大蔵委員会 第26号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/06/05
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 第八十回国会より継続審査となっております坂口力君外三名提出の貸金業法案につきまして、提出者全部より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、許可することに決しました。 —————————————
○加藤委員長 税理士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮地正介君。
○宮地委員 税理士法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質疑を進めてまいりたいと思います。 今回の法改正につきましては、趣旨説明の中にもございますように、大きく六項目にわたっての改正が行われているわけでございますが、その中で順次、私は重要な問題について政府の見解を伺っておきたいと思います。 さきの大蔵委員会におきましても若干質疑がございましたが、今回の税理士法の改正におきまして、まず税理士の使命が明確にされたわけでございますが、特に「独立した公正な立場」ということで、独立したということが明確にされ、いわゆる独立性の内容が非常に重要なことであろうと思います。 その点につきまして、まずこの独立性については、西ドイツあるいはアメリカなどにおいても非常に積極的にこの問題については、独立の立場あるいは独立不偏の立場ということで、包括的な意味を持ったいわゆる職業会計人の国際的な立法例ということで非常にクローズアップされているわけであります。そういう意味におきまして、まずこの独立性についてはどのような内容を考えておられるのか、伺っておきたいと思います。
○福田政府委員 現行法は「中正な立場」ということになっておりまして、中正の意味は前回御説明いたしましたように、中立公正ということであろうかと思います。この中立という言葉にかえて、さらにはっきりと独立ということで、「独立した公正な立場」にしたということでございますが、その前の方に「税務に関する専門家として、」という言葉がまた入っておるわけであります。 ドイツ法は独立不偏という言葉を使っております。アメリ方法においては、そういう使命というような規定はなくて、すぐに内容に入っておりますけれども、この場合の独立という言葉の意味は、納税者との関係は、これは依頼者との関係で申しますと、これは民法上の契約から代理になっておると思うのです。代理の内容は、租税債務の関係から代理以上の範囲のものを含むかと思うのですけれども、そういう意味で、民法上代理概念による委嘱によってやっておりますけれども、それは当然のことでございまして、ここでやはり第一条は、適正な納税義務の実現と締めくくっているところにポイントがあろうと思うのです。これがやはり税という公共的な仕事をやる、それをまた独占の形で保障するという、この独占業務になっておるわけでございまして、その意味で、単なる依頼関係、民法上の代理関係以上の使命というものが必要になるわけであります。その独立性というものは、依頼者の関係において単なる民法上の依頼以上に、適正な納税義務という観点からのやはり判断を要する。それは、税務の専門家という立場から行われる場合がございますし、さらに全人格的な判断を要する独立の概念、それからまた対税務官署の関係におきましても、これはまた税務官署に対して対等な立場で主張すべきものは主張するという種の独立の概念、そこが一つの今回の改正における趣旨を明確にした点でございます。
○宮地委員 私はそういう点につきまして確認の意味で、ただいま審議官の方から、ドイツにおいては独立不偏ということで、いわゆるウンアプヘンギッヒということの表現を用いているようでありますが、簡単に言うならこの「独立した公正な立場」の独立性ということは、一つは、行政権力などからのいわゆる独立性を税理士は持たなくてはならない、もう一つは、いわゆる依頼者からの独立性、すなわち納税者からの独立性というものを明確にしなくてはならない、またもう一つは、人格的ということはすなわち税理士個人の自己の良心の独立性、この三点からなる独立性というふうに理解してよろしいのか、伺っておきたいと思います。
○福田政府委員 いまの解釈は、ドイツ法における独立不偏の解釈であろうかと思いますし、おっしゃるとおりに、依頼者からの独立、これは単なる依頼関係以上の税の特殊性からくる、依頼者ぴったりではない、依頼者と同じ、委嘱者と同じ立場においてではないというのは前の答申にもございまして、そういう意味で、そこはひとつ……。 それから国税当局に対しての独立、これはやはり行政の分野でございますので、そこが司法における独立と誤解してはまたいけないと思います。これは租税法律主義によって国会で定められました税法を適正に執行しておるという前提の行政分野でありますので、行政分野における職業人としての独立性という範囲にとどまるわけで、司法における弁護士的な独立性とは違うという点はやはり留意すべき点であろうと思います。司法分野につきましては、権利の侵害もしくは権利の主張そのものから法廷が始まりまして、これは原告、被告、それに裁判官があるという立場になりますから、司法分野における独立性とは違いますが、その行政分野におけるしかし税の分野においては、その辺、税の立場と納税者の立場が違う場合がございますし、その際に、職業会計人として専門的な主張をして納税者を援助するという立場が一つの国税当局と依頼者との関係にある。これが言葉を使えば一種の独立というか、私はここは一つは信頼関係というか、相互尊敬、信頼関係があろうかと思うのですが、まあそういうふうに解します。 あとは、自分の全人格的な独立性ということであります。 税法自体は、各国の特殊性によりますので、直ちに外国法そのままの解釈は使えませんが、日本の場合においては、この適正な納税義務の実現というのは各国共通の前提でありますし、それは租税に関する専門家という言葉をここで出したことが独立性の一つの淵源でもありますし、また、独立概念自体はそれ自体からも専門家でなくても独立概念は出ますし、それがまた公正という立場につながって適正な納税義務に至るということであろうと思います。 この辺、後の方の条文に関係してまいりまして、税務に関する専門家であるから公認会計士との間でもその立場が主張される。また税目の範囲についても、税に関してはやはり税務専門家である税理士が担当するのが本来である。それから、他人のつくった書類に審査書面をつけるというのも、税務の専門家であるからこそそういうことをやる。また一方において、それが独占権の——これは独占権ということをやはり重視しなきゃいけないと思うのです。独占権を与えられて税務官署との折衝に当たるということでありますので、一方においてその社会的責任ということをうらはらに持っておるわけです。したがって、いろいろな使用人の監督とか助言義務とか、当然の倫理規定が入ってくるということになっております。
○宮地委員 そこで、この独立性の規定の問題について伺っておきたいのですが、アメリカなどにおいては、一九三三年に証券取引法が制定になりまして、アメリカ史上初めて独立性のある会計人との用語が法文に採用されて以来、一貫してこの独立性の用語というのが用いられてきた、そういうことで、特にたとえば米国公認会計士協会が制定した強制力を有する専門家としての行動基準書、こういうものは、第百一条に会計人の独立性というものを規定しており、さらに、その施行規則は、実に六十六カ条にわたっておる、こういうふうにいわゆる会計人、税理士としての独立性というものに大変重点を置いた行動基準書なり施行規則などが明確にされているわけであります。今回このような使命を税理士に与えられたこの具体化の問題について、まず、こういうような行動基準書なり施行規則の作成の用意があるのか、この点が第一点。 第二点として、今後やはり国際関係との緊密化といいますか、御存じのようにすでに国際会計基準の統一化作業というものが大変強力に実施されている現段階であります。日本も参加九カ国の中の一カ国として入っているわけでございますが、こういう国際的な共通認識と化した独立あるいは独立不偏という用語、こういうものを不明確なままにしていくことは今後の国際的な共通認識の流れにおくれをとらないかどうか、こういう懸念があるわけでございますが、この二点についてはどういうように考えておるか、大蔵省の見解を伺っておきたいと思います。
○福田政府委員 ただいま御指摘の点は、会計人に対する独立性の問題が基本になっておろうかと思います。 最初の独立性の確保のためのいろんな基準をどうかという問題、これはまた第二点の御質問にも関連するかと思いますが、この独立という概念は自由職業人であればおのずから必要になる、またそれだけの専門知識も要するわけで、そこでいろんなアドバイスを職業的な専門的知識によって行うということがありますが、この独立の性格は職業人のやります内容によってやはりおのずから異なろうと思うのです。 それで、公認会計士等の職業会計人の行う監査を中心にする会計の独立性といいますのは、やはり会社の営業とまた別な、これは株主に対するディスクロージャーからくる独立性であろうと思うのです。その種の会計人の独立性という概念と税務の場合の職業的な専門家の独立性の問題というのは、おのずから線が違うという気がするのです。と申しますのは、これは課税に関して納税者の立場を代理しという立場で専門的な知識を駆使するわけでありますから、そこのところは課税という行政行為の中においてどういうふうな立場をとるかという問題でありますので、会計人一般の独立性とはおのずから違うというふうに考えられます。しかしそこはみずからの知識を高め、専門的な知識を持つということによって地位が向上していき、いろんなアドバイスが委嘱者から信頼される、またわれわれもそれを信用するという立場であろうと思うのです。ですから、会計人の独立性という考え方はやはりディスクロージャーからくる株主に対する責任、そちらの方にございますので、おのずからそれ自体の独立性が強調される。したがって、それは各国同じような問題になると思います。 税の場合のその辺の考え方は、むしろアメリカ法の考えは、税務当局と折衝する者については厳しい人格的もしくは能力的な条件を必要とするというところから始まっておるわけであります。これはUSコードのタイトル三一というのが条文規定でありますけれども、これは一条だけでございますけれども、財務省に対していろんな代理を行う際の条件というものを非常に厳しく書きまして、その者が善良であり世評もよくとか、非常に常識的でありますが、また、そういう評判がなくなって悪評が明らかになった場合とかそういう場合には、税務署との接触は絶つよというふうな考えをとっておるわけであります。あと今度は規則にゆだねられまして、あとは細かく試験とか懲戒手続がずっと入ってきますけれども、これは税務官署との接触には独占権を与えられた資格のある専門家が接触する、しかしそれはあくまで適正な納税義務の実現ということがやはり基本にあるというのが申告納税下の専門家のあり方であろう、こう思います。
○宮地委員 時間も限られておりますから、どうか質問に対して結論を先に出していただいて、御説明の方は簡明にしていただきたい。 要するに、独立性というものが非常に今回のこの使命の中で重要である、公正な立場以上に重要な立場。この独立ということについて、やはりその内容的な面をまず明確にすべきである、そして、それを具体的に運用する面においてその行動基準書なり施行規則というものをつくっていくべきではないか、そういう考えを持っておる一人でありますが、その点について、作成をしていく考えがあるのかないのか、その点についての明快な答弁をいただきたいと思います。
○福田政府委員 明快にお答えいたしますと、税理士の独立性に対して、税理士法以外に一般の会計人的な、外国の立法例的なものを考えることはいたしておりません。
○宮地委員 それから第二のいわゆる国際会計基準の統一化作業、これとの絡み合いにおいて、いわゆるこの独立性というものの行動基準なり施行規則というもの、こういうものにわが国においてスピーディーに対応することがこれからの国際的共同認識、こういう流れにやはり適応していくことになるのではないか。そういう適応性については、今回のこの「税理士の使命」ということだけでは適応性に欠けるのではないか、こういう懸念があるわけですが、その辺については、今後対応するだけの諸準備を進めていく考えがあるのか、この辺を伺っておきたい。
○福田政府委員 御質問は、会計人について、特に公認会計士についての国際的行動基準の問題であろうと思います。税理士は税務専門家という意味でありますので、その種の会計人そのものの行動基準を税理士法的に考える必要はないと思います。
○宮地委員 税理士法についてはまだ考える必要はない、そういうことでございますが、これについても今回の改正において、税理士のいわゆる会計業務というものの枠が非常に拡大をされているわけでございますから、よく慎重にどうか研究、検討をしていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。 次に、通知公認会計士制度の廃止についての基本的考え方はどこにあるのか、また、既得権を守るのが法律の常識である、こういう考え方もあるわけですが、この既得権の問題についてはどういうふうに配慮されたのか、伺っておきたいと思います。
○福田政府委員 最初に、会計業務が拡大されたということは今回の改正ではございません。これは付随業務で従来やっています、だれでもやれます会計業務を明確にしたということでございまして、会計業務の分野拡大ということまでは規定上はございませんので、その点明らかにいたします。 その次は、公認会計士との業務調整の問題でありますが、付随業務の問題はいま述べましたが、もう一つは、他人のつくりました申告書についての審査書面の添付の問題であります。これはやはり分野の調整という意味では重要でございまして、これは申告書につきまして租税法に基づく適用を審査するという趣旨の限られた税理士の仕事であるということでございまして、これが調整の第二点。 第三が、いまの御質問そのものの通知公認会計士の問題であります。これは他の業法の基本が、登録いたしましたらそこで入会する、登録即入会で業務を始めるという考えをとっておりますので、このバランス上、登録即入会ということではっきりさしたわけでございまして、ここで税理士という名前をお使いになって税理士業務を主な仕事としておやりになっている以上は当然、その税理士会にお入りになって、税理士会には税理士法としてのいろいろな内部規律がございますし、そういうことで、税理士会にお入りいただきたいというのが基本であります。 いままでは御存じの通知公認会計士という形でやってこられた分野がありますが、それもこの登録即入会という原則が適用されますと本来なくなるべきものでありますが、既得権調整という意味から申しますと、これはこの条文の中にございますけれども、本法附則にございますように、当分の間、扱っています件数等で小規模という場合に限りまして、これは通知にかえまして国税局長の許可という形でその仕事をやることができるという形で調整を行っているところであります。
○宮地委員 弁護士とのバランスについては、その点はどういうお考えをとられたのか、伺っておきたいと思います。
○福田政府委員 弁護士につきましては、弁護士法三条二項におきまして当然に税理士業務がやれるということになっております。したがいまして、これとの調整を要します。しかし原則的には、登録即入会という原則を弁護士にも適用することといたしまして、税理士と名のる以上は弁護士の方も入会していただくということが、今回弁護士の方に課した改正点であります。ただ先ほどのように、弁護士法三条二項に規定がございまして、そういう立場がすでにございますので、その方々が通知によって、しかし税理士という名は名のらないでやる範囲については、やむを得ずこれは残っておりますが、そういう意味で、登録即入会という原則を立てておるということでありまして、弁護士と公認会計士との差は、その弁護士法の三条二項の方からその差が生ずるというふうに解釈しております。
○宮地委員 先ほど少しお話しありましたが、一局複数会制についても、やはり志を同じくする者が自由に選択して会に加入できる、いわゆる自由加入制によるこの複数会というものの検討というものについてはどういう配慮をされたのか。
○福田政府委員 本来は一局一会がこういう業法の場合の基本であります。これは各業法ともこうなっております。弁護士会について例外がある、こう言われますが、弁護士法はやはり本則で一裁判所一会ということになっております。地域によって行政が行われる以上、その地域に応じた職業人の団体ができるというのは基本であります。ただ弁護士の場合は、すでにありました弁護士会について附則の方でそれは定められた形で残っておりますが、すべての業法は一行政単位というか、国税で言えば一国税局に一税理士会、これが原則であります。 しかし、ここで問題になりますのは、余りに大きくなりました税理士会についてアンコントローラブルというか、非常に意思が反映しないし、実態がそぐわないという問題が出てまいります。ここでそれを分割するかという問題がございますが、改正法案は、税理士会から申し出があって、その会員の数が相当大きい場合の分割規定を設けておるわけです。 これはいろいろ考え方があるのですが、強制分割という考え方が一つあろうと思うのです。これはやはり民主的なあり方としてはいかがかという批判があります。それからもう一つは、職能別とかまた思想その他を異にする団体が一区域内に幾つもできるということは、先ほどの地域を前提にする団体の性格に反しまして、また行政上もその対応に苦慮する、そういうことで、やはり地域が前提になろうかと思います。だから地域の分割がどういう形で行われるか、それは国税庁長官が線引きをいたしますけれども、その発議を税理士会がするということになっておりますが、これは税理士会の良識と申しますか、税理士会の中でそれだけ大きくて意思がどうも反映しないという意見が多ければ、その分割が動くように今後すべき問題であって、これを上から分割すべきであるとか、また職能別で任意に団体をつくっていくということになれば、これは本来の行政上の職業人の団体の性格に合わないというふうに考えます。
○宮地委員 地域別にしたこの強制加入制というものは、法的に無理は生じないのか、この点についてはどうですか。
○福田政府委員 むしろ法的に申しますと、さきのように一局一単位という各業法とのバランスから、また考え方の基本が行政と対応しておりますから、したがいまして、これは法律的には一局一会が正しいのですが、そこはその中で過大になった場合に地域によって分割する、これは長官が実情に応じてその人数を考えて線引きをやると思います。これは法律的には正しいわけでありますが、これが機動的に発動し得るかは今後の経過を見る必要があろうと思いますが、会員の意思が十分に反映するように運営される必要があろうかと思います。
○宮地委員 それから、今回のこの法律の附則の三十七にありますところの公認会計士の問題につきまして「当分の間、」これについては具体的にはどのような程度を指しておられるのか。また、その後公認会計士は、「当分の間、第五十二条の規定にかかわらず、国税局長の許可を受けて、その行おうとする税理士業務の規模が小規模なものとして委嘱者の数その他の事項につき大蔵省令で定める規模の範囲内である場合に限り、税理士業務を行うことができる。」この中におけるまず「当分の間、」これを具体的にどのように考えておられるのか、また「税理士業務の規模が小規模なものとして」とありますこの「小規模」とはどの程度を指しているのか、この二点について伺います。
○福田政府委員 最初の「当分の間、」は、文字どおり当分の間であります。次の「小規模」も、これも文字どおり小規模でございまして、この具体的水準は実態を調査いたしまして、そしてどのくらいの業務であればいいかということは今後の関係者との協議にまちたいと思っております。 なお、最初の「当分の間、」は、申しわけございませんが何年とお答えできませんので、御勘弁願いたいと思います。
○宮地委員 非常にばかげたそういう答弁をすると、これは大蔵委員会をなめたことになるので、審議官、少し図に乗るのもいいかげんにしていただきたいのですね。そういう言い方でなくて、もっと誠意のある答弁をしていただきたいと思います。
○福田政府委員 申しわけない点がございましたらなんですが、本法で書いてございませんのは、登録即入会というところの例外でございますので、本法で書けません。したがって附則で書いておるわけであります。附則で書きますと「当分の間、」という書き方になるわけであります。「当分の間、」は、やはりこれは今後の経過を見ましてどういうふうに運用されるかということを考えないといけません。原則は登録即入会ですから、その原則に照らしながら、その例外的なこれが弊害なしにどのくらいやれるか、また、それがあるところで見直しまして、それは廃止すべきものかどうか、また継続すべきかどうかというふうに判断をすべき問題であろうと思います。これはまた当委員会でいろんな御審議があろうかと思います。
○宮地委員 初めからそういうふうにお話を伺えば、私もそうかつかしなくて済んだわけですから、お互いゼントルマンでございますので、そういう審議をさしていただきたいと思います。 次に、助言義務について少し伺っておきたいのですが、この助言義務について、一つは、やはり時効制度の問題の解決を先決としてこの助言義務の問題の配慮があったのかどうか。 時効という問題ですね、ちょっと審議官、目をぱちくりしておりますので私が説明をいたしますが、時効制度の問題について、たとえばわが国においては、会計法第三十条、国税通則法第七十二条ですが、最短期の五カ年という時効制度を持っている。しかしこの時効問題については、イタリアなどでは五年二カ月、スウェーデンにおいては六年、西ドイツ及びフランスあたりでは十年、こういった問題との絡み合いにおきまして、わが国においてのたとえば脱税問題などは大体五年ぐらいで時効が成立をしてしまう。こういった時効の問題について相当突っ込んだ議論なり検討がされた上で、この助言義務の問題が取り上げられてきたのかどうか、また、今回のこの助言義務の新設については、このような時効の問題について、法的には除斥期間とかこういう言葉が使われるようでありますが、こういうような問題との絡み合い、これはどういうふうに配慮されたのか、この点について伺っておきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 租税債権を初めといたします公債権の時効、これを明治の会計法以来わが国では五年というふうに定めてきております。それに即応いたしまして、税法上の課税権の除斥期間につきまして現在、通常三年、それから仮装、隠蔽等の事実がありました場合には五年ということにしております。この点につきまして従前、当委員会でいろいろ御議論がございました。私もそれにお答えをいたしまして、公債権の時効問題というものと絡めて、現在の国税庁の行っております調査能力、そういうものを勘案いたしまして、課税の公平を期するために、課税権の除斥期間につきまして延長の方向で検討をいたすという考え方も十分ありますというお答えを申し上げております。それは通則法上の七十条の規定でございます。通則法上の除斥期間をどういうふうに考えていくのか、さらに会計法上の公債権の時効をどう考えるか、それに即応します会社の経理の実態なり、それから国または地方公共団体における書類の保存期間というような行政上の実務の問題、そういうもの全体を絡み合わせての話であります。 それは非常に大きな問題でございますが、今回四十一条の三で御提案申し上げております助言義務の問題は広く申せば、いま宮地委員からお話しの公共のためにする租税納税義務の適正な実現という意味でもちろんつながりがあるわけですが、いま委員の仰せのような考え方から時効問題との関連で助言義務の規定を挿入したという経緯ではないわけであります。
○宮地委員 いわゆるこの助言義務について、たとえばこれは委嘱者が不正に税を免れあるいは免れようとしている等のこういった問題がなぜ起きるか、こういった根本の解決、そこに触れなくては、単に助言義務の新設ということだけでは、国民の合意というのは非常にむずかしいのではないか、そういう点で、いま言った時効の問題というものを十分に配慮し、また研究をし、根本的なそういう解決の底にあるものを十分に論議をして、その上で法改正というものを検討していくべきではないか、こういう意味で私は言ったわけでありまして、もう一度その点について、配慮があったのかどうかを伺っておきたい。
○高橋(元)政府委員 いまお示しのあります課税権の除斥期間の問題にいたしましても、また、たびたび当委員会でも御指摘のありました、たとえば重加算税の課税をもっときつくしたらいいではないかというような御意見とか、その他租税納税の適実を期するために諸般の制度的な改革を広く考えていく必要があるということを私どもも痛感をいたしておりまして、そういう点につきまして検討を現在内部で進めておるわけであります。 税法上のいろいろな秩序の一環として今回、税理士法の改正について助言義務の規定を御提案申し上げておるわけでございますが、それらはすべて非常に深い税法秩序の内部でつながっておるというふうに私どもは思っております。
○宮地委員 次に、税理士審査会の問題について少し伺っておきたいのですが、「委員三人をもつて組織する。」この税理士審査会は三名で実際に能力を発揮できるのかどうか。それからこの三名の委員については、「租税に関する学識経験のある者のうちから、大蔵大臣が任命する。」こうなっているわけですが、この三名の中には、たとえば行政官庁に勤めた経験のある者も任命する可能性はあるのかどうか、この点について伺っておきます。
○米山政府委員 税理士審査会でございますが、その税理士審査会の委員は三名でございますが、試験の実施に当たりましてはさらに試験委員を設けております。それから、懲戒審査に当たりましては懲戒審査委員、こういうものを置きまして、試験に当たりましては試験委員が、懲戒審査に当たりましてはこの懲戒審査委員がそれぞれ十分に事務をここで行いまして、それをさらに最終的な決定をこの審査委員の三名が行う、こういうようになっているわけでございまして、この三名だけがやるわけでございませんので、その点は十分な機能を発揮する、こういうように私どもは考えておるわけでございます。 それから、この審査委員の三名でございますが、官庁に勤めまして税務行政に長く携わった、こういう者も当然、その「租税に関する学識経験のある者」というふうに私どもは考えておりますが、現実にそういう者を任命されるかどうかはこれからの問題だろう、こういうふうに考えております。
○宮地委員 私もいまお話しの試験委員だとか、あるいは懲戒審査委員が六人なり置かれるということは存じ上げているわけです。 問題は、ヘッドになる税理士、審査会の会長さんですね。以下二人、三人ですね。三人というのは頭だけですか。その下に当然手足は、いま言ったような懲戒審査委員は六名、試験委員の場合には、これは問題の作成や採点ですから、ある程度メンバーの数は要るでしょう。その「三人をもつて組織する。」という委員の三名は、上の副会長さんとか会長さんを指しているのですか。
○米山政府委員 この審査委員の構成は、会長一名、その他二名、こういうことになっておりまして、副会長ということは考えておりませんが、試験委員あるいは懲戒審査委員等がそれぞれの事項につきまして検討したことにつきまして、最終的な決定をするのはこの三名でございまして、たとえば会長のほかの二名が試験委員のどれを担当しあるいは懲戒審査の面のどれを担当するというような、副会長というような形にするかどうか、これはまだ決めておりません。
○宮地委員 税理士審査会は、この税理士法が改正されてまいりますと、今後非常に重要な審査会であろう。それだけにメンバーの人選は慎重にしなくてはならない。また組織も、単なる名誉職ではなくして、これは機動的に機能化させなければいけないわけですね。そういう点で私はちょっと内容的に伺っているわけであります。 そこで、その委員の中には当然、国税、地方税の官吏を経験した方々も入る、これはいまからオミットする必要はないと思います。しかしこれはある意味では、先ほどの税理士の使命という問題の独立性の問題と関与してきますと、非常に不公平感といいますか、また国民から誤解を招くおそれが非常に強いだけに、これは慎重に配慮しなくてはならない、こういうふうに思うわけでございます。 これは政務次官に聞いておきたいと思うのですが、大蔵大臣が当然任命するわけですから、こうした経験した官吏を採用するについては、これは決してだめだということは言いませんが、やはり過去にいろいろ経験をした、またそういう組織の中にいた方が委員に入ってくるわけですから、任命に当たっては十分に慎重に配慮すべきではないか、こう思うわけですが、どうですか。
○林(義)政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、税理士審査会というのは大変重要な役割りを果たすのだろうと思います。これの第一条の目的にありますような税理士の使命を規定いたしましたし、税理士がりっぱな使命を達成するためにいろいろやっていかなければならない。しかも、そのことに対して違反をした場合に懲戒処分をするわけでございますから、やはり税理士の職業にもよく精通しておるし、また一方におきましては、税務行政その他にも通じておるというような人を当然選ばなければならない。また、本人自身としても大変人格高潔であるということは当然のことであろうと思いますが、そういった観点からこの任命はいたさなければならない、こういうふうに考えております。
○宮地委員 時間も刻々迫っておりますが、懲戒処分の効力発生の時期、この問題について……。 今回、この改正によりまして、懲戒処分確定のときを今度は懲戒処分を受けたときと、こういうふうに改正になるようでありますが、この辺はどういう理由を最大限に採用の根拠とされたのか、伺っておきたいと思います。
○福田政府委員 他の立法例を見ましても、この行政罰と申しますか行政処分の際には、行政秩序の回復というのが主眼になりますので、これは迅速に行う必要があります。したがって、行政処分を行ったときにというのが一般の立法例でございます。したがってそれに合わせたということでございます。
○宮地委員 他の法令のいわゆる類例だけですか。事務的に何らかの処理をスピーディーにやろうという配慮はなかったのですか。
○福田政府委員 他の立法例は、行政処分の共通の性格からやはり規定されておると思います。したがいまして、やはり行政秩序の回復は敏速でなければいけない。しかし、これが裁判等にかかります際には、他の行政不服審査法とか行政事件訴訟法等による救済、これが手続としてございますので、行政処分自体は敏速に、しかもその程度は刑事罰ではございませんので、速やかに行われるということで実効を期したいということであります。
○宮地委員 今回のこの税理士法の改正につきましては、大変に与野党議論、検討の中で大蔵委員会に政府提出されたわけでございますが、関係団体の利害が非常に絡んでいるだけに、公正あるいは調和あるいは国民のニーズにこたえた税理士法の改正、こういう方向に持っていくことが一番望ましいわけでございます。この点について福田審議官も相当御苦労したことについては私も多とするわけでございますが、またそれが逆に、大蔵省、国税庁あるいは政府のいわゆる権力の志向が強いという中で行われたというような批判もまた一方であるわけですね。それだけにこの問題の対応というものは非常にむずかしいわけでございます。 そこで、私はまず端的に伺っておきたいのですが、この問題について先ほども質問いたしましたが、公認会計士協会については、通知制度の問題などどのような話し合い、また、協会とのいわゆる根回しといいますかあるいは検討といいますか、こういうものが行われてきたのか。実際にこの法案について協会の一部には、まだ非常に強い反対の意向を持っている方々も多いわけでございますが、福田審議官もこの法案を提出する前にわが党の説明会においても、非公式でございますが、協会との了解は大丈夫かという私の質問に対して、大丈夫ですといったようなお話を伺ったわけでございますが、その点の根回しはどこまで進められておったのか、この点について伺っておきたいと思います。
