農林水産委員会 第14号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/05/23
会議録
○山崎(平)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、その指名により、私が委員長の職務を行います。 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川国彦君。
○小川(国)委員 最初に農林大臣にお伺いをしたいわけでありますが、肥料価格安定法の審議に入ります前に、食管制度の問題で一点お伺いをしたいと思うわけであります。 本年度の食管会計の予算の中で、米穀通帳の印刷予算が約五百九十万円組まれているわけでございまして、それで約六十五万冊の米穀通帳を印刷する、こういう予算が組まれているわけでございます。ところが、現実には三千万の配給世帯があって、実質的にはこの米穀通帳というものはほとんど有名無実で利用されていない。そういう形のものをまた五百九十万の予算をかけて印刷するということは、大変それは国費のむだではないかというふうに思うわけなんです。ですから、これをどういうふうに大臣はお考えになっていらっしゃるか。
○渡辺国務大臣 現実の問題としては、そういうようなことを指摘されてもやむを得ない現状であります。しかし、政府としては、やはり法律があります以上は、だれかがその法律の履行を迫られたときに、すぐそれに対応できないということでは、政府みずから食管法を一体守るのか守らないのか、こう言われますから、いつでも準備はしておかなければならぬ、こういうことなんです。食糧管理法の第八条ノ三の規定によって、農林大臣が、消費者または販売業者に対する米穀の配給割り当てを証明するために、この購入券というものを発給しなければならぬということになっておるわけです。したがって、販売業者または消費者は、この購入券によらなければ米穀を販売または購入することが禁止されておるのです。それは八条ノ四に書いておるわけですから、こういうことも考えまして、そうしてその購入券というものをこしらえて配るわけでございますが、実際は余りだれも取りに来ないから運用されない。しかし、米屋の卸屋や小売屋の取引の段階では現在でも使われている。末端で使われていない、こういうことなので、これらのことが現実離れをしていると言えば現実離れをしていることでもありますから、どこのところをどういうふうに改善をするか、やはりこれは改善項目の一環として検討しなければならぬ、こう思っております。
○小川(国)委員 日本の国も大きいようで財政は苦しいわけでございまして、五百九十万円の予算といえどもむだ遣いはされない方がいい、こういうふうに思うわけです。ただ、大臣がそれならばこの予算をカットするということを言い切れないのは、やはり食管法という制度のたてまえがあって、これを簡単に左右することができないというふうにお思いだからだというふうに思うわけなんです。 実は私も、この問題が起こって、家庭におきまして米穀通帳があるかということで調べてみましたら、昭和四十三年に交付された米穀通帳があったのですが、家内に聞いてみたら、お米屋さんが要らないと言うので、四十三年から今日まで十年間、全く米穀通帳なしでお米が買えてきている、こういう実態があるわけです。それから、改めてやはり法を守らなければいけないんじゃないかというので、米穀通帳を市役所へもらいに行かせましたところが、市役所の方が非常に驚きまして、ことしになって初めてもらいにこられましたというので、交付されました米穀通帳の印刷は、昭和四十七年に印刷された米穀通帳で、これも昭和五十三年十一月一日から五十四年十月三十一日まで一年間有効ということで渡されたのですが、農林省の方で聞くと、一遍交付すると一年限りではなくてこれはずっと使える、こういうたてまえのようなんですが、末端に行くと徹底していなくて、一年の有効期限を書いてこれをよこすわけなんですね。 そういうふうに、購入通帳自体の末端における状況を見ても、全く有名無実になっている。ところが、法律でいけば、この購入通帳を持たずしてお米を買った場合は、売った方は十年以下の懲役で十万円以下の罰金、買った方は三年以下の懲役で三万円以下の罰金、こういうふうになっているわけなんです。しかし、恐らく大臣の御家庭もそうだと思うのですが、この通帳を持ってお米を買っていないので、私ともども三年以下の懲役、三万円以下の罰金に科せられなければならない立場にいまあると思うのです、現行法を現実に守りますと。そういうことは国政上非常にまずいのではないか。ですから、私は、食管法という大きな法のたてまえ、法を守るという観点は、食管法の大義から言って、これは守らなければならない大義があると思うのですが、しかし、その中で、こういうように有名無実になっている条項については、たとえば国会は立法府でございますから、この中で、その条項は米の余っているときにはこの通帳は要らない、お米が不足したときにこの通帳を発動するというようなことを、政府提出の法律でも一条出せば、この五百九十万円というものはむだ遣いをしないで済むのじゃないか。何かその辺、予算の冗費の節約ということを言っている政府自体が、有名無実のこの制度に五百九十万の金でも使用するということは、やはり国損だというふうに思うわけなんで、その点ひとつ、大臣は英断をもってこの処理をやっていただきたい、こういうように私は思うのですが……。
○渡辺国務大臣 これはなかなか食管の根幹の問題なんですよ。御承知のとおり、食管法というのは配給統制をすることを目的とするというふうに書いてあるわけですね。これは法律上から言うと確かに根幹なんです。実態論から言うと、あなたのおっしゃるのが世間の常識なんです。問題はそこなんです。そこで食管法を変えるという話を出すと、すぐにまたこれも騒ぎの種になる。ところが現実には、現行の食管法というものが現状に合ってないことは明らかなんですよ。合ってない部分も多い。したがって、まずこれを生産者にも消費者にも納得をしてもらわなければならぬ。政治ですからね。よけいな騒ぎを起こす必要はない。ですから、これはわれわれを含めてこういう議論が国会で行われないできたこと自体がおかしいのであって、国民の生活と密接した関係の、観念論ではなくて実態論の論議というものがあってしかるべきだ。最近ぼつぼつこういう話が農水なんかでも出てきたということは、私は非常に歓迎すべきことである。 ただ、一条でこれはすっと直すわけになかなかいかないんです。これは配給統制の問題となっていますと、自主流通米は配給米になっているわけですから、自主流通米といえども配給米であって自由米ではないですから。仕組みの話が一緒に来るのであって、そこで、これほど米が余っているということになれば、食管法をいじらずにきっちり守っている方がいいのか、それとも消費拡大を図った方がいいのか、法律を守ることが優先なのか、生活を守る方が優先なのかどっちなんだという話なんですよ。ですから、これは私は、食管法の根幹は実態論から守らなければならぬ。形式論からは、煩わしいものやそういうような実態にまるっきり合わないものは、臨時的にするか特別法にするか、何らかの形で実態に合わせるようにすることは、私は政府でも国会でも国民に対する義務じゃないかとさえ思っているわけであります。 したがって、これらのことについては、鋭意農林省の内部で目下研究をいたしておりますし、それぞれの関係団体とも大体の方向が決まれば話し合いをしてみたい、こう考えております。なるべく早く実態に合わせるように、しかもこれは平静裏にみんなの納得の上で合わせるようにしむけてまいるつもりであります。
○小川(国)委員 その結論の早からんことを願いまして、この点は質問を終わりたいと思います。 次に、肥料価格安定法が五年延長の提案がなされているわけですが、歴史的に見ますと昭和二十九年に肥料二法というものがあって、それから昭和三十九年に肥料価格安定法ができて、それから四十九年に五年延長し、五十四年にまた五年延長したい、こういう提案を受けているわけですが、この十五年間の歴史の中で農民の肥料価格を安定することは果たして守られてきたのかどうか。どうも業者の輸出振興と価格維持に追われて、農民の利益を守る点というものは第二義的なものになってきてはいないか、こういうふうに思うわけです。 したがって、私どもは立法の原点に立ち返って、この肥料価格安定法というものが本当に農民の肥料購入の段階における価格安定に寄与しているのかどうか、その点について伺いたいと思うわけでありますが、いまの肥料価格の国内価格というものは安定しているのかどうか、どういうふうに見て安定していると言えるか、まずこの点を伺いたいと思います。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話ございましたように、現在の肥料価格安定等臨時措置法、三十九年に制定を見たわけでございます。その後二回ほど五年間の単純延長をいたしまして、今回さらに単純延長をお願いいたしているわけでございます。 その際に肥料価格というのが本当に安定しておるのかどうかというお尋ねでございますが、これは当初制定いたしましたときには硫安が対象になっておったわけでございます。その後尿素がなり、さらにまた高度化成肥料が対象になって、現在この三品目が特定肥料ということでなっておるわけでございます。その際に価格の安定になっておるのかということでございますが、これは三十九年の硫安の価格というものを一〇〇にいたしまして、現在時点、要するに五十三肥料年度の価格というものと対比いたしますと一二九%という指数になっておるわけでございます。もちろん、この間におきましては、四十八年暮れの石油ショックというようなこともございまして、相当肥料価格が上がったということもございますけれども、しかし、それらも織り込んでなおかつ肥料工業の合理化等もございまして、両当事者の話し合いの結果取り決められました価格というのが、硫安について言えば、ただいま申し上げましたように三十八年を一〇〇としまして五十三年が一二九というような指数になっております。尿素は一三〇ちょっとになっておろうかと思います。そういうことで、非常に重要な生産資材でありますこの肥料につきましては、安定的に推移をしておるというふうに見ておるわけでございます。
○小川(国)委員 いま局長の出された数字ですね、農林省から私どもに届いている数字とちょっと違うんです。いま何か三十九年を一〇〇としてというお話なんですが、四十九年を一〇〇として、それから、いま出された硫安の一二九%、尿素の一三〇%というのはいつの時点でそうなのか。それから基準の年度のとり方がちょっと違っているように思うんですが……。
○二瓶政府委員 基準の年度は三十八年でございます。三十八肥料年度。ですから、いまの法律が制定される前の年の三十八年を一〇〇にいたしまして、五十三肥料年度で硫安が一二九、それから尿素の方が一三三・九、高度化成肥料の方が、これは四十五年一〇〇になりますが、一八九・九、かようなことになっております。 なお、御参考までに申し上げますと、三十八年のお米の農村物価指数で農家の手取りでございますが、これを一〇〇にしまして、お米が大体三三九%、それから日銀の卸売物価でございますが、これは三十八年、暦年でございますが、これを一〇〇といたしまして五十三年が一八四でございます。そういうことで、そういうものとも比較いたしまして、相対的には安定的に推移をしておるというふうに大局的には見られるのではないか、こう思っているわけであります。
○小川(国)委員 いま局長の申し上げている数字、「特定肥料の生産業者販売価格(取決価格)の推移」という資料が出ているのですが、私どもに配られている資料と局長の説明されている資料とが、基準年次のとり方も違うし、数字も全く違うんですね。これはどちらが本当なのか。
○二瓶政府委員 法律案の参考資料ということでお配りいたしました資料の三ページに「特定肥料の生産業者販売価格の推移」というのがございます。その際に五十肥料年度、これをこの場合は一〇〇といたしまして、三十八年から五十三年までの指数を出してございます。私が申し上げましたのは、安定的に推移しているかというお話でございますので、むしろ肥料二法時点の三十八年、三十八肥料年度を一〇〇としまして、その後現在の肥料価格安定等臨時措置法が制定になって、その後の足取りといたしまして数値を申し上げた方がおわかりやすいかと思いまして申し上げたのでございまして、この数値を三十八年を一〇〇とすれば先ほど私が申し上げた数字になるわけでございます。
○小川(国)委員 そうすると、もう一度確認しますと、硫安については、昭和三十八年を一〇〇とすると一二九、尿素は同じく昭和三十八年を一〇〇とすると一三〇、それから高度化成については、五十年を一〇〇とすると幾つですか。この点、数字をもう一遍ちょっと確認させてください。
○二瓶政府委員 尿素の方は一三三・九でございます。それから高度化成でございますが、先ほど私が申し上げましたのは、四十五年を一〇〇にいたしますと、五十三肥料年度は一八九・八になる。それから、お手元に差し上げてございます参考資料の三ページにおきましては、これは五十年を一〇〇にいたしておりますので、高度化成につきましては、五十肥料年度を一〇〇とすれば五十三肥料年度は九三ということに相なる、こういうことでございます。
○小川(国)委員 四十五年を一〇〇とした場合はお幾つでございますか。
○二瓶政府委員 高度化成肥料につきましては、四十五年を一〇〇にいたしますと、五十三肥料年度は一八九・八ということでございます。
○小川(国)委員 いま御説明を伺って非常によくわかったのですが、この立法の原点に立ち返って私御質問申し上げるというふうに申し上げたのですが、昭和三十九年に肥料価格安定法をつくりましたとき、いわゆる昭和三十八年まであった肥料二法というものをやめて肥料価格安定法に推移してまいりますと当然肥料は上がるのじゃないか、こういう懸念が相当国会の中で議論されたわけです。そのとき久保田豊委員が、「新法を実施した場合には、少なくとも国内の肥料価格は上がらない、あるいは今後の合理化の進展によって下がるというくらいの見通しはお持ちだろうと思う。しかし、私どもがいろいろ検討してみますと、どうも下がるという可能性はない。」こういうことで、大分この法律制定時に、肥料価格は上がるのではないか、こういう懸念を質問しているのですね。それに対して赤城国務大臣は、「肥料価格が上がるということならば、私はこういう法律は出さないつもりです。出した以上は、私は肥料価格を上げない。政府の是正命令がありますから、それによって肥料価格を上げない、なお合理化を進めて、むしろ下げていく、こういうことにいたしたいと思います。」こういうことを何度も答弁されているわけですね。 この政府の答弁を見ますと、肥料二法から肥料価格安定法に推移していっても、新法成立で価格は上がるものではない、絶対に上げない、こういうことを言明して、これは当時の農林省、通産省のそれぞれ局長さんもそれを裏づける発言をしているわけなんですね。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、いまお話しのように、昭和三十八年を一〇〇とすると硫安で一二九、それから尿素で一三三というふうに二割も三割も現実には上がっている。その間に二度も延長する中で合理化を約束し、値下げを約束してきているわけですね。 そうしてみると、新法に経過した今日十五年たった現在において、この法律制定時の約束というものは一体どうなったのか。
○二瓶政府委員 法律制定時の赤城農林大臣等の答弁と伺ったわけでございますが、肥料価格はむしろ下げるのだ、こういうような御趣旨の答弁をされておったわけでございます。したがいまして、この法律制定以来、いわゆる石油ショックといいますか、あれまでは肥料工業の合理化ということによりまして、むしろ下がってきておったわけでございます。ただ、四十八年の暮れいわゆる石油ショックというものが起きました。さらにまた、四十七年ごろから国際的な穀物需給の逼迫というものもございまして、そういう国際的な需給の問題もございます。まあいろいろなことがありまして、特にこの大幅な原油の値上げということが中心になりまして、硫安、尿素ともに引き上がったわけでございますけれども、その後また合理化その他の努力をやってまいっておりまして、ほぼこの四十九年の水準と同じくらいのところで現在推移いたしておる、こういうことでございます。
○小川(国)委員 国内価格の推移について、大臣、局長どちらでもいいのですが、いままでの十五年間の推移を見て、価格の流れを見て、妥当とお思いになるかどうか。
○二瓶政府委員 この価格の推移を見て妥当と思うかどうかというお尋ねでございますが、この面につきましては、先ほども申し上げましたように、農産物の価格の推移なりあるいは卸売物価全体の推移等から見ましても相当低い水準になっておりますし、両当事者が自主的に交渉して決めたこの価格といいますものについては妥当なものである、かように考えております。
○小川(国)委員 私は、そういうふうには思えないわけなんです。肥料価格の推移を見ますと、いま局長の答弁にありましたように、昭和四十八年、九年、石油ショックがあって肥料価格が大変な値上がりをした、それから今日まで全く肥料は値上がりしっ放しで高値安定の方に肥料価格が落ちついてしまっている。石油ショック以後いろいろな物価はかなりまたもとに戻って値下がりをしていっているのですが、肥料価格だけは四十九年に上がったまま全く上がりっ放しなんですね。ですから、皆さんの方から私どもに配られた資料も、一番高かった四十九年から五十年を一〇〇として、そしてそれからの値上がりぐあいを持ってきているから、皆さんの資料で見れば、五十年を基準にして硫安は一〇一だとか尿素は一〇八だとか高度化成は九三だとか、こういう安定しているという説明資料をわれわれのところに配っているのですが、現実には、三十八年から見ればさっき局長が答弁したように一二九だとか一三三という値上がりをしてきているわけですね。しかも、四十九年の石油ショックで上げた値段を全く下げてない。そういう点では高値安定の方に肥料価格は推移してきている、こういうふうに見ざるを得ないと思うのです。 私どもはそこで、一体いまの価格が果たして妥当なのかどうか、いま価格がどういうふうにして決められているかという決め方の問題に入ってまいりたいと思うのですが、いま肥料価格の決め方については、生産者側と消費者代表とが両方で取り決めをする自主的な取り決めということに一応なっているようですけれども、その前段として政府が一応基礎価格のような算定基礎価格を提示しているわけですね。これはどういうふうに提示していらっしゃるのか、その提示価格というのは各メーカーごとに提示しているのか、あるいは言われるように加重平均の価格で出しているのか。いずれにしても価格というものは自主的取り決めというたてまえ、法でも実態でもそうなっているのですが、その取り決めに当たっての通産省と農林省で出す原価、それはどういうふうに出されているのですか。
○二瓶政府委員 政府の方が交渉当事者の申請に応じまして肥料の原価等に関する資料を交付をいたしております。その際にどういうような形のものを出すのかということでございますが、これは特定肥料、先ほど申し上げました三品目になりますが、この特定肥料の売上品総原価の総加重平均値、それからその費目別の原価並びに最低値と最高値を合わせて両当事者に交付をしておるということでございます。
○小川(国)委員 いわゆる総加重平均で費目別の費用は出す、最高と最低は出すということですが、これではメーカーコストがわからないと思うのです。硫安、尿素の場合は何社、高度化成の場合は何社、それぞれ通産省の方でメーカーコストをとっておられると思うのですが、その資料は農林省、通産省はお持ちなのでございますか。
○二瓶政府委員 五十三暦年のコストの調査対象メーカーと工場数でございますが、これにつきましては通商産業省、農林水産省両方とも把握をいたしております。 具体的に申し上げますれば、硫安につきましては二十一社、三十工場、生産量によります調査カバー率が九五・五%になっております。それから尿素の場合は九社、十工場、これは一〇〇%のカバー率でございます。それから高度化成肥料につきましては三十一社、三十九工場、生産量による調査カバー率は八七・八%ということになっております。なお、この会社では硫安、尿素、高度化成がダブりますので、実数的に申し上げますと四十七社、六十六工場、これが五十三暦年の特定肥料のコスト調査の対象メーカー並びに工場数ということに相なるわけでございます。
○小川(国)委員 それで、大ざっぱに言って全体で四十七社、六十六工場でございますね。これを通産省、農林省が調査されて、そして生産者と消費者代表に配る交付資料というかコスト原価資料というか、それは購入者である消費者団体に対して交付されているのでございますか。四十七社、六十六工場の各メーカーのコストについては交付されているのでございますか。
○二瓶政府委員 先ほど申し上げましたように、調査対象工場は実数で四十七社、六十六工場でございますが、これを特定肥料別に、したがって硫安、尿素、高度化成肥料ごとに売上品総原価の総加重平均値、ですから硫安であれば総加重平均値は幾らというのが一つあるわけでございます。それとその費目別原価と、最低値が幾らで最高値が幾らであったかということで、個々の工場のコストというようなものまで両当事者に交付いたしておるわけではございません。先ほど申し上げましたそういうものでございます。
○小川(国)委員 これでは適正な価格は出てこないと思うのですね。通産省だけがその資料を知っておって、しかもその総加重平均という出し方は私は適切じゃないと思うのですよ。この十五年間この法律を施行して行ってきた各メーカーが、いわば国内生産だけでやっておれば健全経営でこられたものを、大変な赤字の時代には政府の助成を受け、融資を受け、どうやら黒字でとんとんになってきた。そうしたら高度成長の中で多大な過剰設備をした。そのことのために、今度は大変な輸出難から赤字をしょい込んできた。そういう実態の中で、言うならば構造改善をきちんと行ってきた工場、それから全く過剰設備を抱えたまま五割も操業していない工場、いわば優良な工場と悪質な工場とあると思うのです。それを皆さんの方は加重平均で出してきたら、簡単に言うならば、一つの商品を千円でつくっている工場も一万円でつくっている工場も全部平均で出してきたのでは、これは非常に高値の方に落ちついてしまうおそれがあるわけです。特に総加重平均などというやり方をしたら、厳密な構造改善、合理化をきちっと行ってきた優良企業が出している値段というものが失われてしまって、非常に悪質なそれから経営規模をむやみに拡大してきた粗放な経営をやってきた企業の方に、いわゆる高値の方に肥料価格というものが持っていかれてしまっても、その実態を国民は知ることができない、こういうことになってしまうと思うのですね。 ですから、少なくも私どもは、この国会に皆さんが出してくる資料にしても、各メーカー別のコストをきちんと出して、その上でどの辺に価格を決めていくのが妥当なのかということが決められなければならないと思うのですね。その点いかがですか。メーカー別のコストを国会に公表するということはできますか。
○二瓶政府委員 メーカー別のコスト、これを国会の方に公表できないかというお尋ねでございますけれども、これにつきましては、コストといいますか、要するに原価といいますものは、これは企業の秘密に属するものでございます。ただ、農林水産、通商産業両大臣が、この肥料法の施行に必要な限度におきまして肥料の生産業者に対して報告を求めておるものでございます。そのために、必要に応じて工場等に立ち入り、帳簿等の検査を行うこともございますし、また罰則規定というものも設けまして、調査の実効を担保しているということでございます。 したがいまして、この原価調査の結果といいますものは、両当事者のみに交付するということでございまして、法目的の範囲に限定されるべきものであろう、この使用の仕方はそういうふうに考えるわけでございます。したがいまして、強制力をもって企業の秘密に属する事項を調査していることからいたしまして、この調査結果というものは、個々のメーカーのものも当然でございますし、先ほど申し上げました総加重平均のもの、最高最低値等につきましても、これは国会に提出するといいますか、公開するということにつきましては御勘弁をいただきたい、かように考えるわけでございます。
○小川(国)委員 あなたは農林省の局長さんですね。通産省の局長さんと間違えるぐらい、法の制定時から見ますと非常にバックしてきているのですよ。 昭和三十九年五月二十七日の農林水産委員会では、足鹿覺委員から資料要求を出されているわけです。その中で、資料要求の一は、「現行肥料二法に基づき、従来行なってきた生産費調査、在庫調査等の調査要領と調査様式を提出されたい。」それから「過去数カ年の各工場別在庫の推移を一覧表にして提出せられたい。」それから、この当時で「三十八肥料年度または三十七肥料年度の各社別仕切り価格、リベート抜きの製法別の資料を提出せられたい、」それから「輸出硫安売掛金経理臨時措置法に基づく各社別売掛金の償却状況を提出せられたい。」こういう資料要求を委員会でやっているのです。これに対して松岡亮当時の農林経済局長が、速やかに提出したいと思いますというので、こういう資料を即刻国会に出しているのですよ。ところが、いまの局長の答弁だと、そういう資料を国会に出せないということでは、不況産業の措置法があり、またこの価格安定法があり、国会の中で、こういう構造不況業種であり、しかも肥料価格の安定のためにこういういわばカルテルのようなものを容認するような法律を延長国会に願うというに当たって、じゃそれが農民にどう貢献するのかという、その原価の決め方なりその資料を出せないということではこれはならないと思うのですよ。三十九年の法制定時にはこういうものはきちんと出してきているわけですね。これは出せませんですか。
