地方行政委員会 第14号
- 発言数
- 227 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1979/05/29
会議録
○松野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る消防施設強化促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
○細谷委員 消防施設の整備促進の法律の延長ということでございますから、最初に予算の内容について少しお伺いしておきたいと思います。 五十四年度の消防関係の予算は、当初の要求と実際にでき上がりました予算とはどういう関係になっているか、教えていただきたいと思います。
○近藤政府委員 五十四年度の消防施設関係の補助金につきましては、国家財政非常に苦しい折でございますけれども、前年度対比二五%という伸びを確保しております。この積算の基礎につきましては、昨年の夏、予算要求の前に地方団体から五十四年度の実施予定をとりまして、それを積算してありまして、その数量はほぼ確保できたと思っております。
○細谷委員 お答えがありましたように、五十四年度の消防関係の予算は総額二百億、前年度が約百六十億でございましたから、二五%強の伸び、こういうことになっておるわけです。 私が質問したい点は、震災対策等の必要経費、それから消防施設整備のための必要経費、こういうのを内訳を見てみますと、震災対策等の必要経費はおおよそ百三十六億円要求いたしまして、予算に計上されたものはわずかに二十三億円、言ってみますと、要求に対する予算額は一七%にすぎない。それから、消防施設整備関係は約百六十九億要求いたしまして、百五十五億が予算に計上されておりますから、おおよそ九二%程度。全体としては、三百二十一億要求いたしまして二百一億でありますから、約六三%、こういうかっこうになっておるわけです。いま、長官は、おおむね必要な経費はこの予算で満たされておると言っておりますけれども、どう見ても震災対策等に必要な経費が要求の一七%程度では、必要な予算は確保されておる、こういうふうに考えることはできないと思うのです。もし、あなたがしゃにむに必要な予算は満たされておるということであるならば、要求の段階において水増しをしておった、こういうこと以外にないと思うのです。そういうことはなさらないと思うのです。一体全体どうしてこういうことになったのか、わずかに一七%。これは最後に大臣の復活要求等のかかわりもあるでしょうけれども、お答えいただきたい。
○近藤政府委員 予算要求額と予算案の額とが非常に違っておるのは、御指摘のように震災関係でございます。昨年の国会におきまして、大規模地震対策特別措置法が成立いたしまして、私どもの考えでは、昨年の秋ごろには強化地域が指定になる。そして強化計画というのができてくる。そうした場合において、それに対して何らかの財源措置をしなければならないというようなことで、あの当時いろいろな議論がございましたけれども、単独事業につきましても、包括的な国庫補助制度というようなものを導入したらどうか、そういった要求をいたしておりました。その部分が相当額になっております。それが昨年の予算編成の段階におきましては、御承知のようにまだ強化地域の指定もございませんでした。したがいまして、これは五十四年度において強化地域が指定になった後に、強化計画がどういうものになるか、それを見た上で、なお関係各省と詰めていくということにしたわけでございます。その部分が相当額落ちたわけでございますが、ただ、消防施設関係につきましては、これは第二次災害を防ぐという意味において、強化地域が指定になれば、すぐにでも、あるいはその指定になる前にでも消防関係施設というものは強化しなければならないということで、二分の一の高率補助にするという予算要求は通ったわけでございます。 それからなお、そのほかの消防施設関係につきまして若干の差がございますけれども、それは私ども、新しいものについて新規補助要求をしたり、いろいろ細かい新規要求をしておりますので、その差額が、わずかの差だと思いますけれども、要求どおりの額が予算化されなかったということでございます。
○細谷委員 後ほど分けて質問いたすわけですけれども、長官の言葉は少しおかしいと思うんですよ。というのは、大地震に対する対策というのは、昨年の立法でしょう。昨年いろいろ問題点がありまして、国会でももつれておったわけですね。そして強化指定地域というのがいま問題になっておって、恐らく七月ごろと言われているわけですが、八月の概算要求の段階で要求しておったのだけれども、法律がおくれたということで法律の方に責任を負わしておりますけれども、どうも感じとしては、私はいまのお答えは納得できない。しかし、ちょっと前へ進みます。 そこで、今度の法律でございますけれども、せんだって中山委員の質問に対してお答えがあったようでございますけれども、消防力の基準に対しまして、代表的な施設であります消防自動車、はしご付消防ポンプ自動車、化学消防ポンプ自動車あるいは消防水利、こういうものが全国的にはどうなっておるのか、この法律の対象になっております人口急増市町村においてはどういうふうに充足されておるのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○近藤政府委員 現在の消防施設が消防力の基準に対してどの程度の充足率となっておるかという点でございますが、常備消防と消防団と両方あるわけでございますけれども、まず最初に、全体の水準がどうかという意味におきましてそれを合わせたもので申し上げますと、消防ポンプ自動車につきましては五十三年の四月現在で八五・八%、小型動力ポンプにおきましては六六・八%、はしご自動車は五五・四%、化学消防ポンプ車は五二・七%、救急車は九七・一%、消防水利は六三・四%ということになっております。 それから人口急増地区はどうなっておるかということでございますが、人口急増地区におきまして特に強化を図っておりますのは、当然のことでございますが、常備消防でございます。そこで、常備消防におきましてその充足率を申し上げますと、消防ポンプ自動車におきまして六二・八%でございます。全国が常備消防でございますと七六・一でございますので、若干下回っております。はしご付消防ポンプ自動車につきましては、人口急増市町村は五三・九%、同じく全国平均は五五・四%でございますので、若干下回っております。それから化学消防ポンプは、人口急増市町村は六七・四%、全国は五二・七%で、この場合は若干上回っております。それから消防水利は、人口急増市町村の場合七一・三%、全国では六三・四%、これも若干上回っておる、このような状況になっております。
○細谷委員 いまのお答えを結論として申し上げますと、消防ポンプ自動車におきましては人口急増市町村は今日まで特別の法律をつくって整備をしてきたわけですけれども、全国の常備消防の充足率から比べますとかなり下回っておるのですね。言ってみますと約一四%近く下回っておるわけですね。はしご付消防ポンプ自動車も下回っておる。化学消防ポンプはまあ大体一五%程度上回っておる。消防水利もちょっと上回っております。言ってみますと、消防ポンプ自動車とはしご付消防ポンプ自動車というのは全国平均にすらも及んでない、こういうことになります。ところが、後で具体的に質問するわけですけれども、この化学消防ポンプ自動車が、人口急増市町村が全国平均を上回っておる、消防水利が上回っておると言うけれども、これはここに法律があるので重点を置いて、全国のシェアから見ますとものすごくここに割り当てたからたまたま数字が上がったのであって、作為的なものだ、こう私は思うのですよ。そうじゃないですか。
○近藤政府委員 いろいろな見方がございますけれども、ここ数年来この消防施設関係の補助金につきましては、各地方公共団体のその年度におけるところの実施予定額を基礎として予算要求し、大体その額を確保しておるというような背景もございまして、地方団体が要望したものは、おおむね大体その年度内に配分できるというような形になっております。人口急増地帯は、当然のことでございますけれども、ほかの地区に比べまして消防力を人口急増という理由によって早急に整備しなければならないという事情があるものですから、要望が強いわけでございます。それに対して国庫補助金を配分したということでございまして、ちなみに過去五年間の国庫補助金の配分状況を見ますと、四十九年を一〇〇とした場合、五十三年のこの五年間でございますが、人口急増地区に対する補助金投下額は三・一二倍、三一二ということになっております。全体の補助金の伸びは二五三、二・五倍ということでございますから、人口急増地区はその必要性があるためにぜひこういう消防施設を強化したいという補助金要求があり、それに対して私どもも重点的に配分していったということでございます。
○細谷委員 いろいろとお答えがあるわけですけれども、人口急増地に対しては化学消防ポンプの充足率がよくなっている。これは四十九年、五十年は三十台、五十一年からずっと五十四年度の予算も含めて二十台、防火水槽は四十九年が二百基、だんだんふえまして、五十三年度が千四十八基、こうなっておるわけですね。 一方、一般分はどうかといいますと、防火水槽は五十四年度は、予算では五十三年度より百基減少するわけですね。今度は小型動力ポンプの積載車というところに重点を置いておるようでございますけれども、消防ポンプは八十台減る、こういうかっこうになっておるわけです。言ってみますと、充足率が一見常備分が上回っておるといっても、これは作為的だ。言ってみますと、一般分よりも人口急増分によけい予算を配分したのでこういうふうになったのであって、どうも法律をつくったけれども、実効が余り上がっておらぬのじゃないか。言ってみますと、五年間に整備するというのを、予算の措置というのが財政事情等あっただろうけれども、延ばさなければならぬようなかっこうで予算が配分されていっておる。だからこういう結果になっておるんじゃないか、こう私は思うのですよ。どうですか。
○近藤政府委員 先ほど来申しておりますように、地方団体の要望は、特に人口急増地区はそうでございますけれども、一〇〇%私どもの方で受け入れて補助金を配分しておるという形でございます。それぞれの地方団体は人口急増という事由によりまして、どうしても消防力は拡充しなければならないということで予算化し、私どもの方に要望があるわけで、それを受けとめておるわけでございます。それぞれの地方団体におきましては、将来の人口動向等をにらみながら、大体五カ年間くらいで基準に達するようにということで計画を立てて漸次実施しておるわけでございまして、私ども特に補助金の配分が問題があるとか、あるいは今度の法律が効果がなかったというふうには考えておりません。もしこの法律なかりせば、通常の三分の一の補助率でございますので、地方団体としては、消防力の強化についての熱意も、財政の関係もございましてそれだけ薄れるおそれがあるのじゃないかという感じがいたしております。 そしてまた、先ほども申しましたように、現在の基準で算定しても人口急増地区は五十四年度で二百四十三市町村を数えるわけでございますが、国全体としての人口の増加はとまったとしても、大都市あるいはその周辺における人口急増地区の数はほとんど変わらないような状況でございますので、やはりこの制度はあと五年間程度は続ける必要があるのじゃないかという感じを持っております。
○細谷委員 予算に限界があることも承知しておりますし、その中において最も効果的な配分ということに心がけておることもわかるわけであります。 今度は五十三年度と五十四年度の予算額を比較してみますと、大体において一般分というものが五十三年度より五十四年度はシェアが小さくなってきておるわけです。そして、人口急増分もほぼ変わらないといえば変わらないのですけれども、五十三年度は補助金が全体の一八・八%でしたけれども、今度は一七・七%と落ち込んできておる。その落ち込んできておる理由は、地震防災強化地域分というのが新しくふえてきたので落ち込んできているのですけれども、明らかに一般分が冷や飯を食わされている。そして人口急増の方に回っていった。回っていったけれども、どうも特別な立法をしたような意図というものは数字の上からは見受けられないと私は思うのです。そう思いませんか。
○近藤政府委員 ただいま御指摘がございましたように、一般分そのものでは数量は減少しておるわけでございますけれども、そのほかに地震強化地域分が相当ふえているわけで、地震強化地域というのも日本の国土のほかにぽんとこういうものが出るわけじゃなくて、一般地域あるいは過疎地域あるいは人口急増地区、それらがこの地震強化地域分と重なっておるわけでございます。 ただ、この予算編成の段階においては、地震強化地域がどの程度になるかがわかりませんでしたもので、一応の推定でやっております東海大地震というものを前提としてあの近県の部分を大体この程度かということでやっておりますが、予算の運用に当たりましては従来同様地方団体の要望に応じて配分していきたいと考えております。したがいまして、この予算書に載っておりますところの各地域分の数量というのは、実行段階において若干の変動は当然あり得ると思っております。
○細谷委員 数字をあれこれこね回してもいかぬけれども、予算の姿はそういうふうになっておる、私はこういうふうに申し上げなければならぬと思うのです。 そこで、今度は大震火災対策施設等整備の問題であります。 ことしは伸びた。伸びたことは伸びたけれども、いろいろな関係がありまして自治省の要求とはほど遠いということがわかったわけです。今度の大震火災対策の場合に、地震強化地域分として六億五千万円ばかり入っておるわけです。ところが、今度は耐震性貯水槽とか可搬式の小型動力ポンプ等の一般分、それから大震用の車両その他、こういうものは全体としてはかなり落ち込んでおるわけです。言ってみますと、大震災というのはふえたようでありますけれども、地震強化分、こういうものにかなりシェアがいって、地震地域等に対する対応分としての耐震性の貯水槽等は落ち込んでおるわけですよ。そうでしょう。これは認めますか。
○近藤政府委員 地震の強化地域につきましては、この予算項目では、一般の消防補助金とそれから地震関係の補助金と二手に分かれておりますけれども、どちらに入っておりましても通常の三分の一を二分の一にするというふうにいたしました。したがって、予算の組み方といたしまして、地震分につきましても強化地域と一般分というふうに分けたわけでございますが、これを合計いたしますと、従来より落ちておるということはございません。従来も、ここ数年来地震対策として貯水槽あるいは可搬式ポンプ、そういう需要はあったわけでございまして、消防庁としては予算補助をやっておったわけでございます。それが今度強化地域に指定になるということで補助率が上がるということでございまして、その数量そのものが、これは大体計画的にやっておりますので、それほどふえるということにはならないと思います。 なお、今後強化計画というものをはっきりつくりますと、それに基づいて明年以降は要求していかなければならないと思っております。
○細谷委員 法律ができた、それを受けて地震強化地域分と一般分、こういうふうに大震火災対策の予算の内訳も変わったのだろうと思うのです。私のお尋ねしたい点は、先ほどあなたは大震災についての法律がおくれた、指定もおくれた、だから予算の概算要求と比べて実際の予算というのは非常に少なくなったんだ、法律がおくれたからだ、こうおっしゃいましたね。そうすると、この地震強化地域分は、これから指定される六県、百五十九市町村が対象になるわけでしょう。これはこういう形でいくのですか。 ですから、全体としては確かに地震対策の予算はふえておりますよ。これは認めます、言ってみますと五一%もふえたわけだから。けれども、その辺のつながりがわからないんですね。指定地域というのはまだ指定されてないけれども、先取りしているんだ、そちらの方の犠牲になってこちらの方が減ってきたんだ。たとえば見てみますと、今度の場合、地域防災センターの資機材というのが去年はありましたけれども、今度はない。今度改めてコミュニティ防災センター、こういうものが新しく出てまいりました。備蓄倉庫も出てまいりましたね。そういうことは出ておりますけれども、全体としては、大震火災対策の三分の一というのは強化分の方の予算ということで仕分けされておりますね。この地震強化地域分の予算が、七月ごろ指定されるだろうそういうものについての強化の予算のはしり、こういうふうに理解してよろしいのですか。
○近藤政府委員 地域指定がございますれば、この強化分の予算をその地域につけようと思っております。ただ、先ほども申し上げましたように、この予算編成の段階におきましては、強化地域というのはいま国土庁でお考えになっているよりももっと広い範囲になるのじゃないかと予想いたしておりましたので、一応強化地域と一般分との個数をこういうように分けておりますけれども、現実に強化地域が指定になった段階におきまして予算を配分いたしまして、強化地域になった場合には二分の一、そうでない場合には三分の一ということで処置してまいりたいと思います。
○細谷委員 あなたが言うように、いまの指定についても、この間国土庁長官が、指定のほかに準指定地域、準地域、こういうものを設けなければならぬのじゃないかということをテレビで言っておりましたね。そういうことからいきますと、あなたも全国消防長会議でのあいさつの中で言っておるわけですね。「太平洋プレート型地震ということで、静岡県を中心とする七県、約三〇〇市町村の区域が強化地域として予定されておるようでございますが」云々、こう言っておるわけであります。私が心配している点は、こういうことで強化指定地域に少額の予算というものを三分の一ばかり回してしまうから、一般のいわゆる準とかその周辺あるいは静岡県を中心としたところが指定されますと、三陸の方は一体どうなるのか、こういうことが当然国民として心配してくると思うのですよ。予算を見る限りにおいては、その一般分、三陸等のものは犠牲に供せられて、そしてこちらの方に予算が強化されていっておる、こういうことなり、あるいは去年やりました地域防災センターの資機材費というものについての予算が今度はなくなったり、そして今度は新しくコミュニティ防災センターというものを十五カ所も設けるというようなことになりますと、どうも予算の計画性というものに欠けて、予算の枠内においてもうこういうふうにやれやという形の配分ではないか、こういう気がするものですから、あえてお尋ねしているわけです。
○近藤政府委員 従来、補助として出しておりました地域防災センター資機材というのがなくなって、かわりにコミュニティ防災センターというのができたということでございますが、これは、コミュニティ防災センターの中に地域防災センター資機材というものを統合して強化したという形でございます。従来はこの資機材の資機材そのものだけを補助対象としておったのですけれども、それだけではやはり不十分である、私ども今後の課題として地域防災というのが消防の柱にならざるを得ない、その中核となるコミュニティ防災センターというものにその資機材あるいは視聴覚の関係も含めまして統合いたしまして、これを地域防災の核としようという考え方で十五カ所設置することにしたわけでございますが、したがって、従来の地域防災センターの資機材の補助制度を廃止したわけでございます。 それからなお、先ほども申しましたように、地震強化地域分に重点的にそう投入する結果、一般分のところが支障を来すのではないかというお話でございますけれども、先ほども申しましたように、この強化分というのは、東海七県というもので非常に広い区域が強化地域になるという前提で組みました関係で、相当こちらにウエートがかかっておるようでございますけれども、現在までの国土庁の作業の結果によると、そういうことにもならないようでございますので、現実の配分の場合には実情に応じて行う必要がある。そして結果的に強化分になっておるところは二分の一の補助、それ以外のところは三分の一の補助ということでございます。ただ、しかし、強化地域に指定される地域というのは、大体地震が起こる可能性がほかの地域よりも強いということでございますので、二次災害を防ぐために早急に消防力を整備しなければなりませんので、そこを優先的に取り扱わざるを得ないということは当然であろうと思います。
○細谷委員 それでは、ちょっと国土庁の方にお尋ねいたしたいのですけれども、新聞等で報道されておりますけれども、強化地域の指定というものについて現状はどうなっているのか、いつ指定が行われるのか、その指定の基準というのはどういうものなのか、これについてひとつ簡単明瞭にお答えいただきたいと思うのです。
○城野説明員 御説明を申し上げます。 大規模地震対策特別措置法によりますいま話題になっております強化地域の指定でございますが、これは駿河湾の地域に大規模な地震が発生するということを想定をいたしまして、その地震が発生をいたしました場合に相当の地震動に見舞われる地域を被害を最小限にとどめるために、ひとつ地域指定をして諸種の施策を講じようというものでございます。そのため、われわれといたしましては、中央防災会議の地域指定の専門委員会というもので、十五名の地震学者を中心といたしました学者に半年間御討議を願ったわけでございますが、五月十二日にそのレポートを中央防災会議の事務局が受け取ったということでございまして、数日前に都道府県知事に対しましてそれらの報告結果を付しまして意見の照会がしてございます。都道府県知事は、地元の市町村長さんに意見を聞いて内閣総理大臣の方へ御報告をいただくことに法律の規定上なってございます。その調整作業を終えた上、おおむね六月中には指定の告示の運びになるものというふうにわれわれとしては予定をいたしておるわけでございます。
○細谷委員 六月中に指定になる。その指定地域で、たとえば愛知県のある市はおれのところは指定してくれるなということを言っているとかなんとかという新聞も出ておりますけれども、一体その基準はどうなるのですか。たとえば震度とかあるいはマグニチュードとかそういう物差しはあるはずですね。それはどういうことになりますか。
