましたものでございますから、それについて現行法は金銭、有価証券に限られているものを、さらにもっと一般人が買いやすいような形の提供方法が考えられないものかどうかという点を考慮しながら、新しい方法を検討しているという、その点が大体重要な点であろうというふうに考えておるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 法務省の民事局長、民事局関係の法案、いま法制審議会にかかっている法案の、たとえば民法の改正、身分法の関係ですね。その進捗状況というか、問題点、これはなかなかむずかしいですね。それから商法関係があります。それから、きのう出た国籍法の問題も出てくる、こう思うのですが、こういうふうな問題について、どういう点が問題で、どういうふうに今後進捗していくのかということについて概要をお話し願いたい、こう思うのです。
○香川政府委員 現在、法制審議会で御検討願っております第一のものは商法関係でございますが、これは商法の中で株式会社法の全面的な見直しということの作業でございます。 御承知のとおり、株式につきましては、大方の商法部会における意見を集約したものを公表いたしまして、さらにまた、株式会社の機関、つまり株主総会、取締役会、監査役につきましての試案を昨年末に公表いたしまして、現在関係方面から意見を聞いておるわけであります。ただいま審議いたしておりますのが、第三の非常に重要な柱であります計算書類の問題でございます。 大きな問題といたしましては、この三つが中心をなすと思いますが、さらに引き続きまして、株式会社を大小分けると申しますか、現行の株式会社としては相当規模以上の会社に限ることにして、その規制を強化するというふうな方向を考えるべきじゃないか。これは政策的には非常に厄介な問題だろうというふうに思っておりますが、そういうこと、あるいは、さらにはこれは各問題に関係するわけでございますけれども、株式会社の社会的責任と申しますか、そういった問題をいかように法律的に取り組むかというふうなことが今後の検討課題でございます。 民法は、御承知のとおり、現在は相続法の改正を中心に検討いたしておりまして、それも主として妻の法律上の地位の向上と申しますか、そういう線に沿って配偶者の相続分の引き上げの問題、それから夫婦財産制の問題、配偶者には限りませんが寄与分の問題、そういったことが一つの柱だろうと思いますが、現在一番問題だと思われますのは、妻の地位の向上という観点から、現行の配偶者の相続分の三分の一を二分の一に引き上げるべきか、あるいは三分の二まで上げるべきかというふうな問題、それから兄弟姉妹がある場合の配偶者の相続の内容、それから妻の居住権の保護と申しますか、夫亡き後の生活の保護というふうな観点から、きめ細かい規定を設けるべきかどうかということ、そういったことが非常に活発に議論されまして、ほぼまとまりつつございまして、相続法のこの関係は、今年いっぱいで少なくとも民法部会の成案は得られるだろうというふうに考えております。 財産法関係では、現在法制審議会で審議していただいていますのは、いわゆる区分所有の建物関係の法律でございます。これは当初、区分所有法を制定いたしました当時は、こんな大規模なマンション等がたくさんできるというふうなことは、予想はしておったかもしれませんけれども、そういう実態というものを踏まえた点での検討が必ずしも十分でなかったといううらみがあるわけでございまして、このことが、たとえば端的に管理規約の問題にもあらわれておりますし、また公示制度としての登記の関係で一覧性を非常に害しておるような状況になっておるというふうな問題がございまして、その辺を早急に解決しなければならないということで検討していただいておる、かような状況でございます。 御指摘の国籍法の問題につきましては、これは私どものところで、現在あげつらわれておるいろいろな問題点は、特に法制審議会にかけなくてもいい問題ではなかろうかというふうなことで、今後、法案も社会党から出ておるようでございまして、審議の経過等も踏まえまして、事務当局としては検討したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 その身分法小委員会の、たしか六項目だと思いましたが、その第一項目ですね、あなたは外したけれども、嫡出子と子との相続分の問題がありますね。この問題はどうなんです、まとまりそうなの。
