文教委員会 第7号
- 発言数
- 433 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/04/25
会議録
○森(喜)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。 放送大学学園法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木島喜兵衞君。
○木島委員 いま雑談で話しておったのでありますけれども、わが党のトップバッターに予定しておりました嶋崎さんが病気でちょっと入院したものでありますから、ピンチヒッターでありますので、ウォーミングアップをしていないリリーフは調子がいいとは申せません。まことに恐縮でございます。 内藤さん、あなたの在任中においてこの放送大学ができたということになると、あなたの最大の業績になりますね。それだけに、たとえば社説や論説等を見ましてもいろいろと問題点が指摘をされておるようでございます。もし将来に禍根を残すようなものであったならば、あなたは逆に将来において汚点を残すことにもなる。 そういう意味ではあなたもいろいろ御苦心なさっておることだと思うのでありますけれども、まず大臣にお聞きしますが、この大学の意義というものをどのように御理解になっておられますか。
○内藤国務大臣 これは、放送という手段を通じて大学教育を国民に普及させる、そして、いま試験地獄で悩まされている子供たちがだれでも大学に入学できるような機会を与えたい、こう思うのでございます。 〔森(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○木島委員 局長、補足がありますか。
○佐野政府委員 いま大臣からお答えを申し上げましたように、ラジオ、テレビによる放送を大幅に活用することによりまして、国民各層の広範な要請にこたえて新しい形の大学教育の機会を広く国民に提供する。それによって、いわば地理的なあるいは時間的な、さらには年齢的な制約を超えた高等教育の機会均等の推進に資するということがございます。また、そのことは、限られた電波というものが教育、学術、文化の領域で、放送大学の学生だけでなくて、広く一般国民に提供される。そのことによって電波の効果的な活用という面でも大きな意義があろうかと存じます。 さらに、放送大学を創設することによりまして、一つには、放送大学の教材の作成に当たって広く国公私立の大学の先生方の協力が得られるわけでございますし、授業内容の充実あるいは授業方法の改善ということがこの大学においては常に検討され、提供されていくわけでございます。そうした放送大学の授業内容なりあるいは放送教材というものが公にされることを通じて、既設の大学の教育の内容、方法等の改善にもこの放送大学の寄与というものが期待をされるということがございます。 さらに、放送大学においては、ほかの大学等との間の単位互換を積極的に進める、あるいは単位の累積加算というような、従来から検討課題とされていることについても放送大学の場を通じて積極的な検討を進めていく、そういうことを通じて、いま非常に大きな課題になっている高等教育全体のあり方をより柔軟なものにしていくということにも寄与することが期待をされる、そのように考えております。
○木島委員 大臣、先ほど申しましたように、悔いを残さないためには将来国民すべてに祝福される大学でありたいし、国民が将来に心配を持つような大学の出発ではありたくありませんし、国民の合意が得られるということが国民全体に開かれた大学としては好ましいと思うんですね。 そういうためには、十分な審議をし、この国会の中において合意すべきものは合意されるように、あなたもまた謙虚でなければならぬだろうと思うのですが、その点はどうですか。
○内藤国務大臣 全く同感でございまして、日本の将来にとって非常に大事なものですから、私も各党の意見を十分拝聴してより完全なものを——いま私どもの出しているものはいいものだと思いますが、今後いろいろ問題が残されておりますから、そういう問題についても御協力を得たいと思っておるのであります。
○木島委員 そのことは、法改正も審議の過程ではあり得ると理解してよろしゅうございますか。
○内藤国務大臣 一応この法律でまずスタートさせていただきたい、そして今後改善すべき点があれば改善いたしたいと思っております。
○木島委員 まず出発させてと言うけれども、まだ審議が始まっておらないのでありまして、これから審議を始めるのです。その中でいろいろな問題があるときに謙虚に受けとめて、あなたが将来に禍根を残さないのだと言うときには、この中において法改正もあり得る。そうでなければさっきのあなたのおっしゃったこととは矛盾して一致しませんからね。そうなんではございませんか。
○内藤国務大臣 私どもはこの法案で十分だと信じておるわけでございますけれども、御指摘のように、なお問題点がありますればそれは慎重に検討させていただきます。
○木島委員 そこで、どうでしょうか。この法案をつくるまでに至る問題点として、あなたが最も苦心し苦慮された問題点は何ですか。
○内藤国務大臣 一番私が心配しておりますのは、これは放送の関係で関東地区だけなんですよ。全国放送ができない点、これが一番の私の悩みでございます。
○木島委員 それも一つですね。それだけですか。
○内藤国務大臣 それが一番でございまして、その他は私どもは間違いはないと信じておるのですけれども……。
○木島委員 なぜ国立大学にしなかったのですか。
○内藤国務大臣 国立大学についてはいろいろ御意見もありまして、国が直接管理するという行き方については御批判もありましたので、やはり特殊法人の方が——特殊法人というのは国立ではないんですね。私学のいいところも取り入れて自主性を持たせると、こういう意味におきまして特殊法人にしたのでございます。
○木島委員 そうではなくて、一番大きかったのは電波法や放送法の関係でしょう。そうではないですか。
○内藤国務大臣 もちろんそれもそうでございます。電波法の関係もございます。
○木島委員 いや、その方が一番問題が大きいのでしょう。国立学校ではなくて特殊法人にしたのは、ですね。
○内藤国務大臣 その点も非常に大きな影響があったことは確かでございます。
○木島委員 そこの認識が非常に大事なんですが、国立か特殊法人かというときの一番の起点は何であったかというと、私は、電波法、放送法だと思うのです。 すなわち、電波法、放送法では国が電波を持ってはならないということだから国立ではできないということなんでしょう。それが一番大きいのではないですか。
○内藤国務大臣 御指摘のとおりであります。 やはり、国が持ってはいかぬという意味で特殊法人にしたわけでございます。
○木島委員 その、国が電波を持ってはならないという原理はどこにあるのですか。
○内藤国務大臣 いま、放送を見ておりますと、国が持っているところはないわけなんです。NHK初めどこも全部国が直接管理していませんから、そういう意味で、やはり特殊法人の方がいいということが総務会の強い意見でございました。
○木島委員 なぜ国が電波を持ってはいけないのですか。おっしゃるとおりいまは持っていませんね。なぜ持ってはいけないのですか。
○内藤国務大臣 それは、やはり郵政関係の法律の関係だと私は思います。放送法の関係ではなくて……。
○木島委員 だから、電波法でもっていけないという理論、その思想は何ですか。原理は何ですか。
○内藤国務大臣 やはり、国が直接放送を支配するのはよくないということだと思います。
○木島委員 なぜいけないのですか。その理由は何ですか。
○内藤国務大臣 それは、放送の自主性を尊重したいという点じゃなかろうかと思います。
○木島委員 そうですね。すなわち、憲法二十一条の言論、表現の自由というものを守るということですね。 先ほどちょっと局長もおっしゃったように、限りある電波でありますから、複数の多くの意見を電波でもって流すことができないだけに、国が持ったときに、国の放送によって国が国民の思想統制をしてはならない、だから持ってはいけないという、その原理でしょう。憲法二十一条の原理ですね。そう思いませんか。
○内藤国務大臣 お説のとおり、国が言論の統制をすることはよくないので、そのことは放送法にも規定されております。
○木島委員 郵政省の中山さん、どうですか。
○中山説明員 お答え申し上げます。 古い話でございますけれども、昭和二十五年だったと思いますけれども、現行放送法が制定されたときに当時の国会でいろいろ御議論がございまして、そのときに、国が放送事業者となることについての御意見もあったかと思いますけれども、要は、国と申しますものは非常にパワフルな存在でございますから、ならない方がいいだろうということが発想の根底にあったような感じでございました。いわば、国が放送事業をすることは予定されていないというぐあいに私どもは理解しておる次第でございます。
○木島委員 ですから、持たない方がいいだろうという思想の原点は何かと言えば、憲法の二十一条によるところの表現、言論の自由、すなわち国が持ったときには統制になるおそれがあるという憲法原理が働いて、いまおっしゃったような経過をとったということではありませんか。
○中山説明員 明らかな御議論はございませんけれども、そういう御意見もあったかと思います。
○木島委員 NHKになぜ国が金を出さないのですか。なぜ補助金を出さないのですか。
○中山説明員 お答え申し上げます。 御承知のとおりでございますけれども、NHKは報道、教育、教養、娯楽の各面にわたる総合的な放送機関、しかも公共的な放送機関だという理解のもとにでき上がっておるいわば言論機関でございます。したがいまして、そういうところには国が直接お金を出すということは考えてこなかったというぐあいに理解しております。
○木島委員 公共の言論機関であるから国は金を出さない。すなわち、金を出すことによって公共の言論機関が政府によって支配されてはならないということでしょう。
○中山説明員 そのように理解しております。
○木島委員 そのことは、先ほどから申しますところの憲法二十一条の言論、表現の自由という、その憲法原理に端を発していると理解すべきではないでしょうか。
○中山説明員 そういう御意見もあったように覚えております。
○木島委員 そこで、NHKに受信料を払っていますね。この受信料を払うということは、これは言論の保障制度であると理解してよろしゅうございますか。 すなわち、国が金を出さない、だから受信料を国民が払う、それで経営するのだ、国が出さないでみんなが出すのだ、そのことによって国の支配を排除しよう、思想統制を排除しよう——民放の場合もそれはコマーシャルの広告料金で、国は出さないということで、言論の保障制度としての受信料ないしは民放におけるところの広告収入と理解してよろしゅうございますね。
○中山説明員 お答え申し上げます。 言論機関は日本に新聞もございますし、また放送もございますけれども、放送の場合はNHKと民間放送がございます。 民間放送は、いま先生も御指摘のとおり、みずからの営業努力、企業活動によりましてその必要な経費を賄うという仕組みになってございまして、どこからもお金を仰いでおりません。NHKは国民から聴視料をいただきまして、それによって必要なお金をいただきまして放送を行うという体制をとっております。国が直接やらない方が望ましいという当時の判断があったかと思います。
○木島委員 国が出さないということは、さっきから繰り返しますけれども、憲法二十一条の憲法原理による。とすると、今度のは特殊法人ではあるけれども、いわば全額国費であります。言うなれば準国営放送とも言うべき性格のものだと言えるのじゃないかと思うのですが、この点は郵政省、どうですか。 いままでの御答弁からいって、国が金を全額ほとんど——授業料は入りますけれども、ほとんど全額が国費でもってなされるものでありますから、今日の全国的な放送を担当するところの公共放送、すなわちNHKと地域密着型の民放という二系列は、いま言ったように言論、表現の自由というものを前提にして、国の介入は許さない、思想統制は許さないということできたのに、今度のものはいわば第三の系列であります。いままでの電波法、放送法のずっと今日まできたところの二系列から第三の系列になり、その第三の系列は準国営放送であるとするならば、今日までの放送体系を大変大きく変革するものだと考えざるを得ないのでありますが、その辺に対する郵政省のお考えはどうですか。
○中山説明員 お答え申し上げます。 先生からずっと御指摘があり、また私どもの方から御答弁申し上げてきた次第でございますけれども、放送法制定のいきさつ、趣旨などからいたしまして、国が放送事業者になることは予定しておりません。そこで、今回放送大学学園法案をもちまして特殊法人を設立いたしまして、先生から御指摘のとおり国からほとんど全額お金が出るわけでございますけれども、この特殊法人は御承知のとおり国とは別の法人格を有するものでございますので、国営放送というぐあいには考えておりません。 それから、この場合、通例の特殊法人とは異なります。具体的に申しますと、たとえば主務大臣は財務、会計以外の監督命令を出さないというような形になっております。また、番組制作は教学の一環といたしまして大学において制作されるというぐあいの仕組みにもなっておりまして、いわゆる国からの独立性と申しますものが十分担保されておるのじゃなかろうかというぐあいに考えております。 それから、先ほど来申し上げておりますように、NHKなり民間放送なりは総合的な放送を広く行うものでございますけれども、この放送大学学園の放送はもっぱら大学教育のためにのみ行うものでございますので、既存の、いままで御説明申し上げております放送体制に及ぼす影響は少ないものだというぐあいに郵政省では考えております。
○木島委員 わかるよ。あなたの顔を見れば大変苦しい答弁をしておることはわかります。ですが、それはいずれにしてもこれからだんだん話を進めていきますけれども、国からの独立性が十分に確保されておるということは、この大学のあり方というむしろ文教プロパーの問題でありますからその点はこれから議論しますから、あなたがそのように完全に独立しておるなどと言えるかどうかはしばらくお聞きいただきたいと思います。 同時に、大学であるから学生のみだとおっしゃいますけれども、実は先ほどもちょっと聞いたのでありますけれども、生涯教育的要素が非常に強いわけでありまして、それは学生にならなくたって、私も入らないだろうと思うのでありますけれども、しかし、やはりところどころは授業料を払わないで聞きたいという、すなわち国民不特定多数がこれを視聴する可能性は大変に強い。そういう点で国が金を出すということは今日までの放送体系の中ではなかった、あるいは否定をしてきたという限りにおいては、今日までの放送体系の大きな変革である、第三の放送体系であるということはやはり言えるのじゃありませんか。
○中山説明員 お答え申し上げます。 いままでございましたNHKとそれから民間放送の、そのいずれでもない放送の形態である、新しく出てきた分野である、それがもっぱら大学教育のためのものであるという事実はよく承知いたしておるつもりでございます。
○木島委員 そこで、放送法の四十四条の三項に、「放送番組の編集に当たつては」「政治的に公平であること。」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」とありますが、この規定の思想は何ですか。
○中山説明員 お答え申し上げます。 御承知のとおり、電波と申しますものは限られたもので、かつ、数が少のうございます。そういうことでございますので、私どもといたしましては、国民的財産であろうというぐあいに理解させていただいております。 放送局の免許を受けました放送事業者は、このような電波を免許によりまして独占的、排他的に利用する権利を取得いたしまして、これによりまして放送を行う立場にあるわけでございます。しかも、その放送が与える影響は新聞ともども非常に大きな影響があるということでございますので、公平性と申しますか、社会的秩序の確保と申しますか、いわゆる公共の福祉の見地から放送事業者の方々に守っていただく最低限の準則を定める必要があるだろうという、その趣旨が放送法四十四条三項の趣旨でございまして、御心配の点は多分憲法が保障する表現の自由に対する制約としてどうかということであろうかと思いますが、私どもといたしましては、十分許容されるものではなかろうかというぐあいに理解させていただいております。
○木島委員 放送としては、いまおっしゃるように限りある電波の数でございますから、複数の放送はなかなか困難であるだけに当然こういう規定が必要であろう。そのことによって、いまおっしゃるように、たとえばそれは体制側であれ反対制側であれ、恣意的に国民の思想統制なり一方的な思想の注入なりというものを避けるという思想だと考えます。 そこで、よく言われるのでありますけれども、たとえば憲法の第九条と自衛隊の問題に対する合憲か違憲かという議論がありますね。このときにこの放送法の四十四条の三項で言えば、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」でありますから、論点を明らかにした上でもってさらに結論として総括的に、ある放送事業者がこれは違憲であるとかあるいは合憲であるとはっきり言ってはいけないと書いてあるのですな。「論点を明らかにすること。」とあるけれども、論点を明らかにした上でもって総括的に結論として合憲だ、違憲だということは、この場合には言ってはいけませんね。文章上は「論点を明らかにすること。」である。違憲だという論理、合憲だという論理、しかし私はこう思うということは言っちゃいけないと書いてありませんな。書いてありますか。
○中山説明員 お答え申し上げます。 放送法四十四条三項の特に先生のいまの御指摘の点は、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにしろというぐあいに定めさせていただいているわけでございます。 実態から申しますと、それぞれの放送事業者の立場から可能な限度におきまして論点を整理いたしまして、この場合はどうである、この場合はどうであるというような御意見の紹介がなされておりまして、たとえばこの場合であるならば合憲、たとえばこの場合であるならば合憲でないというような報道が実態としてなされているように承知いたしております。
○木島委員 そうではなしに、いま申した憲法の九条と自衛隊の問題については、論点を明らかにすることという点ではいま言ったとおりです。ところが、それをもしも放送事業者が合憲だ、違憲だということになりますと、その前の政治的公平にひっかかりますね。だからやれないのですよ。 論点を明らかにするということの中では、総括的に結論を出しても否定はしていませんね。否定はしていないけれども、そうすることによってそのことは政治的公平を欠くことになります。いまの憲法九条と自衛隊の関係の合憲、違憲で言えば、ね。だから、この例で言えば、言えないというのが放送法四十四条三項の規定から当然なんじゃありませんか。
○中山説明員 お答え申し上げます。 実例ばかりで申しわけございませんが、いろいろ意見が対立する問題につきまして、たとえば一週間のワンクールの期間を限りまして、Aの意見、Bの意見、全体としてみんな紹介した。それぞれまたきちんとした、その限りにおいて確定的な意見を、A意見を述べ、三日後にB意見を述べる。一週間ワンクールといたしまして全部の意見が出たというような制度がなされておるわけでございます。
○木島委員 いまぼくは九条と自衛隊の関係の例で言っている。憲法九条と自衛隊の合憲か違憲かという問題について総括的な結論を下していないでしょう。現実的には政治的公平を欠きますね。
○中山説明員 お答え申し上げます。 具体的に憲法第九条の合憲、違憲の問題につきましての事例を覚えているわけではございませんけれども、たとえて申し上げますと、A意見は自衛隊を憲法第九条で合憲とする意見を述べられ、B意見はそうでないとする意見が述べられたといたしますと、ある限られた時間帯に、一つの放送番組の中でもよろしゅうございますし、あるいは一週間のワンクールの中を通じてでもよろしゅうございますけれども、A意見を強く述べ、その次にB意見を強く述べ、全体として全部の意見を紹介した。その中でA意見は合憲、B意見は違憲という整理はなされると思います。
○木島委員 だから、その限度しかできないのであって、放送事業者は結論として違憲だ、合憲だと言うことはできませんねと申し上げているのです。
○中山説明員 お答え申し上げます。 そのとおりでございます。
○木島委員 そこで、局長、大学の場合はいかがですか。
○内藤国務大臣 もちろんこれは政治的公平でなければいかぬ。だから、御承知のとおり、教育基本法にも、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」とはっきり出ていますから、政治的中立でなければいかぬことは御指摘のとおりです。 それから、いまのお話の意見が異なった場合、双方の意見を紹介しなければならぬ。しかし、学問の自由の点でいろいろな意見がある。しかし私はこう思うということは言えるのじゃなかろうかと私は思います。
○木島委員 そうなんです。放送法四十四条三項からは言ってはいけないのです。だが、おっしゃるとおり、大学というものは言わなければ学問にならないのです。この矛盾をどうするかということが一つの基本的な問題なんでしょう。
○佐野政府委員 御指摘のように四十四条三項の問題について考える限りにおいては、異なった論点というものを公平に提示する、そしてその上でその講義を行っている教授の学問的見解を述べるということは許されていると思います。 しかし、片方で「政治的に公平であること」という二号の制約がございます。もちろん、「政治的に公平であること」という要請は、政治的な性質を持つ問題について教授が自己の考え方を述べることまでを禁止しているものでは決してないと一般的には言えるでございましょうけれども、事柄によっては、特定の政治的立場を支持し、あるいはそれに反対するという効果を持つ結果にその教授の講義がなるということがあり得ますから、したがって——もちろん、放送大学に限らず、一般の大学であっても、講義に意識的に政治的な偏向を持ち込むということは教育基本法の禁止しているところではございますけれども、放送大学の場合には、一般の大学よりもより慎重に政治的な性質を持つ問題については取り組まなければならない。 しかし、そのことは、放送大学における講義というものがおよそ大学における教育、教授になり得ないということではない。そういった放送法の制約というものを考えながら、放送大学自体がいわば自制をしてその内容を定めていくということで対応できることだと考えております。
○木島委員 多分に技術的に可能だという式におっしゃいますけれども、放送大学が大学であるということを前提にし、大学であるということを主張し得るとするならば、それはおのおのの教官が自分の研究からの結論を当然学生に率直に披瀝をする。それが憲法二十三条の学問の自由、そこから来るところの研究、教育の自由が保障されているわけでありますから、放送法を考えなければ、当然、それはいまおっしゃるように基本法の制約の一党の政策や何かはいけませんよ。けれども、学問研究の結論をその教授が述べるのは、研究の、学問の自由の当然の帰結なんでありますから、いま言う憲法の九条と自衛隊は合憲か違憲かは、その教授の見解というものが研究の上にあるわけでありますから、それを述べなかったら学問の自由というのはあり得ないという基本的な——放送法と、大学は大学であるというところの学問の自由と、この二つが放送大学の場合に矛盾をして存在する。もし放送法というものを中心に考えればこれは大学たり得ないし、大学の学問の自由というものを中心に考えれば放送法というものが変になってくる。 これは技術的にどうのこうのじゃありません。おのおの放送法体系、学問の体系の基本的な価値にかかわる問題でありますから、そういう意味でこの矛盾をどうするかということをお聞きしているのです。
○佐野政府委員 御指摘のように、放送大学の場合に、この放送法の要請というものと大学の教授の自由、講義の自由との間をどのように考えていくかということは非常にむずかしい問題であると思います。基本的には、放送大学の場合であっても、公平に多くの論点を提示し、しかも学問的な公正を失わないという形において教授が自分の学問的見解を述べるということは許されることであるとは思いますけれども、御指摘のような放送法の要請があり、その限度において通常の大学の講義の場合以上に慎重な配慮が放送大学について必要であるということは、これは御指摘のとおりであろうと思います。 しかし、それはやはりそういうものとして、放送大学がみずからの問題として受けとめて対応をしていくということができることであり、また、しなければならないことでございますから、それがいわば放送大学の大学の自治の内容をなすものだと考えるわけでございます。
○木島委員 時間がないから少し急がなければなりませんが、言論、表現の自由という憲法二十一条の原理から来るところの放送法の制約、それから二十三条の学問の自由から来るところの大学の基本的な価値、この二つはともに、先ほどから私が言っていることから言うならば、国の干渉なり思想統制なりを排除するという意味では一致しているのですよ。その理念では一致するのです。矛盾がないのです。けれども、大学というものと放送というもののあり方の差異がこの場合に——いま局長はいろいろ配慮せねばならぬとおっしゃるが、そういう配慮せねばならないような二つの制約が具体的に矛盾としてあらわれてくるのだと思うのです。 たとえばいままでの説明で、これは少し極端な言い方ですけれども、カリキュラムをつくる、番組をつくる、それは何人かでつくるというお話がございましたね。たとえばさっきから例に出しています憲法九条と自衛隊なら自衛隊の問題をどうするかという場合に、それはいろいろ議論はありましょう。議論はありましょうけれども、たとえばそういう何人かの先生方でもってつくって、それでこうしゃべれということになれば、合憲であるということを学問の結果としてお持ちの先生であれ、違憲であるという学問の結論をお持ちである先生であっても、そう言えないわけですな。極端な言い方を言うならアナウンサーになってしまいますな。 これでは教授の自由というものがあるのだろうか。これではアナウンサーに化してしまうのではないだろうか。ことに放送をされる方、出演をされる方は、有名教授なりあるいは客員教授なり、きっとそういう有名な方になるのですけれども、そういう方が自己の研究の成果を発表し得ないということになるじゃありませんか。それが大学なのだろうかという疑問がどこまでもつきまとうのですが、いかがですか。
○佐野政府委員 率直に言って、私は、基本的にいま先生がおっしゃっているような困難な問題があるということはわかりますけれども、そのことは、放送大学における講義の内容というものが、全く個性のない対立する意見をただ並列して紹介をするだけのものにとどまらなければ放送法の要請に反することになるということであるとは私は考えていないわけでございます。 先ほどから申し上げておりますように、放送大学の場合に限らず、一般の大学であっても、特定の政治的な立場というものを持ち込んで意識的に講義を行うということは、これは客観的な真理を追求する学問というものと相反することであり、それは普通の大学であろうと放送大学であろうと許されないことでございますけれども、放送大学の場合も一般の大学も、公平に対立する見解というものを紹介をしながら、しかも自分の学説を紹介するということは、放送大学の場合が一般大学の場合よりもより慎重な配慮が要るという点は事実でございますけれども、質的に異なるというものではなかろうと思うのです。 ただ、放送法の要請というものがございますし、御指摘のような問題があるわけでございますから、その教授の見解が一方的に提示されるということはもちろんよくないことでございますし、反対意見も十分に示し、それを考えた上で、学問的な公正を失しないという形で放送大学の講義というものが行われるという可能性はないわけではない。そこをまた大学は、いまの先生の御指摘のような、複数の教員によるチームを組んでの慎重な検討というものを経て努力をしていくということであろうと思います。
○木島委員 先ほどから例に出していますが、憲法九条と自衛隊なら自衛隊の問題の場合に、放送をする先生、出演をする先生は合憲だとかあるいは違憲だという結論をお持ちであっても、その違憲、合憲のいろいろな理論は両方とも対立する意見ですから述べなければいけません。そして自分の学問的な立場でもって合憲だとか違憲だと言ったときには、放送法四十四条の三項の政治的公平を欠くわけでしょう。 このことはいまおっしゃるように、一方的な、基本法のやってはいけないという政治的な意識的なそういうことではなしに、学問的なことにおいてやはり放送法の制約があるわけでしょう。放送法の四十四条三項に違反するわけでしょう。そう思うのですがね。
○佐野政府委員 御指摘のように、憲法の判例の分析というようなものが多かれ少なかれ政治的な判断を含む場合があるということは十分に考えられますし、そういった問題について放送大学がきわめて慎重な対応を要するということは間違いのないところでございますけれども、しかし、そのことは、先ほども申しましたように、全く平板にそれぞれの対立する見解を紹介をする以上のことが放送大学の講義ではできないということではないであろう。もちろん、通常の大学以上に放送法の要請を考慮した配慮というものが必要であるということはそのとおりだと思います。
○木島委員 私は、これが提案されておるから技術的にどうするかという問題でなしに、おのおの二つの法体系の基本的な性格、基本的な価値の問題だと思いますから、そこにこのむずかしさがあると思うのです。だから、もしこれを解決するとすれば二つの道しかないのです。 一つは、この放送大学において放送法の規定を除外する。私はこれは可能、不可能を言っているのじゃありませんが、もしこの二つの矛盾を解決するとするならば、一つは放送法の適用を排除する。もう一つは学校教育法の適用を排除する。すなわち、一つは、これは極端に言うならば、最終的には卒業証書を与えるという学校の形を完全なる生涯教育というものに切りかえてしまう。生涯教育の機関として切りかえる。 いま述べてきた論点からのこの二つの矛盾を解決するとするならば、この二つの道が考えられるが、この点はどうですか。
○佐野政府委員 放送大学は放送を利用して大学教育を行うわけでございますから、私どもは、放送法の全面的な適用が、四十四条三項を含む四十四条の適用があることは当然のことであると思います。その限りにおいて、放送を利用する大学である以上、大学における講義の自由というものが、一般の大学の場合よりもこの大学において自主的に、いわば自制されなければならない面があるということは、私どももそのとおりであると考えております。 しかし、それがこの大学のいわば主体的な判断のもとに行われる、それがこの大学における学問の自由というもののあり方として大学において主体的に追求をされる、それがこの大学のまた自治というものであろう、このように考えております。
○木島委員 私も結論を育っているのじゃありません。私も自問自答しているのです。だけれども、やはり基本的にはその二つの大きな法体系の——先ほどから言いますように、その思想は一方は憲法二十一条の言論、表現の自由が、一方は二十三条の学問の自由が出ておるのだけれども、そこに放送と大学というもののこの二つが置かれておる立場においては、矛盾したものを包含するのが放送大学でありますから、この問題を解決するとするならば、一つは放送法の適用の除外があるけれども、しかし、実際にはこれは問題があると思う。 なぜなら、不特定多数に対して、先ほどからお話がございますように限りあるところの電波を持っていくならば、国民の思想統制なり、それらに対する歯どめがなくなりますから、それは困難である。とすれば、もう一つ、これを生涯教育の場として学校教育法をかぶせない。大学講座的なものあるいは各種学校的なもの、そういうものでいくという道は思い切って——放送大学、放送大学と、大学、大学、大学と、それで学校教育法の適用を受ける大学だという発想の上にずっと来たからそうなんだけれども、これはまた後に申しますけれども、この辺は思い切って発想の転換をして、基本的な問題を解決してしまった方がいいのではないかと私も実は自問自答しているところなんです。 いま、そこに大学の自治があるとおっしゃるわけですが、そこで、大学の自治ということについてでありますが、自治ということは、いまおっしゃるように干渉、統制を排除するためには絶対に必要であります。これは本当は国立大学にすればよかったのかもしれませんけれども、電波法その他の関係がある。だが、理事会だとか運営審議会というものは自治から言ったら不要じゃないか。特殊法人で、一般的特殊法人はみんなそういうものを持っているから、だからこれは特殊法人だからそういうものは当然だと、そう安易なものではなかったのでありましょうけれども、しかし、一般の特殊法人は、理事会なり運営審議会でもって決めることが、それが一般の特殊法人の業務であります。 しかし、この放送大学の特殊法人というのは、教学が目的で、そのための管理運営であります。だから、この場合では多少違うかもしれませんが、国立大学は理事会も運営審議会も持っておらない。しかし、管理運営はある。しかし、それは教学のための管理運営でありますから、その辺は、大学の自治のためになくてもいいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○佐野政府委員 御案内のように、現在の学校教育法におきましては、学校の設置形態としては、設置者として法人があって、その法人が大学を設置するという構成をとっているわけでございます。 この放送大学の場合も、いわば学校法人の場合と同じように特殊法人である学園をつくって、その学園が大学を設置するという形をとっております。したがって、学校法人について、私学法において理事長、理事、評議員会が定められているのと同じように、この法人の場合もまた特殊法人の機関として理事長、理事等の機関を設けることが必要になり、その判断のもとに、最も適切と考えられる形で理事長、理事あるいは運営審議会を置くこととしているものでございます。 ただ、学園が設置する放送大学の方につきましては、もちろん学問の自由の保障ということが必要でございますから、特に教員の人事については法律に所要の規定を設けまして、大学の自主性を尊重するという手当てをしてあるわけでございます。 同じような見地から、理事長が大学の設置者としての立場から行う事柄につきましても、これは主として大学の財務、会計あるいは施設の維持管理が対象になるわけでございまして、具体の教育内容であるとか、あるいは教学面の事柄については、大学側の自主性を尊重して、大学側において自主的に学長の総括のもとに行われるという形になるわけでございます。
○木島委員 少し急ぎます。 いまも局長がおっしゃるように、大学の自治が尊重されなければならない。ことに、先ほどから申しますように、国費による準国営的な放送でありますから、その思想統制的な危惧というものについて制度的にどう保障するかということが最も重要な問題なのだろうと思うのです。そういう意味で、この制度的にということで基本的に申し上げたのでありますが、大学の自治というのは明治から今日まで、言うなれば日本の大学は人事によって自治が守られてきた。 そして人事にかかわるということは学問の自由にかかわるわけでありますから、そういう意味では人事については一番重要だと思うのでありますけれども、この法律によりますと、理事長と監事は文部大臣が任命する。理事は大臣の認可を受けて理事長が任命する。運営審議会も大臣が委員を任命する。学長は理事長の申し出によって大臣が任命する。副学長、教員、教授たる評議員は、学長の申し出により理事長が、すなわち大臣が任命するところの理事長が任命する。理事の解任は大臣の認可を得て理事長が行う。運営審議会委員の解任もまた大臣の認可を受けて、大臣の任命するところの理事長が行う。このようにきわめて大臣の権限が大きい。人事についてきわめて権限が大きい。 大学の自治と言うならば、自治が絶対に必要だとするならば、それを制度的に保障しようとするならば、これは余りにも大き過ぎる。これで大学の自治というものは成り立つだろうか。私は大変疑問に思うのですが、大臣、どうですか。あなたの権限はずいぶん大きいですよ。
○内藤国務大臣 その権限が多いように私の権限がそんなに多いとは——やはり理事長は中心ですから文部大臣が任命しますが、学長については理事長の申し出に基づいて文部大臣が任命しますが、申し出はあくまでも理事長でございますから、理事長の意見を尊重してやるわけでございます。運営審議会その他についても、理事会で決められたことを文部大臣は任命するだけですから、別に文部大臣から直接ああしろこうしろという指図をする意思は毛頭ないです。
○木島委員 いま、「理事長の申出に基づいて」ということがありますが、そして同時にその申し出は評議会の議を経て一申し出ることでありますから、あなたのおっしゃる点は大変りっぱみたいに見えるのです。けれども、評議会の議を経るのですが、評議会というのは諮問機関でありまして、そして六人から十二人までのわずかの人間のものであって、全大学人の意見がここに集約されておらないというものでしょう。それが民主的ですか。 局長、そこで学校教育法五十九条の教授会を、重要な事項を審議するために置かなければならない。ところが、この大学の場合の教授会というのは、センターを含めて全国に散らばっているわけですからね。置かなければならぬのだけれども、だから形を置きましょうね。けれども、この教授会というものは実際の運営はどうなのですか。 そして、この教授会の意思というものが重要事項でありますが、ただ、この場合においては教育公務員特例法の適用を受けませんから、本来なら教育公務員特例法によってずいぶんと教授会というものの——これは教員の採用、昇任、転任、降任、免職、休職、任期、停年、懲戒、服務等は皆教授会の非常に重要な事項の中に入るわけですね。ところが教特法の適用を受けない。しかし、学校教育法の適用を受けるのでありますから教授会を置かなければならない。このような関係はどうなのですか。