○城野説明員 御説明を申し上げます。 専門委員会の方でいま先ほどおっしゃいました基準ということに関しまして相当の議論があったわけでございますが、今回、いま百五十九市町村を指定すべきであるというレポートの基礎的な考え方といたしましては、震度六相当の地震動に見舞われる地域、その地域がすべてではございませんで、地質、地盤の状況によりまして違うわけでございますから、その市町村全体が震度六になるわけではございませんが、残念なことに地震動に弱い地盤と申しますか沖積層、洪積層という比較的新しい地盤のところにおおむね集落が形成されている、また町の中心部がそこにあるというような状況でございますので、その集落なり町の中心部なりというようなところがおおむね震度六の地震動に見舞われる地域というものを今度の強化地域の指定の対象としておるわけでございます。 なお、専門委員会におきましては、通常の木造建物ないしは低層のその他の建物について震度六のものが見舞われる場合に相当の被害を生ずるおそれがあるという御判定でございますが、なお資料収集を続けまして、非常に長周期の波と申しまして、二秒ないし三秒くらいの周期で揺れる波、それから新潟等で見られましたようなクイックサンドと申しますか、流砂現象というもの、これは地盤の陥没等を伴うものでございますが、それから、自然斜面のがけ崩れというようなものにつきましてはまだ解析が不十分でございまして、中層もしくは深層のところの地盤資料を収集いたしましてさらに検討を進めるということでございますので、その外周部につきましてはなお継続して検討が進められるというかっこうになってございます。
○細谷委員 私も地震に対しては素人でありますから、これ以上あなたとやりとりする気はございませんけれども、ただ、震度五の上の方、最終的には六というものを物差しの基準にしたようでございますけれども、たとえば三陸の仙台にあれだけの被害を及ぼした地震も震度五だったじゃないか。東海の静岡のどこかを震源地として起こった場合に、東京とか横浜というところは一体どうなるのかという――地盤の問題と言いましたね。確かに地盤が悪ければ同じ震度でも大変な被害を受けるわけですから、しかも、日本の建物というのはウサギ小屋と外国から言われておるくらいでありますから、大変な事態になる。 それから、関係の市町村は区域を広げてほしいという意見もあるし、いやおれのところはちょっとやめてくれという意見もあります。これは複雑ですね。 それから、指定になるならなったで、一体その基礎的な判定のデータはどういうのだ、そういうものを公表してほしい。指定するからには、おまえのところは危険だと言うからには、はっきりとした根拠があって指定したというのですから、データを公表することが余分な揣摩憶測を呼ばないゆえんだと私は思うのですね。やはり公表すべきじゃないかと思うのですが、この辺のことについてお答えいただきたいと思うのです。
○城野説明員 御説明を申し上げます。 仙台の話が出ましたが、仙台の場合には、あそこに気象台がございまして、これは非常にかたい地盤の旧城下町の部分におきまして測定したものが震度五という発表の仕方でございますが、御存じのように、被害はその周辺の非常に地盤が悪いところ、それから新規の宅造地というようなところに集中してございまして、そこのところは専門家の御判定でも震度六以上の相当の震動に見舞われておるということでございますので、われわれの方といたしましては、仙台の場合の市街地周辺ないしは新規宅造地域というものは、今度の指定においても震度六相当ということでカバーしているというふうに考えておるわけでございます。 次に、指定をいやがっている市町村と申しますか、それはわれわれの方の説明不足もあると思いますし、震度六相当の地震に見舞われるといった場合に、それらの地域におきまして、いやなことを言ってくれたというのが本当のところではないかというふうに察するわけでございますが、われわれの方といたしましては、やはりこういう検討の結果、こういう結果になるおそれが大きいのでございますから、地震防災の対策を強化する必要があるという意味におきまして、レッテルを張られるのはいやだというお気持ちは重々わかるわけでございますけれども、できるだけ説得に努めたいというふうに考えておるわけでございます。もちろんその際には、検討に使用されましたデータを地元にお示しをして御説明に当たる予定でございます。
○細谷委員 そこで、指定をいたしますと、新聞等で報道されておりますようにかなり巨額の金が必要だろうと思うのです。今日の国の財政もそうでありますけれども、地方の財政も大変、静岡県だけで三千二百億円程度かかる、こういうことも言われておるわけです。こういう問題は、さっき言ったように、ことしほんの水滴程度の、はしり程度のものが、予想して出ておるわけですけれども、こういうような問題の財政措置は国土庁がやるのですか、消防関係でやるのですか、どうなんですか。
○城野説明員 御説明申し上げます。 大規模地震対策特別措置法におきましては、地震の発生するおそれが大きい、またその地震が発生した場合には相当の被害を生ずるおそれがあるという地域を指定して、あらかじめ強化施策を講じておこうという趣旨のものでございます。特に地震予知に関する施策を充実して、地震予知がされた場合に、最小の被害にとどめ得るようにということを重点とした法律でございます。したがいまして、大規模地震対策特別措置法におきましては、避難地、避難路、消防用施設、通信施設というようなものを一定の年月内に早急に整備するということを内容とした施設整備の面での強化計画をつくることをそれぞれの防災担当者に義務づけをいたしておるということでございます。 一般の施設、私、その静岡県知事さんが三千二百億とおっしゃった内容を詳しく承知をしていないわけでございますが、たとえば堤防を強化するとか、がけ崩れの危険地域を全部大丈夫にするとか、新幹線を強化するとか、一般の家屋、デパートでございますとか、病院でございますとか、学校でございますとかというようなものを全部地震に大丈夫なように強化するという一般的投資の部分をどこまでやるか。これはどこまででもやった方がいいには違いないのでございますけれども、どこまでやるかということは、期限がある意味においては非常に限られている中での話でございますので、一般的な施設強化という部分につきましては、従来ともいろいろな施策を講じてきたわけでございますけれども、それをさらに強化するということでございます。 ただ、いまの、何はともあれ地震予知がされた場合に、被害を最小限度にとどめるという意味での応急対策面での措置を急ぎたいというのがこちらの方の考え方でございまして、これは先ほどお話が出ております消防庁の消防施設関係のみならず、建設省所管の避難地、避難路というようなものにつきましても、地元で立てられました強化計画の部分につきましては予算の用意を十分していただく。これは既存の予算の枠分けということになると思いますけれども、十分対応していただくということになろうかと思っておるわけでございます。
○細谷委員 恐らく予算というのは、消防関係の部分については消防庁、建設関係のものについては建設省、運輸関係のものについては運輸省、こういうことになるだろうと思うのです。それは防災強化計画が出てきた上であります。 そこで、大蔵省にお尋ねしたいのですけれども、六月ごろ指定される、それから防災強化計画ができてくる。ことしは例年よりも予算を急いで、サマーレビューというのをやるんだそうです。そして予算を固めていく、こういうことになっておるわけですから、指定はされましたけれども、五十五年度の予算編成は一体どういうふうになるのか、どういうふうに考えておるのか、これをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○足立説明員 大規模地震対策特別措置法に基づきまして地震防災対策強化地域というものが指定をされました場合には、五十五年度予算につきまして、これは関係各省にいろいろまたがると思いますが、その御要求を待ちまして大規模地震対策特別措置法に掲げられておりますいろいろな施設の早急に整備をしなければならないものにつきまして、関係各省と御相談を申し上げまして措置をしたい、遺憾なきを期してまいりたいと考えております。
○細谷委員 そこで、国務大臣である澁谷自治大臣にお尋ねしたいのですけれども、六月、それから防災強化計画をつくってくる、そしてこれは建設省だ、これは消防庁だ、こういうことに大体はっきりしてきますね。ところが、八月概算要求、それがことしは急がせるので間に合わないですね。というと、五十四年度に一部防災強化についてのはしり的なものを出しているわけですけれども、五十五年度は、間に合わない場合はそのままほったらかすのですか。それではどうにもならないのじゃないかと思うのですが、自治大臣、国務大臣としてこれはどう考えているのですか、お答えいただきたい。
○澁谷国務大臣 これは来年度の予算要求には間に合わせなければいかぬと考えておりまして、この間も国土庁長官とそういう方向でひとつやっていこう、こういうことを話し合いもいたしております。
○細谷委員 ということは、サマーレビューで、検討が足らぬ、八月に概算が間に合わない、しかし計画が出てきて、仮にそれが十月ごろになったという場合でも五十五年度予算で対応するという自治大臣なり国土庁長官のお考えだ、こういうふうに理解してよろしいのですか。
○澁谷国務大臣 それで結構です。
○細谷委員 強化計画が出ておらないわけでございますから、これ以上は……。 やはり指定したからには、概算要求に間に合わなかったから五十六年からだということにならないように。同時に、この問題については財政難ということで、大蔵省ばかりでなく、関係省庁が自治体でやれというような形で、法律には国の財政措置についてはきわめて簡単にしか書いておりませんから、きわめて冷淡だといううわさがあるわけでありますけれども、こういうような仕事は国が主体的に取り組まなければできっこないと私は思うのですよ。指定さして、おまえのところは危ないぞ、しかし何にもやってやらぬぞ、こういうことではどうにもならないと思うのですが、その辺は大蔵省も決意をなさっておるわけですね、冷淡だと言われないようには決意しているのでしょうね。
○足立説明員 御承知のとおりの未曽有の財政困難な状況にございますが、関係各省と十分協議をいたしまして御納得いただけるような線を出したいと考えております。
○細谷委員 大臣もそう言っているし、大蔵省も重大な決意で取り組む、こういうことでありますから、ぜひそういうふうに対応していただきたい、こう思います。 そこで、ちょっと話が変わってまいりますけれども、この委員会でも、藤枝市の問題なり大阪におけるポリウレタン等の問題について、すでに質問が出ております。後ほど私どもの党の委員からも藤枝市の問題あるいは大阪の問題について質問があろうかと思いますけれども、私はこの大阪のポリウレタンの被害の問題と消防法の関係について、ひとつ問題をしぼって御質問したいと思うのです。 最初にお尋ねいたしますが、もしポリウレタンというのが燃えたらば、どういうガスが発生をするのですか。
○矢筈野説明員 お答え申し上げます。 先生御承知のとおり、ポリウレタンは、炭素、窒素、水素、酸素というのが主成分でございます。したがいまして、燃焼いたしますと一酸化炭素、ホルムアルデヒド、シアン化水素、イソシアネート、ベンゼン、トルエンの分解ガスが発生いたしますが、私ども特に消防的に関心を深めておりますのは一酸化炭素でございます。これは五〇PPm。それからもう一つシアン化水素でございますけれども、これは非常に毒性が強いということですが一〇PPmでございます。 なお、ポリウレタンの火災における問題点は、そういうガス以外に非常に煙が多いということ及び酸素の濃度が低くなること等絡みまして、火災が発生した場合に非常に拡大が速やかであって危険なガスも生じやすい、そういう煙が非常に多いという特性を有しておると存じております。
○細谷委員 いまの五〇PPmとか、一〇PPmというのはシアン化水素なりCOの危険濃度ということであって、私が尋ねているのは、一般的な環境で燃えた場合にはおおよそどういう割合でこういうガスが発生するのか、この辺わかっていますか。
○矢筈野説明員 酸素の供給が非常によろしい場合における標準的な実験において、先ほど申し上げました一酸化炭素五〇PPm、シアン化水素一〇PPm、こう申し上げておりまして、御指摘のように現実の火災現場でポリウレタンホームが、あるいは酸素供給が悪いとか、急激に他のものの介在によって燃焼するとか、いろいろな問題がございますけれども、そういう場合におけるガスの発生濃度につきましては、現実的なデータは持ち合わせておりません。
○細谷委員 一酸化炭素なりシアン化水素、五〇PPmとか一〇PPmで人体に大丈夫ですか。
○矢筈野説明員 一酸化炭素は一%以上になれば非常に危険である、それからシアン化水素は二八〇PPm以上になれば危険であるというふうに言われております。ただいまウレタンホームの五〇PPmと申し上げました一酸化炭素は、はるかに少ない量でございます。しかしながら、火災の火勢が非常に強くなる現場においては、さらにそれを上回るということも考えられる。そういう意味で、火災における現実の一酸化炭素あるいはシアン化水素の濃度というものについては全くデータはございませんけれども、普通、標準状態においては、先ほど申し上げましたように一酸化炭素は一%以上が致死量、シアン化水素は二八〇PPm以上が致死量ということからすれば、標準的なウレタンホームにおける先ほどの一酸化炭素五〇PPm、シアン化水素一〇PPmというのははるかにそれを下回っておる。しかしながら、現実の、今回の大阪の火災のように死者が出るというのは、煙の多量な発生及び一酸化炭素の先ほど申し上げましたようにこの標準を上回る量、さらに酸素の減、一六%以下に恐らく酸素が下がる、そういったような問題が総合的にありまして死に至るという現象が生じているものと思われます。
○細谷委員 そうしますと、大体ポリウレタン等は余り煙が出ない限りにおいては心配ない、こういうお考えですか。
○矢筈野説明員 そこまで極言してはっきり申し上げておるわけではございませんけれども、私どもの研究所の研究員の研究データによりますと、相当、千度近い温度が火災において発生いたしますと、シアン化水素も発生するし、一酸化炭素も発生するし、それはやはりある程度の、意識不明の段階の濃度にまで高められる可能性があるということは承知いたしております。したがいまして、危険でないとは、煙だけだとは決して断言しているわけではございません。
○細谷委員 ポリウレタンというのはモノマーが要するにシアン基を含んでいるのですから、シアン化水素というのは一番猛毒ですね。あるいは一酸化炭素中毒というのは後遺症も含めて大変な危険性があるということはすでに実証されておるわけですね。そういう中において、消防法ではいまはやりの合成樹脂、塩化ビニールなりポリウレタンなり、いろいろあるわけであります。こういうものについては消防法も消防法の施行令も、あるいは省令も、どれを見ても、合成樹脂というのは別表のどこを探してもありませんが、ということは、あなたのお答えのようにこれはもう危険じゃない、かんなくずぐらいのものだ、こういうふうに思っているのじゃないのですか。どうなんですか。一体これは別表にあるというのならばゴム類として扱っているのですか。あるいはおがくずのように扱っているのですか。どういうことですか。
○矢筈野説明員 消防法の危険な物品に対する規制としては御承知のとおり三つございまして、別表にそのまま品名と数量を記載しております危険物と、政令によってそれに準ずるものとして指定しておる準危険物と、消防法九条の三を受けまして、火災が発生した場合に火勢拡大と申しましょうか、非常に急激であって消火が非常に困難であるというものを条例で規制することになっております特殊可燃物と、その三つあるわけでございます。御指摘のポリウレタンホームにつきましては、おっしゃるように合成樹脂の一つでございましょうが、別にわら製品等と一緒に特殊可燃物の中に考えておるわけではございません。いま申し上げました三つの中にも入っておりません。私どもの日常使っておりますマットレスとか、あるいはまくらとか、それからシートのクッション材とか、いろいろポリウレタンが使用されております。したがいまして、今後はそういう状況を踏まえながら、今回の事故も非常に大きな教訓でございますので、今後消防法の中でどう取り組むべきか。私どもは実は特殊可燃物として取り上げたいと考えておりますが、すでに東京都等の大都市においては条例でそれを私どもの準則以外に付加しておる現状でございますので、適切なる規制が加えられるよう、その範囲、数量等について検討を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○細谷委員 いま特殊可燃物という言葉がありましたけれども、あなたの方が示しておる施行令も、あるいはこういうふうな条例をつくりなさいと言っておる模範条例案の中にも、その別表には何もないのですよ。しかも今日この社会というのは、合成樹脂をのいてはわれわれの生活は考えられないでしょう。そういう中において合成樹脂というのがない、こういうのは私はおかしいと思うんですよ。あなたの方の従来の流儀によりますと、確かに東京の条例を見ますと合成樹脂というのはあるのです。十トン以上になるとこうだ。大阪の条例もあるわけですよ。ないところもあるわけですね。あなたの方はしばしば法令で示している枠を超えたものは違法だ、こう言っておりますが、大阪なり東京は合成樹脂と書いてあります。あなたの表よりも進んでいるのですよ。あなたの方の別表を見ますと、「綿花類」「木毛及びかんなくず」「ぼろ及び紙くず」「糸類」「わら類」ゴム類「石炭及び木炭」「木材加工品及び木くず」とこう書いてあって、備考には「不燃性又は難燃性でないゴム製品」不燃性、難燃性のものは別ですよ、可燃性のものだけが特殊可燃物ですよと、こうやっている。あなたの方では別表にないのを、東京や大阪の条例で書いたことについてけしからぬ、おれたちの考えを超えたものは違法だなんということをおっしゃっておらぬでしょうな。いまお言葉では、いや東京や大阪はそういうのをやっているから、それをまねしようと、あなたの答弁のようでありますけれども、どういうことですか。
○矢筈野説明員 先ほど申し上げましたように、特殊可燃物というのは市町村の条例でその貯蔵、取り扱い基準について規制しております。同じものを消防法施行令の方でも実は消防設備規制としてかからしめておるわけでございます。したがいまして、消防設備規制の方もあわせて私どもの方で今後そういう点について合成樹脂を加えるべく検討したい、こう申し上げておりますが、東京、大阪等について規制しておる現状については、これは都市の事情あるいは使用状況等から当然そういうことが付加されたことについて、別に違法だと私ども考えておるわけではございません。さらにこの点については、全国的に規制した方が妥当であるという判断に立てば、そういう基準を積極的に進めて示したい、かように考えているというのが現状でございます。
○細谷委員 私があえて大変失礼なことを申し上げておるのですけれども、いま法律上消防について消防設備士というのがあるでしょう。この消防設備士という国の法律は、これはあなた方消防庁が考えたものではないのですよ。実を言うと、その前に東京都が消防設備士という制度をつくっておった。その消防設備士というのは、設計にまで消防設備士の権限が及んでおったのです。御承知だろうと思う。ところが、消防設備士をとって、設計についてはもう設備士はタッチできぬよというわけで、東京都の条例は、国の法律ができた後に国の法律を上回っておる、違法だと、とうとう東京都の条例は消防設備士が設計に関与することを排除しちゃったんですよ。どうですか、設計の段階から設備士が消防の立場において、あるいは防火の立場において物を言うことを排除した。それが国の法律なんですよ、いまの設備上ですよ。いま消防設備士の制度がいいか悪いかという議論が沸騰しておりますね。そういうことでありますから、別表四に何もないわけで、東京とか大阪がやっておるのであれば、消防設備士と同じように違法じゃないかとあなた方は多分言うだろうと思ったが、今度は言わぬ。まねをするというのですが、大臣、私は、そういう苦い経験があって、言ってみますと消防法の危険物の別表、あるいは危険物に関する消防法施行令の別表、それから出てきておるこういうものを見て、毎年のようにこの消防法なり施行令なり、危険物の規制に関する政令なり等は改正はされてきております。しかし、ここ数年の改正の内容、施行令等の改正を見ますと、この問題については全くないんですよ。東京都の条例はいつできたかというと四十七年にできておるんですよ。そのとき、合成樹脂を入れているんですよ。合成樹脂のない、しかも、合成樹脂といっても、塩ビといったら、これは燃えれば塩化水素が出るわけです。いまのものだとシアン化水素も出るし、塩ビだってCOが出るんですよ、一酸化炭素は燃えれば必ず出るんですから。そういうことであるにかかわらず、全く時代に即応した施行令なり、こういう条例の改正をしないということは、私は、消防庁はまことにうかつだ、まことに責任重いよ、こう思うのです。ですから、東京や大阪のまねをして、かつて消防設備士ではまねをするどころか、それは行き過ぎだということで排除しちゃったんですが、今度はまねをして、それを取り上げることを検討するというのですが、大臣、この大阪の事故から言って、これはきちんと別表で入れて――そして、この数量に問題があります。恐らくポリウレタンなんというのはかさばるわけですから、かさばることで生命があるわけ、合成樹脂なんですから。これを十トンも積んだら倉庫いっぱいになっちゃうでしょう。そしてわずかな溶接の火でああいう火災が起こって、多数の人が死ぬ。自治大臣は、今度の正月のあいさつの中で、消防において一番大切なのは人命なんだというあいさつをしているんでしょう。ここでひとつきちんと時代に即応するように、合成樹脂、こういうものを加えた施行令なり条例案の改正をやって、そしてこれがきちんと全国で守られるように、そういうことが起こらないようにするということをお答えいただけなければ、私は全く適当な答弁にすぎないとしか言えないと思うのです。大臣、どうですか。
○澁谷国務大臣 素人でございますので、正確な答弁は困難でございますけれども、ただいま伺っておる限りにおきましては、非常に傾聴すべき御意見だと私は受けとめております。ただいま技術監理官の方からもお答えしましたように、それを制度化すべくいろいろな検討を進めておるようでございますから、前向きに取り組んでまいります。
○細谷委員 前向きって、事態はもう明らかですから、即時やっていただきたいと思うのです。 それで、大阪とか東京を取り上げておりますけれども、こんな合成樹脂なんて、塩ビなんというのは私は全く使っておりません、ポリウレタンにも御厄介になっておりません、合成樹脂等は私の生活に関係ないなんという人はおらぬでしょう。おらぬですから、ひとつ即座に対応をしていただきたい。長官、すぐやると言えよ。
