大蔵委員会 第16号
- 発言数
- 339 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/04/24
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 日本専売公社法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を求めます。金子大蔵大臣。
○金子(一)国務大臣 ただいま議題となりました日本専売公社法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 昭和五十四年度の予算編成に当たっては、現下の厳しい財政事情に顧み、歳出の一層の節減合理化に努めるとともに、税収及び税外収入について、制度の見直しを行い、歳入の確保に努めることとしたところであります。 その一環として、小売定価が昭和五十年末以来据え置かれてきた結果、製造原価の上昇に伴い、売り上げに占める専売納付金の比率が相当の低下を見ている製造たばこについて、その小売定価を改定することとし、所要の改正を行うことといたしたものであります。 また、現在の専売納付金制度のあり方等につきましては、従来から種々の議論があり、制度の改正の必要を生じております。このため、昨年十二月の専売事業審議会の答申を踏まえ、製造たばこの価格形成方式の明確化、財政収入の安定的確保と日本専売公社の自主性の向上、その経営の効率化を図る見地から所要の改正を行うこととしております。 以下、この法律案につきまして、その大要を御説明申し上げます。 第一に、製造たばこの小売定価を改定するため、製造たばこ定価法において法定されている種類ごと、等級別の最高価格を、紙巻たばこについては十本当たり十円ないし三十円、パイプたばこについては十グラム当たり十二円、葉巻たばこについては一本当たり十円ないし四十円、それぞれ引き上げることとしております。 第二に、専売納付金制度の改正につきましては、現在、日本専売公社法において、専売納付金の額は、日本専売公社の純利益から内部留保の額を控除した額と定められておりますが、これを製造たばこの種類ごと、等級別に応じ、小売定価に売り渡し数量を乗じた額に法律で定める率を乗じて得た額から、道府県たばた消費税及び市町村たばこ消費税の額を差し引いた金額とすることとし、これにより、財政収入の安定的確保を図るとともに、小売定価に占める国及び地方の財政収入となる金額の割合を明らかにすることとしております。 なお、法律で定める率は、製造たばこの種類ごと、等級別に応じ、三一・〇%ないし五六・五%と定めることといたしております。 第三に、専売納付金制度を改正することに伴って、日本専売公社の経営がその企業努力だけでは吸収し得ない原価の上昇によって圧迫されるおそれが生ずることとなることにかんがみ、現行の最高価格法定制を基本的に維持しながら、たばこ事業において損失が生じた場合または生ずることが確実であると認められる場合で、たばこ事業の健全にして能率的な経営を維持するために必要と認める場合に限り、大蔵大臣は、あらかじめ専売事業審議会の議を経た上、法律で定める最高価格に一・三%を乗じた額を限度として、物価等変動率の範囲内において、製造たばこの種類ごと、等級別に暫定的な最高価格を定めることができることとしております。 このほか、専売納付金制度の改正に関連し、輸入製造たばこの価格決定方式を明確化するため、関税定率法において、日本専売公社が輸入する製造たばこを無条件免税の対象から除くとともに、製造たばこに係る関税率を改定する等所要の改正を行うこととしております。 以上、この法律案につきまして、提案の理由及びその内容を申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。——ちょっと訂正を申し上げます。 大蔵大臣は、あらかじめ専売事業審議会の議を経た上、法律で定める最高価格に一・三を乗じた額を限度として、と申し上げなければいかぬところを、一・三%と申し上げましたので、訂正を申し上げます。
○加藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○加藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、ただいま議題となっております本案について、来る二十六日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○加藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 ただいま提案された専売公社法の一部を改正する法律案、これはいま各界から非常に注目をされているところであろうと思います。いままでも、先般の五十年の値上げなどあったわけでありますが、今回は、あのときとはまた変わった事情のもとで注目をされているということではないかと思います。 言うまでもありませんが、一つは、この値上げに関係をする諸問題について、消費者を初め小売店、葉たばこ耕作者あるいは専売に働く職員、各界非常に注目をいたしているところでありますが、それらとの影響、関連がどうなるのかということがあると思います。もう一つは、制度の改正が伴いますので、経営元年ということが言われているようでありますが、これから中長期の見通しの中で問題のない内容として出ているのかどうかということも指摘をされているということではないかと思います。それで、その二つの点を重点にして質問をしたいと思います。 まず最初に、今回の値上げ、それから制度改正、それらが公社経営にとって、あるいはたばこ産業関係者にとって一体どういう影響を持ってくるのかということを最初の柱にしてお伺いしたいわけでありますが、まず、納付金率五五・五%平均ということになっているわけであります。この税部分を明らかにするということは前からも指摘をされたことでありますが、今回いまの時期に五五・五%平均ということを決めるのが妥当なのかどうなのか。いま大臣がちょっと間違えながら読み上げました内容を見ましても、今回の改正の目的といたしまして「たばこの価格形成方式の明確化、財政収入の安定的確保と日本専売公社の自主性の向上、その経営の効率化」などが書いてあります。幾つかそういうことが書いてありますけれども、つまるところ財政要求だけが先行しているということであって、健全な経営視点、中長期のこれからの展望ということはどうもはっきりしないではないかという点を感ずるわけでありますが、まず、今回の提案の納付金率の根拠とそれからその妥当性、考え方について説明してください。
○名本政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御質問いただきました納付金率平均水準五五・五%でございますが、納付金率を今回設定しようといたしております目的は、先ほど提案理由で御説明申し上げたとおりでございますけれども、新たにこれを設定するに当たりまして、専売公社の中長期的な今後の経営見通しというものも十分判断をいたし、一方において適切な内部留保というものが可能であるかどうかというようなことも判断をいたしまして、同時に、過去におきます専売納付金及び地方たばこ消費税、これらが定価に占めておりますところの割合、そういうものの経緯、それから一方におきましては、外国におきましてたばこというものがどの程度の財政の寄与をいたしておるかというようなこと、さらに、国と地方とに対しましてたばこが財政的にどの程度寄与するのがよろしいか。私どもの考え方といたしましては、現在たばこが国、地方の財政に対しまして寄与しております金額は一兆を超える大きなお金でございます。これが国、地方に対してどういうような割合で寄与するのが適当であるかというような点を考慮いたしまして、現在御提案申し上げております平均五五・五%程度になります納付金率を設定いたしたいということでございます。
○伊藤(茂)委員 各論それぞれいまの説明に関連をして詳しく聞いていきたいと思いますが、その前に総裁に、今回のこういう大幅な改正、そうしてまた制度上の問題ということについて、どういう姿勢を持ってお考えになったのかを伺っておきたいと私は思うのです。 いまの話を聞いても私は、いままでの方式での納付金の経過、そういう過去の経過を振り返りながら、果たして今後もそれでいいのかどうかもちょっと考えて、それで財政事情のことを特に考えながら五五・五平均というのが出てきたのではないかと思うのです。ただ、これから詳しく聞いていきたいと思いますが、たばこ産業をめぐる情勢というのは非常に大きな転換期になっている、その兆しが五十年代になってからずっとあらわれているということではないだろうか。私から言うまでもない、はっきり痛感されていることだと思いますが、需要の長期停滞ということもこれは嫌煙権運動初めいろいろな要素から確認をされなければならぬことであります。あるいは物価のインフレの危険性が各界から指摘をされているという中でコスト要因、原材料、人件費のこれからの暴騰ということも、予想されたテンポよりも高めで推移するというのがこれからの経済の実態ではないかという感じもいたします。それから今回も二一%平均、それにさらに三〇%つくわけでありますから、言うならば合計しますと、この前の四八%よりも、戦後最大の高率の値上げの中味が盛られている。こういうことが繰り返された場合にまた消費の減ということになるだろう。何かそういう要素がこれからの見通しの中での不可避の要因ではないだろうか。 そういたしますと、値上げそれから消費減、さまざまの要素がそれに加わって悪循環のどろ沼に陥っていくという気がするわけでありますが、そうではない姿勢と見通しをもってこれからの経営に当たる確信があるのか。それならば、経営元年と言われますが、具体的な中味は別にして、どういう姿勢とどういう指標を持ってこれからの展望を考えているのか、総論的にその姿勢をまず伺いたい。
○泉説明員 お答えいたします。 前回昭和五十年の十二月に製造たばこの小売価格を改定いたしました後、たばこの消費はかなり停滞ぎみになっておることはおっしゃるとおりでございます。これは一つは、不況が長引いておりますということ、それから、それ以前は成年人口の伸び率が二%程度でありましたものが、五十年代に入りましてから一%程度に落ちておるということ、それからいまお話もございましたように、特に昨年の春以来、いわゆる嫌煙権運動というものが起きてまいりまして、喫煙場所の制限であるとかあるいは喫煙の時間が設けられるというようなことなどがございまして、消費はきわめて停滞いたしておるところでございます。 しかし、先ほど大蔵大臣から提案理由を申し上げましたように、今回の改正によりまして、従来は専売納付金は専売公社の利益の中から留保を差し引きまして納付するという形になっておりまして、本来たばこにかかる消費税相当分と営業利益相当分とがいわば混在しておったわけであります。今度はそれを改めまして、たばこの販売数量に応じまして種類別、等級別に定められました納付金率を乗じまして、そこから地方たばこ消費税を控除しましたものを国に対して専売納付金として納付するということになりまして、その残りは公社の利益であるということになるわけであります。 そういうふうになりますと、財政の安定的な収入の確保と同時に、専売公社としては明確にされた利益部分を確保するということが経営目標として定められることになるわけでありまして、そういう意味では、いままで公社が経営努力をいたしましても、それは利益の中から専売納付金として納付しなければならぬということで、経営努力の成果がはっきりしないのみならず、それを公社の経営がよかった結果であるということも言えなかったような状態でありますが、いま申し上げましたような形になりますと、公社の経営の努力の成果というものがはっきり評価されることになるわけであります。そういう意味で、公社経営の目標がはっきりできる、これは大きな利点であろうかと思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、消費が停滞的な傾向にある中におきまして、経営努力の成果を上げるにつきましてはなかなか容易ではございません。私どもといたしましては、今後そういう意味で、従来にも増して厳しい経営環境になることと存じますけれども、公社職員一丸となって努力いたしまして、そういった経営成果を十分上げるようにいたしてまいりたいと思うのでございます。 ただ、長期的に申し上げますと、たばこの消費はわが国の場合かなり上がってまいっておりまして、成年人口一人当たりの消費本数にいたしましても、アメリカに次いで多いわけでございます。したがって、そういう点からいたしますと、今後著しく消費が伸び、それによって利益が大いに上がっていくという状態はなかなか想定できにくいのでございまして、大いに努力いたしましても、ごくわずかの経営成果を引き出すことができる程度であろうかとは思うのであります。しかし私どもは、新しく経営目標がはっきりいたしますので、それに向かって大いに努力してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○伊藤(茂)委員 一般的な気持ちは伺いました。厳しい環境の中でがんばっていきたいというわけであります。気持ちは気持ちとして、問題は、計画の中身が具体的、科学的にどう持てるのかということになってくるわけだと思います。そういう幾つかの主要な要素を伺ってみたいと思います。 まず一つは、これからの需要見通しの問題であります。先のこともあるから聞きますが、たとえば今回の値上げを含めて五十四年度どういう見通しを持っているのか、この点でも私は非常に危惧を感じます。提出されている専売公社事業計画、これを見ますと、五十四年度の事業計画といたしまして、国内販売部分、たとえば紙巻たばこの分ですが、本数が三千二十億本という計算で計画が立てられています。これに対応して値上げの分も含めた金額その他の要素が出されているわけであります。 きのう公社の方で発表された数字を見ましても、五十二年度と比べて五十三年度売り上げは、本数で当初の見込みは三・二八%の増を見込んだのに対して〇・一%の増である、そして五十二年のときと比べて金額でも本数でも増は減っているということが昨日報告をされているようです。総裁がこの前、エコノミストか何かでインタビューされているのを読ませていただいたのですが、前回の値上げのときにも相当長期にわたって売り上げの減がございました。そうして今回の場合はどうか。三、四%ぐらい、公社の方でも大体百十億本から百二十億本ぐらい減るだろうという見通しのようだと思います。前回値上げの年度は百七十一億本減った。そうしてまた最近の様子を見ますと、値上げの機会に節約ということもあるし、値上げを機に禁煙という動きも相当あるんじゃないかという気がするわけであります。そういうことを考えますと、予算書で出されている三千二十億本ということがどだい無理なのであって、大体二千九百億本、三千億本足らずというのが五十四年度の計画として見るべき数字ではないか、計画の基本的な本数自体に見通しとして危惧の念といいますか、問題があるのではないかというふうに思うわけでありますが、その点はどうですか。
○泉説明員 お話しのように、昭和五十四年度の予算におきましては、定価改定を行わない場合におきましては三千百三十億本の売れ行きを見込んでおりました。これは先ほど申し上げましたように、昭和五十三年度におきましては、春以来の嫌煙権運動とそれから不況が長引いておったことによりまして消費の伸びが落ちたわけでありますが、御存じのように、昭和五十二年度におきましては四・二%、百二十億本増加いたしたのでありまして、そういう点からいたしますと今回の値上げは、先ほどお話がございましたけれども、私どもは平均二〇%の値上げでありまして、昭和五十年のときの四八・五%の値上げに比べますとかなり低目の値上げでございますので、その影響は前回ほどのことはなかろうというふうに考えておるのでありまして、もちろん昭和四十三年のときの値上げは一八%程度でございましたので、それよりはちょっと多目でありますけれども、その当時と事情が変わっておりますから、そのまま昭和四十三年のときの状況が適用できるとは思っておりません。したがって、三千百三十億本から百十億本ほど減りまして三千二十億本の売り上げを期待いたしておるわけでありますけれども、その期待は先ほど申し上げましたように、五十三年の特異な状態が五十四年度は変わってくるのではないか。一つは、御存じのように、昨年の末ごろから景気が回復しかけております。その景気が回復しますと、たばこの場合には約半年おくれでその影響が出てまいるというふうに私ども見ております。したがって今後たばこの消費はそういう意味ではふえるのではないか。それからまた、今年の春闘によるベースアップもある程度期待できるのではなかろうかといったような点からいたしまして、なかなかむずかしい情勢にあることは十分承知いたしておりますけれども、予算に見込んだ程度の販売につきまして、私どもが努力をすれば達成可能でないかというふうに考えておるのであります。 と同時に、コストの点でございますけれども、御存じのようにオイルショック直後におきましては、大変コストの上昇が大きかったわけでございますが、その後は、一般物価が鎮静してまいりますに応じまして、専売公社のコスト上昇もかなりなだらかになっておりまして、お話しのように今後インフレの危険があるのではないかという御指摘がございますけれども、私どもとしてはここ当分は、それほど大きなコストの上昇なくしてやっていけるのではないかというふうに考えておるのでございます。
○伊藤(茂)委員 いま販売の本数のことなど言っているわけでありますが、私は何もたくさん売れればいいというわけではもちろんありません。やはりそれぞれの個人の好みもあります。健康との関連の問題もあります。それから、これから社会的ないろいろな要素の中でどれだけの消費が適当なのかということが決まっていくわけでありましょう。私がいま問題にしているのは、やはり科学的なきちんとした見通しと計画を持って今度の制度改正が行われるのかどうかということを言っているわけであります。 いま総裁の御説明を伺いましたが、私は違うと思います。値上げをしないときには三千百四十億本を売りたい、値上げの分の百億本余りの減少が予想されるので三千二十億本、いろいろ厳しい情勢があるけれども、売る努力をしていきたいというわけであります。しかし、五十二年と五十三年の経過を見ましてもわずか〇・一%増、それからその中身を見ますと大都市部で軒並みダウンしている。大都市部のこういう状況、市民の意識形態というのはこれから全国に広がっていくという方向づけを示していると受け取るべきなのではないのだろうかという気が私はいたします。そして三億本の増にとどまっているわけであります。私は五十年代に入ってからしばらくの間の傾向を見ましても、たばこの需給関係というものは構造的に変わってきている。前にございました、四十年代に大幅にふえたああいうふうな構造はもうないと考えるのが適当なのではないだろうか。ですから、五十二年から五十三年で〇・一%の増なのに、五十三年から五十四年に百億本以上ふえるという見通しがどうして持てるのか、私はこれは架空の見通しでしかないということではないだろうかと思うのです。専売公社でいろいろ研究開発の努力をされて、たばこを吸うとぜんそくが治るとか、薬になるようなたばこでも開発されればこれは別だと思いますが、そうでない限りむずかしいのではないだろうか。そして物価、嫌煙権運動その他いろいろな要素の中で、構造的に需給関係が変わっているのだという見通しの中で今後の計画を考えるべきではないだろうかと思うわけでありますが、いまの総裁の御説明では、言うならば架空の見通しということに終わるのではないだろうか。 それから兼ね合わせて、いわゆる五一中計と言われている中期計画、これに伴って公社の方では、これからの数年の見通しの中で、当然五十一年から五十五年までもそうでありますが、その先も含めて販売本数なり販売数量が一体どういう見通しになるのだろうかということは、重要なべースに試算をして押さえられて、そして計画を立てられているということだと思います。ですから、いわゆる五一中計、中期計画五十一年から五十五年、ではその五十五年、来年度の終わりまで一体どのくらいの本数を考えているのか。それから定価法定制の緩和もあって、後ほど伺いますが、これから何年間ぐらいで三割上げるつもりなのかという見通しのこともあるわけでありますが、たとえばこれから三年、五年含めて中期見通しで見て、たばこの販売、需要というものをどういうふうに御判断になっているのか。いかがでしょうか。
○立川説明員 販売の見通しでございますけれども、五十四年度につきましては、先ほど総裁が申し上げましたように三千二十億というのは、公社にとりましては大変重い数字のような感じがいたしますけれども、それに向かって努力すればできなくはない計画だというふうに考えております。 その先の話でございますが、中期計画をつくります場合には、数字そのものはローリングプランということで毎年状況の変化に応じて見直しております。当初二次中計をつくりましたときは、百億本とか八十億本は年に伸びるであろうといった感じの想定をいたしておりましたけれども、最近はこういうような構造変化の兆しが見えておりますものですから、最近の状況を踏まえまして、定価改定後の需要の見通しを得た上で定めてまいりたい、かように考えております。ただ価格改定がない場合にも、二、三年前に百億本、八十億本は年に伸びるであろうということで想定しておりました数字は、若干落ちるような感じでございます。
○伊藤(茂)委員 何とか三千二十億本売れるようにしたい、それから先の見通しも厳しいがという話でありますが、率直に言って、制度改正をするという大きな転機ですから、甘い見通しあるいはまた努力をすれば厳しいが何とかなるだろうという見通しでは私はおかしいと思うのです。こういう機会にかたい見通しなり、それから後ほど申し上げる健康との関連その他も含めてやはり国民に安心して見通しを提示できる、そういうプランをつくっていくという努力が非常に大事なのではないだろうか。たとえばこれから三〇%の範囲内で法定制の緩和という問題があります。では、一体どういう経済見通しの中でいつごろどういうふうになるのか、そのときには一体公社の経営はどうなっているのか、そんなことは何にもわからぬで、緩和することだけ国会に出して審議をしろと言われても、私どもは国民に責任を持ってかたい内容の審議ができないのではないだろうかという気がするわけであります。 いずれにしても、五十四年度三千二十億本という計画が出されておりますけれども、昨年とことしの経過、昨日公社の方で発表になったこの一年間の経過の数字から見てもむずかしいだろうということぐらいは踏まえてもらって、そしてでは、具体的にこういうものをどう訂正しながらやっていくのかということをお考えになるべきではないだろうか。これはきょうの幾つかの新聞に載っておりましたこの一年間の経過を見ても、大体素直に多くの国民がそう思うということではないだろうかと思うのですが、重ねてそこを伺っておきたい。
○泉説明員 お話しのように、昭和五十三年度の売り上げ本数は私どもの予定より大変低くなっておるわけでございます。しかしこれは先ほども申し上げましたように、五十三年度の特異な現象であると私どもは見ておるわけであります。もちろん、昭和四十年代当時のように前年度に比べまして五%も六%もあるいは七%もふえたようなことは今後は期待できない、せいぜい三%以内、二・何%程度の伸びしか期待できないということは、私どももそのように思っておるわけでございます。しかし、努力すれば相当の販売は期待できると思っておりますし、先ほどお話しの五十一年中計につきましても、一応の数字は持っておりますが、これは当初予定をしておった数字より現在の見通しではかなり低目になってまいっております。そこで私どもは、定価改定が終わりました後、この五十一年中計につきましても見直しをする、そしていまお話しのようにかたい計画を立てていきたいというふうに考えておるところでございまして、そのかたい計画でどのようになるかは、今後値上げによって消費がどの程度落ちて、それがどの程度の期間で回復するのか、その辺を見きわめながら考えていきたい、このように思っておるところでございます。
○伊藤(茂)委員 総裁も責任者としてこれからの見通し、計画その他いろいろと苦労されるところだと思いますが、私はそういう努力をこういう機会におやりになることが適切なことなのではないだろうかと思います。 ちょっと大臣、いま総裁の方から、販売の本数その他いろいろなこれからの見通し、確かにはっきり見通しのつかないいろいろな要素がある。それからきょうの新聞を見ても、何か公社の発表の中でも語られているようですが、やはりたばこの需給関係というものが構造的に変化をしてきている、これは国民のニーズとの関連で構造的に変化してきているのじゃないかという認識も語られているようです。私は率直にそのとおりだと思います。そういう見通しをきちんと持って、その中で値上げの問題あるいは今度の制度改正というものが責任を持って国民に説明できる、こういうのが適切な当然の方向だろうと私は思うのです。ところがいま総裁が言われましたが、五一中計にしても、五十五年度までですから、中期計画として当然ローリングもあるでしょうし、ローリングの見直しも当然でしょうと思いますし、いろいろな見直しもしなければならぬ。それからこれからのいろいろな要素を、かたい見通しあるいはかたい計画をつくらなければならぬということを言われています。私は責任者としては当然お考えになることだろうと思います。 そういうことを考えますと、いろいろな意味で転換期であり、もっとかたい見通しをつくり、そういう努力をしなければならぬ。そういう中期の見通しをきちんと立てて、一体これからどうなるのかということを国民に御説明できるようにしなければならぬ。そういうことを一年ぐらいおやりになった上で、五五・五が適切なのか、あるいは今度の制度改正の中身以上、もっとこういう点を考えるべきだということをやっていく、そういうことをやるのがいまの総裁のお話からしても妥当なのではないだろうか。何が何でも早くこれを通せというのではなくて、やはりいままでのお話を伺っても、この際もう一度一年ぐらいじっくり考えてみて、それから民主的な審議会もつくって検討して考えるというのが妥当なのではないかと思いますが、いかがですか。
○金子(一)国務大臣 総裁もいま申し上げておりますように、世界的に嫌煙の空気が少し広まってきておりまするから、今後の見通しはなかなか正確なところを立てるのはむずかしいと思いまするけれども、世界的なたばこの価格の水準から考え、あるいは国、地方の財政収入に占めるウエート等から考えたならば、いまの五五・何%というのは決して無理な数字ではないと私どもは考えておる次第でございます。今後の中期の的確な経済見通しの上に立ってもう一度しっかり考え直せとおっしゃいますけれども、そういう点も踏まえて、大体ここら辺ならば確実にいけるわいということで専売公社が自信を持ってお願いを申し上げているような状況だと考えておりますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○伊藤(茂)委員 大臣、話が大ざっぱ過ぎますよ。要するにいまあるのは、五十一年から五十五年まで中期経営計画というものがある。それで、これからこの中身についても注意深くやっていかなければ大変だ。そうしてこれから定価法定制を緩和してさらに自由に上げられるようにしようというわけでしょう。まあ自由になっては困りますけれども、それでは一体これから少なくとも三年とか五年、それくらいまでの主な指標くらいは、こういう姿勢とこういう見通しでやっていきたいということを考えて、経営元年というのですから法案を出されるというのが当然だろう。それがないから、大臣も提案理由に幾つか要素を並べられておりますけれども、要するに財政事情があるから、安定して国の方にお金が入るようにしろということだけが唯一の要素になっているのではないか。 論争する時間は余りありませんから、後ほどまた議論があると思いますから、そういう意味で、いまの時点でいきなりこれを決めるというのではなくて、やはりしっかりした見通しなり何なりというものを各界にいろいろ議論してもらう、民主的な審議会もつくり直して議論する、そういう上に立って五五・五が適切であるのかどうなのか、一年ぐらい議論した上で決めるというのが妥当であろうと私は思うということだけを指摘しておきたいと思います。 もう一つの要素から中期の展望について意見を聞きたいのですが、喫煙人口の変化の展望というものをどう持つのか、それと健康との関係が関連をしてまいるわけでありますけれども、いま成人男女の喫煙人口でいいますと、日本では成人男子が七五%、そして女性が一六%、アメリカの方では男性が四〇%、女性が三〇%くらいと伺っているわけであります。もう一つの要素として、先ほど御説明いただきました成人人口の伸び、これも先ほどのお話のように十年前の半分くらいになっている、成人人口の伸びも大きくなくなっているというふうなこともあります。私はこれから考えますと、少なくとも成人男子の七五%がたばこを吸う、これがさらにふえるということは期待できないと思います。アメリカ並みに一挙にかどうか知りませんけれども、やはりだんだん減少していくという可能性が強いのではないだろうか。これも後の中長期の見通しに影響してくると思いますが、その辺をどう判断されているのかが一つ。 それからもう一つは、たばこと健康ということについて国際的ないろいろな議論がされているわけでありますが、この問題意識について日本の方がアメリカ、ヨーロッパに比べて、政府の方も公社の方も非常に取り組みがおくれているということはないかということがいろいろな報道などでも指摘をされている。これは国民の健康とたばこのことでありますから、より健康に悪い害を与えないような研究開発などを一生懸命やって、それも国民にお知らせをしていくという努力は精力的にやるのが当然であろうというふうに思うわけであります。 そういう意味で、嫌煙権運動というものをどう見るのかというようなこともあるわけでありますが、これからの見通しに関連をして、一つは、喫煙人口というものをアメリカと比較をして、たとえば成人男子の場合にそういう状況が長期にどういうふうになっていくんだろうと思っておられるのか。それから、たばこと健康ということについてのさらに積極的な適切な対応についてどうお考えになっているのか、その辺いかがでしょう。
○泉説明員 お話しのように、わが国の成年男子の喫煙者率は七五%、女子の場合二八%となっております。この成年男子の七五%というのは、諸外国に比べましてかなり高い数字でございますが、これはかつて昭和四十一、二年当時八三%という喫煙者率であったものが、その後だんだん低下いたしましていまのような数字になっておるわけであります。そういう喫煙者率から計算いたしますと、わが国の喫煙者は三千五百万人というふうに見込まれるわけであります。今後その喫煙人口がどういうふうになるかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、一つは、成年人口成りが年々一%程度ございますので、喫煙者率が若干落ちるということは想定しなければならないと思いますけれども、三千五百万人という喫煙人口がそんなに減ることはまずないというふうに私どもは見ておるところでございます。喫煙人口がだんだんとふえてまいりまして、いまの三千五百万人に達した経緯からいたしまして、そのように予測して差し支えないのではないかというふうに思っております。ただ、昭和七十年ないし八十年ころになりますと、御存じのようにわが国の社会は老齢化社会になりまして、そのころになりますと喫煙人口は落ちていくのではないかというふうに考えておりますけれども、当面十年程度のところではそんなに落ちないのではないかというふうに考えておるのでございます。 それから、先ほどちょっとお話がございましたけれども、今回二〇%程度値上げを行いまして、経営努力をいたしますと、生産コストが今後どのように上昇するかの見通しがなかなかつけにくいのでございますけれども、私どもは政府の見通しによる物価の推移というものから考えますと、今回御提案申し上げておるたばこ定価の法定制の緩和によりまして、専売公社が欠損になるかあるいは欠損になることが確実と認められる場合というのは恐らく昭和五十八年ないし九年になろうかと思うのでございまして、その間は今度改定をお願いしました価格で推移できる、欠損を生じなくて推移できる、このように見通しておるのでございます。
○伊藤(茂)委員 法定制緩和に関係した見通しのことは後でもうちょっと詳しく伺いたいと思いますが、もう一つ健康に関係をしてちょっと簡単なことを伺いたいのです。 「健康のため 吸いすぎに注意しましょう」と書いてあります。たとえばアメリカ、ヨーロッパのたばこの場合には、若干違いはあるようですが、一般的に言ってもっと厳しい、有害ですよということをアピールする表示がなされておるようです。それから輸入の非常に多い品目は国内のあれに合わせたという取り扱いになっておるようです。これはどうなんですか、「健康のため 吸いすぎに注意しましょう」と書いてありますが、アメリカの場合でもヨーロッパの場合でももっときつい表現になっておる。これは日本のたばこの方が、専売公社も非常に開発の努力、研究をされて、たとえばニコチン分とかタール分とかなんとか含めてアメリカのたばこよりも害は少ないということで、よりソフトな表現になっているということなのか、あるいはそうではなくてもっと注意すべきであるという研究か何か、そちらがおくれているのであれになっているのか、表示の違いというのはその品質と比べてどういうふうに違うのですか。同じなのですか。
○泉説明員 十数年前イギリスの王立医師会におきまして、たばこの喫煙が健康にとって問題であるということが指摘されましてから、WHO、世界保健機構におきまして、そういう注意表示といいますか警告表示を行うべきだということが言われておりまして、世界各国でそういう表示がなされておるわけでございますが、その表示の中身を見ますといろいろな形がございまして、イギリスのように「キャン・ダメージ」であるとか、あるいはアメリカのように「デンジャラス・ツー・ユア・ヘルス」であるとかいうような表現がございますけれども、たとえばカナダのように「エクセス・スモーキング」、つまり吸い過ぎは健康によくない、こういった表現もあるわけでございまして、わが日本の場合は御存じのように「健康のため吸いすぎに注意しましょう」ということでありまして、これはやはりカナダの、まあカナダの方が後でありますからカナダの方が日本をまねしたのかもしれませんけれども、カナダと同じような表現になっておるわけでございます。 私は、英語の語感と日本語の語感といろいろ違いますので、なかなか評価はむずかしいかと思いますけれども、しかし「健康のため 吸いすぎに注意しましょう」ということは、たばこと健康の問題を考えて、吸い過ぎしないようにしてもらいたいという願望が込めてあるわけでありまして、この表現で適当ではないかと思うのでございます。 他方、健康と喫煙の問題につきましては、世界的にいろいろ研究がなされております。わが国におきましてもそういう研究はずいぶん行われておりまして、私どももすでに長い間にわたって医学界の方々にお願いいたしまして、健康と喫煙の問題につきまして専門的に検討してもらっておるのでございまして、その検討の結果は決して諸外国におくれておるものとは思っておりません。そしてまた、その検討の結果を反映いたしまして、できるだけソフトなたばこをつくるという技術につきましても努力してまいっておりまして、その成果も上がっておると私どもは考えております。平均のニコチン及びタールのレベルにおきましては、諸外国のうちで西ドイツは特に低いのでありますが、それを除きますと、諸外国とほぼ同程度になっておるというふうに感じておるのでございます。ただ、わが国の製造たばこの技術の面からいたしますと、ニコチンの量は諸外国と大体同じようでありますけれども、タールにつきましてはまだ必ずしも十分でございませんので、その点は今後改善していかなくてはならないというふうに考えております。
○伊藤(茂)委員 いまのお話を伺いますと、その表示の内容、程度の問題とそれからこの品質のアベレージの差、そういうものは余り関係がないようでありますが、たばこというのは嗜好品でありますから、たばこをお吸いになる。私も大分吸う方ですが、気分が落ちつくとかいうようなことで吸う。それからたばこの表示も「吸いすぎに注意しましょう」と書いてありますが、まあ周りからも、家へ帰っても、余り吸わない方がいいよとかときどき注意をされるというのが最近は多いということだと思いますが、私はそれらのことについて公社の方でも、たばこを売らなくちゃならぬというので極力避けるという姿勢はとっていないと思いますけれども、やはり国民に極力ソフトな、先ほど総裁もおっしゃいましたが、そういうソフトな、より害の少ない商品を開発していく努力、それと同時に、WHO、それから諸外国で出されているたばこと健康との関連などについても、やはりいままで以上に積極的な努力をされていく、そしてまたそれらについて何か国民に対する提起が必要ならば出していくということが必要ではないか。 今度の法案に関係をして私、若干調べてみましたら、これは公社の方でも当然御承知だと思いますが、健康保険組合連合会の機関誌に「喫煙の経済的損失」というので前田さんという方が出されておりまして、「煙の代償年に一兆二千億」とか、それから先日はがん研の平山博士が心臓血管病に非常に悪いというデータを出されている。いろいろなこういうデータなどが出される、それからほかの医者グループではいろいろなところからも出されてくるわけでありますが、それぞれの研究もあると思いますし、公社としてのいろいろな勉強も当然あるだろうと思います。その辺、大体どういう取り組みかどういう姿勢でこういうものは扱っておられますか。
○小幡説明員 お答え申し上げます。 健康の問題はなかなか複雑な問題でございます。公社としましても、昭和三十二年から外部の医学の専門の先生方にお願いいたしまして、この研究を拡充いたしております。最初は肺がんとたばこの関係をやっていたわけでございますが、だんだん循環器とか呼吸器疾患、こういうものを加えましたり、あるいはたばこニコチンの病理とか臨床、薬理、そういった広い分野にわたりまして研究内容の拡充を図ってきたわけでございます。最近はまた、いわゆる受動喫煙、パッシブスモーキング、たばこを吸わない人がたばこを吸う方の煙によって影響を受けるという問題、こういった室内環境の問題、こういった問題につきましても鋭意研究に努めているわけでございます。 しかしながら、喫煙と健康の影響問題というのは非常にむずかしゅうございまして、外的素因あるいはその方の内的素因、いろいろな要因が複合いたしておりまして、その中から喫煙という要因というような特定の、要因を切り離して追求するということはなかなかむずかしい。そういうわけで、先生方も鋭意努力していただいておりますが、その研究がなかなか完了ということに至らない、依然としてまだ途上にあるという段階でございます。ただ私どもといたしましては、いまこういった喫煙と健康問題に対します社会的関心が非常に高まっております、こういうことを十分承知いたしておりますので、この研究内容を鋭意拡充したい、さらにさらに努力するつもりでございます。 ただいま先生御指摘の、たとえばたばこによる経済的損失が一兆四千億あるというようなある研究者の方の御報告も承知いたしておりますが、こういった問題はなかなか形であらわれないいろいろな精神的な問題もございますので、単にそういった経済的な損失だけを比較することはなかなかむずかしいのではないかと思っておりますけれども、問題が問題でございますので、私どもは何とか国民の皆さんに安心して吸ってもらえるようなたばこを開発していきたいということで、低ニコチン、低タールという製品を指向いたしましたり、またその過程におきまして、巻き紙とか加工技術とかあるいは香料の改良、いまいろいろ手を尽くしているようなわけでございますので、今後もよろしくお願いしたいと思っております。
