大蔵委員会 第10号
- 発言数
- 178 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/03/07
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を求めます。金子大蔵大臣。 ————————————— 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○金子(一)国務大臣 ただいま議題となりました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 最近における米の需給は連年の豊作による生産量の増大、米消費の減退傾向等から供給過剰の状態が続き、このため、食糧管理特別会計の国内米管理勘定はいわゆる過剰在庫を四百八十万トンも抱えることとなっております。 このため、政府は、一方で米の生産調整と他作物への転作を内容とする水田利用再編対策を推進するとともに、米の消費拡大につき最大限の努力を傾注して、米需給の均衡の回復に努めているところでありますが、他方、現に保有しております過剰在庫の米穀については、やむを得ずこれを一定の計画のもとに加工食品の原材料の用、飼料用その他食糧以外の用途に売り渡し、または輸出を目的として売り渡す等の方法によって処理することといたした次第であります。 この場合、過剰米の売り渡しに伴い国内米管理勘定に生ずる損失は相当多額に上るため、その発生の年度に全額これを一般会計から補てんすることは財政上困難でありますので、前回の過剰米処理の例にならい、食糧管理特別会計法の一部を改正して、この損失の一部を国内米管理勘定において繰り越し整理するとともに、七年度内の期間において一般会計から同勘定へ計画的に繰入金をしてこれを補てんすることができることとしようとするものであります。 なお、この損失の整理の規定は、昭和五十四年度以降の予算について適用することといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○加藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○加藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松沢俊昭君。
○松沢(俊)委員 いま提案されました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、御質問申し上げます。 まず、最初に、食糧庁長官もおいでになっておりますので、長官の方からお伺いしたいと思いますが、政府の在庫米がふえて過剰米の処理をやらなければならなくなったいろいろな原因というのがあると思います。しかし、私たち実際の米の流通の状況を調べてみますと、大変たくさんの縁故米が出回っている。そのために政府の買った米というものが倉から出てこない、出ていかない、こういうような原因というのもあるのじゃないか、こう思いますが、この点はどうお考えになりますか。
○澤邊政府委員 流通いたします米につきましては、政府が買い入れ限度量というのを定めまして、政府が直接買い入れる、あるいは自主流通米として政府の管理のもとに流通さしておるわけでございます。また、豊作等によります超過米につきましては、自主流通ルートということで、これも食糧管理のもとにおける正規の流通をさしておるわけでございます。 御指摘のございました縁故米につきましては、いわゆる農家保有米の中で、農家消費に回さずに余裕のある分を、親戚、縁者、兄弟といったようなあるいは知人といった者に通常の経済取引ではなくして販売をされるものというふうに私ども理解するわけでございますが、これがどの程度あるかということは事柄の性質上正確に把握することは困難でございますが、私ども、農家保有米のうちで政府の手を通さず何らかの形で流通に回るものが百万トン前後、年によりまして差異はございますが、その程度あるのではないかというふうに見ておりますが、縁故米はおおむねその二分の一という程度ではないかというふうに見ております。したがいまして、大ざっぱに申し上げて恐縮ですが、五十万トン前後がいわゆる縁故米として流通をしておる。これは需給計画上は農家保有の中に入っておりますので、これがあるからといって特に過剰基調になるということでなくして、全体の需給計画の大枠の中には農家保有米ということで一応入っておりますので、これを農家が消費してもあるいは縁故米という形で他の者に渡りましても、全体の需給上は過剰を来たすということには直接つながらない。やはり過剰になりますのは、需給計画を上回って生産をされ、あるいは需給計画上の需要を下回った消費しか行われないという場合に出てくるというふうにお考えいただいたらいいのではないかと思います。
○松沢(俊)委員 いま長官が話されましたように、全体的な面からしまするならば、供給と消費の関係から過剰になる、これはわかるわけです。しかし、いま縁故米が実際上動いている、こういうことは長官の方でも認められているわけでありますが、食管法の立場からしますと、縁故米というものが動くということは合点がいかぬわけであります。食管法では米を移動することも禁止している、こういうぐあいに私は理解しているわけでありますが、その点はどうでしょうか。
○澤邊政府委員 食管法は、御承知のように戦時中の食糧不足のときにできた法律でございまして、手直しはございますけれども、その体系が基本になっておるわけでございます。厳密に申しますれば先生の御指摘のようなことではないかと思いますが、縁故米的なもの、あるいはそれらを含めます俗に言うやみ米と申しますか自由米的なものは、不足時代に政府ができるだけ集荷をいたしました段階でも何がしか存在をしておったわけでございます。その後、需給事情は大幅に変わってきておりますので、現在の社会経済情勢の実態からいたしまして、いま直ちにそういうものを全部取り締まりによって防止するということも、実態からすると現実にそぐわないというような面がございますので、これが著しく過大になるとかいうことによって現在の食管制度自体を掘り崩すというようなことは極力防止していく必要があると思いますけれども、そのような細かい流通をするもの一切厳禁するということも、実態からするとなかなか困難なところでございます。
○松沢(俊)委員 これも調べた結果出てくるわけでありますけれども、大阪などの大消費地では、卸商の方々が大型の精米工場というものを持って、そして精米して袋に詰めて下までずっと卸す、こういう仕組みになっておりますし、それから米というものは大変かさばるものでありますしまた金額も張るわけでありますから、したがって、それを買い占めてもなかなか店頭に置くというわけにもまいらぬわけであります。したがって、倉庫などを借りて保存している。そうすると、それに対するところの金融の手当てなどもやらなければならぬということで、ある大手筋の銀行がそれのバックアップをやっているとか、あるいは商社がやっているとか、こういうような傾向というものが出ているわけです。 それから各地に、これはもう半ば公然たるものでありますけれども、たとえば神奈川県あたりを見ますと、三千幾らかの小売業者がおりますけれども、そのうちの千八百くらいは、ほとんど政府の許可を得ない、そういう小売業者だ、こういうことも大体確認しているわけであります。そういう者が集まっていろいろな動きをやっていきますと、最終的には食管法は名前だけで実体は崩れてしまうのではないか、こう思うわけであります。 ところが、いまの農林大臣も言っておられるわけでありますが、食管法は守ります、こういうことを言っておられるわけです。そうすると、守るということになると、どの部分を守るのであるか、その点を明確にしてもらいたいと思うわけであります。
○澤邊政府委員 農林水産省といたしましては、大臣もしばしばお答えしておりますように、現在の食糧管理制度というものは、米につきましては、消費者が必要とする米を確保いたしまして、国民経済の安定にも資するというような目的で需給調整、配給の規制というようなことをやっておるわけでございますが、制度の根幹というものはあくまでも維持していきたい。ただ、需給事情によりますかなり大きな変化がそのときどきにもございますし、趨勢的にも出てくるわけでございますので、運用の実態におきましては、そのときどきの情勢変化に応じて弾力的にやっていくことが、むしろこの制度を長く維持するためには必要ではないかというように考えておるわけでございます。農家の経営なり経済あるいは一般消費者の家計にかかわるところが非常に大きい制度でございますので、根幹はあくまでも守っていきたいというように考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 だから、その根幹というものは何なのかということなんです。この前の農水での議論を聞いておりますと、大臣は、第一条を読み上げられまして、それが根幹である、こう言っておられるわけですが、それには価格、配給、統制という言葉がちゃんと載っているわけであります。いまはそういう状態ではないじゃないかと思うのです。それが根幹だということになれば、根幹というのは崩れてきているんじゃないか、こう思いますが、どうでしょうか。
○澤邊政府委員 先ほども触れましたように、食管制度の根幹は何かということにつきましては、これまでもしばしば大臣からもお答えしておりますように、米について申し上げれば、国民の基本的な食糧である米の必要量を確保いたしまして、国民経済の安定を図るために、米の需給について、また価格についての調整を行い、配給等につきましても必要な規制を行うというのが、これが根幹、基本的な事項であるというように思うわけでございます。それをさらに具体化するものといたしまして、価格につきましては、買い入れ価格なり売り渡し価格につきましてそれぞれ規定をしておるところでございますけれども、それらにつきましては、その規定の範囲内において弾力的な運用をそのときどきにしていく必要があると思いますけれども、根幹というものは先ほど申し上げたものだというふうに考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 ことしの二月に消費者米価が四・二%引き上げされたわけですね。それで、政府の方といたしましては、昭和五十一年に三省協定、つまり農林省、大蔵省、経企庁、この三つの省庁が申し合わせをやって、売買逆ざやを五ヵ年をめどにして解消する、こういう方針を立てられたわけでありますが、もし売買逆ざやというのがなくなった場合、農家の立場からするならば、どこへ売っても差し支えないというような価格になります。買う方としてもどこから買っても同じようなものだということになりますと、これは食管の根幹を守ることができるでしょうか。その点、政務次官、大蔵政務次官、次官お二人おられるのですから、お二人から先に答えていただきたいと思います。
○澤邊政府委員 逆ざやの是正につきましては、御指摘ございましたように、政府といたしましてはおおむね五年間を目途に解消するということで今日まで進めてきておるわけでございますが、去る二月一日に政府売り渡し米価を上げましたのもその線に沿った措置で進めたわけでございます。今後におきましてもその基本線に沿いましてやっていくわけでございますけれども、物価なり家計、あるいは財政事情、あるいは需給事情といったようなものを十分総合的に判断をして進めていく必要があるというように考えておるわけでございます。 御質問のございました売買逆ざやがなくなった場合に、果たして現在やっております生産調整がうまくいくか、あるいはうまくいかなくて流通が混乱をする、政府に米を売り渡しましてもやみに自由流通させましても農家の米作所得がほとんど変わらないというようなことがあって、流通が混乱するのではないか、こういう御懸念を御指摘になったと思うのでございますが、確かに、現在の過剰下におきまして運営よろしきを得ません場合にはそういうような懸念もあると思います。ただ、食管制度を守ります前提といたしましては、何をおいても米の需給の均衡を回復するということが必要になる、それが大前提になるというふうに考えております。需給の均衡を回復するというためには、生産を需要に合わせて調整をするということ、これは政府が誘導するだけではなくして、生産者みずからが主体的にそういう努力をしていただくことも必要だと思います。さらにまた、消費につきましても、ただいたずらに減退傾向に手をこまねいているだけではなしに、消費の維持なり拡大につきまして積極的な努力をする、あるいはまた、生産者団体を初めとする集荷業者がやみに流通するというものを、できるだけ正規のルートに集荷をするというような努力をいま以上にするということ、生産調整がうまくいくということのためには、政府としてやるべき諸条件の整備と他作物に対する価格なり流通その他の対策が必要になることは当然でございますが、それらの総合的な対策を講じまして、需給の均衡の回復に最大の努力をしておるところでございますので、そういう各種の努力が総合的に効果を発揮いたしますならば、逆ざやを是正したからといって御心配のようなことが不可避であるというようには考えておらないわけでございますので、そういうような総合的な努力を生産者の方にもお願いし、政府が行政としてやるべきことについては従来以上努力しておるところでございます。
○片岡政府委員 逆ざやと食管制度の問題についてはただいま長官からお答え申し上げたとおりでございますが、私は、この食管制度というものは、やはり国が買い上げ価格を保証してくれるということで生産者側に安心してつくってもらえる、と同時に、消費者側に売り渡す場合にも経済事情その他国民生活の事情を考えながら決定する、こういうことで、消費者側も安心していかなる場合にも米の買い入れができる、自分たちが買うことができる、こういう安心感を食管制度によって堅持される、こういうことが私は一番大事な問題であると存じますので、そういう意味においては食管は崩れないし、またどこまでも守っていかなければならぬ、こういうふうに私は存じておる次第であります。
○林(義)政府委員 ただいま食糧庁長官及び農林政務次官からお答えをしたところに尽きると思うのです。やはり米というものが国民の基本的な食糧である。これが非常な価格の高騰を来したり、その生産が非常に変わったりするということは、日本の国民生活を守っていく上におきまして非常な重要問題だと私は思うのです。そうした意味で、やはり政府が食糧管理制度の基本を維持しながらこの体系をずっと維持していくということは非常に大切なことだと思うのです。そうした意味で、やはり物的な意味での需給の調整というものも必要でありましょうし、またプライスの面におけるところの調整というものもやっていかなければならない。そうした意味で、財政の立場からすれば大きな赤字を依然として負担をしていくということは何としても解消していかなければならない、そういった要請があることは事実であります。事実でありますが、そこはやはり、いま申し上げましたような基本的な考え方に立っていろいろ処理をしていかなければならない問題だろうと私は思うのです。 言うまでもありませんけれども、やはり資源の最適配分ということをお互い考えるときには、プライスメカニズムに頼るというのは一つの方法だと思うのです。ところが、この食糧管理制度はそういったものを超えた一つの制度を持っていかなければならない、そういうことでございますから、そういったものを踏まえた上で最適な資源配分をするということをお互い心がけていくというのが大切なことではないか、こういうふうに考えております。
○松沢(俊)委員 お三人とも食管制度は非常に重要だから守っていかなければならない、こういうお話でありますけれども、具体的に、逆ざやが解消されたということになりまするならば、買う立場からしまするならば、何も政府から買わなくても農家から買っても同じという理屈になるんではないですか。役所の方はそういう精神訓話みたいなのをやっても、商売人が動くわけでありますから、そう簡単にうまくいくとは私は考えられない。そうなれば、崩れてしまうのではないか。じゃ、崩さないためにこうするんだというはっきりした具体的な方針があるのかどうかということですね。いまないじゃないですか。ない中でそういう方針を打ち出すということは、やはり誤りなんじゃないか。
○林(義)政府委員 私が先ほど申しましたように、やはり需給の均衡を図っていくということは、私は資源の最適配分ということ……(松沢(俊)委員「それはわかります」と呼ぶ)いいんでしょう。これはいいと思うのです。やはりそこで、自由主義経済体制の中ではいろいろな思惑とか投機とかというものがあることも事実ですね。これは抑えようと思ったところで、完全に自由になるとなかなか抑えられない。そこを抑えていくのが一つのポイントだろうと思うのですね。先ほどお話がありましたが、縁故米だとか、言うならばやみ米とか何とかというような話がありますが、これは管理制度があるからそういったものが出てくる。そうじゃなくて、値段も非常に一緒になってくる、需給も大体よくなったときには、本来ならばほっておいてもうまくいくはずだ、うまくいくはずだから、それを外してもいいんだということではならないんで、基本的な国民食糧である、それから農家を支えるところの基本問題だという形で、ここはやはり政府が介入をしていくべきであろう。そういったものが米についての食糧管理制度の基本であろうから、いまのお話で、もうそんなことになっちゃったら何も要らないじゃないかということにはならない。やはり単にプライスメカニズムで動くというだけの問題ではなくて、国の基本として、私はこの制度は維持していくべきものだろう、こういうふうに考えておるのでございます。
○松沢(俊)委員 何回聞いても同じことですけれども、そうなった場合、どういうふうにして歯どめをかけて食管の根幹というやつを守るのかという、その具体的な歯どめ策を私は聞いているわけなんです。それはまだ出ていないんじゃないですか。出ていないところで三者協定なんてやるということはおかしな話じゃないか。あなた方は一生懸命して守る守ると言っているわけだけれども、それはようわかる。どういうふうに守るんだか、そうなった場合、守りようがないじゃないか。しかし、こうすれば守られるんだという具体的なものがあるならばお示しを願いたいし、時間もありませんから、これはいますぐ答えが出ないと、こうなれば、三者で協定されたということになれば具体的な案というやつを出してもらいたい、こう思いますが、どうでしょうか。
○澤邊政府委員 逆ざや是正の場合に、現在進めております生産調整に非常な悪影響があるのではないかということのほかに、関連しますが、やみ流通が非常にふえまして流通が混乱をする、あるいはまた、逆ざや是正のやり方いかんによっては消費の減退を招くというような点から、食管制度そのものが維持できないのではないか、こういうような御懸念だと思いますが、第一の生産調整に つきましては、私どもは食管制度の運用の問題のほかに、やはり現在進めております水田利用再編対策、その円滑な実施を図るための条件整備としての基盤整備あるいは他作物の価格対策、流通対策、そういうような各般の対策を通じて、生産調整を実施して効果あらしめるということをやっていく必要があると考えておりますし、やみ流通につきましても、先ほどもちょっと申しましたように、これは食管制度を守ること自体が生産者の利益にもつながることであり、生産者自体もそういう意識を持っていただいておるわけでございますので、正規の流通ルートに集荷団体を通じて売り渡すというような努力をいま一層いま以上にやっていただく。あるいはまた、消費拡大につきましては、生産者自身が消費の拡大をみずからやる、あるいは一般国民に働きかける。そのほか、行政としても当然やるべきことも非常に多いわけでございますので、学校給食等非常に強化をしてやっておるわけでございますが、それら三点について各般の対策を講ずることによりまして需給が均衡されるならば、先ほど政務次官から種々お答えいただいておりますような食管制度の本来の目的があるわけでございますので、それらの目的を実施するに条件が整備されまして制度自体が維持できる、かように考えておるわけでございます。 したがいまして、現在、五十一年度に政府として決めました売買逆ざやをおおむね五年間という目途で是正をするという方針を直ちに改めるという考えはないわけでございます。ただ、その進め方につきましては、先ほどお答えいたしましたようなことで、そのときどきの物価なり家計あるいは需給、消費の動向あるいは財政事情といったものを総合判断して、毎年どういうふうに進めるかということを決めていくべきものだというふうに考えております。
○松沢(俊)委員 この問題はなおまだ納得いきませんで、いずれ後から理解のできるように政府の方から御答弁いただきますが、時間がありませんから次に移ります。 全体的に四百八十万トン、これを処理しなければならない、これは厳然たるところの事実なんでありますから、やっていかなければならぬわけでありますが、このようにして四十三年から四十九年までも処理をやってきたわけですね。これが二回目の処理ということになるわけであります。このようにして処理をしなければならないほどに米が過剰になるところの原因というのは、私は、農林省の方でもいろいろ責任も感じておられると思いますけれども、単にこれは農林省だけの責任というわけでもないような気が実はするわけです。 と申し上げますことは、非常に大量な外国からの農産物が入ってきているわけですね。それで、米と競合するところのものとしては、やはり麦が競合すると思います。その麦は、毎年小麦の輸入の量がふえてきているわけですね。それから、たん白源という立場から見まするならば、これはやはり動物、肉の輸入というようなことがなされるとするならば、その分、穀類の消費減退、こういう問題が起きてくると思うのです。そういうようなものを解決つけないで米が余らないようにするという方法は、いまのままではできないのじゃないか、こう思いますが、そうなりますと国際貿易上の立場になる。そうすると、貿易政策そのものをもう一度根本から検討し直さないと、過剰米を出さないようにする方法というのはないじゃないか、こう思いますが、この点は大蔵政務次官、どうでしょうか。
○林(義)政府委員 いまお話がありましたように、小麦の輸入がふえている、それが圧迫しているのじゃないか、あるいは畜産物その他のものの貿易のために圧迫を受けているのじゃないか、こういうお話でありますが、私は思いますのに、貿易というのは原則として海外取引は自由だ、こういうふうなことでございますし、一つには国民がそれを要求するからということだろうと思うのです。国民生活の向上に伴いまして生活様式が変わってまいりますし、また食生活の面でも変わってくる。これは生活向上ということで一つには望ましいことだろうと私は思うのです。そうした状況に応じまして、いろいろな形のものが入ってきたり、また出ていったり、あるいは消費が減退したりするというようなことは多少あるので、そういった動向を踏まえながら農業政策というようなものも考えていかなければならない、また貿易政策というものも考えていかなければならないのだろうと思うのです。したがいまして、貿易をやっているからそれによってというような議論にはどうもならないのではないか。むしろ、貿易の問題というのは国民生活の上に立っていろいろと考えていかなければならない問題ではないかと考えるのです。何か反論するようで恐縮なんでございますけれども、どうも松沢先生のお話を聞いておりますと、貿易をやっているからどうだというようなことですが、貿易というのは単に米の問題だけを考えてやっているわけではないので、国民生活の問題を考えてやらなければならない、こういうふうな問題だと思いますし、あとその結果をどう調整していくかというのをこれからいろいろな点で考えていくのがむしろ筋道ではないかと私は思っております。
