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87回国会衆議院1979/06/01

文教委員会 第12号

発言数
172
登壇者
16
会派数
6
開催日
1979/06/01

会議録

坂本三十次自由民主党

○坂本委員長 これより会議を開きます。  放送大学学園法案を議題といたします。  本案に関する各項目別の質疑を続行することといたします。  前回は、第一、学校教育法と放送法との関係について、第二、放送大学学園と放送大学との関係について、第三、放送大学の具体的構想及び放送大学の拡大計画等についての各項目につきまして順次質疑を進めてまいりましたが、本日は第四の項目、すなわち放送大学学園法案に関するその他の事項について質疑を続行いたします。  御質疑がある方はどうぞ御自由に御発言願います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 「その他」ですから漠たるものでありますけれども、私が前から言っておりますのは、この大学が成功するかしないかはスクーリングに学生が通えるか通えないかということも一つの要素である、そのためには教育有給休暇というものが必要ではないかということだが、これは広島の実験等でも第一回のスクーリングに三分の一が参加できなかった。そのことがずっと尾を引いているということもかつてあったと思うのです。  そこで、いままでの御答弁ではそれは各省との関係がいろいろあるからということで終わっているのですが、ただそういうことだけで済むのかどうか。そのことは強いて言いますと学校教育なのか成人教育であるのかということにも絡んでくるんですけれども、具体的にこれはどうするのか。大臣がおらないのでありますからこれ以上局長に聞くのは全く酷なんですけれども、政府全体として具体的にどういう順序でどういう手はずでもってかかるんだということくらいがないと、果たして成功するのかしないのかということは、大学のあり方よりも学生がスクーリングに来れるか来れないかという、問題は法案と全く別個ですからまさに「その他」であると思うのでありますけれども、この辺はまともにかからなければならぬのじゃないかという気がするのです。  ただ、これは文部省だけじゃないですから、各省等という答弁がいままで繰り返されるだけですが、そのことを信頼しないのじゃないですよ。しかし、とかくこういうときの答弁というものはそういうことでもって終わりがちなものでありますが、そのことがこの大学の成否と深くかかわるんじゃないかという気がするものですからもっと続けて言うならば、一つはこの間できた教育大学、すなわち教員養成大学と言われたあそこに現職の者が修士の二カ年行くというのは、これは完全に二年間大学へ通わせ得る有給休暇であります。これはこの放送大学によってこれからの既存の大学の変革をも求めるものだというのが一つの趣旨でありますから、そうなれば他の大学にも二年なり四年なり有給で行けるという制度は、単に教員だけでなくてその他にもなければならない。文部省が直接管理するところの教員だから必要であるけれどもその他は必要でないということにはならないのです。  それが有給でないにしても職場だけは保障されるのでありましょうが、休暇だけが保障される制度、これは有給ではありませんけれどもそういう制度、あるいはいま基準法で二十日間の有給休暇があるが、それに仮に教育有給休暇を十五日つけたとすれば、三十五日やったら夜間なり日曜日も含めてスクーリングを考えられるわけであります。そうすればこの放送大学においては大体やれるのじゃないかという気もするわけです。そういうことに絡んでILO百四十号の教育有給休暇に関する条約を批准することがどうなのかということを前に私は提起したわけです。  このことはいま局長に聞くのはちょっと酷なんですけれども、しかし、これに本気にかからなかったら成功しないだろうという気がするものですから、これは大臣がおらなければどうにもならぬけれども、局長の範囲内でお答えいただけましょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘のとおりに、放送大学の場合ももちろんそうでございますけれども、先日もお答え申し上げましたように、高等教育の構造をより柔軟なものにして生涯教育的な国民の要請にもこたえられるようにしていこうということを考える場合に、たとえば社会人の再入学ということについて大学が柔軟に対応するということを考えても、実際に入学をした人がそこでどうやって勉学を継続するのかということの裏づけがどうしても必要になるし、また、修士の課程に現在社会人がかなり入ってくるようになっておりまして、そのことについては大学側も積極的に対応しようとしているわけですが、これもいま御指摘のような新しい教育大学の場合、あるいは人事院が行っている修士の課程への公務員の派遣研修の場合、そういったものの場合はともかくとして、そうでない場合には現職のままでの勉学ということが非常にむずかしい問題になるわけでございます。  したがって、大学局としては、いまの先生の御指摘のような雇用の面あるいは有給休暇という面で、実質的にそういう国民の生涯学習なりあるいは大学の構造の柔軟化というものを実際に推進するために必要な手当てというものが非常に大事だという認識を持っております。このことについては労働大臣あるいは総務長官からも本会議の席上で積極的な御発言があるわけでございますが、文部省の方としては現在中央教育審議会でいわゆる生涯教育の問題が検討されております。もちろん今度答申が出てくるのは恐らくは中間的なものになって、さらに詰めた検討は次期の中教審で行われることになるのであろうと私は思っておりますけれども、その場合にどうしてもこの問題というのは一つの大事なテーマになってほしいと大学局は考えているわけでございます。  そういう場を通じて有給教育休暇の制度の実現というものができるだけ現実の課題として具体的に各省間で議論が行われるように大学当局としては努力をしたい、私としてはそこまでしかちょっとお答えができないわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 中教審の生涯教育に関する中間報告の中にはその教育有給休暇というものが出てくる見通しですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 これは私の方の直接の所管ではございませんし、大臣官房の方で現在お世話をしながら中央教育審議会の方で御議論になっているわけで、今回取りまとめられるものの中にそれが入ってくるかどうかについてはまだ定かでないと思います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 だれかわかりませんか。

