逓信委員会 第5号
- 発言数
- 181 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/03/16
会議録
○石野委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題として審査に入ります。 参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件の審査が終了するまで、随時、参考人として日本放送協会当局の出席を求め、意見を聴取することとし、たの人選等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○石野委員長 それでは、提案理由の説明を求めます。郵政大臣白浜仁吉君。 —————————————
○白浜国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会昭和五十四年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。 まず、収支予算について、概略を申し上げます。 事業収支におきましては、事業収入は前年度に比べ四十六億七千万円増の二千二百八億三千万円、事業支出は前年度に比べ百六十九億円増の二千三百六十億円となっております。 この結果、事業収支における不足額は百五十一億七千万円となっております。 この不足額につきましては、昭和五十二年度及び昭和五十三年度からの繰越金百二億円と長期借入金四十九億七千万円をもって補てんすることとしております。 資本収支におきましては、資本収入は四百三十七億円、資本支出は二百八十五億三千万円となっており、このうち、建設費として二百十九億円を計上しております。 次に、事業計画につきましては、その主なるものは、テレビジョン放送及びラジオ放送の全国普及を図るため、放送網の建設を行うこと、視聴者の意向、視聴態様に対応した番組編成を行うとともに、昭和五十三年度に改定した放送番組の定着を図ること、視聴者の生活態様に即した営業活動を積極的に推進し、受信料の確実な収納に努めることなどとなっております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。 郵政大臣といたしましては、これらの収支予算などについて慎重に検討いたしました結果、これをおおむね適当であると認め、お手元に配付されておりますとおりの意見を付することといたした次第であります。 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどをお願いいたします。
○石野委員長 次に、補足説明を求めます。参考人日本放送協会副会長藤島克己君。
○藤島参考人 それでは、ただいま議題になっております日本放送協会の昭和五十四年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、補足的な御説明を申し上げます。 昭和五十四年度における協会の事業運営は、受信料収入の伸びの鈍化傾向など、きわめて困難な事態に直面しておりますが、受信料の月額を前年度どおりに据え置くこととし、極力業務の合理的、効率的運営を推進しつつ、国民の要望にこたえるため、テレビジョン、ラジオ両放送の全国普及に努めるとともに、すぐれた放送を実施して、公共放送の使命を果たすことといたしております。 次に、昭和五十四年度の主な計画につきまして御説明を申し上げます。 建設計画につきましては、難視聴地域の解消を、より効率的に推進することとし、テレビジョン局の建設、共同受信施設の設置及びFM放送局の建設などを行うことといたしております。 また、テレビジョン音声多重放送の拡充に必要な設備の整備を行うほか、老朽の著しい放送設備の取りかえ整備を実施することといたしております。 次に、事業運営計画につきまして申し上げます。 まず、国内放送では、テレビ、ラジオ放送ともに、昭和五十三年度に改定した放送番組の定着を図るとともに、一部番組の刷新、充実に努めることとし、また、ローカル放送についても一層充実をすることといたしております。 国際放送におきましては、国際間の理解と親善に寄与するため、番組の刷新を図るとともに、受信の改善に努めることといたしております。 広報及び営業活動につきましては、視聴者会議の運営などの諸活動を通じて幅広い視聴者の意向を積極的に吸収して、これを事業運営に的確に反映させ、また、視聴者の生活態様に即した営業活動を推進して、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めることといたしております。 調査研究につきましては、放送番組、放送技術の向上に寄与する調査研究を推進し、その成果を放送に生かすことといたしております。 以上の事業計画の実施に当たっては、全般にわたり、経費の節減と業務の効率的運営を一層徹底することといたし、要員数は前年度どおりに据え置き、給与につきましては、適正な水準を維持することといたしております。 これらの事業計画に対応する収支予算について申し上げますと、事業収支におきましては、収入総額二千二百八億三千万円を計上し、このうち、受信料収入については二千百六十億一千万円を予定しております。これは、有料契約者数について、カラー契約七十万件の増加、普通契約十五万件の減少、契約総数におきましては五十五万件の増加を見込んだものであります。 これに対して、支出は、国内放送費などの事業運営費、減価償却費、支払い利息などにより総額二千三百六十億円を必要とするため、事業収支において百五十一億七千万円の支出超過を来すこととなりましたが、これについては、昭和五十二年度及び昭和五十三年度からの繰越金百二億円並びに借入金四十九億七千万円をもって補てんすることといたしております。 次に、資本収支におきましては、支出において、建設費に二百十九億円、放送衛星を管理運用するための法人への出資に一億四千万円、債務の償還に六十四億九千万円、総額二百八十五億三千万円を計上し、収入には、昭和五十二年度及び昭和五十三年度からの繰越金受け入れ、放送債券、借入金等を合わせ総額四百三十七億円を計上いたしております。 以上、昭和五十四年度の日本放送協会の収支予算、事業計画等につきましてそのあらましを申し述べましたが、国民生活の向上に放送の果たすべき役割りがますます重要になっていることに思いをいたし、今後の協会事業の運営に当たっては、一層視聴者の理解と支持を得るように努め、協会全体の力を結集して、業務全般にわたる合理的運営と改善に不断の努力を傾注し、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございますので、委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞよろしく御審議の上、御承認を賜りますようお願い申し上げます。
○石野委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○石野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺秀央君。
○渡辺(秀)委員 本当はきょうは、日本のマスメディアの代表というか、NHKの果たす今日的な社会的あるいは国家的重要性から考えて、かなり広範な質問戦を展開したいと思っておったのでありますが、時間が余りにもなさ過ぎますので、私は具体的に個条書き的ですが、端的な質問から入っていきたいと思っております。 私たちは、毎年このNHK予算を繰り返し審議をさせていただいているわけでありますけれども、われわれは、昭和二十一年十一月三日の憲法公布記念のときに賜ったお言葉の中にある、自由と平和を愛する文化国家を建設するのだという日本の国家目標、そういうものを考えましたときに、NHKのこれから果たさなければならない役割りはきわめて、いやむしろいよいよ重大なものを痛感いたされる中で、これからの使命に、あるいは任務の遂行というか責任の役割りにぜひ御尽力を賜りたい。わが日本の崇高な国家建設の目標は文化国家であるということを考えまして、そういう考え方を基本的な質問の根底に置きながら、私は幾つかの質問に当たってみたいというふうに思うわけであります。 ただいま大臣から、そして当局からも、予算、事業計画の説明、現状に対してお聞きをいたしましたが、私は実は大変心配になってまいりました。私のこの危惧は、番組についてということではありません。いま御説明のあったとおり、NHKの財政基盤の弱体化という問題についてであります。番組の問題等は、今年の二月二十六日に放送された「戒厳指令“交信ヲ傍受セヨ”」というような番組を見ても、きわめて高い水準にあるように私は思いますし、また週二回の報道特集なんかも、きわめて見ごたえのあるようなものになってきている。もちろんすべてを了とするわけじゃありませんけれども、それなりの御努力、そして創意工夫を感ずるわけでありますが、何としても財政基盤の弱体化について非常に危惧を持たざるを得ない。この公共性の強い、受信料に基づくNHKの経営が、効率的でむだのないものでなければならないということは、もうこれは御案内のとおりであります。それは言うまでもなく、資金が十二分でなければよい番組もつくれませんし、あるいは国内、海外を問わず、強力な取材活動も恐らくできないということだと思います。また、技術の進歩なども常に取り入れなければならないという放送事業にとっての基本的な要請さえも、財政基盤が揺らいでおりますと、これはとても実現できるということにはならない。 しかも、今日NHKは、私の推察しますところによると、大きな問題が幾つか横たわっておりますが、中でも難視聴解消事業、音声多重あるいはまた文字放送、衛星放送などという新しい放送形態の開発と普及がもう目の前に横たわっていることは、お互いが認識しているところであります。私たちは、NHKが引き続いてよい番組をつくってもらう、そしてその使命を遂行してもらう、それには翻って財政基盤をわれわれが、あるいはまたこの承認を求めているこの国政の舞台として、そういうニーズにこたえるような保障をしているのであろうかというようなこと、これも一つ考えてみなければならないことだと私は思うのです。 そういう意味で、NHKが提出した資料に基づいて、この資料の四十二ページによりますと、五十五年度以降もかなり大幅な赤字が出るんだというようなことが数字の上で出されているわけでありますが、NHKとして一体どう対処しようとしておられるのか、その辺のお考えをまずお聞きしたいというふうに思います。
○藤島参考人 お答えいたします。 ただいま御指摘をいただきましたように、最近、テレビの受像機の普及がほとんど頭打ちの状態になっております。したがって受信料の伸びもほとんど鈍化状態だと思いますけれども、われわれ経営の内部で常に効率的な経営をやるということは当然のことでございまして、ここ数年来、今後も続けていく努力はいたしておるわけでございますけれども、このままの状態で続いてまいりますと、やはり収支の不均衡というのは逐年拡大せざるを得ないというふうな傾向にあろうかと考えます。 こういう中で、NHKは全国民に支えられて、その受信料によって運営している事業体でございますので、そういう全国民のコンセンサスと申しますか、合意の上で新しい経営の展開を図らなければいかぬと考えておりますので、従来私どもの中に経営問題の委員会だとか基本問題の調査会だとかいろいろな委員会もございましたけれども、今後、新年度になりますと早急にそういう幅の広い委員会を発足させまして、新しい経営の展開についていろいろ御意見を承り、また当委員会のいろいろな御指摘も当然取り入れてまいりたいと考えておる次第でございます。
○渡辺(秀)委員 いまお答えがございましたとおり、自己努力の重要なことは申すまでもないわけでありますが、そこで、営業努力についてちょっとお聞きをしたいと思うのです。 現在の不払いと滞納の実態を説明していただきたいと思うのです。ごく簡単で結構です。そして、五十四年度予算について営業活動に割く経費、これは一体どれくらいになっているか、この比率がどんなものか、あるいは、たとえば一世帯当たりのコストがどんなふうか、ちょっと簡単に、要点だけひとつ御説明願いたいと思う。
○中塚参考人 五十三年度の上半期末、九月末の受信料の不払いと申しますか、私どもでは滞納契約者というふうに申しておりますが、これの全体の数は八十九万九千件、約九十万件でございます。これは五十二年度末が八十五万四千でございましたので、半年間で四万五千ほど増加した。過去二年ほどさかのぼりますと、五十一年度、これは例の値上げの年度でございますが、五十一年度は五十年度に比べまして年間で約十六万件ほど増加いたしました。それから、五十二年度は五十一年度に対しまして約九万八千件増加いたしました。約十万件増加した。今度半年で約四万五千件ふえた。私どもはこれに対して、この増加を何とか抑えたいということで努力いたしておる次第でございます。 それから五十四年度の営業のコストでございますけれども、受信契約とそれから契約者から受信料を収納するこの契約収納費、これは約二百四十八億余りでございます。これは事業支出に占める割合は約一〇・五%でございます。五十年度の決算ではこの比率は九・九%、約一〇%でございまして、この面に関する限り、事業支出に対します契約収納費の割合というのはそんなに変わっていないということでございます。 受信契約者一件に対します集金のコスト、これは職員の人件費も全部含めますと、五十四年度予算では一件の収納をいたしますのに九十二円。これは昭和五十年度の決算では六十四円でございました。したがって、この五年間で二十八円余り増加した、約五〇%近い増加ということになっております。
○渡辺(秀)委員 もろもろ、社会的な経済的ないろいろな要因で当然そういうことになっていくであろうと思うのでありますが、結局NHKが赤字基調に落ち込んでいくのに、言うならば自己努力で解決を迫っていくということは、これは料金を据え置いてこのままやっていくということは非常に過酷なことだと私は言わなければならないと思うのです。NHKの財政逼迫は、言うならば構造的な、あるいはまた制度的なものであって、一方においては民放では御存じのように膨大な利益を出している。NHKと民放とが相拮抗することによってこの放送文化を生み出し、育てていくという二本立て体制という観点から考えていきますと、今日非常に問題点があるということを指摘しなければならないと思うのです。 わが自由民主党といたしまして、さきに党内におきましては、この問題はNHKの自己努力の問題というよりも、むしろ制度的、法的な抜本策を目指して国会や政党が取り組んでいかなければならない問題であるということで意見の一致を見ているわけであります。私はまた、この場を通じて各政党にも、各党の皆さんにも今後の検討をひとつ呼びかけたい。もう少し抜本的な、問題の根っこにわれわれとしては論議を据えてやっていかなければならないのではないかという感じでございまして、ぜひひとつ各党とも御検討を賜りたいことだと思うわけです。NHKには、番組と経営の両面でその使命を自覚した最大限の努力を目指すということが要請されているわけであります。 そこで私は、営業の責任者に、不払いや滞納を改善していく見通しを一体持っておられるかどうか、具体策があるかどうか率直にお聞きをしたい、また率直にお答えをいただきたいというふうに思います。
○中塚参考人 先ほどもお答え申し上げましたように、五十一年度は五十年度に対して滞納契約者が約十六万件ほどふえました。五十二年度は五十一年度に対しまして約十万近くふえた。五十三年度は私ども、営業の外務職員、それに五十二年度の十月から設けました営業特別対策員、これを東京、大阪でそれぞれ五十名ずつ、百名の対策員を投入したしまして滞納契約者に対する対策というのを強化いたしております。先ほども申し上げましたように五十三年度上半期で約四万五千件ふえた。年度末、この三月末までに何とか七万件ぐらいの増加に抑えたいということでやっております。さらに五十四年度におきましても、年間にふえる滞納契約者をゼロに抑えたい、もうこれ以上ふやさないというふうに努力をいたしたいというふうに考えておりますけれども、現在の多様化する社会の中で、また価値観も多様化いたしておりますし、視聴者の意識も変化をいたしております。そういう中で、幾ら説得してもどうしても説得に応じないという契約者がおられることは、これはもう否めない事実でございまして、これを減少させていく。ましてや、こういう滞納契約者をなくするということは、まことに残念でございますけれども、きわめて困難ではないかというふうに考えております。
○渡辺(秀)委員 どうも時間が余りにも少な過ぎますので、こちらもどうも突っ込んだ質問ができないみたいな感じですが、まあしかしいずれにしましても、いま御説明がございますとおり、非常に自助努力を要請されながらもきわめてむずかしい条件下にある、こう言わなければならないと思うのです。これはもうNHKも率直に、今日の状態ではむずかしいのだ、そして国民のニーズあるいはまた国家的な使命、そういったことについてこたえていくのに今日的な財政基盤では非常に危惧するところがあるんだということを率直におっしゃった方が私はいいと思うのです。 NHKの健全経営を保障するという責任を私たちは伴うという自覚の中でこの審議をしていかなければならない。こういう観点から郵政大臣、いままでのお話をお聞きのとおり、NHKの財政基盤の健全化のために国会や政府の側からとるべき行為というかあるいはまた手段というか考え方、どんなふうにお考えになっておられるか、または考えていかなければならないとお感じになっておられるか、ひとつ大臣の御所見も承っておきたいと思うわけであります。
○白浜国務大臣 いま渡辺委員から御指摘された問題で尽きると、私も話を承りながらそう感じておるわけでありますが、NHKももちろんいろいろと努力をして、何とか経営の健全化を図らなければならないというふうなことをかねがね郵政省としても注意をしながら話し合いを進めているところでありますが、いま答弁にもありましたとおり非常にむずかしいというふうなことになれば、これは党の方でもいろいろ御検討を願っておるそうでありますけれども、そうした党から出ますいろんな党案なども踏まえて私どもも今後真剣に考えていきたいというふうに考えるわけでありますが、果たしてこの情勢の中でどういうふうなことができるだろうかというふうなことを考えますと、いまの放送法の改正案などというものもこれは一つの項目として考えなければならぬのじゃないかという気がしないわけでもないわけでありますけれども、なお五十四年度一年真剣にこうした問題と取り組んで今後検討してまいりまして、そうして委員会の方の各委員の先生方にもまたお知恵をかりて、十分な基礎ができるように検討をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○渡辺(秀)委員 大臣もおっしゃられたように、放送法の第三十二条の改正という問題は具体的スケジュールに上ってきている段階じゃないかというふうに思います。あるいはまた、この料金の問題について、たとえば物価スライド制を考えるとか、あるいはまた国鉄運賃法の改正のごとくに第三者の公正な審議機関を設けて適正な料金を郵政大臣が決めるとか、そういったことをひとつ考えてみたらどうかと私は思います。かつて、御案内のとおり、四十一年に参議院で廃案となった放送法の改正案、「受信料を支払わなければならない」と支払い義務が明記されておったのが、残念ながら流された経緯もあるわけであります。支払い義務制、これらについて本格的にわれわれとして検討をしていく、あるいはまた郵政当局においても、この健全なしかもまたすばらしい、日本的なと言っていい誇り得る放送網の巨大にしてそして崇高な文化性のあるこれらの問題について維持しかつまた強化していく、こんな考え方でひとつ取り組んでいかなければならないのではないかと思います。 私は時間がありませんので、最後にちょっと一点だけお聞きをしたいと思いますが、国際放送についてであります。せっかくの機会でありますから、国際放送について、この交付金の増額は五十二年度も五十三年度も附帯決議をいたして、受信改善の処置がとられなければならないということになっているわけでありますが、その執行がどんな状況であるか。五十三年度海外難聴と言われている地域に対していろいろ処置を講じてこられたということは承知いたしております。たとえば、ポルトガルにある放送局を中継して日本の番組を流して非常に効果が上がっておると聞いております。五十四年度における計画と処置、どんなものであるか、ちょっと簡単に一言お答えをいただきたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 まず、国際放送の充実のための政府の取り組みでございますけれども、ただいま先生おっしゃっていただきましたように、国際放送はわが国の産業文化等の事情を紹介して、わが国に対する正しい認識を培うことによって国際親善の増進及び外国との経済交流の発展に資するとともに、海外同胞に適切な情報を提供する上できわめて大きな役割りを果たすものである。特に最近の国際情勢等を考えますと、その役割りはますます重要なものになるという認識に立っておるわけでございまして、まずこの国際放送に対する交付金の増額につきましては従来から力を注いできたわけでございますが、この五十四年度におきましても、厳しい財政事情ではございますが、国際放送交付金は八億三千四百万円でございまして、前年度より二〇・八%の増加、額にいたしまして一億四千四百万円の増加となっておるわけでございます。 また、受信改善の関係について申し上げますと、現在わが国の国際放送は一日延べ時間といたしまして三十七時間、二十一の言語を使用いたしまして一般向け放送と地域向け放送を実施しておるわけでございますが、その受信状況が近年逐次悪くなってきておるという地域があるわけでございます。特に、わが国から遠距離にございますヨーロッパ、中東、北米東部、中南米等の地域で悪化が激しゅうございまして、その改善が従来から要望されておったわけでございます。この改善を図りますために、かねてから関係機関と検討を続けてまいったわけでございますが、昭和五十三年度、ポルトガルにございます中継局を借用いたしまして、ヨーロッパ及び中東向けに二カ月間国際放送の中継放送を試行いたしました。その結果によりますと、ヨーロッパ向け及び中東向けにそれぞれ適した周波数を用いまして、混信のない周波数を使いまして中継放送を実施すれば、これらの地域の受信状況が大幅に改善できるという見通しが得られておりますし、また現地の反響はきわめて好評でございまして、ぜひ本格的な中継放送を早く開始してほしいという要望が数多く寄せられております。したがいまして、五十四年度におきましては、この試行の成果を踏まえまして、ヨーロッパ、中東向けの中継放送をことしの十月から本格的に実施したいと考えておりまして、来年度予算におきましても所要の予算を計上しておるところでございます。その他の地域につきましては、このヨーロッパ、中東対策の成果を踏まえながらできるだけ早い機会に受信改善を図ってまいりたい、そのように存じておる次第でございます。
○渡辺(秀)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、どうぞひとつNHKの当局におかれて、あるいはまた郵政当局におかれまして、放送文化の担い手としての責任と自覚の中で、いよいよその責任の遂行に当たっていただきまするように御期待を申し上げながら、そしてそれらの環境を担っていただくにふさわしい環境づくりをわれわれとしてもやっていかなければならないという責任をわれわれも自覚しながら、ぜひひとつ健全なそして明るいすばらしい放送文化を築き上げていただきたいとお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○石野委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○石野委員長 速記を始めてください。 久保等君。
○久保(等)委員 私も非常に時間が限られておりますので、できるだけ簡潔にお尋ねをし、簡潔にお答えを願いたいと思います。 最初に、今国会にすでに通信・放送衛星機構法案が目下提案をされてまいっております。この問題については、NHKも一億四千万円実は出資をする予定になっております。郵政省の方にお尋ねしたいと思うのですが、この通信・放送衛星機構に参加する団体並びにその出資金というか基本財産に対する資金の割合、これをちょっと簡単に御説明願いたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 通信・放送衛星機構に対するお尋ねでございますが、通信・放送衛星機構の設立に当たりましてその出資を予定しておりますのは、国と電電公社、国際電電、NHK、この四者を当面考えておるところでございます。それで国の出資が四億二千万円、これは五十四年度四億二千万円でございまして、残りの四億二千万円をただいま申し上げました三者で三等分するということでございます。したがいまして、NHKにつきましては一億四千万円ということに相なるわけでございます。
