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87回国会衆議院1979/05/31

地方行政委員会 第15号

発言数
152
登壇者
13
会派数
3
開催日
1979/05/31

会議録

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出に係る消防施設強化促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加地和君。

加地和新自由クラブ

○加地委員 最近は、高速自動車道等の道路網の拡大及び大規模危険物施設、高層建築物等の増加等による災害の広域化、大規模化の傾向に対し、現在の市町村消防の体制では十分な対応ができないのではないのかという心配がございますが、いかがでございましょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 御案内のとおり、昭和二十三年の消防法及び消防組織法によりまして、消防は市町村の業務ということになりまして、当該市町村の管轄区域内における住民の生命、財産を守るのは当該市町村の消防の役目になったわけでございます。御指摘のように、それ以来三十年の間に世の中の移り変わりは非常に激しいものがございまして、高速道路上の事故あるいは災害、最近では地震といったような大規模な被害が想定されるような事態にもなってきております。したがって、市町村消防だけでは不十分ではないかという意見も一部には出ておるところでございますが、私どもは、基本的には消防法、消防組織法の精神に照らしまして、住民の最も身近な行政である消防というのは、やはり第一線の地方公共団体である市町村が責任を持ってやる体制というのは今後とも維持すべきだと思います。  ただ、現実問題といたしまして、そういった広域な災害というのが予想されますので、そういった場合は、まず市町村が共同でそれに当たるということで、地域によりましては、一部事務組合をつくって常備消防を置くとか、あるいは応援協定の網を張りまして、自分の町の消防力だけでは対応できないという場合には、周りの市町村の消防が駆けつけるというような体制を整備していく。しかも、最近の災害対策基本法あるいは石油コンビナート法といったような法律によりましては、市町村の消防力をカバーする意味での都道府県の役割りというのを明記してございます。また、消防法の中におきましても、市町村の消防に対する都道府県の指示あるいは指導、そういったことも盛り込んでおるわけでございまして、市町村自体でできない場合は都道府県がカバーするというような現行体制をますます整備強化していくことによって対応していきたいと思っております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 たとえば高速自動車国道における救急体制として私が理解しておりますのでは、「日本道路公団が交通管理業務と一元的に自主救急として処理する責任を有するとともに沿線市町村としても消防法の規定に基づく処理責任を有する」とされておりますが、実情では、消防白書等で見ますと、二千百九十四・五キロメートルの高速自動車国道におけるうち、市町村の消防機関が実施しておるのは二千百二十三・六キロメートルでございまして、ほとんど九七、八%に近いもので、日本道路公団の方は自主救急というものをやっていないかのように白書は読めるのでございますけれども、実際に市町村におんぶしきりなんでございましょうか。その点の実情はどうでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 日本道路公団が自主救急をやっておるのは、たしか恵那トンネルと、それから岡山県内で一カ所、その二カ所だったかと思います。それ以外は全部市町村が救急業務を行っております。これは、高速道路上で事故がございますと、すぐ最寄りのインターチェンジ付近の市町村に連絡がございまして、救急自動車が飛び出していってけが人を積み、そしてまたインターチェンジから最寄りの病院へ運ぶということになるわけでございまして、現在はそういう体制でやっておるところでございます。  道路公団で一元的にやらせるのがいいかどうかという問題も一つあるわけでございますけれども、結局その高速道路上でけが人等ができましても、どこかの市町村の中にある病院まで運び込むという作業もございますもので、現在みたいな形で一応支障なくやっておるわけでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 そういう場合は、道路公団の方では、救急実施市町村に対して一定の財政措置をきちっと行っておるんでしょうか。よく道路公団の問題で、固定資産税の問題でありますとか、いろいろと市町村に対して財政圧迫的な要因になっておる場合も、他の問題についてもあるやに聞いておりますので、その点は横着なことにならないで、関係市町村腹を立てないで済むように、ちゃんと責任を果たしておるのかどうか、その点をお尋ねいたします。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 昭和四十九年に「高速自動車国道における救急業務について」という通達を発しておりますが、その中で、日本道路公団と話し合いをいたしまして、高速自動車道における救急業務を行うために新たに救急隊一隊を設置した市町村に対しては、供用開始年度及びその翌年度は、救急隊一隊を維持するために要する費用の三分の二に相当する金額、それから、供用開始年度から数えて第三年度から第五年度までの三年間は二分の一に相当する金額を支弁するということにいたしておりまして、このとおり実施されております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 そうしますと、今後の方向としては道路公団が、自主救急施設といいますか、自動車といいますか、体制といいますか、そういうものはもうこれ以上ふやさない、その沿線の市町村のいわゆる救急力、消防力におんぶしていく、お金はある程度出すのだ、そういう体制で固まっていくのでしょうか。それとも自主救急の方がずっと伸びていくということになるのでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 高速道路において自主救急でやらせる方がいいのか。それとも、救急事務というのは市町村の消防の事務ということで現在定着しておりますが、高速道路上で起きる事故そのものがそれほど多いわけではございませんので、そのものだけで自主救急をやらせる方がいいのか、いまみたいにせっかくインターチェンジ付近の市町村には救急隊というものがあるわけでございますので、それがそういうときには飛び出していって最寄りの病院へ運び込むといういまのような体制の方が合理的なのか。いろいろ論点はあると思いますけれども、私どもといたしましては全体的な面から見ていまのやり方の方がいいのではないか。ただ、特定の地区で最寄りに適当な救急施設等がない非常に広い区間というような場合もあるわけで、それがいまの恵那トンネルとかもう一カ所というところだろうと思いますけれども、そういったところにつきましては、やはりその場所に救急自動車を配置しておく方がベターであるということでそういう体制をとっておるわけでございまして、やはりいまの体制を基本としてケース・バイ・ケースで考えていった方が実情に即するのではないかという考えを持っております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 それから少年少女あるいは婦人あるいは町内会等による自主消防体制というようなものも重要なものと伺っておりますけれども、この自主消防体制というのは、全国的な基準みたいなものがあって、全部都道府県、市町村につくられるようなことになっておるのでしょうか。それとも、私らのところでは自主消防体制というのは余り聞かないような気もするのですけれども。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 消防業務の中で住民の方々が消防及び防災ということの重要性を認識していただくというのは非常に大事なことだと思っております。終戦後、アメリカに少年消防クラブといったような例がございました。それにならいまして、わが国でもこういったものをつくって、子供のときから消防というものに関心を持たせることが必要なのじゃないかということで、消防庁の方で音頭をとりまして、全国に少年消防クラブというのをつくらせておるわけでございます。現在四十数万の隊員を数えております。それから婦人防火クラブでございますけれども、最近の火災の状況を見てみましても失火がほとんどでございまして、婦人の方々というのは家庭において火を使う機会が最も多いわけでございます。したがって、婦人の方々の消防防災意識の向上というのは非常に大事なことであるということで、これまた全国で婦人防火クラブというのができておりまして、それぞれの都道府県あるいは消防本部で婦人クラブ及び少年クラブの指導を行っておるわけでございます。なお、婦人クラブの隊員は現在百万を超えるような数でございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 そうしますと、全国の少年消防クラブというのは、これは各消防署あたりで希望者を募ってやるというような進め方になっているのでしょうか。これは地域によって濃い薄いの別等もあるのでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 少年消防クラブの方は学校単位で小学校の高学年などが中心になっているわけでございますが、したがって、そういう防火関係に関心の深い先生などがおられますところは非常に普及率が高い。地域によってアンバランスがございます。私ども全国的にこういう少年消防クラブの輪を広げていきたいということで、その優秀なものにつきましては毎年消防庁長官名で表彰をしたり、またいろいろ指導のためのパンフレットをつくって全国の関係者に配ったり、その育成に努力しておるところでございます。  それから婦人クラブの場合は、これは地域単位になっておりまして、地元の消防署とタイアップして組織化されておるという状況でございますが、これもやはり地域によりまして、そういうことに熱心な方がおられるところは防火活動もいろいろな形で非常に活発に行われておりますが、全国的に見ればまだそれほどでもない地域というのも相当ございますので、私ども、財団法人防火協会というのが実はあるわけでございますが、そこを中心といたしまして全国的な少年クラブあるいは婦人クラブの普及に努めてまいっておるところでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 趣旨は大体わかるのですけれども、そうすると、常備消防と消防団、自主消防、これなんか大体いざとなったときの役割りの分担とかそういうようなものはあるのでしょうか。ただ、いわゆる防火精神の徹底、普及ですか、それに重点があって、水でもあったらバケツでちょっと消してもらうということを期待しておられる程度なのか。どういう位置づけを考えておられるのか。この三つの関連を教えてほしいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 少年クラブ及び婦人クラブというのはまさに防火思想の普及、高揚を図るのが目的でございまして、場合によりましてはそれは初期消火に協力する場合もございますけれども、それが第一義的な目的ではございません。火事を消すよりもまず火を出さないようにということだろうと思います。  それから事業所などにおきましては、御承知のように自衛消防というのがあるわけでございますが、これは自分たちの事業所で火事が出た場合には初期消火に当たる、文字どおりの自衛消防でございます。最近の火災というのは非常に複雑化してきておりますので、自衛消防だけの手で解決できるという場合、ないわけではありませんけれども、ほとんどの場合は、それでは火が出た以上は無理であるということになりますと、やはり常備消防ということになるわけで、それを補完する意味で消防団があるという現在の体制でございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 それでは次の質問に移りますが、現在の消防体制のもとで都道府県はどのような役割りを果たしていることになるのでしょうか。災害の広域化、大規模化に備え、消防職団員の教育訓練、通信体制の整備、消防資材の備蓄といった現在の都道府県の補完的役割りというものはさらに強化すべきではないでしょうか。それと法律で、消防組織法十九条の「市町村の消防は、消防庁長官又は都道府県知事の運営管理又は行政管理に服することはない。」という、市町村消防の自治権といいますか、そういうものとの兼ね合いから、この都道府県消防というのはどういうことになっていくのかということをお答え願いたいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 現在の消防組織法のあの精神から申しますと、消防業務はまさに市町村の固有事務であるということでございます。ただ、先ほど来御質問もございますように、市町村の消防だけではできない分野もございます。いま御指摘になりました消防職員の教育訓練、こういったような問題になりますと、質を高めるというためにはやはりある程度の職員を集めて組織的に訓練する必要がございます。したがって、御承知のように消防学校などというのは全国の都道府県及び六つの指定都市に置かれておりまして、そこにそれぞれの市町村の消防職員が入校いたしまして切磋琢磨するというような形で、まさにこれは都道府県の業務に適することだと思います。それから市町村がいろいろな消防行政を行っていくに当たりまして、私ども全国的な画一化をある程度図らなければなりませんので、いろいろな法律に基づく準則、通達、そういったことも行っているわけでございますが、そういったものを現実に市町村に対して指導するというのは都道府県の役目でございます。そのほか、御承知のように消防組織法にいろいろ都道府県消防の任務ということで幾つかの条項が列挙してございますけれども、そういったものが府県の消防行政における役割りとしてふさわしいものであるということで列挙したわけでございます。そのほかに、御承知のように、災害対策基本法あるいはコンビナート法、そういったような特別法によりまして、一たん事ある場合における市町村消防に対する指示権というようなものが都道府県に対して与えられておりますし、あるいは林野火災、コンビナート火災といったような場合、非常に地域も広範にわたるおそれがありますので、資材を備蓄するのを都道府県の任務としたり、いろいろな業務がございます。  それからさらに最近の消防行政を運営していくに当たりまして、やはり無線網を全国的に整備するということが最も大事でございます。それぞれの市町村が個別に災害に対応するのじゃなくて、横の連携というのも必要でございますので、国、都道府県、市町村を通ずる通信網の整備ということが必要だと思います。その中で都道府県の果たす役割りというのは相当重いものがございます。私どもは基本的な考え方として、先ほど申しましたように、市町村消防という基本を守りながら、個々の市町村でできないような事務につきましては都道府県に行わせる、あるいは市町村の力では足りない部分は都道府県が補完する、そういうような形で今後とも消防行政を進めていきたいと思います。したがって、今後の展望から申しますならば、災害が複雑化、多様化するにつれまして都道府県の消防行政において果たす役割りというのは大きくなってくるというふうに考えております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 そうしますと、市町村の固有事務であり、都道府県は補完的な役割りをするとしますと、その財政問題についてはどうなんでしょうか。いろいろな精神は精神として、金の分担はまた別だという考えもあるかもしれませんけれども、市町村が本来全額持つべきものを府県が持つとすれば、また国の方がそれが好ましいものだとすれば、府県が必要な消防関係の費用、これはほとんど全額国が補助してもいいという筋道にはなりませんでしょうか。現実にはできないかもしれませんけれども、理屈論でいけば本来の事務じゃないのだから、国の方が全部府県分は出すという……。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 都道府県の本来の事務でないということではございませんで、消防は市町村の固有事務でございますけれども、それを補完するというのは都道府県の任務である、そういう考え方でございますので、国庫補助で出すというのも一つの考え方かもしれませんけれども、私どもは消防行政の本質からいたしまして、地方交府税によりまして市町村、都道府県、それぞれ必要経費を消防費として交付税の基準財政需要額に積算して地方交付税を通じて財源措置を行っておるという現状でございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 府県の方からは現在の地方交付税分以上に、こういう消防業務について責任も重くなってくるから、もっと金を出してくれという声はありませんか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 先ほども申しましたように、行政無線であるとか、コンビナートであるとか、そういう特殊なものにつきましては国庫補助があるのは当然でございますが、一般的な補完業務につきましては地方交付税で現在措置しております。都道府県の方から具体的にこれが足りないからどうこうということは私ども聞いておりませんけれども、今後における消防行政に都道府県の役割りが非常に強くなってくるということは事実でございますので、今後とも地方交付税上におけるところの財源措置については配慮してまいりたいと思っております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 ただいまの消防庁長官の今後都道府県の財政について十分な配慮をするというお言葉をきょうのみやげとしておきたいと思います。  その次に組合消防についてお尋ねをいたします。  組合消防によって消防の広域化が図られておりますけれども、組合消防の場合、組合に対する市町村の分担金の拠出方法、あるいは人事管理面、消防団との関係等についていろいろと問題があると聞いておりますが、これらについて消防庁はどのように解決をしていこう、対処していこうと考えておられるでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 組合消防を設置しておる市町村の数は、現在二千百五十三に及んでおります。常備消防を持っておる市町村の数二千七百四十四の七八・五%という数字でございますので、八割近くのものが組合消防、単一消防の形をとっておりますものは四百幾つというような状況でございます。したがって、今後の市町村消防を考える場合に、組合消防をどう拡充していくかということが最大の問題になるわけでございますが、何分、組合消防という本質からいたしまして、これはいろいろ問題を抱えております。幾つかの市町村が寄って一つの消防行政を行っていこうというわけで、それぞれの市町村の中で消防というものについて非常に理解のあるところもあれば、若干欠けるところもあったり、それぞれの市町村の考え方が違うということはあり得るわけでございます。それがいろいろな面に影響してきます。それからまた分担金を払うのだから、それに対応する受益がなければならぬというような考え方も当然それぞれの市町村にはあるわけでございまして、そのために消防を最小の経費で最大の効力を上げるような配置という点について、署などの配置でございますが、いろいろトラブル等もあるというような問題がございますが、大きく分けて物的な面と人的な面とに問題があろうかと思います。  まず、財政面でございますけれども、特に最近のように地方財政がなかなか苦しくなってまいりますと、自分の市町村のことで手いっぱいで組合消防という形で消防行政をあちらへ預けたということだと、どうももう一つ熱心さが足りなくなるのか、それぞれの団体がなかなか金を出し渋るという面がございます。組合消防の強化拡充のために組合の消防長さんがもっと施設をふやしたい、人をふやしたいと言っても、構成しておるところの市町村あるいは市町村の議会の納得をなかなか得られないという点がございます。そういったこともあるので、先日も地方交付税の基準財政需要額と現実の決算額との差がどうかという御質問がいろいろございまして、全体で八六%ぐらいしか使っていないということを申しましたけれども、七十何%、八〇%近くの団体が組合消防でございますので、それもそういうように使われていない一つの原因ではないかと思います。ただ、組合消防を今後とも強化していかなければなりませんので、私ども、その費用の分担方法等についてそれぞれの団体にいろいろな事情があってトラブルを生じておるところがあることも聞いておりますけれども、都道府県を通じまして、必要な消防力を確保するために所要の金はそれぞれの市町村が進んで出すというように持っていきたいと考えております。  それからもう一つは、人の面でございます。組合消防の場合、その組合自体で人を新しく採用する場合、あるいは中心となる都市から人を派遣する場合、それが入りまじっている場合、いろいろございます。ところが、市町村は、御承知のようにそれぞれの団体で給与水準あるいは給与体系等も異っておるわけでございまして、そこがなかなかむずかしゅうございます。  それから、昭和四十五年から数年の間に全国的に組合消防が普及したわけでございますが、そのときに新しい消防職員を雇い入れるということでございまして、五年たてば五つ年をとります。消防というのは若い力というのが必要であって、やはりピラミッド型の職員構成というのが必要なんですけれども、組合消防はこのままでいきますと、十年、十五年たつと老齢者ばかりの消防組織というようなことになりかねないおそれもございます。これは都道府県が人事のあっせんという業務を法律上も与えられておりますので、都道府県に強く指導してもらうということが必要なんじゃないかというふうに思っております。  それからさらに、消防は常備消防と消防団と車の両輪みたいになって活動しなければならないわけですけれども、組合消防の場合には、組合消防単位に消防団が再編成されたところと、消防団だけは旧町村のままでおるところというようなものもございます。その間の調整をどうするか。常備消防と消防団とがぴったりと呼吸を合わせてやらないと消防活動というのはできませんので、ここにも一つの問題がございます。  そういうようにいろいろたくさんの問題を抱えておりますけれども、やはり冒頭申しましたように、今後市町村消防というものを育てていく、拡充していくという面では、この組合消防というものにまずメスを入れる必要があるということを私ども痛切に感じております。全国の消防長さん方で組織されておる全国消防長会というのがございますけれども、その中でもこの組合消防問題は現在真剣に論議されております。一方では私どもも実態を調査しております。消防庁長官の諮問機関として消防審議会というのもございますので、そういったものにもかけ、各方面の意見を結集いたしまして改善策を練っていきたいと思っております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 非常に重要なウエートを占めておる組合消防が、いまちょっとお話をお聞きしただけでも、なかなか単一の市町村での常備消防に対するのと比べていろいろと問題点があるということを理解することができました。これはやはり法律のたてまえはたてまえとしてありましょうけれども、組合消防で発生しておるところの共通の問題というようなものを類型化していって、それについて最少の費用で最大の効果が上がるものに一日も早く整備していっていただきたいと思うのでございます。  ところで、現実に、たとえばはしご車などを買うときに、これによって受ける利便は高い建物がたくさんある市町村ということになりましょうし、そうでないところは余り乗り気でないというようなことも具体的にあると思うのですけれども、たとえば、いま考えておられるところでは、はしご車などを買うときなんか、組合消防をつくるときの一番最初の組合の規約にやはり細かいいわゆる分担金基準というようなものを盛り込んでおかないから、後になって具体的な面に直面しますと、おれのところは損だとか得だとかというような議論が出てくるんだろうと思いますけれども、将来の方針として、こういう最初の規約をつくる段階から分担金について明確な基準などはつくるように御指導になる予定なんでしょうか。あるいは、それはもう森羅万象全部予見してそんな基準はつくれないから、やはりいままでとそう変わらないような分担金基準というようなものになっていくのか。いま解決策について研究しておられる中間段階ででも結構ですので、たとえばはしご車というような具体的な問題についてはどういうぐあいに指導していこうとしておられるのでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 いま具体的な例を挙げての御質問でございますけれども、世の中はどんどん変わってまいりますもので、そういった具体的なものを初めの規約のときに書き込むというのは、現実問題としてなかなか無理だろうと思います。そういうものを購入する必要が生じた場合に、どうせ毎年毎年の予算でそれらの施設を購入していくわけでございまして、その分担がそれぞれの関係市町村におりるわけでございますので、その段階において話し合いをするということだろうと思います。  ただ、現在の組合消防というのは、地方交付税の基準財政需要額でそれぞれの市町村に交付される額の大体六割ぐらいをめどとして組合消防の方へ回す、あとの四割を、自分のところで消防団を持っておる場合にはその消防団の方で使うというようなケースが多いようでございます。もちろん団体によって非常にバラエティーがございますけれども、しかし、今後常備消防というのが消防力の中心になってくるわけでございます。そうした場合に、六・四方式と通称言われておりますけれども、そういった形ではとても常備消防の方は対応できないということだろうと思います。団体によっていろいろ態様は異なりますので、一律にどうこう申せませんけれども、私ども過去の実績、必要経費といったものの分析の上に立ってそれぞれの市町村の財政負担のあり方というようなものの基準もやはり検討し、示す必要があるのじゃないかという感じを持っております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 これは一般的なあれで結構なんですけれども、どうですか、やはりうまいぐあいにいっていない組合消防のところは、人口当たりの火災発生率などは低いですか、高いですか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 それは一概には言えないと思います。それから、うまくいっていないと申しましても、消防行政に現在支障があるという事態じゃなくて、たとえば人的面につきましては、先ほども申しましたように、将来を見通すとはだ寒い思いがするということでございますし、財政問題につきましても、トラブルはあるけれども何となくやっている、しかし、このままでいったら組合消防の消防力の向上に支障があるのじゃないかというおそれがあるということでございますので、現在の問題というよりも、将来を見通した場合非常に問題であるという問題意識を持っております。それを解決するためにはいまから手を打っておく必要があるということで、私ども及び全国の消防長会一緒になってこれをどうしたらいいか検討しておる段階でございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 そういう検討はいつごろまでに結論が出て、問題点解決にいつごろからかかっていかれるというスケジュールみたいなものはもう立っているのでしょうか。ただ、心配だ心配だ、何とかせにゃいかぬなというままにじんぜん日が過ぎていっておるのかどうかです。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 すでに全国消防長会等におきましてはいろいろ分析し、こうあるべきでないかというような中間報告的な提言等も行われておるわけでございます。私どもそういうものを踏まえて、これから、先ほども申しました消防庁長官の諮問機関である消防審議会というものもあるわけでございますので、そういった席でその面の学識経験者の方々の御意見も聞きながら、できるだけ早くという考えでおるわけでございまして、じんぜんと日を送るわけにもまいりませんので、私の個人的な希望としては、できれば一年ぐらいの間に何とか一応の結論でも取りまとめたいという気持ちでおります。

