大蔵委員会 第25号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1979/06/01
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、去る五月二十三日質疑を終了いたしております。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○加藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブを代表して綿貫民輔君外四名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。綿貫民輔君。
○綿貫委員 ただい蚕議題となりました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して簡単にその趣旨を御説明申し上げます。 御承知のように、今回の外国為替及び外国貿易管理法の改正によりまして、資本取引は、特定のものを除き原則自由とすることといたしておりますが、いわゆる有事の場合には規制し得ることといたしております。 しかしながら、有事規制の発動は、機動性、機密性を必要とする等の理由をもちまして、政府に任されているため、その運用いかんによっては自由化の本旨に反する事態を生ずるおそれがあると考えられます。 したがいまして、政府においてその基本的な考え方を明らかにし、その適正な運営を図るよう要請するとともに、外国為替が企業等の不公正な取引に利用されることのないよう法律の運用について配慮するよう要望するものであります。 以下、案文を朗読いたします。 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、有事規制の発動については、外国為替等審議会の意見を十分尊重して、その基本的な考え方を明らかにするとともに、その適正な運営を図ること。 一、外国為替が企業等の不公正な取引に利用されることのないよう、この法律の運用について十分配慮すること。 以上であります。 何とぞ御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○加藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。金子大蔵大臣。
○金子(一)国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては、御趣旨の線に沿って十分努力いたしたいと存じます。 —————————————
○加藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○加藤委員長 次に、税理士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を求めます。金子大蔵大臣。 —————————————
○金子(一)国務大臣 ただいま議題となりました税理士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、税理士制度の実情等に顧み、その改善を図り、税理士業務のより適正な運営に資するため、税理士の使命の明確化、税理士業務の対象となる税目の範囲の拡大、特別税理士試験制度の改正、登録即入会制への移行、他人が作成した申告書の審査に関する書面の添付制度の創設、懲戒手続の合理化等の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提案した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 第一は、税理士の使命の明確化であります。 すなわち、税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とすることを明らかにいたしております。 第二は、税理士業務に関する改正であります。 すなわち、税理士業務の対象となる税目は、現在、所得税、法人税、相続税等の特定の税目に限定されておりますが、今回、原則として全税目を税理士業務の対象税目とすることといたしております。なお、これに伴いまして、これまで行政書士が取り扱っておりました料理飲食等消費税等の税目につきましては、行政書士は、今後とも税務官公署に提出する書類を作成することを業とすることができるよう措置することといたしております。 このほか、税理士は、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行等の会計業務を行うことができる旨の規定を新設することといたしております。 第三は、特別税理士試験制度についての改正であります。 すなわち、現行の特別税理士試験制度を廃止して、一定年数以上の実務経験を有する税務職員で一定年数以上管理的地位または専門官の地位にあったもののうち、税理士審査会が指定した研修を修了した者については、税理士試験における会計学の試験を免除することとし、税理士試験制度の合理化を図ることといたしております。 第四は、登録即入会制への移行であります。 すなわち、税理士登録と税理士会への入会を別の手続とする現行制度を改め、税理士登録をすれば当然に税理士会に入会することとし、これに伴い、いわゆる通知公認会計士制度につきましては、所要の経過措置を講じた上、これを廃止することといたしております。 第五は、他人が作成した申告書の審査に関する書面の添付制度の創設であります。 すなわち、税理士が、他人が作成した申告書につき相談を受けてこれを審査した場合において、租税に関する法令の規定に従って作成されていると認めたときは、その審査した事項等を記載した書面をその申告書に添付することができる制度を設けることといたしております。 第六は、懲戒手続の合理化であります。 すなわち、税理士の懲戒処分につきまして、懲戒権者を大蔵大臣に改めるとともに、懲戒処分をしようとするときは、税理士審査会に諮り、その議決に基づいて行わなければならないこととしてその手続を一層慎重にすることといたしております。また、これに関連いたしまして、懲戒処分の効力は、他の職業専門家制度と同様に、懲戒処分をした時点から発生することといたしております。 以上、税理士法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同下さいますようにお願い申し上げます。
○加藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、金融に関する件について調査を進めます。 この際、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ六党共同提案による、金融機関の週休二日制に関する件について本委員会の決議を行うべしとの動議が綿貫民輔君外五名より提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。綿貫民輔君。
○綿貫委員 ただいま議題となりました金融機関の週休二日制に関する件についての決議の案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。 金融機関の週休二日制に関しましては、昨年三月二十八日の小委員会において決議を行い、当委員会に御報告申し上げましたが、その後の情勢を見まするに、週休二日制は世界の趨勢であるにもかかわらず、わが国の導入がおくれていることから、日本人の働き過ぎに対する国際的批判が高まり、国際会議の場でもたびたび指摘を受けております。一方、国内的には、最近、省エネルギーの観点から、週休二日制の普及促進が提唱され、公務員の分野においても導入の検討が行われようとしております。 したがって、金融機関につきましても、その早期実施をより一層前向きに検討すべき時期が到来いたしていると存ずるのであります。しかしながら、そのためには、まずもって国民的合意を得ることが必要でありますが、いまだ十分に理解を得られたとは言いがたい状況でありますので、今後とも、政府並びに関係機関においてその努力を重ねられることが望まれるのであります。また、銀行法第十八条その他の関係法令の改正問題、郵便局、農協等預貯金業務を行う機関との関係等適切に処理しなければならない問題が数多く残っております。 よって、当委員会といたしましては、金融機関の週休二日制に関し、政府に対し早急に所要の措置を講ずるよう要請する必要があると考え、この決議の案を提出いたした次第であります。 以下、案文の朗読により、内容の説明にかえさせていただきます。 金融機関の週休二日制に関する件(案) 金融機関の週休二日制を実施するには、銀行法をはじめ手形法・小切手法等関連諸法規の整備が必要であるほか、中小企業・消費者等金融機関利用者の理解を得ること、及び郵便局・農協等預貯金業務を行う他の機関の週休二日制もあわせて実現されること等が必要である。 ゆえに、政府は、次の諸点につき所要の措置を早急に講ずべきである。 一 金融機関の週休二日制を早期に実施するため、中小企業・消費者等金融機関利用者の理解を得られるよう積極的に努力すること。 二 銀行法については、目下金融制度調査会において同法の改正を中心に審議が行われていることにかんがみ、その改正の一環として同法第十八条の改正につき適切な措置をとり、金融機関の週休二日制が実施される際は遅滞なく対応できるようにすること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ御賛成くださいますようお願いいたします。
○加藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく、金融機関の週休二日制に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、本件を委員会の決議とするに決しました。 本決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。金子大蔵大臣。
○金子(一)国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配慮いたしたいと存じます。
○加藤委員長 本決議に関する議長に対する報告及び関係各方面に対する参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、税理士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島弘君。
○大島委員 ただいま御提案になりました税理士法の一部改正案につきまして、昭和三十九年以来の改正でございますけれども、この改正の理由、経緯その他簡単にまず最初説明していただきたいと思います。
○福田政府委員 法律ができまして、二十六年ですから相当年数がたっております。三十一年と三十六年に一部改正がございましたが、その際、全面的な検討をという附帯決議もございまして、三十八年の十二月に一年間を要しました政府税調の答申がございまして、それにのっとった三十九年改正案が出たわけでありますが、これが四十年に廃案になって、その後今日に至っておるということでございます。 その間、申告納税制度につきましては、直接税以外に間接税にも及ぶとか、いろいろな社会的経済的な推移もございますし、この際、多年の懸案を整理するということで、関係業界とも十分の調整をいたしまして、今回これを提出するに至ったわけであります。 要は、税理士業務の適正な運営に資するためということでありまして、国民から見ましても依頼者から見ましても、また、国から見ましても税理士から見ましても、合理的なものであるということがわれわれの目的であります。
○大島委員 私が第一回の質問でございますので、あとまた各委員から具体的なそれぞれ個々の問題につきまして質疑があろうかと思いますが、私は以下、許された時間内で、主として全面的に一般的な論議を質疑いたしたいと思います。 まず第一に、税理士の使命でございますけれども、現行法の中正とあるのを独立公正と改められたのですが、独立公正ということはちょっと非常にわかりにくい言葉ですが、これを具体的に説明していただきたいと思います。
○福田政府委員 現在の中正という立場につきまして、われわれはわかっておりますけれども、なかなかわかりにくいという御批判がございます。したがいまして、法律である以上これを明確にするという趣旨から、「中正な立場」、これは中立公正という言葉であったかと思いますが、これを「独立した公正な立場」というふうに明確にいたしたわけでありますが、これは先ほど申しました三十八年十二月の税調答申にも、税理士制度は何だということがやはり必要なわけでございまして、冒頭にこれが「職責」と書いてございますのを「使命」ということで明確にいたしておりますが、この際、やはり適正な納税義務の実現というのがその使命の最大の目標であろうと思います。ここで委嘱者の立場というのは、依頼関係という立場に立つわけでありますが、そこで依頼者と同じ立場ということではなくて一段高い、やはり職業専門家としての判断を加える、しかもそれが適正な納税義務という公的な目的のためにという、そこがポイントであろうと思います。したがってそういうところにつきまして、職業の独占権を与えておりまして、独占の利益もそこにあるわけでありますから、そういう意味の独占のよって来るところは適正な納税義務の実現ということであります。したがって、ここで独立した公正な判断が必要であるということは依然として変わらないわけでありまして、そこのところにもう一つ職業専門家的な判断ということも加える趣旨で、税務の専門家としてという言葉を新たに加えております。したがいまして、「中正な立場」を「独立した公正な立場」という以上に「税務に関する専門家として、独立した公正な立場」ということであります。 この「税務に関する専門家として、」という言葉は、やはり会計に関する職域でありますので、公認会計士とか行政書士とかいろいろな分野と競合いたします際に、税務に関する専門家という認識が非常に大事であります。また、今後税理士の方が地位を向上していくためには、やはり専門家としての責任を自覚して、実力を伸ばすということが地位向上につながる、また、その立場が一つの独立した公正な判断を加えるということにもなります。また、ここに、ぼつが打ってありますが、またその専門家としての独立公正な立場と同時に、全人格的な公正な立場ということで、依頼者に偏しないまた税務当局にもぴったりでないという、独自の判断をしていただくということであります。
○大島委員 ちょっとよくわからないのですが、現行法は中正と書いて中立公正、改正法は独立公正と書いている。その中立と独立というのは、どう違うのですか。その点だけ……。
