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87回国会衆議院1979/05/29

物価問題等に関する特別委員会 第5号

発言数
102
登壇者
11
会派数
4
開催日
1979/05/29

会議録

鈴木強日本社会党

○鈴木委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 最初に、小坂長官にお伺いをいたしますが、きょうは、各党の申し合わせによりまして、当面する石油問題と物価について、各党それぞれこの問題を取り上げることになりましたので、そのように御理解をいただきたいと思います。  去年の末にイランの政変が起きまして、石油の需要が逼迫をしたわけであります。これは世界の経済情勢に非常に大きな影響を与えたわけでありますが、さらに、わが国は円高から一転して円安という状態になりました。御承知のようにOPECは大幅な値上げを決定しておりますし、海外の市況高の影響もあって、この十一月から連続七ヵ月卸売物価が高騰、急騰を続けておるわけであります。四月には一・七%、これは後で申し上げますが、政府の五十四年度の卸売物価の見通し、たしか一・六%だったと思いますが、一ヵ月で一年間の見通しを超える、この一ヵ月一・七%という急騰は、年率にいたしますと二二・四%という大変な数字になるわけです。去る二月二十六日に、政府が物価対策の総合的推進として八項目を打ち出されまして、引き続いて四月の五日の物価担当官会議あるいは五月十五日の月例経済閣僚会議、いずれもこの二月二十六日の八項目の推進を再確認をしておられるわけです。特に公共料金の改定、あるいは石油製品の値上げ、これは高騰の引き金になる、したがって、極力抑制が必要だということが述べられておるわけですが、最近の世界経済情勢の動向、それから国内の物価対策、このことについて長官はどういうお考えを持っておられるか。いま申し上げましたように昨年の十一月から卸売物価が急騰しておるわけですが、その原因をどのように理解しておられるか、消費者物価にどうはね返ってくるとお考えになっておるだろうか、影響と時期、そういうことについて最初に小坂長官の見解を求めておきたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 お答え申し上げます。  ただいま武部委員のおっしゃられましたような状況であることは、われわれも確認をいたしております。したがいまして、現在の卸売物価の情勢はきわめて警戒すべきものであるという基本的な認識を持ちまして、そうした認識のもとに立ちましての対策には現在全力を挙げて努力をいたしておるところでございます。また、幸いなことにまだ消費者物価はきわめて安定的に推移しておりますので、われわれといたしましては、消費者物価への卸売物価の上昇のはね返りというものを極力防ぐということ、同時にまた、この卸売物価の上昇の原因が、委員も御承知のように、円安傾向であるとか、あるいはまたOPECの石油の値上げであるとか、あるいはまた中越国境紛争であるとか、今年に入りましてからいろいろな事態が起こったわけでありますが、こうしたことの影響による海外輸入による影響、特にわが国は多量の原材料を輸入しておりますが、そうしたものに対する全般的な影響がこうした世界情勢の変化によってもたらされたわけでございまして、その反映が現状におきましても大体五割ちょっとの程度まできておると思いますが、こうした影響を受けての現在の卸売物価でございますので、われわれといたしましては、この海外要因による影響というものに対してこれが国内要因というものにさらに拡大をすることを極力防止するための措置、つまり、これは特に産業界にありましては、生産性を向上してこうした原料、材料、資材等の値上がりを吸収してもらうということを最も強い姿勢の中でお願いをしているのが一つでございます。また、  一方におきましてはインフレマインドをなるべく鎮静をしてほしいということから、御承知の公定歩合の引き上げ等も行う。さらにまた、便乗値上げ、これが一番われわれとしましても困る点でございますので、この便乗値上げに対応しての措置を、特に通産省を中心に公共の製品につきましては末端の動向、そしてまたそれらの動きについて  の監視を十分に行うということ等を総合的にいま展開しているところでございます。  この五十四年度におきまする経済計画の中での卸売物価の上昇を一・六%程度といたしておりますが、ただいま武部委員の仰せられましたように、四月の現時点においてすでに相当なところまできておるというのは事実でございますが、しかし、われわれとしましては、この四月の時点はまだ今年度のスタートでありますし、また今後の為替の相場の情勢とか、あるいはまた全般的に見た世界的な戦略物資と申しましょうか、そうしたものの動向とか、あるいは世界全体の動向等もこれからなお変化があるというふうにも考えまして、現時点におきましては、一・六%程度の上昇というこの計画については、なおこれを改定することなく、今後の努力によってなるべくその線に落ちつくようなことをぜひ達成したいという熱意で当たっておるわけでございます。  消費者物価につきましては、卸売物価と消費者物価にはそれぞれ違う価格形成もございますので、私はこうした点を特に重視して、インフレマインドの抑制ということを特段に重要な柱として、四・九%の枠内におさめる努力を今後は続けてまいりたい。幸いなことに、御承知のように現時点におきましては消費者物価の動向は東京都区部におきましてもまだ前年対比が二%台でございますので、こうした傾向は今後はぜひとも全力を挙げて守っていきたいという熱意で物価対策を推進してまいるつもりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 経済企画庁が卸売物価急騰の問題についてその特徴を分析しておられるのを私拝見いたしましたが、いまもお話を聞いておりまして、輸入のインフレであるとか石油の高騰であるとか円安だとか、あるいは需給ギャップによるインフレ心理が高まったとか、いろいろな点の分析がされておりますが、私もこの分析の問題については同感であります。  小坂長官は先日、五月十五日の閣僚会議で、当面の経済運営のポイントは物価の安定だ、こういう発言をされておるというのを私ども承知をいたしました。それまでは景気と物価と両にらみの政策がとられておったというふうに私どもは理解をしておったわけですが、そういう意味でこれはまさに政策の転換だというふうに一応理解できるし、物価政策に重点を置かれた姿勢になったなというふうにも理解するわけで、これはまさに今日の時宜を得た政策転換だというふうに私は評価ができると思うのであります。ただしかし、政策転換はあったけれども、対策についていま一歩突っ込みが足らぬじゃないかという気がしてならぬのでありまして、これから具体的にその問題についてお伺いをいたします。  確かに卸売物価が消費者物価に影響を与えるのは六カ月から九カ月と言われておりましたけれども、今日ではテンポが早くなって三カ月から四カ月ぐらいで消費者物価に影響が来るというのが現実の姿じゃないだろうかというふうにも思います。私の県は田舎ですから物価の上昇が大変おくれておったわけですが、今度対前月比で消費者物価が一遍に二・六%も上がったということがつい四、五日前に発表になりました。テンポが早くなったということはもう紛れもない事実であります。そこで、いまおっしゃったような、たとえば消費者物価の問題にどのように政策を置くかという点についていろいろと御苦労なさっておるようでありますが、この問題についてお伺いいたしたいのであります。  五月十七日に小坂長官と通産大臣が財界の首脳と会談をされて、物価の安定について産業界に協力を要請された。これに対して経団連の土光会長が、いまお話がございましたように、便乗値上げや不当な価格のアップは厳に慎むというふうな約束をされた、このように理解をするわけです。ところが、三菱銀行の調査がここへございますが、この調査によりますと、企業は減量経営で設備や人手が余裕がない、また景気の先行きが不透明なので増産よりも製品の値上げだ、増産するよりも製品を値上げしてもうけようとするような経営姿勢、これは端的に言えば価格指向型経営運営と言ってよかろうと思いますが、そういうことが三菱銀行の調査によって出ておるのであります。私は、日本経済の当面する最大の課題は先ほどから申し上げておりますように物価の安定だ、さらに公共料金の安易な値上げはやるべきじゃない、こういうように考えておったのですが、前回のあなたの所信表明のときにも申し上げましたように、このことは一貫して私どもが主張してきたとおりです。なのに公共料金は軒並みに引き上げるわ、後で申し上げますが、灯油の価格は凍結を解除するわ、そういうことでは政府が本当に国民生活の安定に努力しておるだろうかという点については大変疑わしいのであります。産業界が値上げの自粛を、先ほど申し上げたように、約束をされましたけれども、現実には製品の価格がじりじりと上昇しておるというのも、これまた紛れもない事実であります。あなたの方で便乗とか不当な値上げの問題について経済界に要請されて、経済界も便乗値上げや不当な価格アップは厳に慎むということを回答されておるようですが、一体何が便乗で、どれが不当な値上げなのか、これは政府自身が国民の前に明らかにすべきじゃないか、このように思うのであります。したがって、一体何が便乗で、何が不当な値上げなのかということを明らかにしないならば、政府の政策は国民に疑問を持たれるだけではないかと私は思います。先ほど三菱銀行の企業経営の意識調査というものの結果をちょっと読み上げましたけれども、あなた方お二人の大臣がわざわざ経団連に出向いて、物価抑制に対しての協力要請をされた。それだけではこの事態は好転するとは思われません。前回のオイルショックのときを見れば一目瞭然でございまして、政府自身として万全な物価抑制ということについて一体自信があるだろうかということを大変疑問に思うのですが、先ほど申し上げたような三菱銀行の調査、そういうものから見て再度小坂長官の見解を承っておきたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 私も三菱銀行の調査レポートを読みました。そしてまたここに書かれておることは民間の調査機関としての行き届いた調査であるということも感ずるわけであります。しかし、われわれといたしましても、現在の日本の生産力そのものに余裕が全くないという見解にはにわかに同意しかねる点があるわけでございます。もちろん多少設備が過去六カ年ぐらいにわたる不況で更新をされてないという面もあると思います。しかし生産力それ自体としてはまだまだ現在の需要に対しても相当に供給力は多いという認識を持っておるわけでございまして、将来にわたってなお日本経済が、われわれの今年度の予測としましても六%程度の成長ということでございますから、これをさらに非常に上回っての成長になっていくという場合には多少三菱銀行の指摘するような事態が個々の商品については起こり得る可能性はあると私は思いますけれども、全体として見た場合には、その点についてはなお大変に余裕があるというふうに考えております。しかしこのわれわれの見方自体も、ただいま武部委員の御指摘のような問題はわれわれは決して反対論として承っておるわけじゃないのでありまして、そのような御指摘を十分踏まえて今後とも日本の供給力そのものについての厳重な想定と申しましょうか、そうしたことを努めてまいりたいと思っております。  ただ問題は、石油の供給量の問題、そしてまた価格の問題が一面におきましてはこれからの日本経済には非常に大きな影響を与えることでもございますが、特に三月末のOPECの値上げということと同時に、全体の供給量も、先日行われましたIEAの総会において確認されましたように、二百万バレル・パー・デー不足するというような基本認識、したがいまして五%の消費量の節約はどうしてもやらなければならないという再確認、このような事態を日本としましても十分守っていかなければ、やはり日本自体としてもいろいろなかぶりを受けざるを得ない。供給量の問題あるいはまた価格の問題において、むしろこうした国際的な動向に対してわれわれが十分こたえていくということをしないと孤立化するおそれさえあるということ等も考えておるわけでございまして、このような状態で五%程度であるならば、逆にまた日本の現在の需要供給を根本から揺るがすような石油の消費節約ではないという認識のもとに立っておりますが、これらの問題等につきましても今後引き続いて十分監視をし、それに対応した政策展開を早目早目にとらせていただきたい、そのように考えるものでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いま石油の問題にお触れになりました。私はこれから石油の問題を取り上げたいと思いますが、あなたの週刊東洋経済との具体的な物価対策についてのインタビューを私は拝見をいたしました。これはわれわれから見れば大変的を射られた発言だというふうに理解をして拝見をしたわけですが、全部読み上げるわけにいきませんが、その中でこれからポイントになることだけちょっと、価格の問題、量の問題、値上げの問題に関連いたしますからお伺いをいたします。  あなたがことしの四月十四日号の週刊東洋経済のインタビューの中でおっしゃっている中で、「石油関連商品の価格動向については、通産省が毎週、チェックすることを決めた。これはかなりきびしい行政指導だと思う。それから便乗値上げを食い止めるために、操業度が低くて価格が上がっているものについては、正常な操業度まで引き上げ、供給をふやすように指導できると思う。どこまでが原料コストのアップ分で、どこからが便乗値上げかの見きわめはむずかしいが、設備能力に余裕のあるところは動かしてもらうことだ。」という点を前段で言っておられます。そして後の方でこの値上げの問題に触れておっしゃっていることが問題なんですが、「原油値上げで、石油業界は苦しいというが、ほんとうにそうだろうか。昨年、円高差益が二兆一〇〇〇億円出たが、この一年半に経費が九〇〇〇億円ふえ、あとガソリンの安売り、灯油の価格据え置きで帳消しになったので、値上げしたいといっている。しかし、この一年半、一般の産業界は血を吐くような合理化努力をしてきたのに、石油会社は一二−一三社で九〇〇〇億円も経費がふえたという。ガソリンの安売りにしても一兆円にはならない。それなのに、OPECの一〇%値上げを先取りして上げるという……。」値上げ通告に対しては、「通告しているが誰も認めてはいない。原油がいつ、いくらで入ってきているのか、在庫をどう使っているのか、そのへん具体的に説明してもらわないと誰も納得しない。その資料を示せというと、業界の人は口をにごしでしまう。」「いまは値上げしなければ石油業界はやっていけない状態ではないし、物価を考えれば、安易に認められるものではない。」これがあなたの対談における答えです。私はこれをずっと読んでみまして大変的確な点を指摘されておるというふうに理解をいたしましたが、いまでもその考え方に変わりはございませんか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 私は、ここに申し述べたことは何もこの雑誌だけに言ったんではないんで、国会の答弁におきましても同じようなことを御答弁した記憶がございますが、こうしたことが明確にわれわれにわかるように石油各社が説明をする義務があると私は思うのです。しかし、なかなかそうしたことはなされないで、末端におけるガソリンの配給量その他を制限しながら、あるいはそれをいじりながら値上げを強要しているのがどうも実態であるようでございまして、この点については私も非常に残念に思っておりまして、通産省ともよく協議いたしましてこうした問題についての実態をさらに詳しく掘り下げてもらいたいということで、通産省側も努力していただいているはずであります。

