P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
87回国会衆議院1979/04/26

内閣委員会 第10号

発言数
352
登壇者
16
会派数
5
開催日
1979/04/26

会議録

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 これより会議を開きます。  新井彬之君外二名提出の中小企業省設置法案を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。新井彬之君。     —————————————  中小企業省設置法案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

新井彬之公明党・国民会議

○新井議員 ただいま議題となりました中小企業省設置法案について、提案理由を御説明申し上げます。  わが国の中小企業は、企業の数で見ると全体の九九%以上を占めるとともに、生産額、販売額においても約半分に及んでおり、わが国の産業経済を支える大きな力となっています。また、それに携わる関係者の数は、経営者及び従業員を含めて三千万人に達し、わが国の労働人口の過半数に及んでいます。  しかるに、こうした中小企業を担当する行政官庁としては、通商産業省の外局として中小企業庁が置かれているのみであり、また中小企業政策のために投じられている予算は国家予算全体の一%に満たない実情であります。  今日、わが国の中小企業を取り巻く環境は、国際経済の変動、物価の高騰、不況の長期化あるいは公害問題などにより一段と厳しさを増しており、より一層の施策の拡充が望まれているのであります。  なお、従来より中小企業の関係者の間では中小企業庁を中小企業省に昇格させ、専任の大臣を置くことにより、中小企業施策の総合的な強化を図るべきであるという声が強く出されていたところであります。  これに対し、政府は昭和四十九年度に、中小企業庁の中に小規模企業部を新設するなど若干の機構の拡充を行いましたが、これだけでは決して十分とは言えません。  中小企業の利益を守るためには、現行の通商産業省とは別に独自の中小企業のための行政機構を設ける必要があります。  そこで、公明党・国民会議はこのような観点から、中小企業行政の総合的強化を図るため、中小企業省設置法案を提案することといたしました。  本法案の主な内容について御説明申し上げます。  まず、現在の中小企業庁を廃止して、中小企業省を設置し、中小企業省の長は中小企業大臣とすることとし、中小企業省は、中小企業の振興及びその従事者の経済的、社会的地位の向上を図るため、中小企業の育成及び発展に関する行政を総合的に推進することを主な任務としております。  次に、その権限及び所掌事務としては、中小企業振興のための基本政策等の決定及び推進、中小企業関係法令の施行、中小企業に有益な技術及び経営方法等の奨励及び指導、特産品の品質の維持及び改善、需要の開拓等のための指導及び助成、製品の輸出の奨励及び指導、海外市場の調査及び開拓、金融のあっせん、中小企業の事業分野の保護並びに中小企業関係団体の監督等を挙げております。  これらの事務を処理するため、内部部局として、大臣官房のほか、企画局、指導局、金融局及び小規模企業局を設置することとしております。  まず、企画局においては、中小企業振興の基本政策の策定及び推進、協同組合等に関する施策、中小企業の組織化対策、中小企業退職金共済事業の実施、中小企業の従事者の福祉増進対策、中小企業の近代化の促進、下請中小企業の振興、貿易構造等の変化に伴う中小企業の事業転換対策などの調整事務等を行うこととしております。  指導局においては、中小企業の経営診断指導、技術等の奨励指導、特産品の品質の維持改善、需要の開拓等のための指導助成、中小企業の製品の輸出振興、海外市場の調査及び開拓等に関する事務を行うこととしております。  金融局においては、中小企業に対する資金のあっせん、中小企業の信用の補完業務、政府系中小企業金融機関の監督等を行うこととしております。  小規模企業局においては、小規模企業についての経営相談を初めとする現行の各種の小規模企業施策のほか、公明党・国民会議の別途提案による小規模事業者生業安定資金融通特別措置法により、一定の小規模事業者に対し、無利子、無担保、無保証で利用できる画期的な融資制度を新設し、その関係事務を担当するようにしております。  さらに、各地域の実情に即した、きめの細かい施策の実施及び国と都道府県等の中小企業施策の連絡調整のため、地方支分部局として全国に八つの中小企業局を配備することとし、このほか、中小企業省の附属機関として、中小企業安定審議会、中央中小企業調停審議会、中小企業近代化審議会及び中小企業分野等調整審議会を置くこととしております。  以上が本法案の主な内容であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。      ————◇—————

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原委員 どうも元号法案に振り回されて、まだ防衛論議に入ろうというきっかけがつくりにくいのですが、せっかく防衛庁にかかわる法案が提出をされ、その審議が進められることになりましたので、余り準備もしてございませんが、いろいろお尋ねをさしていただきたいと思います。  まず、法案の件について二、三お尋ねをしたいのですが、今回、予備自衛官の手当について、現行の月額二千円から三千円に改定をしたいということです。さらに設置法との関係で増員計画もあるようですが、確かに、この提案理由の説明にもありますように、改定されてからかなりの年月が経過をしているということなどもあって、その後の経済情勢の変化等を考えたら改定をする時期に来ているという御判断のようですが、この予備自衛官の任務といいますか性格というのはどのようになっているのか。後ほど詳しいことについては、山花先生がいろいろお尋ねすると思うのでありますが、まず予備自衛官の現状について御説明をいただきたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 予備自衛官制度は、防衛招集命令がありました場合に、自衛官として勤務させられる者を平時から維持していくという制度でございます。  その目的は、有事におきまして後方の警備、後方の支援あるいは戦闘で死傷者ができましたときの補充要員でございまして、全体として自衛隊の予備勢力というものは大変少ないわけでございますが、現在陸上自衛隊と海上自衛隊についてそれぞれ若干の人数が設けられているわけで、今回一千人陸上自衛隊について増員をいたしますのも、主として後方警備の要員として考えているわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 現在の予備自衛官の数はたしか三万九千六百人ですね。この内訳、陸海空に分けて説明してください。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 お答えいたします。  予備自衛官の定員につきましては、いまお話がありましたとおり陸上自衛隊三万九千人、海上自衛隊六百人でございまして、五十四年二月末の現員数を申し上げますと、陸上自衛隊が三万八千八百三十三人、海上自衛隊が五百八十九人、充足率で申し上げれば陸上自衛隊は九九・六%、海上自衛隊は九八・二%、合わせまして九九・六%というのが現在の数字でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 空の方は全然いないということですか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 航空自衛隊については、現在まだ予備自衛官の制度は持っておりません。

上原康助日本社会党

○上原委員 別に設けなさいということじゃないのですが、設けない理由は何ですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 確かに航空自衛隊について予備自衛官制度はまだないわけでございますが、しかしいまの後方警備とか後方支援とかあるいは戦闘の補充とかいうことになりますれば、理屈は同じでございますので、実は私どもはその予算要求はいたしておるのでございますが、現在まで実現を見ていない。今後ともこれはやはりそういう見地で新しくつくっていきたい、そういうふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 仮に必要があるとすると、どのくらいを見込んでおられますか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 大体二千人程度というふうにただいまの段階では考えておりますが、この全体の予備勢力の問題について、ただいま中期業務見積もりというのをやっておりますが、その段階でさらに検討をしたいというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 この件で突っ込んだ議論をするつもりではありませんが、手当の分は二千円から三千円となると、五〇%の大幅ベアですね。今度の春闘は五%から大体六%弱で、自衛官だけはパーセンテージにすると十倍の大幅賃上げということになるのですが、そもそもの率が低いということから、いま私が指摘した理屈は妥当性を欠くかもしれませんが、パーセンテージから言うと、やはり相当大幅な増額になる。それに、たしか五十二年でしたか訓練招集手当も五百五十円から四千円に改定をしたんじゃなかったかと思うのですね。  そこで、この予備自衛官のいわゆる通常の訓練とか、そういったある面では自衛隊法でもうたわれておりますように、非常時に備えて予備自衛官制度を設けて訓練もやらなければいかないというたてまえだと思うのですが、そういうのはどういう頻度でなされているのか、そこらも少し説明してもらいたいと思います。

佐々淳行防衛庁参事官

○佐々政府委員 お答えいたします。  訓練招集は、現在、自衛隊法の七十一条によりまして年二回以内、日にちとしては二十日を超えないという範囲で行っておりますが、現実には自衛官を退職して一年未満の者で予備自衛官に採用された者につきましては、初年度のみ適用されます、いわゆる一日訓練と呼ばれております招集期間一日間の訓練と、それ以外の全員につきましては招集期間五日間のいわゆる五日訓練を実施しております。  訓練の内容でございますが、一日訓練では、予備自衛官としての使命感を高めるための精神教育及び服務指導等を八時間実施いたしております。また五日訓練では、小銃の射撃、体育、職種別訓練及び予備自衛官として使命感を高めるための精神教養等、陸上自衛隊にありましては四十時間、海上自衛隊にありましては三十五時間の教育を行っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 それともう一点ですが、予備自衛官の手当を支給されない場合がありますね、これに該当するのはどのくらいいるのですか。招集に応じないとか、あるいは自己の責めに帰すべき事由によって退職する者とか、いろいろ三点ばかりこの手当支給を行わないといいますか支給しないことができるという、こういうものは、先ほどの三万九千六百でしたかの予備自衛官の中に、そういう面の数字はどのようになっているのか、少し説明をしていただきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 ただいま御指摘の予備自衛官には、訓練招集に応ずる義務があるわけでございますけれども、正当な事由がなく訓練招集に応じなかったために免職処分を受けた者の最近三カ年の数字を申し上げますと、五十年度で千三百三人、五十一年度で千八百十八人、五十二年度で八百十六人、こういうことになっております。

上原康助日本社会党

○上原委員 かなりの数だと思うのですが、その主な理由はどんなことですか。追跡調査とか、いろいろ分析しておられますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 御承知のように、予備自衛官はその大部分が何らかの形で企業等に就職しているわけでございまして、年一回の訓練招集については、企業の許可を得て休暇を得て出てくるわけでございますが、現在の状況を申し上げますと、八十数%については、自家営業を含めまして了解を得て出てきている。ただ、中には了解を得ないで出てきているというふうな実態もございます。  そういう意味でわれわれとしては、今後とも予備自衛官制度についての認識を深めていただくよう各企業にもお願いしなければならないと思っておりますけれども、いま申し上げたようなことからなかなか出にくいような雰囲気があるのではないか。ただし、具体的な個々のケースについていま手持ちの資料はございませんので、御容赦願いたいと思います。

上原康助日本社会党

○上原委員 後ほどまたいろいろお尋ねがあると思うのですが、確かに正規の自衛官あるいは予備自衛官にしましても給与の改定というものは、原則的に言うと、人間の生活の面も一部予備自衛官にあるわけですから、それ相応の見合いはやらなければいかないというところまで私たちも全く否定はいたしませんが、さりとてこの種の予備自衛官であるとかあるいは訓練手当というようなことになりますと、どうも予算のむだ遣いということもある面ではなきにしもあらずになってはいかぬと思うのです。そういうところは十分御配慮すべきであるという点を指摘をしておきたいし、同時に、いまも相当の落ちこぼれみたいな数が出ているわけで、そういうことのないように防衛庁としてもさらに努力すべきでないのかという感じがいたします。この点についてどういうお考えを持っておるか、一言大臣の方からお聞かせいただきたいと思います。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 御指摘のとおりと考えまして、この制度が十分目的に沿いますように努力したいと思っておる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 きょうは、冒頭申し上げましたように、ほかにもお尋ねしたい点がありますので、この法案にかかわる点は、私の方ではこの程度にとめて、関連していろいろお尋ねしてみたいと思うのです。  最初に、防衛施設庁長官あるいは労務部長、次の御日程もあるやに聞いていますので、労務問題からお尋ねをさせていただきたいと思うのですが、実は米軍基地で働いている労働者の問題については最近余り取り上げられていない関係もあって、また円高ドル安という経済の変動などもこの二、三年強いものがあって、相当首切りあるいは合理化問題が強行されてきたことは御案内のとおりなんです。  しかし、私はかねがね強く指摘をしてきたことなんですが、駐留軍労働者の使用者は米軍であっても、法律上の雇用主というのは一応日本政府、防衛施設庁長官であるという立場に立てば、米軍に対する施設の提供あるいは維持管理という面に日本側が非常なめんどうを見る傾向にありながら、そこで働いている労働者の労働条件の改善あるいは既得権の擁護、またやむなく解雇されていく人々に対する離職者対策等々について非常に消極的といいますか、不十分ではないのかということを指摘してきた記憶があります。先ほど言いましたように、経済事情の変動等によって、政府もそれなりの努力をやってこられたことは評価をしない面もないではありませんが、最近のアメリカ側の解雇のやり方、いろいろ見ていると、しっくりいかない面といいますか納得しがたい面が多いわけです。  そこで、最近の解雇状況は一体どうなっているかという点をまず御説明いただきたいと思うのですが、これは沖繩だけじゃなくして本土を含めて、過去一年の解雇の状況を簡単に御説明していただきたいし、同時に、現時点でMLCあるいはIHAの雇用員数はどうなっているのか、これは本土、沖繩分離をしてそれぞれ御説明をいただきたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 お答えいたします。  昭和五十三年度に行われました人員整理で実際に解雇されました人数は、本土関係で二百六十三人、沖繩関係で七百四十七人、計一千十人ということになっております。これを内訳別に見ますと基本労務契約、船員契約従業員にあっては、本土で百九人、沖繩六百六十二人、計七百七十一人でございまして、諸機関労務契約の従業員にありましては、本土で百五十四人、沖繩で八十五人、計二百三十九人、こういう形になっております。  なお、その結果、現在の時点で、四月初めの時点でございますが、人員の総数は、在籍総数が二万一千十七人ということになっております。

上原康助日本社会党

○上原委員 ですから、その二万一千十七人の本土、沖繩別の内訳もついでに言ってください、IHA、MLCに分けて。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 二万一千十七人の本土の人数は一万三千五百七十三、沖繩にありまして七千四百四十四という形になっておりますが、その契約別の内訳につきましては、ただいま資料を用意しておりますので、その際にお答えさせていただきます。

上原康助日本社会党

○上原委員 後でちょっと整理をして、資料として提出していただきたいと思います。別にそんなむずかしい問題じゃないと思います。  そこで、これは防衛庁長官もよくお聞き取りをいただきたいのですが、いま米軍基地で働いている雇用員の数は二万一千十七人、そのうち本土が一万三千五百七十三人、沖繩が七千四百四十四人だということでしたが、米軍基地の密度というのは、日本全国の五三%は沖繩にあるわけです。よく言われるように、五割以上沖繩にある。しかし、従業員の数は半分弱ですね。ここに一つの矛盾といいますか、ちょっと理解しがたい面が出てきている。米軍基地そのものは縮減、縮小されていないにもかかわらず、いかに働いている労働者が大幅に減じたか、合理化されてきたかという二とが如実に示されておって、一九七二年、昭和四十七年の段階ではたしか一万八千七百四十八人でしたか、復帰時点の数というのは。これだけ首切りといいますか人員整理、合理化が急激に進んできたという一つの否定できない数字としてあらわれているということ、ここに大きな問題が生じてきた背景、要因があることを理解していただかないと、この基地従業員の問題というのはなかなか十分な対策がとれないのじゃないかという感じがするわけです。  加えて、先ほどの解雇の数にいたしましても、五十三年度、本土関係で二百六十三人であるのに対して、沖繩の方が七百四十七人だ。倍以上ですね、これは何と言ったって。だから、どうもぼくは、外務省も来ていただいているのでわかるのですが、復帰後の沖繩の基地の対応というものが正確を欠いてきたんじゃなかろうかという感じがしてならないのですね。なるべく人手は要らない方向に持っていって、基地そのものは維持するけれども、そこでの雇用効果、と言うよりも雇用の必要性のある基地にはしないというのが、この一連の解雇問題として出てきているんだというところを見逃してはいけないと思うのですね。この点どうなんですか、なぜ沖繩だけにしわ寄せをされなければいけないのか。少し政府全体の労務問題を含めての対応措置というところに何か問題があったんじゃなかろうかという感じが前からしてならないのです。余り聞く機会がなかったので、この際、そういう面についてはどう対処してこられたのか、少し御見解を賜っておきたいと思うのです。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 いま、本土、沖繩を通じまして、駐留軍の労務者の人数の推移等に関連して、その原因をどう考察するかというような角度のお尋ねでございますが、数字から見てまいりますと、先生御承知のように、昭和四十七年の復帰の際は、本土には三万、沖繩には約二万の駐留軍労務者がおりまして、それが今日合計して二万一千まで、総数五万人が二万一千人まで低下してきているという歴史的な過程にあるわけでございます。  その際に、この減少の原因は、在日米軍の運営上の都合から年々の必要数だけを留保して、不必要になった分を解雇するという形で進められてきたわけでございますが、四十七年から今日までの七年間を顧みてみますと、たとえば四十八年等におきましては、本土において一挙に五千人の整理が行われたという時点もございます。それから、本土と沖繩との整理の数が、たとえば昭和五十二年におきましては、四百四十人対四百十四人というような形で、およそ常識的な線でおさまった年もございます。  そういうことで、この整理の歴史を考えてみますと、そのとき、そのときの在日米軍の駐留のあり方、その所要経費の使い方、あるいは業務の進め方というところに影響されているところが主たる原因であるというふうに考えざるを得ない次第でございますが、特に本土復帰以降、厳しく沖繩において整理が進められているというふうには考えられないように思います。  ただ昨年、昭和五十三年におきまして、本土関係二百六十三人に対して、沖繩におきまして七百四十七人と先ほど申し上げましたのですが、この沖繩におきます大量の解雇が進められましたことにつきましては、御承知のように、昨年三月に決定されました、在沖繩米陸軍の機能を空海軍、海兵隊に移管をして、陸軍機能を縮小するという大きな政策が進められたところにその原因があるわけでございます。  それから、これらに対して、政府としてどのような対応策、あるいは雇用安定のための努力を払ってきたかという角度のお尋ねでございますが、御承知のように、防衛施設庁が雇用者の立場に立ちまして対応しているわけでございますので、私どもとしましては、法令、予算で許されている限り精いっぱいの努力を駐留軍従業員の雇用安定について、してきたつもりでございます。  これはやや口幅ったい言い方かもしれませんが、毎年の給与勧告に応ずる給与改定が翌会計年度にまでいかないと実施できなかったというような過去の苦い経験を最近に至りましてやっと克服しまして、国家公務員に準ずる対応措置を確立するような環境が整備できたということも大きな変化でございますし、現在御審議が終わりまして成立しました昭和五十四年度予算におきましても、従業員対策としましては、格差給等の負担をすると同時に、福祉対策、それから離職者対策というような点につきましても、相当の予算的な努力をしてきておるつもりでございます。しかし、いずれにしましても、在日米軍のあり方がこういう御承知のような変化を続けておりますので、これに対応しながら、数少なくなっておりますが、その従業員の雇用の安定に今後さらに本格的に取り組んでいかなくてはならないというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 そういう経過といいますかいきさつ、全く否定もしませんし、わからぬわけではないですが、ただ同時に、私は何も本土の関係者の解雇が緩慢であるとか、あるいはそればいいんだというような立場で言っているわけじゃないのですね。基地の占めている比重から言うと、やはり問題があるんだ。こういうことについては、もう少し日米間で話し合う場合のいろいろな、雇用継続の点、また解雇せざるを得ない場合に、より少なくしていくという十分な論理立てができるのじゃないかということを言いたいわけですよ。  そこで、具体的な面でちょっとお尋ねしたいのですが、確かにいま御答弁がありましたように、昨年三月に陸軍関係の施設が海兵隊あるいは空軍に移管されるということで、大幅な人員整理計画が発表されたのは、そのとおりなんですね。そこで、当初の、昨年の十月三十一日付で解雇をされる計画であった八百五十一人、そのうち二百七十四人はたしか計画変更で縮減をされて、実質的には三百九十九人ということになって、現在も毎月四十九人程度の解雇がさみだれ的に実施をされてきているわけですね。この三百九十九人の解雇問題については日米間でどういう話し合いをなさったのか。毎月四十九名でずっと続いて、結局三百九十九名全部解雇のやむなきに至るのか。あるいは一説には、その一割程度は最終的に減少されるんだというお話もあったやに聞いているのですが、そこいらは現時点ではどうなっているかということ。  もう一つは、中途でいろいろ、前金丸防衛庁長官なども、昨年の六月、そしてまた十一月でしたか、ブラウン国防長官においでいただいて、この問題についてもいろいろ話し合って、政治的な配慮だというようなことなどで、空軍の方に百二名、マリン、海兵隊の方に七十六人でしたか、それぞれ再雇用というか継続雇用ということになっているわけですが、この空軍、マリンに配転をされた人々については、何か条件めいたものがついておるのか。この取り扱いについては、日米間ではどういう話し合いになっているのか。いろいろ雑音などもありますので、そのことについて政府の確たる御見解をこの際明らかにしておいていただきたいと思うのです。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 まず、三百九十九人の問題からお答えいたしますと、御承知のように、昨年の七月にワシントンにおきますブラウン長官と金丸大臣との会合の結果、当初の沖繩におきます陸軍の予定を相当圧縮いたしまして、まず八百五十一人という数字が通告があったわけでございます。それに対しまして、十一月に再度の金丸・ブラウン会談が行われたのでございますが、その間におきまして両当事者がさらに一層の努力をするという約束のもとに双方で努力を続けてまいりまして、最終的に八百五十一は、先生後で指摘されました百七十八を配置転換するということで解決しまして六百七十三となりました。その六百七十三のうちに二百七十四の十月三十一日に完結しました解雇と三百九十九とに分かれてきたわけでございます。その三百九十九は、できるだけ長い期間をかけて解雇を進めていけば、その間にまた配置転換その他のことでその総数を圧縮することができるであろうということで、四十九人ずつ段階的に続けてきたわけでございます。  今日、もうこの三百九十九が終わろうとしておりますが、現段階でどうなっておるかということにつきまして申し上げますと、昨日、在日米軍参謀長と私の間での情報交換の場におきまして、私どもが承知できる数字を申し上げますと、五官九十九人のうち約五十人は、その後の途中における配置転換等の努力によって圧縮できるものというふうに推測しております。この完結時期が七月の末ということに予定されておりますが、したがいまして、これを繰り上げてまいりまして、六月の解雇数は、やや希望的観測かもしれませんが、二十人前後で、これで終われるのではなかろうかというふうな見通しを持って対処しておるところでございます。  それから二つ目のお尋ねに、百七十八人についてのお尋ねがございましたが、海兵隊と空軍に配置がえになりました百七十八人につきましては、われわれとしましては格別の条件がついての配置がえとは承知しておりません。できるだけ努力するという米側の言葉どおりに受け取ってきて、これを通常の配置転換というふうに考えて推移しておるところでございます。したがいまして、百二人と七十六人とのこれからの問題につきましては、今日の段階ではまだ正確な情報を得ておりません。そういう状態でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 そうしますと、海兵隊、空軍に移った者については、米側から条件のついた話ではなかった、こういうふうに理解していいですね。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 これは当初、先生も御記憶のとおり、プロビジョナルリフというような特殊な表現がございまして、この表現に対して、リフの条件としてそのようなことは、従前からの約束上、日本側では理解しがたいところであるということで申し入れをいたしましたところ、その後われわれが承知しておりますのでは、通常の配置転換という形で行われるものと理解しておるところでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 それと、最終的には若干圧縮ができるといういまの御発言ですが、これももう少し努力をすべきじゃないかと思うのです。  そこで、少し進めますが、五十四年度予算でいわゆる格差給の問題あるいは語学手当、公務員より上回ると見られる退職手当の一部の格差補償といいますか、そういうものを含めて、新たに約七十億程度予算計上されたのですが、これを政府が計上した理由はどういうお考えからですか。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 初めに、三百九十九人の圧縮約五十人程度の見込みに対してさらにというお言葉でございましたが、これと並行いたしまして、アメリカ側におきまして一たん解雇された人間に対する再雇用の努力をしてもらって、約八十人の救済ができております。したがいまして、直接連なる数字ではございませんが、この三百九十九を進める過程におきまして約百三十人の救済ができたというのが事実かと思います。  次のお尋ねの、今度新しい労務費の負担の考え方でございますが、地位協定二十四条一項には、維持に要する経費は米側で負担するということになっておりまして、労務費等は長年の間、単純な維持の考え方の中で米側が負担をしてくれるならばということで、米側負担のまま推移してまいりましたが、在日米軍の財政の窮迫、それから昭和四十八、九年ごろから顕著になりました賃金の高騰、こういうようなことから種々検討いたしまして、昭和五十三年度の予算におきましては、厚生費等を負担した経緯は御承知のとおりでございます。  さらに、その環境条件は厳しくなってまいりましたので、この委員会でも昨年来御審議ありましたように、日本側として、地位協定の範囲内において何らかなし得るところがあれば、なすべきことをなすという考え方で協力をしようという角度で、長い検討を続けてきたわけでございます。  その結論として持ちましたのは、在日米軍が日本国内におきまして労働力を獲得しようという場合に、米軍の意思のままにそれが許される環境条件にあれば、これはともかく言う次第ではございませんが、地位協定十二条の中に、労務の調達は日本政府当局の支援を得て行うべきものと定められておりまして、米側自身、その裁量のみによっては雇用をするわけにばいかないというふうになっておるわけでございます。また、これを受けまして、国家公務員法の特例を定める条項が、先ほど御指摘のようにあるわけでございます。  そういうような立場に立って考えますと、賃金のすべてを日本政府が、防衛施設庁長官が定めます給与及び勤務条件というものを土台にしまして定まっていく賃金は、その賃金すべてを当然に米軍に維持費として負担させるべきかどうかという点について、さらに一歩入って双方で検討したわけでございますが、米側とすれば日本国内において雇用する場合の賃金の水準を、通常その地方におけるノーマルな賃金体系の中で雇用するのが当然であるという考え方をとりますと、その水準はやはり国家公務員並みの賃金を払って労働力を雇用するというのが穏当な線であろう。  そうすると、過去の団体交渉等から見まして、労働者に既得権としてそれを上回る給与を確保しておるわけでございますが、その分については当然に米側に支出を要求するというわけにもいくまい。そこに日本政府として雇用者の立場におきます負担をしようという考え方で、今回の公務員の水準を上回る部分については日本政府が負担するという考え方で予算の提案をし、御可決をいただいたという次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 地位協定の解釈問題その他いろいろ疑問がないわけではありませんが、要するに、基地従業員の雇用保障あるいは既得権の擁護、一方また法律上の雇用主といいますか雇用者責任は、防衛施設庁にある。そういうことを総合的に判断をすると、こういう手当てといいますか措置を講ぜざるを得なかったというのが筋かと思うのですね。  そこで問題は、予算書をいろいろ言うまでもないわけでありますが、かつて金丸長官は思いやり論というのをおっしゃったのですが、いまの山下長官はどういう思いやりがあるかよくわかりませんが、これだけ日本側が誠意を見せても、なおアメリカ側はこれに対して十分こたえていないのじゃないかという感じを私は率直に指摘をしておきたいわけですね。安保のただ乗り論どころか、むしろアメリカ側は、ある面では日本側にまる乗りしようとしておる、そういう面からしますと、解雇問題にしても、賃金水準の維持あるいは労働条件の改善にしても、従来の慣行といいますか公務員と同時同率の原則を守る、既得権はあくまでも守る、守らせる、この基本姿勢はいささかも変わることはないですね。これが一つ。  いま一つは、今後の解雇というものをどういう見立てをしておるのか。いまいろいろやりとりしましたそれ以外に、新しい会計年度になった場合また起きるのかどうか、そこらの点はどうなっているのか、この二点は明確にしておいていただきたいと思うのです。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 いまの御指摘の点につきましては、このたびお認め願いました予算におきまして、労務費の分担につきましては、アメリカ側は十分評価をいたしておると思いますし、そのことはまた、駐留軍従業者の雇用の安定面につきましても、十分反映されることと思うわけでありますが、なお、御指摘のとおり、駐留軍労務者の労働条件の改善であるとかあるいは既得権の保護とかあるいは離職者対策等につきましては、十全の努力をいたす所存でございます。  後段につきましては、施設庁長官から申し上げます。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 今後の解雇がどういうふうに進められるかというお尋ねでございますが、現段階におきましては、先ほど来述べております三百九十九人の問題を決着をつけることが私どもの当面の主眼でございまして、それが完了した後でどうなるかということにつきましては、ほとんど情報を得ておりません。  ただ、環境条件等を考えますと、米軍の運営のあり方というのは、非常に合理化が進みつつございますので、人手を省くという方向に運営が進められていく傾向にあることは否定できません。しかし、そのような中にありましても、やはり雇用の安定を確保していくことは私どもの責めであろうと思いますので、その条件下において最善を尽くしていきたい、このように考えておる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 この点と関連してあと一つだけ。  現在、嘉手納空軍基地で請負業者に雇用されている旧第四種といいますか、の解雇問題が新たに出ているわけですね。該当者が三つの請負業者に雇われている。非常に小さい企業のようですが、七十八名の方々が該当している。これはかつて私が関係しておったころからの非常にむずかしい問題で、防衛施設庁も窓口ではない、外務省もおいらの知ったことじゃないというお立場をとるし、しかし、基地で働いておることは間違いないのです。理由は何かと言うと、アメリカ側は基地の維持管理費といいますか、主に清掃業務関係ですから、いわゆるエネルギー節約とかドル節約という面で、従来請負業者にさせておったものをほとんど解約して、パートを雇うとかあるいは兵隊自身にさせるというようなことらしいのだが、実質的には日本人に請け負わせ、あるいは雇うというのは非常に金がかかるので、米人の軍人軍属というかそういうパートを週に二回とか三回とか雇って、業務を合理化といいますか節約をするというのが本音だと思うのですね。  私は、これなどもMLC、IHAに直接関係ないのだということで済まされる問題ではないと思うのです。これだけ日本政府側もいろいろ予算措置を講じてやっているわけだから、深刻化している失業問題、雇用問題ということを考えると、アメリカだってあれだけでかい基地にどかっと座っているわけだから、当然そういう面では、地域に及ぼす使用者という立場での社会的責任というもの、道義というものを考えてもらわなければいかぬ。都合が悪いから首を切るというのでは労働者はたまったものではないのです。したがって、この件については外務省、施設庁は大使館なりとも少し接触していただいて、対策を講じてもらいたいと思うのです。御見解を承っておきたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 いま御指摘の清掃業者に雇用されております旧四種の方々の解雇の問題につきましては、実は私自身那覇から送られてきます新聞を見て、ごく最近承知したという状況でございまして、先生御指摘のように、防衛施設庁の所管行政事務の範囲から申しますと全く外の案件になりますので、情報さえそのような状態でございます。しかし権限、責任の範囲の外ではございますが、基地の周辺の諸問題を解決いたしまして、安定的な基地使用ができるようにいたしますことは、総じて防衛施設庁の職責の範囲と思いますので、職責の範囲で、これらについて直接の関与をすることは当然不可能でございますが、一般の情報としてこれを承知し、それを含んだ上で従業員の労務管理の安定を図っていくというふうな努力を今後もすべきではなかろうか、このように考えておる次第でございます。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 ただいま施設庁の方から御説明がございましたように、私どもといたしましても、十分施設庁と協議をいたしてまいりたいと考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 これは時期がせっぱ詰まっていますので、私はそのことを、現地の施設局長がいらっしゃらなかったので飯村次長には電話でよく申し入れてあります。よく連絡をとっていただいて、対策を講じていただきたいと思います。  労務問題についてはほかにもありますけれども、大体大筋はわかりました。  それで、長官にお伺いいたしますが、何か国会が済むと今度またアメリカに行かれるという、後で少し議論をやりますが、当然その段階においては、労務問題等についても前長官との話し合いの経過もありますし、私は、日米防衛首脳が日米間の重要な基地問題を話す場合には、この労務問題も重要な課題の一つであるという認識で当たらなければいかぬ問題だと思うのです。そういう御用意は十分ありますね。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 私の訪米についてはまだ決まっておるわけではございませんが、ただいま御指摘のございました前金丸長官も、ブラウン米長官との間でお話をされまして、そのことは先ほど来、施設庁長官も御説明申し上げておりますけれども、相当の成果を上げたものということは十分考えられるわけでございます。  私も、労務問題を十分認識いたしまして当たってまいりたいと思う次第でございますが、どのようなことになりますか、まだ決まっておりませんし、会談の内容等についてはまだ決まりませんけれども、ただいまの御指摘については十分認識いたしまして、いろいろ努力してまいりたいと思う次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 次に、沖繩における米軍演習の問題についてちょっとお尋ねをしておきたいと思うのです。  時間の都合もありますので、残ったら明日の沖特でやることになるかもしれませんが、今年に入ってから県道一〇四号線を封鎖しての実弾演習がたしか一月の三十日、二月の二十二日、四月の五日というふうに非常に頻度が高くなっている。かつてこの問題が非常に社会問題になった段階においては、防衛庁全体としては、あるいは外務省を含めて政府としては、県道封鎖をしてやるのはやはり好ましくないというようなことでもって、演習そのものをやめろという申し入ればできないけれども、回数は落とす、そういうことを国会でも答弁をしてきたいきさつがあります。  だが、県知事が保守にかわったからかどうかは知りませんが、やることなすことひど過ぎる、爆音公害にしても。一体どうしてこういうふうに回数もふえて、いろいろ演習の質も変わってきたのか、名護における機関銃射撃の問題も含めて。それもおいおい再開をするというようなことらしいのですが、米側と変わったお話し合いでもやったのですか、やらなかったのですか。また、頻度の問題については、政府はどうお考えなのですか。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 沖繩におきます米軍の訓練演習が非常に頻度が高くなっているということは、最近の沖繩の地方紙を見ておりますと、たびたび指摘されておりますので、私どもの方でも本当にそのような実態があるであろうかということで、統計的には確認をしてきております。それでまいりますと、五十二年、五十三年とほとんど横ばいでございまして、別して頻度が高くなってきたというふうには考えられない状態にあるように思います。  それから、五十四年に入りまして、それではこの一月から今日までの間に非常にまた頻度が高くなってきたかということで、現地局の方から相当しさいに報告をとってみたのでございますが、総じて言えますのは、回数とかいうようなものはそれほどふえていない、むしろ横ばいあるいは下がっておるものもある。  ただ、先生御指摘の国道一〇四号線越えの砲撃の回数は、確かにすでに三回行われまして、昨年の五回に比べますと前半四カ月にして三回終わりましたので、これは頻度が多いと言われればそのとおりであろうかと思います。それにいたしましても、この砲撃そのものをめぐりまして、過去において相当頻度高く訓練をしなければならないアメリカ側の要求を、その時点時点におきます現地のやむを得ない事情で制約をしてまいりましたこともございまして、これらを含めまして全体を考えました場合に、飛行訓練度合い等を含めましてもそれほど大きな変化が起こっておるとは、統計的には出てないように思います。ただ、これは数字の問題でございまして、現地におかれましてはだでそのようにお感じになっている方々が多いというところが、あるいはあの新聞の記事の原因かとも思いますが、数字的にはそのように認識しておるところでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 その答弁は納得しかねますよ。あなた、これはまた問題だよ。私もここに統計、今年のものがたくさんある。一月九日、B52が飛来。一月二十四日、米兵のトラックによって老女を六メートルはね飛ばす、即死。一月三十日、一〇四号線封鎖、実弾射撃演習。二月六日、基地内で山火事。二月十五日、米兵による交通事故、一人死亡。二月二十二日、一〇四号線封鎖、実弾射撃演習。四月五日、一〇四号線封鎖、夜間演習。四月六日、米軍大型トレーラー民家に突っ込む、これは宜野座村。四月十三日、機関銃射撃演習再開、その他ハリアの離着陸訓練、あるいは読谷村におけるパラシュートの訓練、上陸演習、嘉手納飛行場のタッチ・アンド・ゴーの訓練。  今年に入ってからも私が調べただけでもこんなにたくさんある。何がふえていないか、何が横ばいですか、あなた。横ばいしているのは防衛庁くらいなものだ。こんな答弁では納得しかねますよ。  じゃこの一〇四号線、去年は五回でしょう、あなたがおっしゃるように。ことしはすでに三回やっているのです。あと何回やるのですか、これが頻度が数多くなってないと言えますか。それと、四月五日に至っては夜間演習をやっている、照明弾を打ち上げて。これは初めてですね、最近においては、最近というより復帰後、照明弾を打ち上げた、ああいう封鎖をして実弾を撃ち込んだ、砲弾を撃ち込んだというのは。これは夜間演習もできるようになっているのですか。少なくともいまの県知事だって、いまの県政だって、夜間演習はやめてもらいたいという中止申し入れをやっているのですよ。県議会も全会一致やっているのよ。元号法案、みんなあちこちで決議したからやったのだやったのだと言って、沖繩で決議されれば一遍だって守ったことはないのです、政府は。大の虫を生かすに小の虫は殺していいのですか、どうなんです。夜間訓練とかそういう演習の頻度の問題については、日米間で話し合う御用意ありますか。  それと安保条約、後で時間の範囲でいろいろ議論しますが、幾ら何でも夜の夜中に爆音をがなり立てていいということはどこにも書いてないですよ。そんな基地がありますか、あなた。夜の夜中一時、二時、三時になっても、あなた方がどう言ったって、ぼくは嘉手納に住んでいるから一番わかるのだよ、毎日いじめられているから。だから声もでかくなっている、爆音のせいで。小さい声で話したら本当に聞こえない。そういうことについては、もう少しまじめなお答えをしてみたらどうですか、ぼくだってちゃんと調べてきているのだから。だから、何か日米間でそういう変化の話し合いでもなさったのかどうか、あるいは今後はどういうことになるのか、われわれがそう言っていることに対して、政府は具体的にどう対策を講じようとしておられるのか、これを聞いているのですよ、長官。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 沖繩におきます米軍演習のあり方につきまして、米軍の方から格段にその頻度を高くするとか密度を濃くするとかいうような方針があるということは聞いておりません。私どもとしましても、これに対応する態度としては、周辺の安定を図りつつ使用を確保していくという従前の態度に変わるところはございません。