○二瓶政府委員 出せないかという再度のお尋ねでございますが、この面につきましては、先ほどもるる申し上げましたように、強制力を持ちまして企業の秘密に属することを調査し、その結果につきましてはこの肥料価格安定等臨時措置法の法目的に沿ったものにのみ使用する、こういう角度のものでございますので、再度の御要請でございますけれども、これを公開するといいますか、国会に提出をするということにつきましては御容赦をいただきたい、かように思います。
○小川(国)委員 歯切れが悪いですよ。三十九年の法制定時には国会へ出せたものが、いまの事態になると出せない、企業の秘密だと言うのなら、企業の秘密のためにそういう肥料価格がどれだけ妥当に計算されているのかという数字を出さなくて、そして困っているからこの法律を延ばしてやってくれというのでは理届が通らないと思うのですよね。こういう値段で決めて売っていて、こういう赤字が出ているからひとつめんどうを見てくれというなら話はわかるのですよ。原価が幾らに決まって、そのために幾ら赤字になっているという実態を知らさないで、ただめんどうを見ろという話はないと思うのですよね。 それからもう一つ、じゃもう一歩譲ってお聞きしますが、これは実需者団体といいますか、購入団体である農業団体とそれから生産者との話し合いで自主的な取り決めで行われるのですが、それじゃ農民の団体である購入団体に対してはメーカー別のコストは出しているのですか。出しているか出していないかだけ返事してください。
○二瓶政府委員 メーカー別コストは出しておりません。
○小川(国)委員 これでは適正な審議はできないんじゃないですか。ともかく農林省と通産省の局長さんだけが知っていて、企業の秘密を知ることができるのは皆さんだけで、それでそのためだけにこの各社、メーカー別のコストが出されない。しかも土俵に上がった農民団体と生産者の団体で、原価が幾らでできているかということを一方に知らせなかったら話し合いの余地はないじゃないですか。原価が出されて、それにどういう諸掛かりや費用を認めて、それじゃ幾らで価格を決めるのが妥当だという話が決まるはずなんですよ。行司役のあなた方の方が知っているけれども、それを農業団体に知らされないんじゃ値段の妥当な交渉ができないんじゃないですか。これはメーカーサイドの価格の取り決めになると言ってもやむを得ないんじゃないですか。
○二瓶政府委員 先ほども申し上げましたように、個々のメーカー別のコストを生産業者なりあるいは販売業者の両当事者には出しておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、特定肥料別の売上品総原価の総加重平均値とその費目別原価、それから最低値と最高値、これをあわせて提示をしておるということでございます。
○小川(国)委員 だから、そこがインチキだと言うのですよ。総加重平均で、妥当な高値安定になっているのか低値安定になっているのか、総加重平均で出せますか。わかる人がいますか。総加重平均ではわからないでしょう。だから、そこではメーカー別のコストというものをきちんと出して、そして初めて最高も最低もわかるし、平均値もわかるし、どの辺が妥当な価格かということがわかるはずで、それをあなた方が資料でしまっておいて、そして総加重平均なんてごっちゃにしたものを出して、それで土俵で相撲をとりなさいといったって、これじゃ相撲のとりょうがないじゃないですか。これじゃ自主的な取り決めなんというこの法律の精神は守られていないですよ。貫かれないですよ。大臣、いかがでしょうか。 私は三十九年の国会の審議の経過を見ますと、こういうメーカー別コストから在庫表から、そういうものをメーカーは全部オープンにして、そういう中で安定法というものをつくってもらってきているわけですよ。ところが、その法の精神がいつの間にかゆがめられて、メーカーオンリーの考え方で、国会に出してきたこういう資料も出さない。しかも当事者で話し合うというその当事者にもメーカー別のコストが出なかったんじゃ、交渉のしようがないじゃないですか。手探りの中で交渉をやるということになるんじゃないですか。これじゃどう見たって農民の立場に立った適正な肥料価格というものは決められないと思いますよ。だから、これはやはり大臣の答弁を要することですね。もう局長さんの答弁ではこういう制定時の精神は没却してしまって、メーカーサイドに振り回されて、本当に国会にも出さないし、それから農民団体にもその資料を知らせないということじゃ、これは妥当な審議はできないですよ。農林省は何をやっているのかということになりますよ。農林大臣、この点についてはいかがですか。
○渡辺国務大臣 私は議論を聞いておって、あなたの言うことももっともだと私は思います。ただ、三十九年のときに出した資料、一部出したようですが、それは旧肥料二法時代のことであって、そのときは政府の責任において政府が最高価格を決めたわけです。現在は政府は決めておらないのです。参考のものを出しているわけです。そこで、両当事者が話し合いをして、そこで適正に、お互いに高いとか安いとか、その過程においてはいろいろなやりとりが細かくあるわけですよ、両当事者間では。それの材料を提供している。御承知のとおり、各社別の経費といいましても、これは中には赤字のところもあるわけですね。肥料だけ赤字のところもある。中には、肥料は副産物で硫安とか何かが出てくるというようなものは、本体がうんともうかっている場合はゼロだっていいはずですからね、これは。ですから、それはいろいろ複雑なわけですよ。そこで、それじゃ各社ごとの原価計算が適正かどうかと厳密に言われると、これは実際のところはなかなかよくわからない、私は正直に申し上げるのですが。しかし、権力をもってこっちが各社別の適正な原価計算を出しなさいということで出させてあるわけで、こんなに高い原価計算のところもあるし、こんなに安い原価計算のところもあるわけです。そこで、それを総加重平均をしたところで一つの目安というものを出して、それで両方で話し合いをしてもらっておるということでございまして、いままで、政府が直接決めておるわけじゃございませんから、したがって政府といたしましては、旧法のように政府が決める場合ならいざ知らず、政府が値段を決めているんじゃないですから、各社の個別個別の会社の内容のものを全部ここへさらけ出すということはいろいろな問題もあるので長い間出さないということでやってきておるので、今回もそれを出すことは御勘弁をいただきたい、こういうようなことを局長が申し上げておるわけでございます。
○小川(国)委員 局長の答弁は、大臣、わかっているのですよ。私は大臣の見解を聞きたいのです。国政調査権との観点からいきましても、私は、こういう資料を一通産省、一農林省のそのセクションの者だけがその資料を握って、それを国会にも知らせない、それから一番大事な農民団体を代表する交渉の当事者にも知らせない。これは情報の公開というのは、私が大臣に言うまでもなく、アメリカの議会などでは当然行われているわけですよ。日本の政府とか役所というのは非常に資料を隠したがる。だから、政府が権限をもって調査したメーカー別の資料については、少なくも交渉の当事者である農業団体にはそのメーカー別コスト表ぐらい出しなさいというのですよ。国会に出すことについて、これは今後の議論に私は譲りたいと思いますが、少なくも農業団体とメーカーと交渉する際に、総加重平均というようなもので実態がこれはわかりっこないんですよ。だから政府が持っている資料を交渉の両当事者に明らかに出しなさいというのですよ。そういう資料を公表した中で決められる価格ならば、われわれもある程度納得できるということなんです。農業団体にその資料を提示しなさいということなんですよ。そうでなければ、農林省や通産省が実質的に価格を決めちゃって、その価格が一体どういうふうに取り決め価格との関連になっているのかわれわれわかりませんですよ。だから、一歩譲っていいですから、百歩ぐらい譲ったことになりますけれども、農業団体にはそういう資料を出しなさいということなんですよ。それは大臣もそういう措置をとるべきだと私は思うのです。そうじゃないと、これは企業秘密だ、メーカー側のサイドだけが優先して、本当の肥料価格、農民のための肥料価格安定にはなりませんよ。農林省がそういうことを納得していたのではこれは交渉にならないでしょう。基礎の数字を出されないでどんぶりで出された総加重平均なんかで論議をしろったって無理な話ですよ。そういうことがもう十五年も続いてきているのですから、農業団体はますます暗やみの中で手探りでしか価格交渉ができないということになってきているわけで、その点では、やっぱり全国農民の立場に立つ農林省としては、そういう各社別の原価というものをきちんと政府が掌握した資料はちゃんとそういう団体に公開する、そういうことをやるべきだと思うのですよ。大臣、そのぐらいやらせられませんか。
○渡辺国務大臣 それは両当事者間では、農業団体大体わかるのですよ。最低のものがこれ、最高のものがこれ、その中間もあるわけです。それは話し合いの過程においては、大体のところは見当がつく。納得するから取り決めになるんであって、したがって農業団体からも、各社ごとのものをばらばらに出せなんという要求は来てないわけですよ、大体わかるのですから。ですから、政府が直接契約するのじゃないんですからね。契約する方は、別なものがお互いに話し合って契約するわけですから、その契約する方が大体わかるものを、われわれはそれ以上のことをどうだこうだと言ったって仕方がないんであって、見当違いのことをやっているのだったら、私の方で見ていますから、それはだめですよと当然入っていくわけです。見当違いのことじゃないところで話がついているわけです。ですから、それは余り大っぴらにして騒いだって仕方がない。また企業の秘密にも属するということで、一人一人の考課状は公にしてないのです。ないのだけれども、話し合いの取り決めの値段というのは、不当な取り決めがいままでされているわけでもないし、お互いにともかく買う方もそれで納得しているわけですから、われわれが見ていてもそんなに不当な高い値段でも何でもないというところで話が決まっているんですから、それでいいじゃありませんかということを申し上げているわけです。 したがって、農業団体がこの平均ではどうしても納得いかぬというようなことであれば、それは名前を提示して出さなくとも、ここの会社のコストは大体これぐらいの生産でこれくらいのコストになっておるということは、私は示唆するのにはやぶさかでないのです。だから、交渉の経過を見ておって、それが農業団体がともかく吹っかけられておるというような状態のときには農林省は黙って見てないのです。ちゃんとそれはもうこちらで材料も提供して、しっかりした交渉をやってもらうように応援もしているわけです。その点は、役所が直接決めるのじゃないんですから。旧法時代は役所が直接値段を決めたわけです。政府が決めたのです。いまは違うのです。民間と民間が決めるわけです。ですから、その中では下はこれだけでできるものもあります、こんなに高くコストがかかるものもあります、中間もありますから、そこらの話し合いにおいては大体示唆的なものはしておるわけです。したがって、団体からも各社ごとに全部出せというような要求がなくとも話が決められるのですよ。だから、それは団体がそれでやっているのですから、団体の方も信用されてもいいのじゃないかと私は思います。
○小川(国)委員 私は、そういう団体の問題はともかくとして、農民が納得しないと思います。 それで、昭和三十九年に法律をつくったとき、赤城さんも農林大臣。自民党の農林大臣で同じ自民党の内閣が続いているわけです。その当時、農林大臣は、この法律をつくることによって肥料は値上げさせない、それから今後上がるような場合があったら政府が是正措置を命じてそれをちゃんと値下げをさせるということを言っているのですよ。しかし、この十五年間に政府は是正措置をしたことがありますか。是正措置をしたことがあるかないかだけ答弁してください。
○二瓶政府委員 法律に基づきます是正措置というものはやっておりません。いままでやったことはございません。
○小川(国)委員 だから一回もやっていないわけですよ。だからそういう点では、政府が一体、こういうような値上がり状況、しかもオイルショック前から倍以上の値段になったといって農家はみんなこぼしているわけですが、そういう状況になっても是正の措置一遍もとってないわけですよ。そういう形の中で、政府だけがメーカー側の資料を握って、それを国会にも国民にも公表しない。こういうあり方は、私は国会でこれから是正されていかなければならないと思うのです。自民党の皆さんにしてもしかりだと思うのですよ。こういう資料が国会に公表されないという形で、通産省や農林省の局長と何名かの人だけがメーカーの秘密だと言ってそれを握っておって国民の前に明らかにしないで、こういう法律だけで保護を求めてくる。こういうやり方は私は許されないと思うのですよ。これはもっと国会の体質が変わらなければ、自民党の体質が変わらなければできないと思いますが、やはりこういう資料は公開させる、そういう中で問題の本質を追及していくという姿勢がないと、これは大臣のさっきのどんぶりのような答弁では納得されないのですよ。あなたの答弁はどんぶりです。もう少し具体的な問題をもっとただしたかったのですが、一番大きな問題点を論議していましたものですから……。 それからもう一つ、いま肥料の中で高度化成が非常に農家の七割くらいの使用量になってきているのですが、これは国際比較において、特にアメリカはいろいろな原料を持っていますが、ECの諸国と比較して日本の高度化成の肥料は高くなっていますか、安くなっていますか。何割くらい高いとか、何割くらい低いとか、そういうことで非常に大まかな答弁で結構ですが、EC諸国との高度化成の価格の比較を出してもらいたい。
○二瓶政府委員 高度化成肥料の価格、これが西欧の国と比べてどうか、こういうお尋ねでございます。 高度化成肥料の価格につきましては、一応在外公館等を通じまして調べてみたわけでございますが、五十三肥料年度といいますかその価格ということになりますが、高度化成のオール一五のもの、これが西ドイツがトン当たり四万八千百九十円するということでございまして、日本が五万九千百五十円ということで、一・二三倍ということで西ドイツに比べますと二割ほど高くなっておる。それからオール一七の高度化成肥料でございますが、これがイギリスの場合四万六千九百七十六円、これが日本の場合は六万三千三百五十円ということで、一・三五倍ということで三割五分ほど高いという結果が出てまいっております。これは事例調査でございますので、正確性というものにつきましてはやや疑問の面もないわけではございませんが、いずれにしても西ドイツなりイギリスに対して高くなっておるということがあるわけでございます。これは高度化成肥料そのものにつきましても、日本が非常に南北に三千キロメーターほどにわたって展開をしておるというようなことで、亜熱帯から亜寒帯まで位置しておりまして、作物の種類なり経営形態も複雑多岐だということ等々の事情もあり、若干そういう面では高度化成肥料という角度で見た場合にはちょっと高目になっておる、これは否めないかと思います。
○小川(国)委員 大臣に最後にもう一遍お聞きしたいのですが、硫安や尿素にしてみても、日本で非常に生産力の高いものでも、外国へ輸出しているものから見ると、日本の農民は四割高いものを買わされているわけです。これは国際競争力をつけるという通産省側の力が強いからそういうふうに引き回されて、日本の農民はたとえば中国の農民よりも四割も五割も高い肥料を買っているのが、いつになったら外国の農民と同じ値段で日本の農民に売ってくれるのか、こういう期待をこの安定法に一つかけています。 それからもう一つは、日本の農家のいま使用量の七割は高度化成という肥料になってきておるわけです。ところが、これもいま局長の答弁に見られるように、二割以上もEC諸国から見て、日本と同じような立地条件、経済条件のEC諸国と比較しても二割も高い肥料を買わされているわけですね。こういう点から見ると、この十五年間、価格安定法の中で、果たしてそのメーカーはどれだけ企業努力をし経営の改善を図って農民の肥料価格を引き下げるという努力をしてきたかというのは、きわめて疑問に思わざるを得ないのです。 それについて、農林大臣として、日本の国内の肥料価格というものを、いま見られる高度化成でもEC諸国並みに持っていく努力、それからまた使用量の少ない硫安とか尿素についても外国の輸出価格並みに持っていく努力というものは、今度の法の延長の中で果たしていつ実現できるのか、そのめどを私は持っていなければならないと思うのですが、そのめどをひとつ大臣にお伺いしたい。
○渡辺国務大臣 この肥料の問題は、硫安、尿素について申し上げますと、どこの国でも輸出価格というものは最近は国内価格より安いのですよ。ベルギーでもフランス、イタリア、ドイツ、オランダ、たとえば硫安で例をとって五十二年度で言うと、輸出価格が七十三ドルなのに、西ドイツでは国内価格はその倍もして百三十六ドルもする。あるいはオランダだったら百十三ドルする。日本の場合は、輸出価格は確かに五十八ドルで安く売っています。売っていますが、これは国内価格が九十七ドルですからそれより安い。安いけれども、そのために外国で日本が入札で取っているわけですから、これは入札の話ですからね。高ければ入札取れないということで、結局どこの国でも国内価格よりは輸出価格が最近安くなっているということは、これはもう先生御承知のとおりなんですよ。国内価格同士を比べましても、硫安の場合では西ドイツが百三十六ドルするのに日本は九十七ドルの国内価格ですから、これは西ドイツよりは安いし、イタリアと大体同じくらいの値段だ。尿素についても、日本は二百ドルですが、西ドイツは二百九十三ドル、オランダが二百二十二ドル。ベルギーが百九十三ドルで日本よりはやや安い。輸出価格は、日本が百三十二ドルで、ECも百三十二ドルで大体同じ。しかし国内価格は日本の方が尿素についてははるかに安いのです。ただ高度化成については、これは種々雑多いろんなものがまじっておって、高度化成と一口に言って比較はできません。できませんが、これはやや日本の国内価格が高いということは言えます。 私は、この法律の存在意義というものについて、そんなにめんどくさいことを言うならば自由にやらしたらいいじゃないか、競争やって安い方からうんと買えばいいじゃないか、肥料も余っているのだから、これも一つの考え方ですよ。しかし、肥料の値段が暴騰したようなときに、そうなると政府が間接的にでも入って抑え込むということがなかなかできない、成り行き任せの話になってしまう。そうすると、どうしても農民側の方が弱みが出る。輸出価格が高ければ、国内に置かないで輸出の方に優先して売ってしまうということになる。したがって、これについては農業団体からもこの法律を置いてくれという要望があるわけですよ。したがって、あなたのおっしゃるようないろいろな部分部分から言えば矛盾点もあろうかと思いますが、われわれとしては、原料の状態やコストの状況等を見ながら、これは農民に有利なように指導をしていきたい。実際問題として、肥料だけのコストから言えばコストよりもやや安く現在の値段が決められておるということは間違いないのです。したがって、肥料会社の中でもやっていけないものが出てきます。これは仕方ないですね。私はそう思っているのです。
○小川(国)委員 最後に一言、言っておきたいのですが、大臣のいまの答弁は見当違いで、私の言ったことに答えてないのです。もう五年間この法律を延長するなら、その延長の中で、構造改善を行った肥料業界に対して、この肥料価格、特に農家が七〇%も使っている高度化成において、日本と同じような立地条件のEC諸国よりも二割も高いのです。そのEC諸国よりも輸出価格は日本の方がむしろ安く輸出してますよ。その面では、EC諸国もやはり輸出を安くして国内が高いというのは日本と同じです。しかし、ドイツなどでは農家にそれだけの補助金を出していますし、それからそういうものを出しながらなおかつ国内価格において日本よりも二割も安いという現状があるわけなんですよ。そういう点では、私は、日本のメーカー側の企業努力というものがきわめて欠けている。これはもうはっきりと数字で出てきているわけですよ。ですから、そういう点では、この五年間の中でEC諸国並みに国内の高度化成の価格を近づける努力というものができるのか、そのことをただしているわけですよ。 それからもう一点、その価格が妥当な原価だと言うなら、さっきの蒸し返しになりますけれども、その原価が明らかにならないで取り決め価格が妥当だということは言えないのですよ。だから、五年間延長するというなら、そういう納得できるものをやはり政府が示してもらいたい、こういうことです。
○渡辺国務大臣 それは私の方でもさらに研究をいたして、高度化成の問題については原価切り下げのために努力はいたします。それから、余り日本の国内が高ければ輸入という手もあるわけです。ですから、それは肥料会社が応じないという場合には安い肥料を輸入することだってあり得る。私は、そういう両方の考え方から、肥料会社に対しましては、高度化成の問題でもっと生産性を高めて価格を上げないような工夫をしなさいということは言っていくつもりです。
○小川(国)委員 終わります。
○佐藤委員長 松沢俊昭君。
○松沢(俊)委員 この法律案を質問する前に、いよいよ米価の時期に入りましたので、若干大臣に御質問申し上げたいと思います。 最近、農業をめぐるところの情勢というのが大変厳しくなっていることは大臣も私も同じだと思うわけなんでありまして、とりわけ最近財界それから労働組合の一部の中からも、農業というのは過保護であるからそういう保護政策をやはりやめるべきじゃないかというような意見も出ておりますので、農林省の方といたしましても、農業白書が発表されましてから、さらに国民食糧に対するところの農業の役割りなんというような、言ってみまするならばそう過保護をやっているんではないんだというようなPRが出されたり、あるいはまた農業団体等におきましてもそれに対するところの反発を出しております。私の所属しておりまするところの全日農の方といたしましても、それに対しまするところの反発を実は出しておるわけなんであります。 こういう時期におきまして米の値段を引き上げるということについては、いろいろやはり問題があるようなことを大臣の方でも言っておられますが、ことしの米価の決定の見通し、それは一体どういうふうにして対処されるのか、その点まずお聞かせを願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 米価の計算方式につきましては、一定の方式がございまして、経済事情もしんしゃくしてこれを決めていかなければならぬ。去年は必要量生産費というもので米価をはじいて決めてきたわけです。それが現行米価よりも下がるというので、その差額を補給するという形で据え置きという値段を決めたのですが、私はまだ数字のことは報告を受けておりませんし、まだそれだけの準備ができてないようですが、方針としては去年と同じような計算ルールでよいのではないだろうかと目下のところ考えております。もう少し先になって最終的に決めまして米審に諮るつもりでございます。
○松沢(俊)委員 必要量生産費で昨年はお決めになったわけでございます。ただ、私は肥料の問題につきまして感じるわけでございますけれども、多くの農民というのはやはり米価は引き上げてもらいたいという気持ちはありますけれども、しかし農民の要求の中には、引き上げもいいけれども、私たちの生産費の中に占めているところの肥やしの値段だとかあるいはまた農機具の値段だとか農業資材の値段というのを下げてもらえば、それはまあ上げなくてもいいじゃないか。しかし、その面はさっぱり野放しにしておって、そして米価を抑えられるということは納得ができない、こういう意見が非常に大きく大勢を占めているわけなんであります。 それで、私、五十三年の農業所得税、税務署の方で農業所得に対するところの課税をする場合におきまして、所得標準というのを発表するわけですね、これは大臣おわかりだと思います。私の地元の税務署の方で発表いたしました所得標準を見ますと、収入金が十アール当たり十四万三千円、それから必要経費がずっと載っておりますけれども、要するにこの必要経費全部で四万一千九百十三円、その中で肥料代の額は八千五十三円、こういうことになっておりますので、要するに経費の中に一番大きなウエートを占めている、こういう状態に実はなっているわけなんであります。 したがって、この肥料価格安定等臨時措置法、この一部を改正するところの法律案でございまするが、この法律案というものが本当に農民のためになっておるかどうかという問題から、これはやはり掘り下げていろいろ検討する必要があるのじゃないか、こんなぐあいに実は考えるわけなんであります。 そこで、肥料価格安定臨時措置法、これは三十九年にできましたが、時限立法であります。その時限立法が、四十五年ですか、改正が行われまして、これで三回目ということになりますね。三回目ということになりますと、一体時限立法であるかどうか非常に疑わしい面が出てくるわけなんでありまするが、一方、そういうことであるならば、時限立法でなしにやはりちゃんとしたところの法律にしてしまったらどうか、こんなような気もしますが、この辺一体大臣はどうお考えになりますか。
