大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 279 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1979/02/21
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を求めます。金子大蔵大臣。 ————————————— 租税特別措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○金子(一)国務大臣 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、現下の厳しい財政事情と最近における社会経済情勢に顧み、今次の税制改正の一環として、税負担の公平確保の見地から、租税特別措置につきまして、社会保険診療報酬課税の特例の是正を初めとしてその整理合理化をさらに推進し、あわせて交際費課税を強化する一方、産業転換投資及び優良住宅地の供給の促進等に資するため必要な措置を講ずるほか、揮発油税等の税率を引き上げる等、所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 第一は、既存の租税特別措置の整理合理化等であります。 すなわち、まず、社会保険診療報酬課税の特例の是正を図ることとし、社会保険診療につき必要経費に算入する金額をその収入金額の七二%相当額とすることができる現行の特例を改め、収入金額が五千万円超の部分については、その五二%相当額、収入金額がそれ以下の部分については、社会保険医の公共性等に配意して、五七%から七二%までの四段階の率により計算した金額を控除することができることといたしております。 次に有価証券譲渡益課税につきましては、同一銘柄の株式等を相当数譲渡したことによる所得を課税対象に加える等課税の強化を図ることといたしております。 また、企業関係の租税特別措置につきましては、価格変動準備金を段階的に整理するとともに、工場立地法に基づく認定を受けた施設の償却の特例等五項目の特別措置を廃止する等一層の整理合理化を行うこととしているほか、交際費課税について、定額控除額を中小規模の企業に配意しつつ現行の年四百万円から原則として年二百万円に引き下げ、資本金基準による控除額を廃止するとともに、損金不算入割合を現行の八五%から九〇%に引き上げ、その一層の強化を図ることといたしております。 その他、登録免許税の税率軽減措置等につきましても所要の縮減を行うことといたしております。 第二は、産業転換投資等の促進に資するための措置であります。 すなわち、特定不況産業安定臨時措置法に定める特定不況産業に属する事業を営む者及び中小企業事業転換対策臨時措置法に定める業種等緊急に構造改善を要する業種に属する事業を営む中小企業者等が事業転換等のために取得する機械設備等について、二年限りの措置として、一定の要件のもとに、その取得価額の一〇%相当額を当期の税額の二〇%相当額を限度として、税額控除を認めることといたしております。 第三は、土地、住宅対策に資するための措置であります。 すなわち、長期譲渡所得の課税の特例について、公的土地取得の円滑化と優良な住宅地の供給の促進に資する一定の土地等の譲渡に限り、二〇%の比例税率が適用される譲渡益の金額を現行の二千万円から四千万円に引き上げるとともに、これを超える部分につき現行の四分の三総合課税を二分の一総合課税に改めるほか、既存住宅の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置を創設する等所要の措置を講ずることといたしております。 第四は、福祉対策、中小企業対策等に資するための措置であります。 すなわち、同居している自己または配偶者の直系尊属が老人扶養親族に該当する場合には、現行の老人扶養控除に加えて五万円の特別控除を認めるとともに、特定不況地域中小企業対策臨時措置法に基づく認定を受けた中小企業者に対する欠損金の繰り戻しによる還付についての特例措置及び産地中小企業対策臨時措置法案の承認を受けた事業合理化計画を実施する産地中小企業者が取得する一定の機械等についての特別償却等の措置を講ずるほか、老年者年金特別控除、中小企業構造改善計画を実施する商工組合等の構成員の機械等の割増償却、森林計画特別控除等期限の到来する特別措置について、実情に応じ適用期限を延長する等、所要の改正を行うことといたしております。 第五は、揮発油税等の税率の引き上げであります。 すなわち、第八次道路整備五カ年計画に必要な財源確保等の観点から、揮発油税について、その税率を一キロリットルにつき三万六千五百円を四万五千六百円に、地方道路税について、同じく六千六百円を八千二百円に、それぞれ引き上げるとともに、その適用期限を昭和五十八年三月三十一日まで延長することといたしております。 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○加藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○加藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池端清一君。
○池端委員 金子大蔵大臣は、さきの一月二十五日の本会議の財政演説におきまして、「制度と執行の両面にわたる税負担の公平を図ることが強く要請され、政府としては、」「社会保険診療報酬課税の特例の是正を初めとする租税特別措置の整理合理化を一属強力に進めることとしております。」このように演説をされたわけであります。今回提案をされました内容を見ますると、率直に申し上げて、租税特別措置の多少の手直しはあっても「整理合理化を一層強力に進める」ということとはきわめてほど遠いのではないか、大変失礼な言葉ではございますが、羊頭を掲げて狗肉を売るのたぐいのものではないかというふうに私は感ずるのであります。 そこで、きょうこの租税特別措置法の改正案を審議するに当たりまして、いわゆる今日国民的な要求となっております不公平税制の問題、この不公平税制をどういうふうに考えるのか、どういうふうに定義づけをするのか、その辺についてまず最初に大蔵大臣の見解を承っておきたいと思うのであります。
○高橋(元)政府委員 大臣からお答えのあります前に、一言御説明申し上げておきたいと思います。 いま委員からお示しのございましたように、国民一般の方々に自然増収をもって回復し得ない収支の不均衡に関して今後税負担の引き上げをお願いをいたすというような情勢のもとで、確かに制度と執行の両面にわたって税負担の公平を保っていくことが必要であります。そのことは疑いのないところでございますが、いわゆる不公平税制の是正という言葉に関連いたしまして、その範囲についていろいろな御議論があることも事実でございます。 昭和五十二年に税制調査会は、いわゆる中期答申について長い御審議をいただきまして、そこでいわゆる不公平税制の是正と申しますか、制度面での税負担の公平確保の対象となります範囲について答えを出されたわけであります。それによりますと、御案内のこととは思いますが、租税特別措置及びこれまで不公平税制として批判の対象とされたことのあるものすべてを包括的に取り上げられた上で十分に時間をかけて検討して、その問題となっております項目を二つに分けました。 一つは、政策税制というジャンルでありまして、特定の政策目的に資するという租税政策上の配慮がなかったとすれば、税負担の公平その他の税制の基本的原則からは認めがたいと考えられる実質的な意味での特別措置であります。もう一つのカテゴリーは、たとえば法人受取配当の益金不算入、それから換地処分に伴って資産を取得した場合の課税の特例、これら特定の政策目的に資するというのではなく、法人税、所得税の仕組みの問題としてとらえられるべきものの、この二つに区分いたしまして答申が行われたわけであります。 その答申に従いまして調査会としては、今後とも税制における不公平の是正を図るために、この区分基準として、意味を失いまたは見直しが必要となったような政策税制の整理合理化を進めることが最も妥当な方針であるという方針を示されまして、私どももその方針に従いまして、先ほど委員からお話がございましたけれども、各年度にわたりまして政策税制の大幅な整理合理化に努力をいたしておるところでございます。
○金子(一)国務大臣 税制の公平と執行の公平が期せられなければ租税制度はもちません。そういう意味で税制の見直しは、私どもここ数年絶えず見直しをやってまいっておる次第でございます。 それで、いま主税局長から政策税制とその他ということで申し上げましたが、政策税制として国の施策として取り上げました税制も、時代の要請にそぐわないもの、役割りを果たしたものが幾つか出てまいりますから、それは漸次圧縮してまいっておりますが、池端さんは不十分とおっしゃいます。それはそういう点があるかもしれませんけれども、ことしも五つの項目について廃止をやり、二十五の項目について相当思い切った圧縮をやっておる。ただ政治の現実として、長くいままでやってきたものを一遍に切り捨てるわけにいかないものもございますから、その点は漸次圧縮の度合いを強めていく、そういうことで進めておると御承知いただきたいと思います。
○池端委員 いま主税局長並びに大臣からもお話があったわけでありますが、昭和五十二年十月の税調答申、いわゆる中期税制答申、これに基づいて不公平税制を概念づけておるようでございますが、私どもとしては、このような租税特別措置によるところの政策税制を不公平税制の概念と規定することは、問題を非常に矮小化してとらえる立場ではないかと思うわけであります。政策税制すなわち租税特別措置の減免税措置といった狭い範囲に解するのでは、いま非常に広範に高まっております国民の公平にしてかつ公正な税制をという要求にこたえる道ではない、こういうふうに思うわけであります。 われわれとしては不公平税制というものは、各人の支払いの能力に応じて平等でなければならないという応能負担の原則といいますか応分負担の原則、あるいはまた担税力の原則といってもいいと思うのでありますけれども、この原則の厳格な適用に即していないもの、この適用から外れているものはすべて不公平税制と見て、そういう観点からの税制改革を思い切ってやらなければ真の意味の不公平税制の是正にはならない、こういうふうに考えておるわけでありますが、この点について大臣、再度お尋ねをしたいと思うのであります。
○金子(一)国務大臣 応能原則が税制の大きな柱であることはもちろんでございますけれども、応能原則に外れたものがすべてこれ不公平税制とは私ども考えられないのでありまして、やはり大きな財政経済的な見地からあるいは国民生活の安定の見地から必要なものについては、そこに政策を加味したものがあってしかるべきではなかろうか、こういうことでいままでいろいろな政策税制を打ち出し、必要がなくなったものについてはこれを圧縮、廃止する、こういう態度を続けてきておる次第でございます。
○池端委員 大分意見がかみ合わないようでありますけれども、私ここに、先般一月に日本経済調査協議会、こういう団体が発表いたしました「これからの税制と租税負担のあり方」という報告書を持ってまいったわけであります。この日本経済調査協議会の構成メンバーを見ますと、これはいずれも財界、金融界のトップの方々ばかりであります。委員長河野さんは太陽神戸銀行の相談役、あるいは委員には大成建設の副社長、新日本製鉄の常務さん、こういうお歴々が顔をそろえておるわけであります。 この日本経済調査協議会の「これからの税制と租税負担のあり方」という報告書を見まして、非常に私も共鳴するところが多かったわけであります。ちょっと一部引用してみますが、そこではこういうふうに述べております。「現在われわれの有する税制は、数多くの不公平な要素を含んでいる。この状態では、理論的に要請されている水平的ならびに垂直的公平を実現することは到底不可能といえよう。」そして「いくらマクロの指標を用い、国際比較の視点から日本の租税負担率の低さを説明しても、実際に支払う側の納税者の負担増を納得させるものではない。より重要なことは、身近にある税制上の不公平な事実を一つ一つ是正し、税制全体に対する信頼を回復させることである。」このように述べておるわけであります。これは財界のトップの方々の御提言でございます。政府が余り好きでない東京都新財源構想研究会であるとか国民税制調査会、こういうようなところの報告書ではないのであります。財界の方々の報告書でもこのように思い切った不公平税制の是正についての提言をされておるわけでありますが、この報告並びに提言に対して、大蔵大臣としてはどのような評価をお持ちであるか、お尋ねをしたいと思うのです。
○金子(一)国務大臣 いまお読み上げいただいた点、まさに私どももそのとおりに思うのでございまして、マクロで物を考えることも大事でございますが、同時に、税の不公平感が出てくるのは身辺の細かい一つ一つの税制であり、税の執行の面でございましょうから、そういう点には絶えず見直しが必要と私どもは考えております。 ただ先ほども申し上げましたように、政策税制が必要だというのは、たとえばいま公害防止が国民生活にとって非常に必要だというときにそれを助成するような政策をとったり、あるいは中小企業の振興を図ることが特に必要だというときに中小企業のための特別償却制度を広げるとか、あるいは国民貯蓄、零細貯蓄をふやしてやらなければならぬというときに貯蓄に対する非課税制度を広げていくこと自体は、一定の限度はもちろん必要でございますけれども、それはそれなりに政策として非常に意味のあることであり、公平という観点を考えながら、こういった政策につきましては、政策当局者としては当然考えていかなければならぬ点だということを申し上げておる次第でございます。
○池端委員 それでは、以下順次具体的にお尋ねをいたしますが、今般のこの法律改正後、昭和五十四年度において租税特別措置による優遇策は一体何項目に上るのか、それによる減収額は一体幾らになるのか、政策目的別にひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
○高橋(元)政府委員 今般御審議をお願いいたしております租税持別措置法によります改廃を含めまして申し上げます。 五十四年度租税特別措置実施後の特別措置の政策目的別の項目数と減収額は、平年度予算ベースで申し上げますが、大体区分を六つに分けさせていただきます。第一が貯蓄の奨励等でございますが、十六項目、三千七百五十億円であります。第二が環境改善、地域開発等の促進、三十七項目、一千五百五十億円であります。第三が資源開発の促進等、六項目、百八十億円であります。第四の区分が技術の振興、設備の近代化でございまして、項目は二十八、減収額は千二百十億円であります。第五に内部留保の充実、企業体質の強化、項目数としては六十二でございまして、減収額は五百八十億円。その他、これは医師の社会保険診療報酬課税の特例等を含めまして、その他、二十六項目、千九百四十億円。合計、これは原則として法律の項に従って勘定いたしておりますが、百七十五項目、九千二百十億円でございますが、このほか、租税特別措置法では交際費の課税の特例を講じておりますので、それによります増収が五千百二十億円であります。したがいまして、増減収通算いたしますと、五十四年度は平年度四千九十億円の減収というのが、租税特別措置によります政策目的別の項目と減収の内容でございます。
○池端委員 五十一年度以降の租税特別措置によります減収額を予算委員会に出されました資料によって見ますと、五十一年は四千九百二十億円の減収、五十二年は四千四百四十億円の減収、五十三年は四千七百九十億円、そしていま御報告がありましたように五十四年は四千九十億円、こういうことになっておるわけであります。そうしますと、前年から比較いたしますと五十四年は七百億円程度の手直し、こういうことになると思うのであります。これが一体大蔵大臣の言われる整理合理化を一層強力に進めた、そういう結果だというふうにお考えなのでしょうか、この点ひとつお尋ねをしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 全体の減収額は、ただいま御報告をいたしたようなことでございますが、実は毎年毎年、たとえば法人税にいたしましても所得税にいたしましても、所得の増加に伴いまして租税特別措置の利用額のいわば自然増というものがあるわけであります。そういうものを外しまして、改正増減収で考えさせていただきますと、交際費を含めまして五十四年度の改正増収は二千八十億円、改正減収が二百九十億円でございます。そのほかに、その余の部分が自然に租税特別措置の利用に基づく減収額のふえた部分千九十億円となっております。
○池端委員 若干その問題については私どもと考えが違いますけれども、以下論議を進めていきたいと思います。 そこで、この利子配当所得の問題でございます。現行の源泉分離選択課税の特例措置は御案内のように昭和五十五年の十二月まで、こういうふうになっておるわけでありますが、この昭和五十五年十二月末で現行の特例措置を打ち切る、そして総合課税化に踏み切る、こういうことについてひとつ確認してよろしいかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 昨年の九月十二日に税制調査会で利子配当所得の総合課税の問題についての御討議を始められたわけであります。ただいまお話のございましたように、五十五年までというふうに期限が定められております利子配当所得についての課税の特例制度を五十五年をもって改正をいたす、その場合に、改正をすることを現実に可能とする条件をどうやって整備するかというのが、昨年来行われております税制調査会の審議の目的でございます。利子配当所得につきまして総合課税化いたしていくということが本来でありますことは申すまでもありませんので、そういう方針に基づきまして数回にわたって御審議をいただき、昨年の暮れから、一応の御審議の結果を踏まえて、今後さらに特別部会等の場を設けて細目にわたる審議を行ってできるだけ早くその結論を得ることにしたいということであります。したがって、税制調査会の御審議を得て、それに基づいて具体的な立法の方法を考えてこの国会の御審議を仰ぐわけでございますが、いま申し上げたような次第で、税制調査会の審議も私どもの方の作業も進めておりますので、現行の利子配当所得課税制度を五十五年後もそのまま維持するということは考えておらないわけでございます。税制調査会の御審議を踏まえて適切な結論を得るように現在努力を進めておるということに御承知をいただきたいと思います。
○池端委員 もう一回確認しておきたいのですが、現在税調で検討しておるのは総合課税化へ移行するための技術的な検討である、したがって、この特例措置については明年十二月末をもってこれは廃止をするんだ、こういうふうに確認してよろしいか、端的にお答えをいただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 さように御承知いただいて結構であります。利子配当所得を総合課税に移しますということは、本人確認と名寄せ、この二つの具体的な方法が詰まりませんと実は有名無実と相なるわけでございます。かえって課税の不公平を由来することになる。そこで、技術的と仰せでありますけれども、利子配当所得の総合課税化につきましてはその二つが本質的な要件でございますから、その点について基本的なまた広範な角度からの御審議を仰いでおるというのが現状でございます。
○池端委員 この総合課税化という方向を指向されておる、そのことについては敬意を表するわけでありますが、そこで一番いつも問題になるのは預貯金の問題、とりわけ少額貯蓄非課税制度の問題がいつも大きな焦点になるわけであります。 そこで、現在の少額貯蓄非課税制度の利用状況といいますか、口座数といいますか、これが実態がどうなっているか、あるいは個人預金の口座数、郵貯の口座数、こういうものについてひとつ明らかにしていただきたい、こう思うのです。
○高橋(元)政府委員 五十三年の利用状況について申し上げます。これは少貯、少額公債、財形貯蓄、これにつきましては大蔵省と日本証券業協会の調べでございます。それから郵便貯金につきましては郵政省の調べでございます。 全体を四つの項目に分けて五十三年の利用状況を申し上げますと、銀行その他の金融機関扱いの少額貯蓄と証券会社扱いの少額貯蓄とを合わせまして、一億五千八百五十八万件、非課税貯蓄額が七十四兆四千四百七十五億円でございます。それから少額公債でございますが、二百七十五万口、二兆二千八百七十四億円であります。それから、郵便局扱いを除きます財形貯蓄、七百五十九万件、一兆九千百五十六億円、郵便貯金、これは口座数が正確にわかりませんで、定額は枚数で計算しておりますから口座及び枚数で申し上げますと、二億八千二百九十五万口または枚、残高が三十七兆七千二百二十四億円、以上が五十三年における利子非課税制度の利用状況でございます。
○池端委員 総人口一億二千万をはるかに上回るこの口座数、これが一体どうしてこういう状況になっているのか。所得税法施行令第四十六条には本人確認義務という規定もございまして、非課税貯蓄申告書に記載された住所または氏名が虚偽のものであると認められるときは、これらの申告書を当該金融機関は受理してはならないというような本人確認義務等もあるにもかかわらず、これほど総人口をはるかに上回る口座が現在あるというのは一体どこに問題があるとお考えなのか、その辺の状況をお尋ねしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 四十二年にいわゆるマル優、少額貯蓄の制度を改正いたしまして、従来一種類一店舗でありましたのを多種類多店舗にしたわけでございます。したがいまして、預金者が各種の貯蓄手段を選択して多くの店に非課税貯蓄申告書を出すことは可能になっておるわけであります。したがいまして仰せのありますように、人口一億一千万を超えております、たとえば一億五千八百万と先ほど申し上げましたが、そのような非課税貯蓄申告書が出ておることは不思議ではないと思います。ただその場合に、一枚一枚の非課税貯蓄申告書に限度が書いてございますから、それが三百万円を重複してとるということはあり得ないわけで、一申告者が各店舗に出しました申告書の最高限度額を通じて三百万円を限度としておるということでございます。私どもよくわかりませんけれども、抽出調査によってみますと、非課税貯蓄申告書の最高限度額は三百万円には達しておりません。残高はもちろんもっと低いわけでございます。したがいまして、重複して一人の人が三百万を何回でもとっておるという状況にはないと思います。 それから郵便貯金につきましては、二億八千二百九十五万口または枚あると申し上げましたが、これは定額貯金は一枚一枚が証書形式になっておりますから、一人の人が何枚持っておるかというのは実はわからないわけでございます。普通貯金だけで申し上げますと六千万口座というふうに承知しております。
