地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/04/26
会議録
○松野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。斎藤実君。
○斎藤(実)委員 まず最初に、行財政の再配分についてお尋ねをいたしたいと思います。 御案内のように、国及び地方の財政は、五十年度以降も長期にわたる経済の停滞を反映をして税収の伸びはきわめて鈍化する一方でございます。また、景気の回復を図るために、引き続いて公共事業を中心とした支出の拡大という財政主導型の予算編成をしてまいりました。そのために、大量の公債及び交付税特別会計の借り入れに依存するという異常な状況下にありまして、財政の健全化は緊急の課題でございます。 今日の地方財政の危機は、これまでにたびたび指摘をされてまいりましたように、地方財政の構造的欠陥によるものでございました。地方財政の健全化を図るためには、まず国及び地方を通じた事務事業の総点検を行うことが必要だろうと思います。したがって、国の役割り、地方の役割りを明確に区分した行政事務の再配分を断行しなければならないと思うわけでございまして、これに基づいた財源の再配分を早急に行わなければならないと思うわけでございますが、これに対する政府の取り組みにつきまして、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○澁谷国務大臣 地方の時代ということが言われるようになって、これから政治行政の仕組みをそういう地方の時代の方向に向かって推進をしていかなければならぬ、こういうふうに考えます。 その一番骨格をなすものは、一つは、ただいま御指摘の事務の再配分、国と地方の事務の分担がどうあるべきか、現在、これからの時代を展望して、従来のあり方に拘泥せずに将来の展望を踏まえて国と地方の行政事務をどう分担すべきかということを根本的に見直すべき時期に来ておる。当然、仕事の再配分には財源の再配分が伴わなければならないわけでございますから、そういった意味で、行政、財政の国と地方との再配分を根本的に見直すべき時期に来ておるということで、自治省としては、地方制度調査会にこの点について諮問をいたしておりまして、九月にはその答申をいただけるということになってきておるわけであります。でありますから、その答申をいただきまして、そういった制度調査会の御意見を参考にしながらこの大問題と取り組んでまいりたいと考えております。
○斎藤(実)委員 九月に答申が出て、それによって早急に取り組むという大臣の御答弁でございましたが、ぜひこれは真剣に取り組んでいただきたいことを要望申し上げます。 次に、新聞報道でございますが、四月十一日の政府・自民党の首脳会議で、大平総理が、国が何もかも財源を握るのではなくて、地方に税配分を譲るというような発言をして、大蔵省に地方交付税の引き上げを含めて国税と地方税の税体系全般の洗い直しを再検討するように考えを示したというように報道されているわけですが、大臣、このことについて御承知かどうか、また、どういうお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○澁谷国務大臣 政府・与党連絡会議における総理の発言、ただいま御指摘になったような点が報道されました。その報道は私も承知いたしております。その後閣議で総理とも再三お会いしておるわけでございますが、総理から特に私に対して、この点についてのお話は何もございません。 ただ、何かきのうのテレビで総理のインタビューがあったようでございます。神奈川県知事との対談でやったわけでございますが、その最後の方で、やはりただいまのような、これから地方に対して財源をもっと移譲すべきだということを話されておったそうです。これも私、また聞きでございますが……。ですから、総理の頭の中にはやはり地方分権、その分権を実現するために財源を地方にもっと移譲すべきだという考え方が、どうも根本にあるようでございます。これはまさしく私どもが考えておる方向と一致しておるわけでございまして、ぜひひとつ総理にもそういう方向でリーダーシップを発揮していただきたい、このように考えております。
○斎藤(実)委員 いま大臣から御答弁ございましたように、大平総理の前向きな発言は私どもも高く評価をするわけでして、これからの地方の政治というものは、やはり国民の生活の向上なり、福祉なり、あるいは環境整備、こういうものを基本とした行政であり、公共事業であり、あるいは施策でなければならぬというふうにわれわれは考えるわけです。大臣も、大平総理の発言をきわめて前向きだ、同じような考えだという御答弁でございましたので、今後ともぜひひとつそういう趣旨でお願いをいたしたいと思います。 次に、五十年以来の地方財源不足というものが、毎年三兆円あるいは四兆円を上回る膨大なものになってきておるわけでございまして、交付税率三二%という枠では、これは非常に対処できなくなってきているというふうに思われます。したがって五十二年から、交付税の会計の借入金償還に対して、その二分の一を国が負担する仕組みになったわけですが、この今日の状況から見て、交付税率の引き上げということは必至の事態になっている、こう考えざるを得ません。こうした実態から、当然この際交付税率を引き上げるべきではないかと思うわけですが、いかがですか。
○澁谷国務大臣 たびたびお答え申し上げているように、やはり私は、今日の地方財政の窮迫した状態に対処して、やはり基本的には交付税率の引き上げをやるべきだ、こういう一貫した考え方を持っておるわけであります。ただ、これも再三同じことを繰り返して恐縮でございますが、とにかく国の財政がもう火の車の状態でございますので、筋から言うと、当然交付税率の引き上げをやらなければならぬという状態にあるにもかかわらず国の財政事情がそれを許さない、そのために実現できないでこういう状態になっておる、こういうことでございまして、しかしながら、これからの対策の方向としては、私はこの地方財政再建のためには、一つはやはり地方税源をもっと充実させるということ、それからもう一つは交付税率の引き上げないし交付税の対象税目の拡大、これをどうしてもやらなければ、地方財政の再建はできない。でありますから、そういう方向でこれからひとつ努力してまいりたいと考えております。
○斎藤(実)委員 大臣のお答えは私もわからぬわけではありません。当然に交付税は引き上げるべきだというお話、国の財政が非常に厳しい、国の財政が許さないので上げるわけにはいかぬという御答弁でしたが、私はこの不足財源に対して交付税の借り入れを行うことやあるいは財源対策債の償還も交付税で措置することになっているわけですが、こうしたことは交付税の先食いだというふうに判断されますし、地方財政はみずから財源を生み出すことができないわけでございまして、地方税の新たな税財源の確保を行わない限り交付税の引き上げを行うのは当然だと考えるわけでございまして、いま大臣からいろいろ御答弁がございましたが、この交付税引き上げについての見通し、この辺についてはどうでしょうか。
○澁谷国務大臣 この財政再建の問題は、国と地方、これはやはり一つのセットの問題として考えないと現実のものとならない。国はどうでもいい、地方だけよくしてくれ、こういうことでは実際問題としてこれは実現の可能性はないわけでありますから、どうしても国と地方、両方ワンセットで考える、そういう方向で政府としては取り組んでおるわけでございまして、それでその一つの大きな柱として、野党の皆さんには賛成いただけないわけでございますが、地方消費税というものも導入しよう、そういうものを一つの柱にして国、地方を通ずる全体としての財政再建の方策を打ち立てよう、こういう構えで現在取り組んでおるわけでございまして、恐らくこれが具体化するのは、昭和五十五年度の予算編成の中でこれが具体化してくる。でありますから、私はこの五十五年度の予算編成作業の中で、少なくともいま私が申し上げた地方財政のために必要な税財源の充実、交付税率の引き上げも含めて、これはひとつ大蔵省と真剣に折衝しなければならぬ、このように考えております。
○斎藤(実)委員 当面交付税の引き上げが無理だという判断でございますが、この交付税会計の借入金の償還に対して国が二分の一負担をしているわけでございますが、あとの二分の一は地方の負担という仕組みになっておるわけです。これを地方財政の現状から考えて全額国が負担すべきだという考え、これは私は当然だろうと思うのですが、いかがですか。
○森岡政府委員 交付税特別会計の借り入れによりまして必要な当面の地方交付税の額を確保しておるわけでございますが、それを将来に償還いたします場合に、どういうルールで償還をしていくかということにつきまして、ご承知のように、昭和五十三年度地方交付税法を改正いたしまして、お示しのように二分の一は臨時地方特例交付金として国庫が負担をするというルールを決めていただいたわけでございます。これにつきましては、地方六団体の方からもいま御指摘のように全額国で見てもらいたいという要請のあることも事実でございます。ただ、そういうルールを昨年度法定化したわけでございますので、私どもは政府全体といたしましては、このルールは当面の措置としてはやはり維持してまいらざるを得ない、かように考えております。 ただ、地方財政が二分の一を将来負担するわけでございますが、その分は私ども毎々申しておるわけでございますが、他の経費に食い込んで、他の経費を圧縮してそれを返していくという措置は絶対にとるつもりはございません。その償還費は地方財政計画に計上いたしまして、それを含めました地方財政として必要な財源は必ず確保する。その確保する手段としては、先ほど大臣から申し上げましたように、税源拡充あるいは交付税率あるいは交付税の対象税目の拡大のような各種の方途を組み合わせていろいろ考えてまいらなければなりませんが、結論的に申しますと、二分の一の地方財政負担というものは必ず国の責任において財源措置は的確に行う、こういう決意を持っておる次第でございます。
○斎藤(実)委員 次に、補助制度について伺いたいと思います。 行財政の再配分につきましては、戦後地方自治が発足して以来、今日までずっと言われてきたわけでございます。地方制度調査会でもこれまでたびたび答申が行われておりまして、ことしの秋をめどにこの問題についての取り組みを行うようになっていると伺っております。行財政の抜本的改革を早急に行わなければならないわけでございますが、当面緊急に取り組まなければならないことの一つには、補助金の整理統合があるわけでございます。 それに関連してお尋ねいたしますが、地方公共団体の単独事業が全体予算に占める割合について、都道府県及び市町村のトータルでどのようになっているのか、伺いたいと思います。私が昭和五十年度末で承知をしているところでは、一〇%を切っているように思うわけですが、五十二年度における状況をまず伺いたいと思います。
○森岡政府委員 全体の歳出の決算額の中で占める普通建設事業費の単独事業の割合を五十二年度で申し上げますと、都道府県が七・五%、市町村が一五・四%でございまして、この都道府県、市町村の純計で申しますと一一・四%でございます。
○斎藤(実)委員 ただいまお答えをいただきましたように、地方公共団体における単独事業というものは大体一割前後。地方公共団体が予算編成のときにまず真っ先に取り上げるのは補助金の伴う補助事業でございまして、単独事業は常に後回しになるわけでございます。最初に国の補助事業につき合わされるというかっこうになるわけでございまして、私はこの地方自治の面から言うならば、まず地域住民のニーズに対応した自主的な行政運営が最初に取り上げられなければならないというふうに考えるわけです。したがって、常に後手に回っているという状態、そうしてそのときにはすでに財源がなくなってしまう、こうした点から見ても、補助金、特に零細補助金の整理統合という問題はきわめて重要な問題であると思うわけでございます。政府も真剣に取り組んでいるようでございますが、この零細補助金の整理統合についてどういう決意でおられるのか、伺いたいと思います。
○澁谷国務大臣 地方分権というものを推進していくために、先ほどお答えしましたように、行財政の再配分というものが根幹であるということを申し上げたわけでございますが、これに関連してもう一つの大事な問題は、ただいま御指摘の補助金の問題だと思うのです。 言うまでもなく、現在の日本の政治、行政のあり方はいわゆる補助金行政でございます。中央集権国家の仕事を推進する手法としてそれの主柱をなしておるのが現在の補助金行政でございます。ですから、どうしてもこれからの地方の時代、地方の分権というものを実現するためには、この補助金行政というものにメスを加えない限り、これは言うだけであって、絵にかいたもちになってしまうわけでありますから、そういう意味で私はこの補助金行政というものに思い切ったメスを入れなくちゃならぬ、このように考えております。そういう点も、先ほど申し上げた地方制度調査会で現在これに真剣に取り組んでいただいておりますから、私が期待するような方向での答申が出てまいるだろうと思うのです。しかし、これはもう御承知のように、明治以来日本の中央集権国家がやってきて、牢固とした伝統を持っておるわけでございますから、これにメスを入れる仕事というものはそう簡単にできるとは私も考えておりません。非常に大きな厚い壁がある。しかしながら、この厚い壁をそのままにしておいたのでは、地方分権なんというものは絵にかいたもちになるわけでありますから、やはりこの厚い重い壁をどうしても切り開いていかなければならない。さしあたって、政府も零細補助金の整理統合、これはもう真剣に取り組んでおります。五十四年度の予算編成に当たっても、かなりの面でそういった実績も示してきておりますから、政府も全然やる気がないということではなくて、やろうということで取り組んで前進をしてきておるということはお認めをいただきたいと思うのです。ですから、この勢いを緩めないでさらにこれを推し進めて、零細補助金は私は思い切って整理したらいいと思うのです。 それからもう一つは、よく言われる補助金のメニュー化、そしてその選択権は地方に与える、こういったような方向でまず当面としては補助金行政の整理統合というものを推し進めてまいりたい、このように考えております。
○斎藤(実)委員 ただいま大臣から零細補助金の整理統合について非常に前向きな積極的な答弁をいただきましたので、ぜひひとつその決意で進めていただきたいと思います。 大蔵省の方、来ておりますか。大蔵省にお伺いいたしますが、五十四年度の予算編成過程で具体的にどのように検討されたのか、伺いたい。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。 零細補助金の整理合理化、ただいま自治大臣から御答弁ございましたように、私ども国の立場といいますか、財政資金の効率的な運用という点からいきましても進めなければならない課題の一つであると考えております。ただ、御案内のように補助金も非常に多岐な分野にわたっておりますし、それから一つ一つの補助金についてそれぞれの趣旨あるいは効果、そういったものが非常に複雑な問題がございます。したがいまして、一律に幾ら以下のものを直ちに自動的にどうするというような議論ではなくて、個々の分野ごとの補助金についてすべてを見直していくということでやっております。 五十四年度の予算査定におきましても、そういった細かい補助金——もちろん零細性ということは大きなチェックポイントの一つでございますけれども、そういうこととあわせてその当該補助金の有効性はいまでも残っておるのかどうか、確かに金目としては小さいけれども、他の代替手段と比べて非常に有効であるのかどうか、そういった観点からのチェックを行いながら整理合理化の方向で努力してまいっている次第でございます。 その結果、五十四年度零細補助金につきまして廃止したものが八件ございます。それから終期を設定いたしましたものが二件、それから交付先の見直し等によりまして零細性を解消するという形で整理を図ったものが四件ございます。これは一応金目的に非常に小さいといいますか、一定の水準以下のものを対象にしての件数でございますが、そのほかに先ほど来御議論がございましたような、この金額とは関係なく統合メニュー化という方向の努力は別途行っております。
○斎藤(実)委員 これは予算委員会に提出をされた資料でございますが、「五十年度以降補助金等整理合理化調」というのが出ておるのですけれども、これは廃止、統合、定員削減というもので件数と金額だけなんですね。私はこの件数と金額だけでは一体具体的にどういうものが整理され、どういうものが統合されたかということがわからぬわけです。これは名称と改善した具体的な内容を資料としてひとつ提出をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。 補助金の整理合理化は、先生の御質問は零細補助金だけじゃなくて、全部の補助金という御質問かと思います。予算委員会の方に御提出申し上げました資料でもごらんいただきますように、五十四年度だけをとりましても相当の件数に上っております。かつ非常に多岐にわたるものでございますので、どういうかっこうで整理申し上げたらいいのか、その点また別途先生に個人的に御相談申し上げたいというふうに思います。
○斎藤(実)委員 結構です。 次に、一片の補助要綱によって地方団体に補助金を義務づけている問題について伺いたい。 補助事業者に対する指導監督の権限が都道府県にはなくてもっぱら国の責任で行われているにもかかわらず、都道府県に負担を強いている事例が最近特に多くなってきている。こうした事例を自治省はどのように把握をしているのか、まず最初に伺いたいと思います。
○森岡政府委員 地方公共団体に補助金の支出を義務づける場合には、私どもは基本的には法令の規定に基づいてなすべきだと思います。通達などによりまして、実質的にその補助金支出を強いるというふうな行政運営の方法をとられることについては、非常に不合理であり、不適当であると思っております。またそのような趣旨の申し入れを、時に応じて関係各省庁に強く申し入れておる次第でございますが、なお相当のものが現在残っております。それらにつきましてはなはだ問題が多い、かように考えております。
○斎藤(実)委員 環境庁に伺いたいと思うのですが、法律上でなくて、制度上の問題ですが、都道府県に負担の義務がないと考えられるものに国立公園清掃活動費補助金というものがあるわけです。これはどこから見ても地方団体が負担するべきものではなくて、国が負担をすべきものだというふうに私は考えるわけですが、いかがですか。
○高峯説明員 お答えいたします。 国立公園は名称は国立公園ということでございますが、一般的に一般廃棄物の清掃の事務は市町村長の行うべき事務というたてまえになっておりますので、これは本来的には市町村の事務ではないか。しかしながら、国立公園におきましては非常に広大な地域、それから山間地を含んでおりますので、その点につきましては清掃費の補助金を四十六年度から設けまして補助を行っておるところでございます。
○斎藤(実)委員 環境庁にまたお尋ねしますが、都市公園のうち国の設置に係る公園、いわゆる国営公園、都市公園、都市公園法第二条第一項第二号の設置費及び管理費については地元公共団体がそれぞれ三分の一並びに二分の一を負担するというふうになっているわけですが、これらの費用は地方自治団体にとっては相当重い負担でございまして、なかんずく管理費については将来とも継続する費用でございます。地方団体の財源を圧迫している大きな要因となっているわけでございますが、政府は国営公園という観点からこれは国が負担をすべきだというふうに私は考えるわけでございます。現在全国に三カ所あるというふうに思われますが、北海道は札幌、大阪府は大阪市、福岡は福岡市ですね。特に札幌は四百ヘクタール、一期の工事費が約五十億円という膨大な金額になっておるわけであります。これをそれぞれ地方自治体が大きな負担をするということでございまして、地方団体の財政をきわめて圧迫しているわけでございます。この点について環境庁どうですか。
○高峯説明員 都市公園につきましては環境庁で所管しておりませんで、建設省の所管でございますので、私どもの方からはいまの質問に御答弁をする資格はございませんので、建設省の方からお願いします。
○斎藤(実)委員 それじゃ、建設省呼んでいませんから、自治省にお伺いします。 現行の負担区分を当分据え置くとした場合であっても、地元負担について地方交付税で措置できないか、局長いかがですか。
○森岡政府委員 都市公園のうち、いま国の設置いたします通称国営公園と言われておるものにつきましては、都市公園法によりましてその一部を地元の都道府県が負担するという規定がございます。御指摘のように、本来国営公園でございますから、私どもも基本的には国で全部持ってもらっていいじゃないかという感じもいたしますけれども、現行法がそういう仕組みになっておりますので、将来のあり方は別にいたしまして、やはり現行法に基づいた財源措置はしなければならないわけだと思います。 そこで、管理経費につきまして、都道府県分につきましては地方交付税のその他の土木費という項目がございます。それから市町村分につきましては公園費がございますが、そのそれぞれの経費におきまして、人口を測定単位といたしまして標準的な行政経費を算入することにしております。 そういう措置を講じておるわけでございますので、この措置によりまして管理経費についての地元負担の対応はしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○斎藤(実)委員 法律上、制度上、都道府県に負担義務のないものにも負担をさせているという事例があるわけです。たとえば離島航路補助金あるいは地方鉄道軌道整備補助金あるいは国立公園清掃活動費補助金等、国が地方自治体に対して、地方自治体が補助金を出すならば国も補助すると言って事実上地方に負担を強要するということが、国と地方の財政秩序を乱すとともに地方の自主性を損なうものだというふうに私は考えるわけでございます。当然国が負担する分はぜひ負担をしてもらいたい、こういうけじめをはっきりすることが地方自治の自主性を守ることにもなるし、これはぜひひとつ自治省としても明確にしていただきたい、こう思うわけでございますが、大臣、いかがですか。
