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87回国会衆議院1979/05/25

地方行政委員会 第13号

発言数
186
登壇者
15
会派数
3
開催日
1979/05/25

会議録

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 これより会議を開きます。  地方自治、地方財政及び警察に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤万吉君。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私は、今年行われました東京都知事選挙に対する一連の選挙妨害事件、傷害事件あるいは革新の統一候補として立候補いたしました太田薫氏に対する襲撃事件等についてこれから質問をいたしたいと思います。  言うまでもありませんが、民主主義の根幹は暴力の否定であります。そのために言論、集会、結社の自由というものは最大限保障されるということがなければならないわけでありまして、わが国が議会制民主主義をとっている以上は、暴力によって破壊するという行為に対しては、何といっても警察あるいは公安すべての機関を通じてその保障がされる、こういう条件がなければいけないと思うのであります。いわんや選挙は国民の直接投票による選択でありますから、国民の側から見ましてもその保障がなされてしかるべきだろうというふうに思います。しかし、今回の東京都知事選挙に対する妨害、さらに発展をして太田薫氏に対する襲撃事件に至りましては、一連の行動をつぶさに検討しますと、その民主主義の否定の行為、許すべからざる事件がたくさん出ているのであります。  これは一般論としてでもありますが、公職選挙法では、たとえばポスター一枚、それがたまたま酔っぱらって意識が多少混乱をしているという状態でも、そのポスター一枚をはがした行為は公職選挙法に違反をするということで、しばしば逮捕されるあるいは留置をされることがあるのであります。こういう社会的にはささいな事件と言われるものでもこれほどの厳しい条件を付しているのは、いわば選挙というものが日本の民主主義の根幹に触れる課題であるだけに厳しい対応の処置、これを保障する処置がとられているのだろうと思うのであります。これはひとり候補者の側の保障だけではない、国民の側でもその候補者をめぐって選択をするその保障が得られる、この二つの条件の中に選挙に対するあらゆる角度での保障というものが公職選挙法に規定されていると思うのであります。今回行われました東京都知事選挙はまさにそういうすべてのものが根底から破壊をされている。暴力行為ないしは傷害事件を通してそういうことが保障されていない、ここに非常に重要な課題があろうと思うのであります。  そこで、私は、最初に一般論として、自治大臣と同時に国家公安委員長でもあります大臣にお聞きをするわけでありますが、選挙というもの、選挙行動というものあるいは選挙行為というものは、私が申し上げましたような角度ですべての面で保障されるべきものであるというふうに私は理解をするのでありますけれども、大臣から一般論としての見解をまず最初にお聞きをしておきたいというように思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 御指摘のように、選挙というものが民主主義の根幹をなすものであることはもう言うまでもございません。したがって、この重大な役割りを持つ選挙が公正にかつ自由に行われるということは民主主義を守る上で基本的な役割りを持つものでございます。そういう意味で私どもといたしましては、あらゆる面における自由にして公正な選挙を侵害するという行為に対しては、断固としてこれを排除しなくちゃならぬ、こういうふうに考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 そのとおりだろうというふうに私は思うのであります。いまおっしゃいました、自由な選択を求め、自由なみずからの政治的な政策の表現が保障されておる、これが暴力で破壊をされるということになりますと、結果的には暴力が暴力を呼ぶわけでありまして、議会制政治制度というものがそれによってまさに破壊されてしまう。それだけに今回の事件は、単なる一つの傷害事件という中でこの問題を処理してしまうには余りにも恐ろしい事件ではなかったか、こういうように思うわけであります。  そこで、今回の東京都知事選挙に絡む一連の事件についてこれから少しく御質問申し上げ、どういう形で日本の政治というものは守られていくのかという見解を最後にお聞きをいたしたいというふうに思うのであります。  事件はたくさん起きましたが、代表的な一、二の事例を申し上げて質問をしておきたいというふうに思います。  今回の最後に起きました四月七日の新宿における太田薫氏の襲撃傷害事件、これは単にそのときに突然起きた事件ではないのでありまして、三月九日にすでにその端緒があらわれたのであります。国鉄新宿駅の東口で明るい革新都政をつくる会が街頭演説をやっておりました。ここに右翼団体と言われる興国社あるいは大日本来光会、さらには日本青年社城西支部、新日本行動社等によってこの演説会、いわゆる街頭演説は事実上中断せざるを得ない状況に追い込まれたのであります。これはいうところのマイク合戦という程度のものではないのでありまして、たとえば爆竹を鳴らす、そして近隣にいる聴衆は、恐怖と、その片方における高音のスピーカーによる妨害によって太田候補の政策を聴取することが事実上不可能になる、さらには、その爆竹の後、発煙筒をたいて聴衆を脅かす、こういう事件が起きたのでありますが、これは警備当局の方は御存じでございましょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 この事件は三月九日午後六時五分ごろでございますが、新宿駅の東口広場で明るい革新都政をつくる会の太田薫氏ら数人が街宣中に、四谷方向から進行してまいりました日本国民協議会加盟の大日本朱光会など四団体二十六人五台が接近いたしまして、演説中の太田薫氏に対しまして、いまは告示前であるから選挙運動をやめよなどと言いまして、爆竹、発煙筒を太田薫氏らの乗っております車に投てきし、演説を一時中断させた事件でございます。  この事件におきましては、現場におきまして警察官が警告、規制を行いまして、午後六時七分ごろこれら右翼団体を現場から立ち去らせております。  さらに本件につきましては所轄の新宿署におきまして、三月十二日に新日本行動社の熊倉ほか一名、さらに三月十四日に大日本朱光会の赤津治、これをそれぞれ暴力行為等処罰ニ関スル法律並びに道交法違反の容疑で取り調べを行っております。なお、明るい革新都政をつくる会の関係者からも事情をお聞きしたいと思いまして御出頭いただくようにお願いしておりますけれども、これはまだ済んでおりませんので、これが終わり次第、事件を送致いたしたいと考えておるところでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 いま御説明がありましたような事態であります。関係者を逮捕して送致をするという状況下にあるようであります。私は三月二十五日、これは選挙に入ってからでありますが、渋谷駅の同じく太田候補の演説に応援に参りました。何人か応援弁士が始めようとした折に、いうところの右翼団体の宣伝カーが参りまして、ほとんど聴取不可能です。片方には麻生さんが演説をやっておられましたが、麻生さんの方は比較的平静に、何ら障害がない。太田候補の方へ参りますと、当初は太田候補の車から約二十メーターか三十メーター離れたところでやっておりましたが、太田候補の演説が始まりますや車を突進をしてまいりまして、まさに五メーターとは離れない地点まで接近をいたしまして、高音なボリュームを上げたスピーカーによる妨害、さらに、後で御説明をいたしますが、約四メーターないしは五メーターの竹の棒でしょう、これを持って聴衆をいわば突き刺す、け散らす、こういう行為でありました。したがって、それ以上になりますと、今度は演壇の上で演説をするということがほとんど不可能な状態、いつどういう事態が起きるかわからない、そういう状態の中に弁士が立ち、その片方の高音のボリュームに対抗すべくもございませんが、集まった聴衆に対してはその政策を訴える、こういう行動をとったのでありますが、私は演壇の下ないしは少し離れて太田候補の演説を聞いておりましたが、ほとんど聞き取りにくい。時折聞こえる太田候補の訴え、大衆がこれに対して共感を送る拍手をいたしますと、一方の右翼団体の車からは長い竹ざおを振り回しての暴行行為が行われる、こういう状態でございました。先ほどの三月九日の事件、すでにその時期から——こういう状態、すなわち爆竹を鳴らすとか、発煙筒をたくとかいうことは通常考えられないわけであります。これが何とか祭りとかいうところの祝賀行事等になりますればこういう事態はあるにいたしましても、事政治活動を展開するという状況下にこんなことはあり得べき状況ではないのであります。  さて、そういう状況で、三月三十一日新宿の明治公園、いわゆる青空政談演説会といわれた集会で日本共産党の宮本委員長に対する殺人未遂事件が起きたと承っておりますが、この状況はどんな状況だったのでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 三月三十一日でございますが、午後三時四十分ごろ明治公園で日本共産党宮本委員長に対します殺人未遂事件が発生しております。この被疑者は、大日本憂国同志会所属の豊田友一であります。  本事件につきましては、被疑者が演壇の正面で演説中の宮本委員長に向かって右端の演壇下十二段のコンクリートの階段から五 八段を駆け上がりましたところで、警戒中の警察官が主催者側の自主警備員の協力を得まして現行犯で逮捕したものでございます。  被疑者につきましては厳正な取り調べを行いまして、日本共産党宮本委員長に対する殺人未遂、銃刀法違反、公選法違反で東京地検に送致いたしました。さらに事後捜査によりまして、日教組の槇枝委員長に対する殺人予備罪で追送致をいたしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 日教組の槇枝委員長、もちろんそうですが、同時に総評議長の槇枝さんですね。日本共産党宮本委員長に対する事件の内容については後ほど御質問があろうかと思いますので、横枝委員長に対する殺人予備罪、これはどういう状況でそういうことになったのでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 槇枝委員長に対します殺人予備罪でございますが、これは被疑者が犯行の動機につきまして、子供の教育に悪影響を及ぼしている日教組の槙枝委員長に憤りを感じて、横枝委員長を殺すつもりでナイフを所持して演説会場へ行った、ところが槇枝委員長はいらっしゃらなかったので、演説を聞いているうちに、共産党の宮本委員長の演説に腹が立ってきて宮本委員長の攻撃に及んだのだ、こういう供述をいたしておるわけでございます。本来は横枝委員長を殺すつもりで行ったということで、ナイフ等を用意しておりますので、殺人予備罪で追送致をいたしたわけでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 これは大日本憂国同志会の党員といいますか所属員ですか。そうしますと、当然のことですが、大日本憂国同志会に対する捜索等が行われていると思いますが、ただいまのお話ですと、犯人に対する被疑容疑を固めて送致をしているということですが、その背景になっている大日本憂国同志会についてはどうなっているのですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 事件の背後関係につきましては、被疑者を鋭意取り調べまして、犯人の自宅、所属団体の事務所等に対します捜索、関係者の取り調べなどの捜査を行いましたが、背後関係、共犯関係はこの事件では認められませんで、単独犯行と見ております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 確かに現場における犯行行為は宮本委員長に対する殺人未遂事件でありますけれども、同時に、いま御説明がありましたように、ナイフを持ち、主は日教組の槇枝委員長に対する殺人未遂事件であったわけですね。私は三月九日の事件を申し上げましたが、この際には、四つの右翼団体が共同の行為として、先ほど申し上げましたような爆竹や発煙筒を鳴らして妨害している。さらに三月二十五日の状況は、いま私が申し上げましたとおりです。これは事件としては、送致されたりなにかするという大きな事件は起きてないようでありますが、三月三十一日に至りましては、今度は殺人未遂事件ですよ。確かにその現場における行為は単独行為であったかもしれませんけれども、それがいま言った一連の流れの中で起きているとするならば、背後関係をもっと厳しくこの時期に捜索をし、同時に、自後起きる事件に対する事前の処置がとられてしかるべきではなかったか、こう思うのですが、どうでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 事件の背後関係につきましても、私どもも背後に何かあるのではないかという容疑で鋭意取り調べをいたしたわけでございます。昭和五十四年四月一日、犯行の翌日でございますが、この所属団体でございます大日本憂国同志会の局長以下七名、これを厳重に取り調べております。また、被疑者の自宅やいまの大日本憂国同志会の事務所に対しましても徹底した捜索を実施いたしまして、証拠書類等を押収しているわけでございますけれども、背後関係を立証する供述あるいは証拠等は得られなかったわけでございまして、今日までの捜査では単独犯行であったと見ておるわけでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 いま三つの事件をそれぞれ御説明を受けました。いま言ったようなこういう事件のいわば徹底的な捜査がなかった結果として四月七日の事件が起きたのではないかというふうに実は私は推定をするのであります。  大臣、この前新聞でごらんになったかもしれませんが、私も実は昭和三十六年に政防法の事件で逮捕されまして、せんだっての最高裁の最終判決で私どもの公安条例違反は棄却をされたわけであります。私が逮捕された状況ないしは送致され、その後、地裁、簡裁、最高裁と裁判で争った事件内容は、国会の前における集会が当時の公安条例違反として、当時私は団体の役員、総評の役員でございましたから、その責任を問われて私以下十数名が逮捕され、十数日間警視庁に留置され、その後十八年間裁判で争ったのであります。幸いにして、私どものその事件に関する限りの立証ができまして最高裁の判決がおりたわけでありますが、この国会前における無届け集会ですら、総評の本部はもちろんでありますが、私以下総評幹部それぞれ逮捕されて十八年間争うという事態が起きたのであります。  三月三十一日のこの事件の捜査をして逮捕されたのは被疑者一人ですね。さらに、三月九日の事件にいたしましても、その背後関係による所属団体の役員その他はなかったのです。片方は殺人未遂事件ですよ。私は、当時の公安条例違反でそのくらいの処置を受けたわけです。これは余りにも差があり過ぎはしないでしょうか。いわゆる右翼に対する警備や公安が、左翼という言葉は当たるかどうかわかりませんが、私どもの大衆運動に対する捜査と比較をして、このような状態が起きるのはどういうことなのでしょうか。十七年前の事件ですから、私は当時の事件の状況、社会的状況と比較をすべくもないとは思いますけれども、しかし、この右翼の一連の事件と比較をいたしますと、それのバックグラウンドに右翼の相当激しい選挙妨害あるいは今日の政治情勢に対する暴力的な行為というものがあるとするならば、殺人未遂事件に至ったこの事件までの経過を踏んまえても、背後関係を徹底的に洗う、被疑者だけでなくして、少なくともそれを教唆し扇動した部類まで本来捜査の手は伸びるべきではなかったかと思うのですが、いかがでしょう。大臣の見解をこの時期にいま一度お聞きしておきたいというふうに思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 法を犯した者に対する取り調べ、捜査、これが右翼に対して甘く、いわゆる左翼行動に対してはきついというようなことがあっては大変なことでございまして、私どもとしてはそのようなことは断じて考えてもおりませんし、そのようなことは厳しく戒めておるところであります。あくまでも厳正中立、公平、法を犯す者に対しては何人といえども仮借なく糾弾をする、こういう態度で臨んでおるわけでございます。  いま御指摘の事件を私いまつまびらかにいたしませんけれども、教唆扇動というような具体的行為があれば、当然これは捜査の対象になるわけでございますから、これは参事官から答弁申し上げますが、恐らく関係者を取り調べた結果そういった教唆扇動したというようないわゆる共犯関係の事実がなかった、こういうことで単独犯というふうに判定をしたということだと思うのです。詳細は参事官から答弁申し上げます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 参事官、いま一遍お尋ねいたしますが、この殺人未遂事件に対しての背後関係を捜査するために、たとえば大日本憂国同志会の幹部を逮捕されて取り調べをされた経過はありますか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 背後関係の捜査のために大日本憂国同志会の幹部を逮捕したことはございません。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 大臣がおっしゃったような公平に、しかも厳正にということの御答弁とは、少し捜査が片手落ちといいましょうか、あるいは甘かったのではないかと私は思うのです。私は自分の例を引き合いに出しますのが一番よろしいからそう申し上げたのですが、私は容疑事実で勾留をされました。もちろん十日間の勾留からさらに延長されたわけです。これは当時の取り調べ官とも取り調べの間の雑談でも話したのですが、私自身の取り調べは一週間で終わりました。ところが、勾留がさらに延長されまして、もう取り調べが終わったのだから勾留却下をしてもよろしいのではないかと提起をいたしましたが、認められませんでした。どうして私を逮捕しておくのですか、こう聞きましたら、当時の取り調べ官はこう言うのであります。昭和三十六年でございますが、当時内閣がかわりまして池田内閣が岸内閣の後を受けて訪米をしなければいけない。もし私を初め総評の幹部をその訪米の時期に勾留の解除をしますと、再び同じような事件が起きる、またそういうことを起こす可能性がないわけでもない。したがって、何ら取り調べがないにもかかわらず、私はなお、たしか七日か十日間ぐらいだったと思いますが、勾留をされたのであります。これだけの殺人未遂事件があって、被疑者だけで背後関係の者を逮捕しなかった。余りにもそれは捜査、警備を含めての差があり過ぎる。そういう形が結果的には四月七日の事件を引き起こしている。私は、私自身に絡まる問題と関連をしながら、そういう印象を強く持たざるを得ません。したがって、その後起きる事件に対して警備当局が右翼ないしは相手候補との関係の中に何らかの関連を持ちながら警備に手心を加えたのではないかという推定をせざるを得ないというように私は情勢を判断をするのであります。  その後、私は、選挙を終わりましてから、太田薫とは私は非常に親しい仲ですから、懇談を二、三いたしました。太田候補がその席上、私に言うには、とにかく東京の都心部で演説会をやって、まともにその演説会、いわゆる弁士があり、それを応援する政党各派の党首があり、代表があり、さらには本人の演説ができたのは、この選挙期間、いわゆる都知事選挙期間の間、たった一度だ、こう言うのであります。池袋の駅の前でやった演説会がたった一度、あとはすべて暴行、暴力あるいは選挙自由の妨害によって政策を訴えることができなかった。これは、大臣も私も同じように、この政治の社会で命をかけているわけであります。お互いに命をかけているその行為が、その表現が、その訴えるべき聴衆に意思が通じない。これほどむなしい、いら立たしさを感じることはない。私自身の政治活動を通しましても、恐らく大臣もそうだろうと思うのですが、自分の意思が訴えられないのです、訴えたところで、相手が聞く状況をつくり上げてくれない、これほど政治家にとってむなしいことはなかったのではないかと私は思うのであります。いままで、九日の事件、二十五日、三十一日、そういう事件に対する警備、あるいは甘やかしがそういう状況を生み出したとするならば、まさにそれは当初申し上げました、投票によって民主主義を守っていくという日本の議会制民主主義の根幹にかかわる問題として、私は強く糾弾をしないわけにはまいりません。  そこで、四月七日の事件になるわけでありますが、四月七日といいますと選挙の投票日の前日、いわゆる選挙としては総締めくくりをする、そういう時期であります。この四月七日の新宿における事件は、右翼団体の大日本愛国党の候補である赤尾候補、それと保守系統一候補と言われた鈴木候補、さらに太田薫候補が新宿の駅前広場において最後の政策の訴えをやる、そういう中に起きた事件であります。そのうちで、いま申し上げました右翼団体系の大日本愛国党の赤尾候補、それから鈴木候補、この候補のそれぞれの政策発表ないしは演説会場における連係動作が系統的になされたのではないかという疑いが非常に考えられるのであります。さらに、これに加えて、これの警備に当たっておった警察の当局も、どうもこれに手をかしたような疑いが各所に見られるわけであります。  まず第一に私はお聞きをしますが、当日の綿糸町事件というのがございました。これは同日の十時三十分ごろ、明るい革新都政をつくる会宣伝カーが錦糸町駅前におきましてビラ行動、政策行動をやっている際における愛国党の選挙自由妨害事件でありますが、この状況と、その状況下において警備当局がとった処置について御説明いただきたいと思うのです。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 最初に、宮本委員長殺人未遂事件に関連いたしまして、背後関係者を逮捕しなかった、そのことが警察の右翼に対する態度の甘さを示しているというお話でございますが、先生御承知のとおり、事件は背後関係が疎明されますと、立証されれば当然逮捕するわけでございまして、私どもの捜査の重点も、この事件は背後関係があるのではないかということで、その点に鋭意捜査の努力を集中したわけでございますが、残念ながら背後関係を立証する材料は得られなかった。そこで、背後関係者を逮捕できなかったというか、背後関係者はいなかったために逮捕しなかった、こういうことでございまして、あったのに逮捕しなかった、そういうことではございませんので、まず申し上げておきたいと思います。  そこで、この錦糸町事件でございますが、これは四月七日の午前十時三十五分ごろでございます。国電の錦糸町駅前におきまして、明るい革新都政をつくる会の会員の方八名、これが通行人にチラシを渡しながら、口々に、間もなく槇枝委員長が到着いたしますと呼びかけておりました。と同時に、東京労働者センターの車両をとめまして、演説の準備をいたしておったのでございます。そこへ赤尾候補の運動車と大日本愛国党の宣伝車二台、計三台、これが通り合わせました。そこで、その際に東部労働センターの側から、愛国党帰れ、何だ、おめえらここでやるのか等々申しましたことから、愛国党側でも、場所をあけろ、こちらは選挙演説をやるんだというようなやり合いになりまして、愛国党の宣伝カーから十数人の者が飛びおりまして、ビラ配布中の者に駆け寄り、ビラをつかんでほうり投げたり、旗ざおをつかむ、折り曲げる、つかみ合うという事件になったわけでございます。  この事件の届け出を受けました錦糸町駅前の派出所から警察官五人が駆けつけまして、中に入って引き離しますとともに、暴行を加えました大日本愛国党の一人を逮捕しようとしたわけでございますが、残念ながら愛国党側が三十何名という状況で、その現場では逮捕できなかったわけでございます。その後捜査を続けまして、被害を受けられました方からの被害届けもいただき、被疑者を四月二十三日に逮捕いたしまして、現在勾留の上、引き続き捜査中の事件でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 現場の逮捕が一名で、その後四月二十三日に逮捕、四月二十三日といいますと、選挙が終わった後であります。いわゆる選挙期間中は、これらの暴行を加えた人間に対しては放置をしておった、こういうことに結果としてなりますね。  さらに同日、太田候補の候補者カーが渋谷駅頭で十二時三十分から、日本共産党の代表である富本委員長の応援を得て演説を行いましたが、これはどういう状況だったでしょうか、わかりますか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 渋谷における事案でございますが、四月七日の正午過ぎ、渋谷駅のハチ公前で、車上から太田候補派の街頭演説が行われておりますところへ深作候補が乗りました日本青年社の車両二台が約五十メートルの距離まで近づきまして、マイクで太田候補批判を行うなど、お互いにマイク合戦を行ったというものでございまして、警察官が割って入りまして、暴力事件は発生しなかったと聞いております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 暴力事件は起きませんでしたが、事実上太田候補の演説は中断され、その選挙の自由に対する妨害行為によって宮本委員長ないしは太田候補はその間演説を行うことはできなかった、これは事実ですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 渋谷駅では候補者が二人はち合わせをしたかっこうになったわけでございます。そこで、日本青年社深作候補の乗っております日本青年社側の車両がマイクで太田候補批判を行う、そこでまたやり返すといったことでマイク合戦といった状況が現出したようでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 意識的な妨害というふうに見なかったわけですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 選挙運動に適した場所はわりあいに限られておる関係と思いますが、何人かの候補者がはち合わせすることが間々あるわけでございます。この場合も、たまたま二人の候補者がはち合わせをして、その結果のマイク合戦というように見ております。ただし、それ以上接近させたりしてまた何かあってはいけないということで、警察官の措置により間に割って入りまして暴力事件までは至らなかった、このように聞いております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 常識的に見て、相手候補のところへ二十メートル、いまのお話ですと三十メートルでしたか、そこへ車をつけて最大限ボリュームを上げてがんがんやるというのは、これは単なる候補者同士の街頭演説をする場所の設定の問題ではないのではないですか。これはどう見たって意識的な妨害行為じゃないでしょうか。われわれだってそうですよ。駅の表でやろうと思っていたところが相手候補がいた、その場合には迂回して駅の裏でやる。常識的なことですよ。これが三十メートルないしその近所まで接近してもなおやらせるという行為そのことは、何回も申し上げますが、警備上の手落ちがあったのじゃないですか。本来の選挙の自由を保障する警備体制ではなかったのじゃないですか。どうですか、いま一遍お聞きします。