逓信委員会 第6号
- 発言数
- 273 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1979/03/19
会議録
○石野委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 きょうは、衆議院の本委員会を開いていただくに当たって、お話を承りますと、NHKの会長さん、御入院をされておられてまだ十分健康の回復がというお話も伺っております。大変健康上にも御心配がありながら本委員会に御出席をいただきましたことをお礼を申し上げたいと思います。ぜひお体をお大事に、大変大事なお仕事を今後ともひとつ精いっぱいお力を発揮してお続けをいただきたいというふうに思います。 私は、NHKの財政の問題等も関心を持っているわけでございますが、そうした具体的な問題に入る前に、いただいた資料を大急ぎで目を通させていただきました。昭和五十四年度の国内放送のNHK番組の編集計画というものを拝見をさしていただきました。まずその中で、夜間のゴールデンアワーという時間帯、この番組の一部を刷新をして充実をし、魅力ある番組の弾力的な編成を推進する、あるいは教育テレビジョンにおいては充足感のある特別企画番組を新たに開発をし、編成をするとともに、一部の番組を刷新、充実をする、こういうことがうたわれているわけでございますが、まずその内容、あるいはNHKさんが知恵をしぼってのゴールデンアワーの目玉商品とも言えるべきものはどのようなものであるかということをお尋ねを申し上げたいと思います。
○堀参考人 お答えいたします。 来年度版の夜間の総合テレビジョンにつきましては、特に野球の中継放送をいたします土曜日の番組が四月から十月の間、必ずしも今年度は意に満ちませんでした、すなわち不満のものがございましたので、それを刷新いたしたいと思っております。すなわち、番組名を挙げて申し上げますと「コメディー公園通り」さらにプロ野球をやめまして、新たに「マルコポーロの冒険」という番組を設定いたしまして、その後土曜日は原則的に芸能及びスポーツ特集ということで十月までやってまいりたいと思っております。すなわち、いままでは何となしにプロ野球の中継が基調になっておりましたが、それをやめまして、たとえば「歌手故郷に帰る」とかあるいは古賀政男氏の一生をつづったドラマドキュメンタリーとか、そういうものの芸能的なもの、及びスポーツにいたしましても新たな観点からこれを取り上げるということで、それを基調にやってまいりたいと思います。またもちろん、いいカードが入手できましてその時間にありましたらプロ野球の中継もやるということで、土曜日の夜間が最も重点的のものでございます。 なお、それに伴いまして、従来「ビッグショー」というのをやっておりましたが、それが土曜日の夜間に移りますので、その後に「テレビファソラシド」というバラエティーショーを展開したいというものでございます。それが第一点でございます。 それで、教育テレビジョンにつきましてはお尋ねないかと思いますが、お触れになりましたのでちょっと申し上げますと、「人間は何をつくったか」という人類技術史についての新しい長い番組を考えております。
○伊藤(公)委員 NHKの知恵を集められて、ことしもまた多くのテレビを見る方々に対しての重要な役割りをぜひ果たしていただきたいと思っているわけでありますが、同時に私は、NHKに限らず民放も含めて、テレビジョンというものが今日の日本の社会の中で教育、文化、広い国民の生活の中に欠かせないものになっているということはもちろんでありますけれども、番組というものが常にまさにつくられる側の論理に立っていて、いま日本の国民生活の中でどういう役割りを果たし、そして、たとえば平均的なサラリーマンの方々の生活の中でテレビというものがどういう役割りを果たしているかという実態というものにもう少し深入りをしていく必要があるのではないかと実は思っているわけでございます。どうもテレビといえば視聴率だけにこだわっているようでありますけれども、私たちはもっと深い探求が必要だと思っているわけでございまして、現在平均的家庭の主婦の皆さんがテレビを視聴している時間というものが非常に長い。これは国際的な比較からいってもとても比較にならないほど日本の場合にはテレビを見ている時間が多いわけであります。これは何も家庭の主婦ばかりではなくて、子供たちにとってもテレビを見る時間が非常に長い、こう伺っておりますが、その実態は一体どうなっているか。また具体的に日本と欧米との、あるいはアジアとのテレビを見ている国民生活の実態の違い、あるいはテレビが果たしている基本的な役割りというようなものを、できるだけ正確な数字でお話を伺いたいと思います。
○堀参考人 お答えいたします。正確な資料は後でお手元に提出したいと思いますが、日本人の平均テレビ視聴時間はほぼ二時間三十分というのがここ四、五年変わらない数字でございます。また家庭の主婦につきましては大体四時間を超えるというのが調査の結果で出ておりますが、文献等のテレビ視聴の正確な数字がございますので、後ほどお手元に差し上げたいと思います。
○伊藤(公)委員 とっぴなことをお尋ねするようでありますが、郵政大臣の奥様は——大体大臣は奥様にそんな話をされたことはないかもしれませんが、大臣がお考えになられて、おたくの奥様はテレビを平均どのぐらいごらんになっていらっしゃいますでしょうか。奥様のことですから、何もお答えにならなければそれで結構でございますが、大臣どんなふうにお考えでしょうか。
○白浜国務大臣 どうも私も女房が見ている時間というものは想像できませんけれども、これは伊藤委員も同様だと思いますけれども、私ども自宅にいる時間が非常に少ない関係で、女房と並んでテレビを見るということも非常に少ないわけです。しかし、いま答弁がありましたとおり、二時間ぐらいは見ているのじゃないか、いま御質問を受けてから私じっと考えてそういうふうな感じがします。
○伊藤(公)委員 なぜ私がこんなことをお伺いしたかと言うと、大臣の御家庭も恐らく大変お忙しくて、じっくり家族団らんの対話をするという時間も実質的にはなかなか持てない。大変お忙しい毎日を送られていると思うわけですが、そうした忙しい時間を費やしている方々であればあるほど、少ない時間の中で密度の高い対話というものが行われる必要があるのではないかと私は思います。最近テレビを見る時間が大変多くて、調査によってまちまちでございますが、いま御答弁をいただいた中では一日のうちで四時間というお話もございましたけれども、都会の奥様方は一日六時間もテレビを見ている、そういう調査もございます。いずれにしても、毎日毎日の人間が、起きている時間帯からすれば非常に多い部分がテレビに割かれているということになるわけでございます。毎日の私たちの暮らしの中で、そこにテレビがあるからテレビを見ておりますけれども、もしテレビ番組というものがその時間帯になかったら一体われわれは何をしているだろうか。もう少し本当の家族の中の対話ということもできるのではないか。 その頂点は「紅白歌合戦」でございます。私も実は当初四、五年の間、間違いなく東京からふるさとに戻りまして、遠く一年間離れていた兄弟あるいは親子で久しぶりに家に集まっていろいろ積もる話をしようと思って田舎に帰ったわけでありますが、いろいろ忙しくて三十一日ぎりぎりになってみんな卓を囲む、そしていよいよ話を始めようなどという時間になるとNHKの「紅白歌合戦」が始まりまして、もう話はろくすっぽやらずに、せっかく田舎に帰っても何となくNHKの「紅白歌合戦」を見て、そして忙しく正月を送って帰ってくるということが重なってまいりました。私は、視聴率から言えば非常に高いと伺っておりますけれども、もう少し国民のテレビを見る立場に立って思い切ってNHKの皆さんの頭脳の改革をしていただいて、本当にいまこのままで日本の文化はいいのだろうか、テレビができた時点では非常に大きな役割りを果たしましたし、事実、たとえば大きな事故が起きた、あるいは災害が起きたというときに、NHKのニュースや速報が非常に重要な役割りを果たしたという経過も私たちは十分承知をいたしておりますけれども、そうしたニュース性のあるもの以外についてはもう少し国民の生活あるいは日本人の生活の実態に立って番組編成なりを考えていく必要があるのではないかというふうに考えているわけでありますが、NHK、そして大臣の御見解を承りたいと思います。
○坂本参考人 伊藤先生の御指摘の点は、われわれ放送する側にとってはかなり重要なポイントをおつきいただいたと思うのでございますけれども、さればといって、やはり視聴者の皆様方に喜ばれるものを放送するということも私どもの方の使命の一つかと思いますので、そこら辺の兼ね合いと申しますか、そういう点が一番大事なポイントかと思う次第でございます。 そのためにNHKといたしましては、放送文化研究所あるいは世論調査所等を通じましていろいろ視聴者の皆様方の御意向を集めまして、それにどうおこたえするかということを日夜研究いたしておる次第でございます。 具体的に御指摘いただきました「紅白歌合戦」につきましては、ある意味ではそれだけまた逆に視聴者の皆様方に喜ばれているという実態もあるものでございますから、そういう点についての対応が一番むずかしいところかと思いますが、これは年に一遍のことでもございますので、何とぞひとつ御寛容願いたいと思う次第でございます。
○白浜国務大臣 非常にむずかしい御質問でございますが、いま会長からお話がありましたとおり、私なども大みそかに帰って見るとかなんとかというふうな機会があるわけでありますが、私どもはまた違った意味でほかの放送は見ておりますけれども、手伝いや家内や子供というのは案外喜んでいまの放送を見ているのではないかというふうにも思われますし、視聴者のニーズというものが多種多様でございますから、NHKさんの方でも大分苦労をされていろいろ時間の配分その他を考えておられると思いますけれども、そういう点になりますと一家に一台あるか二台あるか三台あるかということによって、大分視聴者の考え考えによって分けて見られているのではないかというふうなわけでありますので、おまえはどんなのがいいだろうかとお尋ねになっても、残念ながら私もなかなかいいお答えができないというのを御理解いただきたいと思います。
○伊藤(公)委員 大臣に重ねてお尋ねをしたいのですが「紅白歌合戦」については私も一歩譲ります。それはいいとしまして、毎日の番組の中で、たとえば週末の土晴日、土曜日は隔週の休みという会社が少しずつ民間にもふえてまいりました。せっかくの土曜日だから、休みをとったから休養する方、あるいは家族で少し出かけようか、あるいは日曜日だけしか休みのとれない方々でも、きょうは天気がいいから外に出てスポーツをやろうか、非常にそういう希望が一般家庭の中にもある、あるいは平均的な会社にお勤めになっている方々にもあるわけです。ところが、もちろん地域の状況もございましてなかなか適切なスポーツの施設もないとか、美術館であるとか博物館とかいうものが身近ではないということもありましょうけれども、ついついテレビをひねればそこに番組が出てきて、せっかく外に出ようと思ったのにテレビにくぎづけされてしまうというケースは非常に多いと思います。 いま、そういう国民の方々の要求があるというお話でございましたけれども、私はむしろ、テレビを毎日見ている方々は、本当にテレビを見たくて見るというよりは、何となくチャンネルをひねればそこに番組があるからそれを何となく見ているという時間帯の方がかなり多いのではないか。非常に中身のあるというかあるいは関心の強い番組であれば、一日なり二日前からその時間帯だけは見ようといって会社勤めを早々に引き揚げるというケースもないわけではありませんが、もう少しテレビを見る人たちの立場に立って、本当にこれでいいのかということを考える必要があるということが一点であります。 もう一つは、いま政府の中でも、できるだけテレビの時間帯を短くして、エネルギーの節減にもという方針も出てまいりました。これはまさに両論一挙に得をするわけでありますから、大臣御自身が——NHKにやれと言っても、NHKも民放とは立場が違いますけれども、やはり民放に負けない内容のある、そしてNHK離れをしないようにというのは当然NHKの皆さんの中にはあるわけでございますから、NHKだけが率先をして時間を短くします、昼間の一時から三時ぐらいまではテレビを休みますということは、理論的に考えても、非常にむずかしいだろうと私は思います。そこで大臣御自身があるいは行政の立場で、たとえばテレビは民放を含めて昼間一時から三時、何時間がいいかわかりませんけれども調査をされて、一日のうちのテレビ時間というものを思い切って少なくしてみるという行政指導をしていくことも私は非常に大事な問題ではないかと思います。 もういま、恐らく同僚の先生方あるいは皆様方も、海外生活あるいは海外旅行の経験を持っている方々ばかりであろうと思いますが、これほどテレビ時間が長い国は日本だけであります。それは技術的にできないからではなくて、テレビではなくてそれぞれもっと本物の芸術に触れる、演劇に触れる、あるいはみずからスポーツで汗を流す、そういうことにそれぞれの国の国民が時間を費やしているというのが実態だと思いますので、思い切ったテレビ時間の改革をひとつ大臣御自身お考えをいただけないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○白浜国務大臣 非常なりっぱな御意見だと私も拝聴いたしますが、いまの日本人のこうしたテレビになじんだというかそういうふうな空気の中で、どういうふうに調整していくかということはいろいろまた問題があるところでございます。私どもも、郵政大臣だからおまえ少し介入してやれ、そういうふうな御意見とばかりはとりませんけれども、非常にむずかしいところで、放送法その他によりましていろいろ決まったこともございます。私どももざっくばらんに申せば、たまに帰って、同じ時間に、何かしらぬどのチャンネルをあけてみても歌と踊りだということになると、切っちまえということを私自身もやっておりますけれども、若い人たちにはやはりそれ自体の楽しみがあるだろうと思います。そういうことをいろいろ考えますと、局によりましてまた性格によって編集方針なども決められて、自粛するものは自粛するということでやっているわけでありますから、それほどひどく害が及ばないということであれば自主的にやってもらった方がいいのではないか、そう考えているわけであります。 いまのエネルギーに絡んでの問題は、先週の金曜日でしたかにも閣議でそういうお話がございまして、私どもいま、どうしたらいいか、前のオイルショックのときにもいろいろ決めて御協力を願った問題もありますので、いま郵政省の方でも、どういうふうな形で御協力方をお願いするかということを検討している最中であります。この問題は国民的な大きな問題でありますし、また国際的にも一つの会議で要望されていることでありますから、私どもも、資源に乏しい日本とすれば当然これはやっていかなければならないことだと考えておりまして、従来のように、あるいは夜中の十二時までで放送を中止してもらうのか、あるいは何時から何時がいいのだろうかということをいろいろと検討している最中であるということで御理解をいただきたいと思います。
○伊藤(公)委員 きょうはこれ以上申し上げませんけれども、エネルギーの節減の問題も大変大事な問題であると同時に、私は文化論として、テレビが普及をされてきたいままでの歴史を踏まえてみれば、日本人ももう少しテレビを離れて、画一的な嗜好から、自主的にいろいろ物事を考え、あるいは創造し判断をし選択をしていく、そういう時期に来ているのではないかと思っているわけでございまして、テレビに支配をされる時代から、むしろテレビを支配する時代へ移らなければならない、そういう時期に差しかかっているのではないかというふうに思います。民放はそれぞれ商業ベースの問題もありますし、多少はそういうことを考えていてもできない。あえて言えば、NHK御自身が多少リードする形で、そうした新しい画期的な問題に挑戦をしていくということが私は必要だというふうに思っているわけでございます。NHK自身がすぐやれということは、恐らく私は民放との関係もあっていささかむずかしい問題があろうかと思いますが、NHKの立場でどのようにこうした問題についてお考えになっているか、考え方だけひとつお伺いをして、先に進ましていただきたいと思います。
○坂本参考人 テレビの放送時間がどの程度がいいかという問題、これはやはり放送事業者にとっては大変重要な問題でございまして、国民の生活時間調査等を御承知のように五年ごとにNHK自身もやっておる次第でございますが、大体生活時間が夜更け型になってきているという、そういう実態が片方にいまございますので、そういうところにどうNHKとしての見識を示すかというところになろうかと思うわけで、御承知のように、NHKは現在ウイークデーは十一時二十分に放送を終了いたしておりまして、そういう点については先生の御指摘に多少でもおこたえする形に現在なっているのではないかと思いますが、その以外の時間帯の中止等につきましては、これはなかなか軽々にここでお答えできない問題もございますので、見識を示すところにおいては見識を示すべきであるという考え方であることだけを御答弁させていただきたい次第でございます。
○伊藤(公)委員 特に行政のお立場でぜひひとつ大臣、画期的な、ただ形式的な答弁、質疑ということではなくて、やはりテレビがいま日本の文化生活の中で果たしている役割りが非常に大きいだけに、非常に重要な問題を抱えていることは私も承知をしているわけでございますが、しかし、いま余りにもテレビに支配をされている国民生活のような気がいたしておりますので、ぜひひとつ専門家の方々と知恵を集めて御研究をさらにいただきたい、強くお願いを申し上げておきたいと思います。 すでにNHKの財政の問題につきましてはいささか御議論があったところでございますけれども、事業支出に比較をして事業収入の伸び率が非常に低いという御心配もあるわけでございますが、にもかかわらず、ことしも、三年間という規定があったわけでございますけれども、受信料を上げないで、極力業務の合理的なあるいは効率的な運営を推進をして乗り切っていく、こういう御意向のようでございますけれども、業務の合理的なあるいは効率的な運営をするということは、具体的にはどういうことをおやりになられるのか、何を合理化するのか、あるいは効率的にするのか、もう少し具体的に御説明をいただきたいと思います。
○山本参考人 五十一年度から五十三年度の、前の計画をお示しいたしましたときには、相当具体的に効率化の内容につきまして御説明をいたしました。ほぼそれに近い成果を上げておるのが現状でございますが、さらに五十四年ないし五十五年度以降にどういう具体的な効率化をするかといいますと、現在NHKの中でいろいろな角度から効率的な運営をするということは、これは国会の御論議の中でもいろいろお話がございまして、また、受信料をいただいておるという立場からいたしまして、聴視者の方々にできるだけ効率的な運営をするという責任もございますので、現在いろいろな角度から取り組み中でございまして、内容一つ一つにつきまして、それぞれにどういう内容の確定があったかということになりますと、まだ御説明をいたしますような具体的な目的と方法あるいはその成果、そういうものについて、率直に申し上げまして、でき上がっておりません。もう少し詰めなければならないという段階でございますが、ほぼ五十一年度から五十三年度に考えましたようなものと大きく外れるというようなことはございません。その中で踏襲していくべきものは踏襲する、そういうことが基本的な効率的運営ということについての現状でございます。
○伊藤(公)委員 NHKの受信料の問題は、恐らくいままでの御議論の中でもあったのではないかと思いますが、ちょうど私の住んでいるところは東京の郊外、高層住宅がたくさん建っているところでございまして、団地をお訪ねをいたしますと、団地の入り口のところに、NHKの受信料拒否あるいはそれに近いマークが張ってあったり、あるいは受信料を払いませんという意味のことが書かれてあるというケースが、最近少し多くなっているような気が私はいたしているわけであります。そこで、五十三年度の受信契約六十万増の、この達成はどうなるのか。また、五十四年度の受信契約も、これからでありますけれども、五十五万戸とした、その辺のいきさつと達成の見込み、それから五十五万戸としたその根拠のようなものを、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○中塚参考人 五十三年度の受信契約総数の増加の計画は、ただいまおっしゃいましたように、総数で六十万増加させるという計画で年度当初から努力をしてまいりました。二月末現在で五十六万余増加いたしております。あと三万余りこの三月中で増加させるということでいま最後の努力をいたしておりまして、昨年の三月が約二万余り三月一カ月で増加させることができたわけでございますので、その状況からいいますと決して楽な数字ではございませんけれども、最後の努力をいたしまして、何とか六十万の計画は達成するようにいたしたいというふうに考えております。 それから、五十四年度契約総数で五十五万増加させるという計画でございます。今年度より五万少ないわけでございますけれども、最近の世帯の増加の傾向を見ますと、ふえ方が鈍化しているという傾向にございます。特に自治省の発表しております住民登録の数から見ますと、きわめて鈍化しているという傾向が出ております。それから、新しく増加いたします世帯の中で、テレビを持っている方の少ないと申しますか、所有率の低い単身世帯のふえ方が多いというふうなことを勘案いたしまして、来年度総数で五十五万増加させるという計画にいたしたわけでございます。
○伊藤(公)委員 受信料収入の今後の伸び率の見通し、あるいはNHK受信料の拒否の問題は、NHKの存在というものまで掘り下げなければならない問題もあろうかと思いますが、きょうはそうした時間がありませんが、NHK受信料拒否の数字の実態がいまどのようになっているのか。私が少し調べた中では、受信料を拒否している数が年々ふえている。そして拒否をされた、受信料を払わなかった方々には、ある一定期間が過ぎてしまうともう催促に来なくなってしまう。これは催促することも非常に経費がかかるわけでしょうけれども、そうすると、受信料を払っている方々からすると、拒否をしていけばそれで通るのかということで、その底流の中でその率がふえるということは大変私は重要な意味を持っているのではないかというふうに思いますが、その実態を御報告をいただきたいと思います。
○中塚参考人 受信料の支払いが滞っているいわゆる滞納受信者が五十三年度上半期末、昨年の九月末で全体の数は約九十万でございます。これは昨年度末、五十二年度末が八十五万四千でございました。この半年間に約四万五千ふえた。それから五十一年度末が七十五万六千。したがいまして、五十二年度末まで一年間に約九万八千ふえた。それから五十年度から五十一年度にかけましては約十六万ふえたわけでございます。したがって、この三年間でふえ方は若干減ってまいりました。現在五十三年度末を迎えようとしているわけでございますけれども、上半期で四万五千ふえた。それで現在、私どもの見通しでは、何とか年間の増加が七万ぐらいに抑えられるという見通しも持っております。五十一年度から五十二年度にかけて九万八千ふえた、五十二年度から五十三年度にかけて七万ぐらいに何とか抑え込みたいというふうに現在考えているわけでございますが、その約九十万の中で六〇%に当たります五十四万というのは、私どもの集金担当者あるいは外務の職員あるいは特別の対策員、そういう者が何回訪問してもいつも不在である、そういう世帯が約五十四万ございます。お会いできていろいろ説得をしてもどうしても払わない、いろいろな理由を述べられてどうしても支払いを拒否されるという方が二十六万件、約二九%ございます。ただいま先生がおっしゃいましたいろいろな理由、番組面の不満あるいは協会の経営姿勢に対する不満、あるいは隣が払ってないから自分が払うのは正直者がばかをみるではないかというふうな理由で払われない、そういう方がだんだん漸増している、全体のふえ方の中でこのふえ方が一番多いというのが実情でございます。 私どもも、先生おっしゃいますように、支払いをどうしても拒否される、そういう方のふえ方が大きいということが一番問題である。確かに現在の法律では、NHKの放送を受信できる受像機を設置したものは契約しなければならない、したがって支払わなければならないというふうになっておりますけれども、現在の社会環境の多様化あるいは価値観の多様化、視聴者意識の変化、そういうものの中で私どもはいろいろな方法でその説得に当たっておりますけれども、どうしても説得に応じられない、理解していただけない、そういう方がいらっしゃることは事実でございますし、それが徐々にふえつつあるというのも事実でございまして、私どもは番組面で視聴者の要望にこたえることはもちろんでございますし、また協会の使命、責任、そういうものについて十分理解をしていただくというふうな活動をさらに強化して、何とかこれのふえ方を抑えていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○伊藤(公)委員 NHKの受信料拒否の問題は突き詰めていくといろいろ深い問題があるわけでございますけれども、いずれにしても、底流に受信料拒否ということがあり、これ以上数字の上で大きくなるということは大変心配があるわけでございまして、だからといってすぐ罰則をつくったり法律をつくってそうしたものを規制するということはいささか早計過ぎるという気もいたしますので、そうしたことを十分配慮して、ひとつ今後ともできるだけスムーズに、そうした問題がこれ以上広がらないような形でお進めをいただきたいというふうに思います。 財源確保の問題では、実はこれはたまたま資料としていただいたわけでありますが、放送の二次利用ということをいろいろお考えをいただいているようでございますけれども、私の手元にいただいたこの資料ですと「中央沿線テレビ市民セミナー」というパンフレットでありますが、私も余りいままで関心がなかったわけでございますけれども、大体これを主催しているのが教育委員会と公民館のようでございます。映画ですと、かつてわれわれが見た映画が、またいま見ても非常にそれなりの価値のある映画というものは、名作はずいぶんあるわけでございますが、テレビ番組においてもそうした二次利用がもっと効率的に行われる方法を考えたらいいじゃないかというふうに思います。内容のある、厚みのある番組をつくって、それが、教育委員会とか公民館という形だけでなくて、教育という面だけでなしに、もっと広く文化的な意味で、こうした生の番組を、せっかくNHKさんでつくられたら、それをもう少し二次的に活用できる道を、たとえば地域の、スポーツの内容であれば野球連盟、あるいは青少年の問題をとらえたものであればボーイスカウトだとかYMCA、YWCAとか、さまざまな、地域にある、生活の中にあるそうした団体にもう少し活用してもらう道を開くべきではないかというふうに思いますけれども、大変時間がありませんので、二次利用についてはどのような対策をお立てになっているか、お答えをいただきたいと思います。
○堀参考人 お答えいたします。 NHK自体が公共の福祉増進のための特殊な法人でございますし、したがって活動もそこに中心を置いているわけでございます。二次利用につきましても、同じような観点から、NHKサービスセンターが、できるだけ公共の福祉に沿うような形で、そしてNHKの番組の普及にも役立つというかっこうで、二次利用についていろいろな教材をつくったりあるいはレコードをつくったりいたしております。そしてそれは、売却あるいは協力する対象も公共団体の場合が多うございますので、できるだけ安い値段でそれを協力するということが基本でございます。したがって金銭的には必ずしも多くのものは期待できませんが、かなり多くの番組が出回っておりまして、それの売却が六千万円を超えているという状況でございますから、実際は定価の一%しかいただいておりませんので、それの百倍とは言いませんけれども、八十倍ぐらいのものが世の中で役立っているというふうに考えております。