○香川政府委員 この問題につきましては、実は率直に申し上げますと、いろいろの考え方がございまして、御承知のとおり、相続法の改正で婦人団体等からも寄せられておる御意見につきまして、非常にいろいろの意見があるわけでございまして、それがそのままやはり身分法小委員会においても同じような状況でございまして、実はまだまとまっていないわけでございます。しかし、大方の空気は現行法のままでいいのじゃないかというふうな意見が強いわけでございまして、これが世論との関係でどういうふうに調整すべきかということで、苦慮いたしておるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 それから、民事訴訟の費用の問題でこの前改正があって、印紙などを張るべきものを、たとえば証拠の申し立てだとか、それから答弁書とか、こういうのを外しましたね。その他もあります。だけれども、まだ残っているものがありますね。 残っているものがあるのは、それはそれだけの合理的理由が第一あるのかないのか。それから、金額がそれで妥当なのかどうかという点は一体どうなんですか。たとえば離婚の場合に、非財産権上の訴えだからといって三十五万円にするというのは、あなた、どこからくるの、三十五万円というのは。これは恐らく、三十万までが簡裁だから、それで簡裁じゃまずいから地裁にしようというので三十五万にしたんだろうと思うんだけれどもね。それから五百円のもある。仮処分の場合、印紙が五百円でしょう。あと、何か百円のもあるし、いろいろなのがあるね。それぞれは合理的理由があるのか、きょうは全部説明しろと言ったって無理だから、後で一覧表をつくって、これはこういう合理的理由があって存在をし、そうして百円だとか五百円にするのはこれだけの理由があるんだということを後で出してほしいわけです。 だから、いまは非財産権上のものだけでいいですが、説明していただいていいと思うのです。 それから境界確定の訴えなんかのときは一体どうするんですか。あれは印紙を幾ら張ったらいいの、所有権確認ならわかるけれども。
○枇杷田政府委員 ただいまの御質問の非財産権上の請求の点につきましては、御指摘のように、裁判所法並びに民訴法の二十二条の規定によりまして、地方裁判所の管轄に属するということになっております。 事件の種類といたしましては、いろいろな内容があるわけでございますが、たとえば会社の設立無効であるとか、株主総会の決議無効であるとかいったようなもの、それから身分法上のいろいろなものがございます。そのようなものはもともと幾らということが決められないものでございますので、事柄の性質上からいきましても、事物管轄として非常に複雑困難であろうから、したがって、地裁の管轄にしておるということと合わせまして、地裁での最低の訴訟物の価額というのが、三十万円を超えて三十五万円までというところが一番最低の価額になるわけでございます。それに合わせまして三十五万円とみなして最低の額でする。不明であるから、内容の非常に複雑なものもございますけれども、それを一律にやる場合には最低の金額が適当であろうというところで、地裁の訴訟事件の最低の金額に合わせるということでございます。 境界確定の関係につきましても、境界確定そのものでは、価額がどうであるかということは実際上算定できませんので、それによります利益、そういうもので計算して、簡裁の管轄になったり地裁の管轄になるような扱いを実際上しておるようでございます。この辺につきましては、合理的な基準というのはなかなか得られないということで、実務的には若干困難な問題が残っておるように考えております。
○稲葉(誠)委員 それじゃ、仮処分のときに五百円の印紙を張るのはどういう理由で、どこから五百円と出てくるの。
○枇杷田政府委員 仮処分の場合にもいろいろな内容がございまして、なかなか一律にはいかないのでございますけれども、それをいわば訴訟物の価額的に見ていくというのもむずかしゅうございますし、また、そのことのために、早急に処分しなければならないというのが、訴訟物の価額の判定で時間がかかるということでも問題がございますので、一律の金額にしておるわけでございますが、五百円にしておるという根拠は、訴えの最低の金額、これは簡裁の関係になるわけでございますが、その最低の金額に合わせるというふうな扱いにしておるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 最低の金額に合わせるというのもあれですが、そこら辺はここで議論してもしようがありませんからやめます。 せっかく最高裁の刑事局長来ておられるので聞くのですが、刑事事件の訴訟費用ですね。なぜ、有罪になったときに被告人に負担させるのですか。その理論的な根拠はどこにあるのですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 これは前にも一度御質問いただいたと思います。そのときにも申し上げましたけれども、一つの考え方としましては、民事の場合でもそうでございますが、いずれにしても、訴訟をやって負けたのだから、その費用を持つということになると、そのとき申し上げた記憶がございます。 その後、私どもとしましても、確かに、質問された点はっきりしないなというふうなことでいろいろ考えました。考えましたが、結局、先ほど申し上げたことを別の言葉で言いますと、今度は悪いことをしたのだから、そのかかった費用は払えということも加わるのかなということで、それも負けたのだからということで、刑事で言えば悪いことをしたから有罪ということになるわけでございますから、そういうところで払わせるのかなというふうに私ども考えておるわけでございまして、御満足のいくような明確なお答えができないのは残念でございます。