○佐野政府委員 御指摘のように、放送大学におきましても、学校教育法五十九条の規定に基づいて、放送大学の重要事項を審議するために教授会が置かれることは当然でございます。 放送大学の教授会をどのような構成にし、どのような事項を審議し、どのように運営をするかということは、一般の大学の場合と同じように放送大学の自主的な判断によって決まるわけでございますけれども、この大学の場合には一般大学の場合と異なって学習センターが各地にあるというような事情が御指摘のようにございますから、事柄に応じて適切な教員会議というものを構成して運営をしていくというような工夫が教授会の運営に当たって必要になるということは十分考えられることでございます。 教特法に規定をいたしております人事に関する権限をどのようにこの法案で処理するかということは、この法律における大学の自治というものをどのように担保するかということと関連をして非常にむずかしい課題であったわけでございますが、いま申しましたようなこの大学における教学組織というものの複雑性ということを考えまして、評議会というものを特に設け、その評議会において人事に関する基準を定め、あるいは具体の人事というものを審議するということを考えたわけでございます。これがいわば教特法によって教員の人事を規定している、その趣旨をこの放送大学にもできるだけ生かそうという考え方で行ったものでございます。
○木島委員 学校教育法によると教授会はずいぶん幅広で、最終的には大変人数のよけいな大学になりますよね。それを六人から十人くらいの諮問機関の教授でもって決めるということは教授会との関係においては大変に問題があると私は思う。そうであるならば、先ほど言いましたように、たとえば採用だとか任用だとか、教特法におけるところのものを準用するとかいうような規定というものが一方になければ人事を通しての大学の自治は確実に守れぬ。一番大事な自治というもの、学問の自由というもの、そういうものを制度的に保障することにならぬではないか。 私がずっと言っているのは、そういう制度を保障しなかったらこの大学にはいろいろな危惧があるということなんです。社説や論説はみんなそこを重点に言っているのです。それを危惧がないんだと言っても、ないようにするためには制度的にどう保障するかということをこの法律でうたわなかったらやはり危惧は消えないでしょう。私が最初に大臣に、これはあなたの大事業ですよ、もし失敗したらあなたは将来、あのときに内藤さんは、と、こう言われることになるんだと言ったのはそこなんです。制度的にどう保障するのか。どうなんでしょうか。
○佐野政府委員 まさに、その制度的な保障として評議会の規定を設けたわけでございます。 この大学の場合には教特法の適用を受ける大学ではないし、また公務員法の規定の適用を受ける大学でもないわけでございますが、一般の私立大学の場合のように全く規定を設けておかないということについては問題がある。先生の御指摘のように、教員の人事について制度的な保障を設けておく必要があるということから評議会という制度を設けているわけでございます。 現在考えられている放送大学の教育の内容というのは三つのコースがあり、それぞれのコースに二つの専攻が予定されているわけでございますから、それぞれの専攻の代表者が少なくとも一人は評議会に参加することができる形になっておりますし、また、評議会には学習センターの代表者が参加することももちろん拒まれていないわけでございます。 どのような形で評議会を構成するかは放送大学が自主的に判断することではございますけれども、放送大学の教員組織というものの意向をこの評議会に代表させるということは仕組みとしては十分に考えられるようにしてあるつもりでございます。
○木島委員 もし、大学ができたときに大学の自治を決めるんだということであれば、今日の学校教育法なりあるいは教特法においてそういう細かい規定をする必要はないのです。先ほど申しましたように、あえて教特法で教授会なら教授会の規定をしているということは、規定をしていなくたって大学自治はやれるということになるのです。だけれども、それを制度的に保障しているのですよ。それがないじゃないかというのですよ。大学の自治から逃げてはいけません。 こういう大学の場合には多くの危惧がある。その危惧を取り払うための制度的な保障というものを法律の中に盛らなければいかぬじゃないですかということを私は言っているのです。
○佐野政府委員 重ねてのお答えになって恐縮でございますけれども、それを評議会を設けて評議会において——これはもちろん評議会は諮問機関でございますけれども、法律的にこの法律をもって評議会の権限に属させられた事項については、もちろん評議会が法律の規定に従って処理をするわけでございます。 その法律の規定に従って処理することとして、この放送大学の教員の任免の基準、任期、停年、その他人事の基準に関する事項は、評議会の議に基づいて学長が決めるということを定め、あるいは人事に関する申し出につきましても評議会の議に基づくということを明らかに定めているわけでございます。
○木島委員 まだその他問題がありますし、三十七条の「文部大臣は、放送大学に対して、教育の調査、統計その他に関し必要な報告書の提出を求めることができる。」ということ、それから三十六条の財務、会計の監督命令、三十八条の報告、立ち入り検査等との関係から言えばこういうものは要るのか要らないのかとか、何を考えているのかという問題はありますが、これは時間がないからやめます。 ただ、ここでいま私がずっと言っていることのために、たとえば最初に申しましたように、理事会や運営審議会というものを削除できないとするならば、いっそのこと理事の中に各政党代表を入れて、学問の自由や、国の思想統制を排除するために満場一致制をとったらどうか。この間NHKから聞いたら、NHKは、入れないために政治的な公平を保つという立場をいまとっているけれども、逆におのおの入れて、満場一致制によって政治的な公正を期するという方法もあるとNHKの専門家は言っておられます。これは政治家みたいな回答ですが、中央教育審議会などは各政党の代表ないしは政党の推薦者までも入れる。それの満場一致制による。すなわち、教育は国民的合意の上に成り立つという理念のもとに、ですね。そうすると一党の恣意、政府権力の恣意によって運営はされない。大臣の権限は非常に大きいけれども、その大臣は政党の大臣でありますから、その政党の恣意に左右される。すると言うのではありませんが、そのおそれがあるということが今日の危惧の一つなんですから、それを排除するために各政党を入れて満場一致制をとるというのも一つじゃございませんか。 あるいは、主務官庁及び学園は大学の自治を侵してはならないという規定を入れませんか。そんなことはあたりまえだ、自治を侵してはならないという規定、そんなものは入れなくたってあたりまえじゃないかと言うけれども、私はそうだとは思わないのですよ。たとえばこの法律の二十四条にも、「放送大学においては、その教育及び研究の充実を図るため、他大学その他の教育研究機関と緊密に連携し、これらの機関の教員その他の職員の参加を求めるように努めなければならない。」とあるが、これはあたりまえな話だが、しかし、こういう条文が入っているんだから、あえて一番大事な一番危惧されているものを制度的に保障するためにも、自治を侵してはならないというくらいのことは入れたっていいんじゃないですか。大臣、どうですか。
○内藤国務大臣 全く先生のおっしゃるとおり、これは大学の自治を侵しちゃいかぬ。そういう意味で、先ほど来申しましたように、法人の関係では運営審議会、それから教授についてはたくさんの教授がおりますから、全部集めて教授会をやれといったってなかなかむずかしいですから評議会を設けまして、それは学問の自由を保障するための機関なんですよ。そういう意味にひとつ御理解をいただきたい。 何かいい方法があるとすれば、いまのお話も一つのお考えでしょうけれども、たくさんの人の協力を得なければならぬから、その場合に全教員の選挙でやるといったってなかなかそいつはむずかしいから、評議会をつくって、そこで教員の人事をやるということが妥当ではなかろうか。これは大学自治の保障の機関だ、こういうように御理解をいただきたい。
○木島委員 たとえばこの間の石橋さんの質問に対してあなたは、文部省やその他の天下りは絶対やっちゃいかぬと大変強くおっしゃいましたね。そのことも、主務官庁の介入や支配を排除しようというあなたの強い決意だと思うのです。だけれども、いまの役所ではだんだんそうなっていくでしょうね。あなたの意思にかかわらず、あなたがおやめになった何年か後にはね。常識的にそう考えますね。しかし、そのことによって主務官庁から理事が出ていくと、やはり主務官庁の支配というものになる可能性があるわけでしょう。 では、たとえばそうしちゃいけないという法律を入れたらどうですか。そういう法的な制度的な保障というものが必要ではないかと私はいま聞いているのです。
○内藤国務大臣 これだけ国民の期待を集めておるものですから、文部官僚がこういう天下りをして歩いたら、それは大変な非難を受けると私は思うのです。そういうことは絶対に避けなければいかぬ。 そういう保障はないじゃないかとおっしゃるけれども、それは国民の良識ではないかと私は思っているのですよ。
○木島委員 何もここだけではなくて、役人の天下りというのは、国民の常識だとおっしゃるけれども、毎年毎年大変にたくさん出てひんしゅくを買っていますね。これは国民的常識だということだけでは済みませんよ。いま私はそのことを強く言っているのじゃありませんが、ただ、大学の自治をどう確立するかということはいまの法律では不備である。十分制度を保障しておらぬ。 だから、最初に言ったように、こういう問題もこれからだんだん議論されるでしょうが、そういうものをみんなで出したら、あなたは法の改正も必要だと考えるなら謙虚にしますかと言ったのはそこなんですよ。そういう意味では必要をお感じになりませんか。
○内藤国務大臣 私は、しばらくいまこのままでやらせていただいて、これでできると自信を持っておりますから、御指摘のように弊害があれば、それは今後改善したいと思っております。
○木島委員 あなたが自信を持っておっても、こっちはちっとも納得できないんだものね。まあ、時間がありませんからそれはいいです。 たとえば私がいまこういうことを言っているのも、一つには、こういう問題があるときに学校教育法というものの適用を受けておるからなんだが、それを受けなかったら、さっきから言いますように、生涯教育ということに中心を置いていったらこういう問題もあるいは解決するのじゃないのかという自問自答の一つでもあるのです。 そこで、その次の自問自答の一つなんでありますが、スクーリングですが、放送とテキスト等による活字と直接教育という三つの要素からこの大学は成り立ちますね。しかし、活字といい、放送といい、電波といい、これはどこまでも媒体でありますから、直接教育という、直接的な人間の触れ合いというものがどうしても決定的になってくる。このスクーリングというものが、この放送大学が成功するか否かのかぎだとも考えられますね。 ところで、最終的に完成時には四十五万だというが、すると、四十七都道府県だと、学習センターを一県に一つ持っていくと一万人ですよ。そして所長一人、助教授四人、あとはその地方の教官などといっても、変わるかもしれませんが、完成時にそれだけの教官でもってスクーリングなんて一体できるのかどうか。どうやってやっていくのか。ちょっとイメージがわかないのですよ。これはどうするのですか。
○佐野政府委員 御指摘のように、放送大学が全国にネットワークを張って、全国を対象地域として教育活動を実施する場合の学習センターのあり方というのは非常にむずかしい問題になると思います。 放送大学に関する基本計画の中では、各県に学習センターを設けるほかに、演習センターあるいは実験実習センターというものをさらにきめ細かく設けるというような構想が考えられておりますけれども、いずれにしても、それは当面対象としている関東地域における学習センターの活動の実態、実績というものを十分に評価をしながら、今後地域の拡大に当たってどのような対応をするかということを判断をしていかなければならない事柄であろうと思います。 もちろん、最初の関東地域の場合でありましても、センターの専任の教官だけで学生のチュータリングなりガイダンスなりを全部担当することはできないわけでございますから、センターの活動については、それぞれの地域における国公私立の大学の先生方にいわゆる非常勤講師の形で御参加をいただいて、その御協力をいただくということがどうしても必要になるわけでございます。 放送大学が十分に成功するかどうかということは、御指摘のように、学習センターの活動が十分に有効に動くかどうかということに係る点がきわめて多い。私どももそのように思っておりますので、センターの運営が適切に行われるように既設の大学の協力をこれからもあらゆる機会に要請をしてまいりたいと考えております。
○木島委員 既設の大学の非常勤講師がどのくらい協力するかということはまた後に述べるかもしれませんが、しかし、いずれにしても、四十五万といったときには、これは平均して一万人近いですよ。ことにどのくらいのスクーリングを考えるか、これは問題でありますけれども、たとえば西独だとかイギリス等では、西独では一〇%から二〇%くらいが電波、四〇%から七〇%くらいが活字、そして一五%から三〇%が直接教育、スクーリング、英国でも一〇%程度が電波というようなことで、だからこそ放送大学ではなくて公開大学とした要素があるんだろうと思うわけですね。 それは実際どのくらいになるのか。しかし、いずれにしても多いわけですし、期間がだんだん長くなってくるでしょう。そのときに、たとえばいつでも一定の学生が非常勤講師も含めて一定の教官に継続的に師事することが可能だろうか。非常勤講師がどうなるのか。あるいは学生が教官を選択することができるんだろうか。 たとえばよく言われるマル経か近経かというときに、その学生の研究、教育の自由というものがありますね。何を望むか、何を研究したいか。これができるんだろうか。それができるかできないかが大学たり得るかどうかでしょう。学生の研究自由というものが保障されるのかどうか。そのことは、どの先生を選ぶか、おれはマル経をやりたいというのに近経の先生だったというのでは、それはもう彼は勉強する意欲が違うわけです。学びたいという意思と違うのですから、研究しようとするものと違うのですからね。これはどうなんですかね。
○佐野政府委員 放送大学の場合は、大まかに言って、放送の占めるシェアと、自宅において学生が印刷教材あるいは参考書で自学自習をするシェアと、さらにスクーリングのシェアは、それぞれ三分の一ずつというような割合になると考えております。 もちろん、学習センターにおいて指導を受ける教官を学生が自分で選ぶというわけにはまいりません。それは放送大学の計画に従って教官の配置も行われるわけでございますし、またスクーリングも組まれていくわけでございますから、それに従って行われるわけでございます。しかし、学生が個人的に教官の指導を受けるということは、これは私どもが大学のときにやったことと同じでございますからもちろんできることではございましょうけれども、カリキュラムの上での学生の教官選択というようなことはあり得ないことだと思います。
○木島委員 そして同時に一万人というのは、これだけだと、たとえば単位の認定だとか卒業の総合試験だとか、ときには卒業論文的なものまで多分にコンピューター式になってくる。これがスクーリングなんだろうか。しかし、そのスクーリングがまさに放送大学のかぎになる。どうもイメージがわかないですね。だから私はさっきから自問自答していると言っているのです。学校教育法というものでいったときに、果たしてやれるんだろうかという心配がある。だから、生涯教育一本にきちっと割り切ってしまった方がいいのじゃないか。いいのじゃないかということは少し逃避的な言い方かもしれませんが、しかし、ぶつかっていくと、そういう自問自答を私がいまする一つのあれなんです。 同時に、いまおっしゃるように三分の一ずつだと言うけれども、この間の広島大学の実験放送の結果でも、三回のスクーリングのうち、一五%の人たちが完全に三回ともスクーリングをしたけれども、三〇%から四〇%の人たちは一回もスクーリングに出ないでドロップアウトだったという報告がありましたね。それは何かというと、しょせんは勤務の関係であります。職業を持っておりますからね。 ですから、有給教育休暇がなければ——あるいは有給でなくとも、たとえば職場における休暇の保障というのですか、身分の保障、そのことがなければこのスクーリングは成功しない。スクーリングが成功しなかったら放送大学は成功しない。このことが逆に言いますと、無試験も含めて——広島でも実験放送というのは大学の単位よりもレベルが低いんだ。だけれどもとれない人間が非常に多い。これは大学の学問のレベルを高める。その水準を高めれば多くの国民を入れるということができなくなっちゃう。高く公開性を保とうとすれば水準は低くなる。こういう矛盾を含んでいる。しかし、そういうことも含めて、少なくとも有給教育休暇というものを何としても確立しないことにはこれは成功は絶対にしないと私は思うのです。 大臣、これは言うとおり、少なくともILO条約の百四十号条約、すなわち「有給教育休暇に関する条約」を日本が批准する、そして国内法規を整備するということを、あなたがこの放送大学というものがまさに日本の大学教育あるいは教育体系全体の大きな変革であると意識をして、あなたの大臣におけるところの最大の仕事としてやるならば、そのことを裏づけなければこれは成功しない。断じて成功しないと私は断言していいと思う。あなたが政治生命をかけて有給休暇をやるということはこの大学の裏表の問題であります。やりませんか。
○内藤国務大臣 確かに放送大学は初めての試みでございますから、いろいろな点において御指摘のような問題のあることは私もよく承知しております。大変むずかしい問題がそれだけある。だけれども、ここでやはり国民の広い深い要望にこたえてスタートをさせていただきたい。そして、今後改善すべき点があれば改善していくことが必要ではないかと私は思うのです。 いまの有給休暇につきましては、これは文部省だけの問題ではないから、関係各省と協議して、十分御期待にこたえるように努力したいと思います。
○木島委員 形式的な、文部省だけの問題ではない。そうです。しかし、あなたも閣僚の一員なんだから大平内閣を動かしてやってもらいたい。そうでなかったらこの放送大学は成功しません。実験放送で明らかなんだ。この法律をつくるために広島大学で実験放送をやっているんだから、その実験放送の結果そう出ているんだから、それを補わずしてこれをやったって成功するわけがないじゃないですか。だったら、ただ文部省だけではだめですから、最大限努力しますなんという式のものではだめです。 あなたの政治生命をかけてもやるというぐらいのことはできないでしょうか。決意を承りたい。
○内藤国務大臣 有給休暇の問題についてはいま政府でもいろいろ検討しておりますから、関係各省と協議して実現に努力いたしたい、こう申し上げているわけです。
○木島委員 さっきもちょっと申したのですけれども、ここの教官あるいは非常勤講師というものが果たして得られるかどうかという中で、研究なき大学は大学たり得ませんが、この法案を見ても、研究というものについて、これは学生の研究もですけれども、教官が一体どういう体制でどういう施設でどんな研究ができるんだろうか。また、図書館等もどうなるかという問題もありますが、どういう体制でどういう施設でもって先生方が研究を行えるだろうか。その研究というものの保障がなければ先生方はここに参加しないだろう。 同時に、任期がある。五年間という制限がある。それは再任を妨げないけれども、しかし一応の任期がある。とすると、そこへ果たして参加するのだろうか。 一方、先ほど言いましたように、教特法の保障がないのでありますから、待遇や身分等も一体どうなるのか。きっとこれは国立その他が出向ということになるんだろうと思いますけれども、しかし、五年たったら、任期が終わったら帰れるという保証、もとの地位につくという身分の保証はあるんだろうか。 また、本部にしたって、カリキュラムをつくる先生と放送をする先生で、放送をする先生はさっき言いましたようにきっと有名な客員教授とか非常勤の方でしょう。だから、言うなれば芝居の黒子と役者みたいなものです。そういうじみな中に一体先生方が集まるんだろうか。私はわからないので言っているのでございますけれども、さっきから繰り返しますが、学校教育法上ではどうなんだという疑念ともかかわるのですね。 これはどうなってくるのでしょうか。時間がありませんから簡単にやってください。
○佐野政府委員 教官の確保ということはこの大学の場合には非常に大事なことであり、すぐれた教官を全国の国公私立大学から求めて、その参加のもとに教育を実施していく必要がございます。そのために任期制というふうなことも考えているわけでございますけれども、同時に、その任期制が効果を上げるためには、御指摘のように放送大学と他大学との間の人事のローテーションというものが有効に働かないと任期制というものもまた有効に機能しないということは十分わかりますので、そういった点を含めて、既設の大学との協議というものを重ねていかなければならない、それによって理解を得なければならないと考えております。 教官の研究のあり方ということも、もちろん大学の教授、助教授でございますから、研究室であるとかあるいは研究費であるとか、そういったものは措置をいたしますけれども、この大学の場合には、普通の大学よりは教育によりウエートがかかっているということは率直に言って言えると私は思います。放送教育開発センターで基礎的な研究に従事するというふうなことが、放送大学の教官が放送教育開発センターの客員教授となって研究をするというふうな形で行われるということはもちろんあるでございましょうけれども、そういうことを考えると、この大学の教授の研究の態様というものについても、普通の大学の場合とは少し変わった工夫なり努力なりが要るだろうと考えております。 御指摘の、大学ではなくていわば社会教育的なものとしてこの電波の活用をしてはどうかということは、ある意味では、放送大学構想がスタートをした時点では社会教育的な考え方がはるかに強かったのではないかと私は思います。しかし、その後それが大学人の手によって調査会等で検討をされていく過程で、やはり正規の大学として教育を提供するということによってすぐれた水準の内容が国民に提供されるであろう、大学としてこれを考え、大学の問題として教育の内容も考えていくということによって放送大学の内容というものもすぐれたものになっていく、むしろそれが放送大学の成功を保証するという、そういう考え方になっているわけであります。 むずかしい問題が放送法との関係等であるということはわかっておりますけれども、その点については、先ほど来申し上げておりますように、この大学の自治の問題として、この大学は自立的に対応することが可能であると私は考えておるわけでございます。
○木島委員 この法律は学園をつくる法律であって、大学の方は後だと言う。ところが、大学は、先ほどから言いますように大学という教学のための学園なんでございますから、大学のイメージはこれから工夫する。努力する。ちっともわからないのですよ。これは主客転倒だと私は思っているのです。 それから、これはさっき大臣もおっしゃったが、一番気になっているのは、関東だけでおっしやったのだけれども、一体いつ完成するのですか。一〇〇%とは言いませんが、八〇%のカバレージでも、いつできるのですか。これは財政的裏づけも関係ありますが、なければ、まさに憲法二十六条の教育の機会均等というものを奪うことになると思うのですよ。唯一の電波を使って、だれもが入れるという、そのだれもがという機会を均等に与えようというところが一つの出発点でありながら、一番必要な部門である僻地がそれに参加できなかったら、まさに教育の機会均等というものは一体どうなるのだろうかという問題になってくるが、これは見通しはどうなのでしょうか。
○佐野政府委員 放送大学のプロジェクト自体が、先ほど来御指摘のございますようにスクーリングの問題等を含めて非常にむずかしい初めての試みでございます。したがって、これを成功させるためには慎重なステップを切っていく必要がございますし、その意味において、今後の拡充のための諸般の資料を得るのに最も適切と考えられる関東地域というものを対象としてスタートをすることを考えているわけでございます。 教育の機会均等という趣旨からしましても、御指摘のようにこれを早期に拡大しなければならないという要請があることは十分に承知をしております。放送大学の実施の状況等いろいろな今後の状況を判断しながら、関係省庁と協議をしながら、改めて拡充計画というものを検討しなければならないわけでございます。 現在の時点で、いつまでに全国にネットワークを張るということは申し上げられない点をぜひお許しをいただきたいと思います。
○木島委員 その事情はわかるけれども、しかし、お許しいただきたいで済む問題かどうかということなのですよ。それは事情は御推察申し上げます。けれども、たとえば八〇%のカバレージのそれが一体どこまでいくのか。そういうことを含めて学校教育法というものをかぶせることに疑義があるということなんです。 もう一つ、大学の名称が十年前から研究しておりますがなお決まらない。本来ならば、大学の名前が決まっていれば、放送大学とするなら放送大学学園でいいし、公開大学とするなら公開大学学園の方が、違ったっていいけれどもより常識的ですな。いずれにしても、もう十年も研究していながらまだ大学の名前がわからない。(「社会大学」と呼ぶ者あり)そうね。 そこで、ここには三つの要素があると思うのです。一つは既存の大学という物の考え方、それからOECDのリカレント教育、回帰教育、それからもう一つは生涯教育で、この生涯教育とリカレントとをごっちゃにしていますけれども、ここは少し厳密に整理すべきだと思うのですよ。この三つがある。この三つは、私は本来そこが少し議論をしたかったところでありますけれども時間がありません。だが、この辺のつかみ方をどこに置くかということが実は名称とかかわってくるのではないかと私は思うのですよ。 今日の日本の大学の名称というのは、国立大学では地名かあるいは学閥をしようとする学問の目的、すなわち理科なら理科、農業なら農業という名前がついています。そうすると、放送大学というのは放送学を研究するみたいになりますから問題もある。いずれにしても、ここでも既存の大学という大学を志向するのか、あるいは大学なんだけれども、リカレント教育という部面を主張していくのか、出ては入り出ては入りしていく、いわゆる回帰のリカレント教育という部面で考えるのか、あるいは完全な社会教育、生涯教育という部面で考えるのか、こういうことを含めて、先ほどから私自身行きつ戻りつ言っているのでありますけれども、学校教育法というものをかぶせるところにずっと申したようないろいろな問題点が出てきているのだろうから、いっそのこと社会教育なら社会教育というものに限定してしまった方が将来に禍根を残さないのではないかという感じもするわけです。 いま、局長は、これは元来社会教育から始まったんだけれども、正規の大学としてと言われたが、しかし、その過程では、自民党の「紛争なき大学」というような紛争時の一つの歴史的な一こまもあります。しかし、そういうことはもはや消化されているはずです。そういう中で、いままで私が述べたことの全体を含めてもう一回基本的に考え直してもいいのじゃないか。ざっと申しただけでも、一つも私の疑問というものは解けないのですよ。 大臣、その辺を含めて、最後に御感想を承って私の質問を終わります。
○内藤国務大臣 大変ごもっともなお尋ねでございますが、実は、これからひとつスタートをしてから——いままでなぜしなかったかとおっしゃいますが、いま、放送大学という名前が、あなたのおっしゃるようにそれがいいかどうかも疑問なわけですから、どういう名称を国民が一番期待するか、喜ぶかという点について、スタートするまで今後まだ時間がございますから、関係方面の意見も十分伺って最も適切な名称を考えたいと思っておるのでございます。いましばらくお待ちをいただきたいと思います。
○木島委員 終わります。
○坂本委員長 鍛治清君。
○鍛治委員 若干質問をいたしますが、少し数が多くなるかと思います。簡略に質問を申し上げますが、答弁の方もできるだけ簡略にお願いをいたしたいと思います。 放送大学はここまで参りました。私の先輩である有島議員にお聞きしますと、十年前にわが党は、方向、内容は若干違っていたようでありますが、こういうアイデア等について発言をいたしたそうでありまして、ここまで来たということについては感慨深いものを持っておるわけでございます。 その中で、最初に大学の名称についてでございますが、これはいま木島議員の質問の中で、また大臣の御答弁の中で、的確な名前にできれば変えたいというふうな御発言がございました。これはそういう方向でわれわれも考えてまいりますが、ひとつぜひりっぱな名前をつけていくべきだろうと思いますので、御要望を申し上げておきます。 最初にお尋ねをしたいのは、放送大学をつくるには、意義の中でいろいろと既存の大学に対するいい意味での影響を与えていきたいというようなことが言われておるわけでございますが、ここまで進んでまいりましたけれども、既存の大学についてはいろいろと放送大学に対する意見なり反応なりというものがあったと思いますし、また、文部省においてもいろいろと意見聴取等をされたのではないかと思いますので、こういう実情についておわかりでしたらお答えをいただきたいと思います。
○佐野政府委員 放送大学の構想を検討し始めた段階から、放送大学の設置に関する調査会議のメンバーに大学関係団体の代表を加えてまいりました。あるいは放送大学の基本構想なり、あるいは基本計画を取りまとめた都度関係団体に説明を行ってきております。今回法案を国会に提出いたしました段階でも、国公私立の大学関係団体に対しまして、法案の内容の説明あるいは今後の協力依頼を行っているわけでございます。 これまで承知しているところでは、大学関係者からは放送大学に対しては積極的な意見が示されておりますし、また、単位の互換なりあるいは放送教材の活用等につきましても積極的な対応を考えたいという姿勢も示されているわけでございます。それぞれの団体、たとえば国大協あるいは私大連盟というところからそれぞれの団体の見解として出てきているものはまだございませんけれども、われわれの接している大学の関係者の中からはそういった積極的な放送大学に対する期待というものが寄せられております。 特に、私大通信教育の関係者とは従来から密接に連絡をとりながら構想を進めてきております。この法案の中にも私大通信教育との関係には配慮をした規定を幾つか盛り込んでいるところでございます。
○鍛治委員 いままでいろいろ試験的に実験もされておるようでございますが、こういったものの中から実際にそういうテレビ放送等を見る中からも、大学の各当局においてはこの講座を受け入れるというような余地は実際問題としてお持ちなのかどうか、これをお尋ねいたしたいと思います。 そのことは、なぜそういうことを念を押して申し上げるかと申しますと、大学局で出されましたことしの一月の「放送大学について」というプリントの中の最後の「単位互換等について」ですが、これはいま局長の答弁の中でも出ましたが、この「単位互換等について」という中で、「放送大学は、大学の夜間学部、通信教育等との単位互換や短大その他の高等教育機関からの編入学を積極的に進める。」という文章であらわされているわけです。これは従来の私たちの感覚からいきますと、文部省の方でこういう表現をなさったときには、夜間学部とか通信教育とかそれから短大といったものが明確に名称として出てきて、あとは「等」ということでひっくくられているわけですね。こういう場合にえてして「等」の方はなおざりにされて、そちらの方が中心に考えられていることがほとんど通例ではなかったかと思います。 そういう意味で、放送大学が発足して講座を設けても、既存の大学においてすべてこの講座を受け入れる、単位の互換等を快く受け入れるという向きが果たしてあるのかどうか、非常に心配になるわけでございますが、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○佐野政府委員 御指摘のとおり、学習の形態なりあるいは対象とする学生の類似性もありまして、「通信教育」あるいは「夜間学部」というものを意識して資料に書いたわけでございますけれども、これは必ずしも適切でなかったと私は思います。 昼間学部との間において単位の互換が進められるということは望ましいことであるし、また、放送大学の教育内容からして、一般大学の特に一般教育のところについては、放送大学の教育内容というものは、これを改善するための非常な契機にもなり得るわけでございますので、御指摘の点についてはその後内容を改めまして、「夜間」とかいう言葉を削って、広く他大学との間ということを明らかにするようにいたしております。
○鍛治委員 ぜひそういうふうに表現も改めて、そういう方向でやっていくべきだと期待をいたしております。 次に入りますが、他の大学に対する質の影響ですね。大学教育の改善その他いろいろと、いま申し上げましたように影響というものを重視されているようでありますが、そのためにも一つ考えられる大きな要素は、他の大学から、この放送大学が発足いたしましたときに、放送大学あるいは特殊法人の持つ電波を使いたいという意向が当然出てくると思いますが、これに対して、法案の中を読んでまいりますと、他大学の教育のための放送を行うといったようなはっきりとした文言というものがどこにも見当たらないと思います。 影響という点から考えてみましても、また放送大学が発足するについてもこういう点が非常に問題点になるのじゃないかと思いますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○佐野政府委員 法案では二十条の三項に規定を置きまして、「学園は、主務大臣の認可を受けて、前二項に規定する業務のほか、第一条の目的を達成するため必要な業務を行うことができる。」と規定しておりますが、この「目的を達成するため必要な業務」ということの内容として、私大通信教育のための放送を実施するというようなことを予定しているわけでございます。 具体にどのように私立大学の通信教育のための放送を放送大学の方で実施をするかということにつきましては、今後学園側と関係大学との間で具体に協議をして進めなければならないことでございますが、その点は法案において配慮をして規定を置いているわけでございます。
○鍛治委員 それははっきり教材まで、「施設、設備及び教材を」「利用に供する」ということまでは明確に出ているわけですが、電波の利用ということについては明確でございませんし、そこらあたりはあえてこの条文の中で入れ込んだ方がいいのではないかという気がするのですが、そこらあたりの御意見を承りたいと思います。
○佐野政府委員 郵政省とも協議をいたしまして、いま申しましたように、他の大学のための放送、特に私大通信教育のための放送を実施するということをこの学園の事業としてどのように規定をするかということを検討した結果、この二十条の三項の規定によって、目的達成のために必要な業務を別途認可を受けて行う、これによって対応するのが最も適切だということで措置をしたものでございます。
○鍛治委員 ちょっと逐条的な内容で細かいことになりますが、第十三条で役員の解任の規定がございますが、第二項で、「その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任する」ということになっているわけでありますが、どういう場合をこれは想定していらっしゃるのか。そしてまた、適しているとか適しないということの判断というものはどこでやられるのか。たとえば理事会なのか、理事長なのか、文部大臣なのか、そこらあたりをお尋ねをいたしたいと思います。
○佐野政府委員 判断をするのは、この二項に書いておりますように、それぞれその任命権者が判断をするわけでございます。文部大臣の任命に係る者については文部大臣において判断をし、理事長任命に係る者については理事長が判断をするということになるわけでございます。 主たる理由というのは、ここの各号に書いておりますように、心身の故障のために職務の執行にたえないとか、あるいは職務上の義務違反があるという場合に、役員たるに適しないということになるわけでございます。
○鍛治委員 理事の任命というのは、第十条第二項の規定で理事長が任命するということになっておりますけれども、解任の権限については文部大臣も持っているというのは、法的に言ってもちょっとバランスを欠くものではないか。 すなわち、理事あるいは監事の解任等については、理事会あるいは役員会の決定を得て解任をして文部大臣に報告するということでいいのではないかというような気がするのですが、ここらあたりの解釈をお聞かせ願いたいと思います。
○佐野政府委員 二項では、「文部大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が」「役員たるに適しないと認めるときは、」として、役員たるに適しない状況になった場合と規定をしているわけでございますから、したがって、理事長任命の役員について文部大臣が解任をするということはこの法律は予定をしていないということでございます。
○鍛治委員 次に進みまして、第十五条の「代表権の制限」における代表権という問題でございますが、この代表権というのは学園と大学を含めてのものであるのか。 また、「学園と理事長との利益が相反する事項」というふうにもここでうたわれているわけですが、「利益が相反する」という判断はだれがどのような手続で決定するようになるのか、お尋ねをしたいと思います。