○澁谷国務大臣 先ほど財政局長からお答えしましたように、そういった補助金のあり方というものは、これは決して望ましいことではありません。原則として、法令に基づいてやるべきものでございます。ですから、自治省としては、そういった事態が起きないように機会あるごとに各省には要請をしておるわけでございますが、今後ともこの点は厳重にそういう事態が起きないように各省に対して要請をしてまいるつもりでございます。
○斎藤(実)委員 次に、超過負担についてお尋ねをいたします。 これは私が申し上げるまでもなく、超過負担については何遍かここでも論議をされておりますし、地方財政を圧迫する大きな要因でございまして、特に国と地方との財政秩序を乱すものとしてこれまでたびたび指摘をされてまいりました。 超過負担の大きなものとしては保健所措置費、公立保育所措置費、精神薄弱児施設構造費等、きわめて超過負担が多いものとなっておるわけですが、この点についてどういうふうに把握をしているのか伺いたいと思います。
○森岡政府委員 超過負担問題は、四十年代から私ども地方公共団体の強い批判を受けまして、関係省庁及び大蔵省に対しましてその是正方を強く求めてまいったわけでございます。ここで一番大事なことは、関係省庁ないしは大蔵省と自治省及び地方団体の物差しと申しますか、どの部分が超過負担であるか、あるいは超過負担の金額はどうなんだということについてのコンセンサスが得られませんと、お互いに行き違いになってしまいます。 そこで、四十年代の後半から、大蔵省と関係省及び自治省が共同の実態調査をいたしまして、超過負担の内容を明確にする、その調査結果に基づきまして単価是正あるいは補助条件の改善などを行って超過負担の解消を図る、こういう仕組みをとってまいったわけでございます。いま御指摘の保健所の運営費及び保育所措置費並びに精薄者の援護施設につきましてもそのような実態調査をいたしまして、その結果に基づいて五十四年度におきまして保健所運営費につきましては、人件費についての給与格づけの改善、それから諸手当を補助対象にするというふうな措置を講じました。また、保育所につきましては、給食単価の改善及び給食内容の明確化を図りました。さらに、精薄者援護施設につきましても補助単価の改善、ことにまた門、へいなどが補助対象外になっておりますので、それを補助対象にするというかなりきめ細かな措置を講じたわけでございます。 しかし、これで十分かと申しますと、保健所なり保育所の運営費、措置費につきましては、私どもは職員の配置基準の改善をやらなければならぬのではないかという考えを強く持っております。また、精薄者援護施設につきましては、いわゆる標準仕様、標準設計というものを明確にいたしまして、その物差しでもって超過負担の内容を明確化していく、こういう事柄をやらなければならぬ、この点につきまして関係省に対して強く改善方を要求いたしております。できるだけ早くその結論を得たい、かように思っておる次第でございます。
○斎藤(実)委員 厚生省にお伺いしますが、保健所の措置費については、保健所の機能は縮小していないにもかかわらず、職員費は国の削減計画によって毎年職員定数を削られているわけでございます。こうしたことは地方自治体にますます財政圧迫を強いる結果になるわけでございまして、実態に即した補助制度を行うべきだと思うわけでございますが、厚生省いかがですか。
○杉山説明員 御説明申し上げます。 ただいま御指摘にもありましたように、保健所の職員につきましては、国家公務員の定員管理計画の横並びの措置といたしまして数次にわたりまして削減を実施しております。現在までに約三千名ほど実施したわけでございますが、一方におきまして保健所の事業も多様化しておりますし、また新しい事業等も出てまいっておりますので、それに対応する職員といたしまして千四百名ほどの増員を図っているところでございます。 私どもといたしましては、定員の削減問題につきましては国の公務員の定員管理計画の一環という形で受けとめておりますので、やむを得ない措置と考えているわけでございますけれども、ただいまも申しましたように、保健所の事業の特殊性というようなことを十分考えていただきまして、特に保健所事業の中心となります技術職員につきましては定員削減の措置の対象から排除してもらう、さらにはまたそういう措置によりまして、定員削減率を国の統一削減率の三・二%から二・五%に落とすなどの措置を極力とっているところでございます。 また、御指摘にもありましたように、定員削減によりまして保健所の事業に支障を来さない、そういうことが重要な問題になりますので、その点につきましては極力事務を簡素化するあるいは合理化を進めるというふうな考えをとっておるところでございますが、さらに五十四年度につきましては業務量の見直し等も実施してまいりたい、このように考えているところでございます。
○斎藤(実)委員 いま財政局長から、超過負担についてはいろいろ把握がむずかしいという答弁がございました。確かにそのとおりだろうと思います。この超過負担の調査については、国は国で調査をする、地方は地方で調査をするというふうに二重にやっているわけですね。だから私は、国と地方との代表で超過負担調査会というものを設けて、そこで共同で調査をし判断をするということが一番望ましいのではないかと思うわけです。個々にやりますと、どうしても食い違いが出てくるし、判断の違いも出てくる。国と地方で合同で調査をするという機関を設けてはどうかと思うのですが、いかがですか。
○森岡政府委員 御指摘のように、また先ほども申し上げましたように、超過負担の解消のためには、超過負担の範囲を確定する共同の物差しが必要だと思うのでございまして、そのような観点から、いままでは大蔵省、関係省及び自治省で一方において共同調査をいたす、他方、地方六団体に超過負担解消対策特別委員会というのが共同の機関として設けられておりますので、その特別委員会の意見を十分聞きながらこの共同調査の内容を吟味して超過負担解消を進めてまいったわけでございます。 しかし、率直に申しまして、お話のようにどうしても地方と関係省との間の意見のすれ違いというのが出てくる部面があることは否定できません。その辺の調節をいかに円滑にかつ実効あるようにやっていくかということは、私はやはりこれからの大きな課題だと思っております。 ただ、いまお話しのように、国と地方との共同の機関を設けるということは、いろいろな行政について余り事例がございませんので、直ちにそういう委員会をつくれるかどうかにつきましては、率直に申して余り自信がございません。しかし、私どもといたしましては、いま申し上げましたようにこのすれ違いをいかになくするかということについては、あらゆる角度からさらに検討してみたいと思っております。御提案の点も含めましてさらにいま少しく勉強させていただきたいと思います。
○斎藤(実)委員 起債の許可制についてお尋ねをいたします。 この起債の許可制度については、終戦後の資金が逼迫したときと比べると、国債、地方債の大量発行時代とはいえ資金需要は非常に異なってきていると考えられます。地方自治体においても、低成長経済下における財政の健全性の確保は当然としても、地方自治発足以来三十年を経ているわけでございまして、起債対象事業の厳しい選択など自己管理能力も備えてきていると思うわけでございます。こういうようなことを考え合わせたときに、起債の許可制度を廃止すべきではないかと思うわけでございますが、いかがですか。
○森岡政府委員 現在地方債の許可制度を設けております理由は、おおむね三つの理由に基づくものと私どもは考えております。 現在の財政、金融全体のあり方を考えます場合に、地方団体の資金需要も国全体の資金計画の中に織り込みまして、公共部門と民間部門との総体としての資金需要の調整を図る、これはやはり必要なことだろうと思います。どのような分量の資金を各種の公共施設、公共投資に回す、民間設備投資に回す、民間部門に割り振っていくか、こういう全体としての資金需要の調整を図る必要がある。 第二は、仮に許可制度を全廃いたしますと、財政力の弱い市町村などは、本当の意味での長期低利の良質な資金を確保することは困難になるという面が出てくると思います。物事は常にそういう傾向があるわけでございますが、自由になれば、言葉は悪うございますがいわゆる弱肉強食と申しますか、強いところは資金調達がきわめて容易であるけれども、弱いところは資金調達を自前でやらなければいけませんから大変むずかしくなる。そういう意味合いで、公平な資金配分を地方団体間で考えるという面から許可制度というものがなお必要ではないか。 それから第三に、地方財政全体の財源措置の内容といたしまして、地方債というのは重要な役割りを果たしておりますから、適正な規模の地方債というものを考えていかなければならない。それが各地方団体の全く自由な資金調達ということになりますと、適正な規模をかなり超えたことになるかあるいはそれをかなり下回ったことになるか、その辺のところは見通しはいろいろあろうと思いますが、適正規模の全体としての地方債資金の調達という面で非常に不安が残る。これは、そんな懸念は必要ないのではないかという御議論があるかもしれませんが、やはり個々の地方団体の健全な財政運営という点から見まして、個々の団体の適正規模というものも私どもは心配しておるわけでございます。 そのような三つの理由で許可制度というものが設けられておるというふうに思っているわけでございます。 ただ問題は、許可の仕組みはありましても、その許可の手続が非常に煩瑣になるということになりますと地方団体としては困るわけでありますので、私どもといたしましては、大蔵省と御相談いたしまして、許可手続をできるだけ簡素化するということをここ二、三年来進めております。この点につきましては、たとえば市町村分につきましていわゆる枠配分と申しておりますが、県にその県内の枠を包括的にお示しいたしまして、その中で市町村の事情を聞きながら県が適切に起債の配分をしていくというふうな仕組み、あるいはまた政府に提出いたしますいろいろな書類手続につきまして簡素化を図っていく、そういうふうな措置を講じまして、許可制度のもとにおける事務簡素化という点にはかなり思い切った措置をここ二、三年来講じたわけでございます。なお、さらに引き続き許可制度の円滑な運用については努力をしてまいりたいと思います。
○斎藤(実)委員 起債の許可制度の廃止ということについて、いま、確かに財政力の弱い市町村は良質の資金を調達できないとか、あるいは健全な財政配分という意味からなかなかむずかしいという御答弁でございましたが、起債許可制が廃止できなければ、ある一定の公債費比率まで自由化を認めることは可能ではないかと思うわけです。たとえば、現在起債制度の基準は公債費比率が二〇%になっているわけですが、この起債を二〇%に至るまで自由に許可するというような考えはとれないものかどうか、そうすれば大分事情が変わってくると思うのですが、いかがですか。
○森岡政府委員 一定のルールをつくってそこまでは自由にしたらどうかという御指摘だと思いますが、現在の地方財政制度が、毎々申しておりますように、個々の地方団体のいわば責任において財政の結末をつけるという面ももちろんありますけれども、それよりも政府、国が最終的に責任を持って財政措置を行うという仕組みになっております。必要ならば地方税を思い切って増税して財政収入を賄うということを完全に自由にしておるわけではございませんで、いわゆる制限税率という制度もあるわけでございます。でございますので、私どもといたしましては、そのこと自体についていろいろ批判なり評価がございます。もっと自由にしたらいいという問題がございますが、しかしまた反面、そういたしますと、財政の将来について非常に心配があるというふうな問題や、あるいは各地方団体間の格差、税負担にいたしましても行政水準にいたしましても、格差が強く出てき過ぎるではないかという懸念も一方においてはかなり強くあるわけでございます。それやこれやいろいろな条件を総合いたしまして現在のような税財政制度が設けられ、その中に地方債の許可制度も組み込まれておるものというふうに思うわけでございます。 したがいまして、もし一定の物差しをつくってそこまでは自由だよということにいたしますならば、基本の税財政制度をもっと自主性なり弾力性のあるものにしていくということを先に考えなければならない、あるいは並行して考えなければならない。起債を自由にやる限り、そのかわりその地域で住民の税負担の増加を求めても結末をつける、そこまでの弾力性を地方行財政の運営について設けていくということでなければならぬのじゃないかと私は思うわけでございます。その辺のところは将来の地方行財政制度の基本的なあり方にかかわる問題でございますから、その辺についての基本的な方向づけがいまの制度よりも大幅に変わらない限り、一定のルールの中では自由ですよという行き方はまだなかなかとれないのではないか、かように思います。
○斎藤(実)委員 大都市財政について伺います。 御承知のように、大都市は上下水道、ごみあるいは地下鉄など非常な財政難に落ち込んでおるわけでございます。人口が非常にふえているわけでございまして、人口が十万人ふえると公共投資が四千億必要だと言われているわけでございますが、このように財政需要がふくれ上がる大都市に対して、都市税源の充実が急務であるわけでございます。事業所税あるいは流通課税など大都市財源の充実に対する取り組みについてはどのように考えておられますか、伺いたいと思います。
○土屋政府委員 大都市における各種の需要というものが増高しておることはもうお示しのとおりでございます。そういったことから、私どもとしても従来から大都市のそういった姿に対応したいろいろな制度はそれなりに考えてきたつもりでございます。 一つには、行政事務の配分に関連いたしましては、たとえば軽油引取税の一部を大都市に交付するという制度、それから地方道路譲与税あるいはまた石油ガス譲与税を都道府県と同じ基準で政令指定都市に譲与するといったようなこともとっておるわけでございます。また、自動車取得税交付金についても別枠で配慮しておるといったようなこともいたしております。さらに、大都市の行政需要の増大ということもお示しのとおりございますので、そういった点につきましては、お話もございましたように、昭和五十年から事業所税の創設もいたしましたし、あるいはまた法人の住民税の均等割についても、大都市に資本金等の大きい法人が集中しているということもございまして、そういったところには特に多くの負担を求めるといったようなことで均等割の税率の引き上げを行うといったこともいたしましたし、また、都市計画税の制限税率も引き上げてきたところでございます。五十四年度も、たとえば地方道路税の税率引き上げに伴いまして地方道路譲与税が二五%ふえたわけでございますが、それに伴いまして、特に増加分をすべて大都市を含む市町村に配分するといったようなこともいたしたわけでございます。 こういったいろいろな措置をとってきておるわけでございますけれども、何せ大都市地域の過密状態の中では、いろいろな行政需要というものはふえこそすれ減ることはございませんので、今後ともそういった位置づけを勘案しながら、地方制度調査会とか税制調査会等の御意見も当然聞かなければなりませんが、私どもとしても具体的にどういった形でということになりますといろいろ議論が要ると思いますけれども、できるだけの手当てはできるような方向で今後とも検討してまいりたいというふうに思っております。
○斎藤(実)委員 大都市の財政需要が非常に盛んになってきておりまして、いま大都市の財政需要に対処するために国と地方との行財政の再配分を早急に進めなければならないと思うわけでございますが、これもなかなか簡単にいかぬと思うわけです。いまいろいろな対策について答弁ございましたが、大都市の財政需要というものは他の市町村とはまた別な面がございまして、何らかの抜本的な特別な対策を講じなければならないときにきているのではないかというふうに私は考えるわけでございますが、いかがですか。
○森岡政府委員 大都市が他の市町村と異なりますいろいろな財政需要を持つ諸条件につきましては、基本的に、たとえば中枢管理機能が集中する、それに伴って流入人口が多い、また三次産業も多いというふうな他の市町村と異なったいろいろな条件に起因していると思います。ただ、大都市には税源はあるわけでございますから、国と地方の税体系について見直しをいたします場合に、大都市についてはその地域の税源を的確に税収入として確保できるような税制をつくるということが基本だろうと私は思うのでございます。先ほど来税務局長が御答弁申し上げましたのは、まさしくそういうふうな方向で四十年代から五十年代の初めにかけまして孜々として努力をしてまいったということでございますが、なおそれで十分とは私ども考えておりません。できるだけそういう形で税源の拡充を図っていくということが基本であろう。 同時に、地方交付税の算定におきまして、大都市に特有な財政需要というものを的確に捕捉をしていくということがされなければならないと思います。そういう意味合いで、地方交付税の基準財政需要額の算定につきましても、昼間流入人口というものを、清掃とか下水に相当金がかかりますから、新たな指標として補正に加えていくというふうな努力をしているわけでございます。 いま一つの問題は、何と申しましても財政力のある団体でございますから、各種の公共施設を建設していきます場合に地方債を相当大幅に活用していいと思うのでございます。 そういう意味合いで、税源の拡充、交付税の的確な都市財政需要の算定及び地方債の思い切った活用、こういう措置によりまして大都市の抱えております各種の財政需要を適切に措置してまいりたい、かように思う次第でございます。
○斎藤(実)委員 次に、自治体病院の経営の健全化について伺いたいと思います。 地方自治体に行きますと、地方自治体病院の経営の悪化は大きな問題でございまして、これはどこの市町村でも病院を抱えている首長さんは大変頭が痛い。病院事業の抱える不良債務を何とか解消しなければならぬと思うわけでございまして、昭和四十九年度には約五百七十億円の公立病院特別債が発行されまして、四十八年度末の不良債務の大部分をたな上げする措置がとられました。五十二年度末の決算では不良債務額が一千百七十五億に達している。経営の状況がきわめて悪化しつつあるわけでございますが、この経営の悪化について具体的に要望が出ておりまして、長期債による不良債務のたな上げの四十九年度方式をとってもらいたい、そうしなければ病院の健全化にはならぬ。深刻な問題でございますが、いかがですか。
○中野(晟)政府委員 お答えいたします。 病院の経営の状況につきましては、いまお話しがございましたように悪化しておるわけでございますけれども、最近の経営管理の改善あるいは病院自体の努力もございまして、たとえば五十二年度を見ましても過半数の事業で実は黒字を生じておるわけでございます。また不良債務につきまして、額は若干ふえておりますけれども、不良債務を持っております事業も減少の傾向にあるわけでございまして、全般的には好転しているのじゃないかと実は見ておるわけでございます。ただ、御指摘がございましたように、個々の病院の実態について見ますと、一部には経営状況がますます悪化している事業も実はあるわけでございまして、そういう意味で経営の収支の状況が二つに分かれているように見受けられるわけでございます。 そこで、御質問にございました不良債務のたな上げということでございますけれども、私ども実はこういういま申しましたような事態から考えまして、経営悪化の著しい事業につきましては、地方公営企業法に基づきます財政再建を指導していく、それから一方、法に基づく手続によらなくても財政の再建が可能であると考えられます経営の収支の見通しが比較的よい事業に対しましては、自主的な経営健全化計画というものに基づきまして計画的に不良債務を解消してもらう。その場合に一般会計から繰り出しを行う場合に、これに対しまして所要の財政措置を講じてはどうだろうかということで実は具体的な検討を進めてまいっておるところでございます。したがいまして、御指摘にございましたような、かつての四十九年度におきまして行ったような特例債によりますたな上げというものは、いまのところ、いま申しましたような考え方で進めてまいりたいと考えておりますので、実は考えてはいないわけでございます。
○斎藤(実)委員 不良債務を出している病院事業は全体の四一・三%だというふうに言われているわけでございますが、その数は二百九十五事業だ、そのうち地方公営企業法四十九条に基づく再建制度を適用しなければならない団体はどれくらいあるのか、また不良債務の割合が低くて自主再建が可能な経営改善に向かっている企業はどの程度あるのか、示していただきたい。
○中野(晟)政府委員 先ほど申し上げましたようなことでこれから指導してまいりたいと思うわけでございますが、現在のところ、事業再建団体の申し出がございましてそちらによってやるものがどれだけあるか、あるいは自主再建でみずからやるか、あるいは先ほど御説明申しましたような新しい方策によって健全化を図るか、その団体数につきましては見込むことがちょっと困難でございまして、これから指導の段階におきまして、そこら辺、団体の意向というものがだんだん明らかになってくるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○斎藤(実)委員 確かに病院の経営内容についてはいろいろ差があると私も思います。したがって、経営収支の状況は非常に多種多様だろうと思うわけですが、ある病院事業は不良債務によって生じる資金不足を短期資金で転がしており、企業側の事業収益力だけでは不良債務を取り崩していくことはむずかしい状況にあるのではないかと思うわけですが、企業ごとの実態に応じた財政的なてこ入れが必要であると考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
