農林水産委員会 第13号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/05/22
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 この際、本案について、本日、全国農業協同組合連合会常務理事田中隆君、日本化学エネルギー労働組合協議会事務局長久村晋君、日本硫安工業協会会長水野一夫君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○佐藤委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人各位には、御多忙中にもかかわらず、本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。 本案について、去る九日の決議に基づき、参考人の方々から意見を聴取することといたしておりましたが、諸般の事情により、十五日実現を見るに至りませんでしたので、理事各位と協議の上、本日、その意見を聴取することといたしましたので、さよう御了承願います。 本案につきまして、参考人各位のそれぞれのお立場から、忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと存じます。 なお、議事の都合上、まず、御意見をお一人十分、田中参考人、久村参考人、水野参考人の順序でお述べいただき、その後、委員から質疑がございますので、これにお答えをいただくことにいたしたいと存じます。 また、参考人は委員に対して質疑をできないことになっております。 それでは、田中参考人、お願いいたします。
○田中参考人 私、全国農業協同組合連合会常務の田中でございます。 ただいまから、肥料価格安定等臨時措置法に対する私たちの見解について申し述べたいと思います。 まず最初に、私たちの考え方の結論を申し上げたいと思います。 私たち系統農協といたしまして、会員等と十分検討を進めてまいりました。また、本会の理事会等においても検討をいたしたわけでございますし、また全国農協中央会の理事会においても御検討を願ったわけでございますが、結論的には、本法律をさらに五年間そのまま延長していただくのがよかろう、こういう結論になっておりますことを最初に申し上げます。 延長を要請する理由でございますが、まず第一点としましては、農業並びに肥料工業の健全な発展という観点から肥料の内需の優先という原則が打ち立てられている点を、われわれとしてはこの法律の一つの眼目と考えておるわけでございます。御存じのように、昭和三十九年にこの法律が成立いたしまして、十五年ほど経過いたしておるわけでございますが、その間、内需の優先という観点から考えますと、この法律は非常に有効に効力を発揮し得たというふうにわれわれは高く評価をいたしておるわけでございます。特に、御存じのように、昭和四十八年の石油ショック以後において、原料の確保あるいは農民に対する安定供給という観点から、われわれも非常に苦労いたしたわけでございますけれども、その間においてこの法律はわれわれにとっては非常に有効な効力を発揮し得た、こういうふうに考えておるわけでございます。特にまた、最近は、いわゆる石油問題を中心といたしまして、肥料の原料でございますナフサあるいは燐鉱石あるいはカリという原料、いわゆる資源でございますが、そういう問題につきまして非常に困難な状況にあるのは御存じのとおりでございまして、こういう状況から考えますと、肥料の内需優先という観点から、この法律は今後ともその機能の重要性が期待されるわけでございまして、われわれとしては、ぜひこの際、この法律を延長していただきたい、こういうふうに考えております。 第二点は、価格の安定といいますか流通の安定、こういう点にこの法律の眼目があるとわれわれは考えておるわけでございますが、御存じのように、この法律に基づきましてわれわれは毎年毎年当事者間において肥料の価格交渉をいたしてきておるわけでございますけれども、その価格交渉の仕方、あるいは価格交渉の結果決定された価格の水準が両者納得をした上で決定されているとわれわれとしては考えておりますし、また、年間一本価格という価格体系のもとに、御存じのように、肥料は大量の約八百万トンになる物量を年間供給するわけでございますが、消費の方は、これまた季節性があるということも避けられない状況の中で、年間、計画的、安定的に供給するということは、私たちの重要な課題でありまして、そういう意味におきましても、この価格が年間一本の価格体系のもとに決定されているということが、安定供給という面において非常に大きな機能を果たしておると考えておりますし、その機能は現状においてもますます重要である、こういうふうに考えるわけでございます。 第三点は、いまの日本の農業が置かれている状況でございます。これは先生方十分御承知のとおりでございまして、現在の日本の農業はきわめて厳しい環境に置かれているわけでございます。米を初めといたしまして、野菜、果樹あるいは酪農製品等、非常に需給がアンバランスになっておりまして、米におきましてもいまだかつてない生産の転換をしなければならない。あるいは果樹においても二〇%近い伐採をしていかなければならない。野菜は御存じのように非常に暴落をしておる。牛乳も非常に余っておるという中で価格がきわめて低迷をいたしておるわけでございます。そういう環境の中で、われわれとしましては、生産者の経営を維持し、生活を守っていくという観点から考えますと、今後そういう環境の中で、その環境はしばらくやはり続くという見通しを立てざるを得ないわけでございますけれども、生産の資材に対する価格の抑制、こういう要求が非常に強まっておりますし、今後とも強くなるであろうということはわれわれは覚悟いたしておるわけでございますが、そういう観点からしましても、われわれとしては一段の努力をいたさなければならないし、またそういう意味におきましても、この法律の存続がわれわれにとってはきわめて必要である、こういうふうに考えておるわけでございます。 以上が延長をお願いする理由でございますが、特にこの際申し上げたい点が二、三ございますのでつけ加えさせていただきます。 その一つは、御存じのように、現在、日本の肥料工業はかつてない大規模な構造改善を進めようといたしておるわけでございます。これはアンモニア工業について言いますと、いわゆる第一次、第二次の合理化によってかなり大規模なアンモニア工業が成長しておったわけでございますけれども、石油ショック以後における石油の価格の高騰、それに伴う国際貿易構造の変化、あるいは尿素等の輸出不振、こういう問題がアンモニア工業にとっては非常に大きな問題でございまして、日本の肥料工業が体質的に大部分が貿易に依存しておる、アンモニア工業が大部分は貿易に依存しておるという体質から考えまして、そういう世界の貿易市場の変化ということが今日非常に大きな問題になっておるわけでございまして、そういう観点から考えますと、やはりこの肥料工業の構造改善の方向というのは、そういう厳しい国際競争というものに対抗し得るだけの体質を持っていくということが厳しく要請されると思いますし、そういう方向で構造改善が実施されることをわれわれは期待いたしておるわけでございます。 