地方行政委員会 第12号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1979/05/24
会議録
○松野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る消防施設強化促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山利生君。
○中山(利)委員 消防施設強化促進法の一部改正に関連いたしまして、ごく短くでございますが、御質問をしたいと思います。 自治体消防が発足をいたしまして昨年で三十年になるわけでございますが、この間の経緯を踏まえまして、現状をどのように掌握されているか、また今後いろいろと変化をしてまいります社会情勢の中でどのような消防行政のあり方が望ましいかということにつきまして、大臣から御感想をお伺いしたいと思います。
○澁谷国務大臣 最近はやはり災害が非常に複雑になり、また多様化しておるというのが一つの特徴だと思います。こういう事態に対応して、消防のこれに対応する体制を整備しなければならぬ、こういうことだと思いますが、その中心はやはり消防施設の科学化、近代化、これを推し進めるということが中心の課題ではないかと考えまして、そういった線に沿って毎年着実な努力を積み重ねておる、こういうことでございます。 それからもう一つ消防にとって大きな問題は、大規模な地震の発生ということが盛んに心配されておる状況、そういうことで大規模地震に関する特別措置法がつくられたわけでございますから、私どもはそういった特別措置法の対象になる地域内における大地震発生の際の防災計画というものをしっかりと打ち立てて事前の体制を整備しておかなければならぬということで、これが一つの重点事項と、こういうふうに考えております。 いずれにしましても、この消防の任務というものを完全に達成するためには消防だけの力では十分ではないわけでございます。あくまでもやはり地域住民の理解と支持のもとに地域ぐるみのこういった災害に対処する体制というものを整備していかなければならぬ、その中心に位するものが当然われわれ消防である、こういう認識でせっかく努力を重ねておるところでございます。
○中山(利)委員 まさにそのとおりであろうと思うのですが、いま大臣がおっしゃいましたような消防行政の推進、防災の万全化という意味から言いまして、このいま審議をしております特例措置、これは五年間過ぎてこれからまたさらに五年間期間を延ばそうということでございますが、過去の五年間どのような実効を上げておりますか、長官からひとつ説明をしていただきたい。
○近藤政府委員 強化促進法によりまして昭和四十九年から五十三年までの五カ年間、人口急増地域における消防施設の整備につきましては、通常の国庫補助率三分の一を二分の一にするということで、年々私どもといたしましてもそれらの地区に対する補助金の増額に努力してきたところでございまして、この五年間で総額七十六億円程度の国庫補助金が人口急増地区に投入されております。このことによりまして、人口急増地区の消防基準に対する充足率も年々増強が図られてきておるわけでございます。 御承知のように、人口急増地区というのは、人口が急にふえますと、それに伴いまして消防施設をどうしても置かなければならない。しかも、四十九年から五十三年という年は地方財政も低迷下にあった年でございまして、もしこの法律なかりせば消防基準に対する充足率というのももっと落ちてきたであろうということが予測されます。 そこで、現在の人口急増地区における消防基準に対する施設の充足率を見てみますと、消防ポンプ自動車におきましては六二・八%、それからはしご付消防ポンプ自動車については五三・九%、化学消防ポンプ自動車については六七・四%、消防水利については七一・三%ということで、消防庁が基準として定めております消防力の基準あるいは消防水利の基準に基づき、それぞれの団体が自分のところの町の消防力はこうあるべきであると積算しました数字をこれは積み上げたものに対する比率でございますけれども、したがって、私どもの基準そのものを適用すればなおこの率というのは縮まるかもしれませんが、いずれにしても、それぞれの町においてこれだけ要るというものに対しまして、なおこういった低い率にあるわけでございます。 そこで、人口急増の状況がとまっておるかと申しますと、御承知のように全体のわが国の過疎過密といった言葉で表現される急激な人口の流動というのはとまったようでございますけれども、大都市あるいは地方の中都市以上の周辺地区につきましてはなお人口がふえておる。したがって、そういう団体については早急に消防施設を強化しなければならないという事態にあることは事実でございますので、なお、五年間、従前どおり通常の補助率を上回る補助率でこれらの団体に対しては交付したいということで本法律案を提案しておる次第でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○中山(利)委員 さらに五年間この特例措置を延ばしたいということでございますが、過去の五年間における効果というものはただいま承ったとおりでございますが、これは今後五年間にどのくらいの人口の増加率があるか、また消防施設等の需要があるかということを想定した上で、五年たてば大体充足するであろうということで五年間延ばすのか、あるいはいまお話があったように、これからも人口急増というものは引き続き続くであろうからとりあえず五年間延ばしておこうというのでありますか、どちらでありましょうか。
○近藤政府委員 両方の意味を含むかと思います。この人口急増の状況は——もしこの法律が施行になるといたしますと、本年度で指定いたします団体は二百四十三を予定しております。実はこの二百四十三団体という数字は四十九年当時からほとんど変わっておらない。ただ、その団体の中でいろいろ人口急増がとまったり、あるいは新しく人口急増になったりという団体がございますもので、したがって、五年後になればどの程度の水準になるかということはなかなか想定が困難でございます。ただ、しかし、それぞれの団体におきまして消防施設整備の計画を持っておりますので、大体五年程度をめどとして自分のところの消防力の基準に適合するように施設を整備していこうということで、毎年私どももそれに協力し予算措置を行っておるところでございます。 御承知のように、消防施設につきましては国庫補助制度が普及しておりますけれども、その国庫補助につきまして明年度幾ら、何台措置するか、どういったものについて何台措置するかということは、地方団体の要望を受けてそれを予算化する、先生方のお力等にもよりまして大体要望そのものをここ数年来認めておるというような状況でございますので、今後の国の財政事情によってどうなるか、あるいはそれらの地域の人口急増の状況がどうなるかによりまして基準そのものが変わってくるということもありますので、何%になるという的確なことは申し上げられませんけれども、地方団体が要望しておる消防力の基準に近いもの、あるいはそれを達成するようになるもの、それぞれの団体においてそういうように持っていきたいと思っております。
○中山(利)委員 せっかく期間を延ばすことでありますから、そういう需要にこたえて十分に効果が上がるように御努力をいただきたいと思います。 それから、先ほど大臣がおっしゃいましたような消防、防災体制の整備ということから、ここ数年広域消防等による常備消防といいますか、常設消防といいますか、そういうものの普及が非常な勢いで伸びてきているわけでございますが、どの程度の普及率になっているのか、またその中から、一つの市なり町なりの消防署が急に広域化ということで幾つもの署や分署に分かれ、一時的な消防力、消防能力の低下というようなものも考えられるわけでございます。そういう中で、私は、消防というものはあくまでも市町村固有の問題だという原則があるようでありますけれども、こういう広域消防ということになりますと、やはり広域消防は組合なら組合の中だけの問題だけでなくて、少なくとも県単位ぐらいの大きな、技術とか、能力とか、組織とか、組織の運営とか、そういうものの平均化といいますか、水準を並べていくという必要があるのではないか、そういうことで各消防署によって、みんな消防長や消防署長の指導者の考え方でいろいろな、ばらばらの、特色があると言えば聞こえがいいんですけれども、中にはどうも感心できないような運営をしているところも見受けられるような感じがするわけでございますが、少なくとも県単位ぐらいで人事の交流であるとか、技術の交流であるとか、技術の援助であるとか、そういうものによって消防全体のレベルアップを図っていく、そういうお考えはないでしょうか。
○近藤政府委員 社会情勢の変化に伴いまして、従来の義勇消防である消防団だけでは万全の消火体制がとれないということで、消防の常備化ということを戦後私ども一貫して進めてきたわけでございまして、現時点におきましては全人口の九五%をカバーする地域におきまして常備消防が設置されておるという状況でございます。ただ、消防本部は全国で現在八百有余あるわけでございますが、その約半数が単独の市町村で消防を保持し、半数は広域消防による本部という形になっておるわけでございます。そこで、自治体、市町村消防でございますので、それぞれの組合消防なり単独で置いておるところは、それぞれの消防本部なりによりましてその地域の消防、防火体制を確立すべくいろいろ研究を進めておるところでございますけれども、先生御指摘のように、その中にいろいろな格差があるということは事実でございます。私ども見ましても、東京都を初めとする大都市消防は、これは世界の最高水準をいく人的、物的要素を備えておると思っておりますけれども、中小都市の消防あるいは組合消防などになりますと、まだまだ人的、物的面では水準が非常に低いものも少なくないという気がいたします。全国的な消防力の強化という意味におきまして、それらの消防の水準を高めていくということは何よりも必要でございます。そのためには、そうした小さな消防におきましても、人的交流あるいはいろいろな技術、知識等の普及教育、そういったことが何よりも必要であると思っております。ただ、しかし、たとえば人的交流にいたしましても、市町村間の給与格差その他もろもろの事情がありまして、なかなか思うように進んでおりません。したがいまして、私ども人事のあっせんは都道府県の事務ということにしておりますので、都道府県の関係者の集まる機会ごとに、市町村間の人事交流等によって全体としての消防力を高めるようにということを要請しておるのでございますけれども、今後ともこの努力は続けていきたいと思います。 なおまた、私どもの消防研究所を初め幾つかの消防研究機関があるわけでございますけれども、そういった試験研究の成果等につきましては絶えず全国に流して、これによって研修してもらう、これを利用してもらうという体制は今後とも続けていきたいと思っております。
○中山(利)委員 先ほど大臣が言われましたように、大震災対策とか水害の問題、あるいは後から私も御質問しようと思うのですが、原子力災害の問題、いろいろな災害の中で、行政的な消防署なりそれに準ずる消防団なり、そういうものの整備を図ることももちろん結構でありますけれども、やはり災害に対して一番大事なのは一般の国民の理解と協力を得ることだと思いますし、特に今度の法律が適用されるような人口急増地帯での一般住民の、自分たちの地域を自分たちの手で守るという意識が非常に少ない、希薄なところで、ただそういう行政的な、また施設の面の整備だけで果たして防災の万全が図れるのかどうか。また、大災害のときなどには避難というようなことも重要な問題になってくると思いますし、実は私の隣町に藤代町というのがあるのですが、ここの非常に湿地帯の、ちょっと大雨が降るとすぐに庭がたまってしまうようなところに新しい団地ができまして、その団地の人たちの水害のときの避難場所をすぐわきにある小貝川の堤防に指定したところが、なぜわれわれをそんなところに避難させるのかと町長に対して食ってかかった人がいるというようなこともありまして、平素からの防災全般に対する市民の理解と協力というもののPRというものが非常に大事だろうと思うのですが、その点につきましてお考えを聞かせてください。
