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第87回国会衆議院1979/03/23

内閣委員会 第3号

発言数
237 件
登壇者
25 名
会派数
3
開催日
1979/03/23

会議録

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  厚生省設置法の一部を改正する法律案審査のため、本日、水資源開発公団理事国塚武平君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山花貞夫君

山花貞夫日本社会党

○山花委員 本日から厚生省設置法の審議に入るわけですが、法案に関して直接的にお伺いする前に、緊急に一つだけ御質問をさせていただきたいと思います。  実は、かつて厚生省の水道課長を務めており、今日、内閣総理大臣任命で、厚生省も主管官庁としての立場にある水資源開発公団の監事をされている大橋文雄さん、この方が本年一月のことでありますけれども、水道産業新聞に差別文書を掲載いたしました。ちょうど昨年約一年間、同和対策事業特別措置法の延長問題との関連におきまして、国会各委員会におきましてもさまざまな観点から議論が尽くされた経過があるわけでありますけれども、年明けて早速、いわばこうしたところで重大な差別問題が発生したということで、大きな関心を集めているところであります。  まず、厚生省の関係で、この関係について事態を把握しておられるかどうか。また、厚生省と大変近い関係にある大橋文雄さんという現水資源開発公団の監事をされている方の厚生省内における経歴及び水資源開発公団と厚生省との関係、こういう点についてお伺いをいたしたいと思います。

山崎拓自由民主党厚生政務次官

○山崎(拓)政府委員 御指摘のありました点は、本年一月二十九日付水道産業新聞に水資源開発公団監事大橋文雄氏の「根強い成長に驚異」と題する文章が掲載されまして、その文中に同和問題を理解しているとは思えない用語があった問題ではなかろうかと存じます。  同氏の文章及び水道産業新聞がこれを掲載したこと並びに掲載後とった措置につきましては、事柄の社会的な深刻さ、重要性等に対する理解を欠いておったものでございまして、きわめて遺憾と考えております。厚生省は、水道産業新聞社及び大橋文雄氏に対しまして、今後このようなことのないよう厳重に注意したところでございます。  なお、経歴等につきましては事務当局から答えさせます。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 お答えいたします。  お尋ねの大橋文雄氏の略歴でございますが、昭和二十三年に厚生省に入省いたしまして、三十九年から四十三年の間水道課長の職にございました。四十三年に退職されまして、水資源開発公団の職員、その後役員として、現在監事として在職しておられる方でございます。  水資源開発公団は、いわゆる水資源開発事業に関連する事業の実施主体でございまして、私どもも水道行政の関係から業務上の関係がございまして、利水、治水、国土庁等とあわせまして水資源開発行政の上で関係いたしております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまお答えいただきました水道産業新聞の文章でありますけれども、公称四万部発行されているという新聞のようですが、現大橋監事が一九四八年当時のことについて、いま御返事いただきました「根強い成長に驚異」と題する文章を発表し、この中で、「厚生省の中で水道課は特殊部落的存在であった。建設省の水道課についても同様に省内の特殊部落に私には思えた。」また「この両部落民は仲が悪く行政所管争いで骨肉相いはむ喧嘩をしていた。水道が今日特殊部落から抜け出て一般社会の中にいつの間にか根強い成長を示していることに驚異の目をみはっている者である。」こういうように繰り返し繰り返しきわめて露骨な部落への差別観で貫かれた文書を発表しているわけであります。  いま事務当局からお答えをいただきましたとおり、水資源開発公団のその仕事は、厚生省その他の省庁ともありますけれども、密接な仕事上の関係もあるというだけではなく、この本人は長年厚生省の中でしかるべき地位にあった人であります。そうした者が、いまもってこのような差別発言、差別文書を書くこと、そのことに根深い問題点があるということをとらえていかなければならないと思うわけでありますけれども、特にいまお話しいただきました経歴との関係ですけれども、大橋文雄さんが厚生省にいらしたその時期というものは、今日の同和対策の基本となっておりますいわゆる同対審の答申が出た時期であった、こういうことではないでしょうか。そして、同対審の答申の中にも、水資源開発と関連をする具体的な方策として、上水道普及に関する内容が盛られていたのではないでしょうか。そういう経歴から考えますと、御本人の——これは本人個人を責めるということではありませんけれども、こうした差別発言の問題性というものを厚生省としてもとらえていただかなければならないのではないかというように思うわけですけれども、この点はいかがでしょうか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 お答え申し上げます。  同和対策事業を推進いたしております厚生省といたしまして、かつての幹部職員からこのような事件が起きましたこと、まことに遺憾なことであると存じて、深くおわびを申し上げる次第でございます。  厚生省といたしましては、かねてから同和対策事業を省の重点施策として推進をいたしてきているところでございますが、こういった省内の啓蒙等につきましては、従来から実は省内講座を毎年実施をいたしますとか、あるいは審議会の答申ないしは特別措置法等の関係資料を印刷物にいたしまして、省内あるいは関係者に毎年これを配付するというようなことを行いましたり、あるいは総理府の同和問題研修会に省内の幹部職員を参加をさせていくというようなこと等を行ってきておったわけでございますけれども、今回の事件を機にいたしまして、去る三月十五日にも磯村元同対協会長をお招き申し上げまして省内講座を実施いたしたところでございます。  言うまでもなく、同和問題の解決は国民的な課題でございまして、こういった事件を重大な問題として受けまして、今後再びこのような事件が起きることのないように一層努力をいたしたいと思っておるわけでございますが、今後省内の内部部局はもちろん、附属機関の職員ないしは関係の政府関係機関職員等に対しましても、きめの細かい啓蒙、啓発を行うように努力いたしていきたい、そういうふうに検討いたしたい、かように存じております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 実は、昨年の同和対策事業特別措置法の三年間延長が議決されました機会に、この法律案に対する附帯決議がなされているわけであります。   政府は、同和問題の重要性にかんがみ、この問題の早急な解決を図るため、次の事項について適切な措置を講ずるよう努力すべきである。 こういう前文のもとに、  一 法の有効期間中に、実態の把握に努め、速やかに法の総合的改正及びその運営の改善について検討すること。  一 同和対策事業を実施する地方公共団体の財政上の負担の軽減を図ること。  一 同和問題に関する事件の増発状況にかんがみ、国民の理解を深めるため、啓発活動の積極的な充実を図ること。 こうして、昨年の同対法の延長に関連いたしまして附帯決議ができた後でありますけれども、本年一月二十九日、通常国会再会、各野党の代表質問の際でありますけれども、わが党の多賀谷真稔書記長から、これに関連して大平総理に質問をいたしました。大平総理からも、同和対策については、国会における審議の経過並びに附帯決議などについても真剣に検討していきたい、この方針に変わりないというお返事もいただいているところであります。  実は、きょう問題といたしました大橋差別文書につきましては、まさにこうした中で起こった問題だけに、監督省庁である厚生省としても、この問題をきっかけに今後の対策について改めて真剣に取り組んでいただきたい、こういうわれわれの要求でもあるわけです。いま、具体的な、三月十五日の研修を含めてお話もいただきましたけれども、なお、この問題については、特に、まず厚生省の関係でこの種事態が発生したということを深刻に受けとめていただきまして、今後とも漫然と従来どおりということではなく、積極的な取り組みと施策を立てて実行していただきたいというように思うわけですが、この点厚生省からもう一回お話を伺いたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 先ほど申し上げましたように、省内につきましては、ある程度のことを従来から実施をしてきておるわけでございますが、実は、出先機関ないしは監督をいたしております関係の政府関係機関、これにまで十分に行き渡っていない面があったかと反省をいたしておる次第でございます。今後、省内職員に対しますと同様の研修等必要な措置を関係の政府関係機関につきましても講ずるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 この問題について、総理府の同和対策室長きょういらっしゃっていただいておると思いますが、問題を把握されておられたかどうかという問題。  それからもう一つは、いまの厚生省のお話にもありましたけれども、全般的なこうした啓蒙の施策について現状どうなっているのか、今後の方針がどうなっているのかということについても、総理府の方からお話をいただきたいと思います。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○黒川政府委員 この問題につきましては、厚生省を通じまして話を聞いております。  それから啓発問題全体に対する考え方でございますが、総理府といたしましては、中央官庁の幹部職員を対象にいたしまして毎年研修を実施しているところでございますが、この問題の重要性にかんがみ、その内容については、さらに充実してまいりたいと考えております。啓発活動の重要性につきましては、先ほど先生御引用の国会における先般の附帯決議においても要請されているところでございまして、総理府といたしましては、先ほど申し上げました中央官庁の幹部職員に対する研修のほか、地方公務員の中の同和担当職員に対する研修も毎年実施しているところでございますし、また広く一般国民に対しましては、総理府から委託事業といたしまして都府県に委託し、広報活動を実施しているところでございます。それぞれの広報、啓発活動につきまして、問題の重要性にかんがみ、さらに充実してまいるよう検討しているところでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまごく一般的にお話を伺ったわけでありますけれども、実は昨年の法案審議に際してもわれわれは議論してきたところですが、これまでの政府の同和対策事業の効果について、われわれとしてはなお幾つかの問題点を指摘し続けてきているところであります。  基本的な問題としては、第一に、政府はなお被差別部落の実態を把握し切っていないではないか、こういうことを指摘しなければなりませんし、第二番目に、特に同対法及び同和対策の長期の計画、これが有効な政策手段を欠いているのではなかろうか。特に問題点としては、唯一の根拠法である同和対策についての特別措置法が時限立法でしかない。したがって、特定の事業を残事業を含めて一定期間に行うという法律の趣旨だけでは、差別する側の規制や一般国民の教育、きょうまさに問題となっております啓発活動を含めてのこうした恒常的な措置がどうしても手おくれになるのではないかという問題。第三番目に、差別に対する法的な規制とか差別から保護するための立法措置が講ぜられていないという問題。たとえば「部落地名総鑑」あるいは「全国特殊部落リスト」など、これまで八種類の出版物が確認されたりしているわけでありますけれども、これを作成し、販売している興信所や探偵社に対しても、さらにこれを購入、利用して、または興信所、探偵社の協力を得て、就職、探用時の差別を行っている企業などに対しても何らの規制もできないでいるわけであります。  そうした具体的な問題でなお問題がたくさん残っているのではないかということを指摘し続けてきたわけでありますけれども、いまお話を伺いました総理府の施策との関連でなお一、二確認させていただきたいのですけれども、民間の企業に対しては労働省の中で指示、通達というものがあるようであります。まず、その点についてお伺いしておきまして、あと公務員その他政府関係機関についてということでお伺いしたいと思います。  まず最初に、労働省鹿野参事官、いらしていますでしょうか。——労働省の方で、こうした啓蒙、研修に関連して民間の企業を対象に通達が出されていると伺っておりますけれども、いつの、どういう内容の通達であるか、その後の運用の実績ももしございましたならば、お話をいただきたいと思います。

鹿野茂労働大臣官房参事官

○鹿野説明員 労働省としましては、同和地域の方々の雇用の促進と職業の安定を図る、そういう観点から企業の方々が就職差別をすることのないように従来から一定の研修を行ってきたわけでございます。しかしながら、いま先生から御指摘いただきました地名総鑑というようなきわめて悪質な差別事件がまだ依然としてあるということで、企業に対しては継続的かつ計画的な研修をしていくことが必要である、こういうことで昭和五十二年の十二月に企業内同和問題研修推進制度というものを通達をもって発足させたわけでございます。  この制度の趣旨は、企業の中の人事問題について一定の責任ある立場の人について任命をいただき、その方々に対して、私どもの行政の立場から継続的かつ計画的な研修をして、差別につながる選考システムがないように確立していきたいというのが制度の趣旨でございます。五十二年からの、しかも後半から制度が発足したものでございますから、現在約三万事業所について研修推進制度が実施されておるわけでございます。  現在、運用の方針としましては、百人以上の企業に対して重点的に実施していきたいということでございますが、来年度におきましては、この規模をさらに拡大してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いま労働省を通じて、民間の企業の担当者を特に対象とした研修などの実施についてお話を伺いました。この関係について総理府の同和対策室長にお伺いしたいのですけれども、公務員関係は一体どうなっているのか、またちょうど問題となりました水資源のように政府関係のいわゆる特殊法人関係などについてはどうなっているのか、これまでの経過、現状についてお話をいただきたいと思います。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○黒川政府委員 公務員に対する研修でございますが、中央官庁につきましては、その幹部職員に対して毎年研修を行っているところでございます。それから地方公務員に対しましても、先ほど申し上げましたように、同和担当職員の会議の際に研修を行っているところでございます。  中央官庁の公務員に対する研修の際の対象といたしましては、ただいま御指摘の特殊法人までは対象にしていないわけでございますが、この点につきましては、直ちにそこまで対象が拡大できるかどうか、今後の問題として検討してまいりたいというふうに考えております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまそのお話を伺ったところですけれども、民間については労働省の通達がスタートとなりまして、その後の施策が着々と進んでおるようであります。公務員についても一定のこれまでの実績もあるのではなかろうか、こうお話を伺ったわけですけれども、問題となった政府関係機関、この特殊法人関係については、ここだけがすっぽり穴として抜けておったのではないかというように私ども考えるわけであります。  そういたしますと、この関係につきましては、水資源の場合にも同対審答申の中の具体的な事業として指摘されているような関連もあり、業務自体が大変関係のある業務もあるわけでありますから、こうした機会に同対室の方におきましても、具体的な施策をぜひ考えていただきたい、こういうことを要求したいと思いますけれども、もう一遍総理府の方から、この点についての対策を伺いたいと思います。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○黒川政府委員 研修の対象につきましては、先生の御趣旨をよく念頭に置きまして、積極的に検討してまいりたいと考えております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 水資源の関係からも参考人として国塚理事に来ていただいておるわけですが、直接の当事者を監事として抱えているところでありますので、今後の解決のためのさまざまな予想される事態と差しさわりのあることについては質問は差し控えたいと思いますけれども、これまでの質疑の経過を踏まえていただきまして、水資源開発公団としてこの事態についてこれまでにとってきた措置、それから今日段階で考えられている方向について、可能な範囲で結構ですから、この機会に概略お話をしていただきたいと思います。

国塚武平水資源開発公団理事

○国塚参考人 ただいまお取り上げになっております大橋文雄監事に係ります今回の事案につきましては、水資源開発公団といたしましてもきわめて遺憾なことだと考えておりまして、この際、改めておわびを申し上げる次第でございます。  大橋氏のこの事件につきましては、一月二十九日の新聞掲載の事実がありまして以来、事実等を本人から聴取いたしまして、この問題が同和問題に対する正しい理解の欠如から発生したものという考えに立っておりまして、公団総裁からも本人に対しまして強く自戒を求める措置を講じたところでございます。  なお、いままでの御審議を伺っておりますと、公団といたしましては、これからこのようなことが起こらないようにどういうふうに措置するかということが大事だということでございますが、私どもといたしましては、同和問題に関します正しい理解を役職員に持たせる、国民的課題の同和問題の重要性を踏まえまして、職員に対する研修を厳正に行うという基本方針を先般決定をした次第でございまして、詳細につきましては、今後関係機関の御指示を受けながら進めてまいりたいと思いますが、そういう部内の啓発、教育によりまして、今後再びこういうことが起こりませんように十分に努力いたしたいと考えております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 これまでの議論の経過でも、水資源開発公団のようないわば政府関係諸機関の対策について穴があったのではないか、こういうことでもありますので、いまお話しいただきました今後の対策については、問題解決のための努力の一環として充実をしていただきたいということを希望する次第です。  同時に、この質問の最後といたしたいと思いますけれども、問題となった大橋文雄さんは、これまで私どもがいろいろ話を伺った限りでは、厚生省に入って以来課長職までしてきたわけでありますけれども、この御本人といたしますと、従来部落問題の研修ということを全く受けてきていなかった、あるいは特別措置法とか答申などにつきましても、言葉だけで聞いたことはある、表紙ぐらい見たことはあるけれども、中までは全く見たことも聞いたこともなかった、こういうようなお返事をしておるようであります。こういうことですと、直接的には厚生省の内部におけるこの種問題についての啓発、研修について、一体どうなっていたかということを指摘せざるを得ない、こういうことでもあります。  きょうは前半の段階でいろいろなお話を伺いましたが、この機会に、実は直接的には厚生省で起こった問題でありますので、きょうは大臣いらっしゃっておりませんけれども、次官に最後に伺っておきたいと思うのです。  三年間延長された特別措置法の政策の推進と国会における三つの附帯決議について、厚生省としてもこれから積極的に取り組んでいくというこの基本的な姿勢についてひとつ確認をいたしたいと思います。

