農林水産委員会 第11号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1979/05/08
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 芳賀貢君外十三名提出、国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。芳賀貢君。 ————————————— 国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○芳賀議員 ただいま議題となりました国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法案につきまして、提案者を代表して、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 ちなみに、本法案は、昭和五十三年三月九日提出、第八十四国会において農林水産委員会に付託され、今国会に継続審議となった経過があるわけでございます。 わが国の森林面積は、二千五百万ヘクタールで国土のおおよそ六八%を占めているとはいえ、国民一人当たりでは、〇・二ヘクタールと世界平均の一・二ヘクタールの六分の一にすぎません。 すなわち、森林の果たす役割りは、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全・形成、国民の保健休養などの公益的機能を確保し、木材その他の林産物を持続的に供給する等、国民生活の安定と福祉の向上を図る上できわめて重要なものがあります。 今日、わが国の森林及び林業は厳しい環境に置かれ、かつてない危機に遭遇しております。 まず、木材需給の動向については、年間一億立方メートルを超える国内需要に対し、国産材の供給率は三五%に低下し、不足の六五%を外材に依存する状況であり、しかも世界の総輸出量の三〇%を輸入する日本は世界第一位の輸入国であると同時に資源不足国でもあります。 かかる状況の中で、森林面積の三分の二を占める民有林は、外材主導型の需給体制と構造不況による木材価格の低落により、その林業生産活動は大幅に後退しております。 民有林における造林の動向については、昭和三十六年度の造林面積三十三万八千ヘクタールをピークに年々減少をたどり、五十一年度の造林面積は前年度より七%減少し、三十六年度に比べて五〇%の水準に落ち込んだのであります。 なかんずく、拡大造林の落ち込みは著しく、四百万ヘクタールと推定される里山中心の薪炭林が未利用のまま放置されている現状は、森林の有効利用の面からもゆゆしき事態と言うべきであります。 このような、民有林の経営危機を招いた原因については、林業労働力の不足、造林コストの上昇、木材価格の低落、採算性の悪化、資金的制約等の要因が複合して、林業者の経営意欲を減退させ、林業生産活動は全面的に停滞するに至ったのであります。 かかる状態を黙過するならば、林業の衰退、森林の放置によって、ついには国土の荒廃という重大な事態さえも懸念されるのであります。 急峻な地形、狭小な国土、過密な人口を有するわが国にとって、国土を保全し、水資源を確保し、国民の保健休養のため、公益的機能を発揮する森林資源を増大し、適切に維持管理することは、国家百年の大計からもきわめて重要であります。 そのためには、造林等の林業生産活動を国の責任で助長し、活力ある豊かな森林を計画的に造成していかなければならないのであります。 民有林野の造林については、国の補助造林制度や融資制度による助成の措置がとられておりますが、市町村自治体や小面積所有林家の自力造林はきわめて困難な状態に置かれており、その上、公社造林等も資金的な行き詰まりを来たしている実情であります。 このような、わが国林業の危機打開のため、昭和四十六年には、第六十五国会の農林水産委員会において林業振興に関する決議が全会一致をもって議決せられ、決議の第一項の中に「国が行う民有林野の分収造林に関する制度的措置を検討し、その実現に努めること。」と明示されているのであります。 これに対し、何らの積極的施策を講ぜず今日の危機を招いた政府の責任は国民の名において問われるべきであります。 この際、わが国林業の現状に対処し、国土保全、水資源確保、自然環境の保全など森林の公益的機能を確保し、林業生産力の増大と林業従事者の所得の向上を期し、森林資源の充実を図るため、民有林野に対する国営分収造林制度を創設し、国有林野事業の組織、技術及び資金を活用して、二十年間に、百万ヘクタールの造林を目標に、国営分収造林を実施するため、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一は、国営分収造林計画に関する規定であります。 農林水産大臣は、森林法第四条に規定する全国森林計画に即して、昭和五十三年度以降二十年間に実施すべき国営分収造林計画を定めなければならないこととし、この計画において国営分収造林契約に基づく造林の目標及び造林の事業量を定めるものとし、なお農林水産大臣はこの計画を公表しなければならないこととしております。 第二は、造林実施地域に関する規定であります。 農林水産大臣は、関係都道府県知事の申請に基づき、中央森林審議会の意見を聞いて、自然的経済的社会的制約によって造林が十分行われておらず、かつ、速やかに造林を行うことが必要であると認められる地域を造林実施地域として指定することとし、さらに、知事がこの申請を行うときは、あらかじめ都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聞かなければならないこととしております。 第三は、国営分収造林契約の締結についての規定であります。 国営分収造林契約とは、国が民有林野につき地上権の設定を受けて造林を行い、その造林による収益を、所有者と分収する条件で締結する契約をいうものであります。 まず、農林水産大臣は、造林実施地域内の民有林の所有者が国営分収造林契約を締結したい旨の申し出をした場合、その民有林野が政令で定める一定の理由と、一定の要件を満たすときは、当該所有者を相手方として国営分収造林契約を締結することができることとしております。 この場合、小面積の所有者が数人で共同して申し出をした場合においても、国営分収造林契約を締結できる要件を定めております。 第四は、国営分収造林契約の内容等の規定であります。 国営分収造林の収益を国及び造林地の所有者が分収する場合の分収割合は、それぞれ十分の五を標準とすることとしております。 第五は、国営分収造林契約等に係る造林事業に関する費用の繰り入れについてであります。 政府は、国営分収造林契約に係る造林事業に要する費用に相当する金額を、毎会計年度、予算の範囲内において、一般会計から国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定に繰り入れるものとしております。 以上が、この法案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今井勇君。
○今井委員 いま御説明がありました国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法案につきまして、基本的な問題を若干御質疑をいたしたいと思います。 まず最初に、私も実は数年前にここで芳賀委員に対しまして質疑をいたしました。そのときの法案と、今回いま御説明のありました法案の中で大きく二点差異があるように私は思われます。 その第一点は、国営分収造林をやりますそのやり方の中で、従前の法案によりますれば、国有林野事業の組織、技術及び労働力並びに資金を活用してとなっておったと思います。今回、その中で労働力の問題が省かれております。 もう一つは、造林をいたします面積が、従前のものでは十五年間に百万ヘクタールとなっておりましたが、今回は二十年間に百万ヘクタールだというふうになっておるわけであります。まず、ここの考え方の相違の出たゆえんのものについてお伺いをいたしておきたいと思います。
○芳賀議員 お答えいたします。 社会党といたしましては、今日まで三回にわたって、いわゆる国営分収造林法案を国会に提案しておるわけです。すなわち、昭和四十五年、四十八年、今回の場合には昨年の八十四国会に提出したわけです。したがって、三たび提出する法律案の内容については別に変わっていることはありません。 ただ、たびたびの提出でございますから、たとえば、民有林に対する国有林野事業の機能を挙げて二十年間に百万ヘクタールの分収造林を行うという場合、あえてその中に国有林野の保有する労働力を強調する必要はない。国有林野事業そのものが国の公共事業体でありますから、その公共事業体が国有林の経営とあわせて民有林に対しても二十年間にわたる期間を設定して百万ヘクタールの分収造林を行うというのが法案の趣旨でございますから、その点に対しては別に相違はございません。 それから、前二回はそれぞれ十五年間に百万ヘクタールの分収造林を計画的に行うというのが法案の趣旨でございましたが、昨年提案した際に、これと同時に内閣提案といたしまして国有林野事業の改善特別措置法案というものが提案されたのです。これは委員会において修正をいたしたわけでございますが、国有林の場合には、今井委員も御承知のとおり、まず十カ年の改善計画を立てる、二十カ年にわたる改善目標を設定するということになっておりますので、国有林といわず民有林といわず、全国の人工造林の実態というものは戦後の植栽が主でございますので、現状においてはまだ伐期齢二十年そこそこというのが大半でございますので、結局、これから主伐期に入るまでのおよそ二十年間は人工造林を対象にして木材等の生産を行うことはまだほど遠いということになるわけです。したがって、この二十年間を、主として荒廃した国内の森林資源の拡大、それから資源的に見ても枯渇した自給率の向上を図るということで、そこで二十年間計画ということにしたわけです。前二回の十五年というのは、森林法の規定もございまして、全国森林計画が五年ごと十五年計画ということになっておるわけでありまして、以前はそれに合わせたわけでございますが、今回の場合には、二十年計画と期限を設定して、二十年間に毎年の計画量にいたしますと五万ヘクタールということになるわけでございますが、これを国の責任で分収造林事業を実施する、こういう内容でございます。
○今井委員 後段の方は私もやや納得できますが、前段の労働力の問題について、私も前回にも御指摘を申し上げまして芳賀委員と議論をしたところであります。芳賀委員御存じのように、国有林野の労働力というのは直用もありますれば請負もあるわけであります。特に直用の場合、請負の場合は別といたしましても非常に土地に密着した労働力が多いわけでありますので、その流動性について私は問題があることを指摘をいたしました。 そういう意味で、今回考え直されたといいますか、一歩前進をされて、「国有林野事業の組織、技術及び資金を活用」するのだというふうにお直しになった。そして、労働力というのは地域に密着した労働力を活用されるというふうになったのであろうと理解をしておりますが、その点について私の理解に誤りがあるのかどうか、再度お尋ねをしておきたいと思います。
○芳賀議員 ただいまの今井委員のお尋ねの点が根本的に誤りということは申し上げませんが、これはそれほど強調すべきほどの問題でないと私は考えたわけです。 参考までに申しますと、現在国有林野事業を行う職員の動向でございますが、まず、定員内職員が三万四千四百十二名、これは昭和五十四年度の予算定員の数でございます。さらに定員外職員が三万二百六十三名、この内訳は、基幹作業職員が一万九千三百三十三名、常勤作業員が七十四名、常用作業員が千二百十六名、定期作業員が九千六百四十人、合計いたしまして六万四千六百七十五名というのが現在の国有林野における職員の総数ということになっておるわけでございます。このうち大体三万名程度がいわゆる事務職員ということになっておるわけでございますので、三万四、五千名が実際に現場において造林あるいは伐採等の林業の生産活動に従事するということになっておるわけです。 ですから、これを総称して国有林野事業の生産活動を行う機能ということになるわけでございますからして、別に法律に労働力を強調する必要はないという検討の上に立って、その点はあえて強調しなかったのです。
○今井委員 実はそれが、くどいようでありますが、確かにいまおっしゃいますとおり、国の職員のほかに労務班、前の私の質問でもお答えになっておりますが、最近だんだん増加の傾向にある森林組合の労務班がおよそ六万人を超える云々という話がありました。そういう者を使うのだから、労働力の問題については偏っていないのだ、十分に民有林の分収造林もできるのだというお話がありました。そうするならば、なぜそこで国がわざわざやらなければならぬのかという問題に疑問があるのだ、簡単に申しますと、私はそういう質問をいたしたのであります。 私、実は、今回労働力の問題を別にされたのは一歩前進だと思って、そういう意味で御質問をしておるのであります。芳賀委員の言うこともわかりますが、国だけの人間でやるのじゃないのだ、そのほかにもたくさんある、そういう人たちを全部ひっくるめて行うのだという思想に立つならば、これは一歩前進だと思っていま御質問をしているわけであります。 この問題だけで時間をとるわけにまいりませんから、先に進みたいと思います。 一つ、まだまだ私ども納得できないのが、民有林野の造林を推進する体制というものの基本理念、これが私まだ理解できません。と申しますのは、造林事業というのは植栽後長年にわたっていろいろ作業があるわけであります。したがって、そういうものは森林を持っておる人みずからの努力によって実施されることが必要であります。そういった山を愛する気持ちがなければ、いかなる手だてを講じてもできない。したがって林業基本法でも第七条に、「国及び地方公共団体は、施策を講ずるに当たつては、林業従事者又は林業に関する団体がする自主的な努力を助長することを旨とするものとする。」というふうに定めているのだと私は思っているわけであります。そして、国は補助であるとか融資であるとかいう資金面の助成及び普及あるいは技術指導の技術面の助成、そういうものをやりまして自主的の努力を助長していくのが本当の基本的な考え方ではなかろうかと思うわけであります。したがって、今回、社会党の提案になりますいまの法案の御説明によりましても、私はいささか理念を異にするものでありますが、芳賀委員の基本理念を改めてお伺いいたしたいと思います。
○芳賀議員 ただいま民有林野における造林を中心にした林業の基本理念について、今井委員から、林業基本法を援用しての御指摘がございましたが、いま今井委員が言われたのは、林業基本法第三条には国の行う施策、第五条には地方公共団体の行う施策がそれぞれ列挙してございまして、これを第七条において運用する場合のそれが基本理念と言われたと思うわけでございますが、もとより民有林の造林にしてもほとんどが自己の所有に帰する林地に対して造林事業を進めるわけでございますからして、第七条にもうたってあるとおり、林業者及び林業者の組織する団体の自主的な努力を助長するために第三条及び第五条の施策を遂行しなければならぬということになっておるので、これはわれわれも昭和三十九年に林業基本法を審議した一人でございますので、もう論議の余地はございません。ただ、そのような状態で生産活動や環境が林業の発展の方向に順調に進んでいるという場合にはもうそれで十分であります。現在の助長の方策としても、たとえば補助造林制度にしても、以前から見ると相当高率な造林に対する補助制度が実施されておりまして、拡大造林の団地造林のごときは国と都道府県の補助率が四〇%ございますが、これを基礎にして査定係数一七〇を乗ずるわけでございますからして六八%の補助率、およそ七割補助というようなことで、おおよその造林事業に国が補助金を交付しておるわけです。それがまた補助残の融資であるとか非補助造林等に対しても、農林漁業金融公庫が中心になって多額な融資を、先般も公庫法の一部の改正を行いましたが、文字どおり超長期資金というものが今後創設されることになっておるわけでありまして、公庫の造林融資の残高だけを見てもおよそ三千百億円に及んでおるわけでございますからして、この点、自主的な努力に対する助長策というものは相当前向きに実行されておることは言うまでもありません。あるいはまた、昭和三十三年に制定されました分収造林特別措置法による、一つは都道府県単位の造林公社の分収造林、もう一つはかつての官行造林制度から、昭和三十一年度から森林公団の制度ができまして、ちょうど三十六年の年に大正九年から始まった公有林野等の官行造林法というものを内閣提案によって廃止する暴挙が行われて、われわれは当然これに反対したわけでございますが、与党多数のためについに歴史ある官行造林法——これが日本における分収造林制度の基本をなすものであるというようにわれわれは考えておるわけです。そういうような制度とか融資等の手厚い助長策が講ぜられてきました。しかし、最近における十五年一期の全国森林計画に対する造林目標に対して五年ごとの実績等を対比いたしますと、毎年実績が目標に対して大幅に落ち込んでおることは今井委員も御承知のとおりであります。大体四十八年から六十二年までの十五年間の、五年をすでに経過しておるわけでありますが、五年間の目標量に対して実績は七〇%という状態です。だから、現在の状態、自主的な努力を助長しておるということだけではりっぱな長期的な造林計画の実施ができないわけです。そうなれば、さらに何らかの強力な補完的な施策が必要であるという点を発想点にいたしまして、今回、端的に言えば官行造林制度の延長、復活とも言える内容でございますが、この制度を国会において制定して、これに対しては国の責任において、もちろん造林にいたしましても林道にいたしましても、最近は予算上の措置として国の公共事業として扱っておるわけでありますから、当然公共事業である造林等に対して、他の公共事業と同じように、たとえば国が行う造林あるいは都道府県が行う造林あるいはまた市町村や森林組合等が行う造林は多様にあって当然なことでございまして、この林業危機の現状に立って、われわれとしては、この際、二十年間に百万ヘクタールは国の責任で分収方式で造林をする、これによって森林計画の長期目標を達成させるという意図のもとに法案を提出したわけであります。