○伊藤(公)委員 最後に、最近都市部において再開発とかあるいは高層のビルが非常にふえてまいりました。そこで、電波障害というものが非常に各地域で頻繁に起こっております。私の地域でもそうした問題が起きておりますし、これは鉄塔の問題なんかでも当然あるわけでございますけれども、たとえば池袋のサンシャイン60、あるいは新宿の副都心にどんどんと高層住宅あるいはビルができることによって、当然今後もっと広い範囲で電波障害という問題が起きるだろうと思いますが、その実態と、それから、今後はビルを建築をする建築主がその負担をしていくのかということになりますと、これは当然行政指導などということだけでは解決ができない、建築基準法の改正という問題まで当然立ち入って検討しなければならないというふうに思うわけでありますが、いろいろな議事録をひっくり返してみますと、たしか服部郵政大臣だったと思いますけれども、この問題で建設省にそういうお話をされたというような話を私も伺っているわけでありますが、現郵政大臣としてこうした問題、技術的なことはそちらの方でお答えいただいて、大臣としてはこの建築基準法の改正等も検討する必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょう。 時間が大変なくなってしまいましたから、お答えをいただいて、何かついでのようなことになってしまって恐縮ですが、私は、番組の時間をできるだけ削減してほしいというお話を申し上げましたけれども、しかしFMに対しては非常に皆さんの評判がいいというふうに私も伺っておりますので、FMの局をふやすという問題は具体的にどのようになっているかあわせてお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○平野政府委員 ただいま先生最後に申されました建築基準法の問題でございますが、この内容といたしましては、建築確認を受ける際にその建築物による受信障害の対策をチェックするシステムがとれないものかどうかにつきまして、現在建設省と鋭意協議中でございます。内容個々にはいろいろとむずかしい問題がございますけれども、引き続きその解決に当たってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 それからFM放送の普及の関係でございますけれども、御承知のように東京、大阪、名古屋、福岡に追加をいたしまして、昨年の十二月新たに札幌、仙台、静岡、広島の四地区に周波数割り当てを行ったわけでございますが、今後の民放FMの周波数の割り当てにつきましては、昨年の十一月二十三日に国際協定によりまして近隣諸国を含めます中波の放送用周波数の一斉移行が行われたところでございまして、国によりましてはまだ全面移行が行われてない模様でございますので、いましばらくそれらの事情を見きわめた上で今後の問題につきましては対処を考えてまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○石野委員長 次に、阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 本日、放送法三十七条の承認の審査に当たっては、NHKの皆さん御多忙の中を御出席いただきまして大変ありがとうございます。特に会長は、健康がすぐれない中を押して御出席のようでございまして、恐縮に存じております。 私は、NHK昭和五十四年度の予算の審査に入る前に、まず郵政当局に電波、放送の行政の姿勢についてお伺いをしておきたいのでございますけれども、御承知のようにいま国会に放送大学学園法案が提案をされております。同法案の附則の十一条によって放送法の改正が行われようとしておるようでございますけれども、従来、放送法の内容は、公共放送である特殊法人NHKと民放の二本立てによって行われ、受信料によって放送する公共放送と広告収入によって放送する民放の二本立てが最も望ましいとして国民の合意を得てきたわけでございます。 しかるに、今回の放送大学学園法案によりますと、新たに特殊法人を設けて、半ば国営のような、いわゆる政府の全額出資による放送が行われようとしておりますが、これは従来の放送の体系からいたしますと、放送体系の根幹に触れる重大な問題ではないかと思うのですが、この点について大臣はどうお考えでございましょうか。
○白浜国務大臣 いろいろな経緯についてこの間から御説明を申し上げておるわけでありますが、郵政省と文部省との間にやりとりの経過があるようでございますので、そうした問題については局長から御説明いたさせます。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま大臣からお話しございましたように、郵政省と文部省との間におきましては、十年来この放送大学学園問題につきましてお互いに協力をいたしまして検討してきたわけでございます。この放送大学学園法案を国会に御提出いたします段階におきまして、一般的に申し上げまして、法律案の提出につきましては、内容において密接不可分な関係を有する場合には、それが複数の法律にわたるような場合においても一本の法律にまとめることが適当というふうに考えられておるわけでございまして、放送大学学園の放送につきましては、これを放送法上どのように位置づけるかといった問題につきまして、その放送の規律の仕方をいろいろと検討してまいったわけでございますが、この放送大学学園の目的なり業務と密接不可分な関係にございますので、学園法案の附則によって必要な放送法の手直しをすることにさしていただいた、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 国会の方は、日本の場合には委員会中心主義で審査が行われておる、そういう経緯がございます。したがって、非常に軽易なものについてはおっしゃるように一本の法案で、附則等でまとめる場合もございましょう。しかし、本案のように放送体系の根幹に触れるような問題が、委員会中心主義の国会で、逓信委員会での審査が手続上は非常に簡単に行われる結果になります。ある場合には連合審査等の方法はありますけれども、それにしてもこれがきわめて軽く扱われる。特に現行電波法上から見ますと、電波法の改正がない限り一この新しくできる特殊法人が放送事業者として免許を得なければならないと私は思うのですけれども、その免許をするかどうかがまだ明らかでない時点において、すでに放送法を改正してこの特殊法人が放送事業者になるということを規定するということは、これは電波法の運営からしてもきわめて矛盾するし、不自然ではないかと思うのですが、この点はどうなりますか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、放送を含めました現行の免許制度におきましては、電波法上個々の無線局について審査を行いまして、その結果に基づいて免許の許否を判断するということになっております。御指摘のとおり、学園法におきましては、学園の目的、業務におきまして放送業務を行うことを明定いたしておりますし、放送法もこれを予定して改正するものではございますけれども、学園の放送局につきましては、学園法、放送法から離れた電波法上の観点から審査をし、免許の可否が決定されるものでございまして、同じ特殊法人として設立されておりますNHKに対する取り扱いと全く同様になるものというふうに考えておるところでございます。 また、今回の学園は大学教育を放送で行うという……
○阿部(未)委員 あとはいい。 特殊法人だから従来の電波法上の取り扱いを離れて事前に免許をするということを規定した上で放送法を改正する、こうおっしゃるのですか。いまのお話はどうも矛盾するようですが、電波法上の手続は当然経なければならないという前段の御答弁と、後段は特別の計らいによってあらかじめ免許をすることを前提としておる、こうおっしゃったように聞こえますけれども、法の前に国民が平等でなければならないように、特殊法人をつくるからといって、電波法の改正がない限り、免許の手続に特段の違いがあると思いませんが、どうですか。
○平野政府委員 放送法におきましては、御指摘のように、いわゆる国民の聴視料をその経営の基本といたしておりますNHKと、それに対応いたしまして、みずからの収入によりまして自由濶達な放送を行う民放と二本立てになっておるわけでございますが、それに対しまして今回の学園は大学教育をもっぱら行うという形ではございますけれども、いわゆるNHKと同等の特殊法人という形態をとっております以上、先ほど申し上げましたように、NHKと同じように、当学園の放送局としての免許につきましても電波法及び放送法にのっとりまして同等の免許が行われていく性格のものであるというふうに考えておるわけでございます。
○阿部(未)委員 歴史的な経過からしても若干違う。NHKの場合には、あったものを認知するという形になっておるわけですけれども、今度の場合は新たなものに免許を与えるという形になるはずだと私は思うのですが、そうすると、新たなものに、いわゆる特殊法人放送大学学園というものに免許を与える、そこでこれが放送事業者になる、これが放送による大学をやるという形態になると思うのですが、いまのお話では、どうもそれはもう新たな観点で何か当然免許があるんだというふうにお答えのようですけれども、私は電波法を行政的に解釈すれば、手続として特段の特別な取り扱いがあるというふうには聞こえないのですけれども、どうですか。
○平野政府委員 NHKにつきましてはすでに母体としての財団法人がございましたから免許をする、学園につきましては法律に書いてあるから免許をしていくということではございませんで、NHKにつきましても、今回御審議をお願いいたします学園にいたしましても、電波法及び放送法にのっとって新たに免許を与えていくかどうかが検討されるべき性格のものであるというふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 それで明確になりました。新たに審査をして免許を与える性格のものである。とするならば、まだその免許の手続さえとられていないのに、事前に放送法の方を改正して、あたかも免許が与えられ、放送事業者になったと同じような取り扱いを事前にするという手続の矛盾はどうなりますか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 これは昭和二十五年、放送法を施行いたします際の御審議の中でもあったかと思いますけれども、NHKにつきましては、従来の性格のものを性格を変えることによって新たに免許をすることのできる放送法あるいは電波法が施行されたわけでございますし、今回の学園法におきましても、学園法の中において附則として書き上げましたのは、先ほども申し上げましたように学園の性格に密着をした一部の放送法の手直しで済むという観点から、放送法の附則として御提案をすることになったわけでございまして、この学園に対する免許時の取り扱いにつきましては、先ほど申しましたNHKの場合と全く同じように、電波法、放送法の審議を経て新たに免許をするというところには変わりはないものと考えております。
○阿部(未)委員 私は電波監理局長が何を答弁されておるのか、聞いておって全くわかりません。電波法、放送法上変わりのない取り扱いをする、こうおっしゃっておられるわけですけれども、しかし、まだその免許さえ申請がないのに何で放送法を変えなければならぬか。これはまず放送大学学園法が成立をし、免許の申請があって、そのときに、いまあなたがおっしゃるようなそういう性格のものであるからこれは免許をしなければならないだろうという議論が起こってくるんであって、まだ全然できていない学園にすでに放送法によって特別な処置を与えてやる、そういう物の判断が私はどうしてもわからないのです。しかし、私はきょうこの問題で長く議論するつもりはございません。 これは委員長にお願いしたいのですけれども、放送法の根幹にかかわるような問題の審査でございますから、これはいま提案をされておる放送大学学園法の中で、直接放送大学学園にかかわる問題と放送法にかかわる問題を二つに切り離しまして、事放送法の改正に係る問題については当委員会において審査を行う、こういう方法をとっていただきたい。そのことを委員会中心主義のたてまえから、いま付託をしてあります文教委員会の方と連絡をとっていただいて、それぞれ根幹にかかわる問題ですから、新しく放送大学をつくるというのも大変でしょう、同時に放送法を改正するということもこれは大変な問題でございますから、それぞれ分離をして審査をする、審査の形式を分離して、当然郵政大臣の所管する放送法の改正はこの委員会において行う、その他のところについては文教委員会で行っていただく、こういうふうに、ひとつ理事会でも開いていただいて委員会の意向をまとめ、文教委員会とお話し合いを願って、逓信委員会で十分議論をする場をつくっていただきたい、このことを特に、繰り返して申し上げますが、委員会中心主義の今日の日本の国会のたてまえから要請をしたいと思いますが、委員長、よろしゅうございましょうか。
○石野委員長 理事会で後刻相談をして、そのように対処したいと思います。
○阿部(未)委員 郵政大臣のお考えもちょっと聞いてみたいと思うのです。
○白浜国務大臣 これは国会の方でお決めになって決すべきものと思いますから、私どもはそれによってまた対処していきたいと思います。
○阿部(未)委員 では、提案者である政府の方も特段に異議はないようでございますから、そう決まればそういうことでというのが政府の御意思のようでございますから、それでひとつお取り計らいをいただきたいと思います。 それでは、次に入らせてもらいます。次に、私はNHKの運営の基本的な姿勢についてお伺いしたいのですけれども、いわゆる受信料収入だけで運営をされておるNHKが、すでに提案をされておる五十四年度の予算においても大幅な赤字が見込まれております。これは結果的にどうなるかは別にして、予算の上では相当大幅な赤字が見込まれておる。ここでは別に収入をふやしてどうこうというような民間の事業とは違うわけですから、受信料以外に収入のないNHKとしては、国民の合意を得るために、かねて申し上げておりますように、もし受信料の値上げをしなければならないという事態であるのならば、そうであるように前もって幅広くNHK経営の状態を視聴者に訴えながら合意を得るような方法が講じられるべきではないかと思うのですが、どうお考えになっておるか、簡単に説明願いたいと思います。
○坂本参考人 御指摘のように、NHKの今後の収入の見通しとしましては年間二%程度の増加しか見込めないという状況でございますので、当然先生御指摘のような問題に逢着するわけでございますけれども、しかし、受信料というのは受信契約締結義務制に基づいて視聴者に直接負担をいただくということでございますので、料金額の改定というのは慎重にしなければならぬというふうに考えておる次第でございます。しかし、公共放送として今後の使命を達成するためには財政の基盤の安定を図るということが急務でございまして、これは先生方にも御提出いたしましたNHK経営問題委員会の指摘にもございましたように、できるだけ適切な審議機関を設けまして、できるだけ広範な分野の方々の意見の集約を行いまして、この困難な現状を打開するための新たな経営展開を図りたいというふうに考えておる次第でございます。よろしくお願いいたします。
○阿部(未)委員 私は、きれいごとでは済まない、もっと端的に言うならば、日本の国民にとって公共放送であるNHKが必要なのか必要でないのかという議論に発展するだろうと思うのです。どうしてもこれは国民にとって公共放送として必要であるとするならば、受信料以外に方法のないNHKがそのことを国民に訴えて、できるできないは別です、国民の合意を得られるかどうか、最大の努力をしてみるべきではないのか。またもし国民が、そんなに受信料を上げてまで公共放送を維持する必要はないという声になるのならば、そこでNHKがなくなるということも理論上私はあり得ると思うのです。いまの会長の御答弁は当面を糊塗した、さしむき何とかことしは値上げをせぬでやれましょう、そこで審議会か何かつくって——、私の聞いたところでは秋ごろには何か結論を出してもらうというようなことのようですが、ことしの秋に結論を出して、仮に五十五年から料金の値上げをお願いしますなどというような視聴者をばかにしたようなお考えならば、とてもじゃないがそういう方法は困難でしょうと言わざるを得ません。私が申し上げておるのは、料金値上げがいいか悪いかじゃないのですよ。NHKが必要であるかどうかについて視聴者の意思を問うべき時期に来ておる、単に簡単な料金の値上げがいいか悪いかなどとそういう問題ではない、公共放送NHKの存在について国民に問わなければならない重大な段階に来ておる、財政上そうなっておる、こう思うのです。それを、秋ごろに結論を得て国会に間に合えばよろしいというふうな簡単なお考えならば、はっきりと五十五年度においても値上げはいたしませんと言い切るならばそれで結構ですが、そうでない限り、五十五年度に値上げの必要が予定されるのであるならば、そういう時間をかけた手続でおやりになるというのは大変な視聴者を愚弄したやり方ではないか。表面上大事にしておるように見えますが、実際の手続としてはまさに愚弄しておると言わざるを得ぬと思うのです。どうでしょう。
○坂本参考人 NHKの存在にかかわる問題という御指摘はそのとおりだと思いますし、私としても決して先生がおっしゃるような国民を愚弄するというような気はさらさらございません。できるだけ早くそれは結論を出してNHKとしての信を問うということかと思いますけれども、しかし片一方、やはり受信料制度というものを守るための施策と申しますか、そういうこともあわせ行っていかなければならない段階でございますので、いまの段階でそう申し上げたわけでございますので、決して国民を愚弄したり視聴者をばかにしたりということでない、先生の御指摘のような方向で努力するということで御理解賜りたいと思う次第でございます。
○阿部(未)委員 私が申し上げておることをわかっていただければ、これは本当に私はNHKの存続にかかわる問題だというふうに考えますから、単なる料金の値上げが是か非というような問題ではないという点について十分意を用いてもらいたいと思います。 それでは、次に入らしてもらいますが、一体公共放送の使命というものはどういうものだというふうにお考えになっておられますか。
○坂本参考人 御承知のように、日本の放送体制の中では、受信料をもとにして全国あまねく受信できるよう視聴者の直接負担する受信料で経営されるNHKと、それから経営の自由をたてまえとして運営されます民間放送の制度を設けて、この二本建てで現在まで飛躍的な発展を遂げてきたわけでございます。ただ、このような放送体制のもとにあって、NHKが国民的な放送機関としての性格を明確にするよう、私としては業務の運営に努めたいと思っている次第でございます。 業務の面から言えば、報道、教養、教育、娯楽の各分野にわたってすぐれた放送番組を放送してわが国の放送文化の向上に資する、それから、放送サービスが全国あまねく普及するようにするために全国放送網を建設するとともに、ローカルサービスを可能とする放送局を設置する、それから、放送及び受信の進歩、発達に必要な調査研究を行う、それから、わが国の放送界全般の進歩、発達に資するための技術協力や番組提供など各種の業務を行う、それから国際放送を行うというようなことがNHKに課せられた使命である、その使命を果たすために私どもとしては揮身の努力を払っているつもりでございます。
○阿部(未)委員 私も、国際放送であるとかあるいは教育放送、それからいまおっしゃった第九条の二項以下の業務、こういうものはNHKに特殊なものだというふうに考えております。私は番組編成の自由に立ち入る気持ちは毛頭ございませんけれども、しかし、一般国民、視聴者の目に映るときには、NHKのブラウン管に映し出されるもの、民放のブラン管に映し出されるものにどういう違いがあるのだろうか、これが常識的な国民の公共放送に対する概念だろうというふうに思います。その意味で公共放送が、民間放送と比較をしてブラウン管にあらわれてくる画面においてどういう違いが出てくるのだろうか、そのことをお伺いしたいのです。
○坂本参考人 出てきます番組が、民放でも同じ歌謡曲が出、NHKでも同じ歌謡曲が出る、そういう具体的な個々の番組の絵面等から見て同じではないかという御指摘かとも思いますけれども、NHKは、視聴者たる国民がみずから必要とする的確な報道で豊かですぐれた放送番組を確保するため、自主的な放送機関を平等な受信料の拠出によって維持するという考え方のもとに、その存在意義を認めて受信料をいただいている、こういうことでございますので、そういう点において民間放送との違いと申しますか、そういう御認識を視聴者の方々にいただく、むしろ視聴者の方々が積極的に持っていただけるように私どもが努力すべきであろうというふうに考えております。
○阿部(未)委員 これ以上はどうも番組の内容に立ち入りそうで危険なのでございますが、最近、NHKの放映の内容が非常に柔軟になってきたという点ではかなり好評を博しておるようでございます。特に南極の現地のルポでございますか、これなども非常にいいようでございますし、また、各番組の中でも非常に柔軟性を持ってきたということについて、これは一般論として、評判がいいようでございます。ただ私は、そうなってくると、視聴率だけに重点を置くと今度はどうしても民放と同じような傾向になってくるおそれがあるのではないか、それを懸念している。視聴率は高い方がいいに決まっていますけれども、そこだけを重点にすると民放とNHKはどこが違うのだというおそれが出てくる。そこで、視聴率にかかわりない、NHKでなければやれないもの、そういうものがあるのではないかという気がするわけで、この辺、NHKで何か企画といいますかお考えがあるならば、簡単に聞かせておいてもらいたいと思います。
○坂本参考人 その点はNHKとしては最も心を配らなければならない点だと思いまして、いわゆる視聴率競争というようなことに狂奔する気はさらさらございません。 それから、NHKでなければということについてはそれなりの努力をいたしておりますし、たとえば教育テレビにつきましては、私は、一般の教養、教育という面でもっともっと評価していただく努力をすべきではないかと思いまして、五十三年度は格段に教育テレビの充実というようなことにも努めたつもりでございますので、この考え方は今後といえども崩さずに堅持していきたいというふうに考えております。
○阿部(未)委員 せっかくいま放映の内容についてはわりあいに評判がいいようでございますから、ひとつ御努力をいただくとともに、いま私が申し上げましたような点につきましても十分な御留意をお願いしたいと思います。 次に、国際放送の関係についてお伺いしたいのです。 まず郵政省にお伺いしますが、国際放送を郵政大臣が命令をされたその命令分に対する負担金は、昭和五十三年度分と昭和五十四年度分はどういう数字になっておりましょうか。
○平野政府委員 御説明を申し上げます。 五十三年度分につきましては、政府交付金のトータルが六億九千万円でございます。それから、五十四年度につきましてただいま政府原案で予定されております政府交付金の金額の合計が八億三千四百万円でございます。
○阿部(未)委員 いま国際放送関係の政府の負担とおっしゃいましたが、命令分とトータルというのはどういう違いが出るわけでございますか。
○平野政府委員 五十四年度分について申し上げますと、命令内容がもちろんあるわけでございますが、国際放送経費総額に占めます交付額が八億三千四百万円ということでございまして、国際放送経費総額といたしましては三十三億二千八百万円という額に相なるわけでございます。
○阿部(未)委員 いや、政府の国際放送に対する交付金の中に内訳があるかどうかをお伺いしておるのです。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 五十四年度分につきましては、先ほど申しました総額の中におきまして、郵政大臣が命令をして国際放送を実施いたします分と、それから五十三年度から実施をいたしております中継によりまして受信の改善をいたす部分と、二つに分かれておるわけでございます。
○阿部(未)委員 国際放送を郵政大臣が命令をして、国際放送関係交付金という項目がNHKの予算にはあるようでございますが、この国際放送関係交付金と呼ばれるものと、いわゆる三十五条一項の規定によって国が負担をする費用というものには違いがあるかないかと聞いておるのです。相違があるかどうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 それでは少し詳細になりますけれども、まず交付金の内訳といたしまして、給与、番組制作費、編成企画費、技術運用費、通信施設費、そのほかに管理費、それの合計といたしまして七億八千五十七万円という形に相なっております。
○阿部(未)委員 どうもよくわからぬ。 それでは私の方から申し上げますが、NHKの五十三年度の国際放送関係交付金というのは六億九千万円と先ほどおっしゃったけれども、正確には六億八千九百八十八万三千円、こういう数字になっておるのです。ところで、郵政省がNHKに命令をした命令書によりますと、この国際放送のために負担する費用は六億七千二十八万六千円、こうなっておるのです。NHKに交付をされてNHKが受け入れた金額と郵政省が命令した金額に違いがあるから、私はお伺いしているわけです。
○平野政府委員 先ほど申しましたトータルの交付金の中には受信改善分が入っておりますので、それを差し引きますと、ただいま申しましたような額になるわけでございます。
○阿部(未)委員 わかりました。それで私がお伺いしたのです、その金額が違うから。同じ交付金と呼ばれておるのにNHKは交付金を国際放送の交付金として、いまおっしゃった二次管理ですか何か知りませんが、それも含めて計上しておる。それから、郵政省の命令分についてはそれが入っていない。そうすると、これはどういう形で郵政省はNHKに交付するわけですか、交付金の中に入っていなくて。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 郵政省がNHKに交付いたします場合には、いわゆる命令による国際放送分とそれから受信改善のための交付金と、これをトータルといたしましてNHKに交付をいたしおります。
○阿部(未)委員 その受信改善のためのお金は、何によって交付するのですか。
○平野政府委員 受信改善の中継放送分につきましても、郵政大臣からの実施命令の中に含めまして交付をいたしております。
○阿部(未)委員 それでは、私がお伺いをしました昭和五十三年度ですね。昭和五十三年四月一日に郵政大臣が命令した分に対して国の費用の負担が六億七千二十八万六千円、こうなっておる。ところが、NHKの方の予算では六億八千九百八十八万三千円となっておる。郵政省が命令をしたために交付した国際放送のお金とNHKが受け入れたお金に狂いがあるのです。これがどういうわけかわからないから、私は聞いておるのです。
○平野政府委員 国際放送実施命令書というのを二つに分けて出しておるわけでございます。五十三年四月一日付で出しました分の内訳は、国の費用負担といたしまして、先ほど読み上げました六億七千二十八万六千円という形に相なりますし、五十三年五月十九日に国際放送の中継放送の施行という形で出しました国の費用負担分はその命令書の中に記載してございまして、千九百五十九万七千円の範囲内という形で出しておるわけでございます。
○阿部(未)委員 わかりました。だから、私がわからないのは、どうして違うのか、それを聞いておった。もう一つ命令書があるわけですね。いわゆる国際放送実施命令書のほかにもう一つ、改善の命令書があるわけですね。命令書をもらうときは二つぐらい一緒に出してもらわなければ、こんな要らぬ時間を費やさなならぬですよ。もう少し親切にやってくださいよ。いいですか。 それで、続いてお伺いしますけれども、国際放送の予算は、そういうものを含めて、昭和五十四年度はいまお話のありました八億三千三百五十九万四千円、こういう金額になっておりますが、郵政省が命令をしたために必要であった予算、大蔵省に要求した予算は幾らですか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 五十四年度におきまして郵政省が要求いたしました額は、九億百万円でございました。