○近藤政府委員 地域ぐるみの防災体制ということを私ども本年度の消防庁の最大目標としてPRしておるところでございます。 消防施設につきましては、まだまだ不十分な点もございますけれども、年々整備強化されてきておるわけでございます。しかし、人の面におきましては、まだまだ不十分な点がある。もちろん消防に直接責任を持つところの消防職団員についての強化、これは当然でございますけれども、それだけで事が足りるわけではない。特に昨年ありました仙台の大地震、あの教訓によりましても、あの場合には電気もとまり、道路は交通麻痺で動けない。そうなってくると、消防団も消防署もお手上げという状況でございます。救急車も走れないので、近所の人がけが人を病院に連れていかなければならないということでございます。 そういった大震災、風水害あるいは原子力の問題、そういった大規模災害というものを想定いたします場合に、これから必要なことは、やはりそれぞれの地域の方々が自分たちの地域は自分たちで守るという考え方を強く持つことじゃなかろうか、それがいままで一番欠けているのじゃないかという感じがいたします。消防庁といたしましても、従来、特に火を使う機会の多い御婦人の方々に対しまして、婦人防火クラブをつくっていただくよう慫慂しておるところでございますが、現在百万を超えるクラブ員を擁しております。それから、こういう消防思想の普及ということは子供のときからしっかりやる必要があるということで、文部省とも相談いたしまして、少年消防クラブの育成ということもやっておるわけでございまして、現在会員数四十万を超えるような状況でございます。しかし、こういったものをばらばらでやっておるという状況ではだめなんでございまして、私どもはやはりそれが地域的に連携をとる、その地区における消防署、消防団、婦人クラブ、少年クラブといったものが中核となって、地域住民一丸となってその地域を守ろうという体制づくりが必要なんじゃないかという考えを持っております。 たまたまこの数年来、自治省といたしましても、地方自治の根っこであるところのコミュニティー活動というものを強力に展開しておるわけでございます。コミュニティー活動というのは自分たちの地域を自分たちで住みよくしていこうということだと思いますが、その基本は、やはり自分たちの地域は自分たちで守るということだろうと思いますので、コミュニティー活動の基礎をなすものとしての防災意識の高揚を私ども今後とも最大重点施策として展開してまいりたいと思っております。
○中山(利)委員 そういうコミュニティーの精神などをその地域の住民、新しい団地等の住民に普及するためにも、消防活動など身近な問題を通じて住民に普及をしていくというのも非常に大事なことなのではないかと思いますので、よろしく御努力をお願いしたいと思います。 時間も余りありませんから、先へ進みますが、実はいま、住民の協力、理解という意味で、アメリカのスリーマイルアイランドで起きた原子力発電所の事故の問題、これは原子力発電所は安全だ、安全だということで今日までまいりましたし、われわれも、詳しく聞いてみたところでなかなか理解できるような問題ではありませんから、専門家の御意見を尊重して今日まで来たわけでございますが、現実に、考えられないようなちょっとした機械の故障、それから発したまた人為的なミスというものがいろいろ重なりましてあのような事故になったわけでございます。しかし、原子力発電所は最悪の場合でもそれほど大きな災害は起きないであろうということでございますけれども、われわれは素人でありますから、原子力発電所に事故が起きた場合は原子爆弾が爆発をするようなそういう災害が起きるのではないだろうか。地域の人たちは、原子力発電所ができるということは原子爆弾を毎日抱えて寝ていると同じような不安感を持っているわけです。ですから、そういう問題につきましては、スリーマイルアイランド事故発生後の事故対策、避難その他の措置を新聞等で拝見いたしましてもやはりなかなか容易なことではない。地震だとか水害だとか大火災だとかというものは、目に見える、どのくらいのものが来たらどの程度の被害があるのかということは一般の人にもある程度わかるわけですけれども、原子力災害の場合はもうほとんど一般の人にはその想定ができない。したがって非常な不安感を与えるわけでございますし、茨城県も東海村に古くから研究所がございます。スリーマイルアイランドのときには、十六キロとか三十二キロとかという範囲の人たちの避難というようなことが問題になったようでありますけれども、もし東海村でそのような事態が起きた場合には、たとえば水戸市という二十万以上の都市がその範囲内に入るわけでございます。原子力は安全、安全といままで言われておりますが、その安全というのはあくまでも原子力施設の安全であって、災害が起きないということになっておりましたが、こういうスリーマイルアイランドという一つの前例ができたわけでございますから、まあ確率としては非常に低いという学者の説がありますけれども、幾ら確率が低くても実際に発生し得るということが実証されたわけでありますから、そのもう一つ先の、もし事故が起きた場合の住民の安全ということをやはり十分に考えていかなければならない。私どもが承るところによりますと、原子力施設の方の安全対策と、それからもし万一事故が起きた場合の災害対策、住民の避難、救助といったものとの間にどうも一貫性が欠けているのではないだろうか、またお互いの間の意思疎通が欠けているのではないだろうかというふうな感じがいたしまして、今後大事なエネルギー政策の中の原子力行政を進めていく上にも、そういう問題の万全を期して国民の理解を得ながら推し進めていかなければならないと思うわけでございます。 けさの新聞を見ますと、これは毎日新聞ですが、「国が「防災対策」暫定指針」という記事が載っておりまして、これを拝見しますと、大体災害発生後の対策につきましては考え方としては大変適切な措置がとられたのではないかと思いますが、地域防災計画の中での、たとえば知事さんとか市町村長さんたちとの防災の連携というものをどのように効果的に活用できるのかというような問題がございます。細かく聞こうと思ったのですが、そういういま申し上げたような対策はどうなっているのか。それから施設の安全性、周辺住民の安全性両面から、それから発生後の対策というものについてどう考えているのか、それぞれ通産省、科学技術庁、消防庁といったところから順次お伺いしたいと思います。
○木下説明員 通産省では原子炉施設の中における安全性の問題を取り扱っております。原子炉施設につきましては、原子炉等規制法とそれから電気事業法という二つの法律がございまして、それに基づきまして、新設の場合には安全審査を行い、建設直前には使用前検査を行い、それから運転中には定期検査を行うという形でそれぞれ検査を行っておりまして、事故が起こらないような運転ができるように配慮いたしております。 それでまた会社に保安規定というのをつくらせておりまして、これも通産大臣が認可する形になっておりまして、その保安規定によりまして万一故障、事故等が起こりましたときにもその事故ができるだけ拡大しないようにさせるような措置をとっております。ただし、万一事故が起こりましたようなときには直ちに国及び地方公共団体の方で措置をとる必要がありますので、会社の方に対しましては、事故、故障等が起こりましたときには直ちに国、地方公共団体に連絡させるようにというようなものを保安規定で明記し、あるいは会社と地方公共団体との間の取り決め等によって行っております。 今回のスリーマイルアイランドの事故に関連いたしまして、通産省といたしましては、会社の自主的な保安体制だけでは必ずしも十分ではないというふうな感じがいたしますので、今後発電所の現地にもできるだけ常駐の検査官等を置くような形で処置してまいりたいと考えております。
○辻説明員 施設の安全性等につきましてはただいま通産省の方からの御説明のとおりでございます。科学技術庁といたしましては、原子力安全委員会の事務局といたしまして施設の安全面につきましても関与しているわけでございますが、原子力安全委員会初め科学技術庁全体といたしましても、今回のスリーマイルアイランドの事故はきわめて重要な意味を持つものであるということで、これを謙虚に受けとめて今後の安全施策にさらに万全を期していきたい、かように考えているところでございます。 そういうことで施設の安全施策の万全の強化ということはもちろんでございますけれども、しかしながらやはり人間のつくったものでございます。万一の場合についての対応がなければならないということでございまして、この面についての検討もあわせて進めていくという方針で参っているわけでございます。 事故の直後、内閣総理大臣の御指示によりまして、関係省庁相集いましてこの防災対策の問題についての協議をいたしたわけでございます。先生御案内のように、原子力の防災につきましては、すでに災害対策基本法によって原子力災害につきましてもカバーされることになっておりまして、現に原発の設置されております七つの県におきまして、あるいはその市町村におきまして防災計画が立てられておるということでございます。 ただいま問題になりましたのは、そういったような意味で制度的には一応原子力防災体制というものはでき上がっておるということが言えるわけでございますが、実際に起きた、そして運用する場合に、関係者の間に原子力の知識が不足しているとかいうような点から果たしてこの制度がうまく運用できるかどうかという点については関係者余り自信のない面が多いというようなことがございまして、こういう面から現在の一応の体制を全般的に再点検するという方向でやっております。 四月二十七日に関係省庁相集いまして当面の施策というものを決めまして、これは緊急の問題として整備していく。たとえば科学技術庁及び通産省におきましては、これらの原子力知識を各地方公共団体における防災対策に生かすように、災害が起こった場合には原子力安全委員会あるいはそこの専門部会等の方々の専門家をあらかじめノミネートしておきまして、これを急遽集めて諸般の技術的な助言に応じられるようにするといったような施策を初め幾つかの施策を緊急に取りまとめる。さらに原子力安全委員会におきましては、防災対策についての諸般の技術的、専門的事項で現在あります基準に加えてさらに詳しい、実際に地方の方々が運用可能なようなマニュアルをつくっていこうという考え方のもとに原子力災害に関する専門部会を設置いたしまして、これは先日の月曜日に第一回の会合を開きまして、できれば秋までに一定のものをまとめていくというようなことで鋭意進んでいるところでございまして、防災対策につきましても今後一層力を入れてまいりたい、かように存じておるところでございます。