武部文日本社会党

○武部委員 わかりました。  そこで通産省にも聞いておいていただきたいと思いますが、いま読み上げました数字に関連して、一体石油業界は円高差益の問題をどのように処理しただろうか。一体このOPECの値上げを国内の値上げに転嫁する必要がありや否やということについてこれから申し上げますので、そのことをひとつ参考にしていただいて、後で御答弁いただきたいと思います。  二兆一千億円という数字、これはかねがねわれわれが当委員会で石油業界の円高差益の問題を論議したときに出てきた数字であります。二兆一千億円の円高差益の収入があった。一体それがどのように使われたのだろうか。これは当委員会でも発言がございましたように、電力への間接差益分を環元した、この金額が約一千億円です。そのほかにガソリンの安売り分というのが計算上出てまいりますが、これは十五円ほど下がっておりますから、これに下期の千六百九十万キロリッター、これに対して十五円の値下げですから、金額にいたしますと二千五百三十五億円、これは差益が消えたことになります。灯油の価格の据え置きによって、私どもの計算によると四百三十一億円差益が減ったことになります。経費が九千億円、業界の言うとおり認めたとしても九千億円ですが、これを二兆一千億円から差し引きますと、八千三十四億円の差益が石油業界に残っておることに計算上なります。これは計算してみればすぐ出てくるわけですが、そういう差益がいまなお石油業界のふところにあるとわれわれは見なければならぬ。その他の費用が、たとえば備蓄の費用であるとかいろいろなことがあったにしても、八千三十四億という莫大な差益というものは否定できない事実だと思うのです。にもかかわらず灯油を値上げするとかいろんなことが出てきた。私はこの点について大変理解に苦しむのであります。したがって、いま小坂長官の言われたように、私が読み上げたこの数字からも推定できるように、石油業界の今回のこれから申し上げる値上げの問題というのは絶対にわれわれとしては認めるわけにまいらぬ、こういうことを前提にして質問したいと思います。  そこで通産省にお伺いいたしますが、最近の世界の石油情勢あるいは原油価格の動向、これに対するわが国の対応策、これは一体どのようになっておるのか、原油の高騰や円安がわが国の卸売物価の高騰の原因になっていることは先ほど長官も言われたとおりです。そういう中で石油製品あるいは石油の関連商品というものが量において価格において対策が十分でなければこれはとんでもないことになるのでありまして、いま申し上げた最近の情勢についてどのように把握しておられるか。同時に、石油製品の値上げが相次いでおるわけですが、監督官庁である通産省として、この値上げは適正な値上げの額だというふうに認められておるのかどうか、この二つについてお伺いしたい。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 まず先生御指摘の国際的な原油事情でございますけれども、イラン・ショック以降の最近の情勢につきましては、すでに御高承のとおりでございます。イランが石油の生産並びに輸出を再開いたしまして、これによりまして世界の原油市況あるいは原油マーケットにプラスの影響が出てくるということをわれわれといたしましては期待しておったわけでございますが、たまたまそれと平仄を合わすように、サウジアラビアが御承知のように八百五十万バレル・パー・デーという従来のラインまで、一時は一千万バレルを超え、あるいは九百五十万バレルという生産を行っておりましたものを、イランの生産増に平仄あるいは歩調を合わせるがごとく減産をいたしまして、その他のイランのストップ中に増産を行っておりました国の一部も若干の減産を行うといったようなことで、イランの石油生産の再開あるいは輸出の増加といったようなものが額面どおり世界のマーケットにそのままの数字でいくような形になっていないという状況で現在推移しておるわけでございます。このような状況は先般のIEAの閣僚理事会におきましても十分検討されまして、先ほど小坂長官の答弁にもございましたように、本年度中、依然として二百万バーレル・パー・デーの不足が予測される、こういう状況にございます。  加えて、一時、イランの生産再開あるいは輸出再開に伴いまして、やや鎮静化といいますか、やや軟化の兆しが見えましたスポットマーケットが、五月に入りましてからその玉の量がきわめてタイトになった以外に、急速な上昇を示しておりまして、バレル当たり二十四、五ドルのものが一時二十ドル近辺まで下がりつつあったということで、その先行きを期待しておったわけでございますが、急転いたしまして、三十ドルを超え、あるいは三十五ドルというようなスポット価格が具現するような状態になっておるほか、わが国に入ってまいります原油の量につきましても、従来のカットに加えて若干のカットの上積みといったようなものがメジャーあるいは直接産油国から示されておりまして、全般的に申し上げまして、スポット並びに正規のルートを通じて世界の原油状況はきわめてタイト化のまま推移いたしておりますし、価格はきわめて強含みであるという状況でございます。  御承知のように、四月に入りましてOPECが、それまでの四段階値上げのあとの三段階を一挙に前倒しいたしまして引き上げましたが、そのほかに、サーチャージを各国の恣意に任せる、こういう形で決定がなされ、バレル当たり一ドル二十あたりが比較的穏健な国、それから、比較的高いところで一ドル八十ないし一ドル九十というようなサーチャージ、さらにアフリカ関係では二ドルを超えるようなサーチャージが付加されておりましたが、最近に至りまして、低い方の水準のサーチャージの国が高い方にしわ寄せをするほか、御承知のように、イランが六十セントのサーチャージの積み上げをさらに行いました。これを受けてアブダビが八十セント、カタールがさらに最近八十セント、クウェートも六十セントといったような形で、六月のOPEC総会を迎えてサーチャージの上積みが行われておる、こういう状況にございます。  したがいまして、このような情勢に対処するためには、やはり基本は消費国の需要の削減、抑制、要するに、需給関係のバランスを少しでも回復する以外に国際マーケットにおきましての需給タイト化あるいは価格の上昇に対処することができませんので、OPECのそのような動きに対処するためにはIEAにおいてすでに決定されました五%の節約を強力に、各国足並みをそろえて進めていく以外に方法はない、こういうふうに考えておりますので、わが国におきましてもこの五%節約の徹底をさらに進めてまいりたいと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 四十八年の石油ショックのときは価格の問題だけでしたが、今度は量の問題がある。いまおっしゃったように、サーチャージ、割り増し金の問題も四十八年のときにはわれわれは余り聞いたことがなかったのですが、今度、そういう問題が出てきておる。四十八年の石油ショックの混乱のときを思い起こしますと、今度はさらに輪をかけたような大きな問題が下手をするとやってくるのじゃないだろうかということを大変心配をするわけです。  そこで、通産省は、四十八年の石油ショックの対策といいましょうか反省といいましょうか、そういうことについて、五十年の四月にまとめた「緊急時における物価対策の再構成」ですか、とらの巻みたいなものをつくっておられるようですが、これは大変結構なことで、反省をされることはまことに結構なことだが、単なる反省だけじゃだめなので、今後の行政にそのことが正しく反映されていかなければならぬ、このように私は思うのであります。  そこで今回、いまお述べになったように節約の問題も出てきました。三ないし五%の節約対策あるいは内外の一連の対応策、こういう点は、この反省録といいましょうか、とらの巻の基本に基づいて出てきたものだというふうにも理解できるわけですが、このあなた方がまとめられた報告書の総括の一項目に、政府が石油製品価格を規制しなかったために混乱を引き起こし、対策が失敗であったということを反省をしておるということが一項目にあるようです。今回通産大臣が、石油製品はもとより関連産品に至るまで便乗値上げは絶対に許さぬ、こういうふうに発言をしておられる。そういう点から見ると、前回と同じ轍を踏まぬためにも私どもは石油製品価格の規制というものがぜひ必要ではないだろうか、このように思うのであります。  その理由は、言うまでもなく便乗値上げあるいは不当な利益、そういうものの判断基準というものが明確に示されていない、そういう点が一点あります。それから、石油製品価格の基準というものが全く不明確だということが言われると思います。そこで、その反省録の中、報告書の中に、なお、今後は産油国の情報を正確につかむことを第一義とし、消費規制をする場合は価格規制も同時に並行して進めるべきだという提言がありますね。これは大変重要なことだと私は思います。  したがって、先ほど申し上げるように、業界には大変な為替差益がまだ残っておるというふうに私は見ておるわけですが、しかし、円安によってコストアップも出てくるでしょうし、原油価格も上がってくるわけですから、いろいろな面でこの差益がなくなってくるだろうということはわかります。相当支出がふえるだろうということはよくわかるのですが、業界及び国民に対して、少なくとも通産省は前にありました標準価格の設定の問題を検討し、指示価格あるいは参考価格、そういう先ほど申し上げたような価格規制も同時に並行して進めるべきだという四十八年の反省に立つならば、私はそういう政府試算値というものを公表してしかるべきじゃないかというふうに思うのですが、通産省はこの問題についてどのようにお考えでしょうか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 先生ただいまお示しの、五十年の緊急時の対策についての再構成というペーパー、私は一応目を通させていただきましたが、一部の者が内々の勉強会で検討をしたものをまとめたものと了解をいたしております。  もちろん、公的なものでないからといって、その内容が云々されるわけではございませんので、前回の経験者のいろいろな反省は、そのような取りまとめのものからもわれわれ勉強させていただいておりますし、前回のオイル危機の最中に石油関係で非常に苦労した同僚あるいは先輩の意見も常時聞いて参考にしておるわけでございます。  ただ、前回のオイルショックと今回のオイルショックと基本的に違っておる点が二つございます。一つは、確かに前回は量が減らなかったが、ものすごいいわゆる混乱が生じたということでございますが、その点のほかに、前回のショックは狂乱物価の後にオイルショックが来たわけでございます。今回は不況の後、まだ景気が完全に回復いたしておりませんで、その上り坂の階段の手前のところでクライシスが来た。この点がやはり基本的に違います。前回は、すでに人心が相当不安定な状況にあり、インフレムードが蔓延しておるところにオイルショックが起きましたので、その前からすでに買い急ぎあるいは売り惜しみといったような混乱が社会に満ち満ちておったわけでございます。したがいまして、そのときとるべき対策といったものもそれに応じたようなものがなければならないと考えられ、お読みいただきましたようないろいろな反省も取りまとめられたものと考えております。  今回は、一部に言われておりますが、クリーピングクライシスというような表現をする方もおられます。現実に量は、じわじわと産油国の巧妙なカルテルによってしぼられておりますし、価格も段階的に上がってきておるということでございますが、経済そのものは過熱の状態にない時期にございます。クリーピングクライシスでございますので十分時間の余裕はございますので、われわれはいたずらな人心の混乱、社会の不安を起こさないで正確な情報を提供しつつ、やはりでき得れば法的規制によらずにすべての関係者あるいは一般の国民の方々の節約、協力といったような問題で、やはりどうしても受けとめざるを得ないこの外的インパクトを円滑に受けとめていくというような方向で対処をしてまいりたいというふうに考えております。確かに消費規制をやるときには価格規制を併用すべきではないかというのは一つの有力な議論でございます。ただ、この場合の消費規制というものはかなり人為的な規制を行うのであって、そのとき人為的な需要供給関係にドラスチックに介入をいたしました場合には、価格関係で相当の乱れが出ることも考えられますので、私どもは状況を判断しながら諸先輩の意見も参考にし、適時適切な対策を講じてまいりたいと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 いまの答弁を聞いておりますと、価格規制といいましょうか、先ほど私が申し上げたような価格に対しての、標準価格とかあるいは指示価格とか参考価格とかそういうものをやるべきではないか。それは四十八年の石油ショックのあの教訓に学んで提言の中に書かれたものというふうに私は評価をしておったわけですが、現在通産省としてはそのような考え方がないようにいまのところ答弁としては聞いておるわけです。しかし、現実にあなたも御承知だと思いますが、すでに日曜、休日のガソリンのスタンドの休業というものが全国的に実行されるようになりました。これから恐らく相当な規制がなされるだろうというふうに思うのです。したがって、現在は一リッター百十円から百十五円、百二十円、このようになって、十円から十五円ぐらい上がっておりますが、一説によるとガソリンはリッター当たり百五十円近くにまではね上がるんじゃないだろうかということさえ新聞報道には載っております。私どもはそういうことは信じたくないのですが、そういうことが載っておる。後で申し上げますが、灯油にしても七百円から九百円というようなことが載っておる。石油業界というものがどんな業界かということはもういまさら申し上げるまでもないことで、四十八年のことをまた言うと、何遍も言うとまた笑われますから言いませんが、とてもいまの業界の体質というものは普通の業界の体質ではないのでありまして、これは小坂長官もあるところで言っておられるというふうに私は理解をしておるわけですが、きょうの新聞に「三月の石油製品値上げ 公取委が一斉調査 ヤミカルテルの疑い」、こういうので一斉に全国十五地区の立入調査を公取がやったようです。こういう体質を持っておるのですが、これについて通産省は「「コスト上昇で転嫁やむなし」」という談話をここにいただいているようです。私はやはりいま申し上げるように、石油業界の体質というものを想起したときに、提言の中にあった消費の規制というものは価格の問題と並行して考えなければならぬ、このことが全く正しいと思うのです。やはりいま大事なことは、この業界の体質そしてきょう、いまも読み上げたようなこういうことが現実に起きておるということを考えると、やはり行政が、この際価格の問題について何らかの、指示価格なり参考価格なりそういうものをきちんとする必要があるというふうに私は理解をするし、ぜひそれを実行してほしい、こういうふうに思います。  そこで、経済企画庁長官にお尋ねをいたしますが、いまこういうふうに非常に混乱が起きつつあるし、ガソリンも値上げをするし、灯油もこれから申し上げますが値上げをする、それも悪乗りの値上げ、便乗、言葉は悪いのですけれども、そういうことが随所に行われておるし、行われる危険性がある。したがって、国民の中に国民生活安定緊急措置法の発動をひとつやってもらったらどうだろうかという声が出ておるわけですが、経済企画庁長官として、この業界、特に石油、ガソリン、灯油、そういう問題の動向をひっくるめて国民生活安定緊急措置法の発動を考える意思があるかどうか、これを伺っておきたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 ただいま委員がお示しになりました公取の介入と申しましょうか、それは先般来のわれわれが決めました八項目の中に含まれておる行動の一つでございまして、われわれといたしましては、このように全政府機関を挙げまして、いわゆる便乗ないしはそれを口実にした価格引き上げあるいはそれをもとにする強いものが弱いものに対する圧力をかけていくというような、そうした事態を未然に防ぎながら、適正な価格形成というものを進めていくという基本的な方向の中の一つでございまして、ただいま委員がかつてオイル狂乱の事態に国会でつくっていただきましたこの法律の発動を考えないかというお話でございますが、われわれといたしましては、もうしばらくこのような事態は政府自体の努力並びに国民の深い理解をいただきながら、そのような緊急措置というようなものを出さないで済むような方向、これを探求するのが最も妥当ではないかという考えに立っておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 もう一つ具体的な問題として、大変国民の中に関心の深い灯油の問題についてお伺いをいたしたいと思います。  通産省はこの五月十五日に民生用の灯油価格の据え置きの指導を撤廃するということをやられたわけですが、石油業界からは安定的な供給あるいは灯油価格値上げ、こういうものは避けられぬ、こういうことを発言をしておったわけですから、この通産省の指導については大いに歓迎だということを表明するのも理解できるわけです。業界としては待ってましたとばかりに一斉に値上げの発表をやっておるわけです。  いま国民の側から見れば、最近の物価の動向の中で直接家計に影響を与える公共料金、これはことしに入ってからでも国立学校の授業料、受験料、入学金の引き上げだとかあるいは国鉄関係が一月から通学定期の割引率を引き下げた。これは現実には値上げであります。また、五月に入って平均八・八%の運賃料金の値上げをする。そういうように一方的にいま公共料金が国民に値上げとして押しつけられておるわけです。その中で通産省がいままでやってきた灯油の問題この問題というのは円高差益の例の還元の問題で電力とガスの据え置きがありましたけれども、そういう中で灯油価格の凍結というものは、確かに価格の抑制に大きな役割りを果たしたということで、私は政府に期待をしておる物価政策の中の唯一の価格抑制政策だというふうにも理解しておったわけです。ところが、その期待というものはこの凍結解除によって全く裏切られたことになる。それはなぜかというと、これから申し上げますが、具体的にこの凍結解除によって一挙に値上げの発表がされたからであります。  灯油というのはもうすでに御承知のようなことで、国民の家庭からは切り離せない生活必需品になっておる。また農家においても農業用の灯油というものがあって、これは農業にも欠かせない重要なものです。そういう国民生活にも非常に密接な深いかかわり合いを持つ灯油の問題が、一挙に需要期が済んだということでもって凍結を解除するということについて私は大変疑問に思う。同時に、この解除がこの業界に大幅値上げを誘導したというふうな結果になっておることについて大変残念に思うのでありまして、この点についての質問をこれからするわけですが、消費者団体からも早速反発が出て、あなたも御承知のとおり、生活必需品であるところの灯油、それは家計に直撃を与えるものだ。したがって、これは諸物価高騰の引き金になる、こういうことで反対を表明をしています。六月一日には全国から消費者団体の代表が東京に集まって、灯油価格の値上げの問題これは狂乱物価の再来だ、したがって政府に対して灯油価格の値上げに反対だということを申し入れるという大会を開くようであります。  そこで、最初に一つお伺いしたいのは、経済企画庁は、通産省が灯油の価格を凍結解除、こういう点についてやったわけですが、相談があったかなかったか、それはいかがでしょうか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 灯油の値段の取り扱いでございますが、通産省からこの灯油の価格についての据え置きを打ち切るという話についての御相談につきましてはございましたけれども、この御相談の時点というのはある程度通産省の考え方が示された段階より後でございます。ただ私どもとしては、この灯油価格について従来需要期を過ぎました不需要期に入りますと、たてまえ上この灯油の価格についての据え置きというようなことはやらないことが多かったわけでございますが、現在の石油情勢、これが非常に厳しいわけでございまして、世界的にIEAの節約というものが徹底されてなされなければならないというような状況、そういうような変化を背景にいたしますと、今回こういう形で不需要期に入りまして灯油についての価格を市場の価格にゆだねるということについての基本的方向についてはやむを得ないのではないか。ただしその場合、やはり当然のことですけれども、最近のOPECの値上げ等の、要するにやむを得ない価格上昇、そういうものを背景としたもの、すなわちそういう価格上昇を反映したものにとどまっていくべきではないか、このように考えておりまして、先般からやっております石油製品の便乗値上げの監視等については一層強く灯油についてやっていく必要があろうと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 経済企画庁は後で知られたわけですから、それは済んでしまってからそういう通知があったというのですから、それは相談事というのではないのです。それさえわかれば結構です。  そこで、もう余り時間がありませんので、灯油の問題で私は大変疑問に思うので、具体的な数字を挙げますからこれに答えていただきたいと思います。  先ほどから申し上げますように五月十五日に通産大臣が凍結の解除ということを発表されてから業界が一斉に値上げの発表をやって、すでに金額はあちこちの新聞に出ておりますが、私どもの調査によりますと、日本エネルギー経済研究所の試算によりますと五月上旬現在の原油の値上げ、これは加重平均で二五・二%です。昨年末が十二ドル九十五セントでしたから、それが五月上旬十六ドル二十一セントになっていますが、これは加重平均で二五・二%の値上げになります。一説によりますと、この二五・二%が年末には六〇%にまでなるのじゃないだろうかということさえ新聞には出ておりますので、われわれがどぎもを抜かれるような数字を新聞紙上で見るわけですが、それはそういうことにならないようにお互いに努力しなければならぬと思うのです。  そこで各社の灯油の値上げの発表の金額を見るとこういう金額が出ています。共同石油は五月十六日四千二百円、六月一日四千円、結局合計八千二百円の上積みをする。丸善石油は二回に分けて値上げをして九千円。九州石油に至ってはこれまた二回に分けて値上げをしてキロリッター当たり九千七百円、こういう値上げを発表しています。昨年の九月末の灯油の一キロリッター当たりの価格据え置きは二万七千五百円ですから、これをプラスいたしますと共同石油は実に三万五千七百円です。丸善石油が三万六千五百円。九州石油に至ってはキロリッター当たり三万七千二百円の価格に改定をするということを発表しています。これはパーセントにいたしますと共同石油は二九・八%の値上げ、丸善に至っては三二・七%、九州石油は三五・三%です。先ほど私が申し上げましたように加重平均の値上げをそのまま認めたとして二五・二%です。二五・二%なのに何でこういうふうに共同石油、丸善石油、九州石油は二九・八、三二、三五というようなこのはるかに上回る値上げというものを彼らは考えてきたのでしょうか。ここが問題です。これはすでに元売りから特約店に通告済みであります。こういうことを考えると明らかにこれは便乗値上げであり不当値上げだということが言えるのでありまして、通産省のモニター調査による価格動向というものの調査表をここに持っておりますけれども、これによりますと、毎年繰り返されておるわけですが、大体本年九月に限度いっぱいに持っていってもとを取るというのが通例です。ですから三月からこの九月にかけて、九月に設定したものが高値に張りつけられるわけです。限度いっぱい天井に張りついておる。ところがそれがずっと来て三月になってくると下がってきて、申し上げますが、五十三年九月店頭価格が六百七十円でありました十八リットルかんが現実に三月には六百三十二円、三十八円も下がっておるのです。この数値はその前までの年を見ますと五十円下がっておる。こういうふうに高い張りつけ価格をして、結果は需給の関係でずっと下がってきておるのですよ。こう、いうことを見ると、これは明らかに便乗値上げであり不当な価格だということが言えるのでありまして、こんなばかげたことを認めるわけにいかぬ。それが私が先ほど申し上げるように、幾ら業界を指導されても現実に彼らはこういうやり方をしておるわけです。  そうなってきますと、重ねてお伺いいたしますが、七百円、こういう金額が十八リットルかんでいま言われておりますが、六百三十二円ということを五十四年三月のモニター調査の店頭価格で申し上げましたけれども、七百円というのは値上げをしてこれからという額なのか、そのように通産省は理解しておられるのですか。七百円、七百円ということが出ておりますが、われわれは六百三十二円という通産省のモニター調査による店頭価格だというふうに見ておりますが、その点についてはいかがでしょうか。大体二五・二%の上昇と見ますと百二十四円値上げならば話がわかるのです。そういう金額が出てきますから、二五・二%の加重平均の値上げは大体百二十四円になりますから、これをいまの店頭の価格六百三十二円に加えますと七百五十円ぐらいになりますが、そういう価格が適当だというふうに見てよかろうか、どうでしょう。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 ただいま先生エネルギー経済研究所の数字をお示しになりました。私ども別途計算いたしますとこれに近い数字が出ますのでそう大きな差はないと思いますが、御承知のようにこれはわれわれが計算した際は少なくもドル建てで計算をいたしております。恐らくエネルギー経済研究所、実は私手元に資料がございませんのでよくわかりませんが、この数値、先ほど示されたようなドルの価格でお示しになりましたのでやはりドル建てであろうかと思います。  このドル建ての原油の価格の上昇のほかにいわゆる円安に伴う着ベースでの円建てでの原油の価格上昇というものがございまして、私どもそれらにつきまして、企業の積算その他に関して私どもなりにも計算をしながらいやしくも便乗等が行われないように現在監視、ウオッチをしておるところでございます。  小売価格で七百円というお話がございましたが、これは私どもが特に七百円という数字を言挙げて御説明しておることは余りないと存じます。去年の秋価格改定がありました際に、一部の会社の販売関係者がプレスの質問に答えて、小売はこの程度になるかもしらぬというようなことを言った記事を読んだ記憶はございますが、その内容についても詳しく承知しておりません。ただ御指摘のように秋口に灯油価格が改定になりましてからその後いわゆる市況の状況によりまして小売価格が下降ぎみをたどっていったことは、先生御指摘のとおりでございます。ただ、これは秋口百九十円という円レートで計算をいたしておりましたので、その後の円の推移、もちろん備蓄関係のものが、灯油は夏から備蓄いたしますのでその辺のコスト計算はございますが、それらを勘案し、さらには御承知のようにイランショックが起き、最近の監視体制をとるまでは私どもは円高差益の還元は要請いたしてまいりましたが、価格形成はシーズン中におきましてもできるだけ需給メカニズムあるいは経済の関係によって決定されることを期待しておりましたので、そのあたりを背景にし、あるいは二月の異常な一時的暖冬等を反映してそのような価格形成が末端で行われたことは十分あり得ると考えております。  ただ、その後の値上げの説明につきましては、円レート百九十円ベースをベースにいたしまして私どもでは計算をいたしておりますので、私どもは、しばしば申し上げておりますとおり、現在標準価格を決定いたしておりませんので、企業が打ち出す価格について、これが適正であるとかどうこうという裏打ちするような、あるいはサポートするようなことは申し上げませんが、少なくも現時点において価格に介入すべきような異常な事態あるいは異常な価格形成が行われておるとは考えておらないわけでございまして、基本的には灯油につきましても国民生活にきわめて重要な物資であるという認識のもとに、適正な、当然のことながら便乗値上げのないような価格形成が行われるよう要請し、今後も指導してまいりたいと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 時間が来ましたからもう二つだけでやめますが、いま私は灯油の価格の問題を言ったわけです。あなた、いま円安のことを言われました。確かにそれも一つの原因でしょう。それはわかります。ただ、先ほどからちょっと申し上げるように、石油業界というのが、この間の大蔵委員会で、円高差益隠し御三家、筆頭は石油です。石油、電力、ガス、これはいつも出てくるのだが、その筆頭が石油です。あの発表だけでも石油は五十七社で二百三十億円の差益を隠しておったということが国税庁の調査でわかりました。そういうふうに石油業界の価格の決め方は私は非常に疑問があるし、同時に便乗だ、不当な値上げだということが随所に行われておるような気がしてならぬ。そのために、先ほどから何遍も言うように、指示価格なりあるいは参考価格なりあるいは標準価格なりというものを、いま非常に重要な時期だから検討しなければならないときじゃないだろうかということを口を酸っぱくしてあなたに申し上げておるわけでありましで、私の時間もございませんから、また同僚議員からその問題、あるいはまたの機会にそのことを触れたいと思いますが、いまこの大事な時期に対策を誤ると、また四十八年と同じことが起きるではないかという非常に懸念を持って申し上げておるわけでありますから、きょうは不足の問題、量の問題ですね、流通の問題を申し上げたかったのですが、時間がございませんので、最後に私は企画庁長官に質問をして終わりたいと思います。  きょう申し上げましたように、卸売物価の上昇が年率二〇%を超すというような情勢になりました。公共料金の改定もなお残されておるようでありまして、健康保険の問題等がございますが、そういう問題は確かに家計に直撃をする問題です。したがってこれからの卸売物価の上昇というものが急ピッチで消費者物価に転嫁されてくるだろう、このことを考えなければなりませんし、いまやりとりいたしましたように、原油の問題というものもまだまだこれから先大変不安な要素もあるというふうにも理解しなければならないわけです。まさに内外に変動要因が非常に多いわけでありまして、いま政府が策定をしておる五十四年度の目標、消費者物価四・九、卸売物価一・六などというようなものは、もうまさに絵にかいたもちになってしまったというふうにわれわれは見なければならぬ。そして国民に早く経済の動向というものに対しての指標を与える責任が政府にあるというふうに思います。原油が二〇%上がると経済成長率を実質一%下げる、卸売物価を一%上げる、こういうことが言われておるのであります。すでに二五%以上原油は上がっておる。これは経済成長率を下げ、卸売物価をはね上げておる大きな原因の一つです。先ほど六〇%ということを言ったのですが、そんなことになるとは思いませんけれども、そんなことさえささやかれておるわけですから、この際現実にこの数字はもう架空の数字だというふうにわれわれは見なければならぬと思うのです。したがってあなたとやりとりいたしまして、私はあの際でも四・九というのはおかしいということを言いましたが、こういう情勢の中ですから、四・九の消費者物価、あるいは一・六の卸売物価の五十四年度の見込みというものは、いまではもう現実のものではない。したがって即刻政府としてはこの問題についての新しい目標というものを立てて国民に示すべきではないか、このように思いますが、経済企画庁長官の見解を承って、私の質問を終わります。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 武部委員のただいまの目標設定につきましての御意見は、委員の御意見として承りたいと思います。しかし、政府といたしましては先般来決定いたしました本年度の目標設定は、なお今後の推移の中で努力もし、国民の理解もいただいて、ぜひとも実現してまいりたいという目標数字といたしまして、いまこれを変えるということは現時点では考えておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 終わります。