○松沢(俊)委員 これは通産省の方から資料をもらったわけでありますけれども、輸出の方を見ますと、機械機器の輸出というのが六四・一%、それから鉄鋼が一二・一%ということで、要するにこれで日本の輸出品目の大部分を占める、こういう状態になっているわけです。こういうことは日本の経済が発展しているのであって好ましいと思いますけれども、そういうふうにして、言われるようにどんどんと集中豪雨的な輸出をやるということになれば貿易のバランスが崩れてくる、崩れてくるために物も買わなければならない、こういうことになるわけですね。買うところの品物が最も国際競争力の弱い農産物ということになれば、これは日本の農業は立ち行かないということになるのじゃないか。この辺を改めなければとても日本の農業を守っていくわけにいかないのじゃないかと思うのです。そういう意味で、もっと検討し直さなければならぬじゃないか、こう指摘しているわけですが、どうでしょうか。
○林(義)政府委員 いま機械類が六四%云々、こういうお話であります。私は実はもっと上がっているのじゃないかと思っておるのです。いまでは七五%から八〇%ぐらいまでは重化学工業製品という形になっているのだろうと思うのです。日本は資源がないから、そういった形でいろいろなものを海外から原料を買ってそれを加工して出すということをやらないと、日本の国民生活は持たない。これは松沢先生もいまお話しになったとおりでございます。そこでそのかわりに弱いものを買うことになるということでもないだろうと思うのです。日本として必要なものは、日本人の生活として必要なものはそれぞれが求めて買って、形としてそういうことになっているということでございますし、その必要なものを買うときにはやはり国内産業の保護という問題があります。 〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕 特に農業につきましてのいろいろな問題がたくさんありますから、その保護政策というのは、国際的に認められる範囲において、話し合いができれば当然やってもいい話だろうと私は思いますし、国際的な情勢の中でこの問題は解決していくというのが筋だろうと思うのです。 ただ、いまお話がありましたとおり、集中豪雨というのは問題があります。集中豪雨というのはまさにざあっと降るわけですから、一遍に二〇%も三〇%も上がるというようなことになりますと、これはむしろ相手国に対して悪影響があるだろう。そういったことはやはり慎むべきだろう。オーダリーマーケティングなどという言葉がありますけれども、この言葉がいいかどうか私もちょっと疑問に思いますが、そういったことはやめて国際的な協調のもとで、世界経済の中で日本はやっていかなければならない、そういうふうに私は考えております。
○松沢(俊)委員 いま農林省の方で、米の生産調整というのは、生産調整をやって豆だとか麦だとかえさだとかそういう日本で不足しているものへ転換させてバランスをとっていこう、こういう方針だと私は思うのです。そこで、大豆だとか小麦だとかいうのは自給率が非常に低いわけですね。それを、農林省だけでなしに政府の全体的な省庁で御相談されて、輸入の量というのを年次別に減らして、最終的にはどこのところまで自給をするのだ、こういう申し合わせというようなものがはっきりあるとすれば、それは確かに米が余るから余る分は減らして水田の再編をやっていこう、こういうことも理解できるわけです。しかし、そういうことはなされていないのじゃないですか。それで、必要であるから買うのだ。たとえば日米の農畜産物交渉等を見ましても、ホテル用の牛肉というのは最初一千トンであった。これが三千トン。それから八三年までには一万四千トン。これは必要であるから買っているのではなしに、まさに押しつけられたという感が実はするわけなんです。それから、それに伴って大蔵省の方でも関税の引き下げをやるという方針も決められたわけですね。そういうことになりますと、日米の関係ですらこういう問題がありますから、その他各国との交渉が順次進められていくわけでありますから、これはどんどん入ってくるということになれば、必要なものが入ってくるのじゃなしに、日本の輸出というものとのバランスの関係でそれが行われるということになるわけだから、押しつけられるような形になるわけです。そういうことに歯どめをかけなかったら、日本の農業というのはどんどんと崩壊していく、こういうことになるのじゃないですか、どうですか。
○林(義)政府委員 具体的な品目の話につきましては農林当局の方から御答弁いただくことにいたしまして、私から基本的な考え方について、もう一遍御答弁をさしていただきます。 基本的には、先ほど申しましたように、やはり必要なものを買うということだろうと思うのです。しかし、買うのは政府が買う、麦など政府が買っておりますが、一般的には民間の方がどれだけ需要をするかということで決まるわけでございまして、そこの調整を図っていくときに、消費者の方は買いたい、ところが生産者の方は困るというところで、保護主義というか、国内産業の保護というものとの調整が私はあるのだろうと思うのです。その場合に、いまお話がありましたように、関税であるとか輸入割り当てであるとかいう制度と同時に、やはり国内産業の保護育成というのは、それだけでやるわけじゃありませんから、いろんな転作奨励金であるとか、いろんな形での援助を農業政策の立場において実施していって、国内の生産者も十分にやれるような形にしていくということも考えていかなければならない、こういうふうに考えておるのです。 したがいまして、もう一つ申し上げますならば、そういったことをやっているのはなぜやっているのだ。それはやはり日本の輸出をどうだという話でありますが、二国間の話では、二国間で貿易のバランスをとるということは私はあり得ないと思うのです。また、これは国際的なルールの上におきましても、二国間でバランスをとらなければならないというルールはないので、日本の全体の国際収支、またアメリカでならばアメリカの国際収支、諸外国それぞれの国の国際収支、トータルでその国の世界に向かってのバランスを考えていくべき話でありまして、国々でバランスをとるということになりますと、私は、いまの世界貿易の発展というのはないのだろう。むしろ、一国に対しては黒字であっても、他の国に対しては赤字であるとか、そういった形のトータルな自由貿易世界というものこそがこれからの発展を約束していくのだろう、こういうふうに考えております。 あと農林省の方から具体的な話をさせます。
○澤邊政府委員 麦とか大豆等につきまして、長期的な目標を持って政府が総合的に生産なり貿易政策を進めるべきでないか、こういうお尋ねでございますが、政府といたしましては、現在麦とか大豆とかいう重要農産物につきましては、米はもちろんでございますが、長期見通しというものを農業基本法に基づきましてつくっているわけでございます。これは、計画といいますよりは、見通しという言葉がございますように、自由経済体制のもとにおきましては、ガイドポストとしての性格にとどまるものではございますけれども、政策のめどとしてもそのような見通しを立てておるわけでございます。 それによりますと、小麦につきましては、現在四%前後の自給率でございますが、九%ぐらいまでにしたい。あるいは大豆につきましては、現在三%程度の自給率になっておりますけれども、それを同じく九%ぐらいまでの自給率に向上させたいというようなことで、いろいろな対策を進めておるわけでございます。 貿易調整の問題は、先ほど林政務次官からお答えございましたけれども、私ども具体的にやっておりますのは、生産対策といたしましては、畑作を含め、特に最近は稲作からの転換の重点作物といたしまして、麦類、大豆につきましては、飼料作物と並んで最も手厚い援助措置を講じておるところでございますし、また、価格対策につきましても、大豆につきましては不足払い制度、小麦につきましては食管法によりますいわゆる間接統制によりまして価格支持をやっておるわけでございます。これらによりまして、最近やや生産が、わずかでございますけれども上向きに向かいつつございますので、このような傾向をさらに今後一層伸ばしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 皆結構な答弁をやっておられるわけでありますけれども、問題はこういうことですよ。水田利用再編対策という仕事が始まって、これは二年目になるわけですね。いま長官の方からも話がありましたように、麦だとか豆だとかというのは目標を九%ぐらいに置いてやっていっているのだ。これもわかります。わかりますが、しかし、一面、入ってくるところの量というのを、三%から九%にするということになれば、その差は六%あるわけですから、六%というその輸入というものは削減する、こういう政府の何か協定ですか、そんなようなものを、通産関係だとか、まあ大蔵省も入ってでもいいでしょう、そういうことで、輸入してくるものの量というものは日本では九%ですね、三%から九%に上がるわけだから。その分は漸次削減していって、九%になったときにおいては、輸入してくるところの麦だとか大豆だとかというものも九%減らす。こういう歯どめというものがなかったならば、せっかく農林省の方で九%にはふやしたとしても、その分というのが今度米にかわって麦が過剰になったり豆が過剰になるということの可能性というのは出てくるのじゃないですか。だから、その辺どうも農林省は農林省のこと、あるいは通産は通産で、大蔵は大蔵で、ばらばらにお話しになっても、しょうがない話なんであって、一体そういうふうにして農林省の方で九%にふやすのだ、こう言っているなら、九%減らすのだ、その話し合いというのはどこでやったんだ、こういうことをはっきりしてもらわなければ、豆が余ったり麦が余るという結果になるのじゃないですか。
○澤邊政府委員 いまの食糧の自給対策は、やはり消費者の嗜好といいますか、需要のおもむくところを直接抑えつけるというようなことは望ましくないというように考えておりますので、輸入を、小麦等につきましては政府が一元輸入しておるわけですから、これを押さえ込めば麦の消費が減ってくるということになれば、結果として、あるいは自給率は、国内生産が変わらなければ、上がるということにもなるわけでございますけれども、やはりそのような対策は、現在の経済社会情勢のもとにおいて好ましくないということで、あくまでも、九%というのは六十年でございますけれども、六十年という先のガイドポストとして、生産者にもそれを頭に置いて生産に努力をしていただく。政策も誘導策を通じて、直接的な輸入規制だとかそういうことではなしに、生産対策なりあるいは価格対策というものを通じた誘導策として、それにできるだけ近づけていくという意味で目標見通しをつくっておるわけでございます。したがいまして、毎年そのときどきの動きを見ますれば、あるいはその線に乗っておらなくてやや下回るとかいうようなこともありますれば、それは、いま言いましたような各般の誘導施策が不十分であるということで、それを強化をするための過去の対策をもう一遍見直していくというような過程を経て、九%なら九%という自給率の目標に進めていくというような考え方でやっておるわけでございます。 余り国内生産がふえ過ぎれば過剰になるではないかという点につきましては、私どもは、直接的な規制ではなくして、結果として自給率が向上するようにということで考えておりますので、国内生産が順調に伸びていきますれば、輸入は必要がないということでおのずから減ってくるということで、調和がとれていくということを目指しておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 ここに農産物の、要するに各国の価格の比較というのを出してもらったわけでありますけれども、たとえば小麦ですが、日本を一〇〇とした場合、イギリスは三王、アメリカは二五・三だというのです。大麦にいたしましても、イギリスが三三・六で、アメリカ二五。大豆はアメリカ四三・五。また、肉なんかにいたしましても、牛肉がアメリカ二九・六ですね。 こういうぐあいに見ますと、日本の農産物というのは、世界各国と比較しますと大変高い、こういうことになるわけですね。これは、いろいろな社会環境だとか規模だとか、そういうようなことで左右されていると思いますのでやむを得ないと私は思っているのです。しかし、この値段を基本にして日本に麦だとか大豆だとかというのが上陸してくるわけですから、それは長官も言われるように、自由経済社会なんでありますから調整ということはなかなかできないんだと、こう言われますけれども、日本ではうんと高いものを生産するわけです。アメリカその他の外国からうんと安いものが入ってくるということになれば、それじゃ、日本の市場において勝負してどっちが勝つかということになると、これは外国の農産物が勝つに決まっているのじゃないですか。 だから、こういう日本の農業の脆弱性というものを考えた場合におきましては、やはり何かどこかで歯どめをしていかなければ、生産調整をやったとしても、転作をやった作目そのものがまた余り出してくる、こういうことになると私は思うのですよ。現にミカンが一つの例じゃないですか。米が余るからミカンをつくった方がいいじゃないかということで温州ミカンなんというのをどんどんつくっていったわけでしょう。今度どんどん柑橘類が入ってくる、こうなったら、いま大変な騒ぎになっているのじゃないですか。この二の舞を何回も何回も繰り返す必要はないのじゃないかと思うのです。そのためには、やはりどこかで、農林省だけで私はこうしますよと言って澤邊さんが幾らがんばっても、そんなことをやったところでどうにもならぬわけなんでありまして、これは農林省の責任というよりも、むしろ、貿易を担当しておられるところの省庁や、あるいはまた財政を担当しておられるところの大蔵省あたりが積極的に何かを考え出してもらわなければ、せっかくの、いまお話ございましたように、転作奨励金も出してやっているんだよ、こう言われるわけでありますが、それすらむだになってしまうじゃないか、その点はどうなるのかということを聞くのですよ。
○林(義)政府委員 いまお話のありました数字、大体の感じは私もそんなことだろうと思う。数字を持っておりませんからあれですが、感じとして申し上げるとそういうことですが、これは、いまアメリカとイギリスの例を出されましたけれども、ヨーロッパ諸国は、これはまたちょっと違うのですね。フランスなり西ドイツなりというのはまたそれぞれ違ってきます。それぞれの国が各国のそれぞれの農業政策をやっておるわけでありますから、やはりそこでいろいろ考えていかなければならない。 たとえば肉の例をとりますと、いまのお話で言いますと、日本の肉を一〇〇にしてアメリカが二九・六ですから、三割くらいの値段で安いので、安いものがじゃんじゃん入ってくればということでございますから、肉については有名な交渉までして、国内の農家の保護をまたやっていかなければならぬ。また、国内の農家の保護というのは、私から言うまでもありませんけれども、日本人というのは肉というのを昔は余り食わなかったわけですから、これが最近の食生活の変化によって急激に出てきた。これからやはり相当に肉牛生産をやっていかなければならないなどということもあるのです。そうしたようなことを考えましてやっていくときに、すぐに直接的な統制手段に訴えるということでなくて、いろいろな価格支持政策であるとか、その他いろいろな制度、いろいろな農業基盤の整備であるとか牧草の開発事業であるとか、いろいろなことをやってやっていくのが筋だろうと思う。もうとにかく絶対に何をしてでもぴしゃっとやってしまうということになりますと、またそちらの方の統制によるところの弊害というものも出てくることを考えまして、その辺を勘案しながらこれから進めていくのが必要なことではないだろうか。決してもう全部自由にして日本の肉牛をなくしてしまえとかなんとかということを私ども考えているわけでもありませんし、農家の方々は一生懸命やっていられるし、また、日本にそういった農業がなければならないということも、またそうした意味で日本の国内である程度の自給率を高めていくということも必要なことでございますから、そういった形で、いろいろな手段を考えながらやっていこうというのが現在の政府の立場である、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○松沢(俊)委員 いろいろなことをやるということは実に抽象的であって、具体的に四百八十万トンの米を処理しなければならない、そのことによって九千億円の金を七ヵ年で何とか補てんしてやらなければならぬじゃないか、こういうことであります。これは、防衛費なんかと比較いたしますとそんなに高いものではないと私は思っておりますけれども、しかし、それにしても、できる限りむだのないような方法というのをお互い考えていかなければならないのじゃないか。そのためには、せっかくこういうふうにして皆して努力をして手当てをやるわけでありますから、何回も何回も同じ手当てを出さなくてもいいようにやっていかなければならない、こういうことですね。 それから、生産調整にしたところで、見通しのない生産調整は奨励金のむだ遣いということになるわけです。やっぱり効果があるような奨励金にしてもらわなければならない。 そういうことになりますと、やはり農産物そのものというのは外国と比較した場合においては日本のものは高いです、間違いなく。だから、高いものと安いものが競争すれば、安いものが勝って高いものが負けるに決まっているんで、じゃ競争さしていって、これは自由社会だからやむを得ないじゃないかということになるとするならば、農業というものはつぶれる以外に方法はない。しかし、大平さんも言っておられますように、防衛というのは単に軍事力の問題だけではないじゃないか、やはりいろいろな面から考えていかなければならない。そういう意味からいっても、食糧というものも大変重要な問題であるわけですから、したがって、この前も防衛庁の分析結果を見せてもらったのですが、本当に石油だとかあるいはまた遠洋漁業だとか食糧輸入だとかいうようなものが悪化すると、大変な事態になってくる。こういうことは防衛庁も警告をしているわけですね。そうすると、弱いのはつぶれる以外にしょうがないじゃないかということには私はやっぱりならぬと思うのです。何とかして日本民族が永遠に安全であるような施策というものを立てていかなければならない。そうすると、やはりいま四百八十万トンの議論をやっているということになれば、具体的に、農林省はこういう努力をしている、そうだとするならば、これは通産省なり財政を担当するところの大蔵省なり、それだけではありません、政府の各省庁とも、日本農業を守るために輸入の問題についてはこういうぐあいにやって守ってくれるんだという具体的なものを出してもらわぬとだめなんじゃないかと思うのですよ。林さんのお話しされる万般にわたって手を打っておられることはわかりますけれども、しかし、いままでいつでも同じことが言われてきましたけれども、ここまで来ているわけなんですからね。この辺でやはり何とか関係省庁相談し合って、そして一つの結論を出してもらいたい。たとえば、売買逆ざやの解消ということになれば三省で集まってやるのでしょう。しかし、この問題に関する限りにおいてはやれないというところにいびつというやつがあるわけです。この点はどうお考えになるかということです。
○林(義)政府委員 松沢さんから大変いいお話を聞かしていただいたと私も思っております。やはり食糧というのは国の宝というか、国民生活の防衛のためにはぜひこれはやらなくちゃならぬ。私は全く同感なんですね。食糧だけでない、国民生活を維持していますところのエネルギーの問題等につきましても私は同じようなことを考えているのです。防衛費と同じようにやはり考えていくということは一つの考え方だと思うのです。 ただ、そのときに、どこまでやるのがいいのだろうかというお話がありましたが、やはりむだ遣いをしないようにする、それから効率的に使っていくということはやはり財政の一つの基本原則でしょうから、そういった意味でやっていこう。そうすると、売買逆ざやを本当はすぐなくしたらよろしいという話なんでしょうけれども、五年間かけてゆっくりその間に調整をしていきましょう、いろいろな形の話もその間に詰めていきましょう、こういうことでございます。 御指摘のありました、やはり総合的な国策を見直さなくちゃならない、私もそう思っているのです。いろいろな点でとかく枝葉末節の問題だけをとらまえてやるという傾向が非常に出てきているのじゃないか。いろいろな点におきまして、非常に技術的な各論はあるが、総論に当たる部分が余りかっちりしていない、どうもこういうふうなことがありますし、お互い国会議員として、やはり総論をやるのは国会議員でなければならないだろうと私は思いますので、大いにこの辺で議論を高めていただくことを私も心から期待しております。
○松沢(俊)委員 時間が来ておりますので、こういう議論を繰り返してもしょうがございませんけれども、しかし、これは農林省だけに——本当は農林省は言ってみれば被害者だと思うのですよ。そっちの方は全部野放しにやっているから、結果として余る米というものが出てくるわけだから、そこを歯どめをしてもらえば農林省だってやりやすいということになるわけですから、これはやはり、次官も農業問題には詳しいわけですから、財政の立場からしてもぜひ考えてもらわなければならない、こう思っております。 それから、ついでですから米の消費拡大の問題をちょっと聞きますけれども、ことし学校給食で、初めてやるのは七〇%、いままでやっておるのは六〇%という大英断を、値引きをやられたわけですね。これはそれなりに評価していいと思います。しかし、問題は、やはり大口消費者というのは酒造界だと思うのですよ。これは大蔵省の担当ということになるわけでありますが、税金を取るだけが能ではないのでありまして、やはり消費の拡大にも協力してもらわなければならない。これをいろいろ調べてみますと、昭和十八年以前は清酒というのはアルコール添加をしないということになっておったわけですけれども、それがその後規則の改正をやりまして、アルコール添加、こういう状態でずっと推移してきておるわけなんです。私たち計算してみますと、要するにこれを本当の酒にすれば相当の消費の拡大になるじゃないかと日ごろ主張しておるわけであります。しかし、これについては酒税法の三条を変えない限りにおいてはどうにもならぬわけであります。大蔵次官、これは農林省にだけ責任をとらせることでなしに、米の消費拡大の面においても大蔵省としても本当に積極的な御協力を賜らなければならぬじゃないか、そのためには大口需要者であるところの酒関係の問題、この英断もまた必要だ、こう思いますが、どうでしょうか。
○林(義)政府委員 松沢さん、かつて一緒に農林水産委員会で議論しておりましたそのときにも、アルコールの添加をやめて一〇〇%米のなににやったらどうだというような御議論がずいぶんありましたことは、私も承知しております。確かに戦前はそういうことでございましたが、やはり酒を飲むのは一般消費者でありまして、これを飲めと言うわけにはなかなかいかないだろうと思うのです。やはり消費者の動向というのもひとつ考えていかなければなりませんのと、それから、戦前はお酒屋さんといいますと、地方でいうと大変に資産家であるというようなことになっておったわけですね。いまはなかなかそうはいかない。酒をつくってもなかなか大変だという中小企業経営のむずかしいところがある。そういったようなところでやっておりまして、新しい設備投資も必要でありましょうし、また、米にすれば現実問題としてはコストが上がるというような話もございますので、そういった点を含めていろいろと考えていかなければならない。私もおっしゃるお気持ちは非常によくわかるのです。一緒にいままで議論をしておりましてお気持ちはよくわかりますが、この辺につきましてはやはり漸進的に進めていくべきものではないかと思うのです。いろいろな数字等は担当の方から御説明いたします。 最後に私、申し上げておきますけれども、国税庁の醸造試験所というのがございます。ここでもいろいろと酵母の研究であるとか、やはり新製品をつくってやらなければ一般消費者というのはなかなか飛びついてくれないのだろうと思うのです。酒の消費というものが余りふえていないというところの原因を解決するためには、新しいものをつくっていくとか、いいものを安くつくっていくとかという努力をしていかなければいけない。いろいろな点をこれから考えてやるべきものだろうと私は思っております。