古村澄一文部大臣官房総務課長

○古村説明員 担当は官房審議官でございますが、ちょっときょう参っておりません。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 いまの中教審の方は別としまして、これを進めようとすれば本当に各省との関係がいろいろ出てきますね。そうすると、文部省は所管はどこになるのですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 やはり大学局とそれから大臣官房とが協力をして進めていくということになろうと思います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 これはある意味では社会教育という要素もあるわけよね。学校に限定するのか。それがここで言うこの大学というのは生涯教育なり大学教育なりというものにみんな絡むということと同じように、この有給休暇もまた何も大学だけじゃないわけですね。ですからきっと官房なんだろうと思うのですが、しかし、その官房がそれでは具体的にどうやっていくのか。  たとえばいま局長が本会議で労働大臣が答えたと言われたが、ところが、ILOの百四十号条約の批准についても、それは条文の中に問題点があるからということなんです。しかし、それじゃどこに問題があるかというと明らかでないのです。明らかにしておらないのです。これは委員会でもって労働省が来たときにも同じことしか言わなかった。それが中心のテーマではないし、限られた時間の質問になりますから私はそれ以上深入りしなかったけれども、なかんずく労働組合の労働組合員の教育というものもその中の一項に入っているところに労働省が割り切らないところがあるのだというふうに私は聞いております。しかし、そのことにこだわって教育有給休暇というものを批准せず——批准するのがすべてではありませんけれども、教員養成大学と言われるあの大学の二年間などは教育休暇ですから批准しなくたってできるのでありますけれども、あるいはそういう法律がなくたって、本来ならば民間なら民間は団体交渉でもって何がしかの日は教育有給休暇だと取ることもあり得ますね。  しかし、いずれにしても労働者の教育があるからということでこのことができず、そしてそのために放送大学が、自主的に受け入れる側の方が受け入れ得ない、学生たり得ない、スクーリングができない、そのためにやめねばならないということになってしまうのではどうもならない。その辺はもう少し高度な立場から考えなければならないことなんだろうと思うのです。それは大変申しわけありませんが、自民党さんからすると労働組合の労働者教育に金まで出して冗談じゃないというお気持ちが——近藤さんが首を振っていらっしゃるからそうではないのだと思いますけれども、たとえばそういうものがそういう中にあるとしても、そういうものでもってこの問題を解決してしまっていいものではないと思うのです。しかし、これは後に大臣が来られたときに大臣にもうちょっとめり張りのある御答弁をいただくことにします。  そこで、同じ休暇ですけれども、ここに来る大学の先生方について、私はこの間も質問いたしましたけれども、この間も、完成時の十七年という中には国公立の大学からどれだけ御協力いただけるかということが非常に大きなテーマだと局長はあっしゃいました。これは嶋崎先生の御質問にもあったが、放送教育開発センターに昨年五名の教授の予算をとっていながら、まだ一名しか入っていらっしゃらない。そのことがまさにこの大学の、どれだけの協力が得られるかということの、逆に言うならばどれだけ先生方が来てくれるのかということの、局長の悩みの一端であるのかもしれないという気もするのです。まあ、その説明はなかったですけれどもね。  そこで、任期は大体五年とお考えだというお話がございましたが、たとえば五年なら五年のうちの一年間はその先生方に研究の休暇を与えるとか、五年のうちの二年間は休暇を与えるというなら、いまの大学の制度がないだけに、それじゃそれは外国へ行くなら外国へ行っていらっしゃいという、何かそういうものがないと教授が来ないのじゃないか。来ないことを目的に言うのじゃありませんが、教授が何年間に一年間ぐらいの研究の休暇があることが望ましい。それはすべての大学にそうだが、しかし、新しいこの放送大学から既存の大学へのあり方というものに波及をさせようとするならば、この放送大学の中でもってそういうものをつくっていき、そのことによって国公私立の大学の先生方の御協力をいただく一つの手だてにする。そしてそのことが他のすべての大学の教授の中に波及されるというのはいかがなものでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 率直に申し上げて、他の国の大学において見られるような、いわゆるサバティカルイヤーというような形でいま御指摘のような要請に直ちにこたえることができるかどうかについてはかなり慎重な検討は要すると思うのです。  しかし、これもすでにお答えを申し上げておりますように、この大学の場合には教官の仕事の態様というものが他の大学とかなり違い、ある一定の期間は、番組をつくるための放送教材の作成なりあるいは印刷教材の作成なり、そういった主として教育に大きくウエートのかかった仕事に集中的に従事をしなければならない期間というものがどうしても出てくると思うのです。ですから、そういう状況のもとで教官の研究ということを考える場合には、放送を利用した大学教育というものがどのようなものであるべきかという点についての、それぞれの教官の御協力のもとにおけるこの大学での研究の推進ということはもちろんありますけれども、それとともに個々の教官が自分の専門分野についての御研究をさらに深めるというための配慮が要るわけなんで、その点については、やはり、教育に非常にウエートを置いて勤務をする期間というものと、その期間の経過後に今度は研究にウエートを置いて大学の仕事をなさるという、そういう態様というものがこの大学では当然考えられるだろうと思うのです。  しかし、そのことは必ずしも休暇と考える必要はないわけで、大学の先生方のお仕事の進め方についての大学の二夫ということでかなりのことはできるだろうと私は思うわけでございまして、それがこれまでも、サバティカルイヤーそのものではないけれども、いわばサバティカル的な研究面での対応というものが可能であろうし、またそれは望ましいことであるというお答えをしてきた趣旨でございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 したがって、その任期が五年であるか六年であるかということを含めまして、任期がいいか悪いかということは別なんですよ。この法律は「任期」ということをうたっておりますから、それを大体五年と考えているとおっしゃいますから、それを含めて五年であるか六年であるかは別としても、局長がおっしゃるように運用でもってやっていける余地があるとするならば、そういうものが御協力いただく前提として十分にあるんですということが先生方にわかっておれば御協力いただける余地が非常に強くなってくるのじゃないか。それは言うならば研究者の生命みたいなものですから、そのことを抜きにしてはなかなか来れぬのじゃないでしょうか。  たとえば九州大学の教育学部長が来て五年たったから帰ると言ったときに、その場合にちゃんと別の人でポストが埋まっているといえば帰れませんね。しかし、それにも増してなお研究者というのは何か魅力がなければ来れませんね。そういう中の一つだと私は思うのですけれども、これは私立の場合だって同じだろうと思うのです。  そういうことではきょう結論の出る問題ではございませんけれども、慎重かつ有効な運用の御配慮をぜひお願いしたいという気がします。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 私も先般この委員会で最初に御質問申し上げたときにこのサバティカルイヤーの問題も取り上げさせていただいたのですが、いま木島先生がおっしゃったことと全く同感なんです。  特に、この放送大学に御協力をいただく先生方の場合には、研究の時間や研究の場所、研究の機会等について既設の大学に比較してより恵まれるということはなかなかむずかしいのではないか。むしろ研究より教育という大学ですから、そういうことが十分予測されるわけでありますから、いま木島先生も最後におっしゃったように、事前にそういうことが十分補われていく、または保障されていく、このことをかなり明確にしておいていただくということがこの大学を成功させることにかなり大きなポイントになるのじゃないかというふうに私も痛感して、この前もお尋ねをし、そのときに局長は、大学で企画をしていただければそれに対応して文部省としても考えていく用意はあるんだという、前向きではあるけれどもまだかなり抽象的な御答弁であったわけです。  それ以上のお答えはできないのかもしれませんけれども、ただいまの木島先生の御指摘と全く同感の気持ちでありますし、より一層前向きに御検討をいただきたいなと思うのです。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 国家公務員の教授が公務員をやめて放送大学に入る、そして五年間の任期でここにいてまた大学に帰る、そういうことが予想されますね。まず、公務員をやめて五年間というのは昇給その他はみんなとまってしまいますね。一度退職したことになりますね。退職をしてこのセンターの教授になっていて、国立へ行くとまた新たに公務員として就職することになりますね。そうですね。  現在の国立大学の教授たちは、研究教育という研究が非常に一面重視されて研究生活をやっていますね。そうしますと、公務員をやめてしまって身分がなくなって、五年間の任期で、その間は研究というものが——ちょっとこれは先に質問をしておきますが、ここには研究所はありませんけれども、この放送大学は開発センターというのは共同利用研究所ですから、独自の研究所を持つための予算要求があって、将来研究所みたいなものができる可能性というものを想定してますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 現在の構想の中には、放送大学が近い将来に独自の研究所を持つという構想はございません。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしますと、国家公務員である教授、助教授が仮にやめて、そして五年間ここに来ていたら放送大学の教育に大半がとられてしまって、独自に研究していく余裕ないしは研究者としての生活が普通の大学の人から見るとスポイルされるということが考えられます。  そういう際に、国立大学というところは大変にむずかしいところで、一遍退職して放送センターに行って、ここが研究という問題に重点のかからない大学であった場合に、業績その他が五年間の間にどんなものが出るかということは大変重要になってきますから、国立に帰るときないしは大学に帰ろうとするときに、いまの大学の保守性だと、出てしまうと非常に入りにくい。  国立からここに行って私立には比較的行きやすいけれども、国立からここに出て国立に帰るということは、およそいまの大学の実情だと、理屈の上ではできるはずだけれども、実際には大学そのものにそういう人事の交流というようなものが自由に行われていない。ある意味では閉ざされた構造を持っていますから、センターに出入りするということは非常に国立に帰りにくい条件をつくるのではないかと思いますが、どうですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 その点は飯島参考人も述べておられたところだと思うのです。ですから、任期制のもとに国公私立の大学との間の適切なローテーションを組んで、そして常に清新なしかもレベルの高い教育内容を提供していきたいという願いを実現することを考えて任期制というものを考えているわけですが、それが有効に機能するためには、その趣旨について既設の大学の十分な御理解を得、御協力を得られる体制をとっておくということが実質的にどうしても大事な課題になるだろうということは、それは私もそのように思います。  そのことと、それからもう一つは、いまの先生の御指摘のように既設の大学の教官が放送大学においでになった場合の放送大学における研究は、これはそれぞれの教官による放送教育開発センター等との連携のもとに、放送を利用した大学教育というものをどのようにこれから発展させていくかという面でのこの大学の研究ということもあるわけでございますけれども、個々の教官の専門領域における研究というものをさらに進める手だてを考えておく必要があるということだと思います。  そのためにいま御指摘のようなサバティカル的な発想を入れた研究に対する取り組みというものが考えられるでございましょうし、あるいはたとえば具体的には在外研究員というような、いま国立の大学について進められているような仕組みも放送大学の場合には積極的に考えていくというような工夫が当然要る、また、それは何とか大学側、学園側の御計画にわれわれも協力をしてそれを実現できるように努力をしなければいかぬ、と、そのように思っているわけでございます。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしますと、前段の各大学の協力を得なければならぬというのはたてまえだけれども、実質的な協力は非常にむずかしいというのがいまの日本の大学をめぐるカルチュアだと思うのです。  そうしたときに集まる教授層は、客員教授ではかなりの人が来ても、専任で集めるスタッフというものの可能性はもちろんあるけれども、その人は恐らく教育工学的なこととか、それからマスメディアによる教育だとか、そういうことを専門領域として考えている人たちはわりあい集まりいいけれども、既存の大学で講座を持って研究、教育を一体にしているスタッフはある意味では非協力になる可能性もはらんでいるのではないかと思うが、どうですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 確かに、その専任の場合と客員の場合とはかなり対応が違います。  客員でおいでをいただくことについては、放送大学の体制が整えばこれはかなり御協力を期待できると思いますが、問題は専任の教員の確保ということで、その専任の教員の場合に一番むずかしいのは、中堅ないしは若手の先生方をどうやって確保できるかというところになるのだろうと思うのです。すでに国立大学で定年に達しようとするような方々は放送大学にお迎えすることがわりあい容易だとは申しませんけれども、わりあいそれは考えられるでしょうし、そういう意味では、放送大学の教官の定年というのは普通の国立大学の定年よりははるかに高いものを考えていっていいんだろうと思うのですけれども、教員の構成として、そういういわゆる高年齢の方だけが教員構成の姿として出てくるということは全体の姿としては望ましいことではないから、そこで中堅あるいは若手の教官をどのようにして確保するかということが非常にむずかしい課題になるわけで、そのためには、困難なことであっても、放送大学を構成する教授陣が既設の大学との間に十分な協議をすることによってローテーションのシステムをつくること以外にないんだろうと思うのです。  たとえば新しく技術科学大学をつくるような場合でも、われわれは少なくとも大学側に対しては、教官が固定的にずっとそこでお勤めになるということだけを考えないで、大学の創設に協力をしていただいた大学との間のローテーションというものが行われるような、そういう人事の交流を大学の運用の問題として考えてほしいということをかねて申し上げているわけだし、そのことについては、新しい大学の場合には、教官の組織を構成する段階から大学の創設に当たった方々はやはり配慮をしておられると私は思うのです。  だから、もちろん全体としてはわが国の大学の人事の体制というものはなお閉鎖的ではあるけれども、しかし、こういう試みを実現していくことについて絶望的になるほど閉鎖的ではない。可能性はあると私は思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしますと、そこの専任の教授で想定されるのは、年配の人よりも若手の研究者に力点があるわけですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 若手に重点があるとか力点があるということではないのです。  最も現実的に考えれば、一番最初に放送大学の教授陣の主力になってこられる方々は、定年をお迎えになっている方あるいは定年に近い方といったベテランの方々がむしろ中核になって、そしてそれだけでは教員構成のあり方として不十分であるから、どうやって若手、中堅を確保するかということを考えていく、そういうお運びになるのだろうと私は思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうすると、そのスタッフは、実際にテレビに出て講義をする可能性を持った教授スタッフという可能性が出てくるわけですね。  最初一定程度、まあ任期五年を想定して、定年前ないしは定年になってそれぞれの研究科目について一定の権威を持っている人という人を仮に想定されるとすれば、その人自身が、まあコースチームで議論されるのでしょうけれども、テレビに出て講義をするという、そういう可能性が含まれているということが想定されているわけですね。そうですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 それは御指摘のとおりだと思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしますと、ここの場合にはコースチームは客員教授を含めてかなり議論になると思いますが、教授会はその教授たちと客員教授と両方で構成されることが想定されますが、これは評議会で決めるのですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 この大学の教授会がどういう運営のされ方をするかということはまさにこの大学がお考えになることではございますけれども、コースチームの場合には当然のことですけれども、いわゆる教授会の場合でも客員教授は入ってくるのだと私は思うのです。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしますと、客員教授を含めての教授会と、それから専任教授を軸にしている大学の教授会と、ある意味で二重の構造を持ちますね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 重ねてのお答えで恐縮ですけれども、この大学の教授会というか教官会議をどういうふうに動かしていくかということはこれから大学が工夫をされることだと思いますけれども、それは教育内容に応じてコース別あるいは専攻別に客員教授等も入れての議論の場と、それから専任の先生方で御議論をなさる場と、あるいは専任の先生方といっても学習センターの教官がいるわけですから、その学習センターの教官との関係をどのように教官会議の中で考えていくかというようなこともあるわけだし、通常の大学とはかなり変わった教授会の運営についての工夫というものが必要になるだろうと思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 しかし、法律では学校教育法で言う教授会というものは存在しなければならないのですね。機能はきわめて多様だと思うけれども、その教授会というのは、コースチームやそれから学習センターの教官なんかを含めての運営上の問題を議論するだけではなくて、大学における重要な事項を審議するために置かれる教授会ですね。そこにも一定の人事についての発議の条件というものは否定することは法律的にはできませんね。  そうしますと、たとえば某地域の学習センターの所長を選ぶというような事態が起きたときに、当然その人たちはコースチームのメンバーであり、ないしは学習センターと放映される科目との関連について日常的ないろいろな講義が必要になりますし、教科の編成をやっていく場合にも、実際のスクーリングをやる場合の打ち合わせにしてもいろいろなことがあろうと思うが、たとえばそういう人の問題で、所長を選ぶというような場合にどういう人を選ぶか。  各大学でここの地域ではどの人にしようかというような際に、教授会が事実上教育に関する重立った事情を片一方で審議して、それに関連する人事について教授会側の考える人事と評議会の考える人事との間に対立が起きることが想定されると思うが、起きないと思いますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 それは対立が起きないような運用を大学で工夫をされるということだと思います。  きわめて理論的に割り切って言えば、それは評議会が人事については基準を定め、かつ教授の任用については評議会の議に基づいて行うということになっているわけですから、評議会の議というものがこの事柄については優先をするということは法律上手当てはしてございますけれども、どのようにして最も適切な人材を学習センターの所長に選ぶかというような点の工夫というものは、まさに大学の中でその評議会の運用の問題として考えられていってしかるべきものだと思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 しかし、この放送大学は、教授会の構成の仕方もそれからまた教育内容や教育課程もいままでの大学とは違うという意味での特殊性はもちろんあると思うのです。しかし、評議会というものを上に起こした理由は、教授会と評議会がまず並行しているという前提ですね。そしてより評議会が優先していくという法のたてまえを運用上とっている。  ところが、既存の大学の場合の評議会というのは、一つの学部の上には評議会はないわけですね。一つの学部のときには評議会はない。二つ以上の学部の場合に評議会を設けるわけです。その評議会を設ける趣旨は、それぞれの学部の教授会が意見が対立しているような場合について、評議会がその調整的機能を果たしながら事実上は評議会の議に基づいて物事を決めていくという運営の仕方をやっているわけです。  ところが、ここの大学の場合には評議会の議に基づいてすべてが動く。これが基本ですが、そうしますと、一つの学部——ここは一つの学部ですね。学科は三コースありますけれども一つの学部で、本来既存の大学では想定されない評議会が大学の特殊性から生まれた。その限りでは評議会があることはぼくは別におかしいとは思いません。しかし、その場合の評議会の人事権その他について、任期の問題もありますから五年たったらやめてもらうというような話が必ず起きてくるわけですから、最初契約するときに五年契約になるかもしれない。そうしますと、評議会の議に基づいてその人事が運用されるという法のたてまえであるのが実際には教授会の中で細かな議論が行われて、評議会で仮に規則を決めるとしたって、教授会人事についての決定権というのは法のたてまえは評議会にあるわけですから、教授会の意見がよほど反映できる仕組みが運用として考えられていなければならぬことは当然でありますけれども、教授会と評議会との間にある意味では必ず対立が起きることがあるのが大学の特徴だと私は思うのです。  そのくらいあるのが、ないというのはむしろ教授会が教授会として機能していない場合が多いのです。過去の大学の例を見ますと、愛媛大学田川助教授事件を初めとして、評議会というものが調整機能として出ていても、教授会よりもより優先的な人事権の運用をやってしまうということのために幾つかの既存の大学で問題を起こしてきましたね。ここの教授会というのは学習センターの教官との有機的な関係も考えなければならない。客員教授と専任教授との間の有機的なことも考えなければならない。プロデューサーやディレクターなどのいわば放送関係を担当している職員で教官の資格を持つ人間が今後できてくると思うけれども、そういう人たちとの調整の問題も起きてくる。そういう意味でこの教授会というものは大変複雑な構造を持った教授会だと思うのです。ですから、評議会の規則で教授会の運営その他を決めることができるのかどうかということも法律的な一つの議論だろうと私は思うのです。  ということは、特殊な大学であっても学校教育法の体系の中の大学である以上は、その特殊性を生かした教授会というものはどうあるべきかということについて、評議会を法律事項として起こすと同時に教授会についても法律的に起こさなければならぬ側面があるのではないか。これはまだわかりませんよ。しかし、内容的に考えて形式はどうするのか、運用の問題なのか、学内規則で運用していくことになるのか、そこら辺の内容をどういう形式をとってあらわすかは別としても、既存の大学の教授会と評議会というようなものを想定して、ここに言葉は同じ教授会と評議会という言葉があっても、この放送大学の持っている特殊性からして、教授会の複雑な運営上の機能を一方で教授会として機能させなければならない。  ところが、この中には必ず人事の問題が起きてきます。必ず起きると思いますね。たとえば学習センターのところの所長をあるときに任命したとしても、その所長のもとで行われている学習センターのあり方について教授会で議論していくときに、他と比較してみたときに問題点が出てくるというようなことがあり得る。そうしますと新たな人事の刷新や更迭をしなければならぬということが起きてくることがあると思うのです。ところが評議会の方はいやこの人でいいのだというふうに考えて、教授会の方としては学習センターと放送大学の本部との間の関係をもう少し有機的にしようと思ったりするときには、この人よりもこういう人をというような話が出てきても、その人事をめぐって教授会と評議会との間に意見の相違というものが出てくることがあり得る。ぼくはこれは想定されると思うのです。  いまの大学の教授会と評議会というものは、ある意味では教授会というものが基礎にあるから教授会の調整機能でたまたま愛媛大学の田川助教授事件のような事件が起きているので——これはたまたまですが、大体においてその調整がうまくいっていると思うのだけれども、ここの大学の持っている教官の構成の特殊性からくる教授会の構成やその運用が評議会優先で、法律事項として起こして、あらゆる意味で人事権をすべてこちらに与えているというやり方でいいのかどうか。実際にやってみないとわからないということはあるかもしれないが、事前に考えておく必要がある問題がありはしないかと思うのです。教育公務員特例法の精神を生かすというふうに考えてみても、この法律をどう考えるかは別としても、教育公務員特例法や憲法や学校教育法で言われる学問の自由や大学というようなものをより大学自治に沿って運用していくように、教育公務員特例法というのは積極的意味を持ってつくられた法律だと思うのですね。そこで言う教授会と評議会というような考え方はこの大学がそのまま実施するにはストレートに持ってこれないですね。特殊的ですからね。  しかし、実際には一つの学部の上に評議会というものができて、その評議会がすべての人事権についてリーダーシップをとっているということでいいんだろうか。問題点がないだろうか。それは運用の問題で片づけられると、これはやはり立法府でいまこの法案審議に際して検討しておかなければならぬ問題だというふうに思うのですが、法の体系から言えばそれは全部運用問題ですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 いま御指摘のような非常に特殊な状況がこの大学の教授会あるいは教官会議と申しますか、それにはあるわけですから、それに対して大学の自治というものを法律の上で具体的に保障するための手だてとして評議会というものを設けることにしてございます。  したがって、この評議会というのは法律上の地位というものは単科の大学に置かれる場合の評議会とさらに異なったものになっているわけでございます。したがって、評議会の定員を考える場合にも、従来から申し上げておるように三コース六専攻というものが設けられるということを十分に考慮をして定員を決めているわけであり、そのことは三コース六専攻のそれぞれから、そこにおける教授陣の意向を代表するものが評議会の中に出てくるということを予想して、いわば前提として考えているわけでございます。  そのことは塩野参考人も御指摘になったように、評議会というものはこの大学の性質上置くことはそれで理解できるけれども、しかし、評議会を支える教授会あるいは教官会議といったものとの間の連絡というものが運用上十分に考慮されて、そして教授陣の意向がうまく反映されるような配慮をすることがどうしても必要だと思うという御指摘がまさにそういうことなんだと私は思うのですね。  そのことをそれでは法律上支えることができるような規定を設け得るかということになると、それはきわめて困難なことであり、やはり、学校教育法に言っている五十九条の規定というものを前提として、この大学における教官会議というものがどのように機能するのが最も適切であるかということを今後この大学が考えていく、それが一番いいんではないかと私は思っておるわけであります。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 いま山原さんが手を挙げたが、もう一言……。  教官会議と教授会は違うのですよ。教官会議は法律上の機関ではありません。学校教育法で言っているのは教官会議を言っているのではなくて、教授会を言っているのです。だから、教員が集まって委員会をやったりするのは教授会ではありません。ここの大学はそういう意味で教育会議的な性格の運用が事実上教授会の運用になる可能性は含んでいますけれども、法律的には少なくとも学校教育法で言う教授会というものを存置しなければなりませんし、その教授会の機能というものとここの法律事項として起こした評議会とがどう関係するかの問題は、いわば学校教育法の体系で言うと、二本立ての管理機関が併存しているというふうに考えなければならないと思うのです。  だから、これは二元的なんですから、どんなに評議会を優先していても、法律的にいう教授会と評議会は二つのものとして存在する限り、そこには調整か反映かそれから人事問題についての配慮か、そういう問題を法律的に考えておかなければならぬ。単なる教官会議の運用問題ではないと私は思います。そこが抜けていて、果たしてそういう運用で解決できるのだろうか。特殊性があることは認めるけれども、いわば二つの大学管理機関ができるわけですから、その機関の相互調整というのは、片一方の方は法律では何にもいじっていない。学校教育法で言っているだけなんです。そしてそれを当然の前提にしているけれども、新たに起こした評議会がその教授会に取ってかわるものとして機能すれば、二つ併存するという法律の体系と運用との間で必ず矛盾が起きるという点があり得る。だからこれでいいのかという議論をしているのですから、その辺をもう少し山原さんの議論を伺ってみたいと思うのです。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いまの嶋崎さんの御意見は非常に大事なところです。  教授会の問題については大学局長の答弁はかなりあいまいです。教官会議ということが必ずくっついて出てくる。この委員会のいままでの質問の中でも教官会議というのが出てきます。だから、五十九条に基づく教授会は当然存在するのだとおっしゃるけれども、大学局長のいまの一貫した答弁を聞いてみますと、いま嶋崎さんが指摘したような教官会議というのが出てくるわけで、この教官会議というのは一体何だろうか。この点ははっきりさせておかないと、この法案についての答弁の中で一番あいまいなのはそこだと思っているのです。  そこで、たとえばおととい出していただいたこの資料によりましても、「基本計画」の中には「教育課程の編成等」の中に教授会というのが出てくるのですね。「基本計画」の中には出てくるのですけれども、この「放送大学について」の場合にはそれが消えて、「専門領域の異なる優れた教員等のチームワークにより、組織的、総合的に行うものである。」というふうに教育課程の編成についてもこの基本計画と変化が出ておりまして、教授会というのは非常にぼやけているのですね。その点は教官会議というのは、たとえば義務教育の中における学年会とかそんなものだというと、法律的には何らないものですね。  