○近藤政府委員 ただいま原子力安全局の方から御説明になったことに尽きるわけでございますけれども、御承知のように関係地方公共団体におきましては災害対策基本法に基づく地域防災計画をそれぞれつくっておるわけでございます。現在運転中の原子力発電所を持っておる県は七県でございますが、この七県は現在すべて地域防災計画の中で原子力災害があったらどうするかというその対策、避難方法等について定めておるわけでございます。それ以外に原子力について特に関心がある県と申しますか、青森県、神奈川県、京都府、そういったところも地域防災計画の中で原子力災害を取り上げております。 それから市町村でございますけれども、現在運転中の原子力発電所を持っておる市町村は十一市町村ございます。そのうち七カ所につきましては地域防災計画ができておるわけでございますけれども、四カ所については現在検討中ということでございまして、策定作業を行っておるところでございます。 ところで、現在の地域防災計画は、もし原子力災害があったならばどういった方法をとるか、具体的にどういうように避難するかというようなことまで詳細に規定してございまして、たとえばその一番モデルとも申しましょうか、東海村を含むところの茨城県の計画におきましては、約三十ページにわたる詳細な計画が定められております。ただ、しかし、原子力は安全であるという前提のもとにこの計画ができたというようなこともございまして、果たしてこれで十分なのかどうかという地域の住民、地方団体の不安はぬぐえないものがあるわけでございます。 そこで、先ほど原子力安全局の方で御説明ございましたように、関係十五省庁相寄りまして、今回のスリーマイル島の事件を契機といたしまして、原子力災害が発生したらどうするのだということをいま掘り下げて検討しているわけでございまして、その結論が出次第、従来の地域防災計画を練り直すところがあるならば練り直したいと思っております。
○中山(利)委員 時間がありませんので終わりますが、消防庁長官のお話を承りますと、もう一切そういう対策はでき上がっているから心配ないという大変心強い御答弁でございますが、そのしっかりでき上がっていると言われております茨城県の消防担当者が非常に不安に駆られているわけです。 それは第一に、災害の想定、どういう種類の災害が起き得るのかという想定などにつきましても、またその災害が起きたときの情報の流れ、そういうことにつきましても非常な不安を持っている。いま何か二十四時間何とかというのがあって、その二十四時間以内に解消し得るような事故については通報しなくてもいいとか、そういう施設の担当者の方ではなるべく素人には実情を知らせない方が安全だというようなお考えがあったようでございますけれども、そういうことで非常な不安を持っておりまして、もっと強力な情報伝達、またそれに対する対応が強力にできるような、そういう新しい特別法などの立法も要望をしているような実情でございます。ただ、非常にかたいと思われました科学技術庁の方で、いま辻安全課長から大変柔軟なお話を承りまして大変心強く思っていたわけでございますが、大臣、今後の大事なエネルギー政策、原子力をどうするかといったようなこと、これはやはり全国民的なコンセンサスのもとで行わなければならないと思うわけでございますが、いま各省庁からお話がありましたように、原子力施設そのものの安全ということもこれも一番大事なことでございますが、もし万一の災害が起きたときの対応、それから原子力施設というものについての一般国民の理解を得る。アメリカなどでは原子力戦争というようなものを想定しまして、いろいろ避難の設備あるいは避難の方法等についてかなり強力な規制ができているということでございますが、わが国ではまだまだそういうこともできていない。たとえば一般住民に避難ということを告げる避難信号などもまだ決められていないというような状態だそうでございまして、これはこのスリーマイルアイランドの事件を契機にしまして、わが国のそういう原子力政策というものの転換期が来ているのではないかと思うわけでございまして、ぜひ官民一体になった防災対策、安全対策というものを推進していただきたいと思いますが、大臣の御意見を承りまして私の質問を終わりたいと思います。
○澁谷国務大臣 この原子力発電に関する安全対策の充実、これはきわめて重要な課題でございます。それでわが国のエネルギー事情というものを考えますると、石油がこういう状態でございますから、どうしても原子力発電というものにこれは頼らざるを得ない。これは日本としては非常に基本的な国策であると考えます。したがって、この原子力発電というものを引き続き拡充していかざるを得ないわけでございますから、それに関する事故が起きた場合どういう対応をするかということは、これはまさに官民挙げて万全の体制をとらなければならぬということはもう当然でございます。今回のアメリカの原発事故を契機として、関連の地方公共団体からも非常に各広範にわたる中央政府に対する要望事項が出されてまいっております。そういったものを私どもも十分素材として関係省庁、先ほど答弁申し上げましたように数回にわたって会合も重ね、とにかくあらゆる場合を想定して万全の体制を整備する、こういう基本方針のもとで努力を重ねておるわけでございまして、この点は私どもも重大な決意で臨んでおるということをお答えを申し上げます。
○中山(利)委員 終わります。
○松野委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は、警察、消防に関連して、消防の中心的な問題といたしましてガス漏れ事故、これに対して二、三お尋ねします。 最近ガス事故が非常に多くなったことは、静岡県藤枝市の事故、東京都昭島市の事故、こういったものがいろいろございますが、まず原因は何か。それから同類の事故数は最近どのくらいふえておるのか。また藤枝市、昭島市事故の捜査状況はどうなっておるのか、これをまず警察にお尋ねしておきます。
○小林(朴)政府委員 藤枝市並びに昭島市におきます都市ガス事故の概況からお伝えをいたしてまいりたいと思いますが、五月二十日に藤枝市の事故は発生をしたわけでございます。午後の七時三十分ごろ、藤枝市の前島の住民の方から藤枝の警察署に対しまして、前島の夏目歯科医院の付近でガスのにおいがする、夏目方の様子がおかしいという一一〇番の電話がございまして、直ちに現場へ警察官を派遣いたしたわけでございますが、付近一帯にガス臭が感じられますので、消防署の救急隊と協力をいたしまして各戸を調べましたところ、夏目歯科医師宅におきましては、家族五名が寝室の中ですでに死亡されておったわけでございます。さらに隣家の川島陶器店におきましても、家族の方が七名おられるわけでございますが、四名の方がすでに同様の状態で死亡されておられました。三名の方が重体で発見されましたので、直ちに病院に収容いたしましたが、うち一名の方が実は昨夜病院で亡くなられました。現在までのところ、付近住民二十四名の方がガス中毒によりまして重度、軽度の中毒症状を呈しておられるわけでございます。それから亡くなられました十名の方は、いずれも解剖あるいは血液の検査をいたしましたところ、ガスの吸引によります一酸化炭素中毒死ということが判明をいたしております。 それから、昭島市におきます都市ガスの事故でございますが、これは五月の二十二日午後九時五十二分ごろに、昭島市の玉川の都道でございますが、電話用の地下ケーブル埋設工事現場におきまして、作業員が先掘り機を操作中に、地下二メートルぐらいのところで固形物に突き当たりまして、機械が作動を停止いたしたので不審に思いまして近づいてみましたところ、ガス臭がするということで危険を直感いたしまして、先ほどの先掘り機のエンジンをとめましたところ、地中から突然炎が噴き出して燃え上がりまして、火柱が一時は十メートルぐらいに達した状態になりました。ガスの元栓を閉めまして、消防車による消防活動が行われまして、午後十一時三十分ごろ鎮火に至ったものでございます。この火災によりまして、作業員一名がやけどを負いまして入院をいたしましたほか、当該先掘り機及び現場のトラック等が焼けてしまいました。幸い第三者には被害はございませんでしたけれども、付近の約一千世帯のガスの供給が停止したというような状況になっておるわけでございます。 原因でございますけれども、藤枝市の場合につきましては、ガス漏れがありました夏目歯科医師宅の前のガス管の本管の下の部分に亀裂が生じておりまして、上からの何らかの圧力によりまして亀裂が発生したものと認められるわけでございますが、それに関連をいたしまして、この二月から三月にかけまして下水道の工事が行われた状況もございます。そのときの工事のぐあいでこういうものができたのか、そういう原因につきましては、現在調査中でございます。 それから、昭島市におきます問題につきましては、当時ガス管の埋設個所を十分警戒しながらその掘削をやるということになっておったわけでございますが、何らかの手違いによりまして、ガス管に当たってしまうというような非常に不幸な出来事になりましたので、それにつきまして、過失等がないかどうかということを現在調査中でございます。 それから、事件数ということでございますが、ガスによるものはいろいろ事件が分かれておりまして、プロパンガスによります爆発の事故というのが、五十三年におきましては三十六件、五十四年におきましては、現在までのところ十五件発生をいたしております。それから、プロパンガスの中毒でございますが、昨年五十三年度におきましては二件、五十四年度におきましては一件。それから、都市ガスの爆発でございますが、五十三年度に七件、五十四年、ことしに入りましてすでに五件発生をするというような状況になっております。それから、都市ガスの中毒事件につきましては、昨年は発生いたしておりませんが、ことしは一件発生を見たわけでございまして、十名の死者を出すという痛ましい事故になったというようなことでございます。 以上が状況でございます。
○小川(新)委員 いずれの事故を見ましても、これは公共工事の関係によって生じている。われわれ都市に生活している者は、多数の人が集合している地域の中で、ある不心得者のガスの自殺、これがガスが漏れて引火したとか、そういった巻き添えになる者、また、こういった公共工事によって犠牲が出る。しかも、地下の埋設物は年々ふえている。通信、電気、上下水道、ガス管、ありとあらゆるものが地下に埋設されてくる。しかも、三月の決算が行われる年度末においては、地方公共団体の道路工事や、そういった公共工事が集中してきています。現実に、いまどこの道路も至るところで掘っくり返しが行われている。それが三月から四月、この一月の年明けから急速に集中する。こういったときに事故が次々に起きるということは、住民、市民、国民としてたえられない問題ですから、公共工事によって生ずる場合には、その会社の責任もさることながら、これは地方公共団体や国がこういった問題について何らかの保険を掛けなければならぬじゃないか。そうして、無過失災害補償制度がありますけれども、これは捜査しておっても原因が全く不明に陥った場合にはだれが一体責任をとるのか。きのう上下水道の工事をやった。一カ月ほど前にガスの工事をやった。そのまた一カ月前には電線の埋設工事をやった。そうして、それを掘っくり返すためにトラックが来て、地盤が沈下した。しかも、最近は舗装されておりますから、そのめくったところは全部東京砂漠になって地下水がしみ込まない。がさがさの土地になる。舗装することが非常に文明の恩恵を受けているように思いますけれども、これは自然に対する挑戦でありまして、地下水が全く浸透してない地盤が続々ふえてきている。そのためにがさがさの土地が、ちょっと大きな振動によっては地盤沈下を起こすということは当然なんです。こういうことがわかり切っておりながら、何らかの保険対策や補償対策、こういうものをいま総合的に見直す時期ではなかろうか。これは亡くなった方、おけがをなさった方に心から御冥福とお見舞いを申し上げますが、こういうことは年々繰り返される。特に、昭和四十五年でしたか四十六年に、大阪の天満で、七十何名死亡したガスの大爆発事故があって、もう忘れられかけているときに、またこのような藤枝の痛ましい事故が起きた。しかも、中小都市のガス会社というものは、大都市にある東京瓦斯とか大阪瓦斯のように、規模の大きい、補償金をすべて会社がまず先払いする、その後に事故の問題に対処するというようなシステムのないところでは、公共団体や国がかわって補償対策を講ずるように、これを見直さなければならないときに来ている。いま言ったような決算期を前にした年度末の締め切りに公共工事が殺到する、当然事故が起きる。また、舗装問題、こういった問題を大臣としては地方公共団体にどのように御勧告をなされ、また大臣として、国の立場からどういうお考えをお持ちになっていらっしゃるのか、まずそれをお尋ねしておきたいと思います。