○松沢(俊)委員 これで終わりますけれども、酒の問題につきましては、価格の問題もあります。ありますけれども、しかし、それは大幅な値引きをやるとか、そういうことも考えられるわけなんでありますから、そうすれば、値引きをやってくれるという方法等も、これはやればやれるわけですね。それから味の面がどうとかということになりますけれども、その面においても、いまの科学技術も十分進んでいるわけですから、それはできると思うのです。これはぜひ大蔵省の方で考えてもらいたいということであります。 それから、全体的にはいま農業に対しますところの攻撃というのが非常にかかってきておりますね。一部の労働組合でももうすでに声が上がっておりまして、外国から安い農産物を買った方がいいではないかというような声も実は聞いているわけなんであります。しかし、さっきの議論からいたしまして、それは将来的に考えた場合、やはり日本の農業をつぶしてしまうというわけにいかぬわけなんですから、これは守らなければならない、こういうことであります。 もう一つはやはり雇用問題。大変不安な状態になっていることは御存じのとおりであります。 〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕 そういう雇用を確保するというのは、単に会社に人を使えということだけでなしに、やはり農業、農村というものが再建されれば一いま農家から通勤している労働者は大体七百万人ぐらいいるのではないですか。それが再建されるということになれば、要するに相当な量が農業に吸収される、こういうことになるわけでありますから、その点もやはり十分考えていただかなければいかぬ時期に来ているのではないか、こう思いますので、それらの雇用と農業の問題等につきまして、御意見がございましたらお伺いいたしまして、終わりたいと思います。
○林(義)政府委員 松沢さんからのお話の中で、値引きをという話がございました。確かに一つの方法として考えられますが、検討してみますけれども、考えていかなければならないのは、一般の食べる米より、酒飲んで——私ら酒好きですからその方がいいのでしょうけれども、酒の米を一般の食べる米より余り安くするというのは、一般の家庭の主婦あたりからどういうふうに思われるだろうかということもひとつ考えていかなければならない問題だろう。だからといって私はどうだということではありませんが、その点もひとつ考えていかなければならない問題だろうと思うのです。 それから雇用の問題。確かにこの国会でもそうでありますし、これから日本は雇用問題というのは一つの大きな問題だと思うのです。インフレーションと雇用というのは、財政の赤字の問題と並ぶ、あるいはそれよりも上なのかもしれませんけれども、私は大変な問題だと思うのです。そうした問題は考えていかなければならない時期に来ておりますが、農業もいろいろな形で生産形態を変え、そうしてまた所得をふやしていくというような一つの魅力のある産業に育てていくことがお互いの責任だろうと私は思います。そうした意味で、古い、単純にだめだだめだということでなくて、そういった魅力のある産業に育てていくということが一番大切なことだと思うし、また、当面の雇用対策としてもいろいろなことを私は考えていく余地は十分にあるのではないか、一層さらに検討させていただくことをお約束しまして答弁といたします。
○片岡政府委員 雇用問題と農村との関係の問題でございますが、都市における失業問題が非常に重要な段階になりまして、それを何とか農村で雇用創出を考える、またそういう方へ行ってもらいたい。われわれ農村のことをやっておる者といたしましては、かつてだんだん農村を離れて都会へ行った、ところがいまやUターン現象が出たということは、われわれとしては喜ばしいことでございます。そういう意味では、農村を何とか若い人たちが戻ってきやすいような明朗でそして非常に豊かな農村にしてもらう、していくということが、新しい雇用創出をやっていくためにも大事なことだと思います。また、いろいろの産業を導入するとか、あるいは非常に住みやすいものにしていく、新しいふるさとづくりと、いま総理が言っておられる田園都市といいますか、そういった田園と都市を結びつけるようなふるさとづくり、そういうようなものにわれわれは今後とも力を入れていきたい。そのことが雇用問題についての少しの足しになれば、非常に願ってもない幸いである、かように考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 それではこれで終わります。
○加藤委員長 角屋堅次郎君。
○角屋委員 きょうは大蔵委員会に出席をさせていただきまして、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について御質問をいたしたいと思います。 たまたま大蔵政務次官の林さん、農林水産委員会にも理事として席を占めておられまして、公害でも大変御協力をいただいたわけでございますが、きょうは、非常に重要な食糧問題、そして法律改正を通じて五十年から五十三年の間に生産された過剰米の処理をどうしていくのかといった問題について、少しくお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。 同僚の松沢君の質問を受けて、少し角度を変えて、若干総論的なところをまずお尋ねをいたしたいというふうに考えております。 申し上げるまでもなく、わが国の食糧政策をやる場合には、国際的な食糧の需給動向が現在及び将来にわたってどうであるかということを判断の重要な基礎にしなければならないというふうに思います。かつて一九七二年、七三年、七四年、七五年、ちょうど石油ショックをはさんで国際的に食糧の生産の大変動の時期でありました。一九七四年秋には世界食糧会議も開催されるといったようなことを想起するわけでございますが、世界の食糧需給の見通しについては、御案内のとおり、相当古い時代からFAOが権威ある一つの見通しを発表しておりますし、また、アメリカの農務省が、世界的に輸出に最も大きな比重を占めておるアメリカの立場から、世界の食糧需給の見通しというのを従来からも立てておる。OECDでもやはりそういう資料を発表しておる。同時に、わが国においても、食糧需給の見通しについて、ちょうど一九七三年、昭和四十八年に新しい手法で着手いたしまして、翌年に発表した世界食糧需給の見通しというのがございます。 そういった問題を踏まえながら、農林水産省として、今後の食糧需給の見通しというものを政策の基礎としてどういうふうに判断をしておられるのか、その辺からまずお伺いをいたしたいと思います。
○鴻巣説明員 これからの世界の食糧需給をどう見るかというお話でございますが、世界の食糧需給、いまお話しのように小麦の年度末の在庫を見ますと、若干ずつふえてくる傾向がありまして、当面緩和していると見られますが、御承知のとおり、食糧生産は自然条件に左右されますし、二つ目には、先進国を中心といたします畜産物の消費がふえておりまして、それに伴いましてえさ用の穀物の需要の増大が見られます。第三に、発展途上国で人口がふえておりまして、それから所得の向上ということも続いております。そういうことからくる需要の増加が見通されますので、基調といたしましては不安定に推移し、長期的に見れば楽観を許さないものと考えております。
○角屋委員 いま答弁でも出ておりましたように、世界の食糧需給の見通しを立てるに当たっては、まず重要な要因として、世界人口の増加がどうなっていくか。国連の推計値にFAOの予測値で修正をしながら農林水産省が一九七四年に予測を立てたときには、一九八〇年には世界人口は四十四億七千万、一九八五年には五十億といったような予測で、五年間に大体五億三千万といったようなスピードで人口が増加をする、そういうことを前提にして食糧需給の見通しをしたわけでありますが、これが重要な一つのファクターとなる。 同時に、いまもお話がありましたように、発展途上国、この人口の増加、生産拡大のテンポ、その格差、古くから言われます発展途上国の緑の革命といわれるものがどういう状態で進んできておるのか、それを将来にわたってどう見るか。それにアメリカの潜在生産力というものをどう評価をしていくか。御案内のとおり、アメリカの場合には、世界的な需給が小麦等でも緩めば、最近でもそうでありますが、直ちに二割の生産調整をいま実施中であるといったような問題もあるわけでありますし、それに加えてソ連とか東欧諸国とか中国の場合には、自然的に制約を受けたりして凶作になったりしますと小麦の大量買い付けといったようなものをやることによって、シカゴの小麦相場というものが暴騰するという経験も御案内のとおりあるわけであります。 同時に、国際的にも、また日本の場合にも、世界の気象と食糧生産という相関関係をどう考えていくのかといったようなことが最近国際会議等でも新たなテーマとして検討され始めておる。農林省も一九七三年−七四年にかけてのときにこの問題を検討したことが御承知のようにあるわけでございます。 それに加えて、各国の農業政策あるいは貿易政策というものは長期見通しの場合にどういうふうに判断をしていったらいいのかということでございまして、このFAOの予測にいたしましても、アメリカ農務省の予測にいたしましても、OECDの予測にいたしましても、わが国の予測の場合も一九八〇年予測、一九八五年予測といったようなことをやってまいりましたが、総じて言えば、いま御答弁のあったように、いわゆる不安定の基調というものを予測しながら、それを前提にしてわが国の食糧政策をどうするかということを考えなければならぬという状況であろうかと思うのであります。 そこできょうは、米の問題が一つの討議する焦点でもございますので、国際的な米の生産あるいは輸出入の関係等について若干御説明を願いたいと思います。
○澤邊政府委員 米の生産量でございますが、昨年一九七八年でございますが、大体三億七千万トン強という数字が統計として、これはFAOの数字でございますが、この一月出されております。その中で見ますと、この三億七千万強という数字は史上最高ということでございまして、麦と並んで米につきましても、昨年は大変世界的に生産がふえたという状態でございます。 その中で米の貿易量というのは、小麦と違いまして生産量の中で非常に小さいわけでございまして、大体二%前後しか貿易量として回されておらなくて、あとは国内で消費されるというのが大部分で、生産地は御承知のように東南アジアが主でございます。 ただ、輸出国は、東南アジアのタイあるいはビルマ等と並びまして、アメリカ、それから中国がかなりの輸出国になっておりまして、年によって変動がございますけれども、昨年一九七八年は八百九十万トン、約九百万トンでございます。これは一千万トンの台に乗ったことはございません。そのような貿易量であるわけでございます。 輸入国は東南アジアが主でございます。これまで比較的輸入の多かったのは、恒常的輸入国といたしまして最大なのはインドネシアでございます。これは百五十万トンなりあるいは二百万トン程度毎年輸入をいたしておるわけでございます。その他、かつては韓国あるいはパキスタン、フィリピン等も輸入国があったわけでございますが、最近国内生産がかなり順調に伸びてまいりまして、韓国、フィリピンは昨年は一部輸出をするというようなところまで来ております。もちろん年による変動が今後も予想されますので、いつも輸出国であるということは期待できない面がございますが、昨年は非常に順調であったわけでございます。 なお、インドシナ半島におきましては、特にベトナムにおきまして、昨年の夏ごろ大水害がございまして、約二百万トンぐらい不足が生ずるというような話が部分的には出ておるわけでございます。そういうように国際需給は、昨年に関します限りかなり緩和をいたしておるわけでございます。 そういう中で、今後どのような米の政策を続けていくかということになりますけれども、やはり当面緩和しておりますものの、東南アジアを中心といたします米作地帯はかなり生産が不安定でございますので、干ばつだとか水害等によりましてかなり減ることがございますし、品質的に言いましても、日本の品種とは違うものが大部分でございます。そういう点を考えました場合、米につきましては完全自給ということで進めるべきではないか。ただ、現状におきましては過剰でございますので、まず需要に合わせた生産の調整をして、一〇〇%自給で進めていくというような考えをとっておるわけでございます。
○角屋委員 世界の米の生産あるいは貿易の状況についてはいま大綱御説明になったとおりでありまして、一九七八年の三億七千万トン強、これはそれまでの生産の中では最大という数字になっておるわけでありますが、生産の国の順序で言えば、中国、インド、インドネシア、バングラデシュ、日本、タイといったような順序でアメリカ、韓国、ビルマ等もそれに続くわけでございます。 いまもお話しのように、輸出入の関係は、大体八百万トン台の相互取引という状況でありまして、したがってわが国の立場から言えば、いま食糧庁長官がお話しになりましたように、また、日本の自然条件、あるいは耕地の立地条件、あるいは従来の歴史的な食生活との関連といったような点から見ても、米については一〇〇%自給を基本にしてやらなければならぬということは当然のことだろうというふうに思うわけです。 先ほど松沢君の質疑の中にも出ておりましたが、米と関連する小麦の問題というのが御質疑でも出ておって、農業団体等では、強く米の生産調整を言うということであるならば小麦等の輸入というものについては計画的に減らすべきじゃないか、そういうことに対する林大蔵政務次官の方からも答弁がありました。 私ここでさらにそのことを議論しようとは思いませんけれども、引き続き、小麦についての生産あるいは輸出入の関係について簡潔にひとつ御説明を願いたい。
○澤邊政府委員 小麦の生産なり需給事情でございますが、最近はおおむね四億トン前後で推移しておるわけでございますが、一九七八年は四億三千六百万トンという数字が出ておるわけでございます。その中で数量的に一番多いのはソ連でございまして一億二千万トン、それに続いてEC、それからアメリカ、カナダというようなところが主要な生産国、中国も四千四百万トンということで、かなり大きな数字になっております。 貿易量は、米と違いまして一九七八年で申し上げますと生産量の一七%ぐらいになります七千万トンという数字になっております。一七%でございますので、総生産量の中で貿易量はかなり大きい。 その中で主要な輸出国ということになりますと、アメリカ、カナダ、オーストラリア、それからEC、アルゼンチンというようなところでございまして、大体毎年そういう諸国が主要な輸出国になっておるわけでございます。 輸入国といたしましては、EC、ソ連、中国、日本でございますけれども、日本は世界で最も安定した輸入国でございますが、先ほど先生御指摘ございましたように、ソ連とか中国等は気象条件による国内生産の振れが非常に大きいものですから、輸入量も年によってかなり大きく変動いたしまして、これが撹乱要因になりまして、世界の穀物価格、特に小麦価格の変動を大きくしておるという面が見られるわけでございます。 わが国といたしましては、米と麦を合わせました食用穀物のうち小麦はほとんどが輸入でございますので、海外依存率は大体三割ちょっと切った程度になっておるわけでございますが、これは主要国の中では非常に低い方で、その意味では食用穀物の供給基盤は主要国の中では脆弱の方に属するんじゃないかというふうに思います。したがいまして、もう少し基幹的な食糧でございます主要食用穀物につきましては、米の完全自給のほか、小麦等につきましても生産をふやしたいということで、先ほどもお答えいたしましたように、六十年見通しでは九%まで小麦生産を持っていきたい、こういうようなことでやっておるわけでございますが、いずれにいたしましてもなお不足する部分が小麦につきましては多いわけでございますので、その部分につきましては安定的な輸入に努力をする、こういう方針で進めておるわけでございます。
○角屋委員 わが国の食糧として一番基軸をなします米、あるいは輸入との関連で非常に大きな比重を占めます小麦の世界的な生産あるいは輸出入の大体の概況についてはいまお話しのとおりでありますが、特に小麦については御答弁にもありましたように、輸入国というのがEC、ソ連、日本、中国、インドといった中で、先進国がやはり相当大量に小麦の買い付けをやる。しかもその中で、ソ連とか中国の場合には、いろいろな生産の状況から緊急の大量の買い付けをやるといったようなことで、国際的な価格に影響が大きく出てくるというのは従来の例にも出ておるわけでありまして、そういうことも踏まえながら、いわゆるわが国の主食と言われる米、それと関連する小麦、麦類といったものの生産政策というものをどうしていくかということを考えていかなければならぬだろうと思います。 そこで、先ほども触れましたように、農業生産を考える場合に、気象との関連というのが最近非常に注目をされてきておるわけでありますが、農林水産省としては、これからはやはり気象庁等とも十分連携をとりながら、こういった問題の解析を進めていく。ずっと古い時代からの気象庁の統計もあるわけですから、ことしの場合は従来のどの年次のパターンと気象のパターンとしては同じか、そのときの米の生産は一体どういう状況であったのかといったようなことも一たとえば、去年から十年間の目途で生産調整をやっていく、これは農業団体、農民の諸君が積極的に取り組むにせよ、やむを得ずと言って取り組むにせよ、やらざるを得ない現状にあると私は思うのです。だとするならば、去年のように三十九万一千ヘクタールをオーバーして努力したんだけれども、豊作ということもあったけれども、とにかく目標の必要量よりもはるかに上回る生産が出てきたといったようなことに相なるわけでありまして、天候については出たとこ勝負というわけにも必ずしもいかない、ある程度科学的な分析に基づく判断、特にことしの場合は異常気象と言われるような暖冬でありまして、きょうも新聞を見ましたら、気象庁の幹部の方が、夏場に異常渇水にならなければいいがといったようなことを言っておるのを見たりしたわけですが、いわゆる暖冬の後、夏場には冷夏型という予測。気象庁では、予算委員会等の答弁では、その確率というのは従来の統計からいけば四〇%というふうに言っておるようでありますけれども、農林水産省として、ことしの異常気象、それと農業生産との関連といったような問題についてはどういう考え方を持っているのか少しく御説明をしておいてもらいたい。
○松山政府委員 先生ただいま最近の気象というようなお話がございましたけれども、気象庁の見解によりますと、一九六〇年代の初期に始まりました日本の寒冷化現象は最近は停滞をしておる。しかし、降水量につきましては、一九六〇年代後半から急速に減少いたしまして、七〇年代に入りましても少雨傾向が続いておる。そういったことで、総じましてここ数年来続いております異常気象の多発する傾向というのは終息する兆しは見られない、なお続くものと見られる、そういった見解を出しておるわけでございます。 そこで、私どもとしましても、そういった気象の変動があるという前提に立ちまして、的確な指導をするという観点から従来もやってまいったわけでございます。 ことしの暖冬につきましては、ただいま御指摘のように北海道、沖繩を除きましては、東日本、西日本とも気象庁始まって以来の暖冬ということでございます。最近の二十年程度の気象の経過を見ますると、暖冬であった年が相当あるわけでございますけれども、暖冬であった年が夏場どういう気象になるかということでございますが、先ほど先生から気象庁の見解も御発表になりましたけれども、たとえば昭和二十九年、これは暖冬でございますが、冷害がございました。それから最近でございますと、昭和四十八年の暖冬でございますが、これはむしろ干ばつになったということで、必ずしも一定の傾向は見られないと思いますけれども、ただ一つ、従来の経緯からしまして、暖冬の年は三月下旬から五月上旬にかけましてわりと被害の大きい凍霜害が発生をしているという経緯がございます。そういうことで、ことしの暖冬は非常に気象庁始まって以来ということでもございますので、作物の生育が非常に進みまして、寒波が来ますと凍霜害にかかりやすいということがございます。それから、暖冬のために病害虫が生存率が高いというおそれもございます。それから暖冬のために積雪量が少なくて、ところによっては半分以下、そういったようなことで灌漑水が不足するようなことも考えられるわけでございますので、今後三月十日に四月から九月までの暖候期予報を気象庁が発表するということでございますので、そういうことを踏まえ、いま申し上げた点も十分踏まえまして、ことしの春夏作につきましては適切な指導をしてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○角屋委員 今後の問題として、農林水産省としても、国際的にもそうでありますし、気象と農業生産との関係という点については十分着目して、気象庁とも連携をとりながら、また国際的ないろいろなこういう方面のデータにも注目をしながら、やはり天候に支配されやすいファクターというのは農業生産の場合非常に高いということは否定できない事実でございまして、そういう点で従来以上に積極的な取り組みをひとつこの面でもお願いしておきたいと思いますが、ひとつ農林政務次官の方から御答弁をいただきたいと思います。
○片岡政府委員 いまお話しのように、ことしの気象異変というものが大変心配になるわけでございまして、それらの点につきましては、十分気象庁と連携をとりまして、時期を決めましてひとつ十分情報の交換もいたしまして、事前事前に手を打って遺憾のないようにしていきたいと考えております。
○角屋委員 次に、食管制度の問題が、財界からもそうでありますし、また一部民間の労働組合の関係等からも、政策推進労組会議の名において、これは食管問題に限りませんけれども、食糧問題全般についての意見が出されております。これは生産農民のサイドから言えば非常に厳しい意見というふうに受けとめておると思います。 一方、最近総理府で実施をいたしました食生活、食糧問題の世論調査というのは、予測したよりも非常に温かいまなざしといいますか、あるいはそういう長期展望に立った食糧問題の重要性といいますか、そういう意味の世論調査の結果が出ておる。 食管制度は、御案内のとおり、大正十年四月四日に米穀法が施行されてから、昭和八年十一月一日に米穀統制法に切りかわる。そして戦時中、昭和十七年七月一日施行で食糧管理法に切りかわる。今日一部改正を議論しております食糧管理特別会計は、米穀法施行の大正十年以来ずっと続いておるという関係になるわけですが、特に戦後の食管問題についての検討の経緯というものを考えてみますと、昭和二十六年の段階で、根本さんが農林大臣当時に主食の統制撤廃に関する措置要綱というものを閣議で決める。それに対してGHQから主食の統制撤廃に反対の意思表明がある。そこで政府米の統制撤廃の延期を十一月六日に声明せざるを得ない。そして十二月二十五日にはそのことのゆえをもって根本農林大臣辞任というのが、そもそもこういう問題を検討される戦後の始まりだったというふうに思います。 その後、食糧対策協議会、米穀懇談会、食糧関係調査会、臨時食糧管理調査会、米配給制度改善協議会、こういうふうないろいろな議論を経て、昭和三十六年七月には河野農林大臣の例の食管河野構想というものが発表されて、これまた大きな問題を提起した。それを受けて政府与党としては、三十七年一月から十二月に、松村謙三さんを座長にして米穀管理制度懇談会というようなことでいろいろ議論をして、そして、こういうふうなことが議論の焦点になったというふうなことで集約された報告が御承知のように出されておるわけであります。その後、過剰米問題、過剰米処理というような情勢の時点で、昭和四十六年七月に小倉さんが座長で第一回の米穀管理研究会というものを持たれ、これが一応の取りまとめをし、今日に来ておる。 運営上の改善そのものを見てまいりましても、昭和二十七年五月の麦の間接統制への移行というのが一つの顕著なあらわれであります。それから昭和三十三年三月には、食糧管理特別会計制度の相当程度の改正が行われる。四十四年五月には、今日運用されております政府管理米の直接のほかに自主流通米制度が滑り出す。四十六年二月には、従来やっておる予約についての買い入れ制限、予約限度制を導入する。物統令の適用廃止をやった昭和四十七年四月を含めて、やはり食管の事実上の内容について、これはさっきの松沢君の発言によれば、食管制度の根幹とは何ぞやということの議論が行われ、林大蔵政務次官、農林政務次官ともども大局的な立場から、食管制度の持つ経済的、国民生活上の重要な意味、その重要な意味というものは基本的にこれからも守っていくという答弁をされたわけでございますが、農林水産省としては、最近提起されているいろいろな問題あるいは意見、そういうものも受けとめながら、これから食管制度をどういうふうに根幹を維持して、改善していくかということについては、やはり十分検討されることが必要だというふうに私は思うのです。 制度は制度のためにあるのではなくて、やはり時代の推移に応じ、変化に応じ、それにどうすることが一番適合するかという姿勢を忘れてはならない。われわれは従来から食管制度についてはこれを堅持するという立場には立っておりますけれども、同時に、やはり最近あるいは将来にわたっての状況の推移の中で、それを的確にとらえて、改善すべき点については改善をしていくということについてあえて反対する必要はないだろうというふうに思うのです。 最近、渡辺農林水産大臣になってから、これから農林水産の問題について七つぐらいのプロジェクトに分けて総合的な検討を開始するというようなことが報道されたりしておるわけですけれども、食管問題について、これから農林水産省として、この問題の制度改善等についてどういう構えでやっていかれようとするのか、この辺のところについてひとつお答えを願っておきたいと思います。