○久保(等)委員 電電公社もしたがってやはり一億四千万円の出資をすることになっておるようですが、この通信・放送衛星機構の問題については単独の法案が国会に提案されております。したがって、その場でまた十分に質疑をする機会があると思いますし、なお、きょうNHKの方には若干当面の問題だけについてちょっとお尋ねしたいと思うのですが、実はその問題は後ほどお尋ねするとして、とりあえず電電の、特にいま緊急課題になっておりまする東京ラウンドの問題、この問題についてはそれぞれアメリカ等にも出かけてまいったりして日本の状況等についての十分な説明等も行われておるようでありますが、特に私、最近の新聞、三月十二日の朝日新聞の記事を見て、実はこの際若干お尋ねしておきたいと思います。 それは、この月曜日の朝日新聞の見出しですが「日本の通信機器メーカー 米ATTへ輸出商談」そして「門戸開放問題崩れる? 公社の論拠」こういう見出しでもって新聞記事が出ております。従来の門戸開放問題に関する電電公社の論拠というものが崩れたのではないかという見出しで新聞報道等がなされておるのですが、しかし、この記事を読んでみますると「電電公社は、先進各国も通信網の根幹にかかわる機器は門戸を開いていないことを論拠に、依然、原則拒否の態度を変えていない。ところが、その根拠を崩しかねない輸出商談が、米国の公社に相当する米国電信電話会社(ATT)と日本の通信機器メーカーとの間で進められている。」「この商談が、大詰めを迎えた東京ラウンドをめぐる交渉に影響を与えることは必至のようだ。」こういうような報道になっております。そして、一体どういう商談が進んでおるかという中身のことについては「この商談の対象はATT社の長距離マイクロ回線に使われる計測用の通信機器。数年間注文が継続する可能性を考えると約一千万ドルの大型商談。」こういう記事なんですが、この記事の内容も考えてみますると、結局計測用の通信機器を日本の商社でもってアメリカに輸出をするというような話が進んでいるということなんですが、そういうことになると、この記事そのものも、最初にちょっと申し上げましたように「通信網の根幹にかかわる機器は門戸を開いていないことを論拠に、」という点からいたしますると若干話の筋合いが違うわけでして、結局、進められておりまする商談というものも計測用の通信機器だということであって、いわゆる通信網の全体にかかわる問題とは別個のいわば測定器ですから、これはこの前私この委員会でお尋ねしたときにも、研究所等で使う通信の測定機器、こういったようなものは現に輸入もしておるんだというようなお話もあったわけですから、この内容が、特別実は商談の中身が変わったものでもないようですしするのですが、しかし、とにかくタイトルとして門戸開放問題が崩れる、電電公社の論拠、こういうように言われているのですが、こういったところを見ると、日本の報道機関そのものも、今回問題になっておりまする東京ラウンド、特に電電公社の通信機材をめぐる問題に対して必ずしも十分な理解がなされていないのじゃないかというように考えるのですけれども、この点、ひとつ開放問題、従来から主張しておったことが論拠として崩れてきておるのかどうか、ここらのところをまず電電公社の方から簡単にお答え願いたい。
○前田説明員 お答えいたします。 ただいまこの新聞の記事で問題になっております測定器は、マイクロウエーブの保守用の測定器でございまして、この安立電気に問い合わせましたところ、大体現在の模様は、試作品を納入をして、その技術的なチェックを受けておるという段階であるようでございます。 この契約の方法を見ますと、これはATT側がみずから指定した会社数社に引き合いを出しまして、その中、そのプロポーザルを技術的に検討をしてこの安立電気というものを決めたという形で、典型的なこれは随意契約でございまして、入札形式ではございません。 私ども、かねがねこの東京ラウンド問題で主張しておりますのは、電気通信設備を入札形式で購入するということが電気通信サービスに大きな支障を与えるので、その形は困る、随意契約ならばよろしいということを申しておりますので、電電公社のガット東京ラウンドに関する主張に対して、この商談が進んでおるということは何らそのわれわれの論拠に対して反証になるようなものではございませんで、その点は先生御指摘のとおりでございます。 それからなお、この測定器はマイクロ回線が壊れましたときに、これは実際にも電話が通っていないわけですが、その回線から切り離して故障を探すのに使うといったような場合、それから定期整備のような場合に、そのマイクロ回線を実際の実用のネットワークから切り離しておいて、その特性をはかるといった場合に用いられるわけでございまして、通信設備あるいはネットワークそのものを構成するものではございません。 それから、先生御指摘のように、電電公社でも随意契約によりまして、そういう研究用の測定器その他は在来からアメリカからも購入しておるところでございます。
○久保(等)委員 その点で明確に一応論拠はさらに理解できるわけですが、大臣にちょっと一言お答えをいただきたいと思うのですが、現在自民党の皆さんでアメリカにも出かけられていろいろ状況説明等も行われておるやに承っておるのですが、政府として、特に郵政大臣はこの問題について直接非常に大きなかかわり合いを持っておるわけですが、非常にだんだんと話が煮詰まってまいるような段階にあるやに聞くのですが、大臣としてどういう態度で今日なお御努力願っておるのか、簡単に一言だけお答え願いたいと思うのです。
○白浜国務大臣 たびたび申し上げまするとおり、初めからいままでも私は変わらない気持ちで、いろいろ理解の程度がそれぞれのお立場というかそういうようなもので、いま読み上げられた新聞その他の記事を見ましても非常に誤解を生むような、そういうような問題もありますので、昨年アメリカ側からも日本に参りましていろいろな話をしたとは申しますが、なかなかその理解が足りないのではないかというようなことを私も感じまして、専門家同士の話し合いその他をもう少し詰めてみたらどうだろうというふうなことを考えて、業界からも専門家にアメリカに行ってもらう、またわが党の方でも議員同士話してみたらどうだろうというふうな意見が強まりまして、きょう帰ってこられることになっておりますので、そういうような問題、いろいろなことを承りまして、今後も変わらぬ折衝を続けてみたい。 政府としても、全体にまたこれをどうしようかというようなところまではいまのところ詰まっていないということでございますが、何しろ事は外交折衝でございまして、アメリカも言われるとおり非常に窮境に立っておる、そういうふうな状況でありますので、私どももそういうような点を十分踏まえながら、いろいろアメリカ側の理解を取りつけたいということで今後も努力していきたいと考えております。
○久保(等)委員 ぜひひとつ大臣に、通信の公共性、特に高い公共性を持った通信事業の百年の大計の上からいって誤りのない態度を堅持してやってもらいたいと思うのです。 確かに貿易収支の赤字問題はアメリカにとっても大変な問題であるし、またこれは、ひとりアメリカのみならず当面ECの関係も非常に大きな問題になっておるわけですが、そういったいわば貿易上の帳面じりの問題と、通信事業という永遠に非常に重要な生きた、しかも大きなネットワークの問題、それそのものが国民に対するサービスの面において低下する、あるいはまた保守、運用等の面において重大な支障を来す、あるいは経済的にこれが非常に負担になる、あるいはまた保守、修理等の面においても敏速にそういった国民のニーズにこたえられない、そういうようなことは大変な問題ですし、そういう問題と一時的ないわば貿易収支の赤字問題とを何か交換するような、これを何か引き合いに出すような形で解決する性格のものではないのではないかと私は思っておりますし、なお一層ひとつ大臣の御尽力をお願いして、この問題については私終わります。 次に、またいま御質問をいたしておりました通信放送衛星の機構の問題に移ります。したがって関係の電電公社の方々お帰りになって結構です。 それで、放送衛星の問題になるのですが、これはNHKにとっては初めての出資ということになるわけでして、そういう点では画期的なことだと思います。同時に、この通信放送衛星の出資の問題について先ほど電波監理局長からお話がありましたように、国それからNHK、電電それから国際電電といったようなところが共同で出資してつくる放送衛星機構という特殊法人、当然これはまた、監督する立場にあるのは郵政大臣、こういう関係になるわけでありまして、そういった組織の中にNHKも参加してまいる、このことが非常に新しい試みだけに、またこの際念を押しておきたいと私は思うのですが、こういったことに参加することが、NHKの公共放送としての使命から考えて、例の放送における言論、表現の自由あるいは不偏不党というきわめて大原則があるわけでありますが、こういう立場から見て、何か将来において政府の制約なりあるいは介入といったようなものを招くおそれなしとしないのか。全然そういったおそれはないのかということについて、この際、私、念を押してお聞きしておきたいと思うのですが、この点、郵政省側の方からひとつお答え願います。
○平野政府委員 お答えを申し上げます。 通信放送衛星機構の主要な業務といたしましては、衛星を利用して通信または放送を行おうとする利用機関に対しまして、衛星に搭載いたしております設備を提供することでございまして、事業経営的な性格を有しておることはもちろんでございます。したがいまして、民間の創意工夫と協力によりまして一層の発展が期待されますので、民間の発意によって民間の事業として行うことが適当であろうというふうに考えられるわけでございます。このような観点から、機構は民間の発意によって発起、設立及び運営される。一方で、政府が法律に基づいてその設立を認可し必要な限度で指導監督するという形の、いわゆる認可法人とすることが適当であろうというふうに考えておるわけでございまして、御承知のように、いわゆる特殊法人ではございません。このように、機構の行う業務の性格は第一義的には民間が指導的な役割りを果たし、政府は民間の自主性を尊重いたしまして、これを助長するという方針で進めていくことが最も効果的であるというふうに考えておるわけでございます。 また、機構の業務内容は、利用機関の要望を踏まえて衛星を打ち上げ、衛星搭載設備を提供することなどを業務とするわけでございまして、みずから通信及び放送を行うものではないわけでございますので、利用機関の自主性を制約するということはないであろうというふうに考えておるわけでございます。
○久保(等)委員 この通信放送衛星機構の問題については、法案が出ているのですから、十分そこでまたお尋ねをしたり、審議もする機会があると思います。 お尋ねしているのは、要するに公共放送の自主性なり、あるいはいまちょっとお尋ねした不偏不党といったような問題に対して、全然そういったことは心配要らないのだということについてお答え願えればいいのであって、機構そのものの運営をどうするとか細かいことはまた別途私は十分にお尋ねしますから、そのことだけについて、そういったことの心配はないのだということが言えるのかどうか、その点をひとつ明確にしてもらいたいと思う。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 放送法三条に言っておりますような番組編集の自主性等につきましては、一切御心配ないものというふうに考えております。
○久保(等)委員 民間の発意なり民間の創意というものを十分に生かしていくように配慮しているのだということは、それはそれなりに理解できます。しかし、先ほどお尋ねしたように、資金的な面で半額はとにかく国が出すというような構成になっておるところに私も一抹の不安なしとしないものですからお尋ねしたのですが、しかし、そういった問題については全然心配無用だという答弁でありまするから、そのことはそのとおり受け取り、かつ、ぜひ私のお尋ねしておるようなことについての懸念が全くないようなことを将来にわたってひとつ十分に郵政大臣としてもお考えを願いたいと思います。 このことについて、NHKの方では現在どういう受け入れ体制というか、こういったことに対する準備を進めておられるのか、これもひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
○沢村参考人 この問題につきましては、NHKとしまして、先生御指摘の番組編集の自主性を侵すことがあってはならないということを念頭に置きまして、その保証のもとにわれわれとしては放送衛星がより効率的に経済的に運用されるという期待を込めまして積極的に参加することに考えておる次第でございます。 さらに、衛星自体の開発、将来に向かっての改良というような面につきましては、従来からやっておりますように、研究開発に努力をいたしまして、一日も早い実用化を期待している次第でございます。
○久保(等)委員 それから次に、放送大学の問題についてもちょっとお尋ねしたいと思うのです。 この問題については後ほどまた同僚議員の方からお尋ねがあると思いますので、私、簡単に触れたいと思うのですが、実はこの放送大学学園法案もすでに国会に、きのう本会議に提案趣旨の説明もなされました。ところが、もちろん放送法の改正を要する重大な問題だと思います。放送法の改正問題については、電波法の改正とも関連いたしまして、私はこの国会であるいはまた参議院当時から非常に関心を持って郵政大臣にその都度、実はぜひ早急にこの問題を解決するようにということで要望してまいっております。当委員会でも、昭和五十年の二月二十六日の委員会で、私は放送大学の問題に関連して、やはり放送法なり電波法の改正問題、これは非常に重要問題でもあるので、放送大学の問題とも関連してひとつ十分に徹底的にお互いに意見を出し合ってもらう、必要ならば当然調査会とかあるいは審議会といったようなものも設けて大いに議論をして結論を出してもらいたい、こういうことを実は要望しておいたのです。当時の郵政大臣——ここに村上さんおいでになりますが、当時の郵政大臣のお言葉では、ぜひひとつそういう方向で、賛成だから努力をしようという御答弁もあったのですが、放送大学学園法案がすでに国会に出されて、きのうもそういった一応提案趣旨の説明もあったのですが、一体今度のこの放送大学学園法案が出るに当たって、当然放送体系の重要なる変革を来すものでありまするから、調査会なり審議会等を設けて審議してしかるべきだったと私は思うのですが、そういったことはなされたのかどうか、ちょっと郵政大臣あるいは電波監理局長の方からお答え願いたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 放送大学の問題は、先生御承知のように、もう十年近い検討の歴史があるわけでございまして、その間におきまして、文部省サイドにおきまして種々の審議機関、名前がときどき変わっておりますけれども、審議機関をつくりまして、そうして検討をしてきておるわけでございます。 そういった場合におきましては、たとえば地上におきますテレビジョン放送形態といたしましてどのような形態がとれるかという技術的な問題も含めまして、要請に応じまして郵政省の職員も適時参加をするというような形態で検討が進められてまいったわけでございます。
○久保(等)委員 どうも従来からの懸案問題を含めて、放送大学学園の創設問題に関連して十分な議論なりあるいはまた審議がなされたというふうには理解できないのですが、今度の法案の提出の仕方についても、これまた非常に問題があると思います。大学学園法案の中になどというような形で一括して国会に出されてまいった。こういったことにも、この問題に対する扱い方がやはり私は非常に軽率ではないか、というよりも非常に準備不足ではないかという感じがいたします。その提案の仕方の問題についても、これまた別途の機会に十分に審議の際申し上げたいと思いますが、一体このこと自体もどんなふうにお考えになっておりますか。
○平野政府委員 ただいま御指摘になりました放送大学学園法の取りまとめに当たりまして、郵政省といたしましても従来どおり文部省その他関係機関と十分な議論をしてまいったところでございますが、何分にも内閣提案の法律につきましては、複数の法律にかかわるような場合には一つの法律にまとめていくというような従来の経緯の中で、先生御指摘になりましたように放送大学の組織なりあるいはその機能なりというようなものと非常に関係が深いというような意味におきまして、大学学園法の中の附則として放送法の改正が取り上げられた、そういう経緯になったわけでございます。
○久保(等)委員 経緯はそういうことかもしらぬですが、そういう経緯ではこれはまことに適当ではありません。 その論争をしておると時間が長くなりますから、また別途お尋ねすることにして、このNHKの教育放送と今度のこの放送大学の問題と一体どういう関係になるのか、この点についてひとつお答え願いたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 放送大学学園の放送は、大学教育のための放送、具体的に申し上げますと主として放送大学の定める教育課程に準拠した放送を行うわけでございまして、NHKが広く報道、教養、社会教育、学校教育番組を行うこととしておる、いわゆるNHKの教育局の番組とはかなり異なるものではないかというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、放送には教育機能があるわけでございますので、より一層の教育放送の充実を期するためには、番組内容につきましては関係者の間で十分調整が行われることが望ましいというふうに考えておるところでございます。
○久保(等)委員 それから、非常に大きな問題は、NHKにとって死活問題であります受信料の問題、これはもう大変な——先ほどもいろいろ御答弁がNHKの方からもありましたが、当委員会でも常に問題になるのは、受信料の滞納をいかにして防いでまいるか、こういったことで大変な苦労をしておるわけです。またわれわれも、公共放送というものの財政的な基盤を今後一体どう強化してまいるか、非常に重要な問題だと思います。そういう観点から見た場合に、放送大学学園というものがいわば国立大学、したがってその所要経費というものは国が負担をする、そういう形での放送大学が新しくでき上がる、これは実は大変重大な変革であります。NHKの方で会長の諮問機関として、例の放送問題委員会といったようなものが持たれていろいろ議論をしておられるようですが、この中でも言われておることは、要するに民間放送と公共放送であるNHKの二本立てという放送体制の中での議論が非常に活発になされてまいっておるわけです。ところが今度、突如じゃないけれども、とにかく公共放送のNHKが、従来はNHKといえば公共放送、公共放送といえばNHK、こういうことになっておったものが、新しく、広い意味では公共放送になるかもしれませんが、その一つの姿として放送大学というものができ上がる、しかもそれは財政的基盤においては国が負担をする、こういう性格のものが出てまいりますると、NHKの公共放送が従来さなきだに大変な苦労をしておるところに、今度は国の財政負担によるところの放送大学ができる、こういうことになってまいりますると、ますます混乱と、さらにはまた受信料不払いの運動等に対する一つの口実を与えることにもなりかねないと思うのです。そういう点では非常に重大な問題だと私は思うのです。こういったことについて、郵政省としては一体どういう理解をしておられるのか、お答え願いたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 NHKは、先生御承知のようにもっぱら放送事業を行う公共放送事業者として設立され、全国普及義務を課せられておるわけでございます。したがいまして、NHKは公共放送事業者としての不偏不党性及び言論機関としての独自性を保持しなければならないものというふうに考えられておりまして、受信料制度はこのような観点から設けられたものというふうに理解をするわけでございます。 一方、放送大学学園の目的は、放送による大学を設置いたしまして大学教育を行うこと、及びその手段として大学教育のための放送を行うことでございますが、御指摘のように、施設の建設、管理運営に相当巨額の資本を要するわけでございますので、国費以外でこれを実施することはきわめて困難であるというふうに考えられます。また放送大学構想は、国公私立を通じて全く新しい教育システムでございますので、国のイニシアチブのもとにこれを実施する必要があるというふうに考えられるわけでございます。このようなことから、NHKと同じ特殊法人ではございますが、国費で賄うこととしたわけでございます。このように所要経費を国費によるとするか…(久保(等)委員「そういう説明はいいんです。ぼくの質問に答えてください」と呼ぶ)はい。それで先ほど御指摘がございました大学学園とNHKの性格の相違によるものでございますので、放送内容から見ますと、放送大学学園はもっぱら大学教育のための放送のみを行いますに対しまして、NHKは報道、教育、教養、娯楽など総合的な放送を行うわけでございますし、教育局につきましても、その放送は、先ほど申しました幼稚園から大学までの各層を対象とした学校教育番組及び社会教育番組から構成されておりますので、受信料制度に対する影響はないものというふうに考えております。
○久保(等)委員 まあいろいろと説明をしておられまするが、私の質問に対して的確な答弁にはなっておらないと思うのです。ただ最後のところで、影響はないものと思う、それはそういう答弁にはなるのでしょうけれども、しかしそういう答弁は、実際問題としてこれだけ受信料問題が大変大きな問題になり、率直に言って苦悩をしておるわけです。その問題に対して、一方においては国が丸抱えの公共放送ができ上がって、それが影響ないなどというような認識であったら、私は電波行政、放送行政に対する認識が全く足らなさ過ぎると思いますよ。この議論はいずれゆっくりやりたいと思いますし、後ほどまた同僚議員の方からお尋ねがあろうと思いますから打ち切りますけれども、しかし、本当にそういうことを考えておるとすると大変なことだと私は思いますので、そのことだけは警告的に申し上げておいて、次に移ることにいたします。 郵政大臣のおつけになっております例の意見書、これについて二、三お尋ねしたいと思うのです。特に、昨年出された五十三年度の予算に対する意見書と対比してみますると、本年の場合変わった点がございます。その点についてお尋ねをしてみたいと思うのですが、昨年といいますか五十三年度の予算の場合には、まず、債務償還についても触れておったのですが、この五十四年度の予算に対する今度出てまいった大臣の意見書には、この債務償還の問題について全然触れておらないのです。これは一体どういう意図ですか。お尋ねしたいと思うのです。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 昭和五十三年度の収支予算におきましては、全体的には収支の均衡を保っておりましたが、内容をしさいに検討いたしてみますと、事業収支における赤字二十九億円と債務償還に必要な額八十九億円を、前年度からの繰越金百十八億円で補てんすることによりまして収支の均衡を保った内容でございます。これを単年度で見た場合、NHKの経営状況は厳しい内容になっていると判断をいたしまして、厳しい状況にあることを述べる中で、債務償還に必要な額についても触れたつもりでございます。 これに対しまして、昭和五十四年度の収支予算におきましては、事業収支ですでに百五十二億円の赤字を生じておるわけでございまして、これについては前年度からの繰越金では足りませんで、その一部を長期借入金で補てんせざるを得ない状況でございます。五十三年度に比べますと、NHKの経営状況が一段と厳しさを増していることは明らかでございますので、事業収支の赤字のみについて触れまして、NHKの経営が一段と厳しい状況に置かれておることを強調して述べたというふうに考えておるわけでございます。
○久保(等)委員 強調するならばなおさら、返さなければならない債務償還の問題についても触れて、その金額を出すべきじゃないかと私は思うのです。それをむしろ逆に除いて、収支の過不足面だけを出して、当然五十四年度に返さなければならない借金の金額を全然この意見書の中には出していない。これは、いま電波監理局長の言われるような趣旨であればあるほど、なおさら債務償還の金額、予定しておりまする金額は五十九億三千万円になりますか、この金額が、昨年の意見書の中にはそういった点が出ておるぐらいですから、ことしも当然そういったものを含めて、結局五十四年度では収支不足が総計二百十億円になるんだというふうに書かれてしかるべきだと思うのです。その点が特別落とされて、何か収支面だけ見て、債務償還の点が触れられておらないのを奇異に感じておるのですが、再度電波監理局長の御答弁をお願いしたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 先生の仰せ、よくわかるわけでございますけれども、収支面におきましてもうすでに赤字であるという点を特に強調するために、あえてただいまのような意見書に相なっておるというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○久保(等)委員 答弁になっていません。まあしかし、とにかく、さらに大変な赤字が前年度に比べて出る、こういうことになっておることは電波監理局長も十分に理解をしておるというお話ですから、それ以上答弁を求めても無理だと思います。 次にお尋ねしますが、やはり意見書の中で、五十三年度の予算案につきましては、国民に及ぼす影響を考慮して受信料の改定を極力抑制するように努めるべきであるとうたっておったのですが、本年度の場合には、その経営の健全化に努めるべきであるというようなことを指摘するにとどまっておるわけなんですが、ここらあたりには一体どういう理由といいますか、考え方がひそんでおるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 五十四年度はもちろんでございますけれども、五十五年度以降、NHKは一段と厳しい経営状況になると言わざるを得ないわけでございますが、この厳しい経営環境に対しまして、公共放送機関としてのNHKの使命を果たす上で、経営の健全化を図ることは重要な課題であると考えるわけでございます。 〔委員長退席、野口委員長代理着席〕 したがいまして、NHKの受信料は公共性の高い料金でございまして、受信料の改定は極力抑制するように努めるべきことは実は当然でございまして、NHKはこのことを十分に認識し、まず経営努力を行い、経営の健全化に努める必要があるとする従来の考え方は、実は少しも変わっていないわけでございます。五十四年度予算に付した意見といたしましては、そのためにはNHKにおいて長期的展望に立った経営計画を確立して、この計画に従って事業経営の刷新、効率化を推進し、経営の健全化を図っていくことが最も肝要であるという旨を強調して述べた次第でございます。
○久保(等)委員 それから難視解消の問題、この点について最後の方で触れておられます。財政的にはいまお話があったように一層深刻の度を加えておるという現状にあるわけなんですが、この難視解消の問題について、これまた五十三年度の予算に対する意見書とちょっと異なっておるところは、難視問題について従来にも増して格段の努力が必要である、前年度以上に格段の努力をしなさいというようなことが言われております。これも、財政問題の状況とにらみ合わしたとき、難視問題は指摘するまでもなくNHKの重大な使命である、あまねくとにかく放送を送らなければならぬという使命からいって当然でありますし、これも重大なNHKの最大の柱の一つであります。が、しかし、そういう中で年々強調してまいっておることでありまするが、五十四年度に当たっては特に従来にも増して格段の努力が必要だと力説をした根拠というものは、一体どういうところにあるのですか。