○福田政府委員 こういう業法の改正というのは非常に困難だというような実感を私、持ったのですが、それだけにやはり各業界の了解を円滑に得るという努力を各団体相互で重ねるというのが前提だろうという態度でわれわれおったわけであります。また、各党との間でのお話し合い、そういうものを受けましてわれわれ政府提案に至っておるわけでありまして、政府主導型というような押しつけということはやってはいけませんし、また円滑にいくはずもございません。 それで、公認会計士協会につきましては、これは一番問題があったと私も思います。しかし、これはいろいろな過程がございましたが、政府案を提出する段階におきましては調整はついておるというふうに私は御説明申し上げたと思います。それは、やはり大蔵省として法案を出す以上は、証券局は公認会計士協会の監督をいたしておりますので、その中でわれわれと証券局との間で話をしまして、われわれ主税局としては税理士会でございますし、証券局は公認会計士協会ということで両局間の話、またその下にある、監督します業界の意向を相互にお聞きするということで、やはり話が難航しながらもたどりついたのがこの内容であろうと思います。 その辺、信頼関係がないとなかなか進まないなという気がしていたのですが、さきの付随業務とかいう問題、それから他人の書類の監査、これは前の改正法にもあったわけであります。しかし、そこがやはりどうしても何か実態を損なうような御懸念がある、そこは法律の書き方として懸念がないように十分注意してあるはずでございます。 それから、先ほど失礼しましたけれども、経過規定のところと申しますか、通知公認会計士のところが非常にむずかしかったのです。したがって、当分の間とか小規模ということが明確に言えませんけれども、そういう苦心の法文になっておりますから、今後その辺は十分に業界の話し合いをしながら円滑にやっていく、両方がまた相互に信頼して、お互いの分野を侵さないで本来の仕事に全力を挙げながら、しかしまた、会計人でございますので協力をしていくということが基本であろうと思います。 ほかは、行政書士とかいろいろな団体の関係で非常にむずかしかっただけに、この法案につきましてはこの調整の上にやっとでき上がっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○宮地委員 たとえば、これは法律案の言葉じりをとらえて言うわけじゃないのですが、第三条の税理士の資格の中の順番が逆転しているわけですね、今度の改正案。公認会計士は第四番目にきているわけですね。現在の法律は弁護士が一番、二番目は公認会計士、三番目に税理士試験に合格した者、四番目云々。今回は公認会計士が一番最後なんです。おれたちはどうも一番最後に置かれているんじゃないか、別にそういうふうにひがんでいるわけじゃないでしょうけれども、非常にぴりぴりしているわけですね。そういうところに、まさか感情的でこんな書き方をしたのではないと思いますよ。ですけれども、そのくらい関係団体の方々は神経をとがらせているわけですから、やはり細心の注意と配慮をするくらいの大きな立場に立った大蔵省であってほしい、こういうことを私は感じるわけですが、これは何かやはり理由があったのでしょうか、この点伺っておきたい。
○福田政府委員 これは理由がございまして、税理士法でございまして税理士の資格の問題でありますから、税理士の試験に通ったものが冒頭に来るというのがやはりほかの立法例から見ても当然のことであります。あと順番が、次がそれに匹敵する資格。三番目と四番目が後に回っておりますのは、さきのように弁護士法三条の問題があるということでございます。それから公認会計士の方は、本来監査業務に専心される立場でございますので、税理士の業務に入られる際はやはり付随的な立場でございます。したがってこの辺は、一般の考え方に即しただけで、決して感情的とかそういうことは絶対ございません。法律を出す以上は客観的、合理的なものをつくっております。
○宮地委員 時間が参りましたので終わりますが、この税理士法の改正に当たりまして、関係団体のいろいろな利害が非常に絡んでいるだけに、国民のだれもが公正な運営、また政府としての対応においても、できるだけ適応のある国民の二ーズにこたえた形でこの法律案の運用に当たっても十分配慮していただきたい、このことを強く要望して終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
○加藤委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 税理士法改正について、若干の点を質問をいたしたいと思います。 まず、全体としての感じでございますけれども、税理士法の改正というのは、最初に私も申し上げましたが、利害関係が非常に複雑である、利害関係のいろいろな各団体の相互の調整をまず第一に考えてもらいたいということを御要望を申し上げました。そして、その調整がついた上でなければ、この法案はなかなか通過がむずかしいのではないかということもあわせて申し上げましたが、提案というか起草されて以来、大蔵省においてもいろいろと御努力をいただきまして、ともかくも法案がここまでまとまったということについては、大変な御努力であったと思いまして、これはわれわれは評価をいたしております。その努力も評価するし、その成果も一応評価しなければならぬと思いますが、厳密に言えば、当分の間の問題として評価する、こういうことです。 さらに、これは後で大臣に申し上げようと思うのだけれども、この法案の全体を通じて感じますことは、新しい税理士像に対するビジョンというものが果たしてどこまであるか、それから、税理士は自由職業人であると思うが、それに対する信頼というものがどこまで前提になっておるかという点については、若干疑問があります。 そういう意味においては、大臣にも改めて質問をするのでありますが、とりあえずきょうお伺いいたしたいことの第一は、「税理士制度の実情に顧み、」ということがここにうたってあるのだけれども、どういう点を顧みられたか、伺いたい。
○福田政府委員 これはできましてから相当年数がたっておりまして、その間、申告納税制度というのが直接税から間接税にも移ったというのも、この実情の一つであろうと思います。また税目につきまして、いま限定されておるということのままに来ておりますので、その間新しい税目ができてきました際に、たとえば事業所税でございますけれども、これはいまの規定のままですと、税理士の本来業務に近いのですけれども、これがいまの規定は限定列挙なものですから、行政書士の方に行ってしまったという経験もございます。そういうふうな実情というものは、従来も経験上また制度上も痛感しておりまして、この際、それに合ったものにしたいという趣旨でございます。
○竹本委員 これは余り議論しても仕方のない抽象的な問題でありますが、何となく私の言うビジョンが欠けて、事務的な発想が中心になっておるような感じがいたしておるわけであります。 そこで、先ほど御質問の公明党さんからもいろいろありましたが、要するに、税理士の使命の明確化という点に関連するのですけれども、税理士は自由職業人という前提に立ってすべてを考えておられるかどうか、結論だけ伺いたいと思います。
○福田政府委員 税務の専門家という意味で自由職業人の立場はございますが、税務に関するというのが一つの大事な点であると思います。そこで、専門家ということでその地位が認識された上で、いろいろな規定に影響しておるというふうに考えます。したがって自由職業人と申しましても、税務に関する専門家であるということが基本であります。それが適正な納税義務の実現ということにも関連すると思います。
○竹本委員 税務に関する専門家としての自由職業人であると言ってしまえばそのとおりですね。アクセントはどっちにありますか。
○福田政府委員 これも両方にあると思います。これはやはり税務に関する専門家である自由職業人ということであろうと思います、お答えになっているかどうかわかりませんが。むしろそこから来る問題がポイントであろうと思います。税務に関する専門家であるからこそ、税目については包括規定として税務に関する各税目を所掌する、それから、他人のつくった書類についても申告書である限りは税法の審査をする、そういうふうに規定がありますので、その地位は、そういう専門家としての地位というふうに評価される、これがやはり納税者からの信頼にこたえますし、われわれから見ても専門家であるという意味で尊敬するという関係だろうと思います。
○竹本委員 アクセントが両方にあるという話は、私も初めて聞いた話ですけれども、この問題は後でまた改めて議論いたしますので、次に移りますが、念のために申しますと、先ほどの公明党さんからもいろいろ御議論が出ておりましたように、官憲に対しても独立、依頼者に対しても独立、自己の良心に対してのみ責任を持つのだという点については、これはドイツだけの問題ではなくて、やはり自由職業人のメルクマールですから、そういう点は十分考慮してもらいたいと思います。 第二に質問いたしますが、税理士業務に関する改正ということで、税理士が全体の税目について対象とするということは当然な考え方だと思います。そこで念のために伺いますが、行政書士についても、その他現在までにやっている他の人の守備範囲にもなっている、あわせてなっている、そういうものについては、特に今度なわ張りを広げるというような意図はなく関係団体の調整を考えられたと思いますが、間違いありませんか。
○福田政府委員 御指摘の最初の行政書士の関係は、五十一条の二という点で明確にいたします。前の改正法はここのところは余りはっきりしていませんでしたが、むしろ今回の方がはっきりいたしております。それ以外の分野につきましては、青申会等がございますが、これについても実際的な影響がないわけです。 それから公認会計士につきましても、付随業務とか他人の書類の定期審査というようなことによる影響はないというふうに確認したいと思います。ただ、通知公認会計士のところは実際上の調整が必要になりますので、調整規定が入っているというふうに御理解願いたいと思います。
○竹本委員 全体として現状を一応認めた上での調整を図ったものだ、また、それ以上のことは現実的にはなかなかできるものではないというふうに理解をいたしております。 あわせて伺いますが、自動車の場合、まだ登録書士という制度はありませんけれども、現実を見ると、年間に四百万件くらい自動車の登録が必要になっておる。現実に販売店でこれに従事している人も二十万人くらいはおると言われておる。これを特定の人がすぐ肩がわりしようと思いましても、それこそ車に関する専門的な知識や経験あるいは事務処理の便宜性の問題、いろいろ考えると、大体現状は尊重されるものと理解しますけれども、それでよろしゅうございますか。
○福田政府委員 自動車税、軽自動車税、自動車取得税についての現在の取り扱いにつきましては、その、実態にかんがみまして、今回の改正によって実質的影響がないようにというふうに配慮したいということは、税理士会の中でも考えておるわけであります。また行政の中でも、運輸省との間でこの辺につきましても、現状に影響のないように考えたいというふうに了解し合っております。
○竹本委員 次は、特別税理士試験制度の問題でございますが、これについていろいろ御苦心があったと思うのでありますけれども、同時に、これに対する反対論も非常にありまして、憲法違反であるとか官尊民卑であるといったような厳しい批判もいろいろあります。一体どういう経過をたどって今回の結論に達したのか、その辺もひとつ伺いたい。
○米山政府委員 御承知のように税理士業務と申しますのは、やはり税務官公署との税務折衝を中心とする非常に専門実務家としての仕事でございますので、こういう業務を行う者の中には十分に税務実務の経験に富んだ者に税理士資格を付与するということが、こうした制度の運営の実情に沿うものである、こういうことが議論されまして、三十一年から御承知のように、現行の特別税理士試験制度が採用されたわけでございますが、これは御承知のように暫定的な措置として設けられておるわけでございまして、常にこの問題をめぐりまして議論がなされてきておりまして、これはやはり廃止して一本化、普通試験、一般試験と一本化すべきであるとか、あるいは、これをやめて試験のかわりに別の制度を設けるべきであるとか、いろいろの議論がなされていたわけでございます。 今回税理士制度全般を見直すに当たりまして、そうしたいろいろの議論を検討いたしまして、この特別税理士試験制度についても抜本的な改正を行う、こういうことになったわけでございまして、やはりすっきり特別税理士試験というものをやめて一般税理士試験制度に一木化するということが望ましいのではないか、こういうことでございます。その方向で一木化したわけでございますが、先ほど申しましたように、税理士業務の特殊性から、やはり税務実務の経験に富んだ者、この経験というものを尊重するということを考慮する必要がある、同時にあわせて、税理士の資質を落としてはいけない、ある程度の水準に維持する必要がある、こういう二つの観点から今回、その資質を確保するために、勤務年限国税の場合は二十三年以上、地方税の場合には二十八年以上の税務職員のうち、管理監督的地位または専門官の地位に五年以上あったもので、税理士審査会が税理士試験の会計学の合格者と同程度の学識を習得できるものと認めて指定した研修を修了した者に限って会計学を免除する、こういうことにいたしまして、先ほど申しましたように、特税試験を廃止し、しかも税務実務の経験に富んだ者を尊重すると同時に、その資質を落とさないように配慮する、こういう趣旨で今回の改正案は作成されたわけでございます。
○竹本委員 私は試験制度という以上は、試験というものは厳しくなければ試験にならない。その中で、試験のときに特別試験とかあるいはげたをはかせるとかいろいろ工作をすることは、試験制度じゃないと思うのですね。試験制度というならば、試験制度は厳しくなければならぬ。ただその場合に、税理士という特別の専門的な、先ほど来の職業専門家に対してこの場合、試験制度を用うることが可なりや否やという根本問題があると思うのですね。その問題を十分論議しないで、試験の制度をちょっといじって特別な形をつくろうということ自体に初めから無理があったというふうにぼくは思っているのです。 そういう意味で、外国の場合にはこういう職業専門家に、三十九年の答申、改正案もそのように、資格認定ということでいっている例がどういうものがあるか、参考までに伺っておきたい。
○米山政府委員 西ドイツの例とアメリカの例を検討しておりますが、西ドイツの場合には、税理士の資格認定者といたしまして、十年以上税務官庁あるいは州の最高会計検査院等において専門官の長として税務を担当した上級職職員、それから、十五年以上同じ場所におきまして専門官として税務を担当した中級職職員等につきましては、これは資格認定によりまして行っております。 それから、アメリカの場合でございますが、内国歳入庁のもとの職員で、内国歳入庁に最小限五年以上継続して勤務し、しかもその期間を通じまして所得税、消費税等について内国歳入法の適用、解釈の職務に常態として従事していたということが認定された者に対しては資格を与える、こういうことになっているようでございます。
○竹本委員 時間がないから次々に参りますが、登録即入会制度をとる、これは組織論から言えば当然な方向ではないかと思うのですね。しかしながらその問題は、後の一局複数制の問題等とも関連をいたしますが、登録した者は、暫定規定は別として、即入会だということになる、その入会するところが必ずしも歓迎できない、愉快なものでないといったような場合もあると思うのだけれども、そういうことも含めて、いろいろこれは苦心があるのだろうと思うのだが、特にこういう問題が会計士さんの側にもいろいろ御不満があるようであるが、組織論としては、登録後はだんだん入会をする。特に私どもは、先ほど小規模とは何ぞやといったような議論がいろいろ出ましたけれども、主として税務、税理士の仕事をやられる方が税理士会に入るということは、これはぼくは当然な成り行きではないかと思います、細かい議論は一応別にしまして。しかし全体として今度の改正案で、先ほどお話がありました各利害関係団体、それぞれ一応納得をしておると思いますが、公認会計士協会の皆さんにはなお相当の不満もあるように聞いておるのだけれども、なるほど公認会計士協会の皆さんは今度の改正案でプラスがあるのかマイナスがあるのか、あるいはどちらもあるとしてもどちらが大きいのか、その辺については十分配慮されたものと思うが、結論としてはどういうことになっておるか。
○福田政府委員 公認会計士協会の方には非常に御迷惑をかけたと思います。と申しますのは、法律改正ということになって調整をやっていきます際に、一つの筋論というものがありますので、税理士につきましては、税の専門家であるということからきますと、登録して入会していただく、だから税理士をおやりになりたいなら入会していただきたい、これは私、筋だろうと思うのです。これは先ほど申し上げましたが、そこは既得権という問題よりも筋論としてお考えいただいて、ほかの業法とのバランスでお考えいただきたい、こう御了解いただきたい点でございます。あとは、通知公認会計士制度が発足しましてから大分たっておりますけれども、だんだん税理士の仕事をおやりになる方がふえてくる。それはふえてこられて、収入も税理士の仕事で大部分を占めるというような場合は、やはり税理士会にお入りになる。税理士の名刺を刷っておるわけですから、それを入らないで国税局の通知だけで大きな税理士業務をやるというのは、ちょっと税理士法にはそぐわない。そこを調整いたしましたので、その辺の調整過程におけるあつれきはあったかと思いますが、しかし、これは税理士をやっていいわけですから、しかも税理士会にお入りになればいいわけで、そこはそういうふうに御理解いただけばいい。 だから、あとは今度は、いままでは通知だけでやっておったという非常に例外的なものがどんどんふえてきておるというのは、税理士の業務をおやりになる分野がふえておるというのは、公認会計士の仕事の分野がどうかという問題につながると思うのです。ここはわれわれの範囲ではございませんが、公認会計士自体のお仕事の方に専念される、税理士の方は税理士の仕事にと。しかし税理士の仕事をおやりになる際には税理士会にお入りくださいと。しかし、例外的におやりになっている小規模の場合は、これは通知のかわりに許可になりましたけれども、しかし公認会計士の名をもってやることができますので、その辺も一つの調整としてお考え願いたいと思います。あとは付随業務と他人の書類の方は、前回の改正法にもあったとおりでございまして、業務分野には侵害がない、またそのように運用すべきである、こう思います。
○竹本委員 いまの問題はある程度理解ができるんだけれども、今度の法案は先ほど申しましたように、利害関係が非常に複雑に入り乱れておりますからいろいろ御苦心があった、また御努力もされた、この点は評価しておりますけれども、なおなおお互いの間にしこりを残さないように、また、しこりが出そうな心配があるときにはそれを速やかに調整をするように当局においては十分配慮をしてもらいたい。 この問題と関連をしますが、いまの一局複数制の問題等も、特定の地域を指定してやるというやり方が果たして百点満点のものであるか、あるいはそこにいろいろの困難が出る心配はないか、実は私いろいろ心配をしておるんでございますが、試行錯誤という意味においてとりあえずこういう方法しかないんだ、したがって将来動かしてみた上で、当分の間の問題の解決とあわせて、具体的になればいろいろ考えてもらわなければならぬと思いますが、政務次官、この点はいかがですか。
○林(義)政府委員 おっしゃる問題、これはなかなかむずかしい問題でありまして、公認会計士との関係も私もいろいろとお話を政務次官として聞かせていただきました。やはり筋論というも一のが一つありますし、それから現実に動いていることがありますし、そのほかにいろいろな感情的な問題もありますからなかなかむずかしいのですが、こういった形でできましたし、これからはやはり両業界それぞれの立場におかれまして、りっぱに職責を果たしていただくということが国のためには望ましいことでございますから、そういった方向で相協力し、それぞれの立場において御努力をいただかなければならない、こういうふうな問題だと思っております。 それから、第二番目の税理士会の分割と申しますか、その問題でございますが、この問題は先生いま御指摘のように、登録即入会というところから出てきているような問題のように私は思います。しかし、これはやはり相手は人の問題でございますから、それをどういうふうな形でうまく動かしていくか。これはまた実態に即しまして将来また御検討をしていただく、改正をやっていただくというようなお話もまた出てくるかもしれませんけれども、そういった点も含めまして、少し実態を動かしてみてからこれをやっていかなければならない、こういうふうな問題だろうというふうに考えております。
○竹本委員 最後に、細かい問題でございますが、よく考えれば重大な問題だと思うのですけれども、これは先ほど一番最初に申しました、税理士をどう位置づけるかという問題と関連をするし、法改正に伴うビジョンという問題にも関連いたしますが、具体的な例を申し上げてみますと、たとえば四十六条、一般の懲戒のところでございますが、大蔵大臣は、「虚偽の記載をしたとき、又はこの法律若しくは国税若しくは地方税に関する法令の規定に違反したときは、第四十四条に規定する懲戒処分」をやる、こう書いてある。「この法律」というのは、ぼくはこんな乱暴な規定の仕方はないと思うのですね。この法律の規定に違反する——第何条に違反するというのはわかるのですよ。しかしながら、この法律の規定に違反した者は下手をすれば懲戒処分だ、こういうようなことになりますと、こんなに網を広く打っちゃうと税理士はまいっちゃう。そういう意味で、私の言う信頼関係よりも監督規定が余りにも行き過ぎてはいないかという問題について……。 それからあわせて時間がありませんから聞きますが、四十一条の帳簿作成の義務のところも、「委嘱音別に、かつ、一件ごとに、」と微に入り細をうがって書いてあるわけだが、特にその中に、税務相談の内容も記載しろ、こう書いてある。これはある意味においてよくわかるのだけれども、またよく考えてみるとむずかしい。どこまでをもって税務相談の内容とするか。これを下手に乱用すると、まるでそこへテープレコーダーでもくっつけておかれるような話になりまして、納税者も税理士も息をつくこともできないような感じを受ける。 この辺はもちろん当局としては、常識的に社会通念に従って運用されることだと思うけれども、「この法律」とは何か、「税務相談の内容」を書けというのはどこまでを言うのか、その点を伺って終わりにいたします。
○福田政府委員 第一点でありますが、これは他の弁護士法、不動産鑑定士法、弁理士法等の職業専門家制度については同じ規定になっております。行政処分である懲戒処分が監督官庁の懲戒事由についての的確な判断の上に行われるということで一般規定になっておりますが、具体的な内容で問題になりますのは、信用失墜の三十七条もしくは秘密の三十八条等具体的な条文が常識的に判断されるわけであります。また、その適用に当たりましては、やはりここは四十六条で、戒告から始まっておりますが、その辺の程度の問題は、戒告という一番軽いものが含まれておる。脱税相談では戒告はないわけです。そういうふうなことが一つと、もう一つは、懲戒処分の手続が慎重化されていく、また行政処分の責任の方が合理的な常識のある判断をするということの前提に立っておるということであります。 第二点は庁の方で……。
○米山政府委員 第二点の帳簿に記載する場合の税務相談の内容でございますが、今回の法律改正案によりますと、この様式は日税連で会則で定めることになっております。もちろんこの会則の規定につきましては、大蔵大臣の認可事項とされているわけでございます。 委員御指摘のように、今回この規定は、やはり税理士会の自主性を尊重するという意味で、できるだけ簡略化するという意味で、報酬金額等の規定は今度は書いてありませんし、それから、この違反について罰則等も排除している、こういうふうな趣旨から考えまして、私ども税理士会連合会がこの会則を定めるに当たりましては、その趣旨を十分くみまして簡略化、複雑にならないようにやっていきたい、こういうふうに考えております。
○竹本委員 要望を申し上げておきますが、これは運用の問題もあるが、法の規定そのものにも、微に入り細をうがって書かなければ気が済まないというのはお役人さんとしては当然のことだと思うのですね。しかしながらそれが行き過ぎると、そのために制度全体にどういうマイナスがあるかということももう少し考えていただきたい。 それから先ほどの「この法律」の方はぼくはどう考えても納得できない。これはほかの法律にも書いてあるというお話もあったけれども、そのこと自体が間違っている。あるいは、それが制定された時代の時代感覚はその辺で済んだかもしれぬけれども、いまの社会、特に自由職業人を相手にして規定をする場合には、もう少しそこに新しい時代の風、空気が流れていなければうそではないか。特に「この法律」というような乱暴な規定というものは、しかもそれが罰則につながっていくのだから、よほど慎重であってほしいと思いますが、これは要望にとどめておきます。 以上で終わります。
○加藤委員長 安田純治君。
○安田委員 先日来同僚委員の方からいろいろ質疑がされましたけれども、時間の関係で必ずしも条文の順序に従わずに、順不同で若干の問題点を伺いたいと思います。 まず、改正案の二条の代理と代行の概念でございますけれども、先日来の御答弁を伺っていると、代行の点が非常にあいまいで、私としては理解に苦しむわけでございますので、この点を御説明をいただきたいわけであります。 代行は意見の主張、陳述とあるけれども、事実の解明、説明は代行から除くというようなお話も、大島弘委員ですかの質問に対して御答弁がありましたけれども、その点はどういうふうにきちっとした区分けがこの条文上から出てくるのか、伺いたいと思います。
○福田政府委員 前回というか、現行法では「代理すること。」こうなっております。そのところで、代理の概念が非常に法律行為的に狭く解されて、納税者に対する援助行為に欠けることがあるということが三十九年の答申にあるわけです。ですから、その代理概念の広がるところのその広がる範囲の問題になっていますね。ですから、納税者に援助をするというのが一つの基準だと思います。それから、具体的納税義務に関するというその納税者から見れば重大な問題に影響する問題の範囲でなければいけないという問題があります。それから、やはり税務専門家としての判断を加えるという、その三つの要素かと思うのです、これは私の考えですが。そうしますと、おのずからここは独占の範囲になってきますので、そこで代理というのははっきりいたしております。 次に代行が事実行為、事実行為の中が主張、陳述の範囲はどこか、こういうふうに法律的になってくると思うのですね。主張は、ここで意見を申しますから、先ほどの基準に入ってくると思います、納税義務に影響するし専門家の援助を要するということで。 あと、この範囲が、これは日本語の説明が非常にむずかしくて、英語では表示行為という言い方でやっておりますけれども、要するに、税務官署に対してその納税者にかわって大切なところを申し述べるということなんですね。ですから、これは単なる事実の解明だけであって直ちに具体的な納税義務に影響したりしない、また、専門的な知識も要しないその種の単なる、これは前の答申にございますが、財務諸表の説明、事実の説明というものは含まれないと言っております。ですから、そこのところは、単なる事実の説明にとどまるというものは代理、代行には入らない、主張、陳述には入らないと考えます。これはケース・バイ・ケースになりますので、その際納税者がどういう立場に立つか。そこで援助者の発言を得なければ税額に影響したりするというケースになりますと、これはやはり専門家が独占権を持ってそこを代理、代行する、主張、陳述するということであろうと思うのです。
○安田委員 まさに独占業務であり、これに違反した場合には、税理士でない者、税理士会に入会していない者がやれば懲役二年以下ですか、こういうことになるわけですね。刑罰法規のいわば構成要件に当たるわけでございますので、これは一義的に明確でなければとんでもない話だ、罪刑法定主義に結果的に反してくることになると言わざるを得ないと思うわけであります。 そこで、この代行という言葉からいまの審議官の御説明だけが一義的に導き出されるものかどうかということが一つ。 もう一つは、ケース・バイ・ケースでございますのでという答弁は困るのですよ。それによって懲役二年になったり何にもならなかったりしたのでは困るので、それはケース・バイ・ケースでなければわからないような独占業務の範囲というものを決めて、それで、それをやった者は税理士でなければ懲役にも値する、こういうことは罪刑法定主義のたてまえからいっていかがかと思うわけであります。 そのケース・バイ・ケースで伺いたいわけですが、たとえば帳簿の計算違いを調査に来た税務署に指摘されたという場合に、本人以外の者が、もちろん税理士でもない人ですね、いや、これは別な欄の数字をちょっと足すのを忘れたんで、それを足せばちゃんと結論は合っているんだというようなことを説明するのは、代行ですか、代行じゃございませんか。
○福田政府委員 先ほどケース・バイ・ケースと申しましたのは、事実問題がケース・バイ・ケ—スであるという意味であります。 いま御質問が具体的にございましたが、計算違いということで指摘されまして、それを受ける側が、計算してみれば数字が合致するということは、意見の相違も何も出ない問題、事実の解明、説明そのものですから、これは代行に入らないというふうに考えます。
○安田委員 それでは、よく事後調査なんかに来られましたときに、おたくは差益率が特段に低いというような話も、調査の理由といいますか、その理由の開示についてもいろいろケース・バイ・ケースで違うようですが、仮にあったとします。そのときに第三者が、いや、この店は立地条件やその他で業態の中身、いろいろ経営の中身なんかを説明して、だから同種同業者と単純に差益率で比較はできないんだ。たとえば大学の門前にあって学生相手の食堂だから、必ずしも一般の豚カツ屋のような差益率にはいかぬとか、いろんなことがあると思うのですね。こういう業態の説明や何かはどうなりますか。
○福田政府委員 差益率の低いことの事情の説明の御質問だと思うのですが、これは単に会計帳簿の記帳内容の事実の説明にとどまらない場合が多いと思うのですね。やはりそこで納税額に直ちに影響してきますので、したがって、その主、張また意見の食い違いが生じてくる場合が多いと思います。主張、陳述という形で納税者の立場がそういう積極的な立場になると思います。したがって、これは先ほど私の申しました納税者に援助を要する、また具体的納税義務に関するという点から、さきの主張、陳述、独占権の範囲に入る場合があると思うのです。ただ、これは差益率について争いがないとかという種の事実関係そのものに近い場合は別でございます。しかし、争いが生じてきてということになる差益率の差であれば、主張、陳述ということになろうと思います。
○安田委員 実際問題として現場では非常にわかりにくい問題が出てくると思いますよ。ですから、ケース・バイ・ケースだとか、この間の大島委員の質問に対するお答えでは、聞き捨てならなかったのですが、現場の雰囲気によるみたいなお話もちょっとされました。速記録が出てきたら、どういう言葉を使われたかわかると思うのですが、そんなことで独占業務の範囲がどうかが決められ、そして非税理士だということで取り締まりの対象になるということはとんでもないことであります。 その点、たとえば代行ということの定義を、単なる事実の説明を除くというようなやり方もあったと思うのですが、代行という、法律上必ずしも熟していない言葉だと思います、ほかの立法例なんか見ましても。こういうものを書き加えた理由、及び何とかしてこの代行の範囲を一義的に明確にできるようなことを、いまからでも遅くないんですが、考える余地がないのか、代行という言葉を使って、それに特別な定義づけをしないということで相済むのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
○福田政府委員 これは前回の三十九年法も同じ代理、代行の概念を使っております。立法例としてはそういうことで審議を経たわけでございますが、これは現行の法律自体が代理と単に書いていますことが、納税者の立場にとって、事実行為にわたる、特に税務署に対して主張、陳述するというのが一番大事なところなんです。そこで税理士が関与するということも、立場を明確にするその立法論からくる税理士法特有の言葉の概念でありますので、したがって、先ほど申しました基準で考えていけば要するに、税務署との折衝において主張し、自分の意見を述べて税額に影響するときには、専門家である税理士がタッチする立ち会いが本則であるというふうに考えるわけです。
○安田委員 代理業務が中心でございましょうけれども、仮にそれに付随して準法律行為的なこと、事実行為的なことをやることがあるのは当然だと思うのですが、これをなぜ刑罰をもって禁止する独占業務の範囲にしなければならないのか、どういう弊害があるか、お答えいただきたいと思います、一般の国民の人権に関することですから。
○福田政府委員 この独占というところは第一条からくるわけですけれども、税務代理、次に税務書類の作成、税務相談、この三つがあるわけです。そこの範囲を明確にするというのは、従来の規定よりは明確になっておると思うのです。従来の規定をごらんになりますと、これは非常に漠然としている。ここをいまよりは明確にしております。 そういう意味で、その範囲を明確にすることは、納税者に対して専門家が援助をするということで納税者の立場を守るわけでありますから、そこが一方において独占の範囲になる。だれでもやってもいいということになりますと、これはやはり納税者を害し、また適正な納税義務の実現にならないわけですから、そこは罰則をもって独占権が与えられておる。だれでもやってもいいという種の税理士法ではないわけです。ですから、そのところは独占権を与えられておる範囲を明確にして、そこはだれでもやっていいものではない、やはりにせ税理士的な行為は禁止しなければいけませんから。そういうことで線引きが行われますが、具体的にどこからとなれば、単なるそこの事実の説明は常識的な問題だろうと思うのです。それで納税者が納得しているような話ですから、そこで主張が対立すれば税理士が援助して主張するというふうになっていくわけで、そこについては常識的な判断があって、法律的にも従来よりははっきりしていると思います。