山崎拓自由民主党厚生政務次官

○山崎(拓)政府委員 ただいまお話がございました附帯決議でございますが、厚生省としても、十分この附帯決議の基本的な精神というものを受けとめまして、今後とも同和問題に対します啓発活動その他につきまして充実を図ってまいりますことをお約束しておきたいと思います。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 以上でこの問題について質問を一区切りいたしまして、厚生省設置法の関係に入りたいと思います。  まず冒頭、総括的なことで幾つかお伺いしておきたいと思うのです。  このたび、一貫した体系のもとに身体障害者に対するリハビリテーションに関して総合的なリハビリテーションを実施する、その技術水準の向上に努め、この成果を全国の関係施設に及ぼすことによって身体障害者福祉の増進に寄与することを目的とする、こういうことで国立身体障害者リハビリテーションセンターの設置について提案がされておるわけでありますけれども、まず、この国立身障者リハビリテーションセンターの設置に至る経過の概要について、総括的に御説明をいただき女いと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 お答え申し上げます。  一番最初にこの問題が起こりましたのは実は昭和四十一年にさかのぼるわけでございまして、昭和四十一年の十一月に身体障害者福祉審議会から、わが国のリハビリテーションが大変おくれておる、しかも国立の施設も十分でない、そういったこと等を勘案して、モデルとなるような、中心になるような国立の身体障害者のリハビリテーションセンターの設置を検討したらどうかという趣旨の答申が行われたわけでございます。さらに、その後数年を経過いたしまして、四十五年に至りまして再度、身体障害者福祉審議会からリハビリテーションセンター設置の再答申ということになったわけでございます。これを受けまして、厚生省といたしましては四十六年からリハビリテーションの研究調査会というものを発足させ、この答申を四十八年にいただき、一方、厚生省の社会局の中にリハビリテーション準備室というのを四十八年に設けたわけでございます。リハビリテーション研究調査会におきまして物の考え方を示されましたのを受けまして、一方マスタープランの研究会というものをやはり四十八年に発足させまして、具体的な構想その他につきましての詰めの作業を行わせたという事情になっておるわけでございます。  そういった各種審議会、研究会等の意見がだんだん固まってまいりましたところで、四十九年に、特特会計におきましていよいよ所沢の土地の目鼻がつきまして、在京三施設を統合したセンターの設置を行うという決定がなされまして以降、四十九年度から今年度に至りますまでの間に、約百十四億に至る予算を計上いたしまして建設に進んでまいって今日に至っております。  大体大まかに申し上げまして、そういう事情にございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 大ざっぱな経過を伺ったわけですが、対象となっている身障者の皆さん、体の不自由な皆さんの実態について、厚生省はどの程度把握しておられるのかということをお伺いしたいと思うわけです。  何点か項目を分けて伺いたいと思うのですけれども、これまでこうした実態調査につきましては、昭和二十六年以来数回行ってきたと伺っているわけです。何年度にどのような内容の調査を行ってきたか、あるいはそうした調査の結果、厚生省で現在把握しておられる身体障害の皆さんのそれぞれの種類といいますか、内訳の問題、全般的な傾向がどうなっているか、厚生省が把握しておられる実態についてお話をお伺いしたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 厚生省といたしましては、身体障害者の実態及びニードというものを的確に把握するために、いまお話ございましたように、昭和二十六年以来おおむね五年ごとに全国調査というものを行ってきておるわけでございますが、まずその概要を申し上げたいと思うわけでございます。  一番最初、第一回目は昭和二十六年の十二月に実施をいたしまして、このときの身体障害者の総数の把握はおおむね五十一万二千人という数字を持っております。その四年後、第二回目は昭和三十年の十月に実施をいたしております。いずれも抽出調査でございますが、三十年の時点におきましては、身体障害者数七十八万五千人という把握をいたしております。第三回目が昭和三十五年の七月に実施をいたしております。総数八十二万九千人という把握をいたしておるところでございます。第四回目が昭和四十年の八月でございます。対象数百四万八千人という把握をいたしております。それから、第五回目が昭和四十五年の十月に実施をいたしておるわけでございますが、対象数百三十一万四千人ということでございます。その四十五年の後、さらに五年後の五十年十月に調査を実施しようといたしたわけでございますが、諸種の事情がございまして集計に至らなかったということがございます。  そういうことで、大変古い四十五年までで恐縮なのでございますが、二十六年以来五回にわたりまして実態調査をいたしました大まかな傾向、状況というものを御報告申し上げたいと思うわけでございます。  まず第一に申せることは、人口千人当たりの身体障害者の数と申しますか割合、出現率、そういう意味では数が年々非常に増加をいたしてきておる。申し上げますと、たとえば三十五年には千人当たり十三・七人という身体障害者数を把握しているわけでございますが、四十五年の時点におきましては千人当たり十七・九人ということで非常に数、比率が増加をしてきておる、こういうことが第一の特徴だろうと思うわけでございます。第二の特徴といたしましては、障害原因別の調査につきまして、後になりますほど、いわば先天性の疾患による身体障害者に比べまして業務上災害でありますとかあるいは交通事故等、各種の後天的原因による身体障害者の数、比重が増してきておる、こういうことであろうと思うわけでございます。それから第三番目には、年齢別構成でございますけれども、昭和三十年当時におきましては、六十歳以上の身体障害者の割合は二四・八%でございましたが、四十五年の調査におきましては四五・三%ということで、六十歳以上の高齢な身体障害者の方の割合が非常に高くなってきておるというようなこと等が挙げられるかと思うのでございます。  大まかに申しまして、そういった状況を把握しているわけでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 四十五年までの実態調査の傾向についてお話をいただきました。ただ問題は、具体的な施策は実態を完全に把握した中で効果的に遂行できるということだと思いますが、四十五年以降、五十年実態調査がされておらないということであるといたしますと、ちょうど真ん中が一回抜けている、こういう感じがいたします。五年単位でやったものについて十年単位ということになれば、従来の資料との関係での分析という点についても若干過ちを生ずる心配すらあるのではないか、こういう気もいたします。  今後の問題として一体こうした全国的な実態調査を行う予定があるのかどうか。あるとすればいつごろどういう規模で行うのか。またその場合には、五十年調査を行おうとしたときには障害があったというお話でありますけれども、そういう障害についてはすでになくなったということで理解してよろしいのかどうか。今後のそうした実態調査の方向について施策を明らかにしていただきたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、資料が不十分のままで効果的、的確な計画を立てるということはきわめて困難であるということで、私どもといたしましては、ぜひ実情を把握いたしたいと考えておるところでございまして、ただいま御審議いただいております五十四年度予算の中におきまして、実態調査費の計上をお願いいたしておるわけでございます。総額で三千三百五十万円の調査費をお願いいたしております。この予算が成立いたしましたならば、私どもの心づもりといたしましては、五十四年の十月ないしは十一月、この時期に実態調査を行わさせていただきたい、かように考えておるわけでございます。  昭和五十年のとき実態調査ができなかった主たる原因といたしましては、一部の障害者団体の方たち等の反対があったわけでございますが、そのときの理由といたしましては、調査の用語に不適切なものがあったとか、あるいは調査のねらいが障害者を施設に隔離するのではないかというような誤解を生じた面があったということ、あるいは調査に当たりまして障害者の意見を十分に聞かなかったというような点でありますとか、あるいは予算が当時五百万円でございましたが十分ではないじゃないか等の理由がございまして、実施ができなかったわけでございます。  本年度予定いたします調査につきましては、そういった経験と反省を踏まえまして、障害者関係団体等の御意見も十分拝聴し、理解と協力が得られますように十分誠意を持って努力いたしまして、今年度ぜひ実態調査を実施に至らしめたい、かように考えておるわけでございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 いまお話を伺いますと、今年十月、秋ごろにはというお話だったわけですが、実態の把握の仕方の一つとして、身体障害者福祉法第四条にあります身体障害者手帳の交付、これはいわば手続的に集約することができる実態ということになると思うのですが、この観点からも明らかになるのではなかろうかと思うわけです。過去五年間程度で結構ですが、この手帳の交付台帳に登録された数、ここから傾向をつかめると思いますが、これがどのようになっているでしょうか。各年度ごと、それからトータルした数字について、もしわかりましたならばひとつ御説明いただきたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 最初に、五十二年度末現在で全体の交付数の状況から申させていただきたいと思います。  法施行以来五十二年度末までに交付されました手帳の総数は、二百十九万五百八十六という数字になっております。この二百十九万五百八十六の内容でございますが、まず視覚障害者が三十九万一千四百五十二、比率にいたしまして一七・九でございます。それから聴覚・平衡機能障害者、これが三十五万八千六百六十四、比率にいたしまして一六・四でございます。それから音声・言語機能障害者、これが二万四千五十四、比率にいたしまして一・一でございます。それから肢体不自由者、これが最も多うございまして百三十三万四千六百三十、比率にいたしまして六〇・九でございます。それから内部障害者、これが八万一千七百八十六、比率にいたしまして三・七、これが五十二年度末の累計の数字でございます。これはたてまえといたしましては、実は死亡いたしましたりあるいは軽快をいたしました場合には手帳の返還ということになるわけでございますが、実態といたしましては、この手帳の返還等が必ずしも十分励行されておらない実情にあることを申し添えておきたいと思うわけでございます。  新たな年度の交付数、新規交付数ということでございますが、過去五年間の数字を、まず総数を申し上げたいと思うわけでございますが、四十八年度におきまして十二万六千七百四十二、四十九年度におきまして十四万二千二百二十二、五十年度におきまして十五万二千九百六十七、五十一年度におきまして十四万五千、それから五十二年度におきまして十五万六千三百四十九と、大体十二万から十五万のぺースで年々交付されているということでございます。  一番新しい昭和五十二年度中の新規交付数を整理いたしておるわけでございますが、その総数十五万六千三百四十九につきまして障害種別の内容を見てみますと、視覚障害者が一三・九%、聴覚・平衡機能障害者が一三・四%、音声・言語機能障害者が一・一%、肢体不自由者が五九・八%、内部障害者が一一・八%、こういう状況に相なっております。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 実態調査の問題は先ほど伺ったとおりとして、手帳交付台帳の関係から把握できる限りお話をいただいたわけでありますけれども、いまお話をされた実態の中で、実数の出入りはさておきまして、それがまさにこの国立身障者リハビリセンターの大きな対象といいますか、非常に広い意味かもしれませんけれども、ということになるのだと思います。この後も御説明いただくと思いますけれども、国の幾つかの施設、たとえば九つの施設といったような施設だけではなく、こうした体の不自由な皆さんのための公立、民間の諸施設、こういうことを頭に置きながら、とにかく国の中心的リハビリのセンターをつくろう、こういうのが今度の設立の趣旨にあるのではないかと受けとめておるわけです。  実はこういう問題につきまして、先ほども冒頭御説明いただきました四十一年十一月の答申、四十五年八月の答申あるいは四十八年四月のリハビリテーション研究調査会の研究調査報告書、さらには四十九年七月の国立リハビリテーションセンターマスタープラン研究会における研究報告書、こういうものを拝見いたしますと、およその構想はこの中からわかりますが、厚生省自体の計画といいますか、これが打ち出されておらないのではないか、こういう気がしてならないわけであります。本設置法の審議に当たりましても若干の資料はいただきましたけれども、いわばメモ的な資料でありまして、厚生省の独自の立場でこの国立のリハビリテーションセンターをどのように全体のリハビリの体系の中で位置づけていくのかということについて主体的な見解の表明ということがどうも少ないのではなかろうか。われわれは拝見することができないで実はきょうを迎えているという問題点があるわけでございます。  したがってこの点に関連いたしましては、厚生省としてはこの国立のリハビリテーションセンターをこう考えていくという厚生省独自の、さまざまな答申とか調査研究会の報告書を受けての厚生省としての立場をひとつはっきりしていただきたい、こういう基本的な要求があります。これはこれとして要求しておきたいと思うのですが、きょうの機会でありますので、これとの関連で、概要としてわれわれがメモをいただいておりますものにつき、以下お伺いしておきたいと思います。  まず第一に、「一貫した体系のもとに総合的に」リハビリテーションを「実施する」、こういうことで目的が説明文で掲げられているわけであります。抽象的に「一貫した体系」ということがここで示されておりましても、ここで意味している範囲が一体どこなのだろうか。身体障害者のリハビリテーションにつきましては、大変広い範囲で考える場合もあるし、狭い、限定された内容で議論する場合もあります。ここで厚生省が「一貫した体系」と主張しておられるところは、一体どの範囲のことを考えておられるのだろうか。広い範囲、狭い範囲、狭い範囲でも医学的なリハビリもあればあるいは社会的、職業的なリハビリもあろう。一体どの範囲で全体の体系をとらえ、ここに「一貫した体系」ということをおっしゃっているのだろうか。総論的な部分ですけれども、この点について厚生省の主体的な見解を伺いたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 まず前段のお尋ねでございますが、もう先生よく御勉強で、御承知のとおりでございまして、各種審議会、研究会等の報告を受けまして、私どもはこの国立のリハビリテーションセンターの使命として、おおむね四本柱と称しておるわけでございますが、整理をいたしております考え方としては四本の要素を考えているわけでございます。  第一点は、リハビリテーションの総合的実施ということでございます。それから第二点は、リハビリテーション技術の研究開発、これを一つの使命といたしたいということでございます。それから第三点といたしましては、わが国においてはリハビリテーションの技術者が非常に不足をいたしております、そういう意味におきまして、関係専門技術職員の養成ないし研修ということを三番目の柱として立てておるわけでございます。第四番目といたしまして、国内外の情報、資料、これを収集をいたしまして整理し、かつまた必要な方面に提供する。そういう四本の柱をこのセンターの使命として考えておるわけでございます。  それに基づきまして、先般もごらんいただいたわけでございますが、施設整備等も考えておりまして、現在までのところ、宿舎棟、訓練棟、本館、講堂、体育施設等がほぼ完成をいたしているわけでございますが、病院部門につきましては、今年度と明年度の予算で建設をするということにいたしているわけでございます。なお、その後の問題といたしまして、私どもが現在決めております点は、養成・研修棟につきまして五十四年度予算におきまして基本設計予算を計上させていただいておりますので、これの建設ということも決めておるわけでございます。その後の問題といたしましては、なお研究棟の建設ということにつきましても検討いたしたいということを考えておるところでございます。  以上がおおむね全貌についての御説明でございますけれども、具体的にこのリハビリテーションセンターで行われますリハビリテーションの範囲はどう考えておるのかというのが後段の御質問でございます。  リハビリテーション自体の定義につきましては、ただいま先生のお話にもございましたようなところでございますが、そういったものを受けまして、包括的には身体障害者に対しまする医療から職業訓練までを一貫して行う。職業訓練の部分につきましては、相当部分を同敷地内に建設されます労働省の職業リハビリテーションセンターにお願いする点があるかと思うわけでございます。  その私どもの方のセンターで行われますリハビリテーションの範囲を一応項目的に具体的に申し上げてみますれば、最初の問題といたしましては相談と指導、評価という部門が第一にあると思います。内容といたしましては身体障害者の相談に応じ、その評価、判定をし、あるいはリハビリテーションプログラムを編成するということが仕事の内容になると思います。第二番目といたしましては医療部門でございます。これはリハビリテーション医療あるいは機能回復訓練、こういったものを実施するということを内容にいたすわけでございます。第三番目の問題といたしましては心理部門でございます。これは検査診断あるいは心理療法、心理指導というようなことを行いたいと考えておるわけでございます。四番目は、社会・教育部門的な要素でございます。内容といたしましては、生活指導でございますとかあるいは社会適応訓練でありますとか生活訓練、教養指導というふうなことも考えておるわけでございます。それから第五番目といたしましては、職業前訓練といたしましての職能訓練、これは幾つかの科目につきまして職能訓練を行いたいと考えております。自動車の訓練、運転免許の訓練も行いたいと考えておるわけでございますが、これも職能訓練の一部と考えてよろしいかと思います。それから第六番目は、理療教育部門でございます。これは職能訓練と同時に職業訓練的要素もあるわけでございますが、あんま師、はり師、きゅう師の養成施設としての立場も持っておるわけでございます。  以上申し上げましたようなことで、相談、評価、判定ということから始まりまして、医療から職業  に至りますまでの各部門につきましてのリハビリテーションを総合的に実施をいたしたい、こういうことでリハビリテーションの範囲を考え、かつ総合的実施ということを申し上げている次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 全般的な構想についてお伺いしたわけでありますけれども、リハビリテーションということが、身体に障害を受けた方について、その人のなし得る最大の身体的、精神的、社会的、職業的、経済的な能力を持つことができるまで回復させる、こうした一つの理念に近づけていただくためには、いまお話しいただきました構想をできる限り実現してもらいたいということに尽きるわけでありますけれども、若干この部分について、後ほどまた御質問をさせていただきたいと思います。  この段階でもう一点伺っておきたいと思うのは、この国立リハビリテーションセンターの位置づけという観点からでありますけれども、全国的な関係施設に影響といいますか、資料提供ということを含めてだと思いますが、及ぼしていく、こういう構想が練られているわけでありますけれども、その全国的な関係諸施設といいますと、国立、公共、法人全体でどれくらいあるのか。それに対しても全国的な関連をしていくということになりますと、それなりの規模が必要になってくると思いますし、それが今回の国立リハビリテーションセンターの中で負担し得るだけの規模が一体あるのかどうかということについてお伺いしたいわけですが、全体の施設の実情と、その中心に据えさせてやっていけるだけの規模があるのかどうか、こういう観点で、これまた総括的な問題ですが、伺っておきたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 現在の全国の身体障害者更生援護施設の総数でございますが、今年度予算のベースになっております一番新しいものといたしましては、三百七十四施設ございます。内訳といたしましては、国立九施設、公立百三十七施設、法人立二百二十八施設という状況でございます。  いま申し上げましたのは収容施設でございますが、施設の種別といたしましては、肢体不自由者の更生施設が五十三、失明者の更生施設が十二、聾唖者の更生施設が四、身体障害者授産施設が七十三、重度身体障害者の更生援護施設が三十八、重度身体障害者の授産施設が六十八、内部障害者の更生施設が二十三、身体障害者療護施設が八十五、身体障害者福祉工場が十八、こういうような数字でございまして、総数で三百七十四という施設が存在をいたすわけでございます。  それで、このたびお願いをいたしております国立のセンターが、これらの全施設あるいは全国の身体障害者に対する指導を行っていくだけの能力なり力があるかという御質問でございます。  私どもといたしましては、それを一つのねらいといたしておるわけでございまして、それゆえにこそ総合的リハビリの実施と同時に、技術の研究開発ないしは職員の養成訓練、情報、資料の提供というようなことも重要な柱として考えておるわけでございます。したがいまして、当然そういった役割りを果たし得るようにしていかなければならぬと考えておるわけでございますが、七月開所して直ちに百点を取るというわけにはまいらぬと思うわけでございますけれども、今後の私どもの計画におきましては、先ほど、当初にも申し上げましたようなことで、研究部門、養成・研修部門等も充実をいたしてまいりますので、御指摘のようなことに十分こたえられるように、このリハビリセンターのあり方というものを持っていきたいというふうに考えている次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 実は冒頭、百十四億の総予算でと、こういう御説明をいただきました。実は国立のリハビリテーションセンターが、事業が進んでいく過程で、本来、これはいわゆる特特会計の中で賄えるのではないか、こういう計画であったわけだけれども、在京三施設の評価が、百億を超さない、四十億ぐらいであった、こういうところから、途中で一般会計の方からも予算を使わなければならない、こういう問題が生じてきた。そこで、この総合的な計画について、そこに働いている職員の皆さんとかあるいは入所している皆さんに具体的な提示をするのがおくれてきたのではないか、こういう問題が一つありまして、実はそのことについても、後でこうした職員の希望の問題、入所している皆さんの希望の問題、きょう本会議の関係で、私がそこまで入れるかどうかわかりませんけれども、後で細かく伺っておきたいと思うのですが、ただ、いまとの関連におきまして、この一般会計からの援助の経過ですね。そういうところから、当初の構想というものがどうも縮小してきているのじゃなかろうか、こういう心配があるわけですけれども、今日までの、先ほどちょっとお話しいただきました事業の実施進捗度、それから今後の見通しという、この工事の期限といいますか、そういうことを頭に置きながら御説明いただきまして、縮小しているかどうか、こういう観点について、厚生省としてのお考えを、これは大蔵省の関係もあるかもしれませんけれども、若干お伺いいたしたいと思います。  それから、残りの予算の関係で心配あるのじゃなかろうかということもわれわれちょっと気になっているところでありますけれども、さっきおっしゃったような全国的な施設を踏まえて、その中心に位置づけるというだけの機能と施設、これは特に人員の問題まで含めてですけれども、果たしていくためには、予算の関係その他でまだまだむずかしい問題があるのじゃなかろうかということを実は心配しての質問であります。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 四十一年の身障審議会の答申以来、数次にわたる審議会、研究会等の意見、これを尊重し、踏まえながら建設をいたしてきたわけでございますが、基本的には、先ほど申し上げましたこのセンターに課せられる重要な使命というものをおおむね果たし得るような構想で進んできておるというふうに考えておるわけでございます。縮小した部門があるのではないかというお話でございますが、あるいはマスタープランの段階等で全く理想的に大きく書けばというような形で、たとえば病院も直ちに三百床であるとかそういった構想が出てきております。しかしながら、現実の問題といたしましては、それが全部そのとおりということにはなっておりませんけれども、ほぼ考えられました基本線は守り得るような規模になってきておると思っておるわけでございます。  先生も現地をごらんいただいたわけでございますが、現在、在京三施設の敷地の広さ全部を合わせましてもせいぜい四万平米か五万平米だと思うのでございますが、今度の施設は二十二万平米ということで、数倍の規模になっております。それから建物の広さにおきましても、今度病院を除きます部門で約三万九千平米、病院を今明年度で建設をいたしますと五万平米を上回る規模ということになるわけでございます。いまの在京三施設全部合わせましても二万平米に満たない程度の広さであるわけでございまして、そういった施設設備面の広さということについては、私どもは縮小をしたという意識は特に持っておりません。なお、養成・研修棟あるいは研究棟というふうな建設問題が今後に残されております。そういったものの完成を待って充実していかなければならぬ面もなお残されておることは御指摘のとおりでございます。  あと人の問題もお話がございましたけれども、これに若干お触れ申し上げますと、現在の在京三施設の総定員は二百七名でございます。今度設置されますセンターの定員といたしましては二百十三名、六名の人員増ということで出発をいたしてきております。しかしながら、内容的に見ますと、三施設でそれぞれ人事事務、会計事務、庶務事務というののが分かれてやっておりましたものを一本にまとめるわけでございますので、そういった庶務的管理部門の一本化による人員が浮くと申しますか、効率化できる部分があるわけでございます。そういった人員をすべて更生訓練部門、リハビリ部門の充実に回すということでございまして、今年度の姿といたしましては大体所期の目的を達し得たのではないかと考えておる次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 時計をにらみながら、若干まとめた質問になりますけれども、いま、およそ所期の目的をと、こういうお話を伺ったわけです。ただ、先ほど御指摘いただきましたマスタープランは、その前の四十八年四月の研究調査報告書を受けましてできたという経過だと思いますが、これを拝見してみますと、たとえば収容部門の定員、配付していただきました入所者定員につきましては当面四百八十名、内訳として視覚障害の方が二百八十名、肢体不自由の方が百名、聴覚言語障害の方が百名、そして将来内部・重複障害の方百名を含めて五百八十名である。内部・重複障害の方については、五十五年度より入所の予定であるとされておりまして、これはまさにマスタープランで予定しております収容部門定員五百八十名そのままなわけであります。したがって、この関係については大体マスタープランどおりではなかろうかと思うわけですけれども、先ほど御説明いただきました四本柱、大変広範囲な目的を達成しようということから、このマスタープランを拝見いたしますと、職員の関係でありますけれども、合計約八百五十名をこの国立リハビリテーションセンターには要する、こういうマスタープランであるわけであります。  いまの御説明を伺いますと、三施設の若干横滑り的なところもありますし、若干の調整もある。したがって、単なる積み重ねということではない仕事の配置ができるのだという御趣旨の説明もありましたけれども、お話を伺ってみると、トータルでは三施設の職員の数を六名ふやして二百十三名でやる。大体マスタープランで八百五十名だったところが二百十三名の人員でやるということであるとすれば、器だけできても中身がなかなかないのじゃなかろうか。将来、養成・研修棟ができてくるに従ってとか、今後のいろいろな工事の進捗に沿ってということもあるかもしれませんけれども、入所者の皆さんについては、すでに五十五年度このくらいと予定しておられる。一方はどんどん進みながら、しかし、この職員の数については八百五十名のところが二百十三名であるといいますと、まさに予定人員と格段の差があるところを見ますと、われわれとしてはどうも心配であるということになるわけであります。職員予定の大体四分の一ということで当初の目的を達成できるだろうか、こういう観点で、これは人的な関係だけでありますけれども、大変心配を持たざるを得ないわけであります。したがって、こういう点について将来、構想はあったけれども中身はこれだけしか実現できないのだという面もあるかもしれませんが、この人的な関係についてどのようにお考えになっておるのか、基本的な問題ですので、この点だけは伺っておきたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 マスタープランの段階の八百五十名という数字は、当時の状況下におきまして十分の詰めをしないまま非常に大まかに出した数字だと思うわけでございますが、要素として違います点は、一つは、マスタープランにおきましては、付設される病院につきまして三百床という前提で人数その他をはじいておるわけでございます。そのほか若干の附属的な施設等も計算に入れておると思うわけでございます。  今年度二百十三名の定員で十分であるのかどうかという御質問でございますけれども、先ほどちょっと申し上げたのですが、現在の在京三施設は一首七名、それが二百十三名で六名増ということでございますけれども、実は、会計事務でありますとか人事事務でありますとか文書事務というものは統一ができるわけでございます。これがいま在京三施設で七十一名程度になっておるわけでございます。ところが今度、一つのリハビリセンターに統合いたしますので、庶務課、会計課で一本化ができます。それによりまして新しいリハセンターにおけるそういった部門の職員は五十三名程度でやれるという計算になっておるわけでございまして、十八名程度の人数がそこで浮いてまいるわけでございます。そういった人数はすべてこれを更生訓練部門に投入するという考え方で進んでおるわけでございます。  ただ、二百十三名のままで十分かと申しますと決してそうではないのでございまして、養成訓練につきましても、七月開所の時点におきましては、現在国立聴力言語障害センターで行っております聴能士、言語上の二十名の養成、これをそのまま横滑りで持っていくわけでございますが、私どもの構想といたしましては、養成・研修棟ができました際には、聴能士、言語士の養成人数をふやすと同時に、他の専門職種、たとえばOT、PTでありますとか義肢適合士でありますとか、各種の専門職員の養成ということに広げてまいりたい、かように考えておるわけです。そういたしますと、その場合は当然人員の増ということを考えていかなければならぬと思っております。  研究所につきましても、研究棟を建ててりっぱにしていきたいと考えておりますので、そういった必要な人数というものはできてくると思うわけでございます。それから病院部門につきましても、今年度、当面病院が建ちますまでの間はベッド数二十ということでスタートをいたし、常置されます専門科目も病院の科目も一応限定をしてスタートするわけでございますが、五十三年度と五十四年度の予算で病院棟が完成いたします。完成いたしました暁には診療科目もふやしますし、ベッド数もいずれ百ベッドにまで持っていくわけでございますから、そういった面の増員という要素は当然あるわけでございまして、今後とも必要な人員の増加については、私どもとしてもできるだけの努力をいたしていきたい、かように考えておる次第でございます。

山花貞夫日本社会党

○山花委員 本会議の議場閉鎖の関係がありまして、予鈴が鳴ったら終わりということのようでありますので、質問を若干詰めまして、最後に、いままでの質疑応答を踏まえて大臣の方にお伺いしておきたいと思うのです。  これまでの長い準備段階を経まして、いよいよ国立のリハビリテーションセンターが開設の時期を迎えようとしている。こういう時点で一つの問題点は、いまのやりとりにもありましたとおり、従来マスタープランということで詳細に御説明をいただきました四本柱を全部やっていけるだけのりっぱな計画があったわけでありますが、これは予算の関係でどうもしほられてきてしまっているのじゃなかろうかというのがわれわれの心配でもあるわけであります。人数の関係でも、当初七、八百というのが二百ちょっとではないかという疑問も実は問題として出したわけでありますけれども、まず第一の問題としては、せっかくこれだけの準備がされてきておるものであり、かつわが国で大変おくれておった仕事ということになると思いますから、ひとつりっぱに完成していただきたい。予算の関係についても、特に人員が四分の一になる、まあ御説明はいただきましたけれども、そういう心配があるようでは中の職員も不安であるし、入所者も不安である。そういうことでは本来の任務を全うできないのではないか。こういう点について大臣の所見を伺いたいと思います。  もう一つは、関連いたしまして、この七月にあわただしく入所ということは大変トラブルが起こるんじゃなかろうか、こういうことで、この後の質問で具体的な問題についてもお伺いする予定でありますけれども、十分職員あるいは入所者の皆さん、あるいは自治会の皆さんと、厚生省としてもそれぞれの段階で話し合いを進めていただきまして、円満な開所実現を図っていただきたいと思いますが、大臣の所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 先ほどからの非常に率直な御批判また御意見について敬意を表します。  私どもとしては、せっかくこのセンターがオープンできるところまでこぎつけたわけでありますから、これが本当に十分役立つものにしていかなければならない責任があることは間違いありません。それだけに、予算面また定員面において、現状として私どもは不自由がない、また十分に対応できるところまで来ておると思っておりますけれども、今後においても一層努力をしてまいりたいと思います。  また、御指摘をいただきましたように、入所者の方々また職員の方々に、この移転について不安を持たせたり、またそれによって今日までの状態に支障を来したりするようなことがあってはならぬわけでありますから、十分に話し合いを進めていく努力もいたしたいと思います。そういう点での御指摘を私どもとしては非常にありがたくちょうだいをすると同時に、今後このリハビリテーションセンターが大きく育っていきますためにも、御協力を心からお願いを申し上げます。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午前十一時五十二分休憩      ————◇—————     午後一時五分開議