○佐野政府委員 これは学園と理事長との関係でございまして、もちろんその学園の中には大学も入っているわけでございますけれども、事の性質上個々具体に大学の教育、研究の内容等についての問題ではもちろんないわけでございます。 「学園と理事長との利益が相反する」というのは、これは例が適切であるかどうかわかりませんけれども、たとえば理事長が持っている土地を学園が買うというような場合には、これは最もティピカルな例ではなかろうかと思います。 こういった問題については理事長が学園を代表して自分と交渉するというわけにはまいりませんので、そのことについては理事長は代表権を持たない。その場合には理事長、理事と独立して職務を行う監事が代表権を持つ。そのような手当てをしたものでございます。
○鍛治委員 若干ダブることがあるかもわかりませんが、それは御容赦願って、運営審議会に関連してちょっとお尋ねをいたします。 運営審議会を設置した理由、また、審議会委員を二十名以内というふうにした理由、任命権者を文部大臣とした理由、こういったものについてお尋ねをいたします。
○佐野政府委員 放送大学学園が、第一条に規定しておりますところの「大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえる」ということ、あるいは「大学教育のための放送の普及発達を図る」ということ、この目的を達成する。さらには、そのために放送大学と既存の国公私立大学との連携協力を進めていくという配慮を持って運営をしていくという観点からいたしますと、学園が業務を行うに当たっては、できるだけ広く関係の方々の御意見を伺って、その意見を運営に反映させることが望ましい。そう考えまして運営審議会を置いたわけでございます。 この定数につきましては、そうした運営審議会の設置目的に照らしまして、できるだけ広く関係方面からの御意見を承れるようにした方がいい。もちろん合理的かつ効率的な限度というものも考えなければなりませんので、これまでに置かれている文部省関係の各種特殊法人の例等も参考といたしまして二十人以内というようにしたものでございます。
○鍛治委員 審議会委員の任命方法については、文部大臣が任命するということになっているだけでありまして、これは理事長の諮問機関であるわけですから、任命以前において理事長の申し出を受けてというような、事前のチェックですか、こういったものをすべきであろうと思うのでありますが、ここらあたりをやらない理由というものをお聞かせ願いたいと思います。
○佐野政府委員 御指摘のとおり、運営審議会の委員を任命するに当たって、理事長の意見を聞いて任命するという方法をとってはどうかということは、検討の過程で議論としては出てきたわけでございますが、逆に、運営審議会が理事長の諮問機関として公正な立場から学園の運営に関して意見を述べるということを考えますと、むしろ、理事長の意見というものとは関係なしに、最も適切な人を選んだ方がいいのではないかという考え方をとって文部大臣任命としたわけでございます。 なお、この委員というのは、国公私立の大学の関係者であるとか、あるいは社会教育の関係者であるとか、放送教育の関係の方々であるとか、放送を担当しますのでさらには放送事業の関係の学識経験者とか、そういった方々に御参加をいただくことを予定しておるわけでございます。
○鍛治委員 いま答弁のありましたのが、委員の任命の「学園の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者」ということに当たると思いますが、これは公平に具体的な人選というものがなされる必要があろうと思います。こういう点については御要望を申し上げておきます。 次に、運営審議会の任務につきまして、十八条第三項において「学園の業務の運営に関する重要事項」というふうに書かれてあるわけでございますが、この「重要事項」というのは具体的にはどういう内容になるのか、お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 学園の予算、決算あるいは借入金、重要な資産の取得、処分、そういった財務、会計に関する重要事項がまずございます。それから大学の設置にかかる業務の運営に関する重要事項。この学園は大学を設置しますから、それがございます。これはたとえば先ほど来御指摘のございます対象地域をどのように拡大するか、その場合に学習センターをどのように設置をするか、あるいは受け入れの学生数をどのくらいにするかというようなことについては、やはり運営審議会の御意見を聞くのが適切な事柄ではなかろうかと思います。 それと関連をいたしまして、放送の実施にかかる業務の運営に関する重要事項。これは地上局をどのように置いていくかという置局計画というようなものがございます。それらが運営審議会の審議事項になるわけでございます。
○鍛治委員 特に二十条の業務の規定の中で、一項第二号に「教育に必要な放送を行う」とあるわけでありますが、大学と学園、理事会といいますか、この権限分担と申しますか、こういったものはどういうふうになっておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○佐野政府委員 二十条の一項の一号、二号に書いてある二つの事柄が、まさに学園の行う主要な事業になります。大学を設置し、かつ放送局の免許を受けて放送を実施をするという、この二本柱で学園の仕事は進められていくわけでございます。 しかし、大学の行います教育、研究の具体の内容あるいはその人事等につきましては、もちろん大学が学長のもとに自主的に対応することであって、学園の理事長がそれに直接に介入をするということはあり得ないことでございます。
○鍛治委員 小委員会の審議過程等では、教官等の自主規制によって、話し合うということによって講義内容の編成、制作といったものがなされるように、これは要望もあり、うたわれているわけでありますけれども、二十条一項の二号は「放送」というふうに書かれてありますが、これは当然制作権の主導が学園法人にあると解釈をしていいのかどうか。この点をお尋ねいたします。
○佐野政府委員 放送番組編集の最終責任は、放送事業者を代表する理事長にあるわけでございます。
○鍛治委員 また、この放送法第四十四条の三項の規定のチェックは、運営審議会の審議対象事項であると考えてよろしいのでしょうか。
○佐野政府委員 四十四条三項につきましては、まずそれに適合した、あるいはそれを考慮した教育内容というものをどのように編成をしていき、それをどのように番組につくるかという問題がございます。 まず、第一義的には、大学の側において、教学の問題として、その放送の素材となる教育の中身を決めていくということになり、その決められたものを番組としてつくっていくという過程において、今度は教学側と放送のサイドとが十分に協議をし、連絡をしていくということになるわけでございます。 放送されたものについて、放送コードとの関係等から問題があるという場合に、それを運営審議会が受けとめるかどうかという問題が確かにございます。運営審議会の審議すべき重要事項の中にそのことが入っているわけではございませんけれども、運営審議会の委員の中からそういう意見が出てくるというようなこと、あるいは学園に寄せられた国民の意見というものを運営審議会で検討するということは、これは必ずしも行っていけないということではない。場合によっては、それは望ましいことでもあろうかと思いますけれども、何分にも放送大学学園の行う放送というのは放送大学の教育の内容として提供されるものでございますから、その放送大学の教育の内容そのものについて第三者が物を言うということについては、先ほどの大学の自主的な立場というものに十分留意をしなければならない点がございますので、そういった慎重な配慮がその場合には加えられることが必要であろうと思います。
○鍛治委員 続きまして、放送大学の運営面についてお尋ねをいたしたいと思いますが、法案の第二十一条において学校教育法五十八条の規定を条文化してわざわざ入れ込んであるわけですが、これをいたしました理由をお尋ねいたします。
○佐野政府委員 学校教育法の五十八条に、学長、副学長、教授その他の職員の職務について規定が設けられております。放送大学も学校教育法上の大学であって、その学長等の職務はほかの大学における学長等の職務と違うものではない、全く同じものであるということを明らかにするために特にこのような規定を置いたものでございます。 これはもちろん特にこの規定を設けなくてもそうだということは言えるわけでございますが、放送大学が特殊法人立の大学であるだけに、その学長の権限というものは学校教育法において定められている学長の権限と全く同一であるのかどうか、学長の地位というようなことについての疑問が必ずしも議論の過程でないわけではございませんでしたので、その点は、学校教育法の規定する学長の職務というものが全くそのとおりのものとして放送大学に学長が置かれる、あるいはその他の職員が置かれるということを明らかにしたものでございます。
○鍛治委員 ちょっと意地の悪い言い方になるかもわかりませんが、放送大学は学校教育法に基づく高等教育機関であるとするならば、学校教育法五十八条をあえて条文化する必要は認められなかったのじゃないか。 逆に言えば、わざわざ条文化した意味は、他の学校教育法に定めてある条文というものは、守ることの必要性を否定するといいますか、そう必要はないのじゃないかというふうな感じも持たれるわけでありますが、ここらあたりの考え方はいかがでございましょうか。
○佐野政府委員 先ほど申し上げましたように、この法律においては、放送大学の学長、副学長、教授その他の職員の人事その他について規定を設けておりますので、それらの学長、副学長、教授というものが学校教育法に規定する職務を行うのだということを明らかにするということを趣旨として規定を設けた、その限りのものでございます。
○鍛治委員 他の学校教育法に定められている条文についてのことを明確にもう一度、意地の悪い質問ですが、お答え願いたい。
○佐野政府委員 学校教育法に規定する大学として設置をされるものでございますから、学校教育法その他関係の法令の大学に関する規定は放送大学に当然に適用になるということでございます。
○鍛治委員 放送大学の学長を「理事長の申出に基づいて、文部大臣が任命する。」ということにした理由をお尋ねいたします。
○佐野政府委員 放送大学の学長が学園の中においてどのようなポジションにあるかということは、もちろん任命の形態だけで決まるわけではございませんけれども、その任命の態様というものについては、理事長と学長との相対的な関係等に留意をしまして、学長の地位の重要性というものを明らかにする必要があるわけでございます。それによって学園の内部における大学の自律性、自主性というものを確保するということも考えられるわけでございます。そういった趣旨からして、学長は文部大臣が任命するということにいたしました。 しかし、この学長の任命に当たっては、別途規定を設けて、学長が定める基準によって評議会の議に基づいて候補者が選定をされ、その候補者について理事長が発令の申し出をするという手続を決めているわけでございます。
○鍛治委員 二十一条第三項において副学長の定数を二人以内と定めてあるわけでございますが、その理由、また副学長を設置した理由、副学長の職務の具体的な内容、こういったものをお尋ねいたします。
○佐野政府委員 放送大学の場合には組織編成が複雑な大学でございますし、学長の負担の軽減をする、さらに大学の機能的な運営を図る、そのためには副学長を設けることが適切であると考えて設けることとしたものでございます。 具体にどのように副学長が職務を分担するかということは今後大学、学長が定めることになるわけでございますが、たとえば教育研究計画と学習指導担当のように職務を分担するということが考えられると思います。
○鍛治委員 続きまして、第二十二条の「人事の基準」の条文の中で任期制という事項を挿入してあるわけですが、この理由、いわゆるメリット、デメリットというものがあると思いますが、それをお聞かせ願いたいと思います。
○佐野政府委員 放送大学の場合には、先ほど来御議論のありますように、国民の多様な要請にこたえるために、広い学問分野にわたって授業科目を開設する必要がございますし、また、学問の進展に応じまして常に清新な内容を盛り込んだ教育の提供をする必要があるわけでございます。こういった見地から教員に任期制というものを設けまして、多くの教員が放送大学に参加をすることができるような配慮をしよう、それを促進しようということが一つございます。 さらに、放送を通じて国民にすぐれた講義を開放していく、このためには特定の教員が放送大学の教員の地位を永続的に長く占めるということは必ずしも適切ではない、やはり任期制を採用することによってそうした人事の停滞を避ける必要があると、こういうことを考えたわけでございます。 任期制のメリットというのは、逆に言えば、いま申しましたような点を避けて、放送大学に積極的に広く多くすぐれた教官の参加を求めることができるようになるということでございます。 もちろん、任期制を採用した場合に、先ほども御指摘がございましたように教員の身分が不安定になるのではないかというような問題があるわけでございます。したがって、任期制が円滑に運用されますためには、やはり、関係各大学の関係者が任期制をとる趣旨あるいはその意義等について十分御理解をいただくということが必要でございますし、その上に立ってそれぞれの大学の協力を求める必要がございます。 文部省としましても、関係者の間に十分な理解と協力が得られますような努力をさらに続けてまいりたいと考えております。
○鍛治委員 デメリットもあると思うのですが、それについてどういうふうに検討された上でこの任期制というものを持ち込まれたのか。そこらあたりをお尋ねしたいわけでございまして、そこらあたりのお答えがなかったようですから、再度お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 わが国の大学においては、学長、副学長は別でございますけれども、一般の教員については任期制を国立大学、私立大学は採用いたしておりません。 そういう中で放送大学について任期制を採用するということになりますと、放送大学においでをいただく教官が放送大学におけるお仕事を終えてまた大学に戻るときに、それぞれの大学においてそれを円滑に受け入れることができるのか。もちろんそれはもとの大学にそのまま戻るという必要はないでしょうし、もっとローテーションのシステムを広く考える方がより適切であると思いますけれども、現在の大学の教官の任用の態様からして、そこのところが円滑に動くかどうかというところがデメリットと申しますか、心配のところでございます。 最近は一時に比べると大学間の教員の流動性というのはかなり具体的に進んではいると思いますけれども、まだまだ大学の人事は閉鎖的でございます。そういった点について、いい意味での刺激を与えるということを含めて、先ほど申しましたように関係大学の理解と協力を求めてまいりたいと思っております。
○鍛治委員 ちょっと余りすっきりしないデメリットのお答えでございますが、やはり、大学が仮に発足するならばりっぱに育てなければいかぬと思いますけれども、大学がよくなるも悪くなるも教官の質によるものが大変大きいと私どもは理解をいたしております。 そういう意味からいきますと、任期制をとりますと非常に腰かけ的な考え方でおいでになる先生方がひょっとしたら多いのではないかという推測もされますし、それから研究体制という問題との絡みを考えてみましても、この放送大学の場合には、たとえば共同研究が非常に容易でないのではないか、または、非常に広い分野にわたっておりますから、その研究のための設備や施設というものをどういうふうにしていくのか、完備できるのかどうか、また、そういう設備のないところに有能な研究者を引っ張ってくるということはむずかしい、さらにそういうものが任期制と絡んでくると非常に問題が起こってくる、こういうふうに私は憂慮しているわけですが、ここらあたりをもう一度明確にお尋ねをいたしたいと思います。
○佐野政府委員 むしろ、御指摘のような点があるからこそ放送大学の教員の人事というものについては任期制というものをとって、そして多数の方々に広く放送大学の教育研究に御参加をいただくということを考えた方がいいと思っているわけでございます。 もちろん、任期を何年にするかということは大学が決めることではございますけれども、先般もお答えをしましたように、たとえば五年というような任期というものを前提にし、かつ再任もあり得るということを考えますと、おいでをいただく方に、いわば腰かけ的な形で来るということではなくて、むしろその期間に放送大学について十分な御協力を賜ることができるのではないかと思います。 放送大学の場合には、一般の大学よりもはるかに研究よりも教育にウエートのかかった大学に率直に言ってなると私は思います。それぞれの大学においてすぐれた研究業績を持っておられる方が放送大学においでになって、そして放送大学を充実して教育というものを御担当いただく、さらにその放送による教育への参加を通じて、それぞれの研究業績というものについてさらに新しい角度からのいわば積み上げというものをいただくということも期待できるわけでございますし、そうした方が放送大学での経験というものを持ってさらにほかの大学にお移りになる、そういう形が放送大学の教員人事としては大変望ましい姿ではなかろうかと私は思っているわけでございます。
○鍛治委員 いまの局長の御答弁をお聞きしておりますと、放送大学には、研究体制とそれからそれに対応する設備、施設といったものは全く必要ないというふうにもとれるわけでありますが、その点についてどういうお考えか、再度お聞かせを願いたいと思います。
○佐野政府委員 もちろん、大学の教員でございますから、教育と研究の双方を実施するということになることは当然でございますし、研究室であるとかあるいは研究費というようなものについては放送大学の場合にももちろん手当てをいたしますし、あるいは図書館等の設備についても配慮をしてまいるわけでございます。 私が申し上げているのは、この大学の教官というのはおよそ研究ということをやらないんだというようなことで申し上げているわけではなくて、放送を利用しての大学の教育というものを考えた場合に、教官の活動として教育というものにかなりウエートがかかった活動になるであろうということを申し上げているわけでございます。
○鍛治委員 私がお尋ねしているのはこういうことなんです。それは、そういう研究体制が必要でないことはないという御答弁ですが、特に五年間と言えば、ただ教育にウエートを置くだけでは本当の教育は行われないのじゃないか。五年間いろいろと研究も行わずに講座だけを担当して教育に力を入れておれば大変おくれをとるであろう。私の知っている大学教授の方も、自分の報酬の中から月に相当な何十万というお金を出して、これは本の問題でありますが、買って勉強している。これは本だけの問題でありますが、いろいろと具体的に研究の設備並びに施設というものを利用しながら自分自身を高めていく。それが即今度は受ける側にも響いて向上していくという相関関係があると私どもは考えておるわけです。そういう意味で、いまの御答弁では私はまだ大変あいまいな感じでしか受け取れません。 実際にそういう研究体制というもの、設備なり施設なりをつくって差し上げておかないと、何だかんだと言っても、いい研究者が自分の頭を使われるだけで、後はもとに戻すという形でおやりくださいという式になっては大変なことになる。 こういう点で、設備や施設等、研究体制についてどういうふうになさるのか、これをお尋ねをしているわけです。再度明確にお答えをいただきたいと思います。
○佐野政府委員 具体に放送大学の研究体制なりあるいは研究施設あるいは設備をどのように整えていくかということは、これからの具体の放送大学の計画の中で検討されていくわけでございます。そのことを私は否定をしているわけではございません。 むしろ、たとえば放送大学の教員の場合には、番組の作成と申しますか、番組の素材となる教育内容を固めるとかあるいはテキストを書くとか、そういったほかの大学にはない仕事が教官にはございますので、そういった事柄に専心当たられて、多少語弊がありますけれども、たとえば大学におけるサバティカルイヤーのような形である期間教育に専念された後に、今度は放送大学の中で研究に重点を置いた時期を過ごされるというようなこともあり得るわけでございます。そういった工夫を含めて、普通の大学とは若干趣を異にする放送大学における研究の問題が考えられていかなければならないと思っております。
○鍛治委員 先ほどの答弁の中で図書館の問題が出ましたので、この図書館についてはどのようになさって、また、全国的にどういうふうな配置をなさっていかれるのか。これはぜひ必要な問題であると思いますが、この具体的な内容についてお答えをいただきたいと思います。
○佐野政府委員 事柄が二つございまして、一つは、図書館については、放送大学も正規の大学でございますから、したがって大学設置基準の定めるところに従って必要となる蔵書を備えた図書館というものは整備をすることが必要になります。 それから、学生の参考図書につきましては、学習センターにそれを整備する、図書室をつくってそこに参考用の図書を備えるというようなことを実施するわけでございます。
○鍛治委員 学習センターに図書を置いておくだけで果たして需要が満たされるものかどうか。ちょっと危惧があるわけですが、その点はいかがでしょうか。
○佐野政府委員 学習センターにおける参考図書の整備というものを、できる限り学生の要請にこたえられるような適切な形で実施をするということがまずございますけれども、これは理想的には、たとえば既設の大学の図書館を放送大学の学生もその学生証をもって利用することができるというようなことができれば大変学生のためにはいいことだと思います。 これは既設の大学がそれにどのように対応していただけるかということにかかりますし、既設の大学の図書館自体がいまたくさんの学生を抱えて運営に苦労しているという状況にございますから、この席で既設の大学の図書館を放送大学の学生が利用することが可能であるとまでは申し上げるわけにはいきませんけれども、しかし、その問題を含めて、既設の大学側に放送大学に対する理解と協力を求めてまいりたいとは考えております。
○鍛治委員 先に進みますが、評議会についてお尋ねをいたします。 これは先ほども質疑の中で出ておりましたが、重複するところは御了承いただいて再度お答を願いたいと思いますが、教授会と評議会との権限配分といいますか、これについてお尋ねをいたします。
○佐野政府委員 運営審議会は放送大学学園に置かれるものであって、理事長の諮問に応じて学園の業務の運営に関する重要事項について審議をする。さらに学園の業務の運営について理事長に対して意見を述べるという、いわば法人側の機関でございます。 評議会の方は放送大学に置かれる。大学側に置かれるものでございまして、学長の諮問に応じて大学の運営に関する重要事項について審議をするということになるわけでございます。 評議会の審議をする事項というのは、法律で定められております学長、副学長あるいは教員の人事に関する事項がございますほかに、学則その他重要な規則の制定、改廃に関する事項、あるいは予算の概算の方針、さらにはこの放送大学がどのようにコースを設け、専攻を設置していくかといったコース、専攻の設置、廃止の問題、あるいは学習センター等の設置の問題、学生定員の問題、あるいは各コース間の連絡調整の問題、こういった事柄が評議会の審議すべき重要事項になろうかと存じます。
○鍛治委員 「評議員は、学長の申出に基づいて、理事長が任命する。」ということになっておりますが、この理由をお尋ねいたします。
○佐野政府委員 評議員を理事長が任命するという形をとっておりますのは、国立大学におきましても、評議員については設置者である国の機関の立場にある文部大臣が任命をすることといたしておりますし、評議員の重要性にかんがみまして、設置者である学園を代表する理事長が任命をするという形をとったものでございます。
○鍛治委員 次に、学習センターについてお尋ねをいたしたいと思います。 これは言うまでもなく、優秀な教員をそろえることができるかどうかということと並んで、放送大学が成功するかどうかはこの学習センターが成功するかどうかということにかかっておるとも思いますが、この学習センターにおける指導教員、所長、所員との関係、それから大学の本部と学習センターとの教員の人事交流、こういったものはどういうふうになさるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○佐野政府委員 学習センターには専任の所長と教員を配置する。それだけの数ではもちろん学生の指導を十分に行うことはできませんので、地元の国公私立大学の協力を得て、その大学の教員を非常勤の講師に委嘱して、それによるチュータリングなりカウンセリング、ガイダンス等を実施することを考えているわけでございます。 それで、学習センターと本部との関係というのは、確かにこの大学の場合には非常に大切な問題になると思います。本部の方でカリキュラムも決め、そして教育の内容を定めて、それを番組で送り出すわけでございますが、センターにおける指導というものも、その放送大学が放送をする内容に即して実施をされていかなければならないものでございますから、したがって学習センターと本部との連携、連絡調整というものが円滑に進められるような工夫というものがどうしても必要になるわけでございます。 学習センターの教授の代表というのはもちろん評議会に入ってくるということも考えられますし、また教授会のメンバーにもなるわけでございますけれども、けさほどもお答えをしましたように、この大学の教学の問題を処理していく場合には事柄がいろいろとございますので、学習センターと本部との協力の仕組み等についても、そうした問題に対する適切な教官の会議というようなものを本部と学習センターとを通じて設けていくというような工夫が必要であろうと思います。
○鍛治委員 いま、評議会にも学習センターの教授の方々が出ていく可能性があるというようなことでございましたが、評議会というのは非常に人数が限られておりますし、学習センターは大変多い数になると思うわけです。 そういう意味で考えますと、評議会に出られる学習センターの教官の方というのはあるかなしかよくわからないような状況にもなるのではないかというような気もいたすわけですが、そこらあたりは具体的にどういうふうな関連を持たせながら評議会との意思の疎通をしていくようになさるのか、再度お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 御指摘のように、評議会の定員というのは限られておりますから、学習センターの教官がすべて評議会に出るというようなことはもちろんできないわけでございます。しかし、学習センターの抱えているさまざまな問題が評議会で十分に検討されるような工夫というものは、学習センター側の代表を評議会に加えることによって行い得るところであろうと思います。具体にどのようにしていくかということは、もちろん放送大学がみずからの問題として検討しなければなりません。 そうした評議会にセンターの教授が加わるかどうかという問題とは別に、やはり、本部の教員と学習センターの教員との間の十分な意思の疎通なり、あるいは学生に対する教育指導の方針の統一というようなことを図るための仕組みというものが別途に工夫をされる必要があるわけでございます。
○鍛治委員 学習センターの重要な役割りでございます学生に対する学習指導ということにつきましては、地元の国公私立大学等から適任者の協力を得て面接授業をやるというようなことを言われているわけでありますが、このためには学習センターは相当自治機能というものが機能していかなければならないというふうに思うわけです。そしてさらに弾力的な運営というものが必要になるような気がいたしますが、こういった点についてどういうふうに配慮しておられるのか、お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 御指摘のように、授業科目の編成に当たった本部の教員と実際に学習指導に当たる学習センターの教員とが十分に緊密に協議をして、授業科目の編成の趣旨、目的に沿って、各学習センターを通じて統一的な指導が行われるように配慮する必要があるわけでございますから、そういう意味ではそれぞれの学習センターごとにばらばらな指導が行われるということは、それは決して学習センターの自主性というような名のもとに行われていいことではございません。 むしろ緊密な連携のもとにそれぞれの学習センターにおける指導が統一的に行われる配慮をしなければなりませんけれども、同時に、それぞれの学習センターの教員の、教授の自由と申しますか、そういう濶達さが失われてはいけないわけであって、それを束縛することのないように教員の持ち味を生かした指導が行われるような弾力的な対応が必要だということも事実でございます。 この辺は、実際の問題としては、それぞれのセンターと本部との間の緊密な協議というものを通じて実現をしていくわけでございますけれども、方向としてはそういう点を十分に踏まえて大学における努力なり工夫なりが行われてほしいと思います。
○鍛治委員 この放送大学で講座、放送が始まりますと、同時にいろいろな意見や質問といったものが電話その他いろいろな形で寄せられてくると思いますけれども、こういうものは学習センターで処理をしてやるようになるのか。 窓口的な事務ないしそれに対する回答。これは生涯教育機関として期待されて発足をするわけでありますから、当然問い合わせにはちゃんと答えていくべきであろうと思うわけでございますが、こういう点についてはどういうふうな形で対応をなさるのか、お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 学園の実施をする放送の内容について各方面から御意見が寄せられるということは十分に予想されるわけでございます。 その場合に、学園の放送というものが大学の授業としての性格を持つということを考えますと、その内容について改善をし、レベルを上げていく責任というものは大学側にあるわけでございますし、まさに大学の責任でこれに対応しなければならないことでございますから、基本的には、そういう教育の内容についての意見というものは、放送大学の方で大学の中に適切な委員会を設けるというような工夫をして受けとめていくということが必要になるわけでございます。 その場合に、大学の本部の授業科目を開設する側で受けとめなければならないことと、それから学生の直接指導にかかわる問題としてセンターの方で受けとめなければならないことと、事柄に応じて異なることは想像されるわけでございます。 それらを含めて、大学側が学生を初め国民の教育内容に対する意見というものをどのように受けとめるのかという工夫をすることを今後具体に考えていくということであろうと思います。
○鍛治委員 大体わかるような気もするのですが、この大学は公開する、大学の高等教育を公開するということで、やはり非常に大きな意味があるし、画期的なことであると思います。 私も地元で一般の人たちと若干話し合ってみますと、公開ということに対して、またテレビで放送し教育を流すということについては、放送大学の学生としての身分がなくても非常に関心を持ってそれを見ながら、その中でいろいろと意見なり質問なりをしていこうというふうな人もいらっしゃるようなのですね。これは公開ということに対して、生涯教育という立場から、国民全体の者にも何かあればそういう応答というものがあるのだという、そういう素朴な期待があるようです。 そういうことについても私たちはできるだけ対応していくということでなければならぬのではないかという気がしているわけですが、そういう意味での対応、教育の講座の内容について、いままでおっしゃったようなことは当然受けとめていかなければならないでしょうが、それ以外にちょっと外れた向きでいろいろと出てくる質問、意見等についてはどういうふうな対処をなさるのか、これは再度お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 もちろん、放送大学の正規の学生あるいは選科履修生、科目履修生以外に広く国民が放送大学の放送を視聴する、そして勉強するということはできるわけでございますし、そのために放送大学の学園の業務等としましても、大学の設置なり放送に附帯する業務ということで、たとえば印刷教材等の市販あるいは録音教材等の市販というふうなことも考えなければならないことであろうと思います。そういった国民の方々から放送大学の番組に対して寄せられる御意見というものについても、それをできるだけ受けとめる工夫が必要になると思います。 学生の場合には一方交通にならないという点は、学習センターにおけるスクーリングを通じてかなり配慮ができるわけでございますけれども、スクーリングということの機会を持たない方々の疑問、いわゆる講義の内容に対する御質問等に対する回答というのは、放送大学の側でそれにどのように対応するかということを今後考えていってほしい。具体にどのような組織をもってそれに対応するかというようなところまで検討が行われているわけではございませんけれども、事柄としては、放送大学もできるだけそれに対しては積極的にお答えをする努力をすべきであると思います。 もちろん、非常にたくさんの量になるでございましょうし、それに対して逐一文書でお答えをするのがいいのか、あるいは放送大学の告知放送等を通じてお答えをする方がいいのか、その辺は問題があるところかとは思いますけれども、できるだけの工夫を大学側はすべきであると考えております。
○鍛治委員 いまのお答えの方向で、大変なこととは思いますが対処をしていくという方向づけはなさっていただきたい。これは御要望として申し上げておきます。 続きまして、法案の第三十七条の「報告書の提出」の条文規定でございますが、これは大学教育への行政介入が懸念されるという声が強く、われわれもそのことを心配しておるわけでございます。こういうことについては何らか歯どめを行うべきだという意見が、私がいろいろ聞いてみても大変あるわけですが、これに対するお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○佐野政府委員 御案内のように、行政機関が所掌する行政事務の運営に必要な範囲内におきまして調査等を行うことは、法律に特別な規定がなくてもできることでございますけれども、必要な報告書を義務的に提出させるということについては法律の規定がなければできないことでございます。 この三十七条の規定を設けましたのは、私立学校法において私立学校に対する所轄庁の権限として規定されている例をそのままちょうだいをして規定をしたものでございます。文部大臣は、私立大学に対すると同様の立場におきまして、放送大学の所轄庁として、「教育の調査、統計その他に関し必要な報告書の提出を求めることができる。」ように措置をしたということでございます。私立大学に対する場合と全く同じ趣旨のものと御理解をいただきたいと存じます。
○鍛治委員 そういう理解のもとに行政介入がないようにお願いをしたいと思います。法案関係については一応終わります。 次に、あれこれいろいろとございます中で、残り時間御質問をいたしたいと思います。 放送による教育というものは、放送大学における教育全体の何%くらいを放送によって行うというふうにお考えになっておられるのか、お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、放送による学習のウエートは約三分の一と想定されております。
○鍛治委員 これも若干以前からの質疑の中でもあったことでありますが、放送大学についての第一期計画完了の目途、それから全国放送の実施時期、こういった見通しについてお尋ねをいたします。
○佐野政府委員 現在の関東地域を対象としている放送大学のいわば計画の完成年次というのは、仮に五十七年から学生を受け入れることが可能になりますれば六十年度に、つまり六十一年の三月までに第一期の計画が完了する。それを目途にして逐次整備を進めるということになるわけでございます。 第一期計画以降の対象地域の拡大の問題については、先ほどもお答えをしましたように、関東地域における実施の状況あるいは放送衛星の問題その他諸般の状況を考えながら、関係省庁と協議をして改めて慎重に検討するということでございます。
○鍛治委員 この第一期計画の関東地区からやるということについては、私も地方におるわけでありますが、やはり大変反発がございます。せっかく全国的にあるいままでの大学のあり方をある意味では打ち破るような形でやろうというわけでありますから、中央に偏った形よりもむしろ地方から先にお金をかけ、つくるものはつくって実施すべきではないかというのが私どもの願いであるし、考えでありますが、この点についてお尋ねをいたします。 そして、さらに、こういう一期計画完了または全国放送実施時期と絡みまして、これに伴う教員の確保というものは完全にできる見通しはあるのか。ここらあたりもお尋ねをいたしたいと思います。
○佐野政府委員 放送大学の基本計画というのが関係調査会によって報告をされておりますけれども、そこでの最初のスタートのときの考え方につきましては、やはりネットを張っていく、その整備は段階的に進める必要がある、そしていろいろな条件から生じてきた結果を確認しながら最も効果的に拡充を進めていく必要があるということが述べられておりまして、その場合に最初の事業、第一期の事業の目標としては、学習希望者の実際の就学状況が明らかになり、さらに将来の拡充方針を決定できるような資料が得られる、そういう内容規模の事業を実施する必要があろう、そしてそのような目標を達成することができる範囲内で、電波網の整備に要する経費が過大にならないで、しかも各種の資料ができるだけ豊富に得られるような地域を対象とすべきであると、こういうような御指摘があったわけでございます。 基本計画におきましては、第一期の事業としては、私どもが現在考えているものよりもむしろ広く、名古屋、大阪あるいは東北、四国の一部等も対象に考えられて掲げられておりますけれども、文部省としましては、そうした基本計画の考え方を十分に参考としながら、やはり、送信所として東京タワーを利用するということを考慮いたしまして、関東地区を対象として発足をするということを考えたものでございます。
○鍛治委員 ちょっと固執するようですが、そういう答申が基本計画の中にあるのならば地方の方から先にぜひやっていただくべきであると思うのですが、それを外して中央に持ってきた具体的な理由というものを再度お尋ねいたしたいと思います。