○渡辺国務大臣 私はそれもごもっともな御意見だと思います。思いますが、もともと時限立法でスタートをいたしまして、肥料メーカーの構造改善も徹底していない、それから買う方にも不安があるというようなことから、これは両方でもう少し延ばしてもらいたいと言うものですから——廃止をした方がいいんじゃないかという意見もあるのですよ。しかしあなたのように、恒久法にした方がいいという意見もある。その中間をとって、両方でそう言うんですから、じゃしばらくあと五年間延ばして、その間にひとつ徹底した構造改善をやってもらおう、私はその上で廃止するかどうかということを決めるのが筋じゃないかとむしろ思っております。
○松沢(俊)委員 この暫定法ができる以前は、申し上げるまでもなしに肥料二法というのがあったわけであります。それで肥料二法をまとめましていまの臨時措置法というふうな経過をたどっておりますが、私そのためにいろいろな合理化をやって価格の安定というものを考えていくというのがやはり趣旨だと思いますけれども、その安定を図るためにはいろいろな努力がなされてきておると思います。きておりますけれども、いままでは、合成硫安というのは相当たくさん使われてまいりましたが、今度その後を見ますと、ほとんど合成硫安というものがなくなりまして、副生と回収の硫安、それによって硫安というのができ上がってくる、こういうことになっているわけですね。そうしますと、この硫安関係の面におきますと、これは参議院でもこの法律案の審議の場合におきましていろいろと議論があったようでありますが、私も速記録なんか見ましたけれども、問題は、合成の場合におきましては原価というのがはっきり出てくると思います。ところが、副生だとか回収の硫安ということになりますと、簡単に申し上げますならば、たとえば人間のふん尿等におきましても、これは肥やしになるわけですからね。だけれどもそれが目的ではないのです。要するにそれが生産の目的ではないのでありまして、一つの物をつくる、その結果としてそういう排せつ物のようなものが出てくる。それを利用して硫安というものをつくっていく、あるいはまた、一つのものをつくろうと思っているうちに副産物として出てくる、それを利用して硫安というものをつくっていく、こういうような方法にいま変わっているわけですね。そうなりますと、その原価を決めるという場合、どういうふうにして排せつ物のようなものを幾らというふうに決めるか、それが非常に問題のあるところだと私は思っております。なかなか決めようがないじゃないかと思うのです。そういう回収硫安なんというのは一体原価はどんなものか、あるいは副生硫安というものは一体どの程度に決めていいかということになりますと、私はこれは決めようがないと思います。これは参議院の丸谷さんも質問しておりましたけれども、大臣の方でも原価計算の方法についてなかなかはっきりした回答はなされておらないようでありますが、いま大臣はどのようにお考えになっているか、その点お伺いしたいと思うわけなんであります。
○渡辺国務大臣 これは御指摘のようにびしゃっとした決め手はないのです。早い話が、一番わかりやすいのは油と大豆かすですよ。これも油がうんと高く売れるのなら大豆かすはただでもいいわけですが、しかし大豆かすの分まで全部ただにして油に乗っけちゃったら、油は高くて売れないということになりますな。したがって、大豆かすの方もある程度値段をつけるということになっておるわけなんです。それと同じようなことがもっと複雑な生成過程で肥料の場合は言えるわけです。あるいは繊維製品の副産物として出るとか、いろいろなものの副産物として出る。したがって、当然それには減価償却費とか管理経費がかかっているのだけれども、それをどっちに幾らつけるかということはある程度会社の自主判断に任せる。片っ方にばかり経費をたくさんつけたって、それは実勢価格の伴わないところへ高くくっつけてみたって仕方がないですからね。配賦の仕方というのも、売り上げに応じて配賦をする場合もあるでしょう、機械の使用時間に応じて減価償却の配賦をする場合もあるでしょう、労働時間に応じて配賦する場合もあるでしょう。いろいろな配賦の仕方があると私は思います。したがって、この仕方が唯一無二、一番いいんだということはなかなかないと思うのですね。ですから、売り上げ金額に応じてやるとか、いろいろなことをそれぞれの会社においてやっておるというように見なければなるまい、こう思っております。
○松沢(俊)委員 私が聞いているのはこういうことなんですよ。国内価格とそれから輸出価格と二つありますね。国内価格の方は高くて輸出価格の方は安いんです。 それで、この臨時措置法ができるまでの間の経過を見ますと、昭和三十七年度末には国内価格と輸出価格というのはぴちっと遮断しておりまして、国内価格は国内価格で決めて、そして硫安輸出会社に対しては国内価格で売って、そして買ったところの硫安輸出会社が国際価格に合わせて売る、こういう形をとっておりました。そうするとそこに差が出てまいります。これを売掛金と言っているわけです。その売掛金の総額が三十七年度末には二百十五億円という膨大な額になったわけです。これを始末をつけるために政府の方におきましてもいろいろな手だてが行われたわけです。三十六年九月には四大臣申し合わせによるところの硫安工業対策、あるいは三十七年十二月には閣議決定の硫安工業対策、このようなことをやりまして、そして十年間の償還で金利が六・五%、また近代化設備に対する償却制度の適用を拡大するとか、それから硫安メーカーが市中銀行から借り入れている設備資金の肩がわり資金として開発銀行から融資をしてやる。これは五年据え置き後八年償還、金利が六・五%、その次には体質改善のために開発銀行融資八十億に加え、三十八年度から四十二年度に百六億円を融資する。これは三年据え置き後七年償還、あるいは税金対策等の面におけるいろいろな方法、硫安輸出売掛金の損金算入だとかあるいは合理化機械の特別償却、その他いろいろなことをやりながらこの膨大な赤字を政府の援助によって解消させる、こういうことでやってまいったわけです。 ところが、いまのやり方といたしましては、いままでは肥料審議会なんかありましたけれども、要するにこの法律では、メーカーと業者が話し合いによって交渉をやって決めていく、それから決める場合においては政府の方から資料の交付をやる、こういうことで決まっているわけです。 そうすると、問題は、いまは、国内価格で売ってそして買った輸出会社がそれを今度は国際価格に切りかえて売るということではなしに、国際的に売る値段でそのまま輸出会社がメーカーから買ってすぐ売っていく、こういう方法に変わっているのじゃないですか、どうですか。
○大永政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、輸出価格が決まりますと、その価格でメーカーから買いまして輸出会社が輸出する、こういう形になっております。
○松沢(俊)委員 そこで、問題は、交付されるところの資料ということになるのですけれども、その交付されるところの資料の中の原価計算というようなものは、政府の方でいろいろ会社に立ち入りをやってお調べになるというけれども、その場合、いま大臣からお話がありましたように、こっちの方に余りよけいかけるとぐあいが悪くなるからこっちの方にちっとやるとか、いろいろな調整をやって、そして原価というものを決めるんじゃないか、こうなるわけだけれども、やはりそれをある程度規制しないと、国際価格、いわゆる輸出によって損した分を国内の価格にばせて農民が負担をしていくという、そういう結果が出る可能性というのがあるんじゃないのですか。いわゆる昭和三十七年あたりまでのやり方でいくということになれば、国際価格というのと国内価格は遮断されていますね。今度はメーカーの中で操作をやるわけですから、遮断しようとしてもしようがない、こうなるんじゃないかと私は思うのですが、その点はどうでしょうか。
○大永政府委員 メーカーとそれから農業団体と交渉いたします際には、政府が提供いたしました資料を参考にいたしまして交渉するわけでございますが、政府といたしまして提供いたします原価と申しますのは、国内生産、輸出生産を含めました全体の生産原価ということを提示いたしまして、これをベースにいたしまして交渉するわけでございます。したがいまして、輸出につきまして安く売れば、その分はメーカーが結局損失としてかぶるということになるわけでございまして、これが国内価格に転嫁されるということはないという形になっておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 だから、臨時措置法ができる以前のような状態であるならば、遮断しているということが明確にわかるわけです。だけれども、今後そういうことでなしに会社から直接買ってくるわけです。ですから、その場合、回収硫安の原価というのはこのところにおさめなければならぬとか、あるいはまた再生硫安の場合においては原価はこの程度にしなければだめだという一つの物差しのようなものが政府の方になかったならば、メーカーの方で勝手に原価計算をやるわけでしょう。そうすればメーカーの都合のいいようにしてやっていくわけなんだから、したがって遮断するというわけにはいかないという問題が起きてくるんじゃないですか。だから、その点はやはり遮断して考えていくということになれば、回収硫安の場合におけるところの原価というものはこの程度でなければならないんだ、再生の場合の原価というのはこの程度でなければならないんだという明確なものが政府になかったならばどうにもならぬじゃないかと私は思うのですよ。 そういう点で、大臣、どうお考えになりますか。
○渡辺国務大臣 それはあなたの言うようにならないのですよ。たとえば千トンなら千トンつくりますね。これを幾らで売ろうと、かかる経費は決まっているわけですから、千トンつくるのに仮に百万円かかったとすれば、一トン千円ということですね。ですから、千トンのものをともかく倍に売ろうが半値で売ろうが百万円の数字は変わらないわけですよ、原価はトン当たり幾らですから。ですから、安く売っても高く売っても直接原価がそれによってうんとふえたり減ったり極端にするということはないのです。そうでしょう。千トンなら千トンつくるのにかかっただけの経費ですから、高く売ろうが安く売ろうが原価は同じ。もうけは違いますよ。安く売れば赤字になるし、高く売ればもうかるというだけの話で、原価は決まっているんですから。
○松沢(俊)委員 問題は、つくっているところの会社の中で、たとえば繊維なら繊維をつくっているわけでしょう。繊維部門にどのくらいばせて、それから硫安部門にどのぐらいばせる、これはばせ方の問題でしょう。そういうことでしょう。そうすると、メーカーの都合のいいようにしてばせるということになるんじゃないですか。そのところを規制していかないと困る問題が起きてくるんじゃないか。これはメーカーは困りませんよ。これは農家の方、買う立場からするならば、それはちょっと高過ぎるんじゃないかということになるわけです。どうもいまの農家の考え方としては、外国に売るのは安くてわれわれが買うのは高いじゃないか、赤字を出しているのはみんなわれわれがかぶっているんだ、こういう考え方が現実に出ているのですよ。それは全農さんとそれからメーカーさんが政府が出したところの資料を中心にしながら交渉していく。さっきも小川議員の方から質問がございましたが、これは加重平均を出してやっていくのであって、あとはどっちもようわかっているのだよ、こういう大臣のお話でありますけれども、どっちもようわかっているのは、両方当事者だからどっちもようわかっているのであって、農民はさっぱりわからぬのだから、やっぱり農民がわかるように決め方というのははっきりしていかなければならないのじゃないかと私は思うのです。大臣もそのことに対して反対だというわけではないと思うのですが、何か下の方から見ますと、どうも全農とメーカーはなれ合いなんじゃないか、こういう批判というものも出ているわけなんであります。なれ合いでないのだというはっきりしたところのものを示す必要があるのじゃないか、私はそう考えるわけなんです。 そういう意味からいたしまして、たとえば政府が交付するところの資料、これは企業秘密に属するのだから発表するわけにいかないのだとかたくなにがんばっておられますけれども、こんなものは別に大臣——米価を決める場合に諮問のところにちゃんと試算米価というのを出しますね。農家の経費がどのくらいかかるかというのをちゃんと出しているのです。これも平均して生産費の計算をしてお出しになるのでしょう。平均なら平均のものを出されるわけでしょう。同じことじゃないですか、そんなものは。肥やしを決めるときの加重平均の資料は出せない、農家の場合は、あの男は幾ら所得があるのだということは出せないかもしれないが、平均するとこうなるのだというものはちゃんと米価の場合出しておって、肥やし会社の場合だけ出せないという、そんなべらぼうな話は通じないと思うのですよ。それはやっぱりはっきりすべきじゃないかと思うのです。
○渡辺国務大臣 それは全くあなたの言うとおりだと言うのです。それは農家の場合でも、平均をして減価償却費が幾ら、肥料代が幾ら、労働時間数が幾らということを出していますよ。だから、それは平均すれば硫安のコストで減価償却が何ぼ、管理経費が何ぼ、何が何ぼ、それはわかるわけです。農家の場合でも、ともかく山崎さんの農家は肥料を使い過ぎたとか、佐藤さんの農家はちょっと怠け者で時間がうんとかかり過ぎているとか、そんなこと一々発表しませんね。それと同じことで、この肥料会社の方はこれは怠け者、これはうんともうかっている、これは何々ということはそれは出せませんよ。しかし、平均した場合は、全体として総生産の数量が決まっているのだから、その数量に要したところのトン当たりの減価償却費は幾ら、早い話が電気代は幾ら、水代は幾ら、それはわかる。それは出せるのです。平均したものは出している。それからもう一つは、生産性が高くてうんと安いコストのものと、それからべらぼうにかかっちゃっているもの、単品メーカーですね、それはほかにもうけているものはないのですから、そういうものも出しているのです。名前は出さないけれども、AならAという会社ではこれぐらいの量をつくってこれだけのコストがかかっている、その総平均で出していますから、だから全然採算の合わない肥料メーカーもあるわけです。いつまでも採算が合わなければ、それはいつかは合理化していかなければ、追っついていかなければ、つぶれるほかないわけですね。全農との間では全体の総平均よりもやや低目に実際は取り決められているのです。だから、農家の人も、それはひがんで見ればいろいろなことは言えるけれども、大体真っ当な人が多いから、大体の人はまあいいと思っているのじゃないですか。そういうふうに私は考えております。
○松沢(俊)委員 そこで、それは出していると言われますけれども、出しているのは交渉をやるところのメーカーと全農さんですか、両者に出しておられるわけでしょう。国会に出せと言うのです。それは米価審議会を開かれるときにおきましては、大体慣例としまして、米価審議会が開かれそして農水も開いて、そして農水のところに試算米価をちゃんと配って、こういうふうにいま審議をやっておりますよということを国会で明らかにされるわけでしょう。ところが、この肥料を決めるところの交付資料は国会には出されないという、その不都合をわれわれは追及しているわけなんですよ。だから、要するに、決める十五日前に交付資料を出すわけなんですから、そのときに国会にもちゃんと出しまして、こういうふうにしていま両者で話し合いをさせておりますよという報告は、やはり議会制民主主義をとっているところの日本においては行われなければならないのが常識じゃないかと私は思うのですよ。 大臣、それは局長だとかそういうのは出したがらないと思いますけれども、政治家であるところのあなたは決断をふるって、今度出しますよというぐあいに御答弁願いたいと思うのですが、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 政治家としては、これは出さない方がいいと思うのです。それは要するに、私は農協を信用しているわけですから、それで手のうちは大体わかっているわけですから、総平均よりもやや安目に実際は決めているのですよ。 もう一つは、何といっても政府が直接決めるわけじゃなくて、実際は政府は材料を提供するだけであって、直接政府が関与して、ここで決めろ、あそこで決めろとやっているわけじゃないのです。余り不当なことをメーカーなんかが言った場合は別ですよ。それはもちろん抑えにかかりますが、そうでない場合には生の材料を出して農協とネゴシエーションでやっているわけです。ですから、米価のように政府が政府の責任において決めるものと、メーカーと農協が話し合いで決めるものと違うでしょう。したがって、われわれは権力でとった材料を、お互いに話し合いでやっている人にはある程度渡しますけれども、それは国会や何かへ公表するものではない、よけいな騒ぎを起こすだけじゃないかという気がしますね、私は政治家としては。全体の平均よりは安く決まっているのだから。それは買う人がわかっているのだから。(「それは数字を出さないとわかりませんよ」と呼ぶ者あり)いやいや、それは買う人がちゃんとわかって買っているのだから。それは農協の方が、とてもこれじゃ買えない、表に発表してくれという話ならまた別だけれども、そうでなければ、ちゃんと信頼してちゃんとネゴシエーションをやっているのですからそれでいいのじゃないか、私はこう思っております。
○松沢(俊)委員 それは全農がそれでいいと思っているだけの話であって、要するに、私も農協の組合員なんですけれども、全農の幹部の連中としては、こういうふうにして交付資料が出て、そしてわれわれはこういうふうにして交渉をやって、結果としてはこうなったなんということは全然発表してくれませんよ。これはマル秘なんでございますと言うのです。 それから、もう一つ大臣に聞きますけれども、最近は高度化成が七〇%を占めるようになってきた。そこで、高度化成をつくっているところの会社、農協の資本系列にあるところのそういう会社が高度化成をつくっているのですよ。これはおわかりでしょう。そうすると、おかしな話なんであって、つくっているものとつくっているものが相談して決めるのでしょう。農協はただ買うところの団体だけでなしに、高度化成をつくっているところの会社でもあるわけなんですよ。だから、農民の側から見るならば、メーカーとメーカーが勝手に決めるのじゃないか、こういう批判がまたありますが、この点はどうお考えになりますか。
○渡辺国務大臣 これはある会社なんですが、農協が出資してつくっておる。ですから、どれくらい肥料がもうかるか、農協が一番わかっているわけですよ、もうかっていないことは。赤字ですから。ですから、農協ですか全農ですか、出資している会社の状況をちゃんと見ているわけです。自分がやっているところがうんともうかっているならほかのものももうかっているというなら話はわかるけれども、自分のやっているところが赤字経営だったら、それはほかだってそんなに黒字になるはずがないのですよ。そう不当なことをやっているわけではない。単品メーカーというのは、大体見ても成績のよくないのが多いですよ、実際は。ですから、私は、全体的には肥料はかなり抑え込んだ値段で決められているということをそこから言っているのです。黒字になるほど肥料価格を高くしてしまったら、物すごく高くなっちゃいますから。そのかわりもうかるところはうんともうかってしまうという話になりますね。ですから、赤字経営の単品メーカーにはかなりきつい値段で決められているということは間違いありません。 それから、全農と組合員の間では、それは組合の中の話で、信頼関係の話です。だから、皆さんの上部団体の人が全農の役員になっているわけですから、そこの中でどうなっているかということは、いろいろお聞きになればいいことであって、それは中で幾らでもお話し合いのできる問題ではないでしょうか。
○松沢(俊)委員 それはあなたは資料があるわけだ。だから、いや実際はうんと安く決めていますよなんということを言っていますけれども、われわれは安く決まっているか高く決まっているか全然わからぬからね。だから、あなただけ知っているということでなしに、われわれにもやはりそれは提供したらどうかということなんですよ。それは全然わかりませんよ。こう見て、いや、これはおまえさんが言うよりはうんと安く決まっているのだよと言われても、われわれはその資料を持っていないのだからわからぬのだ。だから、それは当然国会に公表して差し支えないんじゃないかと私は思うのです。 それからもう一つは、農協というのは、たてまえからしますならば、確かに農民の出資によってできているところの組合である、これだけはたてまえ上からすれば間違いないわけです。だけれども、いま新潟なんかの場合においてはサン化学なんというのもありますからね。これはもうはっきりしたところの農協の資本系列の会社なんですよ。そこで要するに高度化成をつくっているのですよ。だから、あれはつまり物をつくって農民に売る会社なんですよ。その農民に売るところの会社が、自分の都合の悪いように値段を決める道理はないんじゃないですか。だから、農民から見れば、会社の都合のいいようにして値段を決めているということになるんじゃないですか。さっき小川委員の方からもありましたように、とにかく大分高いじゃないか、こういう指摘もできるわけなんですよ。いままではそういう方法で価格の取り決めというのをやってきて、それなりに一定の成果は上げてきたのだということを皆さん言っておられるわけなんです。それはやはり評価の仕方ですよ。そうでないという人もいるだろうし、そうだという人もいるだろう。しかし、過去のことは論ずる必要はないと思いますが、これから先の話といたしまして、つくっているところの、そういう工場を持っているところの全農とメーカーが政府の資料をたどって交渉するということが一体いいのか悪いのかという、そういう検討をする時期に来ているんじゃないか、私はそう思いますが、その点はどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 これは信頼関係ですね、そういうことになると。農協は農協で、これは組合員の金を出資してつくってやっているわけです。たとえば農協は、組合に納得してもらうために「五二肥料価格交渉レポート」なんというパンフレットをいろいろ出したり、あるいは「五十三年度価格交渉の経過と結果について」というかなり詳しい文書を下部に流していますよ。それで、やはりそこの了解を得ておるわけです。また自分たち自身も、農民のためにと思って肥料会社をつくってやっておるわけですよ。しかし、その内容なんかは株主総会に行けばいいんだし、役員は派遣してあるんだし、みんな自分たちがかなりの出資をしてやっているわけですから、それは全組合員にはわからないけれども、その代表で行っている人には手にとるように全部わかっているわけです。だから、おまえの言っていることは信用できない、信用できなければ役員を交代すればいい話であって、これは内部の信頼の問題じゃないかと私は思うのですね。政府は、そこまで関与して、立ち入って、農協のやっていることは農民のためにならぬとかどうとか、そんなようなことは言う立場にはないし、私は、農民のためになるように一生懸命やっておる、こう思っておるだけでございます。
○松沢(俊)委員 ただ、つくって売る者と買う者ということは、本来からするならば、農協は買う立場、それからメーカーは売る立場、こういう関係なんですよね。ところが、高度化成なんかの場合においては、買う立場の人が今度はつくり出して売る立場になっているわけです。売る者と売る者が相談して、買う者に何にも資料を出さないで、それで適正でございますという理屈はないじゃないかと思うのですよ。だから、売る者と買う者と両方が協議をして決めるという、最初はそういうあれであったわけでしょう。それが時代の変遷に伴って、買う者がつくる者に変わってきているわけなんですよ。 それで、両方でやると言っても、つくる者とつくる者、売る者と売る者とが協議をする、こういう状態に変質しているではないかというのです。では、変質した場合においては、やはり買う者の立場を代表する者が入っていくとか、あるいはまた、そういうことよりも、とにかくもっと審議会でもつくってやった方がいいじゃないかとか、いろいろなことが工夫されなければならないじゃないか、私はそう思っているわけなんで、それで大臣に聞いているわけなんであります。信頼関係だと言われればそれはそれで、おまえ信用してないんだからとこう言われれば、信用しているとか信用していないとかの問題ではないけれども、要するに形式からいっておかしくなっているじゃないか。この形式というものは改めていかなければならぬじゃないか。これはいますぐどうするかということでなしに、何とかしなければならないというぐらいの考え方は大臣の方からおっしゃってもらわぬと、ますます農民の側からするなら、へんちくりんな決め方じゃないか、こういうことになりますよ。