加地和新自由クラブ

○加地委員 最近、アメリカのスリーマイル島で原子力発電所の事故があったわけでございますけれども、原子力発電所の事故の場合における消防救助体制を早急に樹立すべきではないか。現在、原子力安全委員会の防災対策会議では対応研究中であっても、消防関係はノータッチのような形であるとも聞いております。それから、日本の場合でも、原子力発電所はかなりへんぴな、もともとが人のいないところを選んでつくっておるという点もあると思うのですけれども、どうも防災関係では心もとないような感じもしますし、また、果たして市町村消防だけで対応し切れるのかどうかという不安もあるのでございますが、この点について御答弁をいただきたいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 原子力災害に係る避難計画等につきましては、御承知のように災害対策基本法の地域防災計画の中ですでに原子力発電所が稼働中の七県についてはできております。それから、原子力発電所はございませんけれども原子力について何らかの関連のある青森県、神奈川県、京都府といったようなところでは、地域防災計画の中に原子力発電に関する事項を盛り込んでおります。それから、原子力発電所が稼働しておるところの市町村の中で、まだこういった計画ができてないのが四市町村ございますけれども、それは現在策定中でございます。その中で、原子力発電所にもし事故があった場合、その事故の態様に応じまして、どの区域が危険であるということを決めまして、その区域におられる方々は避難してもらう、その方法、避難場所といったものもこの計画の中には盛り込んであるわけでございます。  ただ、しかし、今度のスリーマイル島の事故がございまして、いままでは原子力発電所というのは安全である、万一にも事故は起こるまいという前提でこういった計画がつくられ、したがって住民に不安を与える可能性もあるということで、住民を含めての訓練はやっておりませんが、これをやることがいいか悪いか、いろいろ論議のあるところかと思いますけれども、スリーマイル島の事故を教訓といたしまして、現在科学技術庁を中心といたしましてその原因究明が行われておるところでございます。その原因究明の上に立って対策が講じられるわけでございまして、その場合、必要に応じてこの地域防災計画を見直すこともあり得ると私どもは考えております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 消防庁の方は原子力について専門でないか甘しれませんけれども、やはり消防防災という関係である程度調査しておられると思うのです。スリーマイル島の問題も、後の結果論でありますけれども、それほど大した放射能も出ていなかった。むしろそういう日常の対処といいますか、訓練といいますか、そういうものがふなれなために役所の方が不必要な避難命令を出してしまった、それで騒ぎを大きくしてしまったというのが、いわゆる防災の面から見たスリーマイル島の事件の特色ではないかと思うのですけれども、そういうものではなかったでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 スリーマイル島のこの事件につきましては、先ほども申しましたように科学技術庁、通産省を中心として政府の関係各省、消防庁も入っておりますけれども、原因究明をいろいろやっておるところでございます。主管省は科学技術庁でございますので、私ども新聞報道等によって個人的な見解を述べるという性質のものでもないと思いますので、その原因究明の進行状況ということでございますれば、科学技術庁の方へお尋ねいただければ幸いであると思います。

加地和新自由クラブ

○加地委員 私は原子力そのものの科学を聞いておるのではないのです。その後の、恐らく日本の場合でも消防庁が所管できることは、いまのところ住民を避難させるという仕事に尽きると思うのです。原子力は目に見えないものですから、それだけの対応組織、技術、金、これはないと思います。ところが、あのスリーマイル島の事件から消防庁はどんな教訓を得られたであろうか、そういうことを聞きたいわけでございます。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 御指摘のように、消防庁の所管することとしましては、事故が起きたということになりますと、それを直ちに消防機関に連絡していただく必要があります。その次に、その事故はどの程度のものであって、どの程度が危険区域になるかという問題でございますが、それは消防庁の方で判定きません。その道の専門家が集まって、この程度の事故であるからこの区域が危険であるということを判定して、それを消防の方へ直ちに知らせてもらう必要があります。そうした場合に、その地域の住民の方々を安全に避難させるということが私どもの任務でございますので、この地域が危険である場合には、危険でないこの地域へどういう経路を使ってその地域の人々を移動させるかということ、その移動の方法、そういったようなものをあらかじめ定めていく必要があると思います。そういった観点で従来の地域防災計画もできているわけでございますけれども、今度のあの異常な事故があったわけでございますので、あれを教訓として、いまのこの方法ではだめだということになれば、直ちにその部分は修正しなければならない、このように考えているわけでございます。  スリーマイル島の事故について地方団体が過剰防衛であったかどうかというのは、要するにこの範囲が危険であるかどうかというその判定の問題に絡みますので、やはり私どもで、いまの段階でどうこう申し上げる知識はないわけでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 先ほど長官がちょっとおっしゃいましたように、水力発電にしても火力発電にしても、全く危険性のない無害な文明の利器というのはないと思うのです。それはかえって、これは完全だ、絶対に安全だというレッテル、保証がなければにっちもさっちも進まないために、この程度は危険な場合もあり得るのだというような本当のことを言って国民を教育し、納得してもらった上でのことでなければ、原子力問題というのはいつまでも化け物みたいな存在になっていってしまうと思うのです。  私がいろいろな本で見たのでは、たとえば水力発電所の方がむしろいままででは死亡事故なんか多く発生させておるではないか。原子力発電所の事故によって死んだ人はないというようにも聞いたりしているのですけれども、水力発電所の場合は、ダムの周辺の地盤に水が浸透してダム全部が決壊してしまって、一挙に水が下の方へ流れて、そこへ巻き込まれて何千名の方が亡くなられたというように聞いておるのでございます。原子力問題について、いわゆる国民の不安、動揺をなくして的確な避難措置等をやっていくためには、やはり国民の中に正しい理解浸透を進めていくということが消防の業務遂行の大前提になるのじゃないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 御指摘のとおりだと思います。その意味におきましても、今度の事故につきまして、消防庁といたしましては科学技術庁あるいは通産省に対して、一刻も早く真相を究明し、事故の原因を明らかにし、それに対する対策というものを立て、住民の不必要な不安を取り除くようにしてほしいということを強く要請しておるところでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 私も非常に知識は乏しいのですけれども、現在日本にある原子力発電所の敷地は非常に広うございまして、その敷地より外には危険性というものは及ばないようになっておるとか聞くのですが、そんなに安全は確保されているのでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 私もいままでそのように聞いておりましたけれども、その安全性の問題になりますと私どもの所管ではございませんので、どうも責任ある答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

加地和新自由クラブ

○加地委員 それから、消防職員の勤務条件について若干お尋ねいたします。  現在、二交代制になっておるのを三交代制にしてほしいという声がかなりあると思うのです。現在三交代制になっておるのはほんの一部分の地域、一部分の部署のみのようでございますけれども、将来、三交代制はどういうぐあいになっていくのでしょうか。  また、三交代制を認めた場合、現在の人手は何割ぐらいふやさなくてはいけないのか、人件費増加というものがどのくらい予想されるのか、これもわかれば答えてほしいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 消防の業務あるいは救急の業務というのは二十四時間体制でなければなりませんので、現在警防、救急に携わっておる方々の勤務形態は大体二部制ということになっております。ただ、三部制をとっている団体が一部ございまして、現在二十七本部が三部制を実施しております。それから、一部三部制を採用しておる、つまり二部制、三部制併用のものが十二本部ということで、全体に占める比率はまだわずかでございますが、大都市関係が多うございます。これは御承知のように、夜間に火事が出る、けが人が出る、消防車あるいは救急車を走らせなければならない、そういう頻度がどの程度あるかということにも関連してくるわけでございます。非常に忙しい部署、これは大都市あるいはその近郊都市といったところが多いと思いますけれども、そういったところから漸次三部制に移行しているというのが現状でございます。しかし、わが国の現状からいたしますと、やはり今後も二部制というのが消防の主流ではないかという感じを持っております。  それから、三部制にした場合どの程度の人員増を要するかというのは、どの範囲について三部制にするかという問題があるわけでございますけれども、大体それに該当する職員の少なくとも二割程度はふえるのじゃないかという感じを持っております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 そうしますと、将来もやはり二部制が主流である。これと絡みまして、公務員の週休二日制という問題もあると思うのです。最近、行政改革というようなことが盛んに言われまして、週休二日制も影をひそめておるように思われますけれども、消防職員の週休二日制についてのいろいろな対応とか研究、これもかなり進んでおるのでございましょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 国家公務員において週休二日制が採用されれば、地方公務員においても採用するということになりましょう。そうした場合、消防職員も地方公務員でございますので、やはりおくれないように週休二日制は採用していただきたいと思うわけでございますが、現在国家公務員について論議されておるように、人はふやさないで週休二日制を採用するというようなことであるならば、消防の場合には物理的にそれができないわけでございます。したがって、週休二日制を消防に採用する場合には、当然それに伴う人員増が必要になります。これは先ほども申しましたように、二部制、三部制、二部三部併用制、いろいろな形態がございますので、週休二日のやり方についてもこれまたいろいろあると思います。普通の公務員じゃございませんので、土曜、日曜を休むというようなやり方じゃございません。したがって、どの程度の人員増を要するかというのは、団体によっていろいろ違ってくると思いますけれども、基本的な考え方といたしましては、もし国家公務員に導入される場合には、消防職員についても週休二日制を導入する必要がある、しかし、その前提としては人員増が必要であるということでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 重要な役割りを果たしております消防団員の待遇問題についてちょっとお尋ねしたいのでございます。  消防団員の間で、服をもう少しスマートにしてくれ、それからまたベルトがどうもいま人気がないというようにも聞いております。あるいはえりの形、これも個々の趣味もあるでしょうけれども、何とかならぬかという声もあると思うのです。消防団員さんの服の改善問題について、どういう意見を聞いておられて、それに対してどういう改善がいつごろ実行できるか、これをお答え願います。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 私どもの方で消防職団員の服制の準則を決めております。それに準じて各地方公共団体で採用するわけでございます。余り全国ばらばらになってしまっても困るということで、こういった統一をとっておるわけでございます。  ただ、準則を定めました時期が相当以前でございますので、いまの時代になっては、いま御指摘のような特にベルトとかそういった点について、余りスマートじゃない、変えてほしいというような要望が幾つか私どものところにも来ております。消防団でございますと日本消防協会、それから消防職員の方でございますと全国消防協会、そういった団体の方といろいろ相談いたしまして、改善すべき点があれば改善したいと思います。

