農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/03/22
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 今月の末に加工原料乳の保証価格等の決定と指定畜肉の安定基準価格との決定が行われるわけでございますが、それを前にいたしまして、重要な点について農林大臣に質問をいたします。 まず第一には、昭和五十三年度の限度数量の関係でございますが、これは年度当初に百八十三万トンの限度数量が決定されておるわけでございますが、年度末の現在におきましては、この百八十三万トンに対しまして、おおよそ二十万一千トンの加工原料乳の超過数量というものが見込まれておるわけでございますが、従来は、この超過分に対しては限度数量の追加のような形で、政府が交付をする加工原料乳の補給金と同額の金額、さらにまた乳質改善奨励金の一円七十五銭が生産者に交付されてきた前例があるわけでございますが、今年度はこの超過と見込まれるおおよそ二十万一千トンに対してどのような行政的な措置をされるか、その点をお尋ねいたします。
○渡辺国務大臣 事実関係はただいま芳賀委員から御指摘のとおりでございますが、もともとその限度数量というものは、生産者に対して合理的な生産の指標を与える、こういうような趣旨から出ているものでございまして、生産がオーバーをしたこの限度を、あらかじめ決めた不足払いの対象とする数量をオーバーすればしただけ全部事実上限度数量と同じような扱いをしていくということになりますと、限度数量というものがあってなきがごとき状態になる。ことし限り、ことし限りということでやってきたわけですが、だんだん大きくなってきて、五十一年は十三万トンを認めた、五十二年が二十万トン認めた、ことしまた二十何万トンか認めろという要求が来ておるわけでございますが、そうすると、ことし限りですかと言うと、来年また二十何万トンとか三十万トンとかということになってくると、これは事実上財政負担の問題が当然絡んでくるわけですから、私はこの法律の機能そのものが麻痺するような状態になってしまうのじゃないかということをむしろ恐れておるわけです、長い目で見ますと。したがって、原則的には、この限度数量というものを、従来の例に従ってそれと同じような取り扱いをしてお金を払うということは、実はなかなかむずかしい状態に来ております。どういうふうにするかについては審議会の意見を聞いたりいろいろなことをして決めていくわけですが、いずれにいたしましても、現在の段階においてはいままでと同様な取り扱いはきわめて困難であるというように考えております。
○芳賀委員 限度数量の決定というのは、年当初につかみで百八十三万トンというふうに決めたわけじゃないのですね。一定の生乳の全国の総生産量というものを推定して、それに対して用途別に、飲用向けあるいは特別乳製品向けとか自家用向けであるとか、さらにまた法律に言うところの加工原料乳としての用途等を、年当初に需給見通しを立てて、それに基づいて限度数量なるものを決定しておるわけですから、もとより年度初めに需給計画を立てても、一年間経過した年度末においては当然生産量の推移あるいは需要の動向等についても必ずしも年当初の計画と合致するとは言えないわけです。そういう関係があって、毎年毎年、昨年においても約二十万トン、ことしも二十万トン限度数量に比較するとオーバー分が生ずるというような実情になっておるので、この点については畜産局長から、どういう算定を行って五十三年度の限度数量が算出されて、それが年度末に二十万トン超過するというのはどういうような内容によるものであるかというような点についても、数字を挙げて概要の説明をしてもらいたい。
○杉山政府委員 限度数量は年度の初めに設定されるものでございますが、従来の算定方式は、これは推定生乳生産量から飲用向けの生乳推定需要量、それから不足払いの対象となるもの以外の乳製品向けの生乳の推定需要量、それから推定の自家消費量、これらのものを差し引いたものを限度数量ということで算定して出しております。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 確かに、こういう推定と年度を経過してみて年度末になった実際とを対比してみますと、ギャップが生じてくるということは事実でございます。ただ、限度数量は全体として従来不足時代のことを前提にこのような算定方式をとってまいっており、いわゆる残渣方式と呼ばれるような形で計算されておるわけでございますが、本来、生産事情のみならず需要も含めた需給事情全体を考慮して決められるべきものでございます。その点、本年は生乳の生産量は六百二十五万トン程度になるものと見通され、一方、これに対する生乳の需要それから乳製品の需要、これらを見てまいりますと、乳製品の需要が明らかに——明らかにといいますか、限度数量を設定した百八十三万トンとほぼ近似の値と見込まれているわけでございます。これらの事情からすると、生産が見込みよりもよけい出たということが限度数量オーバーの大きな原因というふうに考えられるわけでございます。
○芳賀委員 いまのような抽象的な答弁は農林大臣でもできるのですよ。私は、数字を挙げてなぜ百八十三万トンが算出されたかということを聞いておるのですよ。数字以外は大臣から答弁すればいいのです。
○杉山政府委員 推定生乳生産量は年度当初において六百十二万二千トンというふうに見込んでおるわけでございます。それから推定飲用向けの生乳需要量は三百八十三万六千トン、推定のその他乳製品向けの生乳需要量は三十三万一千トン、推定の自家消費量は十二万五千トン、いま申し上げました一番初めの推定生乳生産量の六百十二万二千トンから、それ以下の三項目の数量を差し引きますと限度数量が算定されるわけでございますが、これが百八十三万トンということになります。 なお、推定のその場合の総需要量は六百十二万二千トンということで、生産量全体が需要としてこれは処理されるものというふうに見込んでおるわけでございます。
○芳賀委員 これが年当初のいわゆる推定需給見通しということになるわけですが、これが各内容に対して実績としてはどういうふうに変化しておるのですか。
○杉山政府委員 三月末の実績としてはまだ確定いたしておりませんが、今日までの状況から一部推定を織り込んでの数量を申し上げますと、生乳生産量、これは六百二十五万九千トンというふうに見込まれております。それから飲用向けの供給は三百七十三万六千トン、それから特定乳製品向けは二百六万トン、その他乳製品は三十三万八千……(芳賀委員「二十六万じゃないのかな」と呼ぶ)特定乳製品の方を先に申し上げましたけれども、お尋ねの趣旨はその他乳製品のところであろうかと思います。これは三十三万八千トンでございます。それからいま申し上げました特定乳製品が二百六万トン、そういたしますと合計が乳製品として二百三十九万八千トン、それから自家消費量が十二万五千トンでございます。
○芳賀委員 結局、当初計画が総生産量、実績に対しては十三万七千トン少ない計画を立てたわけですね。これは見込みが少なかったということになるでしょう。それから大事な飲用向けの生乳需要量というのを三百八十三万六千トン推定しておったのが、ちょうど十万少ない三百七十三万六千トンの消費ということになっておるわけですから、大きな原因としては生産量が十三万七千トン上回ったという点と、飲用向けの消費量が当初推定よりもちょうど十万トン減少した、そういうような実績が、結果的に生産者が指定生乳生産者団体を通じて出荷受託したものがいやおうなしに毎日毎日工場に搬入されるわけですから、それは必然的に加工原料乳として処理されていくという結果になっているわけですね。だから、大臣の言うように、最初に決めたのが上回ったのは、これはけしからぬというようなものじゃないですね。だから私は毎年指摘しておるのですが、年当初計画に対して年度末の実績というものは相違する場合もあるので、その実績を踏まえて限度数量等については法律に基づいて、補給金法の第十一条第八項には改定条項というものがあるわけですから、そこで審議会の意見を聞いて正式に限度数量を追加する改定措置をとるか、それをしない場合は従来どおり畜産事業団の最近の積み立てによるところの助成金勘定から、いままでは限度数量の超過分とそれから乳質改善奨励金の一円七十五銭というものを限度数量内の生乳と同様に支払いをしておる、こういうような政府としての行政措置を講じてきておるわけですから、このいずれかによってことしの超過分というものはこれを処理しなければならぬと思うのですよ。何にもしないわけにはいかぬでしょう、もう全部これは工場に入って乳製品になってしまっているのですからね。各都道府県の知事は最終的なこの分に対しても認定をして農林省に報告をするということになっておるので、その分だけそっくり残っているというわけじゃないですからね。だから、まず順序として、新年度の保証価格あるいは限度数量を決める前に、五十三年度の限度数量超過分に対して農林水産大臣としていかような措置をされるか、この点を明確にしておいてもらいたいと思います。
○渡辺国務大臣 結論は、先ほど申し上げましたとおり、審議会の意見を聞いて決めていくわけでございますが、私は、限度数量というものは、当初に一応決めてもそれに恐らく狂いがある程度出るでしょう。少ないこともあるかもしらぬし、多いこともあるかもしらぬ。しかし、多くなったからそれを全部見なければならぬということにはならないのじゃないか。法律の点からも限度数量の問題については、「農林水産大臣が定める数量は、生乳の生産事情、飲用牛乳及び乳製品の需給事情その他の経済事情を考慮して定めるものとする。」こうなっているわけです。御承知のとおりできたいきさつというものもやはり考えなければならないのじゃないか。限度数量が、もし生産されたもの全部買うのだということになると、米の生産調整なんかと違いまして、牛は幾ら飼ってもいいのだし、ともかくその地域でどんどんふやしたって構わない。無制限にふやす気ならふやせるわけですから。ですから、それを全部不足払いの対象として政府が金出していくのだということになると、現実問題としてこの制度は、現在のような非常に財政事情の苦しくなってきた中では私は長持ちしないのじゃないか、こう思うのですよ。したがって、たとえばできたときに、これは私の考え方でございますが、やはり奥地の北海道とか岩手とか、長野とかあるいは九州とか、そういうふうな奥地で草がたくさんとれるところで牛に適している地域がある。そこで生乳として市販をする牛乳をつくれば非常にいいのじゃないか。しかしながら、なかなか実際問題としては酪農はそんなに進んでいない、輸送距離も大変だというようないろいろな事情からして、やはりある一定の生産規模にして、そしてスケールメリットをこしらえて将来は市乳に向けるというのが私はこの法律の趣旨だと思うのです。だから暫定措置法になっておるのだと思います。暫定措置法ですから、「当分の間」と書いてあるわけですから。ですから、そういうようなことから考えると、この制度を続けていくというのであるならば、無制限に限度数量を広げていくということは、私はやはりこれは制度の趣旨とも違うし、制度自身が守られないような経済事情ではないか、こういうように考えて心配をしておるわけであります。
○芳賀委員 それでは、具体的な問題として、飲用向けの消費量が当初計画より十万トン少ないわけですね。結果論的に言えば、飲用向けの需要量を十万トン過大に見積もったということになるわけだね。過大見積もりに対して、実際は十万トン少ない数量で消費された。この十万トンの需給計画の狂いというのは一体どこで責任を持って処理するのか。そんなものは知らぬというわけにはいかぬじゃないか。
○杉山政府委員 この十万トンは、消費拡大に努力して何とか売れるものは売っていく、最大限売るならばその程度のことは可能であろうという見込みのもとに努力したわけでございますが、実際問題として現実にその分需要が届かなかった。十万トン程度のギャップが生じたというわけでございます。これは現実の処理といたしましては、すでに乳製品化しておるわけでございまして、この乳製品は脱脂粉乳なりあるいはバターという形で在庫になったわけでございます。これらの分につきましては、事業団が市中在庫の過剰を解消して指定乳製品の価格を回復させるという趣旨のもとに、すでに先ごろ脱脂粉乳について二万四千トン、バターについて八千トンの買い入れを決めて、現にこの買い入れを行いつつあるところでございます。そういう意味で、この見込みが違って売れなかったものは乳製品になった。その乳製品については、市中の在庫を事業団が買い上げるという形で措置をいたしたところでございます。
○芳賀委員 そうすると、飲用向けの計画に対する十万トンの減少分というものは、これは限度数量の対象にしないという意味ですね、その十万トンは。これは都道府県別にわかるわけですね。
○杉山政府委員 これは対象としては改めて考えることはいたさない。そしてその実際の限度数量の都道府県別の配分につきましては、これは当然百八十三万トンということで、現在都道府県別に割り当てているわけでございますから、超過した十万トンの分について見られないという場合には、実際問題として生産者間あるいは生産者団体間では、その調整が都道府県間に配分して行われるということになるわけでございます。
○芳賀委員 何だか答弁が不明確ですね。結局この二十万一千トンというのは、もうすでに工場に搬入されて、飲用に向かない分は製品化されておるわけですね。そこで、限度数量の対象にしないということになれば、生産者に対して支払われる乳代というのは一体どうなるのですか。その分はどういう乳代が支払われるのか。
○杉山政府委員 百八十三万トンまでの部分は、これは保証価格八十八円八十七銭、それを超えた分については六十四円三十銭の基準取引価格が支払われるということになります。
○芳賀委員 大臣、それでいいと思っているのですか。おまえら勝手によけい生産して、飲用向けの拡大の努力もしない。それで結局はそれが加工乳に回って、二十万オーバーしたのはおまえらのせいだから、これは政府としては二十四円五十七銭の補給金の対象にしない、そういうことを言い切って処理できるのですか。そういうつもりでおるのですか。この点はこの際はっきりしてもらいたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 これは裏返しに言いますと、それじゃ限度数量が来年も三十万トンふえる、その次も四十万トンふえるというようにふえていった場合において、それだけのことを現実に手当てができるかというとこれはできませんね。もともと牛を幾らふやそうがこれは自由なんですから、もともとが自由経済が原則になっておるわけですから、したがって、生産の方は直接的に法律的にこれにブレーキをかけて生産を減らしていくということは、現実には法的措置としてできないわけですよ。できないということになれば、現在、生産調整もやっておらないというような状態になっていけば、どんどんそれじゃ買うことができるのですかと言われるとこれはできない。不足払いできるかというとそれはできない。ということになれば、六十四円何がしでもうすでに納めておるわけですから、限度数量の範囲内のものは八十八円何銭という不足払いを受けておって、それをオーバーした分が二十万トンですか約一割強ぐらいのものがあるということは推測されておる。その点については、これは不足払いの対象にはできませんというのが、私は理屈はそうだと思いますね、それも全部同等にするのですということになれば、どんどんふえてもいいのですかということになりますから、どんどんふえていいなんという人は私はほとんどいないのじゃないか、どこかで歯どめをかけなければならぬ。無制限につくって、それで全部それがペイするように政府がその差額金はみんな保証するのだ、これはなかなか言うべくして不可能なことですから、やはり酪農のある程度の定着といいますか、ある程度大きくなるまでの当分の間の暫定措置としてこの法律が生まれたといういきさつから考えても、私はやはり局長の言うのが大体筋じゃないだろうか。政治的にどうするかは別問題だが、法律の趣旨はそうだろうと思います。
○芳賀委員 そうすると、限度数量の対象になってもならなくても、乳製品製造工場のメーカーに対してはあくまでも六十四円三十銭の安い原料乳を供給してやる、メーカーの買い入れ価格は変化がない。結局、対象外になった場合は、生産者が保証価格として生乳の再生産が償うことのできない、いわゆる補給金部門というもの、これを抹殺されるということになるわけですが、そういうことをあえて農林大臣の専断措置でやれると思っているのですか。
○渡辺国務大臣 限度数量は、年々これはふやしているわけですから、百五十万になったり百八十万になったり毎年ふやしている。ふやしている以上にふえた分が要するにオーバー分ですね。それは米で言えば一種の余り米みたいなものですな、それとは性格が違いますけれども。ですから、これを全部適正価格で買い入れるのだ、不足払いをするんだということになると、結局、牛の頭数を幾らふやしても構わぬという片っ方たてまえになっているわけですから、とてもそれじゃ制度がもちませんよ。やはり限度を設けなければ不足払い法というのはもともと成立しないのですから。だから、どこに限度を置くかが問題なのであって、その限度をオーバーした分はある程度低い値段になっても、これは制度を維持するのならばやむを得ない、私はかように思っております。
○芳賀委員 大臣は、毎年毎年生乳生産が無計画に行われるとあなたは思っているのでしょう。その辺が不勉強なんですよ。いいですか。では、政府として何のために酪農近代化基本方針というもの、いわゆる第三次酪近というものを十年計画で立てているのですか。現在の近代化計画は、昭和六十年を目途にして全国的に見ると、これは飲用向けの需要量が昭和六十年には四百二十八万トン、乳製品向けの需要量が三百二十八万トン、自家消費が十二万トン、全国の需要量が七百六十八万トンということになっておるわけですから、この速度が十年計画の中途において干満の差はあるとしても、とにかくこういうはっきりした近代化計画というものを畜産審議会の意見を聞いて政府として決定しておるわけでしょう。何も無計画に農民がどんどん生産するからそんなものには責任負えぬというのは不勉強の至りじゃないですか。だから、この毎年毎年の推定は、近代化計画の六十年目標に対して年率どのくらい伸びるかというような点を計算して、年当初に需給計画というのを決めておるわけでしょう。しかも、これは国内で生産された生乳の需要というものに対して見合うような計画になっているでしょう。このほかに生乳換算にすれば二百四十七万トンの乳製品が毎年毎年入ってきているでしょう。これを加えれば総需要量というのはまだふえるのです。これも変な計画ということになっておるわけですが、だから、年当初の計画が年度末において相当の狂いが生ずるということになれば、当然、これは法律に基づいて近く開かれる畜産審議会にその問題を提示して、審議会の意見を聞いて、しかる後に政府として適正な判断を加えるということであれば、それは手順としてわれわれも否定するわけじゃないが、そういう当然行うべき手順も何も経ないで、おれは農林水産大臣だからわしの一存で何でもできる、こういうような暴力農政的なやり方というものは通らないですよ。この問題だけで時間を費やすわけにいかぬが、これはいま強気なことを言っておっても逃げ切るわけにいかぬのですよ。だから、十分に検討して善処するようなことを言わぬと、後になって恥をかくようになるのですよ。
○渡辺国務大臣 確かに、計画は一応の目標といいますかガイドラインですから、自由主義経済ですから、政府が計画をつくったからそのとおりできるなんということは考えておりません。またできるはずもない。多少の振れがあることはやむを得ないのです。まして天候相手の商売でもある。しかし、その計画は六十年を示しているのであって、毎年毎年幾らというわけでもないし、その計画のテンポ以上に生産の伸び率のテンポが高くなっちゃったということも事実なんです。そういうところに狂いが出ていることは事実です。だから、計画のテンポ以上に現実の生産のテンポが大きくなっちゃったということが事実です。需要の問題についてもこれは考慮しなければならぬということですし、それから、私は独断的に自分で決めるなんと言っているのでなくて、当然それには畜産審議会の意見も聞いてそうして決めますということを言っているわけです。
○芳賀委員 大臣に言わせれば、国内の生乳が過剰傾向になっているから大変だということを以前から強調されておりますが、そういう場合に外国からの相当大量な乳製品の輸入というものをどうするかということは非常に大事な点ですね。国内において生産が順調に伸びておる。そうして飲用向け以外は乳製品の原料としてこれが供給されておる。そこで製造された乳製品が需要に対して過剰傾向が憂慮されるという場合は、当然、その過剰と見込まれる分については中期的な見通しを立てて、毎年毎年その超過の心配のある分についてはむしろ国産優先に、国産の乳製品で間に合うわけだから、その分だけは事業団の一元輸入であろうとあるいは民間輸入であろうと政府の責任において調整する、必要の場合には輸入の規制を行う。こういうことをやらないで、構わぬでおけばまた第二の食管になると言って声だけ大きくして騒いでもどうしようもないのじゃないですか。だから、輸入乳製品との調整を一体どうするかという点についても、この際明らかに方針を示しておいてもらいたいと思います。
○渡辺国務大臣 輸入の問題は確かに大きな問題なんです。しかしながら、海外からの乳製品の輸入と言われているものの大部分のものは、国内で生産されてないような乳糖とかカゼイン、あるいは供給力の非常に弱いナチュラルチーズというようなもの、あるいは特定の用に限られているため一般市場において国産乳製品と競合しその需給に影響を及ぼすこととなるおそれがきわめて少ないもの、こういうようなものであります。特に、自由化になっておって確かにふえておるのは何だと言うと、脱粉ですね。それは芳賀先生御承知のとおり、これは飼料用、えさ用の脱粉を牛乳換算で八十万六千トン五十三年で輸入をしておるわけです。脱粉ですからこれは生産者のところに、もちろん酪農家ばかりじゃない、豚とかそういうもので、結局えさとして生乳換算で八十万トンくらい入れられている。それからナチュラルチーズが九十四万五千トン。これは国内でなかなか生産がうまくいかないというようなものが主たるものであって、世間で言われているところの調製食用脂、こういうようなものは十二万二千トンで前年対比で四万トン、あるいはココア調製品なんかは前年対比で二万七千トン減っているというようなことで、結局こういう特殊なものは生乳換算にして一万三千トンくらいしかよけいに入ってないわけです、二百五十万トンとか言われますけれども。 ですから、輸入の問題で規制しろと言ったって、それじゃ脱脂粉乳を規制するのか。私はなるべくだったら国産の脱脂粉乳も生産者に使ってもらうようなことをこれから考えていきたい、そういうように思っております。ただ、値段がうんと高いものですから、生産者は喜ばない。しかしお互いさまなんだから、これは極力生産者にも使ってもらうように何らかの方法は講じていきたいと考えております。
○芳賀委員 いま大臣の言われた脱粉の輸入量、それからチーズの粗製品であるナチュラルチーズ、これだけでも生乳に換算したら百六十万トンですから、これは大きな数字でしょう。国内で乳の生産がふえて飲用以外は乳製品の原料に回る、乳製品ということになれば、バターが製造されれば当然同時に脱脂粉乳も製造されるということになるわけでしょう。そういう現状のもとにおいてえさ用の脱粉だけは値段が安いから外国からいままでどおり入れろ、因果関係として今度は生乳が過剰になって補給金も渡らぬぞというようなことに、大臣の論法から言えばなるわけですからね。こういう点は、農林大臣として行政的な立場から明快な判断を下して、これだけ国内に過剰ぎみの脱脂粉乳があります、これは従来の輸入にかわって国内において飼料用として十分消費すべきである。そうした割り高なえさ用脱粉を使えば、豚肉にしても牛肉にしても、生産費の計算上から言うと、えさが高くなればその分はまた肉の安定価格に計上されるわけですから何も心配ないじゃないですか。そのぐらいのことは渡辺農林大臣としてできないことないでしょう。補給金を農家にやらぬぞというよりも、国内で潤沢にある脱粉を今度はえさ用に大いに使ってくれという方が大義名分から見てもやりやすいじゃないですか。だから、大臣としてやれることをまずやることがいいと思うのですね。 それからチーズの問題にしても、チーズの需要は相当拡大方向に向かっておるが、国産は非常にコスト高になるわけですね。だから会社も製造しない。こういう点については、バターが非常に過剰在庫になっておるわけですから、需要の拡大が見込まれるチーズの国内生産等については会社だけにやらせるわけにはいかぬでしょう。そのためには畜産振興事業団等が積極的な助成策とか、場合によっては出資参加もするぐらいの気魄で、国内におけるチーズの一大増産計画というものを立ててこれを実行させる、こういう点も渡辺大臣として施政の中で行うべき点だと思いますが、あわせてこれについても考えがあれば明らかにしておいてもらいたいと思います。
○渡辺国務大臣 脱粉の問題については、これは五分の一ぐらいの値段の差があるわけですね。ですから、生産者団体がその気になってくれれば、これは農協の方、頼みますよ。そうすれば私も極力国内のものを使ってもらうように、それは行政指導をいたします。ただ、値段が高くなったからその分だけどんどん上げられるかどうかはまた別ですよ。これは消費者の問題というものがあるわけですから、原料をわざと高くしておいて、そして今度は製品も全部ストレートに上げるのだよと言われても、それは一〇〇%いくかどうかむずかしい点もありますが、私は国内の脱粉を使うことは賛成です。極力使うように、生産者団体がその気になればいい。 もう一つはチーズの問題ですが、これはただ値段の問題だけじゃなくて、要するに技術の問題があるようですね。それから消費者の嗜好とか、食物ですから値段ばかりでなくておいしいものとか、私詳しいことは知らぬが、嗜好、好みの問題がある。そこで、そういうもののいろいろな研究や何かについて政府が助成をして奨励しろ、私は考えてもいいと思います。ただ、畜産事業団がチーズ会社と一緒になってやるなんて言ったって、そんな能力はないし、役所仕事でそんなことできるわけもない、うまくいかない。これは私は考えてはおりません。でありますが、国内でりっぱなものを開発することについての奨励というものは大いにやってまいりたい、かように考えております。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○芳賀委員 では、チーズはがんばって増産体制をとるようにしてください。日本に技術者がいなければ、たとえば畜産局に一人もいないということであれば、情けない話だが先進国から優秀な技術者を招聘して世界に比肩するだけのチーズの生産をやったらいいじゃないですか。畜産局なんというのはそんな人材は一人もいないのですか。 それから、畜産事業団の出資の問題についても、大臣、私は合弁方式でやれと言うんじゃないんです。従来も畜肉公社とかセンターの施設とか、あるいは北海道においては農協組織の乳業工場の施設等に対しては、畜産事業団が十分ではないが一定の出資を行っておるのですよ。そういうことをやっているわけだから、いまからやれと言うのじゃないのですから、一年間五百億以上も事業団の差益金がこれからも出るわけで、差益金だけ抱えて喜んでいるのじゃなくて、どんどん有効にこれを活用するということも大臣として大いに促進してもらいたいと思います。 次にお尋ねしたい点は、ことしの加工原料乳の保証価格あるいは豚肉、牛肉の安定基準価格を決定する時期にきておるわけですが、先ほど来の大臣の発言を聞いておると、五十四年度の保証価格というものに対しては一体どういう考えを持っておるのですか。前年同様に据え置きということを考えておるのか、据え置きということになると乳質改善奨励金の一円七十五銭も含めてのことですけれども。あるいはまた、暴力農政で値下げをするということを考えておるのかということ、大まかに一体何を考えておるのか、ここで明快にしておいてもらいたいと思うのですよ。