○平野政府委員 お答えを申し上げます。 NHKは長年難視聴解消を図ってまいっておりまして、これまでにはかなりの解消を行ってきたわけでございますが、いまなお相当数の難視聴地域が残されておるわけでございます。これら残存難視聴地域につきましてNHKからも聴取をし、郵政省といたしましてもいろいろな調査をしてまいったわけでございますが、実は五十四年度に向かいまして、その残存難視聴地域の多くが山間部あるいは離島等でございまして、置局、共同受信施設の設置が概してむずかしくなる傾向にある中で、放送の全国普及の使命を持つNHKとしては一段と創意を工夫をこらして難視聴解消をさらに効率的に進め、その早期解消を求める国民の要望にできるだけこたえてもらいたいというふうに考えまして、そのような表現を使った次第でございます。
○久保(等)委員 次に、NHKの方にお尋ねいたしたいと思いますが、この五十三年度から例の番組を大幅に改定をされたわけなんですが、いろいろ意見は当時多数あったわけですが、五十三年の四月から実施をせられて、一体これに対する聴視者の反響というものはその後どういう形であるのか、その反響をひとつお尋ねしたいと思うのです。
○堀参考人 お答えいたします。 幸いにして五十三年度の番組改定後の聴視者の反応は概してよろしゅうございます。特に六時台の子供の番組の充実及び七時半台のファミリーアワーについて、聴視対象と思いました青少年の番組が非常によく見られるようになりました。また、教育テレビジョンの七時半から九時に至ります番組もかなり好評でございまして、そして、それらの数的なものといたしましては、全体で約二%、ことに夜間につきましては四%に及ぶNHK接触率がふえてきたというのが去る十一月に行いました世論調査の結果でございます。 また、番組内容につきましては、月曜と金曜に行っております「NHK特集」につきましては、かなり思い切った創造的なことをいたしておるわけでございますが、これについてわりといい番組もときに出まして、内容的な面で好評を得ているということでございます。 全体的に、われわれとしてはまあ思ったとおりの結果が出ているというふうに承知いたしておりますし、番組審議会及びその他の機関におけるNHKに対する声もほとんどそれと相呼応しております。
○久保(等)委員 さらに五十四年度も引き続いて番組の刷新、充実を図ってまいろうということを考えておられるようですが、これについての具体的な内容はどういうものですか。
○堀参考人 お答え申し上げます。 今年度、番組を変えましたが、出ている内容につきましてはまだ不本意のものがあります。それを新しい番組に変えます。朝のテレビ小説についてはこれを四月以降刷新いたしまして、明るい長谷川町子さんのものにかえますし、また番組帯といたしましては、夕方の七時半の「公園通り」あるいは土曜日の、ことにプロ野球が行われております土曜日の番組に対する不満もございましたし、われわれも不本意でございましたので、これを大きく変えていこうというふうに考えております。 「公園通り」につきましては、その後「マルコ・ポー口の冒険」という、これも新しい、実写とアニメーションを組み合わせました番組を考えておりますし、四月から十月に至るプロ野球期間中は、上程日を芸能及びスポーツ特集というふうに変えまして、そして中継にこだわることなく、内容のいい豊かな番組を提供しようと思っております。 またプロ野球につきましては、やはり人気がセ・リーグ、特にジャイアンツにまだ傾いているのが実際でございます。それにつきましては、来年度はかなりジャイアンツ番組も買いましたが、これが土曜日ということじゃございませんので、そのほかのウイークデーのゴールデンアワーにもこれを放送して、スポーツファンの期待にもこたえたいというふうに考えております。 さらに教育番組につきまして、七時半の中でよりいい番組にしたいということで、「わたしの自叙伝」「昭和回顧録」この二つは残しますが、新しく外人による日本に対する意見、リポート等を中心といたしました「新ニッポン日記」あるいは「構成討論’79」というものを「インタビュールーム」等にかえまして充実する所存でございます。 さらに、教育テレビを中心に特集番組を組みまして、教育テレビの視聴者の期待にこたえたいと思っております。 以上がテレビジョンについての来年度番組の刷新点のあらましでございます。
○久保(等)委員 番組の充実を図ってまいることはもちろん非常に重要なことであり、十分にひとつ今後一層御努力を願いたいと思うのです。ただ、視聴率だけの面から考えていくということだけではなく、何としてもNHKの公共放送としての立場、こういったものを十分にひとつ認識をしながら、視聴率の向上をもちろん望むところでありますが、単に民間放送との競争関係に立つという立場での視聴率を高めるということであってはならぬと思うのですが、そういう点で一層今後とも御努力を願いたいと思います。 次に、NHKで音声多重放送、これに明年度の予算の中では一億六千四百万円ばかりを計上しておるようです。したがって、五十三年度ですか、大阪あるいは東京等でやっておりますものを京都、神戸あるいは名古屋、こういったところに拡大をしてまいろうということで、新年度の実験か試験の予定があるようでありますが、こういったものに対する将来の展望というものはNHKは一体どう考えておられるのか。どんどんこういったものを広げてまいろうという考え方なのか、どういった構想でこれに取り組まれておられるのか、お尋ねをしたいと思うのです。 時間がありませんから少し重ねてなおお尋ねいたしますが、こういった面に大幅な改善を図ってまいるといたしますと、当然また業務量の増大ということも考えられますし、そういったことがこれまた財政面の点からもいろいろ考えられると思うのですが、ここらあたりとの関連においてどういう展望を持っておられるのか、お答え願いたいと思います。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 音声多重放送につきましては、昨年の十月から東京並びに大阪におきまして試験放送を開始いたしました。その後、受信者の動向、受信機の普及状況等を勘案しながら慎重な対処をしたいと考えておる次第でございます。 来年度、名古屋、京都、神戸を拡充することを予定しておるわけでございますが、現在のところ中継回線でステレオが送れるものがございませんで、来年度の半ばに、多分八月ころになろうかと思いますけれども、回線が完成するということでございまして、そのステレオ回線の完成を待ちまして、これらの地域に拡充をしてまいりたい。 なお今後とも受信者の要望を踏まえながら、先生御指摘のNHKの経済状態も一方勘案しながら、NHKとして過大な負担にならない、しかも聴視者の御要望にはできるだけこたえるという非常にむずかしい判断を下しながら、逐次検討、拡充をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○久保(等)委員 なお、ちょっとお尋ねしたいと思うのですが、五十五年度あたりにもやはり五十四年度程度の規模では拡大をしてまいろうという考え方ですか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 試験放送を始めましてまだ半年でございまして、本当の世論調査のような意味での反響というものがなかなかつかまえにくうございまして、五十四年度に若干拡充いたします分を加えますと、これの受信できる聴視者の数というもの、世帯数というものは百五十万余りになろうかと思います。つまり、総世帯数の約五〇%になるわけでございまして、さらに今後の普及状況、反応をながめまして、五十五年度以降につきましては十分慎重に、しかも前向きに検討を進めたいと思っております。まだどの程度やるかというところを判断するだけの資料がございませんので、いま少し様子を見たいというふうに考えております。
○久保(等)委員 次に、国際放送のことについてお尋ねしたいと思うのですが、国際放送は前から問題になっておりまするように、政府からの交付金の問題について、年々われわれは政府を非常に鞭撻をしてまいっておるわけでありますが、現実に行われております国際放送の経費の大体半分ぐらいが政府の交付金によって賄われておるという現状にあるようですが、年々同じようなことが委員会でもって議論が出るのですが、一体政府は、NHKのやっておりまするいわば命令放送以外の自主放送、こういったものは必要ないというふうに考えておるのかどうか、突き詰めて言えば、そこまでやはりわれわれは尋ねなければならぬと思うのです。というのは、これは財政的な非常な苦渋の中にあるだけに、やはり減量経営ということになってまいりますると、おのずから政府が命令でもって、しかもそれに対する交付金が出されてあるものは当然やらなければなりませんが、それ以上のものまで期待するということは無理ではないか、したがって、そういったものは時と場合によって切らざるを得ない、こういうことにもなるとすると、一体郵政省、郵政大臣あたりばこういった問題に対してどうお考えになるのか、命令外の問題について一体どうお考えになっておるのか、そういう放送が必要だと真に考えておるのかどうなのか、これをひとつ大臣の方からお答え願いたい。
○白浜国務大臣 実は、私は郵政大臣が命令して放送させるということをいままで知らなかったわけでございます。知らなかったというとまことにこれは不勉強で申しわけないわけですが、郵政大臣になって初めて知ったわけでありまして、なるべく放送というものについては、種々御指摘がありますとおり、自主的にそれぞれの立場で運営をしてもらった方がいいではないかという、初め放送法ができましたときの精神で、郵政大臣というのははれものにさわるように放送、NHKなんかには対しておったのではないか。その中に命令で放送ができるということを知りまして、ほう、こんなものがあるのかと、実は正直に私はびっくりいたしたわけであります。したがいまして、私はそのことを知りまして、それでは迷惑をかけないように財政措置だけはひとつやってやらなければいかぬじゃないかということを私は終始考えてきておるわけでありまして、幸いに、先ほど局長からの答弁にもありましたとおり、厳しい中から二〇%ばかり昨年よりも増額をして、そうして責めを果たすというふうなことをいたしたわけでありますが、やはり国際放送はぜひとも今後続けなければならぬ。しかし、苦しい財政の中でNHKがみずからやるものに対してどうするかというふうな問題は、やはりあわせてこれは検討していかなければならぬ問題ではないか。与野党の委員の先生方がいろいろお立場を離れてNHKについての財政的な問題を御検討願っていただくということを私も知りまして、非常に心強く感じたわけでありますが、将来にわたってもこれはいろいろな問題で検討していきたい。自由民主党もその点については小委員会をつくっていま検討している最中でありますので、十分……(発言する者あり)国会においても同様でございますが、どうかひとつ、そういうような点で今後も相協力して国民の期待に沿うように努力をしていきたい。いろいろな技術の開発その他も進んでまいっておることでございますから、こうした事業は今後も一生懸命続けていって、そうして成果を挙げていきたいと考えております。
○久保(等)委員 いまさら申し上げるまでもなく、国際放送の重要性というものはますます高まってまいっておると思いますし、特に日本の果たすべき国際的な責任の一つにもこの問題がやはり挙げられるのじゃないかと思うのですが、毎年毎年どうも同じようなことを言いながら、少しずつ交付金も上がってはおるが、しかし全体の経費がやはりふえておりますから、比率からいくとやはり大ざっぱに言って半分程度、五十四年度もしかりということになっておるわけでして、ぜひひとつ、これは大蔵当局もこの委員会に来てもらってしりをたたいたりなにかしたこともあるわけですが、きょうは時間がありませんからそこまでは手が届きませんが、とにかく郵政大臣、必要と思われて放送する範囲内については、全額とにかく国が当然交付金としてめんどうを見るべきだ、めんどうを見るというよりも、国が当然負担をすべきだ、こういうふうに考えますので、一層ひとつ御努力をお願いいたしたいと思います。 大臣がそういったことを余りよくわからなかったということは、素人の立場ではあるいはそうかもしれませんが、それほどやはり公共放送であるNHKの性格というものについては必ずしも国民一般がまだ十分に理解を持っておらないということだと私は思います。大臣、特にひとつ今後の問題として一層御努力を願いたいと思います。 それから最後に、やはりNHKの最も大きな問題でありますが、五十五年度以降の——五十四年度を含めてそうですが、長期的な展望をどう立ててまいるかということがこれからの最大の問題であると思いますが、もちろん財政的な基盤を一体どう確立をしてまいるかということが中心でありますが、一昨年に設けられました会長諮問機関であります放送問題委員会、こういったようなところでもいろいろ議論をしておられるようですが、これをも含めて、現在どう取り組んでおられるのか、余り時間もありませんが、ひとつNHKの方からお答えを願いたいと思うのです。
○坂倉参考人 お答え申し上げます。 いまお話のございました経営問題委員会は、一昨年からすでに二十回近く開催をいたしてまいりまして、昨年の秋には「その検討点とその方向」といったような形で中間報告をいただいたわけでございますけれども、その中でも、NHKは今後経営のあり方、それから財政基盤の確立の方策についていろいろ関連する制度の検討も含めまして検討を続けていくべきである、そうして、さらにもっと適切な審議機関を設けるといったようなことも当然考えていかなければならない、そうして、それには一層広範ないろいろな分野の方々にも入っていただきまして、そういった意見の集約も考えていくべきであるといったような内容がその中に出ているわけでございまして、当然こういった点につきましては、今後こういった国会の御意見等も十分勘案しながら、そういった適切な審議機関を設けるといった方向で、広い分野の方々の御意見も集約していきながら、新たな経営の展開を図っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○久保(等)委員 いまのお答えで、さらに一層この経営問題委員会以上の広範な一つの審議機関を設けて検討していこうというような御説明なんですが、そうすると、その経営問題委員会というものは一応解消して、新しくもう少し広範なところから、しかももう少し、何といいますか、権威があると言っては語弊がありますが、しっかりしたものをとにかくつくって、そこで十分にひとつ研究し、審議をしてまいろう、そうしてできるだけ早い機会に結論も出そうということだろうと思いますが、そういう機関をいつごろおつくりになる予定か、それからいまお尋ねしましたように、経営問題委員会は解消される予定なのか、そこらのところをひとつ具体的にお答え願いたいと思うのです。
○藤島参考人 お答えいたします。 ただいま坂倉理事がお答え申し上げましたとおりに、より広範囲な委員会をつくって検討した方がよかろうという御意見もございますし、当委員会のいろいろな従来の経緯もございますので、新年度になりましたら早々にそういう方向で委員会を設立するという形に進めたいと思っております。 それから、ただいま御指摘の、現在ある経営問題委員会は新しくできるより広範囲の委員会の中へ、何と申しますか発展的に一緒に吸収をしていくという形、言葉は適当でないかもしれませんが、そういうふうな形で、当然いままでの議論も引き継がれた形で新しい委員会で検討されて、少なくとも秋ぐらいまでには新しい展開を考えていきたいというふうに考えております。
○久保(等)委員 余り時間がありませんのでなんですが、NHKの財政的ないろいろ資金の調達、これは放送債券だとかあるいは長期借入金、こういったものが非常に大きなウエートを占めておるようですが、こうしたいわば借金経営の限度というものは一体どこに大体置いておられるのか。放送債券の場合には、放送法四十二条のところで純財産の三倍以内といったような制約がありますが、長期借入金、こういったものも相当多額に及んでまいっておりますし、本年度、昭和五十三年度の場合には、予算の面で見ますると、放送債券が百七十八億、それに対して長期借入金が百九十億、合計三百六十九億、さらに五十四年度では、予算で二百十三億の放送債券、そして長期借入金で二百六十八億合計して四百八十一億のいわば借金を予定をいたしておるようですが、こういった放送債券を含めての長期借入金の総額といったものは、一体どの程度ぐらいまでが経営的に見てまずまず許されるものか、そういった一応のめどというものをお持ちだろうと思うのですが、現在のこれらの金額は、一体そういう立場から見るとどういう程度のものになっておるのか、そこらをひとつお答え願いたいと思うのです。余り時間がありませんので、簡単にひとつお願いします。
○川原参考人 借入金につきましては、一つの計算上のめどというのはなかなかこれは立ちにくいかと思います。そのときどきの経営の状態に応じてある程度弾力的に考えていかなければならぬと思いますが、少なくとも私どもとしては、NHKが報道機関、言論機関というそういう性格を非常に強く持っておりますので、財政基盤、特に借入金が余り極端にふえるということは財政を不安定にするもとでございます。少なくとも私どもは、自分の自己資本が五〇%を割るというような事態はあくまで避けたい、常にそういうものは一つの最低の基準として持っていきたいと考えております。また、この借入金につきましては、通常の金融の常識の中で、ある一定の期限では返済をきちっと受信料をもって充てていく、そういう面からも一つの規制が出てくると思います。余り多額の借入金は、いずれにしても財政基盤を不安的にするもとでございますので、避けていきたいと考えているわけでございます。
○久保(等)委員 終わります。
○野口委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ————◇————— 午後二時二十分開議
○石野委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑を続行いたします。武部文君。
○武部委員 私は最初に、当委員会で十数年来問題になっております米軍関係者の受信料の問題についてちょっとお伺いいたしたいのであります。 これは、昨年の当委員会でも話が出たようでありまして、非常に長い歴史を持っておるわけでありますが、一向にこの問題は解決をしない。米軍及び米軍人あるいは軍属等、そういう者の受信料問題について、米軍の公式見解というものが近く来るだろうというようなことが当委員会でも言われておりましたが、米軍の公式見解なるものが来ておるかどうか、この点を最初に伺いたいと思います。
○中塚参考人 かねてこの委員会でもいろいろ御議論を賜りましたアメリカ軍人軍属の受信料問題でございますが、昨年の一月に在日米軍司令部が所属の軍人軍属に対しまして、受信料は一種の税金であり、日米地位協定によって支払いが免除されているので支払う必要はないという趣旨の指示を出しました。これに対して私どもといたしましては、この指示の撤回と受信料支払いについての協力を要請いたしまして、この問題について米軍との間で数次の折衝をたしました。しかし、御承承知のとおり、六月二十八日付で、従来の米軍の見解に変わりはないという回答が参りました。それで、協会といたしましては、これ以上折衝を続けても事態の進展は図れないというふうに判断をいたしまして、七月に郵政大臣に対しまして、この問題について解決のための積極的な御協力を要請する要望書を出したわけでございます。 その後、昨年の十月に、米軍の方が再度NHKと直接話し合いたいという意向を持っているとのことで外務省、郵政省を通じましてお話がございましたので、昨年の十一月から今年の一月にかけて、四回にわたりまして米軍側と話し合いをいたした次第でございます。その結果、米軍といたしましては従来の見解に変わりはない、しかしNHKの受信料の収納について何らかの解決を図るようにしたいということで、米軍の方からラビング在日米軍司令官の名前で私あてに、在日米軍当局は米軍関係者が受信料を支払うことを禁止するいかなる通達も命令も出しておらない、それから、米軍関係者で受信料の支払いをしようという意思のある者がこれを支払うことは自由である、三番目に、米軍としては、米軍関係者は日米地位協定第十三条により受信料を免除されているという見解は変わらない、こういう趣旨の最終的な文書が参りました。 これに対して私どもといたしましては、この見解が変わらない、要するに日米地位協定に関する双方の解釈が違っておる、この点が解消しない限り問題の基本的解決にはならないから、その点は理解して協力してほしい、しかし、われわれとしては今後米軍の施設内に居住する者に対しても、従来基地外に居住しておった米軍人軍属に対して契約の勧奨あるいは受信料の収納を行ってきたのと同様に、そのような契約勧奨を行うので了承されたいという趣旨の返書を司令官あてに出しました。 現在、この返書の趣旨に従って私どもといたしましては、基地内、基地外の居住者に対して契約の勧奨それから収納、この活動を行うつもりで、その具体的なやり方を検討して進めているところでございます。
○武部委員 前から見ますと若干前進したように見えますが、基本的にはやはり地位協定によるところの免税条項ということについて譲っていないということがうかがわれます。同時に、集金人が基地内にそう簡単に出入りできるものでもないし、そういう面から見ると、NHKだけにこれを任せるということは非常に困難な向きがある、このように私は思います。したがって、外務省も今日までこのことについて当委員会でいろいろ述べておったようでありますが、今日NHKの収支状況が非常に困難な状態にあるし、それは大臣の意見書にも書いてあるように、収納については努力するようにというようなことも言われておるわけですが、現実に十数年来この問題はいろいろな紆余曲折を経て、いまだに不払いだということは具体的な事実ですから、ぜひ郵政省が外務省に働きかけて——これは相手がどんなことを、言おうとも、国営放送ではない特殊法人であって、こんなことが免税の対象になるとは全くこじつけもいいところで、米軍の解釈は一方的だと私は言わざるを得ないと思うのです。そういう意味で郵政省は外務省と相談をして、NHKだけに任せるということでなくて、この問題の完全な解決に努力してほしいと思うわけですが、郵政省と外務省の方から、ちょっと簡単に意見を述べてください。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の問題につきましては、従来から郵政省といたしましては外務省と緊密な連携を保ちながら、NHKが前進できるような措置をとってまいったところでございますが、ただいまNHKの方からお話がございましたような状況でございますので、いましばらくNHKの努力の成果を見きわめながら、郵政省といたしましては外務省とさらに次の段取りに向かって検討を進めてまいりたい、そのように存じておる次第でございます。
○丹波説明員 お答えいたします。 本件につきましては、先ほども政府の方から申し上げたとおり、昨年七月、郵政省の方から外務省に対してアメリカ側と折衝してほしいという要請があったときに、私から大使館及び在日米軍の関係者に対して申し入れをしたわけですが、その結果、NHKと米軍との間で再び話し合いが行われ、当面、先ほどの御説明のとおり、NHKが勧奨努力をするということになっておりますので、ただいま郵政省の方から申し上げたとおり、その努力の結果を見た上で、郵政省がもし再び外務省にアメリカ側と折衝してほしいというようなことがございました場合には、外務省としても従来の経緯を踏まえながらアメリカ側と話し合いをしたい、こういうふうに考えております。
○武部委員 それでは、十分三者で相談をして、できるだけ成果が上がるようにしていただきたいということを要望しておきます。 もう一点、モスクワのオリンピックテレビ放送権の問題は、参考人が当委員会に来ていろいろなことを述べておりました。いろいろな経過があったのでありまして、いまここでテレビ朝日が勝ったとかNHKが負けたとか、そういうことを言う筋合いはございませんが、少なくともこのテレビ朝日のネットワークの問題から考えると、国民の側にはモスクワオリンピックを見たくても見られないというところが出てくることは間違いない。そういう見たいという国民の期待にこたえるために、この際郵政大臣は、この問題について仲介というか、あっせんというか、そういうことをやる気があるかどうか。これは、国民としてはモスクワオリンピックに対する期待は大きいわけですから、従来の経過は経過として、そういうことを郵政大臣としてやる意思があるかどうか、これをひとつお伺いしたい。
○白浜国務大臣 御意見のとおり、いろいろといまお互いに話し合いの最中だと承っておりますけれども、だんだん話も進んできているというふうに承りながらでもなお問題が残っておりまして、話し合いの中で私に解決のあっせんをしろということになりますれば、当然国民の期待に沿うような努力をしてみたいと思っておる次第でございます。