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 両候補の車は約五十メートルまで近づいたようでございます。そこでマイク合戦が始まりましたので、警察といたしましては不測の事態が起こってはいけないということで規制をした、こういう状況でございました。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 さらに同日、銀座においてまた事件が発生したわけです。私どもの知るところでは、当初二時ごろ太田候補が数寄屋橋で政策演説会をやろうと予定しておりましたところが、いまのお話ではありませんが、大日本愛国党の赤尾候補がそこで宣伝カーをとめてやる予定のようであった。したがって、これ自身それにかかわり合うことも避けたのでしょうけれども、同時におっしゃるように候補者ですから、それを避けて銀座四丁目のライオン前で演説会を開催しようとした。この事件は一体どういうことでしょうか、銀座のライオンの前における事件の内容について御説明いただきたいと思います。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 銀座におきます事案でございますが、これは四月七日の午後二時四十五分ごろのことでございます。銀座四丁目交差点わきの日産ギャラリー前におきまして車上から太田候補派の街頭演説が行われておりますところへ、赤尾候補の乗りました大日本愛国党の車三台が通りかかり、マイク合戦をやりながら太田候補の車両に接近を企てましたので、トラブルを防止いたしますために、築地警察署員が両者の間に入りまして接触防止を図り、事案の発生を未然に防いだ、このような事案だったと聞いております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 数寄屋橋でやっていた候補者カーが、太田候補がそれを避けて四丁目で今度はやる、追っかけてきたということでしょう。しかもその演説をやっているところへ妨害に入り、同時に聴衆に対して長い棒を突き刺すような形で暴行傷害事件を起こしている、こういう事態でしょう。  聞くところによりますと、そのころ京橋方面から鈴木候補の車が来て演説をやったので、本来二時にやる予定が二時四十分まで、そこに移動しながら待機をする。太田候補の方はこういう状況にあったようですね。  そこで今度は、二時四十分になりましたら鈴木候補の演説が終わり、そこへ赤尾敏候補の車が来て、いま言ったような状況を生み出したのじゃないですか。しかもそこで棒で突き合う、旗ざおで殴りつけるという状況があったので、太田候補の政策発表は事実上できない、混乱状態に陥った、こうじゃないですか。どうですか、いま一遍その辺を詳細に御報告いただきたいと思うのです。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 当時の関係候補の車両の動きにつきましてはつまびらかには聞いておりません。ただ、太田候補の車両に赤尾候補の乗りました大日本愛国党の車三台が接近を図ったので、間へ警察署員が分けて入って事なきを得た、このように聞いている次第でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 三越前は御承知のように一般の通行人が大変あるところですね。この赤尾敏の候補者カー、それに付属する二台の車、これは交差点の線上にあったでしょう。なぜ排除しなかったのですか、どうですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 ただいま御指摘の点につきましては、私どもは報告を受けておりません。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 三台の車が並んで来て、そして先頭の車がそれは演説をやるのもいいでしょうよ、完全に妨害だと私は思いますけれども、なおついてきた車は、太田候補の車が角にあるわけですから、これはいやが応でも交差点上に位置がなければいけない状況になりますよ。排除してないですよ。われわれがもしあれほどの混雑をする交差点上に車を放置をするとしたら、直ちに来て、それは移動カーを持ってきてつるし上げて持っていくかどうかわかりませんけれども、そういう状況になるのです。放置をしておったわけでしょう。いわばなすがままの形でその状況をつくり出したのじゃないですか。いま一遍お聞きします。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 トラブルが発生してはいけないということで築地警察署員が出て規制をいたしたわけでございますから、なすがままに放置をしたということではなかったと承知いたしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 築地警察署の人が見えてそこで規制をした。太田候補は二時五十七分、その場所で演説をやることができませんでした。規制されて両方を分けて太田候補が演説をやったのじゃないのです。もうこれ以上ここで演説をやることは不可能だ、退去せざるを得なかったのです。そういう状況を生み出したのです。  私はなぜここを重視するかと言いますと、警察官がそこにいたのですから警備当局には恐らく報告があったと思いますが、この銀座の事件が終わる際に、夜は新宿で待ってるぞ、こういう右翼団体のマイクでの応酬があったわけでしょう。しかも、状況証拠によりますと、この宣伝カーあるいはその隊員は後でそのまま新宿の襲撃事件に加わっていますね。証拠書類はここに写真でありますけれども、そういう状況になったのですよ。それを単に規制を加えて、いま申し上げましたように、交差点の線上にある車の排除もなしに、しかも相手の太田候補の方が演説をできる状況をつくらずに、傷害その他事件がございませんでしたからで済む課題ではないでしょう。棒を持ってそこにいる一般聴衆を突き刺すような行為、それはまさに傷害事件じゃないですか。公選法に基づく選挙の自由の保障はもちろんのことですが、傷害事件が加わっているにもかかわらず単なる規制、そこにおける行為をとった現行犯人を逮捕するという行為は一つもなされてなかったんじゃないですか、どうですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 御指摘の銀座四丁目の現場におきまして愛国党側が新宿でまたやる云々と言ったということは、残念ながらわが方の警察官は認知いたしておらないわけでございます。現場では赤尾候補が乗りました車以下が太田候補の車に近づこうとしたということで、トラブルを未然に防ぐために規制を加えた、このように報告を受けているわけでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 築地警察署員が規制をする処置を講じてその場に居合わせて、それほどの大きな声で夜は新宿で待ってるぞと言ったというようなことが警察の警備関係に連絡されないはずがないと思うのです。もし連絡されてないとするならば、この現場に居合わせた警察官はきわめて無能な警察官ですよ。私はそんなことはないと思う。  したがって、七日に銀座から起きた一連の事件をずっと見てまいりますればわかりますように、新宿における事件が起きる可能性を秘めた経過、当然のことですが、その経過として、新宿へ集まるであろうそれぞれの候補の政策発表、同時に、そこにおける混乱あるいは起きるかもしれないいろいろな事件、それを想定する新宿における警備配置があってしかるべきだったと思うし、また後ほど明らかにいたしますが、新宿における警備当局の配置その他を見ても、あらかじめ予測される状況下における配置、こう推定せざるを得ないのであります。  私は、いま当日だけの事件を三つ挙げました。これに対する警察側の一連の警備処置は、いわば双方の演説を政治活動として正当に行使できるような状況をつくり上げることに終始した、こう言っていますが、それより深いところ、すなわち選挙に対する自由の妨害、さらには、加えてそういう傷害事件を引き起こすような、一般的に言えば凶器でしょう。凶器と見られるようなものを持っての行為、これに対する処置がなかったがゆえに今度は新宿における太田候補直接の襲撃事件、こう発展をしてきたのではないか、こう思うのですが、この辺の見解はどうでしょう。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 まず新宿でまたやるぞといったようなことは報告がなかったのではなくて、確認してみましたが、現場へ出ておりました築地警察署の警察官が耳にいたしておらないということでございます。  それから、御指摘の幾つかの事件、いずれも違法行為がありますものにつきましては、それぞれ厳正な捜査をやるという立場には全然変わりはないわけでございます。  ただ、御理解いただきたいと思いますのは、いずれも候補者同士と申しますか、相手方も候補者であるという点が、ただいま御指摘のように選挙を自由、公正に行うという立場からも警察といたしましても警備上いろいろ苦心が存するところであったということは事実であろうと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 大事なところですからいま一遍復習しておきますが、警備当局としては新宿におけるそういうことが銀座の場で言われておったことを確認した。しかし、築地の署員はそれを確認することができなかった。しかし、警備当局では知っておったということですね、いまの発言は。  それから、候補者同士であるからその規制にもおのずと限界がある、こういうお話ですが、候補者が、いうところの宣伝カーから政策を訴える、これはもうおっしゃるとおりだと思うのです。百歩譲って、それが大変ボリュームが高くて接近してそこで演説をやったとしても、私たちの側からすれば常識的には許容できない。そこは迂回してほかで演説をやるというのがあたりまえのことですよ、みずからがその聴衆に向かって、有権者に向かって政策を訴えるとするならば。そうじゃないでしょう。もう完全に妨害するための行為としてやっているわけでしょう。しかし、百歩譲って、そこまで譲りましょう。しかし、その後、銀座の場合でもあの長い竹ざおを、私も渋谷の駅で経験しましたが、まさに車上から突き刺すような形で大衆に向かってやる行為です。これは政策発表と言われましょうか。候補者が一般的に政策を述べるという範疇に入る行為でしょうか。私は、その判断が次から次へこの事件を起こしているのじゃないかと思うのです。仮に小政党であれ個人であれ、候補者の人がみずから政策を訴えることには敬意を表します。また、仮に反対党であれ反対候補者の支持者であれ、謙虚に耳を傾けるべきだと私は思うのです。しかし、いまやっている一連の行為は、みずからの政策を訴えるといういわゆる公職選挙法に基づいて定められた選挙行為ではないでしょう。それはすでに相手を妨害するための行為、同時に、妨害だけではなくして相手候補が大衆に訴える行為を排除する行為、またそれを聞きに来ている有権者の人に今度はその機会を奪う行為、こういうふうに断定してよろしいのではないですか。そこの判断が間違っているからすべての行為が次から次へと発生してくる、私はこういうふうに指摘しているわけですよ。いかがですか、その行為を正当な選挙行為と見ますか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 最初に、築地の警察署員が先ほどのような新宿へ行くぞと言ったというようなことを認知していないと申し上げました意味は、これはしたがって筋を経た報告もない。したがって、その場におきますこのような発言は警備当局におきましても知らなかった、このようなことになるわけでございます。  それから、宣伝カーの上から竹ざおを突き出すということでございますが、銀座の現場におきましてはそのような行為があったという報告に接しておりません。それから、竹ざおとおっしゃるのは旗ざおのことと思いますが、彼らが政策宣伝のために常時携行する旗ざお、しかし、これがおっしゃるようなことで、場合によりましては凶器ともなり得る場合がある。そのようなことがありますれば、私どもといたしましては当然違法行為として立件をしていく、このようなことになろうかと存じます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 銀座における事件を起こした車が同じように今度は新宿に回っているわけであります。新宿の事件は、太田候補が幸いにして軽いけがで済んだというだけでは見過ごされない事件ではないかと私は思うのです。銀座の事件も先ほどの錦糸町の事件も、さらには当初の宮本委員長の殺人未遂ないしは横枝委員長の殺人未遂事件もいわば一つの右翼団体、時にはそれが一人の単独犯行というように警察当局としては規定され、限定をされて捜査を進められておるわけですが、新宿における事件は、まさしく複数の右翼団体の大変計画的な犯行と見ざるを得ない節が各所に見られるわけであります。そして、複数の右翼団体がある一つの指示に基づいて行動を展開する。こういうように、事件の経過を追っていきますと、確定してもいいぐらいの状況が発生をいたしております。こういう事件はいままでなかったと私は思うのです。それは、大日本愛国党が単独的に選挙の自由の妨害を行った、あるいは何とかという右翼団体が行ったという事件、先ほどの大日本憂国同志会ですか、これが単独犯行を行った。計画的に複数ないしは数団体の右翼が一つの行為に向かって同一行動を展開する、こういう事件はいままでなかったのではないか。私の知る限りではございません。したがって、もしそういう形で選挙の自由というものが妨害されるとするならば、まさにそれは候補者の政策の訴えもさることながら、国民がその候補者の政策を聞き、同時にそれを基礎にしながら投票という行為によってみずからの、日本の、あるいは東京都の都政を選択をするということが不可能な状況を生み出すというのがこの新宿事件ですよ。それだけに、単なる太田候補が襲撃をされ、傷を負ったというだけでは私ども政治の場にあるものとしては見過ごされない、こういうように思うわけであります。  新宿事件が起きる前、すなわち事件が起きる午後七時前後までの間に、新術の駅周辺における状況はどのような状況だったのでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 この日はちょうど土曜日でございまして、その関係で東口前は午後三時から歩行者天国ということで多数の歩行者がおったわけでございます。同時に、選挙運動の最終日でもございますために、歩行者天国は午後七時で終わるわけでございますが、八時の終了時間まで最後の運動をしたいということで、各候補者ともこの新宿駅東口広場を最終の運動の場といたしまして、それぞれ最もいい場所を自派で占めようということで場所取り等もその中に並行的に行われておった、歩行者天国は継続中であった。七時が近づきますと、各候補者は歩行者天国が終わり次第ここへ入ろうということで、それぞれ近くまで来て待機をしておった、このような状況であったと心得ております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 先ほど申し上げた一連の経過、特に当日の錦糸町から銀座に至る事件等から推定して、警備当局は、当然のことですが、これは大変なことが起きるのではないかという予測のもとに警備の配置をしておったと思うのですが、いかがですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 警察といたしましては、たった一時間の間の凝縮されたところで多数の候補者が同時に最後の選挙運動をなさるということで、たくさんの聴衆もまた集まられるであろうということを予測いたしまして警備体制をとっておりました。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 当夜の警備体制、たとえば指揮者、そして警備の警察署員、機動隊、これはどのくらいの動員と、どこにその最高の指揮所を設けておられたのですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 当夜の新宿駅東口の警備体制でございますが、東口を出ましてすぐ左手に新宿署の交通詰所がございます。この詰所の前にちょっと空き地がございますが、ここに警備本部を設けました。警備本部長は、新宿の署長を警備本部長といたしました。部隊は、制服を三百六十ぐらい、私服を百七十余り、合わせまして五百四十くらいの数で体制をとっておったわけでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 各候補が一斉に待機をしておりまして——私ここに図面を持っておりますが、柳通りの方、それから伊勢丹口、それから通称大ガードというところ、それぞれに待機をして歩行者天国の時間切れを待ってそれぞれの演説会場を確保する、こういう状況にあったということですね。旧二幸の跡地の中に鈴木候補の宣伝カーがありまして、その宣伝カーが歩行者天国の時間が終わります七時前、私どもの推定では六時五十七分前後、シャッターを上げて警察官の誘導によって所定の位置、鈴木候補が演説をする所定の位置に誘導されたと聞いておりますが、間違いございませんか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 歩行者天国が終わります直前にそのようなことがあったようでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 直前に行われたわけです。それと軌を一にするように、柳通りの方にありました鈴木候補の、候補者カーではございませんが、応援する宣伝カー、さらにマイタウンという宣伝車、あるいはほろつきのトラック、そのシャッターが上がると同時に、一斉に自己の演説会場——これは、ここに候補者がいたかどうか、候補者カーがあったかどうかわかりませんけれども、飛び込んでまいりましたね。写真もございますが、ちょうどシチズンの時計が七時一分を表示をしているときに、それぞれの宣伝カーは、太田薫氏が予定をした場所の前を通って、交通詰所わきに集結をする、そういう状態が起きたと思いますが、間違いございませんか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 そのとおりでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 しかも、いまおっしゃったように、歩行者天国が終わる直前ですね、直後じゃないんです。時間的にはまさに歩行者天国の時間帯の中で、そういう誘動の行為と、さらに一斉に飛び込むという事態が起きたわけです。これはどうなんでしょう。候補者カーでありますからそういう行為は許されるという状況にあるのですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 歩行者天国は一応七時までということになっておりますが、先ほど申し上げたような状況でございますので、当日の歩行者天国は七時の直前に少し早目に解除という形になったようでございます。ちなみに太田候補の車も七時直前に東口駐車場のところへ到着いたしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 いまここに写真を提示をいたしますが、これは大日本愛国党の宣伝カー、赤尾敏候補の宣伝カーと言われております。委員長ちょっとこれを見ていただきたいと思うのですが……。  いま委員長にお示しをしておりますが、二十六番の写真が直前の状態、いわゆる大日本愛国党の候補者カーの、直前の状態です。  先ほど参事官は、通常選挙活動に行われる旗ざおをもって銀座のときには事件が起きた、こうおっしゃいました。  委員部の人、警備の方にも見せてください。  その二十六の写真を見ていただけばわかりますが、それは通常の旗ざおでしょうか。どう見たって通常の旗ざおじゃないでしょう。前側に突き刺すような形ですよ。これが正当ないわゆる政治活動を行うための宣伝カー、しかも場所を確保するための行為として一般的に常識的に考えられる行為でしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 写真を拝見いたしましたが、現物を見ませんと、旗ざおがこのようなものに用法上のこういう使い方をされているのか、それとも旗ざおじゃないものであるのかは、ちょっと判断をいたしかねると思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 現場を見ないからといっても、その写真、その前後の写真を見てもらっても結構ですが、どう見たってそれは旗ざおじゃないですよ。その長さは五メートル近いでしょう。しかも、通常旗ざおと言えば、握り得られるような棒ないしは竹ざおですよ。抱え込まなきゃならないような旗ざおというのは、率直に言って常識的にはないでしょう。  そういう行為は、私はすでに選挙行動ではない、選挙活動ではないと思うのです。したがって、当然のことですが、進入をする直前にもしそういう状況が発見されたとするならば、先ほどおられた制服の三百六十名、私服の百七十名、当然のこと、これを規制する処置があってしかるべきではなかったでしょうか、候補者カーについても。いわんや候補者カー以外の、付属する走っておりますそれぞれの車、たとえば先ほどのマイタウンの車、ほろつきのトラック、これらは、この混乱が予想されるということがあったがゆえに、先ほどもお話がありました五百四十名の警官の配置があったわけですから、それを未然に防ぐとすれば、そういうものをすべて配置をした、規制をされたその中で正々堂々と政策発表ができる、そういう状況をつくり上げるのが警備当局の任務じゃなかったですか。二幸のシャッターが上がると同時に一斉にある地点を目指して突進をしてくる。しかもこの間、相当な一般大衆、通行人もおるわけです。  十六の写真を明示しますが、この十六の写真には、シチズンの時計は七時一分に、警備当局の先ほど指揮所だと言われた地点のすぐ前に到達をいたしておりますよね。推定されるスピードは三十キロ前後じゃなかったか、こう言われておるわけです。こういう状況を黙視した結果がさらに次の事件を引き起こす、こういうことになるのじゃないでしょうか。いかがでしょう。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 歩行者天国が終わりまして、候補者カー等がこの広場へ一斉に入ってくる時点までは、このような状態は起こるとは考えられなかったわけでございます。この広場へ一斉に入る時点で事態が起こり始めたというふうに認識をいたしております。  そこで起こりました事態につきましては、たとえば、ただいまの交通詰所前に入りました車、これが太田候補の聴衆と混乱状態に陥りましたので、機動隊が七十人、ハンドロープを持って両者の間に割って入りまして、右翼側の車は一斉に新宿の大ガードの方向まで後退させた、つまり事態が起こった時点では放置はいたしておらなかった、このようなことでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 新旧の大ガードの方に後退をしたというのは、投石事件が終わった後でしょう。時間でいえば、投石事件が起きたのは七時十二分前後。犯人逮捕が行われたのが七時四十分前後ですかね、三十分近くあったわけでしょう。いわゆる右翼の宣伝カーを分けて後退をさせたというのは、太田薫候補が車上で投石されて倒れて、中で治療して、いわゆる目的を果たしたから後退したのじゃないですか。機動隊が入って後退さしたのじゃないのじゃないですか。どうですか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 七時ちょっと過ぎと思いますが、先ほど来申し上げております交通詰所前の道路に、大日本愛国党、日本青年社の車等が殺到をいたしたわけでございます。その直後に、聴衆の方からは右翼帰れという大きな声が上がってくる、右翼の方も旗ざおなどを振り回す。さらに聴衆の方からは空きかん、紙つぶて等が飛ぶ。また投げられた方もこれを投げ返すという、混乱状態に陥ったわけでございます。これが七時五分でございます。  そこで、この七時五分の時点で、先ほど申し上げましたように、機動隊七十名を投入いたしまして、手に持つ綱を伸展させまして、この綱で押すような形で右翼を後方へ、新宿大ガードの方へ後退させたわけでございます。投石事件はその後に、七時十二分に発生をいたした、このように聞いております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 現場から判断をいたしますと、太田候補を襲撃するために、二幸から向かって右側の方、いわゆる交通詰所の方で騒乱状態を起こし、そして太田候補の左側の方から投石をしたのではないか。まさにそれは片方で混乱を起こし、そこに機動隊を導入させ、そこに目を集中させる間に片方から襲撃行為を行う、こういう一連の行為があったのではないかというふうに推定がされます。もちろん、これは私どもこれからこの事件を扱っている警備当局ないしは検察庁にその経過を伺わなくてはなりませんが、どうでしょうか。このこと自体いま申し上げました一連の事態、公職選挙法に定められるいわゆる選挙の自由妨害ないしは後に起きました太田氏への投石事件を含めて、完全に多衆による妨害行為、こう認めざるを得ないと思いますが、選挙部長、選挙法をこの時点でこの場合どう解釈したらよろしいのでしょうか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 私どもの方に関しましては、先ほどしばしば御指摘ございますように、選挙に関しまして選挙運動者であるとか、候補者であるとか、あるいは選挙に対しまして暴力を加えるとかその他の問題が起きましたときには、たとえば選挙自由妨害罪に該当するというふうに考えております。  ただ、本件が果たしてそれに該当するかどうかということにつきましては、時期であるとか方法であるとか、その他の態様というものを勘案しなければなりませんので、直ちにここでお答えするということはできないと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 公職選挙法によりますと、多衆によるそういう妨害行為があった場合に、三回国家公務員による警告を行い、なおそれでも解散をしない場合にはこれを解散をせしめることができる、こう規定はされていますが、この法律上、命令という言葉が出てきます。公務員の命令によって云々、この命令は、当然のことですが、警備体制の上からは警告措置があったのではないかというふうに見られるわけですが、この警告をしたものをこの条文上の解釈としては命令というふうに見なしてよろしいのでしょうか。これはどちらに聞いたらよろしいでしょうか。自治省の選挙部長でしょうか。法務省でしょうか。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 そういう退去措置の命令をやったかどうかは、いまのところ私の方は承知をいたしておりませんが、現在新宿署を中心にいたしまして、警視庁の関係課が応援をいたしまして、そういう問題を含めて捜査中でございます。それが多衆の妨害になるか、あるいは単なる自由妨害になるか、あるいは暴力行為等処罰ニ関スル法律違反になるのか、そういうものをひっくるめまして現在捜査中でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 その後地検、最高検に告訴・告発が行われておりますが、その進行状況はどうでしょうか。特に犯人捜査に向かうための罪状といいましょうか、公務執行妨害罪であるのか、いま私が申し上げました多衆による妨害罪であるのか、その辺の適用はどこを見定めて捜査の焦点にされておるのですか。

