大蔵委員会 第20号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/05/08
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 国の会計及び金融に関する件、特に当面の国債の管理政策について政府より発言を求められておりますので、これを許します。吉本理財局次長。
○吉本政府委員 大蔵省としては昨年来、国債を取り巻く環境がきわめて厳しくなっている情勢のもとで、大量の国債の円滑な消化、流通を図っていくためには、国債管理政策全般にわたってなお一層の検討を加え、さらにきめの細かい運営を行っていくことが必要と考えられますので、今般、当面の国債管理政策について、次の七項目の措置を講ずることといたしましたので、御報告いたします。 当面の国債管理政策について 一 シ団引受予定の十年利付建設国債を一兆円減額し、資金運用部において中期国債で引受ける。 二 入札の状況に応じ、中期国債公募入札予定額の増額を検討する。 三 シ団引受予定の十年利付建設国債の償還期限短縮についてシ団と協議する。 四 国債の私募形式による発行についてシ団と協議する。 五 国債整理基金等の資金を活用し、国債市場の安定化を図る。 六 必要に応じ証券金融会社における公社債流通金融を拡充する。 七 予算の執行状況、税収の動向等を見ながら、可能な限り国債の減額を行う。 以上でございます。 ————◇—————
○加藤委員長 日本専売公社法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山田耻目君。
○山田(耻)委員 たばこの審議もどうやら最終日を迎えたようでございます。 〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 私は、四日間のたばこ関係法一部改正についてのいろいろ各同僚委員の質問を伺っておりまして、やはり一つは、たばこの値上げがきわめて容易になっていく、それらは、今回の法改正で緩和法を導入する、これにかかってきたようでございまして、各委員からもいろいろ御質問がありましたが、それらをきょうは集約をしてお伺いをしたいと思います。 専売公社総裁から値上げ要請が出てきたときに、大蔵大臣はこの要請を受けられて、いかなる諮問委員会におかけになって審議をなさるのか、その点をもう一度お聞かせをいただきたいと思います。
○金子(一)国務大臣 御承知のとおり、専売事業審議会がございますので、大蔵大臣といたしましては、今後もこの専売事業審議会を活用してその議を経て決めたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○山田(耻)委員 専売事業審議会は舟山さんを委員長として九名構成でございましたね。ところが、お話しなさっているように審議会が諮問を受けて、詰めて結論を出す、こういうことでございますが、専売公社総裁がこの暫定最高価格を大臣に要請なさいますときに、個別のいわゆる銘柄別価格ですね、この銘柄別価格は専売公社総裁の方でお決めになって、それに基づいて暫定最高価格を要請なさるわけだと思うのです。専売公社総裁の方では、この銘柄別、個別の価格はどういう方法でお決めになるのでしょうか、その点お聞かせをいただきたいと思います。
○泉説明員 お答えいたします。 将来のことでございますけれども、法案にありますように、専売公社の決算が赤字になるかまたは赤字になることが確実と認められることになりました段階におきまして、専売公社といたしましては、そういった公社の計算の内容につきまして疎明資料を添えまして、大蔵大臣に暫定最高価格の設定を要請するということになるのでございまして、個々の銘柄ごとの価格は、暫定最高価格が一級品、二級品、三級品とか種類別に決められました後、個々の銘柄についての申請をすることになるのでございます。
○山田(耻)委員 それで総裁、個々の銘柄の価格をお決めになるときには、専売事業調査会とかあるいは消費者会議、こういうものに諮ってお決めになるのか、あなたの恣意によってお決めになるのか、そこらあたりはどうなるのですか。
○泉説明員 御承知のように、専売公社には総裁の諮問機関といたしまして専売事業調査会というのがございますので、私どもといたしましては、個々の銘柄につきまして価格を決めたいときにその調査会にお諮りしたい、このように考えておるところでございます。
○山田(耻)委員 そういたしますと、大臣がお答えになりました事業審議会の役割りというものは、きわめて重かつ大ということになりますね。 そこで、事業審議会について私はお伺いしたいのでございますが、先般、本委員会に舟山委員長をお呼びいたしまして、大蔵省の大先輩ではございますし、大変りっぱな方だという印象を私は強く受けたのであります。だが、何といいましても、専売事業審議会は委員長を含めて九名の構成でございまして、各階層にわたる人が選ばれておるのだとは思いますが、国会の審議を奪って、そして専売事業、たばこの価格を決定する、それを九名の方でお決め願うというのは私は少々疑問を感ずるのでございます。だからこの事業審議会をもっと強化して、国民の意思が通じて民主的な運営、審議ができるようにするためには、各階層別の代表を加えてもっと強化する方法をとるべきではないだろうか、こういうふうに私は思うのでございますが、大臣、いかがでしょうか。