○佐野政府委員 いま申し上げましたように、できるだけ豊富な資料が第一期の計画を通じて得られる、それによってそれ以後の整備計画を最も効果的に進めることができるようにしたいということを考えてこのような措置をとっているわけでございます。 しかし、関東地区を考える場合におきましても、周辺に一つ送信所を建てて、いわゆる僻地地域についてもこれを対象として放送が実施できるようにし、そこからも資料を得るという、その配慮もしているわけでございます。 なお、先ほどお尋ねの全国規模になった場合の教員確保が大丈夫かという御指摘についてお答えを申し上げませんでしたけれども、放送大学の場合、大学設置基準が必要とする最低の専任の教員の数というものはもちろんそろえなければなりませんけれども、その専任の教員だけで放送大学の教育というものに対応することはできないわけでございますから、客員教授なりあるいは非常勤講師という形で、既設の国公私立の大学から広くすぐれた人材に御参加をいただきたいということを考えているわけでございます。
○鍛治委員 地方から先にということを固執するようですが、方向を決めているのでこれは徐々にやっていくということで、これは平行線をたどるばかりのようでありますが、学問にしろ何にしろ東京中心で、東京に来なければだめだというふうな考え方は、放送大学を開設するのであるならば、画期的な内容のものであるだけに、やはり地方というものをまず重点に考えて、先にそちらからぜひやるという方向でこれはお考え直しをいただきたいと私は思うのです。 これはお尋ねしてもちょっとむだな感じもしますが、再度これをお答え願いたいと思います。
○佐野政府委員 御指摘の点は私どもも十分にわかるわけでございます。 第一期の計画を実施していく過程で得られるさまざまな資料と申しますか、実績というものをもとにしまして、教育の機会均等という見地から、できる限り早く適切な地域への放送網の拡充ができるように努力をいたしてまいりたいと存じます。
○鍛治委員 いまの件は強い要望として申し上げておきます。 いま教員の確保の問題をお答えいただいたわけですが、この教員については、外人の優秀な教官を採用していくというふうなお考えはないのか、お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 放送大学の場合には特殊法人立でございますから、いわゆる公務員法の法理というようなむずかしい問題が一応ないわけでございます。 したがって、御指摘のように、適任の方が得られれば外国人の教員に御参加をいただくということは、私たちも大変望ましいことであると考えております。
○鍛治委員 続きまして、入学資格の問題ですが、これは特例を設けるという考え方をお持ちのようですが、再度具体的にお答えを願いたいと思います。
○佐野政府委員 放送大学が生涯教育の機関として非常に重要な意義を持つということからしましても、この大学への入学資格を考える場合に、高等学校卒業程度と同等以上の学力を有するという点についてできるだけ弾力的な対応をしなければならないということは十分に考えております。 具体にどのような形でその弾力化を図るかということは、これは大学設置審議会の基準分科会の御審議を煩わしながら検討をしていかなければならないことでございますけれども、従来基本計画等で提案をされておりますのは、初めに選科履修生あるいは科目履修生として在学をして、そしてある単位の修得を終えた段階で、その単位修得の状況から高等学校卒業程度と同等以上の学力ありという判定をして正科の学生に切りかえるという方法がございます。 基本的にはこの方法というものは十分に検討に値する方法でございますので、今後さらに基準分科会にも御審議を煩わしながら検討を進めてまいりたいと思っております。
○鍛治委員 これはそういう方向でぜひお進めを願いたいと御要望を申し上げておきます。 次に、放送大学学部学生及び選科履修生などの方々に対して、これは育英奨学制度の適用というものをぜひやるべきであろうという考え方を私は持っているのでございますが、この点についてお尋ねをいたします。
○佐野政府委員 現在、私大通信教育を受けている学生に対しましては育英会から奨学金を貸与いたしております。これはいわゆるスクーリングの態様に応じて、通年スクーリングの場合と一定の期間集中してスクーリングをやる場合とで相違はございますけれども、いずれも奨学金の支給対象としているわけでございます。 放送大学の正科の学生、正規の学生については、このような私立大学の学生の場合の例を参考にしながら、多少スクーリングの態様等も違いますので、合理的な奨学金の貸与の方法というものを検討していくということになると思います。 問題は選科履修生あるいは科目履修生の場合でございますが、現在奨学金は、御案内のように、大学の聴講生であるとかあるいは別科の学生に対しては貸与が行われておりません。そのことからしますと、選科あるいは科目履修生についても同じような取り扱いということが出てくるわけでございますけれども、放送大学の選科履修生あるいは科目履修生の場合には現在の聴講生等とはその趣旨を異にするところもございますので、取り扱いについてはなお今後の検討課題にさせていただきたいと存じます。
○鍛治委員 これもぜひ適用されるような形でお進みを願いたいと思います。 それから、この放送大学が仮に発足しましたとして、いよいよ卒業する方が出たといたしました場合に、教養学部しかない放送大学卒業者の就職についてはやはり大変気にかかる面が多いわけでございますが、こういう点についてのお考えはどういうふうになさっていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
○佐野政府委員 放送大学の場合には、その目的、性格からしまして、あらゆる年齢あるいは学歴、職業の方々を含んで広く対象をとらえる必要がございます。放送大学に対する教育需要の予測調査の結果によりましても、そういった需要というものはかなり広範にわたって出てきているわけでございます。現在放送大学が考えている教養学部あるいはその開設コースというのは、この予測調査の結果を参考としているものでございます。こういうところから、かなり学際的な分野にわたりまして、現在の学問研究の成果を多角的にしかも系統的に教育するということで、授業科目の開設、カリキュラムの検討が進められているわけでございます。 具体にどのような人が育ってくるかということは、これからの教育指導の実績とそこで学ぶ人たちの熱意にかかるわけでございますけれども、それぞれの立場で、高いレベルの学問的な教養を身につけて大学を出ていく。しかも、一般の大学よりもはるかに、この大学の場合には、成業と申しますか卒業をするということが実際問題としてむずかしい。そのむずかしい学習にたえて卒業するという点を含めて、社会がこれを高く評価をして受け入れてくださるということを期待しているわけでございます。
○鍛治委員 大体予定の質問を終わりましたので、最後に大臣にお答えを願いたいと思うのでございます。 大臣、大分前からの、またきょうの木島委員の質疑の中での答弁をお聞きしておりましても、とにかくこの法案は考えに考えた末につくり上げたものだから、ぜひこのままやらしてくれ、悪かったら後でやるというふうなお話で、一貫してきわめて強硬なお答えをなさっていらっしゃるわけでございますが、私どもといたしましては、これは画期的なことであるだけに、趣旨については私たちは大いにやるべきであろうという考え方もあるわけでございますけれども、具体的な問題につきましては、きょう私が御質問を申し上げ、前回も御質問を申し上げ、そういう中で御答弁をお聞きしておりましても、さらにまだ詰めていかなければならない。または、ある意味では、多少はこれは本当に話し合いの中でよりよい方向に詰められるものは詰めていかねばならぬ。そして国民の皆さんの期待しているいい方向にいくように、逆に言えば悪い方向に走ることのないように歯どめをかけながら、話し合いで納得できるものは納得し、修正すべきは修正し、そして手直しをしながら、その中で発足をするというのがよりベターであろうというふうな考え方を持っております。 そういう意味で、まだまだ詰めなければならない問題もございますが、そういう方向でこれはぜひやるべきだろうというふうにわれわれは考えておるのでございますが、この点についての大臣の総体的なお考えをお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○内藤国務大臣 鍛治先生のお話はまことにごもっともでございますが、何しろ、放送大学学園法案というのは初めての試みでございますから、いろいろと御指摘のような問題点があることをよく存じております。ただ、ではこれをいつまでも検討しているということになりますと、やはり国民の期待にこたえることができないと私は思うのです。 多少不備な点があっても、できればこの法案の線の中で御協力をいただいて、今後改善すべき点は思い切って改善してよりよいものにしていきたいと思いますので、ともかくこの放送大学学園がスタートすることが国民の要望じゃないかと私は思っておりますので、ひとつよろしくお願いを申し上げます。(「十年も待ったんだ」と呼ぶ者あり)
○鍛治委員 いま、十年も待ったというような声が横から出ましたが、われわれといたしましても、ここまで来てから来年にするとか、これをまた会期を大幅に延長してわっさわっさやるとかいうことではなくて、この議論を可能な限り時間をとる中で十分に煮詰めながら、そして新しい出発でありますから、やはりこうやって手直しした方がいいというところがあれば、これはもう話し合いの上で煮詰めてぴたっとした形で発足をさせたい。小委員会でも特殊法人として発足するということについてはいろいろな御意見やまた要望事項もございましたけれども、一応はまあまあ特殊法人として発足すべきであろうという結論にも昨年の暮れにまとめたわけでございます。 しかしながら、なおかついろいろ具体的にこういう法案が出てきた段階で詰めなきゃならぬことがあるということは、この含みの中であったわけでございまして、そうだとするならば、これはやはり可能な限りよりベターなものにしておいて発足するという方向であらねばならぬというふうに思いますので、いま私が申し上げた大枠の中で、これは長くずるずる引っ張って出発させないということではなくて、よりベターなものとして合意を得て、なるべく早い機会に発足をするという形をとるべきだろうと思うのですが、再度その点についてお聞かせを願いたいと思います。
○内藤国務大臣 おっしゃるとおり、なるべくベターなものにさせていただきたいと私も思っておりますが、ともかく、これほど長い間の懸案でございましたからスタートさせることはしていただきたい、これが私のお願いでございます。
○鍛治委員 大臣の御答弁は、どなたの質問に対しても、まず最初に「まことにごもっともでございます」という言葉が出てまいります。ところが次に「けれども」という言葉がすぐ出てくるわけでありまして、これはやはり「けれども」の後の方の話が重点になっておって、前段は無視、悪く言えばそういう形になっております。 これは大切な法案であるだけに、そういう態度で押し切られるということはよろしくない。受け入れるべきものはもっと受け入れ、話し合うべきものは話し合って、私は、これをつぶしてしまえとか、十年も二十年も先にしろとか、ことしはだめだぞとかいうようなことを申し上げておるわけではございませんので、そういう前提の上に立って、しっかりと国民の皆さんが納得し、全野党の皆さんも納得するという中でこれは発足するという、この道をとられた方がいいと思いますが、これはひとつ御要望として強く申し上げておいて、私の質問を終わらせていただきます。
○坂本委員長 午後二時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時休憩 ————◇————— 午後二時二分開議
○坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 放送大学学園法案について質疑を続行いたします。中野寛成君。
○中野(寛)委員 十年間の非常に慎重かつ真剣な御検討の中からやっと放送大学学園法案が提案をされまして、大変期待をし、そして私どもみんなが納得する形の中でこれが堂々と発足をすることを心から期待をするものであります。 同時に、また、この機会にいろいろな夢が広がってまいります。放送を通じて大学の教育を受けられるということは本当にすばらしいことですし、画期的なことでありますし、それは決して放送大学に終わるものでないというふうにも私は思っております。このことがきっかけとなってもっともっと充実した、いわゆる生涯にわたっての教育、生涯教育というものが大きく充実をし広がっていく。そのきっかけになることを含めまして、私どもは大きな希望と夢を持つものであります。 そういう意味で、今日に至りました機会に、今日までこの問題に携わっていただいた多くの文部省の関係者の方々や、そして御協力をいただいた各界の先生方に敬意を表したい。このようにも思うわけであります。 さて、ここで私は夢が広がるということを申し上げたのですが、放送大学というものと、また同時にその設置者としての放送大学学園というものの位置づけについて、文部省としては、私がいま申し上げた生涯教育に向かって、これを一つのきっかけとして考えてもいいとするならば、将来どのような展望を持ち、その中での放送大学というものについてはどういう位置づけを持つのだろうか。とりあえずは放送大学をということではなく、もっと広い展望というものを踏まえた中でこの論議がなされたはずだと思うわけでありますが、このことについていかがお考えでございましょうか。
○佐野政府委員 的確なお答えになるかどうかわかりませんが、生涯教育というものについては従来もさまざまな角度で議論が行われ、提言が行われておりますし、また、現在中央教育審議会でも生涯教育の問題が議論をされております。 高等教育の面で生涯教育の問題をとらえる場合には、もちろん放送大学ということに限らずに、既設の大学それ自体のあり方というものについてより柔軟な構造というものを考え、その中で広く国民の多様な教育の要請に対してこたえていくということを考えていく、そのようなものとして既設の高等教育機関を整備していくということが考えられなければならないと思いますが、放送大学がその性質上生涯教育の推進の上で非常に大きな役割りを果たすことは言うまでもないことでございます。 そのことは、放送大学自体が、その機能として生涯教育的な面で非常に有効に働くであろうということと同時に、放送大学というものを場として、たとえば単位の累積加算制のような課題に取り組むとか、あるいは他大学との単位の互換というものに取り組むとか、そういったことを通じて、現在のともすれば閉鎖的である既設の大学のあり方というものをもっと柔軟かつ流動的なものに改革をしていくための大きな力になるということが期待されますし、放送大学をつくっていく趣旨も一つにはそこに大きくかかっていると考えております。
○中野(寛)委員 いま御答弁の中にもございましたが、既設の大学に対するきわめて大きなインパクトを与える、そこからより一層柔軟な、そしてまた開かれた大学へと大学そのものが改革されていくということを文部省としても期待をされておるようでありますし、私どももまたそのことを期待するわけであります。 先般国立学校設置法の審議のときにわが党の玉置委員からも御指摘を申し上げたわけでありますけれども、今日の既設の大学というものは閉鎖性が非常に強い。もしくは、今日の一人の教授を中心にしてつくられます講座制等というものは、昔ながらの親方とまた番頭さんとの関係みたいな関係で発展性と開放性に非常に乏しいというようなこともございますが、そういう一連の今日の既設の大学へのインパクトというものは、この放送大学から果たしてどのような形になってあらわれていくだろうか。これは一概には言えません。出発してみないと現実にはわからないかもしれませんけれども、既設の大学やまた学者、教育者の中で、その与えられる影響に対してすでにもし何らかの抵抗があるとすれば、その抵抗を打破することも、これもまた言うなれば改革であります。 そういう姿で、抵抗という形ででも結構ですし、または大変それを期待するという形ででもいいわけでありますけれども、この放送大学というものの構想が発表されて以後何らかのそういう反応があるとすれば、それを私どもは将来の大学改革への一つの目安とすることができるかと思うのでありますが、今日そういうものがございますでしょうか。
○佐野政府委員 大学の関係団体、国大協あるいは私大連盟のようなところから、団体の意見として具体のものが出ているという段階ではございません。 しかしながら、放送大学の創設の仕事に関与をしてこられた多くの大学人の間には、いま御指摘のような放送大学というものが、現在四〇%に近い大学進学率を示している高等教育の規模の上にさらに規模を重ねるというような性質のものではなくて、生涯教育的な機関であるということとともに、既設の大学の教育の内容、方法というものについて放送大学の教育の内容というものが非常な刺激を与えるであろう、あるいは教官の交流であるとか単位の互換であるとか、そういったものを通じて大学の、特に一般教育のあり方について放送大学がいい意味での影響を与えるであろうというようなことは言われているわけでございます。 具体的には、大学が特色のある大学として発展をしようとする場合に、大学としてはどうしても専門教育のところに非常に力を入れたい。そうだとすると、一般教育のところは、放送大学の講義内容が非常にすぐれているならば、放送大学の講義というものをできる限り単位の互換の形でその大学の教育の内容の中に取り込んでくる、そして浮いてきた余力を専門教育の方へより厚く投入をするというふうな工夫もできるであろう。それは大学によっていろいろであろうけれども、既設の大学が積極的に活用しようと思えば、放送大学の持つ機能というものを有効に生かす道は非常にたくさんあるのではないかというようなことが言われているわけでございます。 新聞の論調の中でも、大学の教官の中に、放送大学がそういう意味で今後の高等教育の構造というものを考えていく場合に非常に夢の多いプロジェクトであるということを指摘されている方もあったと記憶をいたしております。
○中野(寛)委員 いまの御答弁の中で、教官の交流だとか単位の互換等を通じて既設の大学に対する放送大学の果たす役割りというものもきわめて大きいし、期待も大きいというお話があったのですが、実は、先ほど来の御指摘にもありましたけれども、教官の交流というものが果たして本当にどのくらいあるのだろうか。 いまの局長の御答弁の中で、放送大学の中身が非常に充実をしておればという条件がまずございましたが、これはまさにそのとおりだと思いますけれども、最初はそこへ持っていくのが本当に大変ではないか。単位の互換についてもそうですね。そういう感じがするわけであります。 教官の交流ができればいいな、単位の互換ができればいいな——単位の互換というのは、またそのこと一つだけとったって本当に夢というものは広がっていくわけでありますし、そのことが将来は入学試験のない放送大学ということになれば、入試地獄を解消することにだってつながっていく。いろいろなことに考えが広がっていくわけでありますが、本当にそれはできるんだろうかというのがいまの実感から出る率直な疑問なんです。 今日の大学人はこのことをどのくらい真剣にお考えか。もしくは前向きに受けとめておられるかどうか。直接大学人に捜せられる文部省は、今日の大学の雰囲気というものから分析をして、これをどうお考えになっておられるのかをあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
○佐野政府委員 従来、放送大学の準備のためにいわゆる実験放送、実験番組の作成とその放送を重ねてきているわけでございますが、そういった準備の過程を通じて非常に多くのすぐれた大学人が放送大学に関心をお寄せになり、また具体に御協力を現在もいただいております。 それらの先生方はそれぞれの大学において非常に中核的な機能をお果たしになっている方々が多いわけでございますから、それらの方々を直ちに放送大学の専任の教員としてお迎えをすることができるかどうかについては確かに問題はございますけれども、放送大学の場合には非常にたくさんの客員教授あるいは非常勤講師というものを予定し、それによって専任教員と共同しての教育活動を展開するということを考えているわけでございます。そういう形ですぐれた先生方の御協力をいただくことは十分に可能であると考えております。 専任の教官を確保する場合には、けさほども御議論のございました任期制につきまして十分に関係の大学の御理解を得ながら、これまた任期制のメリットを十分に生かして、多数のすぐれた方々に次々と放送大学に御協力をいただく工夫というものは不可能ではないと考えております。 いずれにしても、放送大学の成否は教官にすぐれた人材を得ることができるかどうかにかかることは御指摘のとおりでございますので、さらに関係の大学あるいは大学関係団体に御協力をいただくように私どもも努力をいたしてまいりたいと思います。
○中野(寛)委員 将来単位の互換等へ進んでいくとするならば、どういう経緯とどういう手続が必要になってまいりますでしょうか。
○佐野政府委員 単位の互換については、すでに制度上は三十単位まで、他の大学で修得した単位をその大学の単位とすることが認められる道が開かれているわけでございます。当面はこの制度を放送大学の場合にどのように運用していくかということになろうかと存じます。 それで、単位の互換ということを認めるかどうかについては、それはまず既設の大学側が積極的にそれを考える場合に可能でございます。放送大学の場合には御案内のように選科履修生あるいは科目履修生というような制度がございます。他の大学の学生が選科履修生あるいは科目履修生の形で放送大学にも在籍をし、そしてそこで履修をした単位というものについて出身の大学が自分の大学の単位として認めるというようなことが可能でございますし、放送大学の方はそれに対して積極的に対応をするわけでございます。 問題は、既設の大学がそういう方向を積極的におとりいただけるかどうかということでございます。それは結局は放送大学の開設をし、放送を通じて実現をしていく教育の内容、水準というものを各大学がどこまで御評価になるかということにもなるでございましょうし、あるいはその教育の番組の作成をする段階に多数の国公私立の大学の先生方が御参加になる、そのことがまた既設の大学のそういった積極的な姿勢を促すことにもなろうかと思いますので、現在の単位互換の制度が実際にこの放送大学の教育についてできるだけ適用され、運用されるように放送大学が懸命の努力をすることはもちろん当然でございますけれども、私どもも関係の大学に対してさらに理解を求めてまいりたいと思います。
○中野(寛)委員 それを発展させまして、たとえばこういう一つの可能性というものも提示をされているようでありますが、いわゆる他の大学の教養課程を放送大学が実質的に引き受けてしまう。それをだれも強制できるものでもありませんけれども、将来そういうふうな方向にまで発展させ得る可能性もあるというふうに考えてよろしいでしょうか。
○佐野政府委員 現在のところは、単位の互換の限度というのは三十単位を超えない範囲ということになっております。この三十単位を超えない範囲ということで、いま御指摘のような形のもとに、他の大学が一般教養の課程について放送大学の教育というものをできるだけ活用するということを考えることは、当該大学がそのような積極的なお気持ちをお持ちになれば、放送大学との協議を経て実現をすることは可能でございます。
○中野(寛)委員 それから、先般の新聞の投書欄にもこういうことが出ていました。「夜間制・通信制のもつ可能性を十分開花させずに放任したまま、放送大学に大きな予算をつぎこむ発想は、理解に苦しむ。」というのですが、これは一つの個人的な見解ですけれども、こういう気持ちで放送大学を見ている学生もいるということですね。 このことに対して、既存の大学、それから通信教育、または夜勉強しておられる皆さんの勉強との関連について、これが放送大学へ吸収されてしまうということは放送大学からすれば大変いいことかもしれませんけれども、それぞれの特色を生かした教育というものを実現するためには、やはり、今日行われている通信教育のあり方というものまたはそういうものが大変大切であることも否定できないことだと思うわけでありますが、その関連性について、今日まで通信教育関係の皆さんとは緊密に連絡をとりながら検討を進めてこられたという先ほど来の御答弁もあったわけでありますが、少し具体的に御説明いただければありがたいと思います。
○佐野政府委員 放送大学の構想を検討する調査研究会議には、かねて私立大学の通信教育協会の方からも参加をお願いしてまいっております。 率直に申しまして、昭和四十七年ごろ、ごく初期のころには、私大通信教育協会の側にかなり強い不安感と申しますか、危機感があったことは事実でございます。しかし、その後協議を重ねることによって、現在はやはり放送大学構想の意義を評価し、放送大学と私大通信教育とが併存をし、共存をするという方向を考えようということになっているわけでございます。 現在まで、私大通信教育協会の側からは、放送大学の運営に協会側の意見が反映されるようにしてほしい、あるいは放送大学の放送授業について、放送大学だけが独占をするということでなくて、通信教育を実施する大学の利用についても考えてほしい、あるいは放送大学の施設、特に地方の学習センターについては通信教育を実施する大学の利用にも開放してほしいと、そういった意見が出ております。それとあわせて、放送大学についてだけ国が莫大なお金を使うということだけではなくて、私大通信教育についても、その振興策の改善、充実を進めてほしい、あるいは放送大学を設置するについては当然その設置基準が検討されるわけであるけれども、その場合に現在の私大通信教育との関係を十分に考えて、両者に共通する適切な基準を決めてほしいというような御議論が現在まで出ているわけでございます。 これらの御意見に対しては、この法案の内容におきましても私どもは積極的に対応をするということで考えたつもりでございます。
○中野(寛)委員 その場合には放送だけでなく、いわゆる地域の学習センターの共同利用的な意味が大変大きくなるわけでありますけれども、どのぐらいの規模のものが考えられているわけでしょうか。
○佐野政府委員 もちろん、それぞれの地域の実情によって検討されなければならないことでございますけれども、スタンダードなものとしては二千五百平米程度の規模のものが考えられているわけでございます。
○中野(寛)委員 その教室の数、それから所長を初めとする人員というふうなものはどういうことになるんでありましょうか。 そういういろいろな需要にこたえられる陣容というものをどのように整えられるのでしょうか。
○佐野政府委員 学習センターには所長である教授のほかに四名の専任の教員を配置し、それにさらに地域の国公私立大学の非常勤の講師というものを加えて学生の指導に当たるわけでございます。 現在考えられている学習センターの標準的な形でございますけれども、先ほど申しましたような二千五百平米程度の全体の規模のもとに所長室なりあるいは教員の研究室を設け、さらに学生のための演習室、実験実習室あるいは学生控え室等を備え、さらにビデオの施設を備えて再視聴を可能にするための部屋も考えますし、あるいは図書室であるとか事務室、カウンセラー室等をそれぞれ備えたものになるわけでございます。
○中野(寛)委員 所長と四名の教員ということですが、そうなると非常勤の先生方が非常に大きなウエートを占めてくるのではないかという気がいたします。もちろん教員だけではありませんから、その他の職員の皆さんもいらっしゃるということになるのだろうと思いますが、そのいろいろな需要にこたえるということになると、とてもこういう陣容ではどうだろうかという気がするわけであります。 その出発時点でこういうことであって、将来何らかの発展的なものを考えておられるのか。将来構想においてもこういうものを各地につくっていくという形での発展を考えておられるのか。それはどういうことでございましょうか。
○佐野政府委員 確かに、学習センターというのは、スクーリングの場としても、放送大学の教育を進めていく場合に非常に大事な意味を持つわけでございます。 基本計画におきましては、各都道府県に学習センターを設け、そこで実験、実習あるいは演習を実施するということに加えて、演習あるいは実験のみを行ういわば演習センターあるいは実験センターというようなものをさらに都道府県の中に配置をする、あるいはビデオセンターというようなものを配置するということが掲げられております。 これをどのようにしていくかということは、第一期の計画における学習センターの活動を通じて出てくる問題を十分に整理をし、その検討の上に立って考えていかなければならないことであり、いずれにしても学習センターの機能というものは、そういった実績を通じて常に反省を加えて改善を図っていかなければならないものであると考えております。
○中野(寛)委員 それと、学生は平均して学習センターへ行く時間というものはどの程度を想定しておられるのでしょうか。
○佐野政府委員 一週に一回、三時間ないし四時間程度学習センターにおいてスクーリングを受けるということになります。
○中野(寛)委員 一学習センターの担当する学生数はどのくらいになるのでしょうか。
○佐野政府委員 在学生数が三万ということを想定いたしておりますので、したがって一センター当たりの平均の規模は五千ということになります。
○中野(寛)委員 その数字を見ただけでも、かなりの教員なり担当してくださる方々が必要になってくると私は思うのですが、一般職員等も含めましたらどのくらいの方々が学習センターに常駐することになるのでしょうか。
○佐野政府委員 先ほど申し上げましたような専任の教官のほかに、現在考えておりますいわゆる非常勤の講師の数はセンター当たり三十名でございます。若干の事務職員は別途に配置をされます。
○中野(寛)委員 そうなりますと、本部と学習センターとの連携というものは大変大切だということは先ほど来からの論議の中でもうはっきりしてきているわけですが、その非常勤の先生方がほとんどを占めるという形ということになりますと、本部と学習センターとの連携というものは本当にとられるのだろうかという心配が出てまいりますけれども、そのことはどのようにして調整されるのでしょうか。 ということは、こういう言い方をすると大学の先生方に失礼かもしれませんが、それぞれ御自身の学説をお持ちでありますし、個性の大変強い先生方が多いことは当然だと思うわけであります。そういう中で十分な連携がとられないままに行われるとしたら、学問上の、というよりも学習上の混乱が起こってくるということは当然想定されると思うわけでございますが、どのようにお考えでございましょうか。
○佐野政府委員 御指摘のとおりだと思います。 問題はやはり二つございます。一つは、授業科目の編成に当たっております本部の教官と実際に学習指導に当たる学習センターの教員とが十分に緊密に連絡、協議をして、授業科目編成の趣旨、目的に従って学習センターを通じての統一的な指導が確保されなければ困るということが一つと、それからもう一つは、多数の非常勤講師を抱えての指導でございますから、今度はそれをそれぞれの学習センターの中で十分にそのセンターの中の指導教官が協議をして、学生に対する指導を統一的に行っていかながければならないということ、この二つの課題がございます。 本部と各学習センターとの間の連携のためには、もちろん学習センターの教官も放送大学の教授陣の一員でございますから、放送大学全体の教官組織の中で学習センターの問題について本部の教官と協議をするということはあるわけでございますけれども、本部の教員と学習センターの教員との間の連絡のための仕組みと申しますか、組織というものがより積極的に考えられていかなければならないわけでございます。 それぞれの学習センターにおける協議というのは、これは所長の統轄のもとに、もちろん先生の御指摘のように大学の教官が当たるわけでございますから、それぞれ独自の個性をお持ちでございますから、その個性というものをためてしまわないように、しかもてんでんばらばらの指導にならないように、そういう協議の場というものをそれぞれのセンターでもまた設ける。そういう工夫をしていく以外にないというふうに考えております。
○中野(寛)委員 先ほど来評議会だとか教授会とかいろいろな関連性の話が持たれておりました。非常勤講師の身分とか、そしてまたそういう場で占める位置づけというものは大変あいまいになると思うのですが、いま局長がおっしゃられた協議をする場というものはどういう位置づけを持つことになるのでしょうか。
○佐野政府委員 評議会のメンバーに学習センターの教授の代表が参加をする可能性があるということは午前中にもお答えを申し上げたとおりでございます。そのことを拒む規定はございませんし、放送大学の判断によって評議会のメンバーの中に学習センターの教官が入るということは十分に考えられることでございます。教授会の構成メンバーにももちろん学習センターの教授はなるわけでございます。 ただ、放送大学の場合はほかの大学とかなり様相を異にいたしますから、したがって、いわゆる教授会の機能というものも、教育内容の問題あるいは学習センターの問題等、それぞれ事柄に応じて適切な教官会議というものが構成されて、そしてそれぞれの問題について教官が論議をするというような形で恐らくは運用されていくであろうし、またそのことが望ましいのではないかと思います。 非常勤講師の場合には、これは教授会のメンバーになるというようなことはございません。しかし、事柄に応じて、それぞれの学習センターにおいて所長の統轄のもとにそのセンターに属する非常勤講師を含む教員が随時協議をする、あるいはそのための会議を設けるというようなことは十分に可能であり、また恐らくはそういう方向で動くと考えます。
○中野(寛)委員 横の連携と、それから縦の連携の問題があると思うのです。 その番組ができて、そしてその学生がのみ込むまでの過程というものは、たとえば一つの科目にしますと、私の誤解があるかもしれませんが、主任教授が置かれてそしていろいろなテキストをつくる場合、または番組をつくる場合、そこに至るまでには主任教授を中心にして何人かのスタッフ教授等が協議をする。そしてそのだれかがその画面に出て講義をする。それを聞く。また、学習センターへ行ってその聞いた内容についてフォローをしていく。いわゆる縦の連携というものは、それなりにきわめて大事ではないかという気が私はするわけであります。 そういう場合に、その主任教授がスタッフ教授も選ぶんだということになれば、これはその学説上の矛盾その他は比較的少ないのかもしれませんけれども、逆に、そうなりますとその主任教授の独裁的な運営というものが自由にできる。スタッフ教授、要らねえよ、おれはもう一人でつくって一人で講義して一人でやるんだと言ってしまえばそれで済むということにはならないのか。 その番組作成に至るまでの経緯だとか、教授の選び方だとか、それから学習センターにおけるその教員及び非常勤講師の選び方だとかいうものは評議会等で論議されるようでありますけれども、具体的にはどういうことになるのでしょうか。
○佐野政府委員 まさに、具体にはこれから放送大学がみずからの問題として考えていくことでございますけれども、筋道としては、まず教学サイドの教官の協議によって教育の内容というものが検討をされ、そしてそれに伴ってどういうようなカリキュラムのもとにどのような授業科目を開設するのか、そしてその授業科目の内容というものをどのようなものにしていくのかということが複数の教官の会議において検討されていく。それは恐らくそれぞれのコースの中に専攻がございますから、それぞれの専攻に応じ、専門分野の領域に応じて、教官の会議による適切な検討が行われていくだろうと思います。そしてでき上がってくる案について、それが評議会において検討をされて、よしということになって具体の教育内容の作成にかかってくる。 これも先ほど申しましたように一人の教官がやるというのではなくて、複数の教官によってその作業が進められていく。そしてある段階になりますと、いわゆるプロデューサーであるとかあるいはディレクターであるとかいうような放送関係のスタッフがそのコースチームに入ってくる。そしてそれらの協力のもとに今度は放送すべき番組のいわば台本というものができ上がり、そしてそれが映像なりあるいは音に固定をされて、いわゆる番組として外へ出てくる。こういう経過をとっていくわけでございます。 したがって、教学の中における共同の作業というものが円滑にいくように、さらに教学から放送へ渡り、放送サイドがそれを放送していく、その間における放送と教学サイドの間の共同作業というものがコースチームを通じて円滑に動くように、そういった方向での工夫と努力が具体には行われるということになると思います。
○中野(寛)委員 そのおおよその筋道はわかったような気がするのですが、しかし、それをやっていくときに個人間のいろいろな見解の違いも出てくるでしょうし、そしてまた必ずしもそれは学問上の問題だけではない問題も出てくるでしょうし、大変むずかしい問題がその経緯の中に内在しているのではないかという危惧の念をどうしても払拭し切れないわけであります。これは、あらゆる機関の運営の中ですべて持っていると言ってしまえばそれまででありますが、事、教育の問題ですし、そしてまた真剣に勉強しようという学生諸君が相手であるということを考えますときに、そういう経緯の中で問題点が露呈をして矛盾が出てくる。学説上の違いは当然出てあたりまえですが、その辺のことの心配が大変あるわけでありまして、これをいまからこうすれば絶対に大丈夫だという案もまたなかなか出てこないことはよくわかりますので、御注意をいただくことだけの御要望にとどめておきたいと思います。 先ほどちょっと聞き逃したのですが、学習センターは独立の施設になるわけですね。
○佐野政府委員 もちろん、放送大学の施設として建てていくということが原則でございますけれども、しかし、既設の大学なりあるいは短期大学の施設を借用するというようなことが可能な場合には、状況によってそれもまた望ましいと考えております。 いずれにしても、個々の事例に応じて判断をしていくということになろうかと思います。