河上和雄法務省刑事局公安課長

○河上説明員 この事件につきましては、四月の十八日付で東京地方検察庁の方に明るい革新都政をつくる会、代表幹事が青木宗也さんです。この方からの直告と言っておりますが、告訴がございました。その後さらに同一内容でございますが、五月四日付で最高検察庁の方にも告訴がございました。告訴の罪名はいま御指摘のように選挙の自由妨害罪等、要するに多衆による選挙の自由妨害、こういうものを中心にした告訴でございまして、検察庁といたしましては告訴・告発の趣旨を勘案いたしまして、その辺を中心にして現に捜査しておりますが、これからも捜査を続けることになると思います。ただこれは告訴の代理人をされておる弁護士さんと現在折衝しているわけでありますが、若干行き違いのようなものがあったようでございまして、事件はまだ警察の方でやっております。警察送致がまだない状況でございますので、捜査中という程度のお答えしかできかねます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私は当初も申し上げましたが、この事件は単に三人の候補者が偶然にそこに集結をして偶然に起きた事件ではないと思うのです。旧二幸から鈴木候補の車が来る。同時に柳通り、伊勢丹通りあるいは東大ガードの方からも一斉にその場所を目がけて突入してくる。しかもその後は、片方で誘導的に混乱状態を起こして、片方から投石する。しかも、目撃者の話によると、その石はほとんど水、平状態、状況から見ましても近くで投げればすぐ人の目につくわけですからできない。しかも、その投石は太田候補の顔面に当たる以外にはどこにも当たっていない。車にも当たっていなければ、ほかの応援者にも当たっていない。まさに殺人未遂事件ですよ。幸いにして、私は太田さんをよく知っていますが、彼は耳が悪いために補聴器をつけています。めがねのつるが非常に幅が広いので、そこに当たったから、石を避けさせる状況を生み出した。もしみけんにまともに当たっておったらそのまま死に至る状況を生み出したのではないかと思う。こんなことがあってよろしいのでしょうか。それはまさに計画的な犯行と言わざるを得ないですよ。しかも、従来は単数の妨害行為はあったにしても、複数の共同行為によってこういうことがなされていくということは政治史上大変重要な事件と見ていかなければならないと思うのです。大臣は私より年輩ですから御存じでしょうが、昭和初期の軍部がいろいろな事件を重ね重ねていった結果、二・二六事件を生み出しました。その結果、政党政治自身みずから死滅の道をたどらざるを得なくなった。私は政党、政派を超えてこのような行為は絶対に許さるべきではない。再発をしてはならない。再発をしないためには、この事件を徹底的に洗い出す。同時にその犯人逮捕と、計画的な行為、そういうことを頭に置きながら捜査の決着をつけるべきだ、こういうふうに思いますが、国家公安委員長でもある大臣の見解をお聞きしたいと思うのです。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 今回の太田候補に対する石を投げたという行為、御指摘のようにこれは一歩誤れば死に至る行為でありまして、これは最も憎むべき悪質な断じて許すべからざる行為、まさに日本の民主主義に対する凶悪なる挑戦だと私は思います。したがいまして、このような行為が二度と起きるようなことがあってはなりませんし、そういった事態を防止するためにも、今回の事案に対しましては、捜査当局としてはこれはもうあくまでもその真相を究明する、これは徹底した峻厳な態度で臨まなければならぬと考えます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 最後に、捜査に当たっている警備ないしは地方検察庁の方に伺いますが、いまの大臣の見解を受けて、これからの捜査あるいはこれからこの事件を全面的に解明するための処置、いま一度その決意をお述べいただきたいと思うのです。  幸いにいたしまして、太田候補はその後傷の状態は非常に回復をいたしまして元気になりましたが、しかし再びこのような行為が、幸いにしてけがは少なかったわけですが、もしも日本の政治をしょって立つそれぞれの人々がこんな行為におびえる、ないしはその行為を常に頭の底に置きながら政治活動を展開しなければならないなどということは、考えらるべきものではないのでありますから、地検、地方検察庁ないしは警備当局を代表しての決意をお伺いいたしたいというように思います。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 捜査を担当する者といたしまして、いままでいろいろ貴重な御意見をお伺いしたわけでございますが、そういう問題を一切ひっくるめまして、私どもは事実が何であるかということを明らかにしてまいりたいと思っておるわけでございます。何分捜査というのは証拠に基づきまして事実を解明するという活動でございますので、これからまたその方向で努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 終わります。

