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87回国会衆議院1979/06/21

大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号

発言数
255
登壇者
25
会派数
6
開催日
1979/06/21

会議録

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 これより金融及び証券に関する小委員会を開会いたします。  金融及び証券に関する件について調査を進めます。  まず、昨日二十日の金融制度調査会の答申につきまして、徳田銀行局長より説明を求めます。徳田銀行局長。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融制度調査会におきましては昨日六月二十日、「普通銀行のあり方と銀行制度の改正について」の答申が決定されまして、大蔵大臣に提出されました。  金融制度調査会は昭和三十一年以来、金融制度上の重要な問題について審議し多くの答申を行ってきたわけでございますが、昭和五十年五月、大蔵大臣から新たに「経済金融情勢の推移にかんがみ、銀行に関する銀行法その他の法令及び制度に関し改善すべき事項並びにこれらに関連する事項について、貴調査会の意見を求めます。」という諮問が行われたわけでございます。  このような諮問が行われた背景といたしましては、第一に、わが国経済は高度成長から安定成長へと移行しつつあり、また、経済の国際化が進展する等構造的な転換期を迎えており、これに伴い金融構造も大きく変わろうとしていることでございます。  第二に、経済社会構造の変化に伴う国民の意識の変容等を背景といたしまして、国民のニーズが多様化していること及び金融機関と個人との接触が深化していること等の情勢変化のもとで、特に近年、金融機関をめぐりさまざまの問題が提起される等金融のあり方に対する国民各層の期待と関心が急速に高まってきていることでございます。  第三に、昭和二年に制定された銀行法は、その制定目的に沿い適切に機能を発揮し、わが国経済社会の発展に寄与してきたと考えられますが、制定以来半世紀を経て、銀行法及び銀行をめぐる経済社会環境は大きく変化しており、わが国経済社会についての長期的な視野に立った検討が重要となっていると思われることでございます。以上の三点が挙げられるわけでございます。  金融制度調査会は、このような諮問を受け、わが国金融制度について全面的な検討に入り、まず、金融制度の中核である普通銀行のあり方を中心に検討を行うこととし、審議が進められてきたわけでございます。検討に当たりましては、小委員会を設置し七つの検討事項に従って順次検討を行い、昨年末の総会をもって当初予定された検討事項について一通りの審議を終え、本年一月以来、従来の検討結果の総合的見直しを行い、その上で答申の取りまとめを行ったわけでございます。また、銀行法の改正につきましては、小委員会に法制懇談会を設置し、専門的な検討を行い、その検討結果は答申文に「銀行法改正の具体的内容に関する小委員会の意見」という形で織り込まれております。  答申の基本的な考え方は大要次のとおりでございます。  銀行は、貯蓄手段の提供、資金供給、支払い決済等の国民経済的、社会的に重要な諸機能を担っていることにかんがみ、公共性の高いものとしてとらえられているわけでございます。そのため銀行については、信用秩序の維持と預金者保護を図るため、その経営の健全性を維持することが基本的に要請されておりますが、さらに、国民経済的観点に立った資金供給、国民のニーズ等に適合した金融資産の提供等国民経済的、社会的な諸機能の適切な発揮が図られていく必要があるわけでございます。  銀行は、一般企業に比べて社会的責任が重いものであると言えるわけでございますが、銀行が経営の健全性を維持しつつ公共的機能を適切かつ十全に発揮し、経済社会の要請に適切に対応していくことが、その社会的責任を果たしていくゆえんであると考えられます。  銀行がこのような公共的機能を発揮し社会的な要請に対応していくためには、銀行が自己責任の原則に立ち自主的かつ創造的な企業努力を行っていくことが最も重要でございます。このためには、私企業としての銀行の活力を十分に発揮させていくことが望ましく、そのため、適正な競争原理を一層活用するとともに、銀行が社会の多様なニーズを的確に把握しこれに十分対応していくことができる態勢を整備していく必要があるわけでございます。  具体的には、第一に金利機能の一周の活用、第二に銀行の業務範囲の弾力化による銀行の創意工夫の発揮、第三に各銀行の特色及び各業態の専門性の発揮、第四に銀行経営の効率化の推進、第五に許認可等の弾力的運用を図る必要があるわけでございます。なお、適正な競争原理の活用に当たっては、銀行経営の健全性の確保に配慮することが基本的に重要でございます。また、銀行の機能発揮等のためには、銀行の内部の態勢の整備が必要であり、さらに、行政当局による適切な監督、行政指導及びディスクロージャーの活用等による環境、条件の整備等が行われる必要があるわけでございます。  調査会が昭和四十五年の「一般民間金融機関のあり方等について」の答申で提唱した金融の効率化の考え方は、今後ともこれを推進していくことが重要でございます。しかしながら、近年における経済社会の構造的な変化や国際化の著しい進展等にかんがみますと、今回新たに金融制度を検討するに当たっては、国民経済の立場を踏まえ、社会的公正に配意した新しい金融効率化の展開を図っていくことに視点を置くべきであると考えられます。すなわち、金融全体として適正な競争原理と金利機能を一層活用していくことは当然でございます。同時に、近年の経済社会環境の変化等を踏まえ、金融機関が単にその経営の効率性を追求するのみならず、これと国民経済的見地及び社会的公正の観点から見て適切にその諸機能を発揮することとを調和のとれた形で図っていくことが重要であると考えられるわけでございます。  答申は、このような基本的な考え方に立って、銀行に要請されるあり方とその実現のための方策、さらに今後の望ましい銀行制度を築くための銀行法の全面的改正について、重要な指針を示しているわけでございます。  政府としては、この答申の趣旨を尊重しながら、金融制度、金融行政等につき新しい金融の効率化を展開いたしますとともに、新たな時代にふさわしい銀行制度が形成されるよう、また、そのために必要な銀行法の改正を行うということにつきまして努力してまいりたい考えでございます。  以上でございます。