○福田政府委員 中正という言葉は、これは辞書にございますが、中立公正の略でございますので、これを明確に書けば独立公正ということで、実質的には同じことであります。これをなじみやすい言葉で明確にすると同時に、先ほど申しました税務に関する専門家という言葉が前にあるということで、さらにその地位が明確になるというふうに判断するわけであります。
○大島委員 それでは現行法と実質的には変わりないということでございますか。単なる用語の改正だけでございますか。
○福田政府委員 趣旨は従来と同じでございます。趣旨を明確にし、今後ともこの立場には変わりはない。ただ、ここで独立した立場が職業専門家ということで、明確にその地位の向上を今後とも実力をつけてやっていくということがこの趣旨でありまして、この考え方はずっと後の条文にも影響するわけです。税務に関する専門家であるからこそ全税目に及ぶわけですし、他人の作成した書類についても審査をする、また、独立公正という立場から、依頼者が脱税に近いことをやっている場合には助言するとか、一貫した思想が流れているわけであります。これが社会的批判に対する税理士の地位だろうと思います。
○大島委員 ひとまず使命につきましては終わりまして、次に対象税目の範囲、つまり税理士の業務につきまして若干質疑いたしたいと思います。 改正法によりますと、税理士の業務の対象税目は、通行税、印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税等を除く全税目とし、料理飲食等消費税、自動車税、自動車取得税等については行政書士も税務書類の作成を業として行うことができることとする、こういうふうに改正案が変わりまして、つまり、従来の七税目からほぼ全税目になったという趣旨、並びに行政書士との間の守備範囲の問題、そういう点の調整がついているのかどうかということで五十一条の二との関係があるのですが、この点ひとつ御説明いただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 いまお話がございましたように、今回の改正は、税理士業務の対象税目を原則として全税目に広げるということを法律上明らかにするということでございます。 現行法が七税目に限定いたしております理由は必ずしも明らかでないわけでございますけれども、法制定当時、申告納税制度を採用しておった税目、そういうものに重点を置いて定められたという経緯であろうというふうに理解いたしております。税理士のお仕事が租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現に資する、そういう趣旨から税務に関する職業専門家として行動される、独占的な無償独占の地位を持たれるということでありますから、原則として全税目を税理士業務の対象にするのが理屈に合っているだろうと思いますし、納税者にとりましても便利であろうというふうに考えるわけでございます。また、先ほども審議官から申し上げておりましたように、三十七年度以降間接税を申告納税制度に切りかえたというような事情もございまして、税理士業務の対象税目を七税目に限っておくという積極的な理由が認めがたいということであります。そこで今回、先ほどお話がございました通行税、印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税、こういう税目を除きまして原則として地方税、国税を通じて税理士業務の対象税目にするという改正を行うことを御提案申し上げたようなわけでございます。 税理士法の今回御提案申し上げております五十一条の二でも明らかでございますように、従来から行政書士が取り扱ってこられた申告書等の作成に関する業務につきましては、今後とも従来どおり行政書士の名において行うことができるということで、行政書士との間では既得権について十分配慮を行っておるところでございます。
○大島委員 行政書士との間の調整がついているということであるならば、私は結構でございます。 次に、業務の範囲を明確化したとしまして、まず税理士の業務としましては一つは税務代理、二つは税務書類の作成、三つは税務相談、それからその他これに付随する業務としていわゆる会計事務が第二条において明確化されたわけでございます。 まず第一番目の税務代理につきまして、申告、申請、請求等につき、代理しもしくは代行しという規定がありますが、代理と代行とはどう違うわけでございますか。
○高橋(元)政府委員 これは昭和三十八年に政府の税制調査会で、税理士法改正の三十九年案のもとになります答申の審議をしておられた段階から問題になっておったわけでございますが、現行の税務代理という言葉の解釈でございますけれども、税務調査の際に税理士が事実の解明、陳述を行って納税者を援助する行為というものがいわゆる代理、つまり、本人にかわって意思表示をするとか本人にかわって意思表示の受領をする、それによって法律効果が直接本人に帰属する、こういう法律で厳格な意味で申します代理という言葉になじむかどうかという点が問題とされたわけであります。税理士のお仕事の中には、そういう法律効果が直接に本人に帰属する、そのための意思表示、いわゆる効果意思と申しますか、本来の法律行為に属しないものがかなりある。税務折衝についてのいわゆる援助でございますが、税理士が納税者のために事実の解明とか陳述等、純然たる法律行為と言いがたいような行為をして本人を援助する事例というのが非常に多いわけでございます。代理という言葉を通常の法律用語のように厳格に解するならば、税理士が税務代理をする場合に事実の解明、陳述をする行為は該当しないということになります。 その点につきまして、三十八年の税調答申でも、税務代理という言葉のほかに代行ということを明らかにして法律の条文を改めることを答申されておるわけでございますが、今回の改正でもそういう意味で、法律効果が直接本人に帰属するような代理という言葉と、それから、申し上げておりますような事実の解明であるとか陳述であるとかそういう事実上の税務折衝の援助行為、これを代行という言葉であらわすことにいたしまして、その辺の疑義を解いたということであります。
○大島委員 法律行為と事実行為との違いでしょうが、代行とは具体的にたとえばどういうことでございますか、典型的な事例はどんな場合ですか。
○福田政府委員 代理は、先ほどのように法律行為自体の場合を狭く解すればいいわけですが、また広い意味の代理の中に、いまのような事実上の行為といいましても、これは法律的な具体的、個別的な納税義務に関連する問題としての事実行為であろうと思いますが、その際考えられますのは、意見を申し述べる、自分はこういうふうに考えるというのが一つの主張という内容になろうかと思います。これは意見が対立をしておる場合にはなおさらでありますが、こういう主張がありますし、陳述といいますのは、これは積極的な意見とまではいかない、しかし事実の解明をするという立場に納税者がある、またそれを代理してやるという意味であろうと思います。しかし、単に財務書類を説明するという種のものは、これは事実行為と申しましても代行に入るかと申しますと、まだそれが本人に納税義務という形で具体的に帰属するまでは至りませんので、これは前の答申にもございますけれども、その辺単なる財務書類の説明は独占の範囲外ではなかろうかと言っております。 もう一回申しますと、主張、陳述ともに広い意味の代理でありますが、事実行為として納税者が申し立てるもしくは事実を解明する際それを援助するのが税理士の立場でありますので、そこまでカバーしませんと本来税理士が納税者の立場でいろいろな援助をすることができませんので、そこを広く規定するという意味で代理、代行と書き分けておる。これは三十九年法も同じく代理、代行としておりますが、法律的には広い意味の代理である。しかし内容的には事実行為であって、具体的には意見を、たとえば法律の解釈について自分はこう思うと言うのが主張であり、特に対立している場合には、あなたはそう思っても自分はこう思うと言うのが主張であり、陳述は、これについて従来こういうふうに処理してきておるということを申し述べる。これが租税債務に関連しておる、そこのボーダーラインのところが、この財務書類がこういうふうな数字ですよという単なる説明は、陳述という独占権の範囲には入らないというふうに考えます。
○大島委員 問題を先に飛ばしてもらったら困るので、私はいま主張と陳述の差を聞いているのではなくて、代行とは具体的にどういう場合が考えられるかということを聞いておる。
○福田政府委員 失礼しました。 代行と代理の差でありますが、これは先ほど申しましたが、広い意味では代理の概念かと思います。ただ代理の場合、狭い意味の代理、これは代理人が本人にかわって意思表示をするまたは意思表示を相手から受領する、その法律効果が直接本人に帰属する関係という極の法律行為、これが代理であろうと思います。ところが代行ということは、さらに広く事実行為として意見を述べる、もしくは陳述するということまでカバーしておいた方が納税義務者にとってはいいということを考えるわけです。そこまで納税者を援助するということがなければ、税務署と接触する際に発言をし、いろいろな主張をするというところを、それは事、実行為で法律行為ではない、代理ではないと言ってこれが独占が外れますと、本来われわれと接触する場において申し立てるのが納税者の大事な立場であるし、それをかわってやるのが援助になるわけですから、そこを狭く代理と解さないで、解されるおそれがあるならば代行まで含むというのが納税者援助の税理士業務にそぐうと思うのです。ただ、そこが余り行き過ぎますと、財務書類の説明まで本人でなければいかぬ、もしくは税理士でなければならぬとなるとこれはまた問題ですから、そこにはまた線があろう、こう申し上げたわけです。
○大島委員 たとえば税理士でない者が立ち会いをするなんというような場合はどうですか。
○福田政府委員 立ち会って黙っておればこれは何にもならないわけですが、立ち会ってそこで意見を言うという場合に、主張もしくは陳述ということになればこれは税務代理になろうと思うのです。しかし単なる書類の説明をしておるというだけならばこれはボーダーラインの問題であって、あくまで納税者の個別的納税義務に関連することをそこで発言するということであれば税務代理になると私は考えます。
○大島委員 大体わかりました。また他の委員がこれにつきましてはいろいろ御質疑があるかもしれませんが、時間の関係上、あなたに先走って主張と陳述の説明をしてもらいましたが、わかったようなわからぬようなことですが、これはもう少し法律用語になじむような言葉はないのですかね、主張もしくは陳述というようなことよりも。
○福田政府委員 ここで主張と陳述があり、これが絡んで代理と代行という言葉になってくるわけです。ここで先ほどより申しますように、代理を狭く法律行為に限定すると納税者援助に欠けるところがあるということから、事実行為の代行という言葉まで含めたという意味で私は、代理にプラスの代行という事実行為的な代理関係まで含めることの方が税務代理にそぐうと、こういうふうに考えます。その中の代行の内容になる事実行為が主張と陳述に分かれる。主張は積極的な主張であり、陳述は事実の解明である。さらに陳述が説明との差がどうなるか、これはやはり税務の現場の具体的状況による場合がありますが、ここを狭く解していいかとなれば、前の答申及び前の法律にあります方が、こういう代理、代行という税務に即した概念を使う方が税務の実情に合いますし、納税者に対する援助業務にそぐう、こういうふうに考えます。ほかの民法の言葉をそのまま使うということは税務代理に合わないと私は思います。
○大島委員 次に進みまして、問題となりました特別税理士試験制度の改正で、いわゆる特税制度ですが、この改正の趣旨と、それからあわせて、非常に参考になると言われていますドイツの特別税理士制度を簡単に説明してもらいたいと思います。これは説明で結構です。
○高橋(元)政府委員 最初に、特別税理士試験を廃止して試験科目免除制度にしたということの趣旨を申し上げておきたいと思うわけでございます。 税務官公署との税務折衝ということが税理士業務の中心になるわけでございますが、その際に、専門実務家としての業務であるということから、十分に税務実務の経験に富んだ方に対して税理士資格を付与するということが、税理士制度の運営上も実情にかなうものであるというふうに考えられております。そこで、三十一年の改正で特別税理士試験というものが附則に加えられて、今日まで当分の間ということで試験が続いてきたわけでございますけれども、附則の三十項にありますようにこれは当分の間の暫定的な措置ということになっておりますので、特別試験を廃止して試験を一本化したらどうだという御意見もありますし、廃止するかわりに試験にかわる別の制度を設けるべきであるという御意見もあります。三十九年法では口頭試問というようなことも考えておったわけでございます。 そこで今回、税理士制度を全般的に見直す際に、そういう税務実務の経験というものを生かして税理士の仕事の運営の適正化を図っていくということから、特別税理士試験制度をやめて一般税理士試験制度に一本化するということが一つ、それから、一定の要件を備える者については会計学の試験免除制度をとる、こういう改正をすることを考えまして、ただいま御提案をしておるわけでございます。 その場合に、税理士の資質の確保ということが非常に重要でございますから、税務実務の経験年数国税の場合に二十三年、地方税の場合に二十八年というものを持っているほかに、管理的地位なり専門官の地位に五年以上あるという者について、税理士審査会が会計学の税理士試験を受けた合格者と同程度の学識を習得することができるということを認めて指定した研修を修了した者に対して、一般税理士試験の会計学の科目を免除するということにして、それによってこの今回の科目免除制度によりまして税理士の資質が落ちることがないように十二分に配意しておるところであります。
○福田政府委員 では続きまして、西ドイツの例を申し上げます。 これは一般試験と特別試験の両方の関連で申し上げないとウエートがわからないという気がいたしますが、西ドイツの税理士法によります税理士の資格は、税理士試験に合格した者とそれから税理士試験を免除された特定の者と、こういう二つからなっております。 税理士試験本来の試験の概要は、受験資格を有する者と申しますのは、大学の法学、経済学の課程を履修した後に税の実務に三年従事した者というふうにわりに高い水準が試験の受験資格になっております。 それから試験が免除される者でありますが、これは十年以上税務官庁において専門官の長、これは日本で言えば税務署の課長クラスに当たるそうでありますが、として税務を担当した上級職員、これは一般大学の卒業程度であります。それから十五年以上税務官庁において専門官、これは税務署の係長クラスということでありますが、として税務を担当した中級職員、これは税大の卒業程度というふうに聞いております。そういうことで、十年ないし十五年ということで試験が免除になります。 試験科目、これは一般試験の方でありますが、これは租税法、財政学、経済学、経営学、経営学は簿記及び貸借対照表が入ります。それから民法、商法、税理士法ということになっています。出題範囲は、租税法の範囲から二科目、それから簿記及び貸借対照表から一科目、それ以外からも出題をするということになっていまして、試験は相当厳しいです。試験は筆記及び口頭によるということで、筆記だけによらない、口頭による人物も見ておるということであります。再試験は二回ということに限定されています。このように一般試験が比較的高い水準を要求しております一方において、税務職員につきましては、その実務経験というのを十分に評価しておるというふうに書いてあります。