○池端委員 そこで、納税者番号制度についてお尋ねしたいわけでありますが、国税庁は昨年九月、総合課税に移行するためには利子配当所得の適正な把握が必要であるということで、納税者番号制度についての検討の概要を発表して税調の方に出されたようでございますが、その後この検討の状況、どういうふうになっておられるのか、現状について承りたいと思います。
○米山政府委員 納税者番号制度につきましては、今後の税制調査会等の議論、いろいろ詰めていただかなければならない点が多いわけでございますが、国税庁といたしましては、仮にもし納税者番号制度の採用が望ましいという方向が出ましたら直ちにこれに対応できるようにいろいろの準備を進めているわけでございます。 昨年の九月、国税庁が税調に勉強の結果を出しましたのは、納税者番号制度の基本的な仕組みとそれにコストがどれくらいかかるだろうか、こういう点を中心に税調で御説明を申し上げましたが、現在は、これに基づきましてさらに技術的な細目の詰めを行っております。たとえば納税者に対する付番の手順をどうするかとか、納税者の住所、氏名等の異動があった場合にこの把握をどうするかとか、あるいは納税者番号の構成、たとえば何けた、何と何をそのカードに打ち込んだりするか、そういうふうないろいろな構成、こういう技術的な勉強をいま行っているわけでございます。
○池端委員 それに関連して五十四年の税調答申ではいろいろなことが言われているわけであります。いわゆる利子配当所得課税の審議の過程でに「この審議の過程では、利子・配当所得の適正な把握のためいわゆる納税者番号制度の導入を検討すべきであるとする意見、そこまで整備することは現実の問題としてなかなか難しいが総合課税の方向に沿って課税の強化を図っていくべきであるとする意見、少額貯蓄・郵便貯金等の利子非課税制度の見直しを含め、利子・配当課税制度の全体について検討を加えるべきであるとする意見等が出されている。」こういうふうになっておるわけです。税調の内部でもかなりいろいろな議論が出ておるようであります。 そこでこの背番号制の問題については、国民総背番号制度に連動するのではないか、国民の基本的人権、プライバシーに関する問題であって容認できない、いわゆる背番号に管理された社会というものになるのではないか、あるいはコンピューターというのはその属性としてためたがり使いたがる、こういう属性を持っているんだ、いま二千八百万人の納税者だけにしか適用しない、こう言っておっても、将来決してそういうことにはならないで、それが拡大されるというような意見等もありまして、この問題については国民の間にもかなり批判があることは御承知だと思うのです。しかも私はいろいろ専門家に聞いてみたのでありますが、技術的にも導入には相当時間がかかる。税調はことしの秋ごろに結論を出されてそれからやるといっても、これは一年や二年でこんな導入なんてできるものではないというような専門家等の意見もあるわけであります。背番号制の導入の是非はともかくとして、現実の問題として五十六年一月の総合課税化という方向に踏み切った場合に、背番号制度を導入することが可能なのかどうか、その点についてお尋ねをしたいと思うのです。
○米山政府委員 いろいろな御意見があろうと思いますが、私どもは、もし納税者番号制度の採用が適当であるというような方針が決定されますれば、おおむね一年程度あれば具体化できるというふうに考えております。
○池端委員 国税庁ばかなり自信のあるようなお話でございますが、実際問題として先ほど申し上げましたように、いろいろ専門家等の意見を聞きますとそう簡単なものではない。しかも先ほど申し上げましたように、国民の間にはこの問題についていろいろ批判がある。この種のものは国民のコンセンサスを得ないで強行すべき性格のものではないと私は思うのです。そういう立場から大蔵大臣としては、この問題について今後どう対処されようとしているのか、ひとつ大臣の見解を承りたいと思います。
○金子(一)国務大臣 この納税者番号の問題につきまして両論があることは御承知のとおり、しかも実行面におきまして、たとえばスウェーデンのように人口一千万足らずのところですと簡単でございますけれども、とにかく一億一千万の人口を抱え、二千数百万の納税者を抱えておる日本のことでございまするから、やるとすればやはりぴしっとやらぬとかえって不公平を生むことになりましょうし、同時にまた、これだけ大がかりなことをやるとすれば、池端さんもおっしゃるように、ある程度の国民的な合意がないとこれはうまくいきませんので、そこら辺は十分検討を加えて、やるとなれば、こういう点でひとつ御協力をいただきたいということで国民の皆様に訴えていくようなことにせざるを得ないし、もしこれにかわる方法としてどういうやり方があるか、これもあわせて十分検討さしていただきたいと思います。
○池端委員 課税漏れを防ぐ方法として背番号制度というものが一つの方法であると私も思います。しかし、先ほど申し上げましたようにいろいろな意見等もありますので、十分国民的なそういう世論というものも配慮してこれは慎重に対処していかなければならないと思うわけです。 そこで私どもとしては総合課税の方向、これは結構なことで、私どもかねて要求しておったところであります。そこで、利子所得の捕捉を納税者番号によらないでやるという場合にどういう方法があるかということでは、一つには、やはり源泉分離税率を思い切って引き上げる。昭和二十二年から二十四年には六〇%の分離税率であったという経過もございますし、昭和二十六年には五〇%というような時代もございました。したがって分離税率、現在三五%でございますけれども、これを思い切って引き上げるというような措置をとること。二つ目には、先ほど来からお話があります少額貯蓄非課税制度、これは零細な預金者を保護するというふうな趣旨で設定されたものでありますけれども、現実にいまは本来の目的を逸脱して脱税や資産隠しに悪用されているという例も多々あるように見受けられるわけであります。したがって、ここで少額貯蓄非課税制度、少額預金あるいは少額国債、財形貯蓄、郵便貯金、いろいろありますが、これを思い切って整理統合をするというようなこともこの際必要ではないのか、こういうふうに思うわけであります。そして、改めてお年寄りであるとかあるいは身体障害者、これらの方々に対しては福祉優遇貯金制度というようなものを創設してみてはいかがか、こういうふうに考えておるわけであります。これらの点について、大蔵省としてはどういう御見解をお持ちなのか、承りたいと思います。
○高橋(元)政府委員 源泉分離の選択をいたしました場合の適用税率を大幅に引き上げてはどうかという御意見でございます。税制調査会の御審議は先ほども御報告いたしましたように現在その途中でございますから、税制調査会がどういう御結論になるかということと離れて申し上げざるを得ないわけでございますが、確かに昭和二十二年とか二十六年に非常に高率の源泉選択税率を課したことがございます。現在三五%の源泉分離税率は、恐らく選択をする場合には、課税所得が八百万でございますと三四という上積税率でございますから、その辺が一つのめどかというふうに思うわけです。 しかしながら、それを上げてまいりました場合に一つの問題としては、総合課税の実現がまたそこで一つ先へ延びていくということになりまして、非常に高額な資産所得についてやはり分離課税が残ってしまうという問題、そこをどう考えるかというのが一つの問題点かと思います。もう一つは、五〇、六〇というようなかつてありましたような源泉選択税率をとるとしますと、現在の累進の上積税率で申しますと二千万とか四千万というような課税所得に該当いたしますので、実際問題として選択する方が逃げてしまうだろうという問題があります。そういう高率の源泉選択のもとでは、二〇%の通常の総合課税とか少貯というものへ移行してしまうという方が相当多くなってしまうのではないか。申し上げておりますように、本人確認と名寄せというのが利子所得のまた配当所得の総合課税への移行について本質的な問題でございますから、そういった把握や管理の体制をどうするかということとの絡みで十分慎重に考えなければならない問題であろうかと思います。 第二に、少額貯蓄その他の非課税貯蓄制度について、郵便貯金も含めて総合的に見直すべきであるという御意見につきましては、先ほど委員からお示しのありました五十四年度の税制調査会の答申の中でもそういう御意見が書かれておりまして、これからも税制調査会の中でそういう御議論が深められていくことかというふうに思います。先ほどもお話のございました日経調の「これからの税制と租税負担のあり方」でございますかその中でも、少額貯蓄といいますか優遇貯蓄の制度について見直しを行えという御意見、そのほか民間有識者にもかなりそういう御意見があるというふうに承知しておりますので、それらも含めて今後税制調査会で御検討いただくというふうに考えております。
○池端委員 このような利子配当所得課税を真に実効あらしむるためには、何といってもキャピタルゲイン課税を完全に実施する、これがなければ、単に不均衡であるだけではなくて、大きな抜け道を残すことになるのではないか、こう思っているわけであります。 そこで、現在のわが国の税制は、キャピタルゲイン原則非課税ということなわけであります。しかしそれにしても、徐々に課税を強化するという方向はとってきておりますが、原則非課税ということになっているわけであります。これをやっぱり方向転換をして、原則課税なんだというふうにしなければならないのではないか。中期税制答申でも、有価証券譲渡益についても総合課税の対象とすることが望ましいというようなこともうたわれておりますので、キャピタルゲインについて原則課税にすべきだ、こういうふうに思うのでありますが、これについてはどうでしょうか。
○高橋(元)政府委員 五十二年の中期答申の考え方については、いまお話のあったとおりでございます。 有価証券の譲渡益について、これはかつて制度上、総合課税である、全額課税であるという制度をとっておった時期が数年ございました。しかしその際に、有価証券の譲渡所得の発生します取引の把握ということは大変むずかしい、したがって損益の通算にいたしましても、益が出ないで損ばかり出てまいる、それから大口のものでなくて小口のものがかえって把握されるというようなことがございまして、そういう有価証券取引を把握する体制というものが整備いたしませんければ総合課税といっても、これは言葉が悪いですが絵にかいたもちになってしまう。税制を改める限りは、その背後にやはり執行が可能であるという裏づけがないと、形の上では公正が期せられてもかえって不公平が拡大していくということもございますから、私どもとしては、段階的に課税の強化を図っていくという五十二年答申の線に沿って、五十四年にもその一段階の措置をとったわけでございます。今後ともさきの答申で述べられている方向に沿って検討を続けてまいりたいというのが私どもの考えでございます。
○池端委員 時間もございませんので、次に進めます。 次は、社会保険診療報酬課税の特例の是正の問題についであります。この問題について大蔵大臣は過日の委員会で、四分の一世紀ぶりにこの問題については是正の措置を講じた、こういうふうに述べられておるわけであります。確かに昭和二十九年以来でありますから四分の一世紀に相当するわけであります。大変御苦労さまでございましたというふうに申し上げたいのでありますけれども、実際の中身を見ますると、全くの骨抜きだというふうに率直に言わざるを得ないのじゃないか、こう思うのであります。 そこで、今回の特例の是正措置によって、初年度の増収額は七百三十億円だ、平年度で一千億円、こういうふうに見込まれているというふうに言われておるのでありますが、しからば、今回の是正措置によって現行の特例措置の何割是正したことになるのか、具体的に今回の措置で何割改正をし是正をしたというふうになるのかお示しをいただきたい、こう思います。
○高橋(元)政府委員 五十四年の平年度の減収額というものが千五百七十億円残るわけでございます。そのほかに、今回の改正案をお認めいただいた場合に、改正によりますところの診療報酬課税の改正に基づく増収が一千億でございます。したがいまして、二千五百七十億の中で一千億円ということでございますから、減収額だけの割合で申しますと約四割が是正されたということでございます。
○池端委員 四割の是正ということは、なお六割が是正されておらない、こういうふうに理解してよろしいですね。坊前々大蔵大臣は、この医師優遇税制というのは不公平税制の親玉だ、こういうふうに言われたわけであります。その親玉である医師優遇税制、今回の手直しによって四割しか是正されなかった、なお六割が残っている。これは六割、六〇%の不公平がなお残存しているのだ、こういうふうに端的に理解してよろしいかどうか。
○金子(一)国務大臣 池端さんのような御指摘もあることは十分心得ておりまするけれども、五千万以上の者につきましては実態に近い五二%の経費率を適用することにいたしましたから、これは実態、現実に即した課税と言えると思うのです。ただ、四千万円以下の分について、これは都市と農村を問わず、地域の公共医療に昼夜献身していただいておる保険医のための特別控除の部分が含まれておる。御承知のとおり大変苦労していただいておるわけでございまするから、それを根元からばっさりやることでその公平が保てるかというと、現実の問題としてそこには議論があると思うのです。高額の収入額の分について実態に近いところへ是正をしていこう、こういう考え方でこの結論が出たと御承知いただきたいのでございます。
○池端委員 また税調答申に戻るわけでありますけれども、この五十四年度の税調の答申では、「「昭和五十年度の税制改正に関する答申」において提案した具体的な改善案に基づき、その是正を図るべきである。」こう言っておるわけです。五十年度答申で改善をやりなさいと、このことを政府に答申をしているわけですね。ところが今回出されてきた内容——私ともこの五十年度答申というものにも問題があると思っているのですよ。七二%という高率の部分を依然として残している。しかも正直な話、段階別に分けることの意味ということがよくわからないのです。しかしそれはさておくとしても、この五十年度提案でやりなさいと言っておりながら、実際に出てきたものは、この五十年度の答申をさらに手直しをして提案をしている。日ごろ口を開けば大蔵省は、税調答申を尊重するのだ、そういう立場をとっているのだということを盛んに強調するわけです。税調を隠れみのにしているわけですよ。ところが今回は、税調のこの考え方をさらに修正をして出してきている。これは一体いかなる事情によるものであるか、その点を承りたいと思います。
○高橋(元)政府委員 先ほども大臣から御答弁がございましたように、五十年度の税制改正答申、社会保険診療報酬課税に関する是正の部分のうち、社会保険の収入金額が年四千万円を超える部分につきましては同じでございます。 五千万円を超える概算経費率五二%と申しますのは、一昨年の会計検査院の検査の結果によりましても、これは実額経費でございます。それ以下の部分につきまして、先ほど大臣からお話しのありましたように、社会保険医の公共性と申しますか特殊の地位というものに考慮を払いまして、特別の控除を認めるというたてまえでございます。その控除の刻み方が五十年の政府税制調査会の答申と若干食い違っておるということは事実でございますが、おおよその基本の考え方でございます五千万円以上につきまして実額に等しい概算経費率を導入するという点については、基本を失っていないと申しますか、基本どおりであるというふうに考えておる次第でございます。
○池端委員 どうもお答えになってないようでございますが、先般大蔵省からこの問題について説明を受けた際、大蔵省の説明では、開業医の実際経費率は五二%と押さえている、あくまでもこの基準は五二%なのだ、こういう御説明がありました。その点については、会計検査院の昭和五十一年度の決算検査報告とも符合するわけでございまして、その限りにおいては問題はないわけであります。しかし基準を五二%に押さえながら、四千万円超五千万円以下の部分では五七%と五%の開差がある。三千万円超四千万円以下のところでは六二%というふうに一〇%の開き、以下一八%、二〇%の開き、この率の開きというのがあるわけでありますが、これはいまお話がありましたように、公共性というようなことだけではどうも私どもは納得いかないわけです。どういう客観的な合理的な根拠から——説明によりますと下に厚くした、こう言うのであります。この下に厚くしたと言われる合理的な根拠をお尋ねしたい、こう思います。
○高橋(元)政府委員 それは先ほど来お答えいたしておりますように、五十年の政府答申の考え方に沿っておるわけでございます。そのままではございませんが、考え方をとっておるわけでございます。したがいまして、一〇%、五%の社会保険医の公共性またはその特殊の社会的地位、役割りというものに配慮した特別控除の部分が若干、五十年案よりは大きくなっておりますけれども、そこに特別の控除を認めていくという考え方においては答申の線を守っておるわけでございまして、それがたとえば非常に大きな社会保険診療収入のあります階層は別といたしまして、中と申しますか普通程度の医業の方々につきましては経費率はほほ横ばいで五二%であるというのが、五十一年の会計検査院の検査報告の中にもある程度収入階層別の考え方が出ておるわけでございます。 その中で、それではどうして一〇%、五%のアローアンスをつけたかということでございますが、それは五十年の政府税調の考え方に従っておるというわけでございます。社会保険医の方々が社会保険診療報酬を得られます際には、支払基金に詳細な請求書を出しまして、支払基金から源泉徴収を受けて収入を得ておられるわけです。それに対する医業の必要な経費というものを一々明細にわたって記帳していくことをすべての医家について認めることは現実的でないであろう。そこで概算経費率というものを、やはり二十数年の経緯もございますけれども、今回の改正後も残して、それに従って医業に専念しながら実態に即した課税をやっていくというのが今回の改正の考えでございますから、そこは私どもとしては、僻地のお医者さんであり、休日、夜間の診療に従事せられ、または救急の仕事をやっておられる、学校医もしておられる、そういった社会保険医全体の地位というものを考えてみますと、私どもとしては特別控除をしかるべき形で残すという方針で臨むということであったわけでございます。
○池端委員 昨日の本会議で大蔵大臣が答弁されておったのを聞いておりまして、あるいは聞き違いかもしれませんけれども、この問題に関連してお答えの部分で、計算の簡便性からこういう方法をとった、こういうことをお答えしたように私は記憶をしておるわけであります。これほどきわめて重要な問題で、社会的にも非常に大きな問題になっていることを、計算の簡便性で済まされるのかどうかという疑念を一つ持ったのでありますが、お答えになった趣旨をもう一度お尋ねしたい、こう思うのです。
○金子(一)国務大臣 きのうの御質問の趣旨が、概算経費率はもうやめちゃって本人に申告させたらどうか、こういう御趣旨だったのです。それで、それはまさにそのとおりでございます。現在のたてまえでも、自分で青色申告で御申告なさる、経費がこれだけかかりましたと言われればそれは認めるたてまえになっておるのですけれども、政府税調が四段階なり五段階の区分による法定経費率を提案いたしましたのは、一つは、お医者様はなかなか忙しい仕事ですから、一々の計算をやるよりは、大体の実態に近い数字、概算経費率で計算した方が、お医者様の方も便利だろうし、税務署としてもその方が便利だろうということで政府税調が提案されておるわけですから、これはむげに退けるわけにいきますまい。しかし、御本人が実態はこうですよと言われれば、それは認めますという趣旨の答弁であったわけでございます。
○池端委員 今回の措置はあくまでも、社会保険診療報酬課税の特例の是正でありまして、特例の廃止ではない、こう思うのでありますが、よろしゅうございますか。
○金子(一)国務大臣 特例の大幅な是正とお考えいただいて結構でございます。
○池端委員 特例の是正であるということならば、これは臨時的な措置である、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○高橋(元)政府委員 大臣からお答えのあることかと思いますが、実額を基礎といたします概算経費率、五千万円以上、それと、地域の日常の診療に従事される中小規模の保険医に対する配慮に基づいた特別控除を加えたこの制度というものは、それなりに妥当な制度であると私どもは考えておるわけであります。
○池端委員 妥当な制度であるかどうかということを聞いているのじゃなくて、あくまでも特例措置であるならば、これは恒久的な制度ではございませんね、こう聞いておるわけです。
○高橋(元)政府委員 言葉が足りませんでしたが、当分の間これを維持してよいというふうに考えております。
○池端委員 当分の間というのはおおよそどの程度のことを想定されておりますか。
○高橋(元)政府委員 特別に適用期限を付すという考えは持っておらないわけであります。
○池端委員 特別の期限を付さなかったから、昭和二十九年以来今日まで二十四年もかかって御苦労なさってきた、そういう先例があるわけです。ほかの租税特別措置を見ましても、適用期限は何年、こういうふうに明確に規定されておるわけであります。この適用期限を延長する場合は、何年延長するということが法律改正案でいつも出てくるわけですね。この種問題についてだけ適用期限を付さないというのはどういう理由ですか。
○高橋(元)政府委員 社会保険の診療報酬の課税のやり方については、いろいろなお考えがあると思います。これは完全に収入と経費を個別に記帳をして実額課税をする一般の事業所得と同じでいいではないかというお考えもあります。しかし、私どもが今回御審議をお願いいたしております改正案の内容は、先ほど来繰り返しになりまして恐縮でございますが、実額に近い概算経費率というものを相当水準以上の社会保険診療報酬収入について定めて、それ以下の部分につきましては、日常地域の診療に従事する社会保険医の特殊性を考慮した、配慮を払った特別控除を組み合わせて、両々相まって社会保険医の方々に対する概算経費率の妥当を期したいということにあるわけでございまして、その考え方に沿った内容であるというふうに思います。したがいまして、先ほど申し上げましたように、当分の間これを維持してまいるというのが私どもの考えであります。