○今井委員 芳賀委員も、前の私の質問に対しましても、たとえば公社あるいは開発公団が行います造林の役目柄はお認めになっておるわけであります。しかし、それが不十分だからさらに国がやるんだ、こうおっしゃるわけでありますが、私は実はそこにちょっと疑問を感ずるわけであります。目標に対して、計画に対して落ちていることは間違いありません。しかしながら、いままでの実績を見てまいりましても、現在三十三の府県で三十七の林業公社あるいは造林公社があります。そういうものが地元の市町村あるいは森林組合と協力しておりまして、森林所有者みずからが造林が進みがたい地域においてこれの造林をやっておりますが、その実績も五十二年度末で約二十万ヘクタール、また芳賀委員御指摘のありました官行造林の後と言っては語弊がありますが、森林開発公団が行います水源林の造成事業もやはり五十二年度末で約二十七万ヘクタールという林業実績を挙げておるわけであります。こういったものは、あなたが御指摘されました例の大正九年に開始されました官行造林が、昭和三十六年に森林開発公団に引き継がれますまでの約四十年間にやったのは幾らかといいますと約三十一万ヘクタールでありますから、これと比べましてもそう遜色のないものだと私は思っておるわけであります。そういった営々とした努力があるわけであります。しかもあなたの御答弁によりますれば、そういう在来のものはこれを圧迫しないようにするんだ、こう言っておられるわけであります。 そこで疑問が二つあるのでありますが、ではしからば、近年の民有林の造林が確かに停滞傾向にあることは間違いありません。私も認めます。それが一体どうした理由だろうかというわけでありますが、私は、それは旧薪炭林地帯の広葉樹の伐採が輸入チップの影響などもありまして採算的に困難となって進まないといったことや、あるいはまた人工林の伐期の長期化傾向などから、人工林の伐採面積が減少している。一言で言えば木を切らない。したがって、それを後、植えないという悪循環が基本的な問題であろうと私は思うわけであります。したがって、これはやはり木を切らせるような段取りを国が助長していかなければ、その国の行う分収造林という一つの新しい体系を考えてみましても、これは抜本的な解決にはならないのではないか、私はこう思うわけであります。したがって、いまの時代というのは、官行造林制度が創設されました時代や、あるいは戦後の一時期のように荒廃した未立木地やあるいは伐採跡地というものが広範にありまして、この造林を早急に行わなければならぬ、それが災害の防止その他のために緊急に必要だというふうに思われた当時の状況とは違っておるのじゃないかと私は思うわけであります。したがって、現在国が直接に民有林に対して造林を行わなければならぬという緊急性についてはいささか疑問があると私は思うわけでありますが、それに対してどうお考えか、考え方を聞かしていただきたい。
○芳賀議員 まさに今日の状態というものは、林業危機を国民全体が叫んでおるわけですね。正常な状態だと言う者は一人もいないと思うのですよ。だから、この危機をどうしたならば乗り越えて、正常な林業の発展を期することができるかということになれば、これはいろいろな分野からお互いに英知を集めて、いままでなかった制度についてもそれを創設をして、これによってまた計画的な造林や林業の生産活動を展開するというようなことでなければならぬと思うわけですね。今井委員としても、社会党の提案したこの法案そのものがけしからぬとか反対ということではないと思うのですね。しかし、何らかの不安をお持ちになっているということは私も御質問を聞いて察知しておるわけですが、これは決して既存の分収造林特別措置法に基づいた県の造林公社等の造林事業を圧迫する要因ということにはならぬわけです。この点はお手元にある法案の第五条を見ていただけば、その歯どめ措置というものは完全にわれわれとしては法律上配慮しておるわけです。 申し上げますと、第五条が国営分収造林契約の締結に関する規定ですが、第五条一項の第一号から二号、三号、四号、五号に至るまでのそれぞれ条件を列挙してあるわけでございまして、第一は、「速やかに造林を行う必要があると認められること。」第二は、「政令で定める理由により、当該民有林野についてその所有者が自ら造林を行うことが困難であること。」これは第一項の前段で市町村有林は第二号の規定から除外するという除外規定があるわけです。第三号は、「政令で定める理由により、当該民有林野について分収造林特別措置法に規定する分収造林契約によつて造林を行うことが困難であること。」公社造林で造林を行うことができるところはそれでやれるわけですよ。それが困難だという場合に限って第三号の規定があるわけです。第四号は、「当該民有林野が一団地を形成していること又は一団地を形成していないが相互に近接しており、一の事業により技術上経済上効率的に造林を行うことができること。」五号は、「当該民有林野の面積が政令で定める面積以上であること。」この五つの条件が、この第一項において「当該申出に係る民有林野が次の各号に掲げる要件のすべてをみたすときは、当該民有林野の所有者を相手方として国営分収造林契約を締結することができる。」こういうことにきちっと要件を限定してあるわけでございますからして、これが行政府によって忠実に運営されれば、何ら今井委員の言われた危惧というものは生じないというふうにかたく信じておるわけでございます。
○今井委員 まさに私、その次の問題として実はそれを質問しようと思っておったところでありますが、二十年間百万ヘクタールということを言っておられるわけであります。五十三年三月に改定されました、芳賀委員御存じの全国森林計画によりますと、今後十五年間に再造林及び拡大造林の両方を合わせまして約三百四十万ヘクタールの造林をやろう、こうしておるわけでございます。ところで、国営分収造林として予定しております百万ヘクタールというのはその約三分の一に相当するわけであります。しかも、法案第五条において、いま御説明にありましたように、国営分収造林をするものはこういうものだというふうにきちっと決められておるわけであります。 そこで、私が非常に疑問に思いますのは、こういう縛りをして一体百万ヘクタールというものがあるのだろうかどうなんだろうか。私は、実態から考えてみますれば、民有林におきます拡大造林の対象地というのはだんだん奥地化をしていきます。しかも零細化あるいは分散化をしておりますので、そのため公社、公団の一件当たりの契約面積も、私が調べてみますと逐年減少傾向にあるわけでございますから、いまおっしゃった各条件を満たすものというのは、なかなかないのじゃないだろうか。 そこで芳賀委員にお尋ねいたしますが、二十年間に百万ヘクタールというものを予定された根拠は何だろうか。そういうものを具体的にお持ちなんだろうかということをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○芳賀議員 根拠になる詳細な資料はございます。しかし、余り懇切丁寧な答弁をしますと、今井さんの質問時間に食い込むことになるので、この点は林野当局から、ただいまでもいいし後刻でもいいからお尋ねになれば、これは納得いくような、そのためにある林野庁でございますから、説明ができると思うわけです。 ただ、一つの角度から申しますと、全国森林計画の目標量に対して実績というのはおよそ七〇%に落ち込んだわけですね。そういたしますと、この点だけを取り上げてみても年間五万ヘクタールないし六万ヘクタール以上が未達成の面積ということになるわけです。ですから、これを二十年間に累積をいたしますと、最低で百万ヘクタール、あるいは場合によっては百四十万ヘクタールぐらい民有林の造林計画というものが未達成で終わるというような大変な事態になるわけです。この点をわれわれはとらえまして、とにかく百万ヘクタールは二十年間の期間がかかっても国の責任でこれを実施するという基本的な方針の上に立っておるので、面積かあるとかないとか——日本の国土の三分の二が林野面積でして、二千五百万ヘクタール、そのうちの千七百万ヘクタールが民有林で、残り八百万ヘクタールが国有林ということになっておるのです。先ほど指摘されました、粗悪な薪炭林と言われる面積だけでも少なくとも四百万ヘクタールというものが現存しておるという実態でございますから、面積の点については心配がありません。ただ、むしろ、果たして二十年間に百万ヘクタール国有林野事業の中で責任を持ってやれるかどうか。これに対して、全国の森林所有者が理解を持って、そうして積極的な造林で協力することができるかどうか。つまり林業の生産意欲というのは極度に低下しておるわけでありますから。これはいろんな要因があるわけですね。一番の原因は、林業統計によって五十年間の杉あるいはヒノキの育林費というのが、これは統計に出ておりますね。毎年毎年の経費を累積しても、これが大体百十万ないし百三十万円ということになっているわけでありますが、五十年の長期にわたるわけでありますから、毎年毎年の累積額に対して年五%のいわゆる育林の資本利子というものをそれに計上するということになれば、五十年後の総体的な育林費というものは、資本利子を合算いたしますと、一ヘクタールについておおよそ一千万円ないし一千二百万円ということにこれはなるわけです。それでは五十年間育林した杉あるいはヒノキの立木というものは、この長期に投下した投下資本というものあるいは投下した労働力の対価というものが立木あるいは木材の販売によって回収できるかというと、いまのような外圧による木材価格の低迷の状態から見ると、育林費用だけが年々上昇する、材価は外圧によって横ばいであるという状態の中では、なかなかこれは林業というものを経済面からとらえて、採算性の上に立って、これが意欲をもって行うことができるかというところに一番の欠陥があるわけです。この点に対して、遺憾ながら現在の政府は、木材価格の安定に対する措置あるいはまた外材に対する需給上のあるいは価格調整上の措置というものを昭和四十六年の林業振興に関する決議の中にもわれわれは全会一致で強調しておるわけではありますが、この大事な点が全然行われておらないというところにも根本的な原因と理由が伏在しておるわけでございますから、やはりこれも単に造林だけを解決すればいいという問題ではないと思うのです。総合的に林業全体の問題というものを政策次元からもこれを果敢に実行するということが必要だと思うわけです。
○今井委員 いや、そこが実は大きな問題なんでありまして、私は、たとえば民有林の皆伐面積と造林面積を農林省の統計から調べてみましても、年々皆伐面積を上回る造林面積は実はあるのですね。ところが、皆伐面積そのものが減っているわけですね。それは芳賀委員が御指摘のように、もろもろの原因がある。だから、切らないから造林できないわけですね。むしろわれわれは、切ることそのものに国が全精力を挙げてその措置をやっていくのだということがまずないと、この造林の方は官行でやりますよ、国が行いますよというものをつくりましても、実際前段の根本原因が除去できない限り私は進まないと思うのです。むしろその方が大事であろうから私はくどく言っておるわけでありまして、たとえば、いまあなたが、日本の国土は森林が多いのだから、そのぐらい百万ヘクタールぐらいのものはありますよ、むしろこれでは足りないんじゃないかという趣旨をおっしゃいますが、いまの厳格ないろいろ条件を満たすものは、その前段における皆伐面積をふやす方を積極的にやらなければ、私は、ない、むずかしいというふうに思うわけであります。それに対して芳賀委員はどう認識されておりますか。
○芳賀議員 四十年、五十年育林した森林を、ただ伐期齢に達したから皆伐すればいいという問題ではないでしょう。では何のために皆伐するのか。皆伐して、立木で処分するとかあるいは丸太で販売するとか用材にして販売するといっても、この五十年間投下した経費あるいは労働力の累積というものは、現状において皆伐をしてそれを販売した場合において何十%回収されるかという採算性の問題があるのですよ。無理に手間や経費をかけて皆伐して山を坊主にしてしまう。それが、カラマツ材なんかほとんど売れないでしょう。育林のために間伐しても、間伐材をどうしたらいいかということにみんな苦労しておる。林業白書にも正直に言っておるとおり、材価というものが非常に不安定なわけですね。もう三年も五年も横ばい状態になっておるわけですよ。ところが育林費というのは毎年毎年上昇しておるわけですね。材価の低迷の原因というのは何かというと、やはり、国内の自給率が三三%台ですからして、総需要量の六七%というものは、野放し状態、ほとんど関税ゼロの状態でどんどん国内に輸入されておるわけでありますから、これが木材価格を圧迫する主要な要因をなしておるわけですね。こういう点をどうして政府としてあるいは国会において根本的な解決ができないかという、ここに一番大きな問題が未解決のままに置かれておるわけです。 ですから、どうか今井さんにおかれましても、多数与党の立場にあるわけでございますから、やはり、困難かもしれませんが、余り外圧を恐れない、外圧に迎合するような政策をやめて、真っ向からこれは取り組むようにしたらいいじゃないかと思うのです。そういう場合には、われわれとしても十分お互いに協力して問題の解決に当たる、そういうことでいきたいと思います。
○今井委員 ただいまの御提案、私は、確かに日本の自給率が年々落ちておる、また木材の自由化についても、これは芳賀委員十分御存じのように、昭和三十年台の大変な木材の需要期に、足りないということで自由化したわけでありますから、しかも今後の世界の情勢というのが、なるべく自由化を促進しようというときでありますから、その中でどうしてわれわれの林業家を保護していくかということは、確かに政治家として大きな問題であると私は思います。それが、いま御提案のように、直ちに外材をとめて済むものではないと思うものでありますから、その方法論については私は必ずしも賛同するものではありませんが、少なくともわが国の林業経営者がそろばんが合うように政治が持っていくことが必要だということにつきましては、あなたと私とは全く意見を異にいたしません。私の言いたいのは、そういう基本的なガンを取り除かなければ、官行造林をもう一度やりたいとおっしゃいましたが、国の行う分収造林をやろうとしても、私は、その種がないのだ、ないと言っては語弊がありますが、それを百万ヘクタール集めることは非常に大変な問題であろうということを再度指摘をしておきたいと思います。 もう時間がだんだんと迫ってまいりますので、あと二点だけ基本的な問題をひとつ御議論をしてみたいと思いますが、例の、法案に示されております、収益の分収割合の問題であります。 法案によりますれば五分五分だとしておられるわけでありますが、これは現在普通定着しております、造林者六、土地所有者四、こういうものとはいささか異なっておるわけであります。これはこれまで円滑に実施されております分収造林特別措置法に基づきます分収造林に混乱を生ぜしめるのみならず、その推進に非常に支障を及ぼすおそれがあるのではないかと私は考えております。これに対して芳賀委員はどう考えておられるのか、基本的な考え方をお聞きしたい。
○芳賀議員 この分収造林制度の分収割合の沿革から言うと、何といっても、大正九年に創設された官行造林制度、これは造林対象を主として全国の市町村、いわゆる公有林あるいは部落有林を対象にして、公共性を持っておる団体や法人の林地でございますから、そういう点も配慮して、造林者である国が二分の一、土地所有者が二分の一、こういう分収割合、これは終わったんじゃないですよ。先ほど今井さんが言われたとおり、官行造林の実施面積は三十一万ヘクタールを超えておるわけです。ところが、主伐期に入ってから現在まで、伐採面積はおよそ十万ヘクタール程度でございますから、まだ二十万ヘクタールというりっぱな林地が官行造林の対象として、これから計画的に代採を進めて、収益を公共団体と国が分収をするということになっておるので、これから収穫の本番と言えるわけですね。これを無視して、もう官行造林制度がなくなったというような誤った考え方を持つというのは、これは大問題だと思うのです。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 ですから、ことしの五十四年度国有林野特別会計の内容を見ても、この官行造林による特別会計の収入がおよそ三十億円ですね。これに要する経費が十億円ですから、これも二分の一分収の結果の収益ですからね、二十億円というのは。そういうようにしてもう経費は全部投下しておるわけだから、これからだんだん分収益だけが国の収入として特別会計へ入ってくるということになるわけですね。だから、全国的に官行造林を契約して今日に至った市町村は、この分収造林の収益の分配によって公共団体の財政も非常に強化されておるという、そういういい側面も出ておるわけです。 そこで、いまの県などが行っておる公社造林の場合は、分収造林特別措置法の運用の指導方針の中で、大体二者契約の場合には土地所有者が十分の四、造林費用負担者である公社が十分の六という、こういう六、四の分収割合で運用されておるわけですが、さらに森林公団の公団造林の場合には、対象が水源保安林、水源涵養林等が対象でございますが、これは公有林が主でございますが、あるいはまた保安林指定地域、この点についてはかつての官行造林の継承の点もございまして、五分五分ということになっておるわけです。 だから、土地所有者の立場から見れば、分収造林を行おうとする林家の立場から見れば、分収割合が土地所有者が四の場合よりも五の分収の方が有利であるということに当然なるわけでしょう。 そうなると、今度は、公社造林が成り立たぬがどうかということになるが、これは大いに成り立つわけです。造林補助金というものを分収造林を行う造林公社も受けることができるわけですね。団地造林の場合には大体七割の補助がある。それにまた、特別の勘案で一五%の上置きもできるというような弾力策もとられておるわけですから、林野庁の発表した造林経費の単価表を見ても、初年度の造林経費だけが、平均単価が大体四十三万円程度になっておるわけです。これは高いところは五十万円もするわけですよ、実績主義ということをやっておるわけですからね。そうなると、四十五万円にしても、この七割相当分が造林公社の所有に帰属するということになっておるわけです、補助金の帰属ということになりますと。そうすると、造林公社は六割の分収のほかに造林費用の大部分というものを国の補助金によって収得しておるわけですね。これは厳密に検討すると問題点があると思うのですよ、法律に基づく六、四の分収割合の造林を行って、国から交付される造林費というものを全部費用負担造林者である造林公社等が収益として取得できるというようなやり方に対しては。これは別に、国が行う場合にはそういうものは全然ないわけですから、収益の五対五というものは偏ったやり方であるということには絶対ならないと思うのです。この点を、造林補助金とか補助残の融資、今度は三十五年が四十五年の超長期になったわけですからね。そういうような点を、今井委員におかれましても、明敏な判断力で十分に検討して一定の結論を出していただきたいと思うわけです。
○今井委員 私はまだちょっといまの御説明じゃ納得できないのです。あなたがおっしゃいますように、確かに官行造林とそれを継承しました森林開発公団、その分収造林におきましては、私の記憶に間違いなければ、土地所有者が市町村である場合、これは確かに造林者五分、土地所有者五分ということになっておるわけです。これはいまあなたがおっしゃったように、官行造林事業というものが市町村の基本財産の造成という大きな目的を達成するための一つとして発足したものですから、これはそれなりの意味があるし、私は納得できるわけです。ところが、それ以後につくられております分収造林特別措置法に基づく分収造林が現にこう進んでいるわけです。これは民有林を対象にしてやっておるわけですね。その分収割合に異なる、今度国の行う特別措置法で違う分収割合を決めると、私は、せっかくいっておるものに対して混乱を生じさせるばかりじゃなくて、むしろ今後の推進に大いに足を引っ張る。ちょうどあなたが先ほどの御答弁でおっしゃったが、そういうものを圧迫しないようにやっていくのだ、それはそれでちゃんと活かしていくのだ、こうおっしゃる趣旨と私は違うと思う。そこを私は聞いておるわけです。いかがですか。