○安田委員 そうは言うけれども、むしろ代行という言葉を導入したことによって場合によっては、たまたま調査に来たときに部屋にいた親族の者、友達の者が黙っているか飛び出すかしないと、その雰囲気によって税務署の署員の認定が、おまえ非税理士だとやられる危険があるようなケースもどうも出てくるのじゃなかろうか、いま言ったような差益率の問題の説明でですね。業態の説明は一般論として代行に入る、帳簿の計算違いの説明は入らない、そういうことをいろいろたくさん考えてきますと、ボーダーラインケースの場合、非常な危険を生ずるのではないか。これは一般の人権に関することですからどうもそういうお答えでは納得がいたしかねるわけであります。けれども、時間の都合でここのところばかりに取られているわけにいきませんので、この代行という規定は非常に不当であるということ、少なくとも概念をもう少しきっちりと法文上すべきじゃないか。私も非税理士がはびこることがいいことだと思っているわけじゃありません。ただ、一般の国民の人権に関することですから、ことに刑事法にひっかかることでありますから、代行という法律的に熟しない言葉を使う以上は、もう少し法文の上で定義づけをはっきりすべきじゃなかろうかということを指摘しておきたいと思います。 次に、使用人の監督義務の問題であります。 ほかの士法を見ますと、どうもこういう規定はないようでございますが、特に税理士法だけにこの使用人の監督義務を新設した理由はどういう理由か。守秘義務というのが別にございますので、これだけで十分ではないかと思いますが、何か特別な理由があるのでしょうか。
○福田政府委員 税理士の仕事は、独占権を与えられて特定の範囲において税務官署との折衝という一番シリアスなところを担当するわけです。本来は本人が、税理士が立ち会うべきものであるわけです。したがって、十分に内容をそしゃくして臨むことが大事ですが、実際問題になりますと、多くの使用人を抱え、実態についてはなかなか承知していないということが依頼者に対して不測の損害を与える場合もあるわけです。ですからここは、立法例からいくと司法書士は五人しか補助者を置けないわけです。そういう形で、本人の目の届く範囲、補助者の限度があるわけです。弁護士は、先生もそうですが、本人が法廷に立つというはっきりした立場で自己責任をとっておられます。ここは税理士さんがそれだけ大事な仕事をやる以上は、使用人を使うにしても十分に監督していただきたいという代理関係から来る問題と、それからもう一つは税の特性から来る責任の問題から、使用監督の責任はほかの業法に見ない重要さを持ってきます。 これは検討過程において、先ほどの司法書士みたいな人数制限の議論もございました。しかし、これはまた勤務税理士を置くといたしますと法律関係が複雑になります。また、税理士法人というのも代理関係からいってなかなか説明しずらい。要は、税理士さんが内容をよくそしゃくしてもらって税務署の方に臨んで自分の責任でやってもらうということですから、その趣旨をあらわすためには管理監督ということを考えなければいかぬと思うのです。これは前の改正法にも入っております。また、非違事件が相当出ておるということも考えあわせますと、これが設けられるに十分の理由があると考えます。 それから守秘義務は、これは依頼者との関係の問題ですから、いまの問題とは別の面ではないかと思います。
○安田委員 いや、前の法案にそうなっていても、廃案になったものですからそれの理由づけにはちっともならぬと思うのです。 弁護士の場合も独占業務でありますが、法廷に立つだけが仕事じゃございませんで、法廷前の活動がたくさんございます。非常に重要な問題があります。しかるに弁護士に対しては、使用人などに対する監督義務はわざわざこんな法律で条文化されておらない。依頼者やあるいは対外的な迷惑をかけた場合には、これは民法の使用者責任の規定で十分賄えますし、それから内部的には、就業規則なり雇用契約上の問題として民法なりあるいは労働法の範囲内で賄えるはずであります。 なぜこの四十一条の二が特に新設されたのかという理由がわからない。ことに、人数制限の問題や、あるいは非違があったということも多少あるのかもしれませんけれども、税理士の事務所を幾つも設けることができるという法制のもとでは——それは確かに昔は弁護士もそうだったんですね、弁護士が幾つも法律事務所を設けることができた。その当時、いわゆる三百代言みたいな者を所長に置いて、先生はほとんどそこに行かない。法廷に立つときだけ行く。あとは実際、示談の交渉とかいろいろな重要な問題があるわけですが、こうしたものをそういう三百代言に任しておくと弊害があったので、弁護士法の場合には事務所は 一つというふうになっております。それはそういう弊害上できたのです。今度の税理士法の改正案では事務所は一つということになるわけですね。そういう意味では、雇う人数には制限はされてないけれども、場所的には常に先生のいる場所、税理士のいる場所で事務所が営まれるということになるわけで、税理士の存在と遠く離れたところに事務所を持つなどということはあり得ないことになるわけだと思うのです。 私も税理士の営業実態なんか多少は見聞しておるわけでありますが、よく地方に行きますと小さな町で、税理士さんが一つの事務所を経営しておる。息子さんがたまたま科目合格して、あと数科目で合格する。ほとんど実務上差しつかえないほど熟達しておる。ぽっこりおやじさんが亡くなったりする。そういうときに、同じ町の税理士さんに監督を頼むといいますか、いまの法制では同じ町の税理士さんが幾つも事務所を設けられますのでお願いすると、得意先を取られて、息子が試験に受かったときにはその税理士さんの雇い人になるしかないという状態なので、数十キロ離れた町の税理士さんを頼んで、息子が試験に受かるまでめんどうを見てもらうというケースが大分あるわけです。そういう場合には、頼む方も頼まれる税理士さんの方も、月に何遍か出張してめんどうを見るという程度のことでやっておるのが多いようでありますけれども、そういうケースになってきますと、確かにおっしゃるように、ほとんど先生が事務所にいないということでありますから、これは事務所が複数になり距離が幾ら離れていてもいいという法制のもとでは、特に監督の義務ということを強調する必要があるかもしれませんが、今度の法案によると税理士事務所は一つに限る。にもかかわらず特にこういう規定を置いているが、対外的にもし損害を与えたりなんかすれば、いまの民法の使用者責任で十分賄えるわけですね。それから、対内的にその人を懲戒したり解雇したりする権限は持っておるわけです。ですから、監督にあるいは責任を負うことに十分なはずでありまして、そういう点で、この四十一条の二の監督をしなければならないという規定を置くことによって、税理士がうっかりしますとあるいはうっかりしたと思われると、先ほどの竹本委員の質問じゃないけれども、この法律に違反した場合にはすべて一般的懲戒処分ですから、非常に威嚇的な感じを持つのではないかということが一つであります。 適当な条文ではないし、ほかの立法例もない、士法の横並びから見てもきわめておかしいということを指摘しつつ、この条文の中で、「使用人その他の従業者を使用するときは、」とありますが、「その他の従業者」というのは何ですか。
○福田政府委員 第一点についてお答えいたします。 これは事務所が一つという原則になりますが、関与件数という問題があろうと思うのです。庁の方で補足いたすかもしれませんが、七、八十件平均関与している実態で、お一人の税理士さんがどこまで目を通せるかという実態論があります。そこで勤務税理士の話も出たのですが、これは依頼者から見て十分に見てもらっているということでないと、不測の損害を受けることにもなるわけです。 〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 ですから、これは実態がそのような多くの件数を抱えており、しかも代理関係で税理士さんが自分の責任でやるという立場なんですね。ですからそういう意味では、ほかの場合と違った、特に税の場合についてはその税理士としては十分な監督をしてほしいというのは、また依頼者からの要請でもあろうと思うのです。そこで、ほかの業法にない、税の観点から、しかもたくさんの関与件数を持っておるという実態を踏まえますと、十分な監督をしてほしい。しかし、これが懲戒の問題でどうなるかは、これはやはり常識的な判断であろうと思うのです。倫理規定というのはなくてもいいということもあるかもしれませんが、やはりその趣旨があるということはそれだけ姿勢を正すわけです。ここでいろいろな非違事件が出ております。この非違事件の内容は庁の方で御説明してもいいのですが、にせ税理士が件数として一番多い。その次に、贈賄にかかわっておるとか脱税相談に使用人が応じたとか、その種のいままでの処分件数があるわけであります。それはやはり税の特殊性から来る非違事件でございまして、これは使用人として行っておるわけですから、監督者、すなわち本来自分がやるべき税理士が十分の責任を全うするということは当然であろうと思うのです。それが懲戒に至るかどうか、今度の規定が入って、人を使っておる立場でそれを監督してないということを問われるかどうかは、これは実際常識的な判断で、しかも懲戒審査会の議を経ますので、この辺はむしろ義務規定としてそういう中味も見ないで、不測の損害を与えないように、しかも使用人が非違を起こさないようにしてほしいというのは、これはわれわれの立場でもありますけれども、納税者からも謝金を払っている以上当然の要請であろうと思います。 第二問でありますが、「使用人その他の従業者」でございます。これは使用人は法律的な狭い意味で言いますと、雇用関係にあるいわゆる使用人ということで考えられるわけでありますが、この雇用関係以外に税理士の支配監督権が及ぶ場合があります。自分は雇用関係がないと言えば終わってしまう場合がありますが、実際は税理士さんという職責を持った方の支配監督のもとで働いておられるということも含めないとその趣旨が生かされません。ただ御懸念のある場合、これは例としましては事業の専従者あたりがそうだと思うのです。専従者として子供を使っているとかいうときには、雇用関係はないのですが、実際それは支配関係のもとに仕事をしていますから、そういうことを含めておる。要するに事業専従者がその例であります。たとえば商工会の事務員とかそれから一般事業会社の経理担当者というものは、これは全然関係ございませんので、それは入らないというのは当然です。
○安田委員 専従者というと、それは税理士の方の専従者ですか。
○福田政府委員 いま「その他の従業者」と申しましたのは、税理士さんがいまして、そして、雇用関係があって使っておられる方がある。しかし、自分の奥さんがい、子供がいる。雇用関係はないけれども、税理士さんの支配監督のもとに仕事をやっている、そこまで含める意味の規定でございます。ですから、全然別の会社の従業員とか商工会のどこかにいるというのは、全然税理士さんと関係ございませんから、「その他の従業者」というところにはもちろん入らないということを申し上げたわけであります。
○安田委員 たとえば青色申告会とか商工会の職員なんかが実際記帳の指導をずっとやっている。ことに弁護士の業務のように、大体が一回きりの事件だったら別ですけれども、まさにあなたのおっしゃるような税務の特殊性といいますか、まず記帳から始まりますと継続的なものですね。これは一年間なら一年間最低継続するわけです。そういう結論が結局は最後に申告書に書き出されるわけです。そうすると、そういう途中のプロセス、記帳の段階でいろいろ税理士に聞いたり何かして指導する。したがって、税理士からも直接の雇用関係はもちろんないのですけれども、ある程度指示命令に従って動いておるというような場合でも、商工会の職員、青申会なんかの場合、そういう職員はどうなりますか。
○福田政府委員 これはあくまでその税理士の使用しておるという雇用関係が基本になっていますから、それの抜け道的な、雇用ではないけれどもという方がその事業所におるという場合を想定しておりますので、その税理士さんとの関係で常時雇用関係にあるのが原則で、しかし雇用関係はないが支配監督権として常時あるという社会的な、外から見れば使用人的に見られておる場合を指さしています。 したがって、御指摘の点よくわかりませんが、税理士さんは税理士事務所に行って、そして商工会というのは別にあるわけですから、その間の関係は別の契約関係、雇用関係じゃないと思うのですね。ですから、雇用関係が基本にあって、それに類する場合を意味するというわけです。
○安田委員 じゃ、雇用関係がある場合は使用人ではっきりしているのですが、「その他の従業者」という言葉を使われるからそうで、そういうときにどうなるのかということで、たとえばこの法文を、同居の親族もしくはこれに類するその他の従業者とでもすれば、例示的にもっとはっきりすると思うのですが、ところが「その他の従業者」という言葉を使っているので、一体これはどういうものかということがどうも疑問になってくるのが一つ。 それから、先ほど倫理規定的なことをおっしゃいましたけれども、そんな倫理規定的なものを必要なのは、弁護士だって公認会計士だって同じことであります。しかし、士法の横並びでほかにはそんな法律はない。依頼者に迷惑をかけるとあなたはおっしゃいますけれども、そんなものは民法の使用者責任なんかでけりがつきます。ですからこの四十一条の二の規定、依頼者に対する迷惑ということを考えれば弁護士だって同じことでありますから、そういう点では、他の士法の横並びがないということが、どうもなぜ税理士にだけこういう規定をつくるのか。非違事件があるとおっしゃいますけれども、それは弁護士の事務員と称して和解に口を出したりいわゆる三百代言みたいな者がおるわけで、これは新聞ざたにもなるわけです。大体三百代言なんて言葉が常識的にあるということ自体がそういう点では、いかに弁護士の業務の方がそういうことの例が多いかということなんですよ。ですから、弁護士法の方にあってもよさそうなんだけれども、ない。ですから倫理規定が必要だなんということを言い出せば、これは何も法文化する必要は全くないのじゃないかということであります。しかし、この問題だけ言っていますと時間がございませんので、その点を強く指摘しておきます。 〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕 それから助言義務の問題を伺いたいと思います。 まずこの助言義務でございますけれども、納税義務確定の時期以前にも、この後段を見ますと、「計算の基礎となるべき事実の全部若しくは一部を隠ぺいし、」云々とありますね。ですから納税義務が確定する以前でも、個々の事実について常に助言義務を負うということに解釈されると思いますが、たとえばある取引について会計年度の途中でこれは帳簿から外しておこうと思って外した、こういう場合、税理士がそれを見て気がついた。しかし、最後に記帳漏れで入れれば、何も最後に申告のときには正確な申告になるわけです。たとえば個人事業者の場合、十一月三十日にある取引はこれは帳簿外に落とそうというので納税義務者が落とした。それで税理士がその帳簿を見ておってははあと気がついた。しかしいよいよ十二月三十一日前にやはりそういうことはやめようというので、十一月三十日記帳漏れという形で帳簿に載せれば、申告の時点では、三月十五日の時点では損益には変わりないわけですね。しかし、十一月三十日の時点で助言しなければならない、こういうことになるのかどうか、そうすると常にプロセスごとに、三百六十五日、二十四時間、一秒もそういうことが発生する段階で助言義務が必要なのか、それとも、見ておっていよいよ十二月三十一日で締めるという時点で、あなた十一月三十日のあの取引がこれに載ってないようだけれども、記帳漏れとして載せたらいいのじゃないかというふうに助言をすれば足りるのか。その点、この条文を見ますと、「計算の基礎となるべき事実の全部若しくは一部」ですから、これはその都度一々助言しなければならないのじゃないかということが一つです。その解釈をお伺いしたい。 それからもう一つは、小さな町なんかに一般にありますけれども、一人の税理士さんがA、B二つの事業者の帳簿を見ておってめんどう見ておる。A、B間の取引について、Aの方を見ておるときには気がつかなかったけれども、Bの方を見ておったところがAとの取引がおかしいということに気がついたという場合に、もちろんBに対して助言するのはこの条文にあるのでしょうが、その場合にAに対して、ちょうど税務署で言えば反面調査のようなものですが、そういう形で、あなたの帳簿を見ておったら気がつかなかったけれども、別なだれだれさんの帳簿を見ておったらば、あなたの方のあそこの取引が抜けているのじゃないかということまで言わなければならないのかどうか。つまり、他の納税義務者ですか依頼者ですか、この人との間での職務の遂行に当たって発見したそれ以外の人のいわば不正、これについても助言義務の範囲が及ぶのかどうか。この二つの点について伺いたいと思います。
○福田政府委員 最初の件は、途中で事実を知った場合の御質問であろうと思うのです。事実が完成しておったらこれは問題ないのですが、税を免れた事実もしくは免れようとした場合というふうに途中では検討しておったのですが、これは特にまだ納税に至らない段階の話につきましては非常にきちっと構成要件を書いておく必要があろうというふうにむしろ税理士さんの立場を考えて、ここが仮装、隠蔽というふうな限定された書き方になっておるわけですが、やはり仮装、隠蔽というのは、二重帳簿を作成しておる、架名の取引先の扱いをしておる、これははっきり脱税の意図を持ってやっている場合ですから、これはやはり途中でわかれば御注意願いたいということです。それは最後になってきれいになっておればそれに越したことはないので、途中調べというか御相談になってなくて、最後の決算のときにいってきれいになっておれば問題は起きませんが、途中で向こうからの依頼でやっているときにたまたま、こちらから積極的に調べることはないのですが、ここに不正があるのが目についたというときは、やはりそこで御注意願いたいというのは常識論だろうと思うのです。そういうことで第一点は、わかったときは御注意願いたい。(安田委員「法律の解釈上そういうことになるのですね」と呼ぶ)そういうことですね。それが常識的でありますし、それは途中でそういう機会がなければ、最後にきれいになっておれば、言わなくて済んだという問題だろうと思うのですね。 それからもう一つは、A、B会社の話で、Aのところでは気がつかないでB会社で気がついた。これは税理士業務に関してと、こう条文はなっておったと思うのですが、この税理士業務はその委嘱者との関係ですから、その関係で、これは積極的に調べることはないのです、税務署のかわりをやってもらうわけじゃありませんから。たまたま二重帳簿があって、これは何じゃという話になったときに、それはやはりいかぬよ、こういう話なんですから、そういうことを注意していただくというのは、その会社についての税理士業務から発生していますから、それはそこで言ってもらえばいいので、A会社の関係があっても、A会社の税理士業務をいまやっているわけじゃありませんから、それは必要ございません。
○安田委員 いや、私が伺っているのは、同じ税理士がA、B両方をやっている場合ですよ。別な税理士が担当しているところまで出かけていってそれをやれなんということはもうとんでもない話で、そんなことを言ったらもう税務署なんか要らないからやめてもらった方がいい。そうじゃなくて、同じ税理士が同じような決算期であちこちの帳簿を、まあ同じ日に見ていてもいいですよ、午前中Aの会社、午後Bの会社。Aの会社のときは気がつかなかった、ところがBの会社を見たらAとの取引が出ておる、しかしAの会社には出ておらぬことに気がついたという場合に、そこで税理士業務は午前中で終わって、もう後は全然委嘱関係がないのだということは言えないわけでしょう。たまたま全体の委嘱関係の中で午前中業務を執行しただけの話であって、やはりその次の日またAの会社に行くこともあり得るし、そういうときに、Bで発見した場合にAのことを注意しなければならないのか、こういうものまでこの法文から見ると入るのかということを聞いているのです。
○福田政府委員 これは法律論だけで申しますと、「税理士業務を行うに当たって、」というのは、その二重帳簿を見つけた会社についての税理士業務についてたまたま見つかったわけですから、たまたま見つかったその会社の税理士業務についての話ですから、そこだけ御注意を願えればいい。こっちのところで見つかったわけじゃないのですから、ここまで出かけていって、おまえのところは相手の取引のところでこんなことをやっておるという、税務署的なことを言ってもらうことは必要ありません。言ってもらえばありがたいですけれども、そこまでは期待しません。
○安田委員 この条文から当然そういうふうに出てきますかね。「委嘱者」に「当該」とかなんとかくっつけておいた方がいいのじゃないですかね。「委嘱者」とだけ書くのではなくて、「当該委嘱者が不正に」云々と、こうやっておけば私のような疑問が起きないので、質疑の時間も省略されて大変国家的にも省エネルギーになっていいと思うのですが、「委嘱者が」と言うと、A、B会社両方とも委嘱者なんで、あなたのような解釈が直ちに出てくるかどうか不安に思うわけですよ。「当該委嘱者」とか書いておけばいいのじゃないですか。
○福田政府委員 これは法律論で、先生がお詳しいのですが、そこでこの事実を発見するというのは、そのケースによって生じておるわけですから、その委嘱者は、その当該というのは当然、その事実発見のケースに関していますから、限定されるということです。
○安田委員 それから、この助言義務の問題についてもう少し伺いたいのですが、国税の問題については非常に通達行政がばっこしておりまして、もう租税法律主義なんというのは実際形骸化されて、ほとんど租税通達主義ではないかと言われるほど通達がもう各種出ておりまして、それが単なる税の実施に関する細かい手続規定の通達じゃなくて、実際の課税要件などを決定してしまうというような通達がたくさんあるようであります。 そこで問題は、この税務署のなしている通達もしくは税務署のやっているいわゆる有権解釈ですな、この有権解釈に反する解釈をある税理士が持っておった。あの通達は間違いだ、あの解釈は間違いだということを持っておって、そして通達から見れば、有権解釈から見れば反する処理をやっておる。しかし、その税理士の信念から見れば、これはおれの解釈の方が正しいから、こんなものは益金に上げる必要がない、仮にこういうふうにして助言をしなかったという場合にどうなりますか。
○福田政府委員 それは仮装、隠蔽の問題でありまして、仮装、隠蔽は客観的事実ですね。仮装しておる、それからその以前は、隠蔽というのは隠すわけです。仮装というのは、かわりのものをもってかえるわけですから、これはいまのような有権解釈その他の問題ではなくて、純然たる客観的な事実の構成要件の問題です。
○安田委員 そう簡単にあなたおっしゃいますけれども、よく以前に、まあこれは裁判で全部和解してしまいましたからケースとして挙げるのですが、入場税の問題なんかですね、入場の対価を主催者が得た場合に入場税がかかるというふうな法文になっておったわけですね。そうすると、主催者が入場の対価として受けるものということで、ある団体がいわゆる会員券を発行して、あるいは座席指定券という形で発行して、これは会員にしか配らぬのだから、主催者即入場者である、つまり対立関係がない。あくまでも主催者と対立関係にある第三者との間の等価交換みたいなのが法律的に言えば対価ですから、そういう解釈で、これは座席指定券であって入場券ではないということでやったケースがあるわけですね。これは裁判になって皆御存じだと思うのです。裁判例を見ますといろいろ分かれまして、やはりそれは入場税を納めるべきであるという判例もある程度あるわけでありますし、横浜の地方裁判所なんかの判例もありますけれども、いろいろあるわけであります。 ですから、仮装であるかどうかということはその問題なんですね。あなたそう簡単におっしゃるけれども、これは座席指定券と解釈し、つまり主催者即入場者だという信念から、後から裁判所は、しかしそれは対立関係があると見る、だから会員券と言ってもあるいは座席指定券と言っても入場の対価なんだ、そういう裁判所の解釈が最後に下った場合には初めて確定するわけだけれども、その以前においてもちろん、税務署はそういう解釈をとってないから、入場税を払え、こう騒ぐわけですな。そして入り口へ来てナンバリングでばちばちなんて入場税を勘定したり、トラブルが起きた例もあるわけです。ところが主催者の方は、これは家族音楽会と同じに内部的な催し物だということで、ただ座席を指定するだけなんだというようなことだと、そうするとその座席指定券が他人に譲渡性があるかどうかとかいろいろな問題が出てくるわけですけれども、そういうような問題で裁判になったケースがもう全国でごまんとあるわけですよ、はっきり言って。 ですから、仮装ということを簡単に、仮装しているのは単なる事実でございますからとおっしゃいますけれども、おのれの信念に基づいて入場券ではない、座席指定券であると言って売って歩いたといいますか金を取って渡した。これは売買になるかどうかもまた法律的に解釈があるわけですが、さて裁判所が最後に、いやあれはやっぱり入場券なんだと解釈する。さてそこで、その以前において税務署がこの助言義務違反であると言うことがあり得る可能性があるので私は聞いているのです。不正に隠蔽しとかというのは単なる客観的事実だとおっしゃるけれども、少なくとも不正という主観的な要素ですね、これはだれが一体認定するのかということになると、いま言ったみたいに、入場の対価であるかないかでも明らかにそこに争いがあって、税務署の言うことを片一方が聞かぬ。それは知らずにやったというんなら、これは不正じゃないですよ、自分はそう思ったという善意ですから。ところが、税務署から入場税を払いなさいと言ってきた。しかし自分は会員券だと思うからだめだ。そこで明らかに見解の違いが出てきたわけですね。しかし有権解釈から見ると、これはけしからぬということになるわけですよ。だからそういう場合に、税理士が有権解釈を伝えなければならないのか、信念に基づいて、構わないからやれということになるのか——やれと積極的に言えば脱税相談になるかもわかりませんから、黙っておるというんですかね、この場合にどうですか。
○福田政府委員 いまの事案は、その解釈に差のある場合の事実関係だと思うのです。ここで想定しているのは、客観的に見て、だれが見てもこれは脱税の意図を持った二重帳簿であり、仮装の仕入れである、これは私は常識的にあろうと思うのです。それを言っているのでございまして、あとはやはり税理士さんが、自分がこれは法律の解釈としてどちらか迷っておる、そういう場合には、その税理士さんの判断でいいのじゃないかと私どもは思います。それを有権解釈として税務署のかわりに自分の信念と違うことを言う必要はないと思います。この助言はあくまで税理士さんの解釈、信念によって、明らかにこれは脱税をしておるというふうなときに、それはどうでしょうかという極のものでありますから、そういうふうな有権解釈を強制してまで言ってもらう趣旨はここにはないと思います。
○安田委員 あなたの御答弁を聞いていると、典型的な例を挙げてそれがこの法律の趣旨だという御答弁が多いようですが、典型的な例はほとんど解釈に争いがないので余りここで議論する必要はないのですよ。ボーダーラインケースみたいなのが刑罰の対象になったり懲戒の対象になるからこそ法律解釈が非常に厳密に論争されるわけでして、最も典型的な例を挙げて、そのときだけやってもらえばいいんです、あとは関係ありませんと、はっきりこの条文で言えるのかどうか、これが一つです。 もう一つは、仮に不正という言葉を非常にシビアに解釈して、客観的にそういう有権解釈に反したり判例に反してもおのれの信念に基づいている場合には不正じゃないという解釈が成り立つとしても、そういう心理を抱いておるかどうかという立証は一体どうなるのかという問題も入ってきます。つまり、世間ではほとんどいわゆる常識とまでは言えなくてもその有権解釈が通っておる、税理士としても申告すれば多分そっちの方が通達行政に従ってやられるであろうという予測は十分ある、多少世の中が変わらない限り自分の解釈は通りそうもないという信念だってあるわけですよ。先ほどの入場券と座席指定券のように、入場券と刷ったらまずいので座席指定券と刷る、これは入場税であるということをはっきり知っていてやれば隠蔽行為ですね。しかしそうではなくて、信念に基づいてやっているかどうか、これを立証するのは実際問題として非常に困難だと思います。そうすると、世間一般に非常に多く通用しているものだとすると、それは特殊な信念である。よく裁判所で、独自の考え方であって取り入れるわけにいかないというような判例がありますけれども、そうされることもあり得るわけです。 そこで、不正という問題のような主観的な要素、その行為者の認識が問題になる場合に、これは単なる倫理規定、訓示規定ならいいのですよ、この法律に違反する者は一般的懲戒処分になると先ほど竹本先生の質問に対してあなたはお答えになった。しかもあなたはそのとき、常識的なことでと言うけれども、典型的な例の場合は大した問題にならないで論争する意味はないのですから、そういうボーダーラインケースでどうだということを考えた上でこの法文が適当であるかどうかをわれわれは判断するわけですから、それで私は伺っているので、典型的な例にすりかえてもらっては困るのです。そうじゃなくて、いま私が申し上げているようなこの条文で信念に基づいて不正とは考えないと本人が思っている、しかしほとんど一般的に行き渡った税務行政の常識から見るとここ当分そんな意見は通りそうもないという場合、あるいは場合によっては最高裁で確定している解釈だってあるかもしれぬ、それでもおのれの信念から見ればあの裁判は間違っているということだってあり得る。最高裁判所の判例だって偏向ということもあり得る、これは公務員の労働権なんかの場合とんでもない偏向をしておりますからね。だからそうなりますと、おのれの信念に基づけば何でもいいのか、確信犯的なものですね、そこをはっきりお答えをいただきたい。
○福田政府委員 不正という概念はこの仮装、隠蔽のところにはかかっておりません。隠蔽は文字どおりある事実を隠す、その入場料金を引き出しに入れてどこかへしまっちゃう、解釈問題じゃありません、仮装は、ある事実を隠して今度は別のものに差しかえていますから、これは事実として自分では脱税の意図をもって隠しているわけですね。そういう意味では、ここはおっしゃる確信犯的な解釈問題以前の問題であろうと思います。ですから、そこはちょっと食い違いがあると思うのです。 それから、これは懲戒を目的にした規定じゃないわけですね。具体的な本当の社会的の事例では、そういう場合にぶつかったときに注意をしていただくということだけを言っておるわけでありまして、常識的な納税者であれば注意して直されるのが大部分だと思うのですね。そこに本当の信頼関係が生ずるわけですし、またそういう税理士であってわれわれも信頼するわけです。ですから、それをただ書いておるというふうにお考え願えればいいので、ぎりぎりとそこでいろいろな有権解釈とか確信犯というお話になってきますと、これはもう一回もとに戻りますが、仮装、隠蔽という客観的事実でむしろ免れようとするということを限定したというふうに税理士さんの立場で書いてあるというふうにお考え願いたいと思うのです。 それから、懲戒処分はあくまで目的ではないので、そこでどういうふうに適用されるかは先の一般懲戒の問題ですけれども、今度の懲戒審査会あたりもやはり常識的な運用をされると思います。そこをぎりぎりそういうふうにお聞きいただいても、私は常識的なお答えしか申し上げられないということであります。
○安田委員 たとえば譲渡所得における利子ですが、これを取得原価にするかどうかという問題で、これは取得原価にならないというふうになっております。ところが信念から見て、これはおかしい、取得原価に入るべきだ。あるサラリーマンがローンで借りて土地を買った、家を建てようと思っていたところが転勤か何かで建てられなくなって、それを譲渡した、その場合、その間にローンの利息がかかっていますわね、この利息だって取得原価の中に入るじゃないかという信念だってあるわけですね。ところが実際おたくの方では受けつけない。たとえば五百万円ローンを借りて、転勤で家を建てられなくなって手放すまでに百万円利子がかかった、それで六百万円の取得原価という形で出した。税理士がそれを見ておって、この百万円はそういう形ではまずいよと言うのか、それとも、いやそういうのは取得原価に入れるのは当然であるという信念から構わないと言うのか。それは中身の書き方もありましょう、利子と書くのか取得代金の代金の中に含めるのかによって、同じ六百万と書いても、利子と書けば隠蔽にならず、代金と書けば隠蔽になるのかどうか、そういうことまで出てきますけれども、いま私が申し上げている信念に基づいて云々ということと通達行政との違いを指摘したのは、たとえばこういう例のことを言うわけなんですが、その場合、取得原価六百万というふうに出したらどうなりますか。