鈴木強日本社会党

○鈴木委員長 長田武士君。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 昨年十一月を境といたしまして、わが国の物価情勢はそれまでの安定鎮静化傾向から一転して上昇軌道に入っておるわけでございます。これは卸売物価が昨年十一月以来六ヵ月連続いたしまして上昇を続けております。この四月の上昇率は前月比一・七%、年率換算では二二・四%を超える異常な上昇を示しております。そういう点ではきわめて危険な情勢に入ったのではないかと思われるわけであります。原因といたしましては原油の値上げの問題、あるいは円安の傾向、さらには国内需給の改善、マネーサプライの増大などいろいろ原因があるとは思います。これらの上昇は、タイムラグを置きまして消費者物価に波及することは目に見えておるわけであります。こうした中にありまして、政府の物価に対する認識も私はかなり甘いのじゃないかという感じを強く持っております。物価安定が景気回復を長続きさせ、国民生活向上の根幹となっておるだけに、政府としてもなお一層真剣に取り組んでいただきたいということを強く要望いたすわけであります。  そこで、以下何点かお伺いをいたしたいのでありますが、まず、最近の卸売物価の年率換算による上昇率は三月一八%、四月二二%を超え、狂乱物価前の異常な様相を呈しておるわけであります。消費者物価も明らかに三月を境といたしまして上昇のテンポが速まってきたわけでありますが、このような現在の物価情勢について政府はどのように見ておられるのか、また物価上昇の要因となっているものは一体何なのか、この点をお聞かせいただきたいと思っております。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 お答え申し上げます。  先ほど来長田委員がお述べになりましたような原因が、今日の卸売物価の上昇の根本的な原因だと思います。特に海外要因が卸売物価上昇のほとんど半分ないし半分以上を占めたという事態の結果から起こっているものと思いますが、しかし、なお警戒すべきことは国内要因も半分くらい上昇を助けておるという認識でございまして、この面から見ましても、最近の卸売物価の動向はきわめて警戒すべきであるということを認識いたしております。また、長田委員からもお示しございましたが、消費者物価の三月以降の動きにつきましてもわれわれは十分配慮をいたしておりますが、しかし、前年同月で見ましても二%程度の上昇ラインをまだ守っておるわけでございますので、これはきわめてまだ落ちついておるというふうに認識しております。しかし、消費者物価への卸売物価の影響はタイムラグをもって波及をするということは当然われわれも考え、またそのための施策というものを十分対策として立ててまいらなくてはならぬというふうに考えておるわけでございまして、そうしたことから全般的に物価対策に対しては二月初めから政府内部においての対策推進を進めておるところでございます。このように早目、早目に手を打つことと、さらに物価対策に対しましてはきめ細かな政策を積み上げて、そして国民の理解をいただくということが、特にインフレ心理への転嫁を極度にわれわれとしては防ぎたいというようなこと等を中心にいたしまして努力をいたさなければならない、そのような基本的な考えに立っておるわけであります。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ただいま円安やあるいは原油の値上げの問題、さらには国際商品の値上がり、あるいは国内要因等々述べられたわけでありますが、現在の物価上昇はこれらの要因からしまして妥当な水準にあるとお考えでしょうか、あるいは妥当ではないとお考えでしょうか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 妥当であるかないかということについての判定はきわめてむずかしいのでありますが、これは一つの意見としてお聞きいただきたいのであります。  過去数年にわたる日本の非常な不況、そして特に昨年度は卸売物価はむしろマイナスにどんどん下がりました。こうしたことの結果から、いま経済がやや前向きに成長に転じ、しかも、それが内需中心に動き始めておるということをきっかけにしての卸売物価の上昇の一つの基本的な体制というものがすでにあったと私は認識しております。それに加えまして、海外要因が非常に強く変動した。特に、日本にとりましての石油の数量並びに価格というもののインパクトと申しましょうか、これは非常に大きいわけでございまして、そのようなことが重なり合っての四月の状態、そして五月に向けての卸売物価の上昇というテンポはそのようなことに触発されておるというふうに考えるわけであります。こうした事態がこの程度でとどまるような努力をなすべきである。前年比大体一・六%程度の上昇、先ほども武部委員は、それはだめじゃないかとおっしゃいましたが、しかし、われわれとしましてはその程度、すなわち四月の上昇程度でぜひとも食いとめたい。そのために、特に物をつくる方の方々には生産性向上を強く求めたいと私は思います。特に、外的な要因の吸収ということがどこまでできるか、これがやはり日本の経済のこれからの姿勢を決めていく大変大事なポイントだと私は思いまして、生産性向上を遂げて、価格転嫁への影響をなるべく減らしていくということに産業界の協力をぜひ得たい。  もう一つは、便乗値上げ等については、極力それは一つの社会的な良識として、こうしたことに対しての潔癖さと申しましょうか、便乗値上げというものを排除していくというような方向を期待をいたしておりまして、われわれ政府自体といたしましても、そのような事態が不幸にして起こっておる、一部にそうした事態のあることをよく了承しておりますが、そうしたことに対する追跡調査やあるいは監視やさらにまた場合によってはさらに強い政策というものも十分準備しながら現事態に対応してまいりたいと思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは年率二二・四%に及びますところの卸売物価、これは上昇テンポが非常に顕著なわけであります。消費者物価の先行きについて、この卸売物価の傾向、この点はどう見ていらっしゃいますか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 消費者物価そのものの構成には、卸売物価の上昇とはやや離れた形でのサービス料金とかその他のものが介在いたしますから、必ずしも卸売物価そのものがすぐ消費者物価のベースになるというものではないというふうに思っております。それが、具体的に申し上げますれば、六カ月ないし九カ月程度のタイムラグがあるというふうに考えておるわけでありますが、そうしたことを考えまして、いまわれわれとしましては消費者物価をいわゆる計画内におさめたい。これはまだスタートしたばかりでございますけれども、その努力は今後も大いに進めていかなければならぬ。そうして、卸売物価の波及をなるべく、それを他の要因で吸収して、卸売物価に対する影響を極力小さくしていくということに全力を挙げてまいりたいというふうにいま思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そうしますと、政府の物価の見通しですね、消費者物価四・九%、卸売物価が一・六%、この範囲内には、先ほども御答弁がありましたとおり、努力するというお話でございます。私は、こういう情勢下にあってはちょっと無理ではないかという感じが実はいたしておるわけでありますけれども、長官どうでしょう、自信おありですか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 自信と申しますよりも、この目標に向かって全面的な努力をいたしたいというふうに考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 政府は、物価見通しの範囲内に五十四年度の物価はおさまりそうもないともう判断されているのではないかと私は思うのです。公定歩合の引き上げに踏み切った原因は、やはりそういう内面的な要因、そういう判断が働いたのではないかと私は考えるのです。  小坂長官といたしましては、今回の公定歩合の引き上げが物価にどのような影響と効果を持つものと見ておられるのか。また今回の公定歩合の引き上げは、円安や国際市況商品の値上がりに対し余り効果はないのではないかという意見も実はあるのでありますけれども、この点についてどのように見ていらっしゃいますか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 今回の公定歩合の〇・七五引き上げは、これは直接的に物価の引き下げということを目標にしたものではございません。むしろ、物価を引き下げるということならば、経済成長のスピードを大いに削減と申しましょうか、小さくしなくちゃいけないわけでしょうから、〇・七五%程度の上昇はそうした効果をねらったものではないのでございまして、インフレマインド、たとえば円安だとかあるいはまた一次産品の上昇であるとか、OPECの石油の値上げということのいわゆる心理的な影響、私はこれらの影響はもちろん大きかったと思いますが、それが非常に強烈だったとはまだこの時点では思っておらないのでありますが、そうした影響が非常に心理的に大きな波紋を呼ぶであろう。そうした心理的なインフレマインドというものをできるだけ鎮静してほしいというような観点から公定歩合の引き上げに踏み切ったわけでございまして、これが直接に、委員のお尋ねのような物価そのものの引き下げ要因としての公定歩合の引き上げではないということを御理解いただきたかったわけであります。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 四月の卸売物価上昇率一・七%、そのうち円安などの海外要因によるものが〇・八%に対しまして、国内要因によるものが〇・九%と、実は三月までの海外要因がリードしてきた様相とは明らかに違ってきておるのですね。国内要因の上昇の背景には、需給関係の改善があると思うわけでありますが、需給関係の状況は一体どうなっているのでしょうか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 四月の卸売物価の一・七%の中で、国内要因のウエートがかなり高まってきておりますが、海外要因との関係で申しますと、大体半々ぐらいでございます。ただ、国内要因については、電力料金の割引措置が終わったことが〇・二ほどありますので、やや海外要因の方が多いかなという感じは持っております。  それで、この国内要因が多くなってきたものの中では、たとえば木材が輸入価格が上がって合板に響いてくるというようなこと、それから原油が上がってガソリンが上がってくるというような、いわば海外要因で輸入価格が上がってきたものが国内段階に入って出てきておるということがございますので、国内要因についてもそういう意味で、純然たる国内の要因から出てくるものとやや分けた方がいいかと思いますが、いまおっしゃった需給関係の問題について申し上げますれば、昨年来の公共事業等の施行によりまして、建設資材の部分について需給がタイトになっている分があるのではないかと考えております。全体としては操業度にまだかなりの余裕がある、それは表面的な操業度で、見るほどはないという議論もありますけれども、その中でもさらに供給力を生かしていく部面がかなりあると考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 景気の回復基調に伴う需要の増加に対しましては生産の増加を行えば——マクロ的には需給ギャップが依然大きいと言われておりますから、物価の激しい上昇は防げるのではないでしょうか、その点はどうですか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 先ほど大臣も申し上げておりますように、供給余力がある状況のもとにおきましては、需要がふえたことに対しては増産で対応するというのが一番基本的に重要なことではないかと思うわけでございます。そういう意味で、産業界に対しても、できるだけそういう形での生産性向上によって価格の上昇要因を吸収していただくようにお願いをしているわけでございまして、いまおっしゃったように、供給余力のある業種の価格形成については、そういう意味でかなり生産量をふやすという形での対応ができるのではないかと考えます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 最近の三菱銀行の調査レポートによりますと、マクロではまだ需給ギャップが相当あるが、個々の業界を見ると、供給力の天井は意外と低く、設備面で、鉄鋼や金属製品など依然大幅な過剰設備を抱えている業種を除くと、設備の余力はさほど大きくないと指摘しておるわけでありますが、この点についてはどのように見ておられますか。