○伊藤(茂)委員 私この法案に関係をして「たばこの歴史」という本を買ってきて読んでみました。一四〇〇年代、特に一五〇〇年ごろから、コロンブスがどこかで発見をしてヨーロッパに持ち帰ってどうとかというような経過、それからたばこを一五〇〇年代、一六〇〇年代の昔、これは悪魔の葉であると言って禁止をするために極刑を科したり、それでもどうにもならぬというようなことを読んでみたのですが、いずれにしても、たばこを吸えば薬になるというようなことでも発明されない限り、たばこは健康に有益であると思って吸っている人はいないと思うのです。ただ気分が安らぐとかいろいろな意味の要素があって、嗜好としてたばこが広般に吸われているということだと思います。そういう中で、たばこに対する価値観というものもいろいろな要素でこれから定まってくることでありましょう。しかし現実に吸われている中では、より健康に害の少ない開発、それらについての研究の努力、それからそれらを啓蒙していく努力、それらをとにかくなるべくほっかぶりしてたばこを売ろうということじゃなくて真剣に進めていく、そういう姿勢を出してもらうということが必要ではないかと思います。この面ではさらにそういう努力をお願いしていきたいと思います。 それからもう一つ、定価法定制の緩和のことでお伺いしたいのですが、さっきも総裁ちょっと言われておりましたが、三〇%の枠内でというわけであります。そして、さっき申し上げました雑誌エコノミストでの総裁のインタビューを読ましてもらいましたが、一回か二回、強いて言えば一回半なんという表現をされておりましたが、実際問題としてこれをやる場合でも、五%ずつ六回でやるなんということはあり得ないわけなんで、恐らく一回とか二回ということでやろうというねらいなのだろうと思います。それから、これからの物価動向その他いろいろな要素がありますから、どうお考えになっているのか、その辺をちょっと説明していただけますか。
○名本政府委員 法定制を緩和いたします場合に三割の限度を設けさせていただいているわけでございますが、おっしゃいますとおり、今後の物価動向はどうなるかによりまして非常に見通しが変わってまいります。しかし、総裁からお答え申し上げましたとおり、五十四年度の経済見通しが今後も仮に継続するということでいろいろ検討いたしてみますと、五十九年ごろまでには原価の上昇によりまして、現在五十四年度予算で予定しております四%程度の内部留保が食いつぶされて赤字に転落するであろうというふうに考えられます。そういうふうな状況からいたしますと、その赤字に転落いたします時期におきます原価の上昇率を現在から考えてみますと、三割近いものに到達する。したがいまして、お許しいただきます範囲といたしましては原価の上昇分を回復させていただく、それを一つのめどとさせていただきたいというので三割をお願いしておるようなわけでございまして、実際の運用といたしましては、値上げをいたさなければならない赤字に転落いたしましたときのたばこの消費の動向、これが値上げによりまして将来の消費にどのように影響するかというようなことも検討いたしまして、原価の上昇分を回復するすべてについて値上げをいたすことにするのか、極力小幅にとどめて消費動向をにらみ合わせながらやっていくのか、それはその値上げを行わなければならない時点におきます消費動向、経済動向、そういうものから判断をしてまいらなければならないのではなかろうか、かように思うわけでございますが、仮に原価上昇した部分を回復するということになりますと、先生がおっしゃいますとおり、これは一回程度しかできないだろうというような見通しになろうかと思います。
○伊藤(茂)委員 さっきも総裁も五十九年ということをちょっと言われましたが、私はこれも非常に主観的願望の見通しじゃないだろうか。いま出されている政府見通しでは物価でも四・九とか、この四・九に五十四年度が終わると考えている人は大臣も含めてほとんどいないんじゃないかというふうに思うわけであります。それから日銀総裁も言われているように、これからはいかに物価を抑えていくのかということが政策的には最大の焦点になってくるということも各界から指摘をされている。にもかかわらず、財政インフレの危険性も含めてそういう懸念が非常に強いことではないかと思います。何か五十九年になればどうしても赤字に転落する、いま出されている政府見通しの数字によればということなんですが、実際問題は四年もてばいい方で、大体三年過ぎた時点、三年から四年というところがむしろめどになるのではないだろうか。そしてそのときに三割上がれば、このたばこはいま百八十円になって、二百三十円になるのですね、まるまる上がれば。どうせこればかり上げるわけじゃないでしょうから、恐らく二百二十円、二百三十円の時代がどうしても三年あるいは四年後ぐらいには到来するということは皆さんも頭の中ではお考えになっているのではないか。私はいまの数字の見通しは甘いということではないだろうかと思いますが、正直のところその辺はいかがかということと、それから法定制の緩和について四つ説明がございました。決算上損失が生まれたときまたは出そうなとき、それから物価変動率の問題、三割ということでやること、それから審議会にかけるというふうな説明のようでありますが、最初の二つ、決算上赤字になったときか赤字になりそうなときという要素とそれから全体の物価上昇率、これは当然消費者物価、卸売物価の要素も絡んでくるわけでありますが、どう見るのか。それから、この二つの要素というものは同じケースで出てくるわけではありませんね。当然、パラレルには進みますけれども違ったテンポであらわれてくる。どちらが優先をしてどういうふうに判断なさるのか、その辺はどうお考えですか。
○名本政府委員 第一点の問題の見通しの点でございますけれども、五十四年度の政府経済見通しでいろいろ試算をしますと、五十九年度ごろに赤字に転落するということに相なるであろうという見通しでございますが、これが前後いたしますと、確かに五十八年、一年早く赤字に転落するということも当然考えられるわけでございます。しかしその場合に三割を値上げするということは、先生御指摘になりました条件から見ましても当然できないわけでございまして、それまでの物価等変動率、法律で書きました物価等変動率の範囲内でしか定価の改定はできないということになっております。三割をそのまますぐできるわけではございませんで、現実に物価等変動率として計算いたしましたものが二五%しか上がっておりません場合は二五%、二割しか上がってない場合は二〇%しかできないわけでございまして、三割は、それを国会の方から政府の方にお任せいただく言うならば限度でございまして、上げ得る限度ではない。定価の幅を動かすことをお許しいただく限度でありまして、実際にそれを上げることができる幅そのものではないというふうに御理解をいただきたいのでございます。 したがいまして、ただいま御説明申し上げました物価等変動率、これが今度の緩和の場合の四条件の一つに入っておるわけでございますが、この物価等変動率の計算は政令に任せていただいておりますけれども、製造原価を分解いたしまして、労賃に連動する部分、卸売物価に連動する部分、そしてまた消費者物価に連動する部分、そういうふうに分けまして、それをおのおののウエートで出してまいりまして、全体として原価部分が客観的な数値としてはこれだけ上がっておってしかるべきであったという数値を出す、これが物価等変動率として法律に書いてあるものでございます。原価を構成する諸要素を分解いたしまして客観的数値で計算した率でもってその範囲内で上げてまいる、こういうことでございます。
○伊藤(茂)委員 いままで経営に関する幾つかの柱を伺いましたが、法定制の緩和の問題でも、五十九年というのは正直言って私は見通しの甘い発言をされているというところだと思いますし、いまの経済状況その他から言うならば、三、四年くらいのうちに、一回で終わりなのか一・五回で終わりなのかわかりませんけれども、いずれにしても一番吸われているこのマイルドセブンやセブンスターが二百何十円という時代になってくる。そうしてそのときにまた消費の問題、健康との関連、喫煙人口、禁煙とかというのが出てくる。それから、公社の見通しはどうなのかということも出てくるというようなことが想像されるわけであります。 きょうの日経新聞を見ていましたら、これは正直だと思いますが、公社の方でコメントされたんじゃないかと思いますけれども、「国民の間に”構造的なたばこ離れ”が進んでいることも事実のようだ。」という表現があります。そういう認識がこの際あってこれからの計画が立てられるということではないだろうか。なお、この新聞の評論では、「今回は「値上げとともに禁煙」という人がどっと出てきそうで、公社は「値上げには最悪の時期」と早くも先行きを心配している。」正直な心配ではないだろうか、そういうふうにもされております。 ですから、これからの議論を通じてということになると思いますが、いずれにしても、いまの時点で平均五五・五%ということを決める、それから今回の値上げ、制度改正を決めるというのではなくて、やはり一年間ぐらいもう一度よく研究する。たとえばこれならこれで暫定なら暫定としてこれからじっくりと一年間ぐらい各界の意見を集めて中期の展望を、総裁も固い数字で見直してみたいと言われておるわけでありますから、こういう努力が必要なんではないだろうかということをいまの答弁を聞いていましても感ずるところであります。 それから次に、公社経営に関連してもう一つだけ伺いたいのですが、この前の五十年の値上げのときの当委員会の附帯決議がございまして、それには、関係者の合意、それから幅広く意見を聞くようにということがうたわれています。今度出ておりますことなどに関係するわけですが、「専売納付金制度、価格問題等専売事業の諸問題について抜本的な検討を深めるとともに、専売事業審議会の審議に当たっては、専売公社職員、消費者等の意見についても配慮すること。」それから「たばこ事業の運営に当たっては、消費者、葉たばこ耕作者、小売人、専売公社職員等関係者の意見を十分に尊重すること。」私はこういう大幅な改正の時期ですから、こういうときほどこの附帯決議の精神が生かされて中身が出てくるということが必要であろうと思います。その辺の努力がどうなのか。関係者の意見のあれが十分にあってこれがまとまったというふうな感じを私は持っていないわけでありますが、その辺はどうなのかということと、もう一つ、この審議会の問題であります。会長を含めて九名の審議会委員が公社法で決まっている。伺いますと、そのほか年に数回消費者会議というふうなもの、恐らく任意な形だろうと思いますが、消費者の意見を聞く努力もなされている。それから、前の健康の表示のときには専門委員という形で学識経験者に参加していただいて、一緒に審議会の議論があったというふうな経過があったようでありますが、これから国民のためのたばご事業という観点からして、あるいはまた公企体としての性格からして公共性が非常に強いわけでありますから、これらの審議会のあり方、それから職員も含めた各界の参加とかというふうな形で、より開かれた公社経営、公社運営という努力がこの際なされるべきではないかと思いますが、その二つをお答えください。
○泉説明員 今回の制度改正及び小売価格の改定の問題につきましては各種の審議会、政府の方から申し上げますと税制調査会でも御答申をいただいておりますし、また専売事業審議会でも御答申をいただいておりますし、さらに総裁の諮問機関として設置いたしましたたばこ専売事業調査会におきましても御答申をいただいておるところでございまして、その審議の過程及び御答申は大体同じものでございまして、そういう審議を通じまして、専売関係の耕作者であるとか小売人あるいは専売公社の職員は全部承知いたしておるものと考えております。 もちろん、値上げをしないで済むことができますならばそれは値上げをしないのが望ましいことは申し上げるまでもないわけでありますけれども、しかしけさほど提案理由にありましたように、財政収入の安定的確保を図るということ、それから五十年値上げ後の公社のコストアップをカバーするということからいたしますと、制度改正と同時に値上げを行わざるを得ないという認識になるわけでありまして、そういう点についての御理解は十分いただいているものと考えております。 ただ、先ほどお話がございました納付金率の平均五五・五%というような点につきましては、これはいろいろ見解の相違はあろうかと思いますけれども、御承知のように、昭和四十六年に大蔵省と専売公社の間で第一種納付金につきまして覚書方式で始めましたときには五六%でございまして、そのほかに第二種納付金があったわけでございますので、その第一種納付金はその後だんだん低下してまいっておりますけれども、第二種納付金と合わせた総合納付金率からいたしますと、五五・五%というのは必ずしもむずかしい問題ではないというわけでございまして、そういう点からいたしますと、この程度でいいのではないかという感触を得まして今回の改正案の提出になっておるところでございまして、私どもは今後とも、専売事業に関与いたしまする耕作者あるいはたばこ小売人の方、さらには専売公社の関連事業でありまするフィルター会社であるとかたばこ配送会社、そのほか公社に物品を納入しておる人たちを含めまして、十分専売事業についての理解を求めながら経営をやっていきたい、それによって今後ますます安定した姿に持っていきたい、このように考えておるところでございます。
○伊藤(茂)委員 要するに総裁、これからは国民にも開かれた経営にしていかなければならぬ、それからそういう方向により開かれたシステムを考えていくという努力が必要だと思いますが、そういうことは前向きにお考えになれますか。
○泉説明員 大変失礼いたしました。 専売事業審議会につきまして御質問がございましたのを答弁を漏らしましたが、御存じのように専売事業審議会はいま、学識経験者と専売公社の職員の代表、たばこ耕作者の代表というものから成ります九人の委員の方で御審議をいただいておるわけでありまして、そういう意味では、先般の附帯決議の趣旨に即したような委員構成になっておると思います。ただ、特に消費者代表という形ではございませんけれども、いわゆる学識経験者の方は、たばこをお吸いになる方も、男子の方もおられますれば女子の方も委員になっておられるわけでありまして、そういう点からいたしますと、委員構成は開かれた形になっておると私は考えておるのでございます。 ただそのほかにも、先ほどお話もございましたけれども、消費者会議であるとかあるいは消費者懇談会であるとかいったようなものを随時催しまして、たばこの愛好者の方あるいはたばこを吸わない人もときに入るわけでありますが、そういう人の理解を得ながら専売事業というものをやっていく必要があるというふうに考えておるのであります。また先ほどお話もございましたけれども、「健康のため 吸いすぎに注意しましょう」という表示を決めます際におきましては、普通の委員のほか特別の委員の御参加をお願いしたようなこともございまして、そういう意味では、専売事業審議会というのはかなり開かれた姿になって審議が進められておるというふうに御理解していただいて結構だと思うのでございます。
○伊藤(茂)委員 総裁、私は全然開かれてないと思うのですよね。たとえば同じように主要な農産物である米麦価の場合には、非常に広範な、もちろん生産者を大幅に含めた相当多数の委員会が構成されている。これは会長も含めて九名、それからメンバーも見せていただきましたが、それぞれりっぱな方ではあると思いますけれども、たばこ産業に関係するみんなの英知を集めて経営がうまくいくように将来を考えるという姿ではないだろうと私は思うのです。私はやはりこの際、ほかの法律制度を改正されるならば、この審議会についての公社法の部分も改正をして、三倍ぐらいにふやして考えるべきじゃないかという気がいたしますし、それから、法律以外の枠でももっと前向きに開かれた姿をつくっていく、そして公共企業体としての公益性を大いに国民の前に明らかにしていくという姿勢が求められるだろう。いまのままで大変開かれておりますというのは、ちょっと閉鎖性がひど過ぎるのではないかと思いますが、どうですか。
○名本政府委員 専売事業審議会に関しましては、総裁からお答え申し上げましたように、私どもといたしましては、広く高い立場から公社の運営全体について種々御議論をいただくべき場であるというふうに考えておりまして、たとえば今後につきましても、この審議会で価格改定の問題につきまして御審議いただくわけでございますけれども、その場合には、たとえば企画庁にございます物価安定政策会議に諮りまして意見を求めて、その意見をこの審議会に反映させるというような手続も行われる予定でございます。さらにまた、公社の方にございます消費者会議、あるいはこの制度そのものにつきましても二年以上にわたりまして種々審議をいたしまして結論を得ましたたばこ専売事業調査会、これは総裁の諮問機関でございますけれども、そういうようないろいろな機会を通じまして各層各方面の意見をいただいて、今回の制度も立案させていただいたところでございますし、今後もそういう種々の機会を通じて、各層の意見を反映できるように運営してまいるというように考えておるわけでございます。
○伊藤(茂)委員 次に、もう時間もそうありませんから二、三だけお伺いしたいと思いますが、一つは、今回の値上げと消費者との関連です。消費者の立場から見て、一つは、これは大蔵省に伺いたいのですが、いま政策的に見て、インフレの懸念性が非常に強い。物価安定が言うならばすべてに優先した政策課題になっているということも言われておりますが、そういう中では政府として、この公共料金という部分については特段の配慮が必要ということはないだろうか。ましてや今回は二一%というのですが、法定制の緩和、この内容を見てみましても、国鉄運賃の場合よりももっとイージーな仕組みになっているのではないだろうか。値上げのときには民主的に各般の意見を十分に聞いて、いろいろな歯どめもあってそれが決定されるという仕組みが必要だと思うのだけれども、そういう面が、われわれは国鉄運賃のああいう緩和にも反対はしたわけですが、あれよりもむしろイージーではないだろうかということも指摘をされておりますが、その辺を大蔵省がどう考えておられるのかということが一つ。 それから公社の方に伺いたいのは、こういう値上げがあった段階に、この製造原価なりそれから総原価、手数料、税相当部分、それらのことがどうなっているのかも含めて経営内容をもっと国民の前に明らかにする、それだけ簡単に説明してもらいたいのですが、それから、たとえば一級品、二級品、三級品の場合、それぞれの定価格とその中身の構成の数字が出てまいるわけでありますが、それが適当なのかどうかということも含めて経営内容を明らかにしていくということが必要ではないだろうか、その中身ですね。 それからもう一つ、等級別には原価はオープンにいたしますけれども、銘柄別には出さないということを従来とも言っておられたようであります。これも総裁のエコノミストの発言を引用いたしますと、今度の公社の経営の合理化ということによって、「売上本数はわかるけれども、銘柄の利益率は出てこない。こんどは銘柄別に原価を下げるにはどうしたらいいかというような目標が出てきますから、経営の目標もはっきりするし、成果もきちんと出てくる。」というようなことを言われています。そういうようなことを対外的には言われているわけですから、銘柄別も含めてもっと明らかにしていくという姿勢があっていいんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。大蔵省の方と公社の方と両方……。
○名本政府委員 まず第一点に物価の問題でございます。確かに物価問題は国民生活にとっては非常に重要な点でございますので、私どもといたしましても、今回のたばこの値上げに関しまして、物価当局とも十分検討を遂げた上での御提案であるわけでございます。これによりまして消費者物価は〇・三七%程度引き上げられることに相なりますが、一方におきまして原価の上昇、前回の値上げ以来五十三年度まででほぼ三割の原価の上昇が見込まれております。これを回復さしていただき、同時にあわせて、その結果といたしまして、非常に厳しい財政事情の中で、値上げによります一般会計収入二千二百億を確保していただく、そういう面からぜひ今回のこの値上げは御了承をちょうだいいたしたい、こういうことでございます。 第二番目の、今後の定価の改定をいたします場合のいわゆる定価法定制の緩和が国鉄よりも緩いのではないかという御指摘でございますけれども、私どもといたしましては、そのようには考えておりませんで、むしろ国鉄よりも厳しいというふうに考えておるわけでございます。先ほど来申し上げております三割の枠といいますのは、これは三割を超えますときには必ず国会に持ってまいりまして御審議をちょうだいする、これはたばこが完全独占であって国鉄等と違う状況にあります。そういう点も十分考えて、一〇〇%独占であるたばこのようなものの公共料金、現在法定されております価格につきましては、最終的にその適正さというものを担保していただくのがやはり国会ではなかろうか、そういうことを考えました上で、三割の範囲内で定価の改定をお許しをちょうだいするというようなことを考えたわけでございまして、私どもといたしましては、むしろ国鉄よりはずいぶん厳しい考え方で立案をさしていただいたようなわけでございます。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生から公社の財務並びに原価等の公表の問題について御質問がございましたが、御案内のように、公社の財務等につきましては現在、収入支出拘束予算という形で予算書自体で御審議をいただいておりますことと、決算につきましては、いわゆる収入支出の支出明細書並びに財務諸表、貸借対照表、損益計算書等につきまして、内閣並びに国会に提出しますと同時に、官報に掲載をいたしております。 原価の問題につきましては、この機会に私どもも種類別、級別の原価構成につきましては、先生方に明らかにするのはやぶさかでございませんが、銘柄別となりますと、私どもの一級品並びに特例品というのは外国品との競争関係が大変厳しくなります。まして今度の制度を仕組みますと、向こうのオファー価格、いわゆる円建ての購入価格によりまして輸入たばこの価格は自動的に決まるような仕組みになってまいりますので、銘柄別の益金率並びに原価構成については、公表はひとつ御容赦、御勘弁いただきたいと思うわけでございます。 それで、級別でございますが、ちょっと手元に資料がございますので、仮に定改がこの五月、御提案申し上げておりますとおりにできますと、一級品につきましての益金率は六一・九%まで回復いたします。それから二級品につきましては五七・三%、それから三級品については四四・九%というふうに回復してまいりますが、国、地方に納めます納付金率が法定化されておりますので、たとえば三級品等につきましては公社の内部留保は〇・四%、それから二級品につきましては一・八%、一級品及び特例品を含めまして五・四%というふうな内部留保率になりまして、定改が御提案申し上げておるとおりにできますと国に対する財政貢献は、いわゆる定改をする場合に二千二百億ふえますし、公社の内部留保も一応一千億といったような程度の内部留保が見込まれる次第でございます。
○伊藤(茂)委員 もう時間ですから、一つだけお伺いしたいと思いますが、これは関税の問題、輸入たばこの問題です。 日米間の経済摩擦が調整の一つになっているわけでありますが、サミットがあり、その前に総理や外務大臣ですか訪米の計画があり、その他ほかの開放問題とも関連してくるかと思いますが、たばこの問題について、いつごろどういう姿勢で決着をつけるという見通しをお持ちなのかということが一つ。それからもう一つは、今回の関税率の設定を見てみますと、今回の設定の考え方という問題もあります。それからこれからの展望を考えてみる必要があるんじゃないだろうか。たとえば関税率が国際間で下がった場合には価格差が非常に少なくなってくる、それがどういう影響を持ってくるかという問題もあると思いますし、それから特に外国葉よりは国内の原価が二・五倍も高いと言われているわけですが、国内の葉っぱの値段、それから当然葉たばこ農家との関連、いろいろな意味で長期展望としては深刻な問題も出かねないということがあるんじゃないだろうか。この当面の決着の見通し、それから、それらについての展望をしかと踏まえてお考えになっているのかどうか、それを最後に聞かしてください。
○名本政府委員 初めの日米間のたばこに関する問題でございますけれども、この問題につきましては、いろいろなことがアメリカ側から言われておりまして、紙巻たばこに対しましては貿易円滑化委員会に提訴があったわけでございますが、その中身を見てみますと、事実について正確な認識がないままいろいろ言われている内容がございますので、そういう点につきまして従来、十分な認識を得ないまま来たという点に大変残念な点がございますが、これにつきまして正確な知識をアメリカ側に持っていただくということが第一であろうと思います。その上でアメリカ側と十分話し合いをいたしたい、かように考えております。したがいまして、これについていつ決着をつけるというような最終的な時間と申しますか、そういうものについて現在予定を立てておるわけではございません。 それから、第二番目の関税率の設定の問題でございますが、これにつきましては、現在御提案申し上げておりますものは、内外のたばこの製品価格の格差、それを原料であります葉っぱの品質までを勘案いたしましたところで関税率を今回設定させていただくということにいたしてございます。もちろん情勢の変化がございますなれば、これは不変のものでは必ずしもないわけでございますけれども、現在当分の間は、御提案申し上げております率で適正に内外格差が保て、適正公正な内外競争が保てるものというふうに考えております。
○伊藤(茂)委員 時間ですからこれで質問を終わりますが、特に前半分の部分でいろいろと質疑をいたしましたが、いまから三年、五年の展望というものをきちんと考えてみて、新しい要素がずいぶんたくさん出ているわけですから、やはりたばこ産業の将来と財政との関連というものを考えていくということが必要なんではないかという感を非常に深くするわけであります。そういう状況を見ますと、ほかの物価問題と違ってあすでは遅過ぎるということじゃないので、やはり一年間ぐらいみっちり研究した上で決めていくものは決めていくということが必要ではないかという感じを深くしましたことを申し上げて、質問を終わります。
○加藤委員長 池田行彦君。
○池田(行)委員 今回の法改正、納付金制度の改正それから最高価格の引き上げ、さらに最高価格の法定制度の緩和、この三点が柱になっておるわけでございますが、まず最初に納付金制度の改正の問題、これは当委員会の五十年四月二十四日の附帯決議の趣旨にも沿ったものと考えますし、また、従来いわば利益処分として処理されておりました納付金というものを、今回は価格決定要素の一つとして明確化されたものでございまして、私は、従来いろいろな場において提言されておった意見というものをくんだものとして評価するものでございます。 これは消費者の立場から申しますと、従来税負担を十分認識できなかったというところが明快になりましたし、また定価改定に際しましても、その理由が不明確なままに押しつけられるといった不満感といいましょうか、これもやわらげられるのじゃないかと期待されるわけでございます。また財政面から見ますと、従来事業コストの上昇というものが意図せざる税負担の減と申しましょうか、国の収入の減に結びついたというような点、あるいはたばこに係る負担の国と地方との配分のバランスというものを崩すといったような点、こういうところがあったわけでございますが、その点が解消するわけでございまして、今後安定的な財政収入の確保に資するものじゃないかと考える次第でございます。さらに、公社の経営の責任の明確化を通じて事業の効率化の努力もまた払われるのじゃないかと期待しておる次第でございます。全体としまして今回の納付金制度の改正は妥当な措置と考えるのでございますけれども、まず一、二点をお伺いしたいと思います。 まず一つは、先ほど伊藤委員の審議の過程でもいろいろございましたが、納付金率を長期的に五五・五%程度に定められたという点でございます。この点、従来の納付金率の推移であるとか、あるいは諸外国のたばこに係る税負担の水準、さらには今後の消費動向等の見通し等を踏まえてお決めになったものと存じますけれども、このあたりを、たばこ消費者の立場から十分納得ができるように、この五五・五%程度という納付金率の根拠と申しましょうか妥当性というものを明快に御答弁願いたいと思います。
○名本政府委員 納付金率の水準につきましては、もうすでに御指摘のような諸点を勘案して決めたわけでございますけれども、まず、地方と国との間でたばこが財政にどのように寄与するのが適当かという点は、これは大変重要なことであろうと思います。一兆円を超える財政寄与を国、地方に対してたばことしてはいたすわけでございまして、国、地方の財政は公経済を支えるいわば車の両輪のようなものでございますから、今回の考え方におきましては、車の両輪に等しく寄与をするようにしようではないかという考え方が、実は五五・五%の考え方の一つの考え方でございます。地方たばこ消費税は、税率としましては二八・四%でございますが、前年度単価を使用いたしますために、当年度としますと二八%くらいになる、そういう点を考慮いたしまして五五・五というのを一つ出したわけでございます。 それからもう一点、たばこ全体としまして五五・五の税相当分の負担をいたすわけでございますが、いかにも高いではないかというような御感触もあるかとも思いますけれども、このたばこの税相当分の負担につきましては、もうわずか十年くらい前におきましては五八%あるいは六〇%近いというような財政への寄与をいたしたわけでございます。現在それがだんだん下がってまいりましたけれども、諸種の事情を考えまして、最近の事情から見ますとこの程度のところがほぼ妥当であり、かつ、これによって計算されますたばこの値段というものがすでに一つの消費者の間にたばこの価格水準ということで定着してきておるのではなかろうか、そういう点も考えまして、納付金率をこの程度にさしていただきたいというふうに考えたわけでございます。諸外国の例から申しますと、七〇%を超えるものとか非常に高いものもございます。したがいまして消費支出の中で占める外国におきますたばこ税の割合というものもいろいろ差異がございますけれども、そういう面から見まして、低くはあっても決して高くはない水準であるというようなこと、そういうような点から考えまして、今回御提案申し上げておるような水準が妥当なものであるというふうに判断をいたしたわけでございます。
○池田(行)委員 私自身もヘビースモーカーではございますが、たばこという物質の性格から申しましても、またただいま御説明になったような点、さらに今日の財政状態というものを考えました場合、私は今回の納付金率を五五・五%までに復元するという点は妥当な措置だと考える次第でございます。 次に、納付金の関係で、国の収入分についても納付金制度じゃなくて思い切ってたばこ消費税に移行したらどうかという意見がかねてからあったことは御承知のとおりでございますが、今回各種審議会等の意見も御勘案になったことと存じますけれども、消費税移行という道をとらずに納付金制度の仕組みの中での合理化にとどめたという、その御判断の根拠というものを明らかにしていただきたいと思います。
○名本政府委員 定価の形成方式について明確にするという場合に消費税あるいは納付金の率で定める、両様があろうかと思います。現実に四十三年当時からいろいろ議論をしてまいりました中には、消費税制度を導入すべきであるというような議論もあり、税制調査会でも消費税の導入について検討するようにという答申をかつてちょうだいいたしておるわけでございます。 今回、消費税制度ではなくて納付金制度の改正で納付金率の設定ということにいたしましたにつきましては、効果的に見ますと、消費税あるいは納付金率の設定両者とも同じような効果を持っております。それからもう一つ、消費税といたしましても、消費税を納付する主体はこれは主として専売公社一者になるわけでございますから、あえて消費税制度にいたさなくても、納付金率の法定化ということで国としてもその目的は達成することができる。それからもう一点、現在専売公社法、たばこ専売法によりまして専売制度というものが成り立っておるわけでございますが、この現在の法体系のもとにおいて財政収入の確保を確実にいたすということのためには、この納付金率を法定するということで足りるわけでございますので、その現行の法体系を尊重するという立場、このようなことから納付金率の法定という方式を選ばさしていただいたわけでございます。
○池田(行)委員 ただいまの御答弁の中にもございましたが、納税者は公社一者なのであえてとらなくてもいいというのも一つの理由だというお話がございましたが、そこで経営形態の問題があると思うのでございます。昨年の公共企業体等基本問題会議におきまして、わりにはっきりと民営に移行したらどうかというような方向が打ち出されたわけでございます。これは消費税制度をとるかどうかの問題と直接結びつく問題ではございませんが、深いかかわり合いを持つ問題だと存じます。昨年の基本問題会議の答申が出ました後のこの経営形態の問題につきましての公社並びに大蔵省における検討の経過なり今後の見通しというものについてお伺いしたいと思います。
○名本政府委員 昨年六月に出されました公共企業体等基本問題会議の意見書によります専売公社の民営移管問題でございますが、大蔵省におきましては昨年の十月に、たばこと塩の専売事業に関します懇談会をつくりまして、これは大蔵大臣の私的懇談会という形で置かしていただきました。そこにおいて寄り寄りいろいろな方々からの御意見をちょうだいいたしておるわけでございます。一方におきまして、この問題につきましてはいろいろな御議論があることも承知いたしております。何分にも明治以来の七十余年に及ぶ長い専売の歴史を持っておるわけでございます。民営に移管する場合には非常に大きな、言うならばたばこ産業に関連する広い面におきまして影響を持つものでございますので、そういう面を十分考慮しながら、慎重に各方面の意見をちょうだいしながら検討を進めていきたいというふうに考えておりまして、今後の見通しといたしまして、いつ結論が得られるというような見通しは現在持っているわけではございません。慎重な検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○池田(行)委員 おっしゃるとおり、公社自体だけではなくて、耕作者を初め関係方面の影響も非常に大きいと思います。しかしながら現在、全体として政府部門の肥大化という問題が非常に大きくクローズアップされておる時期でもございますので、やはり公社の経営形態の問題につきましても、そういった観点から今後真剣に検討を加えていただくと同時に、また、現在の公社制度の中におきましても事業の効率化について一段の努力を要請しておきたいと存じます。 次に、定価の改定の問題でございますが、これは主として同僚議員の方に質問を譲りたいと思うのでございます。したがいまして、法定制度の緩和については質問いたしませんが、今回の価格改定に際しまして、いろんな方面に影響があると思います。CPIに対する影響は〇・三七%、そのくらいにとどまるというふうにお伺いしておりますし、また、地方のたばこ消費税の減収については別途地方税法の方で補てん措置が講じられておりますので、これはこれでいいと思うのでございます。 もう一点、小売人と申しましょうか販売店に各種の影響がくると思うのでございます。そういった影響をどういうふうに混乱を避けるように手を打っておられるかという点、とりわけ販売店マージンでございますね、現在一〇%になっておると思いますが、これをどういうふうにされるおつもりかという点が一つ。もう一つは、定価改定に伴いましてベンダー、自動販売機の改作を必要とすることになるのじゃないかと思いますが、そのあたりの費用負担というものはどういうふうに考えておられるか、お答え願います。
○泉説明員 定価改定に際しましては通常は、定価改定によって財政収入を確保し、あるいは公社のコストアップをカバーするためでございまして、定価改定によって小売人のマージンを特にふやすという考え方はとらないというのが従来の考え方でありまして、定価改定の都度小売人マージンを減少させてまいっておったのでございますが、今回の改定にあたりましては、値上げ幅が二〇%程度とかなり低いということを考えまして、マージンは一〇%そのまま据え置きといたしたいと思っております。ただ、高額調整を九千万円で実施いたしておりますけれども、これはやはり二割程度引き上げまして一億八百万円で高額調整を行う。五十四年度は初年度でございますから、いつ定価改定が行われるかによって一億八百万円よりやや低目の金額になろうかと思いますけれども、これは定価改定前は九千万円、定価改定後は一億八百万円という比率で月数割りで計算いたしました金額で調整を行うことになるわけでございます。 それから、たばこの値上げによって自動販売機を改作する必要は生じますけれども、五十年の定改のときの経験からいたしまして、今回、自動販売機を改作するにつきましても、コインメカニズムを簡単に直すこと、あるいは配線を直すことによって改作を終了できる簡単なものが大部分でございますので、これによって改作費の負担がそれほど大きくはならないと思いますし、先ほど申し上げましたように、販売マージン一〇%の率を据え置きましたので、それによって小売人の手数料はかなりふえますが、そのふえた金額の範囲内で、御自分が所有しておられる自動販売機でございますので、御自分で対処していただくということにいたしております。ただ専売公社といたしましては、そういう自動販売機の改作を考えまして、相当の予算をもって改作が円滑にいくようなことを援助してまいりたい、このように考えております。
○池田(行)委員 それからもう一つ、定価改定の時期の確定を待たなければいかぬと思いますが、切りかえのときにいろいろ混乱を生ずるおそれがあると思いますので、その点についても十分な御配慮をお願いしておきたいと思います。 次に、公社と国際経済との絡みでございますが、日米のいろいろな経済摩擦あるいはMTNと大きな問題があるわけでございます。もとより外国の方からいろいろ出てまいります要求、それがすべて理にかなっておるわけでもございませんし、わが方としましても峻拒しなければいかぬものは拒絶していく、こういう態度でなければいかぬ。また、米国を初めとします赤字国側の責任、これについても十分追及し、先方の経済運営なり何なりを正していかなければならぬと思うのでございますが、わが方にも余りにもかたくなな、そしてまた世界経済なりわが国の経済の実態の変化というものに目をつむった姿勢があるんじゃないか、そういった問題が往々にして関係を必要以上にこじらせるんじゃないか、これはNTTの例を見るまでもなく、これが従来いろいろと指摘されておったわけでございます。 専売公社なりあるいは大蔵省におかれましては、その点は十分認識してやっておられるとは思いますが、政府調達の問題がMTNでも非常に大きな問題になった。米国は御承知のとおりイニシアルを留保しておる姿でございます。いよいよまた日米の間も大詰めを迎えておるようでございます。公社の関係につきまして、公社の物資調達がどういうふうな原則と申しますか建前になっておるのか、そしてまた実態はどうなっておるのか、この点をお伺いしたい。特に今回のMTNの交渉では、専売公社については一応コードの対象になっておるのは三百数十億円でございましたか、それを一応全部オープンにするというような姿勢をとっておられると了解しておるが、そういうことになるのか。そのほかに、葉たばことか製品たばことか、公社の調達品目の中で非常に大きなものはコードの対象外になっておると了解しておりますが、その辺についても相当対外輸入があるかと思うのでございます。その点について実情を明らかにしていただきたいと思います。
