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87回国会衆議院1979/04/27

大蔵委員会 第19号

発言数
192
登壇者
29
会派数
3
開催日
1979/04/27

会議録

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  日本専売公社法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。只松祐治君。

只松祐治日本社会党

○只松委員 地方選挙などがあっておりまして、委員会の審議時間も少なく、一般問題がほとんど討議されておりません。専売の問題でありますが、無関係ではございませんので、若干国債問題、税制問題等についてお尋ねをし、討議を進めたいと思います。  国債といい、後で示す税制問題といい、これはたばこ値上げを中心とする本法案と無関係ではない、きわめて密接な関係があると思うわけでございます。これは高度経済の失敗、それからそのときに放漫財政をしいておった、それを全然、直さないといいますか訂正されないままの予算の仕組みが踏襲されておって、収入だけはどうすることもできないということで去年、税制の前倒しあるいは専売益金も極端に架空なものをつくり上げて取り上げてきた、こういうのがことしになって値上げをしなければならないとかいろいろな問題になってきておるのだと思うのであります。  そういう中で一方、国債をたくさん出して急場を切り抜けられて、ことしもまた十五兆円から出すわけでございますが、そういう中で結局、一つの大きな問題として国債発行が困難になってきている。困難になってきておる直接の原因は、国債が暴落をしておる。六分一厘の公債なんか大変な暴落をしておるわけです。こういうことに関して、きょうは国債の問題でございませんから詳しくはしませんが、問題点だけを二、三聞いておきたいと思うのであります。  こういうふうに国債が額面を大きく割りまして、これは基本的には、釈迦に説法かもしれませんが、インフレ経済政策を戦後資本主義政府は進めてきておるわけでございます。(私語する者あり)

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 御静粛にお願いします。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そういう国債が額面割れをしておるということに関して政府は一体どういうふうにお考えになっておるか、まずその点から質問をしておきたいと思います。

田中敬大蔵省理財局長

○田中(敬)政府委員 只松委員御指摘のとおり、先般三月に国債の条件の改定をいたしましたが、それにもかかわらず、四月にかけまして国債の市場価格が下落をいたしております。  この下落の原因といたしましては、三月の条件改定後、公定歩合論争のようなものが新聞に報ぜられる、そういうことによって金利の先行きについて非常に不透明な雰囲気が充満したというのが、国債の市場価格を下落させた一番大きな原因であったろうと思います。  そういう状況の中で政府といたしましては、旧条件のままで国債を発行するということは非常にむずかしい、条件の改定を行わなければ発行し得ないということで、四月の国債の発行を一時見合わせたわけでございます。そういう状況の中におきまして、公定歩合の決定を見ましたので、これによって先行きの金利についての見通しが明るくなった。ここで国債の条件を改定すれば、それで消化環境が整うということで先般、国債の発行条件を〇・七%上げまして、クーポンレートで七・二という新条件で再度四月に国債を発行することを決定いたしたわけでございます。   〇・七と申します幅が、市場気配として伝えられております六・一%国債の流通利回りが、八%を超えるというような相場気配が出ておりますので、この改定幅は少な過ぎるのではないかという御議論もいただいておりますけれども、全体に資金需要が出ているわけではない。特に六・一%国債が八%を超える流通利回りを示しておると申しますのは、一つには先ほど申し上げましたように、それまでの金利の不透明感が非常に大きく影響したということと、もう一つは、六・一%というクーポンが非常に低い、その低クーポンがきらわれておるという二つの要因であったろうと思います。いろいろ勘案いたしましたり、あるいはまた、過去一カ月の流通利回りを直利、複利、単利といろいろ検証いたしました結果、ほぼ〇・七%が適正な市場実勢であろうということでこの改定をいたしたわけで、この〇・七%につきましては、市場関係者、引受関係者一同、適当な条件改定幅であるというふうに現在は評価を受けております。   しかし、そういう新発債の処置はいたしましたものの、ただいま御指摘のように既発の六・一%国債が九十円を割っておるという状況につきましては、私どもはこれは債券の性質といたしまして、金利が高くなる低くなる、債券の償還期間が十年ということでございますれば、その間の金融情勢の変化によってその債券が評価含み益を持つような事態あるいは評価損を生ずるような事態、すなわちその価格の高下のあることは債券の性質としてやむを得ないものと思っております。かつて八%クーポンの国債を出しまして、一般の市場の長期金利が六%そこそこであった時代にも、八%国債というものは百九円、百十円で評価をされながら今日まで来たわけでございます。六・一%国債というものが非常に低金利時代に発行され、いま金利が底を打って金利上昇局面に移った際に、これが価格が発行価格に比べて下落をするというのは、債券の性格としてやむを得ないものと思っておりますが、余りにも大きな下落というものは、国債を保有していただいている方にとって、法人であればあるいは金融機関であれば非常に決算上の不利益を与えますし、個人がこれを換価されるという場合にもやはり売却損というものを生ずるわけでございますので、これが余りにも大きく下落をしないための措置というものには万全を期してまいらなくてはならないと思っております。  その方法といたしましては、幸いにしまして国債整理基金に一兆数千億の償還財源として充てるべき積立金がございます。国債整理基金の機能といたしましては、国債の保有あるいは市場への介入ということも当然認められておりますし、また、資金運用部資金につきましても運用のずれ等による若干の手元流動性がございます。こういうものを利用いたしまして効果的に市場に出ていって六・一%国債の急落を防ぐ、暴落と申しますか極端な値崩れは防ぎたいと思っておりますが、いずれにしましても、国債の価格支持政策を行うということは邪道であると思っております。乱高下防止のための措置はとるべきでございますが、一般的に金利水準が変わった時代において六・一%国債が発行価格の九十九円五十銭に戻る理屈もないわけで、またそれが戻るようなことがあればおかしいことでございますので、八十七円幾らという現在の価格が余りにも低いと私どもも思っておりますので、これが適正な価格に戻るような措置につきましては万全を期してまいりたい。いずれにいたしましても、新しい条件が設定されて消化環境は整った。いまから最大の問題は、既発国債、特に六・一%という低クーポン国債の市場管理をどういうふうにするかというのが、最大の問題であると認識をいたしております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そうすると、いま以上に国債は暴落することはない、こういうふうなお考えですか。

田中敬大蔵省理財局長

○田中(敬)政府委員 国民の皆様あるいは市場関係者の方々が金利につきまして、今回の公定歩合の引き上げによって金利は安定したのだ、いままで暴落の原因というものはやはり先行きの金利不透明感、金利の先高感というものが一番大きな原因でございましたので、その点が皆さんに御理解いただければ、これから先暴落をすることはあり得ないと考えております。そういう意味におきましては、大蔵大臣もしばしば申されておりますけれども、ここで金利というものは当分安定していく、特に国内景気の回復基調を堅持していくという意味から申しますと、これ以上の公定歩合の引き上げとか長期金利の改定ということは経済政策にとりましてマイナスになりますので、そういう方向はとらないということを固い決意で申し上げておるわけでございますので、その点を十分御認識いただければ、六・一国債というものがこれ以上下がることはないと存じております。  ただ、六・一国債の撹乱要因と申しますか、値が下がる要因として考えられますのは、やはり六・一国債が市中金融機関に七兆ないし八兆円現在保有されております。これが金融機関の資金ポジションの調整のために売り圧力となって市中に出てきた場合、これをどうするかという不安は一つございますが、これにつきましても、金融機関の節度あるビヘービアをお願いしますと同時に、そういうやむを得ず資金ポジション上、市中に出るというものにつきましては、いまの公社債市場におけるディーラー機能の充実拡充、あるいはまた、先ほど申し上げましたような整理基金、運用部の活用という形で対処していけば、大きな暴落がないというふうに考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 国会答弁はそういうことで切り抜けられたりあるいは済ましておられるわけですが、〇・七五%公定歩合を引き上げたその直後から、そう遠からずまた〇・五%ぐらい金利が引き上げられるのじゃないかということがマスコミにもちょいちょい載っておりますね。金利の先行き不透明が云々というようなことをいまおっしゃったわけだけれども、そういう直後にまた公定歩合を引き上げる、こういうことはなかなか政府としても言いかねる、というより言っちゃならないことかもしれませんが、実際上は庶民あるいは経済界がそういう幅で買っておりますね、したがってそういうものが記事になってもあらわれてくるわけですが、大蔵大臣、そういうことは絶対にない、こういうことを断言なさいますか。恐らく断言されるだろうとは思いますが、しかし実際上はそうはなかなか問屋が卸さない、こういうことじゃないですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 先般の日銀の公定歩合の引き上げは、日本経済全体が過熱をしているというような認識に立っての引き上げではないと私は考えております。警戒的な意味で予防的な立場から卸から小売にというか消費者物価の価格に、海外市場要因を中心として卸が上がっておりますからそれへのはね返りのスピードを落とす、二次製品等の特に石油の問題が非常に大きな問題になっておりますから、それの上げ幅をひとつ抑えようということでああいうことになったわけでございます。今日の経済の状況から見て、いますぐ六・七五であったのを一〇%に持っていくとかそういうことは私はとうてい考えられないことであるし、日銀当局もその点は十分考慮しながらの今度の決定に相なったというふうに理解しております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そういうお答え以外いまはないだろうと思いますが、しかしいろいろ言われておりますように、また公定歩合引き上げの時期が到来するだろうと私は思っております。  それはまた別な機会にするといたしまして、こういうふうに暴落した場合の損害をどうするか。たとえば銀行の損益勘定の場合に、いままで低価格法といいますか、何か一番低いので計算をさせた。ところが今度はそうじゃなくて、原価法でやるような指導をするとかしているとかいうような記事も載っているわけですね。  先にそれをお聞きしますか。そういうふうに今度は、いままでかたいといいますか金融機関の計算方法まで変えて、役人がつじつまを合わせたりそういうことをなさるのですか、そのことを……。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 金融機関の有価証券の評価方法は先生御指摘のとおり、現在は低価法をとっているわけでございまして、これに対しまして取得原価法というやり方もあるわけでございますけれども、金融機関の経営の健全性という見地からいたしますと取得原価法をとりますと、含み損を常に保有しているというようなことになりまして、保守性の見地からの問題があるわけでございます。したがいまして現在低価法をとっているわけでございますが、ただ、国債の価格の変化に関連いたしまして評価方法をどのようにすべきかという議論はいろいろあるわけでございまして、現在金融機関の中でもいろいろ意見が分かれているところでございます。この点につきましては目下いろいろ検討中でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 確かに検討中だと思いますが、この記事に出ておりますように原価法でということに傾きつつあるのじゃないかと思いますが、逆に言うなら、原価法は絶対ない、いままでどおりだ、こういうふうにお考えになりますか、それともやはり原価法もある、こういうふうにお考えになりますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、この問題についてはいろいろ低価法、取得原価法それぞれの問題点があるわけでございます。この点検討中でございまして、まだ結論は現在の段階では出ておりません。

只松祐治日本社会党

○只松委員 大体いつごろまでにお出しになりますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 この点につきましては、金融機関側の意見もいろいろ聞く必要があるわけでございますが、金融機関の方でいま意見の取りまとめを急いでおりますので、それを勘案しながら決定したい、このように考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 だから時期的には大体、金融機関の決算時期がありますから、それと関連してくるわけですから、いつぐらいまでにお決めになりますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 税法の関連から申しますと、当該決算期の始まる前にこれを税務官庁に届け出る必要があるわけでございます。したがいまして九月期につきましては、もう税務上は変えようがないわけでございまして、来年の三月期を目指すということになりますと、ことしの九月までが一つの期間、このように考えるわけです。

只松祐治日本社会党

○只松委員 これは計算の仕方によって収益が減ってくれば、ちょっと見ますと都市銀行、地方銀行だけで数千億の評価損が出るだろう、こういうことです。そういうことになれば、たばこの値上げを少々してみたところで銀行からの税金がものすごくダウンしてしまうんですよ。千億や二千億のたばこ値上げをしたって法人の税収ががたんと減ってしまう。だからあなたがごちょごちょ言ったように、国債と無関係ではなくて大いにあるんですよ。たばこを少々値上げしたところでこの国債の評価の仕方一つで税収にがたっと響いてくる。したがって、いつ評価するかあるいはどういう評価の仕方をするかということによって国の財政には大変響いてくるし、たばこ値上げなんか、国民が何千万というような迷惑を受けてたばこ値上げしても、それが一遍に飛んでしまうことになるんですね。私は冒頭にこういう問題も聞いておるわけなんです。いつするか、ことしの税収になるか、来年の税収になるか、そういうことによっても相当ことしの財政に響いてくるわけですよ。だから、いま九月というようなことをおっしゃったけれども、大体そういうふうに認識しておっていいですか。これは国税当局も来て聞いておるわけだから、間違いないわけですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 本年度の税収に大きく関連いたしますのは、三月期の決算と九月期の決算と両方あるわけでございますが、この三月期の決算におきましては約千四百億円の評価損が見込まれるわけでございます。これは一応収益の経常利益に対しまして二〇%程度のウエートを持つわけでございますけれども、一方におきまして、昨年におきまして国債の評価損に備えるために国債価格変動引当金制度を創設したわけでございまして、決算期ごとに国債の期中純増額の二%まで繰り入れて評価損の発生にこれを引き当てる、こういうことになっておるわけでございます。この金額が約千百億円見込まれるわけでございます。このほかに有価証券の売却益等も合わせまして、決算処理を一応終わったところでございます。これによりまして収益はほぼ横ばいあるいは若干増益というような状況になるか、このように考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 いま金融機関のことは大体わかりましたが、一般の法人、国民はまだそれほど買っておりませんね。しかし政府もときどきPRして国債を買いましょう、あるいは証券会社を通じての間接PRというものが特にこのごろマスコミ等でなされておる。仮に皆さん方が国債をお買いになっておった、今度は家を建てようあるいは子供の入学金に金が要る、こういうことで国債を売りたい、こういうことになれば直接に損害が発生するわけですね。私はインフレが進んでおるということをあなたに常に言っているんですが、貨幣価値がインフレで下落をしておる、一般には物価が上がることによって貨幣価値が下落するわけですが、この場合はもろにそれだけの損害というのは生じてくるわけですね、九十九円五十銭が九十円を割ってしまうわけですから。インフレの波をもろに国民がかぶってくる。こういうものの損害というものは、さっき多少の上下があるのはやむを得ない、多少どころじゃない、一割から目減りをしてしまう。皆さんが物を生産し販売された場合に、一割からの純利益を得るということはちょっとなかなかできることじゃないんですね。ところが、国が発行した紙幣と同じような価値を持つ、何と言ったって国が発行したものだから間違いない、これがちょっと、十銭とか二十銭とか幾らとかいうんじゃなくて、一割、十二、三円も目減りをするということになれば、これは相当の損害だと思うのですね。民間会社ならこれはいろいろな損害問題がそこで発生するだろうと思う。国の場合はこれは一つも責任を負わないのですか、道義的な責任ぐらいのことですか。さっきから聞くと、悪いという言葉は一つもなくて、多少の乱高下はやむを得ない、こういう言葉ですが、もうけたときはとにかく、インフレが進んでいるのだからもうけることはほとんどないわけですよ。こういうふうに一年で一割以上目減りをするということに対する責任感、それから具体的に救済方法、そういうものは何にもお考えになっておらないのですか。

田中敬大蔵省理財局長

○田中(敬)政府委員 債券というものの性質を国債あるいは債券をお持ちの方に十分認識していただくことが第一番だろうと思います。十年という長い投資期間に、その投資をしていただく際の金利でそれで約定済みで買っていただいたものでございます。そういう意味では、十年たてばその元本は戻ってくる性質のものでございまして、先ほども申し上げましたように十年の間に金利の上がり下がりがある、そういう意味ではその価格が上がったり下がったりする、それは債券の性質上やむを得ないものというふうに言わざるを得ないと思います。そういう意味におきましては、余りにも低い、いわゆる市場実勢を離れたような暴落というものについては十分対処をしなくてはならないと存じますが、一般の金融市場実勢に対応して低クーポンのものが高金利時代に下がるということはやむを得ない、こういうふうに考えております。一般の個人でお持ちの方につきましても、国債を販売いたします際に証券会社あるいは証券広報センター等で、国債というものは上がり下がりがある、途中で換金をなさる際には時価でお買いをいたしますということは徹底してPRをするように指導もいたしております。今回の六・一国債というものが異常な数値を現在示しておりますが、これにつきましては先ほど申し上げましたように、これ以上の暴落が起きないような手を打ちたいと存じます。  あらゆる面におきまして十年の債券、これは国債だけに限りませずいろいろな社債等あるいは地方債もそうでございますが、これの安定性を期するという一番大事なことは何かと申しますと、金融の金利の上昇感というものはやむを得ないものでございますけれども、やはりインフレを防いで十年たったときの元本の目減りがないようにする。一番こわいのは、長い投資でございますからインフレでございます。インフレを防ぐということについて最大の努力をすべきであろうと思います。個人がお持ちになっておりますものの救済手段というものは私どもはそういう意味では、債券の性質上考えるべきでもないし、現在何も考えておりません。

只松祐治日本社会党

○只松委員 さっきから言うように、きょうはこれの本格的な論争じゃありませんから、ちょっと触れるだけでとめておきます。  次に、インフレと関連して日銀の買いオペ、あるいはさっきからちょこっと資金運用部資金で買い上げておるというように簡単におっしゃっていますけれども、いまは余裕があるからそんなことが言えるわけで、もし運用部資金に余裕がなければそんなことは簡単にできるわけはないのです。主に日銀の買いオペ以外に方法はない。そうすると、インフレをとめると言ったって、インフレが進むことはあなたたちは百もわかっている。だから余りその場その場の都合のいいことを言いなさんな。とにかく日銀の買いオペをこれ以上進めるとインフレになることは当然。一番最初国債を発行するときから私たちは繰り返し歯どめが必要だと注意をしてきた。今度は六分一厘のものを中心に買おうか、こういうことを言われておるわけですが、余りこういうことをしたのでは今度は、市中に紙幣が過剰流動になっていくわけでありますからこれは慎まなければならない、こういうことだと思います。このことも私たちが繰り返し政府に要望をしてきておりますが、これ以上のことはしないということを大臣の方からまた重ねてお答えをいただきたいと思いますが、いかがですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま只松さんからお話のございました日銀の買いオペですけれども、これは成長通貨の範囲内に限って日銀としてはやることになると思いますけれども、むやみに既発債を買い込ますとかそういうようなことをいまやらせるような気持ちは毛頭ありません。必要な金融緩和なり引き締めの措置としてのオペレーションの範囲内にとどめるべきだ、このように私も考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 次に、税制の基本的な問題について一、二点お伺いをしたいと思います。  私が申し上げるまでもなく、社会構造というものはずっと変遷をするあるいは進展をしてまいるわけでございます。たとえば具体的に申せば、いわば封建主義時代は第一次産業中心であった、それから明治から資本主義が勃興いたしましてから第二次産業が中心になる。したがって、封建主義時代は地租を中心の権力者の収入、明治に入りましてから今度は地租あるいは商業から転じて工業、そこで働く労働者あるいはサラリーマン、こういう人たちの財源を当てにして税収をやってきた。ところがいま日本の経済構造を見る場合に、きょうはもう時間がないからこれを次の機会にこれだけかけて私は論議したいと思いますが、むしろ政府に提案を申し上げたいと思うのですが、第三次産業の就業人口は昭和五十年に例をとっても五二%を超しております。この三、四年間で不況が続いて製造業というよりもむしろ第三次産業の方がもっと上、六〇%近く上がってきているんじゃないかと私は思う。全国平均がそうですから都市部においては七〇%くらい第三次産業の就業人口、こういうことになりはしないか。したがってそれから出てくる税制、調査徴収、そういうものも当然にそれに対応してこなければならない。私は決してそれは対応されておらない、こういうふうに思っております。私は個人的にも国税庁の方に、そういう点ひとつ勉強なさったらどうですかということで、前から国税庁の方と私的に話をいたしてまいりました。そういう第三次産業を中心に大きく変化しつつあるということを財政担当の大蔵大臣としてお認めになりますかどうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 先ほど只松さんからお話がございましたけれども、高度成長時代の惰性で財政制度も時代にそぐわなくなっているんじゃないかという御指摘がございました。私はそのとおりだと思うのです。昭和四十七、八年まではまだ高度成長が続いておりましたから、税制として所得課税中心にずっといけたと思うのです、自然増収が経済の成長につれてどんどん上がっていきましたから。しかし今日は、そういう日本経済の発展の与件と申しますか条件がすっかり崩れてきて、中成長にだんだん切りかえになってきておりますから、やはり租税制度自体も従来のような所得課税中心の制度から消費課税、むしろ消費課税なんです、そういうことで切りかえるべきであるし、その意味では日本の税制が先進国の中では一番おくれているのではないか。まだシャウプ時代のあの制度が一番公平な制度ですよという一つの信仰がありまして、それはまさに所得課税、それはそれなりの評価をしていいと私は思うのですけれども、もうそれだけで担税力の捕捉ができない時代になったという意味での税制の見直しというものが必要と考えております。  あなたもおっしゃるように流通産業中心の時代にだんだんとなりかかってきておりますから、あなたのお話はあるいは所得課税の面における流通課税をしっかりやれということかもしれませんが、そういう点をあわせてしっかりと検討さしていただきたいと思っております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 大臣が最後におっしゃったように、私は所得課税のウエートが悪いといって必ずしも消費課税に移行する、一般消費税を示唆しているものではない。むしろ私がきょう若干言ったように、いまの税制全体も考え直さなければなりませんね、それは基本がありますから。しかし、いまの税制の中でも第三次産業に対する調査徴収にいろいろ手抜かりがありはしないか。後で二、三お聞きしたいと思いますが、たとえば一番新しいけさの新聞に載っている「ブームに笑う業者」ということで、インベーダーがもう花盛りということが書いてあるわけですね。ところが、家庭用品のいろいろな電気洗たく機あるいはテレビや何かこういうものには物品税がかかってくるのに、一台五十万円もするこの機械にはかかっておらないわけです。いわゆるレジャーの時代、消費の時代に対応してこういう新しい機械がどんどん使われて、何十台つくったって製造が間に合わない、こういうものに課税がされておらないのですね。だから社会の変遷に対応してそういう税制が対応しておらないわけですよ。現実にこれだけのインベーダーなり何なり、これだけじゃありませんけれども、そういうものがどんどん製造されあるいは販売されあるいは使用されておるにかかわらず、家庭の必需品のようなものや、ここで論議しようとしているたばこや何かは値上げしてぶっかけよう。これは一般消費税ではありませんが、消費税ということをずっと何日間も皆さん方はお使いになってたばこの値上げは消費税だ、こうおっしゃっている。ところが肝心のこういう遊技道具等には消費税は全然入っておらない、こういう税制というものがあるわけですね、いまの場合は個別の物品税ですから。だから、こういうことを例にとりましてもすぐに幾らだって、時間があれば何時間だって論議ができるわけでございます。根本的な問題も私は別な機会に提示をいたしますけれども、現在の税法の中でもなし得るものがあるのじゃないか。大臣の答弁に続いて、そういう状態の中における状況をひとつ国税当局の方からもお答えをいただきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 お話のいまの第三次産業で課税が徹底してないのじゃないか、もっとそこら辺をしっかりと捕捉しろという問題につきましては、私もあなたと全く同意見です。具体的には、少ない定員で大変苦労してくれておりますけれども、きょう国税庁が来ておりますから、直税部長から詳細説明をさせます。