上原康助日本社会党

○上原委員 夜間演習についての対策なり中止申し入れ、そういうことをやる御意思はないのですか。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 御指摘のように夜間演習が行われておりますけれども、米軍の演習場使用の諸条件の中には地位協定におきます使用の仕方というものを守ってやっておりますので、これはいかぬという角度で制限をするというのにも限度があろうかと思います。ただ、総じて周辺に被害を生じさせないように格段の努力をしていくという所信でおる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 あなたはいま、頻度が多くなっているという感じはしない、また、そういう申し入れというか、そういう話も米側から聞いていないということなのですが、今年に入ってから一〇四号線を封鎖しての実弾射撃演習というのは大体一月ごとになされていますね。また、米軍は実際に、毎月やりたい、いままではがまんしておったのだと言っている。おまけに、県政も反対じゃないのでということも、ぼくは多分にかんでいると思う。毎月行うということになっても政府は傍観するのですか。防衛庁長官、沖繩は戦場でないのですよ。いま、アジアのどこかで戦争しているのじゃないのだ。こういうことについては、よしんば基地を認めるとか安保を容認するという立場に立とうが、人道上の問題として、外交交渉なり日米間で話し合う筋の問題じゃないですか。なぜ皆さんはそれさえできないのですか、お考えを聞かしていただきたいと思う。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 日米安全保障条約によりまして、駐留している米軍が必要な訓練を行い、練度を高めることにつきましては御理解を賜りたいと思うわけでございますが、しかしながら、同時にわれわれとしては、ただいま地域の皆様のお気持ちと実情についてるるお述べでございますけれども、地元の皆様のことも十分考えていかねばなりませんし、また、訓練に伴う被害等の軽減、防止等については、さらに万全を尽くしたいと思う次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 苦しい答弁、心中わからぬわけではないけれども、不満ですね。したがって、照明弾を打ち上げてやる夜間の演習のやり方というものは、まさに有事の体制、有事訓練ですよね。戦争をやる人々はみんな有事に備えてのことだと言ってしまえばそれまでかもしれない。夜間に爆音をがなり立てて離着陸訓練をやるとか、いろいろなことをやる、あるいは県道を封鎖して毎月そういうことをやる。こういう実態、あり方については、県民の意思というものも考えて、アメリカ側ももっと——かつては、それを半年に一回ぐらいとか、一年やらなかったこともあるのです。できない相談じゃないと思うのです。そういうことについては、総合的に話し合ってみる必要のある課題ですね、たとえ政府の立場に立っても。沖繩の米軍基地の演習問題をめぐって米側と防衛施設庁なり外務省全体でよく話し合ってみるということは、大事な点だと私は思うのですが、そのことはやっていますね。どういう規制ができて、どういう改善策がとれるのか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 その点につきましては、従前から双方で十分意思の疎通を図っておると思いますが、私どもも必要な訓練が実施されることについては御理解を賜りたいと思いますけれども、やはり地元住民の皆さんの安全確保であるとか、あるいはいろいろの生活上の障害が起こらないように十分努力いたしたいと思いますし、また私自身も、いまの御指摘につきましては十分認識させていただきたいと思う次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 後で山花先生からもお尋ねがあると思うのだが、名護の機関銃演習再開については、政府に正式な通告があったのですか。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 M85の機関銃の射撃につきましては、三月の終わりに、かつて米側から対応措置をとると言っておりましたその措置の一つの事故防止装置が完成したので、これをテストしたいという連絡がございまして、それに対してはわれわれも、大変大きな問題であったので、技術的な権威者を連れて立ち会ってそれを確認したいということで、三月二十八日に私どもの方も立ち会って確認をしたところでございます。  その後、米軍におきましては、地方の住民の方方にお騒がせをした問題であるので、こういう改善措置をずっと行うという諸条件と機械装置とを直接関係の方々にごらんをいただいて、その後に演習を再開するようにしたいという決心をいたしまして、十三日に県当局の御指導によって関係者の視察のもとに展示演習を行い、およそ不安がないという県当局等の御判断もございまして、米軍は近く演習そのものを再開するというふうに承知しております。

上原康助日本社会党

○上原委員 県当局県当局と言うけれども、名護市は市を挙げて反対しているということ、そこを忘れないように。いまのような状態ではまた問題が起きますよ。  次に進みたいと思うのですが、防衛施設庁関係はもう引き取りをいただいてもいいです。  日米防衛協力指針についてお尋ねをしておきたいと思うのです。これは相当広範囲の問題が含まれているといいますか入っていますので、時間をかけた議論が必要だと思いますが、きょうは主に基本的な点だけを確かめておきたいと思います。  昨年の十一月二十七日の第十七回日米安全保障協議委員会で「日米防衛協力のための指針」が日米間で了承をされ、さらに翌二十八日に国防会議及び閣議で報告をされ、了承をされた。そして防衛庁長官は十二月十五日に「日米防衛協力に関する研究作業の実施に関する長官指示」を出して、目下統合幕僚会議議長、陸上、海上、航空各幕僚長に対して、指針に基づく共同作戦計画の研究その他の作業を実施することを命じている。また内局は事務次官が指定する内部部局の局長と緊密に連携して、いわゆる制服、内局含めて、この指針に基づいた日米の防衛協力態勢確立の準備作業をやっているということだと思うのですね。また、研究作業の進捗状況に応じ、防衛庁長官に適宜報告をすることになっている。今日までどういうふうに進捗しているのか、また、どういう報告を防衛庁長官は受けておられるのか、御説明をいただきたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 御指摘のように、昨年十二月の十五日に、長官から各幕僚長、統幕議長に指示があったわけでございますが、何分にもこの問題は、日米両方とも初めてのことでございます。それから、私どもは、統幕を中心に各幕が支援するということでこれをやっておるわけでございますが、在日米軍は、それぞれ自分のルーチンワークというものがございますので、どなたが担当するのかという問題もございます。事柄が非常に広範でございます。どういうふうにこれを進めていくかというようなことにつきまして、協議をいたしておりまして、最近、共同作戦計画の研究を中心に、随時その他の問題に及ぶということで、研究作業がスタートいたしたわけでございますが、成果という段階にはまだ至っておらないわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 その後の作業経過については、全く報告は受けてないし、余り進んでいないということのようですが、必ずしもそう思われません。  そこで、まず最初に一点、この指針は、日米間同じものを指針として確認をしたのですか、いわゆる和文と英文は一致していますか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 同じものを指針としてつくったわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 英文の資料を提出していただきたいと思いますが、いいですね。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 もちろん提出いたします。

上原康助日本社会党

○上原委員 わが方は閣議で了承をしたということになっておるわけですが、アメリカ側はどこでどういうふうな手続でこれを了承したというか、決定したということになるのですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 私ども承知しておりますのは、アメリカの統合幕僚会議を経て国防省、国務省に報告をされ、そしてその指示を得て、研究作業に着手してよろしいという指示をもらっていると承知しております。

上原康助日本社会党

○上原委員 これは一種の有事立法体制ですよね、日米間でこれだけのことをやろうというわけだから、防衛庁長官。しかし、それぞれ独自の判断でやるということなんだと思うのです。  そこで、具体的にお尋ねをしてみたいのです。  まず、「前提条件」がありますね。いわゆる「事前協議に関する諸問題、日本の憲法上の制約に関する諸問題及び非核三原則は、研究・協議の対象としない。」これは予算委員会でも一遍指摘をした記憶があるのですが、きょうは、冒頭お断りしましたように、十分な準備期間がなくてのことですから、その会議録までレビューできませんでしたが、ここで言う「日本の憲法上の制約に関する諸問題」ということは、どういうことですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 わが国の憲法上、自衛のため必要最小限度のことしかできないという制約がございますから、もちろんそれはわが国の防衛体制の基本にかかわること——これは非核三原則もそうでございますから、そういうわが国の防衛体制の基本にかかわることは研究・協議の対象にしない。そういう前提は前提として尊重していくということでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 ですから、具体的に言うと、どういうことが想定できますか。それを私は聞いているんです、抽象論じゃなくして。一々断っているわけでしょう。「事前協議に関する諸問題」、これはわかりますな。統一見解とか、いろいろある。「非核三原則」もわかる。「日本の憲法上の制約に関する諸問題」、これは対象としないというわけだから、この具体的中身を聞かしてもらいたい。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 憲法上の制約としては、一つは、わが国は自衛のため必要最小限度でございますから、たとえばICBMのような、他国に壊滅的な打撃を与えるような兵器は持てないというようなこと。あるいは、必要最小限度でございますので、いわゆる海外派兵というものは自衛権の行使の限界を越えるものであるというようなこと。それから、もちろんわが国は個別的自衛権の範囲内で自衛隊が活動するということでございますから、そういうこともございます。したがって、そういう点につきましては、わが国憲法上の制約があるということでございますから、それは研究・協議の対象にしない、こういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 法制局、いまの解釈でいいですね。

茂串俊内閣法制局第一部長

○茂串政府委員 ガイドラインの内容のことでございますから、必ずしも私、的確なお答えはできないかと思いますが、ただいま防衛庁の政府委員の方からお答えになったことで大体尽きておると思います。

上原康助日本社会党

○上原委員 個別的自衛権にかかわること以外は、この指針で自衛隊が参画というか、参加することはないですね。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 自衛隊は、もちろんわが国の防衛をするわけでございまして、それは個別的自衛権の範囲内で行動するものであります。

上原康助日本社会党

○上原委員 それは後でまた進めていきます。  そこで、この「前提条件」の二項ですが、その後段に、「この結論は、両国政府の立法、予算ないし行政上の措置を義務づけるものではない。」ちょっと日本語としては解しかねる感じもするわけですが、確かに「両国政府の立法、予算ないし行政上の措置を義務づけるものではない。」あたかも大した変化がないという印象を与えるような感じがするんですが、これだけの項目にわたって、具体的に自衛隊の防衛出動、あるいは同時にその自衛力の行使をやるわけです。これに書いてあるとおりを研究して、いざという場合には実行する、行動に移すということなんだから、どう考えても、両国政府の立法、予算、行政上の措置に影響がないとは言えないわけですね。全く関係なしでこれだけの措置ができるのかどうか、一読しただけでも、素人にしても疑問を持つ。そこいらの点は明確にしておいていただきたいと思うんです。  たとえば現在の防衛庁の機構を改革とか、改革と言うより、いわゆる改悪だな、有事体制を考えてこれだけのことができるのか。あるいは閣議で決定されている防衛大綱の、防衛費一%以内、そういう問題には全然変更なくて、これだけの措置ができていくのかどうか。  また、これは私が読んでみても明らかに有事立法体制ですよ。そうすると、国民の基本的人権というのか、国民の権利というものは何ら制約を受けずにこういう有事体制、日米間の防衛協力態勢ができるのかどうか、全く疑問を持たざるを得ないのですね、そういう面から考えてみると。したがって、多くの問題に波及をしていく、連動していく可能性十分ありとわれわれは判断する。ここいらは進める段階においてはっきりした政府の見解を承っておかないと、できてしまってからこうなりますと言われたんじゃたまったものじゃない、結果だけ見せられてはいけないと思う、これだけ重要な問題については。この点、明確な御答弁を長官、お聞かせいただきたいと思うのです。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 もちろん、確かにこのガイドラインに決められた範囲でいま研究をいたしておるわけでございます。あくまでこれは研究というのが中心でございますから、それによってどういう措置をとるかということは義務がない。こういうことを研究しておくのが中心でございます。そういうことでございますから拘束力がないわけで、いまやっておることは本当に研究が中心であるということを御理解いただきたいわけでございます。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 このガイドラインは私が就任以来、十二月十五日に指示をいたしましたことでございますが、これは先ほど御指摘ございましたが、有事立法ではないかということでございますが、決してそういうことではございませんで、いま日米安保条約がございますけれども、あくまでその円滑な運用につきまして、防衛協力の指針を私が指示して、ということは、つまりシビリアンコントロールの原則のもとにいたすわけでございますし、しかも、その主たるものは研究・協議でございまして、それにつきましての前提条件は、いま御指摘のとおりに、はっきりと書かれておるとおりに御理解賜りたいと思う次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 皆さん、そういう御答弁じゃますますおかしいんじゃないですか。研究をしておくだけで別に拘束されない——しかし、研究してそういう体制をつくっていざという場合はそれを実行に移すというわけだから、そのときには必ず国民は拘束されるわけでしょう。わかり切ったことじゃないですか。  それでは、もっと具体的に進めてみましょう、どういう返事がなされるのか。  この「研究・協議事項」の(2)項の方に、「(1)以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合の諸問題」、これは具体的にはどういうことを想定なさっているのですか。概念とか中身はどういうことを想定しているのですか。安保条約上も、確かに米軍は極東の平和と安全のためにわが国の施設、区域を使用することはできますよ。しかし、自衛隊が、極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合に、アメリカと一緒に行動できるのですか。これはどういうことを想定しているのですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 自衛隊は、もちろんわが国を防衛するために行動するもので、極東の事態について行動するということはないわけでございますが、ここに書いてありますこと、「極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える」、そういうことは抽象的に考えられるわけでございます。  具体的にどういうケースかということは、ケース・バイ・ケースで判断をせざるを得ないことでございまして、いまここでどういう事態が日本の安全に特に重要な影響を与えるかということは、特別にないわけでございます。この(1)の問題は、自衛隊と申しますよりも、そういう場合にどういう便宜供与が日本政府としてできるかということについてあらかじめ研究をしておこう、こういう問題でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 何だ、みんなそういう抽象論ではちっとも回答にならぬじゃないですか、おかしいよ、全く。  では、その(3)まで聞いてみましょう。「その他」の中身として「共同演習・訓練等」というものがありますね。これは、共同演習・訓練はどういうふうなものをやっているのですか。いまはどういうのをやっておって、これからはどういう共同演習・訓練をやろうとするのですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 共同の訓練は、航空自衛隊でございますと、昨年の十一月ごろから三沢等でやっております。それから海上自衛隊についても、年に何回か現在やっておるわけでございます。今後どういうことにするかは、共同訓練、共同演習は当然自衛隊法の枠内でできることでございますが、これを計画的、組織的にやろうということについて研究するわけでございますので、これは研究の結果によるわけで、ただいまの段階ではまだ申し上げる段階にございません。