○芳賀議員 今井さんに判断してもらいたい重点は、六、四の分収割合で、造林公社が六割の分収率で造林をやっておるわけですよ。そのほかに、現在平均的な造林単価が新植の場合四十五万円、その約七割ということになれば三十万円国が県の造林公社に対して造林補助金を交付するわけですね。補助残融資を仰がなければ造林が完遂できないという場合は、これに対しても大体九割の融資が公庫から行われるわけですね。この三十万円というものを六、四の分収に対して、仮に合算するということになれば、公社造林というのは、大体実質的な分収割合というのは八割ぐらいになると思うんですね。だから、その国営造林が五対五の分収割合でいくと、造林公社の経営を圧迫するというような不安はないわけなんですよ。国営造林にはそういうプラスアルファはないですからね。まさか一般会計がこの七割の造林補助を分収造林に出すなんというばかなことをするはずもないわけですから、こういう点をしさいに分析しないと、ただ表面だけ見て、五分五分の場合には土地所有者が有利であるとか、六、四の場合は土地所有者が不利であるというような、そういう単純な比較だけでなくて、やはり第五条で限定された要件に合致したものに限って国営分収造林の対象地として、そして都道府県の知事がこの造林計画を農林水産大臣に申請をする、あるいは地元市町村長の意見を知事が聞いて、そして確実な計画の申請を行うという、下から積み上げての計画を、国が率先して全国計画を決めておろすというものではないわけですから、要はこれを実行した場合にどういう反応と効果があるかということを、これはやってみなければわからぬと思うのです。食わずぎらいで、それは危ないとかうまくないというだけの議論では、十年たっても百年たっても、いまのような危機的状態を脱却することはできないと思うんですよ。
○今井委員 これはだんだん時間が——もう一本どうしてもやらなければなりません。 では、私の意見だけ申し上げて、この問題を打ち切りますが、私はやはり、現在定着している分収割合と比べて土地所有者により有利になるようないまおっしゃる分収割合を定めて、国営分収造林をだんだん実施してまいりますと、地代だけに依存するような土地所有者という好ましくない形を助長するようになるのではないだろうかと思います。そして、自主的努力を行わなければならない林業の担い手というものを枯渇させはしないかという感じが私はいたしますので、その点だけを申し上げて、その次に進みます。 最後になりますが、端的に申しまして、この間もわれわれが法案を審議いたしまして、いま国有林事業というのは大変な時代にあるわけです。今後二十年間で何とかひとつ、自分の努力もあるいは国の努力もして、国有林野がりっぱに立ち直ろうとしていま一生懸命やっているわけでありますが、そういう時代に、自分の頭のハエも追えないのが、人の頭のハエまで追ってやるほどの余裕が一体あるのかということを私は実は端的に疑問に思うわけであります。むしろ、いまはこんなことをやるのではなくて、自分の頭のハエを追いなさい、そして一年でも二年でも早く国民の期待にこたえてりっぱに立ち直れということを真剣にやるべきだと私は思っておりますが、芳賀委員はいかがでございますか。
○芳賀議員 その点が全く見解の相違といいますか、昨年、国有林野事業の改善措置法で審議いたしまして、一部修正をしてこれは成立さしたわけでございますが、改善措置法に基づいて林野庁が昨年の九月に国有林野事業の改善計画、十カ年計画と方針というものを設定したことは御承知のとおりであります。 それに基づいた現状を申し上げますと、昭和五十三年、これが改善計画の、いわゆる十カ年計画の初年度ということになるわけでございますが、五十三年の国有林の森林蓄積量がおおよそ七億七千万立方メートルですね。これに対して五十三年の年間の生産量というのが千四百万立方メートルですね。では、これに対して五十三年は年間幾ら伐採量を設定したかというと、成長量を超える千五百四十万立方メートルが初年度の伐採量ということになるわけです。人工林の面積が二百十五万ヘクタール、この人工林の中で二十一年生以上のものの占める比率というものは全体の三三%、これが第一年目の基本的な基礎数字ということになるわけです。これを十年後の六十二年には、蓄積を七億八千万立方、それから成長量が相当上がりまして、年間千八百万立方ですね。それから年間伐採量というものは、どうしても反省の上に立って、成長量を超える伐採を毎年毎年続けた場合においては蓄積が減少して、この蓄積についても、戦後のピーク時に比べると七億七千万立方というのはおおよそ一億五千万立方蓄積が減少しているわけですね。それがつまり過伐、乱伐によって国有林を荒廃させた一番大きな原因をなしておるわけです。ですから、六十二年度の伐採量というのは、千三百五十万立方メートルですね。これはどんどん減していっておるわけなんですよ、十年先にもずっと減るわけですから。人工林面積は、六十二年には二百四十万ヘクタール。修正いたしました二十年目標の達成年次はどうなるかというと、昭和七十二年には蓄積が八億三千万立方ですね、年間成長量が二千二百万立方、年間伐採量がようやく千四百五十万立方。二十年後も五十三年よりも百万立方まだ伐採量が少ないわけですね。そして、人工林面積というものは二百六十二万ヘクタールになる。その年次には二十一年生以上のもう主伐期に入るような人工造林地がだんだんふえて、六七%が二十一年生以上ということになるわけです。ですから、この十年計画、二十年目標期間というものは、国有林野の生産活動から見ると、むしろ生産縮小時代ということが言えるわけですね。もちろん、不良造林地を全面的に解消する育林努力も必要であるし、できるだけ資源回復のために人工造林を拡大しなければならないという、そういう積極面の仕事がありますが、収益ということになれば、どうしても伐採量が年々減っていくということは、国有林野事業の収益が減退するということにつながるわけですね。ですから、縮小時代というのがこれから十年、二十年続くわけでありますからして、その場合、現在保有しておる国有林野の事業体制というものに縮小生産の中で対応するということになれば、いまの政府としては、当然合理化とか首切りをどんどん進めるということになるわけですよ。縮小に合わして人員整理をやるとか、あるいは請負事業をふやすというようなことになるわけでありますからして、そうなれば、一たんそうなった場合にはなかなか回復できないですからね。だから、今度二十年間というものを積極的に事業の拡大をやるという場合には何をしたらいいかということになれば、かつての官行造林をやった実績というものがあるわけでありますから、そういうものを基礎にいたしまして、実績もある、それから特に農林省設置法の中においても、林野庁関係の営林局あるいは営林署の所掌事務の第二号には——第一号は国有林野の造林、営林をやらなければならぬことは当然ですが、第二号には、民有林に対する造林、営林の指導、助長をしなければならぬということが目的の中に掲げてあるわけです。これを全然いまの林野庁というのはやっていないわけですね。 そういう点を踏まえた場合においては、やはり往年の官行分収造林のごとき制度をさらに近代的に拡張して、そして、可能な範囲というのはやはり年五万ヘクタール程度でございますから、それを二十年間にわたって実施をするということでいけば、十分に国有林野事業としても経営が健全化する。百万ヘクタールを伐期に入って分収するということになれば、これはいろんな角度から計算いたしましても、五十年伐期であれば、五十年間の投資額に対して、五%程度の資本利子をつけても投資額の大体二・一倍の収益を回収することができる。そうなれば林野庁だけでなく大蔵省なんかほくほく喜ぶと思うのですよ。そういうような多面的な問題というのは十分検討されて、もちろんその国有林のことが大事ですが、それを完全にやってなおかつ余力というものを積極的に民有林の分野にも拡大をする、このぐらいの気魄がなければ、いまの国有林野事業の回復とか発展というのはできないと思うのですね。
○今井委員 もう時間が来てしまいましたが、いまの大事なところを反論しておかなきゃいかぬ。これはまさに芳賀委員と私の意見の違うところであります。 私は首を切れとは言いませんが、国有林野の行うべきことは、やはり生産性を高めていって一日も早く原状回復をすることだと思う。いま、たまたま労働力の話が出ましたが、あなたの今度の御提案の中には、国有林野が持っている労働力を活用するとは書いてないのです。あなたは、それはいままでの国有林野のほかに、直用のほかにたくさん雇用もある、そういうものを含めてやるんだから内容的には変わっていないのだとおっしゃるけれども、やはりその考え方は大分私は変わっていると思っている。だから、いま、少し暇な時期と言っては語弊がありますが、言葉じりをとらえるわけではありませんが、そういう時期に民有林の分収造林もやっていくんだとおっしゃるが、私は、本当に零細なものを集めてきて団地化するにしたって、国有林のようにまとまったものはなかなかないだろうと思う。そうすれば、そういったものをまとめてやるにしても、大変な勢力の分散になると私は思うのです。やはり相当な経費のかかり増しもやるだろう。そういうことはいまの国有林野が一日も早く立ち直るための努力とは逆行することになるおそれが多分にある、私はそのように思います。 この問題は、大変詰めればこの問題だけでも十分議論をしなければいけません。また日を改めて芳賀委員とはこの問題をしっかり詰めたいと思いますが、残念ながら時間でありますので、私の言いたいことだけ言って、質問を終わります。
○芳賀議員 これは今井さん、非常に大事な点ですから申し上げますが、あなたは特に国有林野の労働力の活用というものをうたってないのはけしからぬと言われますが、何も現在の国有林野の基幹労働力というものは遊休化しているのじゃないですよ、働きたくても仕事がないというものじゃないですからね。活用なんというものじゃないのですよ。もうどれ一人をとっても大事な労働力ですから、それを、悪い意味じゃないですよ、いい意味における正常な生産性というものを十分に発展させる方途というものを案出をして、そうしてやっていく。何も、現在の基幹労働力の三万四千人を全部造林の手植え作業までやらすなんということは今井委員も考えておらぬだろうし、われわれもそういうとっぴもないことは考えていないのですよ。 今度のこの法案の目的は、一つは、民有林の拡大造林を分収方式でやるというのと、もう一つは、現在の雇用不安の状態の中においてあるいは構造不況の中において、やはり農山村地域における雇用の創出の問題というのは、社会政策の面から見ても、雇用政策の面から見ても、非常にこれは重大なわけですね。だから、この雇用創出の面から見ても、毎年五万ヘクタール、二十年間に百万ヘクタール、二十年目の最後に新植した造林地に対する育林というのはなおかつ十二年ぐらいかかるわけですから、それと前後、開始から終了までに三十二年を要するということになるわけです。これについても、これに投入する労働力の計算等われわれしておりますけれども、われわれの計算から言うと、三十二年間にわたりまして毎年、年間雇用に換算して二万人程度の雇用の創出が可能である。しかし、そういう雇用量というのはあるかということになると、これは御承知のとおり現在の農山村にはあるわけですね。やはり今後の農業とか林業を考えた場合に、現在以上に農山村の労働力人口が流出しないようないわゆる歯どめ措置というものも必要になると思うわけでございます。ですから、地元労働力の活用、確保ということになれば、昨年森林法の中からこれを抽出をして新しく森林組合法を制定した経緯もございまして、今後、森林組合の果たす林業生産活動の役割りというのはますます重大になるわけでございまして、特に造林事業等についても、大半の公社造林や公団造林については森林組合が委託を受けて造林を行っておるわけですね。こういう厳然たる実績があるわけでございますから、国営分収造林の場合においても、地元の森林組合とかあるいは森林組合の組織化された作業班、労務班が進んでこの国営造林事業に参加をする、一役買うというような協力体制ができれば、もちろん、国営事業でございますから、全体の責任とか計画の実施とか管理運営とか指導というものは地域の営林署が中心になって当たることは言うまでもございませんが、そういうような方式でやるわけでございますから、その五万町歩の新しい民有林造林にみんな行ってしまったら国有林の方が留守になるじゃないかというような御心配というのは、全く杞憂にすぎないというふうに考えるわけです。
○今井委員 再答弁がありましたので、ちょっと私も一言言わなければいけないのですが、その雇用創出、確かに大事なことであります。それをやるためにあなたは国のこの分収造林をするのがいいのだとおっしゃる。私は、それをやるよりも、現在行っている公社あるいは森林組合作業班を通ずるそういった自主的努力を国が助長していく方法で十分できるじゃないかということにまた帰着するわけでございまして、同じ議論になりますので私は繰り返しませんが、そこにあなたと私の考え方の基本が少し違っておる。 それからもう一つは、私はもう一度言いますが、いま民有林の造林がおくれているのは、造林するところがあっておくれているのではないのだ、たとえば薪炭林でも伐採をしませんから植えられないのだという悪循環があるのだということを指摘させていただきたいと思います。 きょうは、時間を超過して大変後の質問者に恐縮でございまして、お許しを賜りたいと思います。終わります。
○山崎(平)委員長代理 津川武一君。
○津川委員 日本の林産業が後退しているときに、これを守り立てるためには、造林の面、消費拡大の面、価格の面、流通機構の改善などあらゆる面からなさなければならない中で、芳賀委員ほか社会党の皆さんが、造林の立場から今度、国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法を提案されたことを私たち高く評価するものであります。法案の審議は、政府提案の法案、議員提案の法案同じでありますので、議員提案の法案も本当に真摯に質疑をすべきだと思っているわけであります。そういう立場から質問に参加していきます。 きょうはまた、政府提案の場合は余り出てこない委員の皆さんが、議員提案のときにこんなに出てきて質問を展開されているのは私は非常によかったと思います。 そこで、最初に、昭和四十六年三月に本委員会で採決されました決議でございますが、その中に、「一国土保全、水資源確保、大気の浄化作用など森林機能の充実と林業生産の飛躍的な拡大ならびに森林資源の充実のために、造林の拡大と造林内容の充実をはかること。そのために、民有林対策として、市町村等の所有する公有林野および中小林家所有の私有林の高度利用を目的とした「国が行なう民有林野の分収造林等に関する制度的措置」を検討し、その実現に努めること。」これは私たちも参加しているわけであります。 そこで、この決議を政府はどう受け取って、これまでどのようにしてきたかをまず明らかにしていただきたいと思います。
○角道政府委員 お答え申し上げます。 四十六年の林業振興決議におきまして、いま社会党御提案の「「国が行なう民有林野の分収造林等に関する制度的措置」を検討し、その実現に努めること。」という決議があったわけでございます。私ども従来から、民有林の造林推進につきましては、林業基本法に定めるところによりまして林業従事者あるいは林業に関する団体がみずから行う自主的努力を助長するということを基本にいたしまして、この推進のために補助あるいは融資等によりまして造林の助成に努めてきたところでございます。また、林業従事者等が自分ではなかなか造林が進まないというようなところにありましては、林業公社あるいは奥地の水源林等につきましては森林開発公団というものを通じまして、分収造林を行って造林の強化に努めてきたという経過でございます。 そこで、ただいま議題になっております国営分収造林制度につきましては、昨年の国会におきましても御審議がいろいろございまして、その際も私どもの方からは、林政審議会におきましてこの国営分収造林制度につきましての意見も一度伺ってみたいという御答弁を申し上げたわけでございます。また、国有林経営改善計画を林政審議会において検討をお願いしたその際に、あわせて国営分収造林制度につきましての御意見を伺ったところでございます。また、林政審議会におきましては、経営改善計画の審議に時間を要したために必ずしも十分な時間がございませんでしたので、その後におきましても林政審議会の国有林野部会の委員の方々の御意見を個別に徴した。また、部内では無論私どもは検討いたしておりますけれども、森林公団なりあるいは造林の実際の受託者である森林組合等についても御意見を伺っておりますが、しかしながら、私どもといたしましては本法案についての十分な見解をまだ得られていない、なお私どもとしてこの問題については慎重に検討を続けていきたいという意向でございます。
○津川委員 われわれ、ここで幾つか決議しましたけれども、具体的に特別措置法をつくれという決議は余りないのです。これは具体的な品物なんです。これが十年かかって政府でまだ見解を持たないというのはどういうことか。めったにない中で、この第一項目に具体的な銘柄、品物が入ったわけで、今後に対する態度をもう一度聞かしていただかなければ私は引き下がるわけにいかないですよ。まだ何とも考えてない、見解を持たないというのでは済まされないと思うのです。
○角道政府委員 津川先生いま御指摘の点につきましては、先ほどからこの委員会においてもいろいろ御討議がございましたが、この国営分収造林法案につきましては、現在の国有林の経営の状況であるとか、あるいは特に近年においてはいろいろな施策を進める上での前提になります森林資源基本計画あるいは重要な林産物の長期需給の見通しについてもいろいろ問題が出てきたということでございまして、私どもとしては、これらの国営分収造林法案についての態度を決める上におきましては、今後、森林資源をどのように持っていくか、あるいは需要なり供給はどのように動いていくか、そういうことを見きわめてからでないとこの問題についての十分な見解は出せないというのが私どもの現状でございます。
○津川委員 そこで、提案者にお尋ねします。 十年近くかかっても、政府の態度はいま聞かれたとおりなんです。提案者、これでいいのか、この政府の態度に対してどんなふうに考えておられるのか、ひとつ明らかにしていただければと思います。
