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87回国会衆議院1979/03/20

農林水産委員会 第5号

発言数
220
登壇者
15
会派数
5
開催日
1979/03/20

会議録

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 これより会議を開きます。  沿岸漁業改善資金助成法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新盛辰雄君。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 日ソ漁業協力協定に基づいて、いま、きのうから第一回の日ソ漁業委員会も一開催されておりますし、非常に緊迫した二百海里時代に対応する諸問題が出ているわけですが、この国際的な総括的な問題は後ほど角屋委員の方から御質問があることだと思いますので、私の方からは、今回提案をされております沿岸漁業改善資金助成法に基づく諸問題について質問をしていきたいと思います。  今回出されております沿岸漁業の改善資金の助成をいまここで出さなければならないということになったのも、二百海里時代に入って、沿岸漁業の見直しをしなければならないという前提に立つわけでありますが、今日言われております資源管理型漁業の推進を図るために、沿岸漁場の整備、二次沿構あるいは漁業構造改善事業、こうしたほかに、また、特に今回は新沿岸漁業構造改善事業をおつくりになる中で、この資金制度をさらに発足をさせるということになっているわけであります。  そうしたことにおけるいまの沿岸漁業という位置づけをどういうふうにまず認識をしておられるのかをお伺いをします。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 御承知のとおり、わが国の漁業の総生産高は約一千万トンであります。そのうち約三百万トン弱、生産高で二兆五千億のうち約一兆円、約四〇%が沿岸漁業でありますから、これは非常に重大なシェアを占めておるわけです。ことに二百海里時代ということになってまいりますと、いやおうなしに世界各国からとる魚の量はふえるということはなかなか困難であります。すでに百万トンぐらいが締め出しを受けておるという状態でございますので、われわれとしては、今後とも沿岸、沖合い漁業の振興というものを最重点的なものとして進めていかなければならぬ、かように考えております。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 正確を期す意味で、いま大臣のお答えのあった沿岸漁業の位置づけの認識はきわめて重要になっているというそのことから見ましても、最近では、農畜産物の動物性たん白質供給という面で水産物との比較をとらえた指標がずいぶん出回っております。これなどを見ますと、五十一年、五十二年に入ってきて、いままでの水産物あるいは畜産物の動物性たん白質の摂取量というのは、国民一人一日当たりの供給の動物性たん白質が五十年で水産物は一八・一、それが畜産物では一七・六、こういうふうになっていますが、五十二年度ではこれがもう逆転して、水産物が一七・五、畜産物が一九・四、こういう減少の傾向にあることは、きわめて重要な水産物供給の問題として考えなければならないわけであります。  ちなみに、五十二年度のわが国の漁業の総生産量というのは一千七十六万四千トン、いま大臣おっしゃいましたように、総生産金額が二兆五千四百四十九億ということになっているわけです。とりわけ、養殖業を含めた沿岸漁業、これかこの中の部分としては二七・六%にすぎないのでありますが、金額の面では、その総生産金額の約半分と見ていいと思いますが、一兆二百九十四億円、こういうことで総生産金額の四〇・四%に達しております。これは国民の需要の強い中高級魚介類の供給がそういうふうになっているという面でありますから、ここで沿岸漁業が大事にされなければならないということになるわけであります。  第二次沿構の事業の実施状況が、これまでいろいろ取り扱われておるわけでありますが、この所期の効果はあったのかどうかということの反省の上に立って今回のものができたと思います。その点についてお答えをいただきたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 二次構は、四十六年から事業に着手いたしまして、すでに全地域の指定を終わっております。それで、一部地域では五十三年度中に補足整備事業というものをやっておるわけでございますが、それも終わるという地区も出ておるということで、五十三年度の末で、全体の事業の進捗率は九三%、累積の事業費がおおむね四百十五億ということになっております。この結果、沿岸漁場の改良の造成なり各種の近代化施設の整備が進展をした。また、沿岸漁業の生産性の向上なり所得の向上に大きな貢献をしたというふうに私どもは考えておるわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 この二次沿構が実施されて、いま水産庁長官の、効果というか反省の上に立って、新しい新沿構というふうにおつくりになっているわけでありますが、この二次沿構から三次沿構へ移り変わるという状況というのは、当然そこに欠陥を補うという面できわめて重要な部分があるわけであります。そうした面の認識としてお伺いしたわけでありますが、これまでの沿岸の整備を初めとして、こうした構造改善事業という部面においての実効はどうなっているのかということをお聞きしているわけですから、そのことについてお答えをいただきたいと思うのです。

森整治水産庁長官

○森政府委員 二次構の問題といたしましては、近代化施設の整備なり漁場の改良造成、そういうことを中心に事業が行われたということでございますが、逆に、漁村の環境整備等の対応がおくれておったとか、あるいは漁民自身のいろいろな創意工夫をもう少し活動させる必要があったであろうとか、最近みたいに資源の管理型漁業ということが非常に強く言われておるわけでございますから、そういうものを今後取り入れる必要があるだろうというようなことから、新しい構造改善事業を今回取り上げるに至ったということでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 いまもお話がございました資源管理型の漁業への移り変わりが強調されておりますだけに、そうした場合に漁場の有効的な利用を図っていく面、いわゆる漁業系統組織の多くの諸問題がこの中で出てくると思うのです。この二百海里時代における沿岸漁業の急激な変化ということにおいていま直面しているのは、組合員のニーズと期待にこたえつつ、沿岸漁業の振興あるいは漁業の経営をやっていかなければならないし、生活の安定と向上に努めるということが必要になってきます。そういう面では、いまの漁協の経済基盤は農協等に比較してきわめて脆弱じゃないか。水協法等があって、当然そのことに対する手だてもされておりますし、漁業協同組合合併助成法等もあるのですが、いまだにその効果が上がっていない。体質改善のためのこうした零細漁業を含めた問題で、役員の人事だとかあるいは漁業権の問題とか、いろいろな問題がありますが、こうしたことに対して政府の指導がいままで余り進められていないというところに問題があると思うのです。その点についてお答えいただきたいと思うのです。

森整治水産庁長官

○森政府委員 漁業協同組合の今後の組織の重要性ということは、二百海里の見直しということでますますその担い手としての意味が非常に大きくクローズアップされてきておることは御指摘のとおりだと思います。私どももそういう問題には従来から着目をしておりまして、合併の推進には力を入れてきたつもりでございます。  そういう意味で、特に最近、たしか五十三年度から漁業協同組合の整備強化の指導事業というのを実施いたしまして、弱小、経営不振の漁協の整備強化を推進するために整備計画を樹立する、そういう指導を中心といたします事業を実施をいたしておるわけでございます。そのほかにも、常例の検査を通じて漁協の育成強化を図っていくということもございますし、さらに、合併を促進するための指導費等についても助成をいたしておるわけでございます。それから、全漁連が行います漁協の指導監査士の活動事業についても助成をするというようなことで、いろいろ対応はいたしておるわけでございますが、逆にいろいろな問題も存在しているわけでございまして、最近の実績といたしましては、合併の事例が非常に少なくなってきていることも事実でございます。ただ、その必要性につきましてはわれわれも深く認識はいたしておりまして、今後の推移を見まして対応策をさらに強化する必要があるというふうには考えているわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 そうしたいわゆる漁業系統が新しい段階に入ってきたという認識に立てば、いまおっしゃっているように、これはただ外から指摘をして、あるいは改善を要求をしてということにはならないじゃないか。もっと深刻に、真剣に受けとめて問題の解決を図るべきじゃないかということを前から指摘をしているわけですが、いまの水産庁長官のお答えではどうもまだ積極性が出ていないような気がします。その対策としてどうしていくのか。いま現実にこの対象者は二千二百組合ぐらいあるのですが、そういうものに対する統一的な一つの方向を打ち出さなきゃならないじゃないか、こういうことを指摘をしているわけですから、その点についてもう一回お答えいただきたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 問題は、弱小な組合なり、いろいろ事業不振あるいは赤字を抱えておるそういう組合についての御指摘であろうというふうに思います。これにつきましては、私いま申しましたように、五十三年と、それから来年もその指導事業につきましての予算を組みまして、経営指導を中心に指導をしていくということを考えておるわけでございますが、先ほど申しましたようにいろいろ問題があるわけでございまして、たとえば合併法の期日もたしか五十五年までということに相なっておるし、漁協のあり方、合併も含めまして、そういう問題についてさらに今後新しい施策を検討してまいりたいということを御答弁いたしたわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 今後ともの努力をお願いしまして、次に遠洋漁業については、日ソ漁業交渉や、いまオーストラリアとの交渉等でも行き詰まっているわけでありますが、そのような制約から、極論をしていけば、これからの国民の必要とする水産物を二百海里水域内で賄わなければならないという時代が来るわけであります。そうした水域内での資源管理や価格、流通対策等を含めて、総合的な基本的な方針を打ち出すときが来たんじゃないか。現在あります沿岸漁業振興法とかあるいは漁業法とか、こうしたものはすべて生産増大や漁業調整に重点を置いているわけでありますし、漁業の食糧産業としての位置づけだけを明示しているのではないのです。そういう面からいきますと、農業においては農業基本法があって、農は国の根本である、米は国家のものであるという認識に立っていますが、この農業の国家的な重要性と比べて漁業のいまの位置づけというのはきわめて脆弱ではないか。だから、総合的な食糧の認識の上に立つならば、これは仮称でありますが、漁業基本法など、そうした総合的政策の上に立って考えていく必要があるんじゃないか。水産物の価格の安定法といいますか、あるいは漁業者年金あるいは福祉、そうした漁協整備にわたる全般的な漁業基本法というものをこの際つくっていく必要があるんじゃないかということをこの間も強調したのですが、大臣は木で鼻をくくったような勢いでもって、これはいま考えておりません、こういうお答えでありましたけれども、確かに根っこをつくるというのは大変な作業であります。しかし、基本的な考え方を明らかにしながらその整備をしていくということは可能ではないかと思うのですが、大臣の御見解を承りたい。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 別に木で鼻をくくったようなことを申したわけでも何でもないのでありまして、基本法という法律がいろんな分野でつくられております。つくられておってもなかなかその基本法が役立ってないじゃないかというふうな御指摘の方がむしろ多い。問題は、法律の問題よりも、どういうように実態に合わして現状を認識して、それに対して適切な予算措置、行政指導をやっていくかということの方がむしろ問題ではないのか。したがいまして、現在それらのいま言ったような法律がございますから、それらの法律をやはり満度に活用していくということと、現在置かれておる漁業という問題は日本の国民のたん白資源の確保という点からきわめて重要である、しかも二百海里時代を迎えて外国でなかなか魚がよけいとりづらいという時代になってくれば、やはり沿岸、沖合いというものを充実していかなければならぬ、そのためにはこれこれかくかくの施策を講じてまいりたいということを申し上げておるわけであります。基本法やあるいは魚田の管理とかいろんな計画とかということを言いましても、現実に魚の問題というのは農業よりもむずかしいのではないか。養殖のような場合はある程度管理はできますが、あとは回遊をして歩いておるものですから、なかなか計画的にきちんとどこの海域で幾らの魚をとるんだということまでも決めてしまっても、現実問題としてはなかなか予定どおりにはいかない。したがって、ある程度融通無碍といいますか臨機応変な措置がとりやすいような形の方がむしろ現状に適しておるのではないか。それらのことを考えますと、いま直ちに漁業基本法というものをつくって、こうこうしかじかに現行以上に別なことをやらせますというようなこともいかがなものかと思ってちゅうちょをしておるという率直な話を実は申し上げた次第でございます。基本法をつくって位置づけをするというんだが、法律をつくらなくとも、その現実の認識というものが重要だということの認識の上に立てば、おのずから予算その他の方法は出てくるのでありますから、法律がなくとも差し支えないのではなかろうか、こういうことを申し上げた次第でございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 そうしますと、政府がいま現行法等で手順としてはやっていけるものだ。しかし、政府の手で漁業の総合的な生産計画の樹立、これは否定はできないと思うのです。このことがいま原則的な問題として出ているわけでありますし、この際、漁業再編成構想といいますか、二百海里時代に新しく突入してもう三年目でありますが、もうそろそろ中小零細漁業も含めて、そうした面の画期的なものとまではいきませんにしても、いま沿岸の資源管理型漁業という方向に移り変わるであろうという認識が高まっているときだけに、そのことについてやはり政府としても積極的に取り組む必要から、この際、漁業再編成に伴ういわゆる漁業制度調査会か何か知りませんが、そんなふうなものを設けられて検討されるのはいいではないかと思うのですが、どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 いろいろな研究はもちろんしていかなければならぬし、資源の調査それから培養というようなことはやっていかなければなりません。したがいまして、名前はどういう名前をつけるかは別として、広く各界の学識経験者、実務者、そういうような人の意見を随時承って、重要な施策の参考にしてまいりたい、そう考えております。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 一段の御努力をいただきます。  次に、沿岸漁業改善資金助成の法律の根幹をなしている漁業後継者の育成助長、あるいは沿岸漁業者等に短中期の無利子資金の貸し付けを行う制度で今回新しくおつくりになるわけでありますが、現実、後継者の確保ということについてどういうふうにお考えになっているのかをお聞かせをいただきたいと思うのです。  水産高校あるいは水産大学、これはどれだけあるかを事務的にお知らせをいただきますが、卒業はしたけれどもどういうふうな就職状況になっておるのか。現に学校は卒業してもそのままストレートに漁業のいわゆる後継者、担い手としてそこに就労しているかというと、はなはだこれは疑問であります。今日の雇用創出、あるいは雇用状況が著しく変化をしましたし内外の諸情勢が変わってきましたから、それはそれなりにうなずけるのでありますが、従来大手企業に一生懸命学校の先生たちは売り込んでおられました。そしてまた、それがストックをしますとどこへやればいいか戸惑ってしまう。労働力吸収として位置づけられておったのかどうかわかりませんが、こうしたような状況を無視することはできない。地域の社会に貢献することがこうした学校を出てこられた方々に対する、あるいは最近大臣が言っておられますように、これは都市部、地域との比較の中では特に地域漁業ということに重点を置くのだという話でありますが、そうした救済能力がすべてないのじゃないかというふうに思うのですが、その見解をお伺いします。  それと、文部省も来ておられると思いますが、この後継者養成の中で、実は学科の面ではいま現在漁業科とか製造科、増殖科、こういうものがございます。しかし、いまからの漁業経営という面を考えていけば経営科というのもつくる必要があるだろうし、後ほど申し上げる改良普及という面では技術指導その他等にタッチでき得るような指導者をつくることも必要であります。そういう科を新設する必要もあるかと思いますが、そういう考え方はないものかどうか。  そして、最近では私の鹿児島県の串木野の方では、市議会が自主的にこの後継者、漁業就労者をどうしても欲しいために、マグロ漁業に乗せたいために、一人当たり毎月一万円いわゆる奨学金制度を設けて、卒業して三カ年間地元の船に乗ればその奨学金を免除するというような取り扱いなどもしています。これは一地方自治体でやらなければならない努力もさることながら、政府がそうした面のめんどうを見ることが必要じゃないかというふうに思うのです。積極的な後継者対策というのは、うたい文句で、ただ単にいまのこの法律によって助成をやればいい、養成資金をやればいいという形のものだけに終わっている気がいたしますので、この第一次産業である漁業における後継者を、いわゆる水産高校あるいは水産大学を出た人たちが完全にそれに吸収でき得る政策を打ち出さなければいけないのじゃないか、こう思うのでありますが、お答えをいただきたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 まず、沿岸漁業の従事者の関係で水産の高校、大学等の卒業生の就業の状況はどうかということでございますが、これにつきましては、文部省の調査では、水産高校からの就業者は全国で四千三百七十九人、これは五十一年三月の卒業でございますが、このうち二〇%に当たる八百六十人が漁業と水産養殖業に就業しているということでございます。それから水産大学あるいは水産関係の学部のある大学の卒業生は全国で千七百三十六名、このうちの一一%に当たる百九十四人が漁業と水産養殖業に従事しているということでございます。  そこで、一体そのほかはどうなっているのだろうか、せっかく水産関係の学問をやられて水産関係に就職してないというのはどうしてだろうかということで、一応調べてみましたのによりますと、ただいま、高校の方で申しますと、全体四千三百七十九人を一〇〇%にいたしまして、製造業に二九%、それから卸売業なり小売業に二二%、それから運輸、通信業に一〇%の人が行っておる、あとが、先ほど言いましたように八百六十人が漁業なり水産養殖業に就業をしているということでございます。それから大学の方で申し上げますと、製造業の方に三一%、サービス業に二一%、卸売、小売業に一五%というふうになっておるようでございまして、これはそれぞれの希望をもって就職をされておるというふうに思うわけでございます。  それから、後継者の確保につきまして政府はどういうことをやっているのかという御質問が後段にございました。これにつきましては、私どもは、基本的にはやはり漁業というもの、水産業というものが就業の場としては魅力のある職場であるということを基本的に認識していただくことが非常に基本の問題ではないだろうかというふうに思っておるわけでございまして、そのためにいろいろな水産漁業の施策をやっておるわけでございます。ことに、最近、先ほども沿岸構造改善事業に関連しまして申し上げましたけれども、漁業全体を通じましてやはり漁村の生活環境の施設の整備がおくれておるという認識を持っておるということを申し上げましたが、そういうことにつきましても鋭意努力をする予算編成を行っておるわけでございます。あわせまして、産業全体といいますか、漁業全体の振興を通じまして所得の向上なりを図っていくということが必要であろうというふうに思っているわけでございます。それから、直接的なものといたしましては、新しい技術と知識を持った漁業の担い手づくりのための水産業の改良普及事業の充実にもおくればせながら手をつけ出したいということでございます。  それからなお、一般の福祉対策全般につきましては、関係各省とも十分な連絡をとってその充実を期してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