上原康助日本社会党

○上原委員 空と海はわかったんですが、陸はどうなんですか。陸も共同演習、共同訓練をやることになりますか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 米軍の陸上部隊というのは、沖繩に海兵隊がおるわけでございますけれども、それ以外にはおらないので、実際問題として陸上について実際の部隊での共同演習ということはむずかしかろうと思いますが、たとえば指揮演習というようなことなら共同でもできるかと思いますが、それもこれからの研究の問題でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 疑問点だけちょっと聞いて、あとで具体的なことでお尋ねしたいと思うのです。  さらに進んで、「日米防衛協力のための指針」「この指針は、日米安保条約及びその関連取極に基づいて日米両国が有している権利及び義務に何ら影響を与えるものと解されてはならない。この指針が記述する米国に対する日本の便宜供与及び支援の実施は、日本の関係法令に従うことが了解される。」ここで言う「日本の関係法令」というのはどういう意味ですか。現行関係法令とは書いてないですね。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 「関係法令」と申しますのは、たとえば便宜供与なら便宜を与えるときにあります法令ということでございます。そういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 ちょっと意味がわからなかったですね。  私がお尋ねしているのは、ここでは「日本の関係法令に従うことが了解される。」というふうになっているが、現行関係法令とは書いてないわけでしょう。現行関係法令のことを言っているのか、新しい法令をつくっても、それは日本の関係法令になるよな。そこいらをはっきりさしてくれと言うている。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これも、いまのお話で、このガイドラインによりますのは、研究するというのが中心でございます。でございますが、研究の結果、そういう事態が生じて、便宜供与をしなければならない事態になった場合に、そのときにある法令、それに従ってやらざるを得ないわけでございますので、この読み方としてはそういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 ちょっと意味がよくわからない。やはり何か考えていらっしゃるなという程度はわかりますね。  さらに、たくさんありますが、きょうのところはちょっと急がざるを得ませんが、1の「侵略を未然に防止するための態勢」の2の(2)ですね。この中で非常に強調されているのは、「自衛隊及び米軍は、日本防衛に必要な情報を作成し、交換する。自衛隊及び米軍は、情報の交換を円滑に実施するため、交換する情報の種類並びに交換の任務に当たる自衛隊及び米軍の部隊を調整して定めておく。」要するに情報という言葉を使っているわけですが、防衛問題あるいは軍事ということになり、特に有事体制を想定をしての作業となりますと、一種の諜報活動ですね。諜報業務ですね。ここで言う情報は当然諜報というように受け取れるのですが、そこはどうなんですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これは普通の情報活動、情報の交換のことでございまして、いわゆるスパイというような活動のことは入っておりません。

上原康助日本社会党

○上原委員 その情報ということには諜報活動分野は全然入らないというふうに理解していいんですか、本当に。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 そのとおり理解されて結構だと思います。

上原康助日本社会党

○上原委員 さらにそれとの関連で、いわゆる情報の保全というか保護手段を講ずる、こういう面もあるわけですね。そうしますと、軍事機密だあるいは秘密だというようなことで、当然その機密保護法的な面あるいは私がさっき指摘をした現行法令、関連法令ということとの関係において現在ない法令ということも想定をしていると見ることもできないわけではない、こういう防衛協力指針に基づいていろいろ研究をする、あるいは新しい何かが必要という場合において、機密保護法とかそういうことは一切考えてもいないし、またそういうことは出てこない、これは断言できますね。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 保全に関し、それぞれが責任を負うということでございまして、得た情報の管理等は、自衛隊がもらえば自衛隊が管理をするわけでございますが、これは現行法でやることを考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 機密保護法的なものは、この作業を進める面からは出てこないと、はっきり言えますね。これは念を押しておきたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ただいまこのガイドラインの研究につきまして、秘密保護法を特別に制定する考えは持っておりません。

上原康助日本社会党

○上原委員 防衛庁長官、その見解に対してどうですか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 ただいま防衛局長から御答弁申し上げたとおりでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 さらに、(3)の後段ですが、「特に、自衛隊及び米軍は、予想される不足補給品目、数量、補完の優先順位、緊急取得要領等についてあらかじめ調整しておくとともに、自衛隊の基地及び米軍の施設・区域の経済的かつ効率的な利用のあり方について研究する。」さっきからあなたは、研究するだけであとは何もないかのようなことを言うんですが、ここはどういうことをやるわけですか。たとえば「不足補給品目、数量、補完の優先順位」、これは明らかに国民生活に影響を及ぼしますよ、こういう研究をして、もしこれが実行されたという場合は。さらに、「自衛隊の基地及び米軍の施設・区域の経済的かつ効率的な利用のあり方」、この中身はどういうことですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 補給につきましては、やはりわが国が共同対処でやるわけでございますから、そういうときにどういうものが不足してくるであろうかとか弾薬なんかはどうであろうか、そういうことで、そういうものが足りない場合にどういうふうにこれを補完するか、調達するかというようなことをあらかじめ研究しておこう、こういうことでございます。また、施設につきましても、これは一種の共同使用ということがどこまで可能であるかというようなことが研究の対象になろうかと存じます。

上原康助日本社会党

○上原委員 どうも御答弁が歯切れが悪いのですがね。  さらに丑、「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」、この中に「共通の基準をあらかじめ定めておく。」とあります。全部続みますか。「自衛隊及び米軍は、それぞれが実施する作戦準備に関し、日米両国が整合のとれた共通の準備段階を選択し自衛隊及び米軍がそれぞれ効果的な作戦準備を協力して行うことを確保することができるよう、共通の基準をあらかじめ定めておく。」ここで言う「共通の基準」とはどういうことですか、具体的に中身を言ってください。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これは準備段階にかかわるものでございますが、要するに、どういう状態になった場合に——だんだん準備を整えていくわけでございます。常識的に考えまして、最初は、警戒監視を強化するというようなことから始まるだろうと思います。最後には、防衛出動が出ましたときにすぐ動き得る態勢になるわけでございます。それを段階的に上げていくということでございますので、どういう状態のときにはどういう準備の状態になっていくかということにつきまして、共通の認識がないとこれはばらばらになるわけでございますので、そこのところをあらかじめ研究して決めておこう、こういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 それと、一番疑問に思うことは、この「共通の基準」の中身もいま言うような抽象的なものでないとわれわれ思うのですが、「日本に対する武力攻撃がなされるおそれのある場合」とありますが、この「武力攻撃がなされるおそれのある場合」まで日米で共同対処しなければいけない根拠、理由はどういうことですか。安保条約上そういう「おそれのある場合」も出てくるのですか。その二点、明確にしてください。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 安保条約上は、わが国に対する武力攻撃があった場合に共同で対処する。共同で対処するということは、侵略があった場合にこれを排除するということでございますので、当然のことながら、そういうおそれがある場合にはその準備をする必要はもちろんあるわけでございまして、その準備をするということがいまのこの準備段階のことでございまして、実際にいまの排除する活動をするかどうかは、現実にわが国に対する武力攻撃がなければ、これはできないわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 法制局、安保条約上は、実際にわが国が武力攻撃を受けた場合でしょう、第五条。第六条は、アメリカがわが国の施設、区域を使用するという前提ですね。「おそれのある場合」——いまの防衛局長の答弁のように、そういうおそれの判断はそれではだれがやるのですか、「おそれのある」という判断、基準ですね。その点、憲法との関係、安保条約の解釈の問題、これはいずれ大きな議論になると思うので、われわれももっと勉強したいので、いまの解釈を明確にしておいていただきたいと思うのです。

茂串俊内閣法制局第一部長

○茂串政府委員 ただいま御指摘になっておりますいわゆる「おそれのある場合」の問題でございますが、「おそれのある場合」という事態をだれが判定するかという問題でございますが、これはあくまでもガイドラインの上での言葉でございますし、またその運用の問題でございますので、これは防衛庁の政府委員の方からお答えをいたしたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 「おそれのある」という判断は、もちろんこれはいわゆる制服とかなんとかいうことではなくて、政府の最高レベルでそういう事態の場合に、こういうおそれがあるという判断があった場合にどうするかということをあらかじめ研究しておくということでございまして、それは政府のトップレベルで決める判断、もちろんその場合に、そのおそれがあるということについてアメリカとも相談しなければならないわけでございますから、それは両国政府のトップレベルの判断であろうと思います。トップレベルの判断があったときにどうするかということをあらかじめ研究しておく、こういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 防衛局長、そういう御答弁では国民にはちょっとわかりませんよ。では、研究研究と言いますが、もちろん研究も必要でしょう、しかし、わが国に侵略のおそれがある場合、「日本に対する武力攻撃がなされるおそれのある場合」の基準というのは、憲法上も不明確でしょう。さらに、安保条約から見ても、そういうことは想定できない。では何に基づいて、そういう「おそれのある」ことを国民は判断するのですか。  ただ、トップレベルで政治判断すると言っても、尖閣列島に中国の漁船がたくさん集まったから、おそれがあると判断する人もいるかもしらぬ、あるいは北方領土にソ連の基地がどんどんできるから、それも北海道への侵略のおそれがあるかもしらぬ、武力攻撃のおそれがあるかもしらぬ、竹島問題が起きたらそれもおそれになるかもしらぬ。そういうことではだめじゃないですか、これだけのことをやろうというわけだから。その判断基準とか法的根拠というものは、何に基づいて防衛庁は国民に納得のいく説明をなさるのですかとぼくは聞いているのです。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 そういう事態になれば、わが国の自衛隊の場合につきましても防衛出動の問題が当然議論になるわけだろうと思います。防衛出動につきましては、現在、たとえば国防会議を開くとか、そういうことの判断の場があるわけでございますから、そういう政府のトップレベルの判断によって、これはおそれがあるということになりましたら、どういう準備が可能かということについてあらかじめ研究をしておく、こういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 そうしますと、あなたがおっしゃりたいのは、この「おそれのある場合」というのは、防衛出動、いわゆる自衛隊法七十六条ということを言っているわけですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これをだれが判断するかというところは、まだガイドラインには書いてございません。しかし、そういう事態になった場合のことを考えますと、それはわが国について武力攻撃のおそれがあるわけでございますから、そういう場合には、日本のサイドの問題として見れば、当然たとえば国防会議は開かれるだろうと思います。そのときに、安保条約上は四条の随時協議ということになるだろうというふうに想像をいたしております。

上原康助日本社会党

○上原委員 そういう言い方はきわめて抽象的ですね。もちろん防衛出動が発動された場合は国防会議も開かれるでしょう、あるいは国会の事前、事後の了解も得なければいかぬ。だが、ここでこれだけのことをやるという場合には、その判断は一体どういう基準でやるのかということが当然疑問になってくるじゃありませんか。どうもいまの防衛局長の御答弁では納得しかねますよ。  ではちょっと進めますが、具体的にお尋ねする前に、冒頭にもちょっと聞いたのですが、「後方支援活動」のところで「施設」の問題が出ていますね。「米軍は、必要なときは、日米安保条約及びその関連取極に従つて新たな施設・区域を提供される。また、効果的かつ経済的な使用を向上するため自衛隊の基地及び米軍の施設・区域の共同使用を考慮することが必要な場合には、自衛隊及び米軍は、同条約及び取極に従って、共同使用を実施する。」この言わんとするところは、有事の場合には、米軍が自由に自衛隊基地を使用することができる、あるいは新たな施設、区域の提供も可能なんだ、また自衛隊との共同使用もやる。そうしますと、たとえば民間航空と自衛隊が共同使用している飛行場もありますね。そういう面も当然制約を受けるわけですね。そのときは国民生活に影響を与えますね。そういうところは具体的にどうなっていくのか。これでいくと、新たな施設、区域の提供ということになりますと、具体的にはどういうことが——要するにリエントリー、再び有事駐留体制というか、そういうことが自由にできる体制を整えてあげるんだ。既設の施設を使うということと、いま一つは新たな施設も提供する。これは言われている日本列島の基地論ですね。こういうふうに理解していいのかどうか、ちょっと説明しておいてください。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これからの研究でございますので、いまどういうことを考えているかというところまで申し上げるわけにまいらないのでありますが、しかし、本当に日本が武力攻撃を受けた場合にやはり米軍に来援をしてもらわなければならないということは考えなければならぬわけでございますが、そのときに一体基地の使用ということはどういうふうになるのだろうというようなこと、いまの自衛隊の基地の共同使用ということが多分中心だろうと思いますけれども、そういうことで対処できるかどうか、そういうことについて研究をするというのがこの趣旨でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 ですからそれは新たな施設、区域の提供もあり得るということですね。外務省、そこはどうなんですか。外務省、ちょっとこのことについての見解を明らかにしてください。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ここに言っておりますのは、ガイドラインでございますから、理論的なたてまえとしてそういうことを言っているわけでございまして、現実にどうするかという問題になりますれば、それは現実のそのときの判断になるわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 そこで、ちょっと具体的な点でお尋ねしておきたいのですが、さっきのやりとりとも関連するのですが、これまではわが国の自衛権発動は、政府見解によると、わが国に対する急迫不正の侵害があった場合ですね。しかし、この場合にも他に適当な手段がないと判断した場合か、あるいはそういう状況の場合。三点目は、そのときでも必要最小限度の実力行使にとめるべきだというのが自衛権の発動。これは防衛出動とは異なると思うのですがね、準備段階、前段とは。この日米共同対処の場合も、この自衛権発動という概念といいますか、政府の今日までの見解というものは厳守されるのか、この範囲内での限定ということになるのかどうか。その場合にアメリカ側がそういう判断をしなかったということもあり得ますね。共同対処だから、日本側の判断と異なるという場合もあり得ると思う。ここいらはどういうふうにお考えなんですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 もちろん、わが国の自衛隊はいま仰せのとおりの自衛権発動の三要件に従って行動するわけでございます。それ以外のことは考えられないわけでございまして、アメリカと判断が違うということでございますが、指揮権はそれぞれ別でございますから、日本は、日本の指揮権に従って憲法の範囲内で行動するわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 もう一つ、安保条約の第五条で言う「いずれか一方に対する武力攻撃」があった場合、それはどういう態様が想定されるのですか。武力攻撃発生の時点なのか、あるいは現実に侵略行為が行われた場合に限定されるのか、ここいらはどういう判断をとっておられるの。どういうことを想定をして、このガイドラインの作業を進めていこうとしておられるのですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 わが国に対する武力攻撃があった場合に対処すること、これが共同対処でございますので、それのやり方について研究をするということでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 ちょっと意味がわからないですね、いまのことは。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ちょっと御質問の趣旨が私もよくわからなかったもので……。

上原康助日本社会党

○上原委員 質問者のせいにしたら困りますよ、あなた。あなた、安保条約を少し読んでよ。私がお尋ねしているのは、「いずれか一方に対する武力攻撃」というのはどういう態様を、どういう事態を想定しておられるのかということです。発生の時点というのは現実に侵略行為があった場合なのか、それともあり得るということも含まれるのか。あった場合と限定されるのかどうか。これを聞いておったのに、何を言っているのか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 安保条約五条でございますから、わが国の施政圏の中において、いずれか一方に対して攻撃があった場合でございまして、そのおそれのあるとかなんとかということではなくて、あった場合でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 あった場合でしょう。そうすると、あり得る場合も想定していろいろやろうというのは、おかしくなるのではないかということなんだよ。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 あった場合に対処するためには、準備は、おそれのある場合にしておかなければ、あった場合に対処できないのでありますから、これは当然できるというふうに解釈しております。

上原康助日本社会党

○上原委員 ちょっと質問する方が気がひけますね。  そうしますと、もう一つ確かめておきたいのですが、在日米軍基地に対する攻撃を受けた、あるいは米軍のみに攻撃があった、きわめて限定された攻撃であっても、それは直ちにわが国に対する侵略というか、武力攻撃とみなされるのか。たとえばわが国の領域内で米艦船、まあ第七艦隊及び航空機等が攻撃された場合には、直ちに安保条約第五条が発動されるのか。それとも領空または領海侵犯等の処置として対処をするのか。それもその時々のケース・バイ・ケースと言ってしまえばそれまでかもしらぬが、こういうこと等については、ガイドラインではどういうふうに御検討しようとしておられるのか。また、いまのことについて政府は、防衛庁はどういう御見解を持っておられるのでしょうか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 まず安保条約のたてまえから御説明申し上げます。  ただいま先生が御質問なさいました日本の中にある米軍基地あるいは日本の領域内における米軍の艦船、航空機、そういうものに対する武力攻撃があった場合、それは日本に対する武力攻撃とみなされるのかどうかという御質問でございますが、これは当然日本に対する武力攻撃とみなされるわけでございます。と申しますのは、米軍の基地といえども日本の領域にあるわけでございます。したがいまして、米軍の基地を攻撃するためには日本の領域を侵犯して行われなければならないわけでございまして、これは当然日本に対する武力攻撃というふうにみなしておるわけでございます。  それをガイドラインにおいてどういうふうに考えているかという御質問につきましては、これは日本に対する武力攻撃のあった場合におけるガイドラインにいろいろ書いておりますことについてこれから研究しよう、こういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 いまは防衛庁もそういう御見解ですか。きわめて限定的なといいますか、米軍に対しての武力攻撃があった、それも、いまの御答弁からすると、わが国に対する侵略とみなされる。機関銃の弾一発でもどこかから飛んできたと仮定したら、それも武力攻撃とみなされないこともないですね。かつての不幸な戦争というのはそういう事態から発生したこともある。その場合の外交努力とかいろいろな面があり得ると思うのですが、相手がやったからこっちも、待ってましたとばかり、それ行けという答弁ですね。そういうことを想定してこれをつくろうという感じがしてならないのですよ、実際。これは防衛庁長官の見解も承っておきたいと思うのです。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 安保条約五条についての考え方につきましては、ただいま外務省の方から御答弁がありましたのと全く同じでございます。  それから、いまのわが国に対する攻撃というところ、機関銃一発というお話でございますが、それの判断は、結局、組織的、計画的なものであるかということの判断だろうと思いますが、そういうものがあります以上は、安保条約五条につきましての考え方は外務省と全く同じでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 どうも防衛局長の御答弁では釈然としない面が非常に多いわけで、この指針で若干問題と思われそうなところを私なりに指摘をしてみても、大変重要な点を含んでおって研究をしておく程度だということを盛んに言っているわけですが、防衛庁長官、私たちはなぜいまごろになって日米の防衛協力が必要になってくるかということに非常に疑問を感ずるのです。安保条約が締結されて今日まで二十数年たっておっても、このように日米共同作戦態勢というものの必要性は、まあ内々では研究なり話題になっておったかと思うが、具体的に持ち上がったのはまだこの二、三年ですよね。ここに非常に大きな変化が出てきているんじゃないのか。  要するに、従来、米軍がアジアで果たしておった役割りを自衛隊が肩がわりをしていくという大きな土台をつくろうとするのがこの共同作戦行動の一つのねらいでもあると見ていいと思うのですね。安保条約というのは、要するに本文が十条と、その関連取り決めというのは地位協定でしょう。そういうように理解できないでしょうかね。しかし、この指針でうたわれておることをやろうとすると、これは実質的な安保条約の改定ですよね。あるいは地位協定の改定とみなしてもいいと思う。それを国会とかそういうことには全然無関係にやろうとしておるところに大きな疑問点が生じてきている。この点はどういうふうにお考えなのか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 「日米防衛協力のための指針」は、先ほど来御説明申し上げておりますとおりに、日米の防衛協力のための研究・協議を行うものでございまして、しかも、いまいろいろ御指摘がございましたけれども、私どもは日米安保条約を現在締結しておるわけでございますが、その有効な運用を図る、円滑な運用を図るという見地からいたしまして、いままでこういう指針がなかった、そこで指針というものをつくりまして、非常に大事な点はシビリアンコントロールのもとにおいて各レベルの協議が行われますけれども、それはあくまで、たとえば統合幕僚会議がやりますことについては絶えず内局と連絡をとる、そして内局については私が責任を持って文民統制をやっておるわけでございますから、そうした意味で研究・協議をすることでございます。  しかも、いろいろ御指摘もございましたけれども、ここの「前提条件」に書かれておりますとおり、これはもうきちんとそうする、あくまで安保条約、関連取り決めに基づいての権利義務については影響を与えるものと解釈してはならないとか、あるいはいろいろの問題につきましては、研究・協議の結論は日米両国政府のそれぞれの判断にゆだねるというふうなことでございます。したがいまして、決していまのお話のような肩がわりとかあるいは改定とかそういうものではございませんで、あくまで現行の日米安保条約というものを円滑に運用するための研究・協議であるし、しかもそれをシビリアンコントロールの中においてやっていくのだ、そして安保条約とか日本の法令というものにはきちんと従うということでございますから、そのように御理解賜りたいと思う次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 防衛庁長官、そうおっしゃってもぼくらそうなると見ていないのです。そうなりませんよ。これだけのことがやられたら国民の生活面あるいは人権、そういうことに重要な影響を与えることはあたりまえで、その議論はいずれずっと続くと思います。  時間のようですが、そうしますと、この指針に基づいて研究をしていくのだ、これは当然公表されなければいけない筋の問題ですれ。その内容については、いずれかの段階において国会に報告をいたしますね。それが一つ。  もう一つは、先ほど労務問題との関連でお尋ねしたときは防衛庁長官は、まだ訪米日程はないのだ、しかし新聞では盛んにアドバルーンを上げていらっしゃいますね。国会終了後、何かアメリカへ行ってきてからまた韓国へも行くのだ、歴代の防衛庁長官で韓国へ行ったというのはちょっと聞かないのですね。山下元利転じて山下奉文になると思われないのだが。こういうこともやった場合には、朝鮮半島の問題等との関連においても一体何を考えておられるかという疑問を持つわけですね。このことについては、訪米段階では日米の防衛首脳で当然議題になると思うのですが、どういうふうにお話し合いをやろうとしておられるのか、見解を明らかにしていただきたいと思うのです。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 私の外国訪問につきましては、いろいろとお話もございますけれども、具体的にまだ決まったわけではございませんで、検討の段階でございます。  ただアメリカにつきましては、坂田・シュレジンジャー会談以降、毎年交互にアメリカの国防長官とわが国の防衛庁長官とが行き来しておるわけでございまして、実は昨年はブラウン国防長官がわが国へ参りまして、そのときに協議が行われたわけでございます。ことしは、それによりましてこちらから行く順番になっておるわけでございますが、現在国会で御審議中でございますので、私どもはそうしたことにつきましてはその終了後に検討させていただきたい、このように思っておる次第でございます。  また、いまどういうことをどうするかというようなことまでは具体的に決まっておりません。ただ申し上げられますのは、アメリカにつきましてはことしは私の方から行く順番になっておるということでございますので、国会終了後十分向こうとも連絡をとりまして参りたいとは思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 参勤交代じゃなくて順番なんだというのは、必要性を全く否定するわけじゃないですが、これだけの重要な問題について、国会には御報告しますね。それが一つ。  もう一つは、この防衛協力指針の作業を具体的にいま進めておるというわけですが、作業が進んだ段階で新たに国内関連法案を改正するとかあるいは防衛庁の機構をこれでいじくるとか、そういうお考えもないということを明確にできますか。これは長官の方からお答えください。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 この研究の中身でございますが、作戦計画の研究が中心になるわけでございます。作戦計画というのは、わが国にとりましても米軍にとりましても機密の非常に高いものになろうかと存じますので、これを公表することはできないと考えております。  それから、立法はどうなのかということでございますが、私ども現在の段階で考えますと、立法を要しないでできるだろうとは考えておるわけでございますが、将来ずっとのことまで全く立法をしないで済むかどうかということは、研究の成果にもよることでございますので、ただいまの段階で全くそれがないとまで言えることではございません。

上原康助日本社会党

○上原委員 全体的にこの計画の作業が終わるのはいつごろですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 この作戦計画の研究等につきましては、ステップ・バイ・ステップでやるわけでございます。ある段階である程度のものがまとまりましても、たとえば国際情勢の変化あるいは兵器体系の変更、そういうことがありますと絶えず見直さなければならないわけでございます。したがいまして、ずっと続くということになろうかと存じます。

上原康助日本社会党

○上原委員 最後に防衛庁長官からお答えいただきたいのです、いまの局長の御答弁ではどうも何かすっきりしません。  こういった日米防衛協力指針が発表される、一方においては北方周辺におけるソ連の軍事基地の問題あるいはバックファイアその他のソ連軍の南下というようなことなどが大変強調されているわけですね。私は、それは多分に意図的な面があると思うのですよ。ソ連軍の展開というのは、むしろ中国をある程度意識をしての軍事展開であって、日本に対して軍事的な脅威を与えるとかそういった展開じゃないと率直に言って思うのです。一面では、だから日本、米国、中国が同盟的な関係になって対ソのガードを固めていくのじゃないだろうか、すでにそういうふうに見る向きもありますね。また、陸幕長なんかはすでに防衛大綱を見直しすべきだというようなことを堂々と言い張っておる。あなたは盛んにシビリアンコントロールと言うけれども、ちっともコントロールされていない分野があるのですよ。正々堂々と総監が政治集会に行って手を振ってみたり、シビリアンコントロールできていないから、そういうことになる。  そういう一連の軍事問題に対して、防衛大綱あるいは防衛計画を含めて今後新たな変更をするのかどうか。われわれはむしろ、現在は確かに中越問題があったにしても、朝鮮半島を含めて日本を取り巻く諸情勢というものは、平和の方向といいますか安定的方向に進みつつあると分析した方が妥当だと思うのです。外交努力というものは、むしろそういう事態にならない努力こそ防衛庁も外務省も政府全体、内閣としてやるべきだと思うのだが、ややもすると逆の方向に行こうとしている動きが多い。したがって、ここいらで、防衛庁長官に新しくなられて、防衛問題に対する基本構想というのか、そういったいろいろな現象面といいますか事象に対してどういうふうに防衛庁は分析をして、あるいは防衛庁長官としては対処していかれようとするのか、その基本姿勢というか見解を承って、質問を閉じたいと思うのです。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 外交努力が必要なことにつきましては、もう申すまでもないことでございますが、そうした中におきましても、防衛ということは非常に重要なことでございます。昨今のわが国周辺をめぐる情勢につきましては、ただいまいろいろな御推測を交えてお話がございましたけれども、私どもは意図はわかりませんが、しかし、昨今のソ連極東軍の状況は確かに軍事能力といたしましては、相当増強されていることは事実でございます。意図はわかりません。したがいまして、私どもとしては十分注視してまいりたいと思っておる次第でございます。  ただ、現在われわれは「防衛計画の大綱」に従って防衛の仕事をいたしておるわけでありますが、それを防衛庁のだれも見直すということは申しておりません。それは先ほどいろいろ御指摘がございましたけれども、だれも申しておりません。あくまでいまの大綱に従ってやってまいりたい、このように思っておる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 最後にあと一点だけ。  ダグラス、グラマン問題で、防衛庁のこの航空機、次期戦闘機あるいはこれまでの問題等もいろいろ取りざたされていますね。F15の問題等と絡んで何らかの不正事件が発見をされ、発覚をした、政府筒官が絡んでおるとか、検察当局の調べによってはそういう事態も全然想定できないことはないと私は思う、きのうあたりの特別委員会のやりとりを見ておっても。仮にもしそういう事態が出てきたという場合には、これは大きな問題になりますな、新しい戦闘機購入の問題については。これはどういうふうに対処していかれるおつもりですか。何らかのそういう対策なりお話し合いを持っておられるのかどうか、見解だけ承っておきたいと思います。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 疑惑の解明は、私ども繰り返し申し上げておりますとおりに、十分解明していただきたい、このように思っておる次第でございますが、ただ、防衛庁の機種の導入とは切り離してお願いいたしたいと思っておるわけでございまして、私ども防衛庁といたしましては、その機種選定につきましては、本当に十分純粋に防衛上の見地から進めてまいったわけでございますので、その点については御理解賜りたいと思う次第でございまして、私どもはそう言いながらも疑惑の解明もやっていただきたい、このように思いますけれども、しかし、それと機種の導入とは、私どもはあくまで別の観点で進めてまいったわけでございますので、ぜひ御理解を賜りたいと思っている次第でございます。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時五十二分休憩      ————◇—————     午後一時三十三分開議