○金子(一)国務大臣 現在、専売事業審議会の委員には、学識経験者のほかに耕作者代表でございますとか公社職員の代表が入っておりまして、これまで各分野からの貴重な意見を十分いただいてきておりまして、暫定最高価格の審議に当たりましても、委員構成等から見て、国民の意向を反映して十分機能を果たすものと私ども考えてまいったのでございます。しかし、本委員会のこれまでの審議において、最高価格の審議に当たって委員の数を、九人では少ない、もっとふやす等の改善を図ってはどうかという御指摘があり、ただいまも山田さんからその趣旨の御提案がございました。暫定最高価格の決定は、国民及び消費者の利害に直接結びつくものでございまして、国民の意向がより一層反映するようにすべきであるというただいまの御指摘、まことにごもっともと考えられますので、特別委員に参加してもらうというような方法によって、御趣旨に沿って前向きに検討させていただきたいというふうに考えております。
○山田(耻)委員 大臣の非常に積極的な検討への約束をいただきまして、ありがとうございました。 私は、この際でございますから申し上げたいと思うのですが、この審議会強化の問題、言いかえたら暫定最高価格審議会の強化の問題でございますが、各野党の理事の皆さんといろいろと相談、打ち合わせをしてまいりました。 〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕 このままでいいのだろうか、何とか具体的にもっと強化策を講ぜねばならぬという立場で相談をしてきたのでございますが、少なくとも最低限度の代表の追加を求めねばならぬということで私も決意をいたしまして、私の試案でございますけれども、次のような提案をいたしたいと思うのです。 一つは専売事業に直接関係する方々三名、二つ目には消費者各層を代表する方々三名、計六名を追加していただいて、暫定最高価格審議会は十五名によって運営をしていただくということが御賛成を得られないだろうか、その点をお伺いいたします。
○金子(一)国務大臣 御提案の趣旨の線に沿って検討させていただきます。
○山田(耻)委員 なかなかよく賛成してもらえるのでありがたいのですが……。 それで私は、こういうことをお願いしていいかどうかわかりませんが、構成の内容、条件について意見がございます。それは、一つは専売事業に直接関係する代表者三名とは、専売公社労働者代表一、たばこ小売人代表一、たばこ配送等関連事業代表一、こういうふうに三名の構成を何とかひとつ御考慮いただけないだろうかということでございます。二つ目の消費者代表の三名につきましては、男子一、女子一、これらの組み合わせを考慮して消費者代表の選任は御一任をしたい、このように考えておるのですが、この一、二の三名、三名、六名追加の内容について、いかがでございましょうか、御了解いただけないでございましょうか。
○金子(一)国務大臣 六名の追加の人選につきましては、御提案の趣旨に沿って配慮してまいりたいと存じます。
○山田(耻)委員 ここでちょっとお伺いしたいのでございますが、いまの専売事業審議会令を改正しなければこの六名の追加はできないと思うのです。それは、お話しのように特別委員の任命という第三条の条項がございます。これに基づいておやりになるのだと考えるのでございますが、専売事業審議会令というのはその三条に「特別委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任される」ということになっています。ところが、暫定最高価格を審議する審議委員は、法律に基づいて三〇%を超えることは審議できません。三〇%以下でございまして、たとえばことしは一五%である、そして来年も一〇%程度のことが判断をされる、あるいは再来年かもしれません、そうしたときに、一回ごとにその特別委員は解任をされていく。本来ならこの種の価格値上げの相談というのは、そこに至るプロセス、物価の上昇、専売事業の経営の実態、こうしたものを逐次その段階で資料として受け取って勉強し検討して審議会に参加をする、こういう任務を付加された方が私は十全の役割りを果たすことができる。審議会が終わった、解任、そうして次にまた値上げ要請が出る、また審議会を開く、特別委員を任命する、これでは私は六名の人たちはどうも不十分な条件の中で仕事をなさる、こういう気がしてならないのですけれども、審議会令三条の第三項に示された審議事項が終了したら解任される、これを、三割を超えるまでは継続してその業を行う、こういうふうにしておけば、非常に現実に沿った扱いではないだろうか、こういう気がいたしますが、いまの三条第三項で任命をした場合にはそのとおりになりますので、この点をいかがお考えになっておられるだろうか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○名本政府委員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘のように、専売事業審議会令第三条に特別委員の規定がございます。