○近藤政府委員 ただいま先生御指摘のように、合成樹脂というのは、われわれの身の回りを取り巻いておるわけでございます。一口に合成樹脂と言っても、いろいろな性能のものがあるようでございます。そして、さらに先生が御指摘になったように、どの程度の量のものから規制するかという問題もあるわけでございます。大阪の住吉ゴムのこうした事故がございましたので、早急に制度化すべく現在私どもの方の技術陣でいろいろ検討しておりまして、そのために若干の時間をいただきたいと思いますけれども、それがまとまり次第、制度化に踏み切りたいと思っております。
○細谷委員 大臣あるいは長官、今日の社会において、その別表に落ちておることは、これは消防庁の怠慢以外の何物でもない、そう思うんですよ。それと同時に、火災予防条例の模範案とかあるいは施行令等を読んでみますと、「特殊可燃物の貯蔵又は取扱いの基準」という条例案の第三十四条、これを見てもきわめて不完全だと思うのです。ですから、別表に入れただけではどうにもならぬと思うんですよ。これは国会にかける法律でありませんから、法律を受けての施行令なり、それを受けての模範条例ですから、ひとつきちんと人命尊重という観点からしていただいて、そしてひとつ直していただきたいということを重ねてひとつ要望をしておきたいと思います。 時間も十分ございませんので、あと一つ、二つお尋ねをしておきたいと思うのですが、ビル防災ということについては、もう何遍もこの席でも議論されておったし、事故が非常に多いわけですけれども、これについて建設省の方で四十九年に建築基準法の一部改正という形で提案をいたしましたけれども、金がかかり過ぎるということで国会で否決された、こういういきさつがございます。そういう国会で否決されたということを受けて、建設省の方では事務次官通達なり、あるいは担当の局長なりあるいは課長の指示によりまして、この問題についての法律ができなかったので対応をいたしたい、こういうことなのでありますが、その対応というのは、対象の建物はこうですよ、それから設置すべきものはこうですよということで、最後に一番重要な問題は、避難計算というところで逃げちゃっておるわけですよ。私は、大臣が言うように、計算で人間の生命が守れるだろうかという心配があるわけですよ。聞いてみますと、計算にも一理あるようでありますけれども、何か高等数学で計算して、これは大丈夫だ、人命が保障されるというなら、これほどやさしいことはないわけですけれども、一番重要なところが、法律がなかなかできないので施設が十分できないから、ひとつ避難計算という計算方式を導入して、この計算方式によって対応していこうというやり方をしておるわけでありますけれども、私は多大の疑問を持っております。私は、オーソドックスに、やはり施設をつくらなければいかぬ、こういうふうな基本的な考え方であります。この点についてどういうことなのですか。時間もございませんから、簡単明瞭にお答えいただきたいと思います。
○松谷説明員 お答え申し上げます。 ただいまの御質問にございますように、今回のビル防災につきましての行政指導というのは、対象が既存の建築物でございます。したがいまして、既存の建築物を防災改修させるということはなかなかむずかしい点がございます。新築の建物につきまして当初よりこういうような形で建物をつくってくれと言うことは楽でございますが、既存の建築物の改修というのは大変にむずかしい問題があります。 そこで、防災の問題としては、財産の保全と人命の安全という二つの大きな目的がございますが、この際は人命の安全にしぼろうではないかということで、しかも、かつ、既存建築物につきましては、二千二百六十件と対象が限定されておりますので、これらについてできるだけケース・バイ・ケースに指導をやっていこうという考え方をとったわけでございます。 そのケース・バイ・ケースに指導をしていくという考えの中で、人命の安全ということを考えますと、やはり避難の問題を重視する必要がある。その避難というのは、とにかく建物の中にいる人が火災発生の後、安全時間の限界の中におきまして館外に避難できるように考えようではないか、それから、館外に避難できない場合につきましても、縦穴であります階段に逃げ込める、逃げ込んだ階段については、防災上の施設としての安全対策をきちんとしよう、こういう考え方をとったわけでございます。その考え方に基づきまして、いろいろなこれまでの避難の実情につきましてのデータを調べまして、それに基づいた避難計算を考えまして、その避難計算の中において、縦穴の中に逃げ込める、あるいは館外に避難できるということであれば、これをもって安全であるというようにしたわけでございます。
○細谷委員 私も教わりまして、全館避難の計算式というのも出ているわけですが、その中に、スプリンクラーがある場合は九分ぐらい、それからスプリンクラーがない場合は六分以内で、そういうことになっているようであります。 大体、物品販売を営む店舗の用途に供する建物にあって、延べ面積に〇・二三人パー平米、こういうような数字を使っておりますけれども、実際は雑居ビル、近代的なものなら別として、そういうものができている。こんな計算が成り立って人命が守れるなら大変結構だと私は思うのですよ。どうもこの計算方式を見ても、これでは人命を計算でやっておる、このとおり過去の雑居ビル等はやりなさい、計算式に合っていればいいですよというやり方がいいのかどうか、まさしく危険きわまりないんじゃないか、こう思うのです。 それともう一つは、どこのデパートに行っても、階段というのが完全に計算どおり物を置いてないかというと、そうでもないし、それから、人間の雑踏をした場合などというのは、正常な意識にございません。もう一つ、やはり煙が来るわけですから、そういう問題を考え、最近消防研究所の神さんという方が、この煙に対して、人間がどういう威圧を受けるか、正常な状態であるかないかという学会への報告もこの五月の末ぐらいにしたようでありますけれども、そういう論文の原稿を拝見いたしましても、私は、この避難計算方式というのは問題がある、こういうふうに言わざるを得ないのですけれども、あくまでもこれで実効が上がる、法律が通らぬのだから、通さぬのは国会なんだから、建設省としてはこれでやる以外にない、こうおっしゃるかもしらぬけれども、よろしいんですか。
○松谷説明員 いまの御質問にあります消防研究所の神さんの報告書の中身、概要でございますが、読ましていただきましたが、報告書にございます人間の避難に必要な時間というものの考え方は、私どもが既存建築物、今回のビル防災改修に使っております避難計算の方式と考え方としてはほぼ同様であるというように考えております。それからまた、私どもの避難計算の考え方も、決して建設省が独自に考えたわけではございませんで、既存建築物避難施設整備対策懇談会において各界の先生方の御意見を十分に徴しながらつくったものでございますので、その限りではおおむね妥当なものではないかというように考えているものであります。
○細谷委員 おおむね妥当だと、これ以外にないと言うのだけれども、もう国会で再三にわたって否決されているわけですけれども、次善の策として、やはり火災という場合には、施設を具体的に人命安全という立場に立って、過去のビルであっても対応しておかなければ、いままでの実績が、被害が示すとおりだと私は思うのですよ。でありますが、建設省はもはやこの避難計算方式に合ってさえすればいいんだ、神さんの研究報告もそれを裏づけしている、だから、もうその施設についての改善ということについては取り組まない、これですべてやるという御意見なのか、あるいは、できるなら、できるだけ早くやはり最小限度の施設改善をやりたいという考えなのか、その辺をお聞かせいただきたいと思うわけです。
○松谷説明員 いま申し上げております避難計算の方式は、私どもがこれからビル防災改修に取り組むための一つの前提条件でございまして、その避難計算式、これは建物全体の避難計算それから階別の避難計算、いろいろなステップがありますが、それらのステップごとに避難計算が満足している場合、満足していない場合、そのおのおのにつきまして防災改修を実施するということで行政指導をすることにしております。したがいまして、御指摘の問題につきましては、これから、私ども建設省としましては、十分に既存の建築物につきまして防災改修を実施していきたいと考えておる次第でございます。
○細谷委員 大臣、いろいろ努力されていることはわかります。わかりますけれども、消防法のサイドから見ましても、過去にさかのぼっての改善というのはいろいろ金がかかるだろうからという形で、かなり譲歩した形でこの遡及する改善というのは控えてきたと思うのですよ。それすらも残念ながら実現しない。いろいろな業界の金がかかり過ぎると。しかし現実には、金がかかり過ぎると言うけれども、熊本の大洋デパートはあの火事でつぶれちゃったのですよ。元も子もなくなっちゃったわけですね。そういう事態から考えますと、いま直ちに完璧なものを追求するということはできないにしても――計算方式もいいでしょう、いいですけれども、それに基づいた具体的な施設の改善ということに取り組まなければどうにもならないと私は思います。そういう点について、消防の責任者としての大臣、この問題についてどういうふうに対応しようとするのか、基本的な考えをお聞かせいただきたいと思います。
○近藤政府委員 消防施設関係につきましては、当地方行政委員会の御努力によりまして、大洋デパートの事件を教訓として遡及適用に踏み切ったわけでございまして、この三月がちょうどその猶予期限の最終ということで、消防機関挙げて消防施設の設置に努力してきたわけでございます。 ただ不幸にして、ビル防災法あるいは建築基準法の一部改正につきましては、四十九年以来毎年国会でいろいろ論議ございましたけれども、最終的には行政指導で行うということで、建設省で要綱をおつくりになったわけでございます。私ども消防庁といたしましては、消防の見地から、その要綱の作成に当たりましてもいろいろ参加して意見等を申し上げたわけでございます。要綱で行政指導をするということになりますと、ある意味では非常にきめ細かい措置もとれるわけでございまして、私ども建設省が今後具体的な指導に当たって防災上問題がないようにしていっていただくということを強く期待しておるわけでございます。 それからなお、先生がいま御指摘の計算式だけ云々の問題でございますけれども、建設省の指導要綱でも人の運営の面に頼る面があるわけでございまして、そういう面につきましては、それらの施設の方々が十分日常から訓練しておくということが必要でございますので、そういった面につきましても建設省とともども消防関係としても協力して十分効果が上がるよう持っていきたいと思っております。
○細谷委員 この問題について、計算式はできたけれども、計算式がきちんと現実にいっているかどうかということについてチェックしなければこれは意味ないわけです。その辺の問題もありますが、もう時間が来ましたからやめます。 私は時間がありませんから、消防職員なり団員の賞じゅつ金の問題なり、あるいは最近問題になっておる消防職員の問題について、消防庁長官はあらゆる会合で心配だ、心配だ、こういうことを言って回っておるのだな。この辺の問題もありますけれども、時間がありまして、他の委員からこの辺の問題の質問がありますから、私はこの質問をここで終わっておきます。
○松野委員長 小川省吾君。
○小川(省)委員 大臣に伺いたいと思うのであります。 消防庁の業務は大臣の所管業務の範囲でございます。しかし、どうも見ておりますと、自治省内部の指導等については、財政の統制に近いような指導など万全の体制をしいておられるというふうに私は思っておりますけれども、消防業務については消防庁長官に任せっ放しでありまして、若干なおざりになっている点があるのではないかなという感をしておるわけでありますが、そういう点については大臣いかがですか。
○澁谷国務大臣 これは消防行政は私の所管の行政でございますから、そのようなことはございません。
○小川(省)委員 その点について、消防庁長官いかがですか。
○近藤政府委員 御承知のように、国家行政組織法上消防庁は自治省の外局ということになっております。しかし、当然のことながら、重要問題につきましてはすべて大臣の御指示を仰いで処置しております。
○小川(省)委員 ぜひひとつ、大臣も消防行政についても今後ともにわたって特段の御努力をお願いいたしておきたいと思うわけであります。 そこで、今回の改正によって人口急増市町村の消防施設に係る国庫補助の二分の一の引き上げが昭和五十八年度まで延長をされるわけであります。このこと自体は結構なことでありますけれども、以下若干お伺いをいたしたいと思うところであります。 もともと昭和四十九年の人口急増に係る国庫補助率の引き上げを実施したわけでありますけれども、特別立法によっては、過疎地域とかあるいは同和地域とかというように三分の二の補助率引き上げの特例があるわけであります。なぜ人口急増市町村は二分の一以内の引き上げなのか、大変疑問に思っておるわけであります。せめて沖繩並みに三分の二以内の引き上げにできないのかどうか。指定市町村が昭和五十四年度においては二百四十三地域のようでありますが、なぜ二分の一以内の補助率なのか、引き上げる必要があるとするならば、せめて三分の二以内ぐらいに引き上げることができないのかどうか、伺いたいと思います。
○近藤政府委員 該当地方団体にとりましては、国庫補助率は高ければ高いほど望ましいと思います。ただ、しかし、過疎あるいは離島、同和、そういった地域に比べまして、人口急増地区というものはもともと財政力が比較的豊かな地域が多うございます。ちなみに財政力指数で申しますと、過疎地域の市町村は〇・一八という指数になっておりますが、人口急増地域の市町村は〇・七二というように相当開きがございます。しかも、人口がふえるということは将来の財政力が増大していくという要素にもなるわけでございまして、もともと財政力が低い、しかも今後とも財政力のふえる要素が少ない過疎、離島、そういったものと同一視するわけにはいかないと思います。したがって、昭和四十九年にこの法律改正が行われました際も、間をとって二分の一というふうになされたのだと思います。今回の改正におきましては、率はそのままとして、必要な事情は少しも変わっておりませんので、さらに五カ年間延長するということにさせていただきたいと思っておるわけでございます。
○小川(省)委員 人口急増地帯は財政的に比較的恵まれておるというような御答弁でありますけれども、私は人口急増地帯の方こそむしろ財政的に非常に大変な地域でもございますし、むしろ火災発生等のおそれが多分にある地域だろうというふうに思っておりますが、財政面で何ともならないのか、あるいは二分の一で適当だというふうに思っておられるのかどうか、重ねて御答弁をお願いします。
○近藤政府委員 消防につきましては、これは本来の市町村の業務であるということで、本来一般財源でやるのが筋であろうと思います。ただ、戦後消防施設の水準が非常に低かった、これを急速に高める必要があるということで国庫補助制度が導入されたわけでございますが、そのときも、公共事業などのように負担区分という考え方ではございませんので、三分の二は地方団体が持つ、三分の一は国が補助金を出す、そういった制度が強化促進法によって打ち立てられたわけでございます。その後離島とか過疎とかという特殊な地域につきましては、これは全く財政力が乏しいという理由で三分の二の補助率が創設されたわけでございますが、人口急増地区などは大体まあその中間あたりになるのじゃないかということで、二分の一の補助率がいろいろ論議の末昭和四十九年に創設されたと聞いております。今回はそれを踏襲したということでございます。
○小川(省)委員 四十九年を踏襲をしたということでありますが、ぜひひとつ今後とも検討して、二分の一の補助率をもう少し引き上げるように検討をお願いをいたしたい、このように思っておるわけであります。 次に、消防施設税の創設ということがかなり国会でも論議をされてまいりました。そして、いま現在鹿児島県の知事をやっておる鎌田さんがたしか税務局長のときだろうと思うのですが、かなり自治省でも検討をされてまいったと思うのであります。消防施設の充実が遅々としておくれている、これを充実をしていかなければならないけれども、交付税の配付額が十分に使われてもいないという中で消防施設の充実は緊急なものだと思われますが、何らかの形で充実をしてほしい、このように思っておるわけでありますけれども、消防施設税の創設についてはその後どのようになっておりますか。
○近藤政府委員 消防施設税の創設につきましては、昭和三十年の地方制度調査会答申でこれを取り上げまして以来、第二十四国会、昭和三十一年の国会でありますが、それ以降毎年のように衆参地方行政委員会におきまして創設についての附帯決議等が行われてきたわけでございます。それが四十六年まで続いております。ただ、御承知のようにこれはいろいろ問題がありまして、私ども消防を担当しておる者といたしますならば、消防の特定財源が少しでもふえる方がいいという感じでございますけれども、この税が課せられるところの損保の方にとりましてはやはり相当の痛手であるわけでございまして、特定の損害保険を掛けておる者だけがなぜ消防施設のための財源を負担しなければならないのかというような議論、それによって火災が少なくなるならば損保業界全体としては利益になるんじゃないかというような議論、またそういった利益があるなら掛金率を下げるべきであるというような議論、いろいろな議論が相対立したわけでございます。このところ、この消防施設税をどうするかという動きが若干下火になっておるような気がいたしますけれども、私どもの立場といたしましては、機運が熟するならばこういった特定財源はぜひ創設したいという考えでございます。
○小川(省)委員 地方税全般にかかわり合いを持つ問題でありますから、土屋税務局長の方からこの点についての見解を伺いたいと思います。
○土屋政府委員 消防施設の拡充強化という見地から、従来からこの消防施設税の創設についていろいろ論議をされていることは私ども承知をしておるわけでございます。私どもとしては、目的税全体の中で課税標準なりあるいは納税義務者なり全体の状況を見て、それが適切なものであれば当然検討に値するものということになるわけでございますし、そういった意味で消防施設税についてもいろいろ過去検討をしてきたわけでございます。ただ、従来からいろいろ検討されております消防施設税につきましては、一つには税負担が火災保険料に転嫁をされて保険料の値上げにつながるといったこともございますし、また火災保険に加入しておる者のみが税を負担するといったようなこともございまして、そういった点からいろいろ不合理な点もあるのではないかといった反対論もあるわけでございます。そういったことから現在まで見送られておるわけでございますけれども、最初に申し上げました全体の財源という点について、目的税としてやります場合にいかなる合理性があるのか、どういった合理的な方法が考えられるのか、そういったことは総合的に検討しなければならないと思っております。ただ、現段階においては、いろいろと過去も検討してまいりましたけれども、直ちに従来のような形で消防施設税の創設ということは考えてないわけでございまして、今後のひとつ研究課題にさせていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 現段階では考えておらないというようなお話でございます。消防庁の長官の方としては特定財源としてそのような税が入ることは望ましいというような答弁でございますが、私は何としても消防施設を充実をしていく必要があろうかというふうに思っておりますので、ぜひひとつ特段の御努力をいただいて、今後とも消防施設税を創設をしていただくように特にこれは要望をいたしておきたいと思っております。 次に、補助対象施設の問題であります。消防ポンプ自動車と防火水槽に限られているようでありますが、急増市町村としては消防力の充実に追われておるわけであります。当然待機宿舎等もその対象に含まれてしかるべきだと思いますが、その点はいかがですか。
○近藤政府委員 人口急増市町村における消防力の強化ということになりますと、直接必要なのはまずポンプとそれから水槽ということになるわけでございます。したがって、その二つの種類のものについて特別の補助率を適用するということでございます。その他につきましては通常の補助率、四十九年のとき以来そういったたてまえをとっておりますので、今回もそれに従いたいと思います。
○小川(省)委員 四十九年の例に従うということですが、私は、消防ポンプと防火水槽に限るという補助対象も当然検討をする必要があるのではないか、このように思っておりますので、ぜひひとつ今後とも引き続いて検討をしていただきたい、このことを申し添えておきたいと思います。 次に、この法を離れて若干お尋ねをいたしたいと思っております。 消防庁告示の消防力の基準でありますけれども、これは定められておりますように「必要な最少限度の施設及び人員」ということになっております。現在そんなところはないと思いますけれども、交付税で配分をされる消防費の枠内でしか消防力を充実をしていない市町村が大変多いのだろうと思います。言いかえるならば、交付税の配付の中にある基準を目いっぱい使っていないところが多いという話を実は聞いておるわけであります。大体平均的に各市町村が八割六分程度しか交付税で配付されるものを使っていないというふうに聞いておりますけれども、事実ですか。
○近藤政府委員 そのとおりでございます。
○小川(省)委員 交付税は一般財源ですから、えてして市町村長はやっぱり何か道路とか川とか目立つようなものに使うのだろうと思いますけれども、私はこうであってはならぬと思うのであります。交付税の当然算定基準として使われている消防費用というものが完全に使われていくような情勢をつくり出していくところに消防力の基準を充実をしていくところの一番根本の要素があるだろうというふうに思っております。各市町村のそういうものを監視をするといいますか、チェックをするといいますか、そういう点についてはどうなっておりますか。
○近藤政府委員 地方交付税は言うまでもなく地方公共団体の自主財源でございまして、その使途につきまして自治省としてあるいは消防庁としてあれこれ言う筋はないわけでございます。ただ、過去の基準財政需要額に対する消防費の充当状況が昭和四十九年は一〇〇%を上回っておりますけれども、それ以降地方財政の窮乏を反映いたしましてか、だんだん落ちてきておりまして、現在八割台というような状況にあるわけでございますが、消防力の現状が施設面でも人員の面でも私どもが示しております基準よりまだ相当下回っておるということでございますので、消防力の強化というのが地域の防災上必要欠くべからざるものであるがゆえに、できるだけ消防に重点を置いてほしいということを機会があるたびに都道府県あるいは市町村に呼びかけておるところでございます。