○稲葉(誠)委員 こっちもわからないから聞いているので、ぼくもよくわからないのです。 たとえば職権で証人喚問しますね。場合によって、その費用まで払わせるわけですね。それから検察官の方では、弁護人の方で同意するから書類でいいと言うのに、いや、おれの方は証人申請するんだと言って証人申請して、その費用まで本人に払わせるというのは、理論的な根拠がはっきりしないような感じがするのです。 それから、今度は汽車賃のことがこの法案に出ていますね。証人の場合には、人によってはグリーン車を使うこともあるの、それは認めないの。そこはどうなっているのですか。
○枇杷田政府委員 証人等につきましては、裁判所が相当と認めるという場合に、グリーン車の料金を支給することになっておりまして、大方の情状証人とか、それからまた被害者の関係などにつきましても、多くの場合にはそう遠くないところでもありますので、グリーンの料金を支払うということはそう多くないように聞いております。しかし、証人の生活状況その他から見て相当だと認めるときには、裁判所がグリーン料金を支払うということになっております。
○稲葉(誠)委員 今度の法案を見ると、何か指定席券の費用を払うことになるんでしょう。だけれども、いまは指定席券といったって普通、急行は余りなくて、近距離でもほとんど特急なんですね。ほとんど特急でしょう。特急料金はどういうふうになっているの。特急で来たということを証明しなければいけないの。
○枇杷田政府委員 特急料金は三百キロ以上の旅行の場合に支給するというのが現行法の規定でございます。これを、このたび百キロ以上ということにしたわけでございます。ですから、新幹線で申しますと、東京から熱海ぐらいまでの場合には特急料金を今度支給できるということになるわけでございますが、その支給方法といたしましては、別に特急に乗ったということを証明する必要はございませんで、旅行のキロ数で計算して特急料金を支払う、そういうことになるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 最高裁の刑事局長にお聞きしたいのですが、ぼくは常々疑問に思っておりますのは、一つは前科ということです。前科というのは一体何なんですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 前科というのは、私どもとしては、前に犯したとがということで、判決を言い渡す場合にそれはどういう意味を持つか、刑事訴訟の場合に、被告人の情状ということが一つございます。いままでどういうことがあったかということを考慮に入れて、それが、今後被告人の更生その他について、どういう意味を持つであろうかということ、被告人の性格がどういう性格であろうかというふうなこと、こういう、量刑すべき要件について考える資料になるということが一つございます。 それからもう一つは、法律上の問題でございますけれども、累犯の加重をする場合に、罪を犯してから何年、前の刑の執行を終わってから五年以内とかなんとか、いろいろ要件がございますので、そういう場合にそれを確かめる、そういう、要するに前に犯したとがの内容を前科というふうに称しております。
○稲葉(誠)委員 それはわかるのですが、たとえば執行猶予の場合に、裁判官によっては、執行猶予を言い渡すときに、執行猶予期間が切れたら判決の言い渡しかなかったことになるんだという言い方をする人があるのです。これはちょっとおかしいと思うんだけれども、とにかくそういう言い方をする人が現実にいるのです。そうすると、執行猶予期間が過ぎてしまったときには、それはどうなんですか、前科になるのかならないのかということが一つ。 それから、刑の消滅した場合があるでしょう、刑法の三十四条ノ二だかで、十年間たつと消滅するでしょう。それも前科調書として皆出してくるわけだね。そういうのは果たして前科と言えるのですか、どういうふうになるのですか。それが二つ。 それからもう一つは、判決を見ると、検察官が関与の上審理を遂げたと書いてあるわけだ。それで必要的弁護の事件でも、弁護人のことは何も書いてないわけだ。これはどこからそういうことになってくるの。必要的記載事項でないわけでしょう。ないのに、検察官だけ関与が書いてあって、弁護人は書いてないのは、一体どういうわけなんですか。これは少し官尊民卑だな。官尊民卑でもないか、慣例かもしれないけれども、それはどういうところから、そういうことになっているの。理論的にどういうことなの。そこの三つの点だね。