○片岡政府委員 わが国の主要食物である米の問題について、ただいま鶴屋委員から経緯について詳しいお話がございました。 戦後一番大きな問題でございましたのはやはりこの食糧不足ということでございまして、この食糧不足からいろいろな変遷を経まして今日過剰の時代になってきた、こういうところで、大きな変容を見ることができるわけでございます。 これに応じまして、この食管制度につきましても、いままでも若干の改良といいますか見直しを加えてまいりました。たとえば自主流通米制度の導入というようなのもその一つのあらわれでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、昭和四十七、八年の石油ショックのときにおきましても、非常に国民生活が不安であったときにも、食管制度のおかげをもちまして、とにかく国民食糧の確保、国民経済の安定というこの基本的な問題については何らの不安のなかったことは、私はやはりこの食管制度がしっかり確立されておったからだと存ずるわけでございます。 このようにして重要な役割りを果たしてまいったのでございますが、時代の変遷とともに、この食管制度の運営につきまして、根幹は守っていくといたしましても、その運営についていろいろ改善しなければならぬ点が出てきたということが指摘をせられるようになりました。ことに、昨年の暮れに行われました米価審議会におきまして特にこれらの問題の指摘がございました。渡辺農林水産大臣も、これらの御意見を踏まえまして、この食管運営の適正化という問題について十分検討しようということで、目下食糧庁を中心にして検討を急いでおるところでございまして、成案を得たら米価審議会にまたお諮りして、この運営の適正化についての見直しを進めていきたい、かように思っておる次第でございます。
○角屋委員 片岡政務次官の方から米価審議会の関連を言われましたけれども、大きな問題については、基本法に基づく農政審議会もありますし、必要があれば新しくしかるべきものをつくるという方法もありましょうし、これはやはり現在、将来にわたっての農政の政策をどうするかという問題は、各政党を含めてでもありますけれども、各界の衆知を集めて、しかもその基本は、生産農民が安んじて農業で生活していける条件というものを基本にして、どうするかを考えていく必要があるだろうと思っております。 食管制度の問題と関連をして、食糧庁としては流通改善というのを四月から新規参入等も含めてやろうとプログラムを立てておられたわけでありますが、これは延期された。もちろん、こういう問題を考える場合には、今日まで食管制度の長い歴史の中で末端の配給で大きな役割りを果たしてきた米屋さんの立場というものも考え、また、都市、農村を含めたそういうものの配置、米価審議会その他では競争原理の導入ということを言っておるわけですけれども、そういうものをどの程度織り込んで、そのことによって消費拡大という面でも一助にしていくという点は考慮することが必要だろうと思うわけですが、四月から実施を考えておりました流通改善の一時延期、これは今後どういう手順でどうされるつもりなのか、少しくお答えを願っておきたいと思います。
○澤邊政府委員 昨年の春ごろからこの問題について種々検討してきたわけでございます。ねらいは、ただいま先生おっしゃいましたように、消費者サービスの向上、それから米に対する商品としての信頼感の回復を通じまして、また販売努力の促進ということによりまして、消費の拡大に少しでも役立つというようなことをねらいとしたわけでございます。十一月に業界に対しましてわが方の素案をお示しをして、または議題として議論していただくということで出したわけでございますが、これに対しましては業界からは種々御意見がございまして、既存の流通秩序を変えるわけでございますので、積極的に対応したい、この際やりたいという意見もございますけれども、どちらかと言えば、現状のままの方が安定しておっていいというような角度からの御議論もあったわけでございます。 そこで、さらに詰めて、四月から部分的に実施に入りたいということでやったわけでございますが、先ほど政務次官からお答えいたしましたように、昨年の売り渡し米価米審におきまして、逆ざや是正との関連から、米の流通に対する種々の影響が出てくる点について食管の運営問題全般にまで及んで早急に検討すべきであるという御答申が出ましたので、さらに広い角度から運営問題全体について検討を開始しておるわけでございます。 したがいまして、昨年から進めておりました流通改善の問題も、運営問題全体と関連するところが非常に多いものですかち、その一環として引き続き検討するということ、全体の問題は非常にむずかしい問題でございますし、また広範でございますので、四月に全体の問題について方向づけをして、その中で流通改善についても結論を得るというのはやや時間的な不足もございますので、もう少し全体の問題の中で引き続き検討していって適正な結論を得たい、こういうことで延期したわけでございます。全体の問題とあわせて結論を得たいというふうに思っております。
○角屋委員 この一部改正の本論であります過剰米の処分ということに入っていきたいと思いますが、先ほども触れましたように、昭和四十二年以降昭和四十五年以前に生産された米穀についての過剰米処分というのを附則の改正によって実施してきた経緯があるわけですが、今回さらにそれに附則のところで追加をいたしまして、昭和五十年以降昭和五十三年以前に生産された米穀についての過剰米処分、対象数量が約四百八十万トンということで、九千億近い金をかけてこれを五年間で処分をやる、七年間で財政的には措置をしていこうということになっておるわけでございます。 そこで、大蔵省の立場にある林大蔵政務次官にお伺いしたいのでありますが、従来から一部世論の中に三K論というのがありまして、食管もその三Kの中に加えていろいろ言われたりするわけです。両政務次官からも御答弁がありましたように、やはり食管制度の持つ意味というのは、ある学者によると、これは空気みたいなものだというふうに表現をしておるわけでありますけれども、先ほど片岡政務次官も言われましたように、戦前、戦中、戦後、あるいは台風、災害その他、いろいろなときにも、いわゆるユダヤ商人的商社というものが介入をせずに主食が安定的に一定の価格で供給されていくということの持つ意味というのは非常に大きい。これを何か三Kの一つのように厄介視するというのはきわめて近視眼的な見方ではないかというふうに思うのですけれども、大蔵省も財政全体を所要のところに適正配分をする、重点配分をするという立場からいくと、今度の過剰米処分のように、厳しい財政事情の中で約九千億を投じなければならぬというふうなことが先に立って、農林省が食管制度をこれから現実の中で検討しようという場合は、いわゆる食管制度の根幹から大きく変化するようなことをプレッシャーとして求めるということは万々あるまいと思うのですけれども、林政務次官から、そういったこれからの第二回目の過剰米の処分についての注文というか、あるいは食管制度について大蔵省の財政の立場からの姿勢といいますか、そういうことについて少しくお答えを願いたいと思います。
○林(義)政府委員 大変尊敬しておる角屋先生、この前までは農林水産委員会で大変御指導いただきましたし、その前には公害対策並びに環境保全特別委員会の委員長として大変御指導いただいていた方でもございますし、いままでの先生のお話を聞いておりまして、さすがはやはり角屋先生の御質問だなあと、私は感服をしてお話を聞いておったような次第でございます。 いろいろと問題ありますし、私も財政当局の一員として申し上げますならば、この財政、大変な赤字でございますから、やはり財政当局の立場としては、財政の効率化、健全化というものを図っていかなければならない。と同時に、農業政策の中心であるところの米の問題をどうやっていくかということを真剣に考えていかなければならぬ。財政だけがよくなって米はどうでもよろしいなどということは、とてもじゃない言える話ではございません。特に国民の主要食糧でもございますし、私は、日本というのは瑞穂の国と言われたのですから、日本人が米を食べ、またここで日本が自給体制をとっていくということは、やはり日本に与えられたところの一つの使命でもあろうか、こう思います。ただ、それが放漫に流れたことで金を使ったのではやはり困る。そういった形でいろいろなことをお願いをしたいというふうに考えておりますし、食糧の問題と同時に財政の問題を——まあけちをするというような話ではございませんけれども、やはり効率的に配分を考えていく。資源の効率的な配分というのは私は経済の中で一番大切なことだろうと思いますから、そういった観点からいろいろとお願いをしているところでございます。
○角屋委員 過剰米の処分について、前回の過剰米の処分をやった当時の状況と、今回約四百八十万トンについて工業用、輸出用、飼料用、この三区分に基づいて一定のプログラムで過剰米処理をやろうというこれからの状況というものについて、どういうふうに違った点があるのかということについてお答えを願いたいと思います。
○澤邊政府委員 四百八十万トンの過剰米を処理することに伴う財政措置の特例的な扱いにつきまして法律改正をお願いしているわけでございますが、前回の過剰米の処理をいたしましたときと、環境条件かなり違っておるわけでございますが、三点ばかりあろうかというように思います。 まず一つは、いま林政務次官からお答えいただきましたように、財政事情が、前回と比べまして一段と厳しくなっているということがあろうかと思います。 それからもう一つは、輸出が処分の用途として考えられるわけでございますけれども、前回は、法律改正していただきましたのは四十六年でございますが、あのころの直後に世界的な食糧の逼迫、不足現象が出てきまして、国際価格もかなり上がったということでございますし、そういう背景で日本の米を欲しいという輸入需要がかなりございまして、韓国あるいはフィリピンとかインドネシア、あるいはパキスタンとかいう国があったわけでございますが、先ほどもお答えいたしましたように、特に昨年の米の世界的な需給事情が非常に緩和されてきておりますので、輸出ということにつきましては前回ほど条件がよくないということが一つの変化でございます。 それから、えさについても同様なことが言えるわけでございまして、えさも処分の用途の一つとして、後順次でございますけれども、考えていかなければいかぬと思っておりますが、えさの価格もかなり下がっております。そういう意味で、前回に比べてなかなかむずかしいという面がございます。 それから、第三点の大きな違いといたしましては、昨年来、国際的な協調といいますか、貿易調整の問題というのが御承知のように強く要請されてきております。したがいまして、輸出用に、あるいはえさ用に、特にえさ用に処分する場合に、えさの輸出国、アメリカ等が中心でございますが、それに大きな影響を及ぼしますと、とかく批判を受けるという点がございます。FAOの取り決めによりまして過剰農産物の処理原則というのがございまして、通常の商業ベースでの輸出の妨げにならぬような処分をすべきであるという道義的な申し合わせがございます。そういう点からいたしましても、いまのような国際的な協調を要請される条件のもとで、過剰米処理が一気にできればいいんだということで余り大量に処分することによりまして、貿易関係に悪影響を大きく及ぼすというようなことを避けていかなければいけないというような条件があるわけでございます。 そのようなことも考えまして、今回の処理につきましては、五十四年度の初年度は種々の準備もございますので六十万トンということにいたしておりますが、二年目から平年度化しますと百万トン、そのうち加工原料用、これはせんべいだとか、みそ、しょうゆ、しょうちゅう、そういったものの工業用の原料でございますが、三十万トン、輸出用に二十万トン、それから飼料用に五十万トンを一応平年度ベースとして予定をしておるわけでございますが、これはそのときどきの条件の変化に応じて、機動的に、弾力的に対応して処分していかなければいけないというように考えております。
○角屋委員 前回の場合と今回の場合の過剰米処分の条件の差ということになれば、国の財政事情が窮屈になってきておるということがございましょう。 それから、いまもお話がございましたように、前回の場合の実績を見ますと、総計七百三十八万七千トン。これは玄米でありますが、それに対して内訳は、工業用が八十三万八千トン、輸出用が三百八万九千トン、飼料用が三百四十六万トン。えさが非常に窮屈で高騰しておる当時で、相当大量にえさに三百四十六万トン。韓国その他の国も含めて輸出用に三百八万トン近く、輸出と言ってもこれは無償援助等含みますけれども、輸出用に出すことができた。そういった状況の中で今度の場合を考えますと、えさ事情も違っておる。輸出の状況は、先ほどの国際的なあれから見ても、これもなかなか出しにくい。 食糧庁長官に、輸出でいま考えられるところというのは、従来のことも考え、若干打診しておるところも考えて、どういうところが考えられるか。一部、中国は人口の非常に多い国だし、近時の、場所による米の生産状況から見て、これは場合によっては若干出せるという話も聞いたり、従来もインドネシアその他に対して、ある程度注文が来ておった経緯とタイアップしてどうなるかということも考えられるわけですけれども、輸出について非常に窮屈だという中身について、若干、食糧庁のこれからのプログラムといいますか、そういう点でお考えがあれば出してもらいたい。
○澤邊政府委員 来年度は二十万トンの輸出を予定いたしておるわけでございますが、先ほども米の需給事情のところでお答えいたしましたように、全般的には需給が非常に緩和しておりますけれども、国によりましては、ただいまお話がございましたインドネシアは恒常的な輸入国でございまして、ごく最近の情報でも、年間、あれは会計年度はたしか同じなはずでございますが、この四月から始まる一年間で百五十万トンぐらい輸入に期待したいという中で、日本からも一部期待したいというような考えが出かかっております。それからまた、御指摘がございました中国でございますが、これは本来輸出国でありますが、米を輸出しながら麦を輸入するというのが基本的な貿易構造になっております。これは詳細、正確に情報を把握するのはなかなかむずかしいわけでございますが、一部干ばつ地域もございまして、場合によってはそういう可能性もなくもないというような話も聞かないわけではないわけでございますので、さらに情報収集に努力いたしまして、中国も含めまして、できるだけ目標を達成するような輸出努力、さらにまた、無償援助等もKR援助あるいは一般無償援助等種々ございますので、関係省ともよく協議をいたしまして、できますればそういう中にもある程度入れていくというようなことも努力してみたいというふうに考えております。
○角屋委員 前回の輸出の整理した状況を見ますと、援助の中では、KR援助あるいは日赤経由の緊急援助あるいはワールド・フード・プログラム、WFP経由の緊急援助、それにいま長官が触れられました一般無償援助、これは外務省に予算が計上されておる。 この一般無償援助は、予算を見ますと、五十三年度は、当初予算が三百二十七億円、補正後が四百二十七億円、ことしの五十四年度の場合は予算が相当増額をされまして、五百六十九億円といった予算の大きな増額があるわけですけれども、輸出状況から見まして、輸出は単に延べ払いあるいは貸し付けといったような形以外に、やはり無償援助として、これはベトナムやカンボジアの東南アジアにおける御承知のような状態があったり、あるいはパレスチナの難民の問題があったり、そうでなくてもアフリカその他、実際にお互いの食生活からいけば、いわゆる飢餓一歩手前の状況というのもそれなりに国際的にはあるわけでございまして、まあ人道的立場等も含めて、今回の場合は相当やはり積極的に無償援助等もタイムリーに考えていく必要があるだろうというふうに私は思っているわけであります。 予算が外務省にも直接関係がございますので、外務省の、今回の外へ出す問題についての考え方をひとつお聞きしておきたいと思います。
○大鷹説明員 過剰米を援助に活用したらどうかということについての角屋先生の御意見、ただいま注意深く拝聴させていただきました。外務省といたしましても、基本的には過剰米を援助の中に組み入れて活用していきたいという考えで、前向きに現在検討を始めているわけでございます。 その場合、もともと私どもといたしましては、食糧援助よりもまず食糧増産援助をやりたい、つまり、開発途上国の自助努力を助けるというたてまえから、そういう意味で彼らの食糧増産を助けるのが本筋であると考えております。 しかしながら、いま先生御指摘のように、現在すでに食糧に困っているという火急の事態に直面している国もございますので、その場合には食糧そのもので援助をするということももちろん考慮の対象になります。ただし、その場合でも、いろいろ国に差がございまして、主食が小麦である国もございますし、さらに米を主食としている国もございます。その米を主食としている国でもいろいろな嗜好の違いがございまして、日本のような質の米を好むところもありますし、そうじゃないところもあります。さらに、先ほど食糧庁長官の方からもお話ございましたけれども、今日までタイとかビルマ、パキスタン、エジプト、こういう国の産米を使って食糧援助をしておりますが、こういう国の利害関係も考えなければならないと思います。それにいたしましても、こういうことを踏まえた上で、もし私どもの方で援助の枠内でできることがございましたら、食糧援助いろいろなやり方がございますけれども、その中で前向きに考えたいと思っております。 もっとも、無償予算につきましてはいろいろなほかの使い方がございまして、学校、病院の建設、それから職業訓練センターとか、相手国が非常に高いプライオリティーをつけて要請してきている案件がございます。国によっては、食糧援助につきましては長期の延べ払いを現在望んでいるものもございます。たとえば先ほどちょっと話が出ましたインドネシアでございますが、最近長期延べ払いということで申し出がございましたし、さらに、先般私どもがお相手いたしましたアフリカのシエラレオネの外務大臣一行との話し合いの場でも、あそこの国は米が主食でかつ日本のような質の米が非常に嗜好に合っているそうですけれども、長期の延べ払いで欲しいという意思表示がございます。その辺の事情をいろいろ勘案いたしまして、全体としては前向きに検討させていただきたいと思っております。
○角屋委員 この無償援助問題について、農林水産省の方から外務省にお願いをしていろいろ協議する。外務省はいま御答弁がありましたようないろいろなことを注文され、それをどうやっていくかということで総合的に考える。この問題についても前向きに受けとめる。 そこで、林大蔵政務次官に、こういう問題は大蔵省が中へ入って最終的にさばいていくという立場だと思うのです。今回の場合の過剰米処理は、先ほど来言っておりますように、輸出といってもなかなかむずかしい、前は相当に大口があったので、その大口国は、韓国について言えば、輸入しておったけれども、今度は出してもいい状態に変化をしてきておるというようなこともあって、この無償援助問題、これは一般無償援助も含めて、大蔵省としても、両省の協議についてはサポートしながら、私が言っておるような趣旨が前向きに生かされるようにひとつ御協力を願いたいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○林(義)政府委員 私から申し上げますが、余っているからおまえにやるぞというのも非常におかしな話だろうと思うのですね。やはり相手の国が欲するというようなことでこれを援助するというのが援助のたてまえだろうと私は思います。そこで、これはやはり外交の方の努力を通じまして、どこがどういうふうに足りない、非常に困っているというようなところを、早くに向こうからの要望というのを日本の方が見つけ出してこなければならないだろうと思います。そうした意味で援助問題というものを進めていく。おまえが言ってこなかったからおれはというような話でもないのじゃないか。むしろ、世界の中においてヒューマニズムというものをたっとぶわれわれとしては、やはりそういった見地から物事に対処していくのが必要なことだろう、こう思うのです。 あと、本来、贈与の問題その他の問題につきましては、やはり相手国の自助努力にまつのが原則であろう。それからビルマ、タイ等の問題を考えていかなければならないというような問題、外務省当局の方から指摘がありました。そういったこともありますけれども、日本としても、この問題は、過剰米の処理というものを何とか考えていかなければならないということもまた事実でございますから、さらに一層よく検討をして前向きに対処したい、こういうふうに考えております。
○角屋委員 最後に一点質問して、質問を終わりたいと思いますが、途中の段階で触れましたように、総理府の方で食生活、食糧問題ということで世論調査をやったのが二月号で発表されておるわけでございます。先ほども食糧問題の重要性あるいは食生活の安定を望むという気持ちから、世論調査としては非常に温かい受けとめ方での意向がこれに出てきておるというふうに私は考えておるわけですけれども、米のイメージについても、日本人の主食としてふさわしい、これが八七%、栄養に富む食べ物だ、五三%、米の値段は安い方だというのが四六%、そうは思わないというのが三二%といったような問題を初め、食糧管理特別会計の赤字についても、赤字をなくすべきだというのが三六%、現状ではやむを得ないというのが五一%、現状ではやむを得ないとするものが過半数を占めておるというふうなこと、あるいはまた、食糧自給の問題についてもできるだけ自給自足をやるべきだというのが六七%、安ければ輸入品を消費にというのが二〇%といったような形でこれが出てきておるわけでございます。 私は最後に、こういった日本人の主食としてふさわしいと八七%が答えておる米、きょうも朝NHKのテレビでやっておるのを見てちょっとうれしくなったのですけれども、あちこちでいろいろな試作品を食べて、おいしいとかわりあいにうまくないとかいろいろ言っていましたけれども、消費拡大問題というのは、単にこれは農林水産省や地方自治体や農業団体が呼吸を合わしてやるのでなしに、ある程度日本の国土に合い、また長い主食としての米、しかもこういうふうに主食としてふさわしいという意識も強くある、こういうものの消費拡大、これは学校給食で今度の予算も相当ふやしたわけですけれども、いわゆる次代の青少年が米の食事というものをウエートを持って受けとめる、そういう食生態に親しむといったようなことも含めた消費拡大という点について、これからの生産、消費の消費は非常に重要なことだと思うのですけれども、それらについて両政務次官のいずれからでも結構ですからお答えを願って、私の質問を終わります。