藤仲貞一国税庁直税部長

○藤仲政府委員 お答え申し上げます。  第三次産業に属する納税者がその数、所得金額ともに着実に増加しておりますことは、只松委員御指摘のとおりでございます。  具体的に数字で個人、法人に分けて申し上げますと、まず個人でございますが、第三次産業に属する事業を営む個人事業者のうち、申告所得税額のある者の数は、昭和四十二年分では百三十五万五千人でございました。これが昭和五十二年分ではその一・三倍の百七十四万八千人と相なっております。事業所得者全体に占める構成割合も四十二年の五一%から五十二年には五四%と高まってまいっております。なお第三次産業の中では、小売業を営むものの伸びが低く、これはウエートの低下が見られますが、反面、料理飲食業、医療保健業等のいわゆるサービス業の伸びが非常に大きくなっておりまして、その構成比も高くなってきておるというのが実情でございます。  また、第三次産業を営む事業所得者の申告所得金額の推移を見ますると、昭和四十二年分では一兆百十一億円でございましたが、五十二年分ではその三・八倍に当たります三兆八千四百五十五億円と相なっております。事業所得者全体に占める割合も六〇%から六八%へと高まっておる状況でございます。業種別に第三次産業の中を見ますると、先ほどの納税者数と同様に小売業の伸びが低いのでございますが、一方医療保健業は、五十二年分では昭和四十二年分の六・二倍というように大変顕著な増加を示しておりまして、その構成割合も一二%から二二%というように高まってまいっております。  次に法人でございますが、第三次産業に属します法人の数は、昭和四十二年度には四十九万九千件でございました。これが五十二年度では一・八倍の九十万件に達しておりまして、全産業に占める構成割合は五九%から六一%へという推移を示しております。その三次産業の中では法人の方も、やはり小売業の伸びが低くてその構成比も低下いたしておりますが、反面、サービス業それから料理飲食旅館業、こういうものの伸びが大きくなっておりまして、その構成比も高まっておる状況でございます。  また、その所得の状況でございますが、第三次産業の法人の申告所得金額は、四十二年度には一兆七千百四十四億円でございましたが、五十二年度ではその四・六倍に当たります七兆八千三百七十八億円に増加しておりまして、全産業に占めます構成割合が四四%から五二%へと高まっております。これを三次産業の中の業種別で見ますると、納税者数と同じでございまして、サービス業及び料理飲食旅館業が五十二年度には四十二年度の五・九倍というように非常に大きな増加を示しておりまして、構成割合も三・九%から五・九%という高まりを見せております。  それから、あるいは大変税の執行にもお詳しい只松委員でございますから、恐らく税務行政から見た第三次産業というのはどうか、こういうような御質問であろうかと存じますので、そういう面でお答えを申し上げます。  第三次産業に属します業種につきましては、私ども税務行政から見ました場合に幾つかの特色がございます。第一に、施設、従業員等いわば人的、物的な施設の面からのみでは事業の実態の把握が非常にむずかしい、こういうのが一つございます。それから第二に、開廃業であるとか経営者の交代が非常に頻繁でございます。それから第三番目に、同業種間において価格が必ずしも一定していない、言うなれば従業員一人当たりの売り上げの効率であるとか利益率であるとかそういうものが千差万別でございます。それから第四番目に、不特定多数の顧客との間の現金取引が主体となっております。このような他の業種には余り見られないような特色のある業種が多いというのが、税務行政から見ました第三次産業の一つの特色であろうかと思います。  そして、こういう点から正直に申し上げまして、私どもにとっては事業の実態の把握が困難である、それからまた、収入除外等の不正計算がやりやすいというような面がございまして、税務調査上種々の困難がありますことは先生も御承知のとおりでございます。そこで私どもといたしましては従来から、開廃業資料等をつかみまして新規開業者というようなものを早期に把握する、あるいはまた、有効な資料、情報の収集に努めるというようなことを行うほか、この第三次産業の中には先生も御指摘のように、新しい業種というものがどんどん出てまいります関係から、新規業種につきましての調査技法の開発であるとか研修、そういう点に平生から私どもとしてはずいぶんと意を用いているつもりでございます。そういうことで、調査に当たりましては特に問題のあるような業種につきましては、局におきまして重点業種に指定するなどをいたしまして、的確な調査対象の選定を行いまして課税の充実に心がけておるつもりでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 あんまりこういう問題で質問しますと今度、肝心のたばこの質問の時間がなくなりますからあれですが、いま国債の問題でちょっと言って評価の仕方、あるいは第三次産業の面から見た税制まで触れなくても徴税の仕方、調査の仕方、藤仲さんも時間がないからそこまで詳しく触れられなかったが、本当はこの中における国税庁がそういう面でどれだけの人員を配置しているか、そういうことまで突っ込んで討論をしたいのですが、一時間半が七十分、七十分が六十分でやめてくれということで時間がだんだん短くなっておりますから、予定した質問もできないわけです。  いまほんの一、二私がちょこっと指摘しましても、私が結論からこういうことを言っているのは、一千億や二千億たばこの値上げをしなくても、ちょっと言い方一つで済むということですよ、物の申し方によって。だから政治のあり方というのは、どういうところにウエートを置き着眼をしてどうやっていくかということによって、たばこの値上げをするかしないか、あるいは、ずっとするなと言うのでなく、ことしなり何なり一年くらいしなくても、一千億や二千億の金くらいどうやったらひねり出せるかということは私はできると思うのです。本当にできるかできないか。できないとおっしゃるなら、それこそ時間があれば、国税庁の人員の配置から何から言って私は論争してもいい。私が大蔵大臣をやっておればしてみせますがね。だから、本当はそういうことをやろうと思っていたのだけれども時間がないからできないが、ぜひひとつ御検討をいただきたいということをここで申し上げておきます。  それで、いま言われなかったけれども、脱税のワーストテンの中でその過半数はこういう第三次産業であります。むしろサラリーマンはトゴイチとかトーゴサンとか言われておりますようにほとんどつかまえられる、あるいは製造業も逃げるわけにはまいりませんからほとんど把握される。ところがこういう第三次産業に属するものは事業所あるいは所得ともに、私がかつてホステスさんの税金の問題を言いましたけれども捕捉しにくい。ところがいまは捕捉されているのです。だから、仕方によってはこれは捕捉できるわけです。ひとつそういう点、また別な機会に展開できるときをつかまえて私は国債の問題、第三次産業の問題もあなたと論争してみたいと思いますから、ぜひ御検討をいただきたい。  肝心のたばこの問題に入ります。  たばこの輸入がいろいろ論議になっておりまして、大平さんがアメリカへ行かれたりあるいはサミット等の問題でまた電電関係とともに圧力をかけられるということですが、どういう要望が来ておるか、時間がありませんからまとめて御質問するようにしますが、それにどう対応しようとされておるか。  仮に二%、三%ということで、一%で三十億本ぐらいになるのですか、これで一、二%上がっていけば、六十億本ふやすということになれば、神奈川の秦野の工場一つぐらいつぶしていかなければならない、こういうことになるわけですね。そうすると、あそこで四百人からの労働者が働いております、あるいはそれに関連する耕作者からずっといろいろな企業があります、そういうものが結局淘汰されていくことになるわけなんで、ずばりそのもの、輸入量の増大いかんはそういうものに影響をしてくるわけですからひとつ輸入関係を、西欧諸国もあろうが、一番大きいのはアメリカだと思いますので、お聞かせいただきたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いまアメリカとたばこの問題をやってもらっておる最中でございますが、いままで一番やかましく言ってきておりましたのは、関税の税率区分が明確でない、それを明らかにしてくれということと税率を下げてくれということ、これは関税を九〇%に下げることにいたしまして話はもう済んだわけでございますが、なお国内での販売価格の決定の問題に関連して、外国の製造たばこのアメリカにおける販売価格と日本の内地における販売価格との差が大き過ぎるから、もっと安くしてうんとのめるようにしろということでございましょう。しかしこれは正直言って、やはり品質が大分違いますからそうむやみやたらと安くするわけにまいりません。二百四十円になるのか五十円、六十円になるのか、そこら辺はこれからの作業でございましょうけれども、私どもといたしましては、国内問題としてこの価格決定は厳正にやってまいりたい。関税率の問題もいま御審議願っているところでございますから、いますぐこれをどうこうするわけにいかぬぞ、こういう姿勢を崩しておりません。  それ以外に輸入たばこにつきまして、たとえば販売店をもっと広げろとか、マージンをふやせとか、あるいは広告をいまニューズウイークかタイムくらいしかさせていないのはけしからぬじゃないかという問題があるわけでございますけれども、誤解に基づく問題も相当あるようでございますし、もう少し事務当局間でというか、向こうは業者になるわけですしこっちは専売になるわけですが、詰めてみたらどうだ。特にマージンなんかすぐ価格にはね返りますから、それでいいのかどうかという問題がございましょうし、そういう段階でいま進んでおるわけでございまして、向こうがもっと安くしろと言ったからといってすぐ安くできるものじゃないと私は思っております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そうするといまのところ、日米会談を通じても急速な輸入量の増大はない、こういうことでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 大体販売たばこの一%ぐらいが従来外国製のたばこでございますから、その程度で済むのじゃなかろうか、これは間違っておれば専売当局からまた説明をさせますが、大体そんな感じでおります。ただ、だんだんこういう開放体制になってまいりましたから、専売公社にも品質の点、価格の点においてもこれから大いに勉強してもらわにゃいかぬ。あくまで城を守るだけではいけないので、十分向こうの輸入たばこに対応するだけの勉強はしてもらうつもりでおりますが、かといって、これは原料葉たばこの問題がございますし、多くの耕作者、業者を抱えておる専売でございますから、十分そこら辺は慎重に構えるべきであるというふうに考えておる次第でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 本当は専売局総裁にひとつ、デンジャーという英語ですが、言葉の意義から時間をかけてゆっくりお聞きをしたいと思ったのですが、アメリカのたばこには「デンジャー・ツー・ユア・ヘルス」、こういうことで、危険という言葉が全部のたばこに印刷してありますね。しかも警告ということで、日本にはないようでございますが、公衆衛生総監、日本で言えば公衆衛生局長よりもっと権威があるのじゃないかと思うのですが、そういう人がたばこに対して危険だという警告を発しておる。日本の場合はほとんどそれは言ってないわけです。意義やなんかお聞きする時間はありませんが、総裁はたばこをのんで危険だとお思いになりますか、なりませんか。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 喫煙と健康の問題につきましては、先生御承知のように古くから、イギリスの王立医師会の発表で、喫煙は健康のためによくないということが指摘されておりまして、その後WHO、世界保健機構におきまして、そういうことを各国政府はたばこの包裏に表示すべきだという決議がされまして、わが国におきましても現在御承知のように、「健康のため 吸いすぎに注意しましょう」という表示をいたしておるところでございます。  世界各国のそういった表示は、いまお話しのようにアメリカにおきましては、「デンジャラス」と言っておりますし、イギリスの方では「キャン・ダメージ・ユア・ヘルス」といったような文言になっておるわけでございまして、わが国の場合の「吸いすぎに注意しましょう」というのはカナダの表示と似たような表示になっておるわけでございます。  私どもとしましては疫学的、統計的には、亡くなった方を調べますと、生前に喫煙、しかもヘビースモーカーであった人の方がたばこを吸わなかった人あるいはヘビースモーカーでなかった人に比べると死亡率が高いということははっきりわかっておりまして、またそういう調査も十分あるわけであります。そういう意味では、たばこが問題であるということはわかっておるのでありますが、病理学的にはたばこを吸えば必ず肺がんになるとかというようなことはまだはっきり固まっておるわけではございません。ただ、心臓疾患がある人がたばこを吸うとよくない、あるいは妊産婦がたばこを吸うと御本人にもよくないし胎児にも影響がある、こういうことはわかっておりますので、そういった点には十分喫煙されるときに御注意願いたいと思っておりますけれども、たばこを吸うことが直ちに有害であるというふうにははっきりまだ固まっているわけではございません。

只松祐治日本社会党

○只松委員 日本はそれほど古くありませんが、諸外国では相当古くからそのたばこの害について研究がされております。したがってこういうことが明確に出てきておるわけですが、医学というものは今度は先進国家のそういうデータや何かを利用しながら日本にも適用していくわけでございますから、世界的にはいま専売局総裁がおっしゃったようなことで通用するわけはない。たとえば明一年のWHOのテーマというのは、喫煙か健康かあなたの選択ということになっていることは御承知のとおりですね。いま総裁がおっしゃっているような程度のことで少なくともWHOが、喫煙か健康かというようなことを真正面から掲げて問題に取り組むというようなことは逆にあり得ないと思うのです。これは明確になっておるからそういうことが言われる。  論争する時間もありませんから、皆さん方がせっかく国税をお使いになりまして、これは専売局が勝手にしているんじゃなくて消費税ですから、ことしも一億三千万円から予算をお組みになって二十三の大学や研究所に依頼をされておりますから、もうこれは何年かたっておるわけですから一つのデータが出ておると思うのです。専売局だけないしょないしょにしていまみたいな答弁ではなくて、ひとつ委員長、この各研究所に出しておる、全部いただければなおいいけれども、全部いただけないなら主なところの調査結果、研究結果というものを資料としてお出しいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 お話しのように本年は一億三千万円、五十二年度は一億一千五百万円、その前はそれよりちょっと少ないのですが、ここ十年余りそういう委託調査を行っておるところでございますが、何分にもこの健康と喫煙の問題は大変むずかしい問題でございまして、世界各国でもいろいろ部分的には研究結果が発表されておりますけれども、総合的な研究結果というのはなかなかむずかしい点がありまして、必ずしも明らかになっていない点が多いのでございます。  私どもとしましては、せっかく委託研究しておるので、何とかまとめてもらいたいという気持ちは強く持っておるのでありますが、学者の方は大変慎重でございまして、なかなかその結果がはっきり出てまいっておりません。ただ、そのままではいけませんので、何とかそれをまとめたいと思っております。いままでのところでは御存じだと思いますけれども、研究を委託された学者の方々が医学会で報告するなりあるいは専門雑誌に記載しておられる程度であります。しかし、これは余りにも専門用語ばかり使ってありまして、一般の人には大変わかりにくいことになっております。そこで私どもとしましては、できればもっと一般の人にわかりやすいような表現で委託研究結果をまとめてもらえないかということをお願いしておるのであります。そういうことを学者の方にお願いしておるのでありますが、学者の人は、そんなにわかりやすいように書けない、専門事項だからということで、なかなか御承知いただいておりませんけれども、できるだけ早い機会にもっと一般の人にわかりやすいようなものにまとめていただきたい、こう思っておる次第でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 これは専売局対学者の問題ではないのですね。国民対医学の問題なんです。専売局がこの金を出さないならあるいは少なければ政府が出したり、そういう意味で、私はきょうは厚生省は呼んでおらないんだけれども、厚生省が出して、これだけの重要な、世界的に来年の世界保健機構が主要テーマ、メインスローガンに掲げてやろう、こういうものを、一専売に任しておったりあるいは専売局の内々のことで済む問題ではない、へそから下の問題ではないのです。日の当たる堂々たる国民の健康の非常な大きな問題ですよ。だから、それが幸いにして、額は少ないけれども専売局が調査を依頼しておる、数年たっておるわけですから、これは国会あるいは政府としても当然に明らかにしなければ、求めなければならない問題ですから、私は重ねて、できなければ大蔵委員会が直接——私は個人的には若干、個人のお医者さんから聞いているのですよ。しかし、きょうはもう時間も来ておりますからそれ以上言わないわけですが、それよりも、いわゆる大蔵委員会として、正式にこれだけ重要な問題を一つも明らかにできないということ。必ずしも厚生省だけの問題、社労の問題ではないと思うのです。大蔵委員会として、たばこを売っているのはわれわれ張本人でございますから、国民の前に本当は公害というものは何だということで、単なる物をつくるだけ、たばこを売る場合でもやはり公害というものが指摘されているし、あるいは、嫌煙権というのは吸っている本人だけじゃなくて隣におるなり回りにおる人、私なんか吸わない、吸わないというよりやめた。そういうもので吸っておられる人の害をわれわれは受けておるわけです。大臣が吸っておるけれども、ぼくは被害を受けているわけだ。そういう問題にまで及んでいく問題なんで、発生源がだれかと言ったら専売局であり大蔵省であり、また認めておるわれわれなんだ。したがって当然発生源の者が責任の一端を負うことは、このごろは裁判所の判例を見たってどこを見たって、スモン訴訟を見たって、何にしても全部販売会社じゃないのです。だから当然に大蔵委員会として資料を要求いたします。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 只松君に申し上げます。後刻理事会でこの問題は相談いたします。

只松祐治日本社会党

○只松委員 提出していただくよう要望いたしまして、次に進みます。  こういうふうに値上げになれば、いままでと同じように消費本数が減る、これは明らかでございまして、その場合に小売や何かも多少考慮してもらいたいと思うのです。直接影響を受けるのは、たとえば消費が減りますと配送会社、こういうところは、配送の本数によって手数料をいただいておるわけです。そうすると収入が減るわけです。紙や何かをつくっておる工場なんかもそうだろうと思います。こういうものは労働者なり何なりの賃金問題なんかにも全部響いてきますから、単価を上げていくなり何なりそういう救済方法を考慮しなければならないだろうと思います。これも詳しくは聞く時間はありませんが、そういう値上げに伴なって消費本数が減っていく、そこでもろに被害を受けてくる関連の企業、ずっとさかのぼれば、摩滅度数が少なくなってくるから機械等もある。そういう関連企業の対策はどのようにお考えになっておるか、お聞きしたい。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 お話しのように、たばこの小売定価を引き上げることによって需要が一時的に減退する心配がございます。たとえばフィルター会社であるとかお話しのような配送会社は、公社への納入なりあるいは運搬委託を受ける本数が減るために収入が減って、従業員の労働条件に影響がありはしないかという御心配、まことにごもっともでございます。私どもとしましては根本的には、需要が減退したのをできるだけ早期に回復する方向に持っていくのが根本だと思います。したがってそういう努力をいたしたいと考えておるわけでございます。しかし、それにしても一時的に減少することは必然だと思います。これはそれぞれの関連企業でいろいろ経営者として対策を講じておられることと思いますけれども、私どももそういうことについて十分御相談に応じて配慮していきたい、このように考えておる次第でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 時間が来たからやめます。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 初めに大臣のいらっしゃる時間にお伺いをしたいと思いますのは、日米経済摩擦と米国たばこの価格是正の問題についていま大臣としてどのように考えていられるか、まず伺っておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 アメリカ側からは、日本の門戸開放の一つとしてたばこ市場をもっと積極的に開放しろ、特に税金が、関税でございますけれども、税金が高いぞ、しかもそれはたばこの値段のどの部分の中に入っておるかわからぬじゃないかという指摘がございました。そういう意味で、今回の関税定率法の改正の際に九〇%に引き下げを行いまして、しかも公社の益金の方にはっきり出るようにいたしましたので、この問題は一応片づいたと思うのですが、それにしても、製品たばこの値段を一体幾らにするのか。日本のたばこの標準的なものが百二十円とか百五十円であるのに二百四、五十円とか五、六十円に外国たばこを上げるようなことをやったのでは、アメリカの国内の販売価格との差が大きくなり過ぎるから、もう少しそこら辺は何とかできないかという主張だと思います。  この問題は、たびたび繰り返して申し上げておりますように、EC等で売られているアメリカのたばこの価格等から考えましても、二百四、五十円とか五、六十円は決して高い値段とは考えておりません。日本のたばことの品質的格差は相当ありますから、やはりこの程度のことで決めざるを得ないのじゃないかと私どもは考えておるわけでございますが、そこら辺はアメリカ側はまだ不満の意を表しております。あるいは関税定率をもっと下げろというようなことを言ってくるかもしれませんけれども、現在法案を提出し御審議願っているところでございますので、軽々にこれを動かす意思はございません。  そのほか、きわめて実務的な問題でございまするけれども、手数料のマージンが国内産と違うから、七%と一割、三%の差があるから、それを同じにしてくれとか言っているわけですが、これはまた輸入たばこの価格にはね返るわけですから、そう簡単には言えないと思うのです。それでよければ結構だと言うつもりでおります。それから宣伝の方法も、国内の雑誌、新聞等には輸入たばこの広告を認めておりません。これは大変不平等な扱いじゃないかと言うのですが、しかし一方においては、健康の問題から余りたばこを宣伝しては困るぞという声も民間で強くなってきておりますし、ここら辺は枠を決めてある程度認めざるを得ないのじゃないかと考えておる次第でございます。あるいはまた、外国たばこを取り扱う店をもっと広げろというような問題がございます。  こういった実務的な問題につきましては、専売公社と向こうの輸入業者との話し合いをいま進めてもらっている段階でございまして、多少日本の実情がわからぬ議論もあるものですから、話し合いを進めているうちにこれは円満に片づくと思います。  ただ、関税率等の問題につきましては、今後にあるいは問題を残すかもしれませんが、これは私どもとしては最大限の減税をしたつもりでおりますので、いますぐ譲るつもりは毛頭ございません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 関税率については、本法案の後での改定はする考えはない、こういうふうに理解しておきたいと思います。  実務的に広告、小売手数料の問題について、専売公社としてどのように詰めておるか、説明いただきたいと思います。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 御承知のように国内製造のたばこにつきましては、小売の手数料一〇%になっておるわけでありますが、輸入たばこにつきましては七%の手数料になっております。これは輸入たばこの値段が高いものですから、七%でも絶対額としては小売マージンは国内のものの一〇%より多いということから、従来七%に据え置いたまま来ておるわけであります。ただ向こうの米国業者の方は、それは内外の差別だということで何とかその是正を図ってくれという要望が出ておるわけでありますが、先ほど大臣がお答えになりましたように、七%を一〇%にいたしますと小売価格で三十円ほど上がっていく、一%について約十円上がっていくことになります。そうしますと、片一方でアメリカ側は日本のたばこ——私どもは日本のたばことアメリカのたばこを比べる場合には、少なくとも百七十円銘柄のものと比べるべきではないかと申しておりますが、向こうは一番売れているマイルドセブンなりセブンスター、百五十円のものと比べて輸入品の値段が高過ぎる、いまその格差が百円あるわけでありますけれども、その格差を広げないようにしてくれ、こういうことを言っておるわけであります。そこで私どもとしては、手数料は何とか考慮したいけれども、格差を広げないということではむずかしいではないかということを申しておりまして、向こうの業者は、一挙に手数料を上げてもらわなくても少しずつでもいいから、格差が広がらないような範囲内で何とかしてもらいたいという話でございまして、いまそういう話し合いを続けておる段階にあるわけであります。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 先ほど大臣もお話がありましたが、特にいわゆる宣伝広告の規制の緩和の問題について、WHOの勧告をどういうふうに受けとめてこの調整に当たられようとしておるか、伺っておきたいと思います。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 この点は、お話しのようにWHOにおきましては、たばこについて広告宣伝をしないようにということになっております。特にラジオ、テレビを通ずる広告はしないということが言われておるわけでございます。したがって私どもといたしましても、ラジオ、テレビを通ずる広告はだめですよ、ただしいままでのところ、外字新聞にだけ広告を認めておったのを、日本の雑誌なり新聞に広告することはある程度認めなければなるまい、しかし、余りたばこの宣伝をすることが消費者に及ぼす影響ということを考えると、それも専売公社自身がやっているようにある程度自粛した範囲内でやっていただかなくてはいかぬ、したがってお互いがどういう範囲でどういう広告をするかという業界同士の取り決めをしようではないかということで、一応の案をアメリカ業界に提示いたしました。アメリカ業界は、いまそれを向こうに持ち返って検討するということになっておるわけでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 警察庁の佐野保安課長は時間の関係がぶつかっているということで、先に伺っておきたいと思います。  円高ドル安ということで、そういう影響の一つで最近、軍用たばこの密売が行われているということで一つの大きな社会的問題になっておりますが、この点について、警察庁、どのように取り締まりを行い把握しているか、説明を伺っておきたいと思います。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○佐野説明員 お答え申し上げます。  昨年の私どものたばこ専売法違反検挙状況を申し上げてみますと、百三十五件、人数で九十八人になっております。これをここ数年の検挙数字あたりと比べてみますと、五十年から五十二年の間にかけましては大体六十件前後という検挙状況になっております、したがいまして、五十三年、昨年が約倍の検挙というふうな数字が上がってございます。  なお、特徴的な問題にはどんなものがあるかと申し上げますと、昨年の四月前後あるいは九月前後に米軍基地から、いわゆるやみたばこというふうなものが持ち出されて一般に市販されたという検挙、これが数量といたしましては比較的目立つ数量というふうなものでございました。ただ、その申し上げました検挙事例の中でも、関係者が米国に帰ってしまっているという例もございまして、そこから先のルートが断ち切れているという問題もございます。それから、米軍の家族、軍属あたりが持ち出し販売ということはやっておりますが、背景に大きな組織的な問題があってなお継続してその種の事案が行われているという向きは必ずしもうかがわれないというふうな状況でございますので、私どもの方といたしまして、昨年の状況を見てみますと急激にふえておりますので、その辺につきましては一応関心を持って見守っておるという状況でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 いま米軍基地の問題が出ましたけれども、これについては、日本専売公社関東支社監視部が米軍の横田基地のOSI、米空軍特別調査局とともに捜査に乗り出しておる。横田基地のいわゆる軍用たばこの密売問題については、専売公社としてどういうように調査をしておるか報告していただきたいと思います。