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。山花貞夫君。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その内容となっている予備自衛官の現状その他についてお伺いしたいと思います。  午前中の質疑で上原康助委員よりお尋ねした部分もありますので、その点については重複を避けることを心がけながらお伺いしたいと思いますけれども、現状の予備自衛官の員数などについては午前中の質疑で明らかにしていただいたようでありますけれども、その点を若干詳しく御説明いただければと思います。  各年度別の予備自衛官の数がどのように増加してきたか、あるいはその予備自衛官について、職業別とか階層別とか出身地別というような資料があったならば、その点も含めてお伺いしたいと思いますし、同時にたしか二十九年に発足したこの制度についての延べ人員数、これがわかりましたならば、この点についても御説明をいただきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 まず、予備自衛官の数の変遷についてあらまし申し上げます。  予備自衛官制度は昭和二十九年の自衛隊発足と同時にできまして、そのときに設定された員数が一万五千人、これは陸上自衛隊でございますが、これがその後三十六年に一万七千人、三十七年一万九千人、三十九年度二万四千人、四十二年度三万人、四十四年度三万三千人、四十五年度三万六千三百人、そうして四十八年度以降現在の三万九千六百人、こういうことに相なっております。  最近、五十四年二月末の充足率は、先ほども申し上げたとおり三万九千六百人の定員に対して三万九千四百二十二人、九九・六%でございます。  それから、現在までの採用数ということでございますが、昭和二十九年から五十二年度までの二十四年間に予備自衛官として採用した者の総数は約十二万四千三百人、こういうことになっております。  それからもう一点、職業別というお尋ねだったと思います。これは昨年三月末、五十二年度末の数字で若干古くて申しわけないのでございますが、農林業が一〇・六%、水産業が〇・四%、製造業が二四・三%、建設業が七・七%、商業が一四・一%、運輸通信業が一四・九%、こういうことになっております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 現在の定員、これをどのような将来の配備ということを構想してその内訳を考えておるのか、従来の委員会の議事録などを拝見しておりますと、後方配備をこのくらい考えておる、それから戦闘減耗をこのくらい考えておる、そしてあと移動その他に備えたものをこのくらい考えておる、こういうように御説明いただいた部分もあるわけですが、今日の定員を前提といたしまして、将来のそうした配備に関してどのような方針をお持ちなのか、この点について伺いたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 現在陸上自衛隊につきましては三万九千人でございまして、これが後方警備、後方支援あるいは戦闘損耗ということになっておりますが、どれだけが戦闘損耗、どれだけが後方警備、後方支援というようなことで決めているわけではございません。  それから、将来どうするかという問題でございますが、これはただいま中期業務見積もりというのをやっております。全体として考えますと、わが国の自衛隊につきまして予備勢力が大変少ないというところがございますので、逐次ふやしていく必要があると思っておりますが、ただいまの段階でまだどれだけふやすかというところまでは考えていないわけでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 四十九年四月二日の第七十二国会、内閣委員会の議事録でありますけれども、これを拝見いたしますと、かつて同種の法案提出時の予備自衛官をめぐっての議論でありますが、ここでは当時の予備自衛官三万九千、このいまの同じテーマについての御説明では、有事の場合に後方支援部隊に約九千、それから戦闘損耗について一万四千、後詰め部隊として一万六千、これが三万九千の配備の構想である、こういうように伺いました。  いまお伺いいたしますと、それはないということですけれども、従来、予備自衛官についてそうした構想をお持ちであったはずのことはこの議事録を見ると明らかですが、それがなくなった理由は、一体どういうところにあるのでしょうか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ただいまのお話は、三万九千につきましての一応の試算としてそういう試算をお示ししたものだと思いますが、ただいま確実にこれがただいまの数字どおりでいいということには思ってないわけでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまの御説明ではちょっとお答えとして不十分、不満であるわけですけれども、かつては一応の試算ということではなく明確な答弁をいただいているわけであります。そして、こうした構想があるからこそ防衛庁の予備自衛官の定員についての要求も出てくるであろうし、増員についても出てくるのだと思います。増員関係につきましては、自衛隊法の一部改正、これはこの後の内閣委員会の議論ということになるとは思いますが、もしそうした構想がなければ、大体増員要求が出てくること自体がおかしいということになるのではないでしょうか。かつてあったものがなくなってしまっているということであると、これは大変防衛庁の施策として疑問であります。なぜなくしたのか、その点についてもう一度お伺いしたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 私が承知しておらなかったようでございますので、調べてお答えいたします。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 実は、これはきわめて重要な問題だと思うわけです。  重ねてお伺いしたいと思うのですけれども、結局、そのなぜお答えいただけないかということについてわれわれの立場で推測をいたしますならば、全体構想の観点から考えれば、昨年来議論となりました有事立法の全体の体系の中における、いわゆるこの自衛隊を補強する予備自衛官制度についてこうした位置づけがなされるのではないでしょうか。その関連につきまして、一体、全体に有事立法の体系がどこまで進められているかということについてわれわれつまびらかに承知しているわけではありませんし、そうした詳細の部分まで御説明いただいているわけではありませんけれども、われわれが推測すると、結局その内容を明らかにしていくということは、全体に有事立法についての策定作業がここまで進んで、この予備自衛官についてはこうなっているというところが明らかになるから、だから明らかにしてくれないのではないか、こういう疑念を持たざるを得ないわけであります。  したがいまして、この点については、そうした疑問がありますので、時間の関係もありますから質問を先に進めたいと思いますけれども、この後、内閣委員会で自衛隊法などに関連してまた質疑の機会もあると思いますから、その点については質問を留保して、後回しにさせていただきたいというように思います。  引き続きましてお伺いしたいのですけれども、この予備自衛官につきまして、私も私のできる範囲でいろいろ資料も調べてみたわけでありますけれども、実はその法的地位とかあるいは訓練の実態についてということにつきまして公にされている資料で勉強する機会がなかなかつくりにくいわけであります。関連して、われわれが知ることのなかなかできないこの訓練の実態についてでありますけれども、今日の制度としては、訓練招集に関連してどのような制度になっているのか、訓練の実態がどうなっているのか、ここ数カ年の訓練の実態、実情について御説明をいただきたいと思います。

佐々淳行防衛庁参事官

○佐々政府委員 お答えいたします。  予備自衛官の訓練招集に関しましては、自衛隊法七十一条によりまして長官が所要の訓練を行うために年二回以内、その招集期間は一年を通じて二十日を超えない限度において招集をして訓練をいたすことになっております。実際はこの長官の権限を受けまして、予備自衛官の訓練の基準は、陸上幕僚長並びに海上幕僚長が長官の委任により訓練内容、期間等を定めておりますが、これは自衛官をやめまして予備自衛官に採用されましてから一年未満の者、これにつきましては初年度のみに適用される招集期間一日間の訓練、すなわち教育訓練の内容がまだ十分に残っておる、こういう段階の、やめて一年未満の者は一日招集、これは時間といたしましては予備自衛官としての八時間でございますけれども、予備自衛官としての使命感を高めるための精神教育あるいは服務の指導等を行っております。  これ以外の一年以上になりました者につきましては、いわゆる五日訓練と呼ばれております招集期間五日間の訓練を行っておりまして、この内容は、たとえば陸上自衛隊でございますと精神教育、これは予備自衛官としての内外情勢、特に自衛隊の現況、業務内容等について認識を新たにさせるというための教育、武器の訓練、これは小銃が基本でございます。先ほど予備自衛官の任務について政府委員の御説明がございましたように、後方警備その他の任務でございますので、小銃を主とした射撃訓練を実施をいたします。体育訓練、この体育訓練につきましては男子自衛官、大体四十歳以上の体力に適した程度の訓練を行っておるところでございます。また、軽普通科中隊以下の任務につけることになりますので、戦闘訓練の内容もそれにふさわしい程度の戦闘訓練。それから職種別訓練というのがございますが、これはたとえば後方支援業務に携わるもの、こういう後方職種の需品、輸送、衛生等の訓練、それぞれの職種に分けましてこれを行っておるところでございますが、陸上自衛隊におきましては五日間で四十時間、海上自衛隊におきましては三十五時間を基準として訓練を行っておるところでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま訓練についての概略をお伺いいたしましたが、なお詳細にお伺いしたいという点もありますけれども、これは後ほどまたお問い合わせいたしまして、資料などいただかしていただきたいと思いますけれども、その点ひとつ御配慮をお願いしたいと思います。  いま、その訓練招集の場合の訓練の内容についてお伺いしましたけれども、予備自衛官は、その時点におきましてはいわば日常的な生活あるいは日常的な私企業あるいは国家公務員、地方自治体公務員としての地位から離れまして、自衛隊の中に拘束されて訓練が行われるということだと思います。また、この訓練招集ではなくて防衛招集命令によって招集された場合には自衛官となる、こういう身分を取得する、こういうことだと思います。それで全体を通じての問題点でありますけれども、この自衛官の法的な地位はどのようにとらえたらよろしいのかということにつきまして、これは従来法制局からお伺いしたりした経過もありますので、法制局の方から御説明いただきたいと思いますが、自衛官につきましては、特別職の公務員といたしまして明確な条文上の根拠もあるわけであります。予備自衛官につきましては、自衛官と比較いたしましてどういう地位にあるのかということについて御説明をいただきたいと思います。

味村治内閣法制局第二部長

○味村政府委員 予備自衛官はやはり特別職の非常勤の国家公務員でございます。特別職であります根拠は、国家公務員法の規定によりまして防衛庁の職員は特別職で、一部の例外はございますが、予備自衛官はその例外には入っておりません。したがって国家公務員法の規定によります特別職の国家公務員である。さらに非常勤でございますので、きわめて概略的に申し上げますと、非常勤の特別職の国家公務員であるということが言えるかと思います。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま恐らく国家公務員法第二条の第三項第十六号を指摘されたのではないかと思うのですけれども、従来の国会答弁を拝見いたしましても、いま御説明いただきました非常勤の定員外の特別職の公務員である、こういう御説明はいただいているわけです。  ただ、私が疑問に思いますことは、自衛官ならばいわば一年間あるいは二十四時間、表現が適切であるかどうかは別にいたしまして、まさに防衛庁の職員としての身分を持っているわけでありますから、まさにここでも法的根拠は明確であると思いますが、予備自衛官につきましては、日常、三百六十五日のうち三百六十日余は私人として生活をしている、民間の会社に勤めている、タクシーの会社に勤めている、こういう方であります。その方につきまして非常勤の定員外の特別職の公務員であるというのは、これはおかしいのではないでしょうか。たとえば防衛招集を受けたその期間につきましてはまさに法によって自衛官となる、こうなっておりますので、それは特別職の公務員である、なるほどということになるわけですが、この任用期間の三年間、この問三百六十五日全部特別職の公務員であるということは若干その説明として不十分ではなかろうか。そして、さっき指摘いたしました公務員法の防衛庁の職員の中にまるごと包含させて理解するということはできないのではないかと思いますけれども、この点については、いかがでしょうか。

味村治内閣法制局第二部長

○味村政府委員 非常勤の国家公務員というのは、いろいろあるわけでございまして、たとえばいろいろな審議会の委員というような方々も非常勤の国家公務員であるわけでございますが、そういう方々は、普通は大学の教授なら大学の教授をやっておられて、そして審議会があった場合にそこで審議をするというような職務をお持ちなわけでございます。つまり国家公務員という身分はお持ちなわけで、ただ二六時中職務に専念ずる義務というのを免除されていると申しますか、除外例があるということだと理解しております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまの適用除外の関係につきましては、自衛隊法によりましても、たとえば第七十五条の関係で適用除外の項目が明確であります。「第四十一条、第三節、第五十四条第一項、第六十条第二項及び第三項並びに第六十一条から第六十三条まで」、こう規定されておるわけでありますけれども、もう一つ、さっき私御質問したところですが、日常的には民間の会社に勤めている、この人について特別職の国家公務員であるということになりますと、特別職の国家公務員として持っているさまざまな制約というものは一体どうなるのか。  逆の問題で申し上げますと、私企業に働いていた人が防衛招集あるいは訓練招集によってその間五日間なり拘束されるということになった場合には、私企業に働いていたときに持っていたさまざまな制約を受けていない自由であった権利、たとえばわかりやすい例では、組合をつくる、あるいはストライキをやる、労働三権の問題、その他についてもそうですけれども、そういう問題で、私企業における日常生活あるいは勤務にこの五日間の勤務ということがどういうようにかかわってくるのかという点が私はわかりにくいので、お伺いしたわけであります。  そして問題の根本は、こういう予備自衛官としての採用の関係でありますけれども、任用ということになるのでしょうか、これについては、一体法制局としてはその任用の法的性格というものをどのようにとらえておられるのか、お伺いしたいと思います。

味村治内閣法制局第二部長

○味村政府委員 任用の問題は、これはやはり国家公務員でございますので、一般の国家公務員の任用と、原則と申しますか、そういうことは変わりがないと思っております。  それから予備自衛官は、通常は一般の私企業に勤務しているわけでございまして、私企業の使用人といいますか、雇用されている方として、団結権を持つとかいろいろ憲法上の権利、労働組合法上の権利、こういうものをお持ちになっていることは当然であろうかと存じます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 その任用の関係は一般の公務員と同じである、こういう御返事をいまいただいたわけですけれども、公務員のこうした勤務関係については、一般には公法上の特別権力関係として公法関係に属するもの、こういうように理解されていると思います。  さて、そのことを前提といたしまして、法制局の見解としては、こうした勤務関係を発生させる任用、採用の性質、これは公法上の契約と理解されているのでしょうか、あるいは行政処分というように理解されているのでしょうか。これは後の問題と関連いたしますので、この点について法制局の立場を明らかにしていただきたいと思います。