○中野(寛)委員 さて、それからもう一つは、優秀な教官を得られるということは、申すまでもなく放送大学の質そのものに影響を及ぼすわけでありますが、いま考えられている五年間の任期制度の問題等を考えますと、ちょっと私も危惧の念を持つわけです。 まして、教育中心で研究がややもするとおろそかに——と言ってはこれは担当される先生方にも大変失礼だと思いますけれども、教育中心ということになりますと研究の方がその体制をどう確保されるのだろうかということが心配になってきますし、それは放送大学の施設の中に研究機関なり研究施設というものを十分完備していくということになれば、むしろそれが望ましいのですけれども、これもまた必ずしも十分できるというふうにも考えられないわけですが、それではそれにかわるものというものが何か得られないだろうか。 そういう研究体制ができたとしても、教授にとってもより一層魅力のある放送大学であってほしいと思うわけでありますが、そのために、たまたま先ほどの同僚委員の質問に対する御答弁の中でサバティカルイヤーの問題を局長からお出しになられました。こういうことは教育中心にならざるを得ない放送大学が持っている宿命で、これをフォローするための一つの方法として魅力のある制度ではないかという気もするわけでありまして、こういうことも考えられているというのではなくて、積極的にそういう方式を導入されるお考えはないだろうかというふうに思うわけであります。 また、たとえば五年間として、五年間で任期が切れました、ひとつ一年間研究に没頭してください、それが過ぎましたらまた五年間ということで、その一年間放送大学で十分に目指していただくというふうなこと等、より一層中身を充実させるために、そしてまたより一層いい教官が得られることのために、そういう幾つかの意味を込めてこのような方法がもっともっと考えられてしかるべきではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のように、放送大学の場合には一般の大学の場合以上にそういう研究についての工夫が必要であろうと思います。 放送大学の教官というのは、一定の期間に集中をして教材作成等の教育活動に従事をして一つの番組を仕上げ、それに関係する印刷教材等を仕上げていくという仕事をしなければなりません。そういう特殊性にかんがみまして、ある期間はそういう教育活動に非常に濃密に従事をする。そのかわり、研究の期間というものを、いわゆるサバティカルイヤーという、そのままではないでございましょうけれども、それに準じたような形で研究の期間というものを考える。そのときに、たとえば放送教育開発センターにおける基礎研究の部門で研究をするとか、あるいはそれぞれの専門分野の研究をさらに深めるというようなことが考えられるというのは、私は、放送大学の教官の教育研究のあり方としては非常に現実的な処理の仕方ではないかと思います。 もちろんこれは大学がお決めになることでございますし、文部省がそうしろと言うわけにはいきませんけれども、恐らくは、放送大学に結集をする大学人の間からもそういう考え方というものが出てくるということを期待するわけでございます。
○中野(寛)委員 大学が決めることで、文部省サイドからこうしろということを言える内容ではないという御答弁でありますが、大学側でこういう制度を大いに積極的に取り入れようともし決めたら、文部省としてはそれに対する財政補てんをする決意があるという意味で受けとめてよろしいでしょうか。
○佐野政府委員 財政補てんの問題に直ちにつながるかどうかは別といたしまして、大学側でそういう研究のあり方というものを工夫しようということであれば、私たちはそれについては積極的に対応すべきだと考えております。
○中野(寛)委員 それから、ちょっと話がもとに戻って恐縮ですが、学習センターでの指導というものはいつ行われるのかということなんですが、広島大学での実験といいますか、試行期間の教訓では、多くの人が仕事の関係で時間がとれなくてスクーリングに参加できなかった経緯が多いように言われているわけでありますけれども、週末とか夜間とか——私はちょっと極論を言っているのですが、図書館その他の利用の問題を考えますと、人間の生活の形態、ましてや放送大学の学生になる人たちの生活の態様というものはずいぶんバラエティーに富んでいると思うのです。 そういうことを考えると、極論で言えば、学習センターというのは二十四時間営業ぐらいの気持ちでやらなければいけないのじゃないかという気もするのですが、どのようにお考えでございましょうか。
○佐野政府委員 学習センターの面接授業等の教育指導につきましては、御指摘のように放送大学の学生には社会人や家庭婦人が多いであろうということを考えて工夫が必要でございます。 たとえば平日は昼間だけではなくて夜間も実施をする、あるいは土曜と日曜は朝から夜まで開講される、そういったことが想定をされるわけでございます。
○中野(寛)委員 まあ、実際上はそのくらいから取りかかる以外にないだろうと思いますから、その問題はこの辺にしておきたいと思います。 それと、もう一つ、今日放送大学は生涯教育の一環だと私たちは考えるわけでありますが、一般社会人の再教育もその重要な使命だというふうに私ども受けとめたいわけです。そうするならば、教養学部のみでなくて実際の職業にも結びついた学科というふうなものも将来設けていいのではないか。既設の大学等との担当分野について競合したりする関係上かなり混乱が予想されることは承知をいたしておりますけれども、文部省としての前向きの御意思があるかどうかを承っておきたいと思います。
○佐野政府委員 放送大学の学部、学科を教養学部のままで考えていくのか、あるいは将来それを増設するということを考えるか、そのときに職業なり資格に結びついた学部、学科というものを考えることはどうかというような点は、確かに放送大学の構想を検討する最初のところから議論のある問題でございます。ただ、何分にも放送大学に割り当てられる電波のチャンネルが限られておりますので、その電波をもって開設可能な授業科目の数というのはこれまた限られるわけでございます。それで、国民の需要にこたえるとすれば、やはり現在考えているような幅の広い教養学部型のものになるのが最もいいであろうということでスタートをするわけでございます。 もちろん、一方には先生の御指摘のように既設の私大通信教育との間の実際的な調整の問題等も考えなければなりません。しかし、放送大学の学部というものが将来ともに教養学部以外のものであってはならないとはもちろん言えないわけでございます。これからの放送大学の実績と、それに対する国民の評価あるいは国民のニーズというものを十分に考えて、将来の課題として放送大学が検討をしていくべき事柄であろうかと思います。
○中野(寛)委員 あわせて、大学院の問題はいかがでございましょうか。
○佐野政府委員 放送大学の構想を検討する過程におきましては、大学院の設置の問題は具体に検討されたことはございません。 もちろん、将来の課題として検討を要する事柄ではございましょうけれども、当面は大学院を設けるというようなことは考えていないわけでございます。
○中野(寛)委員 あわせまして、既存の大学の学生の二重在籍というものは認められますか。
○佐野政府委員 二重在籍ということの定義の問題にもなるわけでございますが、現在のたてまえは、学生が所定の修業年限の間に大学設置基準で定められた百二十四単位以上の単位を修得して卒業するということは、一つの大学で勉学に専念して初めて可能であるというのが現実の姿であるはずであり、また、たてまえでもございます。したがって放送大学の場合であっても、あるいは大学通信教育の場合であっても、正規の学生として二重に在籍をするということについては問題があって適当ではないと考えます。 しかし、放送大学とほかの大学とのいわゆる単位互換の場合を含めまして、ほかの大学の学生が放送大学の専科履修生や科目履修生として在籍するということは二重在籍とは考えられません。こういう形で他の大学の了解が得られるならば、他の大学の学生が放送大学に在籍をして勉強をするということは放送大学の側としてはむしろ望ましいことではないかと考えております。
○中野(寛)委員 それにちょっと似通ったものですが、すでに学士号を修得している人が入学した場合の放送大学における単位取得の免除、または今度は逆に放送大学において学士号を修得した人の他大学における単位取得の免除等の関連については何か御検討がなされていますか。それとも将来の展望はありますでしょうか。
○佐野政府委員 これは既設の大学で現に行われていることと事柄としては同じわけであります。 ほかの大学ですでに修得した単位についてどの範囲まで単位取得の免除を行うか、いわば他大学における修得単位をその大学でカウントしてやるかということはその大学がそれぞれ学則で決めるということになりますし、放送大学の場合であっても、あるいは放送大学の学生が他の大学に転学と申しますか編入学した場合も同じことになるわけでございます。 いずれにしても、一般教育にかかるものを中心といたしまして、放送大学で履修しなければならない科目と同じような科目をすでに履修している者については、放送大学はその単位取得を免除することが可能であると考えます。
○中野(寛)委員 さて、先ほどの話に若干戻りますが、番組をつくる場合に、実は私は口が悪いですからそのまま言いますが、学者もがんこならば、放送人というか、プロデューサーだとかディレクターという人たちも大体自分の個性を強烈に持っていて、またそれを主張するというか、そういう人たちが少なくとも私のおつき合いしている範囲では多いわけであります。そうすると議論をするにしても、それまでの経緯からいって大変だろうという感じがするわけであります。こういう番組編成上のリードは主任教授がするんだろうと思いますが、この辺はどういうふうにして行っていくんだろうか。 もう一つ、大学の評議会には放送側のメンバーは法律案では入らないのかな。先ほどお話がありましたが、学習センターを代表する教授が評議会に入ることは法案上はできるということですが、むしろ学習センターの場合は原則的に必ず入れるということがやはり必要だと思いますし、放送関係者の場合も何らかの形で同様の措置というものが望まれるんじゃないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘の点は、実際に放送大学の教育を放送によって行っていく場合の一番むずかしい問題の一つであろうと思います。 事柄の性質は放送される内容、つまり教育の中身については大学が責任を持って大学の問題としてそれを決めていくということになりますし、また、これを放送番組という見地から見ますれば、放送番組の編集の責任は理事長が持つわけでございます。したがって、大学の教学の立場と放送番組の編集という法人側の立場との調整というものが十分に図られなければならない。また、そのむずかしさがあるからこそ放送大学は特殊法人を設置主体として、大学と放送局の設置主体を同一の法人にしてその調整を図るということを考えたわけでございます。 具体的には、先ほどもお答え申しましたようにコースチームによって教育の内容が検討されていく、その個々の授業科目についての担当教員による教案が作成されて、それを放送に移していく段階でプロデューサーやディレクターを加えたコースチームの審議を経て放送台本がつくられていく、そういう形になるわけでございますし、そのコースチームにおける審議の過程を通じて、もちろん御指摘のように教官も譲らないし放送の方も自分の技術的な立場を主張して譲らないというむずかしい問題が個々にはあるかもしれませんけれども、事柄としては十分に論議をつくし、教員と制作技術者とがそこで連携をすることによって両者の間の関係を結びつけることができると思います。 具体的にはそういう個々のコースチームの形で処理が実質的にはされていくでございましょうし、もし必要があれば学園の中に放送大学側と放送側との間の連絡調整のための機関というふうなものを大学が事実上独自の判断で設けていくということは、これは学長と理事長の協議を経て可能でございます。しかし、評議会のメンバーの中に放送の関係者を入れるということについては問題があると私は思います。やはり、評議会というのは大学の自治を保障するための機構であり、このメンバーは大学人に限定をされるべきであるというように考えるわけでございます。 放送側のスタッフと教学側のスタッフとの連絡調整はいまのような形で、別途の工夫によって処理をする方がいいであろうと考えます。
○中野(寛)委員 学園の運営審議会のメンバーはどういう方々か、まだ考えておらないとおっしゃられると思うのだけれども、構成としてはどういう方々が考えられるでしょうか。
○佐野政府委員 二十名以内で構成をするわけでございますが、そこに御参加をいただく方々は、まずは国公私立の大学の関係者、その中には当然私大通信教育協会の関係の方を含むわけでございますが、そのほかに放送教育関係の方々あるいは社会教育関係の方々、あるいはこの運営審議会は学園に置かれるものでございますから、当然放送事業についても議論されるわけでございますので放送事業関係の学識経験者、そういった方々を広くお願いをすることになろうと思います。
○中野(寛)委員 それから、先ほどお尋ねした中で、学習センターで指導に当たる教官代表を評議会に参加させるという件については、むしろそれを原則としておくということについてはいかがでしょうか。
○佐野政府委員 評議会の数を六人から十二人というように考えましたのは、最初の一期の計画のときに開設されるコースが三つ、それぞれのコースについて二つの専攻を置くということになりますので、六つの専攻というものがいわば教官の組織になるわけでございますし、それぞれの分野から代表が評議会に出てこれるようなことを考えたわけでございます。 その場合に、評議会の定数の範囲内で学習センターの代表を加えるということは当然可能でございますし、それは放送大学の判断ではございますか、事柄としては積極的に考えられていいことだと思います。 ただ、これも評議会に加えるということだけではなくて、先ほどお答え申し上げましたように、別途大学の本部と学習センターとの間の連絡協議の機関、あるいは学習センター相互間の連絡協議の場というものが設けられる必要があることは当然でございます。
○中野(寛)委員 くどいようですが、もう一点だけ繰り返してお尋ねさせていただきたいと思います。 コースチームの話が出ているわけですが、コースチームはどのようにしてだれがそのメンバーを選びますか。 形式の問題ではなくて、実態としてどうなるだろうかということをお聞きしたいと思います。
○佐野政府委員 これも大学が本来判断すべきことで、こうなるのだというようには本来余り決め込んで申し上げるべきではないかもしれませんけれども、これまでの放送大学の創設準備の間の検討の過程で議論されていることからいたしますと、大筋としていま申しましたそれぞれのコースあるいは専攻ごとに恐らくは教員会議というものが設けられるだろう、そしてその教員会議によって教育課程や開設の授業科目が検討され、その案が決められ、その開設授業科目を担当する教員の案も各専攻ごとの教員会議でまとめられるであろう、そしてその案が評議会の審議を経て、学長によっていわば正式に決定をされて担当教員も決まってくる、そのような運びになるのであろうと思います。
○中野(寛)委員 その場合に、いまの手続論はよくわかりますが、結果的に、特定の主任教授の主張というものは、教員会議であろうと評議会であろうと実際はなかなか覆せないのではないのかという気が私はするわけでありますが、いかがでございましょうか。
○佐野政府委員 確かに実際の問題になるとむずかしい点はあろうと思いますが、ただ、放送大学の場合には、通常の大学の場合のように狭い意味での講座に教授がおり助教授がいるというような形でコースチームができるわけではなくて、いろいろな専門分野の方がむしろ学際的に一つのチームに集まってそれぞれの学際的な番組の中身を検討していくという形になりますから、主任の教員、主任の教官といっても、講座の主任教授のようなポジションにはなかなかならないであろう、またそういうものとして運営されていってほしいと思うわけでございます。
○中野(寛)委員 それから、これも先ほど来の論議の中で出ておりますが、放送法第四十四条と大学自治との関係が出ておりますけれども、いろいろな意見や学説が分かれて、それを公正に紹介していく等の原則というものはやはり守られなければいけないと私は思います。 放送法や大学の自治等との関連でこれを逸脱する行為があったとき、それをチェックするのはだれがどのようにチェックするのでしょうか。
○佐野政府委員 放送法四十四条三項の規定が放送大学の場合に適用される必要があるということは当然のことでございます。そのように考えて措置をしているわけでございます。 四十四条三項の問題を考える場合に、やはり事柄としては二つに分かれるわけで、一つは、大学において教育の内容を検討し、そして番組の素材となる教育の中身を決めていく過程において十分なる自制が大学において行われなければならない。それはまず、いま申しましたコースチームの活動機能を通じて行われていくことでございます。そしてそれが番組として放送される。その段階で、理事長はもちろん今度は放送のサイドから見た番組の内容について編集の責任を持ちますから、理事長はそれをチェックすることが可能でございます。しかし、それは事柄が大学の教育の内容そのものにかかわることでございますから、先ほど申しましたような形で、番組が制作される過程での大学側と放送側との十分な意見の調整が行われることが期待されるわけでございます。 放送された後になって、その番組の内容について、これは放送コードに反するというような批判が国民の側から出てきた場合の受けとめ方の問題がもう一つございます。これはやはり大学の教育の内容そのものについての批判ということであれば、それは大学のサイドにおいて委員会等を設けてそこで対応すべきでございます。さらにもっと広く放送の問題として提起をされてくることであれば、先ほどもお答えをしましたように、運営審議会においてそれについての御議論をいただくということもあり得て結構なことだとは思います。しかし、事が大学の教育にかかわることでございますから、運営審議会が直接に大学の教育の内容について物を言うというような形での御審議は差し控えられてしかるべきだということでございます。
○中野(寛)委員 教育の内容については、少なくとも運営審議会等が口出しをするというようなことがあってはならないし、まして主務大臣としての文部大臣が口出しをするということには絶対にならないというふうに考えてよろしゅうございますか。
○佐野政府委員 個々の大学における教育研究の内容はもっぱら大学の自治に属することでございます。
○中野(寛)委員 現在の一般の大学で言えば、教授会がその責任を負っているように思うわけでありますが、この場合の評議会と教授会との関係はどういうことになるのでしょうか。
○佐野政府委員 再々お答えを申しておりますように、放送大学の場合は、その教育活動の態様がほかの大学の場合とかなり異なって複雑であり、かつ多様でございます。したがって、もちろん学校教育法の規定に従って教授会が設けられますけれども、実際の教授会の活動というものは事柄に応じて、それぞれのコース専攻あるいは学習センターといったものに応じた教官の会議によって議論をされていくというような形が実質の教授会の運営の態様になっていくと思うわけでございます。 そういうような状況がございますから、評議会というものを設けて、いわば教官組織の代表者による機構としてこの大学の運営に関する重要事項を審議する、さらには法律の定めに従ってこの大学の人事に関する事柄を審議するという構えにし、それによって教育公務員等特例法が規定をしている教員の人事についての慎重な取り扱いの趣旨というものをこの大学についても実現をしようと考えたわけでございます。 もちろん教授会もあり評議会もあるということになりますから、両方で審議をすることが事柄としてはダブるということが十分にあり得ます。これはたとえば単科の医科大学が教授会もあり、かつ評議会もあるというような構成をとる場合と同じでございます。国立大学の場合であっても、単科大学は評議会を持つ例が幾つかございます。その場合には、評議会で議論をすることを先立って教授会において議論するということはもちろん考えられることでございます。同じ事柄について両者で議論をするといっても、それぞれ教授会の立場、評議会の立場というものがございますから、その間に矛盾と申しますか、混乱が起こるというようなことはなかろうと思います。 なお、法律で評議会に属させられている事項については、もちろん評議会の結論というものが優先をすることは当然でございます。
○中野(寛)委員 大学の自治の問題等を含めまして、これだけ開かれた大学でありますし、あらゆる国民が常に見ることができるわけでありますが、ただ、先ほどのチェックの問題にいたしましても、国民サイドからの厳しいチェックというか、目にさらされた中で行われるということになりますと、これはおのずから大学側、また教授自身がきわめて重大な責任意識を持って取り組まざるを得ないであろうという気持ちを私自身も強く持つものであります。 その他の運用については実際の運用の中で試行錯誤を繰り返しながらやっていく、また誤った点は謙虚な姿勢を持って直していくことにやぶさかではないという大臣の先ほど来の御答弁があったわけでありますから、そのことが単に内藤文部大臣のお約束ということではなくて、この大学、またこの学園がそのことを忠実に守っていくということを私どもが期待するだけではなくて、将来にわたってきちんと監視をしていかなければいけないだろうという気持ちを持つわけであります。 そういう意味で、この大学の自治等の問題については私なりに分析をしているわけでありますが、一点だけお聞きしたいのですが、既設の国立大学とこの放送大学と、そして一般私立大学等の大学の自治と、それからこの運営管理のあり方、その三つを比較してみて、この放送大学はどういう特色を持っているのか。 たとえば国立大学や一般の私立の大学に比べて、文部大臣なり文部省の監督権がより厳しく、もしくはより具体的な内容にまで立ち入ってそれが発揮できるようになっているのかどうかを、法制上もしくは制度上の比較としてお答えいただければありがたいと思います。
○佐野政府委員 むずかしい問題ですが、放送大学の場合には大学と放送局とを一体のものとして設置するという観点から、御案内のように特殊法人がその設置主体となります。したがって国は放送大学に対しましては、設置者である放送大学学園を介していわば間接的に関与をするということになるわけでございます。この点においては、国立大学の場合は、国が設置者として直接に人事なりあるいは財務資産等の管理に当たるたてまえをとっているのと異なります。この点では、国の関与の度合いは、放送大学の場合においては間接的であり、言えばむしろ弱くなっているということが言えるかもしれません。 私立大学の場合には学校法人というものが設置主体になります。私立大学に対する国のコントロールというのは私学法をもって、あるいは私学振興助成法の系統で定められているわけであります。原則的には国は私立大学の運営については直接的に関与するということは差し控えるということになっております。 放送大学の場合には、理事長の任命であるとか、財務会計に対する監督であるとか、そういった点は一般の特殊法人の例にならって、その仕事の性質にかんがみて、国が学園に対してはある限度を持って関与をすることになっております。しかし、いずれにしてもそれは法人に対する関与であって、大学それ自体の教育研究に対する関与という点からすれば、国公私立大学を通じて国がそれに対して直接にいわば指揮監督するというような関係にはないことは当然でございます。
○中野(寛)委員 少なくとも現在の国立大学に対する国の関与、直接的な言葉で言えば文部大臣という名のもとにおける国の関与というものが、国立大学に比べて放送大学は強いとは私も思わないのです。またそうであってはならない。こうして新しい大学制度をつくるとき、その比較をするときに、そのことが基準になって考えられていいという感じを私は持つものであります。 少なくとも、今日の国立大学に比べてより一層国の権力からの関与というものが強いとすればきわめて問題であります。国立大学に比べて日常の財産管理等についての部分の問題は関与はあったとしても、教育内容その他運営についての関与がないということ、そのことが現在論議されている大学自治云々の問題について論議するときの一つの大きな基本になってくるのではないだろうかと私は思うわけでありまして、大学の自治がこれによって損なわれることはないであろうと期待をし、また目下そう判断をしたい。また、今後全くそういうことがあってはならないという気持ちを持つものであります。 それから、もう一つ伺いますが、放送大学の将来計画等を今日まで検討されておられる中で、実は、「あまねく全国において受信できるように努めること」という努力規定を入れておられた案が経過の中であったはずですが、最終案ではこれが削られているとお聞きしているわけですが、これはいかなる理由であったのか、お聞きしたいと思います。
○佐野政府委員 御指摘のように、案を検討している初めのころの段階でございますけれども、NHKに関して放送法が、あまねく全国でその放送が受信できるように措置しなければならないという義務規定がかかっているのと対比をいたしまして、この大学の場合にも、措置しなければならないと書くわけにはいかないけれども、努力規定を置いてはどうかということを考えた経緯があることは御指摘のとおりでございます。 しかし、その後法案の検討を進めていく過程におきまして、法案の第一条で、「学園は」「大学教育のための放送の普及発達を図ることを目的とする。」ということを明らかにうたいましたので、このことから学園がこの目的達成のために放送対象地域の拡充に努力をすることは当然のことであるということで、御指摘のような趣旨の規定は設けることはしないという結論になったわけでございます。
○中野(寛)委員 しかしながら、でき得る限り早い時期に全国において受信できるような方向へ持っていくという、その基本方針が変わったわけではないわけですね。
○佐野政府委員 目的において明らかに規定していることでございますし、また早期拡大の要請が強いということも十分に認識をいたしております。 目的に沿った対象地域の拡大の努力を続けるということは当然のことでございます。
○中野(寛)委員 いままで局長のみにお尋ねをしていた感じがするのですけれども、これについては局長のお立場というよりも、より一層政府としての決意というものが望まれると私は思います。それこそもとの文章で申し上げれば、あまねく全国において受信できるようになることがやはりどうしても望ましいことだと私は思いますし、それはかなり重大な政治的決断と計画性が必要になってくるだろうと思います。 このことについて、この放送大学の持つ意味から考えますときに、先ほど来同僚委員からの指摘もございましたように、中央よりもむしろ地方にこそ放送大学が望まれるということだけは、これはだれも否定できないと思いますが、そのことを考え合わせまして、大臣から政治的な意味での御決意をお聞きしたいと思います。
○内藤国務大臣 御指摘のとおりでございまして、ともかく最初の試みでございますからいろいろ不備な点もあろうかと思いますが、私どもとしては最善を尽くしたつもりでございますので、ともかくこの第一期計画を完成しまして、なるべく速やかに全国放送に持っていきたいと努力いたします。
○中野(寛)委員 全国の、特に地方の人たちは、いつごろになったらおれも放送大学に入学できるなという希望を持てるのでしょうか。
○内藤国務大臣 時期について何年計画ということを言われても、ちょっと私も答えにくいのでございますけれども、とにかくできるだけ早くこの放送大学の成果が国民に理解され——そして国民からも強い要望が出てくると私は思うので、文部省としては何年ということはちょっと言いにくいのですけれども、なるべく早く御期待にこたえたいと思います。
○中野(寛)委員 これ以上お尋ねしても、大臣も五年とか十年とかいうお答えを出すということはないだろうと思います。その「なるべく早く」が「緊急に」とか表現が変わることはあっても、それ以上望めないと思います。しかし、少なくとも国民みんなの願いというものはよく御理解をいただいているところであろうと思いますから、その「なるべく」ということが、それこそ限りなく早くなりますことを御要望申し上げておきたいと思います。 さて、この放送大学学園がスタートすることにおいて、既存の放送教育センターはどのようになるのでしょうか。共同利用施設としての意味合いを持った放送教育センターでありますけれども、新しい放送大学学園もまた共同利用施設としての意味合いを当然のように持っていることを先ほど来の御答弁で知りましたが、そうなりますときわめて性格の似通ったものが二つ存在をする。本来の計画であれば、これが国営放送でかつ国立大学という性格で発足できるのであれば、恐らくこの放送教育センターがそちらへ移行したであろうというふうに考えるわけでありますけれども、これをどのようになさるおつもりか。 これはどういう意味でお尋ねをするかと言えば、これがこのまま存置されたとすれば、その存置する意味がよほど明確であり、かつ重大なものでない限り、またいわゆる文部省の天下り先を残しているという批判を受けることになりかねません。そういう意味であえてお尋ねをさせていただきたいと思います。
○佐野政府委員 放送大学学園の設置します放送大学と放送教育開発センターは、ともに放送を利用した大学教育にかかわるものとして非常に密接な関連を有します。この二つが併存をし、その適切な連携協力のもとに、放送大学の教育活動あるいは放送教育開発センターの研究開発活動が実施をされる。そのことによって両者の活動というものはより効果的になるということを期待をしているものでございます。 放送大学におきましては、放送教育開発センターの研究開発の成果を十分に活用して教育の実施に当たるということが考えられますし、また、放送教育開発センターでは、放送大学における教育実践の結果を十分に参考にして、教育の内容、方法についての研究開発をさらに進めるということができるわけでございます。この両者は、設置をする場所についても、いわば同一のキャンパスの中に両者を置いて緊密な連携体制をとってまいりたいと考えております。 なお、放送教育開発センターは、これは形の上では国立大学の共同利用機関でございます。ここには各大学の教官がそれぞれ専任あるいは客員の教授として結集をするものでございますから、いま御指摘のようないわゆる天下り先の機関というようなものとはきわめて縁の遠い機関でございます。
○中野(寛)委員 最後に申し上げますが、いままで幾つかのお尋ねをしたわけでありますが、この放送大学が、また学園が、単にそのことのみに終わることなく、国民の期待というものはきわめて大きなものがあるわけですから、それを地域的にも広げると同時に、その持っている役割り、そして利用方法というものもこれを機会にしてますます大きく広げていく。それは文部省だけの管轄としてではなくて、厚生省やそしてまた労働省や総理府や広域的な横の連絡協議等を重ねていただきながら、本当に国民みんなのものになるということ、そのことをわれわれとしては期待していきたい。このように思いますので御努力をお願いしたいと思います。 なお、これは一つもお尋ねをしませんでしたけれども、私どもも、この大学の名前については、先ほど来の同僚委員からの御指摘のとおりの希望を持っていることを付言させていただいて質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○坂本委員長 山原健二郎君。
○山原委員 最初に、われわれが質問をして審議をする基礎資料ですが、一つは五十年十二月に出された「基本計画」がありますね。それから、この前いただきました本年の二月の「放送大学について」というものがあります。それから今度の法案と、その間小委員会が持たれましたときにいろいろ資料が出ましたけれども、それは別にして、大体この三つが私どもが審議をし、質問をする材料になっておると思うのですが、そういうことでよろしいですか。 〔委員長退席、石橋(一)委員長代理着席〕
○佐野政府委員 御指摘のとおりであろうと思います。 基本計画に先立って基本構想がやはり関係の調査会から報告されております。この基本構想も、実際に放送大学の構想が進められていく場合に非常に重要な役割りを果たしたものだと考えております。
○山原委員 構想とこの基本計画ですが、放送大学とはどんな大学かということを考えますと、法案に示された大学と基本計画に出ております大学とは全く同じものと理解してよろしいですか。
○佐野政府委員 放送大学を創設する趣旨というようなものについては、構想、基本計画を通じて変わっていないと考えております。 開設をする授業科目等につきましては、基本計画で示されたものはいわば一つの例示として提示をされたものであり、また、その基本計画で例示を提示する際にも、調査会の委員の方々の間からは、余り決め込んだものを基本計画で示すということは実際に放送大学の創設に参与をする人たちを拘束する結果になりかねないので、それは一つの例として、いわば付記をする形をとろうというような御配慮もあったところでございます。 その後、それに基づいて放送大学の、創設準備室、あるいは実質的にその後放送教育開発センターにおいて準備が進められておりますから、具体の授業科目等については、現在のところは「放送大学について」という資料でお示しをしているものが一番新しいものでございますが、基本的な考え方は先ほど申しましたように一貫しているものと考えます。
○山原委員 「放送大学について」を見て質問しておりましても、局長の答弁をお聞きしますと、「基本計画」の中からこちらへ持ってきて説明をされている。私はちょっとわからなくなったのですけれども、「基本計画」の中にあるものといま文部省が考えておられる「放送大学について」というものとは、どれは一致するがどれは一致しないのだということを、これは資料を出していただく必要があるんじゃないかと思うのですよ。 いままでの質問に対する答弁の中で、「基本計画」の方から出されてきて答弁されておるところもありますが、しかし、それは「放送大学について」という文部省が出されたものには書いてないという、これを一つ一つ質問で埋めておったらずいぶん時間がかかりますでしょう。たとえばこっちの「基本計画」の方には、学習センターのほかに実習センター、演習センター、ビデオセンターなどがありますね。しかもその数字まで出ておりまして、ビデオセンターは八百七十カ所、実習センターが八十七カ所、演習センターが百七十カ所というふうに出ておりますでしょう。こっちは全く出ていないですから、これはどうなるのかということなんですね。これを一つ一つこれとこれを突き合わせてここで聞いておりましたら時間もかかりますし、その辺はどういうふうにお考えになっておるのでしょうか。 実習センター、演習センター、ビデオセンターなどというものは基本計画の方には構想されておったけれども、文部省のいまのお考えの中にはありませんよということなのかどうか。私はこれは一つの例としてお聞きしますが、それはどうなんでしょうか。
○佐野政府委員 基本計画というものの性質は、この「基本計画」の前書きにも調査研究会議によって述べられておりますように、放送大学について、「一つの具体的な設計図の設例を描き、国民各層の理解を求めるとともに、その批判を仰ぐ必要があると考えたからである。」ということになっております。そしてさらに、「この報告では、放送大学の創設後における第一期事業の一つの目標を示している。しかし、その実施については、現下の経済情勢、財政状況等を考慮すれば、その着手の時期、方法について別途十分な検討が必要であると考える。今後、この報告に寄せられる各方面の意見を勘案しつつ、その検討を急ぐことが望ましい。」ということが指摘をされておるわけでございます。 基本計画はそういう意味で、放送大学が全国的にいわば完成を見た段階における一つの設計図の設例という意味を持っておりますし、そういう意味では、この「基本計画」に掲げられている事柄というものは、これからの放送大学の整備を考えていく場合の重要な一つの参考資料でございます。私たちはこれを重要なものと受けとめております。 「放送大学について」というのは、まさにこの「基本計画」で述べられているところの現下の状況を判断して、第一期の事業計画をこういう形で展開したいという、その構想でございます。 この第一期の計画の内容というのは、基本計画の第一期の事業計画の目標とは異なるところがあります。これは対象地域あるいは対象とする学生の規模等においては異なっておりますけれども、これはまさに計画の御指示、御指摘に従って、現段階において最も妥当適切な形で第一期の事業をスタートさせるとすればこういう方法が望ましいと現在文部省が考えている内容、それが「放送大学について」に掲げているものでございます。
○山原委員 そうしますと、私どもがこの論議をする場合に、基本計画を論議しても、これは将来はそういうふうになるかもしれないということも含めて決まったものではないですから、結局は「放送大学について」というものを論議せざるを得ないのですが、いまの局長の答弁にも矛盾があると思うのです。 たとえばいま私が言いました学習センター、実習センター、演習センター、ビデオセンターは、これはどういうふうに基本計画では位置づけているかというと、このセンターがそれぞれの機能を果たすことにより、放送による一方通行になりがちな学習の欠陥を補うものとして考えられるという、これは放送大学のかなり基本的な要件としてこれらのセンターが考えられておるわけです。だから、当然こっちの方にも、たとえば将来においてはこういうこともやるんだとか、何か出てきそうなものですけれども、大変基本的な問題として位置づけておるこれらのセンターがこちらでは欠落して、学習センターだけしかない。かと思うとビデオセンターの問題がぽかっと出てきたりするのですね。どれを信頼していいのですか。 たとえば、時間をとりませんけれども、これとこれとの違いです。いま文部省として考えておるのは、この基本計画の中でこれこれは考えておる、これこれは将来のことであって現在のところ第一期計画の中には考えていないとかいうふうなことを示していただけるのでしょうか。私が一つ一つ質問をしなければそれは出てこないという中身でしょうか。
