地方行政委員会 第10号
- 発言数
- 306 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/04/25
会議録
○松野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永末英一君。
○永末委員 ことしは地方選挙が一斉に行われました。地方選挙の国政選挙に対する特色は、それぞれの地方自治体の首長が選挙をされるということと、地方議会の議員選挙がある。この点は、国政選挙は議員選挙でございますから非常に異なっているところでございます。 ところで、その公選によって選ばれた者、すなわち地方団体の首長と地方議員との身分上の取り扱いで非常に目立つものが一つございました。それは、首長の場合に何年かの、あるいは何期かの任期を満了して退職する、あるいは任期を満了しなくても退職する場合がございますと、退職金という問題がございます。議員の場合には、地方議会の場合そういうものはないはずでございまして、年金制度は大分前に共済年金ができましたが、首長の場合には退職金という問題がある。 さて、この退職金の額が、他の私企業の責任役員の退職した場合の退職金に比較をいたしましてきわめて多額に映る場合がある。私企業の場合は営利会社でございますから、もしその責任役員がその会社のために大きな利益を上げることに貢献をいたすということになりますと、その会社はその上げた利益を勘案しつつ相当な退職金を出すこともございますが、地方公共団体の場合には、これは利益を上げる団体でございませんから、究極はすべて国民の税金によって賄われているのが財政の実態でございます。したがって、その退職金の考え方は、おのずから私企業の責任役員の退職金とは異ならねばならぬと思います。 また、地方公共団体では一般公務員がそれぞれ職務をとっているわけでございまして、これは勤労者でございますので一連の退職金体系がございまして、それに沿ってそれぞれの就職年限に応じて退職金を支給せられているのが現実でございますが、首長というのは四年ごとに選挙によって選ばれるのでございまして、したがって、その意味合いでは、一般の公務員の退職金の性格と公選首長の退職金の性格とは異なるはずだと私は思います。 これらのことを前提にしつつ、公選首長にして最近退職をし、退職金を支払われた実例の目立つものをひとつ御報告願いたい。
○砂子田政府委員 お答えをいたします。 地方団体の長に退職手当の出ますことは地方自治法上規定をされておりますので、その規定に従って退職手当を支出いたしているわけでありますが、長の退職手当につきましては団体ごとにその仕組みが非常に違っておりまして、あるものは任期を通算して出す、あるものは任期ごとに支給するということがありますし、手当の算定に当たりましても、給料の月額に在職月数を乗じて出す方法でありますとか、あるいは議会の議決によって出します方法とか、いろいろな方法がございます。そのために、個々の団体におきまして退職手当の支給額が大変違っておりまして、五十三年の一月以降から見ましても、二千数百万円から一億九千万円を超えるものまでございます。五十四年の一月以降でございますと、これは一期分でございますが、青森県で二千三百万円出したことがございます。それから京都で一億九千八百万円を超えるものを出したことがございまして、五十四年一月以降ですとこの二つでございます。 また、東京でありますとかその他、かわりました知事さんにつきましては、まだ議会の議決を経るとかそういうことがございませんので、いま私たちとしては承知しておりません。
○永末委員 いまお話しがございましたように、そのそれぞれの計算基準がそれぞれの地方自治体で異なっておる。選挙は同じ法律でやられておる。退職金の根拠も同じ一つの法律である。しかし計算のやり方が全然違う。一番違うところは、任期ごとに計算するか、あるいは任期を通算するかというところでございましょうが、また、その期間にどれだけの金を充てるかというその計算方法も違っているのですから、これはもうとんでもない話でございまして、もし公選による者の身分関係を平等に処理しなければならぬということが原則であるとしますと、これはきわめて平等でない取り扱いが行われております。大臣は、首長の退職手当に関する計算基準は、いまのようにてんでんばらばらでやっていくことが地方自治の本旨にかなうと思われますか。
○澁谷国務大臣 首長は当然特別職でございますから、その名前のとおり特別な職である、したがって退職金についても一般の公務員とは違う取り扱いをする、これはやむを得ないと考えております。 ただ、その退職金をどういう方法で決めるかという点については、やはり地方自治ですから、それぞれの自治体でその実態に応じて決めるということがむしろ筋ではないか、国が何かその基準でも示して画一的な指導をするということは必ずしも望ましいことではないのではないか、このように私は考えます。しかし、御指摘のようにこれはあくまでも営利団体ではなくて、その退職金は終局的には国民の税金によって賄われるということを考えますと、そこには当然一つの節度というものがなければならぬ、このように考えます。
○永末委員 いま大臣のお話しでございますと、特別職であるので画一的にやらない方が地方自治体の自治という点ではむしろふさわしかろうという御見解でございますが、その自治体の職員の給料というものにつきましては自治省は基準を示し、それから超過した給料を支払うと、いま問題になっております交付税、特別交付税の計算をする場合にも、あるいはその他のいろいろなことをやる場合にもいろいろ注文をつけておるのが実態ではないかと思いますが、自治体の給料については自治省は勝手にやれという方針ですか、基準の枠を示してそれに収斂せよという御方針ですか。
○砂子田政府委員 一般職の給与に関しましてはすでに地方公務員法にございますとおり、国の基準に従って給料を設定をするようにという指導をいたしているわけでございます。ただ、ただいま大臣からお話がございましたのは特別職の問題でございますが、特別職それぞれの職務の特殊性がございまして、なかなか一般職と同一の基準を設けるというのは大変困難だという場合が考えられますが、ただこの場合も、先ほど大臣からお話がございましたように、あくまでも公費の支出でございますので、住民の十分な理解が得られるような支出の方法が望ましいというふうに考えております。
○永末委員 一般職の場合には国家公務員の給与に準ぜよということであって、したがって国家公務員と同一の職種、それからその給料表における格づけ、それを準用したものをそれぞれの自治体の議会でつくってやっておるというような実態ではなかろうかと思います。したがって、自治体そのものの基準はなくても、もとが国家公務員でございますから、それでやっている。これはなかなかおもしろい話がございまして、国会議員の給料は国家公務員の最高位のものより少なくない額にしなければならぬと書いてございますのを少ないと読んだ議員がある議会でございまして、送りがながおかしいのでございますけれども、それほど地方議会から見ますと国家公務員に関する給与の規定というのはある意味での一つの基準になっておる。もしその理屈を援用いたしますと、特別職には違いございませんが、特別職だからといって何でも勝手にやれるというものではないと私は思います。地方自治体の一般公務員の給与について国家公務員並みの基準というものがあるといたしましたら、その退職手当につきましても似たような考え方が行われてしかるべきであると私は思いますけれども、大臣、そんなことは考える必要はないと思いますか。
○澁谷国務大臣 これは退職金は一種の給与、広い意味での給与に入るわけでございますから、やはり国の公務員に準じて取り扱うべきだと考えます。
○永末委員 いまのは一般職の場合にはそうですね。退職金の計算基準というのは国家公務員でやっているものを地方団体の一般職の職員が退職する場合にやる。問題は首長という特別職、地方自治団体にも特別職はいろいろございますが、私が問題にしておりますのは、公選によって選ばれたる特別職、したがって首長でございまして、その首長が退職した場合の退職金というのは、実は国家公務員側には似たようなものがないのでございまして、本当に似ているのは大臣、政務次官というのがございますけれども、この人々は退職金をもらったことはございません。そういう制度はない。そういたしますと、まさに地方自治団体の公選による首長という特別職の退職手当というものは、ほかの地方団体の一般職等が基準としておる国家公務員側には対比すべきものがない。こうなってまいりますと、そこで先ほどの質問に返りますが、だから自由にしておいていいのか、何らかの基準を定める方が望ましいかというところでございまして、この辺は大臣、どうお考えになりますか。
○澁谷国務大臣 これはいろいろ意見の分かれるところだと思いますが、地方自治体といっても大きいのは東京から小さいのは人口数千という村までも入っておるわけでございますから、これを画一的な一つの基準で足並みをそろえるということも実際問題としてはなかなかむずかしい。でありますから、やはりそれぞれの地方自治体がその自治体の実態に応じて退職金というものを決めていくということがむしろ現実的な処理ではないか、私はこういうふうに考えます。
○永末委員 たとえばこれは利益勘定ではございませんけれども、財政規模が一千億の自治体があったとして、そこへ七期、四、七、二十八年、三十年近く勤務しておった首長がやめた、大体一千億ぐらいの売り上げのある会社の責任役員が三十年ほど勤めてやめた、それはイコールにならぬと思いますが、どう思われますか。 つまり、地方自治体だからそれぞれの地方自治体の特色がある、その特色に即して決めていくのが地方自治体としてはむしろいい形ではないかという大臣の御見解でございますが、国民が一番考えるのは、それなら一千億円の会社なら一体幾らぐらいもらってやめているのかという感じで見た場合に、もちろんこっちは売り上げは一千億円でも利益は幾らだということは問題になります。地方自治体は先ほどお互いに確認しましたように利益を上げる団体ではございませんが、そのもらう退職金の額というのが、普通のいまのような営利会社の責任役員のもらう額と比べてどうだということを考えてはならぬものかどうか。
○砂子田政府委員 首長の退職手当につきましては、実は自治省といたしましては一般的に常勤の職員であるということでございまして、退職手当につきましても一般の退職手当の条例に従うようにという指導は一般的にはいたしておるわけでございます。ただいまのようなお話でございましても、それぞれの団体がいろいろありましてもやはり一定の基準が当然適用さるべきでありまして、そういう中から支出していくのが普通であろうとは思います。 ただ、先ほど大臣から申し上げておりますように、一般的に私たちの方が、常勤の職員には国の退職手当あるいは地方におけるそれぞれの職員の常勤としての退職手当に準ずるべきだという議論はしておりますが、実態の問題としてなかなかそれを実行しづらいという点がございまして、それぞれの地域における特殊性によって考えられておるものだと思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、こういうことがございましても退職手当それ自身がやはり公金の支出でございますから、十分にその点は住民の理解が得られるような方式の退職手当であるべきだ、そういう節度は守るべきだと思っております。
○永末委員 大体の自治体におきましては、府県でございますと知事の下に副知事がおる。給料の額はどちらも特別職でございますから知事の方が多い。ところが、大体副知事がその庁内から上がってきた者であった場合には、その庁内で一般職として勤務しておったときの実績の上に特別職が加算されるという形で一応の退職手当が計算できる。それを横目でにらみながら、たとえ特別職である知事の在職年限が短くてもその実績を横目でにらみながらそろばんをはじいている。これは参考的にやっていると思いますが、大体それを基準にしながらあとは知事と議会とが相談して決めているような実情ではないかと私は思います。 さてその問題は、いまのは府県のことを申し上げましたが、都市の場合には助役と称する者がいまの府県における副知事と似たような計算の仕方で退職手当が計算される。だから、ざっくばらんに申せば、それらの計算の基準よりもより高い基準で首長の特別職の退職手当が大体計算される、こういう形になるわけでございまして、それが一般の営利会社の責任役員の退職手当と比べたときに非常に多額である場合に異様な感じを地方住民に与えるわけでございまして、自治省は恐らく特別職の方ではなくて一般職に関係のあるところの基準をにらんでおられるのかもしれませんが、やはり住民の感情としては、それが著しく高ければなぜ一体地方自治体というものはそう出さねばならぬかという感じを抱く。しかし直接にそれをチェックする方法はいまのところ議会以外にはないわけでございます、まあ直接請求の制度はございますが、そんなことですることはございませんから。しかし、もっと基本的に、公選で選ばれる者が、たとえその公選の職が国会議員であれ地方議会議員であれ、また行政の責任者である地方団体の首長であれ、その職務から外れた場合に、なるほど地方自治法には退職手当というものは書いてあるけれども、そういうものを多額にもらうべき性格のものかどうか。こういう問題は地方住民の中にあると私は思うのですね。公選で選ばれた者は、営利会社の責任役員という立場でなくて、地方住民すなわち主権者の立場からすれば公共に奉仕する者である。選挙の場合にはみんながそう言っています、退職金をもらうために選挙したいだなどとそんなことはだれも言いやしません、やはり公共に奉仕をするんだと。退職する場合に退職金をもらっていく。つまり一般職ではない、そこに自分の生活をかけて、生活の糧を求めて一般公務員になっていくわけではないのであります。だから、計算の基準はいろいろございましょうが、公選で選ばれた地方団体の特別職である首長の退職金の額の大きさというものは、私はそれが大きければ大きいほど地方住民の地方自治、民主政治に対する期待感を裏切るものだという感じを持つのですね。だといたしますと、これは問題にせざるを得ない。私が申し上げました感覚、政治家として自治大臣どう思われますか。
○澁谷国務大臣 私は政治家としては永末さんの考え方と全く同感です。公選で選ばれたという特殊な性格を持った、また使命を持った職にある者が退職するときに住民から見ても納得できないような多額の退職金をもらうということは、政治家という職務の特殊性から考えると私はどうもふさわしいとは思いません。思いませんが、それでは自治省が法律によってこれを画一的に統制をする、コントロールするということがいいかどうかということになると、私はいま直ちに結論が出せません。これは少し検討させていただきたいと思います。
○永末委員 私はそこで一つの考え方を持っているのでございますが、地方首長の任期というものは地方自治法で定められておるわけでございまして、したがってもし退職手当がありとするならば、一期一期の退職手当——これは退職手当をもらった方がそれをもう一遍次の選挙に使われようと使われまいとそれは自由でございましょうが、つまり一期一期の任期に対してその方は責任を持ってやっていく、したがって、地方住民はその方が退職された場合には手当を差し上げる、そういう慣行をつくっていくべき問題ではなかろうか。たまたま信任をされまして、五期、六期、二十年、二十数年とこうやっていかれて、それを通算してやるというところに問題がありはしないか。これは、その程度のことは地方自治体の意向とは別に、国会の意思をもって法律で決めるか、あるいはまた自治省がそれを受けて決められるかは別といたしまして、つまり公選で選ばれる地方団体の特別職、首長の退職手当は一期ごととするということぐらいの基準を示しても地方自治の本旨を損なうことにはならぬと私は思いますが、いかがでしょうか。
○澁谷国務大臣 その一期ごとに退職手当を出して区切りをつけるというやり方、それを決めることが直ちに地方自治を侵害するということには恐らくならぬと私は思いますけれども、そこまで国が踏み切っていくことがいいのかどうか、私自身ちょっといま結論が出にくいわけでございまして、しかし、一つの問題点であることは間違いございませんので、もう少し時間をかけて検討をさせていただきたいと思います。
○永末委員 お互いに地方自治の本旨を守り、地方自治体の住民がその自治体のやっている政治のやり方あるいはそれを担当する人間の身分の処置のあり方、これは身近に民主政治を知る重要なポイントだと私は思いますので、せっかく御検討していただきたいと思います。 それから中央政府の外郭団体、公社、公団その他似たようなものがいろいろございますけれども、これの責任役員になっていった者が定められたる任期を終わったときに多額の退職金をもらうということが問題になっているわけです。渡り鳥という雷葉がございますが。地方団体もこのごろ中央政府のまねをいたしまして、県であれ指定都市であれ、大きい方が多いのですが、東京都もたくさんございますけれども、いろいろな外郭団体をつくっておる。そして大体において一般職等々の長い経歴を本庁で終えた人々が外郭団体の責任役員になっておって、条例で定められたる任期を終わりますと退職金をもらっておるわけですね。それは高い方はどのくらいもらっていますか。
○砂子田政府委員 地方の公社で退職金がどのくらい出ておりますかは、私のところでいま調査をしておりませんのでよく存じませんけれども、ただ私が勤めた県で申し上げますと、部長なりあるいは出納長なり副知事なりが地方の公社なりそれらの外郭団体に出ましても、一般的には退職金というのはその地方の地方公務員の例に準じて出しているのが通例でございまして、いま先生がおっしゃいましたように、あるいは東京とか大阪とか大きい都市はわかりませんが、一般の県では住民の批判を受けるような退職金は出していないと私は思っております。
○永末委員 中央政府関係のはわりかた多いので問題になっておるわけでございまして、一遍調べておいてください。これらが少なければ問題はございませんけれども、多い場合には問題がある。もともと恩給等々の関係もあるわけでございまして、公平を期すというのが民主政治、特に行政を担当する側に住民から要求せられる重要なことだと私は思っております。退職金関係はいまのようなことをひとつお調べを願っておきたいと思います。 次に、交付税等々の計算に当たりまして標準団体というものを御勘案でございますが、たとえば人口十万の市の標準団体をつくって、そこで大体どれくらいの人間が必要かというような計算もしておられるようでございますが、都市センターが四十四の団体を調査をした実例によりますと、たとえば人口十万でその総人員は少なきは二百十五名、多きは五百十四名、それくらいばらつきがあるわけです。大きな方でも、そこでつかまえられた人口は十万九千であり、小さい方、二百十五名でやっている方が八万七千でございますから、大体似たようなものでございますが、しかし二倍以上その職員の数が違うというのは外から見ておりますと理解に苦しむわけでございまして、この標準団体で消防職員が幾ら、教員が幾らという人員の計算をしておりますが、一般職員全体について人口十万の市なら、地方団体ならこれくらいの職員でやれるはずだというその標準はございますか。
○石原政府委員 御指摘のように、市町村の現実の職員数を見ますと、人口規模等が同じ程度の団体でありましても、職員の数に非常に大きな差がある実態にあります。地方交付税の計算におきましては、この場合に各団体のいろいろな差を捨象いたしまして、標準的と申しましょうか平均的と申しましょうか、そういった形で人口十万の団体の各行政ごとの職員の想定を行っております。 そこで、問題は職員数の差が出てくる一番大きな理由は何かといいますと、施設の設置形態の差によるものであります。たとえば保育所などに例をとりますと、保育所を公立で置いておるところでは当然職員数が多くなります。それから、私立で設置している場合には、これはないわけであります。これらについては、交付税の財源計算は措置費として措置児童当たりの単価を算入するという形をとっておりますから、職員数を直接には想定いたしておりません。したがって、その差は出てまいりません。それから、幼稚園などになりますと、公立幼稚園を持っているか持っていないかで非常に差があります。これらにつきましては、その他の教育費という費目の中で、人口に占める公立幼稚園の児童数の割合によって密度補正という形で現実との乖離を調整するというやり方をいたしております。 それから、清掃費などに例をとりますと、清掃を直営で行うか、民間委託方式で行うかという点で決定的な差が出てまいります。この点につきましては、交付税の計算上は一応直営で行うという想定をしております。しかしこの場合も、収集対象率と申しましょうか、それらについては全国の水準を想定して行っておりますから、全部を直営で行っている団体と比較しますと、交付税の方が低くなる。しかし、民間委託方式を大幅に採用している団体と比較しますと、交付税の方が多くなるというような形になっております。 そのように経費によっていろいろ差がありますが、交付税の想定におきましては、全国の平均的な数値を参考にして定員の想定を行っている次第でございます。
○永末委員 実際は、いま事例として申し上げました二百十五名の一般職員を抱えているところは、その二百十五名に対して給与を支払うのであり、お互いに十万都市でございますが、五百十四名の一般職員を抱えているところは五百十四名に給与を支払わなければならない。地方団体におきましては、給与の支払いということはきわめて大きな財政的分量でございまして、もしこの五百十四名を抱えているところの事業内容が、相対的に人件費が多いために貧弱になって余り何もやっておらない、こういうことになりますと、その自治体の間違いは、大きな人員を抱えていることだ、事業をやらぬで人件費ばかり払っておる、そういう自治団体があちこちございますけれども、そういうことになる。その場合に自治省は、おまえのところは多い、五百十四名なんて何で使っておるのだ、こういうことで指導をされるつもりがあるのですか、ないのですか。
○砂子田政府委員 定数の問題に関しましては、実は先ほど石原審議官から申し上げましたが、いろいろな公共団体における政策でありますとか住民のニーズでありますとか、あるいは人口構成でありますとか産業構造でありますとか、いろいろなことに従いましてそれぞれの仕事につく職員数を算定しなければいかぬのでありますが、それに従いました定数を出しました以上は、私の方といたしましては、それ以後の法令の改正でありますとかあるいは設置基準の変更でありますとか、そういうことがありました場合の定数の増加ということはやむを得ないといたしましても、一般的には職員の増加を食いとめるということで、なるべく簡素合理化されるような方法を指導いたしておるわけでございます。
○永末委員 大臣、公務員の仕事の性格でございますが、われわれの暮らしておるこの社会が、経済量をつくってその経済量をまた分配をしていく、それは究極的には消費に当たるわけでございますけれども、そういうことが人間の社会生活だといたしますと、公務員というものは何をしておると思いますか。
○澁谷国務大臣 公務員というのは、やはりその名のとおり、公のサービスを提供しておる、こういうことだと思います。
○永末委員 あなたがおっしゃった、その公のサービスですね、公というのはようわからぬ。公というのは何ですか。
○澁谷国務大臣 公というのは、私とは違う、私ではない、こういうことだと思います。
○永末委員 では、その私というのは、私が先ほど申し上げたことから言いますと、要するに経済量を創出をする、つくり出す。それは自分のためにでしょうね、利益を上げるということになりますと。それの仕事は、ある意味では食糧を生産する者もあれば、製造工業に従事する者もございますし、あるいはまた、夜鉛筆をなめなめ原稿用紙に字を書く人もあるかもしれませんし、いろいろございましょう。要するに経済量を生産しておるのが私とすれば、公というのは、経済量を生産するために直接に従事しますか、しませんか。
○澁谷国務大臣 なかなかむずかしい質問でございまして、正確な答弁がなかなか困難でございますけれども、一般的には、その経済の物量といいますか貨物、そういったものを生産する役にはなじまないのではないか、こういうふうに考えます。 ただ、同じく公務員といっても、実際に経済活動、企業と同じような仕事をやっておる分野、それを公の形態でやっておるという例もございますので、そういう仕事に携わっておる人は、仕事それ自体の中身というものは一般の私企業でやっているものと変わっておらない、そういう分野もあるだろうと思うのです。しかし、原則的には経済的なそういった物量の生産というものにはなじまない、こういうふうに考えます。
○永末委員 大臣も大体いい線を行っておられると思いますが、なるほど国鉄、きょうとめたやつもおりますけれども、それから全逓、これは労働組合の話ですが、電話というようなサービスみたいなものでございますが、確かに経済量あるいは人間の経済活動の現在におきます必要不可欠のある部分をやっておるということは、その経済量の創出に従事しておるとみなされる。しかし、役所で判こを押している人、これは直接に経済量の創出に従事しているとは思われない人々だ。確かに公務員にも二手あります。したがって、現実に経済にストレートに関係のある部門は公企業体ということで、だんだんわが国も分けてきたわけでございますが、さて問題は、直接には経済力あるいは経済量の創出に関係のない公務員、これは言うならば、経済量が満たされた場合に分配にはあずかるけれども、つくってない、こういうことでございますから、だんだん問題を突き詰めていきますと、もしこれらの人々の分量が非常にたくさんになりますと、経済量をつくっている人々は自分に対する分配が少ない、こうなるわけでございまして、その辺から、先ほど挙げました、同じような人口を抱えているところで、一つの自治体は二百十五名の一般職員でやっており、片方は五百十四名でやっておる。なるほど、あるものは直営、五百十四は直営でやっている、あるいはいろんなものを公立でやっておる分が多いから職員が多いのだ。こっちはそうではないんだ。なるほど私でやらして、それに対して何ほどかの公費を支弁して経済効率を上げているのかもしれませんが、しかし、それはそれぞれ測定ができるだろうと思います。しかし、明らかに五百十四名に対して給与を払っていくその地方団体の財政のあり方と二百数名に払っていくやり方とは中身が変わってくることも事実でございまして、したがって、そうだろうとおっしゃり、そこで平均的な数値を出して、定員をつくる、こういうお話でございますが、具体的にいまのように倍以上だという場合には、私はやはり多いところの方に問題があるのであって、小さいところはそれでやれるとするならば、私はなるべくやはりいまのように、その地域の住民だけを取り上げましても、それらのつくっている経済量とそれからそれが直接に携わらないものに対する分配部分というものを考えれば、携わらないものの分配部分を少なくして、そしてなるべく還元を多くするという指導方針が、これはまた地方自治の方針にもかなうものじゃないかと思いますが、いかがですか。
○澁谷国務大臣 一般論としては、私は永末さんの考え方が正しいと思います。
○永末委員 そこで、われわれが行政改革ということを一生懸命十数年やってきたわけですが、中央政府におきましては、総定員法が実施をされたり、いろいろ苦労して、新しい局課を設ける場合には古いのをやめてしまえというようなことで苦労してやっておられるようでありますが、地方自治体につきましては、なかなかそこまでいかない。もし中央政府が自分の傘下の各省庁に対してやっておるようなことを言ったら、地方自治をどうかすると言われるかもしれません。しかし、それぞれの地方自治体は、地方自治体の方針で自分の方の課をふやさぬとかなんとかやっておるところもございます。しかし、地方自治体の実情を見ますと、地方自治体の首長がかわりますと、局や部課をぐるぐる名前を変えたりひっつけたり外したりするのがなかなか好きでございまして、つまり、行政能率というのは、それの廃統合を行う、あるいは分化を行うことによって、一体上がるのか下がるのかわからぬというところに私は問題があろうかと思います。何か基準がございますか。新しい部課を分化してふやすことあるいは統合して少なくすること、少なくしたり多くしたりいろんなことをやっておりますけれども、何か基準はございますか。
○砂子田政府委員 定員の算定をするというのは、先ほど申し上げましたように、それぞれの地方によっていろんな関係がございまして、なかなかむずかしゅうございます。一般的に事務量を算定をする方法というのは、最小自乗法でありましたり、あるいはいろんなテクニックがないわけではないと思いますが、どれ一つをとりましでも、ぴたりと当てはまる、どの団体にも当てはまるというのはなかなかむずかしくて、これはないわけでございます。やはりそれは一番手近なところでは、むしろ類似団体とどう比較をして、どの程度の人間をふやしていくか、あるいは新しく事務がふえたことについて、どれだけの事務がふえたからどれだけの人間をふやしていくかということの算定をする方法しか現在のところでは余りうまい方法がないのではないかと思っております。
○永末委員 私もそういう方法がとられておると思いますので、先ほど似たような人員を擁する地方自治体の一般職員の総数の比較を試みたわけでございますが、自治省で見ておられました場合に、大体末端の地方自治体である市町村、特に中堅都市でございます市の課というものは私はふえつつあると思いますが、どのように傾向をつかんでおられますか。
○砂子田政府委員 最近の役職のふえ方を見ておりましても、おっしゃるとおりだと思います。
○永末委員 営利企業でございますと、決算をいたしましたら、利益が上がったときには明確にこれは数字が出ておる。ところが、行政機関におきましては、行政効率といってもよくわからぬのでございまして、議員の場合にはきわめて明確であって、選挙で負けたらこれは効率が悪いということになる。ところが、行政機関においては、これはうまくやっているのか悪くやっているのかわからぬ。しかしながら、メリットシステムなんというような言葉が入ってくると、それにくっつけて何らかのやはり行政に対する情熱をかき立てて大いに仕事をしてもらおうといたしますと、つまり役職をふやして昇進をせしめるという手法がとられる。何もパーキンソン氏の法則を持ってくる必要はございませんが、私は、課がふえ、課がふえれば次長もふえ、役職員がふえ、そしてわが国の地方自治体におきます職階給与制度というのは職務よりはむしろ階級に打たれているきらいが多い。こうなりますと、給与費の増大というものがきわめて顕著に出てきているのではなかろうか。したがって、ここ十年ぐらいの傾向をごらんになって、給与費がそれぞれの地方団体における全体の予算規模と比べた場合に、もちろんそれば仕事の内容をにらまねばなりませんけれども、それが総体的にはふくれてきていると思いますが、どうつかんでおられますか。
○砂子田政府委員 おっしゃるとおりでございまして、ただ、最近の地方公務員数の増加を見てみますと、昭和四十九年から昭和五十三年の四月一日まででございますが、地方公務員の数が約二十万八千ほどふえてございます。ただ、この内訳を見ておりますと、御存じのとおり、教員でありますとか警察官とかいうのがわりあいに多うございまして、二十万八千のふえた中身を申し上げますと、教員で十万四百八十八人、約四八・二%でございます。警察官が一万三千四百七十八人で六・五%でございます。消防が一万六千二百七人で七・八%、福祉関係で六万四千五百六十八人で三一%ということになっておりまして、この残りが、その他の一般的な、これに伴う管理部門の人員の増加ということになるわけでございますが、一般的には、私たちの方といたしましても、公共団体においてただ単に増員をするということではなくて、やはりそれぞれの必要性に応じて増員をするということを心がけるようにすることを指導しております関係上もありますが、ただいま申し上げましたように、大部分のものはいま申し上げたものの中に含まれるような増加でございますので、ある程度公共団体といたしましてはやむを得ないのではないかというふうに考えております。
○永末委員 一般職員と福祉関係の職員の中で、府県はふえておりますか、ふえておりませんか。
○砂子田政府委員 福祉関係につきましては、都道府県におきましては、四十九年に九万三千九百二十二人でありましたが、五十三年には九万三千四百二十五人になりまして、わずかではありますがこれは減っております。
○永末委員 先ほど、教員、警察、消防——消防も末端自治体のものになっておりますけれども、大体においてこの身分関係からいえば府県で仕分けられる方が多いわけでございます。福祉と一般職員——福祉は特に末端の市町村に事務がふえてきておりますから、ふえるのはここだ。私は、だんだん整理すべき問題があると思いますのは、末端の市町村に事務が配分されれば、そこに人もふえる傾向が出る、しかしそのわりに府県の方が減らぬというところに問題があるのではなかろうかと思います。 さて、事務の分量につきましての測定方法はなかなかむずかしいというお話がございましたけれども、自治省はこの行政能率を測定する基準というものを持っておられますか。
○砂子田政府委員 これは先ほど申し上げましたように、なかなかむずかしい問題でございまして、公務能率の研究だとかいろいろなことはしておりますが、これといって現在まで定まった方式は持っておりません。
○永末委員 中央政府のようなところでは機構が複雑でございまして、なかなかむずかしいのでございますが、末端の地方団体というのは、地方住民との接触、それからそこに流れてくる書類なら書類の数、こういうものは、統計的に見れば大体の分量は、月々の行政事務のしわの寄り方で繁閑の差はございますけれども、大体計算できると思うのです。そうなりますと、それを全国を通じてごらんになっておるならば、先ほどそれぞれの標準団体で定員の数を測定されたわけでございますけれども、その測定をされるのは、恐らくは現在持っておられる実数の何らかの平均をとられた数字ではないかと私は思うのです。違ったら言っていただきたいが、むしろ事務量の測定をやって、その事務量の測定から出てくる人間の数というものを考えられる必要があるのではなかろうか。末端の地方団体におきます職員の採用というのは必ずしもそういうことで採用されたのではなくて、もっと別の人間的な関係で採用され、人員がふくれ上がっている。一遍採用すればそれは根が生えるわけでございます。しかし、そういうものはすべてその自治体におきます財政需要をくぎづけにしまして、そしてひいてはそれが多くなれば財政困難を来す、こういう形になっておるわけでございまして、根本は、やはり標準的なと申しますよりば、ある規模の自治体では大体これだけの事務量である、それを処置するのはこれくらいの人間で当然だ、こういうことになるのがあたりまえではないか。そういうことをはっきりやられていないから、超過勤務手当などというようなものは実際の超過勤務時間によって支払われるのではなくて、予算上取った超過勤務手当をいいかげんに分配しているというような実態があると私は思います。したがって、その事務の量を測定する、裏を返せば行政能率を測定する基準というものをそれぞれの地方自治団体に、これは勝手にはやれはしません、勝手にはやれない問題でありまして、それこそ自治省という窓からある基準でそういうものの流れを測定せしめる、そうしなければ適正な人員というものはわからないのじゃないかと思いますが、どう考えておられますか。