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 本委員会で審議されておられます厚生省設置法の一部改正のことですけれども、これは国立身体障害者リハビリテーションセンターを所沢に設置をするということと、これに伴って従来の東京にあります国立の視力障害センター、それから身体障害センター、それからもう一つ聴力言語障害センター、この三つを廃止するというふうに理解いたしておりますが、それでよろしいのでしょうか、確認したいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 そのように考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 では、その件につきまして少し質問をさせていただきたいと思います。  まず初めにお尋ねしたいと思いますことは、所沢に国立のリハビリテーションセンターを設置するに関して、厚生省では数年前からこの問題についての特別な研究を進めてこられているというふうに伺っております。そして、四十九年の七月に所沢のリハビリテーションセンターに関するマスタープランについての研究報告書というのが提出されている。そこで、この研究報告書に基づいて政府は今回のセンターの計画をなさったものだと私は思うわけでございますけれども、この報告書の内容を拝見いたしますと、非常に高邁な計画が立てられているわけでございます。  一つずつ読んでいってもいいわけですけれども、時間の関係もございますので、省略をいたします。御存じのことだと思いますから省略いたしますけれども、基本構想というのが立てられておって、その基本構想の中に数項目にわたって、たとえば最高専門機関にするのであるとか、あるいは技術的な指導援助をするとか、国の内外の関係情報を集めることであるとか、あるいは研究することであるとか、高度のリハビリテーションを行うことであるとか、専門職員の養成訓練をすることであるとか、その他いろいろと非常に膨大な計画を示していらっしゃいます。それに伴って、どれくらいの規模でこのことを進めようとするのかということについても報告書は示されているわけでございます。  ところが、実際に今年度から実施しようとされている中身を拝見いたしますと、大変に縮小されているわけですね。大ざっぱに申しましても、大体四分の一か五分の一ぐらいに縮小されてしまっている。たとえば職員定数なんかの問題でも、八百五十人という計画が二百十三人に減っているというようなことがございます。この点については、午前中山花議員から質問がおありになったようでございますから、同じような御答弁があるのかと思いますけれども、現在の三つの施設が統合されるわけでありますが、この三つの施設の職員の総数が二百七名あるわけです。その二百七名にわずか六名が追加されただけの二百十三名でこの計画を進めていこうというのが今回の計画のようでございます。八百五十名でしなければならないという報告書がありますのが、二百十三名で進めていこうというふうに変わってしまったその理由が何かということを伺いたいことと、同じく附属病院がつくられるわけですけれども、その附属病院が予定では三百床ということになっておりましたのが、それが百床に減ります。それから中間病棟が五十床というのがゼロになるというような実態なのでございますが、こんなに縮小してしまわなければならなかった理由は何だったのでしょうか、簡単に御説明いただきたい。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 今度のセンター整理をいたします場合には、ただいまお話のございましたマスタープランのほか、四十一年以来の身障審議会の答申ないしはリハビリテーション研究調査会の意見、それにマスタープラン等を基本にいたし、それを尊重しながら構想を練ったわけでございます。基本的に総合的リハビリテーションの実施、技術研究開発あるいは専門職員の養成、研修あるいは情報、資料の収集、伝達というような主要な点につきましては、おおむねそれらの意見を尊重し、これを実現をしていくという考え方で整理をいたしているわけでございます。  ただいまお話ございました人の問題でございます。御指摘のとおりに、現在の在京三施設の定員が二百七名でございます。新しいセンターにおきましては二百十三名ということで六名増ということでございますが、けさほども御説明申し上げたわけでございますが、三施設統合することによりまして人事、会計、庶務といった共通部門につきましての余剰人員が十七、八名生ずるわけでございまして、こういった者も更生訓練部門へ投入し、さらに六名の増員を加えて実施するということで、現状に比べて相当の充実ができるのではないか、かように考えているわけでございますが、マスタープランの中で八百五十というごく概算の数字が一応記載をされているわけでございますけれども、私どもといたしましては、当面二百十三から出発をいたしまして、今後逐次必要なものを加えていくという考え方で対処し得るものと思っておるわけでございます。  その大きな差といたしましては、いま御指摘がございましたように、病院部門につきまして三百床という前提での計算をいたしているわけでございますが、百床規模程度まで、当面は二十床からスタートして百床まで計画を立てているわけでございますが、そういったことや、あるいはあのマスタープランの中では一部競技場あるいは療護施設あるいは授産施設というような関連施設までも含めたような感じでの人数計算になっているような点につきまして差があると思うわけでございます。いま御指摘の病院部門につきまして、若干マスタープランで最終的な理想案として指摘しましたような規模よりも小さくなっておりまして、百床でのスタートということで整理をいたしているわけでございますが、当面あのセンターに入所をいたします入所収容生その他の人数状況等から判断いたしまして、百名で出発をいたしましてその経緯を見ながら、また将来の問題として検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういうふうに計画が変わられるということがあるといたしますと、私はどうしてもこのことをお尋ねをしてみなければならないというふうに思うわけです。それは何かと申しますと、所沢につくる国立のリハビリテーションセンターでありますけれども、そもそも国は身体障害者の人たちのためにどういう計画を持っておられるのか、基本的なマスタープランのようなものをお持ちのはずだと思うのです。その基本的なプランの中で、この所沢の分はどの辺に位置づけされるのであるかというふうなことが知りたいわけです。そうでありませんと、思いつきで所沢がつくられたみたいな感じがしないでもない。そういうふうに政策を進められたのでは困るのですが、基本的な政策というのはどういうことでしょうか、大臣から御説明いただきたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 御承知のように、身体障害者対策全体について私どもは乏しいながらに努力を重ねてまいりました。ことしの予算におきましても、予算全体の伸び率、またその中における厚生省の伸び率が一二・六%であるのに対して、身体障害者福祉の予算というものは一六・二%まで伸ばしておるということも御承知のとおりでございます。  私どもは、身体障害者対策につきましては、一つは所得保障、そしてまた医療から職業に至る一貫したリハビリテーション対策の推進、同時に働く場所の確保、住みよい生活環境づくりあるいは教育文化等、非常に広範多岐にわたる対策というものを総合的に推進をしていく必要があると考えております。その中において、厚生省自身が受け持たなければならない分野として、年金制度の改善でありますとか重度障害者対策の充実でありますとかあるいは住みよい町づくりを中心とした生活環境改善の推進、また施設の整備充実というようなものについての責任があるわけでありますが、今後とも多様化していく障害者のニードに対応するために、その施策の推進に努めていかなければならないということは間違いがありません。現在、私どもはこうした総合的な対策のあり方について身体障害者福祉審議会に諮問し、詳細検討をお願いしているところでありますが、いま御指摘の国立リハビリテーションセンターというものは、私どもはその医療から職業に至る一貫したリハビリテーション対策の推進の中心に位置づけて考えておるわけであります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 申し上げるまでもありませんけれども、先進国の中でも、日本は先進国の中に数えられているわけですが、リハビリテーションプログラムについては、日本の場合は大変に立ちおくれているわけですね。非常に立ちおくれがはなはだしいわけですが、これを何とかして充実していかなければならないという問題があるわけですが、そのことを十分意図されて、今度この埼玉県にできる分が一つの位置づけになるんだと思いますけれども、これだけではなくて、全体的な計画というものをさらに一層進めていっていただきたいというふうにお願いするわけでございます。  さらにそのことに関連しまして、たとえば現状ですが、現在どんな状態にあるかという問題です。時間の関係がありますので、いただいた資料で数字を見て理解をしていただきたいと思いますが、日本では昭和四十五年の十月の調査に基づけば、全国の身体障害者、これは子供も含めてですけれども、百四十万七千人と推計されていますね。その中で十八歳以上の人、すなわち本日の議題になりますところの対象になる人たちですけれども、百三十一万四千人もあるわけです。こういうような大ぜいの人たちがおりますけれども、それじゃその人たちについてどれぐらいの準備ができているのかということになりますと、やはり同じ資料の中で拝見しますと、施設の数は三百四十六カ所で、その施設に収容できる定員の数は二万七百三十四名しかありませんね。そういうことでございますと、一体これはどれぐらいできているということになるのかしらんというふうに考えます。あるいは身体障害者の手帳を交付されている人たちだけを仮に対象にするとしてみても、十五万六千三百四十九名という数が手帳を交付されている人たちでありますから、これも厚生省にいただいた資料ですが、そうしますと、実際問題としてこの施設の定員というものがたった二万七百三十四人でありますから大変に少ないわけでございます。十八歳以上の全員を対象にすれば一・五%ぐらいにしかなりませんし、手帳交付の人たちの数だけを考えてみても大変に少ない。七分の一ですか、そんな数字にしかなりません。ですから、一口に申しまして、大変に施設は少ないし収容される人たちの数も少ないし、したがってその人たちを指導する指導教官も少ないし、すべてがそういう不足な状態になっていると思うのです。  そこで、私はなぜそれを取り上げて申し上げているかと申しますと、この所沢のセンターをつくるについて、現在すでにある三つの施設をなぜ廃止して所沢へ持ってこなければならなかったかという理由なんです。もともと少ないのに、この三つの施設がそれぞれ仕事をしております。この三つの施設だけでも取り上げて考えてみますと、たとえば視力の方でいきますと、三十名がやっと入所できて、あと三十名は落とされてしまう、入れない、神戸の方でも三十八名が入れて三十五名は落とされる、こういうような状態になっているわけです。聴覚言語障害の場合は定員が二十名ですが、二十名のところを十名ふやしてやっと三十名入れていらっしゃるそうですけれども、入りたい人は二百名を超えているわけですね。こういう数字もいただいているわけです。  ですから、これだけの要望があるにもかかわらず、大変に小さなスケールでしか仕事がなされていない。しかも、その三つの施設を今度は廃止して所沢へ持ってくる。所沢へ持っていったって決して定員数はふえるわけじゃないんでして、決してその幅の充実というところにはいかないのですが、なぜこの三つの施設を廃止してしまうのか、その理由が知りたいのです。この三つの施設が地域にあるということは、地域性ということを考えても非常に意味があるわけです。それを所沢へ持っていって、しかも規模は大きくなるかもしれませんが、定員がふえていかない。これでは国としても、この身障者の問題についてプログラムを強化拡充しようというたてまえには何か矛盾するような感じがするわけなんです。ですから、そこのところを伺いたいわけです。  なぜこの三つの施設を廃止しなければならないのかということと、いま一つは、需要にはなはだしく不足している実態なんですが、それをどのように解決していく方向へ政策として持っていこうとしていらっしゃるか、この二つについてお尋ねしたい。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 わが国のリハビリテーションの関係の仕事が先進諸外国に比べまして大変立ちおくれておりますこと、並びにその解決の一助という考え方で、このたびのセンターの建設ということに相なったという事情、御指摘のとおりでございます。  なお、全国の施設の状況、数字は、先生おっしゃいましたとおりでございますが、概括的に申し上げますと、最近の傾向といたしましては、重度の更生授護施設でありますとか療護施設、こういったものの要望が非常に多うございまして、そういったものにウエートをかけまして、施設整備費等でも重点的にやってきておるわけでございます。軽度のものは一応足りてきておるというような感じがいたすわけでございまして、重度中心に今後とも施設整備を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。ただ、身体障害者の問題につきましては、やはり社会の中で在宅のまま一般の者と同様に生活をしていくということが本来望まれるところでございますので、あわせまして、在宅対策ということも考えていかなければならぬと思うわけでございます。  そういった事情の中で、在京三施設を存置したまま、なお別に所沢にセンターをつくるべきではなかったのかという御指摘でございますけれども、センターを考えました趣旨、先ほど来申し上げましたような趣旨ではございますが、同時に、その一因といたしまして、現在の在京三施設は相当老朽化いたしております。かつまた、土地も狭隘でございまして、改善をいたすにつきましても十分な余地がないというようなこと等もございまして、これを統合し、より整備をいたしまして所沢に設置をするという考え方をとったわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまの御答弁では十分納得がいかないのですけれども、しかし、それにかかわっていますと時間がかかりますので、その点については、所沢のような大規模なものが幾つか続けてできなければいけないという考え方はございませんけれども、しかし、中身をよく充実することも必要ですけれども、対象となる人、必要としている人たちを受け入れる施設というものをやはりもっと考えていかなければいけないのじゃないでしょうか。所沢だけをやって、うまくいけばほかにもやっていこうという考えだとおっしゃいましたけれども、しかし、それは大変時間のかかることでもございますし、もう少し全面的に計画を立てて、一挙にその問題を解決させる方法だってそうないわけではないのですから、ぜひそのことを進めていただきたいと思うのです。  所沢の問題はそれでいけるようにおっしゃっていらしゃいますけれども、先ほどの御答弁にもありましたけれども、定員の問題とそれに附属する病院の関係とで、私は非常に疑問に思うことが一つありますので、お尋ねしたいと思いますのは、今度は二百十三人の定員になっていますね。二百十三人なんですけれども、これは病院の定員もこの中に入っているわけですね。病院職員、医療職の定員が入っています。医療職だけで四十三人いるわけですよね。そうすると、医療職だけ四十三人を二百十三人の中から抜き出してしまうとすれば百七十しか残りません。病院だって医療職だけで運営できるわけじゃありませんから、事務職員だって数名は必要じゃないでしょうか。そうしますと、四十三名よりももう少し人が欲しくなるでしょう。そういたしますと、センターの方に残る人というのは大変少なくなってしまう。その少なくなってしまう数は、現在の二百七人よりも少なくなってしまうのですね。私の計算がもし間違いでないとすれば、二百十三人から医療職四十三人だけだと思って取っても百七十、これですと現在よりも三十七人少ない、こういうことになるわけなんですが、そんな少ない数でやっていかれるのかということももう一つ疑問になります。  いま一つは、今度の五十四年度から開かれる病院は二十床だけ開始する予定のようでございますが、外来部門もお開きになるんだと想像いたしますが、もし外来部門をお開きになるんだとすれば、どれぐらいの患者を想定していらっしゃるのかということも知りたいと考えておりますし、そうだといたしますと、これだけの数で、二十床に対する職員の数が、看護婦が十名になっておりますけれども、これではとても三交代制はとれませんし、変則でいくとしても、昼間は三人がやっとだ、こういうような数にしかならないのですが、これでいけるのかどうかということ。  あわせて、関連でございますから、続けて質問させていただきますが、五十五年度からは全面開始で百床になるというふうになっていますね。百床になる場合にはどれだけ医療職の定員をふやそうとしていらっしゃるのかということも聞かせていただきたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 まず、五十四年度のセンターの定員、医療職(一)、(二)、(三)、合わせまして全部で四十三というのは御指摘のとおりでございますが、これはそれだけにふえるという意味ではございませんで、現在すでに在京三施設に医療職の方がおられます。おおむねその横ばいという状態でまいるわけでございまして、現在でも四名ないし五名の増加になるかと思うわけでございます。ただ、その分更生指導部門を食うということではございませんで、先ほど申し上げましたようなことで、全体として定数の増が六あります。そのほかに人事、会計、庶務というような共通管理部門につきまして、現在、在京三施設で七十一名おるわけでございます。これをよく整理をいたしますと、大体五十三名程度で一つの施設にまとまるわけでございますので、給与事務その他の庶務的なことは処理ができるという考え方に立っているわけでございまして、その分の余剰人員十八名、これは削りませんで更生訓練部門等に回すということに考えておりますので、現在の在京三施設の更生訓練部門よりもむしろ増員になるという考え方に立っておるわけでございます。  次に、当面、御指摘のとおり七月一日移転をいたします際には、現在二十床の医療施設でありますものを横ばいのまま移転をいたしまして、明年病院棟完成と同時にこれを五十床にふやし、五十六年度からは百床にしていくという計画まで固まっておるわけでございますが、二十床移転いたしました直後の外来等の人数をどの程度に算定いたしておるかということでございます。現在のところ、まだ数字を明確に定めておるわけではございませんけれども、おおむね現在処理しておりますものは当然そのまま引き継げることができますし、若干の医師の増員もございますので、それらの規模を当面現在もふやすことができるんじゃないかと考えておるわけでございます。  なお、百床にいたした場合の病院部門の定員いかんということでございますが、その数字の詰めばこれからでございまして、明年度予算、さらには明後年度予算におきまして、当然増員要求いたしまして固めていくわけでございます。現在のままの病院部門の職員のままで足りるものとは思っておりませんが、現在のところ、まだ数字は固まっていないという状況でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 五十五年度から開始するわけですね。そうですね。病院百床というのは来年ですね。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 ことしの夏移転をいたします際に、二十床横ばいでございます。それで、五十三年、四年の両年度で病院棟が完成をいたします。完成をいたしましたとき、五十五年度は五十床という考え方を持っておりまして、五十六年度当初から百床にふやす、そういう年次計画を立てておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そうすると、五十五年度は五十床、私ども百床と承っておりましたけれども、そうではなくて五十なんですね。それは知りませんでした。  五十だといたしますと、五十に見合うだけの定員というものは増員しなければなりませんね。その増員計画というのが今度の五十五年度の予算の中に組まれていかなければならないと思うのですけれども、これは確保できる見込みがおありですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 確定的には予算折衝を経まして決まっていくわけでございますが、厚生省といたしましては当然増員をいたしたい、要求をいたしてまいりたい、かように考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 病院にいたしましても、それからこのリハビリテーションセンターの本命であるところの身体障害者を収容する施設にいたしましても、その他のいわゆる一般の事務職員の人たちだけで運営できる事業とは違いまして、非常に人手が必要だということはもう申し上げるまでもないと思います。それで、この病院は、承るところによりますと、いわゆる一般病院ではなくてリハビリテーション専門病院だというふうに説明されておりますので、そうだといたしますと、一般病院よりもさらに人手が必要だということになりますので、職員については十分な用意をいたしませんとできないんじゃないかと思うのです。  それで、これが国立であるためにそのことがなかなかできないんじゃないかという問題が考えられるんじゃないかと私は思うのです。医務局長お見えになっていらっしゃいますので、お尋ねしたいのですが、たとえば国立病院、療養所においてどのくらいの体制が整えられているのかという問題でいつも問題になるわけでございますけれども、御承知のように、昭和四十年に人事院が判定を出された例の二・八体制でございます。この複数夜勤、月八日以内という体制がもうことしで十四年目になるわけでございますが、一向に実現できない。そのできなさかげんが国立が一番悪いわけです。地方自治体並びに公益法人あるいは私立病院、こちらの方はどんどんと充足しているのに、国立病院が一番充足の程度が悪くて、体制が整っていない。今日この二・八体制というのは国立病院、療養所ではどれぐらい実現しているのか、ちょっと教えていただきたい。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○佐分利政府委員 昭和五十三年度で第二次計画が終わるわけでございますが、国立病院では七五%、国立療養所では五〇%の実施率でございます。  なお、現在御審議をいただいております明年度の予算案が可決成立いたしますと、病院では七七%、療養所では五一%になる予定でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 私はいまの数字を拝聴して、やはりさびしいと思います。国立病院というところは日本じゅうの病院のモデルケースでなければならないんじゃないかというふうに普通一般的に考えられるわけでございます。やはり国立病院が先に立ってこの体制を整える。もう十年以上もたったのですから、七五がやっと今度七七になるということで胸をなでおろしていらっしゃるようですけれども、療養所の方はわずか一%しか伸びないわけでございますから、これは平均すれば六十何%ぐらいにしかならないのですね。六十何%というのは、入学試験だったらやっと滑り込むのかもしれませんけれども、やはり乙の下でございますから、これで国立病院は体制が整っておりますとはちょっと言えないんじゃないでしょうか。それで、もっと定員をふやさなければ、だれが犠牲になっているかと言えば、患者さんと看護婦が犠牲になってこの運営をしているというかっこうになるわけでございますので、もっとふえるように努力をしていただきたいと思うわけでありますが、同じようなことが今度計画されております所沢のセンターについても言えるのじゃないかと思うのです。  そこで、行政管理庁、お見えになっていらっしゃると思いますので、私は行管の方にお願いとお尋ねとをしたいわけであります。  国家公務員の総定員法の枠というのがございまして、国立がうまくいっていないというのをお尋ねすると、必ず国家公務員の総定員法の枠がございましてという答弁になるわけです。この枠があるためにどうしてもこれ以上はなかなか定員がとれないんだという悩みがあるわけでございます。そこで私がお尋ねしたいのは、この総定員法の枠というものは絶対的なものなのかどうかということなんです。事務職員ばかりの施設だったらともかくも、こういう現場ですね、病人を対象にするとかあるいは不自由者を対象にするとかお年寄りを対象にするとか、こういった現場施設の職員の定数は枠を外すということは考えられないかということなんです。そのことについて御意見を伺わせていただきたいと思います。

門田英郎行政管理庁行政管理局審議官

○門田説明員 御説明申し上げます。  ただいま先生御指摘の総定員法、この枠から国立医療機関なりあるいは今回のリハビリテーションセンターのような更生援護機関なり、こういった現場部門を外してはどうかという御質問でございますが、総定員法と申しますのは、政府部内全体といたしまして各省庁、各部門、その行政需要に対応いたしまして機動的、弾力的に定員配置を行っていく、平たく申し上げますと、総定員の膨張というものを抑制しながら比較的余剰のある部門からお忙しい部門へというふうに定員を移しかえていくという趣旨の法律でございます。その意味からその対象というものが、範囲が広ければ広いほど運用が適切に行えるという性格のものでございます。  御指摘の国立医療機関なりあるいは更生援護機関なりというものにつきましては、総定員法制定当初から定員需要、行政需要というものがどんどんとふえていくだろうということは予想されていたわけでございますが、制定当初からそういう計算の中に組み込まれているということでございますので、総定員法に含めて運用可能というふうな範囲にとどまるというふうにただいま私どもの方でも考えております。先ほど申し上げましたように、できるだけ運用可能な限り範囲が広い方が弾力的に、機動的に動かすことができるという見地から考えまして、ただいま私どもの方は、引き続き総定員法をこの部門についても適用していくべきもの、かように考えている次第でございます。  なお、御指摘でございます国立医療機関等につきまして定員の伸びが非常に少ないじゃないかというお話なんでございますけれども、総定員法が成立いたしましたのが昭和四十三年でございます。昭和四十三年以来今回御審議を仰いでおります昭和五十四年度予算に至るまで十二年間に、たとえば国立医療機関、これは国立病院及び療養所でございますが、国立医療機関につきましては、途中沖繩復帰という要因を除きまして、沖繩を除く数字で申しまして約七千人というふうな純増員を行っているところでございます。この間、一般省庁につきましては約二万二千人の減少ということに相なっている、その辺の事情もよろしくお願いいたしたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 十年間にふやしたからいいじゃないかみたいな御答弁に聞こえたのですけれども、そうじゃなくて、もともとこういった病院とか福祉施設に人手が必要なんだということを前提に考えると、最初につくられた計画そのものが基準が小さ過ぎるというふうに私は考えているわけなんです。全体の計画の中の一つではありますが、国家公務員の数をそうたくさんふやせないという計画はあるかと思いますけれども、その全体の枠をおとりになったその中で、こういう施設については特別に配慮が必要なんだということを申し上げたわけです。この問題につきましては時間をとりますのでここでやめますが、今後もさらにそういう施設についての御配慮をしていただけるものかどうかということをお約束いただきたいのです。