福田昭昌文部省大学局技術教育課長

○福田説明員 まず初めに、水産関係の大学等の数でございますが、水産学部、そのほか農学部の中で水産関係の学科を持っておるところもございますので、それを全部入れますと、大学で十六大学、学科数で申しますと三十学科でございます。五十三年度の在学者が、これは一年生から四年生までですが、七千三百九十五人ということでございます。  それから水産高校の方でございますが、全部で学校数が五十三校ございます。学科数で申しますと百六十七学科でございまして、在学者の数で申し上げますと一万八千百三十一人という状況でございます。  それから学部あるいは学科等のあり方についての問題でございますが、まず一般的に申し上げまして、最近の食糧資源の問題だとかあるいは環境問題といったようなことで、農水産業の構造やらあるいは社会生活の変化ということに伴いまして、農水産系の学部の果たすべき役割りというのは非常に多様化してきておるというふうに思っておるわけでございます。このような時代でございますので、学部、学科のそういうあり方というものについては、基本的には、たとえば実践的な技術者の養成に重点を置くものとか、あるいは今度逆に生物に関する基礎的な応用化学というものに重点を置くものといったように、それぞれの大学がそれぞれ特色を発揮していくということが必要であろうかと思います。  これが基本的な考え方でございますけれども、その中にあっていま問題にされております特に水産関係でございますけれども、先ほどから御議論に出ておりますように、最近の各国の二百海里漁業水域の設定というものによりまして、今後のわが国の漁業の対応として、沿岸あるいは沖合い漁業の振興、水産物の有効利用といったようなことが重要になってきておるというふうに伺っておるわけでございます。  文部省といたしましては、そのような観点に立ちまして、近年は特に水産増養殖あるいは水産にかかわります環境保全、その他水産食品といったような面におきましての大学の水産に関する学科あるいは講座といったようなものを整備を行っているところでございまして、今後ともそういう観点に立ちまして、水産生物資源の生産性の向上という今日的な社会的要請に即応して整備をしていきたいというふうに思っておるわけでございます。  なお、高等学校の方は特に後継者養成として重要な学校でございますが、先ほどもお話に出ましたような、たとえば漁業経営学科といったようなものが標準学科としてあるわけでございまして、全国でも現在五カ所そういったものがあるというふうに申し上げることができるかというふうに思います。  それから最後に、奨学金の問題でございます。これは先生御承知のように、文部省で、日本育英会を通じまして育英奨学をやっておるわけでございますが、これは御承知のように、成績が優秀であり、かつ経済的理由によって修学が困難な者、そういった者に奨学金を貸与して修学援助を行うという考え方でございます。言いかえますと、日本育英会の奨学金は、経済的に困難な家庭の学生生徒に対しまして奨学金を貸与することによって修学の機会を確保するといった趣旨でございまして、ある特定の分野の人材の養成の確保を図るために、これに必要な資金を援助するといったような趣旨では現在運用されてないわけでございます。いま先生が特に水産高校等の特定の専攻分野の学生生徒を対象とした特別の奨学制度を設けるという御指摘がございまして、その趣旨は十分理解はできるわけでございますけれども、他の分野のこともございますし、また、いま述べました日本育英会の奨学金の全体の考え方というものとの関連もございますので、日本育英会奨学金全体の枠を充実し、かつ、それぞれの貸与額の増額といったようなもので対処をしてまいりたいというふうに考えております。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 経過としてはよくわかりました。  それで、現在の水産大学に在校している七千三百九十五名、あるいは水産高校の一万八千百三十一名という、こういう皆さんが、一生懸命勉強して、日本の沿岸漁業を守っていく後継者としてそれに就労するという活力を与えなければならないわけでありますし、こうした面では、こうした活用方策について今後も十分にやっていかなければならないし、また、そのことが、後継者を養成するよりも、むしろ継続的に漁業を守るというふうに変化していくものと思いますので、さらに一段の御努力をいただきたいと思います。  そこで、この沿岸漁村のこうした中で問題になりますのは環境整備の問題であります。最近、環境の問題ではいろいろと議論がされておりました。そのことに関しては、たとえばアセスの問題について検討する委員会を設けられる漁協団体もございます。しかし、最近の沿岸における汚水の問題あるいは汚濁あるいはPCB、いろいろな要素が重なり合って発生している海岸の汚染で、最近では赤潮が六月、雨季の時期になりますと非常に発生するというのは、もう毎年毎年繰り返されているようであります。政府の方としてもその原因追及についてはいろいろと調査をされているのでしょうが、そういう伊勢湾だとかあるいは瀬戸内とかあるいは鹿児島湾奥、こういうところに発生する赤潮の問題についてどういうふうにこれから対策を講じていかれるのか、あるいはまたその原因追及に当たって鋭意努力はされておると思いますが、これに対する万善策をお示しをいただきたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 環境の対策がきわめて重要な問題になってきておることは御指摘のとおりでございます。いろいろ赤潮の問題につきましての御指摘がございましたけれども、従来は瀬戸内海を中心に内海内湾で発生をしておった。ところが、それが最近におきましては、海洋に面した海域なり、いま御指摘のような鹿児島湾、いままで発生したことのないようなところにも発生をしてきております。それから、発生期間が長くなったり、赤潮の中身でございます構成の種が非常に多様化もしてきておる、こういう問題があるわけでございまして、水産庁だけでなしに政府全体としても、いろいろ水質汚濁防止法なり瀬戸内海の法律なりで規制の強化をされておりますけれども、私どもといたしましては、そういう規制が強化されるということを推進していただくということは常に努力をしておるわけでございます。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 水産庁のサイドとしましても、環境庁と共催で赤潮の研究会を設けて基本的な調査なり検討を行っておる。それから五十四年度には、御承知のように赤潮の研究部を新設いたしまして、非常にむずかしい問題ではございますが、水産庁としても真っ正面からこの問題に取り組むという研究体制をとったわけでございます。今後はその調査内容の充実を図っていくということでございますが、それを進めていくと同時に、片方では、当面赤潮が発生をいたしてしまうわけでございますから、それを何とか防止するという観点から、漁場の汚泥の堆積の状況を調査するとか、あるいは漁場の富栄養化を防止するための技術開発試験をする。たとえば、粘土物質で底質を改良する試験、あるいは水中の生物で水中の栄養塩類を回収除去してしまうというような試験をやる。あるいは海草によりましてそういう栄養塩類を吸収してしまうというようなこと。それから、よくハマチの養殖で漁場を荒らすという問題が出ておりますから、ペレットの給餌によりまして自家汚染を防止するという、そういうような開発試験を実施することにいたしておるわけでございます。  あとは、被害が発生しないように、その防止をする対策としましては、早目に赤潮の情報をとるということなり、あるいは赤潮の予察を調査するなり、被害が出ないように陸上の活魚槽をつくるとかそういうようなことまで、あるいは緊急避難をするのにどうしたらいいか、網ごと引っ張ってきてしまうというようなことまでいろいろ開発をしていきたいというふうに思っておるわけでございます。出た被害に対しましては、いろいろ共済事業というようなことで対応をしていく。それやこれや、いろいろ差し迫った問題でございますので、ともかく現状でできる限りの措置はとって、できるだけ被害を防止していくというたてまえでまいりたいというふうに思っております。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 水質汚濁によって突発的な漁業被害が最近の例では相当出ているわけですね。五十一年でも四百六十六件、うち原因不明なのが二百三十八件、被害金額が三十六億円、こうなっているわけです。そのうちでも赤潮の原因による被害が相当な量になっている、金額にしても三億円、こういうふうでございますから、いま長官の方で御説明のございました諸方策を積極的にお進めいただいて、最小限度にこの被害を食いとめ得るように、そうでないと沿岸漁業は成り立ちませんから、その面の一段の御努力をさらに願いたいと思います。  次に、この法律によって出ておりますが、水産業の改良普及事業、これは水産業改良普及事業推進要綱というのが定められております、あるいはその事業の実施要領というのが出ているのですが、拘束力があるのかないのかということになると、農業改良資金助成法等に見られるものからすれば一段低いのじゃないか。そういう面では、今日の沿岸漁業が重要な時期にきておりますだけに、この改良普及、生活改善指導の定員が削減をされたり、あるいは農業並みに資格条件を引き上げることについて逡巡をしたり、これではとてもじゃないが、改良普及あるいは生活改善という面で、農村における婦人部や青年部、後継者あるいは全体的には炊事場の改良とか、いろいろと今度改善資金という形でこの法律を決められるわけでありますが、そうした面の充実を図る一方で、こうした改良普及員の向上といいますか力といいますか、そういうものについて積極的に取り組まなければならないのじゃないか。逆に定員が削られるなんということは、これはもってのほかであります。そういうことのないように、少なくとも農業並みにこれを引き上げていくというお気持ちはないのかどうか。また、このあり方について政府の見解を伺っておきたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 今回の資金の助成を運用していく上に改良普及制度を大いに活用していくということでございます。  そこで、御指摘の普及事業に携わっておる普及員の問題でございますけれども、この定員の削減につきましては、これは国の統一の方針ということで、国の補助職員の削減ということで、国の機関の職員の削減に準じます措置が、過去四回にわたりまして四十三年以来実施されておって、そのために、そのためと言うのもおかしいのですが、補助職員の削減を食っておるということは事実でございます。ただ、漁家担当の生活の改良普及員につきましては、これは削減はされておりません。今後いろいろ定員の削減問題がまだ続いておるわけでございますが、新しい制度ができ、またその必要性を強調していく、ことに資源管理型の漁業ということになりますと、ますますその必要性が高まってくると私どもも思いますので、今後その筋には削減をできるだけ避けるし、また、する場合でも少なくしてもらうという努力をしていきたいというふうに思います。  それから、今後の普及事業の充実はもちろんのことでございますが、普及員の待遇等につきましても、任用資格は従来農業改良普及員と同一でございますので、普及員の待遇につきましても農業と同一の水準で待遇をしておるつもりでございますけれども、農業の方はいろいろ普及所等の仕組みが複雑になっております。その複雑になっておるのに伴って、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、いろいろ理屈がつけやすいような形で待遇改善がどうも行われているのではないかと思われる節はございます。それは決していけないということではないので、結構なことだと思いますが、私どもも少し工夫をいたしまして、農業並みにとおっしゃる趣旨はわかりますので、そういう線で何か知恵を出してでも少し待遇改善はやっていきたいものだというふうに思っておるわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 そうした角度から、今回の漁業改善資金助成のあり方で、本年度二十五億なんですが、貸し付け総枠としてたとえば経営等改善資金とかあるいは生活改善資金、後継者養成資金、それぞれの貸し付け限度額が決められておりますし、償還期間も決められているわけであります。  この融資枠の二十五億というのは、今回画期的なものということで出されているのですが、これはもうすでに農業の方も林業の方もあるわけですから、そういう面では大体横並びでお考えになった趣旨だろうとは思うけれども、この際、この補助率の、いうところの貸し付け総枠ですね、これを引き上げる、不足しているのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。  それとついでに、この資金の償還期間を、どうですか、少し長くする必要はないのですか。  こうして実は四百万円、それから八十万円、三百二十万円と貸し付け限度額がありますが、ダブって三重重ねで一緒に借りるということも事情によっては出てくると思うのです。そういういわゆる弾力性を持たせた中で、この法律の運用という面でお考えはないかどうか、それもお伺いをしておきたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 最初に、貸し付け総枠の二十五億は十分かどうか、こういう御質問でございますが、これにつきましては、この法律が御承認いただきますと初めて制度をつくるわけでございます。そういうこともございまして、一応いままでの都道府県の沿岸漁業に対しますいろいろ普及活動等を勘案をしながら、そういう実情を踏まえながら、あと都道府県の需要の動向なりいま御指摘のような類似の制度でございます林業改善資金が創設されたときの資金枠などを参考にいたしまして、一応二十五億という予定をいたしたわけでございます。初めての制度でございますから、今後どういう形で実際の需要が出てくるか、あるいは私どもは相当な、何といいますか、むしろ水産に非常になじんだ制度ではないかというふうに思っておりまして、あるいは足らないことがあるかもしれません、しかしまあ、そういうことは初年度でございますからやってみなければ私はわからないと思いますが、来年以降もしそういうことでありますれば、もちろん資金の枠については、それが一般の伸び率がどうだのこうだのということよりも、実際に必要な額だけは必ず確保する、そういうことで、滑り出した後でその需要の調整というのはやっていきたいというふうに思っておるわけでございます。  それから、資金の償還期間がどうかということでございますが、それぞれのものによって、内容によって違っております。経営等の改善資金につきましては償還期限が最高七年、生活改善が五年で、後継者の養成資金が七年ということになっておりますが、それぞれの中身につきましては、たとえば施設的な機械類を経営資金で貸し付けるような場合には、耐用年数等でいろいろわりに長期なものを考えて見ておる。それからもう一つ、生活改善等でそう金がかからない、資金額が小さいというようなものにつきましては、余り長く貸すというのもどうかというような観点も入ってくると思います。それから、後継者資金でも七年というのがございますが、これは世代交代といいますか、後継者が経営を新しい部門でやるというような場合に、先ほど一番最初に申しました施設なり機械類のいろいろ購入のための貸し付けを行うということで一応経営資金に似たような制度もございます。そういう意味で長いものもある。それから逆に、後継者資金で、いろいろ先進地を視察するとか、そういうようなことはむしろ償還期間は短くていい。そういうような観点でいろいろ定められておりまして、これも運用によりまして、もちろん、もし支障があるということであれば、先々の問題ではございますが、検討をすることは必要でございましょう。ただ、こういうことで一応十分間に合うのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。  それから、最後に御質問のございました一人の人が全部まとめて借りられるかというような御趣旨の御質問であったかと思いますが、これはそれぞれの資金、一号、二号、三号の資金がそれぞれ目的が違っておりますから、理論的に、それぞれ別々に必要があって借りるのだということになれば、それはそれで制度的には可能だというふうに思います。ただ、運用上、一人の人がそれだけたくさん借金といいますか、金をまとめて借りて後で返せるかというふうな観点からいろいろチェックされるということはあると思いますが、制度的には可能だというふうに考えております。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 最後に、時間がなくなりましたので、沿岸漁場整備開発法の第六条、まあ御存じだと思いますが、都道府県は海区調整委員会の意見を聞いて特定水産物の育成に関し基本方針を定めるということになっていますし、また、同法の第八条では、知事の認可を得て育成事業を行うということになっているのですが、この実施状況は都道府県ごとにアンバランスがあるやに見受けられるのですけれども、この法律が決められているのに、比較的熱心に取り組んでいない向きがある。この制度活用等についてどういうようにお考えになっているか、お聞かせをいただきます。  それと、これは私の鹿児島県の地元の問題でもございますが、最近、こういう沿岸漁業の見直しというようなことで、漁獲量が減るということもあって、共同漁業権の区域間でのいわゆる漁業不振を補うために沖出しをしてほしいというような——海区調整委員会の方では県の方と相談をされて、一定の漁協ごとに、沖合いに五キロ持っているとすればそれを三キロぐらいふやしてほしい、八千ぐらいにしてくれればもっと漁獲量は上がって経営も安定するのだというような意見が出ています。これをちなみに申し上げますと、東シナ海に面している薩摩半島の野間岬から串木野にわたる沿岸のそれこそ白砂青松のところでありますが、この間に漁協が江口漁協を初め小湊、東市来、吹上浜等各漁協がございます。それぞれ海区を設定をしているわけでありますが、この海区調整というのはなかなかむずかしい問題もあります。それと同時に、先ほど議論をいたしました漁協の合併、いわゆる方式に基づいてどういうようにするかという問題がありますが、それと、漁民にとっては漁業権の区域内を初めとして前浜の振興が当然必要になってくるわけでありますが、こうしたことに対して政府としてはどういうお考えを持っておられるのか。やはり沖出しをして、海区を調整をしてもっと広げてやるということが漁業者にプラスなのか、共同水域的にいわゆる区域外のところにお互いに魚をとることの権利を有した方がいいのかどうか、これはたんぼの中のあぜと一緒でございまして、こうした問題についてぜひ政府が統一的な見解を、地元の鹿児島県側ともお話もあったかと思いますが、そのことについての結果をお知らせいただきたいと思います。

恩田幸雄水産庁次長

○恩田政府委員 先生御指摘のございました特定水産動物の育成の問題でございますが、これにつきましては、私ども昭和四十九年から実施してきておりまして、現在、昭和五十三年度末には、十三県基本方針を決めまして三十地区について実施してきているところでございます。私どもは、この事業につきましては、現在置かれている沿岸漁業の立場からいいまして、沿岸資源の育成管理による生産増大ということはきわめて重大なことだと考えておりまして、各県といろいろ打ち合わせながら進めているわけでございますが、何分にも現在の増殖技術の水準からいきまして、現在取り上げているのはタイ、クルマエビ、ガザミ等のような限られた生物でございます。さらに、その適した地域というものも若干限られておりますので、今後とも、種苗の大量生産それから放流技術の開発に努め、地域の拡大に努めてまいりたいと思っております。なお、具体的には、一定の水面を設定いたしまして、漁民の皆さん方で十分な管理を検討していただきまして、中間育成施設、管理施設等を設置して、有用な生物を増大させていこうということでございまして、その間には、御指摘のように漁業調整委員会の意見も伺うことになっておる次第でございます。  次に、御指摘の鹿児島県の西部におきます共同漁業権漁場の問題でございますが、私ども、原則といたしまして、共同漁業権の漁場は必要最小限度の区域に限って、その中の漁業権の内容となっているものにつきましては十分組合が管理するというかっこうで従来から指導してきておるところでございます。  なお、共同漁業権の区域外の漁業につきましては、従来からいろいろな漁業が相互に入り会って操業しているわけでございまして、ここにおきます調整につきましては、やはり海区漁業調整委員会を中心に、いろいろ必要があれば調整を図りながら考えていくということで私どもは進めるつもりでおります。  なお、御指摘の前浜漁場の問題につきましては、私ども、いわゆる沿整で魚礁設置その他増養殖場の開発事業等も進めております。これらにつきましては、当然なことながら、地元各市町村、県等が十分タッチしておりますことなので、これらの振興につきましては、われわれとしては今後とも増大してまいりたいと考えておりますし、地元では、よく市町村、県と御相談いただいて、りっぱな計画を立てていただいて対処すべきであろう、このように考える次第でございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 馬場昇君。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 日ソの漁業協力協定に基づきますところの第一回の日ソ漁業委員会がきのうからモスクワで始まったわけでございますが、この点について、後で同僚議員の角屋議員から詳しい質問がありますけれども、私の方からも一、二点質問を申し上げておきたいと思います。  まず、大臣にお聞きしたいのですけれども、いろいろ伝えられておりますが、ソ連が母川国主義を前面に押し出してきて、多分沖どり全面禁止を強く主張することは明らかではないか、私はこう思うのですけれども、この交渉に対しまして農林水産大臣はどのように対処しようとしておられるのか、基本態度をお聞きしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 母川国主義のことについては、もうかねてからソ連はそういうことを言っておるわけであります。したがって、ことしもやはり同じようなことを言うんじゃないかということは当然に予想がされます。かてて加えて、いろいろな外交上の問題が絡んできておりますので、私は、今回の日ソ漁業交渉というものはなかなかこれは大変だなというふうに考えております。おりますが、しかしながら日ソの友好親善というものもわれわれは図っていっておるわけでありますから、今後も友好関係というものは持続していかなければならぬ。ということになりますと、やはりそれらの点の政治的配慮も当然これはお互いに考えてもらわなければならぬ。そこで、私といたしましては、やはり日本が永年にわたってソ連沿海海域において漁業を行ってきたというこの実績は、これはどこまでも認めてもらうように主張をしてまいりたい、かように考えておるわけであります。幸いに日ソの漁業協力協定に基づくところの漁業委員会も、決まってはおったが一年間宙づりになっておったわけですが、たび重なるいろいろな折衝の結果、よりやく去る十九日からそれが開催されるということになって、共同漁業の案件等を議題としてやるわけですが、なるべく早くこれを終えて、今月中にサケ・マス交渉に入れるような交渉をしてほしいということで荒勝代表以下の担当者の方によく頼んでおいた次第でございます。あらゆる努力を払いましても漁業のいままでの権利の確保に尽力をしてまいる所存でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 大臣の決意はお聞きしたのですけれども、私も、いま大臣が言われましたように、何としてもわが国は長い間の実績を持っておるわけでございますから、この実績を十分話をしてソ連側に尊重してもらうということが交渉の基本ではないかと思うのですけれども、十年ぐらい前を考えますと十二、三万トンとっておりましたし、ずっと七万トンとか八万トンとかと、こういうような実績があったわけでございますけれども、一昨年が六万トンになりまして、残念ながら昨年はそれからも三〇%減りました四万二千五百トン、まあ一時の実績の三分の一くらいになっているわけでございます。一方ソ連の方の漁獲高を見てみますと、一昨年は十三万九千トン、これはいままでの実績の最高をソ連は漁獲しているというぐあいに聞いておるわけでございますが、昨年の漁獲高というものはまだ発表されておりませんけれども、私は、外交は当面私どもが当たるわけじゃないですけれども、国民の気持ちとして、資源というのは徐々に回復しておるのじゃないか、こういうソ連の実績を見てみますとそういう感じもするわけでございますから、そしてまたことしは豊漁年であるわけですから、私は、少なくとも一昨年の六万トンの実績というものは今回の交渉でぜひ確保してもらいたいというのは、国民の、特にまた携わっております漁民の最低の願いじゃないかと思うのです。こういう点について大臣どう考えておられるのか、聞いておきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 同じ意見でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 そこで、同意見でございますならばぜひそれが実現するようにがんばってもらいたいのですけれども、もう一つの面として漁業の水域の問題が大きい問題としてあると思うのです。昨年、公海の中で非常に禁漁区が拡大されたわけでございますが、これを撤廃していただくという姿勢であるべきだと私は思うのでございますけれども、これはいかがでございます。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 いずれにいたしましても、われわれとしては、あなたがおっしゃったようにことしは豊年年にも当たることでもありますから、日ソ友好ということを考えると余りいろいろな外的な条件を持ち出してこられても困るのでありますから、やはり資源の状況等を客観的にお互いに見ながら、われわれの権利も認めてもらうような、水面を初め漁獲量についてもできるだけわれわれの主張を貫いていくようにしたいと考えております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 大臣が日ソ友好の立場を踏まえながら交渉なさるということはよくわかりますし、賛成でございますが、しかし、ちょっと心配な点が私にはあるわけでございます。それは、三十年来日本とよく交渉なさいましたイシコフ漁業相がおやめになりまして、カメンツェフ新漁業大臣になったわけでございます。こういうことで、私この人をよく知りませんけれども、何かソ連の姿勢というのが強くなったのじゃないかというようなことがよく伝わっておりまして、この点非常に心配しておるわけでございますし、さらには日中、日ソの関係におきまして、取り巻く政治清勢が非常に厳しくなっているのじゃないかというようなことも伝わっておるわけでございまして、心配しておるわけですけれども、私は、大臣が言われましたように、日ソ友好という立場で、こういう政治情勢にかかわらず、漁業の分野における互恵協力というか共存共栄というか、そういうことを具体的に確立してソ連の不信感というものをなくしながら、そして安定的な今後の日ソの協力関係、漁業関係を打ち立てる、こういうことで全力を挙げるべきだと思うのですが、こういう政治情勢、あるいは漁業相がかわったという中で、担当の責任者である渡辺大臣のこういうものに対するお考え方、交渉に臨む姿勢というのを心配しておるわけでございますので、国民に明らかにしてもらいたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 交渉事でございますから、余り具体的な国際情勢の絡み等のようなことをここで申し上げることはできません。できませんが、新聞紙上その他であらわれているように、これはいままでにないようないろいろな厳しい問題が絡んでおることは事実でございます。しかしながら、われわれは日ソの友好関係というものをいままで以上に推し進めていこうとしているわけですから、それに変なことが絡んでこられたのでは困るのでありまして、日ソ友好というものを増進するならば、魚の問題は魚の問題として、別に資源その他の客観的な事情はお互いに認めなければならぬけれども、それが豊年年を迎えて資源もふえておるということであるならば、やはりそれは常識的に、長年のいままでの関係もあるわけですから、お互いで資源を大事にしながら、しかもとるものはお互いにとろう、漁業の技術その他については、日本で進んでおる点があれば技術協力その他もいたしましょうというようなことまで具体的な問題も提示をしておるので、大臣がかわりましてもそれはわかっていただけるものというように理解をしておるわけであります。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 実はあと一、二点心配する点があるのですけれども、日ソの漁業交渉の日程についてでございます。きのうから委員会が始まったわけでございますけれども、これが早く済めばいいと願うわけですが、ひょっとしたら厳しい情勢の中で長引くのじゃないか、その後の漁獲の交渉、これもまだあるわけでございますので、もし日程的に非常に長引くことになりますと、聞くところによりますと、ことしは暖冬でサケ・マス等の北上が早いのではないか、人によりますと一カ月くらい早いのじゃないか、こう言う人もおるわけでございまして、いまは四月末から五月にはどうせ出漁しなければならないわけですけれども、このとき行っても少し遅過ぎはしないだろうかという心配さえあるわけでございます。交渉がぎりぎり長引きますと、出て行ったときにはもうほとんどいなかった、こういうことでは大変なことになると思うのです。  そこで、委員会は大体いつごろまでやって、漁獲高はいつごろに決めて、そういう暖冬ということも考えながら大体こういう時期に出漁に持っていきたいという心づもりといいますか、そういう点についても、これは非常に心配でございますので、お聞かせいただきたいと思うのです。

森整治水産庁長官

○森政府委員 きのうから漁業委員会が始まりまして、いまいろいろあいさつ等、中の進め方の話し合いが進んでおるわけでございますが、私ども、いままでのところでは、そう長くこれがかかるというふうには思っておりません。ソ連側もこれについてそう時間をかけるということはまだ言っておりませんし、まあ恐らくやってみないとわからないがという話でございますから、それはそれでいいのでございますが、いずれにいたしましても日ソの間の政府間のサケ・マスの協議を早くやりたいというつもりで、そのことについては別途申し入れをいたしております。しかし、まだその具体的なスケジュールについては返事が来ておりません。しかし、先生御指摘のように、五月からのサケ・マスの操業には間に合うように、私どもとしては一切の手続を完了できるよう今後の話し合いを進めたい、またそういうふうに努力したいと思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 農林水産大臣の決意なり水産庁当局の決意もわかるのですが、情勢は厳しいと思うので、やはり大臣がいずれ乗り出さなければならぬのじゃないかとも思うのですけれども、大臣もこの交渉に乗り出すというお考えであるのか、そしていま言ったように、時期的にも非常に早めなければならないという時期でございますので、大臣、交渉にいつごろ行かれるのか、そしてやはり必ず自分の責任でうまくやりたい、どういう決意を持っておられるのか、聞いておきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 交渉の進展ぐあいを見なければならないわけですが、それは逐一私のところに報告があるわけです。私も陰に陽にソ連側とも接触はしているわけですから、一々言わないだけの話であって。どうするかということは交渉の状況を見てから決めたい、こう考えております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 大臣、厳しい情勢の中ですから、そして向こうの漁業相もかわったわけですから、やはり最高責任者のあなたが行って、そして日本の漁民、国益を守るためにぜひがんばっていただきたいと思うのです。そういう決意、お持ちですね。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 そういう必要があれば、いつでも参ります。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 そこで最後に、交渉の成功をぜひお願いしたいわけですけれども、わが国のサケ・マスの沖取り漁業というのは後退の連続であることは御承知のとおりですし、過去二年間で五割の減船をやっているわけですから、残った船の物すごい共補償等もありまして、借金をしておるのは御承知のとおりでございまして、物すごく漁民も苦しんでおるわけでございますし、また、減船した場合の失業ということもあったわけでございますし、また釧路とか根室とか、いわゆる北洋漁業の基地の地域経済というものも大きな問題を持っておるわけでございます。こういう点については当然交渉の中でソ連の方にもお知らせになるし、そういうことを力にしながらも交渉を前進させられると思うのですけれども、最悪の場合には、危機に瀕した北洋漁業に対する日本の政府の救済、また失業等に対する対策、地域経済に対する対策、こういうものに遺憾のないようにひとつお願いをいたしたいということと、いま一つは、この交渉によりまして日本の魚の値段がまた上がって国民に迷惑をかけないように、こういう点についてぜひ最善の努力をしていただきたいし、考えておいていただきたいということについて申し上げたいのですけれども、大臣のお考えを聞きます。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 われわれとしてはこれから交渉するのですから、その漁業者救済のことはいまは考えておりません。しかしながら、いずれにせよ最善を尽くすことは当然であります。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 あと、同僚議員から質問があると思いますので、日ソ漁業交渉については以上で終わります。  次に、法案にかかわって御質問をいたしますけれども、これは先ほど新盛君からも質問があっておったのですけれども、二百海里時代の日本漁業、二百海里時代の日本漁業と盛んに言われておるわけでございます。このあり方についても、沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へというぐあいにして生産量をずっと拡大しながら、企業の利益を上げながら資本の蓄積をする、こういう方向で従来の日本漁業は発展してきたわけでございます。この方向を変えなきゃならぬということは大臣もしばしば言明しておられるとおりでございますが、これと絡ませながら従来の漁業というのを一口で言うならば、言葉はひど過ぎるかもしれませんが、資源を略奪したというか、魚がいなくなると次のところへ行ってとってくる、またとってくる、こういう資源略奪型というのでなしに、やはり資源を管理する。さらには、いま言われております栽培ということも含むわけですけれども、沿岸から沖合いへ向かっていく、遠洋へ向かっていく、そういう資源略奪型から、資源を近海においても管理するという管理型に日本の漁業というものを体質改善しなきゃならぬ。当然のことだろうと思うのですけれども、これについて幾たびか大臣のお考えも聞いたのですけれども、この質問の一番最初に聞いておきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 まことに同感でございます。各国ともいやおうなしに二百海里の専管水域を設けるということになれば、それぞれの国家には主権があるわけですから、やはりそれには従わざるを得ない。したがって、私としては、かねて言っておるとおり漁業外交というものを積極的に展開をして、それぞれの国においてもやはり魚がとれるように御協力もいたしましょう、またこちらにもとらせてください。それから日本ばかり栽培でなくて、必要があれば外国にも日本の技術は伝授いたします、伝授というと言葉が適切かどうか知りませんが、供与いたします。一方、日本においては沿岸、沖合いという漁業を振興していかなきゃならぬ。そのためには川もきれいにしなければならぬし、海もきれいにしなければならぬし、いろいろな魚礁の設置を初め魚が住みつきやすいようなことも考え、栽培から放流から、範囲を広めてやっていこう。そのための漁家のいろいろな技術やあるいは資金や、そういうようなものの助成も政府はいたしましょうということでやっておるわけでございますから、あなたの考えと私は全く同じである、こう言って差し支えありません。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 資源管理型の漁業に体質を改善するということはわかったのですが、これは水産庁にお聞きしますけれども、魚の資源の状況というのを現在から将来に向かってどう分析しておられるのか。魚の資源は全然減らないんだ、こうお考えになっているのか。学者によりますと、あと十年ぐらいたったら魚の資源は減る、まあ姿がなくなってしまうとまでは言いませんけれども、減る傾向にあるんだ、こういうことを言う学者もおられるわけでございますし、事実またアメリカ等は、だんだん減ってくるから、魚のたん白にかわるたん白というものを考えなきゃいけないんじゃないか、あるいはフランス等でも、魚のたん白にかわるたん白を考えなきゃいけないんじゃないか、こういう研究がすでに始まっておるということも私聞いておるのですけれども、水産庁は、魚の資源は未来永劫にいままでどおりずっと続くと思うのか。あるいはいま私が言いましたように、十年ぐらい先には非常に枯渇してくるという見通しを言う人もあるのですが、そういう資源の将来に対する見通しについてどう考えておられるか。その考えのもとに施策が出るわけですから、どう考えておられるのか聞きたい。