○澁谷国務大臣 御指摘のように、特に都市でございますが、住んでおる者にとりましては、いま御指摘になったような危険に常時さらされておる、こういう状態だと思います。特に年度末に公共工事が集中して行われておるということも、毎年私どもが目撃することでございます。ですから、それによっていまお話しになったような危険性というものがいつでもそこに横たわっておる、こういう状態だと思います。したがって、これは公共工事を施行する側が、そういった事故が起きないように細心の注意をもって仕事に当たるということが基本だと思います。 同時にまた、ガス会社の方でも、常時そういったものに対する点検というものをしっかりやっておくということが、これまた基本だと思いますが、しかし、そういった努力を幾ら積み重ねておっても、事故というものは全く思いがけないところで起きるわけでございますから、そういった場合の災害の補償を一体どうするかという御提案の問題は、これは一つの大事な問題でございますので、私ども、これもひとつ十分検討をして、何らかの対策を講ずべきではないかと考えます。
○小川(新)委員 私がここに公共工事と申し上げても、二つの問題があると思うのは、一つは公共団体が単独で行う公共事業、都市計画法に基づく国の予算、補助金が伴う問題、特に幹線道路に埋設されておりますガス管だとか電線、電話、上下水道、こういったものはほとんどが諸官庁にまたがる問題でございますから、一地方公共団体だけで対策を講じられる問題ではありません。でありますから、まず諸官庁との有機的な横の連携をどうするのか。 それから都市計画法に基づくそういった大きな公共工事を行うときには、国としてはどのように地方公共団体に指示を与えるのか。 いま言ったように、工事をするために一々ガス会社が立ち会ったり、警察、消防、電線、電話の関係の逓信、通産、または運輸、こういった関係者が全部立ち会って工事をやっているなんというのは見たことがございません。大概は工事事務所の出かせぎの方々や監督、または技術未熟な事業所の方々がおやりになられている場合も数多く見受けられるわけです。こういった問題は埋めてしまえば全くわからないのです。これこそ土の中に埋まってしまう問題ですから、見た目では全くわからない。年度末になって、次の工事が十日ごろになるとまた掘っくり返しをやる。そうやって舗装をする建設会社がもうかるための仕組みをやっているのではなかろうかというほど国民や住民が不満を漏らしているのです。いま私が言った二つの問題については、具体的にはこれをどうなさるのか。 三点目は、今回の問題もそうですが、刑事局長、これは捜査が明るみに出るまではその責任者や賠償責任の対象というものははっきりしないのでしょうか。この二点についてお尋ねします。
○小林(朴)政府委員 関係官庁が連絡を密にして災害の防止をするという点につきましては、警察といたしましては非常に事後、事後の手になるものでございますから、責任等が明らかになりまして、そこでもし関係官庁がそれぞれ対策を立てるのに参考になるということがございますれば、私の方からそういう面についての施策を連絡いたしたいというふうに思います。 それから、原因を決めるまでの間でございますが、これは刑事事件と民事事件とは原則的には違いますけれども、どうしてもやはり警察の刑事事件としての捜査といいますか、そういうものが基盤になる場合が多うございます。したがいまして、その原因が、たとえばこの前大阪で発生いたしましたあのポリウレタンの工場の場合のように、溶接の火花が落ちましてポリウレタンが燃えまして事故になったというような、そういう非常に簡単な原因でございますと、これはだれが見ましてもそこから火元というのはわかるわけでございますが、こういう二重、三重にいろいろな過失が重なったような事件になりますと、どうしてもそれに一年近くの年月がかかってしまうというようなことが多うございます。したがいまして、先ほど先生がおっしゃったような形で賠償がおくれがちになるというのが実情ではなかろうか、こういうふうに思います。
○近藤政府委員 ガス爆発事故につきましては、御承知のように昭和四十五年に大阪で大惨事があったわけでございます。その対策といたしまして、道路を管理する建設省を中心といたしまして、通産省、警察庁、自治省相寄りまして、こういう場合にどう対処するかいろいろ相談したわけでございます。そこで、公共事業あるいは地下鉄工事等によって道路を掘る場合におきましては、道路管理者が中心となりましてそれぞれ協議会を設けて、どういうふうにやるかというようなことを点検するような仕組み、あるいは何か事があれば直ちに通報する仕組み、そういったものが詳細にいろいろ決められたわけでございます。今度の事故の場合にもそのとおりに行われておるかどうか、その辺私どもつぶさにいたしませんけれども、いま御指摘の今度の事故につきましていろいろ内容を精査し、これまでの取り決めのようなやり方では不十分であるということになれば、関係官庁また相談いたしまして、適切な対策が立てられるよう努力してまいりたいと思います。
○小川(新)委員 実は私どもの藤枝関係者の議員が調べたのですけれども、事故が発生してから六時間半たってもガスの関係者が来ていなかった。しかも、その数日前にはガスのいろいろな通報があった。しかし、これは医者にも通ずることですけれども、夜間診療、休日診療ということと同じように、夜間とか休日とかと言ってガスの関係者が来なかった。この責任は確かに刑事責任として追及されるであろうけれども、それを追及してみたところで亡くなった方の命は返ってこないわけですから、まして今回の一家全滅という悲劇に遭った御家庭、御家族の方々のお悔やみはとてもこの委員会で私どもが議論を重ねているようなものではないと思います。全滅になってしまったのですから、一体だれがその賠償、補償を受けるのかさえも明確でない。だからこそ、公共工事の施行者が責任を負うべきだ。国がやる場合には国がやらなければならぬし、公共団体がやらなければならぬ。その点が明確にならなければ、精査してでは私どもは納得できません。ただし、警察の細かい刑事責任の追及は行わなければなりませんけれども、その根本の本体をつかさどるものは、公共工事という一つの原因によって生じたことなのですから、それは町づくり、国づくりということで公共は個人の財産や福祉に優先することは当然でありますけれども、憲法で保障されている問題は直ちに次にそれに対応する条文が掲げられているのですから、この責任は国家賠償責任、無過失責任制度が伴うように、責任がなくとも賠償しなければならぬという制度さえあるのですから、これは何らかの対策をここで御説明いただかない限り、こういうことが繰り返されていつも泣きの目を見る、ばかな目を見る国民の立場に立って、私はあえてここで明確にしていただきたいと思います。
○澁谷国務大臣 先ほどもお答えしましたように、この問題は確かに非常に大事な内容を含んでおる問題でございます。しかし、これは一つの新しい制度的な対応ということでございますので、私がここで直ちにどうする、こうするという答弁はいたしかねますが、ひとつ十分検討してまいりたいと考えます。
○小川(新)委員 何分ともよろしくお願いいたします。 そこで、ガス管の耐用年数はどうだとか、それから一キロ以内の限られた点検だとか、いろいろな問題がこれから検討されなければならぬと思います。特にほかの問題と違いまして、水道の場合なら水があふれている程度でいいのですけれども、ガスの場合は全く見えない、ただにおいがする、においがしたときにはもう中毒にかかる、それが死につながる、こういった問題を考えたときに、ガス会社と共同いたしまして、今後こういった都市の開発問題、再開発の問題、建設の問題についての防災について十二分な御配慮を心からお願いしたいと思います。 次に、地震国でありますわが国の問題をちょっとお尋ねしますが、最近、外国映画で有名になりました「タワーリングインフェルノ」これはもうごらんになった方もあると思います。大臣もお忙しいからこういうテレビはごらんにならないと思いますけれども、御関心があるから見られたとも思いますが、ごらんになられましたか。
○澁谷国務大臣 実際の映画も見ましたし、テレビでも二度見ました。
○小川(新)委員 非常に御勉強なお姿と感服いたします。 こういうものはただ興味本意に見るものでなくして、この映画は各関係者が協賛、支持をしておると言っておりますが、消防庁はこの映画に対してどういう態度を示しておりますか。
○近藤政府委員 たしか日本で初めて封切られたときに協賛しておると思います。
○小川(新)委員 こういうテレビ、映画に出るような事故が、いま新宿、池袋、また私ども子供のころは東京の丸ビル、八階でしたか十二階でしたかちょっと忘れましたが、地震国である日本にはそれ以上高い建物をつくらないということをおぼろげに覚えておりますが、現在は八十階だ百階だというように、土地の効率、付価価値を高めるためにどんどん高くなっていく。しかも地下へもぐっていく。地震国であることには変わりはないのですけれども、いつの間にかこういった枠が外れ、技術が進歩したということの理由によってこういう高い建物がどんどんできることを大臣は好ましいと思いますか。防災上どう思っていられますか。
○澁谷国務大臣 日本は有名な地震国でございますから、いつ大規模の地震が発生するかわからない、そういう基本的な基盤があるわけでございますから、そういう基盤の上に、とにかく何十階というようなビルが乱立していくという状態は、私は好ましいものとは考えておりません。
○小川(新)委員 好ましくないことがどんどん起きてくることは、逆に言いますとそれだけ責任が出てくるわけでございます。 そこで、消防、警察、自治省、こういった関係者は、現在の東京を初めとする大都市に今後どれくらいの超高層が、要するに高層建築の基準というものは私によくわかりませんけれども、これはできる可能性をいま把握なさっておるのか。そういった青写真というものはあるのでしょうか。
○近藤政府委員 建築基準の問題でございますので、建設省の方にはあるかもしれませんが、私どもの方では掌握しておりません。
○小林(朴)政府委員 私どもの方もそういうことでよくわからないのでございます。
○小川(新)委員 これはやはり総合的に都市計画や再開発を行わなければならないので、むやみやたらにのっぽビルとか俗に言う超高層、七十階だ八十階だというものが業界や業者、またそれに利益を伴う人たちの思惑のために都市に集中することで、消防庁あたりが計画やそういった問題に対する見解が横の連携をとれてないということは、私は非常に大きな問題だと思いますので、早急に建設省、先ほど申しました都市の防災という問題は一つの省庁だけでできるものではありませんから、地震の防災対策関係のように私はやるべきだと思います。大臣、これに御決意をひとつ。
○近藤政府委員 先ほどの御質問、今後どの程度できるのかというような御質問だったかと思いまして私ども承知していないと申したわけでございますが、具体的にビルが建つという場合に、それが超高層ビルあるいは地下街というようなものでございますならば、防災上の見地から消防法に基づいて私どもいろいろな注文をつける、現にそうしております。