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 ただいま銀行局長から金融制度調査会の答申についての御報告があったわけでございますけれども、ちょっと質問の順序を変えまして、その問題は後からやらしていただくことにいたしまして、最近、生命保険の問題がいろいろと取りざたされております。そこから若干入らしていただきたいと思うのでございます。  それは言うまでもなく、愛知県で起こりました連続保険金の殺人事件、長崎なる者の事件でございますけれども、このような事件というのは実は私自身、問題意識としてはかなり前から持っていたわけで、それなりに追っていたわけでありますけれども、あのような悲惨な事件になって、保険のあり方というものを少し考えてみなければいけないのではないかというふうに思うわけでございます。  そこで、たとえば長崎の事件につきましても、具体的に申しますと、和佐田春枝さんという人に掛けられている生命保険、これはどれも日本生命の生命保険でありますけれども、合計いたしますとその額が一億八千万円、これは災害特約を含めた場合でありますが、月々の払い込みの保険料が十二万三千六百八十円になるという膨大なものであります。その受取人が長崎の妹の有代さんのものになっておるのが二つ、有代さんの長女になっているもの、長男になっているもの、こういうようなものがあって、そして勧誘した担当者が岡崎支社の非常にベテランの外務員であるというようなことを考えますと、生命保険の勧誘のあり方なり、あるいは、こういった多額な生命保険を掛ける問題自体に問題があったのではないだろうかと思わざるを得ぬのであります。  保険部長として、今回のこの悲惨な連続保険金殺人事件について、一体生命保険の制度として問題がなかったのかどうなのか、どうとらえているのかについてまずお伺いをさせていただきます。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 お答えいたします。  今回の連続殺人事件につきまして、われわれは保険のあり方として深く反省しているわけでございますが、いま先生御指摘の事件につきましてあるいはそれに関連するいろいろな事件をいろいろ調べましたけれども、一概に不自然なものばかりではないわけでございます。実は保険でこういう事件が起きますのは、大体二つの形態に分かれると思います。  一つは、入院給付とか疾病給付。主契約というのがございまして、それに入院給付とか疾病給付をつけるやつがございます。これがわりあいとモラルリスクといういま問題になっているものの対象になるわけでございまして、これにつきましては、主契約と特約にくっつけるそのバランス、そういうものを十分に見て防ぐことができますし、金額的制限もある程度できようかと思います。  問題は、死亡保険金そのものにこういう問題があるときでございまして、これにつきましては、大変むずかしいといいますか、契約の引き受けの際にむずかしい問題がございまして、個人の価値観の問題、価値観も変化しておりますし、それから、所得のぐあいから見てそれほど不自然でないものがございます。そういった点で、余り高額なものだからと言って一概にこれを拒否することもできません。したがいましてわれわれといたしましては、消費者といいますか契約者のニーズに本当に合った契約であるかどうかというものを大体、その人の社会的な地位、月収、資産状況、それから、受取人と契約者との続柄と申しますか、そういうものを十分勘案してやるようにというように業界をかねてから指導しております。昭和四十年ごろからそういう通達を頻繁に出しておりますが、なかなか個別の案件では実効を伴わないわけでございます。  いま先生御指摘のように、制度として問題があるかというと、これは大変むずかしい問題でございまして、もろ刃の剣といいますか、一つの制度でルールをつくってしまいますと、せっかく善良な契約者といいますか真のニーズのあるものを殺してしまうということで、欧米なんかの例を見ましても、金額制限というのは大変むずかしいことになっております。したがいまして、非常に迂遠といいますかじみちなあり方でございますが、外務員の教育を徹底いたしまして、いま申しましたいろいろな要素を加味して十分に常識的な線で契約するようにということを徹底するほかないのではないかと思っております。結論的に申しますと、そういったじみちな努力を積み重ねて、保険制度そのものの非難を招かないようにしようということしかいまの段階ではお答えできないと思います。  それから、実は保険審議会がございまして、答申をいただいたわけでございますが、いまの問題につきましても、「契約の締結に際し、契約関係者の生活・職場環境から見て異常に高額と思われるもの、その他社会的常識から判断して疑義があると思われるものについては、十分な調査の上、慎重に取り扱うべきである。」という指摘を受けました。結論はこうなっておりますが、審議の中で、ずいぶんいろいろな具体例が出ましたけれども、いま御説明申し上げましたように、なかなかこれといった決め手がない、常識的に判断するほかないといった結果になっております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 確かに部長が言われるように私も、殺人事件まで発展する例というのは保険金あるいは保険の件数の中でパーセンテージにすれば、全く少ないパーセンテージだろうと思うのであります。しかしこういうものが悪用されるということについては、なるべく悪用がされないようなシステムというものを考えていかなければならぬのじゃないか。後で若干申し上げますけれども、その意味で御質問しているわけでありますが、たとえば長崎の事件に限らず最近出たものでも、群馬県下で松浪理作さんという方がひき殺された。この人は、不動産業の手伝いをやっていらっしゃる方でありますが、掛けられている保険金が病死の場合が一億三千万円、災害死亡の場合が二億六千五十万円という巨額で、この人自身は一体何をやっている方かといいますと、定収入あるいは定職というのがないんですね。それでもなおかつ、毎月二十五万円ずつ掛金をする、これなども非常に異常だと私は思うのであります。そういった意味から申しますと、いま部長が言われましたし、また、保険審議会の答申そのものにつきましても別の時期に少し詳しく質問したいと思いますけれども、いずれにしろ、具体的に私の手元にあるのはその事件でありますけれども、そのほか私も目についたものもあるわけで、そういった意味で、この生命保険が逆に生命を奪う保険になったのでは意味がないと思うのであります。  そこで、具体的にそれを防ぐやり方として私はお伺いをしたいのでありますが、一つは、死亡した場合に掛金の十倍とか二十倍とかいう非常に率の高い特約がついている、こういった保険というものが不正に保険を利用しようとする者に利用されているんではないだろうか。確かに私もいま部長の答弁の中にもありましたように、本当に社会的地位と申しますか、従業員がたくさんいるために、万が一月分が死んだ場合にはその中小企業自体が非常に困るという場合がありますから、その意味では、社会的な必要性というので何億も掛けておかなければならぬという方があることも十分知っているわけでありますけれども、非常に高い特約、これが一つ、こういった殺人事件を起こすようなからくりに利用されているのではないか。その意味では、十倍とか二十倍という特約つきの生命保険自体というものも考え直さなければならぬのではないか、こう思うのでございますが、その点についてはいかがでございますか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 おっしゃるとおりでございまして、特約の部分が非常に高いというのは異常でございますので、私どもは若干統計をとってみますと、ちょっと数字がございませんが、やはり特約部分の高いところに保険事故が高いというような結果が出ております。  そこで、損保の場合でございますと、これは一律に規定できるわけでございます。自動車保険につける交通災害の特約を、たとえば入院給付の場合は一日一万二千円、それから通院の場合は一万円というふうに切れるわけでございますが、生命保険となりますと、交通事故ばかりでなくていろいろな事故がございますので、これを金額で一律に切ることはなかなかむずかしゅうございます。しかしながらわれわれは、ある金額で指導はできませんが、あらゆる方法を通しましてそういったバランスを失しないようにということで指導した結果、ちょっと手元にある数字ですと、たとえば災害入院の一万円未満の割合がかつては九〇%とかそういうものでございましたけれども、最近は九六・幾つというふうにだんだん金額の少ない方のウエート、逆に言いますと、一万円を超えるものがかつては一〇%とか多いときには一一%ぐらいでございましたけれども、最近は三・四%に抑えておるようでございます。これも弁解がましい答弁になりますけれども、各社のいろいろな体力の相違等もございますし、お得意様もさまざまでございますので、なかなか一律に言えませんけれども、常識的な線で、主契約とバランスを失しないような指導はしんぼう強くこれからも積み重ねるつもりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 それと生命保険の場合に、各社ばらばらに入った場合に全く横の連絡がないという問題ですね。たとえば私が三つ四つの生命保険会社に入った場合に、私が総額として幾ら入っているかという問題というのは各社の連絡がない。万が一私が何かの事故に遭って、私の死亡自体が非常に不審だという場合には各社そろって調査を始めるというように、個人の掛けている生命保険が一体総額として幾らになっておるのかという問題について全く横の連絡がない。これもこれからなおかつだんだん生命保険を掛ける率というのが高くなっていく社会に対して、各社の対応というのが足りないのではないだろうかと思わざるを得ぬのでありますけれども、その点について今後、いまコンピューターの発達した時代でありますから、プライバシーの問題その他がありますのでそのあたりの問題をどうするかという問題もありましょうけれども、異常に個人が不必要な、あるいは逆にそれを悪用されるような事件に巻き込まれるということのないような処置をするためには、各社が一体この人がどういうふうに入っているのか、総額で幾らになるのかがわからないと、あるいは、おたくは掛金がこれだととてももたぬのではないでしょうかというように保険会社が言えるようなシステムをつくらぬことには、今後の保険時代にマッチしないのではないかと思わざるを得ぬのでありますが、その点についていかがですか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 御指摘のとおりでございます。  実は、いま答弁で申し上げようと思っておって先生が言われたのですが、プライバシーの問題がございます。先生のいまの御質問の中には実は、保険審議会で議論されたことがずいぶん含まれておりまして、非常にその点むずかしいということは答申も述べております。「個人のプライバシーを尊重しつつ、調査を充実させる」ということ。そこでいま御質問になりました情報交換の問題でございますが、これにつきましては、「他社の加入状況について情報を交換する制度を早期に導入」しなさいというふうに答申に書かれております。  具体的にいま私の頭の中にありますのは、たとえばAという生命保険会社が若干多額と思われる特約を受け入れたときには、生命保険協会のそういうインフォメーションセンターみたいなところへ登録しておく、そうすると今度B社が引き受けるときに、ちょっとおかしいと思ったときにそのインフォメーションセンターへ行けばわかる、そういうような方法を今後早急にとりたいと思います。  それからもう一つは、御承知の告知義務というのがございますが、この告知義務にほかの会社に入っているのを入れるか入れないかということも審議会で議論になりました。ただ、それを言わないからこれを解除するということが法律的に可能かどうか、これをもう少し詰めなさいというふうに答申にうたわれておりますが、いずれにしてもその法制面、実施面につきましていま御指摘の方向で今後早急に詰めて、こういうような事件が余り頻発しないように努めてまいりたいと思っておる次第であります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 ひとつそれも十分検討してもらうと同時に、もう一つは、肝心かなめの勧誘する外務員の処遇と申しますかそのことも改善していかないと、会社側からしりばかりたたかれて、そして無理してとにかくつくらぬことには自分の給料をもらえないというようなことになりますその状況が、今度の殺人事件にまつわるようなことにも発展をしたのではないかと思わざるを得ぬのであります。  たとえば大手の保険会社の場合に、入社三カ月以内の外務員の場合には固定保証給が六万円、三カ月以内に五件の契約をとってくるということで、その他の契約手数料とか通勤手当など入れてやっと七万円程度、そして三カ月過ぎて一年未満の場合には固定保証給が六万円から四万五千円に逆に減額をされて契約手数料で生活をせよということですから、外務員の場合には全くけつをたたかれて、とにかく何でもいいから契約をしてこないことには自分の生活ができないという、この外務員のシステム自体に、いま部長が言われたように告知義務の中で、あなた一体幾ら他の保険会社に入っていますかと言っても、聞いても言わなかったことにしてそこは書かずにいってしまうというような状況があるのではないだろうか。その意味ではそのほか、契約者に配るトイレットペーパーその他のいろいろなものも全部自分持ちだ、ゴルフに招待するのも全部外務員が会社に払い込まなければならぬ、そういった過酷なノルマが日本の保険契約高をアメリカに次ぐ大変膨大な額にしているもとでもあるし、また、いま言われたような事故を引き起こすようなものもしゃにむに契約に結びつけていってしまわざるを得ない実態なのじゃないだろうか。その点については、どういうような改善を皆さんの方で考えていらっしゃるのか、いかがでございますか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 いろいろ問題がありますが、順次お答えいたします。  まず固定給と歩合給の比率が、きょう資料を持ってまいりませんで大変恐縮でございますが、大ざっぱなお答えですけれども、四十年代に比しまして五十年になりますと、全社平均でございますが、固定給の比率がかなり高くなっております。これは後ほど先生のお手元に数字でお持ちしたいと思います。そういうことで何といいますか、最低賃金法を考えながらの最低生活を維持するだけの固定給というのは随時上がっているわけでございます。  それから、そういう経済的な問題もありますけれども、問題は、生命保険会社の姿勢の問題と思います。われわれ大蔵省が幾ら口を酸っぱくして修身みたいなことを言ってもなかなか言うことを聞いてくれませんので、これはやはり経済的にどっちが得かという話をした方が生命保険会社に非常にいいと思います。それで種々の統計、これも手元になくて迫力がないのでございますけれども、統計をとりますと、大量に入れて大量にやめていくようなことをすると結局、会社が損だというような資料をこの間保険審議会でも大分議論いたしまして、この点の数字を各社に見せて、義理とか人情とかで入ってそれで、私が言っちゃいけませんが、しりをたたくようなかっこうで契約をとっても、長い目で見た事業費の効率的運用から言うと結局、会社に損だという数字が出ておりますので、これを十分認識させまして、目先のそういった契約確保でなくて、より息の長い、量的なものよりも質的なものに重点を置くようにという指導を、お説教でなくて数字でいま指導している段階でございます。効果というのはなかなか一朝一夕に出ませんけれども、いま先生のおっしゃったような方向で指導もしておりますし、実際にもそういう方向で改善が図られることを期待している次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 いずれにしろ、私もさらに保険審議会の答申を踏まえて一度じっくりと御質問もしたいと思うのでありますが、次に生命保険の問題で、田宮二郎さんの生命保険の問題がいろいろと世間に取りざたされているわけであります。私も個人的には、個人の問題をこういう場でやるのは余り好きではないのでありますし、また、私自身大変映画が好きですから、田宮さんの映画というのはずいぶん見ているし、このごろもリバイバルでずいぶん見ているわけで、その意味では、そういった方の問題をやるのは私自身も控えたいと思うのであります。  ただ、そこで私が感じますことは、こういったような大変な有名人なるがゆえに自殺と世間では言われながら生命保険金が払われるとか、あるいは週刊誌等によっては、何らかの圧力が会社にかかったのではないかと言われますと、私たちもそのまま黙ってほっておくわけにいかぬので少し実態をお伺いしたいわけでありますけれども、簡単で結構でございますから、田宮さんに掛けられた契約内容と申しますか、契約日あるいは掛金、保険金の額、あるいはいまどういう状況になっているか、ちょっと御説明いただきたい。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 冒頭に、佐藤委員御指摘のようにプライバシーの問題がございまして、御遺族の方もいらっしゃいますので、私の答弁もあるいは歯切れの悪い面が出てくるかもしれません。一般論で御勘弁願うかもしれません。それから、契約をしている会社の名前もできればA、B、Cというふうにしていただければ幸いでございます。  まず、A社でございますが、契約者はいま先生のおっしゃった方で、被保険者もそのとおりでございます。受取人はその方の奥様と長男と次男の方で、保険金額は一億五千万円でございます。契約は五十三年の二月十八日になされておりまして、死亡されたのは五十三年の十二月二十八日の午後一時というふうに報告を受けております。A社は、保険金請求を五十四年二月十七日に受けまして、五十四年四月二十七日に病死と認定して支払っております。  それからB社でございますが、契約者、被保険者、受取人、いずれも同じでございます。保険金額は細かくなりますが、合計いたしますと約一億四千万円でございまして、契約日はA社の場合と同じく五十三年の二月十八日。それで、請求日がA社の場合よりも一カ月ちょっとおくれておりまして、五十四年三月二十七日ということでございます。一部の雑誌等で、A社が払ってB社が払わなかったというようなことがありましたけれども、これは請求日が一カ月以上ずれておりますためのその間のことかと思います。いずれにいたしましても結論といたしましてB社も、六月十二日か十三日かちょっと日付がはっきりいたしませんが、御遺族の方に通知をしたというふうに聞いております。  それから、全然別件でございますが、C社は契約者、被保険者は同じでございますけれども、かなり前に養老あるいは子供保険というようなものを四十年から四十一年にかけましてやはり契約しておりまして、保険金の請求日が五十四年の三月七日、三月九日には払っておるというふうに、三千二百万でございますが、これはまあ昔の契約でございまして、いま問題になっている自殺云々という話には関連いたしませんが、三千二百万円の金額を支払っておるという状況でございます。  以上でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 その際に、保険を掛けられる方もある程度一般的に御存じのことでございますけれども、生命保険約款の中に死亡保険金を支払わない場合として、次の場合は会社は死亡保険金を支払いませんということで、被保険者が契約の日または契約復活の日から一年以内に自殺または犯罪により死亡したとき、そういう場合には死亡保険金は支払わないという条項は大体生命保険約款に入っておるわけですね。  亡くなった田宮さんの場合には猟銃で、足で引き金を引いたのではないか、あるいは遺書があったというようなことで、世間的には自殺ではないか、一般論的に言えば、法的な意味ではなくて言えば自殺ではないか、それに支払われたのはということで問題になっているわけでありますけれども、田宮さんの場合にA社が支払った根拠というのはどういうことですか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 実は私、ニュースを見たときに先生と同じような印象を受けまして、自殺になぜ払うのかということで早速いろいろ調べてみました。  A社の報告によりますと、まず約款の解釈でございまして、自殺とは何であるかということから始まるわけでございますが、自殺につきましては判決例がございますが、手短に言いますと、自殺とは被保険者が故意に自己の生命を絶ち死亡の結果を生ぜしめる行為をいう。これは大正から昭和の初めにかけまして同じような判決がございますが、一つだけ御披露いたしますと、「所謂自殺トハ被保険者カ故意ニ自己ノ生命ヲ断チ死亡ノ結果ヲ生セシムル行為ヲ指称スルモノニシテ死亡ノ結果カ過失行為ニ基因スルカ若クハ精神病其ノ他ノ原因ニ依リ精神障碍中ニ於ケル動作ニ基因シ被保険者カ自己ノ生命ヲ断タントスルノ意思決定ニ出サル場合ヲ包含セサルモノトス従テ被保険者カ後者ノ原因ニ依り死亡シタルトキハ保険者ハ同条ノ規定」というのは商法でございますが、「規定ニ依リ保険金支払ノ義務ヲ免ルルヲ得ス」という判決例がございます。類似の判決例があることはいま申しましたが、この判決例にのっとって支払っているわけでございます。  しからば、その亡くなった方がここに言うものに当たるかどうかとなりますと、これは事実認定の問題でございますけれども、いろいろな学者、弁護士に相談したそうでございます。その鑑定書も私たち十分見まして、いま言った判決の線に沿って、精神病による自殺ということでいわゆる免責条項が働かないというような認定は妥当ではないかというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 そうしますと、いま部長が読み上げられました判例ですね、これは現在も確定をした判例である、つまり、同じようなケースの場合には当然、それにのっとって保険金が支払われるというふうに解してよろしいですか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 商法はいろいろ変わっておりますが、この条文に関する限り商法は変わっておりませんし、私どもはいま先生のおっしゃったとおりだと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 そうしますと、精神病かあるいは精神上障害があるというふうに認定するかどうかは、これは医者なりその他の問題がありましょうけれども、認定の話は別といたしましても、それならばいま部長が読み上げられたような趣旨のことを約款にも書いても、これは事実上同じということになりますか、いかがでしょう。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 おっしゃるとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 それといろいろ判例を調べてみますと、確かにいま部長が言われたように、神経衰弱症による精神障害とかあるいは精神病というような言葉で、自殺ではないという場合の除外例というのがあるわけでありますが、自殺をするときというのはかなり精神的に、まあ普通の言葉で言えばまいっているときであろうと思うのでありまして、その意味では、私も医者じゃないものですからよくわかりませんけれども、要するに、精神的にはかなり衰弱をしているときというのが自殺であって、本当に精神が正常な場合に自殺というのがあるのだろうかということは、医者である同僚の坂口委員か何かに聞かないとわからぬだろうし、一体その場合の精神病というのはどこまでいくのだろうかというのがよくわからないのであります。  そうなってきますと、一体その認定というのは、生命保険会社は基本的には払いたくないわけでありますから、しかるべき精神科医なりあるいはそれ専門の学校の先生なり何なりというものに認定をしてもらって、その認定がおりたときには精神病として認定されて生命保険金は支払われる。その認定は何か確立をしたシステムの中でやらないと、このことは私は非常に広がっていくのではないだろうか。自殺という場合には、やはり精神が正常でなくなった場合に自殺という行為にいくであろうというふうに考えますと、一体その認定というのはどういうふうにやるのだろうか。精神的に強度でない、弱い度合いならば、いわゆる商法で言うところの自殺に当たらないというふうになるかならないかという判定は、一体どこでどういうシステムでするのですか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 具体的な話はちょっと避けたいと思いますが、本件の場合には、一流国立大学の精神衛生学教室の方に判定を頼んだ。どういうことで判定を頼んだかといいますと、遺書を全部読んでいただいたようでございます。遺書の内容を公開するのははばかれますが、遺書の内容を詳細にその教授の方がお読みになって、これはいわゆるうつ病であるというような判定を下されたと聞いております。先ほどA社とB社と申しましたが、A社とB社は、判定といいますか認定を依頼した教授は違っております。違う教授にお願いしたようでございますが、同じ結論が出たというふうに聞いております。  いま先生がおっしゃいましたあらかじめそういうものをつくっておくべきだということは、確かにいい御指摘でございまして、ちょっと盲点をつかれた感じがしますが、今後、恣意的にならないようなシステムを何らかの方法でつくりたい、こう思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 いままでの部長の答弁をお伺いしておりますと、過去にこういった例というのは私は、亡くなった田宮さんの場合だけじゃないと思うのであります。過去にこういった例で支払われた例というのはずいぶんあるのかどうなのか。自殺というのは、残念ながらかなり多いわけでありますし、過去の事例はどうなっているのか。  それから、いまのお話をそのまま延長しますれば、約款にもその種のことは書いてもいいというぐらいの話でありますから、恐らくいまだに未払いだという——もちろん請求自体が一カ月ぐらいおくれているわけでありますが、B社の場合もいまのお話を延長しますと当然、これは支払われることになるのではないだろうかと思わざるを得ぬのでありますが、そう解してよろしいですか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 二点お答えします。  まず、精神病で支払った例というのは、残念ながらいま手元にございません。至急調べまして、先生のお手元にお届けいたします。  それから、B社はもう支払ったと見ていいと思います。実は、さらに細かく申しますと、支払いの御通知を申し上げましたが、御遺族の方と連絡がとれない、代理人の方にも目下連絡がとれないという状況でございますが、これは事実上支払ったと見てよろしいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 私も冒頭言いましたように個人の問題は、御遺族もいらっしゃる問題でありますから、余り好む問題ではないのですけれども、いまのお話のように、何らかの圧力がかかったとかあるいは有名人だから払われたんだということではないことがはっきりすることは、非常にいいことではないかと思うのであります。一般的にやはり自殺は払ってくれないんだというのが国民の中にはずいぶんあるわけで、その意味では、よくわかりませんけれども、泣かれた御遺族の方もいらっしゃるんじゃないだろうかと思うわけで、その意味で私はただしたかったわけであります。保険部長、結構でございます。  次に、大光相互銀行の問題についてお伺いをしたいわけであります。  昨日、常務でありました前田さんが自殺をなさったわけで、ついに事態はそこまで進行しているということでありますけれども、大蔵省は、前田常務の今回の債務保証の中に占める役割りと申しますか、これをどういうふうにつかんでいらっしゃるのか。私の知り得る限りでは、限られた取締役の中の一人であり、七百四十三億に上る未計上の債務保証の中に前田常務が担当した土地関係のものがかなり含まれているように私は内部の者からも聞いているわけでありますけれども、死者にむちうつようで私も非常に心苦しいのでありますけれども、大蔵省としては、亡くなられた前田常務の役割りについてはどういうふうにつかんでいらっしゃったのですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 大光相互の問題につきましては、現在検査中でございまして、まだ完全にその実態をというか、これから解明している最中でございます。したがいまして、まだ的確なお答えを申し上げる段階にはないわけでございますが、亡くなられた前田常務は、本来の業務の担当といたしましては融資と外国為替業務を担当しておられたと聞いております。  それから、現在問題になっております簿外の未計上の債務保証に関してでございますが、現在までの概要でわかりましたところでは、駒形前社長の下に常務が三人と取締役一人が直結して、それぞれ独立に一定の融資先を担当してそれに関する事務を取り扱っていた、このように聞いております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 日本人の風習として、死者にむちうちたくないという気持ちも私もございますし、いまの後半の御答弁はよくわからないのでありますけれども、前田常務の経歴を見てみますと、池袋支店の次長あるいは新潟支店の支店長ということ、あるいは筆頭常務であったということで、今度の問題の非常に大きい、何といいますか粉飾決算というかあるいは乱脈経理というのか、その中でも非常に重要な役割り、あるいは融資についてもしていたのではないかというふうに私は内部の者からの話で聞いているわけでありますが、それは全く的外れな話でございましょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 ただいま申し上げました駒形前社長のもとに直結していた役員の中の一人に前田常務は入っておられたわけでございますが、ただ、どの程度のウエートを持っていたか、現実にどのようなことをしていたのかということにつきましては現在、検査でいろいろ調べている段階でございまして、いまの段階ではまだ申し上げるだけの材料を持っておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 次に、一昨日だと思いましたけれども、NHKが報道しておりましたけれども、関連会社への融資額、この関連会社というのはこの前から論議があるように、役員を派遣しているというところまでの意味を含めた広義の関連会社への融資額が千十億、うち、二十八社に八百四十八億、回収不能が三百九十七億に上るということをNHKが報道していたわけであります。実は私も、一番最初に質問した段階で、この一千億近い広義の関連会社への融資の数字というのを持っていたわけであります。ただし余りにも数字が大き過ぎて、三月決算の預金額が三千三百四十四億という額に対して関連会社への融資がその約三分の一を占めるということは、まあ常識では考えられないわけで、私はこれはけたが一つ違うのではないかというふうに思っていたものですから公にしなかったわけでありますけれども、このNHKの報道というのは全く間違いな報道であるというふうに言い得るのかどうなのか、その点はいかがでございますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 いま先生が御指摘になりました数字につきましては、先ほども申し上げましたように現在検査中でございまして、いま数字を確定している段階でございますので、いま申し上げるような数字は手元にないわけでございます。ただ、関係企業、関連会社と申しますのは銀行行政上のたてまえとしては一応、金融機関が出資をし、また、設立の経緯とか人的経緯あるいは資金関係で特別な関係にあるようなものを関連会社と言っているわけでございますが、それ以外の関係企業と申しますか、かつて当行の役員であった人が現在役員になっているとかあるいは駒形前社長が出資しているとか、そのような企業を関係企業と称していると思いますけれども、そのような企業に対する融資につきまして御指摘のような数字は恐らく、固有の貸し出しのほかに債務保証も含んだ数字ではないかというふうに考えられます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 いまの事態の中で局長としてもなかなかお答えしにくいところもあろうかということは、私も理解できないわけではないのですが、第一回目の質問のときに、陽光株式会社、日本マネージメント・リサーチ、東京農林等を挙げまして、こういった関連会社というものが法律上あるいは行政上、いま局長からお話があったような問題があるならば関係会社と言ってもよろしいかと思いますけれども、非常に問題があるのではないか、あるいは多額の融資が非常に出ているのではないかということを申し上げた中で、実はここへの融資額も、NHKの報道が四けたの単位だというならば、私が最初に持っていた資料というのも大体そうだなということもつかんでいるわけであります。いま局長からそういう御答弁でありますので、それはそれといたしまして、いずれにしろもしこれが事実だとしますと、三千三百億の預金量の中の一千億を関連ないしは関係会社に融資をしているということになりますと、これは銀行の公共性ということからきわめて疑わしいと言わざるを得ぬと私は思うのであります。  後で質問しますけれども、銀行局の検査権、調査権というものを一体どこまで及ぼすべきかという問題について、金融制度調査会の中でもかなり論議があったようでありますけれども、その問題についていまの事態を踏まえて局長としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 ただいま申し上げましたように、仮に千億という数字があるとすれば、それは固有の貸し出し以外に債務保証を含めた数字ではないかと思います。しかしいずれにいたしましても、債務保証と申しましても、相手先企業が経営困難に陥った場合には回収不能の責めを負うことは一般の貸し出しと同様でございますから、したがって、その銀行の預金量あるいは自己資本等に比較いたしまして多大の金額をそのような形で融通するということは、金融機関の健全性から申しましても公共性の見地から申しましても非常に問題がある、このように考えます。  それから、検査権の問題でございますが、現在、銀行法に基づく検査は任意検査の形をとっているわけでございますし、また反面調査の規定がないわけでございます。この点につきましては、金融制度調査会におきましてもいろいろ御検討が行われたわけでございますけれども、やはり民間の企業では私契約に基づいて資金の融通を行うという実態に即しまして考える場合には、公権力で強制的に金融機関に検査を行うとか、あるいは融資先にまで調査権を及ぼすということは適当ではないのじゃないかという御議論でございまして、検査権のあり方については、現在の銀行法に基づく検査と同程度のものが今後とも行われるべきであろう、このような結論になっているわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 その債務保証の問題でございますけれども、具体的に大光相互の場合債務保証をする場合には、部内の手続といたしまして、社外に出る行為でありますからそれなりに手続が必要だと思うのでありますが、最終的にはどこの議決が正規な手続として必要なのですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 債務保証を行います場合には先ほど申し上げましたように、当該金融機関が最終的な危険を負うということでは貸し出しと全く変わらないわけでございます。したがって、通例の金融機関の内部手続では貸し出しと同様に、それぞれの金額によりまして権限が支店長あるいは部長等に委任されている場合もございますが、多額のものにつきましては当然取締役会の議決なり何なりを必要とする、そのような仕組みになっていると思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 そうしますと、この七百四十三億の債務保証というのは、取締役会の議決を経ているわけですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 ただいま申し上げましたように、金額によりまして権限が出先あるいは部内の機関に委譲されている場合もあるわけでございます。しかし、それを超えた多額のものも恐らくかなりあるわけでございまして、そのようなものについては、現在検査でいろいろ調べておりますけれども、正式の稟議書の作成であるとかあるいは取締役会の議決は行われていないものと考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 七百四十三億全部取締役会の議決を経ているかいないかというのは、局長御存じのはずですね。そうしないと、これは六十億の償却をする場合に非常に重要なポイントになってくるわけでありますし、恐らく償却をするためには大蔵省の認可というのですか許可が必要でありますから、その意味では、この七百四十三億の膨大な債務保証が取締役会の議を経ていたのかいないのかは決算書を組む上で大前提になるわけですね。したがって、その七百四十三億全部が取締役会の議決を経ていたのかいないのかということは、局長は御存じなのじゃないですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 七百四十三億全額が取締役会の議決を必要とする対象のものであったかどうかにつきましては、先ほど申し上げたように金額によっていろいろ異なってくると思いますが、いずれにしても、未計上の債務保証については正式の稟議書の作成というのはございません。したがって取締役会の議決は経ていないもの、このように考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 そうすると、取締役会の議決を経ていない債務保証というのが社外に出て他の金融機関なり損保会社なり生保会社なりにいった場合に、これは明らかに社会的には有効ということになりますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 未計上の債務保証につきましても対外的には、一般の正規の債務保証と同じような保証書が相手の金融機関に渡されているわけでございます。したがいまして、対外的には一般の債務保証と同じ取り扱いを受けることになると思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 そこには当時の駒形斉社長の背任ということが出てくるのじゃないでしょうか。正規の手続として取締役会の議決を経ないで債務保証がなされた、それが少なくも株式会社大光相互銀行の判こが押され社外に出回るということになりますれば、これは明らかに駒形斉社長の背任ということになるのじゃないでしょうか、いかがですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 御指摘の点につきましては、商法等の法令の解釈にかかわる問題でございますので、私の立場から申し上げるのは適当かどうかと思っておりますが、確かに先生御指摘のようないろいろな法令違反の問題は出てくるのではないかと思います。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 前段の取締役会の決議を経ていない債務保証の法律上の効力について御説明申し上げます。  商法は一般に会社の業務執行は取締役会で決するというふうにしておりますけれども、必ずしも全面的に取締役会の議決でやるということは実際上は期待できないと思います。具体的には新株発行でございますとかあるいは社債の発行でございますとかそういうものについては、個々の条文で取締役会の決議を要するということを明文で規定しているわけでございます。債務保証についてはそういう規定はございませんで、一般に取締役会の決議がなくても対外的には有効だというふうに扱われているということでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 それから後半の部分。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○根來説明員 いま御指摘のありました点につきましては、現在まだ捜査が尽くされていない状況でございますので、その段階で適条を申し上げるということは差し控えたいと思いますけれども、一般に申し上げますと、商法の四百八十六条の特別背任罪あるいは刑法の二百四十七条の成立を論ずる際には、その行為が任務に背く行為であったか、それから自己または第三者の利益を図る目的があったかどうか、その結果本人に損害を与えたかどうかという三つの点から検討すべきものと考えます。そういうことで、ただいまの取締役会の決議を要するものを決議をしていない、決議を受けていないということになりますと、その第一点の任務に背く行為に当たるのじゃないかというような点が考えられると思います。これは一般論として申し上げるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 私も商法を読んでみて、債務保証が取締役会の議決を経なければならないということは確かに書いてないわけで、その意味で一般論としてはわかるわけであります。ただ従来、取締役会の議決を経ていたということで来ているものが、この七百四十三億については得ていない。しかもいまお話があったように、得ていないということになると特別背任罪ということにも該当してくるのではないかということに私は思わざるを得ぬのであります。  なぜかと申しますと、私の手元に五十四年四月二十五日の取締役会の会議録があるわけであります。これの三号議案の「決算について」というのがあるのでありますが、その一に「支払承諾の追認について」という項目があるのですね。これを若干読ましていただきますと、   第七十四期(昭五三・九・三〇)以前に当時の特定の取締役によって、当行の取引等に対する銀行・生損保会社等の金融機関の融資について、当行の諸規定による正規の手続きを得ていない債務保証があったことが判明した。これらの債務保証は第七十四期現在で七百四十三億円におよんでいることが確認されたが、この行為の正規の手続きを得ていない債務保証については、当行を代表する権限のある者の記名・捺印のある保証書がさし入れられている為、当行としては相手金融機関に対して債務保証の不存在を主張しても、責任をまぬがれることができないと判断し、不本意であるが、第七十五期において、これらの債務保証について当行の行為として、追認し、支払い承諾勘定に計上することにしたので、了承願いたい。   なお、これらの債務保証料については、全額免除されてあったことが一応確認されている。ということになっているわけでありますけれども、これを見る限り、取締役会でこの支払い承諾を追認しなければならないということは、内部手続としては本来なら取締役会でちゃんと手続をしなければいけないものであったということになるならば、この新しい大塚社長の新体制になったときに債務の不存在ということが主張できたのではないかと思わざるを得ぬのであります。  その点について、これは銀行局長がお答えになるのがいいのかあるいは法務省なのか御専門の方が、この取締役会においていま読み上げましたような支払い承諾が追認をされているという前提に立って、大塚新社長体制のもとでは、この駒形斉社長が押した大光相互銀行の行印が押してあっても、債務の不存在ということが十分主張できたんではないだろうかと思わざるを得ぬのでありますが、その点についていかがですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 事実関係が私どももはっきり把握しておりませんので、一般論としてお答え申し上げますが、そういうふうに一般的に商法で特に明文の規定をもって取締役会決議を要するというふうに規定していない場合の業務執行については、先ほど銀行局長がお答えになりましたように、かなりの程度にいろいろな段階で裁量権が与えられているというのが現実のようでございます。その分配というのは必ずしも外部的にははっきりわかりませんので、その内部的な手続が十分に行われたかどうかということにはかかわらず、代表権のある者がその代表権に基づいて行為をした場合には、それは対外的には責任を問われてもやむを得ないというのが普通の考え方であろうというふうに思われます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 私も必ずしも法律の専門家ではありませんが、その論でいくならば、代表権を持っている者がどこにも諮らずにどんどん判こを押したものというのは一切有効になってくる、そうなってくると背任ということは、末端の支店長なり代表権を持たぬ者がやったものは背任になるけれども、代表権を持った者がやった行為がすべて正当だというならば、背任ということは起こらないんじゃないでしょうか、いかがですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 お答え申し上げます。  代表権がある者が対外的に有効な行為はできるということは民法上当然でございますけれども、それが本人のため、つまり本人と申しますのはこの場合会社でございますが、会社のためにならない行為であるという場合には、これは対外的に有効であるかないかにかかわらず、それは刑事責任は問われ得るというのが私どもの考え方でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 それでは逆の聞き方をいたしますが、この際に債務の不存在ということが大光相互銀行としては絶対に主張し得ないものか、裁判でも争い得ないものかどうか、その点についてはいかがですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 先ほど申し上げましたように、事実関係がはっきりいたしておりませんので、相手方がどういうふうな認識を持って行為していたのかというような点も踏まえて御答弁しないとわかりませんので、その点について確定的なお答えはいたしかねるわけでございますが、一般論としては先ほど申し上げたことではないかということでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 そういうことになると、ちょっとそれ以上議論が進まないのでありますけれども、銀行局長、いま私は取締役会の議事録の一部を読み上げたわけであります。これは何も私がつくったものじゃなくて、そのものを写してきたわけでありますけれども、もしいま申しました取締役会の債務保証の件についての追認ということになるならば、これはいま御説明になった法律のことは別といたしましても、本来ならば、これは新体制をつくる大塚社長になったときに、この債務保証が発覚をしたときに、これは当然駒形斉前社長に対する民事賠償の請求なりあるいはそういった債務不存在ということも争ってしかるべきだと私は思うのでありますが、その点については果たして大蔵省に相談があったのか全然なかったのか。あるいは、いま局長がお聞きになっていて、従来取締役会の議を経てやってきた行為が、専務なり常務なりが果たしてどの辺まで関知していたかはわかりませんけれども、従来の正規の手続を経ないでなされているものについて、このような形で取締役会が後で追認をするという行為がまかり通っていいものかどうか、その点についてはいかがですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 大光相互の未計上の債務保証につきまして債務不存在が主張できるかどうかということにつきましては、大光相互銀行から相談を受けたことはございません。  それから、未計上の債務保証の全容がつかめてまいりましたのは検査の結果でございますが、それを三月期の決算において正式の債務保証として正規の経理処理をとる必要があったわけでございまして、取締役会の議決はそのための必要な手続であった、このように考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 あしたが株主総会でありますけれども、私がもし一株主ならば、これは当然大きな問題になることだと思うのですね。七百四十三億を、社長が代表権があるからといって、従来の正規の手続も経ずにやった行為は全部法人組織がひっかぶるということが一株主として果たして許されるかどうか、これは非常に大きな問題だと私は思うのであります。果たして株主総会がこのことで乗り切れるかどうか、これは局長に聞いてもわかる問題ではありませんけれども、しかし私は問題を提起しておきたいと思うのであります。  それと同時に、この債務保証を受けたと申しますか、債務保証があるからということで金を出してきた生損保なりあるいは県信連なり、こういったものの態度に果たして問題はなかったのかどうなのか。私の知り得る限りではこういったところは、相手の企業というものがペーパーカンパニーなのか、あるいは実体上どのくらいの利益が上がっている会社なのかということについて、ほとんど調査もせずに貸し出していた様相が非常に強いわけであります。大光相互が全部保証してくれるから、どうせ自分のところには損がこないのだから構わないのだという金融機関あるいは生損保の融資のあり方というのは、これ自体問題があるのではないだろうか。これはたとえば土地融資のときにも、実際に買っているのは金融機関ではないけれども、そのダミーなり何なりが事実上金融機関から金を借りて土地投機をあおったという事実のように、実際に金を出したところもそれなりの責任が行政上あるのではないかと言わざるを得ぬと私は思うのでありますが、その点については局長はどうお考えになっているか、そして、これらの支払い承諾をした金融機関についてどのような指導を今後していくつもりなのか、その点についていかがですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 従来の金融上の通念といたしましては、大蔵省の監督下なり正規の金融機関の債務保証というのは非常に確実なものであるということがあったと思うのでございます。したがいまして、債務保証を受けて貸し出しをする場合に、債権保全の面ではそれに頼って貸し出しをしているというのがいままでの実態ではなかったかと思います。  しかしながら、金融機関の公共性という見地から見まして、債権が保全されればどんな貸し出しでも貸していいのかというと、決してそういうことではないわけでございまして、やはり公共性ある金融機関にふさわしい資金の融通を行うべきでございまして、融資先の資金の使途であるとか業務の内容であるとか業況であるとかそういうものは、たとえ金融機関の債務保証があっても、その辺は当然十分に審査を行うべきであると考えております。昭和五十年に出されました保険審議会の答申におきましても、保険会社に対しまして、安易に金融機関の債務保証に頼ることなく、独自の審査機構の充実を図るべきであるという線が打ち出されているわけでございまして、そういう指導は行ってきたわけでございます。  特に今般、大光相互銀行のこのような事例にもかんがみまして、先般も申し上げましたけれども、五月二十一日に全部の金融機関に対しまして再び通達を出したわけでございまして、金融機関に課せられている社会的、公共的使命から見て、安易な債務保証に頼っていろいろな問題を起こしたことは非常に遺憾であるというふうに述べまして、「他の金融機関の保証を得て貸出金を実行する場合にも、通常の貸出金を実行する場合に準じた審査、管理体制を保持するよう配意する」ように指示、指導しているわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 その意味では、一般論としてはいろいろ問題があるけれども、具体的に今度の大光相互の例をとった場合に、裏に隠れていた関係の金融機関なり生損保会社に対しては、まあ済んでしまったことだということでいくような気がしてならぬのであります。  時間も大分迫ってまいりましたので、さらに次へ進みますけれども、私の手元に一通の登記簿謄本があるわけであります。これは住所が神戸市東灘区住吉山手一丁目になっているわけでありますけれども、御影パークマンション、鉄筋コンクリート建ての五階の十一号室、これは名称が居宅でありまして、面積が百八十四・六二平米、かなり大きなマンションの一室であります。付属して物置がついておりますけれども、この所有権者は大阪市東住吉区山坂町四丁目十八番吉田泰造氏であります。このマンションの一室が大光相互銀行に根抵当権の設定がされておりまして、この極度額が何と二十億円になっているわけであります。  三井不動産がつくったマンションでありますから、物は悪くないし、面積も確かに百八十四・六二平米というのでありますから、約六十坪という決して小さくないマンションでありますけれども、これに対して二十億円の根抵当権の設定というのは異常なのではないだろうか。確かに根抵当権は設定されても、必ずそこから融資がされたということについては私も未確認でありますけれども、週刊誌等によっては完全に二十億円金が出たというふうに断定をして書いているところもあります。それで、さすがそれだけでは少ないと見たのか、若干追加の物件が入れてあります。それは、兵庫県西宮市甲陽園西山町の土地七百九十二平米でありますけれども、この地目が道路敷になっているのですね。そして、これは入れました約一カ月後の五十三年四月二十一日付で抹消されているわけでありますけれども、常識的に考えれば、マンションの一室が二十億円の根抵当権の設定をされているということは、二十億円の金が融資をされているというふうに見てもこれは常識だと思うのであります。しかし、融資が出ているかどうかは私も未確認でありますから、そのことは問いませんけれども、一体銀行が根抵当権の設定を認めるというのはどういう手続をするのか、しかも、そんな担保物件の価値がないものに安易に根抵当権の設定ということを銀行がしていいものかどうなのか、その点はいかがでございますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 普通根抵当権を設定いたします場合には、それが不動産でございますと、評価額に対して一定の掛け目、たとえば五割とか六割とか掛け目を掛けたあとの金額について設定するのが通例でございまして、評価額をはるかに上回るような根抵当権の設定ということは、金融機関の取引の仕方としては好ましくないと考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 これは債務者が東京都港区赤坂二丁目にあります東京農林株式会社になっているわけでありますけれども、この件について、これはある一部の人間には非常によく知られている事実でありますけれども、常識的に考えて、いま局長から御答弁があったのが私は常識だと思うのであります。それが二十億円もの根抵当権が設定をされておるというのは、大光相互銀行がなぜそのようなことをしたのか、その件についてお調べになったことがございますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 個別の問題でございますので、直接的にお答え申し上げることはお許し願いたいと思いますが、先生御指摘のような、実際の金融機関の評価額に対しましてはるかにそれを上回るような根抵当権の過剰設定があるという事実につきましては、まだ検査中で最終的に確定してないわけでございますけれども、検査の途中においても指摘されております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 大分時間が迫ってまいりましたので最後に、私たちは大光相互銀行が何とか地場銀行としてあるいは中小企業の専門金融機関として育ってもらいたい、再建をしてもらいたいと思うわけでありますけれども、どうも大蔵省のやっていることを見ていると、得たりとばかり人を送っているのではないかと思わざるを得ぬのであります。相互銀行というのは地域専門金融機関でありますから、本当に再建をしようと思ったら、何といっても地域のそれなりの有力者——有力者というのは余り好きな言葉じゃありませんけれども、その地域で非常に信用のある方の力をもらわないことには、地域金融機関として再建はできないだろうと思うのであります。ところがいまの顧問団というのは、あした正式に経営陣がかわるのでありましょうけれども、大蔵省のOBあるいは日銀、平和相互銀行ということで、あたかも進駐軍のような情勢だと私は思うのであります。一体再建に当たって、地域の方の協力を得るようないろいろな努力をなさったのかどうなのかということ。  それともう一点は、この事件がと言っていいのかどうかわかりませんが、この六十億の償却という異常事態が発生してから行員の皆さん方、二つ組合があるわけでありますけれども、この行員の皆さん方にはお話しになったのが非常に遅かった。これは問題が信用の問題でありますから、ある程度わからぬわけではないけれども、しかし、一番肝心かなめの行員の方々が新聞を見ないと事態の実態がわからないというようなことでは、再建というものは非常にむずかしいのではないか。その上、残念ながら従業員組合と労働組合が二つあって、こういった労働組合が非常に弱体化をしたことが駒形斉前社長の独裁体制を許したのではないかと指摘されている今日、従業員組合と労働組合員との差別が行われているやに聞いているわけであります。こういうことがあったのでは再建問題というのは非常にむずかしいと思うのでありますけれども、一体この点について大蔵省としてはどういうふうにお考えになっておるのか、お伺いしたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 先生御指摘の第一点につきましては、まさにおっしゃるとおりでございまして、現在確かに顧問団としては大蔵、日銀のOB、それから株主銀行、相互銀行の代表者が入っているわけでございますが、これは信用保持という観点からそのような編成が行われているわけでございまして、当然大光相互の新しい経営陣の中に地元の有力者あるいは地元出身の方が入っておられることは非常に望ましいわけでございます。この点につきましては前々より、大光相互銀行の方にいろいろ指導しておりまして、地元の方に経営陣に入っていただくようにいろいろ人選を大光相互において進めていたわけでございますが、なかなか地元の適格者の御了承が得られなかったようでございまして、残念ながらいままでのところはまだ適当な方に入っていただく段階になっていないわけでございますけれども、この点についてはもうすでにかなりの方にいろいろお話はしたようでございます。その結果、まだ御了承を得ていないようでございまして、今後ともそのような努力を続けていくということを大光相互銀行も言っておりますし、またこちらもそのように指導してまいりたいと思います。  それから、今後大光相互銀行が信用を回復し健全に経営を続けていくためには、従業員の一致協力が必要でございます。その点につきましては御指摘のとおりだと思います。ただ、従業員にいつどのような時点でどのようなことを話すかということにつきましては、これは経営者の判断の問題でございまして、経営者の最もいいと思われる方向で進むべきではないか、このように考えております。