○森岡政府委員 ただいま御指摘の御意見に私ども全く同感でございます。お話にございました四十九年度の不良債務のたな上げと国による利子補給の措置を講じました際には、社会保険診療報酬の引き上げがかなりおくれておりまして、病院自体の努力による収入の増加というものを図り得る余地というものもなかなかない。また経営努力においても十分でないというふうなことで、病院全体が非常に悪かったという時期でございます。そこで、一律に不良債務のたな上げ及び国による利子補給という措置を講じたわけでございます。しかし、その後、御承知のように診療報酬も適時適切に引き上げられてまいりました。その結果、病院の経営の実態というものが四十九年当時に比べますとかなりさま変わりになりまして、黒字基調のところ、それからもう少しがんばればいまの不良債務や赤字を計画的に消せるところ、それからもう一つはもうどうにもならぬところというふうに分かれてきております。そこで、それに応じた適切な対応策というものをきめ細かくやっていかなければならぬだろう。私どもがいま考えておりますのは、外的な条件もだんだん整ってきておるわけでございますから、もう少してこ入れをしてがんばれば黒字に持っていける、収支のバランスがとれるという病院につきまして、先ほど来御説明いたしておりますような健全化計画というものをつくって、一方において病院経営の努力もしていただく、他方、資金面での措置あるいは交付税措置も含めましてそのてこ入れを思い切ってやっていこう。しかし、一方におきまして設備あるいは経営内容から申しまして余りにも実態がてこ入れをするような余地もないというものも実はあるわけでございまして、それにつきましては、この健全化計画によって措置することはできないと私は思うのでございます。別途何らかの方策を考えていくのかどうか、その辺につきましてはまた別に考えていきたい、かように考えておる次第でございます。
○斎藤(実)委員 確かにてこ入れをして何とかもっていけるという病院、これはやりがいもあると私は思うのですね。ところが、これはなかなか再建が困難だ、むずかしいというところもあると思うのですね。そういうところの自治体というのは、これは財政力の弱いところだろうと私は思うのですね。そういう再建が困難だというところにつきましては特別何か考えなければならぬという答弁でございましたが、特別な補助制度というものは考えられないものだろうかと思うのですが、いかがですか。
○森岡政府委員 実態面からどうにもならないというのには、私は二種類あると思うのでございます。一つは、僻地の病院でありますとか、あるいはまた救急とか高度医療をやっております病院とか、どうしてもそれは必要だけれども、患者数が少ないとかいうふうな外的条件が整わないためにどうにもならない。これにつきましては、従来からもやってきておりますが、特別交付税で措置をする、一部普通交付税にも最近繰り入れておりますけれども、そういう措置によりましててこ入れをしていきたいと思います。しかし、そうでなくて、大変デラックスな設備をお持ちで、いわば言葉は悪いかもしれませんが、趣味的におやりになっている病院も実はあるわけですね。これにつきまして国がめんどう見るということは、ちょっと現実の行政施策としては困難だと思うのでございまして、その辺のところを一体どう考えるのかということは、基本的にはやはり個々の地方自治体の判断の問題としてやっていただかざるを得ないんじゃないか。そうでなくて、僻地医療でありますとか、どうしても外的条件が整わないが医療機関を維持していかなければならない。これにつきましては、おっしゃるように適切な財政措置を今後とも強化していきたい、かように思います。
○斎藤(実)委員 現在の国庫補助制度としては、救急医療あるいはがん医療それから不採算地域の病院医療など特殊診療部門に対して運営費の補助があるわけでございますね。補助基準額と赤字額との間に大きな相違があるわけです。これを実態に即した補助制度の充実強化を図る必要があると思うのですが、いかがですか。
○瀬田説明員 不採算地区病院の助成につきましては、ただいまお話しございましたように、特殊診療部門の運営費の補助金がございまして、毎年その充実強化に努めているところでございますけれども、五十四年度におきましても一層充実強化したいということで、補助額の増額のほかに、長年懸案になっておりました自治体病院につきましては、支給要件の緩和ということで、従来からの過疎四法の枠というものを廃止するということをしております。また、今後とも充実強化に努めていきたいと思いますけれども、いろいろ問題点が残っておりまして、たとえば一日平均患者数の制限でございますとか、そういったこともございますので、そういった条件の緩和等々に今後も努力していきたいというふうに思っております。また、不採算地区病院が、がんでございますとか、救急、小児、リハビリテーションとか、そういった問題で施設設備を要するというふうな場合には、従来からそういった施設設備の面につきましても補助を行ってきているわけでございますけれども、その面でも今後とも充実強化に努めていきたいというふうに思っております。
○斎藤(実)委員 ぜひひとつ地方自治体病院の経営の健全化について今後とも特段の努力をお願いをしておきたいと思います。 次に、地方事務官制度についてお伺いいたします。 これまで地方事務官制度の廃止についてはたびたび論議をされてまいりましたし、当委員会においても地方事務官制度を廃止し地方団体の事務とする決議がされておりまして、また政府においても昭和五十二年十二月閣議決定がされているわけでございますが、私の見るところでは、遺憾ながら現在に至っても何ら具体的な動きが見られない、こう思うわけでございます。地方事務官制度の廃止についてどういう状況になっているのか伺いたい。
○柳沢(長)政府委員 地方事務官制度の廃止の問題につきましては、ただいま御指摘のように当委員会でも決議されておることは承知しております。また、政府におきましては五十二年の十二月二十三日に閣議決定で、二年以内に廃止するという方針を決めております。その後、その閣議決定を受けまして、運輸省関係の車検、登録事務に従事する地方事務官を国家公務員にするという内容の道路運送車両法等の一部を改正する法律案を八十四国会に提案いたしまして、現在継続審議中でございます。運輸省関係で残余の輸送行政事務についての取り扱いをどうするか、それから厚生省、労働省関係の地方事務官をどうするかという問題につきましては、関係各省でいろいろ協議をしておりますが、何分三十年来いろいろ問題がございましたことでございますので、なかなか現在調整がつかない、こういう状況でございます。 ただ、自治省といたしましては、住民の身近なところで処理しなければならぬというふうな事務につきましては、地方公共団体の処理にゆだねるべきである、こういう基本的な立場に立ちまして適切な形でこの問題を解決したい、このように考えております。
○斎藤(実)委員 地方事務官制度による地方事務官の数はどれくらいありますか。
○柳沢(長)政府委員 全部で二万八百十一名ございますが、内訳を申し上げますと、厚生省関係が一万五千五百五十八名、労働省関係が二千三百五十三名、運輸省関係が二千九百名という形になっております。
○斎藤(実)委員 いま約七割以上を占めるのが厚生省関係の社会保険に携わる職員、こう見てよろしいですね。これらの職員のうち、特に都道府県の本庁に勤務している職員の場合、知事の指揮監督下にありながら実質的には人事、予算等でいわゆる知事部局職員とは全く隔離されているわけでして、同じ屋根の下においてよそ者扱いをされているというのでこれは非常に不満を持っているわけです。この一万五千五百五十八人、これらの方々についてはどう対処されるおつもりですか。
○柳沢(長)政府委員 ただいま申し上げましたように、厚生省関係の地方事務官を含めまして二年以内に廃止する、こういう形になっております。そういう点でいま関係各省で鋭意調整をしておるわけでございますがなかなか困難である、こういうふうな状況になっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたような形で、なるべく地方団体の方の職員にするというふうな形で今後とも努力してまいりたい、このように考えております。
○斎藤(実)委員 時間が参りましたので、以上で私の質問を終わります。
○松野委員長 午後一時より再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ————◇————— 午後一時三分開議
○松野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。細谷治嘉君。
○細谷委員 すでに多数の委員の方から質問が行われておりますので、重複する部分がかなりあるかと思いますけれども、質問をいたしたいと思います。 今度の統一自治体選挙あるいは昨年暮れの大平総理の田園都市構想、今度の選挙では、やります田園都市建設、こういう大きなポスターが出ておるわけでございますが、最初に自治大臣にお伺いしたいことは、今度の地方財政なりあるいは地方財政計画でありますが、国の予算との連関がありますけれども、そういう方向がいわゆる田園都市構想なり地方の時代へのアプローチ、こういうものが具体的に地財計画等の中で、あるいは地方財政対策の中でなされていると大臣は認識しているのか、いや全くまだそこまでいっていないと考えておるのか、お聞きしたいと思います。
○澁谷国務大臣 まず最初に私の基本的な認識を申し上げたいと思うのですが、地方の時代が来たということが日本じゅうで言われるようになってまいりました。これは私はこういうふうに考えるのです。つまり、いままでの日本というものはやはり中央中心の日本であった。この中央集権、中央中心の一つの時代が終わりつつある、そして地方の時代という方向に向かってこれから一つの時代から次の時代に移ろうとしておる、その幕あけと申しますか、スタート、それが現在の時点であろうというふうに私は認識しておるわけであります。これは言うまでもなく、一つの国の基本的なあり方というものが変わっていこうということでございますから、短期間にできるという性格のものでないことはもう当然であります。私は、ただいま申し上げたような中央中心の中央集権国家のあり方から、地方分権の日本に向かって一つの大きな幕あけが始まりつつある、そういう方向に国の政治、行政のあり方というものが全面的に重心を移していかなければならぬ。総理の言われる田園都市構想というものも、そういう考え方の一つの具体的なあらわれである、こういうふうに認識をしております。 そこで、お尋ねの、それならばそういった考え方がことし五十四年度の地方財政計画の中にあらわれておるかという御質問でございますが、ただいま申し上げたように、これから政府全体としてそういう方向に向かって取り組んでいこう、こういうスタートラインについた、こういう段階でございますので、その具体的なそれぞれの計画について地方財政計画でこういう予算の裏づけがなされておるというところまでは、率直に申し上げて至っておらない。強いて言えば、五十四年度の予算編成で私としては非常に重点を置いて取り組んだ一つは、例の地域総合整備事業債、これは、地方の時代というもの、そしてその中の一つの具体的な政策として取り上げられておる田園都市構想、そういったものを具体化するに当たっての一つの大きな支柱になり得る行政の一つの手法である、こういう考え方を持っております。そういうことで、前年度五百億であったその規模が千二百億に拡大をしたわけでございまして、こういうものをひとつ漸次拡大をしていって、地方分権というものの具体化を促進してまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○細谷委員 いまの大臣の基本認識については、私もほぼ同じ見解でありますけれども、ただスタート台に立ったというところで、まだ泳ぎ始めはしていない、こういうのが今年度の国の予算であり、地方財政計画である、こういうふうに大臣は認識していると思うのですが、そうですね。 そこで、さらにお尋ねしたいわけであります。スタート台に立った段階において、これから地方分権を進めていく、地方自治の本旨にのっとっていかなければならぬ、いわゆる地方の時代の幕を開いていくということでありますが、具体的な問題として、そういうものに対してやはり一番のかなめは地方交付税率のアップを中心としていく、そのアップという場合には、アップと同時に対象税目をふやしていく、こういうことが第一である、こういう大臣の答弁が、昨日、他の委員からの質問に対してあったと私は理解をいたしております。それだけでしょうか、お尋ねいたします。
○澁谷国務大臣 地方分権というものを実現する柱は、大きく言って二つある。一つは、やはり仕事の権限を地方自治体にもっともっと大きく持たせるということだと思うのです。それから同時に、その仕事をやる財政的な裏づけ、つまり地方財源の充実。この二つが地方分権というものを支える二大支柱である、こういうふうに考えております。したがって、この交付税率のアップなり対象税目の拡大というものも、いま言ったような意味における地方の税源、財源を充実させるための大きな支柱となる項目であるということを申し上げたわけでございまして、全般的に、やはり地方自治体が自分の判断で自由に使える財源というものをできるだけ多く持つことが地方分権を実現するための欠くべからざる支柱でなければならぬと考えております。
○細谷委員 それだけでいいのか。それから、公式的には事務の再配分、それにのっとったところの財源の再配分、こういう公式論が出るわけですけれども、たとえば広島の知事の、住民に身近な行政権限というものを県の方から市町村に移すという態度、これは前向きの姿勢で結構だと思うのです。ただ、受ける方の市町村は、財政の裏づけがなければだめなのだ、こういうことを言っております。ですから、行政権限の強化あるいは財政の強化というのは、行政権限がこうだからそれにふさわしい財政措置というものは全く切り離すことのできない一体のものだと私は思うのです。 もう一つは、国と地方との間の税財源の再配分という問題もありますけれども、大臣の言葉をかりれば、反対であろうとなかろうと一般消費税は設けなければならぬ、これは閣議決定だ、こういうことを言っているのですが、それは万能ではなくて、この一般消費税については、不公平の拡大であり、徹底的にとにかく不公平税制の是正を図った上でそれが適正であるかどうかということを考えるべきである。いま不公平税制がスタート台に立って一かさしたような医師税制の問題ぐらいでは、一般消費税なんてまだ議論の段階ではない、こういう理解をいたしております。仮にそういうものでもできないということになりますと、国と地方との間の税財源の再配分も必要でありますが、再配分と同時に、国民の租税負担率という問題もかなり大きな問題になっておるわけですけれども、地方税独自で現行税制の中においてあるいは新しい適当な税目があるならばそういうものに対して取り組まなければ、とてもじゃないが地方の時代の幕あけはできないと思うのですが、その辺どう思いますか。
○澁谷国務大臣 きのうもお答えいたしておりますように、私は、国、地方を通ずる財政再建の大問題に対して、一般消費税の導入だけで、きのうの言葉をかりれば富山の万能薬だというような短絡的な考え方は毛頭持っておらない。いま御指摘のございましたように、不公平税制という名前で言われておりますが、私どもは不公平税制とは呼んでおりません。いろいろな政策税制があるわけでございますが、そういったものも含めて全面的な洗い直しと申しますか見直しというものも当然やらなければならぬ。そういうものもやるという前提に立って、しかしそれだけではとうてい現在の財政難というものを切り抜けることは不可能である、こういうふうに私は考えております。ですから、そういうものと並行して、その中で新たに一般消費税を導入せざるを得ない、そういうところまで国、地方の財政状態は追い込まれておるということを申し上げておるわけであります。
○細谷委員 きのうからの繰り返しだけであって、一般消費税で片づく問題じゃないと思っているけれども、その次が全然ないね。私が聞いているのは、それだけではできないことは大臣もはっきり知っているのだから、だとするならば不公平税制——不公平税制ということを認識していないと言うわけですけれども、そういう問題なり、地方独自でも現行税体系の中においてあるいは新しい税目を創設することによって対応する必要があるのではないか、大臣どう考えているか、これが私の質問なのですよ。
○澁谷国務大臣 対応する必要があると考えております。それで、ではどういうことをやろうとしているのかという御質問だと思うのでありますが、とにかく新しい年度予算が施行になったばかりの月でございまして、その審議を含めての通常国会がいま行われておる最中であります。この通常国会が終わった途端に政府は来年度の予算編成の仕事に取りかかるわけでございますから、つまり、この国会が終了した後の年末までの政府予算原案の作成、これが一つのタイムリミットになるわけでございますから、その間において既成の税制の洗い直し、それから新たな一般消費税を含めての導入の問題、そういう全般的な行財政の見直しという大きな仕事に取りかかっていかなければならぬ、こういうふうに私は考えておるわけです。
○細谷委員 私は事務当局に聞いているのじゃなくて、政治家としての大臣に聞いているわけです。いろいろ問題がありますけれども、一般消費税だけではだめだ、何らかの新しい方法をやらなければいかぬ、それについての大臣としての基本的な考え方というのは、一つの構想なりあるいは具体的なものがあるかどうか。それはもう今度の国会が済んでからゆっくり考える、こういう現状ですか。どっちなのですか。
○澁谷国務大臣 とにかくこれはもう大きな作業でございますので、税の問題だけではもちろんありません。税の問題一つ取り上げても大変な問題であるということを繰り返し申し上げておるわけでございまして、政府にはそのための政府税調という機関がある、与党にはまた与党として党の税調がある、そういうところで各方面の意見を十分広く深く聞きながらどういう対応をすべきであるかという結論を出してまいるわけでございますから、それにはやはり相当の準備期間というものが必要でございますので、この国会が終了した後から年末のタイムリミットを目指して、とにかく政府、与党全力を挙げて取り組んで結論を出してまいりたい、このように申し上げておるわけであります。 事務的な答弁でありません。政治家としての答弁を申し上げているわけであります。
○細谷委員 きわめて不満です。大臣ともあろう者が、政治家としての答弁ならもうちょっと具体性があっていいと思うのですが、時間がありませんから、もうこれ以上は申しません。 そこで、すでに質問もあったところでございますけれども、五十四年度の地方財政計画をながめてみますと、どうもこの地方財政計画は完全消化ができないのではないか、こういうふうに私は見ております。大臣、どう見ていますか。
○森岡政府委員 御質問の趣旨に完全にお答えすることになるのかどうかわかりませんが、あるいは御指摘の趣旨が、予算編成当時に比べまして経済情勢などに若干違った条件も出てきておることから、そういう懸念があるのではないかというお話ではないかと思います。しかし、全般的に見ました場合に、景気の回復状況は着実な回復基調にございますし、また物価につきましては、卸売物価の騰勢がかなり強含みでございますが、現段階では消費者物価はなお安定の基調でございます。将来それがどういう影響を受けてまいるかということが大変大事な問題になってまいると思います。しかし、全体としてながめますならば、提出いたしました地方財政計画の大筋の執行は、当初予定しておりましたとおりになし得るものと私どもとしては考えております。
○細谷委員 午前中の斎藤委員の質問にもあったわけですけれども、五十四年度の地方財政計画を見てみますと、ずばり言って地方債を当てにした、全体としては一八・五%の借金を当てにして、地方の住民等が望んでおるいわゆる単独事業というものをかなり構造的にふやしていっておる。こういう点からいって、今日までの計画と実績の乖離から想像いたしますと、五十四年度のような単独事業に地方債で水ぶくれさせておる計画というのは、住民のニーズにこたえようとしておるけれども、残念ながら消化できないのではないか、こういうふうに読んでおります。 質問にありましたように、いつも財政計画は、いまおっしゃった景気の動向、インフレ的な懸念、卸売物価の上がり、消費者物価はまだ来ませんけれども、あるいは銀行等の窓口規制、クラウディングアウト、こういういろいろな現象が想像されておるわけでありますけれども、たとえば一般行政経費というのは常に単独部分がへっこんでいるわけですね。あるいは維持補修費、さらには、投資的経費の中における補助事業は当初の計画を上回っておるけれども、単独事業は必ずへっこんでおる。たとえば五十二年度は二一・一%も計画からへっこんでおる、五十一年度は一六・二%も単独事業はへっこんでおる。こういうことからいきますと、しわ寄せは挙げて一般行政経費の単独部分と維持補修費それから投資的経費の中の単独事業にしわ寄せされてぐるのではないか。したがって、住民のニーズにこたえようとしてつくった計画が実態としては水ぶくれであって消化できない、こういうことになるおそれが計画上からも、あるいは過去の実績からも想像するにかたくない、こう見ているのですが、大臣どうですか。私も余り数字を使わぬでアバウトで質問しているのですから、これは政治家の答弁がほしいのだな。
○森岡政府委員 地方財政計画と決算との乖離の問題を踏まえてのお話かと承りますが、その中で特に御指摘のありました投資的経費の中で補助事業は決算が財政計画を上回り、単独事業は決算が財政計画を下回っておるという状態が実はここ数年来続いております。これはかなり技術的な決算の整理の仕方にも絡まる点が多いと思うのでございまして、いわゆる継ぎ足し単独というふうに目されておりますものが相当部分補助事業の中に整理されておるというふうな差し繰りの面もかなりあると思います。 それから、これはもう先生も御承知のように、基本的に財政計画は、標準的な行政水準を維持するためのあるべき経費項目を算定しておるわけでございまして、各地方団体の財政がずばりこのまま行われるというわけにはもちろんまいらないわけでございますから、各経費別に見ました場合の入り繰りというものが若干出ることは、これはむしろ財政計画の一つの限界ではなかろうかと思うわけでございまして、むしろ私どもの今後の課題といたしましては、財政計画と決算との乖離を、財政計画を改める方向で、合理化する方向で見直していくことを心がけるべき問題だというふうに思っておる次第でございます。