恩田幸雄水産庁次長

○恩田政府委員 魚の資源の見通しでございますが、現在、日本の周辺の沿岸、沖合い水域で、沿岸で二百九十七万トン、約三百万トン、それから沖合いで約五百万トン、計八百万トン近くをとっているわけでございます。それで、現在の資源状態から申し上げますと、このうち、たとえばマアジ、スルメイカが減少傾向にございます。一方、マイワシ、サバについては相当増大して現在に至っております。それから底物も、カレイ類だとかタイだとかいろいろおるわけでございますが、これらについても地区によっては若干減少したところもございますし、特に高級魚に国民の嗜好が移りましてからは、高級魚の減りが若干目立つと  いうことは言えると思います。  それで今後十年の見通しでございますが、確かに動物たん白の摂取量がこれからもふえるでありましょうとは思います。ただ、それが魚の資源にどういう影響を与えるかということでございますが、やはり海の状況によって魚の資源は相当大きく影響されるということは事実だろうと思います。たとえばマイマシなんかの場合には、昭和四十年に約九千トンでございますが、現在は、五十三年においては恐らく百五十万トンを超しているんじゃないか。そういうようなものもございまして、海況によって非常に大きく影響されるものが多いわけでございます。ただ、成長に何年もかかるようなものについては、御指摘のように、やはり乱獲その他による影響を受けやすいわけでございますが、私どもといたしましては、そういうものの資源管理を十分にやり、資源を永続的に保存していくということを考えまして、いま盛んに言われております栽培漁業、それから先生もさっき御指摘のございました資源管理型の漁業に方向を変えていって、そういう減りやすいような性格を持っている魚についても、十分資源を管理しながら、そこから最大の生産を上げていくという方向で持っていけるものだというふうに私どもは理解しておりますし、その線に沿って現在いろいろの施策を進めようと考えておる次第でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 これは長官にお聞きしたいのですけれども、二百海里時代が来なくても、従来のような乱獲をしておりますと資源が枯渇してしまうのではなかろうかという意見もあるわけです。いま答弁もいただきたいのですが、日本の漁業の将来を考えた場合、中期といいますか、あと五年といいますか十年ぐらい先を考えた資源管理計画とか、それから日本の沿岸漁場の利用計画、こういうものを作成すべきじゃなかろうか、計画的につくってやるべきじゃなかろうか、こういうぐあいに思うのです。これについて、長官どうですか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 水産の資源を維持、培養してこれを適正に管理し有効に利用していくということにつきましては、そのとおりでございますが、問題は、いま御示唆のありました計画の樹立あるいは資源管理計画あるいは漁場管理計画というような、そういう計画を立てて、それで対応していくという考え方についてどうかという御質問だと思います。  これにつきましては、実際に現在の漁業制度のもとでいろいろ各種の規制措置というものは行っているわけでございますけれども、この前も御質問があったのですが、たとえばイカの光力規制といいますか、実際にやってみて海の上で取り締まりが効かないというような問題にふち当たっているわけでございます。そういう実効上の問題というのがこの種のものについては非常につきまとう問題でございます。そこで、だからそれがいけないということではないのですが、そういう計画の実効性ということ、あるいは漁業制度全般にかかわる問題もあろうかというふうに思いますので、そういう計画を樹立してやっていくという問題につきましては、ちょっと慎重にならざるを得ないというのが現在の心境でございます。  しかし、個別の、いまいろいろ御指摘のございました、資源調査をやっていくことだの、あるいは漁業者なり従事者を主体としますいろいろ海区の調整委員会を活用していくとか、あるいは許可で隻数を制限していくのだとか、あるいは操業区域なり地域を制限していくとか規制をしていくとか、資源の管理をそういう形でやっていく、その制度的な裏づけはあるし、またそれは現在実行しておるわけでございますから、個別的な対応の仕方としてそういう問題を考えてまいりたいというふうに思っているわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 これは先ほどの質問でも大臣答弁されたのですけれども、やはりこの二百海里時代に当たって、いま私が言いました、たとえば資源管理計画とか漁場利用計画とかいうものも含めながら、総合的な日本の漁業のあり方というものを国民が納得するように示さなければならぬわけですから、いまそういう総合的な計画をつくるためのあるいはそういうものを研究するための何か体制というか、そういうものはやはり要るのじゃないか、学識経験者等あるいは国民の代表、漁民の代表等を含めながら要るのじゃないかと思うのです。そういう点について次の質問にあわせて、大臣お答えいただきたいのです。  海の汚れというのは、これはずっと、特に沿岸は前々から言われまして、日本の沿岸で、最近少しよくなった部分もあるようですけれども、もうほとんど海が死んでしまっているのじゃないかとさえ言われているわけでございますし、そういう中で赤潮なんかもずっと発生しておるわけでございますし、その大陸棚の汚れというのはもう実は目を覆うものがあるとさえ言われております。ヘドロがたまっておるわけでございますし、農業で使いましたビニールなんかが流れてきたのが大陸棚に物すごくたまっているということも言われておるわけでございまして、とにかくその海の汚れ、大陸棚の汚れは、いまここで大掃除をしなければ、これはやはり日本の漁業の将来にとって大変なことになる、こう言われておるわけでございます。  そこで、私は、これはやはり農林水産省が何カ年計画かつくって、海の大掃除をするというような計画というものをつくって、やる必要があるのじゃないか、こういうことも考えるわけでございます。そして海を、大陸棚をきれいにして、そこの上にきちんとした日本の今後の漁業の計画というのを乗せていくことが必要じゃないかと思うのですが、その計画の問題と、海の大陸棚の大掃除の問題について、大臣、ぜひ、できれば予算を組みながらそういうことを検討していただきたいと思うのですが、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 いま長官からお話があったように、いろいろな計画ということも私は一つの考え方だと思います。資源の調査とか、それをどういうふうにしてどうとるかというようなことは当然やらなきやならぬ。ただ、どこの海面で一年間にどれだけのものをどういうふうな手法でどうとるんだというようなことまできちっと決めましても、それはなかなかそう、天候の作物よりももっともっと、これは魚の場合ですから、海の中まで網張って管理するわけにいかない。その計画が果たしてそのとおり魚が生まれるか、魚が集まるか、実効性の問題でなかなかむずかしい問題がある。というようなことから、いまそういう計画をつくると言ってもなかなかむずかしいということを長官が答えたものと思います。しかし、われわれとしては、先ほど言ったように、漁場の管理、資源の保護、管理ということをやっていかなければならないわけですから、それについては広く各界の方々を集めて、資源の調査を徹底させたり、あるいは現在行っておる漁業調整機構というものがあるわけですから、これは現実に漁業者とか漁業の従事者を主体とした人たちによって構成されておって、どこの地域でいつごろどんなふうな海の状況になっているかという二とは、臨機応変にわかる仕組みになっておる。したがって、その実情に即したその調整機構を通してそれらの意見を反映させて、どういうふうに魚をとっていくか、増船をしていいのか、減船をしていいのか、どういう魚種はどれだけとっていいのかということについては、現在も許可制による隻数制限というようなことをやっておるわけです、あるいは漁業操業区域とか操業期間の延長とか短縮とかという規制も臨機応変にやっておるわけですから、それらを通しまして資源管理ということも配慮をしながら今後の振興策というものは努めていかなければならない、趣旨はそうだと私は思います。  ただ、そういう計画を世間に発表しても、何年計画というふうな計画ですから、その都度その都度の計画なんてないわけですから、発表してもそれがそのとおり当たらないということが多いのじゃないか。したがって、現実にその場で操業しておる人たちや何かが魚の実態を見ながら出される提案を臨機応変に受けとめて、それらの調整機構や許可制度を通してうまく乱獲にならないようにしていくということの方がいいのじゃないかと思います。  しかし、せっかくの御提案でありますから、具体的にどういうふうにするのがいいか、こっちは知恵が足りないのかもしらぬ。馬場委員などからももっと具体的に、しからばどうしたらいいかというような点でお気づきの点があれば、幾らでも私の方は御相談に応ずるわけであります。なかなかそこのところ、うまい考えが浮かばないというのが現実の姿でございます。  それから大陸棚の汚染の問題です。これは先ほども私が言ったように、これはもう自然環境を守るという点からも、また魚という利害に関係した問題からもきわめて重要な問題だし、場合によってはそれは病人が発生する、水俣病を初め、国民の健康にも関係するような大きな問題でございますから、これは各省と一緒になって、海を汚さないようにする、水質の規制とかそういうことは大いに今後も監視を怠らずやっていかなければなるまい、かように考えておるわけであります。このため、水産庁におきましては、従来から沿岸漁場整備開発事業というものを公共事業の一環として行っておるわけです。しゅんせつとか作澪というような大規模の漁場保全事業もやっておるわけです。海底に積もったところの廃棄物の除去を行うための小規模漁場保全事業ということや、また海中に浮遊するプラスチック等を回収するところの漁場環境維持保全対策事業というものも非公共で実はやっておるわけであります。さらに五十四年度におきましては、これらの事業の効率的な実行を図るためにいろいろな手段を開発することを目的にして、新たに廃棄物の堆積により生産力の低下した一定の水域を対象に、廃棄物の除去、回収、処理等一貫した漁場の清掃を行う漁場クリーンアップ試験調査事業をことしやることにしているのです。長々書いてありますが、簡単に言えばいま言ったようなこと、漁場をきれいにするためにどうしたらいいかという実験的なクリーンアップ事業という新規事業をことしからやるわけです。したがいまして、いままで大々的にやっておりませんが、あなたのおっしゃる御趣旨は全く私同感であるし、そうしなければならぬと思っておりますから、おくればせながらかもしらぬが、ことしから本格的にそういう実験事業を通して御趣旨に沿うように努めてまいる所存でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 せっかく渡辺大臣張り切っておられるわけですから、水産大臣という言葉もこの前からできておるわけですから、さっきの計画の問題もですけれども、いまの掃除の問題にしても、本当に大々的に日本の海をみんな大掃除しようじゃないかということをあなた方音頭をとって、そのためにはたとえば各地に水産試験場があるわけです、そこに大きな船を一隻ずつくらい全部とってやって、それでさっきの計画にも使うとともにこういうもので海をきれいにしましょう、掃除しましょう、各県の水産試験場に国の費用で船を一隻ずつやりましたよ、そして国民にも協力を求める、そういう大々的な海を大掃除しようという運動くらい、大臣やられたらどうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 それは本当に私もやりたいんだ。しかし、これは水産庁の予算だけでできるものじゃないです。それは本当に環境庁も建設省も皆一緒になってやらなければ、水産庁の予算だけ五倍にふやすなんということは言うべくしてできるものじゃない。しかし、あなたの言うことは大事なことなんです。ですから、われわれの方は音頭をとってやるについては、まずことしそういうクリーンアップ実験事業をやるわけですから、そのデータをもって、こういう状態だ、だから各省でやらないのならうちの方で引き受けてもいいですよ、しかし各省で、それじゃうちの方でもこういうことをやろう、ああいうことをやろうということになってくる、その先鞭をつける意味においてまずわれわれはクリーンアップの実験事業をことしやる。来年から船一隻ずつ全国に配ってということを言ったら、また大ほらを吹いたという話になっちゃうので、ほら吹き大臣と言われてしまうから、ほらの吹きっ放しじゃなくて、実りのあるようにするためには、まずちゃんとこっちで一つやってみて、そして各省にも働きかけてあなたの御趣旨のようなことをやれるように持っていきたい、そういうふうに努力いたします。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 大臣、私はほらじゃないと思うのですよ。日本の海というのはもう瀕死の状態で苦しんでいるし、大陸棚も本当にヘドロがたまって苦しんでいるのですよ。ここで緊急措置として、あなたが言われたように私はやはり政府全体を挙げてやるべきだと思うのですよ。そういう意味であなたに音頭をとっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  そこで、この法案にかかわりましてまず第一に大臣の姿勢を聞いておきたい。  きょうここで沿岸漁業改善資金助成法が出たわけでございますが、農林水産行政における水産行政の立ちおくれということを私は感ずるわけです。多くを言う時間もないですが、たとえば、きょう提案になって審議しておりますこの法律と類似の法律制度の農業改良資金助成法は昭和三十一年にできておるわけでございますね。次に林業改善資金助成法は昭和五十一年にできている。全く同じ制度ですね。ところが、農業は昭和三十一年、林業は五十一年、全く同じ制度の沿岸漁業改善資金助成法は何でこんなにおくれて出るのか。農民、あるいは林業で働く人たち林家、漁民、同じような資金を融資する制度が、農業が三十一年、林業が五十一年、漁業がことし、何でこんなにおくれるか、それだけ水産業を軽視しているのじゃないか、だれが見ても常識的にはこう考えますね。そうじゃないですか。大臣、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 そう言われればあるいはそうかもしれない。まあ中川とか渡辺がなるのがあるいは遅かったのかもしれない。いずれにしてもおくれたことは事実ですから、これを取り戻すように一生懸命やらせてもらいます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 これは何も助成法だけじゃございませんね。あらゆる法律が、まず農業、林業、それから水産業。同じ日本国で同じ国民の食糧その他をやっているのですから、一列に並べて差別をつけないでやるのが行政の基本であるべきだと思うのです。  そういう意味におきまして、これは長官か政府の担当者でいいのですけれども、動物性たん白は畜産と魚でやっているわけですから、畜産業に対する国の助成と水産業に対する国の助成を、まあ金の面で言うのも完全な比較にならないかもしれませんけれども、参考までにちょっと教えていただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 後段は事務当局からお答えするとして、私は第二代の農林水産大臣です、中川君が第一代の農林水産大臣ですから、だから世の中は変わった、こういうふうに見てもらって結構であります。

森整治水産庁長官

○森政府委員 水産庁と畜産局で予算を申し上げますと、五十四年度の予算が水産が二千九百五十三億、畜産が千六百十九億でございます。五十一年あたりを見ますと、畜産局関係の予算が全体といたしましても水産庁の予算を上回っていた。二、三年前まではそういう状態でありましたけれども、最近は、公共を中心に相当予算も計上されておりまして、一応比較いたしますと、水産庁の関係の予算が畜産局関係予算の約一・八倍というのが現状でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 二度も三度も初代農林水産大臣中川さん、二代農林水産大臣渡辺さん、二代とも青嵐会ということですが、青嵐会は水産に非常に力を入れるということを言われたのじゃないかと思うので、それは期待しております。  いまの比較は、私の質問も漠然とした質問だったかもしれませんけれども、いまの質問の趣旨は、水産業を農業、林業、その後水産業と言わないようにしてくれという意味の質問でありますので、そう理解してもらいたいと思うのです。  次に、法案の内容について一、二点質問しておきたいと思うのです。  「目的」の第一条に、この法案で今度「自主的に」という言葉が出ておりますが、私はこれは非常に大切なことだろうと思うのです。漁業技術、安全施設、生活改善促進、後継者養成、これを自主的に計画した者に貸し付けを行うことになっておるわけでございます。  そこで問題は、この自主性がどう生かされるかということについて質問しておきたいと思うのですけれども、申し込みの書類の審査を都道府県の水産業改良普及室等が中心になって、いわば運営審議会みたいなものをつくって審査をすることになっておるわけでございますけれども、水産業専門技術員が全国で七十四人しかいない。水産業改良普及員が四百三十九人しかいない。これは一県当たり十名です。生活改善普及員の漁家担当は全国に百五十六人しかいない。一県当たり四名です。こういう人が指導したり審査をしたりするわけですけれども、私は、本当に漁民全体、零細漁民ばかりですから、平等に指導ができて、そこから掘り起こしをして自主的に申請書が出てくる、こういう営みが果たしてできるのだろうかどうか。全部にまんべんなく指導ができて、自主的に申請できるような指導がこの体制でできますかどうか。ある一部分の者が申請をして、それをチェックする、差別、選別するというような機構になってしまいはせぬか。そしてまた、五トンとか十トンとか、あるいは三トンとか五トンとか、こういうところが重点になって、一トン未満だとかあるいは無動力船だとか、こういうところには回っていかないのじゃないか。実際、運用の中で自主性が損なわれ、差別がされ、選別がされ、小さいものは切り捨てられるというのが、この指導スタッフ、審査スタッフの上からそう思われてならないのです。これについて、もう少しこういうスタッフを強化充実すべきでないかと思うのですが、どうですか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 この貸し付けの実際の窓口は漁協になろうかと思います。金の扱いについては信漁連、その他決定については県ということでございますが、その中で、いま御指摘のように、改良普及員あるいはその系統の組織が定員的に非常に少なくて問題があるのではないかということでございます。先生御指摘のような問題が起こらないようにどういうふうな仕組みなりを考えていきますか、ともかくそういう問題の起こらないような措置あるいは仕組みを今後もいろいろ研究していきたいと思いますけれども、ともかく、与えられた定員の中でこれに対処していくということは当面避けられない現実の事実でございますから、今後、いま零細な者にいかない、あるいは不公平にならない、そういうようなことを十分念頭に置いて運営してまいりたいというふうに思います。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 大臣、「目的」に自主性というのを非常に掲げてあるのですよね。ところが、このスタッフでは、本当に経営相談を普及員の人が行ってやるとか指導員の人が行ってやるとか、そうしてこういう申請の仕方があるとか、行き届いた指導とか経営相談とかできない。また、行き届かないから落ちこぼれもたくさん出てくる、こういうぐあいに思うのです。長官は与えられた定員の中で一生懸命がんばるとおっしゃいましたけれども、将来こういうスタッフの強化拡充というのは考えなければいけないのじゃないか。ことしの予算ではこうかもしれませんけれども、さらに来年度の予算の中では、こういうスタッフの強化拡充というのを図るべきだと思うのですが、どうですか、大臣。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 こういう段階で人数をふやすということは、実際問題としてなかなか認めてもらえない。しかし、農林省の中でも、時に応じて配置転換といいますか、そういうようなこともやらなければならない時代に来ておりますから、まずこれでスタートをしてみて、それであなたの言うような問題点も出てくるでしょう。そのときには、それに応じたようなことをやはり機動的にやるような方向で持っていきたい、こう思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 どうも何か大臣も、いつも勇ましい大臣が、定員になるとふやすということは言わぬで、配置転換ぐらいしか言い切らないという点ではなはだ残念でございますけれども、やはり配置転換でなしに、こういう大事なことをするのだし、する場合にはまた水産業の行政というのも充実する。二代目の水産大臣ですから、やはり定員をふやすくらいは、蛮勇じゃない本当の勇気をふるってとってもらいたいと思うのです。  次に、この制度の資金でございますけれども、ことしの貸付資金枠は二十五億円でございまして、四十県といたしますと、一つの県当たり六千二百五十万円見当になっているわけでございます。私はこれでは資金は足りないと思うのです。これは初年度だからということで必ず答弁があるのじゃないかと思うのですけれども、しかし足らない。だから、将来計画的にこれをふやしていくべきだと思うのですが、将来ふやす展望とか計画はどういう方向に持っていこうと考えておるのかというのと、まあ二十五億がいい悪いは別として、これは水かけ論になると思うのですが、それじゃどうして二十五億円という金は積み上げてことしは出たのですか、それについてお尋ねします。

森整治水産庁長官

○森政府委員 端的にお答えいたしますと、現在の沿岸漁業におきます普及活動等の実情をいろいろ考えながら、都道府県の需要の動向、あるいはもっとあれですと、最近発足いたしました林業改善資金の初年度の資金枠等々を勘案して額を決めたわけでございます。確かに二十五億そのものというのは、フル活動するようになりますとあるいは少ないかもしれません。また、今後の資金需要といたしましては当然もっとふくらんでくるもの、そういう期待を私どもは持っております。したがいまして、相当多額になっていくということは、林業の制度を見ましても農業の制度を見ましてもそのとおりだと思います。ですから、その需要の出方を見まして、来年度は従来の伸び率みたいなものに一切とらわれないで、必要な資金を十分賄えるように来年度以降は対応してまいりたいというふうに思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 資金の種類の中で、経営改善資金のまたその中で漁労の安全設備及び施設というものも貸し付け対象になっておるわけでございますけれども、漁船の安全とか施設の検査等の担当をなさっているのは運輸省じゃないかと思うのです。こういうことで、この資金に当たって運輸省と何か協議なさったのかどうか。それから、この漁船の安全というのは、船舶安全法の体系下でこの資金の安全という部分について考えられておられるのかどうか、そういう点ですね。  そこで、さらに具体的な質問をいたしますと、いま小型船舶で十二海里以内でやるものについては予備検査の対象になっておるわけです。普通の検査対象も含めるわけですけれども、この検査に対する必要な資金というものもこの資金で実は貸し付けができるのかどうか、こういう安全の問題について質問をいたします。

森整治水産庁長官

○森政府委員 もちろん、今回の法案の提案に当たりましては、運輸省と十分話し合いを行ってきております。今後政省令の制定等につきましては、当然話し合いをしていくつもりでございます。  当面の御質問でございました安全施設についての検査の問題とその費用についてでございますけれども、これにつきましては通常メーカーの段階で予備検査を受けておりまして、この費用は価額に入ってきているというふうに思われますから、結果的には資金の対象、貸し付けの対象になるというふうに思っております。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 余り時間がございませんけれども、次に漁業の就業者対策、後継者対策について質問を申し上げたいと思うのです。  いろいろ質問を予定しておったのですけれども、時間がございませんが、いま漁業従事者の年齢は四十歳から五十九歳までの人たちが四〇%になっておるわけでございます。非常に漁業従事者の年齢が高くなっておるというのは御存じのとおりでございますが、この問題について若年の従業員労働者をどうやって確保するのか。  それから、たとえばいま四十歳代、五十歳代が一番多い。四〇%だ。これを、漁業従事者の年齢をどのくらいまでにどういうぐあいに引き下げたいという、そういう計画を持っておられるのかどうか、このことについてお伺いしておきたいと思うのです。