○福田政府委員 繰り返しますが、仮装、隠蔽という問題にそれが該当するかですね。その事実は間違いない事実として表に出ていますから、あとはどう解釈するかの問題ですから、ここの仮装、隠蔽の問題じゃないわけです。ですから、あとは納税相談として税理士さんが、それは税法上こう書かれておる、しかし税理士さんによっては、その税法が解釈の方でちょっと自分は納得がいかない、自分はこう思うと、ここで相談されればいいわけですね。納税相談の問題ですから、ここの助言義務の問題よりもむしろ納税相談で税理士さんがどういう態度をおとりになるか、その問題じゃないでしょうか。
○安田委員 いや、この助言義務で、これは一つの例だけれども、いろいろな複雑な中でこういう例が起きて、いや、おまえは仮装したんじゃないかとかという問題が起きた場合のことを心配して聞いているわけなんで、常識でどうとかこうとかという問題じゃないと思うのです。 時間が来ましたので、非常に残念ですが、幾つかの問題点を指摘したいと思うのです。 先ほど竹本委員も質問されましたように、帳簿作成の義務の中で税務相談の内容も書けということになっておる。これは会則でもってどのくらい書くかはそれこそあなたのおっしゃる常識的にやるのかもしれませんけれども、全くそっちにお任せである、こういう条文をつくるということはわれわれとしては、依頼者と税理士との間の信頼関係を非常に害するといいますか、てんまつとか内容の書かせようによっては、まさにウオーターゲート事件じゃないけれども、ニクソンのホワイトハウスのテープレコーダーみたいなものを常設する制度とも見られるのじゃないか。これを全く白紙で会則に任せるというのはどうかというふうに言わざるを得ないわけであります。 それから、この間の同僚委員の質問に対する御答弁で、アメリカでも助言義務があるというようなことをおっしゃいました。きょう私、質問する予定で持ってまいりましたけれども、どうもこの英文を見ますと、これは依頼者に対して注意しなければならないいわば職業上のそういうふうな義務であって、これはオミッションとかいろいろ書いてありますが、要するに脱漏、遺漏が主である。もちろんエラーという言葉が入っています。エラーの中には字引の上で見ると不正という言葉も入るようですが、アメリカ財務省規則ですか、この原文を見ますと、要するに、誤謬もしくは脱漏というように読むべきではなかろうか。そうすると、この四十一条の三の助言義務というのはアメリカの財務省規則とは大分違うようじゃないかということがあるわけですけれども、最後にまとめて御答弁いただければありがたいのですが、この点を指摘して、外国にそういうことがあるからと簡単に引用されては困るというふうに思うわけであります。 それから、改正案の三十三条の二、三十五条まで、いわゆる審査事項などの記載書面の添付というのがありますが、東海税理士会で名古屋国税局との間の申し合わせですでにそれに似たことをやっておるような例が見受けられるようであります。これを見ますと、そういう確認書を添付することによって原則として調査省略の対象とされるというようなことが書いてあって、これを見ると、まさにこの法案のたたき台になったんじゃないかと思うようなことが書かれておりますが、一体、現行法でこういうことをやるのは結構なことかどうか、まだ改正されておりませんから、その点をお答えいただきたいというふうに思います。 最後に、全税目をこの対象に入れたということでございますので、今後新しい税金が新設された場合に、これは政令で除外しない限り自動的に税理士の独占業務の範囲内に入るということになると思うのですが、その点はいかがですか、その点をお答えいただきたいと思います。
○福田政府委員 第一点の帳簿記載でありますが、納税相談につきましては、これは納税相談の性格に応じて記載すべきことであろうと思うのです。ですから、その辺の書き方はやはり会則の方にゆだねてありますので、税理士会の方で実情に応じた帳簿の様式を定められたらいいと思います。それが第一点。しかし今度は、改正によって罰則が外れております。それからいまのように税理士会にゆだねてありますので、その辺は従来とは違う。ただ税務相談が入っております。それはその相談の性格に応じて書くということで、実態に応じたものであればいいと思います。それからテープレコーダーなんというそんな細かなことまでもちろんないと思います。 それから第二点でございますが、助言義務に関するアメリカ法です。アメリカ法につきましては、法律のUSコードのタイトル三一の一〇も二六というのがございまして、財務長官に対して一般的な委任をやっている税理士制度の細目が財務省規則に定められております。したがって、この財務省規則が日本の税理士法に実質的に該当する、こういうふうに考えます。 助言義務につきましては、「依頼人の申告脱漏等に関する助言義務」ということで、これはタイトル三一の一〇・二一でありますけれども、これは書き方としまして「登録代理人」、そういう言葉を使っておりますが、「依頼人が合衆国の歳入関係法を遵守していないこと」という広い規定が一つございます。さらに申告書等について誤謬、脱漏している場合にはその事実を速やかにアドバイスしなければいかぬ。「オミッション・エラー・アンド・ノンコンプライアンス」、こうなっております。非常に広く書いてあります。そういう意味でむしろそっちの方が広い。それから登録代理人がこういう助言義務の項を故意に違反した場合、要するに知っておってそれをやらなかった場合には、これは財務長官は資格の剥奪と停止の処分を行うことができるという規則もございます。 それからあと新税の話も一項目ちょっと話しますが、これは税理士というのが税の専門家であるという考え方からいけば税は本来すべて扱うべきですから、したがって考え方は抱括規定として入るわけです。ただ、税の名前を使っていましても、税の実質を伴わない税理士の援助を要しないようなものであれば、これは最初の方の政令で本来外れる方に入りますし、また、行政書士との関連の調整で向こうにもやらしていいものがあれば調整をしますが、原則としては全税目の中に入ってくるということであります。
○安田委員 時間が来ましたのでこれでやめますけれども、いま質疑の中で指摘しましたように、助言義務あるいは使用人に対する監督義務、帳簿記載の義務ですね、こうした非常に大きな問題点がある。それから代行という概念も、どうもいままでの答弁では納得できないということで、非常にこの法案は問題があるということが一つ。 それから、一般消費税の導入を政府は考えておるようでありますが、どうも税の専門家で独立性のあるというようなかっこうのいいことを言いながら、懲戒権を相変わらず大蔵大臣に保留しておく、それで監督を強化するような助言義務や何かがある、こういうことと、自動的に新税が政令で除外されない限り税理士の範囲内に入るということと照らし合わせてみますと、一般消費税の導入について税理士に協力させるといいますか、徴税機関の下請化をさせるのじゃないかという疑いがきわめて濃厚であるし、そう言われても仕方がないような、会則の規定の中に奇妙な経済上の理由で安くする場合云々なんというのを入れることもありますし、どうもわれわれとしてはこういう各種の問題点を考えると、この法案は非常に問題点があるということを強く指摘しておきまして、質問を終わりたいと思います。
○加藤委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 ————◇————— 午後二時十三分開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 税理士法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。永原稔君。
○永原委員 税理士法の問題について、各界の意見をいろいろ取りまとめ、これだけの法案をつくられた労を多とします。 その中で、いろいろ意見が出ているようですけれども、特に一般試験受験者の合格率が非常に低い、二・六%というようなことを訴えているようですが、これは試験する側からの意見を聞かないとわかりませんので、試験する側から、こういう二・六%というのは一体どうお考えになるのか、そういう点を伺ってみたいと思うのです。特に司法試験や弁理士あるいは公認会計士というようなものの試験と比べて、本当にそんなにむずかしくなっているのかどうか、いかがでしょうか。
○米山政府委員 税理士試験の合格の率と他の国家試験の合格率を一概に、ただ出た結果だけでその難易を判断するのは非常にむずかしいわけでございます。 その理由といたしまして、他の国家試験はいずれも全科目を一度に合格しなければ合格になりませんが、税理士試験の場合は科目別合格制度になっているわけでございます。御承知のように現在八科目ございまして、所得税法、法人税法等の税法と簿記論、財務諸表論、これを合わせて八科目のうち、税法三科目、簿記論、財務諸表論の二科目、この五科目をとれば合格ということになるわけでございますが、これは一度にとらなくて、毎年一つずつとってもいい、こういうふうなことになって、結果として五科目全部合格したときをもって合格するということになっているわけでございます。しかも現在、受験者の実情を見ますと、一人が一年に受けるのが平均して一・七科目、全部五科目を一遍に受けるという人は非常に少のうございます。 こういうわけでございまして、私どもはこの合格率を見る場合に、ですから延べの受験科目に対して幾つの受験科目が受かったかというふうな、科目科目の対比で合格率を一応考えているわけでございます。こうした考えに基づく合格率を見ますと、五十三年度の合格率は一一・六%でございます。いま永原委員御指摘のように、公認会計士の二次試験は五・六%、弁理士は三%、司法試験は一・七%でございまして、これと比較しますと一一・六%というのは必ずしも低い合格率ではない、こういうふうに考えているわけでございます。
○永原委員 試験がむずかしければむずかしいほど今度は社会的な評価も高くなると思うのです。誇りを持ってやっていけると思いますので、私こういうような合格率であればあえて低いというような判定をすべきではないと思いますけれども、現在の税理士の実態は登録即入会ではありませんのでなかなかつかみにくいでしょうけれども、一般試験合格者と特別試験合格者、さらにその他公認会計士や弁護士でいろいろやっていらっしゃる方もありますので、この三つに分類した場合に、現在までの合格者あるいは就業者というものがどういうような比重になっているのか、その数字が知りたいと思いますが……。
○米山政府委員 一般試験それから特別試験、その他、このその他の中には弁護士、公認会計士あるいは税務代理士等が含まれているわけでございますが、五十二年十一月三十日現在で資格取得者の数がどのくらいになっているかということをまず申し上げますと、一般試験で一万六千五百十九人、特別試験が二万七千九百九十三人、その他が三万三千二百五十四人、計七万七千七百六十六人でございます。 それから就業者数でございますが、就業者数は、登録し税理士会に入会して初めて就業できるわけでございますが、この試験別にどのくらい税理士会に入会しているかという数字がございませんので、仮にそれに近い数字といたしまして登録者数で申しますと、一般試験で合格した資格取得者のうちで登録している者が一万二千六百四十七人、七六・六%、特別試験は二万七千九百九十三人中一万五百七十一人で三七・八%、その他のものが三万三千二百五十四人中登録者数は一万三千四百八十二人で四〇…五%、こういうふうになっております。
○永原委員 懲戒処分の実態を伺いたいのです。 この一般試験合格者、特別試験、その他、こういうふうに分けたときに、この前二百四十一件の懲戒処分件数があるというように承りましたけれども、これをいまの分類で発生率を分けてみるとどういうようになっているでしょうか。
○米山政府委員 いま御指摘のように、税理士法制定の昭和二十六年以降昭和五十四年三月三十一日現在で懲戒処分を受けた者は二百四十一人でございますが、そのうち、一般試験合格者は三十七人でございます。これは登録者が一万二千九百八十三人でございますので〇・三%、すなわち千人に三人ということでございます。それから、特別試験合格者のうちで登録されている者は一万六百五人でございまして、そのうち、処分を受けた者は十七人でございますので〇・一%、すなわち千人に一人の割合でございます。それから、その他のものでございます。公認会計士とか税務代理士とかそういう方々で登録されている者は一万三千五百人でございますが、このうちで、処分を受けた者は百八十七人でございまして一・四%、すなわち千人につき十四人、こういう割合になっているわけでございます。
○永原委員 その他の人たちの件数が非常に多いというのは奇異な感じがしますけれども、こういうものがすぐ資質をあらわすとは思いませんけれども、これは特別試験、一般試験でもって、特別試験のことがいろいろ批判されますけれども、そういう事故の点から見ると、特別に悪いというような気もいたしませんが、問題は、その他の人たちがもう少し税理士としての自覚、こういうものを持つように御指導になることが必要ではないかと思います。 その特別試験合格者のうち、国家公務員と地方公務員に分けた場合にどうでしょうか。
○米山政府委員 五十三年度につきまして申し上げますと、特別試験合格者は六百八十七人でございますが、そのうち、国家公務員の合格者は六百三十五名でございまして、その割合は全体の九二・四%、それから地方公務員で合格された方は四十九名でございまして、その割合は七・一%でございます。
○永原委員 私は個人的なことを言うと地方公務員出身者ですから、かわいい後輩のことが目に浮かぶのですけれども、そういう私情は捨てて見てみますと、国家公務員は各省が独立している、そういう中で、特に税務職員は給料まで給料表が別になって一生ここで過ごすという方が非常に多い。ところが地方公務員の実態を見ていきますと、総合行政の中でやっていますので、税だけで一生を終わるという人はほとんどなくなってきているのが現状なんです。 そういう中で見ていきますと、国家公務員と地方公務員を比べた場合に、たとえば八条の八号、九号の関係ではかなり地方公務員が有利になっている、こういうように思いますけれども、こういう点はどうでしょうか。
○米山政府委員 御指摘のように、国税職員はその長い経験をもちまして国税に従事しているわけでございますが、税理士業務の中でやはり国税に関する知識が非常にウエートを占めているというわけでございます。したがいまして、国税職員と地方税従事職員と経験年数を全く同じに見るということはこれは適当ではないということで、今回につきましても、所要の経験年数をそれぞれ五年ずつ地方税の方が長くなっているわけでございまして、たとえば税目の免除の状況を見ましても、国税に関する科目を免除する場合には、国税職員の場合にはこれは十年、国税に関する事務のうち所得税等の賦課事務以外のものについては十五年でございますが、これに対しまして地方税事務に従事した者につきましては、国税を免除するものは、地方税の事務に従事する者のうち事業税等の賦課事務に従事している者は十五年、その他の者は二十年、こういうふうにそれぞれ五年ずつ長くなっているわけでございます。
○永原委員 若干私は有利だと思うのです。 八条の十号のイ、この「二十三年以上になる者」の中で伺いますけれども、これは地方公務員にも場合によっては適用になる可能性があるわけですね。その二十三年というような認定は一体、いつ、どこで、だれがおやりになるのか。どうでしょうか。
○米山政府委員 いまの規定は、事業税に従事した者に対しましては、認定でございませんで、この「事務に従事した期間が通算して二十三年以上になる者」については適用になる、こういうふうになっておりまして、認定ということはございません。
○永原委員 そうすると、本人の申告によって自然に発生してくるのでしょうか。地方の勤務の実態というのは非常に細かいのです。これはどこかで調べないと、ただ税務課にいたというだけではわかりませんし、税務事務所にいたというだけではわかりませんし、何かそういう機関が必要ではないかと思いますが……。
○米山政府委員 認定と申しましたのは、何か特別の事情があって認定するという意味ではございません。そういう意味の認定はないと申し上げたわけでございまして、もちろん試験なりこれを決めるのは税理士審査会が決めるわけでございまして、その場合には、本人の履歴書等をとりまして十分チェックして、それに本当にその期間従事したかどうかをはっきり確認してから決める、こういうことになると思います。
○永原委員 この税理士審査会の指定を受けた研修というのは、実施者は一体だれで、どのくらいの期間を予想していらっしゃるのか、その点。
○米山政府委員 今回の改正によりまして、税務職員に対する会計学の科目免除につきましては、一定の要件を備える者につきまして、税理士審査会の指定する研修を修了する、こういうことになっているわけでございます。 この研修をどういう内容にするかということは、これから税理士審査会において決めていくわけでございますが、これは法律によりまして、一般試験の会計学を合格した人と同じ程度の資質を持った者、そういう高度のものを要求されているわけでございまして、この具体的な内容につきましては、これから決めるわけでございますが、水準というのは法律にはっきり明記されているわけでございます。 私どもこれから税理士審査会といろいろ協議しながら内容を固めていきたいと思っておりますが、私どもとしましてはこの研修は、国税の職員の場合につきましては、国税庁が責任を持ちまして、現在の税務大学校等の研修機関を活用していろいろやっていきたい、こう考えているわけでございます。 なお、地方税職員につきましては、自治省と地方公共団体とが今後内容を固め、税理士審査会の認定を受けることになるわけでございますが、私ども現在、やはり法律に要求されるような高い水準のものになるように、十分そういった点につきましても考慮して、自治省、地方公共団体等とも協議してまいりたい、こういうふうに考えております。
○永原委員 地方公務員の場合、いまお話がありましたけれども、この研修内容も税理士審査会でいろいろ検討して認定するわけですね。 いま税務職員については研修をいろいろやっていますけれども、これは一般研修です。それに今度の会計の問題がつけ加わってくるということになると、研修期間に影響が出てくると思いますけれども、この会計学の関係だけの研修というのは、一体どのくらいの期間を予想されているのでしょうか。
○米山政府委員 この時間をどうするかというのは、これから内容を固めていくわけでございますが、現在国税職員につきましては、税務大学校で簿記、会計学につきましても相当長時間をかけ、高度の研修を行っております。たとえば高校卒の職員が入りますと、まず税務大学校で一年間の研修を受けるわけでございます。これは普通科生と申しておりますが、これにつきましては現在、簿記、会計学の時間を百二十六時間やっております。それから、その職員が七、八年実務を経験しまして、再度本科の試験を受けます。現在本科の試験と申しますと競争率十四、五倍くらいの相当むずかしい試験になっていますが、この人たちが一年間この本科でまた研修を受けますが、ここの本科でも、普通科よりさらに高度の簿記、会計学の時間を持っておりますが、これが百六十八時間、普通科と本科生両方合わせますと二百九十四時間、こういうふうな多数の時間をかけて研修を行っております。大学卒業生が入ります専科につきましても同様に、高度の簿記、会計学の研修を行っておるわけでございます。
○永原委員 先ほど特別試験で地方公務員の合格者は非常に少ない数字を伺ったのですけれども、実際にこういうものが、自治大学などで特定の研修をやっていくだけの人数が集まるのかどうか非常に疑問に思うのですけれども、何か国税の関係で一緒にこういうものをおやりになることはできないのだろうか。それと、地方公務員の場合、先ほど言いましたように総合行政の中に生きていくので非常に転勤も多いわけですね。本当に国税職員のように専念する者と地方公務員とが五年の差でもって実力が同じように見られるかどうかというのも疑問は起こるわけです。しかし、そういう点については今後とも御指導を強化していただかなければならないと思いますので、注意すべき点として指摘しておきたいと思います。 先ほど安田委員の方から質問がありましたので重複を避けますけれども、四十一条の二、これをどうしても新設しなきゃならぬのかということについて、もう一度御意見を承りたいと思います。
○福田政府委員 使用人等の監督義務の御質問でございますが、これは前回、三十九年法にもございましたが、使用人を雇いまして自己の業務に従事させる場合に、使用者がその使用人を監督すべき立場にあるということはこれは当然であります。ただこの場合、税理士につきましては、税理士は特別の資格を持って独占権を与えられて、しかも重要な納税義務に関する折衝、申告等に当たるという立場でございますので、非常に人的な面を依頼者も重視しておるわけでございます。また、われわれもそこを評価するわけでございますが、したがって、本人がおやりになっている限りは問題がないのですが、実態は使用人をたくさんお使いになって関与件数も多いというときに、やはり十分見てもらうためには、使用者の使用人監督ということは、ほかの立法例にないやはり重要な問題であろうと思います。具体的な非違事件等からもこれの重要性がうかがわれますので、これについては庁の方で御説明があろうかと思いますが、やはりこの種の法の規定があるということは、税理士の業務の性格に照らして適当であろうと思いますし、実際中身をよく見るということが基本ですから、それを勤務税理士とかいろいろな形で処理しようとしても、これが税務代理からくる制約があってなかなかできないとなればそこはそういう形で趣旨を徹底するということは、やはり納税者から見てもわれわれから見ても望ましい姿であろうと思います。ですから、是非ということの判断でございますけれども、あってしかるべき規定である、こういうふうに考えます。
○米山政府委員 ただいまの福田審議官の説明を補足いたしますが、税理士法制定以来五十三年度末までで、税理士の使用人による非違行為によりまして懲戒処分をした件数につきまして御説明いたしますと、全体で四十二件になっております。 この内訳は、業務停止が三十一件、戒告が十一件となっております。それからその原因別に見てみますと、にせ税理士行為に起因するものが十九件でございます。それから贈賄等によるものが十六件、脱税相談等によるもの三件、横領によるもの三件、その他一件となっております。なおこの件数は、非常に軽微のものにつきましては何回も警告を発したりしまして、すぐに処分するということをいたしておりませんので、こういう行為というものは相当見られるわけでございます。
○永原委員 詳しく説明していただくと聞きたくなるので、また少し……。 四十三条の関係で、いろいろ兼業部門についても非違があったときに停止をされるようなことがずっと出ていますけれども、税理士事務所の中で税理士業務についてだけ監督義務が負わされるのでしょうか、その人が幾つもほかの兼業をやっているような場合に、その部門の非違についても監督されるべきではないかと思いますけれども、どうなんでしょうか。
○福田政府委員 条文にございますように、「税理士業務の適正な遂行に欠けるところのないよう」と、こうなっておりまして、あくまで税理士業務に関係いたします。したがいまして、それ以外の会計業務そのものとか、他の職業専門家の分野であるとか、私行に関するものとかいうものは関係しないというふうに解します。
○永原委員 開会がおくれていますのでなるべく時間を短縮して質問を短くしますけれども、利害得失が相反する中で、ある程度の既得権も守りながら法案をまとめる努力は大変だったと思うのです。私は本来なら、税理士業務を拡大する、こういうような状況に伴い、試験科目も四科目ぐらいふえるというような状況にありますので、独立した税の専門家という見地からすると、やはり受験科目をふやすべきだろうと思うのです。しかし、そうすれば受験者の負担というのが非常にふえてくるでしょう。また、試験科目の免除制度、こういうものに対する不満感もふえてくるだろう。そういうようなことを考えますと、やはりそれぞれ主張はあろうと思いますけれども、この程度が落ちつくべきところかな、こういうように判断しながらこれを是認するものなんです。 こういうような点について、今後とも税理士の方々が本当に国税というような重要なもの、あるいは地方税という重要なものを担当する責務というものを自覚なさって精進されることを期待してやみませんが、どうか大蔵当局も、いろいろ批判がありますように、税理士が下部機構ではないかというようなコン。フレックスを持たないような、本当に独立した税の専門家として育て上げるというような御指導をなさるべきだと思いますけれども、そういう点のお気持ちを伺って、質問を終わらしていただきます。
○福田政府委員 おっしゃるとおりでございまして、税理士の方とわれわれの関係から申しますと、やはり相互に信頼し合う関係、これが一番大事であろうと思うのです。下請というような考え方はわれわれは絶対に持っておりません。それはやはり税に関する専門家であるということで、その見識も高いし、申告内容もよくごらんになっておる、信頼に足るというお互いの信頼関係、これは大事であろうと思うのです。これは対抗関係になるとかという種の問題ではないと思いますし、それはまた納税者から、また広く国民から信頼されるゆえんであろうと思います。御趣旨に沿って努力したいと思います。
○永原委員 終わります。
○加藤委員長 伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 税理士法の改正について若干御質問を申し上げます。 いままでも御議論ございましたが、いろいろな意味で注目をされているところだと思います。税環境も厳しくなりますし、また、税に対する国民の関心も非常に高まってくる。そういう中で、国民、納税者の公正な義務の執行という面から見ても重要であると思いますし、また、大幅なこういう改正という機会がしばしばあるわけではありませんから、やはり中長期に見てこれからの社会でどういう制度が望ましいのかということを展望しながら考えていかなければならないということではないかと思います。作業に当たられました皆さんには恐縮でございますが、全体の印象としては、一面では、税理士の権利と申しますか、あるいは業務範囲の拡大などを図っていこうという面と同時に、いままで各委員からも指摘がございましたが、他面では、規制、統制の面を大分厳しくしたということではないかということを全体の印象として感ずるわけであります。 そういう意味で、まず最初にお伺いをしたいんですが、私は当面の利害関係などの調整、大変御苦労なさったようですが、そういう面だけではなくて、今後の社会、税という問題などにおける位置づけ、あるべき方向をきちんとしておくということが非常に大事なことではないかと思います。お伺いしますが、私は次の三つぐらいが中期あるいは長期に見て基本的な姿勢としてあるべきではないだろうかという気がいたします。 一つは、税理士さん方が納税者の信頼にこたえ、その権利、立場を守って公正な代理人となっていくということだろうと思いますし、また二つ目には、当然ですがこの税務行政が租税法定主義でございますから、法令に基づいて適正に行われるように税理士の使命を規定していく、そして、税務に関する有能な専門家として使命を果たせるように独立性あるいは自主性を高めていく、そんな三つぐらいの考え方がほぼコンセンサスとしてこれからの見通しの中で、税理士像というのかあるいは税理士会のイメージというのか、考えられるんではないだろうかという気がいたします。そういう三つの柱で考えていく、これについて御異論がございますでしょうかどうか。 それと関連をして、前にも御質問ございましたが、日税連の基本要綱建議などで出されているこの納税者の権利を擁護する、これは十七年当時、戦時下に規制された当時と違って、近代社会、民主社会の中での方向づけですから、私は大変結構な当然のこの基本要綱における提起であったというふうに思うわけですが、それらが非常にあいまいな表現になっている、その考え方を改めてまず最初にお伺いいたします。
○福田政府委員 第一条の使命に関する御質問と思います。 税理士の使命ということで、「職責」を「使命」と書いてございますけれども、職務上の責任という以上に使命ということを明確にしたわけでございますけれども、ここは第一条の末尾にございますように、適正な納税義務の実現ということがあくまでこの使命そのものであろうと思います。現行法においては「道義を高めるように努力しなければならない。」という規定がございましたけれども、あえてこれは規定しなくても、適正な納税義務の実現の中に含まれるということでございまして、あくまで基本的なポイントは適正な納税義務の実現、それが先ほどおっしゃいましたが、納税者の本当の信頼を得ることになりますし、また、われわれ税務当局と税理士の方々、また代理されておる納税者の関係が本当の信頼関係に立つということ、それがポイントであろうと思うのです。適正な納税義務というのは、過大に課税をいたしてもいけませんし、まして過小でもいけません。そこで権利の擁護はおのずから含まれておりますし、信頼にこたえるということも本質的にはその趣旨のものであろうと思います。納税者との関係はこの第一条の前提としまして、民法上の代理概念からくる委嘱者との関係でございますけれども、それをあえて第一条のところで委嘱者の立場とは全く重複する形ではない税務会計専門家として見識のある判断を加えるということが、この第一条の使命の基本的な見方であろうと思います。したがいまして、先ほどおっしゃいました三つの点、納税者の信頼の点、それから税務行政の円滑化、それから専門家としての立場、すべてこれは問題は一つに帰されるというふうに考えます。 それから権利の擁護というような基本要綱の考え方についてでございますが、それに対する答弁はいま申し上げた点に尽きておると思います。やはりここでは司法の面における権利の擁護と行政面における問題は違うという性格があろうかと思います。この辺がほかの行政面における考え方、特に税の場合にはもっと適正納税ということが出てまいりますが、弁護士法における権利擁護という考え方とはやはり一線が画されるのではないか。権利の内容というものは具体的に何か。むしろ適正な納税義務の実現ということでございますし、権利の侵害を常時国がしておるという問題ではありませんで、租税法律主義に基づいて適正にこれは執行すべきでありますから、そういう意味で、権利の侵害を常に前提にする考え方というものはいかがかと思います。これはやはり弁護士法的な権利擁護とは違った行政面における適正な租税法律主義による法律の執行、これをお互いに信頼し合って実現していくという趣旨のものであろうと思います。
○伊藤(茂)委員 もうちょっと突っ込んで答弁を願いたいのですが、昭和十七年、第七十九帝国議会、税務代理士法制定、貴族院から衆議院へという当時からの性格づけの部分の主な議論をずっと読んでみました。読んでみて非常に興味があったのですが、要するに、納税者の代理人という立場での近代国家のあるべき税理士の使命に対する考え方、それから、そもそもの代理士法当時の戦時下における納税者の監督者というのかあるいは徴税の補助機関というものと、旧憲法、新憲法、そういう境目のところでいろいろ性格の変化があって、いろんな各団体から御意見がたくさんございますけれども、大きな流れとしては、やはりこれからの社会においてあるべき税理士像あるいは税理士会のイメージというようなことが底流にあって議論されているのではないかという気がいたします。 読んでみて興味があったのですが、たとえば昭和十七年当時でも、亡くなった池田元総理大臣、あの当時でも、一つは税務官庁の補助機関たる心構え、同時にもう一つは、納税者の善良な指導者となって納税者の権利を守るというためにつくったと、その第二の方も一言っていますね。私は大変見通しのある展望を持った方だったなという気が読んでみていたします。それから昭和三十九年当時も、金子現大臣が大蔵委員として質問をされている中でも、ぼくは大変結構な質問だと思いましたが、納税者の委嘱を受けて税務代理をやるということなんで、税理士が本当にそういった使命を自覚して働きやすいように、どういうふうに税理士が納税者の正当な権利、利益を守れるように改善したのかというような質問をなさっています。現専売公社総裁の泉さんが答弁なさっていますが、答弁の方はちょっと煙に巻いたような答弁になっております。 それから、三十九年の四十六国会の議論を通じても非常に興味ある幾つかの問題があって、この点を御確認いただけたらと思うのですが、三十九年の議論の中でも二十六年の議論として、当時の平田大蔵省主税局長、皆さんの先輩になるわけですが、税理士会の使命、あり方という問題について、税理士が単に税務官庁の都合ばかり聞くというのではなくて、むしろ納税者の正当な利益と権利を納税者にかわって擁護する、そういう機関として将来さらに発展をしていく必要があるのではないかということを強く考えておりますし、また、税理士各位が実力を養って、税務官庁に対してむしろ堂々たる態度で納税者の正しい利益、権利を擁護するという意味で御活躍を願う、それによって税務行政自体が改善されるところまで活躍が期待される方向に行くことが理想ではないか、そして、法律に基づく公正な運用、税務官吏のややもすると起こす独善的な弊害をチェックする機関としても大いに活躍を期待したい、大変結構なことが言われておると思います。また、そういう方向が今度の第一条、使命規定の中にもあらわれることが非常に望ましいのではないか。 この経過とか平田さんの答弁とか振り返ってみて、いまどうお考えになるか。そういう面から見てもこの規定に関しては、全面的に全部どう書けばいいということは申しませんけれども、もう一言かもう一つ、やはり国民主権、納税者の権利擁護というふうなことが盛られるべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