○細谷委員 このくらいにしようと思ったのですけれども、単独事業がへっこんでおると言うと、ぜいたくなデラックスなものをやっているとかなんとかという答えになってすぐはね返ってくるわけです。地方財政計画も当初から幾つかの変遷を経て、最終的に同質のもので対比できるようにあなたの方も整理しているでしょう。これはまだ大ざっぱなようでありますけれども、私が昨日あなたの方から示された五十二年度の決算と計画との乖離を見てみますと、維持補修費が計画よりも一二%へっこんでいるのですよ。それから投資的経費は補助建設が一一・七%計画を上回っているわけですが、単独については、先ほども申し上げたように三角の二一・一%なんですね。言ってみますと、公共事業と言われる補助事業の方は計画を上回っているけれども、単独事業は、五十二年ばかりでなくて五十一年度だって二〇・七、五十年度だってそうですよ。ずっと見ていくと、当初の地方財政計画の単独事業を決算が上回ったという例は、いままで皆無とは申しませんけれども、ほとんどないのですよ。ですから、いまやもう定着してしまっているのですよ。こういうことが定着するのはいかがかと私は思うのですね。それはやはり計画が、財源措置が十分じゃなくて水ぶくれだ。 大臣、地方の時代という大臣の認識からいっても、四月二十四日の日本経済新聞に「公共施設に“文化の香り”」、地方の時代というのは、教育、文化というのもローカリティーというものを出そうというわけですね。それと、「学校や橋りょうといった公共建築物に地域の特色や文化の香りを盛り込もう、そのための費用として建設費の数%を」——一般的には建設費の一%ぐらいらしい。「上乗せしようという試みが、神奈川、兵庫両県をはじめとする地方自治体の間で広まっている。」 私はそれはいいと思うのですよ。日本のビルディングなんて皆真四角でしょう。フランスへ行けば、あの屋根のところへ、まあいいか悪いか知らぬけれども、かなりの芸術家でちゃんと像が立っているでしょう、やはりフランスの象徴として。日本のビルディングは全くマッチ箱、何らの特徴がない、こういうことでありまして、地方のこういう動きは、文字どおり地方の時代、そういうものがスタート台に乗っておる証拠だ、こう思うのです。 そういうこともあわせ考えますと、単独事業というのが当初計画二〇%もへっこむようでは、これはやはり地方財政計画策定上どうも財源措置が伴わないから、したがって、結果として水ぶくれになっている、こういうふうに言う以外ないんじゃないか、こう思うのです。 大蔵省主計官が来ておりますから、この問題について、あなたも知っているでしょう、何が原因なのか、大蔵省の見解をお聞かせいただきたい。
○足立説明員 お答えいたします。 私どもも地方財政計画につきまして、計画額と決算額との乖離、これが非常にあるということは十分承知いたしてございまして、地方財政計画の策定に当たりましては、本問題についていつも自治省との間でいろいろと話をしておるところでございます。 まず、地方財政計画というものは、先ほど財政局長からお話しがございましたように、地方財政のあるべき姿というものを一つ示すということでございますので、必ずしも実情に合っていない点がございます。これは単独事業も非常に乖離がございますが、一番乖離の大きいものは人件費でございまして、常に計画額と決算額とでは決算額がオーバーする、こういうことが毎年続いてございます。したがいまして、これは地方財政計画上見ております財源のあるなしにかかわらず、消費的経費、なかんずくその人件費が決算額では計画額をかなりオーバーいたしますので、そのしわ寄せが投資的経費の方に来ておるということが実情ではないかと考えております。 それで、一般的に景気の好不況によりまして、好況期にはやはりかなり自然増収というのがございますので、その自然増収分が投資的経費に回せる。それは端的に申しましてやはり単独事業に重点的に向けられるんだろうと思いますが、そういうような時期には、地方財政計画の単独事業につきまして、計画額よりも決算額の方が多い、こういうような時代、時期もございました。しかし、最近におきましては、一般的な不況、財源不足、財源の伸び悩みというようなことで、決算額におきまして、先生御指摘のとおり、地方の投資的な単独事業につきまして毎年毎年多額の乖離、決算額の不足という現象が出てきております。 私ども、先ほど申しましたように、地方財政計画の策定につきまして本問題をどういうぐあいに扱ったらいいか、むしろ実績にある程度近づけるべきでないかという議論をいたすわけでございますが、これはまた実務的にはなかなかむずかしい問題でございまして、毎年毎年のその地方財政計画額としての連続性、こういったものを考えますと、なかなか一挙に実情に合わすというようなこともいかがか。それからまた、地方財政計画自体の意義といいますか、そういうような一応の基準を示すという形のものである、こういうことからいきまして、どの程度までその訂正といいますか、変更が可能か、こういった問題がございますので、なかなか一気に解決を見ない問題でございます。 しかしながら、先生の御指摘のように、乖離が非常に大きいというのはいかがかという問題意識は持っておりますので、今後とも自治省との間で相談をして検討していきたいと考えております。
○細谷委員 残念ながら、私の質問の仕方が悪いのかどうか知らぬけれども、的を射たお答えが返ってきてない。人件費が高いから単独事業がへっこむのだ、こういうストレートな議論、お答えしか返ってきてないのです。 確かに人件費の問題が地方財政計画の大変大きなウエートを持っております。しかし、今度の計画では、従来は三五%前後であったものが漸減いたしまして、いまや、一番低かったと言われる四十八年の二八なり二八・五くらいのところに今度の計画は来ているわけですね。現実に五十二年度のあれを見ますと、一二・七%上回っておる。これは後で定数等の問題についてちょっと質問いたしますけれども、ですから、そんなにストレートな短絡的なお答えではこの計画と実績の乖離というものは解決されておらぬのであります。むしろ、やはり計画自体が水ぶくれの部分がある。水ぶくれというのは、計画が悪いと言っているのじゃないのですよ。財源措置が不十分である、こういうふうに私は見ておるわけです。 そこで、こんなことで時間を食ってもしようがありませんから、私が質問いたしたい点は、ことしは財源不足額四兆一千億、こう言っているわけですけれども、その財源不足額というのはどういうことなんですか。私が聞きたいことは、地方交付税法十条の二項に「財源不足額」、こういう言葉があるのですよ。この地方交付税法十条の二項の財源不足額というものと、それからあなた方が一般に言っておる財源不足額四兆一千億というのは、同じ言葉でありますけれども、内容が違うようでありますけれども、いかがですか。
○森岡政府委員 いま御指摘の四兆一千億の財源不足額というものは、毎年度の地方財政に必要な財源を確保いたしますために、いま御指摘の地方財政計画の見込みを立てまして、歳出と歳入の差額の見通しを得て出てまいりますものが、予算編成時点における財源不足額というものでございます。 十条の二項で書いておりますのは、地方交付税の算定、特に普通交付税の算定に当たりまして、各地方団体ごとに基準財政需要額を算定し、また基準財政収入額を算定し、その差額が財源不足額であるということでございますから、交付税法十条二項の財源不足というのは、交付税計算ベースの財源不足でありますし、四兆一千億というのは地方財政計画全体としての財源不足でありますから、絶対額としてそれは必ずしも一致しないということになろうかと思います。
○細谷委員 おかしな答弁ですよ。 財源不足というのは二種類あるのですか。交付税法上の財源不足というのと、地方財政計画全体の財源不足の二種類あるのですか。これは珍説ですよ。 私は、その財源不足額と一般に言っているのが、四兆一千億というのはその積算根拠はわかりませんけれども、いろいろな説があるわけですよ。私は、法律に出てくる財源不足額というのは、この地方交付税法十条の二項に出てくる不足額以外にないわけですね。通常一般に常識的に財源不足という言葉はあるにしても、法律上財源不足額というのは交付税法上の財源不足額じゃないですか。私の質問、わかりませんか。あなたの方は、地方財政計画上の財源不足、それから交付税法上の財源不足というのは違うのだ、こういうことになってしまうと、財源不足額I、あるいはトータル財源不足というか、あるいは交付税法上の財源不足という注をつけなければわかりませんよ。これどっちですか。
○森岡政府委員 御質問の趣旨を私十分理解しておらなかったようで、誤解があるかと思いますが、現在、法律上財源不足という用語を使っておりますのは、これは地方交付税法十条に定めておるものしかございませんから、法律的な意味での財源不足は何かと言われますと、御指摘のとおりでございます。しかしお話のように、四兆一千億円というのが何か、こういうお話でございますから、それは地方財政の全体の歳入、歳出の見込みを立てて、そこから導き出された財源不足というものが四兆一千億円である、こういうふうに申し上げたのでございまして、法律上の用語としての財源不足でありますならば、それはまさしく交付税法以外にはございません。
○細谷委員 交付税法十条二項による財源不足というものは、基準財政需要額、各地方団体ごとに計算してそれをサムアップして、そして基準財政需要額と収入額との差額、これを財源不足額と、こう法律の定義ですね。そうすると、地方財政計画上の財源不足というのは——基準財政需要額と収入額とは、地方財政計画とは全く離れて計算されているのです。それは本来同じものでなくちゃいかぬはずです。そうでしょう。地方財政計画に基づいて基準財政収入額が決まり、需要額が決まる、そして財源不足額が出てくるわけでありますから、交付税法十条二項の不足額と一致しなければ、同じものでなくちゃいかぬはずです。違うというのはおかしいでしょう、これは。全く地方財政計画から離れてやるのなら別として。そうじゃないですか。別物だという扱いならば、理解できませんね。
○森岡政府委員 重々御承知の点であろうかと思いますが、基準財政需要額、基準財政収入額、差し引きの財源不足と言います場合には、当然基準財政収入額は県の場合には税収入の八割でございます。市町村の場合には七割五分を算定して、そういうベースで計算した財源不足額をここでは言っておるわけでございます。しかし、地方財政計画全体の歳入歳出というのは、いまの税で申しますと、それはそれぞれ標準税率で計算した税収入全体を見込んで、歳出との差額がどうなるか、差し引きどれだけ不足をするかという計算をするわけでありますから、そういう意味合いで異なっておるというふうに申し上げたつもりでございます。
○細谷委員 基準税額のことは承知して、そしていわゆる十条の二項というのが、この基準財政収入額と需要額の差というものが交付税の総額を超えてしまえばどうするのだというただし書きがあって、それがまたひどくなれば六条の三の二項が働きますよ。これが交付税法の体系でしょう。 そうすると、基準財政収入額というのはどこから出てぐるかというと、地方財政計画にのっとって出てきているわけですね。需要額というのも財政計画にのっとって出てきているわけですよ。そうすると、この不足額で足るのじゃないんですか。全体計画突っ込んでみたらバランスが四兆一千億足らぬから、だからこれを不足額というのとでは、おかしいですよ、混乱しているんじゃないんですか。私の混乱でしょうか。
○森岡政府委員 先ほど申しましたように、法律上財源不足額という用語、定義は交付税法十条でございますから、それに即して財源不足額を算定いたしますならば、個々の団体ごとに需要及び収入を算定してそれを積み上げる、その財源不足額の合計額がまさしく地方財政の財源不足額である。地方財政平衡交付金時代は基本的な仕組みといたしましてそういう仕組みをとっておったことは御承知のとおりでございます。しかし事実問題として、毎年度の予算編成あるいは地方財政対策を策定いたします際にそのような作業を事前に行うということはなかなか困難なことでございますから、全体としての地方税あるいは地方債あるいは雑収入というものを歳入として見込み、また全体としての歳出をそれぞれの経費ごとに見込んで地方財政計画を策定して、その財源不足を計算しておる、こういうことでございます。 あるいは御質問の趣旨と私のお答え申し上げておることとがえらくすれ違っておる、私の申し上げておることが技術的な計算の方法について申し上げており、御質問の趣旨は理念的なこと、考え方の問題であるのかもしれませんが、私としてはいま、先ほど来申し上げたように理解をしておるものでございます。
○細谷委員 今度の五十四年度の交付税の全体計画における基準財政需要額、収入額はそれぞれ幾らで、基準財政需要額と収入額の差は幾らですか。——これはすぐ出るだろう。
○柳説明員 お答え申し上げます。 五十四年度の現時点でされております全体計画に基づきます基準財政需要額の見込み額と基準財政収入額の見込み額の関係でございますが、交付団体ベースで申し上げまして、基準財政需要額の見込み額が十五兆三千九百二十二億円、基準財政収入額の見込み額が八兆一千六百九十四億円でございまして、その差額の七兆二千二百二十八億円が普通交付税の額になるわけでございます。
○細谷委員 そのとおりですね。これが交付税法第十条二項に基づく不足額ですか、と思っているのですかどうですか。
○柳説明員 この額が交付税法十条二項の財源不足額の合計額の見込み額になるわけでございます。
○細谷委員 きのうの委員の質問に対して石原審議官は、五十二年度に本来の裏負担分として交付税で見るべきものを地方債に振りかえた分が五十二年度一兆三百五十億、五十四年度一兆六千四百億円、こういう答弁をしているのですよ。これはどこへいっちゃったんですか。地方債に振りかえたんだ。いわゆる投資的経費ですね。これは不足額に入らないのですか。このあなたの全体計画で出ているこれだけで。これは地方債ですよ。これは入らないのですか、入るのですか、どっちですか。
○石原政府委員 現在御審議をお願いしております交付税法の改正法案による単位費用を用いて算定した基準財政需要額の見込み額とそれから基準財政収入額の見込み額の差し引き額としての財源不足額が、ただいま交付税課長が答弁した額でございまして、それが交付税法第十条二項ですか、この規定による財源不足額となる予定のものでございます。したがいまして、現在御審議いただいております改正交付税法案の単位費用の積算の前提といたしまして、一兆六千四百億円のいわゆる財源対策債相当分は投資的経費から外されておりますので、交付税法の規定による財源不足額にはこれは含まれません。
○細谷委員 ことしのあなたの方の案では含まれませんけれども、これはもともと含まれておったものじゃないですか、いかがですか。
○石原政府委員 法律概念としての、交付税法の規定に基づく財源不足額には、改正法案が御承認いただければ含まれないことになる。 それから、先ほど来局長からも御答弁申し上げておりますように、マクロの地方財政の見通しとしての地方財政収支の見通しでは、財源対策債というものの発行を行わない場合には、当然それが財源不足になるわけです。ですから、不足になるものですから、地方債によってこれを補てんする、こういう関係に立つわけでございます。
○細谷委員 とにかく今度の計画では、そんなものは追っ払っちゃっている、公共投資の裏負担というものは追っ払っちゃっている。過去には、五十一年までは交付税で見ておったでしょう。きのうのお答えのように、五十一年度の一兆六百三十二億円、このうちの八千億というのが地方債に振りかえてあります。五十年度までは交付税で見ておったわけでしょう。ですから、五十年までの結果からいけば、交付税の制度からいけば、これは本来交付税法上の財源不足額と見ていいわけでしょう。あなたの方で全体計画つくっておって、そしていままでやっておったものを追っ払っちゃったわけで、きわめて縮小した形で財源不足額は七兆二千二百二十八億、こう出した。全体の計画はそうですけれども、過去の交付税制度というものを、交付税の総額が減ったから全部追っ払っちゃって、これで正しいのです、こういうやり方は、財源なしに景気のいい単独事業をやりなさいと言って、消化不能に陥りますよと私が言ったことをまさしく地でいっているじゃないですか。私の理解では、全体計画の七兆二千二百二十八億円に、今度のいわゆる地方債に振りかえられた、従来は交付税で見ておった一兆六千四百億円を加えた、言ってみますと、おおよそ八兆八千六百億円程度が交付税法第十条二項に基づく財源不足額であらねばならぬ、こう見るのですが、それはおれの方は案どおりいっているんだから、そんなのは、おまえのやつは過去の夢にとらわれているんだとおっしゃっても困るわけです。私は、地方財政のあなたの方の厚い本の石原論文を中心にして去年質問した際にも、あなたの論文、あなたの考えに基づいて言っているわけです。地方財政法の精神からいって、これを完全にゼロに追っ払らっちゃう、半分入れるとかなんとかなら別として、これは財源不足じゃないですか。今度の全体計画が七兆二千二百二十八億であることは認めます。それが問題なんだ、これが私の問題提起なんですから。もう一遍審議官。
○石原政府委員 地方交付税法での財源不足額の定義は、先ほど局長からも申し上げましたようなことでございますが、問題は、基準財政需要額の算定のもとになります単位費用、部分的には補正係数も関係するわけでありますが、この単位費用の積算の基礎の中で、特に投資的経費をどのように積算するかということが問題の焦点ではないかと思います。 御指摘のように、昭和五十年度の当初算定までは、投資的経費は原則的に一般財源で賄う。ただ例外的に、たとえば公共事業については二〇%程度、ものによっては三〇ないし四〇%程度の地方債を前提にして投資的経費の積算が行われておったわけですけれども、大部分のものは一般財源によってこれを賄う、こういう前提で投資的経費の単位費用等の積算が行われておりました。したがいまして、五十年度の当初までの財源不足額は、言うなれば地方債を余り前提にしないで算出された財源不足額である、こういうことが言えると思います。しかし、五十一年度以降は、財源不足に対処するために投資的経費の相当部分を地方債に振りかえて、その振りかえた後の姿において投資的経費の積算が行われている。その結果出てくる財源不足は、いわば振りかえられた地方債相当額が外された形での財源不足額である、こういう見方ができると思います。
○細谷委員 地方債に振りかえたいものですから、交付税法上の需要額はどういうふうに全体計画の中へ入ってきているかと言うと、私が算出したところでは、五十四年度は地方財政計画上の投資的経費に係る地方費というものが九兆七千八百三十八億円ですよ。それに対して投資的経費の需要額に入ってくるのは三兆八千九百十二億円ですから三九・八%。私の数字は違っていないだろうと思う。いま五十年度の話がありましたが、四十八年度は振りかえ措置が行われておりませんから、結局需要額に五三%入っているんですよ。その辺が違いが出てきているわけだ、振りかえたために。しかし、その振りかえは地方債の九五%とかなんとか、そういうことから論理的に割り出されているんでしょうけれども、ここへきて五十三年度、五十四年度は投資的経費に対する需要額の見方が減ってきているわけだ。シェアは落ちてきている。そうなってくると、これを外して地方債に追い出してしまった、私は知っちゃおりません、今度の法案に書いてある限りにおいては、十条二項の不足額というのは七兆二千二百二十八億円です、こういう、何かずっと前の大臣の小川平二さんが、百万代言的な答弁ではもう大臣としてくたびれた、こう言っていますが、それじゃ困るわけですね。審議官もう一遍……。
○石原政府委員 結局地方財政の現況が、投資的経費の大部分を一般財源で賄うにはとうてい地方財源が不足する。そのための対応策といたしまして、一部は地方債の増額で、一部は交付税会計の借り入れで、また一部は臨時特例交付金の交付で対処しようというのが五十四年度の地方財政対策でございまして、結局交付税法が本来想定したような形で投資的経費の算定が現在はできない状態になっている。そのためのやむを得ざる措置として地方債振りかえを行い、経常経費を中心に、地方財政の運営に支障のないよう単位費用の積算も行っているというのが現状でありまして、確かに交付税法が当初といいましょうか、そもそも想定している姿にはなってない。それなるがゆえに改正法案の御審議をお願いしているわけでございまして、私どもはこういった状態ができるだけ早く解消されて、交付税法本来の姿での単位費用の積算、投資的経費の算定ができるようになってほしい、このように望んでおるわけでございます。
○細谷委員 最後は大臣に聞きたいのですけれども、足立さん、地方財政法、地方交付税法にのっとった本来の交付税計算ができませんから、本来交付税であるのがこっちへはみ出しちゃう、追っ払っちゃっている、こういうお言葉でございますから、これはもうすべて交付税総額にかかわる。財源不足は交付税総額にかかわる、こういうふうに石原審議官は言っているのですが、あなたもそういう理解ですか。
○足立説明員 その点はそのとおりだろうと思います。したがいまして、現在交付税の総額の特例をお願いして交付税法の附則の八条で総額を増加させていただく、こういう特例法の御審議をお願いしているわけでございます。
○細谷委員 大臣、いまお聞きのように国の財政も苦しい、地方財政も苦しいけれども本来交付税で見るべきもの、財政法なり交付税法、それに基づく地方財政計画で見るべきものを追っ払ってしまっているわけですよ。ですから、この点に関する限りは、ないそでは振れないということでありますけれども、地方財政は十条の二項の財源不足額も満たしておらぬ、こういうことに決着つくわけですが、大臣そう思いますか。
○澁谷国務大臣 不足額を満たしておらないという解釈の中身によると思うのですよ。本来交付税で見るべきものを交付税でない地方債で一部は充当しておる、だからそれは充足していないのだという解釈もこれは成り立つと思います。しかしながら、見たいのだけれどもとにかく金がないのだ、やむを得ないので一部は地方債で充当しました、地方債を合わせた形で財源不足額を満たしております、こういう解釈も成り立ち得ると考えます。