○佐野政府委員 学習センターの問題については、「放送大学について」の方で現在の計画を明らかにしておるわけでございます。各都道府県に置くわけでございますが、それに合わせて、「地域的な通学の便を考慮し、学習センター以外に公民館、視聴覚教育センター等にVTR等を備え付けて、再視聴の機会を提供することを検討するほか、必要に応じ、演習・実習等の機会の拡大についても、配慮することとしている。」という、ここのところにいま御指摘の基本計画のビデオセンターなりあるいは演習、実習センターの一期計画における対応を掲げているわけでございます。 基本計画で考えているように、学習センターのほかにビデオセンターあるいは実習センター、演習センターを幾つ置くというようなことを明確にまだ確定できる段階ではございませんのでこのように表現をしておるわけでございますけれども、基本計画の方で考えている方向というものは「放送大学について」においても受けとめていると考えております。 御指摘のその「基本計画」と「放送大学について」の関係についてはうまく御要望に沿えるような資料ができるかどうか心もとない点はありますけれども、できるだけ私の方で検討をして、いわば両者の対比をした資料を差し上げるように努力をいたします。
○山原委員 それが出ましてまた質問をいたしたいと思うのですが、ともあれ第一期というものを考えますと、先ほどからも皆さんから質問がありますように、それから先はいま全くわからないということで、第一期の基礎部分もやはりまだわからぬ面がたくさんありますけれども、学習センターにしましても関東に六カ所つくるということでございますが、さっきからの大臣の答弁を聞きましても、先のことはわからぬ、とにかく出発させてくれということでしょう。これは私どもとしたら全く困るわけですね。大体どういうふうになっていくのか。 後からだんだん私は申し上げますけれども、それでは国会の審議の中身としては余りにも資料は薄いですね。とにかく出発させてくれと言うのであって、そこから先は行政的にやっていく。たとえば第一期をやって、その次に出る場合にどこにつくるかとか、あるいはどういうものに発展していくかというようなことは少なくとも国会の議決にかけるのかどうか。どこか歯どめがないと、出発してしまえば後は行政的に何でもやれるということになりますと、国会側としての審議というのは相当慎重にならざるを得ませんね。その点はどうなんですか。
○佐野政府委員 もちろん、第一期の計画としてお示しをしている事柄につきましても、これは現在文部省としてこのように構想をしているということでございます。これが具体に政府の計画として確定をいたしますためには、もちろん法案の成立が前提でございますけれども、放送大学が認可をされ、放送局の免許が郵政大臣によって与えられるということとともに、第一期の計画を前提とした五十五年度以降の予算というものがその内容を確定していくということになるわけでございます。 そういう意味におきまして、第一期計画後においてどのように対象地域を拡充していくかということについては、もちろん予算の御審議を経て国会の御決定を賜るということに相なります。
○山原委員 予算はそうですけれども、国会にはそれぞれの委員会がありまして、たとえば教育に関しては文教委員会が関与すべきことであって、予算委員会がすべて予算審議の中で干渉すべきものではないと思いますから、だから、そこら辺の心配があるわけです。 あとはもう予算だ、予算審議の中で次々といくんだとして、教育の観点からこれに対して文教委員会なら文教委員会という国会にある一つのセクションがタッチできないでさあっといってしまうという結果になると、これはわれわれとしては慎重にならざるを得ない。そのことを言っているのですが、その点、局長、もう一回どうですか。
○佐野政府委員 文教委員会において放送大学の具体の内容について御審議を賜るということは、これはもとより当然のことと考えております。 それは、これから放送大学が文部大臣に設置認可の申請をしてくる段階におきましても、私の方は、放送大学の内容としてこのようなものが申請されてきておりますということは委員会に申し上げて、御意見を賜るということを当然考えるべき筋合いのものだと思っております。
○山原委員 そこにこだわってもいけませんけれども、その辺はひとつ私の問題として出しておきたいと思うのです。 次に、放送大学の目的は何かということです。今度の法案で言う目的は特殊法人としての学園の目的を示しておりますけれども、大学の目的は示しておりません。これはなぜかという問題です。 私立大学の場合の私立学校法によっても、たとえば「自主性」とか「公共性」とかが出ていますが、これは出ていないのです。なぜここへ放送大学としての目的を出さなかったのでしょうか。
○佐野政府委員 放送大学の目的とするところは、かねて申し上げておりますように、一つには生涯教育機関として広く社会人やあるいは家庭婦人に大学教育の機会を提供するということがございます。そして二番目には、今後の高等学校の卒業者に対して、いままでとは変わった柔軟かつ流動的な大学進学の機会を提供するということがございます。さらに三番目には、既存の大学との連携協力を深めて、単位の互換あるいは教員交流の促進、放送教材の活用等によってわが国大学教育の改善そのものに寄与する。これらを放送大学は目的とするものでございます。 しかし、放送大学の目的というものは、これは放送大学の学則の中に大学の目的として掲げられるべき事柄であり、その学則については、文部大臣への認可申請の際に大学から明らかに示されるものと考えております。
○山原委員 私立学校法にあるところの「自主性」とか「公共性」とかいう私立学校の教育の基本に関する部分というのは——いまおっしゃったのは確かに放送大学の目的には違いありませんけれども、こういうことをやるんだとか生涯教育というようなことは並びましても、放送大学の基礎の部分の「自主性」とか「公共性」とかいうようなものは、私立学校法にあるものもここではないというふうに私は見たわけですが、そうではないのですか。
○佐野政府委員 放送大学は、いわゆる私立学校法の適用を受ける私立学校そのものではございませんので、私立学校法の規定が直ちに放送大学に適用されるわけではございません。 放送大学の場合には、午前中からの御審議にもございましたように、大学の自治あるいは学問の自由というものをもちろん十分に考えながら、しかも放送をもって大学教育を実施するという、その特殊な任務というものを十分に勘案をした大学の活動というものが展開をされなければなりませんけれども、それはいわば放送大学を設置する基本的な前提としてある事柄であろうと思います。
○山原委員 これも私立学校法にあるもの、逆に言えば私立学校法をそのまま持ってくるものではないというおっしゃり方と同時に、私立学校法にあるものすらこの放送大学の場合には欠落をしておるということも言えるのではないか。これはもうちょっと研究してみたいと思います。 その次に、この「基本計画」の中で、「放送大学の創設の意義」として第一に挙げておりますのは、「最近の学術研究の成果を総合して」ということがページ三にありますが、その創設の意義は確保されるのかという問題です。 この「基本計画」によりますと、各科目更新の編成作業を見ますと、ページ十五にございますけれども、一科目が全面更新されて放送されるのには実に四年はかかることになっていますね。一遍放送するということになるとこれは一年、同じものを二回、三回、四回、そこでやっと四分の一が更新されて五年目に新しくなる、こういうことですね。そういうことですか。
○佐野政府委員 ここで書いておりますのは、八十科目の開設科目について、もちろん更新の作業をしていくわけでございますけれども、それが一挙に更新をされるわけではなくて、逐次年次を追って更新をされていくわけでございます。 開設後三年目に更新されるものが五科目、四年目に更新されるものが十五科目、その他は一ないし三年で更新される、そういう形で開設をする科目を更新していくということを述べているものでございます。
○山原委員 そうしますと、これを見ますと、たとえば私が四月からテレビで勉強を始めるとして、この画面に出てくるものはとにかく十四カ月前から準備をされて、そして四カ月前に完成しているから、いま私が見るやつはもう昨年の十二月末か今年の一月の初めにつくられたものが出てくるわけですね。そしてここの例によりますと、その科目が第一年目、第二年目、第三年目、第四年目と四回繰り返される。そうすると、この日進月歩の時期に、たとえば国の名前だって変わるわけでしょう。それから社会科学にしたって自然科学にしたってずいぶん変わってきますね。そういうのはどうなるのですか。 いままでの文部省の大学教授に対する批判の中には、昔と同じものを何遍も繰り返して使っているという批判がずいぶん出てくるのですけれども、この放送大学の場合は、いま出たときは新知識が出るのじゃなくて、場合によっては五年間同じものが使われるということになるのでしょう。新しい知識なんというものじゃなくて、ずいぶん古めかしいものが何遍も放映されるということになるのですね。それで新しい知識を与えるということになるのですか。
○佐野政府委員 先ほどもお答えを申し上げましたように、ここで述べられている数字というのは、完成年次に達して放送大学が二百四十科目の開設科目を持った時点における開設科目の更新の一つの考え方を示しているものでございます。間違っているものあるいはすでに事実と違う形になっているものをそのままで放送するということではもちろんございません。 それらについては、必要最小限度の補正はその番組の内容についてももちろん加えられていかなければならないわけでございます。
○山原委員 そうなってくると、最終的な段階で二百四十科目が出てきますが、そのときにはこういうふうになるのだというおっしゃり方をされるとまた困るのですよ。私は何を審議していいかわからぬじゃないですか。これを見たらそうなっているのですからね。 一つの科目が同じものを四年間も繰り返して初めて世論が起こるとか、あるいは審議をされてここは訂正しなければならぬということは、これを見ると五年目に変わるわけでして、今日の科学技術の進歩のときに同じものが四年間も続いて画面にあらわれてくるということになっているから、これを質問すると、いやそれはもう先の展望ということで、ここで展望が出てくる。二百四十科目が出てきて、先のことはわからぬと言ってもここには出てくる。ところが二百四十科目の場合にはどれだけの教授陣がいるか、スタッフがいるかなんということは私には全然わからぬ。では、いまの第一期計画であなたのおっしゃるように、いやいやそういうところは訂正しますと言っても、そんなスタッフがあるのですか。ないじゃないですか。そんなことを言われたら審議のしようがないのです。 私が四月のいまから受験をしようとしますと、それを画面にとったのはもう四カ月前です。これを見たら四カ月前なのです。それしか準備ができないのだから、それだけのスタッフしかいないのだからね。いまの文部省は金がどっさりあってどんどんスタッフを回すような条件じゃないでしょう。だから、昨年の十二月の末にだれか有名な先生が放送したやつをいま私が見るわけです。来年もまた同じものが出るわけです。その中で、先生が死んだら幽霊が出てきて授業をしているようなかっこうになるのですよ。こんなかっこうなのです。だから、放送大学だから新しいものがどんどん放送を通じて出てきて、きのうのことがもうぱあっと社会学の中で出てくるとか、歴史やなんかの中で出てくるとか、きのうあったイランの問題がばっと出てくるなんて、これはそんな甘いものじゃないのだ。五年前のことをやる人だって出てくるわけですからね。 だから、そういう構想になっているのに、これを聞いたらそうじゃない、そんなことは訂正しますなんて言われたってどこで訂正するのですか。そんなスタッフはないじゃないですか。そこらを示してもらいたい。
○佐野政府委員 ここに示されている授業科目編成作業の量、その状況について御質問がございましたので、それについて御説明をしたわけでございます。 もちろん、放送大学の場合には、開設を予定する授業科目というものが、お手元の「放送大学について」におきましても、基本計画に示されたものについてさらにその後創設準備室で検討が加えられて、お手元の資料では二百十四科目の科目が示されているわけでございます。これをどのように具体に第一期計画でもって放送をしていくかということは、放送大学がまさに自分の教育内容、教育課程の問題として検討をし、確定をしていくわけでございます。 その場合に、教育を放送で実施するために番組の作成に必要な教官というものはもちろん放送大学の設置に際しては確保をしていくわけでございますし、すでに放送大学の準備というのは具体に放送教育開発センター等を通じて現在も進められているわけでございますから、第一期の計画がスタートをするに当たって、御指摘のように教官がいなくて的確な番組の提供ができないというような事態にはならないと考えております。
○山原委員 考えておられるということは、それは考えておられると思うのですね。たとえば育児にしたって、いま母乳がいいと言っているが、前は何かつくったお乳がいいと言っていた。育児だってこのように変わるのですよ。練乳か何か、私は子供を養ったことがないからわかりませんけれども、そういう変化があるわけでしょう。ところが、これは、放送をしまして、それから送らねばいかぬですね。いろいろ手続が要るわけですね。 それから、先ほどから出ておりますところの学説の公平性の問題にしましても、先ほど憲法問題、自衛隊問題が出ましたが、それについてこれは行き過ぎだとか何だとかいうようなことが出てきた場合に、これを訂正すると言ったって、局長が簡単におっしゃるから私も非常に困るのだけれども、そういかぬようにこっちでなっているのです。自然科学の面でも、もういろいろな問題が次から次へ起こるわけですね。それがそんなふうに簡単にいかないということをどういうふうに克服されるのか。決意だけではいけませんので、そういう財政的な面から見ましても、スタッフの面から見ましても、そんなことはぱっぱぱっぱと切りかえていきますと幾ら言われたって、それはできやしません。できないようになっている。そんな簡単なものじゃないです。そういうことをもうちょっと検討する必要があるのじゃないでしょうか。 それから、もう一つ大事なことは、これは木島先生も質問されて皆さんが質問された学説などの公平性の問題ですが、放送法の四十四条との関係で考えましたときに、局長が必ず逃げ込むところが、「それは大学の自治の問題でございます。大学自体の御判断によるものでございます。」というところへ行くわけです。ここで自治の問題が非常に強調されているのですが、では私は教授会について質問したいのです。 大学の自治の観点から言いますと、この大学には教授会はできるとおっしゃいましたが、それは間違いないですか。つくられるということ、置かれるということですね。
○佐野政府委員 学校教育法五十九条の規定はもちろん適用されるわけでございますから、放送大学においても教授会が置かれることはもとよりでございます。
○山原委員 五十九条によって置かれる。適用を受けるわけだから教授会が置かれると言うのですが、五十九条には御承知のように、大学の重要な事項を審議するために教授会を置くということになっていますね。 この放送大学に置かれる教授会というのは、局長のおっしゃる第五十九条の教授会が置かれると判断できますか。できないでしょう。
○佐野政府委員 五十九条の規定によって機能をする教授会が置かれるわけでございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、普通の大学の場合と放送大学の場合には、放送大学の機能するところがかなり態様を異にいたしますので、教育課程の問題であるとかあるいは教育内容の問題であるとかいった分野の問題、さらには学習センターにおける学生の指導の問題、そのように事柄が非常に多岐にわたりますので、それを同じメンバーで検討するということは必ずしも適切ではございませんでしょうから、恐らくは、この教授会の運営というのは、それはほかの大学でもあり得ることではございましょうけれども、事柄に応じて適切な教官会議が構成をされるという形で動いていくということはあると思いますけれども、学校教育法が規定をしている教授会がこの大学にも置かれるということは、そのとおりだと思います。
○山原委員 これは大事なところでして、五十九条は大学における重要な事項を審議するために教授会を置くということになっているのです。これは厳然たる事実なんです。ところが、「基本計画」によりますと、教授会というのは、この場合は「授業計画と主要教務事務に関する最高審議機関」となっておるわけでございますが、これはどうなんですか。 「基本計画」には、教授会というのは「授業計画と主要教務事務に関する最高審議機関」というふうに書いてありますが、学校教育法五十九条には、重要な事項に関する審議をするために教授会を置くというふうになっております。任務が規定されていますが、では、局長のおっしゃるこの法案によれば、これは五十九条の教授会を置くのだということに、もう全く紛れもなしにそういうふうに理解してよろしいのですね。
○佐野政府委員 「基本計画」が述べているのは、授業計画と主要教務事務に関しては教授会が最高審議機関になるということを述べているのであって、教授会はそれ以外のことをしないということを「基本計画」は述べたのではなかろうと思います。
○山原委員 この法案に五十九条を挿入する必要があると私は思いますが、その意思はありませんか。
○佐野政府委員 学校教育法の規定によって教授会というものは置かれるわけでございますから、特段の規定を設ける必要はないと思います。
○山原委員 では、五十八条はなぜ特別に出したのですか。五十八条を出してなぜ五十九条を欠落させたのですか。
○佐野政府委員 先ほどもお答えを申し上げましたように、この法案におきましては、学長あるいは副学長等の人事について規定を設けているわけでございます。 その学長、副学長あるいは教授等の教官というものが学校教育法の規定する職務を行う者であるということをいわばこの法案においても引用し、明らかにするということを規定上考えたということでございます。
○山原委員 もう一回お尋ねしますが、では、この放送大学における教授会というのは、学校教育法第五十九条の教授会、すなわち「重要な事項を審議する」ということと全く異なるものではないということが一つと、しかし、それは文章としてこの法案の中に入れる必要は、余りにも明白だから入れる必要はないと、こういうふうにまとめて理解してよろしいのですね。
○佐野政府委員 この大学にも学校教育法五十九条の規定する教授会が置かれるということは明らかでございます。 その教授会の構成なりあるいは審議事項なり、運営方法等については、一般の大学と同じように放送大学の自主的な判断によって決まるということでございます。
○山原委員 一般の大学における通例の教授会の権限というのは、入学、退学、卒業、単位の認定、人事あるいは学長選挙、概算要求というものがありますが、これは全部この放送大学の教授会においても認められるわけですね。いまのおっしゃり方ですとそういうことですね。
○佐野政府委員 学校教育法の規定によりまして、教授会の議を経て定めるべきものとされている事柄につきましては御指摘のとおり教授会が関与をいたすわけでございます。 それ以外の事柄については、何が重要事項であり、それをどのような構成のもとにどのように審議をするかということは、放送大学がみずから自主的判断によって決するところでございます。 〔石橋(一)委員長代理退席、森(喜)委員 長代理着席〕
○山原委員 そういうことはいいとしましょう。教授会は従来の既存の大学における教授会と全く同じであって、その重要事項というものについては放送大学自体が決定すべきものだということで、そこでおいておきます。 ところで、この教授会はどこへ置くのですか。
○佐野政府委員 教授会はやはり放送大学の本部に置く。教授会をどこに置くということは大変お答えしにくいわけですけれども、本部における活動というものが中心になるわけでございます。 しかし、放送大学の場合には学習センターが多数の教官を抱えるわけでございます。その学習センターの教授あるいは助教授が全部千葉の幕張に集まって教授会を開催しなければすべての事柄が決まらないなどということはあり得ないことであり、また、現に北海道教育大学のように非常に遠隔の地に多数の分校を持っているようなところの教授会の運営についても、似たような問題について大学がそれぞれ工夫をした教授会の運営を考えているわけでございます。 この大学の教授会の場合には、先ほど申しましたように、事柄に応じて、それを審議するための適切ないわば教官会議の構成というものが考えられる。そういったものの積み重ねもまた教授会の機能の一つとして展開されるであろうと考えざるを得ないわけであります。
○山原委員 いまおっしゃることはわかります。だから、遠隔の地にあるとか分かれておるとかいうようなことがありますが、しかし、教授会は当然本部にも置かれますでしょうし、学習センターにも当然置かれるべきものだと私は思います。 そこで、学習センターというものは非常に重要なものだということを局長もおっしゃって、いままで文部省としても私たちに説明をしましたね。覚えておりますけれども、佐野大学局長は、この放送大学の成否は学習センターにかかっておるとまでおっしゃったわけです。 それで、たとえば第一期計画で見てみますと、東京に本部がありまして、そしてそこには御承知のように教授が三十一名とか、放送関係の人が五十三名とか、専門職が五十名とかいうふうにお聞きしております。これも人数を聞きたいのですけれども、そこまできょうは細かく入りませんが、この人数も少ないと言われておりますが、そこに本部があって、それから今度は学習センターが六つできるわけですね。その学習センターには教授一名と助教授四名がおいでになるわけです。ところが、この計画を見ますと、東京タワーの学習を受ける学生が三万人となっています。そうすると、これを案分しますと、一つの学習センターが何と五千人を引き受ける。五千人を引き受けまして、そこへ御承知のようにスクーリングがあり、それから実習があります。 こういうふうになってきますと、一カ所五千人をどういうふうにさばいていくのか、これは大変な非常勤の教官を置くとかいうようなことも考えなければなりませんが、既存の大学の協力と、それからこうなってくると五千人、まあきれいに五千人ずつならいいのですけれども、ここへは六千人、ここへは一万人、ここは四千人、ここは三千人というふうな形にもなりかねないわけでございます。とてもじゃないが、これはなまやさしい大学じゃないのですよ。これをどうやってさばくか。しかもスクーリングには来る、実習はあるということになってきますと、独自の活動を続けるだけの機能が学習センターになかったらさばき切れぬじゃないかと思うのです。そうしますと、そこに教授会というものができていないととてもじゃないが——しかも、一番の前線部隊で学生に接触するところでしょう。本部なんか学生に接触していませんからね。学生の動向が一番わかるところだから学生が教育相談に来る。こういう点はどうでしょうかと質問に来る。いろいろなことで来る。 この一番の前線の、あなた方自身も一番大事なものだと言っている六カ所の学習センターで、確かに一番大事な前線の出城が教授一人、助教授四名、そして非常勤で、この非常勤も身分がいまだにわかりません。それで、この五千人もの者を賄い切れるなんということを考えておられるのでしょうかね。どうなんですか。歯医者さんに行くみたいに順番でもとって予約番号でやるなんということが予想される事態が起こるのじゃないか。また、起こらなければ失敗ですね。起これば、それに対応する態度を文部省はちゃんと考えておかなければならぬでしょう。それはどうですか。
○佐野政府委員 在学生数三万というものを六つの学習センターで平均的に分担をするとすれば、一センター五千という数字が出てくることは先ほどもお答えをしたとおりでございます。 もちろん、事柄としては非常に困難な課題であるということは私たちも十分考えておりますが、しかし、御指摘のように、これを成功させるということが放送大学の成功をこれまた支えることになるわけでございますから、できる限りの対応をしなければならないわけでございます。したがって、学生を受け入れる場合についても、こうした学習センターのキャパシティーというものを考えまして、単純なる先着受け付け順という形でなくて、コース別あるいは専攻別に、あるいはそれぞれの地域におけるセンターのキャパシティーを考えた先着順あるいは抽せんということが考えられなければならないわけでございます。 御指摘のようにむずかしい課題であることは十分にわかっておりますけれども、われわれはこれで対応していくということで現在計画を進めているわけでございます。
○山原委員 私も相当な決意の要る仕事だと思います。しかし、決意だけではいかぬわけですよね。一学期に三回スクーリングに来るでしょう。これを仮に五千人と押さえまして、一学期に三回来たら一万五千人学習センターに来るわけですよ。建物だってどうするんですか。公民館を使うなんて、そんななまやさしいことではない。公民館なんてものはもういっぱいなんですよ。そこへこんなものが割り込んでいったら、社会教育活動だってそれこそ大変な混乱が起こるわけでしょう。しかも実験は毎週でしょう。こうなってきたら、土曜日、日曜日をまるまる使うとしても、夜間も平日も使うとしましても、教授一名、助教授四名、非常勤の先生に応援をしていただいても既存の大学に相当迷惑をかける。この人数をどう確保するのか。東京近くならそれもあるかもしれませんが、たとえば中国とか四国とか九州だとかといった場合にはどうするのか。そんなことを考えていないんだ、そんな僻遠地のことは失敬して東京辺でとにかくやっていくんだということになりかねぬわけです。東京だって大変な事態ですよね。 どうなんですか。この辺をもうちょっと明確に、どうなるのか教えてください。さばき切れます、決意を持っていますということだけではなくて、本当にそこまで検討されてやっておられるのでしょうか。末端の学習センターは一体どうなりますか。土曜日の晩はどうなりますか。日曜日はどれだけで、二千人来たらどうしますか。その辺のことを検討されていると思いますが、いかがですか。
○佐野政府委員 非常にお答えがしにくいわけでございますけれども、現在の段階で第一期の計画をこういう形で進めたいということを文部省の計画として私どもは持っており、その持っている計画が、各都道府県に学習センターをつくる、東京の場合には二つつくるという構え方であることは御指摘のとおりであり、そこにおいて予定をしている教官の数というものもいま御指摘のようなことでございます。 もちろん、こういった考え方についてはこれまでの放送大学の検討の過程で議論はされておりますけれども、それぞれの学習センターをどのような形で動かしていくのか、その具体の検討というものは、これは放送大学がさらに深めていただかなければならないことであり、私どもがこの時点で、学習センターの毎週のそれぞれの曜日における時間帯なり、そこにおける時間割りというものがこうなっているというところまでは御説明をすることはできないわけでございます。
○山原委員 これは困りますよ。たとえばこれは学習センターでやるべきことでございますと言われても、学習センターは金を持っているわけじゃないし、これからつくるわけですから、文部省はそれを予想して予算はこれだけ要るとかいうことをしないと、私たちがこんなものを通して下の方で大変な事態が起こったらどうするんですか。遠い将来のことはわからぬと言ったから、それも腹が立つけれども、第一期計画でさえ末端の——放送大学という放送を通じての大学をつくるということはだれも反対の方はおらぬと思います。りっぱなものをつくってもらいたい。いいものをつくってもらいたい。おっしゃる趣旨のことについては私どもも本当に反対しているわけじゃない。失敗したらいいなんてだれも思っていません。けれども、そこまで検討しておかなかったら審議のしようがないじゃないですか。 本当に私は非常勤の先生に対する手当は幾らかと、ここまで聞きたいんですよ。しかしきょうは聞きませんけれども、その予算だってどうするんですか。国会は予算に責任がありますよ。その非常勤の先生のお金は一時間何ぼ出すとかいうようなことまでやらないで、ただ子供が法律をつくっているわけじゃないですからね。やっぱりきちんとその辺の見通しまで立てなければいかぬと思いますが、それに対して局長はお答えに困りますなんて言われたんじゃ、これは審議ができません。こっちも困る。ここから先へ進むといったって本当に困るんですよ。 どうですか。その辺は検討されておったのか。実際に実務に当たっている方と相談して、その辺はどうなるのか。いや、まあやってみなければわからぬといって、とにかくやみくもにやってみてどっさり来たらお断りするということじゃいかぬでしょう。散髪屋とか歯医者さんとは違いますからね。教育を保障して、また学生諸君は学習権を保障されなければいかぬでしょう。つくった以上はその保障を政府としてしなければいかぬじゃないですか。それをわかりませんなんという答弁では、ここで審議が進むはずがないじゃありませんか。
○佐野政府委員 放送大学の具体の内容というものは、法案が成立をした後において放送大学学園が設置認可申請を提出をしてくるという形で固まることでございます。 したがって、学習センターの機能というものについても、その放送大学の設置認可申請の段階で大学側の最終的な考え方というものが確定をされ、出てくる、それについて大学設置審議会にそれで教育が可能であるかどうかということについて十分な御審議をいただく、それを私どもはさらに十分に伺いながら必要な予算措置を講じていく、こういう段取りになるわけでございます。 したがって、先ほど私が申し上げましたのは、この段階で確定的にこうだということを申し上げることができる限度というものがあるということを申し上げたわけでございます。
○山原委員 それは無責任な話ですね。これにちゃんと、「基本計画」じゃなくてあなたの方が出されたものに三万人と書いてあるから、三万人と予想すれば三万人に対応することをやって、国会で質問があったら報告できなければいかぬじゃないですか。それが今度放送大学学園法が出て、その大学の設置認可をするときに決めるのでございますなどと言われたら、私は一体何を審議したらいいんですか。 三万人と書いてあるから三万人に対応する体制はどうなのかと聞くのはあたりまえのことです。聞いたら悪いというのか。そんなことはないでしょう。それはここではお答えできませんとか、それはやってみなければわかりませんとか、それは設置認可のときにやりますとか、それでは私たちはいまここで何の審議をしているのですか。放送大学学園法の審議をしているんじゃないのですか。 これは委員長、本当に私の言うことは無理ではないと思いますよ。三万人と書いてあるから三万人に対する体制のことを聞いて、しかも将来計画じゃなくて一期計画でさえ質問してもまだわからぬというようなことでどうして審議が進みますか。聞きたいことはいつばいありますよ。管理運営の面でもありますけれども、いまのように余りにも不明確なことでは、これはどうにも審議のしようがないですね。末端に苦労をかけるようなことをしちゃいかぬでしょう。どうですか。
○佐野政府委員 第一期計画が三万人の学生を在学生として予定しており、その中で学部学生が二万ということは御指摘のとおりでございます。 それに対して、現在の学習センターというものが各都道府県に置かれて、その学習センターの機能として三万人に対応できるのかという御質問に対しては、私どもはできるように手当てをするというようにお答えをするわけでございます。また、そうしなければならないと考えております。 そのために必要な学習センターの規模としては、先ほど申し上げましたように平均的には二千五百平米のものを考えているということを申し上げ、教官については、専任の教官五名のほかに非常勤の教官三十名をもってこれに対応するということをお答えを申し上げているわけでございます。 もちろん、それぞれのセンターにおいてどういう形で月曜日から日曜日にわたって学生を受け入れていくのかということが、具体の例をもって確定した形でお答えできればいいわけでございますけれども、そこのところは放送大学が自分の課題として検討しなければならない点が残っておりますので、またそういう事柄でございますので、先ほど来のようなお答えをしていることを御理解をいただきたいと思います。
○山原委員 これはここでこれ以上言ってもいかぬと思いますけれども、放送大学が独自で対処しなければならぬというものではないと私は思います。これはやはりこの法案審議に当たって、政府と国会の論議の中ではっきりしておかなければならない。予算だって、現実に即した予算を編成するためにはちゃんとした予想もしなければなりませんわね。かなり科学的な予想資料に基づいて予算も組まれ、これだけのことができるという確信を持っておっしゃるなら私も納得しますけれども、この点はまだ納得しませんから残しておいていただきたいと思います。 次に、評議会の権限の問題ですが、評議会の人事に関する権限で、たとえば学長、教員人事について理事長に申し出ることができるということになっているわけですけれども、学長や教員の人事について評議会が理事長に申し出る場合の事前の手続とか、だれがどういうふうに推薦するとかいうことは全く書いてございませんが、何かお考えがあるのでしょうか。
○佐野政府委員 法案で規定をしておりますのは、御指摘のような人事に関する事柄については、その基準は評議会の議を経て学長が決めるということと、それらのことについては申し出に当たって評議会の議に基づかなければならないということを規定しているわけでございます。先ほど来申し上げておりますような放送大学の教官組織の実態から考えて、この評議会がいわば教育公務員特例法の趣旨に準じて教員の人事というものを保障する機関として位置づけられている、それが適切な方途であると考えているわけでございます。 評議会に付するに先立って、それぞれのコースなり専攻において事実上教官の候補者の検討が行われるということはもちろん予想されることではございますけれども、それらをどのように運用するかということは、これはまさに放送大学の自治の問題でございます。
○山原委員 そうすると教特法に代行する評議会ということでございますが、評議会の議を経た場合には必ずそれが任命されるというふうに受け取ってよろしいでしょうか。
○佐野政府委員 評議会の議に基づいて申し出をしなければならないわけでございますし、それに基づいて任命が行われるということは一般の国立大学の場合と同じような例と考えております。
○山原委員 「評議会は、学長の諮問に応じ、放送大学の運営に関する重要事項について審議し、」となっています。ここでまた「大学の運営に関する重要事項」という言葉が出てまいります。 これは先ほどの学校教育法五十九条の、大学の重要事項に関することを審議するために教授会を置くという、この重要事項と同じものでしょうか。違うのでしょうか。
○佐野政府委員 午前中の御質問にもお答えをいたしたわけでございますけれども、そうした評議会の審議をする重要事項というものが、事実上教授会においてもまた審議が行われるということはあり得るところでございます。仮に評議会と教授会が同一の事項を審議する場合でありましても、両者の構成の差異等がございますし、それぞれの任務とするところが違うわけでございますから、おのずから審議の視点に差があるわけでございます。 学長はそれぞれの結論を十分に検討をしながら適切な判断を行うということになろうかと思います。
○山原委員 この評議会は学長の諮問に応じて重要事項を審議するということで、逆に言えば、学長の諮問がない限り重要事項の審議はできないということになるのですね。ところが、評議会がここにあるとすると、評議会の下の部分として教授会が先ほどの五十九条によってあるわけで、教授会というのは諮問がなくても重要事項を取り扱える。こういうかっこうなんです。 もうくどくど言いませんけれども、評議会と教授会との関係というものがこの場合は非常に不明確ですね。同じものを取り扱うこともあり得るという局長のおっしゃり方でございますけれども、教授会は学長の諮問がなくとも大学の重要事項を審議する。その上につくられる三コース六専攻の部分からできる六名ないし十二名の評議員、それに学長、副学長が加わる評議会というのは、これは学長の諮問に応じて重要事項を審議する。ここらは法の構成上も非常におかしいと思います。だから、教授会と評議会の関係がこの法律を読む限りではどうしても明らかにならないわけでございます。 それから、もう一つ申し上げたいのは、学長、副学長の任命を見ますと、学長の場合、二十一条六項の規定で、評議会の議に基づいて理事長が文部大臣に申し出て文部大臣が任命する。ところが副学長は評議会の議に基づくとの規定が除外されておりますが、これはどういうことですか。
○佐野政府委員 副学長は学長の行うべき仕事を補佐する職でございます。これをどのような者をもって充てるかということについては学長の判断にゆだねるのが適当であろうという考え方でございます。
○山原委員 そこで、学長は議を経て文部大臣が任命するわけですね。副学長は今度は学長の腹心を置くことができる。推薦母体はないのです。学長の権限にゆだねられるわけですね。ここのところも大学の自治には非常にふさわしくないやり方になっていることを指摘しておきます。 それから、学長は文部大臣の任命となっておりますが、これはどうしてですか。
○佐野政府委員 学園における学長の地位というものの重要性を考えて、理事長と学長の相対的な関係を考え、むしろ大学の自主的な立場を尊重するということから学長は文部大臣任命ということにしているわけでございます。