門田英郎行政管理庁行政管理局審議官

○門田説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、国立医療機関あるいは更生援護機関などにつきましては、過去の実績から見ましてもおわかりかと存じますけれども、今後とも、厚生省の方からの行政需要というものに基づく御要求がありましたら、その段階でしかるべく取り組んでまいりたい、かように考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 厚生省の方に申し上げます。遠慮しないでどんどん御要求なさってください。厚生省からの御要求があれば考えますとおっしゃっていますので、どうかひとつがんばってください。  それでは次ですが、このセンターの予算の問題なんですけれども、私は一つぜひお尋ねしたいと思っておりますことは、実はこのセンターは今年度初めて使われることになるものでございます。そのために四十九年から基本的な設計料が計上され、五十二年には一般会計で病院の設計料が計上され、五十三年には百床の整備費が一般会計で計上されるというふうに進められてきて、この間、五十一年九月から工事に着工して、五十二年十二月には本館も訓練棟も宿舎棟も補装具製作所も、四棟が竣工をしている、こういうことになっているわけなんです。そして、本日ただいま国会でこの施設を使用するための厚生省設置法が討議にかけられている。この辺大変矛盾しているんではないかと思うのですね。  厚生省の設置法が国会を通過した段階でそのことを実現するための準備が進められるべきではないかと思うのですけれども、設置法がまだ認可されないうちにどんどん事実だけが先行して、建物がどんどん建っていってしまって既成事実がつくられていってしまっている。本来ならば、厚生省の中にリハビリテーションセンターの準備室ですか、準備室をおつくりになったわけですね、ですから準備室ができた段階、すなわち昭和四十八年、その時点で厚生省設置法を改正することを御提案なさるべきではなかったんでしょうか。その辺がどうも私は納得がいかないのです。既成事実をつくってしまったから、もうこれで改正は絶対に可能なんだというふうに押してこられるということになりますと、これは国会軽視になるんじゃないかというふうにも考えられるのでありますが、その辺のお考え方を教えていただきたいと思います。建物は先にできてしまった、法律はこれからなんだ、これはどういうことなんでございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 これはおしかりを受けることもやむを得ないと私も思います。  実は、国立循環器病センターの設置の際にも、本委員会において同じことでおしかりを受けました。そして当時の渡辺厚生大臣も、確かにごもっともな御意見である、ただ三年とか五年とか長い期間を要するものであったので、そうした点に配慮が欠けておった点についてはおわびを申し上げると同時に、これから十分検討してまいりたいということを申し上げた経緯があります。このリハビリテーションセンターの問題も実は同じことでありますけれども、確かに四十九年からスタートをいたしておりました段階で、そうした点について十分配慮が欠けておった点については、この機会におわびを申し上げます。本来なら御趣旨に沿うように振る舞うべきであったものでありますから、この点につきましては、今後私どもは十分気をつけてまいるということでお許しをいただきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 厚生省は二つ目だといま大臣がおっしゃいました。よその省のことは存じません。しかし、もしそういうことがよその省にも起こっているんだといたしましたら、私はゆゆしい問題だと思うわけです。そういうことば、これからは絶対にないように、厳に慎んでいただきたいと思うわけでございます。  そのでき上がった幾つかの施設ですが、私どもは先般拝見させていただいてきました。それでいろいろと問題を発見したんですが、中でも一番問題だと思いましたのは、宿舎棟なんです。ごらんになったでしょうか、大臣あるいは局長さんたち。この間局長御一緒でしたから、ごらんになったことはわかります。問題を申し上げたいと思いますのは、皆さん考えていただきたいんですが、病院の四人部屋を想像してください。真っ白い壁で真っ白い天井で、ベッドが四つ入っていて、一つ一つのベッドにカーテンで仕切りをするようになっている、それだけなんですよ。それが部屋なんです、宿舎なんです、自分の住まいなんです。そこで三年ないし五年りっぱな社会人が生活をしなければならないというんです。どうお考えになりますか。  そしてプライバシーはもちろん何にもない。私は、畳の部屋がいいのかあるいはベッドの部屋がいいのかということは、それぞれの好ききらいもあるかと思います。たとえば身体障害者の方は畳に寝起きするよりもベッドの方が楽だということはあるかもしれませんけれども、一緒に見に行っていた施設の生徒さんたちの意見では、これは畳にしてもらえばもっと融通性がきいて、生活の場として自分たちは安楽に過ごそうと思えば過ごせるというふうな御意見があったわけです。私も、なるほど日本人だからそのことはわかります。皆さんあぐらかくのだったらベッドの上にあぐらかきますか。そして灰ざらはベッドの上に持ってくる、そういうような生活にしかならない。それが一週間か二週間どこかに訓練をするので行くのならいいのですけれども、三年も五年もそこで生活しなければならないということを考えてください。私は、こんな無神経な計画、プライバシーを全然考慮に入れていない、しかも大変に貧しい発想から起こった宿舎のプラン、こういうふうに感じて、大変情けないし、悲しいと思いました。しかし、これはまだ内部は何もできていないのですから、私はやろうと思えば手直しできると思うので、これはせめて一部屋に二人、社会人ですから、いまは看護学生でも一人一室になっているじゃありませんか。それをせめて二人、ベッドを二つにしてあとのスペースには畳を入れるとか、何か考えていただけないものでしょうか。この点は大変具体的で細かくなって恐縮ですが、考え方を聞かせていただきたい。いやもう絶対にだめなんだとおっしゃるか、あるいは考慮してみましょうと思いやりのある発言をしてくださるか、それを聞かせていただきたいです。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 私ももう現地に三回参っておりますし、先日先生のお供も申し上げた次第でございます。あの場におきましても先生からそういう御感想を承ったわけでございます。  ごらんのとおり、まだベッドも入っておりませんし、備品も入っておりませんし、ロッカーも入っておりません。そういう状態でございますので、非常に殺風景と申しますか、そういう印象をお持ちになったのだろうと思うのでございますが、開所までにしかるべき備品を完備いたしたい、かように考えておるわけでございます。ビジブルなものではございませんけれども、もちろん暖房、冷房等の設備もいたしてある状況にあるわけでございます。部屋割りの人数の問題につきましては、当初から四人定員ということで計画を進めてきており、その前提で施設を建設いたしておりますので、これを二人部屋にするというのは困難かと存ずる次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 手直しをなさる御意思はないみたいですね、いまの御答弁ですと。それは本当に情けないと思いますよ。大変な部屋になると思うのです。もう一度考え直してみていただきたいので、強く要望を申し上げておきます。  時間もだんだん少なくなってまいりましたので……。今度の所沢のセンターは三つの施設の統合だということなんですが、現時点におきましては、その三つの施設の単なる統廃合じゃないかという懸念がございます。というのは、いま三つの施設はそれぞれ満足して運営されているわけではない、いろいろみんな問題があるということは御承知だと思うのですけれども、それらの問題が所沢に移ることによって解決できるのかどうかということが残るわけでございますね。もしそれが解決できなければ単なる統廃合で何にもならないということになるわけなんですが、この三つの施設が抱えております従来の問題が解決できるのかどうかということについてお尋ねしたいのですが、問題がたくさんございますので、幾つかしぼりまして続けてお尋ねいたしますので、それぞれの御所管の方が簡単に御答弁いただきたいと思います。  その一つは、先ほどの定員法の絡みがあると思いますけれども、三種類の人たちが入るわけですが、各種の指導教官の定数が確保できるのかどうかという問題。それからこの各種の指導教官の身分の問題ですね。これはOT、PTの人たちだけは身分法が決まっていますが、それ以外の専門職種の人たちは全然身分法がございません。この身分法をどうしようとしていらっしゃるのか。身分法が制定されておりませんために適格な人を配置することもできない。だれでもできるというようなかっこうになってしまって、的確な充実した高度の指導なんということは述べられておりますけれども、実態としては不可能だというふうに思うわけですが、その身分法についてどうしようとしていらっしゃるのかということが伺いたい。これは職種によっては医務局の方にもお尋ねすることになるかもしれません。  それからいま一つは、卒業生の就業の確保ですね。これは時間がありませんので、十分なことができませんが、労働省の方に来ていただいておりますので、職業安定局の方から御説明いただきたいのです。身体障害者の雇用の実態というのは決してよくありませんね。企業が大きくなればなるほど採用が非常に少なくて、制度で決められているだけの雇用率は確保されていないという実態がございますので、よけい心配するのですが、この卒業生の人たちの就業の確保のためには、どのように積極的に行政指導が行われようとしておるのかということを承りたいと思いますことが一つ。  それからその問題に絡みまして、国立の職業リハビリセンターというのが雇用促進事業団あるいは雇用促進協会の主宰であの同じ構内の中にできておりますね、労働省所官の。こことのタイアップということがあるんだと思いますが、この計画によりますと、その職業リハビリテーションセンターで対象として社会復帰を進める人たちというのは、社会的復帰可能と認められる者だけというふうに限定されているのですね。それで本来ならば、中途障害者だけでなくて先天性の人あるいは小さいときからの障害者の方たちに、持っている可能性を最大限に伸ばして、そして訓練したり指導したりして、そしてそれが職業に結びつくというところまで持っていかなければいけないんだと思いますが、それが大変に軽視されていて、どっちかと申しますと手っ取り早く社会復帰ができる中途障害者、ことに労災法の適用を受けている方たちに重点がかかるといううらみがございますが、そういうことのないように進めていただきたいと思うのでありますが、それらの点について、それぞれ簡潔に御答弁いただければありがたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 教官の問題について私から御説明申し上げたいと思います。  まだ二百十三名の定員の割り振りにつきまして詰めておる段階でございまして、確定的ではございませんが、少なくとも現状よりは教官はふえることに相なると思っております。ことに視力障害関係につきましては十五人単位の授業という要望がございます。こういった御要望にこたえ得るような方向で考えていきたい、かように考えておる次第でございます。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○佐分利政府委員 リハビリ関係職員の身分制度の問題についてお答えいたします。  すでにございます制度は、作業療法士、理学療法士、視能訓練士の制度でございます。そこで、当面問題になりますものが言語療法士、聴能療法士、そういった方々ではないかと思いますが、これらの職種の業務の範囲が、医療と福祉と教育といった多方面にわたっておりますので、医療の面からとらえるのか、福祉の面からとらえるのか、教育の面からとらえるのかといった性格づけの問題が、まずございます。また過去の経緯を承りますと、身分法制定の運動をなさっている方々の間に幾つかのグループございまして、一部の方々は大学卒の資格でないと困るといった非常に厳しい条件をお出しになっているわけでございます。そういった関係で、それらの方々の身分法の法制化がまだ進んでおりませんけれども、医務局といたしましては、これらの職種については重大な関心を持っておりますので、関係団体、関係省庁ともよく協議をしながら積極的に対応してまいりたいと考えております。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○田淵説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、身体障害者雇用促進法に基づく身体障害者の雇用の状況は、最近の経済の動向もございまして非常に厳しい状況に置かれておりまして、はかばかしく進んでいないというような状況でございます。  御指摘の所沢のリハビリテーションセンターの終了者につきましても、私どもとしては職業評価、職業指導、あわせまして職業訓練を行うことにより就職に結びつけるように最大限努力してまいりたいと考えております。就職のあっせんにつきましては、現地の公共職業安定所、たしか所沢職安になると思いますが、職員を増員する等により連携を密にして対処してまいりたいと考えておりますし、障害者の方々が安定所まで行くのも大変問題が多うございますので、センターの中に職員を配置することも含めて適切な職業紹介体制を確保したい、こういうふうに考えております。  それから社会復帰の可能な者に限っているという点でございますが、私どもとしては、一応適切な職業評価の過程において、雇用に適した残存能力がある方を雇用に結びつけるために訓練をしたりするわけでございますので、その辺はやむを得ないと思いますが、先天性の障害のある方々につきましても十分受け入れる体制を整えておりまして、たとえば電話交換手等には盲の方々にも入れるように設備を整えておりますし、事務部門あるいは情報部門等におきましては、十分重度の障害者を受け入れることができますように、施設設備その他訓練の課程等についても検討を進めております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういたしますと、今度は逆に申し上げますが、いまの労働省の方に、適切な職業訓練や職業指導を一貫して行う必要があるというようにおっしゃっていて、それができる人だけを対象にする、国立のリハビリセンターにおいて機能回復訓練などを終了した重度身体障害者であって、雇用労働者として社会復帰可能性の認められる者というふうにしているところに問題があると申し上げたら、いまの御答弁では重度の人たちも受け入れられるようにするというお答えがあったわけでございます。そうしますと、社会復帰可能だということは前提にしないで、重度の人たちを対象にすることもあり得るというふうに理解してよろしゅうございますか。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○田淵説明員 現在のそのままの状態では社会復帰が非常にむずかしい方でございましても、職業訓練を受けていただくことによりまして特定の職種なら就職に結びつくというような形で、重度の方でも就職の場につける見通しがございましたら、受け入れるつもりでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 できるだけそこに重点をかけていただきたいと思います。安易に職業訓練ができて社会復帰ができる人に重点をかけて指導されるような傾向がありますのは慎んでいただきたいと思いますので、お願いします。  それから医務局長にお尋ねしたいのですけれども、先ほどの御答弁で、身分法がなかなかできないという理由は一応わかったわけでございますけれども、性格設定の問題があるのだということでございますが、しかし、それは医療の問題かあるいは社会的な問題か教育の問題か、確かに問題があると思いますが、三つのものが首をそろえて出てきた場合にどの部分がリーダーシップをとるかと言ったら、私はやはり医だと思うのです。医療の問題だと思うのです。それが基本であるというふうに考えますので、この問題については、医務局としては積極的にリーダーシップをとっていただきたいというふうに考えるわけでございますが、そういうおつもりでお進め願えないでしょうか。  実はOT、PTの制度ができるときに、STの分についても一緒に話し合いがあったということも私どもは伺っているのですが、それがなかなかできなくて今日に延びておる。今日と言っても十年ぐらい延びておるわけです。少し延び過ぎじゃないかという気がするのです。のんびりやっていらっしゃるみたいな感じがするのです。指導者をきちんとつくらなかったら、いい訓練ができないことは当然なのですから、そうすればいい社会復帰ができない、そのことは社会に復帰させる、貢献するための国の政策としては決してよくない、正しくないというふうにつながってくると思いますので、その点は、私は医務局に特にお願いしたいのですが、リーダーシップをとって、もっとこの問題を強力に進めていただけるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○佐分利政府委員 私も金子委員の御意見と同じような考え方を持っております。  しかしながら、これには複雑な問題がございまして、たとえば医療のチームの中に入ってしまう方がいいのか、あるいはケースワーカーのように、チームの外において協力する方がいいのかといったような問題があるようでございます。そういった問題が医学界の中にもございますし、またATとかSTのグループの方々の中にもあるわけでございます。したがいまして、いま直ちに私がそのように思うから医務局がリーダーシップをとってOT、PTと同じようにやっていくということはまだ尚早じゃないかと思います。関係方面の意見をよく聞いてそのコンセンサスを得て、最良の道を選びたいと考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 何でも簡単にはいかないと思います。特に雇用の問題は複雑な問題だと思いますので、むずかしいことだと思いますけれども、いまのようなお考えで鋭意進めていただきたい。そして、もう十年も先になってからできるのじゃなくて、こういう国立の充実したよいセンターもできるのだとすれば、もっと早急にそのことが実現できるように、その方面は積極的に進めていただきたいということを強くお願いしておきたいと思います。  時間が参りましたので、最後に確認させていただきたいと思うことがございます。  その一つは、三つの施設を廃止して所沢に統合して、所沢へいまの施設の人たちを移転させるという移転の問題でございますけれども、このことについて確認させていただきたいのです。その問題について従来から施設の人たちが厚生省の担当局に何回となくお訪ねをしてはお願いをしたり、あるいは折衝したり、話し合いをしたりということで努力をしてきていると思うのです。何遍も何遍もお目にかかって所沢に行く問題についてどうするかということについては話し合いが進められてきているというふうに伺っておるのですけれども、ここにこういうふうな記録がございます。いまの社会局長の前の局長の時代からすでにこのことは進んでいるわけなのですが、前局長の時代に前局長の御答弁として二つあるのです。一つは、現在の東京視力の現状より下回る形での移転はしない、それからいま一つは、リハビリテーションの理念からいって強制的な移転は考えておりませんとおっしゃっているのですね。  それから、現在の局長さんは、これは覚えていらっしゃると思いますが、二月七日の日に、皆さんとよく話し合って、皆さんと合意のもとに円満に移転をしたい、こういうふうにおっしゃっていらっしゃるのですが、このことにはそのつもりで今日もおいでになるのでしょうか。強制的に七月が来たからどうしてもやるのだ、夏休み中にやるのが物理的にいろいろな点で便利だからやるのだというふうなことで、みんなの合意ができ上がらないうちに進めておしまいになることはよもやないと思いますけれども、その辺を確認させてください。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 学友会の代表の方と私も何度かお会いをいたしておりますし、今後とも話し合いをいたしていきたいと思っております。お話にございましたように、合意を得て円満に移転するようにいたしたい、そのかわり、皆さん方もひとつできないことやわがままなことはおっしゃらないでいただきたい、こういうお願いを申し上げたところでございます。合意を得て円満に移転の運びにいたしたいという気持ちは現在も変わっておりませんし、そのつもりでおります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまの御答弁のちょっと一言多いみたいなのがちょっと気になるのですけれども、わがままなことを言わないでくださいというふうにおっしゃっていますが、何を指してわがままだとお考えになっていらっしゃるのか、私は具体的な事実を存じませんので、何とも申し上げられませんけれども、施設の人たちがお願いしているのは、決してわがままから言っているとは思いません。自分たちの生涯の生活をかけているわけですから、こうしなさい、ああしなさいと言われたからといって、そう簡単にそのようにできないものもあると思います。たとえば先ほどの宿舎の問題だってそうです。ですから、長い間時間をかけて何年も何年も訓練をした上で一人前の社会人となって、第二の人生を始めようという人たちのことでございますから、その点は十分におくみ取りくださって、不十分だと思いながらもみんなが余り納得もできていないのに無理やりするということは絶対ないように、それが七月でなくてもずれ込んでも構わないじゃないですか。何も七月にしなければならぬということはないでしょう。それだったら予算的に困って大蔵省に返さなければならないようなことがあるかもしれませんけれども、それはそれで仕方がないじゃないでしょうか。私はそういう意味で、この辺はしかと局長が考えて、わきまえていただきたいと思うことを最後に強く御要望申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 市川雄一君。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 厚生省設置法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、最初に設置法に関係することをお尋ねしたいと思います。  今回、三施設が統合されて国立の総合的なリハビリテーションのセンターが新設される、このこと自体は非常に障害者並びに関係者から期待されるところであると思いますが、幾つかの問題点をお尋ねしたいと思います。  最初に、厚生省では今回のリハビリテーションセンターは全国一だというふうにおっしゃっておられるようですが、地方自治体でもすでにこういう施設をおつくりになってやっておられるわけですが、今回おつくりになる国立のリハビリテーションセンターの特色というか、ほかの自治体でやっておられるものとどういう点が違って、どういうすぐれた点をお持ちになっておられるのか、その点をまずお伺いしたいと思うのです。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 四十一年の答申以来の各種審議会、研究会等の御意見も踏まえまして、今回のリハビリセンターのポイントと申しますか、特徴と申しますか、これにつきましては実は四本柱ということを考えておるわけでございます。  第一は、医療から職業に至るまでの総合的なリハビリテーションの実施を行いたいという点が一点でございます、この点につきましては地方施設等においても行われるものもあると存じますが。  第二番目につきましては、わが国のリハビリ技術というものが大変先進諸国の中でおくれておる、これを何とか回復する拠点にいたしたい、こういう考え方で、リハビリに関する技術の研究開発に力を入れたいというのが第二の考え方でございます。それから第三の考え方といたしましては、わが国でリハビリの技術を持った専門従事職員がまだ非常に不十分でございます、こういった専門技術者の養成ないしは研修ということに力を入れてまいりたい。第四番目には、国内外の情報、資料等をこのセンターに集めましてその整理を行い、必要なところに情報を提供するという活動をもあわせ持ちたい。その四本柱をこのセンターの特色というふうに考えて、構想をいたした次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 それで大分研究的機能にお力を入れるというふうに伺っておりますが、地方自治体のそういう関係の施設等、実際行ってみて、いろいろ御意見をいままでも何回か伺っておるわけですが、研究にお力を入れるのは結構なんですが、その余り、悪い例として、患者を研究対象の材料扱いにする、そういう弊害も出てきているところがあった。あるいは研究対象にならない人は入所させない、こんなことも聞いておるわけでございますが、こういう点についてのお考えはどうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 もちろんこのセンターにおいて、入所していただきます方につきましては、その者のリハビリを実施する、その者の社会復帰を促進するということを目的として入所させるわけでございまして、御指摘のように、研究の対象になる者に限定をするとかそのような考え方は全く持っておりません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 ここでそういうことはおっしゃれないと思いますが、どうかそういう点、十分に配慮をいただきたいと思います。  これはリハの本質にかかわると思うのですが、先ほども御答弁でおっしゃっておられましたけれども、やはりリハ関係の方がおっしゃっている、特にお医者さんたちがおっしゃっている御意見は、リハとは一体何なのだということを絶えず考えさせられると言うのですね。それは重度の障害者で、退院あるいは退所させたいというふうに病院側が思っても、たとえば家族がいないとかあるいは家族がいても引き取りたがらないとか、こういうケースもあると思うんですね。それから、リハというのは本来社会復帰というものが主眼だと思うんですよ。社会の第一線で働いている方がたまたま不幸にして交通事故とかそうしたいろいろなことで身体に障害が生まれてしまった。何とか社会にまた、リハビリテーションでいろいろな訓練を受けた上で再就職して、社会の第一線にもう  一度戻す、ここにねらいがあると思うのですが、しかし実際問題は、酔っぱらっていて、深夜に交通事故でどんとはねられた。救急車で運び込まれてリハに送られてきた。考えてみると家族は、全然身寄りがない、そういう方をもちろんリハで引き取っていただくこと自体は、それはそれなりに意味はあるのですけれども、ただ、社会復帰が不可能だという場合、要するにどこへこの方を抱えていくのか、こういう関連の考え方というか、施設というか、そういうものがしつかりしておりませんと、何のためのリハなんだという疑問を絶えず持ちながらやらざるを得ないという声も聞いておるわけですが、まず、こういうことについてどういうお考えでございますか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 先ほども申し上げましたように、このセンターの対象として考えておりますのは、重度、軽度を問わず、リハビリテーションの効果が期待できる方は全部収容してやっていきたいと考えておるわけでございますが、一番最初に御相談に参られました段階で、リハビリテーションの効果が全く期待できないというような方につきましては、やはりこのリハビリセンターと申しますよりも、たとえば身体障害者療護施設というのが最近大分ふえてきております。こういった常時介護を必要とする最重度の障害者を比較的長期的に収容する施設等がございます。そういったところへの御紹介等も考えなければならぬだろうと考えておりますし、またその方の状況によりましては、在宅でしかるべき措置を講ずるというような方途も考えていかなければならぬと考えておる次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 実際、リハで受け入れたときは、社会復帰可能ということで受け入れた。しかし、その後の状況から言って、社会復帰は無理だというケースもございますし、また、いまおっしゃられたように、必ずしも他に適切な受け入れ場所がないので、とりあえず社会復帰が可能かどうかわからないけれども、リハの方で引き取ってほしいということで引き取るケースもあるように聞いております。したがって、いつもそこがネックになるわけですよ。  ですから、非常にむずかしい問題だと思うのですけれども、社会復帰ができるかできないかということで門前払いしちゃうということも、門前払いされた方はまた非常に困るわけでして、実際、最近起きた事例ですと、三十四歳の男性で、交通事故で肢体不自由になった。下半身が不能のまま退所させられた。しかし、お酒癖が悪いために、奥さんが子供を連れて逃げちゃった。したがって引き取り手がいないということで、また何かそこを退所するかしないかということでトラブルが起きるとか、こういう例もあって、死ぬまでセンターに置いておくわけにはいかないだろうと思うんですよ。そういう状況が幾つかあるわけですけれども、リハビリテーションというのは、社会復帰の可能性のない方は受け取りません、あるいはそのつもりで受け取ったけれども、後になってその可能性がなくなってきた、だからもう出ていってくださいと。しかし、引き取り手はいません。これはあくまでもリハの範疇ではないと思いますけれども、しかしそういうケースが実際起きているわけですから、そういうケースの方に対してどういう形で引き取っていくのか。これは当然リハの一環として、関連の、福祉という領域にもなるかと私は思いますが、国として、こういうことについてぜひもっと前向きにお考えいただきたいと思うのですが、その点どうでしょうか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 先ほど、最初に入所に当たりましてのことは申し上げたのですが、御指摘のとおり、入所後におきましては御指摘のような事態が生ずることもあろうかと存じます。私どもといたしましては、よくその方の状況に応じまして、他の、たとえばいま申し上げました療護施設へ御紹介を申し上げてお世話を申し上げるとか、適切な措置を考えていかなければならぬ問題だと思っております。重要な御指摘でございますので、御趣旨に従って十分検討いたしたいと考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 それから、今回三施設を統合して国立のリハビリテーションセンターができる。しかし、これは地域としては東京ですよね。だから東京周辺の方には非常にいいわけですが、今後、こういう国立のリハビリテーションセンターというものを東京以外の各地にもおつくりになっていく考えがあるのかないのか、その辺はどうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 私ども、当面は、この所沢のリハセンターというものを充実したりっぱなものにいたしたいということで全力投球する考えでおりまして、現在のところ、同種のものを地方に建設するという計画はございません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 これは三施設以外の入所者、たとえば全国各地から応募するということもあり得るわけでしょう。その場合、遠隔地から来る患者とか家族に対する配慮というものもお考えになっているのかどうか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 当然、国立の施設でございますので、全国の対象者を対象といたしたい、かように考えております。ただ、視力障害部門につきましては、国立でほかに光明寮、五カ所持っております。そういったものとの関連を考慮しながらという要素が入ると思うのでございますが、原則といたしまして、全国の対象者を考えたいと考えておるわけでございます。  なお、遠隔の方から見えられた場合の家族との関係等につきましては、運営上の問題としても考慮していかなければならぬと思うわけでございますが、同時に、あの施設におきましても、電話室でありますとかあるいは面接室でありますとか相当のスペースを取って、構造上の配慮もいたしておる次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 民間でリハをやっておられる方の意見ですと、国立とか、特にいままで三施設の中にあった傾向だろうと思うのですけれども、重度の障害者をきらうわけですね。それで、たとえば光明寮の場合なんか、面接選考あるいは国語、社会、数学、理科の学力検査をやって、四百点満点で二百点以下の人は入所できないとか、そういう選考がされてしまうわけですが、そういうものが自然と民間の方へしわ寄せがいっているというふうに聞いております。先ほどもおっしゃったように、国立のリハビリテーションセンターでは、今後リハ技術の開発とかあるいは専門家の養成をやっていきたいのだという御趣旨のようでございますが、国立は何かきれいごとで線を引いてしまって、やりやすい人だけ受け入れて、やりづらい人は民間にしわ寄せしてしまう、こういうことでは専門家の養成にもならないのじゃありませんか。また技術の開発にもならないのじゃないですか。やはり国がそういう重度のリハのしづらい方をむしろ率先して受け入れてこそ初めて国立の意味が出てくるのじゃないかと思うのです。そういう点について考えますと、重度の障害者に対する関係職員の養成、研修もまだ始めてないやに伺っておりますが、このことも含めまして、国立ということなのですから、いやしくも民間にやりづらい方をしわ寄せして、自分たちの方はある一線以上の方を受け入れて研究とか開発とかということでは困るわけでして、むしろ逆に国立こそ、民間でややてこずるような方を国立が引き受けてあげる、こういうお考えを持つべきじゃないかと思いますが、その点はどうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 視力障害部門のいわゆる理療教育部門につきましては、先生よく御承知だと思うのでございますが、あんま師、はり師、きゅう師の養成施設としての性格をあわせ有するわけでございまして、これにつきましては、中学校もしくは高等学校の卒業と同等以上という資格等がございます。そういった点、あるいは三療師の試験に合格していただかなければなりませんので、そういった可能性が全くない方を理療教育部門へというわけにもまいらないという要素があるのは事実でございますが、それのほかに、今度は新たに失明者の方につきましても生活訓練部門というものを設けることにいたしております。それから肢体不自由部門あるいは聾唖部門というのがあるわけでございます。全般の運営の考え方といたしましては、先生の御指摘のとおり、国立なればこそ困難を避けないで、リハの可能性がある限りはお引き受けして対処をしていくという考え方でいくべきではないかと私も考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 視力障害者のリハ対策についてお伺いしたいのですが、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の第十四条では、盲学校高等部の一クラスの定数は十人とするように規定されております。しかるに、現在光明寮では一クラス三十人になっている。これでは十分な訓練ができないという現状がございます。また一方、あんま、はり師の認定規則では一クラス定数は十五ないし三十人、昭和四十五年八月の厚生大臣に対する身障者福祉審議会の答申でも十五名以下が望ましい、こういう答申が出ているわけですが、今後、この予算措置を含めたクラスの定数減というもの、これは定員の関係や予算の関係、いろいろむずかしい関係があると思いますが、そういう方向を目指して努力なさるお考えなのかどうか。どうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 新センターの理療教育部門につきまして、一クラス十五人制という希望と必要があるということは承知いたしております。教室等の施設整備は相当のものが完成をいたしております。職員の配置につきましても十分考慮いたしまして、今後十五人制への移行ということについてそれが可能になるように努力をいたしていきたい、そのような考え方を持っております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 所沢市内への移転に伴って、職員の間にいろいろ不安があるようでございます。たとえばいま不況の長期化で中高年の雇用の問題が大きな社会問題になっておりますが、この三施設の統合に伴って職員の人減らしが行われないかどうか、そういう不安が働いておる職員の方にございます。特に管理部門においてそういうことがないのかどうか。その点はどうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 庶務、経理、人事といった共通管理部門につきまして、三つに分かれております場合よりも統合いたした場合に合理化と申しますか効率化ができるということは、否定し得ないところだと存ずるわけでございまして、その部門の人員の縮小は考えておる次第でございます。しかしながら、その人員の縮小がその人たちの人員整理ということにつながるわけではございませんで、そういうことは考えておらぬわけでございます。そういう方たちをセンターの中等で新しい職種へ配置転換するという考え方で、総体としては先ほど申し上げましたようなことで六名増加になっておりますので、合理的な人員配置にいたしていきたいと考えておりまして、人員整理をするという考え方は持っておりません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 たとえば守衛さんなどを安易に下請化してしまうとか、現業部門である給食などの下請化ということで現在の職員が首を切られてしまうのじゃないか、こういう不安があるわけですが、その点はどうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 いわゆるビルのメンテナンスと申しますかビル管理部門、それから警備、こういった面についての民間委託ということは考えておりますが、その他の部門は現在考えておりません。調理部門等はやはりみずから実施をすることが適当だと思っております。重ねて申し上げますが、民間委託を考えておるのはその範囲でございますけれども、そういった関係で現在の職員の方について、これを整理するというような考え方は全く持っておりません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 新設の国立リハビリテーションセンターですが、管理部門における人の配置として、こういうリハというものの現場を余り御存じない方が天下り的に責任職におつきになって管理部門を強化される、こういうことになりますと、専門家が理解をしていただけない、伸び伸びと育たないということもあるわけです。こういう点の人事の配置について、ただ管理を強化すればいいのだからということで、余り現場を知らない、リハに理解のない方を天下りみたいな形で配置するということは避けていただきたいと思うのですが、その点はどうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 御趣旨を体して考えていきたいと考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 それから、所沢への移転によって通勤が困難になる方が出てくると思うのです。そういう場合にえてして起きることは、優秀な人材が逃げてしまう、移った後機能が前よりも非常に落ちるというようなことも心配されておるわけですが、そういう点から考えてみて、宿舎とかそういうことに対しての対策は十分にできておるのですか、どうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 すでに敷地の中に職員用の宿舎といたしまして四十四戸分、それから独身者用の宿舎といたしまして八戸の整備を終わっておるわけでございます。なお、人によりまして個別個別の事情があるわけでございますが、たとえば西武新宿線の沿線に住んでおられるような方はそのままでよろしいかと思いますし、非常に遠い方につきましては考えなければならぬと思うわけでございます。すでに持っておりますそういった五十二戸分の宿舎と同時に、厚生省全体といたしまして東京都並びに近郊に多数の宿舎があるわけでございますが、その宿舎交換等も効率的に検討いたしまして、不便のないようにできるだけ努力をいたしてまいりたいと考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 所沢へ移転する前の現在地では、職員の方は俸給支給額の八%の調整手当を受けているわけですね。ところが所沢は無級地のため、三年間は規定によって現給を保障する、しかしそれ以後は調整手当をカットしてしまうということのようでございますが、給与で生活している場合、その給与というものは、これが手当であっても、もう一つの生活を支える基盤になってしまっている。したがって、ちょっと東京から所沢へ行ったから急に物価が安くなってというものではなくて、かなりその辺をやはり考えて、ぜひ三年経過後もやってほしいという強い要望もございますが、この点はどうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 御指摘のとおりに、現在所沢市は、人事院規則で定める調整手当の支給対象地域になっておらないわけでございます。私どもといたしましては、所沢市は、物価、生計費等の関係から見ましても、近隣の八王子市や立川市、田無市等とそう大きな格差はないんじゃないかと考えますので、級地指定について、今後とも私どもとしてはできるだけの努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。  ただ、お話にもございましたように、一応三年間の異動保障というのがございます。さしあたっては三年間は問題ないわけでございますけれども、しかし、その間に新任者が参りますと、新任者の方との格差が生ずるというような問題等も生じかねないわけでございます。  私どもといたしましては、当面暫定的に官署指定を受けるというようなことについてもあわせて検討していきたいということで、できるだけの努力をいたしたいと考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 本年七月に移転を開始するというお話ですが、関係者からこういう声が出ております。病院の完成が五十五年春なのですから、そのときに移転して完璧な診療機能を果たすべきではないのか。第二点としましては、新施設内宿舎に入居する職員の子弟の転園——幼稚園を変わることです。あるいは学校、小中学校という問題も抱えていますので、できれば年度末を選んでいただくことが一番適切ではないのか。あるいは国立リハとして一番近い駅の構内の車いすの施設や点字案内板の整備等が全くできていない。あるいは、目の不自由な人たちのためのリーディングサービスやかなタイプによる家族への郵便発送をしてくれるボランティア活動の組織化というのですか、こういうものは地域に御理解をいただいて、時間をかけないとできないんじゃないのか。ただ施設や機械が動けば、職員が動けばリハとしての力を発揮するということではなくて、やはりこういう国立のリハセンターをつくるわけですから、その地域全体にそういう御理解をいただきながら、そういうボランティアの組織化などもして、従来と変わりない形で移行できることが一番望ましいと思うのですね。こういう点がまだ十分な環境づくりができていないんじゃないのか。それから、障害者が新しい環境になれるにはかなり時間がかかる、したがって、年度途中で移しますと諸訓練がまた重複してしまう、そういう点を考えて、五十五年の春以降に延ばしてもいいのではないのかという御意見もございますが、この点はどうですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 その点につきましては、私ども十分検討をいたしまして、私どもの方の考え方といたしましては、やはり七月に開所をいたしまして、七月半ばから八月いっぱいの夏休み期間、この間に移転をするのが最もよろしいという判断に立っておるわけでございます。年度末三月という時期になりますと、まさにその時期に卒業生は卒業して試験を受けなければならぬという重要な時期になるわけでございますけれども、やはり一月ころからは、すでに新しく迎える入所者の問題でありますとか、いろんな事務が錯綜いたします。そういう時期に移転をするということでは、非常に春休みも短うございますし、かえって障害者が多いんじゃないかというふうに考えるわけでございます。基本的にはそう考えておるわけでございます。  しかしながら、この移転につきまして幾つかの不安というものをお持ちになっておられることはよく私ども承知をいたしております。それらの整備につきまして、条件を整えるということにつきましては、私ども全力を挙げて解決に努力いたしているところでございまして、現段階におきましてそう支障のない状態になし得るという見込みも持っておるところでございます。交通安全対策の問題につきましても同様に考えておるわけでございますので、私どもといたしましては、そのように考えておる次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 いま申し上げたような不安が強くあるということを十分御認識の上で御努力をいただきたいというふうに思います。  以上で設置法についての質問は終わりまして、次に、厚生省所管の産業廃棄物の問題についてお伺いをしたいと思います。  現在、産業廃棄物問題、特に最終処分場の確保ということが非常に重要な問題になっております。昨年の厚生白書でもその指摘がございます。「廃棄物の有効利用の促進や中間処理技術の開発を図っても、なお、最終処分の必要な廃棄物は相当の量に上ると見込まれている。」が、一方、廃棄物の適正処理を図るための最終処分場の確保が非常に困難になってきておる、こういう認識を厚生省も白書の中で指摘をしているわけです。私も昨年の予算委員会の分科会で同じ問題を指摘いたしましたが、この最終処分場の確保ということに関連いたしまして、まずこの実態把握ですね、産廃が大体いまどのくらい、最終処分場に持っていかなければならない量がどのくらいあって、今後どういうことになるのかというこの推計、これをしっかり把握いたしませんと対策の立てようがないんじゃないかと思うのです。  それから、厚生省も細かい数字まではまだ詰めておられないかもしれませんが、最終処分場確保が非常に困難な状況にあるということはよく御承知だと思うのですね。この最終処分場確保の対策について基本的にどういうお考えを持っておられるのか、本当はこれは大臣にお伺いしたがったのですが、お答えいただきたいと思います。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘の最終処分地の問題でございますが、いわゆる産業廃棄物全体の排出量といいますのは、過去におきまして、私どもの調査によりますと、年間三億二千万トンと言われておるわけでございますが、現在私ども鋭意その内容の詰めを行っているところでございまして、ここから排出される、最終的に処分しなければならない量はおおよそ全国で年間約一億立方メートル程度ではないかというように考えているわけでございます。現在、もちろん全国に相当な最終処分地が設けられているわけでございます。なお、その余裕等も若干ございますけれども、必ずしも先行き楽観を許されない、むしろ非常に緊迫しているとも言うべき状況でございます。私どもといたしましては、産業廃棄物の適正な処理を図るというためからは、この最終処分地の確保というのが、御指摘のように全く不可欠の問題であるというように認識しておりますので、種々の方策をもちましてこの確保を図っていきたい、このように考えておる次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 その具体的な対策をお伺いしたいのですけれども、順次質問を申し上げたいと思います。  いまも御答弁にございましたけれども、全国の産業廃棄物排出量、年間三億二千万ドン、厚生省ではこういうふうに発表しているのですが、通産省では四億四千七百四十万トン。厚生省と通産省で違いがあるのですね。もちろん、何をもって産業廃棄物とするかという、この基準が違えば当然この数え方は違ってくるのだろうと思うのですが、なお通産省では、推計として昭和六十年には七億四千万トンに上ると、そういう推計を出しておられるようです。この通産省の発表と厚生省の発表が格差があるという問題、これについてどういうお考えなのか。それからもう一つは、昭和六十年に通産省では七億四千万トンに、かなり倍増するわけですが、この数について厚生省もほぼそのとおりだろうという予測を持っておられるのかどうか、その辺はどうですか。