この三項によりまして先生御指摘のように、調査審議事項が終了したときは解任されることに相なるわけでございます。 今回御提案申し上げています弾力的な運用というのが行われます場合に、三割の幅しかございませんものでございますから、一般的に通常の専売事業として能率的にやっていく、効率的にやっていくというところまで値上げをいたすといたしますと回数は多くございませんで、あるいは一回で終わってしまうかもわかりません。その場合の方が多いのではなかろうかというふうに思うわけでございます。実はそういたしますと、その次には法律の改正をお願いしなければなりません。そうして、法律を改正いたしましたその次、またそういう事態が起こってくるということに相なるわけでございます。そうしますと、それまでの期間というのは恐らく、五年以上あるいは七年とか八年とかという長い期間になってしまう可能性の方が大きいのではなかろうか、かように思うわけでございます。しかし、専売事業審議会の通常の委員の任期はこれまた二年でございまして、二年たちますとまた選任しかえるということに相なります。したがいまして、一般的な場合で考えますと、特別委員に御参加いただきましてその方がずっと継続していらっしゃいますと、五年とか七年とか非常に長いものになってしまいまして、通常の委員よりも任期が長いという非常に奇妙なことに相なってしまいます。 しかし先生御指摘になりましたように、たばこの消費状況等を勘案しまして、とりあえず赤字だけ解消いたしておいてというような値上げのいたし方をすると仮にいたしますと、あるいはまた翌年定価改定をしなければならないという事態もあり得るわけでございます。そこで、そういうふうな場合はどういうふうにするか。おっしゃるように、たばこのことについて価格その他についてよく御承知いただいておる方が御審議に御参加いただくことは大変結構なことであろうというふうに私どもも考えます。 そこで、これは第五条におきまして、委員長が審議会に諮って決めることができることになっておる、審議の運営の方法でございますが、それがございます。そういうこともございますので、その実行に当たりましては先生御指摘のような点につきまして十分配慮をいたしまして、たとえばとりあえず赤字を解消するだけのことをやって翌年また本格的な問題を考えるというようなことでありますならば、そのときには継続的に御参加いただけるような方法というものを考えてまいったらいかがかというふうに考えますが、そのときそのときの事態が非常に大きな事態の変化があろうかと思いますので、実際に審議をいたしますときの状態によりまして、御趣旨のようなことが反映できますように運営さしていただきたい、かように考えるわけでございます。
○山田(耻)委員 審議会の皆さんは二年の任期なんですから、それを超えているのもおかしなものだ、それは私もわかります。ただ、三〇%という一つの限界がございまして、あるいは異常な事態が今日の経済情勢の中では起こり得ないとも判断できないのでございますから、そこらあたりは五条の適用をどういうふうになさいますか、いまおっしゃった限りでは十分わかりませんけれども、十分ひとつ時宜に対応できる対策は考慮しておくということでございますので、それはそれで結構でございます。この種の形が新しい衣を着てくるわけでございますので、つくればいいというものじゃありませんし、その運営に万全を期していかねばならぬという気持ちがいたしておりますので、かなりくどくどしく申し上げた点でございます。おっしゃっている点はよく理解できましたので、よろしゅうございます。 最後でございますが、以上、大蔵大臣の見解が述べられましてありがとうございます。この点につきまして、専売公社総裁はどのようにお考えでございますか、公社の総裁としての見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○泉説明員 今回の制度改正に伴いまして将来、専売公社の決算が赤字になるかまたは赤字になることが確実と認められるという事態が予想されますので、その際に、従来の定価法定制のままでございますと、公社として著しく苦境に立つことを心配いたしまして、今回御提案になっておられるような緩和化と申しますかその措置をお願い申し上げておるところでございますが、先ほど来大蔵大臣がお答えになりましたように、たばこの値上げというものはやはり消費者に対しまして大きな影響を及ぼすものでございますし、また、物価に関連いたしましても影響が大きいというふうに考えておりますので、私どもといたしましては、たばこの値上げを行うにつきましては慎重に取り扱って、十分に消費者の意向なり国民の御理解をいただけるような形で措置してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○山田(耻)委員 短い時間でございましたが、大変ありがとうございました。