○渡辺国務大臣 これは限度数量の問題と同じで、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法によって畜産審議会の意見を聞いて三月までに決めるということであって、私は手加減をする考えはありません。生産費調査等をやりまして、出たとこ出たとこで私は誠実に決めていきたい。 それから乳質改善奨励金については、現在のような状態の中で従来どおりの措置をとることは非常にむずかしいのじゃないかという気がしています。これもまだ決まったわけではありませんが、私はいまそんな気分であります。
○芳賀委員 そこで、これはいま大臣も乳質改善奨励金の一円七十五銭、これは五十三年と五十二年が一円七十五銭、その前の五十一年が一円ということで、政府側の説明からいってもこれは実質乳価と同様であるということを説明しておるわけです。それから、大臣の仲間の青嵐会の諸君や自民党の議員諸公も、これは保証乳価を上げることが余りできなかったが、そのかわり一円七十五銭、これは乳価としてわれわれの努力でつけたのだから心配するなということを宣伝をしておられるわけですから、すでにこれは定着しちゃったのですね。だから、この際、奨励金として別途に持続するのではなく、いままで他の農産物については、国内産の麦の買い入れ価格にしても、あるいは国産大豆の交付金の対象になる基準価格にしても、あるいはまた北海道のてん菜の生産者価格にしても、これは昨年までにほとんど従来の生産奨励金と称されるものは基本価格に合算して整理しちゃったわけですね。これは非常に生産者からも妥当の措置であるといって評価されておるわけです。残っているのは乳価の一円七十五銭の奨励金ですから、この際やはり保証価格、基本価格にこれを合算するということを実行すべきであるというふうに考えられるが、これはどうですか。
○杉山政府委員 いま先生の御発言の中で、政府が乳質改善奨励金はこれは乳価と全く同じであるということを説明しているというお話がございましたが、私どもそういう説明をしたことはないのでございます。ただ、受け取られる向きで、これは一律に払われるものでございますから価格と同様に受けとめているという、そういう事実のあることは承知いたしております。ただ、政府の立場として、価格とやはりそれ以外の奨励金とは別な性質のものでございまして、乳質改善奨励金は、たとえば細菌の数がミリリッター当たりきわめて多かった、それを改善するということのために出したという趣旨のものであるということを一言お答えいたしておきたいと存じます。
○芳賀委員 大臣はどう考えますか、私の提起した点については。
○渡辺国務大臣 私がここで余りはっきり言っちゃうとそのとおりになっちゃって動かなくなりますから、私としては、これは局長の言うのが本当じゃないかなというふうに思っておるのです。
○芳賀委員 大臣、大分焼きが戻ってきたのじゃないですかね。 次にお尋ねしたいのは、ことしの保証価格の算定については、昨年の場合には補給金法に基づいて加工原料乳の主要な生産地域の生産費等を基礎にしてということになっておって、結局北海道地域において統計情報部が行った五十二年、一年前のものですから、五十三年度の保証価格は、五十二年の北海道地域における牛乳生産費を基礎にして、それを一年間ずれがあるから評価がえをするとか、第二次生産費以外の租税公課諸負担であるとか集送乳経費であるとか農協等の手数料というものをそれに合算をして、一キロ当たり八十八円八十七銭の保証乳価というものが決定されたわけです。ことしはその対象地域をどこにとるかという問題と、それから生産費の算定基礎については従来同様統計情報部が行った牛乳生産費調査を基礎にしてやるのか、その点はどう考えているのですか。
○杉山政府委員 加工原料乳の主要生産地域として昨年は北海道をとったわけでございます。本年も北海道をとるという考え方のもとにいま算定を進めております。 それから生産費につきましては、まだ最終的な数字は受け取っておりませんが、統計情報部の生産費調査が確定次第、これを採用して価格の算定をいたしたいと考えております。
○芳賀委員 そうなると、昨年も大いに議論をした点ですが、畜産局が保証乳価を算定する場合、統計情報部の牛乳生産費調査というものを基礎にしておるわけですが、その場合一番問題になるのは、乳脂率三・二%換算で水増しをした乳量によるところの百キログラム当たり生産費というものを求めて、それによって保証乳価を決めるというやり方をしておるわけですね。この点についても去年のように水増し算定方式でやるつもりかどうか、それは、どうですか。
○杉山政府委員 従来からも慣行的にわが国の生乳取引は乳脂肪含有率三・二%ということで定着しておるわけでございます。したがいまして、政策価格としての保証価格を定める場合におきましても、この乳脂肪含有率三・二%というのが生産費調査においても二十六年以来とられているところでありますし、私どももそれを前提にして価格を算定するということにいたしております。
○芳賀委員 この三二一%基準というのは、これは戦後の昭和二十六年から農林省の牛乳生産費調査が開始されたわけですね。その当時から三・二%を基準にするということになってきたことは私も経過を知っていますが、ただ、いまからおよそ三十年前の生乳の中に占めるいわゆる乳脂率と現在の乳脂率というものは、非常に乳脂率が高まってきておるわけですね。大体〇・二%ぐらい当時の乳脂率よりも実績が高まっておるわけです。三・二%で数量を水増しするというところに問題があるわけですね。取引が実乳量で出荷され、またメーカーに搬入されておるにもかかわらず、一割の水増し数量で百キロないし一キロの保証価格を算定するわけですから、結局水増しされた数量というものは販売の用に供されないままに、価格だけダウンされるということで、生産者が従来ずっと大きな損失をこうむっておるのですよ。去年の場合に一キロにして十円八十銭水増しによって損害を受けておるわけですね。これは最近における統計情報部の牛乳生産費の公表の内容というものが、畜産局に悪用されるような記載になっておるわけです。何も統計情報部は低乳価の片棒をかつぐためにやっているのじゃないですよ。やっているのじゃないが、二十五日に発表されると思いますが、速報の掲載、特に昨年のものを例にとっても、いかにも三・二%の生産費だけを調査しているようになってしまっているわけですね。内容をよく調べるとそうじゃないのですよ。これは局長も無知のために全然知らないでおるわけじゃないでしょうが、生産費調査というのはこういう順序になっておるのですよ。 まず調査対象の全国の搾乳牛の一頭当たりの生産費が、昨年の場合には四十三万七千七百五十三円ですね。一頭の第二次生産費です。これに対して、一頭の年間搾乳量、農産物で言えば生乳の生産量ですが、一頭当たり五千四十四キロですね。これの平均乳脂率は三・五九%ということになっておるのですね。そうなると、生乳の中に占める乳脂肪の生産量は百八十一キロということになるわけです。それでは、三・五九%で五千四十四キロの生乳の百キロ当たりの第二次生産費は幾らかというのは、これが生産費の目的と結果ですね。それは百キロにすれば八千八百三十三円、一キロにすれば八十八円三十三銭、これが統計情報部の行った五十二年の北海道における生産費ということになるわけですね。これが本物なんですよ。これを三・二%に換算するという。学問的に言えば、三・二%の擬制計算でやるという場合には参考生産費と言うのです。それはどういうふうにやっているかというと、まず前段で述べた一頭当たりの乳脂肪の生産量の百八十一キロを基礎にして、これを三・二%に換算するためには、百八十一キロを三・二で割ればいいわけで、その答えは五千六百六七キロということになるわけです。乳脂肪生産量を三・二%の乳脂率で換算して、そして三・二%換算の水増し乳量と言われる五千六百六十キロというものがここで生まれるわけです。数量がふえれば、これが分母になるわけですから、百キロないし一キロの生産費というのは当然その分だけ低くなるのは言うまでもないわけです。しかし、脂肪量というものは依然として百八十一キロに変わりはない。どういう換算をしても一頭当たりの生産費は四十三万七千七百五十三円でなければならぬということになるわけですね。そういたしますと、実乳量に対して三・二%の水増し分というのが六百十六キロになるわけですから、これを合算いたしますと三・二の換算乳量は五千六百六十キロということになるわけです。それをそれぞれのキロ当たりの生産費で計算いたしますと、実乳量の生産費は八十八円三十三銭、それから水増しによった生産費は七十七円三十五銭ということになるわけですから、この第二次生産費段階においてさえも、計算の相違によって一キロ当たり九円九十八銭、約十円の差が生ずるわけです。 統計情報部長も出席しておられるが、調査の目的と結果というものは、いいですか、部長、まずはっきり公表ないし速報にだれが見てもわかるようにしておかなければいけないと思うのです、せっかく一年間かけて調査した結果が、それが去年の五十二年の牛乳生産費の速報を見ても、この表紙、第一ページに、ただ生乳の百キロ当たり生産費が八千五百八十円と書いてあるだけでしょう。実乳量のものだか三・二%換算のものだか、それもわからぬ。一番基礎になる一頭当たりの生産費が一体どれだけかかったかということもこの表紙には出ておらぬでしょう。この調査結果としての乳脂率が三・五九%であったということもはっきりしておらぬ。それによる乳脂肪が百八十一キロであることも何もわからぬじゃないですか。克明に各ページを聞いてみればあっちこっちに分散しておるわけですよ。だから、関心のある者とか専門的な知識を持っている人は、そういうものを寄せ集めればなるほどこうだなということがわかる。この生産費調査の結果を一般の国民あるいは需要者に対して忠実にわかりやすく発表するというのは、義務があるわけでしょう。こういう点については、まだ発表までに何日か期日があるので、この際、誤解を生じないように、せっかくまじめにやった牛乳の生産費調査、そのほかもそうですけれども、それを明らかにしておいて、それを参考生産費で三・二%に換算しようといろいろな参考生産費を記載することは差し支えないとしても、そうでないと、畜産局の保証乳価算定、低乳価にいつも悪用されてしまうのですよ。そうして、いや統計情報部の調査がこうなっているからこれでやればこうなりますということでは、これは何のために農林省が統計をやっているかわからなくなってしまうわけですね。この際統計情報部長から——あなたはだれにも拘束されないでしょう。大臣の命令があっても、これは簡単にそのとおりにやるわけにいかぬのだから、ことしはどういう形式で公表するか、この内容の記載の改善をするかということをここで明らかにしてもらいたいと思います。
○柳井説明員 お答え申し上げます。 統計情報部が発表しております牛乳生産費につきましては、先生御案内のように従来から三・二%の乳脂率換算ということで生産費を発表しておるわけでございますが、この点につきましては、取引の基準が三・二%の乳脂率というものをベースにしておるということとかあるいは統計の連続性というふうなことからいたしまして変えるつもりはございませんが、先生いま御指摘になりましたように、搾乳牛一頭当たりの生産費というものとか、それから三・二の乳脂率で換算しておりますところの方法とか、そういうような点につきまして、その発表の段階におきまして、でき得る限り先生の御要望の趣旨にも沿いまして、一般の方がわかりやすいような、そういう方向に改善いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 いま統計情報部長から説明があったとおり、われわれとしては、そうした公表の内容、それから速報の記載についての改善が発表までに行われるということを期待しておるわけですが、畜産局においても、やはり生産費調査というものは中立性を持って尊厳性を維持していかなければならぬと思うのですよ。その点を間違えないようにして、本当の生産費はこうだけれども、畜産局が行政的に保証乳価を算定する場合にはこの点をこういうようにして計算しました、そういう点がはっきり区分されるようにしてもらいたいと思うのですね。いいですか。 それからもう一つは、農林省だけではありませんが、統計調査の結果というものを目的外に利用しまたは使用する場合は、勝手に農林省内部でもそれを使用するわけにはいかないでしょう。目的外に生産費を使用する場合の決裁の手続というのはどうなっているのですか。農林水産大臣が決裁して低乳価の材料に使ってもいいということでいいのか、あるいはまた、これは厳格性を要するものなので行政管理庁長官等の決裁を必要とするのか、そういう点もこの際明確にしてもらいたいと思うのです。これは、昨年の生産者米価算定の場合、中川農林大臣のもとにおいて必要生産量算定方式というものを、統計情報部の米生産費調査を一部歪曲をして据え置きになるような作業をした前例もあるので、この点を明らかにしておいてもらいたいと思います。
○柳井説明員 お答え申し上げます。 私たちが調査しております統計につきましては、一般的に申し上げまして目的外使用というものは禁止されておるわけでございますが、特に公益的な目的に使用される場合等、これは指定統計でございますと行管長官の承認を得て使用するということになっておりますが、それ以外のものにつきましては、これは統計情報部長の承認というふうなことになるわけでございます。 牛乳の生産費につきましては、指定統計外でございますので、畜産局長から御提出いただきましたものにつきまして、統計情報部長の方といたしまして審査の上目的外使用を承認する、こういう形式をとっておるわけでございます。
○芳賀委員 それじゃ水増しの低乳価を算出するために必要だということであれば、これはあれですか、畜産局長の申し出があれば統計情報部長としてそれを承認して期待に沿ったような資料を作成する、そういう意味ですか、いま言ったことは。ちょっとおかしいな。
○柳井説明員 統計情報部が発表いたしますところの生産費につきましては、先ほども私申し上げましたように、三・二%の乳脂率基準の生産費を出しておるわけでございまして、行政部局等におきましてこれを御利用なさる場合に、その三・二%基準あるいはそのほかの形式等いろいろあろうかと思いますが、それはそれぞれ行政目的に従いましてそれを組みかえ使用することは可能ではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 それはおかしいじゃないですか。生産費の結果というのは、これは一頭当たりの生産費、それから実乳量に対する乳脂率とか脂肪生産量とか、そうした実態に基礎を置いた調査結果というもの、これが牛乳の生産費でしょう。いま言った三・二%換算というのは、本来目的のための生産費ではなくて、参考生産費として、たとえば仮に三・二%でこれを換算した場合にはどうなるかということで、これは参考生産費でしょう。その本来の生産費の結果というのをはっきり示さないでおいて、参考生産費に対して、それを畜産局長に言われれば、局長同士で何でも素直に言うことを聞くというのはおかしいじゃないですか。どうして本物を示して、これを使うのであれば部内利用でいいが、擬制計算の三・二%を使用するということになれば、これは保証乳価を低く抑えるための材料にするのであるから、これは統計から見れば目的外使用になる、私一存ではこれは承認することはできませんぐらいのことを厳然として言うだけの力と権威というものがなかったらだめじゃないですか。統計情報部長というのは、あなたの上にえらい人はいないんでしょう。これは農林大臣だって簡単にどうこうするわけにいかないのじゃないですか。そういう独立性を持ったりっぱな人物が物のけじめをはっきりつけないようじゃ、これは何のために統計をやっておるかということになりますよ。これは大変なことになりますよ。去年ああいうことがあったでしょう。必要量生産費というものを言われて素直にやってしまった。また乳価もキロ当たり十円も下げるような擬制計算の資料を部内使用だから差し支えないと言うんじゃ、これは大変なことになりますよ。まだやっている前だから、実行行為に入る前だから厳格に注意しておきますが、そういう点は軽々しく行動しないように、これは大臣からも厳重に注意しておいてもらいたいと思うのです。
○柳井説明員 牛乳の生産費調査につきましては、くどいようでございますが、統計情報部におきましても、従来昭和二十六年のこの調査開始以来三・二%の乳脂率をベースにいたしました生産費を出しておるわけでございまして、これはまさに取引慣行が三・二というものを基準にしておるということと、それから二十六年以来そういう形でやってきておりますので、その統計の時系列、連続性、こういうものを考慮いたしまして、いま申し上げましたような形をとっておるわけでございまして、これは統計は統計としての独自な立場におきましてそういう考え方をとっておるということを付言させていただきたいと思います。
○芳賀委員 あなたはよくわからないんだよ。一体何のために統計情報部長なんかやっているんだ。きょうは時間切れだから保留しておきますが、しっかりやらなければ困るよ。
○佐藤委員長 武田一夫君。
○武田委員 私は、三十分しか時間がございませんので、二、三、簡潔なお答えをいただきながら重大な問題を質問したいと思います。 五十四年度の酪農施策並びに政策価格に関して、まず大臣に若干お伺いいたします。 今月の下旬に価格が決定するわけですが、これが今後の米価あるいは麦価、その他いわゆる農産物の価格に大きな影響があるだけに、あちこちではどうなるのかという非常な関心事でございますので、そういう意味からひとつ私は二、三質問したいと思うのです。 私たちは三月七日、大臣に党の衆参の農林水産常任委員が申し入れをいたしまして、生産者の所得補償と畜産物の再生産が確保できる水準で価格の決定等には配慮していただきたいという申し入れをしておきました。大臣との懇談の中で、非常に大臣も一生懸命考えておるのだなということを伺ったわけであります。 そこで、全中などからいろいろ要請あるいは要望が出ておるわけでございますが、その内容を見てみますと、相当諸般の事情を考慮した上での要請、要求がなされておる。たとえば、加工原料乳の保証価格は率にして五・七%、あるいは豚肉、牛肉の値上げ要求も昨年から比べると五分の一あるいは八分の一というような低い要求のところで、言うなればぎりぎりのところでいろいろな事情を考えた上での要請をしているのではないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、大臣としましては、生産農家のそうした心情と事情というものをよく御存じであろうと思いますが、そういういろいろな要請あるいは要望に対してどういうお考えで臨んでおられるのか。巷間聞くところによりますと、いろいろな事情から価格が非常に下がるのではないかとか、あるいは据え置きでないかということが非常な心配となっておりますので、その点の大臣のお考え、見解というものをまず簡単に率直に聞かしていただきたい、こう思うわけであります。
○渡辺国務大臣 政府の関与する農畜産物の価格につきましては、それぞれに皆価格計算の方法が決まっておるわけですから、再生産を確保することを旨とするとか、あるいは需給事情や経済事情や生産条件を考慮するとか、多少の違いはあるが大体そんなことが基礎になって決まっておるわけでありまして、それらのいままでのルールを社会の変化等によって多少修正されるものもいままでありましたが、それらは、しかし、その法律に定めるその範囲内で修正をしてきておるわけでありますから、今後もそういうような方針で決めてまいりたい、かように考えております。
○武田委員 大臣、生産農家の経営状況がどうであるかということは非常に大事だと思うわけです。私は宮城県ですが、四十、三十という小さな規模の農家が非常に多いわけで、北海道等そういう大きなところとは事情は違いますけれども、中核となっている青年あるいは壮年の方にお会いしまして、いろいろと事情を聞いたのですが、言われておるような経営の安定というところまではまだいっていないんじゃないか。何か経営が安定しているからということで今度の価格の問題にも影響があるとするならば、そういうことはないのでないか。いまようやくオイルショック以来のそういう危機を突破しまして、えさの値下がりもあったでしょうし、農家の努力もあったでしょうし、そういうようなところで、ようやくこれから張り切ってがんばるぞというところに入りかけてきたような気がしてならないわけです。要するに、そういう生産意欲といいますか仕事に対する希望というものの光がいま見えてきて、これから本当に一生懸命やろうというようなときがいまでないか、私はそういうふうに感触として伺ってきたのですが、こういうときに政府としては、そういうところに力をつけてやる、勢いをつけてやって、そういう方が万々が一何かオイルショックのようなものにぶつかったとしても足腰の強い安定的な経営ができる、所得の確保ができるように持っていくのが大事な問題ではないか、ここ当分、一年、二年になりますかわかりませんが、農家の方々にがんばれよ、そういう激励の力づけをするときでないかと私は思うのですが、大臣はどうお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 私もそのように考えておりますから、再生産が確保できるようなことは十分に考えているわけです。御承知のとおり、オイルショックで非常な打撃を受けたことも事実、しかし、その後、政府のいろいろ適切な施策、えさの値下がり、農家の努力、こういうようなものが相まちまして、全体とすれば畜産関係は順調に経営がよくなってきつつあることは間違いありません。したがって、それは大いに奨励をしていきたい考えであります。
○武田委員 ひとつ、農家の皆さんが本当に安心して仕事に励めるような方向で、価格の問題も検討していただきたいと思います。 ところで、加工原料乳の問題ですが、これは限度数量が決まっておりまして、一昨年、昨年と二年続きで超過数量ができて不足払いをした。ことしはまた二十万トンから余分になるということで、ことしはだめだ。これが、北海道でも問題でしょうが、内地の特に私たち宮城県の場合なんかでも非常な問題になりまして、北海道からどんどん牛乳が入る傾向があるわけです。正直言いまして、もうすでに仙台市の一角にはそういう向こうの牛乳が入ってきておりまして、スーパーなどよりも三割くらい安く買えるという状況でして、消費者は非常に喜んでいるのですが、これは消費者が喜んでいるのと比例して生産者が大変な苦労をしておりますので、このいわゆる南北戦争と言われるのが、競争という軽いぐあいであるならいいけれども、本当の戦争になったらこれはえらいことになるのじゃないか、これはやはり平和なうちに解決するのがこれまた政治ではなかろうかと思うのですが、この問題に対してどういうふうに取り組むつもりか、お聞かせ願いたいのです。
○渡辺国務大臣 経済の原理原則から言えば、水が高いところから低いところへ流れる、品物は安いところから高い方へ流れる、これは原則だと私思います。思いますが、急激にそういうことが行われたのでは現実に内地の酪農家が非常に困るというようなことも考えて、年々限度数量等もふやしてきておるわけであります。しかし、原則が全然無視されるということも、これはなかなかむずかしい問題でございます、消費者の問題もございますし、経済の原則というのがあるわけでありますから。しかし、そういうものが急激に行われないように、われわれとしてはいろいろな手を講じてきたところでございます。
○武田委員 生産者と消費者との利害の一致というのは非常にむずかしいところである。どうですか、そこで大臣がいろいろ経験的に考えまして、この利害の一致というのにどういうことをしなければならないか、農家としてどうしなければならないか、消費者としてどうしなければならないかという、これは全国的な問題として共通の土壌で考えなくてはいけない問題ですので、この問題で何らかの、こうあるべきだという一つの方向性というものを両方に示していくことが必要ではないか。私は、両方ごり押しにやれば、これはお互いの利害が相反しますから、うまくいかないのが当然だ。どこかでお互いにがまんの限界というのが必要ではないだろうか。ここのがまんの限界というのをどのようにやるかというのは、やはりひとつできるならば政治の場で考えることもあるでしょうし、農業団体、消費者団体の間で考えることも必要でありましょうが、そういうコントロールをする、そういう意見のコンセンサスが整えられるような状況というのがいままで余りなかったのではないか、正直言いますと。そういうものを一つの土壌の上で話し合いをしていくということを今後は考えて、安心してお互いに意見が言い合え、それで共通の土壌でがまんの限界というもので、消費者も生産者も納得のいくようなものに努力する方向というものを考えるべきでないかと思うのですが、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 がまんの限界はどこか、これはむずかしい話なんですが、まあ審議会の答申なんというのも大体そんなふうなバロメーターだと思いますよ。それから、政府の介入する価格というのは、やはり消費者の方から見れば、これはかなりがまんの限界ですよ。それは、米の点なんというのは確かにそういうことが言えるでしょう。ですから、われわれだって、これは政権政党として自民党が政権を持っておっても、生産者の方ばかり肩入れしちゃったらそれは落選しちゃって政府がつぶれちゃうわけだから、がまんの限界がおのずからあるわけであって、したがって、生産者の方は極力保護するけれども、それにもしかし限界はある。大体政府の決定する価格はまあ両方から見てがまんの限界ではないかと私は思います。
○武田委員 次に、ちょっと需給の見通しの問題。 私はいつも思うのですが、この需給の見通しというのはなかなかむずかしい、生き物であるだけに、また自然を相手にしているだけに。しかしながら、そのむずかしさをいろいろと乗り越えて需給調整というものをうまくやっていくことも非常に大事な仕事の一つだ。これは非常に大事だと思うのですが、今回のいろいろな状況を見ておりますと、生乳の需給事情が、増産の理由といたしまして、えさの価格が安定しているとか、あるいは規模の拡大とか、品種改良により乳量がふえてきたとか、こういうようなことが言われておるわけでありますけれども、たとえばえさの価格の安定、値下がりということが続いて、その結果どういうことが農家で起こっていくのか。えさが安いからたくさん食わせてたくさん牛乳がとれるようにしていると、これははっきり言うわけです。食わせるとたくさんとれるんだと。それでまた、そういう傾向があちこちで現実に見られるわけです。それから、品種の改良によりまして優秀な牛ができまして、これも牛乳が多くとれるような要素になっているというそういうような見通しがあるならば、今度はそれを需給の関係においてバランスが崩れないようにしていくための手をやはりもっと早く打つべきでなかったか。たとえば消費の拡大にしてもしかり。そういうことを考えますと、どうも需給というものに対する見通し、そういう事情というものに対して政府としては非常に後追い的な感じがしてならないのですが、その点どうですか。これは間違いのない見通しというのはむずかしいんだと、いままでいろいろと理由は言っておりますけれども、今回の生乳のこうした過剰傾向というのはここ二、三年ずっと続いてきているということを考えると、どうもそうした統計的なあるいは実態的な内容のところまでいっての深い探りというのがなかったのではないかと私は思うのですが、そういう反省は持っておりませんか。
○渡辺国務大臣 これは特に農畜産物についての需給見通しというのはむずかしいのです。これは社会主義国家で、土地が政府のものであって、それで強制的に割り当てをつけて計画をきちっとつくってやらせたって、なかなかそのとおりにはならない。まして日本のように、自由主義で自由につくらせて、ただ誘導政策だけでやっておるわけですから、きちっとした計画なんというものはなかなかその通り実行できるということはまずまずむずかしい。しかしながら、大体政府の想定したこととそうかけ離れないぐらいのところまでいっていることは、私は、見通しは、厳格に言えば違ったと言えば違うけれども、全体の流れから見ればまるで違っちゃったというふうなことでもない、そう見ておるわけです。しかし、まずまずの見通し、多少の誤差ができるのは仕方がないと思っております。