○池端委員 もともとこの税制の基本的な問題点は、必要経費率の水準を七二%にするのかどうかという、そういう水準率の問題はもとより、一定率を法律で定めるところにこの問題の問題点があったわけであります。一つ一つ異なるはずの必要経費を一定の水準に決めるということ自体が所得課税の原則に反しておると思うのです。そういう立場から言うとやはり基本的には必要経費、診療経費や研究費等については適切な実額控除をすべきだ、これを基本的な立場に置くべきだ、こう思うのです。百歩譲って、それが当面できないというのであれば、実額経費率に法定経費率をできるだけ近づけていく、こういう態度をとるべきだ、こう思うのです。そういうことから言うならば、今度出されてきました法改正案も、あくまでも経過的、段階的な措置でなければならないと思うのです。経過的、段階的措置であるならば、当分の間というようなあいまいなことにしないで、時限を明確にすべきではないか。その間に診療制度問題も含め抜本的にこの問題については検討するということがあってしかるべきではないか、こう思うのです。これは百歩譲ってですよ、時限立法的な性格を持たせるべきではないか、こういうふうに思うわけでありますが、この点についてはどうでしょうか、改めてお尋ねをしたいと思うのです。
○高橋(元)政府委員 繰り返しになってしまって恐縮なんでございますけれども、たとえば収入について明細の社会保険の請求を毎月初めに、普通のお医者さんであれば相当の手間暇かけて家じゅう挙げてやられるということだと思います。それからまた、経費の内容をなしますいろいろな薬剤にいたしましても、そのほかの器材にいたしましても、相当細かい計算が必要かと思います。それで、そういうものを実額の課税にしてしまってほかの事業所得と同じにしていいかどうかという点については、先ほどもお答えいたしましたが、考え方が二つあると思います。 四十九年の社会保険診療報酬課税の特例の改善に関する答申という政府税制調査会の答申の中でも、そういう二つの考えが述べられております。「このうえさらに厳密な記帳をすべての社会保険医に期待することはたしかに無理な面もあろう。しかし、社会保険医だけについて例外を認め、必要経費率の法定を行うことは適当でないといわざるを得ない。ただこれまで二十年間にわたり、課税の簡便性、安定性になじんできた社会保険医については、引続き、必要経費率を法律で定めることは現時点ではやむを得ないと考える。」こういう判断であります。そういう判断に基づいて私どもは、必要経費率を実額によって法定する部分と特別控除を加える部分と二つで構成をいたしておるわけでありまして、これを期限をつけてこれこれまでにして、それから先全部をたとえば五二%一本にするとか、もうやめてしまって青色申告だけにしていただくとかいうようなことを、いまの段階では考えておらないわけでございます。
○池端委員 くどいようですけれども、いま局長が言われましたように、それこそいろいろな考えがあるのですよ。いろいろな考えがあるからこそ、半ば恒常的な制度のようなかっこうに持っていかないで、ある程度の期限を付して、その中でそのいろいろな考え方を十分煮詰めて、そうして結論を出すということが妥当な筋道ではないか、こういうふうに思うのですよ。そうするならば、当分の間とかなんとかいうあいまいな言葉でこの問題を処理するのではなくて、いついつまでにというような時限を明確にすべきではないか、こう思うのであります。大蔵大臣、その点はどうでしょうか。
○金子(一)国務大臣 確かに池端さんおっしゃるように、期限をつけろという考え方はあると思うのです。二通りこの問題については考え方がございます。私どもも、この点につきましてはいろいろ検討を加えたのでございまするが、いまのところは、五二%という数字は一番実額に近い数字でございますから、しばらくこれでやってみて、社会経済情勢がまた変わってきて、これではおかしいじゃないかということになりました際には、改めてまたその時点において検討させていただく、それがむしろ、三年とか五年とか期限を切らなくても、こういうふうに改正をする先例ができたわけでございますから、その時点において検討させていただいた方がベターではなかろうか、こういうことで御提案申し上げておるような次第でございます。
○池端委員 この問題については、改めて同僚委員からもいろいろあると思いますので、この問題について一応私の質問はこれで終わらせていただきます。 次に、その他の問題でございますが、電子計算機買戻損失準備金制度についてでございます。 〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕 この制度について、私もいろいろ勉強させていただいたわけでありますが、IBMという会社に対抗をするためにいろいろな対応策をとられておるようであります。JECCというような会社もつくられまして、レンタル制の販売方式で買い戻しから生まれるロスを補う特別留保措置ということで、この電子計算機買戻損失準備金制度というものが昭和四十三年度に創設されたわけでありますが、この制度の政策効果、政策目標と言うのでしょうか、これは一体那辺にあるのか。さらに、今年度の税改正で二年間延長ということになっておりますが、二年間延長する理由をひとつ御説明願いたい、こう思うのであります。
○高橋(元)政府委員 電算機は御承知のとおり、技術革新の波の中にさらされておるわけでございます。したがいまして、常時新機種というものが出てまいる、またその周辺の機器の開発というものが進んでまいる、そういう意味では非常に寿命の短いものであろうと思います。そういうふうに技術革新の速度が著しくて、現実に大半の電算機というものがJECCを通じてレンタルに出されておりましても、またレンタルバックされてくるというのが現実でございます。そのレンタルバックの際に、従来のレンタル料と減価償却等々の割合を考えてみますと、買い戻し損失というものが出てまいる。この買い戻し損失というものが出てまいっては、JECCが財政の援助を得て国産の電算機の普及を図っていくという電子産業政策と申しますか、そういう政策の目的に沿わないということでありますし、また、国内の将来に備えての非常に重要な技術であります電算機の開発ということも危くなってくるわけでございますから、そういう買い戻し損失に備えるために準備金を積み立てておくということには合理性があると思っております。 五十三年度の改正で、従来の二〇%の法定繰入率を実績率によることにして合理化を行っておりますので、先ほど申し上げたような準備金の趣旨とそれから五十三年における改正ということ、その二つを踏まえまして、今回その適用期限を延長するという措置をとったわけでございます。
○池端委員 調べてみますと、二年延長、二年延長で来ているわけですね。基本的に技術革新のために必要であるというのであれば、この二年延長という小刻みにするということが私またよくわからないのです。本当に必要な、IBMの攻勢に対処するためにどうしてもコンピューター業界を守っていかなければならないということであるならば、もっとしかるべき措置がとられてもいいのではないか。二年延長、二年延長で小手先の扱いしかしてない、こういうふうに思うのですが、これは一体どういう理由でしょうか。
○高橋(元)政府委員 租税特別措置の規定を設けます際に、政策税制につきましては従来、政策目的を失ったものがそのまま残存するというようなこともございまして、期限を付するのが原則でございます。その原則の期限を付します場合に、通常二年という形でつけておりますのですが、二年終わったからすぐやめてしまうというのではなくて、二年たちました段階で、この準備金でございますと、電算機産業の重要性なりそれを取り巻く環境なりそういうものを考慮して今後の措置を決めていくということで、二年という期限を付しておるわけでございます。
○池端委員 IBMの進出は大変なものだということは、私も各方面からいろいろ教えられておるわけであります。しかしそれにしても、電子計算機業界に対する政府の助成策というものは大変なものでございまして、昭和四十七年から五十四年度の今度の予算案を見ましても、約一千億円の補助金がこの業界に電子計算機産業振興という名のもとに出ているわけであります。しかも税制面では、いまもありました電子計算機買戻損失準備金制度のほかに、電子計算機の特別償却制度及び固定資産税軽減の制度、こういうような優遇策等が講じられておる。あるいはJECCについては日本開発銀行融資が約三千二百億円ですね。もう税制面でも二重、三重の優遇、そして補助金、さらに融資についても十分な融資がなされている、これは余りにも手厚い保護がなされているのではないか、こういうふうに考えるわけであります。 しかもここに、富士通の有価証券報告書がございますが、この電子計算機買戻損失引当金は、五十二年三月期では二百三十九億七千二百万円が計上されております。五十三年三月期では二百二十一億八千万円が計上されておる。これが固定負債ということになっておるわけですね。会計法上臨時、暫定的な特例がこの固定負債に計上されるのにも問題があるのではないか、私はこう思いますが、それはさておくとして、大変な保護策が講じられている。これについてひとつ基本的な御見解を、きょうは通産省からもおいででしょうから、そういう面でお尋ねをしたい、こう思うのであります。
○前田説明員 御説明申し上げます。 ただいまお話しの、政府の助成がいろいろな方面において非常に手厚いんではないかというお話でございますが、これはいろいろ見方もあろうかと思いますが、おっしゃるとおり、ある意味ではかなりその手厚い助成のおかげをもちまして、現在アメリカ以外で国産メーカーが市場の過半数を持っておるというのは日本だけでございます。 先ほど先生お話しのございましたIBMというのは、世界の巨人でございまして、世界市場の六割を確保しておる。これに対抗しまして過去長きにわたりまして、トータルで先生お話しの一千億というような補助金その他、あるいは日本電子計算機株式会社を通ずる販売力の強化というようなことをやってまいりました結果、先ほど申し上げましたとおり現在日本は、国産メーカー六社合計で市場の過半を制しておる。ちなみに諸外国の例を申し上げますと、イギリスが大体マーケットの三割、ドイツが二割、フランスが一割ということでございまして、それぞれ反対側の九割、八割、七割というのはIBMを初めとするアメリカ系のメーカーが占めておるわけでございます。 それで、そういう国々の補助の実態はどうかと申し上げますと、これは新聞でございますとか雑誌でございますとかいうようなものしかございませんので、現在もう少し確たる数字を調べておりますが、意外に大きな補助を政府としてもやっておるわけでございます。それでむしろ日本の補助と申しますのは、やや手前みそになるかもしれませんが、補助の額に比べまして効果が大きい、これは私どものみが申すわけでございませんで、アメリカ側の評価もそういう評価があるわけでございます。
○池端委員 私どもは、準備金制度なりその他の租税特別措置を一つ一つ点検し洗い直してみますと、やはり相当な問題点があるということを率直に感ぜざるを得ないわけであります。 〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕 内部留保といいますか企業に対する優遇措置、大変きわまっているんじゃないかというようなことを率直に感ずるわけでございまして、この問題についてこれ以上申し上げませんけれども、ひとつこの補助金制度なんかとも絡めて抜本的な洗い直しが今日必要だということを率直に申し上げておきたい、こう思うのであります。 最後になりましたが、実は予算委員会でも問題になりました新千歳空港用地の問題でございます。 これは苫小牧市美沢の土地八・二ヘクタールの問題なんで、これは実は私の選挙区でございますが、いま選挙区では大変な問題になっているわけであります。これは予算委員会でもいろいろ御報告がありましたが、これの購入だとか売却に現段階で特段法律的にどうこうという問題はないようでございます。租税特別措置法第三十三条の四「収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除」によって特別控除額が三千万円になっているということで無税ということでありますが、率直な庶民の感情としては、自分の家を建てるのでもないのにああいう千歳空港のへんぴなところに土地を買っておって、そしてやがてそこに空港ができるということで売却して、しかも売却代には一銭も税金がかからぬ、ああ本当に政治家やあるいは商社のトップの人たちは大変なことを考えるものだな、頭がいいものだな、われわれ庶民にはとうてい考えも及ばぬことをやるんだなということが率直な感じなわけであります。 この問題、法律的にどうこうという問題ではありませんが、いみじくもここで租税特別措置が持っている一つの矛盾点が露呈したのではないかというふうに私は率直に感ずるわけでございます。もとより政治家も人間であり商社のトップも人間であります。法のもとの平等というのはだれしも同じことでございますから、そのことをとやかく言うわけではございませんけれども、やはりいろいろモラルの問題等もあると思うのであります。そういう意味において、今回のこの租税特別措置による措置、これはいかなる場合にあっても、今後いろんな事実関係が明らかになってもこれは動かしがたいものである、こういうふうに理解をしていいのかどうか、その点一つ承っておきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 収用等の事業というのは公共の利益のために行うわけでございまして、収用等の事業が土地の譲渡所得についての課税問題のためにおくれていくということは、やはり社会公共にとってのマイナスであるということが収用等の三千万円特別控除をつくりました趣旨でございます。 いま仰せのありますように、税の執行ということと社会一般のモラルと申しますか世論ということとどうかみ合わせていくかということは、大きな問題だと思いますが、こういう政策的に特別控除を設けます趣旨が、収用権を背景とした収用事業対象用地の買い取りを容易にするという社会公共の利益に支えられておるという意味で、私どもはこの特別控除制度というもの、土地税制全般を見直す際にはもちろんその一環ではございますけれども、こういう控除制度というものについて存続の趣旨は十分あると思うわけであります。 いま仰せのようなケースでございますと、たとえば課税官署が社会のモラルと申しますか譲渡者の個別事情また買受人の個別事情というものを審査いたす、これまた課税官署としての行政の執行上の問題というものも絡んでおると思います。要は、適切にそういう特別控除制度を設定するということにあろうかというふうに考える次第でございます。
○池端委員 時間になりましたのでこれで終わらせていただきますが、不公平税制の是正、まさにこれは国民的な強い悲願であり要求であります。それは燎原の火のごとく燃え広がっておるというふうに思うわけでありますので、今後日常不断にこの問題について政府は積極的に対処していただきたいことを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○加藤委員長 貝沼次郎君。
○貝沼委員 租税特別措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。先ほどから議論を聞いておりまして、大臣の言われることで二、三私ひっかかる点がございますので、初めにそれを伺っておきたいと思います。 それは、医師優遇税制といわれるいわゆる社会保険診療報酬課税の特例の是正の問題でありますが、これは答申にも述べられておりますように、「社会保険診療報酬課税の特例については、当調査会としては既に累次にわたる答申においてその是正を強く要請してきたが、今日まで何ら是正措置が講じられなかったことは誠に遺憾である。」答申にもこう書いてある。確かに私も前から答申を見まして、そうであったことはわかります。ところが、今回の答申よりもこの法案の方が確かに私は後退しておると思うわけでございます。どうも大臣の答弁では後退はしていないみたいなニュアンスに聞こえますが、これは後退はしておりませんか。
○金子(一)国務大臣 四段階の案を政府税調では出しておりましたが、四千万円以下のものについてさらに一段階きめ細かくふやしたという点だけが一つ問題として御指摘になっておるのだろうと思うのでございますけれども、四千万円を超えるものは政府税調の答申どおりでございますし、それ以下のものについては、先ほども私なり政府委員から申し上げておりますように、社会保険医の公共性をある程度加味して特別控除の制度を設けた、こういうふうに御了解賜りたいと思います。
○貝沼委員 その答弁ですね、実は二月十三日のわが党の宮地質問の場合に大蔵大臣の答弁は、医療制度の改革と税制とは別問題であると、別問題として答弁をしておるわけですね。ところが本日の答弁では、医療の公共性を特別控除みたいな形で加味する、ただいまもおっしゃっておりましたが、そういう形で答弁されております。私たちはいま大臣がおっしゃるような言い分を主張してきたわけでありますが、これは明らかに違いますので、どっちの答弁が本音なのか、そこをはっきりしていただきたい。
○金子(一)国務大臣 現在健保制度の改正案が国会で御審議いただいております。診療報酬制度の抜本的見直しとかいろいろなことが取り上げられておりますが、それはそれとして私どもは切り離して、今日の社会保険診療報酬の課税の問題を税の関係で取り上げていきたいということを申し上げておったわけでございまして、ただその場合に御承知のとおり、夜間診療報酬について特別の負担があるとか、あるいは救急医療についてもいま十分な対価を得ておられないとか、夜間、休日の診療の問題があるとか、そういったことはやはりある程度加味していかなければいくまい、課税の実際に当たってですよ、そういうことで、いまの特別控除というものをお医者様の公共性ということで取り上げておる、こういうふうに御了解いただきたいと思います。
○貝沼委員 そうすると、本会議での医療制度の改革と税制とは別問題というのは説明不足であったというふうに受け取ってよろしいですか。
○高橋(元)政府委員 大臣からお答えいただくことでありましょうが、私どもも大臣のお話をしょっちゅう承っておりますので、大臣のお気持ちを敷衍して申し上げたいと思います。 大臣は、社会保険診療報酬制度と申しますか、医療制度がどういうふうになるかということは、これはもう医療政策のプロパーの問題で、たとえば各種の保険制度をどういうふうに持っていくかとか、それから診療報酬の単価水準をどうするか、薬価をどいうふうに構成するか、これはまさに医療行政または医療政策そのものであろうかと思いまして、そういうことと、今回御提案申し上げておりますのは、現行のまたは今後改正されるであろうところのそういう医療制度から支払いを受ける社会保険診療報酬の収入及び経費、それに基づく所得、その課税をどうするかという問題とは別のものである。したがいまして、現行の社会保険制度のもとで各医業を営んでおられる方々が得られる社会保険診療報酬に対する課税の特例をどういうふうに是正するか、そういう問題としてとらえて解決をする。したがってその場合に、先ほど来申し上げておったことでございますが、全部について一率の経費率を設けるか、全部実額課税にしてしまうか、それとも、先ほど来私どもが御答弁申し上げておりますように、実額に近い経費率と、それから中小の医業の方に対して社会保険の公共性を加味した特別控除を加えて、二つをもって新しい概算経費率の法定制度といたすか、その話でございまして、大臣のお答えが私、直接本会議に入っておりませんでしたが、後々承りましたところでは、大臣の仰せのあったことはそういう趣旨に出ているものというふうに思っております。
○貝沼委員 それから、今回の改正案とそれから答申に盛られたものとの税収の差ですね、これはどれぐらいになるのですか。
○高橋(元)政府委員 今回の改正案は、平年度の増収額は一千億円でございます。これに対しまして五十年の税制調査会の答申案どおりの改正を実施いたしましたと仮定しました際に、私どもがとっております前提に基づいて計算をいたしますと、千二百四十億円の増収に相なるはずでございます。したがいまして、約八割というのが増収額の割合と相なっております。
○貝沼委員 これは答申の場合ですね、あるいは改正案の場合ですか。答申と改正案のその差を言っていただきたい。
○高橋(元)政府委員 答申は千二百四十億円の増収、改正案は千億円の増収です。
○貝沼委員 したがって、やはり二百四十億円というものは改正案によって減収になったということですか。
○高橋(元)政府委員 仰せのようなことでございます。
○貝沼委員 したがって私は後退だと言うわけでありますが、なお、この五段階に分けてある部分について、開業医は大体何%ぐらいずつ配置されるか、その数字を教えていただきたい。
○高橋(元)政府委員 二千五百万円、三千万円、五千万円という区分で申し上げていきたいと思いますが、五千万円以上がおおむね全体の四分の一でございます。それから五千万と三千万の間が約四分の一、三千万以下が約二分の一、二千五百万以下が四割強ということに相なっております。
○貝沼委員 いまの数字から見ましても、この改正案で果たして国民の期待にこたえられるかどうか、私は非常に疑問であると思います。 それからもう一点は、先ほど期限の問題が議論されておりましたが、「当分の間、」これは租税特別措置法のまっ先に書いてあるのですが、当分の間という考え方ははなはだよくないというような本会議での同僚議員の質問がありまして、それに対して総理大臣は、同感でございますという答弁をされておるわけでございますが、大蔵大臣はどのようにお考えになりましょうか。
○金子(一)国務大臣 ちょっとそれは速記録を調べませんと、そんなことを言われたはずはないと思っておるのでございますが、考え方として期限をつけるべしという議論が十分あったことも事実でございますし、あることも承知いたしておりますけれども、先ほども申し上げましたとおり、しばらくこの率でやってみて、社会経済情勢が変わってきてもう一度見直す必要があったときは、そのとき見直したらいいじゃないか。いままでは手つかずで来ましたが、ことし初めてこういうことで改正をする先例ができましたから、今後そういう必要があったときには見直しはできるでございましょうけれども、毎年毎年変えるとか、二年置きに変えるとかいうようなことになると、かえってまたトラブルもございますから、しばらくこのままでやらしていただきたい、情勢が変わればそのときまた見直します、こういうことでございます。
○貝沼委員 その見直しの問題でもう少し聞いておきたいと思いますが、情勢が変わればというのは、たとえばどういうようなことが要素として考えられますか、情勢が変わるというのはいろいろあると思いますが。
○金子(一)国務大臣 経費について、薬価がまたうんと違ってくるとか、あるいは人件費その他がまた変わってくるとか、いろいろな要素があると思うのです。公平かどうかということは、やはりほかの所得との比較権衡の問題ですから、これは安過ぎるぞという問題が起これば、それはそういう世論が強まったときに見直さなければいかぬことは当然でございまして、ことしこの問題がやっと改正にこぎつけましたのは、やはり強い世論のバックがあってこれが実現できることになったわけでございますから、私どもも今後十分その点には注意を払いながらやってまいりたいと考えておる次第でございます。