また湿式燐酸等につきましても、これは御存じのように、第一次メーカーあるいは第二次メーカーというように非常に複雑な産業構造を持っておるわけでございますけれども、これは大部分が内需でございますが、外国からのいわゆる安い中間製品等の輸入問題も絡みまして、かなりやはり経営的に問題があるわけでございます。そういう外国の安い第二次製品等の輸出を適正な水準に抑えて、国内の燐酸工業の発展を期すというのが構造改善の一つの趣旨でございますけれども、そういう意味からいきましても、現在燐酸工業で大型あるいはきわめて近代的な施設があるわけでございますので、そういうものを十分活用して、そういうものへの生産の集中という中で、第一次メーカーと第二次メーカーの機能の分担という姿の中で合理化が進められることをわれわれは特に期待しておるわけでございます。 いろいろ厳しい肥料工業あるいは農業の厳しい環境の中でございますが、われわれとしましては、この肥料の構造改善がそういう方向で進められることを期待するわけでございますが、同時に、いわゆる日本農業の厳しい状況から見まして、そういう合理化の方向が、生産者にもそのメリットが還元できるような方向で進められることが特にわれわれとしては重要であるというふうに考えておるわけでございまして、そういう点については特に御配慮を賜りたいと考えております。 また、第二点としましては、合理化の方向がいわゆる近代的な設備への生産の集中、あるいは第二次メーカー、第一次メーカーの機能分担等、そういう姿の中でいわゆる生産の合理化を図りつつ、流通経費の節減あるいは過当な販売競争の抑制、こういう姿の中でわれわれとしては流通経費等の節減、これはわれわれ系統農協にも言えることでございますが、お互いにそういう点での合理化を進めることによって、生産者にもより低位の肥料が供給できるようにお互いに努力していく必要がある、こんなふうに考えておるわけでございます。特にこの点についても御配慮を賜りたいと考えているわけでございます。 以上、私の本法律に関する意見の開陳を終わらせていただきます。(拍手)
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。 次に、久村参考人にお願いをいたします。
○久村参考人 日本化学エネルギー労働組合協議会の久村と申します。私たちの意見を聞いていただく機会を与えてくださったことに対しまして、冒頭感謝を申し上げます。 私たちの化学エネ労協は、化学及びエネルギー関係の総評、同盟、中立労連、新産別などに属する労働組合及び以上申しました四つのナショナルセンターに属さない労働組合をもって構成している団体でございまして、構成人員は七十五万人であります。賃金とか労働条件以外に、化学とエネルギーに関します政策課題につきましては、総括的に意見を申し上げ、あるいは要望を申し上げることなどの活動を展開いたしております。 さて、肥料価格安定等臨時措置法に対します私たちの見解を申し述べます。 この法律の対象となっております肥料工業及び農業は、ともに国民生活を支えるわが国の重要産業でございます。農業につきましてはすでに御高承と思いますが、肥料工業におきましても、アンモニアは肥料以外にカプロラクタム、硝酸、メラミンなどを初めとする重要な化学工業の原料でありますし、尿素もまた肥料用以外に合成樹脂とか接着剤などの原料として化学工業にはなくてはならない基礎物資でございます。そうしまして、これらの素材から国民生活におきます衣食住の各面の必需品の生産が行われておりまして、快適であり、かつまた便利な国民生活を営むことができるようにするのに大きな貢献をいたしておりますとともに、多くの雇用労働者がこの産業によって生活を維持いたしております。 おおよそ基礎産業部門は国民生活と国民経済を支える基幹的なものでございまして、全国民的な立場からこれを維持しなければならない産業部門であると考えております。 化学肥料工業は重要な基礎産業部門でございますが、これを取り巻く環境は厳しく、さきに産業構造審議会は構造改善の必要性を答申されまして、化学肥料工業は特定不況産業安定臨時措置法の構造不況業種の指定を受けまして、安定基本計画が告示され、現在、構造改善が実施されつつあるのが現状でございます。 私たちは、化学肥料工業をめぐります国内外の環境、特に国際環境を直視いたしまして、この構造改善事業は長期的な雇用の安定と労働諸条件の向上、その他幾つかの条件が実現されることを前提といたしまして、やむを得ない措置として賛成の態度をとってまいりました。その過程におきまして、われわれ労働者の努力によりまして、アンモニア系肥料製造業の労働生産性は、昭和五十二年には昭和四十八年に比べまして一八・四%の向上を実現させたのであります。 しかし、労働生産性が向上したからといって問題が解決したわけではございません。幾つかの条件のうち最も重要な問題は、私たちの雇用の確保でございます。すでに御承知のように、有効求人倍率は平均的には〇・六五というようにはなっておりますが、昨年十月の年齢別有効求人倍率を見ますと、五十歳から五十四歳時点では〇・三であり、五十五歳から五十九歳時点ではわずか〇・二でございます。このような実態からしまして、化学肥料工業の構造改善によって個別企業で設備の休廃止などが行われる場合には、雇用の情勢はさらに厳しくなると思われます。したがいまして、雇用の安定を図るために構造改善を進める場合には、労働組合と十分に協議する必要があると考えております。 さらにまた、国際的に考えてみましても、特に発展途上国の今後の工業化について考えてみますと、御承知のように、国連の工業開発機構が採択いたしましたリマ宣言によりますと、二〇〇〇年には発展途上国の工業化は二五%程度まで進めるべきであるという考え方でありまして、その第一として、鉄鋼及び化学肥料工業が発展途上国に技術移転が行われるべきであるということで、すでにUNIDO等においてこれらの討議が行われております。これらの討議に際しましては、私たちの代表も参加いたしまして、討議に加わったのであります。 人類社会におきます平和の維持とか福祉の向上というためには、特に発展途上国における貧困とか疾病の追放は最も重視しなければならない政策課題でありまして、そのためには、基本的に、発展途上国の経済水準の向上、なかんずく食糧の確保、それに関連する社会資本関連工業の発展が並行して行われなければならないと考えております。 このような観点から、マニラにおいて開催されております国連貿易開発会議の総会におきまして、大平総理は発展途上国に対する開発援助の倍増を言明されたものと理解をいたしております。したがいまして、今後は発展途上国の肥料の自給度の向上により、わが国の海外肥料販売市場は、目に見えて狭くならないまでも、今後の趨勢としては市場の拡大発展は期待し得ないものと考えられます。また、最近の石油事情の変化、特にその価格騰貴、すなわちナフサの価格上昇が肥料のコスト上昇の要素となっております。さらにまた、化学肥料工業の構造改善を通じまして、今後の情勢を推測いたしますと、構造改善即コストの低下というようには必ずしも結びつきがたい情勢であると考えられます。むしろ、化学肥料工業の外部に生じます諸条件によってコストは上昇せざるを得ない状況であると考えられます。 