○福田政府委員 前回、三十九年改正法を含めての説明に、税務官庁の都合だけではおかしい、これは当然であろうと思います。しかしその際の表現も、「中正な立場」という言葉を前回改正まで続けてきております。その解釈としてそういう立場の説明であったわけでありますが、今回は、その「中正な立場」という言葉になかなかわからない点があるというか、アレルギー的な感じがあるというところをむしろ明確に表現することによって、趣旨を使命として考えた方がいいということから「中正な立場」を「独立した公正な立場」、さらにそれに「税務に関する専門家」という言葉をつけておる点は、従来に比べて一つの進歩であろうと思います。特に「税務に関する専門家」という意識、これが税理士の方の地位を高める、またそれに応じて実力をつけていかれる、それによって納税者を専門的に援助する、また、それが税務官庁から見ても尊敬に値するという関係で、今後の方向の基本的な路線であろうと思います。また、そういう立場でありますので、独立した公正な判断ができるということになるわけであります。その際は、専門家としての独立した公正という、たとえば減価償却に対して専門家としてはこう考えるというアドバイス、これは専門家から来る独立した公正な判断でありますが、一方において、技術的な面をさらに超えた全人格的な判断もあるという両面を備えております。 いずれにしろ、その地位の向上を実力の伴う専門家という立場から考えた。独立というのは、税務当局に対して独立して主張をする、先ほどのようにやはり言うべきことを主張するということは私は非常に大事であろうと思うのです。そこを下請と考えたりすることは適当でないし、税務当局もやはりその専門的知識を尊敬しなければいけない、また、依頼者の方もそういう形で援助を受けるということでございまして、おっしゃる趣旨と同じでありますが、権利の擁護ということをここにくっつけるまでのことがあるかどうか。それはおのずから適正な納税義務の実現、信頼にこたえるという点からあらわれておりまして、それは行政と司法の差、すなわち、租税法律主義を執行しておるというのと司法における権利の侵害から始まる弁護士的な立場とは違うという点から、その表現は用いる必要はないと考えておるわけであります。 〔委員長退席、稲村(利)委員長代理着席〕
○伊藤(茂)委員 福田審議官、そんなことを聞いたのじゃないのですよ。要するに十七年以降、それから戦後シャウプ勧告を含めていろいろな議論があって、この税理士のあり方というのは議論されている。あなた方の先輩の平田さんも二十六年当時、国会において非常にいい答弁をされておると私は思います。そういう中身を三十九年、四十六国会でもあなた方の先輩は、大変当然の内容であると思いますと言われています。あなたは答えがありませんけれども、そういう方向は私は当然至極だと思うのですよ。何も大蔵省あるいは国税庁の下請機関ではありませんから、そうしてまた、納税者の委嘱を受けて権利を守りながら公正にそれを執行していくという使命ですから、あたりまえだと思うのですけれども、あたりまえと思うのかどうかをさっき質問したのです。その辺がいろいろ今度の第一条の表現にもあいまいな点としてつながってくるということだと思うのです。それを答えてください。
○林(義)政府委員 御質問を聞いておりまして、私も非常に感じたのですが、憲法三十条に「國民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」という規定がございます。やはり納税の義務というのが国民の一つの大きな義務でありますし、これをいかに円滑にやっていくかということはひとつ考えていかなければならないところだろうと思います。それじゃ国税庁の言うとおりになって何でも納めるということではこれは当然ないわけでございまして、これは先生の御指摘のとおりでありますし、まさに法律の定めるところによって、やはり適正な手続でやっていかなければならない。そうしたことから考えますと、国民の権利というか基本的人権というか自分の財産権を守るというかそういったものの一方では、代理人としていろいろやっていくことはやはり当然のことだろうと思うのですね。そういったことを果たしていくというときにおきまして、税法が非常に複雑になっておりますから、その中で、うまく国税庁その他に対しても表現していくということは、やはり一般国民からの信頼があるような人でなければならない、まさに独立にして公正なる立場においてこれを主張するというのが税理士のあり方だろう、私はこう思います。そうしたことを考えまして私は、福田審議官の答弁もそんなに先生の御質問と違っておるわけではないと思いますし、趣旨としては、いま私が申し上げましたようなことを条文に書くと、やはりこういう形になってくるのじゃないだろうかと思っておるわけでございます。
○伊藤(茂)委員 次官お答えになりましたが、いままでの議事録をずっと読んでみますと、いままで同僚議員が御質問になったことに対する答弁を含めまして、この前の四十六国会当時の議論よりも非常にあいまいになっているという感じがします。 もう一遍聞きます。これは四十六国会のときに、当時大蔵委員の渡辺美智雄さんの質問でその前の二十六年の国会における議論を引用した。当時の平田主税局長がさっき言ったような、従属機関ではないのだから納税者の権利を守って大いに活躍する、あるいはむしろ、税務当局に独善的な弊害が起こった場合にはそれをチェックする機関として活躍を期待したいと言っていますね。そしてこの前の四十六国会の議論のときもその渡辺美智雄さんの質問に対して木村政府委員は、大変結構、そのとおりという構えであります。ところが、いま同じ質問を私繰り返しているのですが、何かいろいろと抽象的なことを言われているわけです。その辺はもうちょっとはっきり言ってもらいたいと思うのです。 それから、こういうことがあると思うのですね。たとえば一般消費税が大きな議論になっている。大臣の再三のお答えでは、与党内にもいろいろあるようでありますけれども、五十五年度中にはあくまで実施と言われております。恐らく国民的な議論がますます起こるだろう。税理士さん、税理士会あるいは税理士の有志の集まり、いろいろなところでこういうものを研究して、民主的な税制としてこれはおかしいとかあるいはもっとかわるものを考えなければならぬとか、こんなことは当然起こってくるだろうと私は思うのですよ。そういう場合に、抑圧的な姿勢をとるのか、民主的に大いに議論しあってより国民から理解の得られるような税制を考えていくのか、そういう当局の姿勢にも関係をしてくるということだと思うのです。もう一遍はっきり言ってください。
○福田政府委員 ちょっと補足しますが、誤解があったらいけませんが、三十九年改正法のときに答弁がどうであったかいま見ておりませんけれども、税務官庁だけの立場を考えるとか税務官庁が無理をしているときには当然の主張をするというのは、これはもう当然のことであろうと思います。これは専門家としてそれなりの強い主張をしていただくことがまた、われわれのためでもあるわけでありますから、そこには異論ございません。またそれが納税者の正しい立場を守るということ、これは当然のことであります。 前回の改正法もそういう趣旨を含めた中正な立場という言葉は変えないままであったのでありますが、それをあえてここで明確に独立した公正な立場、独立というのは、税務官庁に対しても積極的に主張するという職業会計人の地位をあらわしております。またそれは一方において依頼人に対して、依頼人べったりでない、やはり専門家として適正な判断を下す、両面持っていると思うのですが、それを考えた税務に関する専門家という意味での従来にない明確な形で表現をしておるということでありまして、御趣旨の点は十分に含まれておると考えます。
○伊藤(茂)委員 これだけやっても、時間がありませんから次に移りますが、いずれにしても私は大変不満だと思います。やはりこれから税についての国民の関心も非常に高まってくるでしょう、いろいろな議論が起こるだろうと思います。前にも私は申し上げたことがありますが、そういう中で税と社会、税と国民、いろいろなものをやはりみんなが参加して、理解を得るような方向にどう持っていくのかということが問われている。個々の税制の改革というのはむしろ従の問題だと思うのです。そういう方向に持っていく際に、全体の印象として統制、規制を強めているという印象では、思い切ってむしろやはり前向きの、これからの社会にふさわしい使命規定なり全体の法律があるべきではないだろうかという気が非常にするわけでありまして、福田審議官はいままでのそういう議論は精通しているはずだと思いますけれども、この前の議事録などを読んでいましても大変不満であることだけ申し上げておきます。 次に、第二条の関係で税理士の業務などに関係をしてお伺いしたいと思います。 これも同僚委員からいろいろ御議論ございましたから、重複を省きたいと思いますが、一つは第二条一項二号、大蔵省令で書類の範囲を定める、この辺をどのような考え方、どのような内容の省令として考えていかれるのか。独占業務となる書類の範囲が考え方、中身として不明確になっては困ると思いますから、それが一つ。 それから、青色申告会に関係した御議論はいままでいろいろございました。また実態に変更を加えるものではないという趣旨のお話もいままであったわけであります。ただこれから先、たとえば来年、再来年いろいろな議論がさらにまた、こういう実態のことですからあり得るだろうと思うのですね。ですから、大きな社会変動があるとか、団体の性格その他が大きく変わるということのない限り、当分ではなくて長期にわたって、やはりこういうものについての答弁があったような運営方針で臨まれていくという姿勢でお考えになっているのかどうか。その二つ、お答えください。
○福田政府委員 最初の点だけお答えしますが、第二条第一項第二号の点でございます。 これは税務書類の省令にゆだねる点の御質問であろうと思うのですが、「租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類で大蔵省令で定めるもの」、したがいまして明確にこれは、租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出するという書類に限定されるわけであります。これが法律の規定でございますので、あと省令段階でこの趣旨に合わせたものにしなければいけないということで、今後検討いたしますが、その種のものに限られる。要するに、これは独占業務でありますので、その範囲を明確にするということが大事だろうと思うのです。したがいまして、従来の規定がその辺明確でございませんので、税務代理を含めまた税務相談を含めて、業務の範囲を明確にしておるのが今回の規定の特色の一つで、いまの税務書類の点もその趣旨でありますので、省令においてもそこを法律の趣旨をわきまえたものにしなければいけないということであります。したがって具体的には、いまの法令の規定に基づき税務官公署に出すというものを拾えばいいわけでありますが、届出書、明細書、報告等についてこれを書く予定であります。 具体的内容は今後確定することになりますけれども、たとえば明細書につきましては、債務明細書とか減価償却に関する明細書とか、この種の租税の法令に基づいて税務官公署に提出することを義務づけられているという明確なものを拾っていくということになるわけであります。
○米山政府委員 第二の御質問の点でございますが、今回の改正が青色申告会あるいは商工会等協力団体にいろいろ影響があるのではなかろうかというような点についてでございます。 御承知のように税理士法二条一項一号から三号に規定いたします税務代理、税務書類の作成、税務相談という税務、税理士の業務の範囲は、今回の改正に当たりましても実質的に何らの変更を加えることとしていないというふうに考えているわけでございます。したがいまして私どもは、青色申告会等の協力団体が現在行っております個人の青色申告者に対する記帳指導あるいは決算指導、これは長年いろいろ御協力をいただき実績を上げているわけでございます。こうした点も十分考慮し、これらの団体と税理士との相互の活動分野については、この改正によって特に実体的に影響がないというように考えておりますし、このように指導してまいりたい、このように考えております。
○伊藤(茂)委員 青申会の議論ございましたので、私も何かそれと似たようないろんな団体なり活動が実際にあるわけであります。協同組合の形でやっている団体もありますし、いろんなものがあります。幾つか調べてみたわけでありますが、その中の一つ、具体的な問題でお伺いをしたいのですが、大工さんや左官屋さんの組合、全建総連と申しますが、これは国税庁の方でも御承知のことだと思いますが、大工さん、左官屋さん、それぞれ仕事の性格からいっても、毎日毎日きちんと帳簿をつけたり毎月の帳簿をきちんと整理をする、なかなか実態としては大変なことだと思います。これを組合として、その組合の仕事の第一の任務は、家を建てたり何かする仕事の方を確保するということが当然第一の仕事になるわけですが、幾つかある活動の一つとして納税について、税の申告などについてのいろいろ啓蒙、講習その他の活動を組合の活動でやってきているということがございます。 何かいろいろと伺いますと、各税務署にもあるいは国税庁とも何回か交渉いたしまして、いままでも二十年、三十年にわたってこれらの税申告についての組合員のための活動をやっている。だれでもできるような記帳方法、記帳内容についての講習会をやるとか、組合員をそれぞれほうっておくわけにいきませんから、そういう形の努力をしている。まあ言うならば、そういう学習、講習というのか教育指導というのか、そういうことをいままでもやられてきているようです。何かいろいろとわかりやすく記帳してもらうような大工さん用、左官屋さん用、その他のこの記帳の方法とか何かの資料を伺って、ずいぶん細かくやっているなと思って伺っているわけですが、これらの場合、青市会の場合と同じ扱いだと思うのですが、この法改正によっていまの全建総連の場合、同じような場合ですね、特にいま具体的に申し上げたことについてどんな対応をお考えになりますか。
○米山政府委員 御質問の全建総連の税務に関係するいろいろの活動、私どもも種々伺っているわけでございます。毎年一回所得計算上の問題で所得税の取り扱いにつきまして、これを一定割合を給与所得の収入とみなす金額をどうするかというふうな話し合いを数年に一遍行いまして、この改定を行っているというような大きな仕事もなされているわけでございます。そのほか苦情処理、いろいろやられているわけでございますが、また、事務局員が税務職員の指導のもとでいろいろの記帳指導等も行っているようでございます。 こうした活動を従来私どもも、そうした点税理士法違反にならないように細心の注意を払いながら、そういう御協力をいただいているわけでございまして、今回のこの改正が先ほど申しましたように、税理士の業務範囲に実質的に何らの変更を加えるものではありませんので、今後とも同様な扱いにしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○伊藤(茂)委員 はっきり御答弁を願って、結構だと思います。 それから次に、税理士の資格、第三条以降のことについていままでもずいぶん御議論ございましたので、一、二だけお伺いしたいと思います。 一般試験それから特別試験制度、いままでの経過から見て、現実にはいろいろといままでの既得権利とかそれから利害を調整するとか、いいことがあることも確かだと私は思います。ただこれからの見通しで考えた場合に、納税者の立場に立って考えたら一体どうだろうか。私は二つの要因があるんではなかろうかと思う。 一つは、能力、質の面で一般試験を受けた方と特別試験で来られる方と、これにはやはり甲乙あってはならないということは当然のことだと思います。私も、これについての公平な審査か判断をする機構があってやっているということもないと思いますし、どちらの方が有能であるとかどっちがどうとかというような話も伺うわけでありますが、何か公平に見てお互いに甲乙ない能力と質を持って仕事をしていく、これは両方の制度があっても、納税者の立場から見たら社会的に見ても当然必要なことであろう。 もう一つは、姿勢の問題でありまして、仮に一般試験で税理士に登録された方々が納税者の権利擁護意識が非常に強くて、それから特別試験で来られた方が、いままでの職域の雰囲気もございまして、徴税意識が強いというふうな姿勢の違いがあってもならない。そういう意味でのあるべき公平、よく言われる公正な姿が求められるというのが物の考え方ではなかろうかと思うわけでありますが、その辺のところから見たこれからの運用なりあるいは実態なり、そういう基準に照らしてという意味でどう考えられますか。
○米山政府委員 今回の改正によりまして、特税試験が廃止されまして試験が一本化されたわけでありますが、この場合におきましても、税理士業務というのが税務官公署との税務折衝を中心として行われるということで、専門実務家としての業務でありますので、やはり経験に富んだ者をこの中に資格を与えて加えるということは当然配慮していただく必要がある、こう思っておるわけでございますが、これと同時に、資質を落とさないようにということで今回いろいろの条件を加えた上で、しかもむずかしい一般試験と同等の程度の会計学の研修を行って、それを終了した者について資格を与えるということにしておるわけでございまして、私どもとしましてはこうした措置により、一般税理士試験を受けた方々とそういう面で水準が特に変わるということはないと考えておるわけでございます。 私ども国税局、税務署等の実務で、各種の資格によって税理士になられた方々が、特に一般試験を受けられた方が納税者のために権利擁護に非常に努められ、特税試験を受けあるいは元国税職員であった者が特に徴税的であるということはなく、それぞれ人の個性によっていろいろあるわけでございますが、私ども従来から見てそういう態度は変わるということは特に聞いてはおりません。
○伊藤(茂)委員 皆さん方は法律をつくられた立場ですから、当然そう言われるでしょう。またそういう御意見私も伺います。それから、そうでないような話も伺うわけであります。世の中当然そういうこともあるのだと思いますけれども、ただ私は、社会的に責任と信頼のある税理士会をつくっていくためには、メルクマールのようなことをさっき申し上げましたけれども、そういう方向に発展するように指導なり協力なり、税理士会自身もそういう努力をやっていく、そういう方向の考え方を常に持っていただくように要望したいと思います。 それから、関連をしてもう一つ試験制度で伺いたいのは、西ドイツの場合との比較です。 先ほどの御答弁の中でも、西ドイツとアメリカ、二つの場合についていろいろと研究なさっているというお話しがございました。西ドイツの場合は私も調べてみたのですが、先ほどのお答えの方ともう一つ問題があるように思うのです。これは日税連がおやりになった西ドイツの税理士制度の調査報告、昨年五月出されているものですが、さっきお答えがありましたように、試験科目なり受験資格、試験免除の内容なりということはさっきお話がございました。そのあとに税務職員の資質とその実態、それから退職税務職員と税理士との関係などについて述べられています。 ここはおもしろかったのですが、たとえば西ドイツの税務職員の場合は八五%が大学の法学部卒業者である。学校制度よくわかりませんが、聞いてみますと、旧帝大クラス、非常にランクが高いというお話も伺うわけでありますが、それ以外の者も二年間職業専門学校で教育をされる。そして、わが国の学校制度と異なって、特に大学については比較にならぬほど数が少なくて簡単に入学ができないので、非常に能力の高いエリートの部・類に属する。また、このうち税務職員の中の税理士の資格者はわが国と比べて非常に少ない。 それから、退職税務職員と税理士との関係という項目を読んでみますと、「西ドイツにおいても高度経済成長の時代には退職者が多かったが、最近は税務職員の給与が大巾に改善されたことが理由で定年前の退職者の数が減少した。従って退職者の税理士業界進出による過当競争はない。」今度の法案に関連をしたいろいろの議論と比べますと、うらやましいような状況のことがこの調査報告に書いてあります。 先ほど受験資格とか試験科目とか試験免除とかお話があったのですが、そういう実態、私は税務職員の月給も非常に高いという話ですからいろいろな意味で望ましいと思うわけですけれども、そういう実態面を含めた各国との比較、そういう面から見たわが国の制度のあり方というものを検討なさるべきではないか、あるいは当然御承知のことだと思いますから、その辺をどうお考えになっておるのかということと、もう一つ技術的なことですが、五年間の経過規定ということになっておるわけですが、これが特別試験制度を六年目以降は完全に廃止をするということになるのかどうか、お答えください。
○福田政府委員 後で次長の方から実態的な御説明があろうかと思いますが、試験関連での基本的な考え方は先生おっしゃるとおりで、やはり同等の一般試験であれ、今回の科目免除ということで吸収されておりますが、これは一般試験というふうに制度としては合理化されたというふうに考えます。この水準が同じであるということ、及びその出身によってその辺の考え方の差があってはいけない、これは第一条の趣旨によって、税務の専門家という意識が一番大事であろうと思うのですね。その専門家であるというところが試験の程度の問題であり、人格の問題であり、またそこは研修というものをやらないと本当の実力がつかないわけでして、試験だけ通って本来のこういう大裏な仕事がやれるかとなると、そういう意味で今度は、税務出身の方のところは研修で実力を高めるというところが非常にポイントだと思うのですね。 それからもう一つは、今度の改正で税理士さんにつきましても、研修というものが会則の方に入っているわけです。こういう実力をつけること、これがやはり税務の専門家ということにこたえられるわけでして、第一条の趣旨は、抽象論よりもそういうところでずっと一貫されておりますので、いまの試験問題もその一環であろうと思います。 後の西ドイツの問題は、水準の問題を御指摘になっていると思うのですが、非常に高い、これはアメリカにおきましても同じことです。それから、各国全部といいますか、主なものはわれわれ調べておりますが、税理士法を持っているのはドイツで、アメリカは法律があって、あとは規則の形で実体的な税理士法を持っています。水準は非常に高い。それからフランス、英国もあります。その辺の制度は違いますが、英国は公認会計士というのが基本になっていますが、いずれにしろ相当の水準を持ってやっておることが信頼を、納税着からも税務官庁からも得ておるということであります。したがって、その信頼にこたえないような行動をやった場合には、また非常な社会的な批判を受けるといううらはらの関係にあるというのが特徴であります。 ドイツの場合、一般試験は相当厳しいわけです。それはもうすでに答弁いたしましたので割愛いたしますが、税務の方で免除になる場合の規定につきまして、これもこの間申しましたが、十年以上の税務官庁における専門官の長、これは一般大学卒業程度で、相当高いところで入った上級職職員の方の年数なのです。もう一つが十五年以上税務官庁において専門官、これは税務署の係長クラスですが、税務を担当した中級職職員、これは税務大学卒業程度の水準を意味しているようであります。それで、中級職職員というのは、高校課程を終了いたしまして大学入学資格がございます人が税務官庁に採用される。高校卒で大学入学資格を持っている者が税務官庁に入るという水準の方が中級職です。それで採用になりまして、税務大学で三年の研修を受けるという方々が十五年以上という資格認定になっています。 この辺も、各国のいろいろな比較の際にはわれわれは見ておりますが、アメリカの場合はまた年数が短い。これは各国水準の問題も絡みますけれども、それだけの需要があるかどうか、また、いろいろな社会的な環境から決められる問題ではありますが、今回の改正ではむしろ、比較的厳しい年数を課しておるのじゃないかという感じがします。
○伊藤(茂)委員 次に移りますが、さっきも申し上げたように全体として、統制、規制的な色彩が強いのではないだろうかという気がしますし、いままでの質問でもそういう御指摘がございました。私は逆に一項目ぐらいは税理士の権利という項目があっていいのじゃないか、そういうものが単に倫理的な意味での権利というだけではなくて、実体上、また税理士のあるべき使命に沿うような方向での権利の規定というふうな項目があっていいのではないかと思います。そういうものが一つもありません。基本要綱などで具体的に要望されていたわけですが、たとえば税務調査の事前通知とかあるいは更正前の意見聴取、理由聴取、資料の謄写、閲覧とか、こういうものを権利として認めるということがあっていいのだと思いますが、基本要綱に要望がありましたがこれは認められていない。どうしてでしょう。それから、少なくともこのような公正な活動上必要な権利を認めていく、またそういう前向きの運用をしていくということがあるべきではないだろうかと私は思いますが、いかがですか。
○福田政府委員 後半は次長が御説明しますが、今回の改正でメリットの点と申しますか最大の点は、やはり包括規定で税目につきましては税理士が本来所掌する点は、業務範囲の拡大の最たるものであろうと思います。これは前回の三十九年法にもございまして、別に新税の具体的なものを意識したものではございませんで、先ほどのように税務の専門家であるという点からくる地位の確認であります。従来は税目が限られておりますので、その辺に支障がございまして、また、税理士の地位についても税務の専門家の認識がなかったわけでございますが、この包括規定になったのは大きなプラスであろうと思います。 それからあと公認会計士との関係で、通知公認会計士の問題が登録即入会という原則を貫いたというのは相当な進歩であろうと思います。ここが一番問題のあった点でありますが、この辺も御評価願いたいという気持ちがいたします。これは一番の進歩であると思います。 それから書面添付の問題も、税理士が専門家として他人のつくった申告書が税法に沿っておるか審査をするという、専門家の立場、地位の向上を確認しておるわけでありまして、この辺もはっきりした前進であろうと思います。 それから同時に、会計業務をやっておりますけれども、それを明確にしておるということも、会計人であるということを認識していただくという意味で、やはり税務の専門家の具体的なあらわれであろうと思います。 それから懲戒手続においても、これは慎重に手続を踏むということをやっておる。それからほかの監督権等につきましては、ほかの業法とのバランスから見れば決して厳しい方ではございませんで、定款の変更等を見ますとむしろ緩い方に属しております。したがって、この辺は全体としてはむしろプラス面が大きいと考えておりますが、御指摘の具体的な点については、後で次長の方で御説明をいたします。
○米山政府委員 積極的に新しい権利、たとえば事前通知、更正前の意見聴取、証拠資料閲覧請求、こういうものをもっと取り込むべきであるという御趣旨の御質問と思います。 この一点につきましては、税理士会等の検討の席上、われわれといたしましてもいろいろ検討したわけでございます。しかしながら、たとえば事前通知の問題でございますが、事前通知につきましては実際上、法人税あるいは所得税の調査につきましても、法人税の場合は約九割、所得税の場合につきましても八〇%以上事前通知を行っておるわけでございます。しかし、これを必ず全部についてやれということは実際上なかなかむずかしいわけでございまして、これを事前に通知した場合には調査上非常に支障があるというふうな場合もあるわけでございます。したがって、そういう場合には本人にとても通知するわけにいきません。本人に通知できないものを税理士にも通知しろということは合理的でないわけでございまして、われわれは実行上、いまもできるだけ九割近いものをやっておりまして、本当に通知してないものはいろいろ問題があるもの、こういうふうにお考えいただきたいと思います。 それから更正前の意見聴取につきましても、三十三条の二の書面が添付されているものにつきましては、その事項につきまして更正する場合には原則として事前にそれを説明する、こういうことになって、税理士に意見を聞いているわけでございますが、そういうものもないものについてすべてするというのは、どの程度関与しているかどうかわからないわけでございまして、これは全部についてやることはなかなかむずかしい。 それから資料閲覧の請求につきましても、これは取引先がいろいろ関係がありまして、守秘義務の問題あるいは調査上非常に支障があるという問題もございまして、その証拠資料の閲覧請求もなかなかむずかしい、こういうことで、十分検討した結果、こういう結論になったわけでございます。
○伊藤(茂)委員 いずれにしても、民主的な税理士制度、税理士会がその活動をする、それが発展をするという方向に前向きにやはり協力をするという姿勢を持って運用していただきたいということです。 時間ですから、最後に一問だけお願いして終わりたいと思いますが、先ほど来、助言義務の問題とか使用人に対する監督義務とかということと関連をして、倫理規定である、倫理規定的なものであって当然、こういうことはあるべきであろうし、また、この規定があるから強引に何か刑罰を執行するという姿勢で臨むわけではないというようなお話がありました。私はこの考え方の問題、非常に疑問を持つのです。やはり倫理的に当然であるからということで規定を設けるならば、航空機汚職の問題を初め山ほどあるわけですから、ある意味では警察国家的な規制法律を山ほどつくらなければならぬということになってくるのじゃないか。そういう規定がなくてもやはり民主的に正常に機能している発展方向が一番望ましいというのが近代国家の姿だろう。その辺を、何か上から取り締まるような姿勢、発想で、倫理規定として当然とか必要であるとかいう感覚になる、その頭をぜひ切りかえていただきたいというふうに思うわけです。 ですから、これがなければどうしようもないというほどたとえば税理士さんの使用人、現実問題としてたくさんの問題が起きているということなのか。あるいは、この助言義務の問題でも、現実には戒告という程度という話も前にございましたけれども、やはり社会的に戒告になったということの持つ仕事上の意味というのは、何か非常に悪いことをしているのじゃないかというそういう意味での現場での重みというのは非常に強い。ですから、こういうものを出したことによって、使用人の問題にしろ、助言義務に関連した税理士さんにしろ、日ごろ悪いことをやっているのじゃないかとかあるいはこれによって納税者との信頼関係が失われるとか、そういう弊害の方がむしろ大きいのではないだろうか。ですから、倫理規定という意味でつくる必要があるという考え方ではなくて、実態、大変あるからこれをつくらなければならぬということなら別ですけれども、現実はそうではない。そうではないなら厳しい規定を置かないでも、やはりちゃんといける方向に税理士会の方も皆さん方も努力をしていくというのが近代社会における当然の姿ではないだろうか。条文の個個のことを申し上げるのではありませんけれども、そういう物の考え方ですね、その辺、非常に疑問を感じますので、一言お答えください。
○福田政府委員 これはやはり税務代理という特殊な納税義務の実現に絡んでおる職種であり、独占権を与えられておるという点からくるまた国民の目があると思うのです。したがいまして国民から見まして、やはりその辺が適正に社会的な責任を果たしておるということの倫理規定と申しますか、当然のことではありますが脱税相談の規定があれば、それに至るもう一つのバランス上の二重帳簿等の仮装、隠蔽というような場合に注意をするという当然の規定があってなぜいけないかという種の国民全般の批判は、社会的には最近ますます強いのではないかという気がします。 それから使用人の問題も、やはり実態から見ますと、一人で七十八件から持っておるという場合における納税者の方から見ましての自分の申告書をどこまで見てもらえるかという、そういう依頼者及び国民全体への社会的批判に対して倫理規定の持つ意味というのは、非常に大きいと私は思います。 それが直ちに懲戒になるというふうに考える必要はないので、それはこれ以上幾つも書くという問題じゃございませんで、税務の特殊な性格から来て、また具体的に問題のあるケースを頭に置きながら書いてあるということにおいて、それなりの社会的な意味が非常に高いと私は考えます。