○貝沼委員 なお、医師優遇税制につきましては、後日他の委員の方から詳しく議論することになっておりますので、私はいまの議論の中から気づいたことだけをお尋ねしたわけであります。 そこで、この租税特別措置法全体を見てみたわけでありますが、その中の二十八条の二、六十六条の十二に、中小企業倒産防止共済制度の問題が書かれておるわけであります。そこで、この共済制度は非常にいいものなんですけれども、わりと知られておらない。しかもこの不況のときに、これがかなり使われていいはずなんですけれども、案外そういってないような状況であります。 そこでまず初めに、これは議事録の関係もありますので、この制度について中小企業の方にわかるようにまずあらましの説明をしていただきたいと思います。これは通産省の方が見えておると思いますので、お願いします。
○尾身説明員 説明をさせていただきます。 この倒産防止共済制度は、中小企業者が取引先の倒産の影響を受けましてみずからも連鎖倒産をするに至るという、そういう事態を防止することを目的としてつくられた制度でございます。 制度の内容は、この制度に加入する中小企業者が月額五千円、一万円、一万五千円、二万円のいずれかの額を選択いたしまして、これを合計で百二十万円または六十カ月、五年間でありますが、それに達するまで毎月納付していただくわけでございます。そういたしますと、加入後一定の期間経過いたしまして、加入者の取引先企業に倒産が発生した場合、その積み立てた掛金の合計額の十倍の範囲内におきまして、倒産の発生によりまして回収が困難となりました売掛金債権等の額を無担保、無保証、無利子で貸し付けを受けることができるという制度でございます。 制度の発足に当たりまして、この制度の効果を早期に実現することを目的といたしまして、制度施行後一年間に限り緊急避難的措置として、掛金を五年分まで一括して前納できる特例前納制度という制度も設けているところでございます。
○貝沼委員 いま説明がありましたけれども、要するに契約者は、取引先企業が倒産した場合に、掛金の十倍までの範囲で焦げつき債権など被害相当額を無利子、無担保、無保証で融資を受けるというものですね。最高一千三百万円をつなぎ資金として借りられ、五年以内に返済という仕組みで、非常に便利な仕組みになっておる。特に五十三年度は特例として五年分の掛金を一括前納した場合、加入後三カ月でも融資が受けられる、こういう特別前納制度が設けられておるわけでありますが、これまで加入した状況というものはどういうふうになっておりますか。
○尾身説明員 制度の発足は昨年の四月でございますが、今年の一月までに加入者が合計で、一月の半ばまででございますが、一万九百八十五事業所でございます。
○貝沼委員 これは当初の目標に比べてどうなっておりますか。
○尾身説明員 当初の目標は、今年度いっぱいで十万件ということでございまして、現状のところ残念ながら、目標に比較いたしまして必ずしも十分な加入者がいるという状況ではないわけであります。
○貝沼委員 十分でないどころか、これはざっと一割ですね、一割ちょっとですけれども、そういう制度がありながらなおかつこの加入者が少ない。この少ないというのは、知らないと言うと語弊がありますけれども、PRの不徹底といいますか、まだ承知していない方々がたくさんいらっしゃるのじゃないかと思うわけです。そういうようなことを考えた場合、さらにこれを徹底しなければならないと思うわけでありますが、いま当局としてはこのPR方にどういうふうな方法をとっておりますか。
○尾身説明員 このPRにつきましては、この制度のPRの直接の窓口といたしましては、各地の商工会議所、商工会あるいは中央会、関係組合等を通じまして中小企業者にPRをいたしておりますほか、テレビ、新聞等のマスコミの媒体を通じましても極力制度のPRに努めている次第でございます。
○貝沼委員 このPRも今年度の目標を達成するために、たとえば報道によりますと、商工会議所あるいは商工会、中央会の業務委託団体約四千とそれから全国の金融機関一万八千店舗にチラシ百二十万枚、ポスター五万枚を送付、掛金が税法上損金扱いになるメリットを訴えて、一生懸命追い込みをかけているようでありますけれども、いまもう年度末が近いというのにこれだけ大騒ぎをしなければならないという理由はどうも薄いと思うんですね。それよりも、今年度でできなかったならば、来年度も含めてもう少し時間をかけて、実質的にこの法律の恩恵に当たる人がふえるようにしていくのが運用上大事なんではないかと思うのでありますが、そういう意味においては、この一括前納の特例、これをもう一年延ばすというふうなことは検討できないのか、この点について質問いたします。
○尾身説明員 この倒産防止共済制度は、中小企業者の相互扶助の精神に基づいた共済制度でございます。一般の共済制度におきましては、毎月の掛金を所定の期間納付いたしまして、その納付された掛金に見合って一定の給付を受けるということが前提でございまして、これまで事前に掛金を納付する一括前納制度のような形で納付して未到来の期間の利益を先取りするというような例は、ほかの共済制度にはないところでございます。しかしながらこの制度におきましては、加入者にできるだけ早期にこの制度の効果を享受せしめる必要がございますし、またその必要性はこの性格上、特に制度発足の当初に生ずるものであるということを考えまして、一年間の暫定措置といたしまして一括前納制度を設けたものでございます。 したがいまして、この一括前納制度の延長はなかなか困難でございまして、私どもといたしましては、この制度の利用の希望者に対しまして、今年度末、まだ一カ月余りございますわけでございますが、それまでの間に加入をしていただきこれを利用するように、各種のPR手段を通じまして働きかけているところでございます。
○貝沼委員 法律はそうなっておりますから、それで一生懸命やるのは当然ですけれども、それならば、一年間前納制度を延ばすということがどうしてもまずいという理由は何ですか。
○尾身説明員 これは、この制度自体がきわめて特殊な例外的な制度であるということでございますので、三月までまだございます、したがいまして私どもといたしましては、その間に極力PRをいたしまして、ぜひ加入していただくようにというふうに考えている次第でございます。 ただ、この制度につきましてはその改善につきまして、内容的にも種々各方面から御要望があることはよく承知しているところでございまして、今後この制度の運用状況を見守りながら、具体的な改善についての検討を進めていくことにいたしたいと考えている次第でございます。
○貝沼委員 今後検討なさるそうですから私はぜひともこれを要望どおり検討していただきたい。 それからもう一つは、加入しておる方々は、先ほどお話がありましたように、掛金によっていろいろコースがあるようでありますが、その掛金別にどういうコースが一番多いのか、その辺のところを説明を願いたいと思います。
○尾身説明員 一般の制度の場合でございますと、掛金の額が五千円、一万円、一万五千円、二万円の四段階に分かれているわけでございますが、二万円の掛金の方が一番多い状況でございます。それから、特例前納制度の加入者もかなり多くなっておりまして、全体の加入者のうちで過半数が特例前納制度を利用しておられる状況でございます。
○貝沼委員 二万円コースが一番多いという話なんですね。そこで、この二万円コースが多いというのは、二万円が掛金としては一番額が高いものですね。これは一千二百万円を希望している人が多いのじゃないかと思うんですね。ところが私が調べた範囲では、たとえば東京商工会であるとかあるいはいろいろなところでこの掛金を、たとえば五万円であるとかそういうような枠も検討してもらえないか、そういうコースも検討していただけないかという要望が出ておるようでありますけれども、この辺についても当局としては検討されますか。
○尾身説明員 いま先生がおっしゃいましたような点につきましても要望が出ていることはよく承知しておりますので、その点も含めまして、今後制度の運用状況を見守りながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○貝沼委員 ぜひそういう要望が実現できるように検討していただきたいと思います。 それから次の問題は、産地中小企業対策臨時措置法に関する租税特別措置でありますが、この租税特別措置法の中に、「別途提案される産地中小企業対策臨時措置法(仮称)に伴い、次の措置を講ずる。」ということで出ておりますね。ところが、この産地中小企業対策臨時措置法という法律は、どうなんですか、できておるのですか。
○松尾説明員 ただいまお尋ねの産地中小企業対策臨時措置法につきましては、三月上旬の提出を目途に現在、関係各省と協議を進め、また法制局で法案審査を進めておる段階でございます。
○貝沼委員 まだできていないわけですね。はっきり言って、まだできていないわけでしょう、どうなんですか。
○松尾説明員 現在提案の準備を進めている段階でございます。
○貝沼委員 どうもはっきりしませんが、それならば、成文とかそういうことでいまてこずっておるのであって、内容は固まっておるという意味ですか。
○松尾説明員 この内容になります部分については、現在国会審議中の五十四年度の予算案設定の際に政府部内では合意を見ておりますので、内容については固まっておると申し上げてよろしいと思います。
○貝沼委員 それじゃその内容について本日尋ねても答えられますね。
○松尾説明員 現在関係各省と協議をしておりまして、また法制局で法案審査段階でございますので、基本的な骨格については御説明できると思いますが、細部につきましてはなお変更があり得るというふうにお考えいただければと存じます。
○貝沼委員 骨格はできておるが、細部については変更があり得る、それは固まったものというのでしょうか、どうなんですか。
○松尾説明員 実体的には固まっていると申し上げてよろしいかと存じます。
○貝沼委員 私は、まだ本法がはっきりしないのに租税特別措置だけ先走りするのは何となくおかしな気がするんですね。やはりこういう措置法に伴いこの措置を講ずるわけでありますから、その法律がちゃんとできていないと、どうも議論がおかしいのじゃないか、こういう感じがするわけでありますが、政務次官、感触としてはどうですか。
○林(義)政府委員 貝沼先生のお話でございますが、いま通産省の方から答弁がございましたように、大体骨格はできておりまして、法制局やその他のところと打ち合わせをする、どちらかというと法文のささいな点につきましての相談をするということでございまして、この国会で産地中小企業対策臨時措置法を出すことにつきましては、政府の方としては確定しておりますし、三月の上旬には出せる、こういうことでいまやっておるところでございます。 法案の取り扱いにつきましては、従来からもそうでございますが、租税特別措置法は、いつも三月三十一日というのが大体期限切れの法案ということでございますし、同じ国会で出す法案では、後で法案が三月に出まして、たとえ五月とかぐらいに成立いたしましたところで、同じ国会でできた法律につきましては、それの所要の措置を講ずるということはいままでも例としてやっていることでございます。また、この産地中小企業対策臨時措置法につきましては、租税上のいろいろな措置をするということにつきましては、政府部内では意見が一致を見ているところでございますから、そういったことを租税特別措置法の方で書く、後で中小企業の方の法律が出る、こういうことは、従来もそういう形でやっておりますし、またそういったことでやることがいいのではないかというふうに私は考えております。
○高橋(元)政府委員 いま政務次官からお答え申し上げましたことに尽きるわけでございますが、蛇足のようでございますが、今回御審議をお願いいたしております租税特別措置法の一部を改正する法律案の中に附則第一条というのがございまして、「この法律は、昭和五十四年四月一日から施行する。」という原則を掲げた後で、ただし、第十二条の三、第十八条第一項、第四十五条の二、第五十二条第一項及び第六十六条の改正規定は、「産地中小企業対策臨時措置法(昭和五十四年法律第 号)の施行の日から施行する。」ということになっておりまして、法文の施行期日という意味では、ただいまも政務次官からお答えのありました、産地中小企業対策臨時措置法が施行されるのを待って租税特別措置法の規定が動くという形になっておりまして、その間の矛盾がないように措置いたしたつもりでございます。
○貝沼委員 それはわかるのですよ。それはわかるのだけれども、本法がまだ出てこない。音はすれども姿は見えぬというやつですね。それで、それに伴うものを大蔵委員会が一生懸命やるということは、ちょっと本末転倒じゃないかという感じがする。たとえば少なくとも法律としてでき上がったあるいは上程されておるというのなら、それに手間がかかっておろうとどうであろうと私はいいと思いますけれども、まだ出てこない、浮かび上がって見えないその時点で、これはちょっと先っ走りの感じがしますが、これでいいのでしょうかね、こういうのがごくあたりまえになったらちょっとおかしいのじゃありませんかということを言っているのです。
○高橋(元)政府委員 税制上は、この産地中小企業対策臨時措置法に対応いたしまして三つの措置をとるということが確定をいたしております。 一つは、事業合理化計画を実施する中小企業者の機械等の特別償却、もう一つは、振興計画を実施する産地組合に対して支出する負担金の特別償却及び増加試験研究費の税額控除の対象への追加、三つ目が、産地組合が負担金により取得する試験研究用資産の圧縮記帳、この三点につきましては、税制改正の内容として産地中小企業対策の骨格をなすわけでございますから、その点は十分協議して話し合いがついております。ただいま中小企業庁の方からいろいろお話がございましたが、法文の個々の表現を全体としてどういたすかというような点につきまして、これは法制局の審査も要りましょうし、施行の細則、付属の法律の改廃等につきましては、関係各省との折衝ということもあると思いますが、税制上講ずべき措置の内容は確定いたしておるわけでございます。 産地中小企業対策臨時措置法の法案の提出を待って改めて租税特別措置として御審議をいただくということになりますと、それはことしの税制改正に間に合わないという場合も出てまいる。それから、産地中小企業対策臨時措置法の附則で税法を直すということは、これはもう多年一貫してそういうことがなくて、大蔵委員会が歳入法全体として把握して御審議をいただいて、租税特別措置法の中に必要な規定を設けるということでお取り扱いをいただいておるところで、私どももさような考え方を持っておるわけでございます。そういう意味で、税制対策の実体としては確定をいたしておりますし、産地中小企業対策臨時措置法が提出されるということも固まっておるわけでございますし、したがってそういうことを受けまして今回、租税特別措置法の一部改正案に含めて御審議をいただきたいというお願いをいたしておる次第でございますので、御理解をいただきたいと存じます。
○貝沼委員 おっしゃることはわかりますけれども、どうもしっくりしないのです。やはり形ぐらい出ている方がやりやすいということなんです。 それでは中小企業庁の方にお尋ねいたします。 この臨時措置法の内容についてちょっと伺いたいと思いますが、指定基準の考え方としては、どうもいろいろな文言から考えるに組合指定になるのじゃないかと私は思っておりますが、地域指定、組合指定、これはどういう方法をおとりになるわけですか。
○松尾説明員 この法律では、地域を限って業種を指定する、法技術的にはそういう形で、その限られた地域を産地と考えるというふうに考えております。 その地域なり業種なりを指定する場合の基準になる考え方でございますけれども、まず、産地中小企業対策臨時措置法でございますから、中小企業性の業種という形になってまいります。つまり、その業種の事業活動の相当部分が中小企業者によって行われているというのが従来からの中小企業立法の例でございますが、これが第一点であろうと思います。二番目には、その業種の中小企業者の事業活動が特定の地域に集中して行われていること、これはつまり産地性の業種ということだろうと思います。三番目に、臨時措置法を出すに至りました経過といたしましては、円高その他の経済的事情の著しい変化がある、したがって特別の立法が必要になったということがございますので、円高その他の経済的事情の著しい変化に起因して産地中小企業者の事業活動に支障を生じあるいは生ずるおそれがあると認められること、つまり円高などの被害を受けているということ。この三つが、業種を指定し、また地域を限って指定するその地域の範囲を定める基準になろうかと考えております。
○貝沼委員 その業種の内容についてもう少し詳しく伺いたいのでありますが、たとえば円高によって輸出比率が何%以上とか、輸入の影響あるいは生産数何%とか、そういったことはまだ決まっておりませんか。
○松尾説明員 これは法律自体ではございませんで、法律の運用段階の基準になろうと思いますので確定ではございませんけれども、たとえば円高緊急対策を講じましたときには、輸出でございますと、輸出比率が二〇%以上の業種ということを原則として考えておりましたので、政府部内での円高による輸出影響の一つの考え方を示すものだと思っております。輸入につきましては、五%以上輸入が増加し、そのために国内の売り上げが五%以上減少したという場合を基準として考えておりましたので、これがまた一つのめどになろうかと思います。
○貝沼委員 それからこの業種の場合、私の知っておる者でこれを待望しておる人たちがたくさんおるわけでありますが、たとえば綿スフ織物、細ひも、PP、花むしろ、バンコク帽、いろいろありますけれども、こういう直接輸出に関係するものは一応対象として考えられますか。
○松尾説明員 具体的な地域指定なり産地の指定につきましては、法律の成立を待ちまして、関係のそれぞれの都道府県を通じましてそれぞれの産地の実情を調査いたしまして指定をするという手続を進めることになる予定でございます。したがいまして、個々の産地なり業種についてどれが指定になるかをこの段階ではちょっと申し上げられないと思いますけれども、いま挙げられたものは、一般的に申しますと円高によって輸出面で影響を受けている業種をお挙げになったというふうに考えられます。
○貝沼委員 確かにこれは影響を受けているものばかりをいま申し上げたわけでありますけれども、ぜひこういうものが受けておることをお忘れのないようにお願いいたします。 もう一つは、輸出入とは直接の関係ではないけれども、たとえば鉄鋼関係と直接つながっておる業種、鉄鋼の炉で使う耐火れんが、こういうようなものは円高で非常に影響をこうむっておるわけでありますが、こういう二次的なものも含めて考えることはできるのかどうか、この点についての感触をお聞かせいただきたい。
○松尾説明員 円高法のとき以来、影響につきましては必ずしも厳密な意味での直接ではないというふうに理解しております。問題はその影響の程度であろうかと考えております。
○貝沼委員 そうすると、直接あるいは二次的ということよりも影響の度合いによって判断をする、したがって考える対策には、こういう耐火れんがのようなものまでも考え方としては入れて考えることはできる、ただし選ばれるか選ばれないかは別として、考え方としては入れて考えることができる、こういうふうに理解してよろしいですか。
○松尾説明員 具体的な業種については意見を申し上げられる段階ではございませんが、考え方につきましては先ほど申し上げました点で、間接的な場合でも排除されているものではないと考えております。
○貝沼委員 それから、全国で指定する数は大体どれぐらいに考えておりますか。
○松尾説明員 今年度予算で認められております予算の手当ての観点から見まして、私どもは九十産地というふうに考えております。
○貝沼委員 指定する時期はいつごろと考えておりますか。
○松尾説明員 法案の成立の時期によりまして、これは準備体制の整いぐあいが変わりますので、ちょっと確定的ではございませんけれども、私どもとしては七月ぐらいまでには指定の運びまで持っていきたいと考えております。
○貝沼委員 わかりました。いろいろな業種があると思いますけれども、せっかくつくる法律でありますから、多くの人から喜ばれるような運用をよろしくお願いしたいと思います。それでは、この問題はこれで終わります。 その次に、有価証券譲渡益課税の問題について一言だけ伺っておきたいと思います。 いろいろな問題があるようですけれども、要するに、今回の改正でその実態の掌握は可能なのかどうか、これはいかがでしょうか。
○高橋(元)政府委員 有価証券取引の譲渡益の課税について、その取引の把握が非常にむずかしいということはるるたびたびいろいろな機会に申し上げておるわけでございますが、そういうことの中で段階的に課税の強化を図っていくための今回の措置でございます。 これにつきましては、特別に該当する取引について業者から資料を取るというようなことをいたしませんが、申告所得税のたてまえといたしまして、所得があって申告していただくということでございまして、今回の課税強化に伴う執行は可能であると考えておる次第でございます。
○貝沼委員 この実態の掌握については今後どういうような措置を講じていく必要がありますか。
○高橋(元)政府委員 いろいろむずかしい面があるわけでございますけれども、自主的な適正な申告を、基本的には申告所得税でございますから期待をいたすわけでございます。仮に適正な申告をなさらないという場合につきましては、各種の資料、情報の検討を通じて適正な課税の実現を図ることに努めてまいりたい、これは私ども税制当局といたしましても、執行を担当いたしております国税庁におきましても、常時そのような形でせっかくの制度改正の実が上がるように努力を重ねてまいりたいと考えるわけであります。
○貝沼委員 それから、最近株式市場で事業会社などによる株式の大口売買が急激にふえているわけですが、東証は、公正な株価形成の維持、投資家への情報公開の徹底を図るため、上場会社が大量の株式を取得した場合、取引所への報告を義務づけることなどを検討しておるようでありますけれども、それで生命保険、投資信託、年金信託など大口の機関投資家にもその枠を広げたいという考えがあるようでありますが、大蔵省としてはこれにはどのようなお考えでしょうか。
○高橋(元)政府委員 これは証券行政の問題であろうかと思いますので、私所管でございませんから的確なお答えができませんが、先生御案内のように、税制の面で申しますと、法人の有価証券の売買はすべて課税でございます。したがいまして課税上の問題としては、法人が取得しまたは売却される限り、それは法人税の対象になっておるということを申し上げておきたいと思います。