○武田委員 少しくらいの誤差というのは私もやむを得ないんじゃないかと思うのですが、たとえば六十年を目標とした牛乳乳製品の需給見通し、これなどを見てみますと、大体年率三・四%くらいの割合でふえていくという見通しを立てている。四十七年の四百九十四万トンが、六十年には七百六十八万トン、これは牛乳の生産量です。ですが、まあ五十年は別としまして、五十一年が六・一%、五十二年が九%、五十三年が六・八%と、これはほんのわずかと言えないようなかなりの誤差があったんじゃないか。この三年、こういうふうな大体倍以上あるいは三倍近いその伸びというものにやはり目を向けた上で、これは大変なことになるんじゃないかな、これは手を打たなければいけないんじゃないかなという、手の打ちどころがどうも遅いようでないか。これがもしこのまま、五十四年度またどうなるかわかりませんが、いったら、これは構造的な過剰傾向になるということになれば、これはまた大変なことでないか。こういう点で私は、やはりちょっとした見通しの甘さというのではないんでないか、こういうふうに思うのですが、これはどうでしょう。
○杉山政府委員 見通しと実績の較差を対比するのには、いままで第三次酪農近代化基本方針というものがございまして、これが見通しの一番権威あるものということになっておるわけでございます。 これは、目標年度を六十年度に置きまして、四十九年を基準年度にいたしまして、六十年の生産量を七百六十八万トンということで設定いたしております。途中年次の目標というのは、それぞれの年次についてはないわけでございますが、平均的に伸びたといたしますと、伸び率はおおむね四・二%程度ということになるわけでございます。これに対しまして実績の方はどうかといいますと、その四・二%ということで途中各年次のあるべきといいますか、大体想定される生産水準を考えてそれと対比してみますと、五十年までは目標の方が実績を上回って、いわば実績が目標に届いていないという実態でございましたが、五十一年には実量にして七万五千トン、五十二年は実量にして三十三万トン、五十三年はまだ数量的にはわかりませんが、やはり相当の超過を来すというような状況になっております。これは率で言いますと、五十三年は目標のテンポで進んだとすると五百七十四万八千トンなんでございますが、いまのところ、実績見込みは六百二十五万トンを超えるのじゃないかというふうに見られます。そうしますと、その目標、めどという水準に対しておおむね八ないし九%すでに超過達成しているというような実績になっております。 これは、一頭当たりの泌乳量がふえたというようなことでは、品種の改良改善が進んだとか、搾乳技術が向上したということで喜ぶべき面があるわけでございますが、先生も御指摘になりましたように、濃厚飼料、配合飼料の多投ということが多分に影響しているのではないかと思います。そして、このままそういう傾向が続きますと、まさに私は、昨年、一昨年はまだしも、本年の、この三年目の実情を見ますと、大変な構造的な供給過剰の事態が起こりかねないというふうに懸念いたしております。やはり需要の方も安定的に伸びてはおりますが、とてもこんな大きな生産の伸びほどのものではない。そこで、需要のことも見ながら、生産についてもその辺を考えて適正な対応をしていくべきだというふうに考えております。ただ、需給の調整というのは、当然需要面の増大、消費拡大ということもあわせ最大限の努力をして、行っていくべきであるというふうに考えております。
○武田委員 それとあわせては、消費の拡大の問題もいつも問題になるわけですが、生産者の皆さんも一生懸命、こういう状態ですから消費拡大のためにがんばっているようでございます。割り当てられまして、二百ccのものだったら二十五、何か券など買わせられまして一生懸命拡大に励んでいるようであります。 牛乳の消費というのは今後どうですか、見通しとしては。少しずつは伸びているようですが、消費の拡大という方向と兼ね合わせてどの程度の伸びというものを期待しているわけですか。
○杉山政府委員 年次によりまして伸びに差はございますものの、おおむねここ三年平均して三%台の伸びは確保し得ております。今後ともこの程度の伸びは当然安定的に確保し得るものと考えております。米などの消費減退するのに比べれば、三%という率はそれほど高くはございませんが、これはかなりな有望な数値でございますし、今後の努力によってこれをある程度引き上げていくことは十分可能であると考えております。 それから、消費の拡大については、従来から学校給食用の牛乳の供給とか、そのほか一般消費者を対象にしましてPRを中心とする消費拡大事業を進めてまいっております。ただ、昨年から今日の需給事情に即応したさらに一層強力な消費拡大を推進するということで関係者の意欲も高まっております。政府におきましても、昨年一億円、本年二億五千万円という補助を出しまして、消費拡大に助成をするということにいたしております。それだけでなく、畜産振興事業団におきましても、さらにこれを上回る補助事業を実施するというようなことで、これらの政府なり事業団の助成を一つのてこにして、民間団体におきまして強力な消費拡大運動を展開するということになっております。 生産者、それからメーカー、販売業者、一丸となって、種々むずかしい問題はあるのでございますが、ごく最近全国牛乳普及協会というものもできまして、大同団結、足並みをそろえて普及活動、消費拡大運動を展開するという体制になっております。
○武田委員 ちょっと学校給食の話が出たのですが、学校給食で消費をさらに拡大するために多少改善しなくてはならない点があるのではないか。これは供給価格の問題なんですが、四十年、百八十ccで十円八十銭、五円の補助金を出していますね。このときは大体四六%くらいの補助率。四十五年になりまして、二百cc十五円十二銭、五円八十銭と、八十銭補助金をアップした。ここで大体三八%と補助率が下がってきます。金額が高くなると補助率が下がるのはほかでも共通しているのですが、これは余りにも下がり方が激しい。たとえば五十年は三十二円七十七銭、これで五円八十銭。五十二年が三十四円三十三銭で、これもやはり五円八十銭。一八%、一七%、ずっとダウンしていますね。消費拡大を一層実りあるものにするならば、こういうようなところにもちょっとした配慮をしていかなければならない。 これは一例を申し上げたのですが、消費拡大と言っていながら、打つべき手がなくて「拡大」と言うのは、「拡」だけあって「大」がない。テレビで消費拡大をいろいろやっているとか、学校でやっているとか言っても、口だけではだめじゃないですか。こういうようなところに非常に手落ちがあって、要するに空転している、私はこういうふうに思うのですが、こういう点の改善は必要じゃないですか、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 これは値段の問題ですと、確かに半分も補助すればいいのじゃないか。ところが、三割になって二割になって一割になったら、大体補助をやめたって関係ない話なんですね。学校給食のように六割引きなんというのは消費拡大にうんと役立つ。しかし五%とか一〇%とかということになれば、それをしたから消費がふえるかどうかということよりもむしろ、それはしないよりはした方がいいという程度のことであって、あとは品質の問題とか嗜好の問題が左右するということだと思います。したがって、量からいえば数量がふえていますからかなり学校給食の金額が大きくなっているわけですよ、補助単価は同じでも数量はふえていますから。ですから、これは国の財政事情との関係もあるので、これを単価アップするということはしたくともできないような財政事情にあるということも御承知おき願いたいと存じます。
○武田委員 次に、時間が来ましたので、最後に一つお聞きしますけれども、農産物の価格安定につきまして農業基本法の第十一条二項の規定があるわけです。ちょっと読んでみますと、「政府は、定期的に、前項の施策につき、」この「前項の」というのは、第十一条一項の、重要農産物についての「価格の安定を図るため必要な施策を講ずる」というのが「前項の施策」です。「その実施の結果を農業生産の選択的拡大、農業所得の確保、農産物の流通の合理化、農産物の需要の増進、国民消費生活の安定等の見地から総合的に検討し、その結果を公表しなければならない。」というふうに規定しておるわけです。これは御承知のとおりだと思うのですが、そのことについて昭和四十年六月一日に「農産物価格政策の総合的検討の結果について」というのを公表しているようでありまして、私も読ませていただきましたが、それ以来こうしたものがないように私は伺っているのです。これはどういう理由であるか。私はこうしたものがはっきりと国民の前に提示されることによって、農家も消費者の皆さん方も、一つの国の行き方の安心できるデータとして信用して、今後の生活の中における、経営の中における参考にするという意味で重要な問題ではないか。需給の見通しの云々ということを先ほど申し上げましたけれども、こうした法の中で定められていることを実行しながら、農業の問題、そして消費者に対する理解の度合いを深めていくという問題も検討していかなければならないはずだと思っていたわけであります。四十年以降もうすでに十四年目になりますけれども、いまだなされなかった理由と、今後こういうものはなさなければならないと思って検討しながらいま作業を進めているのかどうか、最後にお聞きしたいと思うわけであります。
○渡辺国務大臣 価格政策につきましては、農業基本法の施策の細目に照らしてさらに詳細な検討を行ってまいりたい。 公表の問題については、今後の課題として検討しますが、御承知のとおり不足払い法なんかも昭和四十年にできているわけですね。米とか麦とか不足払い法。それから豚とか牛肉なんていうのはそれから後だったと思う。したがって、個別個別についてはそれぞれ政府の関与するものがふえているわけですから、まとめては公表しないが、それぞれの時期においてはかなり詳しいものを議論もしてもらっているし、公表もしておる、そういうようなことでまとめることがなおざりになったのか、もっと公表するものをふやしていくことが適当かどうかも含めまして検討させてもらいます。
○武田委員 終わります。
○佐藤委員長 神田厚君。
○神田委員 五十四年度の畜産物の価格について、加工原料乳、牛肉、豚肉の安定価格、こういうものの決定が目前にあるわけでありますが、一部報道の中で、今年度は引き上げる要素は余りないということで、引き下げも考えられるというような報道が盛んにされているわけであります。そういう中で、一つの時期を目前にした形の中で、農林省として価格政策については今年はどんなふうな基本的な考え方をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思うのであります。
○渡辺国務大臣 これは繰り返しお答えをいたしておるように、それぞれの価格についてはそれぞれの一定の計算方式が決まっておりますから、その生産の事情、再生産の確保、需給の事情、経済の事情、こういうものを総合的に勘案をして、審議会の意見も聞いて決めるということであります。 ただ、下がるんじゃないかとかどうかというのは、えさがずっと安定して下がっておるしするから、それが反映するでしょうなという想像をされるわけです。したがって、私はそう大きく下がるものはないと思いますが、うんと上がるものも余りない。これは計算してみなければまだわかりません。いま資料を収集している最中で、間もなく、あと十日を出ずして一週間ぐらいのうちには全部出る、こういうように思っております。
○神田委員 その中で加工原料乳価の問題につきましては、大臣の十三日の閣議後の記者会見で、一つは、限度数量の超過分については、これはいろんなことし限りというような状況あるいはそういう限度数量の問題いろいろありますけれども、これについては財政措置をとるというようなニュアンスの御発言があったというふうに聞いておりますが、そういうことについてはお考えは変わりませんか。
○渡辺国務大臣 ことし限りで済むならばそれは考えてもいいですが、いままで三年間もことし限り、ことし限りが続いておりますから、ことし限りという保証がどれぐらいあるのか、そういうものも含めて検討したいと思います。
○神田委員 これは需給の見通しの問題がありますから、非常にむずかしい問題ですね。ですから、そういう意味でことし限りということでの大臣の方の話でありますと、大臣のお気持ちの方と非常に合うのかどうか、いろいろむずかしい感じがありますけれども、ひとつこの超過分の問題については、余りことし限りということにはこだわらないで、そういうふうなことについてはきちんとしたこれから先の需給の見通しを持った上で、それでもなお余った分については前向きに財政措置をとるというようなお考えはございませんか。
○渡辺国務大臣 これは財政事情が豊かなときでしたらば、私はある程度のことはできると思います。しかし、御承知のような財政事情の中でだんだん厳しくなってきておる。赤字公債を莫大なものを発行して、インフレになるんじゃないかと言われているぐらいですからね。ですから、赤字公債を発行して不足払いの補給金をどんどん出していくというようなことは、これは言うべくしてできませんね。したがって、不足払い制度というものを温存するとすれば、それは支払いできる限界というものがおのずからあるわけですから、その限界がどこらのところなのかということはよく検討して決めていかなければいかぬ。したがって、ことし限り、ことし限りでどんどん不足払いがふえていくということは、とても制度そのものがもたないということになりかねないということを私は心配しておるわけであります。
○神田委員 そういう中で、いわゆる新聞等の報道によりますと、全量の超過分の買い上げの問題、あるいはその中の何割かのものについては財政措置をするというようなニュアンスが感じ取られますが、その辺はいかがでございますか。
○渡辺国務大臣 これはこれからの検討でございます。
○神田委員 さらに乳質改善奨励金等の問題につきましては、これを継続させることが非常にむずかしいというお話が先ほど答弁の中にあったわけでありますが、なぜこの乳質改善奨励金を継続させることに困難があるのか、その辺はいかがでございますか。
○杉山政府委員 乳質改善奨励金の趣旨は、これは乳質、特に細菌数でございます。それの改善、そして価格の維持に寄与させるということを趣旨として出されているものでございます。その趣旨からいたしますと、今日におきましてはミリリッター中の細菌数というのはきわめて激減いたしておりまして、これが問題になるというようなこと、そのことを理由に乳価がたたかれるというようなことはまずなくなっております。そういう実情からも、私どもとしては、このような時期に乳質改善奨励金を続けて出すことはきわめて困難であるというふうに考えております。
○神田委員 先ほどもこれは論議になりましたが、この乳質改善奨励金はすでに価格の一部だというふうな、つくられたときにはそういうふうな位置づけをされた。そういうことから考えますと、いわゆる乳質改善奨励金というそういう内容は持っておりますけれども、すでにもう価格の一部になっているというふうに考えておりますから、やはりこれは継続してとっていただかなければならないのではないかというふうに考えておりますが、その辺は議論の分かれるところでありますから、時間がありませんから先に進ませていただきます。 ところで、先ほど牛乳の需給の問題につきまして畜産局長が答弁しておりましたが、六十年の需要量を、国内生産量七百六十八万トン、これはそのとおりでありますが、その際に輸入の問題については触れられておりません。六十年の需要量は全部で八百十四万トンの設定がしてあるわけでありまして、そのときには輸入はどのぐらいを目標として設定してありましたか。
○杉山政府委員 その時点におきましては、輸入量直接ではございませんが、七百六十八万トンの国内生産量におきまして自給率が九四%達成できるというふうに考えておりました。
○神田委員 そうしますと、自給率が九四%でありますと輸入はおよそ四十六万トン程度、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○杉山政府委員 この場合の輸入量につきましては、国内産の牛乳、牛乳と直接競合する関係の食用のものを前提にしておるわけでございます。数字的には先生言われるような程度の数字ということに相なります。
○神田委員 ところで、この乳製品、牛乳換算にして約二百四十万トンすでに現在輸入されておるわけです。そうしますと、六十年見通しそのものがもうすでに相当数狂ってきている状況でありますから、この点についてはどのようにお考えでありますか。
○杉山政府委員 乳製品の輸入数量は、実はこれは計算の仕方が大変むずかしいのでございますが、いろいろ御議論いただいておりますので若干大胆な前提を置いて私ども計算をしてみました。特に調製食用脂でありますとかココア調製品のように、全量が乳製品ではない、ほかの物がまじっているというものについては、これはどの程度の割合でまじっているかという前提を設けるわけでございます。私どもの一応の前提のもとに五十三年の輸入量を、これは乳量換算でございますが、計算してみましたところ、疑似乳製品と言われるものを除いた一般の乳製品で合計二百二十五万四千トンでございます。それから、ただいま申し上げました調製食用脂とココア調製品、この輸入量が二十六万一千トンでございます。こういう計算の仕方でございますと、おおむね先生の数字とそれほど大差ございませんが、このスケールでございますと、二百五十万トン程度の輸入量ということに相なります。 なぜこんなにたくさんの輸入が行われているかということでございますが、その一番大きなものは、数量的、実量的にはチーズ、ナチュラルチーズでございます。これは最近の需要が特に急増しているということが一つございます。その次に大きいのは脱脂粉乳でございます。これが八十万六千トン、これのふえ方がふえ方としては一番大きゅうございます。調製食用脂とココア調製品を合わせたものは前年が二十四万八千トン、それに対して二十六万一千トンということでございますから、若干ふえてはおりますが、それほど特別に大きなふえ方ということではないという状況にあるわけでございます。こういう状況からいたしますと、確かに予定しておった、計画で描いておったよりは輸入量がはるかに大きくふえてはおりますが、チーズの需要が急速に拡大したということと、それからえさ用の脱脂粉乳の需要、これがやはり急速に拡大した、この二つに集約できるかと思います。 そこで、これは先ほどもお尋ねがありましたが、こういったものについての対外問題を実際問題として考えますと、それができるかできないかということ自身が大問題でございますが、仮にこれについての輸入を規制するというようなことを考えました場合でも、価格問題、それから品質、技術問題というようなことからすると、チーズは国産化に乗りかわるということは、今後も開発研究を進めることは当然必要でございますが、いまの状況ではなかなかむずかしいと思われます。 脱脂粉乳については、すでに大臣からも先ほどお答え申し上げましたように、国内の酪農家のみならず、畜産農家一般の中で飼料として受けとめることについて御努力願わなければならない、政府としてもその方策について今後指導してまいらなければならないというふうに考えております。
○神田委員 ぼくは二十分しか時間がないものですから、答弁はひとつ簡潔にお願いしたいと思います。 そういうことになりますと、この六十年の需給見通しはもうすでに狂ってきている。そういうことから考えて、この見通し自体を再検討していくような方向になりますか。
○杉山政府委員 今日の時点において、需給の現状はすでに六十年見通しとかなりなギャップを生じております。農産物全体の長期見通しの検討の中の一環といたしまして、牛乳乳製品についてもこの見通しの検討を行う必要があると考えております。
○神田委員 その場合の大事なポイントというのは、国内の牛乳が生産過剰の状況にある、一方では輸入しているものについては乳製品は非常に多くなってきている、この辺のバランスはどんなふうに考えていきますか。
○杉山政府委員 先ほど私が申し上げましたような実情にあるわけでございます。諸外国の需給事情も念頭に置きながら、わが国の国産の牛乳乳製品の消化を第一義と考えて、その間の調整を図るように目標を定めていく必要があると考えております。
○神田委員 次に、牛肉の問題に移ります。 牛肉についても、ついでですから需給の長期見通しとの関係で御質問しますけれども、これも六十年の牛肉需要量が六十二万五千トン、国内生産量五十万八千トン、輸入量が十一万七千トン、これで賄うと言っております。しかしながら、すでに輸入量が部分肉換算で二万七千トン、農林省は本年度は十万七千トンの輸入を行って、さらに五十七年度には十三万五千トンの輸入を行うというふうに、オーストラリアとの関係を言っておるようでありますね。そうしますと、牛肉でもすでに六十年の見通しと非常に違った形態が出てきておりますが、その辺はどんなふうに考えておりますか。
○杉山政府委員 牛肉の需要量については、最近特に需要の増加が著しいものがございます。そういった事情から、輸入の枠も実績も顕著な伸びを示しております。ただ、国産の方も同様に顕著な生産の伸びを示しておるわけでございまして、五十三年度について見ますと、対前年で輸入が約一三%、国産が一一%の増加というふうになっております。 将来の見通しについてどう考えるかということでございますが、そういう需要の動向、それに応じて国内の生産が、今後、粗飼料の供給の増大、直接肉用牛の生産振興といったような対策をとっていくわけでございますが、何分にも資源状況、それから牛の回転期間が長いというようなことから、そう顕著な増加はなかなか困難であろうというふうに考えて、不足分はやはり今後とも輸入に依存せざるを得ないというふうに見ておるわけでございます。そういういま申し上げましたような状況を前提にして、これを計数的に確定して見通しを立てていくというふうに考えております。
○神田委員 ここでもやはり見通しそのものを変更していかなければならないような形になっているわけでございますね。 ところで、この問題はちょっと時間がありませんので、次は豚肉の問題に移らしてもらいますが、価格が非常に低迷しております。これは畜産振興事業団による買い上げ等の話も出ておりますけれども、豚肉価格の低迷について何かこれを解決するうまい考え、政府としてどんなふうに考えているか、簡単にひとつ……。
○杉山政府委員 豚肉はここのところきわめて急激な生産増加、供給増加が見られます。そのため昨年暮れごろ大変価格が低落したわけでございまして、基準価格を下回るというふうなことも見受けられました。最近においてはやや回復して、基準価格水準でほぼ維持し得ております。そして、事業団の買い入れは行っておりませんが、生産者団体等関係者による調整保管、これもそれほどの必要性はただいま現在ではなくなっておりますが、必要に応じて発動するということで対応してまいりたいと考えております。 長期的に見た場合、これはほかの畜産物と同様でございますが、需要に応じた生産ということで、今後大々的な生産増加を図るということは需給上危険であるというふうに考えて、そういった実情について関係者によく知らせるように指導、努力いたしておるところでございます。
○神田委員 大臣にお聞きします。 先ほどの乳製品の規制の問題、局長は長期見通しを変えなければならないということを言っておりますが、この問題、あるいは牛肉等の輸入の問題、さらに、いろいろな形で各国からいろいろな肉が入ってきております。そんなことからまず輸入の問題が大事になってきておりますが、乳製品の輸入の規制の問題は特にどんなふうに考えておりますか、ひとつ大臣の方から……。
○渡辺国務大臣 これは二つありまして、一つはIQのものと自由化のものと。自由化のものを規制するということは、これは国際問題ですから国全体の問題で簡単に規制するということはむずかしいと思います。しかしながら、先ほど言ったように、脱脂粉乳等については、生産者の理解と協力も得て、国内で少し消費してもらうような方向で行政指導をやっていきたい、かように考えております。 ナチュラルチーズ等については、やはり技術の開発ということが先決でございますから、それらについては芳賀委員からもお話がございましたが、将来とも団体等においてそういうようなことをやる場合には積極的に助成をしてまいりたい、こう考えております。 大体以上であります。
○神田委員 この乳製品の輸入はやはり見通しを、非常に多く輸入されているという現状から、規制の問題についても前向きに少し考えていかなければならないと思いますが、いかがですか、大臣。
○渡辺国務大臣 これは日本の経済全体に関係をする問題でございますから、産業の問題であって、いたずらに少しぐらいの規制を国際問題に大きく持ち出して、それによって日本の全体の景気に影響するようなことになっても因るし、そこらのところは総合的に勘案をしながら、無秩序な輸入については何らかの方法で秩序ある輸入にしてもらうような指導は強めていくつもりであります。
○神田委員 それでは次に、きょうこの委員会の後、繭の問題、養蚕の問題について決議がある予定でありますが、時間がありませんので、最後に一問大臣の方に御質問申し上げます。 昭和五十四年度の基準糸価及び基準繭価の決定が近々あるわけでありますが、養蚕農家にとりましては再生産の確保がきちんとできるような——減少傾向にありまして、やっと歯どめがかかりそうな、そういうふうな繭の生産につきまして、もう少し政府の方で積極的にいろいろな施策をとってほしいという要望があるわけであります。そういう意味におきまして、私どもやはり繭の生産というのは非常に大事だと考えておりまして、これから養蚕農家を国としても農林省としてもうまく育てていかなければならないというふうに考えております。その辺につきまして大臣の方でお考えがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 養蚕の問題につきましては、生産性の向上ということを第一義的に考えて私は生産の振興を図っていきたい。先ほどもあったように、品物は安い方から高い方へ流れるわけですから、ある程度の産地の移動というものはこれはやむを得ないものであるというように考えております。
○神田委員 安い方から高い方へという話じゃなくて、養蚕農家につきましてもう少し積極的な育成政策というものをおとりになるお考えがございますかどうか。
○渡辺国務大臣 それはそう答弁をしたつもりでございますが、それは生産性の高い農家を育成をするということで積極的にやってまいるつもりでございます。
○神田委員 終わります。
○佐藤委員長 津川武一君。