○渡辺国務大臣 それは全農といえども農協の組織の中でして、民主的な手続によって、農民が全部役員になるわけにいかぬわけですから、そこで、選挙された単協の組合長なり何なりが県連の役員になり、県連の役員が全農の役員になるという形で、職員を使ってやっているわけですよ。それは売る立場と買う立場というお話もありますが、農民にかわって農民のために農協が売ったり買ったりやっているわけでしょう。まして、燐鉱石なんかの輸入なんというのは、全農が一番多いわけですよ、圧倒的なシェアを持っているわけですから。外国から買ってきて農民のために売っているわけですから。売るという点だけから見れば利害が違うように思うけれども、しかし、利益をそんなに取らないで実費に近いぐらいのもので売りましょうとやっているわけです。このことは農協組織論の問題であって、柴田さんは組合長だから、柴田さんに聞いた方が、私に聞くよりも一番よくわかるかもしれません。私は、やはりこれは信頼関係の問題であって、それなら自分も農協の選挙で組合長になり、選挙で専務理事なり何なりになっていけば、農民の立場においてそれはやる、それをやらない人はその次の選挙で更迭されてしまうわけですからね。だから、私はそこのところはそんなにむずかしく考えなくたっていいんじゃないか。自分たちの出しておく代表者を信頼するかしないかという話の問題で、私は、政府として監査も、もちろん農民の立場に立って、役員が全部預金を預かっている、金の貸し付けもやっている、変なところに貸し付けるんじゃないか、農民に監査役制度があっても、まるっきり専門家じゃないから、政府の方からあるいは県庁から派遣をされて、担当者が農協の経理検査をやったり、法律上そのとおり行われているかどうかということもきちんと調べたりしていますね。その程度のことは、農民の立場を守るために、政府は政府として公の立場からやっているわけですよ。 ですから、私はいまので大体いいんじゃないかと思う。ただ、預金の問題とかいろいろな問題で、もう少し政府なり県なりの第三者の検査機構というものを充実しろ、これだけ膨大な金を扱うようになったんだから、いまの検査体制ではだめだという御非難は多少あります。そういうような点はございますが、この肥料の問題については、私は、農協が農民に売ったからといったって、別に敵の立場で売っているわけじゃなくて、農民の立場で交渉に臨んで、それで取り決めをしているというようにお考えになって差し支えないと思います。
○松沢(俊)委員 こればかりやっていても時間が過ぎてしまいますのでやめますけれども、ただ、いま大臣の言われるのは、要するに組合の監査は確かにそうですよ。だけれども、別会社をつくっているのですよ。これは別な会社ですから、われわれは監査も何もできないのです。資本系列からいくと農協のものですけれども、しかし直接農民がどうこうということでなしに、上の方から出資しているわけです。だから、そういう会社を別につくってやっているわけですから、それが今度価格取り決めの場合におきましては、農協としてもそれに損させないように取り決めをしようという考え方になることは当然なんじゃないかと私は思うのです。そうなると、生産農民の立場に立った感覚が失われるおそれというのがあるんじゃないか、こう思いまして、いままでとは情勢も変わっているわけだから、価格取り決めの場合においてはもう少し工夫をこらしたらどうか、こういう提言もやっているわけです。ですから、その点はっきりとしていただきたい、こう思うわけなんであります。 それから、その次に硫安輸出会社というのができ上がっておりまして、この会社というのは、きのうも参考人に対するところの質問のときにありましたけれども、普通の会社なんですね。ですから、普通の会社の場合におきましては営利を追求するというのは当然だと思うのです。だけれども、これは運用の面から利益を出していないということですね。運用の面で利益は出さないようにして運用していく。そうでしょう。 そこで、問題は、利益を出さないようにして運用するとかなんとかといっても、出したければいつでも出せるというところの会社になっているんじゃないですか。何かそこに制限というのがあるのですか。
○大永政府委員 先生御指摘のように、硫安輸出会社は利益も損失も出さないという形で運営いたしておりますが、このことにつきましては、農林水産省及び通商産業省での監督を厳重に行っておるところでございまして、通産大臣としては監督権もあるわけでございますので、過大な利益等を上げることのないような監督というのが十分行えるというふうに存じております。
○松沢(俊)委員 そういう調整力というのは持っているのですか。上げたから処罰する、あるいはまた解散させるとか、そういう法的な裏づけというのがありますか。
○大永政府委員 この十条に監督の規定がございまして、通商産業大臣は輸出会社に対しまして「その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」ということになっておりまして、これはいま先生御指摘のようなもし過大な利益を上げるというふうな問題が起こりますれば、当然これは命令をすることができる。それから同時に、この輸出会社は、硫安の輸出をいたします際には譲り受け計画をつくりまして、取引につきましてもやはり承認を求めなければならないということになっておりまして、いろいろな形で監督が厳重に行われておりますので、過大な利益を計上するというふうなことは起こり得ないと思います。
○松沢(俊)委員 これは第七条に輸出会社の事業はどういうものであるということがちゃんと決められておりますね。ですから、それ以外のものをやっているということになれば、もちろん監督官庁の方でそれを規制するということができると思いますね。しかし、この会社が利益を上げたからといって規制するなんということはできないんじゃないですか。できますか。
○大永政府委員 この法律の目的でございますが、これは御承知のように、肥料価格の安定ということと、それから内需の優先確保というふうなことを中心にいたしておるわけでございます。そういった法律の目的を達成いたしますために必要な命令は通商産業大臣として広くいたすことができるわけでございまして、この輸出会社がもし過大な利益を計上するということになりますれば、それの是正ということは当然必要な監督上の命令の範囲に属するというふうに考えております。
○松沢(俊)委員 そうすると、これは利益を出せば、規制して出させないようにできるのですね。そうすると、その答弁というのは、衆議院の答弁と参議院の答弁と違いますね。どうですか、いいのですか。
○大永政府委員 これは現在のところ利益はゼロということで、損失も出さないし利益も上げないという形でやっておるわけでございます。そういうことで監督をしておるわけでございますが、それではたとえば利益ゼロでずっといくかどうかというふうなことに関しまして、これは会社でございますから、仮に若干の利益を計上したからといって、そこですぐ是正命令を出すかどうかということにつきましては、現在の監督方針からいたしますると、これは当然利益を出させないということでやっているわけでございますけれども、命令ということになりますと、ごくわずかの利益を計上した場合に、これは確かに会社でございますから、命令を出すことは問題であろうかと思いますが、実際上の行政指導措置といたしましてこれは利益を出させないということで運用いたしておりますし、また会社の方もそれでやっていくということにつきましては異存を言っているわけではございませんので、今後ともそういう措置は十分とれるというふうに考えている次第でございます。
○松沢(俊)委員 私は、法律的な面で規制ができるのかどうかということを聞いているのであって、現在ゼロだということもわかっております。そしてそういう方向でいままできているということもわかっていますが、法律的にはそれを抑え込むというわけにはいかないんじゃないですか、どうですか。
○大永政府委員 これは先ほども御答弁申し上げたわけでございますが、仮に過大なる利益を計上するというふうなことをもしいたすということになりますれば、これは国が監督いたします特殊会社として不適切な運営でございますので、監督命令を出すということは十分可能であろうと存じております。
○松沢(俊)委員 それでは、過大なるところの利益というものはどの程度のものが過大なる利益ですか。
○大永政府委員 われわれといたしましてはそういう事態を予想しておりませんので、どの程度になれば過大な利益かということにつきましての検討はいたしたことはありませんし、また、そのときそのときの経済事情、それから他の一般の企業の利益状況等々との関連もございますので一概には言えませんけれども、特殊会社でございますから、仮に利益を計上するとしても、一般の上場会社等に比べてこれは当然高いものであってはならない、低い方であろうかと思います。そういう事態を予想しておりませんので、何%の利益率なら問題かというふうなことにつきましての具体的な検討はいたしたことはございませんが、当然、社会通念上非難を受けない程度ということでおのずから限界があろうかと存じております。
○松沢(俊)委員 だから、社会的な非難を受けない程度の利益が出たからといって、それは規制するというわけにいかないんじゃないですかと私は言っているのです。そうでしょう。これは要するに利益がゼロでなければならないというところの会社ではない。普通の会社なんだ。ただ、臨時措置法にちゃんと載っているだけあって、不当なことをやった場合においては、それは困るじゃないかということで抑えることはできるけれども、一般の会社であることは間違いないわけでしょう。そうだとしますならば、要するに会社の株の問題でありますけれども、株は持っているけれども実際は硫安の生産も輸出もしていないという会社が現にあるわけでしょう。そういう会社というのは、設立の当初においてはそれはみんなやはり輸出会社だと思いますけれども、その後変わってきた場合においては、これはやはり変わった方法でやらないと問題が起きてくるんじゃないか、こう思いますが、どうでしょうか。
○大永政府委員 先生御指摘のように、設立当初の株主の中で、その後この株主の間にもかなり変化はございますけれども、ごく一部、その株を持ってその後生産をやめたというところもございますが、大部分の会社は生産を上げておるわけでございます。かつ、これは先生御高承のことと思いますが、この会社の資本金というのは一億円でございます。その中で株だけ持って生産をやってないところというのは比較的小さい方の株主でございまして、その株で利益を上げるというようなことを期待しているとはわれわれといたしましても承知いたしておりません。したがって、利益につきましてはゼロ計上でいくんだという通産、農林両省の方針に対しまして、従来も異議は出ておりませんし、今後とも出ないと思いますので、こういった形で運営していくことは十分可能であるというふうに存じております。
○松沢(俊)委員 それでは大臣に聞きますけれども、こういう会社なんですが、これは利益を上げるような会社ではないのが当然だと私は思うのです。そしてよその国なんかにおきましても、輸出はやはり一元化をしていくとか、買う場合においても一元購入、こういう傾向であるということも実は聞いておるわけであります。 そこで、そういうものであるとするならば、これは将来ともこんな方法でやるよりも、公社だとか、そういうもっと公的な会社にしたらどうか、こう思いますけれども、その辺の考え方はどうでしょうか。
○渡辺国務大臣 公法人にするというのも一つの考え方でしょうが、この法律自体が暫定法でございますし、輸出関係の一元輸出という点からできて、法律上は商法適用の法人だけれども、しかし肥料法等でいろいろな規制を加えてある。こういうときに、事業団とか公団とか新しく政府の直属機関みたいなものをつくるということはむしろ時代逆行でして、そういうふうにしたくともなかなかできないという状態で、一方、これは暫定法で五年という年限も決まっていることですから、先ほどの質問にもあったように、肥料会社の構造改善がきちっとできれば、私は場合によってはこの法律は廃止してもいいんじゃないか、こう思っています。しかし、石油が肥料の実体だ、一番の根本になるものだ、これが非常に不安定である。したがって、肥料の値段が石油価格の暴騰、暴落に影響されるというような状態が続くとすれば、やはりここでやめてしまうというわけにもいかないかもしらぬ。なかなか先のことまではよくわかりません、正直のところ。とりあえず五年間は構造改善に力を入れていく、しかし将来のことはどうするかはその間に一遍決めたい、こう思っておりますので、この株式会社を公法人にするという考えは、いまのところございません。
○松沢(俊)委員 質問を終わりますけれども、やはり一番私たちは問題だと思いますのは、政府の交付資料、政府が業者に対して出しますところの資料、こういうのはやはり国会の場で明らかにしてもらうように考えていただきたいということを要望申し上げると同時に、輸出会社の場合におきまして、もうすでに硫安に全然かかわり合いもないところの会社が株を持っているなんということは、これは不自然な話なんでありますから、そういうところもやはり改善をしてもらいまして、公社、公団にするしないということは別としましても、何といいますか形式がちゃんと整えられる、そういう会社というものに考えていっていただきたいということを要望申し上げまして、質問を終わります。
○佐藤委員長 この際、午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 ————◇————— 午後一時三十三分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案に関して質問をいたします。 まず、先ほどからも質疑がありましたように、これは大臣に質問いたしますが、五年間の延長ということで、昨今の石油事情からして、もうこれ以上延長をしないという保証がありますか。
○渡辺国務大臣 私は、暫定法でありますから、暫定法の中で構造改善を終わらしてなくするというのが本来の趣旨だろう、こう思います。しかし、昨今における石油事情というのは非常に思いがけないようなことが起きてまいりますので、これらの点も見きわめながら、とりあえず五年延長してもらって、その間の国際情勢等も踏まえて、それで終わりにするかどうするかはさらに検討させていただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 十五年間続いてきて、さらにそれが不安定であるとするならば、これは恒久立法にした方がいいと思うけれども、これについてはどうですか。
○渡辺国務大臣 暫定であるということは、ある一定の年限を決めて、その中で肥料工業の構造改善をやりなさいということですから、構造改善がだらだら長くなってしまうということも、必ずしもこれが業界にとっても農民の側にとってもいいことではない。そういう意味からすると、暫定法を繰り返しているということもおかしなことではあるが、やはりいまの段階で恒久立法にするということより、原点に戻ってこの肥料業界の構造改善を優先してもらうということの方がいいんじゃないか。場合によっては、私は国際事情がどうなるかわかりませんけれども、一応の見通しがつけばこれで打ち切った方がいいんじゃないかという気も実はしておるのです。
○竹内(猛)委員 そこで、前回もそうですが、何回か附帯決議をつけてきた。その附帯決議がほぼ同じようなことを繰り返ししなければならぬというところに、実は努力が、どういう努力をされたかというところに問題があろうかと思うのです。どこに一体同じようなことをしなければならない問題があるのか、その点を。
○二瓶政府委員 これまでの肥料法審議の際に附帯決議をちょうだいいたしております。その際は、大体、肥料工業の合理化という問題、あるいは流通の改善合理化、それから銘柄整理の問題、地力対策の問題、こういうところを中心にして附帯決議をちょうだいをいたしております。いずれもこの事項は、肥料の生産、流通等につきまして非常に重要な事項でございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 したがいまして、政府といたしましてもそのときどきに応じた対策を講じてきたところでございます。 しかし、たとえば先ほど第一に申しました肥料工業の合理化というような、生産の合理化の問題等につきましては、一たん合理化をした、しかし、その後の情勢の変化、これは技術的な面もあろうかと思いますが、そういう情勢の変化等によりましてまた新しい角度から合理化をする必要があるというようなこともあり得るわけでございますし、あるいは流通対策とか地力対策というような点につきましては、これは対策の実施なりあるいはその実施した対策の効果の発現というものは、相当長時間をかけて繰り返してやはりやらなければならないというものもございます。そういうことで、三十九年に制定され、その後二回ほど単純延長をお願いをいたしたわけでございますが、そういうことで、やや似たような角度の附帯決議をちょうだいをしておるわけでございます。 四十九年にちょうだいしましたものにつきましても、相当、附帯決議の面は実行に移しているわけでございますが、なお不十分な点はさらに一層努力して、その線を実現するように努力していきたい、こう思っておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 確かに努力をしていることは認めないわけではないのですけれども、やはり状況の変化というものがあって、たとえば地力にしてもまだまだ十分ではない、後でその問題は出しますが、あるいは銘柄の整理にしても、七千五百というような種類は余りにも多過ぎる、これは農家が要求しているからと言えばそれまでだけれども、多過ぎやしないかという感じもしないことはない、そこに価格の決定のむずかしさもあると思うが、いずれにしてもなお一層の努力をしてほしいと思います。 そこで、農林水産省が昭和六十年を展望した農業の長期見通しというものについて、これは再検討を必要とするということで鋭意努力をされていることを承知をしておりますが、これによると、肥料の問題から考えてみた場合に、米、野菜、果樹、こういうものが肥料の六四%を使っている。その米が四十万ヘクタールの減反ということで、ことしも続けなければならぬし、また農協あたりからは、それだけでは済まない、八十万ヘクタールも減反をしなければやっていけない、こういうような自主的な立場からの提案もある。こうなってくると、果樹は三割切ってしまう、野菜は暴落しているという形になると、肥料の需要の面に対してかなり変化が来るだろう。だから、この問題は農林水産省の長期の計画を立てるときに、同時に肥料なり農薬なり農機具というものは一定の計画の上にのせていかなければならないものではないか、こう考えられる。確かに民間の仕事ですから、一々それを規制していくということは社会主義の国じゃないのだからまずいかもしれない。しかし、物をつくって競争する、これも一つの原理かもわからないけれども、このようなことについてはいまどういう運びになっているか、この辺はどうですか。
○二瓶政府委員 肥料需要の長期見通しについてのお尋ねでございますが、ただいま先生からお話しございましたように、六十年度を目標年度とする農産物の需要と生産の長期見通し、これが五十年五月に閣議決定を見たわけでございます。そこで、肥料の方の需要の面につきましては肥料の国内需要の長期見通しというのを五十一年四月に策定いたしております。もちろん、これは肥料対策協議会という、生産者代表なり消費者代表なり学識経験者の入った一つの機関でございますが、そういうところで、ただいま申し上げました農産物の需要と生産の長期見通し、その他いろいろな方法論ございますけれども、そういう点を検討していただきまして、出た線を農林水産省としても採用しておる、こういうことでございます。そこで、あと問題は、五十年五月に策定しました農産物の需要と生産の長期見通し、これにつきまして官房を中心にしながら現在見直し作業をやっておるところでございます。米の需要なりあるいは果樹、特にミカン等につきましては現在の計画と実態が相当乖離をしてきておるということもございますので、その辺を軸にしながら現在改定作業を取り進めておるわけでございます。 そこで、あとは、仮にこういう農産物の需要と生産の長期見通しというのの改定版が一応出たとしました際に、肥料の方はそれではどうするかということになりますと、やはり需要と生産の長期見通しというものの改定の内容、それから程度、そういうものをよく見まして肥料の方も改定する必要があるかどうか、その辺を十分検討してみたい、かように思っておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 それは農業にとってやはり重要なものでありますから、長期見通しができるときにはそれの生産の見通しというものもあわせて立てて、そして、これは内需が優先、輸出も考えていく、また、これは他の方にも回ていくわけですから、そういう点で長期見通し、短期の見通し、それから単年度の計画がなければ最小限度まずいじゃないか、こういうぐあいに思うのです。この点では通産省の方はどうですか。
○大永政府委員 現在、構造改善事業を進めておりまするが、これが終了した後におきましても、設備能力の面から見ますと、内需の伸びに対しまして十分な生産能力を持っておるというふうにわれわれとしては考えております。ただ、御高承のように、原料が大部分石油でございますので、当面はどうということはございませんが、中長期的に見ますと、原料である石油がどうなるかという点につきましては不確定要素が多いわけでございますけれども、いずれにいたしましても本法は内需優先というたてまえでございますので、内需の確保につきましては本法に基づきまして遺憾なきを期したいというふうに考えている次第でございます。
○竹内(猛)委員 そこで、この価格の問題についてはもうすでにきのうの参考人にもお尋ねしたし、きょうもわが党の小川委員、松沢委員からもいろいろかなり突っ込んだ話がありました。私は同じことを繰り返すわけじゃありませんが、その価格の資料をどうしても国会へ出せないということの根本的な理由なり何なりを明らかにしないと、どうしてもこのままではこの委員会がおさまらない。その出せない理由は何かあるはずだ、その点を明らかにして、たとえば農林省に交渉すれば、これは企業秘密だから出せないというのです。それも多分一つの理由でしょう。だから、そういう点で明らかにしてもらわないと、これはどうにもならない話なんです。話し合いのときには出るけれども、出せない、その出せない理由について明らかにしてもらいながら、それじゃそれをどうするか、こういうような話にならなければまずいのですが、くどいようですけれども、価格の問題についてのその点を説明していただきたい。
○二瓶政府委員 原価の公開ができないという理由は一体那辺にあるのかということでございますが、その理由といたしましては、一つは、この原価調査といいますものは、強制力をもって企業の秘密に属する事項を調査しておるということからいたしまして、その調査結果の資料は法目的の範囲に限定されるべきものであるというふうに考えるからでございます。 それから、これを公表してないというようなことで価格決定の経過が非常に不明確になるではないかというようなこともいろいろ午前中もあったわけでございますけれども、むしろこれは両当事者間の交渉を円滑に進めるということで両当事者から請求のあったものを交付しておるということでございます。これを公表してないからむしろ不明確になっておるというところまでは実は考えておらないわけでございます。 それから、あとは、もちろん両当事者が交渉する際にこれを参考に交付するわけでございますが、政府としては届けられる価格につきましても、こういう資料をベースにしましてチェックをするということで一つのチェック材料にも役所も使っておる、こういうことでございます。 出せないという問題につきましては、先ほど来るる申し上げておりますように、一番大きな問題は、強制力をもって企業の秘密事項を調査しているということで、その使用については法目的の範囲に限定さるべきであろうということからでございますので、その辺、御了承いただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 これは現在の社会の仕組み上、その秘密というものはどうしてもなくてはならない、だから強制力をもって取り上げることはできない、こう理解をしていいわけですか。そういうことですか。
○二瓶政府委員 各企業はいろいろなコストといいますか、原価というものは企業の秘密だろうと思います。したがいまして、一般的にそういう各コストを出せといっても企業はなかなか出さない、これはあたりまえだろうと思います。 ただ、問題は、この肥料価格安定臨時措置法という法律によりまして、両当事者間で価格の取り決めができるという規定があるわけでございますが、そういうものを円滑に進める、あるいはまた政府が届け出を受ける際にそれを十分チェックできる、そのためのコストというものを政府として持っておく、また両当事者から請求があれば交渉の促進を図るためにこれを交付するということで、普通であれば出さないものを強制的に様式を決めて出してもらう、出さないときはこちらも工場に立ち入って調査もできますし、帳簿も見られますし、罰則の適用もあるという、そういう担保措置を背景に持っておるわけでございます。したがいまして、こういうことで集めました原価というものはこれは公表はすべきものではないのではないかというふうに考えるわけです。両当事者に交付する際でも、個々のメーカーのもの一つ一つを出すわけではございませんで、やはりこれも硫安なら硫安というものの加重平均の価格を出す、最低値を出すという形で交付をいたしており、また、それでもって従来から現在まで円滑に価格取り決めが行われてきておる、こういう経緯になっておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 価格の問題については先ほどから大分議論したし、これ以上議論しても進みませんから、次の問題に入ります。 これは大臣に質問するわけですが、先ほど松沢委員からも質問があったように、これから肥料が下がるという保証はどうもない。なぜなら、肥料の原料であるナフサがもう値上がりをしている。大変な値上がりですね。その原料も将来怪しいということで、これは後で通産省の方から細かくいろいろ聞きますが、そういうことになるときに、農家の収入の約三六%から四〇%を占めるものは米ですね。その米がさらにかなりの肥料を使っている。にもかかわらず、去年も米は据え置きをした。ことしもどうも大臣は、新聞が本当であれば、生産者価格は値上げをしない、こういう発表ですね。そうなるといよいよもって農家は、資材は高くなる、手取りは減ってきます。一方また畜産の方を考えてみても、えさの値上がりは商社は五月から上げて七月にも上げようとしている。ところが、豚の価格などは四・一%引き下げをした、こういう状態なんです。こうなると、農家はたまったものではないという形になる。農家の方では別に農畜産物の価格を上げてくれとは言ってない。農機具なり肥料なり農薬なりが下がればよろしい、こう言っている。ところが、農畜産物の価格も下がる、逆に今度は農家が買う物は上がる、これで農業をやっていけるかというとこれはちょっと無理である。この点について大臣、これは率直に言ってどうですか。