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 関連質疑の申し出がありますのでこれを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 先ほどまだ調査中であるからわからないということを言われましたが、それは事実ですか。大光相互銀行の七百四十三億に及ぶ内容についてはまだ不明である、こういうことを言われましたが、それは事実ですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融機関検査の一番の重点は、資産内容、つまり貸し出しであるとかあるいは債務保証見返りの内容の健全性を審査するところにあるわけでございまして、現在それを確定するために検査を続けているわけでございます。したがいまして現在の時点では、まだその資産の内容がどの程度であるかということを確実には把握してないわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 それでは貸し出し先とか徴収が可能であるか不能であるか、そういうことについてもまだ、これはわからなければわからないで簡単にお答えいただきたいのですが、わからないということなんですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 いま一件ごとにそのような検査を行っているところでございまして、まだ数字はつかめておりません。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 これは新潟県の新聞でありますが、あなたは知らないと言っているけれども、大光相互銀行は六日に県へすでに七百四十億の内容について提出しているのです。大蔵省がばかにされたのか、それともなめられたのかわかりませんけれども、「大光相銀側は企業数などは明らかにした」、そして債務保証、これはどうしてだといったならば、「債務保証の割合を下げよ、との大蔵省の指導に沿わせるためであり、保証料を取れば簿外が発覚するので保証料も取らなかった。」これだけだって犯罪を構成すると思うのでありますが、さらに「大光相銀側は、取引先や数字などを記入した資料を県側に示した」、こう書いてある。あなたは調査中だ、調査中だと言っているけれども、県民は皆そういうことで承知している。大蔵委員会でぬけぬけとまだ調査中です。それはあなたの立場はわかりますよ。立場はわかるけれども、長岡ではすでにこういうふうに出ているのです。しかも県ではそれをちゃんと入手している。ただ二十二日の株主総会以前には外部に出したくないという希望があったという、希望がつけられているのです。それをあなたここでしらばくれて、何も知りません、何も知りません、調査中です。それはこの大蔵委員会が幾ら小委員会といえども、少しあれじゃないですか。この委員会だけ過ごせばいいという形で済まそうとしている態度は、これは許せないものがあるのじゃないかと思うのです。もし県も何もあなたの方に言ってこないとするならば、これはまた一つ問題があるのじゃないかと思うのです。しかも県は、県債だのの取引は続行する、こう言っているのです。これは国の機関として、あるいは地方債やその他の関係を許可する大蔵省あるいはその他の自治省として、当然この問題に触れないで通るというわけにはいかないのじゃないか。そういうことを見逃しておいていいということになりますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 裏債務保証、未計上の債務保証につきまして保証料を徴求していなかったというような点は把握しているわけでございますが、現在調べておりますのは、裏債務保証の相手先であるとかあるいは金額は一応、当然のことでございますがわかっておるわけでございますけれども、その一つ一つの貸し出しの内容が、これが回収が可能であるか不可能であるかというような判定を行っているわけでございまして、その判定はまだ最終的に決定されていない、こういうことであります。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 私が言ったのは、取引先や数字などを記入した資料を提示してほしい、それは調査中だ、こう言っていたわけだ。ところが県にすでに出されている。きょうの委員会終了まででも結構ですよ。これはすぐだってファックスで送れるのです。ぜひ送ってもらってくださいよ。ここだけは何とかごまかして過ごして、あしたになれば総会になるからいいやということの態度は、これは許されるものじゃないと思うのです。少なくとも六日の日にはもうすでにいっているのですよ。幾日たちました。大蔵省にその間全然来てないのですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 先生御指摘の、どのような融資先に幾ら融資をしているかというような数字はこちらでは把握しているわけでございます。ただ、そういう検査によりまして把握した資料なり、かつ、個々の金融取引にかかわるものは個別の企業の秘密にもかかわることでございますので、それを資料として提出することはお許し願いたいと申し上げておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 だんだんと返事が変わってきたんですね。さっき佐藤委員の質問に対しては、調査中だからそれは御勘弁ください、こういうことだった。そこで、私も関連して聞きたいと思ったのは、すでに六日の日の段階にこういうものが出ているものを、では出してくださいよ。とにかく取れるか取れないかの問題じゃない。どういうところに——まあ簿外ばかりじゃないだろうと思うけれども、七百四十億だとここに書いてあるからそれを信用しまして、七百四十億についてはどこに出ているのかということだけはあなたはつかんでいると、今度はそう言ったわけですね。取れるか取れないかを調べている、こういうことですね。だったら、つかんでいるものは出してくださいよ。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融機関が個別のどの企業に幾らを貸しているかということは、その借りている企業にとっても秘密に属することでございますので、大蔵省としてこれを提出することばお許し願いたいと思います。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 じゃ県に出すことは大蔵委員に出すことよりも権威がある、こういうことですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 県にどのような資料が出されたかはこちらは把握しておりませんけれども、大蔵省が提出したわけではないわけでございまして、金融機関の判断でどのような資料が出ましたか、その辺は事実を調べてみたいと思います。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 じゃ大光相互銀行は県に出して大蔵省には出さない、こういうことですか。大蔵省に出したものは大蔵委員には出せないということですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 大蔵省には、当然のことでございますが、融資先と個別の貸し出しの内容は検査官に提出しているわけでございます。ただ、大蔵省といたしましてその検査結果を公表することは、いままでも行っておりませんでしたし、やはり信用秩序の維持であるとかあるいは今後の検査の信頼の保持であるとかそういう観点からお許し願いたいと考えております。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 どうもこだわるようですが、しかもこれには、二十二日の総会までだ、こう言っているわけです。総会が過ぎれば出しますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融機関の方で自発的に公表した資料であれば、当然のことでございますが、それを取り寄せまして提出したいと思います。ただ、それが金融機関が一般に公表されることを意図して出したものであるかどうかについては、事実を調査したいと思います。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 これは委員長、ひとつぜひ、われわれは若干意地じゃないけれども、県の方は信用されて出されたけれども、大蔵委員会には信用されないで出されない、こういう前例をつくることは——もう一週間も十日も前のことだ。そのことを、部外に出さないのである。片一方は部外に出している。これは大光相互銀行からでも求めてくださいよ。これはそういうことが許されていいはずじゃない。言いたくないけれども、最高の機関であって、それは県の方には示しましたけれども、大蔵委員会には出しませんという大光相互銀行側の態度も、これはきわめて遺憾だと私は思うのです。これだけ問題になってきて、これだけ議論されてきたものを、しかもわかりませんという答弁で済まされようとすることは私、心外ですから、これはひとつ委員長で次にお取り計らいをお願いしたいと思うのです、ばかにされたようなことになってしまうから。  それから次にいきますが、井田さんという方がこの次の顧問になっておられます。人事の問題についてはいま佐藤委員もお聞きになったようで、大変御苦労なさっている。この井田さんという方はどこの社長さんをやっておられた方ですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 井田顧問は、大光相互顧問になる前は横浜倉庫に勤務しておりました。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 そこで、これは大変言いにくいことも申し上げるようになるのですが、いままでは大光相互銀行は村山さんの顧問の銀行であった。村山さんの新聞記者に対する発表は、なるべく地元の人を選びたいというのが村山さんの意向のようであった。ところが横浜倉庫のこの社長は、越山会の会員であるし、従来越山会に政治献金をやってきた人でありますね。これはあなたの方も御承知だと思うのであります。そうしますと、簡単に考えれば、村山さんから今度は田中さんにかわった、形の上でそういうふうに出てくるわけなんであります。これは新潟総合テレビも越山会に四十七年度、金額は省略しますけれども、百万円程度ですが、横浜倉庫は越山会に四十六年と四十七年にそれぞれ政治献金をしているいわゆる越山会の後援団体であります。そうすると、いままでもとやかくいろいろ言われてきたそのとやかく言われてきた形態が、何のことはない村山さんから、山紫会か山水会かわからないけれども、村山さんの後援団体から今度は越山会の田中角榮さんに大光相互はかわっただけである、こういう形がこの井田さんという人を選んだということの結果から生み出されているわけですね。これはどのように考えるか、答えろと言っても答えにくいでしょう。答えにくいでしょうけれども、結果的に客観点に見ればそういう姿が出てきている。今度は田中さんの息のかかった方で大光相互は再建していくんだということになってきた。しかし今度は、田中さんの足跡も考えてみると、室町産業を初めとして八億円から——当時の八億円です。それから保釈金の二億円、これも全部新宿支店からそれぞれ出されてきた因縁があるわけですね。そうすると、何だ、コップの中でごろごろ回しているだけの話じゃないかとしか国民には受け取れないと思うのでありますが、この点お答えいただきたいと思うのです。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 率直に申し上げまして、横浜倉庫という会社がそういう越山会に関連があるということは、最近幾つかの指摘で初めて知った次第でございまして、この大光相互の再建のためには、金融につきましてかなりの経験のある、また能力のある人に行ってもらわなければならないわけでございまして、そのために人選を重ねてきたわけでございます。ただ、何分にも都会地ではございません、東京から離れたところでございますし、それから、このような大変な裏保証というようなことを背負った大変な問題のある金融機関の再建でございますから、なかなか引き受けていただける方がないわけでございまして、何人かの方にお願いして断られて、最後に井田さんに一応承諾していただいた、こういうことが経緯でございまして、越山会であるとかそのようなことはこの考慮の中には全く入っていなかったということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 これはあなたが知らなかったということなのか、だまされたということなのかわからぬけれども、結果的にはそういう形になっている。  それから次に、新発田税務署の跡地の払い下げは、これは国有財産課が来てないかもわかりませんが、これはいつ払い下げましたか。

田中敬大蔵省理財局長

○田中説明員 国有財産所管の局長でございますが、新発田税務署の払い下げ問題については何ら報告を受けておりません。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 新発田の税務署の跡地に、これは国有財産でありますが、その国有財産に新発田支店というのが今度できているわけなんです。その経緯は後で御報告していただけますか。

田中敬大蔵省理財局長

○田中説明員 調査の上、御報告いたします。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 あとそのほかに、これは関連会社の方の報告は後で出てくると思うのですが、前に問題になった三協物産——その前にちょっと、いま佐藤委員の質問の中にアパートの問題がありましたが、その後の根担保をやったものは東京農林なんですね。その東京農林の前の担保を日新という会社の池口さんとかなんとかという女の方が取られている。その次に東京農林があって、その間に共同開発が入っている。共同開発と東京農林はいずれもこれはいま言ったように大光相互銀行の関連会社である。東京相互銀行にはこのときに、時間が忙しいので資料があっちこっちいっちゃっていますけれども、大体二億から八億ぐらいにふやしていって、どうもそれのカムバックをしたと思われる、こういうようなことが言われているのでありますが、その後のいま言った二十億の追跡調査についてはどのような、これも後で、どうせいま調べ中だ、こういうことになるのかもわかりませんが、一応調べてないならば調べていただくということはお答えできますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 その点は恐らく検査においていろいろ調査が行われていると思います。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 あと田中角榮さんの後援会に、これはどういうふうなことか、不二工務店さん、それから三協物産——だからあそこの地域というのは越山会と山水会、山紫会、これが非常に重複している点もあるわけなんでありますが、三協物産からもずっと政治献金が、金額は省略しますけれども、四十六年以降続けられている、不二工務店なども続けられている、それから田中後援会の方の政治経済調査会についても、これはテレビは駒形十吉さんの方の関係でしょうが、そのまま続けられてきている、同時にその一方、この山水会、山紫会にも入っている、こういうような状況になっているということについては御承知でしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 そのような個々の問題については、いま手元に資料を持ち合わせておりません。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 ただ、今回の大光相互銀行の問題が非常に政治的な癒着と言われておるものが多いだけに銀行当局としても、そういう面の明確さあるいは清潔さ、そういうものが求められているものだと思うのであります。でき得るならばこれらの点も、御存じがなければ自分の方で調べればわかるわけでありますからやはり調べて、それぞれその清潔さあるいは国民に対しての信頼性、そういうものを保持できるような体制をとってもらうことを要望して、次の佐藤さんの方の時間がなくなってしまいますから、私の方の時間は終わりたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 がらっと話を変えまして、きょう御報告のありました金融制度調査会の答申について、もう時間も非常になくなってまいりましたので、大筋だけお伺いしておきたいと思うのであります。  抜粋でありますが、今度のをざっと読ませていただいて、一体この答申で新しく行政上前進をするところがどういうところがあるのか、新しい方向性を見出したところがどういうところがあるのかという疑問を持つわけであります。と申しますのは、たとえば大口融資規制の問題も従来行政上、事実上やってきたわけです。それに法的根拠を与えようということでありますし、あるいは銀行経営の効率化、健全性の問題というのは、ある意味ではますます環境が厳しくなったからそれが強調されるだけでありまして、その意味で私は従来の線の延長ではないかと思うのであります。そういうようなことを考えてきますと、確かに資金調達の多様化とか業務のあり方の問題、あるいは長期金融専門機関と業務のあり方の問題、あるいはディスクロージャーを入れる、あるいは銀行への監督権の問題、国際化への対応の問題、週休二日制の問題、あるいはいわゆる国債の窓販問題については最終的に結論を行政にゆだねているということになっておりますけれども、全く新しい、これからより行政上進ませようというポイントはこの答申というのはどこにあるのかという点をまず第一点お伺いをしたいのであります。  それから二点目に、答申をずっと見てみて、私自身の不勉強からかもしれませんが、若干わからなくなってきたのは、銀行の問題だけではいま非常に曲がり角にある日本の金融制度というのは論じられないのではないか。それはこの答申の冒頭でも述べておりますようないわゆる経済環境の変化、あるいは金融機関が個人との接触が多くなった、あるいは国民のニーズに対応できるようにというような状況、あるいは利ざやが狭くなったというような問題というのは、事銀行だけに限らず、その他の相互銀行あるいは信用金庫、こういった金融機関にもおしなべて言えることではないかというふうに考えざるを得ないわけであります。そうなってきますと、日本の金融機関として全部のあり方というものを考えていかなければならぬのではないか。とりわけ私は今度の答申の中には、七段階というか、長銀関係あるいは都銀関係、地銀関係、相銀関係、信用金庫、信用組合と金融機関のいろいろな制度がありますけれども、なるべくその壁を低くしていこうという同質化の傾向が見られる、それと同時に片面では、専門金融機関として残していこうという、そういう気迷い的なところが読み取れるわけであります。  そういうことになってきまして、この金融制度の壁をなるべく低くしていこうということになるならば、隣の関係、たとえば長期専門金融機関と都銀との関係、都銀と地銀との関係、あるいは地銀と相銀との関係という、隣を区分する壁自体が低くなっていくということになりますならば、銀行だけを論じていてもこれは本当に曲がり角にある金融制度のあり方としては足りないのではないか。私はこの金融制度調査会の答申の前に一体、銀行はどの部門を担当し、あるいは相銀はどういう受け持ち方をするのか、信金はどうなのかという大前提、銀行だけではなく、金融制度全体のあり方としての大前提、体系づけ、あるいは守備範囲、任務、役割り、こういったものを論じていかないといかぬ時期に来ているのではないだろうか、法律的に言うならば、恐らく金融法というのか、そこまでいかなければいかぬ時期に来ているのではないだろうか、どうも個々のこの答申を読んでみてそういう疑問を持ってくるのであります。その大前提というのはどういうふうに考えていくべきなのか、その点が二点目の質問であります。  それに関連をしてくる問題として、ここでも預金金利の弾力化、自由化ということが述べられているわけであります。私も原則的にはこれは賛成なんでありますけれども、その際に一体弱小金融機関はどうなるのだろうか、それがひいては、金融界の再編成あるいは制度論としての各金融機関はどうなっていくかということの位置づけがはっきりしない限りは、預金金利の弾力化ということも非常に将来的なビジョンを欠くことになっていくのではないだろうかという問題になっていきますが、その点についてはどういうふうに考えていらっしゃるのか。  それから若干それと関連をして、この長期金融専門機関の将来像についても、これはこの答申の抜粋であるからかもしれませんけれども、よくわからないわけですね。少し詳しく御説明をいただきたいのは、「銀行の業務範囲を弾力化することによって、各金融機関がそれぞれ創意工夫を発揮していくことができるようにすることが重要である。」これは一つは大前提としてわからぬわけではありません。そして二番目に「普通銀行と長期金融専門機関との間においては、金融の一層の効率化を図るため、長期金融専門機関の専門性を維持しつつ、いわゆる周辺領域における競争が行われることによって、より弾力化された業務範囲の中での競争的な相互補完関係が成立することが適当であると考える。」ということで、どうも壁はなるべく薄くしましょう、しかし専門性は残しておきましょうということのようなんですね。ということになってきますと、非常に競合する範囲がふえるということは確かに競争原理が導入されるということで効率化を一層進めることになるけれども、片面では国民経済的にはむだがふえるのではないか。それならもっと専門金融機関は専門金融機関として範囲をしぼってやった方が効率がいいのではないかという問題になってくるわけで、そのあたり、具体的にはこの長期金融専門機関というものの将来像というのはどうしていくのか、ほとんどは普通銀行と一緒にし、若干長期的な部分だけを残すという形にするのかどうなのか、その辺がどうも答申の意味がよくわからないのであります。  それから五番目にディスクロージャーの範囲でありますけれども、ここに出てくる範囲というのは、金融機関は一体どこまで具体的にディスクロージャーをするのか。この答申に出ているような貸借対照表とか損益計算書とかあるいは資金運用の概要とかこういったものを新聞に公告をするとか、これ自体も非常に基礎的な数字でありますから大事だと思いますけれども、これはある程度有価証券報告書を取り寄せればわからぬわけではないのであって、さらに、やはり土地への融資の問題とかあるいは住宅融資とか個人へのローンとかいうことも当然入ってきますと同時に、いまこれだけ銀行の公共性ということが主張されるならば、一体どの辺の順位までかは別といたしましても、せめて大口融資先とかあるいは大株主とかこういったものの開示までしないと本当のディスクロージャーにならぬのではないか。もちろん、それを一体どの辺の大口融資先にするのか、大株主にするのかはいろいろ議論があると思いますが、銀行の公共性というものを強調するならばそこまでやっていかないと、単なる有価証券報告書とか先ほど挙げたような数字ではきわめて抽象的なディスクロージャーにしかならぬのではないだろうかと思わざるを得ぬのであります。  以上五点について、この問題は大きな問題でありますからまだまだ十分討議する機会もつくらなければいかぬと思いますので、大きな柱だけについてお答えをいただきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 大変広範な御質問でございますが、要点だけについて申し上げたいと思います。  まず、今回の答申のポイントでございますが、これは答申にもございますように、最近は経済構造が高度成長から安定成長期に移行するに伴って金融構造も大きく変化しているわけでございまして、これに即応して金融機関の経営環境が非常に厳しくなっているわけでございまして、金融の効率化を一層促進する必要があるわけでございます。これと同時に、オイルショック等を契機といたしまして、一般企業も含めて、特に金融機関に対するいろいろ社会的な批判が高まってきたわけでございまして、やはりこれからの金融機関が健全に経営していくためには、経済社会が金融機関に求めている機能を十全に発揮していることについて国民から信任を得ることが必要だということが考えられるわけでございます。  したがいまして、特にこの後者の点につきまして新たな視点として、金融機関の私企業性と公共性とを調和して実現することが必要ではないかということが取り上げられたわけでございます。これは答申にもございますけれども、「国民経済の立場を踏まえ、社会的公正に配意した新しい金融効率化の展開を図っていくことに視点を置くべきである」、金融機関が単に経営の効率性を追求するのみならず、これと国民経済的見地及び社会的公正の観点から見て適切にその諸機能を発揮すること等調和のとれた形で図っていくことが重要であると考えるということでございまして、当然金融機関は私企業でございますからそこに限界があるわけでございますけれども、その限界を踏まえて、自己責任のもとに自由な経営努力あるいは創意工夫をもって公共性との調和を追求していくことが必要ではないかということが、今回の答申のポイントであると考えられるわけであります。  特にこれを実現するための手段といたしましては、金融機関が適正な競争原理のもとで自己責任のもとに自主的にこれを到達するための一つの重要なポイントとして、ディスクロージャーが取り上げられているわけでございまして、金融機関はどのように考え、どのように行動しているかということを国民の前に明らかにすることによりまして、国民の理解を得るとともに国民のニーズを把握して、そのこと自体が金融機関のビヘービアを自主的に規正していくということを期待しているわけでございまして、この点が今回の答申のポイントかと考えられます。  次に、第二番目の問題でございますが、これから金融組織全体として、銀行だけでなく各種専門機関、相互銀行、信用金庫、信用組合等をひっくるめて金融制度全体のあり方を考えるべきではないかということは、まさに御指摘のとおりでございます。それで本来ならば、このような視点で議論を進めるというのも一つの手法であったかと思いますけれども、しかし今回は大蔵大臣の諮問を踏まえまして、とりあえずそのうちの金融制度の中核となる普通銀行のあり方について御審議をいただいたわけでございまして、その普通銀行制度を議論する場合に、普通銀行に限定せず、その議論に必要な範囲において各種の長期信用銀行とか外国為替専門銀行あるいは中小金融機関の問題も取り上げたわけでございます。特に答申の総論に当たる部分は先生御指摘のように、普通銀行だけに限るという考え方ではございませんで、すべての金融機関に共通して考えらるべき方向を示しているわけでございまして、先ほど申し上げましたような基本的な考え方、あるいはディスクロージャーにつながるような自己責任のもとに適正な競争原理で自己努力をしていくという考え方は、これは相互銀行、信用金庫についても適用されるべきもの、このように考えているわけでございます。その意味でこの答申の総論の部分は、先生御指摘のような金融全体の組織についての一つの方向づけにもなっているわけでございます。  特にそこで問題になりますのは、御指摘のそういう同質化と専門性の問題でございますが、これは答申にもございますように、競争的な相互補完関係にあることが望ましいということが打ち出されているわけでございまして、専門金融機関の専門性だけかきねを余りに高くいたしますと、専門性の中に安住してしまって効率性を求める努力が十分できないような面もあるのではないかということが指摘されたわけでございまして、むしろかきねを低くすることによって本来の専門性を追求しなければ、その金融機関自体の存在が問題になってくるようなことが考えられるわけでございますので、長期信用銀行は長期金融に、中小金融機関は中小企業にさらに徹するということがそこに期待されるわけでございまして、それによって金融制度全体としての効率性を上げるということを期待しているわけでございます。  それから三番目に、預金金利の問題と経営基盤の弱体な金融機関との関係でございますが、確かに御指摘のように都市銀行と相互銀行、信用金庫等が、仮に預金金利が自由化されまして、そのような同一基盤で競争を行うということは、いまの時点で直ちに実施した場合には、やはり中小金融機関の経営基盤に問題が生じてくるおそれは多分にあるわけでございます。したがいまして預金金利につきましては、一挙に自由化することは必ずしも適正ではないわけでございまして、むしろ資金需給に応じて弾力的に預金金利を動かすという方向が考えられているわけでございます。しかしながら、やはり中小金融機関もその経営が非効率のままに置かれました場合には、その被害者は結局、中小金融機関の取引先である中小企業であるということになるわけでございまして、仮に非効率の中小金融機関がありますと当然、コストが高いわけでございます。したがって貸出金利も上がってしまう。その場合にその被害者は、そういう高い金利でそこから借りざるを得ない中小企業ということになるわけでございますから、したがって中小金融機関も経営の効率化を促進し、経営基盤を強固にするように努力をしていただく必要があるわけでございます。そのような形で経営基盤を確固としたものに進めていくような経営努力が進むのと相まって預金金利の自由化も漸次に進めていくべきだ、このように考えているわけでございます。  それから四番目の長期信用銀行の将来のあり方について、答申に余り書かれてないではないかという御指摘でございますが、これはまさにそのとおりでございます。この点につきましては、長期信用銀行のあり方につきまして答申でもう少し書き込むという案もあったわけでございますが、この点につきましては長期信用銀行側から、今回の金融制度調査会においては長期信用銀行を正面から取り上げて掘り下げた議論が行われていないので、したがって長期信用銀行の全体のあり方について答申で書き込むことは問題であるということで、むしろ長期信用銀行側の要望もありまして、御指摘のように必要な債券の発行限度というものを中心に答申が書かれているわけでございます。これにつきましては今後適当な機会に、長期信用銀行であるとかあるいはそのほかの専門金融機関についても正面から取り上げる機会があるいはあるのではないか、このように考えているわけでございます。  それからディスクロージャーの問題でございますが、これは最初に申し上げましたように、今度の答申の非常に大きな基本でございます。この点につきまして、どこまで金融機関としてディスクローズすべきかという問題があるわけでございますが、やはり金融機関も私企業でございますし、また、信用秩序の維持という観点からのいろいろな制約もあるわけでございます。したがいまして、そのようないろいろな制約と調和を図りながら具体的な問題について検討していきたいと考えておるわけでございます。また、ディスクロージャーは本来、法律等において強制されて行われるよりもむしろ、金融機関が自主的に行うことが望ましいわけでございますので、極力そういう方面に金融機関が自主的にいろいろ検討を行うことを期待しておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 まだまだこれは大きな問題でありますから別の機会に十分論ずることにしまして、時間も迫ってまいりましたので最後に、国債の問題についてお伺いをしておきたいと思います。  申すまでもなく、国債の相場、特に六・一国債はもう連日に近いくらい新安値を更新を続けているわけであります。いまの現状というのを理財局長は一体どういうふうに見て——私はもう国債管理政策などという小さな枠では事は処せないんじゃないか、根本的な量の問題、この問題にまで立ち入らぬことにはこの問題というのは解決できないんではないか、そういう時期に来たのではないかと思うのでありますけれども、その点についてどういうふうに考えていらっしゃるか。  そして第二点として、これだけ市中に発行が続いているいまの国債を、市中消化に頼っても、これもおのずともう限度のところまで来ているんではないだろうか。それで私は、もう時間がありませんから細かく申し上げませんけれども、資金運用部資金ですね、これはお答えをいただきたいのでありますけれども、かなり余っているんではないか。住友銀行の調査によると七兆円近く余っているはずだということであります。これは本当は本格的に論議しなければいかぬのでありますけれども、時間が余りありませんから、七兆円が正しいかどうかは別といたしましても、いずれにしろ財政投融資の資金需要というのも大分緩んでいるんではないか、その意味から一時、こういう時期でありますから、資金運用部資金を大量に動員をしていまの時期は引き受けざるを得ないのではないか、そこまで踏み込まないと、いまのこの新安値の更新の連続というのは断ち切れないんではないかと思わざるを得ぬのでありますが、その点についていかがでございますか。

