大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1979/03/13
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案及び国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 これより両案について政府より提案理由の説明を求めます。金子大蔵大臣。
○金子(一)国務大臣 ただいま議題となりました賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案及び国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案について御説明申し上げます。 賠償等特殊債務処理特別会計は、連合国に対する賠償及び財産の補償その他平和回復に伴い支払いを要する特殊債務の処理に関する政府の経理を明確にするため、昭和三十一年度に設置されたものであります。 これら賠償等特殊債務のうち、賠償につきましては、フィリピン賠償を最後に昭和五十一年度をもって解決の上支払い済みであり、同会計の主要な使命は終了いたしております。現在残されておりますのは、対日私的請求権いわゆるクレームの一部のみでありますが、これも近く解決が見込まれることとなっております。したがいまして、同会計をこれ以上存続させ、一般会計と区分して経理する必要はなくなったと判断されますので、昭和五十三年度限り同会計を廃止しようとするものであります。 本法律案は、賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止するとともに、同会計の廃止に伴い必要な経過措置を定め、同会計に属する権利義務を一般会計に帰属させることといたしております。 次に、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 この法律案は、最近における国家公務員の旅行の実情等にかんがみ、内国旅行における日当、宿泊料、移転料等の定額を改定するとともに、現下の財政状況等にかんがみ、当分の間、特別車両料金等の支給対象者の範囲を縮小するほか、所要の規定の整備を行うこととするものであります。 以下、その内容を御説明申し上げます。 国家公務員等の旅行に際して支給される旅費につきましては、最近における宿泊料金の実態等を考慮し、内国旅行における日当、宿泊料及び食卓料の定額を、支給対象者の区分により一八%ないし二七%程度引き上げることといたしております。 また、移転料につきましても、国家公務員の赴任の実態等にかんがみ、その定額を内国旅行につきまして一〇%程度引き上げることといたしております。 次に、特別車両料金等につきましては、現下の厳しい財政状況等にかんがみ、当分の間、行政職俸給表(一)の一等級相当以下の職務にある者には原則として支給しないことといたしております。 そのほか、内国旅行の車賃の定額の引き上げ等を行うことといたしております。 以上が、賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案及び国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○加藤委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○加藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
○沢田委員 最初に、旅費の関係から順次お聞きをしてまいりますが、旅費について、たとえば今回の改正で、内閣総理大臣あるいは大臣、そういう方々が内国旅行あるいは外国旅行をなされる場合に、この旅費規定をもって足りるというふうに御判断になっておられるのかどうか。昭和二十五年のときの提案によりますと、当時含みというか、その他の経費のために要する費用として昭和二十五年段階では七億用意をしておる、こういう答弁がされておりました。これは言うならば、含み資産じゃありませんけれども、含み予算みたいなものだと思うのでありますが、そうしますと、この提案されております旅費規定は見かけであって、実体は別なものがある、こういうことにもなりかねないのでありますけれども、実際の例をひとつ列挙していただきまして、この場合にどの程度かかっているのか、具体的な例で総理大臣あるいは各大臣がこの旅費規定を準用した場合にはどう適用されているのか、実態の例で二、三お答えをいただきたいと思います。
○禿河政府委員 総理大臣あるいは閣僚が外国に出張……(沢田委員「内国も含めます」と呼ぶ)あるいは国内で出張されます場合には、旅費法の規定に基づく旅費が支給されることはいわば当然でございます。ただ、たとえば総理が外国に行かれるとかいうふうな場合には、通常の旅費の対象外の経費が必要になる場合がございます。やはり外国の政府高官等々と会談をされる、あるいはパーティー等も開かれるとかいうふうなことがございますが、これは旅費法上の旅費の支給対象には相ならないわけでございますが、それにつきましてはたとえば内閣におきます報償費とか、あるいは、各省におきましてどうしてもやはり大臣が外国でそういう経費を必要とするような場合には、庁費の中のたとえば恐らく会議費とかいうふうなものでこれを補っていくというふうなことであろうと思います。
○沢田委員 いまいみじくも言われましたような経費は、大小を問わず、一般の局長であろうとあるいは課長であろうと、それぞれ出張の場合にはやはり要する経費になるのではないか。いま言われた大臣だけにこれは限定されてかかる経費ではなくて、もちろん大きさは違うでしょうけれども、一般の職員にも、相当した、それに準ずる経費というものは必要になるのではないか。これは大臣やそういうものだけに限定されるものではないだろう、こういうふうに思われますが、その点はいかがでしょう。
○禿河政府委員 お話しのとおり、ケースは大変少ないかとは思いますけれども、大臣以外の一般の行政官でも、たとえば国内で出張いたしまして、そこで会議を主宰するとかいうふうなケースはあるわけでございます。そういう場合には、旅費法上の宿泊料、日当というものの支給のほかに、各省庁におきます会議費等でそういう経費は支弁されるものと考えます。
○沢田委員 そうしますと、出張旅費以外に、名分の問題はさておいても、それらに類する——それらに類するということはきわめて抽象的な言葉でありますが、どこかを、災害地じゃ例は悪いかもわかりませんが、河川の視察をされる。向こうから接待をされた。そうすると答礼にひとつまた呼ぶ。答礼に呼ぶか呼ばないかは、接待を断るか断らないか、これはまた別問題でありますが、その場合にも、何かをした場合の経費は別途考慮する、こういうふうに解してよろしいでありましょうか。それとも、その行った先において諸掛かりというものが必要以上にかかった場合は、たとえばタクシーを使わなければならなかった、あっちこっちの視察にタクシーを使う、その費用は当然別途の支出として考える、こういうふうに解してよろしゅうございますか。
○禿河政府委員 一般の公務員が出張いたしました場合に、そこで相手の人とたとえば会食をするとかいうケースは大変少ないかと思いますし、それについて、やはりそういうものの必要性というものは各省において十分吟味されまして、大義名分が立ち、本当に必要と認めたものは各省において必要な措置は講じておるかと私思います。 それから、後段にお話がございましたたとえば視察等に出かけてタクシーに乗ったとかいうふうな場合は、宿泊料のほかに旅費法上、日当というのがございます。それで大体日当と申しますのは、出張の場合の昼食の経費あるいは足代をある程度賄う、こういう趣旨で設けられたものでございまして、そういうことの中でやりくりをしておるのが大部分の実態であろうかと思います。しかし、災害等がございまして万やむを得ない、普通の車は使えないとか、鉄道も利用できないとかいう場合には、たとえば車を役所の経費において借り上げていくとかいうふうなことは当然あり得ることだと思います。それからまた、宿泊料等それから足代等で、法律上の規定に基づいて支給される金額でどうしても足りない、こういうふうな場合には、旅費法の四十六条の二項で実際に要した経費というものを支給できるような規定も設けられておるわけでございまして、そういうことでそこはカバーされていくものだと考えております。
○沢田委員 いずれにしても実際に損失を招くようなことはさせない、本人によけい負担をかけさせるようなことはない、こういうことは言えるというふうに確認していいわけですね。いいですね。——こっくりしていますから、これは議事録には載りませんけれども、頭を下げてうんと言っているということだけを表現をいたしておいて、確認をしたということにしておきたいと思います。 その二番目は、甲地、乙地というものに分けてありますが、今日の現状から見て、甲地、乙地の区分はもう廃止して、甲地一本にすべきじゃないか、こういうふうに私は考えるわけです。甲地とは何ぞや、六大都市及びその周辺、大蔵省が定める地域である。乙地とはそれ以外の地域である。いまの社会の構造で大切なものは何かと言えば、やはり必要に応じてその目的地で時間どおり行動できるということが必要な要件だと思うのであります。そういう場合が一つ。それからもう一つは、現在の宿泊施設の現状からいくと、ビジネスホテルというようなものも発達をいたしております。そうしますと、朝飯と夕飯のついている旅館へ泊まるのとビジネスホテルへ泊まるのとでは、かえってビジネスホテルに泊まっている方がある意味においては経費が節減できる、こういう現状もあると思うのであります。あるいは山間僻村の方へ行けば、終電車も早くなくなってしまいますから、いやおうなしにいま言われたようなタクシーなりを使わざるを得ない。そういう状況から考えてみると、甲地が高く経費がかかって、乙地が経費が安くかかるという観念は、いわゆる戦後のときの状況であって、今日のような交通事情あるいは今日のような第三次産業の発展段階、こういうものの状況を考えたときにおいては適当なものではないんじゃないか。かえって甲地一本にして処理していくことが妥当ではないか。一割なら一割乙地を引くという理由は根拠が薄弱だと私は考えます。また実態に即応しないものだと思うのでありますが、無理にこの乙地をつくっておく理由はないと私は判断しますが、いかがでしょうか。
○禿河政府委員 御指摘ございましたとおりに、最近の交通事情とか、あるいはお話がございました甲地域ではビジネスホテルというものがかなり整備されておるとか、そういうふうな実態はそのとおりでございますが、私どもの方で、昨年の四月でございますが、甲、乙、これまで設けられております地域区分に基づきまして公務員が一般に利用する宿泊施設の料金を調べましたところ、実はまだ甲と乙との間には料金に格差があるのも事実でございます。係員クラスが利用いたしますと思われる旅館の料金というものを甲と乙とで比べてみますと、実は昨年の四月の調査によりますと、一〇対八、八一%という数字が出ておるわけでございます。それに対しまして現在の仕組みが、甲が一〇に対しまして乙が九、こういう支給の割合になっておるわけでございます。単純に計算いたしますと、一〇対八でもいいという数字もないわけではないのでございますが、先生がお話ございましたとおり、甲地方ではビジネスホテルというものもかなり整備されてきておりますし、それから乙の方が交通機関の利用の便も余りよくない面もあるというふうな点を勘案いたしまして、従前どおり、乙地方の宿泊料は甲に対しましてその九〇%という従来の線を今回も維持していきたい、かように考えたわけでございます。
○沢田委員 これだけで時間をとるわけにはまいりませんけれども、地方から東京に上がってくれば、地方公務員の宿舎、都道府県会館、そういう施設がある。大体これの費用から考えてみて——あなたはどの部分を例に挙げているのかわかりませんが、議員などが行くある意味の観光的なもの、これは例外の問題です。県会議員が行くとか市会議員が旅行するとかいうことは例外の問題。いわゆる純粋なる公務で出張する場合をここは挙げているわけですから、その場合に、都道府県会館に泊まったりあるいは地方公務員の会館に泊まったりしている場合と、それからあなた方が逆に四国の山、鳥取に行くという場合を考えたなら、これは常識的に、旅行されてみればわかるように、それは行った方は、東京で泊まっているよりよけい経費がかかるでしょう。行ったつもりになって東京で泊まれば、それはその辺、そこへ泊まらなくても、ビジネスホテルへ泊まって、夕飯をどこで食ったって安く上がるわけです。 そういう官僚的な発想というものを捨て切れない理由というのはどこにあるのかと私たち疑問に思うのですがね。実際に職員の声を聞いているのかどうか。実際に出張していけば、率直に言って、あるいは課員の人におみやげも買わなければならぬでしょう、あるいはよけい不便も感ずるでしょう。極端な例を挙げてもいいですがね、ある官庁の人が来た場合の例を挙げてもいいですが、これは挙げないでもわかるように、実際には地方に行ったときの方が、交通の待ち時間も多いし、時間に追われるし、経費はかかるのですよ。あなたが考えている八一なんという数字はどこを持ってきて言っているのかわからぬけれども、それは実態に合わない。あなたが実際にやってみなさいよ、それはやはり行った方がよけいかかるという実態が出てくるわけです。恐らくあなたはここで法案を修正するということまでにはいかぬでしょう、私の質問に、はいよろしゅうございますとは、あなたも首がかかっているから、そうはなかなか言えないだろうと思うから、ともかくそういう実態に合わして調整する努力をこれからしてほしい、こういう強い要望を申し上げて、これは次官もおられるけれども、実態だれが見たってそういう形になるのですよ。その辺の実態をそろえて今後十分検討していただくようにこれはお願いして、次に入りたいと思います。 次に、これは人事院に来ていただいておりますが、出張中の公務災害の問題であります。 これは当初は、出張途上の業務災害については全労働者に少なくとも適用されるということに統一をいたしました。しかし公務員だけについて、出張中の公務災害についてだけは解釈が、認定の基準が違う。その認識についてはどうお考えになっておられますか。
○金井政府委員 公務員の出張中の事故につきましては、疾病と負傷と両方あると思うわけでございますが、まず、出張及び赴任期間中の負傷につきましては、基本的には公務上の災害になるという考え方で運用しております。さらに詳しく申しますと、出張及び赴任期間中に通常の経路という上で起こったものは上に考えておりますが、それを逸脱したような場合には外、こういうことになります。
○沢田委員 一番いま問題になっていることは、出張中に脳溢血、脳卒中、心不全、こういう病気で死亡された場合に、労働者の災害補償法では、二十四年十二月十五日の基収法三〇〇一と三十四年七月十五日の基収二九八〇という通達によって、「自宅より出張におもむき、直接自宅に帰る慣行があるときは自宅を出てから帰るまでを出張と解し、私的行為中の事故を除き、業務上」とみなす、こういうふうに出ておるわけです。これは労働者の災害補償法であります。公務員の場合には、これは地方公務員も含めて言えるわけでありますが、いま言ったように脳卒中あるいは脳溢血の場合には、特別に団体交渉でその前の晩徹夜交渉をしたとか、あるいは向こうの会議で徹夜業務があったとか、そういう解釈に非常にむずかしい条件でなければ適用しない。四十九年のうち二十二件死亡されている。五十年で二十一件死亡している。五十一年のうち二十八件死亡をしているのです。このうちで適用をされているのはせいぜい一件か二件です。なぜこういうふうに差がつけられてきたのか。官民格差なんという議論も起こっていますが、公務員なるがゆえになぜこういうふうに差別をされなければならないのか。この辺の解釈をちょっと明らかにしていただきたい。 ちょっと時間をかりまして、人事院にも今度お伺いするのですが、健康管理責任者というものが労働基準法にはあります。また健康診断も毎年行っております。そして勤務指定も責任者はできるわけです。もし高血圧あるいはこういうような病名を持っている者については、業務の配転もできるはずです。そういう人事権を担っている者が、そういう可能性を持っている者を出張命令した責任は問われないで、なったら死に損、こういう形では行政上少し不整合だと私は思うのですが、その点もあわせてひとつお答えをいただきたいと思います。