○武部委員 この問題はまだ若干の日にちがあるわけですが、ぜひ郵政大臣として国民の期待にこたえるためにも、出かけていってあっせんなり仲介、そういう労をとって、ひとつ円満な解決をしてもらいたいということを特に要望しておきたいと思います。 そこで、私の質問は、これから放送大学の問題について数点お伺いをしたいのであります。この放送大学の問題については、昨日の衆議院本会議において、わが党の同僚から六、七点についてその本質的な問題点について質問があり、総理、郵政大臣、文部大臣から答弁があったわけですけれども、この問題の本質、問題点というものを的確に知っていないのじゃないかという気がいたします。私はそういう立場に立って、この放送大学の今日までの経過から、今回衆議院に提案されてきた学園法案なるものの内容について大変疑問の点が多い、このことについて質問をしてみたいと思います。 私が当委員会に所属をしておりました昭和四十三年、四十四年ごろにこの問題がこの委員会で論議をされました。ちょうどそれは大学紛争が非常に華やかだったときに関連をして、この新しい構想の大学、すなわち放送大学についての論議が出てきたわけです。私は、この放送大学なるものはいわゆる大学紛争の落とし子であるとか、あるいは大学紛争の副産物だとか、そういうような不純な動機や発想で放送大学というものをつくってはならぬ、また、放送大学という一つの学問の府をつくるという大所高所に立って研究をして、ひとつりっぱな大学をつくってほしいということを述べたことを記憶しております。当時は井出郵政大臣だったと思いますが、そういう点については全く同感であるという話があったわけです。その後約十年経過をしたわけですが、今回放送大学学園法案というものが国会に提出されてきた。 私は、当時のことを振り返ってみると、NHKはこの放送大学について非常に積極的な意見を持っておられたというふうに理解をしておるわけです。それは、四十三年、河本郵政大臣のときの議事録を見ると、文部省は郵政省に対して、教育用の波を一つ確保してほしい、こういう要求を出しておった、片やNHKの方は、自分でやりたい、そういう希望を明確に郵政省の方に述べておった。この二つが、当時の委員会のときにはっきりと河本郵政大臣から答弁の形で述べられておりました。当時、前田会長でございましたが、私がこのことについていろいろな質問をしたときに、前田会長はこういうことを言っておりました。関係当局や国民一般の理解がいただけるならば、大学を放送によって全国地域を一単位として実施したいという考えを持ったのは六年前だ——これは四十四年ごろの答弁ですが、それよりもすでに六年も前にNHKは、全国を一単位とした放送大学というものを考えておる。その六年前というのは、御承知のようにNHKが高等学校向け放送を始めたときのことでありますから、そのときからすでにNHKは次の段階として放送大学というものを構想としては考えておった、こういうことが述べられたのであります。当時われわれは、イギリスのBBCと、それからイギリスが考えておる公開大学とどう結びつくか、こういう点の論議もしたわけです。その中ではっきりと、すでにNHKが検討しておる証拠として、もしテレビ一チャンネルを全国系統でNHKが持った場合、ラジオ一系統を使って一日約十八時間の放送をした場合には、テレビ関係者で約三百名、ラジオの関係者で約七十名の職員が必要である、こういう具体的なところまでNHKは構想を立てておった。われわれはイギリスの公開大学、BBCとの提携の問題等に絡んで、それを参考にしながらも、イギリスの教育水準よりもはるかに高い日本の教育水準から見るならば、もっともっと構想としては高い水準の放送大学を考えたいというNHKの気持ちはよくわかる、ぜひひとつそういう問題について、拙速は私どもとしては余り求めないが、先ほど申し上げるような大学紛争の落とし子だとかああいうことじゃなくて、ひとつりっぱな放送大学をつくってもらいたい、そういうために時間をかけてやってほしい、こういうことを述べておったわけですが、十年たつうちに、いつの間にやらその構想が消えてしまって、今回この放送大学学園というような構想が出てきた。これは一体どういう経緯をたどってこうなったのか、この点を私は非常に疑問に思うのですが、このことについて、文部省から今日に至った経過をひとつ説明していただきたい。
○阿部説明員 お答えをいたします。 放送大学の構想につきましては、昭和四十四年に文部、郵政両大臣の私的な諮問機関といたしまして放送大学問題懇談会というものを設けまして、以来、文部、郵政両省協力をして検討を進めてまいったところでございます。 その初期の段階におきましては、大学の設置形態をどうするか、あるいは放送の実施形態をどうするかといった問題につきまして、必ずしも明確な考え方が固まっておったわけじゃございません。その時点におきまして、NHKの側にも放送大学の放送をNHKで引き受けるというようなお考えもあるやに伺ってはおったわけでございます。しかしながら、特にこの問題と関連をいたしまして、放送事業者の番組編集権の問題と、それから大学の教育課程編成権の問題といったあたりの関係をどう調整するかということが大変むずかしい問題として各方面から御指摘をいただいておったわけでございます。 文部省におきましては、昭和四十六年度から四十九年度の四年間にわたりまして、NHKそれから日本短波放送に委託をいたしまして、この放送大学のためのいわば実験番組の制作、放送といったようなことについて実施をしてまいったところでございますけれども、これと並行いたしまして放送大学設置に関する調査研究会議というものを設けまして、郵政省御当局の御協力もいただきまして放送大学に関する諸般の問題についてさらにその検討を深めるという作業をいたしたわけでございました。 四十九年の三月に「放送大学の基本構想」と言われるものが取りまとめられたわけでございます。この基本構想におきましては、放送大学の設置形態については、放送大学の設置を主たる事業とする特殊法人とすること、それからまた放送の実施形態につきましては、放送大学自体が放送局の免許を受け、みずから放送番組をを制作、放送するといったような考え方が示されたわけでございまして、以来この考え方に沿って具体的な検討準備を行ってまいったわけでございます。 昭和五十四年度予算案におきまして、放送大学学園の設立についての所要の経費の計上が認められましたので、郵政省とも十分御協議申し上げました上で放送大学学園法案を取りまとめてこのたび国会に提出した、かような経緯になっておる次第でございます。
○武部委員 私はいまの経過を聞いておって、NHKがどうしてあれだけ当初熱意を持っておった放送大学について全く熱意を失ってしまったのかということについてなお釈然としないものがありますが、これは後でまた具体的に申し上げたいと思います。 そこで、この十年間にいま文部省が言うようなそういう経過をたどってきたわけでございますが、この放送行政の主管官庁である郵政省は、一体この問題についてどういうふうにタッチしてきたのだろうか、私は大変疑問に思うのです。あなたは先ほど、午前中に久保委員の質問に答えておられたのですが、後でこれも触れますけれども、何か放送施設面や波の問題だけにタッチしておって、放送大学の基本的な問題、これはいわゆる放送法の問題もありましょうし、いろいろな問題がある、そういうものには余りにも無関心であって、施設面をどうするとかあるいは波をどうするとか、そういうことだけにタッチしておったのではないだろうか、こういう疑問を持つのです。いま出されておるような法案が仮に通って放送大学が発足するということになった場合に、現在のわが国の放送体制は一体どういうふうになるのか、放送大学の位置づけ、そういうものを郵政省は一体どのように理解をしておるか、これをひとつお聞きをしたい。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 放送大学構想につきましては、先ほども申し上げましたように、放送の持つ教育的機能を発揮する上において有効な施策であるという考え方を郵政省といたしましては基本的に持っておったわけでございまして、先ほど文部省からもお話がございました昭和四十四年、郵政、文部両大臣の合同の諮問機関といたしまして放送大学問題懇談会を設けましたのを初めといたしまして、昭和四十七年には、文部省にできました学識経験者からなる放送大学設置に関する調査研究会議、これにも参加をしております。さらに昭和四十九年には、同様に放送大学創設準備に関する調査研究会議を設けて検討を進めてまいったわけでございまして、郵政省といたしまして、周波数あるいは施設面のみに関連をしてまいったわけでは決してございませんで、全く文部省と相携えてその実現に努力をしてまいったわけでございますが、ただいま申しましたような各機関の審議の結果、放送大学は正規の大学として、その設置形態は特殊法人とするのが適当であるという結論に達したというふうに私ども考えておるわけでございます。このような考え方を受けまして、今回特殊法人放送大学学園法案が提出されたわけでございまして、郵政大臣も当然その主務大臣といたしましてこの放送の持つ教育的機能を発揮させるという観点からその役割りを負うことになっております。 また、放送法の上におけるこの放送大学学園の位置づけの問題でございますけれども、先生御承知のように、ただいま全国あまねくいわゆる聴視料をもってその業務を行っていく特殊法人NHKというものと、それに対応いたしますみずからできるだけ自由濶達に放送文化を称揚していくことが期待されております民放という二つの系列、体系と申しますか、そのようなものは、将来ともやはりこれをそういうような形でもって放送の進歩発達に寄与させるべきであるという基本的な考え方は変わっていないわけでございますけれども、この放送大学の特殊性と申しますか、NHKが行っております総合的な番組の中における教育機能とは別に、大学教育というこの機能を専門的に発揮し得る特殊法人としての放送大学学園というものとが、同じ特殊法人といたしまして、従来の二つの大きな形態というものと揮然一体となって将来に向けて文化の開発に寄与し得るものというふうな考え方に立っておるわけでございます。
○武部委員 放送法のことは後に譲りますから、いまのは聞くだけにしておきましょう。 問題は、現在のNHK及び民放、この二本立て放送がずっと今日までわが国の放送の基幹として続いてきたわけです。これに対していわゆる国営、準国営といいましょうか、そういうものの放送大学が加わって今度三本立てになる、そういう放送業界にとっては全く画期的というか、大きな改革だということは間違いない。そういう事態になってくるわけですが、この放送法上NHK、民放、放送大学の放送のあり方、このあり方について郵政省は一体どういうふうに考えておるだろうか。現在NHKではいわゆる学校放送、大学講座、そういうものを非常にりっぱにやり遂げてきた、こういうことは外部からも非常に強く称賛されておるわけです。たとえば、去年の十一月二十二日に衆議院の文教委員会の小委員会で東京大学の伊藤教授が参考人として来られて述べられたことは、恐らくあなた方も聞いておられると思うのですが、NHKはすばらしい教育放送の伝統を持ち、経験を持ち、歴史を持っておる、そういう意味で、いま行われているNHKの大学講座などは本当にうらやましいようなすばらしい大学の講座が行われておる、こういうことを同委員会で述べておられるのであります。われわれも、NHKが非常に苦労してああいう教育番組をつくり、りっぱな業績を上げてきた、こういうことをよく承知をしておるのであります。一体この放送大学ができてNHKとどういう協力態勢を持つだろうか、こういう点も大変関心を持つところです。われわれが知るところでは、きょう時間がありませんからはしょって話しますから途中飛ぶのですけれども、NHKは当初は自分たちでやりたい、こう思っておった。今度会長が小野さんにかわってから、ちょっとあの人の答弁を聞いてみるとダウンしておるのです。ちょっとダウンして、余り積極的でなくなった。いまはNHKはいや気がさして、文部省やるなら勝手にやれというような、これは言葉が悪いのだけれども、そういうようにNHKは放送大学に対して密接に協力するというような態度が次第に消えていっておるのじゃないだろうか、このようにも思えるのです。われわれの側から見れば思えます。それはそういう理由があるでしょう。電波監理局長は、文部省の審議会の中にあるいは調査会の中にわれわれも参加をして、いろんな点で意見を述べたとかおっしゃっているけれども、これは全くおざなり的な参加であって、さっきから私が言っているように、施設面がどうだとか何をどうするとかというようなところには参画しておるが、肝心かなめな一体どういう放送をするのか、それがNHKの現在行われておるところのあらゆる教育番組、そういうものとどう抵触するのか、放送法上どうなるのか、そういうことにはほとんど深入りしてないというふうに、いままでの経過から見ると私はそう思わざるを得ない、そう思うのです。そういう面を考えて、NHK、民放及び放送大学という三本立て、その中で放送大学の放送の範囲というのは一体どうなるのか、これも大変重要な問題だと思うのです。ちょっと飛びますが、その点についてはあなたはどういうふうにお考えでしょう。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 放送大学学園の放送は、大学教育のための放送、具体的に申し上げますと、主として放送大学の定める教育課程に準拠した放送を行うわけでございまして、報道、教育、教養、娯楽等の総合的な番組を放送するNHKの総合局及び民放の放送との間には明確な差異があるものというふうに考えております。また、NHKの教育放送局の放送につきましては、広く報道、教養、社会教育、学校教育番組を行うこととしておりますので、放送大学学園の放送とはかなり異なる内容に相なるのではないかというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、放送の持つ教育機能を十二分に発揮するという観点からいたしまして、より一層の教育放送の充実を期するためには、先ほど先生御指摘になりましたNHKの持っております従来の経験等を勘案しながら、関係者の間で十分に調整をしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○武部委員 あなたは放送大学は大学を中心とした放送になるだろう、こういうようなことですね。私が言っている問題は、放送大学の放送の範囲ということが明確でないと、あなたはさっき久保委員の質問に答えて、いわゆる受信料の問題というのは余り影響がないというような答弁があったのだけれども、これは範囲が不明確であったりしていろいろな問題が起きてきたときは、片一方は受信料を取っておる、片一方は国営で全然無料だということがあれば、当然NHKの受信料に大きな影響を与えてくるということは考えなければならぬと思うのです。したがって、放送大学の放送の範囲ということについては厳格な、明確な規定というか、そういうことをやる必要がある、このように思うのですが、あなたはその点についてはもう全く御意見はございませんか、同意ですか。
○平野政府委員 学園は全国的に大学教育を行いまして、その手段として放送業務を行うというものでございますが、したがって学園の放送につきましては、受信料にその財源を求めておりますNHKの放送に影響を与えるということではなくて、放送大学学園法案の策定に当たりましては、先ほど来先生がおっしゃいました従来の経緯あるいは文部、郵政が共管で行いました種々の審議機関の中における議論、そういったものも十分に踏まえた上で、学園の放送内容を大学教育のための放送に限定をする、現行放送体制に及ぼす影響を最小限にとどめるという措置をいたした次第でございまして、報道、教育、教養等の総合的な番組を放送いたしますNHKの放送とはほとんど競合することはない。したがいまして、おっしゃいますような受信料制度に及ぼす影響はないものというふうに考えておるわけでございますが、この点につきましてはなお今後とも御指導を得ながら十分に配慮をしてまいるつもりでございます。
○武部委員 あなたはいま競合するようなことはないというふうにおっしゃっておるわけですが、私はそういうふうに思わない。ですからこの点は大分見解が違うし、こんな短い時間でこんなことをやれと言ったってとてもできっこないので、私どもはまだまだこの放送大学の問題について疑問がたくさんありますから、改めてこれから時間をかけて、いずれ文教委員会との連合審査等もやってもらわなければならぬと思っておりますが、その際に譲っていきたいと思います。この問題はもっと時間をかけて論議をしなければならぬと思います。 そこで、先ほど久保委員からもお話しございましたように、こういう重要な内容を持つ放送大学がいま問題になっておるのに、放送法の根本的な改正もせずに学園法案の附則で処理するなんということはもってのほかで、われわれとしては絶対にこれは納得できないのです。あなたはいろんなことをお述べになったけれども、私は文部省に振り回されておるのじゃないかと言いたくなるのです。こんな大事な問題を附則の中にちょこっと書き入れて、そして学校教育法もこれだけ変わります、いや放送法もここはこんなに変わります、こんなことは私どもは断じて納得できない。少なくとも放送法の改正というのは十数年来逓信委員会ではいつも問題になって、抜本的な問題については調査会なりあるいは審議会でも設置をして検討したらどうだ、村上大臣のときもそういう話が出た。その後も話はずっと出ておるのです。にもかかわらずそういうことは一つもやらないで、放送大学の附則の中で放送法の改正をやるのだというようなことはもってのほかだ、このように私は思います。 これ以上のことはここで論議いたしませんが、少なくとも郵政省としては調査会や審議会というものを設けて、放送法の抜本的な改正に取り組む姿勢があるかどうか、それをひとつ郵政大臣から聞かせてください。
○平野政府委員 この放送大学学園の問題でございますけれども、一般的に申し上げまして、法律案の提出に当たりましては、内容において密接不可分な関連を有する場合には、それが複数の法律にわたるような場合におきましても一本の法律にまとめることが適当というふうに考えられておるわけでありまして、今般の放送大学学園の放送につきましては、これを放送法上どのように位置づけるかなど、その放送の規律の仕方につきまして学園の目的なり業務と密接不可分な関係にございますために、学園法の附則によりまして必要な放送法の手直しをすることとした次第でございます。
○武部委員 あともう時間がありませんから二つか三つ、根本的な問題だけ触れておきたいと思いますが、放送法の改正のことは、郵政大臣は新しいわけですが、長い歴史があるわけでして、このことについてはわれわれとしてはそういう基本的な考え方を持っておりますから、ぜひひとつ検討しておいていただきたいということを要望しておきます。 そこで、この学園法案の内容の中の問題点の一つに、政治的公平の確保というのがあります。この政治的公平の確保、自主性の尊重、そういうことがきわめて重要な問題である。ところがこの法案の内容を見ると、国の介入があるのじゃなかろうか、国の介入を危惧する声が非常に強い。これはいままでの各種の論議の中で、あるいは国会の外からの声にもそういう点があるのです。たとえばこの法律の人事を見てみろと、理事長、学長の任命権は文部大臣、運営審議会の委員も文部大臣が任命をする。さらに財務、会計等に対する監督、命令、そういうことでみんな提出を要求することができる。また、国立大学と違って教員の任期というものがちゃんと、たしか五年ですか、そういうものが決められておる。すべてこれは文部大臣の権限に属するというようなことにみんなつながっておるのであります。こういうことを考えてくると、政治的な公平の確保の問題について、大変疑念が生ずるのであります。 しかも、第十二条の役員の欠格条項というものがあるのですが、この中で政党の役員が除かれておる。この条文を見ますと、第十二条「次のいずれかに該当する者は、役員となることができない。」という欠格条項があって、第三に放送法の中の「第十六条第四項第二号又は第五号から第七号まで」と書いてあるのですが、この肝心かなめな第四号が抜けておるのであります。第四号というのは政党の役員であります。この政党の役員がなぜ放送大学の役員の欠格条項の中から抜かれておるのか、これは私は非常に疑問に思う。これは故意に外した、そういうふうに思われます。たとえば、これは先ほど申し上げるように、人事に対するところの文部大臣の任命権というものが非常に強い、国の統制色というのが非常に強く出ておる。こういう中からうがって考えると、文部大臣というのは、いまは自民党内閣ですが、政権はいつかわるかわからない。時の政権、政党というものが、いわゆる人事権を持つ文部大臣を持つ。そういうような形の中で役員の欠格条項の中からなぜ政党の役員というものを故意に外したのか、これは一体どういう理由でしょう、文部省。
○阿部説明員 お答えいたします。 放送大学学園の役員の欠格条項につきましては、原則として学校法人の役員の欠格条項、それからNHKの役員の欠格条項等を参考にいたしまして考えたものでございますが、この中で、政党の役員を学園の役員の欠格条項に掲げませんでしたことは、端的に旧しますれば、最近設置をされております新しい特殊法人におきましての一般的な立法例にならったということでございまして、この放送大学学園の場合に、特に大学自体が憲法に保障されております大学自治の精神のもとに設立され、運営されるという性格のものでございますので、そういう点についても格段の特別な配慮をしなくても心配はないであろうという判断から、一般の特殊法人と同じ規定、立法例にならって規定したものでございます。
○武部委員 私は、その点は非常に疑問を持ちます。これは、このことが許されるならば、一党の役員がいわゆる独占することになるじゃないか、そういうことが起こり得る、こういうことを大変危惧するものです。放送のいわゆる政治的な公平というものが強く要請されるという、そういう特殊な内容を持っておるのに、政党の役員を除外するという欠格条項、なぜこの放送大学だけに限ってこの項だけを削除したかということは、さっきから申し上げるように別なうがった見方をせざるを得ない。そういう懸念を持つのは私は当然だと思うのです。 あなたの方は、学問の自由とか放送の自由とかというものは、放送大学の自主性で公正を保つために人事が公正にやられればいいんだということをおっしゃるかもしらぬが、その人事の公正ということが、いまの放送大学学園の法律の中の内容を見れば、そのことにこそ大きな疑問を持つのです。いまのように、ただ単に一方的な法令にならった、みんなそうやっておるのだからこの大学もそうやるんだというようなことでは、この問題は私は簡単に理解はできないのです。ですから、そういう学問の自由とか、さっき言ったような教授の任命とか任期とか、そういうものにすべて文部大臣がかかわり合っておるということを考えたときに、これはまさに第四号というものを削ったということと非常に大きな関連を持っておるというふうにも思うのですが、この点をもう一回説明していただきたい。
○阿部説明員 放送大学学園につきましては、大学の設置とそれから放送の実施、この二つを主たる事業内容とするものでございますが、このうち大学につきましては、先生御承知のように、教育基本法第八条第二項という規定がございまして、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他の政治的活動を行うことは禁止をされておるわけでございます。この点は大学といえどもこの規定をかぶっておるわけでございます。また、放送事業につきましては、放送法第四十四条第三項の規定によりまして、政治的に公平であるということが要請されておるわけでございます。 そして、先ほど申し上げましたように、大学自治の精神ということで大学は自主的に運営されていくという性格のものであるということから、特に政党の役員を除いておくという規定を、他の特殊法人の最近の例と違って設けなければならないという、そこまでの必要はないのではないかという判断をしたわけでございます。もちろん、このことによりまして政党の役員を入れていくという考え方を積極的に持っているわけではございませんし、そういった役員の任命に当たりましては慎重な配慮が必要であるということは十分心得ておるわけでございます。
○武部委員 これは見解の相違になりましょう。私はいまの学園法案の中からずっと一貫して見れば、明らかに放送の政治的公平というものが侵される危険性がある、このように見ざるを得ないと思います。しかし、ここでそれ以上の論議をすることはやめましょう。 それではもう一点、これから開始されるであろう放送大学の放送というのは、チャンネルを握ってぱんとやればみんな出てくるわけですから、だれでも見られる、そういうことになる。そういうことになれば、やはり第三者の意向というものが吸収される場がなければならぬ、そういう必要を私は感じます。したがって、いまNHKなりあるいは民法というものが放送法の第四十四条の二と四十四条の三に定められたように、いわゆる番組審議会及び番組基準、こういう規定がちゃんと設けられておるわけですが、なぜこの放送大学にはこの番組審議会や番組基準というものを設けなかったのか、それはいかなる理由か、これをひとり……。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 放送大学学園の放送は、その大部分が放送大学における教育に必要な放送、具体的には先ほども申し上げました放送大学の定める教育課程の基準に準拠した放送を行うわけでございまして、たとえ番組審議会を設置したといたしましても、一般視聴者の声を学園の放送に反映させる余地はほとんどないというふうに考えたわけでございます。 また放送局の免許主体は学園でございますので、もし番組審議会を設けた場合、その設置及び運営の責任は学園が負うことになりますが、放送番組の制作は事実上大学を中心に行われますため、番組審議会から学園に意見具申があった場合に、学園がこの意見を尊重して具体的な措置を行うことは、放送大学における学問の自由を高度に保障する立場からいたしますと好ましくない、むしろ番組審議会を設置して行う番組自主規制の方策をとるよりも、学問の自由を高度に保障する見地から、大学の権威に裏づけられた自律規制に期待することの方が好ましいということをあわせ考えたわけでございまして、いわゆる放送法第一条の二号、いわゆる先ほど先生がおっしゃいましたような政治性の排除と申しますか、そういった点につきましても、あるいは一般の放送局に課せられております放送法四十四条三項、いわゆる番組準則と言われております四項目も、この学園のいわゆる大学自治に基づく番組制作にかぶされることに相なっておるわけでございます。
○武部委員 私はこの問題についてはあなたと意見を異にいたします。私はそうは思いません。分科会で文部省が答弁しておったようですが、カリキュラムで事足りるとかいろいろなことを言っておったようですけれども、なぜこの番組審議会や番組基準というようなものが放送大学にはないかということについての理解ができないのです。いまあなたがおっしゃったことでは私は理解できません。しかし、そんなことを言っておってももう時間が来てしまいましたから、これは見解が違うということだけは申し上げておきましょう。 そこで、運営審議会というものが設けられることになるわけですが、この運営審議会のメンバーに、今日までいろいろと経験をしてきた放送の経験者とかエキスパート、そういう者を加える必要があると思うのですが、そういう者を加える意思があるかどうか、その点を最後にお聞きをしておきたいと思いますし、この放送大学はまだまだ疑問がたくさん私どもにはあって、短時間のうちにはそれを解消することはちょっと困難です。したがって、これからもあらゆる場所を通じてこの放送大学学園法案なるものの内容について検討を加えていかなければなりませんが、きょう私が申し上げたように、大変むずかしい問題を含みながら十年間たった。その中で今度の学園法案というものが出てきたけれども、大変問題がまだあって、きのうの本会議の六項目ですか、六項目に対する答弁を聞いておっても、どうやらこの問題点から外れたような答弁になっておるというふうにも思いますし、これは簡単に、この大学法案なるものを従来の経過から見て私は賛成できないという内容になるんじゃないかというふうに思いますが、いま申し上げたような運営審議会というものを設けることになっておりますが、この運営審議会のメンバーに放送の経験者、エキスパート、そういう者を加える意思があるかどうか。その点はいかがですか。それだけ聞いて終わります。