単なる漠然たる会議というものではなくて、学校教育法の精神というのは教授会ということなんですから五十九条はそれを言っておるのだが、教授会はありますよ。また教育会議という言葉が必ず付随して出てくる。そこに今度の法律の一つの特徴があると思うのですが、その点も明確にできますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 学校教育法五十九条の規定によってこの大学に教授会が置かれるということについては疑いのないことであって、それはまさにそういうことだと思うのです。  私が教授会ということを申し上げるときに教官会議というような言葉をつけ加えてよく申し上げるのは、この大学の教授会の場合には、その教授会の構成員をどのように定めるかということは、これは学校教育法五十九条がまさに大学の判断によって「助教授その他の職員を加えることができる。」という規定を置いているわけでございますから、それをこの放送大学がどのように運用してこの大学の教授会を構成するかということはもちろん大学の判断の問題ではあるけれども、この大学の場合には非常にたくさんの客員教授が参加をし、さらに学習センターにも教授、助教授が置かれるというような形をとりますから、したがって、いわゆるこの大学における教授、助教授あるいは客員教授等の意向というものとこの大学の運営ということの関連を考える場合には、単純に教授会ということ一本ではなかなか考えられないものが出てくる。それは教授会の運用の問題として、教授会の中にさらにいろいろな事柄に応じてのそれを審議するための教官の会議が置かれるんだというように考えることもできると思いますけれども、いずれにしても、そこの運用はこの大学が工夫しなければならないし、それは単一の一つの教授会というものが全部をカバーするというような形ではなかなか動かないということが頭にあるものですから教官会議というようなことを申し上げているわけでございます。  しかし、事柄としては嶋崎先生がおっしゃるように、評議会と教授会との関係をどう考えていくかということに最終的には集約をされるということは、私もそのとおりだと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 御答弁を聞きましても、この大学は大学の判断に任すべきことがかなり多いわけですね。  それから、もう一つは、いまおっしゃったように客員教授の問題がありますし地域的な学習センターの問題があるから、そういう点では特殊な形態を持っていることはわかりますけれども、教授会の運営などについては、いままでの一つのキャンパスを持った大学とは違いますから、それはこれだけのいろいろな問題が出てくると思うのですけれども、それ自体は教授会の決めることであって、こういう困難な大学の運営の中で、では教授会としてはどういうふうに運営をしていくかということは、これはまさに教授会が決めていくべきことではないのか。五十九条の精神はまさにそのことを示しておると思うのですね。  だから、いま嶋崎さんがおっしゃっている評議会の問題にしましても、評議会をどういうふうに構成していくかということについても、教授会はいろいろ困難があると思いますけれども、やり方はどうでも出てくるわけですから、地域的に偏在しておるとか散在しておるとかいうことで、これを理由にしてはならぬと私は思うのです。教授会というものの権限というものをしっかり押さえて、その上に評議会がつくられる。そうするならば評議会は、いま文部省の法案に出ておりますように三コース六専攻六名とか十二名とか、あるいは学長、副学長が入るとかいうことになるかもしれませんけれども、それをあらかじめ法定して、しかもこの評議会は学長の申し出によって理事長が決定するという形態は法律によって法定するわけですから、そこが人事権を持ち人事の基準をつくるということになりますと、これは極端に言えば文部省当局の思想性というものがこの中に出てきておるというとらえ方になるわけですよ。いいですか。  客員教授がおる、それから地域的に偏在しているということはわかりますけれども、それならそれに応じた教授会の運営方法があるでしょう。それが最終的にこの法律に書かれておるような評議会をつくられるかどうかは別にして、それはまさに大学の自治に任された問題ではないのか。それの人事権を持つ評議会、しかも人数も決める、選出の形態も決めるということになりますと、いままでと全く異質の大学が生まれてくるということになるのではありませんか。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 それに関連して……。  学長は最初は任命でいきますね。大学は学長は全部選挙ですよ。どこの大学でもみんな学長は選挙ですよ。その選挙の有権者の構成メンバーをめぐって、おたくの文部省の方では専任教授でない者が議決をした場合は認めぬといっていままで発令しなかったケースがいっぱいありますね。助手が参加していてはいかぬとか、それから教授会以外のメンバーによって最終的決定をしたときには発令していませんね。最後は必ず教授会の議決でなければ発令してもらえない。  だから、想定されることは、いままで人事に際して大学側がみんな選挙でやってきているというような問題が評議会と教授会構成メンバーとの間でどんな関係になってあらわれるだろうかということ、これがいままでの大学だと非常にすかっといくわけですよ。各学部があって、学長選挙みたいなものの規定はフォーマルな形がありますからそれを基礎にしてつくられるけれども、今度評議会を軸にしていったときには学長は評議会で選ぶのですか。最初は別として、大学の将来の管理運営としては教授会のメンバーを含めて選ぶのですか。いままでの大学と同じですね。  それは大学の判断ですけれども、大学の判断というのはみんな民主的に選んでいるのです。学部長でもみんな選挙で選んでいるのですからね。そういう運営になりますね。でなければ法律で起こしている評議会の意味がはっきりしない。これはどういう意味なのか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 この大学の教授会というのが普通の大学の場合と態様を非常に異にするということはこれまでも繰り返して申し上げてきたところでございますし、そのことはすでに御理解を十分いただいていることだと思うのです。  ですから、そういうものを前提とした上で、この大学における自治というものを保障する態様をどのように考えるかということから評議会というものを法定するということが最も適切だという判断をとっているわけでございます。評議会と教授会との間をどのように調整をしていくかということは、それはこの大学がみずからの問題として考えるということだと思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 だけれども、法律的には学校教育法を前提にしている大学ですから、これは教授会があるのです。こっちは評議会は法律で起こしているから目立っているだけで、教授会と評議会は上下の関係はないのです。学校教育法で言う大学管理機関の基礎は教授会で、重要な事項を審議するのは教授会ですね。人事権もみんなそこを基礎にしているわけです。それがあって、法律で言う教授会があることを前提にしているのですから、それに評議会という新たな法律事項を起こしたわけです。だから、大学の管理機関としては、この大学はある意味では二元的構造を持っているわけです。だから、これが上下の関係はないわけです。  いままでの評議会は調整的機能ですから、教授会を基礎にしていて、調整した結果が教授会の決定と一体の場合もあれば、違った場合にもう一遍教授会に返してきて評議会でやるわけです。それで最後は調整するわけですから、いままでは一つの大学管理機関が軸になって、幾つかの学部においては評議会というもので調整してきておるわけです。だから、学校教育法で言う大学であって、そしてここで言う教授会というものがあるとすれば、法律で起こした以上は二つのものが出てくるわけです。二つが起きたということは、今度の法律で「評議会」と書いてあるから教授会はたてまえとしては軽視されていいということはないのです。そうでないと人事問題で大問題が起きるから学校教育法では教授会というものを重視したわけでしょう。  その教授会の構成については、かなり多様な自由な運営ができますね。ところが、二つの機関が存在しているときに、しかもこっちの方の教授会の構成メンバーは、教授会の議決をするときは専任教授が中心になってまず物事を決めるわけです。間違いないでしょう。そのときに客員教授を入れるかどうかは教授会で決まるわけです。プロデューサーを入れるかどうかは教授会で決まるわけです。教授会の運営に際して今度は客員教授が参加すれば、それは正規の教授会ですからたしか人事は議論できませんね。専任教授じゃないですからね。人事はあくまで専任教授でやらなければならない。そうするとこれは教官会議じゃないですから、これは一定の人事権を持ったものとしてこの教授会が一方にあるわけです。  そのときに、この法律は恐らく評議会の方が学長に提出する議に基づいてここで決めるんだから、評議会にすべての力点がかかっている。しかし、教授会というものは人事権がないということじゃないのですから、そうすると学校教育法や教育公務員特例法の四条に基づくところの人事に関連して、わざわざ読みかえでもって当分の間はいろいろ規定してあるわけですね。教授会というものは、そこで人事をやっていく際に、その人事上の問題が幾つかあるから、わざわざ読みかえで管理機関というものを当分の間置いたわけですね。  ところが、今度の評議会というのは法律事項として上に起こしたわけですから、学校教育法で言う教授会と評議会というものが二元的に存在をしているということになれば、その調整並びに協議というものを法律的に起こしておかなかったらこれは大学ではないですね。いままでの大学とは違う。なぜかというと、それは単に形式的な法理論でいくと、法律を理屈で言っているのじゃなくて、必ず人事問題においてそういう問題が起きてくると想定されるからです。任期制で五年でやめなければならぬという問題が片っ方にあるとすれば、まだ居座りたいという人がいるかもしれない。また、同時に、そのときの教授会側の意向としてはこの人をまだ置きたいということが出てくるかもしれない。そのときに評議会の方は、いやそうではないのだ、ここの決定に従わなければならないということになると、そのときに教授会と評議会というものはどんな関係があるかという問題が必ず起きるとぼくは思う。  それだけに、おっしゃるように運営の問題で処理できる問題じゃなくて、立法府としては、この大学をつくるに当たって、学校教育法の体系の大学ならその関係の調整はどうあるべきかということを何かでうたっておく必要がないのかどうか。それは評議会規則で運営できるようなものではなく、それは法律違反だとぼくは思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 大学局長、いまお話が出ていますように、これはこの法律の一つの特徴と言えば特徴、欠陥と言えば欠陥だろうと私は思うのですけれども、局長が一貫して答弁されておるのは、何といっても五十九条が適用される大学ですからね。だから教授会は存在をする。その教授会は大学の重要事項に関して決定をしていくということですね。そうしたら今度もそうでしょう。評議会もそうですね。  評議会がちょっと違うのは、学長の諮問に応じて大学の重要事項を審議するということになっていますね。でも、その中では人事権というのは法律でちゃんと書いてあるわけです。しかも、その評議会というのはどこを基盤にして出てくるかというと、これは法律で決まっておるわけで、三コース、六専攻から出てくる。  私はちょっと聞きたいのですけれども、評議会の中に学習センターはどうするのかと聞いたら、たしか、局長は、学習センターからも一名か何かは評議会に入れるというような御答弁がなかったですかね。ちょっとこれは記憶が薄れていますけれども、いずれにしても二つの権能を持ったものが別個に存在しているというかっこうになるわけですよ。私はそんな法律はないと思うのですね。教授会は人事の基準を決めるし、教授会は人事に関して、五十九条によれば、大学の重要事項としてやる権能を持っているわけで、しかもそれは存在するとおっしゃっているわけですね。五十九条は適用されますと言っている。また別に評議会というものがあって、これは学長の諮問に応じて大学の重要事項を審議していく。こういうふうになってきますと、この法律はかなりそこのところを緻密に検討しておかないと、ここはいま話が出ておるように法律の審議をするところですけれども、運営の問題を考えてみますと必ず問題が出てくる。  だから、特殊性はわかりますけれども、教授会の運営その他は特殊性に応じて教授会が決めることですけれども、そこらの問題については法律上欠陥のあるものを出してはならぬと私は思うのです。そこらをやはりはっきりさせておく必要があるということが一つです。  もう一つは、この大学は学長を文部大臣が任命することになっている。まさに言うならば国立大学に準ずる大学であるということは明白なんです。ところが、教育公務員特例法は適用しない。国立大学に準ずる大学でありながら教特法が適用されないということも一つの疑問だと私は思っているところです。  たとえば教特法に準じて行うとかというようなことがあればまた別ですけれども、それはないのですね。ないけれども、この五十九条の教授会への適用というのはあるわけですから、言うならばこの法律には二つの権能を持ったものが法律的に存在する。この点ははっきりさせておく必要があると思います。特殊性があるからといって、法律的にそれを決めるということはやはり問題ですからね。その点はいかがですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 五十九条によって重要な事項を審議する教授会がこの大学に置かれるということは御指摘のとおりでございます。  この大学については、法律で特に規定を設けて評議会というものを置き、そしてその評議会に法律上属せしめられた権限として人事に関する基準を定め、そして教官の人事については評議会の議に基づくということを特に書き込んでありますから、人事に関する事項ということは評議会の所掌するところであり、このことについては評議会の判断というものが優先をする、そういうことになっておるわけです。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 では、五十九条は生きていないということになるじゃないですか。五十九条は大学の重要な事項について審議する教授会でしょう。教授会は人事の基準というものをつくっていくこともできるわけですね。でも、いまおっしゃったように、最後のところになると法律でこれは決めているんだから評議会が優先するんだ、そして一方では五十九条は生きていますよ、と、こういう言い方は大きな矛盾ですよ。  では、教授会が人事基準を設けて、評議会がまた設けた場合は、これは競合するわけでしょう。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 教授会というものが五十九条によって設けられるということは当然でございますけれども、現在国立大学について教授会が人事に関して行っている権限というのは、それは法律的には教育公務員特例法の規定によって教授会に付与された権限であるわけでございます。  もちろん、この大学の教授会が実際に評議会にそれぞれのコースなり専攻分野における教員の人事について物を言う、そういう意味で教授会が人事に関する事項を審議するということは予定をされることではございますけれども、しかし、それは法律上教授会が人事の権限を持ち、さらに評議会も人事の権限を持っているというような関係にあるわけではないのです。  法律上のこの大学における人事の権限というのは、それは評議会に法律上付与しているということ、それはなぜそういうことをするかと言えば、この大学におけるいわゆる教授会の法制というものが、それは大学の判断するところであろうけれども、非常に多様になるであろうから、よってこの大学の自治というものを担保するためには評議会というものを考え、そしてその評議会に人事権というものを位置づけるというのが最も適切であるという判断をしているからであります。  もともとこの大学というのは公務員法の適用のある大学ではないわけですから、したがって教育公務員特例法の規定が適用されるべきはずのものでもない。しかし、一方で大学の自治ということを考える場合に、教員の自主的な人事というものがきわめて重要な問題であるということは御指摘のとおりでございますから、したがってこの大学のまさに機関として評議会というものを設けて、それに人事の基準を決め人事を行うという権限を付与している、そういうことでございます。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 この法律の解釈としては局長の言っているとおりなんですよ。あなた方が出している法律の解釈はそのとおりですが、しかし、学校教育法で言っている大学における重要なことを審議するための公的な機関として教授会というものが存在していて、それで人事を仮に評議会自身におっしゃるように移したとしましょう。今度の法律で起こしてあるんだから、人事の基準も決定も評議会だ、それを仮に認めるというふうにしましても、大学の管理権は二つあるわけですよ。法律的には二つある。それで、上にその権限は集中したということはわかりますよ。  しかし、集中したらそれでいいというのが学校教育法の大学ではないんじゃないですかと言っているのですよ。つまり、教授会というものは法的には存在しているのですから、二つの二元的な大学の管理機関が存在すれば、こっちに集中するならば、もう一つ法律で当然前提にされている教授会の意向が評議会に人事その他基準についてどう反映するかという問題は、二つ機関があるのですから、これは運用の問題として処理すべきことではない。法的に片一方に集中しただけですよ。しかし、全部賛成ではないけれども、それは特殊性があるから考え方として集中したということは認めますよ。だから塩野教授だって、ここの大学の教授会と評議会との間にどのような関係があるか、その反映についての問題を考慮しておく必要があるということを参考人としてはっきりおっしゃっている。  だから、局長の言っている意味を否定する意味ではないが、局長の解釈しているように、この放送大学というのは特殊だから、人事の基準も人事も全部評議会がやるのですよ、教授会の意見が反映しない場合だったってこっちが優先するのですよというふうに、もし学校教育法の教授会の権限というものを事実上否定してしまうような論理を立てたら、それは大学じゃないですね。それは学校教育法で言う大学じゃないです。少なくとも二元的管理、二つの管理機関というものが存在している上に立ってどう調整をし——いままでの評議会だって、文部省の解釈は法律の上では評議会が優先すると解釈するのですよ。しかし、大学自治の伝統を持ったところは違うのです。そうじゃないのです。教授会で決めて調整してみて、調整がつかなかったときはもう一遍教授会に返すのです。そしてまた調整するのですよ。  だから、ここの大学は特殊性があるから評議会に集中するということの意図と、現実に存在する教授会というものが人事権やその他について何の発言権も反映権も与えられないものとして位置づけてしまったら、これはおかしいじゃないですか。それはあるがどう調整するかという問題が残りますというなら別ですけれどもね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 その点は先ほど申し上げましたように、教授会の意向というものをどのように評議会に適切に反映をさせていくかという運用についてのこの大学の工夫の問題だと私は申し上げているわけです。  ですから、評議会が人事の基準を定め、そして教官の人事あるいは学長の人事については評議会の議に基づくということを法律で決めているということが、直ちに教授会ではおよそ人事に関する事項を議論できないのだということではもちろんない。そのことは当然のことですけれども、しかし、それは法律上与えられた権限として教授会が人事権を持っているということではないわけであります。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 いや、持っていたっていいのです。そういう法律にしてもいいのです。評議会が調整機能であって、教授会が生きている法律にしたっておかしくないですよ。しかし、いま出てきている法案がそっちに上げたというだけの話ですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 ですから、教授会と評議会との間をどのように調整していくかということについて、教官側の意見というものが評議会において代表されるような運用というものをこの大学がどのように考えていくかということであって、それは法律で両者の関係を定めるというようなことではないだろうとさっきから申し上げているわけであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これは大変重要なところで論議しているわけですが、それは法律で定めるという法律上の作成の仕方とか法律技術の問題は別にしまして、問題があることは局長もよくおわかりだと思います。  それから、これは法律の問題として矛盾があるといま私が言ったのですが、その矛盾が出てくる評議会の人事権の問題、評議会の法定の問題ということの理由に、この大学が非常に特殊な形態を持った大学だということ、客員教授がおるということでありますけれども、それだけの理由では薄弱だと私は思っているのです。  局長がそれほど大学の自治ということをおっしゃるならば、この評議会につきましても、評議会をつくることについてはこの大学の特殊性から言って私どもも否定はしませんが、しかし、その評議会のたとえば構成の仕方とかあるいは運営とかいうようなことは大学自治の問題として残しておくべきことではないのかということを考えるわけですね。それが一つでございます。  それから、もう一つは、仮に法律を抜きにして運営の面を考えましても、たとえばきのう七十一年度までに全国的なネットをつくるとおっしゃっているわけですが、たとえば十二名という評議会あるいは六名という評議会ですね。それに学長、副学長が加わる。この法律が一遍動き始めますと、全国ネットのことを考えなくても、たとえば東京タワーを中心にした今度の第一期計画を見ましても、六つの学習センターが存在するわけです。その学習センターが一番学生にも接触をしますし、学生の意見もそこへ一番反映される。しかもそこには教授一、計六名いるわけですね。助教授四、計二十四名おるわけです。それからまた三十名の非常勤ということになると、東京タワーを中心にしても約二百名近い者が関係をしているわけですね。  そういうことを考えますと、しかも一番接触する学習センターの問題から見ましても、運営の面から見ても、こういう評議会の法定の仕方が今後の放送大学の運営の面から見ましても適切であるかどうかという問題はあると思うのです。私は必ずしも適切ではないと思う。むしろだんだん広がり、複雑になってくればくるほど、評議会そのものが法律で決められているのだからということで、いわば非民主的な専断的なことをやり得る可能性をこの法律は持っているわけです。だから、くしくもいま局長がおっしゃっているように、教授会は存在をするのだけれども人事については評議会が優先します、これが法律の趣旨ですということになってくると、学習センターや、しかもたくさんの各大学の教授の協力体制の中でその意見が反映できなくて、評議会が一人立ちをしていく可能性があるわけです。その点は当然ここでは十分論議をしておかなくてはならない問題だと私は思っているわけです。  局長のおっしゃる解釈はわかりますよ。それはわかりますけれども、そういう可能性を持っているのじゃないですかね。それは大学の自治の観点からコントロールを加える必要があるのじゃないかと私は思うのですが……。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 途中から切ってちょっと恐縮なんですけれども、評議会と教授会の関係がいま法的にも議論されていると思うのですけれども、だから、評議会というのは、キャンパスなき大学であるからそこは苦心されたところだと思いますよ。けれども、教授会との関係ですから、評議会を教授会の執行部、代議機関というようにすればそこの調整はとれませんか。  教授会は、キャンパスがないんだから、そこから選ばれた——選び方その他は大学の自治です。その評議会ですよ。その評議会を法定するかどうかはまた議論がありましょうけれども、その評議会を教授会の執行機関、代議機関とすればその二つは調和する。教授会があって、しかしキャンパスがなくて常に教授会を開かれないという要素もありますから、そういう方法はないのですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 評議会の構成というのは、法律では定員を決めているだけでございますから、そこにどういう人たちが大学によって構成員として位置づけられるかということは、それはまさに山原先生がおっしゃるように大学の自治の問題であり、ただわれわれが立法するときの気持ちとしては、三コース、六専攻ということを前提にして六とか十二というものを考えているということでございます。  そして学習センターの側の教授が評議会の中に入ってくるかどうかということは、これは大学が決めることであるが、ただ、私たちは、学習センターの教授を代表するような方が評議会に入ってくるということはあり得ることであるし、望ましいことであるということはさっきとこの間もお答えしたわけであります。  それから、いまの代議員会の問題はいみじくも塩野先生がおっしゃったことであって、塩野先生は評議会というのは教授会の代議員会であるというふうに実質的に見た方がむしろよろしいのではないかと思いますということをおっしゃっております。  代議員会という言葉を使うことはまたもう一つ語弊があるかもしれませんけれども、そういう教授会の意向を反映し代表をする、そういうものとして評議会というものが考えられ運用されていく、それはこの法律で評議会を置いている場合においても当然教授会との間の調整というものを考えなければならないわけですから、そういう意味では私はそうだと思うのです。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 しかし、先ほどの議論では、法的には五十九条によって教授会は重要な事項を決めるわけです。しかし、人事なら人事では評議会の方が上だ、教授会もあるけれども評議会もある、しかし評議会は上なんだと、そこにいまの議論の焦点があるわけでしょう。したがって完全な代議機関にしてしまえば、評議会の決定はすなわち教授会の決定である。しかし評議会を置かれる。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 いまの木島さんのお話は具体的に言うとこういうことになると思うのです。  大学でも人事を握っているのは、教授会構成メンバー全体で議決しているのではないということでしょう。既存の大学の人事を決めるときに、教授会参加メンバーが教授の基準やそれから任命について同じスタッフでもって決定をしているということになりますか。そうじゃないでしょう。御存じですか。  具体的に言うとこういうことです。国立大学も同じことだが、専任教授がいますね。客員教授がいますね。教授会は客員教授でも構成できます。ところが、人事の基準その他についてこの教授会で審議はする。審議はするが決定はどこでやるのか。教授会で決定します。その教授会は客員教授その他が入っていないところで決定するわけです。しかし、その教授会決定というのは、多くの教授の教課の課程や教育の内容や研究教育を考えてみて、教授会構成メンバーの多くの意見を討議して決定は教授会で行うのです。助手が参加していてもいいし、文部教官でも助教授でも、もちろん講師でもいいし、ときには客員教授が参加してもいい。しかし、決定は教授会で行う。こういう運用を現実にしています。  そのことと同じように、この放送大学においても、法律の上では学校教育法上の正規の大学管理機関として教授会がある。そうするとこの教授会がどのような構成メンバーでやるかについては、これは教授会で決めることができる。そこで学習センターのあり方、コースチームのつくり方、どんな先生がいいかというようなことが一番わかるのはその教授会なんです。評議会ではありません。評議会は各コース代表みたいな形で構成されますから、自分のコース以外のところの人事について、極端なことを言えば下から上がってくるものに盲判を押さざるを得ないような形の評議会の議決だと思います。運用上は、ね。局長が法律の上で起こしていると言う意味は、そこを今度は逆に考えてみて、学校教育法上の教授会があって、その教授会の議に基づいて評議会がそれを決めるということだってできるわけです。評議会がたくさんあるというのもあるけれども……。  だから、代議機関と塩野教授がおっしゃっているように、運用を考えさえすれば専任教授会で人事についても人事の基準についても決められますよ。それには客員教授その他のたくさんの意見を入れて決めます。しかし、決定は学校教育法上の教授会で決めます。そしてそれについて、これは特殊な大学の性格を持っているから、ある意味では専任以外の人たちの意見も入って、そういう大学の管理運営のあり方について、大学としての基本方針で評議会で議論をしてみたら、そこで意見が違うということもあるかもしれない。そうすると改めて評議会と教授会で調整のための議論をすればいい。そういうふうに運営を考えれば、評議会だけがすべての人事の基準や何かに優先するという形式の議論ならいざ知らず、法律でこれを起こしてしまうということになると、教授会の人事というものはいま言ったような教授会の人事決定でなくなってしまう。おっしゃるとおりです。しかし、それだったら集権化されてしまうのではないか。  一番わかるのは、教授会のメンバーが一番わかるのです。どんなコースにどんな学習センターの先生がいいか、出すときにはコースチームでどういう教育の手段がいいとかが一番わかるわけであって、ある意味では三コースで教授会を構成するのですから、その三コースの中で自然科学系と文科系と分かれているわけですから、上の方の評議会で決めるときは専門家の集団で決める機関ではありませんから、だから大学の評議会と同じような性質のものなんです。だから、法律の上で議に基づきということが決めてあっても、教授会がそういうものに発議できるということを実際に法的に保障しておかなければ、当然あるのですから、本来ならば学校教育法上の教授会があるのですから、それを否定してしまったら、恐らく評議会というのは上で教授会の意思を無視して決定するということがあり得る。そういうトラブルが起きるとぼくは思う。  つまり、二つの機関がある限りはそういう問題が必ず起きる。だから、教授会中心にしたってこの特殊性は運営できるのです。広く意見を聞いて議決はできる。それは形は変わるかもしれない。実質の法律的に言う教授会で決めていく、その相互調整の機関で評議会が法律的にあっても構わないのです。あっても構わないが、そこには相互調整をする機能さえ果たせられるようにして、二つの法律的機関を置いておいても構わない。教授会でそれを持ってきてもちっとも構わない。なぜ評議会でなければならないのか。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 若干議事進行について申し上げますけれども、この教授会と評議会の関連というのはきわめて重要な事柄で、わが党はこれの議論を詰めて、ある一つの結論を得ておるわけでありますが、各党の間でお話し合いをしている中で当然いろいろな意見対立が浮き彫りになってきたわけですね。  浮き彫りになったままこれを繰り返しても意味がないわけで、他に質問したい方が多いかもしれませんから、もう少しそこらのところを御配慮いただきたいと思います。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時八分休憩      ————◇—————     午後一時七分開議