○金井政府委員 国家公務員におきまして、健康管理者というのが各組織区分ごとに設けられております。健康診断に基づきまして、その後各省庁の長は指導区分というものを設けられ、その生活規制面と医療面の両方で規制をするわけでございますが、その事後措置の基準といたしましていま御指摘のように、勤務を休む必要があるものから平常の生活でいいものまで段階を四段階に設けて指導しております。 それでいま御指摘のように、たとえば職務の変更であるとか勤務場所の変更であるとか休暇などの方法によりまして勤務を軽減する、あるいは深夜勤の制限をする、出張も制限をするという区分もございます。これは結局指導区分の強いものから弱いものまでの差に応じまして程度を分けて基準を設けているわけでございますので、相当ひどく体の状態が悪いというものであれば当然に出張等は制限させるという形で運用しております。 (発言する者あり)
○沢田委員 あちらの方でやじで、それはもちろん業務上の理由ということになっていることは承知の上で私は言っているわけです。だから、その業務上の理由というのは、任命権者が少なくとも業務上、これは可能であると判断をして出張命令を出している。そのための事前の措置として健康管理の責任者があり、健康診断も行い、業務指定も行い、そして業務の内容を決めながら出張命令を出す。それから言えば、業務上の理由というものは条件として整備している。少なくとも本人に重大な過失がある、大酒を飲んだとかそういうようなものがあったならば、これは話はまた別かもしれません。通常の場合でいけば、現在のような労働省の基準監督署が言っているのと同じような条項に基づいて、脳溢血なり脳卒中なり心不全にしても旅行中といえども、これはいわゆる勤務中の事故である、だから同様に扱うべきであると私は思うのです。出張中が勤務時間でないというならこれは別ですよ。出張中は勤務時間でしょう。それもイエスかノーか答えてもらってから、もう一回ひとつ適用を改めていただきたい、こういうように思います。
○金井政府委員 脳、心臓疾患系の疾病につきましては、業務上との関係で申しますと従来からいろいろ問題があったところでございます。 それで、これは勤務中にたとえば心筋梗塞で倒れたという場合と出張中で心筋梗塞で倒れたという場合考えてみますと、別に差異は設けておりません。出張中は一応支配管理下という考え方をとっております。ただ問題は、そういう疾病が素因とそれから業務上の原因とどちらが多く占めておるかということが一つの判断の基準になるわけでございまして、私どもの運用といたしましては、特段に労災保険法の運用と差をつけてこちらの方をきつくしているということはございませんので、最近では、脳、心臓疾患系の疾病につきましても業務上の災害という判断を示している例が相当にふえております。
○沢田委員 そこの後段で、さっき申し上げた人事権、管理権との関係はちっとも触れてないですよ。いわゆる出張命令ですよ。出張は命令なんです。命令する場合に、本人の健康、あるいは健康診断の結果、あるいは健康管理、そういう立場に立って認定をして大丈夫だと任命権者は判定したのでしょう。それで生じた災害について責任がないということはあり得ないのじゃないですか。
○金井政府委員 確かに健康診断の結果の指導区分といたしまして出張はやめさせた方がいいという状態にある者を出張させるということになりますと、問題であろうかと思います。この辺は実施機関で、私どもの定めました基準に従いまして運用されていることと思っておるわけでございますけれども、ただ指導区分の問題は、医師の判断ということを参考にして任命権者が決めるわけでございますので、医師が絶対にこれは出張させるのはまずいという判断があった者を出張させるということはまずないのではないか。ですからその辺のところは、出張の中でも非常に体を酷使する出張とあるいは非常に軽い形の出張もあるかと思いますので、その辺は医師の判断というものを十分にしんしゃくした上で、それぞれ出張の発令権者が発令するという形になると思います。したがいまして先生がおっしゃるように、医学上出張させてはならないというような見解に基づいて事後措置を受けている者を出張させるということは、好ましくないということは明らかでございます。
○沢田委員 一々出張前に健康診断してそれから出張させますか、そんなことは現実問題できないでしょう。あなたの答弁はずらしちゃっているのです。そのために毎年一回健康診断をして、その人の疾患状況というものを見て、あるいは血圧なんかも見あるいは内臓関係、心臓関係も見て、それのいわゆる体力なりというものを判断をする、それは管理者は見るわけでしょう。そして同時にまた、健康管理という状況というものも固有の義務として管理者は持っているんでしょう。そして出張命令を出す場合には、少なくともこの人間がこの会議に行って何ら支障は生じない、こういう認定に基づいて命令を出すわけでしょう。とするならば、医師の診断なんというものは、一々出張前に医師の診断書を持っていってやれますか。そんな荒唐無稽な答弁のようなことにはならないですよ。医師が出張しちゃいけないと言うものをさせっこないじゃないですか。そんなことはわかり切っているんだよ。じゃなぜこういう問題が起きるのです。片一方は命令されるからやはり出張するのですよ。それはあるいは勤務時間中においてもそういうことがあるでしょう。勤務時間中の場合はほとんどがそうなりますわね。勤務時間中のことはほとんど労働者災害補償になりますよ。じゃ脳溢血なり脳卒中なり心不全なりというものについてはどう管理したらいいのかというものの案がないのでしょう。それは幾らか軽度のものということで決めてあったらば、その範疇に含まれるものは当然行政府の責任じゃないですか。安静療養を必要とする者である、それは医師の判断に基づくので、安静療養を必要とする者というふうに診断がある者は、出張させっこないに決まっているのです。そうでなくて生ずる場合、その場合の行政府の責任というものが全然問われないで済むということにはならないじゃないか、私はそう思います。 これは私はここで何もあなたの答弁で言い返されてどうこうと言うんじゃないんです。だから、業務上の理由ということの中には、いわゆる行政のそれぞれの管理監督者の責任というものも含まれているんだ。これは危ないなと思ったらやめさせるべきだ、あるいはその業務に耐えられないと思えば配置転換もできるのだ、そういう任命権を持っておりながらしかも出して事故を起こした場合には、それは災害補償法の適用を受けさせるというのが常識的な解釈じゃないですか。それを、あなたは脳卒中でかわいそうだけれども、まああきらめなさい、遺族年金もおりない、そして遺族を路頭に迷わせるような行為は、公務員としての義務を負いながら勤務をしていった者に対する処遇ではない、そう私は判断いたします。その意味において、もう少し温かみのある、公務員としてずっと契約をし雇用をしていって大変な仕事をやっている中でそういう条件を起こした場合には、使用者というものは国なんですから、国の責任というものを——それは減額支給するとかなんとかということはある意味においてはあってもいいですよ。すべて適用するという前提に立って、その理由が若干薄弱だったからこれは減額支給するという道はあってもいいと思う。しかし、遺族を世の中の路頭に迷わせるような行為は、少なくとも管理者としてなすべきことではない、そういうふうに私は考えますが、いまのあなたの解釈は冷酷無残、昔の徳川時代の切り捨て御免の発想に基づいているもの以外の何物でもない。もう一回その点を御回答いただきたいと思うのです。
○金井政府委員 まあ別に冷酷にやっているつもりはございませんが、要するに脳、心臓疾患系の疾病は、これは素因というものがまずあるわけでございまして、ある日突然に起こるわけではございません。したがって、素因というものがどの程度その発病に大きく影響しているか、あるいは業務の方がどの程度大きく影響しているかということがポイントになるわけでございまして、これは公務中でも出張中でも同じでございます。最近確かに、こういう疾病につきましていろいろケースもふえてまいりましたし、私どもの方でも関係専門家に集まっていただきまして、この脳、心臓疾患糸の疾病についての認定につきまして、これは病気の性質上なかなかむずかしゅうございますが、できれば指針なりでも設けまして認定をたやすくさせたいということで、いま研究を始めているところでございます。 先生いま御指摘になりました、減額してもというお話がございましたけれども、これはやはり業務上であるかないかということが決め手になるわけでございますので、その中間にあるものをという考え方は、これは性質上ちょっととりにくいわけでございます。そこでそういう事案につきまして、その人の素因及び業務との関係というものを十分に細かく調べまして、そしてできるだけ先生のおっしゃる血の通ったといいますか温かい態度をとるということも念頭に置きながら、処理していくという考えで今後当たっていきたいというふうに考えます。
○沢田委員 私の言うのは、それは当然業務上なんですよ。さっき言ったように、健康管理をする責任者がおり、健康診断を毎年やり、そして任命権者がおって業務指定をして、そういう因果関係を持ってくれば、これは業務上なんですよ。もしそれも危ないと思ったら、草むしりさせるとか掃除させるとかということになるのかもわからないのですよ。その因果関係というものはすべて業務上なんですよ。それは本人の希望というよりも、あなたの方にすべて人事権がゆだねられている限りにおいては——本人の希望でどうにでもなるというのならこれは別です。しかし現在の法体系のもとにおいて、人事権は管理者側に完全に把握されているわけですから、それは当然業務上なんですよ。それをあなたが業務上でないと逃げるところに問題があるのです。これは業務上なんだ。完全に業務上の位置づけに置かれて、しかも勤務時間中なんです。それを業務上災害と認めないというところに問題があるわけですよ。 だから、私は認めるという前提は肯定していただきたいのです。ただいま言ったように、これはどうしても差をつけるということは、任命権者の能力の及ばない段階のものがあるかもしれぬ。任命権者が、パーフェクトでありませんから、健康診断票も見た、健康管理状態も十分観察した、それでもなおかつ、ちょっと無理な仕事に当ててそういう事態が起きたという場合も起こり得るだろう。そういう点については若干の操作は、いわゆる完全な業務上の災害とは、たとえば列車にひかれてしまうとか電車にひかれてしまうとかということとは完全に違うだろう。その辺の差は若干のニュアンスはあってもいいかもしれない。しかし、業務という全体の枠内に起きたことであるということだけは絶対私は——これを業務外だということを言うということはあなた、死んだ人に大変失礼だよ。あなただっていつそうなるかわからぬのだからね。こうやって質問している中でだって、そういうことは起こり得ることなんだ。これは完全に業務上だろう。しかし、その余韻が定まらないうちに、席に着く前にあなたがいってしまうかもわからない。だからそういうことを考えてみれば、いま精神的に非常に厳しい時代になってきているのですから、いわゆる肉体労働だけで単純に穴を掘っているとかなんとかというだけのものじゃなくなって、その余韻が相当残っていくいまの近代社会なんですから、言うなれば業務の後遺症が残っているということだな、そういう状況の中においては、少なくともこの任命権者の責任というものは業務上の範囲に含まれる。とすれば、これは出張中の公務災害には一〇〇%含まれる。だから、中間がないと言うのなら一〇〇%含めて結構、その方が私は理想的だと思う。それは亡くなった方には不運だと思いますけれども、その方が私は正しいと思う。 そして一番問題になるのは、それを認定するということなんです。認定がまたインチキなんです。私はいろいろな例を挙げて言ってもいいけれども、インチキなんです。いいですか、あなた方の認定がすべてパーフェクトだということが言い切れますか。業務上の理由であるとか、あるいは政治的な圧力であるとか、そういうことによって公務災害になっている例もなしとしないのですよ。だから、あなた方が密室的に認定をするという業務の中にも、不明朗性というものはなくはないのです。だから一応私は、業務上の中だからすべてを適用するという原則に立って物を判断をしていくということが必要なんじゃないのか。あえて言えというなら言ってあげてもいいですけれども、あなた方がやっていることの中にそういうやましい点はないと思いますか。われわれの実例の中にもそういう点はなしとしない。無理に前の晩に団体交渉を徹夜でやったとかという理由をくっつけて申請して、公務災害補償をもらっている人間もいるんだから、われわれは知っておるんだから。実際はやっていやしないのです。それをやったようなふうにかっこうをつけて、徹夜しましたからこれは公務災害ですということで、脳卒中を公務災害にしている例もあるのですよ。しかし、何もそういう死人にむちを打って私はこれをどうこうしようということではないけれども、あなた方の認定の中にも全然不純さがないかと言えば、そうではないのです。だからそういう意味において、ぜひ出張中の公務災害についてはすべての病名を含めて、しかもこのごろ新しい病名がだんだん化学薬品がふえてきたせいかよけいふえてきました。そういう意味において、ぜひ該当するという原則の上で検討してもらいたいと思うのですが、いかがでしょう。
○金井政府委員 出張中の疾病は、これは出張というのは普通の生活状態と違いまして、自分の居住から離れまして一応官の支配のもとで特定の場所で業務を遂行しているわけでございますから、そういう意味で生活様式は変わっているだろう、そういうことが疾病の発生というものに何ほどかの影響があるということは、一般論としてうなずけるわけでございます。先ほど来先生のおっしゃる点ごもっともだとは思いますけれども、ただ、疾病と申しますのは前にも申しましたように、素因というものが非常に重い場合がございます。それは、自宅におりまして脳卒中、心筋梗塞を起こした、それから出張中宿において起こしたといった場合に、出張中の特殊な事情というものがその発病というものに相当の影響を与えているということが認められれば、これはいつでもその上ということになるわけでございますけれども、自宅におる状態と全く同じ状態で、つまり、本人の有します素因というものが自然的経過をたどりましてたまたま出張中宿でそういう発病があったというような場合まで、出張中なるがゆえにこれは業務上になるという考え方は、これはちょっととりにくい。ただし、当初申しましたような特殊な事情下ということがありますので、そういう点を詳しく見て判断していくというふうに考えております。 それからなお、私どもの方で認定はすべてしているわけではございませんので、実はこれは実施機関でそれについての判断をまずする。先ほど先生おっしゃいましたようなケースは、私どもの方でやましい点はという御指摘がございましたけれども、私どもはできるだけ、その実施機関からデータ等が提示されますれば、それに基づいて十分に検討して行っておりますわけでございますので、特に事実を曲げたということがわかっておったのを承知の上で判断を上に持っていくということはないというふうに考えております。
○沢田委員 その素因というものが、いまさっき言ったように、その原因がどこにあったのかと言えば、いまのいわゆる精神労働者という状況から見ると、電子計算機なんかやっている人たちについても、そういう素因というものはきわめて——女子が多いのですけれども、そういう素因というものはまた別な状況、精神的なものが起きていますが、これはまた新たな職業病として考えなければならぬと思うのです。しかし、公務員というものの平素の勤務、あなた方の部下の中においても気の小さい人もいるだろうし、ずっこけておるのもいるだろうし、いろいろいるでしょう。しかし案外、気の小さい人にとってみれば、ちょっとした注意だって相当な衝撃になるわけです。そういう性格判断も勤務の評定というか、それぞれの中に含まれているわけです。 だから、そういう素因というものを原因を尋ねていけば、単なる病気だけの素因ではなくて、平素の業務内容の素因というものが重大な要素になっている。もちろん食事的なものもあるでしょう、それは医者にかかって注意をされればいいのです。だから私がいま言っていることは、脳卒中といま言った心不全あるいは脳溢血というこの分野についてだけは、主として当たらない、特別の例でなければ公務災害にならない、この範疇をはずしているというが、今日の時代的な感覚からは含めていくべきものだ、その中から判断をしていくということがいまの時代的な背景として必要だということをいま言っているわけですよ。恐らくこの発言は、あと二年も三年もたって高齢化社会を迎えていく場合には、私は当然になっていくだろうと思う。ただ、いまするか、一、二年後になるかの違いだけだと私は思うのです。だから、もう少しあなたも自信を持って、こんなに大ぜいの人が亡くなっているのだから、本当に公務員で一生懸命やってきて二十何年勤めて、そして急にこういう病名で倒れてしまって、あと家族は路頭に迷ってしまう。子供が学校へ行っている公務員の家族というものは本当にみじめなものですよ。母子家庭にはなる、何も恩恵がない。だから、せめてそういうことを、認定機関でどうのということではなくて、この病名も含めていく。やはり業務上の中の疾病の一つだという判定ぐらいは可能性を見出してもらいたい。ただだめだと言うのじゃなくて、ぜひひとつ前向きに検討してもらいたい。 これは次官どうですか、政治的な問題になりそうですから。公務員の古い頭の体質じゃだめらしいですから、新感覚によります次官から、ひとつそういう新しい時代に対応した——確かにそういう時代だと私は思うのですが、対応した適用というものを図っていただくように、その亡くなった家族の願いを込めて私はお答えをいただきたいと思います。