○津川委員 畜産と外国農産物の輸入の関係についてお尋ねしてみたいと思います。 どこへ行っても農民は外国農産物の輸入を少し抑制しなければならないと言うし、私たちはその農民の団体である全中からも畜産物輸入の抑制の陳情を受けております。この間、私、全中の国際部担当の落合常務理事と二、三回懇談したことがございましたが、非常に心配しています。減反をやっていても、外国農産物の輸入がかなり自由に入ってくるようでは減反どころでない、減反の前に外国農産物をどうするのかという基本対策を立てなければ減反は大変になる、これが全中の意見でございます。私もそうかと思います。 今度、一方消費者の代表である日本生活協同組合連合会の幹部の人たちと懇談してみました。渡辺農林大臣は消費者のことを心配してくれて良質の食品を安く提供してくれる、このためには外国からの輸入もあえて辞さない、ありがたい話だが、消費者としても一番大事なことは、日本の農業が安定的に確立すること、そして消費者に安定的に主食が届くようにすること、この立場から言うならば、外国農産物のめちゃくちゃないまみたいな輸入は因るんじゃないか、こう言っております。 こういう幾つかの立場がある中で、最近牛乳の過剰問題で幾つかの論調が出ていますので、二、三これを拾って、覚えているでしょうが紹介してみます。 二月二十七日の日本経済新聞の夕刊でございますが、「牛乳のだぶつきが問題になっているが、渡辺農水大臣は二十七日午前の閣議後の記者会見で、牛乳についても「生産調整も研究する必要がある」と語った。同農水大臣によれば研究の対象は「調整奨励金」の導入など。ただ牛乳の生産調整には農家の激しい反発が予想され、実現するかどうかはきわめて流動的である。」「農水大臣が研究対象としてあげた「生産調整奨励金」は乳牛の数を減らし牛乳を減産した農家に払われるもので、かつてEC諸国で、導入されたことがある。わが国の場合、牛乳について生産調整を実施したことはない。」こんなふうな記事が出ております。 三月五日の日本農業新聞の論説ですが、「渡辺農相は、牛乳生産は過剰だから生産調整を——というが、一方で、生乳換算量にして年間約二百五十万トンもの乳製品や疑似乳製品が輸入されている。昨年の生産量六百十万トンの四割強に当たる。しかもコメのように国内生産量だけで過剰だ、というのとは根本的に違う内容である。一方で多量に輸入しておきながら、生産過剰だ、というのでは「国内自給率を高める」と言っている政府方針とは基本的に矛盾する。」先ほど話した「また、ECでやった乳牛の販売奨励制度や、と畜奨励制度のような乳牛減らしも考えてはというが、ECでは、EC圏域外からの牛乳、乳製品の輸入を全面的に禁止している。その中でとられた措置であることを知るべきだろう。わが国のように、乳製品輸入に対する確固たる政府方針のないままに、ECのまねごとをしたのでは、国内酪農の崩壊となることは明らかだ。牛乳を「第二のコメ」と認識しているところに大きな誤りがある。」これが農業新聞の論説でございます。 昨日の朝日新聞でございますが、「生産過剰について、生産者団体は、乳製品の大量輸入をあげ、「つくられた過剰だ」と指摘している。現在、ナチュラル・チーズやエサ用脱脂粉乳、乳糖などの乳製品が牛乳換算で年間約二百五十万トン輸入されている。これは国内生産の約四〇%に当たる。中央酪農会議や日本酪農政治連盟は輸入規制を訴えているが、政府側は「東京ラウンドなどで規制を弱めようという時勢に、規制の強化は無理」と突っぱねている。輸入乳製品のうち四〇%強を占めるナチュラル・チーズは、昭和二十年代後半に自由化された。生産過剰に悩む一方で、チーズが年に生乳換算約九十万トンも輸入されている現状は、国の酪農政策が長期展望に欠けていた」ためだと、こう言っております。 こういう指摘。農民もこれは心配している。私たち共産党も、国民の主食で日本でできるものはできるだけつくってあげなければならぬ、そのかわりに、これを生産する農民の生産費と生活が保障されるようでなければならぬ、そういう農政でなければならない、こう思っております。私たちも、牛乳の消費の宣伝やいろいろなことについて午後の質問で展開しますが、こういう情勢に対して、外国農産物の輸入、特に乳製品の輸入に対して政府はどう考えているのか、農民が安心して畜産をやれるような展望と確信を農民にどうして与えていくのか、ここいらを答えていただきます。
○渡辺国務大臣 あなたのいまおっしゃったことは私の記者会見の内容ではございません、それは新聞の解説であります。解説はいろいろなことを言う人があるのですから。 私が言ったのは、これはいまのようなことが恒常化をして過剰生産をずっと続けていくようになるとすれば、不足払い法を守るためには、金は無制限に出せないのだから、そのためには生産調整というようなことも研究するようなことになるかもわからない、あたりまえのことをあたりまえに言っただけであります。 それから輸入製品の問題につきましては、できるだけわれわれは国内で生産できるものは国内でつくるように努力をいたしておりますし、それは所信表明でも言っておるところでございます。しかしながら、不足するものについてはこれは輸入はやむを得ないのであって、極端な話を言えば、えさを輸入しないでブタを飼えなんて言われたってできっこないのですから、これはやむを得ないところであります。しかしながら、できるだけ国内でつくるような努力はいたします。だからと言って、その農家の保障をとおっしゃいますが、われわれもできるだけそれはやっておるのだけれども、しかしながら、消費者の立場からすれば、幾ら高くてもいいのだ、国内でつくるのだったら幾ら何倍高くてもいい、これは消費者は残念ながらなかなか承知をしないことでして、だから、われわれは米についてもすでに国際価格のカリフォルニア米の三倍、タイについては五倍という保障をやっておるわけですから、これで合わないのなら、十倍にもしろなんて言われたって、それはできない話なんです。したがって、それにはおのずから限界がございます。したがって、極力生産性の高い農業をつくるための助成はいたしますから、そういうことで一緒になってやりましょうということを申し上げているような次第でございます。
○津川委員 どうも、大臣も苦しいだろうけれども、真正面に答えていただいて、(渡辺国務大臣「いや苦しくないよ」と呼ぶ)乳製品の輸入をどうするかを聞いている。あなたは、そういうことで余ったから生産調整をせざるを得ない。これはそうですよ。余らしている根本の原因は、米は国内で余るが、乳製品は違うと言っているでしょう。外国からの輸入があるから余るのだ、そこのところをどうするか、それに対する基本政策が政府にないじゃないかと言っているのです。そういうところをお答えいただきたい。
○渡辺国務大臣 ですから、輸入については一番多いのは、あなたも御承知のとおり一番多いのは脱脂粉乳なんですよ。これはえさ用なんですよ。この脱脂粉乳を減らすといったって、現実にはそんなに極端に減らすことは、今度はえさが高くなることですから、それは言うべくしてそう簡単にいかない。いかないけれども、極力国内の脱脂粉乳も使っていただくように生産者の方の理解と協力を求めるような努力をいたしますということを申し上げているのです。 それから、その次にでっかいのはナチュラルチーズなんですよ。あとは実際は大したことないのですよ。このナチュラルチーズについては、これは値段の問題だけでなくて、製品の質の問題、それから嗜好の問題等がありますから、なかなかこれは一朝一夕にできない。したがって、芳賀委員が指摘したように、これは国内でこれから団体やあるいは何かでやろうというようなものについては技術その他の問題について内地ではなかなかないのですよ。したがって、こういうようなものについてはわれわれとしては今後も助成策をとっていきたいと思っています。こういうことなんであります。
○津川委員 酪農をどこまでやっていいかという、この先の心配なんですよ。きょうも私は、青森県の下北農業協同組合の専務理事高橋利幸さん、この人と長らく話をしてみましたら、五ヘクタールの水田をつくっているのです。政府の方針に従って三ヘクタールを再編対策として生産調整した。牧草です。あと七、八年も続くのであれば、酪農と肉牛に転換できるに絶好の機会だから一生懸命やっているとこの点を認めている。だが、酪農をやって、肉牛をやって、終わったときに牛乳の生産調整はないかと言う。この下北半島で上北郡の北部と合わせて東部畜産団地をいま計画している。この人は専務理事としてその衝に当たっている。農民が生産調整して、自分の畑を、田をそこの牧草に提供する。そのとき、高橋さん、先は大丈夫なのか、酪農をやって大丈夫なのか、ミカンみたいな生産調整はないのか、これが具体的なんですよ。これに具体的にあなたは答えていないんだ。ここの点を答えていただきます。
○渡辺国務大臣 日本は自由主義経済を基本としているのですよ。したがいまして、これは食べる食糧とかなんかというものは経済事情に大きな影響力があるのです。所得がうんと高くなれば穀類が少なくなるというのは、世界の経済の歴史を見ても全部そうなんです。日本もそういうことになった。ですから、そういうところで結局昭和六十年の見通しの分をすでに鶏とかそれから豚なんかはもう食べてしまったし、牛乳なんかもかなり消費がふえていることは事実なんですよ。したがって、われわれとしては不足払い制度というものについてこの制度を維持していくというためには、ただ無制限に拡大することは不可能でございますよということを私は言っているのですよ。ですから、どちらを優先するのかという政策判断の問題なのであって、これは私は不足払い法をなくすとかそんなことを言ったことは一回もないのです。やはり不足払い法というものはあった方がいいだろうということで、暫定措置としてできたものでありながら、当分の間、当分の間で十数年来ているわけです。ということは、国会が皆満場一致で延期しているということは、それはやはり必要性があるから皆さんも賛成をしてくださっておる。したがって、それを優先するならば制度が守られるようにしなければならない。それについては、数量を抑えるといったって、あなたのところ頭数は何頭何頭というふうにたんぼや何かと違って抑えようがない。頭数は野放しになっておるわけですから。ですから、ここをやはりある程度、それが価格や何かでうまく誘導できないということになれば、将来の問題として、こういう過剰傾向がずっと続くとすれば生産調整もあり得るということを言っているだけであって、それがうまく誘導策でできればその必要はないわけですよ。 ですから、経済の問題は経済の実態に合わせていかなければならないのであって、硬直したことで言ったって始まらないわけですから、これはお互いに理解してもらわなければ困ると思います。
○津川委員 時間も来たからもう一つ質問するけれども、国際経済の問題、自由化の問題があるから国政の問題と農林大臣は農民に答弁しているのだ。だけれども、いま一体日本の黒字は何でだれが出しているか。鉄鋼の一部ですよ。自動車ですよ。カメラなどの機械製品ですよ。そこのところは野放しにしておいて、そこで黒字になって困ったからこの黒字を吐き出せというかっこうになって農産物の輸入を押しつけられている。だから政策転換しなければならない。だから、あの高橋さんが三町歩を酪農と肉牛にして大丈夫かと聞くのだ。農林大臣が本当に経済を安定的に民主的に正しく見るならば、問題の根源がどこにあって、だれがこの問題の責任者であるか。これは重化学工業ですよ。犠牲はだれが受けているか。農民ですよ。それを直すのがあなたの仕事じゃありませんか。いかがです。
○渡辺国務大臣 農業は農業だけで繁栄することはできないのですよ。少なくとも農業でつくられたものは、農産物は、これは売られるものですから、商品的性格が強いわけですから、したがって、景気が悪くなって牛肉の値段が高く売れるとかミカンが高く売れるなんということはあり得ないのですよ。それはミカンを食わなくたって死ぬわけじゃないんだから。やはり消費者が豊かになって初めて高い質のいい農産物が売れるわけです。ですから、重化学工業をみんなぶっとめてしまうみたいなことを言われたって、それはもちろん農林省の所管ではありませんけれども、その下には労働者もいれば関連企業もいれば中小企業もみんないるわけです。ですから、それは政府としては、なるべく内需喚起によって外国に輸出するものをなるべく内需で吸収しようという政策を現実にやっているわけでしょう。ですから、みんな一蓮托生なんです。それはともかく、雇用の問題も、失業者がふえてしまって農産物を高く買ってくれる人が多くなるとか、そんなことはないわけですよ。ですから、それは総合的な問題であるということは共産党でもわかってもらえるのじゃないかと私は思いますがね。
○津川委員 大臣、この問題は、まだまだこれはきょうおさまらないので、繰り返し繰り返しあなたの姿勢をただしていくが、問題は雇用じゃないのだよ。大企業がもうけるのだったら農民も一緒にもうければいいんだ。苦しいときには一緒に苦しめばいいんだ。大企業がいま莫大な利益を上げているんだよ。そしてその結果を農民に押しつけているということを指摘して、きょう、私の質問は終わります。 ————◇—————
○佐藤委員長 この際、山崎平八郎君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの共同提案に係る蚕糸業の安定的発展に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、蚕糸業の安定的発展に関する件について御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 蚕糸業の安定的発展に関する件(案) 政府は、昭和五十四生糸年度に適用する安定帯価格の決定に当たつては、左記事項の実現に努め、わが国の伝統的産業である蚕糸業の安定的発展に万遺憾なきを期すべきである。 記 一、昭和五十四年度適用の基準糸価及び基準繭価等については、繭及び生糸の再生産が確保される適正な水準に引き上げること。 二、生糸及び絹製品等の輸入については、これが国内需給に悪影響を及ぼすことのないよう次の措置を講ずること。 1 中国、韓国に対する生糸及び絹製品の二国間協定の締結に当たっては、日本蚕糸事業団の過剰在庫等を十分考慮し、適正な輸入数量とすること。 また、同事業団の輸入生糸の実需者売渡し制度については、糸価及び需給に悪影響を与えぬよう適切な運用に努めること。 2 絹糸及び絹織物の輸入については、現行の事前許可制及び通関時確認制等の厳正なる運用を期すること。 三、繭の生産増強が図られるよう土地基盤の整備、優良桑苗の育成確保等強力な生産振興対策を講ずること。 右決議する。 以上の決議案の趣旨につきましては、各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。(拍手)
○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。 この際、本決議に対し、政府の所信を求めます。渡辺農林水産大臣。
○渡辺国務大臣 ただいまの御決議につきましては、十分検討し、適切に対処すべく努力する所存であります。
○佐藤委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らうことにいたします。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後三時開議
○山崎(平)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について質疑を続行いたします。柴田健治君。
○柴田(健)委員 持ち時間が決まっておりますので、簡潔にお尋ね申し上げますから、簡潔に正確に納得できるようなお答えを願いたいと思います。 まず、加工原料乳の限度数量の問題なんですが、これは御承知のように五十一年度、五十二年度、五十三年度、それぞれオーバーをするわけです。五十一年度は十一万五千トン、五十二年度は二十万トン、五十三年度でも十九万から二十万トンというようなどうも見込み違いの数字が出てくるわけですが、先ほど各議員の質問の中にもございましたが、これはもう農民の責任ではない、政府の責任だ、私はこう判断をしておるわけです。結局、米の生産調整をやる、どこに農民が生きる道を求めるか、これはおのずから畜産を伸ばすか、果樹を伸ばすか、いろいろ手を伸ばして生活の基盤を拡大していくことは当然でありますが、何としても、生産が伸びた、伸びることは、要するに米の生産調整というものを一方控えておりますから、やはり政府としても、そうしたオーバーしたからといって、ただ牛乳なら牛乳だけで処理するのでなしに、やはりそこは総合農政というあなたらの専門語で、ひとつ米の生産調整はこの畜産の方へ伸びてくるのだ、これは当然のことだという受けとめ方をして、やはりその点の処理をしてやるべきだろうと私は思うのですよ。それを、米なら米だけで結論を出していく、畜産なら畜産だけで結論を出していくというそういう分離方式でなしに、総合的にとらえて、やはりオーバーしても当然のことだ、農民も生きるためにはそういうものを求めていくのだ、こういう考え方に立って処理すべきではなかろうかと思うのですが、局長、どうですか。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○杉山政府委員 限度数量につきましては、ただいま先生御指摘のように、本年度も大体当初の限度数量を二十万トンオーバーする加工原料乳が発生する見通しでございます。この取り扱いについては、昨年、一昨年は限度数量内のものと実質同じようになるように畜産振興事業団の助成事業で手当てをいたしました。しかし、今日になりますというと、過剰がきわめて顕在化してきたという実情があります。これを促進するような形での価格の決め方なり限度数量の取り扱いというのは私ども問題があると考えております。 それから、酪農の問題は酪農だけでなく農政全体との関連において考えるべきであるという御指摘、私は、全体として農家の長期の経営安定ということを考えますならば、やはり需要に応じた生産を指導するということが長期安定という上から必要だと考えております。その意味では、亘一千八万トン、百五十八万トン、さらに百八十三万トンと年々ふやしてまいりました限度数量、これによる政府の財政負担、それによる農家の所得の向上、経営の安定化ということは、ここ数年きわめて見るべきものがあると思うわけでございます。むしろ、そういう安定した経営を維持するために、厳しい事情でございますが、価格なり限度数量については、過剰を刺激しないように、一面消費の開拓を図りながら取り扱ってまいりたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 私は、何も限度数量にこだわる必要はないのだ、畜産全体を伸ばすために、私は、二百万トンが二百二十万トンになろうと、やはり国民がだれ一人も泣いてはならないわけですから、そういうところで総合的に物をとらえて処理すべきだろうと思うのです。ただ、一方では、われわれもそういうことを常に言うわけですが、輸入が生乳に直すと二百五十万トンから入っておるじゃないか、そういうことをして、片一方では国内の生産農民だけを苦しめるようなことをしてはならぬじゃないか、こういうことは社会通念、常識の問題としてだれしも言うことである。けれども、われわれはそういうことも言いながら、やはり全体的なことを考えて、総合農政の中で畜産なら畜産、果樹なら果樹、米なら米をやはり総合的に考えて処理していく、それに対して金の要るものは、やはりこの転作奨励として片一方出しておるわけですから、その転作奨励の意味を含めて限度数量の補給金を出したらいいじゃないか、こういう気がするわけですが、その点のとらえ方をもう一回局長から聞いておきたい。
○杉山政府委員 米からの生産転換がほかの作物に向かう、特に飼料作物に向かうということは、これは当然予定しているところでございます。ただ、そのことが畜産の外延的拡大になって、そうしていたずらに頭数をふやす、生産の増加をもたらすということは、畜産物は畜産物の世界での需給問題があるわけでございますから、そこは程度を考えなくてはいけないという問題であろうかと思います。その点、今日の畜産のえさの給与状況を見ますと、きわめて配合飼料の多投という状況が出てまいっております。これは国際的に飼料穀物の価格が安いということが反映されてでございましょうが、国内産で自給できる飼料作物によらないで輸入される配合飼料に依存するという形になって、そうして頭数がふえて乳量がふえるということは好ましくないというふうに考えて、私どもは、米からの転換も、むしろ自給飼料の自給率を上げるという形でこれは指導してまいりたい、また、そのように今日までも努力してまいっているところでございます。
○柴田(健)委員 あなたらは机の上でそろばんをはじいてああだこうだと言われますけれども、農民は生きていかなければならぬですからね。そうすると、飼料作物をつくりなさい、一方では輸入飼料も買いなさい、搾乳量をうんとふやすためにはうんと濃厚飼料を与えなさいという飼育管理指導の中で矛盾をしたようなやり方をやっているわけですね。濃厚飼料はもう余りやらずに、粗飼料でもいいから自給飼料の方でやりなさいよという指導をやればいいのだけれども、それはやらない。濃厚飼料をうんと食わせて搾乳量をうんとふやしてやりなさい、こう言うから、農民の方は海外から飼料を購入したそれを使っておるというのが現状じゃないでしょうか。あなたらのやっていることはどうもとんちんかんのような気がして納得ができないわけでありますが、何としてもそういう点で限度数量の問題にこだわって、またこれを生産調整だなんというと大変なことになるのではなかろうか、こう思いますので、十分配慮してもらいたい、こう思うわけです。 それから次に、東京サミットが六月末に行われる。きょうから第一回の準備会議が持たれておるようですが、これはわれわれ農民の立場から言うと非常に気になるところであって、また、今度は日本が開催国でありますから、開催国はこのサミットを成功させるためにいろいろな条件をのまなければならぬだろうという予測ができるわけです。日本で開催をしてこの会議が御破算になったりけんか別れになったりいろいろなことがあっては日本政府としてもメンツの問題になるだろう。そういうメンツ論からいろいろな外圧に屈伏せざるを得ないじゃないか、本当にたえがたきをたえて会議を成功させるためにのまなければならぬ問題が出てくるのではなかろうか。その中で、農畜産物の輸入拡大という面がまたぞろ出てくるのではなかろうか、こういう気がするのですが、こういう点について畜産局長はどういう理解をしておるのか。いずれ準備会議を順次持たれていくと中身がわかってくる。わかってきた時点で、これは大変だということになれば、直ちに立法府に相談を持ち込むとか中間報告をするとか、何らかの処置をすべきではなかろうかと思うのですが、その点の取り扱いなり考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○杉山政府委員 ほかの農産物のことはちょっとおきまして、私どもの畜産物関係について国際的な最近の環境は、御存じのようにアメリカとの交渉が一番難航したわけでございますが、昨年じゅうの交渉を通じまして一応の合意を見たわけでございます。これは牛肉についてでございます。 それから、オーストラリアとの最終的な合意はまだ見ておりませんが、おおむねの線は出てまいっておりまして、近く決着を見るという予測をいたしております。 そこで、MTN交渉全体がまだ終わっておりませんが、近く各国首脳によるサミットが開かれる。その際にまた何か新しい注文、外圧を加えてくるのではないかという見方もあるわけでございます。 いま申し上げましたような経過からすれば、私どもは牛肉についてはいま以上特別な新しい問題が出るというふうには考えておりません。もっとも、国際問題のことでございますから、いままでも予測しなかったような問題がときどき出てまいった、大いに困惑したという経験もございます。断言するにはややためらいもありますが、いまの私どもの観測では、特別新しい問題が出てくるとは考えておらないところでございます。 乳製品につきましては、これはMTN交渉全体を通じまして、いまでもそうでございますが、EC、オーストラリア、ニュージーランド、そのほかの酪農生産国から、日本の自由化の拡大あるいは輸入数量枠の拡大、さらには関税率の引き下げといったような注文が出ております。これにつきましては、私どもは、今日国内で牛乳が過剰になってきているというような実態でもありますので、いま以上輸入を拡大するようなそういう方策は、たとえ外国からの強い要請がありましてもこたえることはできない、むしろその点は最低限現在の線は守るということで交渉に臨んでいるわけでございます。 サミットでそれがどう出てくるかというようなことは、まあ予測するほどの具体的なデータは持っておりませんけれども、このように外国から出られても、いま申し上げましたような基本姿勢で対処するということで考えております。
○柴田(健)委員 もう一点、その点で、いまあなたそういう楽観的な見通しというか判断に立っておられるようですが、開いてみなければならぬし、準備会議でどういう各国の意向が出てくるか、通商、通貨その他全般にわたっていろいろな問題が出てくる、私らはそう受けとめているわけで、その中でいろいろな問題が、日本の生産農家に重大な影響を与えるというような問題がひょっと出てきた場合には、直ちに国会に中間報告でもするというぐらいな気持ちがあるのかないのか、その点をお答えを願いたいのです。
○杉山政府委員 農家に重大な影響の出ないようにということで最大限いままでも努力してまいっております。必要な場合には各関係方面の御協力を得るということもそれこそ必要でございますので、しかるべく御相談申し上げるというようなことも、これは十分考えておきたいと思います。
○柴田(健)委員 どうもあなたらは国民の方に目を向けておるような畜産行政をしておるとは思えないので、たとえば、アメリカとの合意しておる点を見てみますと、どうもアメリカの圧力に屈服しておるような文章になっておるわけですね。一九八〇年度で四千トン、一九八一年、八二年、八三年で一万トン増、総増加分一万四千トンというアメリカとの高級肉の取引の合意書ですが、これはまた二年ごとに協議をするということ、これは何年でもこういうことが続く可能性がある。これは当面ではない、永久的なものになってくる可能性がある、こうわれわれは判断せざるを得ない。特に、両国は需要の開発に格段の努力をしなければならぬ。向こうは、日本に食え食え、こうしなさい、こうやれと日本政府には命令ができるだろう。日本政府はそれを受け入れて需要の拡大に最善の努力をしなければならぬ。アメリカの肉を消費するために最大の消費拡大のことを開発をしなければならぬというように義務づけられておる。日本の場合はそうはやらない、日本の国内生産の肉はそこまでやる意思はないという気がするわけですが、これらを見て、ホテルの枠、一般の枠、こう分けている。ホテルが日本にどのくらいあるのか。アメリカに通告しておる数字は、日本のホテルは幾らあるのか。ホテルでもいろいろある。肉を食べさせてくれるホテルもある。食わせないホテルもあるだろう。肉をつくるホテルもあるだろう。食うところとつくるところと、日本にはいろいろある。ホテルがどのくらいあるのか。アメリカに報告して、日本にホテルがどのくらいあるという確認の数字を押さえてこういう枠を押しつけてきたのか。
○杉山政府委員 まず、アメリカとの合意の内容でございますが、五十三年今日現在で一年間の高級牛肉の輸入量は一万六千八百トンというふうに見込まれております。一部カナダ等もありますが、その大部分は現在ではアメリカが占めているという状況でございます。この高級牛肉の数量を一九八三年までにいまより一万四千トンふやして三万トン台にするということが合意されているわけでございます。その合意の形式については、いま先生が言われましたが、高級牛肉の需要開発の努力を払うという形にしておりまして、数量そのものを入れますという約束はいたしておりません。これは現在のわが国の牛肉の価格安定制度が、輸入を優先するといいますか先にして、残りを国内というようなことではなく、国内で自給できるものをまず充てる、そして足りないものを輸入するという考え方に立っているものでございますから、数量を直接約束するわけにいかないということで、そういう水準に達するように需要開発も努力をしようじゃないかということを言ったわけでございます。アメリカの牛肉が本当に値段のわりにおいしい、そして利用しやすいということで、十分それが認識され、PRが進むならば、これは消費も出てくるであろう、そういう努力をまずアメリカはしなさい。日本もそれに対して協力をするというような意味でございます。 それから、それだけのものが実際に実現できるのかということでございますが、最近の需要の増はきわめて著しく、一人当たり消費量でおおむねここ一年一三%程度の増加が見られます。もちろんこんな高い増加が今後も続くとは思えませんが、かなりの増加が続くのではないか。そしてそれに対して国内の供給だけでは十分には賄い切れない。むしろある程度の輸入は行わなければ需要にこたえ得ないという考え方を持っているわけでございます。 そこで、いま申し上げました高級牛肉について一九八三年度でもって三万トン台ということでございますが、この内容はどういうものが占めるかといいますれば、別段ホテル枠が全部というようなことではなくて、むしろホテル枠は現在の水準程度、若干の増があるかという程度にとどまると見通しております。むしろ、高級牛肉とはいいましても、これは牛で区分するわけでございますから、実際に入ってくるものは、高級牛肉とされた牛のショートプレートという部分あるいはブリスケットというような部分で、部位と言っておりますが、むしろ国産牛肉では対応できないような業務用の用途に充てられるものが大部分ではないかと考えております。 それからホテル枠でございますが、現在ホテル枠は、五十二年が二千トンであったものを、五十三年度は三千トンに拡大いたしております。これはホテルの牛肉総需要量が約四千トンございます。その中で三千トン程度は輸入の高級牛肉をもって充てるということでこの枠を設定したわけでございます。なお、この場合のホテルというのは、およそホテル一般ということではなくて、国際観光ホテルということで法律上資格要件がきちんと決められているホテルに限られているわけでございます。 そのホテルの数はどのぐらいあるかということでございますが、国際観光ホテルの総数が三百八十六、実際に割り当てを受けているホテルの数が二百九十九でございます。この二百九十九のところで三千トンの枠をこなすという実態になっているわけでございます。