森整治水産庁長官

○森政府委員 年齢構成が老齢化してくるということについては、まことに残念なことでございます。そこでまた、農業以上に水産というのは、やはり若い人の労働力が必要な職場だというふうに私ども認識しておりますから、ともかく漁業というもの、その若返りをどういう計画を持っておるかということのお答えになるかどうかはありますけれども、やはり漁業を魅力のある職場にしていく、そういう努力をすることによって、若い人たちに働いてもらうという職場をつくっていくということしかなかろうというふうに思うわけでございます。  そういう意味で、今回の資金対策もその一環として使ってまいりたいし、その他の、後継者を実際に確保していくということにつきまして、いろいろ福祉の問題あるいは農漁村の環境の問題、いろいろ多岐多端にわたる対策が必要だと思います。これにつきましても、十分措置を講じていく、対策を講じていくということによりまして、ともかく必要な労働力を絶対確保していくということを考えておるわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 具体的に漁業従事者の若返り対策というのも聞きたいのですけれども、もう時間が来ましたので、この次に譲りたいと思います。  最後に、大臣、一言だけで終わりたいと思うのですが、私、九州の出身でございますけれども、たとえば私の熊本の天草に羊角湾というのがあるのですが、これを締め切りまして、そしてミカン山をつくって、そこに湛水して水を上げるとか、干拓をしてイグサとかレンコンをつくるとか、実際こういうミカンが減反をしているときに、そしてまたレンコンとかイグサ、それに——漁場、産卵地の羊角湾ですよ。そういうことが行われようとして、計画があって、いま三年中断しておるのですけれども、そういう問題だとか、それからたとえば諌早湾、日本の最後の大干拓と言われるようなこの諫早湾の干拓工事が行われようとしておる。あるいは橘湾に石油備蓄のためのタンカーが停泊しておる。さらには志布志湾に大規模な総合開発が行われようとしておる。九州を取り巻くこういうりっぱな漁場、産卵地あるいは稚魚の育成地、それからプランクトンの豊富なところ、こういうところが全く手足をもぎ取るようになくなってしまっていこうというような状況がいま九州の各地にあらわれておるわけです。  そういう意味におきまして、計画はいまつくられておるわけですけれども、時間がございませんので、一言、やはりもうこういう時代に、たとえば干拓の問題あるいはミカン山をつくるというような問題あるいはその他の問題、やはり海を守る、漁業資源を守るということが重点に考えられるべきではないか、こういうぐあいに思うのです。そういう意味で、海を守る大臣の行政姿勢をお聞きして、質問を終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 海を守ることは非常に重要でございます。しかしながら、その一方で、いろんな農業生産物をつくるために土地を造成しろという声もでかいし、それもやはり私の所管事項でございます。したがいまして、その干拓の問題と漁業の問題については、やはりその地域の人たちが総合的に考えてどちらをとるかということが問題でございますから、やはり漁業者と、それらの事業をやる場合には十分な話し合い、漁場に対する影響というようなものを十分に調査研究をして、漁業者の納得を得た上でやらなければいけませんよということを言っておるわけであります。  個別のそれぞれの事業そのものについて一つ一つ私はつまびらかではございませんが、羊角湾の場合は、聞くところによると、すでに補償問題を解決して堤防工事はもうでき上がってしまった……(馬場(昇)委員「具体的なことはいいです、でき上がってないです」と呼ぶ)というようなことも聞いておりますので、それらの点は、地域の住民の意向、県の意向等を十分くんで、その上で慎重にやるべきものと考えております。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 きょうは午前来同僚の新盛君、馬場君の方から質疑が展開をされておりまして、それを受け継いで私の方から引き続き国際関係の問題あるいは国内のこの法案に関連する重要問題、そして法案の内容といったようなことでお聞きいたしたいと思います。きょうは二時から本会議ということもございまして、しかも大臣は昼食なしというわけにいきませんので、私のしかるべき適当なところでお食事をいただくということを了承しておりますので、そういうことも考えながら、まず国際的な問題からお尋ねをいたしたいと思います。  国際的な問題につきましては、あらかじめ水産庁の方から、本年度の一月から十二月までの漁業関係国際会議と漁業交渉の主要スケジュールというものを資料としていただいておりまして、そういうものの幾つかについてお尋ねをいたしたいと思ったわけでございますが、持ち時間も少なくすることを了承いたしましたので、これらのうちで、特に、きのうから始まっております第三次国連海洋法会議の第八会期にかかわる問題、そして先ほど馬場君からもちょっと質問がございました日ソ漁業交渉にかかわる問題、そしてもう一つは、私の地元の尾鷲の漁船でコスタリカで拿捕された問題がございますが、こういう問題に関連した問題、この三つを国内問題に入る前に御質問を申し上げたいと思います。  きょうは外務省からもおいでを願っておりますので、まず外務省から、国連海洋法会議第八会期に臨むわが方の態度、特に今度の第八会期でどういう点が焦点になりどういう受けとめ方でいこうとしておるかといったような点について触れて御説明を願いたいと思います。きょうは国務大臣として渡辺農林水産大臣もおいでになっておりますので、政府としての問題については、この問題についても大臣から最後にお聞きすることにしておりますから、そういう前提の上でお話しを願いたいと思います。

井口武夫外務大臣官房外務参事官

○井口説明員 お答え申し上げます。  きのうから始まっております第八会期は、これはもう実質交渉が最後の会期であるというふうにも考えられておりまして、やはりわが国といたしましては、遠洋漁業、海運等の海洋秩序というものを早期に安定させるということが非常に重要であると考えておりまして、やはり早期妥結という態度で臨む姿勢でございます。すでに領海あるいは群島、それから漁業経済水域二百海里、汚染、こういう問題はほほ解決しておりますので、残された問題といたしまして大陸棚の外縁の定義、深海海底の開発というものがございますが、これも大陸棚の問題は今会期に片づく予定でございますし、深海海底の問題に関しては後進国と先進国の対立がございますが、これも安定した輸入供給源を確保したいというわが国の立場と、後進国のいろいろ海底から収益を分与したいという主張とを調和させて、できる限り公正な秩序を確立したいということでございまして、あくまでも一括した包括的な海洋法条約をできる限り早く結ぶという立場で臨みます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで、いまの外務省からの説明を受けて、次に水産庁の長官の方にお伺いをいたしたいわけですが、昭和四十八年十二月に第三次国連海洋法会議の第一会期がニューヨークで開催をされる、引き続き四十九年六月から八月にかけて第二会期がベネズエラのカラカスで開催をされる、この第二会期というのが非常に注目をされたわけでありますが、それ以来今回第八会期の開催ということになっておるわけでありまして、その間五十一年、五十二年、五十三年にかけて、この海洋法に関する国際的な取り決めの前に二百海里時代が先行して体制がほほしかれるという状況に相なっておることは御承知のとおりでありますが、そこで、ことしの第八会期で条約上の問題を取り決めて、こいねがわくは第九会期でそういうものを最終的に終わるというのが、これが国際的な日本の立場からすれば願いでありますけれども、そういう場合に、漁業関係としては領海あるいは漁業水域、国際海峡、大陸棚資源等、国際的に相当集約されておりますが、なお、水産関係の立場から、いま集約されつつある問題に日本側としてこの点は今後とも努力してこういうふうに持っていきたいというふうな点があるならば、その点を明らかにしてもらいたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 漁業関係でといいますと結構あるわけでございますが、ないわけではないわけですが、問題をしぼってまいりますと、一応漁業関係の条項についてはほぼ合意を見ているのではないだろうかと思いますが、若干気になる点だけ申し上げますと、アメリカが、海産哺乳動物の保護につきまして国会筋から強い要請が出されております。そういう問題につきまして現行草案をさらに強化する、海産哺乳動物の保護を強化する方向での修正が出てきますと非常に問題ではないだろうか、そういうことが一つと、それから、従来の高度回遊性の魚類について沿岸国の管理権を強く主張している向きが相当あるわけでございまして、さらに新たな論議が出てこないだろうかということが気になっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、前段の問題にいたしましても、後段の問題にいたしましても、従来のわが国の主張というものをできるだけ維持してまいりたい、最悪の場合でもともかくわが国の漁業に影響を来さないようにいろいろ主張はしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで渡辺農林水産大臣に、広く大臣という立場から、先ほど来の第三次国連海洋法会議第八会期、今度の会期は、日本の立場からすれば、この会期でいわゆる条約草案というものを最終的に取り決めて、第九会期にはそれを国際的にオーソライズするというふうなことを願っておると思うのでありますけれども、水産庁の立場から、個々に入りますれば若干問題あるけれども、カラカス会議の際にも、経済水域二百海里の問題については小木曽代表が国際的にエクセプトジャパンと言われる立場で反対を述べたわけでありますけれども、やはり日本も国際的な全体の大勢というものの中で日本の活路を見出すということで、その後は国際的な中で、この海洋法会議についてもこれがまとまるように努力をしてきておる。  ここで新海洋秩序のこれからの形成という問題について、渡辺大臣から政府のお考えを聞きたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 海洋法の問題はもう世界的な大勢でございますし、また、国連の海洋法会議の結論が出ないうちにすでに二百海里の水域設定の国が七十もできたというようなことで、非常に厳しい環境になっておるわけであります。政府といたしましては、海洋法会議ができるだけ速やかに妥結をしてもらいたい、その結論によって、安定した国際海洋秩序のもとでわが国の漁業の維持、継続というものを図っていきたい、そういうことで全力を挙げるつもりでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 引き続き、昨日からモスクワで開かれております日ソ漁業協力協定に基づく第一回の日ソ漁業委員会、引き続くサケ・マスを含む三月下旬から想定をされる漁業交渉といった問題について若干お伺いをいたしたいと思うわけでございます。  御案内のとおり、今年の二月十四日の日に、三十数年にわたってイシコフさんが漁業相として日ソの漁業交渉に直接担当者として務められてまいりました。これが健康も最近悪くされておられる。去年九月に超党派議員団で私副団長で参りましたときにもお元気でございましたけれども、とにかく七十四歳というお年の関係もございましょうが、その他の政治的な理由がどうであるかということは、こういう公の場で大臣からお聞きするということは困難でございましょうけれども、いずれにしても三十数年来日ソ漁業交渉の直接の立て役者であったイシコフさんが辞任をされて、新しくカメンツェフさんが、五十一歳、相当若返るわけでありますけれども、漁業相として登場してきた。こういう中で第一回の日ソ漁業委員会、引き続くサケ・マスの困難な漁業交渉というものを進めていかなければならぬ。  そこで、馬場君からもちょっと触れておりましたように、おととしがサケ・マス漁獲量については六万二千トン、去年が、紆余曲折がございましたが、最終的に四万二千五百トン、往年を見れば三分の一近くの漁獲量といったような状況にありますし、やはりことしの場合もサケ・マス漁業交渉になれば相当難航を予想される。ソ連は去年もいわゆる公海における沖取り禁止ということを強く主張した経緯もございますし、また母川国主義そのものについては、海洋法会議の中では大勢としてはそれを認めていこう、ただし従来実績のあるところに経済的混乱を生ずるという場合はこの限りでないという、草案の中で実績についてもやはり話し合いの中で処理をしようということが言われておるわけでありますけれども、何せなかなかむずかしい条件に置かれておる、しかも、おととし、去年、こういった連年のサケ・マスの減船の中で、減船をして去っていく者もあるいは引き続き操業する者も、共補償の関係で、やはりこれを後に残ってサケ・マスの操業をやっていく者が受け入れていかなければならぬ。これはおととしと去年を含めれば、関係の漁業者の中では約八百億を超えるものを共補償として担当しなければならぬ。そういう中でことしの漁獲高がどうなるか、操業区域はどうなるか、ことに暖冬の関係で、漁業交渉が長引くということになるとサケ・マスが北上してしまって余りとれないということも心配されたりしておる、したがって、漁期がいつから始まるか、去年厳しく禁漁区域に加えられたそれの緩和ということも、日本政府としては交渉の中で出していくのだと思いますけれども、そういうことも含めて、ことしの日ソの漁業委員会、引き続く漁業交渉というものを、新漁業相の登場とともになかなかむずかしい情勢に置かれておると思うのでありますが、改めて渡辺大臣から、日ソ漁業交渉に臨む客観的な諸条件、わが国の主張といったものについてお答えを願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 ただいま漁業をめぐる諸問題については御指摘のとおりでございます。したがって、私としても非常に厳しい状態であることはよく認識をいたしております。しかしながら、基本的にはやはり日ソの友好関係というものを日本でも希望しているのですし、ソ連の方も日ソ友好ということを言っておるわけです。ですから、この日ソ友好ということをお互いに希望している以上は、それを最優先するというつもりでいきたいと私は思っておるわけです。したがいまして、大臣がかわられましても、その点については、私は同じ認識に立っていただけるのではないだろうか、こう思っております。  われわれは、科学的な根拠に基づく資源の議論というのは避けて通れない話でございますから、資源を枯渇させてはならないというような科学的な論拠というものは、これは大いにお互いに率直に議論し合いましょう。それから、いまもお話があったが、わが国の長年のソ連海域におけるところの、あるいは公海におけるところの漁業の実態、こういうようなものについては、これはよく認めていただく、世界的な慣例でもあるわけですから、これはぜひ認めてもらわなければ困る。それから、国民の嗜好、どういうものを食べるかというようなことについても、これは長らくそれに頼っておったわけですから、こういうようなものも認めていただかなければ困る。あるいは、お互いが共存共栄をするためには、日本でも沿岸の漁業振興というものを図りますが、ソ連等においても、母川国主義をとられましても、やはり栽培漁業とかあるいは放流とかという面について、われわれでお役に立つところがあれば積極的に協力をして、資源の維持、増進を図っていきましょう。こういうようなことなど、いろいろな点から話し合いを進めたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  日ソ漁業委員会も一年ぐらい宙づりになっておったわけですが、幸い関係各位の皆様方の御尽力もあって、いまモスクワでやっと開催をされることになりました。したがって、なるべく早い時期に、今月中にサケ・マス交渉に入れるように、そしていま御指摘のあったように、時期を逸しないように、漁獲高、水域等についてもやはり所定の目的が達せられるような決め方をしてもらうように、あらゆる努力をしてまいるつもりでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いま大臣からもお話がございましたように、漁業相の交代、その政治的な背景はどうかといったような点については大臣としてはお答えにくい点だと思いますので、その点については答弁をされない点は了承しておきます。大臣からすれば、いま御答弁のように、どなたが大臣になられても、漁業の問題は日ソ友好の非常に大きなかなめ的役割りを果たしている。従来からの伝統的経過もある。日本としては、やはり日本の関係漁業者の生活権を守るためにも、あるいは伝統的な漁業を継続していくためにも、少なくとも去年の漁獲高を上回って、豊漁年でありますから、おととしの豊漁年の漁獲高が確保できるようにといったようなところを目標にしながら、去年規制をされたところについても可能な限り緩和をしてもらって、そして、暖冬の結果心配される漁期がおくれないように、早期に問題を解決してこのサケ・マス交渉をまとめるということであろうと思いますが、そう理解してよろしいですか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 まことにそのとおりであります。したがいまして、角屋委員等も日ソ友好を推進しておられるし、かねて訪ソもされて日本の漁業の権益を守るための御発言もしていただいておるわけでございますから、これは超党派で、今後とも社会党におかれましても、いまおっしゃったようなことをソ連政府に対しましても側面から強くひとつ訴えていただきたいということをあわせてお願いを申し上げます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ことしの農林水産省の予算の中で、サケ・マスの最近の情勢、また、日本の食生活から見るサケ・マスの重要性ということもございまして、新年度はサケ・マスのふ化放流の予算というのを相当大幅に拡大をする、そうして、新規のこともいろいろやろうということで、五十三年度の予算は私の承知しているところでは十七億九百万、ことしの場合は三十二億四千五百万ということで、ほぼ倍増近くにふやして新規の考慮もしながらやろうとする姿勢にあるというふうに受けとめておりますが、それと同時に、大臣は先ほど御答弁の中で言われましたが、ソ連側として共同漁業事業等についてサケ・マスのたとえば餌料生産プラントの問題について日本の協力を仰ぎたいというふうなことが出てまいりますれば、そういうことも含めて対応しようということであろうかと思っておるわけでありますが、本年度の予算の問題等も含めて御答弁を願いたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 サケ・マスのふ化放流事業につきましては、北海道と本州で扱いが異なっておりますが、いずれにいたしましても、それをともかく増大をしていく、ふ化放流を増大していくということについての考え方は変わりございません。いま先生御指摘のように、北洋でいろいろ問題になっておるわけでございますから、わが国の国内でサケ・マスの増養殖をさらに進めていくということで、従来の計画を上回る計画といいますか、五十四年度の計画数量を上回る放流尾数を増大をさせるということで、北海道では九億八百万尾、それから本州では六億二千万尾の放流尾数を増大させる、それから、北海道の国営のサケ・マスふ化場を初めとする増殖施設を整備する、それから、新しい事業といたしましては、回帰率を高めるための稚魚の海中飼育用の生けすの整備を行う、それから、サケ・マスの自然産卵の助長のために通路の整備事業を行う。それから未利用河川の開発調査ということで放流を行う。十五県二十三河川を予定いたしていますが、そういうことで相当な予算の計上をしておるわけでございまして、さらにこの放流尾数の計画を近く改定をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  それから後段の、ソ連側からの今後の話し合いのいかんによるわけでございますが、今後そういう交渉の過程で御指摘のような問題が出てまいりますれば、私どもとしては、全体の交渉を推進していく上で必要であるという判断があれば、それに応じた対策を考えていくということは当然のことだと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 日ソの今度の漁業委員会、漁業交渉を通じて、当然懸案の問題の解決をしなければならぬことがあるわけでございます。これは中川農林水産大臣当時から渡辺新大臣へのバトンタッチを通じて、渡辺大臣も十分御承知のように、日ソ共同事業の問題あるいは貝殻島のコンブ漁の問題、これは昨年来から話が進められておりまして今度の会議というのがいわば大詰めのところへ来ておるという時期になるわけでありまして、われわれとしては今度の会議も含めてこれが実施をされていくということを強く望んでおるわけであります。  そこで、今度の第一回の漁業委員会、引き続くサケ・マス交渉、そういう中で、日ソの共同事業あるいは貝殻島コンブ漁の問題についてどういう時期に話をするかということは、これは政府自身の判断もあると思いますけれども、やはりこれは必ず俎上に上せてことしからスタートするようにしなければならぬということについては、大臣も御同感だと思うのであります。  それから共同事業については、御案内のとおり、従来から五つのプロジェクトの仕事が進められておるわけでありまして、そのほかに農林水産省の方てもスケトウを共同事業の中に新しく加えることについてはよろしいという基本的な受けとめ方をしておるわけでありますが、われわれもそれを望むわけでありまして、それが日ソ間の今日までの話し合いの中では必ずしもすぐダイレクトにいくかどうかという点がございますけれども、この事業についても、やはり話し合いの中では推し進めながら、いずれにしてもことしから日ソの共同事業、貝殻島のコンブ漁がスタートしていくための政府としての努力をする必要がある、こう思うわけですが、この点について大臣からお考えを承っておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 漁業協定に基づく日ソの委員会については、先ほどお話ししたようにすでに交渉がスタートをされて民間ベースで早く話を詰めたい。私としては、やはり既定のものがあるわけですから、それをここでまた余りいじり直してしまいますと、せっかくまとまりかけたものが壊れてしまうということにもなりかねないので、一応既定の路線に従って交渉を妥結してもらいたい、こう考えておるわけであります。基本的な問題につきましては、当然政府間で取り決めるようなことになろうかと存じます。  なお、貝殻島のコンブ漁の問題につきましては、これも零細な沿岸漁民にかかわる問題でございますから、本年は操業が再開されるように、政府といたしましても、このたびの会議のチャンスをとらえまして、早期に解決するように努力をしてまいりたいと考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私どもこの問題については、去年の十二月に飛鳥田委員長が訪ソされて、ソ連共産党中央委員会の幹部であるスースロフ氏との会談等を通じてこの問題が出てまいりまして話し合いが行われた。もちろん超党派議員団の去年の九月以降、公明党の代表団も行かれ、あるいは新自由クラブの代表団も行かれるというふうなときには、広範な問題を話すと同時に、日ソ間では日ソ漁業問題が当然議論されたと思うわけでありますけれども、いま渡辺大臣の方からは、去年来の進めてまいりましたプログラムの決まった点については、その後の情勢の変化で若干の手直しがあるにしても大枠というものはそれをそのまま前提に置いて話を進めていくというふうに理解をするわけでございますけれども、ぜひ今回の機会に、私どもが聞くところでは、日本側の体制さえとれればあちらとしてはことしからのスタートについて受け入れる話し合いに入れるというふうに思っておるわけでありますので、そういう点で、今回の代表団の訪ソを通じ、ぜひことしからスタートできるように努力を願いたい、こう思います。再度大臣の答弁を願います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 いろいろな非公式な話は聞いておりますが、公式な話としての会談は今回が初めてでございますので、どういうふうなお話になりますか、いずれにしても国内の漁業者との間に混乱の起きることは困るわけでございます。したがって、混乱が起きないような形でその共同事業がスムーズに進められるように努力をしてまいりたいと考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 それでは引き続きまして、水産庁の方から御答弁願って結構でありますけれども、二百海里時代に入りましてから、五十二年、五十三年で結構でありますけれども、ソ連、アメリカ、カナダ等を初め外国で日本の漁船が遠洋漁業の操業をやっていくという形の中で拿捕されたりするようなことが起こるわけでありますが、これらの状況について水産庁の方から簡潔に御答弁を願いたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 五十二年の拿捕件数、外国の漁業水域内におきます日本漁船が拿捕された件数は、五十二年は二十三件でございます。それから、その相手国といたしましてはソ連が十五件、ブラジル二件、モーリタニア二件、米国、カナダ、メキシコ、仏領ギアナ各一件でございます。理由といたしましては、領海侵犯が十七件ということで、あと停船命令、漁具違反あるいは経済水域の侵犯、大陸棚資源保護法違反、許可内容違反等々各一件でございます。  五十三年におきましては二十七件でございまして、相手国はブラジルが七件、ソ連が六件、仏領ギアナが六件、米国、ニュージーランド各二件、セネガル、パプア・ニューギニア、仏領ポリネシア、モーリタニア各一件ということに相なっておりまして、中身は領海侵犯が十四件、許可証不所持の六件が多うございまして、あとは先ほど申しました理由のようなことでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いま水産庁の長官から外国の漁業水域内における日本漁船の拿捕状況、五十二年、五十三年の状況について簡単に説明を願ったわけですが、この案件の内容の審査ということは別にして、私がこれから取り上げます問題というのは全然別の性格で、私の出身であります三重県尾鷲の船で拿捕された事件が起こっておるわけでありまして、尾鷲市の三木浦町のマグロ船でありますけれども、これが拿捕されるというふうな事件が本年の二月九日にコスタリカ領のココ島沖約百五マイルのところで起こっているわけであります。この点についてはお話を聞いた後引き続き質問を展開いたしますけれども、まず、去る二月九日にコスタリカのココ島沖で拿捕されました第二長久丸の拿捕された状況とそれらに対していままでとってきた措置について、簡潔にお答えを願いたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 御指摘のマグロはえなわ漁船第二長久丸が、二月九日にココ島から百五マイルの洋上で操業しておりまして、コスタリカの海軍警備艇から停船命令をされて臨検された際に、いろいろ罰金を払うつもりで金を提示したというのですが、その受け取りを拒否されて、逆に、二百海里の水域侵犯と漁労長が賄賂をしたという件でプンタレナス港へ連行されました。その港到着後、裁判にかけられることになりましたけれども、司法当局は裁判一カ月前に関係者に通報するということで、船長と漁労長が裁判に出頭するという前提のもとで、船舶に対する供託金と両名の保釈金、合わせて三万九千ドルの支払いを命じまして、二月十五日に一応同船を釈放したということでございまして、船は、いま公海で操業をしておりまして、三月の二十日、補給のためにパナマのバルボアに入港する予定であります。  水産庁といたしましては、事件発生後、事実をいろいろ調査いたしまして、ほかの船に対しまして注意を喚起する。それから本件につきましては、今後いろいろ裁判等ございますものですから、できる限りの応援をして、ともかくできるだけ穏便に処置してもらうように今後努力をしていくつもりでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いま水産庁長官の方から、第二長久丸の拿捕の件について御答弁を願いましたが、この第二長久丸の拿捕の件というのは、これは外務省、それから農林水産省の直接担当する水産庁というところの行政上の手落ちのためにこの問題が起こっておるという点が非常に重要であります。つまり、二月の九日にコスタリカのココ島の沖で拿捕されたわけですが、この漁船を含めて五、六隻のものがこの海域に行っておったわけでありますけれども、こういう外国の海域に行くものについては、それぞれの国の二百海里あるいは領海がどういう状態になっておるかということについては、あらかじめ第二長久丸の場合であれば日鰹連から漁業者の操業の安全の手引きというものを手に入れております。これは第二版、昭和五十年十二月編の日鰹連発行の「安全操業の手引き」というものでありまして、これによりますと、コスタリカ政府発行の官報、一九七五年八月三十日付の「外国漁船に対するまぐろ漁業規則」の第一条では、問題が起こりましたココ島海岸線より十二海里内の海域においてマグロ漁業に従事する外国国籍漁船は、コスタリカ当局に対し当該漁船の登録を行わなければならない、となっておったわけでありますけれども、これでいいと思って行っているわけですね。ところが、後ほどになってよくよく考えてみると、実はコスタリカにおいてはこれの改正が昨年行われまして、昨年の八月二十九日に大統領が署名をして、この署名をした場合に、官報に告示をしたときをもって新しく改正が発足をする。この官報の出ましたのが十月の二十八日、つまり、漁業規則の改正が昨年の六、七月にずっと進みまして、八月二十九日に大統領が署名をし、十月二十八日に官報に告示され施行された。これを水産庁は全然知らない。それを日鰹連は、水産庁知らぬから当然連絡を受けてない。操業している漁船は、従来からの「安全操業の手引き」で、それでいいものだと思って操業していたところが、拿捕されるということになって何が何だかわからないという事態になる。連行される。少しでも軽くなったらと思って、どういうふうにされたか知りませんけれども、何も買収供応をやろうなんという——外国に行って、勝手のわからぬところで、少しでも心証をよくしようと思って、船長、漁労長が何か物でもやろうかと思うのは……(「日商岩井とは違う」と呼ぶ者あり)日商岩井とは違うんですね。これは勝手のわからぬ外国で、しかも何かわからぬ理由でということで。それは本論の問題ではない。  そういうことで、日鰹連のパナマ駐在の者がすぐ飛んでいく、地元で弁護士の応援を頼むということで、やっさもっさして、十五日の日に仮釈放の段取りになった。金を積んで、そして一たん船が出て、数カ月後に裁判ということになっておるから遠いところに行けない。  こういう状況で、私ここに大門長衛さん、船主から、この間もおいでになったり文書をもらったり、現地の新聞であるとか、船主と船長とのやりとりの電文であるとか、いろんな資科、膨大にもらっておる。そして船長も漁労長も乗組員も、こういう事態についての行政の責任というものについて、やはりふんまんやる方ない気持ちを持っておられる。当然だろうと思う。  私は、この問題については、私がいま言ったようなことから、どこでパイプが詰まったかということを厳密に聞けばわかるんですけれども、いずれにしても、これは船主、操業に行っておる第二長久丸には全然責任のない理由によってこの拿捕事件が起こっておることは明らかである。そういう点については、政府、行政庁の手落ちであるし、これはやはり手落ちをしたという責任の立場からこの問題に対応する必要があるというふうに私は受けとめておるわけでありまして、この問題については当然大臣も御同意であろうと思いますが、渡辺大臣から、その点についてのお考えを聞きたい。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 今回の事件につきましては、御指摘のとおり、情報の収集や伝達におくれがあって、関係業界に対し適時適切な指導を行い得なかったということは、まことに遺憾であると私は考えております。したがって、本問題の処理に当たりましては、外務省を通じまして、刑の軽減等できるだけ穏便に処理されるように、相手国政府に対して要請をしてまいりたいと考えております。また、漁業関係者に対しましては、国としてもできる範囲で誠意を持って対処をしていくつもりでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 渡辺農林水産大臣から、政府としても経過から見て手落ちを率直に認められる、そしていま言われたように、裁判上の問題については、これはやはり在外公館その他も含めて御協力を仰ぎたい。船主あるいは第一線の船長、漁労長、船員も、一方ではこういうことに対する非常な怒りを持ちながらも、後から裁判の問題がある。この点についてはやはりそれぞれ協力も仰がなければならぬ点もある。なかなか複雑な気持ちだと思いますけれども、拿捕から解決までに要する費用として、私の手元にも船主から、二月十八日釈放までに要した費用千二百二十九万四千八百七十四円、漁具没収及び流失による損失九十六万六千一百五十一円、拿捕されなかったら漁獲し得た水揚げ高千五百八万二千六百三十五円、裁判開廷による予想費用二百三十四万七千二百四十円、締めて三千六十九万九百円、こういうふうにいろいろ根拠に基づいて出てきたものが私のところへ資料が来ております。釈放までに要した費用や漁具の没収、流失の損失やら本来操業しておれば得られたであろう水揚げ高やこれから予想される裁判に関する費用というのは、船主、行っております船の責めにならないことで三千万円程度の損害を受けなければならぬという立場にあるというふうな資料も私に提示しておりますので、いずれにしても大臣はこの問題については誠意をもっておこたえしたいということですから、そのことを受けとめて、あとの質問もありますから、善処を願うようにお願いをいたします。  この問題について、二度とこういう事態が起こらないためにどうするか。どこかでバイブが詰まっておって日鰹連にそれが行かない、第一線の船にそれが届かない。これを契機にそういうことにならぬように、外務省としてどうするのか、水産庁としてどうするのか、簡潔にそれぞれからお答えを願いたい。