○砂子田政府委員 交付税法の算定の基準につきましてはともかくといたしまして、これからの定員の算定というのはある程度おっしゃるような方法を考え出していかなければならぬものだと思っております。ただ、現実にそれじゃそれが可能かと申しますと大変むずかしい問題でございまして、ある程度やはり現実に、たとえば先生でありますと標準法ですぐ算定ができますとか、警察官でありますとある程度の社会構造を考えればわかりますとかいうのは人員の算定ができるといたしましても、その地方における団体の長の政策の決定というのが、たとえばわれわれが自治省に入りました時分にはまだ一万人の人口で小学校が一つあればいいということでありましたが、団地をつくりますと、すでに五千人のところで小学校を一校つくらなければならないという事態になってきておりますから、そういういろいろな社会的な情勢の変化も考えなければいかぬかと思います。そういうもろもろの社会構造なりあるいは所与の条件などを考えながらやはりある程度のものは算定をしなければいかぬと思いますけれども、実際問題としてそれが全く公共団体の長の政策を完全に把握したものとして納得できるかどうかは私は大変むずかしい問題であろうと思いますので、なお今後の研究課題にいたしたいと存じます。
○永末委員 一枚の決裁書類に押す判こは何ぼぐらいが適当だと思いますか。
○砂子田政府委員 これも大変むずかしい問題でございまして、非常に重要な問題でありますれば大臣からいろいろな起案者に至るまでの決裁が必要でしょうし、非常にやさしい文書でありますればあるいは課長どまりであって、その課の中で決裁することが可能でありますから、その中身によって大変違うものだと思います。
○永末委員 中央政府のことを申し上げているのではございませんで、地方団体の事務というのは認可、許可事項にいたしましても物品購入の問題にいたしましても、そんなに複雑な、中央政府のような組織ではないはずでございます。私が先低ど行政調査と申しましたのは、大体行政事務というのはそこの自治体の故事来歴に従ってやっておる部分が非常に多いわけでございます。ある自治体である物品を購入するのに三十六判こを押した決裁書類がございまして、これはその土地の住民からいたしますと、三十六人の手にこの紙が回っておるということは、一人ずつ言えば責任が三十六分の一である、裏を返せばこれらの人々は全く責任を感じていない。この判こというのは何かと言うと、普通なら責任の所在を明らかにする印である、こういうことですが、そういう角度からながめますと、私には責任はございませんということをこの判こを押して主張している、こう読まれるわけですね。したがって私がお聞きしたのは、決裁書類というのはそれが責任を持った人々の目を通過していくというならば、やはりある程度の少数でやるということが一つの——もちろんいろいろなケースがございますから画一的にいきませんが、ある数以上ふえたものは無意味な書類になってくるのだ、それは何らか行政事務の余分なことをやっておる、こうみなさざるを得ない。そういう研究は自治大学でやらぬのですか。
○砂子田政府委員 かつて文書決裁に関するいろいろな研究をいたしたことがございますが、それの中身を見ましても、実は確かにアメリカのようなところのように、管理者と即職員という形で一対一でやれるというシステムをとるならともかくといたしまして、現在の日本のようにある程度のグルーピングで仕事をしておるというところでは大変そういう文書の決裁がむずかしかろうと思います。たとえば先生のおっしゃいましたように物品の購入だということにいたしましても、経費を配当する財政課から現実に金を支出する出納課までということを考えますと、相当多くの課にわたっていかなければ現実にはその支出行為が出ない。むしろ途中でチェックをする機関を非常に多くつくっておる、あるいは不正を防止するという点もございまして、そういう点からの決裁規定ということも考えますと、ある程度そういう中間の決裁がふえてくるのもやむを得ないのではないかという感じもいたします。
○永末委員 いまあなたはアメリカの例を申されましたが、アメリカは、行政組織の能率を一体どう測定するかということは彼らにとっては重大問題である。すなわち、会社の場合には、先ほど申し上げましたように決算で出てまいりますから、どこが余分か、どこで人手を省くかということは別の角度から相当合理的に行われる。ところが行政システムというものは能率を測定することができない。したがってどういう能率測定をやるかということで、行政調査というのはアメリカではいろいろな角度から実施をされ、それによって行政組織の簡素化というものがなされてきたわけでございます。ところが日本の方では、そのアメリカのやりました公務員システムの中で、職階給与制をひねって導入はいたしましたけれども、行政効率とかなんとかというものは余りこれをされずにいまに至っており、いまあなたがおっしゃったように、そんなことは顧慮しないのだ、中間でやらなくちゃならぬこともあるし、不正防止もあるしという方の考慮が多い。したがって、ある単位団体で、もちろんアメリカの地方団体——アメリカ、アメリカと言いますが、アメリカであろうとフランスであろうとどこでもいいのですが、ある十万なら十万の地方自治体、もちろんその地方自治体の持つ行政内容も考えねばなりません、しかしわれわれ日本人のつくっている行政システムが十万の地方住民のためにやっておる人員の量、仕事の量と彼らとはやはり比較してみる必要がある。私は、戦後新しい地方自治体の制度になりましたけれども、慢性的に財政困難を言うておるのですが、どこか狂っていると思います。その狂っている一番のもとは一体どういう行政の能率、どこまでやれば能率が上がっており、これだけの人員を抱えてやらねばならぬかという基準が一つもわかっていない。わかっていないままにやっておる。いつも財政困難だからということで制度を変えては、それがだめだから特別措置をやる、暫定措置をやる、そして十数年たちますとまたシステムを変えてやっておる。なぜ一体戦後三十年も似たような繰り返しをやっているのか。どこかでやはりやり方を変えていく、基準をつくっていく必要があるのじゃないか。それは地方自治体だけの努力ではできない。やはり自治省がその基準をつくって、その基準を努力目標にして各地方自治体が努力をしていく、こういうことをやっていかなければ、この交付税法の改正法案というふうなものもこう薬張りをやっておるわけです。ちっともこれなら全部やっていけるということにならぬ。いままでいろいろな努力はなされました。しかし、それはここ三十年を振り返り、昭和二十二年以降のことを振り返れば、いまのようなことを繰り返しておったんではだめではないか。したがって、標準団体と言ったって、いまそれまで持っておるものの平均値を並べたって問題は解決しない。地方団体の中身、行政の内容、住民の地方団体に対する要求、どんどん変わっているわけでございますから、そういう角度でいまのような行政調査の基準をつくって調査をやって、そしていまのような行政の効率を上げていく、こういう御用意はございませんか。
○砂子田政府委員 一つの考え方でもございますので、よく研究してみたいと存じます。
○永末委員 自治大臣、研究するそうでございますが、あなたの方ではこういうことを、法律はそのうちに採決になりまして、通過するかせぬか知りませんけれども、これで問題が解決したということにはならぬわけですね。そこに問題がある。やはり何か解決するために考えねばならぬこと、これをお互いに考えていかねばならぬ。そうでなければ地方団体はいつも中央政府にもっと金を出せということを言うてくるだけのことでございます。しかし、地方団体自体にも問題がある。私は先ほど申し上げましたように、われわれ日本人と公務員との分量の比率というものはやはり絶えず考えていかねばならぬ。もし公務員の多くの者が、先ほど申し上げましたように経済量を直接に創出しないいわばサービスをやっている、サービスと言ったってない方がいいという意味じゃなくて必要不可欠ではございますが、本質はそうだとするならば、その費用というものをやはり少なく上げていく、これがチープガバメントの思想だ。大平さんは安上がりのはいやじゃ、効率的にと言いましたが、何が効率かわからぬようではそうは言えぬわけでございます。大臣はそういうことが必要だとお考えでしょうか。
○澁谷国務大臣 私は、国と地方を通ずる財政の立て直しということが当面する最大の問題の一つだ、こういうふうに考えております。したがって、これをやっていくためにはどうしてもやはり政府、それから全国の地方自治体、これが御指摘のような効率的なむだのない、そういう行政のあり方に徹する必要がある。そういう全体の状況を考えますと、御指摘のように、一つの基準というものをつくって、そしてむだな人員というものを排除していくという考え方は、私はもう理論的にはまさにそのとおりでなくてはならぬ、その必要が大いにあるというふうに考えます。ただ、実際にそれではそれを一体やれるかということになりますと、どうも私、自信ございません。しかし、とにかくむだを省いていく、効率的な安上がりの行政体というものをつくっていかなければならぬということは、これはいわば至上命令的な要請でございますので、せっかく御提案の趣旨を体してひとつ鋭意勉強してまいりたいと考えます。
○永末委員 ひとつぜひそういう角度で御研究を願いたいと思います。 参考資料をいただいたのですが、その中で「単位費用の算定基礎」というのがございまして、「昭和五十四年度各行政項目別単位費用算定基礎」というものをいただいたのでありますが、その十九ページに産業経済費というのがございまして、その中の農業行政費が農家数が測定単位で、その単位でやっていきますと経常経費は二万二千四百円である。すぐその下に商工行政費が測定単位が人口でございまして、それの経常費別でいきますと四百八十四円である、こういうことが書いてあるわけですね。この数字を見ますと、ああそうか、自治省というのは農家には二万二千四百円も考えて、商売人には四百八十四円しか考えぬのか、こういうぐあいに読めますな。説明してください。
○石原政府委員 農業行政費と商工行政費の比較でございますが、都道府県の例で申しますと、農業行政費は、各都道府県の経常費の場合は農家戸数、それから投資的経費の場合には耕地の面積を測定単位にとっております。それから商工行政費の場合には人口を測定単位にとっております。したがいまして、経常費の比較で申しますと、農業行政費の方が農家戸数当たりの単価になりますので、同じ経費を計算する場合でも、人口よりも農家戸数がずっと少ないわけでありますから、金額が大きくなるわけであります。もっとも経費の内容そのものも、現在の法令の規定その他による標準的な経費の実態から見ましても、農業行政費の方が商工行政費よりもはるかに大きくなっております。現在の単位費用を用いて算定した算定結果と各都道府県の実際の支出実績との対比で見ますと、それほど大きな開きはございません。
○永末委員 こういう数字は、最終的に数字が出ますと、今度は単位費用に農家数を掛ける、単位費用に人口を掛けるというようなことで結論が一応簡単に出てきますが、問題は、なぜ一体そういう単位費用を出したかということでございまして、商工行政の場合に、人口で標準団体と目されるそこで経常費としてこれこれの費用を使っているという出してきた数字に問題がある。これは現に使っている数字でしょう。現に商工行政のために大体その辺の団体が使っている現状の費用をある計算で処理をして、その平均的数値を挙げて、人口十万だから十万で割った、これだけの作業をされたわけですね。
○石原政府委員 単位費用を積算する場合の標準的経費につきましては、まず法令の規定によって支出が義務づけられているものは、それぞれこれを理論的に積み上げます。それからそれ以外の経費、特に単独施策費のたぐいのものにつきましては、具体的にどれだけであるべきかというあるべき基準というものがなかなか抽象的につくりにくいものでございますから、最近における各地方団体の単独施策の実態などを調べまして共通的、標準的なものを積算していくという形をとっております。したがいまして、単純に各行政費目ごとの地方における実績をそのまま用いているわけではございませんで、経費の内容によっては理論計算で積み上げ、またその結果として、実績よりも計算値の方が多くなるものもございます。しかし、多くの場合、地方の単独施策に属するものは各地方団体の現実の姿というものを参考にして経費の積算を行いますから、実態との関連で影響を受けることは事実でございます。
○永末委員 商工行政費を人口で割られる理由は何ですか。
○石原政府委員 商工行政費の基準財政需要額の算定につきましては、従前は商工業の従業者数を用いておったわけでありますが、そうしますと、大きな企業のあるところは従業員数も多いものですから、どうしてもそちらの方が算定結果が有利になる、中小零細企業の多いような団体の場合は従業員が少ないものですから、相対的に算定結果が不利になるというような現象があらわれまして、最近における商工行政費の内容は特に中小零細企業対策にウエートが移ってきておりまして、商工業の従業者数を使う場合と人口を測定単位に用いる場合といろいろ相関分析、どちらが経費の実態をよりよく反映するかという検討を重ねた結果、現状においてはむしろ人口を測定単位に用いた方がより的確な算定ができるということで、現在は人口を使っているわけでございます。
○永末委員 この単位費用を見る場合、普通の住民でございますと、たとえば農家なら農家が負担をしている税金部分、商工業なら商工業関係者が負担している税金部分、それと見合ってその返りは、農家の方は一世帯当たり二万円であって商工の方は四百円だ、こういうぐあいに読み取れないとも限らない。やはり一つの地方政治の重点は、その負担に応じた支払いがあるんだという感覚が必要ではないか。国政の場合には距離がございますからよくわからない。しかし、地方団体の場合にはきわめてストレートにそれが響くわけでございまして、したがって、なるほどその地域の商工行政が全住民に及んでおるから人口で割るというような考え方かもしれませんが、いかにも四百八十四円かということになる。衛生の場合は、清掃とかその他は生母全部に行き渡りますから人口で割るのも当然だと思いますけれども、商工を人口で割って一体いいのだろうか。そして四百円という数値で、あなたは計算上だけだとおっしゃるかもしれませんが、読む方はそれだけの返ししか考えないんだ、こういう感じになりますとこれは余りいい数字だとは思えませんが、どうお考えになりますか。
○石原政府委員 もちろん御指摘のように、一般サラリーマン等を含めた全人口で商工行政費を計算するというのは、一見したところ合理的でないような感じを受けるのはやむを得ないと思うのですが、先ほど申しましたように、各都道府県の商工行政費の決算と測定単位の数値との相関分析を行った結果では、商工業の従業者数よりも人口の方が相関度がかなり高く出るという算定技術上の理由で人口を使っているわけです。ただ、その場合においても、単純に人口を使うというと確かに団体ごとにでこぼこが出てまいります。そこで、現在は人口当たりの商工業の事業所数の割合を求めまして、人口当たりの事業所数の多い団体、これは中小企業の多いところは多く出てくるわけでございますが、そういう事業所数の多い団体については密度補正を通じて割り増し計算を行うという形で、単純に人口を用いる場合の不合理を是正するようにいたしております。
○永末委員 私の申し上げたいのは、もし商工業者がこの数字を見た場合に、一体自治省というのは自分たちのやっている仕事、自分たちから取り上げている税金に比べてこれくらいの配慮しかないのかという受け取り方をしないとも限らないと思います。もし一般消費税なるものを政府が考えて実施をいたしますと、一般消費税というのは名前は消費税でございますけれども企業課税でございまして、企業から取り上げる。そうすると、物すごい税金をかけておいて四百八十円では、それはどうもうなずけない。人口で割っているからそうなるということですが、税金を払っている者は地方団体の行政の中においてもいろいろ配慮がある、それは土地のこともございましょうし金融上のこともございましょうし、あるいはまた経営に関するいろいろな手当てもございましょうし、いろいろなことがあると思いますけれども、農家の払っている税金と、それから商工関係の者が地方団体に払う税金とを比べればそれははっきりいたしておるではないか。数値のとり方でどういう相関を発見されたか知りませんけれども、もう少し、返すおつもりなら返しているような数字が計算上の単位になるようにされるべきではなかろうかと思いますが、いかがですか。
○森岡政府委員 お示しの点は、確かに単位費用だけを見ますとそういうふうな印象が出ると思います。ただ、その間の測定単位のとり方について、何が最も妥当かという点でいろいろ苦心をしておるということを先ほど来審議官から御説明申し上げたわけでございますが、むしろ単位費用だけではいけないのでありまして、それに測定単位の数値を掛け、また補正を行った後の基準財政需要額が総額でどうなっておるかという点をやはり御理解願わなければならぬのだろうと思います。市町村分で言いますと、商工行政費の基準財政需要額は八百四十三億円、農業行政費の基準財政需要額は経常経費分で千七百三十八億円でございますから、この単位費用で出ているような差はないわけです。そういう点についての御理解を商工業者にも求めていくように私どもも考えなければなりませんし、市町村においても予算編成の際にはそういう点についての理解を求める努力もしていただいておると思います。なお、今後ともそういう面についての配慮もしていきたいと思います。 測定単位の数値のとり方につきましては、何が一番経費との相関関係が濃いかというところで見ておるわけでございますが、将来とも、そういう御指摘の点も含めて研究は進めてまいりたいと思います。 なお、一般消費税のお話がございましたが、これはお話ではございますが、私どもは、企業が納めていただきますが、最終負担は一般消費者、サービスなり財貨を購入される消費者に転嫁をされるという税ではなかろうか、かように考えておるので、これは念のために申し上げます。
○永末委員 そういう打ち出し方、すなわち一般消費者に転嫁をする税金であると言っておりますが、特別納税義務者は企業でございまして、もし消費者だとするなら消費者に受取を出して、あなたの買っている商品はこれこれの金額であるが、そのうちの何%は税金ですということをやらなければ消費税とは言えない。よその国でやっているところはたくさんございますが、いま政府の考えておるのは、特別徴収義務者に末端の業者を指定して、そこから取ろうというのでございますから、これは税金の性格から言えば企業課税である。それを企業課税と言うと反撃を食うものだから消費税という名前をつけたが、実際は消費税でないから上に一般という字をつけてごまかしておるのですな。自治大臣、一般消費税は賛成ですか。
○澁谷国務大臣 賛成というよりも、現在の国と地方の財政の立て直しをやるためには、どうしても何らかの形での増税というものはやらなくちゃならぬ。その増税の方法として、政府税調においていろいろな角度から検討した結果一般消費税が適当であろう、こういうことで答申が出されておりまして、それを受けて、政府も一般消費税というものを五十五年度から導入しようということを決定しておるわけでございまして、そういう意味で一般消費税の導入は必要である、私はこういうふうに考えておるわけであります。
○永末委員 いまのような意味での一般消費税をやれば、これは企業課税であって、関係のある人人から猛烈な反対を食うので、その前に総選挙をやればあなたのところは負けると思いますがなあ。 それは別としまして、もう一つ伺っておきたいのは、サラ金に対する規制法案をそれぞれ検討しておられますが、サラ金がたとえば届け出から何らかの意味の登録制あるいは許可制になった場合には、いまの日本における行政執務から見れば、府県知事しか方法がないわけですね。そうすると、あなたの方の仕事の分量がふえるのですが、これは府県知事においてサラ金業者に対する何らかの監督をやっていくということができなければ、サラ金業に関する法律ができても、法の実効性を上げることはできない。自治大臣としてはどうお考えですか。
○澁谷国務大臣 お説のとおりだと思います。現在の日本の行政の仕組みとしては、どうしてもこれは府県知事というものを軸にしてやっていく以外に方法はない、このように考えております。
○永末委員 質問を終わります。
○松野委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 交付税の問題で最近一般的に指摘されておりますのは、特定財源化したという問題です。高度経済成長期の国の公共投資拡充計画や地域開発政策の展開に伴いまして、基準財政需要額算定方式の修正、補足によって交付税の特定財源化が顕著になってきております。国庫補助金的な性格を強めるに至っておりますが、これは一般財源の保障という本来の性格、機能を退化させるものだと思っておりますが、その点についてお聞きしたいと思います。
○森岡政府委員 基本的、一般的な議論といたしましては、地方交付税は一般財源を地方公共団体に保障するものでございますから、その算定方法におきましても、いわゆる補助金に類するようなことは避けなければいけない、これはもう申すまでもないことだと考えます。 ただ問題は、個々の地方団体の財政需要を的確に算入してまいりませんと、毎年度の財政運営の面において地方団体が困ってしまう、こういう問題がございます。と申しますのは、臨時に多額の経費を特定の年度に必要とするという例が、地方団体の財政規模は小さいわけでありますので、出てまいります。それにつきましては、やはりそれに見合った財源付与を交付税の算定上してまいりませんと財政運営はできないということになりますので、それに見合うようないろいろな補正は考えてまいらなければならない。そこは若干ある意味ではジレンマなのでございますけれども、両にらみで補助金化を避けるという配慮をしながら、毎年度の財政経費というものを適切に算定していく、こういう努力、配慮をしなければならぬものだ、かように思っております。
○三谷委員 交付税の一般財源的な性格を弱めまして、行政一般に充てる交付税額を減少します一つの方式といいますか、これは地方債の償還費を交付税で財源処置をすることにも示されております。災害復旧特別措置債ですか、それから特定債だとか公害防止事業債だとか特別事業債、こういう巨額の投資的経費の基準財政需要額を地方債に肩がわりしてきました。これは交付税と地方債、一般財源と特定財源を混同しまして、地方自治体は利子つきの交付金を受け取るという事態になっておりますが、これはシビルミニマムを充足して一般財源の保障という本来の機能から遊離することになるのではないかというふうに私は考えております。国庫補助金、地方債、交付税の関係を再検討しまして、交付税の機能を本来の財政調整機能に純化する必要が特にいまは強まってきているというように私は思いますが、きのう大蔵大臣もそれに似た見解を述べていらっしゃったように思いますが、その点はいかがでしょうか。
○森岡政府委員 地方公共団体がいろんな公共施設の整備を行います場合に、地方債をある程度活用していくということはいつの時代にも必要なことだと思います。何と申しましても、そういう施設は当代の納税者だけが利用するのではございませんで、多年にわたって後代のかなりの住民が利用するわけでございますから、負担の世代間の配分という問題もあるわけでございます。しかし、現在の地方財政の逼迫した状況のもとで、恐らく御指摘の点は財源対策債だろうと思いますが、財源対策債という形で従来は交付税で措置しておりました投資的経費の財源を地方債に振りかえておる、それを後の償還費ベースで基準財政需要額に算入しておる、そのことについてのお話が中心ではなかろうかと思いますが、これは率直に申して、現在の財政収支のギャップということから出てきたいわばやむを得ない措置だと私どもは考えておるわけでございまして、こういう状態が平常であってはならない。できるだけ早い機会に地方税、地方交付税などの一般財源を増強いたしまして、ここから脱却していくという体制をとる。そのことが、いまお示しの正常な形の税、交付税、地方債、国庫補助金というものの合理的な組み合わせによる財政運営ということにつながっていくものだ、かように考えておる次第でございます。
○三谷委員 交付税配分の要因の中に開発目的を持つ投資的な要素が含まれておりますこと自体が、交付税の政策目的を逸脱するものだと私は考えておるわけであります。開発度の違いそのものを交付税で処置するという性質ではなしに、開発度の違いから出てくる行政水準の差異を是正するという性質のものでありますから、最近の交付税の配分などを見ておりますと、開発そのものに交付税が流されるというふうな状況がかなり強まってきておるという印象を持つものであります。 そこで、その一つの方法としましては、事業費補正というふうなものが、四十二年からでございますか取り入れられまして、これがそういう役割りを果たす一つの構造になっております。 事業費補正といいますのは、都道府県の場合、河川費、港湾費、その他の土木費、労働費を中心に適用されております。市町村では港湾費、都市計画費、その他の土木費、これに小中学校費と清掃費が生活関連では入っておるという状況のようでありますが、これが従来から産業基盤の整備を補助制度とともに誘導するものとして批判が大きかったものであります。本来、交付税の一般財源としての性格からするならば、特定財源化するような事業費補正というものは好ましくないというふうに私は思いますが、昭和五十三年度の需要額算定に当たりまして実施された事業費補正の実績はどうなっておりますか。都道府県分、市町村分ごとの区分で行政項目ごとの算入経費内訳を御説明願いたいと思う。
○石原政府委員 お答えいたします。 五十三年度の基準財政需要額の算定におきまして事業費補正により算入された需要額は、道府県分が五百十九億、市町村分が二千五百三十九億、合計いたしまして三千五十八億円となっております。次に、この事業費補正の算入額の費目別の内訳を申しますと、まず道府県分でありますが、河川費におきまして百四十九億円、港湾費において百一億円、その他の土木費において百八十九億円、労働費において十三億円、その他の諸費において六十七億円、合計五百十九億円であります。次に市町村分でありますが、港湾費におきまして四十六億円、都市計画費におきまして二百三十三億円、その他の土木費において七百十六億円、小学校費において七百九十八億円、中学校費において三百八十五億円、清掃費において三百五億円、労働費において二十二億円、その他の諸費において三十四億円、合計二千五百三十九億円となっております。
○三谷委員 この事業費補正が適用されていない他の費目についてはどのようにお考えになっておりますのか。それから、政策的に今後も存続させるのでありますならば、これは他の費目、たとえば保育所とか幼稚園だとか、いわゆる生活関連事業があるわけでありますが、こういうところにも当然適用する必要があると思いますが、その点はどうでしょうか。
○石原政府委員 私どもの基本的な考え方といたしましては、先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、事業費補正はいわば基準財政需要額算定技術上の制約からやむを得ず採用した方式でありまして、望ましい姿としては、交付税の性格からいたしまして、単位費用掛ける測定単位の数値、それに客観的な補正という方式、できるだけそういう方式をとりたい、このように考えております。したがいまして、現在事業費補正を採用しております費目は、いずれも単位費用掛ける測定単位の数値という方式ではどうしても的確な投資的経費に係る財政需要額の算定ができないものに限定いたしておるわけでありまして、私どもとしては、この範囲はでき得べくんばなるべく広げたくない、このように考えております。 なお、この事業費補正が、産業経済費といいましょうか地域開発関係経費といいましょうか、そういったものにのみ関係しているような見方もあるわけですが、実態は決してそうでございませんで、むしろ金額的に大きいものは、都市計画費あるいはその他の土木費、これは流域下水道でありますとか、公共下水道関係の経費を算入するために適用しているものであります。また、小学校費、中学校費、清掃費、こういった経費がウエートとしては高いわけであります。それから、ただいま御指摘のありました幼稚園の経費でありますとか学校プールの経費につきましては、現在、人口や小中学校の学級数等を用いて必要な投資的経費の算定を行っているわけでありまして、全体としてはこの方式で妥当なのではないか、このように考えております。
○三谷委員 この事業費補正というのが四十二年に設置されまして、四十四年に非常に拡大をされて、そしてそのために調整額が大きく伸展をしております。そして、結局これが第二国庫補助金的なものになってきた、一般財源としての性格を著しく逸脱する結果になってきたという指摘は、これは私どもがするだけでなしに、いわゆる行政学者の間からも広く行われておる点でございます。これを利用しまして国の計画によります投資的な経費の財源保障に傾斜させて運用されるという結果が出てきておる。いま保育所とか幼稚園につきまして御説明がありましたが、しかし、実際にはこの保育所などにおける超過負担というものが最も大きな額に達しておって、これが市町村財政を圧迫するということは、今日までしばしば問題になってきたところであります。しかも、一方におきましては、道路、港湾等におきましては、これはそもそも国の補助制度が非常に完全なものでありますから、超過負担が全く出ない。これは補助基準単価が非常に充足されておる。しかも、交付税の算定もこの国庫補助基準単価を基準にして算定をするわけでありますから、当然これは相対的には優位な状況にあるということは明らかでありますが、その上にこのようにして事業費補正というような措置がとられていくわけでありますから、これは傾斜性を十分に持っていると言わざるを得ないのでございます。そういう点から申しますと、事業費補正そのものが好ましいものではないということをいまおっしゃっておったわけでありますから、事業費補正は廃止をしていくべきだ、そして、これに対応するものとしましては、補助単価の実勢単価への改定を行わしめる、そして補助率の引き上げなどを含めた国庫補助制度の充実を行って解決すべきものであろうと私どもは思うのであります。そうしなければ、結局は一般財源というもの、地方自治体共通の固有の一般財源というものがこういう特定な費目に傾斜して流用されるという結果になってくるわけでありますから、これについては私は御検討をいただく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○森岡政府委員 国庫補助事業につきまして補助単価や補助条件を改善をしていわゆる超過負担を解消していくこと、これはもう御指摘のように、私どもとしてはぜひ努力を進めなければならぬことだと思っておりますし、また数年来各関係省庁と御相談いたしましてそのための調査もし、また予算増額も行ってまいっておりますが、これは今後とも努力したいと思います。 事業費補正につきましては、確かにいろいろ問題はございますけれども、しかし、審議官から申し上げたかと思いますが、義務教育施設でありますとか清掃施設のように、まさに生活関連そのものの施設であって、しかしその建設費が単年度あるいは二、三年度にきわめて多額の経費を弱小の、財政規模の小さい市町村に持ち込むというものがあるわけでございますので、それらについて、技術的にそれでは事業費補正を廃止いたしまして的確な財源付与ができるかと申しますと、これは私どもはなかなかむずかしいと思うのでございます。したがいまして、論議はございますけれども、必要最小限度のものにつきましては財源付与の的確性という観点からこれはやはり残していかなければならないのではないかというふうに思っているわけでございます。なお、しかし最初に申しましたように、現在は異常な財政状況でございまして、従来大幅にやっておりました交付税算定上の事業費補正が財源対策債に相当額が振りかわっておるという事態でもありますので、将来、地方財政ができるだけ早い機会に正常化いたしました際に、交付税の算定方法上どういうふうな取り扱いをするかということにつきまして真剣に検討してまいりたい、かように思います。
○三谷委員 財源捕捉の的確性という問題をおっしゃっておりますが、そうしますと、たとえば標準団体というもの、これは何を根拠にしたものですか。市の場合十万、府県の場合百七十万ですね、これが標準団体として設定されました根拠は何でしょうか。
○石原政府委員 標準団体の設定は、御案内のように現在都道府県の場合百七十万の県、市町村の場合には十万の都市を採用しております。これが採用されましたのは、現在の交付税制度の前身であります地方財政平衡交付金制度の時代でありますが、その理由といたしましては、都道府県の場合には、各府県の分布状態を考えますとおおむね百七十万程度が平均的というか、標準的な団体として考えられるということで当時採用されたものでありまして、現在におきましても、これが妥当ではないかと考えております。 それから、都市の場合も同様、その当時の市町村行政の中で都市行政というものが最も標準的と考えられまして、その当時の都市の、単純平均ではございませんが、ある程度平均的な規模、平均的な行政内容を備えたものとして十万の都市を選んだわけであります。 その後、市町村につきましては合併等が進みまして、都市もかなりふえたわけです。一方において巨大な都市も発生し、また一方においては小さな都市も出てまいりまして、現状におきましてもやはり標準的なというか、平均的な都市としては十万で妥当ではないかということで、標準団体十万を維持しているわけでございます。
○三谷委員 昭和二十五年、いまから三十年前の地方財政平衡交付金制度発足当時の道府県、市町村の平均値を目安として標準団体ができたわけであります。しかし、その後、御承知のように都市化の進展という問題もあります。過密過疎現象というものも新しい社会現象としてあらわれてまいりました。そして地域格差の激化というものがきわめて極端になってきたわけであります。 〔委員長退席、染谷委員長代理着席〕 こういう状況を判断しますならば、三十年前の標準団体で、それを基準にして、そしていろいろな補正係数を組み合わせてややこしい計算を出すというふうな交付税計算の仕方自体にもはや問題があるのであって、これは都市と町村と別にして標準団体を設けるとか、あるいは都府県では、人口の過大な府県と少ない府県、いわば商工府県的なものと農業府県的なものと分別して標準団体とするとかいう処置をとるのがあたりまえであって、そういう標準団体についての基準を変えていきますならば、ややこしい組み合わせによります調整処置、これがある程度簡易化できるというふふうに私は考えますが、その点はどうでございましょうか。
○石原政府委員 御指摘のように、現在の標準団体が設定された地方財政平衡交付金制度の時代から大分時間がたっております。その後、社会経済情勢も大きく変わったという点は事実でございます。 ただ、公共団体の規模などについて申しますと、たとえば都市の場合、現在でも市の平均は九万七千人で、十万をちょっと切るということであります。それから、府県の場合も極端に大きな団体と極端に小さな団体を除いて、平均的な値を求めますと、やはり百七十万前後という数値が出てまいります。それはそれといたしまして、その後行政内容も複雑多岐にわたってまいりました。一つの標準団体によって千差万別の財政需要を捕捉するために測定単位の数値の選択にもいろいろ工夫をこらす、また、いろいろな補正係数を適用するという形で現在対処しているわけでございます。 御指摘のように、これらの補正係数が非常に複雑になっている一つの原因は、単位費用が都道府県、市町村それぞれ一つと定められているという点にあるという指摘があることは事実であります。そこで、たとえば市町村について幾つかの標準団体をつくったらいいじゃないかという御意見があることも事実であります。私どももこの標準団体を数多くつくって、それによる——そうしますと、当然、非常に作業量が多くなる、計算方式もそれなりにまた複雑になる面もあります。補正係数の点では簡素化される面もありますけれども、また別途、別の事務量がふえてくる、こういうような問題もありまして、いろいろな御意見については十分これを検討してまいったのでありますが、現在のような府県、市町村それぞれ一つの単位費用によって測定単位を的確に選択し、また補正係数を合理化するという方法で対処していくのが、現在の国、地方を通ずる事務処理能力とそれから財政需要の算定の的確性という両面からいって、これで現状においては妥当なのではないか、こう考えている次第でございます。