石原公道厚生省環境衛生局水道環境部参事官

○石原説明員 通産省の調べておられます数字は、ただいま申し上げましたような形で出ておりまして、私どもの調査の数字と違っております。向こうの方との違いと申しますのは、一つは調査自身の把握の仕方の違いでございます。御承知のように、私どもは都道府県を通じまして、都道府県がそれぞれの圏域内における広域的な処理のための計画をつくるために、いろいろな企業等を通じて都道府県ベースで把握したものを集計いたしておるという形でございますが、通産省の方におかれて御調査になっておられますものは、主として企業規模一定以上のものをサンプリングというような形で押さえながら、メーカーの方から、企業の方から直接数字をおとりになっているというようなことが主たる違いでございまして、両省、そういう点で少し数字が違っているわけでございます。  先生がおっしゃいますように、確かに石油危機を契機にいたしまして、産廃物自身少し鈍化しているという情勢はございますものの、これからの経済成長に伴いまして、産業廃棄物自身は、量的には今後とも伸びていくということについてはおっしゃるとおりであろうというふうに、両省とも考えておるということでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 やはり産業廃棄物の問題というのは、産業活動につれて必然的に出てくるものです。しかも、筆舌に尽くしがたい最終処分地の確保の困難性というのを東京都も神奈川県も抱えておるわけですよ。したがって、厚生省と通産省の発表する実態把握がばらばらであるという印象を与えているようでは、行政の不一致となり、非常にまずいんじゃないかと思うのですね。どうも実態認識に基づいて生まれてくる対策に相違が生まれやしないか。そういう点で、厚生省と通産省で話し合いをすれば、ある程度統一的なデータというものが生まれると思いますし、統一的なデータを中心にして国の政策を考えた方が、行政としてはより対応しやすいはずです。その辺のところはどうですか。このままばらばらでいきますか、ある程度話し合ってきちんとさしていきますか、どうですか。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 ただいまの数字の違いの理由と申しますか、事情につきましては御説明申し上げたとおりでございますが、具体的に個々の違う内容につきまして明確にいたしまして、先生の御指摘のような御趣旨に沿えるように、私ども、通産省とよく話し合って検討いたしたいと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 実態把握が不明確だという点に関連して申し上げますと、自治体でやっているやり方にかなりまちまちなところがあるのですね。たとえば廃棄物処理法の十八条に、事業者あるいは廃棄物処理業者から報告を徴収できるということになっておるのです。しかし、自治体によって報告の徴収がまちまちです。東京都の場合は全く放置状態、神奈川県は一年に一回、川崎市は六カ月に一回、横浜市は毎月といったふうにです。その辺はある程度チェックして、東京都みたいに全く放置状態ということでは困るわけですから、回数が多少違うのはやむを得ないにしても、やはり国として統一的に全体の数字を把握するということが必要だと思いますが、どうですか。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 実態調査をいたします場合には、私どもといたしましては時点を切りまして、全国一斉に調査をいたすわけでございまして、その際の調査の方法等も統一的にやりませんと、先生御指摘のように、各府県のやり方によりまして違えば、得られるデータもおのずから異なってくるということで、私どもとしても統一的な調査を心がけておるわけでございまして、先ほど申しました三億二千万トンという数字につきまして、さらに内容を洗い直すという作業を現在いたしておるところでございます。御指摘の御趣旨に沿いましていたしたいと思っております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 この最終処分地の確保がいかに緊急の課題であるかということを、神奈川県と東京都を例にとって申し上げたいと思うのです。  御承知だと思いますが、神奈川県の場合ですと、昭和四十九年度の調査では、月間産廃排出総量は六百六十八万トン、これが昭和五十五年度には、これも月ですが、九百八万トンと予想されております。この一カ月に出てくる九百八万トンから、一カ月に四百四十四万トン、要処分の廃棄物が出てくる。この四百四十四万トンのうち、自己処分、処理業者委託、市町村処分の三百四万トンを除いても、百三十六万トンの、処分能力を超えた廃棄物が出てくるという予測が立っているわけです。それが、年間にいたしまして約千六百三十二万トン、これは行き場のない産廃が発生するという深刻な事態が予想されております。  東京都の場合ですと、昭和五十年度の産廃処理状況を見てみますと、排出量が一カ月に約七百二十万トン、ここから中間処理、自己処分、公共処分の合計三百八十二万トンを除いても、民間の埋め立て処分場に行く量は一カ月三百三十八万トン。五十五年には、排出量が八百八十二万トンから、民間の埋め立て処分場へ行くのは四百六十八万トンになる。これに対して、都内の民間最終処分場は四カ所で、月間に約十万トンから十五万トン程度しか受け入れられない。あるいは都営の中央防波堤外側埋立処分地は、年間六十万トンということで始めたんですが、実際は、昨年九カ月間で二万トンしか受け入れてない。これは料金が高いんで、みんな都営をきらって民間の方へ行ってしまったという経緯もあるようですが、要するに東京都の産業廃棄物は、ほとんどそのまま他県へ流れてしまう。こういう実態が東京都にもあるわけです。こうしたことについては、厚生省は十分御承知だと思いますが、確認の意味でお聞きしたいんですが、どうですか、御承知ですか。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 御指摘のように、いわゆる産業廃棄物の最終処分が、相当の距離にわたりまして、つまり他府県へもこれが運搬されまして処理、処分されるというケースが多数ございます。廃棄物の種類、量等、さまざまな点がございまして、そこらが一般廃棄物との大きな相違点であろうかと思うわけでございます。特に、大都市圏等、土地が高密度に利用されている地域におきましては、いわゆる最終処分地を内陸といいますか、市の行政区域内あるいは府県の行政区域内に求めることが困難だというような事情もありますし、先生御指摘のようにコストの問題もございますので、そういう意味で、各府県にわたって行き来するというような実態がありますこと、私ども十分承知いたしているつもりでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 要するに東京とか、特に神奈川県、川崎市はコンビナートがありまして、産廃がすごく出るわけですが、内陸部で海岸の埋め立てができないということで、最終処分場がないということで実際問題困っているわけです。全国的な産廃の悪い弊害が、神奈川県の場合集約的に出ているわけです。したがって、この最終処分地の確保を国が本気でやりませんと、今後違反がたくさん出てくるんじゃないかと思いますよ。  というのは、警察庁の調べですと、産業廃棄物に関する違反の件数がウナギ登りにふえているんですね。昭和四十九年で千八百十九件ですが、昭和五十三年では四千五百九十六件、不法投棄も昭和四十九年千四百九十七件が昭和五十三年では三千三百八十七件。これは結局最終処分地がないから、こういう違反という問題が起きておるわけです。昨年環境庁が発表した「地方環境情勢の現況」という中でも幾つかのそういう悪質な不法投棄事件が起きていることを指摘していますね。兵庫県の西宮市水源池付近のPCBを含む廃棄物の不法投棄あるいは茨城県の明野町砂利採取跡地への無認可の業者の大量不法投棄、京都府山間地に二十万トンの鉱倖不法投棄事件、こういう事件が後を絶たないわけですね。もちろん廃棄物の処理法を緩めろとかそんなことを言っているわけではありません。こうした実態に照らしても、最終処分場の確保ということは、これは国がかなりリーダーシップを握ってやらないと、もう民間に任せておいてもお手上げ状態だし、地方自治体もお手上げ状態だしということなのですよ。厚生省がもうちょっと、もうちょっとではなくて、もっとかなり本気に取り組まないと、違反件数をふやすだけの結果に終わってしまうのではないかと思うのですが、厚生省はそうした最終処分地の確保について具体的にどんなお考えをお持ちですか。

山崎拓自由民主党厚生政務次官

○山崎(拓)政府委員 ただいま御質問がありました最終処分場の確保の問題でございますが、まず一つは首都圏、近畿圏等、最終処分場の確保が特に困難となっております大都市圏域につきましては、地域を一体といたしまして広域的に問題を解決すべき時期を迎えております。このように複数の県にまたがる問題の解決には、国が関与した形で地方公共団体の合意形成が必要となるところでございます。そこで手順といたしましては、国において予備調査を実施いたしますとともに、関係地方公共団体との協議体制のもとに基本的構想をまとめていく必要があると考えております。このような考えのもとに、昭和五十三年度におきましては、広域最終処分場計画調査費として五千万円を計上いたしまして、関係地方公共団体の構成する廃棄物対策協議会の協力を得ながら、首都圏及び近畿圏について基本的構想策定のための調査を実施いたしておるところでございます。また、昭和五十四年度におきましては二億円の調査費を計上いたしておりまして、首都圏及び近畿圏につきましては、五十三年度の調査を受けましてこれをさらに一歩前進させたいと考えておりますし、また新たに中部圏におきましても、広域処分予備調査に着手することにいたしておるところでございます。  もう一点は、最終処分場に対する援助措置の問題でございますが、最終処分場の確保は産業廃棄物の適正処理を図るため不可欠なものでございますが、事業者処理責任の原則から申しまして、本来事業者及び処理事業者がみずから行うべきものでございますけれども、最終処分地確保を促進しますため、従来より国におきましては、公害防止事業団等の政府関係金融機関による長期低利の公的資金の融通制度を設けまして、その整備に対しまして援助を行っておりますほか、地方公共団体におきます最終処分地のあっせんに努めておるところでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 厚生省にフェニックス計画があるわけですけれども、推進母体としての廃棄物処理公団設置のため予算要求十二億七千万、今年度は二億円の調査費が現実には計上されたのみで終わったわけですね。計画そのものに理解を得られない甘さがあるのかどうか、果たして五十四年度に基本計画の策定ができるのかどうか。実際に工事がスタートして完成まで、また開業をいつごろの目標としておられるのか、このフェニックス計画は。自治体関係者のお話ですと、これは十年かかってもできるかできないかわからないのじゃないかというくらい絶望的な声も聞かれるわけですが、この辺厚生省はどういうお考えですか。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 五十四年度予算案におきましてフェニックス計画絡みで二億円の予算を計上いたしたいということでお願いいたしているわけでございますが、五十三年度におきましては、構想段階ということで特に関係の地方公共団体との、廃棄物の排出量あるいは海面埋め立てする場合の埋め立て必要量その他、輸送手段その他いろいろな構想を固めたわけでありまして、五十四年度におきまして、さらにそれを一歩突っ込んでぜひとも基本計画策定までいたしたいというつもりでございます。  御指摘のように、そう簡単なものではないぞという御指摘はまことにごもっともでございまして、先ほども御説明申しましたように、一番の問題はやはり地方公共団体間の合意形成ということがいかにスムーズに行われるかという点にかかっているのではないかと私ども考えております。     〔委員長退席、竹中委員長代理着席〕 したがいまして、できるだけ地方公共団体の意見をくみ上げながら、私どもとして、国といたしてできますことは御援助いたしたいということで進めているわけでございます。計画といたしましては、できるだけ早く埋立処分地のスペースをつくりたいということで、五十七、八年度に最初の搬入ができるようにいたしたいということをめどといたしまして、検討を進めている次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 いまの状況で本当にできますか。本気でやっていただきたいと思うのですね。そういう、国も何となくもたもたしている、それから自治体の方も財政的な負担が重くて最終処分場の確保は手を出しかねているという状況の中で、民間にほとんどこれもしわ寄せしているという状況があるわけです。たとえば産廃処理業者許可件数で見ましても、最終処分地を持っておるのは、二万二百三十五件のうち千二百四十三件、全体で六・二%にすぎない。それから産廃の処理施設の設置状況を見ますと、全国で七百九十四カ所のうち、公共が十三カ所、処理業者が三百七十カ所、したがって民間にほとんど依存している。依存という言葉が妥当かどうかですけれども、民間が主体をなしているということは言えると思うのです。もちろん、この汚染者負担の原則という立場から考えれば、公共関与ということが必ずしも絶対的に国に義務づけられておるとは思いませんけれども、それは当然PPPの原則で産廃を処理しなければならないわけですが、しかし現状としてはPPPの原則は踏まえるにしても、これはただ民間任せにしておいたのではどうにもならないという実態があるわけですね。  そういう中で厚生省として地方自治体の合意を図ってまいりますとか、いろいろおっしゃるのですが、その問題についても後で触れますけれども、民間の最終処分場に対して厚生省は今後どういう位置づけを持っておられるのか。国は進まない。県も市も進まない。民間の方へどうしても行ってしまう。経過措置としては、当分民間がかなり主流をなして最終処分を行っていくという状況があるわけです。したがって、もうちょっと何か行政的に手助けをしてあげるとか、そういう位置づけが必要だと思いますが、その点はどうですか。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 いわゆる民間というお話でございますけれども、産業廃棄物の処理、処分といいますものは、申し上げるまでもなく事業者にお願いするというたてまえになっているわけでございますけれども、実際問題といたしましては、特に最終処分場の確保というようなものは非常に困難な問題が出てきているということは御指摘のとおりだと思います。したがいまして、私どもといたしましては、これらに対して可能な限り、市町村段階あるいは都道府県段階、国段階等におきまして、いわゆる公共関与という形でこれをより円滑に確保が図れるかということを検討しなければならないわけでございます。  特に最終処分場の問題につきましては、そういう計画の立て方とかあるいは場所の選定、あるいはそういう際においてどういうことに配慮しなければならないか、そういうような技術的な情報と申しますか、当面、国といたしましては、そういう技術的な援助の面にまず全力を挙げているわけでございます。そして、さらにその財政面等につきましては、御承知のようにいわゆる公害防止事業団等の融資制度、そういったものを活用していきたい、そういうこと。さらには、都道府県段階での第三セクター、公社制度、そういうようなものの結成を進めながら、特に中小企業等あるいは個人経営企業等、そういうところの産業廃棄物の最終処分場というようなものにつきましての確保に努めていきたい、そういうことを考えて進めていきたいと思っている次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 何か伺っていてなまぬるいですね。  これは、産業廃棄物はPPPの原則があるのだから事業者に任せてしまえばいいのだ、国はもう関係ないのだ、こういうことにはならないのでしょう。捨てるところがありませんと、今度は不法投棄が行われます。水源池近くにPCBの入った廃棄物が捨てられてしまう。結局それはまた国に、行政に戻ってくるわけですよ。だから、ただPPPの原則があって、これは汚染者負担の原則ですから、事業者がやっていればいいのですなんという、そんな考えではこれはもうだめだということをもっと認識していただきたいのです。しかもPPPの原則、もちろん商売でやって、いま資本主義の世の中ですから、ある利益を目標にして会社なり何なりが生産活動を行って、これは当然もうけをねらってやっていることですから、出たものは御自分で処理してもらわなければ困るわけです。これを今度は税金で片づけてというのでは商売の方がまるもうけということになるわけですから、当然汚染者負担の原則でいいのですけれども、ただ、だからといって汚染者負担の原則だけで放置すれば、これはまた最終処分場がないということで、そういう不法投棄が起きたり、いろいろな行政的にまた対応しなければならない問題が出ているわけでしょう。ですから、この辺の考え方なんですよ。大企業はある程度自己の資金能力がありますから、最終処分場をみずからの力で確保するということはできます。しかし、中小零細企業は産廃を、自分で最終処分地まで確保するという力は持っていないわけです。だから、何も税金で全部めんどう見ろということを言っているわけではない。当然それなりの負担はしてもらわなければ困る。しかし、一人の力でできなかったら何人かの力でできるようにしてあげるということが、これは一つの解決になると思うのです。そういう考え方でお聞きしているわけでして、ですから、厚生省としては公共関与の必要性はお認めになるのでしょう。まず簡単に、どうですか。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 もちろん先生のおっしゃる意味で、たとえば中小企業等におきまして必要に応じ公共関与することが必要だというように思っておりますし、そういう立場から指導いたしております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 公共関与の必要性はお認めになる、しかし当分国も、フェニックス計画は御承知のような状況で、どうなるかまだ見通しが定かでない。県や市もこれは赤字になるのでこわいということで触れたがらない、そうなるとどうしても民間の人たちにしわ寄せがいかざるを得ない、民間でも大手の企業はかなり資金的な手当てを持っていていいのですけれども、中小企業につきましては、汚染者負担の原則はわかるけれども、おまえだけの力でやれと言われても困る、用地の確保だって自分ではできない、あるいはこの用地をたとえ確保し得たとしても、近隣の住民に対するいろいろな手当ての問題があって、とてもできない。そこに何らかの行政的な対応が望まれているわけです。  特に産廃業者ですが、自分が生産活動をやって出す方じゃなくて、出されたものを処理する産廃業者に対しての厚生省としての考え方なんですけれども、そういう公共関与を急がなければならないということ、それから公共関与がなかなかそううまくいかないという状況におきましては、これは廃棄物を出している方じゃありませんよ、廃棄物を処理している民間の処理業者に対して、もう少し行政的な補完措置というものを、後でお伺いしますが、公害防止事業団の資金とかなんとかという、そんなものでは足らないんですよ。もうちょっと本気になって用地の確保やらいろいろなことをやってあげませんとどうにもならない状況にあるわけですが、その辺のお考えはどうですか。いま公共関与をただ急ぎますということだけで済ませてしまうのか。国も県も市も公共関与がおくれているんですよ。それで民間の産廃処理業者が非常に困っているわけですよ。したがって、この産廃処理業者に対して、何らかの助成措置を行政的にとってあげる、これがいま望まれているのではないかと思うのですが、その点はどうですか。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 先ほど来私も公共関与すべき部分があるということで、具体的に全国で約十五県にわたるわけでございますが、特に中小企業等、自力で処理が困難である、あるいは最終処分場の確保が困難であるという場合に、その廃棄物の処理を援助するため、あるいは地元の産業を育成するという目的で、地方公共団体に対し、私どもといたしましても必要に応じ公共関与を行うよう指導しているわけでございます。  それで地方公共団体レベルでできない部分、たとえば大都市圏等におきましては国レベルでひとつ取り組みたい、そのあらわれと申しますか、その一つとしまして、先ほど次官から御説明申し上げましたフェニックス計画等も進めているわけでございます。私どもとしては、都道府県内で可能な、広域的なそういう廃棄物処理の最終処分場の確保、処理事業推進等をさらに一層進めていきたい、そういう形が当面直ちにできることであり、それに力を注ぎたいというように考えている次第でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 具体的に入っていきますけれども、たとえば神奈川県の民間最終処分場の現況を調べてみたのですが、県下全体では六一%もう処分場が埋まってしまった、あと三九%しかスペースとしては残っていませんと言う。しかも、これは県の中央とか横浜、川崎市になりますと、七割−九割方埋め立てがもう進んでしまっているという状況なんです。したがって、処理業者の意見としては、もうあと一、二年で満杯になってしまう。それで非常に危機感を持っているわけですよ、それが埋まってしまった後どこへ持っていくのだという。  昨年一年間の実態を県下で調べてみましても、埋め立てが完了した処分場が十カ所、これに対して新設は五カ所、半分しか補完されていないという、こういう状況があるわけです。しかも、これはほかの都道府県でも同じだと思いますが、東京や神奈川県の場合、特に産業廃棄物が多いわけですけれども、処分場の適地が非常に少なくなってきたということですね。それから県の全域が非常に過密であるということ、海岸埋め立てによる処分の余地が非常に乏しいということですね。それから内陸部に持っていきますと、地元住民の拒否傾向が非常に強い。法定ではないけれども、付近住民の承諾書をとらなければならないし、あるいは隣接地主の承諾書をいただかなければならない。こういうことがあるわけです。  それから処分地の経営者の立場で考えますと、国はできる限りのことはやっているということなんですが、国がもうちょっと本気にならないとどうにもならないんじゃないかという問題点が幾つかあるようです。たとえば処分地の経営者の意見ですと、一つは、処分場の建設用地取得に莫大な資金を要する。それから県や市の開発指導がいま有効たり得ない。なぜかならば都市計画法、森林法、農地法、砂防法、自然公園法など関連の法規が多岐にわたっていて、一たび許可を得ようとしますと、土木部、水道局、開発部、農地委員会などたらい回しされる。しかも、事前審査願を提出して下手すると二、三年かかってしまう、こういう状況があるわけです。市町村の意見、県や市の意見を聞きますと、やはり最終処分場確保のためにはいろいろな国の法律が多岐にわたっていて、たらい回しにされてどうにもならないという問題がありますので、産廃のための新しい法改正か立法措置が必要じゃないのか、こういう意見も強く出ております。この点についてもどういうようにお考えになっておられるのか。  あるいは地元住民の反対が非常に強いということ、これは環境庁でも御承知だと思うのです。新潟県のスラッジ処理会社が三条市内で進めている最終処分地の確保の問題では、市民の反対運動が起きて、市議会でも反対を決議しているという。あるいは香川県の土庄町の業者が豊島に計画しておる産廃の処理場に対しては、住民が健康被害と海水汚濁を理由にして建設差しとめ訴訟を起こしてきておる。あるいは福井県の勝山市の業者が建設している埋立処分地に対しては、隣接の住民は生活用水に影響があるということで反対している。こういう住民との問題があるわけです。さらに、今度は五十二年三月の法改正によって、最終処分場の建設地が以前にも増して五割から七割方お金がかかるようになった、いろんな規制が強まった。主な建設費用の増加の要因としては、遮水工事によるシート張りを以前は不要だったのですが、今回は義務づけられた。外への目隠しのためのへいの建設、これは基準が強化された。堰堤の強化、ボーリングによる地質、水質の検査義務、これは以前要らなかったのが五十二年三月から必要になる。あるいは水処理施設の基準強化、遮水工事と水処理施設の基準強化だけでも建設費が約二五%アップしておる。要するに、公共関与は一方において必要だ、だけれどもなかなかうまくいかない。民間業者が四苦八苦して、いま悪戦苦闘しているわけですよ。ところが、こういう法律はどんどん規制が強まるので、お金がどんどんかかる方向へ法律が厳しくされていく、こういう状況があるわけです。それに加えて、たとえばいまの法律で要求されてない問題だけ見ましても、付近の地元住民対策のために、ある処理業者は排水下水路に約一億円かけているわけです、排水下水路、地域住民の賛成を得るために。下水道と別道路に約一・二億円かけた業者もいるし、排水路に約六千万かけた方もいらっしゃるし、川の改修工事まで言われて二、三億の金を出している業者もいるわけです。最終処分地を確保するということがいかに大変なことかということ、よく御承知だと思うのです。国の方は、フェニックス計画は一向に進まない。県や市は、先ほど都営の例で申し上げましたように、料金が高くて、実際捨てる業者がきらって都営には持っていかない。民間の方が安いからというので、民間に持っていってしまう。したがって、どうしてもいま民間の処理業者にしわ寄せが来ているという状況なんです。  この民間処理業者に対して、たとえばこういういろいろなお金がかかるわけですから、PPPの原則を踏まえながら排出者に対する適正な負担を一方では要請しながら、一方ではその処理に悪戦苦闘している中小の産廃業者に対しては、私は当然税制上かあるいは資金面か、厚生省としてもそういう行政的な面で助成措置をしてあげようという強い認識と自覚、決意がないと、これはどうにもならないんじゃないかと思うのです。国としてはなかなか進みません。で、民間にお任せです。民間は悪戦苦闘しているが、助けてもあげません、こういうことでは困ると思うんですが、この点についてどうですか。いまの対策じゃ手ぬるくてどうにもならないんですよ。もっと本気でやっていただきたいと思うのです。