以上述べましたような内外の厳しい経済情勢などのもとで化学肥料工業の構造改善に取り組んでいるわけでありまして、今後の肥料価格の推移が構造改善の実施に影響いたしますことはもちろん、化学肥料工業及び関連産業に従事いたしております多数の労働者の雇用の確保及び賃金その他の労働条件の内容に多大の影響を与えるものであります。勤労者に対して雇用の機会を確保し、社会的に適正な生活水準の確保を図ることは、単に労働組合の使命であり責務であるのみならず、今後の国民経済の安定的発展を図り、国民生活の質的向上を期すためには、国民的要請として大きな政策課題の一つであると確信をいたしております。 もちろん、食糧その他の生産を行う農業は、国民生活を支える重要な産業であることは申し上げるまでもないところでして、農業に必要な肥料が安く農家の手に渡ることは望ましいことではありますが、他面、化学肥料工業もまた、国民経済を支える重要な基礎産業としてその存立が確保されることが必要なのであります。このような点にかんがみ、農業と化学肥料工業の両全を図ることができるように、この法律による肥料価格の決定が行われることが、法の運用に際しましてきわめて重要であると考えます。 現在及び将来にわたって肥料市場の状況が買い手市場であることが予測されることにかんがみ、また、この法律は肥料の生産に従事する勤労者の生活に直接重要なかかわり合いを持っております関係上、法の運用に当たりまして、農業と化学肥料工業がともども成り立ち得るようにという点を特に配慮されることを条件といたしまして、私ども日本化学エネルギー労働組合協議会は本法案に賛成することといたした次第でございます。この点をお含みくださいまして本法案の御審議をお願いする次第でございます。 以上であります。(拍手)
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。 次に、水野参考人にお願いをいたします。
○水野参考人 私は、日本硫安工業協会会長の水野一夫でございます。ただいま御審議中の肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、私ども生産業者の立場から意見を申し述べさせていただきたいと存じます。 私どもは本法律の延長を要望しておりますが、その理由といたしますところは次のとおりでございます。 現行の肥料法は農業と肥料工業の両方がともに健全な発展を遂げるということを目的としておるわけでございますが、これを実現するための方法といたしまして、まず第一に、肥料の国内価格の安定を図るとともに、合理的な価格の決定方式を実施いたしますために、政府からの交付資料等に基づきまして販売業者と生産業者が価格の取り決めを行うという制度が認められておるということがございます。 その次に、第二番目といたしまして、内需につきましては優先的かつ安定的な供給の確保をするように輸出の調整措置がとられているという点がございます。 そうして第三番目には、日本硫安輸出株式会社によりまして一元的な輸出体制をとっておるということがございます。 以上申し述べました三点を柱といたしまして、本法律は、従来から肥料価格の安定、内需の優先的確保等所期の効果を上げていると評価をいたしておるのでございますが、以下、これらの点につきまして、若干の御説明を申し上げたいと存じます。 第一の価格安定に対する寄与という点でございますが、政府によって原価の調査がなされまして、肥料の価格取り決めの交渉に際しましては、この原価調査の結果を交付をしていただきまして、原価を基準として生産業者と販売業者の間で価格の取り決めをすることになっておるのでございます。したがいまして、取り決められまする価格につきましては、輸出赤字とは完全に切り離されておるのでありまして、これまで現行肥料法が施行されてまいりました十五年の間、石油ショックのような突発事態は別といたしまして、国内価格の引き下げを実現するなど当事者間で円滑な価格の取り決めを行ってまいったわけでございます。 第二番目の柱であります内需に対する優先供給という問題でございますが、本法律に基づいて政府の方で肥料年度の始まります前に需給の見通しを策定されまして、それに沿って輸出の調整がなされるわけでありますから、内需の優先確保ということに大きな貢献をいたしておると考えるのでございます。 次に、第三といたしまして、日本硫安輸出株式会社の果たしております役割りという点でございますが、現在、世界における肥料の需要国というものは、いずれも政府もしくは政府機関に準じた一元的な買い付け機構を持っておりますし、また一方、輸出国におきましても、輸入国と同じように一元的な輸出機構を持っておるのでありまして、これらに対処いたしてまいりますためには、一元的な輸出機構によりまして機動的に対応していくことがどうしても必要であると痛感をいたしておるのでございます。 中国などの大量に買い付けを行います重点市場に対しまして、直接輸出会社が商談に当たりますので、厳しい国際環境のもとにありながらも合理的な輸出価格で今日までやってこられたわけでありまして、その貢献するところははなはだ大きかったと考えておるのでございます。 以上が、本法の重要な三点についての御説明でございますが、次に、私ども業界が直面いたしております構造改善の問題について申し上げますと、アンモニア工業並びに尿素工業は、現在、特定不況産業安定臨時措置法の指定を受けまして、政府が策定されました安定基本計画に基づきまして過剰設備の処理をすることになっております。この実施に際しましては、通商産業大臣から共同行為の指示を受けておりますので、業界といたしましては、現在、具体的な内容を鋭意検討をしておるところでございます。 業界といたしましては、この構造改善によりまして、不況の克服と経営の安定を図るべく努力をいたしまして、肥料の安定的な供給体制の確保と、極力低位に安定するような価格の実現を図ってまいる所存でございます。 なお、構造改善事業の実施に当たりましては、関連産業、特に中小企業に対する影響、あるいは雇用の問題、あるいはまた地域経済への影響等、多くの問題がございますが、私ども業界といたしましては、これらの点にも十分配慮をいたしまして改善を進めてまいる考えでございます。 ところで、アンモニアが、農業にとって重要な生産資材であります尿素の原料であることはもちろんでございますが、アンモニアは、同時に化学工業の重要な基礎原料でもあるのでございます。 私ども業界は、このような基幹物資を安定して供給するという重要な使命を持っておるわけでありまして、これらの責任を果たすために、今後五年間にわたりまして構造改善を推進いたしまして、先ほども申し上げましたように、不況の克服と経営の安定を図ることがどうしても必要でございますし、また、この構造改善事業の推進の過程におきましても常に安定的な供給を続けてまいることが必要であるわけでございまして、これらを円滑に進めてまいりますためには、今後五年間は現行の法体制の存続が必要であると考えておるのでございます。 以上、私の所信表明をさせていただきます。これをもって終わります。(拍手)