田中雍彦外務省アメリカ局中南米第二課長

○田中説明員 外務省といたしましては、今後とも迅速なる情報伝達のために、農林水産省とも十分連絡をとって一層連絡を緊密にしてまいりたい、そしてこういう事故が二度と起こらないように努力していきたいと考えております。

森整治水産庁長官

○森政府委員 当然のことながら、もう一回すべて点検をし直しまして、情報がちゃんと流れるようにするということ、さらに情報収集、伝達の組織について十分な措置をとってまいりたいというふうに思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ただいまの点については、いただいております資料の詳細に基づいて質疑を展開するというのは、時間の関係もありますし、きょうは法案の日でもありますので、ぜひ大臣が御答弁になりましたように誠意をもってこの第二長久丸の問題の処理に当たっていただきたいということを強くお願いを申し上げておきます。  そこで、国内問題に入りまして、今度の法案と関連をして、まず大前提として少しお伺いをしておきたいのでありますが、水産金融の問題です。水産金融問題についての金融全般におけるポジション、こういうものをまずお伺いをしたいと思います。  戦後の時代は沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へと外延方式でずっと伸びてまいりましたが、高度成長期の水産金融の状態、石油ショック時における臨時応急手当ての水産金融の時代、それから五十一年以降二百海里時代を迎えて減船その他が深刻に進んでくる、そういうことに対する水産金融の対応の仕方というふうに、いろいろ節々があったと思うわけでありますが、そういう中で系統金融の比重が非常に大きくなり、一般金融の比重が相対的に後退をする、制度金融の農林公庫等の比重を強めていかなければならぬという情勢にあると思うのでありますけれども、そういった点についてまずお伺いをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 漁業の融資につきましては系統のウエートが非常に高まってきておるわけでございます。こういう中で政府といたしましては、いろいろ近代化資金の増枠を図る、それから漁業金融公庫の資金制度の改善を図っていくということを今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 二十三年三月末で、金融全体の中に漁業金融の占めるウエートというのは二兆千四百十三億円、全体の中では〇・八二%、こういうふうに見られておるわけでありますが、貸付残高に占める金融機関別の割合を見ますと、系統金融が比重をずっと増してまいりまして五六・四%、一般金融が二八・一%、政府金融が一五・五%。それで一般金融というのは、最近の水産界の情勢から見てなかなか慎重な対応をしようとする、あるいは選別をしようとする傾向が強まってまいると思います。それであればあるほど系統金融の漁業者から求められる比重は強まりますし、同時に系統金融と制度金融とのそれぞれの持ち分の中で政府金融の役割りというのがこれから一層強まってくると見なければならないと思います。  ところが、系統金融については、いままで漁協、信漁連、農林中金といった形で非常に系統金融が貯蓄高をふやしてまいりましたけれども、これからの状態はどうなるか。系統金融に対する要請は強まりますけれども、系統金融自身が持つ資金というものが、今日までのようにダイナミックに対応できるほどの資金量をより一層確保できるかということになると、沿岸漁業、沖合い漁業の振興との見合いということに当然ならざるを得ないと思いますが、それだけにやはり政府金融の比重というものを農林漁業金融公庫を含めて強めていかなければならぬ、こういう認識については政府も間違いございませんか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 最近、御指摘のように、系統金融の財源もいろいろ貯蓄等を中心に必要な資金を自賄いできるようになったわけでございます。五十三年度以降もさらにその貯蓄の展開に努め、そして資金を確保するということについていろいろ努力をしていることは先生御承知のとおりでございます。  そこで、私どもとしましても、そういう運動を側面から支援すると同時に、農林漁業金融公庫あるいは近代化資金の融資枠を充実するということのために、側面から増大する資金需要に対応してまいるように努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 水産金融の問題について漁業団体から広範な要請が出ておりまして、それに対して政府、農林水産省としてことし改善をした中身、宿題になった中身、これはいろいろあることは私も承知しておる。それから、これからの問題についてどういうふうにやっていくか。系統金融、制度金融の漁船融資等を初め、交通整理を今後どうしていくかという問題もある。ところが、前段の部分で相当時間をとりましたし、きょうは本会議までに時間をあけるということで、私も予定質問を二十分カットするというたてまえに立っておりますので、きょうはそういう点について深く触れられません。そこで、次に入りたいと思います。  今度の沿岸漁業改善資金を実際にやっていく場合には、県段階においては信連等の受託機関の体制ということが一つ重要になる。そこで、農業団体の関係の信用部門、漁業団体の関係の信用部門というのを見てまいりますと、やはり農協の方がスタートが早かったし、体制も比較的漁協よりはとれておる、そういうことでありますが、こういう状態の中で今回沿岸漁業改善資金をやる場合の信連等の受託機関の受け入れ体制というものをどういうふうにしてきちっとしていくかという点についてお答えを願いたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 信漁連につきましては、改善資金の融資のための体制はまず連合会としては整っていると思います。この貸し付けの事務が信漁連に委託することになっておるわけでございますが、これがさらに事務を再委託するという場合には、円滑な融資を図るということから事業実施の体制の整っている信用事業の実施組合に再委託をするというように信漁連を指導してまいるつもりでございます。  漁業協同組合につきましては、経営基盤の脆弱なものも数多くあるということから、従来から漁協の合併を進めてきておるわけでございますけれども、最近その数が非常に落ちてきていることも事実でございます。昨年から漁業協同組合の整備強化の指導事業を実施いたしまして、来年も引き続き実施をいたしますが、零細規模の漁協の整備強化を図っているわけでございまして、これらの事業等によりまして漁協の体制整備を図る方針でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私の地元の関係はカツオ・マグロ漁業の比重が非常に高いわけでありますが、過般、県のカツオ・マグロの組合に行ったときにも強くお話が出ておったのでありますけれども、五十一年に融資した経営維持安定資金の償還がこの四月から始まることになっておるわけですが、カツオ・マグロの今日の経営の現状から見てなかなか返済は困難な条件に置かれておりますので、業界として何とか償還期限の延長を考えてもらいたいという強い要望が出ておるわけであります。  私は、この機会に、政府としてカツオ・マグロの現状をどういうふうに認識しておられるか、いまの経営維持安定資金の償還期限の延伸といったような問題についてどう対応されようとしておるか、こういう点についてお答えを願っておきたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 カツオ・マグロにつきましては需給のアンバランスが出てまいりまして、一昨年からずっと昨年来、円高等の問題、それからカツオの豊漁の問題それから国内需要が沈滞したというようなことで生産者価格が低迷をしておる。そこで、その需給バランス回復のために昨年の九月からことしの二月まで生産調整が行われた。片っ方でいろいろ援助資金等を使ってかん詰め等をさばくというようなことをやっておるわけでございますが、ごく最近のカツオの価格につきましては百八十円台が出てまいり、今後どういう価格推移になりますか、ちょっと予断は許しませんが、今後なおカツオの漁業の経営の維持安定につきましてよく注意していかなければいけない。また、業界におきましても、このカツオ漁業の問題につきましてどういうように今後対応していくかということにつきましていろいろ検討しておるわけでございます。これも見まして私どもとしてはいろいろ考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。  そこで、当面、カツオ・マグロにつきまして五十一年度にすでに融資いたしました経営維持安定資金が四月から償還に入るということになっております。したがいまして、カツオ・マグロ全体の価格動向のいかんによりますが、キハダは問題もございましょうが、マグロについては一応回復してきている。それから、冷凍カツオにつきましても先ほどのように低迷しておりますが、若干また値も戻したということがあって、今後のこれらの状況を見まして、経営維持安定資金の償還の問題につきましては経営状況等を慎重に見きわめながら検討をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 検討でなくて、この要望については誠意をもって対処したい、こういうふうにぜひ、もう一回答弁を求めておる時間的ゆとりはありませんが、そういう気持ちでぜひ受けとめていただきたいと思います。  そこで、法案の中で、同僚の新盛君、馬場君の方からもお話が出ましたが、まず水産業の改良普及事業の問題について、私どもの先輩であります赤路さんが水産業改良助長法というものを国会に出すというようなことでわが党で準備をした経緯がございます。元来、農業改良助長法については昭和二十三年七月十五日、法第百六十五号でスタートしておるわけであります。水産業専門技術員七十四人、水産業改良普及員四百三十九人、それから農業改良助長法に基づいて要員になっております中から生活改善普及員で漁家担当ということにされておりますのが百五十六人というのが現状でありますけれども、後の一つは別として前の二つについては、先ほども新盛君から言いましたように、水産業改良普及事業推進要綱といったようなもので今日までやってきておるわけであります。これはやはり沿岸漁業を重視をしながら、沖合い漁業も含めてまず日本の近海のところでがっちりした基礎をつくらなければならぬ時代を迎えておる。そこで、遅まきながら沿岸漁業改善資金の創設もやろうという時期でありますから、これにタイアップをします、いま言った水産業専門技術員や水産業改良普及員を含めた水産業の改良助長というものについては法的整備をする必要があるというふうに思います。  これらのこれからの進め方についてお考えを聞きたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 現在の普及員の制度が沿振法の十一条に基づいておりますことは御承知のとおりだと思います。いまの御指摘は、新しい時代に入ったからこれについて新たな法的整備の措置を講ずる必要はないかというふうな御意見であったと思いますが、いろいろな普及事業といま提案しておりますこの法案に基づきます各種の普及の事業、相互にいろいろ関連をしてくる問題であろうと思いますので、これらの事業の今後の推移を見て、先生御指摘の問題については検討させていただきたいというふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この沿岸漁業改善資金について当初二十五億からスタートするわけですけれども、これからさらにこれらの拡大について、同僚議員からもすでに触れられましたので多くを申し上げませんが、農業で言えば三十一年にスタートするときは十一億八千四百万円でありましたけれども、四十一年、十年たったときでは累積が百六億九千九百万円、約十倍、そしてその後の十年では六百六十一億一千八百万円で六倍、締めて二十年間では五十六倍、累積の資金造成の総額でありますけれども、そういった形に今日来ておる。それから林業は、二十一億九千万円で五十一年に発足をし、五十三年には八十六億二千七百万円、わずか三年間で約四倍。特に農業は非常に早く、三十一年からスタートしておる。これから沿岸漁業の三つの資金で要請にこたえていくというのでありますから、スローテンポでいっておったのではアンバラが起こるということでありまして、そういう点でもやはり資金の拡大という問題は積極的な構えでやってもらいたいというふうに私からも強く希望しておきます。  同時に、この経営等改善資金、生活改善資金、後継者等養成資金、この三つの資金をいろいろ運営してやっていくわけでありますけれども、地域の実情によっては、三資金の需要というのはいろいろ県によって異なるという状況に相なろうかと思います。そういう面で、県ごとに弾力的な運用を考えていくということは実態として必要になるのじゃないか。  これらの三資金のこれからの全体的な、あるいは県段階の内部の運営の問題についてどういうふうに考えておられるのか、お答えを願いたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 最初の資金枠の拡大の問題でございますが、これは農業、林業につきまして、先生が御指摘になりましたとおりに、相当資金量としては伸びておるわけでございます。水産につきましても、非常にこの制度は私ども水産になじむ制度だというふうに考えておりますので、農業、林業に負けずに、需要に応じましてその資金枠の拡大には今後とも努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。  それから後段の、それぞれの資金の需要につきましての弾力的な運用についての御指摘がございました。県につきましてはその地域によりました資金需要にこたえられるように資金配分を行う、これは当然のことだと思いますが、今度配分されました県の特別会計の中でそれぞれの資金需要にも弾力的にこたえられるように、特別会計の勘定区分をそういう需要に対応できるように、そういうふうに指導をしてまいりたいというふうに思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 大臣に食事を許したのでありますが、まだお帰りになっていないようでありますので、大臣が私の終わるまでの時間においでにならなければ、あと一点の質問で終わりたいというふうに思います。  五十四年から新沿岸漁業構造改善事業等で漁村生活環境の整備が進められる。この新沿構の中で取り上げておる地域沿構、広域沿構いろいろありますけれども、地域沿構の中で漁村環境施設整備事業というのをやるし、また別途新沿構の中で漁村緊急整備事業というのをやられる。いずれにしても、これは漁村の環境整備にかかわる問題である。それから、去年から発足したわけでありますけれども、漁港事業の中の漁業集落環境整備事業というのが去年から発足して、ことしはさらに予算を増額して進めていく。それと今度無利子でもってお貸しします沿岸漁業改善資金、漁村の環境整備、漁家の生活改善というのは相関連をしておる問題であります。これらを有機的に結びつけて、総合的に立ちおくれておる漁村の環境というものをよりよく整備することが望ましい、こう思うわけであります。私も伊勢湾の内海でありますけれども漁村の出身で、あちこち漁村地帯を回りますと、農村部よりは漁村の環境整備を急がなければならぬということを痛感する一人であります。  いま言った三つの問題がそれぞれ行われていくわけでありますけれども、いかにこれらを総合的に有機的に結びつけて運営をしていくのか、そういう考え方についてお伺いをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 御指摘のように、五十三年度から事業の実施に入っておるわけでございまして、それが漁業集落環境整備事業でございます。来年度から新沿構で、いま先生御指摘の環境整備の事業が行われるようになる。同時に、漁業村落の振興緊急対策事業が実施されるというわけでございまして、これと今回の個人的な環境施設、公共的なもの、それらをいろいろ関連づけまして、いま立ちおくれております漁村の環境整備も進めてまいるということは非常に重要なことだというふうに認識をいたしておるわけでございます。これらの各種事業を、確かに先生御指摘のように、地域の実態と必要とする施設の内容等に応じまして、相互に関連させながら効率的に運営していくように、いろいろ今後各都道府県を指導していきたいというふうに思っておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 以上でもって終わらせていただきます。  ありがとうございました。

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後一時四十六分休憩      ————◇—————     午後三時十分開議

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。神田厚君。

神田厚民社党

○神田委員 沿岸漁業改善資金助成法について御質問を申し上げます。  この問題は、沿岸漁業の改善の資金の助成をする問題でありますけれども、日本の海の問題全般にわたって質問をさせていただきたいと考えておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。  まず最初に、現在の日本を取り巻いております各国の、日本の漁船が進んでいっております海洋における二百海里の問題でありますけれども、現在のこれの行われておる状況、そういうものについて御質問したいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 七七年の三月一日に二百海里の水域を米ソ両国が実施して以来、三次の国連海洋法会議の結論を待たずに連鎖反応的に各国で二百海里漁業水域あるいは経済水域を引きまして二百海里時代を迎えるということになったわけでございまして、沿岸国の約七十カ国がそういう対応をしているわけでございます。  わが国といたしましては、こういう二百海里を引いた国々に対しましてそれぞれ、日米、日ソが七七年、カナダが七八年、ニュージーランドが七八年、ギルバートが七八年と次々に漁業協定を締結してきているわけでございまして、現在もなお数カ国と協定の交渉を継続中なわけでございます。  いずれにいたしましても、そういう国々と漁業協定を結びまして、今後の操業の確保を図っていくことが重要な問題になっておるわけでございまして、暫定的な漁業協定をまた更新するということもございますし、新しく協定を結ぶということもございます。なおしばらくはこういう協定の改定なり交渉を行うということで、漁業の外交を推し進めながらわが国の操業を確保していくことに努力してまいる所存でございます。