○渡辺国務大臣 農産物価格が上がらなければ、それに使う資材、肥料等は上がらないというのが一番好ましいことでございます。ところが、お米の場合は、御承知のとおり、米の生産費の中に占める肥料代は七、八%であります。お米の原価計算の中で一番大きなシェアというのは労働費、労務賃金です。これが年々機械化、特に田植え機、六条植えなんという田植え機ができちゃって何倍もの生産性を高めているということのために労働時間数がうんと減っておって、それらの資材の値上がりよりもはるかに生産性が高くなっておるというようなのが現状であります。したがって、資材、肥料等が多少上がったから米の価格がその分ストレートに上がるというような仕組みにはなっておりません。 もう一つは、生産数量の問題がございますから、生産数量がふえればその分だけ一俵当たりの単価は安くなるというようなことで、総体的に見なければならない。できるだけ上がらないのがいいに決まっております。
○竹内(猛)委員 それはそういうことなんだけれども、実際は、いまから説明を求めますが、石油が上がれば別に肥料や農機具だけじゃなくてすべての物が上がるのですから、しかも国鉄の運賃も上がる、たばこだって上げるのでしょう。自民党と新自由クラブさんが押し切ってきのう上げちゃった。だから、こうなってくると、どんどん物が上がるのですよ。農家だけが、つくったものが上がらない、据え置きだ、この理屈は何としても理解ができない。理解ができないからあとは説明は要らない。これはお互いにしようがないことですね。 そこで、きょうは通産省がお見えですから、石油の見通しについてお聞きしたいと思うのです。 きのうまで世界の石油消費国会議があって外務大臣や通産大臣や局長までも出席をして、そして各国の間で節約の申し合わせをしながら終わった。そういうときに、値上げがどんどん進んでくる中でイランの政変が起こってきている。一体将来の石油の見通しというものはどういう角度からどのようにながめたらいいのか。 それから、この取引の円ドル関係というものは一体何ドルで考えておるのか、この辺からまずお聞きします。
○箕輪説明員 お答えいたします。 将来の世界の原油の見通しということにつきましては、現在の状況では的確にこうであろうということを申し上げることは非常にむずかしいと思います。 現状を申し上げますと、一九七七年のOPEC全体の生産は大体三千百万バレル・パー・デーくらいの生産をしておりました。それから、昨年の一月から十二月の平均ですと三千万弱の生産をしておったわけでございます。御存じのように、十一月からイランがおかしくなりまして一月からストップしたということで、三月になりまして輸出は再開されたわけでございますが、現状では、これもきわめて正確であるということではございませんが、各種報道をまとめますと、大体現在三千万バレルぐらいの生産をしておるというふうに考えていいのではないかと思います。したがいまして、従来の生産から考えますと、大体同じようなレベルの生産をしているというのがOPEC全体の姿でございます。 今後どうなるかということでございますけれども、OPECが公式に言っておりますことは、世界の需要に合わせて、だぶだぶではないけれども供給はきちんと果たしますということを言っておりますので、それが事実行われるのであれば、タイトぎみではありますけれども、世界の需給というのは確保されるというふうに見てよろしいのではないかと思います。ただ、御存じのように、産油国と申しますのは政治的あるいは社会的にまだ不安定な国がございます。イランも今後どのように政治的な安定に向かっていくかというのが一つの問題ではないかと考えます。 現状では、新聞紙上で伝えられておりますように、非常に世界的にタイトになってきております。この理由は、各消費国は皆同じでございますけれども、過ぎました一−三という需要期におきましてそれぞれストックを食って国内供給を果たしてきた。したがいまして、日本もそうでございますが、予定より備蓄が減っているわけでございます。各国とも、日本もそうでございますけれども、次の需要期を目がけましていま備蓄の積み増しということを努力しておるものでございますから、それだけ世界の需給が逼迫しているというのが現状でございます。これがスポット価格の高騰という形であらわれてきておるというわけでございます。したがいまして、OPEC諸国の論理というのは、従来からいまも同じでございますけれども、ほかの国が利益を上げるのであればわれわれがそれをちょうだいする、われわれがまさにその利益を受け取る資格があるのだという考え方でございまして、国際的な価格の高騰というのが続く限りは、OPECは値上げの理由があるのだというふうに考えていいのではないかと思います。したがいまして、六月末に予定されておりますOPECの臨時総会におきましては、価格の値上げが打ち出される危険がございます。これに対抗する手段は消費国というのは実は持っておらないのが現状でございまして、唯一、節約をする。したがって、これは長期のことは、当然のことですが、石油というのは供給力に限度がございますので、長期的には逼迫してくることは間違いないと考えてよろしいのではないかと思いますが、当面、ここ一年あるいは半年の間の石油の見方と申しますのは、各国の節約努力がどの程度効果があるかということに一つかかっていることは間違いないのではないかと考えております。 それから、御存じのように、昨年の十二月末にOPECは価格引き上げを決めたわけでございますが、その後三月末、さらに引き上げを行った。その間、現在もそうでございますが、各産油国はいろいろな形でサーチャージを乗っけてきております。これはばらばら上げてきておるのが現状でございます。ただいま現在で、各国が値上げをしてまいりました原油の価格は、日本で平均的にどのぐらい値上げになっているかを試算しますと、大体二五%以上原油価格が上がっているというのが現状でございます。
○竹内(猛)委員 石油の状況はきわめて不安定で心配なことだと思うのですね。こういう中でイラン石油化学もいま問題があります。当初五社で開始したプロジェクトが、今月に入ってから三井物産が中心になって十社を参加させるために動いている。これがナショナルプロジェクトとなろうとしております。この問題をめぐっての若干の経過と現状、それから、これからの見通しというものについて説明をしてもらいたいと思うのです。
○新説明員 御説明申し上げます。 このイランの石油化学プロジェクトにつきましては、イランのテヘランからちょうど南六百キロぐらいのところに、ペルシャ湾に面しましてバンダルシャプールというところがございます。ここにおきまして日本側とイラン側との合弁によりまして石油化学のコンビナートをつくろうという計画でございまして、昭和四十六年ぐらいから計画が進められてきたものでございます。 この実施主体は、合弁事業としてイラン日本石油化学会社、通称IJPCと呼んでおりますが、これが現地に設立されておりまして、日本側の投資法人としましては、民間五社によりましてイラン化学開発、通称ICDC、これが五〇%、イラン側のパートナーといたしましてはイラン国営石油化学会社、通称NPCと申しますが、これが五〇%というフィフティー・フィフティーの合弁事業となっておるわけでございます。 それで、生産計画でございますけれども、これはエチレンが三十万トン、パーイヤーでございますが、三十万トン規模を中核といたしまして、その誘導品、塩ビでございますとか高圧、中低圧のポリエチレンでありますとかLPG等のいわゆる石油化学誘導品をつくろうという計画でございます。 なお、蛇足でございますが、肥料につきましての生産計画はこの中には入ってございません。 これまでのところの資金計画でございますけれども、これまでは五千五百億円ということで、日本側が三千億、イラン側が二千五百億を持つということで計画が立てられまして、イランの政変前まではかなり順調に工事が進んでまいったところでございまして、現在のところ、全建設工事過程の大体八五%を完了いたしておるところでございます。ところが、御承知のようなイランの政変によりまして、この影響を受けまして、現在建設工事は小休止のやむなきに至っておるわけでございますが、イラン側の強い希望といたしまして、この建設工事を一刻も早く完成したい、本計画を一刻も早く完成したいということがございます。日本側投資企業といたしましてもこの計画を早く再開をするということでございますが、それに要します諸種の条件等につきまして現在イラン側と詰めておるところでございます。条件といたしましては、工事の再開をいたしますに必要な環境整備その他の条件、それから小休止に伴いまして追加資金が必要なのではないか、こういうことでございまして、現在日本側投資法人でございますICDCの社長がイランに渡っておりまして、イラン側と鋭意このあたりの建設計画の見直し、今後の進め方というものを詰めて交渉をしておる段階でございます。 私どもといたしましてはその交渉の経緯、結果、こうしたものを踏まえまして本プロジェクトの完成に向けて支援をしてまいりたい、かように考えております。
○竹内(猛)委員 いま御説明がありましたが、イランに政変がありまして、当初の政権と変わった政権ができている。そのために権利の問題にしてもいずれの問題にしても大変むずかしい。そういうときにこの見通しと、それから通産省の前の事務次官をやった山下さんという人がこの中に入っているわけでしょう。そういう形でやって、もし失敗した場合にはだれが責任をとるか、国はこれに金を出すのか出さないのか、この辺についてはどうですか。
○新説明員 本プロジェクトにつきましてはイラン側も強く早期完成ということをすでに希望いたしておりますし、日本側に対しましても完成の協力ということを依頼をしてきておるわけでございます。私どもとしましては、現在、山下新社長がイラン側に行ってイラン側といろいろと細かい詰めを行っておる、この報告を待って、今後どういうぐあいに進めていくのか、国としてどれだけの支援を考えたらいいのかということにつき検討してまいるということでございます。
○竹内(猛)委員 イランの問題は非常に重要な問題でありますから特に質問いたしましたが、この問題はこれくらいにしておきます。 先ほど大臣から御説明がありましたが、農家の経営に占める肥料の適正な位置というものはどれくらいかということなんです。あるときには一八%のときもありました、最近は一四%台だと言っている。むしろ、肥料よりも農機具とか農薬の方がウエートが高くなっているというのが農林水産省の資料の現状ですね。ところが、いまの農家の支出の中で肥料が占めるウエートというものはどれぐらいが適正なのかということについて計算したことがあるかどうか。あったら、その点について示してもらいたい。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、農家二月当たりの農業現金支出の推移ということで見ました際に、肥料は四十年に一七%ぐらいでございましたが、最近五十年以降一四%台で推移をしておるということでございます。 それでは、今後肥料が農家二月当たりの農業現金支出の中でどのくらいのウエートを占めるのが妥当であるかというお尋ねでございますが、農家の現金支出といいますものも飼料なりあるいは農機具なりその他の要因があるわけでございますので、その中における肥料のウエートということで、相対的なものになります。したがいまして、肥料のウエートといいますものはどこが妥当かということは、これは明確に何%ということは言い切れないと私は思います。ただ、やはり最近のこういう一四%台で推移しているということからいたしますというと、今後水田の再編利用という問題がございましても、それは稲はやめますけれども、その他の作物に転作するわけでございまして、やはり肥料も要るわけでございますし、そういう面ではやはりこの一四%台というような現状の線といいますものが大きく上がるというようなことがない形に、これは価格の面と量の面と、両方の面での絡みの問題かと思いますが、そういう線で、極端にこれが動くということのないように指導していきたいと思っております。
○竹内(猛)委員 ところが、先ほどの通産省の話もあるように、石油の価格は現在二五%上がったというでしょう。なお、イランの政変の中でかなり石油状況に変動があることはもうだれが言わなくたってわかっていることだ。そういう中で石油を中心とした機材、資材が下がるということはない。どうしてもこれは上がるでしょう。だから、農産物の中に占めるウエートが一四%であっていいのか、あるいは一八%であっていいのかということは、これはいろいろむずかしいけれども、大体農業資材、機材というもの、農薬、農機具、肥料、この三つが中心だと思いますが、こういうものを合わせて大体三〇%になっているのでしょう、農家支出の中に占めるウエートというものは。だから、そういう点をどの辺が適正なのかということについては、これはやはり、いや、きょうここでどうということはないですよ、農林水産省の方では考えておいて、そういうような範囲内でやれるような指導をする必要があるんじゃないですか。いつまでも出たとこ勝負では農家としても困るわけなんだ。こういうことを私は要請したいと思うわけなんです、その点では。 それから、大臣にお尋ねしますが、先ほど松沢委員から硫安輸出株式会社の問題について一つの提案があった。きのうも水野さんにお伺いしたときに、硫安輸出株式会社はもうける会社じゃないんだというふうにはっきり言われました。もうけるものでなかったらなぜ株式会社なんという商法による株式でやったのかという点については、大変疑問を持っているんです。それならば公社、公団というような形でもっとはっきりして、これはもうけるものじゃないんだということでやった方がわかりがいいんじゃないか。この点はどうなんですか。そういうことをやることについて、いかぬというような、どこかそれをじゃまするものがあるのですか。これはいかがですか。
○大永政府委員 これは先生も御承知だと思いますが、硫安輸出会社のやっております仕事は、輸出の一元的な取引ということで、やっている仕事の中身が、これはもう商取引そのものでございまして、これは相手のある話でございますから、量とか価格とか、そのときどきの交渉で機動的に決まっていく問題でございますので、そういった業務の内容に照らしますと、公社、公団という形よりはやはり会社の方が適当なのではないかと思います。 ただ、もうけないということはどういうことかといいますと、交渉いたしまして決まりました値段でもって国内のメーカーから引き取るということになりますので、そこで利益が生じない、こういうことでございまして、業務の内容はやはり商取引でございますので、これは会社形態がむしろふさわしいのではないかとわれわれとしては存じておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 これは十五年間も続いてきているんですから、ここでは急にどうということではないけれども、これは大臣どうですか、この問題についてきのうから議論しているんですが、きのうというか、前からの議論なんだが、現在のままでやむを得ないと思いますか、もっとやはり変えた方がいいと思われますか。これは大臣の判断。
○渡辺国務大臣 いま通産省の局長から説明があったように、輸出取引という一つの商取引をやってくるわけですから、公団よりもある程度自由のきく、現行のままで何ら支障もないし、それでいいんじゃないか、むずかしくする必要もことさらないのではなかろうかと、こう思っております。
○竹内(猛)委員 それでは、生産の合理化ということですね、合理化目標、合理化ということと合理化目標はどういう形で決めるか、この点は通産省どうですか。
○大永政府委員 合理化につきましては、構造不況産業の指定をいたしておりまして、主といたしまして設備の過剰な部分がアンモニア、尿素、燐酸等々にございますので、この過剰な設備を処理をいたしまして、高能率な設備を生産を集中するということによりまして合理化を図っていくということでございまして、この設備の処理目標につきましては五十七肥料年度中にこの設備の処理を行うということで、それぞれ二割から四割程度の処理目標を定めまして行っていくという方針になっておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 この問題についても、輸出をするもの、他の産業に回って原料になるもの、農業が使うものと、こうあるわけでしょう。だから、農業経営の中で肥料は何%の割合になるかということと結びつかないでは本当は考えられないと思うのですよ。だから、合理化の目標というものをつくる場合に、もう一つは会社と雇用との関係がありますね。肥料会社、生産会社の中で雇用を確保しながら、農家に対しても、農家の支出の中で肥料、農機具、農薬の占める割合というものが三割なら三割、その中で一四%が肥料として適当であるならばその一四%で占めるために肥料の価格はこうなんだというような決め方というものはないのかどうなのか、何か盲めっぽうにやるのでは、これは決めるのにどういう委員会が決めるのかわかりませんが、これはどういう委員会で決めるのですか。相談するところはどこですか。
○大永政府委員 先ほど申し上げましたこの合理化計画は、安定基本計画というふうに呼んでおりますが、これは通産省の諮問機関でございます産業構造審議会に諮りまして、これは政府が決めるということになっております。ただ、それに基づきます具体的な設備の処理というのは、この安定基本計画に基づきまして各社が行うということになっておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 この問題についても、私は、やはり会社の場合、生産の方では雇用というものが守られるということがまず前提だし、農家の方からすれば農畜産物の価格に占める肥料の比率というものが中心になる。こういうところの二つを踏まえた上で目標を決めてもらわないとおかしなことになるんじゃないかというふうに私は考えるので、この点については要望をしておきたいと思います。 続いて、今日の水田の二八%、畑の六五%というものは非常に不良な土壌だと言われている。これは前々から再三決議をして、これに対する土壌改良の運動などが起きてきているわけですが、何といっても農薬と金肥によって土壌が荒らされているということは、だれもが認めているところです。 そこで、稲わら、堆厩肥、こういうものをもっと活用していく。たとえば、昭和三十年に十アール当たり六百五十キログラムを使っていた堆肥が、これを一〇〇とした場合には、五十二年には二百八十五キログラム、わずかに四三%と半減しているわけだ。これを考えてみると、これは地力が減退するのも無理はない。もっと地力を活用してほしいということで、われわれも常に要求をしてきました。なお、昭和四十九年九月には土を守る会という運動が起きておりまして、これは当時の田中総理大臣に対して、百一団体、二十常任委員会によって、国土の培養と地力の増強に関する建議、各種廃棄物の再利用についてという建議をしております。最近言われているコンポストの問題あるいは廃物のスラリー化、さらに木材についての活用、廃物の活用、こういうものも行われておりますが、この点についてはこれからもなお土壌改良について一生懸命にやってもらいたいと思うけれども、従来のそれも含めて、今後の方向、見通しについてどう考えておるか、この点お答えいただきたい。
○松山政府委員 ただいま先生から、最近堆厩肥等の有機物の施用が少なくなっているではないか、そういったことで数字を挙げて御指摘がございましたが、確かに米の生産費調査から検討いたしますと、三十年には堆厩肥及び稲わらとして施用した量を堆厩肥に換算いたしますと六百六十五キロでございますけれども、五十二年には約四三%になったということでございますが、ただ最近は非常に機械収穫が多くなっておりまして、コンバインで収穫いたしますと、カッターでそのままわらが圃場に散布をされましてすき込まれるというケースが非常に多くなっております。米の生産費調査では、圃場から持ち出されたものについてのみ計算をいたしておりますので四三%という数字が出てまいりますけれども、現状のコンバイン等機械収穫は約九割の普及率でございますので、そういった現状から考えますと、もう少し多く施用されているということが言えると思います。言えると思いますけれども、総体的には有機物の施用が減っているということは御指摘のとおりでございます。 そこで、農林水産省といたしましては、従来から有機物、堆厩肥、そういったものの施用を通じまして土づくりを指導してまいったわけでございまして、現在私どもが行っております対策といたしましては、一つは土づくり運動ということで、国、県、市町村を通じまして農家の参加をいただきまして、啓蒙指導を行っているということが一つございます。さらにまた、各普及所に土壌の診断施設を設けまして、その診断施設を活用することによって地力の現状を測定をして、それに応じて的確な土壌管理を指導いたしております。また、堆厩肥等の生産、施用を促進するために、たとえば堆肥舎でございますとか、堆肥を散布いたします機械でございますとか、そういった施設、機械につきましても助成をいたしております。また、畜産農家と耕種農家を結合いたしまして、家畜のふん尿が耕種農家の圃場に入るように、あるいはまた耕種農家の稲わらあるいは野菜残滓が家畜の口に入るように、また、それを通じまして堆厩肥として土壌に還元されるように、そういうこともやっておりますし、それから最近は大型の機械が入りますので、土層がかたくなるということもございますので、そういった土層改良もやっております。さらにまた、地力の現状を常に把握調査しまして、その調査結果において的確な土壌管理をするということもやっております。五十四年度におきましては、そういった費用で国が計上いたしておりますのは約三十三億六千万円でございます。 それから、コンポストの問題に先生お触れになりましたけれども、確かに都市近郊の野菜地帯等では施用する堆厩肥、有機物が不足をいたしておりますから、そういうところでは都市ごみを活用しましたコンポストの施用も非常に有効でございますので、そういうようなことも考えてはおりますけれども、ただ都市ごみにつきましては重金属でございますとか、ガラス、鉄片、そういったものが混合するというおそれもございますので、安全性の面で若干問題もございます。それから、コンポストにつきましては急速に腐熟をいたさせますので、必ずしも堆肥のように効果が上がるということがない、そういった事例もございますので、その辺は十分検討いたしまして、効果があって、安全であって、しかも経済性のあるコンポストを施用するようなことで目下検討いたしておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 もう一つ、木材のパーク堆肥、この問題についても先ほど私要望しましたけれども、これはどうなっておるか。
○松山政府委員 パーク堆肥等、木材の繊維を使いました堆肥等につきましては一部実用化されておりまして、使っておるところもございます。 なお、これに関連をいたしまして、林業、農業、畜産、そういったものの中間生産物と申しますか、廃棄物と申しますか、そういうものは基本的にはこれを活用いたしまして、有機物として地力を増強するような形に変えまして土壌に還元をし、非常によろしい土壌をつくるということに役立てるのが基本でございますので、そういう研究も行っておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 そのことに関連して一つ報告をしておきますが、茨城県稲敷郡東村の手賀組新田というところで、五月十一日に家畜排せつ物広域処理堆肥センターというものの竣工式が行われました。これはこの村の農協が畜産総合環境保全対策事業としてつくったものでありまして、費用が一億二千万円、そのうち国から五分の一、県が六分の一を出して、村内の必要な農家にはトン二千円、村外の者については二千五百円で販売をしている、こういうものができた。これは純農村地帯ですが、これからもこれを活用してほしいということです。 もう一つ、この際、農林水産省にひとつ要望をしたり意見を聞きたいわけですが、五月八日のNHKスタジオ一〇二の放送で、水田の転作物としてミミズの問題が出てまいりました。それを見ていますと、ミミズを水田転作の対象として取り上げた、ところが、いやそれは転作の対象物にはならないということで窓口でやりとりをしている。県の方へ行っても地方事務所では、それは転作の対象にならない、こう言う。ところが、ミミズの問題はかなりの面積がなければできない。そこで、従来から往々にして行政の中には、中央で考えたことは全部正であって、地方の農民の提案するようなことはみんな悪とは言わないけれども余りよくない、そうして常に上からものを押しつけていくという傾向がある。その傾向はよくないと思う。地元で農民がミミズを自分の土壌に合わせてつくって、それを一部はえさに、一部は薬に、一部は肥料にするというような形でやろうとして仲間がたくさんできているときに、それを押しつぶすようなことをするか。やはりこれは親切に取り上げて、むしろ一緒になって県なり中央に向かっていろいろな要請をしてくるのが筋ではないのか、こういうふうに思うわけですけれども、これについてはどうもやり方がうまくない。それは、中身の問題についてはいろいろあるでしょう。あると思いますよ。 そこで、私は、直接にテレビに出た人に連絡をしました。これは南安曇郡の豊科町の六十何歳かの人ですが、やはりいろいろ言っておりますけれども、結局、仲間がたくさんできたけれども、どうも行政は冷たい、こういうわけなんです。だから、もっと温かく転作物として取り上げて、それをよく指導する。それで指導していって、なお誤りがあれば、これは問題があるだろう。 ところが、同じ問題を栃木県の野木というところで、やはりある会社をやめた人がやっております。この人はアメリカへ行って研究してきた。アメリカのミミズの栽培についてもいろいろと研究をしてきております。ビニールの問題や何かいろいろなことがあって、恐らく農林水産省としてはにわかには手が出ないぞと言うかもしれませんが、このミミズの問題について、これからあちこちで取り上げてくると思うけれども、つまり無から有を生ずる、そして廃棄物を利用する。なるほど食べる物はヘドロですから、こういうものについて、もう少し民間の知恵というものを取り上げて、これを処理をしていく必要があるのではないか。 最近、農林水産省は、米についても、えさ用の米をつくろうじゃないかということを言い出した。私は五年ほど前からこの場所で、えさ用の米を考えたらどうか、こういうことを言ったのだけれども、それは無理だ、こういうふうに言ったけれども、最近になったらやはりえさ用の米を考えようじゃないかということになってきたんですね。だから、常に霞が関の中だけで農政を考えるのではなくて、土の中から農政というものを取り上げて、それを調和させていくということに行政の意味があるのだから、それをぜひやってもらいたいと思うのだけれども、まず大臣、これはどうですか。