○三谷委員 もとになります標準団体を決めまして、そこにおける行政水準というものを設定しますと、逆に申しますと、いろいろな補正係数の組み合わせというものが簡素化できるということは容易に考え得るわけでありますから、おっしゃいますように、それほどこの事務が煩瑣になって対応し切れないというものではないと私は思うわけであります。これについては、私は三十年前の標準団体がそのまま今日におきましても基本的な水準測定の単位として扱われてきておるという点に一つ問題があると思います。これについては、私は早急に研究をして、何らかの改善の方向を考えてみる必要があるというふうに思いますが、これについてどうでしょうか。
○森岡政府委員 ただいま審議官から申し上げましたように、お示しのような御意見もあることは事実でございますが、しかし他面また、いまの標準団体の選定及びその標準団体の標準経費をもとにした県単一、市町村単一の単位費用でもって各種の補正を組み合わせて算定するやり方でいいではないかという意見もまたかなりあるわけであります。その辺のところは技術的な問題でございますけれども、しかしまた反面、交付税算定の基本に関する問題でございますので、かなり慎重に考えてまいりませんといけない課題だと思っております。 しかし、いずれにいたしましても現段階では、私どもはいまの単位費用の算定方式で非常に不合理があるという感じは持っていないところであります。しかし、御意見でありますので、今後さらに研究いたしてまいりたいと思います。
○三谷委員 不合理の最たるものは、一般財源がもう特定財源化したということです。これはそもそも交付税の本来の性格、機能に反するものであって、このところは否定できない状況になってきております。これは測定単位の問題がそのまま原因ではありませんけれども、補正を用いていろいろな作業が行われてきているという点があるわけでありますから、そこのところをわかりやすくする。交付税の算定の内容がよくわからぬというのは市町村でもどこでも言っているのであって、われわれもかいもくわからぬという状態でありますから、要するに、国民の民主的な監視ができないという条件、それをできやすくするという点から私は申し上げておるわけでございます。これはなお研究をお願いしておきたい。 それから、農地関係の事務費だとか国有財産の管理費などは交付税対象から外しまして、当然委託費などの国庫補助金で処置すべきものであろうと思いますが、この点はどうなんでしょう。
○石原政府委員 御指摘の事務は、いずれも機関委任事務として現在地方公共団体が処理しているものでありまして、これらについては、事務の性格からするならば、当然全額国から委託費のようなものを出して処理すべきではないかという意見が、全国知事会等で出されていることは事実であります。 ただ、これらについては、平衡交付金制度ができた当時の経緯で、地方の一般財源でこれを処理するということになり、これが今日まで引き継がれております。したがって、これらの専務の処理に要する経費は、言うなれば地方財政平衡交付金の総額が積算され、その後、地方交付税に移行した際に、地方交付税率が決められた際のいわばもとの額に地方負担として入っておりまして、それが今日までずっと来ておるという経緯がございます。したがって、事務の処理に要する財源は総量としては確保され、それが交付税の算定内容になっているわけであります。しかし、事務の性格からして、財源の保障の仕方として、一般財源ではなしに直接国費で支出すべきであるという議論は一つの議論であろうと思います。そういう意味で、全国知事会の意見等については今後の検討課題であるとは私ども考えておりますが、現状は、過去の経緯によりまして、一般財源でこれが確保されているという実情でございます。
○三谷委員 それを改善すべきだということを申し上げているわけです。 それから、警察の定員増にしましても、教員の人確法によります待遇改善にしましても、あるいは国土利用対策、公害環境対策、社会福祉施策など、つまり、新しい国の施策によりましてふえてきました地方自治体の財政需要を安易に交付税に吸収するという処置がずっととられてきているのです。しかも交付税率は一向に上げようとしない。ですから、これは根本的な制度問題は別としましても、少なくとも国の施薬で新しくふえてきました財政上の需要については国にもっと適切な処置をとらせる。それから、いま申しました農地関係事務費にしましても、国有財産の管理費にしましても、これは当然国の事業であって、国が持つのがあたりまえである。まあ、経緯がありましょうけれども、いまのように交付税が非常に不足しまして大きな危機に到達しました時点におきましてこの問題を放置するということは、これは許すべきことではないと思いますが、大臣、その点はどうでしょうか。
○森岡政府委員 本来、国の事務でありますものにつきまして地方交付税の基準財政需要額にその経費を算入するということにつきましては、基本的に問題があると私も考えております。したがいまして、新たな立法が行われ、事務事業がふえます場合には、自治省といたしましては、あとう限り厳しく関係各省庁にその都度意見を申し、補助金あるいは委託費について、その事務事業の性格に応じて的確に予算を計上してもらいたいという主張をいつも行っております。その結果、自治省はやかまし過ぎるという話が各省庁で出るぐらいがんばっておるつもりでございます。 しかし、各省庁とだんだんと話し合いました結果、一般財源で見る部分が出てきておるということも御指摘のとおりでございまして、基本的には、私どもは従来からもそうでございましたが、今後とも、地方財政がこういう状況でありますので、本来地方の一般財源で措置することに適さない経費につきましては、関係各省庁において的確に予算措置をしていただくようにその態度を堅持してまいりたい、またその実現を期してまいりたい、かように思います。
○三谷委員 これが適切にやられますならば、交付税の総額の不足という問題がある程度は緩和されることは間違いがないわけであって、そういうあらゆる手段を講じまして、国の不当な処置については是正を求めていく。そして、なおこれがいまの社会経済状況によりまして困難な場合に、地方財政法によります交付税率の改定その他の問題が起きてくるわけでありますが、それ以前に国が当然自動的にやっていかなければならない処置まで怠ってきておるという問題でありますから、大臣もしっかりふんどしを締めていただいて御奮励願いたいと思います。 それからもう一つ、基準財政収入額についてお尋ねしますが、市町村の基準財政収入額を算出します場合に、標準税収入の七五%のいわゆる基準税率が設定されております。その際、算出の基礎になりますいわゆる徴収率を加味させまして、基準財政収入を実際の税収に近づける措置がとられておるわけでありますが、この基準財政収入額算出に際しての市町村民税及び固定資産税の徴収率は、それぞれ何%とされておりますか。
○石原政府委員 五十三年度の地方交付税の算定に用いました基準財政収入額の積算の基礎として適用しております捕捉徴収率は、市町村民税の場合は、市町村民税の個人均等割が九八%、それから所得割は九七・五%という率を用いております。それから固定資産税につきましては、土地及び家屋分につきまして九八%という捕捉徴収率を用いております。
○三谷委員 税務局にお尋ねしますが、この二税目の最近の全国的な徴収率は何%でしょうか。五十年、五十一年の徴収率をお聞きしたいのです。
○土屋政府委員 お尋ねの五十、五十一年がちょっとございません。私どもの手元にありますのは一番新しい五十二年度の実績でございますが、全国平均の徴収率は市町村民税で九六・六%、固定資産税で九六・八%ということになっております。
○三谷委員 そうしますと、自治省が予定をしました徴収率と実際の徴収率の間にどれだけ差がありますか。
○石原政府委員 税務局長がお答えいたしました徴収率は、市町村民税の場合、市町村民税の法人分まで含めたトータルの数字でございます。私が申し上げましたのは所得割の数字でありますが、その数字で申しますと、ただいまお話しがありましたように、市町村民税の場合には、実績が九六・六に対して所得割が九七・五でありますから、〇・九交付税計算の方が高くなっております。それから固定資産税の場合は、実績が九六・七に対して交付税が九八でございますから一・三高くなっております。
○三谷委員 そうしますと、基準財政収入の自治省の計算とそれから実際の収入額に乖離があるということがわかるわけであります。この乖離分はどうなるのか。 それからもう一つ、私は大阪の例を聞きたいのですが、大阪の市町村の徴収率の状況はどうなっておりますか。個人住民税、固定資産税についてそれぞれわかった年度でお知らせをいただきたいと思います。
○石原政府委員 ただいま説明申し上げましたように、交付税の基準財政収入額の計算に用います捕捉徴収率とそれから各税目の現実の徴収率との間には開きがあるわけでありますが、交付税計算におきましては、その基準財政収入額の算定の基礎に用います課税標準額を一つの理論計算で積み上げまして、それに対して理論値としていまの捕捉徴収率を適用しているわけでありますから、実績値——実績値というのは、現年調定分と滞納繰越分を含めた最終の徴収率でありますので、一致しない場合が出てくるわけであります。 なお、御案内のように、基準財政収入額の計算は、このように理論計算して出てきた標準税収入額の、一つの場合でありますと、七五%を基準財政収入額として交付税の計算に用いているという実情にあります。 そこで、全国的に見ますと、交付税の理論計算ではじきました基準財政収入額を標準税収入ベースに戻しましたものと、それからその同じ年度の各税目の徴収実績、収入済み額とを対比しますと、必ずしも交付税の方が過大算定になっているということではございません。むしろ住民税にしても固定資産税にしても、交付税の計算値の方がやや下回るという実態にございます。
○三谷委員 いま大阪の徴収率についてお聞きしたのです。
○土屋政府委員 先ほどと同じく五十二年度の徴収率でございますが、大阪府下の市町村の徴収率の平均は、市町村民税で、これは均等割、所得割一緒でございますが、九六・三%、固定資産税で九六%ということになっております。
○三谷委員 その徴収率とそれから自治省の基準財政収入の基礎になります徴収率、これは当然乖離が実際上あるわけでありますが、その乖離はどのようにして埋め合わせされていくわけですか。
○石原政府委員 交付税の計算上はあくまで理論計算でありますから、課税標準額にいたしましても、理論値を用いて、それに対して税の種類によって一定の捕捉徴収率を適用しているということであります。それに対して、各税の実際の捕捉徴収率との間に開きが出てまいります。多くの場合、交付税の方は理論計算でありますから、比較的徴収率は高くセットしております。その結果として、ただいま申し上げましたように、交付税の理論値に対して、実際の収入済み額、滞納繰越分まで含めました収入額との対比で見ますと、標準税収入ベースで見れば、多くの税目において交付税の方がやや低目に出ている、実績の方が高目に出ている、したがいまして、全体的に申しますと、いまのこの捕捉徴収率の食い違いを補てんするという必要性は出てこないと思います。また、現実に補てんするということを行っておりません。 それは、一つには、先ほど申しましたように、交付税計算に用います収入額は、このような理論的な課税標準額から理論的な徴収率を適用して金額を算定しますものの、市町村の場合は七五%をカウントする、二五%はカウントしないわけでありますから、そういう仕組みもございまして、この徴収率の差を補てんするということはいたしておりません。 ただ、税によりまして別途災害その他減免等の規定があるものについて補てん措置が講ぜられたことはありますけれども、この算定方法の食い違い部分についての補てんということは行っておりません。
○三谷委員 私は補てんという問題をいま出しているわけではありません。要するに、理論値であろうと何であろうと、基準財政収入を計算をします税の徴収率とそれから実際の税の徴収率に差があるわけでありますから、当然乖離があるとしますならば、それだけ現実の財政収入というものが減少するわけですから、それについては、補てんとかなんとかいう問題は別としまして、その徴収税率を実勢に合わせるというような処置をとりまして、乖離がないようにしてもらうことが必要だと思うのです。 それで、それにつきまして、これはすでに過ぎ去った分でありますが、今後におきましてどうされるか。これはたとえば木材引取税だとか鉱産税などは徴収率を基準財政収入額上で設定されておりますが、これなどは多分に、政策的な配慮があるかどうか知りませんが、木材引取税は九一%、鉱産税は九四%になっておるわけでありますが、いままで説明なさいましたものは大体九八%とか九七・五%という状況でありますが、こういう状況が現実に出ております。それで鉱産税とか木材引取税の徴収率が現実にどうかということは私は知りませんけれども、きわめて低く押さえておる。そうして固定資産税だとかあるいは所得税——地方税でありますから所得税ではありませんね。この地方税の収入率が現実に合わなければ、現実に合ったものにして計算をしてもらうという処置が必要だと思います。 それから、いま交付税で七五%、つまり基準税率の問題をおっしゃいましたが、これは自明のことでありまして、あと二五%というものは市町村におきましては留保財源、府県におきましては二〇%が留保財源になるわけでありますから、当然この留保財源というものも制度上は明らかに認められたものでありますから、留保財源が減るのだから構わないという考え方はこれは当然とるべきものではありませんし、とるべき論拠もないわけですから、この実態と計算との乖離を是正するような努力をお願いしたいと思うのです。
○森岡政府委員 いま御指摘の点は、実は問題が二つあると思います。 先ほど来審議官が御説明申しておりますように、交付税の基準財政収入額を計算いたします場合には、過去の年度の滞納繰越分を含めました徴収率というのを使うのは筋が通らないわけです、当該年度の税収入を基礎とした基準財政収入額でございますから。先ほど来税務局からお示しの徴収率は、まさに滞繰り分を含めました徴収率が九六%台である、しかし現年度分を見ますと、個人所得割におきましては九八%、固定資産税の土地家屋分もやはり九八%の現年度分の徴収率でございます。したがいまして、個人所得割につきまして交付税の徴収率を九七・五%、固定資産税の土地家屋分を九八%としておりますことは、全国平均の現年度分の徴収率で見る限り、これはほとんど実態と一致しておるというふうに考えていただいていい、むしろ個人所得割の場合には若干低まっておるということでございます。問題は、個々の地域なり個々の市町村の徴収率に合わせるということになりますと、これはまさしく徴税努力というものに正比例というのでしょうか、してまいります。これはやはり問題があると思うのでございまして、徴税努力が十分でないと徴収率が低くなるわけでございますから、それをそのまま計算する、一生懸命やっているところは高い徴収率で計算する、そういうわけにはまいらぬと思うのでございまして、そこのところはやはり各団体の徴収努力というものを前提といたしまして全国一律の徴収率を使うということにせざるを得ない。 なお、各税日ごとの徴収率、木材引取税とか鉱産税について御指摘がございましたが、お話しのように、まさしくそれぞれの税の性格上、いろいろ問題がある税でございますので、こういう経緯になっておりますが、これらにつきましても今後検討は進めてまいりたい、かように思います。
○三谷委員 先ほど私が大阪の税率についてお聞きしましたのは、そういう問題が恐らく言われるだろうというのでお聞きしたのですが、これは徴税努力が乏しいから徴収率が悪いんじゃないんです。大阪あたりにおきましては人口の移動が非常に激しい、そこで取りこぼしといいますか、これが一種の不可抗力的なものとして出てきているわけです。たとえば転入転出世帯で見ますと、五十一年の場合、大阪では府内の移動が三十五万七千人であります。そして東京などは特にもっとひどいわけでありますが、そういうところではどうしても税の取りこぼしが生じてくる。別に税の徴収の努力を怠っているわけではありませんけれども、出てくるわけです。ですから、こういう場所におきましては乖離がひどくなってくるわけです。そこでその場合、全国平均の理論値で見た場合と、いま御説明になりましたような手法で実際計算した場合と比べてみましても、大阪などにおきましては乖離が出てくる。この場合、一体どのような考慮を払っていくのか、それはやはりきめの細かい交付税の処置をしようと思いますならば、当然その場合における対応が必要ではあるまいかと私は考えておるわけですが、その点はいかがでしょうか。
○森岡政府委員 実際問題として住民税などを考えました場合には、そういう転入転出といいますか、人口の移動に伴います取りはぐれというものが出てきて、それをフォローアップするのに大変手間もかかるという問題もあろうかと思います。しかし、そこのところは非常に相対的な問題だと思うのでございまして、その程度が非常に大きいところとそうでないところ、その辺の限界などを区切っていきますということはなかなか技術的にむずかしいことではないかなという感じがいたします。また固定資産税につきましては、これは物税でございますから、恐らくそういう問題は住民税ほどにはないのだろうと思います。いずれにしましても、関係市町村ではそれぞれの事情があっていろいろな御要望が出ているのだと思いますけれども、一定の段階でそれにアジャストするような公式を技術的に考えるという自信が私は率直に言ってございません。いまのところはそういう意味合いで現在の徴収率の決め方で一応御理解いただいておるものですから、なお研究はいたしますが、当面これはなかなかそう簡単に解決がつかないのではないか、かように思います。
○三谷委員 おっしゃいますように、これはこういう問題に直面しております自治体の強い要求になっております。それで、いま具体的にどうするかという問題については、おっしゃいますようになかなか容易ではないと思います。しかし、これは要するに財政収入と財政需要の乖離の問題ですから、それを埋め合わせる手段は他にもあるわけであって、そういう市町村につきましては特にそういう実態をよく把握されて、やはりそれ相応な対応をやってもらうということだろうと私は思います。その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○森岡政府委員 そういう人口移動の激しい市町村につきましては、単に税収確保の問題だけでなくて、財政需要面においてもいろいろ問題があろうかと思います。それらの点も含めまして、そういう関係市町村に対する財政措置についてはきめ細かく対応していきたい、かように思います。
○三谷委員 建設省がお越しになっておりましたらお尋ねしますが、先般三月五日でありますか、建設大臣から宅地開発指導要綱に関する意見が市町村に流されたようでありますが、これは一体どういう性質のものでしょうか、お尋ねしたいと思うのです。
○斉藤説明員 お答えいたします。 この宅地開発指導要綱そのものにつきましては、先生も御指摘のように大変いろいろ問題がございます。そしてその問題の内容等をいろいろ見てまいりますと、やはり地方公共団体が一時的にかなりの財政負担を強いられてしまう、こういうようなところが一つ大きな問題のようでございます。実態を見てまいりましてもかなり行き過ぎのケースもあるようでございますので、そういう点につきまして基本的な検討を進めていこうということでございます。
○三谷委員 私の質問がちょっと間違っておりました。建設大臣から自治大臣に申し入れがあったということであります。 そこで自治省にお尋ねしますが、開発負担金は全国ベースで五十二年度にどれだけの収入になっておりますか。事業別の財源充当状況についてお知らせをしてほしいと思うのです。
○森岡政府委員 昭和五十二年の十二月に建設省、自治省共同いたしまして宅地開発指導要綱に基づきます負担の状況を調査をいたしました。これに基づきまして集計いたしましたところ、五十一年度の市町村が開発者から受けた寄付金は約二百五十億円でございます。団体数は六十七団体であります。 なお、このほかに現物と申しますか、公共公益施設の用地の提供を受けたものが約三百ヘクタールぐらいございます。さらに、集会所その他の施設の提供を受けたものが二十八施設ございます。 開発者負担金の使い道の問題でございますが、この二百五十億円について調査いたしましたところ、開発地区内の公共公益施設の整備費に充てたものが約二〇%、それから当該年度においてその経費に充てたものが二〇%でございます。地区外の公共公益施設整備費に充てたものが約三四%、それから開発が数年度にわたるわけでありますし、またいろんな公共公益施設の整備もそれに伴って単年度で済まないわけでございますので、基金へ積み立てて将来の経費に充てるということで措置しておるものが約四六%、こういうふうな状態になっております。
○三谷委員 この負担金を含めまして、土地の提供と開発指導要綱に関する問題が多いわけでありますが、この第一は、負担が消費者といいますか、宅地住宅を取得する者に転嫁されるという問題ですね。そして、宅地の価格の騰貴をもたらすというふうな問題。 第二は、それでも負担金が関連公共施設整備の財源としてはきわめて不十分である、こういうことでありますから、本来、都市的な公共施設は自治体と国の手で整備されなければならない、そういう性質のものでありますが、これについてどうお考えなのか。 それから、自治体が要綱によります行政で民間デベロッパーに協力を求めるのは、自治体がこれに対する財源を持ち合わせていない。そこで、補助金や交付税上の措置が必要になってくる。たとえば、新しい開発が行われましたときには、それに伴います財政需要、これに対する措置が必要になってくるわけでありますが、そういう問題などにつきまして、自治省の御見解をお尋ねしたいと思うのであります。 それから、建設大臣が、単に開発負担金が民間の活力を阻止するということで行われたのでありますならば、これは問題は何もこれでは解決をしないということも明らかであります。同時に、自治省だけでなしに、文部省、厚生省等の関係各省の生活関連施設の対策がどうかという点でありますが、この点で文部省、厚生省、そして建設省のお考えもお聞きしたいと思うのです。
○澁谷国務大臣 この宅地要綱の問題は非常に大きな問題でございます。大体が人口急増都市に見られておるわけでございますが、私は、結論的に申し上げまして、こういった人口急増という、通常の状態ではない非常に異常な、短期間に人口が急増するという事態に対しまして、特に国の対応がきわめて遅かった、十分でなかったところに根本の原因がある、このように考えております。人口が急増すれば、当然それに伴っていろいろな公共施設が必要であることはもう言うまでもございません。公共施設はまさに公の施設でございますから、国と地方公共団体がその責任において整備しなければならない、そういう性質のものであるわけであります。ところが、それに対して国の対応がきわめて不十分であったということから、いわゆるデベロッパーに負担金を課して、そしてそれがその地域に入ってくる住民に転嫁される、こういう事態になってまいったわけでございますから、したがって私は、一番基本は、そういった人口急増都市に対する公共施設の整備について、各省それぞれつながりがあるわけでございますが、政府がまずその責任を持って、それの公共施設整備についての責任を果たしていく、この体制をしっかりしたものにしていくということが基本だ、こういうふうに考えております。この間、建設省、大臣含めて幹部諸君と、私どもの方の幹部と会いまして、一緒になってこの問題をいろいろと議論をし、意見の交換を行ったわけでありますが、ただいま私が申し上げたような考え方について、基本的には同意をしたわけであります。でありますから、私どもは、特に建設省、自治省が中心になって、その他いまこれから答弁があると思いますが、文部省とか厚生省とか、そういった関係各省とも十分連絡をとって、足並みをそろえて政府の責任を果たしていくように努力してまいりたいと考えます。 〔染谷委員長代理退席、委員長着席〕
○横瀬説明員 文部省といたしましては、住宅開発等で児童生徒の急増が著しい市町村につきましては、義務教育施設の整備のための財源を充実させることが重要だというふうに考えまして、小中学校の用地取得費につきましては、特にこの急増市町村についてのみ補助制度を設けまして、その充実を年々図ってきております。 それから、校舎の整備の補助につきましても、一般の補助率が二分の一でありますのに対しまして、三分の二の高率補助制度を採用しておりまして、該当する市町村の義務教育施設費の負担軽減につきまして、地方財政措置とあわせまして努めているところでございます。 それから、立てかえ施行制度という制度もとっておりまして、一時期に急激に負担増を来す事態を緩和するという努力も図ってきているところでございます。この制度の執行に当たりましては、児童生徒急増市町村を優先して採択しておりまして、昭和五十三年度におきましては、用地、建物ともに、ほぼ市町村の申請に対して、その全部に対応できるというようなところまでまいったわけでございますが、五十四年度予算におきましても、二五%を超える予算を計上いたしまして、市町村の計画に対応していきたいというふうに考えているわけでございます。 問題の開発要綱によります開発業者と地方公共団体の問題でございますけれども、私どもの立場といたしましては、市町村の小中学校の建設計画に対応する予算を用意いたしまして、そしてそれぞれの申請に応じましてこれを執行していくという立場でございますので、いわば、開発業者と地方自治体との関係というのは、その申請以前の問題でもございまして、ほかの関連の公共施設の問題もございますわけでございますので、この問題自体は地方公共団体の財政運営のあり方の問題ではないかというふうに考えておりまして、そちらの方の検討を行うことが必要である、そういうふうに考えているところでございます。
○加藤(陸)政府委員 お答えいたします。 ただいま文部省の方から御答弁がありましたのとほぼ同旨でございます。 厚生省関係では、社会福祉施設、環境衛生関係施設等々各種の施設がございますが、それぞれ、もちろん各公共団体の実情に応じまして、その要望、申請等、相協議しながら整備を図ってきているところでございますが、今後におきましても、もちろんその内容の改善、単価、基準面積の改善等、と同時に要望に応じられるような事業量の確保等に努力してまいりたいと存じております。 なお、文部省の方からお答えがございましたので、ほぼそれと同旨でございますが、話題になっております民間開発業者に対する宅地開発要綱の問題につきましては、これは個々の市町村の置かれておられます実情が種々ございましょうし、その方法、内容等も一律ではないと存じますので、私どもとして一概にそれに対してどういう考えかというのはなかなか申し上げかねるところでございます。なお自治省さんとも十分相談をしながら、できる限りの努力をしてまいりたいと思っております。
○渡辺説明員 先生御指摘の点は、地方公共団体の財政負担の軽減という点であろうと思います。いますでにいろいろお話しが出ておりましたけれども、建設省といたしましても、従来から国庫補助事業の積極的採択あるいは立てかえ施行制度の改善、さらに関連します施設にかかる地方債のかさ上げあるいは利子補給、こういった制度を逐年拡充してまいったわけでございます。特に五十三年度におきましては、すでに御案内と思いますが、住宅宅地関連公共施設整備促進事業ということで当初三百億、補正を入れまして三百五十億というものを国費でございますけれどもいただきまして、配分しておる。これをさらに五十四年度予算におきましては当初比で倍増の六百億ということでやっておるわけでございます。さらに、当然建設省所管のその他の一般の公共事業をやっておるわけでございますけれども、いわゆる住宅宅地に関連します通常の公共事業、こういったものにも力を入れておりまして、たとえば五十四年度で見ますと、いわゆる住宅宅地関連の通常の公共事業、建設省所管でございますけれども、それにつきましては対前年比で三六%の伸びを確保しております。 ちなみに、建設省所管の一般公共事業の国費の伸びは全体では二二%ということになっております。今後とも住宅宅地開発に関連します地方財政負担の軽減ということに努めてまいりたいと思っております。
○三谷委員 人口急増地域対策としての一般的な施設の御説明をいただきました。これは自明の問題でありますが、ただ、このようにしまして新しい宅地開発等に伴いますデベロッパーに対する負担をなくするための具体的な措置といいますか、方策、これについてなお研究する余地があると私は思っておるのでございます。一般的に人口が集中してきたという、そういう社会現象ということよりも、いま現に宅地開発しようとする場合に、開発負担金というものが重課されるという問題ですね。これをどうするかといういわば短絡的な対応策が必要になってきていると思いますが、これにつきましては自治体を指導するにしましたって、裏づけがないとなかなか自治体としても指導に服さぬわけでありますから、そういう物理的な裏づけといいますか、財政上の措置といいますか、これはさらに具体の御検討をいただきたいと思うのです。 自治省としましてはこの問題についての財政措置の強化、これを各省と協議をして進めていただきますこと、それから自治省としましてはこういう事態に対する交付税等の措置といいますか、そういう問題について検討していただく必要があると思いますが、この点についていかがでしょうか。大臣の所感を承りたい。
○澁谷国務大臣 先ほどお答えしましたように、基本的には政府のそれぞれの省がみずからのなすべきことを果たしていくということが基本である。いまそれぞれの省からお答えいたしましたように、いままでから比べると格段の手厚い政策が行えるような体制になってきたわけでございます。したがって自治省としては、これに伴った地方自治体の負担という問題が出てくるわけでございますから、それに対しては当然交付税等によって十分の手当てを講じていくことは当然のことであります。
○三谷委員 国土庁にお聞きしたいと思いますが、四月五日に、自治体は公示価格を守れという通達をお出しになりましたが、この趣旨についてお聞きしたいのです。
○下説明員 四月五日に、お尋ねのように国土庁土地局長名をもちまして「土地の取得又は売却等の価格の適正の確保について」という件名の通達を各都道府県知事さんあてにお出ししたわけでございます。 これを出しました趣旨は、国土利用計画法あるいは地価公示法の趣旨に沿いまして、いままでも地方自治体の行う土地取引に関しましては、価格の適正の確保に御配慮いただいておったわけでございますが、さらに改めて注意を喚起するということで、四月二日に私ども五十四年度の地価公示を公表いたしました。それを契機といたしまして改めて注意を喚起するために出したという趣旨でございます。と申しますのは、御案内のように、国土利用計画法で土地取引規制というのをやっておるわけでございますけれども、その中で地方自治体の行う取引につきましてはただいま行っております届け出制に関して申しますと、適用除外になるというような特例が設けられておるわけでございます。これは地方自治体が取引をする場合には、当然のことといたしまして適正な取引をやっていただけるであろうという前提のもとにそういう特例を設けてあるということでございます。 また一方、地価公示法の第一条の二に、土地取引を行う者は公示価格を指標として取引を行っていただきたいという責務の規定がございますけれども、これも地方自治体に関しても適用があるわけでございます。そういう趣旨を受けまして、私どもかねてから地方自治体に対しましては、こういう趣旨に沿って適正な取引をしていただきたいという御配慮をお願いしておりまして、大体のところはそれで適正にやっていただいておるというふうに考えておるわけでございますけれども、昨年、一部に問題が指摘されたということもございます。また、ことしの公示価格の公表を見ますと、一部の地域でございますが、やや強含みの傾向が見られるというようなことがございましたので、公示価格の公表を契機に改めて注意を喚起させていただいた、こういう次第でございます。
○三谷委員 自治省にお尋ねしますが、地方自治体などの公有財産の処分などにつきましては、最も公正な手段として一般競争入札で行うということがたてまえだと思っております。そうしますと、一般競争入札を行いますと、公示価格が守れないという結果になってくるのはあたりまえであって、ここに制度上の矛盾が出てくるわけでありますが、この場合、自治省としてはどのようにお考えでしょうか。
○澁谷国務大臣 御承知のように、最近地価が大分高騰してきた、これがインフレに悪い影響を及ぼす可能性が出てきた、こういうことで、政府全体として地価の抑制という姿勢で取り組んでおるわけでございます。そういう意味で、国土庁が出した通達もまさにそういった趣旨に沿って出されておるわけでございますから、私どもも基本的にはそういった趣旨に沿ってインフレを抑制する、地価を抑制する、こういう方向で取り組んでいきたいと考えております。 ただ一方、御指摘のように、自治体の財産を処分するに当たって一般競争入札でやれというのも、これまた法律の定めておるところでございますから、これを無視するわけにはいきません。両方にらみながら適正な運営に努力していく、こういうことでやってまいりたいと考えておるわけです。
○三谷委員 いまのおっしゃいますことはよくわかりません。両方にらみながら適正というのは、具体的にはどういうことになるのかわかりませんが、仮に公示価格で売却した場合の実際の差損はどう補てんされるのかという問題があります。これは通達だけでは片がつくという問題ではありません。それから、仮に公示価格で売却しました場合に、実際の取引価格との大きな差異が出ますと、買い主に収益性を保証するという結果になってくる。いわば土地転がし的な要素も加味される懸念もできてくる。 それからもう一つは、売買に当たって公示価格を守るというわけでありますが、売る場合には公示価格で売れ、買う場合にも公示価格で買えと言いましても、それで果たして買えるかという問題なんです。これは実際上の問題です。これでは、売り手市場におきましては契約はほとんど成立しないということが言い得るわけであります。ですから、買う場合には公示価格で買えない、かなり膨大な負担をしなければならない、売る場合には公示価格で売れ、こうおっしゃったのでは、自治体はその売買における差異を一体どうするのか、こういうことについては国土庁、どうお考えでしょうか。
○下説明員 公示価格というものの性格にもかかわってくるわけでございますけれども、公示価格は、いわば売り手にも買い手にも偏らない客観的な公正な土地の価値を価格で表現したものということで現在運用されておるわけでございます。したがいまして、一般的に申し上げますれば、公示価格で売却をするということが差損を伴うというような問題になるということはないというふうに考えておるわけでございまして、実際問題といたしまして、ただいま公示価格で買えるかという御指摘がございましたけれども、私ども、事例的にではございますけれども、一応いろいろなところを当たってみますと、大体のところは公示価格を、私どもの言葉で基準としたという言葉がございますけれども、基準とした価格で買い入れが行われておるというふうに考えておるわけでございます。 また、そういう事情でございますので、売り払いの場合につきましても、必ずしもそれによりまして買った方に差益が発生するというようなことはないというふうに一般的には考えておるわけでございますけれども、また具体的なケースになりますと、いろいろ問題はあろうかと思いますが、たとえば売る相手方に、あるいは用途にいたしましても、公共団体に売る、あるいは公益的な用途に売る、あるいはそういうふうに売る場合に、転売をしないというような条件を付するというようないろいろな工夫を、その貴重な土地をいかに住民のために有効に利用するかという総合的な見地からいろいろ工夫をこらしていただきまして、適正な取引がしていただけるものというふうに期待をしておるわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、競争入札の場合はどうなるわけですか、それもあわせて……。