加地和新自由クラブ

○加地委員 そうすると、改善すべき点は改善しますというのは、いまどんな段階になっているのでしょうか。そういう声を聞いてどこかで考えていただいておるというのか、声はちらほらあるがまだ主流にはなっていないという御判断なんでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 先ほど申しましたように、私どもで定めておるのは準則でございますので、そのとおりじゃなくて、各団体はそれを基本としていろいろバラエティーに富んだものをそれぞれ採用しているわけでございます。そのとおりでなければならないという指導をしているわけではございません。しかし、いずれにしても時期が古いものですから、ちらほらと申しますか、そういった改善してほしいという意見もありますので、どういうふうにどこを改善したらいいかというアンケート調査も実施する段階に現在ございますし、それから服装の関係ですから、そういう関係者の方々、専門家の方々等も委員になってもらって、研究会と申しますか、委員会みたいなものをつくって改善策を練ってもらおう、そういう段階にございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 服装の問題は、そう重要でないようで、服屋さんなんかに言わせますと、ナポレオンの軍隊はなぜ戦争に強かったかと言えば、服がよかったからみんなから偉いように思われて戦意が高揚したからであるとも言われておりますので、ボランティアの消防団員の方々に対する励みという意味ではやはり時代に即応した、金をかけよという意味じゃございませんけれども、時代に即応した、いわゆるプライドを持てるような服装に変えていただくということが非常に重要じゃないかと思いますので、どうかその点精力的に取り組んでいただきたいと思います。  それで最後の質問でございますけれども、現在消防法の五条というのがございますが、これは一言で言えば消防の目的のためには何でもできるというような、いわゆる行政強制の中でもきわめて最強力、最右翼の条文じゃないかと思うのでございますが、最近この条文を実際に適用された具体的な例というのはどういうものがあるでしょうか。あるいはまた、消防機関にそれぞれ任せるといろいろ問題もあるかと思いますので、実施基準等を考える必要はないか。消防の目的のために、まだ燃えてないのに家をどんどんつぶしてしまったり、水をぶちまけて壁もくちゃくちゃにしてしまうとか、それは大局的にはそうしなければもっと類焼したかもしれないということも考えられるかもしれぬと思うのですけれども、つぶされた方はどうも泣いても泣き切れぬというような場合もあろうかと思いますので、もう少しきめの細かい一これもかなり昔つくった、国家権力が相当強力な支持を受けていた背景のもとにできた条文じゃないかと思うのですが、ただいま私が指摘しましたような点について、現代向きのお考えを示していただきたいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 ただいま具体的に御指摘になりました破壊消防は実はこの五条の関係ではないと思います。  この五条で規定しておりますのは、防火対象物が火災の予防上どうもいまのままじゃいけないのだということで、これを直せ、ここを直せ、あるいはこれを取り払えといったような措置命令を発するための根拠規定でございます。確かにこれは非常に強い規定であることは事実でございまして、昭和五十二年一年間のこの五条の発動状況を見ますと、全国で七十三件発動されております。私どもといたしましては、こういった第五条に基づいて措置命令を下す前にその権原を有する方々に対して自発的にやっていただくよう何度も何度もお願いする、しかし悪質でどうしても言うことを聞かないという場合に初めてこの第五条の発動ということになるわけでございます。したがって、どういった場合に発動するかという内容は千差万別でございますので、私どもで基準というようなものはつくっておりません。また消防が万一、客観的に見て余りむちゃな措置命令を発動するということになりますれば、世間の目は厳しゅうございますし、また市議会あるいは市長というようなところにもいろいろ影響するところもあろうと思いますので、消防がそういうことをやるはずはありませんし、消防の立場といたしましては、まず第一に話し合いでもって解決する、どうしても言うことを聞かない悪質なものについては五条を発動する、そういう態勢で臨んでおります。

加地和新自由クラブ

○加地委員 終わります。

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 加藤万吉君。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 五月十二日に中央防災会議の専門委員会が地震防災対策強化地域の指定について報告を行いました。その結果として、当該地域になるところではいろいろな反応があるわけでして、第一に、地方団体では、わが地方が地震防災の強化地域に指定されたのかということでそれに即応する自主的な施設設備の拡充、そういうものに取りかかっているところがございます。さらに、ところによっては消防団を含めて市民の自主防災組織をこの際強化をしよう、そのためにはやはり地方団体で単独に指導課を設けてこれを指導する、こういう地方団体の反応が生まれているわけであります。一方市民の側、当該地域の住民の側から見ますと、地震予知についての是非が大変住民段階のベースで論議をされておりまして、おおむね大地震の予知は、その当否は別にして——当否というか実際に起きるかどうかは別にして、やはり予知を行ってほしいという意見が非常に強いようであります。  同時にまた、当該地域、東海沖が震源地になると想定されるわけですが、この地域は御承知のようにかつて関東大震災が起きた地域でありますから、一部にはいよいよわが方がそういう地震に見舞われるのかという不安感がございます。この際、私は、中央防災会議の専門委員会で報告がありましたこの報告内容について、住民のそういう意味の逆の不安を解消する、先ほどもお話に出ておりましたが、いわばそういうことをしっかりと知らしめておくことが、逆の意味で、大地震が起きた場合のパニック状態やあるいはそれに対応する措置がとられるのではないか、こういうふうに思うわけであります。  そこで国土庁の方にお聞きをしますが、この委員会の報告、たくさんありますけれども、そのうちで特に三項、四項について、どのような経過でこういう報告が出たのか、お伺いをいたしたいというように思います。  特に三項では、南北方向で百から百二十キロ、東西方向で五十キロ、傾斜角で二十から三十度、さらにはおおむねマグニチュード八程度に推定されるという、そういう根拠といいましょうか、内容についてまず御説明をいただきたいというように思います。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○城野説明員 御説明申し上げます。  われわれの方では科学的知識というのは余りございませんものですから、この法律が制定をされましてから、昨年の十月来、中央防災会議の中に専門委員として地震学者、地震動学者の方々十五名お願いをいたしまして、半年間御検討を願ったわけでございます。  この法律では、一般的に地震が起こるということを想定するのではございませんで、法律の言葉を使いますと、地震の発生するおそれが著しく大きいと認められる地殻において地震が発生した場合に著しい地震災害を受けるおそれがある地域というものを地震防災対策強化地域として指定するというふうに考えておりまして、ただいま御質問の中の一つ、神奈川県側が入りましたことに関連しましては、これは、駿河トラフという駿河湾の中に非常に深く切れ込んでおるみぞのところで起こる地震、一八五四年安政東海地震と呼ばれておりますが、その地震の再来を想定しての震源モデルというものが想定されておるわけでございまして、一九二三年、大正十二年の相模トラフの方の関東大地震につきましては、関東大震災の再来はもうこの数十年ないし百年はないというのが、測地学者の方々のほとんど一致した見解であろうというふうに理解をいたしております。  さて、その東海地震の方の駿河トラフの方の地震でございますが、一九〇〇年以来測地というものがずっと続けられておりまして、これは精密な測地測量網と水準測量でございますが、要するに地殻のひずみ状況からする点が一つと、それからもう一つは、気象庁の方でこの地域の地震観測を続けておりますが、この五十年間にほとんど地震らしい地震がないという地震の空白域というものがございます。直接的にはそういうことでございますが、現に御前崎のところの検潮、これは潮の満ち引き、それから傾斜計、ひずみ計というようなものが埋めてございますが、御前崎のところは確実に一年間に一センチ五ミリ程度沈み込みをいたしております。そのようないろいろな観測成果を総合いたしますと、駿河トラフ沿いのところから西側にかけまして南北百キロから百二十キロ、東西五十キロ、大体掛川ぐらいの線になると思いますが、その辺のところの四辺形と申しますか、長楕円形の地盤が著しく変動しているという認定から、これがはね返る現象、つまり逆断層として地震が起こる可能性が大きいという御認定があったわけでございます。  それから今度は、起こると仮定をいたしまして、そういう地震が起こりました場合に、周りに地震動の波が伝わってまいります。それは当然のことながら距離によって著しく衰減をいたします。つまり、周りに参りますとだんだん弱くなる、これは経験則から明らかでございます。それで、その地震の大きさはマグニチュード八程度というふうに推定がされておりますが、これも学者の方の計算で、マグニチュード八より少し小さいかせいぜいマグニチュード八に達する程度の地震、そういう地震動が与えられました場合に、周辺に対しての距離による逓減が一つございます。それからもう一つは、基礎地盤と申しますか、基盤の非常にかたいところでは非常にきれいに距離によって逓減をいたしますが、不幸なことに、地表面へ上がってまいりますとやわらかい地盤がございます。そのやわらかい地盤のところへ参りますと、下の方から上がってきました地震の波動が、速度がどうしても鈍ってまいります。速度が鈍りますと、それに反比例して振幅が大きくなるという現象がございます。つまり、かたい地盤が地表面まで出てきているところはその波のまま地表に来るということになりますが、やわらかい地盤のところではそれがさらに二倍ないし三倍というような増幅をいたして表面に地震動を与えるということが経験的に知られておるわけでございます。したがいまして、距離による逓減と同時に、今度は地表の地質、地盤の分布状況、その厚さというものを加味いたしまして、地表に上がってきた場合にどれほど増幅されるか、それによりまして地表でどのぐらいの地震動に見舞われるかという認定をしていただいた、こういうことでございます。  それで、パラグラフの四のところへ書いてございますのは、地震による被害というのはいろんな態様のものがあるわけでございますが、つまり二次災害、三次災害と呼ばれているようなものは地震動を誘因として起こりますけれども、それが決定的に大きくなるか小さくなるかということは、そのもとの建物の倒壊なり施設設備等の破壊なりというのが第一次的な原因になるわけでございます。それの大きさという点に着目をすれば、一般的に広く所在いたします木造建築物または低層建築物、これはまあ四階以下の建築物というふうにお考えいただいたらいいと思いますが、そういうものが圧倒的に布存いたしますので、それが受ける地震動として、震度六というものの地震動に見舞われる区域、こういうことになります。こうなりますと、そういうものは家屋の倒壊が始まるというふうに御理解をいただければいいかと思いますが、そういう地震動の範囲、見舞われる区域の範囲を市町村別にあらわすと、中間報告にあったような範囲になるということでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私は、当該地域でありますから、多少地形の面も心得ておりますけれども、いま、地表の軟弱性といいましょうか、それによって起きるということから、その地域の設定が相当広範囲にされている、こういうお話ですが、われわれ行政区で見ますと、一般的には相模川をはさんで西の方と、こう見るわけですが、今度一部相模川を越えて茅ヶ崎それから海老名ですね、八王子も入りましょうか、ここまで地域を拡大されておるのは、いま言った地表の軟弱性に基づいて査定をされたものでしょうか。先ほどのお話ですと、相模トラフではなくて駿河トラフ沿いに起きる地震ですから、関東大震災規模とは震源地の様相が違ってくるわけですが、にもかかわらずここまで拡大をされたというのは、そういう意味にとらえてよろしいんでしょうか。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○城野説明員 御説明を申し上げます。  先ほどの説明に少し補足をさせていただきたいと思いますが、駿河トラフで地震が起こった場合のその起こり方というのが、最近の学問の進歩によりましていろいろ御議論がございます。つまり先ほどの一つの地震の長楕円形の震源モデルというものを想定いたしますと、その震源モデルのどの部分から壊れ始めるかという方向性の議論が一つそれに重なりまして、われわれの方のこの報告書の中身といたしましては、東南のすみ、もしくは南西のすみの二つの方向から実は割れ始める最大限の想定、これは同時に起こることはないのでございますけれども、南の端から割れ始めるか、西の端から割れ始めるか、東の端から割れ始めるかということは学問の水準ではまだわからないということがございまして、最大の想定をする。たとえば北の端から割れ始めるとしますと、主震動の方向は海の方に行ってしまうわけでございますから、陸上には余り影響がないということになって非常に幸せでございますけれども、やはり物の考え方として最悪のケースを想定すべきであろうという学者の先生方の御結論でございまして、そういう意味から言いますと、南の西の端から割れ始める、そうするとやや斜めに駿河湾を横切りまして東北の方へ震動の主方向が行くという波の強さを想定をいたしますと、やや東寄りの方まで震度六の地域が入ってくるというのが一つでございます。  それからもう一つは、あの地域をごらんいただきますとわかるのですが、富士川沿いでございますとか、天竜川沿いでございますとか、木曽川の平野部へ出るところでございますとか、豊川が平野部へ出るところ、それから東の方で言いますと、いま先生のお話しになりました相模川の流域でございます。この流域いずれも、現在ある川の流域におきましては、沖積世、洪積世という非常に新しい地盤、したがって非常にやわらかい地盤の堆積が、これは地質調査所の発行しておられます地質図によって明らかでございます。またそういうところに集落なり市街地の中心部があるということがはっきりいたしておりますので、やや東目で、先ほど言われました厚木、海老名、寒川、茅ケ崎というところの線がぎりぎりの限界ではあろうかと存じますが、震度六に見舞われる地域がその市町村の中で含まれているというふうに御理解をいただければということでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 大変よくわかりました。  私が言うまでもございませんが、関東ローム層に突き当たって、そこが一番東側の切れ目になってくるという可能性が非常に大きいわけですね。関東大震災の折でも、震度の問題もさることながら、四項に指示されているようなことが実はあの地域では最大の被害状況を及ぼしたわけであります。  そこで、この報告が出まして、いずれ防災会議で結論を得てそれぞれ徹底、指導がなされると私は思うのですが、これが発表されただけでも一部に相当の不安があることは事実であります。したがって私は、早急にこの結論を得られて、この周知徹底——むしろ科学的な条件をきちっと教えてやった方が住民としては対応できる基礎的な知識を得ることができると思いますので、これはもう早急に、できれば結論を得るか、何らかの方向で指導と徹底をひとつ図っていただきたい、こう思うわけであります。  そこで、私はこの地域に住んでおりますし、前回の関東震災では大変家族もやられたわけですが、万全な体制がこの際どうしても必要だというように思うのです。大地震のことですから、無限大にその処置はあるでしょうが、とりあえず最小限、財政状況から見て許される範囲で処置を講ずる、まあ万全と言われる処置を講ずるという観点から、恐らく国土庁では地震防災の緊急整備事業に対する財政の特例措置あるいは震災対策の緊急整備事業に対する補助制度の創設等をお考えになったと思うのですが、関係官庁と接触をした経過、そして今日これは法としてもまた制度としても当委員会には提起をされていないわけでありますが、この辺の経過と、今後、いま言いましたマグニチュード八程度のものが起きるということが想定される条件の中で、いつごろまでに当初考えられたこういう財政特例措置あるいは補助制度の創設等を位置づけられるのか。経過並びにその将来の——将来といいますか、近い時期における結論をどの程度に置かれておるのかをひとつお聞きをしたいと思います。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○城野説明員 御説明申し上げます。  この法律によります地域指定が行われますと、国の中央防災会議におきましては地震防災の基本計画というものを作成いたします。それに基づきまして国の各行政機関、地方公共団体、これは都道府県レベルのものと市町村レベルのもの、それから指定公共機関というのがございまして、国鉄、電電公社、道路公団、日赤というような関係の機関がそれぞれ地震防災の強化計画というものを作成する義務が生ずるわけでございます。  その強化計画の中身といたしましては、警戒宣言が出ました場合にどう対応するかという、いわば事前の地震防災応急対策の中身を決めていただく、それから避難地、避難路、消防用施設、通信施設等のいわゆる警戒宣言に伴い必要となる措置について、特に人命の保護と申しますか、事前に施設を整備しておくという内容、それから先ほど先生の方からお話がございました、日ごろから住民に対する教育でございますとか防災訓練を計画的かつ組織的にやるという中身の強化計画を策定することになります。  それから、特定の危険物もしくは人が常時多数出入りするような施設というような特別のものは、民間の方々にも新しい義務づけといたしまして応急計画というものをつくっていただくということになるわけでございます。これは強化地域の指定後直ちにそれらの作業、実はもう並行作業で進んでいる部分があるわけでございますけれども、全部出そろうのはことしの年末ということになろうかと思います。  われわれの方といたしましては、先ほどお話がございました避難施設、避難地、避難路の整備でございますとか、消防施設、通信施設等の応急に緊急に整備すべき事業というものをおおむね五年以内に整備するという計画をそれぞれの実施主体が責任を持って強化計画の中に盛り込んでいただくということを方針として考えておるわけでございます。それらのものにつきましては、一部、たとえば消防施設等におきましては三分の一の一般の場合の補助を強化地域に関しましては二分の一というふうにかさ上げの措置がとられているものもすでにあるわけでございます。そのほかのものといたしましては、政府の財政の許す限りそれらのものが計画的に整備できますように国としては御援助申し上げるということで、これはその法律が通りました際の附帯決議にもうたわれていることでございまして、われわれの方としては努力をするということになってございます。  ただ、現在段階ではまだ強化地域の範囲が決まりませんことと、その強化計画自体の中身が決まりませんと国、地方公共団体それぞれの負担の額と申しますか割合と申しますか、そういうものがはっきりしないというところがございますものですから、それらのものが出そろうのを待って対応をしたいと考えておる次第でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 地震は予知できれば一番いいわけですが、率直に言って、今日の科学的な手法をもってしてもなかなか予知が困難という状況でありますから、一応のめどとして五カ年に緊急整備事業をこういう形でやって強化地域に対する処置を講ずる、こういうことで、今年度は残念ながら先ほどの理由で延期がされたわけですね。いまの説明では、消防施設については後で御質問申し上げますが、一定の処置を講じた大地震関係の総予算、地震強化地域分としては十六億九千万円ですね。ところが、たとえば都道府県でも六県が強化地域になったわけですが、この整備事業に対する対象府県は七県、都市では三百市町村、今度百五十九ということですが、それにしてもその総体予算が、緊急的に必要なものとして見込まれているのは五年間で総事業費九千三百億円、片方の補助事業につきましては千五百億円、一兆を超えるわけですね。それを五カ年計画でことしやろう、財政事情その他まだいろいろ計画もまとまらないとか範囲が決まらないとかという理由はありましょうが、それにしても今度の消防庁関係だけの予算でいきますと十六億九千万というのは、先ほどの附帯決議に基づいてとりあえず行いました消防施設、それから、これから起きるであろうそれぞれの地域の整備計画に対する財政処置にしては余りにも少額過ぎるのではないでしょうか、この辺の大蔵省あたりとの折衝の経過をもう少し明らかにしていただきたいと思うのです。