○岡垣最高裁判所長官代理者 最初の二つの問題、一括したような形になりますけれども、前科というか一つの罪を犯して、そういう事実があって判決があった。その法律的な効力といいますか、それに基づいていろいろな、たとえば一定の犯罪を犯して一定の刑に処された者は一定の資格を失うという場合に、そういう効力がどこまであるか、そういう問題と、しかし、ただ事実としてそういうことがあった、そういうことがあったから、彼の性格はどうであろうかということを認定する場合の訴訟法上の効果と申しますか、それは別でございます。 したがいまして、たとえば執行猶予の言い渡し期間が経過いたしまして、刑の言い渡しがその効力がなくなったといたしましても、それはいま申し上げました、たとえばある復権に関するような意味で刑の言い渡しの効力がなくなるということはございましょうが、事実上あったということはあったわけでありまして、その点では、やはり量刑などに考慮されるということになるわけでございます。 それから、判決に首席検察官の名前を書きながら、弁護人の名前を書かないのはどうかという点に入りますと、これは形式的なお答えをすれば、刑事訴訟規則に、判決の要件にはこれこれを書けと書いてあるから、そうだというだけのことになってしまうわけでありますけれども、それでは、なぜそうなのかということになりますと、これは民事訴訟の場合と比べてみなければ違いは出ないのではないかと考えております。 と申しますのは、民事事件の場合にも、やはり法律上は訴訟代理人の記載ということは要件とされておりません。したがって、よく民事訴訟に原告だれそれ、右訴訟代理人何のだれ兵衛、こう書きますが、本当は、あれは訴訟法上要求されているのは法定代理人だけでありまして、訴訟代理人は書かなくてもいいわけでありますけれども書く。 なぜかと申しますと、恐らくは民事の場合には、法廷へ出てきて訴訟をする人というのは、原告本人、被告本人というのはほとんどありません。実際に出てきて訴訟行為をやっているのは訴訟代理人である、そういう実態が一つあると思いますが、まず一番法律上の問題としては、民事の場合には、判決の言い渡しを受けた後、確定するのは、その判決の送達を受けた後ということで計算されるわけであります。その判決の送達は、どうやってやるかと申しますと、大体、右訴訟代理人弁護士と書いてある弁護士さんの住所に送達するということになっております。 ところが、刑事の場合には、被告人がいなければ判決の宣告はしないのが原則でありまして、目の前で宣告する。その宣告した日から控訴期間というものは経過していくわけでありますから、確定もそういう意味で実態が違うということから着目して、当事者だけを書くという形になっているのではなかろうかというのが私の考えでございます。
○稲葉(誠)委員 これで終わりますけれども、あなたの説明はわかった。当事者を書くのはわかったけれども、では、検察官を書く理由は全然説明にならないのじゃないですか。検察官だけ書いてね。それじゃ検察官も書かなければいいじゃないですか。それなら話もわかるけれども、検察官だけ書いて——被告人は書かないわけにいかないから、被告人は書くけれども、弁護人の方は、必要的弁護の場合も弁護士を書かないで検察官だけ書いていくのはどういうわけだ。おかしいじゃないか。そんなの筋が通らないよ。(岡垣最高裁判所長官代理者「訴訟の当事者ですから」と呼ぶ)いや、必要的弁護の場合は、あなた、弁護士だって出なければならない。(岡垣最高裁判所長官代理者「訴訟の当事者ではございませんから」と呼ぶ)それはどうでもいいけれども、何だか少し変だよ。 時間が来たからやめますけれども、法務省の民事局長、長い間御苦労さまでした。これで終わります。
○佐藤委員長 正森成二君。
○正森委員 それでは、民事執行法について、ごく簡単に質問をさせていただきます。 民事執行法の五十五条では、修正前には「債務者又は不動産の占有者が、」こうなっておりましたが、簡潔に、主体は「債務者」というように改められ、以下それに関連した修正がなされました。それから七十七条につきましても、従前は「不動産を占有する債務者又は不動産の占有者で」云々となっておりましたが、今回の修正案で、簡潔に「債務者」こういうぐあいになりました。 したがって、従前議論されておりましたいろいろな問題は、法文上も議論の余地がなくなったというようには思いますが、念のために、やはり主体が債務者というふうになっておりますので、たとえば債務会社が、労働組合との協定によって、会社の不動産を労働組合に賃貸したりあるいは使用貸借をさせるというようなことが、五十五条ないし七十七条の「不動産の価格を著しく減少する行為」あるいは「不動産の引渡しを困難にする行為をし、又はこれらの行為をするおそれ」というようなのには、全く該当しないはずであると思いますが、念のために伺います。
○香川政府委員 御意見のとおりでございます。