○林(義)政府委員 いまの先生のお話、私も聞いておりまして、特に最近、公務員の中でぽっくり死んでしまうという方が多いのですね。仕事が非常に激務であったということがありまして、急に亡くなってしまうという方も大分出ているようであります。それから亡くならないまでも、心身に対して相当な影響を受けるというようなことがあります。やはり現代病というかストレスというような問題をどうするかというのは、私は新しい医学でいろいろ解決をしていかなくてはならない問題だと思いますし、いま人事院の方から素因という話がありましたけれども、やはりいろんな点で素因というものを考えていくことが必要だろうと思いますし、やはり病気の因果関係というものをどういうふうにたどっていくかというのが一番の問題だろうと思うのです。いわゆる法律的な因果関係というだけではなくて、医者のやはり医学における因果関係というものがあるのだろうと思うのです。そういったものを新しい角度からやることが必要でありますし、人事院の方でもこういったものを判定するときには、専門のお医者さんにいろいろお願いをして委員会をつくったり何かして判定をするということでございますし、医学の発展、医学におけるそういったものの解明というものと相まって対策を立てていくべきものではないかと私は思うのです。 先生おっしゃるように、ぽっくり死んじゃった、あるいはどうもぐあいが悪かったのを命令で行ったけれどもとうとう亡くなったというような場合がありましたならば、本当に遺族に対して私は気の毒なことだと思いますので、そういった点を踏まえましてこれから考えていくべき問題だろうと思うのです。ただ、人事院というものは独立機関になっておりますから、余りわれわれ政府の方からどうだこうだと言うこともどうかと思いますが、これはそういた問題を離れまして、やはり政治の問題として取り上げていかなければならない問題だと思いますので、私の方としても所要の措置をとりたい、こういうふうに考えております。
○沢田委員 もう次官がお答えいただいたんですから、人事院の方は別機関だからといって知らぬふりということではなしに、いま言ったような素因の中身というものを複雑化した社会の中でどう見ていくかという一つの問題だと思うのです。ですから、これは後の答弁と一緒にしていただきますが、いま次官が言われたような意味を含めて今後どう対処していただけるか、これはまた後でぜひ御答弁いただきたい。 いま人事院では、人事院規則に基づいて賃金、給与を決めていきます場合に、内勤と外勤というものについてはどういう位置づけをされておられるのか、その点、人事院としての見解をお答えいただきたいと思います。
○角野政府委員 人事院からお答え申し上げますが、現在一般職の人事院が所管しております給与法対象職員の中には、その給与の運用上もそうでございますが、実際の仕事、勤務の仕方として、あるいは便宜外勤、内勤というようなそういう筋を引いておやりになっているというような、それは該当するものはございません。
○沢田委員 そうしますと、日帰り日当、出張が五時間以上に及ぶ場合ですが、いま人事院が内勤を主体として決めておられるとすれば、五時間以上に及ぶ出張は当然——まあ出張という言葉がいいかどうかわかりませんが、五時間以上に及ぶ外回りといいますか外勤は出張に該当する、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。これは大蔵省ですか。
○禿河政府委員 旅費の方の取り扱いにおきましては、一日五時間以上のいわゆる出張で八キロ以上の距離のあるもの、これにつきまして日当の支給対象にいたしております。
○沢田委員 人事院はそういう解釈でよろしゅうございますか。
○角野政府委員 日当の関係は、旅費法の運用の枠内の話でございますので、日当の支給に関する実態ということは、人事院の給与法の運用とはまた別な話でございます。 私が申し上げましたのは、外勤、内勤というような区分を設けて給与の仕分けをしておるというのはないと申し上げたわけでございます。
○沢田委員 大体そういうことだというのですね。そうしますと、たとえば例をとりますと、郵便局の配達をする人には当然出張旅費を支払わなければならぬということになりますね。朝から出ていって五時間以上配達をしているわけでありますから、これはもう当然支払わなければならぬことになると理解してよろしいですね。
○禿河政府委員 郵政の職員で郵便の配達を職務内容といたしております方々は、いわゆる外勤職員ということで、一定の決められた勤務地域内と申しますか、その中で配達を行うわけでございまして、本来その勤務地域内に郵便を配達するという職務内容を持っておるわけでございまして、そこでその職務を行います者につきましては、旅費法上の日当の支給の対象にはいたしていない、こういうわけでございます。
○沢田委員 人事院、それでは何をやっているんです。さっきは内勤も外勤も区別しないで給与を決めているということを言っているじゃないですか。内勤を主体として決めていると仮定をするならば、これは何も郵政省の職員だけじゃありませんよ、ほかの分野にもたくさんありますよ、たくさんありますけれども、一応例を挙げたわけですが、郵政省の職員にも当然旅費が支給されなければならない。だから、人事院が給与を決めるときに、こういう外勤の勤務を何時間か含めて賃金水準を決めているのかどうかという質問をしたわけです。そうしたら、そういうことは考えていない、こう言う。考えていないということならば、これは当然支払わなければならぬということになるはずです。これは人事院が答えを間違えているのか、大蔵省が答えを間違えているのか、どっちかなのです。人事院、何か言いたいことがあるなら言ってください、あなたのは間違っているのだから。
○角野政府委員 先生お話しのいまのケースは郵政の職員だと思いますが、郵政省は給与特例法の適用職員でございまして、一般職給与法、私ども人事院の給与法の運用の中の職員ではございません。その点で含まれないということになったのだと思います。
○沢田委員 ほかにはないですか、そういう逃げ方でなくて。この場合はあなたの方の管轄でないというのなら管轄でないで一応いいとしましょう。一般の公務員の中にももちろんありますねだから、賃金、給与を決める場合に、外勤が主たる業務であるという者と内勤が主たる業務であるという者とについて、賃金を決める場合の要素としては含まれているかいないかということなのですよ。あなたのおっしゃっていることでは含まれていない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○禿河政府委員 郵政職員の給与の関係、私の所管外でございますが、お尋ねがございましたので、私どもの担当者が至急郵政省に聞いてみましたところを御披露させていただきますと、郵政省の場合、労使協定によりまして、外務職の俸給表というものは内勤職員よりも千五百円高くなっておるそうでございます。
○沢田委員 それは答弁にならない。国税職員だって同じように二五%高くなっているのですよ。消防だって高くなっているのですよ。しかし消防だって、消防の器具の点検に行く場合は旅費が出るのですよ。保健所職員の食品衛生監視員だって出るのですよ。国家公務員の国税職員だって出るのですよ。だから、給料が高いことをもって旅費を支給しないという理由にはならないのですよ。これは昔のことでいま余り差はないですけれども、国税職員について二五%給与を高くしたという理由は、徴税事務が大変だからということで出したので、徴収に歩く場合には当然日当は出るのですよ。それじゃあなたのは答弁になっていないじゃないですか。どこに整合性がありますか。
○禿河政府委員 いま申し上げましたのは、郵政の職員の給与関係を御披露させていただいたわけでございますが、旅費法上の問題といたしましては、郵便配達を本来の業務といたしまして、そして自分の勤務地域内で配達を行う人につきましては、いわゆる旅費法上の出張とかいうものと次元を異にいたしておるわけでございまして、私どもそれを出張の場合と同じように日当を出すとかいうふうな取り扱いはいたしていないわけでございます。
○沢田委員 また矛盾が出てくる。勤務地区内といえば、たとえば保健所の地区内を保健所の監視員が歩けば旅費、日当が出るのですよ。それから、建築基準法上の建築建物の点検をやる場合に、同一市内を建築主事が歩けばこれも旅費、日当が出るのですよ。そういうことから、勤務地内であるからということは論理が成り立たない。もう一つは、本来の業務ということになれば、いま言ったような業務も、林野庁も含めてこれまたいろいろ問題が出てくるわけです。ですから、いままでの答弁は、結局皆つじつまが合っていないのですよ。 だから、郵政の場合を例にとって言ってみて、それを逃れるために次のうそを言えば、今度は次の問題が起きてくる。それでは、なぜ払っているのですか、大宮の市内なら市内を歩いているという場合に。これは同一勤務地内ですよ。埼玉県なら埼玉県を歩いている、これは同一勤務地内ですよ。東京都内を歩いていれば同一勤務地内ですよ。本来の業務というのは、建築主事ということであれば、それは建築主事が建築建物を点検して歩くことは本来の業務ですよ。衛生監視員がそれぞれの食品の公害を監視して歩くことは本来の業務ですよ。それは人事院としては給与の上でどういうふうに見てきたのか。それを見るというならば、それは賃金の上でどういう関連性を持っているのか。その辺が明確にされないと、やはりこの旅費、日当というものの存在性があいまいのままでおかれてしまう。一方では出されているし、一方では出されていない。その省の中ではバランスをとっているのかもわかりませんよ。しかし全体的に見ますとバランスがとれていないという、いま言われたような幾つかの例を挙げて——これはいま実際には払われていますよ、いま私が片一方言ったのは。そうすると、いまあなたのおっしゃっていることとはやはり異なってきている。これを何も削減しろと言っているわけじゃない。削減しろといって誤解を受けたのでは困る。郵政も出すべきだ。 だから、日帰りの五時間以内というものの中身は何なのか、そういうことに関連性を置くし、外勤職員というものに対しては、たとえばそれなりの給与水準というものをまたさらに引き上げて、それはこうだということを明確に規定づけをするとか、そういうことなしには済まされないものだと思うのでありますが、時間がもうなくなってきましたから、私は、これは特に整合性をはっきりさせるということを要望して、次の問題に入りたいと思います。 日当の額でありますが、従来これは昭和二十五年から、日当の額が二割というふうに据え置かれております。これも昭和二十五年のこの速記録を見ますと、この旅費の法律ができるときに日当が二割、こういうふうに算出根拠を決めて今日まで伝統が守られてきている。この伝統は私はいい意味においては尊重しますけれども、妥当だとは思わない。日当も適正な価格というものがあるのではないか、こういうふうに思います。 ですから、従来のその二割という根拠から見て——これもいろいろ二十五年のときの二割の算出根拠を、速記録の昭和二十五年の法律案の質問の中で拝見をいたしました。しかしいま今日の段階において、その算出根拠が妥当なものだとは思えませんから、もう時間がないから、これはせめて今日の社会に対応できるような額に修正していただくよう今後十分御検討を願いたいと思います。 最後に、賠償関係でありますが、賠償関係はこれで特別会計を打ち切るわけでありますが、カイロ宣言、ポツダム宣言、同時に講和条約、そういうものを踏まえて、これですべて終了したということに解しているわけですか、あるいは今後起こったならばまた特別会計という形で将来創設をして考えるという意味なのか、今回の廃止の意味するものは何なのか、この点お答えをいただきたいと思います。
○禿河政府委員 賠償の関係は、フィリピン賠償をもちましてすべて終わったと私ども考えております。 ただ、残っておりますのは、それ以外の特殊債務、いわゆる対日請求権、対日クレームというものが、現在まだ未解決のものがドイツの関係で一つございます。私ども五十三年度内にこれの解決をすべて図りたいと思っておったわけでございますが、あるいはこれは来年度に持ち越されることになるかもしれません。 しかしながら、一番主体でございます賠償は終わりまして、ごく一部のそういう私人の対日クレームというものが今後全然ないともまた考えられないわけでございますが、特にこの特別会計を存続させまして処理をしなくてはならないというほどのものではない、かように考えておりますので、賠償特会は本年度限りで廃止させていただきたい、かように考えております。
○沢田委員 ほどではないということは、新たな事態に対応してどう会計上処理なさるという意味なんですか、ほどではないという意味は。
○禿河政府委員 いわゆる対日クレームと申しますのは、現在未解決で残っておりますドイツの場合でも八百万円ちょっとの金額でございます。したがいまして、もしこれが五十四年度以降も残るといたしましても、一般会計で処理していけば大体足りるのではないか、特に特別会計というものを設置いたしまして、ほかと十分区分経理をいたしまして大きな金額を特別に経理いたすほどのものではないと考えたような次第でございます。
○沢田委員 もう時間がなくなりましたけれども、賠償の問題は、単にこれをもって閉鎖するということだけでは済まされない。あるいはもっとほかの項も、時間がないのでほかは言えないのですけれども、あとは、佐藤さんももう隣に来ちゃってますから終わりますけれども、それで、また新しく出てきたときには一般会計から出していくと、じゃまた出てきたら一般会計から出すという筋道のものではない。やはり賠償という日本の敗戦ということに基づく一つの会計処理としては、それできちんと整理をしていくというたてまえが私は正しいと思います。また、さらに今度は違った意味における賠償ということも、まあここでは言いませんけれども、起こってくるであろうと思いますけれども、そのことも含めてみれば、いまここで打ち切ってしまうことが果たして妥当なのかどうかという政治判断はきわめてむずかしいと思うのですが、これはぜひもう一回御一考をいただきたい。あるいは、十分検討する材料、中身があるということを、これはひとつ御検討いただく分野だと思いますから、その点は要望しておいて、お答えは、もう時間が来ちゃったので、また別の機会にこれはあと詰めさせていただきます。 一応、以上をもって終わりますけれども、人事院の方の最後の回答が、次官の回答だけで終わっておりまして、公務災害の問題は人事院の方の回答がありませんでしたので、その分改めてもう一回回答していただいて終わりたいと思います。きちんとした回答をしてくださいよ、もう時間がないのですから。
○金井政府委員 脳、心臓疾患系の疾病につきましては、いろいろ御指摘の問題もあろうかと思いますので、先ほど申しましたように、私ども専門家の会を設けまして、そこでいろいろの素因その他それに伴う周辺の事情等も含めて、前向きに検討させていただきます。
○沢田委員 以上で終わります。