○林(義)政府委員 角屋先生の御指摘のようなやはり消費拡大というのは必要だと私は思います。先ほど瑞穂の国と申しましたけれども、日本の国土に一番適しているのは、私は生産をする方から言っても米がやはり昔からやっているのですから適しているだろうと思います。また、その国、国土に育ってきたわれわれでありますから、やはり一番適している主食だろう、こう思うのです。そうした意味で、どうもいろいろな形でそれが変わってきたということで、これを食べてもらうような努力というものをいろいろな角度からしていかなければならぬ、角屋先生御指摘のとおりだと思うのです。いろいろなものがありますし、かつて農林水産委員会でも米でできたうどんを食べようかとかいう話をしたことがあります。やはりいろいろなことをやっていかなければならない。単に白い飯たくさん食え食えと言ったところでなかなかむずかしい時代でしょうから、やはり学校給食であるとか、いろいろな加工をしていくとか、新しい食事の体系をつくっていくとか、いろいろなことを考えていかなくちゃならないし、そういった形での宣伝であるとかいろいろなことをこれからも続けていく、それが非常に大切なことだろう、私はこういうふうに考えております。
○片岡政府委員 かつて米が、がんになるんだとか頭が悪くなるんだとかという妙な神話があったのでございますが、ただいま角屋先生のお話しのように、総理府のアンケート調査によりますと、国民の問にも、米は大事な主食があって、いいものだという評価が出てきたことは、私は大変ありがたいことだと思っておる次第でございます。 渡辺農林水産大臣も盛んに機会あるごとに宣伝しておられるのでありますが、玄米を食べると非常に男は精力がつく、それから、女性には美容のために大変大きな働きがあるんだということを盛んに言っておられるのでございますが、私はやはり、いまお話しのように、日本人に最も向いた主食であるということから、ぜひこれを消費の拡大をするということが一番大事なことであると存じております。 そのために、まず、うまい米をつくるということが一番大事であるとともに、米をうまく食べていただくというために、昨年、今年にかけまして、新米の混入割合も七〇%、八〇%にふやしまして、消費者に喜ばれるようにいたしましたほかに、その消費拡大に関しますところの予算も、昨年の五十七億から百三十億にふやしまして、いまお話しのように、あらゆる政府機関を動員いたしましてこの消費の拡大に力を入れていこう。その一つとしては、一番基本的なものは、学校給食にこれを取り入れていただく、こういうために、お話しのように、かつての値引きを三五%から六〇%に上げ、さらに、ことしから新たに週一回以上米食の給食をやるところについては倍の七〇%に値引きをするという大幅の拡充をいたしておりますほか、医師、栄養士、専門家等を通じましても、先ほど申し上げました、栄養に関する誤った考え方を是正し、それから婦人団体等の協力によっても、ひとつぜひこのおいしい米が非常にいいんだということを宣伝していきたいと思っておりますし、また、地域ぐるみで米の消費拡大問題に取り組んでいきたい、かように思っておりますほか、いま林政務次官からお話がございましたように、いろんな加工食品等を通じましても、創意工夫を重ねまして、できるだけこの消費拡大に努めていきたい、かように存じておる次第でございます。
○角屋委員 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○加藤委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○高鳥委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員長の指名によりまして、委員長がお見えになりますまで、私が委員長の職務を行います。 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案の質疑を続けます。瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について、大蔵省、農林水産省、外務省当局に質問いたします。 米の需給事情についてまず最初にお伺いしますが、米の一人一年当たりの消費量は、昭和三十七年度の百十八・三キログラムをピークに減少を続け、五十二年度には八十三・四キログラムにまで落ち込んでおります。総需要量も三十八年度の千三百四十一万トンをピークとして、五十二年度には千百四十八万トンとなっております。一方、わが国の米の生産量は、四十年度までは需要量を満たすことができなかったわけでありますが、四十二年度以降は生産量が需要量を上回るという事態となったことはもう御承知のとおりでございます。 そこで、政府の資料によりますと、米穀需給の動向を見ましたときに、総生産量が五十二年度は千三百十万トンに対して、総需要量が千百四十八万トン、一人当たりの消費量が八十三・四キログラム、五十三年度は総生産量が千二百五十九万トンに対して、総需要量はまだ集計中であると思いますが、一人当たりの消費量についてもまだ明確でございませんけれども、大体どのような推定をしておられますか。五十三年度の総需要量と一人当たりの消費量、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○澤邊政府委員 需要量につきましては、最近の一年間でわかっておりますのが五十二会計年度の約千百五十万という数字まででございまして、五十三会計年度の需要見込みにつきましては、これはなかなか推定しがたい面がございます。と申しますのは、一応千百七十万トンという計画を立てておりますが、これをある程度下回ることは避けられないというふうには思っておりますが、最近の政府の売却量等を見ておりますと、昨年の十一月から、新米穀年度に入りましてからやや売れ行きが好転をいたしております。一月は、二月からの売り渡し米価の値上げということもございまして仮需要が出ておりますので、政府の米の売却量も五十数%前年を上回っておるというような傾向もございますが、これは異例なことでございますので、二月はその反動で前年に比べて減るということでございますが、二ヵ月ならして前年度と比べ、それから十一月、十二月と、新年度に入ってから四ヵ月間を全部比べてみますと、一割弱、一年前よりは政府の売却量がふえております。 これは種々の要因がございますので直ちに消費量が前年に比べて一割ふえたというように見るのは早計でございますので、そういうことはないと思いますけれども、いずれにいたしましても政府の売却量がふえたということは最近では例のなかったことでございまして、好ましい傾向ではないかと思っておるわけでございます。いろいろな消費拡大の努力の効果、あるいは新米の混入率をかなり引き上げましたので売り渡しが進んできたというふうにも見ておるわけでございますが、そういうようにやや傾向が変化しておりますので、したがいまして三月までの一年間を何万トンであるということをずばり申し上げにくいわけでございますが、千百七十万トンには達しない、まあ千百五十万トンという一年前に比べても若干低目にいくのではないかというような推定をいたしております。
○瀬野委員 本法提案に当たりまして、今回第二次過剰処理をするということで五ヵ年をめどに計画をされておられますけれども、いま食糧庁長官から答弁がございましたが、五年後の昭和五十八年度については、総生産量と総需要量の関係並びに一人当たりの消費量は大体どのくらいを想定しておられるか。その点は検討段階でどういうような数字を計算しておられますか。おおむねの腹づもりは立てて本法提案に及んでおられると思いますので、まずその点お答えをいただきたいと思います。
○澤邊政府委員 今回の四百八十万トンの過剰処理の対象数量は、現段階で配給の用に供さない数量ということで算定をいたしておるわけでございますので、五年間で処分いたすといたしまして五十八年度の需給状況がどうなるかということと直接関連は持たしておりません。五十四年産以降は単年度で需給が均衡するようあらゆる努力をするということで考えておりますので、五十八年度の一人当たりの消費量なりあるいは全体の需要量の規模は幾らかということと直接関連は持たしておらないわけでございますが、私どもといたしましては、これまでの傾向が続くといたしますれば、毎年十万トンないし二十万トン減ってくるという傾向が見られますので、特段の努力をしなければそういうような傾向が続くのではないかというように見ておるわけでございます。 ただ、私どもといたしましては、消費の拡大について従来以上にあらゆる努力を傾注をするということで来年度予算の編成にも当たったところでございますし、また、生産者団体を含めまして民間におきましても相当これまでの努力に上乗せをした努力をするということを言っておりますので、先ほど申しましたような政府の売却量がやや好転したということも含めまして、いま言いましたような十万トンないし二十万トン減るという傾向をできるだけとどめるような努力をしてまいりたいと考えております。
○瀬野委員 おっしゃるように本法と直接の関係はないとはしながらも、自後の質問にも関係があるので冒頭お尋ねしたわけですが、このように総需要量が減少の傾向にある、さらには一人当たりの消費量も、毎年人口がふえるにもかかわらず減少の傾向にあるということは、それだけ米が将来また過剰ぎみになっていくことは当然でございますので、その辺どういうふうなことをお考えであるかということでお尋ねしたわけでございます。後ほどまた関連して出てきますので、一応次の問題に入ってまいります。 「昭和五十四年度米需給計画」を見ますと、昭和五十四年度はまさに昨年と全く同じであって、潜在生産量は千三百四十万トン、総需要量は千百七十万トン、単年度余剰数量は百七十万トン、要調整数量が百七十万トン、生産予定量は千百七十万トン、総需要量千百七十万トンは政府米五百七十五万トン、自主流通米二百五十五万トン、それから政府買い入れ数量が五百七十五万トン、予約限度数量が八百三十万トン、こうなっておりまして、五十三年度と全く同じでございます。もちろん生産調整の第二年度に入るわけで、十年間の生産調整の中で三年間を第一期として、第一期の予定を三年間は一応原則的に守るということになっていますから当然の計画である、かように思いますけれども、いま食糧庁長官から答弁もありましたように、今後毎年十万トン、二十万トン減っていくというようなこともいろいろおっしゃいますし、実際問題として今後どういうような見通しでやっておられるかということを私は疑問に思うわけです。五十四年度並びに五十三年度が同一数量であるということから、消費拡大を図ることは言うまでもございませんけれども、生産調整も前年同様百七十万トン、面積にして三十九万一千ヘクタールということになりますから、米作一辺倒のこの姿勢から他の農産物への転作について強力な誘導政策をやらなければならぬ、こういうふうに思うわけです。そういった点を強力に進めないと片手落ちになるわけでございますが、そういった点について改めて本法提案に当たって、昭和五十四年度から農家が安心できるようないわゆる転作作物に対する保証価格等についても十分検討なさったと思うけれども、さらに政府の考えをこの機会にお伺いしておきたいと思います。
○小島説明員 お話しのとおり、五十四年度の水田利用再編対策の目標面積及び基本的な仕組みにつきましては前年度を踏襲するというふうにいたしておるわけでありますが、お話しありますように米の消費拡大にさらに最善を尽くす、同時に、水田利用再編対策の面におきましても、地域の農業生産構造を米一辺倒ということではなくしていくという意味におきまして、さらにその定着、推進に心がけるよう呼びかけておるところでございます。 昨年の実績を見てみますと、全体といたしましてはかなりな成果を上げたものと私ども見ておりますが、内容をしさいに点検いたしますと必ずしも安定した転作ということでないものも散見されるわけでございます。その理由といたしましても、急に目標面積が二倍にふえたというふうな事情を背景といたしまして、各地域でもいろいろ御苦労しながら転作に向かわれまして、結果といたしましては条件整備が必ずしも十分でないとかあるいは作物の栽培技術が十分習熟されておらない、こういうふうな理由によりまして転作の姿というものが必ずしも長期安定的な姿ではないというものが見られるわけでございます。 その経験を踏まえまして、五十四年度におきましては、予算の面でも、御承知のように排水対策等の基盤整備を強化いたしますと同時に、作物生産対策といたしましても地域農業生産総合振興事業というふうな予算を確保いたしまして各作物の生産を一層安定的な姿にしていくように予算面でも強化をいたしております。また、技術指導の面におきましても、普及組織などを動員いたしましてこの対策が十分成果を結ぶように努力してまいる所存でございます。
○瀬野委員 本法提案による過剰米対策の中身を見てみますと、総処理予定数量が四百八十万トン、処理用途及び用途別処理予定数量が、工業用で約百五十万トン、輸出用百万トン、飼料用二百三十万トン、年間処理予定数量が五十四年度約六十万トンで、五十五年から五十七年までが百万トン、五十八年が百二十万トン、計四百八十万トンとなっております。 損失処理は、処分年度から七年間繰り延べで、初年度繰入額が百二十七億円、さらに、総損失額が約九千億円となっておりますが、中で、処分予定価格が、工業用が五十四年度が十一万五千七百円、輸出用が五万一千六百円、飼料用が二万二千九百円、こうなっております。第一次過剰米処理の昭和四十六年から四十九年の前回の計画から見ますと、前回は、工業用がトン当たり五万五千九百十三円、輸出用が五万八千四百八十六円、飼料用が一万八千八百七十二円、こういうふうになっております。前回から今回ずっと比較してみますと、この処分予定価格というのが、工業用で五十四年度は前回よりも五万九千七百八十七円高くなっている。また、輸出用では六千八百八十六円、トン当たり安くなっている。飼料用では二万二千九百円ですから四千二十八円高くなっている。 こういうようにかなりの格差があるわけですけれども、このように処分予定価格に差があるのはどういう理由ですか。いかなる根拠によってこういうふうになったのか、この点をひとつまず明快にお答えをいただいておきたいと思います。
○澤邊政府委員 工業用には原則として破砕精米という変形加工をいたしまして売り渡すことにいたしておるわけです。これは横流れ防止という観点からそういうようにしているわけでございますが、現在も工業用に通常処理の中でやっております破砕精米の売り渡し価格、トン当たり十一万五千七百円というものを予算の基礎にいたしておるわけでございます。それからさらに輸出用の処分価格は、最近の国際価格水準、これはタイ米が基準になりますが、これの過去二年間のトン当たり三百ドルというのを基礎にいたしまして、玄米トン当たり五万一千六百円というものを算定しておるわけでございます。飼料用につきましては、前回と同じように、方法といたしましては、代替されますコウリャン、大豆油かすの価格を基準にいたしまして、ピーターソン方式という一定の換算方式がございますので、それによりまして飼料用米の処分価格をトン当たり二万二千九百円というようにはじいておるわけでございます。
○瀬野委員 そこで、ちょっと私はっきりわからないけれども、工業用は、第一次過剰米処理のときには、先ほど申しましたようにトン当たり五万五千九百十三円、今回の第二次過剰処理においては工業用がトン当たり十一万五千七百円となっておりますね。ちょっと倍になっておるわけですけれども、破砕精米が多いからというようなことでは理解に苦しむのですが、もう少し詳しく御説明いただきたいと思うのです。
○澤邊政府委員 現行の破砕精米の売り渡し価格をとっておるということは先ほど申し上げたとおりでございますが、これが当時に比べて商いじゃないかというような観点からのあるいは御質問かと思いますけれども、過剰米処理は、前回四十六年に法律改正がありまして、第一回目の特別処理をする前から通常処理という形で処理はしてきておりますことは御案内のとおりだと思いますが、四十五年の十月当時の主食用価格と破砕精米の価格との比較を見ますと、大体破砕精米としての価格は当時の主食用価格の四九・六%ぐらいの価格で売却をしておったわけでございます。それで、現在の主食用価格、二十八万四千三百八十七円でございますが、これに同一比率を掛けますと十四万一千円ぐらいになります。これは、現在の破砕精米の売却価格、十四万三千円でございますが、それとおおむねバランスがとれておるということでございますし、また、別のやり方をいたしましても、四十五年十月当時の破砕精米の価格を消費者物価指数でスライドさせましても十四万三千七百円くらいの数字になりますので、そういう意味からいたしますと、前回の過剰米処理とそのうちの特別処理を行います直前の破砕精米価格と比べまして、物価だとかあるいは主食用の販売価格と比べまして、現在の破砕精米の売却価格はおおむねバランスがとれておるということで、その価格を予定をいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 一応聞きおくことにいたしておきますが、そこで昭和四十六年から四十九年の第一次過剰米処理の際は、工業用が約六十万トンに対して実績は七十五万トンの処理ができた。輸出用が百二十万トンに対して百五十一万トン、飼料用が四百七十五万トンに対して三百万トンというわけで、工業用は計画よりも十五万トンオーバーして処理ができた。輸出用は計画よりも三十一万トンオーバーして処理ができた。飼料用は逆に、四百七十五万トンの計画に対して三百万トンですから百七十五万トン下回った、こういうことになっておりますが、あとの問題にも関係するのであえてお伺いしておくわけですけれども、なぜこのような結果になったのか。特に工業用、輸出用は計画よりかなり上回っておりますし、飼料用は百七十五万トンも下回った、その点、理由を明確にしていただきたい。今後五ヵ年間の計画に対しても大きな参考にもなるわけでございますので、その点もひとつ明らかに御答弁をいただきたいと思う。
○澤邊政府委員 今回もそうですが、一応五ヵ年間、前回は四ヵ年間でございますが、処分の見込みを計画として挙げておるわけでございますが、実行上は輸出需要が実際よりはよけい来るとか、あるいはえさ用は処分価格が一番低いわけでございますので、損が一番大きく出るということでございます。そこで、処分の優先順位といたしましては、やはり加工用を第一順位にし、第二順位として輸出用、どうしても処分できないもので所要の処分をやはりやっておかなければならないというものは飼料用に回すというような考え方でやっておりますので、計画と実行の食い違いはある程度免れないというように考えております。 今回の処分におきましても、一応の計画は先ほど先生が御指摘になりましたような計画を立てておりますけれども、実行上は用途別の需要の動向も勘案しながら、順位といたしましてはできるだけ加工原料用に回す、次いで輸出用に回す。どうしても残るものは飼料用に回すというようなことでやっていきたいと思いますので、現在御説明しております処分計画数量自体も実行上はある程度の変更はしていきたいというふうに考えております。
○瀬野委員 次に、昭和五十四年度の国内米管理勘定の歳入歳出予算について、本法提案に当たって予算を出しておりますけれども、その概要をひとつ記録にとどめる意味からも政府側から御答弁をいただきたいと思います。
○澤邊政府委員 御承知のように、食糧管理勘定は国内米管理勘定、国内麦勘定、輸入食糧勘定の三勘定に区分して経理をしておるわけでございます。その主たる歳入は、主要食糧の売り払い代金、それから調整勘定よりの受入金でありまして、主たる歳出は、主要食糧等の買い入れ代金、買い入れ、売り渡し等に関する諸経費でございます。 また、以上申しました三つの食糧管理勘定における毎年度発生いたします損失ないし利益、最近はしばしば損失が発生しておるわけでございますが、これは調整勘定に移しまして整理をするということにしておるわけでございますが、五十三年度の食糧管理勘定の運用の状況について見ますと、国内米及び国内麦勘定については、売買逆ざやがございます等によりまして、両勘定で約八千億円近い損失となっておりますし、一方輸入食糧勘定におきましては、円高傾向等によりまして外麦の買い入れ価格が低下しております。そのために約九百億円前後の利益がございまして、その結果、三勘定を合わせますと、損失は七千億円近いものと見込んでおります。細かい数字で申し上げますと六千八百九十六億円ということでございます。 五十四年度は、これは予定でございますけれども、その損失額が三勘定で六千六百六十九億円という見込みを立てておるわけでございます。その損失の補てんのために一般会計から繰り入れます額は、五十三年度は六千二十億円、五十四年度では六千三百四十億円を予定しておるわけでございます。
○瀬野委員 処理すべき政府保有の過剰米は四百八十万トンと見込まれて計画しておられるわけですが、これを昭和五十四年度からおおむね五ヵ年にわたって計画的に処理をする、すなわち物の処分は五年でやり、財政処理は七年分割でやる、こういうことでございますが、さしあたり昭和五十四年度はこのうち六十万トンの処理を予定しておられるわけです。この処理に伴いまして五十四年度に国内の米管理勘定に生ずる損失は八百億円余と見込まれておりますが、このうち百二十七億円を一般会計から米管理勘定へ繰り入れる、こういうことのようであります。そこで総損失額は一応約九千億、しかしこれは過剰米処理のため新たにできる赤字等を見ますと、合計約一兆五、六千億になる、こういうふうにわれわれは思うのですけれども、そのような理解でいいですか。
○澤邊政府委員 五十四年度、初年度の六十万トンの処理をいたしますと、売買損のほか所要の経費もかかりますし、また七年間繰り延べいたしますと、合計で約八百九十億円になるわけでございます。その後七ヵ年間で平均的に繰り入れをして補てんをしていくということになりますと、初年度百二十七億円、こういう計算にしておるわけでございますが、全体は九千億円という見込みを立てておるわけでございますが、実際には処分価格が予定したものと何がしかの変動をするということは当然予想されておるところでございますので、正確に幾らになるかということを現在確定するわけにはもちろんいかないわけでございます。 お尋ねがございました一兆六千億円といいますのは、現在処分をいたしまして売買損が出ますという場合は、現在の評価額を基準にして売り渡し価格が幾らだからその差損が幾ら出ると、こういうような計算をするわけでございますが、現在の評価額は、すでにそれぞれ年産のものを買い入れたときの価格から見ますと、すでにかなり評価を落としております。それからまた、これまでの間、買い入れ後の保管経費、金利等もすでにかかっておるわけでございますが、これらのものにつきましては、それぞれ評価損あるいは所要の経費がかかった場合の損失は、当該年度において一般会計からの繰り入れによりまして整理をしております、補てんをしておるわけでございますので、それらを除いて今後新たに発生するものが約九千億円ということでございますが、当初買ったときからの差損なり売買損なりあるいは保管経費等から算定いたしますれば、といいますことはコスト価格から見れば約一兆六千億円かかるということでございまして、約七千億円はすでに補てん済みであるということでございます。