○正森委員 それでは、八十三条についても念のために伺いたいと思います。 八十三条についても修正が行われましたが、労働組合が自主生産等のために債務者との協定等により不動産を占有使用する関係は、民事執行法八十三条の事件の記録上必ず明らかにされることになるかどうか、伺いたいと思います。
○香川政府委員 御承知のとおり、今回の民事執行法案におきましては、売却前に執行官に現況調査をさせるわけでございます。その現況調査におきまして、いまお示しのような、労働組合が権原によって占有しておるというふうなことが明らかになりますれば、調書に記載するということで、まず、その執行官の現況調査、それに基づく現況調査報告書において明らかになると思います。 さらにまた、そういった関係を含めて裁判所が売却条件を定めます場合に、だれがどういう権原で占有しているかどうかというふうなことについて明らかにしなければなりませんので、この関係で労働組合を審尋するということもあろうかと思います。そうしますと、審尋調書というものがつくられるわけでございます。 さらにまた、引き渡し命令を出します場合に、第三者が、つまり労働組合が占有しておるということになりますれば、必ず審尋しなければならないということになっております。 したがって、前二者の場合に、いまおっしゃるような労働組合の占有関係というものが仮に明らかになっていないといたしましても、最後のところで、審尋調書でそれが明らかにされるというふうなことになるわけでございまして、こういった現況調査報告書あるいは審尋調書といいますのは、八十三条で言っておる事件の記録ということになりますので、そういった関係は事件の記録上必ず明らかになるというふうに考えております。
○正森委員 よくわかりましたが、念のために、現況調査について、これこれは調査して明細書に記載しなければならないということが最高裁判所規則で明らかにされるでしょうか。
○香川政府委員 今回の執行法案におきますこの現況調査ということは、売却条件を決めます場合にも、あるいは買い受け人が買い受けた場合の法律関係等にも重大な影響があるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、最高裁判所規則で、できるだけその目的に合致したように、詳細に現況調査報告書を記載していただくというふうにお願いしておるわけでございまして、恐らく規則においては、事細かくいろいろの必要な事項が規定されるというふうに考えております。
○正森委員 今回の場合には、配当要求については、たとえば百三十三条「その権利を証する文書」とか、あるいは百五十四条「文書により先取特権を有することを証明」等、労働債権についても一定の権利証明の手続を定めておるわけですが、これが余り詳細なものを要求されますと、労働債権の実現上困りますので、この文言によって、どの程度のものを考えておられるのか、念のためにおっしゃっていただきたいと思います。
○香川政府委員 一般の先取り特権、特にその中で私ども注意を払いましたのは労働者の賃金債権でございますが、そういったものも債務名義を必要とするということに相なりますと、実際は権利の保護に欠ける結果になるおそれがあるというふうなことで、有名義主義の一つの大きな例外として規定したわけでございます。 そこで、先取り特権の存在を証する書面というものは、実務上どういうふうなものがあるだろうか、これはいろいろのケースによって違うと思いますけれども、たとえば会社の従業員がまだ賃金を支払ってもらってないというふうなときには、給与担当者と申しますか、そういった者の未払いの証明書とか、あるいはまた、いまよく行われておりますように、銀行払い込みの例があるわけでございまして、そういう場合には、銀行にはまだかくかくの給料債権が払い込まれていないというふうな証明書、そういったものを代表的なものとして想定いたしております。
○正森委員 三十九条の三項について伺いたいと思います。 ここでは、御承知のように「弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、二回に限り、かつ、通じて六月を超えることができない。」というように、今回の場合は非常に限定されたわけです。 私どもは、サラ金等々で支払いを要求されておる非常に困窮した債務者については、示談等のためにいろいろ話し合いをする場合に、二回に限り、かつ六カ月ということでございますと、実際上、非常に気の毒な債務者の保護に余りしゃくし定規にやられると、困る場合があり得るわけですね。弁護士会からも一定の意見が出ておりますが、これについては、一定の弾力的運用がなされるのかどうか、伺いたいと思います。