佐々木孝男経済企画庁調査局長

○佐々木(孝)政府委員 いま先生が御指摘ございましたように、産業によって操業度にかなりの差があることは事実でございます。  ただ、一般的に申しまして、操業率は、機械産業、自動車などが非常に高うございまして、機械産業を中心といたします加工型の産業の操業度が高い。計算上で言いますと、供給余力が少ないことによって、逆にいま御指摘のございましたように、鉄鋼であるとか化学あるいは窯業というようなところにはまだまだ余裕がある調査になっておるわけでございます。先生も御承知のことと思いますけれども、自動車であるとか家電というのはラインの能力でございまして、これは需給に応じてかなり弾力的に動かせるという性質がございます。したがいまして、需給の方の伸びはまだ緩やかな伸びでございますので、短時間にボトルネックが生ずることはないと見ております。  また、物価という点について申し上げますと、四十七、八年にもそういうことがあったのでございますけれども、鉄鋼とか化学とかいろいろな産業にすべて共通するような素材を供給する部門に生産能力のボトルネックが起きますと、非常に全面的な物価上昇が起こるわけでございますが、先ほど申しましたように、機械の一部にいま非常に余裕がない、しかも原素材のところにはかなり大きな余裕があるということでございますので、いわゆるボトルネックによる物価上昇という問題は余りないのではないかと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 さらに、OPECの原油の再引き上げ等の影響、それから円安、海外市況高等々のコストアップの要因に加えまして、企業は長期の減量経営を続けてきたために、損益分岐点がかなり低下をしているのではないかと思うのです。そうなりますと、先行きの経済が非常に不透明でありますから、現在、設備の拡大投資というのはどうしても手控えることになりますね。そうなると結局、どういう手段に出るかということになりますと、供給の増大よりもやはり価格の値上げ志向がどうしても強まってくるのではないか、このように考えるわけであります。  そこでお尋ねしたいのでありますけれども、今後、供給面のネックからの物価上昇、ボトルネックインフレの危険性が高まっているのではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 ただいま調査局長が申し上げましたように、全体としての供給余力は稼働率等から見て相当あるのではないか、特に素材部門中心については相当余裕があるということでございまして、こういうことからいいまして供給面のネックによって物価が上昇するという危険はそれほどではない、ただ、やはり現状におきまして、企業が価格志向的な態度をとって行動されるということになると、物価にも影響が出ますので、そういう点については先ほどから申し上げましたように供給の確保、そして生産性の向上等に努力をしていただいて、できるだけコストアップ要因等を吸収していただくようにお願いをしているということでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 事実三月ごろから、石油化学製品でありますプラスチック加工原料あるいはエチレン等の品不足の状態が起こっているのです。北九州ではガソリンスタンドで、ガソリンが入らなくて売れなかったという話が出ておりますし、さらには原油の再値上げの影響が五月から本格化すると思われるわけであります。また、石油製品価格の動向を初め、石油化学製品、住宅建設資材などの価格上昇機運は非常に強まっているのではないかと思うわけであります。こうした状況について経企庁長官、どのように見ていらっしゃいますか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 石油製品に関しては、一部にいま御指摘のような事態があることはわれわれも了承しております。しかしこれは、特にそうした事態が不必要な価格上昇と申しますか、売り値の上昇につながらないような方向をわれわれといたしまして十分監視をしてまいりたいし、また特に石油関係につきましては、通産省の全機能を動員してもらっておりまして、地方通産局その他を中心に現在監視体制を強化いたしておるわけでございます。  しかし、そうした問題をもぐりながら、供給者側が非常に力が強いために泣く泣く高い値段のものを押しつけられているという現実も承知しておりまして、そうしたことを具体的に積み上げて、石油元売りあるいはその他のそうした力の強いところに対しての反省を十分求めてまいりたい、そのような体制はすでに政府内部ではできておりますから、今後の情勢を十分見ながら国民の安心される方向というものに努力をさせていただきたい、そのように思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 去る四月二十五日に、日本経済新聞が主要な住宅建設資材など三十五品目の物価動向調査を行ったところ、全品目が四月から六月中にかけてコストの上昇を招き、秋以降にもさらに上昇が見込まれる品目が二十二品目にも達しておることが判明しておるわけであります。このように品目の大半が値上げを見込んでいるとともに、すでに十二品目が値上げ交渉に入っているとさえ言われておる現状であります。  そこで通産省にお尋ねをしたいのでありますけれども、主要建設資材の需給価格動向調査、この監視をどのように把握されておるのか、また現在何品目あるのか、それはどのような品目なのか、さらに、調査、監視とは、企業が値上げをした場合、具体的にどのようなことをするのか、あわせてお尋ねをしたいと思っております。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○島田政府委員 お答え申し上げます。  私ども通産省といたしましては、公共事業の円滑な推進を図るために公共事業関連物資と申しますか、そういった物資の供給の円滑化それから価格の適正化等を確保するということが必要であるというふうに考えております。そういう見地から従来省内に公共事業関連物資需給等対策本部というのを設けまして、主要建設資材の需給価格動向の調査監視というのを行っておるわけでございます。  現在、調査監視の対象をどういうふうにしているのかということですが、これにつきましてはあらかじめ何品目というふうに指定しているわけではございませんが、いわゆる建設主要資材と考えられます小形棒鋼、それからセメント、生コンクリート、砂利、砕石というような骨材等、そういった主要資材を中心にいたしまして、この物資の調査、監視というのを行うという体制をとっております。  それで、このやり方でございますが、このいま申し上げました公共事業関連物資需給等対策本部というのを中心にいたしまして、地方通産局も活用するという体制、それからもう一つは関係業界の協力も得まして物資の需給、価格、輸送というような動向を常時把握するという体制をとっております。特にこういう公共事業の問題ですと、地域的あるいは時期的に問題が生ずるというようなことも考えられますので、そういったことのないように関係省庁等とも連絡をとりまして実態の的確な把握というものに努めておる次第でございます。したがいまして、いろいろ需給、価格動向いかん、今後問題がありますれば必要に応じて関係業界を指導するという体制で臨んでおるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、灯油の値上げ問題について若干お尋ねをいたします。  四月の卸売物価が急騰したことによりまして、去る五月十五日に開かれました月例経済報告閣僚会議において小坂経企庁長官は、当面の経済運営のポイントは物価抑制にあると発言されたと伝えられておるわけでありますが、これに対して私も全く同感であります。しかし、当日の閣僚会議終了後に記者会見をいたしました江崎通産大臣は、灯油価格の据え置き措置を撤廃をするその考え方を明らかにしたことから、灯油価格は今秋の需要期を待たずに値上がりが必至の情勢になったわけであります。このように物価抑制を図りながら物価の安定を目指そうとする一方では、灯油価格の抑制を解除するなど、物価対策が非常にちぐはぐではないか、その感さえ強くするものであります。そこで、経企庁長官、このたびの通産大臣の発言をどのように受けとめていらっしゃいますか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 現時点の経済運営の最重点と申しますか、いままでは景気と物価の両にらみで来たわけでありますが、四月の卸売物価の上昇という事態を見まして政府としてはやはり価格問題物価問題というものにさらに重点を置いていこうということにつきましては、通産大臣も私も全く同じ意見でございます。灯油の価格のあのような措置を発表されたということは、私が承っておりますところによると、いつも不需要期には灯油についての価格の問題を一応フリーにしていくというような長い慣例があったわけでございますので、そうしたような一連の考え方の中でそれが直ちに灯油を通じての物価へのはね返りが非常に大きいであろうということを予想されたわけではないのであって、従来の慣行に従っての御発言だと私は理解をいたしております。したがいまして、この灯油の状態というものが、消費者に対し、また全般の物価に対しての非常に大きなインパクトを与えるような上昇が、もしも自由になったことによって回復されるような場合には、当然通産省とされてもこの問題に対して十分なる対処をしてくれるというふうに考えておるわけでございまして、基本的にわれわれの内部における考え方が全く相違をしておるというものではないということを御了承願いたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 どうも御答弁がよく理解できないのでありますけれども、端的に申し上げて、理解できるのですか、それとも理解できないのですか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 理解しておるつもりであります。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 通産大臣の灯油価格指導の解除によりまして、灯油価格はこの六月、約三〇%程度値上がりすることが必至ではないかと思われるわけであります。今日、灯油は生活に不可欠なものとなっておりますし、その値上げは国民生活を圧迫するのみならず、他の物価に与える影響というのも非常に大きいと私は考えております。  そこで何点かお尋ねしたいのでありますけれども、灯油価格の抑制策を継続できないものかどうか、通産省、どうでしょうか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 灯油の価格に関しましては、中期的な観点と短期的な観点と二つございます。  まず、中期的に申し上げまして、御承知のように、最近の燃料油の需要の伸びの中で、灯油あるいは軽油その他の中間留分の伸びというのが際立って高いという事実がございます。このような需要の伸びに対応するためには、限られた原油処理の中では連産品という特性からまいりまして、最も中間留分に適したような油種を最大の努力をしながら入手いたしまして、灯油の得率を上げていくという方法で対処しなければならないわけでございまして、現実にここ数年の間灯油あるいは灯油を含めた中間留分の得率というのは逐年上がってきておりますが、これと平仄を合わせるようにAPI、要するに、原油の軽質化というものも目に見えて顕著な動きをしておるわけでございます。しかしながらすでにイランショックの始まります前から、サウジアラビアが重質油と軽質油の抱き合わせ販売あるいは重質油の比率を増大するというような動きから、原油の重質化傾向というものが必至になってまいりまして、こういう情勢下にあって中間留分の需要の面での伸び、これをそのまま放置いたしますと、需要と供給の間できわめて大きなギャップが生ずる、こういうことになるわけでございまして、これの対処の方法といたしましては、原油が自由であればまだ努力を続けることが可能でございますが、それがむずかしくなってきておる。そういたしますと、技術的に重質油をあるいは精製残滓あるいは重油等を分解しながら中間留分を取っていくという方法を考えていかなければなりません。これに関しましては当然のことながら設備費がかかるだけではなくして、技術もまだ十分適当なもの、わが国の実情に適したものが浮かび上がってきておりませんし、さらにはイールド、要すれば分解するわけでございますから、それにまた原油をたかねば分解できないというようなことで生産の比率が非常に悪くなっていくというようなことから、灯油価格というものあるいは中間留分の価格というものはコストがだんだん高くなっていく。したがって需要が伸びればコストがだんだん高くなっていくというような状況があらわれてまいるわけでございますが、このような状況のもとにおいて人為的に灯油価格を抑制したままで、その低価格のもとで需要を伸ばしてまいりました場合には、当然そのような技術開発も設備投資というものも望めませんし、原油の確保と申しましても、軽質原油は御承知のように現在では世界のマーケットできわめて高くなっておるわけでございまして、そういうものを引いてこようというインセンティブも全く出てこない、こういうことになりますので、中期的な安定供給のためには灯油価格を人為的に低位に抑制するということはむしろマイナスであろうというふうに考えておったわけでございまして、自由な価格形成を行わせるべきであるという考えのもとに種々検討してまいったわけでございますが、たまたまこのような時期にオイルショックがイランの動乱を契機に起こりまして、短期的に原油価格が急上昇をいたしたわけでございます。それまで円高によります差益の還元ということで、むしろ石油製品は価格が低下ぎみでございましたが、急転して上昇に転じた、こういう状況が灯油のシーズン中に起こりました。他の製品に関しましては、いわゆるわれわれはウォッチという形で、便乗値上げが行われないような形で、この外的インパクトを石油製品に転嫁する、要するに、円滑に日本経済の中に吸収していくための努力を行ってきたわけでございますが、灯油につきましては、需要期における大幅の価格変動というのはやはり消費者心理に非常に異常な影響を与えまして、国民生活に与える影響も大きいという観点から、従来シーズン中はその抑制をお願いしてまいったわけでございます。今般の値上げ幅はかなり大幅なものでございましたけれども、やはり元売り各社に関しましては、従来の基本的考え方が変わっていない旨を私どもとしては個別に申し伝えまして、元売り各社は、この私どもの方針を了として、灯油価格シーズン中の抑制の指導の要請にこたえてくれたわけでございまして、今日現在、その状況が続いておるわけでございます。しかしながら、すでに同質油種の軽油その他の中間留分とは四千円ないし五千円の価格格差が生じておりまして、重油、A重油あるいは軽油等のユーザーから灯油に転換するもの、あるいは灯油価格の先行き不安から、将来の備蓄に関して、灯油の備蓄でございますが、われわれ自身も不安を持っておること。それから、先ほど企画庁長官からお話がございましたように、需要期が明けますと、従来も灯油の価格抑制は解除いたしておりましたので、それらを種々勘案いたしまして、今回の基本的な考え方の取りまとめになったわけでございまして、これは別に値上げをするようにということを言っておるのではございませんで、従来、他の油種が上げたときに上げないでいてほしいとしていた情勢を解除しただけでございます。したがいまして、現時点において、私どもは、灯油価格は他の石油製品と同様、現在のようなイランに端を発した石油の異常な需給関係の事態のもとにおける石油製品についての価格行政と全く同一の行政の対象として今後進めてまいりたいと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 特に石油製品の中でも、灯油の場合においては、生活関連の、生活に直接影響がございますから、特に価格を据え置く、低廉にする、こういう方針は従来貫いてきたわけですね。それを外してしまったわけです。こういうことについては、いま値上げをしろという要請をしたのではない、そういう抑制策を外しただけだと言っても、結果的には値上がりしているんですよ。そういう意味で、私は物価に与える影響が非常に大きいという意味で、これは、抑制策は外すべきではないという意見なんです。もう一度簡単に答えてください。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 基本的に灯油に関しましては、国民生活に関連の深い物資でございますので、他の石油製品以上に、われわれとしてはこの需給動向、価格動向を注視してまいっておりますが、基本的にはやはり外的インパクトその他によって与えられたコスト上昇、これは日本経済、国民経済全般に与えられたインパクトでございますので、それは通常の市場価格形成を通じて転嫁されることがやむを得ないものであり、またそのような形で吸収していくことが適切なものであるというふうに考えております。したがいまして、需要期が明けた現在において、しかも、なおかつ将来の中間留分需給にきわめて不安がある現段階におきまして、人為的に灯油価格を低位に抑制するという措置は、とり続けることは適当でないというように考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私は、五月八日の商工委員会におきまして、本年度の石油供給計画を見まして、灯油の供給量が不足するのではないかという質問を通産省に対していたしました。このとき、答弁に立ちました資源エネルギー庁石油部長は、「灯油等につきましては、ある程度の調整弁としての余裕を見て節約を織り込んでおる等、若干の配慮をいたしておりますので、今後はこの供給計画の実施状況と需要の動向を慎重に見守りながら、適宜適切な対策を講じてまいりたいと考えております。」また、さらに灯油につきましては、「需要想定の中に一定の節約は織り込んでおりますが、供給面での予備三百万キロリットル強を持たせてございますので、平年度の寒さでございますれば、ことしのような暖冬でなくても何とかしのげるのではないかと考えております。もちろん、これには最小限大口需要者、ビルその他の灯油暖房等について、行政指導を十分遵守していただくことが必要であり、この面での協力要請はさらに強力に行ってまいりたいと考えております。」との御答弁をいただいたわけでございますが、冬の需要期に対しまして、灯油の量が不足することのないとの見解を示されたわけでありますが、この見解は修正されるのですか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 供給計画あるいはそのベースになります内需見通しの中に、灯油につきましても一定の節約を織り込んでございます。ただ、御指摘のように、灯油の、国民生活にきわめて重要な物資であるという性格、特性、さらには気温の上下、要するに平年度並みの寒さであるか、厳冬であるか、暖冬であるかということによって需要のぶれがかなりあるという、この二つの特性を勘案いたしまして、灯油に関しては一定の節約が行われるという想定を行った後において、安全弁として御指摘のような数量を供給計画の需要見通しのベースの中に織り込んでおるわけでございます。