立川武雄日本専売公社理事

○立川説明員 お答え申し上げます。  基地関係の専売法違反事件につきましては、最近は昨年の三月、四月にございまして、それは整理いたしております。つい最近一部の新聞に、たばこの基地からの横流しの問題が報道されましたけれども、私どもは現在そういう事件は承知しておりません。昨年の四月ごろの事件のことかと思います。現在そういう状況でございますので、現在は事件としては調査しておりません。(宮地委員「昨年の四月のでいいです」と呼ぶ)大ざっぱに申し上げますと、昨年の四月七日ごろでございますけれども、横田基地の従業員何人かが内偵の結果、調査されまして、そのルートを求めますと、中間に第三国人の方がおられまして、犯則物量が紙巻にいたしまして約七万本、その他パイプ、葉巻等も若干ございました。これにつきましては、警察の御協力も得まして、それぞれ警察に引き継ぎまして処理を終えておる事件でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 私の方は、これはことしの三月二十五日の読売新聞で報道されておりますけれども、その中の事件の問題について監視部の永井監視課長が、これは読売新聞の記者のインタビューに答えたのではないかと思うのですが、「外国製たばこの密売は戦後混乱期の遺物。それがドル安で米兵らの生活が苦しくなったため、再び頭をもたげている。基地にも協力を求め、監視を強めているので、今後は悪質な違反は減るはずだ。しかし、大半がヤミブローカーから水商売や暴力団、芸能関係者に潜行して流れているため捜査は難しい」、こう話しているわけですね。そうすると、あなたのいまのお話ですと、現在においては全く知らない。知らないということであると、ことしの三月二十五日ごろにこういう発言が専売公社の監視課長から出るはずがないと思うのですけれども、この点、全く承知していないのですか。

立川武雄日本専売公社理事

○立川説明員 私どもも読売の記事が出ましたときに、関東支社に記事の内容を照会したことがございます。先ほど申し上げましたように米軍基地関係の事件につきましては、私ども承知しておりますのは昨年四月ごろの票件のことでございまして、現在こういう動きがあるということは承知しておりません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 警察庁はこの事件については承知していないかどうか、伺っておきたいと思います。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○佐野説明員 お答え申し上げます。  警察庁におきましても、米軍関係の事案についてある程度の事案を承知しております。たとえば昭和五十二年の十月ごろから五十三年四月ごろにかけまして、いま御指摘がありましたような在日の台湾人が、米軍横田基地の米軍人それから米軍人の妻など六名から、ケント、ポールモールなどの外国たばこ約七百カートンを購入して、銀座方面の飲食店などに市価の約半額で販売しておったというふうな事件は承知してございます。これにつきましては、警視庁、それから日本専売公社の関東支社監視部、あるいは米軍の横田基地のOSI、この三者が協力して事件の解決を見ております。そのほかにも神奈川県におきまして、やはり外国たばこの約四百七十四カートン、こういったものが自動車販売会社の社員が米軍構成員から買い受けて、これを一般に市販したというふうな事案も聞いてございます。  ただ、昨年こういう形では目立ってはございますが、先ほど申しましたように、組織的な背景とかあるいは暴力団が絡んでおるのじゃないかというふうな問題に関しましては、私どもこの事件を検挙しておった段階では、まだそういった背景の問題については承知しておらなかったというのが実態でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 専売公社の総裁に伺っておきたいのですが、現実にこういうようないわゆるたばこの横流しといいますか、こういうものが外国たばこにおいて行われている。これについて、警察庁としても相当詳しく捜査をし、詰めて情報を持っているわけでございますので、そういう点、今後やはりこういう問題というのは往々にしてあり得る事件であろう、こう思うのですね。そういう点で、専売公社の中にも各支社には監視部があるわけですから、この監視部の強化拡充といいますか指導体制、これはやはり機能化するようにしていくべきではないか、このように考えるわけですが、総裁の見解を伺っておきたいと思います。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 たばこ専売法違反を取り締まるためにお話しのように、私ども各支社に監視部を持っておったわけでございますが、戦後の大変混乱しておった当時は専売法違反事件が大変多かったのでございますが、その後だんだんと経済が落ちついてまいりましてから違反事件が減りまして、いまありますのは米軍基地からの横流しがほとんどでございまして、それ以外の事件はなくなってまいっておるのでございます。しかしお話しのように、昨年急激な円高の結果、日本におります米軍ないしは米軍関係の従業員は、ドルの価値が減ってまいりましたために生活が苦しくなって、たばこを横流しして専売法違反を企てるという事例がふえてまいっております。したがってそういった点につきましては、基地所在地の地方局の監視部で警察当局と密接な連絡をとりながら違反摘発に努めているところでありまして、先ほど警察庁からお話がありましたように、昨年は横田基地からの横流しあるいは神奈川県での横流し、こういったものは、それぞれ警察当局と連絡をとりながら処理をいたしておりまして、今後ともそういう点では、警察当局と密接な連絡をとりながら十分対応していきたい、このように考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 保安課長は次があるから退席して結構でございます。  そこで、このたばこの値上げの今回の一つの経緯の中で、どうも私たち国民の立場から見まして、大蔵省と専売公社の間に相当基本的なギャップがあるのではないかという感じをしております。というのは、まず伺っておきたいのですけれども、専売公社として、たばこの値上げと消費との関係から見まして、本音はやはり値上げというものはすべきではない、こういう立場に立っていたのではないか、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 御承知のようにたばこの値上げをいたしますと、その機会にたばこをやめるとかあるいは本数を減らすという人がかなり出てまいります。したがって公社の販売数量が減少するのは事実でございます。ただ、私ども戦後としましては昭和四十三年と五十年とこの二回だけしか値上げの経験がないわけでありますが、四十三年のときは値上げ後四、五カ月で消費はもとに復したわけです。ところが五十年のときの値上げですと、それがなかなか回復しないで一年以上もかかった。しかも一年以上もかかって、五十二年にはある程度回復したのでありますが、五十三年に入りましていわゆる嫌煙権運動などの関係で、喫煙場所あるいは喫煙時間というものが社会的に規制されるようになりまして、またたばこの消費が伸び悩んでおるのが現状であります。  こういった状況にありますので、たばこを値上げして消費が減るという点を大変心配いたしておるのでございますが、しかし昭和五十年に値上げいたしました後、コストが総原価の三割ほど上がっておりますので、したがってそれを回復することが公社の経営にとっても必要でございますので、私ども値上げを忌避するというような立場ではございません、値上げはしなければならぬという考えを持って今回の値上げについて考えてきたわけでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 大蔵省のいわゆる財政危機の中から言うなら税収を上げる、こういう一つのねらいの中で、本当は値上げをすれば消費が低下することは目に見えてわかっているわけですから、したくはない、そういう中の副産物として出てきた問題がどうも専売納付金制度であり、あるいは定価法定制の緩和であるというような見方が国民の間にあるわけですが、この点についてまず総裁の見解を伺っておきたいと思います。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 専売納付金制度の改善につきましては、私ども昭和四十年ごろからいろいろ考えておりまして、当初は昭和四十三年に消費税制度でどうかということで、実は税制調査会の答申の中で消費税制度を設けるべきだというような答申もあったのでございますが、対境関係の理解が得られませんで、このときは法案が一応はできましたけれども、国会に提出することができないで終わったわけであります。  その後、御存じのように昭和五十年の定価改定の際に、衆議院の大蔵委員会におきまして附帯決議として、専売納付金制度について改善をすべきであるという決議をいただきました。その後鋭意検討いたしました結果、今回のような専売納付金制度の改善案、それに伴うたばこ法定制の緩和化についての法案をただいま御提出申し上げているのでありまして、そのたばこを値上げしたくないということからこういうものができ上がってきたのではございません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 大臣が十二時二十分ごろ退席ということですので、大臣に先に伺っておきませんと困りますので……。  一つはたばこの地方への配分の率、これは今回都道府県が一〇%で市町村が大体一八%消費税を持ちますけれども、国の方の財政危機もさることながら地方も大変なんでございまして、もう少し地方の配分を引き上げるべきではないか、その点が一点。  それからもう一つは、やはり財源の問題ですけれども、これだけ嫌煙権の運動だとかあるいは健康、生命とたばことの関係というものがだんだんクローズアップされてきておる。後でいろいろ厚生省や関係機関が来ておりますので詳しいことを伺いたいと思いますけれども、結論的にたばこの国民の健康、生命を守るという立場の研究、またそれに対する資金がまだまだ非常に弱いわけです。ましてや専売公社それ自体も委託研究して、五十四年度でも約十二億円程度という、国民の健康と生命を守るためのいわゆる研究なり普及なり啓蒙、こういう予算が非常に少ないわけでございまして、やはり財源の中に一部分そういう目的税的に考えて、国民の健康、生命を守るための研究あるいは医療、そういう面の確保というものを考えるべきではないか、私はこういう感じをしているわけですが、その二点について大臣に伺っておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 第一点の地方消費税の配分の問題でございますけれども、両方合わせますと大体五六の半分ですから、これが限度だと私は思うのです。地方財政の厳しいことは十分承知いたしております。しかし国の台所も火の車で、今後経済状況がもう少し安定したら地方の財源をどうするかということにつきまして、見直しをやらなければいかぬということは私も十分考えておりますけれども、現在のところこれを特に引き上げようという気持ちはございません。  それから第二点の健康のためにもう少し真剣に予算をつけて研究をさせろというお話、これは私全く同感でございまして、いろいろ従来からも専売公社は学者に委託して研究をさせておるようでございますが、何といっても喫煙の健康に及ぼす影響なんということになりますと相当長期間の研究が必要だろうと思うのでございます。今日でも十数億をかけているようですが、専売にもよく話をいたしまして、今度益金も相当ふえることになるわけでございますので、そこら辺の点につきましては十分今後公社と相談をしてまいりたいと考えている次第でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 さらに、やはり大蔵大臣は日本の経済のかじ取りの一番の中心的立場にいるわけでございますので、物価との問題についても当然この問題は考えておられると思いますけれども、特に五十四年度の経済運営の中で、物価が非常に警戒水域に入った、こういう中で、たばこが消費者物価に与える影響が〇・三七ということで公共料金の中でもトップレベルにあるわけですね。こういう点の配慮を大蔵大臣としてはどのように考えておられるのか、その点伺っておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 今度の値上げの消費者物価に対する影響は〇・三七%程度という御指摘、そのとおりでございまして、ある意味においては公共料金でございますけれども、ある意味においてはやはり嗜好品に対する課税の強化でございますので、一般の消費者物資あるいは生活物資と違って個人の選択によって買うなり買わないなりを決められる筋合いのものですから、これは日本だけではございません、各国とも苦しいときは、財政物資としてどうしても酒、たばこにウエートを置かざるを得ない状況なので、まあひとつここら辺でごしんぼうくださいよということをお願いしても十分説符力があるのではなかろうかと考えておる次第でございます。  なおきょう、昨年の消費者物価水準が発表になりましたけれども、当初見込みよりも三・四%下回った結果の発表がございました。だからといって、どんどん公共料金的なものを上げていいという気持ちは毛頭ありませんけれども、今日の財政事情から言えば、あるいはまた公社の経営の内容を今後ある程度中期的に見通した場合には、やむを得ないのではないかという感じがいたしております。以上でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 要するに、今回のこの法案がもしも可決されるということになりますと、いわゆる大蔵大臣の許認可事項が法定制緩和ということで非常にふえるわけですね。ですから大蔵大臣の責務が非常に重要な立場になるわけでございまして、たばこの法定制緩和と大蔵大臣の責務、この問題は切っても切れない、私たち国会の議決をかわって今度は大蔵大臣が三〇%以内においてはやるようになる、そういうことでございますので、相当重大な公正な、また国民的立場からの決断がありませんと困るわけですが、その点についての決意を伺っておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 幸いに法案を通していただきまして最高価格決定の権限を政府にお与えいただきましたならば、いま御指摘のあった点につきましては十分配慮して慎重な態度で決めてまいりたいと考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 きょうは大変かけ持ちの方が多いので質問する方も非常にむずかしい、あっち行ったりこっち行ったりで困るわけでございますけれども、そこでまず、専売公社総裁に伺っておきたいのですが、法定制緩和のいわゆる財政法第三条との絡みで、あなた方は国民に納得させるどういう法的裏づけを持っているのか、説明しておいていただきたい。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  専売公社といたしまして、理由を整理すると三つほどございます。  一つは、このたび御提案申し上げておりますように、内国消費税相当分と関税相当分をはっきりさせていただくことにしたことでございます。(宮地委員「その法的裏づけを言ってください、そういうことはぼくはこの委員会で全部聞いているから。そんなことを聞いていたら時間がなくなってしまう」と呼ぶ)法制的に申し上げますと、いわゆる財政法三条は「法律又は国会の議決に基いて」ということになっておりまして、それも特例に関する法律によって、製造たばこの小売定価は現在、製造たばこ定価法によりまして最高価格の範囲内で大蔵大臣に申請し、その認可を受けて私どもの総裁が決定し公告することになっております。現行の最高価格法定制は四十年の法律改正によってこういう形になったものでございます。私どもこのたびのいわゆる内国税相当分の明確化とあわせまして、公社事業の健全にして能率的な運営についての責務を持っておるわけでございますので、今後内国税を事業の成果いかんにかかわらず納めるということを仕込まれますと、いままでのいわゆる納付金制度と性格がまるきり異なってまいるわけでございますので、現在の製造たばこ定価法の基本的な最高価格制の基本を維持しながら、法律に基づきという形で製造たばこ定価法の改正を御提案申し上げた次第でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 そうすると、日本専売公社法の四十三条の二十三「公社における専売品の価格の決定及び変更については、財政法第三条の規定を準用する。」これは結局、今回形骸化するのですか。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 この準用規定は、専売局が二十四年に専売公社になりまして、国ということと形の上で変わりましたので法律上準用規定が設けられまして、したがって公社はいま当然、財政法三条の準用を受けているわけでございます。  今度の改正も、財政法第三条の特例に関する法律によりまして、製造たばこ定価法の改正という形で行っておりますので、あくまでも先生いま御指摘の条文の準用を受けるもの、その性格は変わらないとわれわれは考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 そうすると、あなたの言っている変わらないということは、今回の三〇%という基準はどういうふうに解釈すればいいのですか。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  現在御提案申し上げております三〇%は、その前にまず一条で最高価格を、御提案申し上げております定改の内容に従いまして最高価格を直させていただく改正をお願い申し上げております。それから二条を起こしまして、大変厳しい条件でございますが、公社のたばこ事業の一事業年度において損失が生じたときまたは損失が生ずることが確実と認められるときという条件が一つございます。そういう場合であって、いわゆる実施年と申しますか、五十四年定改のお許しを願えれば五十四年が実施年ですが、今後何年かで公社のたばこ事業が赤字になったとき、何年かたった後赤字になりますが——失礼いたしました。先ほどの基準年から今度は新たに今後公社のたばこ事業が赤字になり、定改をする場合の実施年までの経過の消費者物価、卸売物価、賃金指数等客観的な指標の変動率の範囲内で、しかも累積して何年先になっても第一条に決めた最高価格の一・三の範囲内であって、それで専売事業審議会等の審議にお諮り申し上げて大蔵大臣が定める暫定最高価格の範囲内というふうな縛りの中で私どもが定価の改正を申請をするわけでございます。  一・三というのはどういうことかということでございますが、これは過去の私どもの原価の変動とか、それから政府の現在の物価見通しとか、それから私ども大体五年を単位にいろいろな経営計画を立てておりますが、そういう見通しの中で、仮に今後五%ぐらいそういった総原価が上昇してまいりますと、大体四年ないし五年でたばこ事業が赤字になるというようなことを考えまして、一・三といったいわゆる暫定最高価格を定められる大蔵大臣の限度をお願い申し上げている次第でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 国民からしますと、非常に疑義に感じざるを得ないわけですね。財政法の第三条には御存じのように、「国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」一・三という暫定価格の大蔵大臣の許容範囲内においては何とかうまくできるのだというこじつけ的な、簡単に言えば値上げしやすいような行政当局のエゴといいますか、そういうものが非常に国民の目に映るわけですね。そういう点では、やはりさきの国鉄運賃あるいは電電といったような事例がありまして、また今度は専売がやったか、こういう感じになっているわけでございまして、そういう点については私たちは非常に納得できない、こういう立場であるわけでございまして、この点については同僚の坂口委員からも後ほどがっちりやるそうでございますから、私はこの程度で次の問題に移らせていただきたい、こういうことにさせていただきたい。  そこで、何といいましてもたばこというものは、吸う人と吸わない人、そしてまた吸う方々についても非常に健康に害があるということで、これはもう明らかになっているわけであります。要は、今後専売公社が国民の健康を守るために誠実にどういうような具体的な行為を拡大していくか、こういう問題があろうか、そういう点の一つでやはり表示の問題、この改善というものが必要ではないかと思うわけでございます。  時間も限られておりますので端的にお伺いしますが、製造年月日を総裁、表のところに出せないかどうか、銀紙の中に打っておるのを表に出せないか、この点についてまず伺っておきたいと思います。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 たばこは、先般どなたかの御質問がございましたように、製造年月日から何カ月までは絶対品質が大丈夫だというふうに申し上げかねる点がございまして、たとえばひなたに置くとかあるいは湿気の多いところへ置くとかいうことによって大変品質が変わってくるものであります。また、そういう保管の方法を適切にとりさえすれば、かなり長く品質が変わらないものもあるわけでありまして、したがって私どもといたしましては現在、銀紙の方に製造年月日を記しまして品質管理を私どもの手でやる。そして消費者の方は、小売店からお買いになった後余り長く持っておらずに、できるだけ早く吸っていただくということによってやっていくべきではないか。製造年月日があるから、それから何カ月後まではどんなところに置いても品質は悪くならないという安心はできないわけでございます。そういうことで、製造年月日を表に出すよりも、私どもの品質管理の方を厳格にやった方がいいのではないか、このように考えておるところでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 品質管理を厳格にやるのはあたりまえなんですよ。問題は、銀紙のわからないところに製造年月日を書いておくのがベターなのか、表に出した方がベターなのか。あなた方は銀紙に書いておいた方が売りやすい、わかりにくいからちょうど便利だ、こう見ているのでしょう。国民からすると逆なんですよ。ビールみたいにきちっと製造年月日を表に出していただいた方が安心なのです。発想は逆なのです。その点どうですか、もう一度。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 製造年月日が書いてあるから安心と言われるのは、先ほど申し上げたようなたばこの性質からいたしまして必ずしも安心できにくい面がございますので、私どもとしては、表に製造年月日を出すことが消費者のためであって、銀紙の方に書いてあるのは消費者のためにならぬというふうには考えておりません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 安心というのは意味のとらえ方が非常に違うのですが、そういう傲慢な態度でなくて、アンケートなりあるいは国民の生活実感をもう少しとらえる何かの調査をされて、もしも製造年月日を表に出す方がベターである、こういうようなアンケートが国民の一つのニーズとして出た場合には、謙虚にそのようにしますか。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 お話しのような調査をすることにやぶさかではございません。しかし、諸外国でも製造年月日を書いておる例はたばこについては余りないわけでありまして、私ども諸外国の例もいろいろ検討いたしておりますが、そういう点からいたしまして、たばこについてはその品質管理を厳格にやる。それは当然だとおっしゃれば当然でございますけれども、それをやることの方が重要なのであって、製造年月日を書いておるから中身が悪くなっておってもお取りかえはしませんというような態度ではいけないと私は思っておるのでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 では、その点について調査をされるということですから、国民の生活実感から見る一つの表示の中で、製造年月日を表に出した方がいいかどうか、早急にアンケートなり何らかの調査をぜひしていただきたいと思うのです。  それから、現在の表示あるいは広告の問題についても、あなたからいま諸外国の例が出ましたから、それでは私もアメリカの例をとってみますと、果たして日本の場合はそこまで親切になっているかどうか、この点についてどうお考えですか。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 WHOの決議に基づきまして、たばこに警告文を記載するということになっておりまして、ただその表現のやり方といたしまして、先ほど只松委員にもお答えしたのでありますけれども、アメリカでは「デンジャラス」である、イギリスでは「キャン・ダメージ」であるといったような表現が使われております。わが国の場合には「健康のため 吸いすぎに注意しましょう」ということで、これは大体カナダと同じ表現になっておるわけでありまして、各国それぞれ表現の中身は違っておりますけれども、たばこを吸い過ぎるとあなたの健康によくないということは出ておるのでございます。したがって私どもは、この程度の表現でいいのではないかと思っております。  ただ外国では、ニコチン、タールの内容につきましてもそれぞれ包裏に表示する国があります。ところがわが国の場合には、ニコチン、タールにつきましては、小売店頭にすべての銘柄についてのニコチン、タールの表示をいたしておりまして、これをごらんいただくと、どのたばこがニコチンが幾らでタールが幾ら、どのたばこが軽くて、どのたばこは重いといいますかニコチン、タールが多いかということが一覧してわかるようにしてあるのでございますが、それを一つ一つの包裏に表示するのがいいかどうか。これはどうも私どもは、全部の銘柄について見ていただいてその中からお買いになる方が、消費者としては選択するのにしやすいのではないか、一つだけの銘柄をごらんになるよりも、全部の銘柄についての表示を見て買っていただいた方がいいのではないかという考えで、いまのところ個々の包装に表示することはいたしておらないのでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 あなたは横文字でデンジャラスなんて言ってぱっと逃げましたけれども、やはりアメリカの連邦のたばこ表示及び広告法、一九六九年の改正によりますと、第四条には、アメリカの場合には公衆衛生総監は紙巻たばこの喫煙は健康に危険があると決めていますということを包装表示するということで、何人も合衆国内で次の警告文を包装表示しないでシガレットを製造、輸入、販売することは違法である、こういうふうになっているわけですね。アメリカの場合は非常に強いわけです。やはり危険があるということはそれだけ害があるということで、はっきりとやはり国民に真一文字に取り組んでいる。あなたは注意してくださいということでいいじゃないかという見解を持っているようでございますけれども、こういう一つの嫌煙権の運動だとかあるいは最近のたばことがんとの関係、国民の健康と生命あるいは青少年の非行化、こういったいろいろなたばこに対するデメリットといいますか有害論というのはたくさんあるわけですね。こういうものはやはり余り体裁よくオブラートに包んだような形にしていることが是なのか非なのか。余り消費拡大とか財政的な収入を意識し過ぎて国民の健康と生命を軽視してはならないという感じを私たちは持っているわけですね。  そういう点について、非常に総裁の考え方、意識の中、甘いんじゃないかという感じがしておりますので、政務次官、この点については大蔵省としてはどうか、伺っておきたいと思います。