石原公道厚生省環境衛生局水道環境部参事官

○石原説明員 民間の収集、運搬あるいは最終処分と、一貫した産業廃棄物の処理の流れにおきまして、確かにおっしゃいますように、企業責任を実際に果たすための最終処分場の整備、そのための民間企業者の努力あるいは最終処分関係業者の努力というのが、現実に非常にむずかしい状況にあるということは、まさしく先生の御指摘のとおりであろうかと存じます。  そういうもののためには、私どもといたしましては、いろいろな問題点がただいまお話しのようにございますけれども、一番中心はやはり地域関係住民の理解と協力を得るということが次第にいまなかなかむずかしくなってきておるという実態、そこがポイントであるわけでございます。国といたしましても、そういった面で具体的に、そういう最終処分場の民間業者がそういうものをつくりたいというときの指導に当たっております都道府県あるいは政令市、そういったところにできるだけ円滑な形で地域住民の理解が得られるように、直接そういう業者をいろいろな意味で指導助言をしながら、そういうものがまとまっていくようにという努力もわれわれの方でやっておるわけでございます。具体的にはどういう形で実際問題としてシステム的に地域の調和のとれた形での最終処分場建設計画というものがマニュアル的に可能かといった研究面を通じての指導等々をやっておるわけでございます。  そのほかにも財政面と申しますか、融資面あるいは税制面で具体的にある程度の助成をもっと推進すべきではないかというお尋ねであろうと思いますが、現在そういったものにつきましては、中小企業金融公庫等々既存の中で対応しておりますほか、特に税制面につきましては、いわば最終処分場の中で一番金のかかります擁壁、腰堤、こういったものにつきましては、減価償却の関係について実態に応じられるような努力をし、さらには最終処分場の中の排水処理施設等につきましては、特別償却あるいは固定資産税の非課税といったふうな措置も一応講じておるところでございます。  そういう形を通じまして、総合的にわれわれとしては実際に地域住民の理解が得られる形でのそういう構造設備を伴った形の最終処分場の整備ということの推進に当たっていきたい、かように考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 国の法律が重なっているという点は、ちょっと後で御答弁いただきたいのです。  具体的にお伺いしますが、処分場確保ということで、国や自治体が持っている公有地を開放してほしいという声がありますが、厚生省としては、林野庁等に働きかけてそういう土地がないかどうか、あればこれを提供していくというようなお考えはありませんか、どうですか。簡単にひとつ……。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 都市の清掃事業に、区部サイドからもそのような国有地の開放といいますか、あっせんという要望が出ております。私ども常に申し上げておりますことは、具体的にどこの場所でというお話をぜひ固めていただきたい、そういうことがありますれば、私どもも関係省庁と十分お話ししたいということを行っておりまして、今後もそういうことでは積極的に取り組んでいきたいと思っております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 処分地の持つマイナスイメージをカバーするという意味で、処分地が、処分が満杯になって終わったとき、跡地の利用ということですね。たとえばそこを公園にするとか、処分が終わった跡は地域の方々に公園としてのメリットが出てくるのだという形で地域の住民の方の賛成を得るとか、こうなりますと、この処分地の跡に公園をつくると言ってもお金がなくてはできないことですが、そういう形でまた国が何らかの手助けをしていかなければこれはできないわけです。県や市がやっている場合はある程度いいとしても、民間でやって、民間がその処分地を後で公園にしますなんて言ったって、とてもお金がないわけですから、こういうことなんかも厚生省で考えて、財政的な裏づけを持った援助をしてあげるというような考えはありませんか、どうですか。

国川建二厚生省環境衛生局水道環境部長

○国川政府委員 跡地利用、まことに大変大切な問題でございまして、住民の御協力を得るために、できるだけそういう意向をくんで地域の方々の便益になる目的に沿えるようにいたしたいということでございまして、私どもも、個々のケースで異なってくると思いますけれども、公園であれ、緑地であれ、あるいはその他の福利厚生施設面等であれ、そういうものがございますれば、もちろんそれに対しまして積極的に取り組んで、それができますように努力していきたいと思っております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 御答弁のたびに地方自治体等の協力とか合意とか地域住民の御理解、御協力ということをおっしゃるのですけれども、地方自治体の窓口が、いろいろな国の法律があるために、実際に処理業者が行って、さっきも申し上げましたように、事前審査願の書類一つ取るのに二、三年かかっちゃうとか、そういう県、市の窓口が有効たり得ない、国の法律がばらばらになっておりますから。そういう点で、国は本気で県、市の合意を得ようというお考えなら、もうちょっと国の法律を何とか直すということを考えるべきだと私は思うし、こういう跡地を公園にするなんということば積極的に取り組んでいくべきだと思うのです。  産業廃棄物処理問題懇談会、これは厚生大臣の私的諮問機関でありますが、ここでもいろいろないい提案がされているわけです。もうちょっと前向きに厚生省は受け入れてやっていただきたいと思うのですが、大臣がお見えになりましたからお伺いしたいのですが、公害防止事業団の組織及び業務について改革の上、国レベルの産業廃棄物に関する政策的助成措置の中枢的機関として活用すべきである、こういう意見が寄せられておりますが、この点について厚生省、環境庁、どうお考えか。

鶴岡詳晁環境庁企画調整局調査官

○鶴岡説明員 お答えいたします。  公害防止事業団においては、五十一年度に産業廃棄物処理課を設置する等行いまして、産業廃棄物処理施設に対する融資等に積極的に取り組んでおるところでございます。また、所要の融資等の枠も確保しているところであります。環境庁としても、産業廃棄物処理問題は、環境保全上重要な課題と考えており、関係省庁とも連絡をとりつつ、今後とも公害防止事業団の産業廃棄物関係業務を積極的に推進してまいりたいと考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 大臣、どうです。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 市川さんの御指摘の方向は、基本的に私どもも同感のできる部分がたくさんございます。ですが、いままさに委員長が指名をされましたのが環境庁の方を先に指名されましたとおり、公害防止事業団の主管官庁は環境庁でありまして、私どもとしては、環境庁に御相談をかげながら、できるだけ公害防止事業団の資金活用、またその事業の活用によって、先ほどから提起をされているような問題にこたえる努力をしていきたい、そのように思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 さっき環境庁の方がお答えになっていたけれども、そうじゃないのですよ。公害防止事業団の組織及び業務を改革して、産業廃棄物に関する政策的助成措置の中枢的機関として活用すべきであるという意見が厚生省大臣の諮問機関から出ているが、そういうお考えはないかどうかということを聞いたわけです。  それから同事業団で行う建設譲渡業務、たとえば自動車修理の騒音が住民から苦情が出ているというと、自動車修理工場を一カ所に集めてあげて住宅地から離したところにつくってあげてそこへ入れるとか、建設譲渡業務をおやりになっているようですが、これを埋立処分地に対しても対象を拡大する、こういうお考えはないかどうか。どうですか、環境庁。

鶴岡詳晁環境庁企画調整局調査官

○鶴岡説明員 お答えいたします。  ただいまの点につきましては、まだ検討中でございまして、お答えすることはできません。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 ぜひそういう方向でお願いしたいと思うのです。  それからあと、いま産業廃棄物関係資金が公害防止事業団で云々というお話がございましたけれども、産業廃棄物は公害防止の一環という後ろ向きの考え方じゃ困るのです。もちろん公害防止という側面もありますよ。あるけれども、これは産業活動の結果として必然的に生まれてくるものですから、この処分地がないということは単なる公害という面だけではない。これは住民に対しても生活環境という問題もございますし、産業活動が低下するという問題もございますし、単なる公害防止という狭い枠の中に入れないでいただいて、産廃というものを独立させて、たとえば別枠で資金を扱うというような積極的なお考えはありませんか。環境庁、これはどうですか。

鶴岡詳晁環境庁企画調整局調査官

○鶴岡説明員 お答えいたします。  先生の御趣旨を踏まえまして、今後とも関係省庁と連絡をとりつつ、先生の御趣旨に沿うように検討してまいりたいと思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 厚生省はどうですか。そういう形で環境庁に働きかけようというお考えや御意思はございませんか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 環境庁側から協議をすると言っていただいたのでありますから、私ども喜んで協議をしていきたいと思います。  ただ、同時に、いままさに市川さんが御指摘になったとおり、産業廃棄物というのは、その企業の活動の結果として必ず出てくるものでありますから、本来やはりその企業者が処分をするという基本の原則というものは貫いていかなければならぬものだと私は考えております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 大臣はいらっしゃらなかったからやむを得ないのですけれども、それはそのとおりなんですよ。そのとおりなんですが、事業者が処理できないでいろいろな問題が起きているわけですから、これはやはり行政がやらなければならぬということを先ほど口を酸っぱくして力説したのですが、大臣は予算委員会で、やむを得ないと思うのです。  そこでお伺いするのですが、法律の規制はどんどん厳しくなる。先ほど申し上げましたように、いろいろな対策で最終処分場の建設に費用がかかる方向へどんどん行ってしまう。それでいま非常に困っているわけです。そういう意味から、金融や税制上の援助措置を、先ほども何か減価償却のことをおっしゃっておりましたが、これをもっと国が産廃業者に対してやるべきではないかというように考えるのです。  いままでの話を整理しまして、確かに汚染者負担の原則ですから、企業活動の結果として起きるわけですから、出した人が処理するというのは当然なんです。ところが、出した人というのは大きい人と小さい人がいまして、大きな企業は資金力やその他である程度できる。中小企業はできない。できないから、廃棄物に対する処理の負担をしなくてもいいという意味ではありません。処理に関する費用は当然適正な負担をいただかなければならない。逆に今度は処分地の確保については、これは出している人がやっているわけではなくて、中小の産廃業者がやっているわけです。さっき申し上げたようないろいろな理由から、処分地の確保が非常に困難だ。これはやはりPPPの原則ではあるけれども、公共関与が必要だ。その公共関与が国の方はどうもまだ調査費がついた段階で足踏みをしている。県や市は手を出したのだけれども、料金が高くなって、持ってくる方はきらって民間の方へ行ってしまう。民間の方は中小の方が一生懸命悪戦苦闘してやっているけれども、用地の確保や住民対策で非常にお金がかかって困っている。したがって廃棄物を出した業者に対しては、もちろんこれは大企業であるとか中小企業であるということを問わず、処理にかかる費用の適正負担ということは当然ですよ。しかし、処理だけを業としている産廃業者がいるわけでして、しかも中小企業で資金力がないという形で悪戦苦闘をしている、公共関与はなかなか進まない、こういう状況の中にありまして、金融とか税制面で最終処分地の建設がしやすい方向にやってあげる。もしその分お金がかかるんだったら、それは何らかの形で出す方の方からいただくという形で考えたってできるはずだと思うのですが、そういう中小の産廃業者が悪戦している現況に対して、金融あるいは税制面からもっと本腰を入れた援助の手を差し伸べていただきたいということを申し上げているわけですが、この点について厚生省は大蔵省に積極的に働きかけていくというお考えや決意があるのかないのか、大蔵省にはそういう御理解があるのかないのか、これをお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 先ほどから御指摘がありますように、現在最終処分地の問題についての最大の隘路が用地であること、これはもうそのとおりでありまして、むしろ税制上の問題というものは必ずしも大きな阻害要因では私はないと思います。ただ、しかし税制上の取り扱いについては、事業者また処理業者が最終処分場を建設する際に障害になることがないような配慮だけはこれはしなければならぬと思います。そうした観点から見まして、いまの御指摘のような考え方も踏まえながら、最終処分場の実態に沿った税制上の取り扱いを確保するように今後関係方面と話し合ってまいりたい、そのように思います。

水野勝大蔵省主税局税制第一課長

○水野説明員 公害防止施設につきましては、先ほど厚生省の方から御説明がございましたように、特別償却でございますとか耐用年数につきましての実態に即した運用でございますとか、そういった面で配慮をいたしておるところでございます。特別償却につきましても、通常のものの中では一番特別償却率の高い、優遇度の高い三分の一という特別償却を適用いたしておるわけでございます。こういったいろんな措置につきましてさらに拡大したりということにつきましては、当面の非常に厳しい財政事情の中でございますので、なかなかむずかしい事情にあるということもまた御理解を賜りたいと思うわけでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 たとえば最終処分場にかかわる構築物の法定耐用年数は、処分場使用期間の実態に即した年数に短縮してほしいという、こういう要望があるわけです。たとえばコンクリート槽とか擁壁、堰堤等の構築物の現行法定耐用年数は十五年から二十年、しかし処分場の実際の営業年数はほぼ平均で三年から五年という実態との食い違いがあるわけです。こういう点について耐用年数を短縮してほしい。  それから、最終処分場の跡地造成及び排水処理施設の運用管理に要する費用の積み立て準備金について税法上の特例措置を講じてほしい。処分業者は、処分地の持つマイナスイメージを補うために、環境対策、住民対策として排水処理施設の設置、運用管理、跡地の緑化、公園化等のために資金を要する、こういうものに対する税制上の措置をしてもらいたい、こういうことなんです。  いま大臣がおっしゃっておりましたが、ちょっと勘違いしておられるようですが、廃棄物を出す方には大企業、中小企業あるわけですよ。これはもちろんPPPの原則で出す方が処理しなければならないのですよ。ただ、大企業は自分で最終処分地を確保できる方が多いわけです。中小企業は確保できないわけですよ。できないから、何も処分地の分を国や県や市がめんどう見てやれということを言っているわけではないのです。当然、商売でやっているのですから、廃棄物の処理にかかる費用は、自分たちは処分地はつくれないにしても、この人たちが負担しなければいけないということは言っているわけです。ただ、出す人と処理する人が同じ人じゃない。出されたものを処理する方はそれだけで独立して産廃業者がいてやっているわけだ。しかも中小の産廃業者は悪戦苦闘して用地の確保をやったり、いま申し上げたようなことをやっているわけです。これに対して、こっちからお金を取るなという意味じゃないのです。産業廃棄物が出てきた、これの処理にお金が必要であるということであれば、当然汚染業者からある程度お金をいただくという、公平な負担をしてもらわなければ困る。同時に、その処理で悪戦苦闘している方に対して——国や自治体でさえも用地の確保が困難なんですから、そういう中で一介の中小企業者が用地を何とか確保して最終処分地をつくっているわけです。これに対して税制、金融上の応援をして育成をしてあげるべきではないのかということを申し上げている。勘違いしないでいただきたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 勘違いをしておるつもりはありません。ですから、私は先ほどの答弁で事業者及び処理業者と申し上げております。処理業者という言葉も申し上げております。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 いま申し上げた耐用年数の短縮の問題やあるいはこうした住民対策のためにかかる排水処理であるとか緑化であるとか公園化の資金に対する税制上の措置ということを御検討いただく考えは全くございませんか、どうですか。大蔵省の方に御答弁いただきたいのと、厚生省としてもそういう実情を御理解、御認識をして大蔵省に働きかけをなさっていただきたいと思うのですが、どうですか。

石原公道厚生省環境衛生局水道環境部参事官

○石原説明員 税制上の問題といたしまして、最終処分地に直接かかわりますものは、まず土地、これはごみを捨てて最後にでき上がるものでございますが、土地、それから擁壁、堰堤と申す部分、それから排水処理施設、この辺が中心的な関係諸施設でございます。これらにつきましては、現在、法人税法上は、それに要した経費、特に擁壁、堰堤につきましては、それに要した経費を経費上算入いたいたします際の減価償却期間の短縮については実情に応じまして個別に短縮できるような形で処理をいたしております。また、排水の関係の処理設備につきましては、特別償却制度を認めて法人税法上対応しておる、それから地方税の固定資産税の関係については全く非課税にいたしておるといったふうな、基本的なところにつきましては、税制上対応がすでに終わっておるのではないかとわれわれとしても考えておるわけでございます。しかし、ただいま先生御指摘がございましたような要望が関係業者の団体の方にあることはわれわれとしても十分了知いたしておりまして、その辺につきましては、われわれと業者でよく相談し合いながら、必要なものについて逐次法制化ということについて主税当局の方にお願いしてまいっておるというのが過去の動きでもございますし、今後とも必要によってそういうことで進めてまいりたい、かように考えております。

水野勝大蔵省主税局税制第一課長

○水野説明員 堰堤などの耐用年数の短縮につきましては、ただいま厚生省の方からお話のございましたように、実際に使われる年数が法定耐用年数よりも短いということでございましたらば、具体的に国税局長の承認によりましてこれを短縮する制度もございますので、御活用をいただければと思うわけでございます。  それから、各種の将来の費用に充てるために準備金等を新設するということにつきましては、こういった新しい準備金を設けますことは、現在の税制事情、財政事情からいたしまして大変むずかしい事情にあるということを御理解賜りたいと思うわけでございます。  それから、いろんな特別の支出に充てるためにお金をお出しになるという場合に、一定の場合におきましては、特定の基金に対する支出金の損金扱いといったような制度もございますが、こういったものがどの程度活用できるか、これらにつきましては、なお私ども勉強はいたしたいと思っておるわけでございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 時間がなくなりました。大臣にぜひ御理解とまた決意をお伺いしたいのですが、現在公共関与による産廃処理業というものは十四都道府県、十市で行われていますけれども、実際問題経営状況も実情も必ずしもうまくいってないというような状況でございます。よく御承知だと思う。国の方も調査費がついてフェニックス計画もまだそんなに緒についたという感じはない。実際に都道府県もやっているところは十四カ所で非常に少ない。しかもそれは必ずしもうまくいってないという状況。したがって新規にやろうというお考えの自治体が非常に少ないということですね。足踏みをしている。したがって、この産廃の最終処分地という問題は、いやおうなく民間の中小を含めた業者の手にゆだねられる可能性が非常に強い。したがって、財政事情があることは十分承知しておりますが、やはり最終処分地は必要なわけですから、PPPの原則で出す方にある程度負担をいただくという考え方に立てば、これは財政事情どうこうではなくて、出してもらったものをこっちに出すということでやっていけると思うのですね。そういう見地で、中小の零細企業で最終処分地の確保に悪戦苦闘しておられる業者に対する金融、税制上の措置というものを厚生大臣としてもぜひ御理解をいただいて、働きかけをしていただきたいということが一つと、それから、国がもっといろいろな点でリーダーシップを握ってやっていかないと、最終処分場というのは確保できないということははっきりしているわけですから、国のリーダーシップを強く望みたいと思いますが、その点について大臣から御答弁をいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 公共関与の例を私も自分の郷里で持っておりまして、その能力程度についてもよく存じておるつもりであります。まだそういう意味では今後改善の余地のある行政の一つでありますから、私どもとしても、きょうの御意見等も踏まえながら今後努力をしてまいりたい、そのように思います。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 最後に、地元の問題で恐縮なんですが、いまの産業廃棄物の問題は以上で終わります。  川崎市は人口百七万の政令指定都市になっているんですが、ここに社会保険事務所が一つしかないということで、住民からもう一カ所つくってほしいという要望をわれわれは非常に強く聞いているわけです。政令指定都市で一カ所というのは川崎市だけ。地理的条件を見ましても、川崎市は御承知のようにウナギの寝床と言われているように、細長い、ちょうど南部の外れの方にいま一カ所あるんですが、北部の方は通うのに非常に不便している。しかも北部は人口急増地区で、被保険者、保険給付受給者が全体の六割から七割いる、こういう状況がございます。年金時代の到来と言われておる今日におきまして、事務の対応が非常に現在困難に陥っている状況です。職員が八十八名でも間に合わないので、アルバイトを十二名使っている、あるいは年金の相談者は、相談員一人が一日五十人から七十人の相談相手としてさばかなければならない、電話は九本あるがいつも鳴りっ放し、こういう状況の中で、県会も市会も一致して、みんな請願書を国の方に出していると思います。これは私個人ということよりも、神奈川県選出のほとんどの国会議員が超党派でお願いをしている問題だろうと思いますが、私だけの質問に答えて、つくります、つくれませんということは恐らく申し上げられないだろうと思いますので、ぜひとも、今回三カ所の予算がついたようですから、今回は川崎に一カ所設置していただきたいということを強く要望を申し上げたいと思います。要望ということで、一言簡単に御答弁をいただきたいと思います。

今泉昭雄社会保険庁長官官房参事官

○今泉説明員 社会保険事務所の新設につきましては、国民サービスの向上という見地から大規模事務所を中心に逐次分割、増設に努めているところでございます。ただいまありましたように、昭和五十四年度予算におきまして三カ所の新設が予定されておりますが、現在新設を希望しております数多くの県、約三十カ所くらい希望がございますので、その中から管内の面積、被保険者数などを勘案いたしまして、優先度の高いものから順次設立するという方針で決定いたしたいと考えておりますが、現在慎重に検討している段階でございます。