○下説明員 競争入札の場合にも、公示価格が先ほど申しましたように客観的に公正な価格ということでございますので、競争入札をするということと、公示価格で取引をするということが一般的に矛盾するということにはならない。一般競争入札の方法で売却をいたしましても、適正な水準で取引がなされるというふうな場合がむしろ一般ではなかろうかというふうに思っておりますし、また、土地にいたしましても、たとえば公共的な目的のために売るというような場合には、随意契約による道も開かれておるわけでございますので、そういう点を総合的に御検討いただき、工夫をこらしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○三谷委員 先ほど、一般取引について調べたところが、多くの場合、公示価格で行われておるということが言われましたが、それは私どもの調査とは全く事実に反しておる。たとえば、私は大阪ですから大阪の例で申し上げますと、羽曳野市で高鷲中学校というのを建てましたが、これは九月に開校する予定でありますが、用地買収が進んできました。ここの用地面積は二万二千平米要るわけでありますが、ここの鑑定価格と言っておりますが、いわゆる公示価格をつくります鑑定人の価格でございますが、この地点の公示価格がないから鑑定価格を使っているわけです。平均にしまして、平米当たりが六万二千円になっておりましたが、この四月上旬に契約をしましたまとまった額は、これはそれより一〇%高い六万八千円であります。いわゆる鑑定人の価格では買えない、取引はできない、学校はできない、こういう状態に直面しておるわけです。人口急増都市協会が昨年十月にまとめました資料によりましても、小中学校用地が公示価格では確保できないということが示されております。たとえば、五十三年度取得計画のうちで、小学校では、これはいわゆる補助単価でありますが、平米当たり補助単価の三万九千六百三十二円、個別の場所でありません、全体のトータルでありますから、補助価格を使っておりますが、三万九千六百三十二円、これに対して実際の買収価格といいますものは四万二千七百八十円になっております。ですから、これは単価と比べますと七・九%高い。金額では三三%高くなっております。中学校では、これは単価では、補助単価の三万一千七百十五円に対して四万四百九十六円でありますから、二七%高くなっております。つまり小学校、中学校、いずれも三〇%台の差があるということになっておるわけでありますが、この事態については、自治省の方は御承知でしょうか。
○森岡政府委員 羽曳野市の事例につきましては、私ども、個別の地域の問題でございますので、承知いたしておりません。 人口急増協議会のお調べになりました資料につきましてはいま手元にございませんけれども、たしかそういう数値の資料を拝見いたしたと記憶いたしております。
○三谷委員 もう一つ寝屋川市の例を申し上げておきますと、五十二年に取得しました第九中学校の用地がありますが、平米当たりが七万二千六百円でありました。公示価格は六万千三百七円です。これは公示地点にありましたからそのまま出るわけでありますが、一八%高くなっている。五十三年に取得しました第十中学校の場合も平米当たり六万六千五百五十円でありましたが、この場合は公示価格が六万四千六百九十七円でありますから、微差でありますが、約三%の差が出ております。ですから、このようにして見てきますと、公示価格で土地を買えと言ってもなかなか買えるものではないのです。公示価格というものが客観的な公正な価格と言いますけれども、これは統制価格でも何でもないわけであって、いわば相対的な価値評価を決めたものであって、絶対的なものじゃないわけですから、それが完全に守られるというようなことは考えられるものではありません。ところが、売る場合には公示価格でやれ、先ほど御説明になりました指標によりますと、競争入札の場合にも公示価格に近いものに入れろというふうな意味だろうと思いますが、そういうことが果たして現実にできるのか、そういうことによりまして市町村の財産に損失を与えたというような、不利益をもたらしたというような問題になりますと、会計監査上の対象にもなるわけでありますし、国土庁が頭の中でお考えになっているように、簡単にどこもかしこも公示価格で取引ができるという性質のものでもない。それを保証される何か具体の措置でもあれば御説明願いたい。
○澁谷国務大臣 そういった場合に対する保証の措置というものはもちろん準備されておりません。ただいまの問題は、これは言うまでもないことですが、何といっても根本が自由経済ですから、ものによっては売りと買い、売り手市場あるいは買い手の方が強い、これはもう一つ一つ全部事情が違うわけでありますが、ただ、政府の一つの政策として地価を抑制したい、こういう願望が込められておるわけでございまして、その一つの手段として地価をできるだけ客観的な価値を表示して、これを基準として取引をしてもらいたい、こういう政策を実施しておるわけでございます。したがって、政府はもとよりでございますが、各地方自治体もそういった政府の政策に協力をしてやってもらいたい、こういうことを希望し、期待をしておるわけでございますし、実際の現実問題としては、御指摘のようにその公示価格そのままに行われるというようなことはもちろん期待する方が無理でございます。ある場合はそれよりも高い、あるいはそれよりも安い、こういう場合は当然考えられるわけでございますが、基本的にはただいま私が申し上げたような、とにかく地価をできるだけ抑制したいという政府の政策に協力をしてもらいたいということをお願いを申し上げておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○三谷委員 要するに政府の願望といいますか、これはわかります。わかりますが、ただ、このような一片の官僚的な通達によりまして自治体に対して統制を加えるといいますか、そういう処置についてはよほど慎重にやってもらいませんといかぬと私は思うのです。元来競争入札といいますものはいわゆる競争で入れるわけであって、発注します側からしますと有利な競争ということになるわけでありますから、当然高いものに渡すということになるわけでありまして、土地等の固有資産につきましては特にそうでありますが、そういう点からしますと、こういう指導をされます場合には、もしもそれにかわる土地が必要な場合には公示価格であっせんをし、あるいは紹介をするというふうなことまで含めて指導されませんと、これは自治体に対するこけおどしになってしまうわけです。この国土庁の通達というのは、自治省も当然御相談に乗られて了解の上で出されたわけでしょう。
○久世説明員 正式の協議は受けておりません。
○三谷委員 これは自治省とも協議して出すべきだと私は思います。自治省が地方行財政につきましてはいろいろ連絡調整等に当たっているわけでありますから、地方行財政にかかわる問題、しかもいまのような重要な法律のたてまえを損なうような通達まで出すわけでありますから、自治省ともよく相談をして、いたずらに自治体に混乱をもたらさない配慮が必要だと思いますが、国土庁はなぜ自治省の意見などについて協議する等の処置をとらなかったわけでしょうか。
○下説明員 この件につきましては、これは一つには国土利用計画法の運用にかかわる問題である。と申しますのは、国土利用計画法におきましては、必要ある場合には区域を限ってすべての取引を許可制にかかわらしめる。それから一般的に一定規模以上の取引につきましては届け出制をしきまして、届け出をしていただいた上で価格を審査いたしまして、先ほどの公示価格を基準といたしまして算出されます相当な価格と著しい乖離がある場合には、取引の中止あるいは変更を勧告するという規定が民間取引についてはあるわけでございまして、それとのいわばバランスというようなことも考えないといけないわけでございます。そういう意味におきまして、国土利用計画法の運用の問題でもあり、また地価公示法の運用の問題でもあるという理解をいたしまして、また、さらにこの点につきましては今回が初めてではございませんで、国土法の施行あるいは地価公示法の施行以来数回にわたりまして通達を出しまして御配慮をお願いしてきたということもございまして、あらかじめ御相談することなく今回の通達は出させていただいたわけでございます。ただ、自治体に関係いたします問題でございますから、行政府の内部の連絡を密にした方が望ましいということは当然でございますので、今後留意をしてまいりたいと思っております。
○三谷委員 この通達の中で、いま幾つかの法律を挙げられましたが、同時にそれと競合する法律もあるのであって、そういう点からしますと、十分な協議をして、そして自治体の実態に即してやってもらわぬと困るのです。財産処分の手続問題、それから財政上の問題、こういう重要な問題を含んでいるわけでありますから、これは地方自治体にとりましては重要な問題なんです。特にこの財政難の中で非常に帯しんでおります自治体にしますと、こういう通達というものが実効を持ってきますと大変なことになってくるのであって、それに実効を持たせる意思があるならば、自治体の必要な用地についての確保手段を同時に保証するという処置がなければ実行できるものじゃないのです。そういう非常に瑕疵のあるものを一方的に押しつけるというようなことは好ましいものではありません。そのことはいまおっしゃいましたからこれ以上は申し上げません。そこで、この通達に反して一般競争入札などを行った市町村はどうなるわけでしょうか。
○下説明員 この通達は、決して一般競争入札によるなということを言っておる通達ではございませんで、売却方式のいかんを問わず、適正な価格が担保されるように御配慮を願いたいということを言っておる通達でございます。したがいまして、ただいまのお尋ねのように一般競争入札方式をとったからどうというようなことは私ども考えておりません。
○三谷委員 紋切り型の答えはやめなさい。一般競争入札ということは、公示価格と乖離した価格で取引した場合ということを言っているのであって、言葉の上の平面的な、形式的な理解で局面をごまかすようなことを言いなさんな。一般競争入札をやった場合にはどうなるかということを聞いているわけだ。
○下説明員 自治体の土地の取引を通じまして、その自治体自体の取引する土地の価格が公示価格を基準といたしました水準よりも著しく高いという事態になりますと、これは昨年幾つかの事例がございましたけれども、自治体自体、国土利用計画法によりますそういう公示価格をベースとした価格の規制をやっておるという立場もございます。また自治体は、一方ではいろいろな公共事業その他の関係で土地の取得を相当程度大量にしなければならない。そちらの方にも、自分はあの値段で売っておいて、買うのはこういう安い値段を押しつけるとは何だというような問題にもなってくるわけでございます。また一般的に、自治体がそういう土地の値上がりをあおるようなことをしていいのかというような批判が現実の問題といたしまして起きてくるわけでございます。もちろん私ども、国土利用計画法におきまして適用除外をしておるという趣旨からいたしまして、あるいは地価公示法の責務の規定というのがいわば一種の訓示規定と申しますか、努力規定であるという点からいたしまして、お尋ねのように、高い価格で取引したからということで法的にどうこうということを申し上げる立場にはないわけでございますが、ただいま申し上げましたようないろいろな現実的な問題がそこに生じてまいります。そういう点になりますと影響するところも非常に大きい。国、地方公共団体を通じて、地価の抑制あるいはそれを通じましてインフレの抑制ということに努力をいたさなければならない時期におきまして、そういう事態になるということは好ましくないことでございますので、そういう事態にならないように適切な御配慮をお願いいたしたい、こういうことでございます。
○三谷委員 地方自治体というものは要するに公共団体ですから、意図的に地価のつり上げをするとか、意図的に取得価格のつり上げをするというふうなことはあり得るものじゃないんだ。ただ、地方自治体が取得する場合、処分する場合に、公示価格を超過した取引があったとしますならば、それはいろいろな客観的な取引が反映するのであって、地方自治体の責任ではないということはだれが考えてもわかることであって、そういう点からしますと、地方自治体に対する指導などについても、十分に自治性を尊重した指導をやるべきだと私は思います。それで、これは法的には何らの措置も行われないわけだということですが、何か行政的な措置があるわけでしょうか。
○下説明員 私どもはそういうことのないようにというお願いをいたしておるわけでございますが、仮に万一そういうことが起こったといたしまして、私どもにそれに対する何らかの対応措置をとるというような考えが具体的にあるわけではございません。
○三谷委員 終わります。
○松野委員長 午後二時より再開することとし、休憩いたします。 午後一時六分休憩 ————◇————— 午後二時十五分開議
○松野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。加地和君。
○加地委員 経済情勢は非常に不安定でございまして、予算編成時に比べてかなり変化しておるものと思います。円安や物価上昇、このような状況のもとにおきまして、五十四年度の地方財政の収支は今回の地方財政対策で支障はないかどうか、自治大臣にお願いいたします。
○澁谷国務大臣 確かに経済情勢が変わってはきておりますけれども、物価は引き続き安定をしておるわけでございますし、円安の傾向もございますけれども、これによって地方財政対策を変更するというような必要は考えておりません。
○加地委員 ただいま物価が安定しておるとおっしゃったわけでございますが、四月からOPECの方の石油値上げが九%、またことしの秋には物価上昇、インフレの懸念もあるので、選挙に不利にならないように解散をちょっと早目にやった方がよかろうかというようなことも常識的な声になっておると思うのでございますが、物価安定という点については大臣の御認識は普通の常識とはちょっと離れておって、立場上そう言っておかなければならない立場だということはわかるのでございますが、もう少し物価変動を率直に見込んだ地方財政の収支ということを考えなければならないのではないか。この点についてもう一度責任のある思慮の深い御答弁をいただきたいと思います。
○澁谷国務大臣 私が物価と申しましたのは消費者物価のことでございますが、これはもう間違いなく統計的にも引き続き安定をしておる。ただ、卸売物価がこの四、五カ月連騰しておりますから、これが六月ころから消費者物価にどうはね返ってくるかという問題は注視しなければなりません。同時に、また御指摘のように石油の値上げというものも加わってくるわけでありますから、そういう意味で、消費者物価の動向についてはもう相当真剣な対策を講じていかなければならぬということは、内閣全体としての姿勢で、全体の経済の動きを真剣に注視しておる、こういうことでございますけれども、いま直ちにそれのために地方財政の計画を変更するというような必要は考えておらないわけであります。
○加地委員 また最近の地方財政対策というものは大部分借金で行われております。五十四年度は特別会計借入金が二兆二千八百億円、財源対策債は一兆六千四百億円でございますが、これを続けていく場合に自転車操業のようになって、住民サービスの確保という点で後の年度に問題を残すことになると思いますが、これについての対策はいかがでございましょうか。これは自治省と大蔵省の両方に御答弁をお願いしたいのでございます。
○森岡政府委員 確かに御指摘のように、昭和五十年度におきましてオイルショックの後の経済の落ち込みが生じ、さらにその後長期間にわたって低経済形態が続いてまいりました結果、地方財政収支が大幅なギャップを生じました。一方、景気の速やかな回復を図りますために財政が積極的に前に出て景気浮揚策を図らなければならない、こういう役割りを果たすという観点から、大幅な収支ギャップを抱える中で歳出をふやさなければならない、ことに公共投資の拡大を通じて景気の浮揚を図っていくという使命を果たしてまいったわけでございます。自然、そのために地方債が大幅にふえてまいりました。同時にまた交付税特別会計の借入金も年々増大してまいったのでございます。このことは将来の地方財政にかなりな負担を残しておるということが明確でございますし、さらにこういう状態をなお続けるということはもはやすでに限界に来ておるのではないかというふうに私どもは考えるわけでございます。 こういう状態が仮になお続くといたしますと、お示しのように住民サービスの確保を図りながら財政運営を支障なく行っていくということが非常に困難になってまいると思います。したがって、できるだけ速やかに地方税財政制度を基本的に改正いたしまして、地方税、地方交付税などの一般財源を大幅に増強する必要があるというふうに思っておる次第でございます。 そのためには、一方において歳出を思い切って節減合理化する、また税制の不公平と称される仕組みについては思い切ってメスを入れると同時に、一般的な租税負担の増加を国民の御理解を得ながら求めてまいりまして、公共部門の財政収入の増額をできるだけ早い機会に実現していく、それが、いま累積してまいっております地方債なりあるいは交付税特別会計の借入金の償還をスムーズに行って財政運営を円滑に将来にわたって行い得る唯一の道ではなかろうか、かように思っておる次第でございます。
○足立説明員 地方財政の置かれております厳しい現状につきましては、いま財政局長から御答弁ございましたように、私どもも同様に認識してございます。そのような厳しい地方財政対策といたしまして、先生御指摘のように多額の借入金でございますとか、あるいは建設地方債の増発というようなことで対処してきておるわけでございますが、御承知のとおり、借入金につきましてはその二分の一を国が償還時に負担をする、こういう措置をとっておるわけでございます。残りの二分の一、それからまた建設地方俵の増発分の償還費、こういったものにつきましては毎年毎年の地方財政計画の策定を通じまして地方財政に支障のないように措置してまいりたいと考えております。 基本的には、このような、先生御指摘の自転車操業的と申しますか、大変に苦しい地方財政対策といたしましては、やはり財政局長の言われましたような一般的な税負担の増強というのが不可欠ではなかろうか、私どもも同様に考えております。
○加地委員 この前大学の先生三名にこの委員会に参考人として御出席をいただきましていろいろな御意見をお伺いしたのでございますが、しょせんはやはり行政当局の方でそういう意見を具体化していただかなければ机上の空論ということに終わってしまいますので、まず大蔵省の方にお尋ねしたいのでございますが、ある参考人は、所得税や法人税の三二%が地方交付税ということでございますと、この税は非常に景気変動によって税収の多い少ないが出てくるので、自然と地方財源として不安定になってしまう、ですから、地方財源は安定的なものでなければならないので、たとえば前年度の三二%とかというやり方じゃなしに、数年度の平均値をもって、安定した、計画の立つ地方財源であるべきでなかろうかという意見がありましたが、これにつきましては大蔵省の御意見はいかがでございましょうか。
○足立説明員 お答えいたします。 毎年毎年の税収見積もりが非常に変動が大きいので、ある程度長期的にわたっての平均の数値をとるべきでないかという御意見かと思いますが、まずある程度長期にわたりましての税収の見積もりということは非常にむずかしいということ、これは経済の状況をどう見るかということが一つございますし、それから御承知のとおり、毎年毎年増減税というものをそのときどきの経済の情勢を見まして行うわけでございますので、ある程度へ三年なり五年なりの長期的な見通しに立っての平均値を出すということはかなり実際問題としてむずかしいのではないかと考えております。 それから予算の編成といたしましては、現在御承知のとおりの単年度主義をとってございます。毎年度の歳入をもって当年度の歳出を賄うということを原則といたしてございますので、五十四年度なら五十四年度の歳入が一体幾らかというものをある程度の期間の平均でもって見るということで予算を組むということは現実の問題として困難ではなかろうかと考えております。
○加地委員 技術的に私もちょっとむずかしい面もあろうかと思うのでございますが、要するにその参考人の意見の趣旨は、景気不景気に余り振り回されない安定的な財源を地方に与えるべきだという御趣旨だったと思いますので、そういう方向で、また機会があれは御検討いただきたいと思います。 それからまた参考人の方で非常に重点を置いておられましたのは、地方公共団体の方では金融力が非常に弱いために、毎年いわゆる収支バランスをとるということが重視されておるために、景気のよいときには民間の方も公共団体の方も支出が増大してまいりまして、むしろ材料不足ということでインフレをあおるおそれがある。それからまた不景気になりますと、民間の支出も減る、また地方公共団体の支出も減るということで不景気に拍車をかけていくおそれがある。だから、地方財源そのものが景気調整的な機能を主導権を持ってやるべきだという意味じゃないのでございますけれども、やはり景気調整に失敗すれば何もかも絵にかいたもちになって失敗してしまうので、民間の景気が悪いときにはむしろ公共事業を財源がなくてもふやしていけるように、地方公共団体が将来景気が回復したときを見込んで借り入れできるような金融制度をもっと充実拡大していくべきでなかろうか。それの一つのあらわれは現在の公営企業金融公庫、これの取り扱っておるところの金の種類をもっと一般財源でもって賄うべきようなものについてまで広げていくべきでなかろうか、こういう意見を強く言っておられた先生もありまして、私もなるほどと思ったのでございますが、大蔵省の方の何か前向きのお考え等ありましたらお答えいただけますか。
○柴田説明員 お答えいたします。 御承知かと思いますけれども、公営企業金融公庫につきましては、五十三年度から、建設事業が円滑に行われるようにということで、臨時地方道整備事業、臨時河川等整備事業、臨時高等学校整備事業というのを融資対象に含めてその機能を拡大したわけでございます。 基本的に地方公共団体の資金調達をどうしたらいいのかというのは非常にむずかしい問題であろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、各地方公共団体がそれぞれ指定機関からいま資金調達を行っているわけでございまして、その機関に再びお金が戻っていくということで、基本的にまず地方の資金の調節というものはそれぞれ地元でやるというのが、非常に円滑に資金の調達が行われるゆえんのものではないかというふうに考えておりますので、現在の仕組みで十分に資金の調達が確保できているのではないか、むしろ中央で地方公共団体の資金調達を一括して行うということは、必ずしもそういった現在の状況を緩和することにならないのではないかというふうに考えているわけでございます。 また、地方債の円滑な消化を図りますためには、五十四年度すでに政府資金、それから公営公庫資金等大幅に増額して、なるべくそういった銀行等の縁故資金の地方債計画に占めるウエートというふうなものも低下させるために、自治省とも御相談をしながらこれ努めているわけでございますので、その辺のところは十分おくみ取りいただきたいと思っているわけでございます。
○加地委員 現在の制度というものを前提にすれば、いま大蔵省の方のお答えのようなものになるのかもしれませんが、現在の制度、法律を離れて理想とするものを考えていきますと、この前出てこられた参考人の方の、まあ一人だけじゃなしに二人程度は、いまこそこの地方財政制度を抜本的に改正しなければならない時期である、ただ交付税率をいじるだけの時期ではない、交付税をいじるだけですべて解決がつくものではないということを非常に力説しておられたのが印象的でございましたので、先ほどもどなたかのお答えにありましたように、いまこそ根本的に改めていかなければいかぬという時期でございますので、いまの制度を離れても、理想とする正しい制度は何かということについて将来さらに御検討願いたいと思うわけであります。 それから、非常に興味がありましたのは、アメリカあたりでは、それぞれの地方公共団体に交付税の金額を算定するときに、その公共団体での徴税努力でございますね、ほかの公共団体はいろいろな税目をつくったり、いろいろと住民に負担を求めておるのにもかかわらず、ある団体はほかと比べてまだ十分に出すものを出させていない、そういうぐあいに、努力している団体と努力していない団体とではやはり地方交付税の金額算定についても差をつけている、だから日本でもそういう差をつけるようなこともどうかなと私も感じておるのでございますが、何かこれについてお考えはございますでしょうか。
○石原政府委員 アメリカ合衆国のレベニューシェアリング制度の中で、配分要素の一つとして、各地方自治体の、まあ主としてプロパティータックスでありますが、プロパティータックスの税率の差が反映するような要素がとられていることは事実でございます。
○森岡政府委員 アメリカのレベニューシェアリングの実態は、いまお示しのような徴税努力が反映されておることは事実でございますが、御承知のように、わが国の交付税制度とアメリカ連邦政府のレベニューシェァリングとでは非常に内容も違っております。それからまた税制が基本的に違っておるという問題もございます。 わが国の場合には、御承知のように標準税率という制度を国家の法律で決めておりますけれども、アメリカの場合にそこまでの規制といいますかコントロールを中央政府がやっておるわけではございません。必要な財源を確保するためには、その地方限りでかなり幅広く税率を上下するという仕組みがとられております。その辺の評価はいろいろあろうかと思いますが、しかし、基本的な税制にそれだけの違いがありますので、直ちに徴税努力を反映するような仕組みをわが国の地方交付税制度に組み入れるということにつきましてはなかなかむずかしい面があろうかと思います。しかし反面、その徴税努力をやらないところに交付税がたくさん行くというふうなことではいかぬわけであります。現在の仕組みは、わが国の交付税はそういう仕組みにはもちろんなっておりません。 なお、今後とも各国の事例なども参考にしながら検討を進めてまいりたいと思いますが、率直に申しまして、アメリカのレベニューシェアリングよりはわが国の交付税制度の方がかなり進んでいるのではないかという自負心を私どもは持っておるのでございます。
○加地委員 特別交付税の算定というのが、ほとんどその積算基礎等は出てきませんけれども、実際にこの金額算出の中で、こういう徴税努力といいますか、地方自治体の努力というのは、いろんな意味での前向きの努力ですけれども、そういうのはやはり地方交付税の金額の中にはある程度は加味されておるのでしょうか。
○石原政府委員 特別交付税の算定におきましては、どちらかと申しますと後ろ向きの経費といいましょうか、災害があったために不慮の支出がありた、あるいは災害のために税の減免を行わざるを得なかった、そのことによる減収額がある、こういった要素をとらえて算定するものがウエートとしては高いのでございまして、その団体が財政運営上前向きの努力をしたから、それに対してどうというような要素は特に項目を立ててやっているものはございません。
○加地委員 特別交付税の算定の要素の一つとして、徴税努力といいますか、地方財政運営上の前向きの努力というのをいまの制度では加味することはできるのでしょうか、できないのでしょうか。
○石原政府委員 現在の交付税制度の基本的な理念は、各団体の税源の偏在、財政力の差というものを調整する、そしてすべての団体に一定の標準的な行政水準を保障するという考え方に立っておりますので、交付税の性格からいたしましても、各団体の財政運営努力も交付税制度によって奨励助長するというようなことは、いまの交付税制度は予定してないところではないかと考えております。
○加地委員 政府の方は、近い将来一般消費税の創設等税制の根本的改正を行って、これにあわせて交付税の総額の充実を図ろうとしておられるようでございますが、一般消費税については私たちは反対であります。これはもう前から言っておることでございます。それから与党自由民主党の中にも参議院あたりには反対意見の方もあり、また大蔵省御出身の衆議院の有力な議員の中にも反対の御意見の方もあるようでございます。そして一般消費税の創設というものは危ぶまれておるといってもいいような情勢でなかろうかと思いますが、先ほども森岡局長が一般的な増税等をやっていかぬことにはどうにもならないということをおっしゃいましたが、この一般消費税が見送られた場合、交付税の充実に関してほかにどのような方法が考えられるのか、局長御答弁いただけますか。
○森岡政府委員 現在の財政状況から言いますと、地方独立税の増強と地方交付税の大幅な拡充、この二つが近い将来の地方財政を立て直す基本の方策だろうと私どもは考えております。 税の問題は差しおきまして、交付税の問題についての御質問でございますが、交付税の大幅な拡充を図りますためには、一つは交付税率を引き上げる、いま一つは交付税の対象税目を拡大する、この二つの道があると思うのでございます。一般消費税についてもちろんいろいろ御議論がございますけれども、国、地方を通ずる税体系の新たな仕組みとして新税を創設するとすれば一般消費税という税ではなかろうかという考え方を私どもは持っておりますが、そういう税が新たに設けられました場合に、これを交付税の対象税目にするということはまさしく対象税目拡大ということに相なるわけでございます。 そこで、もしそれができない場合にはどういうことになるのかといいますと、たとえば所得税や法人税の増税が行われますれば、それはそれに応じた地方交付税の増額が行われます。しかし、いままでの税制調査会の御議論などを拝聴いたしておりますと、所得税の増税については、負担感がかなり強いし、またいろいろな面で問題もあるのでこれはなかなかむずかしい。法人税の増税はある程度の余地はあるけれども、やはり企業負担の国際バランスというものを考えませんと、わが国の企業の活力、ことに国際競争力に大きなダメージを与えるということになると、これはわが国経済にとって大変な問題だという認識も強いわけでありますので、所得税の増税あるいは法人税の増税によって事柄が解決するという見通しはなかなか立ちにくいのではないかというふうに私は思うわけでございます。 実は、そういう選択の問題になってきておるのではないかというふうに思うわけでございまして、政府といたしましては、五十五年度中にできるだけ早い時期に一般消費税の導入が実現できますように準備を進めるということで、いま各省間で大蔵省を中心にいろいろ御議論をいただいており、またその際の国と地方の税財源配分についても、これから大蔵省といろいろ話し合いをしたいと考えております。 御質問に対する私の考え方は以上のとおりでございます。
○石原政府委員 先ほどの私の答弁でちょっと補足させていただきますが、現在の交付税制度では地方団体の財政運営について前向きの努力を奨励助長するような仕組みといいましょうか、そういう要素は考慮されておりませんが、ただ、地方財政法二十六条に、地方公共団体が法令の規定に違背して多額の経費の支出を行った場合とか、あるいは確保すべき収入の徴収を怠った場合においては、それに対応して交付税を減額し、あるいはすでに交付した交付税の返還を命ずるという規定がございます。そういう意味で、現行制度でも、財政運営について問題があった場合に一種の制裁規定のようなものは地方財政法にもございます。ただし、この規定はいわば伝家の宝刀でございまして、この法律の規定ができてからいまだかつて発動されたことはございません。
○加地委員 ただいまの一般消費税についての質問に対して大蔵省の方の御見解はいかがでございましょうか。いずれにしても金を出していただくのは大蔵省様々でございますので……。
○亀井説明員 一般消費税の問題につきましては、いろいろ新聞報道等、先生御指摘のようなことも見かけるわけでございますけれども、先ほど森岡局長も申されましたように、財政の現状ということからいたしますと、私どもといたしましては、たびたび同じことを申し上げて大変恐縮でございますけれども、一般消費税を昭和五十五年度のできるだけ早い時期に導入してまいりたい、こういう考え方でおることに変わりございません。
○加地委員 自治大臣にお尋ねしたいのでございますけれども、この一般消費税について福田総理は非常に魅力を感じておるということを本会議でおっしゃったこともありましたし、その他新聞等で報道されるのがまちまちのニュアンスで伝わってくるわけなんですね。私たちが五十四年度の予算について、去年、おととしは賛成しておりましたけれども、ことしは反対をしましたのは、ことしの予算というのは来年度から一般消費税を導入しなくちゃどうにもならないような水ぶくれ予算ではないか、行政改革あるいは不公平税制等の問題についても、一般消費税を導入する前の前提となるいわゆる企業努力的なものが何らないじゃないかということで、私たちはことし初めて反対したわけでございます。 また、いろいろな動き、この秋に予定される総選挙の前には一般消費税を政府の方が実施すると言ったらまずいので、それをただ言わないでごまかしておる程度でなかろうかというような気がするわけでございますけれども、政府の方で、閣議等におきましては一般消費税問題はどうなんでしょうか。意見が分かれておるという状態なんでしょうか、それとも結論の発表はまだまだだという状態なのか、本当は結論は決まっているのだけれども、発表はそう刺激せぬ程度の発表になっておるのか。その点非常にぐにゃぐにゃしておって、そのたびに地元なんかでも決起大会が開かれたり、あるいはまた各党の国会議員が来て、自民党の国会議員の方も、とにかくおれは党が決めたら反対もできぬけれども欠席はするんだ、一日欠席するのは何ら懲罰の対象にならないんだ、国会法をよく読んでみろ、おれと同じようなのをあと六人つくれ、こういうようにおっしゃる方もあるくらいに非常にもやもやとしておるのですけれども、ひとつ……。
○澁谷国務大臣 私も新聞報道だけでございまして、確かに自由民主党の中にも一般消費税について反対だというような意見を持っておられる方もおるという報道は私も承知をいたしております。しかし政府としては、昭和五十五年度のできるだけ早い時期に一般消費税を導入するという方針は決定しておるわけでございまして、その後、閣議でこの既定方針に対してどうとか、意見が出たとか、あるいは考え方が分かれておるというようなことは全くございません。やはり既定方針どおりで内閣としては進んでおるわけであります。
○加地委員 そうしますと、私がさきに質問しました一般消費税が見送られた場合、交付税の充実に関しどのような方法を考えるか、これは非常に重要なことだと思うのですけれども、まず自治大臣は、一般消費税は五十五年度の早い時期に必ず実現されるであろうというお見通しなのか、ちょっと雲行きが危なくなってきておるなという御感触なのか、その点どうでございますか。