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 まず最初に、参考人の皆さんには、お忙しいところを貴重な参考の御意見をいただきまして、感謝いたしたいと思います。 まず、田中参考人にお尋ねいたしますが、この法律はすでに十五年間の歴史を持っておるわけであります。そこで、これから五年間の延長ということになりますけれども、この五年間の延長で任務を達成して今後もう大丈夫だという保障があるかどうかという点について、現状のたとえば石油の値上がり、資材の値上がり等の状況から、それでよろしいかという展望についてまずお尋ねしたい。 続いて、全農が取り扱っている肥料の中で、農林省の資料によりますと、最近は硫安の方が減ってまいりまして、四十八年には七三%のものが五十二年には六三%と一〇%落ちておりますが、他の方にふえておる、こういうことで、取り扱いの量の変化がどういうふうになっているのかということ。 それから、取り扱いの全量に対する手数料の問題ですね。生産者から離れた場合に、たとえばそれが百であったとするならば、それが消費者の手に渡るときには百幾つになるのか、それは単協あるいは連合会それから中央でどういうような配分をされているか、こういう問題です。 その辺をまずお尋ねします。
○田中参考人 お答えいたします。 五年間延長で任務の達成が保障できるかということでございますが、少なくとも現状のいろいろな資源あるいは原料等の状況等から判断しますと、われわれは当面五年の延長はぜひ必要であると考えております。今後の情勢の推移はちょっと現在では何とも申し上げられませんので、またその時点でわれわれはどういうふうにこの法律に対する評価をするかということは判断をしてまいりたいと思いますが、当面、いまのいろいろな事情からいくと五年間は必要である、こういうふうに考えております。 それから、硫安が少し減っているのではないかという理由でございますが、御存じのように硫安は単肥と原料と両方ございまして、今回の扱いとしては、いわゆる硫安が原料として取り扱われている量がふえているという関係でございまして、単肥としては若干減っているというのが事実でございます。そういう事情でございます。 それから、手数料でございますが、全農の手数料は〇・六%で、これは毎年総会で決めていただいておるわけでございます。県連の手数料は、これは実は各県連ごとに総会で決めるわけでございまして、画一ではございません。われわれの調べでは、平均して二%前後ではなかろうかと考えております。それから単協、これもまたまちまちでございまして、各単協ごとに決めるわけでございます。必ずしも正確な数字とは申せませんが、一〇%前後がおおむね単協の平均的な手数料ではなかろうか、こんなふうに考えております。
○竹内(猛)委員 引き続いて全農の田中さんにお尋ねするわけですが、肥料の価格と農畜産物の価格との関係で、たとえば肥料の消費の大半が米、野菜、果樹、こういうものになっていますね。これで大体六割を超していると思うのです。その場合に、米は去年も据え置きになった、ことしも、農林水産大臣の発言によると、もはや据え置き、値を上げないと言っている。野菜については大暴落だ。果樹は、ミカンのごときは三割伐木しなければならない。こういう状態で、肥料を使う対象になる農作物がおしなべて価格が上がらないか不況という形になっているときに、肥料の適正なあるべき価格というものは、農家の側から見た場合にはどういうところが適正な価格と言えるか、これはどうですか。
○田中参考人 大変むずかしい御質問でございますが、私たちとしましては、現在の農産物の価格の低迷の状況からいきまして、少しでも肥料価格を下げあるいは低位で安定的に肥料を供給したいというのが念願でございます。何%が適正であるかということ等につきましては、私は的確な資料を持っておりませんが、米等の生産費を見ましても、肥料の生産費等は、多少上がっておりますけれども、むしろかなり低位に安定してきているのではなかろうか、こんなふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 それでは、肥料の価格の決定について農林水産省から資料が出てくる、原価についてはそれが出てきて、そこで話し合いをして決める。この決め方について、いままでの決め方が本当に民主的で正しい農家の意思が反映された決め方だとお考えになっておられるかどうか、その辺はどうでしょうか。
○田中参考人 私たちとしましては、この法律のもとで約三カ月間ぐらいの時間をかけて各メーカー等と価格交渉をいたしておるわけであります。もちろん、法律対象外の肥料も全部決めるわけでございますので、この対象品目だけではございませんけれども、いずれにしましても、私たちとしましては、政府から交付されるコスト資料等を十分頭に置きながら、現在の農業を取り巻く状況あるいは肥料の需給関係あるいは農産物の価格等、そういう総体的な関係の中でわれわれの立場を十分メーカーにも御理解願いながら価格を決めている、こういうふうな結果になっておるわけでございまして、われわれとしましては、系統のそういう機関に諮りまして全農の考え方を申し上げて、御承認を得て、一任を得て価格を決めている、こういうふうなことでございますし、また、決まった後ではそれぞれ機関に諮りまして御了承を得ている。こういう手続をとって現在価格を決めているわけであります。
○竹内(猛)委員 久村参考人にお尋ねいたしますが、現在肥料の銘柄というものが七千五百種類もある。これが価格をややこしくしている問題ではないかと言われているのだけれども、これをもっと縮小して、農家自体が自主的に配合したり調製したりすることの方がはるかにいいと思う。価格が最終的に高くなるということはそういうところにあるのじゃないか。この辺について生産労働者の立場からひとつ御意見をいただきたいし、同じ問題について水野参考人からもお答えをいただきたいと思います。
○久村参考人 肥料の銘柄が多いことが価格を高くするかどうかという点、私非常にむずかしい問題だと思います。といいますのは、私は素人で先生のように詳しくは知りませんが、やはり作物によりあるいは土壌により最も適した肥料がいろいろある、このようなことはよく私ども内部でも聞きます。しかしながら、いま御指摘のありましたように余りにも多過ぎる。もう少しそれらの生産流通経路を適正化することによって品種等の合理的な配分ができないか、このような視点は必要なことではないかと思います。
○水野参考人 お答えを申し上げます。 この問題は古くて新しい問題でございまして、われわれ製造業者といたしましても大きな問題でございます。いつも銘柄を少なくしたいと願ってはおるのでございますが、一面やはり消費者側からの要望がございますので、それを逃げて通るわけにもまいりません。あるいはまた、ある程度企業間の競争というようなこともございまして、なかなか銘柄の縮小ということが実現できかねておる、むずかしい問題でございます。
○竹内(猛)委員 大変むずかしい問題でございますけれども、これは全農の農民の側から見て、七千五百なんという種類はやむを得ないものとしてお考えですか、それともそういうふうにした方が農家の方に便益だとお考えでしょうか。その辺はどうでしょうか。
○田中参考人 私たちの基本的に考えておる点は、水稲等の大柄な銘柄につきましてはやはり集約すべきである、こういうふうに考えております。現在全農が扱っておる銘柄は高度化成で約四百種類ぐらいございます。ただ、ここで御理解願いたい点は、御存じのようにいま非常に大きな水田再編対策が進められておるわけでございまして、いろいろな作物が出てまいりますし多様化してまいります。そういう中で農民の要望にこたえていくということになりますと、地域特化あるいは作目の特殊性、土壌、気候、そういう条件からしますと、園芸作目等につきましては一部多様化が行われていくだろう。したがいまして、集約する方向と多様化というものが同時にあり得るのではなかろうかというふうに考えますが、基本的には集約していった方が好ましい、こういうふうに考えております。