坂本三十次自由民主党

○坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  放送大学学園法案について質疑を続行いたします。  第一、第二、第三の各項目について、前回の会議における残余の質疑を進めます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 せっかく主務大臣である文部、郵政の両大臣がおそろいになられましたので、この際特に郵政大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  この法律を一見いたしますと文部大臣の権限が非常に明確に示されてありますけれども、郵政大臣に特定した規定というのは何もないわけです。ただ、郵政大臣という名前は、四十二条に、「主務大臣は、文部大臣及び郵政大臣」というところだけしか出ておりません。郵政大臣は主務大臣でおありになりながら、いかにもこの放送大学には何か仕方なく主務大臣になっているといったような感じを受けますので、それでは法律のたてまえからもいけないのではないかという気持ちで私はお尋ねいたしたいと思うわけです。  教育の中身につきましては、文部大臣といえどもみだりに介入することはできないということは当然ですから、郵政大臣も同様だと思いますけれども、先般の合同審査のときに問題になりました放送法第四十四条三項は、本法におきましてもこれを準用することに附則で規定づけられております。  この所管は郵政大臣でございますから、放送の内容についても当然郵政大臣は関与されなければならないし、準用された四十四条三項、つまり政治的に公平を守るとか、事実を曲げないとか、あるいは意見が対立しておる問題についてはできるだけ多くの意見を放送するとか、こういうことは直接の御担当が郵政大臣です。そうすれば、文部大臣と一緒にしかできないというのではなくて、主管大臣として郵政大臣独自の御権限がもっとあっていいと私は思いますし、それからもっとはっきりしなければならないと思いますことは役員の任命の問題です。  それはたとえば一番重要な理事長ですが理事長の一番大きい仕事は放送大学を運営していくこと、いわば教育の面と放送の面、この二つが重要な任務であって、その理事長の任命も文部大臣の任命であって、主務大臣としての郵政大臣は何らタッチしておられない。それから常勤理事の任命に当たりましても同様に理事長の任命ですが、文部大臣の承認を得て任命するということになっていますが、これも郵政大臣は全然関与しておられません。  私どもがいままで質問した中では、この常勤理事四名の中で二名の理事は教育の問題と総務的なことをやり、それからあとの二名は財務と放送を担当するということでした。そうすると放送を担当する常任の理事というようなものにも郵政大臣は何の関与もしない。文部大臣の認可を得て理事長が任命する。主務大臣として郵政大臣がタッチされることはほとんどが財政、財務関係が多いわけです。しかも単独じゃなくて主務大臣としてです。そうなると、一体こういうことに郵政大臣が何も関知しないでいいのかどうか。特に、放送担当の常勤の理事などは当然郵政大臣も一緒になって選考し、あるいは承認するということでなければ、放送大学はいま考えているような正常な運営はできないのではないかということを私は懸念いたします。これらの点について一体御協議があったのかどうなのか。  その辺やいまのことについての考えを特につけ加えて申し上げますならば、一番重要な運営審議会の委員の任命も文部大臣が任命されるのであって、郵政大臣はこれにも全然タッチされない。一体そういうことでいいかどうか。これで主務大臣としての郵政大臣は職務が完全に果たせるとお考えなのか。  大変きつい聞き方のようですが、いろいろ審議しておる過程でそういう心配もありますので、この際お尋ねいたしておきたいと思います。

白浜仁吉自由民主党郵政大臣・運輸大臣臨時代理

○白浜国務大臣 大変重要な御質問だと思います。  相談があったのかということになりますと、私も細かいことは局長からしか聞いておりませんからよくわかりませんけれども、大体常識的に考えまして、運営その他を両省庁が一緒になってやるということになりますと、たとえ文部大臣が云々というようなことがあろうとも当然両方で相談されて、これはお互いに相談し合って理解し合って了解し合って何事も決めていかなければならないことでありますからそのことは論じられて、文部省の事務当局もまた私の方の事務当局の諸君とも詰めるだけ詰めて、これが間違いない、運営については申し上げましたように当然話し合って決めていく、そういうふうな形で話が進んだものと理解をいたしておるわけでありまして、しかも運営委員の中には理事としてお互いに入っていくというふうに私は理解しております。  そういうふうなことでございますから、そういうような点については湯山委員が御心配されるようなことはなくて済むのではないかと思いますし、また、当然そうしてもらわなければ、今度は、この隣におる内藤さんが幾らいばってみたところで放送の関係は郵政省が握っておるのですから、その方が動かなければこの仕事は、幾ら大学という名前があっても、ほかのことはできましても残念ながら放送だけはちょっとできませんね。  そういうような実態ですから、そういうふうなことは御心配されることはないんじゃないかというふうに私は理解して、これはぜひとも成立させてもらいたいということで逓信委員会でもいままでお願いをしてきておるところでございますから、そのように理解していただきたいと私は思います。  これについて文部省側に御異存がありますかどうか知りませんけれどもね。ないと思いますが……。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 文部省側、御異存があればひとつ御答弁願います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○内藤国務大臣 それは大臣のおっしゃるとおりでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私もそういう御答弁だろうと思っておりました。お二人とも良識のある方だし、いまこれを進める過程においては協力してやっていくことは当然だと思うのです。  ただ、法律の条文の上ではそうなっていない。しかし、そうだからといって全部そうかというとそうじゃなくて、たとえば三十三条、三十五条、三十二条、三十四条、これは大蔵大臣と協議しなければならない。ちゃんと大蔵大臣の名前は主務大臣でなくても出ておるのです。  そうすると、大学のことは別として、いま常任の理事の任命とか理事長の任命とかいうことについては、それは文部大臣が任命するにしても、だれと協議してじゃなくて郵政大臣と協議してとか、そういう条文が入らないと、それは一般の大学と同じであって、一体放送大学らしい——いまの、常勤理事の一人は放送を担当するんだとか、それから運営審議会の委員にも放送事業のエキスパートを参加させるんだとか言っても、それは幾ら相談すると言ったって人の問題ですから意見の食い違いもあると思うのです。あんな者を入れておる、あれは確かに放送関係者であるけれどもあれじゃ因るというような場合もあると思うのです。  そこで、何かこの辺の規定が要るんじゃないか、そうすることの方がいま郵政大臣のおっしゃったことが将来にわたってより生かされていくんじゃないかと考えますが、その点についてはいかがでしょうか。