○小川(省)委員 そうするとあれですか、都道府県等を通じて大体どの程度消防力に対して金が使われたか、こういうものをチェックをするなり監視をする、そういうような手だては講じていないわけですか。
○近藤政府委員 先ほど申しましたように、交付税というのは地方公共団体の自主財源でございますので、事前にどうこうと言うことは私どもとしてもすべきではないと思います。ただ、毎年決算を見ますと、基準財政需要額を下回っておるということは歴然としておりますので、こういうような状況では消防力の現状から見て困るということで、各都道府県を督励し市町村を指導しておるということであります。
○小川(省)委員 基準財政需要額を決算を見ると下回るということなんですが、私はやはりそこに問題があるというふうに思っています。確かに交付税は自主財源であるわけですが、実際に交付税の算出の基準があるわけでありますから、そういうところで見込まれたところの消防の費用というものは当然消防の費用として使われなければならぬ、こういう点をもう少し督励をして、完全に使用させて消防力の基準の充実充足を図っていくというのが基本でありますから、こういう点をひとつ強く都道府県、市町村を指導をするようにぜひお願いをいたしたいと思っておるわけであります。消防力の基準は、御承知のように、申し上げるまでもなく最少限度のものでありますけれども、この充足率の状況なんでありますけれども、いわゆる何といいますか、消防力の基準の充足が、いまのような状態でありますから全体的に下回っておるのではないかというふうに思いますけれども、これらの状況についてどのように把握をしておられるのか、御報告をお願いをいたしたいと思います。
○近藤政府委員 消防施設の消防力の基準に対する充足状況でございますが、先ほどもお答えいたしましたように、消防団、常備消防合わせまして、五十三年四月現在で、消防ポンプ自動車八五・八%、小型動力ポンプ六六・八%、はしご自動車五五・四%、化学消防ポンプ車五二・七%、救急車九七・一%、消防水利六三・四%、物によりましては相当消防力の基準を下回っております。 ただ、ここで申します消防力の基準というのは、私どもが示しております消防力の基準に基づいてそれぞれの地方団体が自分のところの消防はこれだけ施設が要るということではじき出した数字、それを積み上げたものでございます。御承知のように、私どもが出しております消防力の基準というのは当然のことでございますけれども、一律の基準で弾力条項を置いております。それぞれの地方団体はそれぞれ特殊な地形を持ち、あるいは気象条件を持っておるわけでございます。したがって、私どもが申しております消防力の基準、それに対しまして各地方公共団体が自分のところの特殊性を勘案して、自分の町の消防力の基準はこうであるというふうに算定しておるのは相当私どもの基準を上回っております。したがって、私どもが機械的に消防力の基準ではじき出しますと、こうした大きな差は出ないのでございますが、私どもは、いずれにいたしましてもそれぞれの地方団体の特殊性をそれぞれについて理解するという立場にはありませんので、地方公共団体が自分のところの消防力はこうあるべきだと算定しておる消防力の基準を尊重したいということで、いま申し上げました数字は、各地方団体の報告に基づく、それぞれの団体の消防力の基準の積み上げたものに対する現在の消防施設の状況でございます。
○小川(省)委員 物によっては下回っておるものもあるわけでありますから、消防力の基準を下回っているものがかなりあると見なければなりません。そういう点で、今後とも消防力の充実について十分な意を用いていただきたい、このように思っております。 日本政府は相も変わらず世界の先進国の趨勢である消防職員の団結権を認めようといたしておりません。いまだに警察職員と同じだというような主張をしているわけであります。しかし、これを変えていかねばならないのはいわゆる世界の流れであるし、時代の風潮であるというふうに思っております。そういうことで、全国の消防職場の中には古い階級制や非民主的な動向に反発をして、自然発生的に互助的な消防職員懇談会や消防職員協議会が結成をされて職員団体とは異なった動きをしているわけですが、このことによってむしろ消防職員のまとまりはよくなっており、消防活動は充実をされております。消防庁が心配するようなことは何一つ起きていないわけであります。といって本日は団結権の問題について別に論議をいたすつもりはないわけでありますけれども、現時点で消防職員協議会というものについて長官としてはどのように見ておられますか。
○近藤政府委員 先生御指摘の消防職員の協議会でございますが、昭和五十二年の八月に自治労の支援、指導のもとに、消防職員の組織化を進めるということで全国消防職員協議会が結成され、一部の消防本部で消防職員協議会が結成されつつあります。これがいま自然発生的な互助会とおっしゃいましたけれども、そういったものであるならば別に問題はないわけでございます。 それからなお、協議会と称するもののほとんどが合法的な範囲で活動を行うという形になっております。合法的な範囲内にとどまるものであるならば、私どもそれについてとやかく申し上げる立場にはないわけでございます。ただ、こういうものが結成されるに至った背景が背景であるだけに、本当に合法的なものであるかどうかということについては私ども重大な関心を持って監視を続けていく必要があると思います。
○小川(省)委員 重大な関心を払うことはわかるわけでありますが、正常に運営をされて消防力の活動についても何ら支障を来していないわけでありますから、ぜひひとつ温かい目で見守って、やはり消防全体というものをながめていかなければならぬというふうに思うわけであります。世界の先進国やあるいは中進国の状況を見れば、消防職員に団結権を認めている国家が大半といいますか九割九分であります。何もおくれた後進国並みに消防の問題だけ歩調を合わせる必要はないと思うわけであります。ここで声を大にして申し上げておきたいのは、世界の潮流におくれをとることなく、キプロスやナイジェリアなどというところに伍することなく、世界の大波に合わせて、消防の団結権について前向きに一刻も早く認めていくようにすべきであることを強く申し上げておきたいと思います。 また、ここで実はある調査資料をちょっと見ていただきたいと思うのです。ちょっと配付をさせていただきたいと思いますが、ひとつよろしく願います。 実はこの調査表は、先ごろ全国消防職員協議会で全国の消防職員に対してアンケート調査を実施いたしましたその結果でございます。この結果について若干お尋ねをいたしてまいりたいというふうに思っておるわけであります。 「消防機器の配置について」と「職員の配置について」というアンケートであります。「十分に配置されている」「やや不足している」「非常に不足している」「わからない」「回答なし」に分類をされているのでありますが、「消防機器の配置について」では、総計で「十分に配置されている」というのが二二・三%、「やや不足している」五二・四%、「非常に不足している」二五・〇%、「わからない」というのが五・四%、「回答なし」が四・〇%であります。「やや不足している」と「非常に不足している」とを合計いたしますと七七%に達するわけであります。職員の配置に対する考え方で見ると、「十分に配置されている」三・一%、「やや不足している」三六・〇%、「非常に不足している」五三・七%、「わからない」が三・五%、「回答なし」が三・七%であります。「やや不足している」と「非常に不足している」との合計は八九・七%になっておるわけであります。 しかし、驚くべきことには、このアンケートをごらんいただくとわかるわけでありますが、階級別にとっているのでありますが、いわば管理職であるような「司令」というところを見ますと、消防機器が「やや不足している」「非常に不足している」というのが八一%、「職員の配置について」は九五・二%になっているのであります。このことは、管理職である消防職員が消防機器や消防職員が圧倒的に不足しているということを訴えているわけであります。このアンケート調査を見てどうお考えになりますか。
○近藤政府委員 先ほども消防力の基準についてお答え申し上げましたように、現在の消防施設の整備状況は、それぞれの団体が、自分のところはこれだけの消防施設が要ると言っているのに比べて相当の開きがあるわけでございます。人員面についても同じような結果が出ております。したがって、人的面、物的面において現在の消防力というものは、それぞれの地方団体の消防担当者がこうありたい、こうあるべきであると言っている数字よりは下回っておる、しかも相当下回っておるという現実にございます。したがって、関係者の間のアンケートがこういうような形になるのはむしろ当然ではないかと思います。 したがって、われわれといたしましては、今後とも消防力の強化のために施設面、物的面、人的面あわせて強化していく必要がある。一方、先生が冒頭に御指摘になりましたように、せっかく交付税の基準財政需要額で積算いたしましても、それが使い切られておらないような状況にもありますので、消防力強化の必要性をそれぞれの地方公共団体が自分のこととして十分認識されて努力をしていただきたい、そのように私どもは強く指導してまいりたいと思います。
○小川(省)委員 こういうような結果になるのは当然ではないかというようなお答えですが、管理職である消防職員がこのように考えているということを率直に受けとめていただきたいと思っております。 この一速の調査の中で、職場環境や健康管理についての調査の項目もあるわけであります。職場環境の改善を強く希望している結果があらわれているわけであります。仮眠設備の改善であるとか、あるいは休憩休養施設、シャワー、浴室等の改善をしてほしいというような意向が強く示されております。このことは、待機宿舎が非常に老朽化をしているとか、あるいはあっても要望にこたえていないというような実態を示す以外の何物でもないと思っております。ひとつこのような点も考慮に入れて、快適な職域で与えられた使命が達成できるような特段の配慮をお願いいたしたいと思いますが、いかがですか。
○近藤政府委員 御指摘のとおりだと思います。消防職員は常時住民の生命及び財産を守るために職場に配置をされておるという特殊な性格を持っておりますので、その職場環境を整備するということは、他の行政事務に携わる人に比べてより必要なことだという感覚を持っております。各地方団体におきましてこの点については年々努力をしておりまして、次第によくなってきておると思いますけれども、もちろん、まだ十分とは申せません。今後とも職場環境の整備に私どもとしてもできる限りの援助措置を与えていきたいと思っております。
○小川(省)委員 そういう意味でも、先ほどの補助対象を待機宿舎等に当てはめるとか、あるいは三分の二の補助率に上げるとか、そういうことが必要なのでありますから、よくこの点を申し上げておきたいと思います。 次に、これは警察庁の杉原交通局長にお聞きをいたしたいわけでありますが、実は緊急自動車の優先順序の問題であります。 最近では、都会でも田舎でも自動車交通が大変ふくそうをいたしておるわけであります。ですから、緊急の場合でも走り抜けることがなかなか大変な実態を示しておるわけであります。火災現場に急ぐ消防自動車あるいは事件の現場に急行するパトカーあるいは交通事故の現場に急行する救急自動車がある交差点ではち合わせをしたような場合に、優先順序はどうなるわけですか。
○杉原政府委員 お答えをいたします。 緊急用務の内容が異なります緊急自動車が同時に交差点を通行しようといたします場合の優先関係でございますが、道路交通法におきましては、このいずれの緊急用務も同じ程度に公共性が高いということで、その仕事の内容で順位をつけることはいたしておらないわけでございまして、緊急自動車の相互間の関係につきましては、通常の車両の相互間におきます交差点における優先関係の規定が適用になるということでございます。 基本的にどういうことかと言いますと、まず、信号で制御されております交差点につきましては、青信号の方が優先をいたします。それから交通整理が行われてない、信号機のない交差点につきましては、まず基本的には、広い幅員と狭い幅員の道路が交差をしている場合には、広い道路の方が優先をいたします。同じ広さの道に同時に差しかかった場合には、左方の道路の方が優先をいたします。これが道交法の基本的な優先順位でございまして、右折しようとする緊急自動車の場合につきましては、直進ないしは左折をする緊急自動車の方が優先をする、こういう道交法の基本原則が緊急自動車の優先通行についても採用されるということになるわけでございます。
○小川(省)委員 私がこの問題をお聞きをいたしましたのは、当然いま杉原局長の御答弁のようなのだと思いますが、実は笑い話だと思っていたのですが、最近の交通ふくそうの中でこういうような事例がかなり起こって、先を急ぐために、ややもすればいろいろないさかい等が起こるということも聞いておりましたので、その解釈をお聞きをしたわけであります。大変ありがとうございました。 そこで、消防職員の諸手当の問題を若干伺いたいわけであります。 消防職員は、各市町村あるいは組合消防等の中でいろいろな規則もつくっておりますから、手当が確立をされておるわけでありますけれども、その中で機関員手当というのがありますが、これは何ですか。
○近藤政府委員 消防車あるいは救急車等の運転手でございます。
○小川(省)委員 私も選挙区の中の各市町村を回っていろいろ調べたのですが、大体平均して月額千円程度になっておるわけですね。ところが、中には五百円というのがあった。余りにも低いのではないかと思うのでありますが、いかがですか。
○近藤政府委員 消防職員の諸手当につきましては地方交付税で措置しておるわけでございますが、私どもの方でその積算の基礎としては、出動手当、出場手当、夜間特殊業務手当といったように分けまして、それぞれ単価及び所要延べ人員を掛け合わせて所要額を出しておるわけでございます。具体的にこれを地方公共団体の方でどのように使っておるかということは、それぞれの団体が条例によって定めておるところだと思いますが、私どもの方では、ただいま申し上げましたような積算の基礎でやっておりますので、このように使われることを期待しておるわけでございます。
○小川(省)委員 じゃその中でお伺いをしたいのですが、その中に示されておる基準で、機関員手当、それから救急自動車の救急出動をする手当は幾らになっておりますか。
○近藤政府委員 これは交付税でございますので、標準団体といたしまして人口十万の市、市街地人口が七万ということで想定いたしておるわけですが、それに必要な消防自動車あるいは救急自動車の数を算定し、必要人員を積算いたしまして交付税の基準財政需要額が成り立っておるわけでございます。 そこで出動手当といたしまして、機関員は一回につき五十四年度は四百十円となっております。それから出場手当の方は、機関員は三百円ということになっております。 以上でございます。
○小川(省)委員 救急は。
○近藤政府委員 救急も消防の場合も同じでございます。
○小川(省)委員 交付税の中にはそういう基準があるわけですね。しかし、自治体によってはそれをかなり下回って条例を定めておるところも実はあるわけであります。私は、こういう点については消防職員の勤務条件の問題とも関連をして、ある程度消防庁の方で見てやっていかなければならぬというふうに思っておるわけであります。そういう点については調査といいますか、そういうものをとって、それをある程度整理をするというか、ある程度調整をするというか、そういう手当等については考えたことがありますか。
○近藤政府委員 まず、先ほどの答弁の中で若干間違いがございまして、出動手当の機関員四百十円というのは消防車の場合でございまして、出動手当の機関員三百円というのが救急自動車の場合でございます。いずれも一回でございます。 次に、私ども、交付税の積算の基礎としてはこういったやり方をやっておるということ、これは各地方公共団体に都道府県を通じまして十分周知徹底をしておるところでございます。このとおりに行われておらない町村などもあるようでございますけれども、できるだけ消防あるいは救急業務の重要性にかんがみ、交付税措置でこういうことをやっておるわけでございますから、その意を体して、これに即して支給されるよう指導してまいりたいと思います。
○小川(省)委員 交付税は自主財源でございますから、一たん入ったものを消防費に見合うように使わない、こういう自治体がありますように、交付税の中で定められている基準をかなり下回って消防職員の手当を決めておるというような自治体もないわけではありません。そういう意味で、ぜひひとつそういう点も監督をしていただいて、消防職員が大変な業務に精励をしていることにこたえていただくような措置をぜひとっていただきたい、このことを強く要請をいたしまして私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○松野委員長 午後二時より再開することとし、休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ――――◇――――― 午後二時十七分開議
○松野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 消防施設強化促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。西村章三君。
○西村(章)委員 わが国の自治体消防は、昨年、発足以来三十周年を迎えました。その間、自治省、消防庁の指導、協力等によりまして、逐年消防行政そのものが非常に充実をしてまいったわけでございます。しかし、まだまだ万全の体制だとは言いかねるわけでございます。 そこで、現状の消防防災行政、これの実態と課題を踏まえて、当面の重点施策の内容は一体何だとお考えになるのか、基本的なことでございますので、大臣からお答えをいただきたいと思います。
○澁谷国務大臣 御案内のように、最近の災害そのものが非常に複雑、多様化という方向に来ておりますから、これに対応するために、私どもとしては、消防の近代化、科学化、こういうことに最大の重点を置いてその充実を期しておるわけでございます。
○西村(章)委員 最近の火災等の災害は、いわゆる発生件数そのものが増加傾向にあるのかあるいは減少傾向にあるのか、消防庁としてはどういうとらえ方をなされておりますか。
○近藤政府委員 最近の火災の発生の状況でございますが、四十九年から五十三年までの五カ年間の状況を見てみますと、大体横ばいであると言っていいかと思います。ただ、五十三年は、前年度に対しまして一割方の伸びを示し、七万件の大台に達したという状況でございます。
○西村(章)委員 横ばい、しかも五十三年だけは一割方ふえて、七万の大台。七万の大台そのものが、わが国の規模から考えますと、非常に膨大な件数でございまして、いわば、戦後ずっと増加傾向というものをたどってまいりましたときには、やはりこれは看過し得べき問題ではない。したがって、これに対応する消防の役割りの重要性というものは今後もさらに一段と増すであろう、かように考えられるわけでございます。 そこで、消防体制の整備と消防力の増強というものをさらに充実強化をすることが望まれるわけでありますが、現在の消防施設の整備状況、これを消防力の基準に照らし合わせてどこまで進んでいるのか、けさほども同僚委員から質問がございましたが、重ねてお伺いをいたします。
○近藤政府委員 消防力の基準に照らしまして現在の消防施設の整備状況はどうかということでございますが、主なものについて申しますと、昭和五十三年四月現在で、消防ポンプ自動車については八五・八%、小型動力ポンプについては六六・八%、はしご自動車については五五・四%、化学消防ポンプ車については五二・七%、救急車につきましては九七・一%、消防水利については六三・四%。救急車を除きまして、まだ基準に対しては相当の隔たりがあります。 ただ、この基準というのは、前にも申したと思いますが、それぞれの地方公共団体が自分たちの町を火災等から守るにはこれだけの施設が必要であるということで、私どもの示した消防力の基準に照らし、それぞれの都市の独自性を勘案して計算した数個を積み上げたものでございます。
○西村(章)委員 それぞれの市町村がその必要性に応じて積み重ねた数字だ、それに対応する充足率がいまのパーセンテージだということでありますが、市町村の方も、消防庁の基準と照らし合わせて、やはり必要であるからそれだけの数字を立てておるわけでございまして、当然これは充足をしていかなければならぬわけであります。 施設整備状況のうちで、いま答弁のありましたように、救急車を除いてまだまだ不足をしておる。特にはしご車、それから化学消防ポンプ車、この充足率は五〇%台でございまして、半分程度しか整備がなされておらない。いわばこれからの都市化現象といいますか、ビルの超高層化あるいは石油コンビナート、重化学工業化への時代の趨勢に果たしてこれで対応ができるのかどうか、その点につきましてはどうお考えでございますか。
○近藤政府委員 消防力の基準に対する充当状況から見まして、特にはしご車、化学消防車というのが相当隔たっております。しかも、これらの需要というのは今後ますます増大してくるということでございますので、私ども、国庫補助金等ももちろん充実してまいりますが、それぞれの該当市町村は、金のかかるものでございますけれども、人命、財産にはかえられないわけでございますので、積極的にこういうものを導入するよう指導してまいりたいと思います。
○西村(章)委員 これもけさほど質問があったわけでありますが、この施設の増強と関連をいたしまして、いわゆる地方交付税の基準財政需要額に比して市町村の決算額、特に消防施設の決算額が非常に低い。その理由はいろいろあろうと思うのでありますが、まず実態と主な理由を挙げてください。