○阿部(未)委員 先ほどちょっとお答えになったようですが、おおむね概算で国際放送のためにNHKが使っておるお金は三十三億三千万ぐらいだろうと言われています。これは人件費割り当てを含めてですね。含めて、こういうふうに言われています。その三十三億三千万の中で九億何百万か知りませんが、九億何百万を要求した根拠は何でございますか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 これは先ほど交付金の内訳といたしまして御説明をいたしました給与、番組制作費、編成企画費、技術運用費、通信施設費、管理費、これをNHKと打ち合わせをしながら積み上げた額でございます。
○阿部(未)委員 それではNHKにお伺いしますが、大体九億何がしの国際放送の命令をされた分に対する予算が必要であるとNHKはお考えになった。そのNHKが九億何がしが必要であるとお考えになった根拠は何ですか。
○橋本参考人 交付金につきましては、御承知のように、政府から交付された額で命令された項目について実施するということになっております。
○阿部(未)委員 その九億何百万という数字の根拠はどうして出てきたのかとお伺いしているのです。それだけ答えてくれればいいのです、あとは知っていますから。
○川原参考人 失礼しました。 私どもとしては、実際にNHKが国際放送にかけております経費、これを分析いたしまして、最終的に郵政省は九億何がしを御要求になったそうでございますが、私どもの方は、いろいろな計算をいたしましても、実はもう少しちょうだいしたいと思ったのでございますけれども……。
○阿部(未)委員 それで大体わかりました。そうすると、三つ論点があるわけです。 まず、NHKはこの三十三億三千万の中で、国際放送分としてはもう少し多く負担をしてもらいたいと、これは私は内情を知っていますからわかるのです。NHKが自前でおやりになる国際放送と政府が命令する国際放送が実は渾然一体となって行われておるから、だからこういう問題が起こってくる。 二点目に問題があるのは、同じ政府の中で、郵政省は命令分が九億何がしだというふうに要求をされた。ところが、それを八億三千万に今度は大蔵省が、一般に言う査定をされたということになると私は思うのですが、査定をされた。これがまた二点目の問題点です。 そこで、三点目の問題点は、どういう割合が一番妥当なのだろうか、国際放送全体の予算の中で政府が命令する分をどういう割合で負担するのが一番正しいのだろうかというのが三つ目になります。 私は、この最後の、どういう割合でやるがいいか、ひとつ議論をしてもらいたいと思いますが、きょう大蔵省に、政務次官においでいただいたのは、実はかねて、いま総理大臣の大平さんが大蔵大臣当時に、必要な金は当然出します、無理な査定はいたしませんということをお約束いただいておる。にもかかわらず、これは例年私が申し上げておるのですが、ことしもまた査定をした。しかも、それはNHKが要請した額ではなくて、政府の中の郵政省がこれだけはせめてと言ったそれについてまで査定をした。そこに私はどうも納得できないものがありますので、ちょっと大蔵のお考えを聞きたいのです。
○林(義)政府委員 阿部先生御指摘の問題でございますし、現総理の大平さんが予算委員会で答弁したことも承知申し上げております。それから、前々政務次官、前政務次官から、いろいろとこの委員会へ出まして御審議を賜っておることもよく承知しておりますが、査定というのは、いまのところでは、やはり郵政当局といろいろと御相談をしながらやっていく、こういうことでございまして、何しろ財政が大変な赤字のときであるから、各方面にいろいろ御理解をいただいてやっておるわけでございますし、一般の会計の伸び率ないしは一般のこういった種類の経常費の伸び率よりはるかに高いものを出しているということはぜひ御認識を賜りたい、こういうふうに思います。
○阿部(未)委員 例年私が口を酸っぱくして言ってきたからでもないのでしょうけれども、確かに伸び率は高いです。ことしも二〇%の伸び率を示しておるということは私も理解しております。しかし、あと一億足らずのお金です。わずか一億足らずで日本の政府がつぶれるわけでもなかろうし、しかしNHKにしてみれば相当大きなお金になるわけでございますから、ぜひひとつ、総理もかねて約束をされたことですから、郵政省が最後にお願いをする額ぐらいは大蔵の方でも認めてやってもらいたい。これが一点目のお願いです。 二点目は、私は、将来にわたって郵政省とNHKの間で、国際放送全体の費用の中で命令分を何割ぐらいにするかというふうに取り決めておくことの方が、これから先、例年こういうことを繰り返さなくいいのではないか、そういう気もいたしますので、大臣、会長両方から、そういう方法について検討願えるかどうかお答えいただきたいと思います。
○林(義)政府委員 いまのお話でございますし、私も、NHKは大変むずかしい状況にあるし、またこれからりっぱな公共放送としての使命を果たしていただかなければならない機関だと思いますので、御指摘の点は十分に考えたい。ただ、一方で財政が大変むずかしいということを御理解賜りたい。そういったところで今回の案が出てきたと思うのです。 もう一つの問題、一定率を決めておく、こういうふうな話でございますが、これも確かに一つの方法だろうと思うのです。一つの方法でございますが、NHKが持っているところの、受信料をもらってほかから援助なしに、しかも政府の監督もほとんどなしにやる、こういうふうなたてまえからいたしますと、たとえばいま二〇%ぐらいでございますけれども、これを二五%にするとか五〇%にするということになりますと、国の予算はやはり税金で賄っているわけでございますから、そういった立場から、全体で国際放送はどのくらいがよろしいか、その中の何%だということを審査せざるを得ないということになるわけでございます。その辺もございますから、私は、何%と決めるとかえってむずかしい問題も惹起するんじゃないか、こういうふうに考えておりますし、この点はさらに郵政当局またはNHKの方とも少しフランクにお話をしてみたらどうだろうか、こういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 実は政務次官、私もその点決めてしまうのが果たしていいのかどうかというのは若干の疑問がないわけではないのです。しかし、後ほど申し上げますが、NHKといえども受信者のものでございますから、視聴者に国がたくさんおんぶをしている分野があることについてもひとつお考えいただかないと、免除だけでも五十億というお金をNHKは免除しておる。私は、厚生関係にしろ文教関係にしろ、本来国が責任を持って負担すべきものだと思っております。後ほどまた議論させてもらいますけれども、そういう大幅な負担をNHKが受信者に課しておるわけですから、その意味からすれば、法律に定められた国際放送の命令分に対する分ぐらいははっきりと、いま次官のお話がありましたように配意してもらいたいと思っております。 次に参りたいと思いますけれども、受信料未収の関係ですが、受信料未収欠損金の処理について、昭和五十年を例にとってみますと、予算では十六億六千万円の欠損金処理をしなければならないだろうというのが予算に出ております。ところが昭和五十年の決算で実際に未収処理を行ったのは三十二億六千五百万円ということになっております。この数字がこんなに倍にもなるような、十六億も差が出るような未収欠損の見通しはないだろうということをかねて質問したことがあります。たしかいまおいでの山本理事さんだったと思いますけれども、未収についてはあくまで徴収するというたてまえに立っておるから未収の欠損額を低く抑えていきたいのだ、こういう御答弁がありました。大きく受信契約が増加していく段階ではそういう議論なりお考えも成り立つだろうと思いますけれども、いま出ておるのが、昭和五十年、五十一年までが未収欠損金の処理が行われた段階でございますけれども、昭和五十年では予算のおおむね倍額の三十二億六千五百万が欠損金として処理されておる、五十一年についても三十億の予算計上であったものが実は四十九億五千万の欠損金処理になっておる。実に十九億四千万、約二十億の予算と実際の欠損の処理に差が出てくるということは、私はNHK予算上重大な問題ではないのかという気がするのですけれども、これはどうお考えになっていますか。
○川原参考人 御指摘のとおり、予算というのはその期のNHKの実態をできるだけ的確に表現するものでなければならないという意味において、結果としてそれだけの狂いが生じたことは確かに問題だというふうに私ども認識をしております。ただ、予算は、一方におきまして事業の計画、私どもの一つの目標を立てているわけでございまして、特に受信料につきましては、本来これはきちんと全額を収納するのがまた私どもの責任でもございます。といいましても、実際の問題としてそれが一〇〇%入るということはもちろんないわけでございますので、その間、過去の経験と私どもの任務と計画目標との間で一つの調整をして数字を出しているわけでございます。 先ほど言われましたように、五十年度の予算の際にはこれを一・三%と見たというのは、実は五十年度の予算を編成する時点におきまして一番確かにわかっておりましたことは、数年前の四十七年度の決算が最終的に一・三%であったということを見ながら私どもやったわけでございまして、いままた五十三年度あるいは四年度等も、いずれもその予算を編成する時点におきまして、二年前の確定的にはっきりしました欠損償却、これがじりじりふえているのはまことに残念でございますけれども、少なくともそれをふやすことだけは私どもはすまい、何とか過去の実績の範囲内でもって食いとめたい、そういう性格のものでございます。そういうことを一つの努力目標として掲げているわけでございまして、そういうことで引き続き努力はしてまいりたい。しかし、繰り返して申しますけれども、結果として予算の数字が狂うということは余り望ましくございませんので、それはできるだけ計画と予算は近づけるように今後も努力してまいりたいと考えております。
○阿部(未)委員 もちろん五十二年の決算はできないわけでございますけれども、五十二年の当初のいわゆる欠損金処理を見込んだ予算は二%でございますね。二%で四十一億二千万を見込んで、そうしてその次に五十三億で、これは決算を見込んでおるわけでございますね。しかし実際の決算は六十億を超えるとぼくは見ておるのですよ。六十二、三億ぐらいになるのじゃないかという見通しですが、二・六%に決算を修正してみてもなお十億前後の差が出るだろうという気がします。ところが五十三年度については、予算では二・四%で見ておるわけですね。これは二・七から二・八に近づくのではないか。悪くすると五十四年度は三%に近づくのではないか。しかも受信契約が伸びていない段階で未収がそんなにふえているということは、これは大変な問題だと私思うのです。そういう意味で、もうこの辺で受信契約は年間六十万台のわずかな増加しか見込めない段階になれば、この欠損金処理についても当初から明確にしておかないと、決算のときに大きな穴があいてくることにならないだろうか。申し上げたように二千億余りのNHKの予算の中で十五億、二十億という穴は大きいのじゃないですか。どうなんですか。
○川原参考人 確かに十億、二十億の金、これは決して少額ではございません。もちろん二千億と申しましても〇・五%、一%という数字でございますので、私ども決してこれは軽視しているわけではございませんが、先ほど申しましたように何と申しましても受信料というのは少しでも徴収すべき金額に近づけて徴収をするのが私どもの責任でもございますので、過去の実績を十分見ながらぎりぎりの努力目標を掲げて進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 私は、この問題でそうたくさん議論する必要はないと思うのですけれども、結果的に十五億、二十億というような大きい穴が決算であいてくることが大体予想されるのに、ただ、たてまえがそうだ、受信料だから取るのがあたりまえだ、二年おくれようと三年おくれようと取るのですという理屈だけで予算が成り立っていくだろうか、予算の執行ができるだろうか、そういう点を非常に懸念をして申し上げているわけですから、努力の目標としてそうお答えになることはそれなりに理解をしますけれども、もう少し予算というものは実数に近いものを計上すべきではないかという考え方を持っておるということをひとつ含んでおいていただきたいと思います。 次に、大蔵政務次官お見えになっていただいておりますからお伺いします。受信料免除のあり方なんですけれども、先ほどの放送大学の問題にも絡んでくるのですが、国も教育には大変力をお入れになりまして、放送大学などをつくることになっておるようでございます。実はNHKの受信料免除基準の中で、郵政大臣が認可をして受信料免除をしておるその総件数は七十二万五千件という件数になっております。NHKが昭和五十四年度、死にもの狂いで努力をしてもふやすことのできないほどの件数が実は受信料の免除の件数になっておるわけでございますが、NHKはこういう受信料免除がなければ大体どのくらい収入がふえることになりますか。
○中塚参考人 現在受信料免除をいたしております、五十四年度の予算での総額は六十四億円でございまして、そのうち基地等の周辺につきましては国庫補てんをちょうだいしております。これが約十億円でございますので、実質的な協会の負担免除額というのは約五十四億円でございます。したがって、これがなければ五十四億円ほどが収入になってくるということでございます。
○阿部(未)委員 この中で文部省の、いわゆる学校の受信機についての免除が大体二十億をちょっと超えておるような数字になっておるようでございます。これはかねてから議論が二つありまして、いずれにしても国民が負担するわけですから、学校に備えつけてある受信機については視聴者全体の負担として受信料を免除する、そういう形で学校教育に貢献をするといいますか、援助をするということも一つの方法ではないか、それはそれなりに私はわかります。それでなければ税金で負担しなければならないのだから——こういう議論です。しかし私は、本来の性格からいって、教育にしろ厚生福祉、そういう問題にしろ、これは国が行う業務であって、NHKが受信者に肩がわりをさせて行う援助ではないのではないかという気がするわけです。しかし先ほど来政務次官からもお話がありましたように、国の財政も非常に厳しいからというお話なので、それなりに今日まで議論はしながら延びてきたんですけれども、一部についてはNHKもこの免除についての取り消しといいますか、そういうものをお話し合いになっておるようですが、特に文部省関係が、あの放送大学なるものができ上がりますと年間の予算、大体一千億を見込んでおるようでございます。あれに一千億もの金をつぎ込んで——これは結構なことでございますが、ならば二十億ぐらいその中からひねり出して、文部省から各学校に受信料を配算してやる、こういう政策がとられるべきではないか。文部省お見えになっていただいておるはずですから、まず文部省関係についてお答えいただきたいと思います。
○中西説明員 お答え申し上げます。 先生お話しのように、昨年六月にNHKの方から学校等の受信料免除を廃止するという御要望がございました。しかし私どもといたしましては、テレビの放送が大変学校教育に役立っておりまして、この利用の促進をさらに図らなければいけないということを考えているわけでございます。そこでNHKの方でも、教育番組という一つの放送の利用というのが使命にされておりまして、その利用の促進を図っておられまして、そういう点からいたしまして、財政的な事情はおありと思いますけれども、NHKの公共的性格にかんがみまして免除措置を続けていただきたいと強くお願いを申し上げる次第でございます。
○阿部(未)委員 さっき申し上げた二つの考えはあるのですが、私は、国が全体の予算の中で見るということは、いわゆる税負担の公平、たくさん持っておる方々からはたくさん負担していただいて、少ない方からは少ない負担で、国全体がそういう学校教育なりあるいは社会福祉をやっていくというのが行政の本質だという気がするわけです。御承知のように、いまどんな貧しい世帯でもテレビの一台は大体備えておる。ところが、さっき大臣もお答えになっておりましたが、三台も五台もあるおうちもある。しかし受信料は世帯主義ですから、三台の受像機があっても受信料は一台分払えばいい。貧しい、たった一台に家族全部がしがみついて見ておるテレビも同じ受信料を納めなければならない。そういう負担の公平からいくならば、私はやはり全体の税負担の公平の原則にのっとって、国が集めたお金の中から教育費なりあるいは社会福祉の関係、そういうものについてはめんどうを見ていく、ここら辺でもうNHKの受信者に負担をさせる肩がわりのやり方はおやめになるべきではないかと思うのですが、これは大蔵が一番関係が多いので、どういうふうにお考えですか。
○林(義)政府委員 阿部先生、前からそういった御指摘をしておられるということも承知しておりますし、当委員会でもそういった問題、ずいぶん御議論があるということもよく承知をしております。 私はNHKの受信料でいろんなことをやるというのが、このNHKが困った状態になってきたときにいいかどうかというのは一つの問題点だろうと思うのです。問題点でございますが、学校教育なり特に福祉の問題、すべて国で負担をして、税金で負担をしろというのはちょっと私は問題があるのではないか。福祉というのはなかなか、だれがどういったことをやるのが福祉なのかという議論も私はあるんだろうと思うのです。それから学校教育におきましても、公立の学校もありますし私立の学校もありますし、いろんな学校があるわけですから、それはやはり少しきめ細かに判断をしていかないと、いきなり、すべて学校教育法でやるところの学校は全部国の税金で持てというのもいかがかという感じがいたしますし、福祉の問題でも、NHKの受信料免除基準を見ましても、一方では全額免除しているところもありますし、半額免除というところもあるんですね。じゃ、ここら辺を国がやるときに一体どういうふうなルールでやるのか、また国が福祉というものをやるときに国が全部やるということでなくて、地方公共団体が負担をしている部分もありますし、また特別の財団でやっていただくところもありますし、そういったことから、すぐに国が全部税金でやれということはなかなか私は議論が多いところじゃないかと思います。ただ、そういったことでございますから、大蔵省だけでなくて、厚生省なり文部省なり、各省と少し話し合いを詰めていただいて体系を立てることが必要ではないか、こういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 この問題もまた改めて議論さしてもらいたいと思いますが、確かに福祉については自主的な行為というような方法によっての福祉の取り組みもあると思います。それからもう一つは、国全体が税負担の公平の中からやっていくという二本立てになるだろうと思うのですが、ただNHKの受信料の場合には、本人の意思を無視して、取った中から出すという形になるわけですから、そういう意味では自主的な福祉というものにもならないような気がするわけです。これはいませっかく大蔵の政務次官、そうお答えいただきましたから、ひとつ御検討いただく、課題としてお願いしておきたいと思います。 時間がなくなりますから……。文部省は、今度の放送大学学園法についてNHKとのかかわり合いはどう考えておられますか。
○佐野政府委員 放送大学は、御案内のように学園が大学の設置主体となり、同時に放送局の免許を受ける開設の主体となる。両者を一体的に運営することによって、最も効果的な大学教育を実施しようということで構想されたものでございます。この構想が検討されてくる段階では、いろんな形でNHKに御協力を賜りまして今日まで来たわけでございます。私どもは、法案でお願いしておるような形で放送局の開設というものを郵政省と御相談をしながら進めてまいりたいと考えておりますけれども、引き続いて、NHKについては技術的な面であるとか、その他これまでのNHKの豊富な御経験に基づくいろいろな御援助をぜひ賜りたいと考えております。
○阿部(未)委員 NHKは、そういういま学園の方で考えておられるような技術援助なり、そういう関係についてどう受けとめておられますか。
○坂本参考人 先生御承知のように、NHKはかつて放送大学の実験番組なども編成した経験もございますし、そういう意味で、同大学の要請に応じまして、放送法の規定に従って必要な協力を行うという考え方でございます。
○阿部(未)委員 何か私の仄聞するところでは、NHKの中にも、これに対応する機関かどうかわかりませんけれども、沢田委員会などというようなものが設けられて、鋭意研究を重ねておるというふうに聞いておりますが、そういうことはありますか、ありませんか。
○堀参考人 お答えいたします。 放送大学の問題は、やはりNHKにとってもきわめて重大な問題だと考えておりますので、これについて、現在放送総局の中で沢田君という適当な人がおりましたので、沢田君を中心にいろいろな情報収集それから対策の検討をさしております。もちろんそれは改めてNHK全体の意思決定の中での資料の作成という段階にとどまるわけでございます。
○阿部(未)委員 いずれこの問題は、さっき申し上げたように、この委員会に放送法の分野だけは分けてもらいたいと思っておりますから……。 それから、もう一つ最後にお伺いしておきたいのですが、電波監理局長と文部省にお伺いしますが、私は、放送というもののたてまえから、特に大学放送というような場合には、やはりNHKと同じように全国あまねくこれが受信できるようなものでなければならない、それが放送の原則だと思うのですけれども、いまの放送大学学園の計画で見ますと、関東地域を対象にして行うようになっておるようでございます。こういう重要な放送といいますか、その性格上地域が限られて放送される、しかも、それが年次計画で逐次何年までにはこうなっていくというならば国民の教育の機会均等についても私はある程度理解ができますが、何年先どうなるかわからない、さしむき関東地域だけに放送大学の電波を出すというふうな放映のあり方が一体正しいのかどうか。放送というあまねく国民が受信できなければならないというたてまえからして、放送大学学園の出す電波が関東一円だけに限られて、他の地域については具体的な何らの計画がないという点について、放送行政を預かる郵政省の立場からどうお考えか。 それから、文部省の方には同じ意味で、教育の機会均等という意味から考えてみまして、関東一円に限られるということは非常に矛盾があるのではないか、むしろこの法律の内容は、時間的財政的に大学に行くことが非常にむずかしい辺地の方々にこそ必要のある内容のものではないか。それが辺地はほとんど認められずに、わりあいに恵まれておる、たとえば大学の夜学に行こうと思えば簡単に行ける関東地域の人たちだけが受信でき、勉強ができるというのは、教育の機会均等というたてまえからいかがなものだろうか。これをそれぞれ答えていただきたいと思います。 それから内閣法制局お見えいただきましたけれども、これはこの次にここの委員会で改めて議論をさせてもらいますから、きょうは結構でございます。
○佐野政府委員 放送大学というプロジェクトは非常に事柄の重いプロジェクトでございますし、また私どもにとっても初めての経験でございます。したがって、それを進めていく場合にはきわめて周到かつ慎重なステップを切って進めていく必要がございます。郵政省の御協力を得まして進めてまいりました調査会議におきましても、やはりそういう形で準備を進め、かつ実施を進めることが適当であるということでございました。 第一期の内容としては、先生御指摘のように関東地域を対象としているわけでございますが、この考え方は、学習希望者の実際の就学状況が明らかになり、将来の拡充方針を検討するについて十分な資料が得られるような内容、規模の事業を実施する、そのためには財政的な事情その他も考えてやはり関東地域を選ぶのが最も適切であるという判断に立ったものでございます。しかし、文部省としては、もちろん先生御指摘の教育の機会均等という要請からしてこの放送大学の対象地域というものを年次計画をもって拡充をしてまいらなければならないということは考えておりますし、その時期はなるべく早くいたしたいと考えております。しかし、何分にもこれは郵政省と十分に御相談をしなければ進まないことでございますし、また財政的な事情もあるわけでございますが、先生御指摘の教育の機会均等という趣旨を十分に踏まえて、今後の第一期計画の実施の状況等も十分に勘案をしながら対応させていただきたいと考えております。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま文部省の方からお答えございました「大学教育のための放送の普及発達を図ることを目的とする。」というあたりで大学教育の機会均等という立場から私どもとしても解釈をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございまして、第一期計画につきましては、文部省サイドでいろいろ御検討中でございまして、私どもといたしましても、周波数の効率的な利用の観点等からいたしまして、今後関係方面と十分に詰めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○阿部(未)委員 相手が、国が出資をする文部省ですから間違いはないでしょうが、放送事業者という立場から言えば、将来こういうふうに計画をしておりますというのは私は当然だと思うのです。しかし、さしむき試験放送みたいに関東だけやってみて、その上に立っていろいろな資料を集めてどうこうしようというのがさしむきの計画のようでございます。そういう場合に、私は放送というもののあり方からして軽々に免許することがいいのかどうか、そういう点についてもやはり放送行政に携わる者としては十分な検討の要る課題ではなかったのか、そういう気がしますが、特に先ほど委員長にお願いしましたように、改めてこの放送大学学園の問題につきましては、放送法の関係でこの委員会で議論をさせてもらうことをお願いをして、これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
○石野委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○石野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鈴木強君。
○鈴木(強)委員 私は、若干の質疑をさせていただきます。 最初に、郵政大臣にお尋ねしますが、昭和三十九年九月に臨時放送関係法制調査会から民放、NHKを含めまして改善すべき点に対しての答申が出されておりますが、大臣がこの内容をお読みになったと思いますが、この答申に基づいてわが国の放送体系を一日も早く現状に即応させるということが政府の務めであるし、またわれわれの仕事でもあると思っておるのです。ところが、十五年たちましても、まだその問題がそのままになっておるということが非常に残念ですし、一面から言うと、郵政当局の怠慢だと言われてもこれは仕方がないと思います。大変むずかしいことですから、私は一方的には決めつけませんが、大臣としてのこの問題に対する所見をぜひ聞かしてもらいたい。
○白浜国務大臣 電波法につきましては、海上人命安全条約の発効に備えての所要の規定及び人工衛星局の技術的条件など所要の規定の整備などを行うための改正案を今国会に提出するよう、現在鋭意検討中であります。 また放送法につきましては、放送の持つ教育的機能を発揮する上において有効な施策であり、かつ大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえる上において意義ある施策と考えられる放送大学学園の創設に伴って必要となる所要の規定につきまして所要の改正を行うこととし、学園法の附則として国会に提案しているところであります。 電波法、放送法の全体的な改正につきましては、省内の電波放送関係法制調査委員会におきまして、衆議院逓信委員会に設けられてあります電波・放送に関する小委員会における御審議の状況などを踏まえ、鋭意検討を進めておりますが、NHKの経営動向、多重放送などの要素あるいは放送衛星の利用につきましての国連の宇宙空間、平和利用委員会における審議など、未確定かつ流動的な要素が多々ございますため、これらの動向を十分見きわめた上、措置してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、事は言論の自由にかかわる問題でありますため、関係者の意見及び世論の動向を十分に踏まえた上で真剣に検討してまいりたいと考えております。