○細谷委員 この点については、私は予算委員会で大臣ともずいぶんやりとりをしたわけですから、時間がありませんからこれ以上申しませんけれども、大変な問題が残っている。しかもあの節申し上げたように、交付税で見るべきものを追っ払っておいて、追っ払っておるのを十分見てない交付税でまた元利償還を見てやろうというのですから、これはもうおかしい。きのうあたりもこれは指摘がありましたから、私はきょうはそれ以上申し上げません。これは問題です。こんなばかげたことは許されぬ、こう考えます。 そこで、私が不思議に思うことは、財政局長流の財源不足額——財源不足額というのはいいかけんな、何か法律に基づかない、財源不足ということで一致しなければいかぬわけですけれども、これを見てみますと、どうもアトランダムだと思うのですよ。何か法則性があるのかどうか。五十四年度は四兆一千億の財源不足で二兆二千八百億円借り入れしました。これは不足額の五五・六%ですよ。それから五十三年度は三兆五百億円の不足額に対して借入額は一兆五千五百億でありますから五〇・八%。五十二年度は二兆七百億円の不足額に対して九千四百億円交付税会計に借り入れいたしますから四五・四%。五十一年から始まったわけでありますけれども、五十一年は四千五百億というちょっとごまかしの変なものが入っているから、一番すっきりしているのは五十二年度からです。五十二年度が四五・四の借り入れ、五十四年度は五五・六で、ここで一一・二%借入額がふえていっているのですよ。これは地方から見ますと、交付税会計に借入額が五十二年度は四五%であったのが五十四年度は五六%になったということは、借入額のシェアがふえたということです。それが将来また二分の一負担させるというのですから、これは一定の法則があってこうなったのですか。もし一定の法則なり積算基礎があるのならお知らせいただきたい。とにかく四兆一千億大体見当をつけて、半分くらいに分けて、こっちの方は千八百億円の臨特が入るから、ひとつ残りの方は地方債で、そしてこういうふうになったのだ、そんなぐらいなのかもしれませんけれども、何か根拠はあるのですか。
○森岡政府委員 まず第一に、いわゆる財源対策債につきましては、先ほどからお話が出ておりますように、従来事業費補正で交付税で見ておりましたものを中心にいたしまして、具体的には公共事業の地方負担の九五%までは地方債を充当する、したがって従来の、通常の充当率との差額を財源対策債として計算をする、こういうルールと申しますか、考え方で五十二年度以来きております。 その結果、まずその金額が決まるわけでございますが、そこから後のものは経常財源すなわち交付税で必要額は確保したい。その場合に、私どもとしてはできるだけ臨時地方特例交付金を増額したいわけでございますが、これは国の一般会計歳入歳出予算の限界もございます。大蔵省にも毎年かなり努力をしていただいておりますが、ことしは御承知のように千八百億円の計上をお願いできたわけでございますが、それを差し引きまして二兆二千八百億円。そういう順序で四兆一千億円の不足額に対しましての措置がとられてきておる。したがって毎年シェアといいますか、それが変わっておるのは事実でございますが、基本的には公共事業の地方負担額がどの程度の金額あるいはどの程度の伸びになるかということによりましてそういうシェアの異動が出てきておるということでございます。
○細谷委員 考え方はおっしゃるとおりでしょう。公共事業の裏負担が最初に出てきて一兆六千四百億円を四兆一千億円から引いた、その次に残りのやつをどうするか、まず臨特に重点を置いた、臨特は千五百億円から千八百億円に三百億円ふえました。これは認める。三百億円ふやしたのは大変な成果だ、こういうふうにだれかが言っておったように新聞に書いてありました。しかし結果としては、五十三年度の地方財政対策に取り組んだのが加藤自治大臣。その前は小川自治大臣かもしれませんね。小川さんのときは交付税の中で不足額の四五・四%の借り入れ、その次に加藤さんになったら五%借り入れがふえた、そして澁谷自治大臣になったらまた五%ふえた。毎年毎年五%ずつふえていっているのです、三年間に関する限りは。大臣の才能というよりも、大臣申しわけありません、あなたの才能を疑うわけじゃありませんが、奇妙に大臣がかわるごとに五%ずつふえていっているわけですね。千五百億円を千八百億円に臨特をふやすと言うが、去年の三兆五百億円から四兆一千億円に一兆五百億円も不足額がふえているとするならば、たったの三百億円で成果が上がったなんという問題じゃなくて、なめられた、大臣、こういうふうにしか客観的には言えないと思うのですよ。いま足立主計官がおりますからなんですけれどもね。そう思いますが、大臣、所感はいかがですか。
○澁谷国務大臣 本来ならば、昨年からまた借金の方が五%もふえたという事態はまことに遺憾な状態でございますから、三百億ふえたというようなことで喜んでおれる状態ではありません。やはり自治省の力が足りなかった、私の力が足りなかった、こういうふうに解釈をすべきだと思います。
○細谷委員 まあ大臣素直にそう言ったわけですが、私はそればかりじゃなくて他に要因があると思うのです。この借り入れも、私は附則の八条の三の二分の一方式なんというのは全くけしからぬと思っているわけです。いずれにしても借りなければいかぬわけですから、この場合にはなるべく臨特をふやしていく、そして借りるのを減らしていく、こういうことで最善を尽くしていかなければいかぬ、こう思うのです。足立主計官、どうですか。余り時間がありませんから簡単に。
○足立説明員 お答え申し上げます。 どうも細かい話で数字を申し上げて恐縮でございますが、臨時地方特例交付金と申しますのは財源対策分、五十三年度で千五百億か三百億確かにふえまして千八百億にいたしました。しかしながら、細かい話で本当に恐縮でございますけれども、五十三年度の千五百億の中には五十年度の借入金の返済分の四百二十五億円というのが入っておるわけなのでございます。これは五十三年度の予算のときに御説明申し上げました。その返済分の額が五十四年度には、今度は五十年度と五十一年度の借入金が五十四年度に返済になりまして、その額が八百八十二億円ございます。それは実はその千八百億円には含められておらないわけでございます。したがいまして、五十四年度の千八百億円に対応いたします数字は、厳密に申しますと五十三年度は五十年度の返済分の四百二十五億円を差し引きました千七十五億円でございます。ですから、同じようなレベルで考えていただくならば、五十三年度の千七十五億円が五十四年度には千八百億円にふえた。伸び率はわりあい大きなものになっておる。あるいは五十三年度の千五百億円に対応する数値といたしましては、五十四年度の千八百億円に八百八十二億円を足していただきました二千六百八十二億円ですか、そういうぐあいに伸びておる。千億円以上伸びておる、このように御理解いただきたいわけでございます。 それから国の一般会計の話といたしましては、そのほかにいろいろの地方債の利子の問題、元本の問題、そういったものもございます。したがいまして、臨時地方特例交付金全体といたしましては、五十三年度の二千二百五十一億円から三千七百六十六億円に、六七%程度の増を示しておるわけでございます。
○細谷委員 そんな詳しい差し引きは、私も承知しているんですよ。承知しているんですけれども、問題は絶対額、あなたの方もそうまで言いわけにならぬように、出して、戻すものは戻せ、出すものは出すと言ってそろっと戻させておいてそろっと入れたりなんかしているから、数字が説明をしなければならぬようになるわけだ。しかし問題は絶対額ですよ、四兆一千億の。しかも、先ほど来議論した不足額のいわゆる基本的な考え方について大変な問題があるわけです。しかし時間がありませんから……。 そこで、こういう問題に関連して私は一つお尋ねしたいのでありますけれども、四十八年ですか四十九年ですか、この地方行政委員会で決議した、いわゆる都市交通の行政路線問題についてどうなったか。八月が概算要求の締め切り日です。そういうものに間に合うように対応しているかどうか、簡単にお答えいただきたいと思います。
○中野(晟)政府委員 行政路線バスの問題でございますが、これは従来もいきさつがあったわけでございますが、この問題につきまして、実はこれは五十二年の十一月の参議院の地方行政委員会におきましても和田議員から御指摘がございまして、行政路線についても企業管理者、労働組合を含めて知恵を出し合うような場所を用意すべきではないかという御提案がございまして、その趣旨に従いましてすでに五回そういう御意見を実は聞く場を持っておるわけでございます。 ただ問題は、この行政路線バスの問題が公営企業だけの特有の問題かどうか、あるいは民間バスを通ずる問題でもあるのではないかというような考え方も実はございまして、そこら辺につきまして現在なおいろいろお話を承っておるわけでございまして、できるだけ早く御意見を承りまして考え方というものをまとめてまいりたいというように考えております。
○細谷委員 私どもも去年の通常国会に行政路線の問題についてかなり具体的なものを織り込んだ法案を出しておるわけですよ。お伺いしますと、今度も去年からほとんど前進していない、こう思うのです。行政路線というのはすぐ地方バス問題というのと絡めてくるわけですけれども、少なくとも公共団体としては公営バスというのは損得を度外視してやっていかなければならぬ、運行していかなければならぬ、それも一日四往復なんということではいかぬのであって、六往復とか八往復にしなければいかぬ、地方公共団体だけにこういう違った義務を負うておるわけですね。さらに、地方公共団体でありますから、ところによっては老人のバスの優待、こういう問題については行政路線も地方公共団体がその住民に対して対応していくわけですから、言ってみると運営費ですよ、運営費というものを一般会計が出してやる。そしてその運営費に対して交付税等の需要額で算入していく、これが筋だと思うのです。ですから、私はお願いしたいのは、そういう筋を踏まえつつ八月の算定に間に合うためにはやはり五月いっぱいくらいに具体性を持った——完璧なものてなくてもいいんですよ、やはり試行錯誤はあるわけですから。そういう形で結論を出していただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○中野(晟)政府委員 先ほど申し上げましたように、いろいろ議論を申してまいりますと問題も実はあるわけでございます。したがいまして、できるだけ早く結論を得まして、必要な対策というものは関係各省とも協議いたしまして処置をしてまいりたいというように考えております。
○細谷委員 私が仄聞しますと、何か自治省はこの問題について取り組む姿勢がきわめて消極的で、たとえば協会等が意見を出したがそんなものはだめだ、都市交通の労働組合が意見を持っていくと、そんなものはだめだ、じゃ、そうかといって自治省が何か持っているかというと何も持っていない、一つも進まない、一年前と全く同じだ、こういうことではだめだと思うのですよ。でありますから、協会の意見も十分聞く、そして都市交通労働組合の意見も聞く、あるいは関係住民の意向も聞く、そういう中において五十五年度からはこういうものでいくのだ、それに対して財源措置はこういうふうに対応していくのだ、こういう結論を五月いっぱいか、とにかく八月の概算要求に間に合うように出していただきたい。もちろんこの問題はすぐれて運営費の問題でありますから、そういうものを踏まえて結論を出せば、交付税の中において柳課長の方であるいは財政局長の方で、財政局長があなたの上司だからそこで対応すればいいわけてあって——それはやりますか、財政局長。
○森岡政府委員 行政路線問題は私は大変むずかしい問題だと思っております。と申しますのは、一つは、いまの路線をそのままにしておいて乗車密度でありますとか、最混雑時とそうでない時との乗車人員の比較でありますとか、表定速度でありますとか、そういうものだけを見ていくということに私は非常に疑問を持っております。地下鉄と並行した路線がまだ残っておる、これは整理したいと言うている交通事業がすでにあるわけでありますから、やはりその辺のところを見定めた上でないとなかなかそう簡単に結論は出にくいのじゃないかという感じを私は率直に言って持っております。ですから、その辺の問題と並行することが一つ。 いま一つは、やはり経営の効率化というものをやってもらわなければなりません。その辺のところと両者を見定めた上でできるだけ早く結論を出したい、かように思います。
○細谷委員 できるだけ早くと言って一年一年、全然できるだけ早くが続いているわけで、もう今度はひとつ五十五年度に間に合うようにやります、こう答えられませんか。むずかしい問題であることは認めます。いかがですか。
○森岡政府委員 再建計画をつくってやっております再建企業の中で、たとえば路線の再編合理化を今年度中にやりたいというふうに計画しておるところもあるわけでございます。ですから、先ほど申しましたいろいろな条件というものを考えますと、私は五十五年度中にそれができれば一番いいのでありますけれども、その辺の条件が整うかどうか、その辺を十分見定めてから結論を出したい、かように思います。
○細谷委員 また条件が出てきた。とにかく不確定な条件があるでしょうけれども、そういう条件をにらみつつ、一般的に公営企業の方で対応していかなければならぬ共通の問題があると思うのですよ。頭のいい皆さんですから一それをひとつとらえてぜひやっていただきたい、こう思います。もう一遍……。
○森岡政府委員 努力いたしたいと思います。
○細谷委員 努力をしたけれども、また結論出ませんでした、こういうふうにならぬように……。もうこれ以上やっても言葉のやりとりですから、要請しておきます。 もう一つこの問題について、これは資本費に関係する問題でありますけれども、ことし足立主計官のところでも、いわゆる再建団体に対するバス補助、こういうものがずいぶん難航いたした経験があるわけですよ。私は数量の問題は別といたしまして、ことしも最終的には足立主計官、清水寺から飛びおりたとは申しませんよ、あたりまえのことですから、それで復活させていただいたわけですけれども、これは必要なものについては機械的に打ち切るのじゃなくて、やはり再建団体がどういうふうに進んでいるかということを見きわめた上で、大きなところと小さいところを区別するとか、そんなような形だけの問題じゃなくて、実質的に今日のこの段階において住民の足を守っていくという使命を帯びているものに対して、資本費の補助としてバス補助というのを続行していただきたい、こう思います。これについて審議官と足立主計官との考え方を簡単にお答えいただきたい。
○中野(晟)政府委員 地方都市のバス購入につきましての補助の問題でございまして、これも四十八年度から五年間ということで実は始まったわけでございまして、五十三年度も補完的にという形で一年実は認めていただいたわけでございます。五十四年度、今年度におきましても再建地方都市バス事業車両更新補助金という形で、名前は変わっておりますけれども、形は五十三年度に引き続きという形で認めていただいたわけでございます。私どもといたしましても、この新しい補助制度につきまして、再建がいま進んでおりますわけでございますから、そこから辺を見ながらできるだけ考えていきたいというように実は考えております。 ただ、実はこれは地方都市に対する補助でございまして、先ほどお話がございました大都市につきましては、たとえば先ほどございました地下鉄との路線の編成の問題もございますし、あるいは車両の耐用年数と申しますか、古いバスを使っておるところも地方都市には実は多いわけでもございますし、そのほかいろいろなことを考えまして、地方都市という形で現在行っておるわけでございます。
○足立説明員 再建地方都市のバスに対します補助につきましては、国会の御論議を初めといたしましていろいろな経緯がございましたわけでございますが、やはりその再建地方都市におけるバス事業の困難性というものを考えまして、五十四年度に実質的な延長というものをいたしたわけでございます。これからの考え方といたしまして、これも五十四年度限りということではなく、再建地方都市の過半が再建期間を終了するぐらいまでを一応のめどといたしまして続けていきたいと考えております。
○細谷委員 足立主計官は、再建のめどがつくまで続けていきたいということであります。だとするのならば、大きいとか小さいとか都市の規模で区分すべきではなくて、いずれも一日も早く再建した方がいいわけですから、そういうことについて特段の御配慮をひとつお願いしたい、こう思っております。 そのほかに、いま審議官が言いました地下鉄の問題これから元金の償還という問題が起こってくる段階における経営の問題、そういうような問題とかあるいは地下鉄についてのいろいろな問題、こういう問題がありますけれども、きょうは時間がありませんから次に移らせていただきたい。 大臣にお尋ねしたいのですが、先ほどいわゆる地域振興、これがこれからの一つの重要な自治省としての政策の柱だ、地域振興あるいは振興整備、こういう大臣のお答えであります。この事業については必要とあれば地方債を認めましょう、それから必要な金については特別交付税で見ましょう、こういうのが大臣の、自治省の姿勢のようでありますけれども、計画的に財政運営をするという観点からいきますと、一定のルールのもとに、画一的行政では拾われないそういうものについて、特段の治療をする意味で、たとえば肺病の第三期から二期に、二期から一期にと、こういうことも含めまして普通交付税段階で何らかの対応をする考えがあるかないか、大臣にお答えいただきたいと思います。
○森岡政府委員 地域振興と言います場合に、非常にその地域によりまして多様でありますし、また中身も区々にわたっておりますから、およそ非常に包括概念としての地域振興というものについて、地方債の元利償還費についてたとえば交付税などで措置をしていくというふうなルールをつくることは、これはなかなかむずかしいことであり、実際問題としては不可能ではないかと思います。しかし、そうでなくて、たとえばもう少し特定をいたしまして考えていくということでありますれば、その内容によって検討の対象にはなり得るのではないか。ただ、その内容がどういうものかということにかかわると思います。
○細谷委員 おっしゃるように、物差しをつくるのはなかなかむずかしいでしょう。その物差しも、何らかの基礎を求めていくというのはむずかしいことはわかります。しかし、やはりこれを考えていきませんと、せっかく自治省が法律をつくるというのが後退いたしまして、百三地域、百八十一町村の指定をいたしました。昨年から今日こういう段階にスタート台に立った以上、雇用の問題にいたしましても、大臣はきわめて専門でありますけれども、全国の有効求人倍率〇・六二。ところがへっこんでいるところは、沖繩のごときは〇・一を割っておる。私の住んでおる福岡県も〇・二ちょぼちょぼ。あるところでは一・一くらいになっている。そういうことからいって、その地域に適応するようなものを自治団体が雇用創出というものを含めてやるべきだということを私どもは主張しておるわけですけれども、次官通達等ではそういうことは非常に前向きでありますけれども実がない、これが実態じゃないかと思うのですよ。そこで大臣、この点についてはもう少し、労働の専門家でありますし、しかも予想以上に地方財政について精通し始めておる大臣のことでありますから、ひとつ取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○澁谷国務大臣 雇用の問題は、これから日本が直面する大きな問題の一つであることは御承知のとおりであります。特にいま御指摘の特定不況地域における雇用問題、これは現実の差し迫った緊急な課題でございますから、自治省は自治省サイドででき得る限りのことをやろう、こういうことで指定をして取り組んでまいっておるわけでございます。ただ、この問題は言うまでもなく自治省の力だけでやれるというようなものでないことは御承知のとおりでございますから、要は関係各省、政府全体がチームワークを組んで、その対策を総合的に講じていかなければならぬ。その総合的な対策の中で自治省の分担する部分につきましては最大の努力をいたしたい、このように考えます。
○細谷委員 ぜひ最大の努力をしていただきたい。特に労働省において長い間雇用関係に専念してきて幾多の実績を上げた経験もあるわけですから、これはあなた以外ないと思うのです。ぜひ取り組んでいただきたい、やっていただきたい、こう思います。今日、この段階で澁谷さんという労働の専門家をよく自治大臣に据えたと思って、私は大平総理に敬意を表したい。 そこで、いま財政局長が、特定不況地域という形の包括的なものではなくてもっとすっきりした形で対応していきたい、こう言っているのですが、一つお尋ねしたいのでありますけれども、数年前、もうこれで五年になるわけですけれども、不況のどん底に落ち込んだ、救いようのないような産炭地、そのうちの六条、そういうものに対して省令に基づいて特定の事業費補正というものをやることになっております。この委員会においても、やたらに補正をやるということについては私も反対、他の委員からもそういう意見がありました。けれども、今日、自治体の間の力の格差がついた段階においては、七兆六千億という交付税の中において一%か二%ぐらい、あるいは一%から三%ぐらいの部分についてはそういう特定な対応をしていく、雇用の問題にやる、あるいはこういう問題についてもっと事業をやらせるという形の交付税でやってやるということは、交付税の趣旨を達成するゆえんではないか。ところが、この産炭地補正というのは過去五年やってきましたけれども、ことしは〇・七、来年は〇・五、そして法律は現在有効でありますが、五十六年になりますと〇・三になって、法律が終わるだろうときにはゼロになるわけです。むしろ私は、法律が生きている限りにおいてはそれに対応して、実態がそのとおりでまだ目標に達していないならば、こういうものについてある程度の延長をすることについては勇敢であってもいいのじゃないか、こう思うのです。大臣、いかがですか。