○柴田(健)委員 わざわざ高級牛肉という言葉を入れるわけですが、日本の牛肉とアメリカの牛肉とどちらが高級だとあなたは思う。
○杉山政府委員 アメリカの牛肉と日本の牛肉と比べてどちらが高級かということになれば、日本の牛肉もいろいろあるわけでございますが、通常日本の牛肉として知られているのは和牛でございます。和牛の中でも特に中国産系のものは、これは但馬牛あるいは因幡牛、丹波牛といったようなそういった地域のものは、これはきわめて高級なものとして通用いたしております。価格においても比較にならないほど輸入牛肉、アメリカ牛肉等に比べて高い水準にあります。ただ、国際的に高級牛肉と言っておりますのは、そういう特別な和牛などを前提にした話ではなくて、牛の飼い方として、山野に放牧して、あるいは放牧でないにしても粗飼料を給与してつくるいわゆるグラスフエッドの肉、それに比べまして穀物を一定の水準以上に与えて飼養するところのグレーンフェッドの肉、これを比較いたしましてグレーンフェッドの肉の方を高級牛肉と称しているわけでございます。高級牛肉と言いましても部位がいろいろあるわけでございます。通常、私どもの日常の食生活における高級という観念とは必ずしも一致しないというふうに考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 マスコミでも、あなた方の言うのは、外国から入ってくるのは皆高級だというような舶来謳歌をするから変なことになってしまう。どうも日本人がつくるものは皆よくないのだ、外国から入れるのは全部、舶来、高級という言葉を使うところに問題がややこしくなる、われわれはそう思っている。何もわざわざ高級牛肉なんて言葉を文書の中で入れなくてもいいじゃないか。日本政府がみずから、日本の長い歴史を持った和牛、そして肉質から言うと世界最高だとわれわれは自信を持っている、農民の方が自信を持って、政府の方が自信がないという、そういう宣伝のあり方、表現のあり方というものは慎んでもらいたい、私はそう思う。これは厳に強く局長に申し入れておきたいと思うのです。 それから問題は、消費拡大をどうするか。いま消費量を見ると、国民一人当たり一日八十四・九五グラム、これは肉類全部ですが、そのうち牛肉が一日消費量十三・六グラム、これは肉類全体の比重から言うと一六%の率なんです。これを将来、国民一人当たりの肉の一日消費量をどの程度伸ばそうと思うのか。それに対してどういう工夫と努力をしようとするのか。たとえば、いま一日十三・六グラムをせめて一日三十グラムくらい食べてもらえば国内生産なんかも完全に消化されていくのではなかろうか、こういう気がするのですが、目標はどこに置いておるのか。
○杉山政府委員 前の方の御指摘の高級牛肉のことについて一言申し上げさせていただきたいのですが、国際的にハイ・クォリティー・ビーフという言葉がありまして、それを直訳した結果が高級牛肉ということになっております。しかし、その高級牛肉という言葉の持つ意味は、私が先ほど御説明したとおりでございますので、別段特に日本の和牛よりもいいというような意味で使っているわけではございません。確かに誤解を招くといけませんので、そういう実体のものであるということ、むしろグレーン・フェッド・ビーフとでも言った方がよかったのかもしれませんが、そういう実質のものであるということをよくわかるように説明してまいりたいと思います。 それから、牛肉についての消費の拡大、今後の見通しをどう見るかということでございますが、今日水準で一人当たりの消費量は三キロでございます。六十年見通しで描いておりますところの目標数量見込みは三・六キロでございます。今日の三キロの水準は、六十年の三・六キロと比べますとかなりいいところ、むしろ高いところに来ているというふうに考えられます。 そこで、六十年見通しについて、現在、需給そのほか種々検討すべき要素も出てまいっておりますので、いま申し上げましたような一人当たり三キロの現状を踏まえて新しい見通しをつくらなければいけないというふうに考えております。私どものいまの感じでは、六十年見通しの既定の一人当たり三・六キロより相当高い水準に見通しは設定されるのではないかというふうに現在考えております。
○柴田(健)委員 これは牛乳もあわせて消費拡大を政府みずから本気でやらないと生産農家は安心できない、こう私は思うので、努力してもらいたいと思います。 次に、和牛の関係で、肉牛の関係は、乳牛の子も和牛の子も必要なんですが、関税のかかるのと、かからないいわゆる生体牛の輸入なんですが、無税の分が年々枠がふえている。初めは三千頭が四千、五千、今度六千頭、こういうように年々肉牛に育成する子牛を入れてくるわけですが、私は、入れるなとか入れろという奨励ではなくして、なぜこんな現象が起きるのだろうか、もう少し国内で繁殖牛、素牛育成をやったらどうだろうか、政府がみずから力を入れて外国から子牛を入れてこなくてもいいじゃないかという気がするのです。日本の繁殖率を見ると、三年に一頭平均二・七ぐらいですか、それを毎年一頭ずつ産むぐらいの改善策を考えたらどうか。技術改善というか、だんだんと人工授精で変わってはきておるけれどもまだまだ進んでない。その点もう少し政府は、要するに畜産局は相当技術者も持っておることだから、素牛育成、繁殖率を伸ばしていくというように考えて、外国から生体牛を入れないでもいいように、日本の国内でふやしていくという体制づくりをしたらどうかという気がするのですね。ただ輸入するなとかせいとかわれわれは言いません。けれども、国内の生産体制を拡充していく、そういうことをもっと強力にやったらどうか。どうも今度の畜産物の諮問の出した案を読んでみてもそういう点には余り重点を置いてない、これからやろうとする施策についてそういう点が余り触れられてない、こういう気がするのですが、局長、どうですか。
○杉山政府委員 基本的な考え方としては、私ども、柴田先生がただいま言われたことと全く同じに考えております。肥育牛の素牛は原則として極力国内で供給できるようにすべきであると考えております。そのために各般の施策を実施しておるところでございますが、特に五十四年度におきましては肉用牛集約生産基地育成事業というようなことで一貫生産を育てる、単に繁殖だけでなく、肥育過程、さらにはその後の処理の過程まで含めましてできるだけ地域でもって一貫した生産を行うようにということで予算措置もとっております。そのほか、繁殖牛の増産に奨励的な事業は多々やっているわけでございますが、ただ、最近外国からの無税枠の子牛の輸入がふえてまいっておるのは事実でございます。これはずっと各年そうなんですが、枠六千頭と決めておりますところ、従来は数百頭の実績でございましたのが、五十三年は五千二百頭というような多くに上る実績となってきております。これはどうしてかといいますと、先ほども申し上げましたように、五十三年における牛肉の需要が急増した、それに伴って牛肉の価格が上がった、またそれに伴って子牛価格が上がったというようなことから、肥育農家の子牛の入手難という状況が出てまいっております。これは数の上でも、それから価格の上でもそういう状況が出てまいっております。そこで、私どもとしては、これが恒久的な話、一般的な措置であるとは考えておりませんが、経営にでこぼこが生じてはいけない、需要が拡大してそれに伴って対応が必要であるというならば、その一時的な素牛の不足を補うために、生産農家のための子牛の無税枠の輸入はふえてもやむを得ないというふうに考えたわけでございます。基本的な考え方においては柴田先生と全く同じに考えております。
○柴田(健)委員 やはり二百七、八十キロ、三百キロまでの子牛の育成がコストが高くなる。そのために、たとえば外国から安い乳牛の子牛を買ってくれば、二百五、六十キロ程度のものがせいぜい四万円か五万円だ。五万円で現地で買うて、そして現地で積み出しをするのに一頭三万円ぐらいかかる。それを日本の内地へ持ってきて検査するまでの経費、輸送に三万円ぐらいかかる。計六万円かかる。現地で五万円で買うて、向こうで三万、こっちで三万かかったところで六万で、十一万円だ。それで、四万五千円の関税がかかるのを無税で買ってくれば、十一万円で素牛が入ってくる。それを一年八カ月ほどで六百キロぐらいまでにする。仮に二十万円ぐらいのえさ代が要るだろう。そうすると三十一万円である。それが五十五万円ぐらいになれば農家は飼うたかいがある、利益がある。こういう算用でそういうものがふえてきたのではなかろうかという見方が一つ。 それ以外は、日本のたとえば素牛、三百キロまでの子牛、普通の和牛で二十五万円から三十万円だ。せいぜい六百キロから六百五十キロまでに飼おうとすれば、二十万円以上のえさ代が要る。そうすると、それだけでも五十万円かかる。それで借入金の金利だとかいろいろすると、一頭五十五万や六十万で売ったってもうからぬじゃないか、損だ。そういう算用から、やはり外国から安い子牛を無税で入れた方が採算ベースに乗る、こういうことになっておるのではなかろうかという気がするわけです。 要するに、問題は、肥育するえさをどこまで下げるか、素牛をどこまで下げるかということを考えなければいかぬ。この点を考えずして、手放しで、肉の消費が伸びますからということでそういうことをやっておったのでは、国際的には日本は太刀打ちできないということになるのではなかろうか、われわれはこう判断せざるを得ない。そういう点の認識は、局長はどう思っておるか。
○杉山政府委員 従来の割り当てに対する実績を見てみますと、四十八年は特別な年でございまして、一万一千頭の割り当てに対して八千百頭の輸入の実績があった。それに対して四十九年以降は、枠はありましても輸入はほとんど行われていないという状況でございます。四十九年ゼロ、五十年ゼロ、五十一年二百四十三頭、五十二年百二十一頭、こういう実績でございます。 こういう選別は何で起こるかと言えば、やはり国内の子牛に対する需給が第一であろうと思います。ただ価格が国際的によそのものが安いからというだけでなく、実際に肥育農家が数としてそういう子牛を必要としているという実態が起こらない限り、つまり国内の供給だけでは不足しているという実態が起こらない限り、価格要件だけで輸入がそんなにふえるというものではないと私ども思っております。 こういう今日不足している事態に対応するには、もちろん繁殖によって素牛の国内供給をふやすということが基本でございますが、率直に申しまして、今日ただいまの時点には間に合わないわけでございます。成牛はどんどん出る、後を補充しなければいけない、肥育するための素牛が足りないということになれば、肥育の経営安定ということを考えますと、その素牛を外国から補充することはやむを得ないことだと考えておるわけでございます。 私ども長期的には、今後ますます国内産の繁殖牛を増加させて、肥育農家に、一〇〇%国内産で賄えるように供給するように指導してまいりたいと考えております。
○柴田(健)委員 あなたらが今度三十日に決める畜産物の価格に、国内の繁殖牛がふえるかどうかがかかっている。要するに、安く価格を抑えるから、素牛は高いわ、えさは高いわということで、それが五十万や五十五万の取引だったら国内の繁殖牛がふえるはずはない。その点はあなたらの決め方、要するに現状認識の上に立ってどう価格を決めるかということにかかってくると思うのです。その点を十分考えないと、ただ消費者ベース、売り手と買い手からいうと、安く買いたいのは人情なんです。その安いということだけを考えて、安くしさえすればいいのだ、たたけばいいのだということでは日本の農業が発展するとは思えない。農業という産業を、副業的なものでなしにあくまでも基幹産業として守り育てようとするならば、もう少し、価格問題だけにとらわれずに、ただ消費者のことばかり考えてやって日本の農業が発展するとは思えない。やはり民族産業として育てる必要があるとわれわれは思う。その点をあなたらがただ消費者、どうも農林省は農村に目を向けずに都市に向けておる。都市型農林省になっておるのだ、あなたらは。本当は農村型の農林省にならなければいかぬのだ。あなたらの目のつけどころが違っている。だから、そういう点でもう少し農林省は——この前も私は申した。農林省の役人は昔は根性があった。いまはもう農林省の役人は根性がない。みんな都市の方を向いていいかっこうばかりしておる。それでは日本の農業は守れぬ。もう少しやるべきことをやる。とにかく問題は、価格の決め方の時点の認識の問題だ、こう私は思うのです。三十日の決め方が、繁殖牛がふえるかどうか、これに関連してくると思うのです。この点をはっきりあなたに認識してもらうために私が苦言を呈しておるのだから、三十日に価格を抑えたり下げたりするようなことをしては絶対だめだ、こういう考え方で申し上げておきたい。 大蔵省来ておりますか。——大蔵省に聞きたいのですが、ことしの三月十五日、国民の義務である納税の期日なんですが、酪農家の一頭に対する課税標準、これは全国一律にやったのか都道府県別にやったのか各市町村別にやったのか、それを聞きたいのです。問題は乳量、単価、飼料代、償却費その他、どういう基準を出したのか、大蔵省、説明願いたい。
○小野説明員 お答え申し上げます。 本年の畜産物の農業標準の策定に当たりましては、白色申告農家の申告の目安となる農業所得標準の作成の基礎となるものでございますので、調査に当たりましてはできるだけ経営の実態を正確に反映するものとなるように配意しておるところでございます。先生よく御存じのように、具体的には青色申告農家の記帳とか各種の統計資料あるいは取引資料をもとに調査を行っておるわけでございますが、さらに慎重を期するためにその地区の農業団体の調査した数字とか意見等をも参考としているわけでございます。 その結果といたしまして、五十三年分の所得税に関します平均的な飼育状況のもとにおける一頭当たりの搾乳量は、地域により若干の相違はございますけれども、おおむね四千五百キログラムを中心に分布しておるようでございます。また、収入金額として見ますと大体五十万円前後ということでございます。 それからまた、搾乳牛一頭当たりの標準は全国一律であるか、あるいは都道府県別であるか市町村別であるかというふうなお尋ねでございましたが、先ほど申し上げましたように、農業所得標準を可能な限り農家の経営の実態に即したものとするよう作成しているわけでございまして、その作成に当たっていろいろ配慮しているわけでございますけれども、標準の作成地域につきましても、経営実態等大きな差異が出ないようにその範囲を定めることとしておるところでございます。したがいまして、標準の種類によって適用範囲がいろいろと異なってくるわけでございます。畜産物の場合でございますと、所得標準は、地域による経営実態の差異がさほど著しくないというようなこともございまして、その適用地域は比較的広範囲にわたっているのが通常であるというふうに考えております。 それから、先ほど申し上げました乳牛一頭当たりの収量あるいは収入金額に対する経費の問題でございますが、これまた先生よく御存じのように、所得金額を計算する場合に、必要経費につきましては、農業標準の場合でございますが、一般的、共通的経費と個々の農家によって相違が著しい経費とに区分してあるわけでございまして、このうち一般的、共通的な経費につきましてはいわゆる農業所得標準率に織り込むことにしておるわけでございます。この標準に織り込まれる経費につきましても、収入と同じように、青色申告農家の記帳であるとか、あるいは各種の統計資料、農業団体の意見等を参考に、できるだけ実態に合ったものとなるようにしているところでございます。 この標準につきましては、各国税局、税務署等で作成しておりますので、私どもとしてその経費の内訳の細部にわたってまで承知しておるわけではございませんが、経費の収入に対する割合は、全国的にはおおむね六割程度になるというふうに考えております。
○柴田(健)委員 それなら結局、地域地域で、市町村単位である程度のしんしゃくはしてある、たとえば税務署単位でこの地域は必要経費はどの程度、搾乳量もこうだ、料金もこうだということで、地域で勘案してある、多少のしんしゃくはしてある、こういう受けとめ方をしてもいいのですね。
○小野説明員 搾乳牛の場合は、市町村単位というよりももう少し広くなりまして、県単位あるいは局で幾つかに分けてというぐあいに、一般の水稲標準等に比べますとかなり広範囲になっております。
○柴田(健)委員 大蔵省、いまの答弁を聞いておると、一番肝心な飼料代、償却費、その他必要経費の諸雑費があるわけですが、もう少し具体的に金額を言ってもらわなければいかぬですよ。
○小野説明員 先ほどちょっと申し上げましたように、農業標準の詳細な細部についてまで私どもで全額承知しているわけでございません。もう一つ、農業標準の性格といたしまして、関係の納税者並びに関係団体等には示しておるわけでございますけれども、全国的に余り公開すべき性質のものではないと考えますので、せっかくのお尋ねではございますが、御答弁は御勘弁いただきたいと存じます。
○柴田(健)委員 基準価格、必要経費のやつは発表できないというのはおかしい。あなたらは、守秘義務か何か知らぬけれども、何でも発表しない、それで陰でこそこそしているという印象を国民に強く与えているわけですね。どうも大蔵省というのはたちが悪いね。いつの世もそうか知らないか……。 農林省に聞きたいのですが、畜産局長、いま大蔵省は余り具体的な説明をしないのですが、われわれにはわかっている。今度の乳価の決定にしても、ことしは北海道地域だけを基準の算定に入れる、あとは全部しんしゃくしない、こういうやり方、大蔵省の方は、必要経費、生産費、各ブロックである程度しんしゃくしていく。それで、片一方大蔵省はそういうやり方をし、農林省の方は今度は飼育頭数の生産単位のとり方を北海道だけに決めていく。これは筋が通るのですか、局長。
○杉山政府委員 課税の方は、実際に発生した所得に対して課税するという考え方が基本に立っていると思います。私どもの価格算定におきましては、およそ牛乳全部ということではなくて、加工原料用に向けられる牛乳について最低価格を保証するという考え方のもとに不足払いがとられているわけでございます。そして、加工原料用乳価の価格の決め方になるもととして生産費を採用するわけでございますが、その生産費は、一番主要な加工原料乳地帯であるところの地域、今日では北海道の生産費を基礎にするということになっているわけでございます。そういうふうに、おのずと課税の目的、それから最低価格を支持する不足払いの目的というのは違っておりますので、直ちにその生産費の内容が一致するという性質のものではございません。その点は御了解願いたいと思います。
○柴田(健)委員 東北、北海道は平均すると大体三十頭以上の飼育頭数、西日本の方は十五、六頭というのが平均です。倍、半分違うのです。結局半分以下の生産頭数、倍以上持っておる農家、これはすべて生産費が計算してみると大分違う。それを三十頭以上の平均のところだけを算定資料として使う。西日本の方は一切使わない。それから、えさの購入飼料の比重を見ても、西日本の方が購入飼料、濃厚飼料の率が非常に高い。東北、北海道の方は少ない。だから結局、政府の貿易政策のアメリカのえさを買うて協力するのは西日本の方で、そこは今度の生産価格の算定資料には使わない。こんな不合理なことを平気でやられるというのは、農林省はどういう感覚を持っておるのだろうか。それはもう西日本であろうと東北、北海道であろうと、平均を出すというのが行政の任務じゃないのでしょうか。局長、その点どう思いますか。
○杉山政府委員 本来牛乳の取引は自由経済のもとで行われる、そして市乳がその大部分として事実取引されるわけでございます。そういう中で、市乳として十分に処理し切れなかった、需要に沿い得なかった分が加工原料乳に回る、そういう加工原料乳、まあ全体の中での一部のものについて安定的な価格を保証するということによって全体の牛乳生産を安定的ならしめるというのが現在の制度でございます。そういう制度の趣旨からいたしますと、一部のものについて、しかも加工原料乳という形のものについて最低価格を保証するということでございますから、私ども、いまの一番主要な加工原料乳地帯である北海道の生産費を基礎にして価格を算定し、いわゆる不足払いの単価をはじき出すということは差し支えない話であろうというふうに思っております。
○柴田(健)委員 そもそもこの二重制度というか、南北戦争が起きるような、そういう制度をつくるところに本当は問題がある。一方は政府が干渉できるようにする、片っ方は民間で勝手に取引しなさい、こういうやり方、飲用乳の取引条件と加工乳の取引条件とが違っておる、そういうところに問題がある。結局農民同士でけんかさせるようなことをする。そもそもそういうことであなたらが自由経済を唱えるなら、農林省の役人だってたくさん要りはせぬ。そんなに自由経済、自由経済と言うなら、あなたらがみずからどんどんやめていった方がいい。農林省はそんなたくさん要りはせぬ。自由経済のできない弱さを持っているのが日本の農業じゃないですか。農業という産業は自由経済では成り立たないような、そういう基盤の弱さを日本の農業は持っておる。あなたらはそういうことを認識せずに、何かといえば自由経済で避けて通ろうとする。日本の農業というのは自由経済で成り立つと思っているのかどうか、局長、答弁願いたい。
○杉山政府委員 いま私が申し上げましたのは、一般的には自由経済の中での取引によって価格形成が行われる、ただ、そういうことでは全体の安定がなかなか維持しがたい、そこで加工原料乳というものについててこ入れをする、これによって全体の安定を図るという仕組みになっているわけでございます。その意味で、考え方としては、いまの加工原料乳に対する不足払いの仕組みは暫定法ということで、いずれその突っかい棒なしに自立できるということを考えてできている法律、仕組みではございますが、ただ現実の問題として、それをなくして自立できるかと言えば、今日までの実態が示しているように、そういうことができるような状況にはないということを私ども十分認識いたしております。現在のこの暫定法、不足払いの制度、仕組みというのはなお当分継続していかなければならないというふうに考えております。
○柴田(健)委員 問題は三十日の価格決定いかんによってまた論議が起きるわけでありますが、いま畜産農家は、酪農でも和牛であろうと何であろうと、畜産の方は養鶏が困っている、養豚が困っている、一番ひどいのは養豚農家が困っていると思う。いま全体で畜産農家の借金というのはどのくらいあるか。酪農家、養豚家、養鶏家——養鶏にもブロイラーもあるだろう、鶏卵の農家もあるだろうが、畜産農家の借金は全体でいまどのくらいあるか。
○杉山政府委員 主要作目別に農家の借入金を五十二年度について調査したものがございますが、酪農農家は一戸当たり四百二十四万六千円、それから養鶏農家は百六十八万五千円、養豚農家は百二十八万六千円。これに比べまして稲作が一番基準になるかと思いますが、稲作農家は九十三万五千円ということで、畜産農家は概して高うございます。いま申し上げましたのは都府県一般の比較でございます。 これに対しまして北海道は、特に酪農の経営規模が大きいことから、一戸当たりの借入金の額は千百六十四万四千円、それから稲作もやはり規模が大きゅうございますので、一戸当たりの借入金の額は五百二十三万円ということになっております。
○柴田(健)委員 畜産農家は非常に膨大な負債をいま抱えておる。たとえば、十頭の酪農家であって、搾乳牛の単価一頭五十万円なら五十万円と見ても、一千万円借りておれば、年間五分の金利でも一頭分は借入金の金利に取られてしまう。いまあなたらがコストの積算というか、計算しておる中を見ると、そこまで借入金の金利を見ていない。そういうことは三十日にあなたらがどういう決定をするのか明らかでないが、しかし何としても当面畜産農家の負債処理について償還年限をもっとうんと伸ばして何らかの処置をしてやらなければならぬのではなかろうか。これはここ二、三年来問題になるところですよ。この負債の整理について前の農林大臣の中川氏は本気でやりますと言うた。本気でやってない。中川青嵐会農政の後を継いだのが渡辺農林水産大臣だから、正直に言って本気でやる意思はないと私は思う。中川さんの後を継いだのだからこれはやらない。本当に畜産農家の負債整理を早急に手を打ってやる必要があると私は思うのですが、局長、どういう構想を持っておるか。
○杉山政府委員 酪農家の負債が特にほかの畜種に比べて大きいということは事実でございます。ただ、負債が大きいということは投資に伴って大きくなったわけでございまして、それなりに畜舎等あるいは乳牛そのものというような形での資産形成も行われているわけでございます。最近の経営状況は収支は償っている、かなり好転している、しかし、投資に伴う借入金の償還の金繰りに苦しむという事情が出ていることは私どもも承知いたしております。そこで、一昨年の乳価決定の際には、通常の制度資金のほかに、まさに焦げつきになっている借入金の救済対策として経営改善資金というものを用意いたしたわけでございます。これによって八百億円の融資を行った。問題は、その融資について据え置きを一年行いまして、そして五年償還ということになっているわけでございますが、この五十四年に第一回の償還期が到来するということであろうかと思います。私ども、その措置によって負債の償還の条件はかなり改善されたと思っております。 さらに、もっとこれを継続すべきであるとか延長すべきであるというような御意見が一部にあることを承知しておりますが、一遍行ったものについてそのようなことをさらに拡大するような実情にあるのかどうか、そういったことについては事実関係を少し調べてみる必要があるのではないかというふうに考えております。
○柴田(健)委員 早急に畜産農家の負債整理については格段の努力をしてもらいたいとお願いしたいのですよ。何としても価格を決める時期を迎えてきている。ただ価格を決めるときだけに国際価格を引っ張り出されたのでは日本の農民はたまったものじゃない。 それから、先ほど私が申し上げたように、価格以前の問題、日本の農業を本当に基幹産業として育てていくのだ、もう一遍もとに戻すのだ。このままだったら農業というものは副業的な産業になってしまう。基幹産業にならない。そこをわれわれは恐れているから、こう厳しく局長にでも申し上げるのです。あなたも日本人なら私も日本人、こういうことで日本の民族の長い歴史を持ってきた第一次産業をあなたらが守ってくれなければだれが守る。だから、農林省は都市の方へ目を向けずに農村の方へ目を向けた農林省になってもらいたいということをつけ加えて、私の質問を終わります。
○佐藤委員長 竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、畜産物の価格をめぐる問題で、酪農等に関しては多くの皆さんから御発言がありましたが、それを除いて、養鶏あるいはまた養豚、そしてそれの基礎である飼料の見通し、なお、養蚕の問題に関して質問をしていきたいと思います。 まず第一に、養豚の問題でありますけれども、いま養豚の方は安泰だというようなことを言われております。報告を見ても養豚は一定の同上の度合いを見ている、こういうふうに言われておりますけれども、実際は養豚の農家も大変苦労をしている。こういう点で現状と農林省の状況把握との間にかなり食い違いがあるということを言わなければならないし、養鶏の場合においてもやはり同じような問題があると思う。こういう点について本当に養鶏なり養豚の農家が安泰であるのかどうなのか、この現状認識についてひとつ考え方を報告していただきたい。