○鈴木(強)委員 大臣、私の質問をよく聞いておいていただきたいのです。放送大学に伴う一般的な電波法や放送法の改正、これはわかっているのですよ。ですから、この答申に基づく法改正をおやりなさいと言うのですよ。この国会に出すのですか。そこだけ言ってもらわぬと——まるっきり質問しないことを答えられているのです。そこへ書いたものを読み上げたんじゃだめなんですよ。ですから私が言うことをお聞きになってくだすって——あなたはこれをお読みになったのでしょう。お読みになったのなら、やはりこれを早く直さなければいけないと切実に感じたでしょう。そうであれば、いままで十五年間もたなざらしになっておったこの法改正に対して早急に手をつけなければいかぬじゃないですか、こういうことを私は言っているのですよ。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま大臣が申されましたように、宇宙関係の動向でございますとか、あるいは国内的には多重放送のこれからの動向でございますとか、まだ流動的な問題がいろいろとございますほか、事は言論の問題でございますので、郵政省といたしましても鋭意検討中でございますけれども、まだ御提案できるところまでは参っていないわけでございまして、衆議院逓信委員会の中の小委員会の先生方の御発言の状況等を踏まえながら、今後鋭意詰めてまいりたい、このように存じておる次第でございます。
○鈴木(強)委員 非常に責任逃れです。一つは、衆議院の電波・放送小委員会の推移を見るというのでしょう。もう一つは、事が放送の自由の問題だというふうに責任を転嫁している。ところが、これをよく読んでくださいよ。中には具体的に、免許についてもこうしなさいとか、番組の審議会についてもこうしなさいということがはっきり述べてあるんですよ。そのことについて、あなた方は答申を受けて、責任を持って改正を提案したらどうですか。あっちもこっちもながめてばかりいるからちっとも進まないのですよ。そういうことを私は言っているのです。こんなことで余り時間を費やしたくないのですよ。これは毎年毎年言っていることですから。だから大臣、あなたの方でも改正を出します出しますと言いながら十五年間過ぎてきた。昭和四十一年に一度出したんですけれども、これが途中で廃案になってきているいきさつもあるのですから、やはり現状に即する法体系にしなければならぬでしょう。そういう点について鋭意ひとつ進めていただきたい。これは強く要望しておきます。 それから次に、FMの免許の問題については先ほども伊藤委員の質問に答えられておりましたが、このチャンネルプランというものが右往左往しておって、ちっとも前へ進んでいかない。すでに既設の四地区に加えてまた新しく四地区、札幌、仙台、静岡、広島とふやすことは決めたようですが、これも一体いつ免許になるのか。残された地域については、すでにNHKは全県にFM放送局を持っておるわけですし、さらにことしも中継局を五つふやすわけです。ですから、民放に対するFMは早急に認可すべきですよ。宝の持ちぐされじゃないですか。せっかくある周波数をそのままにしておくということは非常に残念なことですよ。だから、さっきもいろいろ質疑があったようですけれども、私は納得できないんだ。これも電波、放送法の問題と関連をして早急に結論を出さなければいかぬですよ。どうですか、いつごろやるのですか。
○平野政府委員 昨年の十二月に従来の四地区に追加をいたしまして四地区の免許、周波数割り当てをいたしたところでございます。先ほど先生おっしゃっておりましたように、その四地区につきましては現在申請書が提出されつつある状況でございまして、われわれといたしましては現在その申請書の整理に取りかかっておるという状況でございます。 また一方、十一月の二十三日に、国際協定によりましてNHK、民放等の放送事業者が各国と軌を一にして中波の周波数を移行したところでございます。ところが、ここ数年来、郵政省の監視機構等を活用いたしまして各国の中波の動向を監視を続けてまいっておるわけでございますけれども、残念ながら、いまだに一部の国におきましては中波の移行を完了しておらぬという状況でございます。この中波の移行につきましては、国際協定、国際的な約束事でございますので、私どもといたしましては、この国際協定の早期実行を国際機関を通じましてそれぞれの国に対して要望しておるところでございまして、その状況の見通しを十分につける必要があるというふうに存じておるわけでございます。したがいまして、そのような状況を注目しながら、今後FMの追加周波数割り当てにつきましては鋭意検討してまいりたい、そのように存じておるところでございます。
○鈴木(強)委員 抽象的ではわかりません。そうすると、日程については今年度中にはその四地区に加えて、さらに残りの地区についてもチャンネルプラン、周波数免許をやるということで進んでいるのですか。大体めどが全然なくてやっているのですか。
○平野政府委員 少し具体的に申し上げますと、中波の周波数の移行に伴う状況を注目しながらということでございまして、実は日本の中波の局と外国の中波の局との間の混信対策が主要な問題点でございまして、十分に外国が移行を完了していないうちに、国内の中波の局に混信があるからといってたとえばFM局に移行するというような動作をいたしますと、せっかくの国民の重要な資源でございます中波資源というものが確保できなくなるおそれがあるわけでございますので、この辺につきましては、十二分にその行く末を注目しながら検討の中に繰り込んでまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 私どもの希望的な観測といたしましては、ここ二、三カ月の間には国際機関のサゼスチョンを受け入れていただいて、それぞれの国がしかるべく国際協定の線に合わせる努力をされていくのじゃなかろうか。そのような状況を見詰めながら、なおかつそれぞれの県の経営基盤とかそういったものが昨年からどのように動いてきておるかということを調査をしつつあるわけでございますので、多分この秋ぐらいまでには見通しがつけ得るのではないかというふうに考えておるところでございます。
○鈴木(強)委員 混信状態などはすでにかなり調査も進めておられるわけですから、八地区以外の残された地域についての中波との混信状態というのはかなり調査が進んでいるのじゃないですか。ですから、そういうことの理由ではちょっと納得できないので、国際的にまだ切りかえをしていない国があるというわけですから、これについてはもちろんわれわれ関心を持っていなければなりませんが、それだけで、残された大多数の地区の混信状態がいま可能性としてあるということは私は考えられないのですよ。ですからもう少し、できるところはどんどん進めていくというようにひとつやっていただきたい、これを強く要望しておきます。 それから次に、昨年御承知のような電波ジャックがございまして、われわれも非常に衝撃を受けたのでありますが、これに対しては日本の電波監視体制というのが非常に弱いということが強く指摘をされたわけでして、その後省内におきましてもそれぞれ対策は立てていただいておりますが、さらに民放、NHKの協力を得て徹底した電波妨害対策というものをやはり立てておかなければいかぬと思うのですね。それについて郵政省あるいはNHKはどんなふうな対策をお考えになっておられるか、これをお伺いします。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 電波ジャックという問題は非常に重要な問題でございますが、私どもとしまして、これは事前に予測することができません。万一こういう問題が起こったときにどう対処するかという考え方で対処をいたしております。昨年一月に起こりましたその直後の国会でも申し上げましたように、私どもの番組のモニターを委嘱しているものがございます。あるいは委託監視員もございます。さらには全国電器小売商業組合連合会、いわゆるラジオ屋さん、電気屋さんの小売商の皆さん方にもお願いをいたしまして、万一こういうことが起こったときには、できるだけ正確な情報をすぐに通報していただく。つい最近に至りましては、民放さんの方とも御一緒にその情報の交換をしようという体制を整えた次第でございます。得ました情報は速やかにわれわれの監督官庁でございます郵政省御当局の方に御連絡をして処置をとっていただくというふうに考えている次第でございます。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 電波ジャックの問題につきましては、従来から一般的な監視のほかに、特殊な監視手段を考慮する必要があるということでございます。それで、実は昨年来、電波研究所を中心といたしまして、特にテレビジョンの音声、FM放送、こういったものに対する電波ジャックが発生をいたしましたときには、その発生地点を即時自動的に捕捉できるようないわゆるセンサーでございますが、それの開発に努めまして、何種類かのセンサーについてほぼ使用可能ではないかという状況に達しております。それで、五十四年度予算の中でフィールドテストをしようということにいたしております。あわせて、発生地点が即時自動的にチェックできたといたしましても、そこに到達して詳細にどの器具が発生源であるかということを追跡する必要がございますので、そのような施設につきましても五十四年度政府原案の中に現在入れていただいておるわけでございます。 そのほかに、先ほどNHKの方からもお話がございましたように、電波ジャックが起きましたときに、放送事業者からの連絡方法等につきまして、郵政省の方からも放送事業者にお願いをいたしまして、それぞれ放送事業者間の連絡協調をお願いするとともに、郵政省に対する連絡ができるだけスムーズに、しかもわが方の調査に有効に役に立つような、そういうチャンネルを設定するようにしております。 また、警察庁その他の関係機関につきましても同じようなチャンネルを設定いたしまして、お互いに情報を交換し合うというような体制が現在確立されております。
○鈴木(強)委員 まず、郵政省の電波監理局のこれに対する監視体制の強化、こういうものが一番先に要求されると思います。私は、現状の体制はまだ不十分だと思うのですよ。ですから、さらにこれを拡充強化してもらいたい、これが一つ。 もう一つは、法制的にやはり何か考えておく必要があるのではないかということも私、想像できるのですけれども、警察庁との関連、これはなかなかむずかしい問題でございますから、ひとつそういう点も十分に検討を加えて、せっかく民放とNHK等放送界が全体になって電波ジャック対策というものについて真剣に考えていただいているわけですから、その先頭に立って郵政省はそういう行政面、法律面を含めまして、積極的にリーダーシップをとってもらいたい。電波監理局の中における監視体制の強化ということをもっと数段やってもらいたいと思うのですが、その点はどうですか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 実は、昨年、いわゆる電波ジャックが発生した直後におきまして、郵政省の本省におきましては電波ジャック対策本部というものをつくりました。また、それぞれの現場に相なります地方電波監理局につきましても、それぞれの現場における電波ジャック対策本部というものをつくりました。そうしてそれ以降、たとえば警察その他の方面からの情報がございました場合には直ちにそのような本部が活動いたしまして、中央におきましては情報の収集に当たる。地方におきましては、それぞれ監視機関等の体制を促進するというような行動を昨年いっぱいして今日に至っておるわけでございます。 一方、中央の対策本部におきましては、先ほど先生からも御指摘がございました現在の法体制で十分対応できるかどうかという検討を現在鋭意いたしておるところでございまして、われわれといたしましては総力を挙げましてこの問題に取り組んできておる、そういうふうに認識をしております。(鈴木(強)委員「おひざ元の監視体制について簡単に」と呼ぶ)失礼いたしました。 東京における監視体制につきましては、実は昨年発生以来、いわゆる移動局、移動監視車の増強に努めましたほか、移動車相互間の無線連絡が可能となるような措置をとりながら現在に至っておるところでございます。 電波ジャックとは申し上げませんけれども、成田対策につきましては、電波ジャックに近い状況でございますけれども、これはこれといたしまして別途の対応を現在実施を図りつつあるところでございます。
○鈴木(強)委員 けさも何か電電公社の通信回線がかなり切断をされているという非常に遺憾な事件が起きているわけです。それもこれもございまして、こういう電波ジャックの防止対策の拡充強化は、私は大変必要、緊急なことだと思います。いつ来るかわからないものでありますから、考え方によってはあわてるなという意見もあるかもしれませんが、やはり備えあれば憂えなしで、そういう面におきましては一層の体制強化をお願いしておきます。 それから次に、モスクワのオリンピック大会がいよいよ来年に迫りました。この競技の模様を全国民に見ていただく、聞いていただくということは、NHKに課せられた至上的な使命ではないかと私は思います。残念ながら御承知のような放送権の問題をめぐりまして、ことしはモントリオール方式がとれなかった。大変に遺憾な状態にございます。われわれは何回かの委員会におきましても、早急な解決を政府並びにNHK、民放ともどもお願いをしてまいったのでございますが、幸いにしてラジオにつきましては一応決着を見たようでございますが、テレビについては依然としてまだ問題の解決を見ずして今日に至っておるのでございます。したがって、これは早急に解決をしなければならない問題でございますが、現状、テレビの方の放送権をめぐる話し合いはどうなっているのか、これをひとつお聞かせいただきたいのでございます。
○堀参考人 お答えいたします。 残念ながら、テレビについて話し合いがついていないのは先生御指摘のとおりでございます。しかし、NHKといたしましても何とかモスクワのオリンピック放送をテレビでも実現したいと思いまして、ラジオで交渉すると同様に、同じ時期にテレビについても内々でテレビ朝日との話し合いに入りました。しかし、これは表立った話にはなりませんので、極秘裏にもう何十回か接触いたしまして、いろいろな条件その他を考えながら御協力をお願いしている次第です。しかし、まだ一番肝心な点で話が詰まりませんので公にできないことをまことに残念に思っておりますが、今後ともテレビ朝日側の御協力を得てわれわれの使命達成に努力をしてまいりたい、かよう考えております。
○鈴木(強)委員 郵政大臣、歴代大臣にも私はこのことについては特に最高の御配慮をひとついただくようにお願いをしてまいりました。委員各位もそれぞれの立場から同様な強い要請をしてまいっております。根本的にはもちろん放送局同士がそれぞれやっていただくわけですが、事は国際的な問題にも絡んでおりますし、性質が非常に複雑でございますから、放送に対する介入とかいろいろな意見も出てきますから、その辺は慎重にしていただかなければなりませんが、なおかつ大臣として最高の配慮をしていただきたいと私は申してきているのですけれども、いまNHKの堀報道総局長のお話ですと、残念ながらテレビはまだ解決はしておらない、しかも何か暗い見通しのような気もするわけですけれども、郵政大臣として何かやってこられましたか、途中であなたかわっておりますけれども。前の服部大臣も一生懸命やるということを言明されておるのですが、いかがでしょう。
○白浜国務大臣 私も十分経過を承っておりますが、事はお互い同士の話し合いの最中であると承っておりますので、私が出まして役に立つことがありますれば、喜んで私どもも努力していきたいと考えております。
○鈴木(強)委員 服部さんのころから——あなたはまだこれから努力すると言う。では、いままでそういうことについてはやらなかったということですか。前の大臣からそれは引き継ぎがなかったのですか。
○白浜国務大臣 引き継ぎというほどではございませんけれども、郵政省の方からも経過を承っておりますので、努力していきたいと思います。
○鈴木(強)委員 NHKにお伺いしますが、モントリオール方式ができなかったために、テレビ朝日が独自でMOCとの間に放送権の契約を締結されたわけですね。したがって、私たちは、一体放送権料は何ぼかということをこの委員会に参考人として来ていただいて問いただしたのですけれども、答えないのですよ。その当時、たしか五月か六月になれば公表できるだろうというようなことまで言いまして、議事録に載っておるのですが、その後もう一度やったけれども、これまた公表しないというのでございますが、内々であっても、何ぼでテレビ朝日とMOC、モスクワ・オリンピック委との間でやったかということもわからないのでしょうか。 それからもう一つは、EBUはすでにこの放送権について調印できたのかどうなのか、ABUの方はどうなっているのか、その辺もひとつ示してもらいたい。
○堀参考人 テレビ朝日の放送権料につきましては、テレビ朝日との話し合いが継続している中で、テレビ朝日側が発表しないものを、たとえ承知しておりましても、申し上げるのは信義に反するかと思いますので、御容赦願いたいと思います。 なお、アメリカの放送権は、御承知のとおり八千五百万ドルでございました。EBUは、全部新しいマイクロウェーブ六チャンネルを含めまして、これも公表しておりませんが、五百九十五万ドル、約六百万ドルというふうに承知しております。なお、ABUにつきましては、まだ話し合いがまとまっておりませんので、金額についても決まっておらないと承知いたしております。
○鈴木(強)委員 わかりました。テレビ朝日との信義がありますから、仮に内々に知っておってもここの公の席では言えない、これはよくわかりました。なお、私たちはテレビ朝日の方にもその額を示していただくようにいろいろな機会を見つけてやりたいと思っております。 それで、EBUの場合、マイクロウェーブ六チャンネルを含めて五百九十五万ドル、これは前回の場合と比べたらどの程度高いのか、もしわかったら知らしてもらいたいのですが、おわかりですか。
○堀参考人 お答えいたします。 たしか前回のモントリオ−ルは、もし間違いましたら後で訂正さしていただきたいと思いますが、四百五十万ドル程度だったと思っております。ただしEBUの場合は、OIRTでございますか、ソ連圏の東欧の放送機関との間で技術的な相互協力の協定がございますので、いわゆる技術提供料なるものが、アメリカ等のバランスから見ますと少し低目に押さえられているというふうに承知いたしております。したがって、モントリオールと比べると、もし四百五十万ドルといたしますと四十数%の増加ということかと思っております。なお、モントリオールにつきましては至急調べまして御連絡いたします。——EBUは四百五十五万ドルでございまして、五万ドル間違えました。
○鈴木(強)委員 確かに四年たっておりますから、高くなるのはわかりますが、かなり値段が高くなっているように思います。しかも、仄聞するところによりましても、テレビ朝日とMOCとの放送権料についてもかなり高額になっていると私たちは推測をしておるわけでございます。こういう結果が出たのは、やはりわが日本放送界が全部が一体になってモントリオール方式のような形でいけばもう少し話がうまくいったのではないだろうか、こういうふうに私たちは思いまして、テレビ朝日の方にもかなり質問もしたのでございます。しかし、商売だから何千万ドルかかったってやるものはやるのだというようなお話でございましたから、話にならないというので今日に至っているわけでございますが、国益ということもありますから、やはり将来モントリオール方式というものを基礎に置いて、そして、わが放送界が一体になってこれからのオリンピック大会の競技は放送していくというような基本に立ってほしいと私は思うのです。 同時に、日本の清川IOC理事もいらっしゃるので私もお会いして、IOCの規約の面から、一国が主催国の組織委員会と一社単位でやれるということに対する規約上の問題があると私思いましたから、日本のように複数の放送局がある場合には、仮に一社が結んでも、その放送権というものは全部の放送事業者にイコール通用するというような形にしておいてもらえれば問題がないのじゃないかというのでお願いをいたしました。この委員会にも来ていただくような手はずもいたしましたが、なかなかむずかしい点もありましておいでいただいておりませんが、私の言っている趣旨は清川理事も了解してくれているのです。ですから、あらゆる機会にそういう規約の改正についても努力をしてくれる。私は文部大臣にもかつてお願いをしまして、大臣も、事は非常に重大なことであるし、直接私が出るということもどうかと思うが、自分としてもあらゆる機会に努力をする、こういう御返事もいただいておるわけでございますから、どうかその辺を基礎に置いてこれから折衝していただいて、そしてできるだけ早い機会に全国民が来年のモスクワ・オリンピック大会の模様を茶の間において見ることができるような態勢をつくっていただくことを特にお願いします。大臣もひとつぜひNHK、民放ともいろいろとできるだけお話し合いに乗っていただいて、促進方をお願いします。よろしゅうございますか。
○白浜国務大臣 一層努力してみたいと思います。
○堀参考人 お答えいたします。 〔委員長退席、久保(等)委員長代理着席〕 御趣旨の線に沿って努力したいと思いますし、また、レークプラシッドにおける冬季オリンピックにつきましては、御承知のような日本一本、NHKが代表になって放送権を獲得いたしましたし、ロサンゼルスのオリンピックについても目下民放に話し合いを申し入れて、一本でいくように努力中でございます。 ただ、IOC自体と申しますか、につきましては、やはりこれが非常に大きな収入源でございますので、趣旨は皆さん、先生のおっしゃるとおりのフェアな精神でしょうけれども、実際には、年々、開催ごとにかなり放送権料は高騰するというのが過去の事実でございますし、ロサンゼルスもそうではないかと心配されております。
○鈴木(強)委員 総理府の方からお忙しいところおいでいただいておりますが、後ほど私はこの審議の参考にしたいのでございますが、五十四年度予算に政府として広報費というものが計上されていると思います。そのうちで、テレビ、ラジオに使う広報宣伝費というのは幾ら含まれておりますか、その額をお知らせ願いたいと思います。
○井出説明員 お答えいたします。 現在審議していただいております五十四年度予算では、ラジオ、テレビ合わせまして五十二億四千万円ほど計上しております。そのうち、ラジオが四億二千万円、テレビが四十八億二千万円となっております。
○鈴木(強)委員 ラジオ、テレビとも、どこのテレビ局に幾ら、どういう広報活動をするか、そういうものは費目別にはできておるのですか。
○井出説明員 五十四年度についてはいま計画中なので明確にできませんが、五十三年度の実績を御参考に申しますと、日本テレビが十億六千万円、東京放送、テレビの方でございますが、三億四千万円、それからフジテレビ十億七千万円、テレビ朝日七億六千万円、東京12チャンネル三億五千万円。これはいわゆるキー局と言われるところに出しておる金額をまとめたものでラウンドして申し上げたわけですが、そのほかラジオについては、東京放送で一億二千万円、こういう実績がございます。
○鈴木(強)委員 金額とパーセンテージは前年度比では幾らぐらいに伸びていますでしょうか。
○井出説明員 お答えいたします。 各テレビ局あるいはラジオ局については、先ほど申しましたように、まだ五十四年度決まってございませんので、ちなみに昭和五十三年度の補正後の予算額がテレビ、ラジオ両者合わせまして四十六億六千万円ほどでございました。そのうち、ラジオが二億二千万円、テレビが四十四億四千万円となっておりまして、いま審議していただいております五十四年度の予算額と比較しますと、五億八千万円ほど伸びておるというふうになっております。伸び率はちょっと計算してございません。
○鈴木(強)委員 わかりました。ありがとうございました。 NHKの予算の本題に入りますが、私は予算書を拝見しまして、五十四年度の予算は一体どうなのかという心配を実はしておりました。五十三年度ですでに事業収支差金で赤字が二十九億ございまして、資本支出の充当が八十九億、合計百十八億というものが実際には足りなかったわけです。それをこの一年間努力をされて、六十億の節減をしていただいた、結果的に五十八億円の赤字で抑えることができた。これは協会が予算審議の際のわれわれの意見を十分理解していただいて、経費の節約に努力していただいた結果だと思いまして敬意を表します。 しかし、五十四年度予算では、やはりマイナス百五十二億円、こういうことになっておりまして、債務償還の充当金五十九億を加えると、二百十一億と赤字の額はふえてまいりました。それに来年度では約四百三十五億の倍額の赤字になる、五十六年度は六百三十三億、約三倍の赤字が出る見通しでございます。 そこで、前からもいろいろ御意見がございましたが、いまNHKは経営的に見て、財政面では非常に重大な危機に来ている、私はこう思うのです。ですから今後とも格段の努力をしていただかないと困る、こうつくづく思うのです。郵政大臣も所見を述べておられますが、いずれにしても、五十四年度予算を五十三年度予算同様に、百五十二億のマイナスを最小限に食いとめていくように、最善の努力をしていただくわけですが、それには、五十五、五十六と三年間のこれからの長期財政見通しというものを私たちは拝見しましたけれども、この前提になっておる事業の合理化、簡素化、そして経営姿勢をより一層視聴者の方に向けて最善の努力を尽くして、おれたちのNHKがいま危機になったんだ、おれたちの力でNHKをさらに前進させるためには考えなければならぬ、そういう実感を視聴者の方に持っていただけるような最高の経営努力をしなければいけない時期に来ていると私は思うのです。 それには一体何をするのか。何といったって、新規の契約は頭打ちをしているといえどもそれを掘り起こして、世帯非世帯にかかわらず最善の努力をして、五十五万を六十万にし、七十万にしていくという新規契約の増加だと私は思うのです。同時に、不払いになっております減価償却、これが年々ふえていっておりますね。こういう問題をいかにして食いとめるのか。さらに、政府としてもこの際、難視聴の問題を含め、あるいは国際放送の問題を含めましてできるだけの支援をしていく、もちろん公共放送でございますから、筋の違った支援をしてもらうなんというようなことは考えられないわけでございますが、特にこれから具体的に幾つか質問いたします。 たとえば難視の問題にいたしましても、これは昭和二十五年の放送法制定当時の第七条であって、NHKが全国あまねくラジオが聞けるような放送をしなければならないと義務づけたのは、当時中波のころなんです。テレビは二十八年に本放送になったのですから、テレビの場合にはラジオと違いまして非常に至難だ。ですから、今日に残された五十数万の世帯というのは、大変な苦労をして、金もかかる、時間もかかる、ミニサテを幾ら使ってみたってなかなか解決しない、そういう段階で、ことし二億何ぼかの辺地局等に対しての援助資金が出ているわけです。また、国際放送ですから、さっきも論議がありましたけれども、国がやるべきことをNHKがかわってやっているのですから、本来国際放送に関する金は全部国が出すべきだと思うのです。だからといってこれが官営の国際放送になるはずはない。そこには厳とした放送があり、その放送権はNHKが持っているはずです。ですから、そういう意味において、今後政府もできるだけの支援をしなければいけないと思います。特に、大臣に申し上げましたように、放送法の改正、こういったものはやはり時代に即するような形に持っていかなければいけないのです。たとえばNHKの受信料にしても、契約をしなければならない義務はあるが、受信料を払わないときの法的な対応策がないのです。これについても、答申ではちゃんとやりなさいとうたっているのです。やるべきことをやらないでおるところに一つの行政の怠慢があるのですよ、これは。 そうやってみんなで自分たちのNHK、民放と公共放送とが並立をしていく日本の放送界において、やはりNHKに期待するものは大きいわけですから、そういう努力をやってほしい。いまも皆さんお聞き取りのように、民放にはどういう経緯にしても、これはスポンサー料でございましょうが、五十二億円というものが五十四年度予算に組まれて、昨年も四十六億、こんな膨大な予算が組んである。さっきも言った国際放送でも、国家財政がどうとかこうとか言って、そして本来の援助をしていない。三十三億かかるものがわずか八億くらいでお茶を濁されてしまって、約二五%くらいの交付金しか出していないのですからね。こういう点をちゃんとしなければ、これから三年間の見通しを立てても私はなかなか問題の解決にはならぬと思うのですよ。だからNHK側もそれらの点を踏まえて、本当に真剣に、真っ裸になってやってもらいたい。いままでのようにNHKが何か特権的な立場に立っている時代は過ぎたのですよ。民放をごらんなさい。もう財政的にも非常に優位になってきている。みんな押されてくるじゃないですか、どんどんと。いままでのような、日本放送協会が発足以来やってきたような姿ではだめなんですよ。だからやはり、よくNHKは官僚的だとか姿勢がどうとかいうことも出ているけれども、そういう批判には謙虚に耳を傾けて、本当に私たちは国民のNHKの仕事に携わっているのだという誇りと自信を持ってやっていただいて、あらゆる努力をしていただいて、それでもなおかつ生ずる赤字については、私は視聴者がこれを納得してくれないはずはないと思うのですよ。そういう努力をしてこそ初めてNHKの財政危機は乗り切れると思うのですよ。さっき阿部委員も言っておりましたけれども、われわれは料金値上げということはできるだけ抑えなければならぬ。しかし、だからといって公共料金は何でも反対なんということは言いませんよ、これは。それにはやはりいまのような真摯な経営努力というものが二千八百万の視聴者全体に納得できたときに初めて動いていくのですよ。そういう点を、釈迦に説法のようなことを言って恐縮ですけれども、十分踏まえて私は会長以下やっていただいていると思いますけれども、ただ細かいことはまだこれからでないとわからぬとか、委員会に協議をして相談するとか、そんな抽象的なことじゃだめですよ。皆さんは、かくかくの努力をしたがなおかつこれだけの赤字が出る見通しでということを、さっき申し上げたような契約者の問題から、料金の収入の問題から、経営姿勢の問題から、番組のよりよい編成から、そういうものをあわせて、こうやったけれどもこうだということが述べられてないじゃないですか。なぜそれをここで述べないのですか。そういうことはまだやられていないのですか。いままでのような形でつくったものでこうなりますというものなんですか。その点どうですか。