市川雄一公明党・国民会議

○市川委員 以上で質問を終わります。  ありがとうございました。

竹中修一自由民主党

○竹中委員長代理 栂野泰二君。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 今度の設置法の一部改正で国立光明寮設置法が廃止になる、こういうことでございますが、この光明寮設置法の四条には「国立光明寮に寮長を置く。」「寮長は、厚生教官又は厚生事務官のうちから、厚生大臣がこれを命ずる。」「寮長は、厚生大臣の指揮監督を受け寮務を掌理する。」こういうことになっておりますが、これが今度の新しい条文には入ってこないまま廃止になるわけですね。これはどういうわけですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 御指摘のとおり、今回、光明寮設置法は厚生省設置法の方に吸収をいたすということになるわけでございます。ただいま御指摘のございました第四条の規定等は、厚生省設置法に基づく厚生省令で同趣旨の規定を定めることを予定いたしておるわけでございますが、これは厚生省設置法の中にがんセンターでございますとか循環器病センターという同種の附属機関がございますが、これすべて設置法に基づく厚生省令で定めておりますので、私どもといたしましても同趣旨の規定を厚生省令に設けるという考え方でおるわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 今度、視力センターのうち東京の方が所沢の新しいセンターに移るわけですが、全国に視力センターはいま五つございますね。この視力障害センターの歴代所長の中で厚生教官出身と厚生事務官出身の比率をあらかじめ調べておいていただくように言ってありますが、どうなっていますか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 お答え申し上げます。  東京視力障害センターにおきましては、延べ六名中厚生教官一、厚生事務官五、それから塩原視力障害センターにおきましては、延べ八名中教官二、事務官六、それから神戸視力障害センターにおきましては、延べ七名中教官一、事務官六、それから函館視力障害センターにおきましては、延べ五名、全部事務官でございます。それから福岡につきましては、延べ四名、全部事務官でございますが、うち一名は、事務官のうちの民生専門職という経験者でございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 この種の施設は、事務官出身でも熱心な方もおられるし、こういうことに専門的な勉強をしておられる方もあることは否定しませんけれども、やはり事務官ではなくて教官出身の方が本当はこの寮長、つまり所長ですが、そういう立場でやられることが最も望ましいと思うのです。  私、この間この東京の視力センターに参りましたが、入所者の方もこの辺に大変不満があるわけですね。この光明寮設置法には、事務官または教官から所長を任命できるということがわざわざうたってあるわけですね。今回これがなくなるというのは、現状がこういうふうに事務官出身が圧倒的に多い、その現状を肯定するといいますか、そういう考えが強くあるのじゃないかと思うが、その点いかがですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 先ほど申し上げましたように、そういう意図で省令に落としたわけではございませんで、厚生省令の中では現行法と同趣旨の規定を設けたいと考えておる次第でございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 今度のセンターは一番偉い人は総長という名前だそうですが、この方はお医者さんのようですね。そう聞いておるのですけれども、各部以上のトップについては、大体どういう構成になさるおつもりですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 まだそうした人選等について決定をいたしていない段階でありまして、むしろ設置法そのものの御審議を願い、これが成立をいたしました後、私どもとしてはそうした人選をいたしたいと思っております。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 大臣、いずれにしましても、入所している人たちが望んでいるように、やはり教官出身がそういう責任者になられるということが一番好ましいことだと私は思うのですね。そういう方向で今後の人事をやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 先ほど社会局長から光明寮関係でお答えいたしましたが、たとえば身体障害センターは歴代四名とも厚生技官の出身者でありますし、聴力言語障害センターは歴代三名いずれも厚生技官であります。ですから、私どもとしては、こうした分野のお仕事に対してまず第一に知識を持つと同時に、情熱を燃やしていただける最もふさわしいと思う方々の中から、事務官とか技官とかいうことにこだわりなく最善の人選をいたしたい、そのように思います。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 最初に私申し上げましたように、事務官だからといって、知識の豊富な方、熱心な方がおられることは私は十分承知しておりますが、しかし、これは客観的に判断されますから、そういう意味ではやはり教官出身の方を重用するといいますか、そういうふうに努めていただきたいと思います。  それから、私朝からの質疑を聞いておりませんので、少しダブるかもしれませんが、お許しいただきたいと思いますけれども、今度の身障センターは地方自治体あるいは民間でやっている同種の施設に対するモデルにするんだ、こういうことのようですが、何か四本柱という基本構想もあるようですけれども、そういうことを踏まえまして、そういう地方自治体あるいは民間のその種施設に対する今度の所沢の身障センターの位置づけというのはどういうふうにお考えですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 ただいま先生いみじくも申されましたように、このセンターにおきましては総合的なリハビリテーションの実施と同時に、技術の研究開発、それから専門職員の養成、研修、それから情報、資料の収集、整理、伝達というようなことを使命として考えておるわけでございます。もちろん、この場におきましてりっぱなリハビリが行われること自体を目的としますと同時に、御指摘ございましたように地方施設、民間施設等の御相談にも応じ、それの指導的な役割りを持つというような性格も付与いたしまして、おくれておりますわが国のリハビリテーションを推進していきます一つの核にいたしたい、そういう考え方でおる次第でございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 研究開発、それから職員養成、情報収集、この三つについては今度の身障センターが全国的なセンターとしての役割りを果たすということで、これで十分だと思いますが、問題は実施部門のリハビリテーションですが、これが全国で所沢にただ一カ所ということになるわけですね。  そこで、私この間調査に参りましてお見受けするところ、軽度の障害者の方が多いように思うのですね。問題は、重度の障害者で、なおかつこのリハビリテーションを実施することによって社会復帰が可能な方が相当おられると思うのです。ところが、こういう方たちは地方自治体なりあるいは民間のその種施設ではなかなかむずかしい、世話し切れないという実情があるように思うのです。ですから、むしろそういう重度の人を国立のセンターに、今度できたところに入れてあげることも必要だろうと思うし、また各県ごとというわけにはいかぬでしょうが、少なくとも各地方ごとぐらいにこの所沢と同じようなセンター、国立のものを持つ必要がありはしないかと私は感じたのですが、そういう方針というか展望はお持ちですか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 視力障害者の理療教育部門、これにつきましては、先生御承知のとおりにあんま師、はり師、きゅう師という三療の養成施設という要素も兼ね備えているわけでございます。したがいまして、これにつきましては、やはり一定の学歴ということもございます。それから、そのあんま、はり、きゅうという三療を習得するに足る健康状態等が必要になるというような要素はございます。ただそのほかに、肢体不自由関係、聾唖関係、五十五年度からは内部障害者関係、視力障害者につきましても生活訓練課程等も設けていきたい、かように考えておるわけでございまして、この施設全体につきましては、軽度、重度を問わず、広く全国的に対象として考えていきたいということを考えておりまして、重度であるからこれを排除するという考え方は持っておりません。ただ、やはり共同生活を営んでいただくわけでございますので、たとえば伝染性の疾病がありますとか、あるいはそういう状態にあるような方等でありますとか、それから全くリハビリの可能性がないという方につきましては、このセンターではなくて、別途、たとえば身体障害者の療護施設とか、それにふさわしい施設等もございますので、そういうところを御紹介申し上げるというようなことに相なっていくかと思うわけでございます。  それから、各地方ごとにかかる種類の施設を考えているかという点の御質問でございますが、現段階におきましては、私どもといたしましては、この所沢にできます国の中心としてのセンター、これの充実に全力を挙げたいという考え方を持っておりまして、その計画を持っておらない実情でございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 軽度と重度は特に区別しないというお答えですけれども、現状は軽度の人が多いですね。今度内部・重複障害者百名が五十五年度から入所するということのようですが、実際に地方自治体なりあるいは民間でも、重度の方を世話するのがなかなかむずかしいという実情もあるのでしょう。どうしても軽度の方というふうになりがちだというふうに私はこの間聞いてきたのですが、ひとつ意識的に重度の方にウエートを置く、または、もしそういういろんな技術的な問題その他でそういう重度の方を多くするということができなければ、重度の方の別途のこの種の施設をつくる、そういうことは十分お考え願いたいと思います。  それから今度入所される予定者四百八十名、これの男女別はどうなっていますか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 今度の所沢のセンターにつきましては、当面収容予定人員四百八十名、五十五年度から五百八十名ということを決めまして、それに必要な居室を準備いたしておるところでございますが、その男女別ということをあらかじめ決めるということはいたしておりません。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 女の方の入所予定者はあるのでしょう。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 当然あると存じます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 現在の視力センター、それから聴力、身障センター、ここで大変私は女の方が少ないと思ったのですけれども、現在の三つの比率はわかりますか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 現在の三つの施設のうち国立身体障害センター、肢体不自由者のセンターでございますが、六十九名中女子が二十七名でございます。約四〇%ということでございます。それから国立聴力言語障害センター、四十四名中二十名が女子でございます。約四五・五%という状態でございます。これに対しまして、東京視力障害センター、これは二百十名中三十一名、一四・八%が女子という状態になっておりますが、身障センター、聾唖センターに比べまして、視力障害センターの女子の割合はやや低くなっておる次第でございますけれども、これは視力障害センターに入所いたします方が、大体子供のときからずっと視力の障害のあられる方は盲学校においでになる方が多うございまして、こちらの方はいわば中途失明者の方、それも特に家計の中心者であられますような男子の方で中途失明になられた方があんま、はり、きょう、マッサージという三療の資格を取りたいということでお入りになるというケースが多うございますという事情がございまして、そういった事情が比較的に女子の場合ば薄いというようなこともございまして、そういったことの反映だろうというふうに考えているわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 この身障センターでもう少し伺いたいことがあるのですが、ほかの質問もございますし、後ほど副長官お見えになるようですから、その際に時間があればお聞きしたいと思います。  スモンの問題でお伺いしたいのですけれども、この二月の二十二日に御承知のように広島地方裁判所の判決がございましたが、原告の全面勝訴であります。金沢、東京、福岡、広島、こう判決が続いたわけで、この原告勝訴というのはもう裁判所関係では定着したと見ていいんだろうと思います。因果関係の問題ではキノホルム原因説、これはもう動かしがたいと思われます。きょうの新聞を見ますと、いままでキノホルム原因説というのはほぼ定着していましたけれども、そのキノホルムがスモンを発生させるメカニズムについては未解明だったのが、キノホルムと金属の結合による過酸化脂質というのが犯人のようだ、こういう研究ができて、何かきょうその発表があるようでございますが、そうなってきますと、ますますキノホルム説というのは確定的になってくると私は考えます。責任問題についても、企業はもちろんでございますが、国も国家賠償責任を負うという、これも固まっていると思われる。それから損害額も、細かく計算すれば東京地裁の水準が一番高いようですけれども、大体同水準ということで固まったように思います。  そこで、まだ二十ばかりほかの裁判所で裁判が行われているわけですが、厚生大臣は、いま出ました四つの裁判所の判決の傾向から見て、ほぼ裁判所の判決傾向は固まった、こう考えておられますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 今後における裁判所の判決というものがどういうものになるか、むしろ私どもは厚生省として国の立場、被告の座にあるわけでありますから、それをいまからどうこうと申し上げることは私は決して適当ではないと思います。ですから、その点についての意見はお許しをいただきたい。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 常識的に見て、もうこうした判決の傾向は動かしがたいということになろうかと思いますが、特に今度の広島の地方裁判所の判決は仮執行が三分の二ついたという、これは裁判実例から言えば大変異例であります。私は、裁判所がそういう異例な仮執行宣言をつけたということは、司法の側がいまだ全面解決できない状況にある企業の責任あるいは国の責任、怠慢さというものに対していら立ちを持っている、怒りを持っているというあらわれだろうというふうに考えております。きのうは、御承知のように水俣病に関する刑事判決がございましたが、当時の社長と工場長、これが被告人になって有罪判決が出ております。この裁判も時効の起算点の問題、あるいは胎児に対して傷害罪が成立するかという、法律的にはいろいろむずかしい問題があったにもかかわらず、裁判所がかなり思い切った積極的な論理を展開したわけであります。やはりこの裏には熊本の地方裁判所もこの水俣病事件に対するチッソあるいは国の対応が非常になまぬるい、そういう考え方が背後にあって、いろいろむずかしい法律論についてあえて積極的な見解を持ち出して有罪判決をした、私はこう思っております。  特にこの判決の中には、やはり監督官庁である通産省が厚生省と連携して適切な行政指導をやっていたら被告人たちもあんなに安易な態度はとらなかっただろうという指摘があるわけであります。この水俣病の刑事事件の判決については患者の皆さん、大変冷たい目で見ていたのですね。検察側がもっと早く起訴すれば免訴などということはなかったはずですね。むずかしい問題も起きなかった、いまさらでもないだろう、こういうことだったと思うのです。だから検察側に対しても非常な不信がある。通産それから厚生省、そういう国側に対しても大変な不信感を生んだ。それで司法がこういう判決態度に出たということについて、厚生大臣はどういうお考えをお持ちですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 私自身、昨日の新聞報道、また本日の新聞報道等を通じて内容を承知しただけでありますが、直接これについて感想を申し述べますのは、政府の立場から言えば、あるいは環境庁長官か通産大臣の御担当ではないかと思います。ただ、私個人としては、いろいろな意味で大変関心を持って判決理由等を拝見したということは申し上げて差し支えないだろうと思います。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 なかなか微妙な言い回しをなさいますが、こういう判決を大臣としては本当に率直に認めていただきたいと私は思っているのです。  スモンについては、広島地裁の判決が出たその日に社会労働委員会でわが党の大原亨委員が質疑に立って、スモン問題が論議されました。私もその議事録を読ませていただきましたから、それを前提に質問をいたします。この中で厚生大臣は、スモン問題については一括解決、包括的な解決の時期が来た、こういうことを言っておられる。きのうの本会議でも全面一括解決の時期が来た、こういうことでございましたが、その全面一括解決ということの具体的内容がはっきりしない。どういうやり方でおやりになろうとしているのか、その辺を御説明願いたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 昨日の本会議でも申し上げたわけですが、私にとりましても、広島地裁における今回の判決というものはそれだけの重みを持った判決として受けとめております。それを踏まえて、スモン訴訟というものについての完全な一括全面解決を図りたいと考えておりますが、従来そうしたところに政府がなかなか踏み切っていけなかった一つの問題点としては、私は田辺製薬の問題があったろうと思います。しかし、田辺製薬におきましても、その原因についての論争とは別に、患者救済という一点については政府の方針に同調するということを明確にしておられますし、また経営者がかわられましたけれども、新しい社長さんも同じ方針を貫いておられると承っております。  もう一つの問題点は、投薬証明のない患者の方々にどう対応するかということでありましたが、可部和解の延長線上の問題の一つとして現在東京地裁にその方針についてのお尋ねをいたしているわけでありまして、そう遠くないうちにお答えがいただけるだろうと私は考えております。  そうなりますと、もう一つの残っております問題として、従来から患者の方々から強い御主張のありましたいわゆる恒久対策についての問題、こうした問題が残ってくるわけでありますけれども、そうした状態を踏まえましても、すでに千名を相当程度上回る和解というものが成立をし、その路線がある程度定着をしてきつつあると判断できる状況の中でありますだけに、これからその話し合いの枠組みづくり、これがまず最初に手がけなければならないことではないだろうか。先般の社会労働委員会の際におきましても、ぜひ国会としての御協力もお願い申し上げたいということを申し上げた次第であります。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 いまこのスモン問題は大変複雑な状況になっていまして、訴訟している人もいるし、していない人もいる。訴訟している人も幾つかのグループに分かれている、こういう状況がございます。その中で、いま大臣がおっしゃるように、解決の問題としては三つあろうかと思うのです。恒久対策の問題それから投薬証明のない人をどうするのか、それから田辺の問題、こういうことだろうと思うのです。この中で恒久対策については、いろいろ問題はあるようですけれども、とにかく誠意を持って話せばおのずから解決できるだろう、こう思います。そこで残るのは投薬証明のない人の問題と田辺製薬の問題二つにしぼられてくる。  そこでまず、投薬証明のない人についてどうするかという点で伺いますが、厚生省は東京地方裁判所にこの問題についての見解を求めている、こういうことであります。それも大体三月か四月ぐらいに出してもらうのだ、こういうことですね。なぜ厚生省自身が投薬証明のない人についてどうするのだという方針をお出しにならないで裁判所にその見解を求めているのか、そこら辺をお聞きしたい。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 お答え申し上げます。  現在まで政府が努力をいたしてまいりました和解は、東京地裁民事三十四部の勧告につきまして政府がこれを受諾するという形で進行したものでございます。事柄の性質が和解でございますので、裁判所の積極的なそのような御勧告に沿いまして物事を解決していくという姿勢は崩せないというふうに考えております。そこで当然、可部和解を進めてまいります際にどうしても出てくる問題が、先ほど大臣からお話のありました投薬証明書のない方々の取り扱いということでございまして、第一義的には裁判所の御判断、勧告というものを原告、被告双方が受けるということが風な解決の方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、田辺の和解参加の問題に現在全精力を傾注しておるわけでございますが、これが具体的に進行し次第、その状況も見まして、早い時期に裁判所の御判断をいただけるように精力的に裁判所との接触も行いたい、かように考えておるところでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 厚生省としてはどう考えるということは裁判所に申し入れてあるのですか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 私どもは、厚生省がこうしたいというようなことにつきましては、裁判所に対してあらかじめそれを厚生省側の条件というかっこうで申し入れることは差し控えております。したがって、裁判所の御判断を白紙の状態において承りたいということでございますが、もちろんある時期に厚生省側の意見を言えという御要求がございますれば、私なりの判断は申し上げたい、かように考えております。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 それでは、裁判所の最終判断が出れば、これには無条件に従う、こういうことでございますか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 先生御承知のように、裁判所の御勧告と申しますか、これは十分——もちろん原告の立場もあるわけでございまして、それからさらに相被告の問題もございます。したがいまして、裁判所として公式に御判断を示される前には、当然原告、被告双方の御意見を十分聴取されて妥当な結論をお出しいただけるものだろう、かように期待しているところでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 それから、三月か四月には出る見込みだということを社労では答弁になっていますね、これはどうなっていますか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 私どもの判断といたしましては、この問題の全面的解決のためのタイミングということから時期的に考えますれば、遅くとも四月ないしは五月というデッドラインを引いて物事を考えておるわけでございますが、いずれにせよ早いにこしたことはないというふうに考えております。  ただ、先ほど申し上げましたように、不幸にして田辺の社長が亡くなるという事件がございまして、田辺の和解参加の問題に対しまして、現在精力的な努力を傾注しておる段階でございますので、これのめどがつき次第、裁判所に対しましても一刻も早く御判断をお示しいただけるように働きかけたい、かように手順を考えておるということでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 田辺の問題は別にしまして、投薬証明のない者について、これは田辺問題と切り離してでも見解は出せるはずですから、とにかくこれを早く出してもらうようにやっていただきたい。  それから、社労の質疑を拝見しておりますと、厚生省としては東京地裁の和解、可部和解の線でいきたいのだ、こういうことのようですね。いま訴訟になっている原告数が四千七百二十名ですか、その中で東京が二千三百二ですから、五〇%は東京ですね。可部和解という方式で和解がその後どんどん進んでいるようです。私の調べたところでは、この三月十四日現在で千百六十七名になっていますね、大体全体の四分の一強というところです。裁判所も東京、岡山、高知、大阪と広がってきているから、いろいろ問題があるのでしょうけれども、患者側からいっても大体可部和解の線でいこうという傾向にあるように私は思います。  そこで、この田辺の問題ですが、先ほど大臣は、患者の救済策について、田辺は政府の方針に同調したい、こういうふうに言っているのだということですが、政府の方針というのは可部和解方式ですね。田辺はそういうふうに言っていますか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 これは先般の内閣改造の直前、首班交代の直前に小沢前厚生大臣と亡くなられました平林社長との間におきましてこの話し合いが行われたわけでございます。  要点を申せば、少なくとも可部和解の金銭的条件、経済的条件、それから可部和解におけるたとえば個別の因果関係問題につきましては、政府の救済方針に完全に同調するという点のお約束はいただいておるわけでございます。しかしながら、先ほど現大臣からも申されましたように、これは和解としてはきわめて異例なことでございますが、可部和解のいわゆる前文部分がございます。和解調書の前文部分に、いわゆる因果関係に関する部分あるいは責任に関する部分あるいは政府側の言葉で申せば反省、それから民間の企業の側で申しますと一種の謝罪的な表現の部分がございます。このような和解調書の前文部分については、田辺はのんでおらないことは事実でございます。  いずれにせよ、私どもといたしましてはこの問題を前向きに解決いたしますためには、まず第一に、前平林社長からお約束をいただきましたところの救済条件に関する問題についてのそれこそ細部についての具体的な詰めが必要である、それについて完全な合意に達しました後におきまして、いわゆる和解調書前文部分についての表現をいかに取り計らうかということについて、いわば第二の問題として原告の方々との間のお話し合いも進めたい、かように考えておるわけでございます。したがいまして、可部和解であるという言葉を使いました場合には、その金銭的、経済的条件については可部和解であるというふうに御理解をいただきたい、前文部分につきましては、なお折衝の事項が残っているというふうに御理解をいただきたい、かように考えております。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 それでは患者側の方が納得するはずがないじゃないですか、いままでの経過を見て。可部和解というのは、いまおっしゃる因果関係の問題、責任の問題、こういうものが全部含まれているところに可部和解の意味があるわけですよ。だから患者がその可部和解の線に沿って、各地方裁判所で和解が進んでいるという状況があるのです。金だけの問題で患者が納得するはずがないじゃないですか。  五十三年の十二月六日に、田辺製薬が「会社見解」というものを出していますね、御存じでしょうけれども。   去る十二月一日、新聞・テレビ等では、田辺製薬・平林社長が小沢厚生大臣に対し、「スモン患者の救済について、政府の方針に同調する」との態度表明を行なった旨の報道がなされましたが、その中で一部には、“政府の方針=可部和解方式”と受け取り、可部和解のテーブルのもとで、これが早々に具体化するかの如き報道がなされておりますが、この点、田辺製薬の所信が誤り伝えられておりますので、改めてここに田辺製薬の真意を疎明したく考えます。  一、田辺製薬が表明した「政府の方針に同調する」という意味は、あくまでも政府の案件である“患者救済”の方針に同調するというものであって、可部方式の“和解”に同調するというものではありません。    可部和解方式は、裁判所による仲裁判断的和解といわれているように、その前提は被告側に1キノホルム病因論と法的責任を認めさせ、2損害賠償金を支払わせ、3原告に謝罪させる−という確認事項を伴った、いわば判決的内容のもので、到底、真の和解といえるものではありません。この田辺の見解は今も同じです。  二、そもそも田辺製薬は「スモンの原因はキノホルム剤ではなく、ウイルスであるが、キノホルム説が宣伝されたために田辺のキノホルム剤すなわちエマホルムでスモンになったと信じ込んでいることに無理がない真のスモン患者が現実にいるので、これらの患者を経済的に救済したい」と考え、これを小沢厚生大臣の説得への回答としてきたが、原告の受け容れるところとはならなかったのです。    なぜこれが受け容れられなかったかを当社として考えてみると「田辺は経済的救済の対象者大幅に減少せしめ、同救済の金額を大幅に削減しようとしている」と受け取られたからではなかろうかと考えていました。そこへこの度、小沢厚生大臣から田辺はスモン患者救済の政府の方針を了とし、同調するよう強く要請されましたので、“最大の努力をもって同調する”と答えたのです。だから経済的救済策の具体的なものは、小沢厚生大臣の発表にある通り、こんご薬務局長殿と田辺製薬との間で煮詰められるわけです。だから今は具体的な案はなにも決まっていません。但し田辺製薬として、企業の健全な存立が阻害されないことを期待しています。  三、田辺製薬は、スモンの真実の究明、従って患者の真の救済と経済的救済とをこんごも田辺製薬の方針として、それに添った実践を続行いたします。 こうあるのです。政府の方針に同調するといったって、可部方式の和解に同調するものではありませんと言っている。可部方式というのは、キノホルム病因説と法的原因を認めさせる、損害賠償金を払わせる、原告に謝罪させる、この三つが真髄でしょう。だから患者側も納得したわけです。国もこの方針に従ってこの和解方式をのんだ。武田ものんだ、チバものんだのですよ。田辺だけがこれをのまないのですよ。この三つの問題を含めた可部和解方式に田辺が乗ってこなければ、これは国の方針に同調するなんと言ったって、和解は全く成立する見込みはないじゃないですか。  しかも二番目に、依然としてスモンの病因はキノホルム剤ではなくてウイルスだと言う。こういう考え方は堅持する、こう言っているわけですね。ただ、経済的救済だけは国に同調すると言う。それも今後は、中野さん、薬務局長殿と田辺製薬の間で経済的救済策だけは煮詰めると言う。だからいま具体的には何も決まっていません。しかも、ただし書きがついているのですね。「田辺製薬として、企業の健全な存立が阻害されないことを期待しています。」これは何のことはないですね、金だけは払いましょう、その金額は幾らにするか薬務局長と煮詰めようじゃ卸せんか、ただし、金を払うといっても企業の健全な存立が阻害されないことを期待しています、会社が痛くない程度に金を払います、そこのところを国が何とかめんどうを見てくれないか、こういう意味にしかこれはとれない。しかも、この会社の基本的な見解というのは今日も変わってない。三月六日の各紙に出ているが、大阪で新しい松原社長が、前社長時代と同じ、路線転換をしない、こういう発表をしておりますね。こういう田辺の態度で一体厚生省がおっしゃっている可部和解の線で一括解決ができますか、いかがですか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 先生の御指摘の問題は、一々ごもっともであるように考えます。現実の問題といたしまして、患者救済と申しましても、和解によって事を解決するという場合には、結局原告、被告双方の合意がなければいけないわけでございまして、その合意が一体いかなる点で成立するかという問題であろうかと存じます。したがいまして、私どもの手順といたしましては、まずその具体的な救済の経済的条件の問題を詰め、さらに原告、被告間において合意の得られるような、結局可部和解の前文に相当するようなものがいかなる姿のものであり得るのか、またそれでなければ成立しないというその限界点を見定めるということにわれわれの努力を注ぐつもりでございまして、先生の御指摘のような問題につきましては、十分われわれとしても留意をいたしております。ただし、これは原告、被告の間のいろいろな折衝、裁判所の御判断の問題もございますので、何と申しますか、現在の段階でオール・オア・ナッシングという物の言い方は避けて、できるだけこの話し合いが円満に進むようにわれわれとしても強力に努力をいたす、こういうことを申し上げておるわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 まず金の問題を詰めるというその厚生省の発想を変えてもらわぬとだめなんですよ。金の問題はどうにでも詰まるのですよ。その前文の問題ですよ。基本的な態度の問題です。ここのところで田辺を説得しなければ、これはとてもじゃないけれども、先に進みません。患者が何で納得しますか。それは薬務局長、あなたよくわかっておるじゃないですか。この期に及んでなぜ田辺だけが金だけは払いましょうと言い、しかも、あと一切、キノホルム原因説も認めなければ、したがって責任も認めない、謝罪もしないという態度をとるのか。私は田辺というのは、この企業は本当に許せないと思う。患者のことなんかもうどうでもよろしい、こういう態度です。薬が売れてもうかればよろしい、企業が安泰ならばよろしい、こういう態度です。こういう田辺こそまさしく悪徳企業の典型ですよ。こういう企業を一体どう思いますか、大臣。説得できますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 私どもとしては、誠意を持って説得に当たるということでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 とにかくキノホルムが原因だということは確定しているんじゃないですか。先ほど申し上げましたように、そのメカニズムまで解明されようとしておる段階ですよ。田辺ひとりががんばっている。そういう製薬企業、ただ、もうけ主義、だからこれはキノホルムだけではなくて、田辺の製品一切について国としては特別の監視が必要だ、こう私は思っていますが、その辺いかがですか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 私どもの姿勢といたしましては、もちろん田辺のみならず全製薬企業について、医薬品の有効性、安全性について厳しく監視をする必要があるというふうに考えておりまして、また、そのようにやってきているわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 私、けさほど資料要求をしまして、田辺製薬の昨年度の売り上げと、それから上位五品目のお答えがありました。昨年度は九百三十五億円売り上げていますね。上位五品目というのは、ペルサンチン、ヘルベッサー、アドナ、フルクォート、イノリン、こういう薬ですね。各品目についての売上高も調べてほしいと言ったのですが、国の統計では把握していない、こういう答弁でございます。これは田辺製薬に聞いてもらえなかったのですか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 上位五品目については、問い合わせに対しまして田辺の方からも返事があったわけでございますが、正確な売り上げということになりますと、これは企業内の問題でもございますので、私どもとして強制的にどうのこうのと言える性格のものではございません。大体の、たとえばペルサンチンなどの例をとりますと、月間の通常言われておる販売力からすると、年間七、八十億ではないかという程度の推定はもちろん可能でございますが、正確な売上高の問題につきましては、把握いたしておりません。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 私が調べたところでは、大体いま言いました順序なんですよ。第一位がペルサンチン、第二位がヘルベッサー、第三位がアドナです。ペルサンチンは第一位で、七、八十億ではなくて、半期で六十五億出ている。だから、年間だと大体百三十億ぐらい売れている薬ですね。大変売れている薬なんですよ。そこで、私もこの薬を実は買ってきたのです。ペルサンチンというのは、注射と錠剤と両方ありますね。これは百錠入りの錠剤ですよ。これは三千円です。大変高い薬ですね。大量に売っているところに行くと千八百九十円で買えるそうだけれども、これは三千円です。これは急性の心臓発作に効きますかと薬屋に聞いたら、大変よく効きます、こうそのお店屋さんは言っていましてね。これはどこでも一般に売っている薬ですね。  そこで、このペルサンチンですが、これもけさほどいただきました資料では、再評価が行われて、五十三年の三月二十四日、承認になっている。判定としては有用性が認められたという。それから、安全性、有効性で何か問題があったかという問いに対しては、特に問題になった事例はない、こういうお答えが返ってまいりました。  それで、この薬には能書が入っていますね。この能書を見ますと、「適応症」として「狭心症 冠硬化症 心筋硬塞(急性期を除く) うっ血性心不全」、こうなっています。これは健保適用薬ですね。これは「五十三年三月改訂」とありますから、恐らくいまの再評価以後に出たものだと思う。その前の能書を見ますと、多少記載の方法は違いますけれども大体同じ、こういうことになっているようであります。ですから、薬屋さんが言うように、これは狭心症も急性だろうと慢性だろうと何でも効きますよ、大変評判のいい薬ですよ、こういうことになるわけであります。いまの再評価の時点でこれは全く問題になったことはないという資料が返ってきましたが、これはそのとおりでよろしいですね。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 再評価におきますところの結論は先生のおっしゃるとおりでございます。  その再評価における判断内容等につきましては、私どもの審議官の方から御説明をさせます。

本橋信夫厚生省薬務局審議官

○本橋政府委員 ただいまのベルサンチンにつきましては、いわゆる通常の資料の提供を求めまして再評価をいたしたわけでございますが、主といたしまして安全性に関する資料といたしまして毒性試験、これは急性、亜急性、慢性、特殊毒性等の毒性の試験データ、それから副作用に関します臨床のデータ、それからまた有効性に関しましては薬事試験あるいは体内分布、それから臨床試験のデータというものを提出いたさせました。また、厚生省が独自に集めましたデータあるいは中央薬事審議会の再評価の調査会の先生方の御経験によります知見等によりまして再評価をいたしたわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 その結果何にも問題がないということなんでしょうが、私が疑問を持ったのは、有斐閣選書の中に「食品・薬品公害」という本が出ています。高橋晄正さんほか三名で書いておりますね。この中に「アメリカ医師会では“推薦しない”と書かれているもの 一種」と書いてあるから、それを見ますと「ペルサンチン」と書いてあるのですね。  そこで、アメリカ医師会が推薦しない薬というのはどういう薬なのかと思っていろいろ調べてみましたが、「AMAドラッグエバリュエーションズ」、アメリカ医師会の医薬品評価の第三版、これを見ますと、「ディピリディナモール」、これはペルサンチンのことですね。「ディピリディナモールは狭心症の患者の長期間の予防療法のために奨励されている強力な冠血管拡張剤である。二重盲検法による研究は、この薬の使用により心臓発作の回数や症度が」、ちょっと訳はあれでしょうが、「有意に減少することを証明していない。」これは余りいい訳じゃないかもしれませんよ。要するに効かないという意味なんでしょうね。「ディピリディナモールの副作用には、目まい、頭痛、失神、胃腸障害、発疹が含まれる。まれには狭心症の症状を悪化させると思われる。」こう書いてあります。この二重盲検法というのも、私は専門家に聞きましたけれども、恐らくこんな二重盲検法による検査などは、この薬についてはやってないと思う。しかも、この能書を見ますと、いろいろ実験の文献が挙げてありますけれども、十四のうちで動物実験が十二ですね、人による実験というのは二つしか記載してない、こういうことであります。とにかくアメリカ医師会ではこういうものは余り効かない、こういう評価を下しているのですね。  それから「フィジシャンズ・デスク・レファレンス」、PDRと普通言うのだそうですね、医者の机上便覧といいますか、これの一九七八年版、六百六十八ページにFDAのこの薬に対する評価が記載されています。これを見ますと、「適応症 米国科学アカデミー研究協議会のこの薬についての審査及びその他の情報にもとずき、FDAは、この薬の慢性狭心症に対する長期治療という適応症を、ポッシブリーエフェクティブと分類した。長期間の治療は心臓発作の回数を減少させ又は除去する可能性があるし、薬物耐性を改善する可能性があり、ニトログリセリンの必要性を減少させる可能性がある。この薬は急性狭心症発作を止めるために意図されたものではない。」ノットインテンデッド、要するに用いられないと言っていいんじゃないですか。急性狭心症発作をとめるためには用いられない。「有効性ありとはいえないとされた各適応性の最終的分類のためにはさらに研究が要求されている。」こう書かれております。  そこで、ポッシブリーエフェクティブとは、アメリカ医師会の薬の有効性に対する四つのランクがあるようでありますが、一がエフェクティブ、二がプロバブリーエフェクティブ、三がポッシブリーエフェクティブ、四は有効性の実質的な証拠に欠けるという、全くこれはだめなものですね。ですから、ポッシブリーエフェクティブというのは有効かもしれないという三ランク、こういうことなんですね。つまり慢性狭心症に対して長期的な治療、それがその程度の適応だけれども、しかしそれもポッシブリーエフェクティブ、大した有効じゃない、有効かもしれない程度。しかも、これは急性狭心症発作をとめるためには用いられない薬だ、こうなっておりますね。これは、田辺製薬がここに入れている能書とは全然違うのですね。急性だろうと慢性だろうと何でもいいのです、効くのですね。     〔竹中委員長代理退席、村田委員長代理着席〕 厚生省はいまの再評価をされたようだけれども、その結果は依然として同じような能書が出ているわけです。東大病院に聞いたら、あの薬は余り効かないのです、このごろは使わない、そういうことでしたけれども、しかし一般の開業医は、再評価がされてこういう能書が出ておれば、これは効くものだと思うのじゃないですか。まして一般の人も、薬屋へ行って買えばそう言うのですから、効くのだなと思う。これは急性の発作が出たときにも飲む、こういうことになるわけです。  そこでお聞きしますが、まず第一番に、私がいま言いましたPDRのこういう評価のあること、それからAMAの医薬品評価にこういう記載がある、こういうことは再評価の際に考慮に入れられましたか。