したがいまして、ビルその他の大口需要者の節約が十分実施され、かつ原油の供給が、この供給計画を策定いたしました時点において想定したように入ってまいります場合には、灯油の供給に関しては最大の努力を行えば大きな不安を与えないで済むものと期待をいたしておりますし、また、そのようにぜひいたしたいというふうに考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 実は、この灯油の需要が非常に伸びておるその要因といたしましては、本来、軽油や重油を使うべき大口需要者が灯油を使っておるんですね。私は、これで需要が非常に伸びておるという感じを持っておるのです。そういう大口需要者は、本来、軽油や重油を使うわけでありますから、そういう要因が一般家庭に直撃を受けるということは、私は非常に納得できないんですよ。この点どうですか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 御指摘のように、灯油の中に民生、家庭用のほか、産業用の灯油もございますし、ビルその他の暖房用の灯油もございます。産業用の灯油の伸びも、御指摘のように五十年代に入りましてからは、一般の燃料油平均の伸びより高くなっております。民生用はもちろんそれより高い伸び率を示しており、示していくものと予想しておるわけでございますが、ただ産業用と申しましても、環境問題その他もろもろの要因、さらには本来的に灯油でなければならないようなものも含まれておりますので、これがゼロになるということは、またその面で国民経済に混乱を与えることになろうかというふうに考えておりますので、したがいまして、転換し得るものはできるだけ転換をしてもらうような努力をしたいと思いますし、さらには転換だけではなくして、次の需要期には、ビルその他の大口需要家はぜひ節約を強力に推進していただきたい。そういうことで、民生用の灯油の安定供給にできるだけ支障をなくするよう、私どもとして努力してまいりたいと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 いまのお話ですが、大口需要者は、重油とかあるいは軽油に切りかえる、転換をするということは、私は容易だと思いますね。しかし、一般家庭の場合は、灯油を切りかえて何にするかという選択の自由がないんですね。そういう意味では、私は、こういう要因を一般消費者に押しつけるという点が非常に矛盾しているのじゃないかなという感じを持つわけであります。その点、今後十分監視体制を整えて値上がりを極力防いでいただきたい、この点をお願いしておきます。  そこで、経企庁長官、先ほどもちょっとお話があったのですけれども、灯油価格の抑制策を解除する前に、灯油を大量に消費する企業やあるいはビルなどの大口需要者に対して強力な行政指導を徹底的に行うことが先決だろうと私は思いますが、その点、どうでしょうか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 その点につきましては、通産省においていま積極的にそれを展開していただいているわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 その行政指導によって、一般家庭用の需要量は確保できないと通産省は考えておりますか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 先ほど御説明いたしました供給計画、要するに、現在の原油入手がきわめて制約的であり、しかも、今後どのようなことが起こるかわかりませんので、キリギリスのように備蓄を野方図に食いつぶしていくということはできないという前提のもとで組みました供給計画の中には、当然のことながら大口需要者の暖房温度の調整等による灯油の削減効果も組み込んでございますので、むしろそのような効果が上がらないと困るのでございますので、これをぜひ上げて何とか、民生用の灯油、これももちろん節約をしていただきたいと思いますが、その節約の範囲内においては、できるだけ安定供給が確保できるように努力していきたいと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私の質問を通して、政府は現在の消費者物価の動向については、非常に落ちついているとの認識のように私は受け取っておるのですけれども、年率二〇%を超す卸売物価の急上昇というのは確実に家計に響く、打撃を与える、これは間違いないわけでありまして、しかも、もうすでに原材料や製品価格に波及をいたしておるわけであります。また、銀行等の調査を見ましても、企業は減量経営によって設備や人手に余裕がなく、さらに、景気の先行きも不透明なことから、増産より製品の値上げ、こうしていこうという傾向が非常に強いと私は考えております。  このような状況下にありまして、生活必需品でありますところの灯油価格が、政府の指導によって抑制策が解除されてしまった。他の物価に与える影響というのは非常に大きいわけですね。この点について、経企庁長官、くどいようですけれども、私はどうも納得できないのですよ。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 灯油の問題でございますが、私はやはり、灯油が特に東北、北海道の家庭においては、もうウェートとしましてもお米に匹敵するぐらいの重要度であるというふうによく認識をいたしておりまして、こうした地域の方々が今回の措置に対していろいろな御不満を持たれておるのかもしれませんが、われわれとしましては、やはり原油価格の値上げということに対して、それでもなおかつそれを抑え込んでいくということは、かえって逆にいろいろな意味でのひずみを消費部門に与える可能性があるし、そうしたことがきっかけになって一種の、やや大げさな言い方をいたしますれば、価格の非常な混乱が生ずる可能性もあるのではないかというふうに思うわけであります。  と申しまして、この灯油価格を一応フリーにしたということが直ちに非常な強烈な打撃を与えるほど灯油価格が上昇することを決してわれわれは見逃すつもりはないのでございますし、また、もしもそういうような事態が現実に本当に起こる、つまり六月からの価格改定のその段階における石油供給業者及びそれを販売する者の姿勢というものに最大の注目を払っておりますし、また政府といたしましても、その時点における灯油価格の形成がどのような形になっていくのか、また、むしろそのような価格形成というものが、見方によれば、寡占でありますから、そのような事態に対して私らは、不当な値上げ、また見方によれば、石油輸入価格の上昇による便乗値上げというふうにも考えるわけでありまして、その点につきましては、関係方面との連絡の中で、現実の価格形成がどうなるか、またどのような形で行われているかということについて十分監視して、その異常な状態にならないように努力をいたしたいというふうに思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 五月二十五日の新聞の報道によりますと、石油業界は灯油価格抑制策の解除に伴いまして灯油価格の値上げに踏み切ることになったといたしまして、各社ともさみだれ式に値上げ幅を発表いたしております。出光興産、共同石油、大協石油が六月一日から家庭用灯油の仕切り値を、小売店への卸値をキロリットル当たり四千五百円値上げすると発表をいたしております。  この六月一日からの家庭用灯油の値上げの理由は、一つはOPECの一月からの値上げ分五%、これは二千二百円程度ですね。二つには、五月の円安差損分の値上げとOPECのプレミアム分二千二百円、合計四千五百円前後と、このような理由のようであります。この点について、通産省は事前調査されたと思いますけれども、この値上げ四千五百円というのは妥当だとお考えでしょうか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 先生御指摘のとおり、これは二回の価格改定の合計したものが四千五百円前後ということになっておるわけでございます。OPECの一月の値上げ、そのときももちろん為替の若干の変動に伴う円ベースでの原油価格の上昇分も入っております。それから四月末から五月にかけての、主としてアブダビ、カタールその他の軽質油を産出する産油国のサーチャージの上乗せ、それに円レートが年度が変わりましてから急激に動いておりましたので、これに伴う修正でございまして、私どもその都度その都度、一応先ほど申し上げましたように、各社の説明も聞きあるいは私どもとしてもいろいろ試算をし、チェックをしてまいりまして、他の石油製品に関しましては、先ほど申し上げましたように、私どもこれが適当であるとかあるいはこの価格がいいのであるというようなお墨つきは、石油業法に基づく標準額等を決定しない現段階において申すのは適当と思いません。むしろ企業は、価格の改定を一応持ち出し、その他は市場によって最終的にその価格が実現されることもあり、されないこともあるという経済の原則に基づいて価格が決定されるのが適当と思っておりますので、裏打ちをしたりサポートをするようなことをこのような場で申し上げるつもりはございませんが、他の石油製品の価格改定の段階におきまして、先ほども申し上げましたように、価格介入を行わなければならないような、あるいは別の言い方をすれば、便乗があるから非常に不当であるというような意味で指導を行う必要性を特に見出しておりませんので、灯油価格に関しても他の油種並みにこれが戻るということについては、一応のバックデータについてのチェックは、私どもとしては終わっておる段階でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 さらに石油業界における値上げの動きを見ますと、六月下旬にも、OPECが四月一日から原油価格を九・〇五%値上げしたことと割り増し金もさみだれ式に値上げしたことなどによりまして、各石油製品キロリットル当たり平均三千円から四千円値上げを行う意向のようであります。そうしてまいりますと、家庭用灯油については今秋以降の需要期までにキロリットル当たり八千円から九千円程度の大幅な値上げが予想されるわけであります。このような大幅な値上げを、市場メカニズムにゆだねて一切介入しないということなのかどうなのか、この点どうでしょう。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 四月一日のOPECの価格改定、その後若干の国が、先生御指摘のようにサーチャージの追加引き上げ等を行っております。それについての改定がこれから行われることは事実でございますが、それについては私ども最終的なチェックを行っておりません。ただ、一般に新聞等で報じられておる数値が、先生御指摘のようなものであることは事実でございまして、これはエネルギー関係にある程度の知識を持っておる新聞記者の方であれば容易に計算できる数字でございますので、各社の数値というものはそれほどばらつきがないわけでございます。  ただ、これが今後次の需要期までどのようになっていくかということは、いわゆる原油マーケットが今後さらにどういうふうに推移していくかということが一つ、それから円レートがどういうふうに推移していくかということを見きわめませんと、軽々に幾らぐらいになるだろうというようなことを私がこの場で申し上げるのは適当でないと思いますので、その場その場におきまして最も適切な形で価格形成が行われていくよう指導をしてまいりたいと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 まだ仮定の話ですからね。私は断定的に申し上げているわけじゃないのです。そういう意味で、じゃたとえば八千円から九千円値上がりしたということになりますと、通産省は末端の十八リットルの小売価格はどのぐらいの値段になると予想されますか。仮の話でいいですよ。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 御承知のように、私ども末端の小売価格につきまして十八リットルかん、三十リットルかん等モニター調査を行っておりますが、これは需要期が終わります三月末でモニター調査をやめることになっておるわけでございます。したがいまして、現時点においてどのような末端の価格形成が行われるようになっておるか、ちょっと三月の数字をベースにして仮定のことと申しながら申し上げるのはやや危険ではないかと思いますが、三月末におきます全国計十八リットルかんのモニター調査の集計は平均で六百六十五円でございます。したがってあとはこれに二割上がれば幾らになり、三割上がれば幾らになるという計算になるのであろうかと思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私の計算では最終的には二百円から二百五十円の値上げが予想されるのじゃないかという感じを持っております。したがって現行が七百円前後でありますから、大体九百円前後、こういうようなことが起こるのじゃないかと私は心配をいたしておるわけであります。どうかひとつそのようなことが絶対にないように、行政指導を強めていただきたい。  それでは、時間が参りましたので、あと二問だけ質問をさせていただきます。  消費者米価の問題についてお尋ねをしたいと思っております。  消費者米価の値上げの方針が農林大臣によって打ち出されましたが、消費者米価はことしの二月にも引き上げられておるわけであります。これをさらに秋に値上げをするということになりますと、年に二回の値上げが行われるわけであります。そこで、政府は消費者米価の値上げについてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 私は正式にそのような話を承っておりませんが、経済企画庁といたしましては年度内二度の消費者米価値上げなどということはとんでもないことでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それではもう一問でございますが、次に一般消費税についてお尋ねをいたします。  政府は一般消費税の導入時期を五十五年度としておるわけでありますが、現在のような物価上昇機運の強い中で来年度の導入はインフレマインドに一層拍車をかけることになると私は考えるわけであります。現に小坂長官自身四月二十三日大阪市内での記者会見では、一般消費税を実施しても税収は大した額ではなく、経済が回復すれば財政の穴を通常の税ルートで埋めることも不可能ではない、この点を詰める必要があると発言されていることが報道されたわけでありますが、長官は一般消費税の導入について否定的か、あるいは何らかの疑問を持っておられるのか、そのように私も考えておるのですが、この点、長官どうでしょうか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 一般消費税というものの必要性を政府が打ち出しましたその背景は、日本の財政状態というものが異常なほど悪化しているということを反映したことでございます。しかし、一般消費税という問題が提案されまして以後、国会における論戦を通じまして、また特に予算委員会等においても総理自身が答えておりますように、この実施に関連して各党から非常に強い批判が出ておるわけであります。また同時に、一般の他の関連業界を初めといたしまして、消費者団体等からも非常に強い疑問が一般消費税について提案されております。私は、やはり国民にある程度負担をお願いしなければ日本の財政はとてもやっていけないということであるのでございまして、やはり国民の理解を十分得るということが何より大事なことであるし、また、それが不十分な状態でやります場合には、非常に権力的な徴税というふうに動かざるを得ない。われわれとしましてはそのような方向はとるべきではないという考え。したがいまして、この一般消費税に関連してなお国民の理解をいただくためになすべきことがたくさんあるわけであります。たとえば財政の支出を思い切り削減するとかそうしたようなことを、政府自身がやっていかなければならないことを積極的に展開をしていく。その上でもなおかつ足りないというような事態を明確に国民にお示しするならば、一般消費税というすでに発表されたような形式であるかどうかは別としまして、国民の御理解をいただいて日本の財政再建に協力をしていただくということは可能ではないかと私は思うわけであります。  私が申し上げましたことは、そうした努力を政府自体もするということと、同時にまた、いま一般世論の持っておられる一般消費税に対するいろいろな考え方あるいはそれに対する御批判というものを政府は率直に受けとめて、そしていくべきであるという考えを持っておるわけであります。  特にそうしたことを踏まえまして、先々週になりますか、閣議におきまして五十五年度の予算編成方針につきましてきわめてドラスチックな歳出削減への方向を大蔵大臣から提案をされております。現在政府内部におきましてはそれをめぐりまして、五十五年度においてどれほど歳出を削ることができるかということで努力しているところであります。そしてこの問題は当然またいわゆる三Kと申しましょうか、健保、国鉄、米価というような現在のあり方についても根本的な検討を加えなければならぬのではないかということが現在政府内部でいろいろと検討されているところでございます。私はやはりこのような問題を、五十五年度中に準備をするということの当然の前提であると考えておりまして、そのようなものがこの八月までに大体の概論を政府内部でまとめようという大蔵大臣の提案でございまして、これがどのような形にまとまるか、また、そのまとまったものを国民にお示しすることによって、どの程度日本の財政状態というものがひどい状態であるかという御認識をいただかなければならないと私は思うわけであります。  同時にまた、そのような形で国民から一種の税として購買力をいただくわけでありますが、しかし、それを今度はどのように使って、それをどのように国民にまたペイバックしていくのかというようなプロセスにつきましても十分配慮して、国民の納得をいただかなければならぬ。私らはそうしたたてまえから申しまして、中期展望の中におきましては、仮にそのような形で国民の御理解をいただいて日本の財政の再建のために協力をしていただくとするならば、それによってどの程度の国民の受益がふえるか、あるいはどのような状態になるかということにいま最大の検討を続けているところでございますが、いずれにいたしましても、一般消費税という形の国民の御協力をいただくという基本的な筋道は、何といたしましても日本の財政が非常に悪いということであって、これ以上の公債政策を続けて景気の維持を図るということはもはや限界に来ているという認識でございます。そのようなことに対しての国民の御理解をいただくということに、政府はつらい道を思い切って歩まなくてはならぬというような考え方で申したわけでございまして、御理解をいただきたいと思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 終わります。