○加藤委員長 佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 国家公務員等の旅費に関する法律について若干御質問をいたします。 この提案理由の説明によりますと、要するに簡単に言えば、グリーン料金を支給する対象者を縮小する、行政職俸給表の一等級以下は支給をしないという、まあ大変縮小するわけですね。そこで私が若干疑問に思うのは、いま読み上げました提案理由の説明の中に、「現下の財政状況等にかんがみ、当分の間、」縮小するというふうになっているわけですね。これはじゃ、この財政事情が自然増収が上がってくるような大変いい状況になればまたもとへ戻すという意味なんですか。「当分の間」というのは一体どういうことを想定して、提案理由の説明は書かれているのですか。
○林(義)政府委員 大変な財政事情窮迫だということは佐藤先生御承知のとおりだと思いますが、指定職というこの官職は、役所で言いますと大体局長クラスでございます。局長クラスになれば、まあグリーンに乗るというのも体面上必要かと思いますが、それ以下の場合はいまの段階では、財政事情の問題もありますし、一般的な社会の状況等もありますから、グリーンにわざわざ乗らなくても、お互いによく新幹線を利用しておりますが、新幹線というのはまだまだ一般には席もあいているような状態でございますから、そこで経費の節減を図っていこう、こういうことだと思うのです。 「当分の間」といいますのは、まさに当分の間でございまして、新しい事態ができましたならばまた法律でその事態を変えるということでお願いをする、こういうことになるというふうに御了解いただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 私がお伺いをしたいのは、それはいままでは財政が許していたから、行政職俸給表の一等級以下の方も許していた、今後も財政さえ許せば、いま申し上げました方々についてもグリーン車に乗っても構わないのだ、こういうことなのですか、それとも、いや実はいままでは少しグリーン車に乗らせ過ぎたのだ、ですから、理由は財政事情ということにいたしましてここを縮小しよう、国民世論もありますからという意味なのですか。もしその前者であるならば、これは財政事情が戻ればまたそういうグリーン車に乗る対象者をふやすということになりましょうし、実はいままでがむしろ余り対象を広げ過ぎていたのだ、反省をしておりますということならば、これは当分の間とか財政事情等にかんがみなんということは要らぬわけで、そこは皆さん方の考え方はどうなのですか。
○禿河政府委員 私ども今回御提案申し上げておりますところでは、行政職の一等級以下の職員につきまして当分の間グリーン車の料金は支給いたさないということでございますが、その理由は、いま先生からお話ございましたとおり、私ども現下の厳しい財政事情等にかんがみということでそれをいたしておるわけでございます。 おっしゃいますとおりこの取り扱い、私どもも率直に申しまして大変苦慮いたしたところでございます。財政事情というだけで見ますと、多額の中でグリーンの支給がそう大きなウエートを占めるものでないという見方もございますが、また、これだけ厳しい、苦しい財政事情の中で、公務員が出張いたします場合に七等級、いわゆる普通の係員に至るまで現在グリーンの料金が支給されておるという姿勢は、こういう厳しい財政事情等、あるいは社会的に一般の企業におきましても、これは実態は正確にはつかまえられませんけれども、かなりグリーンの支給は厳しい取り扱いをいたしてきておるようでございます。そういうもろもろの事情を勘案いたしまして、私ども今回思い切って、一等級と申しますと本省の総務課長クラス等も当たるわけでございますが、その以下の職員につきましては、当分の間はグリーンの料金の支給を停止いたしまして、そして将来、やはり民間の方々の動向なりあるいは財政事情等々をいろいろ総合的に考えまして、たとえば一挙にこれはまた七等級まで戻ることができますか、あるいは二等級以上だけはいいことにしようかというふうな判断はまた将来あるかもしれないと思いますが、そういう状況を見まして、一部復活をするというふうなこともあり得るかな、ただし、それはどういう時期であるかというのは、ちょっと私、現段階では申し上げるだけの資料なり考え方はまだ持っておらないわけでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと次長、確認をしておきますが、いまの御説明ですと、従来あった七等級までの方は本来ならば、変な言い方かもしれませんが、グリーン車に乗る権利は持っている、しかし財政事情がこういう状況だから、したがってその事情がよくならない限りは、権利はあるけれどもそれは具体的に執行はできませんというふうに解しておくべきなのかどうなのかが一点。 それと、財政事情のことを言えば、何もことしから急に悪くなったわけではないので、五十三年度はむしろ自然増収が上がってくるではないかというぐらいな状況なわけですね。むしろもっと早くしてもよかったようなもので、なぜことしからというか五十四年度から始まるのですか、その二つ説明してください。
○禿河政府委員 第一の点でございますが、現行法は七等級以上の者につきましてはグリーンの支給ができるというのが本則で掲げられております。それに対しまして、今回私どもが御提案申し上げておりますのは、附則におきまして、本則は七等級以上は支給ができるのだけれども、当分の間この支給をしないことができる、こういう規定を置いております。その理由は先ほど申し上げたようなことでございまして、本則は七等級以上、附則によってそれを一等級以下は当分支給しない、こういうふうなことでやっておりますので、その形式から見ますと、本来ならば七等級以上はグリーンの支給ができるという考え方によっておるであろうという御指摘も、その点は事実でございます。ただ、これは公の席では大変申し上げにくい点でございますが、昔は六等級以上がグリーンの支給を受けておりましたのに、国会の決議等を受けまして七等級までグリーンの支給の範囲を広げた。その当時におきましては、公務員の給与も一般に大変低いとかいろいろのことが言われておりまして、出張いたすような場合に、旅費も少ないわ、給与の方の水準もちょっとかわいそうな点があったねというふうな一般的な感じもあったろうかと思います。そういう場合に、おやじがたまに出張いたしましたような場合に、子供にちょっと出張先のみやげも持って帰れないではかわいそうじゃないかという感じも当時あったやに伺っております。そういう状況と最近の状況とではまた変化はあるかもしれませんが、またこれは将来見直しをします場合に、もう一回改めて検討されるべき事項であるかな、かように考えます。 それから第二の、財政事情は確かに昭和五十四年度に至って特に悪くなったというわけでございません。ただ、五十二年度、五十三年度に比べまして国債の依存度等もさらに高くなって一段と悪くなっていることは事実でございます。ただ、五十四年度におきましてこのグリーンの支給制限をいたしたいと考えましたのは、実は一般の宿泊料とそれから日当の改定が、前回の五十年の改定のときから四年経過いたしまして、実費弁償というたてまえをとっております旅費であります以上、ここでやはり改定を図りたい、そして引き上げをいたさないといろいろ不都合も生ずるかもしれないということで、そこの改善を図りたい、こういう機会にグリーンの方の支給につきまして厳しい線を出すのが妥当であろう、こういう判断によったものでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、実費弁償の部分の引き上げがあるから、そのときについでに出そう、どうもこういう国会対策的なにおいがするんで、それならそれで、わが大蔵委員会は大変理解があるところですから、そういういいことならば昨年やってもいいし、一昨年やっても十分よかったわけですからね。禿河さんも大蔵省は長いわけですから、当大蔵委員会の息の合ったところをよくのみ込んで、財政事情、財政事情というならば、やはりやるべきことは早目にやるべきであると私は思うのであります。 次の問題に移ります。いわゆる公社、公団、特殊法人等の退職金の問題であります。これもずいぶん国会でいろいろとやられてきたわけでありますけれども、まだまだ私は国民感情に合わぬ点が非常に多いのではないか、片方では節約をするというならば、ひとつこちらの方ももう少し検討すべきではないかという点を少し挙げたいと思うのであります。 政務次官にお伺いしますが、これは国会議員に退職金がないから言うのではありませんけれども、いずれにしましても、いわゆる高級官僚の方の公社、公団あるいは特殊法人に行かれた後の退職金というのは国民感情からいって高過ぎるのではないか。たとえば個人名を挙げるのはなんでありますから、個人名は挙げませんけれども、自治次官から本四連絡橋の公団の副理事長に六年行って、阪神高速道路公団理事長に二年三カ月行って、公営企業金融公庫総裁になられた方がいらっしゃるわけです。大体ここまで言えば推測がつきますけれども、この方がもらった退職金が大体四千万だと言われるわけです。あるいは、この方の経歴というのを私は正確に調べてはおりませんが、おもしろいのは、水産庁長官をやられてから、今度は八郎潟の新農村建設事業団の理事長に行って農村の問題を三年やったわけですが、そうして砂糖に行き今度は糖価安定事業団の理事長を四年一カ月やられて、その次は今度は森林開発公団総裁に三年行かれるという、海からおかへ上がったような話なんですが、この方も、退職金の支給基準というのは大体わかっておりますから計算してみますと、大体四千万近くになるということで、数を挙げればまだまだ幾らでもあるのですが、こういう退職金の額というのは、まず感覚として政務次官はどういうふうにお考えになっておりますか。
○林(義)政府委員 公務員をやめられまして後、公社公団に行っていろいろ働かれる、私はそのこと自体はおかしなこととは言えないと思うのです。その人の能力、識見その他の点から、政府関係機関に行かれるということは、その人の能力を生かすという意味におきまして国全体としては必要なことだろう、こう思います。 御指摘の退職金が少し、計算すればということでございますが、退職金という制度そのものが日本の非常に特殊な、諸外国に余りないような制度でもありますし、それを計算すればこういうふうになってしまうと、こういうことでございますので、社会感覚としてどうだ、こう言われますと、これはわれわれ国会議員には退職金というのはないわけですから、われわれから何か申し上げるとひがみっぽいような感じにもなるわけでございますから、余り申し上げたくはないのですが、やはりいろいろと検討していかなければならない問題だろうと思います。ただ、これは一般社会的な退職金、企業の持っている退職金制度その他の問題がどうなっていくかということとのバランスを考えながら私はやっていくべき問題だろう、こういうふうに考えております。
○佐藤(観)委員 私も、お断りしておきますけれども、せっかく各省庁の次官だとか局長だとか審議官だとかやられる方は、それなりに優秀な方でありますから、そのまま五十五歳で退官されたら家にのんびりしていなさいというのは、私はまさに国家的損失だと思うのです。ですから冒頭言われたことについては、私も次官の言われることはそのとおりだと思うのであります。ただ問題なのは、何カ所も回るごとに退職金がついて回るというのはいろいろ問題があるのではないかと思うのであります。 そこで、昨年の四月一日からこの支給基準を引き下げたわけでありますが、その土台になったのが、人事院がお調べになった民間の退職金の実態調査をもとにして、大蔵省が退職金の支給基準のうちの支給率を引き下げたというふうに聞いておるわけでありますが、一体人事院はどういうような調査をなさったのか、簡単で結構でございますので御説明をいただきたいと思います。
○角野政府委員 人事院からお答え申し上げます。 民間の役員の退職金について大蔵省の方から調べてくださいという依頼を受けまして、昭和五十二年の暮れであったと思いますが、十月ないし十一月時点でございます。十月でもよろしいと思います。それで、対象といたしましては、五百人以上、中よりはちょっと大きいところでございますが、五百人以上の民間企業で二千社を調査対象にいたしました。 それで調べました内容でございますが、これは過去二年間、すなわち五十一年と五十二年の二年間に現に在職して、専任役員としておやめになったその会社の役員の退職慰労金といいますか退職金でございますが、その金額、それからもちろんこれを、月数を出しますためにおやめになったときの報酬月額、月給、それから在任年数、ざっと申しますと、こういうものを調べた結果を集計いたしまして、それで大蔵省の御検討に資したという次第でございます。
○佐藤(観)委員 そのときに、角野さんにちょっとお伺いをしたいのでありますけれども、恐らくその民間の企業も、いわゆる一般の職員というのですか社員というのですか、つまり役員でないときの給与及び退職金と役員になってからの退職金というのは、大抵の会社は分けてあると思うのです。会社を本当に退社をされるときに、連続して一回支給されるという形には大抵はなってないと思うのですが、いま給与局長が言われたのは、役員だけの、しかもそれは役員になってからの期間だけの数字を大蔵省に出されたわけですか。
○角野政府委員 先生お話しのとおり、役員としての在任期間でございます。 それからなお、これも先生お話しのとおりでございますが、民間の会社はほとんど従業員と役員は区別されておりまして、切れております。
○佐藤(観)委員 そこで、私は個々の企業名を入れたものを聞こうとは思いませんが、これは大蔵省の禿河次長でもいいのですが、これは業種によってもいろいろ違いましょうし、また、いま問題になっている特殊法人等をどういう業種と比べるかというのもなかなかむずかしいとは思うのですけれども、一体そのもとのデータは、いま給与局長が言われたような範囲内で、たとえば平均の在職月数はどのくらいだったのか、あるいは平均の金額はどのくらいだったのか、その際に平均の給与はどのくらいだったのか、ちょっとそれを挙げてみてください。どちらでも結構です。
○角野政府委員 ちょっといまデータを持ち合わせておりません。記憶で申し上げて、概略でございますが、これは調査の結果は、慰労金を月給で割りました倍数で出しまして——それぞれのもとになっている金額はいまちょっと持ち合わせておりません。ただ、大体在任期間は六、七年、七年ぐらいだったろうかと思います。平均在任年数でございます。それで退職金、要するに慰労金をその在職年で割ります。それで一年当たりの何月分という感じが出てくるわけでございます。それが四・五月くらいだったと思います。もちろん月給で割りますから、それを十二カ月で割りますと、一月について〇・三何がしというような感じになるのだろうと思います。お尋ねの実額についてはちょっと記憶がございません。
○佐藤(観)委員 もう一つ確認しておきますが、そのときに、慰労金を月給で割っているわけでありますから、ボーナスは関係ないわけですね。
○角野政府委員 関係ございません。
○佐藤(観)委員 それでは禿河さん、そういうデータをもとにして昨年の四月一日から、支給率を一カ月の月給の——一カ月の月給のじゃない、正式に言えば、退職時の給与月額ですから、恐らく一番高いときということになると思うのですが、その〇・三六といたしましたね。その前は四十五年の二月一日から〇・四五だったわけであります。二割カットして〇・三六になった。その前、三十三年の四月一日から〇・六五という、一カ月働けばその半分以上の退職金が片方では出ているという、そういう状態だったわけでありますけれども、現在ほとんどのところが、ずっとこれ全部の各省庁から出た公社、公団等の役員の給与やあるいは退職金の規定を見てみましたけれども、共済組合のようなもの以外はほとんど〇・三六というのが使われているわけですね。そうしますと、この〇・三六という支給率というのは、いま角野給与局長からお話があったような調査に基づいて出されたということでありますけれども、これは一体いまの給与局長からあったたとえば平均の在職年数とか給与額とかそういうものと比較をして、どういう形で〇・三六という数字が出てきたんですか。