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 昨年の十二月十八日に右翼暴力団国防青年隊のメンバー、広瀬何がしが首相公邸に忍び込んで玄関前で大平首相を襲った事件が起きました一犯人は登山ナイフを構えてSPに取り押さえられたものでありますが、自供によりますと、計画的な首相襲撃事件でありました。  、また、本年の三月三十一日は、いまも質疑にありましたように、右翼暴力団員の豊田何がしによります、明治公園の集会で演説中のわが党の宮本委員長をこれまたナイフを構えて襲撃をする、こういう事件が起きております。  幸いにしていずれも未遂に終わったわけでありますが、もしもこれが実際に遂行されたならば、一体どうなっていくのか、はだにアワを生ずるわけであります。  最近、これ以外にも右翼の盲動が激発しております。この党首級に対する襲撃はその頂点をなすものでありますが、一人一殺の訓練などを行いまして、問答無用のテロによりまして、保守革新を問わずまさに民主主義政治そのものへの挑戦を行っておるのであります。こういうことが法治国家で許されるものかどうか。答えは当然明らかでありますが、警察庁はこの右翼の危険な動向に対してどういう方針と体制で望んでいらっしゃるのか。この基本姿勢についてまずお聞きしたいと思うのです。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 警察は、不偏不党の立場から、右翼に対しましても、違法行為にわたるものは絶対看過しないという厳しい方針で臨んでおります。また、警察は、右翼の活動に応じまして、その都度必要な体制を組みまして視察、取り締まりに当たっております。今後ともこうした方針で対処してまいりたいと思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 大平総理が襲われました事件に関連して、政府や警察当局の右翼対策について、ある新聞がこう書いております。「国民が疑いの目を向けるのは、政府や警察当局が、左翼同様、どれだけ右翼に毅然とした姿勢をとっているか、という点であろう。」こういう社説が出ております。警察の右翼対策をえんきょくに批判しております。この点はすでにわが党がしばしば指摘してまいりましたが、右翼に甘い警察という印象は、この新聞の言うように、国民的な認識になりつつあります。国会周辺を見たってわかる。しばしば彼らの道交法違反の無法な行為を私どもも目撃しておりますが、警官が立っておりながら全く手をつけていない、こういう事態がしばしば発生しております。この国民的な批判を払拭する警察の取り組みが求められておるわけでありますが、大平総理襲撃事件以降警察庁の取り締まり方針が強化されたのかどうか、これもはっきり聞いておきたいと思う。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 警察は、不偏不党の立場から、在来から右翼に対しましては厳正な態度で取り締まりを行ってきているわけでございまして、この方針は、過去も現在も将来もこういう方針で対処してまいる覚悟でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 まあたてまえ上、不偏不党、厳正中立というのは警察法に明記されておるわけでありますから、それ以外のことは言えませんが、実際の警察行動というものが果たしてそうかということですね。これが大きな疑問の対象になっておる。  そこで、いま問題になりました選挙運動に絡む事件でありますが、街頭における有権者への訴えは、候補者の政見、政策を直接知ってもらって、そして支持を獲得する上で、最も重要な候補者活動の形態でありますが、これは憲法及び法律によりましてどのように保障されておりますのか、憲法上あるいは公選法上等の条項についてお尋ねしたいと思う。     〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 お答えいたします。  憲法におきましては、「公務員の選擧については、成年者による普通選擧を保障する。」それから「すべて選擧における投票の秘密は、これを侵してはならない。選擧人は、その選擇に關し公的にも私的にも責任を問はれない。」という規定がございます。また九十三条におきましては、地方公共団体につきまして、地方公共団体の議会の議員あるいは法律の定める吏員は住民が直接これを選挙するという根拠規定がございまして、それを受けて公職選挙法に規定がございます。  公職選挙法につきましては、第一条にその目的を記載しますとともに、第七条において選挙取り締まりの公正の確保であるとか、あるいは二百二十五条以下におきまして選挙の自由妨害に関する各種の違反につきましての規定をいたしまして、これによりまして選挙が自由、公正かつ適正に行われることを期しておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 概要でありましたが、それにしましても、選挙の自由という問題は憲法その他によりまして基本的に保障されておるということは明らかであります。  そこで、四月七日に、つまり統一地方選挙の前半戦の選挙運動の最終日でありますが、東京の新宿駅東口広場におきまして異常な事態が発生をしております。当日の東口広場は、午後七時ごろから鈴木候補と太田候補の両都知事候補の最終盤の打ち上げ場所として使用されることになっておりました。鈴木陣営には、大平総理を初めとしまして各党の党首及び党首級の幹部が応援に入られました。したがって、当日の警備も当然万全を期されたと思います。この大平総理に対する警備状況はどうであったか。そしてまた、太田陣営におきましても飛鳥田社会党委員長、共産党の上田副委員長あるいは市川房枝さん、中山千夏さんなど指導的な人々が応援に立ったわけでありますから、これも当然厳重な警備体制がとられておったと思いますが、当日の警備の状況はどうであったのか。いま加藤先生の質問に対して、警備に配置された警察官の人数は私も承りましたが、もう一度これをお聞きしておきたい。  それから警備の責任者の官職及び氏名をお聞きしたい。それから警察官はどこにどのように配置されておったのか、高所配置員などもあるわけでありますから、どういう配置状況であったのか、赤外線写真などはどのように配置されておったのか、そして当日は警備に関して事前にどのような指示を与えられておりましたか、その指示は変更されましたか、変更されたのでありますならば、その指示の内容はどのように変わってきたのか、こういう点についてお聞きしたいと思います。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 まず現場全体の警察官でございますが、これは五百四十ぐらいの警察官が出ております。何しろ場が選挙という特殊な事情がございました関係で、広場の前面の方にはできる限り警察官の姿が目立たないように私服警察官を配しまして、制服警察官は主として外岡におきまして群衆整理、交通規制等を行わせておりました。  さらに太田候補につきましては警護の要請を受けておりましたので、その前の段階からではございますが、警護をつけてありました。その他要人が太田候補と同じ車にたくさん乗っておられました。それぞれ警護員がついておる方々でございますが、周辺に合わせて四十一名の警護員がおったわけでございます。  なお、鈴木候補自体には警護はついておらなかったわけでございますが、大平総理以下応援の方々の警護員、こちらの方は約七十名の警護員の方がいたわけでございます。  現場の総指揮官としましては新宿の署長が当たったわけでございます。当日は選挙運動の最終日ということで多数の聴衆が集まるわけでございますので、そこで不測の事態が起こらないように警戒、警備をするというのが部隊の任務であったわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 指示の点はどうなんですか。どういう指示がされておりましたか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 全体的には不測の事態が起こらないように、自由、公正な選挙運動が行われますようにというのが基本的な全体的な指示であったと承知しておりますが、さらに右翼車両と聴衆が接触いたしてトラブルが発生いたしました午後七時一分過ぎの時点、さらに新密駅東口の左前方にスクランブル交差点がございますが、ここで右翼団体と聴衆の間にトラブルが起こった時点、さらに規制部隊に対する公務執行妨害事件が発生しました時点、それぞれの時点で制止、排除、検挙等の指示を具体的に行ったわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 当日東口広場付近は歩行者天国とされておりまして、午後七時までは車両の進入ができなかったということでありますが、太田候補の候補者カーが同広場に進入を許されましたのは先ほど七時前だとおっしゃいましたが、これは間違いがないでしょうか。それから鈴木さんの方の車の進入が許されましたのは何時何分でしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 それぞれ七時直前であったと報告を受けております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その点は事実と違いがあります。もっともあなたの御説明は現場におった方の説明ではありませんから不正確さがあると思いますけれども、これはもう一度はっきりしてほしいと思います。  それから、当日マスコミなどでも報道されましたが、ここに右翼の暴力団が車両をもって突入してまいりました。この右翼の宣伝カーやトラックの台数、車種、待機の場所について御説明をお聞きしたいと思うのです。どのような配置、位置関係にあったのか、これをお聞きしたいと思います。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 右翼の車はこの時間に何度かその場所を変えておるわけでございますけれども、最初から申し上げますと、まず最初に愛国党の車が三台伊勢丹方向から入ってまいりまして、そのうちの一台は大型、二台は普通車でございました。この三台のうちの二台は、新宿駅東口の交通警察官詰所前の道路上で横断歩道の手前で停車をいたしております。もう一台は、二幸前でそれ以上進めなくなりまして停車をいたしております。次に直前まで大ガード方面で待機しておりました日本青年社の車三台、これは大型が一台と普通車が二台でございますが、これが七時ちょっと前に東口広場に入りまして、先ほど申しました交通詰所の前の道路まで来てとまっております。また国粋青年隊の車両一台、これは大型でございますが、七時直前に新宿三丁目方向からやってまいりまして、はとバスの停留所の前で停車をいたしております。これが第一次の状況でございます。  その後何度か場所を変えております。先ほど申しましたように、機動隊の規制等によって後退をしたりいたしておりまして、大変ややこしく場所が変わっておるわけでございますが、繁雑でございますので、とりあえず最初の状況を御報告しておきたいと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 右翼の車両の進入路、進入状況、進入させた時刻はどうなっておりますか。進入状況といいますのは、サイレンを鳴らしておったかいなかったか、あるいは旗ざお、用法上の凶器でありますが、この旗ざおをどのように構えて突入をしてきたか、そういう点について状況といいますか、それをお聞きしたいと思います。     〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 大日本愛国党の車は、申しましたように伊勢丹デパートの西側駐車場わきから出てまいったわけでございます。これは七時直前であったようでございます。これはサイレンを鳴らしておったようでございます。それから旗ざおも振り回しておったようでございます。それから、日本青年社の車、三台でございますが、これも七時直前に大ガード方向から進入してまいったわけでございます。それから国粋青年隊の車、一台でございますが、これも七時直前に新宿三丁目交差点から進入してまいりました。  いずれもサイレンを吹鳴し、旗ざお等を振り回しておったという状況のようでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 旗ざおを水平に構えていわゆる突撃姿勢をもって入ってきておる。差し上げました写真では非常にそれが不十分でありますが、ここにあります。こうして凶器を構えて武装して進入してくる右翼の暴力団の車をなぜ規制をしなかったのか、このことが非常に疑問を持たれるわけでありますが、その点はいかがでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 この旗ざおはいずれも平素から積んで歩いておるようでございます。数本ずつ、長さは三、四メーターというものが多いようでございます。これを凶器として使う状況があれば当然検挙する、このようになろうかと思います。当日の現場の認識はそこまでいかなかったのではないかと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 旗ざおではない。明らかに用途が旗ざおの用途ではありません。明らかに人を殺傷する構えをもって進入をしてきておるわけでありますから、当然これは凶器の形態に類するものであって、こういう状態を放置して右翼の車を次々進入を許すというところから今度の事件がそもそも始まってきておると私は思いますが、その点はどうでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 持っておりますものは、平素は旗ざおに使っておる。これにつきまして、用法上凶器にしておるのではないかという御指摘かと思いますが、当夜の現場の認識はそこまでには至っておらなかったようでございます。  なお、これらの車は、いずれもそれぞれ候補者を乗せております選挙用自動車もしくは確認団体の政治活動用自動車ということでございます。そこらに非常に警備的にはむずかしい点があった点は御理解いただきたいと思うわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 選挙の車が凶器を持って徘回をするというふうな必要がどこにあるのでしょうか。選挙というものは言論をもって住民の批判に訴えて票を取るという行為でありますから、竹ざおで武装して票を集めるという選挙行為があるでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 これは本来の凶器ではございませんで、先生の御指摘は用法上凶器になる場合があるという御指摘と拝察いたしますけれども、本来は旗ざおに使っておるもののようでございます。それが当夜の現場の認識では、なお用法上の凶器に至るまでのものではなかったという認識であったかと存ずる次第です。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その写真をごらんになりますと、そういう詭弁は通用しないのです。旗ざおとして用いているわけではないのです。凶器として用いておるというのがその写真を見れば非常に明白なわけです。それをなぜ進入させるのか、ここのところが大きな疑問を持たれておる点であります。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 御指摘でございますが、これは通常は旗ざおとして使っておることは間違いないようでございます。当夜の状況は、これらの車が進入してまいりまして、そこで聴衆の方々から右翼帰れとかいろいろな声が出まして、次第にエスカレートしていった過程の中でこのような事態が出てきたもの、このように認識をいたしております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いま一番最後に差し上げました写真は突入過程の写真でありますから、ちゃんと構えて突っ込んできているというのが真相です。  それから、サイレンを鳴らして人を集めることは公選法上許されておりますでしょうか。サイレンを鳴らして行動している、この行動はどうなんでしょう。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 公選法百四十条に「何人も、選挙運動のため、自動車を連ね又は隊伍を組んで往来する等によって気勢を張る行為をすることができない。」という規定がございまして、サイレンを鳴らすということによって気勢を張るような状態になる場合におきましてはこの規定違反になるというふうに解しております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 サイレンを鳴らして入ったことは警察も確認されておるようです。そうして凶器を構えて入ってきたことはいま写真でお示ししたとおりであります。そうしてこれは六時四十八分ごろから、柳通りと四谷に至る大通りから交互に車が次々入ってきて、車両を連ねて演説するべき場所に到達をしたという状況になっておるわけでありますから、そういう点から見ても、これが何らの規制も受けなかったというのはまことに奇怪と言うべきだと私は思うのであります。  ここに一つ問題がありますが、しかしそこだけにこだわっておりますと時間が来てしまいますから、次に申し上げますが、当日の右翼暴力団が働きました行為、それによります被害の状況、これについてどのように把握されておりますか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 当日のトラブルによりまして各候補者の選挙活動に支障が出たということが一つ。また、負傷者の方が二十四人出ておるということを警察としては把握いたしております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 各候補者に被害が出たとおっしゃいますが、鈴木候補の方では支障なく円滑に演説が進んできておる。支障を受けましたのは太田候補の方であります。  この被害の状況をいま二十四名とおっしゃいましたが、それはどういう被害なんでしょうか。どういう行為によって被害が起きてきたのか。私どもが調べておりますところでは、車の突入、非常なスピードで突入してきますから、びっくりして、逃げるのにあわてて逃げたために、行動を起こしたために傷害を受けるとか、あるいはコーラびんを、ふたを抜いて投げつけるとか、あるいはかんジュースのふたを取ったものをぶつける、棒で殴打する、あるいは投石をする、鉄パイプで殴るというふうな状況があったようでありますが、これについてはどのように把握されておりますでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 負傷者は、現在私どもが把握しております数が二十四名でございまして、内訳は、聴衆の方が七人、右翼団体員が十五人、警察官が二人ということになっております。その他にもあるいは負傷のあった方があるのかもしれませんが、これはさらに捜査をし、負傷があった方につきましてはお申し出いただきたいと思っておる次第でございます。  なお、負傷の状況等につきましては現在さらに詳細に調査を進めておるところでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その二十四名の方々が負傷されますに至った状況、その経過をいまお尋ねしたのです。その一例をいま私、引例したわけでありますが、そういう状況を把握になっておりますかどうかをお尋ねしておるわけです。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 負傷の状況でございますが、聴衆の方につきましては、自動車を避ける際に転んだといったようなものとか、あるいは石が頭に当たったのではないかとかといったけがが多いようでございます。それから警察官でございますが、これは右翼に殴られたけがのようでございます。それから右翼でございますが、これは投石によってけがをした者がほとんどのようでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私の方にも被害者の若干の氏名、住所もわかっております。警察の方が把握されましたのがどの程度か。私の方で民間人で約十二名の氏名がわかっておりますが、百名程度の被害者と推定されております。被害者につきましては、なお十分な調査をするべきだと私は思っております。  さて、大日本愛国党の車、いま最後にお見せしました写真でありますが、これが十八時五十八分に現場の警察の警備の許可を受けまして進入してきている、つまり進入を認めておる。そこで旗ざおを構えて群衆に突入してきた。この写真はここにたくさんあるわけです。そこで同じ時期に鈴木カーがワシントンくつ店の方向から進入してきております。その最後に乗用車がついておりますが、この乗用車は警察の車と推定されておりますが、警察の車の中に品川五五ま六七一五またはほ六七一五という車があるでしょうか。調査をお願いしておきました。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 御指摘の品川五五ほ六七一五という車は該当がございます。この車は現場におきまして警察が右翼の視察取り締まりに使っておりました車でございます。  なお、負傷者の関係でございますが、実は私どもは負傷者がかなりあるのではないかと思いながら、なかなか負傷者の方がわからなくて捜査上非常に隘路になっておるという報告を受けております。負傷者の方が御判明でございましたら、ぜひお教えいただければ大変ありがたいと思う次第でございます。よろしくお願いいたします。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 被害者の方、これが取り扱いについて警察の方が公正に扱っていく。顔写真などを写してそしてそれを今後の警察関係あるいは右翼との関係などの中で利用されるというような点などが懸念されますと、これはなかなか証人が警察に出ることができない。つまり、そこにすでに右翼との関係というものが国民から疑われておる、疑問を持たれておるという状況を示すわけでありまして、この点につきましては私どもがどうこう言う性質のものではありませんが、ただ、これの捜査を真剣にやるということでありますならば、これは当然被害者の方も協力される面があると私は思っておるわけでございます。  