○貝沼委員 それから、土地税制の問題について二、三触れておきたいと思います。 この土地譲渡所得課税について答申でも、「宅地供給促進の観点から個人の土地譲渡所得課税を緩和すべきであるとする考え方があり、現行制度の適用期限到来前ではあるが、この点について検討を行った。」こうあるわけですね。これを期限を待たずして緩和する理由は一体どこにあったのか、この説明をお願いいたします。
○高橋(元)政府委員 土地の売買の状況また需要供給のあり方につきましては、国土庁、建設省と私どもの方でいろいろお話を伺い御相談をしておるわけでありますが、ただいまお示しのありました税制調査会が本件について審議を行った経緯と申しますのは、一つは、現行の土地譲渡所得課税制度というのは租税特別措置によるいわば本則に対する重課でございます。重課規定でございますので、五年間という期限がついておりますと、あと一年待てばいい、あと二年待てばいいという形で土地の流動化が阻害されるきらいがないとはいえない。現にそれに対応する土地の出し渋りと申しますか、そういう現象も起こっておって、それがたとえば公的取得なり優良な住宅地供給なりというものに対してマイナスに働き、さらには地価に悪い影響があるというような点が問題として指摘されたわけでございます。そこで、五十五年までの現在の改正前の二千万円まで二〇%、二千万円を超えて四分の三総合という税制について、基本的な枠組みを維持しながら、当面の問題に対応する税制面の措置があるかないかということを税制調査会において御検討がなされたわけでございます。
○貝沼委員 今回の改正案を見ますと、税制緩和の方だけが大きく見えまして、それで、ただでも土地がいま値上がりしておるときに緩和をするということは非常に問題がある。一つは地価が高騰する、それからもう一つは、それだけ緩和しても果たして宅地が出てくるのかどうか、こういう問題がございます。大半の意見としては、どうも緩和をしても宅地供給はなされない、それから地価高騰は免れない、こういう意見が多いわけでありますが、当局としてはそういうことはないとお考えでしょうか。
○高橋(元)政府委員 土地税制は確かに基本的に二つの目標を持っておるわけでございます。一つは優良な宅地の供給促進でございます。一つは地価が高騰しない。こういう二つの観点から土地税制が組み立てられておりまして、その運用の状況も私どもとしては常時配意、戒心をいたしておるわけでございます。 昭和五十年に現行の土地税制ができました後、国土利用計画法、都市計画法その他の運用によりまして、たとえば土地の開発でありますとか、地価の水準でございますとか、都市環境の整備でございますとか、そういうことについて、実体的な規制と申しますか指導と申しますかそういうことが行われ得るようになって、それによって実体的な土地譲渡のあり方というものに近づけていく制度及びその運用の体制ができたわけであります。 仰せのありますように、確かに税制だけで宅地の供給促進とか地価の抑制を図ってまいるのは大変むずかしいことで、私どもは、税制は補助的な手段であるということをかねがねこの委員会でも申し上げておりまして、いまでもそう思っております。そういう意味では、国土利用計画法ないし都市計画法の適切な運用によってその点が補強されてまいったということは一つの前進であろうと思います。 今回は、一般的に土地の供給について制度を緩和するという考え方を全くとっておりませんで、短期の譲渡、つまり四十四年の一月以降に買った土地を売る場合であれば、これはやはり重課制度の対象である。四十四年一月一日以降という短期譲渡の定義についても変更を加えない。一般的に長期譲渡の場合につきまして、四分の三総合課税、二千万円以下二〇%比例課税という仕組みは崩さない。それで、公的な土地取得とかある程度以上規模のまとまり住環境のよろしいそういう住宅地の供給に緊急に必要な部分に限って部分的な手直しを行う、こういうことでございます。これによって、政策の目的といたしておりますような土地譲渡についていい影響があるというふうに考えますが、具体的には建設省ないし国土庁からお答えがあるものというふうに考えます。
○佐藤説明員 お答えいたします。 お尋ねの今回の税制改正と地価の関係でございますが、最近の地価一般につきましては、本年、五十四年一月一日の時点で、昨年一年間の地価の状況を地価公示地点の抽出調査という形で発表してございます。これによりますと、全国的には、全用途に関連しまして五・一%ということでございますが、住宅地、特に三大都市圏の住宅地に関しまして八%ということでございまして、いわば強含みの状態にあるということは先生御指摘のとおりでございます。住宅地の地価につきましては、一つは交通条件の整備等のいわば効用の増によるものがございます。もう一つは、今回の住宅地の需給状態における主因だと思いますが、非常に根強い住宅地の需要に対応します供給が不足しているということがあろうかと思います。 今回の土地税制の改正は、先ほど御説明がありましたように、他の宅地開発に関連します諸施策、たとえば関連公共公益施設についての予算の倍増等、それから都市計画法の線引きの見直しというような各種の施策とあわせまして、優良な住宅地の素地の供給に資する目的で、土地税制について一部基本的枠組みを残しながら見直しをしていただいたということと理解してございます。
○貝沼委員 やっぱり地価は高騰は免れないようですね。私もいろいろな方から話も聞きましたし、調査なども見ましたけれども、昨年春ごろから値上がりの兆しを見せている地価が、秋以降急上昇しておるわけですね。そうして、この言葉は適当かどうか知りませんが、ミニ狂乱の様相を見せてきておる。不動産研究所の調べでは、六大都市の地価は、昨年九月現在で一年前よりも七・七%値上がりしている。また、国土庁が一月末発表した五十四年度公示地価の動向、これによりますと、昨年の地価上昇率は、全国平均で五・一%に達して、五年ぶりで消費者物価上昇率三・八%を追い抜いた。大都市の住宅地の上昇率は、東京都の住宅地九・八%と五十二年の三倍の高騰です。 ただいま国土庁の話もありましたけれども、ただその話だけでなく、やっぱり別の要因によってこの地価というものはどんどん上がっていく。その上さらにこういう税制の緩和が行われますと、なおさら上がるんではないか。緩和されたから土地が出てくるということは、どうもないような実情なんですね。優良宅地ということもありますけれども、あの条件にかなうような土地がいま大都市に果たしてあるのかどうかという問題もあるんですね。そういうものがなくなってきておるので、あの優良宅地の基準もやはり問題がある、こういうような意見も多いわけでありますけれども、国土庁はこういう点についてはどういうふうにお考えですか。
○佐藤説明員 先生御指摘の今回の税制改正が宅地の素地供給に資さないということでございますが、一般的に今回の計画的な開発の場合には、公的機関ないしは民間のデベロッパーが用地の取得を土地所有者に要請し、これに対して土地を提供するという形でございます。したがいまして、現行のいわゆる二千万まで二〇%、その上をいわゆる四分の三総合課税という形になりますと、そういう大口の土地譲渡に対して抑止的な効果が働いてまいるということでございまして、今回のように適正な規模以上のものについて、特に二分の一という本則と同じような課税でございますが、そのような形で軽減してまいりますれば、それに対してのインセンティブが働いて、私どもといたしましては、期待するような供給量の確保ができるというように考えております。
○貝沼委員 どうもそう供給にはつながらないという説が多いのですよ。たとえば都市周辺の土地は株にも宝石にもまさる資産である、こう見る人がふえておるわけですね。金に困っている地主は別としても、税金が安くなっただけでは土地を売り急ぐ人はどうもない、これがいろいろな業界から聞いた声であります。金が必要になったときでも、税金が安くなった分だけ売る土地を減すから、かえって土地の供給が減ってくるであろう、これでは優良土地の供給につながるとは思えない、こういうふうに言っておるわけでありますけれども、大蔵大臣、感触はいかがでしょうか。
○金子(一)国務大臣 お答えいたします。 いま貝沼さんおっしゃるように、特に大都市周辺の土地はもう貴重品だ、あるいは株で言えば優良株で、なかなか手放さないのだぞという考え方の人が多いという説をなす人も大ぜいおられます。しかしそれじゃ、いまこれを現行の税制のままほうっておいていいかと言ったら、やはり私ども考えなければいかぬのは、いまの住宅建設、宅地供給のなかなか進まないことです。これが一つの大きな社会問題にもなって、御指摘のようなミニ開発が進んでおるような状態にもなっておりますから、何かそこに知恵はないか。しかし、土地を買いあさった人が開発利益を享受するようなことになっては困るがということで、苦心の末考え出したのが今度の条件つきの土地税制の緩和でございまして、お話しのようになかなか手放さないだろうという考え方の人がある一面、やはり三百坪、五百坪昔から持っているけれども、税が高いので何ともならないや、もう少し安くなるまで待とうやという人があることも事実でございますので、そこでひとつこの際、厳しい条件で優良宅地の供給と公的土地の取得に限ってこれを一遍やってみようじゃないかということで、ここで改正案をまとめたわけでございます。 この土地税制の緩和によって、いま少し上がりかかっておる地価がさらに上がるということを考えるのは行き過ぎではなかろうか。昨年あたりからぼちぼち上がっております。特に大都市の周辺の住宅地の土地が上がっておりますけれども、こういう税制をとることによって少しでもそれに水をぶっかけるようなことができれば私どもは幸せだ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○貝沼委員 そこで、細かい議論はいろいろありますけれども、私もはしょって申し上げますけれども、今回緩和した部分がある、これはよろしい、ある意味においてはいま大臣が言うように可能性があるかもしれません。しかしながらその反面、いまのように地価の上昇、それから供給が果たしてなされるかどうかという心配があります。恐らく余り出てこないだろう。しかし大臣はいま、少しでも出てくればいいんだということがあるわけですね。しかしそれだけでなしに、今度は別の面からも考える必要があったのではないか。 たとえばある経済評論家はこういうことを言っているわけです。こういうような法案のやり方では絶対宅地は供給されないだろう。そこで、三大都市圏の農地については選択的宅地並み課税にしたらどうか。たとえば農業を続けていきたいというような人々、これは都市計画がないのに、それから都市計画区域でないのに宅地にできない、これは社会資本がおくれておったりいろいろありますから、そういったところ、それから、都市の緑を確保するために農地が必要だというようなところから、選択的に宅地並み課税をしたらどうかというような意見を言っておる人もおるわけであります。ただし、こういう農業をしたい人がもしこの土地を、それならば売りたいという場合に、勝手に売らすということはできませんで、やはり二十年ぐらいは宅地にはしないとか、あるいはその傾向があるならば一〇〇%宅地並み課税をかけるとか、こういうような選択的な宅地並み課税をすべきではないか、こういう意見を述べておる人がおるわけですが、これについて大臣の率直な御意見というのか、感じをひとつお話しください。
○高橋(元)政府委員 土地及び地価に対する対策というものは、先ほども申し上げたことでございますが、実体的な土地利用計画法なりと有効に絡み合って初めて税制の面で効果が上がってくるものであると思います。税制といたしましても、譲渡課税だけでなくて、いまお示しのように保有課税もあるわけでございます。譲渡課税と保有課税と相まって、一方で、言葉は悪いのですが、押し出し的な効果があり、片一方で吸い出し的効果が上がる、こういう関係にあろうと思います。 今回自治省から別途地方行政委員会の方に地方税法の改正の御提案があると思いますが、その中では、農地の宅地並み課税については現行制度を維持していくということであるように承知いたしておりますが、いまお示しのありましたような保有課税と譲渡課税の非常に適切な組み合わせをどういうふうにしていくかということにつきましては、今後とも検討を続けていきたいと思います。 昨年暮れの税制調査会のいろいろな御議論の中でも、税制を緩和したら土地の資産価値が上がってしまって、かえってその保有を助長するのじゃないかという御意見が出ておりました。したがって私どもとしては、基本的な枠組みは変えておらないわけでございますが、そういう御意見に基づいてどういう経済分析なりそれからそれに対応する対策なりというものを考えていくのか、これは五十五年をもって終わりとなりますところの土地税制の改正の際に十分考慮されなければならないことであると思いますし、それまでに私どもとして十分研さんを積んでいかなければならないことであるというふうに考えておる次第でございます。
○貝沼委員 そういう評論家の意見もありましたので、私はわりとこれは妥当な線ではないかと考えるものですから、いま申し上げたわけでございます。 それから特別土地保有税の緩和なんですけれども、これは私はどうも不思議でならないのですね。宅地になるわけでもない山の中の土地なんかが、たとえば市町村、森林組合などに造林のために貸した林地は特別土地保有税を非課税にする、こういう抜け穴をどうしてつくったのか、これはどういう意図によるものですか。
○佐藤説明員 お尋ねの特別土地保有税の五十四年度の改正でございますが、先生いま御指摘のありましたように、都道府県ないしは市町村がつくります公社等のいわば公的機関が分収造林契約に基づきまして林地の造成を受託するような土地につきまして、これは森林行政上もそのような分収造林契約を促進していわば植林を促進する意味合いがございまして、そのような土地所有者が分収造林契約に志向するような形で、その場合に特別土地保有税について非課税の措置を講じていただいたわけでございます。 本件に関しましては林野庁も、今後の林野行政の一つの方向として、たとえば山村の僻地に遊休しております林地につきまして、これをりっぱな森林として育成することが林野行政の上からも好ましいということで、国土庁と林野庁と共同してお願いした事案でございます。
○貝沼委員 大体四十七、八年ごろ大騒ぎして買い占めたような土地が問題になって土地税制が議論されて、それで、いまそれが造林されておるかどうか知りませんけれども、いろいろなことで使われておるからといって今度は非課税にしてあげるとか、これは国民は余り納得できないと思いますよ。私はこれはおかしいと思います。今後そういう狂乱物価とかあるいは土地の高騰とかというものが起きないようにしていくためには、もっともっと配慮する必要がある、こう思います。 それから、国土庁か建設省かよくわかりませんが、両方にお願いしておきたいと思いますけれども、先ほどから主税局長が御答弁になっておりますように、税制だけでこういう土地問題は解決いたしません。あくまでも補完的なものだと私は思います。したがって、ネコの目が変わるようなこういう土地政策をくるくるやるのではなしに、税制の方もちょこちょこ変わっていくのでなしに、もっと長期的な、そしてしっかりした対策を立てて、その上に立って補完的な税の役割りを見ていかないと私はだんだんおかしくなってくると思うのです。 線引きの問題にしても、いろいろ問題を起こしておりますけれども、その反面、今度は社会資本の投入がおくれて、せっかく宅地並み課税を納めておりながら、そこは下水設備がないとか道路がないとかいろいろなことが言われて開発されておりません。したがって、建設省並びに国土庁の方でもっとしっかりした対策を講じて、この土地問題がすっきりしたものになるように私は強く要望しておきたいと思いますが、これに対する見解を承りたいと思います。
○木内説明員 宅地供給対策としましては、先生御指摘のように、税制だけではなくて総合的にやらなければいけないということは私ども感じているわけでございます。現行では、たとえば関連公共施設の整備、あるいは宅地開発公団等の公的開発の促進、それから民間に対する融資、区画整理、再開発、農住構想その他含めまして、いろいろ総合的に対応しているわけでございますけれども、現時点におきまして率直に申しまして、長期の宅地の需給見通しとそれに対応する総合的な施策の体系づけという点について十分でない点がございますので、ただいま特に首都圏、近畿圏、中部圏等を中心にしまして、圏域ごとの宅地の長期需給見通しというふうなものを急ぐと同時に、それに対応して諸関連総合的な施策の体系を築いていきたいというふうに考えているわけでございます。
○貝沼委員 終わります。
○加藤委員長 午後二時に再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 ————◇————— 午後二時二分開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き質疑を続行いたします。村上茂利君。
○村上(茂)委員 私は、貴重な時間をちょうだいをいたしまして、一時間の予定で三つの事柄について質問を申し上げたいと存じます。第一点は、不公平税制の問題が論議されておりますけれども、不公平とは何か、それに関連してのいろんな問題について質問を申し上げたい。第二点は、健康保険診療報酬課税をも含めまして、医師に関する税制について御質問申し上げたい。第三点は、有価証券譲渡益課税につきましてその考え方をお尋ねしたいと存じます。 これは世間周知のことでございますが、最近、一般消費税導入と関連をいたしまして、不公平税制の是正が前提条件であるという意見が非常に強くなっております。かたがたこれに関連しまして、不公平税制が是正されれば財政再建に必要な税の増収が確保されるのだ、一般消費税の導入は必要ないのではないか、こういうやや安易な意見を強調するというような立場も見られるようでございます。そういう最近の情勢にかんがみまして、私はこの際、非常に基本的な問題でございますけれども、不公平税制とは一体何であるかということをお尋ねをして、政府も十分腹を据えてこの問題に取っ組んでいただきたい、かように思うわけでございます。 午前中も池端議員から不公平税制ということにつきまして質問がございました。そして大蔵省側の答弁といたしましては、昭和五十年以来の税調の審議の過程、五十一年度の答申、さらにはまた五十二年十月の答申ということにつきましてお触れになりました。私はそのこと自体は正しい態度だと思います。ただ、不公平であるか否かという問題につきましては、これは個人ないしはグループの価値観の相違によりましてかなり変わってまいります。あるいはまた、イデオロギーの相違によりましても変わってくる問題でございます。 私も不勉強ではございますけれども、この税の公平の原理につきましてはいろいろな立場があろうかと思います。公共から受けるところのサービス、いわゆる便益に対するものとしての税、あるいはまた全然別に、納税者の税負担能力を基準にいたしましたいわゆる能力原理というものもございます。そして一般には能力原理が支配的な考え方になっておるわけでございますが、そういう根本においても学問上も争いがございます基本原理に、今度いろいろな制約を加えまして特別措置を講ずるわけでございますが、その特別措置の内容を見ましても、いわゆる政策税制と称せられるもの、ある特定の産業あるいは業種あるいは施設に対しまして政策的な配慮から減税をするというものもございましょうし、また、同じ租税特別措置法の内容の中に、法人税の仕組みの問題に関連いたしましていろいろな経費とみなすべきものを特別に免除するとか、そういった法人税の仕組みとの関連においてのいろいろな技術的な減税もあるわけでございます。あるいはまた全然別個の観点から、宗教法人であるとか、あるいは慈善団体、学術団体には特別の措置を講ずる、これは一般的な非営利観念を前提にいたしまして、社会通念を前提にした特別の措置であろうかと私は考えるわけでございます。 そのように、税の特別措置と申しましても実はいろいろあろうかと思うのでございます。それぞれよって立つところの原理、原則というものがあるはずでございますが、それを単に特定のグループあるいは個人の価値観からして、あるいはけしからぬ、あるいは不公平だというようなことを一々議論をいたしますと、もう論議は果てしなく継続するというふうに私は思うのでございます。そして果ては、不公平税制を是正すれば巨額の増収が可能であって、一般消費税を導入する必要はない、こういうような結論に到達するように強いて見解を導くというような立場もあるやに私は見るわけでございます。 そこでまず、不公平税制とは一体何なのか。私がいま簡単に申し上げましたが、そういったいろいろな原理、原則があるわけでございますけれども、それについての大蔵省の考え方が、その問題はもう税制調査会でやっておりますから議論の必要はございません、私どもは税調のあの答申を中心にして議論するだけです、こういう立場ですと、土俵が小さくなりまして、いろいろな問題に対する政府の考え方、これが非常に受け身の形になりまして、国民に与える印象というのが、非常にからに閉じこもってそれだけ議論している、こういうことになりかねないものですから、その点を私は心配をいたしておるわけでございます。一般的な問題でございますが、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○林(義)政府委員 いま村上委員からいろいろとお話がございました。 お話を聞いておりまして、大変よく勉強しておられるので私も感心したわけでございますが、不公平税制というのは何かというのはいろいろ御議論があるところだと思います。それば不公平という言葉は一体何だ、こういうことから議論をしていかなければならない問題だろうと私は思います。 きょうも恐らくその質問が出るだろうと思いまして、「大言海」とか少し調べてまいりました。「大言海」によりますと「公平」というのは、「不公平」ですから「公平」という言葉を見ればいいのでしょうけれども、「公正ニシテ、平等ナルコト。事ヲ行フニ、偏頗ナキコト。」この「偏頗」というのは「カタヨルコト」こう書いてあります。ところが、そこでは「公正ニシテ」、こう書いてありますので、「公正」というのを引きますと、「公平ニシテ、正シキコト。正シクシテ、疑ヒナキコト。」こうあるのです。ですから、どちらへいきましても、「公平」という言葉を引くと、「公正」という言葉が出るし、「公正」という言葉を引くと「公平」という言葉が出て、辞書だけではなかなか解決できないのじゃないかと思うのです。 私考えますのに、辞書ですからいろいろな言葉の使い方があると思いますが、やはり後の方、「正シクシテ、疑ヒナキコト。」というのが「公正」だろう、こういうふうに解釈しますし、「事ヲ行フニ、偏頗ナキコト。」偏ったことがないことというのがやはり「公平」の概念に当たるものだろうと私は思うのです。偏ることないことというのは、税を取るのに当たりましてやはりひとつ考えていかなければならない。ある人が非常に税金を取られなくて済むようなことになる、またある人は非常に過酷な税金をかけられるというようなことになりますと、やはりこれは困ることでありますから、そういった観点でいろいろと大蔵省の中でも議論をしてきたところでございます。 先ほどお話がございましたように、税制調査会でもこういった問題について議論をしたところでございますが、特定の政策目的のために公平その他の税制の基本原則が犠牲にされているような特別措置のうちで、政策税制として政策目的の薄れたもの、政策効果の期待できないもの等を対象にして整理合理化を進めてくるというのが、いままでの基本的な考え方でございます。 それでは、政策税制というものが果たしていかぬかといいますと、お互い政治家としてやっていかなければならないことは、やはり社会的正義の達成だろうと思うのです。この民主主義の世の中でございますから、社会的正義の達成を図るということが一番大切なことだろう。それはやはり公正な社会をつくっていくということにあるのだろうと思いますし、そうした考え方でいくときに、社会全体として政策がどうであるかということは、税の問題を離れてもやはり判断をしていかなければならない問題だろうと私は思います。そうした意味で、中小企業の問題であるとかあるいは文化の問題であるとか、最近で申しますと資源の問題であるとか、いろいろな問題についてそれぞれの政策をやるということも、一つの社会的正義に向かった仕事だろうというふうに私は考えております。そうしたものを含めまして租税特別措置というものが成っているのだろうと私は思うのです。 したがいまして、もう一つ申し上げますと、配当の軽課制度であるとか法人受取配当の益金不算入制度というのがあります。こういったものは、法人税、所得税の負担を調整する仕組みとして設けられているものでありますから、この問題までも含めて不公平税制であるというふうに言うのはいかがかと私は思いますし、また、各種の引当金等所得計算の合理的な仕組みということで設けられたものについてまでこれを不公平税制というのは、これはどうもおかしいのではないかというふうに考えておるものでございます。