林義郎自由民主党大蔵政務次官

○林(義)政府委員 いまいろいろお話がございましたし、たばこが健康に有益であるなどということはないと思うのです、有害だというのですが、これはいろいろ私は考えていかなければならない問題がたくさんあるだろうと思うのです。ニコチンタールその他の問題がありますし、それからきのうも参考人の意見がありましたけれども、NOxの話があったりいろんな問題がありますから、そういったものを私は総合的に考えていかなければならない、これはやはり公衆衛生という立場からいろいろ考えていくべき問題だろうと思うのです。  ただ現実の問題としては、これは長い間吸われているものでありますし、この委員会でも、この審議をしておる間でもたくさんの方々が吸っておられるこの現実でありますから、それに着目してやはり税収を上げていくということも私は一つの考え方だろう、こう思うのです。だから、決して大いに勧めてたばこを吸って大いにやって税収を上げろという話ではないんだろうと思いますが、やはりいろいろな形で、大変財政状況苦しいときでございますから、いろんな点を考えながらやはり財政の健全化に努めていくというのが私たちの基本的な考えである、こういうふうに御了解いただきたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 きょうは関係の省庁の何人の方も来ておりますので、最後に一問ずつ聞いておきたいと思います。  経済企画庁の消費者行政第一課長見えておりますので——坂井審議官はちょっと物価との関係、大臣に先ほど伺いましたので、大変失礼ですが結構だと思います。  消費者行政第一課長に伺っておきたいのは、要するに、経済企画庁の中に国民生活センターというやはり消費者保護のPR機関があるわけでございますので、ここでこのたばこの有害論についてどういうふうに現在取り組んでおるか、あるいはたばこと健康ということでどのように取り組んできたのか、今後この問題については消費者保護の立場からどういう啓蒙活動、PR活動をしていくのか、この点について伺っておきたいと思います。  あと文部省は、最近の未成年者のたばこ、非行青少年のこの問題について、どういうふうに対策を講じ、現状どういう実態であるか。  また厚生省として、成人病あるいは母子衛生、特に婦女子に非常に害がある、こう言われているわけですが、この実態、対策、この点についてどういうふうに取り組んでおられるか。時間もありませんから、簡単に御説明いただきたいと関係者にお願いしておきます。

加藤和夫経済企画庁国民生活局消費者行政第一課長

○加藤説明員 先生お尋ねの国民生活センター関係その他消費者啓発につきましては、たばこの関係につきましては、いままでのいろいろな研究成果をまちまして、消費者の関係で決まったところから啓発ということになると思いますけれども、現在のところ、これが特殊な嗜好品でございますので、また、生活センターの方は取引問題といったような苦情もかなり主にしておりますので、この辺のところはまだ具体的な展開を見るに至っておりません。関係当局その他の御意向がはっきりしてまいりました段階で、そういうことを受けまして国民生活センター等においては進める、こういうたてまえでございますので、御了承いただきたいと思います。

垂木祐三文部省初等中等教育局中学校教育課長

○垂木説明員 御説明申し上げます。  中学生や高校生の喫煙の問題でございますが、その実態につきましては、喫煙をいたしております生徒も、未成年者がたばこを吸ってはいけないという認識は持っておるようでございまして、正確な実態というのはよくわからないわけでございます。小範囲にわたってのいろいろな実態調査はあるわけでございますが、たとえば都内の都立高校の生徒二千人程度を対象といたしました調査によりますと、男子の場合には、喫煙を現在していたり過去にした経験のある者が四一%、経験のない者が五九%というような調査がございます。また女子の場合には、喫煙をしている者あるいはその経験のある者を合わせまして一六%、吸ったことのない者が八四%、こういうような実態があるわけでございます。  生徒がたばこを吸う問題でございますが、生徒の非行化の第一のバロメーターは服装の乱れと生徒の喫煙にあるというふうに言われておるわけでございまして、文部省の方といたしましても、生徒の喫煙の防止にいろいろな対策を講じておるわけでございます。ごく簡単に申しますと、いろいろの機会を通じまして、学校の先生がよく生徒の実態を把握いたしまして、生徒の喫煙あるいは問題行動を起こさないようにというような通達を出してございますし、あるいは生徒指導資料をつくりまして、喫煙の問題あるいはたばこの有害の問題につきまして教師の参考になるような資料を配付いたしまして、生徒の喫煙の防止に努めておるわけでございます。あるいはそのほか、生徒指導主事を各学校に置きまして、学校の校内体制を整備いたしまして、生徒の喫煙の防止あるいは非行化の防止に努めておる、こういうようなことをいたしておるわけでございます。

福渡靖厚生省児童家庭局母子衛生課長

○福渡説明員 お答えいたします。  私の方からは妊産婦と喫煙との問題についてお答えをいたしますが、妊婦が喫煙をする場合にどういう健康上の影響があるかということについては、いままでいろいろな報告があるわけでございますが、残念ながらわが国でのそういう調査が非常に乏しいということもございまして現在、心身障害研究班の中で研究を進めていただいておるわけでございますが、いずれにいたしましても、たばこの喫煙本数と胎児の発育への影響というものについては何らかの関係があるという、いままでもそういう研究の成果を得ておりますし、さらにこれを完結するためにいまも研究を進めていただいておりますので、その結果を待ちまして行政指導あるいは保健指導の内容の充実に努めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。現在も健康診査、保健指導等が保健所などで行われておりますが、その中でも母親教室あるいは個別な指導を通じて、妊婦がたばこと健康の問題についての正しい知識を持つように努めておるところでございます。

大池真澄厚生省公衆衛生局結核成人病課長

○大池説明員 お答え申し上げます。  喫煙と健康の問題に関しまして、かねてより保健所等におきまして成人病予防あるいはただいま説明がございました妊産婦指導等、いろいろな機会の中で健康教育あるいは生活指導の一環として取り上げてきているところでございます。  また国におきましても、成人病予防週間というような行事を通じましても広く働きかけているところでございますし、各種の資料、たとえばWHOの専門委員会の勧告とか、こういったものも翻訳して資料として配付するというようなことで努めておるところでございます。  また、国民健康づくり推進活動の一環といたしまして、健康づくり振興財団でこういったたばこの問題も取り上げておるわけでございまして、最近もテレビ番組で一週間を通しての帯番組というような形でたばこの問題を取り上げたところでございます。  さらに、昨年ではございますが、もっぱら健康に問題を生じて病院に来るというそういう国立病院、国立療養所等につきまして、喫煙による影響等も考慮しまして、喫煙場所の制限等の措置を指導しておるところでございます。  さらに、たばこの健康に及ぼす影響の研究に関連しましては、疫学的研究というようなことで厚生省も長年にわたって実施してきておるところでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 終わります。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 池端清一君。

池端清一日本社会党

○池端委員 まず最初に、たばこ専売事業の経営形態の問題についてお尋ねをいたします。  この問題につきましては、本法案審議の過程におきましてもすでにいろいろな意見が出されておりますが、改めてひとつお尋ねをしたいと思うのであります。  私も昨年四月十九日の本委員会におきまして、この問題について公社側の態度をお尋ねしたわけであります。その際泉総裁は、この種問題は政府並びに国会において決定する事柄ではあるが、こういう前提を置きながらも、「基本的に現行専売制度、公社制度を維持しながら、時代に適応した所要の改善を図っていくことが適当である」という趣旨の見解を述べられたわけであります。その後、昨年の六月十九日に例の公共企業体等基本問題会議の意見書が出されたわけであります。したがってこの意見書が出された現段階において公社側の態度は一体どうなのか、従来からの御見解に変化はないのかどうか、その点をまず最初にお尋ねをしたいと思うのであります。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 私、昨年申し上げましたように、公社の経営形態をどうするかということは公社総裁の決定できることではございませんので、これは政府及び国会において御決定になる高度の立法政策の問題だというふうに考えておるのであります。ただ公社総裁といたしましては昨年申し上げましたように、現行の専売制度、公社制度を前提として、時代に即応していない点を是正、するのが適当であるというふうに考えておりまして、今回御提案申し上げておりまする専売納付金制度の改善はその一つというふうに私どもは思っておる次第でございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 事は立法政策の問題であるとしながらも、基本的には現行専売制度、公社制度を維持することが適当であるというふうに公社はお考えになっておる、こういうふうに承ったわけでありますが、その専売制度、公社制度を維持することが適当であるというふうにお考えになっている理由をひとつ具体的に述べていただきたいと思います。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 御承知のようにたばこ専売制度は、明治三十七年に完全専売に移ってからもすでに七十年余の経過を持っておるわけでありまして、専売公社になりましてからも本年の六月一日で三十年の歴史を持つことになるわけでありまして、私どもこの間一つには、当初は国だけでございましたが、昭和二十九年から地方団体も含めまして、国及び地方団体に対して財政収入を確保するという意味におきまして寄与してまいっておるということが一つでありまして、その点におきましては私どもは十分その点を評価していただきたいと思っておるわけであります。  それからいま一つは、国内の葉たばこ生産につきまして農政上の役割りを果たしてまいっております。農家経営の安定のため種々努力してまいっておりまして、これを専売制度、公社制度を廃止するということになりますと、たばこ耕作農家は恐らく壊滅的な打撃を受けるだろうというふうに思いますので、その点も私どもとしては現行制度の方が耕作農民にとってよりいいのではないかというふうに思っておるわけであります。  それから何といいましても、企業の場合には規模のメリットというものがございます。したがって日本専売公社として一つの企業でやっている場合と、これを民営化いたしまして二つないし三つの企業にいたしました場合とでは、外国との競争力の点におきまして大変競争力が低下してまいります。また、民営を三社ないし三社にいたしますと、一つには、広告宣伝費が民営になるとふえざるを得ません。それから設備投資が重複して行われることが起きることは否定できません。それから原料の輸送あるいは製造たばこの輸送につきましても交錯輸送が出てまいりまして、これははなはだ国民経済上非能率なことになるというふうに思うわけでございまして、そういった一企業体としてやる方がメリットの多いという点が指摘できると思うのであります。  その上、仮に民営に移行するといたしますと、公社資産の評価なりその払い下げの問題になりまして大変むずかしい問題が出てまいります。それから、いま出ておるたばこのブランドをどういうふうに分けるか、どの会社も一位の銘柄のものをもらいたいと思うでしょうが、なかなかそうはいかないというふうな意味で、分割するにしても民営化についてはむずかしい問題が出てくるだろう。そういう点を考えますと、現行制度のうち、時代の要請に適合してないものを直していくという方向が最もいいというふうに考えておるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 そこで、大蔵大臣にお尋ねをしたいのであります。  いま総裁から専売制度を維持した方が適当だと思われる理由を何点かお話ありました。財政収入に寄与してきたという点、あるいは葉たばこ生産で農政上の役割りも果たしてきている、もしこれが民営ということになれば甚大な影響を受けるであろう、あるいは外国の巨大なたばこ企業との競争にはとうてい抗し得なくなるのではないか、あるいは重複投資のロスの問題等々いろいろお話がありました。その他まだまだ、二十五万店に及ぶ小売業者に与える影響、四万人の専売労働者、その他関連労働者、そのほか地域経済に与える影響等々あると私は思うのでありますが、いま言われた現行制度を維持すべきが適当であるということについて、大蔵大臣としてはどのようにお考えになっておられるか、その点をお尋ねします。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 公共企業体の相当のものを民営に移せという議論が前々からあって、先般答申が出ておることは私も十分承知しておりますけれども、その趣旨は、民営に移してもっと能率を上げろというところに主眼点があるのじゃないかと思いますが、この点につきましては、公社はずいぶんといろいろ工夫をしてくれまして、合理化を図り能率を上げております。まだまだそれはやり足りないところはたくさんありますけれども、これをいま話が出ておりますように幾つかの企業に分割して一つの企業としての規模の大きさのメリットを失うようなことになったら、果たしてうまくいくのかどうか。それから、あなたもいまおっしゃっている葉たばこ耕作者との関係、これは相当大きな問題であると私は思うのでございます。また、小売業者の配列をどうするか、いろいろな問題がありますから、この問題はひとつ慎重に結論を出すべきであって、急いではいかぬなという感じで私はおります。

池端清一日本社会党

○池端委員 この問題は私は、専売公社側の姿勢というものを支持する立場にあって、そういうことでいま大臣にもお尋ねをしたのであります。慎重に検討するということで必ずしも歯切れはよくありませんが、十分事情も御承知の上で御答弁になっていると思いますのでこれ以上お尋ねすることはやめますけれども、そういう事情を十分御勘案いただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。  そこで、再び専売公社側にお尋ねをいたしますが、昭和五十二年に専売公社が出されました「経営形態等についての日本専売公社意見」という冊子がございますが、これを見ますると、「国による統制は必要最小限の範囲にとどめ、経営者の責任と創意に基づく自主的運営に委ねることが望ましい。」こういう一節がございました。そして自主責任経営体制の確立、自主性の確立ということを強く打ち出しておられるわけであります。  そこで、この自主責任経営体制の確立、自主性の確立というのは具体的にはそれではどういうことを指しておられるのか、その具体的な中身についてお尋ねをしたいと思います。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生が御指摘の点は、第二次公共企業体等関係閣僚協議会のもとに設置されました基本問題会議の要請によりまして公社総裁が申し上げました意見書の内容と私、承知いたします。  あくまでも幾つかの前提がございまして、その中で私ども、先ほど総裁が御答弁申し上げましたように、時代の要請に合ったような所要の改善を図る。そのことは具体的に申し上げますと、やはり何と申し上げましても、いまの専売納付金とい一つたようないわゆる税金部分と企業成果部分が未・分離の状態ではよくない、やはりあくまでも新憲法のもとにおいては私どもの責任は責任として明確化さしてもらいますよということ、財政貢献と同時にわれわれの企業成果、企業責任というものを公共企業体として国民各層の前に明らかにすること、そのことが前提とされております。  そういう前提の上に立ちまして私どもとしては、やはり公共企業体設立の基本的な趣旨の一つには、大きなものとして、いわゆる官営企業から公共企業体という新しい仕組みを取り入れた以上は、事業の企業性なり能率的な運営というものが大きな柱であったわけでございますので、先ほど申し上げましたような一つの制度改善を前提といたしまして、後はできるだけ経営者の創意と責任に基づく経営をやらしていただけませんかということを申し上げたわけでございます。  その具体的な内容でございますが、やはり予算制度であるとか、あるいは給与総額制度であるとか、あるいは業績賞与と申しますような制度が私どものところにございまして、いわゆる特別給与でございますがそういう制度、あるいは業務範囲の問題、いろいろな問題について私ども意見を申し述べたわけでございますが、一方翻って考えてみますと、やはり公社は専売権の実施という完全独占体でもございますし、いわゆる公共企業体という全額政府出資の企業でもございます。したがいまして、いわゆる三公社五現業といったような公共企業体という全体のあり方のことも関連する問題でございますし、さらには、日本の社会経済の進展といったようなものの中で、私どもがいかなる努力によってそういう公企体を国民各層の皆さん方に御評価願えるかという努力にもかかわることだと思っております。  そういうことで、いろいろなことが総合的に判断されるものだという、総裁が申し上げましたようにやはり高度の立法政策の問題としてこういう事柄はあるのだろう。私どもとしましては、いま御提案申し上げておりますような制度のもとにおきまして精いっぱいの経営努力をし、国民各層の支持を受けたいものだ、このように考えておるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 そこでまた大蔵省にお尋ねをするわけでありますが、こういう国による統制は必要最小限度にとどめて、可能な限り経営者の責任と創意が生かされるような自主的運営というものを保証してほしいという専売公社側の見解、これについて大蔵省としてはどういう御判断をお持ちなのか、お尋ねをしたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本政府委員 申し上げるまでもございませんが、専売公社が公共企業体として特別会計から分離いたした中には、企業体として効率的に業務を運営していくということが求められていたはずでございます。したがいまして、たとえばこの予算にいたしましても、公社が事業を企業的に経営することができるように弾力性を与えなければならないというふうに法律にも書いてあるわけでございます。  ただ、後藤理事からもお答えいたしましたように、公共企業体ということで国の全額出資であり、かつ、公共性のある仕事をいたしておるわけでございまして、企業性というものといわゆる財政民主主義というものとの兼ね合いをどこに求めるかということが大変重要なことではなかろうかと思うわけでございます。公共企業体等基本問題会議の意見書におきましても、そのあたりのことについて述べておりまして、たとえば予算制度につきましては、制度としては特にいま変えることはないだろう、しかしその運用面について考えていくべきことがあるのではないかということも言っておるわけでございます。  私どもの方といたしましては、具体的に公社がこのようなことをいたしたいというようなものがあるならば、財政民主主義という言うならば枠の中におきまして企業体として自主性を発揮できる方向をあえて制限していくということを行ってまいらなければならないというつもりはございませんし、また、今回御提案申し上げておりますこの改正も、自主性を与え、企業という名に少しでもふさわしい道を与えるための制度改正という面を持っておるのだというふうに考えておるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 日本専売公社法の第二十七条の二項に「公社は、大蔵大臣の認可を受けて、その業務に直接関連し、且つ、業務の運営に必要な事業に投資することができる。」こういう定めがあるわけであります。  そこで現在、公社はどのような事業に投資を行っているか、ひとつ具体的に事業の内容をお尋ねしたいと思う。

岡島和男日本専売公社管理調整本部総務部長

○岡島説明員 お答えいたします。  いま先生が申されましたように、公社法の二十七条の二項の規定におきまして、大蔵大臣の認可を受けて投資をするということでございますが、その範囲は「業務に直接関連し、且つ、業務の運営に必要な事業」ということになっておるわけでございます。具体的には、業務方法書の二条の二というのがございまして、「公社の委託を受けて行う製造たばこの配送業務を主たる目的とする事業」、それから「製造たばこの製造に必要な原材料品の供給を主たる目的とする事業」、こういうことになっておるわけでございます。  もう少し具体的に申しますと、製造たばこの配送につきましては、五つの会社に対しまして出資を行っております。それから香料の関係に一つ。原材料の供給関係では、大きなものとしてはフィルター工業の会社が五つございまして、それに対しても出資をいたしてございます。そのほか、原材料の供給を主たる目的とするものとしてアルパックサービスというところに一つ、それから原材料の運搬とか設備保全とかというようなことを目的とする事業で、これは東海プラントという会社でございますが、そこに一つ、このぐらいのところに現在出資をいたしております。

池端清一日本社会党

○池端委員 先日来いろいろ議論がありますように、たばこ消費の停滞、輸入製造たばこに対する自由化の要請、こういう問題等で、いま公社を取り巻く環境というのは決してバラ色のものではなくて、きわめて厳しい状況にあると思うわけであります。そういう状況の中で、公社の経営基盤の強化を図っていく、ひいては、そこに働く労働者の雇用の安定を図り、関連産業に従事する人たちの生活の安定を図っていくということを考えていく場合には、日本専売公社法二十七条に定めるだけの業務ではどうしても十分なものとは言えないのじゃないか、公社の行える業務範囲をもっと拡大していくべきではないか、そういう立場から公社経営の安定を図っていかなければならないのではないかというふうに私は考えるわけでありますが、その業務範囲の拡大の問題について公社としてはどういう御見解をお持ちなのか、お尋ねをしたいと思います。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、確かに現在のたばこ産業を取り巻いているものは大変厳しいものがございます。先生先ほど御指摘のように、何と申しましてもたばこ産業が私どもの事業の中心でございます。これに全力投球をいたしまして、直接の職員のみならず、たばこ産業関連者の今後の共存を図りたい、これが私どもの基本的な念願でございます。あわせまして、先生いま公社法二十七条を御指摘なさいましたけれども、基本問題会議でも業務範囲につきましては、いろいろ時代の流れに応じまして円滑な業務運営を行い得るようなそういう適応を図ることが必要であるという御指摘がございます。  私ども専売権の実施を委託されている公社としてあるいは公共企業体として、おのずからそこに厳しい限界があることも承知いたしておりますが、たとえば現在開発途上国、アルジェリアであるとかブルガリア等からいろいろな技術援助とかあるいは乾燥施設なり機械等についてのいろいろな提供なり購入要請があったり、それから、海外にも安定的な葉たばこの産地を確立するために、数年前から技術的な援助という形でインドネシアとかブラジルとかいうようなところで公社の職員が技術指導をしておりますが、そういうところもやはり企業体が大変弱体でございますし、施設も大変陳腐な施設であったりあるいは施設を持たなかったりいろいろいたします。そういうことで、投資の規定はございますが、果たして現在の法律の規定でいまみたいな機械等の輸出等が読み込めるのかどうなのか。それから融資等につきましては、過去たしか二十八年だったと思いますが、一応論議されましたが、融資は金融的な措置であるので投資で十分ではないかということでお認め願えなかった経緯がございます。しかし大きく時代も変わってまいっておりますので、こういう点につきまして今後もっと詰めまして、私どもいわゆる産業基盤の強化なり雇用の安定という方向に向けてさらに検討を深めてまいりたい、このように考えている次第でございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 赤字に悩む国鉄の例を引き合いに出して、専売公社としてはあるいはお門違いだというふうに言われるかもしれませんが、いまの状況のまま推移していくならば国鉄の二の舞になりかねない、そういう状況も出てくるのではないかということを私は危惧するわけです。国鉄の場合は、日本国有鉄道法の改正をいたしまして、「業務の運営に必要がある場合」のほかに「財政上必要がある場合」にも各種事業に投資することができる、そういう道が開けたわけでございます。いろいろ資料を見ますと、具体的には、ビル管理業であるとか都市再開発事業、大規模レクリエーション施設その他観光開発、沿線開発事業、こういうようなものが例として挙げられております。  私は、専売公社にそういうふうなビルの管理や都市再開発をやれということを言うのじゃないのですけれども、素人であるいは見当違いのことを言っているかもしれませんが、この化学分析の副産物として薬品の発見なんかもあるというふうに聞いております。よく心臓に効く薬が開発されたといいますか発見されたというようなことや、香料の研究で単にたばこの香料の研究にとどまらず、広範な香料の研究ということから、この香料というものをほかに活用できるという道もあるのではないかというような、素人考えでございますけれども気がするわけです。あるいはまた、昨今問題になっています喫煙の健康に及ぼす影響というようなことでの調査研究も、委託でなされているようでありますけれども、これはもう公社の事業として大規模にひとつやられたらどうかというような気もするわけです。そうすることによって経営基盤の強化あるいは雇用問題にも対処できる、こう私は思うわけであります。  したがって国鉄同様に、業務の運営に必要がある場合のほかにやはり財政上の必要がある場合において、そういう投資ができるという道を専売公社においても講ずべきではないかというふうに私は思うのでありますが、その辺はいかがでしょうか。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  日本国有鉄道法の改正によりまして先生御指摘のように、従前の国鉄の「業務の運営に必要がある場合」のほかに「又はその財政上必要がある場合」ということが記されまして、先生ただいま御指摘になりましたような土地の高度利用促進とか業務委託というようなかなりの範囲が記されましたことは、先生御指摘のとおりでございます。  ただ国鉄の場合におきましては、先生御案内のような過去の相当膨大な累積赤字も持っておりますし、また、国鉄と競合関係にあります私鉄等民営鉄道が相当こういった類似の、これ以上のもっと積極的な土地開発とかいういろいろな事業を付帯して、全体としていわば運輸業が成り立っておるというような向きもございます。私どもの場合は、やはりその点大変事情が異になっております。したがいまして、確かにこういう税部分を今後事業成果いかんにかかわらず納めるという公社義務を負う関係上、われわれがいかに努力してもある程度物財、人件費が上がる限りはかなり赤字が生ずる事態が生じてまいります。それと同時に、先ほど来申し上げておりますように、大変たばこ産業自体の置かれている環境が厳しいということも承知しておりますが、ただ、いまこの時点において直ちに先生御指摘のような財政上の必要というようなことが適当かどうかということになりますと、これはやはり完全専売であり、しかも公企体としていわゆる競争関係にないということだけに、今度は民間との競合関係も大変大きな影響の問題が出てまいるだろうと思います。  したがいまして、先生が先ほど申されましたような、私どもいろんな研究でいろんな開発もし、発見もいたしておりますが、これはすべて、いわゆる国民の企業体としまして現在は、いろんないわゆる特許に関係するような部分につきましても公開をいたしております。しかし今後、何分たばこ産業の置かれている環境は厳しゅうございますので、先生御指摘のことも十分私ども考えながら、検討させていただきたいというように考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 ただいまの件について、大蔵省にもお尋ねをしたいのでありますが、私はやはりこの業務範囲の拡大についていま真剣に検討すべき時期に来ている、こう思うのであります。赤字になってからでは遅きに失すると私は思うのであります。したがって、この二十七条の改正の問題も含めてこの問題について、大蔵省としてはどういう御見解をお持ちなのか、お尋ねをしたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本政府委員 投資を中心といたします業務範囲の拡大でございますが、ただいま後藤理事から御答弁申し上げましたような事態にあるわけでございますけれども、何と申しましてもいわゆるたばこ専売を中心としてやっておることでございますので、その専売事業と関連するということが一つの線だろうと思います。国鉄におきましても、財政目的というのがありますけれども、実際にやっていらっしゃるのは、やはり何らかの関係をお持ちのところでやっていらっしゃる、しかもいわゆる民業圧迫というようなことがないようなところではないかと思います。  たばこにつきまして、そういうふうな部門が現実にどういうふうな形であるのか。また、外国から機械の引き合いというのもあるようでございますけれども、これはノーハウがあればノーハウによりまして、メーカーに製作をさせてその仲介をするというようなことも、そういう技術協力という面でならやることもできるわけでございますが、要するに、専売公社が企業としていかにあるべきかというそういう考え方のもとに、公社の意見も、これは具体的に出していただかないと抽象的では困りますので、そういう意見も公社において検討してもらいまして、その検討結果などをいただいて検討を進めていきたい、かように思います。