○伊藤(茂)委員 時間ですから終わります。
○稲村(利)委員長代理 村山喜一君。
○村山(喜)委員 できるだけ前の質疑者とダブらないようにいたして質問をしてまいりたいと思います。 今回、税理士法の改正が行われるわけでございますが、日本税理士会連合会では、現段階では最上のものだ、こういう評価をしている記事がございます。なるほどいま審議官の方からお話がありましたように、この事業分野の拡大の問題やあるいは公認会計士の通知制度の問題、さらにまた会計書類等の作成の問題や書面添付の問題、あるいは懲戒処分に当たりまして審議会を設けるというような中で、これも審議会の構成によりますが、自主的な決定ができるような形ができているという点においては、確かに前進をしている面もあると思います。 しかしながら、いろいろな動きがございまして、日本公認会計士政治連盟の機関紙がございますが、それを見てみると、改悪阻止、この審議を十分に注意して見守ろうという見出しでございます。なお、税理士法改悪反対中央連絡会議あたりの方からは、これは大変な改悪案で何としても廃案にしなければならぬ、こういうような大変強い意見が出ております。 そういうような声を聞いておりますと、一体今度の税理士法改正案というのは改正なのであろうか改悪なのであろうかというような気がいたすのでございますが、なぜそういうような税理士業界内部から反対の声が依然として強いのかということについては、どのようにお考えでございましょうか。
○福田政府委員 今回の改正というのは非常にむずかしい過程を経てきております。それは業法でございますので利害が絡むということで、さきの公認会計士の問題、行政書士の問題、その他の関係業界との調整、さらに関係各省との調整は、相当な過程を経てきております。 やっとここまで至ったわけでありますが、税理士会につきましては、正式な機関である税理士会連合会を折衝の相手にせざるを得ないわけでありまして、その一方についてわれわれがどういうふうに対応をするかということでこれができ上がっておるわけであります。したがって、正式の機関である税理士会連合会は民主的に運営をされておるという前提で考えざるを得ませんし、そこで申し出ています改正意見というものを検討するという態度できております。 この中でどういう意見があるか、これはわれわれも承知いたしております。いろいろなものを持っておりますが、これはその中で十分な議論を経た上で会として意見が出ておるものと考えますので、その辺は、関係業界との調整というときには正式機関を相手にせざるを得ない、そこで調整をしなければ何もまとまらないわけでございまして、ここでこの決をつけない限りはいつまでたっても改正はでき上がらないと私は考えます。したがって、そういう意味で一部の意見はございますが、それはその会の中で検討を経たもので正式の機関の意見としてわれわれは折衝の相手としてきておるということは、やむを得ないところであろうと思います。
○村山(喜)委員 今回の改正案の質疑を通じまして、そういうような危険性、問題があると指摘をされておるものに対する答えが出て、納得ができあるいは了解が得られるものが生まれてくることを私は期待をするわけでございますが、次の点について質問をしてまいりたいと思います。 まず第一の税理士の使命でございます。ここに大分古い、これも国会図書館から探してきたわけでございますが「税理士法逐条解説」、これは昔の法律が改正されたころにつくられたものでございますから昭和三十三年、二十年くらい前の話でございます。その中の現行の第一条の改正の解説を書かれたのは、当時だれがそういうような解説を書いたんだろうかというようなことであけてみましたら、執筆者は桜井四郎さんという前の大蔵省主税局税制一課課長補佐、こういうようなことでございました。 これを読んでみますと、税理士というのは税務の専門職業家であって、税務官公署と併立をし、広義の税務行政の一端を担うものである、だから保障と規制、そして申告納税制度の発展を図るためにそういうようなことが規定してあるのだ、こういうふうに書いてあるわけでございます。それは国税関係の税務官公署の期待にこたえることもまた当然だ、こういうような解説がございまして、それに対して「業界意見」は、これは民法の委任に基づいた関係にあるのだから、税理士は依頼者のために租税法上の権利を保護しなければならないという立場から解説をされて、その当時から法の解釈に対する態度が変わっておることがわかります。 そこで、この前大島委員の質問に対しまして福田審議官は、これは現行の第一条と趣旨は同じなんだ、こういうような説明をなさったことがあります。そこで私は一体、税理士の使命というのはどういうものだろうかということで今回の改正法案の中身を検討いたしてみたわけでございますが、これも田中二郎先生が「租税法」という法律の本の中に書いていらっしゃるのに、税理士の第一義的な任務というのは、納税義務の適正な実現を図ることが第一の義務なんだ、まことに今回の改正案の中に書いてある文句そのとおりの表現がございます。そこで独立した公正な立場というのは、専門家として見識のある判断であって、委嘱者としての納税者そのものの立場ではないのだ、こういう説明がございます。そこで私は今回の表現は、従来から言われておりました「中正な立場」というものよりもやや、納税の義務者、これに対する権利を擁護するという税理士の立場から、その趣旨を少しは前向きの形で表現されたものだ、こういうふうにも受けとめるわけでございますが、それはどういうようなことでありましょうか。というのは、信頼にこたえるということとそれから専門家としての見識ある判断という問題は、そういう立場から読み取るべきではなかろうかと思いますので、その「独立した公正な立場」というのと「中正な立場」との違いはどのように受けとめて表現をなさったのか、これが第一点でございます。 それから、先ほどから聞いておりますと、税務に関する専門家だということでございます。税に関する専門家ではなくて税務に関する専門家だ。では、その「税務」というのは一体何だ。これは辞典を引いてみました。そうしたらなかなか出てこない。法律用語辞典を探したら、税務訴訟という言葉と税務行政という二つの言葉の解説は出ておりました。それから、広辞苑を広げてみましたら税のことが書いてありました。そこでもう一つ、新潮国語辞典というのを見てみましたら、これはこう書いてあるのです。「租税の賦課や徴収に関する行政事務の総称」が税務である。ということは、税務という中身は、単に税ということではない、そういうふうに考えた場合には、「租税の賦課や徴収に関する行政事務の総称」だというとらえ方でここに出しておいでになるのか、その解釈はどういう解釈であるのか、この税務の解釈についてお答えを願いたい。
○福田政府委員 第一点のお答えは、繰り返しになるかもしれませんが、「中正な立場」というのがわかりずらいという点を明確にし、さらに、その地位向上について方向を明らかにしておるということであります。 中正というのは中立公正、中立は独立という言葉になるかもしれませんが、そのよって来るゆえんは、委嘱者と全く同じ立場でなくて、税務専門家、この税務のことは後でお答えいたしますが、専門家としての立場からの意見をそこに加えるということで独立公正の立場が出てくるということで、「税務に関する専門家」がくっついて「独立した公正な立場」というふうになっておりますところが、専門家として、自由職業人としての地位が向上していく、それが最大の今後の方向である、これが外国でも見られる独立のよって来るところであります。 委嘱者との関係は、この条文がなくても、報酬をもらっての依頼、民法の代理がございますので、これは委嘱者のためにやっていることは当然であるということは前提にございます。ここでは「使命」ということで、それに対して一つの見方がもう一つ要るよということで「使命」と書いてあるわけで、納税者のためにやるということは当然に前提としてあるということであります。 第一条のそういう独立公正な立場での判断が加わる理由は、やはり適正な納税義務を実現するという特殊の仕事をおやりになっておるということから来るわけで、それがまた独占権の与えられている理由でもあるわけでして、納税者の立場は、適正な納税義務の実現というところで、適法、合理的な課税が行われるということを専門家として援助するわけですから、過大な課税がここで行われないということを適正な納税義務の中に含めておるわけでございます。それが納税者の信頼にこたえるということであるわけで、これは本当の意味の委嘱者との信頼関係であろうと思うのです。 そういう意味で、この規定自体は、従来の規定の趣旨をもっと明らかにして、職業会計人としての地位の向上、また、それによって来るいろいろな社会的な評価の今後の高まりを期待しておる、それがわれわれとしても税理士を尊敬し、その意見を尊重する、また、税理士の方も見識を持ってわれわれに意見を言ってもらうという、対等で緊張した関係というのが本来のあり方だろうと思うのです。 そこはそういうふうに御理解いただきたいことと、従来の認識をさらに高めておること、それが権利擁護という問題にまで行くかどうかは、私が繰り返しますように、司法と行政の違いということで、弁護士法とは違うということが大事であろうと思います。常に国が侵害をしておる、それに対して対抗するという認識はわれわれとしてはとれないところであります。 それから、税務に関する専門家のところでございますが、これもわれわれ立法過程でいろいろ検討いたしました。税法としますと非常に狭くなります。税務とやりましたときに、最後におっしゃったような感じにわりに近いのですが、税法の解釈とか適用というのが主眼になります、これは専門家ですから。さらに、その判断を加えるに当たっては、実務の経験というものが非常に大事になるわけであります。したがって、税務という実務面というか、具体的な判断をして、学者じゃございませんから、その辺の税務の行政もしくはプラクティスに通ずるという意味の税務という普通の税法以上に広い立場、そこで税務官署との具体的な事例の折衝が行われるわけでありますから、そこは法律的になかなかきちっとは申し上げられませんが、税法以上には広く、実務面を加えながらの納税者に対する援助ができるという専門家であるというふうに解しております。なかなか言葉を狭くしていいのか、これはおっしゃっているような常識的な専門家の立場であろうと思いますが、あくまでこれは会計人というよりも会計人のさらに税務についてというものがございませんと、また公認会計士の問題が出ますので、税務に関するというものが冠せられておるわけであります。
○村山(喜)委員 何が何だかわからぬ。それは次の問題でただしてまいりますが、広辞苑の中で、税というのは一体何だという説明が書いてあります。それは、「国費・公費支弁のため、国家・地方公共団体の権力によって、国民から強制的に徴収する金銭など。」これが税である、こう書いてあります。 そこで、「租税法律関係は、租税行政庁と納税者との関係」で、この中で税理士の立場というものをとらえなければならない、これは日本大学の北野弘久先生の所見でございます。この関係の中で、中立という立場が一体あるのだろうか。中間の立場というのがあるのだろうか。それは要件事実の認定や税法規の解釈をめぐって納税者の立場に立って、そして租税当局といろいろ交渉をしなければならない、こういう点から考えた場合には、中立というのはあり得ない。中正という立場もない。したがって私は、独立した公正な立場というものの方がそういうような税というものをとらえる角度によって見た場合には、この立場からするならば前向きに前進をしているのじゃないだろうかというとらえ方をしたわけでございますが、それは違うのでしょうか。
○福田政府委員 ごもっともだと思います。 その独立、中正というのは中立ですから、中立と独立は同じだという、日本語というのは非常にむずかしい気がしますが、そこに専門家という言葉が入ったことが職業人としての独立性の判断の前提になっていますから、それは依頼人からもまた独立する。依頼人が無理なことを言いましても専門家として判断を言わなければいけませんから、そこはやはり依頼者からの独立の問題もありますし、また税務当局に対しては当然、その独自の立場で専門的な知識を渡り合う、それから良心の独立という問題がここで職業人としての立場からあらわれておるというのは、従来よりは進歩であると思います。
○村山(喜)委員 そこで次の条項に入ります。 第二条ですが、税理士の業務ですね、この中で、付随業務の確認とかあるいは対象税目の拡大がなされたことは同慶にたえませんが、なぜ法定外普通税は入らなかったのでありましょうか。といいますのは、これは自治省の方に尋ねました。法定外普通税で県税関係が二種類、核燃料税というのは五県にまたがるわけですが、それに石油価格調整関係の税が沖繩一県、それから市町村関係は四十八あるようでございますね。 いま大平内閣は田園都市構想、地方の時代、この前の統一自治体選挙では地方の時代をめぐりまして大変論争が行われました。まさにそういうような時代をこれから迎えようとしているわけです。その場合に、なぜ法定外普通税というものは税理士の業務の対象に入れないのであろうかという点が不思議でならないのでございますが、それはローカル的なものだからということで排除なさったのでございましょうか。
○福田政府委員 三十八年十二月の税調の答申の中で、法定外普通税の問題に触れておるわけでありますが、これは法定外普通税は包括税目の中から外すという今回の最初の政令に該当するところで扱われておるわけであります。 その趣旨は、「特定の地方にだけ適用される特殊な税目にまで拡げることは、いたずらに制度の運用の複雑化を招くのみであまり実益がない」こう言っておりますが、これは税理士法というのは一貫して規定がずっとございまして、税務代理があり、税務書類の作成、税務相談、こうあって、あと懲戒とずっと全部の規定があるわけでありますが、やはりそれになじむ税でないといけない、税理士さんがそれに関与する実益のある税であるかどうかという問題に内容的になるわけであります。 いま御指摘のありました法定外普通税の例でございますけれども、これが税理士の方の専門的な、特に会計的な知識を要する分野であるかどうかということの問題だと思いますが、例を申しますと、核燃料税と申しましても、これは非常に限定された、また通常の税とは違う、企業会計的な問題のない種類のものでありますし、石油価格調整税もまた特殊の税だと思います。市町村税に至りますと、犬税とか商品切手発行税、それから広告税とか文化観光施設税、これは入り口で取るわけですが、あるいはヨット・モーターボート税、砂利採取税、別荘等所有税。これを見ますと、法定外ということで認められますものは非常に限定されました特殊なもので従来あるわけであります。 今後地方への財源がどうなるか、この問題は……(村山(喜)委員「簡単でいいです」と呼ぶ)別の問題でありますが、いまあります法定外普通税から見ますと、これは本来の包括規定になじむものかと申しますと、これは税理士法の全体から見て適当でないということで、最初から除外されておるということであります。
○村山(喜)委員 次々尋ねてまいりますから、簡単なのは簡潔に説明願います。 次は第四条ですが、欠格条項の七号、八号、九号等の処分確定日を処分を受けた日に変更しなければならなかったその積極的な理由というのは何がありますか。この中身は懲戒処分ですから、これは秩序を維持するための処分だ、それには時効はありませんね。ということは、いつでも発動ができるということになってくると思いますが、それに対する対抗手段というものは一体何があるのか、そして救済措置はどういうふうに講ぜられるのか、この点についてはどのように措置をされようとしているのか。 〔稲村(利)委員長代理退席、綿貫委員長 代理着席〕
○福田政府委員 効力発生時期につきましては、これは行政処分でありますので、行政罰としておのずからその程度は限られておるわけであります。ここは刑事罰との違うところであろうと思うのですが、これは行政秩序の回復ということに主眼があるわけでありますから、ここは敏速に発効しなければならない趣旨の処分であります。ほかの業法もすべて懲戒処分は懲戒をしたときに発効するということになっております。したがって、行政法の一般的な考え方に沿ってここを改正するということをやっておるわけでありまして、これは三十八年十二月の答申でもこの辺、そのとおりに引用しておりまして、前回の改正法もそうなっておったわけであります。 それで、次の御質問は除斥期間の問題かと思うのですが、これは懲戒処分をするのにその時効が行政官庁に必要ではないかという御質問だと思います。現在ございますのは弁護士だけでございます。弁護士は監督官庁がございません。監督官庁がなくて懲戒処分をやる。これは行政処分ではないのですが、弁護士会が行うわけでありますから、弁護士会としてやはりそこで自主規制が働かないといろいろな問題が生ずるという意味で、司法の分野における特殊な弁護士の地位からくる監督権のなさを除斥期間という考えで保護しているわけであります。ところが行政官庁の方は、行政罰として、行政秩序の回復ですから、それは行政官庁の責任において合理的な判断を加えるわけで、情状とかいろいろな事情を考えてそこで処分が行われる。しかも今回の改正は、ほかの立法例以上に懲戒処分の手続を慎重にいたしております。したがって、そういう慎重な手続を経た上で決まったものは、そのときに発効しないと意味がないということになります。 この救済手段でございますが、これはそこで発効するということを前提にした上で行政不服審査法もしくは行政事件訴訟法等による救済の手段が講ぜられておるわけでございまして、その制度があるということは、・行政処分は処分のときに発効するということを前提にしておるわけであります。したがって、この効力発生時期松今回のような改正になり、一方また除斥期間がないというのは他の立法例と同じことでございまして、公認会計士等も同じ仕組みになっております。
○村山(喜)委員 次に、第八条の試験科目免除の問題でございますが、これは十年なり十五年税の徴収等に携わり、あるいは直接担当でない他の部門に働いた者等については、現行の税の科目の中から試験を免除するというものでございます。 実態面からいいまして、たとえば所得税関係を五年なら五年一生懸命やっている、なるほどそれはマスターをしていけるだろうと思います。あるいは相続税関係を五年なら五年やった。ところがほかの法人税関係の方はやった経験が全然ない。しかし三科目はとらなければならないわけですから、そういう意味では、行政実務に携わった期間の中で徴税事務に携わったからといって、自分が直接やった経験もない者に試験の免除をするというのは、税法一般についてマスターしているという証明が一体できるのだろうか。現行法はそのとおりやられているわけでございますから、それはどういうふうにいままでの結果を総括をしておられるのだろうかということが第一点の質問でございます。 それから第二点は、附則によります会計学のいわゆる財務諸表論と簿記論でございますが、これについては筆記と口頭試問がある。その中で、百点ずつだといたしますと、加算点が四十点ありますから、筆記で八十五点の点数を取った場合には、加算点を入れて百二十五点になる。百二十五点になりますと、二百点の六〇%、百二十点分を超えておりますから口頭試問は免除される、こういう仕組みになっておりますね。もう一つは、経験年数によりますそういう特別加算点がございますから、その持ち点を加えてまいりますと、これもまた非常に取りやすくつくられておるわけです。とするならば、今日の附則によりますそういう特例試験の受験の状態は、通るように、通らない方がおかしいのだという形、そういうふうに運営をされているのではなかろうかと私は実態面から見るのでございますが、何%通って何%落ちているのでしょうか、あわせてお答えを願いたいのです。
○米山政府委員 三つの御質問だと思います。 直接賦課に当たっている者以外に、経験年数が長いからといってなぜ税法の免除を行うかというのが第一点だろうと思います。御承知のように、税務というのは非常に関連し幅の広いものでございまして、やはり徴収の職員でありましても所得税法なり法人税法なりの知識を持っていなければ、その職務を十分に達成できないというものでございます。ただその場合でも、面接賦課に当たっている者と全く同じにするというのは問題でありますので、経験年数を長くすることによってその点をカバーしているわけでございます。 第二の特別試験の問題でございますが、これは御承知のように三つのものから成っているわけでございます。第一は筆記試験でございます。これは十間中四問、特に税務職員については会計学は必ず二問とる。四問で一問五十点ということで、満点になりますと二百点になります。それから口頭試問が、会計学二科目、税法六科目のうち、特に税務職員は会計学の実務について選択制一科目について行う。これが百点。両方合わせて三百点でございます。三百点のうちの六割、試験で百八十点取れば合格ということになっております。しかしながら、最初からるる申し上げておりますように、税理士業務というのはすぐれて実務が必要な職務でございまして、税務経歴、税務の職場における経歴というものを尊重する、こういう趣旨で設けられたものでございますので、税務職員としての勤務年限をさらに参酌するということになっておりまして、この参酌点は、勤務年数二十年までで三十点、以後一年増すごとに三点、すなわち三十年勤めますと六十点加えるということで、いま筆記試験、口頭試問でもし足りない場合にはこの参酌点を加味して、それで百八十点取ればいいということになっておりまして、いま申し上げましたように、これは実務経験を尊重するという特別試験の趣旨から出たものでございます。 第三番目に、この試験はできるだけ通すためのものかどうかということでございますが、試験であります限り、やはり成績が悪い者は落とす、一定の水準にあった者を拾うということでありまして、無理に落とすことも無理に救うこともいたしておりません。(村山(喜)委員「合格率は」と呼ぶ) 特別試験の合格率を申しますと、五十三年度の受験者は八百六十一人でございまして、その合格者は六百八十七人、したがいまして、合格率は七九・八%になっております。
○村山(喜)委員 大体八割ぐらいは合格をしておるわけですね。 そこで、今度新設の十号、二十三年、二十八年を超えた者の中で、しかも幹部職員で、そしてそれは研修を受けて修了をしなければならない。研修の結果は、これは認定をするわけでしょうから、認定については考査をやられるわけでしょうか。考査をやられた場合に、その点数は七十点以上でなければ修了の認定はしませんよ、こういうふうにお考えになっているのでしょうか。とするならば、いまのこの附則によります試験よりもそちらの今度の研修修了の認定、こちらの方がむずかしくなるのではないかという見方がありますが、それらの関係はどうなりますか。
○米山政府委員 御指摘のようにこの研修は、会計学に属する科目の合格者、すなわち一般の税理士試験の会計学に属する科目の合格者と同等程度の学識を習得する、そういう水準の研修と認めたものを修了したというのが資格取得の要件になるわけでございます。したがいまして、これは現在よりむずかしいかやさしいかというのはなかなか判定がつきにくいわけでございます。しかし、あくまで高い水準の研修をしてその目的達成の水準と見られる程度の成果が上がった、こう認められる者に限って資格を与えるわけでございます。これが現在の試験の点数七十点というもの、このいまの認定の結果七十点であるかどうか、これは今後税理士審査会等が具体的な基準を決める際に決めてまいる問題だと思いますが、いま申しましたように、高い水準の研修を修了したと認められる者でない限りこれに与えることはない、こういうふうに考えております。
○村山(喜)委員 今後そこら辺はみんなが注目をしておるところですから、われわれも検討してまいりたいと思います。 そこで、今度十三条のなにで、試験の「細目については、大蔵省令で定める。」こういうことになっておりまして、いままでは税理士の試験委員があり臨時試験委員がおって試験をやっておった。そこで、その細目に関連をいたしましてお尋ねをいたしますが、五月二十一日の日付ですが、二十四日に大蔵大臣あてに紙子久雄という税理士の方が、外百十三名でございますが、請願書を出されたわけでございますが、それは受け取られて中身を検討されましたでしょうか。
○米山政府委員 いまお話にありました請願書は私ども受け取りまして、その内容を十分検討しております。
○村山(喜)委員 そこで私は、その中身に若干立ち入りまして質問をいたしたいと思いますが、どうも一方的に相手の名前を申し上げて、そして論議をするという時間のゆとりもまた相手の反論もお聞きをしない中では、その該当者の名前はこの席では申し上げません。しかしどうも、五十三年度の財務諸表論は解答不能の欠陥問題ではないか、しかもそれは盗作ではないか、こういうような指摘がされているわけでございます。 私も全体の総括の中で、損益勘定の貸借の不突合の問題やらあるいは貸借対照表の不突合の問題を見てみましたが、この会計学の試験というのは、これはやはり税理士の試験委員を選ぶ試験ではないわけでございますから、税理士の試験を受ける人たちの試験だとするならば、答えが一つ正確なものが出てこなければならないはずだ。ところが、仕分けがどうもうまくなされておりませんのでそういうような結果が出てきている。とするならば、一体この方は、出題者は、そういうような意味では出題の前に検討をされたのであろうか。損益計算書作成をするときには、必ず貸借対照表を作成をしてみる、精算表でこれを確認してみる、それは問題を作成される常識ではなかろうか。こういうようなことから見まして、どうも問題を検討する機構というものがなかったのではないだろうか。 さらに問題になりますのは、模範解答というものを臨時試験委員に出させて、これはすぐに出せというわけじゃございませんが、そういうような意味から会計学の識者の討論に付するという考え方はないのか、また、試験委員及び臨時試験委員の選任に問題があるのではないだろうか、そういうようなことが気がつきます。そこで、これについては検討をされているという話でございますので、全然問題はないというふうな結論を得ていらっしゃるのかどうか、これが第一点です。 第二点は、五十一年度の簿記論は常軌を逸したものだ。それは大学生の試験に小学生の問題を出したような、そういう内容のものではないかという指摘があります。その場合には試験の機能を果たしているのであろうか。その成績の分布図というものを実際に出してみられて、その結果、曲線分布がどうなっているかということについては検討されたかどうか。 五十二年度の簿記論では正しい答えが六十四も出る、こういう奇妙な問題だという指摘がされておるわけでございます。しかもそれは企業会計原則に反する処理を指示している問題である、こういうことが指摘をされておりまして、いま受験生の中に盗作ではないかといううわさも非常に飛んでおります。そのような中身の試験問題で、果たしていまの会計学がそういうような試験にこたえられる内容のものとして示されているのであろうかということについて、疑義があるという意見が出されておりますが、これについては答えられる程度においてお答えを願いたい。以上です。
○米山政府委員 まず第一の点でございます。五十三年度の税理士試験の財務諸表論第二問がいま当面の問題になっているわけでございます。この問題の問題点、委員御指摘の点は、まずこの問題が解答不能の問題である、それから、それはしかも他のものから抜いてきた剽窃の疑いがある、こういう点が第一。それから、こうしたものについてチェックの機能はどうなっているのか、こういうことでございます。 まず、試験の問題作成をどうしているか、それをどんなふうにチェックしているかという点について申し上げますと、税理士試験の実施は、税理士試験委員は三名で構成されているわけでございますが、その問題の作成は、この試験委員の推薦によりまして大蔵大臣に任命されました臨時委員が作成しているわけでございます。これにつきまして、特に会計学につきましては、試験委員は会計学の専門家の沼田先生でございまして、先生は現在の会計学の最高権威の一人でございますので、臨時委員が作成した会計学の問題につきましては、事前に沼田先生のチェックを受けていただいているわけでございます。 この問題につきましては、私どももいろいろ中身を見てみましたが、この問題は解答不能であるというものではないと私どもは聞いております。先生が、これは多少時間がかかるかな、こうおっしゃっつておられましたが、解答不能の問題でなく、現に市販の受験雑誌等におきましては、これに対して模範解答が示される、こういうふうなものでございまして、決して解答不能な問題ではないと考えております。 それから剽窃かどうかということは、これはなかなかむずかしい問題でございますが、こうした一般的な会計学の問題というのは、常にどの問題も非常に独創的なものであるというわけにはなかなかいかないものでございまして、間々類似的なものもあり得るわけでございます。テーマが似ているからといって一概に剽窃であると決めつけるわけにいかない、こういうふうな感じがいたしております。しかしいずれにいたしましても、そういう問題が提起されたということにつきましては、われわれといたしまして今後、問題の作成につきましては、二度とこういう問題が提起されることのないようにひとつ注意していきたい、こういうふうに考えていきたいと思っています。 それから、五十一年度の簿記論の問題でございますが、これはいまの紙子さんの題に対するこの中には入っていない問題でございます。したがいまして、この点につきまして私は現在、その資料を持ち合わせておりません。
○村山(喜)委員 その模範解答をだれがしたのか、そこら辺がわかりませんが、臨時試験委員に選ばれるような人が模範解答をお示しになって、自分としてはこういうことだという自信を持って会計学の前進のためにお役に立つことが私は望ましいと思うのです。そういうような意味では、ほかの人が模範解答を示してみたって、批判をすることはできません。やはり批判にたえられるような内容の試験をしてもらいたい。そしてまた、それをチェックしていく機能というものが十分なものにならなければ——それは沼田先生と言えば斯界の権威者でございますけれども、しかし、それがいつまでもオーソリティーとしてずっと続いていくわけではないと私は思うのです。そういうような意味から、今後試験委員が決まり、そして臨時試験委員が選任をされていく過程の中で、指摘をされたような学界の中の声は十分に尊重してもらいたいということを要請申し上げておきたいと思います。 きょうはもう一点、ちょっとだけお尋ねをしてまいりますが、時間がありませんのでほかのところは省かせてもらいまして、報酬の制限と会則を守る義務、三十九条と四十九条の二の七号であります。 そこで、いわゆる報酬につきましては、国税庁長官が告示をすることに現行法はなっております。ところが、告示をされた例はいままで聞いたことがございません。そこで報酬規定の届けを出して、そして暗黙の了解の中で会員がそれを守るようにしていらっしゃる。たとえば顧問税理士の場合には、百万円以下の資本金の場合は月に一万五千円、こういうのがございますね。これは最高でございますか、それとも標準でございますか。 そこで、今度会則の中で最高限度額を決めた場合に、その一万五千円というのが一律に全部守られているということになるならば、これは最高であって標準であって最低であるということになってまいりますると、これは独禁法違反の疑いがあると私は思うのですが、そういう心配はございませんか。公取からも見えておるはずでございますのでお答えをいただくと同時に、会則を守る義務があるわけでございますので、その義務との関係においてどういうことになるのか、またどのような措置を行おうとしていらっしゃるのか、そこら辺についての説明をお願いしたいというのが第一点。 それからもう一つは、第四十一条の帳簿作成の義務です。この中で、いままでは税務相談の場合はてんまつ書は記載をしなくてもよかった。ところが今回は、非常に整理され過ぎたために、いわゆる代理業務の問題についてもてんまつ書を書くと同時に、税務相談についてもてんまつ書を書くようになっている。ところが、税務署に相談に参りますと——匿名でよろしいから税務署に相談にいらっしゃいということになっているのです。その場合に、税理士のところに行けばてんまつ書までとられる、だから税務署に行った方がおれたちはいいんだ、もう税理士のところに相談に行くか、こういうことになりかねない規定になっていると私は思うのでございますが、なぜ税務相談までてんまつ書に記載しなければならないのか、この辺について説明を承りたいのでございます。