大蔵大臣の御答弁を質問者としては感謝をしております。ただ、遅滞なく法手続をおとりになりまして御措置をなさいますようにお願いをしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○加藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○加藤委員長 本案に対し、自由民主党を代表をして、稲村利幸君外三名より修正案が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。稲村利幸君。 ————————————— 日本専売公社法等の一部を改正する法律案に対 する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○稲村(利)委員 私は、ただいま議題となりました日本専売公社法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表し、その趣旨と内容を御説明申し上げます。 御承知のとおり、政府原案におきましては施行期日を「昭和五十四年四月一日」と定めておりますが、改めて申し上げるまでもなく、現在すでにその期日を経過するに至っておりますので、これを「公布の日」に改めるとともに、関連規定について所要の整備を行うことといたしております。 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○加藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○加藤委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。阿部文男君。
○阿部(文)委員 私は、自由民主党を代表して、日本専売公社法等の一部を改正する法律案並びにこれに対する修正案に賛成の意を表明いたしたいと存じます。 御案内のように政府原案の主な改正事項は、一つは、たばこの定価改定を行おうとするものであり、いま一つは、専売納付金などの制度を改善しようとするものであります。 まず、定価改定について申し上げますと、御承知のとおりわが国の財政は、その歳入を大量の国債に依存しており、財政の再建が最も緊要な政策の課題となっております。 このような状況の中で政府は、歳入歳出の両面にわたり整理合理化等に努めているところでありますが、この努力だけでは財政の再建はきわめて困難な危機的状況にあり、近い将来国民に一般的な税負担の増加をお願いしなければならない時代を迎えようとしております。 しかしながら、現下の厳しい財政事情を考えますと、このような根本的解決策をまつまでもなく、負担の現状等から見て引き上げる余地のあるものを適宜見直していくことが当面の措置として必要であることは申し上げるまでもありません。 今般の定価改定はその一環でありまして、昭和五十年の引き上げ以来小売定価が据え置かれた結果、原価の上昇により落ち込んでいる専売益金率を五十一年度の水準にまで回復させるため、小売定価を平均二一%程度引き上げ、たばこ消費に対する税負担の調整を図ろうとするもので、現下の財政状況及び税負担状況から見てやむを得ない措置と認めるものであります。 なお、最近の物価動向は警戒を要する事態となっておりますが、この際、適時適切な諸般の対策を講ずるよう関係当局に対し強く要望しておきたいと存じます。 次に、専売納付金制度等の制度の改善措置についてであります。 御承知のとおり現行の専売納付金制度は、公社の利益から公社の事業活動に必要な内部留保を控除し、その残額を国庫に納付することとなっております。この現行制度につきましては、たとえば消費者にとってはたばこの消費に対する税負担が明確でないとか、国にとっては専売納付金か公社の利益によって左右されるため財政収入が不安定であるとか、種々の問題点が永年各方面から指摘されてまいりました。 今般政府は、これらの問題点の解消を図るため、専売納付金の算定方法を、たばこの品質を基準に一定の率を設定し、小売定価にその率を乗ずるいわゆる納付金率法定制に改めることといたしております。 この措置によりまして、国の財政収入は安定的に確保されることとなり、現下の財政事情を考えますと時宜に適した妥当な措置と認められるのであります。また、諸外国から輸入たばこの価格形成方式の明確化について強い要望がなされております現状から見ましても、適切な措置と認められるのであります。 以上のように納付金率の法定化が図られますと、公社にとりましては、専売納付金が、業績のいかんにかかわらず納付金として計算される金額を国庫に納付しなければならないこととなるわけでありまして、公社の経営努力を超える原価の上昇があった場合には、赤字か生ずるおそれが起きてまいるわけであります。