田中敬大蔵省理財局長

○田中説明員 第一点の国債の値下がりの現状とこれに対する対応策の問題でございますが、国債の値下がりの現状をどう把握するかという点につきましては、一つは長期的なトレンドと、もう一つは、やはり現在の直近の局面の両方の分析が必要だろうと思います。  長期的トレンドで見ました場合には委員も御承知のとおりに、昭和五十一年以降金利は下降局面になりまして、五十三年春までは金利低下が続いてまいりまして、債券市場は非常に活発な好況を呈したわけでございますけれども、昨年春以降金利の底打ち感が広がりまして、債券市場ではいわゆる強含み横ばいということで昨年の暮れを迎え、昨年の暮れ以降今日まで急速な金利の上昇局面、価格の下降局面を迎えておるわけであります。  長期的にそういうトレンドにあります中で、直近の情勢といたしましては、この春公定歩合が引き上げられまして、市中金利の下げどまり傾向が一方では出ましたものの資金需要は出ていない。だから緩和感というものは依然残っておる。だんだん緩和感底打ちの気配は出てきております。しかしながら民間資金需要は依然落ちついておるというようなそういう短期の金融市場の中において、一方の債券市場では最近、依然景気が拡大傾向にある、あるいは近々予定されるOPECの石油の値上げの問題、あるいはまたこの七−九の日銀の窓口規制の大幅圧縮、そういうことで、先行き金融が量的に引き締められるんではないかというような感じから、債券市場では依然それを含みまして金利は上昇傾向にございます。  一方におきまして、市場で取引される六・一国債というようなものが非常に安い価格を呈しておりますということは、従前買い越しでございました都銀が売り越しに転ずる、あるいは買い越しの主でありました事業法人が売り越しに転ずる、在庫積み増しに努めてきた証券会社が在庫を減らしてかえって売り越しに転ずる。片や買い手というのは農中とか官公庁共済しかない。しかもいま申し上げましたような情勢の中で、まだ下がるんではないかということで買いが出ない。結局売りの方は、いわゆる決算対策ということが、不透明なこともあって九月決算に備えて金融機関が売り急ぎをする、それに買いが出ないというようなことで、むしろ相場ができないというような売り気配相場というような形で推移しているものです。  これはこういう一般的な金融動向もございますけれども、委員が御指摘のように国債だけとってみました場合には、やはり需給バランスの問題、余りにも大量であるという問題があろうかと思います。そういう意味におきましては第一点の御質問につきましては、やはり量的な圧縮ということを図るのがまず今後の課題としてわれわれが一番取り組むべき問題であるという認識は持っております。  それから二番目の資金運用部資金を活用すべきであるという御説については、全く賛成でございます。  住友レポートというものが出まして、六兆九千億、約七兆円の金が資金運用部は余っておるではないかという指摘が出ておりました。これにつきましてはその指摘自身、その中身を全部読みますとずいぶん誤解に基づくところもございます。しかしながら結果論といたしまして、五十二年、五十三年、国庫が対民収支揚げ超であったことも事実でございます。  国庫が揚げ超になるということは、国の予算の執行あるいは財政投融資の執行が繰越金額がある限りにおいては必ず揚げ超になってまいります。そこはやむを得ない問題でございますけれども、しかしながら、資金運用部資金に当初計画で予定した投融資が不用になったというようなことから揚げ超要因が重なってきたことは事実でございます。それらの揚げ超を反映した面もございますが、確かに私どもが公表いたしております五十四年三月末現在の資金運用部のバランスシートによりますと、政府短期証券で保有しているものは御指摘の六兆九千億の数字でございます。これを分析いたしますと、六兆九千億政府短期証券で持っておるということは、その金が使い道がなくていわゆる運用として持っておるという現象でございますけれども、六兆九千億のうち、二兆七千億円は五十三年度の財投計画が繰り越されたものでございます。  何で二兆七千もの繰り越しがあるかと申しますと御承知のように、地方公共団体が起債をいたします地方債を資金運用部資金で引き受けることにいたしております。本年度は三兆数千億引き受けるわけでございますけれども、これらはいずれも地方公共団体は、四月、五月に事業を開始いたしましても短期の資金でつないでおります。従前は資金運用部資金が非常に低利でございましたのでこれでつないでおりましたけれども、現在は市中金融機関から短期で借りる方が安いということで、市中金融機関から借りて年度末出納整理期間ぎりぎりになって長期債に切りかえる、そういう意味で、地方債の起債の資金運用部資金による引き受けは四月、五月に集中いたします。これがこの二兆七千億の繰り越しのうちの二兆円程度でございます。いずれにしましても、六兆九千億のうち二兆七千億は繰越分であって、これは明らかにこの四、五、六にもうほとんど使い切られた金額とお考えになっていただいていいと思います。  それから二兆二千億、私どもが五十四年度財投計画あるいは資金運用部資金の使用計画として計画しておるものが六兆九千億の中に含まれております。一番大きいのは、年度越し短期といたしまして交付税特別会計等に貸し付ける金、これを五十四年度末に貸すわけでございますが、この資金は短期貸しでございまして、これを私どもは留保せざるを得ないということでこの金が留保してございます。あるいはまた、五十四年度中の財投計画の原資として五十二年度中の不用額を充当するというようなことをいたしておりまして、そういうものもこの中に入っております。  それにいたしましても、この二兆七千と二兆二千を足しましても四兆九千億、六兆九千億との差額の二兆がございます。その差額の二兆円につきましては先般、国債の管理政策の一項目といたしまして、資金運用部資金が追加で一兆円引き受けるという措置をとりました。これで一兆円が消えるわけでございます。それから残余まだ一兆円ございます。これは今回運用部資金が本年の四月でございましたか市中から三千億国債を買い入れ、あるいはまた今回スワップ取引ということで七千億買い入れたというようなことで、こうしてごらんになっていただくと数字のつじつまは合うわけでございますけれども、だからといって、運用部はもうこれ以上何もできないというふうには申し上げたくないわけでございまして、従前、財政投融資計画というものは、資金運用部資金の本来の使用目的として財投計画優先という形で、財投計画である程度計画を組んで、残余余裕資金があれば国債を引き受けようというようなそういうビヘービアであったことは事実でございますけれども、今後財投計画、資金運用部資金の使用計画を考えます場合は、いわゆる政府関係金融機関あるいは事業団等に対する貸し付けと同じ並列的な形で国債の引き受けを考えていくべきであろうと考えておりますので、この点につきまして、資金運用部資金による国債の引き受けを充実すべきであるという委員の御意見については、まさにそのとおりであるというようにお答えいたしたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 時間がないから残念でありますが、原則的に御同意をいただいても元金がないことには運用にならぬわけでありますから、その意味では、もう少し私の方も論議をしたいのでありますが、時間がありませんので管理政策の中であと二点だけお伺いしておきたい。  一つは、国債、特に六・一国債だけがいま悪いのではなくて、金融債から政保債、地方債、事業債、これはみんな乖離があるわけです。その中で国債が一番乖離が激しい。一・八ポイントぐらい乖離幅があるということでありますけれども、その意味で、またこれから恐らく貸出金利も非常に上がっていく局面にあるという状況の中で、果たして七月なり八月の発行条件、これは全く従来どおりということで消化ができるのかどうなのかということは非常に疑問に思わざるを得ぬのでありますけれども、その点についてどういうふうに考えていらっしゃるか。  それから入札でありますけれども、現実の入札は、入札の条件が発表されてから実際入札に応ずるまで非常に期間が短い、あるいは手数料の問題等があって、非常に重要な個人消化がしにくい状況にある。証券会社を通して個人もこの入札に応じられるような手配というのか手続、考慮、これをもう少しとる必要があるのではないかと思うのでありますが、その点についていかがでございますか。  それから、もう時間がありませんからあと二つだけ質問してお答え願いたいと思うのであります。  それは先ほど言ったように、もう国債の管理政策という小さな枠の中ではとてもいまの問題は解決できないという前提に立つならば、五十三年度もかなり自然増収が上ったようでありますが、これは最終決算は五月に国債を減らすという形になると思うのでありますけれども、五十三年度の増収がどのくらいの見込みになっているのか、それに合わせてなるべく早い時期に、増収の確定まではいかないけれども、ある程度の見込みが立てられて、国債の発行の額を月々なるべく減らすような措置が行政上不可能なのかどうなのか、これをやることによって、いまのように非常に国債敬遠の時期というのはとにかく発行額をなるべく減らしていくという考慮をしなければいかぬと思うのであります。ただし、見通しを誤りますとその結果、三月に逆に集中的に大量に発行しなければならぬということにもなる危険性が確かにあろうかと思います。いずれにしろこういう時期になってきますと、自然増収というものをなるべく早目に察知し、そして国債の発行額を月々減らしていくという措置が行政上でき得ないかどうか、その点についてお伺いしたい。  最後に、さらにいま卸売物価が非常に高騰を続けて、二カ月連続年率二〇%を超えるというような非常に危険なインフレ状況にきているわけでありますが、この要因の中にも、もちろん石油もありましょうけれども、公共事業がかなり力を持っているのではないかと思わざるを得ぬのでありますけれども、この時期に至って公共事業の進捗率が一体どのくらいのところに来ているのか、そして、ことしは前倒しをしてないわけでありますけれども、臨時国会の中で卸売物価が非常に高くなっているという状況等を勘案し、あるいは国債発行が十分できないという状況の中で公共事業の繰り延べあるいは減額補正、これはちょっと主計局だけではなくて恐らく大臣も入れなければいかぬことかと思いますけれども、そういう点までひとつ考えることができないのかどうなのかということであります。  そしてもう一つは、ここまできますと、私がこの前委員会で言ったように、変動金利制というのを本格的にさらに前向きに考えていく必要があるのではないか。不確実性の時代だと言われているわけではないけれども、十年先まで金利を一定にしていくという国債の発行というのは無理なのではないか。確かにだんだん短期化していきますし、そういう状況にありますけれども、いずれにしろ、七年にしろ五年にしろ金利を一定にしていくということは、これはなかなかむずかしいのではないか。公定歩合なりその他の金融事情に合わせて、イギリスが少しやったように、変動金利によるところの国債発行ということも、ここまできますとさらに考えていただかなければならないのではないか。これは住宅ローンの返済等の金利の問題もありますけれども、そこまでとにかく踏み込まないと解決できない事態に至っているのではないかと思うのでありますので、その点も含めて御答弁をいただきたいと思います。

田中敬大蔵省理財局長

○田中説明員 まず、最近の市場実勢は国債、金融債その他すべて含めて乖離をしておる、大丈夫かというお話でございますが、七月、八月このままやっていけるかということでございますけれども、私どもは基本として市場実勢を尊重してやっていこうということだけしか申し上げられませんで、いつどのような時期に条件改定を考えるということにつきましては、この席での答弁は差し控えさせていただきます。  それから二番目の入札、個人参加ができるよう、あるいは証券会社が個人に売れるようにという工夫でございますけれども、現在の入札制度におきましても委員が御指摘のように、入札のオファーをいたしましてから入札決定時期までの期間の問題がございますが、証券会社は顧客の注文に応じて入札ができないわけではないわけでございまして、いまの制度を活用していただければそういうことは十分できると思います。ただ、そういう顧客のあらかじめの注文なしで証券会社が入札をしてこれを売る際に、手数料を払っておらないことは事実でございます。そういうことになりますと、これは証券会社がたとえば七分で落とした債券につきまして、九十九円五十銭で七分で落としたといたしますと、証券会社の方で手数料を上乗せして顧客に対しては実質利回りはたとえば六・九四とか六・九五というような形で売っていただく、そういう形の方が入札制度の本来の方針に合うのではないだろうか。入札いたしますものというものはこれは金融商品でございますので、発行者が金融商品として売り出したものを仲介者がどういう手数料を取って売るか、そういう商業の問題でございますので、これは証券業界の方において検討していただきたいというふうに私どもは考えております。  それから、中間の自然増収の問題と公共事業の繰り延べ等につきましては主計局等からお答えいただくことといたしまして、最後の変動金利の問題でございますが、変動金利制の国債につきましてはイギリスにその例を見ております。それからわが国におきましても信託会社は変動金利になっております。しかしながら、一般的な債券というものに変動金利制をとるかどうかという点につきましては、債券というものがやはりその債券の発行時点におきます将来の金融情勢の見通しも含めて発行者と引受者で合意の上で取引をされている性格のものでございますので、そこは発行者、引取者の間で合意が成立すればあえて変動金利にこだわる必要はないと思っておりますが、しかし、変動金利制の長期債券というものをどういうふうに考えるかということにつきましては、さらに勉強させていただきたいと思います。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 五十三年度の税収でございますが、四月末で十九兆五千八打七十四億、これは五月分税収を取り込みます前の予算の見積もりが十九兆一千三百六十億でございますから、見積もりに対しまして四千五百十四億十二カ月分として上回っておるわけでございます。五月に予算上二兆百四十億の税収を見ておりまして、これに対して幾ら現実に収納できるかということはもうちょっと、十日もたちませんとまだ正確な数字はつかめませんけれども、現在の銀行以外の企業の決算がかなりいいと言われていることなどから判断をいたしますと、大体年度全体といたしまして、従来五、六千と申しておりましたけれども、七千億台の自然増収ということが見込まれるかと思っております。  先ほど自然増収をもっと迅速正確に把握をして適時国債発行額の調節をすべきであるというお示しでございました。私どもそのとおり思っております。ただ実際の問題といたしますと、税収の非常に多く入ります月というのは、十一月、三月、五月、それからそれに続きまして七月と一月、こういうふうになっておりまして、これからおわかりになりますように、申告所得税、ことに分離長期と申しますか、土地の譲渡によるものが三月にならないとわからない。それから三月決算、九月決算、これがどういうふうに進んでいくかということにつきましても、経済調査機関、それから私どもの方で大法人に直接当たるとかいろいろなことをやっておりますけれども、なかなかそこは正確に年度の途中で把握するということはむずかしいわけでございます。したがいまして、毎月国債の発行額を理財局でお決めになります際、私どもの方としてもできるだけの情報を提供して、過剰の発行にならないようにという配慮はしてきておりますが、なお一層努力をいたしたいと思います。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤説明員 公共事業の執行状況でございますが、現段階では四月末の数字しかわかっておりません。予算現額が十三兆五千億でございますが、四兆七百億、三〇・一%になっております。昨年の四月末が三四・三%なので、これを約四ポイント下回っておりますが、絶対額で見ますと、昨年の同期が約四兆四百億というような姿になっております。  それから第二点の公共事業と物価の問題でございますが、卸全部で見ますと、五月が対前年三・五、前月比一・六で、国内要因と海外要因が半々になっております。昨年の十一月から物価が上がり出しておりますが、十一月からこの五月まで見ますと、卸全体では六・五上がっておるわけでございますが、やはり国内と海外の要因が二・八、三・七というふうなことで大体半々。この中の建設資材の問題でございますが、建設資材は、卸が五月で対前年三%くらい上がっておるのに対して七%以上上がっておる。個々に要因を見てみますと、たとえば製材、合板の場合には産地価格が上がっておるとか円安がきいておる。小型棒鋼の場合には中東の需要に引っ張られていくというようなことが挙げられております。大型形鋼はこの四、五月間の間横ばいである。アスファルトは石油価格が上がっておる。セメントとか生コンは大体横ばい。それから砕石、砂利は過積みの問題がきいておるというようなことが言われております。  したがって物価と公共事業の問題、公共事業の量から見てそれが非常に原因になっておるのかどうか、必ずしも一義的に言い得ませんが、公共事業を物価との関係で考えます場合に二つ側面がありまして、一つはコスト面からの物価上昇あるいは需要面からの物価上昇、その場合に、公共事業の繰り延べなり削減がどういうふうにきくのであるかという問題になるわけです。目下のところは、ただいま申し上げましたような要因が挙げられておりますので、事態の推移を注視しておるというような段階でございます。  それから、補正減、繰り延べの御議論がございましたが、ただいま申しましたようなことなので、四月の六日に大体本年の予算執行は六五ないし七〇ということで機動的に対処するという姿勢をとっておるわけでございますが、この基本的姿勢は目下のところ変えておりません。  それから公債との関係でございますが、理財局長の方で御答弁いただく問題かもしれませんが、過日の七項目の最後のところに、剰余金が出た際には当然のことながら減額というような考え方が織り込まれておりますが、そういうふうなことは当然のことだろうと思います。

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 最初に、答弁者十四人ということですから、そこにずっとひとつ並んでおいてください、一々出てきてもらうには時間が短いですから。また、言葉等について失礼な点があることはひとつお許しをいただきたいと思うのであります。きわめて短い時間でこれをどう消化するかということですから、御了解をいただきたいと思います。  きょうは大蔵大臣もおりませんので、事務当局だけの見解になると思うのでありますが、第一には、前国会で大変積み残した法案が多いのでありますけれども、この法案の取り扱いについては事務当局は、たとえば大蔵だけを例にとりましても、外為法案の問題あるいはたばこ値上げ法案の問題等もございます。大蔵当局としてはこの状態でどういうふうに対処しようと考えているのか、これも簡単にお答えをいただきたいと思います。

平尾照夫大蔵省国際金融局次長

○平尾説明員 ただいま御指摘をいただきました順序の最初の外為法案の一部改正についてですが、これは御承知のように、開放経済体制をとることが目下のわが国の経済運営に当たっての基本的な姿勢でなければいかぬという考え方に沿いまして、現行御案内の原則禁止となっております法律の体系を原則自由に改めるということでお願いをいたしたわけでございます。同時に、わが国はこういう姿勢をとっていく、したがってこの法改正を進めていくということは諸外国からも注目されております。したがいましてわれわれとしては、この法改正を行うことが現下緊要の課題であると考えておりますので、できるだけ早い機会に法案を再度国会に御提出をし、御審議をお願いしたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本説明員 たばこ法案につきましては、御承知のとおり予算関連法案でございますから、最も早い機会に再度御提出申し上げ、御審議をちょうだいして成立を図らせていただきたい、かように考えております。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 答弁者はずっと自民党さんの席を借りてでも座っておいてください。  自然増収六千億とも言われているのですから、たばこ値上げ法案は通らなくても現在の行政運営は支障ない、こういうふうにも見られるのでありますが、いまの国債の関係もありますけれども、予算どおり執行が可能である、こういうふうに理解しますが、大体そのとおり理解してよろしいでしょうか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本説明員 御承知のとおり、予算上二千二百億の歳入増を組み込んでおるわけでございますが、歳入全体といたしましてどのようになるか、たばこ一つだけを取り出してとかく申し上げるべきものではないと思います。歳入全体といたしまして、それは当然国債の問題も入ると思いますけれども、歳出に充てるべき財源が賄えるかどうか、そういう観点から見るべきものであろうかと思いますが、私どもの方としましては、この法案は単に歳入面だけでなくて、制度面につきましても大変重要な内容を含んでおるので、最も早い機会に御審議をちょうだいすべく考えているところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 佐藤小委員の方からも質問がありましたが、現在事務当局が考えている案では、どういう方法でインフレを抑制しようとしているのか、幾つでありますかわかりませんが、一つなり二つなり三つなり挙げてください。いや、そうはしない、全然しないというのならしない、そう答えてもらえば結構です。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野説明員 インフレあるいは物価騰貴の問題に対しまして、いま大蔵省として直接所管しております事柄につきまして具体的に考えている項目はございませんが、先般来政府側からいろいろな機会に御説明申し上げておるかと存じますけれども、政府部内に物価の問題につきましての関係省庁の連絡会議を設けまして、個別の物資の動向につきまして細心の注意を払って臨機に適切な措置をとるというような努力は、政府全体としていたしているわけでございます。  なお当然のことながら、財政なかんずく公共事業の執行につきましても、先ほど加藤次長から御答弁申し上げましたとおり、そのときどきの経済全体あるいは物価の動きに注意をしながら、機動的、弾力的に執行をしていくというような態度をとっているわけでございますし、それからまた、金融の面につきましても当然のことながら、経済全体の動きに注目をしながら臨機に適切な対応をしていくというのが大蔵省の態度である、かように考えております。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 これは答弁になっていない。インフレになりつつあるという認識なのか、現在の動向がそのまま推移をするということだから事務当局としては別段考えていないということなのか、これから動きが変われば臨機応変に対応するということは現状を固定化するということなのか、それとも、これからではどの程度の変動があったならばどういう考え方をしようとしておるのか、その点を具体的に言ってもらいたい。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野説明員 物価の問題でございますから、具体的に卸売物価なりあるいは消費者物価がどの程度の数字になった場合にどういう手を打つかというようなことを、一義的に申し上げることは事柄の性格上なかなかむずかしいかと存じます。ただ、現状の認識について申し上げますれば、これも大臣がいろいろな機会に御答弁申し上げたかと存じますが、現在まだインフレというような状況にはなっていない。ただ、中近東の石油の問題等等いろいろな要因がございまして、物価につきましては動向につきまして特に十分な注意を払っていくべき状況にあるというのが、現在の大蔵省の認識であるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 次の問題で、石油の値上げで一バーレル当たり二十ドルを超える、こう言われて、わざわざサミットの前にOPECが開かれる、あるいは、OPECはそのまま継続審議でサミットの後に引き続いて会議を開く、こういう状況でありますけれども、その値上げで一バーレル二十ドルになった場合に消費者物価に与えるはね返りは大体幾らと見ておりますか。

藤本裕通商産業省産業政策局物価対策課長

○藤本説明員 原油が二十ドルになった場合に具体的にどの程度物価に影響を及ぼすかということについては、特に試算はいたしておりません。それにつきましては、原油の値上がりが国内の石油製品価格につきましてどのような影響を及ぼすかということは、今後の事態を十分見てまいる必要があるかと思いますし、また、石油の価格自体につきましては需給関係によりましてかなり影響もあるかと思います。特に二十ドルの場合に幾らというふうな計算はしておりません。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 大体二十ドルになるのはほぼ確定されている要素なんであって、その場合にどの程度消費者物価に影響するかという試算くらいは当然、担当としてしていないのは怠慢のそしりを受けると思うので、そんなのは答弁になっていないですよ。次の問題に行きますから、その間によく聞いて考えておいてください。  いま省エネルギーを通産省はやっています。きのうも私は国会へ参りました。参りましたけれども、恐らく諸官庁、あの三十度を超えるような暑さの中で仕事にならないだろうと思う。これはどこの庁で答えるか、大蔵省でも答えてもらうか何でもいいのですが、あれで仕事になったら私はお目にかかりたいと思っているのです。だからいまみたいな答弁で何も答えられないようなことになってしまう。だから、とにかく三十度を超えるような暑さの中で、何も重箱のすみをつつくようなことで省エネルギーが、ある人はどこかのサル回しのサルだなんて半袖の姿を言っていましたけれども、そんなふうなことでいわゆる省エネルギーが実現できるものではないというふうに思います。現在職員も秘書もいるわけですよ。そういう状況で、この会議のところだけは冷房を入れてくれている。これは入れてなかったら、とてもじゃないが恐らくもっとハッスルするのじゃないかと思うのですけれども、こういうところだけは入れるけれども、ほかの会議のところでは平常勤務ができないような状態で放置しておく。それで能率が上がるなんてことはない。当時は、これだけ高層建築もなかったし、それから木も多かったし、あるいは通風もよかったし、建物自体もある程度の風を予想してできていた。ところが、急に扇風機もなければすだれもない、それで窓を十分あけることもできない、そういう中でただ冷房を切ることだけがすべてであるような発想は、私は人権侵害だと思う。だからそういうような発想で、何かチンドン屋的に先に立ってドンピンシャンやっていればそれでいいんだという発想ではもう試行錯誤もいいところだと私は言えると思う。職員が仕事ができるかできないか、あなた方聞いてみたことがありますか。私はそういうことについてはもう少し適切な措置をとることが必要だと思うのですが、その点いかがですか。