○坂本参考人 大変手厳しい御批判でございますけれども、私どもといたしましては、誠心誠意先生のおっしゃる路線で視聴者の皆様方にNHKの実態をわかっていただくという努力を現在も続けておりますし、今後も続けるつもりでございます。ただ、具体的なデータをお示しいたしますのにまだ不十分な点があるという点をおわびしておる次第でございますので、その点は御寛容を願いたいと思います。
○鈴木(強)委員 それでは、いま私が述べましたような考え方を基礎にして、いろいろと苦労してみたがわれわれがいま見せていただいているようなこれからの三年間の経営というのは財政的にはこういうものだというふうに理解していいわけですね——はい。 それでは、若干その線に沿って具体的に質問しますが、たとえばテレビの契約者の問題につきましても、ことしは六十万増ということを考えて御苦労していただいて、五十七万がすでに契約できた、あと三万を三月中にやらなければならぬ。大変むずかしいと思いますが、その六十万の中で世帯と非世帯というのは一体どういうふうになっておるのか。世帯の数は、人口がふえていくわけですからこれからは、たとえば大学に入学した学生がアパートを借りますね、その場合に必ずテレビを一つぐらい買うのですよ。ですから、非世帯の加入者の増ということは、真剣に考えてくれていると思いますけれども、六十万のうち大体どの程度ですか。来年五十五万ですけれども、そのうち非世帯と世帯をどのくらい区分しているのですか。
○中塚参考人 五十三年度の総数増加計画六十万の内訳は、世帯で五十六万、非世帯で四万ふやすという計画でございます。 それから、来年度五十五万の増加の計画の内訳は、世帯で五十三万、非世帯で二万ふやす計画でございます。
○鈴木(強)委員 これは五十六万の世帯の数字の積算の根拠がよくわかりませんが、恐らく結婚をする世帯の数とか人口増とか、それぞれお考えになっていると思いますが、非常にこれはむずかしいと思うのですよ。特に非世帯の場合には大変な苦労があると思いますけれども、そこいらはぜひ努力によってがんばってもらいたいと思いますね。 それから、五十三年度末で六十九万の無料件数があると思うのですけれども、さっき百二十二万という数字が一応免除の中では出ておる。全免と半免と加えまして百二十二万ぐらいの数字になっていると思うのですが、五十三年度末でこの中から幾らの免除を今度は廃止して、そして有料にしようという、そういうことを考えたのでございますか。これは郵政大臣の認可がないと基準の改正はできませんですけれども、どういう基準改正をしてどういうふうにやったのですか。それで、さっきも文部省からそんなことはできませんというような木で鼻をくくったような回答がありましたけれども、従来無料の措置をしておったわけですから、これを有料に切りかえるということは大変な至難なことだと思いますから、相当な根回しと、それから各省共通な立場に立っての計画的な漸減を考えていかないと私はむずかしいと思うのです、一遍にやろうと言ったって。その辺は十分協会の方としてお考えになった上でやられたと思いますけれども、とにかく五十三年度の分については、契約者のうち何人を、どういうところを有料にしていこうとしておったのか、五十四年度はどうなのか、それをお聞きしたいです。
○中塚参考人 五十三年度におきましては、五十三年度予算を御審議いただきましたときにも御説明申し上げましたように、職業訓練所、青少年矯正教育施設、刑務所、公的医療機関、図書館、博物館の六項目につきまして、従来受信料を免除しておったものを免除をやめるということにいたしたわけでございます。これは社会的影響も少ない、あるいは対象設置台数も少ない、そういうところでございまして、各省の十分な御理解は得られませんでしたけれども、協会としてこれは廃止に踏み切ったわけでございます。これの件数はわずかでございまして、全体で八千数百件の件数でございます。 五十四年度は、昨年の六月に文部省、厚生省、法務省の三省に、協会の免除している分についての国庫補てんあるいは財政的な措置というものをお願いいたしまして、再々御協議を願ったわけでございますけれども、各省の了解を得られない状況でございました。 私どもとしては、将来ともこの受信料免除の範囲を縮小していくというふうに考えているわけでございますけれども、残りました社会福祉関係あるいは教育関係等につきましては、やはり社会的な影響も大きくあるわけでございますし、強行いたしましてこれらの施設に負担を強要するということにはやはり避けるべきではないか。各省の十分な御理解を得て廃止に踏み切っていきたいというふうに考えているわけでございますけれども、たびたび申し上げますように、各省の十分な御理解はなかなか得られない状況でございます。特に昨年の各省との折衝の過程で、昨年の八月に国鉄の通学定期の割引あるいは身障者の料金の割引、そういうものについて、やはり国で補てんをするべしとの要望書が国鉄の方から出されました。それがございまして以来、NHKのこの受信料免除の国庫補てん財源措置というものについても、各省いろいろ問題がございましてむずかしくなっているというのが現状でございますが、今後とも私どもといたしましては従来の線に沿って努力をしてまいりたい、このように考えております。
○鈴木(強)委員 そうすると、放送法施行規則の免除基準の改正はした、したけれども実際には金を納めてくれなかった、こういうふうになるのですか。それとも、折衝をしたけれども改正はしないで折衝をしたと、こう言うのですか。
○中塚参考人 五十三年度は免除基準の改正をいたしまして、先ほど申し上げました六項目については免除をしないというふうにいたしたわけでございますが、五十四年度はその免除基準の改正は、現在とのところしないつもりでございます。
○鈴木(強)委員 これは附帯決議でもございますから、当然おやりになって何ら差し支えないわけですけれども、そのやり方についてやはり漸進的にお考えになって、そして各省の協力を得るというようなことの方がいいのじゃないかと私は思いますから、ことしやらなかったということは私は賢明だったと思います。ですから、それよりも先に体制をつくって、そういう体制になったときでもいいじゃないですか、これは規則で大臣の認可を得ればできることですから。改正したけれども納めないということになれば、これは規則違反になっちゃうのですね。そういう姿勢ではちょっと私はうまくいかぬような気がするものですから、老婆心ながら申し上げておくのです。 それから、欠損償却費についても五十六億円ことし見込んでおりますが、五十一年度から比べると、約四十九億でしたから七億ぐらいふえているわけでして、やはりだんだんと欠損償却費がふえておるので、これらの点についても、大変な苦労をして受信契約の増と、同時に受信料の確実な収納のために特別対策機関までもつくりまして相当の予算を費やしてやっておるのですが、なかなかこれはむずかしい面がございますが、さらにひとつうんと努力をしていただいて、できるだけ理解をしていただく中で未収がないようにひとつ御苦労をいただきたいと思います。時間がありませんので大変残念でございます。 あとテレビの難視聴の解消の問題についても、さっき申し上げましたように、郵政省が二億の助成を初めていたしました。しかし、これから残されたところは非常にもう世帯も少ないし金もかかるというのでございますから、ひとつ郵政省の方におきましても最善の努力をしていただいて、二億と言わずもっと難視聴に対する援助というものをふやしていただくように、大臣これはお願いしたいのですが。
○白浜国務大臣 難視聴の問題については、すでに予算の方で審議もしていただいておるところでありますが、いろいろ政府からも、今回は、大した金額ではありませんが二億余の金を出して難視聴の方にも解消に努力をしていきたいと考えておるところであります。
○鈴木(強)委員 あと私は番組の問題で、時間がありませんので、ちょっとだけ質問をさせていただきます。 昨年、番組が大幅改定になりました。それから一年たつわけですが、職員の諸君の協力を得て、決められたとおり順調に進んでいると思いますけれども、それに対して協会側としては印象として、この改正が非常によかったというふうに考えておられるのかどうなのか。 それからもう一つは、ことしも部分的な改正をすると同時に昨年の大幅改定を定着させていこう、そういう考え方でおやりになっているようですが、どうしても従業員の協力がないとうまくいかぬと思いますよ。ですから、日本放送協会には労働組合もあるわけですから、そういう労働組合とも十分なコンセンサスを得て、そして決められたことが国民の期待に沿ってやれるような体制をつくってほしいと私は心から願っておるわけですが、それらの点については当然にお話し合いもしていただいたと思いますが、いかがだったでしょうか。 それから「NHK特集」というのは非常に評判がよろしい。ですからこれはぜひ続けていっていただきたいし、さらに創意工夫をしていいものをつくってもらいたい。特に二月二十六日の「NHK特集」で「戒厳指令“交信ヲ傍受セヨ”」これなんかは約四時間半にわたる大番組でございましたが、本当にかたずをのんで私も見守ったというようなことでございまして、方々回ってみましても、どうしてあれだけの資料を集めたか非常に驚嘆しているくらいでございまして、大変敬意を表しているようです。 それから「ライン河・源流から北海まで」というのもありましたね。こういうのも、自分がライン川で船に乗っているような気がしたというようなことまで聞いておりまして、こういうものはぜひひとつ継続をしてほしいと思います。 それから南極からの生中継がございましたが、これは確かに画期的なことでございまして非常に喜んでおりますし、私も新聞の批評を全部をこうやってまとめておるのですけれども、もうあれだけすばらしい南極の様子を生中継でやってもらって感激だというような大変推賞した意見がございます。ですけれども、もう少し長い期間できなかったかというような不満も多少あるようでございますが、金もかかるでしょうし、極地のことですから非常に苦労もあると思いまして、一概には言えません。 もう一つ、郵政省の方にお聞きしておきたいのですが、南極は一体どこの国なのか、いまの電波法上、南極に放送局をつくる根拠はどこなのか、そういう点について私はちょっと疑義を持っているものですから、これは南極はどこの国でもないでしょう。したがって、そういう問題については、日本の放送法、電波法のもとでやるとすれば、一つのやはり国際的なコンセンサスなり国内におけるコンセンサスということをやっておかなければならぬと思うのですけれども、そういう点に対して郵政省はどういう考え方をもってあれを免許したのか、その辺だけお伺いをして終わります。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 南極地域は、南極条約第四条によりまして、いずれの国も領土主権または領土請求権は認められないものというふうに定められております。わが国といたしましても領土権を主張しないという立場をとっておりますので、領土主権の存在しない南極地域に固定局の開設を認めることは非常にむずかしいということでございます。 なお、現在南極地域に開設しております南極地域観測業務用または公衆通信用等の無線局は、移動する無線局といたしまして、南極条約締結国との間におきましても別段問題なく円滑に運用されておりますので、ただいま御指摘の南極から実施されたテレビジョン番組の電送につきましても、それに準じて取り扱ったわけでございます。
○久保(等)委員長代理 次は、鳥居一雄君。
○鳥居委員 都市受信障害につきましてお伺いしたいと思います。 昭和五十年八月でありますが、テレビジョン放送難視聴対策調査会の報告書がまとめられまして、この中で、将来にわたって受信障害が非常に大変な趨勢にある、こういう予測をいたしております。ちなみに取り上げてみますと、五十年一月一日現在、全国の主要都市における四階以上の建物が十七万八千余棟でありますけれども、このうち東京都だけで四万九千棟、二八%である、さらに東京都内におきましては、十一階以上の建物の年間増加率が五五%にも達しており、このまま推移するとすれば、昭和五十五年には十一階以上の建物が約二万棟になる、こう指摘をいたしております。 その後さまざまな推移がございましたけれども、この受信障害につきましては、NHKの立場は、放送法に基づきまして、受信指導の一環として障害地域の範囲、あるいは受信障害の原因となっている建築物、受信障害の技術的解消方策などについて調査して相談に応ずる、また当事者間の協議による解決の促進に努める、こういうことになっておりますが、多分に問題の解決と新しく障害が発生するというイタチごっこというのが現状のように実は見受けられるわけです。それで、この辺の推移についてどのようにつかんでいらっしゃるか、まず伺いたいと思うのです。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 先生いま御指摘のテレビ放送難視聴対策調査会の報告書の数字によりますと、かなり急速に高層建築物がふえるという予測がなされておるわけでございます。ただ、その予測のもとになりましたデータがちょうど高度成長期と申しますか、いわゆるオイルショック以前の一番成長の大きかった時代の数字に基づきまして予測がされておったかと思います。つい最近の状況を調査した結果によりますと、高層建築物の対前年度の伸びを見ますと、十一階以上の建物あるいは四階以上の建物が八%弱あるいは五%強程度の増加率になっておりまして、あの調査会での報告書の考えておりました当時の五〇%程度伸びるだろうというものよりはかなり鎮静しているようには把握されます。 ただ、御指摘のように、建造物障害というものが年々ふえてまいりまして、われわれが対策をいたします一方ふえてくる、いわばさいの河原のような感じがございまして、それも年々差し引き減っていくのなら結構でございますが、御心配のように、障害が解消できない障害残というものが少しずつふえていっております。最近の数字で申し上げますと、昭和五十二年度、年度当初に推定いたしました障害世帯数が全国で四十九万世帯でございました。そのうち四十五万程度改善したと考えておりますが、一方またその一年間に四十九万程度の障害世帯の増がございました。差し引き、五十二年度末あるいは五十三年度当初におきましてはほぼ五十三万世帯が対策を要する世帯になっております。現在執行中の五十三年度、この年度間におきまして四十八万程度改善されるというふうに努力中でございますが、同様また四十九万程度が新たに発生をする。差し引き一万ふえまして、この年度末には五十四万になるのではなかろうかというふうに予測をいたしております。いずれにいたしましても、少しずつではございますが、障害世帯数が努力にもかかわらずふえていくというのが現状かと思います。
○鳥居委員 いま全国の数字を伺いましたが、首都圏、五十キロ圏内に限ってではいかがでしょうか。 それからここ数年の推移はいかがでしょうか。
○沢村参考人 首都圏、東京、千葉、埼玉、神奈川とあわせまして首都圏と申しますと、当年度、五十三年度末、五十四年度当初と言ってもいいかもしれません、ほぼ二十七万世帯と推定されます。 〔久保(等)委員長代理退席、委員長着席〕 それで二年ほど前になりますか、五十一年度の調査によりますと、これが二十三万世帯首都圏にあったというふうに承知いたしております。
○鳥居委員 郵政省はこういう被害の実態をつかんでいらっしゃるのでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 郵政省におきましては、実は五十一年度及び五十二年度に東京と大阪における都市難視の実態の調査をいたしました。その状況はつかんでおるわけでございますけれども、ただいまNHKの方から申されましたような全体の数字あるいは京浜、京阪神、中京その他あるいは首都圏の数字につきましては、NHKの推計値をいただいて認識を深めておるという状況でございます。
○鳥居委員 昨年の十二月に報告されましたいわゆる報告書がございますが「テレビジョン放送の都市受信障害実態調査報告書」、これからは何世帯が現在被害を受けている、こういう数字は出てこないのですか。
○平野政府委員 ただいま御指摘ございました都市における受信障害の実態調査でございますが、五十一年度及び五十二年度実施結果によりますと、対策済みの世帯を含めまして東京都二十三区では三十七万世帯、大阪市では約十五万六千世帯という数値が出てまいっております。したがいまして、先ほどNHKの方から申されましたように、たとえば五十二年度における京浜の約二十三万世帯がまだ手つかずであるという数値を差し引きますと、すでに対策が講じられたおおよその数値というものが浮かび上がってくるわけでございます。
○鳥居委員 去年の暮れ報告された実態調査というのは、被害を受けている実態がどうなっているのかということをあらわすものじゃないのですね。電界強度を側定し、無作為に地点を選んで、その地点における障害を受けているもの、これは東京における七チャンネルのうち一チャンネル以上のものが評点二以下であれば、それを被害を受けているものとして、それが選んだ地点に対してどのぐらいあったかという割合ですから、これでは対策の打ちようがないのじゃないかと私は思うのです。つまり受信障害という問題の本質は、原因者と被害を受ける国民との間に郵政省が一体何をすべきなのかということが、実は焦点がぼけてしまっているわけですね。指導要綱がもちろん出ました。この調査会の報告書が出たのが五十年八月、これを受けて指導要綱が確かにつくられました。それで全国の都道府県を見てみますと、特に障害を受けるという地域は、大都市、県庁所在地、あるいは中小都市という中で、せんだっての論議の中にもありました百五十市町村、東京都の条例を含めて百五十一都市町村が条例なり指導要綱なりをつくった、そして障害に対して調停機関をつくったり、基本的な考え方を提示して建築主に対して要求するという形に実はなったという報告はありますが、公法的な規制じゃないわけですね。それで五十年のこの調査会の報告の中にも、国として公法的な措置が必要だと明記されておりますけれども、立法準備は一体どうなっているのでしょうか。
○平野政府委員 まず、先生から御指摘のございました都市受信障害実態調査でございますけれども、実は私どもといたしましては、先ほど先生から申されましたような東京及び大阪における受信状態を測定車による実地調査もいたしましたし、町丁別に面積、世帯数、ビル棟数、あるいは送信点からの距離等の関連調査から積み上げまして推計をいたしたわけでございます。それで、直ちにこのデータから将来の法令に至る準備ができるとは思っていないわけでございます。しかしながら、このような調査をすることによりまして、いろいろなことがわかってくるわけでございます。たとえば、先ほどお挙げになりました、難視対策のために学識経験の方々からお寄せいただきました具体的な今後の法制化の道のりの中におきまして、どのような都市構造になっておるか、あるいは都市構造に対しましてさらにもっと突っ込む必要があるとするならば、もっと突っ込むことによりまして数式化が可能になる可能性がございます。 そこまでこういう調査をさらに継続し、盛り上げていく必要がありゃなしやという判断、そういうことがひとまずこの二年間の調査によりまして浮き彫りになってきた。さらには、先ほどちょっと申し上げませんでしたが、東京都二十三区では約三十七万世帯、一一・四%、あるいは約六十一・六キロメータースクエア、大阪市では約十五万六千世帯、一六・三%、約四十・四キロメータースクエア、一九・三%が障害を受けておるということに相なりますと、たとえば東京と大阪における放送事業者の放送送信機と建物との関連、そういったものが一応浮き彫りになってくるわけでございます。 これをさらに将来に向けて体系づけていく必要ありゃなしやという中で、実は法制化の段階といたしまして、現在のある場所における放送受信が果たして助成をする対象とすべきかどうかという認定基準を、どのような観点から数値化していくかあるいは自動化していくかというようなこと、これが現在実はネックになっておるわけでございますけれども、そういったもろもろの方面へのアプローチの一つの過程ではないか、非常に重要な一つの基本的な資料として現在準備をしておる、こういう認識でございます。 次に、法制化に向けてどのような準備をしておるかというお尋ねでございますが、実は建築基準法が、四十年代にでき上がりまして高層化していくにつれまして、都市における難視がふえてきたという実態があるものですから、したがいまして建築基準法の中で、各地方公共団体が確認申請を云々いたしますときに、やはりその地域の住民の方々と十分に話し合いをして、いわゆる対策を講じていくことの可否というような問題につきまして、現在鋭意建設省の方と問題点を詰めております。 それからさらには、昨年来学識経験の方々にお願いをいたしまして、これは郵政省としてでございますけれども、具体的な法制化の裏づけ、あるいはその法制の内容というようなものにつきましても、現在鋭意詰めを行っておるという状況でございます。
○鳥居委員 そうすると、めどとしてはどういうスケジュールで進んでいるのですか。昨年のこの委員会の場でも、法制化への対応がおくれているのではないか、こういう指摘がありました。私もそのとおりだと思っているのです。調査会の報告書は五十年に出たのです。地方自治体はどんどん進めていて、百五十一で条例化ができ上がり指導要綱ができているのです。国としては、建設省との詰めをいまやっている、こういう話ですけれども、一番最近、いつどこでどういう作業をやったのですか。あなた任せで、結局七人委員会にゆだねて、そこから出てくるのを待っている、季節がよくなって、六月か七月ごろにそれが出てくるだろう、それを受けて省内で検討しよう、こんな手はずですか。一体いつをめどに、どういう立法措置をとるのですか。
○平野政府委員 私どもといたしましては、設建省との間の詰めとパラレルに、郵政省内における委員会の報告書をぜひできるだけ早くお出しいただきたいというふうにお願いをいたしておりまして、大体夏ごろまでをめどにいたしまして、最後のまとめに入っていただけるものと考えております。
○鳥居委員 障害を除去していこうということでいろいろな方策が考えられ、この調査会の中でもいろいろなパターンがあります。それで、これは経費と効果ということが当然考えられるわけです。 NHKに伺いますが、対策の一つとして共聴方式、それから新しい方式としてSHFによる足立における清掃工場、この障害除去のために初めてSHF方式で除去に当たる経費対効果、これは大体どんな計算ができ上がっているのでしょうか。
○沢村参考人 お答えいたします。 仰せのとおりに、新しい施策、新しい技術手法が開発されましても、経済的に従来の共同受信方式に比べてより効率的にできなければ意味がないわけでございまして、いま御指摘の足立の清掃工場の場合に、SHFを使っての受信障害対策が初めて実用の最初の例として浮かび上がってきたわけでございます。当然、先生御指摘のような共聴との比較ということは検討されまして、SHFの方がより効率的であろうという結論を得たわけでございます。私どもが直接これに対しましてメーカーと契約したわけでございませんので正確な数字を申し上げるだけの資料はございませんが、東京都のメーカーとの契約内容などを伺ったところによりますと、足立の清掃工場におきましてSHF波を使いました今度の対策は、一世帯当たりほぼ六万円程度でできるというふうに考えております。比較のために、前に共同受信でやりました葛飾の清掃工場の場合でございますと、この実績も東京都から伺った結果によりますと七万九千円、まあ八万円弱でできたということでございます。東京都がSHFに踏み切られたのもこういうところからだろうと思います。
○鳥居委員 五十四年度予算の中で都市受信障害対策費が四億五千六百万計上されております。この中で、NHKとして本来四つに取り組んで完璧を期さなければならないこの受信障害対策の本質は、巡回サービスと言って間違いないだろうと思うのです。五十四年度どういうサービスが行われるのか、それから将来に向かってどういう計画をお持ちなのか、伺っておきたいと思うのです。
○沢村参考人 巡回サービスにつきましては、おっしゃるように非常に力を入れているところでございます。私どもといたしましては、このために全国の各放送局あるいは各営業所にサービスカーを配備いたしてございまして、現在まで配備いたしました全台数は全国で八十二台になっております。こういうものを使いまして、非常に機動的に巡回サービスによって技術サービスがうまく行われるように努力をいたしております。 NHKの技術職員、サービス職員だけで膨大なサービスをすべて賄うことも非常に困難な状況になりつつございます。そういう意味では信頼できます外部機関を利用いたしまして、その技術力を上げることによりましてわれわれと一体となってよりサービスの完璧を期す、また、全国的な組織体でございます隣接局相互間で協力をし合って円滑に取り進めるようにせいぜい努力中でございます。
○鳥居委員 バンザイアンテナで軽微なものは解消していこうという一つの方策がとられていますけれども、バンザイアンテナの展望なんかどうでしょうか。いまどのくらい普及しているものでしょうか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 軽微なゴースト等につきましては指向性のいい受信アンテナがかなり有効だということで、私どもの研究所でもこれの開発に努力をいたしました。受信アンテナを製作していらっしゃるメーカーとも共同いたしまして、ようやく実用になるようなものが生まれたわけでございます。もうすでに市販をされておりますので御承知かと思います。もちろん受信側での対策でございますので、電波の事情によりまして必ずしも全部のところでこれが有効ということにはならぬわけでございますが、軽微なところにはかなり有効に働いております。 私事で失礼でございますが、現に私の自宅がゴーストで非常に被害を受けておりまして、試験的にこのアンテナをつけますとどうやら実用になるというようなことも実は私の家で実験をやっているような次第でございます。 実際にどの程度普及したかという点になりますと、実はまだデータをつかみ切っておりません。ただ私の近所で、ここ一、二カ月の間に数軒の屋根にこの種のアンテナが立ちましたところを見ますと、かなり急速な普及といいましょうか導入が図られているのじゃなかろうかというふうには感ぜられます。