○二瓶政府委員 ミミズのことでございますけれども、昔から土をつくる動物だ、よくこう言われているわけでございます。最近では、そのミミズのふん土、これを土壌改良剤ということで利用するということがありますし、また、ミミズそのものが釣りなりあるいは養殖魚のえさ、家畜の飼料、または薬という場合もございます。非常に多面的に利用されているということは聞き及んでおるわけでございますが、それでは、実態的にミミズの生産量は一体どのぐらいになっているのか、あるいはミミズのふん土がどうなっているか、流通の形態がどうか、需給状況はどうかということに相なりますと、なかなかその面は掌握いたしておりません。はなはだ申しわけありませんが、掌握いたしておりません。したがいまして、転作対象にこれを見るか。たとえば、農業生産施設用地というような場合に、認めているのがあるわけでございます。温室をつくるというときに、下が水田であるというときは、これは転作扱いにいたしておるわけでございます。果たして、このミミズを養殖する際に、大体いま養殖する際はピットですね、逃げないようにコンクリートブロック等でピットをつくりまして、その中で栽培といいますか、飼育をしているわけです。ですから、そういう水田にそのままやりましたのでは逃げ出しますから、そういうものの置き場という形のものを水田に置いた場合に、果たして転作というふうに見るかどうかという問題が一つと、それからもう一つは、やはり水田の利用の一形態として、そういうミミズの養殖置き場に大いに水田を活用すべきだ、こういうところまでまだ腹が定まっておりません。その辺、また慎重に見定めていきたいと思っております。ただ、先生からの御提案でもございますし、この面についてはわれわれも不勉強な面がございますので、十分研究さしていただきたい、かように思います。
○竹内(猛)委員 時間ですから、もう一つだけ。 いま局長が答弁されましたけれども、魚は転作の対象になっているんでしょう。だから、中川農林大臣もここで、魚を飼え、百姓も飼えというようなことを言わんばかりに議論したことがあるけれども、だから土壌のようなものでもちゃんとしっかり研究して取り上げて、そして農民の知恵というものを生かして、これを系統的に処理をしていくというようなことについて大いに研究してほしいということを要望したいのです。これは最後に大臣に一言答えをもらって、私は終わります。
○渡辺国務大臣 私もミミズは研究しているんですよ、あなたから言われたものですからね。これはいいんじゃないかと。ところが、魚と違って、ミミズはそんなに売買しているとか食べているということは聞いたことがないというんですね。それが非常に値よく売れるかどうかもよくわからない。それから、もうかるかどうかもわからない、実験台が少ないので。政府が奨励金を出すからには、出すということは、賛成して、やりなさいということですから、ミミズをうんと飼いなさい、飼いなさいと勧めて、ミミズだらけになっちゃって、それがみんなもうからなくなっちゃったという場合のしりを持ってこられては農林省は困る。だから、そこのところは、もう少し長もちするものやらどうか。単なる宗教的な話だけでも困るから、ここのところはもう少し研究させてもらいたいと言われておりますので、私もそうかなあと思って、余りせっかちなことは言わないことにしております。
○竹内(猛)委員 終わります。
○山崎(平)委員長代理 吉浦忠治君。
○吉浦委員 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。 この法律は、昭和三十九年の制定以来、二回の改正を経て、十五年にわたっての運用が行われてきているのでございますが、国内の肥料の需給及び価格の安定に大きな貢献をしていることは御承知のとおりでございます。その成果は、また関係者からも高く評価されておりますが、今回三度目の改正が行われますと、制定後二十年間の臨時措置法ということになるわけでございます。臨時措置法というのは、二十年間の長きにわたって臨時というのはどうかというふうに思いますが、今回の延長措置というものは、肥料工業及び農業を取り巻く著しい環境の変化に対応するものとして理由づけられているようでありますが、まず最初に、本法律を延長されるその理由を改めてお伺いをいたしたいと思います。
○渡辺国務大臣 暫定措置法で十五年も二十年もおかしい、これは表面からの理屈を言えば、全くそうだと私も思います。思いますが、これは一方において、農業団体等においても、石油等が不安定である、したがって、それに価格が大きく左右される肥料もどうも不安がある、したがって、政府がある程度メーカー等の価格に対して適正な資料を押さえられるようにしておいた方が安心できるというような要望が一方にあり、また、メーカー側にも、輸出の問題について世界的に競争になっておりますが、余りダンピングしてしまっても困るので、輸出会社を通して一本の輸出価格でやった方がいいじゃないか、一つは、そういう両方の面から延長してほしいという要望がまずうんと強かったということですよ。われわれといたしましても、また、それは要望だけでやっているわけではないが、やはり肥料の構造改善がまだ進まない。したがって、値段を下げてもっとうまくできるかどうか。なくした場合となくさない場合とを考慮した結果、当分まだ置いた方がいいじゃないかということで置いたわけで、かくかくしかじかなる理由で明快なという話にはなりませんが、大体そんなところであります。
○吉浦委員 そうしますと、政府においてはこの法律の性格をそのような御理解のようでございますが、延長の期限たる、これから五年後だとしますと昭和五十九年になりますが、その時点において現在の措置をどのような処理をなさるお考えなのか、それも含めてお答えを願いたい。
○渡辺国務大臣 これも先ほどからお話ししておるように、私といたしましては、だらだらやっているんじゃなくて、この辺で切り上げたらいいじゃないか、あと一回だけで終わりですよというつもりなんです。だけれども、特別の事情の変更でもあればそのときに考えることとして、一応あと五年間で終わりというように考えた方がいいだろう、こう思っております。
○吉浦委員 公取、お見えになっておりますか。——公正取引委員会にお尋ねをいたします。 肥料価格の安定は、農家にとってもわが国農業の安定成長にとっても重要なことであることは申すまでもございませんが、本法制定時と現在では肥料工業をめぐる環境というものは大きく変化してきていると思われます。現在では特定不況産業安定臨時措置法に基づく構造改善事業も実施されているわけでありますが、この法律の独禁法の適用除外になっている是非をどういうふうに公取としてお考えなのか、また今後の将来の見通しをどういうふうに持っておられるか、お聞かせを願いたいと思います。
○樋口説明員 お答えいたします。 公正取引委員会といたしましては、現在の肥料価格安定法、これがいま御審議いただいている法案でございますが、それの果たしてきた役割りを考えてみますと、農業の生産資材として非常に重要な役割りを果たしている肥料につきまして、国内における需給とか価格について無用な混乱が生ずるおそれを防ぐ制度として機能してきたというふうに考えているわけでございます。仮にこの制度から弊害が生ずるような場合には、主務大臣が取り決めの締結の禁止とか変更、廃止を命ずることができるということもございますし、また公正取引委員会としましても主務大臣に対してこのような処分を請求できるというようなことになっておりますので、一応の歯どめはできているというふうに考えてきて、この法律の運用に協力してきたわけでございます。そうは申しましても、一応臨時法ということでございますので、過去の法律の延長の際には、その都度、私どもの公正かつ自由な競争を促進するという立場から見直しをし、その必要の是非について十分検討してきたところでございます。そして、現在のところ、この法律の運用について余り問題点も見られませんし、また、いま直ちにこの法律を廃止するということになりますと無用な混乱が生ずることも考えられますので、今回の延長はやむを得ないものと私どもは考えております。 しかしながら、先ほど先生もおっしゃいましたように、肥料工業をめぐる環境はかなり変わってきているということは御指摘のとおりでございますので、それと同時に、現在、特定不況産業安定臨時措置法に基づく構造改善事業が実施されておりますが、これが五十八年六月末までに一応終了するとされておりますので、そういうことを考え合わせますと、先ほど農林大臣も申されたとおり、一応五年間延長すれば十分ではないかと私ども考えておりますので、いまのうちから本法を五年限りでもって廃止するというような方向で検討しておいていただきたい、かように考えている次第でございます。
○吉浦委員 このようにして取り決められた価格は、いわゆる自由競争が阻害されておりますので、安定といってもこれは高値安定になっているのじゃないか、こういうふうに考えられますが、この点についてどのようにお考えなのか、お尋ねをいたします。
○二瓶政府委員 結論的に申し上げますと、高値安定になっているというふうには考えておらないわけでございます。なぜそうかということでございますが、この特定肥料の価格につきましては生産業者と販売業者、具体的には全農でございますが、との間で政府から交付されますコスト、これを参考にするなどいたしまして、当事者間で対等な立場で自主的に取り決められておる、こういうことでございます。この取り決められた価格につきましては、本法に基づきまして、農業及び肥料工業の発展に支障を与えるものでないかどうかという点について政府の方はチェックをいたしております。そういう面からいたしまして、高値安定になっているとは考えていないわけでございます。 なお、よその価格と比べてみてどうかということを検証的にやってみますと、本法制定前の三十八年、これを一〇〇にいたしまして、五十三年の、石油危機後の上がった水準でございますけれども、その五十三年でも一二九%というのが硫安の生産業者販売価格である。農産物全体といたしましては、これは物賃の調査ですが、その間に三倍になっておる。それから、日銀の調べております卸売物価指数、これでながめましても一八四%ということで八割方上がっておる。そういうよその物価の面と比べましても、硫安に例をとれば一二九%ということですから、むしろ低位安定ということではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吉浦委員 公取の方は結構でございます。 肥料業界に競争原理が失われてしまうのじゃないかという点もありますが、技術革新とか新製品の開発意欲というものが、競争がなければどうしても失われがちであります。また、生産合理化によるコストの引き下げの努力といったいわゆる企業家精神の希薄ということも出てくるのではないかというふうに考えられますが、自由競争の競争制限の行為が長期に続けられますと、いま申しましたような生産面でありますとか流通面の合理化がなおざりにされるのではないかというふうに思われますし、この面に対して政府はどのような指導をしてきたのかをお尋ねいたしたいと思います。
○大永政府委員 生産面の合理化でございますが、本法に基づきまして肥料価格の安定の責務を肥料工業としては負っておるわけでございますが、御高承と存じますが、肥料工業はオイルショック後、一時輸出価格が非常に上がりまして経営が少し好転したことはございますが、それ以外の時期につきましては、経営状況はきわめて悪いわけでございまして、常に合理化の要請というのは企業内部におきましても非常に強いわけでございます。現在は特に構造不況ということで合理化が緊急に迫られておりますので、最近、安定基本計画を政府の方で定めまして、これによりまして合理化を図ってもらうということでやっておるわけでございます。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 内容的には過剰設備の処理をいたしまして生産能率のよい設備に生産を極力集中していく、それによりまして合理化を図っていくということで、五十七肥料年度を目途として今後鋭意合理化を図っていきたいということでやっておる次第でございます。
○吉浦委員 肥料対策協議会の報告の中でも「肥料工業の構造改善対策の推進に当たっては、国際的な肥料情勢を踏まえ、関係企業はコスト低減のために最大限の合理化努力を行い、その合理化メリットを消費者に均分するよう配慮する必要がある。」という指摘をしていますが、この合理化メリットの国内価格への還元について、その目標をどのようにお考えなさっているのかをお尋ねいたしたい。
○二瓶政府委員 合理化メリットが出ました際にこれをどう還元するかということでございますが、合理化メリットが出ました際には生産業者、販売業者、それぞれが話し合って配分を決めることになろうかと思います。 ただその際も、生産業者の面においては当然労働者の問題、雇用の問題ということを十分念頭に置くべきでありましょうし、はたまた販売業者の面においては肥料が農業経営上不可欠の生産資材であるということで、農民の経済といいますか、そういう面も十分念頭に置いて、十分話し合って納得づくでもってやっていく、メリットの配分を考えていく、こういうことではなかろうかと考えるわけでございます。
○吉浦委員 現在、アンモニア系の窒素肥料の輸出価格は、国内価格に比べると著しく低くなっているのが実情であります。肥料の輸出価格が国内価格より安くなっているのはどういうわけでそうなっているのか。輸出によるところの赤字を国内価格に転嫁しているのではないかという疑問があるが、農林省はどういうふうにお考えなのか、その点をお答え願いたいと思います。
○二瓶政府委員 まず、確かに先生おっしゃいますように、現在肥料の輸出価格の方が国内価格よりも安くなっております。なぜかということでございますが、先刻来申し上げておりますように、国内価格はコストを基礎にして生産業者と販売業者との問の取り決めによって決められる。ところが、輸出価格の方は肥料の国際相場によって強く影響されるということでございます。最近においては、国際的な供給過剰を背景にして低い水準にありまして国内価格を下回っておりますが、その場合にありましても輸出が行われることによって国内価格の低減に寄与しておる、輸出をするということで生産量が多くなればその分固定経費の軽減に寄与するという面で国内価格の軽減にも寄与しているということでございます。 輸出価格による赤字が国内価格に転嫁されるのではないかというような節の御疑念を持つ向きもございますが、これは先ほど来通産省の方からも答弁申し上げておりますように、国内価格の方はコスト価格で決めますし、それから輸出の方は国際相場で決まった線で輸出会社の方が一元的に輸出をしておるということでございまして、むしろメーカーの方に輸出価格の面の方はかぶっていく形の仕組みになっておる、こういうことで転嫁ということはない、こういうふうに考えております。
○吉浦委員 原油の供給削減や価格の引き上げが伝えられておりますし、特にイランの問題等が起きましてからというものは肥料用のナフサ等の確保に不安はないかという点で心配があるわけでございますが、こういう点に対して農林省はどういうお考えをお持ちなのか、明確にお答え願いたい。
○大永政府委員 先生御指摘のように、石油につきましてはいろいろ問題がございます。当面の問題といたしましては、量的に不足ということはさしあたりないと存じますが、ただ価格の方につきましては、原油の価格の上昇あるいは特に輸入のナフサにつきましては、海外の相場が相当上がっておりますので、価格の上昇という問題がございます。 それからさらに、中長期的に申しますと、量の問題につきましても石油の供給が果たして十分に行われるかどうかという点につきましては確かに不安定あるいは不確実な要素がかなりあることは事実でございます。ただ、この法律は、内需につきましては優先確保ということになっておりますので、先々肥料用の石油原料が不足して仮に生産を縮めざるを得ないというようなことが起こりました場合におきましても、これは内需を優先的に確保するという法律のたてまえでございますので、そういうことで運用いたしまして、内需の確保につきましては遺憾なきようにいたしたいと存じておる次第でございます。
○吉浦委員 続きまして、コンポスト関係についてお尋ねをいたしたいと思います。 廃棄物の資源再利用で農地への還元などの必要性から最近コンポスト問題が見直されてきております。農林水産省でも厚生省でも、昭和五十一年から都市廃棄物のコンポスト処理方式の改善並びに農業利用に関する共同研究が行われておりますが、まず、この成果はどのように上がっておるのか、また、この経緯はその後どういうふうになっているか、今後の対処の仕方等についてお尋ねをいたしたいと思います。
○北野説明員 都市廃棄物を堆肥化して農業に利用することは資源の有効利用あるいは廃棄物の有効処理という面から非常に大切でございますので、昭和五十一年から五十五年度の間におきまして環境庁一括計上の特別研究として農林省及び厚生省におきまして共同研究を実施しているところでございます。 そのテーマの内容は、製品の腐熟度、それから有害物質のチェック、それから肥料成分あるいは施用効果の機構解明、貯蔵、運搬、搬入作業の改善、あるいはコンポストの規格化のためのデータを得るためのいろいろの研究をやっておるわけでございます。 現在までに得られました若干の成績について申し上げますと、腐熟度につきましては、いろいろの状態のものが廃棄物として出てまいりますので、均一な腐熟度を求めるということは使用上からは非常に大切でございますけれども、均一なものを検定するということがなかなか困難でございますけれども、ピロリン酸ナトリウムという液をコンポストに作用させまして、その抽出した液をいろいろ分析することによってその腐熟度がある程度判定できるということが若干わかってきております。 それから、含有成分につきましては、一般の堆厩肥に比べまして鉛とか亜鉛、カドミウム、銅その他の重金属イオンが非常に多い傾向が見られますが、特に亜鉛とカドミウムの比について見ますと、一般の堆厩肥はその比率が一〇〇ぐらいでございますけれども、コンポストにつきましては二〇〇ないし三〇〇というような値になっておりまして、特に亜鉛の含量が多い原因につきましては、これはコンポストといいますか、廃棄物の中には紙を漂白するために使っております亜鉛化合物が相当まじってきているということが考えられておりますので、紙の混入率を少なくすれば亜鉛の量は減らすことができる、要するに廃棄物を分別処理するということが前提になるのではないか、そういうふうに考えております。 それから、肥料成分につきましては、大まかに言えば一般の堆厩肥と極端に変わることはございませんけれども、窒素、燐酸、カリについて見ますと、窒素と燐はわりあいに同じようでございますが、カリの含量は少ない、それからカルシウムはコンポストの方が比較的高い、そういうことが成分的には見られております。 なお、施用効果でございますけれども、水稲につきましては一般的には堆厩肥とほぼ同様の成果が得られておりますけれども、一部のコンポストにつきましては初期生育の抑制が見られたというような報告もございますので、今後さらに試験を継続いたしまして、その原因等を究明し、施用の場合に支障のないようにしたいというふうに考えております。それから、野菜等はいろいろ種類が豊富でございますが、生育、収量については従来の堆厩肥とほとんど差がないというようなことでございます。 なお、貯蔵性等につきましては、空気とか水分の含量が影響するわけでございますけれども、積んだままにしておきまして、いわゆる切り返しというようなことを行わないと、コンポストにつきましては相当な悪臭が出るというようなことで、空気をよく混入して管理しておけば貯蔵、運搬等にも支障はない、そういうことでございまして、なお、このようなもろもろの成果を今後集大成いたしまして、流通上あるいは使用上支障のないようなコンポストの規格化あるいは規格化のための諸元を求めるということを引き続き研究として実施していきたい、そのように考えておるところでございます。
○吉浦委員 豊橋などで行っておられます廃棄物総合処理資源化事業というものがございますが、これからの都市ごみのコンポスト化の各種の条件整備が大事だと思います。町と農村が一体となって、一つの機構の中で有効利用が図られなければならない、こういうふうに思いますが、全国規模で将来優良堆肥の土壌還元が可能になるように積極的に取り組んでおられるところがありましたら、また、こういう問題を検討しているところがあればお答えを願いたい。
○松山政府委員 先生御指摘のように、廃棄物を有効利用するという観点から都市と農村を結ぶ、現在の世の中に合った非常に有効なことであろうと思います。 ただ、先ほど研究成果がございましたように、やはりコンポストということで問題は安全性に若干まだ問題が残っておる。先ほども金属の問題が出ましたけれども、有害な金属あるいはガラス、鉄片等の有害なものがないように、そういうチェックがこれから大切であろうと思います。 それから、先生がそういった都市と農村を結ぶ廃棄物の有効利用の事例はないかということでございますが、愛知県の豊橋市におきましてそういった事例がございます。これは豊橋市における都市ごみ等を集めまして、一部では燃料にしまして、その温熱を温室等に使うということもございますし、あるいはコンポストをつくりまして、それを再び農業に還元をして有効利用する、そういった事例もございます。
○吉浦委員 化学肥料の多量消費による地力の低下というのは先ほどからいろいろ問題が提起されておりますが、農業労働力の減少、それから農業経営の単一化、こういった農業事情の変化に伴いまして堆厩肥の利用がきわめて少ないことが指摘されております。 本年度の農業白書を読ましていただきましたが、その中にも「集約的な土壌管理が行われ難い状況にあることにかんがみ、長期的な観点から地力保全対策の積極的な推進を図る必要がある。」と述べられております。その中に、「我が国耕地土壌の種類、生産力の阻害要因及び改善対策を明らかにする地力保全基本調査の結果を総合的に取りまとめるとともに、特定地域における不良土壌の不良要因及び改善対策を明らかにする地力保全特殊調査、水田の高度利用対策基準等を明らかにする地力保全対策調査指導事業等を引き続き実施した。」とこのようにありますが、地力保全対策調査の指導事業というものを、どのような結果を得られたか、現時点で結構でございますので、お答えを願いたい。
○松山政府委員 ただいま御指摘のように、労働力が減少いたしまして従来のような集約的な土壌管理がなかなか行われがたくなったということでございまして、そういったことの結果を含めまして、従来から農林水産省といたしましては地力保全調査という調査事業で全国の耕地土壌の性質を調査いたしました。 この調査におきましては、水田、畑、樹園地等につきましてどのような阻害要因があるか、阻害要因の種類とその阻害の程度並びにその広がり等の調査をやってまいりました。ようやく、約二十年かけまして全国の耕地の調査が終わりまして、それぞれにつきましてどこの地帯の畑あるいは水田ではどのような阻害要因がどの程度あるか、そういうようなことが逐次わかってまいりました。したがって、その結果を活用いたしまして、これは地図その他成績書に取りまとめておりますので、しかも、これは全部普及所に配っておりますので、そういう成績をもとにして適正な土壌管理あるいは施肥指導をするということを行っておるわけでございます。同時に、この調査におきましては非常に細かい点までいろいろ診断するということはできませんので、その点につきましては、各普及所に設けました地力診断施設、分析施設でございますが、これを使ってさらに細かい農家の要請に応じて個々の圃場の分析もやるということで指導をいたしております。 なお、この調査で全国を覆いましたけれども、これで終わったということではなくて、なお将来の地力がどう動くかということで全国的に調査網を張りまして、年々の地力の変遷を調べるなり、あるいは調査をいたした結果、より適正な土壌管理、改善、あるいは合理的な施肥はどうあるべきか、そういった指導も行っているところでございます。