○香川政府委員 二回、六カ月に限るという関係は、これは法律でそうなりますれば、これを三回あるいは八カ月というわけにはまいらぬわけでございます。 しかし、これは御承知のとおり、執行停止をする期間についての問題でございまして、したがって、二回、六カ月に限りましても、その後の手続としては、裁判所は売却期日を指定するわけでございます。その指定の仕方が、弾力的な運用がされるであろう。やはり事案に応じまして、弁済猶予が真実であり、しかも、一月早くあるいは二月早く売ることが債務者に酷であるというふうな場合には、そこのところは、そういった事情というものが上申されることもありましょうし、執行裁判所において弾力的に運用される。むしろ、そういう弾力的な運用も、最後のとりでとしては私どもは期待いたしておるということでございます。
○正森委員 最高裁に伺いたいと思いますが、同僚委員からも質問がございましたが、今度の民事執行法では、最高裁規則にゆだねている点が非常に多いわけであります。そのうちの数点について伺います。 第十条の「執行抗告」の四項を見ますと、「執行抗告の理由は、最高裁判所規則で定めるところにより記載しなければならない。」となっております。 これについてはどういうようなことを考えておられるのでしょうか。
○西山最高裁判所長官代理者 従前の即時抗告の実態に照らしますと、理由のない抗告が非常に多い。それは、執行の引き延ばしを図るためということに原因があろうかと思いますが、今回の民事執行法の趣旨が、そういう理由を付さないような、いわば訴訟遅延を目的とするような即時抗告をなくすというねらいがあるというふうに理解いたしますので、規則の中では、原裁判を違法とする事由を具体的に記載すべきこと、それから、原裁判を違法とする事由が法令の違反であるときには、その法令の条項及びこれに違反する事由を記載してもらいたい、それから、事実の誤認であるときには、その事実を摘示しなければならないというふうなことを、最高裁規則で規定するように考えておるわけでございます。 それは、具体的に執行抗告の理由を制限するという趣旨を含んでおるわけではございませんので、執行抗告の理由としては制限がないけれども、しかし、それは具体的に書いてもらいたいという趣旨にその規定を解釈しておるわけでございます。
○正森委員 ごく簡単に伺いますが、たとえば六十四条では、不動産の売却の方法について、最高裁判所規則で定めるとなっております。百三十四条は、動産について同様なことを定めております。また六十六条では、買い受け人が不動産の買い受けを申し出ようとした場合に「執行裁判所が定める額及び方法による保証を提供しなければならない。」こうなっておりますが、この三つの条文について、最高裁はどういうようなものを考えておられるのか、簡単に御説明ください。
○西山最高裁判所長官代理者 不動産の売却手続におきましては、期日の指定とか、その他の具体的な手続の関係を規定しておりますほかに、売却の方法といたしまして、原則は競り売りまたは入札による。むしろ入札を原則として、競り売りを次順位とする。そのほかにも、競り売り、入札によらない方法を検討するということを考えております。 それから、動産についても同じような方法を考えておるわけでございます。 〔委員長退席、山崎(武)委員長代理着席〕 それから……
○正森委員 そんなことはわかっているよ。条文に「入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。」となっておるから、何かと聞いているので、それでは条文のとおり答えただけじゃないですか。委員長、ちょっと答弁させてください。答弁に全然なってない。条文のとおり答えただけだ。
○西山最高裁判所長官代理者 入札または競り売り以外の方法といたしまして、入札または競り売りを実施しても、適法な買い受けの申し出がないときには、差押え債権者の意見を聞いた上で、その直前の入札または競り売りにおける最低売却価額を下回らない価額で、執行裁判所が執行官に対して、入札または競り売り以外の方法により不動産の売却の実施を命ずることができるという方法を考えております。 さらに、その売却の方法につきましては、実施の方法、期限その他の条件を付することができるということを考えておるわけでございます。たとえば買い受け希望者を探すために新聞公告をしたり、不動産業者にあっせんを依頼するというふうな工夫をこらして、広く買い手を募る、適正な価額で迅速に売却できるように努力するというふうにしておるわけでございます。 それから、いま申し上げましたのは不動産の売却方法でございますが、動産の売却方法につきましては、入札、競り売りのほかに、適宜の方法による売却ということも考えておるわけでございます。これは、たとえば金銀とか高価物の売却あるいは家畜その他の特定の人でなければ取引できないようなものについての売却方法、あるいは刀剣とか劇薬とかいうふうな取引が制限されているものについての売却方法、そういうものについての売却方法を決めておるわけでございます。