○小川(新)委員 もちろん、それは一つ一つ個々の問題については、いまあなたがおっしゃったようなことをやらなかったら、これは大変なことでございますが、都市という一つのハードな面から見たときにどうかということを私は質問しておるわけでございますので、どうかひとつ御検討を心からお願いするわけでございます。これは追及しているわけじゃないのですから、ひとつ素直に聞いていただきたいのです。 そこで、いま言ったような高層、地下街、いずれにしてもこれはどっちも危険性がある。これはただ機械や施設や技術が進んだからというだけでなくして、当然技術や建築的な問題やそれに伴う人間以外の物質の面で成長したからいいんだというのでなくて、それを操作するのは当然人間でございますから、ここで私はビルの防火管理者の必要性というものは一段と高まってきたのではなかろうか。どんなにコンピューターが作動して自然な消火作動がされようとしても、あの映画、テレビに出た「タワーリングインフェルノ」に出てくる仮想的な物語は、あれはすべていろいろな錯誤によって出てきているわけですね。一つは手抜き工事、一つはその指名された製品を使わなかった、一つは利益を優先するために予算を削減した、もう一つはそれを扱う人間がよく訓練されてなかった、こういった問題がフィクションになってあの映画、テレビの物語を構成しているのですけれども、最後には多数の人が死んだ、そして二度とこんなことを起こしてはならないというような警告じみたことで終わっているのですけれども、その管理者が一体どういう状況で訓練され、置かれているのか。わが国の防火管理義務対象の物数は五十三万九千六百八十五、そのうち防火管理者が専任されているのは三十八万七千七百六十四、七一%、残り約三割は防火管理者が専任されていない状態である。特定防火対象物の用途が存する複合用途防火対象物六万一千五百七十四のうち三万八千六百六十四で、六二・八%しかありません。公会堂、集会場が二万六千二百五十二のうち一万四千七百八十八、これは約五六%、キャバレー、ナイトクラブ等四千七百三のうち二千四百九十一しかありませんから、これは五三%。この防火管理者の避難大衆をリードするそういった訓練状況というものをどのように把握されておるのか。しかも先ほどの三階で起きましたあのウレタンの事故で、七人ですか亡くなられました事故は、防火管理者を置かなくてもいいという防火対象物の中の事故なんです。だから三階程度の建物では避難口もつけなくてもいい、防火管理者は当然のこと置かなくてもいい、そういう事故でさえも大事故につながる火事が起きている。まして対象物の建物のうち平均して七〇%、キャバレー、ナイトクラブに至っては五〇%台、最も危険な火を扱うところでさえも半分しか防火管理者は置かれない。これでは大事故が起きることは目に見えている。毎年毎年、何らかの形でできているではありませんか。しかも最近の凶悪銀行ギャングは金を奪うと同時に、灯油をまいたりガソリンをまくということは連鎖反応して、これは恐るべき注目すべき事故がここで二、三起きていますね。銀行へ行って金をとったらガソリンをまいておいてマッチでぴっと火をつける。これでは二〇番のほかに一一九番の出動もしなければならない。世の中というものはいつも犯罪者、事故、そういったものと防御に回る方の競争でありますね。これを一体いかように、まずこういった七〇%しか置かない防火管理者の実態を消防庁、自治省としては対策を講ずるのか。
○近藤政府委員 防火管理者の設置状況はただいま先生の御指摘のとおりでございます。非常に設置率が低いということ、防火管理者の質の問題も絡みまして私どもの最も頭の痛い問題でございます。なぜこんなに低いのかということになりますと、先生御指摘の水商売関係が特に低いわけでございますけれども、小規模である、経営者が入れかわる、防火管理者となった従業員がこれまた入れかわるというような状況でございまして、なかなか設置してくれません。御承知のように、法律に基づきまして防火管理者を設置しない場合には設置命令を出すこともできます。設置していても、いま御指摘のように、年二回以上の防火訓練が義務づけられておりますけれども、それをやらなければ、やれという命令を出すこともできます。しかし現実問題は、そういった命令ももちろん出しておりますけれども、そしてそれを背景といたしまして設置するように絶えず予防査察等を通じまして消防職員は努力しているのでございますけれども、なかなか意のままに任せないというのが現実でございます。ただ、先生が先ほど御指摘になりました超高層ビルであるとか、地下街であるとか、大きな施設につきましてはほとんど設置されておるわけでございますが、細かいものがいま御指摘の五万数千件も件数があるものですから、どうも網の目を漏れておるというのが現実で、私どもこれでいいとは思っておりませんので、機会あるごとに関係者に防火管理者を設置するよう要請しておるところでございます。一方でまた、やはりこれだけ設置できないのはどこかに無理があるのじゃないかという点も含めて現在この制度そのものを私ども検討しなければならないと思っております。
○小川(新)委員 キャバレー、ナイトクラブ等における事故は毎年クリスマス前後に大きな事故が起きておりますね。どうして五〇%で抑えているのですか。これは五三%ですね。五〇%台、半分ですよ。これは全く消防庁怠慢じゃないでしょうか。平均して七〇%ですから七割まで。私がいま一つずつ指摘しているのは、危険度が高いところが五三%で、やっているのだけれどもしようがないのだ、言うことを聞かないのだ、命令しているのだけれどもだめなんだ、これじゃ子供の使いですよ。事故がないならいいけれども、いつもずいぶんたくさん死んでいるでしょう。ホステスさんやお客様が積み重なって炭のように真っ黒になって死んだ。しかもそういうところで死んだ人たちの身分を明かすのは家族のあれでなかなか困難だ。プライベートの問題もある。だから、ずいぶん出てないこともあるのですよ。どうしてこんなのが五〇%台なんですか。それから食堂、集会場が五六%、火を使うところが多いじゃないですか。これは明らかに怠慢ですね。
○近藤政府委員 キャバレー、旅館等につきましては、御承知のように、消防施設関係の整備につきましては、これは四十九年度の法改正によりましても遡及適用し、それから昨年はじゅうたん等についても防炎物を使えというように非常に規制しております。その物的面の規制はうまくいっているわけでございますけれども、どうもこの人的面の規制であるところの管理者制度についてはなかなか思うようにいかない。いま御指摘の二つの業種はそれこそ非常に流動が激しい業態でございまして、消防当局といたしましては努力しておりますけれども、このような数字的な結果に終わっております。もちろんこれでいいとは私ども決して思っておりません。今後とも督励いたしたいと思います。
○小川(新)委員 大臣、聞いていていただければ結構です。答えなくていいですが、いまのは設置の状況なんですね。 今度訓練の問題になりますと、いるけれども、訓練なんか全然したことない。二十四万六千六十件のうち一回も実施をしてないのが十六万八千八百七十八件。置いているだけというのです。よく議会で議員のことを悪口を言うときに、選挙に立っただけ何にも発言しない、こういうのを電信柱議員だと言うのですね。議員になって座っただけで何にも発言しない、これはいざり議員だと悪口を言われておりますけれども、防火管理者を置いても、やり方も教えなければ、訓練もしなければ、置いただけ、だけじゃしようがないので、これがいま言うように約十六万八千八百七十八件もある。これじゃ、ことしだってこれから大きな事故が起きますよ。こういうところで追及するたびに、対処します、善後処置を厳しくやりますと言ったって、毎回同じだ。こういう実態はまことに残念ですけれども、大阪市阿倍野のウレタン工場では、たった三階の建物でガス中毒、煙にいぶされ、最後には焼かれて七人も死んだ。これだって防火管理者がいたのかと言えばいないのですよ。避難階段もないのです。これは建築基準法上、また消防法上置かなくてもいいことになっているのです。だから、責任はないと言えばないのです。だけれども、現実には七人も死んでしまったのです。であれば、なおさらのこと置かなければならないところは置かなければならぬし、置いた人は訓練しなければならぬということを私はここで追及しておきたいと思います。防火管理者選任対象物規定というものは、用途等にかかわらず、超高層ビル、一般ビルも同じ規定でありますけれども、こういった三階以上の避難階段も置かなくてもいい、こういう法のちょうどエアポケットに落ちているところはこれからどうするかという問題もありますので、ひとつお考えいただきたい。そして私は防火管理者に対する責任を重くするばかりでなく、職場における地位の向上や、これを国家試験で一つのライセンスを取るのだ、この防火管理者というものになるには大変なんだ、なったらなったで、また採用されれば給料もいいのだ、こういった身分の保障や社会の地位向上というものも位置づけませんと、置いても置かなくてもいいのだ、いてもいなくてもいいのだというような、火事なんていうのはいつ起きるかわからないのだ、おれのところは三十年間一遍も災害がないのだからそんなむだなものに金なんか払う必要はないのだ、これじゃいかぬと思いますので、総合的にいま私が申し上げました意見等を踏まえまして、善処方をひとつお願いいたします。
○近藤政府委員 この防火管理者制度は、先生十分御承知のように、三十六年に法改正がされる前は、法文上は規定がございました。けれども、資格も何も書いてなくて門番とか守衛とかいう方をそのまま防火管理者としておったという現状でありまして、これではだめだというので、昭和三十六年の法改正によりまして、講習課程を修了した者ということで、基準では十二時間の講習を受ければだれでも防火管理者の資格ができるというふうにしたわけでございます。しかし、そうなってくると、いわゆる身分の低い、おまえちょっと行ってこいという式で若い人たちが防火管理者の講習を受けに来る、そして防火管理者になる。しかしそういう方々では、そのビルが万一の場合に、ビルに住んでいる人に指揮命令などとてもできない、これではだめだということで、大阪の千日前ビルの教訓を生かしまして、管理監督の地位にある者を防火管理者にしようということにしたわけでございますが、管理監督の地位にある者はなかなか防火講習に出てくれないというような悩みもございます。基本的には、国民の皆さん方がやはりこういう公衆の出入りするところはみんなに迷惑をかけるから自分たちが責任を持って守らなければいかぬという考え方が、現状では非常に欠如しておるのじゃないか。したがって、講習会を県が開くから出てこいと言ってもなかなか出てきてくれないというのが現状で、嘆かわしいことだと思っておりますけれども、そんなことも言っておれませんので、今後とも努力したいと思いますけれども、一方でまた御指摘の超高層ビル、地下街というようなところと町の片すみのバーみたいなところと工場、病院みたいなところ、形態がいろいろだと思います。防火管理の仕方も違うと思います。これを一律の十二時間の講習で防火管理者の資格を与えるというような現在のやり方がいいのか悪いのか、私はそこにも若干無理があるのじゃないかと思います。 そういうことを含めまして、いま試験の話も出ましたけれども、私は個人的には超高層ビルとか地下街みたいなところは試験制度にしてしっかりした人を置くべきだと思いますが、それを含めて今後検討させていただきます。