○森岡政府委員 先ほど、地域振興という非常に包括的な御指摘であったものですから、私お答えしたわけでございますが、特定不況地域につきましては、大臣からもお話し申しましたように最大限の努力をいたしたいと思いますが、ただ、北洋漁業あり非鉄金属鉱山あり造船あり繊維ありで、業種も非常に多岐にわたっておりますし、対策も非常に複雑でありますから、普通交付税に見合うようなルールをつくるというのはほとんど不可能に近いと私は思っておるわけです。今年度は特別交付税でかなり思い切った措置を講じました。その内容の改善、合理化という観点でやっていきたいと私は思います。 それから産炭地補正は投資補正という形でやっておるわけでございますが、これを設けました趣旨は、基本的には産炭地振興臨時措置法によりまして関係省がもっとやってもらいたい、また地元市町村もそれに対して非常に物足りないという気持ちを非常に強く従来から表明されておるわけですね。しかし、現実問題としてなかなか産炭地に対する措置が各省十分でないものですから、とりあえず交付税でやってもらいたい。産炭地振興臨時措置法の期限までそういう措置をとってほしい。五十三年度までは一〇〇%でその後漸減するという方式をとったわけでございますので、きわめて率直に言いますと、産炭地振興臨時措置法が延長されますならば、交付税でいままでいわばつなぎでやってきましたものを向こうの法律で思い切って措置をしていただくのが筋ではないかという気持ちを私どもは基本的に持っております。ただ、この補正による増加財政需要額につきまして、仮に規定どおり減るということになりますと、関係市町村としては非常に激変が来るということで、何らかの緩和措置を講じてほしいという強い要請がございます。地元の財政の実態をいま少しく調査いたしまして検討したい、かように思っております。
○細谷委員 五十六年度までこの法律は生きておる。自治省として、おっしゃるようにもっと通産省なり労働省が対応すべきだ、それは筋でしょう。けれども、それだけで全部片づく問題じゃないのですよ。産炭地の財政力指数というのを見てみますと、財政力は文字どおり肺病の二期か三期、こういう状態になっているわけですから、そういうことで法律のある限りにおいては、そこまでは需要額の増加というものをファクターをかけないで見てやって、そうして法律がなくなった場合にどうするかということについて、激変緩和をやるかやらぬかということはその段階で考えていくべきだ、こう私は思っております。財政局長からかなり前向きの答えを得ておりますから、ひとつこの問題については法律に基づいてやっているというなら、物差しもきちんとできておるわけですから、そういう形にしていただきたい。終着駅、法律が終わるときにはもう激変緩和でゼロになっているというようなことでは設けた趣旨に反すると私は思います。 時間も来ましたので、いろいろまだ聞きたい点がありますけれども、私は時間どおり守りまして終わります。
○松野委員長 午後四時より再開することとし、休憩いたします。 午後二時三十九分休憩 ————◇————— 午後四時四十一分開議
○松野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 交付税に関する最後の質問になりました。当委員会で交付税に関する各先生方の御質問ないしは御意見は分けてみますと二つの焦点、一つは交付税体系の中で次の地方の時代をどうつくるか、いま一つは四兆一千億に見られる財政不足の観点から見る財政の再建をどうするのか、大別するとこの二つに論議として分かれたのではないか、あるいは提言があったのではないか、私はこういうように思います。 そこで、私は今日の財政再建の基本的な姿勢について私の見解を述べ、同時に大臣に御見解をいただきたいと思うのです。 それは、私は本会議でも質問をしたのですが、財政再建というものを数量的にとらえて、その枠組みの中でどうするかという発想では今日の財政再建はできないのではないだろうか。各先生方の御質問にもありましたように、経済の転換、その角度から財政再建をどう見るか、こういう発想といいましょうか視点をしっかりと持つ必要があるのではないかと私は思うのです。 今日までの日本の財政、さらに中央と地方団体との関係はいわば中央の集約的な、一元的な財政運営と管理という形に多くあったのではないか。私はそれが出てきた根拠というのはわかるのです。というのは、昭和二十九年以来、日本の産業構造の転換、特にコンビナートという形での産業構造をつくり上げていったわけですから、コンビナートをつくる場合には、従来の日本の個別企業の持っている資本力では足りませんから、どうしても複合的な資本力が必要になってくる。原料と技術と製品で結合するのがコンビナートですから、こういう非常に広範な産業構造をつくり上げるにはもう中央集約的な方向でしがなかったろう、あるいはそれが入る器であるコンビナート地帯、臨海工業地帯の形成も一地方自治体ではできるわけでもない、中央で集約的にやらざるを得なかった。そういう関係で中央の集約的なもの、あるいは一元的な運営、そういうものが強くあったわけですね。それがいわば日本の生産構造をつくる中での集約的な方向、財政の方向——ところが石油ショック以来といいましょうか、最近ではそれ自身は定着をして、その産業の生産活動の中で何をなすべきかというところに問題の視点が移ってきている。新しいコンビナートをつくるなどというのは、むつ小川原とかそういうところは多少ありますけれども、総体としては、日本では一定の条件を備え定着化してきた。そうなってくると、今度は生産の側から見る財政の構造ではなくて需要の側から見る財政の構造になってきた。そこが財政を立て直す視点として従来の数量的な中央集約的な一元的な視点で財政再建をしようと思っても無理なんで、生産の側からではなく今度は需要の側から物を見て財政再建をどうするか、そういう角度が私は必要じゃないだろうかと思うのです。午後のわが党の細谷先生も財政再建に対する基本的な姿勢ということを問われておりましたが、私は、そういう産業構造の変革ないしは経済の転換、その転換の視点は生産活動の面からではなくて、需要構造の面からどう判断をし、地方財政を合理化し、減量化していくか、こういう視点が必要ではないか、こう思うのですが、いかがでしょう、大臣。
○澁谷国務大臣 いずれにしても石油ショックを境として、それまでの日本の経済のあり方、構造、そういったものが大きく変化をしてまいった、いわば舞台が大きく変わった、こういう状態であるわけでありますから、財政の再建ということを考えるにしても、いままでと同じような延長線での考え方では恐らく困難であろう、したがって御指摘のような点も十分参考にして考えてまいりたいと思います。
○加藤(万)委員 参考にされるということですが、むしろそこに視点を置かないと本当の意味の財政再建はできないのじゃないか。私はそれが全部のトータルとは思いませんけれども、そこを軸にして動かしていかないといけないのではないかということを重ねて申し上げておきたいと思うのです。 これは財政課長の矢野さんがある雑誌に書かれているわけですが、本年度の予算、五十三年度の後半ないしは五十四年度の当初経済見通しないしは日本の経済のあり方という中で、幾つか視点を挙げられているわけですね。たとえば内需の振興であるとか、雇用の安定であるとか、雇用機会の増大であるとか、対外均衡をどうとるのかとか、こういう角度で日本の経済は進み、同時にそこに国の予算の重点も置かれている、一言で言えばそういう書き方になっているわけです。したがって、予算の中で今日の財政再建をするとすれば、いま言った各項目を各地方団体へ、ときにはどう整理をし、ときには自主的に管理をさせ、ときにはある部分をどう拡大するか。たとえば内需の拡大と言えば、地方団体がどうその内需面を拡大していくか、そういう方向に権限を与えるべきだ。ないしは、たとえば地方自治体の減量経営についてもその権限を与えていく。そういうことをしないと、本来の地方団体の赤字の克服はできないのではないか、こう思うのです。 そこで問題は、そういうことになりますと、当然各首長に相当の裁量権を与えるということになるわけですが、当初申し上げましたように、日本の中央一元的な集約は、主務大臣ごとの縦割り行政が非常に根強く入っちゃっているわけですね。ですから、主務大臣の権限、いわゆる縦割り行政の権限を超えて各首長が裁量権を持たなければ——超えてというのはおかしいのですが、縦割り行政の部分を少し小さくして、そして横割りのところに裁量権を与えていく、そういう角度をとらなければ、本当の意味での従来のふくれ上がった、たとえば補助金にいたしましても助成金にいたしましても、あるいは産業基盤整備にいたしましても、各首長さんの、ここはもう現実問題としては必要ない——必要ないとは言いませんが、ここのところよりもこっちが重要だ、そういう裁量権が出てこないのではなかろうか。したがって、その裁量権のないところにずるずる数量的なものを拡大する、拡大したものは足りないから今度は一般消費税でする、こういう方式になってしまうのではないだろうか。 そこで、そういう意味ではいまの行政をやはりいろいろな形で再点検、区分整理をしてみる、こういうことが必要ではないだろうかと私は思うのです。縦割り行政の中でもっぱら国の利害にかかわるものはどこの部分、したがってこれは当然のことですが、中央の主務大臣の所管事項としてそれは扱ってもらう。それからもっぱら住民、自治体に関係のあるもの、たとえば従来ですと公害問題などは縦割りでいけば、たとえばチッソの工場があり、そのコンビナート工場から排出されたものか地域で受けとめられている。今度は上の工場という部分がなくなってきて、水銀公害だけが住民の側に残るわけですから、今度はそこにおける裁量権というものは、たとえばチッソがいいかどうかは別としまして、そういう角度での裁量権を各地方団体の長に与えていく。もっぱら住民の利害にかかわる問題は、そこはもうできる限りいまの行政から外して地方団体に権限を移譲していく。それから国と自治体との両方にまたがる問題、これは過渡的なこともありましょうし、あるいはむつ小川原のようにまだまだこれからああいう形での開発計画というのもあるわけですから、これは国と地方自治体の両方にかかる。こういう区分整理をして、その区分整理の中でこの行政は地方団体に移譲する、この許可、認可は国がそのまま確保する、そういうことをされていきませんと、せっかく各首長さんがいろいろな行政改革の提言をされ、補助金のあり方とかなんとか提言されていますけれども、その基本のところが締まってまいりませんと、行政の一川化だとかあるいは二重権限行使だとか、許可、認可の分類だとか、そこができないのじゃないか。そこを整理しない限り、逆に言えば赤字財政の問題の解決はできない。どうでしょう。 きょうは時間がありませんから、実はこの中身を、これは全国知事会臨時地方行財政基本問題研究会が五十三年十一月十日にまとめられた「新しい時代に対応する地方行財政に関する今後の措置についての報告」という非常に膨大なもので、ぼくは二、三事例を挙げて御質問しようかと思いましたけれども、時間的なことがありますのでいたしませんが、そこの区分、いわゆる行政あるいは許可、そういったものを含めていま言った区分をきちっとして、その中で幾つか提言されているこの問題は、これはひとつ地方自治体に移譲しようじゃないか、この補助金はこういう総合化をしよう、メニュー化をしよう、こういう形をとられていくのがいいんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。 その場合、その区分をする際に国と地方自治体とで思い切って協議機関を設けて、そしてこの提言と、国側でも提言があるわけですね、地方制度調査会なんかも提言をしていますから、そういうものを含めて国と地方自治体で協議機関を設けて適正な区分をこの際行い、同時に、その区分に基づいて許可あるいは二重行政権限あるいは補助金あるいは助成金、そういうものを含めて整理されていく、これが一つの道ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○澁谷国務大臣 たびたびお答えをしておりますように、従来の中央集権的な行政構造、これを切りかえて地方分権の方向に推進をしていこう、こういう立場に立っておるわけでございますが、やはり地方分権の基本のものは、いま御指摘にございましたように、地方の自治体が自分の主体性を持つ、自主性を持つ、これが地方分権の中心的な観念でなければならぬと私は考えるわけです。地方自治体が自分の地域に密着した、住民に密着した諸問題について自分の判断でいわゆる優先順序と申しますか選択権を持つ、そういう状態になって初めて地方分権だ、こう言えるのだと思うのです。そしてやはりそういう方向に持っていかなくちゃならぬ。そのためにはたびたび申し上げておるように、一つは、いま御指摘になられたように、現在の国と地方の事務の分担というものをどう整理していくかということがこれは根幹だと思います。 大ざっぱに基本的な考え方を申し上げますと、いままでのように、極端に言うと、はしの上げおろしまで中央の指示を得、許可を受けなければ地方は何にもできないという状態ではこれはどうにもならぬわけであります。しかし、国でなければできないという大事な仕事もいっぱいこれは当然あるわけでございますから、そういう各都道府県にまたがるような基幹的な仕事というものは今後といえどもこれは当然国がその責任においてなさなければならぬ、こういうものは当然国の仕事として残る。しかし、その他のその地域その地域でなし得る仕事がこれはたくさんあるわけですね。そういう仕事はできるだけ地方に移譲をし、地方の自主的な判断で仕事ができるようなそういう状態に持っていく、これが行政事務の再配分に当たっての基本原則だ、こういうふうに理解をいたしておるわけであります。
○加藤(万)委員 ぼくも大変賛成です。そういう意味では、自己革新をするエネルギーをどうつくってやるのかということがこれまた大事なんですね。確かに大臣がおっしゃられるように、たとえば生活の価値観からくる優先順位をつけてやりなさい、同時に受益者負担なんかについても、本来行政が負担するものと本来受益者が負担するものとが、率直に言っておんぶにだっこの式で、それは中央の縦割り行政の弊害がそこにも出ているとぼくは思うのですよ。したがって、そこで自己革新をするエネルギーをつくらせてやらないとどうにもならないと思うのです。ですから、大臣がおっしゃっているように、地方団体は自分でひとつ判断をして、自分で自主的な単位社会といいましょうか、あるいは地域社会をつくっていく。これはいいですけれども、それじゃ何が力になってそれがなるのだとなりますと、自己革新を生み出すエネルギーは、縦割り行政で下にまず入ってきたのじゃこれは出ませんよ。そこをまず外してやる。そこにはここは中央の区分、ここは地方の区分という、そういう区分を基準に置いてやらしめる、こういうことが必要じゃないかと思うのです。 それからいま一つは、そういう自己革新をさせるためのエネルギーには、これはやはり財政にゆとりがなければできませんよ。いまの場合は四兆一千億に見られるように、決してゆとりがあるなんというものじゃないですね。まさにお互いに締めつけられたような財政の中でエネルギーを生み出そうとするのですから、勢いそれは精神論的なものになってしまって、何を言っているのだという式で住民から反発を食うわけですね。そこで、ゆとりのある財源をどういう形で持たせるのか。先ほどうちの細谷先生が、地方税の対象科目についても一遍考えてみたらどうかというふうな御提案がちょっとありましたけれども、それも一つの方法でしょう。私はやはり中央と地方の自主財源配分を変えることだと思うのですが、率直に言ってこれはなかなかむずかしいです、いまある財源をある程度地方に移譲するわけですから。たとえばよく出ますように、補助金というものを総合化をして一般財源に入らないのだろうか。それを加えたら一体地方の自主財源はどうなるか。これは先生方の御指摘がありましたから数字を申し上げるまでもないと思いますけれども、いま租税全体で五十三年度国税が六六・二%、地方が三三・八%、しかし最終配分は二四・一%、地方が七五・九%ですね。私はこの数字から見てフィフティー・フィフティー、いわゆる五〇%、五〇%にすることはそれほど不可能なことではないと思うのです。もちろん各科目を当たってみなければ、率直に言ってなかなかむずかしいですね。あの補助金を切れ、その助成金をなくせ、統合しようかと言っても、その団体ごとについた経過もあるでしょうから、なかなかむずかしいとは思いますけれども、いま言ったように最終的な配分が七五対二四になっているというこの事実からかかっていけば、自主財源配分ができる。そうしますと、地方の市町村長、首長さんは、それではいままでのこの部分は、いまのこの地域の生活条件から言うとこれが優先だから、この部分については少し控えてくれ、そのかわり優先的な生活基盤あるいはこういう社会基盤的な要素の面についてはこれだけの財源をつける。余裕がなければこっちを説得することができませんよ。私はそう思うのです。私らなんかでも何人かの首長を持っていろいろ今日の財源の中で話をしておりますけれども、こうなると、二十年ぐらい先のことを言いながら、しかも二年先、三年先にはここまでは保証するよ、そのかわりことしはひとつこの方向だけで勘弁してくれ、こういう話でいかないと住民が納得しないと言うのですね。それには、ことしはこのことだけは確保するから、したがってこの案件については五年先あるいは七年先に待ってくれ、こういう話をするには、そこに余裕財源、いわゆる自主財源がなければ、実際の問題としては住民を説得することはできない。住民を説得することができませんから、いままでもらっていたものをもっとくれという、こういう式のものになってしまうと言うのですね。私は、この際ですから、五〇%、五〇%のそういう財源配分に向かって、大臣が先ほどおっしゃったように、自主的な判断ができる、自主的なそういう地域社会をつくる、そういうもののエネルギーの条件としてこの方向性というものをもっと強められる必要があると思うのですが、御所見をお聞きしたい。
○澁谷国務大臣 私はもう全く同感です。そういう方向で進むのでなければ、地方の時代とか、地方分権とか言ってみても、それは全くの空文にすぎない。ぜひともそういう方向へ向かって進んでいきたいと考えております。
○加藤(万)委員 私はやはり住民にも考えさせるという時期に来ていると思うのです。住民に考えさせる場合に、いろいろな、ときにはエゴ的な要求もありましょうし、あるいは本来住民の側が負担をすべきものまてひっくるめて——たとえば公民館なんかぼくはそうだと思っているのです。公民館を設置をするのは、いまそれぞれ自治体に全部要求するわけです。本来公民館というのは、ぼくは、住民が持ち寄って、それに対する補助行政だというふうに見ているのですよ。そうなってくると、この前も、いつですか私質問いたしましたけれども、たとえば芦屋のように自分たちで起債をつくって——あれはコミュニティーホールだったですかね、コミュニティーホールをつくるために自分たちで起債を発行する、それを地方団体が保証してやる。これも一つの方法だろうと思うのですね。そういうような住民が本来自分が求めていく自主社会に対して必要なもの、それはある程度そういう形での指導と誘導政策があれば相当なくなってくると思うのです。せんだって私はここで武蔵野の指導要綱の問題を取り上げました。あれは法律違反か違反でないかという範疇での論議をしたのですけれども、たとえば指導要綱が本来、その地域としてはたとえばある大型マンションをつくる、団地をつくる、そのために必要な保育所をつくりなさい、ときにはそれに必要な学校用地、消防の負担を出しなさい、こういうものがもし国としてバックアップをし、そうなんだと——あれはたまたま法律違反だからということで起訴されるという状況まで起きてしまいました。そうなってくると、地方団体の負担というのは非常に軽く済むわけですね。いわば企業の側の利益を少し減らすことによって、地方団体が本来求められるそういう行政需要ないしはそういう投資的経費を肩がわりすることができるわけですよ。したがって、そういう幾つか、これはもろもろの例ですが、これからはそういう角度でぜひ対処をしていただきたい。具体的にはそういうことで対処していただきたいと思います。 そういう中で、地方財源、特に今日の地方財源にゆとりを持たせながら、ニーズにこたえ、同時に、一方では財政の再建への道をそこに起点を置きながらひとつ展開されるようにぜひお願いをしたいというように思うのです。 そこで、今度の交付税の改正の中で建設地方債、いわゆる財源対策債ですね。細谷先生から財政需要額と交付税の関係はお話しになりましたが、私は、地方債の建設地方債、まあ財政対策債とも言いますけれども、この元利償還を臨特で全体に見てしまってはどうか、見たらどうか、こう思うのです。内容的にはお話ししなくてもわかると思いますけれども、結局交付税の中に需要額算定基礎として入っているわけですね。いわばタコの足食いになっているわけです。確かに交付税の中では見ていますけれども、しかしそれは、元利償還がふくらめばふくらむほど事実上タコの足食いになっている。したがって、この地方債に関する元利償還は特別交付税で見ていく。わが党の今度の修正案はこれも含めて出ていますけれども、この観点はどうでしょうか。これは財政局長で結構です。
○森岡政府委員 いわゆる財源対策債の元利償還金につきまして、臨時地方特例交付金で別枠で見ていってはどうかという御意見があることは私どもも十分承知いたしております。私どもは従来から申し上げておりますことは、元利償還金の八〇%ないし一〇〇%というものを基準財政需要額に算入することによりまして、個々の地方団体の償還費につきましてはこれは支障のないようにいたすということ。しかし、それがタコの足食いになってはいけないわけでありますので、全体の償還費所要額につきましては、地方財政計画の策定に際しましてこれは当然歳出に計上するわけでありますから、地方交付税、地方税合わせました地方一般財源を増額をして、それでもって必要な償還費を確実に確保していく、こういう措置を講じていきたいと考えておるわけでございます。そこのところは私は両論あると思いますけれども、当面そういう形でやっていきたい。 問題は、これを返すたびにまた借金をするということになっていくのではないかという御懸念があるのだろうと思います。私は、そこのところを解決いたしますために、できるだけ速やかに基本的な地方税財政制度の改正に踏み込むということがぜひとも必要なんだろう、かように考えておる次第でございます。
○加藤(万)委員 いまの点は相当論議があったところですから、私の意見だけ述べておきたいと思うのです。 それからいま一点、交付税の普通交付税と特別交付税、特交との関係ですね。九四対六という配分比例で出ていますが、これは今日、交付税会計が七兆六千億は超えたわけですね。いわゆるその対象が、額が多くなって率は同じなんですね。額が多くて率が同じということは、一万円に対して一割というと千円ですけれども、百万円に対して一割というと十万円になるわけですね。九四対六という比率がどうなんですか、これからもその比率でいかれる予定なんですか。今年度はそういう比率になっていますね。これからもその視点については検討を加えるとか、あるいは額が拡大するという中で、たとえば特交の中に都市における事業費などを算入してそこで交付をする、こういうお考え等はないですか、いかがでしょう。