○近藤政府委員 消防は市町村本来の行政であるということで、それに要する経費というのは地方交付税の基準財政需要額の算定を通じてそれぞれの地方団体に財源措置をしておるわけでございます。交付税の仕組み上、人口十万の都市というものを基準に置きます。そのうち市街地人口は七万という想定をいたしまして、そのほかいろいろな基準があるわけですが、そこに要するところの消防施設の数、職員の数、そういったものをとりまして単位費用を決定いたします。そしてその後、人口段階に応ずる段階補正、態容補正等いろいろやっていきまして、それぞれの団体の基準財政需要額を算定するという仕組みになっておるわけでございます。 そこで、基準としてとっております人口十万の都市を現実の決算状況とどうかということを調べてみますと、ほぼつり合っておるということが言えるかと思います。若干交付税の基準の方が高うございますけれども、大体見合っておるということが言えると思います。現実の基準財政需要額総額に対する決算額ということになりますと、昭和五十二年度の決算で見ますと八六・九%という数字になっております。これはその年々の財政状況が非常に影響しておるんじゃないかと思います。たとえば昭和四十九年、地方財政はまだ現在ほど窮屈でなかったときでございますが、一〇三・五%と決算額が需要額を上回っております。もちろんその前は、たとえば昭和四十四年度は八〇%台でございましたけれども、年々消防に対しまして地方公共団体が金を使う額がふえてまいりまして格差が縮まってまいりまして、昭和四十九年には一〇三・五というのに達したわけでございますが、五十年以降、地方財政の悪化を反映してでございましょうか、九四・八%、八四・四%、八六・九%ということで、このところ一割以上も基準財政需要額を割り込んでおる状況でございます。もちろん私どもといたしましては、交付税の積算上は毎年必要経費というのを積み上げていきます。ベース改定等があれば当然消防職員についてもベース改定等がございますし、それから職員の増強の必要もございますので、そういったものは交付税上織り込みますので、基準財政需要額が年々ふくらんできておることも事実でございまして、決算ベースとしては、したがって、もちろん前年よりもある程度ずつはふえているわけですけれども、それ以上の財源措置が結果的にはなされたということでございます。
○西村(章)委員 四十四年から徐々に決算比率が上がってまいりまして、四十九年をピークに、さらにその後は下降の状態だということでございますね。これはいわゆる地方財政の不足というものがこういうことをもたらしておる理由だろうと思うのでありますが、これは全国平均でございますね。地域的に大まかに分けまして、東日本なり西日本なり、こういうところで比率の相違というものが、かなり差がございますか。
○近藤政府委員 地域的にはそれほどの差は見られないと思います。ただ、大都市、それから中都市というか、ある程度の既設の消防の都市と申しますか、そういったところにつきましては基準財政需要額との乖離が少のうございます。特に乖離が大きいのは、町村などはたしか八割も使ってないような状況だったと思います。
○西村(章)委員 私が聞いている範囲内におきましては、東日本の方が西日本と比べてその比率が高いということのようでございます。山林その他、そういう火災の多いところがむしろその比率が高くなっておって、火災発生の少ないところが低いというようなことも言えるんではないかと思うのであります。 また、自治体のいわゆる消防の強化についての熱意、この程度ですね。それから首長の認識の度合いによってそういう施設の充実に強弱があってはならないわけでございまして、これはむしろおかしいわけでございます。そういう意味で、自治省消防庁として今後その比率を全国的に高めていく、あるいは地域的なその率の格差というものをなくしていくということについての行政指導はぜひ必要だと思うのでありますが、いかがでございましょう。
○近藤政府委員 まさに御指摘のとおりだと思います。御指摘の趣旨に沿って今後とも努力してまいりたいと思います。
○西村(章)委員 そこで、今後消防施設の充実を図る上で、その基準の達成を図るためには計画的に整備を行っていく必要がございます。補助率のアップ、補助対象の拡大、いろんな施策があるわけでございますが、この計画的な整備というものを現時点でどのように考えておられるのか、またその達成時期、目標年度というものをどの辺に置いておられるのですか。
○近藤政府委員 われわれを取り巻く生活環境が御承知のように非常に急激に変わってきておりますので、消防力の基準を参考にしてそれぞれの地方団体が自分の町の消防力はこの程度であるべきだという、その程度というのも具体的に言えばこれは変わるわけでございます。 私ども消防庁といたしましては、おおむね三年ごとに見直せ、そして、今後五カ年間でどの程度の消防力を強化していくか、そういう計画をつくれという指導をやっておるわけでございます。五十三年にもそういったことで私どもの方で集計したことがございますが、これが絶対的な目標であるということは言えないかと思います、時々刻々変わりますので。ただ、それによりますと、五十三年から五年たちました五十七年では、消防ポンプ自動車は一〇〇%を超す状況である、それから救急車は、現在高い関係もございますけれども、一一六%、それから水利関係は七五%、それからはしご付ポンプ車などは八五%というところまで達成できるというような数字も一応出ておりますけれども、これは四十三年時代において先を見通した数字でございまして、環境の変化に伴いまして基準そのものが動いてまいりますのでどうなるかわかりませんけれども、私どもはこういったような資料を参考にいたしまして、それを基礎に翌年度の国庫補助の所要額というものを把握いたしまして予算要求をし、大体このところ毎年それを確保しておるという状況でございます。
○西村(章)委員 次に、人員配置の適正基準は一体どれぐらいになっておるのか。先ほど基準財政需要額の算定の中で少し触れられたようでありますが、現在の適正基準というものは人員についてはどうなっておるのか、それから現在の充足率は全国平均でどれぐらいでございますか。
○近藤政府委員 先ほど申し上げましたように、消防施設の整備の水準というものが基準に対して下回っておるわけでございます。 しかし、現実問題として現在ある施設でもって消化活動等が行われておるわけでございますので、現在ある施設というものを基準といたしまして、職員数がどの程度――職員の基準もごさいますが、施設に対して基準職員数がどの程度になっておるか、それと現在の職員数がどうかという比較をしてみますと、七七・五%程度の充足率ということになります。ただ、ここで言うところの職員の基準数というものも、それぞれの地方公共団体においてこれだけの職員数が必要である、私どもの方の基準を基礎といたしまして計算して、うちとしてはこの程度の職員数が要るというのを積み上げたものでございます。それに対しては、現在の職員数は七七・五%ということであります。
○西村(章)委員 昭和五十四年度の「各行政項目別単位費用算定基礎」これを見てまいりますと、いわゆる人口十万人の標準団体で消防吏員の数はおよそ百一人、こういう数字が出ているわけであります。これが交付税の基準であり、消防職員の配置の基準になっておるようでございますが、こういう観点から見まして、現在の消防の職員の充足率、施設に対する消防職員の率が七七・五%、こういうことでございますか。
○近藤政府委員 交付税でとっております基準とは若干異なります。交付税では、先ほども申しましたように人口十万都市というものを想定いたしまして、職員数で申しますと百三名というものを算入いたしております。人口十万都市における現実の職員数は百一・七名ということでございますので、それは上回っております。それから、消防力の基準で十万都市について計算いたしますと百十名ということに出ております。したがいまして、現実の交付税上で想定いたします百三者と百十名との間になお七名の開きがございます。 ただ、しかし、先ほども申しましたように、交付税で措置した額がそのまま消防費に現在使われておらない、相当まだ余裕があるというような状況でございますので、現実問題としてはこの交付税に計上された額で所要額を満たせるのではないかと思います。 それからなお、消防力の基準上人口十万都市については百十名と申しましたが、それは私どもが消防力の基準によって算定した数字でございまして、たとえばはしご自動車とポンプ自動車などの両方があります場合に、私どもは、一緒に出動することもほとんど現実問題としてありませんので、職員の乗りかえ、それから救急車と消防車との間に、運転手は別としましても、その間にも乗りかえを認めるというような操作をしておりますので、百十名ということでございます。 地方団体が計算いたします場合には、そういう計算をしておるところもありますし、してないところもございます。自分のところの市としてはこれだけの職員数が欲しい、あるいはあるべきであるといったものが相当含まれておりますので、私どもなりに計算いたしますと、先ほど基準に対して現実が七七・五%の充当率だと申しましたけれども、もっとその充当率というのは縮まるという感じは持っております。 ただ、しかし、消防に責任を持っておるのはそれぞれの地方公共団体でございますので、それぞれの団体がこれだけ要るというのがまさに適正な消防力の基準に照らした消防職員数であるという理解を私どもは持っておりますので、それに対しては相当なお低いと申し上げるよりほかないと思います。
○西村(章)委員 昨年度、五十三年度で総計何人ぐらい増員されたのでございますか。
○近藤政府委員 ちょっと細かい数字を持っておりませんけれども、(西村(章)委員「概算でよろしいです」と呼ぶ)五十三年度、五十四年度、両年度とも地方財政計画上千数百人ずつ消防職員については増員をしております。
○西村(章)委員 千四、五百名ということになりますと、いわゆる常備の消防力を持っておる市町村に直しますとおよそ一名ぐらいずつしか増員ができておらない、こういう結果になるわけでありまして、これではなかなか進まないということに相なると思います。これは施設と同様にやはり計画的に人員の配置につきましても整備をしていく必要がある、私はかように思うのでありますが、この点につきましてもお考えを聞かせていただきたいと思います。
○近藤政府委員 まさに御説のとおりでございまして、私ども、地方団体が現実に即して職員の増強を図り施設の整備を図っていく、それを受けまして今後ともさらに地方交付税措置を充実してまいりたいと思っております。
○西村(章)委員 次に、現行の消防職員の勤務体制、体系といいますか形態といいますか、これはどうなっておるのでございましょうか。
○近藤政府委員 職員の勤務体系でございますが、まさにこれが消防の特色でございますが、警防及び救急業務に従事しておる職員につきましては、四六時中働かなければなりませんので、二部制をとっておる団体がほとんどでございます。十一万の消防職員のうちの約七割がこれに該当すると思います。それから一部の地方公共団体、東京都などは三部制を採用しております。それからセンター業務などだけに三部制を採用している、あるいは警防業務だけに三部制を採用しておる、そういった団体が若干ございます。
○西村(章)委員 消防という特殊な任務からそういう交代制をとらざるを得ないのだろうと思うのでありますが、一日二十四時間勤務という特殊な形態で、しかも仮眠時といえども消防の職員さんは制服着用でそのまま眠る、こういうことであります。したがって、いま東京を初め一部の自治体で採用されておりますいわゆる三交代制、これは当然今後考えていくべき問題でありますし、同時にいまの客観情勢からいいますと、いわゆる公務員の週休二日制が問題になっておるとかあるいは一部実施に踏み切るような気配もあるという時点の中で、今後さらに定員の増が必然的に要請されてくると思うのであります。そういう意味で、今後の消防職員の勤務形態については十分検討していただきたいと思います。消防職員という特殊な勤務内容、特に現場の第一線に出かけられる方々は非常な体力を要するわけでございまして、そういう面等も考慮いたしますと、必然的に人員の充足というものが早急にやらなければならない課題ではないかと思います。いかがでございましょう。
○近藤政府委員 現状からいたしまして、すべての団体が三部制をとらなければならないとは私ども理解しておりません。地方におきましては、二部制の方が現実に即するのではないかという感じもいたします。ただ、非常に夜間における出動回数が多い、あるいは救急についての出場回数の多いような地区につきましては、漸次三部制に移っていくことが必要であろうという感触を持っております。 それからなお、週休二日制の話も出ましたけれども、国家公務員で週休二日制が採用されるということになりますと、地方公務員もこれを採用する。そうすれば、当然消防職員についても週休二日制の問題が起きてまいると思います。ただ、ほかの職務と違いまして、増員に必然的に結びついてまいります。国家公務員などの場合あるいは地方公務員の一般行政職などの場合に、事務能率を低下させないで週休二日が導入可能な職場も数多いと思いますけれども、消防についてはそういうことはできませんので、当然人員増が必要になってまいりますが、週休二日を導入する、あるいは三部制移行、そういった場合におきましてはそれに要する財源措置も私どもとして確保していく必要があると思っております。
○西村(章)委員 勤務形態と関連をいたしまして、ここに一つの不名誉な事件が持ち上がっております。 去る二月の下旬でございますが、茨城県の取手の消防職員の覚せい剤事件というものがございました。これは茨城県の取手市消防署員、これらの人々が、覚せい剤の密売グループを追及している中でいみじくも発覚いたしてまいったわけでございますが、その内容を見ますと、眠気覚ましに覚せい剤を注射したということなのであります。私は、そういうところにも消防職員の勤務形態そのものに若干無理があるのではないかという気がしてこれをとらえたわけであります。非常に不名誉なことでございます。 この事件につきましてその後の結果がどうなったのか私も承知をいたしておりません。ちょっと事件の結果だけ教えていただけませんか。
○近藤政府委員 取手市の消防職員による覚せい剤使用事件はまことに遺憾な事件でございます。ただ、これは全国の消防職員の中に間々あるという問題ではなくて、取手市の特殊事情というか、まさに例外的な、個人的な問題であると私ども理解しております。 事件の内容といたしましては、主犯であります戸頭分署の消防副士長が五十四年二月五日に逮捕され、それに関連して三月一日に七名が逮捕されております。 処分といたしましては、主犯である消防副士長につきましては懲戒免職、それ以外の七名については現在分限休職の処分を行っております。
○西村(章)委員 まことに遺憾な事件でございまして、普遍的ではないということでございます。私も特殊なケースとしてこれをとらえておるわけでございますが、逮捕された人々の年齢を見ますと、非常に若い人が多いのであります。消防署に入られて初等教育を初めいろいろな教育を施されていると思いますけれども、その中でも使命感の欠如といいますか、それがこういうことにつながったのではないかという気がいたします。消防職員の教育について、アウトラインで結構でございますから、どういう教育をなさっておられるか簡単に答えていただけませんか。
○近藤政府委員 まず、消防職員を採用いたしますと、その人が消防職員にふさわしい心構えを持つことが必要でございますので、初任者教育といたしまして六カ月消防学校へ入校させ各般の修業をするということを予定しておるわけでございます。 ただ、ここで問題なのは、私どもは基準として六カ月の初任者研修を考えておるのでございますけれども、現実問題といたしまして、昭和四十年度の中途以降組合消防等が次々とできた関係もございまして、消防職員数が非常に増加いたしてまいりました。現在の消防学校というのは都道府県と指定都市に置かれておるわけでございまして、全部で五十三あるわけでございますが、六カ月研修を実施しておるのはそのうちの二十六校でございます。あと五カ月研修が六校、四カ月研修が十五校、三カ月研修が六校という状況でございます。 消防職員について初任者研修が最も必要であり重要であるという認識を私ども持っておりまして、何とか六カ月研修に持っていくよう、これは関係都道府県の協力がなくてはできませんので、つい先日も消防学校長を集めまして、ぜひ、こういうような事件も起こる折からでもあるので、六カ月研修を確保するよう要請しておるところでございます。
○西村(章)委員 いま承りますと、五十三校中二十六校が六カ月研修だということでございまして、いわば消防職員としての最も基本的な教育の期間が非常にまちまちであり、しかもそれが確実に全員に施されておるかということになりますと、はなはだ疑問があるわけでございます。今後こういう事件を二度と起こさないためにも、教育をさらに充実させていただくようにお願いしておきたいと思います。 次に、今回の法律の改正案に関連をいたしまして、消防施設の補助率なりあるいは補助対象について伺いたいと思います。 五十四年度の消防施設の整備国庫補助金は総額で百五十五億三百万円であります。そのうち人口急増市町村分は二十七億五千万円、三分の一と二分の一の差のこの分を含めまして、実質かさ上げ補助金額は総計で九億一千万円程度でございます。総計九億一千万円程度のものを指定の二百四十三市町村で割ってまいりますと、非常に微々たる金額になるのでありまして、これは整備の強化促進というこの法律のうたい文句とはうらはらにそういばれたものではない、特例法という法律が泣くのではないか、こういうような気がするのでありますが、この点についてはいかがでございますか。
○近藤政府委員 人口等で割りますとそういった形になるわけでございますが、私どもは、消防施設についての補助金につきましては、大蔵省へ毎年度予算要求をいたします前に、それぞれの市町村において明年度どういう計画があるかという計画をとりまして、それを基礎にして要求いたしております。そして、本年度におきましても、おおむねその要望額そのものが個所数については認められておりますので、これまで数年間そうであったと同じように、明年度においても地方団体の計画しておる消防施設の整備はこれで十分確保できるというふうに考えております。
○西村(章)委員 大臣の所信表明の中にもいわゆる消防の科学化、近代化というものがうたわれておるわけでありますが、化学消防車、はしご車など先ほどの答弁でも非常に充足率の低いものにつきましてもっと思い切ってこの際高率補助を行う必要があるのではないか。さらに、現在、県の補助対象になっております防災のヘリコプター、それから予算補助の消防艇、金額の高いものについての補助が非常に少ないような気がいたします。性能が高いものはやはり効果が大きいのでございまして、それだけに金額が高くなりますと購入がなかなかむずかしいということであります。そういうものに対して補助をしてやるのが本来的な目的ではないかと考えるのでありますが、こういったものにつきましてさらに高率補助を行うというお考えはございませんか。
○近藤政府委員 消防については、繰り返し申しますように市町村本来の事務ということで、消防施設につきましても本来は市町村の一般財源で措置するというたてまえであろうと思います。ただ、戦後わが国の消防力の水準というのが非常に落ちておりましたので、施設について国庫補助制度を導入いたしまして整備を促進するということで消防施設強化促進法という法律ができたわけでございまして、そのときの考え方も、道路であるとか河川であるとかいった公共事業とは違いますので、奨励的補助金という意味で地方団体が二、国が一になるような割合で国が補助をする、つまり三分の一の補助の原則が確立したわけでございます。その後、離島であるとか過疎であるとか、そういった財政力のない特殊な地域につきましては三分の二の特別補助ができ、それから人口急増地区あるいは石油コンビナート地区、こういった急速に消防力を整備しなければならない地区について二分の一の特例補助というような形になって現在に至っておるわけでございます。したがって、これが基本でございますが、ただいま先生の御指摘のように、今後、消防施設の科学化、近代化に伴いまして市町村が非常に高額な設備をしなければならない、その財政力にとって非常に重圧となるというような事態になりますならば、これは大変なことでございますので、そういった事態があれば、現在の三分の一の補助率というものもそういうものについては考え直さなければならないのじゃないかと思います。
○西村(章)委員 消防施設の中の消防自動車あるいははしご自動車、化学消防ポンプ車、救急車等も含めていろいろあるわけでありますが、耐用年数というのを大体どのくらいに見ておられますか。各種類によってそれぞれ異なるのでありましょうが、およその平均はどのくらいでございましょうか。
○近藤政府委員 五年から七年、物によって違うと思いますが、大体そんなところで見ております。
○西村(章)委員 現行の制度では、いわゆる更新なり買いかえというようなものについては入っておらないわけでございます。新規の購入のみに適用するということになっておりますが、いまのお話しの、いわゆる五年から六年平均だということになりますと、これはもうすぐに期間がたってしまうわけでございますね。やはり私は、更新、買いかえについても今後適用の範囲というものを拡大すべきではないか、こう考えるのでありますが、いかがでしょうか。
○近藤政府委員 消防施設に対する国庫補助のあり方の問題に関連してくると思いますが、私ども、毎年新しい消防器具機材というものが開発されてくる、コンビナートができれば化学消防車が必要ですし、それから高層ビルができれば、非常に大きなはしご車というようなものも必要になってくるとか、いろいろなそういう新兵器が必要でございます。そういう新兵器に対しまして、これまでのところどんどん補助対象を拡大してきております。やはり国庫補助の総枠というのが限られておるということになりますと、施設の増強というのが第一番に考えられるべきじゃないかという感じがいたします。 ただ、消防ポンプそのものも新しいのがどんどん出てまいりまして、そういう新しいのを補助対象にする、そうして古いものが予備車になるというようなものも現実問題としては認めておりますが、表から更新については現在認めておりません。今後の検討課題だと思います。
○西村(章)委員 次に、火災予防につきましてお伺いをしたいのでありますが、わが国の火災は出火件数の割りに焼死者が非常に多い。五十三年中の死者は千八百五十二人と非常に高い水準にあります。一日およそ五人が火事のために犠牲者になって焼け死んでおるわけでございます。 そこで、最近五カ年の焼死者の数はどういう傾向を示しておるか、その焼死者の年齢構成はどうなっておるのか、特に、死者が多いという主な原因は一体何だと考えておられるか、この三点お答えをしてください。