公社が赤字になり適時適切な定価の改定が行われない場合には、公社の健全な運営が阻害されることとなり、葉たばこ耕作者等たばこ産業関係者に大きな影響を及ぼすことにもなりかねません。 このような事態に対処するため、今般政府は、現行の最高価格法定制を基本的に維持しつつ、客観的な指標に基づく限界を設けるなど一定の厳しい条件のもとに、製造たばこの最高価格の特例を設けるいわゆる定価法定制の緩和を図ることといたしております。 この措置は、公社の企業としての健全性を維持する上からも、納付金率法定化等で将来に不安を抱いている葉たばこ耕作者等たばこ産業関係者の不安を解消させる上からも、ぜひとも必要な措置であると認められるのであります。 また、修正案は、四月一日とされている施行期日を公布の日に改めること等を内容とするものでありまして、当然の措置と認める次第であります。 以上、私は、原案並びにこれに対する修正案について、それぞれ賛意を表明いたしまして、討論を終わります。(拍手)
○加藤委員長 沢田広君。
○沢田委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、日本専売公社法、たばこ専売法、製造たばこ定価法等の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。 その一つは、まず大幅な値上げであります。 国民生活の、特に消費者にとっては大きな負担増であり、一般的に喫煙されるマイルドセブン、ハイライト等の値上がりによって、月に約二千円もの犠牲を強いられることになります。 その二つは、これに加えて、三〇%に及ぶ値上げを、国会の審議を省き、わずかに定められた条件はありますが、大蔵大臣がほとんど任意的に決定できるという、言うならば国会審議権の剥奪であります。 例をマイルドセブンにとれば、百五十円が今回の値上げて百八十円になり、さらに二百三十円まで引き上げが可能となり、国民に重税を課すことにつながるのであります。なお、この百八十円の中で百二円が税、五十円が原価、十八円が小売店のマージン、十円が内部留保となります。まさに税金と病気の危険性を吸っていることと言えるでありましょう。 その三つは、専売納付金を五六%という高率で定めたことであります。 法定化は、不安定な公社経営に一定の前進を与えた反面、五六%は公社経営を圧迫する高率であり、特に売り上げ減少のときは公社の自主性、独自性が侵され、専売公社としての機能に障害を与えることは明らかであります。 近時世界的にも消費が減少していることは御承知のとおりでありまして、一昨年でありますが、アメリカにおいては八百五十三億本、イギリスにおいても二百五十八億本も減っているのであります。一人一日当たりにいたしますと、アメリカが七・八、日本が七・二、イギリスは六・四、西ドイツ五・七、イタリア四・四、フランスは四・二本となっております。減少の傾向は否定できません。 第四には、三〇%以内の値上げを行うに当たって、審議会の委員はわずかに九名であり、その機能はきわめて弱体であります。 審議会の強化、民主化、独自性は絶対不可欠の要件であると申せましょう。ただいま大蔵大臣は、委員の強化に前向きに検討するとの答弁がありましたが、私はこの審議会委員に、そこに働く人々の代表を初め、国民との合意のため消費者の立場を代表する人、葉たばこ生産者の代表、地方自治体や小売店の代表なども参加させ、その意見を聞くことは当然のことではないでしょうか、強く求めるものであります。 第五には、たばこの喫煙の有害性に対する対応の怠慢であります。 多くの学者や研究者の発表によっても肺がんや気管支炎などと特に婦人の喫煙の危険性など、国民により周知させる義務を避け、またその研究や調査結果などを故意に発表せず、その死亡率を高め被害者を多くしている罪は免れないものと存じます。 第六には、専売公社の目的を発揮させるための葉たばこ耕作者の生産擁護と食糧などとあわせて自給率の向上は、日本経済の当面する緊急の問題であり、さらに、葉たばこ耕作面積の切り捨てはまさにもってのほかと言わざるを得ません。 このほかにも、小売店のマージンの据え置き、自治体の財政強化、民営などという独占利潤を企図する一部の論、関税輸入たばことの調整、労働者の賃金の抑制、人減らし、操短などの問題も存在しておりますが、当委員会の質疑、参考人の意見によっても明らかであり、インフレへ突入をしつつあります今日、火に油を注ぐ大衆たばこの値上げが強行されることを許すわけにはまいらないのであります。 以上をもって私の反対討論といたします。(拍手)
○加藤委員長 貝沼次郎君。