○正森委員 法務省に伺いますが、百三十一条の 「次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。」という中で、三号には「標準的な世帯の一月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」というのがあります。 政令としては、どういうような腹案を持っておられるのか、もしお答え願えるならお答えください。
○香川政府委員 ただいま、まだ、どのような額が妥当か最終的な結論は出ておりませんが、御承知のとおり、国税徴収法に同種の関係で現在、これは夫婦子供二人の標準世帯の場合でございますが、十七万円何がし、それから生活保護の関係では、夫婦子供二人で十三万円何がしというふうになっておるわけでございますが、今回の民事執行法の場合には、二十万円ぐらいが標準世帯の生計費としてどうだろうかというふうなことを中心にして、現在詰めておる次第でございます。
○正森委員 次に、執行官関係について伺いたいと思いますが、今度の新しい法律では、執行官は現況調査等相当権限を持つようになっております。 それとうらはらの関係で、その物件明細の記載などが間違っておった場合に、国家賠償を言われるのじゃないか、求償権を行使されるのじゃなかろうかというような心配も、参考人質問で行われておりますが、それについて法務省側としては、まだ施行前でございますから、詳細なことは言えないかと思いますが、大体どのような考え方に立っておられるか、もしお聞かせ願えれば聞かしていただきたい。
○香川政府委員 法律的に申しますと、現況調査において故意過失があって、その報告書が誤ったというふうな場合等、国家賠償の問題が起こることは十分あり得るわけでございます。 しかし、私どもといたしましては、現在の執行官の能力、素質から考えまして、さような誤りを犯すことはまずなかろうというふうに見込んでおる次第でございますけれども、しかし今後とも、その研修等にも最高裁判所において力を注いでいただいて、資質をさらに向上させていただきたいというふうな希望は持っております。
○正森委員 私は、この間参考人質問でも、西ドイツと人口当たりの執行官の数等について比較をいたしましたけれども、過大な責任が追及され過ぎることがないように、一方また、国民が被害をこうむらないように、それをバランスをとっていただきたいというように思います。 それから、今回の民事執行法では、競売の場合は低減制が廃止されておりますね。そうすると、企業努力をやらぬといかぬと思うのです。それで、たとえば競売の場所を明るくするとかいうようなことで、たとえば国税局における公売の実施方法等から学ぶ必要があるのじゃないかというように思いますが、いかがですか。
○香川政府委員 今度の法案の骨子であります、高く、迅速にという売却を考えますと、まだまだ工夫しなければならない余地が大いにある。 〔山崎(武)委員長代理退席、委員長着席〕 ただいま御指摘のような施設の問題も、その最たるものでございますが、先ほどちょっと問題になりましたような、売却方法について最高裁判所規則に委任いたしておりますのも、やはり事案に応じて適当な価額で売れる方法を考究していただくというようなことを期待しておるわけでございまして、そういった法制面、さらに実施の具体的な運用面等、両方から十分努力しなければならない問題だというふうに考えております。
○正森委員 それでは、執行官室労組の関係の方について伺いたいと思いますが、私は、参考人質問のところでもいたしましたが、執行官に雇用されている職員の方は、実際上は国家公務員としての仕事をされているわけですね。ところが、それが私人だということで待遇が余りよくないというような点は、やはり改められなければならないし、昭和四十一年の執行官法のときにも、たしか附帯決議が行われたはずであります。 そこで、こういう問題について、将来の改善の見込みについてどう考えておられるのか、伺っておきたいと思います。
○枇杷田政府委員 この問題は、御指摘のとおり、四十一年の附帯決議にもあるところでございまして、それ以来研究を重ねておりますけれども、いろいろ困難な問題がありますために、まだ結論を得ておりません。しかし、このたび民事執行法が施行されますと、執行官の責任も重くなることでございますので、その機会に、執行官制度はどうあるべきかということをもう一遍考え直してみたい。 その際に一番問題になることは、執行官の現在の手数料制を俸給制に切りかえるということができませんと、その補助事務の方の身分についても結論が出ないということに相なります。しかし、直ちに完全な固定俸給制にするということが、実情に合うかどうかということが問題でございますので、先日もほかの委員の方からも御指摘がありましたような、いろいろな態様のことを考えて、実情に合うような制度を工夫、研究してみたい、かように考えておる次第でございます。