○澁谷国務大臣 一般消費税については、野党の皆さんはほとんど反対と言う。そういう全体としての大勢、そういったことでもございますので、私は一般消費税の導入がそんなに簡単にできるというふうに楽観的には考えておりません。これはやはりなかなか大変なことだという認識は持っておるわけでございますけれども、国、地方の直面しておるいまだかつてない危機的な財政状態というものをどうするかということを考えたときに、どうしてもやはり基本的にはある程度の増税というものをお願いせざるを得ない。これはどの内閣であっても私はそういうことだと思うのです。その何らかの形での増税というものを考える場合に、先ほど財政局長からもお答えしましたように、所得税あるいは法人税というようなものの増税でやれるというならば、何も私どもも一般消費税というような、これだけ野党の皆さんが反対しておるそういったものをしゃにむにやるというようなことを選択するわけはないわけでございますが、やはり専門家が、政府税調でもずいぶんこの問題はいろいろな角度から検討をしていただいたわけでございますが、現在のこの財源不足というものをカバーするほどの所得税、法人税の増徴はとうてい困難である、こういうことで一般消費税という形の増税が一つの方法としては適当ではないか、こういうことになってきておるわけでございまして、私どもは政府税調の答申の線に沿って何とか野党の皆様、それから国民の理解を得て一般消費税が導入できるように努力をしてまいりたい、このように考えておるわけであります。
○加地委員 自治省と大蔵省の両方にお尋ねしたいのでございますけれども、日銀の公定歩合の引き上げに関連して、政保債、地方債の金利も引き上げられるようですが、五十四年度の公債利子負担についてどのような影響を与えるのか、またこれに対する対応策はいかがでございますか。
○森岡政府委員 国債の流通価格、ことにいわゆる六・一%国債につきまして流通価格がかなり下落いたしまして、新発債の発行にいろいろな困難な条件が出てきておるということは、もう御案内のとおりでございます。そのようなことから、三月債から〇・四%の引き上げが行われました。それに伴って市場公募債につきましても、同じ幅の〇・四%の引き上げを三月債から行ったわけでございます。しかし、四月に入りまして、国債はさらに〇・七%引き上げるという方向でシ団との話が進められ、最近決定いたしております。 そこで、地方の市場公募債につきましてもほぼ同程度の幅、すなわち〇・七%程度の引き上げを行わなければ新たな発行が困難になるというふうに私どもは考えております。地方債、ことに市場公募債の金利の条件は、国債あるいは政府保証債その他の条件を見、かつ市場の実勢価格を見ながら決めていくわけでございますので、そのように考えております。そこで、いまシ団といろいろ交渉いたしておりますが、四月中にはいま申し上げましたような線で金利水準の引き上げを行うということに相なろうかと思います。 そのほかにいわゆる縁故地方債があるわけでございますが、縁故地方債につきましては、この市場公募債の条件改定が決まりました後で各都道府県、市町村がそれぞれ指定金融機関あるいはそれぞれの関係シ団と話し合ってお決めになるわけでございますが、この縁故債の資金につきましては、必ずしも市場公募債と同じように一律に事柄が決まるというわけでもなかろう。それぞれの預金の量でありますとかあるいはその地域ごとの実態が違いますので、その辺のところはかなり個別な折衝が重ねられてまいろうと思いますが、しかし、ある程度の金利水準の引き上げということにはもちろんなろうと思います。 さらに、そのほかに、全体としてそうなってまいりますと、政府資金の金利とそれから公営企業金融公庫資金の発行条件につきましても、それに伴って改定をしなければならないということになろうかと思いますが、この辺のところはまだ最終的に固まっておりません。 そこで、どの程度の利子負担の増加になるのかということを総体として現段階で計算することはきわめてむずかしいのでありますが、非常に粗っぽく計算いたしまして、民間資金債について利子負担が五十四年度でどの程度ふえるだろうかということを見てみますと、大体七十億円強ではなかろうかというふうに計算をいたしております。この程度の金額でありますと、御承知のように、地方財政計画で予見しがたい財政需要に充てるために三千五百億円のいわゆる予備費的な経費を計上いたしておりますから、十分対処できるもの、かように考えておる次第でございます。
○柴田説明員 いま財政局長からお答えになったとおり私どもも理解しておるわけでございます。ただ、金額については突然の御質問でございまして、私まだ計算をしておりませんし、それにいま御説明ございましたけれども、まだ新しい条件が決まったわけではございませんので、何とも数字の計算のしようもないということになるのかもしれませんが、いずれにしましても、現段階における程度の引き上げであれば、地方財政計画で措置されているものの中で十分泳ぎ切れるのではないかというふうに私ども考えております。
○加地委員 春闘などがございますので、五十四年度の公務員のベースアップは、ひょっとすれば五十三年度を上回ることが避けられないのではなかろうかというようにも言われております。ところが、五十四年度の交付税の算定におきましては、給与改善費の計上額は五%から二・五%に引き下げられております。こうしたことは年度途中における交付税の追加計上を必要とすることになってしまうのではないでしょうか、自治省にお尋ねします。
○森岡政府委員 本年度の人事院の給与改定の勧告のレベルがどうなるかということは、まだ現段階では春闘も終わっておりませんし、明確に見定めることは困難でございます。地方交付税におきましては、いまお示しのように、二・五%という給与改善率で給与費を見込んでおります。 ところで、これを上回った場合にどういうことになるのかという御質問でございますが、地方財政計画では、先ほども申しましたように、予見しがたい財政需要に充てるために三千五百億円のいわゆる予備費を計上しております。このうち五百億円は災害関係経費ということで予定いたしておりますので、残る三千億円を追加財政需要額という項目によりまして交付税の計算上算入することにいたしております。三千億円の追加財政需要額を計上いたしておりますから、二・五%を上回ることとなりましても私はこれで対応できるのではないかという見通しを強く持っております。万々一仮に三千億円の追加財政需要額で対応できないというような事態が生じました場合には、別途必要な財政措置を講じまして、地方公共団体の給与改善に支障のないような財政措置を適切に講ずるという所存でございます。
○加地委員 ちょっと数字のことを聞いて恐縮ですが、この三千億円だけで対応できるのは、給与改善費が何%のところまではこの三千億円で大体対応できますか。
○森岡政府委員 二・五%で算入しております基準財政需要額の算入見込み額が約千九百八十八億円でございます。それを土台にして勘定いたしますと、さらに上積み四%ということになりますから、足せば六・五%ということに相なろうかと思います。
○加地委員 大蔵省にお尋ねしたいのでございますけれども、交付税の本質からしまして、交付税は一般会計を通すことなく交付税特別会計に直接繰り入れることが本筋と思いますが、いかがでございますか。
○足立説明員 交付税の本質につきましてはいろいろな議論があるところでございますが、私どもは、やはり地方交付税というものは地方財政調整のための国から地方への交付金である、このように観念いたしまして、交付税制度の創設当時から国の一般会計から特別会計へ繰り入れるという方式をとってきておるところでございます。これは理論的な面でございますが、実際面におきましても、もし地方交付税というものを特別会計へ直入するというようなことになりますと、税収の大宗をなします所得税であるとか法人税であるとかというものの全貌が一般会計予算には出てこない、こういうような問題も具体的には生ずるわけでございまして、そのような地方交付税を特別会計へ直接繰り入れるというような方式はやはり問題が多いのではないかと考えております。
○加地委員 交付税関係の本を読みましても、ちょっとすぐに頭へ入りにくいほどわかりにくいものでございますが、交付税の算定方法というのがますます複雑化してきておりますが、これを簡素化する抜本的な方策というのは考えられないものでしょうか。
○石原政府委員 御指摘のように、今日交付税制度の内容が大変複雑になっておりまして、一般の理解しがたい面が多い。そこで、これをなるべく簡素化するようにということはこれまで地方制度調査会等でも指摘されておりますし、私どももできるだけそうしたいという努力を重ねてきているところであります。しかし、また一方におきましては三千三百を超える地方団体のもろもろの財政需要をできるだけ的確に捕捉するようにという要請も強まっておりまして、現実には毎年地方団体からいろんな制度改正の要望が出てきております。これらの中には、やはりどうしても取り上げざるを得ない、社会経済情勢の変化から、これを取り上げないというと交付税の本当の意味の公正な配分という見地から問題が出る、こういう点も多々あります。そういったことで現実にはなかなか交付税算定の簡素化ということが進んでいないのでありますけれども、私ども今後とも算定技術の改善に努めることによりまして簡素化の実を上げていきたい、その方向で努力してまいりたい、このように考えております。
○加地委員 現在各種の補正係数が政令で定まっておりますけれども、これを法律ではっきりと決めるべきではないかという意見がございますが、法定化できない理由というのは何かあるのでしょうか。
○石原政府委員 補正係数につきましては最も議論が多いわけでありますが、これにつきましてもかつては補正の項目だけが法律で定められておりまして、その具体的な適用の仕方、係数、すべて省令にゆだねられておりました。しかし、その後適用の項目、適用の仕方等につきましては法律で定めることにいたしまして、現在は具体的な係数は省令にゆだねられているという形になっております。 この補正係数そのものも法律で定めるべきではないかという御意見があることは事実であります。また交付税制度のたてまえからいたしまして、そうすることが望ましいというふうにも考えますが、現実には財政環境の変化というものが非常に激しくなっておりまして、現在御審議をいただいております交付税法の改正法案、これを実際に立案する際のバックデータ等は昨年末あるいは今年の初めまでのデータでございまして、現実の算定が行われますのは今年の八月末でございます。そうしますと、この段階で係数まで法定してしまいますと、人口の動態要因あるいは児童生徒の増減要因、こういったものについて最新の状況が反映しにくくなるというような事情もございまして、現在はこれらが省令にゆだねられているわけであります。私ども係数の具体的な定めは省令にゆだねられておりましても、できるだけ法律の趣旨に沿いましてこの内容を明らかにしていきたい、このように考えております。
○加地委員 たとえば昭和五十三年度では、補正係数というのは何種類ぐらいの補正係数がその前年度より変更になっておりますか。大ざっぱなところで結構です。
○石原政府委員 五十二年度と五十三年度の対比で補正の項目そのものはほとんど異動がございませんが、係数は大部分の係数が動いております。と申しますのは、補正係数というのは標準団体の単位費用に対する標準団体以外の団体の単位当たり費用の割合を示すわけでありますから、単位費用が変わりますと自動的に動いてくるというような要素が多分にございます。そのために何カ所変わったかということを申し上げにくいほど、ほとんどの係数について変動が生じております。
○加地委員 これは地方公共団体の方なんかでは法定化してほしいという声の方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。どういうぐあいに聞いておられますでしょうか。
○石原政府委員 率直に申しまして、補正係数の法定化の議論というのは、制度のたてまえ論といいましょうか、筋論としてそういう議論が出てまいるわけでございまして、こういった意見を主張されるのは学者の先生などに非常に多いわけです。地方公共団体の実務家と私どもは常に交付税算定について意見交換しておりますが、実務家の方々は、むしろ各団体の財政状況というものがより的確にその年度の交付税算定に反映することを希望しておりますので、法定化によってかえって不利になるのではないかという危惧を漏らす人が多いわけであります。したがいまして、私どもが接触しております地方公共団体の財政実務家の皆さんの中には、法定化すべきであるという意見は、私はむしろ少ないように承知しております。
○加地委員 実務家の中で、法定化によって不利になるというのはどういう意味なんでしょうね。交付税の財源、大枠は決まってくるわけですから、ある団体は今度制度が変わると不利になるかもしれぬけれども、ある団体は有利になるというところが必ず出てくるわけでございましょうし、変動を好まないという、人間のいわゆる保守性といいますか、保存本能といいますか、そういうところからただ出てくるだけの一種の不安感だけなんじゃないのでしょうか。法定化されればかえって不利になるという言葉の意味をもうちょっと詳しく御説明いただけるでしょうか。私は、まだ石原さんが大きな権限を持っておられるから、余り石原さんの目の前では現在の制度をどうのこうのというのは言いにくいし、石原さんは円満な方だし、石原さんに任せておいたら大丈夫なのかなというような空気での意見なんかも多いのじゃないかと思うのですけれども、その点どうでしょう。
○石原政府委員 地方団体の実務家の中に法定化の意見が比較的少ないように私どもが承知しているというのは、別に私どもに対して遠慮しているというか、そういうことではないと思います。たとえば人口急増団体等におきましては、毎年三月末現在の住民登録人口の動きというものをその年度の人口急増補正に反映してもらわないと困るわけであります。そういう意味で、これを一年前に固定するということになると、その一年間だけ人口増加要因が反映しにくくなる、こういう問題もあります。それからまた、各種の事業費補正などにつきましても、理論的な算入率が事業のウエートによって変わってくるという問題もありまして、毎年度の予算が成立し、毎年度の事業配分が、各団体ごとの配分が決定して、その状況がその年度の交付税の算定に反映することを願うというものは、実務家としてはある程度やむを得ない当然のことではないかと思うのであります。 そういう意味で、非常に技術的な事情が主だと思いますけれども、一定の時点で係数を固定化してしまうということについては、むしろ消極的な意見が多いのではないかと私どもは理解いたしております。決して私どもが権限を保留したいということでもありませんし、また、地方団体の方が私どもに対してその点についての遠慮があって意見を言わないということではなしに、各団体とも各年度の財政の実態に応じた交付税の算定ができるように願うという意味から、できるだけ新しい時点のデータによって交付税策定をしてもらいたい、そういう気持ちから法定化の意見がむしろ少ないのではないか、このように私どもは理解いたしております。
○加地委員 この補正係数の決定の基礎を公にすべきだという意見がありますが、これについてどう対応しておられますか。 また、ただいまおっしゃいました、省令で決めた方が一番新しい実情に立脚したところの計算ができる、こうおっしゃいました。もしそのとおりでいくとすれば、それが公正にできるだけ納得のいくようにという、非常に金額が上下する重要なところでございますから、この補正係数の決定については大体どういう方々がどういう根拠、基礎等に基づいて公正さを担保するような制度でやっておられるのか、それを説明してください。
○石原政府委員 補正係数の積算の基礎につきましては、毎年度普通交付税の算定が終わります八月から直ちに積算の基礎についてはできるだけ詳細な内訳を付して、これを印刷物にして公表いたしております。また、必要に応じまして、地方の実務家の皆さん方に対しては研修の機会等を利用して、この印刷物だけでは足らざる分をさらに詳しく説明する。また、お尋ねがあれば、これについて詳しくお答えするというような形で、交付税補正係数の積算内容の方をできるだけ公に知っていただくような努力をいたしております。今後ともその努力はさらに続けてまいりたい、さらに内容の徹底を図っていきたい、このように考えております。
○加地委員 ただいまのお答えを、聞き間違ったら失礼なのですが、もう決まったものを、実はこういう根拠なんだということで事後的に説明、発表するということじゃないかと思うのですけれども、あらかじめこういう意見を広く聞く、別に機関がなくてもいいのかもしれませんが、口があって耳があれば、自由に物を言って、自由に聞いてもどうもない日本の世の中でございますから、何か特に補正係数決定について広く関係団体の意見を前向きに求めるというようなことはお考えになっておりませんでしょうか。
○石原政府委員 決定いたしました補正係数の積算の過程、根拠、こういうものについてできるだけ詳しく公にしておるわけでありますが、これは御指摘のとおり事後的な処置でございます。そこで、毎年度、普通交付税の決定が終わりました段階、八月に決定をするわけでありますが、終わりました段階でその結果をも踏まえまして、また将来に向けて算定方法について各地方団体の改正意見を承るようにしております。これも、単に積極的に意見のある方から聞くというだけではなしに、例年ですと十月ごろでありますが、主として各都道府県の財政当局あるいは地方課あるいは市町村に対しまして、十月ごろにその機会をもちまして意見をできるだけ承る、そしてその御意見の中で法律改正をするものは来るべき年度の法律改正にこれを織り込んでいく。また、その中で補正係数等で具体的に省令で係数を決める段階で考慮すべきものはその段階で考慮していく、このような取り運びを行っております。 また、さらに交付税法の改正法案をお認めいただきますと、これから五月から六月にかけまして、その年度の交付税の具体的な算定作業に入っていくわけでありますが、その段階におきましても、できるだけ各地方団体の御意見を承る、このように努力いたしております。
○加地委員 現在でもいろいろな地方公共団体がございますが、この補正係数の決定の基礎を公にすべきだという意見が多くあることは、これは事実でございまして、いままでの御説明を聞いておりましたら、事後的にできるだけ根拠、基礎を明らかにしておられるとのことでございますが、やはりもっと明らかにしてほしいというか、特に不当に扱われておると思うところは何でや、何でやということで明らかにしてほしいということになるのであろうと思いますので、できるだけ公正さが担保され、共通の財源である地方交付税が親の遺産争いみたいにならないように、できるだけ公平に合理的に分配になるように将来も御努力を願いたいと思います。 それから、これは余り根拠のない話かもしれませんが、東京都などについていままで補正係数が不当に引き下げられていたということが言われておる向きもあるのでございますが、こういうことをお聞きになったことがあるでしょうか、あるいはまた、こういううわさ的なことについて、自治省の方で何か真相について語っていただけることがあったら語っていただきたいと思います。
○石原政府委員 ことしの三月ごろだと記憶いたしておりますが、東京都の新財源構想研究会というところで東京都の財源問題についていろいろな角度から研究し、その成果を発表しておられるわけですが、その中で現在の地方交付税の算定が合理的でない、特に東京都のような大都市を抱えた団体にとって適切でないという趣旨の意見を発表しておられます。 これの根拠としては、最近における二十三区を含めます東京都の交付税算定——東京都は御案内のように交付税が交付されていない不交付団体でございますが、その東京都の交付税算定の基礎となります基準財政需要額について、主として補正係数の推移を追いながらこれが年々大幅に切り下げられてきていることを指摘して、これが非常に不当であるという趣旨の発表をされたわけでありまして、この内容については、私どもの担当しております交付税算定にかかわる問題でありますから、私どもも詳しく拝見いたしております。 その指摘について率直に申しますと、私どもがこれまで行ってきた補正係数の改定等について、十分内容なり背景が御理解いただけなかったということがあるのではないかと思うわけであります。いろいろな問題があるわけでありますけれども、全体として申しますと、大都市に適用されております補正係数のうち普通態容補正、その中の特に行政質量差にかかわる補正係数が傾向的に下がってきていることは事実であります。ただこの点は、普通態容補正と申しますのは、各地方公共団体が置かれております地域の都市化の程度に応じまして、都市化が進んでいる地域ほど各般の行政需要が割り高につく、こういう事実に着目して補正を適用しているわけでありますが、その都市化の程度に伴う行政の割り高傾向は逐年差が縮んできている。言うなれば行政の都市化が全国的に一般化するというか都市化が普及するといいましょうか、そういう傾向から多くの行政について、逐年田舎の都市と大都市との差が縮小してきているわけであります。 そこで、このような事実に着目いたしまして、交付税の算定上、特に都市的な財政需要にかかわるものにつきまして単位費用の積算内容を年々充実してきております。そのことと対応いたしまして、大都市に対する行政質量差係数というものを引き下げてきているわけです。要するに大都市と中都市、小都市相互の行政コストの差が補正係数でありますから、都市化が全国的に平準化してまいりますと、コストの差がなくなってくるわけであります。相対的に大都市に対して田舎の都市の行政水準が追いついている、追いついていく過程においてコストの差も縮んでいく、その点を反映させるためには単位費用を引き上げて補正係数を引き下げていく、このようなことが必要になってまいります。 私どもは、毎年度補正係数の内容とそれから現実の行政需要とを対比しながら、係数が妥当であるかどうかの見直しをしてきておりまして、ただいま申し上げましたように、都市化の平準化に伴い行政コストの差が縮小してきているという事実を交付税計算の上に的確に反映させるように補正係数を改定してきているわけであります。この点について、結果として大都市の場合には率が下がってきておりますから、このことが不当な引き下げではないかという御批判になったのではないかと思いますけれども、私どもは、すべての地方団体がひとしく標準的な行政を保障されるようにという交付税制度の理念に沿って係数の見直しも行ってきているつもりでございます。
○加地委員 時間がございませんので、ちょっとほかのことを聞かしていただきます。 地方の時代と言われるようになりまして、新広域市町村圏計画、こういうものが強く言われ出しました。それを裏づけるものとして、財源の問題として地域総合整備事業債の充実ということが当然に考えられるわけであります。ところが、この事業債に対しての償還財源をどうするかということについて、当然に一部を地方交付税によって財源措置をしていかなければならないと思うのでございます。自治省の方でもそういうお考えだと思います。ところが、去年もたしかこういう計画は出されたけれども、財政的な措置は何もなかったかのように聞いておりますし、またことしもそういう計画的なものは言われたけれども、結局各地方自治体に、ことしもまた交付税で見ることはできないんだというおふれが回っておるようにも聞くのでございますが、真相はいかがでございましょうか。
○森岡政府委員 地域総合整備事業債は、いまお話しのように、新広域市町村圏計画をこれから策定していただきまして、それに必要な諸施設の建設費等の財源として充てる地方債と考えておるわけでございます。そういう意味合いで、まず計画が固まらなければいけないということが第一前提としてあるわけでございます。 と同時に、その計画がまさしくその地域の自主性に基づくものではもちろんありますけれども、将来を見通した住みよい環境づくりというものに本当にマッチしたものであることが必要だろうと思います。その中にはかなり先行的な施設整備もありますれば、あるいは当面の住民の生活環境の改善というものもありますれば、いろいろなものがその中に組み込まれていくだろうと思います。同時にまた、市町村だけの仕事ではございませんで、都道府県のプロジェクトもその中に入ってくる。私は、それらの各新広域市町村圏計画の策定をまちまして、その中で地方交付税で財源措置すべきものがどういうものであるのかというのを具体に積み上げて詰めてみたいと思うのであります。その前に、こういうものは見ます、こういうものは見ませんということを先験的に決めてしまうというのはいかがかと私は思うのであります。 いま一つの問題は、新広域市町村圏計画のほかに、定住圏構想の具体化でありますとかあるいは田園都市構想問題、いろいろあるわけで、新たな地域づくりの理念があるわけでございまして、また各省それぞれお互いに調整しながら、モデル定住圏その他の圏域づくりの施策を考えておられます。そういうものとの調整も考えてまいらなければなりませんし、またそういうものについては交付税ではなくて、別途国費による何らかの財源措置も考えていかなければならぬだろう。したがいまして、そういう新たな国費による財源措置がどのようなものが考えられるのかということとの関連も見ていかなければならない。 そういうふうなことで、現段階では新広域市町村圏計画の具体的な策定の結果と、それからいろいろなモデル定住圏その他の圏域設定及び計画策定及びそれに対する国の財政措置の帰趨、その辺を十分見定めて決めたいという感じでございまして、初めから交付税でこれだけのものを見ますということを決めてしまうのはいかがかという気持ちでおるわけでございます。
○加地委員 ところが、そういう趣旨が十分に伝わってない空気もあるように思うんですね。せっかく、去年もことしも大枠としての金額だけは線香花火のように打ち上げられたけれども、結局それはゼロだった。また各市町村なりそれを越えた都道府県段階の地方でも、新広域市町村圏というのが一体どういう中身のものかということについて戸惑いがあることも事実だと思うのです。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 十分な計画なしに金を出すのはもったいないことでございますけれども、自治省の方でも、線香花火を打ち上げるだけという印象にとられないように、もう少し前向きの指導力等も発揮していただいて、こういうものについてはこういう金が実際に出ますよというような強力な指導力も発揮されなければ、いままでこういう計画が幾つもあってはどれもこれもしり切れトンボ、いつの間にやら地方より中央集権だという空気がまた戻ってくるとか、そんなことばかりやっておりますので、今度こそ本当に地方のよさを発揮していくためには、いいものは成功させていかなければいかぬと思いますので、本気で前向きに指導力を発揮して取り組んでいただきたいなと思う次第でございます。 時間でございますので、終わらせていただきますが、一言だけ……。
○森岡政府委員 線香花火ではなくて、隅田川の花火程度のりっぱなものになるように自治省といたしましては全省挙げて努力いたしたいと思います。
○澁谷国務大臣 私どもは、田園都市構想の具体化に当たって、この総合整備事業債というものは推進の大きな柱にしたい、こういう大きな期待を持って考えておるわけでございます。
○中山(利)委員長代理 次に、佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 四月の何日でしたか、自治省が昭和五十二年度の国保税に関する調べというものをまとめて発表しております。そのことについていろいろお伺いしたいのです。 私ども地方市町村を歩いて回りまして、どこへ行っても一番大きな問題になるのが国保の問題です。ところが、これは国会には余り届いてこない。何というか県が取り上げてない。それから実際の中身は厚生省がやっているのに金の帳じりを締めるのは自治省がやっておる。どっちも市町村が国保でどのくらい苦しんでいるかということは理解しているのか、していて知らぬふりしているのか、あるいは理解してないのか、私どもは非常に疑問に思っております。いまでは市町村の財政上の非常に大きな悩みになっているばかりではなくて、国保の被保険者にとっては苛斂誅求、これほど重税はないというような非常に大きな負担を感じております。しかもこれがどこかでストップがかかるかあるいは減税になるかというと、そういう見通しはさらさらない。どこまでもかなり高額な率で毎年どんどん増額されていく。一体これで被保険者が負担にたえることができるかどうか。特に最近は不況の関係で高度成長のときみたいに所得が伸びてない。それなのに国保税というものはとどまるところを知らないで新幹線みたいな勢いでどんどん伸びていっている。これを一体どうするかということが非常に大きな問題です。これは自治省にとっても国保税を管掌しているので非常に大きな問題として考えていただきたいと思うのです。 五十二年度の国保税に関する調べの中でそれがはっきりと出ている。これは五十二年で、いまはこれよりもっとひどい状態になっていると思いますが、よく言われておりますように、低所得層が非常に多い。これを見ますと一目瞭然です。「国保世帯を総所得金額等の段階別にみると、」と書いてありまして、百万円から百五十万円が一六・二%で最も多い。百五十万円としても月収にしますと十二万円ぐらいです。それから七十万円から百万円が一五・二%、百五十万円から三百万円が一四・九%、五十万円から七十万円が一〇・三%、所得のない者が一四・八%ある。百万円以下が六二・四%、三百万円以上は六・五%、こういうような状況になっておるわけです。これは五十二年ですから多少は上がっておるかもしれませんけれども、現在の低成長下ではほとんどこれに似たものだと思うのです。これは大変な所得の低さであります。最低の所得です。一番高い百五十万円から三百万円が一四・九%しかありませんから、国保の加入者の所得層がいかに低いかということが如実にあらわれております。それと同時に、いま話しましたように、この国保税が非常に高くなっている状態についても最近は新たなる問題が起きてきていると私は思っております。これを見ますと、五十二年度の一世帯当たりの国保税は六万一千五百二十二円となっております。これは五十三年から五十四年度、こういうふうになってきますと、どんどん値上がりをして二年たっておりますので二〇%掛けて計算しますと、五十四年度、ことしあたりは八万七、八千円の段階になっているだろうと私は思います。非常に高いのですね。ことしは限度額を二十二万円に上げました。これを二十二万円に上げますと、農村部の平均でいきますと十五万円ぐらいになるんじゃないかと思っております。 それで、最近出てきている傾向を私は少し秋田県なんか調べてみたのですが、この国保の税金の一世帯当たりの平均額、これが同じ県内においても非常に格差が出てきている。というのは、町村部と都市部、これが非常に違ってきているのです。秋田県の例でありますけれども、いま正確にこういうふうに数字は申し上げませんが、農村部に行きますと、五十三年度の保険税でもってほとんど軒並みに十二万、十三万、ひどいところだと十四万だの十五万だのというところがある。だから二十二万円になりますと、恐らく十五万平均くらいになっていくのじゃないかと思います。それに対しまして市部はどうなっているかと見ますと、まだ十万まではいっておりません。ことしの私のところの大館市のがあるのですが、五十二年度が七万五千二百六十六円。だから大体いまでいきますと、八万二、三千円か八万円ちょっと過ぎたぐらいじゃないかと見ています。所得の非常に少ない中でもまた収入の少ない町村部が一番高くなって、比較的収入のある市部が安い。だから、このままの勢いでどこまでも進んでいきますと、最も所得の少ないところに一番過酷な税金としてこれがかかっていくということになります。ここいらのところが非常に大きな問題になるわけなので、厚生省と自治省と両方の側にお聞きしますけれども、一体この負担増というものにいまの不況時代で国民はたえていくことができるのか、あるいはまたこの国保税がどんどん高くなっていくのをどこかでストップをして安定させることができるのか、何かそういう見通しがあったらひとつ両方からお聞きしたい。
○黒木説明員 お答えいたします。 国保税が大変高いではないか、あるいはそれが市町村財政の大変な圧迫になっている、特に低所得者が多いために非常に過酷な国保税になっているのではないか、それがどの辺まで今後負担増を強いるのか、こういったあたりの御質問だったと思うわけでございますが、先生御案内のように、国保制度に対しましては、低所得者が非常に多いあるいは老人層が多いというようなことから、かねてより非常に手厚い国庫の助成を私どもはしているつもりでございます。五十四年度予算で二兆円に近い国庫助成金を用意いたしておりますし、低所得者に対しては保険料を軽減する制度を持っておりまして、保険税の軽減に対しては、軽減された分全部国の方で見るといったような制度もあわせてとっておるわけでございます。そういうふうに医療保険制度としては世界で比を見ないような手厚い巨額の国庫からの助成をいたしております一方、低所得者に配慮しました政策もあわせ行っておるつもりでございます。 しかし、先生御指摘のように、医療費の方が年年相当の勢いで伸びているというのが現実でございます。これは人口が老齢化いたしますとか、あるいは医療内容が高度化いたしますとか、あるいは老人医療のように制度が充実することによる受診が多くなるとか、そういったもろもろの要素によりまして医療費が物すごいスピードで伸びておるわけでございます。低経済成長下の中において、経済成長を上回るスピードで医療費が伸びておるという先生の御指摘は、まさしく私ども厚生省としても大いなる悩みがあるところでございます。したがって、いまのままで伸びていきますと、過去のトレンドを見ますと、年平均一五%ぐらいの医療費の伸びになるわけでございますが、それでいきますと、国民医療費が現在十兆円が五十八年には二十兆円という巨額なものになる。したがって、これに伴います負担増も、当然いまよりも二倍の負担増を国民にお願いしなければならない、そういうマクロ的な、中期的な予想を立てておるわけでございます。 したがいまして、今後わが国の経済を見ますときに、数年後に二倍の負担が大丈夫かということが大変私どもの解決すべき課題の一つでございまして、厚生省といたしまして医療保険制度全体を基本的に見直そうということで、今後の国民医療費の伸び、国民の負担できる国民経済成長の伸び等を総合的に勘案して、このままの伸びでは国民の負担としては重くなるのではないか、何とか医療保険全体にメスを入れまして、国民の負担が軽減できる適正な医療に持っていく方法はないのかということで検討いたしまして、ただいま国会に健保法の改正案というものを提出いたしておるところでございます。これを医療保険制度改革の第一段といたしまして、引き続き国民健康保険制度の改正あるいは老人医療の改正、こういったものを計画いたしておるわけでございますが、健康保険の改正につきまして世論、国民のコンセンサスが得られないとなかなかむずかしい問題がありまして、まだ方向が国政の場で定かではないわけでございますけれども、確かに先生から御指摘いただきましたように、医療費の伸びが非常に高いために、その負担をどうするのかというのが大変な私どものテーマでございまして、医療保険全体を基本的に見直しまして、適正な国民の負担の中で国民医療の確保ができるような道を選択してまいりたい、かように思っている次第でございます。