城野好樹国土庁長官官房震災対策課長

○城野説明員 先生のお話のように大規模な地震、しかも震度六の地震に襲われるぞといった場合の施設整備計画というところまで話を広げますと、どこまでやっていいかわからないといいますか、どこまでやるべきかという議論が非常に出てくる面がございます。また具体的に言いますと震源直上の橋梁でございますとか、道路でございますとか、海岸の堤防でございますとかというものにつきましては、絶対にその地震によって壊れないということが果たしてできるのかという技術上の問題点等もございます。また避難地、避難路等におきましてその周りに木造住宅が密集しているという場合には、その周辺を不燃化しなければいけないではないかというようなもっともな御指摘もあるわけでございます。そういうことをあれやこれや全部やっておりますと、いま先生のおっしゃいましたように、とても五年間で一応の成果を上げられるようなものはできないということになるわけでございまして、この法律の整理といたしましては、先ほど申し上げましたように避難地、避難路、消防用施設、通信用施設、緊急輸送路というようなものに問題点をしぼりまして、人命の保護、安全の確保という点から一応の成果が上がる、またそれを五年間でやれるという計画のものにしぼったのはそういう経緯があるわけでございます。  そのほかの、施設そのものの整備の強化につきましては、やらなければいけないことは重々わかるわけでございますし、地元の方々からあそこは危ないからこうした方がいいのじゃないかというような御意見はたくさん出てくると思います。そこのところは今後の検討課題として、膨大な投資を伴い、またかなりの長年月を要する都市の防災性能の向上、また公共施設等の耐震性の一般的強化ということにつきましては、今後さらに勉強し、どういうふうな整備手段を考えるかということについては各省とまた御相談をし、結論を得た段階で御援助を申し上げる手段を考えたいということでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 先ほど一兆円余と言いましたけれども、そのうちで現行国庫補助負担額あるいは片方の総事業費のうちの地震防災対策強化地域の現行の負担、それらを加えまして、さらに今度のかさ上げ分——この一兆円計画の中でのかさ上げ分は幾らかといいますと千七百九十億円ですね。ですから、現行の国庫補助負担額によって起きている、たとえば都市公園計画に対する防災の処置だとか、老朽学校教育施設に対する改築というのですか、その分をかさ上げしようというわけですね。いま言いました通信施設あるいは病院、福祉施設あるいは消防施設等もありますよ。ありますけれども、どう見ましてもこの中で一番お金がかかりそうで、しかもかさ上げ分として拒否されたのは指定避難地の問題、指定避難施設の問題、公立学校の補強、それから指定避難路の整備の事業、この辺ではなかったかと推測をされるわけです。同じことが片方の財政措置についても、一項に示されている指定避難地(都市公園等)、指定避難施設(公立学校の改築)及び指定避難路の問題これらは従来も地方財政計画の中でそういう計画があるわけですね、その部分のある部分は強化地域についてはかさ上げをして、その部分のお金がいま言った千七百九十億円に大体相当する、こういう計画なのですから、いまの段階で計画も範囲もまだ設定されてないから率直に言ってむずかしかった、このことはわかりますが、この計画、補助制度ないしは財政特例措置がこういう形で提起されていることだけは事実なんです。そうしますと、地方団体としてはいま学校の改築や都市公園をつくってここを避難地にしようと言っておりますけれども、そしてそういう計画をつくりますけれども、いや、事によると国の方で今度はかさ上げした財政特例措置ができるし、あるいは補助制度もかさ上げをされるからしばらく見合わそうや、こういう意見もなきにしもあらずだと思うのですよ。たとえば水の確保のために教育施設の中に鋼板製プールをつくって、そこを災害時の水として確保しようという計画も、これができるのなら少し待とうじゃないか、そういうことがなきにしもあらずだというふうに思うわけです。したがって、いずれにしましても、私は早急にこの地域の範囲なり計画をおまとめいただいて、当初策定をしようとした補助制度なり、あるいはいま言った財政措置制度をできる限り早く国会に提起をするようにぜひ促進をしていただきたいというふうに思うのです。  今度は自治省の方にお願いをするわけですが、恐らくそういう計画がこの措置とは全然別といいましょうか、別の形で、とにかくおれのところは今度はその強化指定地域に指定をされたのだから、この際いろいろな計画を考えて、たとえば都市公園をひとつ今年度は見送ろうと思ったけれども、大地震があるならば、この際都市公園をつくってそこを防災の避難地にしょう、あるいは学校の老朽校舎などについても、この際ひとつ改築をしてそこを緊急の避難施設として活用しよう、こういう計画が出てくると思うのです。これは当然のことですが、所管は文部省なり建設省になるわけですが、それを裏づけするものはやはり地方債計画に出てくるのではないかと私は思うのです。したがって、そういうものが地方債計画として上がってきた場合に、自治省としてはこれをひとつ優先的に取り上げてほしい、こう思うのです。一方の範囲なりあるいは計画から少しずれ込んでいるわけですが、ずれ込むといっても、地方団体にしてみれば、いわゆる大地震はもうあしたにも迫るかもしれないという、そういう緊急性を持つわけですし、住民の側からいけば、こういう指定地域が出たから市としては早急に計画を立てなさい、こう攻められることは間違いないので、それが事業計画として上がり、それを裏づけする財政措置として地方債計画というものが出てくると想定をされますので、この辺のところを優先的に取り上げる方向をぜひ考慮していただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。