○正森委員 いま、いろいろなことを考えていると言われた中には、一定の基本給と歩合給とかいうようなことも含まれると思うのですが、そういう点も含めて考えておられるわけですか。
○枇杷田政府委員 ただいまの一部歩合給というのも、一つの研究の課題であろうと考えております。
○正森委員 ここに私は、東京の執行官室労働組合からの嘆願書を持ってきているわけですが、その中には、こういうように指摘をされているわけであります。 執行官の職務権限というのが、執行開始の要件、休日・夜間執行の許可、現況調査、競売場の秩序維持及び売却の方法、動産執行の対象物及び差押え物の使用許可、配当の実施、遺留物件の売却等々というようになっておりまして、実質上は国家公務員だ。ところが、たとえば特定郵便局に働く職員が国家公務員に採用されておる、あるいは林野庁の職員が公務員化されておるというのに対して、これは非常にアンバランスではないかというのが皆さんの御意見です。 私は、それは無理もないと思うので、同じように郵便物を配達される郵便局の関係の方は公務員である、普通の配達では賄えないような特別の送達方法をしなければならない、そういう事務を取り扱う者は単なる私人であるということは、これらの組合の方あるいは従業員が、早く公務員にしていただきたい、そして雇用関係を明朗にしていただきたいというように望まれるのは当然のことであろうと思います。 それについて、法務大臣に伺いたいと思いますが、法務大臣はどのように考えておられますか。理屈から言っても当然でしょう。
○古井国務大臣 先般も、その問題について御質問を受けたわけであります。 処遇の改善は、これはもう考えなければならぬ当然の問題です。それから先の執行官、こういうことで、公務員という形で整とんしていくという問題については、それがいいのだ、こういう御意見が非常に強いのでありまして、この御意見を私も重々伺いました。私は、前にも申し上げましたような個人的な頭もちょっとありますけれども、御審議の状況も伺いましたので、十分前向きに検討していきたい、そう思います。
○正森委員 いま法務大臣から、前向きに検討したいというお言葉をいただきました。前向きにというのが十年、二十年先のことでなしに、できるだけ近い機会に、前向きに具体的な方策がとられるように希望しておきたいと思います。 もう一点伺いますが、執行官に雇用されている職員の望んでおられるのは、一定の努力をして実務にも習熟した方、特に二十五年ぐらい経験を経られた方を、執行官に登用していただきたい、その条件等を明確に定めていただきたいというのが、一つの要望だろうと思うのですね。 それについて、どういうように登用の手続、条件等を考えておられるか、念のために伺いたいと思います。
○西山最高裁判所長官代理者 現在の執行官の任用資格といたしましては、行政職俸給表(一)の四等級以上のものにある者またはこれに準ずる者というのが第一の資格でございます。そのほかに、年齢の関係で四十歳以上、それから裁判所で実施いたします実務試験、筆記及び口述の試験に合格した者ということになっております。 一番問題なのは、その行(一)の四等職相当と認められるかどうかという認定の問題であろうかと存じますので、それは執行官に雇われておられる事務員の方に限らず、広く一般の人についても同じことが言えるので、その点についての差別をする考えはございません。
○正森委員 それでは、これで質問を終わらしていただきますが、最後に、法務省の刑事局長に伺いたいと思います。 本日の十時三十分に、日商岩井に対して、私文書偽造、外為法違反で、第二回目の捜索が行われたというように聞いておりますが、その容疑内容等について、報告をしていただきたいと思います。
○伊藤(榮)政府委員 何分ついさっき始めたばかりのようで、詳細な報告を受けておりませんが、捜索の被疑事実は前回と同様の事実で、前回捜索し残したところなどを補充的に捜索をしておる、こういう報告を受けております。
○正森委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて三案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○佐藤委員長 これより三案に対する討論に入るのでありますが、いずれも討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、民事執行法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、民事執行法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました三法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○佐藤委員長 次回は、来る四月十日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十四分散会