○土屋政府委員 先ほどお話しがございましたが、国民健康保険税、料と両方ございますけれども、税の方は私どもが担当いたしておりますが、年々負担が増加しておる。一方また、この国民健康保険財政そのものにつきましても、五十二年度においてかなりな団体が赤字を出して、累積赤字が九百億を超えておる、こういったこともございます。そういったことからいろいろと問題があることはもうお示しのとおりでございます。ただ、基本的にこの国民健康保険は、必要な保険給付を行う社会保険の一種であるということでございますし、それに要する費用は、保険制度のたてまえから国民健康保険の加入者が相互に負担をするということになっておるわけでございまして、最近のように医療水準の向上等によって医療費が年々増加をいたします場合は、被保険者の負担が増加するということはどうも避けられないわけでございます。その性格から見ればそうでございますけれども、実際にはいまおっしゃいましたように、負担にたえられるのかどうかといったいろいろな問題がございます。現在でも、先ほどもお話しがございましたように、国庫によるいろいろな助成等もあるわけでございますが、この問題はきわめて根本的に検討を要する問題でございまして、終局的には国民健康保険を含む社会保障制度全般の体系的な整備の中でそのあり方というものを考え、解決すべきものだと思っておるわけでございます。 私どもとしては、市町村の税として取る立場からは、課税方式の改善とかあるいは課税限度額の引き上げとか、いろいろなそういった技術的なことは検討いたしておりますけれども、基本的な国民健康保険財政、その問題になってまいりますと、厚生省と同じ立場において、基本的にいま申し上げました社会保障制度全般のあり方という中で考え直していかないと、単に税制度だけではどうにもならない問題だというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 この問題も非常に古くて新しい問題なんですよね。私はいつか齋藤厚生大臣時代に健保の問題で質問したことがあるが、同じようなことを言う。あの当時の答弁とあなた方の答弁と全く同じなんですよ。問題は、あなた方健保を何とかすればできるとかなんとか言っているけれども、あんな半端なものでこんなことが解決できたらりっぱなものだ。解決なんかできない。もっと問題は、たとえば医療費がどんどん多くなるということはみんな常識になっている。薬づけ的診療だとか一点単価請負方式だとか、ああいうもののためにどんどんこういうのが伸びていっておることは明瞭なのです。ほとんどいまじゃ常識だ。そういうものを解決しようとしないで、ただ財源調整だとか、そんなことをやってたって、全体として医療費がどんどん上がっていけば同じことですよ、どこかにその負担がかかっていくからね。私は深くは追及しませんけれども、いま自治省の局長が言われたけれども、私は自治省にもかなり問題があると思うのですよ。これは負担にたえられなくなったら一体どうするか。この問題から納税者のことを考えてみたら、これは厚生省で実際にやって、ただおれはできたのに金を払うだけだ、これは原則として加入者がそれを全部負担することになっているということだけで済むならばこんな問題は出てこないのですよ。見ていますと、本体は厚生省が皆やっておるわけだ、ただおれたちはサブだという考え方しか持っていないんだな、自治省は。だから納税者の本当のあれになって、こんな過酷な税金あるのだったらば、住民税なり何なり、そんなのと同じように、それをどうするかということと同じように、やはりこれは自分の税金ですよ。内容は医療費だから厚生省かもしれぬけれども、実際に取り扱っているのはあなたらでしょう。住民税なんかならば一生懸命下げるとか上げるとか何とかして一生懸命やるけれども、国保税に関してはほとんどもう言いなりでぽんぽんぽんぽん毎年上がってきている。どんどん上がってきているでしょう。毎年毎年上限が何ぼでも上がっていくでしょう。いつどこでこれはとまるのですか。五万円になったり、七万円になったり、九万円になったり、十二万円になったり、十五万円になったり、どんどん上がっていま二十二万円でしょう、こんなばかな話がありますか。あなた、住民税になると一生懸命考える。そうしたら、国保税というものは考えたことがありますか。言いなりで毎年上がっていっているでしょう。こういう非常に過酷な税金というものをあなた方実際に賦課して取るんだ。これは自治省の問題だ。それを自分の問題として考えないところにこういう問題が出てくる。 〔発言する者あり〕
○中山(利)委員長代理 ちょっと速記を停止してください。 〔速記中止〕 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○松野委員長 速記を始めて。 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 ちょっと中断してしまいましたけれども、先ほど、同じ県でも、同じ地域でも市部は比較的安いけれども、一番所得の低い農村部、町村部が非常に高くなっている、これはもう大変なことだと思うのですよ。いま二十二万円に限度額を引き上げた。そうすると、一世帯当たりの平均額が大体十五万円くらいになるだろうと私は思います。そうしますと、これも質問すると、これは平均だから大丈夫だと言うのですね。高い人はうんと納めるし、所得の低い人はよけい納めないから大丈夫だと言う。ところが非常に差が狭まっているのです。一億も所得のある人と百万しか所得のない人と大きく分ければ、下の人がよけい納めないで上の人がうんと納めるけれども、そうじゃないのです、国保の加入者の場合は。上が非常に低くて下も低いから低いところばかりなんだ。大体十五万円というのは、入っている人の大部分に十五万円近いものがかかっているのですよ。非常に差が少ない。いま一番よけいな人で三百万円くらいの所得でしょう。しかし三百万円は一番多い方です。もっと下の人がたくさんいるのです。大体平均額というのが一番多くかかっている。だから、これは一番所得の低い人に一番重い税金がかかっていく。ある意味では、医者にかかって自分の病気を治すのだからあたりまえだと言えばあたりまえですけれども、一般的なあれから見ると、非常に不公平な税金ですよ。所得のないところにうんと高くかかっている。国保全体がそうですね。さらに国保の中でもそういう傾向が出てきているのですよ。だから、これをよく考えてもらわぬと、いまあなた方のあれを見ていると、全体のあれを基本的に見直さなければいけない、社会保障全体の見直しが必要だと言うけれども、一体いつ見直しをして、いつできるのです。あなたがさっき言ったように、もう五年たてばいまの十逃円が二十兆円になるのですよ。もうとても二倍の負担ができるかどうか、一番頭にきていると言うでしょう、あなた。問題だと言っている。そうすれば、たったいまの問題なんですよ。二十兆円なんてすぐそこへ来ている。いきなり二倍になるのじゃないですからね、どんどんふえて二倍になるのでしょう。どんどんこの負担が高くなっていく。これはたえ得るかどうか、あなた方心配している。しかし一方では、たえ得るように全体の計画をやると言うけれども、それでは一体その計画はいつやって、いつごろこれができるか。もう遠い将来の話じゃないのですよ。たったいま二十兆円という医療費が来てこうなるのですよ。それを何とかしなければ困るとあなた方は言っている。じゃ、具体的にいっどういうことをしてどういうふうにするのか、具体的なことがもうわかっていなければ何にもできないじゃないですか。じんぜん日を暮らして、二十兆円になって負担が二倍になるのをあなた方見ているつもりですか。ひとつそれを両方で答えてください。
○黒木説明員 お答えいたします。 御指摘の問題の一つは所得階層間での負担の不公平と申しますか、低い方へ負担が多大にかかっているのではないか、こういう御質問でございますが、私どもとしては今回の二十二万円の引き上げもそういった意味での負担の公平のために必要な措置であるというふうに実は理解をいたしておるわけでございます。御指摘のように、国保の保険税は所得に応じて取ることになっておるわけでございまして、高い所得の人は高い保険料を、低い所得の人はもちろん低い保険料となっているわけでございますが、そこで、高い人の保険料を所得等の伸びに応じて引き上げないと低い方に負担が過重になる、こういうことでございますので、二十二万の引き上げをお願いをしているということでございます。しかし、御案内のように、国保の保険料は保険者が必要とする給付費の三分の一程度でございまして、被保険者が受給される療養の給付費と申しますか、医療のサービスを受ける場合の必要な金の三分の一程度を保険料にお願いしておりまして、三分の二程度は国の方で見さしていただいておるわけでございます。 そういう中で保険料がさらに高いかどうかということでございますが、これは各保険制度とも年年保険料が高くなっておるわけでございまして、国保の被保険者だけが過大な負担になっているとは考えておりません。ただ、言われるとおり、老人の割合等が多いために、年々国保の保険料負担がきつくなっているという事実はあるわけでございまして、したがって、国保の制度をどうするかという基本には、老人医療問題をどう解決するかということを国保制度の改革の第一というふうに考えておるわけでございまして、老人医療費の問題についても鋭意取り組んでおるところでございます。 いつになれば実現するかというむずかしい御指摘でございますけれども、おっしゃるように医療費の問題は複雑でございまして、薬づけの医療をどうするか等の御指摘もございましたように、医療の中身の問題から各般にわたる問題点を含んでおるわけでございます。そういう点を総合的に基本的に見直そうということで、私どもは十四項目と申しておりますけれども、国会の方に医療保険について十四項目にわたって抜本的に見直そうというスケジュールを示しておるわけでございまして、負担やら給付を平等にするということから始まりまして、国民の健康づくりを推進する、あるいは老人医療の問題を整備する等々を含めまして各般にわたる項目を、いつの時点にどういうふうに解決するかという手順も示して国会の方に明らかにしておるわけでございます。 それに沿いまして、今回、改革の第一段と私ども言っておるわけでございますが、健康保険法の改正を提案いたしておりまして、その中で、患者さんに薬代の半分を持っていただこうとか、入院した場合の給食相当額を持っていただこうとか、そういった意味でのいろいろな改革の中身を盛り込みながら各制度間の給付を平等にし、負担を公平にするための基本的な見直し作業をこれから進めていこうということでございまして、いつの時点にどういうふうに実現するかというのは大変申しにくいわけでございますが、国会の方の御審議の関係もございますので、私ども政府としては、一応の手順、計画を持って取り組んでおるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○佐藤(敬)委員 国がうんと金を出しているのはわかりますよ。しかし、国が三分の二も金を出して、残りの三分の一だけ負担してもこんな大変な重税になっているというところに問題があるのですよ。国が金を出してないとは言っていません。確かにそのとおりだけれども。 それから、二十二万円の問題でまだわからないのですが、うんと所得に差があればいいですよ、累進課税みたいにいければ。ところが国保の加入者は上がうんと低いのですよ。だから上を幾ら上げても、うんと金持ちな人がごっそり出すような形にはならないで、結局負担は平均してかかっていくのですよ。そこのところをよく考えてもらわないと、ただ上を上げればよけいの所得の人が負担して所得の少ない人が助かると言っても、あるとしても、この場合はほんの少しある程度なんですよ。上を上げれば全体が上がっていくのですよ。累進課税みたいに下を抑えて上だけ上げるというのではないのです。そこのところに問題があるのですよ。私はもう申し上げません。これはそんなに長く聞くはずではなかったけれども、途中で休みが入ったりして長くなったのですが、ひとつ真剣に考えてもらいたい。 特に、皆さんが出しているのはうなずける点もあるけれども、ある意味では全然うなずけない。あなたがさっき言ったように、自民党のコンセンサスもできなければ国民的なコンセンサスもできない、あんなものでは困るというものを出しているのだから。二十兆円もかかるというのは大変な問題ですよね。それでは、これを一体どうするかということをもう少し根本にさかのぼって真剣に考えてもらわなければ、いつも武見さんに負けてばかりいて引っ込んでいたのでは、これは何ぼしたって解決できないですよ。ひとつ勇を鼓してやってもらわぬと、二十兆円にもなったら本当に大変な問題ですよ。とうていやっていけないと思うのです。命を助ける医療が人間を殺すような羽目になりかねない。いまでもそうでしょう。大変な金がかかるのですよ。少しかかり過ぎる。国民経済からいってもこれは大変な問題だと思うのですよ。 この間、社会党が医療調査団を組んであっちこっち回って歩いて、私も参加しましたが、日本の医療というものは、病気になったのを治すという治療主義に偏り過ぎているのではないか。もう少し病気を早期発見する予防的な、それからもっと根本的になれば、体力を養成するようなことにもっともっと重点を注いでいかないと、病気になったのを治してよけい薬をやればもうかるというような形では、総体として医療費というものは抑えることができないと思うのですね、もっと急がば回れをやらなければ。 たとえば、いま日本で組織的に予防医療を大規模にやっているのは保健所しかないでしょう。その保健所の状態はどうかというと、たとえば、ぼくらは兵庫県の淡路島へ行って調べたのですが、保健婦が一人で何人持っているかというと、淡路島のあるところでは七千人ぐらい持っている。神戸へ行くと一人で七万人ぐらい持っているところがあるのです。これはもう何もやらないと同じなんですよ。しかし、やってないかというと一生懸命やっている。そうして保健婦さんが行っていろいろやったところは、病気を早期に発見したりして非常に感謝されている。だから、そういう点からいくと、むしろ保健婦をふやして、そして病気を早期発見して医療費がよけいかからないようにしてやれば、保健婦の給料はかかるかもしれぬけれども、国民経済全体からいけば逆にプラスが出てくると私は思うのです。ところが、いまの状態は逆に、保健所というのは何にも役に立たないからつぶしてしまえという傾向なんですよ。予防医療どころではないのです。金がかかるからというのでつぶす計画をしているのです。私は、あの機能を十分に働かせたら十分ペイすると思うのですよ。保健婦さんがどのぐらい必要かと思っていろいろ聞いてみましたら、大体一人で三千人ぐらい持っていればまず総体的に手当てができるのではないかということを言っているのですが、やはりそういうようなことを考えるべきじゃないでしょうかね。 それから、いま西ドイツでやっているゴールデンプランみたいなことを日本では笹川良一さんが、BG財団ですか、やっているけれども、これはやる人がおかしかったから失敗してしまったんですが、何かしらああいうことでもって国民全体が運動をやって体力をつけていくということを考えるべきではないか。三〇%は消化器の病気だそうですが、これを治すために一番いいのは運動をやることだと言っている。ちょっとでも何かやれば必ずペイすると私は思いますよ。 だから、そういう遠回りなことからでもいいからもっと根本的なことを厚生省でも考えるべきだと思うのです。ただ金が足りない、医療費がふえるだけではなくて、そういう大きなことから解決してこないとこれはなかなか解決しない。最後には、さっき言ったとおり、本当に医療費が人を殺すようなことになりかねないですよ。自治大臣、これはあなたの問題でもあるし、あなたは自治大臣でもあるし国務大臣でもありますから、いまの体力の問題というのは文部省の問題かもしれませんけれども、ひとつよくお考えになっていただきたい。最後に大臣の所見を伺いたいと思います。
○澁谷国務大臣 御指摘の国保の問題は本当に大変な問題だと私は考えております。とにかく医療費が四、五年のうちに倍にもなって、二十兆だということを考えますと、まさに医療保険のあり方全体を見直さなければならぬ時期に来ておるということは、これはもう常識になっておるわけでございますから、御趣旨を体して、内閣全体としてこの問題に真剣に取り組んでいかなくてはならぬと考えております。
○佐藤(敬)委員 自治省にお伺いしますが、五十二年度の交付税の審議のときに、交付税率をアップしろというので野党が修正案を出しました。そのとき、自民党さんにとうとう同調してもらえなかった。そのときの政府や自民党さんのなぜ同調しないかという理由の一つに、交付税率を上げても結局また赤字が出るのではないか、そんな中途半端なことをしても何にもならぬというのがありました。お伺いしますが、いまでもそういうふうに考えていますか。
○森岡政府委員 自治省といたしましては、地方交付税の増額と地方独立税の増強、これが地方財政を立て直す二つの大きな柱だと考えております。 そこで、地方交付税の増額をいたします場合に、交付税率の引き上げと交付税の対象税目の拡大、この二つの方法があるわけでございますが、私どもは、交付税率の引き上げというのはベストの方法であり、また交付税対象税目の拡大もベストの方法であると思っております。両方を併用できるか、あるいはそれぞれ別のどちらかを選択するかという問題になるわけでありましょうが、交付税率の引き上げを考えます場合に、何と申しましても国、地方の財源の総量というものが一つの決め手になることは否定できない、これは御理解いただけると思います。現在の国の財政状況から申しますと、いかにベストの方法でありましても、そこには大きな壁があり現実問題として困難である、これは否定すべくもないところでございます。恐らく五十二年度の時点で中途半端というふうなことを申し上げたかどうか、そこのところを私は十分つまびらかにいたしませんが、仮に現在の大幅な財源不足を全部交付税率の引き上げでやれば、ちょっといま数字を申し上げるのは、当時の財源不足額に対しまして正確な数字を持ち合わせませんが、非常に交付税率が高い率になって、制度として非常に現実性を欠く、こういう感じのお話なり御答弁をしたのではないかというふうに私は思います。当時の御質疑の状況につきましていきさつを十分承知いたしておりませんので、あるいはお答えとして適当でないかもしれませんが、仮に、もし中途半端というふうな話が出たといたしますれば、そういうふうなことではなかろうかと思います。 いずれにいたしましても、交付税率の引き上げあるいは対象税目の拡大という二つの方法があるわけでございますけれども、できるだけ早い機会に、そういう抜本的な交付税の増強のための基本的制度改正、かつ恒久的制度改正というものができますように最善の努力を尽くしたいと思います。
○佐藤(敬)委員 あなた方が考えておられる抜本的な解決をする手段というのは、地方消費税あるいは政府の一般消費税、このことを指しておりますか。
○森岡政府委員 まず、国、地方を通じまして公共部門の財源の総量をふやさなければ、現在の大幅な財政収支ギャップをカバーできない。したがって、また、将来にわたって国民のニーズにこたえていけない、これはもう明らかであります。そこで、国、地方を通じまして大幅な財源の不足を解消いたしますためには、やはり何らかの形で一般的な租税負担の増加を国民に求めなければならない。その場合に、いかなる税目によって行うかということになろうかと思いますが、既存の税目の見直しあるいは既存の税制の増税という道ももちろんあるわけでございましょうけれども、いままで政府の税制調査会で論議されておりました経緯から見ましても、それのみによって現在の事態を改善することはなかなか困難であろうというのが一般的な認識でございます。 そこで、何らかの形の新税というものを考えなければならないのではないかという税調の論議が進んでまいりまして、昨年、いま御指摘の一般消費税、地方には地方消費税というものを一つの大きな提案といたしまして出されたわけでございます。政府もそれを踏まえましていろいろ検討いたしました結果、五十五年度中にできるだけ早い機会に導入ができますように諸般の準備を進めるということになっております。そういう意味合いで、有力な候補者であるというふうに私どもとしては考えております。
○佐藤(敬)委員 あの当時、交付税率を引き上げてもしようがない、それじゃ一体どうするかというと、国の財政がよくなれば何とかする、こういうことなのですが、それがいま思えばこの一般消費税あるいは地方消費税、こういうことなのですけれども、いまのお話を聞いても、まず根本的に立て直す時期というものは、地方消費税を実施するあるいは一般消費税を実施する昭和五十五年度、ここのところで根本的に全部を見直して立て直しをする、こういうことですか。
○森岡政府委員 現在の財政の状況は、五十年度以来非常に長期にわたりまして税収の伸び悩みが続いております。一方、歳出の増加要因が重なってまいっておりますから、このようないわゆる借金財政を長く続けるということは、これはもう限界に来ていると思うのでございまして、そういう点から考えますならば、やはり五十五年度というのは基本的な、国、地方を通ずる税財政制度の改正に踏み切る時期ではないか、私はかように考えております。ただ、基本的な税財政制度の改正と申しましても、一挙に国、地方を通じまして十兆円を超えるような財源不足の片がつくようなことは、それはやはりそう簡単にできるわけではございません。したがって、五十五年度は踏み込むべき時期だと思いますけれども、やはり最終的に財政の健全化を図り得る時期というのは、それからやはり数年後、たとえば地方財政収支試算におきましては五十九年度というのを一応のめどにしておりますが、ということに相なってまいるのだろう、かように考えております。
○佐藤(敬)委員 それではお伺いしますけれども、たとえば五十五年度に消費税が実施されて、そしてどのぐらい来るかわかりませんが、一応の再建のめどがつく、こういうことになれば、なればじゃない、そういうことにする。五十五年度に一般消費税なり地方消費税なりが実現すれば、そこのところではっきりとしためどが立つ、こういうことですか。
○森岡政府委員 一般消費税なり地方消費税の税率をどうするかということについての明確な結論がまだ出ておるわけではございません。税制調査会の一般消費税大綱においては五%という税率が一応示されておりますけれども、その大綱で示された率でもっていくのかどうかということについてはまだ決まっておるわけではございません。それからまた、一般消費税については、非課税、免税範囲その他現在の各種の間接税との調整、いろいろな問題を残しておりますから、そういう状況でありますので、五十五年度に仮に一般消費税の導入ができたとしても、直ちにその時点で財政の立て直しが完全に片がつくというふうには、先ほども申しましたように思っておりません。地方財政収支試算におきましては、これは一応の試算でございますので必ずこのとおり行くわけではございませんけれども、その後やはり租税負担の増加を逐年国民の理解を得つつ求めてまいりまして、五十九年度にはおおむね財政の健全な姿を見通せる、こういう見通しを立てておる次第でございます。
○佐藤(敬)委員 いまやっているのは、あなた方は法の改正だと言っているのですけれども、この二分の一方式というもの、これは来年度になるとやめるという見通しは全然ないわけですね。五十九年度までこの方式を続けるのですか。
○森岡政府委員 その前に、いま御質問のあります基本的な税財政制度の改正がどのような形で実現できるかということが大前提でございます。しかし、先ほど言いましたように、基本的な税財政制度の改正によって単年度で一挙に片がつくわけではございませんから、その間数年間はやはり経過的な措置は必要であろう。そうでありませんと、各府県、市町村の必要な歳出要因にこたえていくことができませんから、その間におきましては、いまの二分の一国庫負担ルールというものもあわせて併用していかなければならないということも考えておかなければいかぬだろう、かように考えております。
○佐藤(敬)委員 いま消費税がどういうふうになるかわかりませんけれども、言われているところを見ますと、大体まず五%ぐらいに落ちつくのではないか。大蔵省あたり一〇%ぐらいにしたいようだけれども、世論の反発があってだめだというので五%に大体落ちつくのではないかと思うのですが、この五%というものを大体標準にしてみますと、これはとてもこのままで地方財政が再建されるなどということはちょっと考えられないのですが、国と地方で一体どのぐらいの配分になるかわかりませんが、この五%で大体三兆円取れるといいますが、一体地方にどのぐらい来ると思っていますか。見通しでもいいですよ。
○森岡政府委員 そこが一般消費税導入に際しての国と地方との財源をめぐる最大の焦点になろうと思います。前々当委員会においてお話ししておりますように、また先ほどお話しいたしましたように、税調の税制改正大綱、これは大蔵省も合意といいますか十分理解をしておるわけでございますから、一般消費税五%の税率のうち地方消費税を一定の率で創設する、こういうことになっております。しかし、地方消費税のみではいわゆる先進府県のみに財源が偏りますから、すべての地方団体に財源付与が均てん化するように、私どもは地方交付税と思っておりますが、大蔵省は交付税ないしは譲与税というようなお考えのようでございまして、そこのところはこれから詰めなければいかぬことでございます。その辺のところはやや煮詰まっておりません。しかし、独立税と調整財源という形で地方に財源を付与するということについては大蔵省も合意をしていただいているものと私は思っております。 ただ問題は、いまお話しのどういう割合にするのかということでございますが、ここは、正直申しまして一番の正念場になるわけでございますが、それにつきましては一般消費税の導入が決まるぎりぎりまで決まり切らぬと私は思います。地方財政の立場から言いますと、各府県、市町村が十分納得していただけますような財源の確保ということに最大限の努力をいたしたいと私は思いますが、現段階でどの程度確保できるかということにつきましては明言することは避けさせていただきたい、かように思います。
○佐藤(敬)委員 明言をしなくてもいいのですが、大体五%になって三兆円入ってくるとすれば、最大限に見まして、一般消費税と地方消費税の割合をどのぐらいに見るか。皆さんの方は三分の一よこせと言っているようですが、五、六千億ぐらいだとします、さらに、いま調整財源として一般消費税から地方交付税に一兆円入れたとすると一兆五千億ですね。三兆円のちょうど半分ですよ。国よりも地方が多く取る。仕事からいけば多く取らなければいかぬけれども、いまの国の状態からいけば、国も赤字ですからとてもよこせるはずはないと思うのです。何ぼ見たって一兆五千億、こんなに来るかどうかわからぬと私は思うのです。国はあと一兆五千億しか残りません。国のあの膨大な赤字からいって一兆五千億なんというのは焼け石に水ですよ。同じように四兆円も五兆円もあるような地方の財政にとってもこんなものは本当に焼け石に水、どっちも何にもならぬ、これで再建するなどということはとても考えられない。だから、どのくらい望んでいるかわからないけれども、そんなに大きな金が地方に来ることを国が認めるということはかなり問題があると思う。 そうすると、いま言ったように消費税、消費税と何でも全部消費税待ちだ。あなた方の話を聞くと消費税が万能薬みたいな話をしているけれども、この消費税でもって地方財政が解決できるなどとはちょっと考えられないのです。あなた方の話を聞いていると、本当に富山のこう薬みたいなもので何にでも効くような感じを受けるんだが、どうです。
○澁谷国務大臣 私どもは、一般消費税を富山の万能薬だというふうには決して考えておりません。一つは、景気の回復が一番大きな要因だと思うのです。幸いに日本の経済がようやく上向いてきておるわけでございます。わずか上向いてきたというだけで五十三年度の下期かなりの増収が現実のものとなってきておるわけです。ですから、ことしもこれから五月以降、石油の影響もありましてなかなか容易ではないと思いますけれども、日本の経済の回復が順調に進んでいくならば、予算編成のときに想定しておったよりはかなりの増収も期待できるのではないか、こういうふうに考えるのです。したがいまして、五十五年度、これはどうしても決断をしなければならない年だと私どもは思っておりますけれども、基本的には経済の回復だと思うのです。経済の成長を伸ばす。これによって国、地方を通じて税の増収が期待できるということが一番望ましい。 しかし、それだけに頼るわけにはもちろんいかない。そんな大きな経済の成長を期待することは無理でございますから、そこでいろいろと検討した結論として一般消費税を一つの柱にしよう、こういうことで考えておるわけでございまして、消費税をやればすべて解決というようなそんな安易な短絡的な考え方は毛頭持っておりません。
○佐藤(敬)委員 最近の状況を見ていますと、足りなければ借金をすればいい、仕事はどんどんしなさい、こういうようなことが何年も続いてきた。この結果、非常に安易なムードが漂っていると思います。 いま大臣は、そんな安易なことは考えてない、こういうふうに言っているけれども、たとえば昭和五十一年、五十二年のころ、福田内閣当時に行政改革をやらなければいかぬ、税財政改革をやらなければいかぬ、一生懸命、国と地方の間の事務、税財源の再配分をやらなければいかぬと一時非常にやかましく言われたのですが、いまはほとんどその声がない。そして、ただ財政の異常事態だとか臨時緊急避難だとか、そういうふうなことでもって真剣なそういうふうな検討、改革の意欲というものが薄くなって見送られてきているのじゃないか、こういうふうなことを強く考えます。政府の側は一時のような熱意が全然ないし、この間も公明党の権藤委員かの質問に対しても、では一体何をやるか。たとえばいま一般消費税をやるためにその前提として不公平税を退治しなければいかぬとか、いろいろな前提としてやるべきことがたくさんある。そういうこともやるやると言っているけれども、さっぱりやらぬ。具体的な見通しは何一つない。ここに大臣がしゃべったことが書いてありますが。やるやると言っているけれども実際には何一つない。やる意欲を失っているんじゃないかというような感じを強く私は持つのです。いろいろな意味で持つのです。片方の地方自治体も全く借金なれしてしまって、足りなくなったら借金でカバーしておいて、借金が重なったら国が何とかしてくれるだろう、こういうようなことで全然改革の意欲もなくなった。財政改善の厳しい姿勢がだんだんなくなってきたのじゃないか。それに伴って財政の自主性というものがだんだん弱まってきた、こういうふうな感じを強く受けるのです。なぜそれを受けるかといいますと、一時地方団体は非常に強い熱意で、交付税率をアップしてくれ、これが最大の柱になって、運動の中心でありました。ここ去年あたりからばたりと、この交付税率を上げてくれというのが一つも来ない。前は電報がこんなにたくさん来た。毎日毎日応対し切れないくらい交付税率をアップしてくれという陳情陳情また陳情だった。ところが、去年からぴたっと来ません。交付税率をアップしてくれという声も聞かない。電報も来ない。だれも陳情にも来ません。向こうは、どうせだめだ、借金したら、赤字が続いたら政府が埋め合わせて、そして返せなくなったら政府が何とかしてくれるだろう、国が何とかしてくれるだろう、こういうような非常に安易な気持ちがある。国も安易、地方も安易、改革なんかやる意思は何もないのです。これが私は非常に懸念をするところです。口を開けば地方財政の抜本的見直しとか、国の財政の危機が立ち直ってからそれをやるというふうなことを言っていますけれども、このままの状態で一体どうするか見当もついていないと思いますよ。あなたはいま、景気がよくなれば景気がよくなればと言うけれども、一時みたいな高度経済成長の景気なんか、夢よもう一度で来ません。しかも最大の頼みの綱にしている一般消費税あるいは地方消費税でも、これで再建するなんということは夢物語です。自治省の収支試算によって見ても、五十五年度の不足額は三兆七千九百億になっています。これは五十四年度に入っている財源対策債も入ってない。五十四年度のものは一兆六千四百億でしょう。仮にことしと同じ額を五十五年度のものに加えると五兆四千三百億になるのです、不足額が。これに対して消費税が一兆円や二兆円入ってきたって、これは何の足しにもならぬです。頼みの綱の消費税も頼みにならぬ、行政のいろいろな改革もやる意思もない、そしてじんぜんと借金をして、それをただ二分の一方式ルール化というもので埋めていく、何年続くかわかりませんけれども、これで埋めていく、こういうことで私は、ちょっと地方財政再建ということに全体として熱意を失っているような感じですが、もっと掘り下げて根本的に、何か考えていると思いますけれども、考えていますか。とにかくみんなだめですよ。消費税もだめだし、改革もしなければいかぬし、何かしら根本的に、それじゃやりましょうということを具体的なことを考えていますか。それがあったらひとつお聞きしたいのですが……。
○澁谷国務大臣 ただいまの佐藤さんの御指摘はまことに適切でございまして、私は傾聴に値する御質問である、こういうふうに受けとめております。 私は、国と地方との財政の立て直しという問題はそんななまやさしくできる問題とは毛頭考えておりません。これをやり抜くためには、やはり大変な決意と実行力が必要である、こういうふうに考えております。いわんや、消費税の導入によってそれでこの財政の再建ができるなんという、それはとんでもない考え方だと思うのです。ですから、御指摘にあったような支出の削減、これについてもやはり思い切ったことをやらなければだめですよ。それには当然行財政の改革ということもやらなければいかぬわけですよ。それを何にもしない、消費税だけお願いします、こんな姿勢では大体一般消費税の導入も私はできないと思う。ですから、自民党内閣にとって、きのうも答弁申し上げたんですが、来年度の予算編成というのは私は正念場だと思っているんです。これをうまく乗り越えられるかどうかということが大平内閣にとっても試金石だと私は受けとめておるのです。ですから、いままでのあり方がどうも安易過ぎたのではないかというような御指摘は、私どもに対する貴重な御批判として私は受けとめておるわけでございますが、当面われわれが直面しておるただいまの問題については、本当に自由民主党と内閣と一体になって、これはまさに不退転の決意で取り組まなければこの難局は打開できない、こういうふうに考えております。
○佐藤(敬)委員 決意だけじゃだめなんですよ。いままで決意はもう耳にたこができるほど聞いているのです。何年たっても何もできないのです。具体的に取り組んでもらわなければ困るのですよ。たとえば、消費税だけではどうにもならないということはいまわかりました。 それじゃ何をするかというと、まだやることはたくさんあるのです。これは地方制度調査会からも、税制調査会からも、あらゆるところから何遍も、大分早くに指摘されていることなんです。税源の再配分であるとか、あるいは税制の改革であるとか、いまいろいろな委員から指摘されました交付税制度の改革であるとか、地方債の問題であるとか、あるいは委任事務等の事務の再配分であるとか、いま大臣は支出の削減ということもおっしゃったが、もちろんその中に入るでしょう。こういうような具体的なことがどんどん進められておらなければいけない。来年、頼みの綱の消費税が発足してそれからこれをやりましょうと言ったって私は遅いと思うのですよ。むしろ消費税を実施するためにこういうことを事前にやっておかなければ国民的なコンセンサスも何もできないのですよ。来年、五十五年にやるとするならば、もうことしでは遅いくらいなんです。もっと早くにやっておかなければいかぬですよ。そうでしょう。それを何にもやらないで、やります、やりましたと言ったってだめなんだ。これは消費税ができてからやる問題ではなくて、できる前に、私がいま言ったような税財源の再配分であるとか交付税制度をもう少し直すとか、地方債の問題あるいは事務の再配分とか、こういうのはめどをつけなければいかぬですよ。そういう基盤があるところにこの消費税というものが来て、それでもって一本心棒が通って再建になる、こういうようなことにならなければ、こんな焼け石に水みたいなものをぽんと現状の中に持ってきたって何の足しにもなりませんよ。ただジューと言って蒸発するだけです。そこのところが私は、決意は持っている、決意は持っていると言うけれども、何としても信用ならないですね。具体的にやってみせなければ何遍決意を聞かされたって何にもならぬ。どうですか。
○澁谷国務大臣 私どもは消費税が何にもならぬという政策ではない、こういうふうに考えております。 決意だけでは何にもならぬじゃないかという御指摘は全くそのとおりでございまして、決意だけで物事が解決するならだれも苦労しないわけでありますから、決意ではなしにもう実行しなければならぬ、これはやらなければどうにもならないわけですから、私どもは本当に不退転の決意でこの難問題と取り組んで解決に向かって進んでまいりますから、ひとつ見ておっていただきたいと思います。