○吉浦委員 全国的に土づくり運動を展開するというふうに述べられておりますが、「土づくりに対する農家の意欲の高揚を図るとともに、」こうなっておりまして、農家の意欲の高揚をどのように図られておるのか。大変むずかしいのですが、どのような土づくり運動を展開されようとなさっているのか。その二点だけを明快にお答え願いたい。
○松山政府委員 よい作物を多くとるためにはやはりそこにある土壌がりっぱな土壌でなければいけないということでございまして、そういう意味では農業の基本というのは土であるということから土づくり運動を農林水産省としてはやっておるわけでございます。それは国と県と市町村と、さらに農家を取り込みまして、一体となりまして、土づくりの重要性ということで、あるいは地域別にいろいろの土づくりの基本方針、具体的な内容等を定めまして、啓蒙運動、これはポスター、チラシ等でやっております。その場合の重要な項目といたしましては、先ほど申し上げましたような堆厩肥等の有機物の施用、あるいは農作物の残滓、その他家畜ふん尿等の農畜産物廃棄物等の土壌還元、あるいは土壌改良資材の省力的な施用、あるいは堆厩肥をできるだけ早くしかも大量につくる、そういうための必要な施設、機械の導入、あるいは先ほど申し上げましたような普及所に設けました地力診断施設を活用した地力診断とそれによる適確な土壌管理、施肥改善等を行っているところでございます。
○吉浦委員 現在の農地は畑地が六十数%、水田が四〇%ですか、それぞれ不良の農地というふうに言われておりますが、その原因はやはり化学肥料、農薬の多用によるものというふうに考えられております。天候の影響を増幅して受けるために、ひでりや干ばつで野菜等が極端に凶作になったりあるいは価格の暴騰を招く。その原因は天候不順にあるとも言われているし、病虫害が大きくなるためで、その根本は土壌が荒廃し、無機質化しているためであるとも言われています。また、野菜、果物等が香りがなくなった、味がなくなった、こういうふうに言われておる原因は硝酸根等が増大していることとも考えられております。農林水産省は化学肥料、農薬等が作物にどんな影響を与えているか、わかっている範囲で結構でございますが、なるべく人体にどのような結果をもたらしているかも含めてお答え願いたい。
○松山政府委員 御存じのように、日本の国は非常に国土が狭小でございますし、アジアのモンスーン地帯ということで夏季高温多雨という地帯でございます。したがいまして、こういった現状におきまして農業生産を維持拡大するということになりますと、先ほど言ったような立地条件の高温多雨ということは、土壌の養分が流亡溶脱するという条件でございますし、また病菌、害虫、雑草がはびこるという条件でございますので、どうしても生産を維持拡大という前提で考えますならば適正な肥料と適正な農薬を施用するということが必要になります。 ただ、先生御指摘のように、最近、昔と比べまして有機物の施用が減りまして化学的な農薬、肥料を多用したということも一部にあるわけでございまして、そのための結果としまして一部の地域におきましては化学肥料の多用によって土壌の酸性化あるいは塩類濃度のアンバランスといったようなものもございますし、農薬のかつての多用によりまして一部の地域によりましては土壌残留あるいは作物残留、そういうことで問題のあった農作物がかってできたということもございます。そういうことにつきましては、多用の農薬等は適正な農薬施用にする、あるいは一部農薬の登録取り消し等も行っておるわけでございます。 そういうことで基本的にはやはり先ほど申し上げましたように、品質のよい作物をつくる場合にはよい土壌が必要であるということから、よい土壌をつくるためには堆厩肥等の有機物の還元を図るということで、そういうことにつきましてできるだけの力を注いでおるわけでございます。
○吉浦委員 地力が低下しているというふうに言われておりますが、その地力の回復というものは可能なのかどうか、簡単に一言で結構ですから。
○松山政府委員 地力というのは常に絶えざる維持の努力を払うことによりましてそれが維持涵養されるわけでございます。したがいまして、現在の耕地の地力も、私どもの祖先が何百年かかって不断の努力によってこの耕地が維持されてきたわけでございます。そういう意味で何年たてば回復するというふうには一概には申せませんけれども、常に努力を払う、それも地域によりまして土壌の性格が違うわけでございますので、そこに栽培される作物等も考えながら、そういう地域の立地条件に合った合理的な土壌管理、肥培を絶えず努力するということによって地力が維持涵養されるというふうに考えております。
○吉浦委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、先ほど最初に述べていただきました安全基準の問題が私は大問題だと思っているのです。また別な機会に取り上げますけれども、安全基準があれば示してもらいたいし、安全基準を明確にする必要があるというふうに思っております。農林省はコンポストに対して、好きかきらいかということを申しては大変失礼でございますが、余りお好きでないようでございます。そういう点で明確な安全基準は私も心配している者の一人でございますので、どうかそういうものも踏まえて前向きに取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わらしていただきます。 ありがとうございました。
○佐藤委員長 神田厚君。
○神田委員 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして御質問申し上げます。 御案内のように、この法律は国内価格の安定、内需の優先確保、輸出体制の一元化、この三つがその骨子だというふうになっております。 さてところで、まず最初に大臣にお尋ねをしたいのでありますが、現在農業情勢はいろいろ変わってきております。今度の新しい予算の中でも、地域農業の重視を中心とした施策も盛られておりますし、そういう中で、農業の中における肥料の問題というのをどんなふうにお考えになっておられるのか、それと関連して、肥料の生産と消費の現状について農林省はある考えを持っておるからこの安定法の問題も出してきておるのだというふうに思っているのでありますけれども、現在の農業情勢の中における肥料の問題について、ひとつお考えをまず最初にお聞かせいただきたい。
○渡辺国務大臣 最近は非常に経済合理性というものが強く農業の面でも出されるようになっておりますから、限りある狭い面積の日本で生産性を高めるためには、どうしても肥料問題は欠くことができません。したがって、これを安定的に確保するということが必要でございます。価格がばらばらでございますと、海外で非常に値がついたときにはみんな外国へ売られてしまって国内で肥料不足になる、こういうことも困るし、また肥料が余り暴騰するというようなことも困る、そういうような面からこの法律をつくっておくわけでございます。したがって、われわれとしては、将来とも肥料の価格の安定とその十分な供給ということについては意を用いてまいる所存であります。
○神田委員 続いて、通産省の方にお伺いしますが、肥料化学工業の現状、構造改善をするような状況になってきておりますけれども、そこに至った経緯をちょっと御説明いただきたいと思います。
○大永政府委員 わが国の肥料工業でございますが、四十八年暮れのオイルショックによります原料価格の高騰によりまして、一つは国際競争力が低下したという問題がございます。それからもう一つは、発展途上国等におきます肥料の自給化の進展によりまして輸出が減退したというふうなことがございます。こういった二つの点が一番大きな原因となりまして、製造設備が非常に過剰になりまして、経営状況が悪化しておるわけでございます。このためにアンモニア、尿素、それから燐酸の各業種につきまして、特定不況産業安定臨時措置法の特定不況産業ということで指定をいたしまして、アンモニアにつきましては二六%、尿素四五%、湿式燐酸二〇%という過剰設備をそれぞれ処理いたしますことを内容といたします安定基本計画を、ことしの一月でございますが、つくりまして、現在関係業界におきまして具体的な設備処理をこれに基づきまして実施しようという段階でございます。
○神田委員 そうしますと、安定基本計画の実施、これはいまずっと進んでおるわけですけれども、その中で化学エネルギー労働組合協議会がこの問題につきまして「化学肥料工業の安定基本計画に対する見解」というのを出しておりまして、幾つかの問題提起と要請をしているところでありますが、その件につきまして二、三お伺いをしたいと存じます。 まず、「化学肥料工業の構造改善計画の実施に関しては、産業構造審議会の答申にある多くの提言の具体化を積極的に取りくむと共に当面の緊急対策として提言されている雇用対策及び金融面等の支援措置は確実に実行されることが重要であると考えます。」という要望が一つありますね。これらにつきまして、産業構造審議会の答申の提言というのが具体的に取り上げられる形で進んでいくのかどうか、その辺はいかがでございますか。
○大永政府委員 組合側からの要望で一番大きい問題は、過剰設備の処理に伴いまして雇用の安定をいかにして図るかという問題でございますが、この点につきましては、われわれといたしましても十分これを配慮してまいりたいというふうに考えております。 まず、設備の処理に当たりましては、原則としまして、現に稼働していない設備を優先して処理するということでございます。それから、現在稼働しております設備を処理いたします場合には、御指摘のように、そこに雇用問題という問題が出てまいりますが、肥料工業の場合には、大体におきまして肥料だけやっている会社というのは比較的少ないわけでございまして、総合的な化学工業の形態をとっておりますので、そういった会社全体の雇用の中でこれを吸収していって、要するに失業者は極力出さないようにするということで指導してまいりたいというふうに考えております。どうしても雇用上過剰になる点につきましては、事業転換等、雇用調整事業の業種指定をいたします等、具体的な雇用調整対策を進めてまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。
○神田委員 もう一点そこで強く要望されておりますことは、「構造改善を円滑に推進するためには、原料価格の適正化及び構造改善の障害となるような製品(中間原料も含む)の輸入、化成肥料工場のバルクブレンド工場の増設等に対する業界内の協調体制と適切な行政指導が必要であると考えます。」こういうようなことも要望されておりますが、こういう見解に対してはどんなふうにお考えでございますか。
○大永政府委員 バルクブレンドの問題は農林省からお答えいただきますが、原料の安定確保の問題、これは最近のような石油情勢になってまいりますと非常に重要な問題でございます。原油価格が上がってまいりまするので、この原油から精製されます原料のナフサの価格もある程度上がるということはやむを得ないわけでございますが、最近、ことしの一−三月のナフサの価格が決まりましたけれども、三月の値段が大体二万六千円ということで決まったわけでございます。現在輸入のナフサにつきましては三万六千円ぐらいしておりまして、非常に高くなっておるわけでございますが、国内のナフサ価格につきましては、化学業界と石油業界が鋭意交渉いたしまして、輸入ナフサ価格に比べますとかなり安い、大体三月の価格でいけば二万六千円、四−六になりますとこれから交渉いたしまして若干また値上げということもあろうかと思いますが、できるだけこの価格につきましては安定した価格で供給されるように、われわれといたしましても、これは資源エネルギー庁との関係がございますが、通産省として十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
○二瓶政府委員 バルクブレンディング工場の関係でございますが、国内でのバルクブレンド肥料、これはわが国では粒状配合肥料というふうに呼んでおりますが、これの生産量というのは現在約十万トンということでございます。したがいまして、国内で生産される化成配合肥料の全体から見ますと約二%ということでございます。 ただ、この粒状配合肥料の工場等ができてきております背景といたしましては、一つは銘柄多様化の要請、これは農民サイドから、それぞれの土壌なりあるいはつくる作物、そういうものに合ったような形の銘柄の肥料が欲しいという銘柄多様化の要請がございます。それともう一つ、今度は余り銘柄の数が多過ぎる、むしろそういうものは減らすべきではないか、そういうことで生産コストの低減を図るべきではないかという御主張もあるわけでございます。したがいまして、この粒状配合肥料といいますものはこの両者の要請というものを満たす形で考えられて出てまいった肥料でございます。ただ、どんどんこういう工場をふやしますと化成肥料の工場などはむしろ余り要らなくなるではないかというような面で非常に危惧している向きもございます。したがいまして、私どもといたしましては、今後業界への影響などにつきましても十分気を配りながらこの推進についてはひとつ慎重に対処していきたいということでございます。
○神田委員 先ほどのナフサの問題でありますが、前の議員の質問で、原料として大体確保はできている、こういうような話でありましたが、いまお話を伺いますと二万六千円、輸入のものは三万六千円だ、一万円の価格差がありますね。これは石油の状況、どんどん逼迫するし、さらに価格も上がっていくような状況になってきておりますけれども、通産省の方の見通しとしては、いつごろまでこういう二万六千円台のもので支えられるような感じができますか。
○大永政府委員 先ほど申し上げました二万六千円という国内価格はことしの三月の値決めでございまして、四月以降の価格につきましてはこれから両業界で交渉するということでございまして、まだ決まってないわけでございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 ただ、原油価格が現実にかなり上がっておりまするし、それからまた六月にはOPECの価格がさらにどういうふうになるかという問題もございますので、原油価格の上昇につれましてこのナフサの価格も若干上がっていくということもあろうかと思いますが、これは輸入のスポットが上がったから国内も上げるということではなくて、できるだけ安定した価格が続くように努力をいたしたいというふうに思っておる次第でございます。
○神田委員 原料の問題にちょっと入りましたので、続けて原料の問題で御質問申し上げますが、特に原料の輸入依存度の高い燐酸質肥料、カリ質肥料については輸入原料等の安定確保に努めるべきだ、これは参議院の農水委員会の方の附帯決議にも記されておりますけれども、これらの問題についてはどうでございますか。
○大永政府委員 石油系以外の原料としましては燐鉱石の問題とカリの輸入の問題がございますが、これらの需給につきましては当面心配はないというふうに考えております。
○神田委員 それでは、肥料の国内需要の見通しについて次に御質問申し上げますが、設備処理やあるいは構造改善が進められていっておりまして、こういう影響によりまして地域的に需給のバランスが崩れるのではないかという心配も一時するところもある、こういうことで需給バランスの問題は、設備処理、構造改善が進んでいってもうまくそれはいくのかどうか、その辺はどうでございますか。
○大永政府委員 設備の問題につきましては、構造改善が終了後におきましても内需を供給する十分な余力があるというふうに存じております。
○神田委員 次に、肥料需要の長期見通し、これをずっと立てているわけでありますけれども、これがいろいろな状況が変わってきておりますから、そういう中で農林省として策定上留意するようなことが新たにありますかどうですか。
○二瓶政府委員 肥料の国内需要の今後の見通しでございますけれども、現在、水田利用再編対策等の農業施策を推進いたしておるわけでございますが、これに伴います今後の農業生産動向等につきましてはまだ不確定な面が見られますけれども、肥料の国内消費につきましては窒素、燐酸、カリ、各肥料とも今後横ばいないしは微増傾向で推移するものと考えております。ただ、この長期見通しということに相なりますと、現在、農産物の需要と生産の長期見通しというものを農林省が六十年度を目標年度にして一応の見通しを閣議決定いたしたものがございます。それに相応する形で長期見通しとしてはやはり肥料の国内需要についても五十一年に需要見通しを策定をいたしております。これは肥料対策協議会の方で検討していただいた結果を農林省としてもそれが適当ではないかということで採用をいたしておるものがございます。現在さらにこの農産物の需要と生産の長期見通し、これも米なりあるいは温州ミカンなり、大分その辺が乖離があるではないかというようなことから見直し作業をやっております。したがいまして、これがいずれ改定されました際に、今度肥料の方はどうするかということになりますが、それはその改定の内容なり程度なり、そういうものを見定めて、現在あります五十九肥料年度の需要見通しというものをさらに改定する必要があるかどうか検討してみたい、こう思っております。
○神田委員 それでは、次に輸出の問題で御質問申し上げますが、肥料の輸出の現状はどういうふうになっておりますか。
○大永政府委員 肥料の輸出でございますが、これは四十九年までは比較的輸出が多かったわけでございますが、五十年度以降オイルショックの影響で国際競争力を失いましたのと、開発途上国等におきます自給化傾向の進展に伴いまして輸出がかなり減ってまいっております。尿素で申し上げますと、四十九年の尿素の輸出は二百四十五万トンでございましたが、五十年は百二十四万トン、五十一年が七十万トン、五十二年が百十七万トンということで激減をいたしたわけでございます。 今後の見通しの問題でございますが、やはり百万トン程度は維持できるのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
○神田委員 特に大口のあれであります中国との肥料の取り決めの問題が大体決まったようなことが言われていましたし、昨日、肥料工業会の会長さんの方にもお聞きをしたのでありますけれども、中国市場についての見通しはどんなふうになっておりますか。
○大永政府委員 中国におきましては自給化を目指しまして相当な肥料工場をつくっておるわけでございます。ただ、中国側にも原料事情その他いろいろあるようでございまして、必ずしもそれが十分に動く状態にはなっていない様子でございますので、今後の見通しといたしましては、尿素でございますが、大体九十万トン程度は輸出ができるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○神田委員 それからもう一点、経済協力との関係で輸出の問題についてお尋ね申し上げますが、先ほど話しました化学エネルギー労働組合協議会等も、この発展途上国に対する経済協力の拡充の中に肥料の無償援助あるいは円借款の対象として肥料の数量を拡大する、また構造改善によって停止をした設備を援助物資の対象としたらどうか、こういうふうに経済協力を活用して構造改善も側面からやったらどうだというような提言もあるわけでありますが、その辺は経済協力の問題から見て、この輸出の問題はどんなふうにお考えになりますか。
○大永政府委員 これは第二KRの問題でございますが、五十二年度におきまして、肥料といたしましては大体三十億円程度行われましたし、五十三年度につきましてもおおむね百億円程度は行われておる次第でございます。今後ともこの肥料の無償援助というのはぜひ行いまして、需要をできるだけ確保するように努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○神田委員 次に、この価格の取り決めの問題でございますが、肥料価格の取り決めが一つのポイントになっているわけでございますが、合理化目標を設定して、そして、この合理化のメリットを還元しろというような話、先ほどもありました。それでは、この合理化目標の設定ということについては行政的にはどういうふうな指導をしていくのか、どういう目標を立てさせて、行政指導はどういうふうにしていくのか、これはどんなふうに考えておりますか。
○大永政府委員 安定基本計画におきまして設備の処理目標を立てまして、大体二〇%から四〇%の過剰設備を五十七肥料年度までに処理するということでございまして、この過剰設備を処理して能率のいい工場に生産を集中するということでございますが、具体的にどういう設備を処理するかという点につきましては、この安定基本計画に基づきまして業界が自主的に決定をするということになっておりまして、私どもの方でこの工場を閉めなさいとか、この工場に集中しなさいというふうな具体的な指示は行わないたてまえになっております。そこで、現在業界におきましてどういうふうに具体的に設備を処理するかという検討をいたしておりまして、近くその届け出が出てくるものというふうに考えております。
○神田委員 この合理化目標の設定については、農林省の方ではどんなふうに考えておりますか。
○二瓶政府委員 農林水産省としてはどう考えておるかというお尋ねでございますが、この面につきましてはただいま通商産業省の局長が答えたとおりでございまして、安定基本計画に沿いまして円滑適正に構造改善が進められて操業率が上がるようにということを強く期待をいたしておるわけでございます。
○神田委員 終わります。
○山崎(平)委員長代理 津川武一君。
○津川委員 農業を営む上で肥料の占めておる役割りはかなり大きくなっております。農林水産省に教えてもらった資料だけでも、現金支出で昭和五十二年度は農業経費の一四・三%になっております。しかし、これを耕種別に調べてみますとかなり違ってまいります。稲作の単一経営では二二%、露地野菜では二三%、工芸作物では三四%と、経費の中に占める肥料の割合がかなり大きくなっております。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 この工芸作物でさらにもう少し調べてみますと、なたね、これは費用の七〇%、お茶五〇%、てん菜五〇%となっております。こうなってきますと、農民の収入を確保する意味においても、消費者に安い作物を提供する意味においても、肥料はかなり重要になってまいります。 そこで、お尋ねですが、こういう状況に対して政府はなるべく農民にはいい肥料を安く、消費者にもしたがって農産物が余り高くなく安く届くようにする施策があるのか、ここが一つ。お茶だとかいうものは、これだけ肥料をつぎ込んでいく育て方でいいのか。お茶の将来にとって、お茶の品質にとって影響が出ておりませんかどうかという点、こういう点で出ておるとすればこういう化学肥料に対する何らかの対策がなければならないと思います。この点お答え願います。
○二瓶政府委員 作物別に生産費調査等によりましてながめますと、水稲なり小麦なりミカンなりそれぞれ生産費に占める割合が違うわけでございますけれども、生産費の面から見れば、お茶が約二五%のウエートを占めております。ただ、十アール当たりでどうかという話になりますと、たとえば、ただいま先生からお話がございましたように、お茶が一番多いわけでございます。これはお茶につきましては三成分合計をしますと大体百キロを超えるかと思います。こういうような肥料をたくさん使うというようなことでお茶等にしてもいいのか、こういうお話でございますが、この作物それぞれによりましてやはり施肥基準といいますか、こういうものを設定しておるわけではございますが、さらにきめの細かい基準の設定、主としてこれは県の方の農業試験場、このあたりが中心になりまして、県がその土壌の状況なりあるいはそこに栽培する作物によりまして施肥基準をつくっておりまして、それを改良普及員等も施肥の指導をやっておるわけですが、ただいまお茶はどうかというお話もございましたように、非常に多く使っておる作物等につきましてはさらにその方面の施肥基準が果たして妥当かどうかということは改めてまた検討をすべきではないかと考えております。
○津川委員 いま局長が答えられたお茶ですが、聞くところによると、お茶の根がこのために弱くなっている。深く地面に入らない。したがって、風やなんかに弱い。そして、お茶自身に質的なものの変化があると聞いておりますが、ここいらあたりお調べになっているでしょうか。そこで、そういう状態に対して対策が必要かと思うのでございます。
○二瓶政府委員 一般的には、お茶につきましては窒素肥料を相当やると品質がよくなるということが言われておるわけでございます。ただ、このお茶の面につきましては施肥量がずば抜けて多うございます。したがいまして、その面についてさらに施肥基準というようなものをその地域に合ったかっこうで十分もう一回考えてみたらどうか。最近のお茶は昔のお茶ほど香りが余りよくないというようなお話もございますので、そういうような批判等にも率直に耳を傾けまして、施肥基準も見直してみることが必要である、かように考えております。
○津川委員 次の質問ですが、法二条で言う価格取り決めができる特定肥料というのは何か。単肥か、原料用か、それとも両方あわせたものか、このどちらでございますか。
○二瓶政府委員 現在、特定肥料とされておりますのは硫安等三品目でございます。問題はこれが単肥用かどうかということでございますが、法律的にはこれは単肥用、原料用であるとを問わないということでございます。ただ、価格取り決めを現にやっておるわけでございますが、その範囲といたしまして、単肥についてのみ取り決めをやるか、あるいは原料用まで含めて取り決めをやるか、これは法律的には先ほど申したようなことでございますので、まさに交渉当事者の間で決めるべきものだと思っております。では、現在はどうやっているかということにつきましては、現在の価格取り決めは単肥として消費されるものだけについて行われておる、こういう実態でございます。