○近藤政府委員 最近五年間の火災による死者の数でございますが、四十八年以降五十二年まででございますと、それぞれ一千八百七十人、一千六百四十六人、一千六百七十四人、一千六百四十八人、五十二年は一千九百九人と、初めて一千九百人台、前年度に比べて相当増加いたしております。 それから原因でございますけれども、これは毎年通ずる傾向でございますが、逃げおくれが第一位を占めております。五十二年で申しますと、火災による死者のうちの四二・九%である八百二十人が逃げおくれによるものであります。それから、最近の傾向といたしまして非常に憂慮すべきことでございますけれども、自殺がふえております。五十二年におきましては、逃げおくれに次ぐ二九・四%の五百五十九人が放火自殺でございます。これは前年度が四百四十六人でございますので、この一年間で百人以上ふえておる。五十三年は、まだはっきりした統計はとれておりませんけれども、最近私が受けております報告でも、この放火自殺の数がふえてきておるということは非常に憂慮すべきだと思います。 それから、次の御指摘が年齢構成だったと思いますが、年齢別に見ますと、五歳以下の乳幼児が全体の一〇・八%の二百七人でございます。六十一歳以上の老人が全体の三四・六%の六百六十一人でございます。
○西村(章)委員 これは自治大臣も所信表明の中で、何よりも人命を尊重することを消防の基本として安全な地域社会づくりを目指す、こう述べておられるのでありますが、これの方向につきましていわば逆行しているような形がこの数字でございます。いまのお話によりましても、件数もそう減っておらない。特に、五十二年は千九百名の大台を超すということでございましたし、五十三年も、先ほど申し上げましたように千八百五十二人、こうした傾向の中で、やはり御年配の六十一歳以上の方が三四%以上ですか、幼児が一〇・八%、いわゆる幼児、老人に非常に焼死者が多いわけでございます。その焼死の原因は、ほとんど逃げおくれだということでございますね。救出おくれで、いわゆる火災を感知するまでのわずか数秒の差が生死を分けておるということをこの結果は物語っておるのであります。 そこで、これを未然に防ぐためには、火災の早期発見といいますか、早期感知がきわめて重要な課題になってまいります。そこで、一般住宅の火災警報機といいますか、火災感知器というのですか、あるいは熱なり煙、ガス等の感知器の取りつけは法的にどのように規制をされておるのですか。まず、これからお尋ねいたします。
○近藤政府委員 御承知のように、一般家庭につきましてはこういったものの義務づけはなされておりません。特定防火施設と申しますか、消防法でそういったものの義務づけをしておりますのは、不特定多数の人が出入りするような場所、そういったものを消防対象物といたしまして、消防施設の設置を義務づけておるわけでございまして、一般家庭にまでは現在及んでおりません。 ただ、集合住宅等で、延べ面積が五百平米以上のものにつきましては、自動火災報知機の設置を義務づけております。これを広げて一般家庭にまで義務づけるかどうかということになりますと、ほかの法体系もそうでございますけれども、なかなか問題もあるのじゃなかろうか。そういった面につきましては、やはり一般の人々の、住民の方々の火災というものに対する認識、自分たちの身は自分たちが守るというような防災意識の高揚、そういったことが重要なのじゃなかろうかという感じを持っておりまして、年三同行っておりますところの火災予防週間等につきましては、火災防止の重要性についてPRしておるところでございますが、今後ともそういった方面で努力していくのがまず必要なのじゃなかろうかと思います。
○西村(章)委員 出火件数の割りに焼死者が多いという一つの理由の中に、住宅火災というものが多い。しかも、それがいま述べられたような原因で逃げおくれが非常に多いということでございまして、法的な規制がいまのところ全くない。しかし、これは将来の課題として当然検討すべき重要な内容を持っておるのではないかと私は思うのであります。現在、消防庁の方では、そういった取りつけの奨励はされておるようでございますが、今後十分に検討をしていただきたいし、前向きに取り組んでいただきたいと強く要望いたしておきます。 そこで、火災報知機の機器の開発研究ですね。一般家庭にまで普及をしようと思いますならば、これはコストの面だとか、あるいは性能だとか、維持費の面だとか、いろいろな問題を含んでおると思うのでありますが、この機器の開発研究については現在どのような状態になっておりますか。
○近藤政府委員 火災の発生に伴いまして煙が発生する、熱が上がってくる、一酸化炭素濃度がふえてくる、湿度が上がる、酸素濃度が下がる、炎が上がる、こういったいろいろな現象が生ずるわけでございます。これについて、煙と熱の感知器につきましては基準化されております。現在、炎の感知器について基準を検討しておる段階でございます。 そのほか、こういった一つ一つじゃなくて、ひっくるめまして火災についての感知をどのようにしてやるのが効率的であるかということにつきまして、いままでも私ども消防研究所を中心といたしまして検討を続けてきたところでございますし、今後も続けていかなければならないと思っております。
○西村(章)委員 アメリカでは、現在この火災警報機というものの取りつけは義務化されておるようでございまして、火災の非常に多いわが国としても、当然これは研究課題、検討課題として取り組んでいただきたいと思います。 そこで、将来にわたってはすべての住宅あるいは建築物に取りつけられることが望ましいわけでありますが、当面、いま長官がおっしゃったように、一部の公共住宅、集合住宅でやっておるということでございますが、少なくとも私は、公共住宅にあっては当然取りつけの規制を図るべきだというぐあいに考えます。 最近の実例といたしまして、東京都で江東区の防災住宅がいま建設されておるようでありますが、この住宅には各戸に自動火災感知器あるいはガス漏れの感知器、さらには各部屋ごとにスプリンクラーまで取りつけられておるということでございます。今後公共住宅についてはぜひとも建設時点でこれをつけるような方向で考えるべきだと思うのでありますが、いかがでございましょう。
○近藤政府委員 先ほども申しましたように、一般住宅につきましては、お説のように、逃げおくれによって老人、子供が非常に多く死んでおるという実情から見まして、これを放置するというのは問題であるという問題意識は持っておりますが、国民感情からいって、いま直ちに一般住宅にまで火災報知機を義務づけるというのはいろいろ問題があるのじゃなかろうかというようなことで、今後の研究課題だということを申し上げたわけでございますが、集合住宅につきましては、これも先ほど申しましたように、五百平米以上については火災報知機の設置の義務づけということになっておりますので、ほとんどのものがこれには該当するんじゃないかと思います。
○西村(章)委員 これと関連をいたしまして、けさほど来の同僚委員の質問の中にもあったわけでございますが、去る五月二十一日の大阪市阿倍野区にあります住吉ゴム会社の火災事故は、いわゆる溶接の火花がウレタンに引火して有毒ガスが発生をした、煙と炎と三重苦の中で、出火後鎮火までわずか十五分の間に七人もの犠牲者を出すという非常に悲惨な大惨事になったわけであります。白昼の火事としては異例の大量の犠牲者が出たのでありますが、この惨事というものは単に人為的なミスだということで片づけられない多くの問題点、教訓を含んでおると思うのであります。そこで、お尋ねをいたしますが、まず事故調査結果について、消防庁としてはどの辺まで把握しておられますか。
○近藤政府委員 大阪市阿倍野区の住吉ゴム株式会社の火災の概要について御報告申し上げます。 出火日時は、昭和五十四年五月二十一日月曜日の十四時ごろと想定されます。隣の主婦から一一九番の通報によりまして消防本部がこの火災を覚知いたしましたのが十四時一分でございます。それから十四分たちました十四時十五分には消防車が出動いたしまして、すでに火災は鎮圧いたしました。ただ、しかし、後ほど申しますように、ウレタンホームの火災という特殊なものでございますので、完全に火を消し終わったのは二十一時二十分ということになっております。 出火の場所は、大阪市阿倍野区美章園一の一の二の住吉ゴム株式会社でございます。建物の構造は鉄骨ブロックづくり四階建てということで、一階から屋上までの直通階段が一つついております。それから、この建物の用途でございますが、一階はウレタンホームの置き場、二階は作業場、事務所、三階は作業場、従業員の休憩室、四階は会議室ということで合計延べ面積が四百四十四平方メーターということであります。そこで、この建物は現在新築中でございました。従前の鉄骨一部木造二階建ての延べ面積三百五十三・五平方メーターを建てかえるということで、取り壊して新築工華中でございました。五十四年の一月二十四日に建築同意申請がございます。その同意申請の内容はやはり四階建てでございますが、延べ面積は三百二十七・八六平方メーター、焼けた面積が四百四十四平方メーターで建築申請の面積は三百二十七・八六平方メーターということでございます。 それから、出火の原因でございますが、一階にウレタンホームが置かれていたにもかかわらず四階で工事を行っていたため、アセチレンガスによる切断の火花が落下してウレタンホームに着火したと思われますが、詳しいことは現在調査中でございます。いずれにしてもきわめて初歩的な不注意による出火であると言わざるを得ないと思います。 それから、損害でございますが、人的損害は七名でございまして、物的損害は先ほど申しました鉄骨ブロック四階建て一棟四百四十四平方メーターの全焼で、それによる損害額は現在調査中でございます。そのほか、出火当時この建物には従業員十一名と工事人二名、合わせて十三名がいたようでございますが、六名はそれぞれ自力で退避しておりまして、七名が焼死したということでございます。 それから次に、消防関係でございますが、収容人員十二名の建物でございますので、防火管理者の設置義務はございません。それから消防用設備の設置につきましては、消火器、避難器具、誘導灯の設置が必要であり、それぞれ設置しております。ただ、消火器については、果たして法で定める数が整っておったかどうか、現在調査中でございます。 それからもう一つ、この建物には少量危険物の届け出違反という問題が絡んでおります。この建物は従前は四十四年の十一月に第一石油類ネオストロングという接着剤九十リッターを一階に置くという届け出がなされ、次いで、昭和五十年十月に同じくネオストロング七十リッターを二階に置くという届け出がなされております。しかし、その後届け出はなされておりません。 それからもう一つ、特殊可燃物の届け出状況でございますが、ウレタンホーム約六百キロが貯蔵されていた模様でございますが、大阪市の火災予防条例で定める特殊可燃物としての届け出の対象の量には該当しておりません。大阪市の条例では合成樹脂一万キログラム以上ということでございまして、六百キロでございますので、この届け出の対象とはなりません。 大体私どもが把握しておる状況は以上のところでございます。
○西村(章)委員 ポリウレタンを初めとして、いわゆる合成樹脂など石油化学製品、これを消防法上の取り扱いや危険物の指定並びに規制については現在どのようなことになっておりますか。
○近藤政府委員 消防法上の危険物の規制については午前中にも詳しく御説明いたしましたように、危険物の概念として、法律に基づく危険物、政令に基づく準危険物及び特殊可燃物というのがございまして、特殊可燃物につきましては、これは市町村が条例でもって規制するという形になっておるわけでございます。合成樹脂というのは、この危険物、準危険物あるいは特殊可燃物という概念から言うならば、入れるとすれば特殊可燃物の概念に入るかと思いますが、合成樹脂はわれわれの身の回りどこを見ても合成樹脂があるように、一口に合成樹脂といいましても、その性能がいろいろでございます。それについてどの程度の量があればどういう規制をするかという点について、私ども現在これまで消防研究所等におきましてもいろいろ検討はしてきておりましたけれども、まだ消防法上の措置というのをとっておらなかったわけでございます。ただ、条例によりまして措置しておった市が幾つかございます。そういうような状況の中に今回のこの事件が発生したわけでございますので、私どもといたしましてはこの事実を謙虚に受けとめまして、どういうような消防法上の措置をとったらいいのか、政令をどう改正すべきか、準則をどう改正すべきかということについて早急に取り組んでおるところでございます。
○西村(章)委員 合成樹脂については特殊可燃物の範疇の中に入るというようなお話でございますが、この特殊可燃物として現在指定されておりますものは、わらくず、かんなくず、石炭、糸くずなどでございまして、いわゆるウレタン、合成樹脂類等もそれらと同等の扱いがなされておる。しかし、これは引火性が非常に高い、燃焼も速い、しかも一酸化炭素、シアン化水素など強烈な毒性ガスというものを発生させるのでありまして、これを考えてまいりますと、現行の条例で定められておるいわゆる特殊可燃物の範囲に入れておいていいものかどうか、われわれ大いに疑問を持つのであります。けさほどの答弁でも特殊可燃物として取り入れたいという態度表明があったわけでございますが、果たしてわらくずや糸くずなどと同等の列に並べていいものかどうか、大いに疑問のあるところでございますが、そのお考えは変わりませんでしょうか。
○近藤政府委員 消防法上で言うところの危険物あるいは準危険物というのは別表で定められておりますように、発火性それから引火性が非常に強い物品ということになっておりまして、これらの概念とは合成樹脂の場合はちょっと違うような気がいたしまして、入れるとすれば可燃物の方に入れるのが妥当であろうというような見解を現在のところ持っております。
○西村(章)委員 特殊可燃物の規制というものは市町村条例で定められておるのでありますが、この合成樹脂が指定対象に入っておる市町村というのは非常に少ないわけでございます。東京、大阪等でございまして、十大都市の中で入っておらないところが札幌、京都、神戸、北九州、この四大都市は入っておりません。今後消防庁として火災予防条例準則の強化など含めて行政指導をどうやっていかれるのか、この辺の決意についてお聞きいたしたいと思います。
○近藤政府委員 先ほど申しましたように、合成樹脂を可燃物として指定し、政令を改正するあるいは条例準則を改正するということを現在検討しておるわけでございまして、その改正を行いますれば、当然のことでございますけれども、各地方公共団体に通知し、そのように措置することを要請するわけでございます。
○西村(章)委員 最近における合成樹脂など、いわゆる石油化学製品の開発あるいはその用途普及というものは非常に広範囲にわたっております。生活用具から産業建設資材あらゆる分野で非常に目覚ましく発展をしておりますし、われわれの日常生活の中に完全に溶け込んでおるものであります。言葉をかえて言えば、化学物質に取り囲まれた都市の生活の危険というものが想定をされるほど、非常に実用化されておるのであります。しかし、世間一般の危険物の認識としては非常に甘い。ここに今回の事故の大きな一因があったのではないかと思うのであります。 これが予測をされたかどうかという点になりますと、去る五月二十二日の新聞では、「専門家は予想していなかったわけではない。自治省消防研究所の守川時生燃焼研究室長は、ポリウレタンホームを燃やす実験をしたことがある。ほんの一つまみを燃やしただけで、猛毒のシアン化水素ガスを多量に発生することを知り、がく然とした。」こういう記事も載っておるわけでございまして、決して予測ができなかったことではない。そうなりますと、いわゆる可燃物としての危険性の認識が非常に甘かったということになるわけでございます。 これだけ石油化学製品が普及している時点で、こういうものについての啓蒙宣伝をもっと周知徹底することが必要であると思うのでありますが、これについていかがでございますか。
○近藤政府委員 まさにその点につきましては御指摘のとおりだと思います。 ただ、大阪のこのケースでこういった悲惨な事件が起きたのは、後でも問題になるのかもしれませんけれども、まずこの建物自体が違法建築でありますし、工事中であるにかかわらず操業を行う、しかも、そういった危険な合成樹脂が下にあるにかかわらず上から火花を散らすというような、全く初歩的なミスが重なっておるわけでございます。しかし、これはこれといたしまして、こういった惨事を引き起こし、しかもそれが合成樹脂によるところのガスが死者を出した一つの大きな原因になっておることも事実でございますので、私ども、こういったものが非常に危険であるということにつきましては、今後とも消防機関を通じまして関係住民にPRしていく必要があると思います。
○西村(章)委員 火災予防条例のいわゆる数量基準でございますけれども、この合成樹脂につきましては、決められております東京、大阪の基準によりますと、およそ一万キログラム、およそ十トンでございます。今回のこの火災を起こしました会社のウレタンの推定数量は千五百キログラム、一・五トン、約一五%、わずかな数量であります。しかし、にもかかわらずこれだけ多数の死者を出した。これはけさからも指摘されましたように軽いものでありまして、十トンという基準はきわめて現実に即しないものだ、ウレタンの十トンというのは非常に膨大な量になります。これを考えてまいりますと、いわゆる一定量のもの、あるいは一定量以上のものは届け出る必要があるけれども、一定量以下のものについては届け出の必要がない、いわゆる基準に合致するということになるわけでありまして、ここにもやはり一つの盲点があったのではないかと思います。私は、そういう意味では明らかに法の不備ではないかと思うのでありまして、この数量基準そのものを見直す必要があると思いますが、どうでございましょうか。
○近藤政府委員 合成樹脂そのものはいろいろな用途に使われておるわけでございます。しかも、その性能も千差万別でございます。それぞれについて、どの程度の量以上の貯蔵に対して規制をかけるかということを現在検討しておるわけでございます。規制を余り小さく、あるいは細かくいたしますと、取り締まると申しますか、そちらの面でも大変なことでございますので、人命の尊重と、そういったもろもろの面とを勘案した上でどの程度にするのが妥当か、関係消防機関の意見等も聞きながら早急に詰めてまいりたいと思います。
○西村(章)委員 先ほど、この火災を起こした建物は違法建築だということでございました。それと同時に、私は、使用方法にも大きな問題があったと思います。いま長官から、調査結果が報告をされましたけれども、この用途の中で、一階を倉庫がわりに使っておる。二階、三階が作業所、事務所等でございまして、四階が会議室だということであります。本来、材料類というものは上に置くのがあたりまえでございまして、作業所を下に置くのが常識的でございます。ところが、この使用形態が全く逆でございまして、そのために犠牲が大きくなった。下から燃え上がってきたということで、煙、ガス、炎、この三つが重なったために、こういう非常な犠牲者を出したということだと思うのでございます。 そこで、この使用形態についても、今後は何とか行政指導を強めていくように、使用形態についての要綱等のものを定める必要が私はあると思うのでありますが、消防庁のお考えはどうでございましょうか。
○近藤政府委員 使用形態といいましても、まことにまちまちでございますので、消防庁の方で、こういう場合はこういうふうにその建物を使用しろというところまで要綱などをつくって指導するというのは、現実問題としては非常にむずかしいのじゃないかと思います。 ただ、御承知のように、消防は折に応じて査察と申しまして、防災上の見地からそういった建物についての立ち入りが認められておりまして、年何回かそれぞれの消防署で計画をもちまして実行しておるわけでございます。そういった際に、こんなような使用形態をとっておっては防災上問題があるのじゃないかというようなことは、今後とも強く指導していかなければならないと思っております。
○西村(章)委員 同時に、この建物は階段が一カ所しかございません。したがって、逃げ場がなくなって、リフトの縦穴が煙突の役割りを果たした、いわば二重の欠陥があったと思います。その意味で、建物の構造自身に問題がなかったのかどうか。これは建築確認申請の際の消防の同意あるいは承認はどうなっていたのか。先ほど違法建築だということで、確認前に操業しておった、作業開始をしておったという事実もあるようでございますが、この辺につきましてどう考えておられますか、見解をお伺いいたしたいと思います。
○松谷説明員 本件は、先ほど長官からお話がございましたように、本年一月八日付で、新築として大阪市に建築の確認申請が出されまして、建築基準法の規定に適合するものとして一月の三十日付で確認されております。申請図面によりますと、階段は一カ所しかございませんが、これは防火区画がされることになっておりまして、申請図面の上では適法ということになっております。しかしながら、実際には、先ほどの長官のお話にありますように、申請されたものと実際のものには大変な違いがございまして、まず建築面積が違います。申請のものは九十四・〇九平方メートルとなっておりますが、実際のものは百三十七平方メートル。また、延べ面積も、三百二十七・八六平方メートルの申請に対して四百四十四平方メートルとすべて上回っております。申請の図面どおりでありますと、階段は一カ所でいいわけでございますが、実際のものに照らして検討してみますと、建築基準法の施行令百二十一条によりまして、階段は二つなければならぬ。また、リフトの設置につきましても、申請のものには設置計画がなかったわけでございます。等々のことで、実際のものについては、建築基準法上大変違反の事実があります。その違反の事実によってこういうような災害を引き起こしたのではないかというように考えております。
○近藤政府委員 消防の建築に対する同意というのは、消防法あるいは建築基準法といった法令上、その建物が違反しておるかどうかということを確認するものでございまして、ただいま建設省の方から申しましたように、この建物は図面の上では法令には合致しているのです。しかし、図面と全く違うものをつくっているわけですから、全くと申しては語弊があるかもしれませんが、相当違ったものをつくった、それが今回の惨事の原因になったということでございまして、消防としては、図面上合法的なものはそれを拒否する事由はございませんので、これで結構であるという同意を出したわけでございます。