○村上(茂)委員 言海の「公平」、「公正」という言葉までお調べいただいたのは本当に恐縮の至りでございます。 私は、この問題は本当に真剣に、便宜的ではなくてできるだけ国民に考え方の基本というものを周知徹底させる必要があるということで、この委員会の場をおかりしまして政府側のお考えを伺った次第でございますが、実はこういう問題について、ある有力な政党が昨年の十一月に、一般消費税に関連をいたしまして、不公平税制について項目をずいぶんたくさん挙げられまして、廃止ないしは是正、これによる増税の金額幾らというような試算まで発表されたわけでございます。 もしイギリスの議会制度のように、与野党が相対しまして論議を交わすということでございますれば論議の仕方もあるのでございますけれども、日本の国会は政府対国会議員の質疑応答でございますので、どうも歯に物がはさまったような形で十分意を尽くすことができないのでございますが、いま法人税の仕組みと関連をいたしまして若干の例を挙げられたのでございます。たとえば受取配当益金不算入制度の廃止というような意見が有力政党の考え方には出ております。また、事業税の損金算入制度の廃止というようなこともうたわれておりますが、私どもは、法人税の仕組みの問題としてこれは処理されるべき問題であって、いわゆる公平か不公平か、あるいは政策減税であるかどうかというようなこととはカテゴリーが違うものでありまして、こういう問題をことさら不公平税制の一つの例といたしまして、何百億増収が可能であるとかこういう計算をされますと、世間が惑うわけでございます。 そういう意味合いにおきまして、いま林政務次官から御答弁がありましたので、これ以上申し上げませんが、私の願いとするところは、あくまでも不公平の内容を仕分けいたしまして、国民にわかるようにお示しを願いたい、それぞれの考え方があるのだということを今後、日時をかけましてさらに周知していただきたいということを願うものでございます。 今回の租税特別措置法の一部改正によりまして、不公平と言われておりました問題の中で健康保険診療報酬課税の問題があったわけでございますが、いろんな紆余曲折を経て今回改正案をお出しになったわけでございます。今回は税調の答申の四段階とは別に五段階の区分でお出しになったのですが、なぜ五段階にされましたかどうか。そして、七二%と五二%の間に区分がなされておりますけれども、それはどういう根拠によりましてそうなりましたものか。これはむずかしいことは重々承知しておりますが、腰だめでやったのじゃない、一応こういう考えのもとにこういう制度を考えたということを私はお伺いいたしたいのでございます。
○高橋(元)政府委員 五十年度の税制調査会の答申では御案内のように、一律七二%の従来の法定概算経費率を、医療の社会保険診療の実態に近い概算的な実額経費率というものと、それから、中小診療所を主体にした社会保険医の特殊性とそれに基づいた税制上の配慮として説明づけられる特別控除、この二つを組み合わせて新しい制度の提案をしておられるわけであります。 それによりますと、社会保険診療報酬の収入が五千万円以上の部分につきましては、これは実額経費率である五二%による、しかしながら、中小規模の診療所において主として行われる社会保険医の特殊性に対する配慮として、五千万円と三千万円の間は五七%にします、三千万円と千五百万円の間は六二%にいたします、千五百万円未満は従前どおり七二ということにしてそれを構成いたしますと、中小規模の診療所に妥当な特別控除が行くという形になっておったわけであります。 今回の審議をお願いいたしております改正案でも、五千万円以上の社会保険診療報酬の部分につきましては、これは実額経費率である五二%によるというたてまえは変えておらないわけであります。それから下、大体全体の社会保険医の四割強というのが二千五百万円未満であるということ、これは午前中申し上げましたけれども、五十二年度の数字でございますが、その二千五百万円までの収入階層につきましては、これは昭和二十九年以来の七二%という率を適用して、それからあと五千万円というところまでは段階的に実額経費と概算経費の差額を削っていったわけでございます。したがいまして、六二%、五七%という五十年答申にありました刻みにつきましては刻みの幅を圧縮いたしまして、五千万円のところで実額に戻ってくるという仕組みにいたしております。なお、二千五百万円の上に三千万円、七〇%と新しい控除率が設けられましたのは、これらの社会保険診療報酬収入階層に対する課税の激変を緩和するという趣旨でございます。 〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
○村上(茂)委員 五十年度の税調の答申と言われましたが、五十年度の答申の五二%という率は、これは何をおとりになりましたのですか。会計検査院の調査でございますか。
○高橋(元)政府委員 五十年当時でございますから、会計検査院がなさった検査は五十一年分についての検査でございますから、当時会計検査院のお調べになった実額経費というのは私どもは承知し得なかったわけでございますけれども、四十九年に政府税調が行いました社会保険診療報酬課税に関する答申を作業いたしました際に、私どもは課税資料からいろいろ推計をいたしまして、五二%が実額に近い経費率であるということは私どもとしては確かめておったわけでございます。それを基礎として五十年度の政府税調の答申がなされたというふうに承知いたしております。
○村上(茂)委員 実は過去のことでございますが、私も労働省におりまして、労災補償部長、労働基準局長、通算十年勤務いたしました。その間、労災保険については七二%の特例措置がないものですから、指定医師の団体からも絶えずこの特例措置を労災にも適用せよという御要望がございまして、大蔵省とも何度も折衝したことがあるのでございますが、そのたびごとに私が疑問に思いましたのは、健康保険であろうが、労災保険であろうが、同一の負傷、疾病についての必要経費というのはそう変わらないのじゃないか。片足切断をしたという場合に、健康保険の方が必要経費が高くついて、労災の方は低くて済む、こういう論理はなかなか立たないのでございまして、これを指定医師の協会の皆さんから言われると私の方も非常に困った、こういう経過があるわけでございます。そして片や、労災保険を初め自由診療におきましては、健康保険とは別途にそれぞれ必要経費の算定をなすっておる、こういうことでございますが、二十年前近くの話でございますけれども、当時、私個人としてもあるいは職務上も非常に苦しみました問題なんですが、必要経費の算定ということについて、自由診療とか労災につきましては現在どういうふうに行われておりますのか、依然としてこの問題は残っておるわけでございますので、念のためお尋ね申し上げたいと思います。
○米山政府委員 医師課税の特例の対象にならない労災その他の自由診療の所得を計算する場合には、診療収入から実際必要になりました経費を差し引いて計算するわけでございます。したがって、労災その他自由診療の場合に、やはり個々の医師の調査をしまして、実際必要経費がどのくらいかかったか、そういうものを算定いたしまして個別に計算しているわけでございます。ただ、帳簿等がなくて全然計算ができないというような医師のために、これは申告の単なる目安として私どもも一応の経費率というものを持っておりますが、これは一般に適用するものではなくて、本当に記帳がなくて何らかのめどが欲しいという人に対しまして、一応のめどとしてそういうもので指導しているわけでございます。
○村上(茂)委員 私が申し上げたい気持ちは、必要経費をどの程度見るかということは非常にむずかしいことなんですけれども、要は、関係方面に納得を得まして、そしてスムーズにこの制度を実施する、これをこいねがうから私は伺っておるわけでございます。 私もかつて全国的な調査を労災補償部長のときにやってみました。同一の負傷につきまして、たとえば片足切断という場合に労災医療の点数単価がまちまちでございますので、医療費がどれぐらいかかるか、実際はどうかと調べたことがございますが、非常にまちまちでございまして、点数単価が低くても非常に医療費がかかり入院費がかかっておるという場合もございますれば、点数単価が高くても短時日に治しまして総体の医療費は低かったという例を私はいまでも明確に記憶しておるわけでございます。したがいまして究極のところは、これは医療内容の問題、医師の方々の処理の仕方の問題にかかってくるわけでございまして、必要経費の算定という問題も、同じ負傷、疾病でございましてもかなり違うということが私は当然予想されると思うわけでございます。ですから、全般的な必要経費の算定を平均的にこうだと言うことは実際非常にむずかしいと思うのでございますが、しかし今後とも大蔵当局におかれましても、できるだけ客観性のあるデータを求められまして、医師会ほか関係団体、あるいはまた国民一般が理解容認できますようなものをつくられますように御努力を願いたいと思うのでございます。 なお、この医師の税制に関連いたしまして私は二点ほどお伺いしたいと思うのでございます。 医師の方々のいろいろな御意見を私、拝聴いたしておりますが、個人開業医の方々にとりまして非常に大きな問題に相続税の問題がございます。後継者がおりまして、父親の病院を引き継ぐという場合に相続税の負担が非常に大きい。特に地方よりも都市部の医師の場合に、資産評価が非常に大きく計算されるものですからこの負担が非常に大きい。したがって、その後継者が病院を個人として継続していくという場合に、当初非常に大きな負担を強いられるということをしばしば聞くわけでございます。この点について、適切な配慮をなし得ないものかどうかお伺いいたしたいと思います。
○林(義)政府委員 先ほど御要望のありました点でございますが、要望だけですから聞きおけばいいのですが、そうでなくて、いまのお話はせっかく村上委員の長年の御経験のお話でもございますから、私の方も十分に実態に沿うように——いろいろなお話、確かにありましたし、必ずしも経費率が一定でないというようなお話もございますから、その点は徴税当局に言いまして、十分に御期待に沿えるような措置をいたしたい、こういうふうに考えております。 それから、いまの御質問の相続税の問題でございますけれども、確かに医者というのは、昔の御典医の時代からやっておったところがあるとかなんとかという話がたくさんございます。私も地元でそういった話をときどき聞くのですが、相続税というのは、事業の種類とか経営形態のいかんを問わずに取るというのが基本原則になっておりまして、医者だから相続税をどうだというわけにはなかなかまいらない制度だと思うのです。最初にお話がありました公平の原則からいたしましても、医者だけの相続税を特別にするというのはいかがかというふうに存じておりますし、特にこの際御注意を喚起しておきたいのは、相続税というのはかけられる人は非常にわずかである、五十二年度の相続税課税件数の割合を見ましても、死亡した人の中で課税をされているのは二・六%ぐらいである、こういうふうなことでございますので、その中でまた医者だけどうだこうだということは制度として適当ではないのではないかと私は考えております。
○村上(茂)委員 医師が三人以上集まりまして、そして医療法の適用を受けまして医療法人をつくりますとこの問題がなくなるわけでございますが、一人ないし二人で個人でやっておりますと、相続税というのは当然取られるのだから医師について特別扱いはできない、こういうお言葉なんですが、そもそも医療法人を認めるという趣旨も、医療組織と申しますか医療グループの特殊性を認めまして、医療法上規制すると同時に保護をする、また税法上も特別な扱いをしておるわけでございます。 〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕 しかし個人になりますと、そういう特質というものがすっかり失われまして、一般人に還元してしまうわけなんでございます。 そこで、医療の公共性と申しますか、それを担当いたします医師の社会的な使命、地位ということから考えまして、一方においては、農地の相続につきましては特別の制度がございますけれども、医師の場合も何らかの措置を考えることができないかどうか。単純営利業者でございますと、これは同じだ、ぽんとはね返して——はね返すと申しますかお断りすることはできるんでございますけれども、個人でやる場合と法人でやる場合とによりまして、非常に大きな違いができますものですから、そこら辺全く検討の余地がないものかどうかという観点から、再度私はお尋ねしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 課税を個人形態で行うか法人形態で行うかと申します場合に、税法の立場からいたしますと、これは個人か法人かを決めますのは実体法でございます。したがって、医療法人に関する医療法、これは基本法でございますが、これが法人格を付与しない場合に法人課税を行うということは税法のたてまえとしてはないわけでございます。 個人が事業所得者が、みなし法人課税を祖税特別措置法で道を開いておりまして、みなし法人所得に対してみなし法人課税を受けるということは可能でございますし、現に企業を営んでおる方の中でみなし法人課税を受けておられる方があるわけでございます。しかしそれは所得でございまして、このみなし法人課税を受ける場合には、留保というものはなくてすべて配当として課税されるわけでございます。 そこで村上委員の御心配は、その場合に法人形態をとって相続の場合に相続税が及ばないようにしたらどうか、こういう御趣旨かと思いますけれども、まず実態として、三人以上の医師が入っていなければ医療法人になれないという基本問題は、税法では解決できない問題でございます。その次に、医療法人に個人が財産を出資された場合には譲渡所得が課税されます。その問題の次に、医療法人の持ち分について、これはいままで個人であったお医者さんが医療法人の持ち分を持っておられるわけですから、持ち分については相続が起こるわけでございますね、この相続につきましては、やはり医療法人の財産内容、収益力等を見て評価が行われて、そこで相続税の課税が起こるわけでございまして、お示しの農地の場合には、農地の所有と経営とが農地法上その他農業の基本的な制度の仕組みとして分離できません。したがって、農地以外の用途について想定される地価というものを、農業経営を継続していく場合には、相続税課税の基礎といたすのは酷であるという問題がございますが、事業所得、医療所得すべて共通でございますけれども、お医者さんの場合にはそういう問題はないわけでございます。これは御説ではございますけれども、相続税法上の特例、たとえば延納猶予というような特例を設けることも妥当ではないんではないかというふうに考えておる次第でございます。
○村上(茂)委員 特例措置と申しましても、租税特別措置法で法定する特別措置もございましょうし、評価に当たってのその評価をどのようにするかという取り上げ方もございましょうし、いま延納措置も特例できない、こうおっしゃいましたけれども、それが特殊な条件の場合には特別な扱いができないかとか、いろいろな考え方があろうかと思うのでございます。 健康保険の診療報酬課税の面からいろいろ問題が論議されましたけれども、要は今後、人の生命と健康を預かる医療機関あるいは医師につきましては、その医療活動が適正に行われますように配慮するということは、国民も理解してくれるところと思いますものですから、相続税に関連をいたしましていろんな配慮ができないか、こういうお尋ねを私はしたわけでございます。医療法人につきましてはまた別に御質問さしていただきます。
○高橋(元)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、農業を継続しておられる方々が農地について相続税が課税される場合に、宅地転用を前提とした地価を前提として課税をし納税をしていただく、これは経営と所有の不可分を前提とする農地の場合には無理でございます。そこで農業を継続する場合には、農地法の価格でやっていただいて、残りの部分は、農業を廃止した場合、またはさらに相続が起こった場合まで延納をしていく、こういう納税猶予をしていくという制度を設けたわけでございますから、お医者さんの場合にそれと同一視した制度を設けることはむずかしい。したがいまして、ほかの事業所得者の方と同じような方式で、相続税の延納制度、これは私の記憶ですとたしか最高十五年までできるかと思いますけれども、そういう延納制度を利用していただくほかにはないんではないかというふうに考えておる次第でございます。
○村上(茂)委員 これはいま即答していただくというには余りにも複雑な問題でございますから、これはこれで私、別の機会に譲るといたしまして、実は歯科医師の問題といたしまして、先ほど問題になりました医療法人の税の特例が、歯科医師の場合は現実として、三人以上の歯科医師が集まりまして医療法人をつくるということがなかなかむずかしい、これはもう実態はそうであるわけです。ですから、医療法人についての特例措置がございましても、一般の医師の方々が医療法人を設立いたしましてあの特例を受けるという、そういう例が歯科医師の場合に少ない、これは実際上そうだということは否めない事実だと私は思うのでございます。 それで、中小企業のみなし法人というような、直接は右へならえするわけじゃございませんが、あのような考え方に基づきまして青色申告をいたしました場合に、何らかの措置がみなし法人として税法上とれないかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○林(義)政府委員 村上先生の御質問、歯科医師の場合には三人集まって法人をつくるのはなかなかむずかしい、確かにそういった事態もあるだろうと思うんです。そこで、みなし法人ということでやれないかということでございますが、医療法人になれないということでございましたときに、そこでみなし法人という、青色申告を受けた中小企業者の場合と同じような制度をとるということは、制度的には私は可能だと思うんです。 ただこの場合に、医療法人並みの課税がこれで措置できないかということでございますと、これはちょっとなかなか問題がありまして、やはりみなし法人課税という形でのいろんな仕組みに従っていただかなければならない、そうした上でやれる、こういうふうに私は考えております。
○村上(茂)委員 これもいろいろ問題があることは私は承知はしておりますが、今回の租税特別措置法の一部改正に関連をいたしまして、健康保険の診療報酬課税の問題が世の中に非常に強く取り上げられまして、いろんな見方もあるわけですけれども、私はやはり医療機関あるいは医師の活動というものは、国民生活上絶対必要なものであり、その公共性というものはやはり十二分に認識されなければならないというふうに考えるものでございますから、この税制の問題につきましても、その公共性の維持に必要なものであるならば、今後とも検討をお願いしたい、こういう観点からの質問を申し上げたわけでございます。今後もひとつ御検討をお願い申し上げまして、次に移らしていただきます。 事柄は全然別でございますが、今回の租税特別措置法の一部改正におきまして、有価証券譲渡益の課税の問題でございますが、従来は五十回以上、金額といたしましても同一銘柄につきまして二十万株、こういう基準がございましたのを、五十回以上という回数の方を撤廃をいたしたわけでございます。私は、これは有価証券譲渡益課税についての思想の転換がここにあるのじゃないかというふうに感ずるのでございます。つまり、証券会社は証券会社として対象にとらえておりますが、それ以外の者で一年じゅうしょっちゅう株の売買などをいたしておりまして、いわば業として反復株の売買行為を行うというような人を対象にしたがゆえに、五十回というような回数が現行法上にあったのではなかろうか。それを撤廃しまして、一銘柄について二十万株以上、こういうようなことになりますと、反復繰り返しの売買ということでなくして、ここに思想的な大きな転換があるのじゃなかろうかと私は思うのでございます。この点をまずただしたいと思います。