白浜仁吉自由民主党郵政大臣・運輸大臣臨時代理

○白浜国務大臣 お金を出す方は何といってもはっきりしておかないとこれはわれわれも実際困ることでございますけれども、こうした運営は、学校法人の方がはっきり決まりますと、運営についてはそれほど固く決めていなくても、両省で話し合いの記録が残っておりますればそれでいけるのじゃないか。これは非常に大ざっぱな話のようになりますけれども、しかし、私はそのような感じを持っておるわけであります。  また、一方では、郵政大臣の放送法、電波法に関する権限は文部大臣が幾らいばったって何ともできないところを持っているのですから、その点は相寄り相助けてこれを育てていくということについてはそう御心配していただかなくてもうまくやれるのじゃないか。ましてや先生方がそれを十分理解して監視しておってくださればこの点は御心配なしにいけるのじゃないかと私は思いますので、それで御了承願いたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 大臣の言われることはそのとおりだと思うのです。おっしゃるようなことになるようにしておかないといけない。  これは法律の条文をお読みになっていないと思いますが、時間がないから申し上げまいと思ったのですが言わざるを得ないのですが、郵政大臣が主務大臣としてこの法律でタッチできるのはどういうことかといいますと、九条で監事の意見提出を受けること、二十八条の財務諸表の承認、借入金をすること、長期借入金の償還計画の認可、有価証券の取得、財産の処分、財務、会計の主務省令、財務、会計に関しての命令、それから報告、検査、これはまるで大蔵大臣のかわりか何かのようなことしか法律的にはできないのです。こういうことだから郵政大臣らしいところが少しも出ていないのです。それなら郵政大臣としてタッチできるところはどこかというと、いまの放送法四十四条三項の問題は、これは郵政大臣の直接の所管部分の援用ですから郵政省がなれていらっしゃる。それから放送大学学園の重要な任務は放送を出すこと、大学をやることですが、その大事な放送の面について郵政大臣がどうという規定が何らないし、人事についても、放送方面の人を入れるという常勤理事の承認も運営審議会委員の承認も何もない。  ですから、何か郵政大臣らしいタッチの仕方ができるようにしておかないと、お二人が大臣のときは別として、御意見が分かれたときに一体どうなるか。私はそういう懸念があるものですからお尋ねしているわけです。

白浜仁吉自由民主党郵政大臣・運輸大臣臨時代理

○白浜国務大臣 御心配されることはごもっともでございますが、両省で持ち合って力を合わせてやろうとしますと、少し理屈っぽくなりますけれども、今度は私の方が権限を持ち過ぎるのじゃないかという懸念もあるわけですね。放送法上の権限を持っているのですから……。そういうふうなこともあって、これは両省で十分話し合って検討された上でやってきていると思うのです。  私も素人で、ここに入ってこの問題については長くなりませんのでそう詳しくは知りませんけれども、そういうふうなことでやっていけるのだという前提のもとにこれが提案されておるというふうに私は聞き、またそういうふうに理解しているわけでございますから、その点はどういうふうな感じを持っているか事務当局にまたお尋ねしていただいて、私の感じではそれでいいのではないかと思っておるということを申し上げておきます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 お気持ちはよくわかりますし、私は細かいことを大臣にお聞きする気持ちはありませんが、ただ、この間の連合審査のときにも思ったのですが、私たちと逓信委員の方とではやはり若干とらえ方に違いがある。これは与党の質問された方も委員長もお聞きになったとおりですが、やはり、放送法の関係を附則でいじるというようなことについては逓信委員会の皆さんは非常に強い批判を持っておりました。  郵政大臣はそういう基盤からお出になって物をごらんになり、私どもは文部大臣の側に立って物を見ていく。これはやむを得ないと思うのですが、そうすると、閣議で決まって両省で御相談になったことでも議会の場ではそれだけ見方が違ってくるわけですから、放送大学をつくらねばならぬという気持ちは同じでも具体的にはそれだけ違ってくるということを考えると、そこのところが円滑にいくような配慮がやはり条文の上でもなされていく必要があるのではないかということを私は感じますので、大変くどいようですが、その点は今後において御配慮を煩わしたいと思うのです。

白浜仁吉自由民主党郵政大臣・運輸大臣臨時代理

○白浜国務大臣 ありがとうございました。  御意見のあるところは私どもも今後十分検討して、また文部大臣とも話し合って進みたいと考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それで、また一つとっぴなことをお尋ねして恐縮ですが、この前の委員会で文部省から、この放送大学が初期の計画では大体八〇%カバー、一〇〇%放送大学の電波を送るというわけにいかぬけれども、八〇%をカバーするのはいまの向きではおおよそ昭和七十一年だというような見通しの発表がありましたが、これは郵政省の方も同じようにお考えになっておられるのでしょうか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  前回、当委員会におきまして文部省側から、七十一年に目標を置きまして完成を目指すという御説明が行われたということは聞いております。  しかしながら、その問題の具体的な内容等につきましては郵政省といたしましてはまだ承知をいたしておりませんので、その点につきましては一般的に申し上げますと、いわゆるNHKあるいは民法が免許を申請してまいります段階におきまして将来計画等を十二分に聴取をする、そして理解した上で審査に当たるということをいたしておりますので、私どもといたしましては、文部省側の構想につきまして今後できるだけ早くお聞きをして検討を進めてまいりたい、このように存じております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 文部省の側は、そういう電波の面とそれを教育側から見た体制づくりという、そういう総合的な見地からいまのような一応の試算をしてみたのだろうと思います。  しかし、きょうお尋ねしたいのは、この中で大きい問題はチャンネルをどう確保するかということと、それから、放送衛星を上げるとすればいつ上げて、その中へ放送大学の電波が入るかどうかということです。これは郵政大臣の御所管ですから、そのことが一応わかれば、そして予算の問題を抜きにして考えれば、技術的な面では最短どこまでカバーできるかというお答えが簡単に出ると思うのです。  先般来尋ねした中で放送衛星を使うということのお話もありました。しかし、すでに事業団もできたことですし、先般法律も通ったことですから、ある程度の見通しはあるだろうと思う。それから放送衛星の寿命も、私どもは五年ぐらいと聞いておりますが、それだととてもじゃないが費用がかかって、次に五年ごとに新しく放送衛星を上げて、それでもって放送大学の電波を送るというのはこれは大変なことですから、財政的にもそれはむずかしいじゃないかということもあるかと思うのですが、しかし、やはり放送衛星を使うという構想はお持ちになっていらっしゃる。  同時に今度はマイクロウエーブを使う方法、それについては先般放送部長さんからここで一チャンネルは確保しておるというお話があって、その後またそれも少しむずかしいのじゃないかというようなつけ加えた御答弁らしいものもあったわけです。  一体その辺はどうなっておるのか、簡単にひとつ……。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  まず、放送用のチャンネルの問題でございますけれども、地上系のチャンネル、テレビジョン放送用全国一系統、それとラジオ用チャンネル全国一系統、これを去る昭和四十四年以降一応保留してございます。  それで、その考え方は、すでに先生方も御承知のように、NHKがいわゆる辺地の難視聴を除きまして全国普及がほぼ完了しておるという状況でございます。また、NHKと並びまして民放もそれぞれ置局をしておるわけでございます。したがいましてNHK及び民放の置局状況を勘案いたしまして、勘案をした意味におきます全国一系統、テレビ、ラジオでございます。したがいまして、NHKの第一期計画とその後の情勢とすり合わせが済めば周波数の確保はすでにできておると、こういうふうにお考えいただいて結構でございます。  それから、地上系で全国普及を図っていこうとする場合には、先生のお示しのいわゆる番組伝送用の回線が必要になります。これは現在NHK、民放とも電電公社のマイクロ回線を使用しております。電電公社におきましては、テレビ番組伝送用のほかにいわゆる公衆通信用の回線を持っておりまして、これはマイクロのみではなくてケーブルも使用しておることは先生も御承知のとおりでございます。テレビ番組伝送用のマイクロ回線につきましても、この放送の進展に伴いまして電電公社がNHKあるいは民放と十分に計画を練り合わせながら回線の増加なりを計画いたしております。  したがいまして、放送大学学園の方の計画がはっきりいたしました段階に電電公社に正規に申し込む必要があるわけでございます。申し込みました段階におきましてすでに全国回線が全部一系統準備できておるかどうか、あるいは部分によりましてはさらに施設増をする必要があるかどうか、その判断をいたした上で、郵政大臣の監督下にございますので急げというお話があればせっかく努力をする、そういう前例もないわけではございませんので、ということに相なろうかと思います。  それから、放送衛星の関係について申し上げますが、これは前回の合同審査のときにも申し上げたかと思いますが、あるいはその前の文教委員会で申し上げたかと思いますけれども、御承知のように宇宙開発委員会が毎年策定をいたします国の宇宙開発計画の中におきまして、放送衛星については五十八年を目途にして関係機関が十二分に検討しなさいということになっております。その検討は、現在のところはNHKの難視対策ということを基本にいたしまして検討を詰めておる段階でございます。  このままでまいりますと、NHKの難視対策を目的にして五十八年度に打ち上げを認めていただきたいという要望が郵政大臣から科学技術庁を経由いたしまして宇宙開発委員会の方に出ていく可能性がある。その結果、検討した結果、五十八年度あるいはそれ以降に打ち上げかという、まだ決まっておりませんのでちょっとそういう言い方しかないと思いますが、御了承が得られる、こういうことに相なります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私どもが感じておったことよりも非常にもやもやしておるので電電公社に聞いてみましたが、確かにこれも現在のところはっきりしません。  そうなると、仮に私どもが七十一年よりもっと早くしたいと考えるとすると、いまここで免許申請が出たときには、それはやはりマイクロ回線は確保できるというお見通しなのか。それもやってみなければわからぬという状態なのか。簡単に結論だけ言っていただきたい。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  ただいま原則的なお話を申し上げましたが、電電公社が急遽学園のための回線を確保するという場合には、必ずしもマイクロによる必要もないわけでございます。有線回線を使うこともあり得ることでございます。  また、一方、いついつまでにこれだけの回線をぜひ設定してもらいたいというような場合におきましては、従来もNHKなり民放がそういう要請をしたことがございます。そのような場合には、郵政大臣の仲介によりまして必要と認める場合には大いに急がせることができると思います。七十一年ならば十分間に合うと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 七十一年じゃなくて、私はもう十年ぐらい早くしてもらいたいので……。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 七十一年以前に十分間に合うと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 一番早くいけばどれくらいですか。五年くらいでできますか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 定かには申し上げられませんけれども、私も技術屋の一員といたしまして、五年あれば十分全国回線を張れると思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 これはもう郵政大臣の腹ですね。大臣がやってやればできる。どうでしょうか。そういうお気持ちでやっていただけますか。