○佐藤(敬)委員 大臣のかたい決意ですからそれを信用しましょう。ぜひひとつ実行していただきたいと思います。 地方債と特別会計の借り入れのことでお伺いしたいのですが、五十年度の補正予算以来、地方財源の不足対策で発行された地方債は五十三年度当初までで約四千七百億という大変な金額になっています。これに今度の新年度分、五十四年度分を加えますと六兆三千四百億となる、大変な金額です。また一方では、交付税特別会計の借り入れが同じ期間で、新年度分を含めますと七兆三千億、これもまた膨大な金額です。五十四年度末の地方債の現在高は二十四兆円を超えるということになります。これに伴って公債費がどんどんふえて、五十一年度以降、年々約三千三百億から五千億くらい増加しておる。五十三年度の公債費は二兆二千三百八十二億です。これはどんどんふえていく。地方税総収入の二〇%ぐらいにもう達しておるという大変な金額になってきておるのです。たとえば地方財政収支計画を見ましても、今度は、六十年になれば借りた起債を全部借金に払ってもまだ足りない計画になっているのですよ。あれはもっとも消費税を実施させるための脅迫的PRであるかもしれませんがね。とにかく借金したやつを全部その借金を返す金にやってもまだ足りないのですよ。大変な状態になっている。これで地方財政がやっていけないのは確かなので、私どもは今度は修正案を出そうとしておりますけれども。この地方債の償還は御承知のとおり五十五年度から本格化してきますから、これは普通会計債で年々二兆五千億、大変な金額を出さなければいけない。とても地方財政、ヘビが棒をのんだようになってしまって動きがとれなくなる。 そこで第一は、五十一年度から五十四年度までの各年度に発行された財源対策債の元利償還について、全額臨時地方特例交付金で措置できないか。 第二番目は、五十年度から五十四年度までの交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金にかかわる元金償還額について、全額臨時地方特例交付金で措置できないか。 それから、どんどん借金を交付税特別会計にふやさないために、地方交付税率を四〇%に引き上げることはできないか、お答えを願います。
○澁谷国務大臣 とっさの御質問でございまして、十分な検討をする時間がないわけでございますけれども、私の感じとしては、ただいま提案された諸点はいずれも実行することは非常に困難ではないか、このように考えます。
○佐藤(敬)委員 それでは一つお聞きしますけれども、この前もお聞きしましたが、政府の国債は大体六十年ぐらいで返していますね、借りかえをして。ところが、こっちの地方のあれはいま十三年か十二年か十五年か、そんなものです。力の弱い地方が早く返さなければいかぬ、力のある国が六十年もかかって返すというのは私は非常におかしな感じがするのです。だから、せめて五十一年度から五十四年度まで膨大にふくれ上がって大きく地方財政にのしかかっているこの分だけでも、国と同じではなくても、三十年ぐらいにでもこれを延長するというような措置はとることはできないですか。
○森岡政府委員 財源対策債につきましては、御承知のように市町村分につきましては政府資金を充当いたしております。建設事業の種類によりまして償還期間がかなり長いものもあるわけでございます。したがいまして、いまお話しの焦点は民間資金によって調達をいたしております部分であろうかと思います。これにつきましては、十年ものがかなり多いわけでございますが、償還期限が到来いたしました際の借りかえにつきまして、格段の努力をしていくということが私どもぜひ必要だと思っております。と同時に、償還費につきましては、毎年の地方財政計画にその所要経費を歳出として計上いたします。また、地方交付税の基準財政需要額に相当の割合で算入をいたしておりますから、マクロの地方財政全体といたしましても、また各地方団体に対する財源措置といたしましても、基本的に財政措置はなし得るし、またなさなければならない。そのために基本的な税財政制度の改正を含めて適切な措置を講じて償還費の財源を確保していく、こういうことが必要だと思っているわけでございまして、それについては十分な措置を講じていきたいと思っております。
○佐藤(敬)委員 利息だけではなくて、元金が膨大になっているのですよ。その問題が一つ。元金が余り膨大になっているものだから、利息の問題と同時に元金の問題がある。 それからもう一つは、あなたはいま、償還に関しては地方財政計画に入っているし、交付税にも入っているからいいと言うけれども、その地方財政計画全体が借金で賄われている。交付税にも膨大な借金がある。その中にまた新しいものをどんどん入れたら、たとえば交付税で見ると、使える金はどんどん少なくなっている。それに食われていって、入れれば入れるほど総額が少なくなるのですよ。総額確保がだんだんむずかしくなりませんか。これはちゃんとある金ならいいですよ。金があって出すならいいけれども、借金しているのにまたそこへ借金を返す金をぶち込んでいったら、ますます元金が食われてしまって少なくなりませんか。
○森岡政府委員 過去に発行した地方債あるいは特に財源対策債の償還費が累積していくにつれて本来の経費に充てるべき地方財源に食い込んでいくのではないか、こういう御指摘でございますが、そういうことには絶対にならないように自治省としては責任を持って地方交付税の総額なりあるいは地方税の分量を確保しなければならない。地方財政計画の策定をいたします際にいままでも私どもはそういう態度を堅持してまいりましたし、将来にわたってもそういうことは絶対にいたさないというつもりで必要な財源を確保したい、かように思っている次第でございます。
○佐藤(敬)委員 まだちょっと納得できませんが、いまは二分の一ルール化、二分の一方式でもって地方が負担している分、これは元来ならば交付税として国が負担しなければいかぬ部分だと私は思いますよ。その分は地方の負担になっていませんか。
○森岡政府委員 交付税特別会計の借り入れの返還の部分について申しますれば、いまもお話しのように二分の一は地方財政が負担することになっておりますが、それも地方財政計画上必要な歳出としてこれはきちんと計算するわけでございますから、それを食い込ませるようなことは絶対にいたしません。それによって必要な財源は全体として必ず確保する、そのための税財政制度の改正なりあるいは大蔵省に対する要求は万全の措置を講じたいというつもりでございます。
○佐藤(敬)委員 その問題はまずそれでおきますが、大変な地方財政の赤字になっております。いまだかつてこんなに赤字があったことはないと思いますが、こんな膨大な地方財政の赤字、不足額というものが一体どうして出てきたか、何が原因で出てきたか、そのことについてどういうふうにお考えですか。
○森岡政府委員 いろんな要因が重なり合っておると思いますが、列挙いたさせていただきます。 まず第一は、世界経済全体の急激な変貌に基づきまして日本経済も四十年代から大幅な事情変化が生じたということでございます。オイルショックの後、経済停滞がずっと続いております。その結果、まず第一に財政収入が減少いたします。 第二に、しかし、景気の浮揚を図らなければいかぬわけでございますから、公共投資を拡充をして財政が、財源はないけれども積極的に前に出て経済全体の自律回復力を高めていくという政策をとらざるを得ないということが第二の問題だと思います。 それから第三に、国民のニーズと申しますか、行政に対する要請が非常に複雑化し、多様化してきた。地方制度調査会でもいろいろ御検討願っておりますが、本来ならば個人あるいは家計あるいはまた地域のグループでいままではやってきた仕事も行政に求める分野が非常に多くなってきた。そのこと自体、基本的には見直すべき部分がかなりあると私は思うのでございますが、そういう点も含めまして行政の分野が非常に広くなってきたということが挙げられると思います。 そういうもろもろの要因が重なっておりますと同時に、やはりここで一つ私どもは注意しなければいけませんのは、地方財政の運営自体にも肥大化の傾向がある。これは単に理事者だけの責任ではないと思いますけれども、地方団体全体といたしまして戒むべき肥大化の現象というものは否定すべくもない。それらの要因が重なり合っておるものと、かように思います。
○佐藤(敬)委員 いまの、不景気になって税収が少なくなった、あるいは不景気を直すために、景気をよくするために投資が大きくなった、国民のニーズが多様化した、地方財政が放漫になった、こういうようなこと、それはもういろいろなあれがあると思います。私もそのとおりだと思います。ただ、私は、不景気になったから税金が少なくなった、それを直すために投資したんだから赤字が出た、そういうことだけじゃないと思うのですよ。 これは多分に私の個人の意見が入っておるのですけれども、私はこういう見方をしておるのです。単に税収が減ったから赤字が出た、こういうことじゃなくて、基底に赤字になる一つの大きな要因を抱えておると思うのですよ。というのは、たとえば日本の人口、産業の配置というものが、高度経済成長以来極端に過密なところと極端に過疎なところが出てきておりますね。これは何遍も議論されたことでありますが、過密の地帯では、過密から出てくるいろいろな問題を解決するために膨大な金がかかってきます。一方過疎の方でも、過疎を解消するとか、あるいは過疎のために問題が起きて、それを解決するためにこれまた莫大な金がかかる。両方とも非常な金がかかるような状態になっているのじゃないか。特に過密の地帯では、この過密のいろいろな問題のために膨大な金がかかっている。これが地方財政の赤字への転落の一つのきっかけになって、いま地方団体で不交付団体は東京都だけですか、あとはどこでもみんな交付団体になっておる。そういう意味では、交付税法の趣旨というものがもう何にもならなくなってしまっておるわけですね。なぜこういうふうなことになるかというと、私は、いまの地方税法というものが欠陥があるのではないかと、世の中がどんどん変わっておるのに昔と同じ方法の地方税の取り方をしているのではないかと、こういうふうなことを考えるのです。簡単に言いますと、東京でも大阪でも京都でもいいのですが、過密のところでは、課税客体があっても地方税法に縛られて取れない。一方、今度は過疎のところでは、客体がないから取れないのです。過密でも過疎でも、両方とも税金が取れないような状態になっている、私はこういうふうに考えてます。だから、どんどん交付税をもらわなければいけない団体がふえて、みんなもらえば交付税なんて制度は要りませんから、おかしなことになってしまっているのですね。私は、極端な過密過疎、これに対応するような財源の措置が講じられていないというところに非常に大きな、赤字になる根本的な要素を持っているんじゃないかと、こういうふうに考えております。これはもう、過密のところでは膨大な金を必要とします。 私はいまちょっと抽出してみましたが、普通交付税の五十三年度の配分を市町村で見ますとこういうふうになっているのですよ。たとえば一千百六十一億七千九十二万円、これが大阪府下の市町村に対する交付税ですね。ところが、一方私のところの秋田県を見ますと、五百九十三億四千八百七十八万円なんです。これはもう大変な違いです。山形県は四百五十一億、佐賀県が三百十七億なんです。大阪府が一つあればこの三県を全部、ちょっと足りないが、賄うことができるのです。福岡県は交付税が千五百七億円あるのですよ。これがありますと、秋田と山形と佐賀県、三県の交付税全部賄ってもおつりがくるのです。一つの県が三つの県をカバーするぐらい交付税を食っているのです。あるいは大都市のあれを見ますと、神戸市の交付税が五十三年度は三百四十九億八千八百七十七万円なんです。そうすると、佐賀県の全体の交付税より神戸一市の方が多いんですよ。大阪市が四百三十億七千七百七十一万円、これも大体山形県を皆賄える。京都市もそうです。四百三十億、同じようなものですね。だから、過密の都市というものは膨大な交付税を食っている。しかも過密の大都市がどんどん交付団体に転落、と言えばおかしいが、転落していっている。そうすると、あとは何ぼ交付税があったって足りないと思うんですよ、これでは。だから、私がさっき言いましたように、根本的に考えると、過密のところも過疎のところもどっちも税金を取れないようになっているこの地方税という制度、この制度を直さなければいかぬ。簡単に言うと、都市財源が、五十万以上ぐらいの都市なんかでは客体が何ぼでもあるんですから、どんどん税金を取らして、交付税をもらわなくてもいいようにしてしまえばいいじゃないか、そしてそれ以下の弱小な都市、町村、この弱小団体に対しては交付税をやるようにすれば、私は、もっと交付税というものの必要量の総額が少なくても済むし、いまみたいな膨大な赤字というものは出てこないではないか、こういうふうに思うのです。根本的な問題がここいらあたりにあるんじゃないかという気がしますね。東京でも大阪でも名古屋でも、あんなにたくさん税金かけられるのに、取れない。そして交付税を、東京はもらってませんけれども、ごっそりもらっていく。そのもらっていくのが、一つの市や一つの県で三県も四県も賄えるくらい膨大な金を持っていっているんですね。ここいらのところに、何ぼ足しても足しても交付税の総額が足りないという一つの大きな根本的な原因があるんじゃないか、そんな気がします。担当の局長さんと大臣の御意見をお伺いします。
○森岡政府委員 基本的な考え方といたしましては、私も全く同感でございます。ただ私は、事務的に考えました場合に、結局それを具体化いたしますためには、地方独立税をふやすということ、増強するということだと思いますが、現在の地方税制度の枠の中で考えますと、法定税目をふやす、あるいは法定税目の税率を引き上げるというような形でやるのが手段だと思います。いま一つは、基本的に現在の地方税制におきます標準税率制度を含めた仕組みをもっと弾力的にしてしまう、そのかわり各地域間の税負担のアンバランスというものが相当出てもやむを得ないというふうに思い切ってしまう、それはかなりな社会的、国民的なコンセンサスを得ませんとそう簡単にはできないことであろうかとは思いますが、その二つの方法があるのだろうと思います。その辺のところをいろいろ検討しながら、基本的な方向としては、私どもとしては、地方独立税源をふやし、税源のあるところは交付税をもらわない、もらっても非常に少なくて済むというふうな仕組みが望ましいと、かように考えます。
○澁谷国務大臣 私は税については素人でございますから、詳しいことはわかりません。ただ、ただいまの発言を聞いておりまして、政治家として、これはまことに適切な提案ではないかというふうに私はお聞きいたしました。それで、私は、ここで何回も答弁いたしておりますように、一般消費税をやればこれは富山の万能薬だというそちらのお言葉がございましたけれども、そういうふうには私は毛頭考えていないわけです。ですから、現在の税制というものをくまなく見直すということも、これはもう当然やらなくちゃならぬ。それから、現在の税の見直しの中で、いま御指摘のように過密の都市というものが膨大な財政需要をもたらしておるわけでありますから、それにこたえるためにはやはりそれだけの財源をその過密の都市自体で徴収するという方法も、私はこれは考えるに値する一つの貴重な提案だというふうに受けとめておるわけであります。
○佐藤(敬)委員 大臣に大いに期待して、終わります。
○松野委員長 新村勝雄君。
○新村委員 統一地方選挙が終わって、各地方団体の責任者あるいは議会も若干の政治的な立場等の変化があったわけでありますが、まずお伺いしたいのですが、大平総理が統一地方選挙前段の直後にこういうことをおっしゃっておるわけですが、都財政の援助については、国と都の財政は両方のポケットのようなものであり、分け合っていかなければならない、推薦した以上責任を痛感しているというようなことをおっしゃっておるわけでありますけれども、これは都知事がかわれば都に対する国の態度なり政策なりが変わるというようなニュアンスを読み取れるわけでありますけれども、大臣は、御自身大平さんではありませんけれども、大平内閣の閣僚として、こういう点についてどうお考えであるかお伺いしたいと思います。
○澁谷国務大臣 国の政治のあり方というものは、これはあくまでも公正なものでなければならぬわけでございますから、美濃部さんから鈴木さんにかわった途端に国の政治なり行政のやり方が大きく変わるというようなことは、私は決して望ましいものと考えておりません。
○新村委員 総理の発言にはそういうようなニュアンスが感じられるわけでありますけれども、大臣として、もし東京都の新しい知事が都の財政の再建あるいは救済のために協力を求めるというふうに来られた場合には、どういう態度で対応されますか。
○澁谷国務大臣 東京都の財政が非常な、破産寸前というような状態にあることはもう御承知のとおりであります。したがって私は、鈴木新知事のまず最初の、しかも最も大きな課題は都の財政の立て直しだ、こういうふうに理解をしております。鈴木知事もそういった決意で取り組んでいくわけでございますから、したがって、その鈴木知事が都の財政再建のためにいろいろな案を用意して、それに対して自治省に協力を要請されれば、私どもはこれはもう真剣に受けとめて、できるだけの協力はしていきたい、このように考えております。
○新村委員 選挙になりますとよく公の席で、もちろんこれは公約というような形で、中央に直結をしなければ補助金が思うように来ないとか、あるいは中央に直結をしない首長は国から差別をされる、だから私でなければならないというようなことが、いつも繰り返し主張されるわけでありますけれども、確かめておきたいのですが、これは選挙のときの演説でありますけれども、地方の自治体に対してその首長の政治的な立場あるいは理念等によって、たとえ一万といえども財政的にあるいは政策的に全く差別はしない、こういうふうに断言をなさいますか。
○澁谷国務大臣 これはお互い政治家でございますから、選挙の際は各党ともかなり思い切ったことを演説で言うのは、これはもうある程度やむを得ないと思います。ただ、実際の国の行政の運営ということになりますと、これは選挙のときの演説のようなわけにはいかないわけでございまして、あくまでもこれは公のものでございますから、法令に従って厳正、公正にこれは運営していかなければならぬ、こういうふうに私は考えております。
○新村委員 その厳正、公平を信じ、そのようにお願いをしたいわけであります。 それで次に、これはやはり最近の総理の発言でありますが、地方財政の問題に言及をされて、その中で、交付税率のアップを検討するというような意味の発言をされたようでありますが、これも自治大臣としてこの問題について閣内でどのような御相談をされておるか、あるいはまた大臣のお考えはどうであるかを伺いたいと思います。
○澁谷国務大臣 きのう当委員会で大蔵大臣も同席したわけでございますが、そのような質問がございました。しかし大蔵大臣も私も、総理がそのような発言をどこでされたのか全く聞いておらないわけであります。したがって、事実本当にそういう発言があったかどうか確認をいたしておりません。それから閣議で毎週二回総理とは同席をしておるわけでございますが、いまのこの問題について総理から特に私に対して、これは言うまでもなく非常に大きな問題ですから、総理がそのような発言をされたとするならば、当然所管大臣である私に何らかの話があるのが当然だと考えておりますけれども、そういうものもございません。したがって、その大平総理の発言というものは実際上なかったのではないかというふうに私としては受けとめております。
○新村委員 これは大平さんにいまここで直接お伺いするわけにまいりませんので、それでいいのですが、大臣としては、現在の地方財政の再建のためのいろいろの方法があると思いますが、そのうちで何が一番喫緊の問題であるのか、また何と何をやらなければいけないのか、そしてその中で税率アップがどういう位置を占めるのかについて御所見を伺いたいと思います。
○澁谷国務大臣 当委員会でたびたびお答えをいたしておりますように、私は、地方財政を立て直す最もオーソドックスという言葉を使ったわけでありますが、最も正統な対策としては、交付税率の引き上げだ、私はそういうふうにかたく信じております。 ただ、それではなぜそれをやらないのだ、こういう御質問がたびたびあったわけでございますが、残念ながら現在の国の財政の実態がそれを許さない。したがって、実現できないで来ておるわけでございますが、事情が許せば、私はやはり地方交付税率の引き上げということをぜひとも実現をしたい、このように考えていることには変わりはございません。
○新村委員 財政再建の最もオーソドックスな方法は税率の引き上げだとおっしゃったわけですが、これは当委員会でも繰り返しいままで主張され、われわれも要求をしてまいったわけですけれども、最も正統な方法は税率の引き上げということでしょうかね。私は、やはり税率の引き上げは当面必要であるけれども、最も必要なことは、税財源の国と地方との正当な再配分ということである。それが基本であって、それを補完するものとしての地方交付税のアップであり充実であるということではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○澁谷国務大臣 一つ言い漏らしたのでございますが、交付税率のアップと交付税の対象税目の拡大、この二つだと考えております。 もちろん、国と地方の税財源の再配分ということは、これはもうきわめて大事なことでございますから、それを実現するために一番中心になる政策手法としては、交付税率のアップとその対象税目の拡大である、このように私は考えておるわけであります。
○新村委員 現在の地方財政の窮乏は、国がいい税収そして税率、これを独占しておるから、そして地方が弾力性のない、しかも税収の余り期待できない税目ばかりを国から押しつけられておる、こういうところから基本的には由来をしておる。それで足りないところを交付税で補っているというのが実態だと思うわけであります。 たとえば、最も弾力性があり有力な税は、所得に対する課税だと思いますが、これが住民税は全く従的な存在でありまして、所得税でいいところをそっくり国が取ってしまうわけでありますから、地方はその残りをあてがわれるということでありまして、まさに税種と税率の操作の過程で国がいいところばかりを吸収してしまう。そのために地方の税目、税収ともに全く貧弱なものになっているということではないかと思うのですけれども、それらについてやはり再検討していかなければいけないと思うわけです。 そこで、現在の制度でいった場合に、地方が徴収をし、財源とする自主財源、これと交付税で補てんをしていく分との比率、これはどの程度が望ましいとお考えであるのか、これは局長にお伺いします。
○森岡政府委員 地方歳入の中での地方税収入の比率が、年によって違いますが、大体三二、三%だと思います。これに対しまして交付税が、これも年によって若干の変動がございますが、おおむね二〇%でございます。端数を切って考えますと、三割と二割、こういうことになっているわけでございます。 ここのところの比率がマクロ的にどの程度が一番望ましいかということについては、私は、一義的に言い切ることはなかなかむずかしいのだろうと思うのであります。と申しますのは、先ほどのお話にもございましたように、都市部と町村部、あるいは過密地域と過疎地域というふうに、かなり地域的な経済基盤あるいは生産力、所得水準というものに格差のある地方団体を全部総合しての合計の数字でございますから、そこのところは事柄の一義的な決定は非常にむずかしいと思うのでございます。 ですから、総体としての率が問題であるよりは、むしろ先ほど来お話がありましたように、税源のあるところの地方税源の比率を可及的に高めていく、できるだけ交付税の配分は薄く、あるいは場合によれば、もう交付税がなくとも財政が賄えるようなことにしていくというふうな配慮をしながら、税制及び財政の制度を考えていくということが望ましいのではないか、かように思っております。
○新村委員 そういう点で新しい地方の税源の検討、これが特に要請されると思うわけでありまして、御検討いただきたいわけであります。 次に、交付税の事務的な問題をお伺いしますが、これは五十年以降の措置でありますけれども、起債振りかえという措置によって交付税の基本的な性格がかなり曲げられたという議論がしばしば行われるわけであります。五十一年から五十四年までで、各年度においてそのような措置が行われなかった場合の交付税として措置されるべき額はどんな額になっておりましょうか。
○石原政府委員 お答えいたします。 昭和五十一年度から五十四年度までの各年度におきまして、御案内のように地方財源の不足に対処するために地方債の特例的な増額を行っております。このうち、いわゆる財源対策債と言われるもの、一般財源の不足に対処するために特別に充当率等を引き上げて措置したものが、五十一年度の場合には一兆二千五百億円ございます。このうちの四千五百億円は投資的経費以外の経費にも充て得るものでございます。それから五十二年度が一兆三百五十億円、五十三年度が一兆三千五百億円、五十四年度が一兆六千四百億円ということになっております。 これらの額はいずれも地方財政計画上の一般財源の不足に対処するために地方債で対処したものでありますから、その大半は、もし財源事情が許せば当然交付税関係上は基準財政需要額の投資的経費の充実に回っていった、このように考えられております。
○新村委員 いまおっしゃった額は、各年度において地方財政計画上地方交付税として計上された額にそれを加えたものが、こういう特別措置がなければ交付税として最初から措置されるべき額であったということになると思います。 そうしますと、五十四年度で言えば、地方財政計画上地方交付税として計上された七兆六千八百九十五億プラス一兆六千四百億ですから、五十四年度においては、地方交付税法が正常に機能しておれば九兆三千二百九十五億が地方交付税として措置をされるべきはずであったということが言えると思うわけであります。その中で財源対策債という形で一兆六千四百億が起債振りかえになったわけでありますから、これは一般財源ではなくなった、こういうわけですね。ですから、その分だけは交付税の精神が変質をしていったということだと思います。こういうことですから、各市町村でそれが実際に運用される場合になりますと、国の段階での計画はまことにきれいですけれども、各市町村の段階でこれが執行される場合には、必ずしもそのとおりにいかないという面があると思うのです。起債振りかえ分については、これは各自治体に対してこれだけの枠が起債振りかえ分としてあなたの自治体には割り当てがありますという指示はないわけでありますから、その自治体では適債事業を選択をして、その適債事業に対して財源対策債の枠内で起債の許可をされるということですから、もしもその団体に適債事業がないか、あるいは十分でなかったというような場合、そしてむしろ単独事業が多かったという場合には、こういう制度がなければ当然この九兆三千二百九十五億に対応するその自治体に対する交付があるべきはずであったのでありますけれども、そうはいかなかった、こういう事態が出てくるわけですね。ですから、各自治体ごとに検討した場合にはかなり不均衡、不均等なものがあると思うのですけれども、それらに対してどうお考えでしょうか。
○石原政府委員 財源対策債、すなわち一般財源の不足に対処するために地方債の充当率等を引き上げて対処するものの対象は、いわゆる公共事業の裏負担が中心でございます。狭い意味の公共事業、補助事業、これの裏負担が中心でありまして、一般単独事業は対象にいたしておりません。 それで、従来から地方交付税の算定におきましても、公共事業の裏負担等につきましては、いわゆる事業費補正によって算入をしておったわけでありますが、これが主として起債に振りかえになっております。したがいまして、その限りにおいては、交付税であった場合には交付税の事業費補正で基準財政需要額が増額になる、それが起債に振りかわるということでありまして、その限りにおいては変化はないわけであります。ただ、一部都市計画費等において単位費用で算入したものを起債に振りかえたものがありますから、これらにつきましては、単位費用方式すなわち単位費用掛ける測定単位という方式で算定されるべきであった額とその団体が現実に実施した都市計画事業との間に乖離がある場合には異動を生ずるという面があるわけでありますけれども、そういった分はむしろ少ないわけでありまして、振りかえの大半はいわゆる事業費補正系統のものでありますから、この振りかえによって個々の団体ごとの財源措置に大きな変動が起こるということはない、このように理解しております。
○新村委員 地方交付税というのは、最初からこれは一般財源として交付するというのが基本的な性格でありまして、それは法にも条件をつけたりしてはいけないという規定があるくらいでありまして、これはあくまで一般財源として交付するというのがたてまえでありますが、最近の傾向としても、やっぱり単位費用が特定の費目についてずっと引き下げられておるという傾向があるわけでありますが、それと呼応して起債振りかえという措置がとられているという中で、交付税の性格がだんだんと変わってきておるということを申し上げたいわけなんです。そして最近この起債振りかえの額が多くなるに従ってその傾向が強くなっておるわけです。 それから、それと関連があると思うのですけれども、投資的な費目、都市計画であるとか公園であるとか、こういったものについて単位費用が明らかに引き下げの傾向にあるということなんですけれども、それらの関連はどうなんでしょうか。
○石原政府委員 確かに交付税法の理想からいたしますと、投資的経費につきましても、これをすべて一般財源で賄い得るように、すなわち基準財政需要額で算定できるようになることが望ましいと思います。しかしながら、現状は一般財源が足りない。本来の交付税、それから税だけでは必要な投資的経費に足りない。そこでこれが対策として地方債の増発を行っているわけであります。したがって、そのような財政環境のもとにおいて単位費用の中で特に投資的経費が引き下げざるを得ない事態になっているということは、御指摘のとおりでありまして、このような状態を改善するためには、地方財源全体、地方一般財源全体の増強を待つしかない、このように考えているわけであります。
○新村委員 事業費補正あるいは起債振りかえということは、一方では財源の不足ということもあるでしょうけれども、同時に、国の政策を地方にまで浸透させようという意図もこれはないわけじゃないと思うのですね。そういった点はいかがでしょうか。
○森岡政府委員 事業費補正につきましては、たしか昭和四十二年から実施をいたしております。地方交付税の基本的な考え方は、御指摘のように一般財源の付与でありますから、ひもつきではございませんし、ことにいまお話しのような、国の政策を交付税によって裏打ちをするということをことさら意図したものでは全くないと私は考えます。ただ、小中学校の建設でありますとか、清掃施設の建設でありますとか、単年度あるいは短期間の間に非常に大きなプロジェクトを国の補助を受けて実施をする必要があるという市町村が、その財源を賄いますために交付税の措置をしてほしい、こういう要請が出てくるのは当然だと思うのであります。それに対して事業費補正という形で地方負担分について一定の算入をしてきたというのが四十年代に行ってまいった事業費補正であります。五十年以降になりまして起債振りかえをやったというのは、これはまさしく財源が足りませんので、そういう事業費補正という形でやることができない、したがってその分について財源対策債という形で必要な財源措置をしてきた、こういうことでございますので、結論的に、国の意図を特に地方団体に押しつけるというふうな財政措置と私は考えておりません。
○新村委員 適債事業については起債が許可されるわけですけれども、単独事業についてはその措置がないわけです。しかし、自治体の立場からすれば、単独事業であっても適債事業と同じだけの意義あるいは住民に対する貢献度がある仕事がたくさんあるわけでありまして、これが自治体の選択が全く許されないということですね。それはその局面に関する限りは自治が圧迫をされる、あるいは自治が否定をされるという事態が起こってくるわけですけれども、そういう点はいかがでしょうか。
○森岡政府委員 単独事業につきましても、必要な卒業につきましては当然通常の地方債は充当されるわけであります。 ここでいま御指摘の問題は、財源対策債のような地方債の増発でもっていわばやむを得ずやる振りかえ措置、これを単独事業に及ぼしてはどうかというお話であろうかと思うのでございますが、これは私どもはとるべきではないと思うのであります。単独事業を行います場合の通常の地方債は十分用意をいたしまして施設の建設に支障のないようにいたしますけれども、その財源を地方債でもって振りかえていくということになりますと、これはエンドレスになります。およそ投資的経費の財源は財政が苦しければ全部地方債でやったらいいじゃないかというお話になりまして、これは私は歯どめがないと思うのであります。そういう意味合いで、やむを得ず行います財源対策債の振りかえというのは、公共事業の地方負担を中心といたしましたいわゆる事業費補正でやってきたものにとどめるべきであるというふうに思っておる次第でございます。
○新村委員 いや、エンドレスじゃなくて、この計画からしてこういう措置がなければ当初からそれこそ現金で全くひもつきでなく交付されるべきであった額があるわけですね。五十四年であれば九兆三千二百九十五億、これはそれだけ最初から全く無条件で現金で交付されるべきであったはずであります。それが振りかえになったわけですから、各自治体ごとに考えてこの範囲内であれば、これは単独事業であっても、あるいは国の考える適債事業でなくても、全く同じような財源対策債として認めるべきであると思うのですが、その点はいかがですか。
○森岡政府委員 先ほど審議官から申し上げましたように、財源対策債という形で本年度たとえば一兆六千四百億円交付税から振りかえてやむを得ず措置しておりますのは、従来事業費補正という形で措置してきたものを対象にしておるわけでございます。したがって、およそ建設事業全体というものを地方債に振りかえるという考え方ではないわけでありますから、そういう意味合いで、いま御指摘のような方法をとることは私どもは、もしそれをやりますれば、もっと地方交付税の所要額を減らしてでも地方債で措置すればいいじゃないか、こういう話につながっていくという非常な危険をはらんでおる、かように思っておる次第でございます。
○新村委員 そういうことはないと思います。それから一兆六千四百億、これはいままでのいわゆる事業費補正との関連はどういうことになっていましょうか。こういう措置がなかった場合の事業費補正の額との関連ですね。
○石原政府委員 一兆六千四百億円のうちには、義務教育の用地分でありますとか、あるいは公営住宅分が一部含まれておりますので、それは現在ストレートには基準財政需要額に算入しておりませんから、それ以外の大部分は、いわゆる事業費補正系統のものである。一部単位費用方式で算定するものがありますけれども、大半は事業費補正系統のものである。このように御理解いただきたいと思います。
○新村委員 大半と言いますけれども、大体どのくらいですか。数字的におっしゃれませんか。
○石原政府委員 細かい積算データが手元にございませんが、一兆六千四百億円のうち、いわゆる事業費補正系統のものが一兆三千億見当ではないかと思います。