○岡島説明員 お答えいたします。 いわゆる政府調達問題でございますが、専売公社の場合には、輸入製造たばこのような再販売をするための産品、それから葉たばこのような再販物資の生産に使用する産品につきましては、政府調達コードの適用外ということになっておるわけでございます。そういうものを除いて、いわゆる政府調達の対象の金額がどのくらいあるかということでありますと、いま御質問がございましたように、五十二年度でもって約三百二十五億円、これが新聞なんかに出ました一億五千万ドル、こういうものに当たるわけでございます。 それでどんなものかということでございますけれども、たばこ製造で一番ポピュラーなものは巻き上げ機なんかございますが、これは公社が自分でつくっておるわけでございます。こういうものは当然除外になります。したがって外包機、いわゆる包装の機械とか、あるいはスレッシャーと申しまして葉たばこを刻む機械と申しますか、そういうようなものが対象になっておるということでございます。それから、従来から必要なものについては外国から、実はアメリカからも買った例もある、こんなようなのが実情でございます。
○池田(行)委員 その中で一番大きな問題は、やはり製造たばこの輸入問題だと思うのでございます。これも従来から日米間でいろいろ問題になっておるわけでございますが、本件について、まだ交渉の過程であってなかなか明らかにできないのだという先ほど伊藤委員の質問に対してのお答えもあったわけであります。その中で問題にされておりましたのが、一つは、輸入たばこの取り扱い販売店の軒数、これは二十五万軒の中で一万三、四千軒しかないとアメリカ側は指摘をしているというふうに伺っております。また、広告の問題について米側からいろいろ要望が出ておるようでございますが、その辺につきまして、先ほどもお話がございましたように、米側に現状認識の誤りがあるならばその点を明らかにされ、また、日米間でこれから詰めていかなければならない点がございましたならば、その辺のこれまでの経緯と方向というものについて御説明いただきたいと思います。
○名本政府委員 御指摘のように、アメリカとの間にいろいろ協議をしている問題がございますが、御指摘のございました点について申し上げますと、まず広告の問題でございますけれども、この問題につきましては現在、公社とアメリカのたばこ業界との間で種々協議を重ねておるところでございます。しかし現在、日本の国の中におきましても、専売公社は、いわゆる健康と喫煙の問題あるいは嫌煙権の問題、そういう点を考慮いたしまして、自主規制をいたしておるわけでございます。外国のたばこ会社が広告をいたします場合におきましても、同じようなラインに沿った広告をやってもらわなければならないというふうに考えております。その上で言うならば、平等な立場で広告宣伝もできるというふうにいたしてまいるという考え方で、公社において現在交渉をしておるところでございます。いずれにいたしましても、外国たばこメーカー、外国政府が申しておりますのは、日米間で外国たばこに関しまして差別があるという点を指摘しておるわけでございまして、その差別と言われる問題につきましては、先ほど申しましたように誤解に基づく点が非常にたくさんあるように考えます。この誤解を解いていくということがまず必要であろうと思います。また、たとえばたばこの販売本数の問題にいたしましても、外国たばこの味とそれに対する日本人の嗜好の問題、これは違うわけでございますから、おのずから需要に差が出てくるということもございます。そういう具体的な事実というものの正しい認識の上に立った外国たばこ会社の要求でなければならない、そういう点につきましては、鋭意正しい理解を得るように努めてまいるということが第一点だろうと思います。 また、たばこの店の数、一万四千しかないという点でいろいろ言われておるわけでございますけれども、これも販売に当たりましての言うならば商業上の常識というものがございます。そういう点から考えてどこが妥当な点であるのか。非常にたくさん売れる銘柄も少量しか売れない銘柄も同じに取り扱わなければならないという、これも言うならば悪平等でございますので、事実を正しく認識していただいて、差別のない状態であるということを差別のないところについてはそのように認識をしてもらい、若干制限が加えてあったという点について改めるべき点があればこれを改めていくという姿勢で臨んでいかなければならない、かように考えております。
○池田(行)委員 その内外差別の問題で一番大きいのが、実は広告でも販売店でもなくて価格の問題だと思うのでございます。この点については、今回のこの法改正において納付金制度を改めた、それから関税率もきちっと法定した、それでその辺が非常に明確化された、公社なり大蔵省では、そういったこともやったので大体米側の納得も得られるのじゃないかというふうな認識を持っておられたようでございますけれども、しかし私、個人的に限られた範囲ですけれども、先方の人間ともいろいろ会ってみますと、なかなかそういう甘いものじゃないと思うのでございます。 先方が指摘しておりますのは、輸入たばこが入ってきて日本での販売価格がどういうふうに構成されるか不明確だという点じゃなくて、そこのマークアップの率が非常に大きい。例のジョーンズ・レポートなんかでも明白に指摘しておるのですけれども、外国からの輸入たばこについてはマークアップの率が四〇〇%から六〇〇%になる、ところが日本のたばこは二〇〇%でとまっておる、これが問題だと言っておるのでございまして、今度制度改正によってかえってそこのところがあらわになりますので、なかなかこれはむずかしいことになるのじゃないかと私は懸念しておるのでございます。その辺、まだ交渉の途中でむずかしいかもしれませんけれども、話を円満に解決に持っていく自信がおありかどうか、簡単にお願いします。
○名本政府委員 価格の問題でございますが、これは確かに非常に重要な問題でございます。ジョーンズ・レポートで、葉巻のことについて特に絵入りで説明してあるのでございますけれども、これも実は事実に対しての正しい認識がない面がございまして、アメリカにおきましては葉巻は国内の税率がわずか蔵出し価格の八%でございます。これをそのまま日本に持ってまいりまして、アメリカで三十六セントのキングエドワードが日本で四百円というのはおかしいというのは、おのおのの国内の税制の違いというものを捨象した考え方でございますので、そういう面については十分理解を得ていかなければならないというふうに考えております。 紙巻たばこでございますけれども、これにつきましては、先ほども関税率の点でちょっとお答え申し上げましたけれども、内外のたばこが公正に適正に競争できるような価格でなければならない、そのために関税率を今回改めることにしておるわけでございます。正しい競争、内外のたばこが競争できるという状態をつくり出すということのために必要なことでありますので、この点につきましても、十分説明をいたして理解を得ていかなければならないというふうに思っております。
○池田(行)委員 すでに時間がほとんどないよという通知が参りましたので、簡単に申しますけれども、ただいまの日米あるいはMTNを中心とするいろいろな問題にいたしましても、あるいは先ほど申しました経営形態の問題にしましても、こういった問題への対処をむずかしくしておる根底には、実は私はたばこの生産者の問題があると思うのでございます。確かに十二万のたばこ耕作者の営農なり生活の安定というもの、大変重大な問題ではございます。しかしながら、いろいろ時代の変化ということを考えておりますと、やはり状況変化を踏まえながら長期的に必要な手をどんどん打っていくということが肝要なんじゃないかと思うわけでございます。 先ほども指摘がございましたけれども、現在国内の葉たばこは国際価格の二・数倍、三倍近い価格になっておるというわけでございます。それが保証されておる。しかも全量買いが保証されておる。こういったものが長期的に確保されるのかどうか、見通しをお持ちかどうかという点でございます。もとより、いまアメリカからも葉たばこは十分買っておるし、外からプレッシャーはないよとおっしゃるかもしれません。ただアメリカ側としても、できれば製品たばこというかっこうで付加価値の高いものを日本に売りたいわけでございますからいまはないでしょうけれども、製品たばこの方についてある程度のめどがついた段階で葉たばこについて要望がないという保証は何らないじゃないか、あるいは米国以外のたばこ生産国の要望もあり得ると思うのでございます。そういうものが出てまいりました場合に、米のような本当の基幹作物のように自給率の確保であるとかあるいは食糧面での安全保障とか、そういったことが言えるとはちょっと思えないのでございます。そうなるとどうなるだろうか。いま十アール当たりで四十万円前後の非常に高い収益性を葉たばこについては確保しておる、これは耕作者にとって農民にとっては非常にありがたいことなんですけれども、将来にわたってそれは確保できるという自信がないならば、むしろそういうものをやって葉たばこへ葉たばこへと依存していくということは本当に長期的に農家の安定を図るものであろうかということもある。さらに、将来の日本の農業の全体像というものを考えた場合に、妙なひずみをもたらすのではないか、あるいは将来に大きな問題の種を残すのではないか。これは後追いではならなくて、いまの段階から考えて十分対処していかなければならぬのではないかと私は考える次第でございます。 いま葉たばこというものが日本農業の中でも非常に大きな役割りを果たしながら、これは専売公社、そして大蔵省というところの守備範囲に入っておるというところにも問題があるのではないか。今後、農林水産省とも十分協議を進めながら誤りなき対応をしていただきたい、こう考える次第でございます。これについては、御答弁を求めてもなんでございますから、むしろ大臣からこの問題、耕作者の問題を含めまして、あるいは先ほども申しました経営形態の問題、あるいは国際関係の問題、すべて含めまして、専売公社並びにその関係の方々も、もう真に開かれた経済体制の中で生きていくのだ、活路を開いていくのだ、そういった心構えで努力を払われるべき時期に入っておると思うのでありますが、大臣としての御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○金子(一)国務大臣 今度の改正によりまして、内外のたばこの定価は製造コストで勝負を決めなければならぬような時代に、いわば開放体制に入ったわけでございますから、いつまでも従来のようなと言ってはおしかりをいただくかもしれませんが、専売のとりでの中であぐらをかいた仕事をやるわけにはまいりますまいと思います。耕作者の問題、これは大変大きな問題でございますので、一遍にこれをどうこうというようなことは考えるわけにはまいりませんけれども、今後公社の仕事のやり方の合理化、効率化について、関係者全部でひとつ知恵を出し合ってやっていただくように強力に推進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。あなたの御指摘の問題、十分拝聴いたしました。
○池田(行)委員 終わります。ありがとうございました。
○加藤委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十三分休憩 ————◇————— 午後二時七分開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 日本専売公社法等の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。沢田広君。
○沢田委員 昨日の報道で、最初に小坂大臣が一般消費税の導入についてはやはり若干ちゅうちょすべき、これは表現はいろいろありますが、見送らざるを得ないのじゃないかというような表現もされておりました。また、自民党の多くの議員の代表の方々もそろって政府の方に、一般消費税については中小企業その他一般についても非常に影響も大きいから、当然見送るべきではないのかというようなことも述べられたと報道をされております。私たちは、いまの一般消費税の置かれている状況から考えてみまして、大蔵省としてはやりたいという気持ちは持っているのだと思います。しかし、一般の大勢がこういうふうになってきて、それを強行することは不可能に近いのじゃなかろうか。だとすれば、と言って特別に一般消費税が理解を深められるような取り扱いがされているのかと言えばそうでもないし、中身もあれっきりということでありますから、大臣もそぞろあきらめたと私たちは客観的にはどうしても判断せざるを得ないのでありまして、あきらめたのだとすれば、やはり国民に安心感を与える意味において、これはもう強行はしない、さらにさらに国民のコンセンサスを得るまで十分慎重に御討議をいただきます、これは私が言っちゃったわけでありますが、そういう答弁が返ってくるのではないかと思うのでありますが、その点まずお答えをいただきたいと思うのであります。
○金子(一)国務大臣 御承知のとおり、十五兆の国債を本年度は発行する予定をしておりますけれども、最近の国債価格の低迷でもおわかりいただけますように、来年度も引き続いてこういう大量の国債発行が可能であるとは私どもは考えておりません。相当思い切った歳出の削減をやると同時に、歳入の見直しをやる必要があると思います。うかうかすると本当に予算編成が非常な難関に逢着するのではないかと考えておるのでございます。それで、そういう歳入欠陥を仮に所得税なら所得税の増税、法人税なら法人税の増税、あるいはあなたの方の党でいままでいろいろ御提案いただきましたような新税で完全にカバーできるということなら、私どもはまた何をか言わんや、むしろそれは望ましいと考えておるのでございますけれども、予算規模をどれくらいにするかによってまた変わってきますけれども、簡単に財源調達ができるとは考えておりません。そういった場合に、やはり本格的に導入を考えなければいかぬのが一般消費税ではなかろうかと私は考えておる次第でございまして、党ではいろいろな方策が別にあるのじゃないかというような、いろいろな角度からの御検討をいただいておりますことは私も承知いたしておりまするけれども、結局行き着くところは一般消費税というようなものではなかろうかと考えておる次第でございます。言われるような悪税であるとは——私ども今日の経済の構造に即応した税としてはきわめて適切な税で、ただあなたも御指摘ございましたように、まだ十分国民の理解と納得を得るに至ってない、そこに問題があると思います。いま鋭意案の内容を詰めさせておるような段階でございますので、できましたらぜひひとつ御審議、御協力を賜りますようにお願い申し上げたいと思います。
○沢田委員 早くあきらめた方がためではないかと思いますので、それは念のため申し上げて次に入らせていただきます。 次に、今次の春闘で専売さんが四%程度の回答を出しました。これはほかの関係のところも皆関連するのでありますが、きょうは専売の問題を討議する場でもありますので、一応専売からお聞きをするわけでありますが、四%という比率を出した根拠は、どういう算出根拠によって四%というものを出して回答したのであるのか、まずその点ひとつお聞かせをいただきたい。
○泉説明員 御承知のように、専売公社の職員の給与につきましては、民間の賃金及び公務員の給与その他の経済事情をあわせ考慮して決定するということになっております。 今回四・二八%の有額回答をいたしましたのは、今春闘におきましてそれぞれの業種、企業で妥結したものがあり、また、妥結には至らないけれども一次回答、二次回答というものがなされておる状況からいたしますと、その状況はもう御存じのとおり、鉄鋼は昨年より若干いいところで解決が図られそうでありますが、そのほかの業種、企業におきましては、昨年の妥結額よりも低いところで妥結するのではなかろうかと言われておるところでございます。専売公社は昨年の有額回答の際は三・九二%になるような有額回答をいたしたわけでございまして、その内訳は、定期昇給が二・三八%、ベースアップ分が一・五四%で、それに対して妥結額は五・五二%でできたわけでございます。その後、国家公務員の方のベースアップ率がかなり専売公社の場合より高目に決まったといったような経緯がございまして、昨年の有額回答は妥結額に比べまして七二%程度でございまして、従来八〇%程度であった有額回答額に比べましてその点やや低過ぎたのではないかという反省のもとに、本年は昨年の三・九二%を上回る四・二八%の回答にいたした次第でございます。
○沢田委員 総体的に、これは私も資料があるから後で言いますが、昇給とはあなたはどういうふうに考えておられるのでありますか。このベースアップという表現の中における昇給というものはどういう価値判断、位置づけをあなたの方としてはされているわけですか。民間の給与あるいは公務員の給与、皆それぞれ並んでやる、それで評価をしていく場合の評価と、一年間のいわゆる労働の価値あるいは熟練度の上達、そういうものが言うならば昇給というものによって表現されているものだと思うのですね。その辺に対して、この昇給というものとベースアップ分というのはどういう判断の分かれ道をしながら合わせた回答をしているのか。その点ひとつ昇給とは何ぞや、それからベースアップとは何に該当するものなのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○泉説明員 私ちょっと、合わせて四・二八%と申し上げましたが、私どもが回答するのはベースアップ分でございまして、定期昇給の分は、日本の年功序列賃金からいたしまして、年々経験年数がふえるに従ってその程度の定期昇給はあるものという前提でわが国の給与体系ができておるわけでありまして、その分はしたがって、年々の俸給表の中で当然上がっていく分でございます。したがって今回で申し上げますと、私どもが有額回答したのはベースアップ分の一・九四%分であります。 ただ御存じのように、民間賃金の決め方の場合におきましては、この定期昇給分とベースアップ分とを合わせまして何%上昇する、したがって消費者物価の上昇率より高いとか低いという議論がなされておるわけでございます。そういった意味から、民間賃金とのバランス上、定期昇給を含んだところの四・二八%というものを申し上げたのでありまして、私どもが回答した数字はそうではなくて、いま申し上げましたベースアップ分の一・九四%、三千二百余円の分でございます。
○沢田委員 そうしますと、いまここに月曜日の日本経済新聞の経済指標がありますが、おおむね全産業現金給与総額というものは、四月を例にとりましても八・八%ですね。それから七・〇、七・四、六・九、四・三、七・五、七・五、八・五、五・四、五・六、こういうふうな数字が出ております。それから所定外労働時間指数においても、五十二年度は一四七・五に対して五十二年度は一四〇でありますが、五十四年二月以降一六二と相当の長時間労働が行われている実態にあります。また一方、この四月二十四日のエコノミストの消費者物価指数を前年度から比較をいたしましても、いま言ったような一・九四というような数字にはならないというふうに、皆さんも計算されているでしょうから多くを申し上げません。また、全国勤労者世帯収入の中から言ってみてもそういう数字にはなってこない。五十二年度は実に全国勤労者世帯収入の総額は二百九十万なんです。ところが五十三年度の現在時点におけるものは二百四十六万、逆に言うならばそれは総体的にこの分では減ってきている傾向が出てきております。しかしその反面今度は、それぞれの支出、食料、住宅、光熱、被服、雑費というようなものの比率を見ていけば、少なくとも六%から七%ぐらいの上昇が起きてきている。これから運賃が上がるであろう、たばこが上がるであろう、あるいはその他の公共料金が上がるであろう。これは一応これからの問題と仮定をして、そういう要因をどういうふうにあなたの方では判断をしてこの一・九四という比率が出てきたのか。民間の状況というものはもっと高いのじゃないか。これは総裁なりそれぞれ担当部長はどういうふうに判断をされたか、根拠をひとつ示してください。
○泉説明員 お話しのように、民間賃金は私どもが申し上げまするいわゆるベースアップ分とそれから定期昇給分とを含んで引き上げ率というものが決まっておりまして、それはもちろん物価が上がったからその上がった率だけ上げるというような性質のものではございませんけれども、しかし最近の民間の妥結の状況を見ますと、五%台から六%台というふうになっておることは、多少のばらつきがございますけれども事実でございまして、恐らく昨年のような大きなばらつきにはならないんではなかろうかというふうに予測されておるところでございます。 私どもの有額回答は、いま申し上げましたように定期昇給分と合わせました四・二八%というのは、昨年の三・九二%よりかなり高目に出しておる。民間賃金の決まり方から言うとむしろ昨年より低目になっているのが多いのにかかわらずやや高目に出しておるというのは、昨年の有額回答と妥結額との比率からいたしまして昨年はやや有額回答額が低かったと思って直しただけでございまして、お話しのように有額回答だけですぐ妥結するものではございませんのでそういったふうな数字の違いが出てくるわけでございます。
○沢田委員 ぼくは根拠を示せということで言ったのですが、いまの最後には回答だけで済まされないものだと思うということは、これからもやはりプラスアルファを考えなければいけないということを内面的に考えているということでいみじくも本音が出たというふうに思います。いま全産業の所得の水準からいきますと、六%なり七%というのは常識的な水準だと思います。もし七%として調停が出た場合に総裁はこれは受け入れる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○泉説明員 公労委の委員の方々はきわめて良識のある方でございますので、私は恐らくその調停案も私どもが受け入れられるような数字になるだろうと期待いたしております。
○沢田委員 私が言っているのは、期待するものかどうかは別として、それを受け入れるのかどうか、あなたの総裁としての立場で御見解を承りたいわけなんです。
○泉説明員 私どもは、七%という仮定の数字について申し上げることはできませんけれども、調停委員長の見解が出ますればその見解は受け入れたい、このように思っております。
○沢田委員 公社としてのいわゆる自主性というものがいまの問題の中にもこれは出てくるわけであります。 もう一つだけ、これはお答えができなければ後でもいいですが、専売としてのラスパイレス方式では大体水準としてはどの地位にあると受けとめて今回の回答を出しましたか、念のためにひとつお聞かせをいただきたい。お答えができなければこの次に回してもいいですが……。
○泉説明員 先ほど申し上げましたように、公社の職員の賃金は民間の賃金及び公務員の給与その他の経済情勢を考慮して決めるということになっておりまして、その点からいたしますと、民間賃金あるいは公務員の給与とのバランスを考慮して従来決めてまいっておりますので、有意の差があるとは思っておりません。
○沢田委員 答弁になっていないですけれども、それは専門でもないのですからこれ以上聞いても無理なんだと思うのでありますが、ただ、自分の職員の地位というものが社会的にどういう状況になっているのか、それから四%というような比率を出すのにはどういう根拠があって出してきたのか、その程度はやっぱり総裁なりそれぞれの担当理事としては見解を持って出てきていただきたかったと願わくはそう思いますね。たばこだけ値上げしてくれれば何でもいいのだ、たばこはもうかっているのだから、値上げしているのだから少しぐらいのことはどうでもいい、こういうことではないだろうと思うのであります。調停にいまかかっている途中でありますが、その裁定が、これは仲裁裁定もありますけれども、下った場合には、いままでは予算上、資金上支障があった場合は出せない、国会の議決を必要とする、こういうことになっておりますが、その点は総裁は、受けますということは、予算上、資金上は関係はない、またたとえ関係あってもそれは実施をする、こういう考えだと受けとめてよろしゅうございますか。
○泉説明員 先ほども申し上げましたように、調停委員長の見解が出ますと、私はそれほど大きなアップ率にはならないというふうに考えておりますし、公社の場合には予算上、資金上、私どもが想定している程度のベースアップならば対応し得るというふうに考えておりますので、お受けしたい、こう申し上げたのでありまして、常識に反していま申し上げましたように五、六%とかいったような程度をはるかに超えたような数字で公社が受け入れられないような数字でありますと、これは国会におきまして御判断を仰がなければならないと思いますけれども、恐らくそういった事態にはならないであろうという予測のもとにお受けしたい、こう申し上げたのでございます。
○沢田委員 いま総裁が言ったのは、五、六%をはるかに超えた条件にならない限りはそれは予算上、資金上支障ない、こういうふうに答弁されましたね。そのとおりと理解してよろしゅうございますか。そのとおりお答えになったわけですか。
○泉説明員 さようでございます。
○沢田委員 そこで、答弁されたようですからそれでとめておきます。 公労法の十六条、いわゆる予算上、資金上支障がある場合は国会の議決を要するということになりますと、いまの答弁では、五、六%をはるかに超えた額以外はすべてこれは国会の議決を必要とせずにいわゆる専売の公社制度の中において予算措置は可能である、こういうふうに理解していいわけですね。
○泉説明員 そういった事態がいつまで続くかという問題はございますけれども、当面のところそれでやっていけると思っております。
○沢田委員 次に若干、公害の問題でお聞きをしたいのでありますが、この専売事業調査会の報告を見ても、公害の問題といいますか、これはたばこですから口の方の口害もありますし病気の公害もあるわけでありますが、いずれにしてもとにかくこれは何にも触れていないのであります。あえて触れているとすれば、健康と喫煙という問題があるということを言っているだけであって、害毒の及ぶことについては全然審議されてないのですが、審議されてないという理由はどこにあるのでしょうか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生の御質問は、たばこ専売事業調査会、五十年の定改の際の附帯決議の中に、総裁の私的諮問機関としていろんな各層の有識者を入れた審議会等を入れて各層の意見を聞けということで、私どもが総裁のもとに五十一年の十一月から昨年募れにかけまして二年間ほど御審議をいただいた調査会のことかと思います。 その調査会におきましても、健康と喫煙問題につきまして、英国の王立医師会等の報告から始まりましてWHOの最近の動向等、大変事細かな健康問題への諸情勢というものも御報告申し上げ、それから、公社は昭和三十二年来こういうものについての研究委託費を出しておりますが、午前中も小幡から御答弁申し上げましたとおり、研究分野、範囲あるいは研究費の充実等重ねてまいっております。そういうことにつきましても御審議をいただいております。ただ、この報告書の中にその経緯等詳しく載せませんでしたことは、事務的な私の手落ちでございますが、十分そういう状況も御審議をいただいたということでございます。 それからもう一つ、工場等の公害問題につきましては、御案内のようないわゆる大気から水質汚濁等に至ります諸般の諸法令というようなものの規制値をはるかに下回るような、いわゆる政府機関としての工場でございますので、地域住民に与える影響も十分考えましてあらゆる施策を講じておる現状でございます。
○沢田委員 この報告によれば手落ちだと言うので、後で出していただけるというふうに考えていいですか。それで答えておいてもらって後へ行った方がはっきりすると思いますが、手落ちであれば手落ちを補完するのは当然の義務ということになりますから、その手落ちの部分については補完して委員会に提出をしていただく、こういうことに理解してよろしゅうございますか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 たばこ専売聖業調査会は総裁の私的諮問機関としまして、現在公社あるいはたばこ産業が置かれています諸情勢につきまして大きな問題点ということについて御審議を申し上げ御答申をいただいたものでございます。したがいまして、私どものいわゆるその調査会にかけたいろんな資料とかあるいは議事録というものは十分整備をしてございますが、答申はこれをもって、十五名の各委員方が全員一致で御賛同いただいたわけでございまするので、答申の補足という形では考えておりません。
○沢田委員 今度はだんだん違ってきていますよ。ミスだった、今度は大きい問題だけ挙げたんだ、そんなどっちもこっちも言い逃れするだけで、私も何も言葉じりをとらえようという意味で言っているのではないのですが、しかしここでは五ページの三行目に「喫煙と健康問題の進展等を背景に、たばこの消費は伸び悩みの様相を呈しており、」とだけしか書いてない。なぜ国民の健康ということについてもう少し深く掘り下げたものがなかったのかどうか。そうしたら、やったんだ。やったのを掲載しなかったのはミスです。ミスならばそれは補完をしてほしいから出してほしい。そうしたら今度は、大きい問題だけしか取り上げなかったんだ。じゃ国民の健康の問題は小さい問題だということですか。あなたのいままでの二回の答弁の経過から見て、結論的にはそういうことになるんじゃないですか、どうなんですか。国民の健康の問題は、ここの報告に取り上げるような問題じゃないんだ、だから答申しなかったんだ、こういうことになってしまう、だんだん段階を進めば。そんなでたらめな答弁はないですよ。
○泉説明員 お話しの総裁の諮問機関でありまするたばこ専売事業調査会におきましては、たばこ事業のうち、当面制度改正として実施すべき事項につきまして諮問いたしました。その結果、従来の専売納付金制度は改善すべきであるという御答申をいただき、さらに、今後葉たばこの購入の問題がきわめて重要になるから、その葉たばこの購入問題についてさらに検討すべきであるというような点で御答申をいただいたのでございまして、いまお話しのたばこと健康問題につきましては御答申をいただいておりません。審議はもちろんなされたのでありますけれども、御答申の中に入っておりません。これらの点につきましては、もちろん国民の健康とたばこという問題はきわめて重要な問題でございますので、たばこ専売事業調査会におきましてさらに審議を尽くしていただきまして、場合によっては御答申をいただくことも考えたいと思うのでございます。
○沢田委員 総裁が一生懸命つくろってしたからあとは追及しませんけれども、しかし少なくともこういう審議会の中で、国民の健康ということについてどういう影響を持つのかということを専売制度の中で自己反省をしながら販売をする。悪かろう安かろうでいいというものでもないし——これは言葉の表現でそう言ったんで、たばこはちっとも安いとは思っていませんよ。そのこととは誤解しないでいただきたいのですが、少なくともそういうあり方であってはならない、こういうふうに思いますから、あえて言ったわけであります。 次に、厚生省の公衆衛生局の大池さんですか、来ておりますから御答弁いただきたいのでありますが、がんセンターの平山さんであるとかあるいはその他の学者の方々から聞きますと、胃がんも含めてでありますけれども、肺がんに関して相当な率でたばこの吸い過ぎというものが肺がんの原因になっておる。また実験の結果では、ウサギであるとかあるいはそういう動物実験の中で、タールを塗ればそのほとんどががん細胞になっていく、こういう実験の結果も示されているわけであります。 これは専売公社に聞くのはどうなのかわかりませんから厚生省にまず聞くわけでありますが、公衆衛生の立場から見て吸い過ぎという言葉、特に葉巻きじゃなくていわゆる紙巻たばこですね、そういう条件ではどの程度が国民の健康を害する限界になっているのか。いろいろとテストの結果も出ているようです。朝起きてすぐ吸いたくなった、あるいは食後にすぐ吸いたくなった、あるいは何かたばこを吸っていなければ気が落ちつかない、そういうような状況になったときにはすでにもう吸い過ぎの状況である、いろいろと処方せんみたいな形で提示されているものもあります。厚生省としては、たばこのがん対策といいますか、どういう関係にあるのかということをひとつお聞かせをいただきたい。片方で金を取って片方でということをレクチャーのときにちょっとお漏らしになられて言いにくそうなことを言っておりましたけれども、それはそれ、これはこれだろうと私は思うのです。たばこがこれで売れなくなるかならないかでなく、もっとニコチンの少ないたばこをつくるためにどうしたらいいか、あるいは国民の健康を守るたばこ——たばこはもともと害なものなのでありますけれども、最小にとどめるためにはどうしたらいいか、そういうものは当然提案を堂々として言って、そこにどう共通の分野を見出すかというのが審議の一つのあり方だろうと思います。そういう意味において厚生省から、たばこのがん対策並びに諸害の問題について御見解を承りたいと思います。
○大池説明員 お答え申し上げます。 紙巻たばこの人体とのかかわりの問題でございますが、御設問の御指摘のとおり、たばこはかなり広く嗜好品という形で常用されておるわけでございますが、これを使用する人にとっては精神的な安らぎ、気分転換というようなことを通じましての個人生活あるいは社会生活におきます大きな位置を占めておるわけでございますが、反面、身体的な健康という立場から言いました場合に、いろいろ望ましくない影響ということが内外の医学研究によって明らかにされているところであります。この点につきましては、WHO、世界保健機関におきましても、昭和四十五年にWHOの事務局長報告がなされまして、自来、WHOの総会等の席におきましてこの問題が取り上げられ、勧告等の決議もなされておるところでございます。 こういったWHOの動きの中におきましても、一九七四年の専門委員会報告というのが、かなり医学的な人体影響についての内容を包括いたしまして紹介されておるわけでございますが、この報告書によりますと、紙巻たばこの喫煙者と非喫煙者とを比べました場合に、全体の死亡率におきましても喫煙者の方が非喫煙者を上回っておるというような成績も出ておりますが、なかんずく、たとえば未成年時代から吸い始めるというような者、あるいはたとえば一日に三十本以上というような多量の喫煙をしている者におきましては、こういった死亡率の上回る程度も高いわけでございまして、これを疾病別に見てまいりますと、肺がんの死亡率で見ますと、ただいま申し上げましたようないわゆるヘビースモーカーにおきましては、非喫煙者の十倍ないし三十倍というような率で死亡率が高くなっておるということが指摘されております。これは十万人当たりで一人死ぬ二人死ぬというような率が、いま申し上げましたような倍率で高くなるということでございまして、吸えば必ずそうなるということを指摘しているわけではございませんので、念のため申し添えたいと思いますが、このほか、気管支炎、肺気腫等の呼吸器疾患、あるいは虚血性の心疾患等の危険性の高まり、あるいは胃潰瘍等が多くなるというようなことも指摘されているところでございます。 このようなWHOの動きもございますが、私どもの厚生省におきましても、地方の都道府県衛生部、保健所等を通じまして、かねてより健康教育というようなことに意を注いでおるところでございます。喫煙の健康に及ぼす影響というものについての知識を啓発していくということを行ってきておるわけでございますが、最近におきましても、健康づくり振興財団というところで、国民健康づくりのためのテレビ番組というようなものを行っているわけでございますが、ここでもたばこと健康の問題が取り上げられたというような状況でございます。そのほか、国立病院、国立療養所等につきましての喫煙場所の制限等の措置も講じておるところでございます。
○沢田委員 これは専売の方としては、がんセンターの平山さんの書類、それ以外の書類にもありますが、等に見ましても、いま言われたように、肺がん、特に喫煙によって現在の肺がんで死んでいる人間が大体、これは一九六九年一万百三十、計算の死亡数でいきますと七九年には二万八千六百五十五、幾何級数的にこれはふえていくという推計もされております。こういう状況を黙視していいのかどうか。黙視して、保健所だなんていうことを言っていましたけれども、ところが都道府県へ出した通牒なんか見ると、WHOの総会の議決、喫煙と健康との影響、それから都道府県へ出したこの書類、これはまあその他だけで終わっちゃっておって、地方団体も、たばこの消費税が入ってくる受益団体ですから、余り宣伝をしないというような傾向もきわめて強い。たばこには健康に害がありますよということだけ書くことしかやってないというようなことで果たしていいのだろうか。特に人命に関するような問題に関係して、もう少し国民の中にこの状況というものを専売当局として、それを承知でやっぱり吸ってもらう、そういうことが当然必要なんじゃないかと思うのです。言うならば自動車の通る激しい道路のところへ住んで後でうるさいと言っているようなもので、あるいは川ぶちへ家を建てて水が出て困ると言っているようなものであって、それはやはりそれだけの条件を承知しながら吸うなら吸ってもらう。まあ安楽死というようなことも今日あるくらいでありますから、そういうようなことから見て、命を縮めてもいいということで承知で吸うならば吸ってくださいというぐらいに、もっとクールな専売当局のあり方あるいは厚生省のあり方というものが必要になってきているのじゃないか、こういうふうに思うのです。 これはこの数字によれば、喫煙者の方がとにかく三十倍以上に達しているというような状況から見て、じゃたとえば一日はもう二十本以下に抑えなければだめですよというようなことが何かに出ていますか、都道府県から国民の前へ。いま保健所を通じてなんて言ったけれども、保健所は何やっている。私も保健所の審議委員をやっているけれども、一回もこれは聞いたことない。もう十年来やっているけれどもそんなこと一回も聞いたこともない。どこでそういうPRをやっていますか。どういう保健所でやっているか。都道府県じゃどこでやっていますか。衛生部はどういうふうにやっていますか。具体的に言ってみてください。残念ながら私の埼玉県では、私も十何年県会議員やっていたけれども、一回も聞いたことない。
○大池説明員 これは先生御指摘のように、地域によっていろいろ取り組み方があろうかと思いますが、幾つかの事例を申し上げますと、たとえば成人病予防というようなことを通じまして住民の血圧の検診をやる、その際いろいろと必要な保健指導を行うというような際にあわせて、喫煙の害の問題についても衛生教育として行う、あるいは母親教室等の衛生教育の内容としてこういうたばこの問題について現在わかっておる知識を紹介するというような、機会に応じての衛生教育ということできめ細かく行っておる実態でございます。
○沢田委員 きめ細かくで、細か過ぎちゃって消えちゃっているんだよ。全然出てこないんだよ、それは。そういう答弁でごまかそうというのは大体また間違いなんだ。ちょっと怒りたくなってくる。それは、やってないというんならやってないでいいから、これからやりなさいと私の方では言いたいのですから。だから、それをきめ細かくやっているなんてうそっぱちを言うから、若干腹の虫もちょっととおさまらなくなるのでありますが、そういううそを言っちゃいけないと思うのでありまして、それはどういうPRか具体的にきめ細かい方法を次の委員会までに提出してくれますか。もしあえてあなたがおっしゃったとおりを尊重するならば、どういうきめ細かい方法をやっているのか提示してくれますか。(「まあまあ」と呼ぶ者あり)まあこの辺でやめておきましょう、まあまあという声もあるようだから。それは出せと言ったら出ないのだろうと思うから、それはしませんけれども。 それから、一酸化炭素の問題と二酸化窒素、きめ細かい方法ということを含めて、この一酸化炭素と二酸化窒素の問題についてはどういう対策を厚生省としてはとろうとしておりますか。
○加藤委員長 沢田先生、厚生省は、担当外じゃないですか。
○沢田委員 いや、厚生省ですよ、これは。
○加藤委員長 厚生省は、いまの大池課長しか来てないですよ。