そこで、右翼の車がいま申しましたように入ってまいりまして、いまおっしゃいました品川五五ほ六七一五という車が最後に追尾して入ってきておりますが、これに乗っていらっしゃった警察官の方が奇怪な行動をおとりになっておりますのが写真に出ておりますが、これは後でお尋ねをします。写真も見ていただきたいと思っております。  そこで、右翼が車上から旗ざお等で群衆に襲いかかる事態が起きました。そして路上におりて投石あるいは棒による襲撃などを行っております。これは差し上げました中に一つはあるわけであります。それから路上で鉄棒を持って襲いかかろうとしておる。この写真もここにあります。こういうことが行われました。ここの中で私服の警官の方が写っておりますが、そういう行為を制止するのでなしに、逆にそれに抗議をする一般の民衆の方に向かって制止するような姿勢をおとりになっている。これが写真で幾つか出ておるのであります。ですから、右翼の取り締まりをするのでなしに、右翼と話し合って非常になれ合った姿勢というものが写真に明らかに写り出ておるのであります。そして、いま申しました品川五五ほ六七一五の後部座席に乗っておりました私服の方も、愛国党の車を背後にして両手を広げて群衆を制止しておる。暴力をふるって凶器を振り回す車の方に向かうのじゃない、それに抗議をする群衆に向かって手を広げて制止をする、こういう態度をおとりになっておるわけでありますが、こういうことが果たして公正な警察官の職務執行と言い得るのでしょうか、大変私は疑問を持っておりますが、お尋ねしたいと思う。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 当初右翼がサイレンを鳴らしたりして現場へ殺到したわけでございます。そこでこういう右翼帰れ等の声が起こる。右翼が旗ざお等を振り回す。さらにこれに向けて空きかんその他が飛ぶという状況。現場は大混乱になっておるわけでございます。そこで、警察官は、その現場の混乱を静める立場にあるわけでございますから、その場その場で一瞬ごとにいろんなことをやったと思います。その写真のことをいま御提示いただいたのではないかと思います。したがいまして、たとえば愛国党の場合、先ほど申しましたように十数人の人間がやはり投石でけがはいたしておるようでございます。その瞬間の状況はつまびらかにいたしませんが、やはりそういうような瞬間的な状況というものはあるかもしれないとは推理されるわけでございます。しかし、多くの場合は右翼の制止に警察官が当たった、このように信じております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 警察官はまずそういう右翼の暴力行為を厳しく規制をし逮捕するというのが何よりも第一義の任務であって、そういう行為から混乱が起きるわけでありますから、そういういわゆる加害者の暴行を見逃しておいて、それに対して抗議をする一般の聴衆を制止をするというのは、これは問題の扱い方が逆になってしまっている。そこのところにやっぱり大きな問題があると私は思っております。ちょっとこれを警察庁の方に渡してください。これが警察の車とその後部座席に乗っておりました警察官がとっております行為の一つであります。ごらんになりましてその点は確認できますでしょうか。どうですか、その車とそれから車の後部座席の人と、その人が混乱の中でとっております行為について、それは確認できますか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 先ほど品川五五ほ六七一五は該当があるということを申し上げたわけでございますが、残念ながら私どもは現在はこの車とここに写っております人間の関係はつまびらかにしておらない次第でございます。  それから、この写真で拝見します限りで申し上げますならば、愛国党の車はなるほど手を広げている男性の後方にあるわけでございますが、この男性の前に何があるのか、これもちょっと写真に写っておりませんのでわかりません。したがいまして、いまの点につきましては何ともにわかに申し上げられない次第でございます。  ただ、先ほども申し上げましたように、大変大混乱の現場でございますので、その一瞬一瞬で警察官はいろんなことをやって何とか現場の混乱をおさめようと必死の活動をしたということはお認めいただきたいと思うわけです。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そこら辺の御答弁は、私は、なかなか釈然と首肯できるものではありません。いままた一つ写真を渡しましたが、鉄棒を持って聴衆を威嚇しておる、あるいはそれを振り回しておるという写真であります。これについてそばで立ち話をしておりますのが警察官であるということが推定をされますが、鉄棒などを持ちまして、そういう凶器を振り回して暴行を行おうとする懸念のある者をそのように放置されてきておるという状況が出ております。これはたくさんの写真がありますから、全部示しますと、それだけで大変時間を食いますからその程度にしますけれども、要するにその場所における警察官の姿勢というものが真に右翼の暴力団を取り締まって、そして被害を未然に防いで選挙の妨害を排除するという姿勢ではないということがその一連の写真によって非常に明らかになっておりますし、なおそれを流動的にごらんになりたければビデオテープ等もありますから、これをごらんに入れてもいいと私どもは思っておるのでございます。そういう状況になってきておる。そのためにこの事件というものが非常に政治的な疑惑対象になってきている。ここに私は問題を指摘せざるを得ないのであります。警察側の対応というものがいつの場合でも万全でないということはあり得ると思いますけれども、しかしこれは余りにも作為的である、余りにも計画的である、そういう印象をぬぐいがたいのであります。それにつきまして、私は公安委員長の御所見を承っておきたい思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 警察が右翼と何らかの意味で意を通じ合って行動しておるというようなことがあったら、これは大変なことでございまして、私はそのようなことはもう断じてないと確信をいたしております。  ただ、お示しの写真を拝見しましたが、これは写真でございますから、もちろん部分部分しか写っておりません。その写真の部分だけを見てどうという結論を出すことは非常に冒険だと思います。私どもは暴力団と、それから先ほど御指摘になったように大平首相の襲撃事件あるいは宮本委員長に対する殺人未遂、こういったような行動が現に発生しているわけでございますから、こういうようなことが今後とも起きていくような状態になっていきますると、日本の民主主義にとって大変に危険な状態になっていくわけでございますから、暴力団の掃滅作戦と並行して右翼の取り締まりというものを警察の重点目標の一つに掲げてずっと一貫して取り組んでおるわけでございますので、そういった私どもの考え方なり姿勢というものについてはぜひともひとつ御理解を賜りたいと思うわけであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いま私は幾つかの写真を示しましてこの経過についてお尋ねをしたわけでありますが、これは単に私どもが一方的な主観で言っているものではないということは当時の新聞報道を見ても非常に明らかであります。「許されぬ“暴力選挙”」「右翼 車で突入、竹ザオ振るう」というのは毎日新聞の報道であります。それから同じようにこれは毎日新聞でありますが、写真も入れましてこの状況というものを報道して批判をしておるわけであります。これは右翼の行動をこのようにして許していいのかという問題提起になっておるわけなんです。ですから、これは客観的に見ましても、明らかに警察の処置というものが妥当性を欠いておるということを言わざるを得ないのであります。私はこういう点についてもなお御研究を願いたいと思います。私だけの意見で申し上げておりますと、大臣もにわかにそれを認識しがたいとおっしゃいますが、客観的な報道によりましてもこの状態というものは余りにもひど過ぎる、これだけやりたいほうだいの暴力に手が出せないのもおかしい話だというのが毎日新聞の記事に出ておるわけであります。こういう点などをあわせて見ますと、いろいろ強弁なさいますけれども、この問題については大きな手落ちがある、あるいは作為があるということを私どもは指摘せざるを得ないのでございます。  そこで、この場所におきまして太田さんの傷害事件が起きたのであります。候補者に対する襲撃といいますものは、わが国に選挙制度が確立しまして以来現在まで衆参両院及び一斉地方選挙など何回行われてきたか、そしてその過程におきまして候補者に対する襲撃及び傷害事件などがあったのか、これをお尋ねしたいと思います。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 選挙の回数についてお答えいたします。  衆議院は、第一回が明治二十三年の七月一日でございますが、それ以来戦前二十一回、戦後十三回、合計三十四回行われています。参議院議員の通常選挙におきましては、昭和三十二年の四月二十日が第一回でございまして、自来十一回行われております。それから統一地方選挙は二十二年の四月五日に首長、それから四月三十日に議会議員の統一選挙が行われておりまして、月来九回行われております。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 候補者に対する暴行等の自由妨害事件でございますが、この辺につきましては統計がございませんので、私ども何件あったかということはわからないわけでございます。  しかし、最近の例を見ますと、たとえば四十年の六月に行われました参議院の通常選挙におきまして、ある候補者が尼崎で関西護国団の連中に暴行を加えられたというような事件がございます。それから五十二年七月の参議院議員通常選挙におきましても、某候補者が京都の駅前で自動車で演説をしようとしたわけでございますけれども、駅前は演説の場所じゃないじゃないかということでトラブルになりまして、胸ぐらをつかまれるというような事件が発生をいたしております。  それから統一地方選挙におきましては、最近では昭和五十年に三件ばかり候補者が暴行を加えられたという事件がございます。その前に行われました四十年当時の事件でございますが、これも三件ほどそういうのがございますが、いずれにいたしましても、全体の数につきましてはちょっとわからないというのが実情でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 太田氏の負傷については、その太田さんの負傷を調べる警察の係と、それから右翼の暴力事件等を捜査する係と二つに分離されておるかに聞いておりますけれども、しかしこの事件は一体のものであって、この右翼の多衆をもってする選挙の自由妨害事件というものの最高潮が太田氏の傷害という結果になったものでありまして、これはそれぞれに分離されるという性質のものではないと私は思いますが、その点はどうでしょう。そうして太田さんの選挙活動に対してあらゆる妨害を加えた後に、そして太田さんに投石による負傷を与えました後に警察は彼らのうち五十五名を逮捕されております。この罪状は何でしょう。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 犯罪の捜査は別に分けてやっておるわけではございませんので、新宿の警察署の捜査係が中心になっておりまして、選挙を担当いたしておりますのは刑事部の方でございます。具体的に言いますと、警視庁の捜査二課でございますが、そちらの方の指揮を受けてやっておるわけでございます。また、右翼等の動静に詳しい公安の方の協力も得て一体となって捜査をしているというのが実情でございますので、いまいろいろ先生のお話しになったような問題をひっくるめましてよく事案の真相というものを究明していきたい、こういうように考えております。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 右翼五十五名の逮捕罪名でございますが、公務執行妨害及び傷害で逮捕いたしたわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 一名が警察官に対する傷害として逮捕されたと聞いておりますが、傷害罪の具体的な状況はどうなんでしょうか。それから公務執行妨害とおっしゃいますが、いかなる公務の執行を妨害したのでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 これは大混乱の現場の収拾、規制を図るべく多数の警察官が警告、制止活動を行っておったわけでございますが、警察官の警告、制止に従わないで竹ざおなどで警察官を突きましたり殴ったりという暴行を加えたわけでございます。そのうちで負傷の程度に至った者が二人おったということで、負傷の程度には至らないが暴行を加えられたという警察官はかなりの数がおるわけでございます。そういうことで公務執行妨害罪で五十五人を逮捕した、こういうことでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この被疑容疑というものは、わかりやすく言いますと警察に対する犯罪、つまり公務の執行の妨害、警察官に対する傷害。一般の聴衆、一般の民衆に対して行った犯罪はどうなっておるのでしょうか。つまり、この場合におきましては傷害罪もありますし、それから多衆によります選挙の自由妨害罪もある。あるいは単純な選挙の自由妨害罪というものもあるわけでありまして、そういう一般の国民に対する犯罪、これを全く問題にせずに、警察官に対する犯罪あるいは警察行に対する傷害の容疑、この点だけで逮捕されておりますが、なぜ多衆によります選挙の自由妨害罪を適用しないのか、これをお聞きしたいと思います。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 これは犯罪捜査の都合と申しますと語弊があるのでございますが、犯人と被害者という関係におきまして、当時そういう自由妨害を形成するというためには第三者の人が確定しなければならない、あるいは暴行があればその被害者がわからなければならないというようなものがございましたので、とりあえず非常にはっきりしております警察官に対する公務執行妨害罪ということで検挙をいたしておりますけれども、当然、自由妨害罪その他暴行、傷害あるいは暴力行為に関する法律の違反というようなことで捜査をするわけでございます。現在その捜査中でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私はいまの局長のお答えの中で不審に思いますのは、多衆によります選挙自由妨害罪というものは被害者を特定する必要もない、あるいは個々の加害者を特定する必要もないと聞いております。ですから、車両に乗って突っ込んできて車両の上で棒を振り回すとか、あるいは最大限の音量で軍歌を流すとかいうふうな行為をやりまして、そして選挙の自由を妨害しました場合には、その個々の人間がさおを持っておったか持っていなかったかは別としまして、その車両に乗っている者は全部一網打尽に逮捕することができるというふうに聞いておるのであります。しかも、首魁につきましては、現場にいなくても逮捕することができる、適用される。そして現場におりました者も率先助勢あるいは付和随行等の犯罪によりまして、軽重はありますけれども、広範囲にこれは対象にできるというものであって、これがこの状況に最も適した被疑容疑であると思いますが、これがなぜ適用されないのか。しかも、事件が起きましてから今日ずいぶん日がたっておるわけであります。なお捜査中とおっしゃいますけれども、犯人はすべて釈放されてしまっておる。証拠隠滅のおそれも多分にあるわけであって、真にこの事件について警察のメスを入れるという姿勢なのかどうかきわめて疑わしいわけでありますが、その点についてはどうでございましょう。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 選挙の自由妨害罪と申しますのは、運動の自由というものを妨害されるということが要件でございますけれども、その場合に、運動しておる人に現実にどういう妨害になっておるか、した方の者にはどういう行為があったのかというようなことを調べていかなければならないわけでございまして、行為者だけをただ単に調べるというわけにはいかないわけであります。そういう意味でのことを申し上げたわけでございますが、多衆による選挙の自由妨害罪ということになりますと、騒擾罪の小規模なものでございまして、それには共同する意思というものが必要になってくるわけでございます。そういう意思の問題というのは行為だけのことではございませんで、心の問題でございます。そういうことにつきまして、その現場においてすぐにどうこうというわけにはまいりませんので、徐々にそういうことを調べておるわけでございまして、いま先生がおっしゃいましたように、公務執行妨害罪の方におきましてはなるほど釈放されておるわけでございますけれども、自由妨害罪等につきまして現在捜査中、こういうことでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、公務執行妨害で一応逮捕したけれども、釈放している。しかしなお今日におきまして、多衆によります選挙の自由妨害罪などによりまして捜査が続いておる、こういうことなんですか。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 そのとおりでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますとお尋ねしますが、警視庁は、先ごろ地方選挙一斉取締本部の解散に当たりまして、この選挙の違反摘発状況をまとめて発表しております。この中で検挙二百十八件のうち、自由妨害四十一件、四十三人となっておりますが、この内訳をお聞きしたい。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 取締本部の解散は大体の事件が終わりました段階でやるわけでございまして、残っておる事件につきましては当然これは最後まで続けていくわけでございます。警視庁全体の要するに取締本部が解散したということでございます。  それからその自由妨害罪の検挙件数の内訳ということでございますが、私どもいま手元にはどういう事件であったかということは、またそれの中に新宿の事件の件数が入っておるかどうかということについてはちょっとわからないのでございますが、新宿の問題につきましても自由妨害罪というような見地から捜査が進んでおるということは聞いております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、この四十一件、四十三人の中に新宿事件が含まれるか含まれていないかはまだ御承知になっていないということなんでしょうか。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 そのとおり含まれておらないわけでございます。事件に計上いたしますのは、検挙をいたしまして、要するに証拠が固まったという段階でそういうふうに計上をされてまいりますので、いまの段階ではちょっとわからないわけでございます。形式的には、これから三カ月後に最終的な統計ということになるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私どもの法律上の素人の見解から見ますと、今度の選挙の中で最も国民の注目を浴び、しかも問題になってきたのが新宿事件である。最も大規模な選挙の自由妨害が行われた事件である。その事件を未決着のままで捜査本部が解散をされて、そしてすでに結果まで発表されておるということになってきますと、事件は明らかに終止符を打たれたか、あるいは終止符を打つ体制のものと考えざるを得ないわけでありますが、この点はどうなんでございましょう。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 先ほどから申しておりますとおり、残っておる事件につきましてはそれぞれの警察署におきまして現在捜査が継続されております。これは全国的に見ましてまだ残っておる県が相当ございます。容疑者として身柄を拘束いたしておりますのも、いま百名を割りますけれども、そういう数の者が身柄を拘束されまして現在捜査中でございます。ただ、この一カ月という限りにおきまして、取締本部は一応の終息ということで解散をするのが慣例でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そこで、この暴行事件といいますのは、主として新宿の広場の交通詰所前、五機の車が二台待機しておった。そして警察側の新宿の現地指導本部、その目前で暴行が起きてきた。これは一つの問題であります。同時に警察の監視班、写真班がかなりあると思いますが、写真班などはそういう暴行等の事件につきまして記録をおとりになっておるのかどうか。この間、新宿署に行きますと、残念なことに写真もなければテープもない、こういうことをおっしゃったそうでありますが、そういう状態なんでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 御指摘のとおり採証部隊が出ておりまして、それぞれ所要の採証はいたしております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、証拠となるべき写真等はあるとおっしゃるわけですね。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 そのとおりでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それがあれば、今日においてなお捜査が続いておるということについて、これは時間的にやや遷延しておるという感じを受けますけれども、証拠でもって厳重な捜査をお願いしたいと思います。  それから、これは御承知のように告訴・告発がなされております。告訴・告発について検察庁もお越しになっておるようでありますが、どのような処置をお進めになっておりますのか、お聞きしたいと思うのです。