○禿河政府委員 先ほど角野給与局長の方から実態調査の中身の御説明がございましたが、その結果、私どもが受けましたところによりますと、民間二千社の役員の退職金の支給額は、最終俸給に対しまして一年でたしか四・五三カ月分でございますか、したがいまして、一月当たりにいたしますと〇・三七五、こういう数字を実はちょうだいしたわけでございます。これを受けまして、私どもどういたすかといろいろ判断したわけでございますが、先ほど先生からもお話がございましたとおり、従来は百分の四十五で、その前が百分の六十五、こうあったわけでございます。百分の四十五を単純に民間並みというふうなことにいたしますと、これが百分の三十七・五となるわけでございますが、いろいろ特殊法人の役員の退職金等につきまして御論議のあるところでもございますし、やはり支給率を引き下げますのに、余り端数をつけるよりは思い切って二割カットという方がかえってそういう姿勢も示されるのではなかろうかということで、百分の四十五を二割落としまして百分の三十六ということにいたしたわけでございます。
○佐藤(観)委員 そのときに、こういう配慮は入らないのですか。たとえば民間の役員の方というのは恐らく、日本のように原則的に終身雇用制でありますから、その社に入って二十年、三十年ずっとお勤めになってその会社の役員になられる。ところがたとえば、別にその個人を私は非難するわけじゃありませんけれども、先ほど私が挙げましたような場合、それは水産庁長官と言ったって前には恐らく農林省の中のいろいろな役をやられたと思うのでありますけれども、水産庁の長官から最後には今度山へまで上がるわけですね、森林開発公団というおかに上がるわけでありますけれども、まあそれは皆さん恐らく優秀な方ですから、どこへ持っていっても適材適所ということで選ばれたという原則になっているわけでありますから、いやそれでもそうなんですと言えばそれまででありますけれども、民間の方のようにその会社にずっと勤められて、そしてその役員になられる場合と、本省にいらして、そしてそういった特殊法人に行かれ、ほかの業種に行かれる方と、これは一体経験値としてどうなんだろうかというのは私、若干疑問を持つところがあるわけなんですね。その点の配慮はどうなんですか。
○禿河政府委員 個々の実態に即してみますと、御指摘のようないろいろむずかしい問題もあるかと私も思いますが、職員としての勤務と役員としての勤務という間にはやはり画然たる一線が画されておりますのは、民間の場合も同様であろうかと思います。その際、ずっと同じところで長年勤務をして役員になった方と、外の方から役員として来ましたという場合でも、やはり役員としての責任、業務の内容というものは同等でございまして、職員と役員との職務内容の差というところがそういう点に反映しているんだろうと思いますが、そういう点考えてみますと、中からずっと長年勤務している人が役員になった場合とそうでない場合とで、少なくとも役員の在任期間に対応する退職金というものは、そう差をつけるべき性格のものではないのではないかな、こういう考え方で従来来ておりましたし、私どももそういう考え方で行ったわけでございます。
○佐藤(観)委員 週刊文春にやはりこの問題が取り上げられているわけでありますけれども、個人名を挙げるのはなんでありますから個人名は挙げませんけれども、その記事の中に、「特殊法人というのは、本来、国がやってもおかしくないような仕事を代ってやってるんですよ。転々と公団を歩くといいますけど、考え方によっては役所の中を転勤して歩くようなものですからね」というある公団の副総裁の弁が載っておるわけであります。もしこういう感覚で了とするならば私は、各役所の中を転勤する場合には退職金はないのでありますから、これはなくてもいいじゃないかという議論も出てきてしまうと思うのです。 それともう一つお伺いしておきたいのは、やはり同じような記事の中に、「何回も退職金を貰うのがけしからんと言いますが、実際はひとつのポストに長くいた方が収入が多いんですよ。一カ所にいれば、毎年のベースアップで給与が上っていきますからね。退職金は最後の月給を基準とするからですよ」、やはり別の公団の理事長の方でありますが、言われているわけですね。公団というよりもこれは事業団でありますけれども、言われているわけであります。 そこで、別の角度からお伺いしていきたいのでありますが、所得税法上いま退職金の控除額はどのくらいになっていますか。
○伊豫田政府委員 お答えいたします。 現在所得税法上は、退職金につきましては、基礎控除といたしまして、あるいは基礎控除的なものといたしまして、一年につき二十万円、二十年を超えました場合の一年につきましては、一年について五十万円、それぞれ控除いたしました後において、その二分の一課税ということになっております。
○佐藤(観)委員 そうしますと、一年につき二十万円ということでありますから、いま問題になっているようにあちらを二年一カ月やり、こちらを三年やり、こちらをまた二年やるというような方でも、それは基礎控除の扱い方としては他の人と同じだということになりますね。
○伊豫田政府委員 それぞれ別々に考えますものですから、その点については、三年ならば三年分、先ほど一年につき二十万円と申しましたが、あれは最初の二十年間は一年につき二十五万円でございます。したがいまして、三年間ならば七十五万円ということになります。
○佐藤(観)委員 基礎控除がそういうことですと、何回か基礎控除を使った方が、最終的にもらったところからその分引けますから、税法上は高い上積税率が使われないという面では若干得するということになるわけですね、大した額にはならぬと思いますが。そのことを確認して禿河さん、片方では、冒頭お伺いをしたように、なるべく節約をしようということでやっているわけでありますけれども、いずれにしろ〇・三六というのが、大抵これ計算をしてみますと、ずっと各省庁見てみますと、大体六十九万円とか六十七万円ぐらいが理事クラス、理事長とか総裁クラスになりますと八十万とか百万とかありますけれども、そういった方がたとえば七十二カ月、六年お勤めになったとして、この〇・三六を掛けますと千八百十四万円何がしの退職金ということになるわけですね。これは〇・三六を使っただけでありまして、その前の細かい〇・四五ということまで在職年数でいろいろやっていきますればもう少し多くなるわけであります。そうすると、こういう額が皆さんの方で、特に禿河次長は給与を担当されておるわけでありますし、大蔵省も公社、公団、事業団、特殊法人百十のうち約七十五くらいは何らかの形で、査定等を通じましてもこういった給与に対する圧縮を監督する立場にあるわけですね。いまの〇・三六というので、民間が非常に上がってくれば話は別でありますけれども、あるいは下がってくればまたそれに相応するということになると思うのでありますけれども、〇・三六というこの支給率で、まあ大体民間と比べてみて妥当ではないかというふうにお感じになっているのか、いやもっともっといろいろな形で検討してみよう、国民感情になおそぐわないんではないだろうかというふうにお感じになっているのですか。片方では圧縮することを考えていらっしゃるのでありますから、こういったところにやはり国民の納得するような措置がされないと、いま中高年の方々が職がなくて困っているというのに公務員だけはという批判がますます強くなってくると私は思うのであります。担当される次長としてはどういうふうにお感じになっているのですか。
○禿河政府委員 特殊法人の役員の退職金をめぐりますいろいろの御論議につきましては、私ども謙虚に耳を傾けていかなければならぬ、こういう基本的な気持ちは持っておりますが、やはり特殊法人の役員は、限られたその任期の中で、その法人の経営につきまして実は重大な責任を持っておるわけでございます。その点におきましては、民間企業の経営者と非常に類似した性格を持っておるわけでございます。その業務の内容はもちろん民間企業の場合と違うといたしましても、そういう基本的な責任の性格という点におきましては共通するわけでございます。そういう点からいたしまして、私ども一昨年の暮れに人事院にも調査をお願いいたしまして、民間企業の役員の退職金の実態を調べていただきまして、先ほど来申し上げておりますような実態に即応いたしまして、本年度、昨年の四月から二割の減を図ったわけでございます。 〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 したがいまして、私ども事務的に見ました場合、一応現在の水準で妥当なものであろうと考えております。もちろん将来におきまして、民間におきます、その他経済、社会情勢の変化等に即応いたしまして、またこの見直しをすべきものは図っていかなければならぬ、かように考えておりますが、一応現時点におきましてはまあまあ妥当な水準にあるのではないか、こういうのが率直な私の気持ちでございます。
○佐藤(観)委員 禿河さんがいまの御答弁で冒頭に言われた、それなりの責任を持っているというのでありますけれども、逆にその公社、公団、事業団等で働いていらっしゃる方に言わせますと、これはここの本質的な論議ではありませんけれども、そういう職員の方に言わせますと、これは政労協のつくった天下り白書にも出ているのでありますけれども、むしろ「天下り役人の”その場しのぎ””無責任さ”が、現在の経営危機をまねいた」「役員室に閉じこもり、職員との交流まったくなく、業務に無知なくせに、大事なことの最終決定権をもっている」というようなことが書かれているわけであります。これは行管の問題あるいは官房長官の問題かもしれませんけれども、余り二年、三年、大体一期半、六年でくるくる役員がかわっていくことで、こういった公社、公団、事業団等の責任体制というのが本当にできているんだろうかということは、若干私は疑問に思わざるを得ないのでありますが、その問題についてはきょうの本質論議でありませんので、次の問題に移らせていただきたいと思います。 残された時間、この前私が質問したことについて若干時間がなかったので足りなかった問題、国税庁職員の定員の問題について若干お伺いをしていきたいと思うのであります。 きょうは、この前御答弁になった国税庁長官が予算委員会の方でございますので、次長にお越しをいただいたのでありますが、私のこの前の質問は大体聞いていただいていると思いますので、あと残った点を端的にお伺いをしたいのは、実調率が非常に下がっていっているということについてはこの前国税庁の長官からも表明がありましたし、またその危機感についても表明があったわけでありますけれども、一体望むべき実調率というのは、執行上の公平さを求めるという観点からいったらどのくらいが国税庁としては理想と考え、理想と言ってもそうもいかないから、せめてこのくらいにはしたいという実調率はどのくらいというふうに考えていらっしゃるのですか。
○米山政府委員 なかなかむずかしい御質問でございますが、私ども何と申しましても現在、申告納税制度でございますので、納税者に適正な申告を期待するように納税道義の高揚を図る、そのために納税相談とかいろいろなPRとかということをやっているわけですが、実際そういうきれいごとだけで適正な申告が期待できる状態にないわけでございます。現在いろいろ調査してみますと、七割か八割程度がやはり脱漏があり追徴されているという状況でございます。個人で見ますと追徴税額一件当たり大体三十万円くらい、法人ですと大体二百万円程度の追徴が出て、しかもそのうち二割程度は重加算税を取っている、こういう状態でございますので、やはり実調率をもっともっと上げなければいけない、こう思っております。この間も長官お答えしていると思いますが、現在の実調率は法人で八%程度、申告所得税で約四%程度でございます。いま申しました脱漏というのは、こちらが非常に悪質と思われるやつを重点的にやっておりますので、全部の納税者がそうだというわけではございません。ただ、いま申しましたところから見ますと、やはりもっともっと実調率を重視していかなければいけない、こう思います。 しかしいかんせん、現在の非常に厳しい財政状況でございまして、私ども望むような定員をなかなかつけていただいておりません。ことし大体千四百人くらい定員の増を要求いたしまして、五百二人定員をつけていただいております。ただこの五百二人のうち四百二人が計画削減で削られますので、ネットで百人の定員増、こういうことでございます。しかし、私ども望んだ数字から見ますと非常に小さいわけですが、各省庁軒並みに削減されているというような状況でございますので、これだけでも非常にありがたいと思っておりますが、今後やはり内部のいろいろ事務の合理化で実調率を上げると同時に、定員もひとつ十分御配慮いただきたい、こういうふうに考えております。
○佐藤(観)委員 定員計画削減の問題はこの前、おたくの方の仕事というのは特殊なんですから、人数をふやせばその分だけ税収が上がってくる仕事ですからこれは別に考えろという話なんで、大体次長がそんな百人ぐらいでもありがたいと思っているなんて言うから事が前へ進まないのであって、私がお伺いしたいのはその話ではなくて、いずれにしろ五十二年の実調率が七・九という数字になっているわけですね。これを単純に割ってみれば十三年に一回しか調査は来ないよということを表明しているものですから、それでは余りにもいま次長から御説明があったような脱税額等々からいうと、税の執行上公平を保てないだろうということであります。 たとえば昭和四十三年度、これは事務年度でありますけれども、そのときには一五・三という実調率があった。これからずっと下がって、ほぼ半分ぐらいになっちゃっているわけですけれども、皆さん方幹部の頭の中では、四十三年当時の一五・三ぐらいまで、いまの約倍ぐらいまでせめて実調率は持っていきたい、それが理想だけれども、それじゃそこまで人数がなかなか追いつかないから、せめて実調率は一〇%ぐらいまで、十年に一回ぐらいは調査に行けるようにしたいというふうに考えていらっしゃるのか、どの辺まで考えていらっしゃるのか。それによって、これからどう人数を手当てをしていくのかによっていろいろな計画がずいぶん違うと思うのですね。その点はどうなんですか。
○米山政府委員 先ほどお答えいたしましたように現在、十年前の一五%程度に上げるということは、現状から見まして正直のところなかなかむずかしいと思います。 それで私ども、いまの十三年に一遍と申しましても、これは全法人に対してでございまして、やはり非常に優良法人また赤字法人その他いろいろな法人を含んでおりますので、単純に十三年に一遍ということはないと思います。質的ないろいろの区分をいたしまして、たとえば悪質なものあるいは好況法人、そうしたものをできるだけカバーできるように、こう思っています。毎年、ここ一、二年でございますが、従来は大口に特に重点をしぼって非常に日数をかけるという方法を特に中心にしておりましたが、最近はそれと並行して、もう少し簡易な調査を行う法人もふやすというふうなことをして調査の率を少し上げております。 いまの先生の御質問に対して、何%がいいかということはなかなかお答えがむずかしいのですが、もう少しやはり実調率を上げるように私ども努力いたしますが、定員の査定当局にも、もっともっと定員をつけてもらうようにお願いしていくつもりでございます。
○佐藤(観)委員 なかなか数字で、やれ一〇がいいの一五がいいのという性格のものではありませんから、また、法人と言ったって非常に組織内が複雑ですし、経済活動もいろいろ多岐にわたっているわけですから、単なる数字がいいと思いませんけれども、しかしいずれにしろ、やはりここに出た実調率七・九というのだって、いろいろな意味を総合してとにかく数字で出てきているわけですから、その辺を総合して、おたくの方でもあるべき国税庁の姿として、せめて実調率はたとえば切りのいい一〇%なら一〇%ぐらいまで持っていきたいというぐらいな大方針をつくっておかないと、国民の中ではとにかく、これは調べられた方が損なんだ、そういう感覚ではいかぬと思うのであります。執行上の不公平という声がいま非常に大きくなっていますから、ひとつおたくの方でも、数字自体がそう意味がある話ではないけれども、せめてこのくらいまで持っていく努力をいろいろな形でするということをしてもらいたいと思うのです。 それでもう一つは、これも長官と話をこの前の委員会でやったわけでありますが、いま次長からもお話があったように、さりとて人数の方はそうふえていかない。これは私が前の委員会でも言ったように、概算要求をするまでに一体行政管理庁と国税庁と大蔵省でしっかり詰めて、国民からそういう不満が起こらぬように、しかも将来、五年たてば一万人、十年たてばさらに一万人やめていかれるいまの年齢構成は初めからわかっている話でありますから、しかも、ここで一挙に人を入れればまた将来二十年、三十年後には、その年齢の中高年の方がふえるという事態を招くわけでありますから、その意味では、徐々に体質の強化をしていかなければいかぬと思うのであります。 そこで、いまのようにそういうことはやってもらいますが、それは言ったって、ことし純増百人だというのを一挙に千人というわけに学校の施設やその他から言ってできないわけですね。そうなってくると、実調率を上げ、なおかつ質の低下を招かずに、とにかく当分の間国税庁の体力といいますか、それは質的にも人数的にも維持できる方法というのは、いま四十五歳以上のようなベテランの方々をある程度、従来の退職勧奨年齢よりも長くいてもらうというようなことでもしない限り、現実には五万二千人の国税庁の体制というのを維持することはできないだろう。一挙に入れるのも無理だけれども、徐々に入れてもらうにしても、これは質的にはなかなかそうは——この前長官は、五年たたないと一人前にならぬと言っていらっしゃいましたけれども、局によっては七年、十年ということになるでしょう。そういうことから考えてみますと、とりあえずはこの間、いわゆる事実上の定年というのを少し延ばしてでもしないと、具体的な対策ができないのではないかと思うのでありますが、その点についてはいかがでございますか。