高島章資源エネルギー庁長官官房省エネルギー対策課長

○高島説明員 先生御指摘のように、IEAの決定でこういう各種の石油節減対策を推進しているところでございますが、その内容におきましては、先生御指摘の室温調整とかマイカーの自粛とか産業界におけるエネルギー使用の合理化とかいろいろ盛り込んでおります。ただ基本的な考え方は、現在回復基調にございます景気に悪影響を与えないこと、雇用にマイナスを与えないこと、それを基本的な考え方にしておりまして、その前提に立ちまして国民各位に均等に応分の御協力をお願いしているという内容になっております。  室温につきましていろいろ問題があることは私も十二分に承知しておりますが、そういう前提での幾つかの措置の推進であるということで御理解を賜りたいと思います。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 貴重な時間ですから、私が調査しました結果は、平常時から五〇%を超えるのは大体七月、六月と九月、あとは三〇%くらいであります。それで時間帯がどこがピークかということを考えますと、最大のピークは大体一時ごろ以降なんですね。それで朝の八時ごろは大体八〇%、それから九時になって大体九五%、十二時も九八%、昼休み時間は九一なんです。一時から三時までが大体一〇〇%なんです。それ以降は下がるんです。これが大体の平均の数字だ。だからもし切るとするならば、一時から三時まで休憩にして、そして一時から三時まで切る。これなら筋は通ると私は思うのです。その点調べてあるんですか、こういうことを。どこがピークであって、どこのピークを落とせばそれによってその五%の節約が可能なのか。もし落とすとするならば、この数字から見れば六月の段階をよく考えれば、三時なんですよ。だから一時から三時まで、あるいは十二時から三時まで休憩にして——同じでしょう、仕事してないのは。だから状況は同じだとするならば、一時から三時まで休憩にして、そして冷房を切って、三時から幾らか仕事をしてもらって帰ってもらう。そのくらいの発想の転換が、建物自体が違うんですから必要なんじゃないかと思う。どうなんですか。

高島章資源エネルギー庁長官官房省エネルギー対策課長

○高島説明員 室温の問題につきましては、いろいろデータ等も取り寄せておりますが、何しろ建物とか中にいらっしゃる人数とかその中での活動のぐあいによりまして相当温度が変わってまいりますので、現在の節減対策では、そういう御指摘は十二分に理解できるわけでございますが、一応一律の温度で節減をお願いしているということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 どうもこだわるのだけれども、入れてなくて一律の温度というのはどういうことなんですか。

高島章資源エネルギー庁長官官房省エネルギー対策課長

○高島説明員 冷房はおわかりのように、七月の中旬からということにしてございまして、それまでは原則冷房はないということでございます。二十八度というのは冷房を入れました七月中旬以降の遵守いただくべき温度ということでございまして、それまではお日様のかげんによりましては温度の上下はかなり起こらざるを得ないということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 とにかく仕事にならないよ。この間もちょっとほかの省へ行ってみましたけれども、もう仕事はできっこない。できない状態を放置しておいて、だから給料どろぼうだなんて言われちまう。それだったら、三時なら三時までちゃんと休憩にして、若干延びるけれども、あとの分は仕事をしてもらうという発想を——仕事にならない状態で省エネルギーだなんということを言っておったのではそれこそは、働き過ぎだから遊ばせておくのだということなのかもわからぬけれども、そういうことでは私は成り立たないと思うのです。  なお、郵政省は呼んでないけれども、いろいろな統計があるのなら出してください、具体的にわれわれが一般的になるほど仕事ができる温度はこれなんだと。常識的に言って、風も通らないところで三十度を超えては仕事ができる状態にはならないですよ。国会だって南側と北側ではえらい違いがある。そういうことで、これは非常に細かいことのようだけれども、各省同じ条件にあるので、そんなことで省エネルギーをやって仕事にならないんだったら何も意味しない。休みにしちゃった方がいいくらいだ。そういうことは全然間違っているし、答弁になってないから、もし説明するのならば、二十八度までは冷房を入れるなら入れるとか、そういうことをしてくださいよ。超えたら下げてもいいけれども、超えなかったら入れるとか、そういう形のものは当然必要だと私は思う。きょうは冷房が入っているからみんな上着を着ていられるのだけれども、入れてなかったらいられっこないですよ。そんな非人権的なことで私は省エネルギーは成り立たないと思う。こういうことで時間が過ぎますから、どんどん行きます。  さっきの大光相互の問題でも若干不十分であったのでありますが、捜査の方はどうなっているのか。前田さんという方にはお気の毒であったと思いますけれども、前の島田常務もそうでありますが、そういうことによって常に捜査が阻まれる。きょう佐藤委員が言われておったようなことも、この前の委員会のときにもわれわれは言っているわけであります。そのときになぜ手をつけられなかったのか。銀行の調査が終わるまで、銀行の調査が終わるまでとそう言って、結果的には死人に罪をかぶせてそれを糊塗しようとしている、こういうことは許せないと思う。社会の正義の上から立っても許せることではないと思う。そういうことで漫然としてこれを過ごしているということは、国民的な感情から言っても本当にもってのほかだ、こういうことはきわめて遺憾なことだと思うのです。それで、捜査及び取り調べ、そしてちゃんと国民の前に明らかにする、そういうことに対する決意を、これは警察の方もおいでをいただいておりますから、ひとつ法務省も加えて簡単にお答えいただきたいと思います。

宮脇磊介警察庁刑事局捜査第二課長

○宮脇説明員 この件につきましては、昭和四十九年十月に参議院の決算委員会におきまして和田静夫議員から御指摘があって以来、警察といたしましては、新潟県警におきまして重大な関心を持ちまして情報収集、内偵等に当たってきたところでございます。  最近では、いろいろ取りざたをされておりますので、それらの件につきまして関連の基礎調査を鋭意進めているところでございます。しかしながら、対象が金融機関でもあるという特殊性からいたしまして、現在大蔵省の方で進めております検査の状況をにらみつつ捜査を行ってまいる、そういう考えで進めております。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○根來説明員 前にも御答弁申し上げたのですが、検察庁としては適当なタイミングを見計らいまして、関係省庁と協議をして適正に処理するものと思います。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 あと追及したいのですが、時間がなくなってきたから、とにかく至急、銀行だからということだけで猶予をしていることによって、そのことがかえって国民に大きな損害をもたらさないような措置を講じていただくことを特に切望をしておきたいと思います。  次に、フジタ工業が二億二千万円くらいの脱税をやっているということで若干話が出ておりますけれども、いわゆるかご抜け工事と私は言っているわけですが、これは何もフジタ工業だけではないと思いますが、特に出ておりますから、フジタ工業の場合の関連会社についての調査あるいは捜査というものについてはどう考えておられるのか。  これはレクチュアのときにも言っちゃってありますから、もう中身は言わなくてもわかると思いますが、河野商事の中で、白ナンバーでやったり青ナンバーでやったり、あるいは土砂の運搬の規格を外れたり、とにかくそういう形をしているし、それから同時に、関連のもう一つの傍系会社の東亜不動産が先般、株の増資をやりました。これも長くならないで簡単に言いますと、販売用の不動産は五百七十七億と計上されております。それで、長期の借入金が三百三十五億で、短期の借入金が三百七十八億、借入金にもとにかく及ばない不動産を持っているという状況です。それ以外に、たとえば投資有価証券が百七十三億あるけれども、支払い手形が百六億あるというふうなことで、細かい数字を読み上げていくわけにはまいりませんけれども、水増し工事という形で子会社にやって、そして、その子会社から水増しした分は還流させていると言われている節もあるわけであります。そういうような状況の中で、このかご抜け工事は現在相当な企業が皆それぞれやっているように思われます。その他の材料もなくはないのでありますけれども、その点はきょうは触れないでおきます。出ているこのフジタ工業の今後の捜査及びこういうことによっての脱税等について、あるいは資金の行方というものについてどう処置なさろうとなさっておられるのか、その点ひとつお答えをいただきたいと思います。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○根來説明員 ただいま御指摘のありましたフジタ工業について脱税があったわけではなくて、フジタ工業の下請会社であります株式会社河野商事について脱税がありました。東京国税局から告発がありまして、東京地検で現在捜査中であり、その事件に関連いたしまして、ただいま御指摘のありましたフジタ工業の水増し工事といいますかそういう事件に絡みまして、背任あるいは詐欺事件ということで現在三名が勾留されております。そのうち一名は過日、これは河野商事の代表取締役と共謀でございますが、詐欺で起訴されております。  ただいま委員から御指摘のあった事実関係につきましては、検察庁としてはいろいろ関心を持って調査しておるものと思いますし、本日御指摘のあった点については検察庁にもよく伝えて、そういう見地から調査するように示唆するつもりでございます。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 もう時間がなくなったようですから、これはただ、いわゆる下っ端と言っちゃ申しわけありませんが、事務所長とかなんとかでやったような形で検察側はやっておられますが、実態は企業ぐるみである。だから、その一部分の氷山の一角の枝葉の問題だけをとらえて、起訴したからこれでもって用が足れりという問題ではない。もっと企業ぐるみの問題であるというふうに私たちは位置づけているわけでありまして、そういうふうな意味から見て、このままで、起訴されたから河野商事は終わりだ、じゃほかの関連会社は全然してないということが言い切れるのか。その辺の問題、言うなればフジタ工業それ自体が一つの企業ぐるみで、それぞれの子会社を使って、関連会社を使ってやっているこれはやり方である、こういうふうに私たちは理解をいたしております。  その点について関係の方から、まだどういうふうになっているかわかりませんけれども、お答えをいただいて、もう五十五分になりましたから、非常に不十分ながら私の質問を終わりたいと思います。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○根來説明員 そういう点も十分考慮して捜査しているものと思います。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊説明員 御承知のようにこのたびの事件というのは、フジタ工業の下請事業である河野商事から発生した事件でありますけれども、やはり一つの査察事件をやりますあるいは一つの企業の捜査をやります場合には、それがその企業だけの問題であるかあるいはそれだけの問題でないかということについては、われわれは常に関心を持っておりまして、一つの事件を契機といたしまして、それを参考にしてできるだけ税務調査の的確化を図っていきたい、かように考えております。

沢田広日本社会党

○沢田小委員 不十分ですが、残念ながら終わります。

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十六分休憩      ————◇—————     午後一時三十二分開議

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き質疑を続行いたします。坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 金融制度調査会の答申が出まして、きょう午前中佐藤議員の方からも質疑がございましたので、一、二点だけお聞きをしておきたいと思います。  一つは、今回のこの答申の中で、社会的責任ということが非常に強調をされておるわけでございますが、しかし社会的責任ということを強調していきますと逆な面から見れば、これがまた規制強化に結びつく可能性というものもなきにしもあらずという気もするわけでございます。金利の自由化等競争原理というものを大幅に取り入れられて、競争はさせるぞ、しかし競争はさせるけれども社会的責任というものを忘れてはならないぞ、こういうことであろうと思います。先ほども申しましたように、この社会的責任というものとそれから業界の規制ということについて、基本的な態度としてどのようにお考えになっておるか、ひとつ聞いておきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融機関は本来、私企業でございますから、その面からのいろいろな制約はあるわけでございますけれども、しかし、最近のいろいろな経済社会構造の変化等あるいは社会意識の変遷、変革等に応じまして、やはりこれから金融機関が社会的に存在を認められ健全に経営を行っていくためには、経済社会が金融機関に求めている機能を十分に発揮していることについて国民の信任を得ることが必要と考えられるわけでございます。このことがむしろ、私企業として健全に経営を続けていくための条件というふうにも考えられるわけでございまして、このような観点から社会的責任ということが問題になってくるわけでございます。  ただ、社会的責任の具体的な内容につきましては、そのときそのときの経済情勢、社会情勢の変化に応じまして変わってくるわけでございまして、これを一義的に定めることは非常に危険でございますし、それから、社会的責任ということを問題にする余り、金融機関の経営の健全性あるいは私企業としての限界を超えるようなことがあってはこれはまた他面問題になるわけでございます。したがいまして問題は、この私企業性と公共性をどのようにして調和して実現していくかということでございまして、この点につきましては、金融制度調査会の答申におきましては、金融機関の自己責任の体制を基本といたしまして、それを基本とした上で金融機関の自主的な経営努力あるいは創意工夫によって適正な競争原理の導入のもとで大いに経営努力を進めることによって、この私企業性と公共性との調和を図っていくということがうたわれておるわけでございます。  そのためにはやはり先生御指摘のように、官庁による介入であるとかあるいは法律による一律的な規制ということは好ましくないわけでございますので、ディスクロージャーということの大きなウエートがそこに出てくるわけでございまして、金融機関がどのように考え、どのように行動しているかということを国民の前に明らかにすることによって、そこに国民との対話の場ができるわけでございます。それを通じて国民のニーズも把握できるわけでございますし、また、経営内容あるいは資産運用の内容等を公表することによってその金融機関の自己規正にも通ずるわけでございます。こういうディスクロージャーを通じて自主的に社会的責任を追及していくということが望ましい姿ではないか、このように考えておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 これもきょう昼までにいろいろ議論のあった大光相銀の問題でございますけれども、今回のこの銀行法改正の問題とあわせて考えました場合に、たとえば今回のような事件というのはなぜ起こったというふうにお考えになっているのか、特に監督官庁としてこのことにどういう反省をしておみえになるのか、また、今後の銀行法等との絡みにおいて今後どういうふうにしていった方がいいというふうに思われるのか、その辺のところをひとつお聞きをしておきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 今回の大光相互に関する問題としては、やはり未計上の債務保証が非常な多額に上り、かつ、その内容に非常に問題があるということであると思います。このようなことは、金融機関一般の一般的な問題というよりもむしろ、駒形前社長の非常に問題のある経営のしぶりによってこのようなことが起こったというふうに考えられるわけでございまして、むしろ大光相互の今回の非常に特殊な現象ではないかというふうに考えられるわけでございます。したがって、このことが直ちに他の一般の金融機関のあり方と必ずしも関連してくるものではないと考えられるわけでございます。ただしかしながら一般的に申しまして、やはり経営体制が組織化されていないと申しますか、経営者の独断専行、ワンマン経営体制ということではとかくこのような危険を包蔵しがちでございますので、やはり公共性のある金融機関でございますから、そういう組織による健全な経営が確保できるような形であることがより望ましいということが考えられると思います。  それからまた、金融機関に対する監督あるいは検査の体制についてでございますが、今回未計上の債務保証が、いままで何回かの検査でなかなか発見できなくて、最近の検査において発見されたわけでございますが、このような経過に照らしますと、やはり金融機関相互間の取引の問題につきましては、いままでの検査におきましてはどちらかというとその点においては、かなり金融機関相互間の取引にはそう間違いはないのではないかという前提で検査なり監督が行われていた面があるわけでございまして、その点につきましては今回の問題を契機といたしまして、検査体制につきまして改善を加えつつあるわけでございまして、具体的には、債務保証のような金融機関相互間の取引につきまして必要があれば反面の調査、これは検査というわけにはまいりませんわけでございますけれども、反面の調査を実施することであるとか、あるいは、検査に臨む前の事前の準備資料につきまして、これはいろいろ電算機を使って資料をつくっているわけでございますが、その過程におきまして金融機関相互間の取引が明確にわかるような機構を組み込むことを検討するというようなことによって、検査体制につきましても改善指導を図ってまいりたい、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 それでは、次の問題に移らせていただきたいと思います。  いわゆる貸金業法案につきましては、前国会におきまして各党間で何度か会合を実は重ねてまいりました。また、各党からも法案が提出されまして、かなり議論が進んだというふうに記憶をいたしております。しかしながら、残念なるかな各党の法案とも全部流れてしまったわけでございまして、現在は一つも残っていないわけであります。したがって、いささか死んだ子の年を数えるような感もなきにしもあらずでございますけれども、各党とも皆さん方何とかして法案を一つにまとめられるものならまとめたい、こういう強いお気持ちを持っておみえになっていることを知っておりますし、私もまたその一人でございます。そういう意味で、もう一度ここで一番問題となりましたところを整理しながら、大蔵省並びに法務省各当局のいろいろの御意見も伺っておきたい、こういうふうに思うわけでございます。  各党から出ました法案の最も一番問題になっておりましたところ、一番議論の中心になりましたのは、いわゆるグレーゾーンのところの議論でございます。このグレーゾーンのところをどうするかということについて最後まで愚見の一致を見なかったわけでございまして、今後もう一度また新しい国会が始まりましたときに各党から出すとかあるいはまた共同して出すとかという議論になりましたときに、このことがまた一番大きな問題点になるであろうことは想像にかたくないわけでございます。そこでその内容なるものを少し整理をしておかなければならないと思います。  昭和三十九年それから四十三年の大法廷におきます判決文を読んでみますと、そこからいろいろのことを考えさせられるわけでございます。一つは、三十九年の判決の内容を見てみますと、利息制限法についての明確な態度というものが示されているわけでございまして、この利息制限法を今後どのように見ていくかということ、そしてもし新しい法律をつくるならば、その法律とどういう絡みに置くかということが一番中心になるのではないかと思うわけでございます。  最初に、法務省の方にお伺いをしておきたいのは、利息制限法のいわゆる立法趣旨と申しますか、利息制限法に対してどういうふうなお考えを持っておみえになるか、非常にアバウトな聞き方で大変恐縮でございますけれども、その辺のところをまず最初お聞きをしておきたいと思います。

青山正明法務省民事局参事官

○青山説明員 利息制限法の立法趣旨は、利息の契約を当事者の全く自由に任せておきますと、金を借りる側という弱い立場から場合によっては非常に暴利を貸し主にむさぼられるというようなおそれもあるいうことから、一定額以上の利息の契約を無効とすることによりまして、そういう経済的な弱者の立場にある債務者を保護しようというところにあるものであるというふうに考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 この判決文におきましても、「経済的弱者の地位にある債務者の保護を主たる目的とする」、こう述べておりまして、いま述べられたこととあらあら同じことが書かれているわけでございます。  この中にさらに書かれておりますことを見ますと、「債務者が利息、損害金の弁済として支払った制限超過部分は、」「無効とされ、その部分の債務は存在しない」、こう述べているわけであります。制限超過部分は、無効であり、その債務は存在しないという原則に立っているわけであります。そこで、新しく貸金業法なるものをつくろうとしましたときに、いわゆる利息制限法に対してその一部に風穴をあけて、貸金業についてはこういうふうにしようというような試みがなされたこともあるわけであります。これももう廃案になってしまいましたから、いまさら取り上げるのは大変変な形になるわけでございますけれども、前回の自民党から出されました案ですね、元自民党案としましょうか、元自民党案を見ますと、雑則の四十三条におきまして、「超過部分の支払は、同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。」こういう一項目がここに設けられたわけであります。これは現在もう存在しないわけでございますから取り上げるのは少しおかしいわけでございますけれども、またこの部分は国会に出される可能性もあるわけでございますから、一応存在すると仮定しまして考えました場合に、この「超過部分の支払は、同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。」というこの項と利息制限法との絡みという形で考えてみたいと思うわけでございます  利息制限法は御承知のように一条二項におきまして、よく似た文言になっておりますけれども、「債務者は、前項の超過部分を任意に支払つたときは、同項の規定にかかわらず、その返還を請求することができない。」こうなっているわけでございまして、この「その返還を請求することができない。」という部分が「有効な利息の債務の弁済とみなす。」という形に元自民党案は書きかえられたわけでございます。書きかえられたと申しますか、そういう言葉に変わったわけでございます。いろいろ検討してみますと、利息制限法の一条二項とこの元自民党案とは若干違っておりますけれども、しかし内容は平たく言えば、五十歩百歩という気もしないではないわけでございます。しかも最高裁の判例におきましては、利息制限法において定められているところの制限超過部分は、無効であり、したがってその部分の債務は存在しない、こういうことをはっきり言っているわけでございますので、その辺がどうも私もすっきりしない、何回考えましてもはっきりとした形で心の中に残らない気がするわけでございます。この辺につきまして、もう一度法務省の方からお話を伺いたいと思います。

青山正明法務省民事局参事官

○青山説明員 昭和三十九年の最高裁の判決は先生御指摘のように、利息制限法所定の制限を超える利息の契約は無効である、したがってその部分についての債務はないということを前提にいたしまして、したがって、制限超過の利息を支払いましても、債務のないところに弁済というのはないのである、また、利息であるという指定も、債務がない以上無意味なのであって、その超過部分はどこへ行くかというと、法定充当に関する民法の四百九十一条の規定に従いまして元本に充当されるという理論をとったのでございます。  ところで、御指摘の法案の四十三条でございますが、こちらの方は、現行の利息制限法一条二項とある意味では確かに似通った規定でございますけれども、超過部分につきましては現行法と異なりまして、「有効な利息の債務の弁済とみなす。」という規定の仕方になっております。この規定の意味は、利息制限法の一条一項によれば、そういう超過部分の利息契約は無効なのであるけれども、その規定にかかわらず、有効な利息契約があって、その利息の債務の弁済があったものというふうに法律上擬制するという趣旨であろうと思われるわけでございます。  そういたしますと、この法案の四十三条のような規定がもし法律として成立するということになりますれば、昭和三十九年の最高裁判所の判例のように超過部分が元本に充当されるという余地はなくなるというふうに考えられるのでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 先ほど読みました三十九年の大法廷判決の中で、奥野裁判官が補足意見というのを述べているわけでございます。これをちょっと読みますので、お聞きをいただいて御意見を承っていきたいと思います。  これは「超過部分の債務は無効であり、不存在であるから、超過部分の支払は非債弁済であり、本来ならば不当利得として、その返還を請求することができる筋合であるが、法は荷も制限利率を超過する約定を禁止し、これが超過部分の支払を否定する建前を採っている以上、債務者がこの禁止に違反して、敢て超過部分の支払をした場合に、これが返還請求を許容することは、法の禁止する行為を保護する結果となり、法の目的に副わないことになるから、本法」利息制限法ですね。「一条、四条の各二項において、債務者に対してその返還の請求を認めないこととしているのである。しかし、法はこれがため、債権者に右超過部分の支払を受領する正当な権限ありとして、これを保護しているのではない。」こう述べているわけです。  非常にややこしい表現でございますけれども、超過部分について任意に支払いをした、これは法に禁止をしていることをしたわけだから、これが返還請求をできるということを認めることは法に禁止をした行為をした者を保護する結果になる。だから、法の目的に沿わないからこれは返還請求を認めないということにするのだ、こういうことだと思うのですね。  そこで、最後にありますように、これはいわゆる債権者に有利なように、その権利を認めるためにつくったものではなくて、以上のような理由からこれがあるんだという意見が述べられているわけでありまして、これは奥野さんという裁判官お一人の補足意見でございます。これに対して御意見を求めることはちょっとどうかと思いますけれども、もしも御発言いただければ、何か言っていただければありがたいと思います。

青山正明法務省民事局参事官

○青山説明員 私から奥野裁判官の補足意見に特に意見を申し上げるのは適当とは思わないのでございますが、利息制限法一条二項についての見方の一つではないかと思います。特別に申し上げることはございません。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 私がお聞きをしたいのは、こういう考え方があるわけなんですね。そういたしますと、元自民党案の四十三条のような法文がもしできたといたしますときに、それをどう解釈するかということと非常に絡んでくると思うわけです。それは「当該超過部分の支払は、同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。」というこの読み方をこれと同じようにもしも見るとすれば、超過部分を支払った、それはいわゆる法に定めてある以上のものを支払ったわけだから、禁止のところを支払ったわけだから、それを有効とみなさないとするとそれは法を犯した者を保護することになる。したがって有効とみなすということにするのは、それは何も債権者を保護するという意味ではなくて、むしろ以上に述べたような理由からこういう文言になるというふうに、同じように読むこともできるわけであります。いわゆる債権者の権利というものを守るためにこれは書いたのではないというふうにも読めるわけであります。あるいはまたある意味では、積極的に債権者を保護するという目的でこれは書かれたものというようにも読み方によっては読めるとも思うわけであります。その解釈によってずいぶん違ってくるという気がしてならないわけであります。  これは現在存在しない法律のことを言っているわけで、はなはだ議論もしにくいわけでございますけれども、元自民党案にありましたところの「同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。」この一項目については、積極的に債権者をここで保護するという形にお読みになっていたか、あるいはそうではなくて、奥野裁判官のような立場でこれをごらんになっていたか、もしその辺の御意見があれば承っておきたいと思うのです。

青山正明法務省民事局参事官

○青山説明員 御指摘の法案の立法趣旨ということになりますと、私の方からこれが立法趣旨だというようなはっきりした考え方を述べる立場ではないわけでございますが、ただいま先生のお話の中で、利息制限法一条一項がこれを超えたら無効であるという規定を置いているのは、そういう規定を置いている場合に、それに違反した行為はやってはいけない行為であるという前提に立って、そういう違反行為があったものについて非債弁済として返還請求を認めるということは適当でないというのが、奥野裁判官の御意見のように承ったのでございますが、一条一項というのは必ずしもそういう契約をしてはいけないという趣旨まで含むものではないのではないかと思うのでございます。つまり一条一項は、ここまでは私法上有効であるが、これを超えると私法上効力がないという限界を決めているわけでございまして、この規定によって、たとえば制限を超えた利息の支払いを拒むか拒まないかはいわば債務者の自由にゆだねられていることではないだろうか。それにもかかわらずといいますか、そういう保護があるにもかかわらず、債務者がみずから進んで利息の支払いをしたという場合に、それは違反行為をしたのでけしからぬ行為であるというふうに評価するのはいささか飛躍があるように思うのでございます。  そういう意味で、御指摘の法案の四十三条が、「超過部分の支払は、」「有効な利息の債務の弁済とみなす。」という規定を置いた趣旨が、債権者を保護するためにあるのか、それとも、債務者が違反行為をしたのであるからそれに保護を与えないという趣旨なのかという問いは、前提においてちょっと適切でないような感じがするのでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 それじゃ法務省の方に最後にもう一つだけお聞きをしておきたいと思います。  大法廷におきまして三十九年そして四十三年と、内容は違いますけれども、一連の判決が出たわけでございまして、それとの絡みから言うならば、利息制限法それ自身を改正すべきではないかという意見もあるわけでございます。利息制限法の一条二項は、内容が死に体かどうかはわかりませんけれども、いまなお生き続けているわけでございますから、この辺のところを一体どうするのかという議論もこれから起こってくるのではないかと私は考えるわけであります。その辺の必要性はないのであろうかということを最後にお聞きをしておきたいと思います。