○大島委員 こういう特別試験制度は西ドイツ以外にほかの諸国にございますか。
○福田政府委員 アメリカにございまして、年数はわりに短かったと思いますが、五年でございます。
○大島委員 この問題は結構でございます。 次に、登録即入会制への移行問題につきまして御質疑したいと思います。今回の改正におきまして、現行の間接強制入会制を登録即入会制に改めるとともに、通知公認会計士制度を廃止することとなっております。私は現在第一東京弁護士会所属の弁護士でございますけれども、弁護士の場合は通知制度でよろしい、しかるに今回、公認会計士についてはこの制度を廃止したということの理由をお伺いしたいと思います。
○福田政府委員 弁護士につきましては、弁護士法三条二項に規定がございまして、御存じのとおりでございまして、弁護士は当然税理の事務を行うことができると、こうなっております。それが一つ弁護士の特殊な地位であろうかと思いますが、一方において公認会計士は、そういう規定を持っておりません。どの業法におきましても、登録をいたしましたらそこで業務ができる、登録即入会、そしてそこに入会するというのが業法の原則でございます。したがって今回の改正は、他の業法のバランスから見ましても、また業法の趣旨からいきましても、登録しましたらそこで入会するという原則を貫きたいということで、税理士を名のる以上は税理士会に入っていただくというのが基本であります。したがって公認会計士の方も、いままでのように例外的にやっている場合に通知をもって税理士会に入らないで税理士を名のり得るというのは、沿革的には理由があったでありましょうが、これは趣旨から考えまして、また公認会計士の方が相当の業務を税務の方でやっておられるという実態から考えましても、これはまた弁護士と違う点だろうと思うのですが、そういう意味で、税理士を名のり、しかも相当の税理士業務をやっておるという公認会計士の実態からいけば、登録即入会、税理士と名のるならば税理士会にお入りなさいということにこの際、ほかの業法と同じく踏み切るということであります。弁護士の場合も、やはり税理士を名のる以上は、今回の改正で税理士会にもお入りいただかなければいけません。ただ三条二項がございますので、税理士を名のらないでもやることができる、通知をもって税理士を名のらないでやれるというところが、弁護士の弁護士法からくる特殊な地位であります。
○大島委員 そうすると、ここに一つ問題がございまして、弁護士は当然、税理士並びに弁理士の仕事を行うことができる、これは当然弁護士に伴う資格なんですが、弁理士の仕事を行う場合には何ら通知も必要ない、また、通知をどこにするか、特許庁にするのかどうか、そういう規定は何にもなくて、ただ弁護士という資格で弁理士業務をやれる。なぜ税理士だけは弁護士としてやる場合に通知制度が必要なのか。 〔委員長退席、稲村(利)委員長代理着席〕 つまり、弁理士法と税理士法との歩調が統一しないということは非常におかしいと私は思うのですが、この点はどうお考えでございますか。あるいは次官は通産省におられたから、次官からでも結構です。
○福田政府委員 ちょっと前もって……。 先ほどのように弁護士法三条第二項と、それから税理士法におきまして御存じの五十二条というのがございまして、「税理士会に入会している税理士でない者は、この法律に別段の定がある場合を除く外、税理士業務を行ってはならない。」こう定められておることとの調整でございまして、それは国税局長が通知を受けるということでその間の調整が図られるというふうに考えて処理されておると思います。
○大島委員 この制度につきまして、公認会計士協会からは相当反発がございましたか、また、現にその調整はついているわけですか。
○福田政府委員 公認会計士と税理士の業務は本来違うというふうに考えるべきであろうと思うのです。税務代理というのは租税の納税義務の適正な実現、また守秘義務を伴う特殊な仕事でありますし、一方の公認会計士はディスクロージャーというまた別個の監査の目的があるわけですから、ここはやはり違った立場に立っておるわけで、業務分野はおのずから違うと思うのです。このところで、先ほどのように公認会計士が税務の方に入ってこられても結構ですが、それは税理士を名のる以上は税理士会にお入りいただくというのが筋として正しいと思います。これに対して反論する理由はないと私は思いますが、しかし、実態が公認会計士の仕事が減っておると申しますか税務の仕事がふえたと申しますか、その辺で実態上のあつれきが生じがちであります。この際、そこは先ほどのように登録即入会を徹底するというのが筋論でありますので、これをそのまま法律化いたしておりますが、本法附則の方におきまして当分の間ということで、小規模の少ない件数を扱っている場合は公認会計士の名においてそれをやることができる、ただし、これは通知じゃございませんで、一年置きの許可を要するということでそこをチェックしていくというふうな処理をいたしております。 これについては、公認会計士は機関として承知しておるわけであります。ここは調整がついたと私は考えております。件数をどうするかが問題であります。あと付随業務と他人の申告書の審査がございますが、これは当然のことでありまして、公認会計士会からいろいろ言われる筋はございませんし、それに対処し得るような表現にいたしております。
○大島委員 お手元に資料がありましたら、通知公認会計士は何名おるか、通知弁護士は何名おるかわかりますですか。なければ結構です。
○米山政府委員 五十二年度末でございますが、通知弁護士の数は千二百二十五、それから通知公認会計士の数は千百七十二でございます。
○大島委員 なお、この規定につきまして、本法施行後三年間は従前どおり税理士業務を行うことができることとするとともに、公認会計士は、当分の間、国税局長の許可を受けて、その行おうとする税理士業務の規模が小規模なものとして委嘱者の数等が一定の規模の範囲内である場合に限り、税理士業務を行うことができる。当分の間でございますけれども、小規模なものとして委嘱者の数等が一定の規模の範囲内というのはどういう意味でございますか。どの程度のことを考えておられますか。
○福田政府委員 これは先ほどの趣旨から申しまして、登録即入会の観点から考えますとおのずから制限のある件数であろうと思います。ただ、実態がどのようになっておるか、これは調査中でございまして、この趣旨に沿った件数の範囲にとどめたい。また、それは件数にとどまらず、収入金額等からもチェックする必要があるのじゃないか、こう思っております。あくまで登録即入会の原則を崩さない範囲で、当分の間ということで、例外的に公認会計士の名をもって税務の代理をやるわけでありますから、おのずから件数には制限があると私は考えます。
○大島委員 もうちょっと具体的に、どの程度の小規模なものを、あるいは一定の規模の範囲内というのはどの程度のことですか。
○福田政府委員 非常に少ない数字を申し上げたいのですが、それは差しさわりがございますし、それはやはり実態を調べませんと、それが付随的、例外的な件数だという判断ができませんので、この段階では申し上げられません。
○大島委員 ちょっと先ほどの説明が不十分で、私の質問に対して十分お答えができなかった点、あるいは私の聞き間違いかもしれませんが、聞き間違いだったらお許しください。 弁護士は税理士並びに弁理士の資格を当然有する。しかし、弁理士業務を行う——私は行っておりますが、業としては行っておりませんが、特許事務なんかを行っている。この場合は何にも通知せずにそのまま行える。ところが、税理士業務を私は業として行っていませんが、仮に行う場合は、十一の国税局長に全部通知しなければならない。その不均衡をどう考えるかということについてちょっと説明してもらいたいと思う。
○福田政府委員 失礼しました。答弁漏れでございまして、私の方のミスでございます。 いまの点は、税理士会というのが強制加入というその趣旨はほかの業法と同じでありますが、第一条の趣旨から見ても、公的色彩の強い任務を持った税理士の団体でありますので、そこに入ることの必要性は弁理士会とはおのずからまた差があると思うのです。それが一つ。もう一つは、税理士会はしたがって、研修等を税理士会の業務としてやって、その資質を向上していくということを常時今後も考えていくわけでありますから、そういう税理士会の研修というようなもので水準を維持していくということを考えますと、やはりそこに本当はお入りにならなければいけないのですが、そこの調整の仕方としては、おのずから弁理士会とは違った、少なくとも通知をしていただく。これはちょっとお答えになるかどうかわかりませんが、本当は全部お入りいただきたいのですけれども、通知をもってやる。しかし、通知もしないで弁理士と同じというわけにはまいりませんということであろうかと思います。
○大島委員 政務次官は特許庁の仕事をされたことがありますか。また、いまの問題については通産対大蔵の問題とも言えますが、どうお考えですか。
○林(義)政府委員 私は特許庁に勤めたことはございません。ただ、いま弁理士と弁護士との関係、それから公認会計士と税理士との関係を御質問でございますが、見ておりまして、先生御承知のとおり、特許事務というのは非常に法律になじむものが多いのだろうと私は思うのです。私もいろいろと民間の方に特許庁に話をしてくれとかいうことがよくありますが、大体弁理士さんなり弁護士さんにお願いをしてやっていただく。非常に法律的にむずかしい問題がたくさんございますから、そういった仕事の内容からいたしまして、弁護士は当然に弁理士の事務ができるのだ、こういうふうな形になっているのだろうと私は思うのです。公認会計士と税理士というのはやはり仕事が違うはずでございますし、一方は商法あるいは証券取引法等に基づきまして財務監査をいたします、こういうふうな話でありますし、一方は税金のなにをするということですから、仕事の内容が違うから、いまの立場におきましても、取り扱いが違うし、税理士法の改正ということを考えますならば、やはり筋を通しこういうふうな制度にしたらよろしいというのが、今回の考え方だろうと私は思うのです。私も弁理士と弁護士、その辺の違いを法律的にはよく説明できませんが、実態問題、事実問題としてはいま申し上げたようなことではないかというふうに考えております。
○大島委員 次は、税理士会による報酬の制限ですが、税理士報酬の最高限度額については税理士会の会則においてこれを定めるということですが、現在、弁護士会では最低を定めておるわけで、民事事件については何円以上、刑事事件のこれこれについては一件につき何円以上と最低を決めているのです。税理士の場合は最高を決めているということにつきましては、何か意味があるわけですか。
○福田政府委員 これはやはり税務代理に対して委嘱者が金を払うわけでありますから、実際に納税者に負担をかけるということそのものでありますから、それは税負担とは申しませんが、申告納税に伴う負担と申しますかそういう負担については、限度があるというのが当然の考え方であろうと思うのです。ですから最高限度を決める。その最高限度の定め方自体も今回は、税理士会にゆだねるわけでありますが、最高限度を決めるというのは、やはり負担の上限というものが、税務代理をやっている報酬というのが納税者に負担をかけておるということからの必然的な考え方であろうと思います。 一方において、最低を定めておる弁護士の方の趣旨は私、直接には知りませんけれども、それはやはり先生御承知のとおりでございまして、余りその辺低い水準でそれを請け負っていいかという種の業界での伝統的な考え方及び収入面からくる考えであろうと思うのですが、それとの比較で、やはり税の場合は、実質税負担的な謝金の性格が一部にあるということから来ておるのじゃないかと思うのです。しかし、これは今回の改正で税理士会の方にその水準の定め方をゆだねるというふうな考え方を自治権の一環としてとっておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○大島委員 弁護士会において最低を定めているということは、たとえば訴額何億、何十億というような大きな事件がある場合に、その場合といえども最低はこれだけだということを定めているので、後は大体慣例によって、免れ得た利益の何分の一とか何割とかということであるのですが、たとえば非常に有能な税理士がおりまして、大きな、仮に言えばちょっと例はどうか知りませんけれども、査察事件を成功させたというような場合でも、上限が制限されるわけでございますか。
○米山政府委員 比例的に報酬を決めるというような決め方になっておりません。そういう場合でも最高額頭打ちというふうな決め方になっております。
○福田政府委員 これはやはり税負担的な考え方と、成功報酬的な考え方はとれないというのが、税務代理の基本だと思います。
○大島委員 弁護士の場合は、着手金並びに成功報酬額と二つに分かれておるので、税理士とは一概にいきませんけれども、余りに制限するような制度でないようにしていただきたい。これは税理士会が決められることですけれども、税理士のためにお願いしておきます。 次に、本法の一番大きな問題であります四十一条の三の助言義務につきまして、税理士は、税理士業務を行うに当たって、委嘱者が不正に税を免れている事実、不正に還付を受けている事実、または課税標準等の計算の基礎となるべき事実を隠蔽しもしくは仮装している事実があることを知ったときは、直ちにその是正をするよう助言しなければならない。四十一条の三で、罰則はありませんが、これに反した場合は懲戒されるということでございますけれども、果たしてこういう規定が立法化することになじむのかどうか。またこういう規定は、解釈いかんによっては非常に広範囲に該当する場合があって、税理士としましてはその懲戒を恐れて仕事ができないというようなことがあると思うのでございますけれども、そもそもこういう規定が法律になじむのかどうかというような問題、それからこの範囲を、事実を隠蔽しもしくは仮装しているということを厳密に言えば、隠蔽または仮装している納税者がずいぶん多い。またそれを知っている税理士も多いと私は思うわけです、現実の問題としまして。そういうのが一々懲戒の対象になるということになりますと一体どういうふうになるのかということで、その辺の考え方を説明していただきたいと思います。