○竹内(猛)委員 これは久村参考人とそれからまた水野参考人に御質問でありますが、いまも国際的な石油の消費国会議が開かれていて、通産大臣が出席をしておるし、それから資源エネルギー庁の長官も行っております。この様子を見ていると、これから原料の値上がりというものが厳しいだけではなくて、原料が不足をしてくるという状況が考えられる。日本の場合には石油が一滴もないわけですから、これはもうどうにもならない。一方、燐鉱石にしてもカリにしてもやはり原料の値上がりが予想される。そういうときに肥料の価格を農家が要求するような形でなるべく安く、しかも安定的に供給していくということについて、雇用の関係からいってこの不安の問題がないかどうか。あるいはまた、生産者の立場からした場合にその点がどういうふうに展望されるのか。いまよりも値がより下がるということとの間に大変矛盾があると思う。このむずかしい問題についてどのようにお考えになるか、お答えをいただきたいと思います。
○久村参考人 御指摘のように、石油事情が非常に供給不安がある。さらにまた、供給不安に伴って価格騰貴の要因も増しておる。御指摘のとおりと思います。私も全くそのように思います。そうしました場合に、価格が今後騰貴しあるいは場合によっては不足するかもしれないという状態において肥料価格が何によって決まるのか。この法に基づいていろんな生産者と購入業者との間で決定される。だから、その場合に、いま原料の不足状況あるいは価格騰貴状況というものが適正に反映されることは私は非常に重要と思います。そうじゃございませんと、やはり日本のように原料を輸入して生産をする国と、それから原料を保有している国が今後工業化が進んでいった場合に、その比較生産費というものは非常に差がついてくるだろう。そのような点に私どもは将来的に非常に不安感を大きく抱いております。今後ともそれらの点が適正な資料に基づいて交渉されることが最も望まれる、このように思います。
○水野参考人 お答えを申し上げます。 私どももかつてない原料というむずかしい問題に当面をいたしました。これまで化学肥料業界では固体原料から流体原料へかわるという方向でやってまいったのでございますが、原油、したがってナフサの価格の非常な高騰あるいは量的な不安というものを抱えまして、頭が痛いわけでございます。しかし、何としても合理化の努力をいたしまして、この原価の上昇を少しでも食いとめる努力をしなければならぬと思うのでございますが、同時に、少し中長期の考え方をいたしますと、ナフサ一辺倒の考え方でなくて、他の原料を開発して合理化を図っていくということも大きな課題であると思うのでございます。あらゆる場面を想定をいたしまして研究を進めてまいりたいと存じております。
○竹内(猛)委員 次に、また水野参考人にお尋ねいたしますが、硫安輸出株式会社の問題であります。 肥料の価格は、内需優先と言うけれども、国内の農民には高い価格でずっと供給されている。この数年間の間に一度ぐらい輸出の方が高かったときもあります。あるけれども、多くの場合、国内の農民の使う方が高い、そして外国への輸出の方が安い。農民の目から見れば大変これは問題なところであります。そこで、その一元的輸出を取り扱っている硫安輸出株式会社は商法によってできているわけであります。商法ということになると、当然これは株でありますから利益というものを前提としないことはないだろうと思うんですね。もし利益を前提としなかったらその会社の性格がおかしい。そういう点で、この硫安輸出株式会社の果たしてきている役割りというものと、内需と輸出との関係、これについてわかりやすく御説明をいただきたいが、私個人の考えでは、むしろ株式会社なんということじゃなくて公社とか公団とかいう形にして、利益を目的としないのならそれは公社か公団のような形にして、わかりやすいものに組みかえた方がいい。利益を目的とするならば非常に矛盾を感ずる。この辺はどうでしょう。
○水野参考人 お答えを申し上げます。 先ほども意見陳述の場合に申し上げましたが、日本硫安輸出株式会社は過去において相当大きな成果を上げてまいったと思うのでございます。いままでこの輸出会社の運用につきまして、業界でもこれではどうもぐあいが悪いな、何とか変えたいなというような疑問は起こったことはないのでございまして、商法でできております会社でございますから、もうかったら大いに配当もしたいわけでございますけれども、製造業者でつくっておる会社でございますから、そこで利益を出して配当をして税金もお払いするということは余りいいかっこうではございませんので、利益は出ないような決算の処理をやっておるのでございます。したがいまして、運用は商法の会社ではございましても、公益を目的とした法人のような運営の仕方をやっておるのでございます。
○竹内(猛)委員 どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 武田一夫君。
○武田委員 本日は三人の参考人の皆さん本当に御苦労さんでございます。 最初に二つの問題について三人の方にお尋ねいたします。 一つは、先ほどお話ありましたが、世界的に肥料の需給の逼迫というものが非常に問題になっておる、特に資源の面においていろいろむずかしい問題が発生している、こういう話でございますけれども、今後の見通し、特に資源が無限なものかあるいは今後新しい活路を求める方向というのは検討しなければならないのかどうか、この点についてそれぞれお考えがございましたらお聞かせ願いたいと思います。 それからもう一つは、日本の農業は内外ともに非常に厳しい環境の中にあるわけでございまして、そういう中で、農家の皆さん方にとっては生産費の合理化、すなわち農業生産資材に対する価格の安定あるいは安定供給というのはどうしても必要である。この法が五年間延長されるわけでございますが、その時点において、こうした問題に対する一つの大きな解決といいますか、こういうものが約束できるものかどうか、この点をひとつおのおのお考えをお述べいただきたい、こう思うわけでございます。