○阿部説明員 運営審議会につきましては、二十人のメンバーで構成をするということを現在考えておるわけでございますけれども、このお願いをいたします方々の分野といたしましては、国公私立大学の関係者あるいは放送教育の関係者等はもとよりでございますが、放送事業の関係の方々につきましても郵政省御当局と十分御相談をして加えていきたいと考えております。
○武部委員 それでは、終わります。
○石野委員長 竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 まず、NHKの焦点になっている受信料収入の伸び率と関連して、いま収入面におきましても非常に厳しい状況になってきております。そこで、経営問題委員会におきましても発表しておりますけれども「受信契約数、受信料収入の伸びの鈍化が顕著になっており、今後三カ年を見通しても各年度二%程度の増加しか見込めない」こういった状況だというような報告もございますが、ここで今後の収入面での収支、この問題に関してどのように考えているか、いままでの最近の経過と今後の見通しについて、最初に御説明いただきたいと思います。
○山本参考人 ただいまのお尋ねにお答えいたします前に、現在のNHKの財政全体の中で占めております受信料というのはもうほとんど九九%に近い財源でございまして、他に収入の可能性というのは、法律なりあるいは実態的なりそういう面からきわめて狭いものになっております。したがいまして、今後NHKが将来のあり方を考えるにつきましてもやはり受信料を基本にして考えざるを得ませんが、ただいまお話がございましたように、受信料につきましては、ここ数年来極度に弾力性を失ってしまっております。いわばNHKの財政の硬直性というような現象がきわめて顕著にここ数年出てまいっておるわけでございます。 と申しますのは、これは御承知のことでございますけれども、すでに日本の国の世帯のほとんど大半がもうテレビをお持ちになっておられますので、新しい市場といいますか、受信料を払っていただく世帯というものはきわめて少ない数でございますし、その数を全部、毎年新しい受信料の契約数の増としてこれを追いかけておるわけでございますけれども、その伸びが大体二%台になっておりまして、恐らく今後三年を出ずして一%台になるのではないかという見通しでございまして、新しい商品をつくりましてこれを売り出すとか、あるいは経済情勢が変動しますと急にそういう受信料の契約者対象の世帯がふえるとかという可能性が非常にないものでございますから、今後五十五年以降の財政収入といいますか、受信料収入を見ましても、これは二%台の非常に低いところ、あるいは一%台に落ち込むという可能性が非常にございますので、現在、先ほど申し上げましたように、収入の面ではきわめて強い硬直性というものを持っておるのでございます。 反面、支出といたしましては、これは経済情勢に相当相応じたものを必要とするわけでございますけれども、これは現在のところ、私たちの手元に非常に権威のある今後の経済指標というものがございませんので、ある程度の幅を持って考えざるを得ません。最近、政府の諮問機関であります経済審議会が出しました昭和六十年度までの見通しといいますか、経済運営の目安というものでは、五%という消費者物価指数を見込んでおりますけれども、これは中間の指数でございまして最終的なものではございませんし、その他、民間のもろもろの経済調査機関でつくっておりますものも本年度に入ってからはまだ一つも出ておりませんので、私たちとしましては、この数字をある程度見通しますにつきましても相当まだ、最終の案をつくるには時間を必要とするのではないかと思っております。そういう幅を持って見ましても、収入と支出のはさみ状の差というものはきわめて大きくなってまいります。 五十四年度は、けさ方も申し上げましたが、これは受信料を据え置きまして何とかしのいでいくということにいたしておりますけれども、その五十四年度もすでに二百億ばかりの収入と支出の差が出てまいります。五十五年度に至りますとこれが四百億台の差になってまいりまして、五十六年度になりますとこれが六百億台の差になる。五十四年から五十六年という三カ年間で見ましても、約千二百億から千三百億の間に収入と支出の差が出てまいる。さらに五十七年度、これは参考程度で試算をしてみますと、約九百億台のギャップが出てくるという見通しになります。これの前提は、先ほど申し上げましたように最終の数字ではございませんけれども、ほぼそういう数字というものが現状においては見通されるわけでございます。 それならば、それに対してNHKとしてどういう態度を考えていくかということでございますけれども、やはり基本的に、先ほど申し上げましたように、受信料というものがNHKにとっての収入の大本でございますし、また、国民とNHKとの間の一番大きなつながりであり、また、NHKの自主性、独立性あるいは報道の公正というようなものを保証していくためにはこの受信料を基礎にしておるということが基礎でございますので、あくまでこれを中心に考えてまいりたいと思います。しかし、その他、NHK自身がいろいろなぜい肉を取って効率的な経営をしていくということもこれは当然考えなければなりませんし、またもろもろの制度あるいはあり方、こういうものについても、現在NHKの中でいろいろプロジェクトチームをつくって検討いたしておりまして、できるだけ早い機会に、今後三カ年間ないしは四カ年間の財政の安定というものにどういう施策をとったらいいのかということを決めたい、そういうふうに思っておりますけれども、現状におきましては、財政の安定というようなことにとっては非常にむずかしい状況にあり、NHK自身の財政というものがいままでにもないような非常に困難な時期に際会をしておるという認識を持っておるわけでございます。
○竹内(勝)委員 このNHKの収入面に関しては、これはもう受信料に頼っておる。同時に、受信契約数を伸ばす、あるいは滞納、不払いの人たちをいかに受信料収入に結びつけていくか、そういった面の努力あるいは難視聴解消、こういった面で今後考えられるわけでございますけれども、しかしそこには限度というものがいまの答弁の中でもあるわけでございまして、同時に、この前料金改定が行われたのは昭和五十一年、それでその前に行われたのを調べてみますと昭和四十三年度です。その間で見ますと約八年間というものが料金改定を行わないで、いろいろな努力が行われたと思いますけれども、そういった形で参りました。 しかし現在昭和五十四年度、これを迎えるに当たって、この問題がもうすでに赤字云々と言われておる状態になってきたという原因は一体どこにあるのか。同時にまた、どうしてもこれを料金改定という問題に持っていかなければならないのかどうなのか。あるいはそういうように持っていったとするならば、一体いつをめどにしてそういったものを考えておるのか。また、この受信料、カラー契約に関しましては、現在本土におきまして七百十円、これを一体どの程度まで変えていこうと考えておるのか。今後の問題ではございますけれども、やはりこれは国民にとって非常に重要な関心事でございますし、ぜひその点、簡潔にわかりやすくお答え願いたいと思います。
○山本参考人 受信料の伸びが非常に鈍化したという点につきましては先ほど御説明をいたしたとおりでございますが、それでは、今後NHKの経営ということから考えましてどういう手だてを考えるか、それはいつの時期であるかという非常に具体的なお尋ねでございますけれども、この点につきましては、先ほど私が触れましたけれども、最終案をつくりますのには多少まだいろいろな未解決の条件あるいはいろいろな経済指標、そういうものがございますし、あわせてこういう問題の処理には私たちNHKだけの判断というものでなくて、やはり広く関係の各界各層の方の御意見も踏まえた上で最終のものをつくりたいということでございまして、具体的に何年度からどのぐらい、何をというようなことにつきましては、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
○竹内(勝)委員 大臣にお伺いします。 この問題は、いまの収支の状況を見てみましても、いずれ今後どうしても議論になっていく問題でございまして、これはぜひ検討していかなければならない問題である、こう考えております。そこで、公共料金の値上げ等いろいろな兼ね合いの問題、また国民のコンセンサスをどう受けていくか、こういった面も今後いろいろなものがあるわけでございますけれども、大臣としてこの問題、どういうような御所見をお持ちでございますか、お伺いしたいと思います。
○白浜国務大臣 いま御指摘を受けましたとおりで、公共料金の中に含まれたこうしたNHKの聴視料でございますので、いろんな問題がその中に複雑に絡み合って、われわれも苦心をいたしておるところでありますが、同時に料金の伸び悩みということはまさに御指摘のとおりでございますから、今後一カ年ぐらいはNHKの方でも十分この経営の合理化と申しますか、そういうような面での検討をしてもらい、また同時に国民の理解を十分取りつけて、どういうふうにするかということを考えていかなければならぬと考えておるわけであります。私は個人的の意見を申しますならば、やはり今後いろいろな技術の開発をするにしても何にしても、これは公共料金に手をつけなければならぬのではないかと実はひとり考えておるわけでありますが、なかなかそこまではいまの時代で申し上げることもできないので、今後みんな知恵をしぼり合って関係者で検討して御相談申し上げたいと考えておるわけであります。
○竹内(勝)委員 現在の難視聴の状況はどうなっておるか、最近のもので結構でございますが、その世帯数など、あるいは難視聴解消としてどう取り組んでおるか、その面を明らかにしてください。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 御指摘の僻地、離島等の難視に対するNHKの取っ組み方でございますが、先生も御承知のように、NHKといたしましては非常に重要な基本使命だという理解のもとにこれに取っ組んできたわけでございまして、五十一年度末で約七十三万の難視世帯が残っておったわけでございますが、五十二年度の努力の結果、五十一年度末の七十三万が約六十四万に九万改善をされました。さらに、現在執行中の五十三年度の事業計画によりまして、ほぼ予定どおりに完成するつもりでございますが、そういたしますと、この五十三年度末には約五十六万になる。つまりその間八万世帯ばかりが改善されるということになるわけでございます。残されました世帯といいますのが非常な過疎地域あるいは離島というようなことでございまして、しかも山間部に入りまして、電波事情も非常にふくそうしてまいっております。これを計画実施いたしますのに、受信点の選定あるいは送信周波数の選定というのは、物理的な条件からいいましても非常な人手を要する、苦労をいたす次第でございます。そういう苦労する一方、対象になります世帯数が非常に小さくなっておりますので、効率は悪くなるというような状態ではございますが、現在御審議をいただいております五十四年度の事業計画におきましては、ほぼ六万五千世帯の解消ができるであろう、これを目標にやりたいと考えております。一方、年々宅地造成等によりまして、良質地域におられました世帯が受信状況の悪い難視地域へ移動される数がございまして、これが年間一万ないし二万ございます。そういたしますと、五十四年度末には約五十一万世帯程度のものが将来の対策待ちということになろうかと思っておる次第でございます。
○竹内(勝)委員 そこで、郵政省にお伺いします。 今回のこの予算の案におきまして、放送行政の推進ということで十一億五千七百万円、これを計上しておりますが、その中で特に、難視聴解消の促進並びに放送波妨害対策用監視施設の整備を行うというようにうたっておりますけれども、これは具体的にどういうようなものにしていくのか、この難視聴解消に関しては、じゃどういうような手を打っていくのか、御説明いただきたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 最初に難視聴解消促進のための経費について申し上げます。 まず、テレビジョン放送の辺地共同受信施設に対しまして国庫補助を行うための経費として約二億二百万円を計上いたしております。具体的には、辺地難視聴の解消を図りますため、受信者団体が設置をいたします辺地共同受信施設の設置費が一世帯当たり三万円を超えるような施設につきましては、地方公共団体が国と同額以上の負担をいたします場合に、一世帯当たり三万円を超える部分の三分の一を国が補助しようとするものでございます。また、難視聴解消の促進に資するため、有線テレビジョン放送施設のシステム設計及び工法の標準化を行いますための経費といたしまして約三百万円を計上いたしておりまして、これは受信者の利益を保護いたしますため、中小規模の有線テレビジョン放送施設の劣悪化を防止しようとするためのものでございます。 一方、放送妨害対策用監視施設の整備でございますが、総額約一億一千八百万円を予定いたしております。これは、テレビジョン放送の音声または超短波放送が妨害を受けた場合、これを即時自動的に検知をするための放送波妨害探査設備の開発とシステムの規模及び具備すべき技術的条件の細部を決定するための実験を行いたい。さらに、妨害源の追跡及び確認に必要な機器の整備を行いたいというものでございます。
○竹内(勝)委員 今回郵政省がこうして難視聴解消促進ということで、いま御説明の二億二百万円を計上し、それに努力していこうということは、これは初めてのことであり、一定の評価をするわけでございます。さらにその中で、三万円以上のものに関してそのうちの三分の一、あと三分の一は地方自治体等にしていく、こういった問題でございますけれども、私はここで一つ例を申し上げたいと思います。 ちょっと聞いていただきたいわけですが、たとえば難視対策としまして、先ほどの御説明のように五十六万世帯が残っておる。各府県別に資料をいただきましたけれども、その中の近畿の例をとってみましても、山の多いところ、地域の広いところ、こういうようなところが難視聴世帯として非常に多く残っております。その例を挙げますと、たとえば近畿の例では兵庫県が二万三千世帯、京都府が一万五千、和歌山県が一万四千、こういうようなものからいきますと、大阪とかそういったものと比べますと、やはり山の多いというようなところにはどうしてももっと積極的なもので取り組んでいかなければならないのではないか、こう思います。 そこで、これは京都市内の一つの例なんです。京都市の左京区、同じ市内です。ところがここは広いところでございまして、中心部から東北に約三十キロ程度離れている。山また山の中で、市内ではございますけれども、標高千二百十四メートルというような山もあるような中でありまして、戸数にしますと七十世帯です。そう大した数ではございませんが、しかし、大平内閣も田園都市構想というようなことで地方に対していまや非常に光を当てていく、・そういったときに当たりまして、ましてやこういった過疎の問題、テレビも映らないようなところに若者が残っているというようなことは非常に厳しいものがございます。そういった意味で、私はきめ細かに、そういった少ないところでも一つ一つ努力していかなければならないのではないか、こう思います。しかし、NHKがここに共同受信施設を設置してテレビが見えるように家庭に引き込む電線や電柱、あるいはそういった工事だけでも莫大な金額です。約千六百万から八百万というような報道もされておりますけれども、莫大な金額がかかって、これを一戸当たりに直していきますと二十五万円から三十万円も費用を負担してもらわなければテレビが映らない。ところが、音だけは聞こえますよね、FMの関係で音だけは聞こえるけれども画面は映らない。そこには小学校も中学校もあります。その小学校、中学校が教育の教材として使おうということでテレビも購入しています。しかし、それが映らないのじゃどうしようもないという事態で困っておる。私もここへ行ったことがございますけれども、大変な山の中で、そういった中をどういうように今後NHKとして対処していくか。郵政省としてもどう対処していくか。それからまた、当然民放という問題が関連してきます。もちろんそういうものが見えるようになってくれば次は民放も見られるようにということで持っていこうという考えは当然出てくると思いますけれども、この一つの例を挙げて、NHKとしてこの問題にどう対処していくお考えですか、御意見をお伺いしたいと思います。
○沢村参考人 先生の御指摘のエグザンプルとして京都市内の本当の僻地、久多地区のお話でございますが、仰せのように非常な山間部でございます。しかも、世帯数が七十世帯程度というお話でございますけれども、面積といいましょうか広さで申しますと、東西は四・五キロぐらいございまして南北四キロというような中に七十世帯が散在をいたしております。前々から地元の方からも御要望がございまして、私どもも鋭意検討をいたしてまいりました。その結果、この七十世帯全部を対象に考えますと、いま先生仰せのような莫大な金になるということでございます。京都市当局でも何らかの施策を考えたい、NHKに余り無理をかけない範囲で何か考えられないかという御要望もございました。われわれとしましては現在のところ、この七十世帯のうちの中心部にございます四十世帯前後をもし対象に区切らしていただければ、ある程度実現可能な計画も立つのではなかろうかという考え方のもとに検討を進めておる次第でございます。妥当な負担のもとに、これができるだけ早く完成できればということで努力している次第でございます。 本来申しますと、こういうところは、たまたま先生御指摘の一つの例でございますけれども、全国に非常に散在してこういう地区が残っておるわけでございまして、NHKのあまねく普及させるという義務を今後効率的に抜本的に遂行いたしますためには、いままでのような地上の施策だけではとても賄い切れないという考え方のもとに、先年来放送衛星の利用ということもお願いしている次第でございます。
○竹内(勝)委員 いま御答弁いただきましたように、放送法第七条「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする」というこの精神にもあるように、たとえばいま私が申し上げたところは左京区の久多という場所ではございますけれども、いまその中の中心部の四十世帯ぐらい、これも大きな前進だと思います。そこには学校もあることでございますし、テレビを利用した授業等もできるようなものになっていけば大きな前進ではないか、こういうふうにも考えますし、ぜひ意欲的な今後の取り組みをお願いしたいと思いますが、同時に、いまの難視対策として郵政省の、今回初めてこの予算に計上されました三分の一の問題でございますけれども、これをどういうように適用していく考えか、及び民放は、本日も同僚の委員からいろいろと論議がありましたように非常に大きな利益を上げておりますが、そういう中でそういったものも解消できていくならばどちらも非常によいことになるのではないか、そういう意味から、NHKだけにそれを押しつけていくのではなくして、民放との兼ね合いはどういうように考えておるのか、そういった面も含めて郵政省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○平野政府委員 来年度実施を予定いたしております辺地共同受信施設に対する助成でございますけれども、この運用に当たりましては地方の意見も聞きながら対処してまいりたい、特に先ほど御指摘がございました学校所在地を含む計画というものが提出されたような場合には重要視してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 なお、この施策はNHKだけを考えておるわけではございませんで、民放のことも十分に考慮をしながら、できるだけ放送事業者が協力をしながら、地元のテレビ難視の解消に力を注いでいくという姿勢で参りたいと思っております。
○竹内(勝)委員 それでは、次の経費節減ということで、政府はチープガバメント、これを簡素な効率ある政府だと大分宣伝をしておるようでございます。そういったものに関連して、政府は十五日、省エネルギー・省資源対策推進会議で石油消費節減対策、こういったものでいろいろと発表になりました。それに関していろいろとその目標というものが出ております。 この中で、郵政省がいち早くそれにこたえて深夜テレビの放送の自粛を民放各社に要請していきたい、あるいはまたNHKに対してもというようなお考えもあるのではないか、こういうふうにも考えておりますが、この面に関して具体的に一体いつごろからそういった面を実施しようと考えておるのか。それから、NHKに対してはどんな時間短縮というものを考えておるのかどうか、あるいは協力を要請するならどの程度なのか、そういった面を含めて、この問題に関して郵政省のお考えをお聞きしたいと思います。
○白浜国務大臣 いまの省エネルギーの問題は、本日の閣議で総務長官からと通産大臣からと御発言がありまして、特に総理から、本問題については関係各省庁が十分連絡し合って推進するようにという特別の御発言もあったわけであります。したがいまして、わが郵政省におきましても当然、かつて数年前に行われたように、テレビの問題などを含めて、関係があるそうした問題と取り組んでいかなければならないということを今朝の記者会見でも私はお願いをしたところでありますが、これから十分そうした各関係者と相談をしながら、また役所の中でも早急に案を練りながら検討していきたい。いますでに決まっているような記事も一部出たのでありますけれども、まだその内容についてはどうしようこうしようということは決まっていないのでありますので、これは早急にこの問題と取り組んでいきたいと考えております。
○竹内(勝)委員 先ほども本委員会で放送大学の問題に関してるる論議が行われました。私はこの問題で特に一点、しぼってお伺いしたいと思います。 それは、この放送大学の設置、だれでもいつでもどこでも学べる生涯教育のスローガン、こういった面で非常に国民の強い要望、こういったものがいよいよ実を結んでいく、こういった段階で一定の評価というものはだれしも持っておるのではないかと思いますし、私も持っております。だが、これをいよいよ今後この国会におきまして審議を進めていくわけでございますけれども、その出発におきまして、私はどうしてもこの姿勢というものをはっきりさせておかなければならない点があるように思います。 それは、先ほどのチープガバメントの例にもあるとおり、これは大学として法人をつくってそして運営していく。もちろんそれは当然そういうような形になっていくわけですが、あくまでもこれは放送をしていくわけです。電波を使って放送をしていくわけです。そこにこの放送大学の特徴というものがある。したがって私は、大臣にしっかりしてもらうと言ったら余りいい言葉ではないかもしれませんが、あくまでも文部省主導型のものに進んできておるということに、本委員会の委員としてもいろいろと要望を重ねておるとおりでございますけれども、ぜひここで大臣にしっかりとしたプロセスに沿ってこの問題を進めていってもらいたい。 私はその中で特に要望しておきたい点は、電波を扱うということで放送をしていく設備、あるいはそれを流していく、全国あまねく放送をしていく、将来は八〇%ぐらいカバーしていくのだ、こういうように言われておりますけれども、そういうものから考えれば、これがいわゆる国営放送の形になります。そうなりますと、本来の民放対NHK、公共放送としてのNHKというものがあるわけですね。したがってそこの問題と、果たしてこの国営放送というべき放送大学の放送とが同じような形で、パラでこれが出ていくというのでは、これはちょっとチープガバメントの意味からも、設備その他を見たって、新たにつくっていくとしたならば相当の費用がかかりますよ。大学をつくっていく、それを運営していく面での大学をつくっていく、これは当然なことでございますけれども、その放送設備に関しては、私はこれは本来ある公共放送であるNHKとのタイアップ、その中でいかに効率のあるものにしていくかということが重要になってくるのじゃないか、こう考えるわけでございますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○白浜国務大臣 先ほどからの委員各位の御意見なども承りながら、また竹内委員の御発言も承って、私もつくづく心配しているところもないわけではありませんけれども、十分いままで文部省、郵政省との間でも練りに練ってこの法案を提案をしているところでありますが、なおこれは問題がないわけでもないというふうにいろいろ考えられる点もなきにしもあらずでございますから、十分そういうような点なども、御指摘の点なども検討をして、そうしてりっぱなものをつくり上げていきたいというふうに考えておるわけであります。
○竹内(勝)委員 大臣、今後の審議の段階でいろいろとこれは発展してくるものである、こういうふうに解釈します。大臣がそういうお考えならば、それでは現在まで進められてきた形というのは、これはどうしても文部省主導型で進められてきたやに私どもは受け取っております。 そこで、文部省の方のお考えを聞きたいと思います。その放送に関しての電波を扱うという問題に関して、公共放送というものが二つ流れていく、しかも違うルートで流れていくというところを一体どう考えておるか、文部省のお考えをお伺いしたいと思います。