○米山政府委員 まず報酬規定の問題でございます。 現在の税理士報酬規定は、現行の税理士法三十九条で、国税庁長官が最高限度額を定めるということになっておるわけでございます。これは税理士業務の公共性に基づきまして、委嘱者である納税者を不当な高額報酬から保護しよう、こういう趣旨から最高限度額を定めたものでございます。そこで、法人の顧問報酬月額は、資本金が百万円未満のものについては一万五千円でございますが、これは一万五千円が報酬を受ける最高であるという規定になっております。ただ、国税庁長官は現在この最高限度額を定めておりません。なぜかと申しますと、この報酬規定は長官が全国一律に定めるより、税理士会がその地域の実情を十分考慮して定めることの方がむしろ実情に即するということで、現在国税庁長官は告示を行わずに、各税理士会に報酬規定を定めさせているわけでございます。 今度の改正案におきましても、この報酬規定は最高限度額を会則で定めることになっておりまして、会則で定めるわけでございますから、これはもちろん大蔵大臣の認可が要るということで、今後とも報酬を定めるに当たりましては、不当な高額の報酬とならないように十分注意していきたい、こう考えております。
○樋口説明員 ただいまも御説明がございましたように、税理士会の会則で報酬の最高限度額を定めるということで今度の改正法案が考えられているわけでございますが、この規定につきましては本来、独占禁止法の適用を除外する規定を置いておくことが望ましいというふうに考えられております。しかしながら、弁護士法とか公認会計士法、司法書士法、行政書士法等にもこれと同様の規定が置かれております。 それからまた、この規定は報酬の最高限度額を定めるものでございまして、その趣旨はただいま御説明ございましたように、委嘱者を不当な高額な報酬から保護しようとするものであるということ、それから、会則は大蔵大臣の認可を受けることになっているというようなことから考えますと、これらの規定を置くということもやむを得ないというふうに考えております。 なお、私どもちょっと実態を十分承知しておりませんので、独禁法上の適用についてはもう少し実態を把握した上で考えたいというふうに考えております。
○福田政府委員 納税相談についての帳簿の問題でございますが、これは会則にゆだねられますので、新しい納税相談の記載になりますので、その辺は必要最小限度のことを会則の中で定めることになろうかと思いますが、実態については御相談をお受けしたいと思います。
○村山(喜)委員 ほかにもありますが、これで時間が参りましたので終わりますが、私もいまも公取の方から言われましたように、これは事業者団体は独禁法の対象除外ではないのです。したがいまして、法の八条の一項の一号あるいは三条の後段によりますカルテルに近いような形で行われるようになりますると独禁法の違反になりますから、そういうような意味において、あらかじめ規定等をおつくりになります場合に、十分御注意を願わなければならない問題だということを指摘をしておきたいと思います。いまのやり方でいきますと、最高イコール標準になりかねない要素がある、こういうふうに思いますので、そういうことにならないように御注意を喚起をしておくところでございます。 なお私は、現行法ではこれが守られていないというところに問題があるのだと思うのでございます。というのは、それは国税庁長官が告示をすることになっているのが告示をされていないわけでございますから、法律違反をやっているわけです。これを告示しなければならない。告示をすることによって——国民は知る権利があるのですよ。その知る権利を奪ってきたのは大蔵省であり国税庁である。そういうようなみずから決められたものを守ることにおいてはやはり忠実にやってもらって——今日、税というのは一部の特権階級のものではありません。これは国民大衆のものでありますから、そういうような意味から、やはり正当な評価というものをしなければならないという意味において、それが守られてこなかった、その点については残念だということを申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わります。
○綿貫委員長代理 只松祐治君。
○只松委員 大臣と言いたいのですが、大臣不在でございます。(林(義)政府委員「申しわけございません」と呼ぶ)これだけの重要法案を私たちが大臣不在で、大蔵委員会の慣例を破って審議をしておるということは、われわれお互い同士は那辺にあるかということはわかっていますけれども、国民各位あるいは関係の皆さん方には余りおわかりでないと思う。一口で言うなら、前向きに本法案に取り組んでおることが、いわばこれだけの重要法案に対して大臣がおいでにならなくても審議をしておる、こういうことの意義というものを私はまず強調をしておきたいし、したがって、御答弁をなさる皆さん方も、そういうことを十分ひとつ理解した上で——ずっと答弁を聞いておりますと、やはりかたいといいますか初志貫徹、なかなか強気の発言なり答弁が多いわけでございます。私はそういうことも十分踏まえてひとつ柔軟な、われわれと同じような前向きの御答弁をいただきたい、こういうふうに思います。 そういう基本的な立場に立ちまして論議をしたいわけでございますが、その前に、ちょっと気になることがありますので、一言次官にお聞きをしておきたい。それはある席で、この税理士法が改正されたならば、一般消費税ができても国税庁職員を大幅にふやさなくてもよい、こういうことがある人から述べられたということを私は、相当確度の高いことを聞いたわけでございます。もしこういうことがありとするならば私は、いままでも論議をされましたし、私もおいおい論議をいたしますけれども、これは大変なことだ、単なる失言やあるいは一座の余興ということでは済まない、こういうふうに思いますが、そういうことがあれば次官としてはどういうふうにお考えになりますか。
○林(義)政府委員 消費税ができましたならば、何かお話を聞きますと、税理士にみんなやらせろというようなお考え、それは私は、事態の認識を全くしてない方の御発言ではないか、こういうふうに思います。税の執行でございますから、執行は当然に税務当局がこれをやらなければならない、税理士は独立にして公正な立場において税の専門家として別な角度からいろいろな話をしていくということでありますから、もしもそういう発言があれば、これは事実をよく理解をしていられない方の発言ではないかというふうに考えております。
○只松委員 理解をしてない人ならば、これまた座興で済むわけですが、まあ理解し過ぎたと言ってはなんでございますが、知り尽くした人の発言だと聞いておるので、私も気になって本委員会の冒頭にお聞きをしておるし、後で私が聞きます趣旨も、決してそれに基づくとかそういう論拠だけではありませんが、そういうところが幾らか懸念をされますので、冒頭に関連した問題、もう一つ別のことを聞きますが、基本的な問題をお聞きしておる。だからぜひひとつそういうことが万々が一にもないように、きょうは私は風聞でございますけれども、本当は具体的な名前を出して論議をしようかと思ったのですが、先ほど申し上げますように前向きにこの法案を討議する、こういう立場に私たちは立っておりますので、風聞でございますけれどもきわめて確度の高い風聞でございます。そのことはきょうは追及いたしませんが、必要とあらばいつでもお名前を出して、本委員会で論議をしても結構でございます。以上のことをまず申し上げておきたい。 それから次に、ずっと本法に関連して出てくる場合、申し上げるまでもなくこの国税庁には、私たちがいろいろ論議をいたします場合に守秘義務ということを強調されます。昨年もあるいは一昨年も私はやりまして、いわゆる法人税法の守秘義務というものは一部私は壁を破ったわけでございますけれども、個人の関係では大蔵省令にゆだねられましてなかなか容易ではないが、そういうことだけでなくて、財産権に関するきわめて重要な問題を取り扱っておるわけですから、秘密を重んじられるのは当然だと思うのです。同様に、人権を取り扱う弁護士さんにもあります。犯罪行為を犯してきて弁護士さんに訴えても、弁護士さんは警察、検察へ通告することはできません。医者、看護婦等もこれまた同じでございます。 ところが、この本法にずっと一貫して見受けられるものは、むしろ税理士は公開を義務づけられております。少なくとも国税庁に対しては、後で多少論議しますけれども、四十一条等を見ましてもほとんど、白状と言ってはなんですが、調査結果等を明らかにしていかなければなりません。民間のどこでこの財産権に対するいろいろな問題を相談するか、あるいは秘密を守っていただいて相談するかということになりますと、私は適当な人といえば税理士さんだろうと思います。ところが税理士さんが、国税庁に対してはノーズロースということで全部出さなければならないということになりますと、高次元で言えば憲法違反にもなるでしょうし、あるいはもっと上れば、資本主義を指向しておられる自由民主党としては、財産権を否認とまでは申しませんけれども、それを侵すということにもなりかねない。こういう問題が税理士法改正の随所に、私は後で指摘しますが、見受けられるわけです。そういう点について、自由民主党政府の政務次官としていかなるお考えをお持ちであるか。
○林(義)政府委員 財産のプライバシー、個人のプライバシーというものがございますが、このプライバシーの問題と税務の問題とは私は一応切り離して考えてもいいのではなかろうかと思います。 税金を納めるというのは、それぞれの人が考えてやるわけでございますから、そこで相談を税理士にいろいろいたしますというときには、この法律に書いてありますように、税務の専門家として、独立公正な立場で税理士が判断をして差し上げる、こういうことだろうと思うのです。そうしたことでございますから、そういった範囲におきましては、いろいろな点で税理士に相談をしていくことはむしろそうおかしなことではないのではないだろうか、こういうふうに私は考えております。後でまた御議論がございますでしょうから、それだからといって、守秘義務の問題云々というような話にはすぐになかなかならないのではないだろうかと私は考えております。
○只松委員 たとえば医者や何かが警察や検察の犯罪事実に関して証拠書類を出してくれとかなんとかいうことになれば、これは当然やる。これはきょうは時間がありませんから、本当は別な機会一にやりたいのですが、皆さん方がいま銀行や金融機関等に勝手に踏み込まれる。皆さん方は勝手と一いうことではないと思いますけれども、踏み込まれる方としては、出さなければ後でまたいじめられるから、別に捜索令状やそういうものをとらなくても、前は署長が相当注意を払っていたということだけれども、いまは諮意的に調査官が行っておやりになっている。こういう細かいことは、きょうは時間がありませんから申しませんけれども、そういう徴税上の問題を含んで守秘義務という問題、いわゆる国民と徴税を行う権力、ここで言えば大蔵省、国税当局との問題が生じてきますね。ですから、ぜひともそういう問題について十分御配慮をいただきたい。そういう点に立ってまた私は一つの論議を進めてまいりたいと思います。 ほとんどの問題点については多くの質問者が触れられておりますので、いささか重複する点といいますか、むしろそっちの方が多いかと思いますが、私はこの税理士法を審議し論議するに当たって、確かに税理士さんだけではなくていろいろな関係団体、関係業界に及んでおります。だから、おつくりになったのも大変御苦労があったわけでございます。しかし、その基本をなすものは全国民、納税者を頭に置いた審議でなければならない。税理士さんは、ここに書いてありますようにあくまでも代理業務あるいは代行業務でありまして、納税者、国民に対してこの法案がどういう関係を持つかということを前提にした論議を進めないと、税理士業界や公認会計士業界や司法書士業界、行政書士業界という業者団体はもちろん大事でございますけれども、それのみを頭に置いた論議を進めますと偏った議論や誤った結果を招来するだろうと私は思いますが、そういう点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○林(義)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、法律をつくる場合に一番考えなければならないのは、一般国民の立場をどういうふうに保全していくかということだろうと私は考えております。
○只松委員 そういう角度から私はこの法案を見たときに、たとえば若干今度前向きといいますかよくなった面もあります、あるいは一部言われておりますけれども、いろいろな方から指摘されておりますように、悪くなった面もあります。しかし、前回の三十九年度に提出された法案と見比べますと、これも本当は一々対比してどこがよくなっているか悪くなっているかということを審議したらわかってくるのですが、大まかに言って、若干進んだ部面もあるけれども、特試の問題や何かそういうところは後退をしている。あるいは、それを通じて論議をされた議事録をごらんになりますとわかりますけれども、私たち野党だけではなくて、当時与党の方も、いまの農林大臣の渡辺美智雄君を初めといたしまして幾人かが論議をいたしております。こういうのを見ましても、今日私たち各野党が主として述べましたことよりも、当時の方が激しいと申しますか強いと申しますか、そういう論戦を行っておられる、私もそれに参加したわけでございますけれども。そういうものから見ますと、当時はただこの法案をつぶそうといいますか、廃案にしようということが主目的でありましたから、そういうことであった。今日は、先ほど来申しますように、前向きに考えていこうということでございますから違うといたしましても、しかし論点は、納税国民というものを土台に置いた論点でなければならない。そういうふうに考えていきますならば、前回の法案より後退した面、あるいは論戦においてもそういう面が見受けられる、私はこういうふうに思います。 先ほどからいろいろお答えはいただいておりますけれども、細かくは結構です、感じだけでも結構ですが、あなたは率直に言って、どういう点が大きく前進をしたとお思いになりますか、いややはり後退した部面もある、これは各業界じゃなくて、国民を基点に置いてどういうふうにお感じになりますか。
○高橋(元)政府委員 ただいま御質問のございました三十九年案との差異と申しますと、個々の条文について申し上げるのは一々繁雑にたえませんので、ごく項目だけにいたしますと、特別税理士試験につきまして、口頭試問によって認定をいたすというのが三十九年案でございましたが、今回の案では、一定期間の実務経験を有し、かつ、管理的地位にあった者について、研修を修了した場合に会計学に属する科目の免除をするということで、一般税理士試験一本に統合したということが第一の差異であります。したがって、一般試験を予備試験と本試験に分けてやるという三十九年案については改正をしないで、現行法どおりの制度にしておるわけであります。 それから第二点が、登録即入会ということにいたしまして、通知公認会計士制度を所要の経過措置を講じた上で廃止するということであります。これは三十九年案になく、今回の御提案申し上げておる改正案に盛り込まれておるわけであります。 第三に助言義務の規定の新設でありますが、これにつきましても、税理士の社会的信用の保持ないし税務に対する国民の信頼の確保ということで、助言義務規定を設けておるわけであります。 それから、一局一会制を原則といたしておりますが、会員数が一定の数を超えた場合に、その税理士会の請求によって、国税庁長官が区域を分括して二以上の税理士会を設立することができるというような、いわゆる一局複数会という制度を設けることにいたしました。これも今回の御提案申し上げておる案に初めて盛り込まれておるわけであります。 それから支部の強制設置でございますとか、それから会則の絶対的記載事項の追加でございますとか、罰金についての見直し、以上申し上げましたのが三十九年案と今回の改正案との差異でございますが、いろいろな見方はおありであろうと思いますけれども、前回御提案申し上げました以後、社会経済情勢の変化なり、それからもう一つは税体系の変化に即応して改正いたしましたわけで、私どもといたしましては、只松委員から仰せのありましたように、国民つまり納税義務者とそれから税理士とそれから税務当局と三者にとってよりよい制度を施行する努力のあらわれであると考えておるわけであります。
○只松委員 具体的な問題に入りたいと思います。 税理士さんは国家と納税義務者との間に立って税務相談を受けられるという役目を果たされるわけでございますが、この第一条からずっと始まりまして、これもほとんどの人が言い尽くしておりますけれども、税理士さんを懲罰的あるいは取り締まりやけつをひっぱたくというような形ではなくて、子供の教育だってしかるのとほめるのといろいろあるわけでございますから、みずからの職域、そういうものを自意識的に尊厳を保っていく、せっかく改正するならこういうことをもう少し入れた方がよかったのではないか、こういうことを非公式にも私は申してまいりましたけれども、きょうも重ねて第一条についてこのことを——改正は今度でとどまるわけではありませんから、また後でもお尋ねいたしますけれども、自由人とかなんとかということは別にいたしまして、とにかく納税者の代理者として、職域というものに対してもう少しみずから尊厳を感じる、こういう形のものを、たとえば具体的にここに納税義務者の信頼にこたえて社会的尊敬を受けるということを入れれば、別に大蔵省や国税庁にとってそれほど損をするわけじゃないし、痛くもかゆくもあるわけじゃないと思うのです。そういうことによって社会的な地位を高められていく、自覚を深められていくということになれば、私は大きな意義があると思うのです。したがって、全体を取り締まり規定や罰則規定というような形、あるいはもっと言うならば、国税庁の出先機関というような形のものではなくて——ずっと前に青色申告会の問題を論議した際にも私はそういうようなことを言ったことがあるのですが、木村さんは百万近くのものを八十万くらいに減らしました。私はそのときに、納税者というものは自意識を助長して青申会をふやしていったらいいんじゃないかということで、今日は百八十万、当時から倍以上になったわけであります。やはり納税の「納」というものが納得の「納」であるならば、税理士さんももっと前向きにおつくりになった方がよかったのではないか、あるいは今後お考えになる場合にも。国税業務というのは政令や通達というものが非常に多いわけですし、税務行政というのはこの税理士法だけに基づくわけではありません。したがって、そういう精神というものをお持ちになる必要があると思います。こういう点についてどのようにお考えになりますか。
○林(義)政府委員 税理士という士でございますから、私はやはり侍だろうと思うのですね。特定の職業の専門家でありますし、特にこの法律で書いてありますように、独立かつ公正なる立場でいろいろな判断をして業務を運営しなければならないということでありますから、やはり社会に範となるような人でなければ、納税者の委託者の信頼をつなぎとめるわけにはまいらないと思うのです。そうしたような形でいろいろ考えておりますと、やはり独立した見解を持って公正なことを行っていくということであるならば、しかも一方におきまして、行政であるところの納税というところとの関係を調整するならば、当然いろいろな制約もかけられてしかるべきであろう。そういった制約をいろいろ考えてみますと、どうもこういうことがいいんではないかということで、法案を提出してお願いをしておるわけであります。 先生御指摘のように、社会的尊敬を集めるようなということは、この法案の中の考え方としては当然入っているだろうと私は思います。ただ、法律技術、立法技術の問題といたしまして、そういったことを書くのはどうだろうかということで落としたんだろうと思いますが、御趣旨はまさに今回の改正の精神になっているものだろうというふうに考えております。
○只松委員 そういう精神ならば、後からお尋ねするようなことも余りないと思うのですが、必ずしもそうでないから私はお尋ねをするわけです。 さらに次に進みまして、ひとつ助言義務の項について質疑を進めたいと思います。 皆さん方国税庁は、法律に基づいて一円でも一銭でもよけいに税金を国民からいただいてくる、それをしなければ国税庁の職員の責務を怠るわけでございますから。しかし国民側のとしては、その法の範囲内において逆に一円でも一銭でも節税をしょう、これはまあ私はだれでもそうだと思います。次官といえどもあるいは局長といえども、法律に違反してまで一銭でもよけい出そう、一円でもよけいに納めよう、こうはお思いにならぬだろう。法に違反しなければやっぱり一円でも一銭でも安い方がいいに決まっている。 ところが、税法というのはきわめてむずかしゅうございまして、ここにおる国会議員だって、私だって、税法を全部知っているわけじゃないし、国税庁の課長さんでも、いろいろ論議いたしますと、税法を知らない方がたくさんおいでになります。いや、ちょっと待ってくださいと言って課長補佐に聞いたら、課長補佐も知らないでこうまくったり、それは年じゅうあるわけですね。まして一般国民が税法全部を知っておるというようなことは、あり得べからざることなんですね。 そうすると、だれにそういうことを相談するかといえば、これは健康を害すればお医者さんでございますけれども、先ほどから言うように税理士さんなんですね。この税理士さんには、一過性的にぽんと行って聞く場合もあるでしょうが、多くは顧問という名を使ってなってもらって相談をするという状態にあります。議員で、その選挙区のこともわからないで、初めてぽんと出るばかもおるかもしれませんが、まあ当選して出てきている代議士、ここにいる議員で、自分の選挙区の票を読めない者はあり得ないと思う。長らくそこの顧問をやっておられて、そのうちであるいはその会社でどれだけの収益があるかないかあるいはふえたか減ったか、景気がいいか悪いか、こういうこともわからない税理士さんはないだろうと私は思います。そういう知り尽くした状態の中でいろんな相談を受けるということになるのです。全然一過性的にぽんと来て相談を受けたり、あるいは何か飛び込んできて街頭で相談を受ける、こういうものではなくて、常時接触をしている、そういう中での助言義務という問題を考えていかなければならない。ただ抽象的であったり、あるいは一過性的な偶発的な事件の中でこの問題が起きてくるのではない。 しかるがゆえに皆さん方としては、悪質だから仮装、隠蔽まできちっとやらなければならない、こういうことも出てくるかもしれません。しかし逆に、そういうことであればあるほど、そういうことを知り尽くしておるから、この助言義務という問題は非常に微妙である。したがって、当初それほど考えておらなかった、あるいは日税連のあれにはいろいろ書いてあります。しかし私は、それは幹部の立場としてああいうことを述べることはわからぬことではありませんけれども、多くの税理士さんあるいは納税者に聞きますと、いままで私は何十人かの人の意見を徴しましたけれども、安心してこれを結構ですと言う人はだれ一人おいでになりません。事ほどさように微妙であるし、重大である。私は最終的にはこの条項を何とかしなければならない、こういうふうに思っておりますけれども、とにかくこの法案は、そういういろんな状況の中で、ただ一過性的なあるいは突然発生するような状態の中での問題と解してはならない。いわゆる税務行政を行っていく皆さん方としては、一銭でも一円でもよけい国民からいただく、そういう中での国民との摩擦の接点における税理士さんの問題としてとらえていかなければならないと思うのです。 そういうふうに考えてくるならば、いわゆる仮装、隠蔽という、ほとんど重加算の対象になる、調査すれば約八〇%ぐらいは脱漏が発見され、さらにその半数ぐらいは重課が課せられてくる、こういうことになれば、ほとんどの税理士さんが年に何件かはそれに遭遇するといいますか、そういう事態になる。そういう中でこの問題を考えていかなければなりませんが、一遍にすべてを言うよりも、ぼつぼつお答えをいただきながら論議を深めていった方がいいと思います。そういう事態に対して、税理士さんがこういう助言をどうしてもしなければ、あなたたちの方で罰をするぞというようなことが適当であるとお思いになりますか、どうですか。
○高橋(元)政府委員 現在の税制の中核をなしておりますものは、これは申し上げるまでもなく、申告納税制度によって立っております所得税、法人税であります。こういった申告納税が適正に行われるかどうかということは、これも釈迦に説法でありますが、良心にまつということ一言に帰すると思います。そういう良心に従った適正な納税というものがなければやはり税の公平というものは保てないわけで、そういった税の公平を維持してまいるために、この税理士制度が第一条に書いてありますように、納税者の信頼にこたえて、法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命として組み立てられておるというふうに私どもは理解しておりますし、また、只松委員もさようにお考えであろうと思います。 その中で、助言義務に関する規定を新設する場合に、税理士とそれから納税義務者、委嘱者との間の信頼関係が傷つけられるかどうかということでございます。これにつきましては私どもとしては、税理士の当然の責務でありますところの適正な納税義務の実現ということを図ることによりまして、またそれが、税務に関する専門家として見識ある判断に立って独立した公正な立場によって行われることによって、そういう税理士業務に対する納税義務者の信頼を得るということが根幹であろうと思っておるわけであります。さような観点から四十一条の三の規定の新設を御提案申し上げておる次第であります。
○只松委員 私は助言義務を全面的に否定した論議をしているのではないのですね。きわめて悪質なものやなんかに対しては一定の制裁といいますか、そういうものはある場合には必要であろうかと思います。しかし、私が数日前にお尋ねをいたしまして問題になりました為替差益の問題、九百十六億円か出まして国税庁はおかげでほくほくだろうと思うのです。この問題のときにどういうことが明らかになったか。いわゆるこれは前年度の三菱商事の海外におけるタックスヘーブンの問題のときも同じ。これは何かというと、税法の解釈の相違だということを会社側は言っているのですね。脱税したとは絶対言ってないのですよ。常に彼らはと言ってはなんですが、大法人で税理士さんはもちろん、税務担当者もおるでしょうし、公認会計士もおる、その大会社の税務をそれだけ熟知しておる人々が国税庁と争いになった場合に何と言うかというと、これは解釈の相違だ。解釈はどういうことになるかといえば、国税庁が勝つから九百十六億取れたし、去年だって三菱商事は脱税を摘発されたわけです。こういういわば大会社で、これだけの専門家を抱えておるところでさえもなおかつ、お上には勝てない、大蔵省、国税庁には勝てないのですよ。 そういう中で八百屋さんや魚屋さんや中小零細企業や税理士さんが顧問をしておる相談相手、こういう人々が相談をする、だれに相談するか、さっきから言うように税理士さん以外にない。税理士さんがそういうことを多少でも何か知恵つけたといいますか、それに関連した問題が仮装、隠蔽という——具体的に先ほどから言いますように、一人の税理士さんは大体毎年何件かそういうものに遭遇をしている。そういう問題が仮にあるとするならば、これは税理士さんはどういう態度を納税者にとらなければならないか。あるいは納税者も、税理士さんに迷惑をかけるということになれば今度は、納税者は税理士さんに相談ができなくなってくる、遠慮する。いまは知りませんよ、国会でこの法案を論議している最中ですから。しかし、これが適用されましてそういう事犯が幾つか出てきた場合に国民は、納税者は税理士さんに相談をしますか、あるいはできますか。これはどうかな、このことが仮装、隠蔽にかかるかな、これはわからないわけですから。しかし、何とか節税したいと思っている人々が、そういうことを税理士さんにしたならば税理士さんがひっかかる、こういうことになれば、これは相談できない。 いや、そんなことはない、懲戒や何か統計数字も全部いただいておりますが、十何例でこれだけしかない、そんなことはない、こうお答えは大体決まっておる。しかし、刑法を見ましても死刑というものは、必要なら後で統計数字をずっと言いますが、死刑の判決を最高裁が下しても処刑をするのはきわめて少ないのですよ。しかし死刑というものは厳然たる重みを持っておる、法というものはそういうものなんですよ。したがってこういう仮装、隠蔽というような、不公正、不正というようなアバウトじゃなくて具体的である、それはとんでもない話であって、死刑の極刑を科すか科さないかはこれは大きな問題を生ずるように、仮装、隠蔽という具体的な問題をこうやって出すということは、税理士や国民にとっては大変な問題を招来する。法の解釈、法の適用というものはそういうものなんですよ。必要あらば、死刑の執行の十年間の統計を全部とっておりますから、それを仮装、隠蔽の統計とをあわせてみればいい。法の適用、運用というものは、一遍滑り出せばそういうふうになってくるわけです。だから私が言うように、税理士会の幹部が何と言おうとこのことはだめだ、こう言うのは、国民にとっては大変なことになる、税理士の自殺行為になることである、こういうことを私は言わんとしておるのです。そういう点についていかにお考えになりますか。
○高橋(元)政府委員 節税、つまり納税義務というものは原則として裁量行為でありますから、そこには事実が一番先行すべきものであろうと思います。したがってその事実について当然、課せられる納税義務以上の租税債務というものが発生することがあってはならないと思いますし、また、それよりも少ない納税で全体を済ましてしまうということがあってもならない、そういう意味で、納税義務の適正な実現ということは、ただ一つのあるべき所得、あるべき税額というものを求めてされるのが本来であろうと思うわけであります。そういう場合に、不正に国税または地方税の賦課または徴収を免れておる、それから不正に国税または地方税の還付を受けておる、または、国税もしくは地方税の課税標準の計算の基礎となる事実の全部または一部を隠蔽しもしくは仮装しておる事実があるということは、先ほどのお示しではございますけれども、私は節税という節度を超えておることではないかというふうに思うわけであります。そういう場合に、正しい納税義務の実現ということを使命としておられる税理士さんが、納税義務者に対してその是正を求めるということは、そうあってしかるべきことというふうに考えております。 問題は、その場合に常に懲戒によって脅かされておるということがあると、納税義務者から依頼を受けた場合に税理士さんとして、先ほど来お示しもありますように、継続的な信頼関係によってその家の財産ないし税務の処理を任されておるわけでありますから、うまくいかなくなってくるのではないかということであろうかと思いますけれども、こういう客観的な事実の発生があった際に、それをまず税理士さんが知っておったかどうか、全部の所得の計算の各過程について全部関与しておられてそれを知悉しておられたかどうか、それから、そうであって助言をされなかったかどうかということは、証明の非常にむずかしい問題であろうと思います。たとえば先ほど来お話のありますように、そういう重加算税を取られたというようなときに、全部のケースについて税理士さんが助言義務を懈怠したという事実があって、それによって懲戒に値するということにはならないと私ども思うわけであります。あくまでもその信頼関係に基づく適正な納税義務の実現ということをやっておられるならば、助言義務の規定があっても私はそれによって、懲戒を受けるから納税義務者との間の信頼関係がうまくいかないというようなことにはならないのではないかというふうに考えられて仕方がないわけでございます。
○只松委員 さっき申しましたたとえば極刑の死刑というものが、昭和四十八年に四件、四十九年に二件、五十年に三件、五十一年に二件、五十二年に二件、死刑というのはこれだけしかないのですね。しかし、死刑というものはどの程度重みを持っておるかということは申し上げる必要もないわけでございます。重課が課せられておる率というのは、本当は時間があれば国税庁にいまの調査状況等なんか全部お聞きしたいのですが、私個人では知っておりますからもう必要ありません。ただ、本当はこういうとき議事録にとどめて、だからということでしておきたいのですが、あと二十分しか時間がないのでございますから結構でございますが、いまさっき申し上げたように、仮装、隠蔽ということになればほとんどの税理士さんに関連を持つ事案になってくる、こういうことになるわけでございます。 とにかくそういう状態の中で、これも全部読み上げませんが、前回のこの税理士法の審議のときに私たちの横山君が言った言葉がこの席にわりあいぴたり当たりますので、ちょっと主なところだけ読んでみます。「私の言うのは法律を守るという土俵場である、そして片一方は法律をもっていわゆる適正に税金を取ろうとする側である、片一方は法律を駆使して、できるならば税金を安く済ませたいという側である、その同じ土俵場における争いが現状」である云々、「ところが片一方のほうは法律を全部知っている、片一方のほうは法律がわからないと、こうきている。そこで税理士を頼んで、ひとつ法律の範囲内においてなるべく安くしてくれ、こういうことである」、「その税理士さんに頼むために報酬を出す、銭を払って私の利益を代表してひとつがんばってもらいたい、こういうことになる。この点についても判断に誤りありませんね。」こういう質問をし、討議を行っております。 私がいままで言ったことなりまさに言わんとすることを一つの要約した面である。決して脱税しよう——あなたたちの方は脱税ということなり何なり言っておるが、そうでなくて、一つの土俵の法律の範囲内において——私が示したでしょう、大会社といえども法律の解釈をめぐってこれだけの違いがあるのですよ。その場におけるこの助言義務という問題を考えなさいということを言っておるのです。初めから仮装、隠蔽やなんかや脱税やなんかということだけではないのですよ。最後の接点になるときはそういうことになるのですよ。初めから不正や何かで、こういうことだけではなくて、税理士さんやらあるいはその納税者は脱税とか仮装、隠蔽とかそう思っておらないのですよ。思っておってすればこういうことになる。しかしあなたたちの方は、それを脱漏した場合には不正と見たりあるいは仮装、隠蔽と見たり、今度の場合では、これは全部内容を分析しておりませんが、重加算税を取られたのも悪質と見なして、この為替差益の場合もあるわけですね。そういうことによって、法の解釈によっていろいろ違いが出てくる。ましてそういうふうに税の専門家をたくさん抱えておる、公認会計士を持っておるところでそうですからそうでない人々にとっては大きな差が出てくるわけです。そういう場における、これは横山君も一つの土俵ということを言っておりますけれども、その範囲内における助言義務という問題を考えていかなければならない。 時間がありませんからこれ以上の論議をこの項だけにつぶすわけにまいりませんけれども、ぜひひとつこの項は私は、削除できないとするならば、この法の施行に当たってたな上げにするとかあるいは若干停止をするとかあるいは何とか、また、法律の運用については法制局等々と連絡をとらなければ容易でない面もあろうかと思いますが、とにかくこれをこのままにおいて適用をしていくということではない方法をひとつ英知をしぼっていただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、そういう点についていかにお考えになりますか。