神田厚民社党

○神田委員 そこで、この中で現在交渉中の国があると思うのでありますが、二百海里問題についてどの辺の国と現在具体的な交渉に入っておられますか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 いま交渉している国はオーストラリアでございます。豪州との間では昨年の七月から予備協議に入りまして、九月、十二月と本交渉をやりました。二月から交渉をやりましたが、三月に一時中断をいたしまして、現在交渉団が引き揚げておるわけでございます。入漁料の問題が主たるものでございまして、あと若干水産物のアクセス問題についても意見が調整できないということもございますが、いずれにいたしましても豪州は日本との協定ができない限り二百海里は施行しないというたてまえをとっておるようでございます。日本との交渉が終わったらほかの国とも同じようなことをやるという態度で臨んできておりますから間違いはないと思いますが、ともかく早く再開をするということで努力をしたい。  それからソ連は、もちろんいまサケ・マス交渉をやっておるわけでございます。  それからインドネシアとの協定がございます。これはちょっと特殊でございますが、一応群島理論をとっておるということのたてまえから民間で契約を結ぶことになっておりますが、これが近く民間の契約が終了するということで、その延長問題について協議を行うということで、三月十九日から両国の政府間で協議を開始しておるわけでございます。これも少なくとも延長はいたしたい。  それからニュージーでございますが、一応三月六日に割り当てを通告をしてまいりました。その後交渉を続けておりますが、この量につきましては非常に厳しいものがございまして、今後もなお努力はしたいと思いますけれども、イカを除きまして八万六千トン、これに対応いたしますのが六万五千トンでございますが、一応イカを除きます底魚につきましてそういう数字が来ておるわけでございます。  あと南太平洋諸国との交渉がございます。パプア・ニューギニアにつきましては、二月に一時入漁料延長問題がございましたけれども、二月以降船を引き揚げるという事態になっております。問題は入漁料を引き下げるという交渉を行っておりまして、引き下げの提案は向こうからも出てまいりましたけれども、どうも折り合いがつかないということで一応船を引き揚げておる。しかし、これも早く交渉を再開して早期妥結を図りたいと考えております。  あと、ミクロネシアでございます。これはパラオなりミクロネシア連邦が本年の一月一日から二百海里を引いております。それからマーシャルが七月から二百海里を設定する予定になっておるということで、パラオとミクロネシア連邦につきましては民間の漁業交渉を行っております。マーシャルとも時期を失せずに交渉を行いたいと考えておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、問題は、特にオーストラリアなどにつきましては、一説によりますと輸入問題、貿易問題等も含んでいるというようなことも言われておりますが、そういう中での解決というのはいわば政治的な解決が求められているわけでありまして、二百海里の交渉自体がすべてそうでありますけれども、特にオーストラリア問題あるいはニュージーランド問題は貿易問題とも密接な関係があるというふうな感じがしておりますが、その点につきましては大臣はどんなお考えをお持ちですか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 大臣からお答えになる前に……。  豪州との関係については、豪州側は、日本と豪州との経済全般の問題の中の漁業の問題として基本的には、考え方としてはとらえている節がございます。ただ、日本の方は魚は魚という立場で一応対応しておるわけでございまして、その辺は、昨年ニュージーランドと日本との間で農産物の貿易問題を絡めての入漁交渉がございました。ある意味では、基本的な立場は変えないで協定上の問題と協定以外の問題とをそれぞれ相互に理解し合って解決したという形になっておりますけれども、豪州の場合は、直接は、何か具体的な話というよりも、水産物の貿易問題を協定前にいろいろ事前に話し合いながら解決していきたいという感じの問題がございます。私どももそのこと自身につきましては別に、お互いに貿易がよくなるということにつきましては決して反対ではございませんけれども、魚をとらせてもらうのに何か条件がつくということについて抵抗を感じておるわけでございます。形式問題というふうに一概には言えないかもしれませんけれども、そういう協定の案文をつくる、あるいは何か文書を交換する、そういうことの表現の問題に手間がかかっておるというふうに御理解をいただいた方がいいのかもしれません。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 ただいま水産庁長官から大体お話をしたとおりでありまして、先方は日本にいろいろ売りたいですからいろんなことを言ってくるし、私の方としては、漁業は漁業で切り離してやろう、こう言ってきておるわけです。しかし、最終的にはお互いに国同士の話ですから、そこは合縁奇縁で、わかったようなわからないようなところもあるけれども、結構まとめてきたというのがいままでの実情であります。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、これは一番近い時点で中断しているわけですね、三月の中旬ということは、二、三日前か四、五日前か知りませんけれども、そういうことでのこれから先の見通し、これからどういうふうにその問題を打開していくのかということについてはどういうふうにお考えですか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 オーストラリアは、いまのところ早ければ四月半ばにも実施するということできたわけでございまして、わが国の漁船の寄港問題も絡んでおるわけでございます。したがいまして、できるだけ早い機会に交渉を再開いたしまして、協定が早期に妥結できるように努力をしたいというふうに考えておるところでございます。

神田厚民社党

○神田委員 もうこれは季節や何かということではなくて、ずっと出漁しているわけですから、早い時期で、向こうの考えもありますけれども、こちらの方の立場としてはいろいろ出漁計画やその他もあるわけでありますから、その交渉についてなお早く進めていかなければならないと思っているわけであります。  話を聞いておりますと、南太平洋関係は一般に入漁料の問題が非常にネックになっているようであります。この入漁料の問題につきましては、私はこの前の農林水産委員会でも御質問申し上げたのでありますが、この交渉は当然国がするのでありますけれども、どうも漁業者の力を超えた存在になってきておりまして、それで漁業者にこれを全面的に負担をさせるということもなかなか無理な形になってきているのではないかという感じを持っているのです。  したがいまして、入漁料の交渉の問題と入漁料そのものについて、政府としては漁業者に対してどういうふうな考え方を持っているかという問題、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 入漁料が南太平洋の場合に非常に割り高になっているということは、いままでの経験からいたしますと、そういう面はございます。このことはカツオ・マグロ漁業全体の漁業の動きとも実は関連をいたしている問題でございますけれども、ことに最近カツオの一本釣り漁業というのが非常に窮地に立っておる、その中で南太平洋との間にいろいろ入漁料交渉が行われておるということも関連いたしていると思いますけれども、いずれにいたしましても、入漁料の高い低いということは、よその国に比較してどうかということが一応比較の基準になると思います。そういう意味で、確かに高額な面は避けられないということでございますが、その入漁料のある一部を直接国が負担をするということは、やはり経済的な行為につきましての負担を国が持つということは、考え方として、それは経費の一部として見るべき問題だというふうに私ども理解をいたしておりますし、いまこれからいろいろ入漁料の交渉が行われる中で、政府が入漁料の負担を持つということが今後の交渉で相手方に与える影響というのを考えますと、いまそういう考え方をとるつもりはないわけでございます。  しかしながら、そうは言いましても、確かに支払いの方法といたしまして、精算の方式、要するに割り当てがありまして実際にとった、そのとったものに応じて金を払うというのがアメリカ等のシステムでございますけれども、南太平洋ではそういうことでなしに一括前払い、先に金を割り当て量に応じて積んでしまうということを要求しておるようでございます。したがいまして、とれてもとれなくても払わなければいけない、行かなくても払わなければいけない、こういうような問題もあるわけでございます。  こういう問題に着目をいたしまして、今回、来年度の予算といたしまして南太平洋の漁業の振興基金を設けまして、その入漁料の支払いに充てるための資金につきまして利子負担の軽減措置を講ずるというような対策を講じたわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 これはまだいろいろ交渉段階でありますが、この二百海里問題に対応して、水産庁としても早くこの交渉中のところについては解決できるような方針でひとつ努力をいただきたい、こんなふうに考えております。  関連しまして、先ほども御質問がありましたけれども、北洋の漁業の問題、特に日ソの漁業の関係が昨日から開始をされたわけであります。この問題につきましては、非常に情勢が厳しい中で、さらにまた大臣にも御努力をいただくわけでありますけれども、私は、この問題につきましてはちょっと観点を変えまして、北方の四島、国後、択捉、歯舞、色丹、この周辺の水域の問題につきまして御質問申し上げたいと思うのでありますが、御案内のように、防衛庁もあるいは政府も、ここのところ国後、択捉のソ連軍の新しい軍備の増強ということを指摘しておりまして、そういう中で一段と、特にその国後、択捉についてはソ連の方の権利の主張というのが激しくなってきているわけでありまして、その水域にかかわります漁業者に対しましても、たとえば実弾の射撃練習とかいろいろな面で非常に大きな不安を与えているわけであります。  したがいまして、私は、この北方の水域というものがわが国のいわゆる領海としてきちんと画定がされているのかどうか、こういう問題も含めて御質問をしたいと思っているわけでありますが、まず最初に、この北方四島周辺がわが国のいわゆる漁業水域であるという、こういうふうに考えられるのかどうか、その点はいかがでございますか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 北方四島はわが国の固有の領土でございまして、漁業水域に関する暫定措置法におきまして、これらの周辺水域にはわが国の漁業水域が設定されていると考えております。

神田厚民社党

○神田委員 いわゆるソ連邦の最高会議幹部会令、こういうものやあるいはソ連邦大臣会議等の決定が一つの日ソ条約の基底をなしているのだろうと思うのでありますが、この中で特に問題になりますのは、ソ連邦の大臣会議の決定では、「ソ連邦沿岸に接続する太平洋及び北氷洋水域における生物資源の保存及び漁業規制に関する暫定措置の実施について」という一九七七年二月二十四日に決められたものの中で、「ソヴィエト海峡及びクナシリ海峡ではソ連邦国境」これを自分たちの領域であると言っている。この点は水産庁長官は御存じですか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 承知しております。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、地図で言いますと、具体的には「ソヴィエト海峡及びクナシリ海峡」というのは、日本が領海を主張していることと矛盾はございませんか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 この問題につきましては、いま先生御指摘のように、ソ連邦の最高会議幹部会令と、いま先生指摘されましたソ連邦の決定に従って定められる水域については、日ソの暫定漁業協定、要するに日本側がソ連の二百海里内に入っていく方の日ソの漁業暫定協定におきましては、その水域ではソ連邦の権限のある機関が発給する許可証を有していない限り漁業を行わないという合意をしておるわけでございまして、その地域がたまたま日本の二百海里の水域と先ほど御答弁申しました区域とダブっておる関係にあると理解をいたしております。

神田厚民社党

○神田委員 そうすると、素朴な疑問は、わが国漁船がなぜ自分たちの二百海里の中で魚をとるのにソビエトの許可をもらって操業しなければならないのか、こういう問題が一点あります。  それからもう一つは、ソビエトのソ連邦大臣会議の決定を認めた形での日ソなりソ日の漁業協定には非常に重大な疑問があるし、これを認めることには大きな問題があると考えますが、その点はいかがですか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 第一の問題につきましては、いまの日ソの漁業暫定協定の一条なり五条の一項で、そういう水域については権限あるソ連の方の許可証を有しない限り漁業を行わないと規定をしておるわけでございまして、いまの地域がいわゆる根室海峡と珸瑶瑁水道、これがそれぞれ向こうで言っている国後海峡とソビエト海峡ということになると思いますが、そう主張する境界が、向こうの政府の決定に基づいて決められている水域と読めるわけでございます。  そこで、わが国としましては、この北方四島はわが国固有の領土と考えておるということは先ほど御説明いたしましたが、ソ連が実際上そういうことで支配を及ぼしている現実を踏まえまして、わが国の漁船の操業の安全を確保する、このために領土問題に関するわが国の立場は同協定の八条で留保をいたしておるわけです。そこで、その留保をした上でソ連の許可証を取得して操業させることにしておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 大臣にもちょっとお聞きしたいのですが、非常に大事な問題なんです。つまり北方四島がわが国の固有の領土である、そしてその水域がわが国の固有の領海であるということから考えれば、二百海里でお互いにダブっているところはきちんと主張しなければいけないと考えているのです。つまり、そういうことがいろいろ問題になって交渉が難航した経緯はありますけれども、現在のような国後、択捉の状況を考えますと、いままでのような形で、ソビエトの大臣会議が指摘しているような「ソヴィエト海峡及びクナシリ海峡ではソ連邦国境」を二百海里以内にしているということ、ソ連邦国境は、日本の方で言えば、さっき言ったように根室海峡と珸瑤瑁の水路だということであると、それは非常に大きな問題を残すのであります。  この点につきましては、大臣としては北方の四島の漁業水域の問題についてはどういうふうにお考えになっていますか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 水産庁長官からもお話があったように、北方四島はわが国の固有の領土であると考えておるわけです。しかし、向こうは向こうでともかく領土問題は解決したとかどうとか言ってかってに線を引いているわけですから、そこに入っていけば日本の漁船がどんどんつかまってしまう、これはいいとか悪いとか言ったって現実がそうなっておるということになれば、その現実に照らして、われわれの主張は譲るものではないけれども、そこで日ソ間で漁業協定を結んでそういうトラブルが起きないようにやるほかないなということで話を進めてきておるところでございます。

神田厚民社党

○神田委員 大臣はこれから交渉の当事者になるわけですから、言うことにも遠慮があると思うのでありますが、この問題はもう少しきちんと、魚をとるのだからそうだということじゃなくて、それならばもう少し工夫があると思うのですね。たとえば、いわゆるソ連邦大臣会議等の決定については認めない方向でいかなければならないと思うし、またこれからそこのところの問題がいろいろ出てまいります。年間何回かソビエトの実弾射撃があるから危険水域に入るから今度はそこへ入るなということもまた通告される、そういうことが多くなってくることが予想される。そういうことを考えますと、魚をとるための便法だということではもう通らないわけでありますから、国としてのきちんとした方針のもとで漁業の問題についてももう一度やり直すようなつもりで、決め直す形で取り組んでいかなければならない問題だと思うのです。非常にむずかしい問題であることはわかっておりますけれども、その辺のところがあいまいになりますと日本の権利がどんどん後退してしまうという印象を持っているわけであります。その点を交渉に当たる大臣の方に強く要望しておきたい、こんなふうに思うのであります。  続いて、外務省にせっかく来ていただいておりますからお伺いいたしますが、いわゆる領土権の問題は漁業の中では余り触れられない、別にするということでありますが、外務省としては北方四島の水域はどういうように考えておりますか。

兵藤長雄外務省欧亜局東欧第一課長

○兵藤説明員 お答えいたします。  ただいま農林水産大臣並びに水産庁長官から御答弁がございましたように、北方四島水域の問題、究極的な解決は先生先刻御承知のとおり北方領土の解決なくしてはあり得ないわけでございますが、現在この北方四島水域に不幸にしてソ連邦が現実に漁業管轄権を及ぼしている事実が一方にあるわけでございます。それに加えまして、わが方がこれら四島周辺水域におきまして、他のソ連邦の二百海里水域におけると同様の条件及び手続をもちまして操業の安全を確保するためにはソ連邦と何らかの取り決めを行う必要がある、こういうことでございまして、法律的には必ずしも北方領土問題が解決しない限りかかる実際的な取り決めを結んではならないということではないわけでございます。そういう考慮がございまして、先ほど大臣の御答弁もございましたけれども、日ソ漁業協定におきましては、一方におきまして、その第八条におきまして、わが方の従来の領土権に対する主張というものを明確に留保いたしました上で、実際的な解決方法として、この北方四島水域に現実にソ連邦が漁業管轄権を及ぼしているという現実を認めまして、そこでこの漁業を確保した、こういうことになるわけでございます。したがいまして、この八条というものが明確に留保されている以上、従来の領土権の主張にこの実際的な取り決めはいささかも影響を与えるものではないという立場を私どもはとっておるわけでございます。  ちなみに、ソ日漁業協定におきましては、先生御承知のとおりに、暫定措置法というものが適用される水域ということで北方水域もこの水域に含めている。ただ、現実の問題といたしまして、わが方の漁業管轄権は不幸にしてこれらの水域に事実上及ぼし得ないという状態になっておる、こういうことが法律的に見た今日の現状かと考えておる次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 それでは、外務省の課長さんに聞きますけれども、先ほどからお話しになっておりますいわゆるソ連邦の大臣会議の中で「ソヴィエト海峡及びクナシリ海峡ではソ連邦国境」を基線とするのだということについては、外務省ではどんなふうに考えていますか。

兵藤長雄外務省欧亜局東欧第一課長

○兵藤説明員 先生御案内のごとく、ソ連邦の二百海里の法制化というものは二段階で立てられているわけでございます。つまり、幹部会令というものが基本にございまして、それを受けて、具体的にどこが二百海里水域としてソ連の二百海里水域法の適用を受けるかということは大臣会議で決めるというたてまえになっておるわけでございまして、先生先ほど申されましたように、その大臣会議決定によりましてソ連は具体的な水域を定めた。その中に、この二百海里水域はどこまで及ぶのかという項目の中に、第三番目に、ソビエト海峡、国後海峡のソ連国境の地域まで及ぶ、こういうことが書いてあるわけでございます。  一方、わが方は領海法というものをしきまして、わが方はわが方でどこまでが領海であるかということを明確に定め、さらにそれに基づきまして二百海里の暫定措置法というものがどこまで実際に及ぶかということもはっきりとそこで決めているわけでございます。  いずれにいたしましても、わが方の法制上も北方四島はわが方固有の領土である。したがって、この距岸十二海里はわが方の領海である、こういう立場に立っているわけでございます。しかし、先ほど申しましたように、不幸にいたしまして現実に漁業管轄権を及ぼしているのはソ連であるという現実の上に立ちまして、いま申しました原則の立場、わが方の法的な原則の立場は明確な留保を施した上で実際的な取り決めを行った、こういうのがわが方の法律の組み立て方でございまして、わが方の立場は、ソ連と結んだ日ソ漁業協定、ソ日漁業協定によってこの基本的な立場はいささかも害されていないというふうに解している次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 時間がありませんから、この問題については後でまたゆっくりやらしてもらいたいと思うのであります。大体、こういうものが出たときにきちんとした抗議がされているのかどうか。それがソビエト海峡、国後海峡のソ連邦国境まで及ぶということがきちんとした形で向こうで通告されてきている中で、外務省なり日本政府はきちんとした形でそれを打ち消すようなものをお出しになっているのかどうか。そういう問題も非常に問題でありますけれども、その問題は後でまた議論をさせていただきたい、このように考えております。  ところで、時間がなくなりましたので先に進ませてもらいますが、外国船の日本沿岸における問題でいろいろトラブルが起きております。この問題で、特にいま大きな問題になっております韓国漁船との問題につきまして御質問申し上げますが、日韓両国は友好親善をさらに深めていかなければならないし、そういう意味ではこういうような韓国漁船による日本沿岸でのトラブルというものが非常に憂慮にたえない状況でありますが、ひとつこの問題につきましてはどんなふうな状況がありまして、そして日本の政府としてはこれをどういうふうに考えていこうとしているのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 韓国漁船の操業によってトラブルが生じている大きな場所は北海道である、山陰沖におきましても若干の被害がございますが、基本的には——基本的といいますか、大きな問題は北海道周辺における韓国漁船の操業であるというふうに理解をいたしておるわけでございます。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  本件につきましては、昨年の日韓の閣僚会議以後、次長同士の会談ということで二回開かれました。ごく最近の二月十五日、十六日に次長会談を最終的には持ったわけでございますが、一応わが方が、底びき漁船の守っておりますオッタートロールの禁止ラインというのがあるわけでございまして、その外で操業をしてもらうようにいろいろ規制措置を韓国側に求めておるわけでございますが、それにつきまして、結論といたしましては、日本側の国内事情は理解したと言いながらも、結局採算面等いろいろ問題があるから、わが国の主張は受けられないということで終わっておるわけでございます。  そこで、簡単に言えば、次長会談もうまくいかなかったというわけでございまして、大臣の御指示によりまして、今月中には両国の水産庁、向こうは庁長と申しておりますが、庁長と水産庁長官との間で会談を持ちたいということで申し入れをいたしております。近くその会談の実現を見る予定でございます。  その場合におきましては、やはりわが方の漁民が守っておりますそういう規制のライン、これは何としてでも韓国側に認めさせなければ紛争は一向解決しないし、場合によりましては非常な事態も発生しかねないという認識を持っておるわけでございます。今後強く交渉に当たってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 この問題についてはいろいろ問題を含んでいると思うのですね。たとえば、これは二百海里問題等との関係も持っているわけでありまして、いわゆる操業区域等の問題が残されている大きな問題だというふうに聞いているわけであります。  そこで、大臣にお伺いしたいのでありますが、この韓国漁船との安全操業の問題について、政府としてはどういうふうな形でこれに対応しようとしているのか、操業区域等の問題も含めまして御答弁いただきたいと思うのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 ただいま水産庁長官から答弁したように、話し合いで、なるべくオッタートロールの禁止区域から出てもらうという交渉をやっておるわけです。それは二百海里を全部引いてしまうんだといえば一番簡単なんですが、そうすると日本の場合は西の方も影響が出てくるわけですから、こっちの騒ぎがなくなったら今度は南の方の騒ぎになったということでは同じ話なんです。そこで、そういうことにならないようなことが一番いいということのために交渉をやっておるわけです。どうしても聞かないときには、何か一方的な方法でも考えるほかありませんが、その前にまだ尽くすべき手はありますから、それを続いて話し合いをしていこう、今月末にもまたやろうということになっているわけです。  余り具体的に、交渉をする前に、これがだめだったらこれ、これがだめだったらこれというようなことを全部種明かしをしてしまうわけにはいかないので、その点は御了解を願いたいと思います。

神田厚民社党

○神田委員 二百海里を一方的に引くということは、非常に国際的な問題でもありますから、慎重に検討していただくことが一番いいのでありまして、そういう意味では、そういうお考えもあるということはわかりますが、ひとつ十二分に慎重な検討をいただきたい、こういうふうに考えております。  時間が参りましたので、この沿岸漁業改善資金助成法の中身の問題につきましては、大筋につきまして私どもすでに賛成でありますから、これから先のいわゆる資金需要の問題や、あるいはこの助成法案が有効に機能して、その所定の成果をおさめられるようなものを持つと同時に、後継者の問題等、この法案によって寄与する部分も非常に大きいというふうに考えておりますから、そういう意味ては、これから先この法案か有効に動けるように、所要のいろいろな問題についてまた細かく話し合いをしていきたいということをお伝えいたしまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 吉浦忠治君。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 沿岸漁業改善資金助成法案について質問をいたします。  最初に、日ソ関係の漁業問題について大臣にお尋ねをいたしたいと思います。大臣も予算委員会以来ずっとでございますので、私はなるべく少なく大臣に通告をいたしておきましたので、簡潔にお答え願って、大体通告質問が終わりましたら、時間が早ければ早いだけ早く終わりたいと思っておりますので、いずれにいたしましても簡潔にお答えのほどをお願いしたいと思うわけでございます。  昨年の四月に締結をされました日ソ漁業協力協定に基づいて、第一回の日ソ漁業委員会がきのうから十日間の予定で行われておりますが、これと並行いたしまして、北西太平洋での日本漁船によるサケ・マス漁の操業水域、漁獲量などを決める政府間の日ソ漁業交渉が行われるわけでございます。日ソのサケ・マス交渉は、これまでは日本側の一方的な撤退と言っていいんじゃないかと思いますが、こういう繰り返しであったように私は感じております。ことしの環境も例年になく厳しい状態だというふうに感じられます。特にソ連側の、交渉国のトップでありますソ連の漁業相、日本を大変知っておられるというイシコフさんから実務に強いと言われるカメンツェフ第一次官にかわったこと、こういうことから考えまして、特に日ソ関係全般が日中友好条約締結また中越国境紛争などでかってなく緊張した状態になっているのでありますが、この交渉は難航するのではないかというふうに最初から心配をされておりますが、どのような見通しのもとに交渉に臨まれているのか、最初にお尋ねをいたしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 御指摘のような、まことに明快な情勢にあるわけであります。したがって、腹にそういう情勢をよく認識した上で、極力最善の努力を尽くしてまいる所存であります。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 サケ・マス交渉に先立って行われるところの日ソ漁業委員会は、第一回ということもありまして、委員会の性格なり具体的討議の内容がまだはっきりしない面が多いというふうに私は思います。日ソ漁業協力協定によりますと、委員会の主たる任務というものが言われておりまして、一つは北西太平洋の漁業資源状態の検討をする、二番目に漁業協力計画の作成をする、第三番目に漁業共同事業の妥当性の検討をするなどとなっているようでありますが、この資源の範囲または共同事業の認識が日ソ間で必ずしも一致してないように思いますけれども、水産庁はこの点についてどういうふうにお考えなのか、またどういう態度で臨んでおられますか、お尋ねをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 第一の、資源の評価の場合の漁業資源の魚種をどうするかという問題がまずございますが、サケ・マスは当然入るといたしまして、私どもは、日ソの漁業に関係のある、あるいはソ日の協定に関係のある主な魚種を協議の対象にすべきであろうというふうに考えておるわけでございます。その点、ソ連側も同様な考え方でございましょうが、今回の第一回の会議でどの程度の資源評価といいますか、魚種についての議論をするかということにつきまして若干食い違いが出ております。これは委員会の最初に一応相談し合ったのですが、要するにどれを今回取り上げていくかということは、そう全部広くいろいろな魚種をやらないでも、当面相互に関心のあるものを決めていったらいいんじゃないかというような意見の交換が行われておりまして、具体的に科学者同士で話し合いをする、要するに対象を決めるということに相なっておるわけでございます。  それから二番目の、日ソの間の漁業共同事業の妥当性の検討という項目でございますが、いろいろ言葉があると思いますが、要するに共同で漁業をやっていく、漁労をやっていくということでございます。そういう事業が去年から日ソ間で話し合いが行われておりまして、そういう事業がここで言っていますこの委員会の共同事業というのに含まれるのか含まれないのかについて定かでないということはございました。ただ、したがいまして、そのことは今後委員会の場ではっきりしていくと同時に、もし入らないということならば入らないということで、この機会をとらえまして、日ソ間の基本的な話し合いは政府間同士できちんとしておきたいというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、どちらにいきますか、それは別にいたしまして、この際、この機会にともかく基本的な対処の方針というものは双方で合意をしたいというふうに思っておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 サケ・マス交渉に臨む日本側の基本方針というものを、早期妥結を目標とする基本方針で臨まれるようでありますが、前の委員の方々の質問にあったようでございますけれども、漁獲割り当て量の増枠でありますとか、禁漁区の開放の点、これは相次ぐ二年間の減船によりますような打撃を受けている、五割以上の減船でありますので、本年は豊漁年に当たるということも背景にございますし、資源状態が上向いているという状況もございますので、水産庁はこの問題について強気で臨んでいただかなければならぬというふうに私は思うわけです。五月一日が出漁期でもございますけれども、現在までの交渉にいたしますと百日交渉というようなことで言われておりました。このような状態で進みますと、水温の高いことしの交渉が長引きますと、その漁期を逸してしまうというふうな不安感がもうすでにいっぱいみなぎっているわけでございますけれども、早期妥結について、またこの問題は、私がいま挙げましたような問題について水産庁はどのようなお考えのもとに臨まれるか、決意のほどをお聞かせ願いたいと思うのです。