味村治内閣法制局第二部長

○味村政府委員 先ほど申し上げましたように、この任用の関係は一般の国家公務員と予備自衛官とでは変わりがないわけでございます。それで、現在、この任用は一体公法上の行政処分なのか、あるいは職員の承諾を条件とする公法上の行政処分なのか、あるいは公法上の契約なのか、いろいろな説があるわけでございまして、私どもといたしましては、現段階においてそれらの学説のいずれにくみするということもちょっと申し上げかねるわけでございます。実態は、その職員となろうとする方の承諾を得てそして任命権者が任命をする、そういうことによっていわゆる特別権力関係に入るということは申し上げられると存じます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 その契約という観念をその中に織り込んで説明するかどうかということにつきまして、そのどちらの立場に立つものでもないということで若干微妙な御説明もいただいたわけでありますけれども、実はそこの問題はきょう午前中に上原委員の方からも質問をした部分ですが、防衛招集などに対して予備自衛官が従わなかったような場合、こういう場合の解釈の仕方に関連してくるのではなかろうかというように私は考えるわけであります。  法文で見てみますと、自衛隊法の七十条に防衛招集についての規定があります。その第五項を見ると、「予備自衛官が心身の故障その他真にやむを得ない事由により指定の日時に、指定の場所に出頭することができない旨を申し出た場合又は防衛招集に応じて出頭した予備自衛官についてこれらの事由があると認める場合においては、長官は、政令で定めるところにより、防衛招集命令を取り消し、又は防衛招集を猶予し、若しくは解除することができる。」こういう規定があるわけであります。ここにあります「心身の故障その他真にやむを得ない事由」、これを防衛庁としては、政令の関係もありますけれども、どのような事由としてとらえておられるのか、できるだけ詳しくひとつ御説明をいただきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 お答えいたします。  予備自衛官が防衛招集命令を受けた場合に正当な理由なく出頭しないというような場合には、自衛隊法施行令第八十八条の規定にあります正当の理由に該当しないような場合には、免職の対象になるというふうにわれわれ考えております。  この正当な理由というのは、文字どおりここに書いてございますように、心身の故障、配偶者または一親等の血族の死亡または重態あるいは災害等による住居の滅失というふうなことでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま施行令八十八条ということで伺ったわけですが、これは実は午前中の質問にありましたとおり、自衛隊法の百十九条の関係、「七十条第一項の規定による防衛招集命令を受けた予備自衛官で、正当な理由がなくて指定された日から三日を過ぎてなお指定された場所に出頭しないもの」、これは「三年以下の懲役又は禁こに処する。」こういう形で大変厳格な規定があるわけであります。処罰規定を伴っております。そしていま御説明いただきました施行令八十八条における各事由ということについて見てみますと、これは大変厳格な事由、これだけの事由がなければだめなんですよということが書かれてあるわけであります。ここに四項目ほど、「心身に故障を生じたとき。」以下列記されてあるわけでありますけれども、これは制限的な列記ということなのでしょうか、この点についてちょっと御説明いただきたいと思います。その他いろいろな事情で出ていけないという場合があるのじゃないでしょうか。この点について、ここに書いてあることだけですと、大変酷ではないかという気がいたします。この点いかがでしょうか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 ただいまのような事情によって、自衛隊法施行令第八十八条で長官が防衛招集命令を取り消し、または猶予することができる理由を限定列挙しているというふうに私ども考えております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 限定列挙ということでありますと、きわめて酷な内容になるのではないか、こういう気がいたします。  従来の国会議事録を見てみますと、これは四十五年四月二日参議院の予算委員会のようでありますけれども、この問題について議論されておるわけですが、予備自衛官の中には現在公職にある方が大ぜいいらっしゃるようであります。各地域の市会議員に当選して議員として仕事をされておる。この方が予備自衛官として採用、任用されている、こういう方についての質疑でありますけれども、たとえばこうした現在、公職にある予備自衛官、市会議員が予備自衛官招集のちょうどそのときに選挙があったら一体どうなるのか、これは立候補できます、こういう形で御答弁がなされているわけであります。ちょっとこれはおかしいのじゃないかということで、この点につきましては、この議事録に関する限りは、確かに選挙に出る——選挙運動を町を回ってやることはできないけれども、今日の公職選挙法によれば、選挙に出ることはできる、こういう質疑応答がありまして、その点については若干問題があるのではないか、こういう政府の補足的な答弁もあったわけですが、その例を頭に浮かべてみますと、そのときの応答の中でも、じゃいまたとえば選挙をやって立候補した、そういう方が自分が率先して運動を、さっき御説明いただいたとおり特別職公務員なんだから、政治活動の制限の問題でできないかもしれないけれども、立候補はできるということだといたしますと、何もしなくたって地元にいるということによる一定の効果もあるわけであります。そうなると、たとえば公職についている方が選挙に立候補した、そういうことで、それでは招集に応ずることができないという場合には一体どうなるのかということにつきまして、ちょっと私、もし不正確であったら訂正していただいて結構ですけれども、そういう場合にはやむを得ないのじゃなかろうか、こういう御説明がありまして、私は、従来の国会議事録を読んだ限りにおきましては、いま御説明いただきました限定的な列挙ということではないのではないか、なお柔軟性を持って考える余地があるのではないか、こういうように理解しておったわけでありますけれども、いまの限定列挙についての御回答ですと、従来の国会答弁と違ってきているようであります。いずれをおとりになるのかという点につきまして、重ねてお伺いしたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 まず、限定列挙について疑義があるのではないかというふうな御指摘でございましたが、訓練招集の場合と防衛招集の場合、われわれは考え方を区別しておるということがまず第一点。  それから先ほど先生から御指摘がありました選挙に立候補することは可能だけれども、選挙運動をすることはできない、政治的な行為はできないのだというふうな、確かに若干一見矛盾しているように見えますが、私どもとしては自衛官としての公職にある者の中立性を保つという意味から、まさにやむを得ないことではないかというふうに考えております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまの御説明ですと、防衛招集のときは限定列挙である、訓練招集のときはそうでない、こういう御回答でしょうか。この点、ちょっと確認しておきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備自衛官が正当な事由なく訓練招集に参加しない場合には、いわゆる罰則の規定がないわけでございます。防衛招集の場合には、いま申し上げたように、正当な理由なく指定された日から三日を過ぎてもなお指定された場所に出頭されない場合には、三年以下の懲役または禁錮に処せられる、こういうことでございまして、私どもとしては、この防衛招集の場合と訓練招集の場合と厳密に区別して考えているということでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 要するに、罰則つきの方については要件が厳格である、こういう趣旨に承ったわけですが、実はまさに罰則つきである、行かなければ三年以下の懲役である、こういう事態でありますから、そういう意味におきましては、問題として限定列挙といたしますと、大変酷な義務を課することになるのではないかということを考えざるを得ないわけであります。実は正当な理由といいますか、行けなかった理由として、特に防衛招集の場合ですけれども、これは徴兵との関連である議論だと思いますが、用語としては良心的な兵役拒否の事由と申しましょうか、自己の宗教上の信念その他によって兵役の義務あるいは防衛招集に応ずることができない、こういう人が生じた場合、こういう場合につきましては一切そんなことは認められぬ、こういうことになるわけでしょうか。この点についてお伺いしたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 確かに先生の御指摘のような場合というのは考えられると思います。そこで防衛招集を受けた後、たとえば事由を付して長官に対して予備自衛官をやめたいというふうな希望が出た場合に、これをどう取り扱うかということにつきましては、私ども検討の余地があろうか、こういうふうに考えております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまのお話の退職に関連いたしましては、実は質問を後にさせていただきたいと思っているわけであります。そういうことを申し出ない間に、仮に防衛出動命令が出る、こういう事態になった場合には一体どうするのでしょうか。実は先ほど法制局の方から、この採用についての法的性格についてお伺いをいたしました。これは行政処分ということだけではなかなか説明しにくいであろう。あくまでも特別権力関係の中、そういう勤務状態の中に入っていくという本人の同意というものがある。要するに、公務員になりますという、こういう本人の気持ち、そのことを前提として、そして公務員になっていただくのだ。なっていただくからにはさまざまな制約がありますよ、それは黙示にしろそういうのは放棄しているのだ、これが従来の皆さんの理屈ではないかと思うのですけれども、自衛官になるということについての任用と予備自衛官になるということについての任用とは、やはり本人の合意の中身、意識が違っているのではないかと思います。  将来、長年自分は自衛官として自衛隊の中で働いていきたい、こういう方と、私は民間で勤めていきます、しかし、五日とかの訓練招集あるいは万一の場合のある程度の義務、こういうものは、ある程度納得をして予備自衛官として合意して、特別権力関係、御説明のような関係に入っていきますという方では、かなり意識の中で差があるということではないでしょうか。本来の、自衛隊であくまでもやっていきたいという人と、まあ年五日くらいならという人、その中にまたいろいろな意識があると思いますが、明らかに本人の意識、合意というものは違っていると思うわけであります。  ところが、いざ防衛招集がかかると、そうなった場合にいまの要件を厳格に解して、そしていま申し上げました良心的兵役の拒否、こういったことが全く無視されましてたちまち自衛官になるということですと、実際には徴兵と性格が変わってこないのではないでしょうか、同じことになるのではないか。私は、いわばそういう意味での徴兵制の一つの形が——この予備自衛官が、防衛招集のときに本人がいやだと言ってもとにかく自衛官として、そしてさっき御説明いただいたとおり、戦闘減耗というそういう要員として戦場に送られるということになったならば、これは徴兵制の一つの形がここにあらわれているのではないかというように考えざるを得ないわけであります。そのとおりなのか、あるいはさっきの限定的な列挙であるという部分について、それは法文上のたてまえはそうなっているけれども、将来そういう問題について検討する余地があるということなのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 まず、予備自衛官になるためには、本人の志願に基づいてわれわれ採用しているわけでございまして、この予備自衛官の大きな義務として、訓練招集に応ずる義務と、もう一つは防衛招集に応ずる義務というのがはっきりうたわれております。私ども予備自衛官を採用するに当たって、当然のことながらこの大きな義務についての認識をしていただいて、志願をしていただくわけでございます。まず、そのことが一つでございます。  それからもう一つは、届け出をする前に防衛招集になった、その場合どうなのか、こういうことでございますが、形式的にはやはり自衛隊法の違反になるのではないか。ただ、国民の自由というか権利の尊重ということと公共福祉というようなむずかしい問題もございますので、あるいはその場合についても、その本人のいろいろな状況というものがあろうかと思います。いま私ども、形式的に、理論的にそういうことになるということを申し上げただけで、実際の場合については、いろいろな考え方が出てこようか、こういうふうに思っております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまの答弁は、先ほど、限定列挙であって処罰を伴うから厳格である、こういう御説明からいたしますと、形式的な解釈からするとそうならざるを得ないけれども、将来考える余地があるのではなかろうかということでありますから、若干柔軟性を持った回答であるというふうにお伺いしたわけですが、実は厳格に解釈するならば、いま私が申し上げた事例の中ではまさに徴兵制の一つの小さな形、小さいか大きいかは別にして、一つの形というものがここにあらわれているということの危険性が出てこざるを得ないのではないか、私はこういう疑問を持たざるを得ないわけであります。そうした二つの問題点についての私の理解について御見解を承りたいと思いますし、それから問題は、もう一つ関連するのは、先ほど答弁の中で触れられました退職に関するものであります。  自衛官については、自衛隊法四十条に退職についての規定があります。公務員をベースにした規定だと思いますけれども、私はやめたい、たとえば自衛官あるいは予備自衛官の場合もそうですけれども、自分は自衛官としてやっていくのがどうもいやになった、こういう場合に退職したいと言っても、退職届を出せばそれで終わりかということにはならないわけでありまして、これは承認が要る、こういう手続があるわけであります。そこが大変厳格になっているわけですが、自衛官の場合には四十条の規定がありますけれども、予備自衛官については一体どうなっているのか。退職の問題について予備自衛官の制度を、法文、施行令、政令その他を含めてひとつ御説明いただきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備自衛官の退職につきましては、防衛出動が出まして後は全く自衛官と同じでございますが、防衛出動が出る前については、確かにその辺の取り扱いに差がございます。  それから、先ほど私の説明、ちょっと言い落としたことを補足さしていただきますが、事情によりというのは、一種の裁判上の、たとえば情状酌量であるとか、あるいは防衛出動招集命令をどういう場合に出すかというふうなことについての考慮の余地があるというふうな意味で申し上げたということを補足さしていただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまの補足説明によりますと、結局宗教上の信念により、たとえば予備自衛官に採用されたときには入信していなかった、ところが、その後宗教上の信念を持った、自分は戦闘行動に参加したくない、こういう宗教上の理由からいやだ、こういう場合にも、いまの御説明ですと、とにかくだめなんだ、防衛招集が出た場合には絶対に自衛官にならざるを得ない、ならなければ三年以下刑務所に入ってこい、こういう御説明であります。そうなると、やはりそれは自衛官になることの強制、強要ということになるのではないでしょうか。強制、強要というよりも、法的な義務をそこに課していくということになるのではないでしょうか。それは徴兵の一つの形ではないかというように思わざるを得ません。そうならざるを得ないのではないかと思うのですけれども、この点について長官に、いままでの議論をお聞きいただきまして、御見解をお示しいただきたいと思います。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 防衛招集の場合と訓練招集の場合と、その要件と申しますかそれに違いがありますのは、防衛招集の場合の事柄の重要なことにかんがみておると思うわけでございますが、ただ私は、そのことをもちまして徴兵制と結びつけることは適当でないのじゃないか、こう思う次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 長官が徴兵制だと言ったらこれは大問題でありますから、そうはお答えになれないと思いますけれども、ただ実態は、いま私が指摘した点はまさに徴兵との部分におきましては全く違わない、内容的に、実態的に違っていないのじゃないかと私は思うわけであります。  実はこの点についてなお議論として十分ではないと思いますので、改めてお伺いしたいと思いますが、退職の問題について、いま防衛招集が出た場合にはこれは自衛官と同じである、こういうように承りました。そうでないときはということの説明があったわけですが、自衛隊法の四十条によりますと、この退職について、先ほど指摘したとおり規定があるわけであります。これによりますと、「これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いて」承認しないことができる、こういう趣旨の規定があるわけであります。この点につきまして、一体どういう事由がある場合に承認しないということになるのか、この点、少し詳しく御説明をいただきたいと思います。この問題につきましても施行令、訓令、その他のものもあると思いますけれども、これも問題点としては、先ほど来同じでありまして、そういった観点からひとつお答えをいただきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備自衛官が退職する場合の例としては、実際の自衛官と同じでございます。この中にはいろいろな種類がございますけれども、まず任期満了でもって退職する場合が一つございます。これは退職願の必要がないわけでございまして、継続任用を志願しない場合には自動的に退職になる、これが一つでございます。それからもう一つは依願退職でございまして、これはいわゆる退職願を提出してやめる場合。それから三番目には、先ほど来議論になっておりますような免職による退職という、この三つがございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 私が伺っているのは、任期満了とか免職はだれでもわかりますから、結構です。依願退職の場合でありますけれども、依願退職届を出したって普通の民間私企業の場合のようによろしいということにはならないわけです。法によって承認、承諾の手続が必要である。  それでは一体、その承諾をする場合、しない場合、これにつきましての基準を自衛隊では内部的にはどうお考えになっておるのか、この基準についてお伺いしているわけであります。基準について、これは裁量権というものが一体どうなっておるのかということにつきましても問題だと思います。要するに、退職願を出したのだけれども、退職を認められなかった。そこで、さっきの質問に続きますが、防衛出動が出た、すでにそこでは退職できなくなって、そして本人がいやだと言ったって自衛官となって、戦闘に派遣される。こういう仕組みで、その場合でも退職の自由もないということになれば、実態は徴兵ではないか、こういうことだと思うのですが、退職に関しまして、その依願退職の場合には一体どうなっているのか、その基準あるいは裁量の範囲についてお伺いしているわけです。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 自衛隊法施行令の第五十四条に「退職を承認する特別の事由」として、「法第四十条に規定する政令で定める特別の事由は、当該隊員が退職しなければ配偶者又は民法第四編第五編第八百七十七条の規定により扶養すべき親族を扶養することができないと認められるやむを得ない事由がある旨の市町村長の証明があったとき」というふうに規定しております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま御説明いただいたとおり、大変厳格であります。しかも、市町村長の証明がなければだめであるということでありますので、いま御説明いただいた以外の一切の理由、まあ具体的な例で言えば、宗教上の信念に基づいて、このたび私は退職したいということになった、こういう場合一切だめだ、こういうお答えだと思います。そうなってまいりますと、結局退職の自由もないということになれば、これは実態として徴兵ということになるのではないでしょうか。この退職について、いま御指摘された部分についても、柔軟性に解す余地というものは全くないのでしょうか。徴兵を否定されるという、長官の答弁からいたしますと、こういう問題につきましては柔軟性を持って運用をしていくという余地がなければ、長官の答弁どおりにはならないんじゃなかろうかというふうに思いますけれども、この点いかがでしょうか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 この自衛隊法第四十条に「退職の承認」という規定がございますが、これをごらんになっていただくとわかりますように、「政令で定める特別の事由がある場合を除いては、」云々と書いてございますが、最後に「その退職を承認しないことができる。」ということで、あらゆる場合について退職を認めない、こういう趣旨ではございません。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 ですから私は、自衛隊がお持ちになっておる内部の基準あるいは裁量の範囲について伺ったわけであります。この点について、もうちょっと御説明していただきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 まことに申しわけございませんが、いま退職承認の場合の具体的な基準についての資料の持ち合わせがございませんので、御了承願いたいと思います。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 その点、あるとするならば、後で資料として説明していただきたいと思います。あるかないのか、そしてまた、資料として後に御説明いただけるのかどうか、この点だけ確認しておきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 早速調べまして、御返答申し上げます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま手元にないということであって、後で調べてこれまであるものについて御説明いただける、資料としていただける、こういうことで理解しておいてよろしいでしょうか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 いま先生の御質問の趣旨、私あるいは理解が間違っているかもしれませんが、予備自衛官を引き続き任用しておくことが適当でない、そういう場合には免職することができるというふうなことがございます。それからまた、免職につきましては訓令がございますけれども、いまのような場合については訓令に規定がございませんので、私ちょっと調べさせて御返事させていただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 私言っているのは、免職とか期間満了というものは問題でないのであって、いわゆる依願退職、任意退職について伺っているわけであります。——あるかないかわからぬということですと、実態は徴兵制ではないか、こういう議論と絡んでまいりますから、非常に重要なポイントであります。したがって、いまわからないというのはしようがありませんから、後で調べていただきまして、自衛隊法の改正などの将来の議論の機会に、いま理事の上原、岩垂両先生と相談いたしまして、もう一遍この問題について取り上げさせていただくということにさせていただきたいと思います。したがって、いまの点については質問留保をさせていただきます。  もう一つ、次の質問に入りますけれども、今度の法案の中身は、手当月額を二千円から三千円に引き上げるということであります。この手当の性格ですけれども、先ほど、特別権力関係に入ると、そこで勤務関係、業務関係ができるということですが、これは二千円とか三千円とかの金額でありますから、賃金ではないんじゃないかという気がいたします。この手当の性質、これをどう理解したらよろしいのでしょうか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備自衛官手当は、訓練招集あるいは防衛招集に応ずる義務に対する一種の精神的な拘束といいますか、そういったものに対する対価としての性格でございます。したがいまして、一般的な給与、そういったものと性格を異にするというふうに理解しております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 義務に対する対価ということでありますけれども、実はその義務が、先ほど来質問しておりますとおりに、防衛出動があった場合には退職もできない、そして出頭しなければ三年間以下刑務所に入ってこい、こういう大変厳しい制裁を加えた義務であります。たとえばいま予備自衛官になっており、かつ日常的には町で働いている方に、そういう義務があるのですよということを言いますと、恐らく大変びっくりされるんじゃないでしょうか。そういう義務に対する対価という関係で見れば、金額的に大変問題である。しかし、その金額に見合う義務ということになれば、この義務の方が余りにも過大で過酷ではないか、こういう気がぜざるを得ません。  こうした関係につきましては、先ほど訓練招集の中におきまして精神教育ということが説明されましたけれども、そういう問題について、予備自衛官に採用される場合、その前後の教育ですね、こういう内容についての教育というのは一体なされているんでしょうか。この点について、なされているとするならば、具体的にどういう教育を行っているのか、おざなりに登録しておくのだ、ひもをつけておくのだ、この程度のことではなくて、こういう義務についてしっかりした教育をしなければ、後で、予備自衛官になっている人が、まさか毎月二千円、三千円もらっておってそこまでなるとは思わなかった、こういう人がたくさん出るのじゃないかと思うのですけれども、そういう問題点についての教育の実態あるいは予備自衛官の理解についてどう把握しておられるか。予備自衛官から、こういう問題について一体どう考えるかということについて本人の意見を徴するとか、そこでの世論調査といいますか実情を、その意識を調査する、こういう作業をこれまでしたことがあるのでしょうか。そういう把握について、自衛隊としてはこれまでどういう作業をされたかということについて伺っておきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備自衛官を採用するに当たりましては、御承知のとおり、一般民間人から採用するのではなくて、あくまでも自衛官であった者の中から選ぶわけでございまして、当然のことながら、自衛官である以上この予備自衛官の制度についても十分認識しておる。それから、予備自衛官になりましても、先ほど来御説明がありましたような訓練招集の間におきましても、実技訓練の合間に精神教育の時間もとって周知徹底しているということでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 抽象的な御説明では、実態がなかなかわかりません。  なお、実は、きょうは本会議の関係で五十分までというように指示をいただいておりますので、次の問題に移りたいと思いますけれども、最後に、長官に幾つかの問題について、実は御説明が十分いただけなかったという気がいたします。この点についてはまた理事と相談いたしまして、質問の仕方についてこれからわれわれも対処させていただきたいと思います。  ただ、根本の問題として、冒頭はっきり御説明いただけなかった今日の定員——では一体定員が全体の制度の目的あるいは将来の運用の観点からどうやって決まってきているのか、要するに、予備自衛官の制度の趣旨という点につきましてもう一遍、長としての立場を、抽象的な議論ということではなくて具体的なそうした内訳も含めて明らかにしていただく必要があるのではなかろうかと思うわけですけれども、この点について長官の御見解を最後に伺っておきたいと思います。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 その前に先ほどの補足をちょっと……。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 先ほどの点でございますが、後方の警備が一万六千、それから後方の支援が九千、それから戦闘の損耗の補充が約一万四千でございまして、今回千名増員をお願いいたしております分は、後方の警備の分として要求しているわけでございます。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 予備自衛官制度は、防衛出動、防衛招集の命令が発せられた場合に自衛官として勤務いたさせる者を平時から維持していく制度でございますが、これは決して徴兵制というものではございません。  ただ、先ほど来御質疑に対しましてまだ十分お答えしていない面につきましては、後ほど取り調べまして、十分お答えさせていただく所存でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 なお、時間の制約もありますので、長官から御説明、御回答いただきましたことで、私も今後また機会を改めてお尋ねさせていただきたいと思います。  次の質問に移りたいと思いますけれども、実は昨年暮れ、沖繩の名護市におきまして米軍の演習の中で機銃の乱射事件というのが発生いたしました。そのことの調査に私ども、この二月でありますが、上原康助、矢山有作両代議士と私とが現地に調査に行ってきたわけでありますけれども、実は私が昨日沖繩現地に問い合わせいたしましたところ、なお最終的な解決を見ていない、こういう話を聞きました。  沖繩の軍事基地の問題につきましては、これまで上原先生からも触れられましたし、私は重複を避けて、できるだけ問題点をしぼってきょうの時間の範囲で伺っておきたいと思うのです。沖繩の問題は、実は私ども調査に行きまして、現地の博さんからこういうようなおしかりをいただきました。  本土復帰前は、米軍も司令官の方におきましても、事故が発生した場合には大変誠意を持って対応してくれた。ところが本土復帰後は、司令官と交渉しようと思っても、全部施設庁任せであるということで交渉相手が施設庁の方に変わってしまった。その結果、米軍の誠意ある態度とか対策というものが直接的に住民に対して示されるものがなくなったので、住民は大変不満に思っているし、不安に思っている。肩がわりされた——肩がわりされたと言うことは正確ではないかもしれませんが、防衛施設庁の方が一体どう対処してきているかというと、全部げたが施設庁に預けられたのだけれども、施設庁の対応というものが大変誠意がないのではないか、こういうことで実はおしかりを受けたわけであります。  まず、御質問の前提として伺っておきたいと思うのですが、問題をしぼりまして、特に最近、たとえば昨年一年程度でありますけれども、いわば世間の耳目を集めるといったような形で沖繩で事件がたくさん発生したわけですが、一体、全体としてどのくらい発生しているのかということにつきましてお伺いしておきたいと思います。なお、その際、沖繩県における米軍事故の状況について全般的な御説明を願えれば、その点伺った上で、いま申し上げました大きな事故としては概略どんなものが発生したのかということについてお伺いしたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 お答えいたします。  全般の状況でございますが、御承知と存じますが私ども防衛施設庁では地位協定第十八条に規定されております賠償関係のところを政府機関の担当官庁として所管しておるわけでございますが、そういう立場におきましてできるだけ情報を集めて整理した数字でございますけれども、最近、五十一年以降五十三年、すなわち本年の一月三十一日までということで申し上げますと、発生しました事故は四千百六十四件、そのうち公務上の事故として処理されましたものが七百二十件、公務外のものとして処理いたしましたものが三千四百四十四件、この四千百六十四の総件数のうち三千四百九十九件、約三千五百件と申しますのは交通事故にかかわるものでございます。それ以外のものは刑事関係の事故あるいは管理瑕疵があって事故を起こしたという種類の事故でございます。  全体の流れでございますが、五十一、五十二、五十三とながめてまいりますと、そのトータル数字は五十一年で千五百二十件、五十二年で千五百二十四件、五十三年は本年一月三十一日までしかとっておりませんので千百二十件となっておりますが、これもあと二カ月分を入れますと千五百件近くなるのではなかろうかということを考えてみますと、いわゆる事故と称されるものは大体これくらいの数字で起こっているというのが全体の姿かと思います。  別に御指摘のございました大変耳目を集めましたような事故と申しますのは、五十三年には大変たくさんの訓練演習上の事故が発生いたしまして、五十三年一カ年間で起こりましたものが、私ども指摘しております大きなものとして八件ございます。  その八件の内容を申し上げますと、五十三年二月二十七日に起こりました照明弾の落下事故、これは渡名喜村で発生した事故でございます。  それからその次に、五十三年三月三日に発生しましたヘリコプターの墜落事故、これはハンビー飛行場の沖の海に墜落をした事故でございます。  その次に、砲弾破片が飛散をしました事故、これは五十三年四月十三日に、キャンプ・ハンセン内の廃弾処理場から破片が場外の民家の屋根に飛散をしていったという事故でございます。  四番目に、海岸で砲弾を発見した事故でございますが、名護市の海岸で発見をいたしまして、これはキャンプ・シュワブでの戦車砲演習弾の跳弾と認められるものでございます。  五番目に、ファントム機の墜落事故でございますが、五十三年五月十八日に、キャンプ・ハンセン内の原野にファントム機の墜落事故が発生をしたということでございます。  六番目に、模擬爆弾の落下事故でございますが、五十三年八月二十三日に、F4Dが訓練中に伊江島のキビ畑に模擬爆弾一個を落下させるという事故を発生させたということでございます。  七番目には、空中給油パイプが落下した事故でございますが、十一月十三日に、KC130の給油機から給油パイプが本部町内の山林に落下した事故でございます。  八番目に起こりましたのが先生先ほど御指摘の、十二月二十九日に発生しました名護市の集落地区にM85の機関銃弾が落下をしたという事故でございまして、耳目を引いた事故と申しますのは、訓練演習上のこの八件が昨年中に発生いたしております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま八つの事故について伺ったわけですが、事故の原因についてどのように把握されたのか、これに対する今後の対策についてどのような措置が米軍から回答されたか、あるいは施設庁の側で要求したのか、あるいは合同委員会を通じて回答があったかということもあると思いますけれども、原因と対策についても、できましたらそれぞれについて御説明をいただきたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 八件すべてにつきまして申し上げるのは大変煩瑣になると思いますし、また準備もございませんが、通常このような事故が発生いたしましたときには、真っ先に那覇防衛施設局の担当セクションに事故速報が入ってまいります。それによってわれわれの方が発動するわけでございますが、通常行いますのは、担当官は直ちに事故発生現場に駆けつけて事故の状況を確認し、その善後策を講ずることになりますが、施設局長、その報告を受けました、十八条関係の業務処理をしております防衛施設本庁におきます担当調査官から在日米軍司令部の担当部長に対し、そして私から在日米軍参謀長に対し、また引き続いて、日本政府の公式の要求という形におきまして、こういう耳目を引くような事故の場合には、合同委員会において事故原因の調査と事故の防止対策を求める措置を政府としてとっておる、これが通常の形でございます。  一例を申し上げますと、昨年の十二月二十九日に起こりました事故につきましては、事故発生直後に、いま申しましたような各般の対米接触をいたしまして、その結果、米側からは担当官チャンネルを通じ、あるいは合同委員会の場を通じまして善後措置に対する所見の表明があり、われわれはその予防措置が実施されるのを確認をするという形で今日まで推移しておりますが、本件に関する限り米側は、この機関銃に関しますこの種の事故が絶対に発生しないような付加装置を開発改良いたしまして、装着ができるまでは演習を中止するという措置をとりまして、本年一月から三月まで中止をしておったわけでございますが、その予防する装置が完成いたしまして、三月二十八日に那覇防衛施設局長及び本庁から派遣いたしました弾道学の専門家たちが立ち会いまして、これを確認し、一定の条件下におきましては、もう決してこの事故は再発することはあり得ないということを確認して帰ってきた次第でございます。  それに対して米軍は、そのような装置の改良はしたけれども、なお演習の管理運営において十全を期したいということで、たくさんのM85演習の実施の条件を定めまして、当方に連絡をしてまいりましたが、それらの諸条件を満たして遺漏なく実施していくことになれば、恐らくこの種の事故の再発の可能性はあり得ないというふうに私どもも現在理解しておるところでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま最後に御説明いただいた昨年十二月二十九日、キャンプ・シュワブから発射された機銃の乱射事件ですが、いまの御説明だけでなく、私が施設庁から直接伺ったところでは、機関銃の誤射があって、民家一棟のかわら屋根に二発、ビニールトタン屋根に二発当たった、またキビ畑十三坪の下葉を焼いた、これだけ伺ったわけであります。  実は私ども、現地に行って調べたところ、この機銃弾の乱射は、昨年十二月二十九日午前十一時ごろから同十二時三十五分ごろまでの間、約一時間半にわたって続いたわけであります。名護市許田のAさん宅におきましてはかわら屋根五カ所貫通、そのうちの一発は布団の中に撃ち込まれて燃えておったので、発見がおくれたようであります。施設庁が把握しておられたかどうかについては、わかりません。Bさんは、畑から家に帰る途中、機関銃の弾が肩をかすめてびゅんびゅん飛んでいった、こういう目に遭いました。Cさんは許田の方でありますけれども、所有のキビ畑は機銃弾の着弾によって発火し、三十坪全焼という被害に遭いました。被害に遭ったのは、Aさん宅を中心として半径約二百メートルくらいの地域であります。  現地へ行ってみますと、大変静かな環境の、本当の山村の中の各家庭でありますけれども、キャンプ・シュワブの、山の向こうから機関銃が一時間半にわたって撃ち込まれたということでありますから、そのときの恐怖たるやまさにまた戦争かと思った、こういう意見がありましたけれども、これは大変なものであったと思います。  この日の午後三時以降、許田の区民三十名に市の職員、延べでありますけれども、約百五十名加わりまして、数次にわたって現地調査をして、発見した弾丸は約四十発であります。問題は、この間、防衛施設庁の協力は全くなかったということであります。また、こうした弾丸の捜査その他について、恐らく独自の調査はされなかったのではなかろうかというのが現地の方の報告であります。結局、この事件につきましては、米軍側の報告だけをうのみにしてしまったのではなかろうか、こういう不満が漏らされました。  そうして、当時、私は沖繩に渡るに当たりまして、施設庁の方から、事件が起こってから後の補償問題につきましては施設庁で一生懸命やっています、こういう御説明をいただきまして、現在、かわら屋根全部をふきかえるということで補償を進めている、こういう御説明を伺いました。  現地へ行きますと、確かにかわら屋根は全部きれいになっておりましたけれども、伺ったらば、施設庁がやってくれたのではなくて、弾丸がたくさん通ったわけですから雨漏りもして大変であるということで、Aさんが自分でお金を出して、とりあえず屋根は全部ふきかえたというように伺いました。そうして、私たちが伺いましたのは二月十一、十二日あたり、二月の初句でありますけれども、この時点までは全く解決がなされていなかったわけであります。物的損害についてしかり、精神的な損害についてもしかりです。昨日確かめましたところ、電話ですから正確を欠くかもしれませんけれども、一応物的損害については、屋根を直したその他の補償といたしまして約七十五万円くらいと伺いましたけれども、とにかく補償は今日時点ではされたようであります。  しかし、問題は、ただ物が壊れたから穴を埋める、直すということだけでは、これは当然のことでありまして、このことによりまして被害者たちは精神的にも大変ショックを受けまして、突然の罹災によりまして、その後始末とか対策、あるいは防衛施設庁との交渉に多大のエネルギーを割き、日常生活も混乱されたわけであります。Aさんなどの場合には、何か労働意欲が全くなくなりまして、ぼんやりとした日が続いた、こういうような被害についても話を聞いたわけでありますけれども、私は、ただ弾丸が貫通したから屋根がわらを取りかえる、これで事足れりということではなくて、やはり精神的損害についての慰謝料などの問題も含め、示談を誠意を持って進めるべきではなかろうか、こういうように思いますけれども、この点について、施設庁としては、物を直したんだからあれでもうおしまいである、こういう態度なんでしょうか、それとも、なお誠意を持って地元住民の、被害者の要求については、十分意見を聞いて、解決のために努力していただけるのでしょうか、この点についてお伺いしておきたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 御承知のように、事故の発生いたしましたのは十二月二十九日のお昼前からお昼過ぎまでの時間でございまして、二十九日と申しますと、官庁は年末年始の休暇に入っておるところでございます。そういう状態にありましたので、やや連絡がおくれまして、通常ならば事故直後にはせ参じておるはずの職員でございますが、その日の午後、夕刻になってしまったというのが、これは大変残念に思っておりますけれども、とっさの対応措置において不十分であったという点は深く反省をしております。ただし、事故の発生を承知し次第現場に参りまして、担当者はすべて現場の人たちのお話を伺いながら事故の確認に努めてきたわけでございまして、いま先生の述べられましたような関係者の供述等につきましても、私ども一の方もいろいろな角度でそれは収集し、承知しておるところでございます。  確認しております被害の状況と申しますと、物的損害に限りますが、許田さんのところの屋根に着弾が四発あり、損壊をし、敷地内に八発着弾し、裏の畑の中で作業中に至近弾があった。金城さんの関係につきましては、キビ畑約四十平方メートルの下の葉っぱの方を焼損してしまった。それから野原朝徳氏、この方の関係におきましては、許田氏宅の西方二百五十メートル近くで農作業中に被弾しまして、避難をし、途中の道路上でなおかつ至近弾を受けた、こういう状況でございます。崎浜秀景氏、この方につきましては、許田氏宅の筋向かいの畑で農耕作業中に至近弾を受けた。こういう事実が物的損害に関する限り確認をされております。それにつきましては、こういう事故の場合に防衛施設局におきまして従前とっておりますやり方に従いまして、まず物的損害についてこれを賠償するという措置を進めておるわけでございますし、物的損害に関する限り、ただいま受けております報告では、四月上旬にすべて終了したという報告を受けております。  なお、先生御指摘の慰謝料等の精神的な被害に対する問題でございますが、確かに銃弾の飛来する中に遭遇されたということは、民間市井の方々の大変大きな驚きであり恐怖であっただろうと思われますが、現在私どもの所管しておる行政事務の中では、そういうふうな恐怖感を覚えたという精神的な被害に対しまして金銭をもって慰謝をするという制度が熟しておりませんで、これは一般民間におきましても同様と承っておりますが、その慰謝関係を金銭的に措置をするということはできませんでしたが、この事故の始末を通じまして、関係職員と被害者との間の連絡は数度、数十度にわたっておりまして、職員と被害者の間の、少なくとも被害に関する情報の交換や心の通いというものは、この数カ月の間に十分にできておりますので、精神的なものにつきましては、そのような角度で今後長く職員の努力によって対応していこうという方法をとっておる次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま伺いますと、職員の努力によって今後長くということであるとするならば、精神的損害、慰謝料、こういうものについては、結論としては考えておらないということでしょうか。それとも今後の交渉の中でそうしたものについても配慮したい、こういうことでしょうか。われわれとすれば、この事件の全体の経過を振り返ってみて、現地に行きまして、特に被害者の被害感情ということからいたしますと、単に何回も話し合っていくということだけでは最終的解決はつかないのではないか。やはり問題としては、これはいろいろなこれまでのケースがたくさんおありになると思いますから、物的損害がこのくらいならば慰謝料はこのくらいというケースもやはり出てくるのではないかと思うわけですけれども、全く一銭も出さぬということではなくて、やはりそこは被害者感情とか、今後の交渉の中で十分検討していただきたいということを要望したいと思いますが、その点についていかがでしょう。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 御指摘の精神的な損害に対する慰謝の問題でございますが、それを金銭で行うことにつきましては、これは単に防衛施設行政の中における事故だけについて考えるわけにはまいりませんで、やはり一般の社会におきます民事関係の措置の段階あるいはその進展というようなものと乖離した措置をとるのは、行政機関といたしまして穏当ではないという考え方でおりますが、将来に向かいましてこの種の大きな課題があるということは、認識として十分に持っておる次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 単に将来に対する課題ということではないと思うのですね。たとえば交通事故で足を折ったらば、治療費出せばそれで済むという問題ではないはずでありますし、家にトラックが飛び込んでつぶれれば、その家を物的に補償すればそれで済むという問題ではないと思います。世間には見舞い金というものがあるんじゃないでしょうか。理屈で言えば精神的損害に対する慰謝料である、こういうことになると思います。要するにこれは施設庁の仕事だから、あるいは軍のだから世間の相場、世間の常識とは別物である、どうもそういう考え方ではなかろうかと思うわけであります。これは世間相場に従いまして常識的な慰謝料、物的損害だけではなく慰謝料についても検討していただく必要があるのではなかろうかというように思いますが、これはいまの事務局段階、施設庁の関係でのお答えだけでは平行線になるかもしれません、きょうの時点では。今後の問題として、これは今後だってこういう間間は起こるかもしれないわけでありまして、そういう問題につきましては、やっぱりこれは全体として配慮していく必要があるんじゃなかろうかと思う。長官の御意見もちょっと伺いたいと思います。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 御指摘の点十分理解できるところでございますが、賠償金として慰謝料を支払うということにつきましては、一般社会の民事の処理の仕方が、そのようなことが通例行われる状態になればという考えでいま対処しておりますが、私ども、先ほどは職員の努力という形で申し上げましたが、その中身は、単に職員の個人的な交渉ということだけではございませんで、私ども役所で持っております庁費関係の金をもちまして緊急の見舞い金制度を内規として持っておるものでございますけれども、そういう形において若干の金員による見舞いを通じてわれわれはその誠意を表示しておるというのが実情でございます。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 現地に御調査をいただいておりますことの結果、本件事故についての現場におり合わせた住民の方々にも異常な危険感を与えたことにつきましては、私はまことに遺憾であると思います。もちろん、こうした問題は事故が再発しないようにあらゆる手段を通じて防止することが大事でございますが、ただいま施設庁長官からも御答弁いたしましたように、あとう限りの努力をいたしたようでございますが、一般的な民事関係の問題についてでございますので、いま直ちに、どうということは申し上げにくいのでございますが、将来の課題として十分私も承りました。また、特にこうした点につきましては、基地の存する地域におきます演習の持つ一つの問題ということは、やはりほかではなかなかない特別な感じもあるわけでございますので、今後とも事故が起こらぬように十分努力するとともに、またそうした問題は将来の課題として十分承らせていただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 これからの問題としてぜひ御研究いただきたいと思いますし、同時に、すでに起こった事件につきましても御努力をいただきたいということを希望する次第であります。  時間の関係であと一つだけ伺っておきたいと思うのであります。  いまこの事故の原因と対策について御説明を伺ったわけですが、私どもが把握している限りにおきましては、事故を起こしました水陸両用車搭載の口径五十のマシンガンの射撃訓練、定められた着弾地域を越える射角になるのを防ぐ適当な機材を機銃に設置することが確実になるまでは演習を中止するということにつきましては、われわれも二月十三日にキャンプ・バトラーの中で、ロビンソン准将との話し合いの中で確認をしてきたところであります。  ただ、先ほどの御説明によりますと、三月末に立ち会いを受けての調査といいますか点検も大体終わったと伺ったわけですが、きのうの連絡によりますと、来る五月四日午前八時から午後四時まで本格的な実弾射撃再開ということについて名護の市役所に通告が来ておるようであります。実はこれまで制御装置ということにつきましては、要するにアングルの関係、銃砲の射角を保つ装置をつけるということだけでありまして、私たち見た感じでも、仮にその銃砲にたとえば射角が五度以上上がらないというような装置をつけたといたしましても、とにかく水陸両用戦車の上についている砲でありますので、その土台が上になったり下になったり、演習場というのは大変でこぼこのある土地でありますから、そうなってまいりますと、幾ら銃砲は固定したといたしましても、全体として上を向くということになれば、やはり弾丸が山を越えて飛んでくるのではなかろうか、こういう心配もありますし、そういうことについて地元ではなお大変危険を感じておるようであります。  先ほど引用いたしましたロビンソン准将に対してわれわれが、狭い範囲でこの演習は危険ではないか、こういう追及をしたわけでありますが、いわく、いろいろおっしゃるけれども、もともと軍の訓練に危険はつきものである、いかに万全な安全対策を講じても安全ということはあり得ないのですよ、これは軍の立場、司令官の立場からいたしますと当然の見解かもしれませんけれども、そういう御主張でありました。したがって、この安全対策につきましては、そうした問題点について地元住民がなお大変不満を持っている、危険を覚えている、こういうことであるとするならば、この五月四日再開ということについては、これはストップすべきであるという主張をわれわれは展開しなければなりませんし、この場でもぜひそうした問題についてのわれわれの気持ちの表明をさせていただきたいと思います。  それで、話をもとに戻しますけれども、いまのお話しいただきました示談解決といいますか、円満に被害者と解決するという問題がなお残っている間にこの機銃実弾の射撃をまた五月四日再開ということでありますと、結局この問題がたな上げされてしまって、そしてもう実弾射撃が再開された、こういう形でのしこりが市民感情としてまた残っていくのではなかろうかというようにも思いますので、この五月四日の再開ということについては抗議の気持ちを表明いたしますと同時に、そういう時期なんだから施設庁としても早急に住民との間の話し合いに決着をつける努力をしていただきたいということを要求いたしまして、ちょうど三時五分でありますので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 先ほどの御質問に対して回答を保留した分につきまして、回答申し上げます。  隊法四十条に基づきます申し出による退職承認の基準があるかというふうな御指摘でございましたが、調べてみましたところそういうものはございません。  そのない理由は、多分この退職の理由の妥当性というものが、その社会の時代時代の趨勢あるいは個人の自由というものは千変万化でございまして、あらかじめ一概に決めておくことが必ずしも妥当でないという判断によって決めてないということでございます。