○米山政府委員 先生御指摘のように、現在の国税職員の年齢構成がちょうどひょうたん形になっておりまして、四十六歳以上が約二万人、四〇%、ちょうど真ん中が一〇%、それから若年が五〇%、こういうふうな大きなひょうたん形になっております。したがいまして、いまの退職勧奨年齢でそのままやめていきますと、ここ十年間くらいに二万人退職するというような形になるわけです。 税の職場は、やはり心身ともに強靱なそういう職員を要求するわけで、新陳代謝というのはぜひ必要であります。 〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、いま申しましたような大きなこぶが卒業するときに、いまのままの退職勧奨年齢でいいかどうか、これは大変な問題で、私どもの大きな課題と思って、これはそのこぶをどういうふうにうまくならすか、そして戦力をいかに落とさないでやるか、これは御指摘のような点もございます。ここ二、三年の問題ではないと思います。したがいまして、もう少し先の問題になると思いますが、やはり御指摘の点については十分検討していく必要があると考えております。
○佐藤(観)委員 最後に、次官にいまの問題について、これは国税庁だけの問題ではなくて、国税庁が上げる税収というのは何も大蔵省だけが使うわけではありませんから、その意味では、徴税当局のがんばりというのは非常に重要なことなわけでありますから、この前お約束いただいたように、概算要求までに行政管理庁と一体この問題をどうするのか。何も事故が起こって数が少なくなるのじゃなく、初めからわかっている話でありますから、日本の政治というのは対処、対処が非常に遅いわけでありますから、わかっていることについては早目に手を打っていくという観点から、一つは、これからの一般消費税の話は別にしても、これからやめていかれる方の数が大体わかっているわけでありますから、こういった年齢構成に対する措置を行政管理庁と十分概算要求までに詰めていただくことは、この前の委員会でもお約束いただいたわけでありますが、あわせて、そんなことを言ってもやめていかれる方だけ十分直ちに補充するわけには現実の問題としましていかないだろうしということになると、いまお話があったように、退職勧奨年齢を少し猶予をしていくというようなことでもしないと現実には対処できないだろうということでありますので、これはいろいろな各省庁の横並びの問題もありますから、国税庁だけでそれができるという問題ではありませんので、政務次官が責任を持って行うということを表明いただいて、私の質問を終わろうと思います。
○林(義)政府委員 この前の大蔵委員会のときにもたしかお答えしたと思いますけれども、団塊の時代、こういうことを申し上げたつもりであります。これは国税庁だけではなくて、ほかのところでもそういった問題があると思いますし、やめられる方の後のというか、まだ五十何歳ということでは、まだまだ仕事をしていただかなければならないということもありますし、当節言っています中高年層対策の問題もあるのだろうと思うのです。と同時に、国税の執行を公正なものにしていくという観点からいろいろ考えていかなくてはなりませんし、御指摘のように、行管その他のところとも十分相談をして御期待に沿えるようにやっていきたいと、こう考えております。
○佐藤(観)委員 きょうはこれで終わります。
○加藤委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ————◇————— 午後零時五十四分開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き両案の質疑を続行いたします。坂口力君。 〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕
○坂口委員 きょうは、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案と賠償の法律案、二本かかっているわけでございますが、いずれも非常に中身の簡単なもので、そうさして突っ込んで聞かねばならないというほどの内容でもないと思いますけれども、二、三お聞きをしておきたいと思います。特に旅費の方を先にお聞きをしておきたいと思います。 けさからもいろいろ御質疑もありましたので、若干落ち穂拾いをやりながら進めていきたいと思いますが、きょうも午前中の議論の中で、旅費の外勤と内勤の問題が出ておりまして、私も過去にそういったことで非常に苦慮した経験がございます。特に外勤そして内勤とはっきり割り切れている職種の人はいいわけですけれども、内勤、外勤が半々というような職種の人も中にはあるわけでありまして、そういった人の場合にどうするかという非常にむずかしい問題がございます。 かつて私は赤十字に勤めておりまして、赤十字は国家公務員に準ずるということで旅費規程等はなっていたわけでございますけれども、特に職員間のアンバランスが生じる場合が非常に多いわけです。と申しますのは、内外半々の場合のような職種の場合に、外勤される人には当然のことながら日当旅費が出ます。そういたしますと、内勤で非常に忙しい毎日をしている人が一方にいるわけでありまして、その人には何にもつかないというそういう意味でのアンバランスがございます。また今度は、外勤ばかりしている人と内外半々の人との間におきましては、外勤ばかりやっている職種の人につきましてはつかない場合がある、一方においてはつく場合がある、こういうことで、どうもバランス上うまくいかなくていろいろ問題が起こりまして、管理職として非常に弱った経験を持っております。 そういった意味で、きょう午前中にも議論がございましたので一言お聞きをしておきたいと思うわけでありますけれども、内勤、外勤とはっきり区別のある人につきましては、それぞれ本俸の方でのいろいろの取り扱いというものもなされているのであろうと思いますが、内外半々のような場合に非常に困るわけです。たとえばきょうも保健婦さんの話が出ておりましたけれども、保健婦さんなんかの場合でありますと、これは内勤でやらなければならないこともございますし、また外へ出なければならないこともあるわけですね。そういたしますと、私どもが赤十字におりましたときには、何か四キロ以内のときにはつかないとか、あるいはまた八時間以内の場合にはつかないとか、すなわち八時間を超える場合にはつく、四キロを超えるとつくというような決めがあったように記憶をいたしておりますけれども、非常にその取り扱いに困ったりするわけであります。そういった職種がほかにもたくさんあると思います。たとえば運転手さんの場合でもしかりでありますし、あるいはまた市役所あたりの清掃業なんかの場合にはそういうことになるのではないかと思いますし、県あたりもそうなるのではないかと思います。国家公務員としてそういう人があるかどうか存じませんけれども、大体地方公務員におきましても国家公務員に準ずるということになるわけでありまして、そういった意味で、内勤、外勤のところをもう少し何か細かく規定をされる必要がありはしないかという気もするわけでございますが、その辺、何かございましたらひとつお答えをいただきたいと思います。
○林(義)政府委員 坂口先生、かつては公務員をやっておられました経験もおありでございますし、私もかつて公務員をやった経験がございます。この辺の問題は、正直申しまして技術的にも非常にむずかしい問題があると思うのです。一律に線を引いておりますが、なかなかそれで割り切れない点もあるんだろうと思うのです。 御指摘のような問題もありますが、私は考え方として、けさほどありました議論の中でちょっと感じたのですが、たとえば郵便の配達をする人、そういった人は、その地域というのが、配達をすること自体が仕事でございますから、これは外勤というのには当たらない。本来それが仕事であるから、その仕事をやっていく上においては私は日当旅費などというのを払うのはちょっとどうかと思うのです。そういったティピカルな問題から始まりまして、先生いま御指摘のようないろいろな職種の問題もありますし、そういった技術的な問題をさらに詰めていかなければならない。ただ私は一つ考えますのは、公務員が勤めているところの官庁その他の一つの秩序というものがありますから、その秩序が余りにも崩れないようなことを考えていくというのがこの問題ではないか。何でもあいつたくさんもらっているから、こういうふうなことになったのではやはりおかしなことになりますから、最後にはやはり常識というものが私は支配するものだろう、こういうふうに考えます。詳しくは政府委員の方から答弁させます。
○禿河政府委員 ちょっと法制的な面で補足させていただきますと、お話がございましたような場合の旅費というのは日額旅費に当たるわけでございますが、現在の旅費法の第二十六条におきまして、その間の規定がございます。「日額旅費を支給する旅行は、左に掲げる旅行のうち当該旅行の性質上日額旅費を支給することを適当と認めて大蔵大臣が指定するものとする。」ということでまずございまして、「一 測量、調査、土木営繕工事、」云々、それから「二 長期間の研修、講習、」云々、それから「三 前二号に掲げる旅行を除く外、その職務の性質上常時出張を必要とする職員の出張」ということで第一項が書いてございます。そして、第二項におきまして、「日額旅費の額、支給条件及び支給方法は、各庁の長が大蔵大臣に協議して定める。」という規定がございますが、この第二項の規定を設けてございますのは、各省庁間におきます横のバランスをとりまして、同じような出張には同じような支給条件、支給方法のもとに同じような金額の日額旅費を支給しようとする趣旨でございます。 こういう規定を受けまして各省庁におきまして、本当にその職務の内容、出張の形態等々で必要と認めるような場合には、私どもの方に協議はあり得るかと思っております。いろいろ勤務の形態が従前と異なるようなこともあるいはあるかもしれません。そういうふうな場合には、私ども関係省庁ともよく相談をし、横のバランスも十分考えながら検討はしてまいりたい、かように考えております。
○坂口委員 それでは、それはそのぐらいにしておきまして、もう一つ、先ほど公務災害の話が出ておりましたね。これは私もこれまた経験があるのですが、特に脳卒中等の場合には比較的認められるケースがあるのですけれども、心臓疾患のときにはなかなか認められないと私、記憶をいたしております。両方ともさして違いはないというふうに思うのですけれども、いままで脳卒中の方については、あるいは脳卒中と言わずに脳神経系血管損傷と申し上げた方がいいかとも思いますけどれも、脳神経系血管損傷の方については認められやすいけれども、心臓疾患についてはなかなか認められないような傾向を感じるわけでございます。そんなことはなければ結構なんです。私の知り得ます狭い範囲でございますけれども、具体的な例に二、三私も突き当たったことがございますけれども、なかなか心臓のときには、これはいろいろそのほかの事情も絡みます。ただ疾病上の問題だけではありません。そのほかのいろいろなことが絡みますけれども、なかなか認められにくかった。ただ脳神経系の方については、いままでそれが認められたという経緯もあるというようなことで、比較的認められやすかったというような記憶がございますけれども、そんなことがあればやはり問題ではないか。機会があれば一度お尋ねをしたいと思っておりましたので、きょうその問題を議論されましたので、一言これもお聞きをしておきたいと思います。
○林(義)政府委員 私もちょっとその辺は専門ではありませんで、むしろ坂口先生の方がお詳しいのじゃないかと思いますが、専門が来ましたら、後で聞きまして御連絡を申し上げたい。(坂口委員「お見えになりますか」と呼ぶ)呼んでないと思いますから、こういたしましょう。先生御質問ですから、後でしかるべき人に先生のお部屋にでもお伺いさせて御説明するようにいたしましょう。
○坂口委員 今回特別車両料金、グリーンにつきまして、財政事情から当分の間規制をするということにしているわけでありまして、これも午前中の議論にもすでに上ったところでございますが、この「当分の間」というのが非常にはっきりしないのですね。けさの議論を聞いておりましても、はっきりしない。けさの議論を聞いておりますと、景気の回復された後にはこれがもとへ戻るというようにもとれますし、あるいはまた、給与体系において民間との較差を問題にしておみえになるようにもとれますし、両方とも考慮に入れて取り上げておみえになるのか、それともそれは私のとり方が二つとも間違っているのか、その辺どうですか。
○林(義)政府委員 けさほどの御議論でもお答えをしたところでありますけれども、「当分の間」と書きましたのは、法律的に申しますと、「当分の間」というのを変えるということになりますと、新しい法律で変えなければならないということでございます。そこで、附則でそういうふうに「当分の間」と書いてございますのですが、財政事情等を考慮してと、こういうことでございまして、特にこうした厳しい時代であるから公務員の皆さん方にもグリーン車はがまんをしてもらおう、こういうことと、じゃこれからどうするのだという話になりますと、やはり一般社会通念その他の問題もございますから、そういった点を考慮して、この次からもしも復活するときには考えていかなければならない。全部が全部公務員の方がグリーンに乗っているというのは私、常識的に考えまして、いまの状況からするとちょっとおかしいのではないかと思うのです。ただし、それではいまの局長さん以上あるいは長官以上の人だけでよろしいかということになりますと、これもちょっとどうかなという感じもいたしますし、そういった点を含めて私は、「等」という言葉がその中に入っているのだろう、こういうふうに御理解いただければいいと思います。
○坂口委員 五十年十月の改定時におきましては、昭和四十九年度の実態調査をもとにして改定をしたというふうに言っておみえになるわけですね。今回の場合の改定の根拠はどういうところに置いておみえになるのかということをお聞きしたい。
○禿河政府委員 やり方といたしましては、前回と同じやり方でございます。前回が四十九年当時の宿泊料等の調査、それをもとにいたしまして五十年の改定を行ったわけでございますが、今回は、昨年の四月に公務員が一般的に宿泊する旅館の料金が前回当時に比べてどのくらい上がったかということを中心に検討いたしまして、改定を図ったものでございます。もし必要がございますればまた詳細な数字は申し上げたいと思います。
○坂口委員 今回の改定を見てみますと、たとえば日当につきましては、「指定職の職務にある者」は二千二百円、それからたとえば「六等級以下の職務にある者」は千四百円、こういう違いがあるわけですね。日当につきましては、これは職務上やむを得ない面もあると思うのですが、宿泊料とか食卓料というのもかなり違うわけですね。特に内閣総理大臣と六等級以下の職にある者との比較というようなことになりますと、これはそれ相応の違いもあってもやむを得ないという面もありますけれども、たとえば局長さんと課長さんだとか、課長さんと係長さんだとか、こういった形で行かれる場合がございますね。その場合に、日当につきましての違いは認めるとしても、宿泊料だとか食卓料についてもかなり差が出る、こういうことがいつも実際問題としては話題になるわけでありまして、課長さんと係長さんと一緒に行って、泊まるところもそれぞれ別のところで、食事も別々にしてというわけにもなかなかいかない。同じに食事もし、同じところで泊まってということが多いわけでありまして、そのときには、気のきいた課長さんはちゃんと係長さんに出してあげるのかどうかよくわかりませんけれども、この辺まで余り違ってはぐあいが悪いのじゃなかろうか。実感としてもそういう議論がよく出るわけでございます。今回見ましても、三等級以下五等級以上の職務にある人と、六等級以下の職務にある人との間にかなりの差がついています。この辺のところはできるだけ差がつかないようにする方が妥当ではないか。日当につきましては差があってもやむを得ないと思いますが、宿泊料だとか食卓料についての差はできるだけ縮めるという方向をとるべきじゃないかと私は思いますが、いかがでございますか。