○沢田委員 それでいいですよ。同じですよ。たばこの煙から出てくるこれは害のことを言っているわけですから……。 たばこの煙から出てくる害で、一酸化炭素が四万六〇〇〇PPm、これは通常の煙を吸ってやるのの四百倍である。それから二酸化窒素は二五〇PPm、そして通常の場合有害と称せられておるのが五PPmである、実に五十倍であります。そして血色素を奪う率は一酸化炭素が三%ないし一〇%である。たばこの煙だけでもそれだけの害を与えると言われている。公衆衛生局が何も知らぬ、答えられませんで済むと思うのですか。委員長も名委員長と言われておるくらいなのですから、これが答えられないでどうして審議しろと言うのですか。公衆衛生局は何をやっているのか。担当がいないのだったら呼んできてもらって、それまで待ちますよ。
○大池説明員 ただいま御指摘ございました一酸化炭素、あるいは燃焼の結果生ずる窒素酸化物、あるいはたばこそのものの燃焼の結果出てまいりますニコチンその他タール成分、あるいは微粒浮遊物質、こういったものが先ほど御説明申し上げましたたばこの身体的な望ましくない影響というものに密接につながっておる、そういう原理的なことは必要に応じて衛生局の中で取り組んでおるというようなことで御理解をお願いしたいと思います。ただ、そういうたばこのタールなりニコチンなりを減らすというような面については、私どもとしてもそういうものが開発されることが望ましいということは基礎的に考えております。
○沢田委員 開発されることが望ましいが、政府部内においてはどこがやるべきだと思いますか。
○大池説明員 これは皆様お考えのように、たばこそのものを製造、開発しておられるところが一番、もちはもち屋のことではなかろうかと私は考えるわけであります。
○沢田委員 公衆衛生局としては、公害源といいますか製造元が当然対応する研究をなすべきだと、いま言われたのか何年前に言われたのかわかりませんけれども、総裁はいま言われたと考えているのですか。
○泉説明員 午前中にもお答えいたしましたように、たばこは人間の健康にとってきわめて重要な問題を提供しておることは、もうすでに古くから言われておるところでございまして、私どもは別に厚生省から承ったわけではございませんけれども、何とかしてたばこの人体に及ぼす影響というものを少なくするようにということから、ここ十数年来、たばこのニコチン、タールを減少させて、通常マイルドと申しておりますけれども、緩和なたばこにしていくということに努めてまいったのでございます。 ただ御注意願いたいのは、たばこ一本当たりのニコチン、タールはそういうふうに軽くいたしましても、吸い方の問題もあるわけでございまして、これをはなはだせかせかと吸いますとおのずからニコチン摂取量が多くなります。したがって、余り深く吸い込まないで適当な長さでやめる。そう言うと、おまえはたばこをたくさん売りたいからそういうことを言うのだろう、こうおっしゃるかもしれませんけれども、しかし健康ということを考えますと、余り根元まで吸わない、そして適当なところでおやめいただく、そういう吸い方も影響してまいるのでございます。私どもといたしましては、たばこ自体のニコチン、タールを減少させると同時に、スモーキングクリーン運動を通じまして、その吸い方につきましても消費者の方に御理解を得たい、このようにして人体に及ぼす影響というものをできるだけ軽くするように努めてまいっておる次第でございます。
○沢田委員 そのことはもう資料で出ているのですよ。三分の一がどう、半分までがどう、四分の三がどう、残りの部分がどの程度一番危険度が高いかというようなことももう出ているのですよ。それは承知の上なんですが、それを国民の一般に知らせていくということが大切なことなんです。あなたがここで言ったからということではなしに、平素からそういう形で、公衆衛生局がおっ放したらこれは専売がやらざるを得ない。 そこで、納付金で大蔵大臣に今度聞きたいわけなんです。 がん対策費として一千億ぐらいは国に納める分から除いて、そして専売にがん対策というものをもっとがんセンターに委託研究をさせるとかそういう形に、いまの専売公社の自己資金でやらせるかあるいは納付金の中からやらせるか、いずれにしてもがん対策なり有害対策を講じなければいかぬだろう、こういうふうなことが必要になってくると思うのです。これは専売総裁の方も、内部留保金でやるのか、大蔵大臣の方に入っている金でやるのか、いずれにしても、国民の健康を守るための有害対策費を、これは金額がどの程度になるか、がんなんというのは大変むずかしい問題ですから費用は相当かかると思いますが、当然充当しなければならぬと思いますが、これは大蔵大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○泉説明員 午前中もお答え申し上げましたが、私どもは昭和三十二年から外部の医学界の方にお願いいたしまして、喫煙の健康に及ぼす影響につきまして委託研究をお願いいたしております。その委託研究先にはいまおっしゃいましたような癌学会が含まれておるわけでありまして、その癌学会に年々委託研究をしてその影響を調査いただいておるわけでございます。 ただ御理解いただきたいのは、疫学的に申しますと、死亡された方を調査しますと、生前喫煙者であった人と非喫煙者であった人の中では、喫煙者であった人の方の死亡率が高いということは統計的に明らかになっておるわけでございますが、それではたばこを吸えば必ずがんになるかと言うと、病理学的に言いますと必ずしもそうは言えないわけでありまして、先ほどお話がありましたけれども、ウサギの耳にタールを塗るとがんが発生するというような実験もございますが、これはきわめて多量のタールを塗っておるのでありまして、通常人間がたばこを吸ったことによって摂取するようなタールの量の何十倍、何百倍というようなのを塗りますとがんが発生いたしますけれども、単に人間がたばこを吸っただけですぐがんになるという病理学的な証明はできておらないのでありまして、それほどがんの問題はその原因の究明がむずかしいのであります。また、たばこだけでなしに、たばこ以外のいろいろなものから生ずる発がん状況があるわけであります。したがって、そういう点を含めて考えるべきで、私どもは癌学会に対する委託研究で十分その目的は達成されておると思うのでありますが、なおその程度の金では不十分だというようなことでございますれば、それは検討いたしたいと存じます。
○沢田委員 その程度というのが全然言われていないのですけれども、とにかくその研究の結果も国会へひとつ報告していただくということを特に求めておきたいと思うのです。 それから、これは御承知でもありましょうけれども、一九五四年にはH・F・ドーン博士という人が、死亡率は吸う者が吸わない者より三二%だけ多い、それから紙巻たばこはパイプ、葉巻よりも五八%多い、それから肺がんは紙巻たばこが九・八五で、吸わない人の十倍にも達している、こういうことは皆さんは承知の上で買っているんだと思うのです。さらに、一九五九年にはイギリスの政府が出した。それから六二年、肺がんはたばこを吸う人に多く起こり、量を多く吸うほど危険性は高い。それからまた慢性気管支炎もたばこを吸う人に多い。それから冠動脈疾患も紙巻たばこを吸う人が死亡率が高い。また胃にしても、潰瘍の治療というようなものがおくれる。そしてまた、六七年にアメリカ政府は重ねて警告をした。こういう歴史的な過程はあなたももうすでに承知しておられるだろうと思って私もあえて言わなかったのです。 なぜ承知しておられることを——われわれは調べてからこれをようやく知った。もっと国民の常識としてやはりこれが底辺にあって吸ってもらう、それが専売局なり大蔵省のあり方ではなかろうか。いままでがんにしたからと損害賠償の請求が私はそのうち公社に出てくるだろうと思うのです。もしこれがより多く国民に知られれば、肺がんになった人、たばこの吸い過ぎでなった人からの損害賠償請求は専売当局へ出されてくるだろうと思う。そのうち必ず出てくる、私はそういう結果を招くだろうと思うのであります。だから、研究費がどの程度出た、その程度で足らなければ検討しますという非常に調子のいい返事でありますけれども、どの程度出されて、その研究結果はどうなって、そしてまたわれわれの前にはどう発表さしてくれるのか、その辺を具体的にひとつお答えをいただきたいと思うのであります。
○泉説明員 私どもの委託研究費は本年度一億三千万円でございます。もちろんそれが全部がんの研究だけに使われておるわけではございません。ただもう先生御存じのように、がんというのはたばこをのむから発生するのか、それともそれ以外に発がん物質がいろいろあってそれらの複合によって生ずるのか、そういう点についてなお研究の余地が多いのでございまして、そういう意味からいたしますと、たばこは一つのべンツピレンという発がん物質が含まれておりますので、一つの原因をつくっておるとは思いますから、そういう意味で私どもが研究費を出すことにやぶさかではないわけでありますが、しかしたばこだけががんの原因であるというふうにお考えいただくのはいささか早計にすぎはしないか。そのほかのいろんな発がん物質というものがありますので、それらを全部含めてがん対策というものは考えていかなくてはいけないのではないか、このように思っておる次第でございます。
○沢田委員 私もたばこだけがすべてがんの原因だなんて言ってませんよ、がんの細胞がわかればこれはノーベル賞ものでしょうからね。ですからその程度のことはわれわれも理解している。しかし、それの発生源に幾らかでも寄与している、それを助長さしているという役割りを果たしていることは間違いないんだから、それなりの分担に応ずるという義務はあるだろう、そういう理解をしていただかなければ、何もうちだけが原因じゃないんだからという形で出発——そこから今度次の問題に出発しますが、だから、たばこを売るあなたの方はいいとして、買った人が線路や鉄道のホームヘものすごく散らかす。そしてそれを掃除するのは、国鉄なり私鉄なり、公園へ行けば公園を管理する都道府県である。国体があったりそれからオリンピックがあったり、あるいはそういうような大きな万博があったりというような場合に、それの販売権の問題が問題になると思うのです。いま一億幾らしか出していないということですから、都道府県でやはり環境改善並びにがん予防のアピール、そういうような対策費として、そういう場合原則として一万人——私はこういうことを言っていますが、野球場でもそうですけれども、そういうふうに集まったところの販売権は小売店ではなくて、特に都道府県に与えるということは考えられないかどうか、あるいは市町村団体というところに与えられないかどうか。そしてその利益金を、これは現在八百六十一万円の利益ということになっています、五十二年度の経理では。しかしそういう催し物の利益も入っておるわけだ。八百六十万円というのは年額ですから、一〇%としますと八十六万円ということになりまして、大体月に七万円、こういうことになるわけです。そういう状況の中で、その七万円の中にはいま言ったような大きな催し物の収入も含まれておるわけです。あるいは弘済会が駅で売っておるものも含まれておるわけだ。だからそういう大型な規模のものについては、いま言ったいわゆる有害対策のPR費用あるいはパンフレット代、掃除代というものに使える方法を考えるべきじゃないか。いまたとえば小売店のだれかがそこの権利をとって売って、その利益はいま個人にしか帰してない。あるいはたばこ組合ならたばこ組合がやったとしても、その地区のたばこ組合の利益にしか還元されていかないわけです。だから人を集めていく場合には、より広範な利益還元という形から、現在の小売店の指定の問題もありましょうけれども、それは都道府県というものから見て有害対策の費用に充当させるべきではないか。これはやる気ならできるはずである、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○立川説明員 地方で大きな行事等がある場合に、在来の小売店でなくて、その主催者にたばこを取り扱わせて、その利益をたとえば吸いがらの問題でございますとかに充当したらどうかという御意見でございますが、私ども御承知のとおり、地方税法に基づきましてたばこの販売数量に応じましてそれぞれ都道府県、市町村に消費税を納付しております。これらにつきましては相当の寄与をしておるというふうに考えておりますけれども、一方、専売法がございまして、先ほど先生の御指摘がございましたけれども、現在は公社または公社の指定した小売人でなければたばこを取り扱ってはならないという制度の仕組みになっております。地方公共団体等が物品販売業をできるかどうかという問題もございますし、また、在来の小売店の権益といった問題にも関係してくるかと存じますので、大変むずかしい問題のように考えております。別にまた、地方で国体等がございます場合には記念たばこ等を出しておりますけれども、この記念たばこはほとんど主催地のところで売り上げ増につながっておるわけでございまして、それがめぐりめぐって地方消費税等にも入るという関係になっております。 また、吸いがら等の後始末、廃棄公害の問題につきましては、私どももう十数年前からスモーキングクリーンキャンペーンを始めておりまして、たとえば街頭に吸いがら入れを置きますとか、あるいはポケット吸がら入れを配るとか、あるいはマス媒体等を使いまして吸がらの後始末についてのキャンペーンをやってきておりまして、この種のスモーキングクリーンに関連します活動につきましてはさらに充実してまいりたい、かように考えております。
○沢田委員 これは関係がもっと多いのでありますが、考え方としてはそういう方向は検討——私はきょうの質問だけですべてが解決するとは思いません。しかし、やはりそういう考え方に向かっていかなければならない段階にきておるというふうに私は思うのであります。小売店のマージンを上げたらいい、私は七万円ということでは話にならぬですから、これはマージンを上げてやる方法を考えていかなければならぬだろうとは思いますけれども、そういうところについては公益的に、手数料であろうと利益に還元できるような仕組みを考えていかなければならぬだろう。だから考え方については、検討されないならされないで私ども別に言いますけれども、そういう方向に検討していく必要性が生まれてきているのではないかというふうに思うわけでありまして、再度お答えをいただきたいです。 ついでにもう一つ申し上げますが、先ほど小売店の問題が出ました。四千円とか五千円とかあるいは六千円とか、いろいろ改修費用がかかるということなんです。この改修費用については、その損失補償は、たとえば青色申告では経費で落ちますが、白色申告では経費で落ちないですね、その分は減税してくれますか、大蔵省は。原因者としてどうですか。この自動販売機の改修費については、青色申告は修理費で経費で落ちますが、白色申告者には落ちないですね。専売でわかるなら、落ちるように手配してくれるのですか、ちょっとお答え願いたい。
○立川説明員 先生の御質問は自動販売機の関連の経費のことだと存じますが、自動販売機につきましては先ほどもお答えいたしましたけれども、もともと販売店の判断で設置されておりますし、定価改定後なるべく早く新しい値段につけかえることが望ましいわけでございますけれども、小売店の手数料も据え置きという中から、自動販売機は販売店でそれぞれ調整していただくというように考えております。従来は改作に大変費用がかかったようでございますけれども、現在は二十一万六千台くらいの自動販売機を持っておりまして、その過半数が簡単なコードのつけかえ等でほとんど費用がかからずに調整できる機種でございますものですから、先生おっしゃいました販売店にかかる諸経費の青色申告、白色申告の問題と自動販売機の調整の問題につきましては、私どもまだ検討しておりませんけれども、自動販売機改修そのものにつきましてはそう費用がかからないのではないかというふうに考えております。
○沢田委員 そうとか程度とかということはそれぞれの生活水準によって違うのですよ。あなたは相当な給料取りかもわかりませんが、七万円の平均所得しかない人にとって、五千円なり六千円なり一万円なりかかるかわからぬけれども、そういう費用はそんなに軽い程度のものではないのですよ。大きな機械で、おつりが全部出るような機械はいいのですよ。問題は、一番単純な機械のもので、その改修についての損失補償はだれが持つのかということを明らかにしてほしい。これはさっきの質問もあるけれども、ではどうなんだ、白色申告の場合にはこの分の改修費は——大体業者だって、専売局が決めてくるのでしょう。だから、全然調べてないというのはおかしいですよ、きょうの委員会に来るのに。この程度の費用はかかりますけれども、それは小売店の損失でがまんしてもらうのです、それはそれで一つの答弁ですよ、いい悪いは別として。そんなにかからないでしょう、多分大丈夫でしょうというような答弁はないでしょう。
○立川説明員 自動販売機の改作につきましては先ほど申し上げましたように、過半数がそういったことで改作可能でございます。それからまた販売手数料も据え置くということにいたしておりますので、販売店の負担でお願いしたいと考えております。 ただ、価格の改定後なるべく早く調整をしていただきたいということがございますものですから、販売店あるいは販売団体にも指導、援助をしてまいりたいと考えております。その際に、改作費そのものの補助をするというのは適当ではございませんけれども、改作に関係いたしまして、たとえば自動販売機にはたばこが入っておりますけれども、あれは最近模型品でございます。ダミーと言っておりますけれども、そんなものでございますとか、あるいは自動販売機の所在を示します看板でございますとか、そういった点につきまして援助をしてまいりたいと考えております。
○沢田委員 では、時間の関係もありますから、次の問題を聞きますが、たばこの製造月日というものはいま言ったように害とどういう関係にあるのか、私も残念ながらまだ聞きません。カビが生えているのをたまに見ることもありますけれども、とにかくどこまでが商品としての価値を保存する期間なのか。正月なんというのは恐らく、ずいぶんぐるぐる回って半年くらいたってしまうのじゃないかというような気もしないではありませんけれども、皆知らないで過ごされているのだろうと思うのであります。だから、たばことしては製造月日を表に表示する義務があるのじゃなかろうか。そして、これは科学的にこれから検討していただきますが、どの程度ならば保存して差し支えない——ないと言ったって、普通の葉っぱを吸ったって構わないのです。ただ金出しているのですからね。金を出して買った以上は、やはり商品としての義務があるはずです。だからその商品としての義務は、いつまでが有効期限なのか、やはり明示すべきであろうと思います。ほかの商品についてだって皆それぞれやっているわけでありますから、専売のものだけがそれを免れるということはあり得ないというふうに思いますので、裏に何か銀紙の中にあるのだというふうに聞きましたけれども、まだ私実際に確かめておりません。しかしいずれにしても、表に製造月日を表示すべきではないか。そして、幾日までが大体たばことしての正常な状態が保持できる期間なのか、ちょっと教えてください。
○立川説明員 たばこにつきましても製造の年月日を表に表示したらどうかという御意見でございますが、一体たばこができてからどのくらいもつのかという点につきましては、たばこの種類あるいはたばこの保存状況等によりまして大変差がございます。したがいまして一般的に、何カ月まではいいけれどもそれから先は危険だということが言えないわけでございますけれども、普通湿潤期をはさみますと、半年くらいたちますとやはり多少悪変をするというような事例は多うございます。 製造年月日の表示でございますけれども、私どもそういうことで、いつまでの期間であれば大丈夫だとかだめだとかなかなか決めかねる性質の製品でございますので、現在やっておりますのは、たばこの裏側に包装年月日を入れまして、私どもの製品管理の目安にしているわけでございます。 一方、私ども現在たくさんの銘柄を取り扱っておりますけれども、流通基地の整備でございますとか配給方法の改善でございますとかを通じまして、なるべくお客様に届くたばこは、数の少ない銘柄のものにつきましても早目に吸っていただくような手配をしております。と同時に、たばこにもし品質悪変が生じた場合には小売店に参りますと、よほどその悪変の事由が本人の責めに帰すべき事由でない限りお取りかえをしていくようなことをやっておりまして、販売店につきましてもそういったようなことを指導しております。 そういうことでございますので、たばこの年月日を包装に表示いたしましても、ただ期間がたったから悪くなったのじゃないかというようなことで受け取られますと大変問題があるように思いますので、現在のところは内部管理のやり方といたしまして包装の中でわかるようにしているということでございます。
○沢田委員 だからそれだけごまかしているということなのであって、やはり入梅時期を契機としてカビが生えたり、あるいは春になってきていろいろ障害が生じる場合もあるだろう。しかし問題は、それらの研究をしていって、やはり商品として国民に——これは国の商品なんですから、ある程度の責任の持てるものなんですという期限を明示するという義務はあるのじゃなかろうか。一年後になろうが二年後になろうが知らぬふりで通していってしまう。あなたは目安として裏側にあるから、しかしあけてみなければわからないのだから、買う人にはわからない。これは買ってみて、あけてみたら古かったから取りかえてくれという期間があっていいはずだというのですよ。そういう期間が当然国民としては、買う方の側の権利として存在しなければならぬはずじゃなかろうか。カビでも生えていない限りは取りかえられないというのは、少し専売法として甘過ぎるんじゃないか。一年後なら一年後、一年過ぎていたら、これはもう申しわけありませんからかえますと、そういう義務があってしかるべきだ。ある一定の限度というのが——三年前のものを買わされる場合も起こり得るわけですからね。売れないたばこはそうでしょう。セブンスターとかそういうものは回転が速いからいいですけれども、そうでないものは起こり得るわけですから、そういう場合のリミットというものをやはり表示しておく義務はありやしないか、こういうふうに思うのですが、その点いかがですか。いまのような答弁だったらもう要らないですよ。
○立川説明員 先生の御指摘のような御意見もあろうかと思いますけれども、私ども現在は五十銘柄ぐらいの国内品を持っておりまして、足の速いものにつきましては工場を出ましてから二月ないし三月でお客さんの手に渡っていると思います。それから本数の大変少ないものにつきましてはともすると長くなるわけでございますけれども、できるだけこれを半年から百五十日ぐらいまでのところで販売するように逐次改善を進めてきておりまして、一年以上たったものがまれに出ることがないとは申し上げませんけれども、そういうことで、いい品物をお客様に売っていただくように管理を進めているということでございます。
○沢田委員 もう何やっているのかわからぬが、三年たっていても取りかえばしない、五年たっていても取りかえばしない、もうこれを買ったやつの責任だ、そういうことで言い通そうというのですか、ここを。
○立川説明員 一例を申し上げますと、大変少量銘柄で、販売店の在庫なり消費者に渡りましてある程度期間を過ぎたものは取りかえるようにいたしておりまして、お客様からそういう品物がございますれば、販売店で取りかえるということでございます。取りかえないということではございませんで、取りかえるということでございます。
○沢田委員 そうすると、その基準はそれぞれの銘柄によって違うということですか。それは後ででもいいのですが、知らしてもらえるのですか。
○立川説明員 たばこを拝見いたしますと、普通のたばこよりもしみが出ているとか味が悪くなっているとかいったこともございますし、製造年月日を見ますと長くなっているということもわかりますので、そういう点で、お客様が持っていらっしゃいましたならば取りかえるということをやっております。
○沢田委員 時間がないから、そういう答弁では困ってしまうのですが、それは国民の権利として請求できるものなのか、お願いをするものなのか、あるいは小売店の自由によってそれは拒否もできるのか、そのことに関係してくるわけですよ。これはやはり争いのもとなんだ。だから、それはいつまでのものならばこうしますと一あなたのは欠陥品だけのことを言っているのですよ、しみが出たり欠陥品のことを。そうじゃない、私は日限のことを言っている。その点は、時間の関係もあるからですが、きょうここでは回答ができないだろうから、もう少し商品に責任を持つという姿勢をはっきりしてもらいたいと私は思うのですね。自分のつくった商品については責任を持つ。急行料金だっておくれれば払い戻すのですよ。飛行機運賃だって同じなんですよ。だから、それは十年たっても五年たっても何年たっても、あなたらの答弁ではわからない。あるいは骨とう品に近くなってきても、骨とう品としての価値は出るかもしれぬが、それはその値段で取りかえもしない、こういう形では論理は通らぬと思うのですね。だから、ある一定の日限が超えたならば不良品として扱っていく、損失で落としていくという一つの姿勢というものは必要なんじゃないかと思う。 余りにも無責任な答弁で若干、時間をとりたくないのですけれども、あえてもう一回、これは総裁が政治的に、こういうものについては国民に迷惑をかけないように処理していく基準をこれから明らかにします、いまはないのならそういうものを明らかにするという方向だけひとつ示してください。
○泉説明員 先ほど立川から申し上げましたように、私どもは裏の紙の方に製造年月日を明らかにしてやっておるのでありまして、まず、たばこ小売店に古い製造のたばこが置いてないようにその品質管理を十分行いますと同時に、いまお話しのように、消費者の方から古いものについて取りかえを要求された場合に、それに応ずる基準というものを将来つくってまいりたいと存じます。
○沢田委員 次に参ります。 三割の引き上げについて、三割を引き上げる場合はそれぞれ想定されていると思います。どういう場合に上げるのか、具体的にひとつここで明示をしていただきたい。
○泉説明員 これは私がお答えするのが適当かどうかわかりませんけれども、今回の制度改正におきましては、大蔵大臣は最高価格の三割増しのところまで暫定最高価格を決めることができる、ただしその暫定最高価格は、物価、労賃等の上昇率の範囲内でございますので、今後物価、労賃がどういうふうに上昇してまいるかわかりませんけれども、その物価、労賃の上昇が一年、二年、三年とたっていきます間にある程度のところに行って、専売公社は赤字になったあるいは赤字になることが確実と見込まれるということになる、そのときにいまお話しのような定価改定の問題が起きるわけでありまして、まあその物価上昇につきましては、過去の原料費の騰貴状況等からいたしまして年五%程度を見込んでおけばいいのではないか、そうすればそれがだんだんと累積いたしまして、先ほどお答えいたしましたように、昭和五十八年ないしは昭和五十九年にはそういった専売公社の経営が赤字になるかあるいは赤字になることが確実と見込まれる状態が起きはしないか、そのときに改定するというわけでありまして、そのときに改定できるのは三割の範囲内で、それまでの物価、労賃の騰貴率の範囲ということでございます。 〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕
○沢田委員 二つ言われましたね。物価、労賃の上昇の範囲内ということと、それから赤字になるあるいは赤字になる見込み、これは相矛盾する場合もあると思うのです。違う場合も起こると思うのです。この赤字になるという解釈をひとつお聞かせいただきたいのですが、たとえば現在の特別納付金がありますね、いまある現在の資産勘定からとりあえず、国債であるか何かわかりませんけれども、国に納めております。たとえばその分の資産勘定を食いつぶすまでを赤字というのか、経常経費の中において不足を生じた場合、いま現在四万人で一千九百億ぐらいの人件費、それで見合わなくなったときは赤字と称するのか、貸借対照表上の赤字なのか、あるいは一般のいわゆる経常経費の赤字なのか、これは解釈もいろいろあります。だから具体的に明示してほしいということを言った。それから物価と労賃は、何の物価と何の労賃の上昇なのか、それも具体的にひとつお答えいただきたい。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 いまの赤字でございますが、赤字につきましては、たばこ事業全体といたしまして一つの事業年度で決算上赤字になったときというのが赤字の考え方でございます。したがいまして、過去の積立金があるからそれを崩した後という考え方はとっておりません。それから、公社が赤字になるという原因を突き詰めてまいりますと、この定改後ある程度利益が出まして、これがいわゆる自己資金の内部留保に充てられるわけでございますが、一方、税金が今度の制度で決まってしまいます。これは今後いかなる事業の成果であろうとも、この税金は決められたそれぞれのたばこの売り上げにその税率を掛けたものを国、地方に納めていくわけでございますので、あと原価が結局、消費者物価関連、卸売物価関連、賃金関連といったような原価要素それぞれの関連の上がり方によりまして非常に上がっていった結果、税金を納めた場合には公社が一つの事業年度に赤字になるということでございます。
○沢田委員 もう一つのことを言ってないですね。物価と労賃の対象は何と何ですか。
○後藤説明員 物価と労賃でございますが、原価を大きく分けますと、大体物財費関連と賃金関連というふうに分かれます。
○沢田委員 はい、わかりました。これは専売の関係の労賃と物価ということに固定して言われているわけですね。
○後藤説明員 いま申し上げております指数は、卸売物価にしても消費者物価にしても、日銀統計とか総理府統計のあくまでも客観的な指標でございます。ただその場合にとります原価のウエート、いわゆる賃金関連かあるいは卸売物価関連か消費者物価関連かというウェートは、公社の原価構成の推移等を見ながら大蔵大臣がそのウエートを決める。したがって、公社の実際原価ということになりますと経営の恣意性が入りますので、客観的な指標を使います。ただ、その総合的な総原価というものはそれぞれのウエートをかけたものでございますので、ウエートについては数カ年の公社の実績を見て大蔵大臣が定めるということでございます。
○沢田委員 非常に不明確であります。いままで国会で決めてきたものをこれからは大蔵大臣なり専売公社なりに任されていくわけです。その任せる場合に何の物差しもなくて、あるいは何かふわっとした形で任せるということは、法律ができたことの原因から言っても精神的に言っても背馳をするものなんですよ。だから少なくとも、国会の審議権をとにかくなくして上げることができるという条件をつくる以上は、この場合とこの場合とこの場合に限ります、それ以外の場合についてはまた国会にかけますというのが常識的な提案だと私は思うのです。常識的に言えば、何でも包括的に審議権をなくしていいということにはならないと私は思うのです。少なくともこの場合とこの場合とこの場合はやむを得ないから審議権を政府の方に預けますというのが、法案の提案の筋道だと私は思うのです。だからいま言ったように、三割引き上げる場合にはどういう条項とどういう条項に当たるのかということをお尋ねをしたわけです。 結局あいまいですから次に行きますが、今度審議会ができるわけですね。審議会等を設ける、こういうことになっておりますが、結局、総裁の上部機関か下部機関かわかりませんが審議会ができてそこで審議をする。この値上げの場合、審議会の答申を得て値上げをするのでしょうね、これはイエスかノーか、それだけお答えいただきたい。
○名本政府委員 値上げをいたします前に暫定最高価格を大蔵大臣が決めるわけでございますが、その際には専売事業審議会、これは現在大蔵大臣の諮問機関としてある専売に関する審議会でございますが、そこで審議をいたして御答申をいただいた後に暫定最高価格を決定するという段取りでございます。
○沢田委員 この問題だけに限定しますと、審議会ができて、値上げをする場合には審議会にかけて、その答申は大蔵大臣にされるわけです。答申をされたものを、その値上げ率を決めて今度は専売公社に指示するわけですか、その法律行為はどういうことなんですか。
○名本政府委員 現在のたばこ定価法は最高価格が各等級別に決めてありまして、その最高価格の範囲内で専売公社総裁から幾ら幾らにいたしたいという申請が出てまいります。それを大蔵大臣が認可するかっこうになっています。それと同じように、今回の法律改正でお願いいたしております制度によりますと、大蔵大臣が定めました暫定の最高価格の範囲内で専売公社総裁が定価改定をいたしたいという……(沢田委員「審議会はどこの位置づけですか」と呼ぶ)これは大蔵大臣の諮問機関でございます。 そういう申請が出てまいりまして、それを認可することになります。その暫定最高価格を大蔵大臣が決定するに当たりまして、専売事業審議会にお諮りをして、その上で暫定最高価格を決定する。その後で専売公社総裁からたばこの定価を幾ら幾らにしたいという認可申請が出てまいる、こういう段取りに相なります。
○沢田委員 時間が大分迫ってきましたが、要するにいま言ったように、国会でいままでは随時決めてきた。そのことを今度は、政府なりに審議権を移管するわけですね、三割までは引き上げる権限をゆだねるわけです。そのゆだねる場合には、こういう条件とこういう条件ですということがはっきりされなければならぬだろう。これは後の質問者にお願いする以外になくなりましたから、それははっきりしてもらわなければいかぬだろう。国会の審議権が、いい悪いは別として、とにかく今日まで歴史をたどってきた法律です。それだけのまた権限を持ってきた国会の審議権を、その部分だけ放棄をして行政権にゆだねるわけです。ですから行政権にゆだねられた場合に、行政権としては、こういう場合とこういう場合についてはゆだねられた範囲内において上げることが可能になるでしょう、それ以外についてはまたあるいは大蔵委員会なり国会の御審議を煩わす必要があるでしょうというのが常識的な解釈でしょう。 そこで、この審議会ができるんだが、この審議会の機構なり組織なり権限が要すれば、国会にかわる国民の意見を聞く場所という形になるわけでしょう。ですから、国会の大蔵委員会にかわる機構としての審議会には、それぞれの学者やそれぞれの市民代表が加わって審議をしてもらって大蔵大臣が考えていく、こういうことになると理解してよろしゅうございますか。
○名本政府委員 専売事業審議会で暫定最高価格について御審議を願うわけでございますが、専売事業審議会は現在、日本専売公社法によりまして大蔵大臣の諮問機関として現に存在する機関でございます。そこで御審議をちょうだいするということでございます。 それから、暫定最高価格を決めることができる場合は、先ほど公社の方からもお答え申し上げましたように、公社の一事業年度の経理におきまして決算をした結果、損益で赤字が発生した場合または発生することが確実であると認められる場合に限るわけでございまして、その場合に、物価、労賃でつくります一つの方程式の範囲内で、それ以上は値上げすることはできません。仮に三割以内でございましても、物価、労賃の上がり率以上には上げることはできません。その物価、労賃の上がり額以上に値上げをしなければならないときはもちろん、国会で御審議をお願いしなければなりませんし、三割を超えて値上げをしなければ公社の赤字が解消できないというような場合にも当然、国会におきましてたばこ定価法について御審議をちょうだいして改正をお願いするということに相なるわけでございます。
○沢田委員 その中で抜けているのは、公社に重大な過失が生じている場合にはその限りにあらずでしょう。公社に重大な過失が生じて赤字を生じた場合、それが値上げの対象になる範疇には属さないでしょう。ですから、値上げの対象になる項目というものは少なくとも整理をして、どういう場合とどういう場合にわれわれは値上げをすることが可能なのか、これ以外については国会の御審議を煩わします、やはりそういう形の整理をこの法案の提出前にしておく必要があったんじゃないかと私は思うのです。そのことが公社法の今度はコーポレーションそのものの本質にも関係してくるわけなんだと思うのですよ。ですから、では公社とは何ぞやということにまでなっていくわけです。 だから、公社に重大な過失があったり運営に失敗があって赤字になりました、だからといって適当にたばこ代が国民に降りかかるということを法理論的には容認するものではないと思うのです。だからこの場合にだけ値上げは可能なんですという限定的なものだ、私はこう考えるわけですが、もう一回その点だけ確認しておきたいと思うのです。
○名本政府委員 公社の経営におきまして鋭意経営努力をした結果なおかつ赤字が出るという場合に、その経営を立て直すために必要がある場合におきましてこの制度を発動することができるというものでございます。
○沢田委員 納付金の問題については、先ほども質問があって、私これからやろうと思ったら時間がなくなってしまったようでありますが、現在の公社法そのものの基本に触れるということでこれは大蔵大臣、聞いておいてもらいたいのですが、今度の改正は多数で決まってしまうのかもわかりませんが、私がもう一回検討してもらうことを願っているのは、いわゆるコーポレーションができた昭和二十四年、マッカーサー命令でこの専売なり国鉄なりが起こった。当時第三回の国会でしたが、速記録も全部読ませてもらいました。そしてその公労法とこの公社法ができたときの経緯というものから考えると、この納付金制度を決めるということは公社法そのものの本質に触れる問題である、そしてこのことは、公労法のいわゆる諸権利、諸義務というものも同時に並行的に改正されなければならないものなんだというふうに実は私は考えます。この点は公労法との関係はどうなのか。専売にはいろいろな意見も出ておるようですけれども、公労法それ自体もこれはマッカーサー命令でつくられた法律ですから、あるいはこの公社法もマッカーサー命令でつくられた法律ですから、それを手直しすることを私たちもがえんじないものではありません。しかし、その当時の発想と今日の発想とが違うならば、公労法も同じように変わってこなければならないものじゃないかというふうに考えますので、この点は特に要望を申し上げて、時間がありませんので今後の課題にして、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○小泉委員長代理 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございますが、まず最初に、経営上の問題について公社にお尋ねをします。 昨年の公社の全国営業担当幹部の会議で泉総裁も、専売の販売数量の推移の動向から非常事態宣言というものを強調した、こう言われておるわけですが、販売数量というのはけさの新聞にも出ておりますけれども、昨年の八月には〇・二%のマイナス、これは対前年度だと思いますが、そういう月もあるわけでございまして、ことしはやっと昨年度実績を上回るところだ、こんなような数字が出ておるわけでございますが、一体どういう理由で下がるのか、あるいは横ばいになっておるのか、ひとつ簡単に説明を願いたいと思います。
○泉説明員 たばこの国内普通品の販売数量で申し上げますと、定価改定を行いました昭和五十年度は二千九百二億本、前年に対しまして五十七億本、二・〇%の増加でございまして、これは定価改定があるということで仮需要でふえた面がございます。五十一年度は二千八百九十一億本、前年に比べまして十一億本減りまして〇・四%の減少でございますが、これはもう御承知のとおり、五十年十二月の値上げ幅が四八・五%という大幅でありましたために、需要の回復がおくれましてこのように減少を見たのであります。五十二年度は三千十一億本、前年対比百二十億本ふえて四・二%の増加になっております。これは値上げ後需要が落ちておったのがある程度回復を示したものと思っております。ところが五十三年度になりますと、けさの新聞にも出ておりますように三千十四億本で、前年対比で三億本しかふえませんでして〇・一%の増加にとどまっております。 それでは、五十二年が百二十億本もふえたのに対して五十三年がわずか三億本にとどまったのはどういうことかという点が問題になるわけでございます。五十二年は、五十一年が定改後伸び悩んでおったのが、ある程度定改のショックを解消してふえてきたものと私どもは思っております。ところが五十三年度になりますと、不況がずっと長引いておりまして、おまけに春闘によるベースアップも一けた台というのが二年続いたわけであります。そういったことから国民の消費資金が抑えられた。もう一つは、昨年春以来いわゆる嫌煙権運動ということによりまして、喫煙の場所的な制限あるいは時間的な制限というものがふえてまいりました。結局喫煙人口は減っておらないのでありますけれども、一人当たりの喫煙本数が減ったためにこのように伸びが低かったもの、このように考えておる次第でございます。