玉木清司防衛施設庁長官

○玉木政府委員 最後の問題につきまして、ちょっと補足を申し上げます。  とりました事故防止策は、先生御指摘の射角が上がらないようにするという機材を装着したほかに、まず跳弾、境界越えの被弾が起こりそうな可能性をすべてつぶしてしまうという意味におきまして、長いレンジで撃つところをやめまして、千二百メートル以内のレンジのところしか使用しない、短いところでしか撃たないということを一つ決めております。その次に、装着をしましたので五度以下の角度で確実に撃つ。それから、御指摘の土台が動くのではないかということでございますが、それは、基本射撃、停止して角度をはかって撃つ場合以外の射撃をしないというふうに米軍の方で規則を改善しております。それからさらに、目標地点が雨、霧等で視認できないときには射撃をしない。  これだけの条件を追加しまして、演習の実施に際しましては、現実にその銃が水平面に対して五度以内に確実に制限できておるかどうかを確認するために、安全将校が象限儀という計測器をもちまして一両一両計測をして、その範囲に確実に入っておるという場合を確認した後でなければ射撃を実施させないというふうにレギュレーションの改善をいたしまして、これを誠実に実施する、このように米軍の方では保証しておりますが、ロビンソン少将のお話もございましたが、私どもとしましては、日本の住民の側に立って対処しなければならないことでございますので、これら一件一件条件を詰めて確認をいたしました結果、防衛施設庁の立場といたしましても、これならばそのような事故は起こり得ないというふうに物理的に確認をしておる次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 時間の関係がありますので、残念ですが質問をやめますけれども、いまのお話、承った点を私どももう一遍十分検討させていただきまして、必要がありましたら資料の請求などさせていただきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  以上で終わります。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 午後四時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後三時九分休憩      ————◇—————     午後四時三十八分開議

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。吉田之久君。

吉田之久民社党

○吉田委員 初めに防衛庁長官にお聞きいたしますが、先ほども本会議でいろいろな質問がございましたけれども、わが国の場合、自衛の力を表現する場合に、軍事力という言葉は使ってはならないのでしょうか、どうなんでしょうか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 自衛力ということを申しておりますが、国際情勢の場合等につきましては、軍事能力という言葉を使っているのでありますけれども、わが国の場合につきましては、私は自衛力という言葉を使っておるわけでございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 わが国の憲法のたてまえから申しまして、あくまでも自衛力であり、防衛力である、またそう呼ぶことが一番ふさわしい表現だと思いますけれども、相手の国とわが方とを比較する場合、双方の軍事力と言わないと、双方の防衛力とか双方の自衛力という言葉では、いかにも通用しないと思うのです。  したがって、その辺、決して軍国主義とかあるいは在来の軍隊という意味ではなくして、しかし、国際的にはやはりそういう一つの力を持った集団であるという意味で、この辺で少しこの表現も余り難解な表現を避けて、わざわざ日本の自衛力のたてまえを意識して表現するということ、気持ちとしてはわかりますけれども、国際的には少し不便じゃないかと私どもは思いますし、国内でもいろいろと論議する場合に、何かそれを一つずつ日本流に翻訳して言わなければならないというふうな感じを抱くわけでございますが、いかがでございますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 現在の自衛隊におきましては、自衛力という言葉が非常に適当な表現であると思うわけでございますが、ただ、国際的な軍事能力の比較とかいう話になりますると、やはり軍事能力という言葉を使うわけでございます。ただ、私は、わが国の場合におきましては、現在、その適当な表現であるところの自衛力ということを申すことの方が事態を正確に表現するのではないかと思いますが、御趣旨の向きにつきましては、十分拝聴させていただきたいと思います。

吉田之久民社党

○吉田委員 それでは、いま審議が進められております予備自衛官の手当の増額の問題について若干の質問をいたしたいと思います。  まず、予備自衛官の定員は約四万名、厳密に申しますと三万九千六百名。きょう説明がありましたように、さらに千名ふやされる。また、現在のそれに応じている数、現員と申しますか、それもほぼそれに見合った数字に近づいてきていると思うのです。  しかし、ここで問題なのは、この予備自衛官というものは、現在の定員や現員が示しているとおり、やはり陸上が主体でありまして、海上はきわめて部分的な、専門的な分野に必要なのではないか。同時に、先ほども社会党の方から御質問がありましたけれども、空の場合は、これは予算の関係でいまはゼロなんだというような説明を聞いたやに思うのですけれども、むしろ空の場合には、やはり予備自衛官では無理なのではないか。非常に高度な技術を要するわけでございます。それのいろいろな後方支援というのがどういうものに当たるのか、あるいは整備その他を意味するのか、私もよくわかりませんけれども、この辺で予備自衛官のあるべき姿、それは陸なら陸が主体なんだと、何かきちんと割り切られた方がいいんじゃないか、あるいは本当に空が必要ならば、なぜきょうまでほうっておかれたか。予算のあるなしというような問題は、ちょっとここでは通用しない問題だと思うのです。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 御指摘のように、予備自衛官制度は、先ほど申しましたように、後方警備、後方支援、それから戦闘損耗ということでございます。そういう見地から申しますと、やはり海空は、たとえばパイロットみたいなものについて考えますれば、それは高度の技術が必要でございますので、予備自衛官で賄い得るという性質のものではないと思います。しかし、後方の警備とか後方の支援とか、飛行機の場合で申しますと、たとえば整備みたいなもの、あるいは後方の警備というようなことでございますればそういう余地がございます。  したがいまして、制度の発足の初めは陸上自衛隊でずっと来たわけでございますが、そういう後方要員等の必要から海上自衛隊について予備自衛官制度がとられ、そして航空自衛隊についてもやはりそういう見地からいたしますと、数はそれほどにはならないとは思いますけれども、若干予備自衛官は必要であると私ども考えておるわけでございまして、先ほど予算のことも言いまして大変これは恐縮なんでございますが、私どもは、今後とも航空自衛隊につきましても予備自衛官制度を導入したい、そういうふうに考えておる次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 特にこの機会に申し上げておきたいのですが、予算がないからここはゼロでありましたとかあるいはこの程度の定員にとどめてございますとかというような不確かな態度、方針では、私は国を守ることにはならないと思うのです。どうしても必要ならば、それはもう断じてその定員を充足しなければならない。要するに幹部の皆さん方の定見というものがないのではないか。まあまあとりあえず幾らか枠をとっておこうとか、そういうことでありますと、いよいよそれは問題でございまして、私は、予備自衛官に関する問題でありましても、この辺はもう少し詰めた、ぴんとした思想と姿勢を堅持していただきたいと思うわけでございます。  先ほどちょっとそちらの方からいただいた資料によりますと、五十四年二月二十八日現在、定員は三万九千六百名で、現員は、現在おられる方は三万九千四百二十二名という数字をいただきました。その充足率は九九・六%であります。まあ大変喜ばしいことでありますけれども、しかし、この場合、どんどん予備自衛官を志願する人がふえてきた場合、場合によれば定員を上回ってくる場合、それをやはり定員内に抑えなければならないとすれば、志願する人たちに対してどういう選考を行うのか、その辺はいかがでございますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備自衛官の採用につきましては、当然のことながら現職の自衛官の中から志願者を募るわけですが、年齢の制限それから本人の在隊中のいわゆる勤務成績というふうなものを加味して採用することになろうと思います。いまのお話のように、応募者が非常に多くなって定員をオーバーするようなことになれば、その選考の度合いというのはおのずから厳しくなるというふうに理解しております。

吉田之久民社党

○吉田委員 それでは、現在まではいかがでございましたか。大体志願した人は、よほど体に欠陥があるとかいろいろ、年齢がオーバーするとかという場合は別として、ほとんど自動的に全部採用なさったのか、あるいはかなり厳しい選別をなさって、ふるい落としをされたのか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 そのときのいわゆる予備自衛官の欠員の状況等を加味しながら、その所属部隊において優秀な人間に勧誘といいますか勧奨するというふうなことをしておりますので、特段大ぜいの中から選ぶとかいうふうな問題は生じておりません。

吉田之久民社党

○吉田委員 だといたしますと、大体初めから、この人に予備自衛官になってもらいたいという人をあらかじめ着目しておいて、そういう人たちに志願を勧める、そうして勧めた場合、その勧めに応ずる率は大体どんなものでございましょうか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 全国的な統計として、いまお申し出のような、何人希望者があって、そこからどういうふうに選んだというデータは、特にとっておりません。

吉田之久民社党

○吉田委員 データのあるなしは別として、私が聞きたいのは、本当にその予備自衛官がこちらの希望する定員にちょうど対応するように積極的に参加してくださっているものかどうか、あるいは、無理やりと言ったらおかしいけれども、何とかその定数に合わすために精いっぱいの大変な苦労をして、ようやくその辺の数が調っているのかどうか、あるいは厳しい選考をしなければとても定員の中におさまらないのかどうか、実際の現場のその辺のことぐらいわかるでしょう。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備白術官も、いわゆる継続任用期間というのがございまして、その際、訓練招集に出頭しなかった者あるいは心身に障害がある者、いろいろな理由でもって排除される者がございます。そういった者の欠員を埋める意味でやっておりますので、特段、私どもの方から無理して集めなければ定員が埋まらないというふうな問題は、現在聞いておりません。

吉田之久民社党

○吉田委員 ちょっとおかしいですよ。いままで定員をかなり割っておったのですよ。最近ようやく定員に近づいてきているんじゃないですか。  それからもう一つお伺いしたいのは、たとえば一人でも欠員が生ずれば絶えず募集していくのか、一年に一回、ある時期にきちんと日を定めて募集し、予備自衛官としての任命をするのか、その辺はいかがでございますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 まず第一点でございますが、五十一年度の定員、現員の充足状況を見ますと九九・三、五十二年度九九・九というふうなことで、最近数年間をとってみましても、充足の状況が非常に悪いというふうなことはまずございません。

吉田之久民社党

○吉田委員 次に、訓練招集の問題でございますけれども、これは特に長官からお答えいただきたいのでございます。  訓練招集は年二回以内、そして二十日以内というふうに定められておりますけれども、実際は、ずっとこの方年一回、そして五日程度しか訓練を行っておられない。その程度でいいものなのかどうか、これも予算の関係でございますか。その辺のところを御説明いただきたい。

佐々淳行防衛庁参事官

○佐々政府委員 お答えいたします。  訓練の練度を上げるためには、多々ますます弁ずであろうかと存じますが、現状では、諸般の情勢、訓練の必要性、予算の状況等を勘案いたしまして、この段階で実施しておるということでございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 要するに、いまのところそんなに無理して練度を上げるほどのこともない、ともかく予備自衛官の人たちに、いざというときにすぐに対応してもらえる道筋だけはつけておこうという程度でございますか、その辺のところをちょっと私ども聞きたいのです。

佐々淳行防衛庁参事官

○佐々政府委員 お答えいたします。  予備自衛官のほとんどの者が、若年停年制によって自衛隊を離職した者でございまして、まだ大変働き盛りのところで就職をいたしております。この就職先との関係等もございまして、やはり大部分の者が就職先の了解をとった上で参加をしているようでございます。そういう点の制約も考慮をいたしまして、それからまた先般来御答弁申し上げておりますように、本来の任務が後方警備あるいは後方支援という任務でございますので、現在程度の訓練で何とか練度を維持していくということでございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 たとえ五日にしろ訓練を受けに来られる場合、いまお話しのとおり、多くの方は民間会社、あるいは中には官公庁に勤めている人たち、あるいは農業、自営の人たちといろいろおられるでありましょうが、特に勤め人の場合、いわゆる有給休暇をとって来ておられるようでございますか。それとも特別、会社が認めて、他の社員とは別に予備自衛官ということで、五日なら五日の枠を提供しているようでございますか。その辺は調査なさいましたか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 御指摘のとおり、予備自衛官は、その大部分が何らかの形で企業等に就職しているわけでございまして、年一回の訓練招集に際しましては、休暇の取り扱いを受けて参加しておるわけでございます。  現在、いま御指摘の調査をしたかということにつきましては、はっきりしたことは申し上げられませんし、全国的な精緻な調査をしたわけではございませんけれども、一部の者に対するアンケートを実施した結果によりますと、約七〇%の者は、上司に報告の上、了承を得て出頭してきておる。このほか、自家営業で手続を要しない者が一三%余りあるということから見て、就職先の方々については、大方の理解を得られておるのではないかというふうに思います。しかしながら、なおまだ企業に無断で参加している向きも少なくありません。そういったことから、現在の厳しい雇用条件というものを考えました場合に、われわれとしては、この予備自衛官制度の重要性というか、認識をもっと深めていただくように、積極的に働きかける必要があるんではないかというふうに反省しております。

吉田之久民社党

○吉田委員 私も、その辺のところが大変心配でございまして、結局、普通民間会社に勤める人たち、官公庁もそうでございましょうが、大体有給休暇というのは、年に最大二十日でございますね。これ将来、五日の訓練が一週間になり、十日に延びていくことも想像されます。いろいろ社会全体の動きの中で、そういうものも強化していかなければならないときがある。そういう場合を想定したときに、二十日間の有給休暇のほとんどを訓練招集に費やす労働者、そういう労働者を採用するということは、求人側にとってもなかなかつらい条件であります。また、大変軽量経営をやらなければならない、そういう深刻な今日の経済状況の中で、そういう特殊な任務あるいは条件を持った人を採用するということは、企業の側ではなかなか容易でないことも将来出てくると思うんです。  確かに、この自衛隊法の七十三条では、「何人も、被用者を求め、又は求職者の採否を決定する場合においては、予備自衛官である者に対し、その予備自衛官であることを理由として不利益な取扱をしてはならない。」と書かれてはおりますけれども、これは一つの訓示規定のようなものでございまして、だれも積極的に不利益な扱いをしたとは言いませんけれども、何か採用のときの条件に、予備自衛官であるがゆえに、そういう特殊な招集に応じなければならないということのゆえに、給料そのものに若干の影響が初めからあったり、あるいはつくべきポストにつく機会を逸していったりというふうなことが、私はやっぱりないとは言い切れないと思うんです。この辺のところを、長官としてはどうお考えになりますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 若年停年制をとっておりますために、年齢の若いうちに再就職する例が多く、その人々が予備自衛官になる例が多いわけでございますが、私どもといたしましては、この自衛隊におきますところの隊務を通じまして、それが一般社会人になりましても、各企業に十分役立つ人々であろうと思いますので、その再就職に当たりましては、予備自衛官であることがその採用条件に差等があるようなことでは——これはないように希望いたしておるわけでございますが、そのように、私どもとしては今後とも十分理解していただきたいと思う次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 次に、防衛招集についてお聞きしたいのでございます。  先ほども山花さんがいろいろお聞きになっておりましたが、この防衛招集に応じない場合は、三年以下の懲役または禁錮という罰則規定があるわけですね。ところが、現に今日まで防衛招集というのは一回もやられていないのでしょう、一回もやられておりませんね。そんな緊急、非常事態は起こっておりません。だからいいようなものの、しかしこれは願わないことではありますけれども、いっそういう事態が起こらないとも限らない、また起こることを予定して、こういう予備自衛官というものがあるわけであります。  そうなりますと、その場合に、たとえば病気だと言って防衛招集には応じてこられない、あるいは家族が強引に行くことをとめるというふうなこともあり得ることだと思うのです。そういうときの判断でございますね。非常に本人としては行きたい気持ちがあるけれども、家庭の事情等を勘案した場合、あるいは周囲のいろいろな条件とかあるいは若干そのときの体の調子とか、そういうことによっていざ出動というときに応じられないといった場合に、果たして処罰できるかどうか、その辺の処罰をするとすれば、どういう手順で調査をして、結論を出していかれようとするのか、お聞きしたいと思います。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 御指摘のとおり、予備自衛官が有事の際防衛招集命令を受けて、正当な理由がなく指定された日から三日を過ぎても指定された場所に出頭しない場合は、三年以下の懲役または禁錮に処せられるというのが自衛隊法第百十九条で決められておるとおりでございます。  そして、この正当な理由とはどういうことかと申し上げますと、これは施行令の第八十八条に心身の故障、配偶者または一親等の血族の死亡あるいは重態である、あるいは災害その他家屋の滅失等というふうなことが決められております。この件に関しましては、たとえば病気であれば医者の診断書であるとかいうふうな、いろいろな形があろうかと思いますが、一概にどういうふうな調査のやり方があるのかというようなことはございませんが、個々のケースによって、そういった調査をすることになろうかというふうに考えております。

吉田之久民社党

○吉田委員 要するに、よほどのことがない限り、この防衛招集には応じなければならないという決め方だと思いますし、またそれが当然でございます。しかし、私どもの想像する範囲では、そういう非常事態に、これはよほどの決心がないと、予備自衛官がその防衛招集に応ずるということはなかなか困難ではないかと私は思うのです。その辺、いささかも自信に狂いはございませんか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 予備自衛官の制度の趣旨を十分理解された人々が予備自衛官になっていただいておるわけでございます。しかも、御指摘もございましたように、これはやはり何かの場合に備えるわけでございますから、そうした事態が起こったときには十分その制度の目的に照らし、その要請にこたえられるものと思う次第でございますし、またその点につきましては、訓練招集の際にいろいろな面においてそうした点についての訓練をいたしておると承知いたしておる次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 二、三年自衛隊で当然訓練を受けられた方々でございますから、私は精神的には、そういう有事の際には招集があれば直ちに応じようという気持ちは、まずは大部分の方々がお持ちになっておるだろうと思います。またそう信じたいと思うのです。しかし、やはり今日これほど長い平和が続き、かつ国民生活がこれほど向上いたしてまいります。そしてそれを支えているものは、個人個人の所得であり、いろいろ経済的な関連でございます。そういう点から考えると、本人としてはぜひ招集に応じなければならないと思うけれども、いわゆる後顧の憂えありで、なかなか家族やその後ろに残る人たちのことを考えると、一概に出ていけるかどうかという問題は、単なる規定の問題やら法律の問題でなくして、政治の問題として長官あたりが、あるいは幹部の皆さん方がよほど真剣にいまから問い詰めておかなければならない問題だと思うのです。  私は率直に申しまして、防衛招集に応ずる、応じた場合はもとの位に戻る、そして当然その位に応じた給料を受けられると思うのですけれども、しかし退役してから三年ないしは六年、志願を更改していけば五、六年はやれるわけなんでしょう、予備自衛官として。その間に会社の方でもらっている収入というものがたとえば月に二十万になっておる。自衛隊をやめたときには十二、三万の給料であったというふうな場合、それをしも、私は必ず古巣へ戻ります、そして国の有事に私も立ち向かっていきますというだけの決心が物理的に整うだろうかという問題なんでございます。その辺は、考慮されたことはございますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 まず給与の問題に入ります前に、若干補足的なことになりますけれども、予備自衛官になるに際して、予備自衛官になった者は次のような宣誓をすることになっております。その宣誓をちょっと読み上げてみますと、「私は、予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、訓練招集に応じては専心訓練に励み、防衛招集に応じては自衛官としての責務の完遂に努めることを誓います。」こういうふうな宣誓をして予備自衛官になっておるわけでございまして、私どもとしては、その予備自衛官になった方々の決意のほどというのは信頼し得るのではないかというふうにまず考えております。  それから防衛招集命令を受けまして招集された予備自衛官は、いまお話がありましたとおり、当然のことながら指定された階級の自衛官になりまして、当該階級に応じた俸給を受け取るわけでございますが、この場合自衛官としての給与は、この防衛出動の際には給与法上第三十条によるいわゆる有事給与となるということが決められております。これは現在なお研究中でございまして、具体案があるわけではございませんけれども、これが民間でそれまで受けた給与とどのくらいの格差があるかというようなことは、民間の方のいわゆる給与規則その他の関連もございますし、一概に高いか低いか、いま先生のお話のような民間の給与の方が高くなっておることも多いと思いますけれども、一概には言えないのではないかというふうに考えております。