○林(義)政府委員 いまのお話でございますが、いままでありましたのは、継続的取引で、年間の売買の回数が五十回以上である、かつ、その売買株数二十万株以上の株式の譲渡による所得につきまして課税をする、こういうふうなことになっておりますが、それは今度の改正法ではなくなったわけではございませんで、これは現行どおり続いている。それに改めて次に、一銘柄について年間二十万株以上の株式を譲渡したことによるところの所得をさらにつけ加えて、これも課税の対象にしようというのが今回の改正の趣旨でございます。 したがいまして、いままでのものをやめたり、証券会社だからどうだということではなくて、やはりこういった有価証券の譲渡によりまして益が出たものについては、これはいろいろ問題があるところだろうと思いますけれども、こういった利益がある、所得があるということになればやはりそれを課税の対象にすべきであろう、こういった形で、しかもこれはなかなか全部押さえるというわけにいきませんからいこういったところから始めていこうということで手をつけたのが今回の改正でございます。
○村上(茂)委員 キャピタルゲインに対する課税につきましては、これは外国の例は私余りよく承知しておりませんけれども、アメリカ、イギリスでは、特にアメリカではある程度税制が確立しており、イギリスでも最近導入し、フランス、西ドイツでも原則非課税を課税原則に転換しようとしているやに仄聞しているわけでございます。 そこで日本の場合に、この有価証券譲渡益課税についてどんな考えでこの制度を考えておるのか。たとえば二十万株という単位にいたしましても、何を基準にして二十万株にしたのだろうか。いまの株のダウ平均、いろいろ動きますけれども、仮に一株四百円としますと、二十万株といったら八千万円なんですね。譲渡益は小さいにいたしましても、そういう金額を簡単に動かせるというのはそう簡単にいないわけでございまして、これは非常にお金持ちの人がこれに該当するのかな、いやいやそんな個人じゃないのだということであればそれは別でございますけれども、一銘柄について二十万株という単位が一体どこから出てきたものか。イギリスの制度はよく承知いたしませんが、千ポンドとかそういう金額で一方は表小されておる、こっちは株数で表示しておる、そこら辺の違いというものはどういう根拠に基づくのであろうか、これは私も不勉強でよく承知しておりませんので、むしろ考え方をお教え願いたいと思います。
○高橋(元)政府委員 欧米における有価証券のキャピタルゲインの課税でございますが、ただいまもお話がございましたように、ドイツでは原則非課税で、四つの場合だけに課税されるということになっておりますけれども、アメリカ、イギリス、フランスはいずれも原則課税でございます。 アメリカの場合には、短期、つまり一年以内の譲渡と長期、一年を超える保有と分けまして、それぞれそのゲインとロスを相殺しました残りに課税をしていくということでございます。アメリカのその株の売買で、短期と長期の間で、ゲインとロスを出しましたその残りを、またそれを株の売買の中で通算をいたしまして、まだその損が残った場合には、また利益が残った場合には、短期の場合には他の所得に合算し、長期の場合には四割を他の所得と合算するというような制度になっておりますから、アメリカの場合には原則課税ということが非常に強く出ておるかというふうに思います。 イギリスは、いま村上委員のお示しもございましたように、九千五百ポンド以下のキャピタルゲインにつきましては軽減された税率が課されておるわけでございます。それ以上は三〇%課税ということでございます。フランスの場合には、幾つかに分けまして、それぞれ三〇%、一五%というような課税をしておりますけれども、イギリス、フランスは、株の売買に基づくキャピタルゲインは次の年度に持ち越して、次の年度の株のキャピタルゲインから前の年のキャピタルロスを引ける、こういうような特殊の縦の通算を認めておるというようなことになっております。ドイツの場合には原則非課税で、限定された場合に課税です。 日本の場合には、たしか昭和二十八年からでございますが、有価証券の譲渡所得は、個人につきましては非課税でございまして、法人は全額課税をいたしておりますが、ただ個人については四つの場合に限定して課税をしてまいっておりまして、一つは、先ほどもお示しのございました継続的大量取引でございます。それから第二は、有価証券の買い占めによる所得でございます。第三番目が、事業譲渡に類似する有価証券の譲渡の場合でございます。第四番目が、ゴルフ場の施設利用権の譲渡に類似する株式の譲渡でございます。この四つの場合に限っておりましたが、これは昭和二十七年以前、シャウプ税制から二十七年までの間は、株式につきましても譲渡所得課税という法制上のたてまえになっておりまして、しかしながら現実には有価証券の譲渡の捕捉ということが大変むずかしくて、起こってまいりましたものは、証券市場の混乱ないし税制上の現実の不公平ということだったわけでございますから、そこで、その把握、執行が比較的容易にできるところの四つの場合に限定をして課税をするという制度を続けてまいりました。 有価証券譲渡所得の総合課税ということが望ましい方向であるといたしましても、やはりその株式の取引の実態を把握できるものでなければこれは絵にかいたもちになる、もちがかえって世の中に災いとなるということでございますから、したがいまして私どもは今回、段階的な強化の一つの措置として、一銘柄二十万株以上の譲渡及び特別報告銘柄に指定されている期間内の二十万株以上の売買、それに基づく譲渡所得を課税の対象にいたすことを御提案して御審議をいただきますのも、執行の面、つまり申告所得の税の本旨に従って納税者の方々に申告をしていただける、それに基づいて混乱なく執行ができる、そういうところとの絡みで御提案を申し上げておるわけでございます。 確かに単純平均四百円といたしまして八千万円の株を売った場合の利益しか課税されないのは不十分ではないかという御指摘があるのは一つのお考えであろうと思いますけれども、やはりせっかくその段階的強化をいたしますならば、それに基づいて課税の実も上がっていくということが大事なわけでございまして、その辺の考慮に基づいていま申し上げたような法案を御審議いただくわけでございます。
○村上(茂)委員 二十万株単位をどうして決めたか、これはむずかしいことは私は想像できるのでございますが、私の申し上げたいのは、要するにシャウプ勧告で二十七年ごろ、有価証券譲渡益を課税するかどうか、こういう問題提起がなされて現行体制に進んできたわけなんですが、あのシャウプ勧告があった当時と日本の現在の経済規模から何から、比較にならぬほど大きくなりまして、有価証券の取引は量、金額ともにもう非常に大きなものになってきたわけでございます。そういう点から、株などはもう値が上がったり下がったり非常に変動性があるから、これはなかなかつかみづらい、税収入で幾ら見込んでおるのですか、いや見込んでないですということにあるいは答弁がなるのかもしれませんが、むずかしいからといって放置せずに、やはりこの面もさらに研究を深められまして、国の財政は非常に赤字で大変なんですから、リーズナブルな税はどんどん取っていただきたい、私はこういう観点から質問をいたしたわけでございます。 以上、三点につきまして質問を申し上げることにいたしまして、質問が終わりました。ここで私は席を次の質問者に譲りたいと思います。
○加藤委員長 沢田広君。
○沢田委員 いままで自民党さんから不公正の税制についての解釈というようなことを言われていましたので、一、二の点について私はその点についてだけただして、次の質問に入っていきたいと思います。 事実で解釈してもらう方がいいと思うのですが、一つは午前中の質問の中で、租税特別措置法で、いろいろの見方はありますけれども、九千九百八十一億という試算もあるわけでありますが、これは増税分を一応除きます。その場合に、当然それが益金なりになって計上されれば、その五〇%はおおむね地方税として還元されていくはずのものであります。しかしながら、もしいまのままでいけばその分は地方税には、還元というよりも当然徴収できるものが徴収されないでいく、それだけ地方の住民は不利益な取り扱いを受ける、こういうことになるわけで、今年度の試算では九千九百八十一億、その半分四千五百億程度がおおむね地方税に還元されるはずであります。徴収できるものを租税特別措置法で内部留保金として企業に置いてあって益金に算出しないんだから、その分は地方税にプラスしてあげますよというものがあれば話は別であります。しかしそうでない限り、その問題はやはり残っていくことになるだろうと思うのでありますが、その点が一つです。 それから貸倒引当金、これはメニューが多いのでありまして、これを一時間半で食えと言われてもなかなか食い切れないメニューがあるのであります。大変なのでありますが、その中でたとえば貸倒引当金だけを例にとってみましても、二兆八千六百八十億、こういうのが大体五十一年度末残高であるます。それで、百億円以上の資本金のものがおおむね一兆一千五百六十四億で四〇%、それから五十億以上のものが千九百五十三億くらいで六・八%、十億円以上のものが一三・三九%、これだけの例を考えましても、これが益金になるかならないかの場合には当然そのことが、地方税はかりじゃなく、内部留保としてそれだけ資本金の大きい方が優遇されているし、それだけ法人税か軽くかかっていく、こういうことになるわけであります。さらに退職給与引当金にいたしましても、これは五十一年度で四兆九千九百八十九億、これも百億円以上が二兆一千五百九億、四三%、五十億が大体四千四百七十三億で八・九%、十億出以上のものが八千七億、一六%、やはり結果的には大きな資本を持っている方が内部留保金として保有をされていて法人税が軽くなっている、これを正当化する理由をひとつ御説明をいただきたいと思うのであります。
○高橋(元)政府委員 まず貸倒引当金でございますが、五十二年度末でございますが、確かに全体の法人を通じまして二兆九千七百五十三億円という残高がございます。そのうち、一億円末満、いわゆる中小法人の引き当てておられます方の金額の残高が八千百三十一億円でございます。これが直ちに大企業優遇の特別措置であるということでございますが、実は貸倒引当金と申しますのは、債権の現在高に対する評価性の引当金になっております。商法の規定でもございますように、債権につき取り立て不能のおそれのあるときはこれを減額すべしということでございまして、利益に計上をして、債権者に対して自己の信用状態を過大に表示する、または株主に対して本来配当できない利益金を計上することを禁ずるという商法ないし企業の会計の堅実性という原則からすれば、債権に対して経験率による債権の回収不能見込額を控除して表示するということは、いわば法人の所得計算上の通則であろうかと思います。そのことは税法だけが先行してやっているのではございませんで、企業会計原則上もまた商法上も貸し倒れについてそういう控除と申しますか、評価性の引き当てを認めることにいたしておるわけでございます。 大法人に対して大きな引当金の残高がありますのは、一つは金融保険業が持っております貸し金、また卸売業の持っております売掛金受取手形、こりいうものが非常に大きいわけでございます。こりいうものにつきまして、たとえば卸、小売でございますれば従前の制度で千分の二十、それから金融保険業でございますれば千分の五という引当金の繰り入れを認めておるわけでございますかり、したがってそういうところに貸倒引当金の残高が大きく出ておるということであります。なお、申すまでもないと思いますが、貸倒引当金は青色法人についてだけ、また有所得の法人についてだけ認められておるいわゆる特別措置ではございませんで、白色の法人につきましても認められておりますし、さらには無所得の場合でも貸倒引当金をとることが可能であるし、また企業会計上はその貸倒引当金を控除すべきであるという考え方かと思います。 なお、貸倒引当金につきましては、一億円未満の法人につきまして、通常の繰入率の二割増しという租税特別措置法の規定があることを申し添えおきたいと思います。
○沢田委員 そういうことではないのであります。さっき申し上げたように、その分が法人税に返ってくる分についての税額を算定し、もしそれか益金であったと仮定をすれば、それだけ内部留保するわけですからそれは益金と仮定をすれば、その五〇%は法人税としてかかっていく、その半分は今度は地方税として徴収できる、こういう機能を持っている。しかもたとえば貸倒引当金にしても、現在貸付金額の大体二十五、二十という形ですから、貸付金額が大きくなればなるほど貸倒引当金の金額、内部留保の金額は大きくなるわけであります。同時にまた、その貸し倒れの比率から言ってみても、卸売が〇・六くらいですか、割賦販売が〇・六、製造業が〇・二、金融保険業が〇・一、その他の事業が〇・三。ところが生命保険なりはまたそのものが全く内部留保になっていく。ここでどんどん数字を言ってしまっても追いついていかないのじゃないかと思うのでこの辺にしておきますが、結果的には内部留保になる。その内部留保資金が大きな資本になればなるほど大きくなる。そうするとそれがもし益金と算定すれば、当然それに法人税がかかってくる、その法人税のかかった分の二分の一、五〇%は地方税に行く。もしなしとすればそういう仕組みになっているわけでしょう。これを前提として考えないでもしなしとすれば、そういうことになるわけでしょう。いかがですか。
○高橋(元)政府委員 少し言葉が足りませんでしたが、先ほどはそれが益金になる性質のものではないということを申し上げたつもりであったわけでございます。これが仮に益金であったとすれば、それは法人の利益にそれだけの金額が加算されて、したがって国税と法人住民税及び事業税が支払いになる、これはそういうことでございますが、貸倒引当金に繰り入れた額が、繰入率の見直しを行いますことは当然でございますけれども、現行の制度のもとではこれは益金たり得ないという御説明をいたしておったわけでございます。 それからなお一つ、私が申し上げた二兆九千七百五十三億円というのは、毎年毎年これだけの引き当てをいたすわけでございますが、同時に、前年度に積み立てました、繰り入れました引当金の残額は全部翌年に益金に戻ります。したがって、一年度の法人の所得を減殺しておるという考え方をとるならば、減殺しておる力は、貸し金の増加額というものに法定の繰入率を乗じた金額でございますから、これよりもずっと小さい金額になるわけでございます。 それと、内部留保になっておるではないかという見方でございますが、貸倒引当金は法人経理上はたしか負債勘定に立つわけでございますけれども、それが内部留保に役立っておるかどうかということでございますが、確かにそれはそういう見方をすることは不可能ではないと思いますけれども、しかしながら、これは債権の回収不能見込額に備えて利益から減殺しておく評価性のものでございますから、したがって、これを利益に加算するということになじまない性質のものだということを先ほど来御答弁を申し上げておった次第でございます。
○沢田委員 これはなじむとかなじまないとかという問題じゃないのです。なじむとかなじまないとかというものじゃなくて、いわゆる企業会計原則の中から言って、それはその年度だけかもしれません、また翌年繰り越せば、異動がなかったと仮定すれば。しかし、その年度かもわからぬけれども、それは当然益金になってきている性格のものなんだ。これはすれ違いの議論で、これだけで時間をとっているわけにいかないのですけれども、とにかくそういう形になるのだから、その分の、今年度たとえば九千九百八十一億の租税特別措置法によって収入減が起きる、その二分の一の地方税というものが、当然受ける権利があるはずじゃなかろうか。租税特別措置法は国の政策によって行った仕事であります。地方自治体がその被害を受けなければならぬ理由はないわけです。これも憲法で保障された地方自治の原則であります。ですから、国の中で行った租税特別措置法の措置は同時に地方自治体に影響するというものではなくて、地方自治体はその分が益金なら益金と見るなら見て、それに課税ができるという権能を地方自治の精神から持っているのじゃないか。ところが、国の租税特別措置法の措置が同時に地方税にそのまま影響していく仕組みというものは、地方自治体に対する越権行為であるということにもなるし、地方自治体の圧迫にもつながるということにならないのかどうか、それは不公平でないのかどうか、その点を明らかにしてほしいということです。
○高橋(元)政府委員 墓京都新財源構想研究会の増収試算というペーパーがございますが、その中で「不公平税制改革による増収試算(五十四年度分)」というものが示されておりまして、そこに企業優遇税制による分、国税九千九百八十一億円、地方税四千百七十五億円という試算の数字が出ております。しかしながら、これはこの表の中にも表示してございますように、いまお示しの貸倒引当金にいたしましても、先ほどの御質問にありました退職給与引当金にいたしましても、法人税法適用所得分でございます。租税特別措置の適用を受けて税収が減殺されておりますものは、価格変動準備金、海外投資等損失準備金、特別償却、合計千九百三十九億円ということでございます。 繰り返しの御説明になって大変恐縮に存じますが、貸倒引当金、退職給与引当金、製品保証等引当金、これらは法人の所得計算上認められておりますところの合理的な計算方法でございますし、受取配当の益金不算入措置は法人、個人の税の調整のために設けられている制度でございます。これらのものにつきまして、これを企業優遇税制とごらんになるお立場はお立場だと思いますが、私どもといたしましてはこういう制度につきまして、これが企業優遇税制であるとか不公平税制であるというふうに考えることはできないという考え方を持っておるわけでございます。
○沢田委員 見解の差がありました。まあそれだけ不公平という言葉の中身については非常に見方といいますか、大資本の方がどうしても内部留保なり利益が多くなる仕組みになっている。これは本会議でも述べたとおりですから、ここは省略いたします。 次に償却計算、減価償却をやるわけでありますが、この減価償却の耐用年数です。 お医者さんの場合に一定の器具ということを四分の一先にしてやります。これがもし、大きな企業でなければならないと思いますが、百億と仮定をして十五年の償却とすると、最初に二五%ということになりますから二十五億でありますか、普通の場合で十四億、合計三十九億二千万がこの年度において償却される。二年目は、これは八・六%でいきますと、大体同じですから八億六千三百六万これは引き下げになる。三年目には七・四%ですから七億四千七十六万、こういうことになりまして、これで合わせて大体五十五億ぐらい償却される、こういうことになるわけであります。これがまた、この四分の一の減価償却を認めていくということが、今度は総計算の収入から見ると九億ぐらいの減税という形になってあらわれてくる、大体十八億ぐらいになって出てくるわけですから。一定の器具とは何かということも聞きたいのだけれども、またそうでない場合においても、この四分の一の減税というものをやることによって大体三年で五割五分ぐらいの償却が完了してしまう。これも言うならば一般の普通の償却、機械、備品を購入していく償却年度の比率から考えてみると、やや優遇し過ぎているということになるのではないかというふうにも思います。 それから、現在大蔵省はどうしているかわかりませんが、あなたが使っている自動車は何年で交換しておりますか、これもあわせてお答えをいただきたい。
○高橋(元)政府委員 御質問は、医療用機器の特別償却を認める改正を今回御審議をお願いしていることに関連していると思います。 現在、医療用機器は、技術の進歩によりて電子装置を組み込んで、かなり高度の性能を有するME機器というのですか、メディカルエレクトロニクスというのですか、そういう医用電子機器の開発が目覚ましく、ME機器を活用して高度の診断治療が可能になってきておるということでございます。しかしながら、現状ではその普及は必ずしも十分ではなくて、やはりいろいろ批判がありますところの町のお医者さんの治療というものによっているわけでございます。そこで、こういう高度の性能を有する新鋭の医療用機器の導入を促進することが高度の医療を国民に提供していく上で必要である、緊急であるということから、医療については、機械装置の中小企業者についての特別償却の適用対象になっていないわけでございます。医療用機器についてそういうこともありまして、今回特別償却をお願いいたすということであります。 その特別償却割合が、四分の一が高過ぎるかどうかという点でございますけれども、たとえば公害防止用設備は三分の一の特別償却、省エネルギー設備は四分の一の特別償却、こういうようなことになっておりまして、そういうものとのバランスを考慮して四分の一が適当であるという判断をいたしたわけでございます。 なおこれに基づきます、この制度を新設いたします際の減収額は平年度で九十億円というふうに私ども考えておりますが、この措置は、いわゆる社会保険診療報酬課税の特例を受ける方には適用はいかないわけでございます。これは当然そうでございまして、実額経費で所得計算をなさる方についてだけ特別償却がいくわけでございますから、社会保険診療報酬課税の特例とのダブリということはないと思っております。 なお、一言つけ加えさせていただきますと、特別償却は、初年度に四分の一実施いたしますと、翌年度から普通償却限度額がその分だけ、四分の一ずつ減りますので、取り返しが起こるわけでございます。結局耐用年数が経過いたしました際、その何年かを通じますと特別償却のメリットというものはゼロになる、普通償却と同じ形になるという性質のものであることを申し添えさせていただきたいと思います。 それからもう一つ、私にお尋ねの大蔵省の官用車でございますが、ただいま行政経費を非常に節減いたしておる等のこともございまして、買いかえについてはかなり年限が延びております。私の承知しておりますところでは、大蔵省の官用車でまだ四十六年車というのがかなり走っておるようでございますが、もしそういうことがございませんければ、一般には六年前後で買いかえを行うということであったと記憶しておりますが、いまそれがかなり延びてきておるということを申し添えておきたいと思います。
○沢田委員 これは調べればわかることなんですからここでうそを言ってもだめなんであって、大蔵省だけじゃなく、諸官庁の車が六年動いているなんというのは現実にあり得ない。また一般の民間企業においても六年の耐用年数をもたせるということは、修繕費の方が多くなってしまうような大変な事態になってしまう。 それをどうこうということではないのですが、現実的に見ると、たとえば道路の舗装が今日ほど進んでなかった時代の償却年度と、今日ほど道路の舗装が進んできたときの一台当たりの消耗率が非常に違ってくる。十六倍といいますか十六年も違ってきている。タイヤの減りも違うし、パンクの率も違うし、それから自動車の揺れ方も違う。そういう現状の調整、見直しが全然されていないというところにいまの私の質問の視点があるわけなんです。そのことを正当づけようとしたって、いま言ったように、昔の砂利道を走っている車といまの舗装道路を走っている車とでは償却率が大変違うことは明瞭でしょう。これは明らかでしょう。そのことから言って、六年なのか、あるいは当時の六年がいまは十二年もっていいのか、あるいは七年も八年ももっていいのかといえば、そうではないでしょう。 〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 ですから、その辺の減価償却の見直しということが当然必要になってくるのではないのか。その点の視点はどうとらえているのか、こういうことですね。