○芳賀議員 ただいま津川委員の指摘された点については、林業振興に関する決議というのは、昭和四十六年三月二十五日に当委員会において各党一致で案文を策定いたしまして、委員長提案という形で、全会一致委員会決議になったという経過があるわけです。 きょうは、与党の熊谷委員あるいは角屋委員それから津川委員も、この決議参加者のお歴々ということになっておるわけですが、いま政府委員の角道次長から答弁がございましたが、これは六項目にわたる決議ですから、各項目ごとにこれが政府としてどのように実施されたかという点を簡潔に申し上げたいと思います。 第一項目は、森林資源の充実のための造林の拡大と内容の充実でございますが、この中で「「国が行なう民有林野の分収造林等に関する制度的措置」を検討し、その実現に努めること。」この点が政府としていまだに熱意を示していない点であります。 ただ、これ以外の造林施策としては、こういう決議がてこになって、たとえば自営造林あるいは融資造林、補助造林、公社造林等についても、当時から見ると内容が相当充実して、林家並びにその共同体の自主的な努力というものを相当助長するような形はあらわれておりますけれども、抜本的な改善ということになっていないわけです。一番大事な国営分収造林制度というものに熱意を示しておらぬ。これは政府だけのことでなくて、社会党以外の各党におかれましても、この大事な特別決議に参加しておきながら、依然として、ぜひこれを制度化せよというところまではもう一歩という点は、われわれとしては残念な点でございます。 それから、第二項は、林道網の整備の問題でございますが、この点については、林業基本法の審議の場合にも議論したわけでございますが、造林と林道というのは、これは国の行う公共事業という位置づけをされておるわけでございますから、林道網にしても、いまのような観光目的とうたわれるような大規模林業圏構想に多額な国家資金を投入するなんということはこれは後回しにして、やはり林業生産の拡大のための林道網の拡充、充実というものがまだまだ不十分であるというふうに思うわけです。 それから三番目の、自然破壊とか大面積皆伐のような乱開発の点については、その後森林法の改正等を通じまして、開発規制あるいは許可制等が法律の中で明定されておるわけでございますから、この点は、決議に基づいた改善措置というものは制度を通じても相当行われておるように考えるわけであります。 それから四番目の、国内需要の六七%に及ぶ外材依存の状態から速やかに脱却するということを目途にして、政府の責任で外材輸入の適正な調整機能を発揮するようにせよ、この点も効果的な措置というものがいまだに講ぜられておらないわけですね。これが大きな外圧という形で、国内の木材の需給調整機能とかあるいはまた価格安定機能というものを大きく不安にしておる原因として現存しておるわけです。 それから五番目は、林業労働者の雇用の安定とかあるいは社会保障等の充実の問題でございますが、これは大きく分けますと、民有林の事業に従事する民有林労働者と国有林野事業に従事する国有林の労働者と二様に分かれるわけでございますが、いずれもこれは国の林業全体の担い手としての貴重な労働力でございますので、この点についても、民有林あるいは国有林を問わず、特に最近多発しているところの白ろう病とか腰痛症のようないわゆる職業病の根絶を図るようなそういう対策とか、すでにもう白ろう病の認定を受けて治療に専念しなければならぬというような気の毒な人たちに対しましては、国の制度の中で根本的な療養あるいは治療措置というものを実施していくべきであるというふうに考えるわけです。 それから第六番目が、国有林野事業の健全な運営のために、ますます国土保全であるとか国民の保健休養のための公益機能の発揮というものが国民から要請をされているわけでありますから、これにこたえるためには、どうしても国有林野事業の利益だけに依存して行うことはできないわけですから、当然必要額というものを一般会計から特別会計に繰り入れをする。これも昨年の国有林野事業改善特別措置法の審議の中において一部を修正して、将来繰り入れの門戸というものを広げて、そして健全な国有林の経営と国民の期待に合致した機能の発揮ができるようにすべきである。この点もまだまだ財投等の借入金だけに依存したような状態でございますので、根本的な解決というのは、去年から始まった十カ年の改善計画等を、首切り、合理化じゃない本当の意味の改善というものを進めていく必要があると思うわけでございます。 この六項目の終わりに、輸入材に対する課徴金制度についても所要の措置を検討せよ、これは非常に大事な点なんですね。国産材と輸入材の調整機能、円高経済の中で外材が非常に格安で大量に入ってくるわけでございますから、外材主導型で国内の大事な木材価格というものを不当に低落さしておるわけでございますから、外材と国産材の、輸入調整はもちろんでございますが、価格調整、価格安定機能を発揮させるということになれば何らかの特別措置が必要である。その一つとして課徴金制度等についても、いまはなかなか実現因難な情勢に置かれておりますけれども、やはりこういう点についても近い将来に抜本的解決を図る必要がある。 以上が、決議の六項目について私どもの立場からこれを見た場合の政府の実行能力というか、熱意の度合いというものについて率直に申し上げたわけです。
○津川委員 その次の質問は、民有林の危機がどこにあるのか、これを提案者からお伺いして、対策をお伺いしようと思っていたのです。そしてその次には、分収造林特別措置法と国が行う分収造林特別措置法との関連をお伺いするつもりで質問要項を立ててきましたが、時間がかなり切迫してきましたので、先ほど今井委員と提案者の論争を非常に興味深く聞いておったのは、この提案によって、国営分収造林の法案によって、林野庁に勤めておる人たちの一人一人の生産性がどうなるのか。林野庁はいまかなりの年配に達してきて高齢化してきますので、ここいらの若年化が図られていくのか。さらには、いま失業を抑えるということ、雇用を拡大するということが国政上でもかなり重大な問題になっておりますので、この法案によって雇用の促進がどうなっていくのかなどについて、もう少し提案者から御説明願いたいと思います。
○芳賀議員 この法案の実現によって、現在の国有林野事業に従事しておるいわゆる総員六万四千人に及ぶわけでございますが、これも約半数がいわゆる定員法に規制された定員内職員ということになっておるわけですから、現状において民有林を対象にした国営分収事業というものを進めるとしても、このことを理由にして現在の職員の総数を雇用の拡大、充実の方向でふやすということは、これは政府がやることですから、この点は容易じゃないと思うのですよ。ただ、われわれがこの分収造林事業をやる場合のねらいは、一つは造林の拡大と、もう一つは構造不況のもとに置かれた農山村地域における雇用問題ですね、雇用創出をこうした国営の公共事業の中においてどうして確保できるかというところにももう一つの目的があるわけでございまして、この点は先ほど今井委員に御説明申し上げたとおり、二十年間、百万ヘクタールと言っても、この事業の完了までには三十二年を要するわけでございますから、それを平均の年間雇用量で換算い五しますと、年間雇用おおよそ二万人という計算が出てくるわけでございまして、こういう点はやはり地元中心の森林組合とかあるいはそれにつながる労務班であるとかあるいは地域の減反、生産調整の中で変則的な労働力の過剰状態というものを生ずるわけでございまして、そういう労働力というものを十分にこれに吸収するということも大変大切なことであるというふうに考えるわけでございまして、そういう方針でございます。
○津川委員 その点で、この法の実施された場合、定員外の林野庁の職員が定員になる可能性、見通しなどというのが開かれてくれればありがたいと思っているのですが、そこいらの見通しなんかはどうでございます。
○芳賀議員 その点は、特に政府当局に厳しく質問された方がいいと思うのです。
○津川委員 その次に、人工造林の拡大を図るために、昭和三十三年四月十五日、法律五十七号で分収造林特別措置法が公布されております。この特別措置法の施行について、農林事務次官通達によれば、昭和五十五年度末に約五十万町歩の造林を達成することを期するものとしてあります。この分収造林特別措置法による分収造林の実績はどうなっていましょうか。政府からひとつ答えていただきます。
○猪野説明員 お答え申し上げます。 昭和三十三年に分収造林特別措置法が制定されまして、それ以降昭和五十二年度までにやられました分収造林の実績は約六十九万ヘクタールでございます。
○津川委員 今後これからはどの程度進めていくつもりでございます。
○角道政府委員 現在のところ何万ヘクタールと具体的な計数は計画として持っておりませんが、大体従前程度のものがおおむね実施されていくかと思いますし、私どもといたしましては、現在の造林事業の現状から見ましても、今後もなお林業公社あるいは造林公社あるいは森林開発公団等によります分収造林は推進してまいりたい、かように考えております。
○津川委員 その次に、提案者にお尋ねしますが、この分収造林特別措置法と今度提案されておる国営分収造林特別措置法のお互いの役割りといいますか、どういうふうなかっこうに進んでいくのでしょうか。分収造林のおくれ、隘路などというものを埋めていけるということを私は期待しているわけですが、そこいらあたりについてお答え願います。
○芳賀議員 いまお尋ねの分収造林特別措置法に基づく造林制度というのは、法律に基づいて実施しているわけでありますから、これは国が行う分収造林制度とは全く違うわけですね。ただ、問題は、同じ全国に散在する、特にわれわれとしては中小零細林家の林地を対象にしてそして国の責任で造林を推進するというところに目的を置いているわけでございますし、また、国の直営の責任でこれはやるわけでございますから、その点については、たとえ分収の割合が、国営分収造林が五対五であり、あるいは公社造林が費用負担造林者が六で土地所有者が四というような分収割合に相違があるとしても、造林公社等の行う造林事業というものの分野を侵すことのないような配慮というものをこの法案の法文の上で完全に措置をしてあるわけでございますから、結局は、全国の中小零細林家が新しい国の分収造林制度というものを理解をして積極的に国の事業に期待を持って契約を締結するというところまで意欲を高めてくれれば、これは毎年五万ヘクタールでございますから、実行については不安はないというように考えております。
○津川委員 法案の具体的な内容で、三条の四項、五項についてお尋ねするつもりでしたが、時間がなくなりまして、各党でまた議員団会議を開きますので、繰り上げて最後の質問をさせていただきます。 これをおやりになる上で私たち一つ心配しているのは、民間でやる造林に対する影響はないか。民間の人が渋がりはしないか。先ほど委員会で今井委員の質問に、民間の人たち、造林労働者などを吸収する、ここいらのことも言われているので、この法案でたった一つ心配している点が解明されつつありますが、この法案の、民間の人との共同で進めるという話し合い、こういうことで提案者の方針を伺わしていただきます。
○芳賀議員 造林計画の実施の計画策定については、法案の方にははっきりしておりますが、まず農林水産大臣が二十年間にわたって百万ヘクタールの人工造林を事業として実施する、これは最初に公表するわけでございますが、具体的な実施に当たっては、全国の関係都道府県の知事がまず都道府県地域内における分収造林計画を策定しなければならぬということになっておるわけです。その場合は、当然知事としては関係市町村長の意見を聞く、あるいはまた都道府県ごとに設置されておる都道府県森林審議会の意見を聞くというような、十分な手順を経て計画を策定して農林水産大臣に実施方を申請するということになるわけでありますから、これと競合するおそれがあるのではないかと言われた分収造林特別措置法に基づく地域の造林計画等についても、各都道府県の知事が造林公社等の分収造林計画の策定についてはむしろ指導的な立場でこれを誘導する、あるいはまた県の造林公社等については県の出資あるいは関係市町村の出資あるいはまた関係の森林組合等の出資において資本構成が行われておるわけでございますから、同一の都道府県知事が、一方は公社の行う分収造林計画の推進、もう一つは国が行う分収造林計画の推進について明確な判断の上に立って、最初から競合摩擦を避けた計画の策定申請というものが出てきてしかるべきであるというふうに考えますので、その点は提案者としてはいささかも不安を持っておらぬわけです。
○津川委員 終わります。
○山崎(平)委員長代理 この際、午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○山崎(平)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場昇君。
○馬場(昇)委員 大臣がおくれておるようでございますので、順序を入れかえますので、大臣が来られたらまた途中で質問を切るかもしれませんが、御了承いただきたいと思うのです。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 まず最初に、松くい虫の防除について御質問をいたします。 まずお尋ねしたいのですけれども、空中防除を始めました昭和四十八年から五十三年までの民有林の松くい虫の被害材積をお知らせいただきたいと思います。
○角道政府委員 お答えいたします。 最近の松くい虫の被害材積は、昭和四十五年ごろまで大体三十万立米ぐらいで推移しておったわけでございますが、四十六年以降若干増大を示してまいりまして、いまお尋ねの四十八年度においては八十九万立方メートル、四十九年度においては九十万立方メートルと増大をいたしまして、五十年度には百一万立方メートルとなっております。その後、五十一年度、五十二年度とも七十五万立方メートルと減少傾向を示したわけでございますが、五十三年度においては、夏に高い気温が続き、雨が少なかったという異常気象が長期間にわたり連続したということで、昨年九月末現在で被害量は百二十七万立方メートルとなっております。 なお、これを地域別に見ますと、これまで比較的被害の少なかった茨城県において三十八万立方メートルと増加をしておりまして、このほか、従来余り被害のなかった地域において異常な被害の増加が見られたというのが特徴でございます。 なお、五十三年の被害量については、現在関係都道府県で整理中でございますが、先ほど申しました百二十七万立方メートルを若干上回るものと見込まれております。
○馬場(昇)委員 あわせて、四十八年から五十三年までの散布面積と使用薬剤の数量を示していただきたいと思います。
○角道政府委員 薬剤の使用数量については、調査が五十年度からでございますので五十年度以降の数字について申し上げますと、民有林において松くい虫の防除のために空中散布に使用した薬剤の数量は、関係都道府県からは五十一年度から徴しておりますが、五十年度は林野庁の推定でございます。これによりますと、購入液の原料で示しました場合、MEPの五〇%乳剤では、昭和五十年度二百六十キロリットル、五十一年度二百六十三キロリットル、五十二年度四百十キロリットル、五十三年度五百キロリットル、同じくNACの四〇%の水溶剤では五十年度四十八キロリットル、五十一年度九十六キロリットル、五十二年度二百四十三キロリットル、五十三年度二百九十四キロリットルとなっております。 これらの薬剤を散布いたしました空中散布の実施面積でございますが、五十年度におきましては四万一千ヘクタール、五十一年度五万三千ヘクタール、五十二年度八万八千ヘクタール、五十三年度十万四千ヘクタールというようになっております。
○馬場(昇)委員 いまお話がありましたように、昭和五十三年度は百二十七万立方の被害が出ておるわけでございます。これは私が知っております数字では、昭和二十四年に百十五万立方メートルの被害があった、この被害を上回るまさに史上最高の被害が昨年五十三年度に出たわけでございます。 これにつきまして、空中散布をやっておるわけですけれども、なぜ昨年はこんなに史上最高の松くい虫による被害が出たのか、その原因についてお知らせいただきたいと思うのです。
○角道政府委員 お答え申し上げます。 五十三年の松くい虫による被害が非常にふえたという原因につきましては、従来からの研究結果等から判断いたしますと、夏におきまして高温かつ雨が少ないという日が連続をするという異常な気象の影響が一番大きい原因であったと考えております。このため、従来から軽微な被害で推移してきた地域においても被害が急激に増大したわけでございます。 もう少し詳細申し上げますと、五十三年の夏の気象は全国的に高温少雨という傾向でございましたけれども、松くい虫が非常に発生した地域では、各月とも月平均気温の平年値に対しまして数度高くなっておりますし、また降雨量でも七月、八月は月平均降水量の平年値よりもはるかに下回るような状況でございました。また、地域によっては日雨量が十ミリ以下の無降水日が長期間にわたって続くというような気象があったわけでございます。 このような夏季の異常な高温あるいは少雨、これが続くという気象によりまして、松の枯損の直接の原因でありますマツノザイセンチュウあるいはその伝播者でありますマツノマダラカミキリが平年よりも活発に活動した、また、その繁殖が促進されたという結果、被害が非常に増大したと考えておりますし、また、この異常気象、とりわけ無降水日が続いたということから、マツノザイセンチュウに対します抵抗力が弱くなったということも松の側から見た場合の枯損被害を大きくした理由であると考えております。
○馬場(昇)委員 地域的に見て、茨城県が一番、五十三年度四十万立方の被害が出ておるわけですが、これは九月末ですけれども、茨城県の三月末では二万六千立方ですね。この半年間で茨城県は約十六倍の被害が出ておるわけですね。次に被害の多い県は岡山県で十四万立方くらいですが、とにかくこの三月から九月までの間に四〇%以上被害が増加した県が栃木、静岡、愛知、京都、奈良、鳥取、島根、徳島、香川、九府県にも及んでおるわけでございます。 特に聞きますが、茨城の場合、この原因も高温少雨にあるのか。茨城の半年で十六倍もふえたという原因は何ですか。
○角道政府委員 茨城県の松くい虫によります、マツノザイセンチュウによります被害量は、五十年におきましては大体二万五千立米、五十一年度大体二万立米、五十二年度が二万六千五百立米ということでございましたけれども、五十三年におきましては御指摘のとおり四十万六千五百立米というように非常にふえておるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、茨城県におきましての気象状況を見ますと、六月におきましては、平均気温が大体二十一・七度と平年よりも約二・三度高い。また、降水量は百九ミリと平年差約七十六ミリございます。また、七月を見ますと、気温差は、平均気温が二十五・九度で平年との差が二・七度、降水量で見ますと、百十三・三ミリメートル例年よりも低くなっております。さらに、八月におきましては、平年差は気温では一・八度高く、降水量においては百六・五ミリ低いというように、特に異常気象が強かったというふうに見られておりますし、また、先ほども申し上げましたように、茨城県におきましてはこれまで松くい虫の被害が非常に少なかったということもあり、特に平地が多いという関係から空中散布は従来やっておらなかったということも一つの原因ではないかというように考えております。
○馬場(昇)委員 そこで、黙って聞いておったのですけれども、松くい虫の被害が異常に増大するということは、温度が高くて雨が少なけれが松くい虫は繁殖するんだ、こういう結論ですね、全国的に見ても、特にまた茨城をとっても。 〔委員長退席、羽田委員長代理着席〕 そこで、はいそうですかと私は引き下がるわけにはいかない。高温で少雨であればなぜ松くい虫が異常発生をして被害がふえるのか、学問的なメカニズムを含めまして、あなた方の研究機関なりあるいはどこかの研究機関でもいい、その研究の成果というか、そういう研究資料があるのかないのか。そういう科学的根拠があるのかないのか。あれば、きょうは時間がございませんから、私の方に示していただきたいが、示してもらえるかどうかということを聞きます。