河上和雄法務省刑事局公安課長

○河上説明員 この事件につきまして、四月十八日付で明るい革新都政をつくる会、代表者は青木宗也さんです。この方からの告訴・告発が東京地方検察庁の特捜部の方に出されました。その後、内部的な処理で現在東京地方検察庁公安部の方で捜査を担当しております。被告訴・告発人として氏名不詳の大日本愛国党、日本青年社、反共国粋青年隊、これらの右翼団体に所属すると思われる男数十名、こういうことになっております。  また五月四日付で、同じような告訴・告発人から同じような相手方に対しまして同じような事実で最高検察庁あてに告訴・告発がなされまして、最高検察庁では捜査を担当できませんので、担当の東京地方検察庁公安部の方に事件が回付されておりまして、現在東京地方検察庁公安部の方で主任検事を定めまして捜査を担当する、こういうような状況になっております。御承知のように、この事件につきましては、先ほど警察当局からも御説明がございましたが、警察が一次的に当初から捜査を担当されております。また多数の捜査員を抱えていらっしゃるわけですし、警察の捜査が終了し、事件の送致を受けて検察庁の方で捜査を完了する、こういうことになると思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 警察の方では、この事件についての容疑者等の家宅捜査だとかあるいは首魁の特定だとか、そういう作業などはおとりになっておるわけでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 警察では被疑者の自宅、それから団体事務所等二十五カ所の捜索を行っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その捜査、五十五名が一応は逮捕されたわけでありますが、この五十五名の所属の団体がわかりますか。それから、逮捕歴のある者がそのうち何名ぐらいおるわけでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 逮捕しました五十五人の被疑者の団体別の内訳でございますが、国粋青年隊が二十人、日本青年社が十二人、大日本朱光会が十人、興国社が五人、桜鐘青年隊が五人、新日本行動社二人、日本青年旭心団一人、このような内訳になっております。  お尋ねの逮捕歴でございますが、かなり逮捕歴のある者が入っておると思いますが、ちょっといまデータを手元に持ってまいっておりません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまお聞かせいただきました団体の中には、写真等で最も暴力行為の先頭に立っております大日本愛国党というのは含まれていないようでありますが、これはどういう事情によるものでしょう。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○柴田説明員 現場には愛国党車両三台が来ておったわけでございますが、この公妨等の容疑で五十五人を逮捕いたしました時点では、愛国党はすでに現場を立ち去っておりました関係で、現行犯逮捕の対象にはならなかったものでございます。ただし、その後の捜査は引き続いて進めまして、愛国党につきましても種々捜査を、その責任を問うてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 訴えも出ておりますから、厳重な捜査を行って、二度とこのような事件が発生しないように厳重な科罰をするべきだと思いますが、公安委員長どうでしょう。

小林朴警察庁刑事局長

○小林(朴)政府委員 お説のとおり、選挙の自由の確保ということにつきまして、私どもは厳重に取り締まりを行っていきたいというふうに思うわけでございますけれども、ここに一つ隘路があるわけでございます。選挙の自由を確保するということになりますと、どうしても、警備の非常に厳重なものをやれば、その自由というものが束縛されるというような感じを与えますものですから、非常にそこの調和がむずかしいわけでございまして、私どもは、そういう調和を図りつつ、選挙の自由というものを確保したいというふうに考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 意味がよくわかりませんが、右翼も立候補している、だから右翼の選挙活動も、これは自由が保障されるという意味だと思います。私どもは、選挙活動の自由について、右翼の選挙活動は取り締まるべきだと言っているわけではありません。右翼等が行います選挙の自由妨害を取り締まるべきだと言っておるわけであります。もともと右翼の候補者というのは当選を目的にしないというのは社会の常識でありまして、当選をするということのために選挙運動をやっているというよりも、他人の当選を妨げる意図を持って立候補しているというのが実態ではありますけれども、しかし、これは法の運用におきましてはむずかしい問題でありますから、右翼といえども選挙の自由は保障される。しかし、自由の保障ということと、暴力行為をもって他人の自由を侵害することは別個でありまして、そこを明らかに区別をして対処していきますならば、決してむずかしいことではないと私は思うのでございます。  そこで大臣、この選挙の候補者に対する襲撃といいますのは、およそ法のもとにおける秩序からしますと予想外の事件であって、こういうことは保守革新を超えて、すべての党派が真剣に考えていかなくてはならぬ事案であると思うのでございます。そういう点から申しまして、公安委員長、これは単なる警察職務という関係だけでなしに、公安委員長として、こういう事案に対して今後どのように対処するかということについて一層の御研究をいただきたいと思います。そしてそれについての御決意を承っておきたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 先ほどもお答えしましたように、今回のこの事案は、これはもう文字どおりわが国の民主主義に対する重大な挑戦である、こういうふうに私は受けとめております。したがって、このようなことが今後二度と発生しないように、警察当局としては最善の努力をしなければならぬ。十分検討してまいります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 終わります。

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 午後二時より再開することとし、休憩いたします。     午後零時四十七分休憩      ————◇—————     午後二時六分開議

松野幸泰自由民主党

○松野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方自治、地方財政及び警察に関する件について質疑を続行いたします。石川要三君。

石川要三自由民主党

○石川委員 せっかく大臣もいらっしゃいますので、先に大臣のお考えを聞いておきたいと思います。  民間の不公平とかいろいろとそういったような話題の中で、公務員の定年制というものがよく話題に出るわけでありますが、この定年制ということについて、本来ならばこれは民間と同じように公務員、地方公務員も含めて定年制があるのが私はあるべき姿ではないかと思いますが、今日まで長い間この問題がそういう話題にもなり、また関係団体からその実現方の陳情がなされているにもかかわらず、非常に長い間そのままに今日まで来ておるわけですが、むしろ公務員には定年制というものはないのが正しいのだという何か論拠があるのかないのか、その点は、これは大臣でなくてもいいんですが、先にお伺いしたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 御案内のように、公務員の定年制の問題は、これはもう古い問題でございます。特に、地方公務員の定年制につきましては、御承知のように過去二回か三回になっておりますか、自治省で現実に法案を提案いたしておるわけでございますが、いまだ実現しないで今日に至っておるわけでございます。  私は、この問題につきましてはこの委員会でもお答えをしておるわけでございますが、公務員についての定年制も私はもう実施すべき段階に来ておる、このように判断をいたしております。したがって、私どもの担当いたしております地方公務員についてはできるだけ速やかに定年制の導入を図りたいと考えておりますが、しかし、地方公務員だけが先行するということも適当ではございませんので、国家公務員と並行して定年制の導入を図りたい。幸いに国家公務員につきましても、人事院におきましてあらゆる角度から検討をいたしておられて、近くその結論が出るように承っております。恐らく、その結論の方向は国家公務員についても定年制を導入すべきである、こういう方向の結論が出るように承っておりまするし、こうなりますと、国家公務員、地方公務員足並みがそろうわけでございますので、国家公務員と並行して地方公務員についての定年制の導入という方向に向かって準備をし、その実現に努力してまいりたいと考えております。

石川要三自由民主党

○石川委員 ただいまのお話を聞きますと、定年制の導入について別に何ら理論的にこれがあるべきではないということはないということであります。  ただ、そうなりますと、二回ばかり自治省としてはもくろんだようでございますが、それが実現できなかったということは、いわゆる政治的な一つの力関係という言葉が適切かどうかわかりませんが、そういう理由であったというふうに理解をしていいのかどうかが一点。  それから、いまお話しのように、やがてその結論が出て準備をしということになりますと、その見通しの時期ですね。どのくらいのときに提案される予定になるのか、その点わかりましたら、お伺いしたい。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 過去二回も法案を提案をして、それが成立するに至らなかったその原因はどこにあるかという御質問でございますが、御指摘になりましたように、やはりいろいろな意味での力関係、特に肝心の地方公務員の側が定年制の導入に非常に強く反対をし続けてきたということも御承知のとおりでございまして、そういったような事情が絡みまして今日まで実現できなかった、こういうことだと考えております。しかし、状況が非常に日本全体変わってきておりまして、私は社会的にも定年制導入はもう熟してきておる、このように判断をいたしております。  なお、その実施の時期はいつかというお尋ねでございますが、これはもう私は基本的に国家公務員と一緒にやりたい、こういうふうに考えておりますので、国家公務員の方が果たしていつごろまでにこの実施に踏み切れるか、その準備ができるのか、こういった点も十分見きわめませんと、ここで来年とかそういったような具体的な答弁をするのにはまだ時期尚早という感じがいたしますので、この点はいましばらく時間をおかしいただきたいと存じます。