○小川(新)委員 話は火事という熱い話で、聞けば聞くほど寒くなる、冷たい冷や汗の出るような実態です。私も池袋のサンシャインの超高層ビルの中へ入っていったけれども、自分の置いた車をどこに置いたのかもわからなくなるほど錯綜しています。あそこへ初めて上がった田舎から出てきたおじいちゃん、おばあちゃんが、たとえば六十五階で火事が発生したときにどう出られるのだろうか。もしもエレベーターがとまったらどうなるのだろうか。私は、この委員会で一遍超高層ビルの視察をすべきである。そうすれば、議員を一人ずつおっぽり出して、一遍電気を消した暗やみの中でどうやって無事におりてくるか、タイムをはかって、その中で一番おくれて来たのが大臣と議員だったというのでは困るんで、実際は焼け死んでいるわけであります。そういうことを私は提案して——高層ビルの人たちに、試験もない、たった十二時間の講習だけでできるなんということは、いまもいみじくも当局から御指摘があったように、これは早急に改正しなければならぬ。こういう問題を踏まえて、最後で結構ですから、御答弁をいただきますから、ひとつ頭の中に置いていただきたい。 次は、救急業務のことで、これまた寒くなる話であります。 いわゆるたらい回しの件数といった問題、収容にかかった時間別搬送人員の状況、転送理由の状況、搬送中の医療機関への問い合わせ回数別搬送人員状況はどうかという非常に舌をかむような質問ですけれども、私の調べたところを申し上げます。 収容されるために要した時間帯を申し上げますと、十分未満が一八%、二十分未満が四四%、三十分未満が二一%、六十分未満が一三%、百二十分未満が三%、百二十分以上無制限というのが〇・二%。これは回っているうちに本人が死んじゃったというものです。百六十二万一千四百二十三人一年間に救急車で運ばれたわけです。そのうち百二十分以上時間無制限というのが四千三百二十三人もいる。百二十分、すなわち二時間未満振り回されたという人が三万八千七百八十一人、一時間未満車の中にいた人が二十一万六千十七人、三十分未満の人が三十四万九千五百七十四人。それから上は二十分以内ですから私は申し上げませんが、二時間以上と申しますと、実に東京から高崎まで、約二時間かかります。その間、頭を打ち、心臓、精神または血液循環、いろいろな緊急状態にある人たちが車の中でお医者様でもない救急隊員の看護によって揺られているわけです。こういう実態です。 その次に、ここが問題なんですが、転送の理由。持っていったけれども次に回してくれと言われた処置の困難九千六百一人、二一・九%、おれのところは専門外だから向こうへ行ってくれといったのが八千九百四十人、二〇・四%、ベッドが満員だからと断られた者が八千六百二十一人、一九・七%、医者がいないというのが六千四百四十九人、一四・七%、入院施設がないと断られた者が四千四百三十人、一〇・一%、手術中だからだめだと断られたのが二千九十二人、四・八%、その他三千九十九人、七・二%、理由不明が五百八人、一・二%。その他とか理由不明というのは一体何でしょうか。洋服の修繕に行ったのじゃない。人間の生命を守るために、人間の健康を守るために運び込まれた、病院の転送の理由の中でその他などという名目によって葬り去られた者が一年に三千九十九人もいる。全く理由がわからないという者が五百八人もいる。ほかのことならその他とか理由不明ということでも片づけられますけれども、人間の生命とか健康に必要な救急医療体制にその他とか理由不明などというものがあっていいんでしょうか。こういう問題がそのままになっているということは、即人命軽視であり、わが国の救急医療が海外に比べて実に恥ずかしい話だと言わざるを得ない。これをアメリカのある人に見せたら、よくこんなことが書けますねと言われた。これは一体どういうわけなんですか。
○近藤政府委員 その他というような表現を使っておりますのは、この表の構成上で上記に属さざるものをこういう形でまとめたのだと思います。それぞれについてはそれなりの理由があると思います。 なお、こういったいわゆるたらい回しと称せられている転送でございますけれども、救急件数がどんどん増加していく中にありまして、それほど増加していないというのが一つの救いでございますけれども、こういったことは絶滅を期することが私どもの希望でございます。 そのためには、まず救急センターとそれぞれの救急車との間の無線連絡あるいは病院との間の無線連絡、そういったものを完備することが必要で、絶えず救急側が病院の実態というものを十分把握しておくことが第一に必要なんじゃないかと思います。 もちろん、その前提といたしまして、現在、御承知のように救急病院がこの数年間全然ふえない。救急件数のみは毎年毎年ふえてきておる、そういうギャップの問題もあります。したがって、基本問題といたしましては、やはり救急病院の整備ということが必要でございますけれども、私どもの体制といたしましては、年々救急車及び救急業務に携わる職員の確保ということには努力しております。それと同時に、無線網の整備、つまり救急車、病院及びセンターとの間の連絡が迅速にできるような体制、これを確立するよう努めたいと思っております。
○小川(新)委員 生きている者が一番不安に駆られるのは、病気やけがが突発的に起きたときに、自分の健康や生命がどう守られるかという保障であります。完璧な医療体制のある国会の中でひっくり返ったとか、けがをしたというときには何も心配がない、手厚い看護も受けられます。またそれなりの医療保障も受けられますけれども、お正月の三が日に事故があったらどうする、またお医者様のいなかったときにどうする。休日、夜間、遠隔、こういうところの医療行政の不備が解消されることが私は真の救急医療の問題だと思うのですね。それについては確かに消防庁の皆さんには御努力をいただいておりますし、それこそ涙ぐましいエピソードがいっぱいあります。私も一人一人の方に会ったわけではありませんが、私の関係しております公共団体の消防署の方々と一晩語り合って実際に聞いた話でありますから、事実であるでしょう。大概人が不満を訴えるのは、お医者さんの側にある。特に一番頭にくるのが、医者がいないと断られることだということなんです。しかも専門外、脳外科専門病院がないために産科、婦人科に運んだ例もある。もっとひどいときには犬ネコ病院の先生にでも診てもらわなければならないほど緊迫した事件もあったということです。こういう問題を解決するための施策として、大臣、これは厚生大臣とじっくりひとつお話し合いをしていただかなければならないし、武見会長にもどんどん注文を出していただかなければならぬ問題もあると思うのですが、どうも厚生省は医師会に対して弱腰であります。医療全般についての問題もあるのでしょうけれども、事自治省、私どもは厚生省とは違う立場から医療行政に携わっております。これは全くの、厚生省とは違う崇高的な救急医療体制の中から参画しているのです。私は消防庁長官を守ってあげたいから言っているのです。でありますから、いまのような問題をたくさん並べ立ててまことに恐縮なんですけれども、どうかひとつ、その辺の御所見を承りたいと思います。
○澁谷国務大臣 救急医療体制の整備の問題は、御指摘のように大変重要な問題でございます。厚生大臣ともこの問題について何回か話し合いを持ったわけでございますが、厚生大臣もこの点については私と全く見解を同じくしておりまして、とにかく何とかしてこの救急医療体制の整備を図りたい。こういうことで、これは自民党の部会の方でも非常に熱心な討議を毎年重ねておりまして、逐年医療体制の充実に努力をしてきております。 しかし、いろいろな障害がございまして、現実はいま御指摘のような非常に欠陥の多い現状であることも認めざるを得ません。私どもとしては、こういった非常に欠陥を持ち不備な状態にある救急医療体制というものを速やかに整備しなくちゃならぬわけでございますから、今後ともこれは一層努力を重ねてまいります。
○小川(新)委員 地方の年、地方分権、定住圏構想、そして広域市町村圏、こういった山積する地方問題の中で、医療行政も当然澁谷大臣の方針の中に含まれていると思いますからあえて申し上げますが、百人の人たちのうち四九・三%の人が転送されている。一発で入れない。二人に一人は転送されているのです。救急車に乗った百人の人たちのうち五十人しか一遍で収容されていない。あとの方々は全部転送されている。しかもその内容についていろいろと申し上げた。これは速やかに解消してもらわなければならぬ。 そこで、情報収集装置として全国で三基あるコンピューター装置、いまどこのお医者さんがあいていて、どういうところに行ったらいいのか、時間的にどうだとかという無線によるコンピューター中継基地と申しますか、全国に情報収集装置がたったの三基しかない。これでは日本列島一億一千万の健康と生命を守るわけにいきませんので、昭和五十四、五十五年度に少なくともこれをどのくらいにするのか、いまの問題について消防庁長官としてこういう問題を解決するのだという具体的な例を二、三挙げて私の質問に答えていただきたい。
○近藤政府委員 現在九県に設置してあるようでございます。なお、本年度につきましては、医師会の了解が得られ次第やりたいと思っております。 それから、先ほどの先生の、二人に一人転送されているというお言葉でございますけれども、現在年間百七十万件ばかり救急医療はあるのですが、その九七・五%は転送なしでございまして、一回以上転送されておるのは二・五%の四万一千人でございますので、この辺事実が相当違いますので、御了解願いたいと思います。
○小川(新)委員 失礼しました。私の言い方がちょっと悪かったのですが、収容所要時間で申し上げたわけです。一時間から二時間以上かかっている者が四万人以上で、その中でベッド満床、医師不在、入院施設なし、手術中という理由で転送されたのが四九・三%、二時間かかった中のことで申し上げたわけです。 コンビナートタンクについてちょっとお尋ねいたします。 石油タンクの数でありますけれども、一千キロリッター以上から一万キロリッターまでのものと一万キロリッター以上のものに分けますと、タンクの数がどうなっているかということが一つ。そのうち百分の一以上の不等沈下があったタンクの数、百分の一以上不等沈下のあったタンクの内部開放点検はどのくらい進んでいるのか、この三点お尋ねいたします。
○近藤政府委員 タンクの数でございますが、五十三年三月三十一日現在で、千キロリッター以上一万キロリッター未満のタンクが七千九百二十五基、一万キロリッター以上が二千七百一基でございます。 それから、百分の一以上の不等沈下のあったタンク数、これは五十二年六月十五日現在の数字でございますけれども、一千キロリッター以上一万キロリッター未満が二百六十三、一万キロリッター以上が五基でございます。 それから、百分の一以上の不等沈下のあったタンクの内部開放点検状況でございますけれども、現時点におきましては、この三月三十一日現在でございますが、不等沈下のあった二百六十八のうちで二十四基を残してすべて内部開放検査を行っております。残る二十四基につきましては、廃止、休止または現在開放点検中でございます。
○小川(新)委員 最近の石油タンクの事故でちょっとお尋ねいたします。 日本石油精製株式会社の根岸製油所、扇島石油基地の事故、これはともに横浜市でございますけれども、昭和五十四年二月四日に日石の事故、五十四年四月五日に扇島石油基地の事故、こういう事故は確かにあったのですか。
○近藤政府委員 ございました。
○小川(新)委員 日石根岸製油所の五十四年二月四日十二時三十分発生の事故について、これは五万キロリッタータンクでございますけれども、漏れているオイルはどれくらいなんですか。
○近藤政府委員 技術的な面にもわたりますので、技術監理官の方からお答えいたします。
○矢筈野説明員 お答え申し上げます。 御指摘の日本石油根岸製油所のタンクでございますが、五万キロリットルのタンクのうち、ちょうど底板部分の溶接部のいわば欠損から約五十キロリットル漏油をいたしております。
○小川(新)委員 扇島石油基地の五十四年四月五日六時二十分の事故は、六万三千キロリッターの原油で、漏れたのは幾らですか。
○矢筈野説明員 正確に把握できませんけれども、約二百六十キロリットルでございます。
○小川(新)委員 両基地の理由は何なんでしょうか。