○阿部説明員 放送大学学園が行います放送は、放送大学における教育に必要な放送を行うものでございますけれども、本来の対象である放送大学の学生はもとより、広く一般人の視聴ということも期待をしておるものでございまして、これによって大学教育の機会に対する非常に広範な国民の要請にこたえていく等のことをねらいにしておるものでございます。NHKの放送は報道、教育、教養、娯楽等総合的な放送を行うものでございます。これに対しまして、学園の放送は、先ほど申し上げましたように、もっぱら放送大学における教育に必要な放送を行うのだというあたりに限定をされておるものでございますので、そういう意味でNHKの教育放送等と競合するというような面は少ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。 所要の経費等の面その他についての御指導をいろいろいただいたわけでございますが、特に放送に関する部分につきましては、私ども郵政御当局といろいろ御相談をしながら今後とも進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○竹内(勝)委員 当然私はその放送にかかわる電波の問題に関していま論議をしておるのですから、そこをお間違えのないようにしていただきたいと思います。ぜひよく連携をとって論議をお願いしたい。 そこで、NHKにお伺いしますが、本来の教育放送番組として小学生向き、中学生向き、高校生向き、社会人向き、いろいろと教育あるいは教養、こういった面での御努力をされておる点は大きく評価しておりますが、その中で現在の利用率、たとえば学校向け放送等はどんな利用率になっておるのか、それから、いまの教育放送の実態というものはどんな経過——二十年も過ぎておるわけでございますけれども、どういうような成果が上がってきておるのか、そういった面を概略で結構でございます、説明していただきたいと思います。
○堀参考人 お答えいたします。 NHKの教育放送は幼稚園、小学校、中学校、高校、さらに通信制大学を主な目的にした大学講座と三つに分かれておりますが、幼稚園、小学校におきましては大体八〇%から九五%程度の利用率と相なっております。中学校につきましても五二・八分、高校について五四%という数字が出ておりますが、最近三年間を見ますと、中学校においてはビデオテープの設置等がございまして、やや利用率が上がっておりますが、その他はずっとほぼ同じような利用率と相なっております。なお、通信制大学の利用率につきましては、これは種々の経過がございまして、現在直接学校として利用しているところはなくなりましたが、しかし、その講座内容が非常に一般的だということで、テキストの売れ行き等から見ますと、利用者の数は約倍増しているというふうに考えております。 また、学校向け放送につきましては、毎年各地区、さらに全国の大会を開きまして、地元の直接教育に携っております先生方の御意見を聞いてこの内容を変えておりますので、その利用形態はかなり浸透しつつあるものというふうに考えております。
○竹内(勝)委員 そこで、文部省の方にもう一度お伺いしますが、これは放送大学として電波を扱っていく。もちろん、働いておる人、そういった若者が対象であるとか、あるいはまた一般の主婦の人たちだとか、いろいろな者が考えられますが、私は、こういったものを考えていく場合は、働いておる時間の放送というものはやはり差し控えて、むしろ家に帰ってきてから、夜の放送であるとか、あるいはまた日曜祭日の放送であるとか、あるいは朝の放送であるとかというようなものになってくるやに思われますけれども、この放送が流れていく場合に、どこかで電波があいてくるのではないかと私は考えます。そのあいてきたときに、その電波というものは完全にあきっ放しにするのか。いまのNHKの教育放送というものはもう完全に朝から晩まで詰めて、そうしてあらゆる階層に向かっての放送をしております。小学校も一年から六年まであります。中学も一年から三年というように幅広いわけですね。そういう意味でいくと、時間帯が幾つあっても足りないぐらいであるというのが本音ではないか、私はこういうように思います。 そこで、私は、放送大学とNHK、同じ公共放送であるがゆえに、そこのコンビネーションをどうとっていこうと考えておるのか、あるいは、これはもうまるきり別なんだ、そんなことは関係ないんだ、NHKはNHKなんだという考えで進めていくのか、これは非常に重要な問題になってくると思いますので、その基本姿勢をお伺いしたいと思います。
○阿部説明員 お答えいたします。 昭和五十年に関係者によりまして放送大学の基本計画と申すものがつくられたわけでございますけれども、この基本計画における考え方といたしましては、大体におきまして放送する時間は、この大学は教養学部をつくることを予定しておりますので、その教養学部に必要な科目を放送する時間を一日大体十八時間くらいというような計算をしておるわけでございます。大体午前中、朝から八時過ぎぐらいまでの時間と、午後一時過ぎから三時、四時くらいまでの時間、それから夜六時過ぎから夜中の十二時までといったあたりの時間帯をとりまして、この時間帯で放送を行う。同時にあいている時間、午前中と午後とできるわけでございますけれども、この時間につきましては、それぞれの正式の放送時間帯に視聴ができなかった人たちのために再放送をしようというような計画を持っておるわけでございまして、そういった点で、これからの計画を進めていきます場合に、この一日約十八時間という時間をフルに使いましてもいっぱいいっぱいというような計算を私どもいたしておるわけでございます。
○竹内(勝)委員 そこで、現在十二大学二十二学部で実施している通信教育の問題がございます。受講生約十万人を数える、これほどのものがございます。ですから、いわゆる通信に関しての問題というものは、日本におきましては相当大きく発展していっておる。そこで、こことの連携というものがあれば、なおこの放送大学というものがもっと生きてくるのではないかといういろいろな意見もあるわけでございますけれども、またあるいは、今度はそれに対する反発、そういったものもあるやに伺っておりますけれども、こういったものとはどうタイアップしていこうと考えておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○阿部説明員 私大の通信教育の関係の方々とは、この問題につきましてかねてより連携をとりながら進めてまいったわけでございまして、文部省関係の各種の委員会、調査会等にも私大通信教育関係者何名かの方に常時入っていただいて御相談を重ねてまいったわけでございます。ただいま御指摘のような点につきましては、その中で種々御要望等も承っておりますので、できるだけ御要望に沿うように配慮をしていきたいというような考え方で進めております。 現在国会に御提案申し上げております法案の中にも、この学園の業務といたしまして主務大臣の認可を受けて必要な業務を行うことができるという、業務を付加することができる規定を置いておるわけでございますが、この部分は、先ほど申し上げましたようなあいている時間帯に私大の通信教育の関係の方がぜひ自分たちの大学の放送をしたいと言われる場合には、それにこたえ得るようにというようなことについての配慮をいたしたものでございます。またそのほかの点につきましても、たとえば各地につくってまいります学習指導センターのようなものについて、私大側からの共同利用をさせてほしいという御要望等もございますので、こういったようなたぐいのものにつきましてもできるだけ御協力を申し上げていくというような姿勢をとっております。そのほか、この放送大学と私大の通信教育との間で単位の互換制度といったようなことについても配慮をできるだけしていきたい、こんなような構えでおるわけでございます。今後とも関係者と十分御相談をしながら、御要請にできるだけこたえていこうという姿勢でおるわけでございます。
○竹内(勝)委員 それでは時間でございますので、最後にNHKにお伺いします。 この放送大学の問題の経過として、私は先ほど大臣にも申し上げたとおりでございますが、今後どう考えても公共放送が二つできてくる。国民の方はそれを受けるのに、大学へ正式に入った人は授業料を払って受けていくのですから、それは費用をかけてそして聞いていく、見ていくという形になるわけでございますが、電波は勝手に流れてくるのです。テレビでキャッチしようと思えばキャッチできるのです。そうすると、片やいわゆる国営放送として教養にかかわる問題、大学の放送でございますからいろいろと教養を高めていく上での放送として受けることは十分できます。片や、完全に無料のものが受けられるわけです。民放もいわゆる無料で受けているわけですよね。NHKのみ公共放送として受信料を払って視聴していっているわけですよね。こういった複雑な三本立てになっていくということに関して果たしてどう考えておるのかどうか。それから、完全にもう別のルートでこの電波を流していく形になっていくのかどうか。そういった面をNHKとしてはもう完全に放棄して、勝手にやってもらえばいいのだというような考えでおるのかどうなのか。いままでのその経過、どういうプロジェクトにどう参加してやってきたのか、そういった面も、もう時間が終わっておりますので概略で結構でございますが、その面を御報告いただきまして終わりたいと思います。
○藤島参考人 ただいままでのいろいろ御審議の経過も伺っておりまして感じておるわけですけれども、おっしゃるとおりに従来、放送法が二十五年に施行されましてから今日まで、日本には申し上げるまでもなく公共放送であるNHKと民間放送という二本立ての制度がある程度定着をしてまいっておるのが現状でございます。そこへ新しく放送大学学園による大学放送が追加されるわけでございますから、法律的には問題はないと言えばないのかもしれませんけれども、現実には当然いろいろ問題が起きてくるのじゃないかといろいろ考えておるわけでございますので、そういうことにつきましては、私どもは従来もそうでありましたように、あくまで国民全体のコンセンサスの上で仕事を進めていきたいという姿勢を今後も持ち続けていきたいと思います。そういう意味で、NHKの財政の基盤はあくまで受信料制度でございますので、そういう全体の合意を進める中で受信料制度というものが確実に維持、確保できるような形をぜひ進めてまいりたいといま考えておる次第でございます。
○竹内(勝)委員 どうもありがとうございました。
○石野委員長 青山丘君。
○青山委員 若干前の質問と重なるかもしれませんが、渡辺委員も久保委員も触れておられましたが、午前中にはNHKの昭和五十四年度収支予算について説明を受けました。私一つ心配するのは、事業収入の伸びが前年に比べてわずか二%程度、それに比較して事業支出の伸びが七%を超えている。このアンバランスが昭和五十四年度だけで済めばいいわけですけれども、どうも見てみますと、新規の受信契約が伸びていかない。したがって、五十四年度、五十五年度、五十六年度、五十七年度にわたってNHKの収支の見通しを立ててみると、どうしてもそこには七%から九%くらいの構造的とも言える赤字が続いてくるのではないか。恐らく私は、じゃこの赤字はどうしてやるのですかとお尋ねすると、事業の効率的、合理的な運営に努力をするというふうな抽象的なお答えになると思うのです。しかし、そういう抽象的な答弁では具体的にこの赤字が埋まっていかない。現実には、現在見通される状況では毎年二百億円以上の赤字が重なっていくのではないか。したがって、NHKはその解決にはどうしても受信料の月額の問題が出てくる、こういうことなんでしょうけれども、私は五十四年度受信料月額据え置きということは一応了としております。ただ、現実、この構造的な赤字と言っていいかどうかそれはわかりませんよ、けれども、この赤字の累積が見通される今日、具体的にどのような方策をとられようとされるのか、まず最初にお尋ねをしておきたいと思います。
○山本参考人 先ほどもお答えいたしましたが、現在NHKの置かれておりますいろいろな受信料の点を含めまして、今後のNHKのありよう、あり方というものを考えますと、必ずしもプラスの条件ばかりではなくて、むしろマイナスの条件の方がふえてくるのではないか。したがいまして、いろいろな手を打てという御指摘もいままで何回も受けておりますので、私たちも今後のNHKの財政状態というものを安定させるために、できるだけいろいろな方法を考えてもまいりましたし、できるだけの効率化の努力もいたしてまいりました。たとえば、単に受信料の対象になります世帯の数のふえ方というのがもうほとんど硬直化したような状態であるだけではなくて、私をして言わしむれば、放送法がつくられました時点から今日までの間に、放送法をつくられた時点とは相当条件が異なった環境が出てきております。たとえば、NHKを取り巻く外的条件としましては、民間放送というものがきわめて大きな拡大をいたしてきておりますし、また民間放送の現在における収入というのは、すでにNHKの数倍になるぐらいの大きさを持ってきております。また、けさ方から御論議がございましたが、新しい放送大学というような施設も将来できることになっております。これはNHKにとって一切何の影響もないかと言われますと、私たちは、影響があるものと思いながらいろいろな施策をしていかなければいかぬだろう。これは何も影響がないのだということでの施策というわけにはいかないと思います。理論的にはともかく、現実的にはそういう問題も十分踏まえた上で今後のNHKのあり方を考えていかざるを得ない、こういうふうに思っております。 では、具体的にいまどう考えておるかと言われますと、やはり先ほど申し上げましたように、NHKの受信料というのはこれはNHKが本当に自主性、独立性を持って公正な報道をしていくためのかなめであるということでございますので、この制度はNHKは今後も堅持してまいりたい。基本的にはこういう制度を堅持してまいるといたしましても、それがより保障されるようないろいろな将来像というものも考えていかなければならないだろう。現状によってすべてが十全だとは思えない。むしろいろいろな条件の変更が来ておりますので、今後はそういういろいろな環境の変化にも対応した保障措置というものも含めまして、いろいろな措置を解決していかなければならないだろう。したがいまして、その中には、今後効率化をさらに努力をしていく面もあると思いますので、そういう点の努力も継続していかなければなりませんし、あるいは受信料をできるだけ確保していける方策というものにもなお力を入れていかなければならないと思います。しかし基本的には、先ほど申し上げましたように、NHKの財政の安定というものが余りに不安定になってまいりますと、その活力、NHKが本当に社会的使命を果たす活力を失うような不安定な状態というものは私は避けなければならないと思いますので、やはり受信料のあり方あるいは受信料の今後の改定というものも含めて、各方面あるいは国民各層の方々の御意見も伺いながら、単に受信料だけの問題でなくて、総合的な面でこれからのNHKのあり方について国民の御理解を得ながら施策を講じていくべきだという基本的な考えで、対内的にも対外的にもいろいろな具体的な手順を現在考えながら進めていこうというのが現状の段階でございます。
○青山委員 受信料の問題が基本的に取り組まれなければならないということは私も考えてはいるんですが、さてしかしその受信料の額とNHKが公共放送機関として果たす役割り、そしてその役割りを国民が理解をしていく、その調和というものがなければならないわけでして、NHKとしては公正な放送を確保していくためには、基本的には受信料で賄っていく、この立場は当然であろうと思うのですが、しかし、公共放送機関のNHKに対して、国としても、たとえば、朝からあるいは昼からの議論の中に出ておりましたが、国際放送の交付金の額についてもまだまだ問題があろうかと思うのです。郵政省もそれなりにこの問題については取り組んでいかなければ、健全なNHKの財政というものが保障されていくかどうか、見通すことができるかどうかという問題になってきています。 私は最近NHKのテレビをよく見るのですが、大型プロジェクトの「NHK特集」、金曜日ですか、「放送文化」という雑誌を見ていましたら、毎日芸術賞受賞作品も出した、あるいは放送文化基金賞ですか、あるいは文化庁の芸術祭奨励賞受賞作品も出てきた、従来にないいい作品だという評価を受けてきていると思うのです。それはそれなりにNHKの放送、報道に対する国民の信頼感を高めてきている。したがって、NHKがこれからも見通しを立てなければならない事業支出の伸び、七%から八%程度、これはある程度確保していかなければならないと思うのです。 さてしかし、先ほども触れたように、事業収入がやがて二%程度にずっとなっていくということになってきますと、その差はだんだん広がっていく。そういうことで、ひとつ基本的に、NHK財政が健全化をしていくための取り組みというものにこれからしっかりと取り組んでいただかなければならぬと思うのですが、その点についてNHKと、郵政省には国際放送の交付金についての御見解をいただきたいのであります。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 私どもの方といたしましては、国際放送の重要当てつきましては、特に最近の国際間の動向等も勘案をいたしながら非常に重要であるという認識をいたしております。それで、三、四年ぐらい前までは、私どものただいま申し上げましたような重要であるという認識に立っての努力にもかかわりませず、国際放送の命令放送分の額の増高につきましては目立ったような増加がほとんど図れなかったわけでございますけれども、幸いにいたしまして関係方面の理解も十分にいただきながら、ここ三、四年間は毎年度比較的大きな増高が見られておるというふうに実は考えておるわけでございます。それで、五十四年度政府予算原案におきましても、一般会計の平均伸び率を超える二〇%を超えます増高がなされておるわけでございまして、私どもといたしましては、これでもって十分であるというふうには決して思ってないわけでございますが、今後ともひとつそういった面で努力を続けてまいりたい、そのように考えておるわけでございます。
○藤島参考人 けさほど御答弁申し上げたのと一部重複するかもしれませんけれども、ただいまの御質問のとおりNHKはいま非常に困難な状態に立ち至っておりますので、五十一年度の受信料の改定を当委員会で議論していただきまして実現した際に、今後の問題はできるだけ長期的展望に立って経営の安定なり財政の問題を考えなければいけないということを再三御指摘をいただきまして、また郵政大臣のいろいろ御意見の中にもそういうものがございまして、五十二年の六月、そういう御意見の中からNHKの当面しておる諸問題をいろいろ検討していただくために経営問題委員会というものを外部の方たちにお願いして始めていただいたわけでございます。昨年の十一月に、その間十数回の会合を持っていただきまして、いまのところ中間報告的なものでございますけれども、一応御報告をいただきまして、特にその中で、これから先のNHKの経営あるいは財政の問題についてはより幅の広い国民的場でのコンセンサスが必要であるから、もう少し幅の広い委員会をつくってぜひそういう面についてもっと突っ込んだ検討をすべきだということがございまして、私どもも全くそのとおり、だと思いますので、近く、新年度になりましたらそういうふうな意味の、言うならば基本問題に関する幅の広い各分野の諸先生方にお集まりいただいた委員会を発足していただくつもりでおります。ただいま機能しておりますNHK経営問題委員会もその中へ一緒に入っていただきまして、従来の議論の経過との継続の中においてこれから先の長期的な展望をぜひひとついろいろと御議論いただき、それを土台にいたしましてこれから先のNHKの、単に財政問題だけではなくて、おっしゃるとおり経営問題全般についての新しい展開をひとつ考えてまいりたい、かように考えております。
○青山委員 ぜひひとつNHKの健全財政のために取り組んでいただきたいと思います。 もうすでに受信障害については取り上げられておりますが、私は一般的な難視聴と切り離しまして、都市における高層建築物等による受信障害の解消について若干御質問いたしたいと思います。 都市への人口の集中とともに、土地利用の高度化、都市機能の近代化という社会的要請に基づいて建築物が高層化してきました。建築基準法が改正され、建築物の高さ制限がなくなってからは、二百メートル級の高層建築物が出現するようになったわけです。そのことによって、受信障害の範囲、とりわけ反射障害の範囲が広範かつ遠距離に及ぶようになりました。 そこでまず、高層建築物等によって受信障害を受けている世帯が現在どのくらいありますか。また、このような受信障害は京浜地区あるいは大阪や名古屋など大都市周辺が中心であろうということは容易に想像できますが、これらの地区別に幾らくらいあるのか、そして全体では幾らになっているのか、最近三カ年の推移を示していただきたいのであります。 なお、郵政省は五十一年度、五十二年度、両年度にわたって東京及び大阪の受信障害についてその実態調査を行いました。最近その結果を発表しているようでありますが、この点についてもあわせて御説明願いたいのであります。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 都市における受信障害の世帯数でございますが、都市の高度化が進むにつれまして増加をいたしております。地区別の障害世帯数を見ますと、昭和五十一年三月末につきましては残念ながら推計いたしておりませんが、五十二年三月末で申しますと、京浜地区が約二十三万世帯、京阪神地区が約十一万世帯、中京地区が約五万世帯でございまして、全体といたしまして約四十九万世帯になっております。五十三年三月末には、それぞれ京浜地区が約二十六万世帯、京阪神地区が約十二万世帯、中京地区が約五万世帯、その他を含めまして全体で約五十三万世帯に相なっております。一方、五十一年三月末、それぞれの地区ごとには推計をいたしておりませんけれども、全体で約四十六万世帯ぐらいはあったであろうというふうに考えております。 また、お尋ねがございました、郵政省が昭和五十一年度及び五十二年度に実施をいたしました都市における受信障害の実態調査の結果が一応まとまりましたが、それによりますと、対策がすでになされておりますような世帯及び面積を含めまして東京都二十三区では約三十七万世帯、これは全体の一一・四%に相なります。また、面積にいたしますと約六十一・六キロメートルスクエア、一〇・六%に相なります。一方大阪市で申し上げますと、約十五万六千世帯でして一六・三%、約四十・四キロメートルスクエア、一九・三%、こういったところが障害を受けているということに相なるわけでございます。
○青山委員 東京における障害率の数字が、私が違っておるのかおたくの方が違っておるのかわかりませんが、障害面積率は東京では一〇・六%、大阪では一九・三%。東京では十分の一の地域、この広い東京の十分の一の地域が障害面積になっているのです。大阪では五分の一、あの広い大阪の地域の五分の一が障害面積になっています。それから、受信障害の世帯数で見てまいりますと、障害率が一三・九%だと私は見ていますが、いまの答弁ではちょっと違っていましたね。大阪の方では二〇・二%。これで見てまいりますと、東京では大体八世帯に一世帯が受信障害を受けている。これは処理済みのものも含んではいるのですが、八世帯に一軒、大阪では五世帯に一軒。非常に多くの受信障害をいま出しているわけです。 ところが、テレビというのはいま国民生活に本当に深く根差してきている。したがって、この受信障害の問題は最近の重要な社会問題になってきています。何とかしなければならない。そのために具体的ないろいろな施策がとられてはおりますが、そこに入っていく前に、この間ある資料を見ていましたら、NHK及び民間放送に対する国民の接触率は平日で九三%であります。このことが何を意味しているかと言えば、テレビジョン放送を一日のうち少しでも見た人の割合が九三%だということです。ほとんどの国民が何らかの形でテレビジョン放送を見ていることを示しているわけです。このように国民生活に深く根差したテレビジョン放送は、良好な受信が確保されなければならないわけでありますが、現状は、むしろ高層建築物がこれから林立してくる可能性が強い、したがって逆行することが見込まれるわけです。NHKは本来、放送法のたてまえからしますと、全国あまねく放送を普及する義務を負っている。しかし、高層建築物などの人為的原因に基づいて生ずる受信障害に対してまではその解消を義務づけてはおらないのであります。しかし、近年都市において高層建築物が林立して、そのため遮蔽によるビル陰障害、反射による障害等、受信障害が出てきております。このような状況の中で、無線による普及義務を履行することだけでNHKの役割りは全うされたとすることは、放送法の立法趣旨にかんがみて必ずしも妥当ではないと考えます。そのために、NHKは、放送の普及義務を履行する一つの方法として受信障害の解消に努力すべきではないか、私はそう考えます。そのための費用の一部を負担することがまた適当であろうと思うのです。 そこで、NHKは、この都市の受信障害解消のためにどのような対策を講じてこられたか、それに要した経費は年間どれくらいであったのか、また五十四年度ではどうなっていきますか、お尋ねをしたいのであります。なお、NHKのこのような受信障害解消の努力にもかかわらず、受信障害が原因のために受信料を滞納している、拒否している人たちが多いと聞いておりますが、その状況はいかがでしょうか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 都市の建造物等によります受信障害につきまして、NHKは涼しい顔をしていてはいけないとおっしゃる御趣旨はよく理解をいたします。われわれといたしましても、できるだけの努力をいままでも続けてきたつもりでございます。ただ、本当の難視地域と違いまして、人工の構造物によりまして障害ができたものをすべてNHKの責任でこれを解決するというのはいかがかと存じますし、いままでの当委員会あるいは参議院におきます委員会でも原因者負担の原則ということを確立されまして、その点におきまして、われわれはその線に沿いまして努力をいたしております。 具体的にどういうことをやっておるか、また、どの程度の経費をつぎ込んでおるかという点につきましては、まず経費の方から申し上げますと、五十三年度、現在まだ執行中でございまして決算ではございませんが、予算で計上いたしましたのが四億一千三百万でございます。現在御審議をいただいております五十四年度予算につきましては、四億五千五百万を計上いたしてございます。 これだけの経費をもって何をやるかという御質問でございますが、受信者の被害の通告を受けまして被害状況の調査をいたします。まず、大きな建造物ができますとその被害範囲を決める必要もございます。つまりどの範囲に対策をすべきかという対策範囲の調査ももちろんございます。それから、その対策はどうすればいいのか。共同受信をするにしてもどういう方法がいいのか。相手の原因者の方は大部分お素人でございまして、そういう技術的な指導面、あるいはできた共同受信施設に対します維持管理の方法も、こういうふうにやればまず支障なくやれますよというふうな、後々のめんどうを見るための御指導というようなこともやっております。そういう技術的な面の御指導のほかに、われわれが一番苦労いたしますのは、原因者がなかなか素直に早急に対策をとってくださらない場合に、被害を受けております地域と原因者との間に立ちまして折衝をするということが非常な苦労をしている点でございます。 そんなことで、非常に軽微なものでございますと、受信者の御家庭のアンテナの向きをちょっと変えれば済むとか、この種のアンテナをお使いになればよくなりますとかいうような、受信者の負担の範囲で、老朽した、エレメントの折れたアンテナじゃ無理ですよというような面もございますけれども、大部分はいま申し上げたようなことでございます。