○津川委員 そこで、単肥と原料用の硫安、尿素の動きでございますが、これも農林水産省の資料で、三十九肥料年度では硫安で言うと単肥で出ているのが五十六万五千トン、原料用が六十六万四千トン、大体一対一に近い状態です。これが五十二肥料年度になりますと、単肥が二十七万一千トン、原料用が六十三万六千トンで、単肥が三〇%、原料用が七〇%と変化してまいりました。尿素について言うと、三十九肥料年度では単肥が二十万四千トン、原料用が八万八千トン、五十二年度になりますと、単肥が一三万九千トン、原料用が十三万二千トンと、大体同じになってまいりました。加工用がかなりふえてきたわけでございます。これはきのうの参考人への質問の中でも、原料として使う部分がふえてきた、そういう話で理由もよくわかったわけであります。 ところで、この硫安、五十一肥料年度で全農が農民向けに扱っているのは、三〇%、このうちで販売額の二分の一以上を扱うならば価格取り決め当事者になることができる。実際、なっております。とすると、硫安が三〇%の半分、流通量の一五%のシェアで価格取り決めの当事者になって業者とやっております。こうなると、公正な取引ができるかどうかということ、一五%のシェアしか持っていない全農がメーカーと対等にやっていけるかどうかという疑念が非常に起こるわけであります。この点でいろいろ問題が出てくるわけであります。実際にこの一五%のシェアの全農が、五十三肥料年度で取り決め価格がトン当たり二万三千五百六十八円、これから四千三百十八円値引きしたものを原料用価格としております。価格取り決めでやるのが一五%のシェアの単肥二万三千五百六十八円、あとの八五%がこの二万三千五百六十八円から多少値引きしたもので自動的に決まっていってしまう。裏返すとメーカーの価格で決まる、メーカーの単肥にまでカルテルが及んでいるのじゃないか。独禁法に触れるのではないか。この状態はこれでいいのか。当然何らかの考えがあるべきだと思いますが、いかがでございますか。
○二瓶政府委員 硫安、尿素につきまして先生から、三十九肥年に対して五十二肥年において単肥のウエートがずっと減ってきておるということで数字を挙げてお話がございましたが、全くそのとおりでございます。結局、原料用のウエートが硫安にしろ尿素にしろ最近高まってきておりますが、これは配合肥料といいますか、複合肥料原料ということになるわけですが、その大宗を占めるものは、高度化成肥料の原料がこの原料用の中の六割方を占めておるということでございます。そこで、私どもといたしましては、冒頭申し上げましたように、現在特定肥料ということになっておりますのは、この硫安、尿素だけではございませんで、高度化成肥料というものも特定肥料ということで価格取り決めの対象の肥料にいたしておるわけでございます。したがいまして、硫安、尿素の面において単肥というものを軸にして価格取り決めをやる。これは全農がそういう資格を持つということは、当該特定肥料の国内向け販売額というのは、法二条二項五号に書いておりますが、価格取り決めの対象となっている単肥として消費される硫安等の総販売額というふうに解するのが、現在の状態からすれば妥当ではないかということでそう見ておるわけでございます。さらに、先ほど言いましたように、高度化成肥料につきましては価格取り決めの対象肥料ということで五十年五月に追加をいたしておりますので、これは製品段階におきまして両当事者間で価格取り決めをやり、政府の方はまたそれをチェックするというようなことでやっていけば法律的にも妥当でございますし、実態的にもそれで十分ではないか、かように考えておるわけでございます。
○津川委員 本来は市場で自由に取り決められるべき加工用の単肥、これがこの法律で一五%のシェアを持つ全農と業者がやることによって価格が決まりますね、それに準じて動くということになってくると、この法律の名前において加工用の単肥にカルテルが実施されているんじゃないか、この疑いを強く持っているわけです。これでいいかというわけなんです。もう一度重ねて答弁をお願いします。
○二瓶政府委員 先ほど申し上げましたように、硫安に例をとりますれば、単肥用につきましては価格取り決めの対象にいたしまして、両当事者で話し合って一本価格を決めるわけでございます。原料用につきましては、これは取り決め対象でございませんので、個々のメーカーとの話し合いで価格を決めておる。この原料用の方は、むしろ価格は相当安い姿になっておる。これはこの前の田中参考人からの意見開陳の答弁の際も、その点は申し上げておったと記憶をいたしております。
○津川委員 それはトン二万三千円、これに対して四千円だとか、この間の参考人の意見では三千五百円、ちょっぴりですね。しかし、個々の線でいくんだな。これは局長の答弁に私は納得しませんので、いずれまた委員会の席で公取に来ていただいて、このことをもう少し繰り広げてみたいと思いますので、農林省としても十分検討をしておいていただきたいと思うわけであります。 その次に、肥料のことで本当に困ったんです。年度が、農林水産省からもらう年度には、会計年度であったり暦年であったり肥料年度であったりして、比べるのに非常に困るんです。現に今度出しました参考資料の中でも「販売業者の特定肥料の取扱比率」、これは暦年と会計年度をあわせて私たちによこすわけなんです。比較するにも非常に困る。これから、肥料だから肥料年度だけに統一して資料を出すようにつくってくれませんか。いかがでございます。
○二瓶政府委員 参考資料の九ページに「販売業者の特定肥料の取扱比率」という表があるわけでございます。その際に会計年度というのがあるわけでございますが、五十二年のところになりますと暦年の五十二年というのが入っております。会計年度があってまた途中で暦年が入ってくる、非常に見づらいし、おかしいではないかという御指摘でございますが、実はコスト調査等でございますが、これは前回の肥料法の審議の際、要するに四十九年の改正の際に、この資料交付等を早期にやるように検討せよという附帯決議を実はちょうだいをいたしました。そこで、会計年度でコストを調査いたしますと、どうも取りまとめの関係等の時間もございまして、五月中旬ぐらいでないと資料交付ができないということもございまして、早期交付ということから実は暦年にこの五十二年から切りかえたわけでございます。そういうことで、現在は大体四月中旬に資料交付をしておるということで、そこから暦年にかえたものでございますから、その面での扱いのやり方で五十二年は暦年ということを入れてこの取扱比率も出してみたわけでございます。
○津川委員 それは肥料に対するいろいろな統計や資料というのは最終的には肥料年度で検討してみる必要が私はあると思うのですが、ここいらはどうです。いろいろ急ぐときは暦年も使ったろうし、会計年度も使ったろうと思うのですが、最終的にはそういう方向が正しいと思いますが、いかがです。
○二瓶政府委員 肥料の関係をあれします際に、確かに暦年なり会計年度なり肥料年度、いろいろ年度のとり方があろうかと思います。問題はそのときの資料を調製する際にどういうねらいで調製するか、その際に肥料年度ということで見る方がむしろ至当であるというものはそう見るし、そうでない会計年度で見た方がベターであるというものは会計年度でやるということがあろうかと思います。ただ、一般的に言いまして、肥料年度という年度が肥料についてはあるわけでございますから、したがって、いろんな資料をつくる際には、その目的もあるといたしましても極力肥料年度を軸にして統計をまとめるということについては今後ともそういう方向で努力したい、こう思っております。
○津川委員 この法律で一番心配なのは、労働者に対する犠牲の転嫁でございます。この肥料法は特安法による設備廃棄や労働者の首切りなどと連係しながら問題が進められておるし、また法律が延長されようとしております。この間、参議院議員であるわが党の下田議員が日本化成の問題を少し明らかにしてみましたが、この間の参考人の意見を聞くと、そういう労働者の首切りなどないなどと言っていましたけれども、現に宇部窒素でございます。会社はアンモニア及び窒素の製造設備休止に伴う問題として余剰人員対策をこの二月八日の団交で具体的に提示してきております。百二十四名整理という、こういうことでございます。これでいいのか、こういう事実を政府は、農林水産省は知っておるか、この事実をどうするか、ここのところを具体的にひとつ答えていただきます。
○大永政府委員 宇部興産の宇部工場の問題かと存じますが、これは確かにアンモニア、尿素関係で百二十四名でございます。間接部門を入れますと百七十人程度の余剰人員数が出てまいるわけでございますが、これは社内でほかの部門に転換するということで、たとえばファインケミカルの部門でございますとか、新規事業部門でございますとか等々、ほかの部門に転換をいたしまして雇用に実際の障害が生じないように会社といたしましても考えておりますし、われわれもそういうふうに指導してまいりたいというふうに考えております。
○津川委員 そうは言いますけれども、現在整理される人たちで職業訓練を受けている人は、ここ三十年間ひたすらに肥料をつくる工業に参加してきた専門家たちがバイヤー的な訓練を受けておるのです。これではやはり問題があると思いますので、この宇部窒素、宇部興産についてはもう少し具体的に調べて具体的な指導方針を確立して、また報告していただきたいと思うわけであります。 その次に、アンモニア工業の利益本位の大型化がいつかは今度の宇部興産みたいになる危険をはらんでおったことは、政府もわかっていたのじゃないかと思いますが、第一次アンモニア設備の大型化を決めた通産省の省議決定、これは四十年の三月二十六日でございまして、「アンモニアの設備調整について」という題ですが、こう書いてあります。「しかしながら、万一不測の事態により肥料の輸出が減退した場合には生産過剰になる危険が大きい。また、工業用アンモニアの占める比率が大きくなったため、工業用需要の変動によっても同様の事態を生ずるおそれがある。一度このような状態が出現すれば、肥料工業は再び数年前に見られた如き著しい不況に陥ることとなろう。」四十年に指摘されて、このとおりになっているのじゃありませんか。 これに対して政府はどうしてきたか、これからどうするか、お答え願います。
○大永政府委員 先生御指摘のように、オイルショック前に第一次、第二次ということで大型化計画を進めたわけでございまして、第一次の計画というのは、単位当たりの規模が五百トンということでございます。第二次のときには、国際的な競争条件を考慮いたしまして、単位プラントの規模は千トンということで大型化計画をしたわけでございますが、いずれの場合にもこれは需給見通しを立てまして、ただ業界の各社がそれぞれ小さいプラントをつくるということでは国際競争力が出てまいりませんので、たとえば第二次の場合でございますと、各社がそれぞれ五百トンつくるというのなら、それは国際競争力の見地から両社一緒になって千トンのものをつくるべきである、これが大型化計画の持っておった中身でございまして、実際の需要推定以上に生産を役所が指導したということではないわけでございます。現実にそういうことで四十八肥料年度まで、四十九年の途中まででございますが、それまでは肥料の内需、輸出を含めました需給におおむね合致しておったわけでございますけれども、先般来申し上げますように、オイルショックに伴います競争力の減退で輸出が非常に減退したということのために、全体として過剰設備になったということでございます。
○津川委員 それは四十年のことであって、ところが四十七年十二月、これはオイルショック、まさにそのときです。このときには産業構造審議会化学工業部会、この中の化学肥料分科会報告で「ア系肥料全般の業界体制および行政のあり方としては、個別企業の創意を生かした適正な競争原理の導入、企業活動の責任の明確化、安易な直接的保護、育成、調整などの措置の是正等内外情勢の転換期にふさわしい柔軟な考え方が基底とされる必要がある。」こうじゃありませんか。いまのところ延長というのは、また過保護、安易な直接的な保護になりませんか。この点お答え願います。
○大永政府委員 現在行っておりますのは、過剰設備を処理して合理化計画を達成するということでございます。安定基本計画は政府の方で決めますが、それに基づきます具体的な処理の措置は会社の方で自主的に行うということになっております。それから、これに対する助成措置につきましても、債務保証金といったようなものが、これは肥料だけではなくて構造不況業種全体につきましてあるわけでございますが、特段の直接的な肥料工業を対象にした補助というものではないというふうに存じておる次第でございます。
○津川委員 時間が来ましたので、最後に一つ指摘だけにとどめておきますが、これも業界のものでございますけれども、価格取り決めの共同行為が容認されることとなるが、その弊害については、この共同行為の容認は、政府の監視のもとに価格形成の当事者交渉のルールづくりを行うものであり、その際、価格取り決め交渉は、政府の調査に基づく原価を基礎とすることから、いわゆる競争の制限、こういうものが考えられないか、こういうことが実際に考えられると言っておりますので、指摘して、時間が来ましたので、まだたくさんありましたけれども、終わらしていただきます。
○佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○佐藤委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。津川武一君。
○津川委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となっております肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。 反対の理由の第一点は、大手化学肥料メーカーの価格カルテルを容認し、その利益のために奉仕する内容を持っているからであります。政府は、アンモニア設備の大型化、合理化を積極的に推進し、財政上、税制上のあらゆる優遇措置を講じて肥料工業の育成を図ってきましたが、その中で、本法は肥料の独占価格のつり上げを保障し、高い肥料を国内農民に押しつけ、化学肥料メーカーの高度成長を助けてきたのであります。 第二に、農民は、この独占価格の押しつけにより、硫安のようにコストも不明な、供給過剰に悩んでいる商品を高い値段で買わされてきました。政府の原価調査や指導監督などというものは結局メーカーの言いなりであるということは、先ほどの質問や参考人の意見を通じて明らかになったところであります。第三に、化学工業全体がそうであるように、化学肥料業界も安い資源と労働力を求めて海外に進出し、国内の労働者の首切り、合理化やいわゆる減量経営を進めようとしております。業界内からも企業保護的という声が出始めたこの肥料法の延長は、今後業界の特安法に基づく設備処理を労働者や農民の負担と犠牲により進めることになります。 私は、肥料工業と農業の発展のためには、化学肥料の原価を公表し、真に農民の声が反映される価格決定の仕組みを確立することこそが必要であることを強調して、反対討論を終わります。
○佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○佐藤委員長 これより採決いたします。 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○佐藤委員長 この際、本案に対し、羽田孜君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブの共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブを代表して、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨について御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の運用に当たり左記事項の実現に努め、肥料の価格及び需給の安定に万全を期すべきである。 記 一 肥料価格の低位安定を図るため、特定肥料の価格取決めに当たっては、肥料工業の構造改善等による合理化目標を考慮し、そのメリットが適正に反映されるよう指導すること。 二 肥料工業の構造改善に当たっては、産業構造審議会の答申の趣旨を配慮しつつ、生産コストの低減が進められるよう指導すること。また、肥料工業の安定を図るための設備処理に際しては、雇用の安定及び労働条件の整備につき適切な対策がとられるよう指導すること。 三 肥料の流通改善等を図るため、交錯輸送の排除、販売経費の節減及び複合肥料の銘柄集約化等について積極的な指導を行うこと。 四 原料等の輸入依存度の高いリン酸質肥料及び加里質肥料については、輸入原料の長期安定確保に資するよう、輸入先の多元化等必要な措置を講ずること。 五 農業生産の安定と土地生産力の増強を図るため、土壌、施肥技術等の研究普及体制を充実するとともに、堆肥等良質な有機物の土壌への還元、地力培養の技術改良等に関する指導及び都市廃棄物の有効利用等についての研究開発を強化すること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じてすでに各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本動議のごとく決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。渡辺農林水産大臣。
○渡辺国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、十分検討の上、適切に対処してまいる所存でございます。 —————————————
○佐藤委員長 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○佐藤委員長 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。渡辺農林水産大臣。
○渡辺国務大臣 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 この法律案は、恩給制度、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度に準じて、既裁定年金の額の引き上げ、最低保障額の引き上げ等により、給付水準の引き上げを行うとともに、農林漁業団体職員共済組合制度の現状にかんがみ、退職年金等の支給開始年齢の引き上げ、高額所得者に対する退職年金の支給制限、退職一時金制度の廃止等の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 改正の第一点は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、退職年金等の年金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昭和五十四年四月分以後、昨年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として引き上げることにより年金額の引き上げを行おうとするものであります。 改正の第二点は、退職年金等についてのいわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、恩給制度の改善に準じ、退職年金、遺族年金等に係る絶対最低保障額を引き上げようとするものであります。 改正の第三点は、遺族年金についての寡婦加算の額の引き上げであります。これは、六十歳以上の寡婦または子がいる寡婦の遺族年金に加算されるいわゆる寡婦加算の額を引き上げようとするものであります。 改正の第四点は、退職年金等についての支給開始年齢の引き上げであります。これは、年金受給者の高齢化等に対応する共済組合の将来にわたる年金財政の健全性の確保を図ること等の見地から、退職年金等の支給開始年齢を現行の五十五歳から六十歳に引き上げようとするものであります。 なお、支給開始年齢の引き上げにつきましては、組合員の老後の生活設計等も考慮し、段階的に引き上げていくという経過措置を講ずることといたしております。 改正の第五点は、高額所得を有する退職年金受給者に対する年金の一部の支給を停止することであります。 改正の第六点は、減額退職年金制度の改正であります。これは、減額退職年金の受給を選択できる場合を、原則として退職年金の支給開始年齢の五歳前からに限定するとともに、減額率についても、保険数理に適合するものに改めようとするものであります。 なお、これらについても、所要の経過措置を設けることといたしております。 改正の第七点は、退職一時金の廃止等であります。これは、通算年金制度がすでに樹立されておりますことから、この際、退職一時金等を廃止することとし、別途、六十歳を超えても年金受給権を有しない者につきましては、厚生年金の脱退手当金と同様の制度を設けようとするものであります。 以上のほか、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げ等、所要の改正を行うことといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
○佐藤委員長 引き続き、補足説明を聴取いたします。今村経済局長。
○今村政府委員 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足させていただきます。 まず第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、昭和五十三年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金、減額退職年金、障害年金、遺族年金、通算退職年金及び通算遺族年金につきまして、その年金額の計算の基礎となった平均標準給与を、昨年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として、平均三・六%程度引き上げることにより年金額を引き上げようとするものであります。 なお、その改定時期につきましては、昭和五十四年四月といたしております。 第二は、いわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、退職年金、障害年金及び遺族年金につきまして、年齢及び組合員期間の区分に応じ、その絶対最低保障額を昭和五十四年四月分から引き上げるとともに、遺族年金については同年六月または十月にさらに引き上げることといたしております。たとえば、六十五歳以上の者の退職年金については、絶対最低保障額を昭和五十四年四月分以後六十二万二千円から六十四万七千円に引き上げることといたしております。 第三は、いわゆる寡婦加算の額の引き上げであります。これは、六十歳以上の寡婦または子のいる寡婦の遺族年金について、子の数等に応じて加算される寡婦加算の額を、昭和五十四年六月分からそれぞれ年額一万二千円引き上げようとするものであります。 第四は、退職年金等についての支給開始年齢の引き上げであります。この措置につきましては、組合員の老後の生活設計等を考慮して段階的に引き上げていくという所要の経過措置を講ずることといたしておりますが、これによりますと、退職年金の支給開始年齢は、原則として昭和五十五年一月一日現在満五十二歳以上の者については現行どおり五十五歳とし、満四十九歳以上五十二歳未満の者については五十六歳とし、以下同様にして満四十歳以上の者については三歳の年齢差ごとに一歳ずつ引き上げ、満四十歳未満の者から六十歳とすることといたしております。 第五は、高額所得者に対する年金額の一部の支給停止であります。この措置は、百二十万円を超える退職年金を受ける権利を有する者について、退職した日の属する年の翌年からの各年における年金以外の給与所得から所得控除の額を控除したものの金額が六百万円を超える場合に、その超える年の翌年六月から翌々年五月までの分として支給される退職年金について適用することといたしております。 第六は、減額退職年金制度の改正であります。この措置は、減額退職年金の受給を希望する者の年齢を原則として退職年金の支給開始年齢の五歳前までとするとともに、減額率についても保険数理を基礎として算定する率とすることとするものであります。 第七は、退職一時金等の廃止及び脱退一時金の創設であります。この措置は、通算退職年金制度が創設されてからすでに二十年近く経過しておりますことから、退職一時金、返還一時金及び死亡一時金の制度を廃止することとし、六十歳を超えても通算退職年金等の年金受給権を有しない者に対しては、その者の請求に基づき脱退一時金を支給することとするものであります。 以上のほか、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額につきまして、その下限を農林漁業団体職員の給与の実態等を考慮して六万六千円から六万七千円に引き上げるとともに、その上限を国家公務員共済組合制度に準じて三十八万円から三十九万円に引き上げる等の措置を講ずるほか、所要の規定の整備を図ることとしております。 以上であります。
○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、明二十四日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十三分散会 ————◇—————