○矢筈野説明員 日本石油の方のタンクにつきましてはすでに内部開放いたしまして、私も現地に参ったわけでございますが、溶接部の底板のところに亀裂がございまして漏れております。 さらに、扇島の石油基地のタンクについては、目下開放いたしまして、実は二十五日に調査に行くことになっておりまして、それによって原因を究明したい、かように存じております。
○小川(新)委員 全国的にこういった開放点検というものが進んでいるのかどうか、それから、こういった地震の危険地域、防災地域から外された地域のコンビナートと、今回の地震予知連絡会から指摘された危険地域内にあるコンビナートのタンク点検状況というのは当然違ってまいると思いますが、いま申し上げました二つの例は、余り報道されていないうちにこういった事故があったということでございます。いずれにしても二百六十キロリッターも出てしまった。そしていまだにこれから調査ということでございまして、四月五日の事故がまだ明確に答弁ができない。二月四日の方はいま亀裂というふうに言いましたけれども、これはいろいろな事故の原因が錯綜していると思いますが、石油タンクの基礎構造、非破壊検査等に関する検査制度の確立、この問題はどのようになっているか、ひとつお尋ねしたいと思います。 また今後の腐食防食及び事故防止対策としましては、一つはタンクアースの改良、二番、電気防食法の採用、三番、タンクとその他施設との絶縁、四番、漏洩の早期発見のための検査官の設置、定期的なタンクの底板の点検等、こういった幾つかの例が専門家から指摘されております。こういった問題は常時やっているのでしょうか。また、今後の問題としてはどのようにお考えになっているのでしょうか。
○矢筈野説明員 御指摘のとおり、タンクからの漏洩というのは非常に周囲の環境あるいは住民に影響が大きいものですから、私ども、危険物関係の規制をいたす関係上非常に重要な問題としてこれを取り扱っております。 まず、先生御指摘のいろいろな予防対策でございますけれども、新しくタンクを建設する場合は地盤の問題からまず考え、基礎づくり、そういう面についてタンクを腐食しない地盤を一応つくり上げる。海水、地下水の影響がない、あるいはタンクと地盤との間は防食加工するといったようなそういう具体的な措置を講じ、アースの問題も建設時に御指摘のとおりの注意を払っております。 問題は、石油コンビナート地帯等の、特に臨海工業地帯の埋め立て等で地盤の悪いところにすでに建設されておるタンクでございますが、これについては不等沈下を生じている場合は即刻開放検査をする、その他のタンクについてもできるだけ早期に開放検査をいたしまして、底板の状況が把握できるように十分その安全を確保するよう現実に消防機関が指導しており、先般の日本石油扇島基地の漏洩事故後、私どもはこれを重要視いたしまして、危ないタンク、容量の大きいタンク、古いタンク、底板を腐食しやすいタンク等については、重点的に早急に開放点検をやってくれということを強く指導いたしておる状況でございます。
○小川(新)委員 その調査の結果はいつわかりますか。
○矢筈野説明員 先ほど長官からも答弁がございましたように、二十四基は廃止、休止等でまだ残っておりますけれども、ここ一年間の開放点検結果は近く六月ごろまでにはまとまる予定でございます。
○小川(新)委員 でき得れば本委員会に配付方をお願いしたいと思います。 そこで、防災緩衝地帯整備についてちょっとお尋ねしておきます。 現在、石油コンビナート等特別防災区域に指定されているところは七十六地区になっております。石油コンビナート防災の強化が必要になっているために緩衝防災地帯というものをつくって災害を未然に防ぎたい、また大災害から守りたい、こういう意図でございますが、緩衝緑地帯の設置状況は七十六防災指定区域についてどれくらいでございましょうか。
○近藤政府委員 十九カ所でございます。
○小川(新)委員 七十六防災指定地域で十九カ所しかできていないということは、これはいつごろ完備できるのでございましょうか。
○近藤政府委員 この緩衝緑地帯をどういう形でコンビナート地帯につくるかということは、当該地方公共団体の長が計画をつくりまして関係団体と協議いたしまして、主務大臣である建設大臣の方の承認を受け、必要に応じた補助金を受けて施行するということでございます。したがいまして、消防庁の関係といたしましては、事前にあとつくるとかつくらないとかそういった関係の折衝はございませんので、私どもの方ではわかりかねます。計画ができますと、御承知のように地元負担の関係がございますので、その地元負担について地方債を承認するという意味で自治省財政局の方が起債を必要とする場合には合い議があるかと思いますけれども、この緑地帯の設置そのものは建設大臣の専管事項になっておりますので、それ以上つまびらかにはいたしません。 ただ、現在ある七十六の石油コンビナート特別防災区域の中で緑地を持っておるのが十九カ所という意味でございまして、コンビナート特別防災法に基づく補助金を受けた緩衝緑地というのは塩釜一件だけであるというふうに聞いております。
○小川(新)委員 ただいま、予算の伴う緩衝絶縁地帯としては塩釜一カ所しかない、あとはいま言ったような公害行政によって緑の木を植えたところが十八あるのだ。本当に防災としてやったのは塩釜しかない、あとは公害行政でやっておる。公害行政でやっておるというのは、コンビナートから出る有害ガスだとか振動だとかいろいろな公害で住民の反対を受けてそこに緩衝緑地帯をつくっただけであって、これは防災のためじゃないのですね、大臣。防災のためにやったというのは、七十六地区の特別防災区域に指定された中で塩釜一カ所しかないのです。あとはいま言ったように公害行政の方でやっておるのだ。いま言ったように建設大臣の所管のもとになっているというのであれば、防災の責任を持つ自治省とか消防庁、火事火災が起きたときの責任者としては、これでは防災行政としては余りにお寒い状態ではなかろうか、これは法改正をしてでも何らかの処置を、消防庁関係者がいろいろな面で発言力を高めるために、またそういった結果を生じさせるためにも必要なんじゃないでしょうか。
○近藤政府委員 コンビナート地域に緑地帯をつくる、どの区域にどの程度のものをつくるというのは建設省が承認するのでございまして、当該地方公共団体の長が関係地方公共団体の長と協議してつくる、地方団体に自主性が与えられております。したがって、たとえば川崎などの場合は、川崎市長が公害緑地として現在つくりつつあるわけですけれども、それがこの石油コンビナート法に基づく緩衝緑地にもなるということで兼用しておるというような形になっておるわけでございますが、これで大体防災の目的を達するということでやっておると思います。 私どもの立場といたしましては、消防防災というのは万全の上にも万全を期するという立場でございますので、こういった緑地が広いことはまことに望ましいことであると思いまして、もし相談があればそういう方向で進みますし、また、全般的な問題といたしましてこういったものはできるだけ広くとるように指導してまいりたいと思います。
○小川(新)委員 これは公園法でつくるわけでございますから、公園としての概念ですね。だから、建設大臣の承認案件であって、地方公共団体がそれに対して計画書を策定して補助金をいただいて公園法の予算の中でやるのだ。これはあくまでも都市計画法上の問題なんですね、防災の問題じゃないですね。これは全くおかしな仕組みになっているのですよ。でありますから、この緩衝緑地帯については防災関係者、特に消防庁の防火の立場から言ったら七十六カ所に全部欲しいのだ、しかもつくればこれは公害対策にもなるのだ、なぜそれができないかと言えば、都市計画法上要するに建設省所管の中で物を進めているからこうなっているのだという言い分なんですね。これはあくまでも防災の立場、特に地震が予想されている、河角博士の六十九年説や東海地震、断層地震の大きな地震がいま来ようとしているとき、そういう不安があるとき、また地震予知連絡会では地震の予知さえ発表することができるまで法改正になった事態において、最も危険の多発するコンビナート地帯の緩衝緑地帯が公園法によってつくられるなんということは全く前近代的な発想であります。これは明らかに法改正を求め、建設大臣から自治大臣に所管を移転して万全を期すべきである、こう思いますが、いかがでしょうか。
○近藤政府委員 御説の趣旨はよくわかりますので、建設省ともいろいろな面において相談はしたいと思います。
○小川(新)委員 そこで地震の問題になりますけれども、新聞報道によりますと、昨年十二月施行された大規模地震対策特別措置法に基づき中央防災会議地震防災対策強化地域指定専門委員会と国土庁は結論をまとめたとおっしゃっておりますが、政府としては今後どのような手続を踏んで危険地域を正式に決定するのか。これは閣僚会議でも問題になると思いますから、お尋ねしておきます。
○城野説明員 御説明申し上げます。 先生お話しのように、大規模地震対策特別措置法は昨年の国会で御承認いただきまして、十二月七日から施行されております。この法律は地域指定をいたし、そこの地域について観測を強化し、予知体制を整えるとともに、公共団体、国等が一体となりまして防災体制を整える、地震の予知がなされました場合にいろいろな対応措置をとるということを中心とした法律でございます。 お話しのように、昨年、内閣総理大臣の方から法律の規定に基づきまして中央防災会議の中に十五名の地震学者、地震動学者にお集まりをいただきまして、強化地域指定専門委員会を編成いたしました。半年の間に十八回ほど検討会を開いていただきまして、学者の見解からすればこういうところが震度六以上の強震に見舞われるという結論を出していただいた段階でございます。 法律の規定によりますと、内閣総理大臣は関係すると思われる都道府県知事に対しましてその指定の是非と申しますか、こういう結論が出たということで意見を聞くことになってございます。現在その意見書を、実はきょう照会文を発送したところでございます。都道府県知事は、総理大臣に意見を言う前に関係市町村長の意見を聞いてその上で回答するということになります。回答が出そろいました段階で中央防災会議、これは各省庁の大臣の構成になってございますが、そこへ御相談を申し上げて正式の決定にしたい、六月中にはそういう運びにしたいという予定を持っておるわけでございます。
○小川(新)委員 今回指定されました危険地域内にある清水コンビナート、このコンビナートにつきましては他の地域と同じ対策のままでいいとは思いませんので、この地域は今後どのように強化防災対策を講ずるお考えでございましょうか。また予算措置等はどうなんでございましょう。
○近藤政府委員 まだ強化地域に指定されているわけではございませんで、国土庁の方からいまお話しございましたように、これから地方団体の意見を聞くということでございます。静岡県のほとんどの区域が震度が非常に高いということになっておりますので、恐らく先生御指摘の清水地区については強化地域になる可能性が非常に強いと思います。もしなりますと、地域防災計画を見直しいたしまして、そういった程度の地震が来た場合にどういった措置をとるかということをその計画の中に盛り込みます。それは今後の作業になりますので、関係者で集まりましていろいろ知恵をしぼって計画を練り上げるわけでございまして、その内容に対して今度国としてどういう対応策を立てていくかということになろうかと思います。
○小川(新)委員 今回の線引きされたのは、あれは正式の線引きではなくて、学者の意見だけの取りまとめなんですか。