○杉山政府委員 養豚農家の経営の状況でございますが、最近の供給過剰といいますか、需要が低迷していることのうらはらの現象でございますが、これに伴って昨年来価格が低落してきている。そして、若干回復は見たものの、いまなお安定基準価格水準程度で横ばいになっているという状況でございます。このことから、五十一年当時に比べますと五十二、五十三年は若干収益性は悪化しているということはございますが、ただ、全体の経営自体の足腰はどうなっているかということからいたしますと、大変規模拡大が進展しておる。特に肥育部門においてその拡大が顕著でございます。一戸当たりの飼養頭数は四十九年が二十八・九頭であったものが、五十三年、昨年におきましては五十三頭台になるというようなことで、ほかの畜種部門に比べてこの規模拡大はかなり顕著に進んでおります。同時に、企業的な、合理的な経営マインドも育ってまいっておりまして、経済変動に対応する適応能力もほかの部門に比べてかなり備わってきているというふうに見られるわけでございます。 それから、私ども、養豚のこれからの問題につきましては、確かにいまのような状況が続くならばさらに一層価格が暴落する危険もありますが、養豚農家に対して生産抑制を指導している。それから、現在の価格の状況、市況の推移というのはかなりよくこれを受けとめ、理解しておりまして、従来から豚についてはビッグサイクルというものもあるように、経済現象に応じて供給が増減するということによって調整が図られているわけでございます。それらの調整が適確に行われるならば、そしてまたそのために必要なデータの提供なり指導が十分に行われるならば、私は、養豚はいまでこそ若干価格が低迷して状況は必ずしもいいとは言えませんが、基盤的には十分さらに育っていく素地は持っているものというふうに受けとめております。
○竹内(猛)委員 養鶏については。
○杉山政府委員 養鶏についても規模拡大はきわめて急速に進捗いたしております。長い間鶏卵価格については、物価の優等生、模範生と言われるくらいにずっと横ばいでまいったわけでございますが、そういった製品価格の横ばいにもかかわらず経営が安定的に育ってきたというのは、合理化がそれだけ進んだからだと思っております。ただ、昨年の春から夏にかけまして消費の停滞の中で供給が大幅にふえました結果、卵価が急激に低落いたしました。昨年全体の生産量、これに単価を掛けて従来の単価との比較、全体の実入りについての比較をいたしますと、まず二割水準くらいは下がったというふうに考えられます。ことしに入りましてからも、一、二月はさらに低迷状況が続き、三月になってやや回復したという状況が見られます。しかし、価格についてそれほどいい状況ではございません。 それらのことから、ここ一年ほどの経営はきわめて苦しい状況にあります。ただ、この問題につきましては、御承知のように、供給制限を行うための生産調整を極力やっておりますし、これは必ずしも十分に効果を上げていないという御批判もありますが、これを今後続けていく、さらに強化していくということは必要だと考えております。それから、発生した価格低落に伴う養鶏農家の負担、損失につきましては、これは卵価安定基金による価格補てん措置もとられておりますし、そのほか国からもこれに対する助成もとられておりますし、さらに財源補てんのための措置もとられているところでございます。
○竹内(猛)委員 安定はしてきたが、やはり不安な問題もある、こういうお答えですけれども、実はそれを支えてきたものはやはり飼料が値が下がってきた、円高ドル安という中から飼料の価格が下がってきたということが大きな問題だろうと思うのです。 そこで、この飼料問題に関して、今日までのこの飼料を円高の関係でどういう、たとえば百八十円とか百八十五円とかという形で考えていたのか。それから、これからは、この報告にもありますが、これは必ずしもえさが下がる方向ではなくてむしろ上がる方向にあるのではないかというような危惧もあるということになっているが、現にもう二百十円という形になっているんですから、ますますこれは今度は円安のドル高という形になるのではないか。そうなると、せっかく一定のテンポで前進をしてきたものが、これからはいよいよ苦しくなるということになる。このえさの見通しというものはどういうことになっているのか。これは特に養豚にしても養鶏にしても、その基礎がえさでありますから、えさの占める率は高いだけにその見通しが大事です。これについてはどうでしょう。
○杉山政府委員 確かに仰せのように、養豚にしても養鶏にしても、最近の価格の低落にもかかわらず、もちろん養鶏の場合はかなりいろいろな形での補てんが行われておりますが、どうにか経営を持ちこたえた、この苦しい時期をこたえてきているというのは、一つはえさ価格が安いということに救われている面があると思います。今日まで、特に一昨年の夏ごろに比べまして配合飼料価格は平均して約二四%下がっております。きわめて大きな値下がりでございます。これは国際価格が安定しておったということと、いまおっしゃられたように、円高の効果があったからだということが言えます。問題はこれからでございます。今後につきましては、国際相場そのものは、アメリカの豊作あるいはソ連の豊作というような状況に支えられて国際穀物相場が大きく上がるということはまず考えられない。やはり価格自体は安定的に推移するだろうというふうに見込んでおります。ただ、円問題につきましては、現実に今日かなり円安に戻っております。今後も必ずしも楽観できない状況にありますので、この問題については慎重に見きわめる必要があると思います。そういうことの結果、今日の配合飼料価格と今後現実に実現するだろう価格の間に大きな差が出る、要するに大きく値上がりがするということがあればこれは確かに問題でございます。私ども、仮にそういうような問題が出てくるならば、その時点においては、現在、価格安定基金制度もあることでございますので、それらの適切な運用を図ることによって農家への影響をできるだけなくすということに努める必要があると考えております。
○竹内(猛)委員 そこで、生産者の方はことしは非常につつましい要求をして、一・四%とか一・一%、これくらいの最低の要求は満たせなくちゃならない。この点については、どうですか。
○杉山政府委員 畜産物の価格算定につきましてはそれぞれ根拠となる法律がありまして、生産条件あるいは需給事情その他の経済事情を考慮して定めなければいけない、再生産の確保を旨とするんだというふうにうたわれておるわけでございます。こういう趣旨にのっとって従来から算定方式が確立されてまいっておるわけでございます。私ども、従来の算定方式に基づいて生産費調査を基礎にして現在作業をいたしておるところでございます。その出た結果に基づいて公正に価格についてはこれを出すということを考えておるわけでございます。いまの段階で、上げるとか下げるとか、あるいは据え置くというような予断をお示しすることは適当でないというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 そういう答えが出るだろうと思ったけれども。 それでは、この飼料というのは、豚あるいは鶏、あるいは鶏卵の現状をややよくしてきたということですが、その見通しは必ずしも明るくないということになれば、当然ことしの三月、いま審議して、四月に告示をされるその価格というものは、この年の価格の一つの方向を示してくる。もし、それが著しく狂った場合には安定基金を活用する、こういうお話でございますが、その安定基金も相当厳しい状態にあるということが報告されている。えさが著しく変化をした場合においては、当然基本的な価格そのものに手をつけなくちゃならない。価格は、年に一遍決めてそれだけでいいということにはなっていないと思うのですね。そのときに、もう一度委員会を開いて検討するという意思はありますか。
○杉山政府委員 価格算定の際にいろいろ変動する要因があるわけであります。将来価格を予想して織り込むかということになりますと、これは価格というものの性格から見るときわめて安定性を害する。予測というものは大きく外れたときに一体どうなるかというようなこともあって、最近時点までの実績を基礎に価格を算定するということになっております。その意味で、えさ価格の変動が今後全くないとは言い切れませんけれども、仮に変動が起こったら起こったときの問題として、えさの問題としての対応を考えるべきだと思うわけでございます。その点で、先ほど申し上げましたように、えさ価格の変動が農家の経営上、あるいは行ってまいりました価格算定上極端に不利になることのないような適切な運営が必要である、その起こった事態に応じての対応策が考えられるべきだというふうに思うわけでございます。
○竹内(猛)委員 確かに、局長から答弁があったように、日本の豚の経営形態から言うと、五十三年には一戸平均五十三二頭、戸数も十六万五千戸といって、昭和三十七年の百二万戸に比べると、はるかに経営規模も大きくなり、専業化している。それだけに、養豚家は施設に対して金を借りて経営をしているわけですから、もし狂ったことになると、これは大変なことになるわけです。やめるにやめられないという状態になるわけですから、農家としては経営安定のための資金の問題については、いまちょうど償還期に入っておりますけれども、この資金について手当てをする、たとえば借りかえをするとか、そういう面で考慮する余地があると思うのです。この点、金の問題についての借りかえとか、そういう手当てについてはどうですか。
○杉山政府委員 私ども、義豚農家の負債状況を見ますと、五十二年度で一戸当たり四百四十四万五千円、金利負担は十六万九千円というふうに見ておるわけでございます。それに対して販売頭数が二百三十頭で、農業所得は約三百八十七万七千円あるわけであります。ですから、一般的に言えば、最近において経営が若干苦しいとはいいましても、十分償還能力はあるというふうに思うわけでございます。ただ、個別農家では、先生が言われたような事情も発生しているところが、あるいはあろうかと思います。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 私ども、従来からある制度資金、農林漁業金融公庫の資金あるいは近代化資金、それから特例的に価格決定の際に経営改善のための資金を出したことはあるわけでございますが、現在特にそういう状況、そういうことを措置しなければならないとまでは、いまの段階は考えておらないのでございます。
○竹内(猛)委員 農林水産省の方針としては養豚団地を中心に考えていく、そしてなお経営の面では、生産環境のいわゆる複合の経営を考えていく、こういう二つの経営の形態を考えているようですが、その場合にいま問題となっているのはふん尿の処理の問題です。これは私の県などでも大変な大きな問題です。これは農林水産省が答えられるかどうかわかりませんが、あるところでは、あのにおいというものは悪臭防止法の対象になるのだと言っておる。あるいは堆肥を畑に持っていっても、これもどうも悪臭だから困る、こういうことになれば、農業というものは化学肥料しかやれなくなってしまう。ところが、実際農産物をつくるためには、どうしてもこれは有機質を入れなくちゃならない。あるいはふん尿も土地に還元しなくちゃならない。そういうことになってきたときに、この処理というものについて農林水産省全体としてどう取り扱いを考えられるか。
○杉山政府委員 ふん尿処理は環境問題でもありますし、同時に経営問題でもある。さらに、国土という観点から見て地力維持という面からも非常に大きな意味合いを持っております。そういう総合的な観点からこの問題は考えるべきであると思いますが、私どもも養豚のふん尿処理につきましては、これを重点施策の一つとして従来から畜産経営環境保全対策事業を初めといたしまして各種の補助事業を総合的に推進してまいっております。一つ一つの事業名を申し上げると煩わしゅうございますが、いま申し上げました畜産経営環境保全対策事業を中心といたしまして、全体でおおむね五十四年度百二十三億円の予算を計上している、こういうことで環境整備に重点を認めているわけでございます。
○竹内(猛)委員 細かい問題についてはまた後に質疑をすることにして、養鶏の問題について幾つか質問していきます。 去年のこの委員会で、生産調整をする養鶏者とインテグレーションによってどんどん勝手にやるものという二つのものがあるというが、五十三年の一億二千三百八十一万八千羽というものの実態把握は、一体生産調整した農家なのか、それとも商社系養鶏も中に入っているのか、それをひっくるめてあるはずだと思うけれども、その中の分類はどうなっているか。
○杉山政府委員 生産調整につきましては、五十三年度におきまして調査を強化するということで、従来二回行っておりましたところの現状調査を年四回にふやして調査を行っているところでございます。その調査におきましては、五千羽以上の養鶏農家につきまして実態を把握するということにしておりますから、全体についてのいまおっしゃられました頭羽数だと考えます。
○竹内(猛)委員 この問題はわれわれにとってみて非常に重要な問題だし、養鶏家にとってみても重要なんです。いままで三千羽の養鶏を今度は五千羽に生産調整の数を上げた。そして、まじめにやっている養鶏農家と、そういうことは構いはしない、おれの方は治外法権なんだ、えさも卵も加工もお金も勝手にやる、こういうのがいるわけだ。現実にあるのだ。それは森林法にも違反をしてどんどん山の中につくってしまったり何でもする。こういうものが一緒になっていたのでは、これはどうにもならない。この点についてはいますぐ答えられないとするならば、これは調査をして、ぜひこの分類は出してもらいたい。四回調査をしたのなら四回の調査の資料を出して、そうして、もっと養鶏の問題というのはそのところから真剣にやらなければまずいと思う。商社系のものをのさばらしてしまったのではどうにもならない。私の茨城県では、まじめな養鶏家が倒産をしているという実態がある。先ほど安泰だと言ったけれども、まじめな者ほど倒れていく、こういう実態があるのですから、この点について答えるだけ答えて、もし答えられない部分については、これは後で資料を出してもらいたい。
○杉山政府委員 数字は後ほど資料としてお出しいたします。
○竹内(猛)委員 養鶏についても養豚についても、農林水産省が報告しているところによると需要に応じた生産をやると言っている。需要に応じた生産ということになると、当然これは一つの計画があるはずなんだ。その計画というものが、たとえば六十年計画というのは、あれはもう見直しをするのだという形になって、農林水産大臣がこの間お答えになった。これはいつまでにどういう見直しをするのか、政務次官の方からひとつ答えてもらいたい。どういう見直しをするかということだ。そうしなければ危なくてしょうがないですよ。これは需要に見合った生産と言うから、その需要が先にあるのなら、どういう需要があって、そのためにどういう生産をするか。生産の方がどんどん進んでくれば、生産過剰になれば値が下がるに決まっている。この点は、いつどこでどういう形でやるのか。
○片岡政府委員 農産物はやはり需要と供給の関係を見ながら農林省が適切なる指導をしていかなければならぬものだと思います。 それで、いま鶏卵、養鶏の問題につきましては生産調整をしなければならぬほどの過剰状態になっておるということでございますので、その問題については将来とも十分需要の増というものを見ながら計画をしていかなければならぬと存じますが、ただ現在、鶏卵の需要というものがこれからも消費拡大するというようなことについてはかなり問題があると存じます。したがいまして、それらの問題を踏まえながら、なおしかし、やはりこの消費の拡大に向かって進むようなことを考えながら計画を進めなければならぬと思います。したがいまして、十分将来を見通しながら、もし需要の増大によって計画を変更する必要があるといたしますならば、その時期でひとつ考えていきたい、かように思っておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 それはだめだ、政務次官、そういう話は。この前の予算委員会のときに渡辺農林水産大臣は、農業基本法にも手をつけるし、長期展望も見直しをすると言っている。その方法について、いままでのつくり方というのは、これは大蔵省なり農林水産省なりのそれぞれの者が、あるいは学者も入ったでしょうが、集まって、いろいろ話し合いをしてつくってきた。そうして、それをおろしてきた。私はそういうつくり方ではなくて、末端の生産者がやはりその地域におけるところのいろいろな条件というものも加えて、そういうものを積み上げて、そうして国が必要とする頭羽数なりあるいはカロリーを計算したら、それに見合ったものをつくり上げて、そうしてそれを地域的に分担をしていく。それで、その中には飼料の関係あるいはいろいろなそういう施設の問題等についても考慮していく。こういった下からの考え方というものとの調整をして、しっかりこれならやっていけるという確信を生産者に与えるようにしていかなければだめだということを言ったけれども、なかなかこれがうまくいかない。そこで、いま言うように需要に見合った生産ということになれば、当然需給というものをあらかじめ想定をしながら生産の体制をつくっていくということでなければ、これは明らかにこの先は過剰生産ということになって生産者がばかをみるという形になるのだから、この点を早くもっとしっかりやらなければいけないと思うのです。もうすでにそういう時期に来ているでしょう。そうしなければこれはしようがないじゃないですか。米がいま一番そういうことで悩んでいるじゃないですか。またその米と同じような悩みを今度は畜産でしなければならない。だから、早く計画を立てて、いつまでにこのことをこういう方法でやるのだということについて確信ある回答をして、そして農家の人たちに安心をしてもらわなければいけない。このことを私はもう前から言っているのだけれども、そういうことについてもう一度政務次官、ひとつ大臣と食い違わないような答弁をしてもらわなければ困る。
○片岡政府委員 私は、やはりいま竹内委員がおっしゃったように、食糧自給というものを将来考えていくときに、本当に何がどれだけ必要かということをそれぞれの分野において長期見通しを立てて、そしてそれに応ずる生産計画を農林水産省として指導していくということが本当に望ましいことだと存ずるわけでございます。ところが、この食糧の問題というのはそれぞれ国民の生活、嗜好の問題もございますし、またいろいろのその時代時代に応ずる一つの傾向も出てきて、なかなか長期的にこれを見通して計画を立てるということはかなり困難な問題だと思います。しかし、その困難な問題をやはり大きく指導的な立場から国民に示していくということが望ましいことであるし、また農林省としての一つの大きな仕事であると私は思っております。したがいまして、ひとり畜産の問題のみならず農産品一般について適地適作ということを考えながら長期見通しを立てながらその問題を処理していくということで将来の計画の見通しを立てていくべきだ、こう思いますので、それらの問題について、いまお話しのように大臣もやはり前向きに処理していきたい、かように考えておる次第でございますので、それらの問題を検討するにいましばらく時間をおかしいただきたい、かように思っておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 この議論は何遍しても仕方がないから、社会党もこの間の大会で中期経済計画を立てて、その中で農業に対して一つの提案をしているわけです。その他の党もそれぞれ計画を立てて、その立場からいろいろな意見を言っているわけですから、そういうものを参考にして、こことここは——余りイデオロギーの問題じゃないですから、国内におけるところの基本的な安全保障の一つである食糧の問題なんだから、それについては与野党の中で一致できるものは大いに取り入れて、そしてそれをしっかりやっていくということにしてもらいたい。 続いて、私は、畜産物の安定のために、何といってもえさの問題についてもう少し議論をさせてもらいます。 食糧庁は古々米、古米の処理について今度新たに計画を立てて五年間で一定の処理をする。これはいつ、どういう期間に、どれくらいの量を、どういう価格で払い下げをされるのか、その点について。
○小野(重)政府委員 過剰米、約四百八十万トンと見ておりますが、これを五十四年度以降五年間で処理することにいたしております。そのうち飼料用でございますが、五十四年度は約十万トン、次年度以降は約五十万トン処理することにいたしております。それは横流れするとまずいわけですから、いわゆる変形加工といいまして、加熱して圧扁したり、あるいは砕いて着色したり、そういう形で、それは委託加工の形ですが、そうした上で配合飼料メーカーに売り渡すということにいたしております。価格の点はマイロなどの価格と実質的に同じ価格、こういうことで考えておりますが、いまの価格をベースにいたしますとトン当たり二万三千円程度を予定いたしております。
○竹内(猛)委員 この場合に、利権にとらわれないようにひとつフェアにやってもらいたいということを要求しないわけにはいかないですね。トン二万三千円ということになると、買い入れた価格は恐らく二十八万円くらいになっているのじゃないですか。そういうものですから、十分の一くらいの、もっと安い価格で払い下げをするわけですから、これは利権に食われないようにしっかり実需者に回すようにしてほしい。 それから次に、自給飼料の問題について。 何といっても日本の農業を安定するためには自給飼料が足りない。そこで、米の減反に関連をして、われわれは前々から、国内におけるところの自給飼料をつくれ、国有林あるいは公有林、それから遊休地、こういうものに対して積極的に大豆、トウモロコシ、大麦等々をでき得る限りつくるようにということを要求してきたし、あるいはまた水田の中でもえさ用の米、稲ですね、こういうものをつくれないかということを前々から要求をしてきたけれども、なかなかむずかしい。わが茨城県では、これは三月二十日の日本農業新聞ですが、茨城県茨城町の小室秀俊という六十八歳の農民がイタリア種のアルボリオというものをつくった。これは背丈もコシヒカリよりはかなり高いし、反収も上がる。これは食用にはなかなかなじまないということで、えさ用に適するということでいま試作をしている。こういう研究が民間で行われているのだから、そういうものを取り上げて、もっともっと自給飼料というものに思い切った努力をしていくという考え方が持たれているかいないか。先ほどの話によると、どうもきわめて消極的のようだけれども、これは大胆にやるべきじゃないですか。どうですか。
○杉山政府委員 自給飼料、特に草資源の造成ということにつきましては、公共事業あるいはその他の一般会計事業におきまして極力力を入れて行っておるところでございまして、公共事業予算の伸びは、これだけ苦しい財源事情の中にありましても約二三%というような五十四年度の予算を計上しているところでございます。 それから、水田転換だとか水田裏作を利用して最大限それら飼料作物の増産に努めるべきだという御指摘、ごもっともでございます。水田転換の面積の中で一番大きいのは、今日曲がりなりにも飼料作物でございます。特に五十二年五万五千ヘクタール程度であったものが、この倍以上の十一万ヘクタールを超すような五十三年実績が出てまいっております。そういうようなことで、水田の転換もそれから水田裏作の麦等の飼料作物の増産につきましても予算上の助成を行う等、自給飼料の拡充には最大限の努力をいたしておるところでございます。
○竹内(猛)委員 この点についても、計画の見直しをするという大臣の答弁もあるのですから、ぜひ農林水産省としても飼料の自給率の向上ということについて、水田も含めて、あらゆるものを含めて本当にしっかり再検討してもらいたい、こういうことを要望しておきます。 それで、結局畜産の安定というものは需要に見合った生産ということですけれども、これは需給、まさにそのとおりですけれども、そこで外国の輸入の問題などもあってなかなか思うようにいっていないところに今日の農家の苦しみがあるのですから、その農家の苦しみというものを除くためには、確固とした計画を立てて、それに伴って国内における生産をまず守っていく、どうしても足りない部分については外国のものを考えるということでなければ、国内優先、飼料についてもそれをしていかなければ、一たん問題が起こったときには大変なことになるということで、これは重ねて要望をして、私は次の養蚕問題に移っていきます。 通産省が見えていると思いますが、伝統的産業ということをひとつわかりやすく説明をしてもらいたいと思います。
○小島説明員 私の方からお答えを申し上げますが、恐らく、単に昔からやっておる産業だということの意味のほかに、内容的に見まして、技術的にあるいは地域の産業として非常に重要性を持っておる、こういうふうなことを一括して指しておる、こういうふうに理解をいたしております。
○竹内(猛)委員 通産省はどういうふうに思っていますか。同じですか。
○菅野説明員 私ども通産省では、日本の中で古くから民衆の中ではぐくまれて育ってまいりました伝統工芸品の産業というのがございます。これを私ども通称伝統的産業と申しております。昭和四十九年に伝統的工芸品産業の振興に関する法律というのが制定されまして、それ以来私どもすでに百五をこの法律第二条の伝統工芸品に指定いたしておりまして、そのうち振興計画の策定されたものにつきましては予算、税制等々各般の施策を講じまして育成を図ってきてまいっているところでございます。こういう産業のほとんどが地方に立地いたしておりますので、地域経済の発展にも非常に貢献しているということで、非常に重要な産業であると理解いたしております。
○竹内(猛)委員 生糸の一元輸入に関して本委員会でもしばしば決議をいたしました。そしてまた先ほども、午前中に、各党の御了解をいただきながら養蚕の振興についての決議をしていただいたということについて、私は提案者として心から感謝を申し上げます。 そこで問題は、京都の西陣織のネクタイの生産者が、そのことについて、これはけしからぬと言って国を相手に告訴をしているということについて、まず農林水産省の感想はどうでしょう。所見、だ。
○小島説明員 御指摘ありましたように、西陣のネクタイ業者の一部の方が、一元輸入制度は憲法違反であるということで京都の地裁に訴えを提起いたしております。これは国が被告という立場にあるわけでありますから、国の利害に関係ある訴訟に関する法律という法律がございまして、その法律によりまして法務大臣がいわば窓口ということになります。関係各省が協力して訴訟を受けて立つ、こういうことで、すでに第一回の口頭弁論が開かれておるようなわけであります。 私どもの考えといたしましては、現在の世界的な絹の過剰の状況のもとにおきまして、国際的な協調を保ちながらわが国の蚕糸業の安定的発展を図るというためには、現在の一元輸入制度及び糸価安定制度は必要不可欠なものと考えておりますので、今後もこの制度を守っていく、こういう考えでおるわけでございます。
○竹内(猛)委員 通産省からもこれはひとつ所見をお聞きしたい。
○赤川説明員 生糸の一元輸入につきまして今後どうあったらいいかという問題につきましては、やはり養蚕業それから生糸業、絹業、この三者が共存していくという観点から中長期の問題として今後検討する必要があるというふうに思っておりますが、現在でも、生糸一元輸入の中でも、絹業の健全な発展を図るという観点から実需割り等の制度がありまして、そういう観点からの絹業の振興を図っております。 なお、訴訟につきましては重大な関心を持って今後の推移を見守りたいというふうに思います。