○森岡政府委員 御承知のように、特別交付税と普通交付税の率につきましては、地方財政平衡交付金制度ができた当初は、普通交付税九割、特別交付税一割でございましたが、その後二十七年度から特別交付金の率を八%にいたし、その後三十三年度にこれを六%にいたしていままできておるわけでございます。 申し上げるまでもなく、客観的な指標によりましてきちんと計算できるものはできるだけ普通交付税に算入するというのが交付税制度の基本だと私どもは思っておりますから、普通交付税にできるだけ持っていくということから特別交付税の率が下がってきたというふうに考えておるわけでございます。ですから、将来非常に長い目で見ました場合に、客観的な算定が可能な部門というものがさらにふえてくるということになりますれば、特交の率を見直すという時期があり得るかと思いますけれども、ただ、当面私どもがいろいろ見てみますと、必ずしも近い将来この率を変えていいという情勢にはないというふうに思うわけでございます。 いまお話のありましたたとえば都市におきます特異な財政需要というものも、これからまたいろいろ出てまいるだろうと思うのです。それらにつきましては、新しい財政需要を最初からルール的にきちんと計算することはなかなかむずかしい場合もありますから、いままでの経緯から見ましても、当面特別交付税で、拙速ではありましても思い切って措置をして、経費の状況を見ながらルール化していくということも事例としてかなり多いわけでございますので、交付税総額がふえていくにつれまして六%の率でありましても特交の額はふえていきますけれども、いまのような状況を考え合わせますと、当分の間はこの率でいく方がいいのではないだろうか、かように思っております。
○加藤(万)委員 もう相当長い期間いまの六%という比率ですね。したがって、もうぼつぼつ検討する時期だろうというように思うのですね。ただ、いやそうじゃない、都市における新しい、しかも緊急に対処しなければならない財政需要、そのためには財源をさらにそれで対処していく、こういうことになっていきますればいいと思うのです。私がお聞きしたところでは、地方団体が相当大きな負担をしょう、たとえば二倍以上の負担をしょう、そういう場合には特交で多少めんどうを見ていく、こういう形もあるようですけれども、私は、都市における緊急しかも膨大な財政需要に対してもこの中から配慮していく、そういう方向をこれからはできる限りとっていただきたい、こういうように思います。 それから、時間がありませんので少しはしょりますが、最近、これは政府の誘導政策なのかあるいは財政負担を含めての問題かもしれませんが、保育園の保育料が大変高額になってきているのですね。どちらかというと、幼稚園に対する入園を誘導政策的にもとられていこうという方向がどうも目に映って仕方がないわけであります。方々の都市では、大変保育料が高いので、せっかく保育所をつくってもお客さんが少ない、こういうお話も二、三耳に入るような状況であります。 幼稚園と保育園の問題は非常に広範な論議があるわけですが、幼保一元化の問題を含め、あるいは日本の教育制度の体系から見てどうすべきかということがあるわけですが、きょうは主としてこの保育園、保育料の関係についてお聞きをしたいと思うのです。 文部省の方、見えていると思いますが、いま未就学児童というのはどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
○菴谷説明員 御説明申し上げます。 未就学児童と言いますと、三歳、四歳、五歳ということで、いまちょっと資料を探してございますが、現在幼稚園に行っております者が二百五十万くらいでございます。そして率で申しますと、五歳児の六五%程度、四歳児の五〇%程度、三歳児の七・五%程度、これがいま申し上げました二百五十万に当たるわけでございます。
○加藤(万)委員 私の質問がちょっと悪うございました。いまのところはそれでいいのですが、就学前の乳幼児を含めた子供の数はどのくらいでしょうか。これは文部省ではわかりませんか。厚生省でわかりますか。
○川崎説明員 お答えいたします。 学齢前の乳幼児の人口は現在およそ一千二百万程度と承知いたしております。
○加藤(万)委員 千二百万おりまして、いま幼稚園に入っているのが大体二百五十万、それから公私立の保育所に入っているのが約二百万、合計で千二百万のうちの四百五十万の乳幼児を含めた就学前の子供たちが何らかの形で国の補助を受けて園児になり、あるいは保育所に預けられているといいましょうか、保育所にいる、こう見てよろしいでしょうか。
○川崎説明員 学齢前の乳幼児人口約千二百万のうち、保育所に入所いたしておりますのが約百九十万程度という状況でございます。
○加藤(万)委員 わかりました。そうしますと、大体千二百万に対して四百五十万が何らかの形で国あるいは地方団体の財政援助を受けながら、いわゆる幼稚園教育なり保育を受けている、こういう関係になるわけですね。 そうしますと、幼稚園あるいは保育所の基本的な目的は、保育を中心にして健全な子供たちを育てるということですが、この保育料が幼稚園と保育所では大変な格差があるわけです。もちろん私は幼稚園と保育所が同一のものであるなんということは毛頭考えておりません。しかし、その格差が少しあり過ぎるのではないかと思うのですが、中央児童審議会あたりでもその辺の指摘がいまあるというように伺っていますが、いかがでしょうか。
○川崎説明員 ただいま、保育所のいわゆる保育料、徴収金でございますが、これを幼稚園の保育料にかなりの差が見られるのではないかというお話でございます。ただいま先生からもお話がございましたように、保育所と幼稚園とはそれぞれ目的、機能を異にしておりますし、行っております保育内容も異なっているところでございます。御承知のように、学齢前の非常に重要な時期の子供を朝から夕方まで保育をするということでございますので、やはりそれ相応の費用もかかるわけでございます。 これに対しまして、この費用をどういうふうに持っていくかということになるわけでございますけれども、こういった保育所の入所費用につきましては、保育所が必ずしも低所得者の子弟を保育するという場に限られておるわけでもございません。原則として保護者がこれを負担していただく。しかし、その負担能力によって、困難と見られるような場合にはこれを減免していくというのが現在の形であろうかと思います。したがいまして、こういった学齢前の乳幼児に適当な保育を行うための費用につきましては、一方において低所得者等に対しましては減免措置を講ずるとともに、受益者として児童の保護者にしかるべき費用は御負担願うというのは妥当なことじゃなかろうかと思うわけでございます。
○加藤(万)委員 私の言っているのは、徴収金を取ることの云々を言っているのではないのです。保育所と幼稚園の保育料の格差があり過ぎるのではないか。もちろん、いま言ったように、片っ方は四時間ですし片っ方は八時間、しかも乳幼児という条件あるいは給食という条件を抱えておりますから、そういう違いはあるにしても、余りにも差があり過ぎるのではないかということを指摘しているわけです。 ただ、いまおっしゃったように、徴収料もゼロがあるわけですから、確かに児童福祉という面では先進的ないい条件ではあろうと思うのです。ただ、問題はゼロ以上のところについて余りにも格差があり過ぎるのではないかということを指摘したわけであります。そこで、保育料と微収金との関係は、たとえばリンクしているとか、何かそういう状況はあるのでしょうか。
○川崎説明員 保育所の徴収金につきましては、ただいま申し上げましたように、原則として、保育に要する費用につきましては児童の保護者に負担していただく。しかし、負担能力を勘案いたしまして、所得階層に応じましてこれを減免していく。そして生活保護世帯等につきましてはこれを免除する、こういうような方法をとっておるわけでございます。
○加藤(万)委員 保育料と保育徴収金との関係は直接はない。いま言ったように、生活保護世帯等はゼロで、ゼロから五万五千二百四十円までの間で保育微収金を取っているわけですから、それと保育料とは直接の関係はない、こう見てよろしいんですね。
○川崎説明員 保育所の徴収金につきましては、所得の高い階層の方につきましては実際に保育に要した費用を徴収金としてやるわけでございますから、その意味におきましてはその費用と徴収金との間にリンクしているのじゃなかろうかというふうに思います。
○加藤(万)委員 保育料と保育徴収金はリンクしていますか。概念の問題ではなくて、数字はリンクしていますか。
○川崎説明員 全額徴収いたしますような階層につきましてはかかった費用とリンクしておりますけれども、減免しているような階層につきましては直接リンクいたしておりません。
○加藤(万)委員 国の当初予算に措置費を組んでいますが、五十四年度はどのくらい組まれていますか。
○川崎説明員 保育所のいわゆる措置費、運営費でございますが、五十四年度で二千七百七十億円でございます。
○加藤(万)委員 それは保育単価表に基づいて算出されているものですか。
○川崎説明員 そのとおりでございます。
○加藤(万)委員 国の当初予算に措置費が組まれていて、保育単価表に基づいてそれが算出され、それが国の十分の八の負担、地方団体の十分の一、十分の一、それぞれの負担によって措置費が全体として組まれているわけですね。いまそういう措置費の中にもかかわらず、あるいは保育単価、保育料にもかかわらず、地方団体によっては、かさ上げという言葉は余りよろしくないのですが、減免措置をそれぞれとっておりますね。この傾向というものをどういうように見られるでしょうか。
○川崎説明員 いま御指摘ございましたように、確かに地方団体によりましては、国の徴収基準によらずそれよりも低い額あるいは高い部分を頭打ちするといったような措置をおとりになっている事例もございます。 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、保育所の運営に要する経費につきましてはそれ相応の保護者の適正な負担をしていただくというようなことで一つの徴収の基準を設けておるわけでございます。地方自治体によりましてそれなりの地域の実情に応じた特別な措置を講じられるという場合もあろうかと思いますけれども、一般的に申し上げまして、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたような考え方で徴収の基準をお示ししているわけでございます。
○加藤(万)委員 いま待機をしている保育児童は、推定でいいですが、どれくらいありましょう。
○川崎説明員 保育所に入所を希望して待っておられる子供の数、これにつきましては非常に把握がむずかしい問題でございまして、私どもも正確な状況は承知していないわけでございますけれども、現段階におきましても保育所が三十万人程度まだ需要があるのではなかろうかというふうに見込んでおります。
○加藤(万)委員 私はいまここに十大都市のそれぞれ減額、減免した資料を持っていますが、細かなことは申し上げません。地方団体によりましては国が決めた保育徴収料の大体五〇から八〇ですね。そのくらいの徴収なんです。いま三十万人待機していらっしゃる、あるいは現在入所している児童の家庭にとってみれば、いま国が徴収基準を決めているその徴収料で実は三十万待機しているのではない、各地方団体ごとに決めた減額されたそれで実は待機しているのではないか、こう見るのですよ。 というのは、私が申し上げたいのは、いま、たとえば最高五万二千円かかる、あるいは国の徴収基準のA、Bを除いたC、Dのランク、それの入所料、保育料をもし徴収されるならば、もうとてもじゃないけれどもうちの家庭の経済からいって入所はできない、しかし、たまたま十大都市、たとえば名古屋にしましてもあるいは横浜にいたしましても、そういう基準、そういう保育料ならば、うちはひとつ何とかして共かせぎもしているしあれがあるから入れてもらおう、こういうニーズと条件ではないか、こう見るのですけれども、いかがでしょうか。
○川崎説明員 待機している理由が費用の負担にあるのではなかろうかという御意見であろうかと思いますが、私ども待機という実情は十分把握しているわけではございませんけれども、むしろ私どもとしてはやはり入れ物が足りないために、つまり収容定員が足りないために本来入所すべき児童を入所させられないという実情にあるのではなかろうか、そういうふうに理解いたしております。
○加藤(万)委員 それもあると思うのです。入れ物の問題として数量的に少ない。それもある。しかし同時に、うちは共かせぎで子供をどうしてもどこか預ってもらえないか、しかもたまたまその金額がうちはちょうどランク別によれば一万五千円くらいに相当する、したがって、そのくらいの経済負担はできる、各都市によってずいぶん違うわけですが、各都市の基準を見ながら、うちならばこれで経済的にも対応できる、そういう中での待機その他があるのではないか。これも一つの大きな理由になっていると私は思うのです。 そこで、どうでしょう、五十四年度の保育所の計画とそういう待機者を含めて今後どういう計画をお持ちでしょうか。保育所の設立ないしは将来の展望をどう見られ、どう対処されようとしているのか、ちょっとお聞きします。
○川崎説明員 先ほど申し上げましたように、保育需要は現段階におきましても相当根強いものがございます。ここ数年一年に九万ないしは十万程度の定員増を図ってまいってきたわけでございますけれども、今後の保育需要の動向を正確に見通すということは困難でございますけれども、やはり当面保育需要は引き続きある程度ふえていくのではなかろうか、こういうふうに判断をいたしまして、ここ数年の整備を引き続き続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
○加藤(万)委員 ぜひそれは強化をしてほしいと思うのです。 同時にいま一つの、一方の保育徴収金の問題も、各地方団体でそこまで減額せざるを得ないというのは住民のニーズが同時にそれに沿っている、一番住民に接しているのは地方自治体ですから、そういう意味では保育徴収金もできる限り地方自治体が受けとめる額に国の徴収基準も、合わせるというまではとてもいかないでしょうけれども、そういう措置を講ぜられるべきではないか、こう思うのですが、どうでしょうか。
○川崎説明員 国の徴収基準につきましては、先ほどから申し上げておりますように、やはりしかるべき適正な負担はやっていただかなければならないと考えております。ただ、従来から毎年度この基準の見直しも行っております。ただいまの御意見も含めまして今後も適正な負担ということにつきまして検討を行ってまいりたいと考えております。
○加藤(万)委員 そうですね。昨年度もDの9に該当するところですか、二人の子供を預けている場合には、それ以上についてはその保育料を半額にするという措置が講じられております。そこでそういうことも含めて——ぼくはこれか超過負担などとは思っていないのです。各地方団体に行けば自分のところの一般会計からの持ち出し分を含めて、国の決めた徴収基準額——まあ後で清算関係で出すわけですから、したがって地方団体にしてみればその金はできる限り、実は超過負担的要素を持ちながら国に負担をしてほしいという要望はあると思うのです。しかし先ほど言いましたように徴収金、いわゆる保育料を取ることは法律上も定まっていることですし、条件的にも幼稚園とは違った条件がいろいろあるわけですから一定の額は取らなければいけないと思うのですけれども、いま言ったように、それにしても住民の側からいけば大体この辺で子供を預かってくれないかという額が、地方によって違いますがいまの地方団体が決めている徴収金になっていると思うのですね。したがって、その上限といいましょうか、一定のげたをはかせているそういうものを含めて上限をどう抑えるのか、保育所に経済的負担がかからないような形でどう中身を解決するのか、これをいま一遍検討してもらいたい、こう思うのですが、いかがでしょう。
○川崎説明員 保育所の徴収金につきまして自治体が独自に減免の措置を講じられていることにつきましても、やはりいろいろな御意見がございます。余り上限を安く抑えるために安易に保育所に頼るような傾向もあるではないか、こういった御批判も一部にございます。徴収金のあり方につきましては、確かに高いという御意見もございます。ただ、繰り返しになりますけれども、保育に要する費用は原則として児童の保護者に負担していただく、それに対して負担能力を勘案してどの程度減免をしていくか、どういう配慮をしていくべきかということにつきましては、適正な負担のあり方という観点に立ちまして基準の検討は今後続けてまいりたいと考えております。
○加藤(万)委員 最後に、自治省にお聞きして質問を終わりますが、いまお聞きになったとおり地方団体としては、住民のニーズから見るとこの辺が保育料徴収額だということで徴収金を定めておるわけですね。結果としては一般財源の持ち出しになっているわけです。これが相当の財政負担になっていることは御案内のとおりなんです。したがって、国の保育料徴収額の上限を抑える、ないしは先ほどのDの9のように三児以上の子供については二分の一にする。それだけ国に対する地方団体の納付金が少なくなるわけですね。結果的にはその分だけ地方の持ち出し分が少なくなるわけです。これは相当、育児一人当たりの保育単価の問題も含めて地方財政の一つの圧迫要因になっておりますので、この点はむしろ自治省がカバーをしていただいて、厚生省を通して大蔵省等の折衝にもぜひ力をかしていただきたい。財政局長でも大臣でもいいですが、御意見をお聞きいたしまして、私、質問を終わります。
○森岡政府委員 保育所の保育徴収金につきましては、いま厚生省からお話がございましたように、高いという議論と、しかし、そうではないのであって、やはりきちんと保育徴収金を払った方がいいではないかという議論と両論あると思います。率直に申しますと、私どもはいまやっておられる保育料を低くしておられる都市のやり方につきましてかなり批判されるようなものがあるように思うのです。それが一般財源の持ち出しになってしまっておる。財政がこういう状態になってまいりますと、やはり納めるべき徴収金はきちんと徴収するという仕組みをとらなければ、先ほど待機の話がありましたけれども、入っている子供と入っていない子供の保護者の負担に大きな格差が出てまいるわけであります。もし徴収基準が高過ぎるというなら、私は厚生省の基準を合理化すべきだと思うのです。こういうものでありますから、そういう基準を合理化して、合理化された基準に即して、よほどの事情がない限りはきちんと納めていただく。それが全般的に保育に欠ける児童に対する公平な行政としての措置ではないだろうかという気持ちを持っておりますことを率直に申し上げたいと思います。
○加藤(万)委員 終わります。
○松野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○松野委員長 この際、本案に対し、佐藤敬治君、和田一郎君、西村章三君及び三谷秀治君から、四党共同をもって修正案が提出されております。 まず、修正案の提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤敬治君。 ————————————— 地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○佐藤(敬)委員 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案者を代表し、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 地方財政は、御承知のとおり本年度においても四兆一千億円という膨大な財源不足に見舞われ、五年続きの深刻な財政危機に直面いたしております。地方財政がこうした深刻な危機に直面することとなったのは、深刻な不況に起因しているのでありますが、その根本的原因としては、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも、産業基盤の整備など中央集権化のもとに大企業優先の高度成長政策を推進してきたことによるものであります。そのため自治体においては、過疎、過密、公害その他の対策に膨大な財政需要を引き起こすことになりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与してこなかったところに地方財政の構造的な危機が招来されたと言わなければなりません。 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するため、地方財政の長期的な見通しに立って、抜本的な恒久対策を講ずるようこれまでたびたび自民党政府に要求してきたのでありますが、残念ながら今回の自民党政府の地方財政対策は、われわれの要求のみならず地方六団体を初めとするすべての自治体関係者の要求をも踏みにじったものと断ぜざるを得ないのであります。 四兆一千億円の財源不足に対し、自民党政府は、地方交付税率の引き上げを図ることなく、地方交付税特別会計における二兆二千八百億円の借り入れと一兆六千四百億円の地方債振りかえによって措置し、全く根拠のない二分の一負担方式を固定化しようといたしておりますが、このような財源対策が、地方交付税法第六条の三第二項の趣旨に反していることは言うまでもありません。 今日、地方交付税制度の改革、なかんずく税率の引き上げは、いまや国民的合意となっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な課題であります。このような立場からわれわれは、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来据え置かれてきた地方交付税率を現行の三二%から四〇%に引き上げることといたしております。なお、この交付税率の引き上げによる交付税の増額に伴い昭和五十四年度における交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金については、政府案の二兆二千八百億円を九千七百十四億円に減額することといたしております。 第二は、臨時地方特例交付金の増額等についてであります。 その一つは、昭和五十一年度以降発行された財源対策債はすでに巨額に達しており、その元利償還に係る基準財政需要額については、全額臨時地方特例交付金で措置することといたしております。 その二つは、昭和五十年度から五十四年度までの交付税及び譲与税配付金特別会計における借入額の元金償還額については、その全額を臨時地方特例交付金で措置することといたしております。 以上の措置により、昭和五十四年度における臨時地方特例交付金は、四千五百九十六億円増額し、八千三百六十二億円となります。 第三は、基準財政需要額の算定方法の改正についてであります。すなわち、単位費用のうちその他の土木費に係る投資的経費につきましては、人口一人につき道府県二千八百十円、市町村四百三十二円といたしております。またその他の諸費に係る経常経費につきましては、人口一人につき道府県二千八百八十円、市町村七千百九十円とするとともに、投資的経費につきましては、人口一人につき道府県三千百三十円、市町村二千百円とし、面積一平方キロメートルにつき道府県八十三万二千円、市町村三十六万四千円といたしております。 以上が本修正案の概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○松野委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。 修正案については、別に発言の申し出もありません。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があればこれを聴取いたします。澁谷自治大臣。