池端清一日本社会党

○池端委員 ひとつこれは真剣に、具体的なものを詰めながら検討していただきたい、こう思います。  そこで、中期経営計画ですね、昭和五十一年度から昭和五十五年度までのいわゆる五一中計と呼ばれるものであります。ざっと見たのでありますが、「市場基盤の充実強化」、「原料計画」、「工場機能の充実」、「技術開発計画」、「経営の体制」というような項目等があります。しかし私は、現状は必ずしもこういう体制になっていないんではないか、やはり相当そごを来しているのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、これはひとつ見直すべき時期に来ていると思うのでありますけれども、今後これをどういうふうに扱っていこうとしているのか、その辺の事情を承りたい。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 五一中計の実施でございますが、販売数量につきましては、当初五一中計で考えておった数字よりも大分低下してまいっております。したがって順調に参っておるとは言いがたいのでありますけれども、基本的に緩和でうまいたばこをつくるという、消費者の嗜好傾向に沿った製品をつくっていこうじゃないかという点、あるいは製造工場の近代化の推進、さらにはたばこ耕作の生産性の向上、こういった点につきましては、五一中計で立てました計画をほぼ遂行いたしております。  しかし、いまお話し申し上げましたように、販売数量が当初予定より大変狂ってきておりますので、この定価改定をお許しいただきました後、消費の動向を十分見きわめながら、計画を新しく立て直すという必要があろうかと思っております。その際におきましては、販売数量につきまして今後、消費者の嗜好に合ったたばこを広く安定的に供給するにはどういうふうにしたらいいか、それからまた、今後国際競争が激化してくることを考えなければなりませんが、それに対処して生産性の向上なりコストの低減等を図りまして能率をどうやって上げていくか、こういった点に主眼を置いた計画をつくっていく必要があろう、このように考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 本会議の予鈴も鳴ったようでありますのではしょって申し上げたいのですが、専売公社の経営の民主化を図り、そして国民各界各層の広範な意見を公社経営に反映させるというためには、私は国鉄や電電のように社外理事であるとか経営委員、こういうようなものを専売公社にも導入したらどうか、こういうふうに考えるわけです。  大蔵大臣にお尋ねをしたいのですが、現在のような総裁の単独責任制より、経営委員会のようなものを設けて運営をするということが、より経営の民主化にもつながるのではないか、こういうふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本政府委員 私どもの方から初めにお答えをさせていただきたいと思います。  確かに電電公社、国鉄と違いまして専売公社におきましては、総裁の下に経営委員会のようなものはないというのは事実でございますが、それにかわるものといたしまして、大蔵大臣の諮問機関の専売事業審議会が法律上置かれておりますし、また公社につきましても、法律上置かれておりますたばこ耕作審議会であるとか、そのほか、私的諮問機関といたしまして塩業審議会であるとか塩収納価格審議会、あるいは最近二年ほど前から置かれておりますところのたばこ事業調査会、各方面の意見をちょうだいするような諮問機関をたくさんつくっております。さらに、消費者会議というものも公社でお設けになって、そういう各層、いろいろな面の関連事業の方々あるいは学識経験者、消費者の方々、そういう意見が総裁のお耳に届いて事業が運営できるようなかっこうになっておりますので、いま御指摘のような経営委員会とかそういうかっこうのものをとるように改めなくても、十分あるいはそれ以上のいろいろな御意見を総裁としてはお聞きになって業務を運営していっておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 それでは、私もう時間がございませんので要望を申し上げて終わりたいと思うのであります。  専売公社というのは公共企業体だ、文字どおり公共性と企業性両面を追求していくという、その調和を図っていくのが公共企業体であります。専売における公共性とは何かと私は考えますと、それは一つには、財政収入の安定的な確保、二つ目には、国民にどこでもいつでも同じ値段で安心してたばこを供給できるという問題、三つ目には、専売関連に従事する人たちがそのことによって適正な収入を得て、そして生活の安定を図っていくことができる、そのほかにもいろいろあるかと思いますが、私は大体この三つがその公共性のポイントだと思うのです。  ところが最近、その財政収入の確保という公共性のみに力点が置かれておって、いま申し上げた二点目、三点目の問題がともすれば薄れがちになってくる、そういうことに私は一抹の危惧を感ずるわけでございます。したがって今後、財政収入を得ることにウェートがかかり過ぎて、消費者にはたばこの値上げ、あるいは耕作農家には葉たばこの買い上げ価格の抑制、小売店には販売促進の押しつけ、労働者には賃下げ、合理化の押しつけ、こういうしわ寄せがいかないように、今後運営上ひとつ十分配慮していただきたいということを私は強く申し上げておきたいと思います。  まだまだ言いたいことを用意しておりましたが、本会議等もございますので、私の質問はこれで終わらせていただきたいと思います。以上です。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時二十六分休憩      ────◇─────     午後三時四十二分開議

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  日本専売公社法等の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 すでにわが方の同僚議員初め各党の同僚議員から各方面にわたりましての質問があったわけでありまして、重複する部分もございますけれども、二、三点だけ質問をさせていただきたいと思うわけでございます。  特に喫煙とわれわれ人間の健康問題につきましては、多くの委員からいろいろの質問がございました。それに対して、専売公社の方からも御答弁をいただいたわけでございます。しかし御答弁をお聞きをしておりますと、非常にむずかしい現実は理解できるわけでございますけれども、何となく現実を避けるような発言が多うございましたし、いままでのいろいろの研究成果等につきましても、的確な評価という形には思えない面もあったわけでございます。たばこが健康に障害があるからといいまして、これは別に専売公社の責任でもなければ総裁の責任でもないわけでございまして、もうすでに総裁が就任なさった前からたばこはあったわけでございますし、すでに健康との問題はかかわっていたわけでございます。したがいまして、総裁もまた専売公社も別にこのことを避けて通られる理由はないと思うわけでございます。むしろ私どもといたしましては、こういういろいろの問題を抱えた専売というたばこにかかわる仕事をなさっている皆さん方に御同情を申し上げているわけでございまして、決して皆さん方の責任だということを申し上げているわけではさらさらないわけでございます。  そういった意味で皆さん方ももっとフランクに、素直に発言していただいていいのではないか、そして現実は現実として直視しながら今後に対応していただいていいのではないか、こう考えるわけでございます。そういった意味で質問をさしていただきたいと思いますが、しかし、余り御同情ばかり申し上げておりましては質問になりませんので、御同情は御同情としながら、質問は質問として進めさせていただきたいと思うわけでございます。  たばこがそれを喫煙する人にどういう障害を与えるかということにつきまして、先日来からの御答弁をお聞きをいたしておりますと、疫学的な調査によってはいろいろの結果が出ているけれども、病理学的な結果というものについては十分なところまで結果が出ていない、一口で言うとこういう御答弁であったというふうに記憶をするわけでございます。しかしながら、それならば疫学的な方法による研究方法というものが健康被害を断定するのに不的確な方法かといいますと、これはまたそうではないとも思うわけでございます。病理学的所見がもし仮に十分でなかったといたしましても、疫学的方法においてその研究結果がはっきりとしたデータが出ているならば、それで十分に健康障害があるということを断定できると私は思うわけでございます。  そういった意味で、特にたばこと肺がんを初めといたしますいろいろの疾病との関係、こういったものについての研究がなされ、そういう疾病だけではなくて、昨日の前田参考人の話にもございましたように、特に妊婦とのかかわり、そして生まれ出てくる子供に対する影響等につきましてもいろいろ議論のされているところでございまして、そこには幾つかの所見が示されているわけでございます。私はあえて疾病とは申しませんけれども、たばこと健康障害という関係については、やはりはっきりとした認識をお持ちをいただかなくてはならないのではないか、こう考えるわけでございます。  そこで、健康障害を起こすということの認識は持っていただいているのかどうか。持っていただいていないとするならば、ここで明確にそのことだけはやはり心に据えていただかねばならないのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、いかがでございますか。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○小幡説明員 お答え申し上げます。  健康と喫煙の問題は私どももこれをかなり深刻に受けとめまして、専門の機関に医学研究の委託をしておるわけでございますが、やはり医学研究の分野におきましては、諸先生方の御意見によりますと、これはほかの要因がいろいろ重なり合っておりますので、これは健康に害があると決めることはなかなかむずかしい、そういうようなのが現在の研究の状況でございます。しかしながら御指摘のように、疫学の分野におきましていろいろ統計的なデータが出ていることは事実でございます。特に重喫煙は肺がんの重要な原因であるとか、あるいは心筋梗塞とか狭心症などの心臓障害には影響がある、こういうふうなデータは確かにございます。     〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 したがいまして、医学的にはっきりしたことは当然わかりませんけれども、特定の病気をお持ちの方、たとえば心臓疾患とかあるいは慢性呼吸器疾患、こういう病気をお持ちの方は、やはり医師の指示もございますように喫煙は控えた方がいいのではないか、あるいは健康な人におきましても、そういった疫学的データもございますので、やはり吸い過ぎには十分注意した方がいいのではないか、かように考えているわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 すでに何らかの疾病を持つ人に対する影響でなくて、一応健康と思われる人に対する影響がどうかということが最も大事なところではないかと思うわけでございます。いまのお話を聞いておりますと、疫学的な統計上の結果は出ているけれども、統計上の結果というのはそれによって、たばこと健康障害というものとの間の相関関係をはっきりせしめるものではないというふうにとらえるわけでございます。しかし、統計的な意味での結果が出ているということは、健康障害との間にはっきりとした関係があるということを示しているのであって、それはとりもなおさず、関係あるという認識を持たねばならない事実ではないか、こう思うわけでございますが、もう一度お願いしたい。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○小幡説明員 お答え申し上げます。  確かに御指摘のように、疫学的データにおきましては、喫煙をする人としない人を比較しまして、たとえば肺がん死亡率は三・何倍あるとかということはございますけれども、私どもは専門の医学関係機関に委託して、いま鋭意研究してもらっているわけでございますが、どうも先生方の御意見によりますと、喫煙という特定の要因がすなわち疾病に因果関係があるということはなかなか出にくい。たとえば動物実験とか臨床の病理の先生方の御意見によりましても、何とかそういう結果が出ないかと思ってやってみましたけれども、どうしてもそれが出ない。そういたしますと、喫煙という要因だけではなしに何かそれ以外の、その人に内在する内的素因とかあるいは環境問題、外的要因、それがいろいろと重なり合いましてそういった疾病が発生するということでございますので、喫煙というものがすなわち健康に障害があるというようにストレートに原因を究明するというような科学的な証拠はなかなかないというような状況でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 医学的な論争をここでしているわけではございませんので、そう深追いをしようとは思いませんけれども、しかし、はっきりさせておかなければならない点はやはりはっきりさせておかなければならないと思うわけでございます。  いまも御指摘になりましたように、環境とかいろいろのそういった要因と病気というものとの関係を見ました場合に、喫煙ならば喫煙という一つの条件が即一つの特別な病気を起こすこともございましょうし、喫煙という一つの条件がほかのいろいろの条件と重なって一つの病気を起こしやすくするということもあろうかと思います。でありますから、それはいろいろな形があると思いますので、そこはつかみにくいことは私も十分よく理解ができるところであります。特に病理学的に肺がんなら肺がんを見ました場合に、喫煙による肺がんとそうでない肺がんとの間に差があるのかどうかというようなことはわからないわけでございまして、むしろないだろうと思うわけでございます。そういう特異な反応はしない。ただしかし、結果的には肺がんを起こす人が多いという統計的な数字が出る以上は、疾病との関係は素直に認めるべきではないだろうか。疾病と環境との関係はそういうものではないだろうか。いまおっしゃるように、生体側の条件とそれに対する環境との間といいますのはそういうものであって、そういう環境に非常に強い人にとっては何もないことが、体質的に非常に弱い人にはすぐ出やすいということもあるわけでありまして、それはおっしゃるとおりであろうと思います。しかし、その辺のところを全体的にマスで見たときに統計的数字としてあらわれるわけでございますから、その辺の個々のところを言うのはどうかと思うわけでございます。  したがって、初めから申し上げておりますように、だからといって、決して専売公社が悪いと私は言っているわけでもありませんし、皆さん方の責任だと申し上げているわけでも決してないわけでありまして、ただ、そういう現実は現実として直視する必要があるのではないか。そのことだけやはり皆さん方も素直にお考えをいただいて、そしてそこから次の第一歩を踏み出していただく必要がありはしないか、こういうことを申し上げているわけでございます。  厚生省、お越しでございましたか。——厚生省、ここで対比してお聞きするのもどうかと思いますけれども、せっかくお越しをいただいておりますので、厚生省としての見解もひとつここでお聞きをしておいて、次に進ませていただきたいと思います。