○西村(章)委員 建築基準法上偽りの申請があったとか、いろいろと問題点が重なっておるようでございますが、今後こうした火災を防ぐためには、建築基準法そのものの見直しといいますか、あるいは防止のためのどういうチェックシステムが必要かということも考えてもらう必要があると思います。いずれにしてもきわめて悲しい出来事でございまして、二度とこのような災害を繰り返してはならぬ、こう思うのであります。 ただ、これは本当の一例にすぎませんで、都会へ出てまいりますと、こういった工場がありとあらゆるところに多く散在しておる。そういうことを考えますと、これから町工場、中小零細企業といったところの従業員に対する防災教育、これも徹底する必要がある、また重要な課題だと思っておるのであります。今回の場合も、経営者を含めて七名、うちパートの奥さん方が四名も亡くなっておられる。労働基準法の適用も何も受けないそういった方々が非常に多数おられるわけでございまして、そういう面での従業員の防災教育、これも消防庁としては大いに前向きに取り組んで充実をしてもらいたいと考えます。いかがでございましょう。
○近藤政府委員 御指摘のとおりでございます。先ほども申しましたように、消防署の予防査察を通じて具体的に指導するとともに、機会あるごとに、住民の方々の防災教育ということも消防署としては今後十分留意していかなければならないと思っております。
○西村(章)委員 終わります。
○松野委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 私は、具体の問題を簡単にお尋ねしたいと思うのですが、この法律の改正案の内容といいますのは、人口急増市町村の消防施設に対する補助率を二分の一にかさ上げしたものを五年間延長するという内容でございます。 そこで、一般地域三分の一を二分の一にするという、つまり率の問題でありますが、率の問題といいますのは、その基礎になります基準額といいますか、これが妥当かどうかによりまして率の問題の効率性が問われるわけであります。そこで、二分の一にするということはもちろん賛成でありますが、基準額が果たして妥当かどうかという点についてはどうお考えでしょうか。
○近藤政府委員 国庫補助金の超過負担の問題に関連する問題かと思いますが、消防関係につきましては、御承知のように、毎年毎年消防単価の見直しを行っております。前年度におけるところの実績等を参考といたしまして新しい単価をつくっておりますので、現在ではそれほどの乖離はない、大体実勢と同じと見ていいのではないかと思います。ただ、消防ポンプ等におきましては、補助対象外のいろいろな艤装を行うケースがございますので、当然のことでございますが、それは一般財政負担ということになります。 それから水槽につきましては、これは地盤などの関係によりまして、地域によって単価が非常に違う面がございますので、所によって実勢にそぐわない点があるかと思いますけれども、これまでもそうでございましたし、五十四年度におきましても相当程度単価アップを図っておりますので、大体いい線まで行っているのではないかという感じがいたします。
○三谷委員 私は、いまの艤装とかホースの問題を別にしまして、補助対象になります本体だけで少し調べてみましたが、たとえば、昨年東大阪市ではしご付の消防ポンプ自動車を購入しました。これは補助の基準額は七千百六十四万円でありました。ところがこれの実勢価格は八千四百万円でありますから、基準額と実勢価格の間に千二百三十六万円という格差が生じております。こういう状態では、率だけとやかく言ったところで実態に合わない結果が出てくるのでございます。 八尾市でも水槽付ポンプ自動車II型ですか、これを購入する計画でおりますが、この価格は千百万円となっております。ところが補助基準単価は八百六十七万円でありますから、二百三十三万円の格差が出るのでございます。 防火水槽で見ましても、国の基準でいきますと四十立米で百九十八万円になっておりますが、二百五十万円必要だというのが大阪府下の一般的な計数です。千早赤阪のようなところでも二百五十万必要であると言っておるのでございます。八尾市で一昨年四十立米の耐震防火水槽をつくりましたが、五十二年度でありますから基準額が百五十三万円、ところが実際には二百四十四万円要ったわけでありますから、百万近い不足が出てくる。そうしますと、これは実際には二分の一補助ではない、三分の一補助になってしまう。 こういう矛盾が随所に見られますけれども、これでは、せっかく消防施設強化促進法で率のかさ上げをなさっても、二分の一というのが実際は三分の一では、法の目的も十分には達成できないということになると思いますが、この点はいかがでしょう。
○近藤政府委員 実際の単価と基準単価が乖離しておりましたら、二分の一といい、三分の一といってもその基礎が崩れてまいりますので、法の目的を達成しないということは御指摘のとおりであります。 ただ、いま御指摘の東大阪市のはしご付消防ポンプ自動車につきまして、八千三百五十万かかったようでございます。そして、私どもの補助基準額が七千百六十四万円ということでございますが、この八千三百五十万の事業費の内訳を見てみますと、シャシー、それから通常の艤装、それから標準外の艤装というふうに分かれます。つまり八千三百五十万のうち八百五十万は標準外の艤装ということになっておりまして、その内容は、補助発電機であるとか可搬式投光機、それから高発泡装置、救助資機材その他というふうになっております。はしご付自動車をせっかく買う機会に、このはしご付自動車にあわせて可搬式投光機を置く、あるいは高発泡装置をつけたいということで、東大阪市はこのような措置をとったわけでございますが、これにつきましては、はしご付消防ポンプの必需品ということではございませんので補助対象外になったということでございます。それを除きますと七千五百万ということになりまして、私どもの昨年度の補助基準額七千百六十四万円に対しましては四・七%の超過ということになります。なお、五十四年度のこの補助基準額は、これらの事情も勘案いたしまして七千五百二十一万ということにいたしました。 それからなお、八尾市その他の水槽についていろいろ御指摘がございました。大阪近郊で確かに地盤の状況等によりましてそういった地域もあろうかと思いますが、私ども消防の補助単価の基準を決定いたします場合には大体前年度の契約額というものを基礎にしておるわけでございまして、全国平均で見ますと、水槽関係はおおむね契約額と補助単価との開きが一〇%程度ございます。したがいまして、五十四年度は五十三年度より水槽につきましては一〇%補助単価を引き上げるという措置をしたわけでございます。 ただ、先ほども申しましたように、水槽は物が物だけに地域によって非常に偏りがある、そういう地域については若干補助単価等も上げておりますけれども、やはりそこに限界があるということでございます。
○三谷委員 東大阪市のはしご付消防車の内容につきましては、いまおっしゃったような状況でありますならば格差はよほど縮んでまいりますが、それにしてもこれは実態からなお乖離があるということは間違いがないわけでございます。毎年、基準額を上げてくださって御尽力いただいておりますが、後追いになっておりますね。全体に補助事業はそうでありますけれども、単価改正をやりましても一年おくれの後追いになるものですから、どうしてもこの補助額と基準額とその乖離が埋め切れないという状態になっておりますが、消防などは特に配慮をしませんと、なかなか消防というようなところに力を入れないというのが、これは交付税の状態を見てもわかるわけなんです。何といいましても、さしあたりやかましく言ってくる住民要求の強いところから問題の解決を図るとかというふうなことがなされますために、ややもすると消防行政というのはすみの方に置かれてしまうという傾向がありますから、特に消防においてはこの点を厳密にやってもらう必要があるのではないかと私は思っておるわけです。 それから、補助対象の拡大というのを非常に要望しております。先ほどの長官のお答えを聞いておりますと、市町村の要望してくる水準にはほぼこたえておるとおっしゃっておりますが、市町村で聞いてみますと、たとえばホースが、一本二十メーターのホースだそうですが、新車購入時に八本が基準額に入っておるというのです。しかし、実際には二十本必要である、これが補助基準に入らない、これは当然入れてもらうべきだということが強く言われております。それから、ポンプ車の発電機や空気呼吸器は補助対象に入っていないそうです。しかし、夜間作業ではどうしても発電機が要ると言っております。それから、新建材を使用する建物がふえてまいりましたから空気呼吸器がどうしても必要である、これが補助対象に入っていないのはまことに不十分だ、こういうことが現地で言われておるわけであります。それから補助対象になりますポンプ車の車種が非常に少ないというのです。特に小型ポンプの補助対象車種を認めてもらいたいというのが、これもかなり強い要望として出ておりますが、これらについて、その実情と御所見をお聞きしたいと思うのです。
○近藤政府委員 補助対象の拡大につきましては、昭和二十八年にこの強化促進法ができて以来、年々私ども努力してきたところでございまして、昭和二十八年には消防ポンプ自動車とはしご付消防ポンプ自動車、小型動力ポンプ、防火水槽、この四つだけだったわけでございます。その後連年のようにいろいろな対象をふやしました。あるいは消防無線、あるいは救急自動車、それから化学消防ポンプ、ヘリコプター、消防艇、待機宿舎、救急指令装置、高発泡車、それから救助工作車、森野火災工作車等々、毎年のように補助対象の拡大を図ってきております。毎年全国消防長会等からいろいろな要望が出てまいりますので、そういったものを基礎といたしまして、私ども予算要求として取り上げ、財政当局と折衝をしておるところで、傾向としては年々拡大してきておりますけれども、御承知のように消防の科学化、近代化というのがここ数年来非常に進んできておりますので、今後ともこの点については努力してまいりたいと思います。 それからなお一点、先生の御指摘の中で、これは重要な問題でございますけれども、消防ポンプに積むところのホースを、二十本積んでいるのに八本しか補助対象にしないという点でございます。消防水利が基準どおり設置されておれば八本で用は足りるわけでございますが、現実の消防水利の設置状況が基準を相当下回っておる現状におきましては、やはり二十本積んでおる消防自動車が相当多数あると思います。私ども、今後の課題だと思いますけれども、関係方面と十分折衝してまいりたいと思います。
○三谷委員 私は消防の専門じゃありませんから、いろいろなデリケートなその辺はわかりませんが、現地の要望を申し上げておるわけであって、ホースなどは大体二十本必要とする市町村がかなりあるようで、要望が強いようです。 それからポンプ車については、これは増車しますときは補助対象となりますが、耐用年数を超えまして更新するときには補助対象になりません。古い車両が更新されなければ施設の強化はあり得ないわけでありますから、更新車両も補助対象とすべきだという意見がこれも現地で強いようでありますが、どうでしょうか。
○近藤政府委員 消防施設の増強というのが第一義的に必要な現状でございますので、更新までは原則として手が回らないという形でございます。 ただ、先ほども申しましたように、消防のポンプ等につきましても近代化は年々進んできております。新しい消防自動車を買う、古いものを予備軍に回すというような場合には補助対象にいたしております。これを正面から更新についても補助対象にするかどうかにつきましては、関係方面がございますので、今後さらに検討を進めさせていただきたい、そのように考えております。
○三谷委員 大蔵省との関係をおっしゃっているんだと思いますが、消防関係者の話によりますと、更新車両が補助対象になっておりませんために、五年ごとに自治省に提出します消防整備計画では、補助金をもらうために充足率を下げて申請をせざるを得ないというような状況もあるようでありますが、こういう便法については消防庁としてはほぼ一般的な事案として御承知になっているわけでしょうか。
○近藤政府委員 先ほど消防力の基準に対して現状が足りないじゃないか、いろいろ各先生から御指摘を受けておったところでございます。それで、各地方団体が計算しておる消防力の基準というのは、私どもの方が出しました基準を前提といたしまして自分のところの特殊事情等を勘案してこれだけ要るんだというのを持ってきているわけでございます。私どもが計算いたしますと、もっと縮小した数字になります。ただ、私どもは現地を知りませんので、私どもが機械的に消防力の基準で当てはめて、これだけの距離だからこれだけでいいんだというのは、絵にかいた消防力の基準だと私どもは思っております。地方団体は私どもの方に、補助金を取るためかどうか、うそを言ってくるということは考えておりませんので、これだけ要る、消防力の基準はこれであると地方団体が言う数字であると信用しておりますので、それに対しまして現在の消防施設の水準が物によりましては六割、物によりましては八割と先ほど御説明したような数字になっておるわけでございます。
○三谷委員 松野頼三さんの証言のようで要領を得ませんけれども、さっき苦笑されたのを見ますと、どうもそういうことが裏面では一般化してきている、つまりそういう便法を講じなければ大蔵省は金を出さないというような状況があるんではないかと私は思っておるわけでございます。 そこで、消防白書によりますと、昭和五十一年四月一日現在の消防ポンプ自動車は一万九千九百四十四台です。翌年の五十二年四月一日にはこれが二万四百九十台になっておりますから、増加数が五百四十六台であります。ところが、五十一年度間における消防ポンプ自動車の補助数量は八百三十四台であります。つまり、増加が五百四十六台しかありませんのに補助数量が八百三十四台でありますから、これは約三百台ほど規正以外の補助があるということになるわけであります。二百八十八台の差があります。この二百八十八台は更新車なのか、あるいはそうではない何か特別なものがここに累計されておるのか、お尋ねしたい。
○近藤政府委員 私どもは、更新のために補助金はつけておりませんけれども、先ほど申しましたように、消防ポンプというのも年々質がよくなってきます。新しいのを買います。古いのを予備車に回します。そうすると、予備車で耐用年数等によって廃車にするものもないとは言えないと思います。そういうものの差がここにあらわれているのかと思います。
○三谷委員 そうしますと、場合によっては更新車も補助対象にはしておるんだ、たてまえはしないというたてまえだけれども、場合によって必要によってはそれも対象にしておるという実態でございますか。
○近藤政府委員 したがって、先ほど来申しておりますように、原則として対象としないと言っておるわけでございます。
○三谷委員 原則として対象としないとおっしゃいますけれども、五百四十六台が原則上対象にすべき車両であります。それから二百八十八台が原則としては対象としないものに対する補助車両なんです。ですから、これは余り少ない数ではないということが数字上出ておるわけでありまして、つまり原則を外れたものがかなりあるということが証明されておるわけであります。しかし、これにつきましてもたてまえと実態が違っておるということ、これは恐らく大蔵省との折衝過程などで財政措置します場合のたてまえというものと、それから消防庁がその中でいろいろと操作されて実際に補助されておる台数というものとのいろんな調整的な措置がここに出ていると思います。しかし、私は大蔵省がどういう考えか知りませんけれども、古くなってもう近代的な消防施設として見た場合に役に立たなくなってきたものを更新する場合には、これは当然補助対象とすべきものであって、それを大蔵に遠慮して、何かこそくにこそこそと、原則はしないことになっていると言いながら恣意的には補助をしているというような行政の進め方、これはどうも余り好ましいものではないではないかと私は思うわけでありますが、その点はどうでしょう。大臣、お聞きになっておりましていかがですか。
○近藤政府委員 その年度にこれを廃車するから新しいこれを買うということじゃございませんので、やはり先ほど来申しておりますように、消防ポンプも年々質がよくなってきております。それからわれわれを取り巻く社会環境も変わってきておりますので、そういう高度の消防ポンプが必要でございます。そういったポンプに対して私ども補助金をつけておるわけでございます。そうして、もし余ったと申しますか、その年度で補助対象にしたポンプ以外のポンプですでに古いものがあるのが予備車に回り、あるいは一、二年後に廃車になるというようなことも当然あり得ると思います。したがって、こういうふうに差があると申されても、私どもとしては法律の趣旨に基づきまして消防施設の強化拡充のために国庫補助を行ったということでございます。それが結果的には広い意味での更新という形になっておるという言い方もできるかもしれませんけれども、趣旨としては私どもは法律の趣旨に基づいて消防施設の強化促進を図るために新しい消防機材に対して国庫補助を行ったという考え方でございます。
○三谷委員 いま地方自治体が非常に財政難で困っておることは御承知のとおりであります。いま消防施設を新しく購入しようとします場合は、ああいう施設はだんだん近代化されてくる、改善等もなされてくるわけですから、新しいものを買っていくということは当然消防施設の強化を意味するのであって、全く同じ性能のものを入れかえをするという要素以上のものが、プラスするものが必ずあるということは間違いがないわけです。いままでのもので使っていくのだったらがまんしてでもとにかくそれでやっていこうというわけであって、それでは追っつかない情勢になってきている。そこで新しいものを、そして能力の高いものを買っていくというのが更新の大部分でありますから、これは当然補助対象になるものだと思いますし、また、実際見ますとそういう結果になってきている。これは私ども責めるわけじゃありませんが、そういう状況になってきている。そうしますと、たてまえ上更新車は補助しないというふうな観念を一般的に普及するのではなしに、強化のための更新であれば補助をするというたてまえを打ち出すべきだと私は思っております。実態がそうなっているのではないかと思いますが、その点どうでしょう。
○近藤政府委員 実態は先生ごらんになったのと私どもが見ておるのとほとんど違いはないと思います。正面から更新についても補助対象にするという形にすることは、関係地方団体の要望も非常に強いことも事実でございますので、今後の検討課題として私ども取り組んでいきたいと思います。
○三谷委員 何だかそこのところよくわかりません。実態がそうなっているとすればいろいろ検討課題として取り組む必要がないわけであって、なってなければ取り組んでもらう必要があるし、どうもそこら辺がよくわかりませんが、いずれにしても、それはたてまえとは別に実情においてかなり措置されてきておる。ただ、それを一層一般化することを私はお願いしたいと思うのです。 それからもう一つは、消防の団員、いわゆる非常勤職員でありますが、私どもの地域などでも非常勤職員を配置して消防に当たっております自治体がかなりあるわけでありますが、この処遇は一体どうなっておるんでしょうか。交付税の積算基礎についてお聞きしたい。
○近藤政府委員 消防団員の処遇でございますが、これは先生御承知のように、すべて地方交付税の対象ということになっておるわけでございます。そこで昭和五十四年度におきまして消防団員の処遇改善として私どもがとりました措置は、まず団員報酬の引き上げが一点でございます。それから二番目が出動手当でございます。まず団員の報酬の引き上げにつきましては、公務員の給与改定等に準じました引き上げを行っておるわけでございます。それから出動手当でございますが、これは地方団体の要望が非常に強うございましたので、昨年まで一回当たり二千六百五十円でありましたのを二千九百五十円に上げております。 それから退職報償金の支給年限を引き下げております。新たに、五年以上十年未満勤務して退職した消防団員に対しても退職報償金を支払ってくれという要望が非常に強かったわけでございます。十年以上でないともらえなかったわけですが、現在はそれを五年以上十年未満の方にも退職報償金を出すようにいたしました。団長七万円から団員四万円まで階級に応じて違います。なお、この改善に伴いまして消防基金に対する市町村の掛金が若干増額になりますが、それは地方交付税の中に算入いたしました。 それから、公務災害補償の補償基礎額を引き上げております。これは政令改正をいたしたわけでございますが、消防団員につきまして勤務年限に応じまして前年度より、団長等階級によって、あるいは勤務年限によっていろいろ差がありますけれども、それぞれ相当額の引き上げを行っております。これに関連いたしまして、消防に対する協力者の災害補償につきましても、最高額現在八千三百円でございましたのが八千六百円に、最低四千八百円でございましたのを五千円に引き上げております。 消防団員関係の昭和五十四年度の財政措置としての改善事項は、大体以上のような諸点でございます。
○三谷委員 いま細かい数字をお聞きしましたので、私の頭の中ではまだ整理ができておりませんが、交付税の積算基礎では消防団員の年間の支給額は団員が二万五千円だと思いますが、間違いないでしょうか。それから副分団長が三万五千円、分団長が四万五千円、副団長が七万円、団長が九万円、こういう数字を私の方はちょうだいしておりますが、その点はいかがでしょうか。
○近藤政府委員 その数字が相当違いますので、どこから出た数字かわかりませんが、私どもの方では昭和五十四年度は団長の年額四万六千円から団員の一万二千五百円というところまで階級に応じて区分してございます。
○三谷委員 これは大阪府下の村からもらった資料であります。そうしますと、この村からもらいました資料よりも国の交付税計算の基礎ははるかに低いということですか。団員が一万二千五百円ですか、そうしますと、これは一カ月千円ですね。そういう実態なんでしょうか。
○近藤政府委員 ことし一万二千五百円に上げましたのは、昨年の全国の消防団員の平均年額報酬を調べましたところ一万一千二百九十二円ということになりましたので、そういったものも勘案いたしまして一万二千五百円としております。そのほか部長、副分団長、分団長等につきましても大体全国の平均というようなものを念頭に置きつつ刻みをつくっております。大阪の場合には若干これより高いように、いまお聞きするとそういうような印象を受けます。