○貝沼委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました日本専売公社法等の一部を改正する法律案及び同修正案に対し、反対の態度を表明し討論を行うものであります。 まず反対する理由の第一は、政府が、当面の経済運営について、物価の安定を主な課題としながらも、その責任を民間や国民生活に転嫁しようとしていることであります。 最近の物価動向は、改めて指摘するまでもなく、昨年十一月以来の卸売物価の連騰、高水準で推移するマネーサプライ、加えて、急激な円安傾向、地価の急騰などから、その先行きが大いに懸念されております。 そのために政府も、物価安定を図る意味も含めて、公定歩合の引き上げに踏み切られたものと考えます。しかし、公定歩合の引き上げについては民間からも、景気を冷やすものとして時期尚早という強い反対意見があったこともまた事実であります。 したがって、こうした時期に政府が優先すべき施策は、たばこ定価の引き上げなど必然性のない公共料金の値上げを積極的に抑制し、政府みずから物価安定の範をたれることであります。 しかしながら、政府は、本年に入ってからだけでも一たばこ定価の引き上げを初め、消費者米価、国鉄運賃、医療費、公立学校の入学金など一連の公共料金の強行値上げを画策しているのであります。これでは、政府が幾ら物価安定を強調しても、国民は信用しないでありましょうし、また、企業め製品値上げに対しても政府は指導することができなくなるでありましょう。 反対する理由の第二は、政府が、直面する財政難を安易な大衆負担の強化によって克服しようとしていることであります。 現在、たばこ愛好者は三千五百万人にも及んでいることから、安易な値上げが大衆負担の強化につながることは明白であります。 特に今回の引き上げ理由は、その主たるものが財政上のものであって、公社の益金率及び総合納付金率を見ても、前回の引き上げ前ほど悪化はしていないことからもきわめて必然性を欠くものであります。これでは、財政難に便乗した値上げと指摘されてもやむを得ないのであります。 しかも値上げ率は、平均で二一%となっていますが、個別銘柄で見ると、より大衆的なたばこほど値上げ率が高くなっております。加えて、政府が、五十四年度に所得税減税を見送り、五十五年度に一般消費税の導入を予定していることなどを考えあわせると、これはやみくもに大衆課税の強化を図り、国民生活に犠牲を強いるものであり、とうてい容認できるものではありません。 理由の第三は、今回の改正案が、いわゆる法定制緩和を盛り込み、立法府たる国会の地位を著しく軽視していることであります。 すなわち、たばこ定価は、その一定部分が専売納付金及びたばこ消費税となっていることや、今回の改正で税相当部分をより明示していることから、その性格が税であることは明らかであります。 この課税については、憲法第八十四条及び財政法三条では租税法律主義が規定されております。 したがって、政府は、憲法や財政法から見て、より厳格を期すべき課税や財政収入に対し、今回の改正のように、一回の審議で二回以上の値上げを認めさせようとしたり、あるいは都合のいい法解釈を押しつけることは、きわめて遺憾であります。しかも政府は、われわれの法定制緩和削除要求についても、根拠なしにかたくなな姿勢をとっているのであります。 こうした政府の姿勢は、まさに財政民主主義のルールを形骸化するものであると断言せざるを得ないのであります。 理由の第四は、国民の強い要望であったたばこの輸入問題等対外諸国との調整や、喫煙と健康などの諸問題に対し、いずれも政府の明確な回答がなく、いたずらに国民の不安を助長させていることであります。 対外調整問題及び専売公社の民営化論は、葉たばこ生産農家、公社職員、関連業種に従事する方々にとって、その成り行きは死活問題であります。したがって、これら問題についてのあいまいな取り組みは、決して好影響を与えるものではありませんし、不満足であります。 また、喫煙と健康の問題についても、多くの疫学的データから、肺がん、心筋梗塞などと相関関係があると指摘されています。昭和五十年にはこの問題につき附帯決議がなされましたが、その後政府の答弁はいつも、ただいま研究中のためはっきりしたことが言えないという趣旨であり、一歩も前進していないのであります。 このように政府は、たばこに関する諸問題について、いずれも満足のいく回答をしようとせず、単に値上げのみ強行しようとすることは、とうてい国民の合意が得られるものではありません。 以上の立場から、日本専売公社法等の一部を改正する法律案並びに同修正案に反対し、私の討論を終わります。(拍手)
○加藤委員長 高橋高望君。
○高橋委員 私は、民社党を代表して、日本専売公社法等の一部を改正する法律案及び原案に対する修正案に対し、反対の討論を行うものであります。 極端な赤字財政の立て直しには何よりもまず、歳出の一層の節減合理化を図ることであることは国民ひとしく認めるところであり、わが党がかねてから主張している行政改革を初めとする政府機関の見直しがまず求められるものであり、専売公社も全く同様にこの努力を行うべきであると思います。この努力が十分に行われないままに、したがって成果が何ら見られないままに、財政赤字のゆえをもって歳入強化、すなわち、公共料金の値上げ、増税のみを押しつけてくることは、悪政の最たるものであると言えましょう。 紙巻たばこ平均二一%のアップ、国庫収入分二千二百億増の今回の値上げ案は、とにもかくにも取れるところから税を取れとの意図であり、今回の法律案のすべてはこれに尽きていると言っても過言でないと思います。 