○福田政府委員 今回の四十一条の三の助言義務の御質問でありますが、これは第一条の趣旨から申しましたように当然の規定であります。したがって、当然の規定でありますから書かなくてもいいということもございますが、これはやはりその中で中心をなす脱税に対しては厳しい目を持つということが税理士には必要であると思います。これはまた社会一般からの目であるわけでありますから、現在のような社会情勢ではなおさらでございます。したがって、ここでその趣旨を明確にするということは、これは一つの社会的責任の明確化という意味で大事な規定であろうと思うのです。これが社会から支持されている今回の改正のポイントであろうと思うのです。これを書かないことよりも書いた方がベターであるというふうにお考え願いたいと思うのです。 もう一つは、この中が余りにも抽象的に免れもしくは免れようとしたということでは、この辺のまた客観的事実の認定に問題が生じますので、ここに書いてありますように、不正に「賦課若しくは徴収を免れている事実、」というのがまずございまして、あとは、免れようとしてというふうな表現も考えられたわけでありますが、ここはやはり具体的なことで書かないと税理士の保護にならないわけであります、反対に申しますと。したがって、「事実の全部若しくは一部を隠ぺいし、若しくは仮装」というふうな明確な書き方になっておるというふうにまずお考えを願いたいと思います。 この違反は、脱税相談の規定は適用されませんが、一般の法令違反の一般懲戒の対象にはなります。現在の規定でも信用失墜の禁止というのが三十七条にあります。「税理士は、税理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。」これだってなかなか内容は決めがたいわけで、しかしこれは同じく一般の懲戒の対象になるわけであります。ここはその種のものに比べますとむしろ、はっきりした税理士の責任を書いておるわけでありまして、脱税相談の禁止というのが三十六条にありまして、これは四十五条でその場合の懲戒がはっきりしておりますが、さらに、故意に真正の事実に反して書類を作成したときとか、この種の規定とのバランス、すなわち、脱税相談というような積極的な脱税指導というものに至らないで、しかも明確に脱税の事実を知っておる、または脱税に至る事実を知っておるというときにアドバイスする、助言というよりも注意をするというのは税理士の当然の責務であろうと思うのです。これはアメリカの規則にも明確に書いてあるところでありまして、これは税理士をやっておられる以上は当然に守るべき義務であろうと思います。 ただ、これの義務違反を脱税相談と同じに扱うことには問題があると思います。これは作為的に指導しておるものと不作為的なものとの差、したがって、一般的な法令違反というものとして扱う。しかし、その場合の扱い方はおのずから常識のある判断が行われようと思います。まして新しい規定でありますので、その辺の運用がどうされるかは危惧のないように持っていく必要がございますし、この注意をすることによって脱税の事例が減っていく、九〇%は注意をされれば減ると思います。そこに社会的なやはり改正の意味があるというふうにお考え願いたいと思います。むしろ懲戒をすること自体に目的があるわけではありません。そういうふうにに考えるわけです。以上であります。
○大島委員 そうしますと納税者、隠蔽、仮装とか、私はいいこととは決して言いませんよ、これは悪いことです。悪いことですけれども、納税者としてこれを厳密に解釈すれば、極端なことを言えば、たとえ百円でも隠蔽、仮装だという場合もあり得るということですね。その場合に納税者は、税理士が知らなかったらいいんだといいますけれども、知ったか知らないかということをどう判定されるのですか。
○福田政府委員 なかなかその辺は、本質的に訓示規定の性格を持っておりますので、さきの信用失墜に似た問題かと思うのですが、ここはわりにはっきり書いていますので、仮装、隠蔽の事実を知ったということで、百円ぐらいというような問題、そういう問題は知らない場合が相当多い。それから知っているか知らないかの問題は、おっしゃるとおりにあろうと思います。ですから、知らない場合の挙証はなかなかわれわれできないと思うのです。これは懲戒審査会というのができていますから、懲戒審査会が三者構成でやっておるわけでありますから、その辺の事実の認定の挙証はなかなか困難であるという事態までを懲戒対象にするというのは、常識的に考えられないと思うのです。また先ほどのように知らない場合が一つでございますね。知らない場合の挙証はなかなか困難でありますが、第二としまして、知っている場合に注意をするということは非常は大事だろうと思うのですね。注意をすることによって納税者がそこを正すということは、税理士の大事な仕事ですから、そこで正してもらえばその大部分の効果が上がるわけです。そういうことで、もう一つは、知っておりながらさらに相談を続けるという問題ですね。これは脱税相談につながっていくということでありまして、この規定自体が直に懲戒の方に具体的にどう発動するかは、ほかの三十七条的な一般の法令違反と同じく、懲戒審査会の常識のある判断によって一般の方の危惧のない運用が期待されるというふうに考えます。ないよりはやはりこれがあった方が、倫理規定としても重要でありますし、非常に悪質な場合にこれが発動されるというふうに考えます。
○大島委員 あなた方のお考えは納税者が隠蔽、仮装するということ、税理士は別の立場だというのですけれども、納税者自身は実際問題として、何が損金か、何が益金か、何が収入か、何が支出かということを余りよく知らないわけです。隠蔽、仮装するにしてもほとんどが税理士に相談するわけですね、実際上。納税者がみずから申告書を善くというようなことはまずまずないと思うわけ。そうなると、この規定があることによって多数の税理士がほとんどこれはそういう相談を受けた場合には、私は知りません、それをやったら懲戒ですということを具体的に言えますか。私はそのために第一条の「使命」に「独立した公正な立場において、」こういうことは当然これに含まれると思うので、なぜこういうふうな規定をことさらつくるかということを話しておるわけです。
○福田政府委員 いまの場合、これは納税者が委嘱者がということになっておりますので、委嘱者が二重帳簿とか仮装の仕入れをやっておるというふうなことがはっきりしておる場合の規定でありまして、相談を受けておりましたらこれは脱税相談になっていきます。本来知らない場合が多いという場合の危惧であろうと思います。それは立証の問題、もしくはそこにおって知ったことによって相手が直すということの効果、それを考えれば、社会的に、それはこの納税者のみならず一般の納税者がいるわけですから、税理士に対する地位向上というものはここにやはりかかってくると思うのです。こういうことがやはり外国では常識的になっておる規定がなぜ日本に入らないか、むしろそこがわからない気がいたします。
○大島委員 先ほどからも言いますように、隠蔽、仮装ということは実際上も間々あるわけなんですね。大小の程度は別にしまして、隠蔽、仮装というのはほとんどがあり、ほとんどの税理士が相談を委嘱者から受ける、つまり納税者から受ける。その場合に、あなたはそれはいけませんよ、正しく申告しなさいということは、言うのが当然ですけれども、税理士はそれで飯を食っているわけですから、実際問題としてそれを言えますですか。
○福田政府委員 これは相手が相談しまして、自分はこの金を隠したいという相談をしたときに注意するのが当然であろうと思うのですね。むしろそれは相談に受けて立てば、いまの脱税相談になりますから、むしろ私は税理士の品位と申しますか信用から申しまして、そういうことはないと思います。そういうことを相談を受けて申告書を知って出してくるということはない。むしろ知らないという場合にどういう危惧の念があるかということが問題だろうと思うのです。そこはわれわれ立証の問題があるし、そこで手を引くならばそこで手を引いていただけば済むわけでありまして、そこは相手が相談に持ってくるということであります。そこは当然のことであろうと思います。(発言する者あり)
○稲村(利)委員長代理 お静かに願います。
○大島委員 この規定は本法の一番重要規定で、また後ほど論議されると思いますが、私はただいま実際問題、常識問題としてどうかということを主として質問したわけです。 次に、最後でございますけれども、これに違反した場合は懲戒にかかるということですが、いままで懲戒にかかった税理士は何件ぐらいありますか。
○米山政府委員 税理士法が制定された昭和二十六年度から昭和五十三年度末までの二十八年間でございますが、懲戒処分、これは四十四条の戒告、一年以内の税理士業務の停止、税理士業務の禁止、この三つの処分を受けた者の数は総体で二百四十一件でございます。その内訳は業務禁止処分が十二件、業務停止処分が百七十一件、戒告処分が五十八件でございます。
○大島委員 どういう事例が多いのですか。内容はやはりこれに該当するような事例ですか。
○米山政府委員 脱税相談等によるものは二百四十一件の中で十一件でございます。その他のものはいわゆる一般の懲戒に当たるものでございまして、詐欺、横領によるものが十五件、贈賄によるものが七十八件、名義貸し等によるものが七十件、自分が脱税した場合、自己脱税等によるものが十二件、その他が五十五件でございます。
○大島委員 政府次官にちょっとお伺いをしたいのですが、懲戒権者は長官から大臣にかわったとなっていますが、私は弁護士会のように税理士会長が懲戒権者になる方がむしろいいんじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
○林(義)政府委員 懲戒権者をかえるという問題ですが、私はこれは弁護士会とちょっと違うのだろうと思うのです。一般的な監督というものを税理士については行っているということからいたしまして、その監督の重要な一環としてこの規定が置かれたんだろう、私はこう思うのです。これは一般論として申しまして、税理士の場合と弁護士の場合と職は違うからこういうふうな形で、この辺も法律論としての筋を通したのだろう、私はこういうふうに考えております。
○大島委員 つまり、弁護士と違って税理士には監督官庁があるからという考え方ですか。
○林(義)政府委員 そのとおりでございます。
○大島委員 まだ少し時間がありますが、これで終わらしてもらいます。 繰り返して言いますが、四十一条の三の助言義務には大きな問題があるので、慎重に考えていただきたいということを申しまして、私の質問を終わります。
○稲村(利)委員長代理 次に、愛知和男君。
○愛知委員 ただいまの大島委員の御質疑と多少重複する点があるかもしれませんが、私どもの立場から政府の考え方を確認をしておかなければならない点が幾つかございますので、若干の質疑をさしていただきたいと思います。 初めに、政務次官にお伺いをしたいのでありますが、先ほど大臣から法律案の提案の理由として、「税理士制度の実情等に顧み、その改善を図り、税理士業務のより適正な運営に資するため、」という御説明がございましたが、この点をもう少し詳しく、この税理士法の改正を提案するに至った背景といいますか、社会的な要請といいますか、その辺につきましてまず政務次官からお考えを承りたいと思います。
○林(義)政府委員 御承知のとおり、現行税理士法は昭和二十六年に制定された法律でありまして、それから約四分の一世紀たっておるわけであります。三十一年と三十六年に一部改正をいたしましたが、その後三十九年に税制調査会の答申を受けて、制度の全般的な見直しを行う改正案を出したわけでございます。しかし、四十年にはこれが廃案となったいきさつがございます。 最近におきまして、税制の推移であるとか、社会経済情勢、いろいろ変化してきておりますし、また、税理士業界やその他のところで税理士法の改正の機運が非常に高まってきたということで、今回、全面的に税理士法の見直しをしようということになり、まず業法でございますから、当該業界はもちろん、関係のいろいろな業界の話し合いをつけていかなければいかぬということでございまして、その辺の努力も相当して、今回の改正案にこぎつけたというのが実情でございます。
○愛知委員 社会的なあるいは経済的な要請から、税理士の業務をより一層社会的にも確立したものにする必要が生じたというようなことかと思います。そのような考え方を第一条で述べているんだと思いますが、この第一条の基本的な考え方、先ほどもちょっとお話がございましたけれども、もう一度お伺いをいたしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 現行の第一条は、「税理士は、中正な立場において、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務を適正に実現し、納税に関する道義を高めるように努力しなければならない。」御承知のようにこういう規定が設けられております。ところで、この中の「中正な立場」という言葉でございますが、先ほども他の委員に御答弁を申し上げましたように、中正な立場、中立公正という言葉を詰めて中正というふうに言っておるわけでありますけれども、中正な立場がいかなる意味を持つかということは必ずしも明確でない、これをめぐっていろんな御議論があるというのが実情であったと思います。納税者の委嘱を受け、報酬を受けて業務を行っている税理士がなぜ中立なのかというのが、論議の一番の焦点であったかと思います。 今度御提案申し上げております新法では、この点を「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、」という表現に改めることを案としておるわけでありますが、その点を明確にする、いわゆる中正ということをめぐる論議を明確にすることを考えてこういう文言にまとめたわけであります。改正によって内容が特に変わったというわけじゃございませんけれども、一つは税理士さんは、税務に関する専門家として、また独立した公正な立場において、納税義務者の信頼にこたえて、納税義務の適正な実現を図ることを使命にするということを明らかにしておるわけであります。 税務に関する専門家という意味でございますけれども、職業専門家である税理士が、税理士業務に関して無償独占という地位を与えられておりますことから、その有する専門知識を十分に活用して納税義務者の信頼にこたえる、それによって適正な納税義務の実現に向けて、このような立場にふさわしい役割りを果たすことを期待するというのが前段であります。後段の独立した公正な立場と申しますのは、税理士の使命が最終的には税法に規定された納税義務の適正な実現を図ることにある、これは申すまでもないわけでございますから、そういうことにかんがみまして、このような使命を果たす上で、税理士が特定の方の利害に偏することなく、みずからの独立した公正な判断に従うべきであるということを明らかにしたわけでございます。 もう一点、旧法の「納税に関する道義を高めるように努力しなければならない。」という文言があったわけでございますが、今回の案ではそれを切っております。その趣旨は、納税道義の高揚ということは税理士さんが当然やられておるわけでございますけれども、納税道義の高揚ということは即、適正な納税義務の実現ということであります。したがって、適正な納税義務の実現という言葉の中に吸収されているということを考えまして、今度御提案申し上げているようなその部分を削るという改正案をまとめておるわけでございますが、この末尾の部分を削ることによって、旧法と新法の間で法文の趣旨が異なったものになったというふうには理解はいたしておらないわけでございます。