○猪野説明員 お答えいたします。 気象と松くい虫の被害の関係につきましては、たとえて申し上げますと、竹下敬司さんとか森本桂さん等といったような学者の方々の論文がございます。私どもはこれらを参考にいたしております。
○馬場(昇)委員 これは私は大臣に聞きたいのですけれども、もう十五分たっても来ないのですが、政務次官がいまお聞きになっていましたから、たとえば茨城県では松くい虫の被害が十六倍発生しているのですよ。これは高温少雨のためだという説明をされたのです。ところが、その研究というのは農林省ではどこもやっていない。いま学者の論文が二つありますということでもって、それで原因としておる。農林省では、あなた方の責任においてきちんとこの因果関係を調査して、正確な結論を持っておられるのですか、どうですか。
○猪野説明員 私どもの方におきましては、国立の林業試験場あるいは県の林業試験場等を通じまして、この種の問題については解明を進めているところでございます。
○馬場(昇)委員 では、その試験場の研究成果、こういうことで高温少雨であれば茨城のように十六倍も被害が発生するというような研究の結果の資料を出してください。
○猪野説明員 お出しをいたします。
○馬場(昇)委員 そこで、大臣ちょっと聞いておられなかったから質問しにくいのですけれども、また担当者にもう一遍質問しながら聞きますが、では、あなた方は松くい虫に対して、高温少雨であれば対策がないのか。もうお手上げですよね、高温で少雨だったから十六倍も出るわけですから。高温少雨に対する対策を立てなければ松くい虫対策というのはないのと同じ、こういうかっこうになるわけですが、この高温少雨のための松くい虫の異常発生、松の枯損、これに対する対策はどう考えているのですか。
○角道政府委員 お答え申し上げます。 すでに発生しましたマツノザイセンチュウにつきましては、枯損被害が生じました後、秋から冬にかけて伐倒いたしましてその駆除を行いますが、その結果、同時に明年度においては発生が予防される、そういう意味で伐倒駆除等の方法をとることができるわけでございまして、また空中散布以外にも、空中散布が困難な場合には地上散布を行うということをやっておりまして、これらによりまして、マツノザイセンチュウの発生をできるだけ予防していく、マツノマダラカミキリの発生をできるだけ抑えていくという方法をとることにしておるわけでございます。
○馬場(昇)委員 それはあなた方はいままでも四十八年からずっとやってきておるわけでしょう。やってきておって、高温少雨だったからといって史上最高の被害が出ておるわけですよ。だから、私が聞いているのは、その高温少雨に対する対策は持っているのかどうか、持たなければ、どんなに空中散布しても、また高温で雨が少なかったら異常発生するということが出てくるじゃないですかということです。そうしなければ何にもならぬということです。 そこで、大臣が来られたからちょっとおさらいして申し上げるのですけれども、これは担当者にも質問しますけれども、私は鈴木大臣から中川大臣にかけまして、松くい虫の問題についていろいろ質問したのですが、五十二年の八十国会で、松くい虫は空中散布をすれば効果があるのだから法律をつくって空中散布をやるんだ、こういう法律を成立させるために資料が出ておるのです。この資料は、たとえばこういう効果があるのだということで九つ例を挙げてあったのですが、七つが作為であり、改ざんであり、捏造の資料だった。これは鈴木さんも中川さんも申しわけないと言ってお謝りになったのです。 いま、あなたが来られる前に実は質問したのですが、この資料の十三ページに「七、松くい虫が運ぶ線虫類による松林の被害の予測」というのが出ております。それによると、五十一年度は百三万立方メートルの被害があるという数字が出ておるのです。ところが、先ほどの説明によりますと七十五万だったということになっておりまして、ここに三十万ぐらいの数字の開きがございます。そうして、特別対策を講じない場合という予測がございます。 〔羽田委員長代理退席、委員長着席〕 この予測によりますと、ちょうど五十三年度、ことしは、この法律が通らなくて空中散布をしない場合には大体百三十万立方ぐらいの被害が出るであろう、こういう点線が書いてございます。そうして、五十六年には百七十万立方だ。そうして、法律をつくって空中散布をやった場合には、ことし五十三年には大体六十八万立方ぐらいになるだろうというような点線が書いてあるのです。これを見ますと、ちょうどことしの被害というのは百二十七万とおっしゃいますから、空中散布をしなかったときにこうなるであろうと予測した被害がことし出ておるわけです。このことは、あえて言うならば、空中散布をしようがしまいが、ことしは百二十七万か百三十万立方の被害が出るのだ、しなくても同じじゃないかという結果になっているわけです。した場合には六十八万、こういうことになっているわけでございますから、あなた方の予測によりますと、空中散布をしない場合も、した場合も同じだ、こういう数字にこの皆さんの資料はなっております。それが同じではない、やはりすれば効果があるのだというようなことでこの下の方に点線が書いてあるわけですけれども、この資料というのは、空中散布をしてもしなくても同じだと見るのか、そうじゃない場合には、この資料はごまかしでつくってあると見るのか、どっちか以外にないわけです。これについてどうですか。
○角道政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生から御指摘のございました松くい虫が運ぶ線虫によります松林の被害の予測でございますが、これは確かに防除特別措置法の最終年であります五十六年度におきまして松くい虫によります被害が微害型で終息するということで、その当時の目標といたしまして被害量が大体二十万立米というふうに想定をいたしました。 そこで、五十一年の被害の見込み額百三万立方メートルから五十六年度には二十万立米になる、そこで終息させたいというように考えたわけでございます。また、特別対策を講じない場合の被害材積の百七十万立米は、従来の五十一年までの被害量、これを回帰式で延ばしたもの、そうすれば、五十六年では大体百七十万立米になるであろうという一つの予測でございまして、この間、五十二年度、五十三年度でどうなるかということにつきましては、必ずしも、私どもとしてはこれについては何ら申し上げていないわけでございます。 そこで、五十一年度に百三万立米の被害が出るというように見込みを申し上げたわけでございますが、五十一年の実績は七十五万立米、また五十二年の被害の実績も七十五万立米というように、空中散布を行いました結果やはり相当の減少が見られたというように私ども判断しているわけでございますが、五十三年におきましては、先ほど申し上げましたように、全国的に夏季、高温少雨の時期が続く、また地域によりましては無降水日が相当続くというような異常気象が全国的に見られた。そのために、マツノザイセンチュウが非常に活動や増殖が加速されるということになったのが、五十三年の私どもの判断しております異常増加の原因と考えておりますので、この百二十七万立米につきましては、五十三年の特異な異常気象によります被害の増加であるというように判断しておるわけでございます。
○馬場(昇)委員 これはへ理屈をおっしゃいますけれども、じゃ百七十万というのを、その前の年がどうだとか、その前の年がどうだということがわからなくて、百七十万、その線をつないだだけだ、これがこの資料を見れば、これは大臣に見せたいのですけれども……。
○佐藤委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を始めて。
○馬場(昇)委員 そこで大臣、この資料はもう何回もやりましたが、実際にまいていないところにも、こう三カ年まいたら被害がゼロになった、そういう資料とか、資料の数字の改ざんはたくさんあるのですよ。これをまけばこうなる、まかなければこうなる、だからこの法律をつくってまきますよというための資料なんです。この資料をいま大臣にお見せしたのですけれども、これについて、ことしはちょうどまかなかったのと同じかっこうになっているのですよ。これについて、こういう資料については、これはあくまでも何か法律を通してもらいたいためにこういう数字を、点線を書いたのだとお思いになりませんか。この資料というものは本当に正しいりっぱな、また国会議員にあるいは国民に見せて、胸を張って正しいと言える資料とお考えになりますか。大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 私は専門家じゃないので、結論的に言うと、実際のところ、よくわかりませんが、もちろんそれは役所としては、法律をつくってもらいたいという気持ちはあるでしょう。それから、現在の松くい虫の状況から見て、点線で延ばすとこういうふうな被害が出るだろう、それでこれを防除すれば下の下降線のようになるだろう、こう思ったのでしょうね。思ったのでしょうが、茨城県が大量発生して、茨城県でまかないところが多かったという話ですね、聞いてみると。ですから、まあまいて効果がなかったということもないでしょう。私はそれなりの効果はあっただろうと思うけれども、まかないところに大量に発生したことと、思ったほどの効果がなかった、効果が薄かった部分もあっただろうというふうに思いますね。したがって、この資料を改ざんしてっくったということもないでしょうが、効果がこんなにあるというように思い込み過ぎた点があるいはあるかもわからぬ。これは経験値から出したわけではないから、ですから実績じゃなくて、まけばこの程度になるという一つの推測でしょう、下降線の方は。結果的にその推測どおりいかなかったということじゃないか、だから捏造というのじゃないのじゃないですか、当たらなかったということじゃないの。
○馬場(昇)委員 法律をつくるときに国会に出す資料が、これは当たらなくたっていいのだよ、そういうような簡単な資料で法律に基づいて国会に出すということは私は不謹慎だと思うのですが、大臣、あなたにまた三時間か四時間話をすれば、なるほどこの法律をつくったときの資料はいかにずさんだったか、あなたはお考えになると思うのですけれども、ここで前の大臣にも言っておりますから言いませんが、私はここで言いたいのは、やはり農林省、林野庁の考え方というものは、空中散布をすれば事足りると物を考えておったところに間違いがあるのだ。たとえば、いまの原因はまかなかったところは異常発生しただろうと大臣は言われますけれども、先ほどから事務当局が答弁しているのは、温度が高くて雨が少なかったからだ、こういうことが主な原因だと答弁しておるのですよ。 そういうこともございまして、そこで私が聞きたいのは、松くい虫の発生の原因はマツノマダラカミキリが運んだマツノザイセンチュウだ、それによって松くい虫が発生するということ、それはそうでしょう。しかし、総合的なものであって、たとえば雨が少なかったからといって、松というのは干ばつに強い木なんです。これはだれでも知っているのです。そういう中で、果たして高温だから、少雨だからつて、原因があるかどうかわかりませんが、たとえば皆伐をしてその付近の自然生態系が壊れておったとか、あるいは環境が汚染されておったとか、あるいは大気の汚染だとか、いろいろの原因でもって松枯れというのが起こってくるんだとわれわれは主張したわけですが、当然そうだと思うのです。たとえば、ずっとまいておって、ところが、まかなかったときの予測と同じくらいなのが五十三年に出たわけですから、これはやはり原因がほかにもいろいろある。たとえば、あなたが言った高温少雨もある、それも原因になろうという中から松枯れの原因の総合的な解明といいますか、そういうものをやるべきじゃないか。附帯決議にもそれが出ているんです。私たちが法律を通しましたときに、松枯れの総合的な原因を速やかに究明をする、こういう附帯決議がございますし、特に天敵の利用その他の松くい虫に有効な駆除方法というものもありまして、何も空中散布が唯一のものでない、そういうことを早くやりなさいということを言っているわけです。だから、ちょうどまかなかったと同じような結果が出た五十三年のこの実績を見て、大臣、やはり松枯れの総合的な原因究明だとか天敵等の利用による総合的な駆除の方法だとか、これをいま少しきちっとやって、真の松枯れ対策というものをここで考えるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 全く私もそのとおりだと思います。先ほどもこの資料の問題であなたからおしかりを受けたという話を私は聞いたんですが、何でそんなに食い違いがあるんだねと言ったら、昔は松くい虫というのは上から食われてしまうんだと思っていたらしいんだね。中から枯れるんだということがわかったのは最近だというんだよ。そんな、いまごろまでわからなかったのですかと言ったら、わからなかったと言うんですな。技術者がそう言うんだから私ども素人はそう言われればそれまでの話で、しかし、それじゃ大変なことになりますから、あなたのおっしゃるように、天敵利用も必要でしょうし、それから誘引剤の高度利用、こういうようなこととか、薬剤の樹体内への注入とかいろいろなことが考えられる。そういうようなことは、私は専門家じゃないので一々指図はできないが、お金の面はとってあげます、予算は私の責任でできるだけとりますから、金は糸目をつけないであらゆることをひとつ研究してもらいたいということはかねて指示はしてあるんです。したがって、いろいろな害虫が何で発生するかということは、赤潮みたいなもので、私たちの気のつかないいろいろな原因があるのじゃないかと私は思う。したがって、これに対しては極力早く、学問のことですからきょう、あしたというわけにはいかぬでしょうけれども、林野庁にとっては一番重要な問題の一つなので、あなたの言うような趣旨も生かして研究をしてもらうように今後も努めてまいりたいと思います。
○馬場(昇)委員 いま私は少しくどくなりましたけれども、まだ言いたかったのですが、時間がありません。その松枯れの原因というものについて、問題点を提起しながら五十三年の実態を指摘して、原因について正しい総合的な究明をしてくれということで、大臣はそれをやるとおっしゃったわけです。 次にもう一つ、薬剤の問題について申し上げたいのですけれども、五十一年度はスミチオン原液を二百六十三キロリットル購入しておるわけです。それから、NAC、セビモールを九十六キロリットル、五十一年は原液を購入しておるわけです。五十三年度になりますとスミチオン原液が五百キロリットル、セビモール、NACが二百九十四キロリットル、こういうぐあいにしてだんだんNACの使用量がふえております。どうしてこのNACの使用量がふえたのか。スミチオンに比べて比率がいま三分の一以上になって、もうそろそろ半数、追いつこうというようなところまで来ているのですが、スミチオン原液よりもNACの方がふえておる原因は何かということをお知らせください。
○角道政府委員 お答え申し上げます。 NACの使用量がふえております原因につきましてはいろいろ考えられるわけでございますが、私どもといたしましては、特別防除に使用する薬剤については、種類あるいは使用方法につきまして、特別防除の仕方ということで林野庁長官通達で各県に指導しております。ただ、その場合、薬剤の選定につきましては、NACにするかあるいはMEPにするかは関係都道府県が地域の実情に即して適切に行うということになっております。 ただ、NACとMEPの使用上の効果の点で若干違います点は、NACの場合にはヒノキには余り影響がない。ただし、MEPの場合には、松林にヒノキが混在している場合にはヒノキに影響があるという点から、ヒノキに影響が生ずる場合にはMEPではなしに原則的にNAC剤を使用するということを指導しておるわけでございますが、どちらを使うかは個々の実情に即して都府県が判断をしているわけでございます。 そこで、NACがなぜ増加しているかということにつきましては的確な理由はございませんけれども、たとえば五十一年度の空中散布面積が五万三千ヘクタールから五十三年度には十万四千ヘクタールにふえたということを先ほど申し上げたわけでございますが、防除面積が一般的にふえている。また、NAC剤の特性といたしまして、MEPのように希釈をしないで原液のまま微量で散布できるということがございまして、水利の便の悪いところでもこのNAC剤は使えるという点がございますし、先ほど申し上げましたように、ヒノキについての影響は少ないという点も一つの理由かと考えております。
○馬場(昇)委員 時間がないのですから、質問しなかったことは答弁しなくてもいいですよ。 そこで聞きますけれども、これは都道府県に任せているということですから林野庁、農林省は関係していないのでしょうけれども、このNACとスミチオンとの毒性の比較というのはどうなっているのか。どちらが強いのか弱いのか、同じなのか、どうですか。
○二瓶政府委員 NAC剤の安全性でございますが、これにつきましてはスミチオン剤と同様に、わが国だけでもございません、国際的にも一般的に低毒性の農薬という評価に相なっておるわけでございます。 そこで、NACとスミチオンを比較して細部まで見ればどういうことになるかということでございますが、安全性の面ということで比較いたしますと、一つは、まず急性毒性でございますが、この急性毒性の面ではNAC剤の方がやや毒性が強い。しかし、慢性毒性、それから魚毒性の面ではスミチオンの方が毒性がやや強い、こういう結果が数値的には一応出てまいっております。しかし、いずれもとりたててその差を論ずるほどのものではない、数値をながめますとそういうふうにも見られます。したがいまして、両剤の毒性についてはおおむね同程度と見て差し支えない、かように考えておるわけでございます。
○馬場(昇)委員 NACの方がやはり急性毒性が強いということをいまおっしゃったのですが、総体的には同じだとおっしゃいました。私どもが聞いておりますのでは、やはりNACの方が毒性が強い、そういうぐあいに聞いているわけです。だから私は、毒性の強いのがなぜふえているのだろう、こういう疑問を実は持っているわけでございますが、ここで議論する時間がございませんので、その辺についてもう少し具体的な資料を後でお示しいただきたいと思います。 次に、薬剤の散布について申し上げたいと思うのです。 具体的に申し上げますけれども、兵庫県の川西市の問題でございますが、あそこは約六カ所、六十ヘクタールにわたりまして警告なしに散布をした事実がございます。これにつきまして、川西市の農林課が県と相談の上、当初予定した地域より被害の大きな地区に散布地域を変更した、住民に連絡を忘れたのは全くの手落ちだ、こういうことを川西市の農林課は言っておるわけでございます。このことは手落ちで済むのか。法律にはちゃんと、まくときにはこうこうこういう手続をしなさい、また国会論議の中でも、農林省、林野庁はわれわれにたくさん約束しておるのです。これはまさに法を無視した行為だ。 このことについていかなる措置を講じられたか、どう思っておられるかということについてひとつ聞いておきたい。