○林(義)政府委員 坂口さん御指摘の点はよくわかるのです。局長と課長と一緒に行きまして、同じ部屋に泊まって同じという話になるのでしょうが、ただ局長なり長官と係員が一緒に行くというときには、別の部屋にということになりますし、宿泊料金等も違う、こういうふうな話になるでしょう。そうしますと、その間でもう一つ段階を設けるか、もう二つ段階を設けるかというような話になってくるのだろうと私は思うのです。そういったことでございますし、行って食べるものは恐らく同じだろうと思うのです。課長さんと局長さんと行きまして同じだろうと思いますが、たとえばはずむチップは違うとかなんとかというような話は常識的にはあるだろうと思うのです。そういった点で、財務局の方でいろいろと調べてみましたところが大体こんなことになってきたというのが調査の実態でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○禿河政府委員 ちょっと補足させていただきますと、先生のただいまのような御指摘は前からございまして、前回、昭和五十年に旅費法を改正いたしましたときに、それまで一般公務員の場合に宿泊料を六段階に分けて上下間の格差もあったわけでございますが、そこのところを余り細分化するのはどうかということがございまして、これを大きく四つの区分にしたわけでございます。そういう点もある意味で格差の是正と申しますか、そちらの方に働いていると思います。 今回の御提案申し上げております内容におきましても、等級による上下間格差をどう考えるのかという点がもちろんございまして、私ども先ほど申し上げました実態調査を踏まえまして、それを中心にしたわけでございますが、その点もなおあわせて考えまして、いわゆる上下の倍率、一般の係員六等級以下の場合を一〇〇といたしまして、現行は三等級から五等級が一二五、それから一、二等級が一五五、指定職が一八〇、こういう倍率になっておりましたのを、今回三等級から五等級については従前どおり一二五でございますが、一、二等級は一五〇、それから指定職につきましては一七〇というふうに、二等級以上の者の上下倍率を若干修正いたしておるわけでございます。
○坂口委員 わかりました。特に上の方については若干の配慮をしてあるということでございますので、了といたします。 それからもう一つは、先ほども私、赤十字の話をちょっといたしましたけれども、準公的機関でありますとか民間におきましては、国家公務員に準ずるとかあるいは国家公務員並みということがよく言われるわけであります。民間との較差ということがやはりこの場合にも基礎資料としては問題になるのだろうと思いますが、その辺の資料をお持ちでありましたら少しお話しいただきたいと思います。——なければ結構です。それではまた後ほどそういうデータがございましたらお知らせいただきたいと思います。 それからこの中に、車賃の額について一キロ二十三円という数字が出ているわけでございますけれども、これは何かの根拠があって出された数字だとは思いますが、現実問題として、たとえばタクシーなんか使用いたしました場合に、使用実額ということにした方がいいのではないかという気がするわけでありますけれども、一キロ二十三円というふうに示されました根拠をお聞きしたいと思います。
○林(義)政府委員 車賃一キロメートル当たり二十三円としましたのは、車賃というのは鉄道以外の陸路で旅行した場合にその旅程に応じまして定額で支給する旅費のことでございます。この車賃の額は、標準的な陸路交通の機関であるところの路線バスの料金を基準にして決定をいたしておりまして、実はこの前のときの算定の基準と今回の基準を比べますと、バス及びタクシーの合わせました運賃上昇率が五六・三%、こういうことになっておりますので、現在の十五円に一五六・三%を掛けましたところが二十三円四十銭ということになりますので二十三円、こういうことにしたわけでございます。
○坂口委員 いま御説明いただいたことはわかりますが、先ほど申しましたように、この辺のところはたとえばタクシーを使用しました場合には、使用実額ということでもいいのではないか、こう思いますが、その辺についてどうでしょうか。
○禿河政府委員 御指摘のとおり、実は法律の上でも第十九条のただし書きにその辺も規定してございます。公務上どうしても必要だとか天災その他やむを得ない事情によって定額の車賃では実費を支弁することができない場合には、その実費を支給するというふうに実は相なっております。ただ現実の問題といたしまして、ほかにバス等の利用が十分できるような場合に無理してタクシーに乗らないようにしてほしいという気持ちはございますけれども、どうしてもそういうものが必要だというふうな場合には、実費を支給することができるということでやっておるわけでございます。
○坂口委員 それでは、時間の制限がありますので、賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案の方に移りたいと思います。 この賠償の方でありますが、現在賠償等で残されておりますのは、対日私的請求権、すなわちクレームの一部のみということでありますけれども、残されているものの具体的内容というのは一体どんなものなんでしょうか、簡単で結構でございますから触れていただきたいと思います。
○林(義)政府委員 いわゆるドイツクレームというのが五十二年度でまだ残っておりまして、一九三七年当時に日本軍によりましてドイツの人が、家財道具を壊されたとか、持っているモーターボートを撃沈されたとか、そういったものの被害額がございまして、その請求権の話がまだ片づいてない、こういうことでございます。
○坂口委員 そういたしますと、これは今後はどうですか。このまま推移するのですか、それとももうこれは早急に決着がつくのでしょうか。
○平尾政府委員 いま御指摘のドイツクレーム、ドイツ連邦共和国請求権でございますが、先ほど政務次官から答弁ございましたように、対日私的請求権の大部分はすでに処理済みでございまして、これだけが本会計年度、五十三年度末で処理の完了をしないと見込まれておりますけれども、この点につきましては現在、最終解決に向けて鋭意交渉中でございます。いまの見通しでは、支払いは来年度に繰り越さるということでございますので、いま御審議をお願いをいたしております廃止法案の附則をもちまして、支払い残額を一般会計に繰り越して使用するということで決着ができる見通しでございます。
○坂口委員 本予算案では、昭和五十四年度四千二百四十二万七千円が見込まれているわけですね。これは五十五年度にかかるということはないでしょうか。昭和五十四年度でこれはもうすべて片がつくのでしょうか。
○林(義)政府委員 私的請求権は、ドイツのものをいま事務当局から御答弁したとおりでございますが、いわゆる国と国との間の賠償というのはもう恐らくあり得ないだろうと思うのですが、私的請求という形で出てくる場合があります。これはかつてパキスタンが一九六二年までに、シナ事変中にパキスタン人がこうむった被害を出してくれとか、いろいろそんな話がたくさんありました。ありましたが、六二年以後全然動きがないから、一体向こうから請求してこられるのかどうかよくわからぬ、しかし請求してこられた場合にはやはり一般会計の方で、それ相応の理由があれば処理をしていかなければならない、特に特別会計をつくって処理をするほどのことはないだろう、こういうふうに考えているので、今回廃止法をお願いしているところでございます。
○坂口委員 いままで私的請求がされても、たとえば証明がないとか、いろいろ手続上こちらの納得しかねるものもたくさんあるんだろうと思います。そういったものがいままでずっと続いてきたことの大きな要因を占めているんじゃないかと思うのですが、これはいままでもなかなか片がつけられなかったわけでありますから、ことしですっぱり片をつけるというわけにもなかなかいかない問題を後には残しているだろうと思うのです。そういう意味で、ことし四千二百四十二万七千円という額を見込んでお見えになるわけでありますけれども、何かいままでの経緯から考えまして、そう急にことしですっぱりとという調子には行きにくい問題もそこには含まれているような気もするわけであります。 いま御説明になりましたように、一般会計からということになるのかとも思いますけれども、金の出どころはどちらからにいたしましても、したがってこの法律があるないは別にいたしまして、今後私的請求権というものはなおかつ尾を引いていくということは考え得ることは考え得るわけであります。どこから出すかということは別にいたしましても、その辺の一応決着をつけるときというのを、たとえば昭和五十五年なら昭和五十五年、一九八〇年なら八〇年をもって一応これは決着をつけます、こういうことに今後するのか、これは私的請求権だからいつまでも出てくればやむを得ないということになるのか、その辺はどうでございますか。
○林(義)政府委員 私的請求権でございますから、もしも日本の国内であれば民法の時効が働くとかというような問題があると思うのです。ところが外国でもありますし、それから国際的に時効という概念はなかなかないんだろうと思いますし、それから単にこの問題は、事実証明があったとかどうだとかといった法律論の問題と同時に、国際的に日本が考えていかなければならない問題があるんだろうと思うのです。そうしたことで、先ほどパキスタンの例を引いて申しましたが、これは六二年まで話があったのですが、その後もう十何年になりますか、十何年間全然音さたないわけでございますから、向こうもあきらめたんだろうと、こういうふうな感じもするわけなんです。これはわかりません。忘れたのかどうなったのかわかりませんが、そういうふうなことでございますから、もし出てきたら、そのときにケース・バイ・ケースで処理をしていくというよりほかに方法がないんではないか。 それから、日本がたとえば五十五年に全部なくなったぞと言うのも何かおかしな話で、言ったところで、おれはまだあるんだと言われたときに、法律的に一体どうだとか道義的にどうだとかなんとかという話になってくる問題だろうと思いますので、そのときに処理をしていけばよろしい。ただ、繰り返して申しますけれども、特別会計を持っていくほどのことはないんではないか、そういったことで今回廃止法をお願いをする次第でございます。
○坂口委員 それはわかるのですけれども、今後新しく出てくるという問題につきましては、これはなかなか予測しがたいものがあると思いますが、いままですでに出ているような話で、寝ている子を起こすというのもいいのか悪いのかわかりませんけれども、しかしいままで出ている話については、言わないからほっておくというような形ではなしに、一度出たことについては何らかの形で決着をつけるということの方が、対外的な政策としてはよりいいのではないかという気がするわけです。ですから、いままで出た問題につきましては、だらだらという形じゃなくて、一応いつまでか限度を限って、相手の国との話を決着をつけるということの方がよくはありませんかということを私は申し上げたわけでございます。 それから、最後にもう一つありますので同じ御答弁いただければと思いますが、五十二年でしたか、批准いたしましたボリビアですね、いまさらという気がするわけでございますけれども、これは何が今後ボリビアとの間にあるのか、どういう見通しをお持ちになっているのか、その辺のところをひとつお聞かせをいただきます。
○林(義)政府委員 対日請求権を持っている人に対して誠意をもってこたえなければならない、そのことで先生さっきの御指摘のようなことでありましたらば、私もそれは全くそのとおりで、戦争によって与えた被害については日本としては誠意をもって当たらなければならない、そういうふうに考えております。 ボリビアの話は、恐縮でございますが、事務当局の方から答弁させます。
○大鷹説明員 ボリビアにつきましては、五十二年八月に先方側とサンフランシスコ平和条約の批准書を寄託いたしまして、それから一年半向こうはクレームを出す権利があったのですけれども、五十四年二月までそのクレームの提起がございませんでした。したがって、この問題はもう決着したものと私ども考えております。
○坂口委員 そうしますと、この問題はもうこれで一応決着がついたというふうに考えていいわけでございますね。わかりました。 それでは、きょうの議論の中で、二、三初めに私の質問要旨等を通告していなかった問題もございますので、それに対する資料等でそっちの方で整うものがございましたら、後で結構でございますので、ひとつお届けをいただきたいと思います。 以上をもちまして、終わりにいたします。
○綿貫委員長代理 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○綿貫委員長代理 速記を始めてください。 安田純治君。 〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕
○安田委員 いろいろと日程もございますようで、要点だけ質問いたしますけれども、若干お伺いしたいと思います。 まず、日当、宿泊料などの引き上げ率についてでございますけれども、今回の引き上げは一八%から二七%、こういうふうに提案されている根拠を伺います。
○林(義)政府委員 五十二年の四月、大蔵省の地方支分部局であります財務局部におきまして、各省庁及び地方公共団体の職員が通常利用している旅館の宿泊料金について実態調査をいたしました結果、前回の調査結果に比べまして、指定職員、本省の局長クラスの甲地における宿泊費の上昇率は三三・二%、行政職一等から二等級が三二・〇%、三等から五等までが三九・六%、係員クラスが三八・〇%、総平均で三五%ということになっております。また、前回改定時からの消費者物価の上昇率も約三〇%ぐらい上がっているということでございまして、今回改定いたしたのでございます。
○安田委員 実態調査の結果などもいろいろ出されているようでありますけれども、あるいは消費者物価指数、これもサービスとか対個人サービスあるいは宿泊料などの面を見ますと、これに適応しているのかどうかということも伺いたいわけでございますけれども、たとえば担当であります給与課の方に確かめました数字で見ますと、昭和五十年一月を一〇〇としてことし一月の伸びを見た場合、サービスは四三・九%の伸び、対個人サービスが四五・五%、宿泊料が五三・三%、あるいは日銀の宿泊料金指数で見ると三五・六%となっているようでありますが、こうしたこと、それから、この間の消費者物価が総合指数で見ると二七・七%の伸び、こういうような数字を勘案していまおっしゃったような数字になったのでございましょうか。
○禿河政府委員 いま先生が御指摘になりました諸物価の上昇率あるいは日銀の宿泊料のアップ率等は、御指摘のとおりでございます。ただ私ども、旅費法上の宿泊料をどのように見るかといたします場合に、先ほど政務次官から御答弁申し上げましたとおり、全国の主要なと申しますか、おおむね公務員が泊まる宿のその宿泊料、前回もそういうことでやったわけでございますので、引き続いて、それがどのぐらい上がったのかということを基準に調べていったわけでございます。 若干補足させていただきますと、いま各等級によりまして宿泊料のアップ率というものが出ておりましたが、私ども一応基準と考えておりますのは、六等級以下のいわゆる一般の職員、それの甲地の宿泊料がどうであろうかということをまず基準に考えますと、先ほど申し上げましたとおり、三八%のアップになっております。ただ、この三八%のアップとはいいましても、実は前回に改定いたしましたときは、これは四〇%のアップを見たわけでございますが、その四〇%の前回のアップの中には、前回調査した四十九年の四月から法律の改正の予定時、ちょうど五十年の四月に初め予定したわけでございます。それの間の上昇率の一五・一%分というのを織り込んでおったわけでございますので、実はこの一五・一というものを差し引きますと、三八引く一五・一で、二二・九%のアップで一応足りるということに相なります。ただ、私どもの今回調査いたしましたのが昨年の四月でございます。それから一年経過しておりまして、その間の消費者物価指数が四%上がるという見通しがございますので、それを足しますと二六・九%、丸めまして二七%、こういう数字になるわけでございます。したがいまして、今回の改定におきましては、この二七%を基準に考えておるわけでございます。