大池真澄厚生省公衆衛生局結核成人病課長

○大池説明員 私ども厚生省の中で疾病を予防する立場から、ただいまの御設問にお答え申し上げたいと思います。  先生御専門で御承知のとおり、身体の健康に及ぼす影響につきましては、内外の研究の蓄積をもとにしまして、たとえば世界保健機関、WHOにおきましても、そういったデータの集積に基づいて種々の資料作成、勧告等を行っているところでございます。これによりますと先ほど来御指摘のように、統計学的な資料を中心にしまして幾つかの疾病におきまして、非喫煙者と喫煙者の発生率の間で増加が見られるということが、たばこの有害な影響の中心をなしていることは事実でございます。  先生先ほどもすでに御指摘ございましたけれども、ある要因とある病気との結びつきが、一対一の関係で結びつくものもございましょうが、このたばこの通常の喫煙というような状況におきましては、なかなかそういう一つの病気と一つの原因というような関係では対応していないようでございまして、いろいろな原因が重なり合っているという実態、御指摘がございました。したがいまして、こういった一つ一つの病気ごとにその原因との因果関係を究明することは、いろいろと方法論的にも問題もございましょうし、学問上の御論議もあろうかというふうに私どもも理解しているわけでございます。  ただ、広く大ぜいの方の健康というような立場からながめた場合に、たとえば十万人当たりで通常何人病気が発生しておるのが、そういった習慣のある特定集団では、その十万人当たりの何人が何人に増加するかというような観点でとらえるのが、こういった一対一でないような疾病の発生についての一つの有力な手法であることも事実でございます。そこで先ほど来申し上げましたような、WHOを中心にしましたこういう疫学的なデータというものが、私どもの対策を進めていく上におきます一つの重要な基礎となっているわけでございます。  疫学的、統計的な関連性というものは、直ちに生物学的な因果関係にイコールということでないことは先生御承知だと思いますが、それが生物学的な因果関係のサイドから見て非常なる矛盾がない限りは、こういった統計学的な関連という段階におきましても、それが国民の健康に重要な関係があるという段階におきまして、予防という立場におきましては、そういったデータをもとにしてできるだけのことをやってまいりたいというのが私どもの立場でございます。したがいまして、非常に多量の喫煙はやはり控えた方がいい、あるいは、未成年というような時代から吸い始めるとさっき申し上げたようなリスクの増大が非常に目立つから、未成年の喫煙ということは法律でも禁じられているわけでございますが、もしそういう実態があるとすれば、そういった制限を十分徹底する必要があるとか、あるいは妊産婦の問題、あるいは病弱者、乳幼児等が受け身の喫煙というような形で何らか重大な影響を受けないように配慮するというような予防の立場では、私どもはいままで判明している資料に基づいて対応するという立場をとっておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 ありがとうございました。  これ以上この問題はやりませんけれども、その辺の認識だけはしっかりと踏まえていただいていろいろの対応をしていただきたいと思います。たとえば「吸いすぎに注意しましょう」と書いてもらってありますけれども、これなんかももう少し的確な表現があるのではないかとも思いますし、また外国のように、一酸化炭素やニコチンあるいはタールの量を表示するというようなことも、将来の問題としては考えてもらわなければならないのではないかと思うわけでございます。それからまた吸い方等につきましても、皆さん方といたしましては、そういったことを明示すればたばこを吸う人がだんだん少なくなっていくのではないかという危惧もあろうかと思いますけれども、一吸い二吸い吸うてもう捨ててもらうということならば、吸うていただくたばこの数はふえてくるわけでございまして、必ずしも減ると限ったことではないわけでございますので、余り短く吸わないようにしましょうとか、一吸い二吸いしたらもうやめましょうとか、煙はのみ込まないようにしましょうとか、いろいろのことがあるだろうとぼくは思うのです。必ずしもそういうことを書いたからたばこを吸う人が減るとは限らない、むしろふえる方向だってあると思うわけでございまして、その辺のところも含めて、これは健康にかかわる問題でございますので、皆さん方のお仕事はお仕事として理解しながらも、その点のけじめだけはきちっとつけていただきたいということを希望しておきたいと思います。  厚生省の方、ありがとうございました。もう少しお聞きするつもりでおりましたけれども、同僚の佐藤議員から余り言わないようにということでございますので、この問題はもうこの辺にしておきます。  専売公社の方に非常に厳しい話をしましたので、今度は専売公社寄りの話を申し上げたいと思います。  今回、専売納付金率が決定されたわけでございまして、この点はいままでよりもはっきりしたわけでございます。そういう点におきましては私たちも了とするところでございまして、いままで私どももたばこの定価改定のときに何度か言ってまいりましたことがここに一つ実現されたわけでございまして、その点ではわれわれも一歩前進として受け取っているわけでございます。  ただ、納付金率というものの水準がどのように決まるのかということが一つございます。昨日も参考人の間で議論の分かれたところでございますが、これは妥当な線であるという説もございますし、それから、小売の皆さん方や、専売公社で働いておみえになる皆さん方の給与の面やら、あるいはたばこの葉の生産をなすっている農家の皆さん方のことやら、その辺いろいろの角度から考えなきゃならないのではないかという意見もあるわけでございます。この納付金率の水準は、過去の水準を勘案して国と地方の取り分のバランスをとって定めたものであるということでございますけれども、われわれといたしましては、これで本当に公社の方が経営的に十分やっていけるのであろうかという危惧もまた一方ではあるわけでございます。そういった意味で、これは今後の公社の内部留保の問題等とも絡んでいくと思いますが、その辺はどうなんでしょうか、大蔵省の前で言いにくいというようなことは言わずに、あからさまに御発言いただけたらと思うわけでございます。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  納付金率の法定化の問題は、先生先ほど御指摘いただきましたように、公社も長い間取り組んでまいりましたし、五十年のときにも先生方から指摘されたことでございます。  水準の妥当性の問題ですが、いまの専売権の実施をわれわれ受託しているわけですが、一つの面では、たばこの場合は財政専売でございますので、国に期待される財政貢献といったいわゆる程度の問題が一つあろうと思います。それからもう一つは、そういう税負担水準にした場合に、日本の三千五百万の消費者の皆さんの現状の所得水準等あるいは消費支出金額等から考えて、そういう税水準をのみ込んで愛煙家の方々に十分吸っていただける程度の値段なのかどうなのか。それからもう一つには、公社が今後経営を続けていく場合に、どうしてもある程度の内部留保を持たなければなりませんが、そういう税水準で内部留保が果たしてどの程度持てるであろうかというような点を総合的に勘案しながら決められるべきものだと思います。  財政貢献といった面から考えますと、この審議来お答え申し上げておりますように現在、地方たばこ消費税が、前年単価でございますが二八・四というようなことでございます。しかも一般会計に占める歳入のウエートといったようなものから考えましても、ぎりぎりの線で設定されました。  では反面、公社の面からどうかと申し上げますと、公社は固定資産はもちろんでございますが、大変多くのたな卸資産を持っております。これは御案内のように、葉たばこは二カ年間熟成しないと使えないといったような特殊なたな卸し資産の性格と同時に、専売国でもございますし、国内産葉が残念ながら大変割り高で、いまの国内産葉をそう海外に自由に輸出できる状態にもございません。したがって、非常に固定資産に準じた性格を持っておるというようなことから考えますと、かなり固定資産に近い性格。したがって私どもは、過去におきましてもできるだけ内部留保を厚くするようないろいろな意味の努力もしてまいりまして、現在、水準的に見ると大体五〇%程度でございます。  したがいまして今後この制度を仕込みまして、初年度でございます今年度は、御提案申し上げておりますようないわゆる値上げがお認めいただけますと、資産増に対して八三%の内部留保ができます。この内部留保が今後たばこ裏業で赤字が出るまでにだんだん減ってまいりまして、しまいにはゼロ、赤字になるわけでございます。その時期がいつ来るかという問題でございますが、私どもは過去の経験で見ますとその間に至るまでが、いまのところは小売定価に対しまして四%ぐらいの内部留保になりますので、これがゼロになるということは、平均をとりますと二%でございます。一方、資産増を見積もりますと、大体平均的に五割を確保できるといったような水準になろうかと思います。したがって、過去の内部留保率と仕込まれた税率、それから内部留保、それから昨日来、今度の値上げで小売定価が平均どのくらいになるかといったような消費者の皆さんの御負担願う値段等を見ながら、まあまあ妥当な線ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 妥当な線だということでございますので何よりでございますけれども、いままでの借入金の借入状況は一体どうなのか、それからその返還状況がどうなのかということを聞かせていただきたいと思うわけです。特に余り前のことはよろしゅうございますから、五十二年、五十三年ぐらいのところで結構でございますので、大体どのくらいになっているのかということをひとつお聞  かせいただきたいと思います。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。   公社の借入金でございますが、公社はいままで  の場合ですと、三月に概算納付をいたしまして、五月に専売納付金の精算納付をするということになっております。そういう意味で短期借入金というものが、ピーク時の平均残高でございますが、大体五十年の場合には短期借入金のピーク時の平均残高が二千七百三十億円、それから五十一年は三千億円、五十二年は三千百五十億円、それから五十三年見込みは三千二百十億円ということになっております。この短期借入金は、公社は売り上げによってどんどんお金が入ってくるわけですが、国庫にまたそれを預託いたしましてこの借入金の返済に充てているわけでございます。  年度末に残りました年度を越す金は、長期借入金ということに借りかえるわけでございます。それは資金運用部資金に切りかえるわけでございますが、長期借入金の平均残高は、五十年の場合には二千五百七十二億円、五十一年の場合には千三百五十一億円、それから五十二年の場合には——失礼しました。これは長期、短期の借入金平均残高でございますが、千五百二十三億円、五十三年見込みの場合には千六百三十八億円というふうになっております。     〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 そういたしますと、年度末の累積で見ますと、いまちょっと数字をお聞きしただけではっきりとしたことをわかりかねますが、年度末の累積の借入額でいきますと少しずつふえているという感じがしたわけでございますけれども、この資産増とそれから内部留保との関係、おっしゃったように非常にややこしい面がございます。しかし、年度末で見ますとそういうふうにしてふえているということは、かなり経営的にも厳しいものがある、やはり厳しいいろいろの条件を乗り越えてもらわなければならないということだけは事実だろうと思います。  そこで、大蔵省に対して一つだけお聞きをしておきたいと思いますが、公社には厳しい経営努力というものをしてもらって、そうしてできるだけ健全な経営をしてもらわなければならないと思いますが、なおかつ、この借入金の累積がふえていくということも考え得るわけでございます。これは先ほどもちょっとお話がございましたが、資金運用部資金で間に合わせていかれるのであろうと思いますけれども、その辺はどうですか、一般銀行の借り入れというようなことも中にはあるのですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本政府委員 公社の資金繰りの点でございますが、ただいま公社の方からお話がございましたように現在のところ、短期的には国庫余裕金の振りかえ使用によりまして賄っております。年度越しは長期借入金になりますので資金運用部資金によっておりまして、ごく若干農林中金あたりのものもあるようでございますけれども、現在のところ国庫余裕金の振りかえ使用でほぼ賄えているということでございます。  公社は、余裕資金は国庫に預託することになっておりますが、それと言うならば見返りで国庫余裕金を無利息で利用できるということになっておりまして、大蔵省といたしましては、その面で従来も便宜を図ってきたわけですけれども、今後につきましても同様な方向でやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 従来どおり資金運用部資金を優先的に公社に使用させるという方針だということを聞きましたので、この問題はここでひとつ区切らせていただきたいと思います。  次の問題は、これは同僚の貝沼議員から先日も質問がありましたし、きょうも宮地議員から質問のあったところでございますけれども、法定制緩和の話でございます。  この法定制緩和のことにつきましては、皆さん方からいただきましたパンフレットにも書かれておりまして、「緩和化の可能性」というのが書かれております。これを読ませていただきますと、「財政法第三条は、国の独占に属する事業の価格料金については、「法律又は国会の議決に基いて」定めなければならないと規定しているが、具体的な額をすべて法律自体で直接定めることまで要求するものではなく、どのような法定制の方式をとるかは立法政策により、独占性の程度、公共性の度合い等を総合勘案して判断するものとされている。」こう書いてございます。その次に、「たばこの場合、価格に占める税相当分が明確化されれば、財政専売という公共性の面からの問題は解決され、」と、こうなっておるわけですね、ここがどうもわかりにくいわけでございます。  価格に占める税相当分が明確にされたことは事実でございます。いままで明確化されていなかった、いままではそこから税相当分は払われたわけであります。その範囲が今回明確化されたということでございまして、それが明確化になったから「公共性の面からの問題は解決され、」というのはちょっと言いがたいのではないか、一つそう思うわけです。確かに財政専売という非常に狭い範囲だけで考えますと、公共性というものは取れて、そして残りの分はいわゆる公社の経営にゆだねるべきところだ、こういうことなんだろうと思いますけれども、しかし、公共性であるかどうかということは、租税部分がどれだけかということが決まったからそれは公共性でなくなって、それが決まっていなかったから公共性があったということではなくて、そういったことを全体含めたこの専売事業そのものが公共性かどうかということを言っているのであって、この文章はいささか私は理解できないと思うわけでございます。それが一つ。  それから、「また独占性の問題については、たばこの価格の決定について、国民、消費者の利益を適正に担保する措置を講ずることとすれば、独占下にあっても緩和化は可能である」、こういうことになっておるわけでございます。  それでこの法定制緩和の問題は、いままで国鉄の場合にも議論されたところでございます。国鉄のその議論の中でどういう議論がされているかということを見てみますと、国鉄の法定制緩和のときの議論の中で、国鉄がこの法定制緩和をしてもいいのだという理由としては、独占性に乏しいということを最も大きな目玉として強調しておみえになるわけでございます。特に旅客等についても約三〇%ぐらいであって、決して独占事業とはいえないんだ、だからこの法定制緩和ができるんだという結論を言っておみえになるわけでございます。その点今回のこのたばこは、これは独占性ということにつきましては一〇〇%でございますから、逃れようがないわけでございまして、ただ国鉄の場合に比べると公共性が薄いと言われれば言えないことはないとは思いますけれども、しかしそれにいたしましても今回、税相当分が明確化されたから、公共性はこれで解決されたんだという考え方はいかがなものか、こう思うわけでございますが、いかがでございます。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 確かに先生の御指摘のように、まず専売公社の公共性とは何ぞやといいますと、私はいまは大変いろんな意味の公共性を持っているんだと思います。ただその公共性の大きな柱の中に、やはり財政専売、財政貢献という公共性の問題が一つ大きくあろうかと思います。  新憲法並びに財政法三条制定の当時の国会の答弁等国会のいろいろな御審議の過程におきまして、大変やはりその点が、たばこの場合の価格の決め方をどうするかというようなことがいろいろあったわけでございますが、やはりまず憲法八十四条関係、租税法定主義の関係、それと憲法八十三条のいわゆる財政民主主義の立場という、二つの面の問題が論議されたわけでございます。  ここではいわゆる納付金率を、税そのものという形ではございませんが、御審議をいただいて法定するわけでございますので、いわゆる財政貢献という面の問題から見た問題点は解決されるであろう。それですべて解決されたかというと、実はそうではないということになろうかと思います。ほかの面の公共性ももちろんございますし、それからまた、完全専売という意味から、財政法三条というものがやはり事実上国の独占に属する料金価格ということを言っておるのだからという点が先生御指摘の点であろうかと思うわけでございます。  したがいまして私どもといたしましては、ここで言っておりますのは、まず公社の経営成果がどうあろうとも、それぞれの銘柄ごとの売り上げたものの五六・五なり五五・五なり四四・五というのはこれは国と地方に納めます。あと残りは一〇%の小売人手数料と公社の原価部分ということになりまして、大変いわゆる税の貢献度合いなり、それから国民の皆さん方から見た場合の公社の原価あるいは経営努力というものが非常に明らかになるということ、それからもう一つは、いままでは六千億といったような専売納付金という益金処分であったものが、今度ははっきり税的なものとしての損金処分になりますので、どうしても経営努力で吸収できないというような事態の場合に赤字が生ずるということが制度的に仕込まれる、そういうようなことからいたしますと公社としましては、今後大変厳しい経営改善努力をしていかなければなりませんが、やはりそれにはいろんな公社の関係する関係集団との間で十分対話を交わしながら、お互いの協力を得ながらやはり合理化努力をしてまいらなければなりません。  そういう意味で、私ども価格の面におきまして、財政法三条の制定の趣旨並びにいわゆるそれに基づく製造たばこ定価法というものの基本の範囲内におきまして、趣旨を逸脱しない範囲内におきまして、定価決定についてある程度大蔵大臣の方にその暫定価格を決める権限を法律に基づいてお任せ願えませんでしょうかというのが公社の希望でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 詳しく言っていただいたのでしょうけれども、聞けば聞くほどよくわからぬようになりまして、聞かない前の方が何となくすっきりしておった感じがするわけでございます。まあ煙に巻かれた感じでございますけれども……。  公社の方のお考えは理解できます。ただしそのことが、財政法第三条に書かれております内容と矛盾しないのかどうかということについてはわからない、はっきりしない、というよりも、よけいわからなくなったという気がするわけでございます。  先ほども申しましたけれども、運輸委員会におきます国鉄の場合のいろいろの議論がございまして、その一節を読ませていただきますと、住田政府委員というのがこれは御答弁になっているわけでありますけれども、  憲法の規定の趣旨を尊重して財政法三条に、国の独占にかかわる事業についても法律の根拠を置くということを決めているわけでございます。郵便あるいは電信電話、専売というのは、これは完全に、一〇〇%国の独占の事業でございますけれども、国鉄につきましては先ほど来、貨物については一三%というような数字になっておりますし、旅客についても、国内のシェアの三〇%ということで、独占の程度は著しく低下いたしているわけでございます。したがって、法律に基づいてという基づき方については、独占の度合いによって差があってしかるべきである。それで、国鉄の独占の度合い等を考慮しまして今回御提案申し上げているような形にしたわけでございまして、これも明らかに財政法三条に基づいた措置であるというように理解をいたしているわけでございます。 こういう議論がございまして、実際問題として国鉄の方は独占ということではないから、だからこの法律は可能なんだ、だけれども郵便だとか電信電話だとか専売というのは一〇〇%だから、それとは質が違うのだということを、ここでも盛んに強調しておみえになるわけです。この方は、まさかこの後でたばこがこういう形で出てこようとは思わずに御答弁をなさっているのだろうと思いますけれども、ここのところは非常に重要な部分だと思うのですね。その辺のところが、いま御説明をいただきましたけれども、はっきりしないですね。なぜ独占事業であるにもかかわらず、財政法第三条に定められているにもかかわらず、今回のような措置がとれるのかということがわからない。  もう少し極端に考えますと、たとえば大蔵大臣なら大蔵大臣の考え方で三倍なら三倍までその値段を上げてもよろしい、そういう法律をもし別につくりさえすれば、それは特に価格がこれこれですよということまで法律で決めなくても、三倍まではいいですよという法律をもう一つ別につくりさえすれば、それでもこれはいいんだということに理屈の上からはなりますね。そう思いませんか。だからどうもそうなった場合、皆さん方の理屈だと歯どめがきかないという気がするわけでございますが、これは大蔵大臣からお答えをいただいても結構でございますし、総裁からお答えをいただいても結構でございます、どなたからでも結構でございますけれども、少し納得できるようにひとつお話しいただけませんか。余りまた詳しく言っていただきますと煙に巻かれまして、よけいわからなくなりますので、重要な点だけひとつ的確にお願いを申し上げます。的確だったらこれで終わりますので……。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 お尋ねの独占性の問題でございますが、国鉄の運賃法の当時どういう議論がございましたか的確に承知いたしておりませんが、私ども財政法、制定いたしまして以来一貫して政府としてとっております解釈は、そもそも財政法三条で国の独占事業についての料金あるいは価格を国会の議決にかからしめております趣旨は、単に独占事業であるということではなくて、独占事業に係ります料金なり価格については、その対象になっております財貨あるいはサービスが事実上国民の利用の必要性というものが非常に高い場合には結果的に支払いを強制される結果になる、その点に着目をして財政民主主義の要請に沿って、そのような財貨あるいはサービスについては国会の議決にかからしめようという趣旨であるわけでございます。ですから、国鉄運賃法のただいま先生が御引用になりました論議の点では、一つの要素、独占性の強弱という一つの要素が特に強調されて論じられているように私いま印象として受けるわけでございますけれども、独占性の強弱だけではなくて片一方において、その独占になっております物資あるいはサービスが事実上国民生活の中で必要性が高いかどうかというような要素も別途、もう一つの判断の要素としてあるということかと存じます。  そこで、たばこの問題を考えてみますと、確かに独占性の観点からいたしますと、法律上の独占でございますから独占性がきわめて高いという一方の要因になるわけでございますが、片一方におきましてたばこは、俗に申しますといわゆる生活必需品というようなものではなくて、やはり嗜好品というようなものでございますから、国民生活上での利用の必要性という点から申しますと、やはりその必要性の度合いは薄いということは言えるのではないかと思います。両者総合勘案をいたしまして憲法に要請されております財政民主主義の要請にどうこたえていくかというのが立法上の問題になる、こういうことではないかと思います。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 ちょっと補足して御説明申し上げますが、いま吉野次長が申しましたように、財政法三条の考え方からいたしますと、たばこというものは、今回の納付金は税ではございませんけれども、税相当のものとして考えられておるわけでありまして、それが法定されますと、それ以外には公社のコストと小売人手数料及び公社の内部留保、この三者になるわけでございますので、国民はそれ以上に負担を強制されることにはならないわけでございます。そういった点からいたしますと、その定価のうちの最も大きな部分を占める納付金が法定されましたならば、確かに独占性はありますけれども、消費者が強制される価格というものの中身というものは納付金によって大部分決定されますので、その点で、いわゆる公共性の見地から財政法三条によって国会の議決でなければいけないという点は緩和されるのではないか。したがって今回のような法律によって緩和の程度、もちろん条件としては御承知のとおりにいろいろシビアな条件がついておるわけでありますが、そういう緩和を行うことも差し支えないのではないかということが、今回の改正案を御提案申し上げている理由でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 これは一日ぐらい聞いておらぬことにはよくわからないのかもしれませんけれども、いま吉野次長の言われたのは、独占性ということについては専売事業というのは非常に強いけれども、公共性という面については国鉄なんかとは違って、これは嗜好品だからそれほどではないということをおっしゃったわけですね。そこはそうなんだろうと思うのです。  いま総裁のおっしゃったのは、いわゆる納付金率というものがここに明確になったから、だからこれは除外をされるという方向にいってもいいのだ、こういうお話ですね。お話しになった部分がちょっとずつ違うわけですね。確かに両方とも部分的、部分的にはおっしゃっていることそのとおりだと思いますけれども、しかし総裁のおっしゃったように、納付金率というものが明確になったから、この財政法第三条の中に書かれていることの中から除外されるという理由にはならない。そこがはっきりしない。なぜそうなのかということがわからない。本当はそこをもう少し明確に御説明いただかぬとこれは納得できないわけです。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 もう坂口委員も御承知のとおり、憲法の租税法定主義というのがもとの起こりであります。わが国憲法ではそれが八十四条で規定されておるわけでありまして、八十四条の前の八十三条に財政民主主義が規定されておりますのは、租税法定主義の前に、租税以外の問題についてやはり財政民主主義というものは大切なことなんですよということで規定があるわけであります。  ところが今回納付金が法定されますと、これは税と同じ性質のものになるわけでございまして、それが決まるということは、それが法律で今度決まるわけでありますが、そうなってくると、先ほど吉野次長が申しましたように嗜好品でもございますし、税相当分が決まってくるならば、その価格について国会で必ず議決しなければならぬということもないのではないか、ある程度の緩和はできるのではないか。  ただ、その緩和について無制限に、先ほどお話がありましたように大蔵大臣が決めたら三倍でもいいか、こうおっしゃると、そういうことはなかなかおかしいことになってくるわけでありますので、物価、労賃の数年の上昇ということを考えまして三割までという限度を置いて、そのほかに、審議会であるとか物価、労賃の上昇率の範囲内であるとかいうような要件を加味して緩和することは差し支えないのではないか。こういう法律をつくるのは、除外されてしまうわけではありませんので、法律に基づいてそういうことを行うわけでありますから、そういう法律をつくることは差し支えないのではないかということでございまして、もちろん三割なら妥当で三倍はだめだ、そんならどこまではいいのだというような議論はおありかと思いますけれども、やはり常識的なところの範囲なら法律に基づいて大蔵大臣にそういう権限を与えることも差し支えないのではないかというのが私どもの考えでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 時間がなくなりましたけれども、納付金率が決まったからいいんだというお話は、これはちょっと理解できにくいですね。と申しますのは、納付金率が決まりましても、その納付金は別に切り離されるわけではなくて、たばこの値段の中に常に入っているものなんです。だからその中のパーセントが決まったというだけでありまして、また、このパーセントは今後動き得るものなんです。そうなんでしょう、五六%なら五六%で固定したものではないわけです。今後も動くものなわけです。ですから、その中の割合がここに明記されたからといって、財政法三条から除外されるという理屈は成り立たない、法理論上成り立たないのではないかと私は思います。  しかし、私の持ち時間がなくなりましたのでこれで終わりますけれども、その辺のところはもう少し明確になるように、書面か何かでよりはっきりとしたものをお出しをいただくことをお願いを申し上げたいと思います。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 私の説明と総裁の御説明とは同じことを別の方から御説明申し上げておるわけでございまして、同じことを申し上げていると思います。  結論的に申しますと、財政法第三条は、その料金なり価格の支払いを事実上利用者が強制される程度によりまして法律の基づき方にも強弱があってしかるべきだというのが、財政法三条の趣旨であるということははっきりいたしておるわけでございます。ただ総裁が特に強調されましたのは、しからばそもそも財政法三条はどうしてそういう規定になっているのかと言えば、こういう事実上支払いを強制される料金なり価格は、ある意味で租税に近い租税的な側面も持っている、その要素に特に着目をいたしますと、たばこの価格の中におきますいわば租税的な部分、これが納付金になるわけですが、納付金率は法定をされている、現に今回御提案申し上げている法律にもずばり書かれているわけでございます。ですからその点に特に注目をすれば、確かに法律への基づき方としては緩和をして考える一つの要因であろう、そういうことを総裁が申し上げておるのだ、こういうふうに理解をいたします。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 いまおっしゃったことはわかりますけれども、しかしそれが緩和をできるほどの要因かどうかということについては、私は意見を異にいたします。  これ以上言いましてももう平行線だと思いますので、これで終わりますけれども、一応その辺のところをもう少し明確にお示しをいただきたい、お願いをいたしまして終わりにしたいと思います。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いよいよ専売公社発足以来三十年にしての大改革の法案がまさに審議を終わろうとしているわけですけれども、私も前の委員が質問したことと若干ダブルことがあろうと思いますが、重要な改革でございますので、数点についてお伺いをしておきたいと思うわけであります。  今度の定価改定、これは説明があったように、財政収入を得るためというようなことでございますけれども、それに関連をいたしまして、財政の問題になってきますと、直ちに一般消費税の導入の問題に触れないわけにいかぬわけであります。いろいろな動きがありましたので、大臣も含めまして少しお伺いをしておきたいと思うのであります。  まず第一点は、これは新聞の報道でございますから少し確かめたいわけでございますけれども、小坂経済企画庁長官が二十三日の大阪の記者会見で、新聞の報ずる内容というのは大要で、一般消費税を導入しても、国税庁の職員を八千人もふやさなければならぬなら、その意味では、こういう言葉を使っておりませんけれども、余り間尺に合わないというか、そのくらいの二兆円、三兆円の歳入ならば、景気が回復をすれば法人税で上がってくるではないか、したがって一般消費税の導入というのは余り効率的ではないのではないかという発言をしたと新聞は報じているわけでございます。  形式的に言うならば、五十四年度税制改正要綱の中で、五十五年度中のなるべく早い時期に一般消費税を導入するよう諸般の準備を進める、こういうことが閣議決定をされているわけでございます。したがいまして、小坂長官の言われた真意というのが若干わからぬわけでございます。これは恐らく御本人個人の御発言と思いますので、経済企画庁の役所の方ではおわかりにくい点があろうかと思います。一体この発言というのはどういう意味を持っているのか、長官からどういうふうに聞いていらっしゃるのか、まずその点からお伺いしたいのでございます。