吉田之久民社党

○吉田委員 そんなに一概に言えないでしょうか。たとえばいま准尉ぐらいの位でもらっていらっしゃる給料は、幾らでございますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 准尉は一号俸から二十七号俸まであるわけでございますけれども、准尉の一号俸は本俸十二万七千七百円、二十七号俸は二十七万九千八百円、こういうことになっております。

吉田之久民社党

○吉田委員 たとえば二等陸曹あたりでおやめになって民間へ行かれる場合の平均年齢は、何歳ぐらいでございますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 二等陸曹のいわゆる政令で定められた停年は五十歳でございますが、実際には三十前後で二曹になっている方が多いかと思います。

吉田之久民社党

○吉田委員 それのやめられる時点の給料は幾らでございますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 二等陸曹の給与は一号俸が十一万四百円、それから二十四号俸が二十四万四百円、こういうことになっております。

吉田之久民社党

○吉田委員 私質問しているのですから、あなたはお答えになる立場にあるのですから、質問者が何を聞こうとしているかというぐらいのことは御判断できると思うのです。  二等陸曹が十一万円から二十四万円であるとしても、実際三十歳ぐらいで自衛隊を一応退職して予備自衛官になる人が二十四万ももらっているはずはないと私は思います。それは功成り名遂げて、ずっと長くいって五十歳間際の二等陸曹の人ならそのぐらいもらっているかもしれませんけれども、私どものアバウトな常識から言いますと、私はそれほど自衛隊の給料というものはいいとは思わない。そしてその人が民間へ帰った場合に、それは企業によっても違いますけれども、十一万程度の給料ではないと思います。この辺をどうするかという問題なんです。もちろんいろいろ例外はあるでしょうが、平均的に見て。私は長官ならわかっていただけると思う、お役人の方は別として。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 先ほどの答弁を若干補足させていただきますと、三十歳前後の二曹ということになりますと平均で大体十一号俸、給与が大体十七、八万円、こういうことになろうかと思います。

吉田之久民社党

○吉田委員 また後でいろいろ資料もいただき、私たちも現地に問い合わせをしてみて、その辺の心配がなければ大いに結構でございますけれども、やはり今日の社会が経済社会である限り、いかに精神的に国を守ろうと思っても、防衛招集に応じた時点から明らかに家の暮らしが苦しくなるというようなことであれば、これはなかなかに男として立ち向かっていけない心配があると常識的に考えます。  そこで、私が申し上げたいことは、いろいろ訓練招集に応じなければならない、あるいは場合によれば防衛招集に応じて命を投げ出すこともあり得るという、大変責任ある、そして特殊な立場にある予備自衛官でございます。常識から申しまして、やはり社会で好意的に受け入れてくれる努力はしておられると思いますけれども、しかし、やはりそうとも言えない面も出てくるのではないか。あるいは長く防衛招集に応じて帰ってはきたけれども、昔のように凱旋してきたと言って、みんなが本当に好意的に敬意を表して受け入れてくれる時代ならばいざ知らず、そうでありたいと思いますけれども、その間に会社の仕事の中でかなりの空白が流れる、やはりいろいろとそのことによって国家のために努力した人たちが後で個人的にいろんなデメリットを受けるというふうなことは、あってはならないけれども、ある心配も私はいたしております。  したがって、そういうことを考えますと、この予備自衛官に対する月々の手当の額の問題、これも私は余りにも非常識に低過ぎると思うのです。今日のわれわれの社会の常識として、月に二千円や三千円という金がこの人たちに対して、まあ義務に対する一種の拘束の対価として払うべき金額であるのかどうか、あるいはそういう大事な有事のときに直ちに即応してもらうべき義務を負わせた契約行為の一種として支払う手当として適当であるかどうか、私は単位が、一つゼロが抜けているのではないかと初め思ったのです。いろんなきょうまでの経過、いきさつはあると思います。しかし、これは常識的に見まして、もう子供のお年玉だっていまや二千円、三千円というのは決して高い方ではない時代でございます。  とかく防衛庁の皆さん方は、国を守るのだということで、そのことで鍛えた自衛隊員なんだ、それが予備自衛官になったって、一朝有事のときは必ず即座に集まってくれるだろう、そう信じられるのはとうといことだと思います。また精神論としては大いにそうあるべきだと私は思いますけれども、それだけではいかない今日の社会事情ではないかというふうに考えるわけでございまして、私はそういう意味で、この予備自衛官の手当を二千円のままで七年間も放置しておったことも無責任だと思いますし、最初の額も余りにも低過ぎる出発だと思いますし、したがってそれを千円程度上げたところでそれは大したものではないと思いますし、やはり早急に、この案はこの案として、今回の法律改正はいたし方ございませんけれども、やはり長官あたりがよほどその辺をよく指導していただかないと、私はやはりいざというときに問題が起こるのではないか。昔の発想では、昔の軍国主義華やかな時代の徴兵制度、国民皆兵の時代の発想と同じままで、自衛官は鍛えてあるのだから、この人たちだけは間違いないと思われることが果たして通用するかどうかという点、私はいささか心配をしている次第でございます。心配し過ぎでございましょうか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 予備自衛官の処遇の改善につきまして御理解ある御見解をいただきまして、私も御趣旨を体して努力したいと思っております。特に予備自衛官の使命感に期待するところが大きいのでございますけれども、御指摘のとおりにそれだけでは十分制度の実効を期することはできない面もあろうと思います。もちろん、いま直ちに防衛招集が行われるかどうかということは別問題といたしまして、いま御指摘がございました点につきましては、やはり処遇の改善を図らねばならぬ点は仰せのとおりと思うわけでございます。  したがいまして、ただいま御審議願っておりますことにつきましては、ぜひその改定について御決定いただくことを心からお願い申し上げる次第でございますが、この上の問題といたしましても、ただいまの御趣旨を十分体しまして処遇の改善に努力させていただきたいと思う次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 今度は、予備自衛官が防衛招集の場合の配置につく問題でありますけれども、たとえば東京の自衛隊で訓練を受けた人が大阪で生活をしておる、その場合は大阪で招集に応ずるわけでございますか。その辺が一つ。  それから、先ほども本会議場で御説明がありましたけれども、後方支援とかあるいは後方警備ですか、それから前線要員というのですか、戦闘の修羅場に立つ、これはだれが決めるのでございますか、本人の希望をとるのですか、その辺はどうなっておりますか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 もちろんこれは機能的分類をいたしますと、そういうことになるということでございますから、実際問題は後方警備あるいは後方の支援部隊に配置をするということになろうかと思います。あと、現実に前線の戦闘がありまして損害が出たという場合に、その後方勤務なり後方警備に当たっている人が前線の部隊に行くということになろうかと存じます。

吉田之久民社党

○吉田委員 今度さらに定員を千名ふやされる場合に、それは後方支援でございましたか、先ほど何かおっしゃいましたね、今度新しくとる人をそちらに一応予定しておくわけでございますか。そういう枠の中でまたいろいろと過去に予定した人を振りかえるわけでございますか。人によって、もうきちんと、おれは後方だとか、おれは前線だとか決まっているのでございますか。長官、めったにそんな非常事態は起こらないという気持ちで、ともかく予算を取っておこう、いまから道筋だけつけておこうというような感じが流れておるように私は思われてしようがないのですが、その辺どうなんでしょう。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 この制度自体がやはりいざというときに備えることでございますので、ただいま御指摘のことのようなことではございません。特に、今度増員をお願いいたしております一千名につきましての趣旨につきましては、防衛局長の方から御説明いたさせます。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 今度千名増員をいたします場合のその千名につきましては、後方警備でございまして、主たる師団が戦闘地域に行くとすきができますわけで、そこで軽火器を持って軽普通科連隊というものを組織しよう、そういう考え方でございまして、それを約一個連隊分といたしまして千名の増員の要求をいたしておるわけでございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 やはりあれじゃないですか、その趣旨はわかりますけれども、およそ予備自衛官というものは大体後ろに入って、そして現職の自衛隊が前へ出る。そうでないといままで民間で、あるいは百姓しておった人が三年目に防衛出動に応じて最前戦で指揮をとると言ったって、それはかなりむずかしいことだと思いますから、その辺は、もう少し予備自衛官というものを存続発展させていこうとするならば、その任務分担というものをこのあたりからきちんとされた方がいいと思うのですよ。それを何かいろいろ説明上、各任務につかせるとバラエティーを持たせたような表現で定員をふやそうとなさる苦労はわかりますけれども、私は、そういうものじゃないと思うのです。後方なら後方で大いに結構でございます。  婦人自衛官というのがおられますけれども、この方々は予備自衛官になられますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 現在、婦人自衛官で予備自衛官になっておるのは、看護関係がそのすべてでございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 それから長官にお聞きしたいのですが、いわゆる外国の奇襲を受けて戦争状態に入るという不幸な場合、これは先ほど来のお話でいろいろ対応の措置、予備自衛官の場合もわかりますけれども、本当に日本がひっくり返るような大災害が起こった場合、たとえば関東大震災クラスの地震が起こったとか、あるいは異常な洪水災害が起こったとか、そういう場合には、これはいわゆる防衛出動に準ずるような、予備自衛官を招集されるようなそういう構えばございますか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 防衛出動の場合に防衛招集になるのでございまして、災害出動の場合のそういう規定はございません。

吉田之久民社党

○吉田委員 私は、長官にこの際、これはお願いというか希望でございますけれども、昔在郷軍人というのがおりましたね。時代は変わりますけれども、あの人たちがいわゆる後方にあって、あるいは郷土にあって、いろいろとその地域の青年の訓練に当たったり、そういう役割りを果たされましたね。やはり今後、予備自衛官という方々がそういう役割りも徐々に果たされるべきではないか。それからいま一つは、いよいよ非常事態の場合に自衛隊と警察とのタイアップというのが非常に大事だと私は思うのです。しかし、たまたま地方に帰ってそちらで生活をしている予備自衛官というのは、そういう場合の接点に立つ非常にユニークな存在として意義があるのではないか。だから、予備自衛官の存在と活用という問題もさらに枠を広げて、広範に、そしてより現実的に社会に機能し得るようなことをお考えになってはどうだろうかというふうに思うわけでございますが、これは希望として申し上げますが、いかがでしょうか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 災害の場合に防衛招集をせねばならないような事態になるのかどうか、これは必ずしも一概に申せないと思います。したがいまして、ただいま防衛局長が御答弁申し上げましたとおりに、ただいまのところ災害につきましては、防衛出動に準ずるような事柄の規定はないと申したわけでございます。  そうした点はございますけれども、いまの御趣旨につきましては十分承りましたので、今後の課題として検討さしていただきたいと思います。

吉田之久民社党

○吉田委員 それから、各地方で隊友会というのがございまして、自衛隊のOB、その中には当然予備自衛官もまじっていらっしゃると思いますし、あるいはそれの家族とか、あるいは自衛隊員を励ます人たち、いろいろな人たちが寄って隊友会というのをつくっているようでございますが、この隊友会が資金的にもなかなか容易じゃなくて、活動をしたくとも十分にできない。いろいろな通信連絡の費用にさえ苦労しているというふうな話もちらっと聞くのでございますが、防衛庁長官としては、そういう隊友会の組織の強化とか、あるいはそういう方々に対する指導とかいうことでは、いままでどういう態度でいらっしゃいましたか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 隊友会が防衛基盤の育成上大変有意義な活動をしていただいていることは、私どもも十分承知いたしておる次第でございます。したがいまして、可能な範囲で防衛庁としても協力、支援を行ってまいりたいと考えておりますが、必ずしも御指摘のように通信関係費も事欠くというような状態であるとは承知いたしておりませんで、まあ十分とは言えませんが、そこそこおやりになっているようでございますけれども、しかし、先ほど申しましたように十分ひとつ支援、協力はさしていただきたいと思っている次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 少し質問の角度は変わりますけれども、自衛官の停年を延長されようとしておりますね。これはいまの時代から見て非常に結構なことだと思うのですが、自衛隊の定数というのは決まっておりまして、停年延長をしていく場合に、いわゆる新規採用と申しますか、新しく自衛隊に入る人たちをある程度制限しないと、これはバランスがとれなくなってくるという心配がございます。しかし、そういうことで新しく自衛隊に入る人たちを急激に減らしたりいたしますことは、将来の自衛隊の機動力、装備力、もろもろから考えた場合に一つの欠陥になりはしないか。この停年延長と新しい自衛隊員の募集との問題はどうかかわっていくんでしょうか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 御承知のように、自衛官には法律、政令で定められた停年制度がございますが、任務の特殊性から一般公務員に例を見ない若年停年制であるというのが特徴であろうかと思いまして、現在五十歳で停年になる自衛官がその九〇%を占めているという状況でございます。しかし、最近における寿命の延伸であるとか、高齢者の労働能力の向上、あるいは六十歳定年への趨勢というふうなことを考えました結果、あるいはまた自衛隊の内部におきましても装備の近代化等も進んでおりますので、そういった意味から隊員の職場として魅力のあるものにするというふうなことも考えながら停年延長に踏み切って、五十四年度を初年度としまして六年計画でやっておるわけですが、この問題は、いま先生のお話がありましたような採用数というよりは、むしろ昇任率あるいは隊員の平均年齢が高くなるというふうな問題がございますが、私どもの検討では、いま申し上げたような状況からさして問題はないんではないかというように考えて、この停年延長に踏み切った次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 わかりませんね。自衛隊の定数というのは決まっているんでしょう。それがたとえば一定の、五十歳でやめる人、五十二歳でやめる人、いろいろ位によって違いますけれども、そのやめていかれる分だけいつも補っていけば、いつも定員はバランスがとれるわけでしょう。それを今度停年制を延長することによって、一、二年その人たちはまずはやめませんね。だとすれば、補充はできないのじゃないですか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 自衛隊が停年制度をとっているのは幹部、曹でございまして、われわれが募集に一番苦労しておる士の隊員というのはいわゆる任期制の隊員でございまして、この停年とは直接関係ないというふうな事情を先ほど御説明した次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 それじゃ、佐官とか尉官の場合、これもやはり五十歳を五十三歳に延ばしたりしようと考えていらっしゃるのでしょう。それは人数は非常に少ない、限られた人たちであるとしても、その部分においては、その人たちの停年が延びていけば、今度はいわゆる幹部候補生の人たち、その方の入り口を少し一時狭くしないとバランスが合わなくなりませんか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 確かにその全体におけるパーセンテージは低うございますけれども、停年を延ばした分だけ入り口の幅を狭める、一般幹部候補生の採用とかあるいは曹からの昇任というものは若干厳しくなるということはございます。

吉田之久民社党

○吉田委員 これも長官にお願いがございます。停年制延長は大いに結構なんですが、そのことのしわ寄せが新しい入り口の方へ行くということ、それが将来、ずっとあるときの四十歳台が非常に少ないというようなことになって、自衛隊の機能に障害を生ずるようなことがあってはならないと思います。いまは人数的にどの程度のものか私どもよくわかりませんけれども、よく留意しておいていただかないと、将来のために禍根を残すことになってはならない。  私は、さらに積極的に言うならば、停年制延長大いに結構ですけれども、この際あわせてその枠だけ全体の定員を広げていくというようなことがあってもいいのではないかと思います。何もあくまでも限られた定員の中で、まずめを合わさなければならないのだというようなことではなくして、社会、国際情勢の変化をもにらみながら、たまたまそういう停年制延長のときにいろいろと全体として充実していくということも考えられてもいいのではないかというふうに思うわけでございます。  少し時間があるようでございますから一、二点お聞きいたしますが、特に海上自衛隊の装備の中についていろいろと、たとえばエンジンの種類であるとか、いろいろな装備の種類がきわめて多岐多様にまたがっておる。メーカーも違うし、種類も違うということで、日本の海上自衛隊がいざ訓練をやってみても、なかなかにそれぞれの操作の仕方が違う。言うならば、足の違いもばらばらであるというような点が指摘されているようでございます。歴史的にも、アメリカと日本は昔の太平洋戦争のときでもそうだったようでありまして、アメリカの場合には、たとえば潜水艦の建造状況は二百三十七隻が一種類であった。これは昔の話、太平洋戦争時代の話でございます。ちなみに日本海軍の場合は、百七隻が十三種類から成っておったというふうなことを聞いております。  しかも、そういう傾向が今日のわが国の自衛隊のいろいろな装備の中にもそのまま残っておるように私は思うのです。そして、それが十分こなし切れないで、しかも部分品が取りかえがきかない、故障回数もきわめて多い。一年三百六十五日でございますけれども、その間に十日に一回ずつぐらい一つの船が故障しておるというようなことを聞いております。私もいろいろさらに資料を集めまして、ちょっとこの辺は研究しなければならないのじゃないかと思うのですが、今日日本の海上だけに限りませんけれども、何かそういう一つの特殊事情がありはしないだろうかというふうな気がするわけなんです。長官は、そんなことにはお気づきになりませんでしたでしょうか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○倉部政府委員 海上自衛隊の艦艇に搭載いたしますエンジンにつきましては、それぞれの艦種ごとに要求されます性能、いわゆる要求性能に対応しまして、いろいろなエンジンを使うという傾向があったわけでございます。またある一面では必要なわけでございますけれども、いま先生の御指摘がございましたように、いろいろな角度から考えてみますと、たとえば乗員の教育訓練の問題、あるいは整備の問題、あるいは部品供給の問題、あるいは一般的な管理の問題、そういった観点から見ますと、やはりある程度集約化、統一化あるいは系列化する必要があるというふうなことで、自衛艦につきましても昭和三十七年ごろ、二次防のころからかなり統一化が図られまして、現在たとえば護衛艦について見ますと、蒸気タービンが二系列、それからディーゼルエンジン関係が二系列というふうなところに基本的には集約化されております。そういう方向でございますので、そういう意味では先生のおっしゃいました方向に動いていると思います。  それから十日に一度というエンジンの故障のお話でございますが、私どもいろいろ調べておりますけれども、十日に一度というのは通常あり得ないことでございまして、何か特殊な時期、非常に初期の段階であるいはそういうことがあったのかと思いますけれども、私どもそのケースは承知しておらないわけでございますが、平均的にはそういったことはないわけでございますので、御理解いただきたいと思います。

吉田之久民社党

○吉田委員 最近いろいろ改善されているようでございまして、それならば大いに結構なんですが、DD内燃艦、いわゆる護衛艦でございますね、これは四十七年度において一艦当たり平均三十五・七回故障しており、十日に一回故障欠損報告書を出さなければならないほどの深刻な故障が起きていることが現にある。したがって、機関員ははらはらしながら操作をしておる。こういうことでは平和なときの訓練ならばまだしも、いざというときにはかなり無理な運転をしなければ有事に備えられぬわけでございますが、そのときにすぐにエンジンが焼けついたり壊れたりというようなことでは、これは大騒動でございます。特に日本の昔の軍隊——いまの自衛隊はなるべく軽装なもので、なるべく効率のいいもの、こういう思想が昔からありました。しかし、それがいざというときにはかえって非常にむずかしくて、本当の戦力にならない。したがって単純明快な、どこでもだれにでも通用し、だれでも操縦できるというようなものの統一性というのが、一方においてかなり強く要請されると思うのです。  もちろん、近代性やさらに効率性ということも絶えず探求されなければなりませんけれども、民間の自動車のいわゆるモデルチェンジみたいに、ただ流行を追うという形ではなしに、あくまでも本当に戦う戦力でございますから、なるべくすぐに応用のきくようなそういうものにしておくべきじゃないか。アメリカの陸上なんかでは、何かいろいろ兵隊さんの種類が違っても使う弾は全部同じ弾で、すぐに補給がきく、あるいは有効に戦力が発揮できるというふうなことも聞いております。わが国は非常に小さい国で、優秀な、賢明な、競争のきつい国でございまして、それがある面においてそういう点で一つの支障を与えている傾向にありはしないか、一種のジレンマだと思うのでございますが、少し気になることがございます。いずれまた機会を見て、質問させていただきます。  以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 柴田睦夫君。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 今回の防衛庁職員給与法の改正案は、予備自衛官の手当を引き上げる内容ですが、これを引き上げる理由、もう一遍言ってください。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備自衛官手当は、訓練招集及び防衛招集に応ずる義務に対する精神的拘束の対価としての性格を持っておることは、先ほど来申し上げたところでございます。  したがいまして、この手当は一般の給与とはその性格を異にしております。昭和四十七年の四月に現在の月額二千円に改定されて以来、非常に長期間据え置かれたままでございます。今回、その後の物価の動向というようなものを勘案しながら、三千円に引き上げることとしたわけでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 いろいろ理由を言われるのですけれども、この問題は、この手当の性格自体が非常にあいまいで、ほかの国家公務員、非常勤の公務員などとのバランスが国の政策上十分とられているかどうかという点であるわけです。  そこでお聞きしますが、予備自衛官などとほぼ性格を同じくしております行政相談委員あるいは人権擁護委員、こういう人たちには手当はないわけです。実費弁償だけであるわけです。こういう点から、物価上昇というようなことは理由にはならないと考えますし、そういう意味で本質が隠されていると言わなければならないと思うのです。それは防衛庁が進めている有事体制づくりと大いに関係があるわけで、実際は予備自衛官をどうつなぎとめておくかということが最大の問題だと考えるわけです。一九七七年度の予算で訓練招集手当を一日五百五十円から四千円に引き上げた。これによって、予備自衛官はそれまでやめる人が非常に多かったのだけれども免職数が大きく減ったという経過があるわけですけれども、こういう経過から考えてみても、今回の手当の引き上げというのはこのことにつながっていると思うのですが、防衛庁いかがですか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○夏目政府委員 予備自衛官手当の性格につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、今回の単価改定というのは、先ほど申し上げましたとおり、物価の動向等を勘案しながら決めたわけでございます。  ところで、前回改定後における物価の動向というのを見ますと、消費者物価指数にしまして前回改定の基準となった四十五年に比べますと二倍になっているということでございますが、現在のいわゆる厳しい財政、経済の状況であるとか、民間等におけるベアの実態とかいうようなものを総合的に勘案し、あるいはまた従来の上げ幅というようなものを考えた結果、二千円から三千円、一・五倍ということにしたわけでございまして、私どもとしては今後必要に応じて、なおこの予備自衛官の処遇改善については努力していきたいというふうに考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 だから、先ほど例示しました行政相談委員や人権擁護委員、これは精神的拘束はやはりあるわけです。それでもこういう人には手当はないわけで、予備自衛官だけあるというところに問題があるわけです。今回の法律は、現在政府が進めております有事立法、有事体制における予備自衛官の位置づけ、これと密接にかかわっている問題であります。自民党の国防問題研究会も、予備自衛官の増強、それから職業保障の法令の整備というようなことを打ち出しているわけですが、こうしたことは自衛隊のいわば隠れた増強にほかならないということを申し上げて、防衛問題に関する次の質問に移りたいと思います。  新聞報道によりますと、山下防衛庁長官は、五月上旬の日米首脳会談に引き続いて七月下旬に訪米するということですが、先ほど上原委員の質問に対する答弁で、何を議題にするかは詰めてはいないということでした。しかし、新聞にはいろいろ意識的に観測気球を上げておいて、国会では話せないということでは困るわけです。山下長官自身が行かれるわけですから、何を話し合う意思をお持ちなのか、お答え願いたいと思います。特にこの前の幹部会同で長官自身も、「できるだけ早い機会に米国を訪れ、ブラウン国防長官を初め米側の指導者と両国共通の関心事項について親しく意見を交換し、」こういうことを話していらっしゃるのですから、お答えができるのじゃないかと思って、お伺いします。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 率直に申しまして、私が訪米することにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおりに、毎年のように両国の防衛庁長官あるいは国防長官が相互に行き来いたしまして率直な対話を行うということになっておるわけでございまして、ことしは私どもが行く順番だ、こう申し上げたわけでございます。実はまだ先ほども申しましたとおりに、国会が御審議中でございますし、私どもは許されればこの国会が終わりまして参りたいと思っておるわけでございます。  ただ、そうしたことで定期的に会談を行っているものでございますから、特定の問題について話し合うということをいま予定していることはございません。いろいろ報道はせられておりますけれども、それはあくまで報道であると思うわけでございますが、ただ、私は、率直に話し合うということは、やはりアメリカと日本とは日米安全保障体制を結んでおるわけでございますから、相互信頼の上に立ちまして率直な話し合いをしてまいりたい、このことは思っておりますけれども、特定の議題をいま予定しているものではございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 もう少し細かく聞きますが、報道で伝えられるところによりますと、これらの一連の会談でソ連軍の増強についての評価を日米で話し合って詰めるのだというように言われているのですが、こういうことは問題になるというようなお考えがありますか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 ただいま御答弁申し上げたとおりでございまして、特定にいまどうするというようなことを予定しているわけではございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 長官は、先ほど言いました自衛隊高級幹部会同の訓示で、またきょうの本会議でも同じように言われましたけれども、極東ソ連軍の増強問題に触れられて、わが国の安全保障に深くかかわるもので今後の成り行きには十分注目しなければならないと述べられましたが、対ソ戦略ということをわが国の軍事力増強の柱にするという考えを持っていらっしゃるかどうか、お伺いします。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 ただいま私どもは「防衛計画の大綱」を決められておりまして、それに従いまして防衛力の整備を図っておるわけでございまして、特定の国をどうとかするということは毛頭ございません。ただ、御指摘がございましたように、近来ソ連極東軍の大変な増強は、やはり注目すべきものがございますので、私どもとしては、客観的な事実というものは十分に把握し、その検討を怠ってはならないと思うわけでございますので、そうしたことは申しておりますが、何もそれで特定の国を対象として防衛力を強化するとかいうふうなことは考えているわけではございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 もう一つ、新聞報道では、長官はソ連艦隊の増強に対応して米第七艦隊の核空母二隻を常駐させるよう要請する、そういうように伝えられているんですが、この点についての長官の御意思はいかがでしょうか。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 わが国の安全保障にとりまして、日米安全保障条約は非常に重要な役割りを果たしているわけでございまして、そのことはまた同時に、アジアの平和の安定にもつながるわけでございます。ただ、いまの御指摘のようなことを私はいままでどこでも言ったこともございませんし、どのように報道せられておるかは承知いたしませんが、私どもとしては、わが国の安全を守るためにいろいろと考えておる。それはあくまで「防衛計画の大綱」に従ってその防衛力の整備強化を図るということと、もう一つは日米安全保障体制を堅持していく、その信頼性を維持していくということはもう申すまでもないところでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 報道などを見ておりますと、長官の答弁とずいぶん違うようですけれども、報道などでソ連脅威論というのがことさらに宣伝される、そして一方では防衛庁も、米日韓の軍事体制づくりはこれを一層着実に進めているという状況にあると見ております。新聞報道では、訪米後山下長官が防衛庁長官として初めて韓国を訪問する、こういうふうに伝えられているんですが、韓国訪問ということは計画の中に入っているのかどうか、確認を求めます。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 率直に申しまして、意図は那辺にあるかははっきりいたしませんけれども、近時ソ連極東軍の地上、それからまた艦艇、また航空機等の動きを見ますのに、相当やはり軍事能力が強化されていることは言うまでもないところでございますので、私どもとしては、この点は十分注視してまいりたい、このように考えておる次第でございます。  私はいまの訪韓のお話につきましては、まだ具体的な計画はございません。しかしながら、わが国と非常に近接いたしました朝鮮半島における平和と安全の維持は、わが国の安全にとってもまことに重要な関連を持っておるものでございます。したがいまして、特定の意図を持ってということではなしに韓国を訪問し、またいろいろとお目にかかるということ、これは意義のあることであると考えておりますけれども、しかし、いまのところ具体的な計画を持っておるわけではございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 長官の御意向はわかりましたけれども、防衛庁長官がもし韓国を訪問するということは、これは公式の軍事協議に一歩踏み出すものであって、制服レベルのいままでの交流を一段高いところに押し上げるものであって、アジアでの緊張を激化するものになるということで、私は、そうした長官の訪韓というのはやめるべきであるということを要請いたします。  それから、きのうの新聞報道では、中国人民解放軍と自衛隊制服組との交流が開始されるということが出ておりました。昨年、張副総参謀長が来日した際、高品統幕議長と永野陸幕長に非公式ながら訪中の要請があったということでありますけれども、これは事実であるかどうか、確認を求めます。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 昨年、張才千副総参謀長が訪日いたしまして、統幕議長及び陸幕長に面会いたしましたときに、これはまことに非公式でございますけれども、一度中国に来られないかというお話はございました。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 わかりました。  中国は、自衛隊に何を求めているのですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 張才千副総参謀長の表現によりますと、日中軍事関係者の友好関係でございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 一佐クラスを秋に訪中させるという話を聞いておりますけれども、これは事実ですか。また、事実であるとすれば何を話し合うのか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 実は昨年、一佐クラスを訪中させておりまして、それで本年度につきましては、まだ具体的な計画は何にもございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 昨年、一佐クラスを訪中させたときの話、これはどういうことですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 昨年は、陸幕の志摩一佐をわが方の在北京大使館との連絡を目的といたしまして中国に派遣いたしました。その際、中国の関係者とも面会いたしております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 どうも最近の動きを見ておりますと、防衛庁の行動がアジアの緊張を激化させる、そういう懸念を非常に持つわけです。われわれは、この米日韓の軍事体制づくりには断固として反対いたしますし、また日中の軍事同盟というように指摘されるような、そういう状況になることは好ましくないということを申し上げておきまして、次にガイドラインの問題について少しお伺いしたいと思います。  昨年の十一月二十七日、日米安全保障協議委員会で合意されました日米共同作戦のガイドラインに関連するわけですが、まず、自衛隊高級幹部会同で山下防衛庁長官は、一つは防衛力の増強、二番目に有事法制研究や防衛研究の推進、三番目に中央指揮所の設置、四番目にガイドラインに基づく共同作戦研究を進める、こう述べていらっしゃるのですが、ここで言う防衛研究とガイドラインに基づく共同作戦研究とはどこがどう違うのか、お伺いいたします。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ガイドラインに基づく研究は、日米が安保条約五条に基づいて共同対処をする場合の対処の仕方につきまして、共同作戦計画の研究等をやるものでございます。  一方、防衛研究と申しますのは、自衛隊はいまの「防衛計画の大綱」におきましても、限定的小規模なものは独力で排除することがたてまえでございますが、その際に陸海空を統合的に運用するという見地で研究をしております。  それでもちろん、その接点になりますと、独力で対処ができない場合は、当然米軍との共同作戦になるわけでございますから、その限りにおいて接点はあるわけでございますが、たてまえといたしましては、自衛隊が独力で対処をする場合と共同で対処をする場合の研究でございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 今回のガイドラインは、侵略を未然に防止する態勢として、平時からの共同作戦計画をつくるということが取り決められております。ガイドラインでは「自衛隊及び米軍は、作戦を円滑に共同して実施するため作戦上必要と認める共通の実施要領をあらかじめ研究し、準備しておく。」としているのですが、この共同作戦の実施要領は、防衛協力小委員会でつくるわけですか。これは外務省でも結構です。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ガイドラインができたわけでございますので、防衛庁長官の責任でこのガイドラインに基づいて研究が進められるわけでございます。この実施要領等は、細かい手続に類するようなものでございますから、研究はもちろん統幕中心、各幕がこれをサポートしてやっております。できたものの成果は私どもに、防衛庁長官に報告されるわけでございますが、された結果よろしければ、幕僚長レベルあるいはものによってもう少し下のレベルのものになることもあろうかと存じますが、そういう非常に手続的な性格のものでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 共同作戦の実施要領ですから、これはアメリカ側も了承するというものでなければならないのじゃないかと思うのです。防衛庁長官だけが承認する、それで防衛庁長官が決める、それで済む問題ですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 もちろん共同でやる場合の実施要領でございますから、それぞれ研究をしまして、大体こうやろうというやり方について、こういうやり方がいいということになれば、そして防衛庁長官が判断してそれでよろしいということになれば、それは手続の決め方として幕僚長のレベルあるいはもっと細かいものであればもう少し下のレベルで、たとえば通達を出すというような形で決まるということになろうかと存じますが、まだこれは中身がそこまでとてもいっておりませんから、将来のものであります。中身によることでございますが、大体そういうことになろうかと存じます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 これは共同のものですから、やはり安保協議委員会かまたは小委員会かで決めるということではないのですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 このガイドラインに基づいて、いまやりますことは研究でございます。研究しておくわけでございますが、それが日本政府独自の判断でいいということになれば、これは防衛庁長官の責任で決め得る程度のものしかつくれない、そういうものでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 細かいものと言われるのですけれども、実際はこの実施要領こそがこのガイドラインの本当の中身になるわけです。これはそういう意味で中身ですから、しかも防衛庁長官が承認するというような問題ですから、当然公表されるべきであると考えますが、その点はいかがですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これはもちろんそういう意味で実施要領でございますから、言うなら戦の仕方の問題でございますので、これは高度の機密に属するものでございますから、公表をすることは考えておりません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 共同作戦計画と言えば、当然敵味方の力関係が明確にされていなければならないと考えますが、政府はどのような想定を考えているわけですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これはもちろん共同作戦、日本が侵略を受けるおそれがある場合、侵略を現実に受けた場合ということでございまして、特定のどこの国が侵略をするという具体的な想定はないわけでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 特定のものはないというふうにいつも言われるわけですけれども、そうすると、全般的な周辺の状況を考えるということを言われるわけですが、たとえば朝鮮半島における事態ということもやはり含まれますか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 朝鮮半島に事態が起こりましても、自衛隊が米軍と作戦行動をすることはあり得ないわけでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 だから、そういうふうに言われるので、非常に問題なわけですけれども、結局これは二カ年にわたって行われてきました小委員会における日米双方の制服同士の協議が土台となって発展させられて、それで日米の軍事作戦が進められるということになるわけです。これを制服に一任して、ガイドラインによって、ガイドラインの範囲内だということで包括承認を与えるというのは、非常に問題であると思うのです。しかも、いまの答弁によりますと、公表できないということですけれども、やはりこれは重大な問題ですから、公表すべき性質のものであると思うのですけれども、長官の御見解をお伺いいたします。