森岡敞自治省財政局長

○森岡政府委員 公園が避難地あるいは避難広場として大変有用であり、また学校のプールが防火用水などといたしまして大地震の際に大変効果があるということは、もう御指摘のとおりだと思います。私どもといたしましても、いまお話しのように、いままでもそういう面もあわせ考えまして、都市公園なりあるいは学校プールの地方債につきましては、要望をほとんど満額つくように運用してまいりました。また、必要な資金は地方債計画に計上してまいったわけでございます。今後、先ほどからのお話のように強化地域の強化計画でございますか、これがまとまってまいりますれば、それに応じた資金は十分確保していきたいと思います。また、それを踏まえまして、できるだけ優先的にその起債の許可もやっていくということに努力いたしたいと思います。  同時にまた、いまお話のありましたように、一体国がどういう財政措置の強化をするのかという問題とこれはあわせて考えていくべきことではなかろうか。地方債だけで処理ができるかといいますと、やはりそこは限界があるのではないか、かように考えます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 国土庁の人は結構です、何か別の委員会があるそうですから。  そこで、ぜひ自治省としては、むしろ誘導的にやってもらいたいと実はぼくは考えているわけです。地方団体としてはやはり財政がこういう状況ですから、どうも財政状況が悪いので、広範な避難地を確保するというのはちょっと無理なので、せっかくいい避難場所があったりしても、財政状況とにらみ合わせてどうも三分の一ぐらいしか確保できない。せんだって私の都市にもありましたが、むしろ建設省の方から誘導的にされて、避難地を含む都市公園計画を二分の一確保するという状況があったようでございます。私、それはもう全面的に改定なさいというふうにいまその地方団体にはお話はしているのですが、大蔵省との折衝の関係で、国の財政措置の方が率直に言って私はそう早急に行われるとは思いません。しかし、災害は待ってくれないわけですから、そういう意味ではむしろ誘導的に自治省の方からもぜひお願いをしたい、こういうように思います。  そこで、強化地域の各都市では、地震災害対策についていろいろな計画がなされているようであります。私は先ほどの四項の問題、いわゆる建築物に関する問題で御質問をしたわけですが、マグニチュード六ないしは八という段階で一番次の二次災害を及ぼすのは、やはり建築物の関係ということがこの四項に明記されているわけです。私は強化地域に対する消防庁のパトロールをもう少し強化すべきではないか、こういうように思うのです。  先回、私は実は藤沢市辻堂の東急ストアの火災の問題を本委員会で取り上げました。これはきのうの新聞です。あれからちょうど一年たちまして、神奈川新聞を見ましたら、「守られぬ防災義務」こう書いてあるのですね。改めて指導徹底をしなければならぬ、こう言っているのですよ。少なくとも当委員会で問題になったいわゆるビル火災の問題などが、再び「守られぬ防災義務」などという形で新聞に報道されるのは、余りにも指導体制といいましょうか、消防庁の下部徹底といいましょうか、そういうのが弱いのではないか。いわんや今度強化地域に指定された地域のそういう意味でのパトロールといいましょうか、あるいは消防施設、防災施設の点検といいましょうか、これをぜひ強めてほしいというふうに思います。  そこで、今度の伊豆東海沖地震が想定される条件下で仙台の地震が起きました。先ほどの報告にもありましたけれども、この報告では、強化地域は先ほど言った相模川沿いのところまでなのです。ところが、仙台の地震なんかの経験から何を学んだかということを実は私はお聞きしたいわけですが、相模川沿いまで来ますと、隣はすぐ横浜、川崎といういわゆる石油コンビナート地帯であります。私は母に聞いたのですが、私の家はちょうど相模川沿いに実家があるわけですが、関東大震災のときに横浜地域で硫酸が流れ出て、硫酸でやけどをした人が私の家に持ち込まれたというわけですね。相模川は橋脚が落下しましたから、私の家がいやおうなじに宿屋になってしまったわけです。そこでお亡くなりになった人が二人ばかりいるのですけれども、その人は硫酸だとぼくは母に聞きました。そういうことから見ると、今度の場合に横浜、川崎あたりの石油コンビナートからくる災害というものは非常に重要な課題になってくるのではなかろうか、こう思うのです。仙台の地震をお聞きしましたら、タンクに対するオイルフェンスが非常に強固で、あれは本来瀬戸内海の三菱の油流出量よりも流出量が多かったにもかかわらず、海には流出がなかった。これはオイルフェンスが二重、三重にカバーをしてあったのだ、こういうお話でございました。  そこで、川崎でも横浜でも、いまタンクの構造の欠陥等を調べているようですが、その状況はどうなんでしょうか。そして、先ほど言いましたパトロールの問題を含めて、そういうものに対する防災計画はどのようにいま進行され、指導されているのでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 川崎、横浜地区の千キロリッター以上の大規模タンクの現状でございますけれども、全部で一千三百六十三基ございます。     〔委員長退席、大西委員長代理着席〕 五十年二月に全国一斉に実施しました屋外タンクの安全点検におきまして、百分の一以上の不等沈下をしておりますものがこの地区で五十一基に達しております。これらのタンクにつきましては、タンクの開放検査を実施するとともに、必要に応じてタンクの底板の補修、タンク基礎の修正を実施し、現在すべて補修工事は終了し使用しております。  それから、川崎、横浜地区におきましては、不等沈下を起こした五十一基以外のタンクにつきましても、漸次開放検査をしております。現在実施済みが四百九十基ということになっております。  このように川崎、横浜地区は、特に地盤の関係等もあり、大規模コンビナート地区でもあり、タンクの問題については非常に神経質になり、消防当局も万全を期するための手を打っておるところでございます。  なお、先ほどの強化地域についてパトロールを強化しろというお説、まことにごもっともでございます。強化地域が恐らく近く指定されると思いますが、そういった地区はいつ地震が来るかわかりません。消防力の整備も一方で進めてまいりますとともに、そういう予防行政の面におきましても万全を期する必要があると思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 タンクの検査の問題はわかりましたけれども、オイルフェンスの問題はぜひ仙台沖地震の教訓に学んで設置をするように強化してもらいたいと思うのです。単にタンクの点検だけじゃございませんね。どこから油が流出するかわかりませんから、亀裂だけじゃないわけです。そういう意味では、ぜひオイルフェンスの問題まで含めて指導を強化してほしいと思います。  そこで、強化地域に指定をされたものですから、私の隣の都市の厚木では、防災無線を設置するということが議会に提起をされるようであります。相模原という町、四十二万ですが、私ここにも参りましたら、私のところは強化地域には入ってないのだけれども、隣接都市がそういうところでもあるので、防災無線をぜひしたいのだ、パニック状態のときの連絡網がないと言うわけですね。現実問題としては、電話線は切れるでしょうし、後は無線による処置しかない。いまのところは、相模原などで言いますと、本部が一カ所ありまして、移動局が四十局あって電波を送ってくるわけです。おれのところはこういう状況だ、この河川はこういうはんらん状況だ、ここではこういう家屋の状況がある。しかし、受けとめる機能は一カ所しかないわけです、周波数が一本しかありませんから。四十カ所から本部に送ってもらっても、一分ずつにしても、最後の局の報告は四十分後にしか把握ができない。したがってそのパニック状態を的確に指導する体制がとれないのだ、こういうお話でございました。そういうこともあってでしょう、厚木では防災無線をつくると言っているわけです。  どうですか、これはスタンダードのもので、十五万から二十万前後の都市では、いま方々で行われている防災無線はどのくらいの予算がかかるものでしょうか、消防庁でおわかりだったらひとつ。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 御承知のように、市町村の防災無線につきましては、昨年度から私どもの方で国庫補助対象にしておるわけでございますが、その基準額を一応事業費六千万を限度額、三分の一補助で国庫補助金としては二千万を限度額ということでやっております。私どもへ申請で参っておりますものを見ると、ほとんどはそれ以内でできておるわけでございます。ただ、行政無線の場合には、地形によりましては中継局をどう置くかということで非常に左右されます。したがって、複雑な地形とか中継局を幾つか置かなければならないところは、これよりも相当多額になると思いますが、ほとんどの団体は大体市町村が単位でございますので、六千万の事業費の範囲内になっておるようでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 率直に言って、防災施設としては相当高額なものですよね。三分の一ないしは二分の一という補助条項はありますけれども、強化地域に対するこういう防災無線については先ほど言いましたように、いずれにしても最近の都市、私の方の地域は非常に過密状態ですよ。これは大地震が起きた場合には、車で連絡することはほとんど不可能でしょう。とすれば無線でやる以外はない。しかも総額で大体六千万、それに対して二千万ということです。地方の持ち出しが四千万です。何とかならぬですかね。これは、あとの震災に対する緊急整備事業の補助の段階でも、輸送関係、無線関係については補助率を三分の二くらいまで引き上げようという案があるようですけれども、いま、そういう強化地域が指定されたものですから、現実に動いているわけです。この辺のところはどうでしょう。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 現在わが国の防災体制におきまして、全国の無線網というのがおくれておることは事実でございます。御承知のように、消防庁と全国の都道府県を結ぶ無線というのは完備しておりますけれども、都道府県庁と市町村とを結ぶ無線は、全国三十一県において現在一部稼動あるいは全部稼働という状況でございまして、まだそういったものがない県もあるわけでございます。  そういう状況のもとで、非常に要望が強うございますので、私ども昨年度から市町村無線につきまして国庫補助制度を創設したわけでございますが、地震のこの問題等もありまして、このところ市町村の行政無線をつけようという熱意が非常に高まってきております。私ども昨年は総額二億の枠を確保しただけでございますけれども、本年度は倍増の四億の枠を確保しておりますが、いまのところそれにおさめるのは大変なことだなという感じを持っております。全国三千幾つも市町村があるわけでございまして、これをすべて国庫補助でやっていくというのは、とても早急にはできないことである、私ども、地震強化地区といった地域で要望のあるものについて優先的に国庫補助金を交付していこうという体制でおるわけでございます。  それからなお、三分の一補助でございますが、残りの四千万というものにつきましては、必要に応じて地方債の対象ということになっておりますので、団体が希望すれば地方債を許可するということで、直ちの財政負担にはならないような配慮はしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 五十四年度の消防庁の整備費補助金の内容を見させていただきました。この中で、地震防災強化地域分、それから後半の地震防災強化地域分含めても、消防無線は載っておりますけれども行政無線が出てませんね。これは消防庁でやるのか各地方団体がやるのかわかりませんけれども、強化地域に一カ所ぐらい行政無線を設置をされる予算があってもよかったのではないでしょうか、そういうことがないから総額で十六億九千万にとどまってしまったのではないでしょうか。いまお答えは、県と都市との間、全国的な条件ではありますけれども、私が言いたいのは、特に大地震強化地域では、そういうことが優先的に配慮されていいのではないかということを特に申し上げたいわけです。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 無線の場合、予算費目が別でございますのでそれに載っておらないのでございまして、一応枠として市町村の分は四億ということで取っております。これを配分するのは地震強化地区だけに限っているわけではございません、台風常襲地帯あるいは積雪地帯、活動火山地帯、そういったところに緊急度に応じて四億を充当することになっておりますので、当然強化地区については優先的に配分されることになろうかと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 ぜひそういう配慮を格段にしていただきたいというふうに思います。  それから消防施設の整備の補助金について少しお尋ねをいたしますが、各都市でそれぞれ施設、器具等を購入しているわけでございますが、実勢価格と補助基準価格とに余りにも差があるのではないかという意見をしばしばお聞きするわけであります。きのうもわが党の細谷議員から御質問がありましたが、特に最近化学建材、化学的な製品による火災事故が非常に多いわけですね。そこで、これは一つ二つ例を挙げます。屈折放水塔車というのがございます。これも相模原に行って私はお聞きをしたわけですが、これが四千二百六十八万、補助基準価格が二千八百七十二万、これの三分の一補助ですから九百五十七万、こう言われているんですね。実勢価格、実際に買い入れた価格が四千二百万、基準価格が二千八百万、余りにも差があるのじゃないでしょうか。しかも最近は高層建築物はもちろんですが、同時に、たとえばガソリンスタンドとか、そういう化学的な消防を強めなければならぬという都市の構造上から見ましても、屈折放水塔車はどうしても必要だ。私はよくわかりませんけれども、上から化学薬剤を使ったあわ状の液をかぶせて一遍に消してしまう、そういうことがどうしても必要なんだ。にもかかわらず、実際は屈折放水塔車の場合でも水を使うということを前提にして、それによって基準価格が定められておる。したがって、それほどの差が起きるんではないか、こう言われておるんですが、いかがでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 消防の補助金の基準がどうも実勢価格と違うんじゃないかという御質問は、先日も繰り返しあったわけでございますが、私どもが補助単価を決めますのには大体前年度におけるところの契約の実績というものを基礎にいたしまして、それがどのくらい基準額と違っておるかということを見まして、それを翌年度に反映させております。したがって、大部分のポンプ等につきましてはほとんど違っておらないと思います。したがって、前年に対してことしも平均して基準額の一割のアップを行いました。違っておる主なものは消防ポンプの艤装、これはいろいろ団体によりまして特殊なものを取りつけますので、そういったものが加わりますとその部分が違うということ。それから水槽、これは非常にむずかしゅうございまして、地盤によって単価が違いますもので、平均をとりましても非常に高いものも中には出てまいります。いま御指摘の屈折放水塔車というものでございますね、これがお聞きしますと四千二百万、相当高うございます。確かに基準額に比べて相当開いております。本年度のこの屈折放水塔車の私どもの補助基準額は三千百五十九万といたしておりますので、それに対しましても一千万ばかり違っております。ただ、普通同じような屈折放水塔車などを見ますと、全国的に大体三千万ぐらいで買えているわけでございますが、この放水塔車というのは非常に特殊な車両でございまして、毎年二台とか三台とか、そんな程度しかないわけでございまして、相模原の場合どうしてこんなに高くなっておるのか、私、事情をつまびらかにしませんので、必要があれば調べてみます。ただ、消防一般について言えるのは、厳正なる契約をやってもらわなければならないという面も若干あると思いますし、これは特殊なものを何かおつけになっておるのか、その辺もあると思います。ただ、私どもの単価が本当にどうしても一千万も違うということであるならば今後考えなければならないと思いますが、これは全く特殊な例ではないかというような感じが実はいたしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 大阪の例でもありましたように、合成樹脂から大変毒性のガスが出るわけですね。したがって、いまそういう現場に飛び込む場合のガスマスクというのは補助対象になっていますか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 一般的にはガスマスクは補助対象にしておりません。ただ、救助工作車を補助対象にしておりますので、それとワンセットで買う場合には、その中にガスマスクが含まれておるということでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 先ほど御答弁の中にありましたように、一般的にどうしてそんなに高くなったんだろうかという御答弁、問題はそこなんですよ。いまのたとえばスタンダードの屈折放水塔車でしたら、いま御答弁のとおり三千百万から二百万ぐらいでできるでしょう。たとえば化学薬剤を水と一緒に同時に搭載する、そうして消火に当たる。大阪の場合なんか典型的な例ですね。あれは水をかけたら消えなかったでしょう。やはり化学薬品か何かのあわで消したのではないかと思うのですけれども、これに対しては補助対象になっていないのですよ。あるいは放水塔車に積載する空気呼吸器、ガスマスク、これは補助対象にならないのです。ここに価格差が出てくるのですよ。問題は、いま補助基準を決めるときにスタンダードのもので補助基準を決めるのも一つの方法でしょう。これは確かです。そのとおり。同時に、いまは都市においては建築建材から見てももうこれは普遍的なものだ、どこでもあるようなことだというならば、それはもう補助対象にすべきだと思うのですね。特にコンビナート地帯なんか、私はこの前あるところでアセチレンガスが爆発しまして、その後安全整備計画を全部指導したのです。そうして通産省もよろしい、警察庁もよろしい、全部いいということになりました。最後に消防庁に行きましたら、それでは困る、こう言うのです。どうして困るのかと聞きましたら、私どもが指導したのは火災が起きないための安全装置はできている、しかし火災が起きたときに飛び込む人の人命を対象にした安全装置ができていないと言うのです。私はそのとおりだと思いましたよ。すなわち、燃えている現場に飛び込むのは消防士で、燃えないための処置はできているけれども、現実には、その燃えない処置をしても、なお何万分の一かあるいは何百分の一かもしれませんが、とにかく火災が起きる。そこに飛び込むのは消防士であり、消防車である。それが二次災害を起こさないための安全装置をどうつくるのか、そこまで考えなければいけないと言うのです。同じように、消防庁が施設をつくる場合に、いまや都市においては、大阪の例を見るまでもなく、化学建材を使うことは明らか、あるいは石油製品あるいは石油そのものを使うことは明らか、したがって、この前のような火災が起きた場合に飛び込んでいくたとえば屈折放水塔車に空気呼吸器が備えつけてあるのは、いまあたりまえのことなんですね。世の中のどなたが見てもこれはあたりまえのものだというものは、やはり補助基準の対象にすべきだ、こう思うのですが、いかがでしょうか。問題は、そこにいわゆる対象価格の差が起きている、私はこう見るのであります。一般的な自動ポンプとか、あるいは小型動力ポンプだとか、消防ポンプ自動車はそんなに価格差がありません。しかしいまや都市の構造に見合った新しい機能と設備、それに対するところでは価格差が余りにもあり過ぎる。しかも社会的に言えばそれは当然許されてしかるべき施設であるにもかかわらず、そういう状況だ。ここの辺はどうお考えになるでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 ガスマスク等の備品関係につきましては、国庫補助制度でやるのも一つの方法かと思いますけれども、現在の消防の仕組みからいたしまして、地方交付税の積算の基礎には入れております。人口十万の標準団体において現在のところ二百万程度入れているわけでございますけれども、確かに先生のおっしゃるように、時代の流れに伴いましていろいろ装備の科学化、近代化というのも必要でございますので、今後もその実態を見つつ地方交付税措置を講じていかなければならないのじゃないかという感じがいたします。ただ、ガスマスク等は現実問題といたしましては大都市消防はほとんど備えていると聞いております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私が言わんとするところはおわかりいただいたと思うのです。  価格差があるということは、単に対象物件に対する実勢価格と基準価格との差ではない。現在の動態的な社会情勢に応じて、しかも常識的に考えられるものについてはひとつこの際取り入れて、消防施設として基準価格に算入されてそしてやるのがやはり一番素直だろうと思うのです。確かに、それは点検をすれば交付税の内容にも入っておるかもしれません。しかし、消防施設として本来あるべきものですからそこでぜひ配慮をしてほしい、こういうふうに思うのです。これは大臣、どうでしょう。きのうも細谷議員から同じような質問がありまして、大体消防庁が合成樹脂を危険物として消防法に規定していないというのはけしからぬ、こういう細谷議員の質問でした。私は違う角度から、消防施設の面から今度は提起をいたしましたが、この点に対してひとつ大臣からしかとお答えいただきたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 御指摘の方向に向かって極力努力をしてまいります。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 時間がありませんから、最後に一つだけ質問をいたします。  消防力基準に基づいて職員数を算定されるわけであります。私は、消防職員というのは基準数から見て大体六割から七割ぐらい充当しているのだろうというふうに実は思っておりました。相模原の消防力基準から算定しますと、現在九百六名必要だというお話でした。基準の算定方法はいろいろ聞きまして、ようやくわかりました。ところが実際は三百七十二人ですね。ということは、五割で四百五十人ですから三割五分くらいでしょうか、基準に対して三五%くらいの職員の充足率ですね。二部制、一部三部制をとっておりますが、そういう形態でありますがゆえに消防力基準の算出職員数との乖離があるのでしょうけれども、率直に言って、余りにもちょっとあり過ぎるのではないかという実感でございました。  現実の現場では警防員を削減することはできません。あるいはそれぞれの職務の長を削減することはできません。たとえば司令だとかあるいは司令長とかを削減することはできません。結局、削減といいましょうか、人員をカバーする面は、たとえば教育関係の訓練、あるいはそういうものに対して本来あるべき余裕人員といいましょうか、配置要員といいましょうか、こういう面で圧縮をして、そして現場に起きてくる事件だけには対応できる職員数になっておるのではないか、こう思うのですが、その辺はどう見たらよろしいのでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 いま御指摘の相模原の例で三十数%というのはどういう計算をやっておるのか。私どもの消防力の基準を前提といたしまして消防ポンプ等はこの程度あるべきである、欲しいというのをまず算定して、それに必要な人員というのを掛け合わせ、その他もろもろの業務について積算していった数字、相模原市の消防行政をやっていくにはこれだけの施設とこれだけの職員が欲しいという消防本部としての強い希望と申しますか、そういったものがその数字にあらわれており、それと現実とのパーセンテージを見ると三十数%ではないかと思います。本当に三十数%であるなら消防が動くはずはないという感じがするわけでございます。私どもの消防力の基準というものが一応計算でできるようになっておりますけれども、御承知のように弾力条項がございまして、全国の市町村それぞれが態容が違うものですから、私どもが机上計算でおまえのところは幾らと言う性質のものじゃございませんので、それで計算いたしますと、いまあるポンプを動かすのにどれだけの人が要るのか、各地方団体が積み上げたものに対して七七・五%という数字が出ております。その基準数というのはあくまでそれぞれの地方団体が現有消防力、消防ポンプ自動車等を動かすのに地域の実情を踏まえてどの程度要るのかといった場合に出てきた数字でございます。ただ、しかし、これにつきましては私どもの方がいろいろ検討いたしまして、ちょっと過大ではないかという点もございます。  これがいいことか悪いことか、見方によるかと思いますけれども、たとえば先ほどもお話が出ました屈折はしご車というような大きなもの、ああいったものが導入された場合に、そのポンプについても必要な人を十数名張りつけるとか、普通のポンプにも十二・五というのが基準になっているわけですけれども、一台につき張りつけるというようなことをやっていけば人はどんどんふえていくわけです。しかし、そういうビルの火災ということになりますと、普通のポンプ自動車のかわりにそのはしご車が走るということであるならば、乗りかえというのを認めてもいいのじゃないか。それから二交代制等で夜勤しておる。御承知のように、夜間の火事というのは非常に少のうございます。ただ救急がある場合がございます。そうした場合に、救急と消防と、これも乗りかえを認めてもいいのじゃないか。そういう乗りかえ関係を認めるとかいろいろ操作していきますと、私は現有ポンプに対する現人員というのは九割を超えているのじゃないかという感じは持っておりますけれども、ただ、それは私どもがそうすればできるということであって、それぞれの地方団体ではこれだけ要るのだと言っておるから、そちらの方が正しいだろうと思います。それに対しては七七・五で、やはり足りないことは足りないので、私ども今後とも消防力の拡充に努めていかなければならないと思います。  それからなお、先生の御指摘のように、火事の場合に動く消防ポンプ、それから救急車、これに対する人員というのは割くに限度がございまして、恐らくそのしわが予防行政あるいは訓練、そちらにいっておることは事実だと思います。  消防力の拡充の今後のことを考える場合に、そちらの面がむしろ今後は重要になってくるわけですから、私ども、いまの消防力の現状では施設も人員も決して足りると思っておりません。今後とも努力してまいりたいと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 最後のこと、私はそこが一番言いたかったわけです。  都市における新しい教育と訓練をしませんと、せっかくそういう施設をつくってもそれが有効に働かない。ちなみに、私のお聞きしたことがもし間違いならちょっと訂正していただきたいのですが、たとえばはしご車は七台あるのです。五人の搭乗人員で三交代で係数一・〇七を掛けます。百十二人ですね。それから化学車、三台ありまして、これは五人、三交代で、やはり一・〇七を掛けて四十八人。屈折消防車一台ですが、これは二人ですね、乗員二人に三交代、一・〇七を掛けて六人、こういう数字なのです。確かに、いま言われたように、乗りかえとか、あるいははしご車が出動するなどということはめったにあることじゃないですから、それはできるでしょう。いま一台の車に何十人も乗るなどという計画ではございませんから、四十二万の都市ですと、そういう計算に基づくと九百六人になる。さらにそういう合算したところの教育訓練要員をずっと出しますね。これがトータルの数字がXになりまして、それに二十五分の一を掛けて三十五人になる。この三十五人などというのはとてもとれませんね。実際は、先ほど言いましたように三百七十二人しかいないわけですから、三十五人などという予備要員、教育訓練要員をとるなどということはできない。どうですか、このくらいの数字は基準数字としてはそうべらぼうに高いという数字じゃないでしょう。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 あらゆる車に全部あるべき人員を張りつけ、二部制しかやってないのに三部制でありたいということで三部制の職員数を掛け、私が市長であるなら、やはり消防職員というのも、これは税金で養われているわけでありますので、ちょっとむだではないかという感じがいたします。  相模原市の消防職員の数というのは、ほかの都市に比べて、人口四十万都市ですから、それほど私は少ないとは思いません。ただ、九百何人というのはどうもありたいという要素が強いのじゃないでしょうか。普通の場合、常識的に言いましても、人口千人に一人というぐらいが基準でございます。現状の各都市の平均を見るとそういうような形になっております。それで足りるとは申しておりませんけれども、各都市に比べて特に現実が相模原市は低いとは思えないのでございますが、その九百何人というのが余りにも高過ぎるという感じがいたします。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 ありたいという数字じゃなくて、はじき出すべき消防力の基準数値がこうなるという意味なんですよね。それは三交代制の問題ももちろん入っていますし、職業訓練要員もX掛ける二十五分の一をとっているわけですから、それは本来、基準数値としては挙げるべきものを挙げての話でしょう。それにしてもぼくは何か三百七十二人というのは少ない感じが実はしたわけです。いろいろなことがあるでしょう。乗りかえもありましょうし、たとえば夜間の交代勤務を別の面で補う面もあるでしょう。あるいは南消防署と本署とあるわけですが、それのやりくりもあるでしょう。それにしてもちょっと少ないのではないか。問題は、私の言いたいのは、そういうことが結果的に職業教育ないしは科学的な新しい知識を吸収しなければならない、そこにしわ寄せをされてくる。結果的には、先ほど言いましたような火災が起きたときに対応できない。私はいま非常に重要なことは、やはりこれだけ社会構造あるいは生活構造が変わっていますから、それに対応できる教育というのを非常に重視をしなければいけないと思っているのですよ。でなければ、せっかくのこれほどのすばらしい化学消防車にいたしましても、これを臨機応変に使うことはできない、こんな感じが強くいたしますものですから、その辺を強く感じたわけです。  いま一度お聞きしますが、この辺、先ほど前の質問の際に、消防学校等があって、そこにも各都市から消防の教育に来ている、こういうお話でございました。どうでしょうか、この消防学校の中では、いま言ったような教育も含めて行い、かつ各地方の消防署は教育派遣要員を出すのにそれほど苦労はしていないという状況なんでしょうか。いま一度お聞きいたしたいと思うのです。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 先日の御質問にありましたのは、消防学校の中で初任者教育の面でございます。ただ、消防の場合初任者教育というのが一番重要なんですが、その六カ月の私どもが基準として示しておりますものを行っておるのが全部の学校のうちの半分しかないというような状況で、これは学校の収容能力の面が多いと思います。ただ、六カ月も出すのはかなわないという面がないとは言い切れません。これはやはり結局のところ消防職員の総数が足りないという点に帰着すると思いますので、私どもは一方では消防学校を強化し、その教育の機会をふやしていくと同時に、職員数を、いまでも足りないわけですから、今後ともふやしていかなければならない、そのように考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 最後にひとつ要望だけしておきます。  消防職員はいずれにしても大変な危険な地域にみずから行動するわけです。最近民間産業なんかでも公務災害に対する補償制度が各般にわたって充実をされています。たとえば民間ですと、労働者災害補償保険法に基づいて災害給付はするわけですが、それにプラスして民間のたとえば生命保険会社とか、そういう保険会社との契約で付加給付をつけて万一の場合に備えてやっているわけです。私はまだつぶさに消防職員の公務災害に対する総額を点検はしておりませんが、ちょっと拝見したところでは、公務員の災害共済を準用されている。さらには災害に対するいろいろな功績があった場合に、障害者賞じゅつ金という制度があります。最高一千万円ですね。私のこの法律がもし古ければ別ですけれども、一千万円ですね。——千三百万円になったのですか。それにしても、いまどきぼくは公務員災害の片方の千三百六十日分ですか、それを加えても、どうも万が一のときの災害補償としては低過ぎるのではないか、警察官に対する災害制度に対する特別措置等もあることですから、消防職員に対する特別な、特に公務災害が発生する率が高い職業だけに、特別な配慮がされてしかるべきではないか、こう思います。この意見をつけ加えて、ぜひ要望をさせておいていただきたいと思います。もし御答弁があれば御答弁をいただきます。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 現在消防職員のそれらの関係につきましては、全く警察並みということになっておるわけでございますが、現状で十分であるとは考えておりません。今後とも改善に努力してまいりたいと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 終わります。

大西正男自由民主党

○大西委員長代理 午後二時三十分より再開することとし、休憩いたします。     午後零時二十七分休憩      ————◇—————     午後二時四十四分開議