○瀬野委員 大蔵政務次官にお伺いします。 いま食糧庁長官の答弁をお聞きいただいたと思いますが、五十四年度に国内米管理勘定に生ずる損失は八百億円余を見込んでおられます。このうち百二十七億円を一般会計から国内米管理勘定へ繰り入れる。そうしますとその差が出てくるわけでございますから、それは当然日銀で食糧証券というものを発行してこれを補っていくということだと思うのですが、その点はどうですか。
○加藤(隆)政府委員 御質問のとおりでございます。
○瀬野委員 日銀で食糧証券を発行していくことになりますと、今後、先ほども申し上げましたように、物の処分は五年間でやるけれども、財政処理は七年かかるわけです。物価の値上がりその他いろいろ七年の間にあるわけですが、かなりの利子がかかるわけでございますけれども、その金利負担は七年間でどのくらい見ておられますか、大蔵省当局からお答えいただきたい。 〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○加藤(隆)政府委員 全体で約八百億円になると思います。
○瀬野委員 私は、先のことですからこれは予測しか立てられぬと思いますけれども、今後七年間の財政処理に当たっては、いろいろ変動もあるかと思いますけれども、一応の予定として確認をする意味でお答えをいただいたわけですが、第一次過剰処理は、時あたかも高度成長時代で自然増収等もあり、一応国民の理解もあって、この処理ができたわけでございます。今回の第二次過剰処理は、環境も全く第一次過剰処理のときと違うわけであります。端的に言って厳しい状況にあるわけでございます。この点どのように政府は情勢を分析しておられるか、その点もひとつお答えをいただきたい。
○澤邊政府委員 前回の第一次の過剰処理の際の環境と、今回始めます過剰処理、特別処理に当たっての環境はかなり違ってまいっております。 三つばかり違う点があろうかと思いますが、一つは、いま御指摘がございましたように、国の財政事情が当時と比べまして大変厳しくなっておる、財政の効率化が一層強く要請されておるというようなことがあろうかと思います。その意味では、私ども、特別処理に当たりましても、その辺を十分念頭に置いた効率的な処理を図らなければいけないというふうに考えるわけでございます。 さらに、前回は輸出にかなり振り向けられたわけでございますけれども、今回は米をめぐります、あるいはさらに競合いたします麦も含めまして、国際需給というものが大変緩和をいたしております。したがいまして、日本米の輸入を希望する国、援助を含めまして希望する国といいますのは、前回ほど多くはないということでございますので、前回は年によりますけれども、年間四十万トンなり八十万トン近い処理もしたことがございますが一とてもそこまでは無理であろうということで、一年間に二十万トンを処分をしていくという計画にいたしておるわけでございます。 第三点で違います点は、国際協調といいますか、貿易調整といいますか、そういう観点からの要請が非常に強くなってきておるということでございます。これは特にえさに処分する場合配慮しなければならない事情かと思います。前回は相当量えさ米に処分をしたわけでございますけれども、今回は、初年度は十万トン、後二年度目からは五十万トン平均でやることにいたしております。これは余り大量に一年で処分するということになりまして、トウモロコシとかコーリャンという飼料用の穀物の輸入に極端な悪影響を及ぼすということになりますと、輸出国からいろいろ不満、批判が出てくることも懸念されるわけでございます。それらを考えますと、年々配合飼料の生産量はふえておりますので、ふえる範囲内くらいの中で毎年代替する米を処分していくというのが適当ではないかという配慮もいたしまして、五十万トン平均で処分をしていくということを考えておるわけでございます。
○瀬野委員 農林政務次官にお尋ねします。 いままでいろいろ政府の見解をただしてきましたが、限られた時間でございますので全部申し上げることはできませんけれども、今次第二次過剰処理は、財政処理もさることながら、第一次と第二次はかなり環境が違ってきております。そういった面から果たして計画どおりに処理ができるかどうか、私はその点大変危惧するものですが、その見通しについて農林水産省はどうお考えでございますか。
○片岡政府委員 過剰米処理期間につきましては、対象米穀の規模、用途別の年間処理数量及び保管中の米の品質状況等を勘案いたしまして、おおむね五ヵ年で処理をいたしたい、こういうふうに予定をいたしておるのでございますが、仰せのように大変厳しい段階でございます。しかし今回、過剰処理を開始するに当たりましては、工業用、輸出用、飼料用、それぞれ需要動向を十分検討いたしまして、その実行可能な可能性を配慮いたしまして計画をいたした次第でございまして、できる限りこの計画に沿うよう努力をしていきたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 次に、米穀の輸出の問題で若干はしょってお伺いいたしたいと思いますが、韓国並びにパキスタンに対して、昭和四十三年から四十五年に七十五万トン延べ払い方式で貸し付けておりますし、四十五年から四十九年にわたってインドネシア、韓国、パキスタン、フィリピン、バングラデシュ、マダガスカル等に二百十一万トンの米を据え置き十年、支払い期間二十年で貸与しておるわけでございます。そのほかにもいろいろありますけれども、時間の関係で省略いたしますが、まずその中で韓国にいわゆる貸し付方式で貸し付けました米に対して、いよいよ昭和五十四年度からこれが返ってくるということだと思いますが、その点の事情はどうですか。
○澤邊政府委員 四十四年、四十五年に韓国に貸し付けました合計六十三万三千トンの貸し付け米につきましては、暦年の五十五年でございますが、五十五年から現物で返還をされてくるという契約になっております。しかし、御承知のような国内の米の需給が過剰であるというような現状から見ますと、現物で返ってくるということにつきまして、相手のある話でございますけれども、何かそれにかわるべき方法はないであろうかということも今後相手国と検討してまいる必要があるというふうに考えております。また、どうしても現物で返ってくるということになりました際も、第三国への輸出ということも考えていかなければならないのではないか。過剰なところへ国内へ持ってくるということもいろいろ問題がございますので、それらもあわせて、五十五年の四月以降現実に返ってくるわけでございますので、そのころまでに韓国と話し合いをして、できるだけ適正な処理をしてまいりたいというふうに考えております。
○瀬野委員 五十五年ではなくて五十四年から返ってくるわけでしょう。物は五十五年になってから返ってくるかもしれませんけれども、事実昭和五十四年八月ごろから返ってくる時期が来る、私こういうふうに認識しておりますから、その点確認の意味で申し上げます。 それで農林政務次官、この問題についていま食糧庁長官からも答弁ございましたが、わが国が過剰基調時代を迎えておるときに、わざわざ運賃をかけて向こうから返ってくるということでなくて、韓国から返していただくものについては早く手を打って、いわゆるそのものを海外の方へまた回すとかなんとかということをしないと、日本へ返ってきたものをまた日本からわざわざ出すということはとても大変だと思うので、その辺は十分早目に対策を講ずるなり交渉するなりしていかなければならぬだろうと思う。返してくるのを日本は米が余っているからちょっと待ってくれ、返さなくていいというわけではないと思うが、政務次官、その点どうですか、あなたから答弁をいただきたい。
○澤邊政府委員 先に、八月というふうにおっしゃいましたけれども、契約上は五十五年の一月からということになっておりますが、私どもは韓国とすでに話しまして、五十五年の四月以降ということに運用上実行するという話をまとめておりますので、わが方の五十五会計年度から返ってくるということになりますので、その点申し上げておきます。
○瀬野委員 後の問題は政務次官から……。
○片岡政府委員 これは大変むずかしい問題でございます。広く諸外国を見まして、ことに発展途上国、ことにアフリカ等を見ましてかなり米の不足しておるところもございます。ですから、これを何とかそういうところへ有効に回したい、こういうお考えにつきましては、瀬野先生の考え方と私も同じように、何とか処置をしたいものだなと思って、いま大蔵省とも外務省とも十分話し合いながら、何かうまい方法はないかということで検討を続けておる最中でございますので、その点御了承賜りたいと思います。
○瀬野委員 この点については、ひとつ早目に十分対策を講じられるように強い要望をいたしておきます。 それから、さらに食糧庁長官にお尋ねしますが、昨年の十月十九日の農林水産委員会で、私の質問に対してあなたは、ベトナム水害によって年間二百万トンの穴があく、いま調査依頼をしているということをおっしゃいました。ベトナムに援助するということはぜひ進めたいと思いますけれども、中越紛争のときでもあるし、いろいろ外交的な事情もこれあり、その点は十分わかりますが、事情は事情として、二百万トンの穴があくという答弁をされ、その調査をするというふうに言明しておられますので、その点どう調査されて結果はどうなったか、時間も詰まってきますのにたくさん問題がございますから、簡潔にお答えください。
○澤邊政府委員 八月から九月にかけまして主要生産地が大水害で、私どもがベトナム国から外交的関係で聞いておりますところでは、二百万トンの穀物が不足である。そのうち百万トンは計画経済国から援助を含めて輸入をしたい、それ以外は一部無償援助を含めて他の自由主義諸国から輸入をしたいということで、日本に対しましては、十一月三十日に現物貸し付け方式による輸出援助の要請がございました。その後、十二月に入りましてベトナムの外務大臣が来日されました際、外務大臣との協議で、日本側からは十五万トンを限度として日本米の現物貸し付けを行う考えがあるということを外務大臣がおっしゃいまして、その際、事務当局で貸し付けの条件につきまして種々話し合いもしましたが一致するところまで至らず、引き続き年を越してからやろうじゃないかということになっておりますが、その後向こうから特に話がございません。その後、御指摘ございましたように国際情勢かなり急変いたしておりますので、もちろんやめたわけではございませんけれども、そのままになってきておるというのが現状でございます。
○瀬野委員 わが国の米過剰対策として、こういった点もひとつ十分プッシュしながら対策を講じていただきたい、こう思っております。 さらに、食糧庁長官がその際申されたことは、無償援助だけでなしに有償の援助を含めて検討するとおっしゃいましたが、それには変わりございませんか。
○澤邊政府委員 援助の仕方にはいろいろございますけれども、大きなものといたしましては、特別の暫定措置法がございます延べ払い、三十年間の延べ払い、十年間の据え置きという方法が主になると思います。ただいまベトナムの関係で申し上げましたように、相手国の希望等がございますれば現物貸し付けという方法も用いていきたいと思いますし、また外務省あるいは大蔵省等の無償援助費の中で、無償援助という形である程度出していくということも考えていきたいというふうに思っております。
○瀬野委員 大蔵政務次官にお伺いしますが、ただいまのこの無償援助の問題で、御承知のように、国際穀物協定第二条によって開発途上国に援助することができるようになっておりますが、経済協力基金によってこれは大蔵省が対策を立てられる、かように思うのです。すなわち、国際価格で大蔵省が買って、そしてこれを無償援助する。なぜかなれば、食管の関係で直接には外務省がこれを扱うことはできない。いわゆる国有財産をただで取引してはいけないという法律がございますから、大蔵省が一応買ってやる。そのためには経済協力基金によって行う、こういうことだと思うのですが、その点無償援助をする場合、そういうような方法でやるということでございますか。
○林(義)政府委員 いまお話がありましたように、大体経済協力基金でやるときには延べ払いでやる、こういうふうな形になるのだろうと思います。あるいは資金を供与してやるというような形になるのだろうと思うのです。外務省の予算の中にありますところの無償援助というような形のものは、別途五百六十億円ぐらいございます。ただ、いままでなかなか進んでおりませんのは、相手国が本当に米を希望するかどうかという問題があると思います。援助ということになりますと、特に無償の場合には、相手国から何が欲しいかということで向こうの希望を聞いてやらなくちゃならない。日本のそういった場合の基本的な考え方というのは、大体発展途上国でございますから、発展途上国の自助努力、自分が何かやりたい、食糧のような場合には、自分の国で食糧をつくるというようなことを中心に考えるというのが、私は援助の基本原則だろうと思います。 そういったことでございますし、それからまたもう一つ考えなければなりませんのは、タイとかビルマ等というような伝統的な米の輸出国があります。そういったところに対する影響というのもまた考えておかなければならない、そういった点があります。 いろいろと制約はございますが、こうした一時期でもございますし、いま御議論になっている過剰米の処理の問題でもありますし、また瀬野先生には昨年一緒に農林水産委員会でずいぶんこの問題につきましても議論をさせていただいたところでもありますから、私も十分先生の意を体して努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
○瀬野委員 時間が制限ございますのではしょった質問になりますけれども、いままで申し上げたことをひっくるめて、私はこの機会に本法審議に当たって最も大事なことを一つ提起し、各省庁とも協力を願いたいと思うのです。 それは、御承知のように第一次過剰処理によって失敗に終わり、五年間でやったから、今回は五十三年度から十年間ということで前回の倍の年数で、しかも三期に分けて生産調整をやろうという計画であります。米が余ったためにこのような本法改正に至ったわけでございますが、私は農林省当局はもちろんですが、大蔵省の理解も得ながら、外務省等の協力も得つつ、いろいろな方策を講じて日本農業を守っていかねばならぬという立場から、あらゆる英知をしぼって対策を講じてまいりたい、かように思うわけです。 そこで、第一次過剰処理、それから今回は第二次過剰処理、三たびこういった過剰処理が起こってはならない、かように思うわけでございます。また、そのような農政には農民は不信感を持つわけでございますので、国民の理解を得るためにも、日本農業を守るためにも、三たびこういった過剰処理の法律改正をするようなことのないように、ここでほぞを決めてかかってもらいたい、かように思うわけです。いわゆる農政の姿勢というものを今後正していかなければならない、かように思うわけでございます。 御存じのように、農民は減反政策によって一〇〇%を超す協力をしてまいりました。農民一人一人は目標達成に当たっては政府の言うとおり、また一部にはいろいろ非協力なところもあったとはいいながら、国全体としては全部目標を達成し、そして忠実に稲作転換をし、また稲作をやってきたわけです。天気の関係や何かで豊作であったために過剰が思ったよりも出たわけでございますが、その一人一人が達成した減反、それを総合的に計画を立て、見ていくのは、これは国であります。国が全体を見なければ、農民一人ではわからないわけです。そういった面からいくと、全体のいわゆる総生産量と総需要量とのバランスというものがずいぶん崩れてきたということは、やはり農林省当局のいわば農政の見通しの甘さがあった、こういうふうに私は思うのですけれども、その点は十分責任を感じておられますか、お答えいただきたい。
○片岡政府委員 ただいまお話のございましたように、米の生産についての見込み違いということは、確かに一面、計画に当たっておる農林省としての責任の一端はあると私は思います。しかしながら、かような状態になりましたのは、これはやはりなかなか人為だけでははかり知れない一つの自然の摂理といいますか、そういうものによって起こる分野もございますので、この点は御理解をいただきたいと思います。 しかし、何といっても、二回目にこういう過剰処理の事態の起きたことが三度目にないように、今後ともその消費の拡大、そしてまた米の転作等の問題について万全の計画を立てて、三たびかようなことのないように努力をしていきたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 農林政務次官から答弁ありましたが、大蔵政務次官からも答弁いただきたいのです。農林省側に答弁を求めればいいようなものでありますけれども、大蔵省の理解もなくてはなりませんし、農林省はああいうかたい決意を述べておりますので、林政務次官も農林委員会に長く所属しておられましたから十分御承知のところでありますが、これは三たびこういったことを起こしてはいけないと思うのです。そこで私は、この農林水産省の需給計画が実態に合っていないということに問題がある、こういうふうに指摘せざるを得ません。この機会に大蔵省も十分認識を改めてもらうためにも、その辺についての大蔵政務次官としての見解をこの場で明確にお答えいただきたい。
○林(義)政府委員 米の処理の問題、昨年もたしか農林水産委員会で二日にわたりましていろいろと瀬野先生と御議論した記憶がございます。米の過剰の問題をどうするかというのは、本当に農政の中で基本として考えていかなければならない大問題だと私は思います。いろいろと需給の問題、少し見通しが甘いのではないかなどということでございますが、農林省も一生懸命やる、こういうふうなことでございますし、農林水産政務次官から御答弁のありましたようなかたい決意の表明がございましたから、私たちもそれに沿って最善の努力を傾ける決心を改めて申し上げておきます。
○瀬野委員 この機会に食管についても一言触れておきたいと思うのです。 現行食管法は米の不足基調を背景としまして制定されたものであるだけに、米の過剰基調には何ら対応し得るものとなっていないということから、それだけに米が過剰傾向となっている現状において食管法の改廃というようなことが取りざたされている現状であります。私は、米はわが国の持つ自然条件、生産技術等の見地から見てわが国にとっては最適の作物、食糧であり、今後国際的な食糧事情が逼迫するような事態でも発生することになれば、わが国は米への依存を強めざるを得なくなり、たちまち米不足という事態に陥ることは十分懸念されるのであります。そのような事態においても米の安定供給、すなわち量と価格、両面がございますが、これらが確保され得る体制を保持しておくという意味から、現行食管法が持つこれらの機能は堅持すべきである、かように考えておるところでございます。 米は、言うまでもなくわが国農業の基幹作物であり、生産者米価をいかに保証するかということがわが国農業経営にも大きな影響を及ぼすのであり、そのような意味から生産者米価について現実に支持価格としての役割りを果たしている現行食管法の機能は堅持せよと一貫して基本的に私は主張してまいったところであります。 要は、以上申し上げた点の機能を保持して侵さない立場から米の過剰傾向に対応し得る食管制度のあり方について検討することはやぶさかではないことを明確にするものでありますが、これに対して農林、大蔵政務次官、食管についてはあくまでも堅持をするということであろうと思うのですが、簡潔に明快なお答えをいただきたいと思います。
○片岡政府委員 お話のとおり、食管を堅持をするということは、これはわが国の食糧政策のやはり一番大事な点であろうかと存じますし、生産側あるいは消費者側、この両面から申しまして、安心して国民生活が送れるという基本であると考えておりますので、これはぜひ堅持していきたい、かように思っておる次第でございます。
○林(義)政府委員 片岡政務次官からお答えがありましたから、もう私からつけ加えることはないと思います。同様な意見でございます。
○瀬野委員 食管は、逆ざや解消によって二、三年後には崩壊するというようなことが巷間批判が出ておりますし、また、われわれもそういったことを議員同士でいろいろと懸念しておることは事実でありますが、時間がございませんのでこれを詰めることはできませんけれども、大蔵政務次官も食管については国の制度として基本的に守る、こういうふうに午前中も答弁しておられましたが、私はよほどの決意がないとこれは守り切れない、また守るならば具体的にどうするかという問題もあるわけでありますけれども、どうかひとつこういった問題についても今後十分検討し、生産者及び消費者を守る立場からも、食管堅持ということについては日本農業の崩壊を防ぐためにも農林水産省並びに大蔵省相提携して今後十分推進を図るようにお願いをしておきます。 最後に、時間がわずかでございますので、通告しておいた問題で、以上申し上げた問題のためにも、私かねがね提案しておりましたことについて御答弁いただきたいと思うのです。 簡潔に申し上げますが、私は昭和五十三年二月十日に、農林大臣の所信表明に対して、こういった過剰基調の米を何とか対策をとるためにということで畦畔大豆転作、すなわち額縁転作と別名申しておりますが、こういったことを提案し、日本の農家の理解と協力のもとに今後推進すべきであるということを申しました。なお、五十三年九月二十七日、この問題について再び問題提起した際に、当時の今井政務次官は真剣に検討すると言われましたが、どういうふうに検討されたか、時間がございませんのでまたいずれ機会を見て詳しく政府見解をただしますけれども、その結論だけお聞きしておきたい。 もう一点は、五十三年十月十四日、日中平和友好条約の歴史的な委員会がございましたが、その中で超過米を中国に延べ払い方式でやれ、穀物借款とあえて私は申し上げましたが、こういったことを起こしたらどうか。これに対して大臣からも、結構な提案であるから慎重に検討して推進する、また園田外務大臣からも緊急援助あるいはその他についても前向きに検討するよう努力するという答弁がございましたが、以上二点について農林水産省から、それから外務大臣の答弁に対して外務省から、それぞれ簡潔で結構ですから答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思う。
○小島説明員 額縁転作の問題についてお答え申し上げます。 大臣、政務次官からも検討する旨のお答えをいたしておりますので、私どもも実務者の意見も聞きながら検討をいたしてまいったわけであります。 確かにお話のような転作のやり方が適合する場所もないことはないと存じますが、一般的な方法としてこれを推進するということになりますと、畦畔拡幅のために相当な盛り土をしなければいかぬ、相当な土工量を必要とするという問題もございますし、転作の確認というふうな観点からいたしますと、ただでさえも相当な繁忙をきわめております市町村の担当者からは、なかなか面積の確認が容易ではない、こういうふうな問題指摘を受けておりまして、一般的な方法として推進するのはいかがなものかというのがただいま現在の私どもの考えでございます。基本的な方法としては、やはりたんぼ一枚を単位といたしまして、基盤整備の上転作物を導入していく、こういう方法によりたいと脅えております。
○三宅政府委員 第二点についてお答えいたします。 中国からはまだ具体的な提案が参っておりません。これは日本側から貸すとかあるいは援助してやろうということではないので、先方からそういう要請がございましたならば、外務省としては関係当局と十分協議しながら前向きに対処してまいりたい、こう考えます。