○愛知委員 最後の納税義務の高揚をうたった件でありますが、「納税義務の適正な実現を図ること」ということでその趣旨が達成されるというお話でございますが、結局、納税者の意識といいますか、やはり納税義務というものを十分理解をする、そして納税義務を果たしていくという意識を納税者が持つことが最も肝心な点でございます。納税義務の適正な実現といっても、いやいやながらやるのと積極的な姿勢で臨むということとは大いに違うと思うのでありまして、やはりその辺は非常に大きな違いが出てくるような気がするわけであります。それを税理士の使命としてうたうのがいいのか、あるいは別な意味から——あるいはこれは政治の役割りなのかもしれませんが、その点につきまして政務次官、どのようにお考えでございましょうか。
○林(義)政府委員 やはり国民が納税に関する一つの義務というか、そういったものについて道義的な心を持たなければならない、これは先生御指摘のとおりでございます。 そういったいわゆる政治論を離れまして法律論で言いますと、私はさっとこれを見まして、非常に皮肉った見方ができるんじゃないかという点があると思うんです。ここに「適正に実現し、納税に関する道義を高めるように努力」すると、こう書いてありますから、適正に実現することと納税に関する道義を高めることとは別なことだ、こういう文理解釈みたいなものもできないわけではないと思うんです。しかし、趣旨からしてそういう解釈というのはすべきでないと私は思います。そういったことになりますと、法文全体の形が趣旨から違ってまいりますから、やはり立法技術の問題としては私はそこを削って、先ほど局長から御説明申し上げましたように、改正案の「納税義務の適正な実現」の中に吸収されると言った方がいいんではないか、そういうふうに考えておるものでございます。 政治論としてはまさに最初に申し上げましたように、納税の義務というものは、単に税理士だけではなくて、すべての人が果たしていかなければならない問題だろうと考えております。
○愛知委員 今回の改正は、税理士業務の社会的な要請にこたえるものとして、私どもとしましては賛成の立場でございますが、以下二、三確認をしておきたい点がございますので、質疑を進めさしていただきます。 納税者のいろいろな納税義務遂行のための協力団体としまして青色申告会とか、あるいは商工会などにおいてもそのような業務をやっている面がございますが、その従来の青色申告会あるいは商工会等のそういった業務なりに今回の改正がいかなる影響を及ぼすかいなか、その点につきましてお答えをいただきたいと思います。
○米山政府委員 今回の改正案では、いまの御質問に関係ありますところは、業務の範囲につきまして税理士法の二条の一項一号から三号に規定されております税務代理あるいは税務書類の作成及び税務相談という範囲につきまして規定を明確化したということでございまして、実質的にこの範囲について何らの変更を加えるということを目的としているわけではございません。したがいましてそういう意味では、これらの協力団体の活動について実質的な影響を与えるということはないと考えております。 この問題につきまして、従来から確かにいろいろ議論はございます。しかしながら末端におきましては、やはり小規模事業者のために税のよき相談の場を提供し、あるいは記帳から申告に至るまでの一貫した継続指導、こういうことが必要であることは申すまでもないことでございまして、国税庁あるいは青色申告会、税理士会、商工会等の間で寄り寄り協議いたしまして、すでに三十八年にもこれらの関係者の間でこれを円滑に行うにはどうしたらいいかというような協議をしております。それによりますと、これらの機関はそれぞれの組織を通じまして、非常に安い報酬でこれらの小規模納税者のための申告から決算に至るまで一貫した指導を行う、そのために国税庁はいろいろこれに関するできる限りの支援を与えるとともに、それぞれの組織におきましてもその円滑な実現に努力し、必要な場合には協議会を設けていろいろ解決する、こんなふうな施策も行われておりまして、従来とも協力団体と税理士会の間では比較的円滑に行われております。 先ほど申しましたように、今回の改正の意味が実質的に業務範囲に何らの変更も加えることではないわけでありますので、この趣旨をくみまして、今後ともこれらの団体の活動に実質的な影響のないように対処していきたい、こういうふうに考えております。
○愛知委員 従来からの青色申告会なり商工会等の活動についてはむしろ、今後とも積極的に納税義務者の納税義務の適正な実現のためにがんばってもらう、そういう体制が整っていると解釈してよろしゅうございますか。
○米山政府委員 従来ともそういうふうに努力しておりますし、今後ともその趣旨で努力してまいります。
○愛知委員 次に、公認会計士の行う業務分野との関連につきまして確認をしておきたい点が一つ二つございます。 最初に、会計業務でございますが、会計業務は現行法上だれでも行い得る業務でありますけれども、これをこのたびの改正では税理士の付随業務として規定をしたわけでございますが、その目的とするところはどういうところでございますか。
○高橋(元)政府委員 仰せのとおり、財務書類を作成いたしますとか、会計帳簿を作成いたしますとか、そういうことの代行という会計業務は自由業務でございます。税法に基づく税務計算と申しますのは、会社経理ないし会計経理に関する知識を踏まえて、その基礎の上で必要な調整計算を行っていくということでありますので、実際面においてもこういう意味で、財務書類の作成、記帳の代行といった会計業務が税理士さんのお仕事の中で相当のウエートを持っているだろうと思います。 今度御提案申し上げております改正案で第二条に二項を置きましたのは、こういう現実を踏まえまして、税務代理、税務書類の作成、税務相談という二条一項各号に掲げております本来の税理士業務の委嘱を受けた納税義務者について、税理士業務に付随して会計業務を行うことができるということを確認的に明らかにする、それによって税理士の社会的信用保持という面での効果を期待しようということであります。 この法に新しく御提案しております二条二項の中にもありますように、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されているような会計業務につきましては、この二項を新しく設けましたからといって税理士さんができるということでないわけで、公認会計士のやっておられる財務書類の監査、証明のようなものがこれによって税理士の業務に取り込まれるわけでは全くないということと、納税義務者の委嘱を受けなくて会計業務を税理士さんが一般的におやりになるということ、これは自由業務でありますから、それが制限されるわけではない、こういう合意を持っておるわけでございます。
○愛知委員 重ねて確認をさせていただきますと、今回のこの新しい規定によって従来公認会計士が行っております分野にいささかの変更もない、税理士がその分野に進出をしてきて公認会計士の従来からやっておりました分野が侵されるようなことはない、そのように解釈してよろしゅうございますか。
○高橋(元)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、これは本来自由業務である会計業務というもの、それを行うことができることを確認的に明らかにしたわけでございますから、この新しい二項を置きますことによって、公認会計士、税理士、それぞれの分野に法律上の変更があるというふうには考えないわけでございます。
○愛知委員 次に、第三十三条の二の第二項に他人の作成した申告書を、審査した場合の書面添付の規定が設けられましたけれども、この申告書には財務書類は含まれるのかどうか。
○福田政府委員 含まれません。
○愛知委員 財務書類が含まれないといたしましても、その申告書が租税に関する法令の規定に従っているかどうかを審査するためには、財務書類にさかのぼって確かめる必要があるのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
○福田政府委員 あくまで法律上は申告書でありまして、租税法に基づいて適正につくられておるかということを審査するという趣旨であります。その関連で財務書類に及ぶことがあるにしましても、これは本来の趣旨ではありません。
○愛知委員 財務書類について検討するということは、いわゆる公認会計士の独占業務となっている監査に該当するわけでございますが、ただいまの御答弁でございますと、公認会計士法第四十七条の二に抵触をするようなことばないと解釈してよろしゅうございますか。
○福田政府委員 公認会計士の行います監査、証明制度、これに基づく業務と抵触しないようにというふうに考えております。
○愛知委員 以上、二つの点につきまして確認をさせていただきましたが、それをまとめるような意味で、今回の税理士法の改正というのはその趣旨からいって、公認会計士制度とはいささかも抵触をしない、公認会計士は公認会計士として、その業務、社会的な要請については従来どおりのその使命を果たしていく、将来にわたっても、この税理士、公認会計士という二つの制度が万が一にでも一緒になるといいますか、そういうような方向にあるのではない、このように解釈をしてよろしゅうございますか。
○福田政府委員 御質問のとおりであります。
○愛知委員 最後に、特別税理士試験制度について、先ほどもちょっと御質疑がございましたけれども、補足をする意味でひとつお伺いをさせていただきます。 今回の改正案におきましては、従来の現行の法律でございますと特別試験ということで、しかもその規定が附則において「当分の間、」というような規定になっておりましたのを、試験免除、しかもそれを本則にうたうというようなこともございまして、この税務経験というものをより軍視をするという方向で改正がなされたものと解釈をいたしますが、いかがでございましょうか。
○米山政府委員 御指摘のとおり今回の改正は、税理士業務が専門実務家としての業務である、こういう意味で、税務経験の非常に豊かな税務職員を税理士資格を有する者の中に含めるということは税理士制度の運営上実情に沿うものである、こういう認識のもとに改正されたものでございます。もちろんそのため質が落ちてはいけませんので、一定の年数以上の業務経験を有する職員であり、しかも管理監督的な地位あるいは専門官の地位である者、あるいは税理士審査会が指定した研修を終了した者について税理士試験における会計学の試験を免除する、こういうふうに資質の向上という面については十分配意しながら、しかも実務経験を評価する、こういうふうな趣旨を盛り込んだ改正である、こういうふうに認識しております。
○愛知委員 先ほど外国の例につきまして御質疑がございましたけれども、わが国の国内で他の職業専門家の制度と比較をした場合に、多少厳しいのではないかというような議論もないわけではないと思うのでありますが、わが国のほかの専門家制度の例と比較してどのように考えられますか。
○米山政府委員 わが国の他の職業専門家のこれに類する制度の例といたしまして二、三御説明いたしますと、行政書士は国または地方公共団体の行政事務経験十二年以上の者ということになっております。それから弁理士は特許庁において審判官または審査官を七年以上した者、あるいは司法書士は裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官または検察事務官の職に十年以上勤務した者等でございまして、これらこういう経験を持っていればこれらの資格を無試験で付与される、こういうことになっております。こういう面から申しますと今回の改正は、税理士業務の特殊性から資質の向上という意味もございますが、これらの例に比べれば厳しいものになっております。
○愛知委員 まだ多少時間を残しておりますけれども、以上幾つかの点につきまして政府の考え方を確認もさせていただきましたので、私どもといたしましては、今回のこの法律改正案、税理士の社会的ないろいろな要請にこたえるものとして賛成をしておるわけでございますけれども、ぜひひとつこの法律の趣旨がいろいろな面で今後とも生かされるように願っております。 なお、ただいまほかの業界との関連等につきましても幾つか確認はさせていただきましたけれども、運用の面においてまだ幾つかの問題点が出てくる可能性もございますが、ひとつその辺の調整は、この適正な納税義務の実現という社会的な要請にのっとって監督官庁としても指導的な役割りを十分果たしていただきたい、御要請をさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○稲村(利)委員長代理 沢田広君。
○沢田委員 私の質問は三十五項目にわたりましてお手元に配付をいたしてあるはずであります。朗読する時間がもったいないものでありますから、その項目に従って、記録にとどめるためには質問事項もひとつおっしゃっていただいて、その項目についてはこうです、こういうことで答えていただくように、時間を有効的に利用していきたい、こういうふうに考えましたので、わざわざ質問の内容を明確に記載をしてまいりました。そういうことでお答えをいただきたいと思います。お願いいたします。
○福田政府委員 時間の節約でございますので、質問の第一でございます。第一は、委嘱は、税理士に対して税理士業務を行うことを依頼することであり、これは民法上の契約であって、必ずしも商行為ではないということであります。 それから第二点でありますが、税務代理、税務書類の作成及び税務相談を総称して税理士業務と言うわけでありますので、必ずしもこれらのすべてについて事務を行うことを要するものではなくて、これらに該当する行為を行うものであればその一部を行うものであっても、税理士業務に該当することは当然であるというように考えます。