○鳥居委員 この難視聴とあわせて、都市高層建築物が立つ、これに対して追っかけるようにして対策が考えられる。完全に解消するためにはいわゆるBSによるSHF方式——五十七年、五十八年、CS、BSの打ち上げという段階をこれから迎える形になるわけですけれども、このNHKの出資金あるいは分担金——地上施設について出資金をお払いになる、またロケット打ち上げに関しては当然分担金という形になる、もうその点については考慮されているだろうと思うのですが、どのくらいの負担を考えておられますか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 五十七年度打ち上げを宇宙開発委員会が了承されまして、それを受けまして来年度予算に向けて、ただいまおっしゃいましたCSと電電公社の関係につきましては相当細かい詰めをいたしました。しかしながら、実用の放送衛星の打ち上げ計画につきましては実は現在検討中でございまして、これに要する費用の負担につきましては、今後関係各機関と慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
○鳥居委員 そうすると、打ち上げ費用がどのくらいになるか、これはどうでしょうか。分担の前の総額です。
○平野政府委員 現在打ち上げ実験中でございますCS、BSのいわゆる衛星製作、打ち上げ費等との関連において見ました場合に、実用の放送衛星につきましても約五百億円余り必要とするのではないかと考えております。
○鳥居委員 国とNHKの分担割合はどういうふうに考えていらっしゃるのですか。
○平野政府委員 国とNHKとの分担割合については、今後計画を詰める段階で関係方面と十分に打ち合わせをしてまいりたいと考えております。
○鳥居委員 NHKは、御承知のとおり受信者の受信料から成り立っているわけですね。それでBSを利用する、そして利用の前提として出資金があり、分担金がある。かなりかさんでいるわけですね、この五百億円からのロケット打ち上げ費用で。しかも、国策上NI型ロケットというのをお使いになる。アメリカにおけるSBSが経費を何とか安くするためにシャトルを使う。打ち上げのソフトであるとかあるいはエンジントラブルなんかで八一年打ち上げだろうなんていうことが言われておりますけれども、経費を安く上げなければならないのじゃないでしょうか、この視聴者の負担するもので。打ち上げ費用五百億円の何割かをNHKが負担する形、その中で、じゃ打ち上げ費用をなるべく経費の節減ができるような形の選択、こういうのは選択の権限が、自由裁量といいますか、それに乗る乗らないというこういう選択の余地があるのですか、ないのですか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 国産の人工衛星及び打ち上げ用のロケットにつきましては、いまだに開発要素があるということは先生御承知のとおりでございます。それで製作、打ち上げに要する経費につきましては、やはりその衛星の開発という国策にかんがみまして当分の間国が継続して助成をしていくということが必要に相なろうかと思います。しかしながら、このような観点から実用の放送衛星の打ち上げに要する費用につきましては、やはり今後とも関係方面と協議をいたしまして定めていく必要があるわけでございますけれども、利用者になるNHKにおきましても、先ほど申しましたような観点からいたしまして、適当かつ妥当な範囲で応分の負担をお願いをするということにならざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○鳥居委員 NHKに伺いますが、五十八年のBSは大変不経済だと言われていますね。寿命が三年、ツーチャンネルしか乗せられない。非常にコストの高い、費用対効果、こういう上から推算をいたしまして、NHKとしてはどう考えていらっしゃるのでしょうか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 NHKが放送衛星を使って最終的なあるいは抜本的な難視解消をやっていきたいと考えましたのは、現在まであるいはさらにここ数年は続けざるを得ない地上の中継局あるいは共同受信施設によります解消というものが非常に効率が悪くなり、さらにますます悪くなる傾向にあるということを踏まえまして、抜本的にさらに効率的にやるのには放送衛星によらざるを得ないと考えたわけでございます。したがいまして、放送衛星を使いますときに、地上でやるよりもさらに金のかかる手法でやってはならない。そうなるはずはないと考えておる次第でございまして、ただ、先ほど郵政省の方から御答弁ございましたように、日本の衛星技術というものがまだ世界的に見まして開発要素が多分にあり、アメリカに比べますと開発のための経費をかなり要するということも当然のことだろうと思います。国の技術を上げるために、国産の技術を使うというために、NHKがこれの全責任を負うのはいかがかと思いますけれども、国の方でそれらの開発経費に見合うといいましょうか、それを十分御援助くださって受信料を圧迫することがないということでわれわれはぜひ御一緒にやってまいりたい。そうすれば地上のネットワークを拡大するのに比べまして、将来の運営経費も含めて考えました場合に効率的になるというふうに考えておる次第でございます。
○鳥居委員 では、さらに音声多重放送実用化試験放送の実施状況について伺いたいのですが、普及率はどのぐらい進んでおりますでしょうか。
○沢村参考人 正確な意味での普及率ということになりますと、まだ本当に無作為調査をするほどの普及をしておりませんので把握が困難でございますが、メーカーからの出荷台数、これを二月末のデータによりますと、アダプターあるいは組み込み型合わせまして三十万台が出荷されたということでございますので、私どものテレビの初期の経験から申しますと、メーカー出荷後二カ月程度でこれが実際のユーザーの手に入るということになろうかと思います。現時点では三十万を若干割っている。四月、あと一カ月くらいすれば三十万くらい普及するというふうに御判断いただければと思います。
○鳥居委員 これは公社に聞かなければならないかもしれないのですが、全国で放送ができるようになるにはどのくらいかかるのでしょうか。
○平野政府委員 御指摘のようにテレビジョン音声多重放送の全国普及につきましては、電電公社のマイクロ回線の整備に負うところが大きいわけでございまして、東京−大阪間につきましてはことしの八月までには整備が完了するであろうと言われております。それから、その他の区間につきましては明年三月までには整備される見込みであるというふうに伺っております。
○鳥居委員 音声多重補完的使用ということですね。わが国でも展望の上に立っていわゆる独立的使用というもの、これは郵政省としてはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。 たとえば、もうすでにイギリスにおけるBBC放送のシーファックスあるいはIBAのオラクルなどのビデオテキスト、これがかなり進んでいるわけですけれども、そういう意味で独立的使用、これに踏み切るには法制上非常に問題もあるだろうと思います。確かに、おっしゃるとおり複数の波を免許する形に事実上なってしまうということなんですが、やはり郵政省としてはその免許の手続上さまざまな準備が必要だろうと思うのですが、どう考えていらっしゃいますか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の音声多重放送の独立的利用の問題でございますけれども、これはかつて学識経験者で構成されました多重放送に関する調査研究会議の報告書におきまして、第三者利用の問題等について制度的検討をしっかりと進めなさい、こういう御指摘をいただいておるわけでございます。こういう点もございますし、ただいま先生申されたような第三者利用の問題一つ取り上げましても法制的になかなか、これは従来の放送法制とのなじみぐあい、その他問題が多いかと思います。しかも一方、音声多重放送だけではございませんで、現在文字放送その他の検討を郵政大臣の諮問機関でございます電波技術審議会等におきまして検討しておるところでございますので、郵政省といたしましては両々検討の対象にしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鳥居委員 NHKの多重放送の研究開発というのは今後どういうふうに進めていくお考えですか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 NHKとしましては、多重放送につきましても鋭意各種の方式を検討いたしておりまして、もうすでに御承知だと思いますけれども、音声多重に続きまして研究の進んでおりますものは文字多重でございます。現在実験局の免許をちょうだいいたしまして、コンパティビリティーの問題であるとか、あるいは具体的な、これに信号を乗っける方式の問題であるとか、鋭意検討を進めておりますし、一方文字放送は、もし実用の段階になったときにどういうプログラムが一番適するだろうか、またそのプログラムをインプットする仕方はどういう方式がいいのかというようなことも、傍ら並行して研究を進めております。そのほか、まだそこまで進んではおりませんけれども、これに継続して、並行して研究いたしておりますのは静止画システムでございまして、これは一つのテレビチャンネルを使いまして数十チャンネルの静止画放送が行えるというシステムでございます。言えば紙芝居的にはなりますけれども、電波の有効利用という面からは、情報伝達手法としては非常に有効な手法ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。 また、古くからやっておりまして、いまだに日の目を見ないと申しましょうか、実現のめどが立っておりませんものにファクシミリ多重がございます。これにつきましては、需要の見通しということもなかなか困難でございますし、ファクシミリの運用経費、受信者側の紙代にいたしましてもかなりな額になりそうでございまして、こういうものがより経済的な手法が見つからないとこれも実用まで踏ん切れない手法ではございますが、こういうものも並行して検討は進めております。 多重関係の方式としてはおおむねこんなところでございます。
○鳥居委員 次に、新しい放送方式と言えるだろうと思うのですが、いわゆる中波のステレオ化という問題があります。アメリカにおきましてはもうすでにかなり進んでおりますし、車社会の中にあって、多少のひずみはあったとしてもAM放送のステレオ化という需要がもう隠然としてある、私はこう思っているわけです。まず、NHKにおいてAMのステレオ化の実験というのはかなり古い時点で終わっていると考えておりますが、どんなような結果であったでしょうか。
○沢村参考人 AMのステレオ、かつてやったことがございます。と申しますのは、まだFMの本当に実用になります以前の問題でございまして、NHKが第一放送、第二放送、二つの電波をいただいておる、これを時に応じまして二つのチャンネルを使ってステレオ放送をしようということをやった時代がございますが、厳密には、やかましいことを申しますと、第一チャンネルで右の音を出し、第二チャンネルで左の音を出すというようなことに相なりますので、どちらか一つのチャンネルだけをお聞きになる方にしてみればまことにかたわな放送をしていたということでございまして、FMのステレオができるようになりましてからは、こういう方式、不完全なものは取りやめた次第でございます。 また、最近アメリカで活発になっておりますAMステレオに対します研究というのは、一つのラジオのチャンネルを使いましてステレオをやろう。先生のもう御承知のとおりでございまして、これらにつきましてもNHKも関心は持っておりまして、研究所で調査は進めておりますけれども、何分にも私どもの限られた人員なり限られた予算の中で何もかにもすべて全力投球というわけにまいりませんで、現在のところ、AMステレオに関します研究所の取っ組み方と申しますと、まだほんの初期の段階、調査の段階でございまして、本格的にアメリカのような取っ組みには至っておりません。
○鳥居委員 郵政省、いかがでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 まず、アメリカにおきますAMステレオ放送への取り組みの状況でございますけれども、御承知の連邦通信委員会、FCCでございますけれども、これが一九七五年に米国電子機械工業会、EIAというふうに言っておりますけれども、EIAにAMステレオ放送方式についての検討依頼を行っております。これに基づきまして全米ステレオ委員会というのが設置されまして、この委員会におきましては、三つの方式についてステレオ効果あるいは現存AM受信との両立性について、実験放送を含めた検討を行ったそうでございます。その結果は一九七七年にFCCに報告がなされておる。FCCはこれらの三方式のほかにさらに二つの方式を追加いたしまして、五つの方式について一九七七年に公開質問状というのを交付いたしております。それで、全米ステレオ委員会といたしましては、多分このFCCからの要請にこたえるために実験を重ねてきておるのではないかというふうに考えております。 それで、この公開質問に対する反応がどうであるかということでございますけれども、この公開質問の中では、一般の大衆がAM局がステレオ放送を行うことに興味を持っているかどうか、あるいは現在のAMモノラル放送の周波数割り当ての基準内で満足なステレオ放送が可能かどうか、あるいはAMステレオ信号がモノラルの受信に悪い影響を与えないか等につきまして、関係団体や専門家の意見を求めまして最終的な検討に入ろうとしておる、そういう状況のように承知をいたしております。
○鳥居委員 わが国において電波監理局として、放送局から新たにそういう免許の申請が仮にあった、こういう場合、やはり受けて検討しなければならないと思いますが、電波監理局ではどういう考え方ですか。
○平野政府委員 AMのステレオ放送につきましては、郵政省といたしましても大きな関心を持っておるわけでございますけれども、ただいま申しましたように、アメリカにおきましても、AMステレオ放送の導入をめぐる論議がだんだん活発になってきておるけれども、FCCとしても慎重に検討しておるように見受けられる。しかしながら、わが国の中波放送、同じ音声放送でございますけれども、中波放送をめぐる環境もこれは必ずしも予断を許さない。どちらかと言いますと、アメリカに比べますと厳しい環境であるというふうに言わざ知のように、近隣諸国における中波局の数がだんだんふえてまいっておりまして、国内の放送局の置局密度もだんだんふえてきている。アメリカの面積に比べましても、他分、密度といたしましては四倍あるいはそれに近い密度で送信がなされておる。こういうふうな状況下でステレオ放送のメリットが十分に生かせる方式が果たして何であるかというような点につきまして、わが国といたしましても慎重に検討する必要があるのではなかろうかと思っております。 そういう状況を反映いたしまして、昨年郵政省、NHK、民放、在京ラジオ放送事業者、それに日本電子機械工業会等から成ります特別研究委員会を設置いたしまして、諸外国の情勢を見詰めながら、わが国におけるAMステレオの将来のあり方というものを少し詰めてみたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○鳥居委員 時間ですからあれですが、電波監理局としての取り組みが問われる課題だと思うのです。たとえば、シカゴでFM放送の波が三十波もとらえることができるというような外国の状況、いまやっとNHKがカバーし、地方によって民放一波これが受かるという状況ですね。ですから、こういう新しい事態に即応できるような十分な検討というのが実に要請される免許要請だと私は思うのです。それを一言申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○石野委員長 次に、野口幸一君。
○野口委員 まず最初にお断りをいたしますが、質問の通告について非常に簡単に項目だけを御通告申し上げました。少しく内容が深まって御質問申し上げるかもわかりませんけれども、いずれにいたしましても聡明な大臣、政府委員並びに参考人の諸賢でございますので、その点は十分お答えをいただけるだろうと考えられますので、そういった意味で若干質問がそれることをあらかじめ御了承をいただいておきたいと存じます。 国民的放送機関という立場という言葉が実はこのNHK基本問題調査会に出てくるわけでありますが、これは非常に抽象的な言い方でありまして、これは報道の自主性というものが根幹になるわけでありますけれども、単にそれだけではなくて、この国民的放送機関というものはいかにあるべきかということなどについては、実はある程度非常に詳しく書かれてあるわけであります。ところが、記述されております書き方の一番最後には、今後こういう案件、いろいろのことについては十分に考究を重ねてやらなければならないとか、あるいはまた最後には、そのことについて検討を続けて基本的な考え方を取りまとめるよう努力をしなければならぬとか、そういった形で文章が結ばれているわけであります。 基本問題調査会というのは、もちろんNHKが一定の調査委員をお願いをいたしまして、それに基づいてお書きになっておられるものでありますから、この文章の形態から見る限りにおいては、この方々がお書きになった、NHKが書いたんじゃないということであるかもわかりませんけれども、しかし少なくともこの問題はセクトのあると申しますか、一般人がそう簡単にわかる問題ではないはずでありますし、NHKの経営者自身も会長以下がお入りになって、この調査会の中でずいぶんお話をされているはずでございます。とするならば、私はこの中から出てくる諸問題について、問題点だとか、あるいはまた今後こういうことを考究しなければならぬとかというような簡単な言葉だけではなくして、内容的な、具体的なものをこの際お教えをいただけないだろうか、これを私は言質をとって、たとえば委員会でこういうことをNHKが言ったじゃないかということを申し上げるつもりは毛頭ございません。少なくともNHKの基本問題、経営の関係も含めてでありますが、基本問題調査会で今後検討をしなければならぬということを考えているいわゆる内容について、少しくNHKとしての現在の立場を明らかにお教えをいただきたいというのがまず前段にお願いをすることでございます。 そこで、国民的放送機関という立場の中でありますが、いわゆるNHKの今日の状況の中で、民間放送と今後両立をしてやっていきたい、こういうことについて了承をしておられるわけでありますが、経営の基盤が、実は経済的基盤の落差が非常に拡大をしていくという傾向にございます。どんどん民間放送の方が伸びているという現状にございます。そうしました場合に、NHKがこういった傾向に対して今後どのような態度でもって臨まれていこうとしておるのか。申すまでもなく、たとえば放送が、先ほどの話じゃありませんけれども多重放送なりいろいろな形で複雑化し、また非常に経費がかかるようになっていく、そのことがずばり受信者に対して受信料という形で覆いかぶさっていく、これは限度があろうかと思うのであります。そうしますと、経営の基盤そのものについてもNHKとしては考えなくてはならぬ時期が、少なくとも次の料金値上げ等の時期においてもそうでありましょうけれども、ここ数年を待たずして考えなくてはならない事態に立ち至ることは明らかであろうと思うのであります。そこで、私は、民放の経済的基盤との格差が拡大していく傾向にあって、NHKはこれに対抗してどのような対処を現在考えているかということをまず会長からお聞きをいたしたいと思います。
○坂本参考人 基本問題調査会の先生方に御討議いただき、それを受けてわれわれが将来のNHKのあり方についてどうあるべきかというまず第一の点につきましては、これは当然言論、報道の自由というものを守る放送機関としてのあり方、受信料制度をもとにして成り立つNHKとしてのあり方、そういう問題を今後国民のコンセンサスを得て遂行していくというその一点にかけて、どうあるべきかということをわれわれは最大の眼目として検討すべきではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、第二点の経営基盤についての問題は、これは現実の問題としてはなかなか深刻な問題でございまして、御承知のように、NHKといたしましては年間大体二%程度の伸びにとどまらざるを得ないという客観情勢の中で、民放さんの方の広告費とNHKの受信料の差は大体三、四倍程度の形になっておりますので、そういう状態の中で公共放送としての使命を果たしていくということはなかなかむずかしい面がございますけれども、さればといって、前段に申し上げました国民のコンセンサスの上に立つNHKというものをやはり今後とも運営していくための努力というのは当然経営者としてしなければならないだろう、そのためには何と言っても入るをはかり出るを制すという、多少卑俗な言い方でございますけれども、そういうことを根幹にして経営に当たるということかと思います。 しかし、何といっても基本的には受信料が根幹でございますから、ある時点における受信料改定というのは、やはりNHKの存在をコンセンサスを得るという上に立ってお願いするということにならざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○野口委員 私は、そういったことの答弁が出るだろうと思っておったのですが、そうじゃなくて、私の聞きたいのは、むしろその時点を乗り越えて、受信料ではとてももう賄い切れない事態、たとえば受信料というのは要るだけ幾らでも——国民のコンセンサスが得られるかどうかということは別にしまして、取ろうという姿勢、それで賄っていこうという考え方を捨てなければならぬ時期が来るのじゃないか。これはもうどんどんいろいろ経費がかさばってまいりまして、単に一いまも言いたいことはたくさんあります。たとえば、先ほどから問題になっております海外放送の問題だとか放送料を持っている問題だとか、あるいはまた、受信料を減免している部分について、他のところから出すべきものをNHKが負担しているとか、そういうものは全部、これはもうそれぞれ当然でありまするから埋めてもらう。そうしてもなお受信料を上げなければやっていけない。しかしこの受信料も、国民の負担といういろいろな経済的基盤の関係から考えてみても、これも限度である。一方、歳出は科学がどんどん進んでいって、あらゆる機構を改善しなければならない、経費はどんどん要るということになれば、一体どういう形でいわば経済的な裏打ちをやっていこうかということをいまから考えなければならぬのじゃないか。受信料ではもう限度が来ているのじゃないかということを——それはある程度上けられましょう。それは来年になるか再来年になるか知りませんけれども、恐らく出てくるでしょう。しかし、それも一定の期間まではもつかもしれませんけれども、さらにその上にということになってくると、この問題は新たな波紋を投げかけると思うのです。だからそのときに、基本的にNHKは公共機関としての一つの束縛と、そして経営的な基盤の問題とをどうお考えになろうとしていらっしゃるのかということをお聞きしたいのです。
○坂本参考人 現在の法体制の中ではなかなか問題があろうかと思いますけれども、いま先生の御指摘のような状態の将来構想の中で、やはり副次収入の増大であるとか、あるいは協会として他の事業が営めるとか、そういうような状況の中で収入をふやすということは、当然法体制の改正を伴うと思いますけれども、しかし、基本としてはやはり直接受信者の受信料によって賄うという受信料制度というのはあくまでも守りたいというのが私の考え方でございます。
○野口委員 もちろん私も受信料制度をお守りになっていただくことについてはやぶさかではありません。そのとおりだと思います。しかし私は、先ほどちょっと会長が述べられましたように、法の改正を伴う、いわゆる放送法の関係、いろいろなものがありましょうが、それをしても、少しく業務の内容そのものにもメスを入れて、新たに自主財源を求めるという方向をみずからがおつくりにならないといけないのじゃないかという考え方を実は持つものであります。 それで、実は昨年の当委員会でNHKの予算を審議した際にも、一つの提案という形で、たとえばラジオの受信料を取ってみてはどうなのかということなども含めまして、いろいろとお話を申し上げました。自来一年たちました。基本問題調査会のお考えの記述にありまするものを見ますと、そう進んで積極的にそのことをNHKがやっておられるとは思えないのでありますが、その後、収入について、あるいはまた、先ほどちょっとお話のありました業務の拡大、あるいはまたそれらの法改正に向かって具体的に、この部分についてはこういう法改正を必要として、こうすれば実はNHKとして特殊な業務を併設することによって収入のもとをふやすことができるというような具体的な方策についてお考えが及んでいるかどうか、ひとつその辺のところもお聞かせをいただけませんでしょうか。
○坂本参考人 当委員会でいろいろ御指摘いただきました点につきましては、現在、協会の中で担当役員を長とするプロジェクトをつくりまして、鋭意検討しておる最中でございます。したがいまして、いまここで具体的にこういうテーマをというふうに御披露するまで習熟いたしておりませんけれども、しかし、この問題は非常に重要な問題というふうに認識しておりますので、来るべき基本問題調査会の発足等に備えまして、一層われわれも前進させたいというふうに考えております。
○野口委員 本当に全然形も何もないのですか。実は「現行の関係業務の規定を基本的には妥当とするが、NHKが、内外の情勢の推移に即応してその使命をより国民の期待に沿った形で果たしていくため適切な業務範囲はどのようなものであるべきかについて、再検討してみることが必要と考える。」これは具体的にそう書いてあるのですね。しかし、部内ではそろそろ始めていらっしゃるのじゃないでしょうか。そういうことを聞き及んでおるのですけれども、そのことはこの委員会ではおっしゃっていただけないのですか。そこのところを少しくお聞かせいただくというのが、先ほど私が質問の内容を深めるという意味で申し上げていることなのでございます。
○山本参考人 いまの段階で直接お答えするには、私たちもまだ十分練り上げておりませんので、非常に御満足のいくお答えができるかどうか、ちょっと戸惑いがあるのですが、いま会長が申しましたように、私たちはNHKのあり方として、やはりいろいろな外部的な勢力からは本当に毅然として公正な報道をし、自主独立の立場を貫くという方向だけは守っていこうということでございます。したがいまして、放送の中身であるとか、あるいは受信料のあり方とか、こういうことについては、多少の困難があってもこれは守り通していきたいという気持ちでございます。 ただ、御指摘がありましたように、そのほかの自主財源というようなものについて考えないかということは、かねて当委員会でも何回か御指摘がございまして、私たちも、その問題につきましては、個別の問題として取り上げて十分検討をいたしておりますけれども、それでは、どの段階でどの規模でどのぐらいやろうか、こういうような検討をいろいろいたしました。いたしましたけれども、なおそれに付随いたしまして法律改正の問題もございますし、それから過去のいろいろな歴史的な経緯もございますので、こういう問題については、午前中にも申し上げましたけれども、いろいろな角度から、経営問題委員会の御指摘もあり、総合的にできるだけ早い機会にまとめ上げたNHKの考え方というものをつくり上げたいと思っておりますけれども、いま冒頭に申し上げましたように、この時点で、こういう内容についてこれこれこうだ、あるいは、これについてはまだ時期尚早であるとか、そういうような最終の結論というところまで至っておりませんので、この点については、なお具体的な問題として今後検討していくことは当然でございますけれども、現在の段階で非常に具体的な形でお答えできないということについては御了承を得たいと思います。