本橋信夫厚生省薬務局審議官

○本橋政府委員 お答えいたします。  ペルサンチンの再評価に当たりましては、ペルサンチンの二重盲検試験が約二十例提出をされておりまして、その中には御指摘のように有効でなかったという報告もあるわけでございますし、また有意に有効であったという報告もございます。中央薬事審議会におきましては、これら有効でなかったという例を含めまして総合的に判断をいたしまして、有効性を認めるという結論を出したわけでございます。  それから、御指摘のアメリカン・メディカル・アソシエーションの「ドラッグエバリュエーションズ」の記載につきましても、この薬事審議会の審議の過程で検討されております。そして結果といたしまして、このペルサンチンにつきまして、適応症として狭心症、冠硬化症、「急性期を除く」という括弧がついておりますが心筋硬塞、それからうっ血性心不全、この四つの適応につきまして有効であることが推定できるという御結論をいただいたわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 国立療養所の東京病院長砂原茂一さん、この方の書いた「医学ジャーナル」の一九七四年の二月号を見ますと、アメリカではいま言ったように四ランクに評価分類するのだけれども、日本の場合にはさっき答弁がありました有効であることが実証されているもの、有効であると推定できるもの、それから有効と判定する根拠がないもの、この三つに分ける、それで、有効であることが実証されているもの、有効であると推定できるもの、この二つが要するに合格するのだ、こういうことです。そこで、日本の有効であると推定できるものというのは、もとは多分有効であろうと言っていたものを作業の途中から改めたものであって、アメリカのプロバブリーエフェクティブに当たるものと難していいであろう、こう書いてあります。したがって、PDRでは、ペルサンチンについてはポッシブリーエフェクティブだと言っている。プロバブリーエフェクティブには達しないのですね。ですから、もしこの砂原さんの見解が正しいとすれば、ペルサソチンという薬は有効であると推定できるものの中へ入らない、その下のランクということになるのですが、これらの点はいかがですか。

本橋信夫厚生省薬務局審議官

○本橋政府委員 ただいま先生御指摘のように、この再評価におきます評価判定につきましては、米国では四ランクに分けておりまして、わが国におきましては、この適応に対する評価判定といたしまして、有効であることが実証されているもの、有効であることが推定できるもの、有効と判定する根拠がないもの、この三ランクに分けております。  そして、このいわゆる有効であることが実証されているものと申しますのは、適切に計画をされ管理された二重盲検法によりますデータの備わっているものということでございまして、有効であることが推定できるものにつきましては、これは管理、計画等の面で多少不十分な点がございましても有効とみなし得るという委員の御判断があれば、そこで有効であることが推定できるものというふうにされておるわけでございまして、米国で申しますプロバブリー、それからポッシブリーというものの両方を、この日本では有効であることが推定できるものというふうに考えておるものと思われます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 それじゃ、この砂原氏が言っている見解というのは間違いですか、どうなんですか。砂原さんはポッシブリーが入らない、プロバブリーエフェクティブだけだと言っているのです。それはどうなんですか。

本橋信夫厚生省薬務局審議官

○本橋政府委員 いま申し上げましたように、有効であることが推定できるものという範疇には、一つは計画、管理などの面で不十分な比較試験であっても有効とみなし得るもの、それから従来知られている疾病の症状あるいは経過を軽減あるいは短縮すると推定されるもの、以上がこの評価判定の基準でございまして、この評価判定の基準に適合すると委員がお考えいただいたというふうに理解をしております。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 ですから、この砂原説は間違いかどうかをお聞きしているのですよ。

本橋信夫厚生省薬務局審議官

○本橋政府委員 ですから、プロバブリーとポッシブリーの点につきまして、いま申し上げました評価判定の基準と申しますか、そこに当てはめる当てはめ方によりましてそういう違いが出てくるのであろうというふうに考えております。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 私は医学の専門家じゃないけれども、いまのあなたの説明じゃ、これは納得できないですよ。いま程度の答弁で、本当にこういう文献がきちんと検討された上で再評価が行われたかどうか、私はきわめて疑問に思うのですね。大変安易な態度のように思うのです。  最初に申し上げましたように、私は、田辺製薬という会社に対しては、そういう再評価の場合あるいは新薬が出るような場合に、どうもあの会社は少しいいかげんじゃないか、これはよほどきちんとせぬといかぬな、いまや厚生省はそういう立場に立っていいのじゃないか、こう思っております。  もう一度、このペルサンチンについてやり直す気はありませんか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 再評価作業は、先生御承知のとおりに、四十二年以前に製造承認をされました医薬品につきまして、現在有効成分で、数で申しまして七〇%程度が進行いたしているわけでございます。医薬品の出荷額等から見ますと、医家向けの医薬品の恐らく八、九〇%方がすでに再評価が終了いたしておりますが、まだ一部に再評価が終了していない部分もございまして、この作業を目下急いでおり、またさらに一般向けの医薬品についての再評価を現在開始したばかりのところでございます。  この再評価というのは、当然医学、薬学の進歩に伴いまして、これをいわばある一定周期ごとに繰り返すという形で行われる性格のものであろうというふうに考えておりまして、また私どもといたしましては、今国会に提出いたします薬事法の上でも、再評価規定を新しい法律の中に入れるつもりで準備をいたしているところでございます。そのような意味におき事して、当然この一回の再評価が永久だということではございません。しかし、現在なお残されている再評価の未着手の部分について、当面われわれとしては行政的な努力を傾けてまいりたい、かように考えているところでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 私が申し上げているのは、このペルサンチンについて、いまの本橋審議官の答弁では納得ができない、自信がなさそうですから。いま私が指摘した点を踏まえてもう一度検討する気はないかということを申し上げているのです。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 本橋審議官からお答えいたしましたのは、AMA及びFDAの判定結果というものも十分に踏まえた上で薬事審議会の再評価部会で御結論を賜ったものということをお答え申し上げたわけでございます。しかしながら、先生の御意見もございますので、もちろん薬事審議会の再評価部会の先生方にその問題についてまた御相談はしてみたいと思っております。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 いずれにしましても、こういう疑問が浮かんでくるような薬品が年間百三十億くらい売られている。相当多くの人がもう使っているということになりますので、大変な危険性を感ずるのです。  そこで、もう時間がございませんから先に進まなければなりませんが、きょう資料をいただきました売り上げ上位五品目と、それから五十二年以降田辺製薬から承認申請のあったもので、承認した薬品のうち医療用の内服薬、注射薬に限って結構ですが、これの承認申請に関する一切の資料の提出を求めますが、いかがですか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○中野(徹)政府委員 お答え申し上げます。  製造承認にかかわりますところの資料につきましては、もともと文献的に公表されたものを判断材料として使うという原則がございます。したがいまして、内外の文献に公表されましたものに限られるわけでございますが、そのような性格のものとして御理解いただければ、これは御提出できると思います。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 そのようになっておるようですが、承認申請に添付された資料を提出してください。厚生大臣、結局はいまのスモン問題の全面的解決というのはどうしても田辺が、厚生省がそういう方針を示しておられます可部和解の線に来る、これなくしては前進しませんが、そういう点で格段の努力をお願いしたいと思うのですが、厚生大臣のお考えをお聞きしたいと思う。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 冒頭にも申し上げましたように、私としては一生懸命努力をしてまいりたいと考えております。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 それで官房副長官、せっかくお見えいただきましたので話を変えますが、実は今度、厚生省設置法改正案が出てまいりましたけれども、これは所沢に身障センターをつくるということなんです。しかし、私もこの間調査に参りましたが、四十九年から予算ができてもうほとんどでき上がっておるわけです。建物だけで百十四億かかっておる。大変りっぱなものができ上がっておるのです。そこで、この設置法の改正案を内閣委員会で審議しろということなんですが、もし問題があってこの設置法を否決するということになったら一体どういうことになるのですか。もう九分九厘でき上がっていますよ。これを全くだめにしてしまうということはちょっと考えにくいですね。そうだとしますと、正直な話、一体何を審議するのだろうか。結局はこの内閣委員会に何の審議を求めるのか。内閣委員会の審議権は、そういう意味では実質的に非常に制限されてきはせぬか。これは前から再三問題になっていたようであります。  四十九年の二月二十六日に、この委員会で公明党の鈴切委員から、総理府設置法改正案が出た際に、迎賓館を総理府の附属機関にするということだった。これも迎賓館が全部でき上がってしまって、ただ総理府の附属にするかという点だけの設置法改正だけれども、これじゃとにかく審議のしようがないじゃないかということで、そこで小坂総理府長官は、確かにおっしゃるとおり問題があるように思う、だから総理府に関する限りは今後はそういうふうな出し方はしない、こういう御答弁がある。  五十二年三月二十四日の参議院の内閣委員会、これも公明党の峯山委員がやはり同じ問題を質問されておられます。これは、気象衛星センターの設置に関係する運輸省設置法の改正案です。それで塩川正十郎官房副長官の答弁がございまして、確かに問題がある、ほかの委員会と並行して審議をやっていただけるような、そういういろいろな面から知恵を出していきたいと思っておる、その一つとして予算に計上するときに、事前にあらかじめこういう施設であるとか、こういう機構であるとかいうようなことを理解していただくようなものを考えてみたらどうか、また施設の建設経費を予算に計上するときにすでに設置法とあわせて出せるようなものであれば、そういうことも努めてやっていかなければならぬだろうと思う、いずれにしても現実にそういうような方法で努力してまいりたい、こういう答弁があるわけですよ。それで、これを受けてだろうと思いますけれども、参議院の内閣委員長から官房長官にも申し入れがあって、もう時間がありませんからあれですが、官房副長官、ここら辺の問題は私、長々とお話ししなくてもおわかりいただけると思うのですが、どうお考えでしょうか。

加藤紘一自由民主党内閣官房副長官

○加藤(紘)政府委員 この問題は先生御指摘のように、大分前からこの委員会において各党の先生から御指摘いただいたところでありまして、前の官房副長官及び政府委員もお答えいたしましたように、私たちも何らかの一つの打開の道を探し出したいということで努力しておりましたけれども、非常に申しわけないのですが、現在までのところ、こうしたらいいという一つのしっかりとした案にまで至ってない現状でございます。もちろん内閣委員会の審議が一体どういう意味を持つのかという御指摘の点も、私たちも十分に了解できるところでございます。  ただ一方、施設をつくる方針は決めたものの、それができ上がるまでには大変な時間がかかるということ、そして同時に、最近の政府の予算規模等の関係から、本当に計画どおりの年次にできるかという問題等もございまして、もしできないのならばそれができるという前提でいろいろ予算、組織、定員等を決めるということもできないというような技術的な問題が一つございます。そして、最終的には、予算編成の一環としてすべての組織、定員等が決まった段階で初めてきちっとした法律案として設置法改正ということが出し得るという、また、そうしなければ法律として出すのにはしっかりとした責任の持てるものじゃないという議論もございまして、非常に私たちも悩んでおるというのが正直な話でございます。そして一方、何らかここから踏み出す前進になるような方途がないものかと言って、いま政府部内でも継続して検討を加えておるという段階であることを申し上げさせていただきたいと思います。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 とにかく、このままでは困るという考え方ではもう異論ないと思うのですね。それで、いま副長官おっしゃったように、悩んでばかりおられてもこれは困るので、何とかいい方法を考えてもらわなければならぬと思います。  それで、五十二年三月の参議院の内閣委員長の官房長官への申し入れというのがありまして、やはりその種のことが書いてございますが、委員長、当委員会でも理事会でひとつこの点御検討いただきまして、委員長から正式に官房長官に申し入れるようなことをしていただきまして、早急にこの問題の何かいい解決方法を出していただきたいと思いますが、いかがでございますか。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長代理 ただいまの栂野委員の申し入れにつきましては、理事会において協議することといたします。

栂野泰二日本社会党

○栂野委員 時間が参りましたので、終わらせていただきます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長代理 小宮山重四郎君。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 いま栂野委員が質問したことと重複したくはないのですけれども、所沢の基地跡にできますこのリハビリテーション、これは五十四年六月にでき上がる。そのほかに、ここには第二管制塔ができているのです。これも運輸省が運用してから設置法を変えたといういきさつがございます。これは、当委員会で扱った事項であります。その当時、運輸大臣が同じような答弁をいたしております。こういう答弁でございます。「いかに必要な施設でありましょうとも、やはり立法の手続を安易に考えてはならないと思います。その意味では、いま御指摘の御趣旨、まことにそのとおりであると私も存じます。私自身も国会議員でございます。これからこういう問題について十分まじめに対処するように、私から厳しく事務次官以下に申し渡しをいたします。」そういうようなことを言っております。  同じようなことは当委員会では、先ほど栂野委員からもあるいは金子委員からもお話がございましたように、迎賓館あるいは農林省設置法等々ずいぶんございます。やはりこういうものは長いことかかってやっておるのでございますから——厚生省ではリハビリの準備室ができておる。前にも私からそのリハビリのマスタープランというのを何度か要求して、やっと出していただいたといういきさつがございます。これは私も地元百万坪の基地返還の仕事を大変やってまいりましたからよく知っております。そういうような問題は、私いまどこの機関で研究調査をしているか知りませんけれども、やはりそういうものは一応内閣委員会にある程度こういう形でございますというものが何らかの形で説明できるようにしていただきたい。私は、こういう問題が行われておるほかに、厚生省は五十四年度予算が決定しないうちにいろいろな施設があたかも決定したごとく事務次官以下が発表するということは大変不届きである。しかも、まだ参議院で予算が審議される、あるいは衆議院の予算委員会が始まる前にいろいろなことを発表し、かつ地元の市町村に抗議を申し入れれば、再三再四の要請をして承諾するような形、ぜひ皆様方厚生省は気をつけていただきたい。現時点、ことしは統一地方選挙が絡んでおると思います。いろいろな政党が思惑を持っている中で、そのようなことを安易にやられる。今度の設置法もしかりであります。そういうことをお考えになっておやりになっておるのですか。それならば大変重大なことであります。両方とも国会軽視と言わざるを得ない。私はそういう問題について官房副長官からお答えいただき、後、局長からもお答えしていただきたいと思います。

加藤紘一自由民主党内閣官房副長官

○加藤(紘)政府委員 先ほど栂野先生にも申し上げましたように、この問題、私たち政府部内でもよく検討を続けてまいりたいと思います。もちろん、こういう施設が四十九年からできましても、政府としては国会に全然御通知申し上げなかったり、その内容を御提示申し上げなかったということではなくて、当該年度の予算が決まりますと、その段階において予算書という形において御提示申し上げ、そうしてその問題に関していろいろお尋ねがありました段階では、それぞれお答え申し上げておるわけでございます。したがって、その予算の審議という形を通じては国会に十分に御提示いたしておると思っておりますけれども、設置法の改正という関係で、この内閣委員会の審議権との点については、御指摘のような問題点があろうかと思っております。  その中で、たとえば組織形態をいかにするか、それから所掌事務をいかにするか、そういう御審議は、まだこの内閣委員会で十分になさっていただかなければならない問題であると考えておりますけれども、その全体像について、設置法の改正が出てまいりました段階では、かなり現物が物理的にでき上がっているということは事実でございますので、今後とも各省と十分に内閣官房の方で詰めてまいりたいと考えております。  それから、二番目に御指摘の、予算が決定しない段階において、あたかももうすでに予算が決まったというような形で各省庁が発表するということは重々ないと心得ておりますけれども、そういうような点がございましたら、今後政府部内で注意いたすようにしてまいりたいと考えております。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 小宮山委員から政府委員に答弁を求められましたけれども、本日の本委員会でこの設置法絡みの問題、他の委員からも御指摘がありまして、私からお答えをいたしましたので、私からお答えをさせていただきたいと思います。  これは、私どもは実は前科二犯でありまして、数年前に国立循環器病センターの設置法改正をお願いいたしましたときにも同様の御指摘をいただきました。そして当時の渡辺厚生大臣から、今後十分に検討いたしますということを申し上げたということを承知いたしております。この点につきましては、私ども本当に申しわけない結果になったわけでありますが、四十九年当時からスタートをしておりました中で、今日までの時間差というもの、これはある程度計画が動きましたりいたす関係もございましたり、また逆に、このセンターを設置すると同時に、現在あります他の施設の閉鎖、その中には設置法を持つものもありまして、そちらを廃止するといったような事務的な問題もありましたために、こうした結果になりましたことにつきましては、お許しをいただきたいと思います。今後におきまして、新たな機関等を設置し、設置法にそれが影響を及ぼすような場合につきましては、私どもも十分検討してまいりたいと考えております。  また、いま小宮山委員から御指摘をいただきましたような問題、第二の問題につきましては、これは私どもとしても十分注意をいたさなければなりません。ただ一つこれは御了解をいただきたいと思いますのは、施設の種類によりましては、実は予算編成時において、予算決定の際に個所づけをいたすものがございます。ただ、これはあくまでも私どもは、どこの県あるいは都道府県に設置をするというまでを予算案の決定の際に定めるわけでありまして、たまたまその都道府県から候補地として持ち上げてきておられるものが仮に一カ所であった場合、その県に場所を決めたとなりますと、お地元の方では、そういうふうに逆に錯覚を起こされると言っては恐縮でありますけれども、その場所が指定をされたようにお考えになるケースというものは、実はありがちな問題かもしれません。ただ、国としてはあくまでもその設置を定める都道府県までの個所づけをしておるということでありまして、私どももこれから先こういう点については十分考えていかなければならぬと思います。  ことに小宮山委員の御指摘の具体的なケースとして私ども調べてみました中に、たまたま国民年金の保養センターの個所づけの中で、本年度、五十四年度予算におきまして、埼玉県に設置を決定したケースがございました。ところが、たまたまこれが地元の新聞等に報ぜられました段階では、場所を指定して、埼玉県の中の特定の地域を指定して決定をしたという形で報ぜられておりましたケースがあり、また、それを受けて特定の方々が厚生省の方にお礼に見え、幹部職員がお目にかかったというケースがありましたということを知りました。これは、私どもとしては非常に遺憾なことでありまして、これはあくまでも小宮山さん初め埼玉県出身の国会議員団の方々全員が要請をしてこられたわけでありますし、また、予算化につきましては、特に与党の方々には大変な御努力をいただいたことでもありますし、同時に、私どもとしては、厚生省として、どなたからどういうお話があったから埼玉県に決めたということではなく、国民年金の保養センターの適地としてふさわしい場所があるということで、埼玉県に五十四年度においては設置を決めたわけでありまして、そうした誤解を生ずるような点がありましたことについては、この場を拝借して私から、関係の方々全体に対しておわびを申し上げたいと思います。同時に、そうした誤解を生むようなことがないように十分注意をいたすように、職員にも今後の留意を促してまいりたいと考えております。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 よくわかります。いま、たまたま大臣が、県ということでございました。そのとおりであります。予算案も自民党で書いたものが政府案として出てくるわけであります。課長が固有の市まで入っていると私に言いました。それはうそですよ。私にそういうでたらめを言っちゃいけません。それをしゃあしゃあ言う課長というのは、私は大変疑う。物を小ばかにし過ぎる、そう言わざるを得ないですよ。そういう態度が厚生省の中にある。そういう態度は大変残念である。かつ、言った後にすぐ地元に陳情させる。そういうことではないのです。私はそんなことを言っているのじゃないのです。つくることはいいことだ。しかし、それは大変厚生省を傷つけた仕事であります。かつ、担当課長がそういうようなことを言うというのは不見識もはなはだしい。私はそういうことを言っているのです。かつ、その中で、土地代は全額持ちます、うそつきなさい、全額なんか持ちませんよ。そういうことを市町村に言っておる。そんなものは持っていないのです。人口過密地帯は、実を言うとそういうことにならないのです。うそ八百を言っちゃいけません。そういうことのないように今後ともよく担当課長、県にお伝え願いたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○橋本国務大臣 だれが申しましても、最終の責任は私にあるわけでありますから、もしそうしたことを申し上げておりましたとしたら、これはおわびを申し上げると同時に、訂正をいたします。  ただ、同時に、先ほども申し上げましたように、都道府県を指定いたしました場合、逆にその都道府県からの候補地として厚生省の方に要請をされております場所が一カ所でありますと、そうした点の説明を、言葉足らずでおしかりを受けるような結果になるような御説明をしたことがあるいはあったかもしれません。そうした点については、これからも十分気をつけさせますし、また、いま御指摘のようなことがありましたら、これは私からも厳重に注意をいたしますけれども、厚生省自体、これは厚生省ばかりではなく、私は、他の省庁でも同じだと思うのでありますけれども、わざわざどなたかがお越しになり、何らかのお話がありました時点において、向こうのお見えになった方のお立場等をも考えれば、いろいろな点で言葉遣い等に不行き届きな点があったかもしれません。そうした点も今後ともに十分に注意をさせますということを申し上げて、おわびにさせていただきたいと思います。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 よくわかりました。ただ私も、ずいぶん長いこと調査費載っかっていることも知っているし、場所が流れたことも知っているのです。知っている上に、そういうことを私の前でしゃあしゃあ言うから怒るのです。それは人を非常に小ばかにした話ですよ。そういうことをやってきて、やはりそれなりに時期が時期だから私は黙っておったのですけれども、そういううそをつくと、厚生省というものはこんな役所、こんなことを課長のエリートが言うのかと私は思わざるを得ない。これは橋本厚生大臣の性格からしてよくおわかりだろうと思う。ですからそういう意味では、少なくとも国会議員として地元に大ぜいの方々——そういう施設ができることはいい。しかし、それに対してそういう担当課長が、やはりこうこうこうでございますとはっきりおっしゃいなさい。勇気を持って言いなさい。それをこそこそやるから怒るのです。そんな話を長々とやるつもりはございません。話を変えます。  まず、リハビリテーションの設置された場所、これも基地返還から全部私が与野党一致で受けてやってきた仕事でございます。あの周辺の道路、あるいはこのリハビリテーションの場所は、最初は自治医大が来る予定の用地だったのです。電波障害があるということであなたたちは七万坪お取りになった。一番大きな土地をお取りになった。いきさつは全部知っているのです。基地返還の内部の道路については、基地周辺整備法によって大変よくできている。     〔村田委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、そのリハビリテーションへ行く道というのは、人口増加地域で、車いす、あるいは目の見えない人たちが通るにしては大変悪い道路であります。ですから、この所沢市自身を考えましても人口急増地域でありますから、道路整備そのものも、どういうふうに道路整備を計画されているのか、あるいは予算上の措置はどうされるのかということをお伺い申し上げておきたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 リハビリセンター周辺の道路の問題につきましては、基地跡地利用計画のマスタープランにおきましても、身体障害者等の安全と快適な通行に十分配慮を行うという趣旨のことが決められておるわけでございますが、まず、最寄り駅でございます新所沢駅からセンターに至ります道路につきまして、六月までの間に段差を解消いたし、点字ブロックを敷設し、かつ必要な個所に信号機を設置するということを考えておるわけでございます。地元の市とも御相談いたしておるわけでございます。特に、先生よく御承知のとおり、あの現地のリハビリセンターの真ん前の公園通りという大きな道路が現在途中までできております。あれを横切りましてセンターに入るわけでございますが、その問題、先般も国会の先生方に御質問いただきまして、御指摘もいただいた問題でございますが、この問題がございます。横断歩道を設け、かつ信号機を設けることは当然でございますけれども、同時に、視力障害者の方がなお不安が残るということもございますので、あわせてあの地点に歩道橋を設けたいということで、市側と御相談を申し上げておるところであり、市の方におかれましても、学童の通行ということもあわせ考えてこれに同意をされまして、そういう方向でやっていこうということに相なっておるわけでございます。  問題は、ただいま御指摘ございましたようなことで、地元市としては財政も非常に大変でございますし、その負担の問題がございます。厚生省といたしましては、もしこの予算が国会でお認めいただくことになりますれば、その中に障害者福祉都市という問題もございます。所沢市一般につきまして身体障害者のための環境づくりというようなことで、そういうことも検討さしていただきたいと存じますし、あわせて、なおあのセンターの前の公園通り等にかけます横断歩道なり横断橋等につきましては、基地跡地の公共施設の整備というような見地から、国庫補助もあるようでございまして、これは私どもの方からも建設省にお願いをいたしておきますし、その補助裏等につきましては、基地跡地の公共施設整備負担金等によりまして、できるだけ市側の負担が少ないようにということで努力いたしたいと考えておる次第でございます。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 その予算額、どのぐらい計上しているか、まだわかりませんか。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 障害者福祉都市の方は一応二十市分予算計上されておるわけでございますが、基地跡地公共負担金の問題は、実は予算終了後にその問題を話し合ってまいりますので、額までは確定いたしておりません。今後その方向で全力を尽くして努力をするというお話し合いをいたしておるわけでございます。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 道路が大変狭くて、整備は大変なんですよ。バスも通してくれとか、いろいろございまして、この整備には相当金がかかるだろうと思います。日本でも有数な人口増加地域であるし、かつ、あそこの基地跡に住宅公団等ができますと、また変な市負担も大きくなる。かつその上、あの基地周辺の中では、税収入のあるものは何もない、諸官庁ばかり入っておりまして。そういう意味でも財政的に大変苦しい。また、御承知のとおり道路に自動車が大変頻繁に走る。かつ住宅地域でございますから、この点は厚生省にお願い申し上げておきますけれども、新所沢からあのリハビリに行く道路というものは、直線距離では大変短いのですけれども、地域の整備をもあわせて厚生省が積極的に建設省等とも話し合って、地域整備に努力していただくこと。そうしませんと、いまおっしゃった話が何年かかるかわからない。りっぱな母屋ができても、そこへ通う人たちが大変狭い道を危なっかしく歩くということは、どうも建物とそぐいません。そういう辺については、ぜひ今後とも厚生省に御協力いただきたいと思います。

山下眞臣厚生省社会局長

○山下政府委員 私ども、先生の御趣旨を踏まえまして、全力を挙げて努力をさせていただきたいと存じます。

藏内修治自由民主党

○藏内委員長 次回は、来る四月十日火曜日午前九時三十分理事会、十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十九分散会

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