○山原委員 わざわざ文部大臣が任命をしなくとも、設置者はこの際は理事長になるわけです。理事長でいいという考え方も出てくると思うのです。だから、どうしてここへ文部大臣が出てくるかという問題も一つ指摘をしておきます。 それから、もう一つ問題として考えたいのは、評議員の任命は学長の申し出に基づいて理事長が行うわけですが、これは何で理事長がここに出てこなければならぬのですか。三コース六専攻から出てくる先生方の中から出てくる評議員を何で理事長が決定しなければならぬのですか。私はここに理事長を出す必要はないと思っているのです。これは法案を修正してもらいたいというくらいに思っています。 結局、この評議員をつくる場合には、教授会があるとおっしゃるのだから教授会で推薦をして、それを学長が認めるという、これだっていいわけですね。理事長の権限がすごく大きくなってくるのです。ここへも出てくる。何で理事長がこんなことをしなければならないのですかね。
○佐野政府委員 国立大学の評議員につきましても、設置者である国の機関としてのお立場にございます文部大臣が任命をすることになっております。これにならって設置者の代表である理事長が評議員を任命する、ただしそれは学長の申し出に基づいて行われるものであるということにしたものでございます。
○山原委員 だから、学長の権限、その上にさらに学長は何者にも相談をしなくても——この法律では申し出をして理事長の権限、ここに集中するわけですね。この大学はもう権限の集中大学ですよ。たとえばなぜ評議員まで理事長がやるのか。学長だっていいじゃないですか。何で理事長がここに出なければならぬのか。しかも、その理事長は副学長、評議員も決定する。そしてその理事長を文部大臣が任命する。こうなってまいりますと、文部大臣、理事長、そして学長と、この権限集中体制です。いままでこれほど激しい権限の集中というものは余り見たことがありません。 こういう系列から言うと文部大臣は、大臣がそんなことしませんとかなんとかという問題じゃないですよ。機構としてはまさに文部省直轄大学です。だから、ここで先ほど言った学説上の公平さの問題を見ましても、それは大学の自治に関することでございまして、放送大学自体において実質的に判断すべきことでございますと幾ら佐野大学局長がおっしゃりましても、大学の自治の基礎がないのです。権限が全部集中しているじゃないですか。私はそのことを言っておるわけでございまして、この点はこの法案に対していま一番危惧を持っておるところでございまして、私ども今後修正する意見とか、そういう点を出したいところでございます。 まさに文部大臣、理事長で、この理事長は副学長も決めれば評議員も決める。これほどの権限を持つ。そして先ほど言いましたように、評議員につきましても、学長の申し出でこの理事長が決めるということで、どなたに相談をしなくても、教授会があろうがなかろうがちゃんと一人の考えでやれるようになっている。ずばり文部大臣の系列の中にあって、いい文部大臣の場合はそんなことはしないかもわかりませんが、しかし、機構の問題としてはまさに日本の文部省直轄型の放送大学というそしりは免れることはできないと思いますが、この点はいかがですか。
○佐野政府委員 法律案で規定をいたしておりますように、理事長について文部大臣が任命をする、あるいは学長も文部大臣が任命をするという形になっており、また、教官等につきましてもそれぞれ理事長任命という形になっている点は御指摘のとおりでございます。しかし、それはいわば大学の設置者としての放送大学学園の代表である理事長とその法人の設置をする大学との関係をどのように考えるか、あるいは文部大臣と学園、いわば国と学園との関係をどのように考えるかということに基づいてそのような形がとられているものでございます。 ごらんいただければわかりますように、権限が集中されているという御指摘でございますけれども、理事長もまた学長も恣意をもってそれらの人事ができるようには決してなっておりません。評議会の議を経て大学サイドの人事は行われることになっているわけでございますし、そのことは国立大学の学長あるいは学部長、教授等を文部大臣が任命をするから文部大臣の直轄のもとに大学が動くということではないことと同じ性質のものであると思います。
○山原委員 それは違うと思いますよ。評議会がありますから大丈夫でございますと言いますが、評議会は学長の申し出によって理事長が決められるのですからね。下の教授会の推薦その他がなくてもできるようになっている。だから、私が言っていますのは、そういうことはありませんとおっしゃっても、制度的なそれに対する歯どめは、これを読む限りないと思います。これも問題点として指摘をしておきます。 次に、法人についてでございますけれども、理事長一名、常勤理事四名、非常勤理事三名以内ですか。理事長が代表機関、理事は補佐機関、こういう体制ですね。 きょうでございましたか、お聞きしますと、この理事の任務というのは、財務、会計、大学施設維持管理等の任務を持っておられるということでございますが、それもどこへも書いておりません。しかも、教学担当理事あるいは放送担当理事というものがあるのは理事の任務から申しますとおかしいわけです。そして理事会というものがないのですね。理事は合議制でなくていわゆる独任制の体制をとっているわけです。理事の合議制というのはここにないのです。なぜこういう体制をとりましたか。これが一つ。 それから、学長は理事長の教学担当補佐です。放送大学は大学教育をやるために放送を使うものでありまして、学長が最大の権限を持つべきだと私は思いますが、単に学長は理事長の補佐という役割りになっておるのがこの法の構成であります。 〔森(喜)委員長代理退席、委員長着席〕 だから、こうなりますと、法人の運営に当たって大学の意思や意向はどういうふうに反映されるのか、これもわかりません。法文上で見る限りは法人の運営はすべて理事長がやれることになっておりまして、学長はこれを補佐するだけという役割りになっています。その他教授会、評議会がこの法人の運営について意見をどう出せるかということも、またそれがどう尊重されるかということもはっきりいたしておりません。 この法律を読む限り、理事長が何でもくちばしを入れることができることになっておるのでございますが、これほど理事長にすべての権限を集中していいものでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のように、理事につきましては、理事長を補佐して学園の業務を掌理する、それらの職務を行うこととしております。学園の業務は、大別して学務と放送に関する事項と総務、財務に関する事項になると思います。それぞれに対応して理事というものを考えているということでございます。 学務に関することについては、学長が当然に理事となってその事務を掌理をします。学園における学務の事務は学長が掌理をするわけでございます。 そのこととは別に、大学につきましては、学園はもちろん学校の設置者として設置する学校を管理することになりますけれども、この場合には設置する学校が大学でございますから、大学の自治の保障あるいは学問の自由の保障という見地からしましても、教員の人事なりあるいは具体の教育研究内容等、本来大学の自治に関する事項については大学の自主的管理にゆだねられるべきものでございます。したがって、学園の業務として行われる大学の管理の内容というのは、主として大学の財務、会計及び施設の維持管理等が対象になるということでございます。 したがって、学園の業務を総理する理事長の職務も、大学について言えば同様の範囲において行われることになるということでございます。
○山原委員 その点も問題として残しておきます。 その上に今度は文部大臣任命の運営審議会がある。実によく屋上屋を重ねたものだと思いますけれども、運営審議会は学園業務の運営についての重要事項について理事長の諮問に応じて審議する。 業務の運営に関する重要事項とは何でしょうか。列挙してください。
○佐野政府委員 ここで予定をいたしておりますのは、一つは学園の予算、決算あるいは借入金、重要な資産の取得、処分、そういった財務、会計に関する事柄でございます。 二番目には、大学の設置に係る業務の関係でございます。たとえば対象地域の拡大をどのように進めるか、その場合の受け入れの学生の数をどうするか、コース専攻の設置、廃止、そういったことについてはやはり大学の設置に係る事柄として運営審議会における御議論をいただいて差し支えないことと存じます。 さらに、放送につきましても、学園はそれを実施するわけでございますから、放送の実施に関する業務の運営に関する重要事項として、たとえば対象地域の拡大に伴って地上局を置いていく、その置局の方針等についてもこの運営審議会で御議論が行われると思います。 これらの点が運営に関する重要事項になろうかと思います。
○山原委員 かつて番組審議会の名前が出ておりましたが、この運営審議会は番組審議会とは全く異なるものであって、それには関与しないものでしょうか。
○佐野政府委員 番組審議会は、この学園の場合には、検討の結果置くことといたしておりません。 それは、この学園で行う放送というのは、放送大学のいわば教育課程に準拠をして行われるものであり、その放送の内容というものはいわば大学の教育の内容そのものになるわけでございますから、これについて番組審議会のような機関で審議をし、そして意見の申し出を理事長にする、理事長はそれを尊重して措置をしなければならないという形で、大学の教育研究に外部からの介入が行われるおそれのあるようなことは差し控える方がいいという判断によったものでございます。 ただ、運営審議会の場合は、これは文部大臣が任命をする機関でございまして、郵政大臣の任命する番組審議会とはもちろんたてまえを異にしておりますけれども、しかし、広く関係の学識経験者にお集まりをいただいて、そこで重要事項の御審議をいただくわけでございますから、番組の内容についての御論議がここで行われるということは、大学の教育内容についての介入を避けるという配慮が十分に行われる限りにおいては行われて差し支えないことだろうと思います。
○山原委員 そこで、この運営審議会の権限はかなり大きいですね。文部大臣の任命でありますが、同時に、いま申しましたように、重要事項について理事長の諮問に応じて審議をするということで、いまおっしゃったような中身が出てまいります。 諮問に応じて重要事項を審議するだけではなくて、次には、「学園の業務の運営につき、理事長に対して意見を述べることができる。」となっています。これは理事長が文部大臣の任命のこの運営審議会の意見にかなり拘束される中身を持っておりますから、意見が述べられるということは、これは当然運営審議会の権限というものは非常に大きくなっているわけですね。これは重要事項が書いてありません。何でも意見が述べられるということになっています。この意味で、理事長に対するこの運営審議会の強力な発言力というものがここで保障されておりまして、学長と評議会の関係よりも理事長に対する運営審議会の権限は非常に大きくなっています。これを見ますと、筑波大学で参与の問題でずいぶんわれわれは論議しましたが、筑波大学における参与よりははるかにこの運営審議会は大きな権限を持ってこの放送大学に存在をするということになると思います。 そういう点から考えまして本当に私が心配しますのは、特殊法人ですから形態としてはこういうふうになりかねないという気持ちを大学局長は持っておられると思いますけれども、しかし、教授会の権限は、人事とかそういうものはのけられている。だから、あえて学校教育法五十九条を法律の中に入れた方が教授会をはっきりさす意味においていいのではないか。学校教育法の適用を受けることをわざわざ書かなくてよろしいなどということで、しかもその教授会は五十九条の中身を幾つか奪われた教授会で、その上に評議会があり、学長がおり、理事長がおり、そしてその横に運営審議会がぐっとにらみをきかすことのできる体制になっていますから、幾ら特殊法人だといっても、これほど権限が集中しておる大学は大学教育にふさわしくない。大学の自治の観点から言いましてもふさわしくない体制だと私は思います。 教授会の構成はむずかしいですよ。散らばっていますからむずかしい。それはわかりますけれども、しかし、たてまえとしても学校教育法に基づくところの大学の自治を守れる体制をとらないと、けさから質問の出ております学説上の公平についても、大学のどこで自主的な判断ができるかというと、それができないような、権限を奪われた教官たちがそこにいる。こういう結果になりますと、これは全くふさわしくない。しかもこういうやり方が既存の大学まで波及していくということになりますと、これは大変な事態でございまして、簡単には賛成できませんね。 放送大学についての趣旨やその他はわかりますよ。りっぱなものをつくってもらいたいと思いますよ。そしてみんなが集まって、各党が話し合ってりっぱなものに修正していく。そういうことの努力は私どもはしますけれども、きょうのような当局側の答弁によりましては、このままではうかつに賛成するという自信はなくなってまいりました。だから、委員長におかれましても、こういう点については当然十分な審議をし、また各委員からの要請がありましたならばできるだけ資料を出していただきまして、放送大学に関するこの委員会の審議が本当に実のある論議になるようにぜひ御配慮をいただきたいと思うわけです。 そして、この大学に対する期待も多いわけですね。いろいろな問題がありますけれども、たとえば教員の免許、教養学士をもらった場合に臨免からあるいは二級から一級にできるのか。あるいは文部省に勤めておられる方や、あるいはこの法案に関係のある郵政省に勤めておられる高等学校卒業の職員の方がこの放送大学を四年間受けて、そして教養学士という資格をもらい、卒業できましたときには、それに対応するだけの身分上の保障があるのか。この基本計画の報告書によりますと「適正な処遇」と書いてありますが、この「基本計画」を見て皆さんは喜んでおるわけですからね。一生懸命四年間苦労して夜勉強をやったならば、私は高等学校の卒業で官庁に入っておるけれども、私もまた給与の面でも処遇を受けるということがこれは基本計画に出ているわけですが、そういう適切な処遇の改善が行われるのかどうか。 あるいは大企業においても、いまは大学の通信教育を受けてもなかなか昇進もしなければ給与上の是正もされないのでありますが、そういうことについて、一般の人は必ずそうなるだろうとこの放送大学に対する期待を寄せているわけですが、文部省、まず隗より始めよという言葉がありますけれども、文部省はそういうことを考えていらっしゃるのですか。どうですか。四年間で卒業した場合に、そういう資格をとられた方に対してはどうなるのですか。
○佐野政府委員 大学卒業でございますから、現在、通信教育によって大学を卒業し、あるいは夜間の大学に通学をして卒業をした者が大学卒として取り扱われているのと同じ取り扱いになるわけでございます。
○山原委員 ちょっとお聞きしますが、そうしますと、放送大学を卒業して資格をとられた場合、いまそのことが一番大きな期待になっているわけですから、そうした場合に給与上の改善もなされるのですか。
○佐野政府委員 給与上の取り扱いが高卒ではなくて大学卒になるということは疑いがございません。
○山原委員 それから、たとえば短大を卒業されている主婦の方がこの放送大学の学生として入った場合はスクーリングは必要ないというようなことを聞きましたが、そういうこともあるのでしょうか。
○佐野政府委員 スクーリングは、演習や実験を必要とする科目を履修して、その単位をとろうと思えば必ず受けなければならないわけでございます。 科目履修生であるとかあるいは専科履修生の場合に、そういう演習や実験に関係のない、講義だけで構成されている科目だけをとろうという場合にはスクーリングを必要としませんけれども、いわば短大を卒業して放送大学に編入学をした方であっても、大学卒の資格を取ろうということであれば、恐らくはスクーリングを必要とすると考えます。
○山原委員 大きな期待を持たせてもいけませんから、その点は明確にしておく必要があると思います。 以上、私は、一つは法案の中に学校教育法五十九条を入れるべきではないかとか、理事長の権限に対するチェックの問題とか、文部大臣の権限の問題などを出しましたが、これは私ども今後もなお検討しまして、一致する面があれば修正を要求したいと思います。そういう問題として残しておきたいと思います。 それから、もう一つ最後に、四分ほど残っておりますから申し上げたいのですが、国立大学協会とか私大協とか学術会議とかいう団体のこの放送大学に対する意見の聴取あるいはその報告を受けるということも今後必要であろうと思います。そういう意味で、私は、国民的な合意というものは、たとえば国立大学形態でやるか特殊法人形態でやるかについても相当慎重な審議も必要であると思いますし、そういう点の十分な審議経過をたどっていく必要があると思います。その点を申し上げておきます。 最後に、今度ビデオがずいぶん使われるわけでございます。たとえばビデオセンターができればそこへ行くわけですけれども、そのビデオセンターにしましても全国八百七十ですから、一つの県で考えますとそれほどたくさんのところへつくわけではなくて、結局、本当に勉強しようとするならば、自分でビデオを買うと二十万円、それから二時間単位の授業を受けますと、それをビデオにとればテープだけで四千円で、とてもすごいお金がかかるわけでございます。 このビデオというものがこの問題を契機にして普及することが考えられますが、お聞きしますと、素人の聞いたところですから不十分ですが、何でもビデオには二種類ありまして、VHS方式とベータマックス方式というのがあるんだそうでございます。放送大学においてどの種類を使うかということも非常に重要なことになりかねない情勢もあるわけですが、この点は検討されておりますか。これはどういうふうにされる予定ですか。
○佐野政府委員 それは要するに発信の方の問題ではなくて、放送を受信して画像を固定する場合のシステムの問題であるわけでございます。 もちろん、御指摘のようにビデオセンターを公民館等に設置する場合にどの機種を置くかということは事柄として決して軽い問題ではないと思いますけれども、それは放送大学で御検討いただいて、最も適切な機種を備えていただければいいことであろうと思います。
○山原委員 受信だけでなくて、受信をする機械に対して送信といいますか、つくり出す方の物によって受信の機械が変わるわけです。これは私の方がもうちょっと研究しているかもしれませんね。そこらも研究しておいてください。 きょうはこれで終わります。
○佐野政府委員 先ほど番組審議会は郵政大臣の任命であると申し上げましたけれども、あれはNHKであれば会長の委嘱でございますので、訂正させていただきます。
○坂本委員長 西岡武夫君。
○西岡委員 すでに問題点の大方は同僚委員からの質問の中で出尽くしているわけでございますが、幾つか観点をしぼって、主として大臣にお尋ねをいたします。もちろん、若干数字的な問題もございますので、例外的に局長からの御答弁もいただくということでお願いをいたしたいと思います。 この放送大学の構想はちょうどことしで十年目になるわけでございます。先ほどから各委員との間での文部省の御答弁をずっとお聞きいたしておりましたが、十年かかってようやく見通しが立ったということでスタートをされたわけで、しかも、文部省の当初のお考えは、昨年の通常国会にもこの法案を提案したいということで準備を進めておられたというふうに私どもは受けとめているわけでございます。したがって、先ほどから将来の構想等についても各委員からいろいろな御指摘があったわけですけれども、そういう見通しを十年研究してなお持たないということはどうも私も納得ができない。 大体、放送大学を構想された真の目的は、何を目的としてこれをお考えになっておられるのか。大臣として、放送大学の目標とするところは何を目指しているのかということを改めて明確にお答えをいただきたいと思います。
○内藤国務大臣 放送という新しい手段によってできるだけ広く教育の機会均等を確保していきたい、こういう趣旨でございます。 そこで、先ほど来いろいろ御意見がありましたが、この場合に私どもは大学の自治は守りたいという考えでおります。
○西岡委員 私がお尋ねをいたしておりますのはこういうことなんです。いわば、放送という手段を通じて、いつでもどこでもだれでも学びたい者が学べるということを目標として放送大学というものは考えられたと思うのです。いまのわが国の高等教育機関というものは非常に地域的に、教育の科目についても分野的に全国非常に偏在しているということが指摘をされているわけで、そうしたわが国の高等教育機関の偏在の学術マップと申しますか、そういう面での学術地図というものを塗りかえるという意味で放送大学が果たす役割りは非常に大きい。 それを高等教育機関が一番集中している東京を中心としてスタートさせるということは、私自身もこの放送大学の計画発案当時からかかわった一員として言うと、少なくともそういう考えではなかったはずである。本来ならば高等教育機関が一番少ないところからスタートさせるべきではないか。もちろん初めての試みでありますから、そうは言ってもいろいろな施設が整ったところで並行して準備を進めるということも必要だろうということで、たとえば関西なら関西、あるいは関東でもいいわけですが、そこと高等教育機関が非常に少ない地域、最低限そういう二カ所を同時にスタートさせるという構想であったはずです。それがどこでどう違ってしまってこういう形になって、先ほどから御答弁のような構想になったのか。放送大学を創設していこうとする文部省の基本的な姿勢というものが大きく変わったとしか考えられないわけで、納得ができないわけです。 大臣、この点はどうお考えですか。
○内藤国務大臣 御指摘のように、東京とお話しのような僻地と両方できればそれにこしたことはないと私も思いますけれども、ともかく初めての試みですし、放送センターがありますから、そのセンターを中心にまずやってみようというふうに変わったと私は思っております。
○西岡委員 大臣も、大臣御就任以前から与党の文教の権威のお一人としてこの問題に携わってこられたわけですから、この経過は十分御承知のはずでございます。 本来なら、東京を中心とするような放送大学をつくるならば、極端なことを言いますと、その放送大学をつくるということの意味、意義というものは半分ぐらいしかないと思うのです。高等教育機関に学びたいと考えながら、まさに地域的な状況の中で学べないという全国の人、まさにそのために放送大学が機能すべきである。もちろん生涯教育的な観点からの役割りというものもあるわけですけれども、やはり一つの大きな柱は、そういう高等教育機関に恵まれない全国の地域に教育の機会均等というものをできるだけ徹底させていくということに意味があったわけで、これは発想が逆だと私は思うのですね。 初めに高等教育機関が少ない地域からスタートをさせるのでなければおかしい。初めての試みだからこそそういうところから手をつけるべきではありませんか。どうでしょうか。
○内藤国務大臣 要するに、放送教育というのは初めての試みですから非常に問題が多いわけですよ。 あなたのおっしゃるように僻地からやることが非常にいいと私も思います。それがいいと思いますけれども、これに着手した場合、放送教材をどういうふうにやるかとかいろいろな問題があるから、まず東京を中心に試験的にやってみて、その成果を得て全国に波及したい、こういうふうに考えたわけでございます。
○西岡委員 ですから、私が申し上げておるのは、初めはそうではなかったのです。これは間違いなくそうではなかったのです。 もちろん、関西なら関西あるいは関東なら関東に一つの拠点を設けて、そこでも実施する、しかし同時に過疎地域、高等教育機関が少ない地域と両方を同時に、少なくとも二つのブロックぐらいでスタートさせようという、そういう計画だったのです。これは大臣も御承知のはずです。違いますか。大臣がお忘れならば局長からお答えください。
○佐野政府委員 御指摘のように、大都市を中心とした非常に豊富な資料の得られる地域というものとあわせて、僻地においても試行的な実施というものを最初から考えるべきであるという考え方はございました。 第一期計画の場合であってもその点はやはり一応引き継いでいるわけであって、東京タワーから電波の届く範囲というものに加えて関東の周辺地域、いわゆる僻地を含む周辺地域について送信所を一つ建ててその放送を実施する。関東地区で実施をする場合でもそういった配慮はしているわけでございます。
○西岡委員 これはまた異なことをお聞きするわけです。それはまさに詭弁であって、関東にたまたまそういうような地域も入っているかもしれませんけれども、関東地域の中に高等教育機関がまさに偏在をしているということは明らかな事実であって、そういう考えではなかったわけです。少なくとも二つのブロックでスタートをする。いろいろな研究を集積していくためには、関東なり関西なりという人口あるいは高等教育機関が非常に集まっているところを一カ所やり、もう一カ所は、いろいろな調査をした上で非常に希望の強い地域、しかも高等教育機関が少ない地域、そこと両方をスタートさせるのでなければ放送大学の目的とする意義、創立する意義というものはないのではないかというところで計画はスタートしたと思うのです。現に文部省が十年という年月をかけてこれに取り組んでこられたわけでありますから、相当の問題を消化した上で、かなりの自信を持ってこの法案は提出されてきていると私は認識をしています。 いまから四、五年前ですか、文部省がなさった調査の中に、北海道、東北それぞれのブロックの中で、理由ははっきりわかりませんけれども、放送大学が創設されればぜひそれを受講したいと望んでいる地域で、私の記憶では四国の地域がどのブロックと比較しても問題にならないくらい異常に高率を示したというデータがあったはずです。それをちょっと発表していただきたいと思うのです。
○佐野政府委員 御指摘のように、文部省が実施をしました放送大学に対する教育需要の予測調査の際に、四国の地域におきまして放送大学を利用して勉強したいという者のトータルの数、パーセントが非常に高い五二・一%というような数字を示したデータがございます。 これは基礎データがおかしいのではないかという検討もその後したわけでございますけれども、基礎的なデータに特段の変異は見られませんので理由はわかりませんけれども、四国が非常に高いニーズを示したということは事実でございます。
○西岡委員 その数字をほかの地域と比較して、念のために述べていただきたい。
○佐野政府委員 このときのトータルの数は北海道が五一・二%、東北が四四・八%、関東が四五・二%、中部が四六%、近畿が四六・三%、中国が四五・五%、四国が五二・一%、九州が三九・六%という状況でございますが、さらにその内訳を見てまいりますと、たとえば放送大学を利用して勉強したい、その中でも放送大学で大学卒の資格を取りたいというところで地域を比べてみますと、北海道が二・四%、東北が二・八%、関東が三・七%、中部が四・八%、近畿が四・九%、中国が三・五%であるのに対して四国は一九・二%という異常に高い率を示しております。九州は四・〇%でございます。
○西岡委員 大臣、お聞きのとおりで、そういうデータを積み重ねた上で文部省はまさに十年という、十年一昔というくらいの長い年月をかけてこれを準備されたわけです。 本来ならば、いまの調査というものを尊重するとすれば、そういうことのために調査をなさったのでしょうから、だてや酔狂で調査をなさったわけではないわけですから、関東のブロックをまずスタートの時点で手がけるということについて私は全面的に反対しているわけではないのですが、しかし、関東をやるのと同時に、少なくともいまのデータに基づいて四国なら四国に手をつけるというのでなければ、いままでの十年間のいろいろな調査の成果というものが何にも生かされていないし、放送大学創設の意義さえスタートの時点から半減してしまっているのではないか。発想が逆ではないかと思うのですが、大臣、どうですか。
○内藤国務大臣 お説のとおり両方やれば一番よかったのです。しかし、新しい大学ですからいろいろな問題点が多かったので、私はよくそのときの事情を知りませんが、関東地区に限定した理由はそういう点にあったのじゃないかと思います。
○西岡委員 先ほど各委員との質疑を通じて同じ御答弁ばかり大臣はしておられますけれども、大臣、初めての試みだということは初めからわかっているわけで、目的がどこにあるかということが大事でございましょう。 高等教育機関がこういう偏在した状態の中で、だれでもどこでもいつでも学べるというところに放送大学の意義がある。それをまさに一番待望している地域に、初めての構想であるからこそそこに設置すべきではなかったのですか。安易な道を選ぶなら十年も研究する必要はなかったと思うのですね。大臣、これはおかしいですよ。
○内藤国務大臣 お説の点はよくわかるけれども、ただ、放送という新しい手段を使ってこれから大学教育をやるという場合にいろいろな問題点が多いから、まず関東から、こういうことになったと私は思うのです。 あなたのおっしゃるように、それは僻地をやることは大事ですよ。それは大事ですけれども、そういういろいろ技術的な問題もあったので関東にした、私はこういうふうに思っております。
○西岡委員 それでは局長にちょっとお尋ねしますが、技術的な問題というのはまさに放送網、電波を通じて放送大学というものは成り立つわけですから、僻地だからなかなかできないというのであれば放送大学という構想自体がおかしいということになりませんか。いまの大臣の御答弁では放送大学の特性自体を否定しておられると思うのですね。そこに放送大学の本当の意味があったと思うのです。そこから手をつけるべきであって、その一方で、そうは言うけれども技術的な蓄積とか情報の蓄積とか人的な問題というようないろいろな問題もあるから、やはり関東なら関東も拠点として並行してやらざるを得ない、しかし、その本体は高等教育機関が少ない地域を主体としてスタートするというのでなければ放送大学というものは一体どういう意味を持つのか。 しかも、先ほどからの質疑の中で、最終的に全国をカバーするという計画が全然示されていないというのはおかしいじゃないですか。文部省は十年かかって何をしていたのですか。
○佐野政府委員 御指摘は十分にわかるわけでございます。 基本計画において第一期の事業の対象地域として示されておりますのは、いわゆるいまの大都市圏の広域送信所としては東京と名古屋と大阪の三つ、それに東北と四国の県別の送信所を設けるべきであるということで、東北と四国を選んでいるのは、これらが東日本、西日本においてそれぞれ大学の収容力が非常に低い地域であるから、そこに第一期の事業計画の対象を設定するのであるというのが基本計画の考え方でございます。 私どももこの基本計画の考え方をどのようにこなすかということを検討したわけでございますけれども、放送大学のスタートというものを現在の財政状況等を勘案しながら現実のものとするためには、やはり放送網の整備に最少の経費をもって対応し、しかもその間においてその後の対象地域の拡大のためのデータの集積が期待できる地域ということを考えざるを得ないということになって、先ほど申し上げましたように東京タワーからの電波の到達範囲、それに加えて関東周辺における周辺地域、それをまず考えて、そこにおける実績を見た上で次の拡充に入るという方法をとらざるを得なかったわけでございます。
○西岡委員 そうではなかったのではないのですか。 幾つかの基本的な問題がある中で、一つはスクーリングの問題がある、学習センターの設置の問題がある、それには最低限それぞれの地域の国立大学の協力が得られるのでなければなかなかこの放送大学というものは定着しないだろう、そのために相当の時間がかかるということで十年間かかったと思うのです。 問題になっている電波の問題は、この放送大学の構想がスタートしました当初二、三年の間に事実上は決着がついていたはずです。最終的にもたもたしたのは、自民党政府の内部で特殊法人をどうするかという問題でごたついただけであって、電波の問題は、私の記憶では昭和四十七年ぐらいの時点で事実上の決着はついていたと記憶しています。 問題は、国立大学の協力関係がどこまで得られるのかという問題と、いま東京タワーというふうなお話がありましたが、全国の民放等の協力、これは民放の放送のタワー等も活用させてもらうというふうなことも含めてどういう協力関係を行うことができるかというような、そういう詰めが相当時間がかかったと私は記憶をしていますが、そういうところからすればいまの局長のお話はどうも私には納得がいかないわけですけれども、どうなっておりますか。
○佐野政府委員 御指摘のように、放送大学のプロジェクトを実施していく場合に、各地の学習センターというものを具体的にどのようにして整備をし、その機能を確保するかということが非常に重大な課題になるということもそのとおりでございますし、また、放送大学が使用する電波については、それは全国一系列、テレビ、ラジオを通じて郵政省によって準備をされる。そういう状況にあって、そのもとで準備が行われてきたことも御指摘のとおりでございます。 もちろん、その後放送衛星の問題が出てまいりまして対象地域を拡大する場合に、地上局を設置していく方式と放送衛星による方式とをどのようにドッキングさせていくかというむずかしい課題が出てきております。そのことが今後の拡充計画についての明確なお答えがなかなかできない理由の一つにもなっているわけでございますけれども、現在お示ししているような形で第一期の計画をスタートしたいというのは、やはり、大臣が申し上げておりますように、最初のプロジェクトであるこの放送大学というものをできるだけ手がたく十分なデータの蓄積の上にさらにその後の拡充に入りたいということを考えて、対象地域を基本計画の示しているところよりもさらにしぼったということであると考えます。
○西岡委員 通信衛星を活用するということになればいまの放送網を拡大するという問題は一気に解決するはずだと思うので、それは放送大学の将来を構想する上で何ら障害になる問題ではなくて、むしろ前進させる材料であると私は思うのですが、そうではありませんか。
○佐野政府委員 御指摘のように、放送衛星というものが実用化されるということになれば、それは放送大学にとってはきわめて有効な情報の伝達手段になるであろうと考えます。 しかし、放送衛星がどのような形で実用化されていくのか、その場合において、それが個々の端末においてどれだけ具体に利用可能であるのかというような点についてはなお郵政省の方での御検討にまつべきところがございますし、放送衛星に今後の放送大学の対象地域の拡大をすべてゆだねることが適当であるのかどうかについても、これまた郵政省側と十分な協議を必要といたします。しかし、方向としては放送大学の構想についてプラスの方向で働くことは間違いのないことだと考えております。
○西岡委員 民放ないしNHKの電波送信の装置等を活用させてもらうというような協議というものもこれまでの準備の段階で進められてきたはずですが、それはどうなっておるのでしょうか。
○佐野政府委員 民放の施設を利用するということはすべてのものについて可能ではございません。 これは調査をいたしておりますけれども、送信塔に新たに放送大学用の送信機器を載せることの可能なものと可能でないものがございますから、それらについては、仮に今後地上局によって対象地域の拡大をしていくという場合には、その既設の送信塔に放送大学用の送信機器を載せることのできるものと新たに送信塔を建てなければならないものとがあるということでございます。
○西岡委員 ですから、そういうものはこの十年間に十分研究され尽くしていると思うのです。その上で最終的な計画は何年にどの地域まで拡大されるかということがここで出されなければおかしな話じゃありませんか。それを申し上げているのです。
○佐野政府委員 今後地域の拡大を考えていく場合に、先生の御指摘のように東北、四国という基本計画が掲げている地域というものがまず優先をして考えられなければならないということは、これまでの経緯からして私もそのように思いますけれども、それをどのようなテンポで行うのか、それに引き続いてどのように対象地域を拡大していくのかということについては、この時点では、すでに繰り返して申し上げましたようにわが方に具体の計画としてお示しできるものがないわけでございます。
○西岡委員 それはいまから十年前に放送大学が構想された当時、それから十年間の全般の議論等を踏まえて言えばまことにおかしなことで、いついつまでに全国の大体八〇%なら八〇%というようなものが当然なければならぬ。一〇〇%まで行くのには、いまでも難聴地域が離島等では若干残っているくらいですから、技術的な面で若干カバーしにくい面が出てくるということは承知しておりますが、最低全国のそれぞれのブロックの相当部分をカバーする放送大学というものが実現するのは大体いつまでであるというものが示されないこと自体、全く問題にならないじゃないでしょうか。 大臣、これは大臣御自身の判断としても、いつまでにやりますというようなものがなければならぬ。これは予算の問題じゃないじゃないですか。今度の問題を通じて、文教委員会で嶋崎小委員長を中心として特殊法人でやるべきだということで、国会としても文部省の後押しをして、そのことがこれだけ大きな力になったと思うのです。予算の問題というのは、まさに文教委員会としてもこれから超党派でこの問題を押し上げていくということになれば、こんなものは簡単なことでしょう。それを文部大臣がどう判断されて、いつまでにやるかという大臣としての方向をぴしっと示されることが大事じゃないですか。事務当局は、大臣が方針を決められればそれで作業ができるんですよ。
○内藤国務大臣 ただ、私は、御趣旨はまことによくわかるのですけれども、電波のことは余り詳しくないんですよ。 予算の点は私は心配していないのですけれども、電波行政は私は本当に素人なものですから、どの程度の期間が必要なのかということをいま事務当局からもう少し説明させます。
○西岡委員 電波の問題はけりがついているんですよ。放送大学にちゃんと電波が確保されたのですから、それに基づいてこの構想ができ上がっているわけですから、全国ちゃんと電波を持っているのですから、そんな問題じゃないんですよ。大臣がどういうふうに放送大学を進められるかという方針の問題ですよ。 ですから、ここで大臣が、いついつまでにそれぞれのブロックで少なくとも八〇%を——これはまさに技術的な問題ですが、八〇%になるのか八五%になるのかわかりませんけれども、それをカバーするという方向で取り組むと、方針を示されればいいのですよ。後は事務当局が作業するだけです。大臣、おっしゃってください。