○近藤政府委員 私が御答弁申し上げるのはおかしいかもしれませんが、学者の意見でございまして、これを線引きする前提といたしましては、学者からこの地域について震度が高いと言ってきている、危険性が強いと言ってきている、地方団体の意向はどうかということをこれからお聞きになるということでございます。地方団体はそれを受けまして、まあ学者がそう言っているなら強化地域に指定してくれと言うのか、あるいは県によりましては一市町村だけが入っておるというようなところもございます。そうすると、うちだけがなぜ指定されるのか、隣はどうかというような意見もあるようでございます。地方団体の意見がまとまりまして国土庁の方へ参りますれば、私ども十分協議いたしますが、その段階で第一次の強化地域の指定ということになると思います。
○小川(新)委員 今回の学者の線引きによる——これは正式決定ではありません。いまお話を承りますと、都道府県知事は市町村長の意見を踏まえて、それによって答申を内閣総理大臣に出す。内閣総理大臣、防災会議会長はこの答申をもとにして指定をするということですけれども、それはいろいろなメリットやデメリットが錯綜して、地域を指定されたことによるところの公共団体の被害やいろいろな面について、やはり縮小する傾向があるのかないのか、しかもまた当該公共団体と学者との線引きの意見が大幅に違った場合どうするのか、またその外周辺部はどうするのか、こういった問題の調整は地震予知連絡会や防災会議が決定するものなんですか。
○城野説明員 御説明申し上げます。 現在の新聞等に出ましたものは、中央防災会議は行政機関でございますから、実際の地震がどこに起こる可能性が一番大きいか、それからその規模はどのくらいか、それについて、過去の地震例によれば地盤とその震源地からの距離の関係でいろいろな地震動計算をいたしまして、学者先生の方の見解として中央防災会議の中の専門委員会の結論としてまとめられたものでございます。その報告書をわれわれ受け取ったわけでございまして、いま御説明を申し上げましたように、各都道府県知事さんに本日意見の照会を発したという段階でございます。 先生お話しのように、この地震防災対策強化地域につきましては、地元公共団体それぞれやはり反応が異なっておる向きがあると思います。どうしてそこのところで線引きをしたかということにつきましては、われわれは公共団体に対しまして、震度六以上の地域に含まれるという計算結果につきましてできるだけ具体的に御説明を申し上げ、御理解を得る努力をしなければならないというふうに考えております。 また、先ほどちょっとお話が出ました一つの県の中で一部の市町村だけが指定地域から外れるというような場合、これは、周辺部でかなりの地震動が予想されるというようなところにつきましては、この地震のたとえば警戒宣言が出るという場合には、どうしても広域の防災体制をとらなければいけない、応援体制をとらなければいけないというようなことがございますので、その辺で、俗な言葉で申しますと追加をしてくれという部分につきましては、その理由なり妥当性が認められるという場合にはややふくらむ場合もあり得るというふうに考えておる次第でございます。
○小川(新)委員 学者、専門の方々はあくまでも学術的にまた専門的な分野からこれを危険地、強化地域に指定してくる、これを受けて立つ側の行政側の都道府県、市町村は住民のすべてのニーズにこたえなければならない。そうすると、そこに当然いろいろな問題が出てきますと、議会制民主主義でございますから議会の承認も得るでしょうし、いろいろな意見も出るでしょう。そうなった場合に、やはり国土庁としては地方自治の本旨をあくまで踏まえるという立場からいえば、そういった公共団体、知事、市町村、六団体等のような意見を尊重する、それに対して国の中央があれやこれや言う筋はないだろうけれども、防災という一つの面からいくと、ある程度やむを得ないのじゃないかという気もいたします。それが一点。 それからもう一つは、現在出されている地震の対策はあくまでも東海地震を想定している。河角博士の関東大震災六十九年説によると、昨年五十三年度にもう危険期に入ってきた。そうしますと、東海地震プラス関東大震災イコール防災強化地域、こういうことになるわけですね、本当にやるとすれば。そうなりますと、東海型の地震の地域から外れておった地域にも、関東型大地震の危険地帯に入ってきた昨年からというものは、国土庁では相当重きを置いているのかどうか。そしていま言ったような憲法第九十二条の地方自治の本旨を踏まえた指導というものはどの程度まで国としてはできるのかどうか、この二点、お尋ねいたします。
○城野説明員 御説明申し上げます。 二点あったかと思いますが、第一点は、今回の強化地域の指定に際しては、法律上も都道府県知事に意見を聞くというふうにいたしました趣旨は、その公共団体の実態に即して万全の対策をとる必要上、その責任者としての市町村長なり都道府県知事さんの意見を十分尊重してわれわれの方が判断しなければならないというふうに受けとめておるわけでございます。 第二点の、われわれの方の言葉では南関東というふうに申しておりますが、いわゆる今回の地震の巣と申しますか、断層の起こる地域というのは、報告書にもございますように駿河湾の中に駿河トラフという非常に深い切れ込みがございます。そこのところで南北百キロから百二十キロ、東西が五十キロぐらいの幅で地震が起こるであろうという推定に立った強化地域の指定を行うわけでございます。日本は、先生御指摘のように地震国でございまして、何もそこだけに限るわけではございませんで、関東大震災が起こりました小田原付近から房総半島に向けてもう一つ大きな相模トラフというのがございます。一つは相模トラフの地震がどう再来するかという問題がございます。一九二三年、大正十二年に起こりましたものは、その相模トラフのごく小田原寄りの海底かほとんど海岸地帯であろうというふうに言われておるわけでございますが、そこのところの地殻ひずみを国土地理院を初め各観測機関が観測したところによりますと、まだその部分での地震の再来、はっきり申しますと、関東大震災の地震そのものの再来というのはまだ相当間がある、ひずみのたまり方からいって限界に近くなるまでに約三分の一程度であるというのが学者のほとんど一致した見解でございます。 ただ、現在やや注目をされておりますのは、その相模トラフの縦長な断層モデルが、やや小田原の方から百キロというふうにお考えいただいたらいいと思うのですが、それからさらに沖合い、地形的に言いますと、房総半島の沖合いに、地震学者の方では地震の空白域が存在するのではないかという説が行われております。そこのところにつきましては、やはり観測体制を相当強化して、ある程度の結論を得たいという段階でございます。 それから六十九年説の中の、これは実は大きな地震、小さな地震、いわば都市の直下型というような地震を取りまぜて平均すれば六十九年という理解なんでございますけれども、実は小さな地震と申しますのはマグニチュード五とか六とかせいぜいが七というようなかっこうになりますと、実はマグニチュード八程度の、現在見つけようとしている地震の規模から言いますと、三十分の一から千分の一くらいまでの非常に小さなものでございます。そこのところは現在いろいろな測地観測というような体制を整備しつつある段階でございますが、具体的にどこの場所でどの程度の規模のものが起こるかということにつきましては、まだ科学的にはそう解明されている段階ではないというふうに考えております。 いずれにしましても、南関東地域は地震予知連絡会におきまして観測強化地域というかっこうで指定をしてございまして、この東海地域の検討が一段落した段階で、南関東の第一次的には先ほど申し上げました相模トラフの沖合いの海溝性の地震につきまして、その発生の可能性の有無それからその程度というようなものを御検討いただく運びになろうかというふうに考えております。
○小川(新)委員 よくわかりました。これはあくまでも起きないことを祈りつつ質問しているのであって、起きるんじゃないか、起きるんじゃないか、こう思っておりますとノイローゼになるし、だからといって対策を講じないのでは愚かでありますから、その辺のところは十二分に踏まえた対策をひとつお願いしたいと思います。 最後に、時間が参りましたのでこの一問で終わらしていただきますが、後ほどまたいろいろほかの議員さんからも御議論があると思いますが、消防職員の団結権について大臣にお尋ねしておきます。 ILO八十七号条約では消防職員の団結権を認めるとなっておりますが、昭和二十五年制定された地方公務員法五十二条五項には、警察職員とともに消防職員の団結権は禁止となっております。消防職員の団結権をめぐって論議をされておりますが、まず大臣のお考えを承りたいわけであります。御参考のために世界のILO条約加盟国百三十二国の中で、消防職員団結権を認めていないのは日本とキプロス、スーダン、ナイジェリアの四国だけであります。昭和四十八年、一九七三年、ILOの付属機関の専門委員会より条約九条の警察には消防は入らないと勧告がございますが、これらを踏まえて大臣の御所見を承りたいと思います。
○澁谷国務大臣 消防職員の団結権の問題はきわめて重要な問題で、従来とも国会におきましても種々議論をされてまいった問題の一つでございます。この点につきましては、政府としては御存じのように広い意味での警察のカテゴリーに入る、こういう認識に立ちまして団結権を禁止しておるわけでございます。これはあくまでも消防というものの持つ任務の特殊性、それから、職務の遂行に当たって要求される高度の規律と統制、そういう職務遂行の実態から見て団結権にはなじまないという考え方、判断、これは政府が従来一貫してとっておる考え方でございまして、現政府もその考え方に立っておるわけでございます。
○小川(新)委員 私は、この問題についての議論をするだけの持ち時間がいまありませんので、本日は大臣のお考えをお承りしたわけでございますが、いま大臣のお考えをお聞きしておりますと、あくまでも大平内閣の姿勢であり、自由民主党の政策理念である。こういった問題は、大臣個人の考えとして、軌を一にしているのかどうか。また、当然日進月歩に変わっております社会の構成の中で、ILO条約加盟国百三十三の中でたったの四カ国、スーダン、ナイジェリア、キプロス、言っては大変失礼かと存じますが、開発途上国でございます。先進国はわが国だけという状況の中で、広い識見の中で大臣がこの問題で御議論することは、もうほんの五分や三分の私の時間の中では、明確にお答えでき得ないと思いますし、また私も、そんな軽々にこの問題をはしょってお尋ねしているわけではございませんけれども、その姿勢の中で大臣個人の見解も、政府の閣僚の一人として当然の考え方なんだという考えなのか。個人としては、こういう民主的な条約、勧告、こういった問題の中で、おれはこういう考えを持っているんだけれども、政府の閣僚の一員としては当然それに従わなければならない、その辺の御見識、御見解を私はきょうはお聞きして、この問題についての私の考え方、わが党の対策については、後日私どもの議員が、また私がさせていただく考えでございます。ちょうど時間も参りましたので、その一点だけお尋ねして議事録にとどめておきたいと思いますので、あえて重ねてお尋ねをさしていただきます。
○澁谷国務大臣 私は、現に大平内閣の閣僚の一人でございまするし、長い間自由民主党の代議士でもあるわけでございます。そして私は、この問題については、八十七号条約の批准のときから、自民党で最も深く関係をしてまいりました一人でございますから、この問題についてのいろんな論議、いろいろないきさつ、大体承知をしておるつもりでございます。それで、個人としての見解はどうかという御質問でございますが、個人としても、私は従来自民党なり政府がとってきた考え方と同じ立場に立っておるわけであります。
○小川(新)委員 私の質問はこれをもって終了さしていただきます。ありがとうございました。
○松野委員長 次回は、明二十五日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十四分散会