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  消防施設強化促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。佐藤敬治君。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 天から空が落ちてくるのを心配した人を指してできた言葉が杞憂という言葉で、ありもしないことを思い悩んでくよくよしているのを杞憂と言うのだそうです。私がいま質問するのもあるいは杞憂の部類かもしれませんが、最近の話題であるし、ちょっと御質問しておきたいと思うのです。科学技術庁の方来ておりますね。  二十五日に科学技術庁がスカイラブが落ちてくるというので連絡会議を開いたという記事が出ておりましたが、その内容をちょっと教えていただけませんか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 科学技術庁宇宙国際課長の佐藤でございます。  いま先生御指摘の件でございますけれども、アメリカの航空宇宙局の情報によりますと、アメリカが一九七三年に打ち上げましたスカイラブという人工衛星がございます。これが六月の下旬から七月の上旬にかけまして地上へ落下してくるおそれがあるという情報が参っております。わが国へ落ちる確率はきわめて低いと言われておりますけれども、政府といたしましては、落下に伴いますところのアメリカからのいろいろな情報を関係の省庁協力しまして把握いたしまして、また万一落下した場合の措置等を講ずるために関係省庁を集めました連絡会議というものを発足させた次第でございます。  関係省庁といたしまして現在のところ内閣、それから外務省、防衛庁、国土庁、警察庁、消防庁、海上保安庁、それと私ども科学技術庁をメンバーといたしまして、主として情報連絡体制の確立等について現在検討を進めているところでございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 さっき申し上げたとおり、まさに杞憂であるかもしれませんが、一応科学技術庁がそういうような連絡会議を開いたということは、何かしら可能性が少しでも残っている、こういうので開いたと思いますので聞くのですが、これは杞憂、天が落ちてくるなどというのはまさにあり得べからざることなのですが、しかしそういうことはよく考えてみるといっぱいあるのですね。この間、二十六日と二十七日に雷が落ちてたちまち八人死んでしまった。しょっちゅう隕石が落ちたり何かしていることもありますし、たくさんある。この人工衛星が落ちてくる可能性は六千億分の一などというとんでもない数字が出ているのですが、六千億分の一でも、やはり一がある以上はだれかの頭に落ちてくるか、どこかへ落ちてくる可能性があるわけなので、幾ら確率が低いといってもゼロじゃないわけですね。そのためには、科学技術庁もやっているのでしょうが、一体日本で何かこういうのを観測しているところがあるのですか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 わが国といたしましては宇宙開発事業団というのが追跡管制の、あるいは人工衛星を一元的に打ち上げている機関でございます。科学観測の関係は東京大学がございます。ただ、宇宙開発事業団が有しております追跡管制機能は、わが国の衛星を種子島から打ち上げる場合に必要な追跡管制ということの機能しか持っておりません。したがいまして、事業団の現状の能力でこのスカイラブを十分に把握するということは困難でございます。  なお、このスカイラブという衛星につきましては、すでに電波がとだえているというようなこともございまして、そういう点からもわが国での追跡は非常に困難という現状でございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 七月の二日に落ちてくるという予測だそうですが、これはいろいろなのを見てみると、どうも五百個ぐらいの破片が落ちてきて、最大のものは二・五トンくらいある、かなり大きなものですね。スカイラブ自体が七十一トンもあるというのですから、その破片が二・五トンというと、小さい自動車が落ちてくるようなもので、当たるとやはり痛いと思うのですよ。  そこで、しかもこれが落ちてくる範囲というものは、ソ連、カナダ、英国、中北欧を除いてあとはどこへでも落ちるかもしれない、アジアにも落ちる可能性があるというのですけれども、これは一体いつごろになるとどこへいつごろ落ちるかということがわかるのですか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  いつごろという日にちと時刻につきましては、アメリカの航空宇宙局の方へ外交ルートを通じて情報をいただくようにお願いしておりまして、アメリカの方も協力するという回答をいただいております。  それで、落下に関します日にち、時刻の情報につきましては、先生御指摘のように、現在七月二日前後ということでございますけれども、自後も情勢の変化があり次第私どもの方へ連絡いただくということになっております。ただ、どこの場所に落ちるかということにつきましては、アメリカの航空宇宙局としても十分正確に事前に把握することはきわめて困難だというようにいまのところ言っております。ただ、どの日にちにおよそどの時刻かということにつきましては、ある程度事前に把握できるのではないかということを期待しておりまして、その旨外交ルートを通じてアメリカの方へ要請しているところでございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 私は余りこれの資料がないので、毎日新聞の切り抜きで質問しているのですが、どうもこれを見ますと、これの監視をしているのがアメリカの宇宙防衛センターでやっているというのですが、そこへ行きますと、近日中に落下する人工衛星が四月三十日現在で全部で十二個ある、うち八個は燃え尽きるけれども、残りの四個が地上に落ちてくるというのですが、何かそういうふうな情報も入っているのですか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 人工衛星は年間約七十個くらい、それからロケットの破片といいますか残骸がやはり地球軌道を回っておりまして、それが年間約五百程度、合わせまして六百程度の人工の物体が世界じゅうのどこかへ落下しておるということでございます。これはレーダー網を完備したアメリカの北米防空司令部というところの調査でございます。ただ、そのうちの大部分は大気との摩擦熱によって消滅しておるということでございまして、本当にいわゆる有体物としてそのうち何個落ちてくるかということにつきましては、米国の方も十分把握してないように聞いております。あるいはごく一部のものが有体物として落ちているかもしれないということのようですけれども、従来たくさん落ちているわけでございますが、大部分が燃え尽きているということでございまして、被害になるような大きなものが落ちてくるというふうなことについてはないものと思っております。ただ、先ほどのスカイラブのような七十一トンクラスのものになりますと燃え尽きないで落ちてくる部分もございますので、十分注意しなければいけないというふうに考えておるところでございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 この前ソ連の人工衛星が落ちて放射能が飛ぶというので大騒ぎしたのですが、その人工衛星はどのくらいの重さがあるのですか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 ソ連の衛星、コスモスでございましたけれども、およそ四、五トンというように聞いております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 それであなた、ちょっと聞いたのだが、大抵は燃え尽きるというのだけれども、四、五トンでも落ちてくるのですからね。これは七十一トンあるのですからね。七十一トンみたいな大きなのでないと落ちてこないかと思ったら、四、五トンくらいでも落ちてくるとすれば、落ちる可能性のあるのはうんとあるのですね。そうでしょう。決してそう少ないものじゃないと思うのですよ。これを見ますと、ソ連のスプートニクを打ち上げてからいままでに打ち上げた人工衛星の数が一万一千個、そのうち四千六百個がまだ残っているというのですから、半分くらい落ちているのですね。いま大体チタンでできているのですが、これからますます摩擦熱に強いのができてきてどんどん打ち上げられると、こんなに何万個というのが打ち上げられて、それがかなり大きな被害になる危険性はないのですか。ますます丈夫な大きなものができる可能性があるのですか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 確かに、御指摘のように約一万一千個ぐらい打ち上がっておりまして、そのうちの約半分程度、六千ぐらいが消滅いたしております。いずれも大半が燃え尽きるということでございまして、地上へ有体物として落下した例はきわめて少ないというように報告されております。  今後のことでございますけれども、およそこの五年間ぐらいの平均をとりますと、先ほど申し上げましたように年間大体五、六百個ということで消滅、落下いたしておりまして、今後ともそういうことが予測されます。ただ、被害を与える程度でございますけれども、これはアメリカの資料によりますると、隕石の落下確率よりはずっと低い値だというようなことをアメリカは言っております。  それから、もう一点は材料等でございますが、これについてもできるだけ燃えやすくしていくというようなことも今後考えられていくべき問題だと思っております。各国ともそのような配慮をしていくものと予想いたしております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 これは、そうすると、落ちると、上げた国が補償するのですか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 宇宙条約というのがございます。昭和四十二年に発効した国際条約でございまして、わが国は発効と同時に加入いたしております。その宇宙条約の規定によりますと、衛星を打ち上げた当事国は、もし他の国へ損害を与えた場合には賠償する、賠償の責任を有するという規定がございます。  以上でございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 それは、政府が被害を受けた人を代行してアメリカにかけ合ってくれるのですか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 宇宙条約によりますと、宇宙活動というのはすべて国の責任ということになっておるわけでございますが、もし被害を受けたということになりますと、その国が外交交渉を通じてアメリカならアメリカの方へ要求するということでございます。国内の手続につきましては、それぞれ国内法に基づいてということになります。したがいまして、もし仮にわが国ということになった場合には、その申し出等に応じまして政府といたしまして取りまとめてアメリカの方へ請求するということになろうかと思います。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 もし直前になって日本へ落ちるということがわかれば、どういうふうにしますか。

佐藤允克科学技術庁研究調整局宇宙国際課長

○佐藤説明員 ただいまのところ直前に日本へ落ちるということにつきましては、アメリカとしてもきわめて困難だ、ほとんど不可能に近いということを予想しておりますけれども、もし万が一事前にそういった情報が参りますれば、関係の省庁並びに報道関係等を通じまして一般の国民へも速やかに周知するように措置したいというように考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 佐藤さん、もう結構です。ありがとうございました。  この前からいろいろ質問がありまして、その中心議題がガスだとか合成樹脂だとか、そういうものの処理が非常に問題になっておりましたが、私もちょっとその問題についてお聞きしてみたいと思います。  一番先に藤枝の生ガスの事件をお聞きしたいのですが、周囲の事情は大体いろいろわかっていますから、簡単に一体何が本当の原因であったか、この原因について、それからその後でどういうような対策を講じたのか、これをちょっとお話し願いたいと思います。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○香田説明員 お答えいたします。  今回の事故の原因でございますが、これは現在関係当局によりまして調査中でございます。ただ、下水道工事に起因すると思われます地盤沈下によりまして低圧本管が折損いたしまして、漏洩したガスが被害者宅へ流れたもの、このように推定されておるわけでございます。  今回のような事故の再発を防止するため、他工事の埋め戻し工事を適切に行わせる、こういった方策が非常に重要であろうというように考えております。  通産省といたしましては、ガス事業者と他工事事業者との導管の防護協定の促進、さらには埋め戻し時点での立ち会いの強化あるいはガス事業者の他工事現場の見回りの強化、こういったことを講ずることによりまして、他工事に起因する事故の防止策の強化につきましてガス事業者を指導したい、このように考えております。  また、さらに、ガス漏れ通報に対します適切な対応もガス事故の早期発見、さらには拡大の防止のために重要であろうかと思いまして、当省といたしましては、二十三日付で全ガス事業者に対しまして、消費者等からガス漏れ通報があった場合におきましては、ガス漏れの原因を徹底的に究明し、不十分な調査点検とならないように厳しく注意を喚起いたしたところでございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 私はいまあなたにこう聞こうと思ったのですよ。二十日の日に藤枝のガス漏洩事件がありまして、すぐ同じような原因でもって二十二日に昭島のガスの爆発があったのですね。ああいう事件が起きて、前にも何回も起きているのですが、そういう事件が起きて、すぐ緊急の措置をとったかと思って聞こうとしたら、あなたは二十三日からそういう措置をとったと言うので、まさにうまく二十二日を逃げてしまったのだけれども、二十三日にやって、なぜ二十二日に終わって——大体事故というものがわかっていながら、こんな事件を出すなというので、早急にあれを出すべきだと思うのですが、しかもこの事件は、これから申し上げますけれども、まだまだ問題がある。あれは突然に起こったのじゃない、二十三日という日にちの間に昭島のああいう事件が起きて、そしてけがしたり、あるいは死ななかったのかもしれませんが、ああいう事件が起きている。早速ああいうのはやはりやらぬと、いつ起きるかわかりませんから、この点はひとつこれから気をつけていただきたいと思うのですが、いま申しましたように、突然起きた事件じゃなくて、これはずっと調べてみますと、三十八年一月二十四日に深川で同じような事件があるのですね。ガス管の溶接工事のずさんのためにひび割れがあって、東京瓦斯の関係者が業務上過失致死罪に問われて起訴されたというような、こういう事件が現にある。  それからさらに、例の大阪の天六のガスの事故、爆発して七十九人も死んだというような大変な事故がある。  こういうふうな事故があって、そのたびにおたくの方で厳重に通達を出しているのですね。ガスのにおいを強めろとか、ガスの検知器を開発しろとか、再発防止策をとれとか、いろいろなことを厳重に注意しているのだけれども、再三再四同じことが繰り返されておるわけですね。何もこの教訓が生かされていない。一体通知の出しっ放しでほったらかしてあるのか。実際にその実行方はどういうふうに監視しているのか。非常に危険なこのガスの問題について、こんなに次から次と七十人も百人も死ぬような、特に大阪の天六事件は七十九人という多数の人が死んでいるのですね。それにもかかわらずまたこういうような事件が起きてきているというところに、私は何かあなた方に抜けておるところがあるのじゃないか、一体本気になってこれをやるつもりがあるのかどうか、こういうことについて非常に疑問を持たざるを得ないです。御見解は……。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○香田説明員 御指摘の三十八年の深川でのガス事故でございますが、これは先生御承知のとおり、江東区の三好町、それから平野町におきまして、東京瓦斯の輸送導管でございますが、これが溶接工法に起因すると思われます亀裂が生じておるわけでございます。それで、その亀裂から漏れましたガスが何らかの原因によりまして引火、火災が発生したというわけでございますが、この事故の発生に伴いまして、私どもでは緊急に学識経験者、それから関係省庁から成ります都市ガス保安対策検討会におきまして、都市ガス保安上の基準の再検討を行っております。  これに基づきまして、導管材料の制限、あるいは導管埋設後の漏洩検査の頻度を高める、これは従来五年に一回であったものを圧力が一キロ以上のものにつきましては三年に一回というように変えたわけでございますが、そういった頻度を高める等の省令改正を行っております。これは三十九年に行っております。  それからさらに、導管の溶接工法の認可につきまして、あるいはガスの漏洩が早期に発見できるために供給ガスににおいをつける、付臭を行う、こういったこと等につきましてガス事業者に対しまして通達を出しておりますが、これは四十五年にガス事業法を大改正いたしておりますけれども、その改正の際に技術基準として取り入れております。これらの措置によりまして、それ以降につきましては導管の溶接工法に起因いたします損壊事故、こういったものはなくなってきておるのではなかろうか、このように考えております。  それからまた、供給ガスの付臭等につきまして、ガス漏れの早期発見等が可能になりまして、ガス事故の二次災害を防止する、こういったことに役立っておるのではなかろうか、このように考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 いまの江東区の事故でやっぱり人が死んでいるのですね。死者六人、重軽傷二十三人なんですね。だから、これはやっぱり大変な事件なんですよ。天六の事故でもってこんなに七十九人も死に、またすぐこういう事故でもって人が死んでいる。こういうような事件が次から次と繰り返されて、そしてあなたがいま、こういうこともやっている、こういうこともやっていると言うけれども、何も事件が減ってないじゃないですか。また同じような事件が次から次へと起きてくる。それからあなた方、ガスのにおいもあれするし、これもそうだ、あれもそうだと言うけれども、そういうのが、通知の出しっ放しあるいは警告の出しっ放しで、行われているか行われてないか、そういうことに対する点検というか常時監視、指導、警戒の体制というものが何にもないじゃないか。でなければこんな初歩的な問題が起きてくるはずはないと私は思うのですよ。たとえばさっき話ししました昭島の二十二日のガス管を破った、爆発して幸いにして死人は出なかったけれども、重軽傷を負った。これは調べておるかどうか。調べておると思いますけれども、これを見ますと、電話線の工事、シャベルでこうして掘っていたんですが、それで、監督している人はそこにガス管があるかないかということを全然知らなかったというのですね。二日前に藤枝の問題が起きているのですよ、同じような埋め戻しだとかこういう問題で。それで二日後の二十二日に電話線工事をやっているあれが、しかもそこに現に監督に行って、監督しているのがガス管があるのなんということを、そんなことは知らなかったと言っているのですよ。たったいまも目の前でこれだけの人間が死んで、そして大事件があったのに、同じようなことを何の反省もなく繰り返している。こんなばかなことがあるべきじゃないと私は思うのですよ。なぜこういうふうに無関心なのか。だから、私は、あなたがあれもやったこれもやったと言うけれども、そんなことだれも守っていないで、聞いてもいないじゃないか。ただ、来たのをどこか壁に張ってあるかもしれないけれども、何にも守ってないじゃないか。そうでなければこんなばかくさい初歩的なことが繰り返し繰り返し起きて、人命が損傷されるなんというばかな話はないですよ。ちょっとそこいらで自転車に乗ってけがしたのと違いますからね。何十人という人が死んでいるのですよ。その見解をひとつ……。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○香田説明員 昭島の事故での御指摘でございますが、昭島市におきますガス漏洩事故、これは五月二十二日、御指摘のように発生したわけでございます。昭島市の玉川町におきまして電電公社の下請工事業者、これは昭島ガスの供給区域でございますが、昭島ガスに連絡せずに電話線埋設のためのマンホール拡張の穴を掘削した、その際に過ってガスの導管を破損した、こういうように報告を受けております。  道路工事を行います場合には、各地で道路調整協議会というものが開催されておりまして、その場でその年度年度の道路工事に関しまして打ち合わせをする、こういうことになります。したがいまして、道路工事をする場合には、あらかじめ工事をされる方から、ガス管につきましてはガス事業者に対してあらかじめ御連絡をいただきまして、それでそのガス管の埋設個所を確認いたしまして、まず試掘をするわけでございます。試掘をして、さらに現場でこれを確認して、それから機械掘りに入る、こういったことでやっておるわけでございます。昭島の場合には、電電公社の下請工事業者がガス会社に連絡せずに工事を始めてしまった、このために過ってガス管を破損した、このように考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 私は事実を聞いているんじゃないのですよ。いままで指導してきたのにもかかわらず、どうしてこんな事故が起きているかということを聞いておるのです。この昭島の事故では試し掘りをしているのですね。試し掘りをしておりながら、ガス管がどこにあるか、そんなことは全然知らなかったと言っているのですよ。その原因の一つとしてぼくが考えるには、これは目黒通信機建設というところが請け負って、そして孫請負の土井工務店というところに出しているのですね。孫工事店なんというのはどこに何があってどういうふうなのか、直接あれしたところからよく連絡を受けていない。だものだから、こういうふうなことになるんじゃないかと思うのですよ。だんだん下へ行くほど無責任になってしまってこんなことになるんじゃないか、こういうふうな気がここではするのです。さっきから私が言っているとおり、これもやったあれもやった、悪いのは工事をやった連中だ、こう言っているんだけれども、工事をやった人たちだけじゃなくて、いろいろな仕組み、特にガスに対して大きな責任を持たなければいけない通産省自体の保安のあれが、私はあり方、真剣度というものが非常に疑われるのですよ。一遍ならまだあれしますよ。二遍ならまだあれしますよ。次から次へと、これは二つか三つしか例を申し上げませんけれども、大変な数の事故が起きているのですよ。だから、これをもっと真剣になって、こういうことが起きないように、ガス管がどこに埋設しているか何にも知らぬで、でたらめに掘るようなことのないように、なぜそういうことをやらないかということです。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○香田説明員 他工事関係の事故の防止ということにつきましては、先ほど先生からも御指摘ございましたように、大阪の地下鉄工事の大事故以来、通達あるいは技術基準の改正等によってその防止策に鋭意力を注いできておるわけでございまして、私どもの立場といたしまして、ガス事業者に対しましては、特に他工事事業者との導管の防護協定の締結、そういったことを促進いたしまして、これも相手のあることでございますから、必ずしもスムーズに締結できるかどうかということは、いろいろ問題もあろうかと思いますが、極力防護協定の締結を促進するようにガス事業者を指導いたしておるところでございます。また、ガス事業法に基づきます保安規程によりまして、他工事に関する導管の維持及び運用等につきまして保安規程を設けさせております。これによりまして導管の保安の確保を図っておるところでございますが、今後とも他工事に起因いたします事故の再発の防止ということにつきましては、関係の各省庁とも密に連携をとりまして、一層事故の防止に努力したい、このように考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 あなた、さっき道路の工事をやるときは道路の何とか協議会があると言いましたね。あれは何ですか。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○香田説明員 道路調整協議会でございまして、これは主として道路管理者が開催する会議でございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 その話をしてお聞きしようと思っておったのだけれども、この一連のいまも申し述べた三つ、四つの事件を見ましても、結局、電線掘ろうとすれば電線業者が勝手に掘る、水道をやろうと思えば勝手に掘る、こっちをやろうと思えば、埋設物がたくさんあるのにめいめいが連絡もうまくとらない、あるいは全然連絡をとらないで、勝手に掘ってこういう事故を起こしているのですね。埋め戻しもうまくない。事故はほとんど皆そうです。だから、私さっきから言っているとおり、全く同じような原因による事故なんですよ。それが次から次へと発生してきているのですよ。一体人間の命を何と考えておるのか、私はこう思うのです。それでただ指導します指導しますというのじゃだめだ。幾らやったってあなた方が本当にやらないし、あなた方が本当にならないから、受ける方も何も罰則があるわけじゃないし、事故を起こしたときは怒られるぐらいで、本当に考えていない。なるべく安上がりでやろう、これしか考えていないものだから、次から次とこういう事故が起きる。だから、単なるあなた方の指導というのは信用されないのですよ。だから何か制度として、単に道路協議会を管理者側がやるからそれでいいということではなくて、何かもっと強い制度として、道路に埋設物をつくるとき、あるいは道路を改修したり破壊するようなときに、こういうふうに全部に連絡をとってきちっと最後に合意してからでなければ仕事にかかってはいかぬ、これを破れば罰を加えるぞ、罰を加えてもいいと思うのです、人間が何十人も死ぬのですから。それぐらい強い一つの規制、法律でもいいし何でもいいが、そういうような規制の制度をつくるべきじゃないか。いまの都市というものは、本当に原子爆弾を抱えて寝ているようなものですよ、自分で一生懸命気をつけたって、下からインベーダーみたいにガスが侵入してきて知らないうちに死んでいるのですから、あるいは歩いている人が突然大爆発で七十九人も死ねのですから。これは、だから規制をして、体罰を加えてもいいくらいの十分な規制をしてしかるべきだと思う。それが何の調整もない。私はいま初めてこの道路調整協議会というものの存在を知ったのですが、何もない。そしてこの事例を見てもわかるように、勝手にいろいろな道路をひっかき回してはひっかけて爆発を起こしている。だから、こういう法的にはっきりとした全部のあらゆる関係者の合意を得なければ工事にかかってはいかぬ、こういうような制度をつくる、こういう意思はありませんか。