○安田委員 いろいろと数字の足し引きをやっておるわけですけれども、消費者物価指数の四・何%を足したり、あるいは前の一五%を引いたりしている、そのパーセントのもとになるいわば指数ですけれども、この対象がいろいろ違っているので、必ずしも差し引きがストレートにできるものではないんじゃないかとも思うのです。たとえば消費者物価の総合に比べまして、宿泊料は約二倍、個人サービスは一・六倍程度に、同じものでも上がっているものとそれほど上がっていないものとがある、総合にすればそれは平均が出てくるわけですけれども。こういうことから、本当に実態に即したものか非常に危惧しないわけにはまいりませんので、これで本当にカバーできるものかどうかということを疑問に思うわけですが、いかがでしょうか。
○禿河政府委員 先ほどちょっと細かく申し上げまして恐縮でございましたが、そういうふうなことで、実態調査を基本にいたしまして、職員が実費弁償を十分受けられるように、いわゆる足が出ないようには私ども十分配慮したつもりでございます。
○安田委員 ぜひそういうふうにしていただきたいと思うわけです。 次に、移転料の引き上げでございますが、今回約一〇%となっておりますが、この根拠はどういうものでしょうかと伺いたいわけであります。 時間がございませんが、いろいろ細かく聞きたいわけですけれども、この移転料の引き上げも常識的に考えますと、四年間で一〇%というのはいかにも少ないように思います。移転料の大部分を占めると思われる引っ越しの運送料を私、調べてみましたけれども、運輸省自動車局貨物課によるとこの四年間で、五十一年九月に一般区域トラックの運賃料金の改定が一九・三一%なされておる。これに人件費のファクターが多い包送料とか荷役料、それに材料費の引き上げ分が加算される、こういうふうな説明でございました。そうなりますと、一〇%でカバーできるのかというような問題がございますが、いかがでしょうか。
○林(義)政府委員 移転料の問題につきましては、先ほども御答弁しましたと同じようなことで調査をいたしたわけでございまして、実際に移転した人がどのぐらいかかったかというのを、五十三年の四月から五月三十一日までの間に実際にやったところの人の赴任費というものを見たところが、平均で八・九%の不足ということが認められたわけでございまして、そうしたことから、今回は一〇%ということでお願いをしているところでございます。 運輸省の方の数字云々というお話がございましたが、これは統計のとり方というか、私の方で考えておりますのは実際にかかった費用がどのくらいだ、こういうことで計算したので、これでいいのではないかというふうに考えております。
○安田委員 この点も政務次官おっしゃるように、実際とそれから運賃料金の改定で上がった部分とがどういうふうに現実に出てくるかという問題ですね。これはそんなに食い違うものかどうか私は疑問ですけれども、それはそれとして、私どもとしては、四年間に一〇%というのはいかにも実勢に合わないんじゃないかということを指摘しておくにとどめたいと思います。 それから、内国旅行の航空賃の支給対象についてですけれども、航空賃の額は法十八条によって実費支給ということになるのだと思うのですが、実際の支給対象は運用方針の第四十六条ですか、その第一項で限定されていると思います。まずこの運用方針の趣旨を、限定した理由を説明していただきたいと思います。
○禿河政府委員 国内旅行の場合の航空運賃の支給につきましての運用方針は、昭和四十五年に決めた方針でございます。 その趣旨は、ちょっと中身を先に申し上げますと、指定職それから二等級以上の者につきましては、航空機を利用しなければ公務に支障を来すような場合に航空機の料金を支給することができる。それから三等級以下五等級以上の職務にある者につきましては、その路程が一千キロメーター以上旅行する場合、それから六等級以下の職務にある者につきましては、特別に災害調査とか緊急の要務等の場合にそれぞれ航空機の利用を認めることといたしておるわけでございます。 その当時におきまして、まだ航空機の利用の普及というものは低かったわけでございまして、航空機運賃の方が普通の汽車で行くような場合よりもまだかなり高いというふうなこともございまして、等級に応じまして、ということは、やはりそれぞれの職務内容に差はあるであろう、こういうところからこのような取り扱いを等級ごとで区分をいたしたものでございます。
○安田委員 ところが、いまは航空機の発達といいますか普及度が非常にありまして、どうもこの運用方針が実情に合わないのじゃないかというふうに思うわけであります。たとえば一千キロ以上の路程を考えましてちょっと調べてみますと、東京と札幌間一千二十五・五キロで、鉄道利用の場合の運賃が一万六千二百五十円、これはグリーンは入らぬですね。所要時間が十八時間かかるのです。ところが、航空機利用だとどうなるかというと、一万八千二百円で所要時間が一時間二十五分。ものすごく、十分の一以下に所要時間が短縮される。じゃお金はというと、航空運賃の方がグリーンをまぜなければ二千円くらい高い程度ですね。それから東京−博多間一千百七十六キロメートル、これは鉄道利用だと一万五千三百円で七時間かかる。ところが、航空運賃ですと一万九千五百円で一時間四十分。東京から鹿児島まで考えますと、千四百九十三・五キロ、これは国鉄運賃値上げ後のあれかもしれませんけれども、鉄道利用だと一万七千七百五十円で十二時間三十分。ところが、航空機利用ですと二万二千百円でたった一時間四十五分。私が計算してみるとどうもこういうようになるわけであります。 ですから、大平さんがチープガバメントと言って、最近、能率的政府、効率的政府と言い直したようですけれども、確かにテープというのはどうもぐあいが悪いんだ。能率的な政府だというのは、まさに時間数で見ますと、北海道の札幌へ行く場合飛行機だと十分の一ですね。しかもお金で言うと、グリーンを除いて二千円しか違わない。いまの運用方針を見ますと、どうも対象が少し狭過ぎるのじゃないかというふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○禿河政府委員 確かに現行の運用方針は、昭和四十五年に決めたものでございまして、当時まだ航空機の利用が一般的でございませんし、それから、等級に応じてその職務内容等変わりまして、旅行日程にもおのずから差があるであろう、こういう考え方でやったわけでございます。しかし御指摘のとおり、最近におきます航空機利用の普及は一般的に著しいわけでございます。それから、航空賃と鉄道賃との関係にも以前とは違ったものが出てきております。いま先生からお話がございましたとおり、まだ若干飛行機の利用の場合の方が高いわけでございますが、それに要します時間ということで宿泊料等を支給いたしますと、場合によっては逆転するということもないわけではございません。そういうふうな客観情勢あるいは金額面での変化というふうなものを踏まえまして、私どもこれから航空運賃の支給対象につきましても検討はいたしたい、かように考えております。
○安田委員 いま私が数字を並べましたように、能率の点から考えて、一千キロ以上の場合絶対に飛行機の方が有利になる。お金の面でも、総合的に見れば、いまあなたがお認めになったように、宿泊や何かのことを考えますと、これは飛行機の方が安くなる場合の方が実際問題として多いだろう。そういう意味では、ぜひ運用方針を見直していただいて、航空機の対象を拡大するように考えていただきたい、この点いかがでしょうか。
○林(義)政府委員 御説のように、情勢も変わってきておりますから、これは早急に検討させたい、こういうふうに考えております。
○安田委員 ぜひお願いしたいと思うのです。 それから、研究職の学会出席の旅費、この点について若干伺いたいのですが、研究職職員、この人たちが専門の学会に出席する際の旅費について、これは言うまでもなく、日進月歩する科学技術の進展、そして研究の組織化が進む中で、研究者がそれぞれ専門の学会に加入し、研究成果を報告、発表し、または情報交換をする、これは研究者の研究意欲を増進させると同時に、資質の向上を推進するものとして非常に重要な意味を有するものと思います。したがって国としても、この学会出席に対し必要な予算措置を講ずるということで、昭和四十二年から研究職学会出席旅費が創設されてきたと思うのですけれども、この研究者の学会活動の重要性についてどう認識をお持ちか、そして学会出席旅費の創設の趣旨についてまずお伺いしたいと思います。
○林(義)政府委員 研究職が学会に出まして意見を交換したり、またそこでいろいろな知識を得るということは大変大切なことだと思うのです。単に狭い範囲でなくて、環境保全であるとか社会福祉というようなことをこれからやっていかなければならない、こういうふうなときでございますから、新しい研究の成果を行政の中に取り入れるということは絶対に必要なことでありますし、そうした意味で御指摘のような制度もできたと思います。そうした意味で、この制度を十分に活用してやることも必要でありますし、そうした意味で研究職の意欲の向上というものも図っていかなければならない、私はこういうふうに考えております。
○安田委員 実際に公務員で研究職の方々は約一万人程度おられるようですけれども、そのうちの九七%もの人が学会に加入しておる、七五%以上の人が二つ以上の学会に加入しておる、こういうふうな実態だと思います。 そこで指摘しておきたいことは、昭和四十四年当時は一人当たり平均加入学会の数が三・五学会だったのが、四十七年になると二・九学会に減り、現在では二・六学会というふうに平均すると減ってきておる問題がございます。ところが近年、この研究職の人たちの間で学会旅費が大幅に不足しているという声が高まってきておりまして、旅費不足のために学会活動がかなり制限されているという実態も私しばしば聞いておるわけであります。学会加入率が減ったり研究活動にも影響しているこの一因に旅費の不足があるんではないかというふうに考えるわけですが、その点いかがか、お伺いしたいと思うのです。 ちなみに、たとえば北海道工業開発試験所なんかの例をちょっととってみましたらば、学会の件数が昭和四十八年で五十回、四十九年で五十二回、五十年が五十九回、五十一年が五十七回というようになっておるわけで、これは旅費が大変なので北海道の道内の地方大会でお茶を濁しておるというか、済ませておるという例が多いというようなことも聞いておるわけでありますが、その他の地域でも学会出席の旅費というのは非常に窮屈で困っておるという話を聞きますが、いかがですか。
○禿河政府委員 学会出席旅費を特別に設けております趣旨につきましては、先ほど政務次官からお答えいたしたとおりでございます。 私ども予算上これをどのように見るかと申しますと、現実のやり方といたしまして、その学会ごととか開催場所ごとに具体的に積み上げてやるというのは大変厄介でもございますので、いわば枠というふうな感じで、研究職の三等級以上の者、それの二分の一につきまして平均的に約二万三千円ほどの単価ということで計上いたしておるわけでございます。前はこの二分の一というのが、たとえば三等級の者につきましては四分の一、それを三分の一に上げて、そして現在のように一、二等級と同じように二分の一にしたというふうな経緯はございますが、そういうふうないわば枠的な考え方でこの学会の出席旅費というものを計上いたしておるわけでございます。 確かにその後の状況等で、この学会出席旅費が苦しいという声もあろうかと思いますけれども、私どもこの五十四年度の予算編成のときにいろいろそういう点も検討いたしたわけでございますが、こういう厳しい財政事情のもとにおきましては、一般行政経費の抑制を強く実は求めてきたわけでございますので、その一環といたしまして五十四年度、そういう事情はございましたけれどもこれを据え置いた、こういう次第でございます。
○安田委員 いま御答弁ありましたように、単価としては二万三千九百四十円ですか、これは聞くところによると昭和四十八年以来ずっと据え置かれておる、これがどうもおかしいと思うのですね。四十八年度のときのこの単価はどういう根拠で決められたのかお伺いしたいわけですけれども、その間に旅費の改定は、五十年に四〇%ですか、それから今回約二〇%前後のアップがある。ところがこの学会の場合は、四十八年以来単価が据え置かれておる。これはどうも現実離れしておるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○禿河政府委員 この学会出席旅費を初めて設けましたときは、一応の予算の計算上の基準と申しますか単位といたしまして、当時東京から大阪に行って三泊するという場合、大体一万五千円という単価が出たわけでございます。それをもとといたしまして、あと研究職に従事する人の二分の一とか四分の一とかいうふうなことに見合う数字をそれに掛けて出席旅費の総額を出しておったわけでございます。いまはもちろん、東京から大阪へ行きまして三泊すれば一万五千円というようなことはございませんし、また二万三千円とかいうふうなことにもならないわけでございますが、かたがた、対象人員の増とかいうふうなことで、そちらの方は実は見てきたわけでございまして、厳密に各学会ごとに東京−大阪ということでぴたっと開かれるものでもございませんものですから、発足当初は一応一万五千円というものを基準にしてきたけれども、必ずしもそういうふうなことを現在でも踏襲しておるというわけではございません。
○安田委員 もう時間がありませんので、まとめて幾つか御質問をし、要望をしておきたいと思うのですが、昨年の一月、通産省所管の研究機関で働いている人たちでつくっている労働組合、全商工労組の技術庁連絡協議会というものがございますが、これが行ったアンケート調査では、学会に十分参加できない理由として九割近い人が、旅費不足を訴えているというアンケートの結果が出ておるようです。どうしても参加したい人は自腹を切って参加している、こういう人がふえておる。ですから、単価を実態に合わせて引き上げるべきだということを強く考えておるわけですがいかがかということが一つです。 それから、予算不足で深刻なのは、在京機関よりも地方にある研究機関で特に起こっておる。北海道や九州、四国、東北のいわゆる地方機関では、学会がだんだん近ごろ地方にも回ってくるようになりましたけれども、それでも東京の方が圧倒的に多い。そういう在京機関ではない地方の研究機関から学会に出てくる費用が相当かさむようであるので、これは予算配分上の問題でもあると思いますが、ぜひこの点は考慮していただきたいということ。 それから、先ほどの御答弁ですね、研究職の二分の一に制限しているこの理由を伺いたいということでございます。その点をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○禿河政府委員 研究職の方の学会出席旅費を計算します場合に、その対象を二分の一にいたしておりますのは、いろいろ現在の公務を行う上でやはり学会に出席をするということの意味も大変大きいということがございますが、半面におきまして、やはり自分自身の個人的な勉強の機会という面もこれは否定できないと思うのでございます。そういうところから、全額と申しますか、全員についてというのもいかがであろうか、それでは二分の一を見るということで政府の姿勢なり気持ちなりも十分くんでいただけるのではないか、こういうことで設けられたものと理解いたしております。なお、この辺の学会出席旅費の今後の問題といたしましては、私どもも十分これからまた検討はしてまいりたい、かように考えます。
○安田委員 では、これで質問を終わりますが、ぜひ単価を実態に合わせて引き上げること、それから、そういう地方に対する予算の配分を十分考慮していただくこと、その他いま御答弁あったような検討する面を十分これから検討していただくことを強く要望して、質問を終わりたいと思います。
○加藤委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 次回は、明十四日水曜日午前九時四十分理事会、午前九時四十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時十分散会