○野口委員 大変不満ですけれども、いろいろと関係の差しさわりもあるでしょうから言えないのでしょうけれども、私は、こういった答申書と申しますか、調査会の報告書ができる段階で、恐らく内容的には少しくお話し合っていらっしゃると推察をいたしておりますし、また、それがなければ、こんな抽象的な言葉だけで議論が済んでいるとは思わないのです。だから、恐らく、たとえば出版関係はどうするかとか、あるいはまた、放送と並列した内容的なものを、今度はまた逆にそれを編集して、そうして出版の方に回して、それをどういう形でやっていったらいいだろうかというようなことなどは、私が漏れ聞くところによると、内容的には相当深まった話し合いをしておられるということを聞きますので、実はもう少しく——この付帯業務に関係するいわゆる法令については該当するということでお断りになっておられるのだろうと思うのでありまするけれども、法改正が仮に行われるならばという仮定の中でも、こういった問題についてNHKはかく考えるというお言葉が少しく出てもいいのじゃないかと思ったものですからこのように申し上げたのでありますけれども、余り困らせるのもなんでありますからこの辺でやめますけれども、実はそういった関係で若干NHKの料金について、いまの話とは直接関係はないのですけれども、その辺から少しくお尋ねをしてまいりたいと思います。 先ほどから、料金体制を守っていくということについては会長も非常に明確にお答えになっておるわけでありますが、NHKの料金のあり方といいますか、NHKの料金というのは、いわば逆算と申しますか、支出の金額をトータルいたしまして、その金額に基づいて、テレビの受信者数ならテレビの受信者数で割るといいますか、そういった形の中で出てくるものなのでしょうか。そういった考え方で料金策定の基本的なものがございますのでしょうか。その辺どうでしょうか。
○山本参考人 過去の何回かの経験を踏まえた上でございますけれども、現在NHKにおきましては、いわば料金算定の根拠といいますかあるいは方式といいますか、そういうものについての決まった法律上の根拠とか、あるいはその他、NHKの内部でそれに準じたように一つの方式を決めまして、それでNHKの受信料の算定をしておるというようなことではございません。NHKの受信料を算定いたします一番大きな根拠は、現在放送法に、国会に事業計画を提出いたしまして、それを御審議いただいて御承認を得たときに、その中で規定してございます受信料額がそれによって定まるということになっておりまして、それを定める過程といたしまして、NHKが各年度事業計画を国会に提出いたしまして、その事業計画の中身もあわせて御審議いただいて、そのための必要な支出というものがそこで具体的に数字として明らかになってまいります。その数字に従いまして支出額を御承認いただくと同時に、その事業計画の中身を御承認いただいて、NHKが国民に対して責任を果たすためにこれこれの事業計画をいたします、その事業計画のためにこれこれの経費が必要です、この経費は現在の受信者の皆さんが御理解をいただくとして、お支払いをいただくとして、個別に一戸、一世帯当たりで計算をいたしますと月額としてこういうことになりますというのがいままでのNHKの受信料の決まり方でございます。
○野口委員 そうしますと、一世帯当たりかれこれ幾らということになりますと、その分類は、たとえば千円なら千円といたしましたならば、そのうちの幾らは、たとえば放送なら放送の部分に入れましたら、娯楽番組なら娯楽番組には何円、あるいはまた教養番組には何円、あるいはまた人件費、経営維持、その他一切の分類が、仮にしようと思えばできるわけですね。
○山本参考人 前回、三カ年間の計画をお出しいたしましたときには、これは一つの資料でございますけれども、実際の予算はそれぞれの年度に個々に確定をいたしまして御審議を得ておりますけれども、二年先、三年先のことになりますと、いわば一つのプラン、計画という形で御審議をいただいております。したがいまして、それぞれの年度ではまた中身が少しずつ違ってまいります。年度予算では違ってまいりますが、いまお話がありましたように、具体的に放送費に幾らであるあるいは営業費に幾らであるかというようなことが積み上げられた結果そういう総額になり、それが受信料額になるということでございます。
○野口委員 だからぼくが言うのは、そういうふうになっているんだから、逆に言えば千円の受信料の何%はこういう経費に使っているということの分類は可能ですねということだけだから、可能だとか不可能だとかおっしゃっていただけばそれでいいのです。可能なんですね。
○山本参考人 計算上は可能でございます。
○野口委員 これから恐らく受信料の問題はいろいろと国民の間で議論あるいはまた話題になると思うのですけれども、国民自身も受信料がどう使われておるかということについて詳しく知っているわけではないのです。そこで抽象的に、どの番組がどうだとか、きらいだとか好きだとかということに始まりまして、経費の非常にかかっている番組、でも、そのことについてNHKは非常に努力をしているにもかかわらず、それが余り人気がよくないとか、そういうようなものも実はあるわけでありまして、実は中身について少しく親切に国民に知らしてやるという立場からも、そういった内容分析というものをある程度大まかにでも出していって、そして国民の皆さんに理解をしていただくような姿勢というものが必要ではないだろうかというのがぼくの持論なんであります。これはお答えをいただくつもりじゃございません。 そこで、私は放送料金についてのPRということについて一つ御提言を申し上げたいのですけれども、NHKはテレビを持っておられるのでありますから、放送の合間合間に、今日の料金がどういう形で使われているかということについてのPRをもっと積極的にやるべきだと私は思うのです。これは案外おやりになっておらない。ただ、年に一回ぐらい、たとえばこの委員会が終了した後ぐらいは、料金関係についてこのような議論があったとかというようなことだけしか実は話しておられない。そして、値上げになる際になりますと若干これがふえるという傾向にあるだけだとぼくは感じているのです。これは間違いであれば改めますが、そうしますと、たとえば一方では受信料の不払いの問題も出てきたり、いろいろな問題が今日あるのですけれども、この受信料の内容についてもう少しきめ細かな国民に対するPRというものを考えてみてはどうなのかということですね。 実はこういうことをぼくは沖繩へ行ったときに話をいたしました。沖繩の料金は昔はただであったのが、これが高く取られるようになった。そこで、沖繩の皆さんが、なぜNHKが金を取るのかということについて幾ら説明しても料金を徴収していく上において理解がなかなかむずかしい、そういう話がございましたので、ひとつ短い五分間ぐらいのドラマでもつくって、その中で、縁側におばあさんがネコを抱いて座っている、そこにNHKの料金集金人があらわれて、おばあさん、NHKですが料金をいただきに上がりました、なぜそんなに取るのですか、いままで沖繩はただだったのに、どうして金を取るようになったんじゃい、こうおばあさんが言った、集金人がそこでいろいろと話をして、おばあさんがにこっと笑って、そうか、わかった、じゃ来月から払うよ、こう言ったというような五分間程度のドラマだってつくっていいのじゃないかとぼくは沖繩で話をしたのです。 しかし、NHKはそういったことについてはわりあい、自分のところで簡単にできるものをいわばPRとしてお使いにならない。これは広告と違いまして、当然NHKとしてもおやりになるべきものだと思うのです。そういうものを積極的に取り上げて、国民の皆さんに受信料というものの内容、それからどう使われている、公共放送というものはどうなのか、そしてNHKの使命というものをもっともっとPRさすべきだ、これが受信料というものに対する国民の認識というものに大きく貢献するんじゃないか、こういう私は提言を持っているのでありますが、この点について総合的にお答えをいただけませんでしょうか。
○坂本参考人 大変勇気づけられる御提言で、正直言って、われわれ自分で電波を持っているだけに、何か自分のところの宣伝をするということに、多少手前勝手と思われるのじゃないだろうかというようなそういうやや後めたさみたいなものを感じがちだものですから、それでも最近はかなり開き直ってPRをしているつもりでございまして、ついせんだっても、御不在の御家庭に口座をお願いするというのを夜の七時二十七分から三分間、先生のおっしゃるように実際の集金人に登場してもらって一週間ほどやったようなこともございまして、あんまりえげつなくやるとまたかえって反感を得るところがあろうかと思いますけれども、そこら辺のところは十分考えながら、もう少し、もっともっと前向きにやるべきだろうというふうには考えております。
○野口委員 お答えをいただかないでいいと言いながら最後に会長の御意見をいただきまして恐縮ですけれども、私はそうNHK自身が卑下——卑下というのじゃなくて遠慮なさらずに、特に公共性の問題だとかそれから受信料の問題だとかというものについてはもっと国民に前向きに、もっと積極的に知らせてやるという形、知らせてやるという言葉はよくないでしょうけれども、宣伝をするということが、今後受信料を継続して取っていくという上においても必要なことでありますし、ぜひともそういうことについては余り遠慮なさらずにPRすべきだということをひとつお願いをしておきます。 それから、二台目のテレビの問題でありますけれども、これは遠慮して現在はお取りになっていらっしゃらないのでありますけれども、これはなぜかということを一つ突っ込みますと、実はその家に何台あるかわからない、その捜査権がない、捜査権というわけじゃないけれども、調査権がないのだということに尽きるようでありますけれども、そこから先へ伸ばして、さらに受信料を確保していくという立場から、他の方法はないものでしょうか。
○中塚参考人 現在の受信料というものが、NHKという公共的な放送機関、これを維持運営していくための負担金であるというふうな性格づけをされているわけでございまして、そういう点からいきますと一世帯一契約、公平に負担していただくというのが一番いいやり方であろうというふうに思うわけでございますけれども、じゃNHKの財源を確保していくのに、いまの受信料をできるだけ上げないで収入をふやしていくという方法として、当委員会におきましてもたびたび台数契約制を導入したらどうかという御意見、あるいはラジオの受信料を復活したらどうか、あるいはせめてカーラジオの受信料を復活したらどうかというふうな御意見を賜りました。われわれもそれについて検討いたしております。 ラジオ受信料を復活するという問題は、昭和四十三年にラジオだけの受信者についてはその受信料を契約する必要はないという現在の放送法に変わりましたそのいきさつから見まして、法改正を必要とするであろう。また、これを復活しても、ラジオの受信料というものがそんなに高額なものにはならない、それの徴収方法あるいは徴収の経費というふうな問題についていろいろ問題がある。それから、台数契約を導入するという問題については、確かに魅力があると申しますか、現在、複数、二台以上持っておられる世帯がすでに全体の五〇%ぐらいになっておるという調査の結果もございます。したがって、これについては魅力のある問題でございますけれども、先ほど先生がおっしゃいましたように、じゃそれをどうやって捕捉をするかということ。現在でもカラー契約と普通契約がございます。現在、普通契約は約二百四十万ぐらいあるわけでございます。実際に別の調査では、普通契約と申しますか白黒を持っておられる家庭というのはこの数字よりも少ないというふうに私どもは見ておりますけれども、実際に訪問して契約を取り次ぐと、うちは白黒であるというふうにおっしゃる。そういうふうに、カラーと白黒の場合でも、実態が正確に把握できない。受信者の申告によらざるを得ないという状態があるわけでございます。 〔委員長退席、久保(等)委員長代理着席〕 では、複数を持っておられるかどうかという点になりますと、本当に正確にこれが把握できるであろうか、その点について現在の法制度の中でわれわれとしてはなかなか自信が持てない。仮に台数契約制にいたしました場合に、これが正確に捕捉できない場合には、さらにそこに不公平という問題が起きてくるであろうということで、いろいろな面から検討いたしておりますが、まだ結論に達しておらないというのが実情でございまして、さらに私どもといたしましては検討を続けていくつもりでおるわけでございます。
○野口委員 いま、たまたま一つの検討課題としてカラーテレビと白黒のテレビの料金の差のことをおっしゃいましたが、いまもうカラーテレビは九〇%になりました。一〇%程度が白黒だとするならば、これはもうテレビ受信料としてカラーとかそれから白黒だとかと分ける必要はないのじゃないか。そういったことで少しく収益を上げる方法だって実は具体的には、これは私自身だって、私の個人の話ですから怒られるかもわかりませんけれども、そういう考え方を私は積極的に考えていくべきだと思うのですね。 それで、たとえば受信料をもっと取っていこうという考え方の中に、公開放送の入場料を取る取らぬということは別としまして、いわゆる受信料完納者が入っているだろうかということについては疑問なんですね。受信料を払ってないやつが堂々と公開録音に、入場料は大体無料ですが、入っているかもわからないですね。そうすると、たとえば東京なんかでおやりになるああいう公開放送の入場者はNHKの料金の完納者であるということを、やはり料金を納めたことによってそういう入場券がもらえるというような、こういうことなんかをお考えになったことはありますか。私は、料金を完全に納めているという者に対する特典といいますか、そういうものが実は余りなくて、そういう面では非常にオープンに、料金と一切関係なくて、往復はがきで申し込めばだれにでも抽せんをして与えているという状況の公開入場料関係の問題は、少しくそれと接点を求めてみたらどうなのかという気がしてなりませんが、その辺はどうでしょうか。
○中塚参考人 そういう点についても検討し、議論をいたしております。特に年末の「紅白歌合戦」の場合なんかに、受信料の領収書をお持ちの方、そういう方に入場のチャンスを与えたらどうかというふうなことで検討いたしておりますが、じゃ具体的にどういうやり方でやるかという段になりますと、いろいろむずかしい点がございます。しかし私どもとしては、今後ともそういう問題についても検討して、本当に受信料を払っていただいている方に報いる道というものも一方で考えなければならないし、また受信料を払っていただけない方が払っていただけるような一つの手段というふうにも考えて今後とも検討してまいりたいと考えております。
○野口委員 笑い話になりましたが、そうなりますと、私なんかNHKの「紅白歌合戦」には毎年呼んでいただけるぐらい聴視料を払っているはずでございます。大体五台分払っておりますから。 ところが、これは話は別ですが、会長室にテレビがございます。受信料お払いですか。
○中塚参考人 NHKのあの職場の中、会長室も含めてでございますが、あの職場の中にあるテレビは、これは業務の必要上ということで受信料は取っておりません。しかし自宅に置いておりますテレビについては、会長のお宅のテレビも受信料をちょうだいいたしております。
○野口委員 いやしかし、業務上といっても、会長室なんというのは業務で見ておられるのじゃないでしょう。時間がありませんから、そんなことをもうつべこべ言いませんが、少なくともそれぞれが支払うべきものは支払うという立場でそういう制度を考えていかなければならぬだろうということですね。この際、私どももそうでありますが、私の宿舎を見回ってみましても、私の階では私だけがNHKのあの聴視章が張ってございますが、その他の宿舎の各議員のところには張ってないのでございまして、一遍国会議員も全員調査をして、宿舎でNHKの受信料が払われているかどうか、早急に調査結果を私の方にいただきたいと思いますが、その点いかがでしょう。
○中塚参考人 あの聴視章の張ってない方でも受信料契約をしていただいて受信料をいただいている方も確かにございます。しかしお言葉でございますので、早急に調査をいたしたいと思います。
○野口委員 逓信委員として国会の諸君がもしもNHKの受信料を払っていないとするならば、通告をしてわれわれからも協力しなければならぬという立場をとりたいと思っておるのであります。 これは別にしまして、最後でありますが、実は聴力障害者に対する今日の手話通訳を含めまして、字幕などを入れていろいろと御協力をいただいておるのでありますけれども、非常に時間が短くて、もっと長くしてもらえないだろうかといういろいろな要求が出ております。特にまた民間放送にも聴力障害者の関係が出向きまして、そして字幕を入れてくれ、こういう要求をいたしておるようであります。NHKはもちろん公共放送でありますから、それに先んじてやっておられることは非常に結構なんでありますが、特に現況はどのような状況にあるか。さらに、今後はそのことについてどう積極的な立場をとろうとしておるのかということをお聞かせいただきたいのと、特に私はこの際お願いをしたいのは、ニュースで特に重要なもの、毎日のニュースでも交通事故だとかそういうことについての簡単な、簡単なと言うと怒られるかもわかりませんけれども、重要なニュースだとか週に二回程度の家庭的なドラマなんかに字幕を入れてやってもらいたいという切なる希望を実は持っておるものでございまして、その点について具体的な御返事がいただきたいのと、さらにこの字幕を入れることによってどのくらいの経費がかさむのかということについてもひとつお聞かせをいただきたいのでございます。 それからさらに、もう時間がありませんのでもう一つだけつけ加えて申し上げますが、いま障害者の中で手話通話が行われております。この手話というのは全国統一であろうと私は思っておりましたら、実は全国統一でないのであります。関西地方は関西地方の独特のものがありまして、また関東は関東で何か若干違うそうであります。そこで私は提起として、この聴力障害者に対して手話通話を全国統一をして統一化をしていく、こういう立場からぜひ教育テレビの中で手話講座を開いてやっていただきたい。これをひとつ、これは先ほどの話ではありませんが、質問の要項に入れておりませんでしたけれども、特に手話講座について教育テレビの中で何とか全国統一の、どこへ行っても同じ手話で話しかけができるという聴力障害者に対する思いやりの中から御協議をいただきたい。このことを含めまして最後の質問といたします。
○堀参考人 お答えいたします。 現状は、毎週日曜日十八時四十五分から十九時、隔週再放送というのが手話放送の現実でございます。もちろんNHKといたしましては、各種身体障害者のための放送にはかなり大幅に力を入れてやっておるわけでございますが、手話放送に関しましてはそういう状況で、去年視聴好適時間に時間変更したにとどまっております。しかし、いろいろな方面から手話放送に対する要望が非常に強いことはよく承知しておりますし、また五十五年度学習指導要領が変わりました機会に、教育テレビ及びラジオ第二放送については相当大きな変更を加えなければならないという状況もございます。そういう中で手話放送をふやしていこうあるいは聴力障害者のための放送をふやしていこうということは内部でもかなり真剣に検討され、予定をされておりますので、来年度はとにかく、再来年度には御期待にある程度おこたえできるのではないか、かよう思っております。どういう内容になるかについてはいましばらく検討をさせていただきたいと思いますし、したがいまして、全国の手話の統一のための放送がその中に入るかどうか、これも検討をさせていただきたいというふうに考えます。 なお、テロップにつきましては、ニュースでは一回当たり約六万円程度の費用でございますが、ドラマについてのテロップは二通りございます。一つはテロップを書く費用、これが約二十数万円、もう一つ、ドラマのテロップの脚本料というのが同じ程度かかりまして、両方で一時間でざっと五十万円を超えるのじゃないかというのがいまの計算でございます。 しかし、一番問題になるのがテレビのテロップの著作権の問題でございます。これはたとえば脚色者が、私の作品はテロップを書くことによって著しく悪くなる、それは聴力障害者にはいいけれども、ほかの方には作品効果が減じられる、したがって同意できないとか、あるいはその出演の俳優さんの人格権というのも著作権上認められております。その人たちの同意も得なければいけないということでございますので、私たちが全部の権利を持ち、責任を持っておりますニュースについてはとにかく、その他の出演者絡みあるいは脚色家のいるものにつきましては、お金だけでない障害があるということをここで申し添えましてお答えにかえさせていただきたいと思います。
○野口委員 終わります。
○久保(等)委員長代理 次に、田中昭二君。 〔久保(等)委員長代理退席、委員長着席〕
○田中(昭)委員 大臣を初め郵政省また参考人の方、大変お疲れと思いますが、私が最後でございますからよろしく協力をしていただきたいと思います。 NHKの五十四年度の予算につきまして各委員からいろいろ質問がございました。NHKの今後の経営、財政基盤云々等についての質問が多かったようでございますし、私も、この問題については国会の議員としてというよりも、国民に開かれた委員会、そしてNHK——いつも話に出ます受信料を基盤にして国民のための公共放送と言うならば、やはりそういうたてまえで聴視者また国民に対してわかりやすく、今後のことを言ってはいかぬとか、これはこういう場では言えないとかという前提を置かれると議論はできないと私は思うのです。先ほどから聞いておりますと、今後の料金改定、そして今後の経営見通し、いろいろな疑問が投げかられておりますけれども、何かそれを言うまい言うまい、悪い言葉で言えば、隠そうというふうに聞こえてきたのです。私の耳が少しひねくれておるのかもしれませんけれども、議論を聞いておりますと、どうもそういうものがあるように感じられてなりません。大変残念なことでございます。 現在、NHKの受信料が今後三カ年においても二%から、悪ければ一%ぐらいの伸びにしかならないだろう、そういう見通しをお述べになりました。そこで、まず受信料の問題から入っていきますが、その前に、五十三年度はもう今月で終わりでございますからおおよその見通しが立っておると思います。そこで五十三年度の受信料収入、それから事業支出の大体の見込み、その事業支出の中で一番大きいのは人件費でございますから人件費がどういう伸びになるのか、伸び率も一緒にお聞かせ願いたいと思います。
○中塚参考人 今年度の受信契約の増加の見込みでございますが、年間の総数の増加の計画は六十万件でございまして、二月末現在で五十六万件余りの増加になっておりますので、あと三月一カ月で三万余りを増加させるということでいま最後の努力をいたしております。なかなか厳しい状況でございますけれども、何とか六十万の計画は遂行したいと考えております。 それから受信料の収納の状況でございますけれども、年度末で五十三年度の収納率は何とか九六%にしたい。五十二年度の実績が九六・三%でございました。若干下回るのではないかと思っておりますけれども、九六%の収納率には何とか持っていきたいと考えております。
○田中(昭)委員 受信料収入の前年対比ですね。収入が幾らぐらいになる見込みなのか、事業支出が幾らぐらいの見込みなのか、人件費がどうなのか、その点をお伺いします。
○川原参考人 五十三年度については、御指摘のとおり間もなく年度の最後を迎えるわけでございますが、個々の経費についてはいまなお最後の支出の段階でございますので、なかなか見通しがむずかしいところでございます。ただ、私どもとしては、予算の段階では受信料収入は五十三年度は前年度に対して二・五%の増というのを見込んで、いま中塚担当専務が申しましたように、いま最後の契約目標達成ということでやっておりまして、極力この目標を達成したいと考えているところでございます。しかしながら、その他の雑収入等の増等も見込んでおりますし、それから事業支出といたしましては、予備費の残あるいは金利の下がったことに伴う財務経費の残等々、当初予算では前年度に対して一一・二%の増を見込んでおりましたけれども、少しく残し得るのではないかということで、全体を通じまして今度の五十四年度の予算に書きましたように、五十三年度全体といたしましては六十億円の残余を出し得る見込みを持って、それを五十四年度の資本収入の方に見込みを立てたわけでございます。
○田中(昭)委員 もう少し親切に答えてください。先ほどの最初の質問から、受信料収入は幾ら伸びますか、事業支出はどのくらいになりますか、そのうち人件費はどうなりますかと聞いているのですけれども、答弁が要らぬことばかり多いようですよ。
○川原参考人 予算段階での数字はもちろんあるわけでございますが、いま最終的にどの程度にとどまるであろうかというところは、三月末のいま最後の詰めをやっているところでございまして、これは私どもとして個々の費目について数字をもって御説明するだけの見通しがちょっとついていない。ただし、全体といたしまして五十三年度は六十億円ぐらいの残余を残し得るのではないか、かように申し上げているわけでございます。
○田中(昭)委員 どうも受信料収入と事業支出と人件費についてのおおよその見込みもお答えにならないようでございますから、それではもう一遍、会長、私は率直にお尋ねしますけれども、五十三年度は二千百十二億の受信料収入の見込みですね。これは大体このくらいいきましょうか。それから同じく事業支出が二千百九十億ですか、それでその中に人件費が七百六十四億、大体この近くにいくのでしょうかどうでしょうか。
○坂本参考人 いま担当専務がお答え申し上げましたように、大体その数字を見込んで現在努力している次第でございます。
○田中(昭)委員 そうしますと、数字は変わりますからいいのですが、ずっとこの二日間この委員会で、五十四、五十五、五十六の三カ年は収入が二%から、悪ければ一%という御答弁もありました。過去、五十一年に値上げをやっておりますけれども、四十九年から、予算の状態でもいいのですけれども、決算で見ましても四十九年四%、五十年四・一%、五十一年四・六%、これが値上げのときですね、五十二年は八%なんですよ。それで何で五十三年から急に二%になっていくのですか。私はどうもそこに何か作為的にそういうことをおっしゃっているのかというふうな感じがするのですが、過去ずっと四%——受信料の収入については厳しく営業の方にがんばってもらって、いろいろな面でがんばってこられたと思うのです。その結果をここ四、五年見てみても、四%から五%、八%、そういう実績になっておるのを、何で二%とか一%とか言わなければいけないのですか。
○川原参考人 これは契約の方の、結局増加の見込みと受信料のもとの比較する基礎額との比較になるわけでございますが、四十七、八年のころにはまだ新しい契約の増、これも七十万前後を見込んでおりました。それともう一つはカラーの増加がかなりあったわけでございますけれども、逐年カラーのふえ方が減ってまいりまして、いわゆる白黒の残りがもうわずかになってきたということのために受信料の伸び方が減ってきているわけでございます。 いま御指摘のとおり、五十一年度は値上げをいたしまして単価が上がりましたので、これは非常に前年度に比べてふえているわけでございますけれども、やはり五十二年度は受信料のふえ方は前年度に対しまして二・六%でございまして、それから五十三年度が二・五%、そしていま御審議いただいている五十四年度予算が二・四%と、どうしてもこの伸び方が減ってこざるを得ないといういま状況でございます。