○草川委員 では、総裁にお尋ねをいたしますが、いまたまたま不況あるいは消費購買力が全体的に落ちたのではないだろうか、あるいは嫌煙権運動というような運動があったからというこのような理由が言われたわけですが、総裁として、昨年来からの嫌煙権運動という運動に対する感想はどのような考え方をお持ちでしょうか。
○泉説明員 嫌煙権運動をなさっていらっしゃる方にもいろいろなグループがございますが、私どもとしましては、確かに世の中には三千五百万人もたばこを喫煙する人もおりますが、喫煙しない人の方が相当多いということも考えなければならないわけでありまして、ことに乳幼児であるとか妊産婦のような場合には、その喫煙しておる人の隣におっていわゆる副流煙を吸い込むということが健康にとって問題でございますので、そういう意味で、嫌煙権を主張されるということは大変意義があったことだと思っております。 ただ私どもとしては、嫌煙権という権利があるような主張をされますと、たばこ愛好者は、それではわれわれは喫煙権を持っておるというようなことで、権利と権利の主張をし合うということはこの世の中で適当なことではない。したがって、たばこをのむ人はたばこをのまない人に対する配慮をして、そしてそういうことによってたばこを好まない人に害を及ぼすことのないように留意していただく。と同時に、たばこをのまない人も、たばこを吸う人がマナーを守って吸うならば、それは認めてあげるべきだというふうに思っておる次第でございまして、嫌煙権運動によって私ども反省させられた点もございます。したがって、そういった点につきましては今後私どもとしては、スモーキングクリーン運動を通じまして反映させてまいりたい、このように思っておるところでございます。
○草川委員 総裁の嫌煙権に対する一定の評価がわかったわけでございますが、まだ正確ないわゆる評価をなすっておみえにならないのではないだろうか、特に受動的な喫煙というそれの及ぼす害、あるいはまた場所的な制限等の問題についてなおまた正確な御理解を賜りたい、こういうようにお願いをしたいわけであります。 そのことについてはまた後で触れるといたしまして、前回の値上げは五十年の十二月でございますが、その後材料、人件費等いわゆるコストアップがあったと言われております。正確には三五・五%だというような言い方をされておりますが、そういう数字でいいわけですか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 原価の上がり方の起点のとり方、大変むずかしゅうございますが、五十年というところを起点にとりまして五十三年までですと、これは約一三〇%ということになろうかと思います。五十四年になりますともう少しこれが上がります。 この最近の上がり方が非常に大きいという原因は、実は四十八年暮れからのオイルショックがございまして、四十九年産葉が約四四%、それから五十年産葉が約一四%というように、いわゆる公社の総原価の中で五割を占めます葉たばこ費が大変大幅に上がりました。これの原価がいわゆる原価アップとなる年度が五十一、五十二、五十三というようなところに集中しておりますので、大変高い上がり方になったということでございます。
○草川委員 いろいろな理由で製造原価というものが上がるというお話が先ほど来からあるわけでございますけれども、製造原価が上がるならばとりあえず、その分だけアップをすればいいではないだろうかという、特に定価の法定制緩和という問題があるならば、いわゆる製造原価のアップ内にそれはとどまるべきではないだろうか、こういう一つの意見があると思うのです。 たとえば今度これが百五十円が百八十円に改定されるわけでございますけれども、その上がり幅も、いま言われたようにたとえば一三〇%だ、三割アップだ、あるいは多少それが上がったといたしましても、原価のみのアップというのは——売り上げに対する製造原価というのは約三〇%の範囲内にあるわけですね、内部留保が四%、小売マージンが一〇%というような言い方をするならば。だから、その原価に反映するものだけをとりあえず上げるというような発想はなかったのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○名本政府委員 お答え申し上げます。 たばこの原価が上がってまいりますと、現在の専売公社法の制度からまいりますと、専売納付金が利益処分のかっこうで国庫に納付されることになっておりますので、専売納付金の額がその分だけしわ寄せを受けるということになります。そこで、原価を償うだけ定価を上げるということになりますと、専売納付金の部分は言うならばそのままになってしまうわけでございます。原価が上がることによりまして言うならば、たばこがしょっております国の財政、地方の財政に対する負担部分というのはその部分だけ下がっておるわけでございますので、原価相当分だけ上げますとそこが据え置きのままになります。昭和五十二年の税制調査会の今後の税制のあり方の答申におきましても、適切な負担水準を今後維持していくようにという答申をいただいておりますので、単に原価の上昇分を償うだけでなくて、その負担水準というものを維持さしていただきたいというのが今回の二〇%値上げをお願いしている理由でございます。
○草川委員 そこで今度は大臣にお伺いするわけでございますが、結局今回の改定の真の理由をどちらにウエートを置いておみえになるのかということなんですね。早く言うならば、コストアップの方が大変だから、値上がりをしてきたから値上げをしなければいかぬのか、あるいは先ほど御答弁がございましたように、増収の方にウエートを置いて今度の値上げをやられるのか。いわゆる最近のはやり言葉で言えば、軸足はどちらの方に置いておみえになるのか、ひとつ明快な御答弁を願いたいと思います。
○金子(一)国務大臣 これは申すまでもなく、最近の財政事情は大変厳しい状況でございますから、コストアップの分のカバーも当然なことでございまするけれども、この際ひとつ財政不足、財政需要にこたえるためにお願いしたい、こういうことでございます。
○草川委員 そうするといまの大臣の答弁では、コストアップもさることながら、財政事情の方に軸足が多く置かれている。早く言うならば、専売公社としては余り値上げをしたくないんだけれども、これは財政事情の方に押し切られたという感じになるわけですね。 そこで、先ほど総裁の方からも深刻なたばこ離れの傾向というのが報告をされておるわけでございますが、たばこの値上げによってさらに需要が落ち込んで、いわゆる安定的な確保が財政的に保たれるのかどうか、増税なら増税で、明確に税収確保が真のねらいだということをはっきり言った方がいいのではないだろうかと思うわけでございますが、その点どうでしょうか。
○名本政府委員 今回のたばこ値上げにつきましては、確かに財政事情の窮迫ということがございます。それと同時に、原価の上昇ということによりまして、国庫において期待しております納付金を上げていくということに相なりますと、専売公社としましては経営上大変苦しい事態に立ち至るということでございますので、先ほど御説明申し上げましたように、現在の専売公社法が利益処分のかっこうで納付金を納めるということになっておりますために、確かに言うならば、財政が主導をいたしまして定価を改定することになっておるのか、あるいは経営上苦しいから定価を改定することになるのか、非常に不明確な状況でございますが、そのどちらも非常に重要な点であるわけでございまして、どちらがどちらということは必ずしも申し上げかねる次第です。おのおのがおのおの働き合ってくるということではなかろうか、かように考えております。こういう事態が、今回改定をお願いしております制度改正がお認めいただけますならば、どちらがどちらの事由によって値上げをすることになるということがはっきりすることに相なるわけでございます。
○草川委員 先ほどの大臣の答弁と少し食い違う御答弁でございますが、きょう私はその点についての問題提起は主たる役割りでないので、また他の先生方にお願いをするといたしまして、輸入葉たばこの為替差益のことについて少しお伺いをします。 輸入葉たばこの為替差益という言い方が必ずしも正しいかどうか別でございますが、現実に公社の方は輸入数量があり、外貨建て金額というものを想定をいたしますね、予算レートというものを。現実に購入した場合の差というものが出てくるわけです。五十二年度の場合は、輸入数量が八万五千九百八十トンでございますか、これで支払い時のレートとの差額が約百七十八億、五十三年度の場合も七万八千百六十四トンで二百五十七億の差額が出ておるわけでございますが、こういうものは今回の値上げに一応コスト的には入れられておるわけでございますか、その点どうでしょう。
○岡島説明員 お答えいたします。 輸入葉たばこに係る円高差益ということでございますが、円高差益という言葉がいろいろな意味に使われますものですから、用語の定義をここの場合にはいま先生御質問のように、予算上の為替レートと実績の為替レートとの差によりまして輸入葉たばこ購入費がどのくらい減ったかということをもっていわゆるこの場合の差益というふうにみなしますと、五十二年度の場合は百七十八億円、それから五十三年度の場合は、最初二百五十億円程度と見込んでおりましたが、その後数量が少し減りまして二百億円そこそこになりましたが、ほぼ二百億円台の支出の減少額というものが生じておるわけでございます。 葉たばこは購入してから製造たばこの原料として使用するまでの間に二年間在庫として保管しなければならないわけでございます。その場合、いま申し上げましたような数字の減少額でございますが、その年度に直ちにコストの減少額としてはね返ってくるということではないわけでございます。少し会計技術的な話になりますけれども、在庫金額が五十二年度の場合には百七十八億円、五十三年度の場合は二百億ないし二百五十億円減少した、こういうことに相なるわけでございます。 それで、そういった金額と今度の五十四年度にお願いをしております定価改定との関係でございますけれども、ちょっと技術的な点を省略して申し上げますと、五十二年度のいわゆる支出減少額と五十三年度の支出減少額の一部分が公社の製造原価に反映するということになるわけでございます。五十四年度におきましては、ところが輸入葉たばこ以外の国産葉たばこ、人件費等の原価の上昇がございます。そういうものが輸入葉たばこのコストの低減の効果を相殺したと申しますか吸収したと申しますかそういうことでございまして、だんだん益金率が下がってきたということもございまして、五十四年度の定価改定は全体を見た原価を勘案して値上げ幅を決めておる、こういうことでございます。したがいまして、五十二年度あるいは五十三年度に出ました支出減少額というものはそういう定価改定のいわば算定要素の中にすでに織り込まれている、このように御理解をいただきたい、このように思っております。
○草川委員 定価の中に織り込んであるということでございますので、では、それはそれで結構でございます。 先ほど総裁の方も若干言われたわけでございますが、実は専売公社は昭和五十二年の三月に「喫煙の場所的制限に関する研究」というものを財団法人たばこ総合研究センター、これは先ほども一億数千万円と言っておみえになりましたが、いろいろと外郭団体に委託をして研究をなすっておみえになりますね。これは略称TASCというのですが、この研究報告があるわけでございますが、かなり膨大な資料で全部で二百十一ページございます。 この「まえがき」なんかを見ましても、「一九六二年の英国王立医師会レポートや一九六四年のアメリカ公衆衛生局レポートなどの喫煙の害についての疫学調査」が発表されておる云々という言い方でございますが、日本専売公社、地方公共団体、国鉄その他の交通機関の協力でできたものだというので、かなり詳しくたばこを吸ったときの空気汚染の状況が出ておりますが、これはマル秘資料でございますか、まずお伺いします。
○泉説明員 これはTASCに委託調査をしたものでございますが、何分にもその調査というのが初めてのものでございますし、またいろんな条件設定がむずかしいわけでございまして、そういった点から、その条件設定を無視して結果の数字だけひとり歩きしますと大変困る事態になりますので、したがって私どもとしましては、この調査結果はマル秘資料にいたしておるのでございます。
○草川委員 いまいろんな条件設定があるから結果だけを見てもらっては困ると言うのですが、私これを持っておるのですけれども、この中には、レポーターというのですか報告者もいまのようなことはおっしゃってみえるのです。いまのようなことをおっしゃってみえるのだけれども、たばこの害というものが非常にひどいという例が随所に出てきておるわけです。私は昨年これは資料請求をしたわけでございますが、同じようにわれわれの資料請求に対しても専売公社の方は提出をお断りになられたわけです。いまこれだけたばこの問題について関心を持っておるときに、せっかく膨大な予算をかけて公社がいろんなデータを出しておみえになることを拒否をするというのは、私はおかしいと思うのです。その点についてもう一回御答弁願いたいのです。 ついでながら申し上げておきますと、おもしろいことも書いてあるのですね。歴史的に江戸時代、慶長十四年、江戸城内においてたばこをのむことが禁示されておる。また、元禄八年には町奉行に路上喫煙を取り締まらせているというような歴史の報告もこの中に書いてあって、見ていて非常に興味があるのです。これはいま町に出せば飛ぶ鳥のように売れていく本だと思うのです。専売公社は値上げしなくても、TASCの報告を二、三百万売れば十分合うのではないだろうかと思うぐらいに、この内容ははっきり言って読めばきわめておもしろいのです。そういうものをなぜ秘密にされてみえるのか、もう一回お伺いをします。
○泉説明員 お話しのように歴史的事実については、それを御存じない方にとっては大変興味のある向きもあろうかと思いますけれども、これを公表することによって、たとえばどの程度の室内において何人が喫煙した場合に換気を十分しなかった場合にはどういう結果になるというような条件の前提のもとにいろいろ調査が行われておるわけでありますが、その結果の数字だけで判断されると困るような事例もございますので、何も全部が全部秘密というわけではないのでありますけれども、そういった秘密のところがございますので公表しないということでございまして、先生御冗談でおっしゃったと思いますけれども、これを売ったところで、今回値上げを行うことによって得られる納付金の何万分の一も上がるものではございません。
○草川委員 そうむきになって答弁なさらなくても結構だと私は思うのですけれども、たとえばこの中には、日本専売公社の応接室でテストをやっているのがあるのですよ。日本専売公社応接室、昭和五十年十月十三日午後二時、実験参加者十三人、喫煙時に訴えた生理的感覚、実験AとかBとかたくさんあるわけでございますけれども、四分間で環境基準の一〇PPmを簡単にオーバーをしておるとか、それから、十分間に一本の割合でたばこを吸うとかといういろんな条件があるわけでございますが、目が痛くなるのが十分だ、十五分で息苦しいとか、二十分で頭が痛い、これは専売公社の応接室でデータをとっておるのですから、そんなにかけ離れた条件でも何でもないと思うのです。そういうことならばかえって、換気を広めてやりなさいとか、あるいはもっと他人に迷惑をかけないようにという先ほど御答弁なすったようなことをやられた方がよほどいいと思いますね。 特に一酸化炭素の濃度が一九・九PPmというような数字もありますし、煙粒子濃度というのですか、三・三二ミリグラム・立方メートル、これなどは明らかに建築物環境衛生基準の濃度規制、これは厚生省が昭和四十五年に出しておる基準でございますが、これをはるかに超えております。浮遊粉じんの場合は一立方メートルで〇・一五ミリグラムでございますからね。あるいは、一酸化炭素の場合は一〇PPmというわけでございますから、はるかに凌駕をしておるというような数字があるわけですから、これは公社が調べてみたら予想外に悪い条件というのが出てきたから、あわててそういうようなことを言われたのじゃないだろうか、私こう思うのですよね。もうある程度の条件というのはわかっておるわけですから、せっかくのこういうデータでございますから、遠慮なしに公表すべきものは公表しながら、そしてあるべき方法というものを公社の方は出された方がかえって、いまの国民的な世論にこたえることになるのではないだろうか、私はこう思うわけです。だから私は、せっかくの資料でございますから、この際公開をしたらどうだろう、こういう問題提起を申し上げておきます。いま総裁の方はお断りになられておりますが、非常に私としては強く申し入れをしておきたい、こう思います。 では今度は、厚生省にお伺いをいたします。 WHOの方は、来年度の重点目標というものを喫煙と健康というふうに決定をしたというようなことで、それぞれ年間テーマとして活動するように厚生省と国立がんセンターに通達というのですか要望というのですか、態度を表明をしたというのが報告をされておるわけでございますが、喫煙者と非喫煙者別の肺がん、喉頭がん、あるいは胃、十二指腸潰瘍、これの対比表、死亡比の対比を私がいまから申し上げますから、それが正しいかどうかということだけお答え願いたいと思います。 まず、喫煙者と非喫煙者別の主要死因はWHOの報告では、肺がんで十・八倍、喉頭がん五・四、あるいは胃、十二指腸潰瘍が二・八、こういう数字が出ておりますが、そういう倍率がそのとおりであるかどうか、お答え願いたいと思います。
○大池説明員 WHOの専門委員会報告というのが一九七四年提出されまして、一九七五年印刷されたものがございますが、その資料をおっしゃったのでございましょうか、それとも国内の……(草川委員「いや、そうではなくてWHOの」と呼ぶ)WHOの資料でございますと、英国の場合とか米国の場合あるいはカナダの場合とかいろいろな……
○草川委員 では、その資料の突き合わせがちょっと違うようですから、国内の厚生省の出してみえる平山さんの出した資料ですね、これだと肺がんが三・六倍、これは国内の条件が多少違いますから、そのかわり喉頭がんが十三・六倍に日本の場合はなっております。それから胃、十二指腸潰瘍が二・〇倍、これは間違いないですね。
○大池説明員 おっしゃるとおりでございます。
○草川委員 そういうように非常に喫煙者と非喫煙者別の主要死因の死亡比というのは相当あるわけでございますが、つい最近、妊娠中の喫煙は胎児の血管の内膜に病変を起こし、それが原因で成人病の動脈硬化が加速されるかもしれないというような、これは昨年の九月、東京での第八回世界心臓学会で病理学的な研究発表がデンマークの学者によって発表されておるわけでございますが、WHOの方も、妊娠をしたらたばこをやめましょう、こういうことを一九七五年の勧告にも言っておるわけであります。 私は、特にこれは厚生省として、公社の総裁も先ほどちょっと触れられておみえになったことでございますが、妊娠をしたらたばこをやめようという指導というものを少し各県に出すべきではないか、いわゆる保健機関がそういうことを実施すべきではないかと思いますが、厚生省の方の答弁を願いたいと思います。
○福渡説明員 お答えをいたします。 いま御指摘がございましたように、喫煙が妊娠にあるいは妊婦と胎児にどのような影響を与えるかということがWHOのそういう資料等にも十分に見られますし、また、私どもの方でも心身障害の発生防止という観点から、現在研究班にその研究をしていただいておるわけでございます。この研究班は本年度で一応結論を得るという計画でございますので、いまのところはその結果を待って行政指導の内容の充実を図ってまいりたい、このように考えておるところでございますが、一般的に言われておりますいろいろな調査の結果等を踏まえて、その間も母子保健施策全体の中でそういう指導を進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○草川委員 年内にその報告が出るから直ちに実施をしよう、こういうお話でございますが、すでに英国だとか、フランスの場合なんかでもシモーヌ・ペイユという女性の大臣なんかは政府として、いわゆる保健省としてずいぶんでかいポスターを張りましてやってみえるわけですよ。前の方の御質問の中でも、厚生省は健康何とか財団の予算も組んでおみえになるわけですから、積極的にそれはやってもらわなければいかぬと思うのですね。だから、年内に結論が出てからやるのではなくて、少なくともWHOの勧告があるわけですから、並行して何かの指導をすべきだと思うのですが、もう一回ひとつ前向きな態度を出すように答弁してください。
○福渡説明員 ただいまも申し上げましたように、もちろんその研究の結果を待つということと同時に、現在ある知識の中で保健指導を進めていくということは並行してまいりたいと思っております。
○草川委員 では、ぜひその指導を始めてください。 続いて、これも厚生省ですが、国立病院の待合室を禁煙にするということは、昨年の四月二十八日付でございますか、指定の場所以外では禁煙にするとの通達が出ておるわけですが、その実施状況、特に国立病院は九十四カ所、国立療養所百五十八カ所、国立がんセンター、大阪の循環器病センター、計二百五十四カ所ございますが、その実施状況はどのようですか。
○吉崎説明員 まず国立病院についてでございますけれども、四月一日現在で入院につきましては一〇〇%、外来につきましては九六%でございます。なお国立病院の場合この外来の四%は、特に喫煙場所の制限はいたしておらないのでございますが、喫煙を自粛するようにという指導をいたしておるところでございます。 国立療養所につきましては、何らかの形で喫煙を制限するような指導をいたしておりますもの、入院につきましては九七%、外来につきましては九二%でございます。
○草川委員 では、文部省の方にお伺いをしますが、いわゆる大学病院というのがあるのです。大学病院はただいまのところ、同様の取り扱いはしておみえにならぬわけでございますが、どうされるつもりでございますか。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 大学病院におきましては、病棟におきましては一〇〇%喫煙を禁止しております。それで外来等の関係でございますが、これは本院三十三病院中十四病院が特定の場所以外の喫煙を禁止しておるわけでございます。今後ともただいま御指摘のございました喫煙の周囲に及ぼす影響をよく理解いたしまして、各病院で建物構造等の実態に即しました適切な措置を講じますよう、近く開催いたします国立大学付属病院長会議等も活用いたしまして、大学病院を積極的に指導してまいりたいというふうに考えております。
○草川委員 では、ぜひそのように進めていただきますが、まだほかに一般の私立のそれぞれの病院あるいはまた私立の大学病院、あるいは自治体病院等があるわけですが、厚生省としてその種の指導はどうされますか。
○吉崎説明員 公立病院はもちろんのこと、他の医療機関につきましても、国立病院と同じような配慮をすることが望ましいと考えておりまして、医療監視の機会を通じましてそういう趣旨の指導を行うよう各都道府県に指示しておるところでございます。
○草川委員 これもやはり具体的な実施状況等を明らかにしていただいて、ぜひフォローアップをしていただきたい、こういうように思います。 そこで、それぞれ場所的な制限の問題等について触れてきたわけですが、今度は具体的なたばこの表示の問題について専売公社にお伺いをしたいと思います。 御存じのとおり、WHOの方もいろいろな勧告を出しておるわけです。宣伝、広告の制限、あるいはタール、一酸化炭素、ニコチン等の量の表示を箱や広告に印刷をすることを要求する、あるいは喫煙が健康にとって危険だという表示をたばこの箱や広告に記するよう要求する、その表示情報や文章はメッセージが死文にならないようときどき変えろというようなことを言っておるわけです。 これは私どもも昨年来から何回か専売公社の方にいろいろと言っておるわけですが、私、実はここにヨーロッパのたばこを全部持ってきました。これはそれぞれのたばこ、専売公社の方は知ってお見えになりますが、大蔵大臣、ぜひ見ていただきたいのですが、全部ニコチン、タール、WHOに非常に忠実に書いてあるわけですよね。これはスウェーデン語でございますが、大臣、念のために……。これがアメリカでございますね。これがフランスだとか全部書いてあるんです。 たとえばスウェーデンのたばこでは、たばこを吸う人は吸わない人より病気にかかりやすいとか、これは社会保健庁の名前なんですが、あるいは長時間喫煙をするあなた、喫煙をやめるのは病気の危険性を少なくし、コンディションをより良好に保つことになりますとか、それぞれ一酸化炭素が約一〇だとか、タールが約十二ミリグラム、ニコチンが〇・九、いろいろと書いてあるんですね。どんなたばこが最も危険か、これは量が多いものだとかありますが、専売公社はこの表示方法について非常にがんこに現在のものを維持をしようとしてお見えになりますが、複数表示をされるお気持ちは全然ないですか、どうでしょう。
○泉説明員 現在、専売公社といたしましては、御承知だと思いますけれども、「健康のため 吸いすぎに注意しましょう」という表示をいたしております。この表示につきましては、昭和四十七年に専売事業審議会が大蔵大臣の諮問に対しまして答申をされまして、大蔵大臣からその答申に従って注意表示をするようにということで表示をいたすことになった経緯がございます。 私どもとしましては、御存じのように各国で、先ほどもおっしゃいましたけれども、いろんな注意表示から警告表示といったものがございます。それらについていろいろ見ておるわけでございますけれども、「健康のため 吸いすぎに注意しましょう」というのが日本ではもう相当定着しておって、消費者の方がその点は十分理解しておられるというふうに私は考えておりますので、その注意表示でいいのではないか。なおニコチン、タールにつきましては、一つの単品ごとにニコチン、タールを表示するよりも、小売店頭にすべての銘柄についてニコチン、タールはどうなっているか、軽いものから重いものに順番に表示するようにしておりますので、そういった方が消費者にとってはむしろ親切ではないかというふうに考えて、いまのようなやり方をやっておる次第でございます。
○草川委員 消費者にとって親切ではなくて、それは専売公社がそういう具体的なものを書くと消費者がますますたばこ離れをするということを恐れて、頑強に複数表示を否定をしておるんじゃないですか。どうですか、それは。
○泉説明員 私どもはそういう考えではございません。ただ御承知だと思いますけれども、ニコチン、タールというのは、同じ銘柄のものでございまして、またしたがって同じ葉組みなんでありますけれども、工場が違う、あるいは工場が同じであってもそのつくったロットが違いますと、それによってニコチン、タールは多少ずつ違うのであります。現在公表いたしておりますニコチン、タールというのは、いろいろな工場でつくったもの、またその時期の違うものを一年間合わせまして、その平均値として出ておるものであります。したがって、個々のたばこの包装に仮にニコチン、タールを表示いたしましても、それはニコチン、タールの保証ではない、このたばこのニコチン、タールは〇・何ミリであり、あるいは一・何ミリであるということを保証する性格のものではなくて、平均値としてはこの程度になるというような性質のものでございますので、私どもとしては消費者にたばこ全体について、どういうものがニコチン、タールが少なく、どういうものが多いんだということをお知らせした方が親切であって、個々の個装に表示いたしますということはむしろ、消費者を誤まらせるというふうに考えておるのであります。
○草川委員 それは総裁、ちょっと違うんじゃないですか。ニコチンの含有量というものあるいは一酸化炭素あるいはタール分の表示というのは、少なくとも世界的な一つの動向なんですよ。だからWHOとしては、そういうことをやれという勧告をしておるわけです。日本だけが頑強に反対しておるわけです。 いま皆さんのお手元で見ていただいたようにハイライトというのがあります。このハイライトはもちろん、日本のハイライトでございますけれども、私がいま持っておりますのはアメリカのハイライトなんです。日本専売公社の許可を得てフィリップモリス社がバージニア州でこれをつくりましたという表示があるわけでありますが、この中に、たとえばアメリカの公衆衛生局長は、喫煙はあなたの健康にとって危険である、デンジャラスというのですか、危険であると断定をしている。同じハイライトでも、アメリカではそういう表示になるわけですよ。日本は日本で「吸いすぎに注意しましょう」という程度、同じ製造物によってこれだけ違うわけでしょう。これなんかは、アメリカが書いておるんなら、日本だって同じようなことを書いたって別に迷うわけでもないし、ニコチン、タールの問題は、たまたまこのハイライトには書いてありませんけれども、世界のたばこの動き、あるいはWHOという健康を守るという立場、専売公社がこのことだけについては非常に頑強に拒否をしてお見えになりますね。先ほどの御質問の方にも、健康のためには軽いタール分のものを余り深く吸わずに少しずつ吸っていただいて捨ててもらうというようなこともわれわれはPRしたいと思うと言って見えたでしょう。ヨーロッパにはそういうことを書いてあるのですよ、スウェーデンのたばこなんかは。健康のためにちょい吸いでちょい捨てなさいということすら書いてあるんだから、そういうことは専売公社だって参考になるでしょう。そういうことも否定するのですか、これからずっと未来永劫。どうですか。
○泉説明員 いろいろお話がございましたが、未来永劫というつもりはもちろんないわけでありまして、私も未来永劫生きるわけではございませんので、そういった点につきまして世界の動向がどういうふうになっているかということにつきましては、私どもも十分注目をいたしておるところでございます。
○草川委員 くどいようですけれども、公社の中ではWHOの勧告について検討はしてみえるのですか。
○泉説明員 もちろんWHOの勧告を入手いたしまして、それにつきまして検討いたしました。
○草川委員 私どもも検討をしておみえになるという話はときどき聞いておるわけです。だったら、いろいろな内容のやり方があると思います。タール表示もあるでしょうし、いろいろな警告をどう変えるかというやり方があると思うのですが、未来永劫いまのままでいくというつもりはない、検討はしておるということならば、多少なりとも前向きにそういう世界の動向に沿いたいという気持ちは持ってみえるのですか。
○泉説明員 先ほど申し上げましたように、世界の動向には十分注意をいたしておりますので、その上で私どもとして考えていきたいと思っておるわけであります。
○草川委員 押し問答になるわけでございますが、一応公社の方も検討せざるを得ないような態勢になってきたことは事実ですね。そして現実に店頭等についていろいろなことをやっておみえになるわけでございますが、国内の宣伝広告費の推移は、昭和四十八年には二億九千三百万円、四十九年にまた上がりまして三億五千二百万円、五十年で七億、あるいは五十二年で五億八千二百万円、五十三年度で六億六千五百万、五十四年度の場合は、いろいろな関係があるわけでございますから予定になるわけですが、七億、こういうように国内の宣伝広告費が非常にふえてきておりますね。これはいま言うように、WHOの勧告に沿わなんいじゃないですか、あるいはまた、そういうように予算をふやしていくとするならば、私どもは健康の問題やWHOの問題についてこの宣伝広告費の推移の中でもっと多く割いた方がいいのではないかと思いますが、どうですか。
○泉説明員 各年の国内の広告宣伝費の推移はお話のとおりでございますが、五十年度がふえておりますのは定価改定があったせいであります。 〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕 定価改定に伴って消費者の方に、今回の値上げによってどれだけの価格になりますよということをお知らせするのに相当お金がかかるわけであります。したがって今回の五十四年度の予算におきましても、そのうち二億七千万円はそういう定価改定で消費者に周知させるという意味の広告宣伝費でありまして、これはいわば定価改定に伴う特別の経費でございます。 それ以外にはなるほど、四十八年の二億九千三百万が五十三年には六億六千五百万円になっておるということではありますけれども、広告費の売り上げ額に対する比率といたしましてはふえてないのであります。これはもう先生御存じのように、アメリカでございますといろいろなたばこ会社がございまして、競争を大変激しくやっているせいもありますけれども、新しく銘柄を出すときにはおおむね百億円以上の宣伝費をかけておるのが普通でございます。したがって、年間宣伝費というものも何百億という数字になっているのでありまして、その点からいたしますと、わが専売公社は広告費については大変自粛いたしておるということは御理解いただけると思うのでございます。
○草川委員 アメリカの場合はカリファーノ長官が最近非常に宣伝を抑えてきておるわけですよね。しかもたばこの害等について、役所関係から全部追放するとかいろいろ大なたをふるってきておるわけですよ。そういうしわが逆にいま日本の中に寄せられようとしてきておるわけですよね。私は実際多いと思うのですよ、そんなに少なくないと思うのです、五億とか六億とか四億とかいう宣伝費というのは。 専売公社の中に、たばこ広告宣伝基準というのが大体六つぐらいありますね。この二番目に「ニコチン、タールの調査結果を年一回公表し、販売店頭でもわかるようにする。」という言い方をしておりますが、年一回ではなくて常時、この広告費の中に入れなさいということを言いたいわけですよ。WHOの勧告なんか入れて、そして公社は公社としてのあり方ということを考えてもらいたい、これは非常に強く要望したいと思います。このたばこ広告宣伝基準は公社の中で六つあるんだから、私の言った点でこれをさらに拡大するという気持ちはありませんか。
○泉説明員 私どもたばこの広告宣伝につきましては自粛するという基本的姿勢のもとにお話しのような基準をつくっておるわけでございます。それにつきまして最近外国から、輸入たばこを売るために広告宣伝を認めよということを言ってきておるのでありまして、私どもとしては、国内で自粛しておるんだから外国たばこの方もそうむやみな宣伝をされては困るということで、お互いにルールを決めようではないか、その決めたルールの中で広告宣伝をしてもらうようにしたいということで、いまアメリカのそういったたばこ業界の人たちと話をしておるわけであります。その話し合いの結果によって、あるいはいまの広告宣伝の基準を変更しなければならないことが起きようかとは思っております。その際に先生御説のような点もあわせ考えていきたいと思います。
○草川委員 ぜひ有害ニコチン、タール等の調査結果等は常時出るようにしてもらいたい、こういうように要望します。 時間がございませんので、最後になって大変申しわけございませんが、国鉄の方にお伺いをいたします。 先ほど触れましたたばこ総合研究センター、TASCの研究内容の中にも、「こだま号」の調査が出ておるのです。それで男は大体四人に一人はノースモーキングであるし、「ひかり号」の旅客調査でも非喫煙者というのは四割近いというようなこともあるわけです。いま国鉄は、一方では駅のクリーンキャンペーンというのをやっておりますし、通勤通学列車の禁煙列車もふえておりますし、非常に意欲的に取り組んでみえると思うのです。それはそれなりに国鉄の合理化にも非常に大きな役割りを果たしていると私は思うのですが、この際「ひかり号」に禁煙車というものを適用するように割り切るべきではないだろうか、こう思うわけでございます。きょうは国鉄の吉田旅客局長がお見えになっておられますが、ぜひ御答弁を願いたいと思います。
○吉田説明員 先生御承知のとおり、五十一年の八月から「こだま」の十六号車に禁煙車をつけてございます。それが大体三年近い状況で定着をしてきておりますが、それ以後国鉄としましても、「こだま」に並ぶ「ひかり号」を検討してきております。 ただ御承知のとおり「ひかり号」は「こだま」と違いまして大変込んでございまして、また、長距離の東京−博多間ということでございますから指定席が大部分でございます。指定は御承知のとおり、発売窓口でお客様に一々その際に禁煙、非禁煙という形になりますと、たとえばグループで来られる方がどの車両を選ぶか、またもし満員の場合にはほかの編成の車両を選ぶかという大変むずかしい問題がございまして、指定席ではいろいろ検討してみたところできにくい。残りましたのは自由席でございますが、自由席はわずかに四両でございます。それで、列車の乗務員それからホームの案内係というものを本社で集めまして、いろいろその後検討してきておるわけでございますが、列車乗務員、案内、整理の大多数の意見は、四両の中で一車つくるということ、また、四両でございますから自由席が常時八〇%以上のお客さんでございまして、そういう中で、誘導案内し、またお客さんがたばこ好きの方が逆にその席に座ってしまいまして、後でまたお客同士のトラブルというようなことも予想されるということで踏み切れない実情でございますが、ただ、せっかく「こだま」にもつけたいきさつもございますし、今後「ひかり」につきましては、「こだま」編成を少し減少いたしまして「ひかり」編成に切りかえていきたいというようなことが国鉄でもあります。ただこれは東海道新幹線がそういう状態でつくられておりませんから、少し根本的な東海道新幹線の見直しの際に自由席をふやすというときに、先生の御要望に沿ってやっていきたいというような方向で検討しております。
○草川委員 もう一回、ちょっと待ってください。 いずれやりたいということ、しかもそれは自由席をふやすような形の中でやりたいというお話がございましたが、それは一体いつごろそういうように割り切られるのか。あるいはまた、いま指定席はまず無理だという前提がございましたが、これはコンピューターの能力あるいは仕分け、いろいろなものがございますが、一つボタンを押すことによってそんなに、かえって自由席で禁煙車両をつくるよりは一定の範囲内で禁煙という指定席を認めた方がいいのではないか、こう思いますが、その点はどうでしょう。
○吉田説明員 その点につきましては、われわれも技術陣とコンピューターのつくり方それからいろいろな技術の面につきましても勉強はしてございます。ただどちらかといいますと、コンピューターの方ではなくて窓口の職員とお客さんとの間のトラブルということの方がわれわれ心配をしてございます。と申しますのは、グループで来られた方でどうしても禁煙車の方にということになりますと、もし禁煙車が満員の場合には、ではまたほかの列車を選ぶのですか、それともその目的とされた時間帯の列車の中でいわゆる非禁煙車の方を選ぶのですかというようなことで、そういうような窓口におけるお客さん——「ひかり号」は非常に人気列車でございますから、大体窓口のところでお客さんが季節になりますと大変並びます。そういう中で、一人の方が並んでおりますから早くそこでもって発売をしたいわけでございますが、そういうときにそういういろいろな条件がついてきますと大変時間もかかるというようなことで、なかなか指定席については踏み切れない。特に年末年始と申しますと徹夜で行列されるような方、また八月の夏休みになりますと、みどりの窓口が十時に開きますとどっと押しかけてまいりまして、そこでお客様が朝十時の発売のときに十人、二十人、三十人と並ばれるわけでございますので、なかなか指定席は踏み切りにくいというのが実情でございます。