石川要三自由民主党

○石川委員 次に、週休二日制について大臣の見解をちょっとお尋ねいたします。     〔委員長退席、小川(省)委員長代理着席〕  これは人事院の所管になるのかどうかわかりませんが、やはり地方行政を所管しておる最高の行政の責任者というそういう立場から御見解をいただきたいと思うのですけれども、週休二日制というのがもうかなり前からいろいろと話題になっておるわけであります。特に最近省エネルギーの時代になって、それが何かそういう理由と関係づけられていろいろと論議をされている昨今でありますが、この週休二日制ということについて人事院では、さきに国会の質問の中で、四週五休制が、あえて実行するとするならば、それが好ましいのではないかという見解が最近示されたようであります。  きょうは先に人事院の方にお尋ねしますが、四週五休というのですか、それはどういうところから四週五休という数字がはじかれたのか、まずその点をちょっとお聞かせください。

金井八郎人事院事務総局職員局長

○金井政府委員 過日内閣委員会で四週五休制という言葉を使って御答弁申し上げたわけでございますけれども、これは強いて申し上げればそういうことも一つの目安になるであろうという意味で申し上げたわけでございまして、週休二日制を採用する際の形態というものについてまだこれからさらに検討を詰める段階でございますので、その形態についてはいまだ決定しているわけではございません。週休二日制の形態は、完全週休二日制から月一回ないしは四週間に一回という程度のものまで段階がございますけれども、国家公務員の週休二日制の試行におきましては、二回にわたりましてその形態といたしまして四週間に一回の土曜日を週休二日制の対象としてテストをしてみるというやり方をいたしたわけでございます。  その場合にも、交代制勤務職員などにつきましては、もともと日曜に接着する土曜日という概念はございませんし、一般の職員におきましても、特定の土曜日に休むということについて、たとえば少人数の職種であるとか規模の小さい官署であるとか、そういうところになりますと、対応に困難な点もあるかもしれない。そういう場合には、他の日の、業務に支障のないような、土曜日の勤務時間に相当するような時間をそのテストとしてやってみるのも非常に意義があることじゃないか、こういう観点でテストをやったわけでございます。  そういうテストの経験を生かすということも一つのやり方でございますし、先ほど申し上げましたように、民間におきます週休二日制の実施の形態の中でも、月一回ないし四週五休という形は、いわば一番入り口の薄い形の週休二日制でございます。公務の場合にはいろいろ国民生活に密着した部門もございますし、いろいろ問題がございます。そういうことで、なるたけ行政サービスの急激な変化を避けるとかあるいは事務の合理化、簡素化の上に立って、民間企業で言うならば生産性の向上を図りながら導入するというのと対応して、公務能率を下げないで週休二日制を導入する。そういういろいろな配慮をしながら導入していくということになりますと、週休二日制の形態の中でも最も薄い形というのが入りやすいのではないか。そういうことが念頭にございまして、一つの目安としてはそういうことも考えられる、こういうふうに申し上げたわけでございまして、いまだこれから検討をいたした上で決めていくことに相なると思います。

石川要三自由民主党

○石川委員 もう一度ちょっとお尋ねしますが、そうすると、いま検討をいろいろとやっている、テストケース的にやっている、こういうことですが、実際、そうしますと、完全な週休二日制というのは恐らくまだまだ相当先になるというふうに思われますけれども、もしその時点が大体予測できれば聞かしていただきたいと思います。

金井八郎人事院事務総局職員局長

○金井政府委員 先生も御承知のごとく、公務員の勤務条件は、これは公務員法の二十八条にございますように、情勢適応の原則ということで、社会一般の原則に適応するように定められていくべき性質のものでございます。  人事院は、過去数年にわたりまして、わが国民間企業における週休二日制の普及の状況、年間における休日数あるいは週所定の労働時間数の対比というものをずっと調べてきているわけでございますけれども、今年も四月時点を現在調査しているわけでございますが、昨年の四月時点におきまして、人事院の調査対象といたします企業規模百人以上の事業所においては、六九・二%の普及率を持っている。それから年間休日数の差で申しますと、週休二日制を採用している企業、していない企業、全部をまとめましての年間休日数が、民間におきましては公務員と比べますと一八・四日多い。それから、週休二日制を採用している企業だけの年間休日数を見ますと、公務員に比べると二五・八日多い。こういうような格差というものもあることが判明しているわけでございます。そういうことでございますので、公務へ週休二日制の導入ということも急いで検討しなければならない。  そこで、さらに公務への人材の誘致であるとかあるいは職員の士気高揚という観点も考慮いたしますと、その導入というものについては急がれるところがあると思います。ただし、一方では、先ほど申しましたような行政サービスの急激な低下等ということについても十分に配慮をしていかなければなりませんし、さらには民間企業の中でも中小企業になりますと、大企業に比べて普及率というのはまだ低うございます。  そういうようなことも考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、試行の結果がいま集まりつつございますので、これを早急に検討した上で何らかの結論を出すということでいま作業しております。  一応その結論の出る目安といたしましては、夏の給与に関する報告を行う時期ぐらいに目安を置いて私どもの方で結論を出したいというふうにいま検討しておる最中でございます。

石川要三自由民主党

○石川委員 実はあるところでこの週休二日制の話をしたことがありますけれども、たまたま中小企業の経営者が非常に多かったわけですが、もう全然食い違った答えが返ってまいりました。いま恐らく日本の中小企業というのは特殊な経済構造の中にあると思うのですけれども、中小企業の実態から見て、いま公務員が、いろいろと数字がはじかれて、そしてその実態をよく見きわめながらやっているのでしょうけれども、いまのような赤字の国家財政、地方財政、こういう中で週休二日制というものが仮に四週五休制のテストケースとしてスタートするにしても、国民感情として納得できない、こういう点が非常にあるのじゃないかと私は思うのです。いまの説明のように、人をふやさないで、行政のサービスは低下させないでということでもしそれができるのなら、逆に言えばそれだけ過剰人員がある、合理化を抜きにすればこういうふうなことにもなろうと思うのですね。その場合にも合理化というものについては当然やらなければならないと思うのですが、ただ、物をつくるのと違いますから、そこらの点から見て、人をふやさない、そして行政レベルは下げないということで、たとえ四週五休であっても果たしてそれが完全にできますか。

金井八郎人事院事務総局職員局長

○金井政府委員 試行におきましてもその点が一番問題になったところでございまして、やはり業務を見詰め直して、業務の合理化あるいは簡素化、要員配置の工夫、そういうものをやれば週休二日制の形態によりましては、たとえば非常に厚い形態の週休二日制ということになるとなかなか問題があろうと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、四週五休と申しますのは、一週間の平均にならしますと時間数が四十四時間が四十三時間になる、計算上は一時間ということになるわけでございます。そういう工夫をいろいろいたしますれば、対応の仕方というのはあるのではないかということを中心に試行を行ったわけでございます。なお、それは、少人数職種であるとか、企業規模の非常に小さな官署、そういうところになりますとなかなか問題点もあろうかと思います。今後、試行結果をさらに十分に分析いたしまして検討を詰めていくということを考えておりますが、いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたように、民間におけるところの生産性の向上、勤務時間意識の高揚等、いわゆる企業努力というものが官署においても必要ではないかというふうに私は考えております。

石川要三自由民主党

○石川委員 そこで大臣に見解を伺いますが、先ほど私が言ったように、民間と役所を比較していろいろと話題を出すときに、いつでも問題になる人の数の問題であります。役所はそうでなくとも人はふえるばかり、雪だるま的にどんどんふえていく、こういう傾向の中で、本当に人をふやさないでそして行政サービスを低下させないでということは、いまのお話では、テストケースとすればできないこともなさそうなニュアンスでありましたが、それは確かにデスクワークのところはできないこともないと思うのですね。問題は病院その他現場、これは恐らくちょっと不可能じゃないかと思うのです。一般のホワイトカラー、そういった人と現場に働く人たちを自由に人的配置が再配分できるというような可能性があればいいのですが、労使のいろいろな関係から見て現実的になかなかそうはいかないと思うのです。口ではそういうことを言っても、実際にやることはなかなか困難性があるのじゃないか。そういう中で、私どもは常識的に考えてみてこれはなかなかむずかしいのじゃないかと思うのです。いま一般消費税までも導入しなければ国家財政ももたないというような中において、中小企業の方々がそうでなくても感情的にいろいろな素朴な疑問点を抱いておる今日、それらの点を十分に納得いけるような内容をもって説明しないと、国民は、特に零細、中小企業の経営者は、納税者という立場で大変な不満を持つことになろうと思うのです。ですから、ぜひ大臣にそこいらについて所見を承りたいと同時に、その点はひとつしっかりその守備体制をとっていただきたい、こういうふうに思うわけであります。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○澁谷国務大臣 私は、この週休二日の導入の問題は非常に大きな問題だと思うのです。欧米先進国あたりはほとんど週休二日が実施されておるというふうに伺っておりまするし、日本も、民間でも六割ぐらいはやっておるという状態になってきておりますから、公務員もそういう方向で行くのだというその方向については私も異論はございません。しかし、これをいますぐ実施に移すべきかどうかということになると、結論として、私は反対の考え方が強いわけであります。  一つは、いまいろいろとお話がございましたように、日本で六割施行されておると言っても、これはほとんど大企業ですよ。日本特有の数の多い中以下の零細企業においては、週休二日なんていうものはとんでもないというのが率直な感情だと思うのです。そういう国民感情というものをわれわれはやはり十分重視して考えなければならぬということ。  それから第二には、これもいま御指摘がございましたけれども、実はこの間閣議でこの問題がございました。それで、来年度の予算編成、一般消費税の問題等も関連して議題になったわけでございますが、その際私は発言をしたのでございまして、とにかく、来年度予算編成の最大の課題は、何といっても国と地方の財政の立て直しをどうやるかということだと思うのです。これは端的に言うとピンチの状態にあるわけですから、これの立て直しの見通しというものを立てないでいままでのように漫然と借金依存の予算編成、財政の運営というものはもうできないところに来ておる、これははっきりしておるわけですね。ですから、一般消費税というような形における増税もひとつ国民にお願いしなければならぬ、こういうことになっておるわけですから、そのためにはやはり国も地方の自治体もむだを本当に徹底的に削減して、いわゆるぜい肉の切り落としを断行しなければならぬということはもう当然の前提になっていると思うのです。  そういう中で週休二日制というものを国、地方の公務員に導入した場合一体どういうことになるか。いま御指摘にございましたように、その代表的な例はやはり病院だと思うのですよ。それから学校ですね。非常に大量の職員を抱えておる義務教育といった場で週休二日というものを実施した場合に、現在の定員で一体やり切れるかどうかということ、私はそれはとてもできるものじゃないと思うのです。そうしますると、これは相当な大増員を覚悟せざるを得ないということになってくるわけでございまして、いま申し上げたように財政がピンチである、国も地方も火の車、これの立て直しをどうやるかというこの非常事態において、大増員を覚悟しなければならぬというような週休二日制の導入を断じて急ぐべきではない、私はこのように考えております。

石川要三自由民主党

○石川委員 大臣の大変確固たるお考えを拝聴できまして私も同感するところでありますが、ひとつぜひその心構えで当たっていただきたいと思います。人事院の方ではどうも幾らか安易のような感じもいたしますので、大臣のいまの信念をひとつ大いに銘記しておいていただきたいと思います。大臣に対する質問は、以上をもって私は終わります。  次に、幼保一元化について若干お尋ねします。  まず、幼保一元化について文部省は賛成か反対か、これは直ちに来年度からどうというのじゃないのです。私は将来のあるべき一つのあり方として幼保の一元化について伺いますが、反対か賛成かをお聞かせ願いたいと思います。

菴谷利夫文部省初等中等教育局幼稚園教育課長

○菴谷説明員 お答え申し上げます。  幼保一元化、これは表現の中身としては、人によっていろろな意味合いを言われるわけでございます。その中で、端的な一つの考え方として感じられますのは、幼稚園それから保育所、この幼保を一たんやめて、そして何か新たな仕組みを考えていく、こういうのもあるかと思います。そういう考え方につきましては、文部省としてはいまとっておりませんで、学校の一環としての幼稚園、それから保育に欠ける乳幼児等を世話しますところの保育所、これはそれぞれ現在社会的役割りとして、一応制度としても必要でございますので、従来から幼保一元化という表現で考えられます事柄につきましては、あるいは先生も御存じだと思うのでございますが、三十八年以来、年長の幼児に対しては教育面ではねらいを同じようにしていきましょうということで、両省で共通理解を持ちまして、各自治体にも、あるいは団体にも連絡し、指導をしている、こういう状態でございます。

石川要三自由民主党

○石川委員 次に、同じ問題について厚生省の見解を聞きたい。

川崎幸雄厚生省児童家庭局母子福祉課長

○川崎説明員 お答えいたします。  ただいま文部省から御説明ありましたことと同様な考え方でございます。  ただいま御説明ありましたように、幼保一元化ということにつきましてはいろいろな考え方もあろうかと思います。ただ、やはり保育所と幼稚園というものはそれぞれ目的、機能というものを異にするものである。保育所で申し上げますと、母親の就労や病気などによりまして保育に欠ける乳幼児を家庭にかわって保育を行うという児童福祉施設でございます。  ただ、今日におきまして保育所と幼稚園というのが対象といたします児童の年齢やそこで実施されます保育の内容といった点で、非常に似ている面がある。これによりまして、地域によっては相互に機能が代替されているといったような事例もあるわけでございまして、こういったところからあるいは幼保一元化という議論も出てくるのではなかろうかと思うわけでございます。  しかしながら、現段階におきまして私どもとしては、やはり保育所といいますのは、ただいま申し上げましたような機能というものが今日的に求められているものと考えまして、幼稚園との関係におきましても、それぞれの目的、機能に応じた整備を図り、それに沿った運用を図っていく、そうあるべきだというふうに考えております。

石川要三自由民主党

○石川委員 そうしますと、文部省も厚生省もこの幼稚園、保育園の機能的な差異ということを前提にして積極的に一元化というものは考えていない、要約すればこういうことではないかと思います。  さて保育園、正式には保育所というのですか、保育所について伺いますけれども、この保育所のスタートは、やはり一番初めは託児所で出発したと思うのです。いまお話しのように、子供のめんどうを見るべき両親のいずれかが欠けている、保育に欠けている、こういうようなことからめんどうを見た、こういうことがスタートではないかと思うのですが、現在の保育園、保育所、現実に大体保育園と言っていますね。幼稚園と同じように園がつくのですね。保育園、保育園と言っていますが、保育園の実態についてどういうふうに受けとめられていますか。  私が聞きたいのは、いま言われたような機能的な差異から、当然保育に欠けた子供を預かるというのは何%くらい、ほんとうの厳密な意味の託児所としてのスタートの時点から見ると、あのころの、要するに子供さんを預けなければやっていけない、子供が成長できない、そういう意味のめんどうを見なければならない子供さんは一体何%くらいいると思いますか。

川崎幸雄厚生省児童家庭局母子福祉課長

○川崎説明員 児童福祉法上に規定されております施設の種別の名称といたしましては、保育所でございます。固有名詞といたしまして、具体的に何々保育園という名称を使っておられる事例も多うございます。  保育所は、ただいま委員からもお話がございましたように、沿革的にも、また現在の機能といたしましても、家庭にかわって保育に欠ける乳幼児を保育するという施設でございます。しかしながら、学齢前の乳幼児を保育するわけでございますので、単に家庭にかわった養護にとどまらず、もう一面、教育といった両面を含みました保育というものが実施されているわけでございます。したがいまして、先ほど文部省の御説明にもございましたように、保育所といえども教育の面におきましては幼稚園に準じた保育内容をやっていく、あわせてと申しますか、そういうような内容を持ちながら家庭にかわって保育に欠ける乳幼児の保育を行っていく施設だというふうに、現在の制度としても運用においても行っているわけでございます。  ただいま御指摘のように、それでは今日、本来の保育に欠ける児童ばかりではないのではないかというような御指摘もあったわけでございます。確かに先ほど申し上げましたように、一部の地域におきましてはその内容が似ているために、保育所、幼稚園が相互に機能を代替しているといったような傾向もうかがわれるわけでございますけれども、私どもといたしましては保育所の設置、さらに保育所制度の運営に当たりましては、やはり本来の目的、機能に沿った運営をやっていかなければならないと思いますし、今後もそのような努力をやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