○高橋(元)政府委員 先ほど来私どもの方からお答え申し上げておりますように、助言義務の規定というものは、言葉が正確でないかもしれませんけれども、その本来の趣旨は倫理的な規定であります。倫理的な規定に従って納税義務者と税理士さんと徴税当局と三者の間に円滑な税務の関係が保たれていく、それがますます発展するということが、私どもがこの規定を新設しようという御提案をしている趣旨でございます。その趣旨をくんでいただいて、また、その税理士の監督につきまして国税庁が事務を進めていきます際にも、そういう趣旨を頭に置いて進んでまいりたいというふうに考えておる次第であります。決してこの規定が新しく設けられたからということだけで、またその立証について無理をして、四十五条ないし四十六条の懲戒というようなことを乱用することはないというふうに考えたいと思います。
○只松委員 またその運用によって、いまたまたま四十六条をお話になりましたが、私が次にやる懲戒の項にただし書き等を入れるなりあるいはこの解釈をもっと広げるなりして四十六条の運用の中で、私だけでなくて私たちが言っておるこの問題に対処する方法を考えておかないといかぬということが一つ。 それから、この懲戒の期限でございますけれども、脱税の場合は五年ということになっておりますが、助言義務の期限、懲戒の期限というのは脱税と同じにお考えになっているか。この期限は幾らですか。
○高橋(元)政府委員 懲戒の除斥期間を設けたらどうかという趣旨の御質問かと思います。行政上の監督に属することでございますから、元来秩序に反するような行為につきまして懲戒処分をする場合に、悪質な行為が行われたときから時間がたったからといって秩序を維持するための懲戒が行使できないということは、原則としてこういう懲戒制度になじまないというふうに私どもは思います。懲戒処分の除斥期間についての立法例というものも、行政分野の各種の職業専門家制度には見受けられません。弁護士のように法律上のその安定性が必要であるという職業分野についてわずかに見られるわけでございまして、そういう意味では、除斥期間を設けるべきでないと私どもは思っております。 ただ現実にその税理士の懲戒処分を請求する場合に、また、それを懲戒審査委員なり税理士審査会で御審査になる場合に、それが懲戒をして秩序を維持するに相当であるかどうかということにつきましては、行為の発生からその懲戒を決定するまでの期間というものも参酌されることにはなろうというふうに存じます。
○只松委員 次に、この税理士会の支部の問題でございますが、これも本当は長々と前段を言いたいのですが、時間がありませんから言いませんが、いま日本で社会活動を行う場合に、市町村なり都道府県というのは一つの単位でございます。弁護士会だろうが司法書士会だろうが何だろうが、全部都道府県にあります。いままでの税理士法にも四十九条の「都道府県」ということはある。今度はちゃんと削ってあります。それで局と署単位、こういうことになっている。非公式にお聞きしますと、いや、そうでない、二以上の支部ということで、それは都道府県にもできるのだということでございますが、できるんだということでなくて、現在、都道府県という条項があるわけですから、わざわざ削る必要はないわけですね。 本当はいろいろ申し上げたいのですが、前向きのことで論議しているから、余りひねくれたという形になりますから言わないのですが、こういうところをとってみましても、いわゆる国税庁の出先機関化をしよう、あるいは私が冒頭に大変心配をして言いましたようなこと、こういうところにも衣の下によろいが見えにけりということは随所にあるのです。時間がありませんから細かいことはずっと言いませんけれども、これなんか典型的なその一つですね。局とそれから署単位に支部をつくって、自由人として社会的な地位を向上させるとか何とか言いながら、現存する都道府県支部というものを削除しておる。これはけしからぬ話。少なくともこれなんか、もとに戻すべきです。すぐ入れるということ、これは大したことはないと思いますが、入れられないとしても、明確にここで都道府県というものはつくるということをお答えをしておいていただきたい。
○高橋(元)政府委員 国税庁からお答えすべきことかもわかりませんが、現在あります税理士会の支部というものが都道府県単位で置かれておるならば、それをこの規定の改正によって解体しようというようなことを考えておるわけではないわけでございます。先日も御答弁を申し上げておりましたように、「隣接する二以上の税務署の管轄区域を地区として支部を設けることができる。」そういう規定の中で、国税局長の承認のやり方でございますが、県単位の支部というものも十分可能でありますし、それはいずれにしましても、新法の四十九条の第六項で定めております税理士会の使命の達成に、また目的の達成に便宜であるように現実の運用をしてしかるべきであろうというふうに考えておるわけであります。
○只松委員 次に、税理士の試験、登録問題等を聞きたいのですが、時間がなくなりましたので、私の方から一方的にしゃべります。 昭和四十二年に特別試験の合格者は千七百七十八人、一般試験の合格者は五千八百七十四人、その他が一万八百八十七人でございます。ところが現在、昭和五十三年では——その当時は約三分の一ですね。現在では、特別試験合格者が一万六百五人、一般試験は一万二千九百三十八人、その他が一万三千五百人。この一万三千五百人の中に約四千三百人くらい特別試験合格者とみなすべき人がある、こういう状況でございます。 この試験制度を存続するかどうかというのは前回の税理士法改正の一番焦点でありました。今度の場合は外されたわけでございますが、いわばこの問題もそういうことでございまして、またこの一般試験の合格者数を見ましても、先ほども同僚議員からいろいろ聞きましたように、平均して特別試験は八三・五%、一般試験は一二・八%、しかしこれは各科目別でございますから、総合科目とすれば約四%前後、こういうことになってくるわけでございます。そういうふうにやってどんどん特試の人がふえてまいりますと、これはよほど注意しないと、一般試験じゃなくて特試の人が多くなってまいります。こういうことになれば、別に国税庁から出た人が全部国税庁に隷属するとは申しませんけれども、それは血は水より濃いわけでございまして、完全な自由人あるいは独立した業務、せっかくこういうふうに税理士法を改正しても中身というものは、心というものは伴ってまいらない、こういうことはこの統計数字から見てもおのずから明らかになってまいるわけでございます。 したがって、今後のこの認定問題等におきましても十分こういう問題を配慮して、ひとついろいろな点について取り組んでいただきたい。中身まで申しませんが、その試験問題あるいは認定試験等の問題についてもひとつ十分そういう点をお考えをいただきたい。このことも決して税理士さんだけの問題ではなくて、国民、納税者の問題としてとらえていくならば、私が言っていることは国税庁の職員の方々を目のかたきにして言っておる、そういうことでは決してないわけでございます。国税庁の職員の方々は方々として長い間御苦労なさっておりますから、これは否定してはいません。しかし、余りに一方的にこのウエートが大きくなってくれば、本来のこの改正の趣旨、皆さん方がさっきから答弁されているそういうことは全く空理空論に堕していく、このおそれなしとしないわけであります。ぜひこの問題について、一定の比率を保つというのはなかなかむずかしい問題でございますけれども、十分そういう点について配慮をするということをひとつお答えをいただいておきたいと思います。
○米山政府委員 今度の改正によりまして、会計学の科目免除という制度が導入されたわけでございます。この免除の場合にはいろいろ条件がありますが、一つは、一般試験の会計学の合格者と同程度の水準の研修を了した者、こういうことになっておりまして、これはあくまでそういう基準がございます。ただ、これは資格試験でございますので、そういうものについて何人にしぼるということは、資格試験の性格上なかなかむずかしいわけでございますが、いま申しましたように、そういう水準の研修を了した者、こういう点につきましては、今後税理士審査会が具体的に決めていく場合に、十分その内容をそれにふさわしいものにするようになる、こういうように考えております。
○只松委員 最後に、まあこれだけまとめられたのも大変だったわけですが、逆な面では、国内においても多くの意見がありました。あるいは、この審議に本当はもっと多くの時間を必要とします。私もこれだけの重要法案を審議するのに大臣の答弁を一言も聞かない、きわめて不本意、不満足でございます。本来ならば絶対にこういう形で済まさるべき問題ではありませんが、いまの国会をめぐる諸情勢というものを勘案した場合に、こういうふうな状況の審議をしていかなければならないということで、冒頭に申し上げましたように私たちもいろいろ考えております。しかし、そういうふうに院外にもあるいは院内におきましてもこれだけのいろいろな意見が出たわけでございます。時間がありませんから、私も全部にわたって申し上げたわけではありませんし、その一部を特徴的な面を指摘したにとどめておるわけであります。 そういうことで、この税理士法案はぜひひとつ二、三年以内に必ず時間を限って改めて見直す、そういうことをしていただきたいと思います。そのことが私たちがいま審議しておることにも見合っていくわけでございます。あるいは、国民のいろいろなそういう要望にもまた対応し得る、こういうことにもなろうかと思います。あるいは私が前に言っておりますが、いまの産業構造の変化、それに伴う税制度の変化、そういう問題もいろいろこの一、二年では起こってくるだろうと思いますので、ぜひひとつそういうことで、二、三年以内に見直すということを責任あるお答えをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○林(義)政府委員 大臣がきょうは出席できませんので、私がかわって務めさせていただきますことを心からおわび申し上げたいと思います。二院制でございますので、申しわけありませんが、大臣きょう参議院の方にずっと行っておりますので、心からおわび申し上げたいと思います。 いろいろ御質問ございましたし、今回の税理士法の改正も、社会経済情勢、ずいぶん変わってまいりました。その成果といったことを踏まえまして、また、税理士業界その他の方々のいろいろな御意見も集めまして、長い間かかってやっとこういうふうなところまで提案にこぎつけたような次第でございます。法律というものはやはり社会情勢、経済情勢に合うような形に常に見直しをしていかなければならないということは御指摘のとおりでありますし、これからまた何年か、いまお話のありました三年とかの間というのは、私はなかなか大変な時代だろうと思います。そういった時代におきまして、税の執行を公正にやっていかなければならないということは、一つの大きな社会的な課題だろう、こう思いますので、そういった方面で私たちもこれから努力を傾けていきたい、こういうふうに考えております。 いろいろな御指摘の点ございますから、これは単に法の改正とかなんとかいうことではなくて、法の運用、また実際の運営の問題におきまして、いろいろの御質疑ありました点につきましては十分に考えまして、御趣旨に沿うようなことをやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○只松委員 どうも何かあいまいといいますかぴんとこなかったのですが、私はもっと明確に二、三年以内、これは政治情勢その他、あなたも政務次官をずっとしているわけじゃないのでありますからあれですが、少なくともいまの責任ある立場において、こういういろいろな意見があるから二、三年以内には見直すということぐらいここで明言をしておいていただきたいというのが一つ。 ついでながら、立ったからまた言いますが、先ほどから言っているように、徴税行政というのは政令とかあるいは通達とかそういうのが非常に多いわけでございます。事前に公認会計士あるいは司法書士、行政書士、青色申告会、いろいろな団体からいろいろな陳情がありました。いまも実はあっております。したがって、その運営等、通達等の行政の面にわたってもそういう関係団体に今後も十分御配慮を私はお願いしたい。以上二点、ひとつお答えをいただきたい。
○林(義)政府委員 せっかく先生の御指摘でございますが、まだ法案をお願いをしている段階でございますので、現在のところではこれが私たちの精いっぱいのことでお願いをしておりますし、これが当面としては一番いい法案ではないか、こういうふうに考えてお願いをしているところでございますから、その点の答弁は御勘弁をいただきたいと思います。 いろいろな点は、私は当然に改正すべきものは改正していかなければならない、これは立法府としては当然のことだろうというふうに考えております。
○只松委員 立法府ではなくて行政府、立法府は私たちがやるのだから、行政府の考えを聞きたいということが一点。それから、あと一つ言ったことについて、努力するぐらいのお答えをいただきたい。
○林(義)政府委員 当然われわれとしても、その趣旨に沿いましてがんばってまいりたい、こういうふうに考えております。
○只松委員 行政府から見て、主税局長の方はどうですか。
○高橋(元)政府委員 ただいま政務次官からお述べになったとおりでございます。制度の改善について、各般の御意見を参酌しながら、私どもとして常に努力してまいりたいと思いますし、制度についても必要に応じて見直しということも起こってまいろうかというふうに考えておるわけでございます。 それから、各納税協力団体との関係を円滑に保っていくということにつきまして、執行ないし制度その他を通じて十二分に努力してまいりたいというふうに考えております。
○綿貫委員長代理 高橋高望君。
○高橋委員 大分同僚委員がいろいろとお尋ねを申し上げましたし、またお答えもいただきましたので、できるだけ重複を避けるという意味で、私はむしろ周辺のことについていろいろお伺いしてみたい。この税理士法の展開の周辺について、過去そして今後のいろいろなお考え方をいただきたいと思います。 まず、先ほども同僚委員からちょっとお尋ねがございましたが、現在の税理士さんの報酬規定についてちょっとお伺いをしてみたいと思います。 先ほどもお話が出ましたけれども、このような法律、各業界がそれぞれ複雑に利害関係あるいは線引の問題等々があるものは、問題が込み入ってくればくるほど原点に返って考える必要があろうと思います。その原点とは何かというと、やはり納税者を中心にして考えるということであろうかと私は思います。そこで、政務次官に伺いたいのですが、私のこの解釈はそれでよろしゅうございますか。重ねてお伺いを申し上げたい。
○林(義)政府委員 現行の法制では、国税庁長官が定めた場合には告示をいたしまして最高額を決める、こういうふうな形になっておりますが、そういった形で進めるよりはむしろ自治に任せた方がいいのではないか、各地区、地区でそれぞれの実情もあるでございましょうから、そういった点で現在までのところは、国税庁長官の告示を行わないで、各税理士会で報酬規定を定めさせているというふうな運営をやっているわけでございまして、大体いま先生のお話しのとおりのようなことになっている、こういうふうに考えております。
○高橋委員 そうしますと、報酬の決め方については、一つの方式だけで今後も通されようといたしますか、それとも、たとえば先ほど来お話の出ていたのは資本金でいろいろ検討されている、ところがさらに、これは一つの考え方としてよくありますが、前年度の所得に応じていろいろと考え方を決めていきたい、こういうふうな方向もあろうかと思いますが、こういう意味では、この決め方というのは現在どのようにされており、また今後どのようになさろうとしておられますか。
○米山政府委員 いま政務次官がお答えになりましたように、現在の報酬規定は、税理士会がその地域の実情を考慮して決めております。 一応その決め方でございますが、日本税理士会連合会が定めております報酬規定は、税務報酬と顧問報酬というふうにまず二つに分けておりまして、税務報酬につきましては、税務代理報酬、税務書類の作成報酬、税務相談報酬、法定添付書面報酬、こんなふうに分けております。 いま委員のお述べになりましたように、税務代理報酬につきましては、所得税につきましては一応、総所得金額のそれぞれの段階に応じましてそれぞれ最高限度を決める、あるいは法人税につきましても同じようにしております。それから、たとえば顧問報酬でありますと、資本金や剰余金などの合計額のそれぞれの金額に応じて最高限度額を決めております。 今後この最高限度を決めるに当たりましては、税理士会の方が会則でこれを決めることになっておりますので、今後いかように定めるか、その定めるに当たりまして、これは会則でございますので大蔵大臣の認可が要るわけでございますが、その際いろいろ私どもも御意見を申し上げたいと思いますが、恐らくこういういま申し上げましたようなものとほぼ類似のようなものになるのではなかろうかというふうに考えております。
○高橋委員 伺うところ、地域差がある。この地域差というのは、何をもって地域差というふうに見ていらっしゃいますか。
○米山政府委員 都会と地方でありますと、それぞれの経済力によりましてその会社の規模あるいは個人の収益の規模、そういうものもいろいろありますし、また物価等も、非常に物価が高い地域もありますればそうでない地域もありますので、そういういろいろな条件がそれぞれの地域で違っておりますので、そうしたものに報酬もある程度影響されてくるのではなかろうか、そういうふうに考えております。
○高橋委員 いまのお話だと、本当言って余りよくわからないということですね、任しているということで。日本の国の中なんですから、そんなにいろいろと極端な差があっておかしいと思いませんか。反面また、いろいろな状況等を御勘案になるということは確かに必要かと思いますが、そうなると国税庁のお立場からすれば、余りこの問題には直接にタッチしてない、そこで三十九条の規定だけ出して、そしてどうも常識的に考えて少し多いなと思うと、それに歯どめとかあるいはブレーキをかける、こういうふうな御展開をなさる、こう理解してよろしゅうございますか。
○米山政府委員 この最高限度は、やはり委嘱者である納税者が不当に高額な報酬を払うのを保護しようということでございますので、いま委員御指摘のような点も十分、その決定に当たっては一つの考えのもとになるのではなかろうかと思います。
○高橋委員 そういうふうに定めるとなりますと、この報酬規定というものは非常に自主性のある税理士さんの御展開の中で決まってくるのだろうと私は思います。 ところが私の聞き及ぶ範囲では、この最高の報酬額をいただいておられる税理士さんというのは余りいない、ダンピングと言ってはちょっと失礼ですけれども、比較的割り引いていらっしゃるように伺いますけれども、この実態はそんなふうな理解でよろしゅうございますか。
○米山政府委員 個々のこういう段階に応じてどのくらいの実勢になっておるかという統計を私ども持っておりませんが、いろいろ聞いたところによりますと、ここまでもらっている方というのは比較的少ない、やはり平均してみますと相当下回っておる、こういうふうに聞いております。
○高橋委員 そういう実態があるからなのかもしれませんけれども、私は実はこれからお伺いしたいのですが、税理士さんが実際に税務署並びに関係官庁の調査のときに立ち合いをなさる、言葉は悪いのですけれども工作をなさるその工作費、これに伴っての費用の負担というものを委嘱者にさせている例が大変多いのですけれども、ここいらをどのように実態を御存じでいらっしゃいますか。
○米山政府委員 非常に申しわけないことでございますが、実際にそういう工作費等をどんなふうに出しているかというようなことについて、私ども実態調査したことはございません。
○高橋委員 実態調査なさらぬでしょうけれども、これはもう町では通常のことなんです。結局、税務署の方が来られるとそれに伴って諸費用がかさむ、これはもう現実の姿なんですね。しかもそのたびに、これは五千や一万の金じゃないわけです。いや、首を振っていらっしゃるけれども、私は知っていて首振っていらっしゃるのだろうと思う。そうなると、このお金は一体何の名目で国税庁としては許しておられるのですか。
○米山政府委員 ただいま申し上げましたように、私どもこの実態がわからない、また把握していませんので、これが一体どういうものに当たるかということは、非常にいろいろなケースがあるのだろうと思いますので一概に申し上げられませんが、非常に抽象論になって恐縮でございますが、税理士がその業務に関連して委嘱者から金銭を得てそれを自分の収入にして、さらにそれをそういうものに充てたとすれば、その受けた税理士は当然、それを税理士の事業所得の総収入金額に算入し、もし支出したとすれば、それは総収入金額からの経費として控除すべきものだと思っております。また、もしそれを直接に預かって、たとえば食事をしたとか何かをして委嘱した人の名前で領収書をもらって返すとすれば、これは単なる預かり金として処理されるものだろうと思います。
○高橋委員 よく御存じの上でそういうお話をしていらっしゃると思うのですが、本当のことを申しまして、実は納税者というのはこういうことに一番神経をとがらすのですよ。これは逆に交際費として落としているかもしれません、あるいは、暗黙の了解というやつでもうそれ以上追及していないのかもしれません。いずれにしましても、もし交際費として落としているとしたら、こういう費用は法定の交際費の枠外として考えてよろしゅうございますか。
○米山政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、実態がよくわからないものでございますが、何か軽い昼食でもしようということで、事業主も税理士も一緒に行って食べたというような場合は一応交際費の枠に入ると思いますし、また、はっきり税理士に渡し切りにいたしまして税理士が自分の責任で支出したとすれば、これはむしろ報酬の中に含めるべき性格かもしれませんし、その辺は実態がはっきりした具体的なものになりませんと、受けた方が何であり払った方が何であるかということはなかなか決めにくい問題じゃないかと思います。
○高橋委員 余りしつこく言うといろいろ御迷惑が出るかもしれませんから、ほどほどにいたしますが、税理士さんにはたしか源泉徴収を一〇%私たちは見て払うわけですね。この場合にはもちろん領収書も何も出ない。何とか渡しなんて書いてあるのがせいぜいですね。こういう例が納税者が一番持ついわゆる不信感というか不満足な感じというものを助長することがございますので、どうぞひとつ税理士さんに対してそういう意味でのいろいろ御忠告をしておいていただきたい、私はそのように思います。 次へ移らせていただきます。きょうはあくまでも冒頭お断りしたとおり周辺について伺いますので、どうぞお許しをいただきたい。 税理士さんが税法の適用を誤ったりあるいはいわゆるミスをした場合に、その税額を納税者に一方的に持たすということが間々あるのですが、こういう問題に対してはどのように認識をしていらっしゃいますか。 〔綿貫委員長代理退席、小泉委員長代理 着席〕
○米山政府委員 税理士と委嘱者との契約というのは、お互いの信頼関係の上に成り立っているわけでございます。したがいましていまのミスの問題も、やはりその信頼の度合いとか税理士の責任の程度、どのくらい注意を払ったとか、それによっていろいろ違ってくると思います。場合によりましては、委嘱者の損害賠償請求の責めに応じなければならないような場合も生じてくると思いますし、また、そうした税理士との契約の解除というふうなこともあるのではなかろうかと思います。いま申しましたように、これもいろいろケース・バイ・ケースだろうと思います。
○高橋委員 税理士さんと契約を解除するということは、口で言うほど簡単にできることじゃないんですよ。それは過去何年も続いてきておりますから、いろいろな意味で中身を知っているし、急にかえることもできない。ただこのミスが、大変失礼ながら五万、十万のミスであるうちはよろしいのですけれども、こういう例が一つあるわけです。 ある中小企業があった。その会社はいろいろ事情があって、ある会社に株の過半数を持ってもらった。その株の過半数を持ってもらった時点においては、その持った大株主は資本金一億に達していなかった。ところがこの大株主の方の都合で資本金を一億以上にした。別にこれは一々細かく中小企業に対しては通知はなかった。御承知のとおり、一億円を超える資本金の会社が中小企業の株の過半数を持つと、その中小企業は中小企業としての特典には浴さなくなります。これは過去三年ぐらい前にそれが行われて、たまたま調査に来られたときにそれがわかった。一期一年で二千万、三千万の優遇措置を租税特別措置法の中で受けていた。さあ、これに対しては税務署の方としては絶対認めない。過去にさかのぼって税金を納めなさい。ところが片一方にしてみれば知らなかった。しかもちゃんと税理士さんがついている会社で、税理士さんもそのことを知らなかった。これが三年間でもう四千万、五千万になってしまった。そうなった場合にだれがそれを泣くかといったら、結局は中小企業の払う方の立場が泣かざるを得ない。 こういうときに、税理士さんも人の子ですからミスもある、気づかなかったこともある、あるいは、説明を聞きに行きながらも十分理解しないで帰ってきてしまった場合もあるかもしれない。ここらを逆に考えていくと、何かこの辺で税理士さん自体が、自分たちの職務の安全を保障するための制度、仕組みを考える必要があるのではないか。こういうことは、保険ばやりの最近でございますから、ひとつお考えになる材料として御検討いただくわけにいきませんでしょうか。
○米山政府委員 その辺、私どもまだ十分検討しておりませんので、それに対して十分なお答えのできる段階にいまありません。やはりこういう事態を未然防止するように、税理士の自覚あるいは研修等によって資質の向上というのがまず根本的に必要なことではなかろうか、こういうふうに考えております。
○高橋委員 それはそうなんですけれども、現実の問題として数千万円のお金を納めなければならない。しかも、こういうことに対しては国税庁御当局は全然御容赦ないでしょう。そのままお金を取っちゃうわけですから、こういうものは逆に言えば、一方的な納税者の負担になるのもかなわぬし、さりとはいいながら、月に三万か五万きり払っていない税理士さんに全部持てということもなかなか言い切れない。そうであれば、納税者の立場に立って応分の御配慮というものを何かお考えになるというお気持ちもございませんか。
○米山政府委員 この問題につきましては、以前もそういう問題がございまして、その保険制度というのは考えられないかということで、正直なところいろいろ検討したこともございます。そのときに、私どもまだ部内の内々の検討程度でございましたが、正当な職務の遂行を怠ったというような場合のそういう損害賠償というものは、保険でカバーするのは適当であるかどうかというふうな議論をいたしまして、やはりこうした問題について、保険制度を考えるのは適当じゃないんじゃなかろうかというふうなことで一応、私ども内部で結論を出したという事実はございます。
○高橋委員 だんだんと租税特別措置法の展開をいただきながらも、額もふえていくことでございますので、また新規に何かの機会にはお考えになっていていただきたいなと私は納税者の立場に立って思うのです。よろしくひとつ御検討をお願いいたします。 最後になりましたけれども、皆様、例の助言義務の件でいろいろとお尋ねを続けてまいられたので、私は確認を含めてお尋ねをしておきたいのですが、私は本当のことを言いますと、本当に脱税しようなんという男は税理士さんなんかに余り相談なんかしませんよ。私はそれが真実だと思うのです。税理士さんに悪いというのではなしに、人間の本性からいって、自分の家族のメンバーにだって話をしないというのが、私は本当の意味で脱税をしたりこういう悪いことをする人の本質だろうと思います。実態だと思うのです。それであるのにここでいま、これが倫理規定であるとは言いながらもここへ助言義務違反などというものを出すのは実態にほど遠いので、こんなものをこういう法律に載せる必要はないんだろうと私は思うのです。私は全然裏返しの話から言っているように聞こえますけれども、助言義務違反というようなことを言ったって、最初から相談しようと思っていないんですから。そういう連中を相手にして助言義務違反だとかなんとか言ったって、それはこういう場所での話であって、実態にはそぐわないんじゃないんですか。ですから、例の助言義務問題というのははなから要らないんだろうと私は思うのですが、いかがでございますか。
○福田政府委員 これは実態がどうなっているか、いろんな場合が多いと思いますが、これはわれわれの知っている範囲では、また反対のケースも多いわけであります。いずれにしろ、その事実を知っていなければこの問題にはならないというのが一つであろうと思います。 その次に、知ったならば相手に言っていただく、これは明らかに客観的にわかる悪質の事例ですから、これは税の専門家として注意をしていただくというのもまた常識的な話で、これに対して従ってもらうということが真の信頼関係がそこに依頼者との間にできて、またそれが続くということになろうと思います。これは知った上でまた、それを続けるという場合もあろうかと思います。これは四十五条の方の違反になってきて、真正の申告書をつくっていないという方の規定の適用になります。 いずれにしろ一般懲戒が適用される場合というのは、いまのように注意して向こうが直せば問題はない。また注意をして続けてやれば、真正でないものをつくるという意味で四十五条の重い方の規定が適用になりますから、具体的に懲戒がすぐにどうなるという具体例はないにしましても、この規定自体があることそれ自体の意味は多いと思います。実際裏返しからおっしゃっておりますので、またそれを裏返しにすれば本当に必要だという論理にもなろうと思うのです。 そういう意味で、実際非常にそういう悪質の場合に御相談してないという場合もありますし、また、世の中いろいろでございまして、われわれまた実際にいろいろなことを知っております。そういうこともありますので、税の専門家として真の信頼関係をという意味であれば、これは注意をしていただくというケースがありますので、その場合の規定があるごとは意味がある、こういうふうに考えます。
○高橋委員 私お尋ねしたいのは、確認も含めてなんですが、とにかく知らなかったらこの義務違反には問われない、まずこれは確認してよろしゅうございますね。いかがでございますか。
○福田政府委員 おっしゃるとおりであります。知らなければこれは問題になりません。また、その挙証も非常に困難であろうと思います。
○高橋委員 そうです。私はその挙証が困難だろうと思う。恐らくこれを取り上げて証拠を両方どっちかが挙げていって詰めていくなんということは、実際問題としてできない。言った言わないとか、相談仕掛けたとかしたとか、紙の上に書くはずもない。そうであれば、ほとんど私は実証できないと思う。できないものをわざわざこんなところへ法律の形として、よけいな刺激をする必要は私はないと思うのです。これは主観の相違でございますから……。
○福田政府委員 これは懲戒処分を常に頭に置かれるとそういう議論が出るかと思います。しかし、税の専門家という本来の信頼にこたえるという趣旨からいけば、それ自体の規定として御評価願いたい、こう思います。
○高橋委員 以上をもちまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小泉委員長代理 次回は、明六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十七分散会