○三谷委員 これでも団員の報酬が低いのだというのを団員諸君が言っておりますが、何と申しましてもこれは交付税の積算基礎には入っておりますけれども、国からも府からも別には負担金がないものですから、交付税計算以上のものは恐らくその自治体が負担をするということになっておると思います。これはもう少し値上げをする必要がありはしませんでしょうか。特に消防団員といいますのがいまかなり不足をしている。慢性的な不足状態になっておる。昔のように地域奉仕的な性格は弱まってきたんです。都市化が進みます中で、部落共同体的な意識が崩壊をしてしまいまして、昔ですと、わいの部落はわいらで守るんだという意識というものがありましたけれども、都市化現象が進んでまいりますと、その意識が非常に薄れてくるんです。ですから、常備消防の強化が非常に必要でありますが、それがにわかにできない地域におきましては、自主的な消防団に対する積極策というのがもう少し国としても必要ではあるまいかということを私は前々から痛感しておりますが、大臣いかがでしょうか。
○近藤政府委員 消防団員の処遇を改善する場合に、報酬という面で好遇するのがいいのか、出動手当の額を引き上げるのがいいのか、考え方はいろいろあると思います。消防本来はボランティア活動でございますので、全体の空気といたしましては出動手当の方をむしろ大幅に引き上げてほしいという要求がございまして、五十四年度の交付税措置では特にその点に配慮したわけでございます。しかも、報酬につきましては大体現在全国で支給されている額そのものを使っておるというような状況でございます。 それから、消防団の団員の確保というのは非常にむずかしい問題でございまして、現在百十万の消防団員がおると申しますけれども、恐らく先生の選挙区の辺はそうだと思いますけれども、昼間は勤めに行ってうちにいないから、現実問題として、名前は消防団員でも消防活動ができないというような人、あるいは東北、北海道みたいに出かせぎに出ておって現地にいないというような消防団員も相当あるだろうと思います。したがって、一口に百十万と言いますけれども、その質は非常に落ちているのじゃないかという感じがいたしまして、今後の消防行政を考える場合、しかも地域ぐるみの消防防災体制の確保という見地からすると、消防団の果たす役割りというものは非常に大きいものですから、私どもは今後何とかして消防団というものをもっともっと充実していかなければいかぬと思っております。特に都会地近郊の消防団というものが非常に問題であると思います。この点につきましては、やはり消防団には昔からの古い体質があって、若い者たちがなかなか喜んで入らないというようなこともございまして、消防団自体の体質の改善ということももちろん必要だと思いますが、私どもでできるその処遇の面につきましては、各方面の意見を聞きつつこれまでも年々改善してきておりましたけれども、今後とも改善に努めてまいりたいと思います。
○三谷委員 いま団員の出動手当は一回幾らになったとおっしゃいましたか。
○近藤政府委員 団員の出動手当は全国平均をとってみますと千二百十七円という状況でございます。私ども、交付税では二千九百五十円という積算をいたしております。現実との間に相当開きがございますけれども、消防団全体の要望としては出動手当の増額ということが非常に強い要望であるし、いまどき一回出て千二百円程度というのも私はちょっと常識からいって無理じゃないかというような感じがいたしますので、ことしは特にこの点に重点を置いたわけでございます。
○三谷委員 消防団員は年に一万二千五百円ですから、月に千円の手当をちょうだいする。それから出動しますときに、全国平均でいきますと千二百十七円ちょうだいする、これはいまの時代でいえば少し常識外れじゃないでしょうか。ラーメンを何杯食えるのですか。消防の作業というのは危険を伴いますし、それから出動します場合にはそれだけ稼業の収入減を伴うわけでありますから、それはやはり補償するというたてまえでいきませんと、これは消防団になり手がないというのも当然の話であって、これはもう少し抜本的な改善をすべきだと私は思います。私はまた万単位の手当でも出るのかなと思っておりましたけれども、これはちょっとひど過ぎると思います。 交付税計算で二千九百五十円ということですが、そうしますと、消防団員の交付税として積算されましたものが他に流用されておるという状況がここであるわけなんでしょうか。こういうことについてはもう少し指導を強化しませんと、ますます消防体制が弱化するということになってきはしませんでしょうか。
○近藤政府委員 特に町村などにおきましては、交付税の基準財政需要額として積算されたものの八割程度しか消防費として使ってないということを申しました。市町村全体の平均では八六%ぐらいになっておるかと思いますけれども、そういうような状況でございますので、先生の御指摘のように、せっかく交付税で措置したんだけれどもほかの方へ食われておるというのが現実の姿だろうと思います。消防力の現状がそういうようなことを許す状況にあるならばそれでも構わないわけでございますけれども、消防力の現状は、先ほど来も御指摘がございますように、なお充実しなければならない面が多いわけでございますので、私ども機会あるごとに、これだけの財源措置をしたんだからせめてこれだけは消防に使ってくれということで、都道府県を通じまして市町村を指導するとともに、消防長などの集まりがよくございますので、そういった機会を通じまして消防力の充実についての自覚を促しておるような状況でございます。
○三谷委員 恐らく、大都市周辺に行きますと出動手当ももう少し出しているんではないかと思います。私その点を調べてきませんでしたが、恐らく基準財政需要の算入額以上のものを出しておりはせぬかと思います。というのは、大都市周辺におきましては団員の収入などに差がありますから、出動して半日つぶす、あるいは一日つぶして千二百円ぐらいもらっておったのでは、これはとてもじゃありませんが、消防活動なんかできっこないのです。 それから、特に都市の自主消防でありますが、特に大きな災害など起きました場合に、消防車などがとまってしまって動かないというような状況になってきますと、どうしてもある期間というものはその地域の自主消防が消防や救急活動に従っていかなくちゃいけません。そういう点からしますと、もう少し消防団員の処遇について国も考えていただいて、そしてこれは自治体も指導しなくちゃいけません。財政難とは言いながら、こういうところの金を削るということがあってはいかぬわけでありますから、それぞれの地方議会などにおきましても当然これは問題として扱っていかなくちゃいかぬ問題だろうと思いますけれども、国としてもこれについての一層の強化を私はお願いしたいと思う。 大臣、どうです、ちょっと話をお聞きになりまして。恐らく大臣などはお聞きになって、そんなことがあるのかというような予想外の感をお持ちになっておるのと違いますでしょうか。そういう実態にあるということを御理解いただいて、この面の強化をぜひお願いしたいと思います。
○澁谷国務大臣 現在の所得の水準から見まして、消防団員の手当というものは常識ではちょっと考えられないほど低い。しかし、もともと消防団員というものは、言うまでもなくボランティア活動として発展をしてきております。そういうことから現在のような状態になっておると思うのですが、しかしながら、これを大幅に改善をしなければならぬということは、私も強くそういう感じがいたします。しかし、何せ数が多いものですから、これをやるとすると膨大な金がかかる。御承知のような国の財政で実際問題としてはなかなか困難かと思いますけれども、私は、やる方法としては、やはり出動手当を現実に見合うようなところまで引き上げていくということが、これは数が少ないわけですから、実際やろうと思えばやれる、また、実態にも合うわけでございますから、そういう方向でひとつ努力をしてまいりたいと考えます。
○三谷委員 確かに、非常勤の職員でありますからそういう消火活動に全く従事しない時期もかなりあるわけですから、出動手当という形が一番実情に即したものと考えられる点もあると思いますね。私は、どういう形であろうと、もう少し実際の費用弁償ができるようにやっていかなければならぬだろうというふうに思うわけでありまして、この点を特に要望しておきたいと思います。 それから、いま手当の問題が出ましたが、常備職員の火災出動手当等の交付税の単価はどうなっておりますでしょうか。
○近藤政府委員 交付税で積算いたしますのは、機関員が四百十円、それからはしご隊員が同じく四百十円、その他三百円ということになっております。
○三谷委員 自治労の消防白書をこの間拝見いたしましたが、これによりますと、火災出動手当が百円から百五十円、それから二百円から二百五十円、それから三百円以上、こう類別してパーセントを出しておりますが、百円から百五十円というのが五〇%だそうです。それから二百円から二百五十円というのが三五%、三百円以上が一五%となっております。はしご隊員で三百六十円、こういう統計が白書として公表されておりますが、恐らく調べましたところの平均値をこのようにして出したものだと思いますが、この実態等につきましては、消防庁としてはどのようにお考えでしょう。
○近藤政府委員 これは御承知のように手当類でございますので、それぞれの地方団体が条例によって決めるわけでございまして、地方交付税措置としては、ただいま申し上げましたように四百十円あるいは三百円ということで措置しておりますが、そういったものを念頭に置きつつそれぞれの地方公共団体において消防の実態、その他の職員の手当、いろいろなことを勘案してそういうふうに決めているのだろうと思います。 それから、若干低いようですけれども、何年度の資料かもちょっとわかりませんので、低いと断定することもできないと思いますけれども、実態は、各地方団体がそれぞれの実情を踏まえて決めておるということでございます。
○三谷委員 これは五十三年度の資料だと思います。 そこで、これにしましても、一度火災出動しました場合に百円とか百五十円とか、これは子供のあめ玉代にも該当しないものにしておるということですね。それから、はしご隊員などは非常な危険が伴うわけですけれども、これが三百六十円だという状態、ラーメン三杯ほど食べたら終わりというような措置になってきておりまして、これは国の交付税措置そのものが決して十分ではありませんが、それ以下になっているということですね。これはどうですか。確かに、これは交付税計算でありますから一般財源には違いがありませんけれども、特に消防のような財産、生命などにかかわる事業における、しかも人件費的な要素のものが削減されてくるというふうな状態、これは何らかの指導的な措置を強めて、せめて国が積算したものぐらいは保障するという指導、これは地方自治でありますから指導以外にないわけですけれども、その程度の努力はなさる必要がありはしませんでしょうか。
○近藤政府委員 いま三百六十円というような数字が出ましたが、実は五十一年度は、機関員とはしご隊員は三百六十円、それから一般の職員は二百六十円というような単価でございまして、五十二年度から先ほど申しましたような四百十円、三百円に私ども引き上げたわけでございます。そして、消防庁といたしましては、こういうふうに引き上げてあるということを全国の団体にはもちろん通知してございます。そういったことも踏まえてそれぞれの団体が自分のところのこういった手当を幾らにするかを条例で決めておるということで、私どもとしては、せっかくこういうふうに決めたものでございますので、できるだけその額を支給するようにしていただきたいという希望は持っております。
○三谷委員 そこで問題になりますのは、消防職員は御承知のように団結権が認められていない。したがって、こういう措置を地方自治体がとりましても、団結権によりましてこの不合理を打開するということもできない状況にあるということ、この点は十分に消防庁としては勘案していただかなくちゃならぬ点だと思うのです。ですから、このようにしまして、待遇等につきましての団体交渉権、団結権のない消防職員の特殊な状況から見まして、出動手当等が国の交付税の積算を下回るというような場合には、これは特別な指導を地方自治体に対して行っていくということをいたしませんと、ILOの決議のように団結権問題が当然出てくるわけであって、これがまだ認められておりません段階におきましては、その点を配慮した措置が必要であろうと私は思いますが、その点は大臣いかがでしょうか。
○澁谷国務大臣 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、全く同感でございます。そういう点を配慮して十分ひとつ指導を強めてまいりたいと考えます。
○三谷委員 先ほどから問題になっておりました消防力の基準でありますが、これは「火災の予防、警戒及び鎮圧並びに救急業務等を行うために必要な最少限度の施設及び人員」とされておりますが、この充足状況を先ほどから聞いておりますけれども、非常に低いものであります。しかし、その低さの中には、さっき申しましたような補助を受けるための技術的な操作などが一般的にあるのかどうか私はわかりませんけれども、この低さについてはどのようにお考えになっているのでしょうか。最低限の保障をはるかに割っている。これは四十八年の答弁によりますと、施設の六〇%、人員はその施設の八〇%、こうなっておりますから、これは大変な乖離があったわけでありますが、これと現状との関係と、そしてこういう事態についての消防庁としての見解をお尋ねしたいと思います。
○近藤政府委員 基準に対します充足率は先ほど来御説明しておるとおりでございますが、その基準というのは、それぞれの地方団体の消防当局が、自分のところの町はこうあるべきであるという基準でございますので、それだけの乖離が出ておるわけで、私どもが機械的に計算いたしますと、その乖離はもっと縮まるかと思いますけれども、それにしても不十分であることは事実だと思います。ただ、現実の消防力というのは、御承知のように、それぞれの地方団体が恐らく消防予算を通じて議会の論議を経た上で決められておるものであるので、それなりに現状で動いておると思いますけれども、消防当局が言うように、また私どもが見ましても、現在の施設の水準あるいは人員いずれも私どもが考えておりますのよりはなお不足しておるという感じでございます。したがって、今後ともこの拡充については努力していかなければならないと思っております。
○三谷委員 消防力の基準に対比しまして施設の現状は何%くらいでしょうか。それからそれに対する人員の現況は何%くらいでしょうか。
○近藤政府委員 基準というのは、先ほど申しましたように、それぞれの団体がこうあるべきであるといって算定したものの総計であると御認識いただきたいと思いますが、それに対して消防ポンプ自動車につきましては八五・八%、小型動力ポンプにつきましては六六・八%、はしご自動車につきましては五五・四%、化学消防ポンプについては五二・七%、救急車につきましては九七・一%、消防水利につきましては六三・四%、救急車以外はなお相当乖離がございます。 それから現有の消防ポンプを動かすのに必要な基準職員数、これもそれぞれの消防本部でこうあるべきであると積算した数字でございますが、それに対しましては七七・五%ということになっております。
○三谷委員 そうしますと、施設も非常に不足でありますが、人員が特に不足しておるということが顕著に示されておるようであります。そこで、基準財政需要に算入されております職員費とそれに対する実際の充足状況はどうなっておるのでしょうか。つまり、需要額と決算額の乖離ですね。
○近藤政府委員 交付税の基準財政需要額の積算は、基準として人口十万都市をとっております。市街地人口を七万ということに想定しているわけですが、そこに要する職員数といたしまして、消防力の基準ではじきますと百十名ということになります。交付税で措置しておりますのが百三名でございます。現実に人口十万都市における職員数は約百一名でございます。 それから、交付税の基準財政需要額と決算額との乖離につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、昭和四十九年度は一〇〇%を上回ったわけでございますが、その後低下いたしまして、現在では八六・九%まで下がってきております。
○三谷委員 私はこのいわゆる標準団体における消防人員ですね。これは百十名とおっしゃっておりますが、しかしこれは人口の増加等に伴いまして、いろいろな補正をしまして割り出し方が変わってくるわけですから、全体として、国としては基準財政需要額に消防人員は幾らを見込んでおる、これに対していま幾らの人員が実際に実働しておるかという点をお聞きしたかったのですが、わかりませんか、これは。
○近藤政府委員 御承知のように、地方交付税の基準財政需要額の積算の基礎に使っているわけでございますので、交付税上何人というのは出てこないわけです。ただ、御承知のように、地方財政計画で職員数というのを置いております。これは消防につきましても、ほかのものと同じように、現実におる消防職員というものを基礎といたしまして、その後毎年必要な増加人員を加算していくという方法をとっております。一般職員と違いますので、行政簡素化に伴うところの人員縮小のパーセンテージは消防は掛けておりません。むしろ大都市におけるところの三部制採用といったような要素もございますので、ここ数年は毎年千数百人ずつだったかと思いますが、前年度に対しましてプラスしておりますので、現在の地方財政計画上の数字は現実の地方公共団体の消防吏員数よりも若干上回った形になっておると記憶しております。
○三谷委員 そうしますと、以前から私ども問題にしてきましたが、いわゆる消防庁が決めております消防力の基準というのがありますね。消防法で、あるいは附則か何かで決まっているわけですが、その消防力の基準によりまして割り出されます必要な設備、それと交付税で計算されます人員数、これが果たして適当にマッチしているかという問題ですね。つまり、消防力の基準によりまして最低限必要と認められました設備を動かすための人員は、交付税計算では足りないという問題があったわけであります。私はいまそれを計算してきてはおりませんが、従来からその矛盾が存在しておりましたが、この点は解決したのでしょうか。
○近藤政府委員 設備の方でポンプ数等の主なものについては交付税上で計算しておりますもの、標準団体でございますが、それと私どもの消防力の基準で算定しておりますものとの乖離はございません。ただ、先ほど人員で申しましたように、人員で計算いたしますと、消防力の基準では人口十万都市で百十名となるのが、交付税では百三名しか措置してないという問題がございます。この点につきましては、実は昨年は百二名でございました。それを本年度は百三名と一名ふやしたわけでございます。現実の十万都市の消防職員の数が約百一名でございますもので、そういうものを背景といたしまして、交付税は現実を基礎として現実に合うように配るという考え方も一面にあるわけでございますので、そういうような形になったわけでございますが、私どもといたしましては、百十名と百三名という、こういった消防力の基準と交付税上の基準との格差というものをできるだけ早く詰めていきたいと思っております。 ただ、その前提といたしまして、地方団体が、現在配っております交付税そのものの八割何分しか使っておらない、町村につきましては軒並み八割以下だというような状況、これでは交付税の基準財政需要額をもっとふやしてほしいという方にも迫力がないわけでございますし、そしてまた一面現実の消防はなお財源を要するわけでございますので、各地方公共団体に対しても、せめて地方交付税で措置しておる程度のものは消防にぜひ使ってほしいということを今後とも強く要請し、指導してまいりたいと思います。
○三谷委員 昨年の全国消防長会の要望事項を見ますと、一つは地方財政全般の苦況の打開ということを言っております。この地方財政の苦況はしばしば消防にしわ寄せされてくる、しかも消防関係では団結権がないために抵抗ができないというような問題が背景にあるようであります。それから二つ目には、消防施設の補助率、補助対象、補助基準額の拡大と消防債の融資条件の拡大をうたっておるようであります。 従来消防庁は、しばしば消防に対する国庫補助は奨励的な補助であるから、国の恩恵的な処置であるからどうとかこうとかおっしゃっておりましたが、近藤消防庁長官はどうもそういうことはおっしゃっていない。ずっと答弁を聞いておりまして、従来しばしばそれを遁辞とされているようなきらいがありましたが、今度はそういうお答えを聞きませんでした。その点は、見解が違ったものではないと思いますけれども、しかし消防というものが安全な社会環境の確保という、いわゆる生命、財産の保護といういわば国家的な責務の遂行を分担する性格のものでありますから、奨励的なものであって恩恵的なものだというふうな補助に対する考え方、これはやはりもう私は一掃してもらう必要があると思います。そういう点からしますと、国が単に基準を示すだけでは消防行政はこれにこたえることはできませんから、基準を維持し得る体制は国で保障してもらう必要がある。奨励的なものだから国庫補助基準がいいかげんでいいという性質のものではないと思います。 現実には、先ほどから問題になっておりますように、財政の窮迫しました自治体では、交付税に算入された消防の需要額を消防以外に流用するという状況が強まっております。しかもこれが、交付税が一般財源である限りそれはあり得ることであるということですが、しかし、これが極端になってきますと、これが一般的に普遍化してきますと、現実の消防力と消防力の基準との乖離が拡大されるということになってくるわけでありますから、この乖離が拡大するのを放任していいとは言えないわけでありますから、このための適切な処置を考える必要があるのではないか、これはもちろん強権的な統制はできないまでも、もっと適切な指導の方法がありはしないかというふうに考えるわけですが、その点はどうでしょうか。
○近藤政府委員 消防防災行政の重要性ということに地方公共団体の長、議会関係者などがよく認識していただくということが基本的にはまず一番必要なんじゃないかという感じがいたしております。 技術的な問題としては、私ども国としては、こういう財源措置を講じておる、これを参考として各地方公共団体、地方の実情に合うように運営してほしいということを今後とも強く指導していくということだろうと思います。
○三谷委員 これで終わります。
○松野委員長 次回は、来る三十一日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十三分散会