○角道政府委員 お答え申し上げます。 川西市につきまして、いま御指摘のような事実があったことは私どもも承知をしておりまして、従来からこの空中散布に対しましては事前に現地で関係住民に十分周知をするように、また徹底するように指導しておりますし、また散布に当たりましては事前に確認飛行をやるとか、十分パイロットに指示をしまして、計画どおり適確に散布を行うように厳重に指導しておるわけでございますが、それにもかかわりませず川西市でこのような事例が発生したということについては、私ども指導につきましてはなはだ残念に思っておるところでございまして、関係県に私どもの方から厳重に注意してございまして、このようなことが二度とないようにしたいと考えております。
○馬場(昇)委員 次に、これは同じく川西市の問題ですが、あそこに清和台台地といって、私ここに地図も持ってきておりますが、そこの上水道の貯水池に隣接しておるところ、これは隣の猪名川町というところがまいたわけですけれども、その川西市の清和台台地の貯水池のすぐ近辺、これは隣の猪名川町ですけれども、そこが近所に農薬を散布した。だから、その貯水池の水をとってはかってみたところが、スミチオンの検出量が〇・一一ppbだったという資料を私持っておるのです。このことも法無視の散布ではないかと思うのですが、どうですか。
○角道政府委員 ただいまも御指摘のとおり、私どもとしましては自然環境なり生活環境には十分注意をしながら散布をするようにという指導をしておりまして、御指摘のように、井戸、水源等には薬剤が飛散しないように十分注意しろということを指導しているわけでございますが、この川西市の事例につきまして、詳細、私どももいま御指摘の点ございましたので、なお把握をいたしまして十分な措置をとりたいと考えております。
○馬場(昇)委員 大臣、この法律を五十二年に審議するときには、物すごく毒性があるからということで、毒性の問題も大分議論したのです。そして、慎重にやるということで、たとえば犬も外に出すなとか何を出すなとかいうぐあいにしてやって、そして、いろいろ注意してやることになったのです。 いま二つの事例を申し上げたのですが、こういうことはほかにもたくさんあるのですよ。そうしますと、林野庁とか農林省は、それはもう本当に残念でたまらない、厳重に注意する、このことで済ませていいものかどうかということを私は思うのですよね。たとえば、私に言わせれば、違法行為を犯したと言って間違いはないと思うのです。残念でした、今後こういうことを起こさせないように、そんな態度がこういうことがどんどん起こることにつながるのではないかと私は思うのですが、この点について大臣どうでしょう。
○渡辺国務大臣 農薬の空中散布は、他の人畜の被害、他の作物との関係、これは密接な関係があるわけですから、慎重な上にも慎重にやらなければいけない、かように考えております。できちゃったことはいまさら取り返しのつかないことであって、事実できちゃったことなのですから、それはもう謝る以外には方法がございません。このようなことを二度と繰り返さないように特に注意をさせたいと考えております。
○馬場(昇)委員 こういう問題は、いまも言ったように、上から特に注意してもらっても結構なのですが、こういうことを知っているのは地元住民なんですよね。だから、地元住民の意見を聞けば、こういうことは相当防げると私は思うのです。そういう意味において、上からそうしてはならぬとともに、地元住民の意見は必ずよく聞くという態度をとればさらに防げるわけですから、そういう地元住民の意見を聞くという態度はとっていただけますかどうか。これは大臣です。
○渡辺国務大臣 それは、どこに池があるとか何があるなんということは地元の人はよく知っているしいたしますから、十分に地元住民の意見を聞いて、そして慎重な計画のもとに実行すべきものである、そう思いますから、今後ともそうやらせたいと考えております。
○馬場(昇)委員 そこで、またその原則の上で質問をするのですけれども、愛媛県の松山市の問題があるのです。農薬の空中散布というものにいろいろ疑問を持ちまして、農薬の空中散布について考える母親の会というのが松山にできているのですけれども、ここで安全性の問題その他を心配して、とにかくいろいろ話し合うために、まず散布の計画を中止してくれないか、そして、こういう質問があるからこれに答えてください、安心したらいいわけですけれども、まず質問に答えてください、それまで中止してくださいというような行動が行われておるのです。ところが、それを無視してまず空中散布が実は松山市で行われたわけでございますが、そうしたら、まず子供の通学時にヘリコプターからまかれているのですよ。そして、その散布区域から実は七百メートルか八百メートルぐらいのところにある幼稚園とかお寺などの子供の遊ぶところ、そういうところからでもスミチオンが検出をされておる。第一回目が行われたときに、こういうことはやめてくれないかと言われて要望書が出ておるのですが、通学時にまいたとか幼稚園に飛散したとか、こういうことが実は行われておるわけでございますので、これは大変だということで、二回やるわけですから、二回目はもうちょっと話し合ってくれないかということで、この団体が約三千名ぐらいの署名を集めて市長なんかに出されました、第二回目は中止してくれと。これは何も市長ばかりでなしに、農林大臣にも嘆願書が出ているのです。環境庁長官にも嘆願書が出ているのです、去年の六月二十二日付になっていますけれども。林野庁長官にも嘆願書が出ている。一回目やったらこうだった、だから二回目は中止してくれという嘆願書が実は出ているわけです。それにもかかわらず第二回目も強行されたわけです。 こういう実態が実はありますけれども、先ほどの大臣の答弁、そしてまた私どもがこの国会で議論しましたときに附帯決議がついているわけです。その附帯決議には「関係地域住民の理解を得て実施すること。」これは原則だ、こういうぐあいな附帯決議もついておりますし、それから「薬剤の安全かつ適正な使用」「環境の保全」云々ということで附帯決議もついております。それから、私がこの委員会で大臣に質問をいたしましたときに、そういうときには話し合いをして理解を得てするのだ、強行することはしないのだというような答弁も実は行われておる。 この松山の例というのは私ははなはだ遺憾だ、こういうぐあいに思うのですが、これについて大臣の御見解と今後の御指導をお願いしたいのです。 これは大臣に質問しているのです。簡単にやりなさいよ。
○角道政府委員 松山市の空中散布の事例につきまして私ども承知しておりますのは、五十三年度に実施計画としまして百五十ヘクタールを予定したわけでございますが、地元等の被害防止等も考えまして、実際に実施をしたのは百二十一ヘクタールでございました。六月五日に百ヘクタール、六月六日に二十一ヘクタール、その後二十九ヘクタールは実行しなかったというふうに聞いております。 この細部については私ども事実を承知しておりませんので、いまの点につきましてなお早急に松山市に照会しまして、この事実を確認した上で、さようなことのないように処置をしたいと考えております。
○馬場(昇)委員 事実を承知していないという答弁をだれが聞こうと言ったのですか。私がいま言ったことは、大臣、こういうことがあってはならないと私は思うので、その辺について大臣の指導方針を聞きたいわけです、私が言った事実について。これは事実が違えばまた別と考えてもいいのですけれども。
○渡辺国務大臣 農薬の散布については、地域住民の健康の問題とも関係あることですから、できるだけ地域住民と話し合いをして、理解が得られるような努力をしてやらなければいかぬ。したがって、われわれとしては地域住民の意見を聞いた上で実施をするようにという指導をしておるわけであります。したがって、一人でも反対があった場合はやらぬかと言われても、全体の人の意向も考えなければなりませんから、それはなかなかここでお約束はできませんが、しかしながら弊害は極力ないようにしなければならぬ、これも鉄則だと思うのです。したがって、地域住民の意見も十分聞いた上で実施をするように今後とも指導を重ねてまいる所存でございます。
○馬場(昇)委員 大臣、一人でも反対があればするなと言っていないのですね。たとえば、子供の通学路のところに飛散する、幼稚園とか遊び場の寺なんかにも飛散した。そして、三千人以上の人が二回目は中止してくれと言われた。これならば一人の意見ではないわけですから、当然そのことを話し合いをしなさいという指導があってしかるべきだと思うのですよ。だから、決して一人でもという意味で言っているわけではないのですが、松山のこういう状態のときには、話し合って、納得かできなければ今回は中止ということで——こういうことで中止しておる県もたくさんあるわけですから、そういうことについてどうですか、もう少し大臣の決意を聞きたいのです。
○渡辺国務大臣 かなり多くの関係者の方からそういうような正確な御要望があるという場合には、そういう御要望は十分尊重さるべきものと考えております。
○馬場(昇)委員 この前の国会で中川大臣、その前の国会で鈴木大臣とも約束したのですが、松くい虫の空中散布には問題があるのです。いま私は三つ、四つの点を申し上げましたが、松枯れの原因がまだ総合的に究明されていないという問題、まいておって史上最高の被害も出るという状態もあるわけですから。それから、薬剤の安全性というものもまだまだ十分——これは百害あって一利なし、天敵を殺すだけだ。だから、空中散布をした、そこはいいけれども、その近所に天敵がおらなくなって異常発生をするというデータもあるわけですし、そういう問題も含めて薬剤の安全性、これは天敵だけ殺してしまってほかに益がないじゃないかという研究結果さえもあります。それから、たとえばいま言ったように、住民の意思を尊重するというような問題、それから、どんなに注意しても無差別な散布が行われているという状態、こういうことがございますから、この前の国会でも一応執行を停止して、もう少し研究を重ねてやるべきじゃないか。しかも、資料が改ざん、捏造、作為というのが——きょうは大臣認めなかったけれども、前の大臣はそういうところは確かにまずかった、間違っておったということを認めているわけです。そういうこともあって、執行を停止するかしないかということは立法府の問題でございますから、立法府のこの委員会で議論して決めてください、それに従いますと、当然のことでしょうけれども、大臣はそういう答弁をしているのです。 そこで、時間がございませんけれども、われわれは国会の中で、これは執行を停止しながらすべての究明をまずやって、それからまた考えるということを——松くい虫の空中防除でなしに本当の松枯れ対策、たとえば伐倒をどうするか、金をとるとおっしゃいましたが、伐倒駆除が一番いいのですよ。伐倒する、焼く、これが一番いい。しかも、その跡地にまたどういうものを植えるとか、本当の松枯れ対策、そして山づくり対策、そういうものをここで考えるべきだと思うのです。 そういう点について国会の議論は国会で行われますけれども、ぜひ私どもの意のあるところを大臣に理解しておいていただきたいということを申し上げて、この問題は終わりたいと思うのです。 そこで、第二の問題として、これは大臣にお聞きいたしますけれども、民有林労働者の振動病対策についてでございます。 これは休業治療中の労働者が労災の休業補償金を受けて休業治療しておるわけですけれども、主治医の方から軽労働につきながら治療継続という意見書が出た場合の対策について実はお聞きするわけでございます。 軽労働に従事しながら治療継続という意見書が出ますと、大体通院治療というのは週に一回か二回やっておるのが普通でございます。そういたしますと、通院するに週二回といたしましても月に八回になるわけですけれども、休業補償というのはこの通院した八日分しか実はその人はもらえなくなるわけでございます。三十日分もらっておったのが通院した日だけの八日分になるわけでございます。ところが、そのときには軽労働しろというようなことでございますけれども、これは大臣御存じのとおりでございまして、こういう山間地域には軽労働というのは余りないわけですよね。それからまた、週二日間病院通いをするような人を雇いましょうというような雇い主というか、職場というものも実はございません。そうなってきますと、本当に八日分の休業補償しかもらえないという状態に陥ってしまって、これでは働く場所もないし、生活ができなくなってしまう、こういう状態が実は出るわけでございます。そういう状態になるのか、そうならなければ、通院治療ということをしなくて、治療放棄をしてしまって一カ月まるまる勤めるという職場を選ばざるを得ない。そうなりますと、せっかくよくなりかかりました振動病がよくならないし、治療放棄ということに実はなってしまうわけでございます。治療放棄になりますと、たとえば症状が固定した場合に出る障害補償というのも実はもらえない、こういうような状態も出るわけでございます。 そこで、これは大臣の人間性といいますか、特に山林労働者の立場に立って行政をしていただくという立場に訴えたいわけですけれども、第一点は、ぜひ労働省等と相談なさって、軽労働しながら病気を治療しろという医者の診断ですから、そのとおり従うならば、実は山間には労働する場所がないのですから、労働省と農林省、林野庁と話し合われて、そういう人たちのための軽労働の職場というのをぜひ確保してもらうように精いっぱいの努力を大臣にお願いしたいというのが第一の質問であり、要望であるわけですが、大臣、いかがでございますか。
○渡辺国務大臣 確かに山岳、山林地帯ですから、なかなかいい職場が、軽労働に適するものはすぐはないと思うのです。ないと思いますが、そういうような方がおられることも事実なので、そういうことについては、もちろん労働省とも相談いたしますが、農林省としても、振動障害対策推進関係省庁連絡会議というのがありますから、こういうような場所において、何らかの対策が講ぜられるように今後とも努力をしてまいるつもりであります。
○馬場(昇)委員 いま私は、主治医、お医者さんが言われたとおりで、軽労働しながら通院しなさい、軽労働の場所を探してくださいとお話ししたのですが、関係省庁の会議でそういうことも考えるという御答弁でした。 それとともに、もう一つお願いしておきたいのは、これは労災保険の改正をしてもらって、たとえば軽労働しながら通院しろというのが主治医から出た場合でも、軽労働というのを治療の一環と考えるということで、だから軽労働すると収入があるわけですけれども、その収入と労災の給付というものをたとえば相殺しながら、軽労働可というのはこれは全部治療だ、そこで軽労働して収入があったとした場合には労災の給付と相殺するというような考え方でもって、完全な体となるまで労災給付でもって治療をする、完全によくなるまで労災給付で治療が継続ができるようにしていただくという、これはたとえば法改正だと思うのですけれども、そういうことも、いま言われた場といいますか、特に労働大臣がこの法律の担当大臣でしょうから、林野の労働者は農林水産大臣の担当ですから、そこで法改正を含めながらそのことも考えていただきたい。というのは、これはいいというわけじゃありませんけれども、現実は実は国有林の労働者はみなそういうかっこうになっておるわけですね。国有林の労働者は身分は継続しておりますからそういうかっこうになっておるのです。同じ山林労働者で振動病にかかったという者が、やはり民有林の労働者でも国有林と同じような救済の方法がとれるように、これはやはり法改正というのは必要じゃなかろうかと思うのですが、その法改正の、できれば職場があればいいのですけれども、それも余り十分ないと思いますし、そういう法改正の側面からも、農林大臣はやはり労働大臣等と話し合いをして実現の方向で前向きでやっていただきたいと思うのですが、これはいかがですか。
○渡辺国務大臣 その問題は、これは実はもう労働災害法の基本問題なんです。御承知のとおりです。軽労働とは申しながら就業している者や、軽労働に従事可能でありながら就業していない者、こういう者に休業補償を出すということは、これはもう労働災害制度の基本問題、非常に論争のあるところでございます。したがいまして、事が重大でございますし、私の方の所管外でもございますから、検討はいたしますが、これはなかなかむずかしい問題ではないか。われわれでもできるところは、農林省、農林大臣としてできることは、できるだけそういうような関係省庁との連絡会議において、軽労働のできるような問題で農林省が何か御協力できないかということで、これは鋭意検討させてもらいたい、こう考えております。
○馬場(昇)委員 山づくりという基本は、やはり山で働く労働者、働く人を大切にすることだと思うのです。そして、山にどれだけの地下たびの足跡が残るか、これが最大の山づくりだと思うのです。だから、山で働く労働者というのは、頼りとするところは農林水産大臣、あなたですよ。だから、はっきりわかりませんけれども、民有林の振動病罹病者も十万人を下らないのじゃないかとさえ言われておる今日、やはり本当に職場がない、食えないという状態ですから、職場があればいいのですけれども、職場を見つけるように努力するとおっしゃいましたけれども、それができないときには、やはりむずかしい問題であっても法改正というものについても、それは農林水産大臣の権限じゃないかもしれません、担当じゃないかもしれませんけれども、国務大臣という立場もありますし、少なくとも労働大臣等とそういう問題について前向きで相談していただくということはいかがでございますか。
○渡辺国務大臣 林業関係の労働者の問題についてはわれわれは非常に重大な関心を持っておるし、できるだけのことはしてあげなければならぬ、こう思っております。思っておりますが、事労働法の関係は、結局農林の問題だけでなくて、いろいろな職場に同じようなのがあるわけですよ。要するに、軽労働ならいいよというのは何も振動病だけじゃないですからね。あらゆる病気についてそんなことが言えるわけです。ですから、事が非常に重大な問題でもあるし、所管外でございますから、私からは何とも申し上げられないということを申し上げたのです。これは労働全体の問題ですからね、振動病だけじゃないですから。ですから、私のできることはできるだけ、山で働いている人は都会にも来れないことでもあるし、その地域で何か軽労働ができるようなことを農林省なりに何か考えよう、そういう努力はいたしましょう、だけれども全体の問題で労働省の問題としては、振動病の人だけは軽労働も休業補償をやるんだ、じゃほかの病気の人はどうなるんだと。あらゆる業種にあるわけですからね。もう一週間のうち三日来ればいいよ、あとは少し軽労働をやりなさいという問題がありますから、これは国全体の問題なので、どういうふうな考えを持っていますか、労働大臣と相談してみます。相談してみますが、私がここでどういうふうにするか、私知識もないし、管轄外でもありますから……(馬場(昇)委員「相談してくれというのです」と呼ぶ)相談はしてみます。