○青山委員 建築物が建つことによって受信障害が起きるわけですから、その原因者に負担をかける、原因者に責任がある、これは当然なことで、私もそう思っているのです。ただ、具体的に受信障害を受けた人たちが泣き寝入りしない方法、あるいはまた、NHKに普及義務がある、したがって放送しているんだということでみずから責任は全うされている、こういうものでもないと思うのです。受信障害があったままじゃなかなか受信料の確保ということも獲得ということもむずかしいでしょう。したがって、それが目的とは言いませんけれども、放送法の本来の趣旨からすれば、受信障害が解消できるようなNHKができる立場での具体的な努力というものもこれはまた必要ではないか、こういうことなんですね。それなりに、私は実は調べておるのですが、NHKはよくやっておられる。仲に入って問題の解決のために努力してこられたという成果も私聞いております。おりますが、そういう幅の広いNHKの活動というものも必要ではないかという意味で申し上げました。 ただ、受信料をそのために滞納している人たちがあります。この人たちの不満をどのように解消していくのか、こういうことがあります。五十三年九月末現在では四万六千件もあるというのですね。いま御答弁にはなかったのですが、こういう人たちが受信料を快く払えるようにしていく環境もまたつくっていかなければいけない。そのための解消する努力というのはどういうふうにしていくのか、お尋ねしたいと思います。 それから、時間がありませんので、ちょっと先へ進みます。 放送法は「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」これをその立法の目的の一つとしております。放送局からの電波が、建築物等によって遮蔽あるいは反射され、放送電波としての本来の効用を全うできない状態が生じた場合、それは従来国の施策により保たれてきた放送環境が破壊されたことになり、国は良好な受信が回復されるよう何らかの適切な施策を講ずる責務があると考えますが、いかがでしょうか。また、国は都市政策、都市行政の担当者として所要の措置を講ずるべき立場にあると考えますが、いかがでしょう。 また、国が電波監理行政を一元的に遂行していること等を考慮して郵政省の施策が待たれているのにもかかわらず、まだ十分ではないのです。したがって、それに先んじて地方自治体がいち早くその対策を打ち出しているようでありますので、地方自治体が行っている受信障害の解消対策について若干触れたいと思います。 まず第一に、現在、地方自治体の中には、環境保全のための条例あるいは中高層建築物の建築に関する指導要綱を定めて、その中で中高層建築物による受信障害について建築主に対応策を義務づけていると聞いておりますが、その条例及び指導要綱の実態はどのようになっておりますか、またその効果についてはどのように受けとめておられるのか、お尋ねします。 第二に、地方自治体の条例及び建築指導要綱等の年度別制定状況を見てみますと、昭和四十六年度わずか七市でありました。翌四十七年度には一県、三十二市、七区、次の四十八年度では四県、四十三市、四区、四十九年度では一県、二十八市、一区と、それぞれ急激にふえてきております。これは都市における受信障害の被害が著しく多くなっていることを示すものではありませんか。郵政省は、この受信障害の解消については従来から原因者責任主義のたてまえに基づいて原因者たる建築主と被害者との話し合いによって解決すべきだ、そういう行政指導を行ってきたわけでありますが、しかし、テレビジョン放送難視聴対策調査会がその報告書の中で「従来の難視聴解消対策については、国、地方公共団体、放送事業者、建築主等関係者がそれぞれの考えに基づき、かつ、それぞれの立場から取り組んできており、必ずしもそれらの間の意思疎通が十分であったとは認め難い。」こう指摘しておるのです。これまでの郵政省と地方自治体との連携はどうであったか、また自治省は、郵政省の受信障害解消についての行政指導についてどのように考えておられるのか、御見解を伺いたいのであります。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 まず、都市受信障害に対する地方自治体の条例、指導要綱等の制定状況等でございますが、都市における受信障害に関しましては、地方自治体が条例等によりまして原因者に対し紛争解決への努力を求めておる例が非常に増加しておりまして、昭和五十三年三月末現在で百五十県市区町が制定をしておりまして、それなりに有効な成果を上げておる、こういう状況でございます。 それで、都市受信障害解消について郵政省と地方自治体との連携関係でございますが、実は電波障害防止中央協議会というものが郵政省を中心にいたしまして昭和二十九年の四月に設立をされておるわけでして、本会は、電波障害防止協議会の中央機関といたしまして、電気的原因等による放送等無線通信の受信障害の防止を図り、もって電波利用面における公共の福祉を増進することを目的とするわけでございます。 電波障害の防止を図る目的をもって組織されております電波障害防止協議会、これには当初から地方自治体も加盟していただいておるわけでございまして、電障協というふうに省略して呼んでおりますが、電障協を通じまして、実は先ほど先生御指摘ございました都市に高層建築物が建ち出すちょうど昭和四十六年度ごろから、障害の防止に必要な措置を講ずることを定める条例等の制定について地方自治体に働きかけることを電障協でまず取り決めをいたしまして、当省といたしましても五十一年三月に策定をいたしました指導要領の周知普及を図ってまいったということでございます。したがいまして、電障協は東京に中央協議会を置くほか、地方電波監理局の所在地、これは十一地区ございますけれども、これに地方協議会というのが置かれております。また、それぞれの県には県協議会が置かれております。さらに約百の市町村に支部を持っており、地方協議会以下のほとんどに関係地方自治体の加盟を見ておるわけでございまして、四十六年ごろから郵政省を中心にいたしました電障協で決議をいたしまして、それに参加をしてきております自治体にも協力をお願いする、また主要なメンバーでございますNHK等の御協力も得ながら、条例等の政策に協力を求めていったということでございます。
○末吉説明員 テレビジョンの放送の難視聴解消につきましては、基本的にはただいま先生が言われましたように、放送関係業者と受信者の責任と負担においてなされることが基本であるものと考えております。また、いま御指摘の、問題になりました高層ビル等の建築によりまして電波障害が発生した場合には、当然のことながらこの原則の上に立って対処されるものだと考えております。
○藤島参考人 NHKの対処の仕方という御質問でございましたので簡潔に申し上げますけれども、先ほどからお話がありましたように、NHKという企業の性格からいいまして、受信料が取れるとか取れないという問題はもちろんございますけれども、NHKから出ている電波が届かないということに対しては無関心ではおれないわけでございます。それで、いままで御説明がありましたようないろいろなことで御協力を申し上げ、毎年数億のそのためのお金も計上して予算的に実行をしております。ただ、それだけではだめでございまして、都市受信障害というのは最近ひどくなった問題でございますので、技術的に解決する方法もこれからいろいろ研究していけばもっと開発の余地がたくさんあるものだと考えております。そういう意味で、いまの都市受信障害の解消が非常にむずかしい一つの側面は、非常に高くつくということでございますので、なるべく安い方法で技術的に解決できる方法を私どもの技術研究所あたりが中心になっていろいろ検討いたしております。 一つは、放送衛星の問題として開発しました新しいSHFの電波を使って都市難視の解消をやりますと、現在の有線方式よりもかなり効率的にできるということも一応ここ数年の実験で出てまいりましたので、近く郵政省ともいろいろ御相談をしながらそういう安く解決できる新しい方法をいろいろと検討しているというのがNHKの実情でございます。
○青山委員 時間がありませんから、触れてはどうかと思って迷っておるのですけれども、たてまえはみんなよくわかっているのです。たてまえはみんなよく理解しておるのですが、さて具体的な事案について問題が解決する裏づけがなかなかない。それが受信障害を深刻な問題とさせている。技術的には解決しているのです。技術的にはできないことじゃないのです。ただ、いまおっしゃったように高くつく。結局費用の負担の問題に最終的には帰着してくる、こういう問題であろうと思うのです。 時間がありませんので、その問題も後でちょっと触れさせていただこうと思いますが、建設省来ておられますね。——時間がありませんので簡単にお尋ねしますが、服部前郵政大臣が都市の受信障害解消のために建築基準法を改正する問題について、当時、直接建設大臣と話し合いをされた。それに基づいて事務当局間に協議が行われたと聞いておりますが、今日なお解決を見ていないのはどのような点に問題があるのでしょうか。その後の折衝の状況を郵政省と建設省にお聞かせいただきたい。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 建設省とは、建設主が建築確認を受ける際に、その建築物による受信障害の対策をチェックするようなシステムがとれないものかどうかということにつきまして現在協議をしておるところでございます。 問題点が幾つかあるわけでございますけれども、たとえばいわゆるテレビジョン放送の受信権あるいは電波の通行権というものと建築主の私有財産権の関係はどのようになるのかというような問題点、あるいは新設、既設の建物につきまして、先生御指摘になりました費用負担の公平をどのように確保していくのかというような問題点、あるいはこれも御指摘ございましたが、建築基準法、これは建物の敷地、構造、設備、用途に関する最底の基準を定めるものでございまして、受信障害に関する規定は現行法の目的になじむのかどうかというような幾つかの重要な問題点がございまして、現在引き続きその解決に努力をしておるという状況でございます。
○和田説明員 ただいま郵政省の方からお答え申しましたとおりでございます。
○青山委員 郵政省の「高層建築物による受信障害解消についての指導要領」が出ておりますが、それを見ますと「近い将来においてSHF帯放送による受信障害解消も期待できるが、当面の受信障害解消手段としては技術的見地等からみて、共同受信施設の設置によらざるを得ない場合が多い現状にあると考えられる。」としておられますが、私も現状では共同受信施設によるのが最も適当ではないかと考えております。むしろ、都市難視聴の解消の手段は共同受信施設を主流とするとはっきり方向づけすべきではないかとさえ考えているのですが、この点についてはどう考えておられますか。このことに関連して、私は、たとえば四階以上の建物を建築する場合に、共同受信用のアンテナの設置を義務づけたらどうであろうかと考えているのです。そういうことになれば、アパートなどに数多くのアンテナが林立して町の美観を損ねているということもなくなってくるでしょうし、また受信障害解消にも直ちに役立つ、そういうことにもなるのではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。 さらに、郵政省は現在、高層建築物等による電波障害の解消については原因者責任主義によって解決を図るよう指導しておられるところでありますが、これは法律による裏づけがありません。原因者と被害者との間の話し合いによらざるを得ないわけで、同時にまた、反射障害や複合障害など原因者を特定できない場合も出てくるわけで、問題の解決までに長い時間と大変な労力を要する事例も多くなってきております。こういうことでは結局被害者にそのしわ寄せが行くことになるのでありますから、受信者に泣き寝入りをさせないためにも、被害者擁護の面からも、原因者責任主義に何らかの公法的、法律的裏づけを与えることが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 都市受信障害解消の施設といたしましては、先生御指摘のように高性能アンテナの設置、SHF帯放送局の設置等いろいろな方式が現在すでに実用され、あるいは開発が急がれているわけでございますけれども、現在の技術、経済性等を考慮いたしました場合には、有線による共同受信施設の設置が主たる対策であろうか、こういうふうに考えております。したがいまして、共同受信施設の設置が円滑に行われるためには制度的にも種々の考案が必要でございますので、御意見を十分に参考にさせていただきながら今後検討を急ぎたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 次に、原因者責任主義の観点に立って立法を急ぐべきではないかということでございますが、都市受信障害の解消は郵政省といたしましても最も重要な課題の一つであるという認識に立ちまして、省内に難視聴対策委員会を設置をいたしまして従来種々の対策を打ち出してきたわけでございます。たとえば五十一年の三月には指導要領を策定をし、それによって原因者負担をたてまえとした共同受信施設の設置に関する当面の当事者間協議における基準的な考え方を明らかにして建築の指導をしてまいりました。相当現在ではこういう考え方が定着をしてきておるというふうに考えております。また、昨年の七月には学識経験者から成りますテレビジョン放送の受信障害に関する調査研究会議を設けまして、いわゆる制度的解消方策等の検討をお願いしてまいっておるわけでございます。私どもといたしましては、これらの検討結果を踏まえまして、できるだけ早急に制度的解決を図る方向で結論を得たいものというふうに存じております。
○青山委員 委員長、最後に質問を許してください。 受信障害については、これが解消される方策は先ほども触れましたが、あると思います。有効にこれを解消する技術的方策が存在しますので、したがって、建築物を建築する原因行為を規制することなく障害の解消を図ることができると私は考えます。建築規制をしなくとも解決することができると考えます。しかし問題は、先ほどから話し合われておりましたように解決に要する費用の負担に帰着するわけです。テレビジョン放送難視聴対策調査会の報告書は、都市難視聴解消の制度的解消の方策として、建築主その他の受信障害関係者からそれぞれの責務と受益に応じてお金を拠出させて、これによって受信障害解消基金を設立することを提言してこられたわけです。この基金設立構想については私は賛成をしておるものでありますが、一日も早く実現されることを望む立場から、郵政省はこの構想についてどの程度まで検討しておられるのか、どういう点に問題があるのか、さらに郵政省もその実現をもし望んでおられるとするならば、いつごろまでに実現させたいと考えておられるのかお尋ねしたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 テレビジョン放送難視聴対策調査会の報告書におきまして、都市受信障害の集団的解決策として基金構想が提言されたわけでございます。郵政省といたしましても、この報告書を受けまして、省内に設けました難視聴対策委員会を中心に種々検討を続けてまいりましたが、これを実現するためには幾つかの解決を要する重要な問題点がございます。たとえば実施主体をどうするかという問題、それから基金の対象地域設定の方法をどうするかという問題、建築主から徴収する賦課金額の決定方法といった幾つかの重要な課題があるわけでございまして、先ほど申しましたように、昨年の七月以降学識経験者から成るテレビジョン放送の受信障害に関する調査研究会議を設けまして具体的な研究を現在鋭意行っておるという状況でございます。幾つかの方向づけがあるわけでございますが、現在それぞれの方向におきましてできるだけ深く掘り下げて最終的な方向づけをしてまいりたい、このように取り組んでおるわけでございます。
○青山委員 質問を終わります。
○石野委員長 藤原ひろ子君。
○藤原委員 NHK及び政府関係者の皆さん方には長時間にわたりまして御苦労さまでございます。私、きょうのしんがりでございますので、最後までよろしくお願いを申し上げたいと思います。 さて、五十四年度におきますNHKの事業運営は、その予算が示しておりますとおりに大変困難な事態に直面をしております。こうした困難な事態の中で、NHK経営陣の経営姿勢というのはまさにいま問われているのではないかというふうに思います。私は、NHKの財政、とりわけ受信料の収納問題について幾つか質問をさせていただきたいと思います。 現在、各家庭にテレビの受像機がほぼ普及をされておりまして、こうした中で、NHKとの受信契約率というのも五十二年度末で九〇%にも達しているわけです。世帯に対します契約率というのは今後飛躍的な増加を見込めない状態になっているというふうに考えられます。そこで、むしろ非世帯に対する受信契約の増加が今後のNHK財政のかぎになってくるだろう、こういうふうに私は思うわけです。 NHKにお尋ねをいたしますが、事業所等の非世帯に対する受信料収納率を高めるためにどのような努力をなさってきたでしょうか。
○中塚参考人 非世帯の契約は五十二年度末で七十二万で、五十三年度末で七十六万というふうに見込みまして、それで現在まで非世帯契約の積極化を進めておるわけでございます。私どもの日常の活動の中でこの非世帯契約というのを進めることはもちろんでございますけれども、昨年度から非世帯並びに独身寮の契約の積極化ということで、東京を初め各地方本部に特別のプロジェクトを設置いたしました。それで各企業の事務所にございます非世帯契約の対象になるテレビの契約化並びに各官庁のテレビの契約化というのを積極的に進めました。それで昨年の四月から現在まで全国で約一万四千件ほどの契約が上がりました。この中で独身寮の契約が約一万件余りでございます。非世帯の事務所に設置してございますテレビの契約が約三千件余り。今年度この特別プロジェクトだけで増加いたしましたのがそれぐらいございます。今後さらに各官庁並びに企業の非世帯の対象になります契約の積極化を進めたい。並びに、日常の活動の中で事業所のテレビの契約化をさらに積極的に進めたい、このように考えております。
○藤原委員 いろいろ御努力をしていらっしゃるわけでございますが、さらに具体的にお聞きをしていきたいと思います。 NHKの五十四年度の予算書を見ますと、五十四年度末の契約数を二千八百二十六万五千件というふうに見込んでいるわけですが、この契約総数のうち、世帯、非世帯別の受信契約見込みは、総数としてどのような内訳になっているでしょうか。また、その数字は前年度に比べてどのぐらいの増加になっているのでしょうか。簡単で結構でございますのでお答えいただきたいと思います。
○中塚参考人 五十四年度末の有料受信契約数は二千八百二十七万を見込んでおります。その中で世帯契約が二千七百四十九万、非世帯契約が七十八万ということでございます。 総数の増加では五十五万件の増加を見込んでおります。その中で非世帯契約が二万の増加、世帯契約が五十三万の増加というふうに見込んでおります。
○藤原委員 NHKのこの資料によりますと、五十二年度末は非世帯の契約数は七十二万件となっているわけです。しかし、この数字を見ましてもまだまだNHKに努力をしていただきたいし、また、できる余地があるのではないかというふうに感じるわけです。といいますのは、たとえば非世帯の対象に入ります旅館とかホテルの例をとってみましても、五十二年、ホテルの営業は千三百九十七、客室数は十二万八千三百七十六室、旅館営業は八万三千七十六、客室数は九十三万七千四百八十室、ホテル、旅館の客室数の合計は百六万五千八百五十六室にもなるわけです。もちろんこれらの客室すべてにテレビが設置されているというふうには思いませんけれども、しかし、非世帯の契約の中のホテル、旅館の一例をとってみましても、テレビ推定台数と現在の契約数との間に大きな隔たりがあるというふうに思われるわけです。こういう数字の隔たりについてNHKはどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○中塚参考人 藤原先生が、実際のホテルあるいは旅館の全体の部屋数から見て現在の契約数との間に非常に大きな隔たりがある、おかしいではないかというふうに思われるのを、私もごもっともに思うのでございます。私も実はこんなに隔たりがあるのかというふうに思っております。ただしかし、実際に調べますとそんなに隔たりがない。もちろん推定の設置台数でございますけれども、それから見ますと大体八〇%から八五%ぐらいの契約になっておるということでございます。だからもうこれ以上努力しないということでは決してございませんで、さらに努力をいたしたい、いたすつもりでおります。 ホテル、旅館ではございませんけれども、私どもで、昭和四十七年の十二月から四十八年の一月まで、新宿駅の周辺のビル二十六棟に入っております事業所、これが四百二社でございますが、それを対象に調査いたしました。そうしますと、四百二社を対象にいたしまして、この中で実際にテレビを設置していた事業所というのは八十四社しかなかった。これは実際に私どもの職員が参りまして調査したわけでございます。そういたしますと、四百二社で八十四社、一二%である。一社平均のテレビの設置台数は一・一台、九十一台しかなかったということでございます。 それからもう一つ、これは文書照会をやったわけでございますけれども、約二千百社を対象にいたしまして四十九年の二月に調査いたしましたら、二千百社の中でテレビを設置しておった事業所というのが四百五十社でございます。これが二二%。このように、われわれが常識的に考えているのと、実際に調べましたのとの間には相当の違いがあるということは、調査の結果ではそういうことでございます。
○藤原委員 もちろんNHKは受信契約に当たりまして立入検査する、立入調査権を持っているというわけではないわけですから、なかなかむずかしいと思うのですね。しかし、視聴者に働きかけるのと同時に、視聴者の要望とか意向を十分反映された番組づくりがなされるというふうなことであれば、おのずと視聴者の理解も得る、結果として契約数そのものも増大していくのではないか、こういうことも私は考えるわけです。 先日、NHKの京都放送局の労働者の方々と懇談をさせていただいたのですが、その席上、営業初め各部門の人たちが集まって放送委員会をつくって、受信料の収納率を高めるために積極的に労働者は労働者として検討しておられるというふうなことをお聞きして私も大変感動したわけですけれども、こういうような努力の中で、だからこそNHKは積極的にホテルとか旅館とかいうところへ、立入検査ができないのならば、その業者団体と懇談するとか、受信料について理解を得るために、一方的に報告されたのをうのみにするだけでなく、実はこういう隔たりがございます、疑うわけではありませんが、かくかくしかじかこういう苦しい事業の状態ですというふうなことも訴えていただいて、懇談を開くというふうな施策をとるべきではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○中塚参考人 先ほども申し上げましたように特別のプロジェクトチームをつくりまして、各企業、官庁等に非世帯契約並びに独身寮の契約についてお願いに上がっているわけでございますが、これは管理職を中心にしたチームでございます。こう言ったらなんでございますけれども、やはり大企業なり官庁、そういうところと話をつけます場合に、一般の委託集金の方あるいは外務の職員ということではなかなか意思の通じない面もございますので、管理職を中心にしたチームで官庁あるいは企業、もちろんその中にはホテル、旅館等も含んでおりますが、そういう事業所に対して対策を強めていくということでございます。
○藤原委員 ホテル、旅館、ここらにずいぶん、調査の結果、開きがあるわけですから、業者の団体、業界の団体と懇談をして理解を得るというふうな施策をぜひ積極的に行っていただきたいと思うわけです。 同時に、先ほど少し申し上げましたが、この受信料の収納率を高めるためには視聴者に対するNHKの姿勢が必然的に問われてくるというふうに思うわけです。私はNHKの基本的な性格を考えました場合に、視聴者とNHKが相互の理解と信頼、こういうことによって結びつくことがNHK存立の基本的な条件だ、こういうふうに考えるわけです。視聴者の多様な要望がございます、こういう意向を吸収して、それらを番組づくりに反映をさせていくということは、NHKの重要な任務にもなっているんじゃないかと思うわけです。そこで、NHKは視聴者の要望や意向を吸収するためにどのような施策をとってこられたのでしょうか。
○中塚参考人 視聴者の意向を吸収するというやり方につきましては、番組面につきましては番組審議会等がございます。それから考査モニターも設けております。それに一般の投書あるいは先般設置いたしました視聴者センター、そういうところで番組についての御意向、御要望等は承るというふうにしておりますし、それから、視聴者会議というのを設けましてもう二年半ほどになりますけれども、この視聴者会議は全国の放送局の所在地で設けておりまして、地方では年間に三回、東京では五回というふうなことで開催をいたしております。これは単に番組面だけではございませんで、NHKの経営全般について視聴者の御意向を伺うということでございます。それから、営業活動の中で団地の奥さん方を中心にしたりあるいはPTAの方々を中心にしたり、そういうことで視聴者懇談会というものも随時全国的に行っております。そのほか世論調査等も行っておりますし、また外務の職員あるいは委託の集金の方が訪問して集金をする場合に視聴者からの苦情あるいは要望というものを承ったら、それを報告をするというふうにいたして、できる限り視聴者の御意向を承るように努力はいたしております。