森整治水産庁長官

○森政府委員 水域の問題にいたしましても、クォータの問題にいたしましても、それから漁期の問題にいたしましても、それから豊漁年という問題、いろいろございます。ただ、別に弱気で申すわけじゃないのですが、主張がそれぞれ違っておるわけでございまして、たとえば非常に資源が回復しているかどうかにつきましては、ソ連側はかつての最高の水準の時代を考えて、それから比べるとまだ低いということを去年言っていたわけでございます。わが国は最近の時点から見れば相当資源が回復してきているではないかということを主張しておったわけでございまして、要するに基準が違うような、すれ違いみたいな話があったわけでございます。今後もそういう議論というのは続くと思います。したがいまして、決して楽観は許せない状況にあるわけでございますけれども、先生御指摘のような問題につきましては私ども十分承知をしておるつもりでございまして、今後、まだスケジュールは決まっておりませんけれども、早く政府間の協議に入って漁期を失しないよう、また、もし議定書がまとまりますれば国会の御承認も得なければいけない、そういう手続も考えました上での早期妥結ということを何とか図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 長官、四万二千五百トンの維持ということはどのようにお考えでございましょうか、その点だけ。

森整治水産庁長官

○森政府委員 最低線として努力したいというふうに考えておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 一般の要望がかなり上向いていると先ほど長官もおっしゃっているわけですから、そういう強気でもって臨んでいただきたいことを要望いたしまして、次へ参りたいと思います。  大臣にお尋ねをいたしますが、本法案の全体的な見方といたしまして、二百海里時代を迎え、わが国の水産業はきわめて厳しい局面を迎えているわけてあります。——大臣、よろしいですか。水産物の安定供給の確保を図る上から、わが国の漁業の将来をどのように展望されておられるのか、お尋ねをいたしたい。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 わが国の漁獲の確保という点については、先ほどからも言っておるように、二百海里の締め出しをある程度受けるわけですから、それをなるべく受けないように漁業外交を展開したり漁業協力をしたり、そういうことをやっていきます。それと同時に、国内では沿岸、沖合い漁業というものを振興いたしまして、その一環としてこの法案等も出しておるわけです。魚礁をつくるとか、いろいろ細かいことがありますが、長くなりますからやめます。いずれにいたしましても、そういうような両面からひとつ漁獲高の維持というものを図っていかなければならぬ、こういうように考えておる次第であります。  何といっても動物たん白とほぼ同等のたん白供給源であって、しかもこれは大量のえさを輸入して食わせなくてもいいわけですからね。ですから、これはもう海をきれいにすることを初め、各省の御協力も得て、漁業問題には真剣に取り組んでまいりたいと私は考えておるわけです。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 大臣、引き続いてですので、ちょっと目を覚ましておいていただきたい。  沿岸国によるところの漁業規制というものが今後なお強まるというふうに私は感じますが、そこで基本的にはわが国がみずからの意思で管理し得るわが国周辺水域を積極的に活用することが必要であろうと思います。この周辺水域における漁業の振興を具体的にどのように進められようとお考えになっておるのか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 具体的な施策としては、個条的に申し上げますと、漁業資源調査の実施などによってわが国周辺水域の漁業の可能性についての見直しを徹底的に行う。  それから、魚礁の設置など沿岸漁場整備開発の事業を行います。  また、栽培漁業の一層の振興を図ってまいります。それから、放流尾数の増大、つまり放流を非常にふやしていく、あるいは増殖施設の整備、サケ・マスのふ化放流事業の拡充、こういうことも行います。  四番目としては、漁港施設等漁業振興、漁業生産基盤の整備をいたします。  五番目としては、新沿岸漁業構造改善事業を発足させ、沿岸漁業改善資金制度等を新しく設けて後継者対策等にも資してまいりたいと思います。  六番目は、赤潮対策の実施など漁場環境の保全対策を強化いたします。  先ほど社会党からの質問もあったように、そのほか海のクリーンアップをしたり、いろいろなきめ細かいいままでの事業も継続してやらせていただきます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 漁業振興のためには担い手の確保が不可欠であるというふうに思いますが、漁業従事者、新規学卒者の漁業への就業等の状況がどうなっておりますか。いろいろ水産庁でも手は打たれていると思いますけれども、その点についてお尋ねをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 漁業就業者の数は漸減をしてきております。五十二年におきましては、就業者数四十五万九千人というふうに把握をいたしております。そのうち男子が約八三%で、女子が一七・五%ということになっておりまして、そのうちの沿岸漁業の従事者が約三十六万人、七八%というふうになっております。  そこで、漁業の新規の学卒の就業者はどういうことになっているかといいますと、五十一年三月で三千五十四人、そのうち中学が千三百五十四、高校が千七百、このうちの水産高校の卒業者が八百六十人ということになっておるわけでございます。卒業者中に占めます漁業就業の率で見ますと、中学の場合は余り変わっておりませんけれども、高校卒の場合は若干減少傾向にある。ただ、これは率の問題でございまして、就業者数の絶対値についてはいずれも毎年減ってきております。微減でございますが、ともかく余りふえてはいないということでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 高校卒でなくて、中学卒のときから後継者の養成をしなければ正式な担い手は育たないのではないかというふうに一貫したものが水産庁にあるかどうかをお尋ねいたしたいのですが、私の千葉県の銚子の方で、中学生に対して後継者育成のための漁業教室というのが行われております。漁協とあるいはタイアップする形。これは年々減る傾向にある後継者を少しでもふやそうというので、昭和三十九年から中学の生徒を対象にして開かれて、本年で十五回目を迎えておりますが、毎年六月にその漁業教室の授業を開始いたしまして、銚子地方気象台の方とか、あるいは県の銚子水産事務所でありますとか、県立の銚子水産高校の先生とか、天気や法律やら海図やら漁船の構造やら、あるいは漁船のエンジン並びに無線に関する知識というふうなものを吸収する、または海に出てはサバ、イワシ等の実際の漁法を習うというふうなことで、そういう漁業教室が行われておりますが、残念ながらだんだんと減ってきているのが事実でございまして、ことしもその教室を出た方で、正式に言うと十一人の方がそれを終えられましたけれども、実際にすぐ船に乗るという方が二名というくらいで、事実非常に後継者に困っている実情でございます。こういう点で、中学あたりからのこういう漁業教室を全国的にある程度指導したりあるいはそういう行き方等を水産庁でお考えになった方が、ただ学卒が少なくなってきているというだけでの説明では十分ではないのじゃないかというふうに私は考えております。  こういう点について、後継者育成における長官の決意のほどを再度お尋ねをいたしたいと思います。

恩田幸雄水産庁次長

○恩田政府委員 先生御指摘のように、後継者対策といたしまして中学生等を海にならさすといいますか、漁業に親しませることは非常に必要なことだと思っております。それで、従来から私どもは、漁業後継者対策の一環といたしまして青少年水産教室というものを実施しておりまして、水産に関する知識、それから技術を習得することを目的といたしました教材の配付あるいは集団指導、こういうことで国の助成をやっておる次第でございます。今後ともさらに後継者育成の一環としてこの点について努力をしてまいりたいと考えております。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 沿岸漁業従事者の減少または老齢化が大きな問題となっておりますが、後継者の確保、養成については対策をどのようにお考えなのか。私は、特に老齢化が大きな問題で、近年一部にはUターン現象も見られるということで、漁村地域における漁業労働力事情がよくなったようにも思われておりますけれども、実際は厳しくて、ますます高齢化が進んでいるというふうに考えております。わが国の漁業就業者の就業年齢は年々高齢化しておりまして、男子の就業者のうち六六・五%が四十歳以上の中高年齢層に偏っているというのが現状でございます。  こういう高齢化が進んでいるときに、後継者の確保、養成について対策をお尋ねいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 後継者の確保ということになりますと、やはり基本は、漁業を魅力のある就業の場にするということが一番基本的なことではなかろうかというふうに思っておるわけでございまして、そのためにいろいろな施策を講じておるわけでございます。そういう観点から漁業全体の振興を図っていく、所得を向上させていく、それと生活の面から見ましても漁村の環境をもう少しよくしていく、そういうことでやはり漁業にも魅力を感じてもらうということで、最近生活環境整備に力を入れてまいってきているわけでございます。  それから直接的には、新しい知識と技術を持った漁業の担い手づくりのためのいろいろな普及事業の充実にも今後努めていきたいというふうに思っておるわけでございます。  あと、漁村におりまして漁業に従事しておりましても、やはり福祉対策ということが今後なお重要になってくると思いますが、これらにつきましても関係各省と十分密接な連絡をとりまして一層の充実を図っていくということが、基本的な考え方なり対策ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 魚がとれれば後継者は確保できると思うのですが、何と申しましても確保のためには、漁業経営を魅力あるものにする必要があると思う。経営が進めばこれは後継者もできるし、そういう魅力あるものであればもちろん経営もどんどん栄えてくると思うのですけれども、何と申しましても沿岸漁業の経営状況というものが現在どうなっているか、これによって後継者も決まると思います。この点について再度お尋ねをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 最近の沿岸の漁業の経営は、一般的に申しまして生産なり価格が順調であったということもございまして、石油危機のとき、すなわち四十八年、四十九年を除きまして、概して順調に漁業所得が増加してきているというふうに見ております。  五十二年について見ますと、生産量が漁船の漁業を中心に増加をした、それから漁業資材の価格が比較的安定をしておった、魚価が順調に推移したというようないろいろな要素で漁業収入が増加いたしました。漁業支出の伸びが低かったということから漁業所得は増大いたしまして、漁業所得だけで家計費を充足できる状態になっております。世帯員一人当たりの所得で見ますと、農家には及ばないけれども、全国の勤労者世帯を上回るということになっておるわけでございます。  今後、漁業の大半を占めます従事者が従事しております沿岸漁業につきまして、なお一層各種の施策を通じて経営の合理化に努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 大臣にお尋ねしたいのですが、後継者の確保のためには、漁業生産の振興を図るほかに、都市等に比べますと大変立ちおくれが目立っているわけですが、この立ちおくれの目立つ漁村における生活環境の整備が不可欠だというふうに考えておりますが、大臣、この対応策というのはどのようにお考えなのか、お尋ねいたしたい。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 御意見のとおりだと思います。国といたしましては、五十三年度から漁港の整備とあわせましてその背後の漁業集落の環境基盤を整備する、つまり飲用水とか雑用水、こういうようなものの施設を直したりつくったり、あるいは用地を確保したりというような漁業集落環境整備事業ということを実はやっておるわけであります。  なお、五十四年度から新しく新沿岸漁業構造改善事業というものを実施するに当たりまして、漁村環境施設の整備として漁村センターとか廃棄物の処理施設とかを新たに事業に加えることにいたしたわけであります。また、農業及び林業とあわせまして、漁業の村落振興緊急対策事業といたしまして地域住民がみんな仲よくコミュニケーションを持てる、あるいは運動もできる、そういうような、その部落の人が円満に暮らせるようないろいろな文化施設というようなものも考えていくつもりでおります。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 次に、漁業振興のためには漁場の確保、改善が必要というふうに思われますが、二点についてお尋ねをいたしたいのです。  わが国周辺水域の資源状態についてはどのように考えておられるか、これが第一点。第二点は、資源増大に積極的に取り組む上での具体策はどのようにお考えなのか。この二点をあわせて長官にお願いしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 第一点の資源状況でございますけれども、沖合い、沿岸の漁業で見ますと、アジ、イカが減少しているほかには、イワシなりサバなりが増加をしている。資源の状況につきましては、カレイなりタイというような底魚資源は年変動が少ないわけでありますけれども、イワシ、サバの浮き魚資源というのは相当な水準にあるわけでございまして、この資源は今後当分続くものというふうに理解をいたしておるわけでございます。  漁業資源の増大につきましては、先ほどのいわゆる資源が減少するおそれのあるものにつきましては、資源の増大に取り組む、いわゆるつくる漁業ということを推進する必要があるということで、畑づくりとしての沿岸漁場整備開発事業を進める。それから、種づくりとしての栽培漁業を推進する。このため県の栽培センターにもいろいろ助成をする。それから、サケ・マスのふ化放流事業を大々的に取り上げて実施をする。さらに計画を改定してでもふやしていこう、こういうことを考えておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 これからの、特に先ほど大臣もお答えになりましたけれども、栽培漁業の振興が必要ではないかというふうに私は考えておりますが、この現状がなお不十分であると言えると思うのです。第一番目に、栽培漁業の振興のためには技術開発が必要でありますが、種苗生産技術、放流技術などの現状を今後どのような見通しで行おうとなさるのか。第二番目に、今後栽培漁業の振興に対して、具体的にどう取り組んでいくお考えなのか。これは私ども公明党が前々からこの栽培漁業の振興に対して要望を水産庁等に申し上げているわけでございますが、そういうことも含めまして、また後で御質問したいと思いますけれども、その推進方を強力に図るべきじゃないかという点を踏まえてお答えを願いたいと思います。

恩田幸雄水産庁次長

○恩田政府委員 まず、栽培関係の技術の現状でございますが、これにつきましては、先生御指摘のとおり、種苗の量産技術と放流技術があるわけでございます。私ども、いままでサケ・マス、ホタテガイ、クルマエビ、アワビ、こういうものにつきましては、すでに事業化段階に達しているというふうに考えております。そのほか、マダイ、ガザミ、クロダイにつきましても、ほとんど事業化段階に達しつつあるというふうに考えております。いま現在技術開発しておりますのは、アカガイとかカサゴ、メバル、ブリ、ヒラメ、カレイ、カニその他、こういうものをやっているわけでございます。  やはり種苗量産技術の場合に一番問題になりますのは、種苗、小さな時期のえさの問題でございまして、これをいま一生懸命、北日本の栽培センターあるいは瀬戸内海の栽培センターで実施すべく努力しているわけでございます。  そのほか、放流技術につきましても、やはり放流の適期、それから放流に適した大きさ等の問題がございまして、これらについても各県の水産試験場とも十分連携をとりながら、技術開発を進めておるわけでございます。  さらに、推進につきましては、先ほど申し上げました瀬戸内海の栽培センターで暖水系の技術開発を進めておりますし、さらに五十四年度から北日本の栽培センターで冷水系の技術開発を行うことにいたしておりますほか、五十四年度予算では、さらに国の栽培漁業施設として二カ所を設置し、それぞれの地域に応じた技術開発をやるつもりでございます。さらに、県営センターにおきましてはすでに十六カ所が完成、五十四年度は新規八カ所、継続十一カ所で事業を実施しておりますので、これらの体制の整備をまず図る。その後、県営センターにおきましては、国の段階で開発いたしました技術を利用して種苗の量産事業化ということに移ってまいりたいと考えております。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 二百海里時代になりまして、海が狭くなったというのは先ほどの大臣の答弁でもわかりますが、栽培漁業の必要性というのはこれからが本番だというふうに考えるわけです。  そこで、種苗の開発並びに量産、放流などが、これはなかなか軌道に乗っていない。沿岸各県は競って国の補助を求めて栽培漁業センター等を建設しつつありますが、問題点がありまして、技術開発が伴っておりませんし、財政にゆとりがないということで、なかなか種苗生産なり、放流の貝なりエビなりというものが自分の県中心の地先物に偏っておりまして、とても沿岸魚種をふやすというふうな状態ではないわけです。少なくともこれは早く国主導型の一貫生産体系をつくるべきではないかというふうに思いますけれども、この点について……。

森整治水産庁長官

○森政府委員 御指摘のように、技術開発の問題と、それから魚種によりまして、要するに回遊するものと、地について磯についておるような魚といろいろな形態がございますけれども、地先に定着しておればいいのですが、それから先、たとえばタイにいたしましても、三年先になりますと非常に海洋に出ていってしまうというようなことがございます。ですから、そういう問題も踏まえまして、いろいろ県と国との果たす役割りをそれぞれ考えていく。それから、やはり相当広範囲に回遊する、先ほども次長が答弁しましたように、ブリみたいなものはやはり国がその開発をしていく、放流もしていく、そういうような考え方の整理が必要だというふうにわれわれも思っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、それぞれ果たすべき分野を決めまして、今後さらに力を入れてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 長官、いまのような答弁じゃなくて、栽培漁業というのは、やはり国が行わなければならないと私は思います。  そこで、養殖漁業のようなものは、個人の所有権がはっきりしておるわけですけれども、日本沿岸の魚族を資源的にふやそうという性格の事業なのですから、これは公共性が多分にあるわけです。昭和三十七年度から着工されました瀬戸内海の栽培漁業センター、五十一年度から操業開始されました日本海沿岸の漁業センター、これは一部操業の中途からいろいろな問題がございまして、大蔵省等の横やりが入っております。また、日本沿岸の、いま北日本とおっしゃいましたが、そのセンターの設置等がございますが、何と申しましても、日本の沿岸は海況から見ても大体七海域ぐらいに分かれると思います。同じマダイでありましても、水温あるいは海流、えさなどの条件が違いますと、種苗生産、放流技術、新たな開発をする必要があるわけです。国が真剣に栽培漁業を振興しようとするならば、もっと多くの国営センターをつくって開発面を引き受けて、県営センターを手足として効率的に機能を発揮させるべきじゃないかというふうに考えます。  もう一度長官のお答えを願いたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 技術開発につきましては、私は当然国が、委託を含めまして進めていくべきものだというふうに考えておるわけでございます。それから、私申しましたのは、その後ふ化して、いろいろ種づくりをし、それを実際にやっていく事業として、技術のある段階が進んだものについては県に任せてもいいのではないかという意味で、県と国の分野もいろいろ考えながらやっていきたいということを申し上げたつもりでございまして、先生の御主張につきまして、別に私、反論をしているわけでもございませんし、ちょっと言葉が足らなかったかもしれませんが、そういう考え方で大いに努力したいというふうに考えております。  個所数が少ないということにつきましては、来年もう少し踏んばってみたいというふうに思っております。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 栽培漁業の方は、長官、ひとつ積極的に進めていただきたいことを要望いたしまして、次へまいります。  漁場の効率的利用の必要性が唱えられておりますが、その際、年々増加する釣りの問題でございます。遊漁との調整をどのように図っておられるのか。近年、特に釣り人口は増加しておりまして、国民の健全なレクリエーションという見地から釣り等の遊漁の育成が望まれておりますし、一方、漁業資源等の点から沿岸漁業との調整が必要だというふうに思いますが、この点についてお答えを願いたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 釣りの人口が増大をしておる、それから最近、場合によりまして本来の漁業民との間のトラブルも発生しておる、漁業資源上、乱獲的な問題も起きているというようないろいろな問題が出ていることは事実でございます。これらの問題をどういうふうに調整をしてまいるかということは非常にむずかしい問題でございまして、ことに資源管理型といいますか、いわゆる栽培漁業も含めて金のかかった魚をつくっていくということになりますと、この遊漁との問題をどう調整していくかということが非常に重要な問題になってきておるわけでございます。そういう意味も含めまして、従来から遊漁に関しますいろいろな措置はとってきたわけでございますが、新たに、今後は遊漁船の実態をもう少し調査をしてみたい。それからもう一つ、遊漁対策の検討会を各方面の方々の御意見も聞きながら開いて、今後の漁場の利用問題あるいは資源の問題等につきましても、いろいろ対策を立てていく糧にしたいというふうに考えておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 沿岸漁業の振興を図る上で、新たな漁業技術を普及指導して、漁業者みずからの漁業に関する創意工夫をリードしていく必要があるわけでございます。改良普及事業の役割りが一層重要となってきておりますが、この改良普及事業の今後の進め方について、どのような方向で臨まれるつもりなのか、お尋ねをいたしたいと思います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 今回の制度は、漁業者の創意工夫を基本といたしまして進めていこうという考え方ではございますが、その運用に当たりましては普及員が参画をいたしまして、普及事業を効果あらしめるようにしたいということも考えておるわけでございます。そこで、今回の貸し付けの制度と本来の普及事業とを両々相まって発展させていく、また進めていくということを考えておるわけでございまして、今後普及組織を強化していくということとあわせまして、地域に応じました指導を十分進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 長官、少し答弁と異なるかと思いますが、改良普及員の数が、先ほどの委員の質問にもございましたように四百三十九名であります。しかも、これは年々減少しております。ところが、現在の陣容では技術指導には不足を来すばかりか、この制度による書類審査等の指導も滞るのではないかというふうに考えられるわけです。この増員が必要であると私は考えますけれども、いまの答弁とは矛盾するかと思いますが、改良普及員の数についてどういうふうにお考えなのか、お尋ねをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 これは国の全体の定員管理の問題に絡むわけでございまして、国の補助職員につきましても、国の機関の職員の定員削減に準じて実施をするということで基本的な方針が決められまして、四次計画でその削減が進められ、その結果、定員削減が行われておるということでございます。そういう中で、むしろ増員すべきではないかという御指摘でございますが、今後の栽培といいますか、資源管理型の漁業ということを進めていく場合には、確かにそういう技術的な問題のアドバイスが相当必要なわけでございまして、片っ方では定員削減という要請があるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、削減はやむを得ないと思いますけれども、その中でもできるだけその削減の数が少なくなるように、今後いろいろ実情を説明しながらそういう折衝も進めてみたいと思っております。しかし、限られた定員の中でどういうふうに業務を運営していくか、今後の事業の推進に支障を来すことのないようにできるだけ努力をしていきたい、またその組織、やり方等につきましてもいろいろ検討してみたいというふうに思います。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 本改善資金の申込書類の審査等は、述べられておりますように、改良普及員室等が主体になって審査をするということになっているわけです。先ほどの委員の質問にもございましたけれども、書類の審査等が滞るような人員では困るので、その点における心配がありますので、市町村等の関係機関の意見を聞かれておやりになるでしょうけれども、そういう点における不備はないかどうか、再度お尋ねをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 実際の窓口は漁協ということに相なろうかと思います。それで、資金面につきましては信漁連系統でいろいろやってもらう、そしてその貸し付けの決定等につきましては県ということになるわけでございますが、普及員が実際に審査の具体的な業務に直接かかわるということでなしに、端的に言いますと、たとえば新しい養殖等の事業につきましていろいろ相談を受ける、そういうものにつきまして助言、指導をするということでございますから、いまの普及員が非常に過重な負担と仕事をかぶるというふうには考えておらないわけでございます。そういうことで、全体として事業がスムーズに推進できるように仕組み等もいろいろ考えてみたいということを先ほど申し上げたわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 具体的にお尋ねをいたしたいのですが、それぞれの貸付金の内容は政令でこれを定めるとしてございますけれども、具体的にどのようなものをお考えなのか、お尋ねをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 まず、経営等の改善資金の種類につきましては、一つは、漁船漁業の省力化を図るというようなことで、漁船用具の機具なり漁具あるいは漁法の改善に係ります漁業技術を導入するための資金、それから新品種の養殖等に係ります漁業技術を導入するための資金、それから漁労の安全施設、その他漁具の損壊を防止するための施設、そういうものを導入するための資金ということに規定をいたしたい。  それから、生活改善の資金の種類につきましては、屎尿装置、浄化装置、あるいは生活の合理化に資するための資金ですとか、あるいは家族関係の近代化なり家事労働の合理化、簡単に言えば居室を独立するとか住居の利用方式を改善するための資金というような資金と規定したい。  それから三番目に、後継者等の養成資金の種類でございますけれども、これにつきましては、漁業の後継者の青少年等がいろいろの研修を受けるために必要な資金でありますとか、後継者でございます青少年が別に漁業経営の一部を分担する、新しく担当する、そういうような資金というふうに規定をしたいというふうに考えておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 貸付金の種類、内容の設定に当たって、現地の要望をどのように踏まえて行われようとなさるのか、その点をお尋ねをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 これは各都道府県で現在類似の事業を県単の融資として行っております。そういうようなものの資料を求めますとか、あるいはこの資金の内容等をいろいろ都道府県に照会をいたしております。それから、全漁連の関係団体から要望も聴取をいたしました。それから、改良普及事業でいろいろな技術の普及をしておりますが、今後の普及すべき課題の内容でございますとか、あるいはほかの農業改良なり林業改善資金の内容等も見まして漁業の特性を考えてこういう資金分けをしたということでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 貸付限度について最高三百万から四百万とするというふうに聞いておりますが、これでは少ないのじゃないかというふうに私は考えますけれども、この点について長官はどのようにお考えですか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 貸し付けの限度につきましてはそれぞれの資金の内容に応じまして分類をいたしておるわけでございまして、農林省令で定める予定にしておりますのは、経営等の改善資金につきましてはそれぞれの種類で最高四百万円以内の金額にいたしたい、生活改善の資金につきましては八十万円以内の金額にしたい、それから後継者等養成の資金につきましては三百二十万円以内ということで定めたいというふうに思っておるわけでございます。  これの考え方につきましては、多ければ多いほどいいということもございましょうけれども、たとえば経営等改善資金につきましてはいろんな新しい技術を導入する場合の、たとえば養殖で申しなすと、その場合の機械機具あるいは施設、そういうようなものでございます。そういうものの耐用年数なり額なりを勘案して金額を決めたということでございます。事業としてそういうものを実施する場合には、別な構造改善資金なり近代化資金によりまして対応する資金制度がございますから、それはそういう制度で対応していただくということを考えておるわけでございます。  次に、生活改善の資金あるいは後継者養成資金につきましては、農業なり林業にも類似の資金制度がありまして、そういうものの限度額を見ながら今回の最高限度額を決めたということでございます。また、都道府県において実施しております、先ほど申しました類似の県の単独融資事業といいますか、そういうようなものの実績も一つの参考といたしておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 この制度のもとでの五十四年度の貸付枠を二十五億円としているようですが、これによって都道府県における資金需要を賄えるのかどうか、これは全国四十の都道府県が本資金特別会計を設置したといたしますと、特別会計当たり平均の額にいたしましても六千二百五十万円の資金貸付枠しか予定できないわけです。農業改良資金の三十一年創設当時は資金貸付枠が約十二億円、林業の改善資金の場合は五十一年でございますが二十億円、こうなっていたわけですが、五十四年が初年度でもあり、やむを得なかったとしても、その拡充を図って資金需要に十分こたえるための政府の積極的姿勢があるかどうかという点を私は疑っているわけですけれども、この二十五億円によって需要が真に賄えるとお考えなのかどうか、長官にお尋ねをいたしたい。