○瀬野委員 時間が来ておりますけれども、農林水産省、いま答弁がありましたように、向こうが来るのを待つのでなくて、日本がこういう過剰基調で大変なときなんだから、公開の席で私もいろいろ提案したわけですが、できる、できないは別として、嗜好の問題もあるだろうし、事情のあることはよくわかっております。農林水産省としてももっと外務省当局とも連携をとりながら、中国の大使館あたりに話をするなりまた中国の様子を聞くなりやってもらいたいと思う。御存じのように、中国は四つの近代化を唱えて、その一番に農業を唱え、いま約九億近い国民がおり、行く行くは二・九億トンから四億トンの食糧増産をしたいという目標を掲げていま大きな近代化の推進を図っているときです。事情がわからないから、よく事情を聞いて積極的に進めるようにしていかなかったら、ただ手をこまねいておったのでは、私がいつも言うように、まさに農林水産省冬景色でひとつも春が来ない。前の大臣も、春どころかかすみも来ないと言う。かすみも来ないどころか、冬景色が逆戻りして酷寒景色になるという、まさにお先真っ暗ですよ。そういうことでは困る。本法提案によってこれだけ大変な過剰処理をしよう、財政負担をしようといって金利負担をしていろいろ考えているときに、ベトナム援助、それからまた低開発国に対する援助、また韓国に対する米の問題とかいろいろあるけれども、いろいろなことで知恵をしぼり、国内の消費拡大を図ると同時に、外国に対してあらゆる手を尽くし、また積極的に働きかけるというふうにすれば、日本の国民は一億ですが、中国は九億近い、日本の約九倍です。日本人が一人一日お茶わん一杯よけい食べても、いつかも言ったように、一年間に二百四十万九千トン消費がふえるのです。二日に一杯食べても百二十万五千トンという米が減るわけです。いかに消費が大きいかということははっきりしている。中国がすぐ日本の米を食べるかどうかはわからぬにしても、こういったことは大蔵当局も、また林政務次官も農林には関係の深かった方ですから、この機会に大いに大蔵、農林、外務とも話をしながら日本農業の安定のために、日本農業に春を呼ぶためにもひとつぜひあらゆる手段を尽くして、いわゆる無償援助あるいは延べ払い、貸し付け方式、あるいは穀物借款を起こすというふうにしてやれば、いま赤字国債でわれわれは大変な借金を子孫に残しております、二十一世紀は食糧が足らぬことは明白であるし、WHOの見解を見てもあらゆる見解を見ても食糧不足は言われていますから、そういうためにも、子孫のために今後十年、二十年の延べ払いで貸しておくと子孫は助かる、こういったことを考えて真剣に手を打ってもらわないと困る。 私はこういったことをいっぱい言いたかったのですけれども、時間が来ましたので、加藤委員長がこちらにサインを送りますからこれで終わりますが、どうかひとつこういったことを各省庁連携をしてやってもらわぬと、余りにもセクト主義過ぎるような感じがする、このことを言いたいために私は当委員会にわざわざ出向いてきて皆さん方に声を大にして言うわけです。 時間が多少経過して申しわけないけれども、最後に片岡政務次官、あなたはこれに対してどう思うか。積極的に推進すると大臣も言っているのだから、ひとつこの席で決意を明らかに披瀝していただきたいと思う。
○片岡政府委員 瀬野委員の真剣な御意見に対しまして、深く敬意を表します。 私も余り米ということでなしに、幸い天の恵みによって日本が豊作だった、だから、その豊作になった米を、天の恵みに恵まれない人たちのために何とか使ってもらおう、そういう意味で無償供与なりおっしゃるようないろいろの方法で何とかこれを、せっかく汗水たらしてつくってもらったものをえさに回さないように、人間に食べてもらう、こういう方法で何とかやりたいということでいま関係省といろいろ検討をいたして、その実現に向かって進んでいきたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 では、委員の御協力を感謝しつつ質問を終わります。ありがとうございました。
○加藤委員長 神田厚君。
○神田委員 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げます。 まず最初に、過剰米の処理対策の全体的な計画が示されているわけでありますが、その実行がきちんとできるかどうかという問題が非常に大事なわけであります。全体計画につきましては初年度、五十四年度は工業用三十万トン、輸出用二十万トン、飼料用十万トン、計六十万トンというふうに言われております。この全体計画を見ていきますと、計画がうまく実行できるかどうかということについて、五十四年度から、その後を含めましても非常に心配があります。以下その点につきまして御質問を申し上げていきます。 最初に工業用の三十万トン、これは五十四年度でございますけれども、この問題につきまして、三十万トンという数値をつくったのはどういう根拠によるのか、その辺はいかがでございますか。
○澤邊政府委員 工業用といいますのは米菓、せんぺいでございますが、それからみそ、しょうゆ、しょうちゅう、米穀粉といったようなものが主になるわけでございますが、従来もこれにつきましては、古々米を中心といたしまして破砕精米という形で売却をいたしておるわけでございます。 これのこれまでの需要の推移を見てみますと、大体四十八年ごろがピークでございまして、二十八万トン処理したことがございます。したがいまして、最近、一昨年から昨年にかけまして、くず米の方に需要が移行いたしましてやや減る傾向が出ましたけれども、一昨年の十一月に価格を引き下げまして需要の喚起をいたしましたところやや盛り返しておりますので、前回のピークぐらいまでは何とかいきたい。そのほか、さらに最近種々の技術開発によりまして新製品が出ております。ライスワインとかライスブレッドとかライスクラッカー、いろいろございますが、そういうような新製品の開発によって新規の加工需要を求めていくということも必要だと思いますので、それらに対しまして研究なり試験段階での無償交付なりは一部やっておりますけれども、そういうものの需要も今後できるだけ開発していくという努力も含めまして、三十万トンを目標にして毎年処理していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○神田委員 これは三十万トンというのは、もともと輸出用の価格と同じ程度で工業用に回して、それでその三十万トン程度の需要を見込んだ。ところが、現在はこの処理の売り渡し価格を見ますと、処分の予定価格は十一万五千七百円、輸出用の価格は五万一千六百円、工業用で処分する予定価格というのが相当上がっておるわけです。このことは農林省の内部でも価格の問題についてはいろいろ議論がありまして、たとえば現在のような価格でいきますと十万トン程度しかはけないのではないかというような議論もあるわけであります。 そういうことから判断しますと、果たしてこの予定価格十一万幾らで三十万トンの工業用の処理ができるかどうか、これは非常にむずかしいと思っていますが、いかがでございますか。
○澤邊政府委員 十万トンということはございませんで、ごく最近の、五十三年度の見込みで言いましても二十数万トンはける、二十二万トンぐらいかと思いますが、処理できる見込みがございます。したがいまして、さらにこれを努力することによりまして三十万トンの処理を達成したいというふうに考えておるわけでございます。 価格につきましては、もう少し下げろというような御意見も一部にございますし、下げればそれだけ需要が伸びるということは当然言えるわけでございますけれども、ただ現在の価格は、主食との関係から見ましても、かつて二十数万トン処理したころとのバランスからいいましても大体均衡がとれておりますし、破砕精米にいたしまして十四万三千六百円でございますが、そういうバランスもとれておりますし、価格を下げましてもその分だけたとえばみそ、しょうゆ、せんべい用に需要が伸びるということはなかなか期待しにくいので、下げるとすれば今後ふえる分だけではなしに、根っこから全部下げろという議論に恐らくなるのではないか、といたしますと、食管の損失という面からすると、いま以上に下げた場合に果たしてどれだけ損失が少なく処理できるかという問題はなお慎重に検討を要する問題があろうかと思います。したがいまして、とりあえず現行の価格で努力するということにいたしておるわけでございます。
○神田委員 私は下げろという話をしているのではないのです。三十万トンの工業用の処分が全体計画の中できちんとできるのかどうか。ですから、価格を下げて三十万トンにしろという話だけをしているわけではありませんで、計画自体に、相当努力をしなければできないんじゃないか、非常に無理があるんじゃないかという話をしているのであります。
○澤邊政府委員 先ほどお答えいたしましたように、最近年間二十二万トンの需要がございますので、新規用途も含めまして努力をすれば、私どもといたしましては達成不可能な数字ではないというように考えております。 二十二万トンと申しましたのは五十三年度の見込みでございます。
○神田委員 次にもう一つ、輸出用の問題であります。 御案内のように、いま世界はやはり米の需要というものが非常に減っております。これはアメリカの小麦の生産等の関係もありまして、そちらの方をたくさん使うような関係から、米を輸入していた国もだんだん減少傾向にある。こういう状況の中で初年度二十万トンの計画を立てているわけでありますけれども、これが果たしてこれから五年間二十万トンという形で処理できるのかどうか、これも私は非常にむずかしいのではないかと思うのであります。その辺の見通しをお聞かせいただきます。
○澤邊政府委員 世界の米の需給事情は、昨年が史上最高の豊作であったということもございまして、前回、過剰米の処理を輸出用途に向けたというときの環境よりは確かに悪くなっております。したがいまして、前回は単年度で、一年の間に四十万トンとかあるいは多いときには八十万トン近い処理をしたことがございますが、そこまで見込むことは過大ではないかということで、とりあえず二十万トンということにしておるわけでございますが、ことしは昨年の豊作のためにずいぶん緩和しておるということでございますが、インドネシアのように恒常的な輸入国がございます。これが年間、ことしは百五十万トンぐらい必要とするというような情報もごく最近得ておりまして、日本に対しましても延べ払いによる援助の申し入れがごく最近参っておりますので、その可能性はあると思いますし、さらに、水害を受けた国等も一部ございますし、先ほど来お話の出ております中国等につきましても、非公式な情報でございますけれども、いい条件ならばというような話もございますので、五十四年度については二十万トン実行可能だと思います。その先のことはいま明確に申し上げるわけにいきませんけれども、この程度の数字ならば、伝統的な輸出国に対する配慮をしながらも可能ではないか。最大の努力をしてみたいと思っております。
○神田委員 インドネシアの話が出ましたね。ベトナムのこの前の話はどうもうまく立ち行かなかった。今度のインドネシアの話というのは、成約に至る可能性が十分あるのかどうか、どの程度の形で話がきちっと来ているのか、その辺はお聞かせいただけますか。
○澤邊政府委員 私ども、外務省から公電で承知しておるところによりますと、ごく最近、年間百五十万トンぐらいの輸入をしたいということで、わが国に延べ払いでかなりの量を欲しいという希望が出ております。ただ、条件等につきまして今後話し合わなければいけませんし、今後話をできるだけ詰めまして、予算成立あるいは法案が成立しますれば早急に締結できるように最大の努力をしたいと思っております。
○神田委員 もし、そういう形で来ておりますならば、合計百万トンの輸出用の処理の問題というのは単年度の問題ではなくて、長期契約の形で処理をしていけば一つの解決の方向があるわけですね。その辺はいかがでございますか。
○澤邊政府委員 長期契約が締結できますれば大変結構なことではないかと私は思うわけでございます。処理の計画もはっきり見通しができるわけでございますので、安定した処理ができるという意味で結構だと思うわけでございます。ただ、一般論で恐縮でございますが、東南アジアが対象国になるわけですが、東南アジアの稲作というのはかなり不安定でございますので、年によって国内で需要を満たすということもあるかと思うとかなりの不足が出るというような、生産の不安定性が他の先進国等に比べますと大きいので、果たして相手国が長期契約まで結ぶことができるかどうかというような問題があろうかと思いますが、しかし、考え方としては締結できれば結構なことだと思いますので、私どもは十分検討させていただきたい、このように思います。
○神田委員 そうしますと、輸出用の問題は五年間の計画にこだわらないで、もしこのインドネシアとの百五十万トンの問題が解決するような方向ならば、計画変更もあり得るわけでございますね。
○澤邊政府委員 私どもは処分の用途といたしましては、大きく見まして工業用、これは加工原料用でございます。それから輸出用、飼料用と、三つ考えておるわけでございますが、食管の損失という面からいたしますと、後へ行けば行くほど損が大きく出るわけでございます。飼料が一番売り渡し価格が低いわけでございますから損が大きく出るということでございますので、一応の目安といたしまして、平年度は百万トンのうち五十万トンを飼料に振り向けるということを考えておりますけれども、なるべく損のいかない効率的な処理をするためには、できるだけ第一順位はまず工業用、第二順位は輸出用、どうしても処理できないものはえさ用というような考え方で運用していきたいと思いますので、仮に輸出が、おっしゃるように予定した以上に伸びるということになりますれば、その分は飼料用から振り向けていくということは当然考えていきたいと思っております。
○神田委員 この件につきまして外務省の方で大変お骨折りをしていただいておるわけでありますけれども、外務省の方ではどんなふうな見通しで、今後どういうような形で進めていかれるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
○大鷹説明員 国産米を援助に振り向けてはどうかということにつきましては、外務省は現在前向きの姿勢で検討いたしております。もともと私どもは食糧そのものを援助するよりは、むしろ長期的には相手国が食糧増産をすることの方が大事だと考えております。そのために援助をするのが、彼らの自助努力を助けるという本筋からいって正しいやり方だと思っておりますが、他かにおいて、目の前の食糧不足を何とかしてほしいという切実な要請にも接しますので、そのときには食糧を供与するということになるわけです。その場合でも、いろいろ考えなければならない事情はございます。たとえば、果たして日本のような質の米を先方が嗜好として好むかどうかということが一つございますし、さらに伝統的に米を輸出して、その輸出所得を当てにしている国が相当あるわけです。日本の食糧援助でも、たとえばタイとかビルマとかパキスタン、エジプトの米を買って、食糧不足に悩んでいる国に提供しているわけです。 そういうことはありますけれども、しかしながら、まずもって私どもは現在のこの段階でどういうニーズが存在するかということから始まりまして、前向きにこの問題に取り組みたいと考えておるところでございます。食糧援助についてはいろいろなやり方がございますけれども、特に食糧援助の枠内でこれを考えていきたいと思います。一般無償につきましても可能性を検討しておりますけれども、これはまた相手の国によっては、学校とか病院とか、そっちの方が優先順位が高くて、食糧は延べ払いでという向きもございます。インドネシアなんかは現在、先ほど話が出ましたけれども、二十万トン延べ払いで欲しいということを予備的に打診してきております。そのほかにアフリカの諸国もどうやら米には関心があるようで、具体的には先般訪日されましたシエラレオネの外務大臣、建設大臣、経済企画大臣、この三人の大臣が異口同音におっしゃっていたのは、日本米の延べ払いが欲しい、こういうことでございました。
○神田委員 輸出の問題はそういうことで相手のあることですから非常にむずかしい面がありますし、ひとつ外務省にそういう面では大分骨を折ってもらわないといけないわけでありまして、少なくともこの五ヵ年で百万トンというように掲上しているものは、やはりそれなりの計画できちんと遂行できるようにひとつよろしくお願いしたいと思っております。 それで、先ほど私は政務次官の答弁を聞いておったのでありますけれども、全体計画からいいますとおおむね五ヵ年でやるのだということで、五年間でびしっとやるというきちんとした答弁がなかったようなんでありますが、いろいろむずかしい面はありますけれども、ここでまた過剰米の処理もできないのかというようなことでいろいろ出てきますと農政の問題上も非常に問題だし、国の経済の上からいっても大きな問題を持っておりますが、その辺はどうなんでございますか。
○片岡政府委員 先ほどからも五年間のうちに処理をしたい、またその決意でおるということを申し上げておる次第でございまして、御理解を賜りたいと思います。
○神田委員 それでは、この問題に基本的にかかわってきます問題でありますが、やはり過剰を起こした経緯というものをきちんと整理をして、そして、その責任をはっきりした形で明確にした上でこれから先の需給計画の問題等もしていかなければならない、私はこんなふうに考えているわけでありまして、過剰が起こった原因、その責任についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○澤邊政府委員 この過剰が累積しました原因につきましてはいろいろございますけれども、大きく言いまして、やはり生産面におきまして、四十六年度から生産調整を始めたわけでございますが、大体単年度需給均衡というところに近いところでやってきたわけでございますが、四十九年、五十年ごろから、当時御案内のように国際的に穀物が非常に逼迫をいたしまして価格も高騰したという中で、そういう事情を背景といたしまして、国内で食糧の自給率を大いに引き上げるべきだというような世論が急激に高まった、そういう中で農家の稲作に対する意欲というものが非常に高まってきたということも一つの要因だと思います。それからまた、五十一年は冷害でございましたけれども、最近だけ見ましても、五十年、五十二年、五十三年とかなり豊作が続いております。これも予期せざる豊作ということでございますので、生産量が計画量を上回ったというのも一つの要因になっておると思います。 それから他方、需要面におきましては、食生活の多様化といいますか、高度化といいますか、そういうことによりまして米の主食としての地位がやはり低下をしてきております。これは終始一貫して微減できておるわけでございますが、一時、オイルショック当時減り方が減った、減りどまる傾向がやや見られたわけでございますが、ここ二、三年再び一人当たりの消費量の減り方が大きくなっている兆しが見られます。そういうことがございまして、消費量が計算上よりは下回ったというようなことがあるわけでございますが、しかし、そういう客観的なことだけではなしに、私どものやっております農政の米あるいは他の農産物についての価格なり流通なりあるいは生産対策、それらにつきましても十全でなかったということは率直に認めざるを得ないというふうに思います。
○神田委員 いろいろ原因はあることはわかっておりますが、今後やはり過剰を起こしてはいけないという観点から言うと、現在の適正在庫というのはどのぐらいに見ておりますか。
○澤邊政府委員 これは数年前から農林水産省、他の省とも協議をいたしまして、平年の場合は二百万トンの古米を新米穀年度に持ち越すというのが、備蓄の意味を含めました古米の持ち越し量というふうに考えております。それ以上に持ったらいいじゃないかという御意見もかなり多いわけでございますが、日本の稲作は非常に安定しておりますし、需給操作の面からいたしますと、余り大量の古米を持ち越しますとどうしても新米に圧倒されまして政府米の売れ行きが悪い、消費も伸び悩むということにもなりかねないので、それを両方にらんで二百万トンというのを平年度の持ち越し量に考えておるわけです。
○神田委員 二百万トンの内訳はどうなっておりますか。
○澤邊政府委員 私どもの考えといたしましては、一年古米を正常に円滑に回転する場合には、一年古米を翌年度に加工用を含めまして二百万トン持ち越すということで翌年食べてしまいまして、新米を次の年にも二百万トン持ち越すというのが、きわめて単年度バランスながら、回転する場合はそういうことでございますが、実際は生産の振れがございますので、二年古米を持ったりあるいは一年古米が足らないということもあり得るという前提で、二百万トンを通常ベースで持ち越しすることを考えておるわけです。
○神田委員 これで五十三年までの一応過剰米処理をやるわけですから、これから先の古米の適正な在庫あるいは古米の持ち越しというのは、一生懸命努力をすれば農林省の言った方針できちんとできるわけですね。その中で、私の聞いておりますところでは、工業用に三十万トンやはり考えているということでありまして、私はどうしてもこの工業用の三十万トンというものをきちんと工業用にはけさせるような努力がされなければ、これがやはり過剰になってまた残っていくというような形になっては非常に困ると思っておるんでございますが、その辺はいかがでございますか。
○澤邊政府委員 私どもといたしましては、二百万トン持ち越すうちの約三十万トンは、通常の持ち越しの場合でも工業用に振り向けていきたいというように考えておるわけでございますけれども、今回の過剰米の特別処理に当たりましては、この分は通常の売却ではなしに過剰米処理の中で扱っていきたいというように考えております。
○神田委員 それでは、食管の問題にちょっと触れさせてもらいます。 農林省は食管の根本は守っていくのだ、根幹は守っていく、こういうことを言っておりますね。この食管の根幹というのはいろいろありますけれども、食糧管理法の第一条は目的を定めたものであり、第二条はその種目でありまして、第三条は政府が生産者の生産したものを買い入れるということとそれを再生産が確保できる形でやるのだ、こういう条項があるわけであります。食管の根幹を守るということ、つまり第一条−第三条にわたってそれをきちんと御理解なさっているのかどうか、その辺はいかがでございますか。
○澤邊政府委員 食管制度の根幹を維持することが必要であるという考えは農林水産省といたしましても一貫して持っておるわけでございますが、その場合、根幹といいますのは、基本的な食糧である米の必要量を確保いたしまして、国民経済の安定を図るために政府が需給及び価格の調整を行い、米の配給についての必要な規制を行う、これが根幹であるというように言っておるわけでございます。 お尋ねの二条、三条との関係でございますけれども、二条は定義のようなことでございまして、主要食糧は何だということで米、麦以下を述べておるわけでございます。三条につきましては、政府に対する売り渡し義務と、買い入れ価格の決定の規定といたしまして再生産の確保ということも書いておるわけでございますが、先ほど申しました根幹をさらに具体化したものの一部であるというふうに考えております。したがいまして、三条の再生産確保のための価格決定ということを当面変える必要はないと思いますし、その規定に即した運用は当然やっていくべきだというふうに考えております。
○神田委員 それからもう一点は、食管制度の改善で過剰を起こさないようにしたい、これは運用の改善等も含んでそういうような議論があるわけですね。そういう中で一つは、たとえば必要な量だけ政府が買ってあとは農民の処理に任せるというような考え方も一部にはあるように聞いておりますけれども、その辺のところはどんなふうにお考えでございますか。