白浜仁吉自由民主党郵政大臣・運輸大臣臨時代理

○白浜国務大臣 いま事務当局もそう申しておるのでありますから、間違いなしにやれると思います。  したがいまして、さっきの問題ですが、初めにお聞きになった人事の問題で、おまえはこれに発言権が何もないのかあるのかという話がありましたが、そういうような問題も持っておりますので、話し合いはやはりお互いに譲り合ってうまくいくのじゃないかと私は申し上げたつもりでございますから、御理解していただきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 あれだけお尋ねした後のそれですから、そういうふうに言っていただけるのですが、閣議でお話しになったはずだけれどもなかなかうまくいっていないのですね。  それで、人工衛星ですね。これもいま監理局長のお話で、大臣から宇宙開発委員会の方へ申し入れしてやれば可能性がある、できるというルートにはなっているということです。やるかやらぬかは別ですが、局長、これはどうなのですか。いまのマイクロを使って整備すると、中継局が二百幾つか、たくさん要りますが、それと、五年くらいの期間の人工衛星で五年たったらまた更新しながらやるのと、コストはどっちがどうなのですか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 一長一短があることは事実でございますけれども、端的に申しまして、最終的に全国普及を図るという場合には人工衛星を使用した方がコストは安いと存じております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういう人工衛星が、今度のには仮に乗れなかったとしても、どうせせっかくああいう法律もできたし、あるわけですから、これは第二、第三とあると思うのですね。それの時代になればもっと放送衛星もよくなるだろうと思う。  ですから、その気になれば、この次の、今度の五十八年予定の次くらいには大丈夫ですか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 先ほど先生が五年はちょっとあやしいのではないかということを申されましたので、まずその点について申し上げますけれども、現在打ち上がっております通信衛星、放送衛星は寿命が三年でございます。これを宇宙において技術的にも確かめました上で、この次、五十七年、五十八年に実用衛星を打ち上げるときには寿命を五年にいたしたいと思っております。これは送信機あるいはアンテナ等が乗っておりますが、これをさらに手を加えまして小型、軽量化してまいりたい。それだけの技術が日本にはございますので小型、軽量化して、そして残ったところに三プラス二年分の燃料をたくさん積み込みたい。こういう構想でございますので、そのために非常に問題があるというふうには考えておりません。  それから、五十八年の次の段階には大丈夫かどうかというお尋ねでございますけれども、いわゆる衛星の製造、打ち上げのためには発注をいたしましてから四年かかります。これは日本だけではございませんで外国でも同じでございます。したがいまして、大学の方もちょうど四年というふうに聞いておりますので、その四年先には先生がおっしゃいますように間違いはないであろうというふうに存じております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 大変明快でよくわかりました。そうすると、五十八年から四年たって六十二年にはまず間違いないという御説明ですね。  時間もありませんから終わりたいと思うのですけれども、そうすると電波の方はそれでまず心配ない。あとは教育体制の問題ということにかかってくると思うのです。この点はもっと議論をする必要があると私は思うのですが、いまの御説明を前提にしていけば、七十一年なんということは私にはどうしても納得できない。  それには方法があると思うし、またなければならないというように考えますので、文部大臣、いまのことを前提にして七十一年というのをもう一遍検討し直してみていただきたいのですが、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○内藤国務大臣 よく相談して、検討させていただきます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 終わります。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 いままでずいぶんこの法案について問題点の指摘があったのですが、これは大臣もしくは大学局長にお願いしたいのですが、この大学のメリットですね。  これまではまずいまずいという話がいっぱいありましたが、しかし、逆に観点を変えて、この大学をつくることによって日本の教育というものがどう変わっていくのか。私たちは文教委員ですから、今日の大学の実情や教育のあり方についていろいろと改革をする必要を感じているわけですが、これがその一つの大きなエポックメーカーになっていくならば、いろいろな問題があるにせよ、お互いに比べながらこの改革を行っていくという幾つかのメリットがあると思うのですが、それを挙げていただけませんか。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この法律ができることによりまして、第四の放送事業者ができる可能性が生まれると思います。たとえば国民の要求がこの放送大学にもあったわけですが、国民の要求があれば、たとえば政府情報広報局というような局も政府出資によって特殊法人としてできるということになるのではないかと思いますが、その点をどういうふうにお考えになっておるか、伺っておきます。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 現在の放送法体制は先生も御承知のようにNHKと民間放送事業者でございます。今回放送法を改正いたしますと放送大学学園のための法律ができるわけでございますが、そういった意味で三つになったということでございます。したがいまして、先生のただいまの御指摘のような放送局を開設しようということになりますと、NHKでもない、民間の一般放送事業者でもない、大学学園法でもアプライできない、いわゆる新しい改正放送法で受け入れ態勢がないわけです。したがいまして、どうしてもそのような放送に認可が必要ということに相なれば、当然のことといたしまして国会の御審議等を経ることが必要になるわけでございます。  私は、四番目のものが出てくることは改正放送法によりまして不可能であると申し上げるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この放送大学も大学教育の放送に限るということでできるわけですね。この法律がこういうふうにできますと、では——これはたとえばということで、いまつくるとかつくらぬとかは別ですよ。第四の放送局をつくるという意思はないとかあるとかいうことは別にしまして、こういう形でできるとするならば、たとえば国民の要求がこの点にあるということで、一つの問題にしぼって、何でもいいわけですが、政府情報局とか政府広報局とかいうようなものを一面でございますけれどもつくろうとすれば、この法律ができた上で国会にかければ——国会にかければ何でもできるということではありませんけれども、政府出資による特殊法人としてその道がかなり開かれてきたのではないかという意見が逓信委員の皆さんの中にもあるように聞いているわけですが、法律をつくればできるわけですね。不可能ではない。そして同時につくりやすい条件がこの放送大学をつくることによってできたのではないかというふうに考えられますが、そういう解釈は間違いでしょうか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 私どもといたしましては、去る昭和三十九年に外部の先生方から成ります臨時放送関係法制調査会の答申を得たわけでございまして、その中におきまして、テレビジョン放送の教育機能というものは今後ますます拡大方向に行くであろうし、これを重視すべきであるという御答申をいただいておるわけでございまして、私どももそういった観点を堅持しておるわけでございます。  また、一方、放送大学学園につきましても、文部省から伺うところによりますと国民の非常な要望があるというふうに聞いておるわけでございまして、大きくはそういう二つの理由によりまして今回放送大学学園法を御提案するということにいたしたわけでございますので、ただいま先生がおっしゃいますような要望がもし出てくるといたしましても、私どもにいたしましてもやはり相当な理由づけと申しますか、放送法を改正するに値する理由づけがございませんと軽々にその道を開くというわけにはまいらぬと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 従来二つだったのです。二つというものを堅持してきたわけですが、今度形式から見ますと三つで、第三の放送局ができるということになりますからね。  その点では現在のところそういう道はありませんとおっしゃるわけで、それはわかりますが、しかし、可能性としては出てきたということを私は感じまして、まさに軽々なことはできないとは思いますが、そういう一種の危惧というものがないわけではないので、その点を一応お聞きしたわけです。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員長 ほかに郵政大臣に御質疑がなければ、郵政大臣は退席してもよろしゅうございますか。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 ちょっとお尋ねいたします。  この放送大学が実際に放送を始めるときの技術職員はどのくらいと想定していらっしゃるのか。ということは、先ほどもお話が出ましたけれども、大学側は教授会が設置され、この法案ではその上に評議会が置かれて運営の最高議決機関みたいなかっこうになっているわけです。この放送大学が最終的に七十一年度というのは問題が出てきますが、四十五万人の学生を抱えるという状況になったときに、相当数の技術者というものがこの中に確保されなければ運営していけない事態になってくると思うのです。そして、いま申し上げたように大学側は教授会を中心にあるいは評議会を中心に運営されていくのですけれども、放送の表現の自由とか公正とか、そういう問題を踏まえたときに現場ではいろいろと議論が出てくるだろうと思うのです。  そういうときに、いま運営審議会には放送技術の経験者という人が大臣任命で入りますけれども、学園の中のそういう技術職員といいますか、そういった人たちの意見を学園運営に関しても公正に反映させるようなシステムをつくるという必要があるのではなかろうかと、こんなぐあいにも思うのですが、そこら辺のところが法案にはちゃんと書いてないわけですけれども、そこら辺を含めてどうお考えになるか、伺っておきたいと思います。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 ただいまの先生の御指摘のように、理事の下の機構、組織の問題が一点あると思います。これは放送大学学園の中で、大きく分けまして教務の関係と放送の関係と当然あるわけでございますので、放送の関係は大学とは別に機構を設けることにいたしたいと、そのように私たちは思っております。  その中におきまして、いわゆる番組をつくっていく段階において、放送大学がつくられました番組のもとになるもの、プロデューサーと申しますか、放送人が学園の中で話し合いながら最終的に放送に適した番組をつくっていく部門、それから放送の中央における施設は、現在NHKと民放がやっておりますようないわゆる演奏場的なもの、あるいはその施設の建設、保守、運用をやられるような部門、また送出部門と申しまして、実際に東京で東京タワーをお使いになるならば東京タワーに送出をしていくという部門、さらに全国に送出をしていくという部門、そういった部門が必要かと思います。さらには全国に空中線が必要でございますし、送信機が必要になります。そういう建設、保守をしていく部門、そういった部門が必要になります。  その中のどの部門を現在NHKなり民放がやっておられるように外部に建設、保守を委託するかということになろうかと思いますが、しかしながら、中央の非常に重要な部分につきましては、これはどうしても学園の職員でなければ勤まりません。先ほど申しましたプロデューサーあるいは演奏場の勤務、具体的に申し上げますと番組をそこで作成するわけでございますし、それから間違いなく送出をしていく、そういった分野の方々はやはり職員でなければ相ならぬであろうと存じます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 最初の基本計画では、第一期事業というのはかなり広範囲に、「東京・名古屋・大阪の三地点、東北・四国の第一次県別送信所」と書いてあるのですけれども、いま放送大学の関係は「東京タワーから、テレビ・ラジオの電波の到達する範囲」というふうに決められておりますね。これで技術関係の職員の数というものはどのように想定していらっしゃるのですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 お手元に差し上げてございます「放送大学について」という資料で、第一期計画の職員数約三百人というように記載をしてございます。これはもちろん文部省が現段階で見積もっている数であって、今後の予算を通じて確定していくわけでございます。三百人の中でいわゆる放送関係のスタッフはおおむね四十名くらいになっております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 大臣がお見えですのでちょっと一言だけ、質問というよりは御要望を申し上げたいわけですが、先日も円卓会議のときにお聞きしたのですけれども、大学というのは同じ時間に教室が数カ所あるわけです。それでいろいろな学校でやっておって、一年生、二年生、三年生、四年生とあるわけです。だから、大学というものの構造を私たちが考えた場合に、これは立体的な同時進行型なのです。  ところが、いま考えられている放送大学というのは、Uで放送の波が一つ確保してあります。それからFで放送の波が一つ確保してあります。二つなわけですね。それで数科目を同時並行的にやる四年制の大学を考えると、われわれが常識的に考える大学の構造としては無理な感じがします。大臣、これはおわかりだと思うのです。しかし、これは熱心な人がやることですから、朝の六時から夜中の十二時まで考えれば十八時間ございます。それぞれの大学の教室にしたって十八時間使っている大学はありませんから、まあ三時間考えれば六教室は考えてもいいわけです。それにしても四年間、一年生、二年生、三年生、四年生が同時にやっているということを考えれば、これもまた無理だと思うのです。  そこで、技術的にはなかなかむずかしいとは思いますが、この間も部長にお願いしたのですけれども、将来これがますます浸透していくと、テレビの波一つ、ラジオの波一つでは間に合わないと思うのです。また、間に合わなくするぐらいのことをしなければ、この放送大学というものがまさに日本の大学教育、高等教育、また社会教育も含めて革命的な意味を持ち得ないと思うのです。そこで、当面は当面の問題としていいわけですが、将来それこそ通信衛星か何か打ち上げられたときのこともこの際ぜひ御考慮をいただきたい。  局長や部長にもう一回確認で改めて承りたいのですが、その通信衛星、放送衛星の打ち上げられた段階で波をふやす可能性があるのかどうか、その点をこの際承っておきたい。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 まず、地上系の問題についてお答え申し上げますが、実はテレビ一系統、FM一系統で放送大学学園の放送を行うという文部省からのお話を伺っておるわけでございます。  それで、先生も御承知のように、現在地方における難視聴も非常にふえてまいっておりますし、東京に民放五、NHK二ございますが、大阪には民放が四つ、NHKが二でございます。地方によりましてはまだ民放が二しかない、一しかないという地域も実はあるわけであります。そのような情勢、あるいは難視区域がだんだんふえてくるというような状況にかんがみまして、放送の周波数に対する需要は非常に多いわけでございます。したがいまして、きょうは電波の日でございましたが、国民に開放されたという意味からいたしましても、電波法、放送法の趣旨からいたしましても、周波数の最も効率的な利用を図っていきたいと考えておるわけでございます。  それで、これは非常にむずかしいわけでございますが、ただいま技術が非常に進歩発達をいたしておりまして、お聞き及びのとおり、最近におきましてテレビの多重放送、二カ国語放送が始まったわけでございまして、今後どのような多重の利用がこの教育のために役に立つかどうかというようなことも含めまして、今後の技術の進歩と申しますか、あるいはその制度化のあり方と申しますか、そういったものをやはり考えてまいる必要があるのではなかろうかというふうに思っております。  それから、宇宙につきましては、数年前に国際会議がございまして、実は国際的な放送衛星の位置と周波数がすでに定められております。現在日本の実験用の放送衛星が上がっているのもその位置でございますけれども、スマトラの上空に八つの周波数を確保してあるわけでございます。この八つの周波数を将来どのように使っていくかという問題と今後対決をしていくという場面でございますので、放送大学のために可能だということはただいま申し上げられませんが、そのような状況でございます。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 よくわかりますが、放送大学が将来日本の社会全体に持つ非常に広範囲なインパクトをお考えいただいて、これは一つ一つではなしに、できるだけその波をふやしていただくことで郵政省としても御検討いただきたいということを強く要望します。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 先ほどの質問の確認だけ……。  先ほど郵政省の方では、大学側と別の技術関係の運営のための機関を設けたいというような御趣旨でしたが、それはお打ち合わせ済みですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 前回にもお答えしましたように、放送部門というものをもちろん学園が持つわけでございますが、その放送部門を大学と並列に置くか、それとも学長のもとにいわば大学の方の機構として置くかということは議論としてはあるわけでございます。  しかし、私ども郵政省とも相談をいたしまして、そこの点は、大学と放送部門、いわゆる放送局とは並列に置く、そして両者の連携、協力というものをコースチーム等を通じて具体的に考えるのが運営の仕方としては最も適切であろうと考えておりますから、先ほどの郵政省のお答えのとおりに私たちも考えているわけでございます。