○田中参考人 お答えいたします。 御存じのように、肥料原料、石油、燐鉱石、カリ、全部外国から入れているわけでございまして、資源の産出国におきましてもこういうものは有限であるという観点から非常に大事にしてきております。したがいまして、長期的な展望に立った場合には、われわれとすれば、この資源、原料、どういうふうにこれを安定的に確保するかということは非常に大きな問題でございます。全農としましても、現在国内に入ってきます原料の約五〇%を輸入しておるわけでございますけれども、まずわれわれの対策としましては、いわゆる輸出国の多元化といいますか、そういうことを考えて実施しておりますし、また、契約の仕方もなるべく長期の安定した契約ということでやってまいってきております。しかし、この前の石油ショックのときもそうでございましたが、そういうコマーシャルベースによる資源の確保、原料の確保というのは、そういう非常に厳しい状況になりますときわめて不安定であるということをわれわれは痛感をいたしておりまして、でき得ればもっと一歩進んだ姿でこの資源の、原料の確保を図っていきたいというふうに考えておりまして、いま内部でいろいろ検討をいたしておるわけでございます。特にこういう対外的な問題等につきましては、政府、国会等の多大の御援助をお願いしたいというのが偽らざるわれわれの気持ちでございます。 それから、農業は非常に厳しいということでございまして、生産資材に対する価格の抑制、その安定供給というのは非常に厳しゅうございます。われわれとしましては、少しでもそういう生産者の要求にこたえていきたいということでいろいろな資材の価格交渉をいたしておるわけでございます。しかし、法律によって、やはり農業の健全なる発展を擁護してもらえるという法律が存在するということは、われわれの立場としましては、価格交渉面においてもそういう姿での交渉ができるということでございますし、現に過去の実績を見ましても、一時の石油ショックの時期を除きまして年々価格が下がってきておる。われわれの課題は総体的な価格水準の引き下げというようなことにあるわけでございますが、そういう意味では一時期を除きましてかなりこの法律の対象肥料等につきましては安定的に価格が決められてきたという実績がございますし、今後もわれわれはそういう面でひとつ一層の努力をしてまいりたい、こんなふうに考えております。
○久村参考人 第一点でございますが、御指摘のように化石物は有限であろうと思います。したがいまして、有限な資源をどのように利用するのかという視点から今後考えなければならないであろう。その場合には、その原料でしかそのものが生産することができないかどうかという点につきましていろいろと現在も研究されていますが、その研究はもっともっと進めるべきであろう。したがいまして、たとえば炭化水素源であるならば、その炭化水素は炭化水素源を使ってしかでき得ないものに限るというところまで考えるような方向が私は重要であろうと思います。やはり代置し得るものがありやなしやということにつきましては、これは企業レベル、産業レベル、国レベル、あらゆる段階で進めるべきであろう、このように思います。 それから第二の、この法が安定供給に果たす役割りがどうかという点では、安定供給を果たす役割りは十二分に機能しているのではないだろうかと思います。しかしながら、安定供給という場合に、その安定とは何かという点につきまして、一方が安定で一方が不安定であるということはよくないであろう。したがいまして、やはり双方が成り立ち得るような方向というものをぜひ考えていただきたい。特に、先ほども少し触れましたが、今後発展途上国と私どもの国の関係、原料産出国いわゆる資源保有国と私たちの国の関係というものはもっとグローバルな視野で考えるべきであろう、このように思います。
○水野参考人 お答えをいたします。 資源の問題はいまや世界先進国挙げての大きな問題となっておるのでございまして、世界的にこの消費を節減をしていくということが当面の大きな課題であると存じますが、日本の国内におきましても、私どもは前々からナフサの生だきというようなことはぜひやめていただきたいということを繰り返し陳情いたしておるのでございます。原油またはナフサを燃料として使うというようなことは今日に至るまでにおいても問題であったのでございますが、ここへまいりますと、こういうことはできるだけ早く減らして皆無の状態に持っていくように国としての御施策をお願いしたいと思うのでございまして、こういうことが実現できますれば、需給関係にもかなり余裕が出てまいりましょうし、価格の面におきましても適正なものに近くなるのじゃないかと考えておるのでございます。同時にまた、先ほど申し上げましたが、ナフサ一辺倒ではなくてその他の資源というものに着目をして開発していくということも大いに必要であろうと存ずるのでございます。 次に、安定供給あるいは合理的な価格の決定ということにつきましては、この法の大きな眼目でございまして、私どもは全力を挙げてそのために努力をいたしてまいりたいと存じます。
○武田委員 田中参考人にお尋ねします。 いま日本の農業の中で非常に問題にされているのが有機農法についてです。日本の農業の一つの誤りとして、土壌の生態系、特に土地の物理構造といいますか、微生物を無視して収穫を多くするという方向に走ってきた。いわゆる農薬、化学肥料に依存してきた農業というものが地力を衰えさせ、いろいろ問題になってきておるわけであります。そこから、今後は化学肥料に余り依存しないような、極端に言えば完全無農薬というか、そういう農業というものを考えなくてはいけないのではないかという方々にお会いするわけでありますが、こういう点についてどうお考えになっているか。 それからもう一つは、コンポスト、いわゆる堆肥化。いま下水処理の問題あるいはふん尿の処理の問題についても堆肥化というのが行われているわけでありますが、肥料としてこうした下水等の汚泥のコンポスト化、再利用についていかがお考えであるか、この点ひとつお聞かせいただきたいと思うのでございます。
○田中参考人 お答えいたします。 私たちも、化学肥料あるいは農薬の必要以上の投入によって土地の栄養分を収奪するあるいは土地をやせさせるということはあくまでも避けていかなければいけないし、また、農薬の問題でもそのとおり考えていかなければいかぬわけでございます。われわれとしましても、土づくりということで、もう十数年来この運動を展開しておるわけでございまして、そういう点につきましては十分配慮してまいりたいし、また、有機肥料等の使用等についても積極的にわれわれとしても取り組んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。 コンポストの問題でございますが、これも現在いろいろな角度から検討を進めておりますし、われわれも非常に興味を持っておるわけでございます。そういうものが堆肥化の方向で研究され、それがまた堆肥として使えるような方向ができるようになることをわれわれとしては期待したいと思っております。ただ、都市等のいわゆる産業廃棄物等につきましては、重金属等のものもございますので、そういう点ではやはり多少問題があるように聞いておりますけれども、都市ごみの堆肥化等は十分研究に値するし、またそういう研究が進められておる、こういうふうに考えております。
○武田委員 以上でございます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 神田厚君。
○神田委員 参考人の皆様方には大変貴重な御意見をありがとうございます。限られた時間でございますので簡単に御質問をさしていただきたいと思います。 最初に全農の田中常務さんに御質問申し上げます。 こういう状況の中で肥料工業、化学工業の方が構造改善をしていくような状況になっておりますが、これに対しまして全農といたしましては構造改善に対応するようなものとして具体的に何かお考えになっておられますかどうか、御質問申し上げます。