しかも、昭和五十年以降の値上げは行われておらず、原材料費、人件費の上昇云々を説明されますが、公共企業体の一つとしての専売公社であれば、まずその使命感に徹し、さらに高度の技術向上、経営努力を重ねるべきであり、事業体として今後の方向、中長期の展望がなされないことについては、この法律そのものに賛意を表するわけにはいきません。 今回の法案の審議に当たっても、こうした論議はひたすら避けて、ただ財政の穴埋めのみを強調し、本来あるべき姿勢を示さなかったことはまことに残念なことであります。専売事業審議会のより大きな視野での検討を願いたいと思うものであります。 特にインフレが懸念されるとき、たばこの値上げが波及するところは大きく、公共企業体の枠組みの中にあって公社経営のあり方について、十分なる検討とビジョンを国民に示すべきであり、今回の機会はそれを行う絶好の機会であったと言えるかと思います。 さて、一歩譲って納付金率の法定制について、そのねらいとするところは理解に苦しむものではございませんが、地方たばこ消費税の取り扱いについて不十分であると言わざるを得ません。 今日、政治の流れが生活に密着したいわゆる地方の政治へと向かいつつあるときに、地方自治体に対する財政検討は重大な課題でございます。今回、せっかくのこの見直しの時期に従来と全く同じ発想展開のままに配分を考えたことは、今後地方に配分比を考え直すという意味合いから言っても、政治のずれを感じさせるものであります。 また、この法定制のあり方は、いわば税金の先取りであり、葉たばこを初めとする原材料の上昇、人件費のアップが公社経営を圧迫するおそれありとして、条件をつけながらも公社の意向で、国会に値上げを図らないで済むようにしたいとの制度改定は、現況の専売公社から考えて、その資格なしと断定せざるを得ません。こうした決定は、事業体として経営努力を認められたものによってのみ許されるものであって、前述のごとき専売公社の取り組みでは容認されるものではありません。 最後に、国民の健康に対する喫煙の弊害をよりはっきりと徹底させるべきであろうと思います。 現在の医学が、体位を考えたとき、喫煙が害ありとしている以上、その弊害を知らしめるのは当然である。これを避けて、税の対象としてのみたばこを取り上げることは、不親切な政治であると言わざるを得ません。 以上、今回の法律案は、わが党としては認めがたいものであり、法案の撤回を求めて、原案並びに修正案の撤回を求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
○加藤委員長 安田純治君。
○安田委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、日本専売公社法等の一部を改正する法律案及び原案に対する修正案について、反対の討論を行います。 まず指摘したいのは、これが政府主導の物価引き上げにほかならない点であります。 卸売物価の諸品目にわたる連騰は、物価問題が重大化してきたことを示していますが、さらに地価の上昇、マネーサプライや企業の手元流動性の動向などを考えれば、いまやまさに狂乱物価前夜とも言うべき状況になっています。 政府は、すでに国鉄学割運賃、消費者米価、国立学校入学金、受験料、ガソリン税などを引き上げたわけですが、さらに、このたばこを初め国鉄運賃、健康保険料、雇用保険料、高速道路料金などの大幅引き上げを予定しています。国民の負担増は、所得税減税見送り分も含めれば実に一兆九千億円にもなります。政府みずからの手による国民負担の増大という点で重大であるばかりか、物価上昇に拍車をかける点でも断じて認めることができないものです。 そして今回の改正は、たばこ定価法改正による二一%の引き上げに加え、さらにその一・三倍までの引き上げを国会審議抜きで実施できるよう法定制の緩和を図っているのであります。 元来、専売納付金は、税相当分として間接税の性格を持つものであります。今回の措置は、専売価格はすべて法律または国会の議決に基づいて定めるとした財政法第三条、租税法定主義を規定した憲法第八十四条から大きく逸脱したものであります。これは経営責任の明確化を口実にしたいわばたばこ定価のサイクル値上げの仕組みの法定化であって、国鉄運賃法定制緩和に続く大改悪にほかなりません。 また、専売納付金率の法定によって、従来、益金処分としていた国庫への納付金などを、経費として事前に先取りできるようにしております。 政府のインフレ政策のもとで、売り上げの五六%を国庫納付金などとして前もって取り上げることは、事実上の公社予算の切り下げにほかならず、公社経営を著しく圧迫するものとなることは明白です。さらにそのことが、一段と公社職員への首切り合理化の押しつけ、葉たばこ農民への単価切り詰めなど、関係者に劣悪な条件を課するものとなることも必至であります。あわせて、これが数年を経ずして有無を言わせぬ定価引き上げにつながることもまた自明の理であります。 現在、わが国の喫煙人口は三千五百万にも及び、たばこは国民生活と密接な関連を持つ商品となっております。