山本重三建設省道路局路政課長

○山本説明員 ただいま先生御指摘の道路の地下埋設物につきましては、当然これは道路の地下を占用することになりますので、私どもは、道路法の規定に基づき占用の許可を受けなければ、こういった埋設なり工事ができないことになっております。こういうことで、私どももこういう地下埋設物による事故の防止のために、道路法の施行令の中で占用の基準を定めておりまして、過去に四十五年の大阪のガス爆発事故等を契機といたしまして、現在施行令の中でガス管あるいは石油管あるいは下水道管、こういった埋設管の工事をやる場合には、その実施方法等につきましては事前に試掘掘り等によって占用物件の確認をしなさい、それから具体的に工事をやる場合につきまして、占用物件の管理者、この場合ですと下水道事業者がガス事業者との間に協議をいたしまして、占用物件の移転あるいは防護、工事の際の見回り、あるいは立ち会い、保安上の必要な措置、そういったものについて十分協議し、必要な措置をとりなさい、そういう措置をとった上で占用の許可をいたしますという基準を定めております。  しかしながら、実際にこの具体的な措置につきましては、地下の埋設物にかかわります占用者同士の協議なり調整が十分行われなければならない。そういうことで、私どもも四十五年の事故を契機といたしまして、事務次官会議の申し合わせによりまして四十五年に「地下埋設工事等による道路の掘り返しの規制およびこれによる事故の防止に関する対策要綱」というのを定めまして、この要綱の中で、具体的に埋設工事をする場合につきましては、各地域ごとに地方連絡協議会をつくりまして、ここに道路管理者、警察、消防あるいは労働関係機関、それに公益事業者、こういった関係者が集まって地下埋設工事の施工時期、施工方法の調整をやるほか、事故防止に関しましては施工の工法とか防護方法とかあるいは工事の際の立ち会い、点検、事故が起こった場合の連絡体制を十分協議して実施するように指導しておるところでございます。  今回の藤枝の事故につきましても、一年前にこの連絡協議会が開かれたようでございますが、実際の工事の過程で、地元の補償交渉のおくれ等によって工事の時期がずれた問題等もあったようでございますが、しかしながら、こういった協議会で十分協議された上で、なお具体的な工事の施工の際に占用者問の協議が行われておったならば、防止対策について十分な措置が講じられておったならば、こういった事故は未然に防げただろうということで非常に残念に思っております。そういう意味で、事故発生後、ちょうど二十三日でございますが、全国の道路主管課長会議が開れましたので、この機会に過去に出しました事故防止のための通達の趣旨をさらに一層徹底して、特にただいま申しました地方連絡協議会の場等で具体的な事故防止対策の問題について早速検討し、実際に工事の行われておりますところについては点検を実施するように指導したところですが、なお、さらに私どもは各地域ごとにブロック会議というものを設置しておりまして、ブロック会議で具体的に道路管理者等を指導しておるわけでございますが、その場におきましても、この問題につきましては具体的な問題として取り上げて事故防止対策について真剣に討議し、今後こういったことのないように万全の措置を講じていきたい、かように考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 非常にうまいこと言うのですが、たとえばこの間商工委員会で、藤枝の市長とそれから工事をやった園田工務店の社長なんかが来てあれしたのですが、その調査したのを見ますと、ガス会社で立ち会いを求めたが、立ち会いはできないかもしれない、適当にやってほしい、埋め戻しのとき職員をやらなかったとか、工事区間が非常に短いから、市の方では立ち会わなくてもいいから勝手にやってくれとか、いま言った連絡などは頭からみんな無視されているのですよ。一・五メートルしかないから立ち会わなくてもいいという市の態度だけれども、一・五メートルあればガスは大変な漏れ方ですよ。短いからガスが漏らないというわけじゃないのです。一・五メートルだから立ち会わなくてもいい、そんなばかな——あなたはいろいろなことをいま言っているけれども、何も守られていないのです。だから、さっき香田さんに言ったと同じことをあなた方に聞きたいのですよ。いま聞けば、非常にいいことで、絶対にそういうことはないと言うけれども、あり得べからざることが次から次に起きてきているのです。一体これはどういうことだ、それを聞いているのです。なぜこういうふうになっているのか。

山本重三建設省道路局路政課長

○山本説明員 今回の藤枝の事故にいたしましても、昭島の事故にいたしましても、私どもが通達で指導しているところによって占用者間で十分協議が行われて、その通達の趣旨が徹底されておれば、こういう事故は起こらなかっただろうと考えておりますが、そういった趣旨が徹底してなかったということが今回の事故の原因だと思って非常に残念に思っております。そういう意味で、この点は十分反省して、先ほど申しましたような具体的な機会をつかまえてこの問題をもう一回真剣に協議し、この趣旨を徹底させるように指導したいと考えております。  たとえば昭島の事故につきましても、まだこれは調査の途中段階での報告ですが、実際には電電公社の方とガス会社の方で、まずガス管の埋設位置の確認のためにガス会社の立ち会いのもとに、ガス会社の図面のもとに道路上の埋設位置の確認と掘削位置の設定を具体的に決めたようです。ところが、残念ながらその過程において、埋設管の位置の把握が誤っていたような状況があったように聞いております。そういうことで、そのもとに具体的に下請業者が工事をした場合には、掘ってみたところにガス管があったといった事態で、その点はガス管の確認において作業上慎重さが足りなかったのではないか、そういう問題があったと思います。特にガス事故につきましては、一たん間違えますとそれによって大事故につながる危険性が非常に高うございます。そういう意味で、基本的な埋設位置の確認、施工方法の協議、必要に応じての立ち会いの実施、こういったものについては最小限度のものとして今後守るように指導し、また関係官庁ともこういったことが実施されるように御指導願えるように私ども協議してまいりたいと思います。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 都市計画課長来ていますか。   これは非常に都市計画に関係ある問題だと思うのですよ。一つは、いま聞いたように何か市街地を掘削するようなときは、いまいろいろなことを言っていますが、必ず慎重に打ち合わせをして、何か合意書のようなものがあって、たとえばガスが一番危ないのですが、ガス管の位置を確実に確かめましたという何か確認書みたいなものがなければ掘っくり返されないとか、何かそういうことをやられませんか。  それからもう一つは、大阪のときあたりから、その前のあたりから盛んに勧告がありますが、勝手にどんどん掘らないで共同溝みたいなものを掘って、そしてその中で工事をしていく、市街地だけ統一したような、そういうようなことをやれという勧告があったように聞いていますが、何かそういうふうな方向に進んでいるというような事実がありますか。

山本重三建設省道路局路政課長

○山本説明員 ただいまの質問につきましては、道路の占用の問題でございますので私の方からお答えいたしますが、具体的に占用物を埋設する場合には、道路の占用の許可を受けなければなりません。したがいまして、占用の許可の時点で特に事故の防止に必要な事項につきましては、占用の許可の際の取り扱いとしてできるだけ取り上げるようにわれわれも今後検討してみたいと思います。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 いや、私の言っているのは、あなたのことを聞けば全部これが確認されてなければいけないんだよ。確認されているはずなんだよ。ところが、いまたとえば藤枝の事故でも何も確認されてない。もう立ち会わなくてもいいから勝手にやりなさいということで、そしてどんどんやっているのですよ。だから、そんなことを繰り返していたんじゃ困るので、何かたとえばガスだけでもいいから、ガスの埋設の場所をきちっと立ち会って確認しなければ工事にかかれないというような、そういうふうにされないか。立ち会って、そして確認したというその両方の判こでもついたきちっとした確認書でも出さなければ絶対に許可できない、そういうふうな指導をされないかということなんです。

山本重三建設省道路局路政課長

○山本説明員 私どもできるだけ、他の工事業者がガス工事に関連する埋設工事をする場合には、ガス事業者の協力を得て事故防止に万全を期したいと考えております。そういう意味で、ただいま申しましたように、道路の占用の許可の際に必ずそういうような立ち会いを求めてやるとか、そういうようなやり方を許可の際の条件等として指導できればそういう形でいたしたいと思いますが、この点につきましても、工事には種々いろいろございますので、通産省ともよく協議いたしまして、できるだけそういった方向でガス事故の防止に万全が図られるような措置をとっていきたいと考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 これはただちょっとそこらで転んでけがしたなんていうのと違うのですね。爆発すれば何十人も百人も死ぬのですよ。何十人という人が重軽傷を負うのですよ。そして負ったばかりじゃなくて、財産も家もみんななくなってしまうのですよ。それが何十年に一遍じゃないのです、続けざまに起きているのですよ。あなた方はそういうことはあるはずがないと一生懸命やっているけれども、やっている人がでたらめだからこういうふうになるんだ。あなた、殺される方の側になってみればこれはたまったものじゃないのですよ、爆弾抱えて寝ているのと同じですからね。何ぼやってもあなた方の指導を業者が聞かないでしょう。だから、私は言っているのですよ。どうしても聞かせるために法律でもつくってやるか、それをつくられないとすれば、現実にガス管がどこにあるかという、その工事をやる人と責任者と立ち会わして、ここにありますよと図面でも何でもくっつけて、そしてしっかりと確認してお互いに確認し合いましたという証明書でも出して、それからでなければ工事をしちゃいかぬということにされないか。たとえばここに、市は一・五メートルだから短いから要らないなんて言っているでしょう。そしてこうして爆発している。みんなガス会社は立ち会わなくてもいい、市は一・五メートルだから要らないから勝手にやってくれ、そしてガス会社がやって爆発しているのですよ。いいかげんにやるからそうなるのだから、せめて一番危ないガス管の埋設部分だけでも、工事をやる人とガスを実際にあれしている責任者が立ち会って、ここにありますよ、何メートルの深さにありますよ、どのくらいの太さのものがありますよということをきちっと確認してからでなければ、その確認書というものがきちっと出てからでなければ工事に着工できないのだ、こういうふうにされないかと言って聞いているのですよ。

山本重三建設省道路局路政課長

○山本説明員 通産省とも十分協議してそういう方向で指導したいと思います。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 ぜひひとつ再びこういうような事故が起きないようにやってもらいたいと思います。起こしたのは非常に悪いけれども、実際にこんなガスだ上水道だ電話だ何だと網の目のように張りめぐらされた中で、何の統一もないばらばら行政をやっていれば、一貫した保安体制がないでばらばらに勝手にやっていれば、やはりこういうものが必然的に起きてくると私は思う。だから、その点をぜひひとつ考えてやっていただきたいと思います。  それから、これも問題になっておることですが、藤枝みたいなああいう経営基盤の小さいガス会社、これが果たして本当にきちっとした保安体制ができるものかどうか、その点が非常に不安です。東京瓦斯だとか大阪瓦斯みたいなところは大企業だからまずいいとしても、ああいう地方の中小都市のガス会社がきちっとした保安体制をとれるかどうか非常に心配なので、その点をひとつ……。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○香田説明員 御指摘の中小ガス事業者の保安体制でございますが、ガス事業者につきましてはガス事業法に基づきましてガス工作物の材料及び構造の規制、さらには緊急遮断弁等の保安設備の設置義務、こういった保安規制を行っておりますが、またさらにガス工作物の工事計画の認可、定期検査等の法定検査を行っております。  また、そのほかガス事業法に基づきまして保安規程を作成させまして、保安管理体制、保安に関する教育、保安のための巡視、点検、それから検査、他工事に関します導管の維持、運用、こういった事柄につきまして保安規程に盛り込ませまして保安の確保を図っておるところでございます。  特に中小ガス事業者につきましては、ガス事業法に基づきます保安規制のほかに、通産省といたしましては、毎年しかるべき数の中小ガス事業者に対しまして保安技術の指導を実施いたしております。  こういうことによりまして中小ガス事業者の保安の確保につきまして万全を期しておるところでございます。今後とも藤枝市で発生いたしましたような事故の再発の防止、こういった観点からガス漏れ通報の受け付け体制及びその処理体制、保安規程の見直し等につきましてガス事業者を強力に指導してまいりたいと考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 指導するのはいいのですが、たとえば藤枝の場合でも何遍も通報があって現実にそこへ行っても、なおかつ発見できないで帰ってきているのです。あれがあの時点で発見していればこんな大惨事にならなかった。東京瓦斯みたいなところは、たとえばここにあるけれども墨田のあそこでもってガス漏れがあったってすぐ行ってやっているのです。ところが、藤枝なんか何遍行っても発見もできない、あれだけの用意をしていても。これだけ大きな差がある。だから、あなたみたいにちゃんとガス何とか法に基づいてやっていますというそのとおりいけばいいけれども、そういかないところに問題があるので、緊急事態があったときすぐ保安要員を出して、そしてきちっと皆原因を究明して対策を講ずる、そういうふうなことが果たしてああいう小さいガス会社にできるだろうか、それだけの力があるか、もう一遍ちょっとお話を伺いたい。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○香田説明員 御指摘の藤枝でのガス漏れの第一報に対しましてのガス会社の対応ぶり、これは御指摘のとおり、通報の内容が屋内でのガス漏れというような通報もあったようでございますので、屋内配管に関しましてガス漏れをチェックいたしまして、その漏れがないということを確認してそのまま戻ったようでございます。その後、再びガス漏れの通報がございまして、そのときに初めて屋外に原因があるというような情報を得て、それで屋外の道路に埋設いたしております配管の漏洩検査をやって漏洩を確認した、こういうように聞いております。  なお、ガス漏れの通報の第一報がございましたのは、私どもの承知しているところでは二十日の午後一時半ということに聞いておりますが、お亡くなりになりました方は前日の夜半にお亡くなりになった、このようなことのようでございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 とんちんかんなことを答えたってだめですよ。聞いていても何を答えているのかわからない。  こんなのはもうやめようと思ったけれども言いますが、藤枝の事故で、最初にガス臭いから調べてくれと言ってガス会社に通報があった、そうして行って、においはしたけれども、屋内の通報が来たから屋内だけ調べて帰るというばかな人がいますか、あなた。においがなければそうだけれども、においがあるのですよ。それを、屋内でにおいがするという通報があったから屋内だけ調べて、においがするのに帰る人が一体ありますか。そんなばかな話があるか。屋内でガスのにおいがすると言うけれども、屋内が何ともなかったら屋外を調べなければいかぬでしょう。それを何も調べないでおいて、そして今度はまた屋外の通報が来たから屋外を調べたという、屋内と屋外とどこであれするのですか。家の中のガスと外のガスとにおいが違うのですか。冗談じゃないですよ。そんなつもりで答弁するからああいうような事故が起きるのですよ。何を言っているのですか。人間が死んでいるんですよ。