○竹内(猛)委員 私は、先ほどから両省から答弁があったように、養蚕業というものは日本の伝統的な産業のうちの重要なものだと思う。かつては、アメリカを初めとする外国に大量の生糸を輸出をした国であり、最近は、日本の中に冠婚葬祭というものがあり、神社仏閣が残っていて、どうしても絹を必要とする状況があるのです。いまの養蚕農家というものはもうぎりぎりのところに来て、そして桑園を耕しながら繭をつくって生糸を出し、そしてそれを織物にし、着物にしてそれを着用する、こういう形になっていて、先ほどから答弁があったように、まさに伝統的な産業だ。にもかかわらず、最近は外国から入ってきて、それを加工して出す。これは伝統的産業じゃなくて加工産業ですね。そういうことになるわけだから、あくまでも伝統的な産業をつぶさないようにしっかり守っていくということについて、きょう決議をされましたからこれ以上言いませんが、これからも全体としてがんばってもらいたい。もし、あの西陣のような告訴が通るならば、それはもう牛肉にしても何にしてもすべてもっとひどいですよ。ネクタイなどは着用してもしなくても生命人体には関係ないけれども、そのほかのものはすべて人間の生命に関係があるのです。ああいうことは、何の目的かわかりませんが、そういうものとはしっかり闘ってほしい。 次に、基準糸価についての値上げを要求しているわけですけれども、これの取り扱い等については、当然これは諸般の物の値上がりからして、あるいは労働賃金の値上がりからして上げるべきだと思うけれども、これはどうですか。
○小島説明員 五十四年度の基準糸価につきましては、月末に蚕糸業振興審議会を開きまして、月末までに適正な価格に決定をいたしたい、かように考えております。先ほど本委員会の御決議もちょうだいいたしましたので、その点も十分肝に銘じまして価格決定に当たりたいと思っております。具体的な数値等につきましては、もとになります生産費等の取りまとめをいたしておりますし、それから製糸段階の加工経費、歩どまりといった問題もございますので、具体的な数値についてはお許しをいただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 養蚕の場合には、労賃部分というのが大変大事な要素になっている。それで、繭をつくる養蚕農家の一時間当たりの労賃というものは、これは労働賃金ではなくて、同じ地域の農産物の賃金に比べてやはり低い、こういう点を考慮してほしいということを特にこの際要求をします。この点についてどうですか。
○小島説明員 繭の生産費の中に占めております労賃につきましては、一昨年以来これは統計情報部の方が一括いたしまして、生産費調査につきましては、農村労賃というものを統計段階で採用するということに変わっておりますので、私どもの方といたしましても、労賃としてはその水準というものを生産費の中に織り込んでいく、こういう考えを持っておるわけでございます。御指摘がありましたような労賃部分が少ないというお話につきましては、恐らく実現しました価格との関係において、家族労働報酬と言われている部分が単位当たりにすれば低いのではないか、こういうお話であろうかと思います。農産物の中におきましても、労賃のとり方について繭とは違った仕組みをとっておるものもございますし、また自由に形成された価格によって逆算的に労賃が出てくるというものもございますので、これは一概に比較はむずかしいのではないか、こう思っております。
○竹内(猛)委員 これは審議会を経てのことですから、審議会に対して強くこの委員会の意見なり先ほどの決議というものを反映をしてもらいたい、こういうふうに要望します。 あれだけ厳しい決議もするし、いろいろなことをしておりながら、なお依然として練り糸やそれが化けた物が入ってくる、こういうものの取り締まり、これについては通産省なり農林水産省は、これからもそういう不当な者に対する規制をどういうふうにされようとしているのか。
○村田説明員 お答え申し上げます。 撚糸の輸入につきましては、これはもともと生糸の一元化輸入に伴いまして、これを免れんとする目的で発生したという経緯的なことがございますので、私ども通産省といたしましては、貿易管理令に基づく事前許可制を適用してまいったわけでございます。昨年もその規制地域外の地域からかなりの量が入りましたので、昨年十月、百四十一カ国ということで対象を大幅に拡大いたしまして、考え得る、可能性のある国はすべて網羅し、事前許可制の対象としたわけでございますけれども、昨年十二月あるいはことしの一月、二月にかけまして、それ以外の国、ヨルダン等からも入ってまいりました。そういうことにかんがみまして、この際三月十五日付をもちまして、全世界、百四十一カ国以外の地域すべてを事前確認制をしくことによりまして厳重にチェックするという体制をとりました。そういう体制に基づきまして、適正な輸入の確保を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○小島説明員 私どもといたしましては、生糸の一元輸入化が実現いたしましたことに伴いまして、これに類似した品物が自由に入ってくるということでは、一元輸入制度が実質空洞化してしまうということになりますので、通産省に対しましても、その秩序ある輸入につきまして常日ごろからお願いをいたしておるところでございまして、幸い従来両省呼吸を合わせてこの問題解決に当たっておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 この点については両省が努力をしていることは認めます。認めますが、なお依然として不当な者がいるということは事実ですね。物を握って別なところから送り込んでくる、こういうことについて、なお一層厳しい規制をしてほしい。 それから、一元輸入の実需者割り当てについて、十万俵中についての七、三という比率を八、二にしろという強い意見があります。この点について農林水産省はどう考えますか。
○小島説明員 現在の実需者売り渡しの制度につきましては、生糸の需要者でありますところの織物各産地のいろいろな実情を勘案いたしまして、繭糸価格安定制度がその機能を失わない範囲内において数量を一応三万俵ということで決めておるわけでございます。この量を今後どういうふうにしていくかという問題については、通産省とも常日ごろから話し合いをいたしておるところでございますが、大きな事情の変化というものもございませんので、現在のところこれを直ちに変えなければならないというふうには実は考えておらないわけでございます。
○竹内(猛)委員 現在は変えないと言うけれども、将来これを変え得る可能性はあるということですか。これは通産省どうですか。
○赤川説明員 通産省では、絹業の発展を図るという観点から、できるだけ増量をお願いしたいというふうに思っております。
○竹内(猛)委員 稲の減反問題と桑園の関係についてお尋ねをします。 転作目標は一万一千ヘクタールであったはずですが、初年度ではこれが六百二十八ヘクタール、これを仮に三年間続けてみたところで、実際に期待するものの一〇%ぐらいにしかならない。なぜ、減反の目標ですね、桑園が思うようにならないか、問題はどこにあるか、その点はどう思いますか。
○小島説明員 お話ございました目標面積というのは、実は私どもは転作の作物別内訳としては決めておらないのでございます。ただ、永年性作物の場合には転作の定着効果が非常に大きいということがございますから、できるだけそういうものの転作を希望もいたしておりまして、奨励金の水準の面におきましても、一般の作物よりは優遇する、こういう考えをとっておるわけでございます。 六百二十八ヘクタールというのは、全体の中のウエートからすればそう大きいものじゃございませんが、実面積にして見れば、初年度非常にむずかしい条件の中ではかなりな成果を上げたのではないか、こういうふうに見ておるわけでございます。ただ、今後永年性作物として本格的な転換をするためには、何と申しましても、従来の水田のままではなかなか心土等の問題がありましてむずかしゅうございますので、基盤整備を進める必要がございますし、また薬剤散布に当たりまして水稲散布と競合するというふうな問題も出てまいりますので、できるだけ集団して転作する、こういった指導を加えまして、今後とも伸ばすようにしてまいりたいと思っております。
○竹内(猛)委員 去年もここで議論をしたわけですが、永年性作物であるならば、果樹と同じように助成なり補助なりを三年ではなくて五年にすべきだ、どうしてそれを三年で打ち切るのかということについてはなかなか理解ができない。やはり思い切ってやるならば、しっかり、五年なら五年というように要求があるのですから、そうなればまた違ってくる。こういうふうになることについて、なぜそれをしないかという問題、これはどうですか。
○小島説明員 永年性作物の中におきましても、果樹のように植栽後数年間はほとんど収入が伴わないというものもございますし、桑園の場合には、収入は少のうございますが、二年、三年たつうちには普通の桑園とほぼ同じような収入が上げられる、こういう作物もあるわけでございまして、水田総合利用対策以来、桑につきましては三年ということでやってきておりまして、それを踏襲いたしておるわけでございます。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、現地からいろいろ御要望もございますので、この対策を見直す何かの節目の際にはもう一遍再検討してみたいと考えております。
○竹内(猛)委員 これもやはりこの際米を生産する方も抑えた、買った方も今度は税金で払い下げをする、こういうときにもっともっとこれは思い切ったことをやらなければ農家の方が踏み切りができない。だから、これは再検討してもらいたいと思う。 それから、日本蚕糸事業団の剰余金というものは、当初は五十一年に八億円、五十二年が十億円、五十三年は目下調整中だと言うけれども、世間では大体五十億あるだろう、こう言われている。この問題も、使い方について、いまもし仮にそういった養蚕の桑園に対して、あるいはまた桑苗そのものに対して活用できるのであれば、これは法律論と関係があるけれども、それは国会でのわれわれの仕事ではあるけれども、担当の行政機関としてこれをどう考えられるか、その問題について。
○小島説明員 法律自体の取り扱いの問題につきましては議員立法でというお話でございますので、現段階としては私どもが意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。 ただ、事業団の助成金の使い道といたしましては、できるだけ養蚕の生産性向上に役立つような使い道をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、これまでもそういう点から事業を重点的に配分をいたしておるところでございます。桑苗一本につき幾らという助成につきましては、非常にばらまき的な効果しか出てこないのではないかということと、もう一つ、全員にそういうものをくまなく配るということについては、いま非常に技術的にもむずかしい、手続的にもむずかしいという制約もございますので、いかがなものかというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 長崎県方面からはミカンを切り取った跡に桑を植えたいというような希望もある。そういうことで養蚕に対する要求というものはかなりあるのです。しかも、それはどこでもここでもできるというわけではないのだから、ぜひ考慮してもらいたいと思います。 最後に、競馬の問題でちょっと投書がありましたから質問をしますが、三月四日だったと思いますが、福永という騎手が転んで、いま生死の境にある。競馬で二十五年間に十八人が死亡している。このことは、中央競馬会の規制が甘いではないか、こういう点について、諸外国のようにもっとしっかり取り締まったらどうか、こういう意見があります。だから、ラフプレーばかりやって、そうして三万とか五万とかいうようなことではどうもいかぬということで、ファンの方から、中央競馬会に対するもっときつい取り締まりをしろということを言っているのですが、これに対してまず農林水産省として答えを……。
○杉山政府委員 福永騎手の落馬事故のような不幸な事故が起こったのは大変遺憾なことでございます。 その原因につきましては、日本中央競馬会から聞き取りをいたしたところでございますが、結果として不可抗力によったものであるということでございまして、事故発生後の措置につきましては、いま競馬会で、本人の回復を待ってできるだけの処置をとっているところでございます。 いずれにいたしましても、こういう事故が起こることについては、できるだけその予防を図る。世上ラブプレイによるものではないかというような御批判もあるやに聞いておりますが、このレースにおきまして別途のプレイについての御批判が伴ったわけでございますけれども、その御指摘になったような——御指摘といいますか、世の中で言われておりますような斜行の件は、これは福永騎手の落馬とは関係ないグループの話であるということでございました。したがって、これが直接ラフプレイに基づく事故であるということは言えないわけでございますが、ラフプレイによる事故があり得ること、それから、およそラフプレイによらず、事故の防止ということにはさらに一層厳しく努力していくことは当然であると考えます。私ども、中央競馬会にも、今回の事故を契機に、さらにそういった監督指導を厳重に行うよう強く申し入れたところでございます。
○竹内(猛)委員 もう時間がありませんから、ここで要請をして終わりますけれども、私はやはりこの問題は、たくさんのファンの人もいるし、いろいろな意見がありますから、いずれ中央競馬会の責任者の出席を求めて、これをしっかりしていかなくてはならぬと思いますが、とりあえず降着制度というものがとられていない日本の現状で、なぜそれをとらないのかという問題も含めて、いずれ別の機会にやります。 それで、茨城県稲敷郡美浦村にトレーニングセンターができて、そこから有力な意見があるのは、医療制度が全くなっていないということで、落馬事故というものがあるにもかかわらず、筑波大学の医学部にこれを依頼している。筑波大学の医学部からはインターンが来てときどきめんどうは見るけれども、どうもそれでは因る。あの距離も約三十キロぐらいありますから、落馬事故のような問題については、これは三十キロもあるところでは身体にいろいろな影響があるから、医療の問題については検討してもらいたい。 それから、霞ケ浦の水が非常に汚濁をしておりますが、その水質の問題で去年の暮れにもちょっとした問題がありましたが、その問題も含めて、塩分が多いこの状況の中で人の体にも馬の体にも悪いということがありますので、これはひとつ検討してもらいたいと思います。それから、交通の問題はかなりよくなったけれども、まだまだ、とにかく五千世帯が移っているのですから、そういう問題も……。 最後に、ぜひ聞いてもらいたいということは、中央競馬会の理事長の給料というのはどのくらいあるのかということを答えてもらいたい。それはすぐに答えられると思うから、そこは答えてもらいたい。あとのことはひとつ検討してもらいたい。
○杉山政府委員 中央競馬会の理事長の給与は月額百万五千円でございます。 それから、いまいろいろ御指摘のありました中で、美浦トレーニングセンターの生活環境の問題だけお答えしておきたいと存じます、その他の問題は後日またということでございますので。 これは先生も言われましたように、五千人からの集団が一挙に引っ越しをした、新しい町ができたような話でございます。最大限生活環境の整備に努力したところでございますが、おいおい整ってはまいっておりますものの、一部まだ未整備な点もあるわけでございます。今後とも、競馬全体の公正な運営にも関係することでございますし、地元との環境問題にも関連するところでございますので、さらに一層、交通手段、医療整備、あるいはお話のありましたような塩害問題等、総合的に十分検討して、必要な整備を進めてまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 終わります。
○佐藤委員長 野村光雄君。
○野村委員 私は、最初に、鶏卵の生産調整問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 これはもうすでに御存じのとおり、一昨年来本委員会におきまして再三にわたりまして論議をされてまいりました問題でございます。特に昨年来鶏卵の生産調整問題の大きな課題として取り上げられておりましたのは、御存じのとおり、当時大規模でありますところのタケクマまたはイセ系統の数百万羽飼っている、こういう大規模の養鶏企業というものが無断増羽という形で規制されないままに放任されている。そういうさなかにありまして、一方、わが国全国ちまたにありますところのまじめな養鶏農家が、結局は過剰生産ということで卵価が低落をいたしまして経営に苦慮をいたしておる。こういうような企業的な養鶏経営というものに対して厳しい取り締まりをすべきである、こういうことが昨年来数回にわたりまして本委員会におきまして論議をされました大きな課題でございます。 畜産局長は十分この実態は御承知と思いますけれども、その後一年有半たってまいりまして、いま、なおかつこの過剰生産という中で、この深刻な状態に対応するために日本養鶏協会では自主的な生産調整を実施する方針をいま固めながら、生産者団体はいま何としてもまじめな養鶏農家の経営、生活を安定させなければならない、こういう涙ぐましい努力をしておる実態であります。こういう実態の中で、昨年来論議されてまいりました大規模と称する、一応十万羽以上経営する大規模の養鶏企業に対してはいかなる処置をとられたのか。昨年来の課題になりました以後におきますところの農林省の大規模養鶏企業に対してとった処置につきまして、具体的にひとつお答えをいただきたいと思います。
○杉山政府委員 鶏卵の養鶏農家の生産調整につきましては、これは本来自主的な協議によって行われるものでございますが、自主的な協議だけではなかなかうまくいかないということから、相当強力な行政指導を行って、特に五十年以降、四十九年水準の羽数に凍結するということを指導してまいったわけでございます。 いま御指摘のように、最近におきましてこの指導、生産調整に従わないという者が一部出てまいっておるわけでございます。その是正につきましては、行政上考えられる限りの手段を尽くしてこれを守るように指導してまいったところでございます。 そこで、昨年来の具体的なその実績はどうかということでございますが、やはり何と言っても実態を押さえる、なかなかわかりにくい実情にあるわけでございますが、これを調べるということで、昨年の五月、八月、十一月、この三回実態調査をしたわけでございます。 その状況を申し上げますと、これは全体についても似たようなことになるのでございますが、五千羽以上の養鶏農家についてこれを見ますと、五月のときは調査対象戸数が五千六百二十九戸、総羽数が八千七百九十万四千羽でございました。これが、八月は省略しますが、だんだん減ってまいりまして……(野村委員「十万羽以上を聞いているんだ」と呼ぶ)十万羽以上だけを集計したものはないのでございますが、いまの傾向で御推察をいただきたいと思います。十一月末で五千六百五十六一尺その中で総羽数は八千七百九十六万三千羽ということで、ほぼ横ばいでございます。無断増羽をしている者がいまの戸数の中で二百四戸でございます。これは五千羽以上でございますので、十万羽以上というものだけではございませんが、無断増羽の戸数が二百四戸、それが十一月末には百五十戸それから羽数では、無断増羽数が四百十五万六千羽であったものが、それほど大きくはありませんが若干減りまして三百八十五万五千羽ということになっております。 それから、この減羽につきましては、現在まだ進行中でございまして、いま申し上げました百五十戸の無断増羽が認められる者に対しましてはそれぞれ減羽計画を出すようにということで指導中でございます。一部なかなか従わない者もございますが、多くの者は県あるいは市町村と話し合いを進めまして、若干の減羽をそれぞれ実行するというようなことで、その後協議が進行中でございます。
○野村委員 私は、この問題はくどくど申しませんけれども、特に企業形態でやっております、ただいま申しましたイセ系、タケクマ系につきましては、御存じのとおり、昨年本委員会におきましては生産調整問題につきまして全会一致を見ましての委員会決議までしている課題でございます。しかも、昨年本問題がこの委員会で論議されましたときに、当時の今井政務次官は、国民の信頼を得るためにも、社会正義に反するこういうような違反者に対しましては、この企業に対しては厳重に規制をする、こういう答弁までなさっているわけでございます。これまで確約をし、本委員会の決議までなされた問題に対して、特にこの大企業と称する、商社と称するか、イセ並びにタケクマ等に対する具体的な実態というものは行わなかったのですか。
○杉山政府委員 国会でもって議論が盛んに行われ、決議もちょうだいしたことはよく記憶いたしております。これらのことを受けまして、私どもとしましては先ほど申し上げましたように、調査をさらに進めて実態を正確に把握するということ、さらにそれから個々に、地元におきまして個別の指導を行うということで県庁等を督励してまいったわけでございます。そして中に、特別言うことを聞かない、悪質と思われる者につきましては、直接、地方農政局あるいは農林水産省に呼び出すというようなこともいたしまして、減羽計画、生産調整への協力を指導したところでございます。もちろん一部におきましてはこれについて協力する姿勢も見られたわけでございますが、全体として見ますと、御指摘のような系列企業は、傘下の養鶏場も数多くあります。それから、経営の形態も、直営もあればあるいは系列もある、関連もあるということで、なかなか一様でございません。私ども、すでに再三御説明申し上げておりますように、こういった生産調整に協力しない者には養鶏関係の補助は行わない、融資もいたさない。制度的なもろもろの制度もございますが、その融資もいたさない。それから、卵価安定基金への加入も認めないというような相当厳しいペナルティーを携えて指導に臨んだわけでございます。それから、すでにイセ、タケクマというような個別企業名も国会での答弁等において明らかにするというようなことで、指導を厳に強化してまいったわけでございますが、現在なお一部これに従わない、国からの何ら助成を受けなくても結構です、みずからの力でやるからこれ以上構ってくれるなというような企業のあることは承知いたしております。ただ、これらにつきましては、これ以上行政上の何の手段を用いてやるかということで、目下苦慮をいたしておるところでございます。ただ、全体から見ますと、どこのだれがということになりますといろいろ問題もございますが、それはごく一部の話でございまして、全体としては、昨年来の強化した措置を見ましてかなり生産調整に協力するようになってきておりますし、それから、そもそも恐らく調査が不完全な時代には続々やみ増羽が事実上進行しておったものと思われますが、そういった事態は完全にとまったというふうに考えておるわけでございます。一、二、個別事例について極端なものがございますが、全体としての生産調整はそれなりに進行している、今後さらにこれを進めるように努力しているところでございますので、御理解願いたいと存ずるわけでございます。
○野村委員 そうしますと、確認しますが、イセ、タケクマ系統はなかなか言うことを聞かない部類に入っている。そして、局長のいまの答弁の内容から言うと、農林省当局にも呼びつけて言うべきことは言った、しかし余りそれも聞いてくれない、こういう者もいる、こういうふうに受けとめていいのですな。
○杉山政府委員 いま御答弁申し上げたわけでございますけれども、イセ、タケクマといいましても、経営の形態は、直営もあれば系列もあるということで、全国に養鶏場が分かれております。その個々の養鶏場によりまして実は対応が異なっております。中には、全般的にはある程度協力してきたものもあるけれども、その一部にはほとんど言うことが聞かれないというものも見られるということでございます。系列全部としてということではなくて、個々の形態を見ればということでございます。
○野村委員 承知しました。いずれにしても、昨年来問題になりました大規模の中には、ある程度、政府、農林省の方針に沿って善意的に是正している者もいるけれども、いずれにいたしましても取り締まる規制方法もないし、協力をお願いする以外にない、こういう状態である。特に私は、この取り締まりは、結局は卵価安定基金に加入していない者に対しては、率直な話、農林省として規制の方法がない。手の打ちようがない。しかも、自由経済ですからやりたいほうだい、こういうことです。私はいま一番大事なのは、結局卵価安定基金に加入している者に対してだけは、農家から、勝手にふやしちゃならないぞ、ふやしませんという誓約書をとっているわけでしょう。ところが、大規模の養鶏経営企業からは、卵価安定基金に加入してないから、誓約書も何もとれない。結局は放任状態、こういうことが依然として放任されておるところに、本年度に入りましてなおかつ卵価の相場が長期的に暴落をいたしまして、養鶏農家は現在深刻な状態に陥っているのだ。こういうことを私は改めて、ひとつきょうは大臣いませんから政務次官、あなたはよく知らないだろうから、ひとつよく前政務次官から聞くなり局長から聞いて、これはやはり今度責任を持ってやってもらわないと、今井政務次官、大したかっこうのいいことだけは前回言いましたけれども、できてない。ちょうど都合よく委員席に座っていらっしゃいますから、ここに議事録がありますけれども、約束は大した調子よくしておりますけれども、されてないということだけはひとつ御認識をしていただきたい。よろしいでしょうか。 そこで、私は第二番目にどうしてもここでお尋ねをいたしたいことは、先ほどの御答弁を聞きますと、無断増羽としていま調査対象として上がってきましたのが現在百五十戸ある。この百五十戸の中には、全くもって家族的にまじめに一生懸命やっている農家も、どうしても現在の規模と経営だけでは生活ができない、やむにやまれずして五百羽、千羽ふやした、こういうものまで結局は無断増羽の対象にさせられている。こういう方々から見ると、われわれみたいなまじめな農家を取り締まるのなら、もっともっと何十万羽、何百万羽と飼っているものを野放しにしておいて、何でわれわれにこんなにしわ寄せをするんだろうという不満があるわけでございます。それは私は理の当然だと思う、同じ養鶏という立場に立ってみれば。この卵価安定基金の加入者に対しては、無断で増羽した場合はこれを打ち切る、こういう一つのペナルティーをかけている。本来ならば卵価の安定、鶏卵の生産調整をして安定経営をなさしめよう、私はこの制度は、家庭経営、家族経営をしている養鶏農家を保護するためにつくった制度だと思う。ところが、大企業は野放しになって、家族経営のものがしわ寄せを受けている。こういうところに非常に大きな不合理が生じてきている。こういうことに対してはどのように認識なさっておりますか。
○杉山政府委員 いま五千羽以上でもって無断増羽がはっきりしております百五十戸、この中には一部、家族経営的なものもございますが、その多くは企業的経営のものでございます。その点は御指摘のとおりでございます。この制度の趣旨は、大企業だから即けしからぬとか家族経営だからいいのだというほど単純な話ではなくて、やはり生産調整に協力してもらいたい、そのためには協力しない者にはペナルティーを科すということで臨んでいるわけでございます。その点、国からの補助金、これを受けない、あるいは融資も受けない、卵価の価格補てんも受けないということになりますと、それでも自分でやっていくのだということになりますと、ちょっといまの段階でそれ以上ペナルティーを科す手段というのがないわけでございます。 それで、これを野放しにしてとおっしゃるわけでございますが、野放しにしているわけではなくて、現にそういう不利益をこうむって生産調整に従わないという者が一部あるという事態になっておるわけでございます。その意味では野放しではない、制裁は受けているということでございますが、さらにそれ以上のことを何か考えるべきではないかという意味を含めての御質問だと思います。その点では、すでにこの国会の場におきましても、私どもはあえてそういう企業の名前も公表いたしましたし、それから、そういう企業につきましては、先ほども申し上げましたように、県だけに任しておかず、中央官庁にも、きわめて異例の話でございますが呼び寄せまして、個別経営を、強い行政指導の協力要請をしたということもあるわけでございます。それから、先ほどこれも申し上げましたように、一〇〇%全面的に聞かれたわけではありませんが、一部かなり協力的な対応も見られたということで、全体として、いま生産調整について強力な指導をしていることの効果はかなり上がりつつあるというふうに思うわけでございます。 それでもまだなお後を絶たないもの、これをどうするかという問題でございますが、私、卵価が下がっているのは、もちろん供給過剰、一部非協力的な者がおるからということもありますが、やはり需要の方が停滞しているということも大きいと思います。それら需給事情、生産対策全体を含めて、単に生産調整そのものだけではなくて総合的な養鶏農家対策ということでこの問題は対応して、もっと広げていく必要があるというふうにも考えておるところでございます。