○田中(昭)委員 私はそういうことじゃいけないと思いますよ。先ほどから、予算の場合と決算は違うじゃないですか、こういう数字を私はこれだけ——それじゃ、前年度の受信料の増加ぐあいを出してみませんか。いま言われたのは五十二年度の予算の伸び率でしょう。私はさっきから、予算じゃいけないから、決算では八%伸びていますよと指摘しているじゃないですか。そういうものを、そんな答弁をされるようじゃ、本当に私はどうかと思いますよ。四十九年からずっと私が申し上げたでしょう、数字は。それが違うのですか、それじゃ。こういうことじゃ予算審議できませんよ。これは数字はちゃんと出た数字があるのです。それを四十九年度は四%、五十年度は四・一%、五十一年度は値上げをやっております、これは別です、それで五十二年度に八%伸びている、こう言っているのです。これを、そうでしょうと言った場合に、違うことを答えるようじゃ、どうしますか、審議できません。
○石野委員長 質問の趣旨をよくわきまえて答弁してください。
○川原参考人 わかりました。私、御質問の趣旨を取り違えて失礼いたしました。 五十二年度の受信料の決算段階では、御指摘のとおり八・六%の増になっております。これは、五十一年度から五十二年度への伸びがその前後に比べまして多少高くなっておりますのは、実は五十一年度の受信料の改定が当初四月からと私ども予定しましたのが、いろいろな事情で暫定予算を編成しまして、実際には六月からの値上げということになりまして、その値上げの影響が十カ月分の収入増、それに対しまして五十二年度は十二カ月分その影響が出てきているということから、この数字がここは高目に出ている。しかし五十三年度になりますと、また通常の形で十二カ月分、十二カ月分という比較になってまいりますので、それがやや目立って落ちているということになっていると思います。
○田中(昭)委員 質問する気になれませんね、そういうことじゃ。そういうことは大体わかっています。それじゃなぜ初めから私が指摘した数字をきちっと答えないのですか。先ほどから私事業支出も聞いているわけでしょう。そのうちの人件費も聞いているわけでしょう。それをお答えにならないじゃないですか。
○坂本参考人 答弁についてはなはだ不手際のことがあったことは、この席でおわびいたします。引き続き御質疑をお願いしたいと思います。
○田中(昭)委員 それじゃ答えてください、聞いたことに。
○川原参考人 その他の事業支出について、五十二年度について申し上げれば、給与につきましては決算額六百九十九億円で九・七%の増でございます。それから、事業支出全体といたしましては千九百十四億円で一一・五%の増でございます。
○田中(昭)委員 たったこれだけのことで、こういう答弁を聞いておりますとあとが気がそがれまして困るのですが、受信料についてはまた時間がありましたら質問することにします。 次に、収支の見通しでございますが、この中で三カ年の事業支出を平均九・三%ですか、そういう見方になっておりますが、これはどういう計算の根拠で出たのでしょうか。
○山本参考人 ただいま御指摘がありましたとおり、この三カ年間、五十四年以降五十六年まで三カ年間の事業支出として九・三%の増加率を見ております。この九・三、非常に細かい計算がございますが、大きな枠組みとしてお答えをいたしますと、NHKの仕事の一番基本になりますのが番組の制作費あるいは営業費、あるいはそういうものにかかります人件費、こういうようなものが大きなものでございまして、その他につきましては非常に細かい小さなものがございますけれども、大枠としてそういうところから御説明をいたしておきたいと思います。 第一義的には、この三カ年間の物価がどうなるかということを一番先に柱として考えました。しかし、これも非常におしかりを受けるかもしれませんけれども、これからの三カ年間の物価の趨勢というものは、いまNHKとしてこれだけだという一つの確定した数字を使うには実はいろいろな指標が不十分でございますので、五%ないし七%、これは政府の見通しが昭和五十四年度の分だけ四・九%として出ておりますが、それ以降の分につきましては政府としてまだ発表いたしておりません。それから民間のいろいろな経済調査の機関が、今後五十六年度までの間の物価の見通しにつきましても、まだ先の見通しのついたものを出しておりませんので、私の方としては一応五ないし七%というところを上限、下限というような形で試算をせざるを得ませんでした。それをもとにいたしますと、番組制作費は御承知のように物価の影響も受けますけれども、同時に、現在のNHKの番組といいますのは、民間放送のいろいろな活動、あるいは今度新しくできます放送大学というようなものも一つの条件として考えざるを得ませんので、今後のNHKの番組というのは単に物価の上昇という点だけでとらえるわけにはまいりませんで、やはりいろいろな事態に対応し、さらに番組の内容を高めていく、そういう責任も負っておりますので、これは各年度増加率五%ということを基礎にいたしまして、それにさらに、たとえば冬季オリンピックであるとかあるいは放送量の増加であるとか、経済的な物価指標だけによらない部分もつけ加えまして、平均いたしまして大体年度五%ずつ増というような試算をいたしました。 それから、人件費につきましては、いま御説明をいたしました物価の趨勢、これにほぼ一%程度の裕度をもちまして計算をいたしました。 それから、営業費につきましても、これはただいま御指摘がございましたように、総数の伸びというのは非常に低うございますので、その部分についての経費の増は余りございませんけれども、実態的にいろいろ収納あるいは契約、こういう問題についてむずかしい事態に立ち至る可能性がございますので、たとえば収納のための特別のいろいろな組織活動あるいは大都市対策、あるいはけさ方からもたびたび御指摘がありました国民への広報あるいは理解促進のための経費、こういうようなものも含めまして、営業関係につきましては、基礎的な物価の上昇率にそういう特殊対策経費というようなものも織り込んで計算をいたしました。 それから原価償却費とか財務費につきましては、従来NHKがとってまいりました方式がございますので、それによりまして計算をいたしました。 総計、そういう形で九・三%という形になった次第でございます。
○田中(昭)委員 この三カ年の見通しですけれども、ここで事業支出が三カ年で大体平均九・三%の伸びにしますと七千八百四十億ですか、間違いございませんね。この七千八百四十億円の中での五十四年度が二千三百六十億ですか、五十五年度が二千六百二十億、五十六年度が二千八百六十億ですね。そうしますと、五十四年度で大体百六十九億ふえる、五十五年度で二百六十億ふえる、五十六年度ではどうしてか二百四十億しかふえない、こういうことになっております。この中でどうも五十五年度だけが二%の伸びになりますね。五十四年度は七・七%、五十五年度は一一%、五十六年度は九・二%、いまの私が申し上げた数字でいくとこういう伸び率でございますが、この五十五年度の一一%というのは何か理由があるのですか。
○山本参考人 私が少し説明が足りませんで失礼いたしましたが、実は五十四年度といいますのは、ただいま御審議をいただいております年でございますが、これは受信料の改定をいたさない年であって、しかも赤字の始まりの年でございます。したがいまして、予算編成においては相当いろいろなものをしぼりました。できるだけ赤字を少なくしようというので相当予算編成上にもシビアな査定をしておりますので、五十五年度には、たとえば五十四年度に多少古くなりました機械をそのまま一年間修理をして使いますとか、あるいは番組関係につきましても少しがまんをしてもらうとか、もろもろの措置を講じまして赤字の幅をできるだけ少なくする措置をとったわけでございます。そこへたまたま五十五年度につきましては退職をする人の数がふえるとか、もろもろのその年独特の要件がつけ加わりましたものと一緒になりまして、五十四年度を抑えたことのちょうど反動みたいな形で少しパーセントが上がっておるということでございます。
○田中(昭)委員 いま山本さんが言われたのは、五十四年度にしぼったから五十五年度はその反動でふえたのだと言うのであれば、そういうふえるものが前もってわかるのであれば、そういうものを明らかにしていくことはいままでの議論の中で——NHKが受信料を基盤にして今後やっていく場合、事業活動推進のために要る全体の費用が受信料に見合っていくのだという説明を先ほどからやっておりましたね。その辺はもう少し明らかにした方が国民はわかりやすいと私は思います。ただ、いまの言葉では、古くなったものとか退職の問題とか言われました。これは後で明らかにしてもらいたいと思いますけれども、どうもこの三カ年の経過、それから経営問題委員会の報告、それからこの説明書の三十八ぺ−ジの「経営見通し関係」こういうものをずっと読んでみますと、先ほどから議論になっておるように、やはりNHKはいつの時点にか受信料を引き上げたい、引き上げる。ところが、引き上げるとはこの五十四年度の予算には書けないからというような事情もありましょう。どうもこの五十五年度は、受信料を引き上げて、そこで出てきます収入の増加、それに見合う分がちょうどふえておるような感じが私はしてならない。 その証拠に、今度五十六年度は、受信料のふえたその割合に対しての経費率ですから経費が九・二%に下がっておる、こういう見方が私は国民はわかりやすいだろうと思うのです。その細かい内容についてはここで一々議論できません。おたくの方から出ておりますこの説明資料の中に「経営見通し関係」、「昭和五十四〜五十六年度の経営見通しについて」と書いてありますね。これは経営問題委員会で出てきたことをほとんどそのまま書いてあるようですね。ここに、いまの受信料値上げと関係があるということだけを私、指摘しておきます。 といいますのは、この中の一番最後のところに「諸事業活動の推進に当たっては、傾斜重点主義を採り効率的経営に努める」とあり、こういうところがこの経営問題委員会で具体的な話がいろいろ出ておるはずなんです。それを明らかにしなければいけませんよ。先ほど野口委員が言っていたように、抽象的な言葉で言うのじゃなくて国民のだれが聞いてもわかるように、こういうことを具体的にしないところにNHKの問題が残っていくというように私は思うのです。続いてここに書いてあるのは「期間中に」——「期間中」ということは三年間のことだと思うのですよ。間違いないと思う。「期間中に受信料額の調整を含め、」と書いてある。この「調整」という字がこっちの委員会のところと一つ違うのです。こっちにははっきり「改訂」と書いてあるのです。六十四ぺ−ジの上から二行目には「受信料額の改訂によって対処する」とある。まず「改訂」というのは、私は下げることはないと思うのですが、下げるのですか。下げることも「改訂」でしょうね。しかし、ちょっと考えられない。ということは受信料を上げるということでしょう。じゃ、「調整」ということはどういうことですか。私も字引を引っぱってみましたけれども「調整」というのはどういうことですか。この「調整」という言葉を使ったのはどういう意味があるのですか。お答え願います。
○山本参考人 経営問題委員会の方の御意見は非常にはっきりいたしておりまして「改訂」という表現でございます。ただNHKといたしましては、これはやはり国民の皆さんの御理解も得なければならないし、国会の御審議も得なければならないし、あるいはそれぞれの関係機関との間の連絡、そういうものもございますし、もろもろの手続が残っておりますので、NHK自身として直接的に「改訂」という表現はしない方がいいのではないか、もう少しもろもろの努力なり連絡なり、あるいは御意見なり、そういう総合的な手段を講じながらこの問題に取り組んでいくべきではないかということで、いわば見方によってはあいまいな表現になったという御指摘かと思いますけれども、NHKとして「調整」という言葉を使って「改訂」という言葉を避けたというのは、いま申し上げたように少し遠慮を申し上げた表現だということでございます。
○田中(昭)委員 山本さん、あなた大事な発言をなさったですよ。これだけ経営問題委員会が「改訂」というはっきりした言葉を使ったのに、なぜNHKでそういうあいまいな言葉を使わなければならないのですか。それじゃ、せっかく経営問題委員会のこのはっきりした「改訂」という言葉をだれの主管で「調整」なんかといってあいまいな言葉にしたのですか。これは問題です。 あなたに聞いても同じですから、少し聞いてみたいと思うのです。「調整」という言葉はどういうことですか。郵政省、電波管理局長がいいかな、それから会長ひとつ。これはNHKの中でそういうふうに話し合って決めたというのですから、会長もそれはいきさつを知っているはずです。その前に「調整」という言葉はどういう言葉ですか。その辺がはっきりしないと問題ですよ、これは。
○坂本参考人 「調整」というのは、正したり直したりという、いわば収支の、何というのでしょうか、調整ということになろうかと思うので、その点はどうもひとつ明確に御答弁できないで恐縮でございますけれども、お許しいただきたいと思う次第でございます。
○田中(昭)委員 郵政省は意見書を出したんだから、郵政省の解釈。
○平野政府委員 先生のお気には召さぬかもしれませんけれども、適切な料金にするという意味だと思います。
○田中(昭)委員 適切な料金にするということと、でこぼこを直すということは大分違いますね。辞典を引っ張ってみますと「調整」という言葉は、仕組みや関係などを正しく整えるということが正式だそうですよ。ですから、仕組みということは受信料制度も含めて何か考えているんだろうなと私は思う。そういうことならば、この受信料については先ほどからずっと議論があっているのですからわかるのですけれども、ただNHKの中で、五十四年度予算を提出するに当たって、経営委員会でははっきり「改訂」と指摘されたけれども、そういう明確な言葉じゃいかぬと考えたとするならば、そういう点に到達したにはどういう議論がNHKで固められたのか、それを聞きたいですね。
○山本参考人 この表現につきましては、私が全責任を負っております。 私の考えでは、経営問題委員会は最終答申をいたしたわけではございません。その時点において経営問題委員会の内部でいろいろ御議論をなされて、中間報告をされたわけでございます。NHKはその中間報告をいただいて、この委員会でも申し上げましたように、さらに最終的にもう一度この経営問題委員会をより多数の方に御参加をいただいて今後のNHKの、受信料問題も含めて総合的なNHKのあり方について御審議をいただくという手順にいたしております。したがいまして、そこの第二次の経営問題委員会が最終答申を出すという手順になっておりますので、中間報告に、経営問題委員会としては「改訂」ということに取り組んではどうだという御意見はございましたけれども、NHK自身として最終の答申をいただいた上で、改訂なら「改訂」という最終決断をするのが至当ではないか、この中間報告の段階で「改訂」という意思決定をNHKがするにはまだ適当な時期ではないのではないかというような意見を交換いたしまして、私の責任におきましてそういう表現を使ったということが実態でございます。
○田中(昭)委員 NHKは山本理事の一存においてこういう料金問題のことを責任を持って決められるそうでございますが、それならば、私が先ほどから言いますように、受信料の問題についても、過去四%から三%増収になっておる、それを二%にしたのは何ですかと、こう聞いている。それでその後、今後三カ年間の経費についても七%、一一%、九%じゃないですか。その五十五年の一一%も、仮に三%として見ても七百億の経費ですよ。その七百億の経費を五十五年に見ているということは、先ほど私が言ったように、そこまであなたが責任を持って言われるのであれば、この経営問題委員会の最終結論といってこれ以外のものがどういうものが出てきますか。あなたは言葉では中間だと言われたけれども、これ以上のものがどういう方向性として出てきますか。恐らく出てきませんよ。だから、この期間中に「改訂」すべきであるとこう言っている。ですから、それじゃ五十五年は絶対料金改訂をやりませんか。調整をしてください。その七百億円の経費を手当てをしなければならないならば、そのことについて国民の了解を得て五十五年も調整をしてください。それがはっきり言えるならば、この問題は打ち切ります。会長、どうでしょう。先ほどから話が出ていますね、ことしの秋には何か審議会かなんか設けてやる。それですから、いま五十五年に改訂をしないという約束ができないならば、この秋までにどういう手順で、この「調整」も含めて、「調整」という意味はこういう意味でした、五十四年は経費を切り詰めた、だからこの切り詰めたことによって国民にどういう理解を得る、そのためには秋には審議会か何か知りませんが開くそうですが、その中において明らかに国民に理解を得られるようなことをいたします一その場合には、たとえば先ほどから出ていますように、受信料を拒否するとかそういう問題の人も、その審議会に入れろとは言いませんけれども、そういう人たちの意見を聞くこともいいと私は思うのですよ。それは先ほどから言っているように、NHKのテレビで全国に流せばいいじゃないですか。ですから、その秋までの手続がどういう順序で進むのか。この委員会の場は、国民に向かってNHKが開かれたNHKとして発表するわけですから、ここ以外にもございましょうけれども、私はやはり手順なり時期なりは言うべきだろうと思いますが、いかがでしょう。
○坂本参考人 予算を御承認いただけますれば、その後直ちにこの問題に取り組みまして、できれば年度が改まりましてすぐ有識者をお願いして新しい委員会をつくりまして、精力的に御検討をいただいて、先生のおっしゃるように秋までの間に何らかの結論を出して、国民に訴える努力をしたいというふうに考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 検討して五十五年は改訂しないと言っていただけませんか。
○坂本参考人 まことに恐縮でございますけれども、その答えは保留させていただきたいと思います。
○田中(昭)委員 しかし、いまいろいろ申し上げました経過の中では、私は大変残念ですよ。いろいろ申し上げましたけれども、国民から見ると、こういうことを言ったら笑われますよ。その笑うところは、されないのですが、それで、一つだけこの問題をとうとうできないで困っているのですが、NHKの国内放送番組についてこの経営問題委員会でもいろいろ指摘があっておりますが、この委員会の指摘の中に、二十三ページですか「視聴者たる国民の放送番組に対する支持こそ、NHK存立の基礎であることを十分認識し、公正、的確な報道と豊かで、すぐれた放送番組の提供のため、視聴者ニーズの積極的把握と新たな抱負の下で先見性と主体性をもって番組開発を図り、国民的放送機関としての番組の在り方をより明確にすることに、一段の努力を重ねるべき」云々となっておりますが、この中で「視聴者ニーズの積極的把握」これはどういうことなのか。そして、さらに「新たな抱負の下で先見性と主体性をもって番組開発を図り、」と言ってありますが、具体的にはどういうことでしょうか、簡単にお答え願いたいと思います。
○堀参考人 「視聴者ニーズ」ということにつきましては視聴者の希望あるいは要求、その他に応ずるというふうに考えております。「新たな抱負の下で先見性と主体性をもって番組開発を図り、」ということにつきましては、現在われわれとして、課題でございますが、日本の条件というもとで番組を考えております。これは約二年ないし三年計画で、現在日本の国際的環境下に置かれております問題点を十分な準備を持って調査し、そして研究し、それに基づいて番組をつくるという計画をしておりまして、こういう経営問題委員会の期待にこたえたいというふうに思っております。ただ、現在まだ準備の段階でございますので、ここで具体的内容までには至らない点は残念に思います。
○田中(昭)委員 申すまでもないのですが、テレビがメディアとして同時性それから臨場性といいますか、速報性、こういうメリットがある反面、巨大性、一方通行性といいますか、管理性、こういうものを持っておると批判されるわけですが、そのデメリットを少なくするための努力が大切であるという論評もなされております。また、ここでテレビが昨年二十五年間のテレビ文化というものを通じての反省という中に、庶民の参加、住民の参加が弱かったのではないか、こういうことがいろいろ言われます。その一つの例として、先ほど言いましたテレビの一方通行性ですか、こういうことがあったのではなかろうか。この根本的な解決のためにはいろいろな技術的な問題もあるかと思いますが、やはりいまは地方の時代でもございますし、地方文化の向上の上からもローカル放送の充実が期待されるのではなかろうか、私はこう思います。 このローカル放送の充実についての将来の見通しといいますか、今後の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○堀参考人 お答えいたします。 テレビの長所、欠点についてはまさしく御指摘のとおりでございまして、私たちはその欠点を補うために視聴者参加の番組というものをやっておりますが、ことに、先ほど言いましたように、視聴者の参加の仕方が、同時性といいますか、生の番組に参加しやすいというようなこともございますし、また、身近な問題が一番訴えたいことだということもございまして、ローカル放送でその方向をとっているのが現状でございます。そして、いまちょっと数えましたが、一週間に約五十数本のこの種の視聴者参加の番組がローカルで施行されております。 なお、地方の時代に伴うローカルの方の充実でございますが、私たちは三年前にかなり大幅なローカル放送の充実を行いました。これは、当然のことながら各地元民放との競争関係もさることながら、各地方の放送局の人たちが地方の時代というものをはだで感じて強い要望をしました。そして、六時台に二十分間のニュース時間を設定したわけでございます。したがって、結果的に多少先取りしているところがございますが、われわれは、しかし現状において満足することなく、今後も強化に努めたいと思いますけれども、何しろそれは地元の強い意思がまず前提というふうに考えます。 なお、来年度につきましては、小型中継機能を相当力を入れて地方に送りまして、そして番組制作の力をふやしたいというふうに考えております。
○田中(昭)委員 これで終わりますが、最後に大臣、大変お疲れだったと思いますが、この前私はNHKの世論調査のことで大臣にお聞きしましたね。もう一遍ここで確認しておきたいのですけれども、あのときは大臣は、そんな世論調査はどこであったのですかというふうな感じだったのですね。NHKの世論調査は、私はいろんなマスコミの中でもわりあい高い評価をしているのですが、大臣、あのときの世論調査はその後お聞きになりましたか。
○白浜国務大臣 聞かされたかもしれませんが、私も毎日毎日追っかけられておりまして詳しくは記憶いたしておりませんので、もう一度後で勉強したいと思います。
○田中(昭)委員 NHKの世論調査はまだいまのところ記録に残っておりませんから、ここで発表してください。 あのときの世論調査で、外国機購入汚職問題、あのときはグラマン問題が出ましたが、それに対する国民の考え方が、この汚職問題については一通りの調査はやっておるという数字と、それから、政府はこの問題については余り積極的でない、隠そうとしているという世論調査が出ておったはずですが、その数字をひとつこの場で大臣に教えておいていただきたい、発表してください。
○堀参考人 お答えいたします。 答弁の座に立ちましたが、手元に資料がございませんので、後ほど数字をもって大臣にも先生にもお届けしたいと思います。
○田中(昭)委員 それじゃ私が教えておきます。ただ堀さん、この世論調査の数字が何遍も訂正されている。だから私はきょう問題を出したのです。 この汚職問題で国民に世論調査をやったときに、最初私がテレビを見たときには、先ほど言うように、一応の調査はやっているという数字が四六・五%とテレビに出たのです。隠そうとしているというのが二五・五%出たのです。合計七二%は、この汚職問題について余り政府はよくやっていないという世論調査の結果が出ているというテレビの放送を見たのです。その後また確認しましたら、この数字はあと三回変わっているのですね。三回目の最後の数字は減っておるのですよ。一応の調査が四六・五%、隠そうとしたものが二二・五%、合計六九%。六九%といいますと、大臣あのときに、何かほかの世論調査でやっただろうという感じで言われましたけれども、この六九%ということはもちろん過半数は超えておりますし、ほとんどの人がそういうふうに思っているという認識を大臣にきょうはひとつはっきりしてもらって、最後といたします。
○白浜国務大臣 どうもありがとうございました。
○石野委員長 これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○石野委員長 討論の申し出がありませんので、これより採決に入ります。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につき採決いたします。 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石野委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 —————————————
○石野委員長 ただいま議決いたしました本件に対し、宮崎茂一君外五名より附帯決議をすべきとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨説明を求めます。宮崎茂一君。
○宮崎委員 私は、ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案) 政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施につとむべきである。 一 放送による言論、表現の自由と不偏不党を確保すること。 一 協会は、厳しい経営環境を認識し、長期的展望に立って、企業努力に徹し、財政基盤の健全化を早急に図ること。 一 協会は、視聴者の理解と信頼を深め、確実な収納を図るとともに、国際放送交付金の増額、受信料減免措置の改廃など、協会の負担の軽減を図る措置を検討すること。 一 テレビジョン放送の難視聴及び都市受信障害について効率的な対策を推進し、その早期解消につとめること。 以上のとおりであります。 この決議案は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの六党共同提案に係るものであり、その内容については、当委員会における質疑の動向等を参酌して作成されたものでありまして、改めて御説明するまでもないと存じますので、省かせていただきます。 何とぞ御賛成をお願いする次第であります。
○石野委員長 これにて趣旨説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石野委員長 起立総員。よって、本動機のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について、白浜郵政大臣及び坂本日本放送協会会長から発言を求められておりますので、これを許します。白浜郵政大臣。
○白浜国務大臣 本件に関しましては、慎重なる御審議の上、ただいま御承認いただきましたことを厚く御礼申し上げます。 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしまして、今後放送行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○石野委員長 次に、坂本日本放送協会会長。
○坂本参考人 日本放送協会五十四年度収支予算、事業計画、資金計画につきまして、ただいま全会一致をもって御承認いただきましたことを、まことにありがたく、厚く御礼申し上げます。 なお、この予算を執行するに当たりましては、郵政大臣の意見書並びにこの御審議の過程でいろいろ御開陳いただきました御意見を十分生かしていきたいというふうに考えておる次第でございます。 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、これも十分遵守いたしまして、執行の万全を期したいというふうに考えておる次第でございます。 まことにありがとうございました。 —————————————
○石野委員長 なお、ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○石野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十五分散会