鈴木強日本社会党

○鈴木委員長 午後三時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十九分休憩      ————◇—————     午後三時九分開議

鈴木強日本社会党

○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中野寛成君。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 今後二十世紀末までの約二十年間、その間私どもを取り巻く、特に私ども日本の国にとって一番大切な問題は何かと問われれば、それはインフレと石油だと即座に答えますという方がかなりいらっしゃるわけであります。きょうはその重大な問題について集中的にお尋ねする機会が得られたことを、きわめて時宜を得たものだというふうに考えながらお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、きょうは石油の問題が中心になっておりますが、先般日銀が公定歩合の引き上げを行いましたので、これに関連をいたしまして若干お尋ねをし、その後東京サミット、そして石油等の問題について触れていきたい、このように考えております。よろしくお願いしたいと思います。  四月十七日に公定歩合が〇・七五%引き上げをされたわけであります。また同時に、預貯金の金利や長期金利も全面的に引き上げられたわけでありますけれども、これはオイルショック以来のわが国の、いわゆる緩和型の金融政策が今度は緩やかに引き締め型に転換をした、こういうふうに申し上げてもいいのではないだろうか、こう思うわけであります。この日銀による公定歩合の引き上げ、そしてそのタイミング、そしてその引き上げ幅について、まず長官、どのようにお考えでございましょうか、お聞きをしたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 政府の経済運営の基本は、あくまで六%程度の経済成長をやりまして、その成長の中心はいわゆる内需拡大という方向を主としてとろう。そうしたことの結論としては、日本の経常収支の黒字幅を縮小して世界的な非難に対して日本がそれにこたえる姿勢をとって、将来の国際協力の場合に日本の経済運営の姿勢そのものによって国際的な協力を非常に阻害しないような方向をとるということが第一点でございます。  第二点は、御承知のように、失業の問題をともかく早期に解決しなければならぬ。しかし、現状のような経済成長下におきましては、なかなかそう思い切った改善は見込めないが、しかし同時に一方、職を求める人の数が今年また大きく増大をするであろう、それに対応して少なくとも前年程度の失業率に食いとめたい。四月あたりの有効求人倍率が〇・六六倍程度になっておりますが、これをもう少し改善していくという方向を着実に歩みたいということであります。  三番目には、やはり物価の安定ということをぜひともこうした中で貫きたい、これは万般に経済の運営いそしてまた社会の安全にもつながる問題であるという認識をとりまして、物価の安定につきましては特段の配慮をいたさなければならない。  しかし、今年の二月ぐらいの情勢の中でも、われわれが非常に注目いたしましたことは、また今日も消費者物価は一応安定しておりますが、東京都及び三大都市の地価の高騰であります。全国平均が大体五%と言っておるのでありますが、東京などは九%、また、より個別に調べたものによりますと、一〇%以上上がったところもその中にはたくさんあるというような情報でありまして、こうした、土地に余剰購買力が集中してくるということは一種のインフレへの先駆けとわれわれは考えます。そして、そのような事態とともにもう一つには、その当時OPECの値上げがまだ公表されておりませんけれども、中国がベトナムに侵攻したというような事態から、一次産品が非常な暴騰をした、こうした二つの事態をとらえまして、われわれといたしましては、二月の初めに閣議で物価対策の重要性を指摘して、それでオイルショック以来久しく活動が余り活発の必要なかった物価担当官会議を再びこれに活用しようという方向を決めて、以下は御承知のような形での八項目を実践したわけであります。  特に、今回の日銀の公定歩合引き上げというものは、公定歩合を引き上げることによって現在の卸売物価の騰勢にある程度歯どめをかけたいということはもちろんその底意にはあったわけであります。問題は、やはりインフレマインドに対して少しこの辺でブレーキをかけた方がいいという全般的な判断の中で、〇・七五という引き上げに踏み切ったわけであります。これは、その時点でもなお経済成長はある程度阻害しないという要因と、また公定歩合の引き上げによってインフレマインドが多少チェックできるというような二つのことをねらったわけでございまして、純粋に物価の観点からだけの幅を決めたものではございません。相変わらず両にらみという形での公定歩合の引き上げであったということでございます。  このような観点に立ちましてその後の起こった事態には、特に公定歩合の引き上げをいたしました途端にまた意地の悪いもので円安が始まったということ、われわれは多少予測はいたしておりました。現在の世界の通貨事情から申しますと、何かそうした一つの政策決定がなされるとそれをきっかけにして売るとか買うとかいうような状態が始まるのでありますから、多少は予測をしておりましたけれども、公定歩合の引き上げがむしろ円安を誘発したというような結果、それがまた結果的においては卸売物価その他の上昇への転機になったということもいま反省しております。しかし、これもその後再び円高という傾向になり、そしてまた、現在は円安的な傾向になり、これは非常に流動しておりますから、私はやはり総理も言っておられるような、大体二百円がらみというところで安定をするという方向で進むことを期待をいたしておりまして、そうした限りにおいては、円安という影響も今後はそれほど強くはないのではないかというようにも考えておるわけであります。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 経済動向というのは特に最近はきわめて激動の時期でございますので、見通しを立てるということはむずかしいと思いますし、同時にまた、そういう中でこのような公定歩合の引き上げ等の施策が、ややもするとタイミングを間違いますと、ねらいとは逆に、たとえばインフレを助長したり経済成長を阻害したりという、そのタイミングを間違うことによってねらいが全く逆転をするという危険性を持っている、そういう大変むずかしいときでもあろうと思うわけでありまして、いま長官からの御答弁の中に、そのようなことを配慮しつつ行われたことがよく理解ができるわけでありますけれども、あえてその心配の気持ちの中から若干質問を追加をしていきたいと思うわけであります。  まず、最近のある民間の調査結果を拝見いたしますと、為替レートが、大体四月から六月期の一ドル二百十八円あたりをピークにいたしましていろいろ上がったり下がったりはするでありましょうけれども、これからじり高になっていくのではないだろうか、それから、原油価格の上昇幅が五十四年度一九%、五十五年度五%であるとの前提のもとに計算をしていきますと、今回の〇・七五%の公定歩合の引き上げによる成長率の下落分が五十四年度は〇・一%にとどまる見通しだ、こう分析をされております。しかしながら、五十五年度に入りますと、企業の設備投資とかそれから住宅投資を中心にいたしましてかげりがあらわれて、金利引き上げがなかった場合と比較をいたしますと、成長率が〇・四%分ぐらい下回るのではないかという予測もなされているわけであります。先ほど経済成長を阻害しないという分析のもとで行われた、またそういう判断をなさっているということでございましたけれども、この調査の分析をどのようにごらんになり、かつ経企庁としてどのような試算をなされておりますか。端的にお答えいただければありがたいと思います。