○草川委員 さっきの質問、ちょっと残っておりますから……。 もしやるとするならば一体いつごろかということについてお答え願いたいと思いますし、それから、東北新幹線がこれから計画されておるわけでございますが、東北新幹線のような新しい編成ということは、いまからやろうと思えば幾らでもやれるわけですが、その場合に国鉄はどうお考えになるのか。 それから、いま非常に特例的な例を申されましたけれども、新宿駅のように百万を超す乗降客にいま協力を呼びかけて、ほとんどの方、皆協力してみえるわけですよ。そういうような体制をせっかく国鉄がいまつくろうと片一方ではクリーンキャンペーンをやっておるわけですから、もう少し前向きにこういうようなものについても対応策を立てていただきたい、こういうように思います。これは最後の質問になりますからお答え願います。
○吉田説明員 現在東北、上越新幹線が建設途上にございまして、そろそろ車両の設計段階に入ってございますし、ただやはり同じ新幹線でございます東海道、山陽型と東北、上越型につきまして、やはり新しい東北、上越新幹線につきましても、現在大変混んでおります東京−大阪間の「ひかり号」との関連もつけなければなりませんので、それを含めまして総合的に検討しているのが実情でございます。
○草川委員 もう時間が来ましたのでこれで終わりますが、いろいろと私の方も申し上げましたが、ぜひ専売公社の方もそれからなお国鉄の方も、あるいはまたその他の厚生省の方も、世界的な一つのWHOの動向というのがあるわけでございますから、それに逆らってわが国だけがやると言ったってこれは済まぬ情勢でございます。そういう点だけは十分ひとつお考えの上、今後の対応をお願いを申し上げたい。 以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○加藤委員長 神田厚君。
○神田委員 日本専売公社法等の一部を改正する法律案について御質問を申し上げます。 最初にまず、この法案をこの時期に提出をされてきたことにつきまして、値上げ等の理由等も含めまして大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○金子(一)国務大臣 御承知のとおり、最近数年間据え置いておりましたものですから、相対的に税負担が下がってまいりまして、かたがた、公社経営についても今後ある程度健全化を図らなければいかぬような状況でございますので、あわせてこの際この程度の引き上げをお願いしたい、こういうことでお願いをしておる次第でございます。
○神田委員 値上げをしまして税負担がこれからふえていく傾向にあるのかどうか。全体的にはたばこ事業の益金率の問題等を考えてきますと、ことしはコストを値上げをして、それが益金率がうまく改善されるかどうか、この辺はいかがでございましょうか。
○名本政府委員 大臣がお答え申し上げましたとおり、五十年来据え置かれておりますために原価が上昇いたしまして、益金率全体といたしましては五十三年度かなり低下してきております。五十年度に定価改定をいたしました翌年の五十一年度におきましては、いわゆる益金率が六割になったわけでございますけれども、それが五五%を割り込むような状況でございますので、それを回復するということでございまして、今後納付金制度の改善を図りました後、いわゆる益金率と納付金率との差が内部留保として公社に残りまして、経営といたしましては健全化の方向に向かっていくものというふうに考えておるわけでございます。
○神田委員 この益金率が下がったということは、つまりある意味では需要の減退、消費の減退、これらのこととの関係はどういうふうに分析しておられますか。つまり、コストの問題だけではなくて、需要が減退したために益金率に悪い影響を持ってきているということは考えられないかどうか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 益金率が下がったということは確かに先生のおっしゃるように、需要の減退ということも固定費用の関係では若干は響いてまいりますが、やはり一番大きな問題は比例費でございます。先ほども御答弁申し上げましたように結局、五十年定改以降の総原価の中の五割を占めます葉たばこ費の値上がりが非常に大きかった、それを経営努力で十分吸収できなかったということが益金率が下がった大きな原因でございます。
○神田委員 コストが多少上がっても売り上げが伸びていればそれはうまくカバーできる、コスト上昇を吸収して益金率を高めることができる、大体こんなふうなことも一つの考え方としてはあるわけですね。ですから、これはいまおっしゃったように葉たばこの価格の問題もそうでありますけれども、全体にたばこの売り上げが伸びてないところに問題があるのではないか、こんなふうに私は考えますが、いかがですか。
○泉説明員 後藤からお答えいたしましたとおりなのでございますが、確かに年々の数量の伸び方が昭和四十年代のように、六%とかあるいは七%というふうにふえていきますと、固定費の負担が非常に小さくなりますので、したがって益金率は高かったわけでございます。しかし五十年定改後になりますと、御案内のとおり伸び率が下がっておりまして、したがって固定費の負担がかなり大きくなりまして、利益率の方が年々かなり急速に低下するという状態が出ておることはおっしゃるとおりであります。しかし、いま消費量が年々大きくふえるということは期待できませんので、消費量は従来とは違った形でしかふえない、余りふえないという前提のもとに今後の経営の計画を私どもは立てていかざるを得ない。今度の改正はそういう前提のもとにできておる次第でございます。
○神田委員 今度また値上げしまして、そうしますとまた消費が落ち込みますね。そういうふうな形であっても、全体的には益金率はそれによってよくなるというふうな判断をお持ちなわけですね。
○泉説明員 お話しのように、今回値上げいたしますと消費はかなり落ちると思います。しかし定価改定によって、シガレットでございますと二一%値上げが行われますので、益金率としまして——益金率という言葉は従来と違って、今度の新しい制度になりますと益金率というのはおかしなことになるのでありますが、従来どおりの益金率という概念で申し上げますと、低下いたしておりましたのが大体六〇%ぐらいに回復する。五十年のときには五十一年には六〇・五%にまで戻ったのでありますが、六〇・五%にまではまいらないかもしれませんが、六〇%にはなるというふうに見通しております。
○神田委員 値上げも二一%平均ということでありますけれども、五十年十二月の値上げのときにはコストが倍増した、そういう中で値上げは四八%、今度はコストが三五%上がっている中で二一%も値上げをする、こういうことはちょっと値上げの率が高過ぎるのではないか、こういう批判がありますが、いかがですか。
○泉説明員 これは先ほどもお話が出たところでありますけれども、コストアップ分に伴う値上げだけすればいいじゃないかというような御批判もあるわけでございますけれども、今度の制度改正によりますと、定価に対して種類別、等級別に納付金率が決まるわけでございまして、したがって、コストアップ分だけ値上げをしたのではコストアップ分を賄うことができなく、やはりコストアッププラス納付金相当分についても値上げをしていただかないといけない。そういう点を考えますと今回の値上げの内容は、財政収入をふやす方に重点が置かれておって、コストアップ分を賄うのはそれよりウエートは小さいというふうに見ていただかなければならぬと思います。
○神田委員 私はその辺のところは大変問題があると思うのです。財政収入を賄う方にウエートを置いてたばこの値上げをするということは適切ではないと思うのであります。やはりあくまでもコストが高いのだからこうしてくれというのは納得できますけれども、そうであるならば、間接税の全体の税の取り方とも関係するわけでありますけれども、特にたばこのようないわゆる大衆の嗜好品の中に、税を取るためだというような明言をしながらこういう大きな値上げをしていくというのは非常に問題があると思うのですね。たとえば今度間接税が大幅に引き上げられました。揮発油税、それから地方道路税、それから航空機燃料税、これは一〇〇%増税されておりますけれども、こういう中で、たばこをやはり一緒にそんなふうな形で税収の対象に、十分偏った形で値上げを考えているというのは非常に問題があると思うのですが、いかがですか。
○泉説明員 ほかの国のことを申し上げて恐縮でありますけれども、たばこは酒あるいは揮発油と並んでそれに特別の負担を課するのが各国の例になっておるわけでございます。 たばこについて申し上げますと、たとえばフランスでは付加価値税とたばこ消費税とを合わせまして、小売価格の七二・七%が税金でございます。それから西ドイツも同じく付加価値税とたばこ消費税とを合わせまして七一・四%の税負担になっております。イギリスが付加価値税も合わせまして六九%。それに対しまして日本の場合には平均で五五・五%、一級品及び一級特例品で五六・五%ということでございますので、諸外国と比べますと税負担がそれほど高いとは言えないと思われるわけであります。しかも西ドイツ、イギリスの小売価格に比べると、まだわが国のたばこの小売価格は低いということが言えるのでありまして、財政をやっていく上におきまして、たばことか酒とかガソリンにどういうふうな税を負担してもらうのが適当かという点につきましてはいろいろ御意見があろうかと思いますけれども、私どもとしてはたばこについてこの程度の負担は、諸外国とのバランスから見ても、またわが国の過去からの専売納付金の状況から見ても、適当なのではなかろうかというふうに考えて今回の改正案ができておる次第でございます。
○神田委員 外国のことはそういう事実でございましょうが、たばこの値上げの内容にしましても、いま出されている中でも約二一%と言っていますけれども、高い順に上昇率が低いような決められ方をしている。たとえばみねが百七十円を二百円、これでは増税率が一七・六%です。それからセブンスター、これが百五十円から百八十円ですから二〇%、これが約真ん中ですね。それからハイライトが百二十円から百五十円で二五%、しんせいが七十円から九十円で二八・八%、こういうふうにいわゆる庶民的なたばこであるほど増税率を高く取っている。こういうことがやはり今度のたばこの改正の中でも特徴的にあらわれてきておりまして、私はこういうことの決め方から見ていっても、どうも低所得者といいますかいわゆる庶民に対して非常に税負担が公正でないような感じを、このたばこの値上げそのものの中から感じてくるわけですが、その辺はいかがでございますか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘のように、確かに紙巻たばこでございますと、一級特例品から一級品、二級品、三級品とございまして、下の方がゴールデンバットが十円、それからしんせい等二十円、上の方でキャビン等が四十円というような値上げで、値上げ率からおっしゃいますとまさに先生御指摘のようなお感じになるかと思います。 ただ、たばこの場合先生御案内のように、大変原料依存度、葉たばこの価格に依存いたします。葉たばこの原料価格差というのはほとんどございません。したがっていわゆる原価差というものは、三級品を一にしまして一級特例品が一・五倍というような感じしかございませんが、価格で見ますと、バットは例外にしまして、いま御提案申し上げております今後の引き上げ後のたとえば二十本、八十円銘柄ということにいたしましても、二百四十円あるいは二百六十円銘柄との間では三倍から四倍に近い開きがある。これは諸外国にはほとんど見られない現象でございますが、こういう価格体系がわが国の国土、風土の中で定着しておるというようなこともございまして、私どもこういうような値上げをお願いした次第でございます。確かに先生のおっしゃるように、値上げ率から見ますとそういうような感じを受けるかもしれませんが、私どものいまの三級品の値上げは、この値上げをしましてもぎりぎり四四・九%という益金率しか出てまいりませんので、何分の御理解を願いたいと思います。
○神田委員 やはり私は大衆品といいますか、少なくともそういうたばこは据え置くべきだ、そういうふうな考えを持っているわけですが、コストの問題は余り関係なくて税金の方のことを考えたというならば、おしなべてそういうコストを形成する個々のたばこの問題については、それはトータルで少し調整をして大衆品は据え置く方向をとるべきだ、こんなふうに考えているわけですが、いかがですか。
○泉説明員 たばこの場合、先ほど後藤が申しましたように原価の半分は原料費でございます。その原料費が上がりますと、その上がり方は先ほど申し上げましたように、一級特例品とか一級品についてはいい葉っぱを使っておるわけでありますけれども、三級品に使っている葉っぱとのコスト差というのはわずか五割程度しかない。したがって、小売価格の間に三倍とか四倍という開きがあります場合に、コストとしての値上がり幅はみんな同じぐらいの幅で上がっていくわけであります。したがって本当は同じように上げたいのでありますけれども、値段の安いものについてそう大きく上げるわけにはまいりませんので、下の方は十円とか二十円とか三十円というふうな上げ方にしておるわけでございまして、率からいたしますといまお話しのように、セブンスターとかマイルドセブンは百五十円が百八十円になって二割のアップでありますけれども、ハイライトは百二十円が百五十円になって二割五分のアップというような形になるわけであります。ただコストの上昇額からいたしますと、両者とも同じ上昇額でありますので、率としては若干おかしいような点も出てこようかと思いますが、今回のような案になっておるわけでございます。 なおこのたばこの場合、何が大衆品であるかという点につきましてはいろいろ問題があるのでありまして、結局たばこをお吸いになる方は、概して最初お吸いになったときの銘柄を守っていくという傾向が強いのであります。したがって、低所得者が一番安いたばこを吸っているかというと決してそうではございません。むしろいまゴールデンバットをお吸いになっておられる方は、御自分がたばこをお吸いになり始めたときにゴールデンバットが出ておって、それをお吸いになったお年寄りの方が多いのであります。所得はいまは大変大きくなられましても、なおゴールデンバットを吸っておられるというのが実情でございまして、そういう点からいたしますと、値段が安いから大衆品だと言うわけにもなかなかいかない性格のものでございます。そういった点からいたしますと、コストの原料費が上がった分はある程度上げさせていただかないと、やっていけないという事情にあることを御理解いただきたいと思います。
○神田委員 時間がありませんから、非常にすれ違いの話になりますけれども、私も別に低所得者が安いたばこだけ吸っているという話をしているわけではありません。その点はひとつ念を押しておきます。 それから、今度の問題でもう一つ言われている問題は、専売公社はいわば独占企業体だ、そういう中で、経営の非能率などによるコスト上昇の要因がたばこの引き上げにはね返ってこないか、こういう心配を大方の人がしているわけであります。この辺につきましてはどういうふうにお考えですか。
○泉説明員 よく世間では、専売公社は独占企業だからその上にあぐらをかいておって、能率が悪いのではないかというような御指摘があるわけであります。私どもはそういう御指摘があるということを大変気にいたしまして、経営の能率を上げるために努力をいたしておるのでありまして、外国と比べますと、外国でもいまたばこの巻き上げ機は四千回転のものでございまして、わが国も同じような四千回転でございますが、その効率、つまりその機械が一定時間内に動いている効率からいたしますと、わが国の効率が一番高い九五%にもなっておるのでありまして、ほかの国でございますと、アメリカでも八〇%台でございますし、なおそのほかの発展途上国におきましては六〇%台から七〇%といったような姿でございまして、したがってアルジェリアとかブルガリアといったような国からは、専売公社の技術者に来てもらって、能率をどうやって上げたらいいか技術指導してくれとまで言われているぐらいになっておるのでございまして、したがって、独占企業であるから能率が低いというような御指摘は私は当たらないと思いますし、またそういうことのないように今後一層努力してまいる所存でございます。
○神田委員 さらに輸入たばこの問題でございますが、これは大臣にちょっとお伺いしたいのですが、輸入たばこの問題につきましては、価格の問題につきましてとかく外国からいろいろ言われているようでありますが、今度また大平総理が行くに当たりまして、この辺のところは大蔵省としてはどんなふうな形で対応するようなことなんでございましょうか。
○名本政府委員 アメリカから日本のたばことの価格差について種々言われておることは御指摘のとおりでございますが、まず第一点として申し上げておきたいことは、アメリカにおきましてはたばこの値段というのは、日本のように四十円のたばこがあって二百円のたばこもあるというような状態でございませんので、ほぼ一律の値段になっております。そういうところで日本のどのたばこと比べて高いのかという点について、最も売れているたばこということから言っておりますが、現在最も売れておりますセブンスター、マイルドセブンのところのたばことアメリカ製のたばことは、その使っております葉によりまして非常に質が異なります。したがいまして、おのずから価格差があってしかるべきものであろうというふうに考えておるわけでございまして、今回御審議をお願いしております法律にございます合理的に算定をいたしました関税率でもって内外価格差が、内外のたばこが公正適正に競争できるような価格帯に国内のものも外国のものも設定できるように仕組みをつくったわけでございます。そのような理解をいただきたい、アメリカ側にも理解をいただきたい、かように考えておるわけでございます。
○神田委員 大臣は、微妙な問題ですけれども、そうするとこの問題については余り話題にしない、こういうことでございますか。
○金子(一)国務大臣 従来から関税の区分が明確でないという点が問題になっておりましたが、これは九〇%に抑えまして、専売益金に当たるものと関税に当たるものとは明確に区別することにしたわけですが、問題は、そういうことをやってもなおかつ向こうの輸入たばこが高く価格を決定される、それをいま監理官が言っておりますように、少し上げ過ぎじゃないかというのですが、これはやはり向こうのやつはうまくておいしいですから、ある程度格差をつけるのは当然なことでございますし、欧米等のたばこの価格から見ましても必ずしも不当ではないと思うので、そこの辺はひとつ十分話し合いをつけてもらいたい、こう考えておる次第でございます。
○神田委員 次に、国内の葉たばこ生産関係につきまして二、三御質問したいと思うのです。 御案内のとおり、いま過剰在庫を専売公社は三十カ月ですか抱えている、こういう中で、葉たばこの生産調整が行われているわけでありますけれども、私はこの過剰在庫を早く解消しなければ、これはやはりいろいろ公社の方のお金のやりくりや何かの面から言いましても大変問題があると思うのです。したがいまして、国内の葉をできるだけたくさん使うような形で対応していかなければならないのではないか、こういうふうな考え方を持っているのでありますけれども、生産調整と過剰在庫の関係からどのような考え方を持っておられますか、お聞かせいただきます。
○泉説明員 お話しのように、国産葉たばこは在庫過剰になっております。しかし、これをそれでは早く使ってしまえとおっしゃられましても、たばこにはそれぞれ輸入葉と国産葉とのバランスを考えてそれぞれの喫味ができておりますので、したがって、輸入葉を少なくして国産葉をたくさん使うということになりますと、従来より喫味が落ちてまいります。一般的に申し上げまして、わが国の葉たばこは輸入葉たばこに比べまして品質が落ちるのが普通でありまして、したがってそういうふうに喫味が落ちるということは消費者に好まれないわけでありまして、また、ますますたばこの消費が減るおそれにもつながるわけでございます。 そこでやむを得ず生産調整を行っているわけでありますが、そういう過剰在庫を減らすためなら、一遍にどかっと生産調整をやって、そしてその次の年あるいは二、三年たってふやせばいいじゃないかという御意見もございますが、たばこ耕作というような農業の問題は工業製品のように、あるときたくさんつくりあるとき減らすというふうにはなかなかまいりませんので、したがって生産調整も徐々にしかできない。これは農産物であるという特性からいたしまして私はやむを得ないことではないかというふうに思って、その過剰在庫を減らすためにどういうふうに生産調整をやって耕作者の方に御理解をいただくかに大変腐心をしているような状態でございます。
○神田委員 私はやはり国産の葉たばこの振興というのは、これを進めていかなければならないと思っているのです。しかしながら現在のような状況ですと、非常に厳しいですね。たばこ耕作の生産農家も非常に将来に不安を持っております。ですから私は、やはり無理のない形で生産振興を進めていき、さらには技術的な面でも外国葉にかわれるようなそういうものの生産ができるような指導をしていかなければいけない、こんなふうなことを考えているわけでありますが、その辺のところについては、生産振興の施策も含めましてどういうふうな形で御指導なさっておられるか。
○泉説明員 国産葉につきまして問題なのは、過剰在庫のほかに品質が大変劣化してきておるという点がございます。五十一年、五十二年と劣化してまいりまして、五十三年から耕作組合及び耕作者の方にお願いいたしまして品質の向上に御努力願っておりまして、五十三年の葉たばこのできは、天候にも恵まれた点がありますが、かなりよくなっておりますけれども、まだまだ不十分でございます。したがって今後品質の向上のために耕作者に御努力願う、そのために公社が十分指導していくということが必要になってこようと思っておるわけであります。 ただ、わが国の土壌と気候の関係からいたしまして、たとえばアメリカの黄色葉に匹敵するような黄色葉はとうていできない。そういう中において、できるだけいい品質のものをつくって、そして輸入葉をある程度使わなくても済むようなものに持っていく、そして生産性を向上してもらって、先ほどお話がございましたように、わが国の葉っぱが国際価格から比べて二倍半にもなっておりますのをその比率をできるだけ下げていって、生産性の向上によって国際価格との格差が縮まるような方向に持っていきたい、こう思っておるわけでございます。
○神田委員 葉たばこ生産農家はいままで量的なものをつくれ、量産しろというような指導があったわけですが、これを質的にいいものをつくれというふうな方針に変えられました。さらにそれにかかわりまして、収納価格の等級差の問題等もありまして、非常に戸惑っておるような状況がありますね。ですから、この辺のところをうまく生産者の立場を十二分に理解した形で指導していただかなければならないと思っているのですが、その点はいかがでございますか。
○泉説明員 その点はお話のとおりでございまして、したがって私どもとしては、耕作者の方がいい品質のたばこをつくっていただくならばそのたばこによる収入がふえるように、たとえばいまは葉たばこは、黄色種でございますと一等から五等までの等級によって買っておるわけでありますが、新しく特等といったようなものを設けまして、それのものに該当するものは少し値段をよく買うというようなことも考えておる次第でございまして、耕作者の方には在庫過剰の中で生産調整をしていただかなければならないわけでありますけれども、生産をされる場合にはその成果が出てくるというような形に持っていきたい、こう思っておるわけでございます。
○神田委員 最後に御質問申し上げますが、どうも選挙の年になるとたばこのできが悪いというジンクスがあるんだそうでありまして、ことしも十六日に霜の害がありまして、ジンクスどおりに収納の面でも大変心配だというようなことが言われております。したがいまして、この被害の状況やその他今後の対策等につきましても十二分な御指導をいただきたいと思うのでありますが、その点、最後にお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○永井説明員 ただいまお話のございましたように、四月の十三日と十八日に関東地方に霜がございまして、植えつけ後間もないものでございますからたばこにも被害がございましたが、幸いなことに植えかえをしなければならないような面積は大変少なかったということで大変喜んでいるわけでございます。 公社といたしましては、耕作者に気落ちをしないようにいろいろ御注意を申し上げておるわけでございますが、葉部が損傷したものの根の方の生育が良好なものにつきましては、今後の肥培管理を適切にやれば被害は最小限度にとどめられるのではないかというふうに考えております。それから、どうしても植えかえを要するような生育が極端におくれているものが多少ございまして、これは植えかえ用の苗を確保いたしまして、現在植えかえを行うように指導いたしております。そういうことをいたしますと、被害はほとんど最小限度にとどめられるのではないかと思いますが、不幸にして最善の努力をいたしましても買い入れ結果が著しい減収になるという場合には、当然災害補償の対象になろうかと思っております。
○神田委員 終わります。
○加藤委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○加藤委員長 速記を始めて。 高橋高望君。
○高橋委員 さっき総裁が同僚の神田議員にいろいろ御答弁いただいている中で、実はちょっとショックだったのですが、今度のこの問題も増税の一環だということをはっきりおっしゃっておられました。私はそういうふうな姿勢で国民というか喫煙者の方に御説明いただくのは大変心外なんで、やはり製造のコストアップ分を何とかしてほしいというのが、腹の中は別として、ともかくも表面上はそういう態度で臨んでいただかないと、われわれの受け取り方がずいぶんとひねくれちゃうのですね。 そこで、この問題で私は実は前々からそう思っておったのですけれども、普通は製造業ですと、私は自分が出身が製造業だから申すわけではございませんけれども、赤字になる危険性がある、そうすると製造コストの低減を図る、それが仮に原材料が五〇%であろうが五五%であろうが、これの原材料費を含めてもとにかく製造コストを下げようという努力をするというのがまず企業の常識なんですね。ところが、どうも午前中からずっと伺っている範囲内では、赤字になるということはもう前提として認めていらっしゃって、それをどうやって増税の対象に持っていくかということだけの御議論をなさっていらっしゃる。私にしては非常に心外だし、逆に言うと、いまよく言われる官庁のお仕事に企業意識を持てというようなことからいった場合にも、私は何かずいぶんとずれがあるように思うのですけれども、総裁いかがでございますか。
○泉説明員 お話のように、企業はコストアップいたしますときには何とかして経営努力によってそのコストアップを少なくしていく、これは当然でありまして、私どもといたしましても、コストアップを少なくしていくという経営努力は十分やってきておるつもりでございます。ただ、けさほどから申し上げておりますように、従来の専売納付金でございますと、利益があったらその中から納付金を納めなさいという形になっておりまして、たばこに課せられる消費税相当分と企業利益相当分とが混在してしまっておって、専売公社の利益が減れば納付金が減ってもいいよという形になっておるわけでありますから、そうすると、経営努力を幾らしても、経営の結果たくさん利益が上がれば納付金を持っていかれる、少なくても納付金が減るだけのことだというような形になっておりますので、従来はそういった点で適切でなかったと思うわけでありまして、今度制度改正によりまして、利益のいかんにかかわらず、たばこの売り上げ本数に応じて種類別、等級別に定まった納付金率で納付金をいたすということになりますと、経営努力の成果もはっきりいたします。経営目標も決めやすいわけであります。したがって私どもは、いままでよりも一層経営努力をしやすいということになるわけでありますが、その点は十分御理解いただきたいと思うのであります。 ただ、今回の値上げについて、どちらかというと税収をふやす面が多い。コストアップをカバーするという面も、これは何度も申し上げておりますように、五十年の定価改定後今日までの総原価の上がり率は三〇%になっておるわけでありますから、それをカバーしていただかないと経営上うまくいきません。それをカバーするということが大変大きなウエートを占めておることは確かでございますけれども、しかし今度の改正では、国のこうした財政危機的な状況を救うために、国及び地方団体に寄与する分が相当多いということだけ申し上げておるのであります。
○高橋委員 総裁御自身じゃなくて、御担当の理事の方でも結構なんですけれども、そうおっしゃるなら、まあそれは最高首脳との話で大蔵省との間ではそういうお話になりましょうが、製造担当の理事というのがいらっしゃるかどうか私、存じ上げませんけれども、製造担当の理事の方のお立場で、この値上げに伴って数字の上で、一けたの数字で結構ですけれども、どれくらい生産性を上げようというふうに、あるいは今度の場合にはどれくらいコストをダウンしようとしている目標をお持ちか、その辺をひとつ伺わしていただけませんか。
○後藤説明員 お答えを申し上げます。 製造担当の理事が参っておりません。私、制度問題担当の後藤でございますが、過去の推移をちょっと申し上げたいと思います。 公社の総原価と申しますと、総原価の五割が原料費でございます。したがって外国のたばこ産業メーカー、どこのたばこ産業メーカーを含めましても、いかに原料葉たばこの使い方を少なくするかということが一つの大きな眼目でございます。仮に四十三年の一本当たり使っております葉たばこの量でございますが、それを一〇〇にいたしますと、私ども五十四年予定では一三%それを下げております。それから、一千万本当たりの労働時間でございますが、これも四十三年を一〇〇にいたしますと、五十四年予定では五三・六%。結局四七%、一千万本当たりの労働時間を職員を減らして機械に代替さしていくというようなことで労働生産性を上げておる。それから売り上げ関係で見ましても、今後四十年の前半みたいなたばこの大きな伸びはないといたしましても、四十三年を一〇〇にいたしまして、職員一人当たりの売上高は三五八・九%というふうに上がってまいっております。 私ども今後、いわゆる技術それから営業の販売促進活動等をいたしまして、公共企業体として私どもに課せられた責任の重さを十分自覚しながら、そういう経営改善、合理化等に努めてまいりたい、このように考えております。
○高橋委員 ただいまの御説明は過去のデータなんですね。ですから、私が申し上げているのは、今度の値上げを意図された中での目標、これをお伺いしたい、これはいかがでございますか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 将来の予測につきましては、定改後の需要回復とか消費者の嗜好の変化とかそういうものへの対応等がございますが、やはり大きな方向としては、葉たばこというのは低タール、低ニコチンといったような方向にあるのだと思います。私ども現在、いわゆる緩和刻みというような工場、第二工場を本格的に建設して、これは先ほど申し上げましたような一本当たりに巻き込むいわゆる葉たばこの原料を少なくするようなものでございます。それから、シートたばこ等につきましても、これは過去はいわゆる細粉として農薬等で払い下げておりましたが、これをさらに再製いたしましてシートたばこの原料として使うということもやっておりますので、具体的に私ここで、製造担当でございませんし、手持ちの資料はございませんが、先ほどの傾向値というものを考えながら私どもとしましては、今後ある中期の目標を立て、毎年度の事業運営の重点方針をそういう方向で、過去の数値を十分参考にしながら、しかも努力しなければ達成できないような目標を設定して、それへの接近を図ってまいりたい。 そういうことをいたしまして、午前中申し上げておりますが、定改をお許し願いますと、今度公社のたばこ事業が赤字になる年が一応、結局千億の内部留保が全部ゼロあるいはそれがマイナスになったときでございますが、五十九年ないしはうまくいくともう一年延ばせる、そういうような努力をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○高橋委員 大変失礼なのですけれども、要するに企業的な感覚というのは私に言わせると非常に小さいのですね。これは赤字の計算をしていらっしゃる。赤字の計算をされるくらいなら、何とかおっつけていこうという計算も当然まずなさるはずなのですね。伺うところ、三年ないし四年ぐらいで三〇%の枠を超えそうで、もう一度値上げを考えなければならないということを一部私は漏れ承っておるのですけれども、どうかひとつ、ここでやはり国民の皆さんへの説明の材料としては、専売公社としてはこれだけの生産性を上げました、しかし人件費等々のアップでこれだけの値上げをせざるを得ないのだ、まずそういう御説明がないと、増税ですよと言うだけでやられたのでは私はこれはちょっと筋が違うと思うのです。 そこで、具体的な問題に少し入らせていただきますが、今度の場合に専売公社の方に事業利益というもので若干お認めになる、こういうふうに私、読ませていただいているのですが、このためたものの運用方法についてはどのようなプランニングをお持ちでいらっしゃいますか。
○泉説明員 今度の制度改正によりまして、専売納付金を納めた後の利益は自由に使えるわけでございますが、専売公社は原則として現金その他は少ししか持ちませんで、すべて国庫に預託することになっておりまして、国庫の資金として運用されるわけであります。したがって、これについては一文も利子をいただいておらない。もっとも国庫からお借りするときも一文も利子を払わない。お互いがそういう形になっておるわけであります。そういうことでございますので、年度決算をいたしまして利益が出ましても、固定資産なり、また専売事業の場合、特に原料葉を二年間貯蔵して、その間発酵させていく必要があるわけですが、二年間貯蔵するということのために普通の会社の場合の原料費と違いまして、その二年間貯蔵していくための資金運用がなかなか大変なのでございます。したがって私どもは、利益で出たものは内部留保といたしまして、いわばそれを自己資本にいたしまして、その間の固定資産あるいはたな卸し資産の増加の金融をそれで賄っていくということでありまして、これを他の債券に運用するとかいうようなことはできないことになっておるのでございます。
○高橋委員 私が恐れますのは、こういった一つの機関が、いまおっしゃるような政府に預けるという形をおとりになるにしても一つの枠を持つと、とかくひとり歩きをしたくなる。こういうおそれは総裁、ございませんか。現実に、これは運動をやっている方には大変悪いけれども、専売広島のバレーボールのチームがございます。会社によると、ぐあいが悪くなって値上げをしたりなんかすると、そういう運動、活動なんか中止するのですね。こういう点からいったって、私は何かこの辺の甘さというのがあるのじゃないかと思うのですけれども、その辺はいかがですか。
○泉説明員 私どもとしては、そういう内部留保ができたから、その内部留保をうまく使ってというような考えは毛頭持っておりません。これはいま申し上げましたように、固定資産の増あるいはたな卸し資産の増加を金融するために使うわけでありまして、内部留保を取り崩してどうこうということはあり得ないことでございます。 なお、御理解をいただきたいのでありますが、なるほど私どもは専売広島というバレーボールのチームを持っておりますが、これらの連中は仕事をした後、公社がひけてからバレーボールの練習をするというたてまえになっておるわけであります。したがってバレーボールのチームを持っておって、それにふんだんに金を使わしておるというようなことは決してございません。その点はどうぞ御理解をいただきたいと存じます。
○高橋委員 そこで、これは大臣に改めてお伺いしたいのですが、公共企業体というものを持っている中において、こういう公社の今後の取り扱い方ですね。たとえば利益が上がってくる団体というふうな見方の中で、公共企業体の中でこういう専売公社のようなお取り扱いを今後抜本的にお考えになるという方向は現在お持ちじゃございませんか。
○金子(一)国務大臣 先般の審議会で専売公社のあり方についてもいろいろ議論が出、一応の結論が下されておることは御承知のとおりでございます。ほかにこれからこういう企業体をつくろうというような気持ちは私ども毛頭持っておりません。独占事業でございまして、しかも大きな国の財政収入を預かってもらうものですから、特別のこういう形態で、決してもうける必要はないわけですが、極力、無理をしてまでとは決して申しませんが、国の財政の一翼を担ってもらいたい、こういうことでいままで活動していただいてきておるわけです。これからもそういうことでやってもらおうと思う次第でございます。
○高橋委員 私が申し上げたいのは、民営化をこういうことの中からお考えになることはないかということを伺ってみたいのです。たばこの問題を特にひとつ……。
○金子(一)国務大臣 その点について、先般の審議会で一応の民営化の問題の結論が出たことは御承知のとおりでございます。しかしこれはあなたもよく御承知のとおり、耕作組合の組合員も多数控えておりますから、そう簡単に、それじゃ右から左にというわけにまいりませんから、時間をかけてゆっくり検討さしていただきたい、私どもはそう考えております。
○高橋委員 われわれが俗に言う三K問題の一つに大きな問題を抱えている国でもございますから、私はもうかっているうちに民営化なら民営化さしていく方がよりスムーズな展開ができるんじゃないか。しかも民営化の方向というのを、たとえば外国ではずいぶん例のあることでもございますし、そういう点を考えていった場合に、企業としての努力をさせるという基本的な考え方からいった場合に、民営化の道というものをお考え願われる方が、中期的に見て、あるいは長期的にもそうかもしれませんけれども、入りやすい時期に入っておいた方がいいのじゃないか、こんなふうに私は考えるのです。ですからどうぞその辺については、一つの見解でございますけれども、お考えになっておいていただきたいな、われわれの考え方としてひとつ知っておいていただきたいと思うのです。 それから、これは最後になりますが、総裁にお伺いしておきます。 総裁、ここで改めて伺うのですけれども、制度改正後の公社経営についてどのような姿勢で基本的に取り組まれるか、これははっきりひとつ御答弁いただいて私、質問を終わらしていただきたいと思うのです。
○泉説明員 私といたしましては制度改正後は、先ほど申し上げましたように、経営目標を明確にすることができるわけでありまして、たばこは五十ぐらいございますけれども、その銘柄別に管理を徹底していく必要を考えておるわけであります。もちろんお話がありましたように、今後たばこの販売数量の伸びはなかなか多くを期待できません。その中において、原料葉たばこが年々、たばこ耕作審議会の御答申で上がっていくというような中におきまして経営をやっていくわけでありますから、厳しい情勢でございますので、それに対処して能率性、企業性を大いに発揮していかなければならない、こう考えております。
○高橋委員 最後になりますが、その企業性とおっしゃるのは、私が申し上げた目標性でございますからね。赤字の目標ばかり計算されないで、どうやって健全な企業形態にするか、そういう目標性を持つことが企業性だと私は思うのです。どうぞその辺ひとつ十分この席からお願いを申し上げまして私、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○加藤委員長 安田純治君。
○安田委員 朝からいろいろと同僚委員が詳細にわたって質問しておりますので、若干重複する点もあるかもしれませんけれども、お伺いしたいと思います。 一つは、最近の物価動向は、狂乱物価前夜の昭和四十七年当時と非常によく似た状況になっているんではないか。卸売物価はここ五カ月連騰を続けておりまして、最近では年率換算で二〇%近い上昇という異常な事態となっておると思うのです。インフレ再燃の危険性が強まっていると思うのですが、政府、日銀が十七日から実施した公定歩合引き上げも、この点をにらんでのものだったはずだと思います。物価安定は経済の基盤にかかわる重大な問題ですが、大蔵大臣に伺いたいのですが、いまの物価の状況をどう見ておられるのか、伺いたいと思います。