○田中参考人 お答えいたします。 実は私も産業構造審議会のメンバーとしてこの審議に参画してきたわけでございますが、現在の肥料工業の構造改善が必要になったゆえんはいろいろあると思いますけれども、私はやはり日本の肥料工業が体質的に海外の肥料工業との競争に耐え得るような体質に持っていくことが基本ではなかろうかと思っております。この場合にわれわれとしましても、構造改善が三年ないし五年の期間に行われるわけでございますが、そういう問題に対応して、その間、たとえば中間製品の輸入、あるいは生産の集中、こういう問題につきましてもわれわれ需要者の立場から十分協力できる点は協力をいたしていきたい、こんなふうに考えているわけでございます。
○神田委員 さらにお尋ね申し上げます。 この安定臨時措置法の延長に関しまして、中央会及び全国農業協同組合連合会の方では要請書を出しておりますが、特にその中で、「価格取決めにあたっては合理化目標を設定し、コスト低減につとめ、そのメリットを農業者に還元すること。」こういう項目があるわけであります。それで、具体的に合理化目標の設定というのは非常に大事な問題でありますが、これはどんなふうな形でお考えになっておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○田中参考人 私たちがその要請書の中で申し上げている点は、先ほども私申し上げましたが、この構造改善の期間に最終的に何を目標としていくか、こういう点で、私たちとしましては、いわゆる肥料の国際水準、そういうものに対応できるだけの日本の肥料工業の合理化を図っていただくということが基本ではなかろうか。したがいまして、そういう姿の中で農民サイドにもそういうメリットを還元していただきたいというのがわれわれの願いでございます。
○神田委員 合理化目標の問題はなかなかむずかしい問題だろうと思うのでありますが、それでは質問を変えまして、水田の再編対策が現在進んでいるわけであります。この水田の再編対策の進みぐあいによりまして、肥料の使われ方、あるいはどんな肥料がどういうふうに使われるかということが変わってくるのではないか、こんなふうなことが言われているわけですけれども、これから先の農業における肥料の使われ方はどんなふうになるというお見通しをお持ちでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○田中参考人 御指摘のとおり非常に大がかりな水田再編対策が進められておるわけでございますが、肥料の消費という面から考えますと、水田等の肥料というのは、いまのような状況でそう大幅に増加するということはまず考えられない状況ではなかろうかと思います。ただ、転換作物が定着する中で、やはり畑作等の関係に対する肥料の需要というのは新しく出てまいってくるのではないか、こんなふうに考えております。 ただここで、われわれとしましては、現在非常に原料なり国際環境が厳しいわけでございます。したがいまして、ただただ肥料をよけい与えればよろしいということではなくて、やはり省エネルギー的な観点からの肥料の合理的な施肥、こういうものも今後十分念頭に置いてやっていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○神田委員 次に、化学エネルギーの久村事務局長さんにお尋ねを申し上げます。 この「化学肥料工業の安定基本計画に対する見解」というのを日本化学エネルギー労働組合協議会で出されております。その中で、「化学肥料工業の構造改善計画の実施に関しては、産業構造審議会の答申にある多くの提言の具体化を積極的に取りくむと共に当面の緊急対策として提言されている雇用対策及び金融面等の支援措置は確実に実行されることが重要であると考えます。」こういうことが述べられております。この構造改善の中で一番私どもが注意しなければなりませんのはやはり雇用の問題でありますし、そういう意味におきましては、この化学エネルギー労働組合協議会が提議している問題というのは非常に重要な問題だと思うのであります。 ところで、この具体的な産業構造審議会の答申の提言が具体化されていくような方向の中で、果たして雇用対策及び金融面等の支援がうまく行われていくような状況にあるかどうか、その辺はいかがでございますか。
○久村参考人 雇用対策につきましては、特定不況業種離職者臨時措置法等も決めていただきまして、一歩前進したとは思います。しかしながら、あの法自体にもいろいろ問題があります。特に、肥料工業とかあるいは他の化学関係の工業では、装置工業としての特性を考えました場合に、あの法自体でもなかなか十分でない面があるだろうと思いますし、さらにまた、雇用安定資金制度等を考えましてもいろいろ問題があると思いますので、それらの点につきましては、今後ともやはりその産業、その業種の実態に応じた運用をぜひとも図っていただきたい。そうじゃございませんと絵にかいたもちに終わってしまう、総論はいいが各論が不備である、そのような点につきまして十分御検討をいただきたい、このように思います。
○神田委員 さらには、この一つのポイントであります価格の取り決めの問題につきまして、エネルギー協議会としてはどんなふうなお考え方あるいは要望をお持ちでありますか。
○久村参考人 価格の取り決めにつきましては、資料が交付されて、その資料に基づいて価格交渉が行われる、このようなシステムになっております。 さてそこで、この資料が一体どのような内容であるかという点につきましては、農林水産省と通産省がそれぞれの企業を調査してお調べになる。そうした場合に、その資料がそれぞれの企業から出されましたものでありまして、私たちにはわかりません。それは当然企業の機密に属することであろうと思いますから、私たちはそのこと自体をとやかく言う気持ちはございません。しかしながら、一般的に考えました場合に、いわゆる今後の化学肥料工業の置かれているポジションは、構造改善にいたしましても、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドじゃなしに、スクラップ・アンド・ダウンである。さらにまた、今後の資源等の関係を考えましたならば、非常にコストというものは上昇せざるを得ない客観的な側面が強いと思います。そうした場合に、そのような客観的な側面がどのように入ってくるのかという問題、もちろんその中に私たちの労働コストというのが平均的に入っているのかどうか、社会的な水準が化学肥料産業労働者にも実現できるようにしていただきたいというのが私たちの基本的な考え方でありまして、そのようなことをぜひとも運用上配慮いただきたい、このようなことが主眼であります。
○神田委員 最後に、硫安工業協会の水野会長さんにお尋ねを申し上げます。 いわゆる化学肥料の輸出の問題が、非常に環境が輸出市場が狭まってきている、そういう中で、なかなか大変な状況を迎えているわけでありまして、先ほど日中の肥料取り決め等の問題があったようでありますが、その辺のところも踏まえまして、今後の肥料輸出の見通し、こういうものについて御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○水野参考人 お答えを申し上げます。 構造改善の問題が起こりましたのは、先ほど来お話がありましたように、日本にとりまして輸出市場が狭隘になってきた、従来の設備をフルに動かすことはできない、これを相当休廃止をして国内需要、それから輸出市場を賄っていくようにしたいというのでございますが、さて輸出市場がどうであるかと申しますと、何と申しましても中国が圧倒的に大きな市場でございまして、その中国におきまして肥料の需要は幸いにしてそう落ちないのでございます。いま中国も新しい設備をつくるべくいろいろ計画を進めておりますが、これが実現をいたしますまでには相当の年数もかかるのじゃないかと思っております。さしあたって私どもがほぼ期待しておる程度の輸出はここ一年や二年、余り不安はないのじゃないか。それから中国以外の市場におきましてもある程度の需要はございますので、いま構造改善で考えております程度の輸出は、ここしばらくの間保てるものと考えておるのでございます。