青山正明法務省民事局参事官

○青山説明員 利息制限法の取り扱いをどうするかということは、いわゆるサラ金問題を通じて起こってきていることでございまして、一般の消費貸借につきまして利息制限法の規定が何か修正を要するというような問題提起はないのではないかと思うのでございます。そういう意味で、貸金業者について何らかの規制をする法律をつくる際に、その貸金業者に限って利息制限法の特則のような規定を設けるかどうかということは十分検討しなければいけない問題ではないかと思いますけれども、利息制限法自体を格別改正する必要はないのではないかというように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 もし新しい法律ができました場合にそれをどう解釈するか、これはまた皆さん方の答えを聞かなければわからないわけでございますが、そういう議論をある程度整理して、そして各党間の意見調整をやらざるを得ないというふうに思っているわけでございます。これは結論の出る話でございませんので、法律の内容につきましてはこれくらいにしておきたいと思います。  引き続いて、大蔵省の方にお聞きをしたいと思います。  大蔵省の方は昨年の三月と十一月に通達を出されまして、銀行からの融資自粛というのを出しておみえになると思います。たしか三月と十一月であったと記憶をいたしております。  一番最初にお聞きをしたいのは、大蔵省として貸金業における金利というものを一体どの辺まで下げられるというふうにお考えになっておるのか。私の考えを申し上げれば、四五%以下にはできるのではないかという気がしてならないわけでございます。これは貸金業なるものをどういうふうに規定するかということによっても違ってくると思いますが、その辺もあわせてで結構でございますので、御答弁をいただければと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 貸金業者の金利を適正利潤を前提としてどの程度までの水準が考えられるかということでございますが、これは金融業者の経営規模その他経営基盤あるいはその営業の方法等によっても異なるわけでございまして、一律に一つの線を出すということは非常にむずかしいと思われます。したがいまして、そのような作業は現在行っていないわけでございますが、ただ、一部の消費者団体等を中心にして試算を行っている例がございまして、それによりますと、三〇%台の金利でも経営が成り立つのではないかというような計算があるようでございますが、その計算を拝見させていただきますと、資金の原資といたしまして、正規の金融機関からかなり低利で資金を調達するというようなことを前提としておりますし、それから、人件費であるとかあるいは広告宣伝費等につきましても、一般の実態よりは非常に厳しい前提で計算しているようでございます。したがいまして、それをもって一般を律することはかなり問題があるのではないかと考えているわけでございます。  したがいまして、そういうようなことから考えますと、何%ということは申し上げられませんけれども、現在小口のサラ金業者の貸出金利は、一口十万円以下のところが八五%程度でございますが、これはかなりもっと大幅に切り下げることはできると思いますけれども、どの程度が限度かということをいま一義的に申し上げることは非常にむずかしいのじゃないかと思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 日本消費者金融協会、いわゆるJCFAでございますね、ここが年利四八%という試案を発表しているわけでありまして、かなり業界の方の意見としては思い切った意見ではないかと思うわけです。これは銀行の通達とも絡んでくるわけでありますが、前国会で各党から出ましたあの法律案のいわゆる行政監督的部分は、若干の違いはございますけれども、大体似たり寄ったりのところでございます。したがいまして、ああいうふうな行政監督的な法律がもしできたと仮定をいたしました場合には、銀行の方は融資自粛というのは解かれるんでしょうか、それでもなおかつこの規制を続けられるんでしょうか。私はそういうふうに悪質な業者というものが排除されて、そして新しいサラ金業者に道が与えられれば、その中の良心的なところに対しては可能になるのではないかという気がいたしますが、それに対する御意見をお伺いしたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融機関の貸金業者に対する融資につきましては、昭和五十三年の三月に金融機関に対して示達をいたしまして、それは「金融機関の公共的性格にかんがみ、社会的信頼を損なうことがないよう慎重な配慮が必要である。」ということを前提といたしまして、「特に、貸金業者の高金利による融資、過当な収益の追求その他利用者の利益を不当に害するとして社会的批判を受けている行為を助長するおそれのある融資については厳に自粛を図られたい。」このように示達したわけでございます。したがいまして、高金利による融資あるいは過当な収益の追求であるとかという点で社会的批判を招くような業者に対して融資することは好ましくないという線を打ち出しているわけでございますが、先生御指摘のように、貸金業に対しまして厳しい法的規制が行われるようになりますと、ここで述べておりますような社会的批判を受けるような行為というのは次第になくなってくることが考えられるわけでございますので、仮に貸金業に対して法的な規制措置が実施されましたときには、その実施の状況を見まして、このような貸金業者に対する融資のあり方について、先生御指摘のとおり再検討を行ってまいりたい、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 優秀な業者、しかも長期的に見ても問題がない、そして融資をすることによってたとえば三〇%台の金利を行うことができるというようなことになってくるとすれば、私は銀行からの融資というものも考えられる道はあるのではないか、こう思う一人でございます。ただ局長さんも言われましたように、いままでのような非常に悪徳な形のものが残っておりましたり、あるいはまた、一時的には非常にいいけれども、長期的に見るとぐあいが悪いというような業者が存在いたしますと、ある特定の業者には融資はできるけれども一部の者にはできないというような、なかなか線が引きにくいということになりましてはぐあいが悪いわけでございますので、そういう形ではなかなか不可能かと思いますけれども、かなり厳しい法律ができて、そして非常に自主的に優秀な営業ができるという形になって、なおかつ、金利がうんと引き下げられるということであるならば、そういった条件が満たされれば可能なのではないかと私も思う一人でございます。  それからもう一つお聞きしておきたいと思いますのは、たとえば相互銀行が設立をしております信用保証会社がございますが、これなんかに対しましても大蔵省はいままで再開の許可を拒んでおみえになるわけであります。たとえばメールローンなんかの再開等につきましては大蔵省は拒んでおみえになるやに聞いておりますが、そんなことございませんか、違っておりましたらひとつ御指摘をいただきたいと思います。  そういうふうに相互銀行及びその傍系のところがサラ金まがいのことをするのはよくないという趣旨は、これは私もわかるわけでございますけれども、そういうローンを非常に低利で行うことができるのであれば、悪質なサラ金業者をなくするためにかえって役立つということもあり得るのではないか、こう思いますが、しかし、これもいろいろむずかしい点も恐らくあるんだろうと思います。うっかり許可をするとそれが悪い方に循環していくということも考え得ますので、一概には言えないと思いますけれども、しかし、その辺の試みもすることによって悪質ないわゆる高金利の業者というものを抑えていくのならば、それも一つの方法ではないか、こう思いますが……。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 いま先生御指摘の点につきましては、ちょっと事実関係を調べてみたいと思いますが、一般的に申し上げますれば、利息制限法の範囲内で消費者に対して貸し出しを行うというような金融会社であり、かつ、その営業の種類その他につきましても非常に健全に行われるということであれば、これはいろいろ前向きに考えられるべきものと、このように思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 ぜひその辺のところもひとつ総合的に判断をしていただきたいと思うわけでございます。  それから、あと十分でございますので、にらみ預金の問題をもう一つお聞きをしておきたいと思います。  歩積み両建て等につきましては、銀行の方にかなり行政指導というものも行き渡っていると思いますが、しかしまた最近、一時かなりこれが進んでおりましたが、若干また緩んだんではないかというような声も聞かれないことはないわけでございます。  大蔵省が調査をなすったものの発表を見ますと、かなり数字といたしましては低くなっているわけでございます。たとえばこの「拘束性預金比率の推移」というのを見ますと、昭和三十九年には、都銀におきましても一二・二%ありましたものが、五十三年におきましては一・七%という数字になっておりますし、地方銀行におきましては、三十九年の五月に二四・一%ありましたものが、五十三年には二・五%、こういうふうに下がっている。相互銀行におきましては、三十九年の五月に四二・三%ありましたものが、五十三年の十一月には四・二%というふうに下がってきているわけであります。これはあくまでも大蔵省が調査をなすって、そして自主的に各銀行から数字を出させた結果の集計ではないかと思いますが、それに間違いございませんか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 そのとおりでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 そこで大蔵省の方が、全部が全部ではないでしょうけれども、銀行の中で問題のあるところあるいはまたアトランダムに調査をなさることがあると思いますが、その調査をなすった結果の数字というものとそして各銀行が自分たちで自主的に出してきた数字というものとの間には、おのずから差があるのではないかという気がするわけでございますけれども、その辺の、個々のどこどこの銀行がどうであったということは結構でございますけれども、全体的に皆さん方がお調べになったその結果の数字がありましたら、ひとつお示しをいただきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 いま金融機関を検査する場合には、必ず両建て歩積みにつきましても検査を行っているわけでございまして、その場合には、いま先生御指摘の金融機関から自主的に出された数字について、それに基づいてその裏づけあるいはその信憑性の調査を行っているわけでございます。その場合にやはり検査の結果、これは金融機関と検査官との見解の相違という場合もかなりあるわけでございますが、検査の結果、金融機関の報告数字以外にも両建て歩積み入金が発見される場合があるわけでございますが、ただ最近は、その件数はかなり減少してきておりまして、特に量的な面では、この金融機関から報告された数字が大幅に変わるというような場合はほとんどないわけでございまして、金融機関の歩積み両建てについての自粛状況は現在でもなお着実に改善の方向に向かっている、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 借りる側の見方と貸す側の見方との間にはおのずから差が出てくることは若干はやむを得ないと思いますけれども、借りる側の方から見ますと、まだまだ歩積み両建てというものが存在する、しかも、いままでのような形ではなくて、かなり巧妙に手の込んだ形で行われるようになったという声もかなりあるわけでございます。そこで大蔵省として銀行をごらんになった場合に、調査をなすった場合に、この銀行が自主的に出してきた数字とは少し違った結果が出てきているのではないかと私どもは考えているわけでございますけれども、いまお話をお伺いしますと、そんなに違った数字ではないというお話のように承りましたが、これは調査をした銀行の平均としてのお話なんでしょうか、それとも、そういうふうな変わらない銀行も中にはある、しかし調査をしてみると、非常に歩積み両建てが実際は存在する、そういうところもある、ただ平均をするとそういうことだということでございますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 歩積み両建て預金の自粛状況は、当然のことでございますが、個々の金融機関によりまして若干差異はあるわけでございますが、しかし全体といたしましては、非常に自粛状況は改善を見ているわけでございます。ただ問題になりますのは、このようなはっきりした両建て歩積みとしてのいろいろ措置をとっているもののほかに、いわゆるにらみ預金と申しますか、金融機関において拘束の手続をとっていないけれども、債務者側において事実上払い戻すことが困難であると認めている預金があるわけでございます。  このいわゆるにらみ預金につきましては御承知のとおり先般、これをなくすためのかなり広範な措置をとったわけでございまして、債務者に対する周知徹底のためにもいろいろ措置をとっておりますし、それから、場合によっては債務者の方から相殺のできるような規定をつくるというようなことも行っているわけでございます。この点につきましても、にらみ預金はかなり債務者の主観もございますのでむずかしい点もあると思いますが、しかしアンケート調査の結果、たとえば公取のアンケート調査でも、五十一年五月にはにらみ預金比率が一四・一であったのが、五十三年五月には九・五に下がっておりますし、この点につきましては今後重点的にさらに改善を図っていきたい、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 最後にもう一つだけですが、今度の銀行法改正の問題と絡んで拘束性預金の問題、何かございますか、あればひとつ……。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 この両建て歩積み預金につきましても、銀行法を改正するに当たって何か法令上の措置をとるべきかどうかということについても、金融制度調査会の席上で審議が行われたわけでございますが、しかしながらいま申し上げましたように、その両建て歩積み預金の性格にはかなり微妙な点もございますので、これを法律的に規制するということにつきましては技術上にも非常なむずかしさがございますと同時に、また、果たしてそれが実態に合うかどうかということについても問題があるわけでございますので、行政上の措置をさらに今後とも充実するということが適当ではないか、このような方向で答申がなされておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口小委員 ありがとうございました。終わります。

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 永原稔君。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 いろいろお尋ねしたいことがありますけれども、特異なケースからまず最初に伺います。  担保の提供と根抵当権の設定のあり方についてですけれども、一般に市中銀行から金を借りる場合の担保は、元金を保証するためでしょうか、元利を保証するためでしょうか、どちらでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 通例は、元本を見合いにして根抵当権が設定される場合が多いと考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 住宅ローンのような場合には、これはどう考えたらよろしいでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 住宅ローンの場合にも一般の民間金融機関の場合には、やはり元本を中心に考えて抵当権が設定されるもの、このように考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 住宅公団というのは金融機関ではないと思いますけれども、住宅公団の分譲住宅などについて、これは元本が幾ら、利子が幾ら、また事務費とかあるいは引当金が幾らというように計算されて元利合計の根抵当権が設定されているようですけれども、こういうようなものについて銀行当局はどういうようにお考えになるでしょうか。     〔小委員長退席、佐藤(観)小委員長代理     着席〕

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 これは民間の根抵当の方式と住宅金融公庫の抵当方式、普通抵当方式でございますが、民間金融機関の場合には債務者との間に何回かの取引があるわけでございまして、したがって貸付額がかなり上下するわけでございます。したがいまして、商慣習として根抵当方式によりまして極度額を設定するというのが例としてかなり多いわけでございますけれども、住宅金融公庫の場合には取引が一回限りのものでございますので、貸付額そのものについて普通抵当は設定されている、このように承知しております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 民間と公的機関との相違というのはわかるのですけれども、先ほどの住宅ローンなどについてもそんなに頻繁に取引があるわけではなくて一回こっきりの取引じゃないかと思うのですが、そういう場合の抵当は元木に対して根抵当権を設定する。しかし公的金融機関、私は金融公庫の例ではなくて住宅公団の分譲の場合を言っているわけですけれども、こういうところはすべてを含んだ根抵当権を設定するために、たとえば店舗などについては、これは十年ものになりますが、そういうときに非常に過大な根抵当権を設定される。したがって運転資金などを借りようとする場合に、そのたとえば土地なら土地という担保物件が正当な評価をされたならば元本に対応しては十分余裕があるという場合に、他の金融機関から借りる担保になるわけですけれども、実際に住宅公団の場合には元利合計からすべてのものを含んだものの根抵当権になりますので、あと運用のための資金を借りようとする担保力がなくなってしまっている、こういうのは非常に矛盾ではないかと思いますが、どういうようにお考えでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 住宅公団の場合の分譲を行うに際しての抵当権の設定方式につきましては、実は当局としては詳細を承知していないわけでございますが、一般の金融機関と違う性格がそこにあると思いますので、したがって抵当権の設定方式が違っているのではないか、このように考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 それでは、この点についてまた別の機会にお尋ねしますけれども、何か矛盾が感じられてしようがないのです。この点、公団に来ていただくときにもう一度質問をしたいと思います。  それから、いま坂口小委員から歩積み両建てのお話が出ました。今度は逆の立場から質問をしてみたいのですが、地域金融ということになると地域との密着は非常に強いものがあります。企業の特色をよくつかみ、その経営者との信頼関係の中にかなり弾力的な運営がなされているように思いますが、たとえば月に二回の支払いのあるような会社経営をやっているときに、歩積み両建ての関係でひっかかってしまって善意の預金ができないということを嘆く人が多いのです。こういうものについて、たとえば念書を入れる、そういうようなことをしても現実的にはなかなか通らない。たとえばAの金融機関から非常にめんどうを見てもらっている、しかしたまたま入った金をAの金融機関に入れると歩積み両建てにひっかかるので、Bの方に入れなければならぬ、しかし、実際心情的にはAの方に御恩返しをしたいのだというような気持ちの場合に、これにこたえる道を何かお考えいただけるかどうか、その点いかがでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 両建て歩積みに関して御指摘のようなケースがあることは、間々承るわけでございますが、両建て歩積みにつきまして、原則としては預金者の自由意思で預金をしたものについては当然、両建て歩積みというような規制はないわけでございますけれども、通例は、金融機関と借り手の力関係から申しますと、どうも自由のような形をとっていても実質的には強制されたような場合が少なくないわけでございますので、形式基準としては、貸し付けの前後一週間以内に行われた預金は貸し付けを原資として行われたのではないかというような推定は行われているわけでございます。  ただ、これについて念書方式、念書さえあれば常に例外として認めていいかということにつきましても、これまた念書を取ることについて、金融機関と借り手との力関係で無理やりに念書を取られたというようなケースもあるわけでございますので、一律に形式的に念書さえあればということで認めるのも若干問題があるわけでございます。しかしながら、いずれにいたしましても念書の有無にかかわらず、実際に自由意思で預金したということが立証されれば、検査等の際にも両建て歩積み預金からは除外することになっているわけでございますので、そのようなことにつきまして十分説明のできるような状態であれば除外して差し支えない、このように考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 立証ができるかどうかというのは非常にむずかしい問題だと思いますけれども、こちらの善意でもってやったことが大蔵省の検査官になかなか認められないという実態があるものですから、こういう訴えが出てくるわけですね。何か方法を考えていただきたいというような気がするのです。  それから新効率化論、徳田局長いろいろ強くおっしゃっておるところですけれども、護送船団方式と言われた船足の一番遅いものに対する行政指導、これを何とか生かしてこようというような方針から一転して新効率化論に転じておるわけですが、一番船足の遅いところ、効率の悪いところに対して指導の中心を置いた、こういうように思われます。こういう船足の遅い銀行に対してどういうような保護政策をおとりになったのか、具体的にはどういう政策をおとりになったのでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融機関の経営効率、たとえば経費率については個々にかなりの差異があるわけでございます。しかし、たとえばその経費率が悪いという場合にも、経営環境によるものあるいは零細な中小企業を取引先としているためにコストが高くなるというようなものもございます。それから、実際に経営面の体制が不備のために経営効率が悪いというようなものもあるわけでございます。したがって、一律に経営効率だけで判断するわけにはまいらないわけでございます。しかしながら、経営努力が足りないために経費率が高いという、つまりそのような意味で非効率な金融機関が仮に温存された場合には、それの被害者は、そのような非効率な金融機関と取引している中小企業ということになるわけでございます。つまり、非効率な分、コストの高い分だけ貸出金利は高くなるわけでございます。したがって、その分だけ取引している中小企業なり個人が負担させられる形になるわけでございますので、そのような経営努力の足りないために効率の悪い金融機関に対しては、極力経営効率の向上について指導しているわけでございまして、検査あるいは日ごろの行政指導を通じて非効率な理由をいろいろ分析いたしまして、検査等に当たりましては個々にそのような原因を指摘して、経営効率の向上を図っておるわけでございます。場合によっては特別監視制度あるいは決算承認の対象ということにもいたしまして、経営努力の向上を図っておるわけでございます。  しかしその場合に、やはり経営基盤その他の関連もありまして、どうしても個々の企業体として経営効率の向上に限界があるような場合には、他の金融機関との提携であるとか、場合によってはもっと幅広い見地から自主的に行われるならば、合併によって経営効率の向上を図るということも一つの方向だと考えられます。したがって、そのような幅の広いいろいろな施策を通じて、非効率な金融機関というものの効率性を上げていきたいということをわれわれは考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 そうすると、具体的には検査を通じていろいろ御指導なさってきているようですけれども、一番船足の遅いところに基準を置いて指導してきたのか、また、そういうものをよりよくするための指導ということであったと思うのですが、一番悪いところを護送する、そういう態度の御指導ではなかったと思いますけれども、どうでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 やはり船足の一番遅いところに合わせて行政が行われ、具体的にはたとえば貸し出しであるとか預金の金利が決まるということになりますと当然、経営効率のいい金融機関には超過利潤が出てくるわけでございまして、国民経済的にはそれだけ所得介入がふえることになるわけで好ましくないわけでございます。したがいまして、基本的には行政の考え方として、船足の一番遅いものでも救っていくというような、あるいはそれを抱きかかえていくというような考え方ではなくて、もっと船団の船足全体を速くしていくということを中心に行政を考えていくというのがわれわれの考えでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 経費率だけで効率化のめどをはかるのは適当でないとは思いますけれども、この比重はかなり大きいだろうと思うのです。  五十二年度の下期の金融機関業態別経費率、この分布の資料を過日局長から御説明いただいたわけですが、この経費率というのは望ましい姿は一体どこらにあるのでしょうか。全行平均でいった場合に、都市銀行が二・三三、地銀が二・七四、相銀が二・九三、信金が三・一九という数字が平均値として出されておりましたけれども、この経費率では一番適当な姿というのはどこら辺にあるのでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 経費率はこれはもちろん、低ければ低いほどその分だけ所得介入が減るわけでございますから好ましいわけでございますけれども、ただ、経費率の成因を分析いたしますと先ほど申し上げましたように、非常に地域的にへんぴなところにあるということとか、あるいは非常に零細な中小企業が取引先に多いというようなことで、たとえば金融機関自体としては非常に経営努力はしているけれども、どうしてもコストが上がってしまうというような面もあるわけでございます。したがいまして、すべての金融機関を通じて一律にいまこのぐらいの水準が適正であるというようなことを決めるのは非常にむずかしいと思うのでございまして、やはり個々の金融機関につきまして、検査あるいは行政指導等によりましていろいろ経営内容を分析いたしまして経営努力をさらに進めていく、個々の金融機関についてそれぞれの実態に応じて指導していくことが必要ではないか、このように考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 これは経費率、預金量との関係でいろいろ考えなければならぬと思いますけれども、最小規模の預金を抱えている金融機関、これはどのくらいの経費率になっているでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 経費率はいろいろな要因があるということをいま申し上げましたが、ただマクロ的にこれをグラフに描いてみますと、かなり経営規模あるいは預金量に比例している面が多いわけでございます。たとえば信用金庫の場合に、先ほど先生の御指摘の表によれば、経費率が二・二五未満のものから四%以上のものまで分かれているわけでございまして、四%以上あるいは三・七五%以上というのはやはりかなり経営規模の小さな金融機関ということになっております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 そういうふうに非常に経費の高いところについて、これは合併その他のことをお進めになるのではないかと思いますけれども、これは検査の指導の中で行われるのか、あるいはまた、垂直合併をお考えになるのか水平合併をお考えになるのか、そういう点についてどういうように判断していらっしゃるでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 経営効率を向上するための施策としては、金融機関自体の経営内部におけるいろんな努力も必要でございますし、それからその限界がある場合には、いま御指摘のような合併というような問題もあるいは出てくるかと思われますが、しかしこれはどこまでも、やはり取引先の問題あるいは従業員の問題、株主の問題等もございまして、自主的に行わるべきものとわれわれは考えているわけでございます。  その場合に、どのような形が望ましいかということにつきましても、これは一義的に申し上げることは困難でございますが、現実の問題としては同種の合併の方が恐らく円滑にいく場合が多いのではないかと思います。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 そうしますと新効率化論でいっても、金融機関の提携あるいは合併ということは実現はなかなかむずかしいと思うのですが、特に金融機関のあり方について、局長のお考えはよくわかるのですけれども、いざこれを実現に移すとなると非常に困難ではないかなという気がするのです。それぞれ取引先の関係もあり、自主的にいろいろ業務提携あるいは合併ということを考えるように指導するというのはわかるんですが、それで果たして効率化論というのが実現に移されるでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融の効率化と申しますのは非常に幅の広い考え方でございまして、やはり貯蓄手段であるとかあるいは貸し出し面であるとかそういう面で適正な競争を行うことによって、金融機関全体がいわば船団の船足が次第に速くなっていく、その過程において、個々の金融機関の経営努力が促される、また場合によっては提携とか合併も促進されるというようなことが考えられるわけでございます。  現実の場合の合併の数はそう急激にはふえないわけでございますけれども、五十一年にこれは信用、相互以上を含めまして三件、五十二年に四件、五十三年に五件と漸次数はふえているわけでございます。しかし、合併だけが効率向上の唯一の道ではないわけでございまして、やはり基本的には、個々の金融機関の自主的な経営努力あるいはそういう責任体制のもとにおける創意工夫の発揮というようなことがまず基本ではないかと考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 信用組合の実態というのを大蔵省はどういうように把握していらっしゃるか。また、その信用組合の規模とか資金量あるいは経費率、こういうものはどう御理解になっているか。結局、大蔵省の所管の中にこの信用組合を移すお気持ちがおありなのかどうか、その点はいかがでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 信用組合の監督につきましては御承知のように、直接的には都道府県知事がその衝に当たっているわけでございまして、大蔵省といたしましては、一般的な指導監督という立場におきまして都道府県知事に対しまして、その指導のあり方等についていろいろ申し上げているわけでございます。     〔佐藤(観)小委員長代理退席、小委員長着席〕 したがって大蔵省といたしましては、信用組合を個々に把握するというよりもむしろ、全体としてその動向をつかまえているというのが実情でございますが、ただしかし、現実の問題といたしまして、個々の信用組合が経営にいろいろ問題が生じたような場合には、全国の信用組合の連合会等とも連絡をとり、また当該都道府県とも連絡をとりまして、大蔵省も実質的にかなり指導を行っているというのが実態でございます。  なお、大蔵省が信用組合を直接監督すべきかどうかということにつきましては、現在のこのような実態を踏まえまして、これは現実にその信用組合を大蔵省が直接監督するということになりますと、地方出先の体制その他の整備も必要でございますし、いろいろ勘案すべき要件がたくさんございますので、これは慎重に考えてまいりたいと思っております。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 いま私、手元に資料がありませんけれども、信用組合の資金量というもの、一般の金融政策上ネグレクトするようなそういうようなものではないと思いますが、こういうものについて慎重に対処したいということですので、そのお気持ちはわからぬではないですけれども、やはり金融政策としたらこういうものまで一本化してお考えになる必要があるんではないかと考えますので、伺ってみたわけです。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 現在信用組合の資金量は、五十四年三月末でございますが、六兆九千億でございまして、これは信用金庫の全体の四分の一くらいの位置を占めているわけでございます。特に中小企業にとりましては非常に大きな意味を持っているわけでございますので、各般の金融的な政策あるいは金融上のいろいろな措置をとる場合には、信用組合に対しても同一歩調をとるように指導を行っているところでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 たとえば国債の引き受けのようなことを信用組合を利用しておやりになる、そういうような対象にお考えになっていらっしゃいますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 国債については、特に信用組合を対象としてということは行っておりません。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 かなりの資金量ですので、これを外して考えるというわけにはいかない問題ではないかという気がいたします。  先に進みますが、都銀、地銀、相銀、信用金庫、税法上のいろいろな問題、これは必ずしも同  一ではないと思いますけれども、国税については、中小企業と大企業との相違、法人税などで段階が設けられていますが、一般の地方税を含めて相違点はどういうところにあるでしょうか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 国税で御税明申し上げますと、銀行、相互銀行、こういうものは株式会社でございます。信用金庫はそういうものと性質を異にいたしておりまして、会員の出資による共同組織の非営利法人、こういう規定でございます。資金の貸し付けなり手形の割引は原則として会員に限られる、こういうような特質を持っておりますので、税率の面で普通法人の四〇%の税率を適用いたしませんで、二三%という協同組合等の課税の税率になっております。それ以外の都銀、地銀、相互銀行、これらにつきましては、法人税法でいう普通法人として取り扱っております。  なお信用金庫につきましては、細かい話を申し上げますと、いわゆる事業分量配当ということでございますね、定款で定めた割合まで事業分量に応じて配当するということを現実にやっておられるかどうかわかりませんが、そういうものをやられれば損金に算入されるという規定がございます。あと信用金庫につきまして、印紙税法上預貯金の証書なり通帳に印紙を貼付する必要がないというようなことでございます。  それらの点だけが相違でございまして、所得計算につきましては、いまお示しの都銀、地銀、相銀、信金それぞれみな同一に取り扱っております。