○金子(一)国務大臣 この前の石油ショックのときのような狂乱物価の前夜とは私ども考えてないのです。あの当時は日本列島全体が開発ブームに沸いておるときでございましたし、需要が供給を上回っておるような状況のときでございました。今日はそういう点では、企業がやっとどうやらひとり歩きできそうな空気になってきたということと、需給ギャップがだんだん縮まってきたというところでございますが、物価がここ一年非常に落ちついてきましたのは、何と申しましても円高の関係で海外物資が非常に安く入った、それが大きく響いたと思うのでございますけれども、ベトナム戦争その他海外のいろいろな動きにつれて、非鉄金属その他が上がってまいりましたり、OPECによる石油の値上げがありまして、少し最近、特に円安傾向になったものですから、卸が連続して上がってまいりました。しかし最近、ちょっとまた木材その他が一服いたしましたので、輸入資材は下がってまいりましたけれども、それにいたしましても、この状況ではあるいは卸売物価は二けた台に数カ月後になるのじゃなかろうかというような状況が見込まれるわけでございます。しかし幸いと消費者物価の方は安定いたしておりますが、それに数カ月後に波及することになりましょうし、特に石油製品が六月のOPECのサーチャージが、プレミアムがどうなるかというようなことによる思惑で、石油製品が上がるようなことになると困るものですから先般、日銀が公定歩合を上げて、値上げの上げ幅のスピードを落とし、それから上げ幅に上積みが乗らないようにということでブレーキを一応かけた、こういうことでございますので、私どもとしましては、これが民間に対する一つの大きな警告になったと考えておる次第でございます。 しかし、個々の物資に対する対策としては、必ずしも公定歩合だけでは効きません。そういう意味で、企画庁、通産省が中心になりまして、個々の物資の不当な値上げあるいは買い占めが起こらぬようにいま十分監視体制をとっておる。何と申しましても、経済の安定は物価の安定の上に築かれるものですから、私どもとしましては、物価が少しでも安定できるようにということで全力を尽くしておる状況でございます。
○安田委員 見方はいろいろあると思いますが、しかしながら、インフレの再燃ということについての警戒は要するというふうには考えるわけですが、いかがでしょうか。
○金子(一)国務大臣 特にいま大量国債の発行下でございますから、これが未消化に終わるようなことになりますと大変なことになります。そういう心理的な圧迫要因もございまして、民間ではインフレが起こりはせぬかというような不安感もささやかれておりますだけに私どもといたしましては、一方において国債消化に万全の策を尽くす、一方においては物価対策もしっかりやっていこう、こういうことでいまいっている最中でございます。
○安田委員 物価は、卸売物価の動向などを見ますと、十分な警戒を要するのではないかと私は考えますが、いみじくもいま大臣がおっしゃったように、心理的圧迫感といいますか要因もあって、そういう点も懸念はされるわけですから、この心理的な要因ということになりますと、国債の増発以外にいろいろ公共料金の値上げなどが、またそこに拍車をかけるんではないかという心配があると思うのですね。 ところが、今年度においてかなり多くの国民負担の増大が図られようとしているわけです。さきのガソリン税とかあるいは国立学校の受験料、入学金、そしていま審議にかかっているこのたばこ、さらに健康保険料や国鉄運賃、高速道路の利用料などのほか、タクシーなどの民営の公共料金の引き上げも予定されておるようであります。今年度のこの種国民負担の増は一兆円を超えて、そのどれもこれもが国民生活にかかわるものであるということで、政府先導値上げの打撃は非常に大きいと私どもは思います。そこで、それらのうち、公共料金の引き上げが物価に及ぼす影響はどの程度になるのか、またその寄与度はどうかということを経済企画庁に伺いたいと思います。
○坂井政府委員 本年度の予算関連の公共料金といたしまして、国鉄、健保、それからたばこの小売定価等の改定が予定をされております。これの消費者物価指数に及ぼす影響は、大体〇・八%程度消費者物価を押し上げるというふうに私どもは見ております。なお、公共料金と言われるものの中には、いま申し上げましたこういった予算関連のもののほかに、一つは、電気、ガスの料金につきまして御存じのとおり、昨年度後半、円高差益の還元によります割引措置を実施しておりましたが、これが三月いっぱいで終了いたしましてもとの数字に戻るということが一つ。それからそのほかの民間ないしは地方の公共料金等につきましては、これは一々個別に精密な積算はできませんが、大体従来の傾向から見ましてある程度の上昇が見込まれるということで、これらと冒頭に申し上げました予算関連の〇・八程度を合わせまして、ごく大まかな目安としまして一・五%程度消費者物価を押し上げる、こういう要因になろうかと思っております。
○安田委員 公共料金というのは、どうも最近は頻繁な引き上げが通例化してしまったように見られるわけです。そしてそのパターンを見てみますと、国鉄はほぼ毎年、私鉄やバスもほぼ二年ごと、それから電力、ガスなども三年ぐらいごとに値上げサイクルがつくられてきているのではないか。国民の側でも、もうそろそろ三年たつから電力料の値上げが来るかなという状態で、一つのパターン化されてしまっているように思う。しかもそれらが物価上昇に大きく寄与している。これは政府としても責任重大だと思うのですが、この点についてどう考えているのか、経済企画庁と大蔵省に伺いたい。
○金子(一)国務大臣 昨年は公共料金の引き上げがありませんでしたから、国民生活上大きなプラスになったのですが、ことしは、いま企画庁からいろいろお挙げになりましたけれども、企業体も相当苦しい状況になりまして、これをほうっておいたのでは、これは国民の税金で穴埋めしなければいかぬのですから、その財源がないのですから、結局国債に回ってくるか増税するか、どちらかなんです。やはりある程度受益者負担の原則を貫いていただかぬといかぬと思うのでございまするけれども、しかし物価政策上、一遍に一〇〇%上げるなんということはできることではございませんから、国民生活の実情もよく考えて、上げ幅と時期についてずいぶんと工夫をして政府としては考えてまいりましたような次第でございます。細かい点は企画庁の担当の方からまたお話を申し上げます。
○坂井政府委員 公共料金全体の基本的な考え方につきましては、いま大蔵大臣から御答弁があったとおりでございますが、若干補足をさせていただきますと、物価安定に政府一丸となって努力をする、これは常にきわめて重要な政策課題であると私ども考えておりまして、特にその中で私どもが直接間接に関与をしております公共料金につきましては、特に厳しい態度をもって臨むべきであるということで、実は本年二月二十六日に物価担当官会議を開きまして、最近の物価のこの厳しい情勢を前にしまして、公共料金につきましても一段と厳しい方針をもって臨むということで、いま受益者負担という原則の御披露がございましたが、その受益者負担を貫く中でも、やはり経営の徹底した合理化を前提といたしまして、さらに物価なり国民生活への影響に十分考慮をした上で、この公共料金の改定というものは厳正に取り扱うべきである、こういう方針を改めて確認いたしております。 それからいま先生がおっしゃいました、どうも公共料金の改定については一定のサイクルのようなものがあるのではないかというお尋ねでございますが、公共料金につきましてはいま申し上げましたように、合理化を前提として厳正に取り扱うという方針で従来もずっとやってきておりまして、私どもとしましては、ある時期に改定された公共料金が、そのときに前提といたしました原価計算の期間を経過した、たとえば二年なら二年間のコストを見た上で改定して二年間過ぎたという場合でも、そのことによって自動的にあるいは機械的に次の改定を認めるという態度は全くとっておりません。 具体的な例を申し上げますと、たとえば国鉄運賃につきましては、最近では五十一年の十一月に改定がございましたが、その次の改定は昨年の五十三年七月でございまして、さらにその次の改定をいま私ども検討しておるところでございますが、これは本年五月を一応予定しております。そうしますと、最初の期間が一年八カ月、次の昨年から本年にかけましての期間が十カ月ということで、たまたま結果がそういうことに相なります。他方、私鉄運賃につきましては、四十九年の七月に改定がございまして、その次は五十年の十二月でございました。この間一年五カ月程度の期間でございましたが、その後は本年五十四年の一月まで改定がございませんで、三年一カ月ほど経過いたしました。 こういう結果でございまして、特に一年とか二年という期間を決めて自動的に改定をするということは別にいたしておりません。仮にやむを得ず改定を認める場合におきましても、物価や国民生活に及ぼす影響を極力緩和するために、いま大蔵大臣からも御答弁ございましたように、改定の率あるいは時期につきまして、極力その影響を緩和するような方向で査定をいたしております。場合によりましては、暫定的な料金を設定するというようなことも必要に応じてやっておるわけでございます。
○安田委員 いろいろ御答弁ありましたが、勘ぐりたくはないけれども、政府は過度にならぬ程度のインフレといいますか、物価高を意図的につくり出しているのではないか、国民の側からはそう見える節もあるように思うのです。しかし、公共料金は生活に密接なかかわりがあるわけですから、しかも政府も関与しているわけですから、これをまず抑えるということを基本にするのが当然だと思いますが、どうでしょうか。
○金子(一)国務大臣 できるだけその方向でやっておるわけですが、日本は御承知のとおり、世界経済の中の日本でございますから、外国からの輸入物資が上がってくれば当然それは物価にはね返ってくるわけでございます。また、賃金が上がれば当然その点は公共料金にもはね返ってくるわけでございますので、なお全体を総合しながらできるだけその幅を抑えていくということがわれわれとしてとり得る最大の限度ではなかろうかと思います。しかし、あなたが先ほどからおっしゃっておるようなインフレにだけはぜひしたくない、これは国民のすべての願いであろうし、政府としての責任でございますので、これだけはしっかりやってまいります。
○安田委員 大臣の御答弁は要するに、インフレにしたくない、公共料金を抑えるのは基本だけれどもやむを得ない場合もある、そういうぎりぎりの線でやっておるということだと思うのですが、専売公社の方に伺いたいわけですが、いま言ったことは非常に重要な点なんですよ。最近では政府の物価政策が、安定させるよりも引き上げを志向するものとなってきているのじゃないかという点は、今回のたばこの改正も結局そういう値上げシステムの導入になるのではないか、こういうことを危惧しているわけなんです。 さらに聞きますけれども、今回のたばこ引き上げが物価に与える影響と寄与度はどうなるのか。先ほどのは公共料金のことを言ったのですが、今回のはたばこの値上げですね、これはどうなるのかお答えいただきたいと思います。
○泉説明員 今度のたばこの小売価格の改定によりまして、CPIには〇・三七%の影響があるというふうに見込んでおります。 なお、今回の制度改正によってたばこの値上げ志向になるのではないかという御指摘でございますけれども、今回の制度改正は、従来専売納付金につきまして、公社に利益があった場合にその利益の中から納付金を納めるという形になっていまして、本来たばこに課税されます消費税相当分と企業利益相当分とが全く混在してしまっておりまして、そこにたばこの値上げをする場合に増税なのかコストアップなのかというような点でおわかりにくいという制度になっておったのをはっきりさせたという点はございますけれども、しかし、はっきりさせたから今度は値上げしやすくなるのだというふうにはまいらないのでございまして、私どもは先ほどからお答え申し上げておりますように、従来と違って今度は専売公社経営上の経営目標というものを与えていただくことになりましたので、その経営目標を達成するように一生懸命努力してまいりたいというふうに考えておるのでございまして、そういう点からいたしますと、今回制度改正をしたから値上げしやすくなるというふうにはなっておりません。
○安田委員 今回の制度改正全体の問題についてはもう一遍伺いますけれども、たばこの場合は他の公共料金とはずいぶんと違う事情があると思うのです。専売公社の事業は、どれもこれも大赤字や経営難の中にあるのと違って、もちろんほかの公共料金の部分も赤字だから即値上げしていいというわけではないけれども、専売公社の場合、際立ってほかの部門のような大赤字や経営難というのじゃなくて、非常な純利益を上げる黒字経営なのではないか。値上げするということはどういうことなのか、ちょっとその辺が理解に苦しむわけで、最近の純損益の状況はどうか。昭和五十二年と、五十三年度はまだ完全に数字が出てないかもしれませんが、見込みで結構ですが、ちょっとお知らせをいただきたいと思います。
○岡島説明員 専売公社の純益金という概念は税金部分が入っておるということを前提の上で申し上げたいと思いますが、五十二年度決算額では純益金は、たばこと塩合わせまして六千五百八十七億円でございます。五十三年度の実行見込みでは六千二百六十一億円、こういう状況でございます。
○安田委員 その中での専売納付金の額はどうなりますか。
○岡島説明員 五十二年度は専売納付金は五千五百五十九億円を納めました。それから五十三年度の見込み額でございますが、五千五百三十九億円でございます。
○安田委員 それだけの純利益があるわけですね。にもかかわらず、一挙に平均二一%、二割という大幅値上げをやるわけです。それで幾ら増収となって、利益はどうなる見込みか、その点の見込みをお知らせいただきたいと思います。
○岡島説明員 定価改定を実施することによります専売納付金の増収額の見込みは、五月一日の定価改定を予定をしているということでございますが、二千二百四十億円でございます。
○安田委員 それは増収の予定ですか。幾ら増収となって、利益はどうなる見込みかという中身をちょっと……。
○岡島説明員 定価改定がない場合と定価改定をする場合と比べまして定価代金でどのくらいふえるかといいますと、二千六百四十億円でございます。ただこれは販売手数料も増加いたしますものですから、公社の収入ベースの増収額というのでは約二千三百八十億円、こういうことになります。 それから公社の総利益額でございますが、これは先ほどから御説明申し上げておりますが、五十四年度に今度制度改正をいたしますものですから、利益の概念が違ってまいります。したがいまして、ちょっと単純に比較しにくいわけでございますけれども、その点を飛ばして御説明せざるを得ないのですけれども、専売納付金の増収額は先ほど申しました二千二百四十億円でございまして、定価改定がない場合には約五千二百八十億円というふうに見込んでおりましたけれども、定価改定によりまして七千五百三十億円というふうな専売納付金の額になる、こういうことでございます。
○安田委員 どうもこういうことを見てみますと、どうしてこんなに二割も引き上げる必要性があるのかということですね。これは消費者一人当たり年間平均すると七千五百円の負担増となるように思うのですが、全く安易ではないのかというふうに思うのです。たばこの製造原価、販売費及び一般管理費を合わせた総原価の前回の定価改定からの上がりぐあいですね、これは全体のものとそれからセブンスターの例でどうなるのか、お伺いできればありがたいと思います。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 前回五十年の十二月十八日に定改をしたわけでございますが、五十年度の総原価でございますが、千本当たり二千二百七十三円でございます。それが五十四年度の予定では三千二百五十三円ということになります。五十四年見込みでは約四三%総原価では上がりぐあいになるというふうに、これは予算数字でございますが一応見込んでおります。 それからいまセブンスターでの御質問がございましたが、セブンスターで見ますと、五十年を一〇〇にいたしますと五十四年度見込みでは一応一三七・八%でございますので、三七・八%の増ということが見込まれております。
○安田委員 総原価が小売定価に占める割合ですけれども、セブンスターの場合には現行の百五十円中五十一円くらいではないか、ほぼ三分の一を占めているわけだと思うのですが、その分が三七・八%引き上げがあればいいということになれば、つまり十九円二十七銭だけ上げればよいわけで、その他を少々見込んでも三十円、二割、こういう上げ幅は大き過ぎるのではないか。先ほども財政収入の方の増に重点を置いているという御答弁がありましたけれども、再度伺いますが、その点はどうなんでしょうか。
○名本政府委員 先ほどもお答え申し上げたわけでございますが、確かに原価分だけを回復いたすという考え方もあろうかと思いますけれども、たばこは今回の改正でお願いしておるところでまいりますと、平均五五・五%税金相当分を含んでおります。原価が上昇した部分だけ定価を改定するということに相なりますならば、その税相当分の消費者に負担していただいている部分が低下したままそのままに残ってしまうわけでございます。私どもといたしましては、今回の定価改定によりまして、原価を回復し、同時に、たばこが持っております財政への寄与率も回復さしていただきたいというのが、今回の改正のお願いであるわけでございます。
○安田委員 そうしますと、総原価の上昇分だけではなくて国庫納付金をふやす、そのための引き上げということになるわけだと思うのですね、先ほどもそういう答弁がございましたけれども。ではその分、ここ数年、納付金の方はどれぐらい取っているのです。五十二年度は先ほど五千五百五十九億円というお話がございましたが、その後五十三年は見込みかもしれません、それから五十四年度見込み、これはどうなりますか。
○名本政府委員 五十四年度は予算でございましょうか。
○安田委員 五十四年度は予算で結構です。
○名本政府委員 五十四年度の予算におきましては、七千五百三十億円を予定いたしてございます。これはもちろん値上げを五月一日と予定したところではじいた予算の数字でございます。
○安田委員 五十二年度は五千五百五十九億円、五十三年度は六千億円くらいですか五千五百億円くらいですか、五十四年度は、この法案が通れば五月から値上げして一挙に七千五百三十九億円、こういうふうに上がることになるのだろうと思うのですが、そうしますと国庫納付金が圧倒的にふえるわけだと思うのです。要するに国の財源不足分をたばこを通じて国民から巻き上げる、そういうことになるのではないかと思うのですが、きわめて安易な過大な引き上げではないかと思うが、いかがでしょうか。
○名本政府委員 結局二〇%程度の値上げが妥当であるかどうかということに相なろうかと思うわけでございますけれども、先ほど来公社の方から御答弁申し上げておりますように、原価におきましてほぼ三〇%、五十三年度までで上昇を見ております。また一方におきまして、従来用いておりましたいわゆる益金率というのが、五十年度定価改定を行いました翌年、平年度化いたしました五十一年度に比べまして、五十一年度六〇%に達したわけでございますが、これが五十四年度定価改定をいたしませんと五五%前後のところまで落ち込んでしまうということに相なるわけでございます。この結果はつまるところは、たばこの持っております税相当分の負担の実質的な減少、言うならば見えざる実質的な減税ということにもなっておるわけでございますので、それを回復していただく。それと同時に、現在のたばこの消費状況等も勘案しまして、二〇%という引き上げ幅を御提案申し上げておるわけでございます。
○安田委員 そうしますと、もう一遍伺いますが、五十二年度の専売納付金は五千五百五十九億円ですね。これは間違いないですね。五十三年度は同じくらいの金額ではないのでしょうか、そうですね。いかがですか、ちょっと言ってください。
○名本政府委員 五十三年度見込みは五千五百三十九億でございます。
○安田委員 そうして五十四年度で一挙に七千五百三十九億円、先ほど御答弁ありましたが、約二千億円納付金がふえるわけですが、これはいわゆる実質上の減税を戻すんだということで二千億一遍にふやすと、そういうことになるのですか。
○名本政府委員 二千二百億五十四年度において増加いたしますが、これにはもう一つ地方税との関係がございます。五十四年度定価改定をいたしました年は地方税は直ちにその影響が及びませんで、定価改定の翌年から影響をしてくることになります。したがいましてその部分が、国庫納付金として言うならば上乗せになっておるということもございます。したがいまして五十一年度におきまして納付金が、五十年度の三千億程度に対しまして六千五百億というふうに相なりましたが、これは五十二年度には五千五百億と下がっております。これは結局平年度に直しますならば、地方消費税として地方公共団体に行くべき部分も国の方に来ておるということで非常に大きな変動に見えるということになっておるわけでございます。
○安田委員 そうしますと、これは五十五年度になれば地方税の部分が減りますので、いままで実質上の減税をやってきたみたいなことをおっしゃいますけれども、それにぴったり合うのですか。ことし二千二百億円一挙にふえるでしょう。しかしそれは本当は、地方税は来年度にしか響かないので、その分は専売納付金が、実質上もふえるのでしょうけれども、いわゆる見かけ上ふえるのだ。先ほどの実質上の減税になっておるのでその分というだけじゃなくて、二千二百億というのはもっと多いじゃないかというふうに伺いたいわけだけれども、いやそうじゃなくて、これは減税分をもとに戻したというのと、それから地方税に来年響いてくる分がことし響かないので、それを足すと二千二百億円にぴったりなるのですか。国の側、国庫側が幾らかよけいもうかるということじゃないのでしょうか。実質は増税になるのじゃないかと思うのですが。
○名本政府委員 今回法律改正でお願いしております平均納付金率五五・五%、これは過去の趨勢等からお願いしておるわけでございますけれども、その率そのものが実は地方税部分を含んだものでございまして、いわゆるたばこといたしまして国、地方に対する財政の寄与率としてお考えいただきたいわけでございます。そのたばこの国、地方両方に対します財政の寄与率、それをラフでございますがあらわすものとしていわゆる益金率という言葉がかつて使われていて、現在でも使われておるわけでございます。その率が六〇から五五%程度のところまで落ちておる。これは実質的な減税になっておるわけでございますので、それを回復させていただきたいというのが、今回の値上げの一つの理由であるわけでございます。
○安田委員 その点はそのくらいにいたしまして、さらに重要な点は、今回たばこ定価法を改悪して大臣裁量によって定価の丁三までの引き上げができるようになると思うのです。まだ採決はしておりませんけれども、さきのアフリカ、米州の基金もそうですけれども、どうも政府は国会での審議を回避しようとしているんではないか、そういう傾向が一般にあるのじゃないか。何を根拠に国会審議から外す方がよいと考えたのか、この点御答弁をいただきたいと思います。
○名本政府委員 今回たばこ定価法につきまして改正をお願いいたしております理由は、いわゆる専売納付金制度につきまして、これを率を法定いたしまして、現在の専売納付金の利益処分という形から、いわゆる専売公社の経費としてこれを見ていくという形に改めることにするわけでございます。これによりまして専売公社は、経営の目標というものをつかみやすくなることになるわけでございまして、経営の責任性というものが明確になってくるわけでございますが、一方、先ほど先生御指摘になりましたように、利益処分として国庫納付をいたしておりますと、六千億というような膨大な言うならば利益があることになります。これは言うならば見かけの利益でございまして、実質は千億あるいは数百億の利益でしかないわけでございます。今後はそれが見かけの上だけでなくて、実質的に専売納付金を経費として納付した後のものが利益として残ってくるということに相なりますので、原価上昇が見られました場合には赤字になり得る体質、いかに経営努力をいたしましてもその努力では吸収し得ない原価の増分がありました場合には、専売公社としては赤字になり得る体質に今後変わってくるわけでございます。一方、専売公社もこれはまさに企業体でございますから、企業体としての自主的な運営というものもこれをこういう機会に、損失が生ずることが恐らくなかったであろうような体質から損失が発生し得るような体質に変わることを機会に、自主的な企業運営というものの幅をできるだけ認めていくということが、企業の効率性という面からも適当ではなかろうかというふうに考えたわけでございます。 ただしかし、専売公社は一〇〇%独占事業であります。したがいまして究極的には、その独占価格であるたばこの定価というものが公正であることの担保というのはやはり国会にお願いしなければならない。したがいまして、そういう点を考慮いたしまして私どもといたしましては、赤字になった場合にはいつまででも政府の責任において定価が決定できるというのではなくて、政府には法律で定めていただきました定価の三割を限度として、それ以上は政府の責任において定価の決定ができない、それを超えるときには国会で定価法の改正をお願いする。それからまた、物価等変動率、賃金、物価の上昇率で適正に計算いたしました枠では赤字を解消することができないというような事態があったといたしました場合、これも政府の責任において定価改定をその限度を超えてはいたすことができませんので、その場合には国会において御審議をちょうだいするということでございまして、私どもといたしましては、国会で定価法について御審議をちょうだいすることを避けて通っておるというのではなくて、こういう一〇〇%独占価格の公正さというものを担保していただくのはあくまでも最終的に国会であるだろうというふうに考えておるところでございます。
○安田委員 それにしても、三割までの値上げは国会の審議から外れるわけですね。ですから、それは終局的に三割の枠を超えた場合はまたどうこうなるかもしらぬけれども、当面三割のところまでは国会の審議から外れる。いろいろ考え方はあると思うのですけれども、どうして三割くらいなら国会の審議を外した方がいいとお考えなのか、その辺がちょっとわからぬのです。何か国会で審議するとぐあいが悪いのですか。三割までは自由にやらないと国会で審議されると、たとえば物価や賃金の上昇その他合理的な理由があるのに、国会では通してくれないというふうにお考えなんですか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 ただいま監理官から法定最高価格制につきまして、国会のお許しを得ましたいまの最高価格の基本原則を維持しながら、ある大変厳しい条件のもとで暫定的な最高価格を定めることができるというような趣旨の法案改正を盛り込んだものを御提案申し上げておるわけでございますが、これは私どもといたしましては、現在の益金納付という形は、完全専売が明治三十七年に発足しております。その七十数年の歴史の中でこういう制度で泳いできたわけでございますが、最近大変批判になっておりますのは、いわゆる地方消費税は定価スライドでございますが、ほかのものは結局コストアップ等がすべて国への財政収入の減という形で吸収されて、財政専売本来の目的を達成できなくなっている、こういうあり方には問題があるということを、過去いろんな審議会から指摘されたわけでございます。したがいまして私どもといたしましてはこの際、いわゆる財政収入の安定と公社責任の明確化並びに経営指標というものの確立というような観点から、こういういわゆる百八十度性格を変えて、たばこに対しては私どもが納めます国への納付金と地方消費税が幾ら入っておりますという形に変えさせていただいたわけでございます。 こういうことに変えるにつきましては、やはり私ども今後経営責任が大変重くなりますし、いろんな関係の集団と十分対話をしながら、お互いが協力をして経営改善をしていかなければならないと思います。今回そういう人々とのいろんな対話の中で、やはり経営の自主性ということで、制度上そういういわゆる税を明らかにするのであるならば、法定制等につきましてもある程度国会のお許しできる限度において、経営としての主体性なり自主性を持つべきだという意見が大変多うございまして、私どもとして制度上のバランスという形で本問題についてのお願いを申し上げ、大蔵におきましてもいろんな審議会にお諮りして、こういう成案を得て御提案申し上げた次第でございます。
○安田委員 経営の自主性を持たせるということだったら、全部価格を法律から外してしまうということになれば一番自主的になると思うのですね。まあそうはいかないと思うのですけれども、そこの妥協が三割なのかもしれませんけれども、財政法の三条では「租税を除く外、国が国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」こうしていることは御存じのとおりでありまして、この財政民主主義の立場から見れば、法律で定めろ、国会で審議して議決せよ、こういうことになっているのであって、大枠を決めてあとは適当にせよというものではないはずだと思うのですが、どうですか。
○名本政府委員 財政法三条の規定でございますが、まさに先生おっしゃいましたように、いわゆる財政民主主義の精神に基づきまして立法された規定でございます。 たばこにつきましては、これは特例法の方に回っておりますけれども、この財政法三条の規定があるわけでございますが、法律的に見ました場合におきましては、いわゆる基づいて定めるということになっておりますので、一つ一つの価格を定めることまで法律は要求しているものではないというふうに理解をいたしております。 それから、これはあるいは私の思い過ごしかもわかりませんけれども、三割の枠、幅と申しますのは、今回定価法の改正をお願いいたしまして、一級品につきましては最高価格十本百円と決めるわけでございますが、その百三十円までは政府でやらせていただきたい、今後何年たちましてもでございますが、百三十円を超えた価格を決めなければならないときは、二回目であるか一回目であるかそれはわかりませんけれども、定価法を変えていただかなければならないということでございまして、次回定価改定をやりまして百円が百二十円になり、その三割まではいいということではない、百三十円という実額で幅を持っておるのだということでございますので、そこを御理解いただいておきたいと思います。
○安田委員 財政法第三条が個々の値段一々まで国会で決めろということまでは言っていないんじゃないかという御解釈で、それは解釈にはいろいろあると思うのですが、少なくともできるならそうした方が理想的だと財政法は思っていると思うのです。ただできがたい場合、そんな一々細かいことまで要求しているかどうかは、解釈によって見れば、それはそこまでは言っていないんじゃないか。しかし、財政民主主義のたてまえから言えば、できるならこういう専売価格もしくは事業料金などについては個々に決める方が理想的だけれども、そのことといまあなたがおっしゃるようないわば事業の自主性とかいろいろな問題との絡みで、この法定主義の問題をどの辺まで、望ましくはないけれども緩めるかという問題だと思うのですよ。なるべく緩める方が望ましいなんというふうに財政法が考えているとは毛頭思えないのですね。ですから、できるだけ厳しくするのは当然だろう。 もし個々のものまですべて国会で決めろというふうにこの財政法が決まっているなら、この法案はもう最初からだめなんで、当然財政法の改正からやっていかなくちゃいけないですね。だから提案されている以上は、それは幅があるという解釈を前提にしたって、財政法を改正せずにここに持ってきているわけだから、あなたのおっしゃるのはわかるけれども、しかしそれは望ましい方向ではないのであって、できるなら一つ一つ決めたいのだけれども、しかしそうもいかない場合もあるから、その幅はあるだろう。だから、望ましくない方向であるということは言えるんじゃないかと思うのですね。だからこそあなたの方でも今度は逆に、三割の分だけ上げて、あとはその枠を突破する場合には、何年たとうともこれは国会の議決が必要になってくるので、財政法三条のたてまえに何とか矛盾しないようにしていこうというので、いろいろな枠がそこにできているんだろう。 だから、やはり財政民主主義のたてまえから言うと望ましくない改正ではあるんだ、ただやむを得ないから、背に腹はかえられないと言ってはおかしいですが、だから厳しい枠があると思うのですよ。それでなかったら厳しい枠なんか要らぬわけですね。審議会がどうとかこうとかいろんなことをやる必要はないので、個々の値段を国会の審議で決める、そこまでは財政法三条は要求しておらぬのだ、ただそれだけの解釈であれば、何も厳しいいろんなチェックは必要ないのですね。だから、やはり余り望ましくないことだから、実質上の財政民主主義のたてまえを何らかの形で貫くとすれば、いろいろと大臣が、幾ら三割であっても勝手に上げられるんじゃないよ、審議会の議を経てだよとかなんとかいろいろな枠で、国会にかわるべきと言ってはおかしいけれども、そういうものでいろいろチェックをしているということにとれるわけなんですけれども、それでなかったら、ただ経営の自主性というだけから言えば、本当に臨機応変にぱっぱと上げられれば一番いいのですからね。そうはまいらない。それはなぜまいらないかというのは、実質的に公共料金の問題であると同時に、一つは財政民主主義のたてまえからいってもそうだということで、余り結構な改正でないことだけは間違いないんじゃなかろうか。やむを得ない改正かどうかは別として、財政法三条が非常に喜んで奨励するような改正ではなかろうというふうに思うわけです。それは議論にわたるわけですが……。 そこで聞きたいのですが、今回の二割アップ分の最高価格、これにさらに暫定価格一・三倍まで上げることができるわけですね、今度の法律が通りますと。そうでしょう。この一・三倍まで上げる上乗せ分ですね、これはいつやる気ですか。明確にできますか。
○名本政府委員 今回制度を改正していただきますと、暫定最高価格を決めることになるわけですが、結局その暫定最高価格を決めるのがいつになるか、こういう御質問かと存じますが、これは暫定最高価格を決めることができる条件といたしまして、公社経営に赤字が発生する場合というふうに定めておるわけでございます。結局、五十四年度予算で見ますと、四%程度の内部留保、いわゆる利益金が公社に残るわけでございますが、原価その他のアップによりましてこれが結局食いつぶされまして赤字になるのがいつであるかということと先生の御質問とは同じだと思います。 これはつまるところ、今後の賃金の上昇あるいは卸売物価、消費者物価、そういうものもろもろが全部響いてくるわけでございますので、いつそういう事態になるかということは、確たる見通しは当然のことながら持てないわけでございます。ただ現在、五十四年度の政府経済見通し程度で今後も推移するというふうに仮定していろいろ推計などをやってみますと、暫定最高価格を決めなければならないのは五十九年か六十年か、その程度の年代になるのではなかろうかというように推測されます。
○安田委員 その赤字になった場合と赤字になることが確かな場合と二つあると思うのですが、問題はむしろ、確かな場合というところに置かれるかもしらぬし、あるいは赤字になる場合だって、赤字になるような体質、先ほど答弁がありましたけれども、今度の専売納付金の定率化によってそういう体質になるということですから、最初からそういう体質に仕組んでおいて赤字になるのはあたりまえだと思うのですが、そういう問題が前にはありますけれども、いまの御答弁のように、いつになるかわからぬ、多分政府の財政収支試算なんかのいろんなファクターを考えてみますと、五十九年か六十年かということをおっしゃるのですが、それじゃだめだ、こう私どもは言うのですよ。上げることについてつぶさに審議する、理由のあるものなら通るんじゃないですか。国会で理由があっても通さぬ、いろんなケースを挙げて、これはこういうわけで、物価はこう上がって賃金はこう上がったのだと、それでも国会が、いや通さない、こういうことをあなた方は予定されて、国会というのはもう話のわからぬところだ、だから三割くらいまでは、話のわからない話は聞いていないで自由にやりたい、こういうことはわれわれとしては非常に、まあそうおっしゃるかどうかわかりませんけれども、いかにもそう見えるので心外なんでして、理のあるものだったら、そのとき必要に応じて提案すれば通るというのがたてまえだし、そうはいかないというお答えがあればちょっと問題なんですが、それはそれとして、国会としてはそういうつもりで、われわれもまじめに、理があっても通さぬというようなことで最初からかかっているわけじゃなくて、理のあるものは通るという前提じゃないと、議会制民主主義の場合、やはりこれは討論しても意味なくなっちゃうのです。たとえば選挙で特定の党が多くなれば、あとはもう委員会でわあわあ議論したって、理があろうがなかろうが、数が多ければ通るんだというのじゃ、質疑応答する意味は全然ないですね。選挙が終われば勝負が決まって、あとはその多数党の出す法律は何でも通るということになる。そこで、いろんな委員会で修正案が出る、いろんな意見が出る、少数派も多数派もいろいろ意見交換をするということが前提なんでして、理のあるものは通るんだということをたてまえに考えないとまずいと思うのです。 だから、赤字になる理由が合理的であれば、そのときに提案されてどうなんでしょうかね。そういう手順を踏むのが財政法上の筋であって、それでこそ国民の利益が守り得るんだ。単に専売の意向という意味じゃないですけれども、赤字の見通しなんというものは専売の意向ということになりますか、さらに行政府の意向だけではなくて、国民の声も十分にくんで進むべきだと思うのですよ。先ほど来話がありますように、今度の値上げで二一%値上げということですが、それで物価の上昇率が〇・三七ということになってくる。ですから三割分だとすると、ストレートにそういうふうにいくかどうかわかりませんけれども、今度の二一%よりは高くなる。その分まで行政府が勝手にやれるということになりますと、それは専売の経営の方から見ると便利かもしらぬけれども、それでは済まないのじゃないか。先ほどから言っているように、財政法のたてまえいろいろ考えますと、公共料金値上げが物価に響く、しかも今度の二一%の値上げで〇・三七%響く、こういう計算が出ているわけですから、こういう響くものを今後やるのはいつかわからぬ、とりあえずは二割アップだけやっておいて、あと暫定最高価格が決まるのは五十九年になるのやら六十年になるのやらあるいは五十八年になるのやらわからぬ、とにかくその分は行政府にお任せだ、行政府の必要だと思ったときぽんと上げる、これでは国会軽視もはなはだしいのではないか。これは断じて認められないところだと私は思うのですが、いまからでも再検討すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○名本政府委員 今回のたばこ定価法の制度改正につきましては、公社の方からもお答えがございましたように、片や公社の企業体としての要請というものもございます。しかし一方におきまして、財政法の求めておるいわゆる財政民主主義というものの要求もございます。財政法の求めておる財政民主主義という考え方というのは大変重要なファクターでございます。その重要なファクター、財政法三条の定めております精神をくみながら、同時に、企業体として効率的に専売公社が運営されていくということは、これはまた国民の皆様方の期待するところでもあると思います。したがいまして、適時適切な価格の調整ということが行えるということは、その面から見ますと、やはり同様に国民の皆様が求めているところでもあろうと思います。したがいましてつまるところは、その二つの要請のぶつかり合いの調整ということかと思いますが、財政法三条の精神を侵すことのない、尊重した形で御提案申し上げているのが今回の制度改正でございまして、言うならば私どもの考えといたしましては、国鉄におきまして運賃の改定が行われる場合よりも非常に厳しい条件を課している。これはその独占性というものが国鉄運賃と比べましてさらに高いものであるというような点を考慮して、今回御提案申し上げておるような改正案をお願いしておるわけでございます。