高橋毅夫経済企画庁総合計画局審議官

○高橋説明員 お答えいたします。  ただいま先生が御指摘になりました長官の大阪における御発言についての新聞記事についての問い合わせでございますけれども、一般消費税の考え方につきましてはただいま先生が御引用になりましたように、昨年十二月の予算編成方針において閣議決定されているわけでございます。その後各方面におきまして、この問題につきましてのさまざまな御議論がなされてきているところでございますが、長官の大阪における御発言の趣旨につきましては、このようなさまざまな各方面の御議論の過程でいろいろな問題が指摘されてきているわけでございますけれども、その点を御紹介されまして、一般消費税を導入するに当たりましては、こういういろいろな点にも十分こたえて国民の御納得を得る必要がある、こういう趣旨でお話しになったものと理解をいたしております。  なお、ただいま御引用になりました税の自然増収云々の件でございますけれども、この点につきましても、一般消費税に関するさまざまな議論の中にそういう御意見もあるわけでございますが、そういう意見もあるということを御紹介されたわけでございまして、昨年十二月の一般消費税導入に関する閣議決定の方針を否定したものではないというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は余り形式にこだわる性格のものではなくて、いろいろな意味で一般消費税の導入の是非は論じなければいかぬと思うのであります。その意味で、閣議決定あるいは税制改正要綱と違うではないかという問題よりも、やはり統一地方選挙の中でいろいろな形で一般消費税の導入の問題というのは論じられてきたと思うのであります。私自身もほとんど地方選挙の中でこの話をしてきたわけです。その意味では、国民の皆さん方が非常に関心が強いということを、与党である自民党の方々も大変お感じになっているのではないかと私は思うのであります。したがって大臣にこれからお伺いしますけれども、一般消費税の導入の問題について、財源が足りないということでたばこの値上げをするわけでありますから、それに関連をしてお伺いをしていきたいと思うのであります。  ちょっと話を前に進めまして、これも前に当大蔵委員会でも論議をしたことがあるわけでありますけれども、もし導入をした場合に、現段階では細かいことが決まっておりませんからまだまだ答えにくい点があろうかと思いますけれども、一体国税庁としては、現在の五万二千人の国税庁体制というのでこの一般消費税の導入というのはできるのか。これはいまの要綱試案では、一年に一回法人税あるいは所得税を納めていただくときに納めるというやり方でありますから、その意味では、一年に一回というのはかなり手数が省けると思うのでありますけれども、その増員その他はいまどういうふうに考えていらっしゃるのか、その点はいかがでございますか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 一般消費税導入の際の執行面の問題、これはやはり制度の問題と切り離してはとても議論できないわけでございます。したがいまして現在は、制度の細目の詰めをいろいろ勉強している、また、これと並行していろいろのその制度がこうなったらどうなるんだろうかというふうな議論をしているわけでございます。内部事務のあり方、調査のあり方、あるいは広報のあり方、納税者の指導のあり方、こういうものを制度の細目と見合わせながらいろいろ検討しているわけでございますが、何せ制度の詰めかまだ終わってない段階でございますので、何人になるというような数字というのはとても申し上げるような段階でございません。いずれにしても、納税者にとっても簡便な方法であり、また執行面でもできるだけ簡略化した執行面の配慮をしていきたい、こんな状態でございまして、御質問のような細かな数字まで申し上げる段階ではございません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 恐らくこの八千人という数字は、イギリスが一般消費税を導入したときに八千人増員をしたということの数字から出ているんじゃないかと私は思うのであります。  それと主税局長、このあたりで主税局長の一般消費税導入のPRをさせるようで私も余りよしとはしないのでありますけれども、景気の回復と一言に言ってみても、これはいろいろな回復の仕方があるわけで、その意味ではそう簡単に一概に言えませんけれども、過去四十八年の当時、ちょっと私も正確に調べておりませんけれども、二兆円から三兆円法人税が増収になるということは、これはかなり大変なことだと私は思うのでありますけれども、その点はどうなんですか。景気が回復をすれば大体そのくらい上がっていきますから心配ございませんという意見もあるようでありますけれども、どうでございますか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 まず最近の税収の足取りからお答えを申し上げていきたいと思います。  五十三年度の前半は、法人税の税収は不振をきわめておりまして、還付も非常に多かったということで、とても予算額まで届きそうもないという気持ちを持っておりました。大体十月ぐらいになりましてから企業収益がかなり直ってきたわけでございまして、それに伴って法人税収の毎月の収納状況もよくなってまいりました。ことしの二月末で申しますと、前年対比で進捗割合で申し上げまして、前年九三・一のものが九七・五というところまで戻ってきております。プラス四・四ポイントでございます。予算額に対しまして累計税収で一〇六%ということになっておりますから、予算を十二カ月分の税収が上回るということは、これはかなり上回るものと期待してよろしいと思います。  三月決算が五月に入ってまいります。これは五十三年度の特徴でございますが、この五月分の税収がどの程度の伸びになるかということは、日銀の短観はたしか一一・五と見ております。これに対して大和証券あたりは二〇・一というような見方をしておりまして、収益が三月決算でどのぐらい伸びてくるかということについては、民間の機関の発表の都度私どもも非常に注目しておるわけでございますが、この数字が動いておるような状況でかなりぶれがございます。私どもとしては、予算でたしか一兆六千億ばかり五月分の法人税収を見ておりますが、それに上積みになるであろうとは思いますけれども、全体としてかなり法人税収が予算額を上回るであろうということは申し上げられると思いますが、その金目がどのぐらいになるということについて申し上げるだけの自信がございません。  こういうふうに法人の収益が直ってくると、五十四年の九月期、五十五年の三月期というものがどうなるかということでございます。民間の調査機関の予測などを見ておりますと、五十四年九月期は三月期を上回るというふうに見ておるものが多いようですが、五十五年三月期になりますともうこれは区々でございまして、むしろ九月期よりも下回ると見ておるものがかなり散見されます。現在の円安の状況なり国内の物価の趨勢というものに対して、企業にかなりの警戒感もあるわけでございますから、これが五十三年の十月からただいままでの法人税収の好調というものがどこまで持続するのか、これはちょっといまの段階でどなたも予測できないだろうと思います。  私どもも責任を持って税収がこうなっていくということをいま申し上げるわけにはいかないわけですが、全体として現在の特例公債の発行額だけで見ていただきましても八兆円ございますですね。法人税収が六兆でございます。したがって、六兆円の法人税収が自然増収によって幾らふえてくるとしても、やはり国民所得の中の法人所得の割合というのはどこまで広がっていくかということにかかっていると思うのですが、法人税の収益がほかの国民所得のコンポーネントに比べてそんなに大きくなっていくのかどうか。法人企業の利益率も法人企業統計で見ます限りは、まだ二%を少し上回るくらいのところでございましょう。今後の諸コストの動きなり売り上げの動きというものを見ていかないと、一部に言われておりますように、景気がよくなってくれば自然増収で財政が相当助けられるというような、これは仮定とすればそういうこともございますけれども、そういう仮説が現実的になるかどうかということにつきましては、今後の経済の動きだと思いますから、私どもとしては、財政のいま申し上げたような大きなギャップを法人の自然増収だけでとうてい埋め切れるものというふうには考えておりませんです。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 たとえば八千人税務職員を入れたとしても、私も平均をとってみたことないけれども、年収五百万までは恐らくないんじゃないかと思うんですね。五百万にしてみたって八千人ですから四百億ですものね。これはもしそういうことなら、その計算だけ言えば、三兆円得るには私はとても安い人件費だと思うのであります。  それは別といたしまして、私も新聞の報道というのは必ずしも微細にわたって正確でないところもあるので、いま高橋審議官からお話があったようなことであれば、それはそれとして聞いておくわけでありますが、大臣どうなんですか。新聞にはいま言ったような小坂長官のそういった意味の発言がある。恐らく大臣も地方選挙で、一般消費税の問題というのはかなり国民の中で抵抗が強いというふうに感じられたんじゃないかと思うのであります。  それから、二十三日に河本政調会長と大平総理がお会いになって、新聞の報ずるところでは、一般消費税導入の前には何としても三K問題を片づけておかなければ、一般消費税の導入というのはできないんではないかとまではっきり言われたかどうか知りませんが、少なくとも三K問題の解決の指示をされた。これも当大蔵委員会でもずいぶんいろいろ論議をしたことで、ある意味ではあたりまえであります。ある意味ではあたりまえですが、いろいろな政治的な判断をするには一つの材料になると思うのでありますけれども、新聞によっては、これで総理は、一般消費税導入を三K問題が片づいた後にするのではないかという報道もある。あるいは、これは逆に秋の総選挙に向けての布石ではないかという報道もある。いろいろ評価があるでしょうけれども、いずれにしろ、大臣としていまの動きというのは、一般消費税導入というのはむしろ非常に抵抗が強まって、いま挙げましたような動きというのは、導入よりも少し見送ったらどうかという動きの方が何か強くなっているように私は感ずるのでありますが、大臣としてはいまのこういった動きはどういうふうに考えられ、そして、担当の大蔵大臣でありますから、税制改正要綱をここでもう一回考え直してみますとは言わないと思いますけれども、どういうふうに受け取られているのか、その点についてお伺いしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 一般消費税は申すまでもなく、これはもし導入ができるとしたならば、税制改正上のエポックメーキングなことでありまするから、しかも従来、日本になじみのない体系の税制でございますし、当然あちこちでいろいろな批判も出、フリクションも出るのはあたりまえなことだと思っているのです。  大蔵省としましては、財政当局としては、国債がこんなふうになって、来年も一体十三兆、十五兆という国債が発行できるのかどうかということですね、それは本当に真剣に考えなければいかぬと思うのです。そうなると、新聞にも出ておりますように、三K問題を含めた歳出の見直しをこの際思い切ってやらなければいかぬと思います。同時に歳入についても、一般消費税反対という声もありますから、それなら身がわりに何を出したらいいのか、何があるのか。この大蔵委員会、予算委員会の席でも、土地の再評価税だとか富裕税とかいろいろな御提案ございました。あるいは引当金、準備金をもう少し安くしたらどうか。しかし、これは毎年毎年三兆円とかいうような大幅の増収を上げるだけの財源であるとは私どもは考えておりません。もちろんこういった税を全部見直す必要はありますけれども、そうなると、これは法人税がこの程度の景気の回復で三兆円も増収があるはずがございません。そういう問題を全部含めて、党としても真剣にひとつ検討してくれよ、こういう総理の発言であったと思うのでありまして、これは社会党さんは賛成だとはおっしゃらないと思うのですが、どうかひとついま私が申しましたような点もお考えいただいて、アドバイスをしていただければありがたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いま大臣の決意を聞いたのでございますが、それに関連をして、従来から予算編成というのは、八月に概算要求を各省に出させて、それから作業を始めるということで来ていたわけでありますけれども、三K問題の処理ありあるいは一般消費税の導入の問題も含めて、五十五年度の予算編成はもっと早くやらなければいかぬ。何か総理も参議院の大蔵委員会の方で、従来のようなこういう悠長なテンポではだめだ、概算要求が各省から出てくる前に政府が方針をつくって、それに当てはめなければいかぬのだという趣旨のことを言っておるようでありますけれども、何か新聞の報ずるところ、大蔵省首脳というのですから、予算編成に関係する首脳というと吉野さんも首脳に入るのかどうか知らないけれども、六月から来年度の予算編成着手の準備を始めるというような報道もされておるのですが、そういうお考えというのはあるのですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 概算要求が出てきますのは八月からで、それから本格的な予算編成に取り組んでまいるというのが従来のパターンでございましたけれども、いま佐藤さんも御指摘いただきましたように、歳入歳出全般にわたっていろいろな問題がたくさんあります。もう少しそういった点について積極的に大蔵省から各省に働きかけて、これは協力体制をとらなければいけませんからね。仮に行政整理一つ取り上げてみたって、大蔵省が逆立ちしたってそれはできっこないのです。関係各省庁の協力を得なければいかぬ。三Kに対しましてもそうです。また、われわれとしては党の協力も得なければいけませんから、現行の予算というか歳出予算の中で、もっとこれはメスを入れてしかるべきところが相当あるはずですけれども、それをどう持っていくかというようなことを六月くらいには各省と十分思想統一をして、大蔵省主導型なんというおこがましい気持ちは私ども毛頭ありません、各省庁にも指標を出してもらって、党にも指標を出してもらい、あるいは社会党さんも、あなたなんかもまた大いに意見を聞かせていただく必要があるかもしれませんが、そういうことで知恵を持ち寄って、せっかくこういうむずかしいときの予算編成だから、ひとつ真剣に取り組もうじゃないか、こういうのが私は総理の考え方だろうと考えておるのでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大臣が言われたのは、具体的には概算要求を六月、といっても、これは国会が終わりますと、恐らく延長があるのかどうかわかりませんけれども、すぐ六月になっちゃうわけですね。概算要求自体は具体的に六月中なら六月中にというぐらいの決意だということですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 概算要求の時期は従来どおりでございますが、概算要求が出てきてからばたばた仕事を始めるのではなくて、少なくとも各省庁の予算担当官の思想統一くらいはもっと前にやっておいて、あわてないでひとつしっかりと圧縮し削減すべきものは必ず削減できるように努力しよう、こういうことでございます。早目に手をつけるということでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次の問題に移らしていただきたいと思います。それは関税定率法の改正の部分の問題であります。  たびたび大臣も各委員の質問に対して、たとえば紙巻たばこの関税率九〇%、葉巻の六〇%、パイプたばこの一一〇%というような関税率は、これは今後またアメリカもいろいろなことを言ってくるだろうということはいろいろ質疑があったわけでありますけれども、とりあえずはとにかくこれは死守なさる、死守というのは少し大げさかもしれませんが、死守なさるということはよろしゅうございますね。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 これは定率法の改正をお願いしたばかりでございますので、今年度内にすぐまた改めてという気持ちは毛頭持っておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 なぜ私がそこまできょうはしつこく大臣にお伺いしたかと申しますと、若干この問題とは外れるのでございますけれども、いま大きな問題になっております電電の資材購入の問題を若干触れていきたいと思うのであります。と申しますのは、アメリカの動きというのは私は少し異常ではないか、これが何らかの形でまたたばこに波及をするのではないかという懸念もあるものですから、若干触れさせていただきたいと思うのであります。  まず、外務省にちょっとお伺いしておきますけれども、これはなかなか交渉中ということでお答えがないかと思いますけれども、いま対米交渉はどういうような状況にあるのか。なかなか中身についてはお答えがむずかしいと思いますけれども、若干お答えできる範囲でお答えいただきたいと思います。

羽澄光彦外務省経済局次長

○羽澄政府委員 お答えいたします。  現在アメリカとの交渉において、これは東京ラウンドの一環という面もございますけれども、一番大きな問題になっておりますのが御存じのとおり、電電公社の調達問題、これはそれを含みます政府調達の問題といった方がいいかと思いますが、それと関税の問題でございます。  この問題につきましては、四月二十三日から二十五日までワシントンにおきまして、東郷大使とストラウス大使との間で交渉を行いました。そして、交渉を通じまして日米間の立場の相違がかなり狭められたのでございますけれども、今回は合意に達することができませんでした。そこで、しばらく時間をおきまして、両国で技術的側面につきましてさらに詳細な詰めを行うということになっておる次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これは羽澄さんからお答えがないかと思いますけれども、新聞の報ずるところ、やれ本体だとかいう言葉があるのですが、どうも専門家に聞いてみますと、電電あるいは電気通信関係というのは、本体というのは一体何が本体なのか。いわゆる交換機をどうも本体と言うらしいのだけれども、余りそれは正確ではないようで、交換機と搬送とそれから端末機と三つ一体になって初めてこれは一つの役目をなすわけですね。そういった意味では、新聞の報ずるところでありますのでよくわからぬのでありますけれども、かなり本体の心臓部分、電子交換機ぐらいのところまで日本は譲っちゃっているのではないだろうかという気がするのでありますけれども、これもなかなかお答えが得られないかと思いますが、そのあたりはどうなんですか。

羽澄光彦外務省経済局次長

○羽澄政府委員 もちろん交渉はまだ継続するというたてまえでございますので、細かいことはあれでございますが、先生のおっしゃいましたとおりに、本体とか端末ということについては日本ではそういう区別をしたことがなくて、これはアメリカの側の考え方だそうでございます。しかしながら、わが方としては最大限の努力をする、しかもその努力の中には質も量も含まれるということで、わが方が言っておりますことは、いわゆる本体の一部もわが方の提案の中に含めるということで努力して向こうと折衝した次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、私はこの問題は非常に重要だと思うのは、何といっても通信という部門というのは、国の神経といいますか血管と申しますかそういう性格でありますし、特に重要なことは、これは一歩どこかだけ一部入れますとやはりそれに全部他のものを合わせていかなければならぬというユニットのようになっていて、一つどこかを入れると将来生涯にわたってアメリカ製ならアメリカ製を使わなければいかぬということになるということを私は非常に重要だと思うのであります。確かに日米の貿易不均衡というのをいろんな形で直していくということ自体私も是としますけれども、事が国家の神経部分に当たる通信産業というのを譲ることについて、私は将来に非常な禍根を残すと思うのでありますが、郵政省はこれについてどういうふうにお考えでございますか。

金光洋三郵政大臣官房電気通信参事官

○金光説明員 お答えいたします。  先生ただいま御指摘の電電公社の問題でございますが、電電公社の公衆電気通信事業がわが国の神経系統ともいうような重要な機能を果たしている、こういった御指摘、全くそのとおりでございます。  郵政省といたしましては、公衆電気通信事業の運営の円滑化、国民の期待にこたえた適切なサービスの提供を期する、こういった観点から、関連するいろいろな問題につきまして関係者の御理解をいただくように努めてまいっている次第でございます。  他方、先生も御指摘ございましたように、この問題は外交交渉に関する重要問題でもございます。日米経済関係の安定的発展あるいは東京ラウンドのパッケージを実りあるものにする、こういった観点との兼ね合いも考え合わせる必要があるかと思っております。先ほど外務省の方から御答弁ありましたように目下、日米双方が互譲の精神にのっとりまして妥当な解決が図れますよう鋭意交渉の努力を引き続きしてまいっておる、こういうふうに承知いたしている次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 この件について、これは外務省という交渉する立場でありますから事は微妙でありますけれども、物が普通の物と違うと私は思っているのですね。その点について、おたくの方の経済局はどういうふうに認識されて交渉されているんでしょうか。

羽澄光彦外務省経済局次長

○羽澄政府委員 外務省といたしましても、いま先ほど先生が申されたとおり、神経系統といいますか、この部門がきわめて重要な部門であるということは十分認識しているつもりでございます。それで、先ほど郵政省からもお話がありましたとおりに、日米の経済関係の安定的発展とかいう点も考慮いたしておりますけれども、同時にまた、この問題の解決によって国内に大きな摩擦を生じてはまずいということで、電電公社はもちろん、関係各省間で十分意見の調整を図りまして交渉に当たっておる次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は、これは単なる経済戦争の問題ではなくて、かなりカーター政権の政治問題ではないかという気がしてならぬのであります。その辺のところを一体外務省はどういうふうに考えていらっしゃるのか。電電公社の端末機だあるいは搬送部分だあるいは交換機だというようなものよりもむしろ、IBMに支えられたコンピューターをさらに日本の市場の中で広げたいというような方が本当のねらいなんではないか。これはかなり前からそういうようなことも言われていたわけでありますけれども、それはたとえばIBMの出身の閣僚がカーター政権の中には何人かいるわけですね、そういうようなことやら、あるいは、全米通信労組のワッツ委員長、これがカーター政権の有力なブレーンである、あるいはカーターが選挙のときにかなり支援をもらったというようなことやら、あるいは、きょうの新聞にも報じておりますけれども、ATTの機械を入れているウェスタン・エレクトリック、これがかなりアメリカの独禁法違反を問われていま裁判中だというようなことで、WEが新しい販路を求めるということで議会筋やカーター政権にかなり圧力をかけて日本に迫ってきているというように、これは純粋に対日貿易赤字が非常に拡大をしているというだけの問題ではなくて、政治問題、アメリカのお家の事情というのが非常に強いのではないかという気がしてならぬのでありますが、その辺のことについて外務省はどういうふうにお考えでございますか。

羽澄光彦外務省経済局次長

○羽澄政府委員 お答えいたします。  現在日米間には、この問題を含めまして幾つか経済上の問題を生じておりますけれども、これはわれわれといたしましては、わが国の貿易黒字を背景といたしまして米国で、日本の市場が閉鎖的であるという観念が非常に一般的にかつ強く抱かれておりまして、電電公社に関する米国の要求も、一つの業種あるいは業界に対する要求ということもさることながら、わが国に対する市場開放要求というものの重要な一環としてアメリカは要求してまいっておるというふうに認識しております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 きょうはこれが本論じゃないものですから、私もそう時間がないからそれ以上言いませんけれども、たとえばECとかアメリカがそれじゃ電気通信に対して——もちろんアメリカの場合には民営という問題がありますからそうですけれども、世界の国でこのように入札制度にしているところというのはスイスとスウェーデンしかないわけですね。これは何と言ったって注文発注でなければ、精度が違うわ、部品が違うわ、熱伝導率が違うわ、大きさが違うわという種々さまざまな、恐らく部品の数にしたら何十万個、何百万個ということになるでしょうけれども、そういうようなものを扱っている電気通信ですから、やはりこれは注文でなければ、あらかじめ入札をして、やれそれをつくるなんということで何カ月、何年かかるということでは、とても国民の通信産業はやっていかれないということだから、各国ともこれは入札ではなく随意契約にしていると私は思うのですね。ただ、スイスは自分のところにそういう産業がない、スウェーデンはむしろ売り手市場であるということで特殊な事情があるだけで、そういった意味では、アメリカのやり方というのは、それじゃアメリカのATTがどれだけ日本の通信産業に開放しているだろうかということになりますと、これもほとんどその額は知れたものである。またアメリカの要求というのは、それじゃなぜECに対しても同じ要求をしないのだ。羽澄さんに怒ってもしようがないかもしれませんが、これは国内の雇用問題と同時に、日本の電信産業あるいは電信技術、通信技術の維持発展、このためには下手な妥協をしますと大変な禍根を残す問題だと思っているのであります。そういった意味では、がんばってもらわなければいかぬと思います。  それともう一つお聞きしておきたいのは、これは外務省の経済局の範疇かどうかわかりませんけれども、ちまたでは、これは入札に入れるか入れないかの話なんだ、実際に買うかどうかは別な話です。全部仕様書をつくって、そして仕様書に合わなければこれは買わなくてもいいわけでありますから、これは入札に入れるか入れないかだけの話なんであって、そう心配することはないのではないかと言う人が政府の中にもいらっしゃるわけですね。しかし私は、これはそんな甘いものではないと思っているのです。ガットの協定でありますから、買わない場合にはなぜこれは買わなかったかということをやはり説明が十分できなければいかぬし、ましてや対日貿易の不均衡ということでありますから、やはり実際上数字で実績が上がらなければ、アメリカのそういった問題というのはますます大きくなっていくのじゃないだろうかと考えますと、単なる入札にさえ入れてやれば事が済むのだという問題ではないと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。

羽澄光彦外務省経済局次長

○羽澄政府委員 この政府調達に関しますコードのテキストは、いま合意されておりまして四月十二日にそのカバリングノートをつくりまして、他のコードと一緒に署名——普通仮調印と言われておりますけれども、実際はそのカバリングノートに署名したわけでございますが、そのテキストでは、指名入札または公開入札ということで、競争入札にすればいいということになっております。・しかしながら先生のおっしゃいましたとおりに、この問題はきわめて重要な問題でありまして、コード上のわが方の義務といいますか責任は、そこに決められておることは公開入札にすればいいということでございますけれども、問題の重要性は大いに認識しておるつもりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 もう一点だけこの問題についてお伺いしておきたいのですが、アメリカ側のやり方というのはガットに違反をしているのじゃないか、少なくもガットの精神に違反をしているのじゃないかと私は思うのであります。  それは、もう多くを読みませんが、前文のところに、「関税その他の貿易障害の実質的な軽減並びに国際通商における差別待遇の廃止を目的とする相互的な及び互恵的な取り決めを締結をすることによって、これらの目標に寄与することを希望し、」そして各国の代表者がそれぞれ次のように協定をしたということで、その目的というのは、「貿易及び経済的努力の分野における相互関係が生活水準を高め、完全雇用並びに高度のかつ着実に増加する実質所得額及び有効需要量を確保し、世界の資源の完全な利用を発展させ、並びに貨物の生産及び交換を拡大する目的をもって導かれるべきであることを認め、関税その他の」とこうなるわけですね。  そうなりますと、私もあくまで自由貿易が拡大をしていくことは当然のことだと思いますし、そうしなければいかぬと思うのでありますが、それはあくまでも双方の国がイコールフッティングで、では、日本の電電のそういうものを開放したならアメリカも、民営とはいうもののやはり開放していく、同じような状況をつくって拡大をしていくというのがガットの精神だと私は理解をしているのでありますが、そういった意味では、少なくもアメリカのごり押しのやり方というのはガットの精神に違反をしているのではないかと私は思うのでありますが、いかがでありますか。