○沢田委員 それでは中身が全然わからなくなってしまうので、時間がもったいないですから、簡単ですけれどもやり直しをいたします。 説明的には、委嘱とは商行為あるいは民法上の契約ということになると思うのでありますが、委嘱とはどの程度のものを称するのか、その解釈を明らかにしてほしい。 それから、他人の求めに応じ事務を行うことを業とするということは、その業務の一部、あるいは申告だけ、あるいは会計だけ、あるいは相談だけというような、その一部を契約するということになることであって、包括的な弁護士の場合とは違う、こういうふうに解しますが、いかがでありましょうか。
○福田政府委員 第一点でありますが、委嘱は民法上の契約であって、必ずしも商行為ではない。しかも、民法上の契約でありますが、税務代理ということから特殊の範疇を持っておる、こう解します。 第二点は、全部でなくても一部であってもそれは結構である、一部を行うものであっても税理士業務を行うことに該当するということであります。
○沢田委員 次に、従来の青色申告会との関係は、これは先ほど質問がありましたが、この改正によって何ら影響を受けるものでなくまた与えるものでもないと解するがどうか。それからまた、そのことは何によって保障されるのか。
○米山政府委員 従来の青色申告会との関係でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、この改正によって実体的に何ら影響を与えるものではない、こういうふうに私ども考えております。 これは何によって保障するかという問題でございますが、これはこの趣旨を青色申告会、税理士会等に徹底するとともに、監督官庁として国税庁といたしましてもその趣旨でこれを指導していく、こういうことによって保障してまいりたい、こういうふうに考えております。 〔稲村(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○沢田委員 その趣旨の徹底ということは、少なくともこの場で述べられたことがこの法律が続く限り継続されるものである、こう解してよろしいですか。
○米山政府委員 そのとおりでございます。
○沢田委員 それから、税務相談にはこれも主張と陳述ということを含めておりますが、この陳述の義務は納税者個人のものであって税理士に課せられたものではない、相談の中には少なくとも陳述の義務はないと解しますが、どうですか。
○福田政府委員 ちょっと御質問の趣旨が……。 陳述の義務というのは相談のところにはございませんで、相談の範囲の問題としましては、納税義務者が申告等に関しまして主張もしくは陳述することについて個別的に相談する場合にはそれは入るわけでございまして、主張、陳述は個別的な納税義務者の納税義務に関する場合は税理士さんの税務相談の範囲に入る。それから、陳述の義務ということはちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんが、陳述は具体的であれば税務相談の中に入る、こういうことであります。
○沢田委員 私の言っているのは、相談をかけて、そしてどうしたらいいでしょうかという質問をする、そのことを答えるのは納税者個人が陳述の義務を負うのであって、法律に定められた税理士の陳述の義務ではない、それが法の定める考え方ではないのかということをここの中では言っているわけですが、いかがですか。相談をかけて、そしてその相手がこういうふうにした方がいいでしょうと答えた、答えたことに対して、税理士が同町に陳述の義務を負うものではないだろう、それは納税者個人ではないのか、こういうことであります。
○福田政府委員 ちょっとなにしましたが、納税相談のところでは依頼者が相談に来るわけでございます。それは個別的な具体的なことをどう陳述したらいいか、どういうふうに主張したらいいかということを自分の納税義務に関して個別的に相談する、これは相談の範囲に入るわけです。相談の答えを受けた納税義務者が税務署の方に行って陳述するということになります。だから納税相談の中には入ります。しかし陳述をするのは、納税者であるもしくは代理人としての税理士である、この二通りございます。
○沢田委員 それから銀行、商工会議所などがサービスとして税務相談を行うときの税理士は業となるのかどうか。
○米山政府委員 銀行、商工会議所等が税務相談を行う場合に、税理士に委嘱しましてやっておるケースが多いわけでございますが、その場合、税理士が税理士法に定められる業を行っている、こういうふうに考えております。
○沢田委員 なるということですか。
○米山政府委員 なる、こういうふうに考えております。
○沢田委員 そうすると、先ほどの青色申告会との関係は影響してくることになりはしませんか。
○米山政府委員 青色申告会が納税相談を行う場合にも税理士に委嘱して、その税務相談を行う場合が非常に多うございます。したがいまして、そういう今回の改正について、その点について何ら変わるものはないというふうに考えているわけでございます。
○沢田委員 次に行きますが、派遣税理士と呼ぶ場合の派遣の任命、委嘱は、主催者である銀行、商工会議所、もしくは税理士会に加入している税理士の任意の申し出、あるいはまた税理士会の承認、任命となるものなのかどうか。いわゆるその税理士会が定款で定めあるいは規約で定めるという条件と、その税理士会が承認をしなければそういうことを業として行ってはならない、こういうふうにもし規定をする場合については、この派遣税理士はただいま言ったものと抵触をしてくることになります。こういうことをやったら除名するぞという規定がもし税理士会にできた場合は、これは任意の申し出は、業となるというのですからそういうことになりますが、その商工会議所、銀行等は行えない、こういう事態が発生いたしますが、これはあくまでも法律的な解釈論争ですから、その点は実態と違うか違わないかは別問題として、法律的な立場でお答えをいただきたい。
○米山政府委員 実態的には銀行、商工会議所等が税務相談を行う場合には、税理士会と相談をいたしまして派遣をお願いするというふうな形でやっておるわけでございます。従来とも両者でよく相談しましてやって、トラブルが起こっておりません。純粋に法律論と申しますと、これはどうしても税理士会に委嘱してそこで決めた人でなければいけないということには法律上はなっておりませんが、トラブルを避けるために両者でよく話し合いまして相談し、その結果、税理士会で選んだ人を派遣するという形になっております。
○沢田委員 それでは法律論としては、たとえばさっきの銀行や商工会議所の会員の中から税理士を委嘱をするような場合には、当然抵触をしてくるという事態になるので、前の御答弁と違ってきませんか。
○米山政府委員 先ほども御答弁いたしましたように、銀行が自分で税理士業をやるわけでございませんで、銀行が税務相談をする場合には税理士にお願いをいたしまして、税理士が税理士の業としてやっておるわけでございまして、その点、この法律改正によって何ら変わることではないというふうに考えております。
○沢田委員 だから、その出てくる税理士さんは税理士会の規約に縛られるわけですね。そうすると、税理士会が派遣をするというふうに決めれば、その人は出られないわけでしょう。あるいは青色申告会がやるといった場合に、申告会の会員は税理士会の規約に縛られるわけですね。そうすると、その人を委嘱することは税理士会の規約に反することになるでしょう。そういうことはできなくなるということになりませんか。
○米山政府委員 税理士は自由業でございますので、個別の税理士に委嘱して税務相談というのを銀行が行うことはできるわけでございます。しかしながらいろいろのトラブルを避けるために、こういうケースの場合には大概税理士会にお願いして、税理士会から選んだ人をやっておるわけでございまして、これは従来ともそうしておりまして、今回の改正でその点について影響を及ぼすということではないと私は考えております。
○沢田委員 法制局も来ておられますから、まとめて……。 この点は法律上若干疑問がある。現実がこうであると言っても、今度は一局一会制をとることに決めたわけですね。言うならばクローズドショップの制度をとったわけですね。オープンショップではない。そうなると、クローズドショップをとったことは、いわゆる税理士会から除名をされれば税理士の業を営むことができないという形が生まれてくるわけであります。ですから、いま言った青色申告会の中の会員を随時任命をした場合には法律的に可能なのか可能でないのか、あるいは、その決められた規約に反する場合にはクローズドショップにひっかかれば除名イコール営業停止である、こういうことになるんで、現状の問題ではなくて、法理論として答えてもらいたいということを述べているのはそこなんです。青色申告会とは関係ないとさつきは答弁されたが、そういう場合には当然関係が出てくるではないかということを言っているわけです。これは一つの例で申し上げているわけです。これじゃ三十五項目やるのには時間を三倍もらわなければできなくなってしまう。
○米山政府委員 いまもし税理士会の意に反して個々の税理士がこういう銀行等の委嘱を受けた場合でありましても、あるいは青色申告会の委嘱を受けた場合におきましても、法律上は除名とかそういうことは税理士会はすることはできないことになっておりますので、その点については問題ないと思います。ただ先ほど申しましたように、法律論はあくまで法律論でございますが、トラブルを避けるためにこういう場合には、十分な合意を得るように相談してやるというのが通常でございます。
○沢田委員 それじゃ答弁にならない。そうすると、これはできるんですね。だから支障を生ずるわけです。これは法律的に見て、そういう場合について差し支えあるのか差し支えないのか。その辺は、さっき述べた青色申告会は現状の問題で影響しないと言うが、税理士会がどう決めるかは今後の問題なんです。その決め方によっては影響が出てくる。それを保障するものは何か。だから先ほどの質問になるわけですね。
○米山政府委員 法律論から申しますと、そういう場合に税理士を除名する、税理士会の処分の中に除名処分というのは入っておりません。
○沢田委員 除名できないからといって、クローズドショップですから、おまえはこれに派遣してはいけないぞ、こういう機関で決定されれば派遣はいけないでしょう。
○米山政府委員 私は法律論を申しておるわけでございまして、法律上は税理士会が除名処分できません。したがいまして税理士は、税理士会がそういうふうに好ましくない、こう判断した場合でも、法律上は税理士業務を行うことはできます。
○沢田委員 これで時間をとっても、ともかくちぐはぐですよ。もう少し冷静に考えて後で答弁してください。この辺は若干、あなたがさっき答弁したことと支障を生ずる。たとえば沢田なら沢田を来てほしい、こう向こうが言ったときに、税理士会は沢田はやれない、佐藤でなければだめだ、こう決めたというならば、そのときあなたは、この法律上はどうなるのですか。青色申告会では沢田でというふうになった、そのときに——相談というのはこの法律の中にはちっとも書いてないんだよ。だからそのときに、税理士会は佐藤でなければだめです、こう言われた場合には、このさきの保障と影響してくるんじゃないですか、こういうことを言っているわけですよ。だから、これは後で答弁してください。 それから、派遣税理士の規定は、そこで問題になるのは、税理士会内部を拘束するものと考えるけれども、他の団体の業務に影響を与えることにならないのかどうか、これはいまの問題と関連しますから、これは一緒に……。 それから、税理士審査会は何を基準として認定適否を決定するつもりなのか、この基準だけ明らかにしてください。
○米山政府委員 これはこれから具体的に基準を決めていくわけでございますが、今後検討する内容としては、一体研修の実施機関をどういうところで実施したものにするのか、あるいは研修の種類は何をするのか、あるいは研修のレベルをどうするか、研修期間をどうするか、こういうふうなことにつきまして、この法律の趣旨をくみながら検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○沢田委員 そういうことではなくて、公認会計士も八十五点かに点数を去年五点上げましたね。これはやはり社会情勢の変化に伴っての公認会計士の言うならば業務範囲の需要供給の関係でそうしたのだと思うのですね。ですから恐らく税理士の審査会は、これは職員の関係でありますが、資格の認定を与える場合に、何を基準にして認定適否を決定するのかと言えば、需要供給ということを考えるのか考えないのか、あるいは一定の基準でそのとおり通していくのか、その辺を聞いているわけですね。
○米山政府委員 これは法律の税理士試験の会計学に属する科目の合格者と同等程度の学識を習得することができると認め得る研修かどうか、これが問題でございますが、そういうものを問題にしながら、いま実施機関、研修の種類、内容、研修期間、こういうものがいまの法律の規定に相当するものかどうか、そういうことを具体的に検討していく。その場合に、これは何点ぐらいかというようなものは需要供給で決める、こういうことではなくて、一般の税理士試験の会計学に属する科目の合格者と同等程度かどうかということがその決める具体的基準の基本になると思います。
○沢田委員 では、点数では決めない、こういうことですね。点数ではその差をつけていかない、需要供給とはそれほど関係なしに決めていく、こういうことに解していいですね。
○米山政府委員 これは試験ではございません。それで、研修の水準を決める、その水準が一般試験の会計学に属する科目の合格者と同程度か、こういうことです。
○沢田委員 水準は変わらないでいくのですねということを聞いているわけです。需要供給とは関係なしに水準は固定的にいくのですね、こういうことを言っているわけです。
○米山政府委員 そのとおりでございます。
○沢田委員 それから、税務職員の管理的な地位あるいは専門官、いかなるものを称するのか、簡単にひとつ言っていただきたいと思います。それは時代とともに名称は変わらないかあるいは職務内容は変わらないか、こういう不安がありますが、その点は不安はないと解してよろしいですか。
○米山政府委員 これも省令でこれから検討する事項でございますが、管理者あるいは専門官というものは、現在考えられるものは、係長、調査官、それから統括官あるいは主査、課長補佐、課長、署長等でございまして、これは中の組織が変わりますと名称は変わると思いますが、水準はこういうものを今後とも引き続き維持していきたい、こういうふうに考えております。
○沢田委員 次に、税務職員の中における組合専従の期間は、経験年数に含まれるのか含まれないのかという解釈でありますが、私の方は含まれると解釈をする、より広範な立場でいわゆる実務に当たっているのと同等の問題を扱っていると解しておりますけれども、その点は期間に入るのか入らないのか。