渡辺功自治省税務局固定資産税課長

○渡辺説明員 地方税についてお答えいたしますけれども、地方税につきましては三つ特例措置がございます。  一つは、固定資産税でございますが、これにつきましては、信用金庫、労働金庫それから協同組合等、これらにつきまして非課税の規定があります。これは事務所、それから倉庫等の非課税ということで、これらについては非課税ということになっております。  それから事業所税につきましては、ただいま申し上げましたような信用金庫、労働金庫、それから協同組合等でございますけれども、これらのグループにつきまして課税標準の特例措置がございまして、二分の一控除ということになってございます。  それから事業税でございますが、事業税につきましては、ただいま申し上げましたようなグループにつきまして、これらを特別法人といたしまして税率の軽減をしております。特に事業所税及び事業税につきましては、国税においてとられておりますような措置、それを念頭に置きまして、ある場合には税法上そのまま引用するという形で規定されているわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 今度の護送船団方式を切りかえていく場合に、こういうような特別措置をされている金融機関に対して、税法上同一の歩調をとるようなお考えを持たれるかどうか、その点はいかがでしょうか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 国税の分野で申し上げますと、御説明申し上げましたように、信用金庫だけが普通の営利法人たる株式会社組織でない点に着目して税率の特例が設けられておるわけでございます。これは銀行局の方とまた御相談いたすべきことかもしれませんが、それ以外に、所得計算について特例を金融機関の種類によって設けておりません。したがって四つの種類で、いまお示しのありました各金融機関の種別に応じて税法上さらに差異をふやしていくという考え方は持っておりません。

渡辺功自治省税務局固定資産税課長

○渡辺説明員 地方税法の関係でございますけれども、事業所税及び事業税につきましては、考え方といたしまして、国税においてとられております制度、その趣旨、これとの横並びでそういう制度ができておるという経緯がございますので、この問題につきまして、ただいま御指摘のような観点から検討されるとすれば、国税と一緒に検討ということになると思いますが、ただいま主税局長から御答弁のような観点でございまして、私どももこれについてそういう観点から見直しをするということは考えてございません。  それから固定資産税につきましても、ただいま先生から指摘されましたような観点から見れば、これは同じことではないだろうかと思いますが、固定資産税の規定はそもそも独自の規定でございますので、広い意味での租税特別措置のあり方としましては、従来から種々検討しておるところでございます。しかしこれは労働金庫であるとかあるいは信用組合、それから農協を初めといたします協同組合の信用事業、これとの関係が非常にございまして、これらとどういう点で区別されるのかという強い御主張がございまして、これらはただ単にこれを否定することはできないということでございまして、従来そういった経緯で現在に至っておるという制度でございますので、いま直ちにこれを変更する、こういうことは考えてございません。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 時間がそろそろ来ていますので最後に、ディスクロージャーの内容はまだはっきりしておりませんけれども、金利の点までいろいろな場合に示すようにするのか。実態を見ていきますと、たとえば企業がメーンバンクを決めている。しかしそこの金利の方が非常に高い。商工中金に切りかえたい。商工中金の安い金利のを借りて、いままで借りていたメーンバンクに返還したい、こういうようなことをやっても、金融機関同士の話で現実にはなかなかできないというのが実態です。こういうようなものについて将来、ディスクロージャーの中で金利についていろいろ公表されていけば、あの銀行の方が安いということで、一般の借受人は銀行を変えたいという気持ちを持つでしょうけれども、現実にそれができないではないかという気がするのですけれども、こういう点も何か御指導になるのでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 現在ディスクロージャーで特に考えておりますのは、資金運用面についての開示でございまして、金利ということはいまのところまだ検討の対象になっていないわけでございますが、いま御指摘のような、金融機関の融資につきましては、一たん借りてしまうとなかなか別の安い金融機関に乗りかえようと思っても乗りかえられないという問題につきましては、個々の取引のかなり微妙な問題にも関連するわけでございますけれども、基本的には債務者を中心に金融機関の貸し出し運営ということが行われるべきでございますので、特に政府関係の機関から借り入れをすることに対して、民間の金融機関がそれに対して何らかの形で異議を申し立てるということは好ましくないわけでございまして、そのようなことのないように指導してまいりたいと思います。

永原稔新自由クラブ

○永原小委員 終わります。

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 先ほどは、金融制度調査会でまとめられました銀行法の改正に関する資料をいただきました。したがいまして、二、三銀行法の問題も質問をしてみたいと思っております。  まず最初に、銀行法の改正を最初に私が予算委員会で質問いたしましたのは、三木内閣ができたときでございまして、四十九年十二月の末であります。あれから当局を初め調査会においては非常に真剣に取り組んでいただきまして、あれだけのものをまとめていただいた、その間の努力に対しましては高く敬意を表したいと思います。のみならず、ディスクロージャーを初めとして目的規定その他、今回の改正案に盛られた内容を見てみますと、相当に前向きの姿勢が打ち出されておりまして、この点は大いに評価をしたいと私は考えております。  そういう意味で当局には、これからいよいよ法案をつくり、暮れの国会に出されるということでございますけれども、案外に予想しない反対、邪魔あるいは批判、攻撃といったようなものが出てくる心配があるのですね。私はそういう意味においては、局長さんを初めひとつしっかりした信念を持って初志を貫徹してもらうことを特に要望しておきたい。こういう問題の改正あるいは改革というものは根強い反対があるものでございまして、私は若干そうした経験も持っておりますので特に申し上げるわけでございますが、全く考え及ばないような反対論が出てくるあるいは批判が出てくる、そういうものにくじけないようにひとつがんばってもらいたいと思う。その点、ちょっと念を押しておきたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 この金融制度調査会の答申は先生御指摘のように、国会の御指摘もございまして、銀行法の改正を中心といたしまして審議が始められたわけでございまして、特に今回の普通銀行のあり方に関しての答申は、四年というような金融制度調査会としても異例の長期間にわたって非常に審議を尽くしていただいて御答申をいただいたわけでございます。したがいまして政府といたしましても、この御答申の趣旨に沿いまして銀行法の改正に対して努力を傾注してまいりたい、このように考えております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 たとえば調査会が一つの結論を出して法制化をやる、その時間的余裕が少な過ぎる、こんな短期間にそれだけの大仕事ができるものかといったような批判もある。それから私の聞いたところで、今度は大蔵省が監督強化をして、まるで金融ファッショにでもなるような心配をする意見も出ておる。あるいは公債の消化を初めとして、今度の第一条の目的規定が入ったおかげで、どんな無理難題を押しつけられるかわからないといったような心配もあるらしいのですね。しかしこれらは私に言わせますと、ためにする一つの意図的な反対なり批判ではないか、こう思うわけです。そうした観点から二、三質問をしたいのです。  まず第一に、今度の改正によって大蔵省の監督行政が飛躍的に強化せられて、銀行の自主性というものがなくなるのだという批判論があるけれども、簡単で結構ですが、どういうふうに受けとめられるか、承っておきたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 今回の答申におきましては、金融機関が公共的機能を発揮していくのに、どこまでも自己責任の原則に立って、自主的かつ創造的な企業努力を行っていくという点が強調されているわけでございまして、したがって銀行に関する監督規定をつくるに当たっても、行政上の規制は必要最小限にとどめるべきであるというようなことが本文にうたわれているわけでございます。そのような本文の線に沿って監督規定についても審議が行われ、また、その法案としての骨子がつくられているわけでございまして、まず金融機関の自主性を重んじるということが基本的な姿勢でございます。  ただ、具体的な法案を作成する段階になりますと、現在の銀行法は何分にも昭和二年にできたかたかなの法律でございまして、かなり簡明な表現になっているわけでございますが、これから立法を行うことになりますと、最近における立法手法というのがあるわけでございまして、したがって、表現その他はいままでよりも細かなものになっているわけでございます。しかし、そのことは直ちに監督を強化しているということにはならないわけでございまして、むしろ現在の銀行法におきましては、役員の解任権等につきましては、かなり簡単な前提条件でそのまま解任ができるということになっているわけでございますけれども、今回の改正法の原案によりますと、その解任権を発動するための前提条件をいろいろ細かく制限しておりますし、また解任権を発動するに当たっても、相手方当事者の弁明を聞く機会を設けるというようなことで、発動についても非常にやわらげているわけでございます。それから、いろいろ指導を行うような権限につきましていままでにないような規定があるわけでございますが、これはいままで行政指導が法律に基づかないで恣意的に行われるという形をむしろ規制するために法律に根拠を置いたということでございますし、またその運営に当たりましても、どこまでも金融機関の自主性を重んじて、たとえば改善計画とかそのようなものを徴取するというような形で運営が行われると思われるわけでございます。  したがいまして、この改正の案を御理解いただければ、決して監督強化とか行政面の指導が強まったとかいうことではないわけでございまして、どこまでも金融機関の自主性を重んじているわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 現行の銀行法の中にもいまお話しのように、役員の解任の規定もあれば免許の取り消しの規定もあるわけですから、銀行のような社会的な使命の重大なものを背負っておるところにそうした厳しい監督規定が最終的にあることは、私は当然だと思うのですね。それをいかにも大変なことが新しくできてきたように宣伝する、これも私の言うためにせんとする反対運動ではないかというふうに私も考えております。  そこで、これは非常にむずかしい問題になりますが、一方においては、最終的には厳しい一つの監督規定がなければならぬ、同時にまた一方、日常の運用の面においては、いまもお話のありましたように、銀行の自主性を生かして大いに創造的な活動をしてもらわなければならぬということは、緩急よろしきを得なければならないむずかしい問題であります。  そこで、今度は反対の方の点をちょっと伺います。一つ、二つ具体的に聞きますが、銀行は免許事業になっておるわけでしょうが、ニューエントリー、新しい銀行を認めるという問題については今後はどういう取り組み方になるか。それから、店舗を閉めるときには大蔵省の認可が要るとか要らないとかいう問題は、そこまで介入というか監督が及ぶのであるか及ばないのであるか、この二つの点について具体的に伺いたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 新しい銀行法案におきましては、金融機関に新たに免許を与える場合に、それが国民経済的な見地から本当に望ましいものであるかどうかというようなことについて一定の条件をつけることになっているわけでございます、ただ現実に、新しい銀行がこれからどんどん免許が行われるかどうかということにつきましては、御承知のとおり昭和二十八年に、今後は経済情勢その他からして新しい金融機関を設けることは必ずしも適当でないというような線が出されまして、現在に至るまでその線に沿って行政が行われているわけでありまして、銀行の新設についての法律の規定は整備されますけれども、運用に当たっては今後ともそのような線に基づいて行われるのではないかと思います。そういう意味で、ニューエントリーというものに対しては今後とも慎重に運営が行われる、このように考えております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 今度の改正の大きな柱に効率化あるいは競争原理の導入ということがうたわれておるし、またその点において私も賛成でありますが、そういうことから言いますと、競争原理と言う以上は、新しく参入をして銀行を始めるということも自由でなければならぬし、また同時に、競争原理というたてまえに立てば、その競争に負けるものが敗れて消えていくということも当然だ。護送船団方式は困るという御批判も結構でありますし、私も賛成でありますが、実際問題として競争原理の導入ということにおいて、具体的にまた伺いますが、銀行はやはり心がけが悪いあるいは行き過ぎた場合つぶれることがあり得るという前提に立つのか立たないのか、その辺はどうなりますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 競争原理の導入という場合にはその基本的な条件として、たとえば金利の自由化を促進することであるとかあるいは店舗その他の弾力化を進めるとか、そのような競争条件の整備ということが基本的な条件になろうかと考えられます。ただ、その競争がだんだん起こった場合に劣後した金融機関がどうなるかということでございますが、やはり金融機関の場合には中小企業その他の取引先の問題あるいは預金者保護の問題等があるわけでございまして、金融機関の経営が困難に陥ったからといって直ちにそこでその金融機関が倒産してしまうというわけには必ずしもまいらないわけでございます。もちろん預金保険機構というのは別途あるわけでありますが、預金保険機構の発動に至ることは必ずしも好ましくないわけでございまして、それ以前において経営の立て直しであるとかあるいは合併であるとか、そういうような形で非効率な金融機関がなくなっていくのが望ましいのではないか、このように考えております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 それから、余り時間もありませんから次へ進みますが、政府金融機関ですね。今度の銀行法改正あるいはこれを契機とする競争原理の導入といったような調整の中において、政府金融機関はその役割りがふえるのか減るのか、守備範囲はどういうふうになるのか、その位置づけはどうなっていくのか。要するに、政府関係三機関を初めとしてそういう金融機関の使命、位置づけという問題について、結論だけ伺っておきたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 これは非常にむずかしい問題でございまして、政策金融の基本的なあり方と関連してくるわけでございますが、しかし一般に、民間金融機関の貸し出しは自由主義経済の原則に沿って行われるわけでございまして、金融機関の公共性という点からは資金配分面でこれから極力配意が行われると思いますけれども、やはり私企業という面で限界があるわけでございます。したがってそれに対する補完金融、政策金融の必要性はこれからもあり得ると思うわけでございまして、やはり金融機関の経営の効率化を促進させると同時に、政策金融自体の重要性というものもこれから存続していくのではないか、このように考えております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 裏から申しますと、競争原理を導入する、しかしながら競争原理ではあるいは弱肉強食になる、あるいは、先ほどもお話がありましたけれども、コストの問題から考えてみても中央と地方で全然競争にならないといったような問題について、しかもなお競争原理導入であるというならば、地方銀行その他弱小銀行は覆いつぶされてしまうという可能性があるし、それがまたある意味において競争原理であるかもしれない。そういうことになりますと、一方で、政府金融機関の役割りというものは非常に大きくなるし、さらに言えば、政府金融機関等が正しく位置づけられ、あるいは積極的にその役割りを拡大されていくならば、一方において、競争原理の導入というものは、余り遠慮しないで徹底的に導入してもいいではないかという問題も出ようと思うのでございますが、これは運用の問題にもなりますし、また機会を改めて論議をしてまいりたい、かように思います。  そこでもう一つだけ伺いますと、国債の窓口販売という問題については金融制度調査会は結論を出さなかったというように承りますけれども、これは銀行法改正までには結論を出されるお考えであるか、その点の結論だけお伺いしたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 国債の窓口販売の問題につきましては、金融制度調査会といたしましては、基本的には個人消化の促進ということで、一つの方向であろうというような線が出されているわけでございますが、しかし、これは公社債市場のあり方等とも関連するわけでございますので、最終的には答申においては方向は出されなかったわけでございまして、行政における検討に任されているわけでございますが、これはやはり銀行法の改正と絡む問題でございますので、銀行法改正の草案の作成過程において何らかの方向が打ち出されることが望ましいと考えております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 ちょっと具体的についでにもう一つ伺いますと、この問題の解決が慎重にやらなければならない重大な問題であることはよくわかりますが、ひっかかっておる点は、法律上の解釈において窓口販売は不可能であるという点から難点があるのか、あるいは、そうではない、法律解釈上は問題はないけれども、従来の経過等にかんがみて簡単に結論が出せないというところに問題を持っておられるのか、どちらですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 この点は、法律解釈と申しますか、いろいろそのような法律をめぐる問題点につきましても議論があるわけでございますし、それから、実態面につきましてもまたいろいろな問題点がございます。両方の点からいろいろ検討を要するのではないかと考えております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 銀行法はそのぐらいにいたしまして、次に国債の問題について若干伺っておきたい。  実は、国債の問題はもっと本格的に取り上げてまいりたいし、根本的には私はインフレの問題として取り上げていきたいのです。と申しますのは、いま日本の経済の最大の問題は、一つは財政の赤字の問題であるが、もう一つの問題はインフレの問題だ。インフレは、きょうは結論だけ私の方から申し上げますが、一つは、景気が若干好転をしてきた、やや本格的になったように思えまして、操業率から見ても企業の利益から見ても、この点は五年かかったのは必ずしもほめるべきことではないけれども、ともかくも景気好転はしてきたという点は認めますが、そこでそのまますぐそれが心配になる第一の点は、これから価格景気になるのではないかという点だと思うのですね。というのは、設備投資の動きを見てもそうでありますが、この間からの苦い経験にかんがみて、設備をふやす、人をふやす、そういうことはよほど慎重に経営者は考えておる。したがいまして、これからの利益確保の最大の道は価格を引き上げる、そしてまた、引き上げることが可能な状況ができてきた。こういう点で、価格景気に向かう心配というか、可能性が非常に多い、これが第一点。  それから第二点は、いわゆる石油インフレ。この問題についても、一般の認識がぼくは間違っているというか不十分であると思うのですけれども、たとえば三〇%値を上げるだろうということについての心配はありますけれども、しかしわれわれは四十八年、九年のころには四倍に石油を上げたんだ。したがって、四倍に上げたのさえうまく乗り切ったのだから三割ぐらい上げるのは、困るけれども何とか乗り切れるであろうという楽観的な見方がある。しかしぼくはこれは間違っておると思うのですね。それは論争はやめますが、要するに今度の場合も、去年の暮れの十二ドル七十セントぐらいのものが二十ドルに上がるわけですから、七ドルから八ドル上がる。それも二十ドルにとどまるという保証はない。しかも円が大体二、三日前から二百二十円だということになりますと、これも円が一割、二割というふうに円安になっておる。それを総合的に考えてみますと、実際には八ドルでなくて九ドル、十ドルというように上がってまいりますので、前回の四倍の値上げのときと同じ幅の値上げになるわけですね。したがってダメージを受ける、そのダメージは前と同じなんです。パーセンテージでわれわれは打撃を受けるのではなくて、現実の値段であるいは値上げで打撃を受けるということを考えると、前回と同じではないか、場合によってはそれ以上になるではないか。したがって、前回もしくはそれ以上のダメージを覚悟しなければならない状態である。これがまたインフレをそれだけ推進をする。これが第二の原因。  そして第三は、国債の増発の問題だ、こう思うわけですから、国債の増発。それがいまは値下がりで困る状況になっておる、この点もお伺いしたいのですけれども、とにかく国債はあらゆる困難を克服しながら十五兆二千七百億円消化していかなきゃならぬ。そういうような意味も含めまして、国債の増発というものがクラウディングアウトになりあるいは公債インフレになるという心配がある。  まず第一は、それらの前提において第一に伺いたいことは、公債の増発がインフレに向かおうとしている日本経済をさらにインフレ化を促進するファクターにならないか、あるいは、なる心配はないかという点についてはどういうふうに見通しておられるか、それをまず伺っておきたい。

米里恕大蔵大臣官房審議官

○米里説明員 先生おっしゃいましたいろいろな御懸念の点、私どもほぼ同じような考え方を持っております。  具体的なお尋ねの公債とインフレ促進の問題でございますが、確かに現在のような大量の公債が引き続き長期にわたって発行されるということになりますと、民間需要とのクラウディングアウト、締め出し効果というようなものが発生する懸念がございますし、あわせまして、それを避けようとすればどうしても日銀信用の増というようなことで、マネーサプライが増加しやすいというような関係にあるかと思います。そういった観点から今後、国債の金融面からのインフレを防ぐためには、やはり基本的には今後できるだけ国債の増発を余り大きなものにしないように努力していく必要があるということを基本的に考えております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 政府もいろいろ御苦労、御苦心をいただいておるようで、国債管理の総合政策として先般七項目を決定し発表された。これは大体所期の目的を達しておると見ておられるかどうか、結論だけ伺っておきたい。

田中敬大蔵省理財局長

○田中説明員 先般決定いたしました七項目の管理政策を大別すると、三つに分かれると思います。  一つは、市中引受負担の軽減、すなわち円滑な消化に資するための市中引受負担の軽減、これはあの中の対策といたしますと、運用部による肩がわり、あるいは増収等がある場合にはこれを国債の減額に充てるということで、後段の部分につきましては今後の問題ですが、第一項目につきましてはすでにそれを決定いたしておりますので、その分市中から減額をすることにいたしております。目的は達し得たと思っております。  それから二つ目は、市中消化を円滑に行うために、資金のニーズに合った発行方式あるいは市場を圧迫しないような発行方式、国債の種類等を考える、そういう意味で、十年債の短縮、あるいは中期の公募債の枠の拡大、あるいは市場圧迫要因にならない私募債の活用ということを考えておりまして、これはいずれも目下引受シ団と協議を進めておりますので、いずれこれらが具体化される時期が参ると思っております。  それから三番目が、国債の市中における円滑な消化のためにはやはり流通市場が安定しているという必要があろうと思います。そういう意味におきまして、流通市場の安定化対策としてとりましたのは、国債整理基金あるいは資金運用部資金による市中の国債の買い入れ、あるいはまた証券における流通金融の拡大、これはいずれもすでに措置を打ったわけでございます。  委員が御指摘のように、国債とインフレという問題を考えます場合に、実体経済面で財政支出が大き過ぎるという面からのインフレの懸念と、ただいま米里審議官が申しましたように、金融的側面でマネーサプライが増加する、そのマネーサプライの増加の原因というのは、やはり円滑な市中消化が行われないために日銀が信用供与をしたり、あるいは極端な場合には面接日銀引き受けが行われたり、クラウディングアウトが起きた場合にそれを補完するためにまた日銀が信用供与する、こういうことによってマネーサプライの増が起きるということでございますので、市中の円滑な消化というものはマネーサプライの増加を防ぐ意味においても大きな命題であろうと思いますので、今回の七項目というものは、それらのことを念頭に置き、それらに対する対策として考えたわけでございますので、所期のとおりこれが行われればある程度の目的は達し得るものと考えております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 具体的なことを二、三伺いますが、一つは、国債の値下がりの問題と関連して、評価方法を変えるとか変えないとかいうようなうわさを聞きますけれども、国債の評価を変えるお考えがあるか。  それからもう一つは、具体的に国債の価格変動の引当金というものをいまやっているようですけれども、これをやめるというような考えがあるのかどうか。  それからもう一つあわせて三番目には、いまの値下がりしている六・一の国債は九%ぐらいに利回りはなるようですけれども、新しく発行する国債が七%前後だということになりますと、それを銀行においては選択をする自由があるかという、この三つの点についてきわめて具体的にお考えを伺いたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 最初の二点について申し上げます。  金融機関におきます有価証券の評価方法につきましては、商法及び税法上からは、上場有価証券については原価法または低価法、非上場有価証券については原価法とされているわけでございますが、金融機関の経理の健全性というたてまえから申しまして、銀行の経理基準によりまして上場有価証券については低価法で評価するということになっているわけでございます。  このような評価方法についてこれを変更すべきかどうかということでございますが、国債の相場によって金融機関の経理が大幅に左右されるということを回避するため、上場国債についても原価法を採用してはどうかという考え方もあるわけでございますが、現在の低価法というのは、金融機関の経理の健全性という点から望ましいということでこのような方法をとっておりますので、評価方法の変更ということにつきましてはこれは慎重な検討を要するもの、このように考えております。  それから、国債価格変動引当金でございますが、国債価格変動引当金は、国債の相場いかんによりまして金融機関の経理が大幅な影響を受けるということのないように、将来の国債の売却損や評価損に備えて引当金を用意しておこうという趣旨で昨年七月に創設したわけでございます。この趣旨は今日においても変わりませんので、この引当金をやめるという考え方はないわけでございます。  ただ、この引当金を創設しましてから今日までの経緯におきまして、国債の価格の著しい低下時期におきましては金融機関としては、一方に国債の売却損や評価損ができますと同時に、引当金の繰り入れ負担という二重の負担が出てくるわけでございます。したがって、金融機関の経理の安定を確保するという本来の趣旨から見ますと、かえって問題が生ずる場合があるわけでございます。したがいまして、金融機関の経理の健全性と安全性とを考慮いたしまして、繰り入れ方法を一部修正することにいたしまして、六月二十日に金融機関にこれを通知したわけでございます。これは多額の評価損や売却損が出て、すでに保有しておる国債価格変動引当金だけでは十分カバーできないという場合には、そのカバーし切れない額に見合うだけ新規の国債価格変動引当金の繰入額から減額するという措置でございます。このような措置を今度とることにいたしたわけでございます。