山下元利国務大臣(防衛庁長官)

○山下国務大臣 防衛局長から申し上げましたとおりに、その問題につきましては、やはり高度の機密を要するものでございますから、公表は適当でないと思います。  ただ、私どもは、いま現在、日米安全保障条約を締結しておるわけでございまして、その円滑な運用を図るためにこの指針を取り決めて、そしてあくまでこのシビリアンコントロールの原則に従ってやっていこうということでございますので、いろいろと御意見、御見解もあるようでございますけれども、私どもとしては、必ずしもその御見解どおりは考えておりません。あくまで日本の安全のために、現在取り決めておりますところの日米安全保障条約の円滑な運用を図りたい、この趣旨でございますので、御理解を賜りたいと思う次第でございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 それでは次に、「海上作戦」について、ガイドラインは「海上自衛隊及び米海軍は、周辺海域の防衛のための海上作戦及び海上交通の保護のための海上作戦を共同して実施する。」こう言っております。  この中で言っております「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」、これは軍事上の用語としては、いわゆる海上兵たん線という意味であると思うのですが、この兵たん線はどことどこを結ぶものであるか、お伺いします。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 私どもは「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」というのは、海上交通路一般を指しておるもので、必ずしも兵たんというふうに解釈をいたしません。ペルシャ湾から日本までの「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」という用語はいろいろございます。ペルシャ湾岸から、別に兵たんではなくて石油を運ぶわけでございますから、そういう意味で海上交通路というふうに解釈いたしますが、自衛隊は、申すまでもなく、わが国の周辺海域において行動をする、そういうことでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 午前中の答弁の中で、英文と日本文は同じだということを言われましたけれども、たとえば米国防総省発行の軍事・関連用語辞典、これは統合参謀本部の編なんですけれども、ここで「「ラインズ・オブ・コミュニケーション」を「作戦中の軍事力を作戦基地と結びつけ、また補給及び軍隊の移動を行うための地上、海上、航空のすべての経路」」、こういうふうに定義しているわけです。そういう意味では、日米共同作戦ということで、「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」というのは、米本土と日本を含む極東区域を結ぶものではないかと思うのですが、いかがですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 先ほども申しましたように、私どもは、「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」というのは、海上交通路というふうに理解をいたしておりますし、そういう英語の用語例はございますから、必ずしも兵たんというふうに解釈をしなければならない理由はないと考えております。それで自衛隊は、このガイドラインにもありますように、わが国の周辺海域において活動する、そういうことでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 海上交通路というふうに言うわけですけれども、それが周辺海域という限定がガイドラインにはないと思うのです。この「周辺海域」というのが「周辺海域の防衛のための海上作戦」ということと「海上交通の保護のための海上作戦」、両方に係るというのは、この日本文自体からも読み切れないのですけれども、英文で見ると、なおこれがはっきりしてくるわけです。  じゃ、ちょっと外務省にお伺いしますが、その合意された内容において、この「周辺海域の」というのが海上交通路に係るかどうか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 お答え申し上げます。  先ほど防衛局長からもお話がありましたように、私どもは先生がおっしゃいましたように、「ラインズ・オブ・コミュニケーション」というものが兵たん、主として補給路線であるという軍事用語であるから、その前に「シー」という字をつけたからこれは海上の補給路である、こういう解釈をなさっておられると思いますが、私どもはそういう解釈をいたしておりません。  これは一般用語といたしまして、「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」という一つの言葉があるわけでございます。それは何かと言えば、一つの船が出発して目的地に参って帰ってくる、そういう船の往復の経路全体を含めて言いますもので、内航航路、外航航路すべてを含んでおるものでございます。したがいまして、ここで言っております「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」、そのプロテクションというものは、その前のサランディングウォーターズ、「周辺海域」とは関係のないものでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 「周辺海域」とは関係ないということを外務省は英文の上に認められましたが、防衛庁の方はそれはいかがですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 それは「海上自衛隊及び米海軍は、」というところが周辺海域と海上交通路に分かれているわけでございますが、その次の海上自衛隊のところを見ていただきますと、それはサランディングウォーターズの中のことを主体となってやる、そういうふうに書かれておりますから、海上自衛隊は周辺海域で行動するということでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 結局「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」というのは、まさに海上交通だけではなくて、アメリカの統合参謀本部で出している解釈もあるわけですから、これは海上の軍事兵たん線、すなわち米国、ハワイ、日本、韓国、このラインやあるいはアメリカ、グアム、沖繩、韓国などといった軍事兵たん線を海上自衛隊と米海軍が守るというまさしく海域分担そのものである、そういう合意ではないのか、正確に答えてもらいたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 ガイドラインのいまの「海上作戦」のところの「海上自衛隊及び米海軍は、」というところの項目と「海上自衛隊は、」というその次の項目をごらんいただきますと、「海上自衛隊は、日本の重要な港湾及び海峡の防備のための作戦並びに周辺海域における対潜作戦、船舶の保護のための作戦その他の作戦を主体となって実施する。」ということでございますから、サランディングウォーターズというのは、みんな係っておるわけでございまして、周辺海域の航路帯もございますけれども、国会でも御答弁申し上げておるように、結局は確かに航路帯といたしましては千マイル程度ということは考えております。それから周辺海域ということの広さと言えば、数百マイルということも申しておりますが、その程度のことを考えているわけでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 ガイドラインを見てもその第一項は総論で、総論の中には結局周辺海域というのは入ってないのです。各論の方でそれぞれの海上自衛隊の任務、米海軍部隊の任務というのが書いてあるわけで、全体とすれば総論を含めた海域分担ということになるわけですけれども、なかなか政府も認めにくいでしょうから、また次の機会にして、次の問題に移ります。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○北村説明員 先ほど先生が御質問なさいましたのは、いわゆる総論のところで自衛隊と米軍とがジョイントリーに行うその部分のことでございましたので、私はそこにおける「シー・ラインズ・オブ・コミュニケーション」の保護というものはサランディングウォーターズ、「周辺海域」に限られるものではないというふうに申し上げたわけでございます。  というのは、それは米軍も一緒にやるわけでございます。ところが、その次の「海上自衛隊」云々というところで海上自衛隊のやる作戦のことが書いてございます。そこでは、英文を見ますと、よけいはっきりいたしますが、これはすべてが周辺海域の中におけるものということがはっきりいたしております。したがいまして、これは総論と各論という関係ではなくて、総論というのか前半に書いてありますことは、米軍と自衛隊とがやることが一緒に書いてございますので、広い範囲が書いてある。次の「海上自衛隊」のところは、海上自衛隊のところでございますから限定された海域になっておる、そういう説明でございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 それからガイドラインは、おそれのある段階からも日米が共同作戦をとることを取り決めて、日米間で共通の基準をあらかじめ定めておくとしております。さらに、この共通の基準について、「情報活動、部隊の行動準備、移動、後方支援その他の作戦準備に係る事項に関し、部隊の警戒監視のための態勢の強化から部隊の戦闘準備の態勢の最大限の強化にいたるまでの準備段階を区分して示す。」こうしているわけです。  この問題につきましては、すでに現在航空自衛隊にデフコン態勢があって、その実態については昨年の十月十八日の内閣委員会で質問したのですが、あのときは、同和対策特別措置法の延長問題が途中で入って私の時間がなくなってしまって、お聞きすることができませんでしたので、その後の調査も含めて改めて詳しくお尋ねしたいと思います。  デフコンが1から5までの五段階があることはすでに明らかにされていますが、昨年十月の私の質問に対して当時の伊藤防衛局長は、デフコン5については平時の状態であると繰り返し答弁されました。また、私がことしの二月二十八日にお会いした百里基地の司令も要するに現在の状態、すなわち通常のスクランブル態勢がデフコン5の状態であると言っております。そして二人ともかつて航空自衛隊がデフコン5より上の、つまり4以上の態勢をとったことはないと答えているわけです。このことはデフコン4以上の状態というのはめったにあり得ない状態であることを示していると思うわけです。これらのことからデフコン5が平時の状態だと言われると、逆にデフコン4以上は平時でない状態、つまり通常のスクランブル態勢と違う状態であるということになるわけですが、このようなデフコン4以上の態勢というのはどういう事態になったことを示すのか、具体的にお答えいただきたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これは言葉の問題が一つあると思います。現在、航空自衛隊は、自衛隊法八十四条に基づいて領空侵犯対処の任務を持っております。その領空侵犯対処の警戒態勢と申しますか、そういうものについて俗称でデフコンということがございます。デフコンが上がれば領空侵犯の可能性が高くなるという状態のことになるわけでございますが、現実の問題として5が普通の状態でありまして、それ以上に上がったということはないわけでございます。  それはアメリカで言っているデフコンとはちょっと違うわけでございますので、そこに言葉の混同の問題があると思います。アメリカで言っているデフコンというのは、ディフェンス・レディネス・コンディションでございますから、自分の兵力で警戒監視をそういう意味で高めている。いま航空自衛隊がやっているのは領空侵犯対処のための警戒態勢のことでありまして、それを俗称でデフコンと言っている。言葉が同じ俗称を使っているものですから、何かアメリカのデフコンと同じように理解されているといたしますと、そこはちょっと誤解になると思います。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 5が普通の状態で、これはスクランブル態勢をちゃんととっているわけです。ですから、4以上というのは普通の状態と違った異常な状態である、論理的にそういうことになるわけです。そこで、4、3、2、1という段階があるわけですけれども、それぞれの状態が4、3、2、1と分けられている。これはその状態が違うということをあらわしているわけですが、その違いを各段階ごとに説明してもらいたいと思います。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 これはそういうふうに警戒態勢を上げるわけでございますが、中身につきましては秘密になっておりますので、御容赦願いたいと思います。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 秘密になっているというのはおかしいですね。いままでも大分私は公式に聞いてきているわけです。先ほどの百里基地の司令から、デフコン5から一までの各段階で戦闘機の可動機数など具体的に航空自衛隊がどのような態勢をとられるかについて、公式に申し入れて面会して、その説明を受けているわけです。そういうことで、確認の意味でデフコンの1から5までの段階についての違いをそれぞれの段階ごとに詳しく明らかにしていただきたいというのが質問の趣旨ですけれども、それは秘密だ。おかしな話ですが、それじゃこちらで聞いてきたことで言います。  百里基地で聞いたところによりますと、五分待機の可動機数が二機、バックアップ二機、つまり現在のスクランブル態勢がデフコン5であると言っていますが、デフコン4というのは、可動機数は変わらないけれども司令部の幕僚の数や夜間勤務員の数をふやすのだと言っております。またデフコン3というのは、五分待機の可動機数が今度は六機になる。デフコン2は八機になる。デフコン1は十機、こういう説明を受けておりますが、この説明は間違いないですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 警戒態勢を上げていくわけでございますから、待機の機数等は当然ふえることになるわけでございますが、どの段階で何機、どの段階で何機というところは秘密でございますので、御容赦願いたいと思います。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 現場の制服の人たちが言っていることを内局の人たちが隠すというのは全くおかしな話ですね。デフコン態勢は何によって決められているのか。百里基地で聞いたところによりますと、警戒待機に関する訓令ということでございました。ところが、この前、国会で聞いたときは領空侵犯措置実施に関する訓令、こういうふうに伊藤防衛局長が答えているのですけれども、どっちが正しいのですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 領空侵犯に対する措置に関する訓令でございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 その訓令は何年に出されたものですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 三十九年と承知しております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 このようなデフコンという準備段階があるのに、なぜガイドラインで共通の準備段階を設けるということがされているのかという問題が一つ。  また新聞報道で、プレプコンという態勢をつくると伝えられているのですが、これはどういうものであって、デフコンとはどう違うのか、お伺いします。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 先ほど申しましたように、日本でいま俗称で言われているデフコンというのは領空侵犯対処のための警戒態勢のことでございます。そういう意味で日米共同対処にする場合には、いまの準備段階のことで、これはアメリカで言っているデフコンではございません。  どうしてつくるのかといいますと、日米で共同対処をするときに警戒態勢を準備する。状況が非常に緊迫してきたような場合に、常識的に考えられることで申し上げれば、まず警戒監視を強化していこう、どの程度強化するのだというようなことになってくるだろうと思いますが、そういう共通の認識を持っておりませんと、共同対処のための準備は必ずしも円滑には行われないということで、そういう準備段階を設けておこう、それについて研究しておこう、こういうことでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 そうすると、いまのデフコンがこの共同対処ということで変わることがあり得るのかということと、さきに質問しましたプレプコンということはどういう意味か。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 先ほど申しましたように、今度のガイドラインでつくりますものはデフコンでございません。言うなればプレプコン、日本語で言いますと準備段階、そういうものでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 先ほど言いました百里基地の司令はデフコンの説明をなさった際に、デフコン1というのは常識的には防衛出動が下令されている状態だ、こういうふうに言われました。これは重大なことでありますので、お尋ねしたいのですが、デフコンと自衛隊法七十六条の防衛出動あるいは七十七条の防衛出動待機命令とは、デフコンの段階に応じてどういう関係にあるのか、お伺いします。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 再々申し上げますように、いま俗称でデフコンと言われておりますのは、領空侵犯対処の規定に基づく訓令に基づいておりますから、これは自衛隊法で申しますと八十四条に基づくものでございます。でございますから、本当の意味のデフコンというのは、自衛隊にはないわけでございます。いまの領空侵犯対処のものしかないわけでございます。  今後どうするかという問題につきましては、そういうものはやはり考えておく必要があるのではないかというふうに考えておりますけれども、いまのところはないわけでございます。日米共同対処の場合には、いわゆるプレプコンでございます。準備段階をつくって共通の認識を持ち、共通の準備をすることにしたい、そういうことの研究をしようということでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 ただ、現地の司令から私は聞いてきているわけです。恐らく、内局にはどういう話があったか報告はなされたと思うのですけれども、その現地の司令の方が、デフコン1というのは防衛出動の段階である、こう言っているわけです。内局と現場の説明が違うということは、シビリアンコントロールということをいつも言われるけれども、離れてしまっているのじゃないかと思うわけですが、現場と内局との食い違いについてどう考えますか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 現場でそういう説明だということを聞いていま私が感ずる印象といたしましては、領空侵犯対処でやっていましても、現実の問題として5が1に上がったことはないわけでございます。そうすると、領空侵犯にそんなに来るような状況はどういう状況かということを状況的に考えれば、これは相当深刻な状況であろうという、一般的な感じとしてはわからないことはないな、平時において5が4になったこともないわけでございますから、仮に1になるといたしますれば、それは相当緊迫な状態になっているということは想像がつくわけで、恐らくそういうことを申したのではないかと想像いたします。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 ちょっと確認しておきますけれども、そうすると、デフコン1というのは七十六条の自衛隊の防衛出動の段階とは関係がない、こう言い切るわけですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 再々申しますように、領空侵犯対処のための警戒態勢でございますから、防衛出動のためのものではございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 そうしますと、重大な問題が出てくると思うのです。デフコン態勢は、たとえば昨年の十月に私が委員会で千歳基地での例を挙げて実態を明らかにしましたように、千歳基地で発令されたデフコン2の状態の中で、空対空ミサイル、サイドワインダーや機関砲キャリバー五〇の弾がいつでも詰め込めるような状態になったり、上官が、普通のときとは違うのだ、戦だぞとどなりながらパイロットの中古布団を新品にかえさせたり、さながら実戦態勢そのものであったわけです。そうして、百里基地司令が言うように、デフコン1は常識的には防衛出動が下令される状態だということであるわけです。  しかし、法的には関係ないということになりますと、ガイドラインによってデフコンやさらに今度はプレプコンというようなものができて、そうした共通の基準や準備段階が設けられた場合、米軍との関係で、日本の国会や政府が知らない間に自動的に事実上の防衛出動や防衛出動待機の状態に入るということがあり得ることになるわけであります。そういうことにならないのか、このような危険性は絶対ないと言えるのか、お伺いします。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 自衛隊法七十六条の防衛出動でございますが、それについては法律の規定がございますから、その法律の規定に従ってやるわけで、勝手に防衛出動になるというようなことは、ガイドラインができましてそれで研究をしても、そういうことは全くあり得ないことだと考えておりまます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 デフコン1というような判断は結局は現場でするということになるし、それはもうまさに戦闘状態だ、防衛出動が下令される状態だ、こういうことであるわけです。ですから、単純に七十六条に書いてあるとおりであると言うだけでは事は済まないと思うのです。いかがですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 いまの俗称デフコンの話、警戒態勢の話について、これを上げるのは防衛庁長官でございます。  それから、自動的に防衛出動になるという点につきましては、先ほど申しましたように、シビリアンコントロールで防衛出動を出すわけでございますから、絶対そういうことはございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 それでは、警戒監視のための態勢をとるというその法的根拠はどこにあるわけですか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 一般に警戒監視ということは、状況の把握でございます。防衛庁設置法で申しますと五条の二十号、所掌事務の遂行に必要な調査、研究、これで情報を収集し、監視をするということでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 それはちょっとおかしいと思うのです。部隊の領域警備行動、こうしたものを防衛庁設置法の五条の二十号ではできないと解釈するのが正しい解釈であると思うのです。この点、自民党の国防問題研究会の「有事法令研究」を読んでみますと、部隊の領域警備行動は現行の法律上ではできない、こういうふうにしているわけです。自民党の中だってそうなんです。  また海の警備行動については、自衛隊法の八十二条で「内閣総理大臣の承認を得て、」ということ、そうした限定づきでの警備行動を認めているわけですが、防衛庁設置法の五条二十号、これは結局、所掌事務に必要な調査及び研究を行う、これは自民党の国防問題研究会の言葉をかりれば静的な行政事務の範囲で、ほかの設置法にもみんな書いてあることであるわけです。これを拡大解釈して、そうした行動の根拠にするということははなはだ危険でけしからぬことであるというように考えます。たとえばそこのソ連の行動を監視する、あるいは専門的な軍事情報収集というようなことはここから出てこないわけですから、私は不当であると思うわけです。この解釈、あなた方防衛庁の解釈は正しいと思っているのかどうか。

原徹防衛庁防衛局長

○原政府委員 この監視というのは、別にいわゆる部隊の出動ということとは理解をしておりません。たとえば軍艦の関係を調べたり、そういうことなんでございまして、したがって、調査であるというふうに考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 たとえばソ連の艦船が南下するというようなことになると、いろいろな飛行機を飛ばしたりしてそれを調べる、こういうことを設置法五条の二十号でやるということは、これはほかの設置法との関係から見ても非常におかしなことをやっているというのが私の考え方です。  きょうはもう時間も参りましたので、そしてまたこれらの問題についてはさらに議論を深めなくちゃなりませんので、本日はこれで終わりとしておきます。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 次回は、来る五月八日火曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