○新村委員 後でもう少し詳しい資料をいただきたいと思います。 次に移りまして、細かいことでありますけれども、測定単位のとり方の問題ですが、たとえば消防費は人口、道路橋りょう費は、経常的経費については道路面積、投資的経費については延長ということになっております。また公園費については人口ということです。これではきわめて高度化した複雑多岐な各費目の測定単位としては、この点については大変単純なような気がするわけですね。ですから、こういう測定単位が、公園を決める場合には人口だけ、消防を決める場合には人口だけということでは非常に単純なようですけれども、これを何か実態に近づけるための工夫がどういう形で行われているのか、補正係数の中でそういう考慮が行われるのか、それを伺いたいと思います。
○石原政府委員 各行政費目につきまして、その財政需要を最も的確に算定するためにはどのような測定単位を用いることが妥当かということでいろいろな検討を加えた結果、現状ではただいま先生御指摘のような形になっております。たとえば消防費について言いますと人口を測定単位に使っております。この行き方につきまして、かつて費目によっては幾つかの測定単位の数値をあわせて用いるというような方法もとられたことがあるわけですけれども、測定単位の数値をたくさん立てれば立てるほど算定方法が複雑になるという問題もあります。そこで現在はおおむね一費目について一ないし二、学校費のように三つほどのものを使っているものもありますけれども、おおむね一ないし二の測定単位を用いまして行政需要の計算をしており、その間、単一の測定単位では十分対処できない部分につきましては補正係数を適用する。すなわち、ものによって種別補正あるいは密度補正、態容補正というような各種の補正を適用することによりまして、一つの測定単位の数値による算定をより的確なものに修正しているというのが現状でございます。
○新村委員 たとえば消防の場合には、人口だけですと、その都市の市街地の態様や何かによって大変な違いができるんじゃないかと思います。高層建築が多いところと、それから人口は比較的あるけれども平家が多い、あるいは木造が多いというようなところとではかなり違うんじゃないかと思います。それから公園にしても、人間の動かないところの公園と流入人口が非常に多いところの公園とではかなり違う、こういうことが言えるわけですし、また道路にしても交通量によって損耗が大変に違うわけです。こういった点の配慮がなくても果たして公平にいくかどうか、その点もう一回伺いたいと思います。
○石原政府委員 ただいま例に挙げられました費目について申し上げますと、消防費について言いますと、地方交付税制度の前身でありました地方財政平衡交付金制度のころは、家屋の床面積を測定単位にとっておったころもあります。ただ、家屋の床面積というのは統計的には非常に正確性を欠く、錯誤が多いという難点があります。それから現時点で家屋の床面積と人口とそれぞれ比べてみますと、消防行政費との関連ではむしろ人口の方が相関係数が高い、測定単位の数値としてはすぐれているという結果が出ています。そういう意味で現在は人口を用いているわけであります。と申しますのは、家屋の床面積といたしますと、当然木造家屋と鉄筋家屋との違いの問題が出てまいりますし、また、家屋の密集の度合いによっても経費に差が出てまいります。そこで現在は人口を基本にとりながら、態容補正係数によって、各市町村の都市化の程度が進むにつれて消防行政費がよけいかかるという関係を係数化してこれを補っているわけでありまして、私どもは現在の算定方式で各市町村の実態におおむねフィットしているんではないか、このように考えております。 それから公園費でございますが、公園費につきましても現在人口を用いておりますが、各市町村の都市化の程度によって、単に人口正比例でないではないかという御指摘、そのとおりでございます。現在はその関係を補正する趣旨で、各市町村の公園の人口当たりの面積の要素を密度補正という形で取り上げまして、実態に合うように補正を適用している状況でございます。
○新村委員 それから、たとえば社会福祉費、これも人口ですけれども、これは地域によって老齢化のはなはだしい、老齢人口の非常に多い地域と、それから若年者の多い地域、これはかなり明瞭にいま分かれている実態ですね。こういう中で、単なる人口ということではちょっと大まか過ぎるのじゃないか。それから清掃費についても昼間流入人口によってかなり違うということでありますけれども、そこらはどうでしょうか。
○石原政府委員 老人対策につきましては、生活保護費の計算におきまして、人口を測定単位に生活保護費の計算をしておりますが、その中で老人福祉関係の経費も見ておるわけですけれども、その際には、総人口に占める老人人口の密度に応じて、全国平均を上回る団体には割り増しを適用するという形でその間の補正を行っております。 それから清掃費等におきましては、普通態容補正の計算に当たりまして、特に都市化の進んだ都市につきまして、昼間流入人口に伴う増加財政需要額を算入できるように係数を積算いたしております。
○新村委員 次に、単位費用の推移の点ですが、傾向的に特定の単位費用が安くなっておるという事実があるわけです。たとえば都市計画費、公園費等が傾向的にずっと低くなっておるということですけれども、これはどういうことですか。
○石原政府委員 ただいま御指摘になりました都市計画費とか公園費とか、こういった系統の経費におきましては、投資的経費のウエートが高いものですから、これが起債振りかえになった関係で単位費用の伸びが悪いという現象が起こっているものと理解しております。
○新村委員 その他の教育費、これは社会教育費などが主体だと思いますけれども、これらもやはり同じことなんでしょうか。社会教育費、これは投資的な経費もありますけれども、公民館活動であるとか、そういったいわゆる教育的な運営費があるわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○石原政府委員 その他の教育費におきましても、投資的経費の起債振りかえによる影響で単位費用の伸びが悪いのだと思います。経常的経費については特に落ちる要因はないと考えております。
○新村委員 これもやはり先ほどの問題と関連するわけですけれども、まあいいでしょう。 次に評点の算定について五十三年度から変わったわけですが、その中で昼間流入人口というのが新しく入ってきて、これが配点百点ということなんですけれども、これが最高七十万エルダー、イコールということで、これを基準にしてそれ以下のところをずっと配点していくということのようですけれども、これでは実態に合わないと思いますが、いかがでしょうか。
○石原政府委員 態容補正の適用の基礎となります種地の決定の要素として昼間流入人口を取り上げたわけでありますが、それに割り振られるべき評点は百点が適当である、いろいろな分析の結果そういう結果が出たわけでありますが、その百点の評点を各団体の流入人口の分布に応じてどのように割り振るかということでございます。 確かに、たとえば東京都のように極端に昼間流入人口の多い団体を含めて、たとえば東京都は二百万というような大きな数字を含めて百点の評点配分をいたしますと、大部分の市町村は非常に下の方に集まってしまうわけです。評点差というものが、各団体の昼間流入人口の差というものが評点の上に余り適切に反映しないといううらみがあるわけです。そこで全国の都市の分布を見ながら百点満点を配分する配点の基準をつくったわけでありますけれども、その際に七十万というものを最高にして配点をすることが市町村の分布に最もうまくマッチするということで決めたわけであります。そうしますと、当然七十万を超える団体、東京都のように非常に流入人口の多い団体は、七十万も百万も百五十万も同じく百点ということで、その評点の上に反映する度合いが的確でないじゃないかという疑問が生ずるかもしれませんが、この点は、結局評点が百点満点であればそれを直ちに需要計算に用いるわけでありませんで、その評点を基礎にして算定されました、それによって決定された各種地ごとに係数を定めておるわけでありまして、問題は東京都とか大阪市のように最高の評点のところは、いわゆる甲の十の種地になるわけでありますが、これらの団体につきましては、各行政項目ごとにそれらの団体の行政需要が的確に反映するような係数を定める、いわゆる補正係数を定める場合にその実態を十分反映するように考えればいいんじゃないかということで七十万人を百点満点にいたしたわけであります。したがって、そのことが直ちに東京都二十三区のような非常に極端に大きな昼間流入人口のある団体に不利に働くということにはならないと思います。 要は、そのような団体が具体的にランクづけされる甲の十種地の適用係数が実態を反映しているかどうかというところにかかってくるわけでありまして、補正係数を決めるに当たりましては、各種地ごとの都市の財政需要の実態を十分反映するように係数の設定を行っているつもりでございます。
○新村委員 このほかに態容補正でさらに修正をする、救済をするということのようですけれども、東京都への実際の流入は三百万を超えるというふうに言われております。七十万と三百万は非常に違うわけですが、それらの調整がうまくいくのかどうか、大変これは疑問な点ですけれども、先に進みたいと思います。 次に、最終補正係数ですが、足したり掛けたりして最後の補正の数字でその趨勢を見ますと、これがまた一つの趨勢を示しておりまして、大都市、その象徴的なものは東京都でありますが、大都市、東京都が傾向的に下がっておるということです。消防費においても昭和四十八年度から五十二年度までを見てみますと、東京都、大都市、いずれも同じようなテンポで下がっておる。保健衛生費についても清掃費についても都市計画費についても同じことが言われますけれども、この理由について伺いたいと思います。
○石原政府委員 いま例示されました各費目とも、最近の傾向として特別区あるいは大阪市などの大都市の適用係数が傾向的に下がってきていることは事実であります。その理由といたしましては、そもそも態容補正係数が適用される理由というのは、各市町村の都市化の程度によりまして行政需要に大きな開きがある、こういう事実に着目して係数がつくられているわけでありますが、ただいま御指摘になりましたような費目は、いずれも過去においては一般の市町村、特に田舎の市町村と大都市との間には非常に大きな行政需要の差があったわけであります。そういった実態を踏まえてもともと態容補正係数がセットされておったわけでありますが、最近、特に昭和四十年代以降、これらの行政についていわゆる都市化の全国的な普及といいますか、都市化が全国的に及んできたということでありまして、たとえば消防行政費について見ますと、従前であれば田舎の市町村では自衛消防が非常に大きな役割りを果たしておりまして、常備消防のウエートは非常に低くて済んだ。そのために消防行政費におきましては大都市と比べますと非常に大きな開きがあったわけでありますが、最近では田舎の市町村でも常備消防でなければ消防行政が充足できない。あるいは最近であれば救急業務といったものは、大都市のみならず田舎でも非常に大きなウエートを占めてきている。このようなことで、傾向的に大都市と中都市、小都市の間の行政の質量の差というものが急速に縮小してきております。 これらの点を反映させるために毎年度単位費用を引き上げる、要するに田舎の水準を引き上げていく。そうすることは、相対的に大都市との間の行政質量差が縮むということであります。大都市に対して田舎の市町村が追いついていくという形でありますから、係数としては縮小せざるを得ない。これらの実態を踏まえながら、毎年度地方団体と大都市との間の決算の分析等を行いながらこの係数を設定しております。そのことは行政の実態が、いわゆる格差が縮小してきている、行政水準の差が縮んできているということに対応いたしまして係数が引き下げられてきているわけであります。ですから、この点は係数を引き下げるということが先ではなしに、行政実態の差が縮んできているということを適正に反映しようとすることのあらわれである、このように御理解をいただきたいと思います。このことは、いま御指摘になりました各費目とも共通の現象でございます。
○新村委員 それはわかるような気がするわけですけれども、それをもう少し納得できるような数字的な根拠に基づいての説明、これをいただきたいわけですけれども、傾向としては確かにそういうことが言い得ると思いますが、それがどういう根拠によってどういう接近の仕方をしているか、数字的な分析がございましょうか。
○石原政府委員 団体相互間の行政質量の差というものは、結局私どもは手がかりとしては決算分析によるしかないわけであります。ただいま御指摘のありました費目等につきまして、それ以外の費目についてもそうでありますが、毎年度補正係数を見直す場合に、その直近の年度の決算の分析を行いまして、各種地ごとの団体を抽出いたしましてその団体の当該行政項目にかかる一般財源所要額を並べまして、それとそれまで用いておりました態容補正係数と対比してその間に差が出てくればその差を修正していく、こういうやり方をしているわけであります。これらについては計数的な基礎をもって検討を加えているところでございます。
○新村委員 次に、これは主として東京都の財政についての問題ですけれども、読売新聞には「都財政に国がいやがらせ?」「交付税四千億円もらえるはず」「東京は金持ちと診断されたため、五十三年度四千二百億円余の地方交付税をもらいそこねている——。」云々という記事がありますし、毎日新聞には「地方交付税の算出法や起債運用大都市は不利だ」という見出しで「都の財政危機の主な原因が、大都市に不利な地方交付税額の算出法、地方債制度の運用の誤りにある、と〃国の責任〃を強く指摘するとともに、都に対しても、今後の都政運営」云々とありますが、こういうことに対して自治省としてはどうお考えでしょうか。
○石原政府委員 ただいまの新聞記事を引用してのお話しでございますが、恐らくこれは東京都の新財源構想研究会におきまして東京都の財政問題をいろいろな角度から検討された中で、地方交付税制度の算定に非常に大きな原因があるのではないかという見地に立ちまして、現在の交付税の算定方法をいろいろな角度で分析しながら出した結論が、一つは仮に過去の一定の、たとえば四十二年度とか四十四年度とか五十年度とか一定の年度をとりまして、その年度以降の基準財政需要額の伸び率を全国平均と同じとしたならば、東京都はあるいは四千億程度の交付財源不足が生じたはずである、あるいは二千七百億程度の財源不足が生じたはずである、こういうくだりがあるのであります。その点が恐らく新聞等にも報道されたのではないかと考えます。 このような主張につきましては、私どもは根本的にいまの交付税制度のたてまえを否定する考え方につながるのではないかと思うのであります。といいますのは、交付税の算定は毎年度財政の実態を踏まえて基準財政需要額の算定を行っているわけでありまして、過去の一定の年度をフィックスしまして、その後全国平均の伸び率で基準財政需要額が伸びたならばどうなったという議論をしたならば、交付税の毎年度の改正というのは全くこれはナンセンスになってしまう、否定してしまうことであります。仮に新財源構想研究会が主張されておりますように、たとえば交付税の算定方法が大きく変わりました昭和四十二年度あるいは四十四年度、この時点を基礎にして基準財政需要額の伸び率を生国一律に置くということをいたしますと、東京三多摩の地区では交付税をもらえる団体は一団体だけであとは全部不交付団体になってしまうわけです。東京都の都下の団体いずれも最近の社会経済情勢の非常な変化によりまして財政需要が伸びております。その伸びておる需要を交付税算定上は的確に捕捉した結果、現在は三多摩地区の都市も非常に多くの団体が地方交付税の交付団体になっているわけですけれども、これらを全部否定してしまうということにもなりかねないと思うのであります。 結局、この問題は、要は各年度の基準財政需要額の算定、特にその場合の補正係数の積算が妥当であるかどうか、こういうことに尽きると思うのであります。この点につきましては、先ほど来お答えしておりますように、私どもといたしましては、毎年度の補正係数の決定に当たりましてできるだけ新しい年度の決算を分析して適正な係数の設定に努めているところでありまして、私どもとしては、東京都あるいは二十三区の係数がこれまで下がってきたということは、先ほど来申し上げておりますように、都市化の程度が全国的に一般化してきたその結果として係数が縮小せざるを得なかったということのあらわれでありまして、決して新聞報道等の内容というのは適切ではない、私はこのように考えております。
○新村委員 新聞報道がすべて正しいということ、あるいは財源研究会ですか、この主張がすべて正しいということではありませんけれども、こういうことが言われるということの中には、やはり交付税法の運用に問題がある、すべて完全ということではない。その運用の問題点の中から出てきた問題だと思うのです。 それともう一つは、区の問題ですが、交付税法の中でも、二十一条で区は財政的には自治体として認めていないわけです。しかし、最近区長の公選も実現をしたし、区が市町村と同じような完全自治体にかなり近づいているという面もあるわけでして、いつまでも区と都とを一体として交付税を計算することがいいか悪いかという問題が出てくるのではないかと思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
○石原政府委員 御指摘のように、交付税法第二十一条の規定によりまして、特別区の存する区域はこれを一の市とみなし、最終的には都と特別区の区域に係る算出額とを合算して、両者を合算した基準財政需要額と基準財政収入額によって交付税の算定を行うという制度がとられております。 実は、この制度はかつて区長公選制があった時代からそうであったわけです。区長が昭和二十七年から任命制になる前から、公選制の時代からこの制度はとられているわけでありまして、このことは特別区の区長が直接公選制に復帰した現在も同じ事態が続いているわけです。このような方法をとっております理由は、特別区は他の市町村と違いましてその処理する行政事務の内容に非常に大きな違いがある、すなわち、一般の都市において非常に大きなウエートを占めております消防行政あるいは下水道行政、清掃行政、都市計画行政、こういった主要な都市行政を現状においてはすべて東京都が処理しておるわけであります。 このようなことに対応して、税源の帰属におきましても、固定資産税あるいは市町村民税の法人税割、それから事業所税、特別土地保有税、こういった一般の市町村であれば市町村の有力な税源を、特別区の存する区域については東京都がこれを徴収するという特例があるわけです。そうして、このような事務の特例と税源の帰属の特例に対応いたしまして、東京都については都区財政調整交付金制度というものがしかれております。そうして、いわば都と区がきわめて密接な関係で財政の運営が行われている。このような事実に着目して、現在の交付税制度におきましては都分と二十三区分を合算するという特例規定が置かれているわけであります。 したがって、私どもはこのような事務配分といいましょうか、事務処理権限の特例及び課税権の特例、こういったものが一般市町村並みになれば、当然一般市町村と同じようにそれぞれ独立した計算が行われるべきであると思いますが、現状においてはこのような特例がある以上合算規定が合理的ではないか、このように考えております。
○新村委員 確かにこれは機能にも差があるわけでして、区長が公選になったからほかの市町村と全く同じになったということを言っているわけではありませんけれども、自治体としての独立性が強化されているという側面はあると思うのです。それと都区合算制ということ、あるいは財源調整を都の中でやっているということは、都の中に、区ごとに検討すれば弱小の区、その区だけで計算すれば交付税がもらえる区が相当あるのではないかと思いますけれども、都の責任においてその財源措置をさせておるということですけれども、これは東京都を一体として考えればやむを得ないという面もあるかもしれませんけれども、国が自治体についてはすべて財源措置をしているわけであって、基準財政需要額をはるかに超える豊かな団体であっても、その超える分については国がその財源を取り上げるということはしないわけですから、東京都についてだけ都内で調整をさせて、裕福な団体から弱小の区にその財源調整をさせる、そこに均てん化を図るということを東京都についてだけやらせておるわけですけれども、それらの点について、やはりこれは公平の原則から言っていかがなものでしょうか。
○石原政府委員 二十三区の各区ごとに仮に交付税計算を行った場合にどういう結果になるか、私どもやってみたことはございませんが、区相互間に非常に大きな財政力の差がありますから、恐らくある区は極端な財源超過団体になるでしょうし、ある区は財源不足を生ずるということが起こるかもしれません。これはやってみたことがありませんからわかりませんが、ただ、先ほど来申し上げておりますように、二十三区の区域、すなわち昔の東京市の区域につきましては、これは行政の一体性が非常に強いということで、現在は交付税法上は市とみなして、一つの市としての計算をしているわけであります。そうした上で都と合算して交付税の算定をしている。その理由は、やはり都と区の関係及び区は区相互間に行政の一体的な処理が多方面にわたってなされている、そういうような事実から、交付税法ではそのような扱いをしておるわけであります。またさらに別途、御案内のように都区財政調整交付金制度というものがありまして、この二十三区の区域につきましては都との間で一定の財源調整が行われておるわけであります。 したがって、こういう特殊な財政実態を踏まえて現在の交付税制度の特例が定められておるわけでありますから、一定の仮定を置いて、生ずるであろう財源不足について交付税を交付することが不公平なのかどうか、一種の得べかりし利益というような考え方ができるのかどうかという点については、私はむしろ消極的でございまして、いまの行財政の実態からするならば現在のような算定方式の方が妥当なのではないか、このように考えます。
○新村委員 次に、これはちょっと前にも戻るわけですけれども、基準財政需要額の累年比較があるわけですが、一般の市町村、全市町村に比較をして東京都及び政令都市が傾向として低い、これについては先ほど御説明があったのですが、それが年度によって必ずしも一様でないわけですね。それが急に進んでおる年度もあるし、そうでない年度もあるということで、全地方自治体の平均の伸びにあるいは接近し、あるいは遠ざかるというような形で来ているわけですけれども、この合理的な根拠についてもう一回伺いたいと思います。
○石原政府委員 先ほど申し上げました態容補正係数の見直し作業は、全費目を通じて毎年度一律的に行っているわけではございません。年度によって、費目によってそれぞれ見直しのテンポが違うものもあります。制度改正とも絡めて見直すケースもありますし、その関係で各団体の基準財政需要額の伸び率に与える影響が違ってまいりますから、一律には出てこないということが当然出てまいります。特に東京都の場合、都市計画費について昭和四十六年度だったですか大きな改正がありまして、それまで指定都市について国道、府県道の維持管理の経費を態容補正で一律に見ておったものをそれぞれ投資補正で算定するように改めたことがありますが、その際に、普通態容補正で一律に見ておったときには、二十三区もあたかも都道や国道を管理する経費が必要であるような形になっておったわけであります。種地ごとの係数の中に、具体的に申しますと、当時で言えば甲の八種地の係数の中には大阪市などの経費を中心に係数を積算しておりまして、結果として、二十三区については実際に処理権限のない経費まで算入されておった、結果的に過大算定が行われておったというケースがありまして、それを投資補正に置きかえた際に、投資補正は現実の管理費用を算定するような方式になっておりますので、二十三区については従来、いわば架空のと言っては何ですけれども、算定技術上見られておった過大算定になっておった部分が一挙に是正されたということがありまして、そういったときには基準財政需要額の伸び率が非常に低くなっております。そのように年度によってばらつきが出てまいりますのは改正の内容が一律でないということに起因するわけであります。
○新村委員 これは四十二年から少なくとも五十三年まではそういう傾向で、全国平均の伸びに対して形の上では都の伸びを抑えるような趨勢で進んでおるわけでありますけれども、この趨勢は将来の見通しとしてはいつまでも続くのか、どういうものでしょうか。
○石原政府委員 率直に申しまして、昭和四十年代の後半から最近までの間、いわゆる都市化現象の全国平均化という傾向が非常に強かったと思うのであります。そういった意味で態容補正係数の見直しの都度、標準団体に対する指定都市の割り増し率が相対的に下がってくるという傾向が出てきたわけです。私どもはこういった見直し作業というのは五十三年度までにかなりの程度行われたものと考えております。しかし、今後におきましても従来と同じような見直しの検討は続けていかなければいけないと思っております。その結果、従来と同じ傾向が出てくるか、あるいは従来の傾向がここら辺でおさまるか、これは決算分析等の結果にまたなければならないわけですけれども、考え方としましては、常に最近の財政実態というものを踏まえて適正な係数を積算したいと考えております。 なお、これまでの係数の見直しにつきましては、特に大都市の次のクラスの都市、具体的に申しますと、千葉市でありますとか、尼崎市でありますとか、堺とか広島、こういうグループの都市との間の差が特に意識されたわけでありまして、これらについてはかなりの程度是正されたものと思っておりますが、なお今後とも実態の把握に努めてまいらなければならない、このように考えております。
○新村委員 東京が象徴的にあらわれているわけですけれども、大都市には大都市特有の財政需要があるわけだし、こういう傾向がどこまでも続くということについてはきわめて深刻な疑問なきを得ないわけでありまして、これを大都市に納得させるだけの合理的な根拠を明らかにしていかなければいけないのじゃないかと思います。 その一つの例としては、東京都議会の中で与野党を問わず、交付税の運用について深刻な疑問が論議の中にあらわれておるわけです。たとえば「私は、以上のように、この交付税問題、データで確認してまいりました。都の地方交付税の需要算定は、政府によって意図的に切り下げられていると思います。」というような疑問は、それが正しくあるかないかということは別としても、こういう疑問の声が起こること自体に交付税の運用の問題があるわけです。これは別の人ですけれども、基準財政需要額の算定上主要な要素であります補正係数、また単位費用の積算根拠の全貌が国から明らかにされていない、こういうようなことで交付税の運用に対する不満なり疑問なりが表明をされておるわけでありますし、まず何よりも先に解決すべき問題は、自治体代表や学識経験者の参画のもとに交付税制度改善運営委員会のような話し合いの場を早急に設定し、交付税制度等を民主的に運営することであるというような声も出ておるわけでありますけれども、これらについて交付税の運用あるいはその死命を制する補正係数の決定等について、全く自治省さんの恣意とは言いませんけれども、自治省さんだけでいまおやりになっているわけでありますけれども、これについてその決定の過程あるいはその検討の過程で一般の声を聞くような工夫ができないものであろうかどうか、これは大臣にお伺いをしておきたいと思います。
○石原政府委員 基本的なことにつきましては大臣から御答弁申し上げますが、その前にちょっと私から補足させていただきますと、東京都につきましては、従来不交付団体であったということもありまして、ほとんど私どもと意見交換をしたことがございません。ほかの団体の場合には大変熱心にいろいろな意見を私どもにぶつけてこられますし、私どもも私どもの考え方を申し上げ、説明をする、そういう過程を通じまして、私どもはできるだけその補正係数の基礎等を含めて交付税算定の内容は公にしてきておるつもりでございますが、東京都につきましてはほとんど共通の場での議論がなかったものですから、理解が得られなかった面があったのではないか、このように思います。私どもの方の努力不足という点もあろうかと思いますが、東京都の方もこの点について特に御意見を持ってこられたこともありませんし、また説明を求められたこともございません。お互いの勉強の場がなかったというのが実態でございます。その点につきましては、私は、今回の新財源構想研究会のような形でいろいろ検討されるのであれば、あの検討の過程で一度も私どものところに説明を求めてこられなかった。私どもは説明を求められればいつでも行って説明をいたしますし、おいでになればお話しもしたいと思っております。今後これを機会に東京都のような不交付団体につきましてもどしどし御意見をいただき、また私どもの考え方も申し上げてコミュニケーションを深めてまいりたい、このように思っております。 それから、先ほども申し上げましたが、毎年度の交付税算定に当たりましては、算定の終わった秋の段階で全般的な法律改正をも含む御意見を組織的に拝聴しておりますし、また交付税法の改正法案がお認めいただきますと、直ちに本年度の算定作業に入るわけでありますが、この段階でもいろいろ御意見がある向きにつきましてはできるだけ時間を割いて御意見を拝聴するようにいたしております。その御意見を拝聴し、議論を闘わす過程において補正係数の内容等についても、地方の実務家の方々は、特に市町村の場合には地方課の方々が中心になってやっておられるわけですけれども、現在の算定の経過等も十分御理解いただいているものと私どもは考えておりますし、この努力は今後ともさらに続けてまいりたい、このように思います。
○澁谷国務大臣 交付税の算定の仕方、これはあくまでも公正にやらなければならないことは当然でございます。したがって、従来もいまお答えしましたように各地方団体の意見は十分拝聴して直すべきものは直す、そういう努力は積み重ねてやってきておるわけでございますが、今後ともそういった努力は一層真剣にやっていく必要がある、このように考えます。
○新村委員 いま都とは全く交流がなかったということですけれども、それはいみじくも自民党の議員さんが、現在の交付税制度の最大の問題は情報の流れが国から地方へ一方交通だけであって、フィードバック装置が制度的に保障されていない点にある、こういうことを言っているわけです。いままで東京都と自治省が全く意思の疎通がなかった、そしてお互いに財政戦争を遠くで対峙しながらやっておったということではないかと思いますが、新財源研究会の考え方が間違っているとすれば、自治省さん、これはお互いに議論されて、どっちが正しいかあるいは両方とも間違いがあるのか、それはわかりませんが、十分研究あるいは議論を深めて、こういう声が地方にないようにしなければいけないのではないかと思いますね。これは地方財政の根幹をなす制度ですから、これに対して地方がこういう不信を投げかけるようでは非常に困るわけですね。その点をひとつお願いをしたいのです。 それと、各都道府県の意見を聞いてとおっしゃいますが、都道府県の意見は抜け駆け的に自分のところをいかに有利にするかということでの個々の折衝ではないかと私は感じているわけですけれども、そうではなくて、制度的に地方と自治省とが相談をする、そういう機関があってもいいのではないか。そうでないと、個々に話をするということは、たとえば千葉県なら千葉県が来てこういうところが不合理だと言うことは、千葉県にいかに有利にするかということだけしか考えないわけですから、それでは制度自体の改善にはならないわけです。そうではなくて、一つの制度として地方の声を聞く、あるいは一般の声を聞く、こういう制度があってもいいのではないかと思いますけれども、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○石原政府委員 大臣から御答弁する前にちょっと補足させていただきます。 先ほど東京都の問題について申し上げましたが、東京都が新財源構想研究会で交付税制度の批判をされたわけですが、その批判の検討の過程で私どもに全くアプローチがなくて、ああいう研究をしておられるのを私ども知らなかったわけです。それでよくわからぬとか説明がないとかいうくだりがいろいろ出てくるのですけれども、私どもに説明を求められたこともありませんし、そういう点では私は残念だと申し上げたわけです。 実は東京都の場合でも、たとえば東京都の地方課は三多摩地区を初め市町村の交付税の算定事務を行っておりますが、これらの人たちはしょっちゅう来ております。近いものですからしょっちゅう来て意見を十分交わしております。私が申し上げたのは、新財源構想研究会の方々が私どもに全くアプローチなしにいろいろ断定的な意見を述べられているという点について申し上げたわけであります。 それから、先ほど各自治体が自分のところに有利なような意見を持ってくるだけじゃないかという御指摘ですが、確かに各自治体とすればいかにして自分のところのいろいろな条件を交付税算定に反映させるかということで非常に熱心に意見を持ってくる、これは事実であります。ただ、たまたまやかましく言ってきたものだけの意見を聞くというのでは不公平になりますので、私どもは組織的に毎年度一定の時期を定めまして各自治体に意見があったらおいでくださいということを御案内しております。そうして全般的な意見をお伺いすることに努めております。それからまた、個々の団体ごとの自分のところの利害に関係のある意見だけということではいけませんので、都道府県の地方課からその県内の全市町村を通ずるいろいろな御意見も承ります。さらに現在は地方六団体、特に全国知事会の財政部あるいは全国市長会の財政部、全国町村会の財政部は毎年度かなり組織的に交付税制度の配分方法の改正等について検討を加えられておりまして、その過程で意見を持ってこられます。これらの意見は全国知事会、市長会、町村会の性格上、特定の団体についてどうということでなしに、制度全体の見地に立ちましてこうすべきだ、ああすべきだという意見を出していただいております。これらにつきましても私どもはできるだけ時間を割きましてこれらの意見を拝聴し、反映させられるものは反映させるように努力をいたしてきておりますし、今後もさらにその努力を強めてまいりたい、このように考えております。
○澁谷国務大臣 いまお答えしましたように、各地方公共団体の意見を十分取り入れる、そういうものを参考にして検討をする、こういう努力は非常に熱心にやってきておるわけでございます。これは今後ともさらに一層そういった努力を続ける必要がある、こういうふうに考えます。 それから東京都と自治省との間のコミュニケーションが十分でなかった、十分でなかったというよりもむしろ非常に少なかった、足りなかったことは否めないことだろうと考えております。一番近いのですから、同じ東京都におるわけでありますから、もっと積極的に、東京都もこれだけの大きな問題を抱えておるわけですから、東京都は東京都として自分たちはこういうふうに考えるのだ、こういう点はこういうふうに直してほしいというような点は、お互いに日本人なんですからひとつどんどん来て率直な意見の交換をやるべきだと私は思います。自治省としてはもちろん喜んでそういった機会を持つようにいたしまするし、そういった御意見に対しても十分耳を傾けて、われわれの参考にして取り組んでいきたい、このように考えます。
○新村委員 いま石原さんのお話しもありまして十分意見は聞いておる、この段階をあと一歩進めて広く意見を聞く組織なり機関なりをつくっていただければ一番いいのでありますけれども、その努力を今後も検討願いたいということですね。 それから、大臣、交付税制度は地方財政の根幹ですから、十分地方団体が信頼をしてこの制度が活用されるように真相をよく知らしめる、密室の中で補正係数を決めて、あなたのところはこれですよということではなくて、十分納得のできるような、そして信頼をされる交付税の運用をしていただきたいということをお願いをいたしまして終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○松野委員長 次回は、明二十六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十九分散会