○藤原委員 いま言われました視聴者会議でありますとか番組モニター等々につきましては、全体の視聴者の数から見ましたらごく限られた視聴者だけではないかというふうに思うわけです。NHKの資料を見てみますと、四十九年度の当時に受信料全体の集金方法の比率は、職員による集金が三%、一般委託が五二%、郵政委託が一三%、口座振りかえが三一%になっているわけです。ところが五十四年度の予算の比率を見てみますと、職一員による集金は一%、一般委託が四六%、それから郵政委託は一二%、口座振りかえは四〇%になっているわけです。全体としまして、職員や委託集金人によります集金から口座振りかえによる集金のやり方に変化をしてきている。比率が現実にこのように数字として高くなっているわけですね。このような数字を見ますと、口座振りかえによります集金方法に重きを置いていらっしゃるのじゃないかというふうに思いますが、それはどのような理由からでしょうか。
○中塚参考人 確かに先生おっしゃいましたように、逐年この口座集金の率、パーセンテージがふえております。これは私どもが積極的にこの口座振りかえというのを推進しているわけでございます。と申しますのは、やはり集金コストの面からいいますと、口座振りかえというのはコスト面では一番安く上がるということでございまして、できる限り低コストで収納を行うということに重点を置いている次第でございます。
○藤原委員 おっしゃるとおり、口座振りかえにいたしましたならば、職員や一般委託の経費の節減とかその収納確保というふうになるかもわかりません。しかし反面、そのことによりまして視聴者との接点が薄らぐ結果にもなる。痛しかゆしの面がある。 そこで、どうするかという点で私は一つ御提案申し上げたいのですが、口座振りかえを行っている視聴者に対する意向吸収の方法として、たとえば年に一回でもいいですから、往復はがきなどの方法によって視聴者からの要望や意向を吸収するというふうなことも考えられるのじゃないか。そこで、たとえば五十二年度末の数字で計算してみたわけですが、契約世帯数は二千六百三十九万世帯ですね。これに対して、この年度の口座振りかえは三七%になっているわけです。対象世帯数は九百七十六万世帯になるわけですね。そこで、仮にこれらの対象世帯数の意見、要望を聞こうというふうな姿勢で往復はがきを出したとしたら、一回三億九千万円程度で済むわけです。程度で済むという理解か、三億九千万円もかかるという理解か、それは御討論いただきたい。しかし、国民の声を率直に聞こうということであれば、私は高くはないのだろうというふうに思います。 これは私の私案で、一つの例なんですね。ぜひこうおやりなさいとは申しませんけれども、とにかくこのような方法などを含めて、とりわけ口座振りかえを行っている視聴者に対して、その要望や意向を吸収するための施策を行うということが、NHKと視聴者を結びつけ、さらにはNHKの今後の発展にとりましても重要なかぎになっていくだろう、こういうふうに思うわけです。こういった問題について御検討いただくというふうなお考えはあるでしょうか。
○中塚参考人 NHKの経営問題委員会の御審議の中でも、NHKがこれから国民の理解と支持を得ていくためにはやはり視聴者との結びつきというものを重要視して考えるべきである、その中で、先ほど先生から御指摘のございましたように、約四〇%にもなる一千万からの口座振りかえを利用してもらっている視聴者との結びつきというのをどういうふうに考えるのか、年に一回くらい何かパンフレットでも送ったらどうだというふうな御意見も出ました。もう先生十分御計算いただきましたので私から申し上げることもないのでございますけれども、往復はがき一つにいたしましても、年に一回にいたしましても三億円かかる。どうも貧すれば鈍するでけちけちになりまして、やはり三億円ということを考えますとなかなか踏ん切れないわけでございますけれども、それがどういう効果が上がるか、三億円かけてどれだけの効果が上がるかということを十分見定めまして今後検討をしてまいりたい、このように考えております。
○藤原委員 三億九千万円が高いか安いかという点で、その価値の点ですね。私はもし三億九千万かけても非常に価値があるという利用の仕方をしなければならないというふうに思うわけです。 そういたしますと、さらに突っ込んで視聴者の意見を番組制作上に反映させるということを考えますときに、いまのやり方でいいのだろうかというふうに疑問を感じているわけです。といいますのは、NHKの番組制作の現場の職員の方、この方に率直な御意見を聞いたところ、視聴者会議等々で出された意見は、そのままではなくて、大変なお仕事でしょうから恐らく親切に簡略に整理をされるのだと思いますけれども、そういうふうに整理されたもので、しかもそれは部課長段階だけの閲覧ということになっているそうです。これは間違っていたらおっしゃってくださったらいいわけですけれども、私は、もしもそうであれば三億九千万円かけるのはもったいない、こう思うわけです。 ですから、現場の制作スタッフにすれば、毎日毎日自分たちが全知全能を上げてつくっております番組に対しての意見が出てくるわけですから、きょうよりはあすは一層よいものをつくりたい、そう考えていらっしゃる現場の人たちにすれば、できるだけ生の声を聞きたいというのが本当の姿だろうというふうに思うわけです。また視聴者にすれば、現場の人たちにできるだけ自分の生の声を聞いてもらって番組制作に大いに生かしてもらいたい、こういうのが出す側の本心だと思うのですね。みずから出した意見、要望は番組にどう反映されたのか、こういう角度で大いに期待をしてテレビを見たりラジオを聞いたりしているというふうに思うわけですね。両者の関係はこういう関係だと思うのです。そうすれば、部課長クラスで簡略化されたものを知りおく、言うてきたのをああ聞きおくぞというふうなことでなくて、生のままの声を制作スタッフに知らせる、そしてあすへの創造に生かすということが私は放送のマンネリ化ということも防ぐことになろうかと思うわけです。いやマンネリにはなっていない、日々これ新しくがんばっているとおっしゃるでしょうが、やはりたくさんの見ている方々の御批判を率直に受け入れるということがマンネリ化を防ごうとする姿勢ではないかというふうにも思うわけです。同時に、制作者の方々はその道の専門家でありますから、そこで生きがいをかけて仕事をしておられるわけです。そうすると視聴者からの、あるときには励ましの言葉であるとか、あるいは率直な意見であるとか、感想であるとか、批判であるとか、それは仕事の上で大いに役立ち、あすからの仕事に働きがいを感じるというふうな職場にもなろうかと思うわけです。こういう見地から三億九千万円ということを考えれば、NHK全体の予算から見て、それがびっくりするほど高いお金だろうか。国民の放送、国民のNHKという立場で考えるならば、大いに検討していただく問題ではないか。私の主張に対しては、その必要を認めていただけるのでしょうか。また、いまのやり方につきまして、現在の視聴者会議などで出た問題も部課長クラスでとどまっているというふうな点を改善していただく用意があるでしょうか、いかがでしょうか。
○中塚参考人 視聴者会議でいろいろ出されました御意見、御要望を整理をしていることはそのとおりでございます。しかし、それを管理職までで回覧をしているということはございません。もしそういうところがございましたら、今後十分徹底をさせて、担当者までちゃんと回るようにいたしたいと思っております。 それから、視聴者センター等へ電話あるいは訪問されて、いろいろ番組について御意見、御要望のありました分につきましては、それぞれの担当部局、その担当者に直ちに、視聴者センターからこういう意見、こういう要望があったということは連絡をいたしております。 それから、営業の方で小規模な視聴者懇談会等を随時やっておりますけれども、そういう席には、単に管理職だけではなくて、担当の番組制作者、そういう者に随時出席をしてもらいまして、視聴者の方々といろいろ御懇談をしているということも事実でございます。今後できるだけそういう視聴者の御要望、御意見を現場の番組制作に生かすようにさらに努力をいたしたいと考えております。
○藤原委員 国民の生の声を、視聴者の生の声をぜひとも制作スタッフに生のままで伝えていただきたい。部課長クラスでとどまっていることはないだろうということですけれども、そこらも一度点検をいただいて、もしとまっていたならば、ぜひスタッフの方々にまで見せていただきたい。簡略化せずに、たとえばこの字を見て、子供が切々と書いているとか、書は体をあらわすというわけですから、おじいちゃんやおばあちゃんが鉛筆をなめなめ書いてくれたなというのは、生のを見ればわかるわけですね。そういうものが制作スタッフに伝わり、あすへの創造力ということにもなっていこうかと思いますので、この辺ぜひ改善をしていただきたい、重ねてお願いしたいわけです。 次に、先ほど京都の左京区久多地区の辺地難視問題が出ました。鋭意検討してきたということで大変ありがたいわけですけれども、この中で、七十分の四十世帯をできるだけ早く完成させるために努力しているというお言葉でございましたが、私、先日京都市の方に問い合わせをしてみたわけです。京都市としては、住民が三年前からNHKに強く要望している、しかも昨年六月の時点で、京都市は地区住民の要望を受けまして、NHKにどのぐらいの費用がかかるのでしょうか明らかにしてほしいという話を持ちかけているわけです。今月の九日に京都市と話を私いたしましたところ、京都市当局の市民相談室の盛田相談課長は、市としても幾らかの補助をしなければならないと考えている、しかしNHKからは今日まで何ら話が持ち込まれていないということなんですけれども、住民の負担を軽減するために京都市としても積極的に補助をしたいなというふうに考えているわけですから、ぜひNHKも京都市に積極的に働きかけていただいて、この久多地区の難視解消のために早急に京都市当局との話し合いをするべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。 先ほど竹内委員からの御質問にお答えしたわけでございまして、若干ダブるかと思いますが、先生の御指摘のように、従来の私どもの考え方、あるいは地元からの御要望に対しましては、難視世帯全部というつもりで検討を進めてまいっておりまして、非常に多額の金になるということで、これでは応じ切れないというふうに考えたわけでございます。その後市当局の方でも若干のことは考えられるというお話でございまして、先ほど申しましたように、一部の地区、中心地区を主体に、全部はできないまでも、ひとつ経済的にやる手はないかということで、早急に検討を進めたいと思っている次第でございます。全体を対象にいたしますのと、いま申しました中心部だけを対象にいたしますのとでは、受信をいたします受信点の選定につきましてもまた考え方が変わってまいります。そういうことで、いままでの検討ではうまくいかない、それを改めまして市当局と御一緒に全体が救済できるようにという方向で早急に取り進めたいと思っている次第でございます。
○藤原委員 京都のNHKの局長さんとも私話し合ってまいりましたが、この中で、NHKがやってくださる分、市がもう一歩奥の方まで引く分、こういうことでやるわけですが、視聴者にしましたならば、うちの家はNHKの分を見ているのだ、私のところは市がやってくれた分を見ているのだ、こういうことにはならないわけですね。ですから、ぜひ全体が協力してできる、そのために積極的にお話し合いをしていただきたい。いまのところ、私が聞いた範囲では、京都市はNHK待ちという姿になっているということでございますので、この点積極的にお話し合いに入っていただきたいということを要望したいわけです。 それから、その際、郵政省の五十四年度予算につけられましたあの辺地難視解消のための新規事業につきまして、市が担当する、それを京都府を通じて申請をするわけですけれども、先ほどの答弁では、運用に当たっては地方の意見をよく聞いてやるのだ、それと学校などがあれば重要視していきたいという御答弁でございましたが、この二つの条件は、この久多地域ではそろっているわけですね。地域の意見をよく聞いてということは、もう三年来意見を出してきておりますし、NHKとしてもどういうふうに分担すればできるという可能性もいま見出されてきているわけですね。京都市も歩み寄ってきている。それから学校所在地、これはもうあるわけですね。こういう条件がそろっているわけですから、申請があれば補助をするのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの件につきましては、十分前向きに対処をしてまいりたいと思っております。
○藤原委員 それではNHKにお尋ねしますが、いま郵政省の方から、出されてくるならば前向きに検討したいということですから、まずNHKが調査を始めていただかなければならない。いまお聞きしますと、共聴アンテナを立てる場所ももう一度検討したいということでございますから、私も昨晩電話を現地に入れまして、いま雪があるのかどうかを聞きましたら、やはり雪はあるわけです。いまは無理ですけれども、それではいつから始めて、いつまでに大体難視解消ができるのか、そのめどはあるのかどうか、このおつもりをちょっと明らかにしていただきたいと思います。
○沢村参考人 先生のおっしゃるとおり、いま雪があって行けないという報告が私どもの方にも参りました。雪解け次第調査に入ります。できるだけの努力をいたしまして、五十四年度中には完成に持っていきたいというつもりで取り組ませます。
○藤原委員 五十四年度中と申しますと、いまはまだ三月ですね。夏の高校野球が見られるのか、それとも年末の歌合戦になるのか、それこそずいぶん開きがあると思うのですけれども、いかがでしょうか。
○沢村参考人 先生方は、もう方針を決めればすぐできるとお考えになられるかもしれませんけれども、あの地形は、先生も十分御存じのとおりでございまして、本当に京に田舎ありで、どえらい山の中でございます。現在難視地域が多々あると申しましても、本当に絵が全然映らないところというのはほとんどございませんので、ちらちらしても絵が映る程度の電波の状況でございますが、あそこは本当に電波がほとんど届いてない。先ほど竹内先生が、音だけは何とか聞こえるとおっしゃいましたけれども……。したがいまして、受信点を選ぶのは大変でございます。ですから、先ほど申しましたように、雪解けを待ってできるだけ早くその調査をいたしまして、受信点を選定いたします。それから各御家庭の引き込みをどうするか。後々のめんどうを見るために、私どものつくりました施設につきましても、組合をつくっていただきまして、その受け入れ体制もつくっていただくわけでございます。いままでの御要望の線から考えますと、その辺の受け入れ体制は非常にスムーズにつくっていただけるのではないかということを期待いたしております。ですから、われわれが期限を明確に申し上げかねるのは物理的条件だけでございまして、来年度の優先候補地に組み入れまして実施に移したいということでございます。
○藤原委員 とにかく声はすれども姿は見えずというテレビでございますので、ぜひともこの五十四年度中といえども、せめて高校野球が見られるというふうなめどで調査を進め、京都市と話し合い、そして後の維持管理をどうするかとか、いろいろあるでしょうから、そういったことを着々と急いでお願いをしたいというふうに思います。 続きまして、私は、一昨年から問題になっております在日米軍当局におきますNHKの受信料契約拒否の問題、これについて質問をしたいと思います。 私は、在日米軍基地におきます受信契約の問題について、実は五十二年三月十五日と昨年の六月八日の二回にわたって当委員会で質問をさせていただきました。NHKはこの問題に対しまして、 この間どのような措置をとってこられたのでしょうか、お伺いいたします。
○中塚参考人 昨年の一月に米軍司令官から、米軍軍人軍属の受信料は一種の税金であって、日米地位協定によって支払いが免除されているので支払う必要はないという趣旨の指示が出されまして、それ以来数次にわたりまして米軍とNHKの間で折衝をいたしまして、この指示の撤回と受信料の支払いについての協力を要請したわけでございますけれども、平行線をたどったままでございました。 それで、七月に郵政大臣に、この問題の解決のための政府としての積極的な協力を要望したわけでございます。その後昨年の十月に、外務省と郵政省を通じまして、米軍の方で再度NHKと話し合いをしたいという希望のある旨伝えられましたので、昨年の十一月から今年の一月にかけて四回にわたりまして、アメリカ側は日米合同委員会事務局長のアイゼンスタイン、アメリカ大使館一等書記官のフェザーストン、この両氏を中心にいたしまして私の方の責任者と折衝をいたしたわけでございます。 その結論といたしまして、アメリカ側から次のような態度表明がございました。それは、一つは、NHKが米軍関係者に受信料の請求をすることは自由である、しかし、米軍基地内への立ち入りは認められない、しかし郵便によって請求をすることは可能である。それから、米軍関係者で受信料の支払いをしようという意思のある者が支払うことは自由である。それから三番目として、日米地位協定により受信料は免除されているとの米軍としての見解は変更できないけれども、今後そのような見解を積極的に表明することはしないというふうな米軍側の態度が示されまして、二月七日に在日米軍司令部のラビング司令官から私あてに、米軍としての態度を表明した書簡が参りました。その書簡の趣旨は、在日米軍当局は、米軍関係者が受信料を支払うことを禁止するいかなる通達も命令も出したことはない。二番目として、米軍関係者で受信料の支払いをしようとする意思のある者がこれを支払うことは全く自由である。三番目として、米軍としては、米軍関係者は日米地位協定第十三条により受信料を免除されるという見解であるという三点の要旨の書簡でございました。 それで、これを検討いたしまして、私どもとしては、この見解が変わらない限り根本的な問題の解決にはならないけれども、われわれとしては米軍軍人軍属の受信契約並びに受信料の収納について、基地外並びに基地内において訪問あるいは文書による契約の勧奨ということで最大限の努力をしようというふうに考えた次第でございます。 それで、二月十日付で私の名前でラビング司令官あてに返書を出しました。今後、米軍施設内の居住者についても基地外居住者同様に契約勧奨を行うので了承されたいという趣旨と、それから、この問題は日米地位協定に関する双方の解釈の相違が解消しない限り基本的解決にはならないので、その点を理解し協力してほしいという趣旨の返書を出しました。 それで、現在、具体的に基地内の居住者に対して文書を発送するその手段、やり方、これは電話帳を入手いたしました、それに基づいてやるつもりをしておりますが、そういう具体的なやり方について検討をして準備を進めております。それと同時に、郵政省に対しましてこの経緯を説明いたしまして、今後この問題の解決のために政府としても御協力いただきたといういうことを郵政省にもお伝えいたした次第でございます。
○藤原委員 郵政省にお尋ねをしたいと思います。 いまのNHKの答えでは、五十三年、五十四年と、この間四回にわたって在日米軍当局と折衝をしてきた。しかし、ここではっきりしましたことは、まだ依然として在日米軍当局はNHKの受信料については、日米地位協定で言うところの「租税又は類似の公課」こういう対象であるという見解をとり続けているということだと思うわけですね。それじゃ郵政省は、NHKの受信料というのは日米地位協定十三条の一項にあります「合衆国軍隊は、合衆国軍隊が日本国において保有し、使用し、又は移転する財産について租税又は類似の公課を課されない。」という条項の対象ではないというふうにお考えになっているのでしょうか。郵政省にお尋ねをいたします。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 受信料の法的性格につきましては、従来から政府の見解といたしまして、日米地位協定第十三条第三項に言う「租税」には該当しないという旨を表明しておるところでございます。この問題につきましては、先ほどNHKの方からお話がございましたように、NHKと在日米軍司令部の間の折衝では解決は困難であるというふうに考えられましたので、郵政省といたしましては、当問題は日米合同委員会の議題とするのが適当であろうというふうに考えまして、昨年の七月、外務省に米側との折衝を依頼したわけでございます。その結果、昨年の十月中旬、外務省を通じて米側より、当問題について再度在日米軍司令部とNHKとの間で直接話し合いたいという申し出がございましたので、先ほど来お話がございましたような経緯を経まして、最近、NHKといたしましても積極的に勧奨活動を行うという旨を在日米軍に伝えるとともに、現在、鋭意契約勧奨のための作業を行っておるという状況でございます。 したがいまして、郵政省といたしましては、先生御指摘の点につきましては依然として租税、公課あるいはそれに準ずるものではないという見解はとっておるわけでございますけれども、現在までのこのような折衝経過から見まして、当面はNHKの勧奨状況を見守る。さらには外務省とも相談をいたしながら、できるだけこの勧奨成果が上がるように努力をしてまいるということを考えておるわけでございます。
○藤原委員 いま明快に「租税」には該当しない、こうおっしゃっているわけです。そうすると大変矛盾があるわけですね。もちろん私も、放送法を受けまして在日米軍の軍属等に対する契約行為を行うのはNHK自身だと思うわけです。このことにつきましてNHK自身異論はないというふうに思うわけです。しかし、在日米軍当局が依然としてNHKの受信料について間違った解釈をしているわけです。そうであるならば、幾らNHKの努力を待つと言われても、大もとが違うわけですからどだい無理な話であるわけです。この問題は単に受信料収納問題にとどまるだけでなくて、NHKの根幹にかかわる重要な問題だというふうに思います。 それだけではありません。事は在日米軍当局が日本の法律を勝手に解釈をして日本政府に押しつけているというところに重大な問題があるわけです。つまりそれは日本の主権にかかわる重要な問題であるわけです。だから私は何度も何度も質問をしているわけです。在日米軍当局にこのような勝手な解釈を続けさせて日本の主権侵害を放置しておくのか、こういう状態がいま日本の政府に問われている問題であるわけです。憲法の第七十三条、内閣の権限、ここには「内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。」というふうにして、第一項では「法律を誠實に執行し、國務を総理すること。」と書いてございます。第二項では「外交関係を処理すること。」こういうふうになっております。日本政府が、日本の主権にかかわりますこういう問題で、わが国の憲法に従って在日米軍当局の勝手な解釈を許さない、こういう立場に立つことがこの問題を解決する第一歩になるわけです。外務省は、在日米軍当局に日本の法律を守らせるつもりが一体あるのかないのか、明確にしていただきたいと思います。 同時に、時間がありませんので、最後に大臣にお尋ねすることを一緒に申しますけれども、私は、この在日米軍の折衝窓口はもちろん外務省だ、こういうふうにしながらも、この担当の郵政大臣は、事の促進のためにもっと目を光らすべきではないか、これはあなたのやるべき仕事ではないか、こう思うわけです。私がこの問題を取り上げましてから、先ほども申しましたようにこれで三年目です。その間大臣は三人おかわりになったわけです。幾らおかわりになりましても、あなた方のやっていることは責任回避のたらい回しだということが本日またここで浮き彫りになったというふうに思うわけです。大臣は、NHKの五十四年度予算につきましておおむね適切であるというふうにおっしゃっておりますけれども、私は、NHKの収支予算は適切かもしれないけれども、郵政省が責任を持って外務省と連携をして、日本政府としてやるべき仕事、これは非常に怠慢であったというふうに思います。大臣、いかがでしょうか。在日米軍のこの受信料の問題につきまして大臣の態度は適切でない、私はこういうふうに思いますが、いかがでしょうか。外務省と、最後に大臣に御答弁いただいて終わりたいと思います。
○石野委員長 簡潔に。
○丹波説明員 簡潔に答弁いたします。 外国との間で条約であるとか協定を結んで、特定の条項の特定の言葉について、その意味をめぐって解釈に相違が起こるということは珍しいことではないわけでして、そういう場合には向こうの政府とこちらの政府とが話し合ってその誤解を解くという交渉は常に行われておるわけでございまして、解釈の相違があるからといって、向こうがそれを押しつけてそれが主権侵害云々ということには、必ずしもすぐそういう議論はできないと私は考えております。この問題についてはそういう根本的な問題がまだ残っておる、かつ小さな問題ではないという点では、私は先生と全く同意見でございます。ただ、本件につきましては、実際に実務を担当しておられるNHK及び郵政省の当局が、この間までのNHKと米軍との話し合いの結果、NHKが契約勧奨活動をやってみる、当面それを見守りたい、こういうお話で、そういう勧奨活動を見守った上で、アメリカとやはりもう少し話し合いをやってみる必要が今度は政府のレベルであるということで外務省に話が来た場合には、その時点で合同委員会なり何なりで取り上げることをアメリカ側ともう一度話してみたい、こういうふうに考えております。
○白浜国務大臣 いま外務省の安全保障課長からもお答え申したとおりでありますが、大分長い間、三年目だというふうな話を承りましたが、私が三代目かもしれませんけれども、耳にしたのが最近でございます。そういうふうな非常にまどろこしいところはお許し願って、せっかく外務省も郵政省も、またNHKも一体となっていま折衝をまた新たにしようというところでございますので、待ちついでと言っては語弊がありますけれども、もう少し時間をかしていただきたい。国と国との折衝はなかなか時間がかかることだということを御了承いただきたいと思います。
○藤原委員 終わります。
○石野委員長 次回は、来る十九日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二分散会 ————◇—————