○神田委員 終わります。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 次は、津川武一君。
○津川委員 参考人の皆さんには貴重な御意見を聞かしていただきまして、本当にありがとうございました。 そこで最初に、肥料価格の取り決めについてお尋ねいたしますが、価格のことについて余り芳しくない声が農民の中にあるわけであります。 一つは、国内価格を高くして外国に安く、これはいま御答弁いただきましたから、ここでは触れていきません。 第二の問題は、硫安の原価について、回収硫安が生産量の大部分を占めておる。ここで、廃液となった硫酸とかアンモニアの評価が問題になるわけですが、価格取り決めのときに原価がないといってもいいというふうに農民が言っているこの硫安の硫酸の価格を、全農とそれから硫安工業協会でどんなふうに問題にされておるのか、どうここを見ておられるのか、そこのところを全農と硫安工業協会の水野さんにお尋ねしたいわけであります。 もう一つ価格の問題で農民の方がさっぱりしないのは、全農は農家だけでなく複合肥料用原料として硫安、尿素の単肥を販売しておりますが、農民向けに高くて原料として売るときには安い、これが農民の不思議がるところなんでございます。どのくらい違いが出ておりますか、どうなっておりますか、この点を全農に答えていただきたいと思います。 それから、時間がないから全部お尋ねを申し上げてみます。 二番目は久村参考人に対してでありますが、久村さんがいまはしなくも、この産業構造審議会の答申の中にもありますが、企業を整理するとき、構造改善をやるとき、労働条件が維持、改善されることが前提として議論を進められておりますし、それを前提としてこのことを考えておられる、これは非常に正しいと私は思っていますが、実際はどうなっているのでしょうかしらということなんです。もしまたひどく首切ったなんか個々の企業の事例がありましたら、お一つだけでいいから漏らしていただければありがたいと思います。久村さんに対してはこれが一つ。 第二番目には、海外の肥料工場の建設やプラント輸出などが行われておって、これに伴って内地の日本の労働者が減らされてくるのじゃないかという心配、ここいらの実態がどうなっておりますか。肥料の輸出が減っておる、企業が向こうに出ておる、これが国内の労働者にどうはね返っているか、このお二つを知らしていただければと思います。 最後に水野参考人に、先ほどの硫安の原価の問題が一つと、もう一つは、私たち不思議なことに、これだけ国のお世話といいますか、かかっておる皆さんの団体が、五十一年に七万八千九十七万円、五十二年に七万八千九十七万円政治献金をされているわけです。私はこの点は、ここで参考人として意見を伺うのは非常に恐縮ですが、おやめになった方がよろしいと思うのです。ここいらの御見解を承って、私の参考人の皆さんに対する質問を終わらしていただきます。答えによってはまたもう一回聞き返すことがあるかもわかりませんが、時間がないのでなるべく聞き返さないで終わりたいと思います。
○田中参考人 お答えいたします。 硫安の価格でございますが、われわれ交渉当事者といたしましては、一つは政府から交付されるコスト資料及び硫安の内外の需給等を勘案をして、話し合いの上で価格を決めているというのが実態でございます。 それから原料用の硫安の価格の問題でございますが、原料用はわれわれとすればバラで販売をいたしておるわけでございます。したがいまして、包装代等は一切含まれておらないわけでございます。現在では単肥との価格差がトン三千五百円ある、これは事実でございます。そういう理由でございます。
○久村参考人 第一点の雇用の問題につきましては、現在までのところ、内部の配転その他で消化いたしておりまして、生首が飛んでおるような実態はございません。しかし、まだペンディングになっておる部分がございまして、この問題の推移いかんでは非常に深刻な雇用問題が発生する可能性なしといたしません。 それから第二の問題でございますが、今後とも企業はいろいろな関係もあって海外進出を行うであろうと思いますし、私ども基本的にそれに反対ではございません。そうなるであろうと思います。これは化学肥料工業のみでなく、もっと化学関係総体的に海外進出をする。そうしました場合に、御指摘のようにそのことと国内立地、海外立地と国内立地との関係が非常に重要な問題になるだろうと思います。したがいまして、やはり今後いろいろな計画を立てる場合に、特に需給問題をいろいろ考えます場合に、国内のみでの視点でなく、海外との関係で、それは海外の企業が生産するものと日本の企業が海外立地において生産するものと、そのような関係を細かく総合的に考えませんと雇用問題は非常にむずかしくなるであろう、このようなふうに思います。しかしながら、私ども労働組合としましても、国際連帯という基本的な問題と私たちの国内の雇用確保、このような視点、双方からこれらの点につきましては考えてまいりたいと思います。国内だけじゃなしに国外との関係を非常に重視していきたいと思いますし、先生方におかれましてもこれらの点を十分御検討いただきたい、このようなふうに思います。
○津川委員 ちょっと水野さんにお答えいただく前に、先ほど政治献金の額、七万と私が言ったそうですが、七千八百万でございます、五十一年、五十二年。そこのところをひとつお考えを……。
○水野参考人 お答えを申し上げます。 硫安の原価の問題でございますが、これは硫酸の問題が主たる問題であろうと存ずるのでございますが、これは製造業者によりまして必ずしも一様な形で出てくるのではございませんので、比較的汚れの多いものあるいは非常に汚れの少ないもの、その程度に従いましてそれぞれ原価をはじき出しておるのでございまして、それにアンモニアその他もろもろの原価要素を加えまして硫安の原価というものが個々の会社においてできるわけでございまして、それをまた政府におかれましては総合して価格資料を出しておいでになるのでございます。 次に、政治献金のことでございますが、これは仰せになりましたとおり、非常な不況の産業がこういうことをやるということは適当でないと思うのでございまして、極力減らしていくということにしなければならないと思うのです。最後には皆無にいたしたいわけでございますが、必ずしもそうまいりません。それから一つには、化学肥料工業がほとんど総合経営をやっておりますので、そういうような点もございまして、必ずしも私どもの念願するようには進んでおりませんが、減少の傾向にあることは間違いございません。
○津川委員 終わります。
○佐藤委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 次回は、明二十三日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十九分散会