石田幸四郎公明党・国民会議

○石田(幸)委員 そうしますと、それとの意見調整を図る機関が当然設置されることになるというふうに考えていいのですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 その点も昨日非常に御議論のあったところでございますが、教学のサイドでの具体的な教育の中身を固めていく仕事とそれを番組として送り出していく仕事との調整というのは、コースチームの中にプロデューサー等が参加して一緒に議論していく、その作業を通じて具体的には進められる、それが最も現実的な対応の仕方であると考えるわけです。  しかし、そのこととは別途に、放送側と大学側との間でさらに調整をするための何らかの機構と申しますか、機関と申しますか、それを設けるかどうかということは確かに課題になるとは思いますけれども、それを法律をもって置くということではなくて、今後の大学の具体の運営の中で、もし必要があるならば大学側と放送部門との間の十分な話し合いを経てそういう場を設けることも一つのあり方ではないかということを申し上げているわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 先ほどちょっとお伺いしたことのお答えをいただければと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 結局、放送大学設立の目的として掲げていることに尽きるわけではございますけれども、若干補足して申し上げますと、いろいろな観点からわれわれは放送大学に対して期待をしているわけでございます。一つは生涯学習の観点がございます。これについては、まず、正規の大学教育としてレベルの高い生涯学習の機会を提供するということがございます。それは、一つは、社会人なり家庭婦人に対して生涯の任意の時期における大学進学の機会を保障するということでございますし、また大学進学という形をとらなくても、大学教育のレベルでそれぞれ社会人、家庭婦人が放送大学の放送を通じて勉強をしていくことが可能になるということでございます。  それから、これも御議論が出ておりますように、高等学校の卒業生がこれまでのように十八歳という時期において大学進学にかけるというようなことではなくて、いわばこれらの人々に対して、これまた生涯の任意の時点で大学進学の機会を保障することが可能になるわけでございますから、これによって自分の自発的な意思に支えられた進学の気風というものをつくり出していくことができるのではないか、そしてそれが高等学校へのいまのような進学の構造をより弾力的なものにし、流動的なものにすることができるのではないかということがございます。  それから、そうした放送大学の放送に対する期待と同時に、放送大学はいろいろな利用の可能性のある大学教育のレベルでの教材を提供することが可能でございます。これは印刷教材もそうでございますし、ビデオカセットあるいはオーディオカセットの形で放送大学の教育の内容を提供することが可能でございますから、これを社会教育の関係なりあるいは企業内の教育なり、そういった面で積極的に利用することができればまたそういう方向が開かれるわけでございますから、それによって生涯学習という観点から見た社会教育なりあるいは企業内教育の新しい展開をより充実していくということに放送大学の機能を活用することができると思います。  それから、もう一つは、既存の大学教育の改善ということがございます。これも一つには放送大学のそうした印刷教材なり視聴覚教材というものを提供する、それを各大学が自主的に自発的に利用してそれぞれの大学における教育の方法、内容の改善というものを進めるということが可能でございます。これはすでに実験番組の段階でも、ある大学においては積極的にそのビデオテープを活用することによって一般教育の内容の改善を図っている実例等もあるわけでございます。また、既設の大学の教育における教育方法の改善ということについても、放送大学で進めているさまざまな教育工学的な成果の導入といったものが十分お役に立つだろうとは思うわけでございます。  それから、もう一つは、やはり大学とのかかわりで、単位の互換といったものを進めるという面における大学の現在のあり方をより開かれたものにしていくという、その道があるわけでございます。これについては、放送大学の側でまず既設の大学なり短大なりですでに修得をした単位を認定をする。それは放送大学の側においての判断でできるわけでございますからそういう形が一つ進められるでございましょうし、さらに既設の大学と放送大学との間の単位の互換というものが考えられる。あるいはそれが既設大学相互間の単位の互換の推進にも資する結果になる。それを期待するわけでございます。  それで、ここまでは現行の制度のもとでできるわけでございますが、現在、いわゆるこれからの高等教育ということを考える場合に、いわば中等教育後の教育として、広い広がりを持ってそのあり方を考えていくということが当然に課題になることが一般に識者に指摘をされているわけですが、そのときに、たとえば専修学校というものと正規のこれまでの大学教育の機関とがどのような相互の役割り分担をし連携を持つかというようなことがあるわけでございますけれども、専修学校での学習成果を大学側が評価するということを今後考えるとすれば、まずその検討の場として最も適切なのは放送大学ではなかろうかと思います。  そのことは、さらに進んで、これもその必要性が非常に言われております単位の累積加算制というようなものを考える場合におきましても、放送大学というものはそういう単位の累積加算のもとにおける学位の授与機関としては最も適当な機能を果たし得るものではなかろうか。これらのことは今後の課題でございますから、もちろん十分に慎重な検討を経ながら事を進めなければなりませんけれども、可能性としてはそういうものが放送大学についてはあると私たちは考えているわけでございます。  それから、これもきのう御議論がございましたように、学習センターというものがそれぞれの地域に開かれるわけでございますから、その学習センターにおける教育活動というものを通じて、これがいわば放送大学のそれぞれの地域の拠点というものになり、単にそこで受動的にスクーリングが行われるということだけではなくて、より積極的に、そこに集まる方々がそこでそれぞれの地域の文化なりの観点から積極的な活動をされる場になるということも期待できることであろうかと思います。  それから、これも御議論になったことでございますけれども、通信教育なり夜間教育というようなものを今後より充実していくという観点からしましても、放送大学の放送教材を活用する、あるいは学習センターを利用する、放送大学との単位の互換を行うといったことを通じて、既設の通信教育あるいは夜間教育の充実ということについても放送大学は十分に機能を果たすであろうということを期待するわけでございます。  いま申し上げましたようなことは、直ちにそれができるものと、十分なる検討を重ね、あるいは実績を見ながら進めなければならないものとございますけれども、いずれにしても、放送大学を通じあるいは放送大学を場として、さまざまな高等教育の改善のための試みを前向きに進めることができるということについては私たちは非常に大きな期待を持っているわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 いま三つくらい大学局長は挙げておられるのですけれども、単位の互換以外に入学試験がないという点がこの大学のきわめて大きな特色だと私は思っております。それから、先ほどちょっと触れられましたが、入学資格についての従来よりもちょっと幅の広いとらえ方、それから体育の授業のあり方についての新しいとらえ方、それから教員も、たしかこれは五年ぐらいに一度の見直しというのでしょうか、任期制がとられているのではないかと思いますが、従来の大学のあり方としてはそうでなかったわけであります。  単位の互換、入試の排除、資格の緩和、体育の見直し、教員の資格の五年任期、これを加えて新しい大学教育の改善というものがこの放送大学にしょわされているといいますか、大きな推進をしていかなければならない部分だというように私は思っているのですが、間違っているでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 その点はもちろん御指摘のとおりでございます。  ただ、放送大学で、放送大学というプロジェクトの性質上どうしても実現しなければならないもの、たとえば入学試験を設けないこととか、あるいは体育の単位の弾力的な取り扱いの問題とか、そういったことがあるわけでございますけれども、そういったものの中で、これからの高等教育、大学教育全般に直接影響を及ぼしていくものと、その及ぼし方がむしろ間接的になるものとあるとは考えます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 直接的、間接的といういまのお話をもう少し砕いておっしゃっていただけませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 たとえば入学資格の弾力化ということを考えるとしますと、これは大学の入学資格の弾力化の問題でございますから必ずしも放送大学に限っての議論ではないのですが、放送大学でどうしても入学資格を弾力化しなければその要請にこたえられないということでございますからこれはやらなければならないわけですが、その場合にやはりそれは大学、少なくとも通信教育等に対しては直接に影響を持つし、それが実現をされるという形になるのであろうと思います。  しかし、入試のあり方として先着順とか抽せんとかというような形で受け入れるということは、これは直接的にそれぞれの大学の入試のあり方に影響を持つという意味ではなかろう、むしろそういう形で一つの開かれた大学というものができる、そしてそれが生涯の任意の時期における進学の機会というものを保障する、そういうことによって、さっき申しましたように、十八歳なら十八歳という段階でどこかの大学に入らなければどうにもならないというような状況を解消する、それによって現在の大学への進学の構造をより弾力的なものにしていく、それがひいてはそれぞれの大学における入試のあり方についても影響を持ってくる、そういうものと両方あるだろうということを申し上げたわけであります。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 筑波大学ができたときにも大変新しい試みというものが取り入れられたと私は理解しているのですが、筑波大学ができたことによって大学教育がどう変わっていったかという点はどんなものでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 筑波大学はまだようやく、いわば最初に計画した段階がおおむね完成に近づいてこれから次の発展の段階に入ろうとしているところでございますし、筑波大学の成果というものはそういう意味でなお大学側が見守っているという状況に基本的にはあるだろうと思います。しかし、教育と研究の機能的な分離というような問題についてはやはりほかの大学においても検討をされ、それが筑波大学と同じ形ではございませんけれども実現をされている例もあるわけでございます。あるいは筑波大学において行われた新しい修士のあり方というふうなものについても、これまた他の大学に影響を与え、他の大学においても同様な趣旨の修士の課程の前進等も見られております。  いずれにしても、もう少し今後の実績を通じてそれぞれの大学との関係というものはより前へ進むのであろうというふうに思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 徐々に改善をされるといえばそういうことになると思うのですが、こういう声があるのですね。たとえば通信制大学も体育の授業で非常に困っている。体育の授業を文部省がかなり厳しく指導をしておられて、体育の授業のためだけにキャンパスに通われるという通信大学生がいる。今回社会教育における体育の参加証明というふうなものを認めるということが放送大学の審議の過程で具体的になってきた。通信大学を設置している人たちから言わせますと、そういうようなことが言えるのならば通信大学における体育の扱いなどについても順次そういう考え方を取り入れてもらえるんだろうか、放送大学だけにそういうことを認めるということはずいぶん御都合主義じゃないかと、こんなような御意見も私は承ったわけです。  ここで採用されておる新しい考え方は、わが国の教育の中で、特に大学教育の中で取り入れていけるものは順次取り入れていくべきだ、そういう意味の一つの大きなエポックメーカーになるのであれば放送大学の一つの新しい意義があると、そんなふうにも私は思うのですが、その点はどうでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 体育実技の単位の修得の方法の弾力化というのは、これは放送大学に限って検討されていることではなくて、大学通信教育、放送大学を通じての取り扱いとして検討されております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 いまの質問と若干関連するわけですが、大学通信教育と関連して、さっきもメリットとおっしゃった中の最後にちょっと出てきておったのですが、それを少しまた進めてお尋ねをいたしたいのです。  放送利用の道を開くということもおっしゃっておりましたし、それと単位の互換ということも言われておったのですが、もう一面、通信教育をやってきた学校の皆さんのお話を承ると、やはり、テレビによるNHKとタイアップしながらの大学の講座というものも大変苦心してやってこられたようないきさつもあるようですね。そういう中でそういう実績というものを生かして、放送大学と共通の教材による講座というものがずいぶんとあるようですから、そこらあたりは通信教育をやっておる大学において一部を比較し、いろいろと参酌をして、一つのものをつくり上げていくということをやらせてほしいというような希望も昨年私大通信教育協会理事長の高梨さんもおっしゃっておられたようですが、そこらあたりの考え方というものはお持ちではないのかということをお尋ねいたします。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 もちろん私大通信教育協会とはこれまでも密接に連絡をして検討してきているわけでございますし、先ほど御指摘の放送大学あるいは大学通信教育を通じての基準の問題につきましても通信教育の関係の方々の御参加を得て進めているわけでございます。  具体にどのように放送大学の場というものを私大通信教育の側に御利用をいただくかということは両方でこれから詰めていかなければならないことでございますけれども、放送大学のための放送大学学園の行う放送の内容というものが私大通信教育の側においても御活用できるものである場合がもちろんございましょうし、それとは別に私大通信教育の側における共通教材をたとえば放送大学から放送大学の番組として送り出すということも可能でございます。  いずれの場合においても放送大学側と私大通信教育側との十分な協議が必要でございます。そのためには、たとえば運営審議会のメンバーに私大通信教育の方々が御参加になるというようなことは当然考えられることでございますし、また、放送大学の方の番組の制作と申しますか、教育内容を検討していくコースチームの中に客員教授の形で私大通信教育の方々も御参加をいただくというようなことももちろんあり得ることでございましょうし、いろいろな工夫をしながらこれまで通信教育協会の方といろいろと議論をしてきた、いわば共存共栄の方向が実現できるように学園の方も大学の方も配意をしていくことであろうと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 運営審議会メンバーに、ということは次にお尋ねしようと思ったのですが、大体参加願ってやってもいいではないかという御答弁ですから、それは確認でひとつ承っておきます。  共存共栄という言葉がいま出ましたが、そういう考え方は通信教育をやっていらっしゃる大学の側でもずいぶんお考えのようですが、ただし、反面ショックもずいぶんあるようです。特に、いま教養課程だけでいっていますけれども、将来放送大学卒業者には教員養成もして教員免許を与えるような形のものまで発展をしていくのではないだろうかとか、いろいろな憶測等も持っておられるようであります。そういうことになると、いままで営々として、先ほどのメリットの中にありました大学の公開という立場でも、通信教育の立場で相当経営的に苦しい中でがんばってこられたわけですが、そういう点で大変圧迫を加えることになる。  そういう方向性については、いま具体的に教員養成ということも申し上げたのですが、お考えはあるのかないのか、ちょっとお尋ねをいたしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 放送大学で教員免許状の点をどう考えるかということは確かに問題点だと思います。  これまでの検討の過程では、もちろん私大通信教育等との関係ということも考えなければならないことでございますけれども、放送大学の開設する授業科目の内容なりあるいは量というものからして、教職科目についてまで開いていくということは非常に困難を伴うであろう、放送大学が免許状に関して課程認定を受けるというような方向はやはりとらない方がいい、そういう方針でございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 それにさっき学習センターというものの相互利用の道も広くというようなこともおっしゃったのですが、具体的にやろうとお考えになっていらっしゃるのはどういうことでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 これも私大通信教育の実施校の数が非常にたくさんに上りますから、これから通信教育協会の方と具体的に調整をしなければならない課題になるわけでございますが、学習センタ—を放送大学の側でどのように利用してそこでスクーリングを展開していくかということを考える場合に、少なくとも全部の教室を放送大学のためのスクーリングに使い切ってしまうということではなくて、たとえば十教室を設けるということであれば、放送大学のスクーリングに使うものを七教室なら七教室というようにして、残りの三教室というものは、私大通信教育協会の方との意見調整を経て、それが通信教育の側でスクーリングに利用しようと思えば利用できるというような対応をしていくというようなことが具体的には考えられるだろうと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 いまのことは大変結構なことだと思うのですが、それは運用上のことでお考えになるのか、あるいは制度的にある程度定めてやろうというようなお考えでいらっしゃいますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 法律上の手当てとしては、御案内のように二十条の二項で、いわば学園はその設置する「大学における教育及び研究に支障のない限り、その施設、設備及び教材を当該大学以外の大学における通信による教育その他の教育又は研究のための利用に供することができる。」という規定を置いておりますから、法律上の手当てはここでしているわけでございます。  それで、あと具体的にどのようにそれを通信教育の方で御利用を願うかということについては、まず、いま私大通信の方で実施をしているスクーリングというのは御案内のように中央に集めてやっているわけですが、それが今後新しい基準ができる場合には、私大通信の側においても地方の面接授業というようなものをやはりお考えになるようになっていくでございましょうし、そういった私大通信教育の側における対応と見合って両者で協議をしていくということが一番現実的ではないかと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 大学通信教育に対する方向性と趣旨は、お考えは大体わかりましたので、相当苦労して今日までがんばってきておられる方々もおるわけですから、共存共栄という方向はさらに進めていただきたいし、さらに通信教育に対する経常費補助とかいうようなものもできるだけ手厚く今後とも推進をお願いしたい。これを御要望申し上げておきます。

小川仁一日本社会党

○小川(仁)委員 さっき教授会のお話を聞きましたけれども、学部に学部長は置かれますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 単科の大学の場合の対応というものは、それはいろいろ考えられると思いますけれども、具体に学長のほかに学部長が設けられるということではなかろと思います。

小川仁一日本社会党

○小川(仁)委員 そうすると、学部長なしの教養学部の教授会というのはどんなふうになるのですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 単科の医科大学の教授会の場合と同じだと思います。  具体的には、単科の医科大学には医学部長というのがいないのですね。医学部長の職を行うのは学長が行っているわけであります。

小川仁一日本社会党

○小川(仁)委員 そうしますと、ここでは教授会の……  何か少し補足がありそうですからやってください。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 国立学校設置法施行規則に規定がございまして、「一個の学部を置く国立大学にあっては、学部長を置かないものとする。」というふうになっておりまして、国立大学の場合も、単科大学の場合にはいま学部長を置いてないわけですね。  もちろんこの大学は国立大学ではありませんから、国立学校設置法施行規則に相当する規定というのはこの大学の学則をもって決められることになると思いますけれども、その場合の考え方は単科の国立大学の場合と同じように考えていいのではないかというのが先ほど申し上げた趣旨であります。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしますと、この大学は開かれた大学で、教授会は基準が大変複雑だということは午前中の議論のとおりですが、そのときの会議を主宰するのは学長ですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 学長だと思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしたら、評議会の議長としての学長がありますね。  今度は小さい単科の大学の、いままでにあった医学部とか何かの場合にはもう事実上教授会というものは非常に固定されていて、メンバーは非常に限られています。だから学部長がなくたって運営できます。ところが、この大学は客員教授あり、ときにはプロデューサーが入り、ときには学習センターの教官が入ることがあり得る。かなり広範な機能を持った性格を持つところにこの教授会の特性がある。そういう際に、学長が全部そういう広範なものの議長を兼ねるというやり方ができるということは実際に運営上支障があるかないかということは検討すべきじゃないですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 ですから、私は再三ここの大学の教授会というのは普通の大学の場合とかなり違うということを申し上げ、先ほどおしかりをいただきましたけれども、教官会議というような言葉を使って、各コースなりあるいは専攻なりあるいはその検討する事柄に応じて教官の会議というものが持たれる、そういったものが実質的に教授会の活動というものを全体として構成するような場面がどうしても必然的に多くなるであろう、ということを申し上げているわけでありまして、そういった個々の、実質的にはいわゆる教授会の活動の内容をなすような会議について全部学長が主宰をしなければならぬというようなことはない。それは教授会がどのように御処理になるかということではないでしょうか。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 もう一遍伺いますよ。国立学校設置法では、筑波大学の場合には評議会、人事委員会、参与会という一連のものを設けた。このときも教授会はあると答弁では言ってきたんです。学校教育法で言う学校ですから当然教授会がありますと言ってきた。ここは幾つか学部があったから幸いに学部長問題は解決できるわけですね。ところが、現実の筑波大学で問題になった評議会、人事委員会が一体となってあらわれるのは、今度は事実上評議会ですね。この放送大学では、ね。そうすると、筑波大学に国立学校設置法で起こした評議会、人事委員会、参与会的なものが評議会として集中的にあらわれている。その場合に別個に教授会は要らないという、ある意味では教官会議の発想があって、学校教育法でいう教授会はあるんですよというのはあくまで答弁なんであって、実質は教授会というものを想定していないところに、たとえば学長が教授会の主宰をするということについて何も触れていないという点があるんじゃありませんか。  これは学校教育法で言う教授会というものを想定しているんですか。教官会議だけ想定しておられるんじゃないですか。いかがですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 学校教育法の五十九条が規定する教授会がこの大学に置かれるということはもちろん想定をしているわけでございます。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしたら、学部長はどうしてないの。  学長選挙と同じように学部長を選ぶわけですね。学部長選挙というのは学長選挙ですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 学部長というものがなければおよそ教授会というものはあり得ないということでは、もちろんないわけですね。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そんなことはないですよ。どうするの。議長はどうして選ぶの。会議ごとに新たに選ぶのですか。教授会というものは学部長があるんですよ。教育公務員特例法で学部長というものの選び方もある。  いずれにしても学長が学部一長を兼ねるのなら、学部長的なものは選挙はどうするのですか。片一方の学部長選挙に相当するものはどういうふうにして運営されることになりますか。学長を選ぶ選挙で考えるわけですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 大学が学長をどのようにして選ぶのかということは、それは法律上の手当てとしては「評議会の議に基づいて」という手当てがしてあるわけでございますけれども、それをどのように実質的に運営をするかということはこの大学が考えることでございます。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 しかし、どこの大学でも、法律によるそんな学部長や学長選挙の規定なんて何にもないですよ。しかし、大学というのは、民主的な大学の秩序をつくり上げていくために大学の管理機構も選挙でやりますよ。評議員も選挙でやります。各学部教授会の評議員も選挙で選びます。だから、恐らくそういう形にならざるを得ないはずだと思う。この大学だけはそんなことしませんということは普通の大学としては考えられない。だから、そうなってきますと評議員というのはだれが選ぶのか。任命はわかりますよ。法律に書いてあるのだからね。だれが選ぶかということが必ず運営上問題になったときには、普通の大学の場合の評議員は選挙で選びますね。今度は評議会というものは議に基づく大学の管理機関ですから、その選び方は大学の特殊な運営が行われるであろうということは想定されます。  しかし、最初に教授会があって学部長がなくていいということじゃないから、学部長的なものはなくたって学長が兼ねるというのは局長答弁ですね。そうでしょう。学部長というものは普通は教授会で選挙で選ぶ。大学には学部長をそんな上から任命することはありませんからね。そういう運用上の問題に関連すると、この法案では教授会というものは想定されていなかったんじゃないですか。評議員の中にこの学長は入りますから、それは教授会代表として想定した解釈ですか。この二十三条の評議員は、ですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 評議員の任命の仕方については、「学長の申出に基づいて、理事長が任命する。」ということを法律で規定をしているわけでございます。  学長がその申し出をするに当たってどのように学内的な手続をとるかということは、それはまさにこの大学が考えることでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この大学が考えることでございますとか、この大学の判断にゆだねられていますとか、それは大学の何ですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 いまの点は二十三条の二項の二号で、「評議会が定めるところにより選出される教授」ということになっておりますから、教授の選出の方法は評議会が定めるわけでございます。その評議会が定めるその定め方というものについてさらに言えば、法律でそのことについての規定を何ら設けていないわけでございますから大学が判断をする。  大学が判断するというのはどこが判断するんだということになれば、それはやはり評議会が定めるところによるのですから、評議会が決める。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これは大学局長の答弁を聞いておって、失礼だけれども一番あいまいなところだと思うのですよ。  大学の判断によるとか大学の意思によるとかいうようなことを言われるけれども、結局評議会ですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 いまの評議員の選出については、「評議会が定めるところにより選出される教授」でございますから、その判断をするのは評議会がその定めをするわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 もう一つちょっと聞いておきたいのですが、先ほどこの大学は国立の大学に準ずるということがお話の中に出てきたわけですが、そうすると、この人事に関して教育公務員特例法の適用の問題が出てきますと、これは公務員じゃないから教特法は適用にならない。私どもは教育公務員特例法を適用せよと言っているのではなくて、教育公務員特例法を人事の問題に関して準用していいんじゃないかという考えに立っていますけれども、これはにべもなくお断わりになるわけですね。  ところが、この法律の中には、たとえば第四十条ですが、宗教教育の問題については「国が設置する学校とみなす。」というふうに、ここでは国立大学とみなすというようなことが出てくる。これが十七条にいくと、ここでは罰則の問題で「公務に従事する職員とみなす。」となっている。こういうふうに確かにこの学校の先生方は民間人ですね。特殊法人だから民間人だけれども、ところによっては法律によって「公務に従事する職員とみなす。」とか、あるいは「国が設置する学校とみなす。」とかいうふうに出ているのですけれども、大学における一番肝心な、いわば戦後大学の自治の基礎になっている人事の問題については、それは教育公務員法の準用は認めませんと、こういう言い方にこの法律を作成するに当たっての文部省の取捨選択の恣意というものが動いているのではないかと思う。  だから、その点は教特法を準用できないということはいままでの御答弁によりましても出てこないというふうに私は思うのですよ。その辺をちょっと説明していただけませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 学園の役員ないし職員が刑法の適用等に当たって「法令により公務に従事する職員とみなす。」というのは、これは一般に特殊法人の場合の役職員についてとられている原則によっているわけでございます。  それから、教育基本法の適用について、この大学を私立の大学と見るか国立の大学と見るかということは、それは立法論としては確かに議論のあるところではございましょうけれども、これまた事の性質からすれば、国立学校とみなすという措置をとるのが妥当であるということでとっているわけでございます。  いまの教育公務員特例法の問題になると、これはもちろん申し上げるまでもなく特例法というのは公務員の身分を前提としてできているわけなんで、特殊法人の場合には、むしろそういう身分関係に関する限りは公務員関係ではなくて普通の私法上のいわば雇用関係のもとに置かれているわけでございます。ですから、教育公務員特例法の準用ということはもとより問題にならない。  それから先は、この大学の自治ということを考えた場合に、いわば私立大学の教員と同じような身分関係にあるわけですから、したがって私立大学の場合と同じように法律上全く規定を設けないでおくか、あるいは何らかの規定を自治の保障のために設けるかという選択の問題になるわけで、そのときにわれわれは規定を全く設けないということではなくて、やはり、人事に関しては教育公務員特例法の趣旨というものを考えて、大学人がみずからの手によってみずからの人事を行うという規定の上での保障をこの法律も設けるべきだと考え、その場合にどういう形でその規定を設けるのが適切であるかということを検討した結果、この大学の教授会というもののあり方がほかの大学の場合とは著しく相違をするというような点を考えて、いわば大学の教員の代表で組織をする評議会というものを設けて、そこに人事権を実質的にゆだねる。そういう手当てをするのが最も妥当だと考えたわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この評議会がこの大学の関係の教授あるいは客員教授を含めた大学の意思を代表するものであるかどうかは、これはこの法律の上ではわかりませんね。私は、これは時間がありませんからこれでおきますけれども、それらの点は、一方では確かに特殊法人の一般の規定に従ってやったのです、発足のところはそうですというふうにおっしゃるのですけれども、そこのところでは「公務に従事する職員とみなす」というふうなことからいって、それならば教特法の準用だってできないことではないというふうに思うのですよ。  そこらに文部省の意思が動いている感じですからね。これ以上言ってもあれですけれども……。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 ちょっと確認ですが、電波監理局長、さっき近藤さんの質問にお答えしたのと私に答えたのと若干違うのじゃないかという懸念がありますからお尋ねしたいのです。  それは放送衛星のことで、スマトラ上空に放送衛星を上げて八チャンネル確保できるということで、ここから先は私が聞いたので言えば、NHKが二つ使い民放が五つぐらい使うので、一つは放送大学用というような話も以前にありました。  いずれにしても、五十八年に打ち上げるとすれば、それに放送大学のチャンネルを取るということはどうかわからないけれども、大体四年たてば次のものが上がるからそれでは取れるという御答弁が私にはあったと思う。近藤さんへの御答弁はそれもむずかしいというようなことにもとれたのですが、これは大丈夫なんでしょうか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 国際会議によりまして、スマトラ上空に八個の、衛星の位置と周波数は確保されておるのが現状でございます。  それで、決まったわけではございませんが、五十八年に打ち上げられるであろう衛星にNHKの難視対策のための二つのチャンネル、これは現在予定をいたしております。そうしますと、残りの六つのチャンネルにつきましてはどのように使っていくかということは今後決めてまいります。全部放送大学のためにということは現在申し上げるわけにはまいりませんけれども、これから決めてまいります。したがいまして、先ほど申されたような五十八年から四年先と申しますか、五十七年から四年先でございますか、そのあたりを目途にされて御計画になる場合には可能性がございますということでございます。  行き違いはないつもりでお答えしたはずでございますが、失礼いたしました。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 はい、わかりました。