○安田委員 御答弁の中に、適時適切な値上げは専売公社はもちろん、国民もまた要求するところではなかろうかとおっしゃるのでちょっとひっかかるのですが、一年に何遍も、つまり国会が開かれてないときとかそういうときもぽこぽこ値上げする気なのかということも一つあるのですが、国会の審議に諮ると適時適切に値上げできないのですか。不適切、不適時に値上げすることになるのですか。その辺はどうですか。
○泉説明員 私からお答え申し上げたいと存じます。 今回の制度改正によりまして、専売公社が赤字になるかあるいは赤字になることが確実と認められるときにそういう特例を考えることになるわけでございますが、私どもはもちろん、国会が開かれる当初予算の段階においてそういうことがはっきりしておりますれば、それは当初予算におきまして国会の御審議をいただくようなことができることかと思います。また国会におかれましては、理由があることについてまで反対されて法案を通さないというようなことはなかろうと考えておるわけでございますが、ただ、年度の中途になりまして赤字になることが確実になったというようなときになりますと、これは予算編成のあれからいたしまして、補正予算で値上げをするということはなかなかできにくい、翌年回しにならざるを得ないということがございます。そうなると一年おくれに近くなりますので、少なくとも半年はおくれてしまうということが考えられます。 それから、こんなことを申し上げて大変恐縮でございますけれども、年によると、ことしは選挙の年だからたばこの値上げはだめだよというようなこともあるわけでございます。公社経営で赤字になってもことしはだめだよ、それでは公社としては困るわけでございます。 そういった点からいたしますと、財政民主主義のたてまえというものを尊重しながら、しかもある程度の弾力的な価格改定ということもお願いしたいのでございまして、そういう点からいたしまして、財政民主主義のたてまえを崩さないように、物価、労賃の範囲内であるとか、あるいは三割であるとか、専売事業審議会に諮問するんだとか、いろいろな制約を加えた上でお願いをいたしているようなことでございますので、その点を御理解いただきたいと存じます。
○安田委員 選挙のある年はたばこの値上げが国会を通らないかどうか、ことし試してみればわかると思うのですが、そういう理屈はどうですかね。それだったら、ことし解散があるかどうか知りませんけれども、たばこ法案を出してくる方が間違っておるのではないか。あなたの論理から言うと通らないはずですね。そんなことはないと思っておたくの方では提案されているんだろうし、われわれも解散含みは十分だとわかっておって審議に応じておるわけです。ですから、解散があるときは値上げにならないのだという理屈、これもちょっとおかしな話だろうと思いますし、年度内に何回か値上げをするということがあり得るのかどうか、そういうことはないと思うのです。そうすれば、一年に一遍は必ず国会は百五十日間開いているわけですから、そのタイミングが外れるということは、十日や二十日は審議の都合で、四月に上がると思ったものが五月に上がるなどということはあるかもしれないけれども、理のあるものが、理の通るものが、万人が認める理のある値上げが、国会の審議を外さなければ適時適切に上げられないという理屈がどうも私はわからないのです。その辺もう一遍、なぜそうなのか。三割までだったら、なぜ理があっても国会を通すと適時適切に上げることができなくなるのか。国会解散があるときは上がらないと先ほど御答弁になったから、いまは解散はないという前提でもちろん提案されているんでしょうけれども、それにしても、地方選挙だってこの間前半戦が終わって、後半戦の三日間に、提案理由の説明まではなかったけれども一応法案としては出てきたわけですね。ですから、選挙等の関係でそう心配されることもなさそうに思うし、あなたの方でそう心配しないで出しているように思うのですけれども、いかがですか。
○泉説明員 私の経験から申し上げて大変恐縮なのでございますが、実は専売公社といたしましては、昭和四十九年にたばこの定価改定を行いたかったのであります。というのは、四十八年のオイルショックによりまして大変コストが上がってまいりました。したがって、余り大幅な値上げでなしに軽い値上げをしたいということで考えておったのでありますが、あの年は参議院選挙の年でございました。したがって法案の提出はまかりならぬということになりまして、翌年五十年に延ばされたわけでありますが、五十年に値上げしようとしますと、すでに四八・五%という大幅な値上げをしないと専売公社の利益率が回復しないという事態が生じたのでございます。 そういった点などからいたしますと、なるほど数字的に三割までなら国会審議を経なくてもいいのだということではございませんけれども、私どもとしては、公社経営の自主性をある程度お認めいただくには、この程度の定価法定制の緩和はお許しいただきたいものだ、こういうふうに思っておるところでございます。
○安田委員 この問題ばかりぎゅうぎゅう言ってあなたをいじめてもしようがないような気もするわけですけれども、いみじくも御答弁の中にあったように、昭和四十九年の御体験を申されましたけれども、国民の意思は値上げを望まないということで、まさに財政民主主義のたてまえから言えば、国会に出しても通らぬじゃないか、あるいは出さないでくれと政府の方から抑えられたかどうか知りませんけれども、つまりそれは国民の意向がきわめて敏感に反映しているわけですな。財政民主主義というのはまさにそういうことを貫くために、国民がやむを得ず値上げしろと言うときにはいいけれども、それ以外はだめよというふうにしておくのが財政民主主義のたてまえなんじゃないでしょうか。だからそれから逃れたいということになると、どうしても財政民主主義のたてまえは外したいという思考になってくる。つまり選挙の年だから遠慮しろということは、事実あったかどうか私は知りませんけれども、そういうことがあったということは、選挙にいかに響くか、つまりある意味で、民意がたばこの値上げについて非常に厳しい反応を示すだろうということだと思うのです。だから、だれでも値上げは好ましくないけれども、それがちゃんと理のあるもので、国民がなるほどそれだったら、労働賃金が上がってどうしようもないといった場合に、それをちゃんと提案して説明して、なおかつ国会に任せておいたのでは通らないのだ、だから適時適切な値上げは国会に任せておいたのではできないのだという発想が、こちんとくるといいましょうか、どうも納得しがたいわけです。 それはそれとして、その問題ばかり言っていてもしようがありませんけれども、厳しい条件をつけたから、財政民主主義のたてまえのいわば代替物かどうか知りませんけれども、まあいいのじゃないかという気持ちが答弁の中におありのようです。答弁の中でそう見えるわけですが、一・三倍の暫定価格は今回だけで、先へ行けばやめるつもりがあるのですか。たとえば一・三倍まで上げました、物価の上昇か何かがあってそれ以上枠を越えざるを得ない、そういう場合には、一遍法律を改正するわけでしょう。その改正をするときには、もう一・三倍を外してしまう。とにかく今度の導入した部分だけ一・三倍、つまり〇・三の部分をフリーハンドにしたいのだということなのかどうかです。次の法律改正で、次は枠を突破するときにはまた別な発想を持つのか、その辺どうですか。
○名本政府委員 一・三倍の枠の制度改正は、法律案で本則の中に入っておりますとおり、次回定価法を改定していただくときにはそれを変えるという趣旨ではございません。今後定価法の本来の制度として置いていただきたい、こういうことでございます。
○安田委員 さらに伺いましょう。 この一・三倍の規定が機能しなくてもいいという事態は考えられますか、それともどうしても機能せざるを得なくなるということでしょうか。つまり、今度はとりあえず二一%上げるわけです。そして、あと一・三倍まではフリーハンドになっている。その一・三倍の規定を発動する必要が必ず起きるものなのか、それともそういうことは実は決めたけれども、そういうことをしないで済むということで、ずっと続いていくのか、その辺見通しはどうですか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 先ほど来申し上げておりますように、平均水準として五五・五という税率水準を設定をいたしました。これは地方消費税が前年単価の二八・四でございますので、当年単価に直しますと二八%近くになります。それを国と地方が平年度でフィフティー・フィフティーという考え方で、国内税水準として五五・五というのを設定したわけですが、これを今後公社はいわゆる経費として税金相当分として必ず国に納めるということになってまいります。したがいまして、経済が静止状態ならともかくも、ある程度物価が上がっていくという状態でございますので、仮に過去日本の経済一般が比較的安定しておった時期、四十六年から四十八年までをとってみますと、この間の年の原価の上昇率は約五・二%でございます。いま監理官から説明しておりますように、この値上げをいたしますと、いまの政府見通しによりますと大体五十九年が赤字だということになっておりますが、仮に五%ということになりますと五十八年ということになりまして、したがってその際には、この暫定的な特例法でお願いをいたしたいと考えております。 ただ、今後たとえばオイルショックのような異常な事態が出まして、それによって、大変不幸な状態ですが、国内物価があのような狂乱になりますと、この制度では公社の赤字はとても解消できないと思います。そうなりますとこの制度は空振りになりまして、基本的にいまの一条に戻りまして、最高価格について国会の御審議を仰ぐというようなことになろうかと思います。
○安田委員 大変率直なお答えをいただきまして、先ほどの監理官のお答えですと、五十九年になるか六十年になるか全くわからぬということでしたけれども、いまのお答えですと、確かにわれわれもいままでの物価の趨勢から見ますと、このままずっといったら、特別な変動がなければ、五十八年くらいじゃなかろうかということになるわけですね。つまりここ二、三年で発動させなければならなくなると思うのですよ、客観的なデータを見れば。 そこで、民間の電力、ガス、私鉄などに対しても示しがつかなくなるのじゃないか。政府だって三割までは自由に上げるんだ、だから自由に上げさせろ、何でわれわれの金額だけ一々申請してやるんだ、三割までは自由に上げられるようにしてくれというふうに言われたらどうなるのですか。少なくともたばこの場合は一・三倍まではいいですよ、それは多分、いまの物価の趨勢から見ると五十八年度ごろにやってくるだろうということで、あらかじめ一・三倍までは外してしまっておくということですね。そうなると民間だって、そういう先の方を見通してある程度自由に、それこそ適時適切に上げさせてくれということを言われた場合どうなるのですか。その辺を考えますと、これは民間のたとえば電力、ガス、私鉄などの場合、それはいろいろ国会の審議のあり方などについては違いがございますよ。だけれども、少なくともたばこ専売の場合、三年くらい先には多分この発動があることを予定して三割まではフリーハンドにしておく、適時適切な値上げが経営からいって好ましいんだ、政府でさえもそう言うのに、なぜ私鉄や電力やガスがきちっと決められて、一々三年ごととか四年ごとに総括原価なんかの計算をやって出さなければならないんだ、こっちも三割くらいまでは自由にしてくれと言われたらどうしますか。そのことを考えますと、少なくとも専売事業としてやっている物の価格については、何らかの形で国会の審議に付すべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○名本政府委員 私どもの方としましては、国会の審議を避けたいということではないことは先ほど来申し上げておるわけでございます。たとえば電力、ガスにいたしましても、これは法律で定められておる料金ではないわけでございまして、言うならば専売公社という企業が、非常にシビアな枠の範囲内におきましては、そういう公共料金と同じようなレベルで、十分理由のある場合、もちろん赤字になったということが条件になりますけれども、十分政府部内で審議をいたしまして、もちろん大蔵大臣の諮問機関である審議会にも諮りますし、経済企画庁の物価安定政策会議におきましても種々御議論をちょだいいたしまして、各方面の意見をちょうだいした上で大蔵大臣が暫定最高価格を決定をするということに相なるわけでございます。もちろん今回の制度改正で、同時にその手続きを決めさしていただくということにいたしておるわけでございまして、全く自由にたばこの定価が決められることになるということとは若干違うのではなかろうか、かように考えております。
○安田委員 自由勝手に三割を上げられるということでないことは法文を見ればわかるのですよ。審議会の議を経るとかいろいろあるわけですけれども、それにしても国会の審議から三割までは外れるわけですね。改めていまの物価の趨勢から見て、ここ二、三年で多分そうなるだろうということで、三割までは国会の審議から外すという政府の姿勢が、私鉄や電力、ガスのような民営の公共料金の部分について、いろいろな料金の認可制などを厳しくやっておるわけだけれども、政府がいままで国会の法律で定めたものを外すなら、おれたちもややそれに似た、つまり幾らかフリーになる、それでも完全にフリーとはならないですよね、いまの電力、ガス、私鉄などの決め方よりもややフリーな、それこそ適時適切に値上げができるような方法にしてくれと言われた場合に、政府の方は、いや、専売公社はそれでいいのだけれども、おまえらはだめだと言えるのですかね。大蔵大臣、閣僚の一人としてどうですか。
○金子(一)国務大臣 これは自由勝手に上げられるという筋の問題じゃございませんで、やはりそこにおのずから国民のある程度の合意が得られるという前提が必要でございますから、公社にというか大蔵大臣に仮に最高三割までは権限をお与えいただきましても、その点は慎重に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
○安田委員 いろいろ御答弁されますけれども、要するに経営赤字が出そうになったならば、まあはっきり出た場合もあるでしょうが、法文に確かな場合ということがありますから、出そうになったならば、国会でどうこう言われることなくさっさとやりたい、簡単に言えばそういうことなんじゃないですか。
○名本政府委員 先ほど来申し上げておりますように、企業体として経営をやっていくわけでございますから、その企業体が効率的に企業としての責任を持って経営が運営されていくということが、国の企業でありましても当然、国民の皆様が要求しておるところだろうというふうに私どもは考えておるわけでございます。同じ国民から期待されておる効率的な営業体の運営というものと、一方、いわゆる財政民主主義という観点から財政法三条で求められております要求、非常に重要な要求でございますが、その財政民主主義の精神の枠内におきましてできる限り公社の効率性というものを発揮させる道をここに求めておるわけであります。 私ども政府といたしましては、決して国会の審議を避けるということではない。先ほど来申し上げておりますように、一〇〇%独占の事業の価格でございますから、その公正さ、適正さというものは、やはり最終的には国会で御判断をちょうだいしなければならぬものであるというふうにも理解しておるわけでございます。したがいまして、その三割という枠の範囲内でお任せをちょうだいいたします。けれども、それを超える場合には、必ず国会で定価法の改正という形で御審議をちょうだいするという道を残しておるわけでございます。それは必ず出てくるわけでございますので、私どもといたしましては、国会の御審議を避けて通りたいということからきているわけではないわけでございます。 それからもう一つ、自由に定価を上げるということの問題でございますけれども、現在外国たばことの競争というものがだんだん出てきております。したがいまして公社といたしましては、単に原価がどういうふうに上がりそうであるというようなことだけからではなくて、もちろん消費動向も見なければなりませんでしょうし、外国たばことの競争ということも考えながら、安易な値上げというものは当然できないわけでございます。そういう面からも十分企業性を発揮してもらう、それがとりもなおさず、納付金率の法定という制度で制度的に果たされるということになるわけでございます。定価法定制の緩和という問題は、その納付金制度の法定ということと絡んでくる問題でございますので、そういう一体のものとしてお考えをちょうだいいたしまして、公社の企業性の発揮という点にわれわれ政府としても期待しておりますし、そういう面から今回御提案申し上げている点につきまして御理解をちょうだいいたしたいと考えるわけでございます。
○安田委員 この問題でばかりしつこくやっていると時間がありませんので、この問題はこのくらいにしておきます。どうも私としては、まだ御答弁に納得しかねますけれども、さらに進んで、納付金率の法定化の問題について伺います。 税相当分が明確になることについては、あえて異論をはさむものではありません。しかし現在、専売納付金が公社の利益処分とされておって、収支決算の上で措置されているのに引きかえて、今回の改正では専売納付金は費用として、もう決算の前段階で措置されることになりますね。つまり別な表現で言えば、いつでも収入の五五・五%を損金として抱えるわけです。経営圧迫は以前に増して一段と厳しくなると思うが、どうだろうか。改正案のような措置にすることにした場合、先ほど来の同僚委員の質問の中にいろいろありましたけれども、公社の経営が評価されるんだみたいな話が出ましたけれども、公社の経営が評価されて利益が還元されるということは、現在の経営環境のもとで可能性は一体あると考えるのか。私はこれはずいぶん過酷ではないかと思っているのですが、どうですか。この二点です。
○名本政府委員 納付金率で平均五五・五%お願いいたしておるわけでございますけれども、その率につきましては、いわゆるたばこのしょっております財政寄与率でございます。諸外国の例、それから過去の例、経緯、そういうものを考えますと同時に、もちろん専売公社の経営内容というものがこれでやっていけるかどうかという点につきましても当然配慮を加えたわけでございます。 この五五・五%平均の納付金率で参りますと、五十四年度におきましては四%程度、金額にいたしますと約一千億の内部留保が得られるわけでございまして、その面から見ますと、決して公社の経営を圧迫することにはならないだろうというふうに考えます。特にこの内部留保一千億のお金と申しますのは、専売公社の在庫投資あるいは設備投資の資金繰りのために必要な資金でございます。従来、生産性を向上させるために専売公社はかなりの投資を行ってまいりましたが、今後その投資が従来ほどのペースでは必ずしも進まないのではないか、ほぼ一巡に近いところまで来ているように私ども考えておりますけれども、そういう面から見ましても、五十四年度におきます一千億の内部留保というものはほぼ適切なラインにあるというふうに考えておるところでございます。
○安田委員 公社の経営努力といいますか企業努力、こういうものはわかりやすくなるといいますか評価されやすいということがあるけれども、私の言っているのは、現在の経営環境のもとでそういうことは、理論的には可能性はあるかもしらぬけれども、実際はほとんどないのではないかと思うのですよ。となると経営が圧迫されるわけで、合理化を一層進めなければならなくなるわけですが、それはまた葉たばこ耕作農民の要求にも厳しくならざるを得ない、そうでなければやっていけない。もうかろうがもうかるまいが前に専売納付金を損金として常に抱えているということになりますと、結局どこをひねるかといえば、製造原価を抑えるということで何とか企業努力をするということになるのでしょうが、葉たばこ耕作農民の要求にも厳しくなる、そういうことにもなるのじゃないか。現在の経営環境のもとで、そうした企業努力でもって非常に経営が改善されて利益が還元できるなんて甘い見通しがあるのですか。先ほど来たばこの消費が横ばいだとか、特段にぱっと消費がふえることは考えられないとか、企業として考えればある意味では悲観的ないろいろな要素がある。そして常に五五・五%の納付金を抱え込むということになった場合、そんなこと考えられるのですか、経営が改善されて云々ということは。どうなんですか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。先生御指摘のように、また午前中の各先生の御質問にもございましたように、現在たばこ産業を取り巻く環境は大変厳しゅうございます。本当に四十年の前半みたいに数量で五、六%というような伸びはとうてい期待できない、ある意味において成熟期にもう入ってしまったという産業であろうと思います。したがいまして今後私ども大変努力を要すると思いますが、御案内のように一年間に成年人口約百六十五万が毎年成人化しているわけでございまして、午前中の説明にもございましたように、男子の場合七四%、女子の場合に一六%というような喫煙者率を現在持っております。そういうことから考えまして私ども、まだまだ私どもの努力いかんによってこの潜在的な購買力に、健康問題にも配慮しながら十分対処はし得るものと考えるわけでございます。 それからいまの納付金率の問題でございますが、これは何と申し上げましてもやはり公社の場合には、国の専売権の委託を受けておるわけでございまして、財政専売というのは大変大きな柱でございます。過去十年の総合的な納付金率は大体五五・六%程度でございます。それを地方税とのバランスとか公社の内部留保とかいろいろな諸情勢を総合勘案しながらこの五五・五というものを制定したわけでございまして、私ども決して軽いとは思いませんが、過酷なものとも考えておりません。当然財政専売としてこの程度の税負担には耐えながら、たばこ産業の維持発展を図りたい、このように考えておる次第でございます。
○安田委員 御答弁がありましたけれども、そういうことになるかどうか。売れ行きが直ちに国庫納付金を決めて公社の利益も決めてしまう。この経営環境では経営努力の余地というのはきわめて少ないんじゃないか。残された道は結局、値上げだけということになるのじゃないだろうかと思うのです。それとも何かウルトラCの経営方針でもあるのですか、もしあったらお披瀝願いたいと思います。
○泉説明員 別段ウルトラCの経営技術があるわけではございません。ただ、今朝来から申し上げておりますように、従来は経営目標がはっきりしていなかった、それが今度ははっきりしますし、そういたしますと、一つの銘柄ごとにこのたばこの喫味をどうし原価をどうする、それには原料葉をどうする、巻き上げ機械をどうするといったような個別の管理ができることになりまして、それを通じて経営の努力が実っていくものと私は期待いたしておるのでありまして、そういう点からいたしますと、なかなか努力を要する点はございますけれども、しかしこういう納付金率のもとにおきましても経営の成果を上げる努力はできるし、その結果は出てくるもの、私はこう期待いたしております。
○安田委員 確かにいまのように、公社が利益を上げてもそれは納付金に持っていかれてしまうという点、公社の職員にしてみれば企業努力の張り合いがない。せっかく自分らが努力してもうけてもそれは国庫にみんな持っていかれてしまう、みんなではない、内部留保は幾らかありますけれども。そういう点もわからないではないのですが、そういう公社の職員方に希望を与えるというなら、一定の納付金についても裁量部分を考えるなり、資金繰りなどで助けるなりの方法も十分ほかに考えられるのではないかと思いますが、どうでしょうか。そういうやり方もあるのではないかと思うのですが、法律で定率化してしまうのが唯一の方法なのかどうか。
○泉説明員 まだほかに方法があるのではないかとおっしゃられますと、それはいろいろな手がないことはないかと思いますけれども、しかし消費税という形をとらなくて、そして納付金率で処理をしていくということになりますと、納付金率の法定化よりほかにはないのではないか。いまお話しのように資金繰りの関係で、いまは国庫に預託している金につきましては別に金利をいただいておりませんが、しかしこれも私の方が国庫余裕金をお借りしているときは金利を払っておらない。資金運用部資金から借りているときには、これは資金運用部資金はコストがかかっておりますから金利を払わなければなりませんけれども、国庫余裕金を借りているときは金利を払わなくてもいい、そういう見合いとの関係からいたしまして、預託している金に金利をつけてもらってそれで何とかうまくというふうにもいきかねるのでありまして、その点は御理解いただきたいと存じます。
○安田委員 いわば国庫納付金の一定率確定によって、この法案が通ることによって、経営が赤字に落ち込むように運命づけられてしまったのではないか、そのことを危惧するものですからいろいろしつこく伺ったわけですが、その点についてはそういう危惧は払拭されないまま、時間がありませんので次の質問に移りたいと思います。 先ほど同僚委員からの質問でも、いわば高級たばこと三級たばことの問題、いろいろ質問がありましたが、そこでその御答弁に、安いたばこといいますか、初めに吸ったたばこを吸う傾向があるとおっしゃったですね、だから必ずしも所得とは関係はないのだ。それは実態調査か何かされてそうなったのですか。
○泉説明員 さようでございます。実態調査をいたした結果でございます。
○安田委員 昭和五十年にも定改があったわけですが、このときに売り上げがダウンして、たばこ離れといいますかちょっとあったというふうに思われますが、そのたばこ離れの実態調査をおやりになったんですね。
○立川説明員 定価改定の前後におきまして、サンプルでございますけれども調査をしております。
○安田委員 その結果はどうですか。
○立川説明員 これは幾つかの調査でございまして、たとえばサンプルの中で、たばこをどのくらいおやめになったかとか、あるいは下の銘柄にどのくらい移転したかという調査でございます。ただそのサイクルが前後半年ぐらいだと思いますので、その短期間の変化を見たということです。
○安田委員 そうするとその結果、値上がりしてたばこをやめてしまったという人と、低級たばこに移ったという人もいると思うのですが、その実態はどうなんですか。つまり総裁が言われるように、最初に吸い始めたたばこをずっと吸う傾向がある、だからもしそのたばこが高くなってやめたならば、低級たばこに移らぬで一足飛びにたばこ離れしちゃうということに結論はなってくると思うのですが、そうではなくて、やはりたばこはやめられなくてより安いたばこに移ったという傾向があるのかどうか。もしそういう傾向があるとすれば、総裁のおっしゃった、最初に吸ったたばこを吸うんだ、所得と関係ないということはちょっと矛盾してくるように思うのですが。
○立川説明員 細かい数字は持ち合わせておりませんけれども、たばこを吸う方にそのときの調査で二通りございまして、一つは、大変ブランドロイアルティーと申しますか、ピースならピースをずっと吸っていただく方がございます。それからもう一つは、昔はピースを吸っていたけれども、ほかの方がセブンスターになったから変わるという方も大部分でございます。そのときの調査では、資料をちょっと持ち合わせございませんけれども、値段が上がりましたために下の銘柄に移ったという方は、若干ございますけれども、そうパーセントとしては多くございません。むしろ値上げを機会にやめたという方が若干ふえておるということでございますけれども、一度やめまして、また半年なり一年たちますと吸っていただくというような調査結果も出ております。
○安田委員 低級たばこは最近ますますじり貧になっているんじゃないか。どうも地域によっては低級たばこは扱わないようにしているけしからぬところまであったようであります。私の扱ったケースの中でも、専売公社の支局の方でそういうことはしていないと言うのだけれども、福島県の阿武隈山系の方の町で調査をしましたならば、い いとかわかばですか、ああいうたばこが店頭に出ておらぬ。たばこ屋に聞くと、こういうのは少なくしか入荷せぬのだと言うので、担当に聞いたら、そんなことはしておらぬと言うので押し問答になったことがあるのですが、どうもそういうことが実際上は店頭から姿が消えるということがあるのですね。それでそういう状態のところも現実にはあるわけです。そうなると、実際には低級たばこがさらに低迷して、どうも市場からも締め出しを食らうおそれがあるのじゃないか、この点十分配慮して対処すべきだと私は思うのです。特に安くてうまくて安全なたばこを国民が望んでいるわけですから、また嗜好品でもあるために商品に偏差が出るようなことももちろんあるわけだけれども、安い物、三級品も今後とも残していく、決して発売中止をしない、その決意で対処すべきだと思うが、いかがですか。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 先生の先ほどの五十年定改のときどうだったかというお話がございましたが、私のそのときの経験では、四八%という大変大幅な値上げでございましたが、普通なら下方シフトが起こるわけでございますが、五十年定改のときにはほとんど下方シフトが起こらなかったという実態がございます。しかし何分、四十三年と五十年、二回しか定改を戦後やっておりませんので、本当に確とした価格弾性値というものを公社はつかんでおりませんが、五十年の定改の例で言うとそういうような実態がございます。 それから今回の値上げによりまして、私ども現在のところ大体一級品以上が七〇%弱、それから二級品のところが二〇%、それから三級品が一〇%強という販売シェアでございますが、先生の御指摘のように三級品といえども専売制の中の品物でございますので、御指摘のようにそういうことの方が需給アンバラが起こらないように十分努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○安田委員 ぜひそう願いたいと思います。最初に吸ったたばこをずっと愛用する傾向があるということであればますますお年寄りの方々には、今度はそういうたばこが店頭から消え去るということはとんでもないことですから、これはぜひそうしていただきたいと思うのです。 次に、税制の観点からですが、従来の利益処分方式から本数方式というか売り上げの五五・五%を国庫納付金としてとるということになったことで、さらに税としての性格がはっきりしたと思うのですね。もちろん間接税に準ずるものでありますから、たばこを買う人が担税者になるわけだと思うのですが、これは税負担の逆進性を強めるものではないか。私の方で総理府の家計調査をちょっと見てみたのですが、五十二年の数字で所得の低い方から高い方に五段階に分けまして消費支出に占めるたばこ代の割合が勤労者世帯で見ますと、第一分位が一・〇六%、第二分位が〇・七八、第三分位が〇・六六、第四分位が〇・五二、第五分位が〇・四四とみごとにきれいな逆進性を示しているわけですね。これは総理府の家計費調査で出ているわけです。この点について、今回の値上げがこういう逆進性についてどう配慮をされているのか、伺いたいと思うわけです。
○泉説明員 たばこは値段に差はございますけれども、所得の低い人が安いものを吸うというわけではございませんので、お話しのように家計調査にあらわれますと、たばこは恐らく他の消費物資の中では最も逆進性の高いものになっておると私は考えております。酒につきましては御存じのように、特級、一級、二級といった区別がありまして、やはりいいものが値段が高いということになっておりますので、逆進性の程度がある程度緩和されておるわけでございますけれども、たばこの場合にはなかなか、逆進性はきわめて高いと言わざるを得ないと思うのであります。しかし、それでは今度の値上げをこういう形にすることによって逆進性がさらに高められたかというと、私は必ずしもそうではなかろうと思っております。
○安田委員 国民生活に密着した部分での引き上げですから、これは非常に重要だと思うのです。どうも最近の石油税、ガソリン税などこの種の税の引き上げが頻繁に行われるわけだけれども、国民生活密着部分をねらい撃ちにしているような感が強いわけで、物品税においてはまだまだ不合理な点が多いわけですから、その辺にもっと目を注ぐべきだ、こういうふうに思います。時間がありませんので、この点そう問答する気はありませんが、間接税だと比較的軽易にかなりの額が獲得できるということでやるのでしょうけれども、このやり方が連続してやられるとなると、税負担の公平も形骸化されてしまうことになるというふうに私は思うのです。私はことしの二月二日の当委員会の質疑の中で、一般消費税との関係で所得階層別の租税の負担状況を明らかにする必要がある、こう強調してきたわけですが、政府としてなるべく最近時点のものを出すべきだと思うが、いかがですか。
○金子(一)国務大臣 申告所得税の集計ができましたところで、必要なものをまた提出いたします。
○安田委員 租税の負担状況というつもりで言っているのですが、その辺も時間がございませんで押し問答しているとあれですが、ぜひそういう点を明らかにしていただきたい。 次に、あと五分しかございませんので、喫煙と健康の問題について、先ほども同僚議員が伺ったようですが、委託研究を行っていらっしゃるということですが、いつだれにどのような事項を委託研究しているのか、その費用はどのくらいかかっておるのか、伺いたいと思います。
○小幡説明員 お答え申し上げます。 委託研究の話でございますが、公社の委託研究は昭和三十二年からやっておりますが、現在まで全体で研究課題四十一件、それから委託先は二十七機関、研究総額は累計いたしまして七億九千五百万でございまして、五十四年度は一億三千万円を予定いたしております。 いま申し上げましたように、委託機関が二十七機関でございまして、東京大学とか癌研究会研究所とかいろいろございます。 以上でございます。
○安田委員 この研究結果は公表できないというような問答が先ほど同僚委員との間にあったようですが、そうすると三十二年から現在までやった研究の結果については間違っているとお考えなんですか、それとも正しいものとお考えなんですか。
○小幡説明員 お答え申し上げます。 いままで委託研究で何をやったかという御質問でございますが、御承知のようにこれはなかなかむずかしい問題でございまして、特にやっておりますのが、最初は喫煙と肺がんの関係、それからさらに発展いたしまして肺がん以外の呼吸器疾患、心臓血管系の疾患、それからニコチンとかタール、そういったガス成分の影響はどうか、あるいは妊婦とか胎児への影響、あるいは最近は児童喫煙、そういった研究が進められまして、それなりにかなり成果を上げているわけでございますが、ただいずれも、研究課題といたしましては大部分はまだ研究の途上でございまして、完結いたしておりませんので、いまの段階でこれを公社が積極的に発表いたしますと、内容が非常にむずかしい問題でございますので、とかく誤解を招きやすいということで、公社では積極的に発表いたしませんで、お願いいたしました委託研究者がそれぞれ学会なり医学関係の専門誌に発表する、そういうことで対処しているわけでございます。
○安田委員 専売公社が公表するとだれにとってどう都合が悪いのですか。完結してないから最終的結論は出ない部分もあるでしょう。少なくとも完結した研究はもう最終的結論が出る場合もあるかもしれない。どれが完結しているか私は知りませんけれども、中間データでもいいですよ。もしデータが間違っていると公社がお考えなら、これは研究のやり直しということで何も発表する必要はないだろうということもあるかもしらぬし、いろいろあると思うのですが、もしいままでのデータは少なくともそれなりに科学的な根拠があるとすると、公社としてそれを発表すればだれにとってどういうふうに都合が悪いのか、お知らせいただきたい。
○小幡説明員 発表いたしました場合にだれにとってどう都合が悪いか、そういうことは決してございません。ただ非常に内容がむずかしいわけでございますので、実際に委託研究者が学会とか専門誌に発表されました分厚い専門的な書類を見ましても、普通の方は非常にわかりにくい。それではこれをもっとわかりやすく書いていただいてそれを発表できないかということでいろいろ専門家の方々にもお願いしたこともございますけれども、そういうことはなかなかできない、やはり専門分野でございますし、それから特にまだ研究の途上でございますのでもうちょっと待ってほしい、そういうような御意向もございますので、私どもとしましては、できれば研究の状況を皆様方に何とかわかりやすくお知らせする、そして理解をいただくようないい方法がないかなということでいろいろ検討しているわけでございますが、なかなかむずかしいのが現状でございます。
○安田委員 ほかにも製品輸入問題などいろいろ聞きたいことがあるのですが、時間が来ましたので……。 専売公社は国民に安くてうまい、かつ、安全なたばこを供給する使命があると思うのですね。三級品の納付金率を低めて利益が計上できるようにする、本格ブレンドの商品開発などを行えるように検討していただきたいということで御答弁をいただきたいことが一つ。 もう時間が来ましたから並べます。 それから最後に、専売経営のあり方についてですけれども、今後ともに需要の低迷、経営合理化、国庫納付金などの確保など、むずかしい問題と重要な課題を抱えていくわけになります。国民に開かれた経営を進めて、経営方針や業務の遂行に当たっては、国民、労働者、農民、販売店などの関係当事者の意見を十分に聞きながら民主的な運営を進める必要があると思います。大臣の見解と総裁の決意を承って、質問を終わりたいと思うのです。
○泉説明員 三級品につきましては、先ほど後藤から答弁申し上げましたが、納付金率が平均五五・五%なのに比べまして、それは二級品に適用いたしまして、三級品は四四・五%と非常に低くなっておるのであります。そういうことは、先ほど申し上げたはずでございますけれども、三級品にもコストアップはありますので、そのコストアップ分をカバーするということがなかなかむずかしいという点はあるわけでございます。しかし納付金率をそれだけ低くしてございますので、今後経営努力をすれば三級品におきましても、ある程度の利益は出るようなことになろうかと思います。ただそれには先ほど申し上げましたように、三級品のうちの個別の銘柄ごとにいろいろ品質管理などの努力を必要とするというふうに考えております。 なお、御指摘いただきましたように、現在のたばこの売れ行きの停滞している状況のもとにおきましてこういう納付金制度のもとで事業をやっていくということ、大変厳しい経営状態であることはもうお説のとおりでございます。しかし私どもは、そういうのをはねのけて努力してまいりたいのでありまして、今朝申し上げましたように、従来は努力いたしましてもその成果は納付金ということで持っていかれてしまう、努力しても何にもないではないかという空気が強かったのでありますが、今後はその点が、努力すれば努力するだけその成果が上がってくるという励みのあれがありますので、部下の職員一同一丸となりまして努力してまいる所存でございます。
○金子(一)国務大臣 前段につきましては総裁からお答えがありましたから繰り返して申しませんが、後段の安田さん御指摘のいろいろな厄介な問題たくさんございますが、ひとつ公社あるいは公社の関係者一丸となって、何分にもこれは日本では専売事業でございますので、開かれた事業としてやはり消費者の利益を最優先に考えなきゃいけません。同時にまた、私どもの立場としては財政の一翼をしっかり担っていただきたいという問題もございますし、そういう点十分配慮しながら、今後公社の効率化、能率化、合理化に努力をしてやっていただきたい、こういうふうに今後も努めてまいります。
○安田委員 終わります。
○加藤委員長 次回は、明二十五日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十九分散会 ————◇—————