香田昭資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長

○香田説明員 先ほどの私の答弁、少し言葉足らずのところがありまして申しわけございません。  第一報によりまして屋内だけを調べて帰ったということに対しましては、やはりガス漏れの調査体制に私ども不十分な点があった、このように考えておりまして、この件につきましては、二十四日、それから二十五日に私ども現地に立入検査をいたしております。その結果を踏まえまして、ガス漏れ通報後の処理体制につきましてしかるべき措置をいたしたい、このように考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 それはそれでやめます。  それからもう一つ、この間、同じ消防の質問で、私の方の細谷委員から、大阪阿倍野のウレタンの加工会社の事故で七人死んだという問題について質問して、いろいろ御答弁いただきましたが、もう一遍これについて私から御質問申し上げたいと思うのです。  この問題は、これもまた大阪の阿倍野のウレタン加工の問題が初めてではないのです。五十二年、おととしの五月十三日にやはり江東区の辰巳町というところで倉庫火災があったのです。それは全く同じように断熱材のウレタンホームに溶接の火花が落ちて、そうしてそれが燃え上がって倉庫内にガスが充満して、消防士だとか工事関係者二十一名ばかりが、幸い死ななかったけれども、中毒にかかって大変な騒ぎをした、もう少しで大惨事になるところだったという事件があるのです。そういう事件があった。全くこれは大阪の阿倍野と同じ事件です。これもウレタンの上に溶接の火花が落ちて火事になっている。この五十二年の辰巳の倉庫の問題も、やはりウレタンの上に溶接の火花が落ちて火事になっている。そうしてそのときに通産省や消防庁なんかからも緊急通達でもって非常に厳しいあれがたくさん出されているんですよ。緊急通達が東京消防庁からも出ていますね。これで厳重な通達が出ているけれども、何にも守られていなくてまた同じような事件が起きて、今度は不幸にも人が死んでしまった、こういう事件になっているのです。さっきとこれは全く同断、厳重厳重と言いながら、文句は厳重だけれども、後は何にもやっていないからこうして同じような事件が次から次へと出てくるのだ、こういうふうに私は理解せざるを得ない。  こういう工事火災というのは一体どのぐらいあるか、消防庁わかりますか、まずここ一年ぐらいの間でもいいのですが。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 工事中という概念で分類しておりませんので、残念ながらわかりかねます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 わからなければ仕方がありません。私もわからないから、わかりませんけれども、これは私が実際調べたのではなくて新聞記事の調べですが、これは昭和五十三年度で九月までに大体百七十件ぐらい工事火災があると書いてある。おたくから出た資料じゃないかと思いますがね。しかもその内容が、その出火原因というのを私はこれから問題にしようとしているのですけれども、この中の三割が溶接のアセチレンガスの火が飛んで火事になっているんです。このアセチレンガスというのは非常に火事になる危険性が多い。約三千度ぐらいあるやつが裸のまま火花が飛び散っていますから、そこいらに燃えるものがあったらまず火がつくと思わなければいけない。消防法ではあれは全部取り片づけてやることになっておりますけれども、下にウレタンを置いて上の方で火花を散らしているのだから、火事にならない方がおかしいんですよ。しかもシアンだとか猛毒が発生するやつに平気で上で火花を落としているのです。  これはいまの阿倍野が初めてではなくて、いま言ったように江東区で起きているのです。五十二年ですからおととしの話ですよ。そして消防庁から厳重な通達を出している。それにもかかわらず、また七人も死ぬようなこういう事件が起きている。これはさっきのやっと同じで、この阿倍野の事件というのは起こるべくして起きた、こういうようにしか思われないんですよ。これはまたすぐ次に起こるかもしれない、また死ぬかもしれませんよ。どういうふうに考えているのですか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 工事中の建物の火災というのは私どもにとって非常に取り締まりがむずかしい問題でございます。  消防法の規制対象というのは防火対象物、当然のことでございますけれども、もうでき上がった建物というのを対象としております。その建物に必要な消防設備を置くことを義務づけ、置いてない場合には置くように指導する、管理者を置くというようなシステムになっておりまして、工事中の場合には時々刻々形態が変わるから把握しにくい面もございますし、やはり工事中の場合にはその工事を行っておる者が責任を持って防火上の管理をしていただく必要があるのではないか、その趣旨の通牒というのは先生も御指摘のように繰り返し出しておるところでございます。  先ほど御指摘のありました辰巳の倉庫の火事も、確かに工事中の火花が、あれは壁に断熱材としてウレタンホームが使ってあったようでございますが、それに引火したという事例のようでございまして、したがって内装の壁などにそういう燃えやすいものを使ってはいけないということで、倉庫業者全部に対しまして強力な指導をしたわけでございます。  今度の大阪の火事は、これは先ほど来いろいろ御質問もございましたけれども、違法建築であり、しかも工事中に勝手にその中で作業を行っておるとか、管理者の不注意な点がいろいろ重なった事故でございます。  ただ、ウレタンホームというものが火が万一つけば猛烈な煙を発生する、そしてガスも出る、そのためにたくさんの死者も出た。こういった事態にかんがみまして、この前も申し上げましたように、現在はこれは規制対象になっておりませんけれども、特殊可燃物ということで近く政令を改正し、また条例準則も改正いたしまして取り締まりの基準というものをその中で規定したいと私ども思っております。  ただ、このウレタンホームというのは合成樹脂の一種でございまして、合成樹脂を規制対象にするということになりますと、われわれを取り巻く合成樹脂の種類というのは非常に多いわけでございまして、しかも、その性能が千差万別でございます。その合成樹脂の中のどういったものについてどの程度のものを貯蔵しておる場合にこれを規制対象にするかという点につきまして、技術的になお詰めていく必要があるので、若干の時日をおかしいただきまして、できるだけ早急に結論を得て政令及び条例準則の改正に踏み切りたい、このように考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 四時までだそうですので、協力して四時に終わりますが、この間も私の方の細谷質問でも指摘されましたように、私どもの生活、今日はもうほとんど合成樹脂というものを除いては考えられないような生活になっておる。しかも、一たん火災になればこれほどまた危ないものはない。最近の統計によりますと、毎年二千人近い人が焼け死んでいるのです。これは大変な数です。交通事故で一万人死んだというのは大変なあれになっているでしょう。これは二千人ぐらいずつ毎年死んでいるのです。しかもその大部分が合成樹脂が焼けて煙が出て、ガスが出て窒息死しているというのが、熱で焼けるよりもそっちの方が早く死んじゃう。大部分が合成樹脂の死亡ですよ。ところが、この合成樹脂というものについていまの消防法というのは余り厳しく規定していない。九条かなんかでそこらのかんなくずとか、おがくずみたいなごみくず扱いをしているのです。ところが、これほど危険なものはありませんので、いまもお話しがありましたが、消防法の不備ということを大至急改めて、合成樹脂製品に対する防災の法令というもの、たとえばいまの九条でもいいし、新しい項を起こしてもいいし、消防法の改正でもいいし、何かそういうものを整備して出すべきだ、これは最も今日的な問題だと思うのですけれども、そういう意思はございませんか。

近藤隆之消防庁長官

○近藤政府委員 いま御指摘ございましたように、われわれの身の回り至るところに合成樹脂があるという現状でございます。それを消防法規だけで取り締まるというのには恐らく限界があるだろうと思います。したがいまして、その合成樹脂、その中にはいろいろな種類があり、それぞれ性能も異なっておる。その中でこのものはこの程度の量を貯蔵している場合には危険性が特に強い、したがってそれを規制するということだろうと思います。一般的な合成樹脂どうこうという問題になりますと、合成樹脂というのはこういう性格のものであるということを国民の皆様方が十分理解されるという、防災に対する住民意識も一方においてあらゆる機会にPRして、合成樹脂は危険なものであるという認識を持っていただくことも必要ではないかと思います。もちろん、私どもの努力を怠るつもりでそう申しておるわけじゃございません。私どもなりに、これまでもそうでございましたが、いろいろ検討いたしましても、なかなかこの合成樹脂はむずかしいものでいままでおくれているわけでございます。したがって、大都市である東京であるとか大阪であるとかいった幾つかの都市では、条例によって規制をしておるわけでございますが、その量が余りにも大きいから、この前のも基準に合わないではないかというおしかりをいただいたようなわけでございまして、私どももそういった御指摘の点等も勘案しながら、現場でこういった事務に携わっておるそれぞれの都市の現場担当者の方々の御意見も十分聞きながら、どういったものについてどの程度規制するのが適当か早急に結論を出して、これは政令改正で措置できると思いますので、政令改正及び条例準則の改正によって措置してまいりたい、このように考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 あなたはいま非常にいいことを言ったのですが、確かに合成樹脂というのはこわいところがあるんだということをうんと宣伝しなければいかぬと思います。いまはウレタンなんというと気持ちのいいものだと思っているのです。そこに座っているが、あれが危ないものだなんてだれも思ってない。ふわふわしてすこぶる気持ちがいいなんと思っている。そういう認識しかないのです。だから、座って気持ちがいいけれども、これも一たん緩急あればなかなかこわいものだということをよくPRする必要があると思います。いまやると言うのですから、政令でも何でもいいですが、細かく分けるというと、あなた方自治省は細かく分けるのは得意で、地方交付税なんというのはまことに細かく精緻にできているんだから、あのつもりでやるならこんなものはすぐできるから、財政の専門家でもあるし、細かく分けても大きく分けてもいいですが、とにかく合成樹脂をどういうふうにするかということを早急に立てて、そしてきちっとした指導監督をしてもらいたい、こう思います。  あと残ったのはこの次の一般質問のときにやることにしまして、きょうはこれで終わります。

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、森清君、小川省吾君、和田一郎君、西村章三君、三谷秀治君及び加地和君から、六党共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、本動議の提出者から趣旨の説明を求めます。森清君。

森清自由民主党

○森(清)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの六党を代表し、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。     消防施設強化促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、最近における火災その他の災害の実態にかんがみ、消防体制の整備と消防力の増強を図るため、次の諸点につき、すみやかにその実現を期すべきである。  一 火災時における人命の安全に万全を期するため、百貨店、地下街、複合用途防火対象物等については、防火管理者の選任義務の徹底等防火管理体制の強化、避難救助体制の充実、消防用設備等の保守の徹底等を図るとともに、特に超高層建築物の防火管理体制の強化について推進すること。なお、百貨店、旅館、病院等の特定防火対象物のスプリンクラー設備等の設置義務違反については、強力な是正措置を講ずること。  二、最近におけるポリウレタン火災の実情にかんがみ、合成樹脂の法令上の位置づけを明確にして、その貯蔵または取り扱いの基準を強化し、火災予防に万全を期すること。  三、救急業務の円滑な実施を図るため、救急隊員の増強等救急搬送体制の一層の充実を図るとともに、救急医療機関の拡充等救急医療体制の強化を図ること。  四、石油コンビナート等特別防災区域における火災等の災害を防止するため、関係市町村の消防力の充実強化を図ること。また、特定事業者の防災資機材等の整備による自衛消防力の強化等防災体制の整備強化を促進すること。  五、大地震による被害の防止と軽減を図るため、広域的防災体制の整備、避難・救急対策、防災意識の高揚等震災対策の充実強化について積極的に推進すること。   また、地震防災対策強化地域における緊急整備事業の緊急かつ計画的な実施については、関係地方団体が負担過重とならないよう国庫補助率の嵩上げ等財政上の特例措置を講ずること。  六、消防職・団員の職務の特殊性にかんがみ、その処遇改善を図るため、出動手当等の増額、勤務体制の改善、職場環境の整備等に努めるとともに、消防団員については、その報酬の改善、退職報償金の充実、服装の改善等を図り、団員の確保に努めること。  七、消防財政の充実を図るため、市町村の自主財源の増強を図るとともに、消防施設等整備のための国庫補助金の充実及び良質な地方債資金の拡充について特段の措置を講ずること。   右決議する。 以上であります。  何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。(拍手)

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  これより採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 起立総員。よって、森清君外五名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、澁谷自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。澁谷自治大臣。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。     —————————————

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 内閣提出に係る昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。澁谷自治大臣。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  この法律案は、地方公務員共済組合の退職年金等について、別途本国会で御審議をいただいております恩給法等の一部を改正する法律案による改正内容に準じ、その額の引き上げ等の措置を講ずることとするほか、地方公務員共済組合の年金制度の現状に顧み、退職年金等の支給開始年齢の引き上げ、高額所得者に対する退職年金の支給制限、退職一時金制度の廃止等の措置を講ずるとともに、地方公務員共済組合の短期給付についても別途、本国会で御審議をいただいております健康保険法等の一部を改正する法律案による改正内容に準じ、所要の措置を講じようとするものであります。また、地方議会議員の退職年金等についてもその額を改定するとともに、地方団体関係団体職員の年金制度について地方公務員共済組合制度の改正に準ずる所要の措置を講じようとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一は、地方公務員共済組合制度の改正に関する事項についてであります。  まず、その一は、地方公務員共済組合が支給する退職年金等について、恩給の増額改定の措置に準じ、その額を引き上げることであります。すなわち、昭和五十三年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金等について、本年四月分から平均約三・六%増額するとともに、昭和五十二年度の退職者のうち同年度中に改正が行われた給与条例等の給料に関する規定の適用を受けずに退職したものに係る年金額の改定について特例措置を講ずることとしております。  その二は、恩給における最低保障額の引き上げ及び老齢加算の改善に伴い、退職年金等の最低保障額を引き上げるとともに年金条例職員期間等を有する八十歳以上の老齢者に係る退職年金等の算出率の特例について改善することとしております。  その三は、遺族年金に係る寡婦加算の額を遺族の置かれている特別な事情にかんがみ、年額一万二千円引き上げることとしております。  その四は、退職年金等の支給開始年齢について、年金受給者の高齢化等に対応して、地方公務員共済組合の将来にわたる年金財政の健全性の確保を図ること等の見地から、現行の五十五歳を六十歳に引き上げることとしております。  なお、この支給開始年齢の引き上げについては、組合員の老後の生活設計等も考慮し、段階的に引き上げていくという経過措置を講ずることとしております。  その五は、高額所得を有する退職年金受給者について、年金の一部の支給を停止することとしております。  その六は、減額退職年金の受給を選択できる場合を、原則として、五十五歳からに限定するとともに、減額率についても保険数理に適合するものに改めることとしております。  なお、これらの改正についても、所要の経過措置を講ずることとしております。  その七は、すでに通算年金制度が樹立されていることから、現行の退職一時金制度を廃止することとし、別途、厚生年金の脱退手当金と同様の制度を設けることとしております。  その八は、公庫等に出向する職員について、現在の厚生年金と共済年金の二重加入の状態を解消するため、五年を限り、公庫等に出向している期間については共済組合の組合員とすることとしております。  その九は、長期給付における公的負担について、当分の間の措置として、総財源の一%相当を特別に負担することとしております。  その十は、職員に該当しない地方公務員で特定の事務に従事していたものから引き続いて同一の職務に従事する職員となった者について、時限的に、特例年金制度を創設することとしております。  その十一は、短期給付に関する改正であります。地方公務員共済組合の短期給付制度については、従来から、健康保険制度に準じて所要の措置を講じてきたところでありますので、このたびの健康保険法等の一部を改正する法律案による改正内容に準じ、地方公務員共済組合の医療給付等について同様の改正を行うこととしております。  以上のほか、特別の事情により公務上死亡した者の遺族の範囲の緩和、警察職員に対する特例年金制度の廃止、掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額の引き上げ等所要の改正を行うこととしております。  第二は、その他の年金制度等の改正に関する事項であります。  すなわち、地方議会議員共済会が支給する退職年金等について、その額の増額改定を行うとともに、地方団体関係団体職員の年金制度について、地方公務員共済組合制度の改正措置に準じて所要の措置を講ずることとしております。  以上が、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 以上で本案の提案理由の説明は終わりました。  次回は、明六月一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時十一分散会      ————◇—————

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