○内藤国務大臣 ともかく、まずこの法案をひとつ通していただいて、その結果私もはっきり言明します。
○西岡委員 それは各党の先ほどの質疑を伺っていても、積極的にこれをバックアップしたい。問題はいろいろ指摘はありましたけれども、基本的にこれに賛成なんだ。 ところが、一体これはどういうふうになるのか、最終的に何年ごろどういうことになるのか、まさにお話があったように二十一世紀になるのか、何年になるのかさっぱりわからない。海のものとも山のものともわからない。そんなばかな話はないわけで、いやしくも文部省がこういう新しい試みを準備するのに十年かかったのですよ。そして出してこられたわけでしょう。これはおかしいですよ。大臣の方針を示してください。
○内藤国務大臣 私も方針を示したいのですけれども、私も局長に一体何年計画でできるのかと何遍も聞いているのですが、教えてくれないのですよ。 ですから、教えてもらえないのに私が勝手なことを言ったら、それこそおかしなことになってしまいます。
○西岡委員 大臣、これは局長が決めることじゃないのですよ。大臣が放送大学をとにかくどういうふうに位置づけるかという方針を決めることなんですよ。そうすれば、技術的な問題とか予算の問題というのは次の問題です。 大臣がどういうふうに放送大学を進めていかれるかという大臣のお考えをお聞きしているのですよ。これは局長の問題じゃないですよ。政府としての、文部省としての政策の問題です。
○内藤国務大臣 その点はよくわかるけれども、方針の問題ですが、だけれども、事務的にいま大体どういうふうな話になっているのか、そういう話を私は一回も聞かされていない。ですから私は自信がないと申し上げているのです。
○西岡委員 大臣のいまの御答弁は私は聞こえなかったことにいたします。 そんなことは考えられないわけで、大臣は、やはり、この放送大学の計画をどういう手順で、完成年度をどこら辺に目標を置いて進めるかということを、この法案の審議が議了するまでにはお示しになる必要があると思いますね。これはどうでしょうか。きょうお聞きしてもこの問題だけで時間が過ぎてしまいますから、この委員会での審議を通じて、まだ若干の時間がありますから大臣からお示しください。 新自由クラブとしてはこの法案に賛成をする考えです。しかし、その採決が行われるまでに大臣の基本的な方針を示してください。どの地域ということを含めて、いつまでに放送大学を受講できる、どれくらいの国民の皆さん方に機会均等の場としての放送大学というものをきちっと提供できるということをお示しになっていただけるかどうか、それだけをお答えください。
○内藤国務大臣 よくわかりましたから、これから事務当局の意見も聞き、関係各省とも相談して、なるべく早く御期待にこたえるようにいたしたいと思います。
○西岡委員 なるべく早くではなくて、この法案が議了するまでにこの委員会で明快な御答弁をいただきたい。(内藤国務大臣「賛成してくださいね」と呼ぶ) 新自由クラブは賛成すると申し上げているのです。しかし、そのためにはやはり大臣の基本的な姿勢を示していただくということが必要だということを申し上げているので、大臣が審議の議了するまでにその時期を明示されるということをおっしゃったと私は理解して、この問題はこれで終わります。 次の問題ですが、学習センター等の設置の問題ですけれども、これも当初の放送大学の構想が出たときに議論になったのは、既存の国立大学がどれだけこれに協力してくれるかということで、それは教授、講師というような問題だけではなくて、施設の問題も含めて、スクーリングその他相当の協力が行われなければこれはなかなかむずかしいというふうに相当議論が行われた問題だと私は記憶をしますが、国大協を中心として、この問題についての国立大学の協力関係の見通しは全国的にすでについたと見てよろしいのでしょうか。
○佐野政府委員 国大協に対しましては、第一常置委員会に対して従来から接触をし、構想の説明をし、協力を求めてきております。 基本的な方向として国大協もまた放送大学の構想を評価し、その健全な発達を期待するということにおいては変わりはございませんし、また、基本的に放送大学に協力をしようという姿勢は持っておりますけれども、具体的に個々の県における特定の学習センターについてどの大学がどのような形で施設なり人員の提供をするかというところまで具体的な課題として検討が行われているわけではございません。
○西岡委員 これも実はおかしいと思うのです。この十年の間にその問題が実は解決をしない。国立大学のそういう施設やあるいは人材等を含めた協力関係が見通しがつかないとこれはなかなかスタートできない問題だということで、時間がかなり実際問題としてはかかったと思うのです。 したがって、この法案が提案された以上そういう協力関係、協力のめど、施設の提供等も含めて、あるいは施設については国立大学の用地等も活用するとかいうような——先ほど公民館とかいろいろなお話がありましたけれども、それも結構でしょうけれども、そういうことを中核として進めるのだという話がすでにできていなければおかしいと思うのですね。それはどうなんでしょうか。
○佐野政府委員 学習センターの施設については、適地を求めて放送大学学園が風前でつくっていくということがもちろん基本の姿でございますけれども、それぞれの地域における大学の施設を活用することができれば、それももちろん望ましいことでございます。両方の対応ということで考えているわけでございます。 しかし、率直に申しまして、もちろん文部省の方から国大協に対して先ほど来申し上げましたような要請を行っているわけでございますが、放送大学というものがいつ具体のものとして生まれるのかという見通し、それについての危惧というものが逆に大学側にはあるわけでございます。そういう意味もございまして、文部省ももちろんこれから交渉をしていくわけでございますが、まず現実に放送大学学園というものが設立をされて、その学園なりあるいは放送大学と個々の大学とがさらに具体の折衝をするという姿をとることがどうしても必要であるという判断をしているわけでございます。
○西岡委員 それが初めにお話を申し上げたこととかかわると思うのです。たとえば九州、四国、北海道というそれぞれの地域で放送大学がスタートをするというのがいつごろであるかということが明示されて、そしてそれぞれの地域の国立大学を中心とした既存の教育機関とのかかわりの中で具体的な煮詰めが進められる。私は、この十年の間にそうした大まかな全体像というものが大体決まってしまっていると実は思っていたのですが、そうするとそれは全然ないわけですか。いまからやるわけですか。 それと、もう一つは、その施設の問題については、最近社会教育、社会体育などで学校開放という問題も大分進められておるわけでございますけれども、高等学校であるとか、場合によっては小中学校等を夜間に開放して、そうしたところで学習センター的な役割りを持たせるというようなやり方も考えられるはずですね。そうしたことについてはどこまでの研究がなされているのでしょうか。
○佐野政府委員 イギリスの公開大学の例によりましても、むしろイギリスの場合には日本で言えば既設の短大、高専レベルの教育機関の施設をセンターに活用するということが現実に行われておりますし、そういう意味で私どもも短大、高専というものは検討の対象にいたしておりますけれども、高等学校以下の公立学校の施設というものを学習センターに使うという面からの検討はこれまでいたしておりません。
○西岡委員 そうしますと、都道府県の教育委員会等と放送大学の問題について、文部省は具体的な相談等はいままでになさっておられないわけですか。
○佐野政府委員 教育長協議会等の際に放送大学の構想の検討の経過等は御報告をしていることはございますけれども、いま御指摘のような高等学校以下の施設の利用というような具体の課題について、教育長協議会の関係部会と協議を進めるというようなことはいたしておりません。
○西岡委員 大臣にお願いをしておきたいと思うのですが、一般的な風潮として、何か新しい機関ができると何でもかんでも口前のものをつくらないと気が済まないという風潮がどうもあるわけです。 既存の教育施設その他についてこれを積極的に活用していくということを、こういう放送大学という新しい構想を通じて進めるべきだと思うのです。何でもかんでも自前のものをそろえなければ気が済まないという、そういうようなあり方というものをこういう機会に打破すべきだと思うのですが、それについての大臣の御所見を承りたい。
○内藤国務大臣 私は全くあなたに大賛成です。
○西岡委員 そういうことになると、先ほどの放送大学の電波の発信の問題等、あるいは学習センターの設置の問題等なかなかむずかしいという問題も、いまの大臣の御答弁をそのまま進めていけばそれほど困難な問題ではないと思うのです。予算の点から言っても、この問題については相当解決の見通しがつくと思うのです。そういう意味で私は申し上げているのです。可能だと思うのです。そういうことも踏まえて、これは後刻の御答弁にまつわけですけれども、お考えをいただきたいと思うわけでございます。 それから、もう一つは、単位の互換性の問題について各大学との間で、放送大学で履修した単位を他の大学で認定できる、放送大学で受講したものがそのまま既存の大学の単位として認められるということについては、どこまできちっとした話が国大協等との間で進められているのか。これは局長に伺います。
○佐野政府委員 制度的には、先ほど来お答えを申しておりますように、三十単位を限度としまして大学間の単位互換は可能であるという道が開かれております。 しかし、放送大学の教育が行われた場合に、個個の大学がそれを何単位まで採用するかというようなことについて、個々の大学との間あるいは国大協との間で話が詰められているわけではございません。むしろ大学側の対応は、放送大学の教育の具体の内容を見なければという構えが基本的にあるわけでございます。 この点は、先般実施をしました放送教育開発センターの実験番組の放送等を通じて、かなり国大協側にも放送大学の放送による教育の内容についての期待がございますけれども、具体に個々の大学とどのように互換をするかというようなことはこれから大学と放送大学との間で協議が行われていくことでございます。
○西岡委員 しかし、この問題も、放送大学の社会的な位置づけと申しますか、どういう評価を受けるかということに非常に密接に関係する問題ですし、実はこの十年間こうした問題についても既存の大学がどのように反応するかということが一つの重要な課題だったと認識をしているわけです。これからの問題ではなくて、文部省がいままでにある程度詰めておかなければいけない問題ではなかったかと思うのです。 というのは、放送大学がすでに設立されてしまえば、これは文部省の大きな政策として、放送大学を設立するという時点で既存の大学との間でこうした問題についてのある程度の詰めが行われておきませんと、特殊法人としての放送学園が設置されて、国立大学との関係はそういうところで話し合いをするといってもそれでは済まない課題だと思うのです。 それは文部行政の問題だと思うのですが、そういうことについての見通しについてはどうお考えなんですか。
○佐野政府委員 もちろん、放送大学とそれぞれの大学との間の個別の協議ということが事の性質上どうしても必要でございますけれども、それにゆだねておいて事柄が円滑に進展することではないということも承知をいたしております。 文部省として、放送大学の活動を助けて国立大学協会なりあるいは私立大学の関係団体との間で全体的な問題提起をし、協議をする、あるいは個個の大学との協議について、それぞれの個々の大学に対してもその方向を勧奨するというようなことはもちろんしなければなりません。しかし、実際にこれまで私どもが国大協の関係常置委員会等と対応いたしておりましても、やはり、放送大学というものが現実のものとしてできてくるということが確実になってこないとなかなか大学側の対応は鈍いというのがわれわれのこれまでの折衝から受けている率直な印象でございます。 放送大学学園の設立ということによりまして、具体に放送大学がいよいよ設立をされるということを前提としながらさらに国立大学側との協議を進めていく、そういう決意でいるわけでございます。
○西岡委員 放送大学が現実のものとなってきたわけですから、この場での文部省としての見通しとして、もちろん科目にもよると思いますし、放送大学で履修したものがそのままそっくりどの科目についても各大学で単位の認定を受けられるというものではないという面もあるのではないかと思いますが、科目によっては単位の互換性というものが可能であるという見通し、文部省としては見通しの問題としてそうなるであろう、またそうならせなければいけないという見通しの確信がおありかどうか、その点をお答えいただきたい。
○佐野政府委員 私は、三つの点で、放送大学の教育が各大学において活用されるであろう、また活用されなければならないと考えております。 一つは、教育需要の予測調査におきまして、放送大学で勉強をしたいという者の中に、現在大学の学生である者のパーセントが非常に高いということが一つございます。それは現在の学生が放送大学に期待をしているということであろうと思います。 それから、もう一つは、放送大学の行う教育の内容というのは、いわゆる大学で言えば一般教育のところに該当するものが非常に多いわけでございます。各大学とも一般教育をどのように改善するかということについてはそれぞれ問題意識を持って検討しているわけでございますし、そういう意味では放送大学の教育が各大学の一般教育のあり方にいい意味での影響を与えるということは当然期待できますけれども、さらにそれを一歩進めて、放送大学の単位というものが各大学の一般教育における単位として活用される可能性というものは十分にあると考えているわけでございます。 さらに、三番目には、いまも申したことでございますけれども、いまの大学のあり方からして、その教育の方法、特に一般教育の教育の方法なり内容というものについては、その改善というものが非常に大事な課題になっておりますし、そのことはそれぞれの大学においても意識をされていることでございますから、そういうことを前提として単位の互換というものが進められていくであろう。 さらに、これまでの経験からしまして、大学側は、第三着のつくった番組というものについては、それを自分の大学の問題として取り上げるということについてなかなか積極的にならないという悪い癖がございますが、放送大学の場合には、その放送大学の番組の制作それ自体にできるだけ多くの大学のすぐれた教官の参加を得てつくっていくという方法をとっていくわけでございますし、そういう放送大学の教育内容の編成に参画をする教官というものを通じて、それぞれの大学における放送大学についての理解というものが高められていくことも期待できると思います。 いずれにしましても、これからの課題ではございますけれども、私どもはそういった積極的な意欲を持っていまの単位の互換の問題を進めてまいりたいと考えております。
○西岡委員 それでは、単位の互換については科目によってそういう方向で——まだこれはあとスタートしてそういうような現実の問題が起こるのには数年あるわけでございますから、それまでに見通しがつくというふうに理解してよろしゅうございますね。
○佐野政府委員 個々の大学のどの科目についてというところまで、どの程度具体化するかという点についてはこれからのことでございますけれども、既設の大学と放送大学との間の単位の互換の道が、放送大学の実際の教育がスタートするまでの間に一つの見通しを得るということは期待できると私は思います。
○西岡委員 次に、これも先ほど若干の質疑があったわけでございますが、学説が分かれている科目について、たとえば最近は経済学も単純にマル経、近経というふうに分類するのもむずかしいわけですけれども、憲法の解釈にしても、一般教養として憲法の講義がどういう立場からなされるかということにいろいろ問題があると思うのです。 それで、私も、この放送大学の構想が行われた当時、NHKの行っております大学講座というものを参考のために一年ばかりずっと聞いたことがございますが、一つの学説だけが放送をされるということにはやはり問題がある。少なくとも対立する有力な学説が二つあるとすれば、たとえば憲法の講義は二つのものが放送大学によって放送されて、そのどれをとるかは受講する方の選択にゆだねられる、少なくともそういう対立する有力な学説がある学問の分野については複数のものが用意されるというような時間帯等の配慮というものが、これは技術的な問題も含むわけですけれども、どこまでなされているのか、その点はどうでしょうか。
○佐野政府委員 その点は大変むずかしい問題だと思います。問題が二つあるわけで、一つは、仮に二つの講座と申しますか、授業科目を開設するにいたしましても、それぞれの授業科目において特定の見解だけを講義するというわけには放送法のたてまえからいけばいかないだろうと私は思います。それぞれの授業科目において対立する見解のある場合には、それを公平に紹介するということが放送法の要請するところであろうと思います。 もちろん、その紹介の仕方として、一つの四十五分間の番組の中でそれをしなければならないとまで窮屈に考える必要はなくて、一つの単位が終わるまでの間に紹介をされていけば足りると解することは不可能ではないと思いますけれども、そういうことではなかろうかと思います。 さらに、放送大学の教育のあり方からして、対立するものについていわばABCというような授業科目を開設して紹介をするというよりは、やはりコースチームによる討議を経て、一つの授業科目の中で対立する見解を公平に紹介しつつ、しかも学術的なその教授の見解というものについては、大学の学問の自由ということとそれから放送法の要請ということに十分留意をしながら慎重な態度のもとにそれを述べていくという、そういう形で放送大学の講義というものが行われることが望ましいのではないかと思います。
○西岡委員 これは非常に大事な問題でして、たとえば憲法の講義について、その科目を担当する教授というものは一人の教授がなさる。その教授の放送というものは当然自分の信ずる学説に基づいてなされるわけであって、これは大守の講義ですから、小学校、中学校等の授業とは違うわけで、いろいろな学説を紹介して、自分はこう思うけれどもこうだというようなことは少なくとも大学における講義のあり方としては考えられないのではないかと思うのです。そういう問題についてはどうお考えなのでしょうか。
○佐野政府委員 放送法四十四条三項が要求をしております議論の対立する問題についてできるだけ多くの角度から論点を明らかにするということ、あるいは政治的に公平であること、これは放送大学の講義についても全面的に適用されてしかるべきものでございます。 したがって、いま御指摘のような憲法の判例についての解説というようなものについてはもちろん対立する見解を公平に示されなければなりませんし、また、恐らくは事柄が政治的性質を持つ問題でございますから、政治的公平という観点からも留意をしなければなりませんけれども、放送大学において憲法の判例というようなものについて特定の見解を示すことが全く禁止されているものと四十四条三項を解する必要はなかろうと考えております。 やはり、大学の講義として教授が自分の見解を示すということは許されてしかるべきである。ただし、その場合に、通常の大学に比べて四十四条三項の要請がございますから、その意見を示す示し方がきわめて慎重でなければならないし、反対の見解が十分に示され、それを考慮された上で、学問的な公正を失しないようにその講義が行われなければならないということはもとよりのことでございますけれども、事の性質は私はいま申し上げたようなことではなかろうかと存じます。
○西岡委員 いまの問題は、この議論だけでも相当の議論を深めなければいけない問題だと思うのですが、ずばり言って、放送法のたてまえと学問の自由という問題とどちらが放送大学においては優先されるのでしょうか。
○佐野政府委員 やはり、放送を利用する大学でございますから放送法の規定というものが適用されるわけでございますし、それに沿って大学の講義というものが行われるわけでございます。 その限りにおいては、学問の自由と申しますか、いわゆる教授の自由というものについて、大学の側における一つの自制というものが必要になる、そのように考えます。
○西岡委員 この問題はなお議論を深めなければいけない問題だと思いますし、実際に放送大学がスタートするまでの間になお議論を進めていく課題ではないだろうかと思います。 もう一つの問題として、先ほどからこれも各委員の間で論議の中心になっておりました放送大学というものの大学の自治の問題になるわけですが、先ほどから学校教育法の五十九条とのかかわりの議論が山原議員からもなされていたわけでございますが、この放送大学における大学の管理運営の機関というのは、この放送大学の評議会というものが管理機関というふうに考えていいわけでしょうか。どこが管理機関ということになるわけでしょうか。
○佐野政府委員 この学園は、大学を設置し、かつ放送局を設けて放送を実施するわけで、それを全体の事業とするわけでございます。 そういう意味で、大学の設置、放送の実施を含めた業務というものは、これは法人の仕事でございますから、理事長、理事というものがその全体についての責任を持たなければなりません。また、そのことは大学の教育の内容について理事長が介入できるということを意味するものでもないわけであって、大学はやはり大学として、その教育研究については学長の統督のもとに大学の教員が事に当たるわけでございます。 評議会というのは、この大学の場合、特に人事の問題について評議会の議を経て事を決するというように処理をしているわけでございますけれども、これはこの大学の行う教育活動というものがきわめて多様であり、かつ複雑であり、学習センターの教官であるとか、あるいは場合によれば客員教授までがいわゆる教授会のメンバーになり得る形をとりますので、当然このような形をもって大学の自治を保障するということが適切であると考えておるわけでございます。
○西岡委員 現行の学校教育法の中には、大学の管理について責任をどこが負うかという規定はあるのですか。
○佐野政府委員 大学の管理について責任を負うということの意味でございますけれども、大学の管理を行うのは、これは設置者でございます。
○西岡委員 ところが、管理機関という規定は現在の学校教育法の中には規定されておらず、先ほどから議論が行われておりますように、五十九条で教授会というものが重要な事項を定めるということが定められているだけであって、あとは教育公務員特例法の中で、読みかえ規定という形でこの管理機関についての読みかえがそれぞれ行われているという形に現行の制度ではなっているわけです。 したがって、今度の放送大学というものがこうした学校教育法及び教育公務員特例法に準拠した形で定められているというふうに私には理解できないわけですが、その点はどうでしょうか。
○佐野政府委員 もちろん、この大学は国立大学ではございませんから教育公務員特例法の適用があるわけではございません。しかしまた一面特殊法人の設置をする大学であり、しかもその大学について、放送の実施というような非常に困難な課題を抱えている中での大学の自主性の確保ということを考えなければなりませんので、人事の問題について評議会の規定を特に規定したということでございます。
○西岡委員 そうすると、この放送大学における教授会というものは、やはり学校教育法五十九条に定める教授会、つまり、「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。」という定めに従って教授会というものが設置されるということになるわけですか。
○佐野政府委員 五十九条の規定をもちろん排除しておりませんので、教授会は設置をされるわけでございます。 その教授会が審議をする重要事項というものが具体にどのようなものであるのか、あるいはその教授会の構成をどのようにし、また、どのような運営方法をとるのかということは、これは放送大学が決めることでございます。 しかし、少なくとも一般の教授会、国立大学の教授会であれば、重要な事項として考えられます人事に関する事柄は評議会に権限が移っているということでございます。
○西岡委員 この放送大学の問題とは議論としては若干異なることになるわけですけれども、現行の学校教育法の五十九条に定める教授会が行うとされている「重要な事項」というものは、その内容が実のところあいまいな形になっていて、重要な事項とは何なのかということについては、法制上のきちっとした規定というものは少なくとも現行の学校教育法には規定されていないが、これはやはりいつの日にか明確にされるべき問題であると、そのように大臣は御理解になっておられますか。
○内藤国務大臣 そのように了解しています。
○西岡委員 それならば結構でございます。 冒頭に申し上げました放送大学の最終的な計画というものが改めて大臣から示されなければ一番肝心な問題がまだ明確でございませんから、きょうはこれ以上議論を深めることはいたしませんが、最後に、この問題について、各大学等が行っております既存の通信教育がございますが、これとの関係はこれからどのように調整をされていかれるのか、通信教育を現に行っている大学との間でどういう話し合いが進められているのか、この点をお聞きしたいと思います。
○佐野政府委員 私大通信教育の側とは従来から、構想を固めていく段階で、調査会の中に参加をしていただきながら検討をしておりますし、また、別途通信教育協会の関係の方々と協議をする場を設ける等の努力をしてきているわけでございます。 この法案の中におきましては、一つは放送大学の施設なりあるいは教材を通信教育の利用に供することができるという規定を設けて、かねて通信教育側が要望をしております学習センターの通信教育による利用というものが可能になるような方途を講じているということが一つございます。 それから、さらに、放送大学の放送において、放送大学のための放送、放送大学の教育のための放送だけではなくて、私大通信教育のための放送も実施できるようにしてほしいという御要請がございますが、これも目的を達成するために必要な業務という形で認可を得れば実施できるように措置がしてございます。 実際には通信教育を実施する大学の数は非常にたくさんございますから、それが全部やれといってもなかなかできない。そこのところをどのように通信教育協会の方で御調整をいただくか、共通教材の部分についてやるとか、あるいは特定の大学のものをやるとか、それはいろいろな調整の仕方があると思いますけれども、放送大学の教育に支障のない範囲で放送大学の放送を通信教育のために実施するということは可能でありますし、そのことを考えているわけでございます。 さらに、もう一つ、私大通信教育の側には、放送大学の運営についてやはり私大通信教育協会の意見が反映されるような方途を講じてほしいという御意見がございますが、これについては、運営審議会のメンバーの中には当然私大通信教育の関係の方が参加されるということを予定して考えているところでございます。
○西岡委員 この問題は本来文部省、国がもっと積極的にやらなければいけない分野を私立大学が非常に長い年月をかけて努力をしてこられている分野でございますから、私大の通信教育の関係の皆さん方の意見あるいはこれまでの努力というものが十分報われるという形で文部省としてもぜひ御検討をいただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 もう一つ、この問題に関連しまして最後にお尋ねしたいことは、この放送大学の一つの、将来にわたって望ましいと考えられる、ほかの大学でなかなかできない分野というものは、世界的な学者がこの放送大学を通じてそれぞれの学説というものを講義してもらえるという面でも放送大学というものが果たす役割りというものは非常に大きいと思うのですが、そういう点も当然文部省はお考えであろうと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のとおり、外国人の教授に放送大学の教育活動に参加をしていただくということは望ましいことであります。客員教授なりあるいは専任の教授としてお迎えをするということももちろんできるわけでございますし、さらに、現在、国立大学について、特にすぐれた研究業績をお持ちの教授を特別招聘の外国人教授という形で、期間は三カ月とか六カ月とかきわめて弾力的な対応をしておりますけれどもお迎えをするというようなことをやっております。 その場合には特定の大学でだけ活動をされるのではなくて、ある大学をいわば基地として、周辺の大学で、その教授のいろいろな講義であるとかあるいは討論であるとか、そういった形での、言葉は適切でないかもしれませんが活用をさせていただいているわけでございます。 そういった場合にも、放送大学で、いわば放送大学のカリキュラムに沿った特別講義を実施してもらうというようなことも考えられるわけでございますし、御指摘のような方向については放送大学の方で十分積極的に考えてもらいたいと思っております。
○西岡委員 そこで、大臣、これは新聞でちょっと拝見をしたのでございますが、昨年来、外国人の教授を国立大学に起用するということについて法制上の整備をし、文部省が法案を提出して積極的に外国人の教授の方々を国立大学に招くことができる制度的な措置をとりたいということで法案等の作成の準備がなされていたが、それが提案を見送ることになったというふうに報道がなされていたのを見たわけでございますが、これは一体どういうことですか。 この放送大学の問題とは直接関係のある問題ではありませんが、本来文部省はこうした問題にもっと早く積極的に取り組まれるべきだと思うのですけれども、今国会にはもう提案なさらないということを正式にお決めになったのでしょうか。
○内藤国務大臣 お話しのように外国人教師を日本人と同じ待遇をしたいということで私どもも一生懸命努力してまいりました。ところが、法制上の問題で、特に管理職の問題をどうするかというような法制上の問題にやはり疑点が出たので、ちょっとこの国会には間に合いそうもないということでいま困っておるところでございます。
○西岡委員 それでは、一時議論が出ておりました議員立法ででもこの問題は進めるべきであると私は思っているわけでございますが、文部省としては事務的な各省間の調整が現状ではなかなかむずかしいという結論なんでしょうか。
○佐野政府委員 いろいろ問題はございますけれども、やはり一番大きな問題は、外国人を正規の教授、助教授に迎えた場合に公務員法の法理との調整をどのようにするかということでございます。 わが国の公務員法の場合には、外国人は公権力の行使ないし国家意思の形成に関与する仕事にはつけないということがございます。したがって、大学で言えば教授会のメンバーになるような教授、助教授には就任できないというふうに解釈をされてきているわけでございます。したがって、外国人を国立大学の教授、助教授に任用するということを法律で定める場合には、その外国人の教授、助教授をどのように位置づけるか、言葉をかえて言えば、その教授に対する権利の制限の態様をどのように考えるかということがむずかしい課題になります。この権利の制限というものを余り激しく考えますと、現在でもすでに御案内のような外国人教師の制度というものが別途ございまして、個人的な基礎においてなされる契約によって雇用されている外国人教師が常勤の者だけでも二百三十四名おるわけでございますから、それとどこが違うのかという議論になります。 したがって、そういう外国人教師の現在の制度というものを前提にしながら、それと併存をしてさらに正規の教授、助教授に任用できる道を開くという場合の、その教授、助教授の権利制限の態様というものについて議論を詰めて、なかなか成案を得ることができないというのが現在の状況でございます。 私どもは今国会で御審議をいただくような形で法案を取りまとめることはできない、今国会の政府提案は見送らせていただきたいと考えておるわけでございます。
○西岡委員 この問題は、これからのわが国の教育、特に高等教育、高等教育のみならず全般の問題として非常に大きな課題の一つであろうと思いますし、これは委員長へのお願いでございますが、この問題についての各党の御意見等は、どういうお考えをお持ちか私もまだ十分に承っておりませんが、文部省が政府の内部で調整することはなかなかむずかしいということであれば、委員長として、文教委員会でこうした問題については各党の間で話し合いを進められて、場合によっては委員会としての方向づけをするようにお取り計らいをいただきたいということを要望いたしたいと思います。 以上で放送大学に関する質問は終わるわけでございますが、私の持ち時間があと八分ばかりございますので、全く別の問題で委員長のお許しをいただきまして、一点だけ文部大臣にお尋ねをさせていただきます。 昨日文部省の事務当局が与党の自民党文教部会で、いま問題になっております教育委員の準公選制の問題で、「任命制の教育委員を準公選制に切り替えるのは、地方教育行政法に違反する。しかし、国として実施を阻止する法的な手段はとれない」という説明をなさったということが新聞にきょう報道されているわけでございますが、この教育委員の準公選制について文部省としてはどのように対応され、これから取り組まれようとしておられるのか。それと、そしてまた、昨日与党の文教部会に事務当局が御説明になった意味はどういう意味なのか。この一点だけお答えをいただきたいと思います。
○諸澤政府委員 事務的なことも含めて御答弁申し上げます。 中野区ではかねてから教育委員の候補者の選定について住民投票を実施して決めるべきだという住民の動きがございまして、直接請求による条例制定の請求があって、去年の十二月に区議会でその趣旨の条例案が可決され、当時の、現在もそうですけれども区長が、それは違法の疑いがあるということで再議に付しましたけれども、再び区議会はこれを議決をした。 そこで、次に議長のとり得る法的措置としては、この条例案が違法であるかどうかということを東京都知事の裁定を仰ぐという方法がございまして、一月の八日でしたか、都知事に裁定の申して立をし、四月の五日に当時の美濃部知事が、これは合法であるという判断を示したという経緯がございまして、その間文部省としましては、昨年の暮れでありましたか、先ほど先生がちょっと言われましたけれども、この条例案は、地教行法の四条にいうところの、区長は自分の判断において教育委員の候補者を選任して、これを区議会に諮り、その同意を得て任命をするという、その区長の候補者の選定権、任命権というものを条例において制約するという点において、これは地教行法に違反するという見解を公にいたしまして、これを都知事とともに中野区の方にも伝えたわけでありますが、その点が理解されずにいまのようなことに至っておるわけであります。 そこで、次の区長が法的になし得る措置としては、都知事の裁定が出ましてから六十日以内でありますから、つまり六月四日までの間に今度は裁判所にその条例の違法を争う訴えを提起することができるということでありますが、当時の区長は任期満了を目前に控えて、自分はその判断をしない、次の区長が選定された場合にその区長の判断にゆだねるということで選挙戦に入りまして、結果としては三千票の差で新しい青山区長ですか、生まれまして、その区長は選挙戦の最中に自分はこれは推進したいということを語っておりましたので、当選と同時に、文部省としては、都の教育委員会を通じてぜひこれは再考してもらいたいということを申し入れたわけでありますが、いまのところどうもその気配がない。 そこで、昨日の報告としては、そういう経過を踏まえて、しかしさらばといって法的にこれを阻止する手段というものはいまのところちょっと考えつきませんと、こういうことを御報告したわけでございます。
○西岡委員 もう時間がございませんから、またの機会にもう少し詰めた議論をいたしますが、そうしますと、こういう動きが仮に各地で起これば、文部省としては、現在の教育委員会の制度というものが制度上根底から実質的に変質してしまうが、これは避けられないという御見解をお持ちなんでしょうか。これは大変なことだと思うのです。
○諸澤政府委員 私どもは、いまも申しましたように、この条例案は地教行法に違反する、つまり法律違反の条例であるというふうに考えるわけでございまして、そこで、現在の地教行法にしてもあるいは地方自治法にしてもそうでありましょうけれども、地方公共団体の議会等が憲法や法律に違反する条例をつくるはずはないということが前提となって地教行法やなんかができていると私は思うのです。 したがって、おっしゃるように、結果としてはそういうものをどんどんつくるということになれば、文部省は何をやっているのだとおっしゃられるかもしれませんけれども、それはいま言ったようなことでございますから、やはり、関係者がいまの条例案の中身というものは法律に違反するのであるということを認識していただくということをさらにわれわれとしては趣旨徹底に努めるという以外にはちょっとないのではなかろうかというふうに考えるわけです。
○西岡委員 この問題はわが国の教育行政の基本にかかわる問題でございますし、私は、教育委員会制度についてはこうした問題を契機として根本的に考えるときが来ているのではないかと思うのです。 私は公選制にすべきであるという立場をとるものではありません。しかし、こういう地方自治のあり方の問題と教育行政、義務教育についての責任がどこにあるのかという問題について、やはり基本的な問題を今回投げかけられていると思うわけです。 大臣はこうした問題についてどういう基本的な御決意で対応なさるおつもりか、これだけお尋ねをいたしまして私の質問を終わります。
○内藤国務大臣 いま初中局長が申しましたように法律違反であることは間違いないのですから、いま、私は、都の教育委員会が中野区の教育委員会に十分御指導をしていただきまして、法律違反のないように積極的な御指導を願いたいというふうにお願いしたいのですが、それでもそういうことが起きた場合には、今後これは重大な決意をしなければならぬと考えております。
○西岡委員 終わります。
○坂本委員長 次回は、来る二十七日、午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十分散会