田中敬大蔵省理財局長

○田中説明員 新発債と既発債とのレートの乖離による選好の問題でございますが、一般的に既発債のレートが上昇しているような場合には、新発債の消化は非常に厳しくなっておるということは御指摘のとおりでございます。現実に証券会社が引き受けてまいります個人向け販売の金額を見ましても、その傾向はあらわれております。そしてまた、個人が新発債よりもいわゆる既発債、六・一国債を大変いま選好して、それに対する需要がぼつぼつ出かかっておるというふうにも聞いております。  いずれにいたしましても現在、七・二%の新発債のレートでの国債というものは、今日まで曲がりなりにも円滑に消化をされている実情でございますので、いま金融機関がこの七・二%、新発債の購入にかえて既発のものに向かっていく、金融機関としてのそういうビヘービアはないものと思っております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 いや、私が聞くのは、金融機関が新発債を避けて、こちらの利回りのいい九%の方へ向かうという自由がありますかと聞いているのです。

田中敬大蔵省理財局長

○田中説明員 金融機関が国債を購入する場合は、いわゆる引受シ団といたしまして、投資有価証券としていまのシ団の引き受けという形で引き受けるという方法と、金融機関が余裕資金を持ちました場合に、やはりこれも投資有価証券として有価証券を購入するという方法と二つある、現在の国債の購入あるいは公社債券の購入というのはこの二つの方式があろうと思いますが、いわゆる投資有価証券として国債を市中から買うことが、私も直接の銀行行政をやっておりません、ここに銀行局長おりますけれども、禁止されているものではないと思っております。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 最後に、時間がありませんから二つ伺いたいのですが、一つは、国債の増発が先ほども言いましたインフレへの道であるという意味で、自然増収が七千億円あるか六千億円あるかよくわかりませんが、六、七千億はある、そういうことも含めて、国債の発行を一兆円なら一兆円削減するということを考えておられるかどうかという点が一つ。  それから、これまたインフレに関連をして、金利を引き上げるあるいは引き上げよという意見も一方にぼつぼつ出てきておるし、また、金利は上がるようなことを予言するような人もおるわけだけれども、いずれにいたしましても、金利を引き上げることによってインフレをあるいはインフレ加速を抑制しようという方向に大蔵省はかじをとるのか、その前に、国債発行を削減するということによって財政無法状態の日本の財政再建への熱意を示す、政治姿勢をはっきり示す、そういうことによってひとつインフレの抑制へも大きな効果をおきめようとするのか、この選択はどうなるのかという点についてのはっきりした結論を聞きたい。両方やりますとかなんとかいうことでなくて、これは政治姿勢の問題でございますから本来大臣に聞くべきことだと思うけれども、大蔵省当局として、事務的良心においてはどちらをよりウエートを置いて考えておられるかということを伺って、終わりにいたします。

田中敬大蔵省理財局長

○田中説明員 先般の七項目対策にも示しておりますとおりに、本年度自然増収等がある場合には、これを挙げて国債の減額に向けるということをはっきり宣明いたしております。あるいはまた先般、夏季事前点検、いわゆるサマーレビューといたしまして、来年度の公債の発行額を圧縮することを目途に、歳出を節減することを目途に現在歳出の洗い直しをやっております。これらから見られますとおりに私どもといたしましては、何としても国債の発行額の圧縮を図るということを第一と考えております。  いずれをもやるというのは困るという御説でございましたが、しかし、そうして削減された国債を消化していきますためには先ほども申しましたように、インフレ防止のためにはいたずらな低金利ということも問題がございます。そういう意味におきましては、ある程度市場実勢に合った金利の順応、国債発行条件の順応というものも必要であろうかと思います。

竹本孫一民社党

○竹本小委員 終わります。

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 午前中来から同僚委員がいろいろな角度からいろいろな問題点について質疑をいたしまして、ことにきのうの金融制度調査会の銀行のあり方についての答申などについても若干触れられたわけですが、何せ問題が非常に大きい問題でございますので、別な機会にこの問題全般についてはじっくりと伺いたいと思うわけです。ただこの答申の中にも、市場メカニズムを通じての競争原理の活用ということが非常に強調されておるわけでありますが、そのことに関連してといいますか、現状の金融機関の競争状態の実態ということで大蔵省及び労働省の方にも若干伺いたい。つまり端的に言えば、金融機関の行き過ぎたいわゆる過当競争の問題、それに関連する労働問題ということになるわけでありますが、その点について伺いたいと思います。  まず、一般的にお伺いするわけですけれども、その日に預金を受け入れて、それを前の日のいわゆる締め後扱いにできるのかどうかという点、一般論として伺いたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 預金を受け入れた場合には当然、その日の勘定に計上すべきでございまして、前日の締め後扱いになりますと、利息をつけた預金の場合にはその分だけよけいに金利がつくことになるわけでございまして、これは措置としては適当な措置とは言えないわけであります。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 もしそのような扱いがされた場合は、これはいま御答弁にありましたように特別に利息をつけるということになってしまうので、銀行局の通達で禁止されている特利行為ということになると思うのですが、その場合は当該金融機関にどのような措置をとるのか、あるいは過去に措置をとった例があるかどうか、もしあったら示していただきたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 当日計上すべきものを前日に計上するわけでございますから、その分だけ既定の金利よりも利息が上乗せされることになりますので、このような措置を行っていることを検査等で発見した場合にはその是正方を指示しております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 その是正方というと、具体的にはどういうことになるわけですか。締め後扱いにした一日分の利息になりますかね、これを何かするのですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 締め後扱いにしたものを集金した日の扱いに直させるわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 ところで、具体的な例を若干挙げてみたいと思うのですが、北陸銀行で、これはほかの銀行でもやっているのかどうか知りません、やっていると思うのですが、昨年の十二月末の大みそか、ちょうど日曜日だったわけですが、日曜日にもかかわらずかなり多くの店舗で相当数の従業員を出勤させて、一般商店などから集金などが行われたようであります。しかもこの集金分は本来なら、一月四日から正式に営業日になるわけですので、開店まで保護預かりとすべきじゃないかと思うのですが、年末預金指示目標達成のためということで前日の三十日、つまり土曜日ですが、この入金分として計数繰り入れをして、利息もちゃんとつけるなどのかさ上げが行われたと聞いておりますけれども、まさに先ほどの御答弁にあるような事例になるわけで、北陸銀行にどのようなペナルティーを科したのか、お答えいただきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 北陸銀行につきましては、地元の慣習上の要請に従いまして、五十三年十二月三十一日に年末集金を行ったと聞いております。これは全銀協の指導方針によりまして、「真にやむを得ない事情により休日集金を行う必要が生じた場合には、当該営業店の所属する銀行協会に対して予め届出を行い、その承認を得て実施するものとする。」ということになっておりまして、この手続をとって休日集金をしたというふうに聞いておるわけでございます。それに関する限りは各金融機関の申し合わせの措置に沿ったわけでございますけれども、ただ、現実に集金した預金の取り扱いにつきましては先生御指摘のとおり、普通預金、当座預金、別段預金につきましては十二月三十日の締め後扱いにしておりまして、この場合は、当座預金は問題ないわけでございますけれども、普通預金、別段預金につきましては、コンピューターシステム上扱い日から、つまり前日から付利されることになっているわけでございまして、この点につきましては是正するよう指導を行っております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 なるほど年末の一般の集金といいますか、商業活動をやられている方々は年末でも金が入ってきたりするわけですから、一般の集金ということだけなら御答弁のように、利息をつけたという点についての間違いだけだということになると思うのです。問題は、この集金分に定期預金も含まれていたということを聞くのですが、定期預金を集めるということは積極的な営業活動じゃないか。たまたま年末に商業活動をやられておる方のところにいろいろな商売上のお金が入ってきて、それを預かるという便宜上の取り扱いではなくて、定期預金を集めるということになると、これは積極的な営業活動だと思うのです。この場合、単なる間違いでは済まされないのじゃないか、意識的な特利行為としか解釈しようがないのじゃないかと思いますが、どうですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 こちらで調査したところによりますと、確かに定期預金として受け入れたのもあるようでございまして、それは一月四日の定期預金に振りかえ処理をした、このように聞いております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 これは是正措置の指導をされてからやったのですか、それとも、定期預金についてだけは別に、是正措置をされる前にそういう正しい扱いをしたとすれば、そのほかの集金のものがたまたまコンピューターの間違いというのはちょっとおかしいのじゃないか。だから、みんなそういう処理をしていいのだという観点で一たんやったのじゃないかとも思われるのですが、どうですか。定期預金だけ別に四日から起算したということになるとやはりちゃんと区分しているわけですから、そうすると一般の集金の利息をつけた行為は故意にやったのだ、たまたま事務的に間違ったのだと言えないように思うのですがね。それから、一緒くたにしてやって、後で注意をされてそういうふうに定期預金の場合直したとすれば、定期預金自体がいま言ったように、慣習上商店から大みそかに集めるという種類の仕事じゃありませんので、この活動自身もちょっと銀行法上問題ではないかと思うのですが、その点、局長さんの御見解を伺いたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 定期預金につきましては、こちらの指導を待たずにそのような措置をしていたと聞いております。それから、定期預金を受け入れたことにつきましては、その間の事情をつまびらかにしていないわけでございますけれども、恐らく預金者の要望によって、手元にこれだけ現金があるので定期預金として処理をしてくれないかという要望に沿ってこのような措置をしたのではないかと考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 それは、そういうふうに善意に解釈されたのか、調べた結果そうなったのか。局長さんの善意の解釈で調べてはいないのだとなれば、これはちょっと問題ですから、そうだと思われるじゃなくて、そういう点で、いわば便乗したといいますか、慣習に便乗して通常の営業行為もついでにやってしまうということになりますとルールが乱れますので、その点はきちっと調べて、ひとつ事実を確かめておいていただきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 定期預金の取り扱いについては御指摘のとおり、もう少し調査してみたいと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 しかも、この場合に休日出勤で、滑川支店というのですか、ここでは事前に労使協議で、人数や時間も制限した個別協定が結ばれておったようであります。にもかかわらず、この協定以外の人まで出勤させるなど労使協定無視の事態もあったようであります。どうも見ると、このようななりふり構わない行き過ぎ行為があるようでございますが、どう措置されるのかお伺いしたいと思います。ただ付利行為といいますか、一般の集金の付利行為についてだけ是正されてそれでいいのかどうか、それで済むのかどうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 労務上の問題でございますので、銀行局としてではなく、労働省の方からお答えがあると思います。

小田切博文労働省労働基準局賃金福祉部企画課長

○小田切説明員 御説明申し上げます。  私どもの立場から申し上げますと、いわゆるオーバータイム、所定外労働時間ということで業務を執行させます場合には、あらかじめ結びました労使協定の範囲内で当然のことながら仕事を処理していただくというのがたてまえでございます。もしそういうことに反しているような点がございましたら、監督機関の監督の際に是正を指導する、かようなことになります。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 銀行局長、ぜひ御注目いただきたいのですが、このような事態が起こる背景ですね。金融機関における行き過ぎた預金獲得競争がやはりあるということは否定し得ないのじゃないか。この問題につきましては、すでに大蔵省の通達、それを受けたのですか、全銀協などの自粛通達も出されておるようですし、いまお答えのあった労働省の指導もすでにされてきていることは承知しておりますけれども、しかし、依然としてこれらに違反して労基法違反にも当たるような事例があるわけであります。北陸銀行だけ挙げていると、いかにも北陸銀行だけのように思われても困りますし、まだまだたくさんあるのです。  二、三例を挙げてみたいと思うのですが、まず先ほどの北陸銀行の問題では、たとえば七月末個人預金一兆円達成とか九月末総預金二兆円達成運動、こういう運動をやっておって、得意先係の慢性的残業とか時間後の全員の外訪、積立、定期についての朝の個人別強制割り当てなどが行われているようであります。また、休日の外訪活動、訪問していろいろそういう渉外活動をやる、休日に事実上強制されているのが実態のようでありまして、この〇〇円達成という特別の資金増強運動、以前のようにはでに店頭に掲げたり何かはやってないようですが、やはり実態は先ほどの通達に明らかに違反しているのではないか。どう措置されるのか。  それから、内勤者への過大なノルマについても是正措置を行うべきではないか。これはどうしても内勤者の場合には得意先係と違って、勤務時間中はずっと机に向かって仕事をしておるわけですね。ですから、それにノルマが課せられますと、どうしても具体的に何時何分からここへ行けという具体的業務命令がなくても、割り当てされることによって内勤者は、机に向かって仕事をしていることから解放されないでそのほかですからね、結局、時間外にやるほかないということになるわけでして、こういう点についてぜひ是正指導を行うべきであると思いますが、いかがでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金融機関の預金獲得のための過当競争ということは、確かに現在でも否定し得ないところでございまして、この点につきましては、御承知と思いますが、昭和五十一年に大蔵省の指導によりまして、全国銀行協会で一応自粛の通達が出ているわけでございます。その中には、〇〇円達成特別預金増強運動等は全廃することというような項目がございますし、その他預金増強について不当な競争を誘発するような行為は厳に慎むことというような点もあるわけでございまして、仮にいま御指摘のような一兆円あるいは二兆円達成運動というようなことがあれば、このような自粛申し合わせに違反していることになるわけでございます。また、休日に外訪活動を行っているようなことがあれば、これも先ほど申し上げました協会の自粛通達に違反するわけでございまして、この点につきまして、実態を調査いたしまして、そのような事実があれば指導を行っていきたい、このように考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 ぜひそういうふうにお願いしたいと思います。  またもう一つ例を挙げてみますと、たとえば福島の大東相互銀行ですが、ここでは、もし期間中に目標未達成の場合は期間を延長し、土曜の午後ないし日曜に延長する、このことについては社長の決裁を受けているということを言って、これについていけない者は銀行を去ってもらうしかないということまで訓示されておるということが報告されてきております。そういうようなことがやられておりまして、女子についても一日二時間以上で週六時間以上、ずっと計算してみますと違法残業になるような部分もあるようだし、夜間外訪が慢性化しておる、男子行員も含めて未払い残業が常態化しているということを聞いておるわけであります。  それから都市銀行でも、これは日本橋にある富士銀行の室町支店の例ですが、この六、七月の二カ月で平均一人当たり定期獲得約一千万、積立新規五件以上を目標にやっているようであります。これはチームを組ませてやっておるわけですね。スーパーマンチームとかいろいろな名前がついているらしいのですが、あるチームでは十四人のうち、得意先係はたった一人、あと十三人が内勤者なんですね、調べてみると。日本橋ですから、どうも取引の相手方はほとんど法人なわけです。したがって、内勤者が銀行の建物の中で仕事をしておって、日本橋でその銀行と取引をしているのは法人ですから、余り個人の定期預金なんかはそのチャンスではなかなかとれないわけであります。したがって、どうしてもこれは十四人のチームのうち十三人まで内勤者ですから、チーム全体としても目標が達成できないのですね。そうなりますと結局、土曜の午後とか五時の閉店後ないし日曜日などの時間外にせざるを得ないように仕組まれておるわけですね、性質上、そういうことがあります。  これはどこでも多かれ少なかれやられているのだろうと思うのですが、たとえばいまの室町支店のチームの中身なんか見ますと、他チームに負けないように全目標必達するように、全員がチームの成績に関心を持ち、持ち腸持ち場で最善を尽くすことという指示がなされておるわけでありますから、いま言ったように一人しか得意先係がいない、この十三人が全部内勤だ、こう言われたんでは結局、うちに帰ってから一生懸命個人の定期預金を集めて歩くほかないというふうに仕組まれておるわけですから、こういう点では非常に憂うべき状態であるというふうに思います。これは北陸銀行や大東相互銀行あるいは富士銀行の室町支店の例などをちょっと挙げてみたのですが、多かれ少なかれどこの銀行でも行われていると思うので、大蔵省はその実態を掌握しているのかどうか、伺いたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 預金を増強するということは、金融機関にとりましては一番本質的な営業活動の一つでございますので、企業努力という点では、従業員についてもある程度のいろいろな努力を要請することはあり得ると考えられるわけでございますが、問題は、それが行き過ぎたものであるかどうかということでございまして、そのような実態につきましては、検査等で把握した都度、行き過ぎた行為につきましては警告を発し、是正を要求しているわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 もう少し預金獲得の方の問題について聞きますけれども、西部地方銀行従業員組合協議会というのがあるらしいのですが、昨年九月から十月に関西方面の十五行の地方銀行について、時間外手当を一〇〇%請求しているかどうかというアンケート調査をしておるわけであります。これで見ますと、平均で男子二七%、女子二五%という結果が出ておる。京都銀行では何と九%の人しか全部を請求していないというひどい結果もこのアンケートの中で報告されておりまして、ただ働きの実態を裏づけておるわけであります。  そこで、労働省にお聞きしますけれども、このような実態を調査されているのかどうか。もししていないとすれば、ぜひ調査をやってもらいたい。それから、このような金融機関における事実上のただ働きの強制、これは明らかに労基法違反になると思います。もし労働者が申請すれば残業手当を銀行が支払う義務があると思うけれども、どう指導されるか、伺いたいと思うわけです。  念のため申し上げておきますと、いま言ったように具体的な業務命令、何時から何時までおまえそこへ行けという命令はないけれども、内勤者に対してチームを組んで、いわゆるどうしてもそうせざるを得ない仕組みになっておるということから発生する部分もあります。そのほかにもありますけれども、その点で実態を調査されることと、どう指導されるかということを伺いたいと思います。

小田切博文労働省労働基準局賃金福祉部企画課長

○小田切説明員 金融機関の労働時間管理の問題につきましてはいろいろ問題がございまして、私どもといたしましては、昭和五十一年の八月になりますが、全銀協の代表その他金融機関の団体の代表の方々に労働省に来ていただきまして基準局長から、労働時間管理を適正にするように厳しい指導を申し渡したところでございます。その際に、いまお話しのございました預金獲得活動とか街頭宣伝活動とかも業務としてやる以上、労働時間の範疇に含めて、先ほども御説明しましたように、所定外労働時間にわたるというようなことであれば、労使協定の範囲内で行うというようなことをきちっと措置をとるように申し渡したところでございます。その後、全国的に五十一年の末から五十二年の初めにかけまして、金融機関一斉監督をやってみたわけでございますが、御指摘のような問題点も含めましていろいろ問題点のあることは承知しております。監督官の定期監督の際、あるいはまた、具体的に事実を挙げて労働者等から申告がございまして、それが事実であるというようなことでございますと、是正を指導するということになるわけでございます。  それからいまお話しの中に、具体的に何時から何時まで預金獲得活動をやれというような明示の指示はないけれども、どう見ても客観的に時間外をやらざるを得ないような業務の処理が包括的に言い渡されているという点につきましては、これは実態を調査してみなければならないわけですが、個別の明示の指示がなくても、客観的に時間外に処理せざるを得ないような業務が指示されているということであれば、まさしく業務上の業務そのものである。したがって、それが所定外に行わざるを得ないようなものであれば労使協定の範囲内で行われるように、その範囲内で行われていないということであれば法違反の疑いがあるということで是正を指導する、こういうようなことになるわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 そういう場合は、もちろん残業手当といいますか、賃金の支払いの対象になるわけですね。

小田切博文労働省労働基準局賃金福祉部企画課長

○小田切説明員 はい、そうでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 それは当然だと思うのです。ぜひそういう点で指導を強めていただきたいと思います。  それから預金獲得競争以外に今度は、融資の得意先獲得といいますか、融資先の競争というものもまた目に余るものがどうもあるようであります。たとえば先ほど挙げた大東相互銀行の例ですけれども、ライバル他行より一ポイント安の金利で、当面のメリットは考えずに新規融資先を開拓しろということで猛烈にやっておる。これは預金の獲得もあるのですが、他行の自分に対応するライバル店をまず想定しまして、それとの間の資金量増加率で、その月中の勝利店数毎月二十六店以上ということでやるといった猛烈な運動が展開されておるようであります。そして特待融資制度というのですか、ライバル他行をメーンにしている得意先をこっちへ奪還してきた場合はワンポイント安の金利でやる、こういうような話が聞こえてきております。そうすると、相手の銀行も負けていないのですね。そのライバルに目指されたと思われる福島相互銀行というのが同じ地域にあるわけですが、これが支店長会議で、大東のメーン取引先を重点にねらえ、ワンポイント安の金利で切り込め、こういうようなことを言われておるようであります。これは文書が手に入っているわけではありませんけれども、われわれは相当確実な筋からそういうことを聞いておるわけであります。  つまり同じ地域にある相互銀行同士で猛烈にやっておる。これは一般的に開拓するのではないのですよ。他行のメーンを奪えということなんですね。こういうことをやっておると、これは競争といっても過当競争の典型であって、銀行というものの性質上、非常にゆゆしきことになるのではないか。乗りかえるように勧誘された得意先の人たちにとってみれば何をやっているのだということにもなりますし、これはゆゆしい事態だと思うのです。いま言ったメーンを乗りかえさせることは、預金獲得とは違いまして、労働者の労働時間には直接関係はしてきませんけれども、これも過当競争の中ではちょっと目に余るものがあるので、ぜひそういう点も実態を調べていただいて、しかるべく御指導をいただきたいというふうに思うわけであります。  それから、時間がございませんのでそのお答えは後でいただくことにして、労働省にいまの労働時間のことでちょっと伺いたいのですが、最近、県と労基局に労使を集めて労働時間業種別会議というものを開いて、残業時間などの指導もやられているように聞いておりますが、こうした会議の目的、金融機関についての進行状況を説明していただきたいと思います。

小田切博文労働省労働基準局賃金福祉部企画課長

○小田切説明員 私ども一昨年の中央労働基準審議会の労働時間短縮問題についての建議を受けまして、当面の労働時間短縮の重点目標といたしまして、過重な所定外労働時間、過重な残業時間の削減、それから週休二日制の普及、年次有給休暇の消化の促進というような三つの点に置きまして、労働時間短縮のための行政的な努力をいろいろ傾倒しているところでございます。  その一環といたしまして、府県単位に地場の実情に合ったような、また比較的同質性の強いような対象を選びまして、そこで労使で、場合によっては使用者だけということもあるわけでございますが、時針短縮問題につきまして議論を進めていただきまして、何がしかコンセンサスに達していただく、コンセンサスに達しられれば、一歩でも二歩でも労働時間短縮について着実な成果を上げていただくというふうなことで、地域の実情を見ながら、そういう話が進められそうな、ある意味においては同質性の強い産業とか業種とか、場合によっては商店街というようなものも対象にしているわけでございますが、そういうものをとらまえまして、地方の労働基準局が肝いりになりまして、業種別の労働時間会議というものを進めているわけでございます。全国的に見ますとその中で、金融機関を対象にしてやっているというようなところも一、二ございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 いままでずっと指摘してきましたように、世論や金融労働者の声、それから私ども手伝わせていただきましたけれども、皆さんの一定の御指導、努力もあって、ここ数年来、金融機関の慢性化した時間外労働が表面上は少なくなってきているように見えるわけであります。かつて私の出身の福島県で、深夜残業をやっておった信用金庫の女子の人たちが五人、川に落ちて亡くなったケースがございまして、あのときも私ども大分騒いだのですけれども、そういうような犠牲もいろいろあって、皆さん方の御努力もあって、表面上は労働時間が少なくなってきているように見えるのですが、先ほど指摘してきたような、仕事の仕組みの中で結局もぐりの残業みたいにならざるを得ない。  私、最近聞いたところによると、ふろしきに包んで自宅へ持ち帰るのをふろしき残業と言うのだそうです。ところが最近は、自動車の通勤が多いものだから、みんなダンボールの箱に入れてトランクに入れて持ち帰るので、これをダンボール残業と言うのだそうですが、こういうものがふえてきているのが実情で、労働時間はますます把握しにくい面があって、労働省としては大変むずかしい仕事だと思うのです。しかし仕事から逆算してくれば、これだけの仕事であれば時間がはみ出すのはわかるわけですから、行き過ぎた過当競争の結果としての労働者へのしわ寄せ、あるいは法律や申し合わせを無視して行われている過当競争の中身、こういう新しい状況の変化を踏まえて再度通達を出すなど、行政指導を強めていただきたいと思うのです。  この点で労働省にお答えいただきたいのと、それから、銀行局長に先ほどの、メーンを乗りかえたらそこだけねらってやるというお互いのむしり合いといいますか、そういう狭い地域の中ですから、お互いにライバル店を目指してやるということは、これは競争だからしようがないといって放置しておけないのではないですか。この点のお考えと、それから、いま言ったような預金の方の過当競争について指導をしていただけるかどうか、その点の御答弁をいただいて、終わりにしたいと思います。

小田切博文労働省労働基準局賃金福祉部企画課長

○小田切説明員 銀行等金融機関につきまして、御指摘のような点がいろいろあろうかと思いますが、私どもさしあたっては、先ほど御説明いたしましたような業種別会議等を通じまして、労使がお互いに労働時間短縮問題について十分理解していただきまして、おのずから議論の過程で、たとえば残業時間につきましても、およそこの限度でとどめようではないかというふうな点がにじみ出てきまして、自覚的に守られていくというように進めてまいりたいと考えております。全国的には、銀行等金融機関についてのそのような会議を通じまして、若干の推移を見た上で、全国的に取り上げてやっていくかというようなことについて検討してみたいと考えております。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 先生御指摘の融資面の競争でございますが、貸出金利を引き下げる競争はその限りにおいては、中小企業にとってプラスになる面もあるわけでございますけれども、しかしこのような貸し出し競争が行き過ぎますと、それは金融機関の不良貸し出しの増加であるとかあるいは過剰流動性の問題にもつながるおそれもございますので、どこまでも適正な競争を行うように指導してまいりたいと思います。  それから、預金の獲得競争が過当にわたることにつきましても、これによるコストの上昇は国民経済的に見てまことに急味のない経費の増高につながるわけでございますので、この点につきましてはかねがね、過当な預金の獲得につきましては指導を行っているところでございますけれども、今後とも検査その他の機会によりましてその徹底を期してまいりたいと考えます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田小委員 終わります。

稲村利幸自由民主党

○稲村小委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後四時十一分散会

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