廣江運弘経済企画庁調整局審議官

○廣江政府委員 当庁におきまして大ざっぱな前提を置きまして今回の公定歩合引き上げの経済全体に及ぼします影響を試算した結果によりますと、五十四年度の実質成長率は若干低下するということは否めないと思っております。民間の調査でも、いろいろの前提をお置きになりましてある数字をお導きになっているようでございますが、余り変わりのない数字が導かれるかと思います。ただし、御承知のように、現実経済への影響というものは、そのときどきの経済情勢に加えまして心理的な影響のいかんということもございまして異なってくるものでございます。これを一義的に決め込むというわけにもまいらないところかと思います。  次に、五十五年度についてはどうかというお尋ねでございますが、それまでにいろいろ経済環境等に変化もございましょうし、予想されないような実態が出てくることも考えられますので、これを計量的に把握するということはきわめてむずかしい問題でもございますし、私どもといたしましても、その辺の試算といいますか計算はいたしてないところでございますので、この点お許しをいただきたいと思います。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 あわせてちょっと物価への影響をお尋ねしたいと思います。  先ほど申し上げたやはり同じ民間の調査によりますと、卸売物価、消費者物価ともに五十四年度五・八%程度になるという見込みをし、金融引き締めによる抑制効果は望めないのではないか、五十五年度も同様の程度になるのではないかという見込みと同時に、むしろ金利引き上げがあった場合の方が上昇幅が若干大きくなりそうだという予測をしているようであります。いまの物価上昇の原因は海外要因にある、これは先ほど来触れられていることでありますけれども、これに利上げによる諸コストの上昇等が加わるために、むしろその上昇幅が若干大きくなりそうだという分析になっているわけでありますけれども、先ほどの分析にあわせまして、卸売物価、消費者物価に与える公定歩合引き上げの影響をあわせてどのように分析でございましょうか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 先ほど景気のところで申し上げた試算と同じやり方で物価について見ますと、卸売物価については〇・〇三%程度下がる、消費者物価はほとんど影響がないという結果が出ております。それで私どもとしては、いまおっしゃったような海外要因で卸売物価が上がっている、これが国内に波及していく過程において、金融の緩和基調等を背景としてインフレマインドが出てくるということを恐れているわけでございまして、それに対して公定歩合の引き上げがその芽を摘むといいますか、インフレ心理を断ち切るという効果があるのではないかと考えておるわけでございます。  それで、ただいまお取り上げになりました民間の会社の試算では、翌年度に物価が上がるということが出ておるようでございます。そのモデルについては私ども詳細承知しておりませんが、大体、公定歩合の引き上げというのが実質金利負担をふやしていく、同時にまた、金融面における抑制効果ということとも相まって、物価に対してはこれが引き上げるよりも引き下げる方向に働くというのが一般的な見方ではないかと思うわけでございます。この民間のモデルにつきましては、その点金融コストの引き上げの効果というものが強く出るように計算されていると思うわけでございますけれども、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、物価に対して引き下げる方向に働くということを公定歩合引き上げの効果として考えていいのではないかと考えております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 今回の公定歩合の引き上げについて、いまのような分析の中からお聞きいたしましてもまだ安心感が得られないという気が強くするわけでありますが、公定歩合引き上げによるインフレの予防効果というのは果たして期待できるのだろうかという疑問をなお強く持っておられるのがむしろ一般的ではないだろうかと思うわけであります。先ほど来武部委員の方からも御指摘がございましたけれども、製造業をめぐる操業度の問題につきましても、二月には八六%まで回復したと言われておりますが、減量経営下での採算点の大幅低下を背景にいたしまして、企業はむしろ操業度を上げてまで供給量をふやすよりも低操業、そして高市場価格をその経営戦略として展開している方が自分たちにとってはプラスであるという考え方をなお捨て切っていない、むしろその傾向が強いという指摘がありますし、さらに企業の手元流動性が高まって金融機関からの借り入れ依存度が低くなっている。その結果、金利政策が過去のような効き目を発揮し得る状態ではなくなってきたのではないか。また、こうした状態の中で〇・七五%の金利引き上げが実施されても、企業はむしろそれを商品価格の値上げによって吸収するという傾向が出てきていることは否めないのではないか。事実、企業は、インフレ傾向が鎮静しないという見方を持って、手元流動性の大きさを背景に在庫手当てをふやすという傾向がありますし、当面仮需は駆け込み的にふえる可能性さえあるというふうに考えるわけであります。その調整というものは大変むずかしいかと思いますし、また先般来経団連等への要請も行われておりますけれども、本当に政府からこれらの傾向を是正するためのあらゆる手だてがより一層なされなければ、要請をしたということ等では是正されないのではないか。このことの危惧の念はますます強くなるわけでありますが、先般経団連等へ要請されましたその後の経緯や効果等につきましてどのようにお考えでございましょうか、改めて長官にお尋ねをさせていただきたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 物価問題は政府だけではなかなか効果的な措置がとれないわけであります。特に自由経済体制の中におきまして政府が価格介入をいたしますと、それはまた逆にいろいろな波及効果を呼びまして、むしろそのために全般的なインフレマインドに火がつくという可能性もなきにしもあらずであります。したがいまして、政府といたしましては、八項目から成る総合的な物価対策をともかく弾力的に、かつまた危険が予知される場合には早目早目に行動するということを決めておるわけでございますが、同時に、こうした卸売物価に対しては最も直接的な関係のある経済界の方々に要請をしたわけでありまして、特にわれわれとしましては、海外要因による原材料の引き上がりの部分については生産性向上でもってひとつ闘ってほしい、もう一つは、便乗値上げ等については、われわれも厳重にやるけれども、経済界内部においてぜひ自主的にそれをチェックしてほしいということを要望いたしました。そのときの会合の模様をくどくどここで申し上げる必要はございませんけれども、財界首脳は非常に積極的にその方向で協力をしようということになったわけであります。  重ねて先週末に経団連の総会がございましたが、そこでも改めて私から便乗値上げに対して特段にこれを防止する方向を要請いたしたようなわけでございますが、現時点において日本全国の卸売物価の動向というものを日銀で調べておりますけれども、それを見ないとその効果がどうだということをいま即断はできません。しかしやや長期的に見ますと、このような官民合同の形での物価安定策というのが結局は一番効き目があるというふうに私は思っておるわけでございます。  また同時に、こういう物価特別委員会あたりで各委員からその点について危惧の念を表明されますことは、われわれにとりましても非常な鞭撻でありますが、同時にそうしたことが国会において非常に真剣に論議されているということを国民が知ることによって物価問題の重要性、あるいはまた先ほどから御指摘のような企業エゴによる価格面だけで会社の経理状態を改善しようというようなことが、いかにそれは結局自分の足を食うことであるかというような認識、そのようなことが国民全般に浸透することが最も物価対策においては重要なファクターではないかとも私は考えております。そうした意味におきまして、本日の各委員からの御指摘に対しまして私もいろいろ答弁は申し上げておりますが、しかしこういうような議論があるということ自体がきわめて有意義であるというふうに考えておりまして、今後とも皆様方の御指摘と御叱正をいただきたい、そのように思うわけでございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 いまの御答弁、私は大臣の非常に内容的なポイントを突いた御答弁をお聞きしながらそれなりに理解をさせていただくわけでありますが、同時にやはり各企業末端に至るまで、各企業一つ一つはそれぞれ独立した企業活動をやっているわけでありますし、もちろん相互に関連性は強くあるわけでありますけれども、しかしながら一つ一つの企業エゴやまたその他の諸問題を是正していくということは決して簡単なことではない、これは申し上げるまでもないと思うわけであります。国会で論議をされていること、またはマスコミがやかましく取り上げていただくこと、それらのことも大切でございますけれども、やはり政府からの、こういう言い方は大変失礼な言い方ですが、ときにはあめとむち的な施策というものもきわめて高度に発揮されなければいけないのではないだろうかという気がなおなおするわけでございまして、これは要望にとどめておきたいと思いますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に一点だけマネーサプライに関しましてお尋ねを申し上げたいと思います。  先ごろ日銀が発表いたしました三月のマネーサプライ統計では、日銀がインフレの先行指標として重視をいたしておりますM2の月中平均残高は前年同月比一二・二%増となったようであります。これは中堅中小企業向けを中心に金融機関の貸し出しがふえたのを反映したのではないかと思うわけでありますが、そしてまたマネーサプライは高水準が続いているんだという判断を日銀ではしておられるようでございますけれども、このような状況はやはりインフレの火種を着実に貯えているのではないかという心配を持つわけでございまして、この際長官御自身、このマネーサプライの現状をどのようにごらんになっておられるのか、また危険ラインを何%ぐらいというふうに御分析になりますか、お聞かせいただければありがたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 二月の時点におきましてわれわれが物価対策に特段の配意をする必要があるという決断をいたしましたのは、先ほどちょっと申し忘れましたが、東京その他の土地における地価の高騰とあわせてこのマネーサプライの一二%台ということに対してであります。同時にまた、われわれとしましてはマネーサプライのM2が一二・二%ないし一二・三%という段階に加えましてマーシャルのKというのが、つまりこれがなかなか高い水準にあって、こうしたことを考えての二月初めにおける物価対策の推進でございます。そのような意味におきまして現状必ずしも楽観しているわけではございません。同時にまた、マネーサプライが現状のように膨大な公債発行をやっておるということによって、その面からするM2の増大ということも十分配慮する時点の中で先般の公定歩合の引き上げということが決断されたもう一つの要因はそこにございまして、現状がどうかという御質問に対しましてはそれなりにわれわれとしてはすでに対応を開始しているというふうに御理解を願いたいと思うのであります。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 危険ラインを何%と見るかということについてはお答えを回避されたのか、もしくはむしろ対応を開始しているというお言葉の中でにおわされたのか、改めてちょっとお聞きをしたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 何%が危険であるかないかということについての判断は私にはつきかねるわけでございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 この問題はこのくらいにいたしまして本題の石油の問題に入らせていただきたいと思います。  原油価格の引き上げ、そして国内の石油製品の価格、これがいま最大の問題になっているわけでありますが、先日エネルギー経済研究所が発表いたしました試算が新聞に載っておりましたけれども、OPECの原油価格は一バレル当たり平均十六ドル二十一セントで、昨年末価格に比べ二五・二%も上昇していることがわかった。OPECの決議ではことし四月以降の価格は昨年末比一四・五%上昇したので、産油国独自のサーチャージが一〇%余あることになる云々ということが発表されているわけでありますけれども、まずこのエネルギー研の試算に対して経済企画庁として、もしくは通産省としてどのような御判断、また独自の試算がおありになりますれば、どういう試算になっておりますかお聞かせをいただきたいと思います。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 エネルギー経済研究所の試算はその調査の時点では前提の置き方によって若干異なりますが、私どものつかんでおる数字と大差ないと思います。ただ御承知のようにほぼ旬日を経ない間にいろいろな国が次々と価格の引き上げをやっておりまして、現実に二十八日にはカタールが五月十七日にさかのぼって八十セントの値上げをするという通告をしてきておる、こういうことでございますので、時々刻々この数字は動いております。私どもといたしましては六月のOPEC総会等を目指して一連の動きがあるかと思いますので、これらの山を越えたところでもう一度試算をしてみたいと考えております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 おっしゃるとおりだと思います。時々刻々動いていることは間違いないわけで、私どももこのエネルギー研の試算はおよそこういうものかなという感じがいたしますので御答弁のとおりであろうと思います。  さて、ここでしかしそういう事態というものは本当にわれわれにとってはきわめて重要な問題であるとやはり受けとめざるを得ないわけであります。物価に与える影響、そしてまた同時に、値が上がるということは、極端な例を挙げれば、私はこう思います。値段が二倍に上がるということは、国民サイドから見ればその物を利用できるのが半分になるということ、すなわちそれは、値が上がるということはその物がなくなるということと同じことを意味するだろうと思うわけでありまして、むしろこれから二十世紀から二十一世紀へ乗り越えるその期間の中で、私たちは石油または石油にかわるものをどのように生活の安定を確保し得るように確保しながらやっていくかということが、最初申し上げたように、最大の課題であるわけでありますから、このことは場合によってはかなりラジカルな対策をも要求をされるということになるのではないだろうかという気がするわけであります。たとえば、OPECに対する対抗措置というものを東京サミットでの一つの議題とするというふうなことは考えられないのか、または政府備蓄ぐらいのものはひとつ取り崩して、その間は輸入をしんぼうしてOPECに対してむしろ消費国からの圧力をかけるというような手だてを打つ、そういうことをやれば、これは大変国際的な重大問題であることはよく承知をしてあえて申し上げるのですが、そういう消費国としてとり得る何らかの手はないかということも十二分に考え合わせながら、代替エネルギーその他へやはりそれが進化していくということでなければ、国民生活を守りながらこのエネルギー対策を講じていくことにならないのではないだろうか、このように考えるわけでありまして、石油部長さんも恐らくそのことの対応というのは一番念頭に置かれながら仕事をなさっているということであろうと思いますけれども、こういうより一層国民生活を守る立場から、恐らく東京サミットに対する期待というものもますますこれから国民の間で高まっていくであろう、このように感じますし、東京で開かれるから、そしてまた日本がややもすると悪役扱いをされるからということで受け身の対応策がなされたとしたら私は大変だという感じがするわけでありまして、まず総論的に東京サミットに臨む政府としての、または経企庁長官としての御見解をお聞きをし、そして石油対策その他につきまして、もし長官以外のお答えがございましたら、その他の政府委員の方からお聞きをいたしたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 東京サミットにおきましては、やはり前回のサミットにおきまして決められたと申しますか、議論された五つの課題、通貨、生産、成長、物価、インフレ、エネルギー等々でございますが、その中で、少なくとも現時点では大体通貨の状態もまあまあ、それから経済成長に関連してもまあまあの線に過去に五十三年はいったと思うのです。残るのがインフレ問題、それとエネルギー問題、これがやはり最大の課題になるであろうというふうに考えておりますが、いま委員がおっしゃいましたように、消費国が合体して一種の産油国との間でいろいろと話し合いをするという産消会議と申しましょうか、産油国と消費国との間の話し合いというものも議題の一部になっておるようでございますが、しかしこれにはやはり国際間というか、各国別に対応が非常に違うわけでありまして、なかなかそういう段階にはならぬと思うわけであります。  それで、先般開かれましたIEAの閣僚理事会に通産大臣が出席されまして、基本的には、ことしもそうでありますが、来年もパーデー約二百万キロリットルの原油の供給が不足するであろう、したがってことしのみならず来年も五%の節約は絶対にやろうではないかという国際的な取り決めに参加をされたわけであります。われわれとしましてはこの五%の節約ということが確実に実施されるということになりますれば、これは非常に大きな産油国に対しての一種のインパクトになるというように判断をいたしております。したがいまして、五%節約について、さらにサミットにおいてはこれが必ず実現するような方向の話し合いというものはぜひなされなければならないであろうというふうにも考えるわけであります。ただ、ここで産油国に対して消費国が、特に日本が先頭を切っていろいろ行動するということについては、きわめてデリケートな国際情勢でございますので、そうしたことはしない方がいいというふうにも私は判断をいたしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、石油問題、そして特に価格の問題がきわめて重要なことでございますし、そのようなことがやはり日本一国ではどうにもならない、ちょうどサミットというような国際的な協力関係の話し合いの場で十分に今後の対応が論議されるべきではないかというように私は思います。  なお、長期的、中期的な観点から、これは通産省がお答えいただくものであると思いますが、やはり石油が今後も継続的に値が高く、かつ不足する、おっしゃるように石油がなくなるということであります、経済的に言うならば。そのような状態に対応して代替エネルギーとしての原子力の利用、活用、そしてまたその安全性の確認ということが何よりも急がれるわけでありまして、この原子力の安全性というものについて国際的な協力を全面的に進めてほしいという個人的な希望を私は持っておるわけであります。  なお、石炭資源への切りかえとかその他のもろもろの新エネルギー開発につきましては、もちろんこれは国際的な協力というものを前提にしなければ、とても一国では達成できないことであるし、そうした石炭利用につきましては、今回のIEAにおきましても相当の、ある程度の各国との間の合意が成立しているようでありまして、それの追認ということもなされるのではないか等々考えますが、いずれにいたしましても当面は日本の経済成長を阻害しない限度内における五%節約を着実に実行するということが、日本にとってはきわめて重要な経済政策の一環であるというふうに考えております。