しかし、最近の販売の伸びの鈍化、原料葉たばこの高騰、海外からの輸入要請圧力、健康問題への関心の高まりなど、公社経営にとってはかつてない厳しい環境となってきています。 今回の一連の改正は、公社の財政専売としての性格に基づくものとはいえ、国家財政危機のしわ寄せを公社及び消費者国民に押しつけたものと言わざるを得ません。 公社設立の目的である専売事業の健全で能率的な実施や、うまくて安くて安全なたばこの供給とあわせて、国、地方財政に寄与するとの公社の役割りの実現を図るのではなく、国民からの税収収奪機能のみを肥大化させ、将来にわたる経営圧迫を強めることによって、専売事業を危機に陥れるものと言わざるを得ないのであります。 以上、重要な問題点を指摘し、断固反対するものであることを表明し、討論を終わります。
○加藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○加藤委員長 これより採決に入ります。 日本専売公社法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、稲村利幸君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本案は修正議決いたしました。(拍手) —————————————
○加藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブを代表して、佐藤観樹君外四名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 ただいま議題となりました日本専売公社法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨とその内容を簡単に御説明申し上げます。 御承知のとおり、たばこ産業の現状は、成人人口の伸び率が低下したことや健康問題さらには喫煙場所の規制などによりまして、たばこの消費は低迷傾向にあり、その将来につきましても多くを望めない苦しい局面を迎えております。 今般、政府は、長年各方面から要望されておりましたたばこ消費に係る税負担部分の明確化等を目的とした納付金率の法定制の導入などを行うことといたしておりますが、これらに伴いまして、今後、日本専売公社の経営環境は一段と厳しいものとなることが予想され、また、葉たばこ耕作者等専売事業関係者に対しましては、その将来について不安を与えております。 このような現状にかんがみまして、この附帯決議案は、政府並びに日本専売公社に対し、今後の事業運営に関し、次の諸点について努力、検討を要請するものであります。 なお、これらの諸点につきましては、いずれも法案審議の際、質疑応答の中で詳細に触れられたものであり、また、案文でもその趣旨が尽きておりますので、個々の説明は省略し、案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。 日本専売公社法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一 健全にして能率的な事業運営をさらに推進することにより、たばこ及び塩の現行専売制度並びに公共企業体としての公社制度の本旨の達成に努めること。 一 専売納付金制度の改正に伴い、日本専売公社の社会的、経済的役割に配慮しつつ、経営の自主性一当事者能力一がなお一層発揮できるよう所要の改善について検討を行うこと。 一 専売納付金制度等の制度改正の実施に当たつては、経済的役割を自覚し、業務拡大等も考慮しつつ、葉たばこ耕作者、小売人、日本専売公社職員、たばこ事業関連産業等の間の調和のとれた関係が引き続き持続されるよう努めること。 一 専売事業の適切な運営を通じて、日本専売公社職員の雇用の安定、労働条件の維持向上に努めるとともに、専売事業関連産業の育成強化に配慮すること。 一 専売事業の運営に当たっては、事業の公共性に留意し、消費者、葉たばこ耕作者、小売人、日本専売公社職員、専売事業関連産業等関係者の意見を十分に尊重すること。 一 昨今の国民の喫煙と健康に関する関心の高まりにかんがみ、喫煙と健康に関する科学的研究をより一層充実させ、国民が安心して吸えるたばこの供給に努めること。 以上であります。 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○加藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。金子大蔵大臣。
○金子(一)国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配慮いたしたいと存じます。 —————————————
○加藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○加藤委員長 次回は、来る十一日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会 ————◇—————