○馬場(昇)委員 時間が経過いたしましたので、次の問題に移ります。ぜひいまの点は、いろいろなことはわかるのですが、国有林労働者はぴしゃっと解決と言ってはおかしいのですけれども民有林労働者と違うわけで、国有林労働者と同じ労働者ですから、ぜひ考えてもらいたいということで、労働大臣と相談してみるということですから、そうしていただきたいのです。 次に、国有林材の売り払い方法についてお尋ねしたいと思うのです。 これは大臣、国有林材の売り払いの方法についていまからお尋ねをいたします。 国有林材を、これは国の財産ですから、有利に販売するということが重要な施策であるということはもう間違いないことですが、私がここで言いたいのはその一部分の問題ですけれども、私は、これはやっぱり国民の山ですから、そしてまた地元にはいろいろ関係があるわけですから、地元住民とか地元の中小零細工場等に対して随意契約の特売はいいと思うのです。また、すべきだと思うのですが、そういう地元の住民とか地元の中小零細工場、この人の生活権というものの立場は認めて、そのほかは、これでものすごく利益を上げるとか何とかということなんかあるわけですから、国有林材を販売する原則は一般競争入札を原則とすべきであると思うのです。そういう地元のものを除いて、一般競争入札が原則であると思うのですが、これは大臣どうですか。
○渡辺国務大臣 私は、大臣になる前に、全部入札しろと言ったことがあるんですよ。ところが、それをすると、いまあなたが言ったように、地元でそれで飯食っている人があるというのですよね。全然別の県から来て高くぶっ込んでみんな持っていかれちゃうということになると、切る材料は決まっているから地元の業者は干上がっちゃう、そこで全部一般競争にはなかなかできないと、こう言っておりました。それも聞いてみればもっともなことだなと思っておるのですが、いま国の方としては、銘木などの高品質材、パルプ用材等の原木については、これは原則として一般競争入札、それから建築用材の一般材については、いま言ったように、地元関連企業の国有林への依存度など、地域的な特性を考えながらそういう例外もあるが、その他は一般競争契約による販売の割合をふやすようにしていますと、大部分そうじゃないが、そういうものをふやすようにどんどん広げてまいります、それから間伐材等の需要について特殊な人しか使わないというようなものについては主として随意契約といたしますと、こういうようなことでやっておるわけでございますが、漸次一般競争契約の販売割合というものはふやす方向に持っていきたい、こう考えています。
○馬場(昇)委員 最初例はよかったのですが、すべて一般競争入札にしろということは、競争入札というのを原則に考えておられるんだなということはそれでわかりました。しかし、原則に考えておるという答弁はなかったのですが、個々の話が出たんですけれども、実はこれは昭和四十七年の林政審議会の答申もそうなっていますね。一般競争入札を原則というような立場の答申でございます。四十八年の行政管理庁の改善勧告もそういう方向で実は出ておるわけでございますが、四十七年に林政審答申があって、四十八年に行管の改善勧告があったにもかかわらず、現在ほとんど改善をされておらないという実態なんですよ。だから、大臣の言う原則も生かされてきていないし、そして林政審の答申や行管の改善勧告も生かされていない。言うならば、今日立木販売では——むずかしい数字を大臣に言っているのじゃないのです。大臣の基本姿勢を聞いているのですから、横からちょこちょこあなたは言わぬようにしてもらわぬと。実は本当に私は言いたくなかったのですけれども、後で私は林野庁長官に質問するのですが、長官が座っていない。長官が座っていないのみか、次長がおってちょこちょこ言って、大臣は質問を聞いていないじゃないですか。注意しておきなさいよ。 そこで、その二つの答申とか改善勧告があったけれども、一般競争入札が改善されていないという事実があるのです。たとえば、いま立木販売の七〇%と素材販売の四〇%が実は随意契約になっておるのです。四十七年、四十八年のこういうことがあったにもかかわらず、ちょっとぐらい一般競争入札がふえたかもしれませんが、ほとんど改善されていない。 そこで私は、一般競争入札の原則に近づけるように改善するということを具体的な計画でもつくって進めるべきではなかろうかと思うのですけれども、大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 立木販売については、一般競争契約の比率というのは昭和四十七年二〇%、それがだんだん上がってきて五十二年には二九%になっているわけですから、これは五割ぐらいふえているわけですね。それから、素材の販売については、一般競争契約は昭和四十七年三七%だったものが四四、四九、五七、六二、六〇となってきておりますから、これはやはり一般競争の方が構成比で言うとふえてきているのじゃないだろうか、私はこう思います。したがって、林野庁としても一般競争をふやす方向で努力をしておる。何で指名競争が少なくなっているのかよくわからないのだけれども、やはり競争によって公正な販売をするというのが原則ですから、地元とか特殊なものを除いては一般なり指名なりの競争入札にしていくというのが原則だと思いますので、そういうような方向で今後も進めてまいりたいと考えます。
○馬場(昇)委員 四十七年の林政審答申、四十八年の行管の勧告、そのころ七〇をちょっと超しておったのが五十二年、ことしになって七〇になった。改善されておるといま大臣は言われました。これは私は改善されておると受け取れないのです。 そこで、はっきり問題になりますのは、随意契約というのはやはり安いわけですよ。随意契約が安いということは一般競争入札が高く売れるわけですから、どちらかと言うと林野庁は売り払い方法で国に損害を与えておる、あるいは収入を得ようとする経営努力を怠っておる、こう言っていいわけです。たとえば、私どもの計算では、随意契約というのは一般競争入札よりも大体二割方安いのです。五十一年度で概算してみますと、立木販売で九十七億円ぐらい実は損をしているのです。素材販売で七十六億円ぐらい収入が少なくなっている。だから、五十一年度ペースで言って、随意契約で百七十三億円ぐらい収入が少なくなっている、安売りしておる、こういう状況です。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 最近で一番木材が上がりました四十八年を例にとりますと、立木販売で二百十五億円、素材販売で百六十五億円、合計三百八十億円、一般競争入札にいたしますとこのくらい収入がふえてくる、随意契約のためにこのくらい収入が入ってきていない、こういうことになっております。これはいわゆる国損であり、そして経営改善の努力なしと言わざるを得ない。こういう面から見ましてもさっきのパーセンテージはわかるわけですけれども、この辺について、大臣、どうお考えですか。
○角道政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のとおり、随意契約と一般競争入札契約におきまして値開きがどのくらいであるかということにつきましては、立木販売につきまして、大体一般競争契約で一二五%、随契の場合には一〇四%ということで約二割の差がございます。素材販売につきましては、一般競争契約の場合は一一三%、随意契約の場合には一〇六%ということで七%程度の値開き率でございます。 ただ、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、随意契約につきましては、地元産業の育成あるいは地元振興のために、やはり国有林材に依存しなければならないような小規模の製材業者、素材生産業者というものを対象に安定的に原材料を供給する必要があるという観点から、やはりどうしても随意契約によらざるを得ない場合がございます。また、最近の特徴といたしまして、競争契約の場合にも不落札のものが大分ふえてきております。これは不落札の結果やはり随意契約によらざるを得ないということもございまして、随意契約による分は相当額あるわけでございますが、先ほど先生御指摘のように、私どもも、一般競争契約に切りかえることができるものにつきましてはできる限り速やかに切りかえるという努力をしておりますので、そういう方向におきまして今後も改善を進めていきたい、かように考えております。
○馬場(昇)委員 言葉だけで聞きますときれいなように聞こえますけれども、実態があなた方のは伴っていないのですよ、四十七年から先、何回も言っておるとおりでございまして。そしてその間、たとえば四十八年には三百八十億も入ってくるのを随意契約で安く売っておる。そして、五十一年には百七十三億。私どもの試算でそうなるのです、二割方安いものですから。そうして、一般会計から四十億円なら四十億円入れる。だから、営林署を六つも七つもつぶさねばならぬ。自分たちが経営改善とか収入を増すようなことはせぬでおいて、そして犠牲をたとえば国民に負わせるということじゃ納得できないのです。だから私は、はっきり申し上げますと、そんな抽象的な言葉じゃなしに、たとえばあと三年なら三年で立木販売、素材販売含めまして少なくとも八割とか九割とか——とにかく私ともも安定的に地元の人に供給するという随意契約はわかるのですよ。地元民とか地元の小さい工場とか、わかるのです。それをしろとは言わない。しかし、少なくとも私どもの判断では八割ぐらいはやはり一般競争入札にしていいのだ、あるいは九割ぐらいまではいいのじゃないかというぐあいに思うのですよ。 だから、具体的に聞きますけれども、ここ二、三年のところで立木、素材販売で八割か九割の競争入札、やはりそこまで持っていくように努力すべきだと思うのですが、これはどうですか。
○角道政府委員 先ほども申し上げましたように、随意契約につきましてはやはり随意契約の持っております特性がございます。私どもとしましては、切りかえられるものにつきましては極力一般競争販売契約に切りかえていくという努力はいたしますけれども、具体的に二年先、三年先に八割あるいは九割ということにつきましては、いろいろまだ問題がございますので、具体的な計数についてはどうこうということは現段階では申し上げることはむずかしいと考えております。
○馬場(昇)委員 もう一つ問題を出してから、この問題についても後で大臣にまとめて聞きます。 次は、委託販売の問題です。この委託販売というのは、これは結論から言ってもうやめるべきだと私は思うのですよ。この委託販売をいたしますと、これは六%の委託手数料と四%の経費のむだ遣い、国損だと私は思います。私どもは常に、この委員会でも、この委託販売はもうやめてはどうだというような質問もしておるのです。にもかかわらず、経営改善の努力をしなければならぬといって、労働者にはしわ寄せというようなかっこうが出てきて、営林署の廃止なんかやって住民に犠牲を負わせながら、この委託販売なんかはどんどんふえているのですよ。四十七年に五万五百立方だったのが五十二年には十二万四千三百立方にふえているのです。たとえば、五十二年にはこれで約十億ぐらいの手数料というのを払っているわけです。わざわざ貯木場に積んである国の材木を運賃をこちらで持っていって売ってもらって、そこに手数料を払う、何でこういうことをしなければならないか。そこで十億円ぐらいの国損を毎年やっている、こういうことでございますので、私は、この委託販売というのはやめた方がいいのじゃないかと思うのですが、大臣、これはいかがでございますか。
○渡辺国務大臣 最初の、一般競争を広げろという話ですが、これは広げる方向でやります。いまも限定一般競争とか言っているようですが、一方皆さんの中からも、やはり地元業者なんかをめんどうを見ろという話があるわけですよ。地元業者というと、山に業者がついているようなもので、その人たちはもう何十年間という長い間やってきているものですから、一遍に切るわけにはもちろんいかない。それから、奥地の立木を販売するということになると、やはりそこになれたような人がいいということもありまして、どうしてもそれは残さざるを得ないというのが現状だろうと私は思います。実際問題それは日本国じゅう全部そうじゃないか。しかし、余り癒着があって、そこへ特定の利権を与えるようなことをやらしておいてもいかぬ話です。だから私は、そこのけじめはきちんとしなさいということを言っているのです。ですから、その点はかなり厳しくやるようになって、そのかわり林野庁長官が参議院に立候補できなくなったりするということもあるかもしらぬ。あるかもしらぬが、私はそこはきちんとけじめをつけなさいと言ってやらしてきているつもりです。 それから委託販売、これは私、ちょっと考えが違うのです。 それは確かに運賃をかけてともかく都市まで持ってくるというけれども、メリットがなければ持ってこないわけです。やはり民間の人も市場はかなり利用しているわけですよ。市場というものは民間の人も利用している。普通、菜っぱだって大根だってみんな市場を利用して、そこで品ぞろえさせたりいろいろなことで、顧客がうんと広いところから集まってくるということで比較的売れ残りがなかったりして非常にいいのじゃないか。したがって私は、この委託販売の問題は、これはむしろある意味では非常にいいのじゃないかという気もするのですがね。これはやめる必要ないのじゃないかと私は思います。そこがちょっと馬場さんと意見が違うのです。
○馬場(昇)委員 時間が来てしまったのですが、いまの意見は、私はやはり違います。だから、もうやめていいのじゃないかという意見を持っているのです。 一般競争入札が原則だということで、地元に迷惑をかけないということはわかるんですが、やはり八割ぐらいなら八割、九割なら九割にして年度別にそっちへやってもらいたい。 委託販売でも、このことによって、実は私の計算で五十一年度が百七十三億、四十八年度は三百八十億、それから委託販売の手数料というのは毎年十億。大臣がいまはからずも癒着という言葉、参議院選挙ということを言われましたが、私もそれを疑っておるし、事実そういうこともないわけじゃなかろうと思っている。というのは、やはり大臣、この随意契約と委託販売というのは、どちらかと言えば木材業者に対する形を変えた援助金だと言っても言い過ぎじゃないというような実態があると私は思うのですよ。そうして、そのことを考えますと、実はそういうところに、農林省の高級官僚じゃありませんが、営林署のだれさん、だれさんというのがたくさん天下りしているのですよ。極端に言うと、どこの市場に営林署のだれを採ってもらった、どこの木材業者に営林署のだれを採ってもらった、まあ持参金というのですか、そういうために委託販売だとか随意契約だとかいうことが使われることがないわけじゃないのですよ。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 そして、先ほど言われましたように、林野庁の長官かだれか知りませんが、どこかに農林省関係の人が立候補しますときは、そういうのがふえてきているのですよ。それは統計があります。だから、選挙とも無関係ではない、こういうぐあいに私は思うし、そういう不明朗な点もあるからという点も含めて実は私は先ほどから言っておるのです。 そこで、この問題については議論になりますからやめますけれども、それを私は明らかにすべきだと思うので、これは資料を要求しておきます。林野庁の職員が現時点において取引をしております市場、取引をしております木材業者、こういうところにどれだけ再就職をしておるか、この資料を本時点で調べて明らかにしていただきたい、これを出していただきたいということをお願いして、この議論はきょうは差し控えておきたいと思うのですが、資料出せますか。
○角道政府委員 若干時間はかかるかと思いますが、用意して、提出したいと思います。
○馬場(昇)委員 そこで、あと時間がわずかですが、これはこの前の本委員会でわが党の野坂浩賢委員が実は質問をしたところです。これは大臣は聞いておられたと思うのですが、実は地ごしらえの問題です。地ごしらえの問題につきまして長官はこういう答弁をしたのです。「地拵事業は成林の成否を決める基礎作業であるから保育における下刈作業と同様最重点事業として実施する。」こういう指導通達のもとで地ごしらえはやっておる、そういうことを実は長官が答弁したのです。これは間違いありませんか。
○角道政府委員 そのとおりでございます。
○馬場(昇)委員 ところが、実はそうなっていないのです。いまの通達は昭和三十七年ということで野坂議員も言いました。三十七年にこういう通達を出して、現在も地ごしらえは最重点としてやっておるということを長官言われましたが、実は熊本の営林局ではその後昭和四十六年に「造林事業方針書」にこう書いております。「地ごしらえは、植付および保育作業に支障のない最小限の作業を行なうため、枝条存置地ごしらえを原則とする。」こういうぐあいにして、「最重点事業」から「最小限の作業」に地ごしらえが変わっておる。このことを長官は変わっていない、現在もそれでやっておるというぐあいに答弁したのです。これはおかしいと思う。 この変わったところがどういうぐあいにしてあらわれてきておるかと言いますと、民間は自分の山ですから非常に大切にするのですけれども、たとえば熊本営林局の川内営林署のところで調べた資料によりますと、大体営林署では地ごしらえに平均の人工数で十二・〇、ところが民有林では、共有林では五十五・〇、森林組合では五十五・〇、これだけ手数が違うのです。基幹、基本作業だと営林署は言っておりますけれども、何と十二と五十五、五十五の開きがある。こういうぐあいにして地ごしらえというものを国有林はものすごく手を抜いている。だから、不良造林がいっぱいできておる、こういう結果にもなっておるわけでございます。たとえば、この間私が五島営林署に調べに行きましたときに、ここでもやはり地ごしらえは民間の二〇%ぐらいの人手しか使っていないという資料が出てきました。ここでこの前長官が、地ごしらえというものがとにかく保育における最重点作業と言ったのがこんなに変わってきて、こんなに手抜きをして、そこから不良造林ができておるという結果になってきておると私は思うのです。そういう点で、全然地ごしらえを軽視しないでずっとやっているという長官の答弁は間違いであるし、方針を変えて地ごしらえの手を抜いて、不良造林をつくっておる原因になっておる、こういう資料があるわけでございますが、これについて大臣の御見解を聞いておきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 専門的なことですから、むしろ専門家の意見を聞いた方がいいと思いますが、私は、やはり地ごしらえは大事だと思うのです。しかし、それは金の話よりもやはり技術の問題、どういうふうな技術の施し方をするか、もちろん金の話も全然無関係ではありませんが、私は地ごしらえは大切だというように思っています。
○馬場(昇)委員 大臣の大切だと思われる心は非常に結構です。ところがそれが、たとえば人数なんかどんどん減らされていっている。民間に比べてもほとんど手抜きが行われておる。これでは大切だと言われる大臣の気持ちは反映されておりませんし、それと、間違った方向で地ごしらえが行われて不良造林が出てきておるということですから、よく調べていただいて、ぜひ地ごしらえに重点を置いていただきたいということを要望して、時間が過ぎましたので、これで終わります。
○佐藤委員長 津川武一君。
○津川委員 今後の森林資源整備の基本的な考え方について、若干質問いたします。 現行の森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通しについて、基本的な部分で実績、実態との間にかなりの乖離、違いが生じており、改定作業を進めていると聞いておりますが、改定作業の状況、作業の完了の目途などを御説明願います。