○米山政府委員 これは事務に従事した期間を計算するわけでございますので、専従期間は、これは組合の仕事にもっぱら従事しているわけでございまして、国税の事務に従事した期間ではございません。私どもはこれは入らない、こういうふうに解釈しております。
○沢田委員 では、その次の税務職員の病気などの休職期間、たとえば一年であるとか、その程度までの経過年数は含めるのか含めないのか。
○米山政府委員 これも休職期間は含めない、こういうふうに私どもは解釈しております。
○沢田委員 それから税理士会の支部について、都道府県を外したのは会費の二重納入を避ける、こういうことの目的でありましたが、これは地方税も包括して行う立場から見ると、都道府県は組織の中の単位として必要になるのではなかろうか。東北であるとか関信であるとかというところになりますと六つぐらいの都道府県にまたがるわけであります。それがなくなるということになりますと、今度は通達、指示、そういうものを行う場合にはどの系統を通じて、地方税の問題あるいはその他の関係の都道府県単位の立場の問題についてはどのように処置をしていく考え方なのか、その点明らかにしてほしいと思います。
○米山政府委員 税務署単位の支部はこれは原則としてでございまして、今回の改正法におきましても、都道府県単位の組織はこれは残すことになっております。
○沢田委員 残すということは、この組織の一部としてどういう形で残すわけですか。運用で残すのですか、それとも、これは法律はわざわざ抜いてありますから、その点は現実的な政令なり通達なりで残す、こういう考え方ですか。
○米山政府委員 これは改正法の四十九条の三にただし書きとしまして、「国税局長の承認を受けたときは、隣接する二以上の税務署の管轄区域を地区として支部を設けることができる。」というふうに法律で規定されております。
○沢田委員 その隣接するということで六府県が入りますか、あるいは関東信越は入りますか、あなたこの解釈だけで。
○米山政府委員 非常に広い管区まで入るかどうか非常に疑問でございまして、これになりますと、もう税理士会になるわけでございまして、まあ隣接する場合といいますのは都道府県の地区くらいを私ども考えております。
○沢田委員 さっきの答弁と違ってきませんか。だからいままでどおり都道府県の支部は、関東信越でも東北でも隣接しない部分はたくさんありますね、そういう形においては、都道府県ごとに置くのはどういう法的な措置で置くことを認めていくのか。このただし書きだけでは外れる部分が出てくるでしょう。
○米山政府委員 これは従来も都道府県の隣接する区域でありまして、これは離れたところを従来認めた例はありません。
○沢田委員 では、確認としては、たとえば関東信越、東北、そういうところ、あとは、たとえば名古屋にしても二つくっついてはいますね、それから中国もほぼくっついてはいるのですが、その他くっついてないところもあるから私は疑問に思ったのです。それはただし書きにあるけれども、各都道府県単位につくるのだ、こういうことで了解していいのですね。都道府県ごとにつくることは可能なんだと解釈してよろしいですね。
○米山政府委員 いまの支部の問題でございまして、支部は原則として税務署単位、それから国税局長の承認を受けたときは隣接する二以上の税務署の管区、したがいまして、これは広くくくればそれぞれの都道府県の地域を支部として設けることができる、こういうふうに考えております。
○沢田委員 中身が違いますがね。 次に、一事務所を置くと規定されましたが、出張相談は事務所となるのかどうか。それから、チェーン店のような場合に、地区外に大変たくさん持っております。全国に網羅しているものも、名前を挙げると宣伝にもなりますから挙げませんけれども、そば屋にしても酒屋にしてもあるいはスーパーにしてもたくさんあります。そういう地区外における場合はどうなのか。それから事務所とは、いかなる条件を持っているものを事務所と称するのか。 それから、現在二以上の事務所を持っているものについてはどうなのか。現在これはどの程度許可されているのか。その点お答えいただきます。
○米山政府委員 出張相談は私どもは事務所とは考えておりません。「「事務所」とは、継続的に税理士業務を執行する場所」をいう、こういうふうに考えておりまして、たまたまそこへ出張して仕事をするというようなところは事務所とは考えておりません。 それから、チェーン店などの地区外における場合はどうかというのは、ちょっと意味がわからないわけでございますが、税理士は一人一事務所ということになっておりまして、このチェーン店という概念は税理士の事務所には当てはまらないのじゃないかというふうに考えております。 それから、現在二以上の事務所を持っておるものでございますが、五十四年二月末で二百七人、事務所の数は二百十一カ所でございます。
○沢田委員 私が言うのは、チェーン店の場合に全額出資で経営をさせている、そういうような場合に、本店の方から指示をされればその税務を担当する、そうなると、ある一定の期間行ってそこで事務をやらなければならない、こういう場合が当然起きてくるだろうと思うのですね。この一定の期間の事務を行うものは事務所と称するのかどうか、その解釈を明らかにしてほしい、こういうことです。
○米山政府委員 それは事務所とは考えておりません。
○沢田委員 では、事務所というものの条件を具体的にもう一回言ってくれませんか。
○米山政府委員 「法第四十条の「事務所」とは、継続的に税理士業務を執行する場所をいい、継続的に税理士業務を執行する場所であるかどうかは、外部に対する表示の有無、設備の状況、使用人の有無等の客観的事実によって判定するものとする。」これが私どもの通達で、こういう解釈をして運用しております。
○沢田委員 次に、税理士事務所の職員の権限と義務についてお伺いいたします。 税理士事務所における職員は、税理士の責任の範囲において指示し、命令で職務を行うものである、この場合、代理権を持つものと解するがどうかということであります。資格はない、しかしその職員の場合は当然、税理士の指示、命令によって行動をするという場合の代理権というものはあるのかどうか。第三者に対する対抗条件はないであろうと思いますけれども、少なくとも税理士事務所の部内における代理権というものは担うのではなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○米山政府委員 税理士事務所の職員が税理士の命令によってやる場合でありましても、税理士業務はできないわけでございます。したがいましてもちろん、納税者にかわってこの法律にいう代理権を持つということにはなりません。
○沢田委員 いや、会計もありますし相談もありますし、そういうことも、今度は申告だけではないわけですね。そうすると、代理権はその部分についても持っていないということになるとどういうことになるのですか、何を職員はやるということになりますか。
○米山政府委員 これは全く税理士の補助事務でございまして、税理士法に規定する税理士業務はいかに命令されてもできないことになっています。
○沢田委員 しかし、たとえばこのような代行できる練達の事務職員が全体どの程度いるのか。この場合、たとえば十年を標準として一定の事務所に従事をしていた、言うならば学校出のほやほやの税理士よりもずっと練達の人が実際的には存在する、だろうと思う。ただ試験の成績が悪くて資格は持てない、公務員にもいっぱいそういうのがいますがね。とにかくそういうような練達の職員というのはどの程度いるのですか。
○米山政府委員 税理士事務所の職員にどのくらい練達の士がいるかというのは、私もちょっと計数的に把握しておりません。 先ほどお答え申しましたように、いかに練達の士であるといたしましても、やはり税理士でない限り税理士の仕事をするわけにはまいりません。
○沢田委員 保険の外務員などは外へ出た場合は会社を代表して契約をする、同時に、そういう義務を負わされているわけですね。なぜこういうふうにたとえば税理士の事務所職員で練達した人がその内部の場合においても代理権を担えないのか、その点若干疑問に感ぜざるを得ないのです。あくまでも補助的な事務だということだけでは済まされない。自分のお得意さんのところへ行って帳簿を計算するとかあるいはそれの仕分けをする、そういうことは当然起こり狩ると思うのであります。 だから申告についてだけの第三者に対抗する条件としては税理士が必要であると思うが、内部的な規定においては当然その内容を代理することが可能なんだ、こういうふうに思いますが、そこで職員の行った行為は、税理士の命令、指示に基づく場合、その行為による責任処分は税理士に及ぶものと解するのかどうか。あなたが補助事務と言って、そのとおりだと言ってもいいのですが、その場合で、補助事務でやった過ち、その過ちを起こした責任は税理士に及ぶものではないのかどうか。
○米山政府委員 税理士事務所の職員が税理士の命令によりまして補助事務を行った場合に、その補助事務がもたらす結果について、当然、その責任は税理士に及ぶというふうに考えております。
○沢田委員 そうすれば先ほど述べたように、相当程度練達をして熟練度がある、ただ資格はないという人は、その事務所の中における代理権、いわゆる税理士の委任事項によって行う行為は当然容認される、こういうことになりはしませんか。
○米山政府委員 税理士業務は、やはり税理士個人がその能力、資格によりまして法律によって独占的に行う、こういうことになっております。したがいましていかに委任を受けましても、その職員が税理士業務を行うということはできない、こういうふうなことになっております。
○沢田委員 解釈が若干違うようですが、次へ行きます。 税理士の社会的な地位の向上、社会的な責任を強める、これは法一条のところでありますけれども、これの中身は、納税者の期待にこたえる、経済的にも向上させる、それから社会的な信用度の向上も図る、こういうことが社会的な地位の向上あるいは社会的な責任を強めるという中身だと私は解釈するものですが、いかがでしょうか。これ以外にもあったら言ってください。
○福田政府委員 納税者が委嘱者ということでもありますが、もう一つ、国民全体という批判の目もあるということがあります。あとはおっしゃるとおりであろうと思います。
○沢田委員 税理士さんの適当な収入とは、現在の賃金水準あるいは生活水準の中でどの程度を考えておられるのですか。
○米山政府委員 なかなかむずかしい御質問でございまして、幾らが適当な収入かというのはなかなかここで申し上げるわけにはまいりません。
○沢田委員 じゃ、社会的な信用度なり経済的な向上というのは何を物差しにして言っておられるのでしょうか。
○福田政府委員 これは経済面はむしろその結果でありまして、社会的地位が向上し、社会的責任を果たすということでその地位が向上すれば、おのずから収入も上がるという関係であろうと思います。
○沢田委員 ただ、税理士法をつくる場合に考えていく、弁護士さんなら弁護士さんの社会的な地位に相当した——たとえばあなたの立場になれば、人事院が決めてくれるから、あなたはあてがいぶちにそれをもらっているから自分はいいだろうと思っているでしょうけれども、いわゆるこういう社会的なバランスの中から決められていく場合にあなた方、個人でもいいですが、大体水準はどの程度として考えておられるのか。
○福田政府委員 優秀でまた信用のある税理士の方の収入は高いのが当然だろうと思います。また平均的には、社会的な自由職業人としての地位を保ち得る水準であろうと思いますが、これは地域ごとに、また水準として金額ではなかなか申し上げにくいのですが、自由職業人としてのおのずからなる地位に応じた収入だろうと思います。
○沢田委員 一つ除きますが、次に事務所の職員の規模、たとえば百名を事務所で使っている、二人でやっている、三百人抱えている事務所もあるというような場合の事務所の規模というものは、標準的に大体どの経度を考えているか。一事務所における職員数というものは、普通の能力においてどの程度の規模を考えているわけですか。
○米山政府委員 一人の税理士さんが補助的な事務をさせるのに目の届く範囲でございまして、この範囲が何人であるか、その税理士の能力等によっていろいろ違うと思います。 これはちょっと古うございますが、四十九年一月一日でございますが、税理士一人当たりの使用人の数は約四人になっております。
○沢田委員 それは結果であって、この法律に基づく一事務所に限定をしていく以上、一事務所の規模というものはどの程度を目安にしておられるのですか。
○米山政府委員 先ほど申しましたように、やはりその地域、関与する会社の大きさ、それから税理士の能力その他、総合的に判断しなければ、一概に何人が適正規模というのはなかなかお答えしにくい問題だろうと思います。
○沢田委員 それから次に、これはさっきの経済的な条件と同じですが、大島委員の方からも質問がありました適当な報酬とは何を基準に考えているのか、これはこの法律の関係においての解釈だけでお知らせいただきたいと思います。
○福田政府委員 これはやはり仕事の内容に応じた評価に対する依頼者の謝金でありますから、その水準というのはおのずから経済的なベースによって決められると思いますが、一方において、納税ということに関与する以上、限度がある。しかし、その限度の決め方、内容につきましては、各税理士会が自主的にやるという趣旨であろうと思います。
○沢田委員 現在源泉徴収、これは若干ここで言わなければなりませんけれども、十六兆の予算の中で、百円当たりのコストは一円八十一銭、そうして大体三分の一源泉徴収です。そうしますと、大体これが倍近くなりまして三円近くなります。それから、地方税は十一兆円でありますが、これも源泉徴収を入れなければ三円七十三銭です。それで、これは金額はやや五〇%に近く、源泉徴収のうちで七円四十七銭程度になりますね。国税においては二千八百九十八億、地方税において四千百三億が徴収事務費としてかかっている経費なんです。これらを基準にして考えるということはありませんか、公務員の水準では高過ぎますか。
○福田政府委員 むしろ国税庁の問題かもしれませんが、やはりほかの自由職業とのバランス等、及びその地位を確保するという問題から決められる経済的な実質的な問題であろうと思います。また、これが正当な仕事をやっておる、いいと申しては何ですが、より正確な納税義務を果たすように援助しておられる方が報われるということが正しいと思うのです。報酬というものが不正なことをやっている謝金ということではないように、やはり正当な業務をやって正当にそれが報われて、それが水準の高さを示すものであるということになっていくべきであろうと思いますが、具体的に公務員に比較するとか弁護士さんに比較するという種のものではなくて、これは実質的な税理士会の決めるべき問題であろうと思います。