○澤邊政府委員 食管制度の改善につきましては、これまでもいろいろな機会に種々研究が行われましたし、また種々の御意見が各方面にあるということは御案内のとおりでございます。ただいま御指摘のありましたのは、恐らく部分管理的な考え方と申しますか、現在のように流通するものの大部分を政府が管理する、買い入れなり自主流通米という形で管理をするということではなくて、何%ということは使途によって違うと思いますが、部分的な管理にとどめてあとは自由な流通に任せるというような考えを言っておられるのかと思いますけれども、私ども現在食糧管理制度の運用の改善問題について研究を始めておりますが、直ちにそういうようなことを考えているのではないのでございまして、現在の食管制度の基本の中で運用面でいろいろ問題が出てきております、過剰ということに起因する問題が主でございますが、いろいろ出てきておりますので、それを実情に合わせてどういうふうに変えていったらいいかということを検討しておるわけでございます。制度そのものといいますより、運用面での弾力的な処理によってむしろ制度そのものは維持していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○神田委員 それでは、この問題に関しましてはもう一点です。 逆ざや問題がいろいろ言われておりまして、これは食管会計でも非常に問題になっているところであります。昨年、五十三年の暮れの米審の答申によりまして「米穀の過剰基調の解消と末端逆ざや解消後における食糧管理制度の運営の適正化に十分配慮しつつ」いろいろやれというふうに出ているわけでありますね。これは一説によりますと、四月に米審の懇談会をやって、この逆ざや解消後の食管運営についての一つの農林省の意見を出されるというふうな話でありますが、その辺のところの話はどんな点についてどういうふうに進んでおりますか。
○澤邊政府委員 昭和五十一年の米価決定の際に、政府といたしまして、五十一年からおおむね五年間を目途に売買逆ざやを是正するという方針を決めまして、その後売買逆ざやの是正を図ってきておるところでございまして、ことし二月一日に政府の売り渡し米価を上げました際にも、その線に沿って四・二%の引き上げを行ったわけでございます。今後この方針を進めるに当たりましては、過剰下という問題もございますが、家計費の状況あるいは物価の動向、それから需給あるいは消費の動向、また財政事情というものを総合勘案いたしまして適正に進めていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。 そこで、先般の十二月末の売り渡し米価改定に伴います米価審議会におきまして、売買逆ざやを是正することを進めた場合に、下手をすれば食管の流通が非常に混乱をするおそれがあるので、食管制度の維持そのものにも場合によっては支障を来す心配もなくはない、したがって逆ざや是正を進める場合に食管の流通関係を初めとする運営問題について慎重に検討する必要があるので早急に検討しろ、こういう御答申をいただいたわけでございます。したがって、それに即しまして、ことしの初めから事務的に食糧庁内部において検討を開始しておるわけでございます。 まだどのような取りまとめになるかということを申し上げる段階に至っておりませんが、できますれば四月ごろに米審の懇談会でも開いていただいて、そういう御要請もございますので、問題点をそれまでに整理して、できますものならば方向づけもしていきたい、しかし大変むずかしい問題でございますので、そう簡単にいきなり結論が出る問題でもないだろうというふうに考えております。
○神田委員 これは大変大事な問題ですけれども、そのポイントはどんなふうになりますか。
○澤邊政府委員 問題の整理を始めておるところでございますので、ポイントといいますとなかなかお答えしにくい面がございますけれども、米審等で出ました点は三つばかりあると思います。 一つは、売り渡し米価と買い入れ価格を逆ざや是正するというか、接近させることでございますので、そうすれば、政府に生産農家が米を売却いたしましてもあるいはいわゆるやみに回しても稲作所得はほとんど変わらなくなるというふうにも考えられるので、そうしますと、いまの行政の最大の課題である米の生産調整、転作推進ということにも支障が出はしないかということ、そういうことになりますればやみ流通というものはいま以上に横行するということになりますので、流通が非常に混乱し、正規の販売業者の経営自体も非常に混乱するのではないかというようなこと、あるいはまた、逆ざやの是正の仕方にもよりますけれども、従来のように売り渡し米価を引き上げることによって是正をしていくということになりますと消費の減退ということにもつながるおそれがある、それらをどのように考えるかということでございます。 これは食管の運営問題だけでいまの問題をすべて解決できるとも私どもは考えませんが、食管の運営上も考えるべき問題があり、また、稲作の転換それ自身のやり方、消費拡大のやり方自体によっても総合的に解決できる問題だろうと思っております。
○神田委員 政務次官、ただいまの問題、それから食管の問題について一言御見解を述べていただきたい。
○片岡政府委員 いま食糧庁長官が申し上げましたとおり、食糧管理法の第一条に決められております根幹、これはわが国の食糧政策のそれこそ本当に根幹にかかわる問題でございますので、これは根幹を守って、そうして生産者側も消費者側も安心して国民生活が送れる、こういうふうにしていきたい、こう思っておる次第でございます。
○神田委員 最後に大蔵省の方にお尋ねします。 これは大変大事なことをやっていただくわけでありますが、全体計画の中で、たとえばピークのときには千三百億あるいは千五百億くらいいくかもしれない状況で、これが農林予算に対しても非常に影響力を持ってくると思うのであります。こんなことで、そういうものについてどんなふうにお考えなさっておるのか。 さらにもう一点は、食管の経費節減のためにどんなふうなことを大蔵省としてはお考えになっておられますか。食糧証券やいろいろな問題が出ました。国庫余裕金の運用等につきましてのお考えをあわせて聞かしていただきまして、御質問を終わりたいと思っております。
○林(義)政府委員 御指摘のように、ピーク時には千三百億円になるということでございますけれども、そういった今回の計画の策定に当たりましては、最近の国の財政事情を考えまして、単年度の繰入額を無理のない額になるように配慮をいたしたところでございます。お示ししています計画のとおり、七年間の期間にわたりまして、継続的に一般会計から繰り入れる、こういうふうな形での処理をしたことで御理解をいただけるものと思います。 食糧証券の問題、御指摘ございましたが、食管会計というのは、米の買い入れをするときに食糧証券を発行して日銀に引き受けてもらって、それで買い上げをして、そして売って代金が入ればそれで返していくというような形になっていることは御高承のとおりでありますが、そこを日銀の短期の借り入れということでなくて、国庫余裕金をということでございます。国庫余裕金につきましても、実は国庫の状況、大変に逼迫しておる折でございますが、確たることをいまこの際どのくらい食糧の特会の方に回せるかということは申し上げられませんけれども、御趣旨でもございますから十分に配慮してまいりたい、こういうふうに考えております。
○神田委員 終わります。
○加藤委員長 津川武一君。
○津川委員 前議員に続いて、米の支出について若干質問してみます。 過剰米は保管経費だけで年間トン一万七千円、さらに評価がえによる損失を考えると、一日も早い処理が財政上からも求められております。また、消費者においしい米を届けるという立場から言うならば、新米を優先的に配給する、古米は食用にしないで工業用や輸出用などで活用する方向も妥当であります。 私たちはこういう意味から昨年にも政策を出しました。それは現在のアメリカの世界戦略に追従した食糧援助の形態を改め、平等互恵の正しい援助の原則に立ち、相手国の農業を圧迫しない形で米を経済援助や延べ払いの対象に加える、こういうことも入れて食糧援助を強める、こういう問題を提起してみたわけです。 そこで、ただいま神田委員の質問も聞いていましたが、四百八十万トンの過剰米の処理、積極的にこちらからも持ちかける、輸出するように積極的に動くべきだと思うのです。お話を伺っていると、必ずしも積極的でないようです。 そこで現在、この援助を有償、無償または貸してやるというふうなかっこうで積極的に日本で交渉している国はどこか、向こうから言われていま話し合いしておる国はどこか、この二点を答えていただきます。 時間が二十分というので、続けていきます。 第二の問題はベトナム。あの水害で大被害を受けたベトナムに対する米の援助について、この間まで話し合いを進めたと聞いておりますが、その状況がどうなっておるのか。こちらからさらに言っていくのか、向こうから来るのを待つのか。私は十五万トンの貸し付けなので、こちらからもやるべきだろうと思うし、向こうから来たらこれに応ずるべきだと思いますが、この点、二点。 第三点は、岩手県や岐阜県の農協から起きたベトナムへの米の援助、岩手県の人たちが一部出しましたけれども、いまとまっております。これはベトナムとカンボジアの情勢を評価する点について問題があったと思います。私たちはこの点で全国農業協同組合中央会とよく話してみました。そしたら全国農業協同組合では、単協として申し入れがあるならばわれわれはそれを育ててみたい、こういうことなんです。したがって、政府としてもこの点でむしろ積極的にそういう運動を助長するようにやる。単協から来たときにはもちろん援助してやるべきだと思うのです。 こういう点で、米の輸出の問題、三点答えていただきます。
○澤邊政府委員 積極的にこちらから援助のアクションを起こすべきであるという点は御指摘のとおりでございまして、私ども手をこまねいて向こうから申し入れがあるのを待っておるわけではございませんので、在外公館を初めこちらの大使館等を通じまして、公式、非公式に情報もとりながら話も進めておりますし、今後そのようにしていきたいと思っております。 そこで、現在交渉中の国はどこだという御質問でございますが、まずベトナムの問題がございます。これは第二点のお尋ねとも関連いたしますので先にお答えいたしますけれども、昨年の夏、大水害によりまして約二百万トンばかり穴があく、百万トンは計画経済国からそれぞれ援助なり輸入する、その他を国際機関並びに自由主義諸国から期待したいという話がございまして、十一月の末にわが方に対しまして現物貸し付けの要請が参りまして、いろいろ話を進めておりまして、十二月にベトナムの外務大臣が来られまして、園田外務大臣とこの件を含めて経済協力の諸問題についてお話し合いがございまして、その際、わが方といたしましては、十五万トンの現物貸し付けをとりあえず行うことについて考えがある、ただ条件はこれから話し合いましょうということで、随員同士の話し合いも一、二回やりまして、ただ現物貸し付けの条件で、貸し付け手数料と言っておりますが、それにつきましてもう少し何とかならぬかというような話がございまして、一たん現品も、サンプルを持って帰って、年を越したら改めて御相談しましょうということで帰られたわけでございますが、その後年を越しまして、御承知のような国際情勢が急変いたしましたので、その後向こうからは特に話がないわけでございます。 私どもといたしましては、率直に申しまして、食糧庁の立場からいたしますと、過剰米処理という立場だけからすれば積極的に進めるのも一つの方法だと思いますけれども、ただ、事は外交問題、国際問題という微妙な問題でございますので、慎重に検討するような情勢も出てきておりますので、私の方から現在、特に積極的にアプローチはしてないというのが現状でございます。向こうからさらにお話があれば、その段階で外交的配慮も十分加えた上で、どうするかを決めていくということになろうかと思います。話を打ちどめにしたとか、そういうことではございません。 それから、その他の国はどうかという点につきましては、現在、話がごく最近ございましたのは、インドネシアから延べ払い方式によりまして二十万トン、こういう話が来ております。その他の国におきましても、いろいろ非公式な情報としては私どももやっておるわけでございますが、オープンにしてお話をする段階まではまだ至っておりません。あらゆる努力を通じましてやってまいりたいと思っております。 それから農協の、岩手県、特に岐阜県を中心とする全国運動としてのベトナム救援米の問題でございます。これは民間の自主的な運動でございますので、政府がとかく言うべきものではないと思いますが、国際情勢の急変に伴いまして、全国農協中央会といたしましてはこれを打ち切ったわけでございます。ただ、一部はすでに発送いたしておりまして、二百トン前後ですか、すでに出ております。さらに、いまお尋ねございました単協でやはり人道的見地から出したいということであれば、私どもはそれをとめる理由は何もございませんので、食管法上の輸送の許可なり輸出の許可ということは、具体的な事情に応じてやってまいりたいというふうに考えております。
○津川委員 こちらから積極的に輸出できるようにすることは非常に大事でございますが、そういう点で、何かいまの話だと、こちらから呼びかけておるところはなさそうな気もする。これを積極的に進めることを要請して、時間がないので次に進んでいきます。 その次は、四百八十万トン、五年間で処理する。財政的には七年間繰り延べ。そうすると、五十八年度の処分についての損失補てんは最終的に六十四年までかかる。五十四年度から十一ヵ年過剰米処理のために損失補てんを実施することになる。これで繰り延べの金利負担だけでも八百億円。そこで、この金利負担を、少しでもいいから食管会計から楽にする。食管会計の赤字が多いと米つぶしの材料に使われる。特に大蔵省はこの点でベテランだもの。そういう点で、一つには、金利を少なくするためにこの期間をもっと短縮すべきだと思うのです。この点どう考えているか。 第二には、そういう点で食管会計というものを米つぶしの攻撃の材料にしないために、幾らかでも楽にする意味において国庫余裕金を可能なだけ利用することが食管会計の赤字を少なくすると思うのです。 この二点について答えていただきます。
○林(義)政府委員 国庫余裕金の方の話を申し上げたいと思います。 御指摘のように、国庫余裕金を使えば政府が食糧証券を発行して日銀でやるよりは安くつくということは事実でございます。事実でございますが、国庫余裕金の方もこういうふうな財政窮迫の折で大変苦しい状況でございます。そういった状況でございますが、御指摘もございますし、先ほど神田委員からも御指摘がありましたから、さらに十分検討してみたい、こう思っております。 それから、期間を短縮するというお話は、これは五年の期間を短縮しろというお話だというふうに私は了解いたします。七年はむしろ延ばした方がいいんだろうと思いますから、五年の期間を短縮できるかどうか、これは食糧庁の方から御答弁させます。
○澤邊政府委員 五年間で今回処理する計画を立てておるわけでございますが、これは処理の可能性という点を考えまして五年がいい。もう一つ考慮いたしましたことは、大体五年ぐらいのうちに処分しませんと品質が低下いたしまして、処分すらできなくなるという心配も出るおそれもございますので、五年間ということを考えておるわけでございます。 前段の方につきましては、先ほど来種々お答えいたしておりますように、処分の環境は前回に比べてかなり厳しいものがございます。特に輸出につきましては米の需給が世界的にかなり緩和しておりますので、特定の国は別にいたしまして、前回ほど日本米に対する需要が多くない。それからまた、えさに処分することにつきましても、損が一番大きくなるということもございますが、最近国際的な貿易調整の問題が種々強い要請となって日本に向けられておることは御案内のとおりだと思います。そういう観点からいたしますと、余り一時に大量に処分をいたしましてトウモロコシとかコウリャン等の輸入量が激減するというようなことになるとまた国際的な紛争の種になりかねないということも考えますと、配合飼料の原料にするわけでございますが、配合飼料の消費が毎年伸びておりますから、そういう伸びの範囲内におさまるということが適当ではなかろうかということを考えまして五年と決めておるわけでございます。
○津川委員 進めていきます。 今度の損失補てんで心配になるのは、十一年間も続けると、その問に生産者米価に対する大蔵省サイドの何らかの圧力が心配になる。米価抑制のてこに使われるのじゃないか。そこで、今回の措置を決めるに当たって、大蔵省との問で米価抑制などの密約みたいなのは万々あるまいと思いますが、そうでないと、これまたことしの生産者米価で、去年も大蔵省は「生産者米価及び消費者米価について」という、こういう分厚いものを出して、これだけになっているのだからというので、過去に過剰米が発生した、一兆円からの財政負担をしたから生産者米価は上げてはいけないというふうな論陣を張っているわけなのです。 そこでここの点、そのつもりがないのかということと、今度のことで大蔵省と農林省の問で条件が、大蔵省の方から条件がなかったのか、この二点を伺いたい。
○林(義)政府委員 そういった密約というようなお話は、どうもこのごろは密約密約と言うのがよくはやるようでございますが、そういった密約はございません。
○片岡政府委員 大蔵省としてはいろいろのお考えはあるかも存じませんが、われわれはそのことを別に言葉として聞いたこともなければ、密約したこともございません。
○津川委員 ないというので安心しましたが、農民は一生懸命なんだな。生産調整せよと言えば計画よりもよけいやっている。こういう点で、農民にこの面での責任を転嫁して、この過剰米ゆえに農民に不利益をさせないように重ねて要求して、次へ質問を進めていきます。 食管の問題について若干お尋ねします。 この間、別の委員会、農林水産常任委員会で渡辺農林水産大臣に食管の基本は何なのか、政府の統一見解を出したことがあるが、あれを守るのかと聞いたら、渡辺農林水産大臣は第一条を読んだだけで逃げてしまったのです。これをもう少し、守るべき食管の根幹というのは何かということをきちっとさせておかないと、農民も食管を守るためにがんばると言っている、農業協同組合も食管を守るためにがんばると言っている、消費者も食管が守られなければ大変だと言っている。この点があいまいなのです。これはまた後の別な機会にお尋ねすることにします。 そこで、食管の三条の二項とも関連して、この間、三月一日、今年の生産者米価から、従来の銘柄米奨励金を廃止し、基本米価に新たに銘柄格差を導入する方針を農林水産省は決めたと報道されております。また、澤邊食糧庁長官は、三月一日の衆議院の予算委員会の分科会で、基本米価に銘柄格差を導入するのが望ましいと答えた。議事録を見てないからまだわかりませんが、こう報道されております。 そこで、基本米価は、いま言った第三条第二項に基づいて再生産の確保を旨として米価は決める、これが食管の原則です。また、品質に応じた格差と言っても、基本的に政府が管理している米についてその価格差を何で評価するのか、これが問題なのです。確かに自主流通米制度ややみ米の横行で限定的な産地銘柄についての市場評価が形成されている向きがありますが、これはあくまでも米全体の流通の中で例外的な一部です。九州なんかに行くとがらっと変わってまいります。この点で、澤邊さんが銘柄格差を生産者米価の中に入れるという点はおかしいと思うのです。 そこで問題は、まだそれだけでは片づきません。現実に、たとえば新潟のコシヒカリなどは他の品種に比べて反収が落ちる。そこで、銘柄米をどうしてもつくらせようとすれば減収量の分だけ作付を奨励していかなければならぬ。こういう点で奨励金を出すというならば、それはそれなりに理解できると思います。しかし、基本米価に品質格差を導入するというのは食管を恐ろしく破っていく、制度を壊すことになる。また逆に産地問の分断もねらわれるので、これは遠慮しなければならないと思うのです。 したがって、食糧庁長官に、この問長官の言ったことは何を意味しているのか、食管でこういうふうな品質格差を導入するのは問題だと思いますが、この二点について答えていただきます。
○澤邊政府委員 最近一部の新聞にそのことが書かれておりますが、私が申し上げましたのは、政府の買い入れ価格に品質格差を導入するということを申し上げたつもりでございまして、基本米価という表現は使っておらないつもりでございます。 この問題につきましては、確かに御指摘のように、どのような基準によって格差を設けるかということは大変むずかしい問題でございまして、技術的な詰めば相当やらなければむずかしいと思います。そういう技術的な検討を最近始めたばかりでございまして、そういう技術的な検討が終わった上で、さて経営の問題等もさらに検討して、最終的には米価審議会の御意見も聞いた上で、やるならばやるということだろうと思います。 ただ、この問題につきましては、基本的な考え方といたしましては、やはり消費者の需要に応じた価格を、価格の上でも需要を反映させる必要がある。消費者の需要といいますと、最近は品質に対する選好が非常に強まっておりますので、政府の買い入れ価格におきましても、やはりおいしい米とおいしくない米というものは差を設けていくということが望ましいというふうに言えるわけでございますし、これまでの米価審議会におきましてもそのような意見が非常に多数出されておりまして、そういう意味で、政府といたしましては昨年の生産者米価を決める際にもそのような検討を行うということは方針として決めたわけで、それに基づきまして技術的な検討を現在外部の知恵もかりながら始めたところでございます。 したがって、技術的な検討がうまくいくかどうかという問題も確かにあるわけでございますが、方向としてはそういうことは必要ではなかろうか、基本米価そのものではなくして、基本米価は基本米価として、それを品質によって差を設けて上下に開くというか、やるとすればそういうことではないかというように考えておりますが、現在検討中でございますので、結論を得たわけではございません。
○津川委員 米の消費拡大、うまい米が売れることは確かなのです。標準価格米でもうまい米である銘柄米が入っておったときに非常によく売れる。それで、うまい米をだんだん除いていくと標準価格米は売れなくなる。ところが、最近の経済事情からいくと、標準価格米が五十年、五十一年、五十二年と消費がふえている。それから同じうまい米でも、コシヒカリ、ササニシキは高くて、ことしは余るでしょう。こんな状況なんです。したがって、ここの点は、消費拡大のために、価格というもので、消費者がそれだけ望んでいるというかっこうで事を処しているのは少し早計だと私は思う。この点は、同じ価格であればうまいものは売れるに決まっている。ところが、うまいものの価格がそういうことのために必ずしも消費がふえていないというところがある。政府の言うのは、うまくさえすれば売れるの一点張り。これはやはり考えていかなければならぬ情勢になってきているということを指摘しておいて……。 そうすると、基本米価には価格差、銘柄格差は導入しない。政府の買い入れるものにというのは奨励金という意味なんですか。もう一回答えてください。
○澤邊政府委員 米価の算定いたします場合に、生産費を基礎にいたしまして所得補償で都市労賃に換算してやるわけですが、それによって平均米価といいますか、基準米価といいますか、あるいは基本米価といいますか、そういうものを決めた上で等級差を開いたり現在しているわけですね、一等、二等、三等と。それは基準になるものを決めた上で等級間格差を別に設定をして買い入れ価格上差をつけているわけです。そういうものを品種、銘柄によっても、そういうような基本米価といいますか、基準米価を、さらに平均がそこにおさまるように、その範囲内において上下に開くということを、やるとすればそういう方向ではないかということを申し上げておるわけです。
○津川委員 終わります。
○加藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後三時五分休憩 ————◇————— 午後四時三十分開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に関する質疑は先刻終了しています。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○加藤委員長 次回は、来る十二日火曜日午前九時四十分理事会、午前九時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十一分散会