羽澄光彦外務省経済局次長

○羽澄政府委員 先生おっしゃいますとおりに、ガットの目的と申しますか、それもいまおっしゃいましたとおりでございますし、そのガットの場で行われておりますいわゆる東京ラウンドというものが、そういう互恵の精神に基づいて進められなければならないということが東京宣言におきましてもうたわれていることは御指摘のとおりでございます。  それで、この政府調達の点でございますけれども、その政府調達体にどれだけを入れるかということがお互いの国の間でバランスがとれなければいけないということは、交渉当事者の間で認識されておるところでございます。ただ一対一で、向こうの方がこの分野を出したからこちらも必ずその分野を出さなければいけないということにはなっておりませんで、全体として政府調達というものの対象体として出てくるものがバランスしておれば、大体の均衡はとれるというたてまえでいま交渉が進められております。その関係でアメリカとか日本とかECとか、この交渉に参加しておる関係国の間でバランスをとるべく努力しているところでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 時間も大変迫ってまいりましたので、いずれにしろ、これは後世に悔いを残さない処置を——確かに私も、日米貿易が円滑にいくということは日本にとっても非常に重要なことでありますから、そのこと自体認めないわけではありませんが、物が電気通信というのは何といっても、一つを入れると今後それに合ったものを入れなければいかぬということになってきますと、全部がアメリカ製品になってくる。しかも日本の技術が非常に劣っているならまだしも、日本の関係者に聞けば、何もアメリカから買わなければいかぬ品物なんてこの分野に限って言えばほとんどない。そのことから考えますと、十分意を尽くせぬところもありますけれども、外務省もがんばってもらって、ぜひ日本の将来に禍根を残すことのないようにしていただきたいということを申し添えておきます。きょうはありがとうございました。  その次に、したがいまして先ほど申し上げましたように、いま審議をしております関税率も、アメリカのいまのやり方を見てみますと事がどうなっていくか。単なる経済原則だけではない、変な政治圧力が働く可能性もあるものですから、私はあえてこの問題に関連をしてお伺いしたわけでありますが、大臣からの表明も先ほど関税率についてはありましたので、先に進ませていただきたいと思うわけであります。  次は、たびたび委員からも指摘があったように、今度の法案で定価の法定制を緩和をするということで、大蔵大臣の方に国会の方から一定の範囲内で権限を移譲するわけであります。そこで、移譲するためにはやはり私たちも、その移譲する権限が着実に実行されるその担保をここで詰めていかなければいかぬと思うのであります。  そこでお伺いをしますが、製造たばこ定価法の第二条「最高価格の特例」というところで、「大蔵大臣は、前条の規定にかかわらず、公社の一の事業年度のたばこ事業の損益計算において、損失が生じた場合」に基準最高価格を上回る価格を一定の範囲内で決めていいということになっておりますが、この「損失が生じた場合」というのは確かに単年度で決算書ではわかります。わかりますが、それがたとえば「損失が生じた場合」でなおかつ、「健全にして能率的な経営を維持することができない」という縛りがかかっているわけですね。ということは逆に言えば、単なる一度だけ損失が決算上出たから直ちに値上げということにならぬということにもなると思うのですね。したがって、たとえば五十四年度十億円の赤字が出た、そうしますと、これは定価改定をしたからことしだけの売り上げが減っただけの話であって、五十五年度は回復するかもしれないあるいは五十六年度も上向くかもしれない、したがって五十四年度単年度だけ赤字がわずか出たからといって直ちに次の状況に入るかどうかというのは、その他のいろいろな状況を見なければいかぬわけですね。  一体決算が事実上出たときの赤字というのは、翌年度の利益で埋め合わせるぐらいにできればいいのか、もう少しタームを長く考えて、赤字が一年出たけれども二、三年内で赤字がなくなるようにすればいいのか。その辺のところは、これは「政令で定める場合であって、」というふうになっておりますけれども、この「政令で定める場合」という言葉が「損失が生じた場合」にかかっているのかかかっていないのかよくわかりませんが、その点もはっきりしていただいて、「損失が生じた場合」というのは、翌年度それが穴埋めできればいいと考えているのか、一体それはどういうふうに処置をなさるつもりなのか、その点についてまずお伺いしておきます。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  先生がいま法律で申されました「損失が生じた場合」というのは、明らかに公社の決算、これは三月に仮決算をしまして六月に決算を完結することになっておりますが、その決算上の赤字を指しております。  それから、「損失が生ずることが確実であると認められる場合として政令で定める場合」……(佐藤(観)委員「それはまだちょっと先に行って」と呼ぶ)それでは、先ほど申し上げましたその「損失が生じた場合」がたまたま、先生がおっしゃったような本当に一時的なものだというような場合であれば、その法律で書かれている最高価格を上回るような最高価格を定めるのでなければ公社事業の健全にして能率的な運営ができないというような状態でなければ、暫定最高価格を定めることができないわけでございますので、それは赤字の程度なりその赤字の生じた原因というものを総合判断しながら、たまたま何か大変変なことで十億赤字が出たからといって、私ども大蔵省の方にそういう定価改定を申請する考えは持っておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますといまの御答弁ですと、「政令で定める場合であって、」というのは、「損失が生ずることが確実であると認められる場合として政令で定める場合であって、」であって、「損失が生じた場合」というところにはかからないわけですね。  そうしますと、ここで皆さん方が想定をしている「損失が生ずることが確実である」というのは一体いつの時期で判断をし、そして次の基準最高価格を上げようかというふうに考えるそれはどういう場合を想定しているのですか。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  「損失が生ずることが確実であると認められる場合として政令で定める場合」というふうに書いてございます。これは公社は、日本専売公社会計令の七条によりまして、月ごとに月次試算表というものをつくっております。今度は先生の設定とは逆になるわけですが、この定改がお許し願えるとするならば公社は今年度は約一千億の内部留保があります。これがだんだん原価が上がってまいりまして、そうして内部留保ができなくなり赤字に転落していくというのが一般的な状態でございます。したがいましてたまたま前年度十億ぐらいの黒字だ、しかし当該年に入ってみたら、試算表を見ていると、いわゆる収益に見合うような収入よりも当然ふえるであろうような経費の方がどんどんふえていって、月次試算表の累計で仮に年次損益を見通してみると、もう明らかに相当額の赤字が出てしまうというような場合というのを、政令で厳しく定めるということを考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、これは確認でありますけれども、たとえば不幸にして一年間で四〇%も物価が上がるようなことになったという場合には、もうこの法律では直ちに間に合わなくなってしまうので、第七項で決めてあるように三割増しまでですから、それは直ちに国会の方に法案を提出して基準最高価格を変更しなければならぬ、こういうことになりますね。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 御指摘のような状態が出ますれば、どうしても公社事業の健全にして能率的な運営はできないというふうな状態になると思いますので、したがいまして、暫定最高価格は三割までしか認められませんので、当然この条項は空振りになりまして、国会に直ちに持ってまいるということになります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それから、肝心な「公社のたばこ事業の健全にして能率的な経営を維持することができないと認めるときに限り、」という言葉があるわけですが、このいうところの「健全にして能率的な経営」とはそも何ぞや。確かに日本専売公社法の第一条にも「健全にして能率的な実施に当たることを目的とする。」という言葉があるわけですけれども、一体健全という中には能率的なことが入っているような気もするし、そういう抽象的なことはもう時間がありませんのでいいのですが、二点についてお伺いしたいのであります。  一つは、内部留保です。一体内部留保がどのくらいあれば皆さん方は健全にして能率的な経営が維持できるというふうに考えていらっしゃるのか。私もいろいろ民間のを調べてみたけれども、業種が特殊でございますし独占でございますからなかなか出てこないので、それはどういうふうに考えていらっしゃるのか。  もう一つ、一番大きな葉の在庫によって皆さん方の会計経理というものはがらっと変わるわけですね。いま大体三十カ月分ぐらい在庫があると聞いておりますけれども、これは恐らく皆さん方にしてみれば過剰だと言われるのだと思うのでありますけれども、一体どのくらい在庫があれば、いうところの健全にして能率的な経営を維持できるというふうに考えていらっしゃるのか、その二点、まだメルクマールがあるならば言っていただいて結構ですが、私はこの二点ではないかと思うのでありますが、その点についていかがですか。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、一体内部留保がどのくらいあれば適正であるのかというのは、確かにいろいろな資料等を検討いたしましてもこれという決め手はないわけでございます。ただ公社の場合には、大変たな卸し資産が多うございまして、しかもそれが容易に換金できないような性格のもので、二年蔵置というようなたな卸し資産でございますので、私どもは内部留保は、過去大体、五〇%の内部留保というものを持っております。したがいまして今後もこういう制度を仕込みましても、大体資産増に対して五〇%程度あるいは五〇%を超える内部留保による資金手当てができるということが望ましい状態だというふうに内部留保の点では考えております。  それからもう一つ、たな卸し資産の問題、確かにたばこ産業を営む者にとりましてたな卸し資産の在庫というものは大変大きな問題でございます。現在私ども、いままでは三十カ月から三十一カ月ということを考えておったわけでございますが、最近の今後の売れ見込み等から見ますと、それが三十四、五カ月というような過剰在庫の状態になります。在庫は大体どこのたばこ企業も一応、二十四カ月を標準在庫というふうにしているわけでございますので、私どももできるだけ葉たばこの在庫は適正在庫に近づけたい。しかしながら、日本のいまの葉たばこの耕作の現状ということを考えますと、葉たばこ耕作が畑作農家にとりまして大変ウエートも高うございますし、農家経営の安定に資するところも多うございますので、そういう急激な生産調整ができません。したがいまして先日もお答え申し上げましたように、廃滅作の中で、耕作審議会に諮りながら、耕作者との十分な話し合いの中で御協力を願うというようなことを考えている次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 監理官、いまの後藤理事の話は話としてはわかるんですよ。だけれども、この部分が値上げをするかどうかの非常に大きなポイントになるわけですね。いまのお話は十分わかるんだけれども、われわれの側としますと何かの形で担保してもらわないと、議事録というのが一つの担保でありますけれども、非常に動くものだけに、何らかここで歯どめというかもう少し担保をしてもらわないと、なかなかああそうですかと言いにくい点があるのですが、これについては何か——私はメルクマールとしては確かに内部留保の額とたな卸し資産の在庫の量というのが一番大きなものじゃないかと思うのですが、これが非常に値上げの問題に大きなポイントになっていくが、あとは大体数字が出てくるものですからある程度歯どめがききますけれども、この点は非常に主観と申しますか、動きやすい問題だけにもう少し何か担保が欲しいのでございますが、いかがでございますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本政府委員 内部留保の問題、これは詰まるところは納付金率とも関連する問題でございます。いま後藤理事の方からもお答えしましたように要するに、資産に対する資金繰り資金としてどのくらいのものを持っておるのがよろしいか、これはやはり一つのメルクマールであると思います。大体五〇%、それを若干上回る程度くらい、このくらいのところを持っていってもらうというのが一つの考え方であろうと思います。これは専売局特別会計時代にも要するに、資産の増加額を資本として残す、国庫納付をする場合、そういうのが特会であったわけでございます。現在でもアルコール専売とか印刷局とかが使っているわけでございます。したがいまして、この考え方は今後も当然継続していかなければならないだろう、こういうふうにも思っております。従来の例の覚書方式によってやる場合にもそういうことが考えられて、そういうものが出てきておりましたし、現在の納付金の金額を決める条文もそのようになっているわけでございます。内部留保を考えてまいります場合に、これは一つのメルクマールでございましょうが、もっとほかに、たとえば資産がある、それに対してどのくらいの報酬といいますかそういうものがあってしかるべきか、あるいは売り上げに対してどのくらいの経常利益と申しますか率があってしかるべきか、そういうようなストックの面、フローの面、いろいろあろうかと思います。そういう面も勘案して、今回の五十四年度予算、それから今回お願いいたします納付金率を定めるに当たりまして、まずこういうところで妥当であるだろうというふうに私ども考え、公社の方も納得いただいているようなわけでございます。  今後は、定価の改定ということが起こります場合には、そういう面については当然これを専売事業審議会にお諮りするわけでございますけれども、専売事業審議会で十分御議論をいただかなければならない問題だろうと思います。公社がまずいろいろな資料また要請も持ってくるわけでございます。公社の方においてももちろん当然のことながら、そういう面を配慮した考え方でお持ちになると思います。それについて大蔵省としましても、十分配慮してまいらなければならないというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それでは、この部分の公社のたばこ事業の健全にして能率的な経営を維持することができない状態というのはどういう状態かというのは、政令なり省令なり規則なり何らかをつくって一応の目安というのをつくるお考えですか、そのお考えがあるかないかだけ、簡単で結構です。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本政府委員 ただいまのところ、先生おっしゃいましたようなどの程度の率というようなものについて政令その他で手当てする予定はございません。と申しますのも、これも資産の増加額あるいは葉たばこの在庫の増加、あるいは今後減るといたしますとどうなっていくか、そういうものもございますので、そのときそのときの情勢に応じまして適正内部留保はいかにあるべきかということを、諸種の客観的な経済界の状況、そういうものも考えながらやっていくのが適当であるだろう、かように考えるからでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、物価等変動率、卸売物価指数、消費者物価指数、賃金指数、こういうものはどういうものを使うかということについては、皆さんの方からきょう各委員に資料が出ましたので、時間もありませんからこれで了といたします。  ただ一点お伺いしておきたいのは、国民の側から見てみますと、今度の改正によって一級品が十本価格が百円になるわけですね。そういたしますと一級品ということになると、たとえばみねでもマイルドセブンでも一級品だ。現在の価格がみねは百七十円、これが二百円になる。マイルドセブンは百五十円が百八十円になる。この法律上は等級別に価格が決められるわけでありますし、赤字になった場合云々のときには値上げが一・三倍までできるということでありますから、法律だけ読みますと、みねもマイルドセブンも同じ一級品ならば十本百円の一・三倍の額まで、両方ともアッパーリミットまで上げられるではないかということになるわけですね。しかし、いままで二百円と百八十円と差がついていたものが、値上げ後は最高価格まで上げられるというのは、国民感情からいっても首肯しがたい。だが、法律上はそういうことができるということになるわけですね。その点はどういうふうに考えていらっしゃるのですか。

後藤正日本専売公社理事

○後藤説明員 先生御指摘のように一級品の中にも、みねもあればセブンスターもあればチェリーもございます。二級品の中にハイライトもあれば  いろいろなものもございます。三級にもいろいろございます。それぞれの現在の級の最高級品はおのずから最高価格に張りついておりますが、それ以外はある程度すき間がございますけれども、これはおのずから葉組みとか使っております材料の中で一つの商品体系というものもつくり上げておるわけでございますので、今後、それはたとえば一級品だけをある程度上げるというようなことも想定されないではないわけでございます、赤字が生じた事態において。しかしながらいま先生御指摘のように、たとえばいわゆるみねの値段までセブンスターを上げるとかそういうようなことは、商品体系あるいは消費者の皆さん方からとうてい容認され得ませんので、そういうことは私ども考えておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、今度の値上げでまたたばこ離れが進んで製造本数が減るのではないかということで起こってくる問題について少し確認をしていきたいのでございますが、定改なかりせば三千百三十億本、定価改定によって三千二十億本、百十億本は減るわけですね。この百十億本というのは、確かに工場からいうと二つ分とか三つ分とかかなり大きなものになるわけでありますが、いずれにしろ三千百三十億というのは仮想の数字でありますから、直ぐにはそういう問題は起こるわけではない。しかしいずれにしろ、五十三年度が三千十四億本、ことしが三千二十億本ぐらいか、三千二十億本がまだ維持できればいいけれどもさらにこれが下がるということになりますと、いろいろな問題が発生をしてくるわけですね。確かにいままでの本数は時間外労働等でやっていたという面があるので、直ちに余剰人員ということにならぬだろうし、そこで合理化が始まるということにならぬと思いますが、値上げによる売り上げ本数の減少に伴うところのこういった問題については、労働問題を発生させないような配慮というのは当然必要だと思うのでありますが、そういう点についてはどういうようにお考えでございますか。

松井元義日本専売公社総務理事

○松井説明員 お答えいたします。  当然工場の操業度低下といったことが予想されますが、低下に伴う需要量の変動につきましてはあらかじめこれを想定しまして製造態勢の準備を進めてきております。したがいまして、定改実施によって操業度が低下するというような状態が生じた場合を考えて、欠員の補充はしないとかあるいは技能訓練の活用を図るといったようなことで、大幅な余剰人員を生じないように考えていきたい、かように思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それと、委員会でも表明があったように、五十一年の中期計画、これも見直しせざるを得ぬだろうということでございますけれども、片方では国を挙げて、若干景気が回復してきたというものの雇用創出ということがことしの予算の一番最大のテーマであったように、これからの中期計画の改定に当たっても、さらに人員が合理化をされていく、労働問題が発生するというようなことでは、これはまたいろいろ大きな問題が発生してくると思うのでありますが、その中期計画見直しの問題に関連をして、そういった意味でのいまお話があったような形で処理をすべきだ、それだけの配慮は当然してしかるべきだと思うのでありますが、その点はよろしゅうございますね。

泉美之松日本専売公社総裁

○泉説明員 今回の定価改定後、需要の動向を見ながら中期計画を見直さなければならぬということは申し上げておるとおりでございますが、その際にはもちろん、専売公社自体の従業員、職員だけでなしに、関連産業の職員も全部含めまして、労働問題を起こさないように、雇用の維持拡大に努力したいと思っておるのでありまして、既存の関連産業以外の部面ももちろん考えなければなるまいかと思っておりまして、できるだけ公社の関連事業を強化していくという必要があろうか、このように考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、今度の法案の問題は、四年前と比べて背景に民営化問題というのがあるという特殊な事情があるわけですね。そこで、大臣にちょっとお伺いしたいのでありますけれども、民営化した場合にたばこは安くなるか、高くなるかという問題でございますけれども、大臣はいかがお考えでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 民営に移管しようというねらいは、やはり競争原理を導入するためにいまの専売公社を解体しろ、こういうことだと思うのですが、私の見ているところでは大変能率を上げてくれておる。もちろんまだたくさんありますけれども、しかし最大限の努力を払って、しかも規模の利益も十分に活用しながらやっておるのですから、これを分割することによってかえって、たとえば葉たばこの耕作者との関連の問題やあるいは小売業者との関連の問題その他いろいろございます。私はそう簡単にうまく値下げができるとは考えておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それだけ御答弁いただければ、もうお伺いすることもないのでございますけれども、たとえば民営化した場合だって、明らかに原材料費、人件費、小売手数料、販売経費、専売益金、このあたりはほとんど変わらないわけですね。ただ恐らく人件費とか葉たばこ代とか、これを抑えてということなのでしょうが、なかなか葉たばこだってそうは簡単にはいかないし、それから人件費だって、では専売公社の職員の人件費だけが格別民間から飛び離れていいかというと、そうはいかないので、人事院があってあるいは公企体の委員会があって人件費も決めていることでありますから、そうそう民間からかけ離れているわけではないんですね。むしろ当然民間ということになれば、企業としての利潤の問題、あるいは広告費、外国なんかの経理を調べてみますと、広告費が日本の専売公社の約百倍ぐらい使っているわけですね。それから、やはりいま専売公社がやっていることで、配送が一元化をしていることでずいぶん効率的になっていると私は思うんですね。そういった意味では、いまも大臣の答弁があったことで尽きておると私は思いますので、ひとつお互いに変な迷いをしないで、公企体としての専売公社がより発展をするように、お互いに考えていかなければならぬと思うのであります。  そこで問題になるのは、ちょっと泉総裁の前では言いにくいのでありますが、専売公社の公社法を読んでみますと、形上は総裁に非常にすべての権限を委譲しているんですね。いますべて泉総裁が独裁でやっているという意味ではなくて、私も改めて読んでみてびっくりしたのでありますが、きょう理事の方がたくさんいらっしゃるけれども、理事というのはそれなりに理事会があって総裁を補佐をしてやるのかと思うと、法律上はないんですね。理事というのは、「総裁の定めるところにより、公社を代表し、総裁及び副総裁を補佐して公社の事務を掌理し、総裁及び副総裁に事故があるときにはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときにはその職務を行う。」というので、どこを調べてみても理事会というのが、恐らくこの下の規則なりにはあるのでしょうけれども、理事会ということで経営なり運営なりその他をいろいろ論議をして、もちろん最終的には総裁が決裁をするという形になるのがどこでも通例だと思いますが、そういう手段がないんですね。  私が思うに、二十四年に専売局が独立をしたということで、つまり公共性を残しておきながらも企業性については、恐らく二十四年以来、余りそういった意味で配慮がなかったのじゃないだろうかというように思うのでありますが、これはうちの委員からもお話があったように、もう少し経営的な面を強めるという意味で経営委員会をつくったらどうか。ただし、また屋上屋を理事会の上に重ねるようなことでは非能率なことでありますし、いずれにしても、もう少し開かれて、理事会を置いて経営面において協議をし、さらに発展をさせていくということが必要なのではないか。泉総裁が悪いわけではないけれども、法制上も理事の権限と申しますか理事会の権限あるいは経営委員会的な性格、こういったものをもう少し持つ必要があるのではないかと思うのでありますけれども、これはどなたにお伺いをするのが一番適当か、やはり名本さんぐらいが一番適当なんじゃないかと思うのですが、どうでしょうかね。あるいは大臣でも結構でございますが……。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○名本政府委員 お答えします。  確かに法律上、理事会という規定はないわけでございますけれども、そういう面につきまして、かつて審議会でいろいろ御議論をいただきましたけれども、そういうものをつくるべきであるという御議論がございまして、法律にはございませんけれども、これは総裁からお答えいただいたらよろしいかと思いますが、現実に内部的には理事会をつくりまして、その中で種々議論を重ねて重要事項を決定して業務を運営しておるというのが実態でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 実態面については私も否定はしませんけれども、いかにも専売局の延長だという感じがしてならぬのであります。どうかひとつ今後ももう少しその辺の機構も、体制は総裁を中心にしてやるのは何ら変わりないと思いますけれども、せっかくやる気のある理事が発言をしても、この法律を見る限りは、すべて総裁にといいますか、何か使用人という言葉はおかしいけれども、そういうような形に形上なっているということは、三十年の歴史の中でちっとも進歩がないと思うので、その辺をさらに少し研究をしてもらいたいと思うのであります。  それと同時に、もう少し経営的な側面を強めるということで、これも委員からお話がありましたけれども、予算の面での、もちろん基本的なことは国会で承認をして発動してもらうにしても、運用面とかあるいは流用面とか、特に、専売公社でありますが、資材の購入に当たって、たとえば市況が非常に弱いとき、緩いときに大量に買い込んでおいて、なるべく安いコストにするとかそういったようなことが少しできるようにするとか、あるいは非常に業績が上がったときには余り縛りをしないで、職員にも賞与を幾らかでも出すなりなるべくそういうようにして、やはりやる気を起こすような経営体制にするとか、あるいは、これも話がありましたが、業務の範囲ですね。これも公社法の第四章の第二十七条を読んでみると、「葉たばこ、製造たばこ用巻紙及び塩を買い入れること。」「製造すること。」「販売すること。」「生産者の指導及び助成」、それから「輸出及び輸入」、全く金縛りみたいな形になっているわけですね。ここできょうもお話があったように、国鉄のように少し広げていかないと、将来は非常に窮屈なものになってくるのではないか。あるいは職員の方がどこかに出向されると言っても、出向先がほとんどない。いまの大蔵省のように、証券界や銀行界へ行くと、石を投げなくても大蔵省出身に当たるぐらいまでいきますと非常に問題があろうかと思いますけれども、やはり人事の交流は開かれた公社ということから考えるともう少しやっていかないと、国鉄のようになってからやれ広告だといってやってみても私は遅いと思うのであります。特に広告なんかは、たばこというのは非常にいい媒体であるわけですね。そういった意味で、広告料を取るたばこがあっても、それがたばこの値上げにならないことに幾らかでもつながるなら、そういうことも少し考えていく必要があるのではないかと私は思うのであります。  今度の法案で、確かに法定制が緩和したことで若干国会から乳離れをし、あるいは納付金率が法定化をしたことで大蔵省からも若干乳離れをしたわけですね。これが第一歩ということかもしれませんけれども、そういった意味で、給与の総額制の問題なり業務範囲の問題なり予算制度の問題については、経営体としてさらに踏み込んで、より経営意識の強い公社にしていく必要があるのじゃないだろうか。三十年たってもなおかつ、大蔵省専売局の残滓を残していくのではいかぬのじゃないだろうかと思うのであります。その点について大臣の意向をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。いかがでございましょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 大変有益なる御示唆をいただきまして、十分検討させていただきたいと思います。これは大変大事なことだと私も思うのです。これからの持っていき方について十分検討いたします。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 次回は、来る五月八日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時二分散会

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