○沢田委員 見解の差はさておきまして、参考のためですが、源泉徴収で五十二年度の実績では、未収入は徴調定額に対して八十億です。申告の場合が三百億です。法人の場合が同じく三百億です。酒の場合が百億です。砂糖の場合が三十億であります。相続税は延納が当然伴いますから、これは例外といたします。こういう徴定額に対する納税の決定額の差であります。それを取っていくための費用と、それからそれ以前における取っていくための費用、いわゆる税理士さんがそれぞれ業務に、言うならば税務署の意を受けてと言っては恐縮でありますが、気持ちを察して努力をしている、そういうこととの関連性を、やはり自分たちのかかっている経費と報酬とのいわゆる適合性、整合性というものを要望して、次の問題に入ります。 次に、助言義務は先ほど大島委員の方から言われましたが、助言という言葉の解釈なんですが、助言というのは、依頼人から問いかけられ、こうした方がいいと誘導するものを助言と解する。みずからの意思で言うものではない、あくまでも納税者の依頼人から問いかけられて、こうした方がいいという答えを出すのが助言であると解します。これは日本語としてはそう解しますが、いかがでしょうか。
○福田政府委員 これは助言というよりも注意という方が正しいかと思うのですが、いずれにしろ本人のためということは究極同じですから、アドバイスということであります。 その言い方から言えば、不正なことを行っておる、もしくは仮装、隠蔽している人が問いかけてくるということは余り考えられないわけで、やはりそれを客観的に知った税理士さんの方が助言をするという立場になろうかと思います。助言というか、そこで注意をするという立場になろうかと思います。是正を求める……。
○沢田委員 そうすると、この場合の助言というのは、客観的に税理士自身がみずからその不正を発見をしたときに助言という義務が発生をする、こういう解釈ですか。
○福田政府委員 積極的にその不正を発見する必要及び義務はございません。そこを知ったとき、たまたま知ったときということであります。そこで積極的な作為は必要でございません。
○沢田委員 では、もう一回言い直しますと、税理士が客観的にその不正を発見したときそれを助言と解する、こういうことですか。
○福田政府委員 おっしゃるとおり、客観的に事実を知ったときに是正を求めるということであります。
○沢田委員 それから、計算とかあるいは不作為のミスについては、この項に含まれないものといまの答弁で解しますが、そのとおりでよろしいですか。
○福田政府委員 おっしゃるとおりであります。
○沢田委員 脱税を幇助、誘導する行為をこの項の処分内容と一これは脱税幇助の方にまいりましたけれども、これは幇助、誘導する行為というふうに解しますけれども、どう思いますか、いま言った助言の場合は。
○福田政府委員 いまの関連から申しまして、積極的に幇助、誘導する場合は三十六条の脱税相談に該当します。
○沢田委員 積極的にとい言葉が入りますね、これは。
○福田政府委員 幇助、誘導というのは積極的行為であります。
○沢田委員 三十番目は、この解釈はきわめてあいまいの感じを受けるから、適当な表現に改めた方がいいのじゃないか、こういうことで、これは後刻の質問やその他の皆さんのあれをかりて、これは要望しておきます。 それから不正というのは主観でありますか、客観性を伴うのですか。
○福田政府委員 不正という主観的な意思がございまして、これが客観的な事実によって証明されるということであります。
○沢田委員 たとえばここで言えば事業場と居宅が一緒である、そういう場合の電話料が、たとえば親戚にかけた電話料が含まれる、あるいは、新聞もうちで読むのと事業所で読むのと同じである、こういう場合に、これをもし経費として落とせば、これは故意になるのですか、隠蔽になるのですか。
○福田政府委員 仮装と申しますのは、仮装、隠蔽……(沢田委員「いまの場合で答えてください」と呼ぶ)前提は仮装、隠蔽の問題と解してよろしゅうございますか。——隠蔽は隠す、仮装はさらにそれをほかの事実をもってかえる、さらにもう一つつくわけでありますが、いまのような場合、家庭で使っておるかお店で使っておるかというのが仮装、隠蔽的行為かと言えば、判断のむしろどっちに振り分けるかという種の問題でございまして、そこに至らないと思います。
○沢田委員 だから、それは主観がそういうようにあって、自分のうちで読む新聞を事業所の経費で落とす、あるいは電話も友達にかけた電話、それは含まれない、これは事実関係ですから。これは隠蔽になるのですか、それとも不正になるのですか。
○福田政府委員 事実はすべて表に出ておりますので、隠蔽ではございません。また、それをほかの経費であらわしておるわけでもありません。借入金等で処理しているわけではありませんので、仮装でもありません。だから、事実行為を主観的にどっちに割り振るかという問題ですから、それに至らないところの経費の判定の問題ですから、この該当する項目には入らないと思います。
○沢田委員 そうすると、判別その他が不正とか隠蔽とか仮装とかということは、あくまでも客観性を帯びていて、同時に、そのことが主観的な意思をもって、あるいは仮装する、隠蔽をする、不正をするという意思が働いた場合を称する、こう解釈してよろしいですか。
○福田政府委員 おっしゃるとおりでございまして、客観的事実でその不正が認定できなければいけないということで、ここで書いてございますのは、立法段階で非常に正確というか、厳しく客観構成条件を書いておるということでありまして、不正に免れた事実と不正に還付を受けた事実と、さらに三のところで申しますのが、課税標準等の基礎となるべき事実の全部または一部の仮装または隠蔽についての事実があるという客観的事実を構成条件にしておる、そちらが優先しておるというふうにお考えいただきたいと思います。
○沢田委員 その客観的な事実というのは、いわゆる税務署で言う調査権等が発動された場合に発見された場合ということでありますか、あるいは第三者によって、警察やその他によって発見された場合、これが客観的な事実ということに具体的にはなりますか。
○福田政府委員 そこはやはり主観的な故意があっても、二重帳簿があるとか仮装借り入れがあるとか仮装仕入れがあるとかという客観的な事実によって判定されるということでございまして、調査とかいうものをまたないでも、それは具体的に何人が見ても仮装、隠蔽であるということは客観的にわかるという前提のもとであります。
○沢田委員 ではこの解釈は、中小企業等のような場合には概略的に言って適用の範囲外である。言うならば安宅産業、不二サッシ、大光相互、こういうような大型な企業がやられる場合を主に想定をしているのであって、中小企業等についてはそう厳重に解釈するというつもりはない——これはつもりがなくても法律は法律なんですから、ここで幾らそうですと言われても裁判の結果はそうはいかないのですけれども、一応考えていることはそういうことだ、こう考えてよろしいですか。
○福田政府委員 これは趣旨として守っていただきたい規定でありますが、具体的には懲戒審査会の手続を経ますし、また、社会的な批判にこたえる意味におきまして、御指摘のようなどうにもおかしい、脱税相談に至らない、客観的に知っておったのに税理士がそのまま看過したという非常に悪質な場合にこたえる規定でありまして、おっしゃるような懸念のないような運用というものを考えなければいけない、こう思っております。
○沢田委員 では、非常なとか著しいとか、そういう言葉が上に入っていいのじゃないかと思うのでありますが、その点は全然白紙でやると、いま言ったようにわれわれびっくり仰天しちゃって、電話一つかけるのもおっかなくなるという気持ちを起こさないでもないのであります。ですからその場合には、やはり著しいとか非常に悪質であるとか、そういう表現が適当に入ることが必要なんではないか、こう思いますが、いかがですか。
○福田政府委員 これはまた、非常にとか著しいというのもまた判断の問題になっていくわけでありますので、あくまで審査会の運用の問題として考えるべき趣旨であります。ほかの倫理規定も同じように運用されているというふうに考えます。
○沢田委員 続いて、公認会計士でも、これは先ほどもありましたが、税務会計業務についている場合は税理士会の加入が義務づけられておりますが、この限界、異質的な制度が果たして融和されるものであろうか、あるいは融和されて運営ができるのであろうかどうか、この辺の見解について承りたいと思います。
○福田政府委員 これは税理士をやる以上は、税理士会に入って融和の形で一致して税理士会が運営されるということを期待すべきであります。一方、公認会計士は、それ自体の仕事の方で公認会計士協会にまた所属する。税理士会に入る以上は融和して一致団結してもらいたい、こう思います。
○沢田委員 公認会計士の本来の業務の拡大が図られて、税理士とはおのずから異なる分野を業務分担させていくという行政が今後求められているのではないか、こういうふうに考えますが、その見解はいかがでしょうか。
○宮下説明員 おっしゃるとおり、公認会計士の業務がだんだん拡大してまいりまして、昭和五十一年以降は学校法人、それから四十九年には商法改正による大規模の株式会社の監査、こういったものが徐々に拡大されてきていることは事実でございます。一方、公認会計士の方は、この監査業務が公認会計士だけに与えられた業務でございますので、そういった意味で、公認会計士に対する行政につきましても、十分それにふさわしい行政をやっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○沢田委員 大体ここに言っているとおりに考えて進めていくのだというふうに理解していいですか。いまごしょごしょと言っただけではっきり聞き取れなかったものですから、もう一回私の方で言えば、拡大してそれぞれ分離していける体制をなるべく早くとりたい、そういう行政を進めていく、こういうふうに、単刀直入に言えば、考えてよろしいですか。
○宮下説明員 その分離の意味がはっきりしませんけれども、これを公認会計士がやる税理士業務を全部なくしていくというような方向で考えるということであれば、現状を踏まえた場合に、相当数の公認会計士が税理士業務を行っております。しかも公認会計士は広範な会計業務についての専門家でございますので、そういった現状を踏まえながら、一方では税理士業務についても考えていくべきである。一方公認会計士の方につきましては、そういった監査業務というものが主体としてあるわけでございますから、その方面の行政はその方面の行政として進めていくということを考えております。
○沢田委員 それで、この助言義務の罰則でありますけれども、納税者の権利というのは相対的に守られる保障措置が必要なのではないか。最初にこの法文の一条で中正とか公正とかいろいろ言っておりますが、だとすれば、納税者なり税理士が対等の立場で、国もそうですが、対等の立場でそれぞれの身分が保障される、こういう条件が必要なのではないかと思うのです。そこで、非常なとか著しいとか、悪質だとかという表現が入ってこないと、間違いもミスは含まない、不作為は含まない、こう言っているわけでありますけれども、これによって——たとえば税務署で行う更正決定権、これはいわゆる調査をやって更正決定する場合もあります。調査をやって更正決定をした場合は、この助言義務を怠ったことに含まれるのですか、含まれないのですか。調査をやりましたけれども更正決定額が出ました、そういう場合は、助言義務を怠ったという分類に入るのですか、入らないのですか。入らないと解していいですか。
○福田政府委員 これはここに書いてございます事実に該当しない限りは入らないということでありますので、単なる更正決定というようなことが直ちにこれに関係することはありません。この条文どおりでございまして、特に悪質な場合においてそれを知っておりながら、この構成条件に該当してそれを注意しなかったという場合だけの問題でありますから、単なる更正決定という場合に関係してくることは通常ないと思います。
○沢田委員 そうすると、もう一回詰めるとかえって損かもわかりませんが、いまの答弁にしておいた方がいいのかもわかりませんが、いわゆる更正決定をされてもこういうことには該当しない、こういうことで、客観的に意識的に行われた場合だけを言う、こういうふうに解釈していいわけですね。
○福田政府委員 更正決定とか重加算税がございましても、ここに書いています三つの事実、これは客観的な事実でありますが、これについて知っていながら注意をしなかったという場合のみ一般の法令違反としての懲戒がかかるというだけでございます。
○沢田委員 大体内容はわかりましたが、法律というものはひとり歩きをしていくものですよね。あなたがここでどういうふうにそうでないと言おうと言うまいと、裁判所で判定をしていく場合にあなたのような解釈をしてくれる保障はあるのかというと、これはないということになるわけですね。いま言われたようなことがありますか。
○福田政府委員 税理士が不正を知った場合、それから還付も同じですが、さらに後の隠蔽もしくは仮装している事実を知った場合とわざわざ正確に書いてありますので、これは重加算税の場合が通常でございましょう。そしてこの重加算税の場合でも、これを知って注意してないという場合でありますので、その事実を知っていなければこの規定は該当になりません。この規定どおりでございまして、これは知って注意をしなかったという問題であります。
○沢田委員 そこで私の一番危惧することは、あなたがここでどのように言われても——その気持ちはわからないではありません。安宅だとか不二サッシだとかという大型をねらっているのだろうという気持ちはわかります。しかしこの法律ができたらば、それはたとえば資本金幾ら以上の場合とか、あるいはその他の条件をきちんと決めておきませんと、無用な不安感を国民に与える。これはたたけば全然ゼロではないでしょう。いま言った電話の問題、新聞代の問題から言えばこれはゼロではないでしょう。それをどんどん告発されたり何かしていったら、国民の不安感はもちろん、お互いの信頼感すら失われていくということになりかねないのですね。そういう危惧は持ちませんか。
○福田政府委員 これは法令違反という一般の懲戒処分の問題でございまして、罰則の懲役、罰金という問題ではございません。一般の懲戒の問題でございますが、懲戒手続は今回相当慎重な手続になっていますし、ほかの法令といえども信用失墜等は同じ質の問題でありますので、ここで具体的に書いてあるということがその縛りになっておるわけでありますので、運用においても十分にそれは法律どおりに考えるということであります。
○沢田委員 とうとう時間が来てしまって、これからが本当の質問で、本当はこの質問を通じてお答えいただいてからしたかったのでありますが、時間の関係で残念でありますが、他の委員に譲って終わりたいと思います。
○加藤委員長 次回は、来る五日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十六分散会 ————◇—————