石川要三自由民主党

○石川委員 両親の一方が病気だとか、あるいはどうしても共かせぎをしなければならないとか、そういうような理由で子供さんのめんどうを見られない。これを預かるのが保育所ですね。そういう意味の場合と、いまのような豊かな社会の中では個人的な欲望というのは無限ですから、特にマイホームの取得のためには、これは並み並みならぬ働きをしなければペイもできませんから、そういったような意味もあるでしょう。とにかくこういったような豊かな社会、そして非常に機械化された文明社会になりますと余暇もできる、それを仕事面で、あるいはまたその他でさらに活用したいという、そういう意味で、むしろ子供をどこかへ預けてそれから勤めたい。逆に、子供のめんどうをどうしても見られないから預けるというのじゃなくて、子供を預けてさらに豊かな生活を送りたいための職を求める、結果的には同じなんですね、子供さんにとっては。保育に欠けていることは同じなんだが、内容が違ってきたと思うのですよ。後者のように、さらに人生をエンジョイしたい、豊かな社会をエンジョイしたいということで子供さんを預けるというものは、むしろ保育所として当初の原点に返れば、これは範疇外だともしするならば、純粋に保育に欠けた子供は一体何割ぐらいいるだろうか。私の想像では、恐らく一〇%か一五%か、そのくらいではないかと想像するのですが、私の質問が数字的に大変違いがあるということであるならば指摘をしていただきたいのですが、その点どうですか。

川崎幸雄厚生省児童家庭局母子福祉課長

○川崎説明員 お答えいたします。  委員からただいま御指摘のございました今日の傾向というものも、確かに否めない事実ではなかろうかと思うわけでございます。確かに、かつての保育所に対しますいわゆる保育需要といいますものは、母親が働かなければ生活をやっていけない、そういったようなものが典型的な保育需要であったろうと思います。ただ、その後、時代の趨勢とともに、ただいま御指摘のございましたようなあるいはより高い消費生活を求めるために就労されるといったような傾向もあろうかと思います。あるいは育児に対します母親の養育意識の変化もあろうかと思います。もちろん母親の社会への進出、こういった傾向も年々進んでいるわけでございます。そういったようないろいろな社会経済情勢の変化を受けまして、保育需要もかつてとは違いました内容、あるいは保育需要の多様化といった傾向は確かに進んでいると思うわけでございます。  ただ、いま御質問のございました、それでは本来の純粋な保育需要はどのぐらいの割合かと申されましても、それは私どももちょっと推測しかねるというのが率直な気持ちでございます。

石川要三自由民主党

○石川委員 パーセンテージはわからないですね。確かにこの内容を、純粋に数字をつかむことはなかなかむずかしいかもしれませんから、それはいいとして、非常に矛盾を感じるのは、たとえばここに十人なら十人の、国の立場から見て措置すべき子供の家庭があるとする。ところが、希望者が十五世帯ある。そうすると、五世帯がオーバーするわけですね。そういったような場合、十名は入れるんだが十五人いるんだ、その選び方、十五人の中から十名を選ぶ場合、これは完全な共かせぎのところがまず第一優先ですね。その次には、パートだとか内職だとか、だんだん変わってくるのですね。だけれども、これはむしろ経済的な個人の理由をちょっと別にすれば、本来ならば子供さんのためにできるだけそばにいてやりたい、だけれどもちょっと余暇があるから内職をしたいという人が一番最下位なんですね。そして、子供には冷たいかもしれませんが、さっさと、もうおまえも相当大きくなったからと預けて、仕事をして、自動車も買って、月賦も払って、愉快な人生を送りたいという人が最高順位なんですね。まことに矛盾がある。そういう傾向が自分の未熟な体験からして大変多いわけなんです。そういう現況を見て、しかもその子供さんは、ただ単に駅の荷物預かりと違って、やはり人間である限り預かるだけではないんだ、教育もやるんだとなれば、ましておや幼稚園的な面が非常に大きくなってくるわけですね。幼稚園の方はどうかというと、もっと長く預かってもらいたいという、保育園の持っているそういう面の要望が強くなる。ですから、もう三十三年たった今日、幾年からこれが始まったかわかりませんが、託児所から始まって、今日世界第一位、二位を争うような経済大国になった日本の社会の中で、いつまでもこの姿が——確かに法律では機能的には分かれておることも事実であります。しかし、社会の大きな変革に対応していない、この行政がきわめておくれているんじゃないか、時勢に追いつかない、あるいはまた失礼な言い方かもしれませんが、それだけの対応に対する情熱が担当の人に欠けているんじゃないか、私はこう言わざるを得ないのです。ですから、あるべき姿として、細かいことはいずれにしても、私は幼保は一本化すべきだという主張者なんですが、将来の展望として、なるほどな、そうだという御意見になるのか、そうではないという御意見になるのか、その点を簡単に結論でいいですが、もう一度お聞かせをいただきたいと思うのです。

川崎幸雄厚生省児童家庭局母子福祉課長

○川崎説明員 お答えいたします。  現在の考え方はどうかということになりますと、先ほどお答えしたとおりになるわけでございますけれども、確かに現在の保育所に置かれました問題、課題というものは私どもも十分認識しているつもりでございます。もちろん、幼保の問題につきましても、将来、幼児の保育ないし教育といったものに対します社会の考え方が基本的に変わっていく場合に、幼保の一元化というのも一つの考え方ではあろうかと思われます。しかしながら、当面は先ほども申し上げましたような考え方のもとに、ただ現在置かれました保育所の保育所制度、あるいはその運営につきましても多くの問題を抱えているということにつきましては、今後とも真剣に取り組んでまいりたいと考えております。

菴谷利夫文部省初等中等教育局幼稚園教育課長

○菴谷説明員 先生のいまのお話を、簡単にということでございますが、現在、いろいろな議論の根拠を集約して、それがまさにそのとおりですということは言えませんが、半分個人的考え方になりますが、将来の問題として十分検討するべき課題ではないかと思います。しかし、現状ではいろいろとむずかしい問題もありますので、現在のところはそこまで考えてないということでございます。

石川要三自由民主党

○石川委員 まことにわかったようなわからない、うまく答弁されたのですけれども、否定はしてない、何といいますか、検討……。検討というのはまことに幅の広い言葉なんですが、私のいまの意見に対してもう少し積極的に——いまの現状から見てむずかしさは確かにあるでしょう。あるでしょうが、将来そのような方向に行くことは、細かいことは抜きにして、大綱としては賛成だというふうにお二人の見解がそこまでまだいっていないのですが、そこまではどうしてもいき得ないものがあるのかどうか。将来展望ですよ。来年、再来年なんという問題でなくても結構なんです。将来は、確かに御指摘のようなんで、そういう方向に行くべきだと思うと言えるかどうか、もう一度……。しつこいようですが、何だか、わかったようなわからないような答えなのですが、もう少し簡単に回答を求めたいのです。

川崎幸雄厚生省児童家庭局母子福祉課長

○川崎説明員 将来の方向として行くべきかどうかということも、ただいま申し上げかねるわけでございますけれども、一つの考え方であろうと思います。

菴谷利夫文部省初等中等教育局幼稚園教育課長

○菴谷説明員 方法としてそういう制度を一本にするかどうか、あるいは実質的に確保できるか、その方途はいろいろあると思いますが、同じ幼児に対する教育的等の効果については、同じようにサービスする、そういうふうに検討していくべきだと思います。

石川要三自由民主党

○石川委員 どうも満足する答弁じゃございませんが、それ以上進展しないようでありますから、以上をもって打ち切りたいと思います。  あと、時間があればちょっとそれに関してもう一度聞きたい点が一点ありますから、まだ席にとどまってもらいたいと思うのです。  次に国民年金の件についてお伺いしたいと思うのですが、御承知のとおり印紙制度がいま採用されているわけですが、これは素人的に判断しても何かずいぶんめんとうくさいことをやっているというふうに感ずるのですけれども、どうしても印紙制度というものでなければまずいのかどうか、まずいとすればその理由——私はやはり印紙制度じゃなくして現金でこれが決済できるような方法というものは法律を改正すればできるのじゃないかと思うのですが、その点の見解をひとつ。

阿藤正男社会保険庁年金保険部国民年金課長

○阿藤説明員 お答え申し上げます。  先地も御承知のとおり、現行では会計法の制約もございまして、印紙制度を採用いたしておりますが、現実の市町村の被保険者の実態にかんがみまして、実行上、運用上は現金で納めていただくというような措置をとっておりますので、実態上は現金納付と変わっておりませんけれども、しかし今後納付方法全般の制度問題につきましては十分検討してまいりたいと考えております。

石川要三自由民主党

○石川委員 確かに市役所などへ行ってみますと、私もかつてその立場におりましたからその一例を振り返って申し上げますが、たまたま年金を集めていただくのを婦人会等にお願いをして、実際にはお金を集めていただいているわけです。そのお金を、市役所はあらかじめ基金を設定しておりまして、そして印紙を保存しておる。そのお金で印紙を張って、それをさらに、実際にお金をいただくと同時に消すというのですか、そういうようなことでやるのですけれども、どうしてああいうことをやらなければならないのか。あれは法律改正すればもっと実際にお金が集まる。そのお金をさらに年金の事務所へ届けるというようなことで簡単にやれるのじゃないかと私は思うのです。そういうことによって省力化ができると思うのです。それは法律を改正すればできないことはないと思うのですが、どうしてそれをやらないのですか。

阿藤正男社会保険庁年金保険部国民年金課長

○阿藤説明員 現在の会計法、これは御承知だと思いますが、都道府県知事の段階までしか国の歳入を扱うという事務運用をいたしておりませんので、それからもう一つは、当初印紙売りさばきというものを市町村以外にも広くやっていただくような趣旨もございましてこの印紙制度というものが発足したと聞いておりますが、いま申し上げたような、御指摘の現段階における納付の実態という問題が確かにございますので、御指摘の点も含みまして、現在の実態はそうなっておりますけれども、市町村段階の取り扱いも含めまして、この納付方法全般の改善につきましては、今後そういう関係当局とも相談いたしまして検討を進めてまいりたいということでございます。

石川要三自由民主党

○石川委員 そうしますと、検討するというのですが、法律を改正すればいま私が言ったようなことも可能なことはあるわけですね。それも含めてやるわけですね。——はい、結構です。  次に、生活保護法による扶助費の級地の点について若干お伺いしたいわけであります。  この級地は四段階になっておったのが、現在改正されて三段階になっているわけでありますが、総論としては、日本列島全体を見て全部がすべて等級の差がないというのはどうかということは当然でありますけれども、実際に級地の設定に当たっての線引きが非常に非合理的な面がある、そういうふうな点は鋭意努力をされていると思いますが、非常に遅々として進まない煮があるわけであります。  たとえば東京都の多摩地区の実態を見ますると、本当に生活実態から言って何ら変わってないようなところでも級地が分かれているということはまことに理解に苦しむわけですが、どういうわけで級地が一本化されないのか、この点についてまず御意見を聞きたいと思います。

山内豊徳厚生省社会局保護課長

○山内説明員 お答え申し上げます。  五十三年度から初めて四級地がなくなりまして、一級地、二級地、三級地と三段階に直ったわけでございますが、確かに御指摘のように、たとえば二級地の中での見直し、あるいは三級地の中での見面しが実はその後まだ着手されていないわけでございます。したがいまして、先生の御指摘は、かいつまんで申し上げれば、その後の個別の市町村の見直しが進んでいないということの理由をお問いになられたことになろうかと思いますが、実は私ども幾つかの経済指標に着目して鋭意作業をやっておるのでございますが、二つばかり問題点にぶつかっております。一つは、東京都下で議論します場合に経済指標を使う意味合いと、ほかの府県で議論します場合と、どうも同じように数字が扱えない事情が一つございます。したがいまして、作業の一つの目的は、できますことなら日本全国を通じて級別の説明になるような指標をまとめられないだろうかという問題点が一つございます。もう一つは、五十年代の問題点かと思いますが、昭和五十一年、五十二年ごろまでのいろいろないま申しました経済指標をつかまえてみますと、五年なら五年の国勢調査の間に人口の伸び率とか経済のデータが非常に動いておりましたものですから、ある意味ではその動きに着目しまして級地を引き上げるということにわりあい数字の資料が出るような情勢であったのでございますが、確かに四級地を底上げするという点では大きなデータをつかみ切ったのでございますが、さて三級地にそろった中でどれが二級地にふさわしいか、あるいは二級地の中でさらに一級地に引き上げるべきものはどうかということになりますと、ここ二、三年のデータを比べますと、必ずしも人口の伸び率なり、特に都会における人口の集中度の伸びが少ないということでございます。したがいまして、初めに申しましたいろいろな経済的な数量を使う場合に細心の注意を払いませんと、たとえば雇用者割合、人口の中におけるサラリーマンの割合が五%違うからそこでランクが違うというように思い込んでおりますと、必ずしも五%の差が出てこないけれども、ほかの点でいま御指摘のように、大都会に近接した地域で都会化と申しましょうか、消費の内容が都会的になっているところもあるわけでございます。したがいまして、端的に申し上げますと、その二つの点に着目しながら、できる限り説明のつくもので、かつ、むしろ先生の御指摘は個別の市町村の扱いの問題にもなろうかと思いますけれども、その個別の市町村の実態をつかまえて、できるだけ早い機会に見直しを図りたいという作業をしている段階でございます。

石川要三自由民主党

○石川委員 作業はしているというのですが、実際東京都下のそういったような級地の変更、是正というものは戦後何回くらいやられたのですか。

山内豊徳厚生省社会局保護課長

○山内説明員 東京都下に関してだけの資料をちょっと手元に持ってきておりませんが、四十年代以降をとりましても、先ほど申しました四級地を三級地に上げるという大改正と申しますか、大改正を除きますと、大体三年に一度ぐらいの手直しをやってきております。その間で、東京都下は現状を申し上げますと、これはもう御承知のことだと思いますが、むしろ一級地の市町村数が二十三区のほかに二十台、それから二級地の市町村が十以下であるというようなことでございますので、恐らく東京都の場合はごく近年の見直しは余り頻度がなかった方に入るのではないかと思っております。ちょっと正確な数字は手元に持っておりませんが、傾向としてはそういうふうに申し上げて間違いないと思います。

石川要三自由民主党

○石川委員 ごく最近の手直しはしてないというようなことでございます。しかし、都心からむしろ郊外へという、いま人口が非常に大きな流れをしておりまして、むしろ多摩ニュータウン等が造成されている今日はきわめて顕著に都市化が進んでおる。こういう中においては全く生活実態は何ら都心と変わらない現状であります。こういう中でいつまでもやはり格差を置くということは、これは市当局だけではなくして、これを受給される方々も納得できないだろうし、まことに行政が社会の変動に追いつけない、そういうような一つの姿ではないかと思いますので、これはきわめて早急にひとつ手直しをしていただきたい、こういうふうに思います。  以上をもって質問を終わります。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員長代理 次回は、来る二十九日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時二分散会

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