中島源太郎自由民主党通商産業政務次官

○中島(源)政府委員 詳しくは政府委員からお答えをいたさせますが、過日のIEAの閣僚理事会におきましても、その結果は御存じのとおりでありますが、現在IEA諸国の消費は四千万バレル・パー・デーでございますし、現在、長官がおっしゃいましたように、二百万バレル・パー・デーの不足ということでございます。そこで産油国に対しまして消費国が一貫した話し合いをすべきではないかという提言もあったように伺っております。しかし現在の状況を見ますと、四極に分離して考えなければならぬのじゃないかというふうに私個人は考えております。それは産油国が一つと、それから消費国でも、国内の地下資源を持っておる有資源の消費大国、それから日本のように無資源の消費大国、それともう一つは無資源の消費小国というものがございますから、消費国の間にもいろいろな国内事情がございます。アメリカなどは国内産油も持っておりますし、新しい油田あるいはオールドオイルその他がございますが、カーター大統領も六月に入りましたらば国内原油価格を撤廃するというふうなことも言っておるようでございます。したがいまして、通産省といたしましては、アメリカあるいはECという大きなブロックとの話し合いと同時に、EC各国ともひざを交えて話し合っていくという姿勢が必要であろうと思いますし、その方向にまいると思います。  それから先生が御指摘のように、この際備蓄を取り崩しても現在のタイトな状況を乗り切っていくべきではないかというお考えも当然であろうと思いますが、かつての一九七三年当時のオイルショックのように量あるいは価格とも一過性の瞬間風速というふうになかなか受け取れないところが難点でございまして、これが将来にわたってタイトな状況が続き、価格上昇を残念ながら見込んでいかなければならぬということでは、安易に備蓄取り崩しということが長期的に見て是か非かということはむずかしい問題ではなかろうか、このように考えております。  それから、当然代替エネルギーとしては石炭を重点に使えというIEAの決定もございますが、日本といたしましては国内炭はトン当たり一万九千円程度でございますし、海外炭は御存じのように一万円から一万一千円程度、八千円程度の差もございますし、ある意味では日本は現在代替エネルギーを含めましても少資源の消費大国といわなければならぬわけでございまして、これからの大きな問題としては、長い目の代替エネルギーの開発と、当面は五%を目標といたしました節約に全力を挙げるということにあるのではなかろうか、このように考えております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 当面のエネルギー問題が代替エネルギーの開発と、そして当面の節約という問題であることは私も全く異論はないわけでありますし、また、特に代替エネルギーの中で原子力エネルギーが占める重要性というものは、わが党もむしろ政府の意欲に負けないくらいの気持ちを持って今日まで主張してきたところでありますが、今日、原子力の問題についてはきわめて重要な、国民に危惧の念を抱かせるような不幸な事件が起こってきておるわけであります。ただ、それがややもすると、国民の意識の中に誇大な不安となって広がっていくということであってはこれまた問題の本質を見逃すことになるであろうというふうに思います。このことについては十分政府の方でもその安全性の確保とPRについて—PRというよりも、それは誇大広告という意味ではなくて、正しく認識していただくという意味においての御努力をなお一層御要請申し上げたいと思います。ただこの問題についてのみ触れ始めますと、これだけで時間が幾らあっても足りないわけでありますから省略させていただきますが、一つだけ大変意地悪な質問になるかもしれませんけれども、この五%節約の問題ですが、私、当面これはやむを得ないし、また一つの方策として賛意を表するものでありますが、その具体的な対策となりますと、これは本当に心もとないという気がするわけであります。  最近、省エネルギールックというような話が出てまいりましたけれども、それはそれで冷房を緩和する等の効果を考えてのことでありますけれども、果たしてそういうことで対応できるのだろうか。これもまた先ほどの政府備蓄の取り崩しみたいな極端な例を申し上げますけれども、といって必ずしも前例がないわけではありませんが、たとえば自動車の問題にいたしましても、シンガポール等で行われております時間制限を行う、また自動車の都心部への乗り入れについて、たとえば四人乗っておれば通行料は要らないけれども、三人に減り、二人に減るとそれだけ通行料を取られるというような施策をすることによって交通制限的なことをやりましたり、またはそのことによってエネルギーの節約を図ったり、幾つかのねらいを持ってそういうことを実際に行っているケースもございます。他国の物まねをしろということではありませんけれども、ありとあらゆる英知を結集して、たとえ五%といえども取り組まなければなかなかその実現というのはむずかしいのではないだろうかという気がするわけでありますけれども、これらについての取り組み方については目下どのようにお考えなんでございましょうか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 御指摘のように五%の節約の問題、これを広く理解していただき、その効果を上げていくというのはきわめてむずかしい問題でございまして、先ほどの委員会の休憩の間にも、再度関係者が大臣から指示を受けまして、さらに五%徹底のための施策をいろいろ考えるようにと言われてまいりました。先生御指摘のような時間制限あるいは通行料付加税的なものもあるかと思いますが、私どもといたしましてはでき得れば——要するに省エネルギーあるいは節約というものでございましても、国民生活そのものを急激に程度を下落させて行うということは容易でございまして、できるだけ現在の自由なあるいは文化的な生活水準を維持しながらエネルギーの節約を進めてまいりたいというのを第一義的に考えたいと思います。  そういう意味では、やはりおのおのの自覚にまった節約というものを根気強く呼びかけてまいりたいと思います。ただ四囲の状況、要するに原油の入着の見通しであるとか入手の見通しであるとか、あるいは産油国における予期せざる状況の発生とかというような事態が新たに発生した場合には、このようなことで済むかどうかはわかりませんので、私どもとしてはすべての問題に関しての準備はいたしますが、当面は個々人の自覚と協力に基づいて、できるだけ限りなく五%に近づけていく努力をいたしたいと思います。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 端的に、こういうことをやりますという答えはもちろん返ってこないだろうと思います。そういう意気込みを持ってお取り組みであるということをお聞きすることによって了解をしておきたいと思います。  さて、三月末の、OPECによる原油価格の引き上げの際に、経企庁の方で資料をお出しになりましたけれども、消費者物価指数並びに卸売物価指数に与える影響を四月一日からの九・〇五%値上げによるものとして考えれば、ともに年平均約〇・一%ほどのアップだろう、さらにバレル当たり一ドルの上乗せによる影響はそれぞれ〇・二%、〇・四%であろう、また、成長率に与える影響は〇・一五%の低下であろうという内容でございます。しかしながら、ほとんどの産油国が、先ほどもお話がありましたように、かなりのサーチャージを通告しているわけでありますし、このようなものがそれぞれの物価指数に与える影響というふうなものをどのようにお考えでありますかお聞きをいたしたいと思いますのと、もう一つ、スポット物がバレル当たり三十ドルを超えるというふうなことで、大変大きな値段になっているわけであります。これに対しても御見解をお聞きしたいと思いますのと同時に、その犯人と原因は何か。外的要因だけではなくて、国内にも、こういう言い方はちょっとどうかと思いますが、その原、因となるものがないか。まあ私に極論で言わしていただければ、その犯人はわが国内にもいないかという感じもするわけでありますが、そのようなことについて、どのようにお考えでございましょうか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 最初のサーチャージの件でございますが、当時サーチャージ一ドルで、いまおっしゃったように、CPI〇・二%、WPI〇・四%の影響があるというふうに報告したわけでございます。現実のサーチャージの動きはなかなか把握が困難でございますが、現在までの入着のCIF価格等から算定いたしますと、一・二ドル程度になっているのではないかと思われますので、ほぼこの前申し上げました〇・土、〇・四というようなことでCPI、WPIに影響が出てくるのではないかと考えます。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 スポット価格に関する問題でございますが、いわゆる犯人というのは、国際的なマーケットの中の問題でございますので、確たる証拠なしに軽々に公開の場で申し上げることは不適当かと思いますけれども、少なくもそのような原油を購入することによって、他のものと薄めて使用することが可能な社、あるいは製品をスポットマーケットに供給することが可能な社でなければ三十ドル強のスポット原油はとうてい購入できないと考えております。  広い世界の中でございますので、そういうことが可能な社はあるかと思いますが、スポット原油そのものの量はきわめて限られたものであり、産油国自身が非常にある意味では巧妙に、OPEC総会を控えてスポット価格の上昇を図ることが可能になっておるような環境にあることは事実でございます。  わが国内に犯人はないかということでございますが、私どもの調べておる限り、三十ドル以上の原油を買って、現在の監視体制の石油製品の価格体系のもとにおいて精製をし、販売をし得る社はないと考えておりますので、備蓄の積み増しその他でいわゆる政府基準価格以外のものを若干購入する社は間々あるにいたしましても、三十ドル強というものをわが国の会社が買っておるという事例は現在までのところ承知しておりません。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 わかりました。  次に進みたいと思います。  このところ、石油元売り各社が、石油製品の仕切り価格の値上げを次々に決定しているわけであります。具体的に一つ一つのことを申し上げる必要はないと思いますけれども、現在一キロリットル当たり約千七百五十円というふうにされているわけでございますし、またこのほかに、石油業界では元売り各社が一キロリットル当たり二千円前後の石油製品値上げを決めているというのが実情であります。  私は、このような石油製品の急激な値上げは、せっかく回復しつつある景気に、そしてまた、同時に、国民生活にきわめて大きな悪影響を及ぼすことは言うをまたないと思うわけであります。石油製品の値上げが、逆に、言うならば石油そのものの節約に通じるという考え方ももちろんあるわけでありますが、先ほども申し上げましたように、それは国民の暮らしを圧迫しながら対策を講じていくという、きわめて稚拙なやり方であるという批判は免れないのではないかという気がするわけであります。最近のアメリカにおけるガソリンの問題についても、確かに一つのショック療法ではありますけれども、果たしてそのことが正しいやり方なのか、行政サイドからやる手としては、評判を落とすことは別にいたしまして、きわめてやりやすいかつ効果的な方法ではあるかもしれませんけれども、そのような稚拙なやり方はやはり避けるべきではないか、実は私自身もやむを得ないかなという気も、反面あるにはあるわけでありますけれども、やはりほかにいろいろな方法を講じることこそ、政府の政府たるゆえんではないかという気がするわけでありまして、あえてこのような現在の傾向と今後の対応策につきましてお考えをお聞きいたしたいと思います。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 先生御指摘の値上げは、五月に入りましてから元売りが逐次打ち出した値上げであろうかというふうに考えております。すでに三月に一度価格の改定を行いまして、五月に再度行っております。これらはもちろん、円安に伴う円価格での原油のコストアップもございますが、基本的には何と申しましてもOPECの原油引き上げに伴うものでございまして、御承知のようにほぼ一〇〇%海外に原油を依存しておるわが国といたしましては、その当否あるいはそれに関する意見、感想等いろいろございましても、やはり日本経済全体としてあるいは日本国民全体としてこのインパクトはいずれにしても受けとめざるを得ないものであろうかと考えております。  これに関連して、これが一時的な、まさに瞬間的瞬時的、幻の価格上昇であれば、それなりの手も打てるかと思いますけれども、原油コストそのものはまさにクリーピングな形で上昇していくというような状況のもとにあって、人為的にこれを抑制していくこと自体が適当かどうかという点はきわめて問題がございまして、私どもとしてはこれらのインパクトが日本経済に円滑に吸収されていくように措置すべきであろうかと考えております。  幸いに、前回のオイルショックのような狂乱的状態になっておりませんので、現在のところ、私どもは市場の需給関係あるいは市場メカニズムを通じながら、便乗値上げ等が行われないように監視するという体制でこの状況に対処しておるわけでございます。もちろん、状況の変化に応じて、それなりに必要な措置は当然考えていかなければならないと思いますが、現時点においては、現在私どもの行っておりますウオッチングと申しますか、あるいは監視程度が最も時宜に適したものというふうに考えております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 そのほかガソリンの問題でございますとか灯油、軽油等、幾つかのものについて具体的にお聞きをしたかったわけでありますが、先ほど来の質問とダブる点もございますので、これらのことにつきましては省略をいたしたいと思います。  最後に、冒頭お尋ねをいたしましたけれども、日銀が発表されました四月の卸売物価が、前月比一・七%の大幅上昇になっているということ、この上げ幅はオイルショック直後の四十九年二月以来の高いものであり、年率に換算して二二・四%の急上昇である、これは先ほど武部先生もおっしゃったことでございます。  これらにつきまして、大幅な円安やOPECの四月からの値上げなどを背景に輸出入品が値上がりをしている、その上に輸入原材料の価格上昇が国内工業製品にはね返ってまた卸売物価を強く押し上げている、私はこのような考え方を持つわけであります。  このように卸売物価を上昇させる要因というものが、輸入品から国内品へとだんだん広がることによって、また消費者物価へのはね返りがきわめて直接的にかつ大きなものになってくると考えるわけであります。四月十七日から日銀が物価抑制のために公定歩合を引き上げた、それにもかかわらずこのような状況に至っているというそのことにきわめて大きな危惧の念を持ちながら、またそれは近い将来公定歩合の再引き上げというふうなことも景気との絡み合わせの中から考えざるを得ないというふうな状態に陥っていかないだろうか。私は、物価の現状につきまして、また公定歩合再引き上げを不可避とさせないための諸施策について、石油の問題とあわせながら、当面の諸施策の基本について、最後にもう一度経企庁長官としての端的なお答えをいただければありがたいと思うわけでございます。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○小坂国務大臣 御指摘の物価問題は、特に卸売物価はきわめて警戒すべき状態であるという基本認識を持っております。また、そうしたことのある程度の予見を持ちながら公定歩合の引き上げとか、あるいはまた八項目からなる総合政策の推進とか、あるいは公正取引委員会によるいわゆるカルテルの廃止とか、それぞれ手を打ってまいったわけでありますが、現在の卸売物価の上昇の根本が海外要因というものが多いということ、これに対してはこれを鎮静させる努力というのは一にかかって生産性の向上以外にはないのではないかと思います。同時にまた、その海外要因による物価上昇を最小限度に食いとめる施策としては、いま申し上げた生産性向上、もう一つは便乗値上げの断固とした排除、この二つが一番基本になると考えておりまして、このようにいわゆる外的な要因による物価上昇というものを政府が価格介入をいたしましたところで、それならば保障しなければならぬという問題に波及するでありましょうし、それはまた一方においては大きな財政負担につながる、それがまた公債発行につながる等々のことから、やはり通貨面から見たインフレ要因というものは決してそれだけでは解消しないというふうに考えておるわけです。したがいまして、われわれの政策は率直に申し上げてはでな政策はないのであります。やはり早目に予見したことに対しては機敏に対応していくということ、それからいま委員がいろいろと仰せられました個別商品についても、政府は、それは個別商品であるからという形で見逃すことのないよう、細かい事態の動きについても十分監視をして、そしてそれがあるたとえば便乗であるとかあるいはきわめて意図的な価格上昇であるというふうなことがわかった場合には、そうした事態に対しての対応をして、それをもとに戻してもらう努力をするとか、あるいはまた修正をしてもらうとか、そうしたことを行政機関として行動すべきではないかと思っております。いずれにいたしましても非常にきめ細かく、そしてまた早目早目に行動するということが要望されておりまして、そうしたような考え方のもとに物価担当官会議も四月五日に開きまして、しかしその時点ではすでに卸売物価は上がっておったわけでありますが、しかしそういう事態を再認識するということで一段と全般の行政機構は卸売物価の上昇に対して身構えた形で以来行動を続けておるわけでございます。  なお、もうしばらく情勢を見ながら、さらにわれわれとしましてはこうした情勢が五月、六月になってもさらにとまらないとか、あるいはまたその他不時の海外要因による引き上げが行われるというような場合には、さらに問題を煮詰めて物価安定への努力をさらに続けるということを申し上げるにとどまるわけでございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 終わります。どうもありがとうございました。

鈴木強日本社会党

○鈴木委員長 次回は、明後三十一日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十四分散会

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