森整治水産庁長官

○森政府委員 この制度の対象といたします資金につきましては、初年度ということもございますが、最近におきます沿岸漁業、あるいは都道府県の沿岸漁業に対する改良普及活動の実情を踏まえながら、都道府県の需要の動向なり類似の制度である林業改善資金の創設時、一番最初、いま先生御指摘ございましたが、そういう資金枠というものを勘案いたしまして二十五億円ということを決定したわけでございます。別にこういう制度でございますし、今後どういうふうに需要が出てくるか、私どもは相当な需要量になってくるというふうに期待もいたしておるわけでございますが、ともかく初年度でございますので一応二十五億ということで運用させていただきまして、それ以後につきましては、農業につきましても林業につきましても相当膨大な資金枠にふえてきておるようでございます。私どもも水産になじんだ制度ではなかろうかという期待を持っております。それに応じましてできるだけ所要の資金は確保してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 時間になりましたのでこれで終わらせていただきますが、本制度の運営に当たりまして、現地の沿岸漁業者の実態を踏まえて、沿岸漁業従事者の意向を十分に尊重し、この資金を真に必要とする者に対して適正かつ公平な貸し付けが行われますように努力をされるように強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私の質問は三つです。  最初に、漁業経営維持安定資金の据え置き、償還期間延長の要請をいたしたいと思います。  私は高知県の室戸という遠洋マグロ漁業の本拠地を持っておりますが、この質問に立ちます直前に地元の新聞が入りまして、これを切り抜いてきましたが、「混迷の遠洋マグロ業界」という記事なんです。これを見ますと、オイルショックのときに十数隻がここで倒産をいたしております。その後比較的順調に伸びを示しておりましたが、最近に至りましてまた不安な要因が出てきたということです。その一つが入漁料の問題です。これは豪州の場合は一隻について実に三百万円現実に取られているわけです。それから、航海日数にいたしますと、何と五百六十日を最高にしまして五百日以上の航海をしております漁船が十二隻という数字が出てまいりました。さらに、現在ミナミマグロという良質のマグロをケープタウン沖でとっておりますが、今回便っておりますA重油が、イランの紛争の問題も関連をしまして、ケープタウンで購入しますと、一キロリットルがいままで一万五千円であったものが今回何と五万円にはね上がっておるという、こういう事態が生まれてまいりまして、かなり深刻な混迷が起こっておるわけであります。  そこで、漁業経営維持安定資金の問題でございますけれども、これができました原因は、御承知のように、カツオ・マグロ漁業の危機的な状態というところから生まれたわけでございますが、今日この資金の償還期を四月に控えまして、日鰹連その他からも据え置き、あるいは償還期間の延長の要請が出ておるのでございますけれども、当時これが設定をされたときに比べまして危機的な状態がいま改善をされておるかどうか、この点について最初に水産庁長官からお伺いをいたしたいのであります。

森整治水産庁長官

○森政府委員 カツオ・マグロ漁業の問題でございますが、これは御承知のように、いろいろ需要と円高と輸出市場の問題、そういうこと、それから豊漁がある程度続いたというようなことから、調整保管をいたしましたもののやはりうまくいきませんで、生産調整事業までカツオ・マグロ漁業としては初めて九月から二月の何日かまで行われたということでございます。  そこで、私ども一応価格の推移をずっと見ておるわけでございますが、マグロにつきましては、総じて価格は回復しておるものというふうに見てよろしいのではないだろうかというふうに思っておりますが、若干キハダ等にまだ問題は残っております。冷凍のカツオ、一本釣り、遠洋のカツオでございますが、これにつきましてはどうもまだ魚価は低迷をしておる。ただ、ごく最近に入りまして百八十円台の価格が焼津で出てきております。これは今後の生産調整の効果をなおいろいろ見なければいけない問題も含んでおるというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、カツオ・マグロ漁業といたしまして経営的にまだいろいろ問題を多く残しておるということにつきましては、私ども、先生御指摘のような今後のいろいろな問題も含めましてさらに注意して見ていく必要があるというふうに認識をいたしておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 結局、事態としては基本的に変わっていない現状にあるのではないか、むしろ悪化しているというふうに判断をすべきではなかろうかと思います。いままでの状況に加えまして、いわゆる二百海里時代における国際管理強化の方向と入漁料負担の増大がございますし、またカツオ魚価の低落の問題もあるというようないまのお話でもございます。そういう状態でございますし、さらに重油にいたしましても、A重油が四月から八・四%値上げになるという状態、さらには現在経営状態から見ましても、カツオの赤字等を含めまして、五十トン二百トンで七千万円、あるいは百トン−二百トンで一億という巨額の償還に応じられる状況ではないと思うのでございますが、そういう点から考えまして、とてもこの四月からの償還に応じ得る状況になっているという判断はできないと思います。したがって、政令第十四条を改正をしまして据え置き期間を延ばすべきであると私は考えるわけでございますが、四月、五月、もう目の前に控えておるわけでございまして、早急に検討し、結論を出しまして、業者に対する安心感を与える必要があると思いますが、この点はどのようになっているでしょうか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 漁業経営維持安定資金は、五十一年度に貸し付けられたものがおおむね本年の四月以降に償還期に入ってくる、その額も相当な額になっておるわけでございます。そういう問題を控えまして、いま御指摘のように、非常にカツオ漁業の経営の悪化があるということにつきましては、そういう認識につきまして、程度の問題はともあれ、私どももそういうことについては十分認識をしておるわけでございます。したがって、今後どういうふうに推移をしていくか、注意深く今後の動きを見詰めながら、経営状況等をよく見ながら、いまの御指摘の償還、据え置き期間の延長等の措置につきましては慎重に検討をしてまいりたいというふうに思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 漁業者に言わせますと、経営、流通の、まあ流通の抜本的な改善、さらには円高、不況、それから石油、油ですね、それから消費者離れというようなものが、いま本当にすべてが重なり合って漁業者に襲いかかってきておるという感じを受けておる実情でございます。  そういう中でのこの問題でございますから、いまお話がありましたが、慎重な検討をするとおっしゃいますけれども、もう償還期を目の前にしておりますから、早急に精密な検討をいたしまして結論を出すべきだと思いますが、もう一度その点について伺います。

森整治水産庁長官

○森政府委員 必要な場合には当然そういう措置はとりたいというふうには思っておりますけれども、いろいろ今後の推移を十分見まして、適時適切な措置はとってまいりたいというふうに考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 すでに十二月の償還期に当たりまして倒産も出ておるというような状態でございますから、いまお答えになりました点、ぜひ漁業者の要請になるべくこたえることができるような検討をしていただきたいと思います。  次に、入漁料の問題でございますけれども、これは先ほどもお尋ねがありましたので、簡単に申し上げます。  南太平洋諸国が二百海里水域を次々と設定をいたしまして、しかも高額な入漁料を払って入漁せざるを得ない状況にあります。二月に開かれました西日本水産振興会議での提言でも、平均一隻二百万円になるといわれておりまして、全額国庫助成を要求しております。私は先ほど豪州の場合三百万という数字を出しましたが、事実はそういう状態にあります。五十四年度予算で南太平洋漁業振興基金をつくっておられますが、政府としてはこれで終わりという態度のように受け取られるわけでございますが、入漁料負担分を魚価に転換できる状況にない現在の状況のもとでは、西日本水産振興会議で言われたように、結局は経営圧迫につながる借入金の増加にほかならず、根本的な負担軽減にならないと言っておるのでありますが、この制度、けちな制度などと申し上げることはしませんけれども、この点についてはぜひ再検討をしていくべきではなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 入漁料の負担軽減をしてもらいたいというのが要望であったわけでございます。私どもは、それに対しまして、やはりこれは経費の一部であるという観点を変えるわけにいかないということで、何らか別の形での負担軽減ということで今回の南太平洋の漁業の振興基金の制度というものを考えたわけでございますが、基本的には入漁料が高いとかいういろんな理由がございます。支払い方法が精算方式をとらないで一括前払いを求めている、そういうようなこと、それから割り当ての額に応じて金を取られて、入漁してもしなくても取られてしまう、したがって、そういう未利用の部分につきましても負担をしなければいけないという、そういうような理屈をとらえまして、基金をつくって負担軽減に充てようということを考えておるわけでございます。  そこで、私どもとしましては来年九億円の予算を計上いたしておるわけでございまして、これは私ども相当な額になるというふうに思っております。また、それを負担軽減になるように運用してまいりたいと思っておりますが、これで別にお別れをするということで手切れ金的に出してもらったわけではないわけでございます。むしろ入漁料の借入金の利子の助成が一部積算として考えられておりまして、これは三年分一括して基金に助成をするということで考えたわけでございます。それから、先ほどの漁場未利用分につきまして、要するに空振りになるような漁場にも金を払うというようなことがあるわけでございますから、そういう問題につきましては無利子の原資を見ていく。それも結局まとめて三年分見ていくというつもりで積算をいたしたわけでございまして、したがいまして考え方としましては一年ぽっきりで済ましてしまうということを考えておるわけではございません。やはり長期的にこういう問題というものは、私ども考えるものは制度として考えるべきでございますから、御質問の趣旨がもしそういうことであるとすれば、私どもは五十四年限りの助成というふうには、形式と実質といいますか、その違いはありますかもしれませんが、中身としましてはそういうことを考えておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 手切れ金ではないということで、この充実の問題が今後の問題だと思いますので、次の質問に入ります。  それはマグロの輸入の問題でございますが、マグロの鮮魚の消費は年間約二十五万トンと見まして、このほかに加工向け、輸出向けを含めましても、漁獲量五十二年度の二十六万トン、それにプラス輸入量五十二年度で十二万トン、五十三年度が十一万トンでございますけれども、合計しまして三十八万トンは明らかに供給過剰だ、こう考えます。輸入量の七割が韓国でございますが、韓国の漁獲量は驚異的な伸びを示しております。たとえば一九六〇年の九百十四トン、これが七二年になりますと九万七千六百二十トン、七五年で十万七千五百六十四トン、七七年で十万三千六百五トンというふうになっております。しかも一方、韓国内の国内需要はほとんどなく、もっぱら輸出向けでありますが、その輸出先は主として日本、次いでアメリカでございます。七六年の場合を見ますと、日本向けは六五%に当たる六万七千百五十七トンでございます。こういう実情がございまして、その上に、特に日韓条約が結ばれましてから後経済協力が始まった一九六五年から伸びてきたわけでございますが、さらにこの上に日本の主要商社が乗り出して、いまや韓国の主要遠洋漁業会社は日本商社のひもつきとなっておるというのが実情だと思います。  委員長の御容認をいただきまして資料を、一枚の資料ですがお配りいただきたいと思います。これを見ましても、たとえば丸紅、この場合は高麗遠洋、これは韓国のナンバーワンです。それから久一産業、これがナンバーファイブですね。そのほか東邦遠洋開発公司あるいは南北水産。伊藤忠の場合が南洋社、これはナンバーツーでございますが、そのほかに南洋航海。あるいは三菱が大林水産というふうに、ほとんど日本の商社が韓国の遠洋漁業を支配をしておるという実情にあることは水産庁としては御承知でしょうか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 個別の具体的なケースにつきまして、わが国の商社と韓国側の漁業会社との間に関係がどういうふうにあるかということにつきましては承知はいたしておりませんが、特定の商社と特定の漁業会社とが従来からたとえば漁船の輸出等を通じまして継続的な取引関係にある場合があったということは承知をいたしておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そういうおおよその形態というのは御承知のことと思います。  そこで、韓国の水産関係の最も権威のある雑誌に「現代海洋」というのがありますが、その社長がこういうふうに書いております。「韓国遠洋漁業が日本の大商社の小作人的経営であるという点である。日本の大商社は船舶と金を貸してやるだけ、陸上にでんと構えこんで販売権を握っている国際的仲立人である。」こう書いておるのでございます。結局、このやり口を見ますと、いまおっしゃいましたように、中古品の直接輸出、それから漁船資材輸出の形態としてはばらして向こうに送って向こうで組み立てるというやり方、これには輸銀の資金が使われておるわけであります。それからもう一つの形態は、パナマ船籍へのカムフラージュをする。これが件数としては一番多いやり方でございます。そして貸付料、借款返済方法をもって金を吸い上げておりまして、たとえばマグロ輸入代金から吸い上げる、あるいは現金決済は韓国漁船が第三国へ水揚げをするという形態、こういうような形で次第に韓国遠洋漁業を日本の商社が支配をいたしておるわけでございまして、結局韓国から日本に過剰に入ってくるマグロによって日本漁民が犠牲を受ける、しかし捕らえてみれば何と日本の商社がやっている、こういう状態なんですね。だから、韓国の遠洋漁業会社としては日本の商社の借金の取り立てと朴政権の外貨獲得のための輸出ノルマに追い立てられて乱獲を重ねておるというのが実情でございます。  こうなってまいりますと、結局日本商社が日本、韓国、台湾でマグロの漁獲競争を意識的に展開させた結果、資源も悪化してくるという、こういう悪循環が続いておるのが実情ではないかと思いますが、この点について水産庁としてはどうお考えになっておりますか。

森整治水産庁長官

○森政府委員 そういう御主張は御主張として承りますが、私どもは、現在のマグロの輸入の問題につきましては、ただいまは要するに必要なものを適時適切に輸入していくということを考えておるわけでございまして、秩序ある輸入が行われるように現在は輸入貿易管理令に基づきます輸入の事前確認を実施をする、そういうことで輸入の動向の把握に努めておるわけでございます。具体的には日韓の水産庁の間で日韓のマグロ類の需給の協議を行っておる、そうしてその調整に努めておるということでございまして、私どもも守るべき点につきましては強硬に主張して、入れないということを実際にやってきたわけでございます。今後とも、逆に入れるべきものは入れていいではないかということで、私どもは公正な判断で、商社がどういうふうにあろうと私どもは私どもなりに需給の調整を図っていくつもりでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 努力をされておることを否定しておるわけじゃありません。両国間の問題でもあると思いますし、困難なこともあると思います。しかし、いま私が申し上げた状態というのは、これは単なる御意見として伺うということじゃなくて、調査をして実態をよく知っていただきたいということが一つです。その点、後で御答弁をいただきたいと思います。  同時に、こういう形態の中で韓国の輸出のノルマが非常に厳しくなるわけです。これは韓国水産庁漁政局長の論文が同じく韓国水産専門誌の「現代海洋」に載っておりますが、五十一年度の輸出計画としてノルマ四億七千万ドル、その中で遠洋魚が二億二千万ドル、こういう数字になっておりまして、こういうことが日本のマグロ漁業を非常に圧迫する結果になっておることは否めません。また、いま韓国との間に協議をされておるとおっしゃいますけれども、その協議の結果が数字として発表されないわけでしょう。結局それを入れてみて結果的にどうなったかということになってくるわけでございますから、そういう点では漁業者にとっては全く不安な状態、なぜ両国間の協議が行われたときには、今回はこれだけ韓国から輸入するというようなことが発表されないのかという点が第二点でございます。その点明らかにしていただきたいと思うのでございます。  そして、最後にこの点についてお伺いしたいわけですが、まず、こういう事態の中でこういう根源にメスを入れまして、マグロの国際的資源管理、特に太平洋沿岸における管理を日本が提唱すべき時期に来ておるのではないかというのが一つです。  もう一つは、商社や大漁業会社による無秩序なマグロ輸入を厳しく規制をしまして、国内のマグロ漁業者の漁獲だけでは不足をする分に抑えるべきである。これは日鰹連の方は三万トンという数字を出しておられるようでありますが、現実は十万トンが入ってきておるわけでございますから、この点で秩序のある規制をすべきであると考えますが、この点についてのお答えをいただきたいのです。

森整治水産庁長官

○森政府委員 第一点の、ノルマで非常に抑えつけた輸出といいますか、輸入になっておるということでございますが、需給調整の結果、逆に最近の輸入量は、韓国からの輸入も減っておるわけでございます。そういうことで、ごく最近は、五十二年の八万二千トンに対しまして、五十三年は、十二月がちょっと入っておりませんけれども、それよりは落ちておるということでございまして、ノルマの問題というふうなことは、あるいは向こう側でそういうことも昔あったかもしれませんけれども、私どもはいまはそういう理解はいたしておりません。  それから二番目に、輸入協議会でいろいろ協議をした結果の合意数量を示すべきではないかという御指摘でございます。これにつきましては両国の間で、日韓双方の関係者に不必要な混乱が起こりかねないという判断から、日韓の両水産庁の間で公表しないという約束をしておりますので、この点はひとつ御理解をいただきたいというふうに思います。  それから、確かに全体の需給の中で輸入の調整をしておるわけでございますから、それにつきまして不足分を当然輸入するというたてまえで考えていくことはもちろんでございます。安定した輸入を逆に確保するということも必要でしょうし、逆に不必要なものは入れないということで、向こうで保管をしてでも入れさせないということを実際に実施をしておるわけでございます。韓国側としても非常に窮地に立つ措置までお願いをするということで、それは向こうもやむを得ず了承して、最近におきましてもそういう事態はございません。  したがいまして、私どもとしましては、この運用につきましては厳正公平に、高からず低からずという価格を見ながら運用していく、また需給全体の不足分を見ながら運用していくということで考えておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 最後に、農林水産大臣に伺いますが、いま私が申しましたように、日本の商社が実はもう大変な実権を握って、韓国遠洋漁業が日本の商社のひもつきになっているというような現状の中で、これが大量にマグロ輸入をいたしまして日本の漁業者を不安に陥れておるという実態は、どんなにおっしゃっても否定できないと思います。これは当然適正な規制を加えるといいましょうか、そういった点で漁業者に安心させるような姿勢を農林水産省としてはとるべきだと思いますが、大臣の御見解をお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 韓国からのマグロの輸入に関しましては、ただいまも答弁がありましたように、四半期ごとに日韓の水産庁間で需給の調整協議をやっております。なお、輸入貿易管理令に基づく輸入の事前確認を実施するというようなこともやっておりますから、今後も輸入動向の的確な把握に努めて、秩序のある輸入をしてもらうように指導をしていきたいと思います。

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  沿岸漁業改善資金助成法案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 この際、本案に対し、今井勇君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、沿岸漁業改善資金助成法案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     沿岸漁業改善資金助成法案に対する附帯決議(案)   二百海里時代に即応して、水産物を安定的に供給するため、我が国沿岸漁業の果たす役割りは、重要となってきている。   よって政府は、沿岸漁業の振興につき格段の努力をするとともに、本法の施行に当たっては左記事項の実現に努めるべきである。     記  一 沿岸漁業改善資金の充実を図るため、漁業生産の動向、資金需要の実態に即応して、貸付範囲の拡大、資金枠の確保等に努めること。  二 沿岸漁業改善資金の貸付業務については、これを担当する各関係団体との連けいを緊密にするとともに漁業に従事する青年、婦人等利用者の意向をも十分配慮し、本資金を必要とする者に対し、適正な貸付けが行われるよう円滑な運営に努めること。  三 本資金による漁業後継者たる青少年又は漁業労働に従事する者の育成に当たっては、十分その成果が上がるよう指導に努めるとともに、若年労働力を確保するため、とくに水産教育学卒者の活用方策等について積極的な施策を講ずること。  四 沿岸漁業経営の近代化及び漁家生活の改善を推進するため、水産業改良普及員、漁家担当生活改善普及員の定員の確保、処遇の改善、資質の向上に留意する等、水産業改良普及事業、生活改善普及事業の一層の充実、強化に努めること。  五 漁村環境の整備が立遅れている現状にかんがみ、本資金による合理的な生活方式の導入に当たっては、効率的な活用に努めるとともに、漁村緊急整備事業、漁業集落環境整備事業の拡充、強化に努めること。  六 漁業生産力の増大に資するため、漁場環境の保全対策の強化に努めるとともに、沿岸漁場整備開発、栽培漁業の推進等を通じ、資源管理についての施策の充実に努めるほか、遊漁対策についての強化を図ること。   右決議する。  以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じ、すでに各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。  何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。  この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。渡辺農林水産大臣。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○渡辺国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいる所存であります。     —————————————

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

佐藤隆自由民主党

○佐藤委員長 次回は、明後二十二日木曜日午前九時四十五分理事会、午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十五分散会

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