○野村委員 局長、要点だけかいつまんで要領よく答弁してください。 次に、私がお尋ねいたしたいことは、去る三月の五日でございますか、「鶏卵の生産調整に係る協力の証明について」という趣旨のもとで鶏卵課長通達が出ておりまして、本問題に対しまして、特にこれはまじめな養鶏農家、すなわち四十九年の凍結をまじめにやってきた農家、こういう農家から見ますとこのやみ増羽に対する規制を緩和する措置でないのか、こういうことで今回の課長通達の措置につきましては非常に理解に苦しむ、こういう声が出ているのを私は見聞したわけでございますけれども、この三月五日の課長通達なるものはどういう意思のもとにこれを出したのかということと、本通知を何がゆえに出さなければならなかったのか、こういう問題が具体的に関係養鶏農家に真意が伝わってないのではないか、私も疑問に思っておるわけでございますけれども、これにつきまして、その真意と本通知を出さなければならない意図につきましてお答えをいただきたいと思います。
○杉山政府委員 この通達を出すに至った背景には、一つ、一体四十九年の凍結羽数とは何か、無断増羽とは何かという基礎的な事実の確認についてなかなかその実態が正確につかめず、地域によってはトラブルが起こったという問題が一つございます。しかし、いずれにいたしましても、私どもは実際に生産調整が有効に行われるように指導をするということが一番必要なことだと考えておるわけでございまして、そういう情勢の中で最近の畜産経営の実情、生産調整の実施状況といったことを考えますと、この課長通達のようなことを出すのがむしろ無断増羽の是正を実質的に一層促進する効果がある。それから、同時にそのことは、中小規模の養鶏農家の安定を図るということに貢献すると考えたわけでございます。すなわち、生産調整の現状から見ますと、無断増羽者が早急に減羽計画を作成するということが望ましいわけでございます。そのことが今後の実質的な生産調整を図っていく、指導を進める上で欠かせないわけでございますが、そのためには家族労働を主体とした、先生も御指摘になりましたような五万羽以下の飼養者、こういったところで減羽計画をまじめに作成した者につきましては、卵価安定基金への加入を一切そのままなくしてしまうのだということではなしに、作成してそのまま誠実な履行に取りかかっている者については減羽をしていると同じに見て、その達成まで待たなくとも卵価安定基金への加入のメリットを与えるということでその達成を促すという措置をとることが必要、適当と考えたわけでございます。したがって、この措置は何も生産調整そのものを否定するとか緩めるということではなくて、長期的な生産調整の実効の確保を図る。そして、そのことが生産者全体の利益にも資する。同時に、中小の経営者の安定化、保護にもつながるということで実際的な措置としてとったところのものでございます。ただ、こういう措置につきまして関係者間の理解が十分でない。むしろそこは私どもが十分な説明をまだしてないというような事情もあるかと存じますが、誤解を招いている点もあるやに聞きますので、私ども、いま申し上げましたような趣旨、実情を十分関係者、各方面に説明して御理解を得たい。そうして一層全体としての生産調整がうまく動くように取り進めてまいりたいと考えております。
○野村委員 大体趣旨はわかりましたけれども、いずれにいたしましても、局長、先ほど来混乱をいたしております養鶏農家を大きく分類いたしますと、生産調整をさせたくても、一部には大規模な企業的経営をいたしております養鶏農家に対しましては、卵価安定基金に入ってないで自己資本で全部やっているものは規制の方法がない。こういう野放し的な企業というものに対しては、まじめな家族経営の養鶏農家から見ますと、おれたちばかり厳しい取り締まりをしてまことにもって理解できない、こういう不満がある。もう一方は四十九年の凍結羽数をまじめに守っている養鶏農家から見ますと、またいま言ったようにきちっとした趣旨が理解できていないために、何か緩和措置でないかというような批判が起きてくる。養鶏農家といいましてもその規模なり経営方法なりが非常に多種多様でございまして、一律には大変むずかしい課題ではあると思うけれども、やはりこれらの措置につきましては、十分関係の団体なりそういう代表者と連携をとりながらやることに対して欠陥があったのじゃないか、こういうふうに私は指摘せざるを得ないのでありますけれども、こういう通達に対しては前もって十分なるこの趣旨というものを関係団体と連携をとりながら出すべきではないのか、こういうことに対しては何らか反省する課題はないのですか。
○杉山政府委員 行政上目的とするところを円滑に推進するためには、関係する方面と事前に十分連絡をとって理解を得ておくことが必要だと考えます。今後とも十分そういった努力を続けてまいりたいと思います。
○野村委員 次に、この際でございますから、養鶏農家の経営安定につきましてぜひ三点ほどお尋ねをいたしておきたいのでありますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、養鶏農家の苦境というものは深刻な状態がございまして、そこで具体的な例をちょっと申しますけれども、先般私は関係農家といろいろ懇談する機会がありまして懇談いたしてまいりましたところが、今年一月から二月までの卵価というものは農家の手取り価格、すなわち庭先取引価格が一キロ当たり百七十円程度、それに対して飼料並びに管理費、こういう原価が一キロ当たり二百二十円程度かかる、こういうことで現在生産すればするほど赤字になっていく。ある農家は、約一万羽経営している人でありましたけれども、去年一年だけで六百万からの借金ができた、さりとてやめるにやめられない、こういう苦境の実態が私はわかってまいったわけでございます。こういう実態に対してもっと養鶏農家に対する援助措置というものを講ずるべきでないか、これが第一点でございます。 第二点は、養鶏農家というのはほとんど一般農家の中に点在しておるわけです。同じ農家でありながら、片っ方はお米の生産調整に対してはまあある程度行き届いた生産調整費というものが農林省から大幅にいま出されております。同じ農家でありながら、同じ生産調整という目的で減羽なりまたは経営を縮小しなければならない、またはふやせられない、こういう対象者に対しては、米作農家から見て、何らの生産調整の対策費は出ていない、これが実態なんです。 第三点には、この養鶏農家の現在置かれております実態というものを、この際農林省は的確に経営の実態等というものを調査をし、その経営の実態というものを適正に把握をした上で速やかなる援助対策を講ずるべきだ、私はこういうふうに考えるのでありますけれども、この養鶏農家の今後の経営安定対策につきまして、以上三点にわたっての担当局の対応策をひとつ示していただきたい。
○杉山政府委員 養鶏農家への助成ということでございますれば、生産対策全般がそういうことになるわけでございますが、先生のおっしゃっておられるのは、特に最近の経営が急激に悪化したこの問題に対してということであろうかと存じます。その意味では、先ほど来申し上げておりますように、そういう問題の根源をなくすということでさらに一層生産調整を強力に推し進め、その実績を上げていくということがまず基本だろうかと思うわけでございます。 それから、生産調整について助成が行われないのかというお話でございますが、米は国民の主要食糧で、これは国が直接管理している物資でございます。その点、鶏卵に限らずほかの畜産物でもそのほかの農産物でも生産調整が行われておるものもございますが、これはやはり直接には関係者みずからの問題である、そして、それを行政指導するという性格のものであるというふうに考えるわけでございます。しかし、それを適確に推進していく上には助成も必要ではないかという御指摘はわかるわけでございます。その意味では、私ども、まさに卵価安定基金は生産調整を行ったものだけに出すということでは助成の意味を果たしているというふうに思うわけでございます。 それから、卵価が低落し、金繰りにも困っているというようなものに対しては、いままでも卵価回復のための液卵公社による買い上げでありますとか団体による調整保管、これに対する保管料金利の補てんとか、さらには卵価安定基金の借入金に対する利子補給、当初からの国の一部負担ということ以外の利子補給、最終的にはさらに、つい最近でございますが、九億円の額を出しまして卵価安定基金の財政的な欠乏を補てんするというようなことをやったわけでございます。直接農家に対してすぐ現金を支給するというような形ではございませんが、これらの措置を通じて卵価安定基金が適切に運営されて、そして養鶏農家に対してもそれなりに救済の措置が講ぜられたというふうに考えております。曲がりなりにもどうにか経営が続けておられますのはこの卵価安定基金の機能が十分に働き得たところが大きいというふうに私は思うわけでございます。 それから、経営の実態について十分把握していないのではないかということでございますが、私ども、いままでも努力を続けてきたところでございますし、特に最近においては生産調整との関連から個別経営の個々の実態まで把握するように、各種の調査も進め、努力いたしているところでございます。もちろん、行政を進めていく上で実態把握が何よりも前提だということはごもっともでございますので、この上ともそういった経営実態を十分把握するよう努力した上でさらに必要な対策を講ずるよう努めてまいりたいと考えます。
○野村委員 せっかく片岡政務次官いらっしゃいますので、また決意表明だけで終わらないように、大臣いませんから、私は今後の対応策を改めてぜひひとつ確認したいわけでございますけれども、先ほどの一連のやりとりをお聞きになりまして、政務次官は、私は認識不足でございまして、養鶏問題に対しては、専門家であれば失礼でございますけれども、余り専門家でもないようでございますが、そういう点から見て、いずれにいたしましても最大の深刻な問題は、最近、米のみならず乳価の問題もいま問題になっておりますけれども、養鶏農家も結局は生産過剰ということで需給計画というものが相伴わない、こういう中で結局農家みずからが自主的に生産調整をせざるを得ない、こういう現況にあるわけでございます。こういう農家に対しましてもひとつ他の農家と同じように、米作、畑と同じような温かい援助対策を設けるということと、この養鶏農家の安定対策の最大の根本は、先ほど来大きな課題になっております大規模養鶏企業が何の規制も受けない中で無造作に何ぼでも何百万羽と飼育をしている、一回行っていただきたい、こういう状態がいまだに規制されないでいるものもあると先ほど来答弁の中で出ておりますけれども、これらに対する厳しい対応策と、そしてまじめな養鶏農家の経営安定対策をひとつ具体的に示していただきたい、これをひとつお尋ねをいたしたいと思います。
○片岡政府委員 この養鶏の問題につきましては、実は私も当委員会の理事といたしまして昨年からいろいろ事情を承っておりまして、つくづくいま野村委員がおっしゃったように、まじめにやっておられる農家の方たちが大変大きな痛手をこうむっておるということについて、私は実は本当に心を痛めておるものでございます。そういう立場から、あのとき今井政務次官が本当に正義感から何とかしなければならぬという決意を述べられた、私は実はそれと同じ気持ちをいま持っておるわけでございます。ただしかし、いま野村委員からお話しのように、そんな決意表明だけでなしに何か具体的な問題としてひとつ十分将来考えるべきだということを御要望でございます。私もそのことを本当に痛切に感ずるわけでございます。ただ、先ほどから政府委員が申しましたように、非常に対策がむずかしい。自由経済のもとでいろいろのペナルティーを科す、関門をつくりながらやっておるけれども、それについては世話にならぬということでさらに勝手なことをやられるという状況が出てきておるということになりますのは本当に残念なことでございます。要するに、やはりこの経済事情を考えながらそれぞれの経営主体の人たちが自主的にひとつまじめに考えてもらう、そういう考え方を私は喚起していく。それだけではなかなか役目が果たせないと思いますが、基本的にはやはりそういうことがまず第一で、自覚をしてもらって人に迷惑をかけない、お互いにみんな共存共栄していくということをひとつやはりいろいろな機会にわれわれの方で説得をし、そして場合によってはこの前委員会に参考人としてお呼び出しいただいたということも、私は一つの大きなチェックになるのではないかと考えております。さようなことなどを考えながら、ひとつ何か本当に自覚を起こして積極的に協力してもらう。まさかこれで罰則をつくってどうこうするということはできませんので、その点は非常にむずかしい問題ではありますが、ひとつ一生懸命今後名案を考えていきたいと思いますので、またいろいろ御指導を賜りたいと思います。
○野村委員 先ほど言いましたように、政務次官何ぼりっぱなことをおっしゃっても、悲しいかな、果たして次官の任期がいつまであるのか私はわかりません。私がこの席に来まして実態を見た限りでは、せいぜい一年くらいで交代なさっておるようでございまして、一年ごとに次々決意だけ言っては具体的な効果は出ないで終わるということでは因りますので、ぜひひとつ任期中に、なるほど今度の政務次官は決意でなくて実効が出た、こういうような一つの効果をあらわしていただくように強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○佐藤委員長 津川武一君。
○津川委員 午前に引き続きまして、牛乳の過剰、これは米は全く内地の、日本の国の事情だけで過剰になっている。牛乳の過剰基調は、内地の事情もありますが、外国からの乳製品の輸入というものがありますので、この点特別な事情があると思います。 そこで、先ほども大臣に話しましたが、いま貿易の不均衡を来している一つの重大な問題は、ある種の工業製品、これが片貿易の原因になっておりますので、その影響を農業に一方的に及ぼすのは国の経済としては正しくない。工業がよくなったら農民もよくなるように、輸出工業が苦しむなら農民もともに苦しむ、ここに経済の本質がある。これはもっと大臣とやってみたいと思いますので、そのことは指摘にとどめておきます。 そこで、先ほどの酪農の問題ですが、米の生産調整から酪農に転換した場合、また牛乳の過剰でミカンの二の舞を演じないように長期的な展望、長期的な施策を持たなければならないと思いますが、この点はいかがでございますか。
○杉山政府委員 酪農は、御指摘のように、技術も必要としますし、多額の投資も必要とする。そういったことから、一年限りでなく長期的に先を見通しての対策、考え方というのが必要だと思います。その点では、需要の動向を見まするとそれほど高くはありませんが、ここ三年、年によって波があるので的確な数字はなかなか申し上げにくいのでございますが、年平均にならせば三%程度の安定的な増加を示しております。これをさらに努力すれば、どれほどかはまだ確たる見通しはありませんが、これを上回るような伸びは十分期待し得ると思います。 そういう需要を一方において見ながら、それと歩調を合わせた生産を行っていく、需要に見合った生産ということによって長期の酪農の経営の安定ということが図り得ると考えております。その点、ここ数年、特に昨年、ことしと生産の伸びがきわめて大きく、需要の正常なテンポをはるかに上回っているというところにアンバランスの問題が生じておるわけでございます。このアンバランスは是正しなければいけないけれども、何もブレーキをかけてとめてしまうのではない、進み方について適正な速度で進むようにということで、生産について需要に即応した適応をとるようにということで考えておるところでございます。
○津川委員 次に、いわゆる水田利用再編対策に関連して畜産へと移る。この場合、畜産の将来の見通しを立てないといけないので、この点で転作と畜産の関係をどう考えているか、どう転作させるのか、ここいらも伺っていかないと、農民の畜産、特に酪農への転換で問題が出てくるわけなんで、これはいかがでございます。
○杉山政府委員 水田の転換が、酪農も含めて畜産へ転換するものが一番大きいということは、いままでの実績も示しているとおりでございます。特に五十三年度におきましては、従来転換面積五万五千ヘクタール程度であったものが一躍倍増の十一万ヘクタールを若干上回るというような水準になっております。こういうことによって、酪農について申しますならば、いきなりそれが頭数をふやすということに結びつくのでは、今度は米の過剰を畜産の世界に持ち込むということになりかねない。そこで、私は資源問題からいたしましても、これは自給飼料の給与率を高めるという形で対応すべきだというふうに考えております。その点、最近国際的に主要穀物の価格が安いものですから配合飼料が安い、したがって自給飼料よりも配合飼料へ傾くという、これは酪農農家に限らず畜産農家一般に見られるところでございますが、こういったえさ給与のあり方について農業者にも関係団体にも十分反省いただくといいますか、実態を認識していただいて、自給飼料の給与率を高めるという方向へ持っていくべきだと思うわけでございます。そうしながら、先ほど申し上げましたように安定的に成長する需要の増加、それに見合って適正な伸び方で生産の方を目標を定めてこれに持っていくということが必要であろうと考えます。その点で、六十年見通し、あるいは酪農については近代化基本方針というものがございますが、これらの目標については最近の事情を織り込んで検討し直す必要があると考えております。
○津川委員 とにかく酪農の長期見通し、生産調整との関係を本当に計画を立てて農民、農民団体に示していくことが将来を誤らない第一のことだから、その点はくれぐれも慎重を期して、しかも明確に指示してほしいと思うのです。 それと関連していますぐ問題になるのは、限度数量です。もう一回、限度数量分の牛乳をどうするのかを答えていただきたいと思うのです。青森県だけでも五十三年度の分、七千五百トンが出ています。これの処理もまた問題で、明らかにしないと先のことが混乱する。 もう一つは、生産費の調査の対象地域。かつては青森県があったのを外した、岩手県も外した。そこいらにまだ農民の不安があるわけです。青森県で言うならば、加工原料に回るのが四〇%もある。したがって、そこいらの生産費を実態を調べて事を処すべきだと思うのです。 先ほどもあったでしょうけれども、この二点を答えていただきます。
○杉山政府委員 まず、限度数量の問題でございますが、最近先ほど申し上げましたような生産の伸びが大きく見られますので、ここのところ年々伸ばしてまいりました。一昨年が百三十八万トン、昨年が百五十八万トン、本年五十三年は百八十三万トンでございます。こういうふうに生産の実態に伴って伸ばしてまいったわけでございますが、ここ三年いずれも伸ばしてまいった数量をまた上回る実績、生産が見られているところでございます。私ども、一年限りの話であるならば、これらについて、不足払いの直接の対象ではないにしても、それに準じたような措置をとることは可能でございましょうし、現に昨年、一昨年はとったところでございます。ただ、三年続いてそういう事態が出てまいりますと、これは出てくるものを無制限にただ引き受ける、不足払いの対象にするということでは大きな問題になります。大きな問題と言いますのは、過剰生産を刺激する。その意味ではむしろ長期的に過剰になって、単に加工原料乳だけでなくて飲用乳も含めて価格について農民にとって決して有利でない、不利益な事態も出かねないということで、やはり生産というのは需要をにらんで行われるべきである。その意味で、限度数量をオーバーしたものについて、これを従来のような不足払いと同じような措置をとって財政的に負担をするということは妥当でないというように、生産者農家の方から見れば大変厳しく映るかと思いますが、そのように考えております。 それから、生産費の対象地域をどういうふうにとるかということでございますが、御承知のように、加工原料乳についての生産費でございます。そして、主要加工原料乳地域における生産費、現在はこれを北海道ということでとることにいたしております。だんだん各地域の加工乳の生産の比重というのが下がってまいりまして、今日五〇%を超えている地域は北海道だけでございます。一昨年までは岩手県が入っておりましたが、昨年から北海道だけで生産費をとるということにいたしたわけで、本年もそのやり方に従ってまいりたいと考えております。
○津川委員 限度数量、いままで農民は、買ってくれて、それで進んでいるわけです。そこで急に落とすというのじゃなくして、生産と需要のバランスをちゃんととるように国の政策を納得させて、農民に、農民団体に示したならばこれは減らしてもいいが、そういう点では、いまのところ農民がそう思っている形のところを一たんとって、それで来年、再来年こうするのだというふうにやるべきだと思うのですが、この点は返事をもらわないで先に進めていきます。 そこで、牛乳の消費ですが、ふえているのです。ふえているのですが——私も四十年時代に少し時間がありましたので「栄養とたべもの」という本を書いて、農産物の食べ方、主食のあり方を論じてみたわけなのですが、このときは七一年の調査でしたが、牛乳と乳製品一人一年当たりの消費、フランスは五百六・七キロ、アメリカが二百六十二・八キロ、日本は驚くなかれ五十二・九キロ、フランスの九分の一でございます。チーズの消費量はどうかと見たら、日本人は一年に一人五百グラム、一日一・三グラム、Qちゃんチーズというのがありますが、あれは一本十二グラムなのです。そうすると、日本人はQちゃんチーズ一本食べるのに十日かかっている。これが牛乳、乳製品の消費なのです。 ところが、牛乳、乳製品の栄養としての効果を見ると、脂肪は何といっても牛乳が一なのです。したがって、脂肪に溶けるあらゆるものが牛乳で吸収される。ビタミンAだとかBだとか、それからカルシウム。このごろ子供さんたちが舗装されたところで体操をやっただけで骨が折れているが、これはカルシウム不足で、これを補うのに一番いいのが牛乳なのです。こういう点から、現在の消費の状態、Qちゃんチーズを十日に一本食べているという現状を見ると、牛乳の効果というものをもう少し教育する、宣伝する。消費拡大の点で牛乳に対する考え方はどうなのか、教育において牛乳の消費をふやす点においてどうなのかなと思っているので、この二点を答えていただきます。
○杉山政府委員 日本人の栄養水準は欧米並みに達した、世界的に見ても一流であるということが言われます。確かにそうだと思いますが、その中で栄養的に欠けていると指摘されているのは、ビタミンB2とカルシウムでございます。その点牛乳は、ほかの栄養素も十分含んでいると同時に、指摘されているビタミンB2、カルシウムについてはこの上ない食品で、補給源となる最適のものでございます。 それから、先生御指摘のように、日本の牛乳の消費水準は、加工品であるチーズも含めてヨーロッパ、アメリカに比べていまだきわめて低い水準にあります。そういった、いま申し上げましたような栄養上の価値が認められていないわけではないと思いますが、日本人の食生活のあり方とも関連して、一層正確に皆さんに理解されれば消費は十分伸びていく可能性があると思っております。 そこで、国としては昨年から、こういう個々の商品について、米は別でございますが、消費拡大ということを国みずから直接やることは少ないのでございますが、補助金を出しまして、団体、関係者等にそのPR、普及事業を推進するようにいたした邸ところでございます。本年はそれを予算的にもさらに拡大いたしまして、金額で申しますと二億五千万円、このほかに事業団からも三億円出すというようなことで五億五千万円の普及拡大のための予算を計上いたしております。この額はそれほど大きくないにいたしましても、これを核にいたしまして関係者、生産者、メーカー、販売店、こういったものが一丸となって大同団結して、大同団結なんという言葉を使いましたのは、実はこの三者間の協調がなかなかうまくいかないのでございますが、心を合わせて普及活動を大々的に推進すれば相当の成果を上げ得ると期待しております。政府としても、この指導には十分力を尽くしてまいりたいと考えます。
○津川委員 それだけの補助金を出している。問題は補助金の使い方です。もっと牛乳に対する国民の評価を高めるべきだし、現在の日本はそれをやっていくべきだと思うのです。 肉牛のことで少し聞いてみたいと思ったのですが、時間がなくなりましたので、一つだけ聞いてみます。 私、昨日、酒田市の中で畜産団地をやっている本楯というところへ行ってみましたが、二十一戸の農家で三百五十頭の肉牛を肥育しています。養豚団地もやっています。肉牛は黒毛で、素牛が九州宮崎県の小林、そこで肉牛の素牛の価格が高くて肥育農家のせっかくの努力が実を結ばない。鳥海山という大きな山すそを持っていて国有林がある。ここで肉牛を飼育して、そして素牛をとって、育成から販売まで一貫的な育成ができたならば、もっとそこがいけるのじゃないかということなんですが、こういう点での指導方針。 それからもう一つは、青森県の乳用牛の子牛なんですが、あそこはいま二万八千頭ぐらいの乳牛があるわけです。田子町というところは肥育センターを中心につくってよく育てているが、十和田市あたりは、そのせっかくの乳用素牛、子牛が博労なんという仲買人の手を通じてほかから入ってしまう。そこで自給できるのに北海道なんかから入ってきている。ここいらでそういう体制を整備するならば、私はもっと肉牛の生産ができると思うのです。 時間が来て、きちんと守りたいと思いますので、この二つの方針を簡単でいいから聞かしていただきたいと思います。 もう一つ、デンカビットについて、茨城県の大洋村の遠峰滋晃さんという人が、関税免除で購入できる免状をもらっている人なんです。この人が、全酪、全開連、県開連、単協、本人と、流通の品物を受け取っている。ところが、その人によれば、二十五キロ入り袋で横浜のCIF価格は、五十一年十月からこの方、最高で三千八百八十円から三千二百円。ところが、本人売り渡し価格は六千八百五十円なんです。余りにも途中で多くなっているので、どうなっているのか。これは流通過程を調べていただいて、後で私に報告していただければと思います。 この二つ、答えていただいて、私の質問を終わります。
○杉山政府委員 肥育素牛を安く肥育農家に供給するということは、当然必要なことでございます。最近、肉の価格が上がった、肥育についての増産意欲も高まったということから、子牛の価格が上がっております。これについてはそれなりにいま冷やす方策をいろいろ努力しているところでございますが、基本的に長期的な対策としては、先生もおっしゃられたように、産地におきまして子牛の生産、それから肥育、枝肉処理、この段階まで一貫して処理するということが必要だと考えます。産地に付加価値をよけい落とすということもありますし、経営の安定をもたらすということもあります。コストダウンが図られて、製品の価格の引き下げにも貢献し得るということで、私どもこれは重点施策として肉用牛集約生産基地育成事業を、五十四年度から従来の体制を一層強化して進めることにしております。五十四年度は二十四基地、いま計画を立てておるところでございます。 それから二番目の、十和田の地区で家畜商が入って公正な取引ができないというような御指摘があったわけでございますが、最近におきましては、農協等による組織を通じて共同購入あるいは共同販売というようなことが家畜の世界においても一層進展しつつあります。できるだけそういう組織を活用するということを通じて流通段階——流通段階といいましても、これは子牛の流通でございますが、それの適正化を図るように指導してまいりたいと考えます。 それから、デンカビットでございますか、この件につきましては、私、実態をよく承知しませんが、調べてみたいと存じます。
○津川委員 終わります。
○佐藤委員長 次回は、来る二十九日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五分散会