○澁谷国務大臣 ただいまの地方交付税法の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び日本共産党・革新共同提案の修正案については、政府としては賛成いたしかねます。 —————————————
○松野委員長 これより地方交付税法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論を行います。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。染谷誠君。
○染谷委員 私は、自由民主党を代表し、政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び日本共産党・革新共同提案の同法律案に対する修正案に反対の意見を表明するものであります。 昭和五十四年度の地方財政対策におきましては、引き続く厳しい財政状況のもとで、おおむね国と同一の基調により、住民福祉の向上と地域振興の基盤となる社会資本の整備を推進し、あわせて景気の着実な回復を図るため、地方団体が必要とする財源の十分な確保を図ることとしております。すなわち、昭和五十四年度の地方財源の不足に対処するため、 一 国の一般会計から、臨時地方特例交付金として、三千七百六十六億円を交付税特別会計に繰り入れる。 二 交付税特別会計において、資金運用部資金から二兆二千八百億円の借り入れを行う。 三 地方財源の不足に対処するため建設地方債一兆六千四百億円を発行する等の措置を講じております。 さらに、後年度の地方交付税総額の確保に資するため、昭和五十四年度における借入純増加額の二分の一に相当する額一兆八百九十五億円を昭和六十年度から昭和六十九年度までの各年度において、臨時地方特例交付金として一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとしております。 これらの措置は、現下の経済情勢、国の財政状況等を考慮すれば、適切な措置であると考えるところであります。 今回、政府より提案されました地方交付税法の一部を改正する法律案は、これら昭和五十四年度の地方財政対策をその内容とするものであります。 また、同法律案は、普通交付税の算定について、社会福祉施策の充実、教育水準の向上に要する経費の財源を措置するほか、道府県に特殊教育諸学校費を新設することとしております。 さらに、住民の生活に直結する公共施設の計画的な整備等に要する経費の財源を措置するとともに、過密対策、過疎対策、消防救急対策等に要する経費の充実を図っております。 自由民主党といたしましては、これらの措置を内容とする政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案は適切なものであると考え、同法律案に賛成するものであります。 次に、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び日本共産党・革新共同提案の同法律案に対する修正案につきましては、自由民主党といたしましても十分検討を重ねたところでありますが、わが国経済が変動期にあり、また、国、地方とも巨額の財源不足となっているこの時期に国、地方を通ずる財源配分の恒久的制度としての地方交付税率の引き上げを行うことは適当でないと考え、反対の立場をとるものであります。 しかしながら、今後、地域住民の福祉の充実、生活環境施設の整備等の諸施策を推進する上で、地方団体の果たすべき役割りがますます増大する一方、昭和五十四年度以降においても、地方財政をめぐる諸条件は依然厳しいものと予想されておりますので、政府におきましては、今後とも地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く要望するものであります。 以上をもちまして、政府提案の法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び日本共産党・革新共同提案の修正案に反対の意見の表明を終わります。(拍手)
○松野委員長 新村勝雄君。
○新村委員 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、政府案に反対、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び日本共産党・革新共同提案の修正案に賛成の立場から討論を行います。 最近、地方の時代なる言葉が流行し、大平内閣の金看板ともなっていますが、政府の地方財政対策、なかんずく地方交付税対策を見れば、この言葉が全くのごまかしであることは明らかであります。すなわち、政府は本年度財政対策に当たって四たび地方財政に膨大な借金を押しつけ、昨年来の二分の一ルール化を長期にわたって固定化しようとしております。 国が膨大に借金を余儀なくされているとき地方も借金するのがあたりまえと政府は言いますが、このことによって地方財政法や地方交付税法が無視されていいはずがありません。政府は、本年度においても四兆一千億円の財源不足額の積算根拠を明示することなく、二兆二千八百億円の交付税特会の借り入れ、一兆六千四百億円の財源対策債の増発で穴埋めしておりますが、こうした措置が地方交付税法の趣旨に反していることは明らかであります。法の趣旨を逸脱した法改正が自治体の将来に大きな禍根を残すことを肝に銘ずべきであります。 こうした財源対策の問題に加え、政府の地方交付税配分についても多くの基本問題を指摘せざるを得ません。 すでに東京都においては、政府の補正係数の恣意的運用を強く批判する報告がなされておりますが、今日、自治体の交付税に依存する度合いが強くなればなるほど、その配分の民主化は急務の課題であります。少なくとも交付税配分について政府はこれを特権的に行うことなく、公開し、自治体の参加を図ることこそ地方分権の第一歩となることを理解すべきであります。 すでに自治大臣は、一般消費税が財政危機の特効薬でないことを認めておりますが、自治体にとっては一般消費税の創設はきわめて迷惑なことであり、基本的な税源配分と交付税の民主化こそ地方財政危機打開の大前提であることを強く指摘するとともに、四野党共同の修正案は、地方交付税法、地方財政法の規定に沿ったきわめて適切なものであり、自治体の代弁者を自任する自治省においてはこれに率先して賛成すべきであることを強調し、私の討論を終わります。(拍手)
○松野委員長 和田一郎君。
○和田(一)委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました内閣提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党並びに日本共産党・革新共同提出の修正案に賛成する討論を行います。 今日の地方財政は、昭和五十年度以来毎年二兆円から四兆円に及ぶ財源不足を生じ、まさに地方財政は破綻の危機に瀕しております。今日のこのような財政危機は、われわれが事あるごとに指摘してきたように、地方財政の構造的欠陥であることが如実に示されております。 大平総理は、自民党総裁選に当たって田園都市構想を打ち出し、地方分権を主張してまいりましたが、総理就任後初めての予算編成及び五十四年度地方財政対策においても、これまでの公約を全く無視し、従来と変わらない借金財政を押しつけているにすぎません。 地方の時代の到来に当たり、これまでの経済第一主義による公害、過疎、過密、地域社会の破壊から、豊かさと潤いと連帯感のある地域社会を構築するためには、従来の中央集権体制を打破し、地方制度調査会等の答申に基づく地方分権をいまこそ打ち立てねばなりません。 今日の一連の地方行財政に対する政府の施策を見たときに、その方向性すらうかがえません。しかも、大蔵、自治の財政収支試算を見る限り、増税のみを国民に押しつけ、その上、両省の地方財政対策には全く整合性もなく、非現実的な試算と言わざるを得ません。こうした政府の中長期の展望を欠いた場当たり的な小手先の対策では、地方自治体の財政運営をますます混乱させるばかりであり、このような政府の態度には全く承服できません。これが反対理由の第一であります。 五十年度以降の借金財政の積み重ねは、五十四年度末で、全体で地方債残高は四十兆円にも上る膨大な額が見込まれております。このような地方財政の現状は、だれが見ても地方交付税法第六条の三の二項に該当し、交付税率の引き上げ、または抜本的な制度改正を行うべきでありますが、これらの措置が全くとられておりません。昭和五十四年度の地方財政対策は、交付税会計の借金の二分の一を国が負担し、残りの二分の一を地方が負担するというやり方をルール化した昨年度とそっくり同じ対策にすぎず、政府の努力の跡が見受けられません。 そこで、日本社会党、公明党・国民会議、民社党並びに日本共産党・革新共同提出の修正案のように、交付税率八%の引き上げ、交付税会計における借入金の元金償還及び財源対策債の元利償還について、当然全額国の臨時地方特例交付金で措置すべきでありますが、これらの措置がとられておりません。これが反対理由の第二であります。 次に、超過負担についてであります。国と地方の財政秩序を乱し、地方財政を圧迫する地方超過負担は、保健所運営費、保育所措置費、公営住宅建設費等を中心にわずかに改善されているだけで、前年度の改善額に比べると五割強にしかすぎない現状であります。全国知事会等の超過負担解消の要望に比べ極端に少なく、超過負担の解消対策はきわめて不十分であります。これが反対理由の第三であります。 次に、押しつけ行政や通知行政についてであります。国は、地方自治体に仕事を依頼する場合には、必ずそれに見合う財源を与えねばならない、これが地方自治法や地方財政法の基本的な原則であります。しかしながら、国の建設行政、公害行政など、一片の通知や通達などによって、財源を全く与えられないのに仕事だけを押しつけられるという事例がふえる一方であり、これらの押しつけ行政が地方自治体の行財政を圧迫していながら、政府は何ら改善対策をとろうとしておりません。これが反対理由の第四であります。 以上、政府原案に対する主な反対の理由を簡単に申し述べて、私の討論といたします。(拍手)
○松野委員長 西村章三君。
○西村(章)委員 私は、民社党を代表し、昭和五十四年度地方交付税法の一部を改正する法律案に対し、政府原案に反対、わが党外三党提出の修正案に賛成の立場から討論を行います。 わが国地方財政は、本年度またも四兆一千億円という膨大な財源不足に見舞われ、これで五年連続、しかも史上最悪という深刻な危機がなお続いているのであります。この慢性化した地方財政の危機は、景気さえ回復すれば直ちに好転し得るという一時的な現象ではなく、その原因は、これまでのがんじがらめの補助金行政や三割自治と言われる自治権の弱さ、地方軽視などの要因が重なり合ったものであり、さらに最大のものは、現行の国中心の行財政制度の構造的欠陥、制度的矛盾に起因することは明らかであります。したがって、その解決は単なる一時的、応急的な措置でできるものではなく、抜本的な対策、改正を必要とするものでありまして、ここに今回の地方交付税法改正の最も大きな意義とねらいがなければならないのであります。 にもかかわらず、政府が提案した本年度地方財源の充実策は、過去四カ年間と全く変わらない糊塗的対応、数字のつじつま合わせにとどまっておりますし、また地方交付税法の改正案においても、地方自治、地方財源を将来ともに保障していくために、交付税としてどう対応していくかという方針と展望が全くうかがわれないばかりか、逆に昭和五十年度からの借入分返済額の累積による地方交付税率の実質的な引き下げをそのまま放置しているのであります。また、建設地方債の増発は地方自治体の自主性を損ない、地方財政硬直化の大きな原因となるものであります。 地方の財政再建という問題は、これ以上放置することのできない緊要な課題であり、地方交付税率四〇%への引き上げはその解決のための絶対条件であります。財源保障機能を欠いた交付税制度を放置し、国民に不当な増税を強いる一般消費税の導入を待って財政危機を解消せんとする政府の姿勢は、とうてい私どもの容認できるものではありません。また一方、財源補てんのため発行されました財源対策債や交付税特別会計の借入金にかかわる償還についても、本来交付税率の引き上げによって措置すべきものであり、これを国が責任を持って負担することは、いわば当然の措置であろうと思います。 いずれにしても、現在生じている地方財政の危機、地方財源の不足は地方財政の構造的なものであり、将来とも不足要因が残るものであります。したがって、その財源を補てんする措置は、将来ともに効果を持つ交付税率の引き上げと税財政制度の抜本的改革以外にないと存じます。 今回提出されました四党共同修正案が、その意味で地方一般財源の安定的確保を図るための第一歩としての意義を有するものであることをここに強調し、修正案の可決を心から願い、私の討論といたします。(拍手)
○松野委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対、わが党外三党共同提案の修正案に賛成の意見を述べます。 地方財源不足額は、政府の内輪の見積もりによっても、昭和五十年以降引き続き二兆円を超え、本年度は四兆一千億円という巨額に達し、財源不足はますます深刻なものとなっております。これは、政府がこれまでとり続けてきた急場しのぎのどろなわ的な措置をもってしては、しょせん解決できない地方財政制度の構造的な矛盾を改めて示すものとなっております。 地方交付税法第六条の三第二項は、引き続き著しい財源不足が生じた場合には、交付税率の引き上げ、または地方財政制度の改正を行う旨を定めており、すでに政府も一昨年米この条項に該当する事態であることを認めておりながら、交付税率の引き上げを行わず、特別会計借入金によって事態を糊塗するのみか、この借入金の償還額の半額を地方に転嫁する措置をもって制度改正を行ったとしております。これは詭弁もはなはだしいものであります。本来、基準財政需要額に対する基準財政収入額の不足は国の責任で全額補てんをすべきものであり、それ以外に地方公共団体は何らの自主的な財源を持ち合わせてはいないのであります。特別会計借入金の償還額の半額を地方に負担させるという措置は、地方が何らかの償還財源を持たない限り制度上成り立つものではなく、全くのその場逃れの欺瞞的な措置と言わざるを得ません。しかも、これが交付税制度の大規模な改悪であることは言うまでもありません。また、一般財源としての交付税算入額の一部を地方債に振りかえることは、一般財源の使途を特定するものであり、これもまた交付税制度の本旨に反するものであり、地方自治権に対する重大な侵害と言わなければなりません。わが党は、このような不当、不法な措置を認めることはできないのであります。 次に、わが党を含む共同修正案について述べます。 本修正案は、地方交付税法に基づき、地方交付税率を八%引き上げ四〇%にするとともに、昭和五十年度以降の交付税特会の借入金についても、交付税法の趣旨を生かしてその償還額全額を国が負担することなどを中心内容とするもので、法の規定する正当な措置によって地方財源を補完しようとするものであります。自民党、新自由クラブがこの四党修正を受け入れて、地方の時代と言われる今日にふさわしい地方財政危機打開の一歩を踏み出されんことを期待して、討論を終わります。(拍手)
○松野委員長 加地和君。
○加地委員 私は、新自由クラブを代表し、政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び日本共産党・革新共同から共同提案されております同法律案に対する修正案について反対の意見を表明するものです。 本法律案において、地方交付税等の総額の算定について、現行の法定額に臨時地方特例交付金三千七百六十六億円を一般会計から交付税特別会計に繰り入れること、二兆二千八百億円を交付税特別会計において借り入れること、基準財政需要額の算定方法の改正等であります。総額の算定に見られるように、現在の地方財政は地方交付税法に定める財源等ではとうてい足りるものではなく、国の一般会計からの大幅な財源措置が講ぜられているのであります。総額は必ずしも地方財政需要に見合う十分なものではありませんが、国、地方を問わず高度経済成長時代のように税収入が自然にふえるものではなく、乏しい財源という前提に立ち、かつ、地方財政制度の根本的改革実現までの当面の措置としては評価できるものであります。また、基準財政需要額の算定方法も、従来から各方面からの要望事項の実現に少しでも近づきつつあるものとして評価できるものであります。 しかし、地方交付税を中心とする地方財政制度は、いまや根本的な改正を要する時期に差しかかってきているのであります。たとえば、不交付団体であった指定都市のすべてがいまや地方交付税の交付団体になっているのは、国と地方との事務配分及び財源配分の根本的な見直しが必要なことを物語るものではないでしょうか。また、地方公共団体に対する金融の道を広くするため、地方公営企業金融公庫の機能をさらにさらに拡大し、不景気の折には地方公共団体が融資を得て公共事業を広く興し得るようにしなければなりません。また、国、地方公共団体ともに、一般消費税に期待をかける前に、民間企業と比べお役所仕事の中のむだを省くために十分な行政改革の努力の跡が見られないこと及び不公平税制是正のための努力の跡が十分に見られないことに対し、私は不安を覚えます。 ただいま指摘しました点について政府において十分に配慮されることを期待し、かつ条件として本法律案に賛成するものです。 日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同が共同提案しておられます本法律案の修正案についても十分な検討を加えましたが、冒頭に述べた理由に照らし賛成することができません。 以上をもちまして、私の討論を終わります。(拍手)
○松野委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○松野委員長 これより採決いたします。 まず、佐藤敬治君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松野委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松野委員長 起立多数。よって、地方交付税法の一部を改正する法律案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○松野委員長 次に、内閣提出に係る消防施設強化促進法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。澁谷自治大臣。 ————————————— 消防施設強化促進法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○澁谷国務大臣 ただいま議題となりました消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 市町村の消防施設の整備につきましては、昭和二十八年の消防施設強化促進法の制定により、国庫補助制度の確立を見て以来、逐次その充実強化が図られてきたところでありますが、昭和四十九年度には、人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、昭和五十三年度までの五年間、これらの消防施設の整備に係る国庫補助率を引き上げることとされたところであります。しかしながら、昭和五十四年度以降においても、なお相当数の人口急増市町村の存在が予想されますので、これら市町村における市街地の拡大等に伴う消防施設整備の緊急性にかんがみ、この国庫補助率の特例措置を適用すべき期間を延長する必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、これらの市町村における消防施設の整備に係る国庫補助率を二分の一に引き上げる措置を、引き続き昭和五十八年度まで講ずることといたしております。 以上が、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○松野委員長 以上で本案の提案理由の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十七分散会 ————◇—————