○角道政府委員 お答えを申し上げます。 森林資源の基本計画及び林産物需給の長期見通しにつきましては、昭和四十八年に策定したわけでございますが、当時はまだ高度経済成長の末期でございまして、そのような時期に策定しましたものが、その後の石油ショック等、また日本経済自体が安定経済に移行してきたというような事情もございまして、当時の森林資源計画並びに林産物需給長期見通しは相当程度乖離をしてきたということでございますので、私どもといたしましては、現在の森林資源基本計画につきまして、森林の機能を高度に発揮し得るように森林資源の整備を図るという基本的な考え方をとりながら、まず、現在政府において検討しております新経済七カ年計画であるとか、あるいは国土利用計画等の他の国の計画との整合性を考え、また今後の木材需要の多様化、あるいは森林の公益的機能に対します国民の要望にいかにこたえるかというようなことを考えながら、これらの目標を織り込んで、早急に資源基本計画を改定したいと考えております。 現在、私どもといたしましては、昨年の暮れ以来部内において検討を進めておりますし、また、林政審議会におきまして、この基本計画部会という部会の設置をお願いいたしまして、現在そこにおいてこの問題の検討をいただいております。私どもとしましては、本年中にはこの改定作業を完了したい、かように考えております。
○津川委員 そこで、今年中に改定されるとすれば、若干のことを尋ねて、要求もしてみたいと思います。 一つは、わが国は高温多湿、多雨、恵まれた土壌、人工造林による森林の再生産を進めるのに適しております。そこで、林業の生産基盤の造林と林道、わが国の森林面積二千五百万ヘクタールとなっております。このうち造林可能面積は、科学技術庁の森林資源の総合的利用のための土地区分に関する調査報告、これによれば千三百万ヘクタールとなっております。 そこで、林野庁としては、これからの計画を改定するにおいて造林可能面積はどのくらいと把握しているか、お答え願います。
○角道政府委員 現在の資源基本計画におきましては、人工林の目標面積は千三百四十万ヘクタールというように考えております。この現在の目標面積をどのようにするかということを現在林政審議会を中心に検討しているわけでございまして、現段階では具体的に目標面積がどうなるかということは、私どもまだお答えする段階にないわけでございますけれども、最近の需要動向等を見てまいりますと、シイタケ原木であるとか広葉樹等につきましての需要が相当強いということがございますので、こういう要素を勘案します場合に、現在の千三百四十万ヘクタールという人工林の目標面積は若干減る可能性もあるのではないかというように考えておりますが、具体的な問題につきましては、今後改定作業を終わった段階までお答えを御猶予いただきたいと思います。
○津川委員 そうすると大変なことになりましたが、人工造林面積の目標を減らすということになるわけでありますか。やはり基本的な問題としては、減らさないで、ほかの需要も考えていくという立場でいかなければならないと思いますが、未造林面積が三百万ヘクタール以上になっていますが、これも人工林の目標面積からいくと、どのくらい減るわけですか。私たちは減らさないで済むと思っていますし、減らすべきでないと思っておりますが、いかがでございますか。
○角道政府委員 ただいまの御質問につきましては、まだ検討中でございますので、私ども、具体的にどの程度減るとかあるいはふえるとかいうことについては申し上げる段階でございません。ただ、いま申し上げました需要動向等を考えた場合には、そういう要素が強いということでございますので、いま先生の御指摘もよく頭に入れまして今後検討したいと思っております。 なお先ほど、人工林目標面積、現在の資源基本計画で千三百四十万と申しましたが、千三百十四万ヘクタールだと思います。訂正させていただきます。
○津川委員 次は、造林と林道の開設でございますが、午前中のこの委員会でも論議になりましたが、現在の造林施策では不十分であり、人工造林目標面積の達成は困難であります。 そこで、自治体などからもかなり強い要求が出ておりますし、私も、林業者や森林組合などとも相談してみましたが、一つには、民間の造林に対して国の補助が低い。もっと欲しい。八割くらい必要だ、こういうことでございます。現在、人工造林に対する国の補助が、査定係数が高いところでも六八%、現在の状況を克服するとすれば八〇%は欲しいと言っている。この中で国の出しているのは、人工造林で言うと十分の三、県が十分の一、こういうことであればもう少し国が、いまの森林の状態から言うと出さなければならない、これが一つの具体的な要求であります。 第二の問題は、保育、この基本計画の中で保育をどう考えるかということでございますが、たびたび議論になりましたが、やはり保育は十年は必要だ、三年、四年で保育の補助を打ち切ったのじゃとてもかなわない、こういうことが具体的になっているわけです。 その次は、やはり基本計画をやっていくとすれば、林業の後継者と、実際に林業をやる労働力の確保になるわけであります。この点でいくと、たとえばジープ、これは半額補助だといまちょっと整備に困るというのです。ここらにもう少し買いやすいように援助が必要じゃないか、そうしてくれたならばさらに林業がよくなる、こういうことなんです。 このジープとも関連してくると林道。林野庁は林道をつくるのに、里から近い距離ならばかなりやるけれども、だんだん遠くなっていくと、実際に必要なんだが、林道を開設しない。深いところに行けば行くほど必要なんだけれども、深くなって長くなっていくとどうも手を抜く。ここらの実際の林道に対する具体的な国の援助が欲しい、こういうことなんです。 こういう点での保育、林道の開設、それからいろいろな施策の援助、援助については、この間森林法を改正して、森林組合はかなり大きな任務を背負ったけれども、それに必要なところの国の責任というものが明らかになっていないとも言っているのです。ここらの人工造林面積の次に、こういう保育、国の援助、林道、後継者、林業労働者に対することを、いま私が言ったことを含みながらひとつ答えていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、わが国は資本主義社会でございますから、これらの林業は、国の持っているものは別として、私有財産であります。私有財産でございますから、それは国が助成するといたしましても、個人への助成についてはおのずから限界がある。しかし、山を守るということは、水を守ったり治山治水をしたりいろいろな公益的機能もあるから、山を守ってもらわなければならぬ。だから、個人にも助成をするということをやっておるわけであります。したがって、この助成の問題につきましても、補助率をもっと上げろという御意見もたくさんございます。しかし、大体いま程度のところで木が植えられるならばいいのじゃないだろうか。それで植えられないということになればまた別の話になってまいりますが、いまのところでは、特に今回も民有林については森林総合整備事業というものを創設して、たとえば保育についてもいままで十年ぐらいのものを二十五年ぐらいまでは見ようじゃないか、草刈りだとか枝打ちだとか間伐だとか、そこまで見ようと画期的なことを考えているわけですよ。それから、二十五年据え置き、四十五年の償還払いなどという、これも余り例のないような制度をこしらえて今回法案を出しておる。 こういうことを通して、ある一定の条件のもとに、個人財産であっても国は助成をしてやっていこうというのでございます。したがって、条件もつけないで個人の財産にどんどん国が助成するなどということは、一般のほかの人もなかなか認めがたい。したがって、これで一応やらしてもらいたい。それから、農林漁業金融公庫の造林資金の貸し付け条件についても、長い年限のものを今回設けることにしたわけでございます。国有林については、五十三年度から一般会計からの繰り入れあるいは財政資金の投入、こういうものを通しまして造林がうまく進むようにさらに努力をしてまいりたいと考えております。
○津川委員 大臣がはしなくも言っているとおり、私有財産でも必要なものはいままで補助してきたのです。ところが、森林は、一方では私有財産であるけれども、水資源は国の財産なんだ、公有財産なんだ。災害防止産業、私有財産であるけれどもそれ以上の役割りをもっと果たしているわけだな。レクリエーションの資源、そこのところへいって人工造林に国の十分の三の補助は、大臣が私有財産と言ったから私も言うけれども、ほかの私有財産にそれだけやっているところがあるのです。この大きな公的なものにやらないというところに問題が出ているのです。したがって、保育の四年、五年でなく十年くらいまで林道に援助すべきだ。林道はだんだん遠くなってくると手を抜かれるから、必要な林道は国が援助してつくるべきだろうと言うし、特にジープに対しては、具体的に二分の一ではいま買えない、欲しい、必要だ、これに対する具体的な配慮を頼んでくれと言うのだよ。渡辺さんはそれを私有財産論で片づけちゃっているのだ。その私有財産論は通らないと言うのです。 どなたでもいいから再答弁をお願いします。
○渡辺国務大臣 私は間違ったことを言っておるつもりはないのですよ。それは私有財産ですから、普通に考えれば自分の富になって自分のあれになるのですから、自分の収益の範囲でやるというのが原則でしょう。私は自民党ですから、これは私有財産であっても公的な機能を果たしているのですから、それについては援助をいたします。しかし、それは限界がございますよ。ばらばらやられたのでは困るけれども、まとまってやるような、かなり公的な機能を果たすものについては、いま言ったように、保育についても三年や五年でなくて二十五年間も、いままでに例のないことをやるわけです。今度は二十五年ですよ。問題はそこなんだ。それだけの画期的なことを今度はやることにしているのです。ですから、これをまず見てください。ばらばらやるものはだめですよ、ある一定の条件をつけなければ。国が私有財産に援助するわけですから、やはり公的な機能を持たせなければ。それについては二十五年という長い間、間伐までも保育の中で補助の対象にしましょうと言っておるわけですから、かなりのことをやるのです。したがって、大きく前進をしてきたということについては御了解をいただきたいと思います。
○津川委員 大臣、二十五年は融資のあれですよ。保育の二十五年の援助というのは、実際上は十年あればいいのです。枝打ちした後二十二年、二十三年なんて要らないんだ。そうじゃなくして、国の補助金が公的なものでありながら十分の三、だから、保育の場合も十年まで、国の融資だけでなくそこのところに欲しいと言うのです。 それから、いまジープの話もしたでしょう。一般論でなく具体的に答えてほしい。時間が来ちゃったのだが、もう一つあるのだけれども、それはのけて、そこのところだけまずはっきりさせておきたいのです。
○渡辺国務大臣 だから、森林総合整備事業の創設というものを新しく出して、町村単位に計画的に、ある一定の基準に従ってやるような造林については、三年とか四年とかでなくて、保育についても二十五年までも、融資でなくて補助の対象にします。間伐や何かまで入れるのです。それから、林道や何かの問題については二十五年の融資をしたり、造林については四十五年の融資というような長い融資もやりますよ。かなりのものをやっているじゃありませんかということを申し上げたのです。
○津川委員 委員長から時間の催促が来たから……
○佐藤委員長 いや、催促しない。
○津川委員 この点、くれぐれも検討してほしいのは、一般の私有財産でも農業で補助している部分がある。それと違うんだ。時によっては私有財産である部分よりも公的部分の方が大きい場合が出てくる。そうすると、これは国営でやるべき性格に近いものもあるということを私は指摘して、そういう点での援助が具体的に欲しいと言うのです。大臣がだめならば、ジープの問題をもう一回答えていただきたい。これが一つ。 その次は備蓄。いま外国産材で備蓄していますが、国産材でも備蓄すべきだ。そうすると、これは国産材の価格やいろいろなものの調整が出てくる。この点が一つ。備蓄に対して、今度は古いものは更新しなければならない。したがって、備蓄材の更新の方針を持たなければならない。これもまた、しょっちゅう交代することによって切られたりいろいろなことで林業が進む。 こういう点で、一つはジープの点、二つは国産材の備蓄の点、三つは備蓄材の更新について、これを答えていただきます。
○角道政府委員 お答え申し上げます。 備蓄につきましては、過去に備蓄の例はございませんので、いままでのところ、大体二年ぐらいの更新を目安にして運用しております。今後も木材の市況等を見ながら、適宜更新を図りながら備蓄をやっていきたいと考えております。 ジープにつきましては、御質問の趣旨が私もよくつかめないのでございますが、一般の運送機具等あるいは機械施設の補助は、一般的にはむしろ三分の一の補助とか四割補助が大体通例でございますが、この場合には大体二分の一まで上げているということで、相当手厚い補助でございまして、先生の御指摘はよくわかりますが、なかなかむずかしいのではないかとも考えております。(津川委員「備蓄材の更新は」と呼ぶ)備蓄の更新につきましては、ただいま申し上げましたように、いままでの備蓄の例がございませんので、とりあえず二年間を目安にして二年ごとに更新をしていくように、いまその運用を考えております。
○津川委員 先ほどの大臣の私有財産論に関連してもう一つの問題は、後継者がない、その次には、後継者があっても現地で作業する林業労働者が足りない、この二つはやはり国で確保して援助しなきゃならぬ。これに対する答弁がまだ漏れているのです。お答え願います。
○佐藤委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を起こして。
○渡辺国務大臣 ジープの答弁は事務当局からいたしてもらいますが、後継者対策につきましては、御承知のとおり、林業が全然採算が合わないというようなことでは後継者をやれやれと言ったってだめなわけですから、やはり林業に対する明るい見通しというものは必要なんですよ。三十年もたたなければ木が切れないということですから、何といったって林業をやる人にとってはやはり社会の安定ということが一番ですよ。そういうことで、自分の植えた木は自分の子供や孫が切るから子孫のために財産を残せるのだというような確信を持ってもらわなければ、これはとても木を植えなさい、後継者になりなさいと言ったってだれもなる人はない。ですから、まずそういうような信念を持ってもらうようにわれわれはやっていかなきゃならぬ。それからもう一つは、何といっても採算が全然合わないということではだめですから、採算の合うように林道をなにしたり、造林の助成をしたり、そのほかいろいろな助成もやっていく。それから、造林は貯金よりはましなんだ、インフレには強いんだ、そういう気持ちになってもらえば、こういうときにはまたその後継者も喜んで木を植えようという気持ちになっていくのではないか、私はこう思っておるわけです。 それから、相続税の問題等についても、ともかく小さな木まできれいに切らなければ相続税を払えないということでは、これは先々のことを考えるとなかなか大変ですから、やはりあなたが言ったように、保安林はもちろんのこと、伐期に達しないような木に対する課税の評価額は極力減額するようなことをやっていかなければならぬとか、いろいろあろうと思います。いずれにしても、後継者づくりのためにはいろいろな助成を考えていかなければならぬ。 同時に、一人では森林は守っていけませんからたくさんの協力者がなければならぬ。その協力者というのは平たく言えば労働をする人ですね。地主ばかりよくてそういうような労働者が悪くてはいまどきだれもやるはずがないのですから、これに対するところの福利厚生という問題も考えて、特に給与の面とか、あるいは労災の問題とか、あるいは退職金のこととか、みんな零細企業でなかなか退職金も出せないのですから、したがって、特殊な退職金制度を今度つくってあるわけですから、森林組合等を通してそういうものにも加入してもらって、一生安心してその山に勤労者として生涯をかけられるという基盤をつくってやらなければ、山林地主だけがよくなるというわけにはいかないわけですからね。一緒になって共存共栄できることをわれわれは考えておるし、そういう指導、助成もやってまいる所存でございます。
○津川委員 これで終わります。 ————◇—————
○佐藤委員長 次に、農業者年金基金法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。渡辺農林水産大臣。
○渡辺国務大臣 農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 農業者年金制度は、農業者の経営移譲及び老齢について必要な年金の給付を行うことによって農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与するとともに、国民年金の給付とあわせて農業者の老後の生活の安定と福祉の向上に資することを目的とするものであります。 本制度につきましては、現在加入者数は約百十二万人となっており、年金受給者数も八万人を超えておりまして、早期の経営移譲が行われることにより、農業経営の若返り、農地保有の合理化に役立っております。 その内容につきましては、昭和四十九年以来逐次改善充実を図ってきたところであり、昭和五十三年におきましても、物価スライド制の実施時期の繰り上げ措置及び農業経営主に対するいわゆる時効救済措置を講じたところでありますが、さらに本制度の一層の改善充実を図るため、今回、改正を行うこととした次第であります。 本法律案の内容は、次のとおりであります。 第一は、年金給付の額の物価スライド措置であります。 本来は消費者物価の変動率が五%を超えた場合にのみ行うこととされておりますが、昭和五十三年度は消費者物価の上昇率が五%を下回ると予想されておりますので、このような場合でも国民年金に準じ特例措置として物価スライドによる引き上げができるよう所要の改正を行うこととしております。 第二は、後継者の加入の救済措置であります。 将来経営主となることが見込まれる農業後継者でありながら加入時期を逸し加入できなくなっている後継者を農業者年金に加入させることは、将来経営移譲を行うことによる農業経営の若返りを期待することができ、また、農業後継者の確保にもつながるので、その加入の救済措置を講ずることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○佐藤委員長 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案について、明九日、農業者年金基金理事長内村良英君を参考人として出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、明九日水曜日午前九時三十分理事会、午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十八分散会 ————◇—————