小川仁一日本社会党

○小川(仁)委員 十七条で、「学園の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。」とありますが、この刑法上の罰則というのは、具体的にはどこの条文なんですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 これは刑法だけではなくて、およそ罰則の規定の上で、「法令により公務に従事する職員」についての特別の規定があるものについては、「法令により公務に従事する職員とみなす。」という取り扱いになるわけです。  たとえば刑法の場合であれば、贈収賄罪であるとか、公務執行妨害罪であるとか、そういったものについて特別の規定がありますから、その場合の規定の適用を受けることになるわけであります。

小川仁一日本社会党

○小川(仁)委員 ここは特殊法人ですから、さっき司法上と言いましたから労働三法はもちろん適用になって、労働組合その他についてはいままでの特殊法人と同じように完全に適用になると考えていいですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 労働三法は適用になるわけであります。

小川仁一日本社会党

○小川(仁)委員 それで、労働三法適用の場合、ここで働く人たちの対象者ですが、専任教授はいいだろうが、客員教授なんていう場合はどういうふうな扱いになりますか。この組合の中に入りますか。それともこの組合に参加してはいけないのですか。組合で決めればいいのですか。ここをはっきりしてください。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 私もそこはよくわかりませんけれども、要するに一般に私立大学で非常勤講師をどうするかということを考える場合と同じことであろうと思います。

小川仁一日本社会党

○小川(仁)委員 客員教授の中には、国立大学の教授が兼任するなどという場合はありませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 もちろん、国立大学の教授が客員教授になる場合はあります。  組合の構成員をどうするかということは基本的にはもちろん組合で御判断になることでございましょうけれども、そのことと国家公務員の身分を持っている非常勤職員とがどのようになるのかは、もうちょっと検討させていただかないと、私もとっさにはちょっとお答えしかねます。

小川仁一日本社会党

○小川(仁)委員 では、後で答えてください。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 さっきの問題ですが、そのままになっておりますから問題点だけを浮き彫りにしておきます。  いままで文部省は、管理職について発令をする場合、学部長の発令、学長の発令、評議員の発令とか、そういう発令の際は、法律で決められていない大学自治の運用規定によって行われたものであっても発令している場合としていない場合がある。その長い間の幾つかの経験がありますが、御存じですね。発令していない場合はどういう場合ですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 教育公務員特例法の規定あるいはその趣旨に反するというようなことでその選出の具体の態様が判断された結果、これは困るということを申し上げておる例があろうかと思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 そうしますと、この放送大学の場合は基準は評議会で決めますけれども、教授会の意思で大学の運営を規則で決めた場合、たとえば仮に選挙規程を設けたとしましょう。そのときに客員教授が選挙権を持っている場合、そこで選ばれた学長というものは、学部長も一緒なんですが、発令をしますか、しませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 そもそもこの大学が学長を選ぶのにどういう手続によるかということは、この段階で私があることを決め込んで御返事をするわけにはいかないだろうと思うのです。  ただ、一般的に言えば、客員教授の場合には、基本的には恐らくは一年で交代をされるというようなことが前提になっての方々でございましょうから、そういう方々が参加をして選挙によって学長が選ばれるというようなことは適切ではない。適切ではないということを申し上げるにとどめさせていただきます。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 それならば、学習センターの教授はどうですか。  学習センターの教授たちが教授会の構成メンバー足り得て、そして学長を選ぶという場合に選挙権を行使したら、それはどうですか。それはいいのですね。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 いまの客員教授の場合のような問題は少なくともないわけですけれども、基本的に、この大学の学長を選ぶ場合に、従来の大学における例と同じような選挙による選び方というものがいいかどうかという点がまず問題になるのだろうと思うのです。  それは大学の決めることではあっても、やはり、放送大学の教員構成というものの多様性に着目をした独自の工夫がこの大学の場合にはあってしかるべきであり、通常の大学のように選挙によるのだと決めてかかることは必ずしも妥当ではないと私は思います。

嶋崎譲日本社会党

○嶋崎委員 この大学は国民に開かれた大学であって、不特定の国民全体が学生になる資格を持っています。その開かれた大学の学長は少なくとも最も開かれた形で選ばれるべきだと私は思います。  そうしたときに、教授会と評議会というものがあいまいな構造を持っており、しかも評議会で規則は一切決めることであっても、この開かれた大学の学長というのは東京大学の学長や京都大学の学長と違いまして、全国民に開かれた大学の学長でありますから、大学の持っている性格からして、評議会や上から任命されるような性質の学長であってはならない。そこには人材のすぐれた学長を据えるための、広範な、国民的な一定のコンセンサスを得るような手続や条件というものを考えるべきだと私は思います。  したがって、午前中からの議論にありますように、教授会というのは、事実上筑波方式で教官会議ないしはコースチーム委員会、専門委員会というものに実体が解消されて、機能力なものとして運営され、大学の管理機関は事実上評議会という形で運営される可能性を大変秘めていると思う。そうした場合に、国民に開かれた大学の学長というのは、そういう管理機関を前提にしてそこで決められる規則が、教授会がどこまでの範囲になるかもあいまいであり、大学で決めることですから今日あいまいなのはあたりまえです。  しかし、その教授会は国民に開かれた学習センターも含めての構成員として考えられ、しかもこの大学のシンボルである学長は国民的に見て、あの人ならば国民的な大学の学長だなというなふさわしい人間を選べること、しかもこれは上からの任命ではなくて、民主的なたとえば推薦権みたいなものですね。国立大学の国大協なら国大協みたいなものかもしれない、学術会議かもしれない、私学の組織かもしれない、公立の大学の組織かもしれない、そういう全国の国公私立大学の中からこの大学にふさわしい学長というものが選ばれるような手続というものを一方で想定し、他方で大学の管理運営の機関が決める規則というものとどう関連をするかということは非常に興味ある組織論の問題であります。  したがって、ここにいま法案で提出された大学管理機関を評議会優先の組織にすること、人事の基準並びに人事の決定をこの議に基づいてすべてを決めていくという法的な手続、仮にこれを了として、この大学の持っている性格を筑波のような方式で、筑波大学で言えば人事委員会、評議会、参与会を一体としているような評議会がすべての権限を集中しているということになると、その議長である学長の選び方というものは、国民に開かれない、ある意味では上から任命される、閉ざされた傾向を持つ可能性を含んでいると思う。これは私の考えです。  したがって、法律の上では局長のような答弁は一方に成り立つけれども、教授会というものに軸を置いた大学の管理運営ということも考えられないことはないわけで、東大の塩野教授が参考人として述べているとおりであります。そういう意味で、管理運営を、この提案された法律の論理として局長の説明は了とするが、もう一遍客観的に見直してみて、いま言った趣旨の大学の管理運営の責任者はどういうふうにして選び、そしてまたそれが国民のコンセンサスを得るような人になるには、いわゆる推薦制の問題とか、それから間接選挙でいいですからよその大学の人を持ってきて学長にすることだってどこの大学でもできるのですから、それで最終決定を仮に評議会でしても、そこに持っていくための手続はかなり広範に運用していくことは他大学でいろいろ行われています。ですから、ここの大学の場合には、そういう意味でもっとそういう観点を持った運用の可能性というものを頭に置いてこの教授会、評議会の関係というものは検討すべきだというふうに私は思います。  そういう問題点を指摘しておいて、どういうふうに取り扱うかについて、法案審議の今後の問題として問題点を残しておきます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 ちょっと簡単ですが、監理局長、さっき白濱大臣があなたにちょっと確かめながらお答えになったことで、放送番組の理事にはうちから出るんだというようなお答えがあったのですが、違いますか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 まだ正確に文部省と詰めたわけではございませんが、先ほど来先生方がおっしゃっておりますように、教務関係のほかにどのような理事が置かれるだろうかというときに、やはり、放送関係という理事あるいは財務関係というような理事は特に郵政省の分野に関係した理事として大臣がお答えになったと思います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 私も常識的には、放送番組の理事というと大体専門的な分野ですからそうならざるを得ないのだろうと思うのですけれども、内藤文部大臣は実はいままで大変りっぱに御答弁になっているのですよ。石橋先生の質問でも、「いやしくも、従来のような関係省庁の天下り組で占められるということになりますと、それこそ開かれた大学ということで盛んにやっているこの放送大学が」というような質問に対して、文部大臣は、「ここでは文部大臣が理事長と監事を任命することになっておりますけれども、いまお話しのように、これが役人の天下りになったらそれこそ国民の信頼を失うと私は思うので、広く各方面から人材を集めて、さすがにりっぱな学園だと言われるような人事でありたいと思って、」と言われ、あるいは、私の同じような質問に対しましても、「これだけ国民の期待を集めておるものですから、文部官僚がこういう天下りをして歩いたら、それは大変な非難を受けると私は思うのです。そういうことは絶対に避けなければいかぬ。」とお答えになっていらっしゃるのです。  この天下りというものの限界は一体どこかということもありますが、しかし、世論で言われる天下りというのは、ことに問題は理事なんですね。だから事の性質上から言うと、放送関係の理事はやはり専門家ということになると、いま局長がおっしゃるように、それは郵政省関係からの相当な方がいらっしゃるというのが常識のような気もするのです。けれども、文部大臣は天下りは絶対に避けなければいかぬとおっしゃったのですよ。絶対にやりません、それはNHKであっても同じこと、天下りの限界だね。たとえば、会計課長をどう持っていくのだなんて、それはいろいろあろう。だけれども、そういう下は別として、少なくとも天下りと言われておるそのものは理事というのが一番大きい問題だと思う。  大臣は大変にりっぱなことを言っていらっしゃる。しかし、実際から言うと監理局長の方が正しいように思う。監理局長に聞きながら白濱さんが答えた方が実態だろうと思う。初めから主務大臣二人の中におけるところの意見の不統一があるということですね。内藤さん、この辺は少し修正しなければいかぬのじゃないの。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○内藤国務大臣 私が言ったのは、何か官僚の天下りというものについて大変あなた方から御批判もありましたから申し上げたので、やはり、これは放送大学ですから、国民の信頼と尊敬をかち得るようなりっぱな人を選びたい。だけれども、主務大臣は私だけでなくて郵政大臣も主務大臣ですから、郵政大臣とよく協議して、やはり放送関係の専門家も入ってもらわなければならぬ。その放送関係の専門家が天下りとは私は考えていない。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 これはまた大変だな。それはあなたが相談するのはあたりまえだけれども、しかし、法律上はあなたが任命権があるのですよ。あなたが任命するのですよ。その天下りか否かというのは、一番大きな理事であり、あるいは理事長ですね。だからあなたはそういうことは絶対に避けなければなりませんと言っているのですよ。  だから、その辺あたりは、いまのあなたの御答弁だとよく相談して答弁でもし直さなければいかぬじゃないの。あなたのおっしゃることであるならば、ですね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○内藤国務大臣 私が申し上げたのは、専門家が入ることはいいのですよ。これは当然のことですよ。ただ、専門家でない天下りというのは、これは遠慮した方が……。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 普通行っているのは、みんな専門家だから天下っているのですよ。大蔵省の持ち株に文部省は余り行かぬし、郵政省の持ち株に文部省は行かぬでしょう。天下りは大抵専門家ですな。そういうことも含めて、これは大した問題ではないからいまとことんは言いませんが、大臣の答弁としては余りりっぱなことだけじゃだめなの。議事録に残るんだから、もう少し両大臣で協議して、答弁も検討して、しかるべきときにしかるべきことの方がいいですな。

坂本三十次自由民主党

○坂本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時十一分散会

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