○高橋(元)政府委員 法定耐用年数というのが大蔵省令で定められておりまして、個々の減価償却資産ごとに減価償却資産の物理的な寿命または技術的な陳腐化、使用の頻度等を勘案して定められているわけでございます。それで、申し上げたような幾つかの要素がございますから、物理的な耐用命数がかなり延びてまいれば、それだけ法定耐用年数を延ばす要因になります。経済的陳腐が加速化いたしますと、それはまた短縮する要因になるわけでございます。資産の各事業年度への費用の配賦でごいますから、法定耐用年数はその基礎をなすものでございますので、私どもも実情に即するように絶えず見直しを行っております。 ただいま私が申し上げた大蔵省の車は官用車でございますので、法定耐用年数の外でございますから耐用年数がないわけでございまして、これは財政の事情によって、買うよりも修繕費が非常に高くなった場合にはもちろん買いかえてはおりますけれども、いまのところ非常に古くなっておる車が多いということももう一度申し上げさせておいていただきたいと思います。
○沢田委員 いまのは皮肉を言っただけの話ですから……。しかし、実態はそうではない。だから、言うこととやることが違ってくるという分野はやはり調整していかなければならぬでしょうということの一例として挙げたわけです。これは記憶にとどめておいていただければ結構なことなんです。 次に、さっきの退職給与引当金に戻りますが、昭和二十七年に法人税が三五%から四二%に引き上げられた、それに対応してこの退職給与引当金という制度をつくった、これは私もこの大蔵委員会で前にも質問しておりますから、その点は省略をいたします。 ただこの退職給与引当金というのは、二分の一なら二分の一を職員の分の退職給与引当として、労働協約に決まっておるなりあるいはその他の決まっておる分について引き当てをするのです。ところがいままでの答弁では、退職給与引当金というのは、この法人税の身がわりに内部留保資金として置いたのだから、可かどうかは別として答弁としては、職員が退職という事態が発生しない限り現在の職員に一切の権限はない、こういう物の発想に立って答弁をされてきたわけなんです。退職給与引当金という名称を使う以上、倒産をされても、第三者に差し押さえられても、何とか退職給与引当金はそのまま残してやっていくという方法はとれないかどうか。これも第三者の債権者に皆持っていかれてしまって職員が路頭に迷うということは、退職給与引当金という名前を使う以上、もう少し温かみのある制限といいますか、その分は別だよ、第三者によって差し押さえは受けないし取られない、残された職員に引当金として支払われるのですと、それは二分の一かもしれません、半分に減るかもしれませんけれども、その程度の抑制といいますか規制は可能なんじゃないか、こういうふうに考えるのですが、その点いかがでありましょう。
○林(義)政府委員 お答えいたします。 税の問題としては退職給与引当金というのは、これだけの引当金を積むことができる、こういうことでございまして、いま先生のお話にありましたところの労働者の給与の支払いに優先的に充てる、あるいはそのためにだけ確保しておくということになりますと、これはいささか税の問題を超えたところの問題ではないか、こう思うのです。 実は別の法律でございまして、賃金の支払の確保等に関する法律というのもございますし、そういったことでいろいろな手当てをするということがありますし、また、先ほど先生からお話がありました労働協約の中でいろいろなことを書くとか、あるいは特定預金制度というのもございますし、もう一つ申し上げますならば、証券取引法で法人としての責任という形で一般投資家に対するところの責任ということもございます。そういった観点で退職給与引当金というのは適正に積んでおかなければならない。そうでないと公認会計士から見たときに、十分なものを積んでないというような形でございます。いずれにいたしましても、そうした点を含めましてこの問題は総合的に検討していくべき問題だろうというふうに私は考えております。
○沢田委員 これは非常に意味深長な答弁ですから、こっちは甘いものですから甘く解釈しがちなんでありますが、退職給与引当金ができたのは昭和二十七年、法人税が三五%から四二%に引き上げられた代替として生まれた。だから、法人をその分だけは保護するという立場から発足をしました。しかしこの目的はもう今日の段階では大体消滅をしているだろうと思います。そうすると、現在のようなこういう段階において退職給与引当金という名称を使う以上は、本来の目的に沿えるような、倒産という場合においてもその退職給与引当金だけはなくならないという方向で検討してもらえるのかどうか。いま直ちに法律のどうこうということじゃなくて、とにかくそのときには路頭に迷わない、幾らかでもその引当金から退職給与は払われる、そういう条件に向けてこの金が保管できるような仕組みというものは検討していただけますか。
○高橋(元)政府委員 くどいようで恐縮でございますが、退職給与引当金は負債性の引当金でございますから、これは勘定上支払準備金とはまた別個のものでございます。二十七年にこの制度を導入いたしまして、当時準備金としてつくったわけでございますが、その場合には特定預金の額の四倍まで積めるというような限度を設けたことがございましたけれども、三十九年ですかそのときの改正で、いわゆる引当金というものに性格を変更いたしまして、雇用者が人を雇えば、給料を払うと同時に、将来退職の時期に退職金を払わなければならない、その払わなければならない退職金の中で、その時期に発生したものに対応する部分を今期の利益から減殺して引当金に積んでおく、引当金として減殺する、こういう制度にしたわけでございますね。したがって、これに見合いの資産というのは現実には特定の資産形態が要求されているわけではないわけでございます。 中小企業の場合には、外部拠出によります中退共の掛金というのがございまして、この場合には明らかに損金になるわけでございますが、これは企業としてはその資金を利用し得ないけれども、しかし将来退職金の支払いの場合にはそこの掛金から生ずる中退共の給付でもって賄える、こういう性質のものでございますね。ですから、これを外部拠出にする、または特定の資産を引き当てる、または何らかの優先弁済のための措置を講ずる、こういうことは、先ほど政務次管からお答えがありましたように、いわば一種の労働政策ないし賃金確保政策の問題かというふうに思います。思いますが、私どもとしても、退職給与引当金について、かつてやっておりましたそういう特定預金等とのリンクができるかできないかということについては常時勉強をしていきたいと思いますし、また労働行政当局ともときどき勉強はしておるわけでございますが、現在のところではそういう制度の導入が可能であるということではないように承知しております。
○沢田委員 次に行きましょう。 土地税制は、先ほど質問がされましたから簡潔に、これは建設省の方も来られていると思いますので、若干その点もお答えいただきたいと思うのです。 ただ、租税特別措置法の中に土地税制を入れる以上は、大蔵省としても全般の租税特別措置法というその政策体系の中で、言うならば今度の改正でもこれはままっ子みたいな異質な存在なんですね、なじまない。ほかの制度、廃止したりふやしたりしているものとはこの土地税制はなじまない、異質に感じますから。私らから見ると、一般の租税特別措置法全体のメニューがこれだけ多い中で、あれかこれかと選んできたのですが、とにかくなじまない税制だというふうに私は感じた。租税特別措置法を整理していこう、大平総理もそう言っているわけですね。ほかはなるべくぎりぎりまで洗い直していきましょう、そしてその上で国民に、十五兆円も赤字で、五十二兆円にもきている赤字を何とかしていかなくちゃならぬということを提案しなくちゃならぬ、そういう段階に来ているのだから、一般的に言えば租税特別措置法というのは、ぎりぎりに洗い直されてだんだん縮小していくという方向を常識的にはたどっていくのだと思う。それをあえてべこっとでこぼこができたように、こぶができたようにこの土地税制だけが優遇措置として出てくる。本質的に見てこれは異質なものなんです。その辺は大蔵当局としてこの税体系の中でどう受けとめておられるのですか。
○林(義)政府委員 先生は異質だとこうおっしゃいますが、いまの当面の政策の中でいろいろやっていかなければならないのは、財政の赤字を立て直すこともさることながら、やはり景気の着実な回復を図るということが必要なことであります。それからもう一つは、国民の福祉という観点から住宅政策を展開していくということも必要だろうと思うのです。そうした当面の住宅政策なり土地政策の緊急性にかんがみまして、現在の土地制度での基本的枠組みを維持しながら、その中で優良な住宅地の供給をやっていこう。しかも公的に土地取得というものが必要な問題がございますから、そういったものに限って部分的に必要な手直しをしようというのが今回の制度でございますし、当面の政策的な目的に沿うようにということで御提案をしている次第でございます。
○沢田委員 いままで五年間に大体年間百五十万戸ずつ建設実績はきているわけですね。昭和五十三年度の見通しにおいても、おおむね三月末までには百五十万戸の建設目標は達成されるだろうと推測できますね。これはできないと見るのかできると見るのか、これもひとつお聞きしたいわけですが、こういう状況の中であえてこの税制を投入しなければ百五十万戸の建設が不可能なのかどうか。じゃ、五十四年度においてこの百五十万戸から今度は幾らに住宅をふやしたいと考えているのか。現状でもおおむねこの程度は達成されているのですから、それ以上に、これを二百万戸にさせたいのかどうなのか。これは七カ年計画とか八カ年計画とかと言っておりますけれども、砂上の議論じゃなくて現実の論理からいってどういうふうにお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。
○木内説明員 先生御質問の百五十万戸くらいのベースが将来これからも続くかという点につきまして私、住宅局でないのでちょっとあれでございますけれども、責任を持ったお答えではございませんけれども、その辺の……。
○沢田委員 責任の持てない答えなんか要らないですよ。やはりあなたなりの責任を持った答えをしなければだめだよ。
○木内説明員 住宅局でないためにそういう発言をしましたけれども、百五十万戸ぐらい、百五十万から百六十万に近い数字の戸数が予想されるかと思います。 これに対しまして宅地の需給でございますけれども、宅地の需給は、住宅五カ年計画あるいは全国総合開発計画というふうなもの、それから現在の宅地の建設戸数等から見ますと、大体一万二千ヘクタールから一万三千ヘクタールぐらい必要だという計算になるわけでございますけれども、現状では新規の宅地供給は一万ヘクタールそこそこというふうな形になっておるわけでございます。それで新規の宅地供給、いわゆるフローのベースでは不足しておるわけでございますけれども、宅地は、造成されてすぐ右から左と家が建つわけでございませんで、若干のたとえば個人が先に手当てをしているというふうなものもございましょうし、宅地造成後、たとえば区画整理済み地などで急激に市街化しないというところもございますので、一つとしましてストック、いわゆる在庫と申しますか、言葉は悪うございますけれども、ストックの食いつぶしというふうな傾向が現在続いているのではないか。もう一つとしましては、われわれが想定していたような規模より若干規模を小さくして戸数消化が行われているのではないかというふうに考えているわけでございます。 そうでありますといずれにしましても、長期的に見ますと、現在のフローとしての約二千ないし三千足りないというふうなものは、将来の見通しから見ましても、これを何とか埋め合わすべく施策を講じなければいけない。そのために、税制もございますけれども、その他関連公共施設の整備とかいろいろな施策を総合的に講じまして、できるだけ必要な宅地の確保という形に努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○沢田委員 ちっとも答弁になっていない。まさに責任の持てる答弁ではない。私が言っていることにちゃんと答えてもらいたい。 とにかく昭和五十一年度から毎年度おおむね百五十万戸ずつ、五年間ずっと七百五十万戸つくっていきます。五十三年度もおおむねそれを達成できるでしょう。この段階において、五十四年度に向けてこの優遇税法を出さなければならない必然性、必要性というものはどこにあるのですか、その点を明確に答えてもらいたいのですよ。現在、今年度、五十三年度百五十万戸は無理だ、どうしても百二十万戸に落ちてしまって、約三十万戸はどうもむずかしい、こういうことで、その原因が宅地の供給にある、これならこれで一つの理屈だと思うのですよ。しかし、五十三年度の実績目標もおおむね百五十万戸達成できるという見通しでしょう。その段階であえて五十四年度に見通しの暗くなる原因というもの、それは何なのか。貸付金もふやしたし、それぞれの分野でそれぞれ条件もつくってきているわけですね。何もこれがなくったって百五十万戸できるだろうと思う。成長率も六・三%、去年の七%は守れなかったにしても六・三%とすれば、百五十万戸できれば十分じゃないですか。どうですか。
○木内説明員 先ほどフローとストックのお話をちょっと御説明させていただきましたけれども、確かに現在、宅地の供給量が一万ヘクタール程度で推移している、家も百五十万戸できているじゃないかということで、何でそれ以上ふやす必要があるかという御質問かと思われますけれども、端的に申しまして、現在一万ヘクタールぐらい新しくできて間に合っているというのは、従来、物理的に完成した宅地を一部は食いつぶしているとわれわれは考えているわけでございます。もう一つは、計画でございますから望ましい宅地の規模というのも一応ございますけれども、それより現状家が建っておる宅地の面積というのは、われわれが期待するより小さい形で、敷地が小割り式の小さい形でできている、そういうふうな形でやっておりますので、このままの状態が続きますと、良好な宅地供給という面から問題があるのではないか、こう考えておるわけでございます。
○沢田委員 それでは続いて、優良な宅地とはどういうものを指すのでしょうか、これも長くなりそうですが、優良宅地というものの規定づけ。なお、私の方では現在までの規則は存じておりますから、その上に立って、五十四年度の優良宅地とはどういう意味を位置づけに置いているのかお答えいただきたいと思います。
○木内説明員 先生のおっしゃる優良宅地の意味でございますけれども、これは租税特別措置法三十一条の新しく二のところの優良宅地の意味だと思うのでございます。そういうことでお話しさせていただきますと……
○沢田委員 ちょっと誤解があるようですから、両方優良宅地ですね、ヘとホと。大体文字は同じですね。違いがあるなら違いがあるようにお答えください。私は同じものだと一応考えて聞いています。
○木内説明員 その前に定義の問題ですが、三十一条の二の優良宅地の造成等というときと、それから三十一条の二の中で第二項の五号のハでございますけれども、優良宅地の認定というのがございますので、そのどちらかということでございましたけれども、広い意味の優良宅地ということでお答えさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。——広い意味の優良宅地と申しますのは、ここで今回の税制改正の恩典の対象となるのは幾つかございますけれども、その中で、千平米以上で都市計画法の開発許可を受けて造成する場合の一団の団地、そういったもの、それからもう一つは、千平米以上で開発許可を受けないけれども知事等が定める優良宅地認定を受けたもの、もう一つは、マンション等の問題でございまして、それを優良宅地と称しているということでございます。 〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕
○沢田委員 その優良宅地と称せられるものの条件は何なのかということを聞いているわけですよ。いまあなたが言ったのは面積と手続だけで、優良宅地というものは五十三年度の優良宅地という認定と五十四年度とは違うのですか、同じなのですか、まずその辺からお答えをいただきたい。
○木内説明員 優良宅地認定の方の宅地は、五十三年度のと申しますのは法人重課のときの優良宅地認定の基準と、今度の優良宅地認定の基準が同じかどうかという御指摘だと思うわけですけれども、今回の法律の優良宅地認定の基準というのはまだ決まっておりませんけれども、これは法人重課の場合の優良宅地認定の基準に準じて考慮されるということになろうかと思われます。
○沢田委員 それじゃ五十三年度のと同じなのか、同じでないのかわからぬ法案を出すのですか。五十三年度の基準の内容と五十四年度の中身とはわからぬような不明確なものを法案に出すのですか。
○木内説明員 これは新しい法律でございますからあれでございますけれども、内容はほとんど同じというふうに考えていただいていいかと思います。
○沢田委員 そうしますと、住宅の床面積は十一坪、三十五平方メートル以上百六十五平方メートル以下、これが基準ですね。これはこのとおりと解していいのですか。
○木内説明員 先生の御指摘のは優良住宅認定かと思われますけれども、そのように考えてよろしいかと思います。
○沢田委員 さっきあなたは余裕のある宅地というようなことも言われておりましたですね。その余裕のある宅地というのに、これは住宅でいくと、二階を入れると十一坪、下は五坪、六坪くらい、これが優良住宅の中に含まれますか。これはマッチ箱が並ぶ条件とちっとも変わりないじゃないですか、最低基準は。 五十五坪の方であれば、これももう一つ聞きたいのは、団地造成の場合の四メートルのいわゆる団地内道路の私道を含めて言っているのか、その分は別に含めないで言っている面積なのか。いままでの団地造成開発行為は、全部私道の部分をその面積の中に含めてやっているでしょう、あなたの方は。結果的にはそれぞれの市に寄付する道路であるけれども、当面は不動産会社は、その四メートル道路をつくったうちの二分の一はその敷地面積の中に含めて住宅をつくらしているのですね。それが優良住宅の名に値するものですか、どうですか。
○木内説明員 最低基準でございますから、ぎりぎりの線を書いている、これ以下ではぐあいが悪いという線を書いているということでございまして、常識的に望ましいかと言われると、それはいろんな問題があろうかと思います。現状ではこの辺が妥当かと考えているわけであります。
○沢田委員 時間の関係があるから、それも不満足であるし回答としてもなっていない、こういうことになるのですが、それは一応おいて、水洗便所に関する事項で、「便器が水、薬品等により浄化される構造のもので」云々、「建築基準法その他の法令に合致しているものをいう」、これも同じですか。
○木内説明員 同じように考えております。
○沢田委員 そうしますと、現在のあなたがいま言われているような廃棄物の処理及び清掃に関する法律との関係、これはどういうふうに受けとめておりますか。
○木内説明員 優良住宅認定の水洗便所につきましては、従来からずっと検討しているところでございますけれども、現状ではこの基準程度でさせていただきたいと考えているわけでございます。
○沢田委員 それはちっとも優良宅地でなんかないですね、いままでの実績でいって同じことをやれば。どれだけ住民が泣いていますか、あなたの言う優良宅地の美名によって。住民は、吸い込み方式の下水で、三日もたったらおっ開いちゃってふろも入れないと泣いているじゃありませんか。そういうあなたの言う団地開発の優良住宅だったら、これを撤回しなさい。答弁にならないですよ。その排水の先まで責任を持てるのですか。排水の先に責任の持てない優良団地なんというものがありますか。答えてください。
○木内説明員 先ほども申しましたように、従来からの優良宅地、優良住宅認定の基準に準拠したいと考えておりますけれども、先生の御指摘もございますので、その辺も慎重に考えてまいりたいと思います。
○沢田委員 これは慎重じゃないのだよ。どれだけいままでつくられた団地によって吸い込み方式で泣き、あるいはたんぼへ行くからといってとめられ、あるいは畑へ流されるからといってとめられ、あるいは農業用水路だからといってとめられ、いろいろ複雑な社会問題を起こしてきたかという事実は知っているでしょう。そういう実態の中に行われるこの優良宅地というものが、その問題を解決しないで優良宅地になりますか。これは検討で済む問題じゃないんだ。そのことを解決する方策を立てなければ、この法案を幾らつくってみたって意味なさないじゃないですか。お答えください。
○木内説明員 原則として準拠したいとは思いますけれども、いろいろの問題につきましては、先生の趣旨をよく生かしまして、次回これの改正の場合には先生の趣旨をよく生かしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○沢田委員 非常に不満足で、これは絶対に避けてもらいたい。市町村も大変ですよ。吸い込み方式なんという団地ができたら、ふろも入れない。これは本当に、水質はもちろん、井戸も使っている農家もありますから水質の汚染にもつながる。これは建設省の先走りだと私は思う。 都市計画法では、十年で市街化区域については都市施設を整備すると約束したわけだけれども、これもできない。U字溝に流すということについてもまた問題が起きる。末流がない。そういうところを優良宅地として造成して、二千四百万なり二千五百万で売って、無用の紛争を地元へ起こさせる。これがこの税法でどれだけ被害を受けるか、私ははかり知れないと思う。もうかるのは不動産業者で、売って逃げてしまうんだから構わない。住んでいる人間同士がいがみ合う。そういう状態をつくるようなこの法律というものは、いまあなたの答弁でも言われているように不適格な条件だ。だから、努力をしてそれに合わせると言うんだが、どんな努力をするかわからぬので、大蔵省としてこれは責任を持ってもらえるのか。率直に言って、あなたのことを卑下するわけじゃないけれども、あなた程度の者が首吹っ飛んで、それでオーライですというんじゃこれは済まされない。大蔵省もその点は裏づけて、大蔵委員会なんですから保証してもらいたい。担保としてこれはやります、こう言ってもらいたい。
○高橋(元)政府委員 沢田委員の御指摘は、優良宅地基準と優良住宅基準と両方またがっておると思います。 優良宅地基準で申しますと、これは文章の上のことでございますから、段々お示しのようにいろいろ欠陥もあると思いますけれども、「排水路その他の排水施設が、当該地域における降水量、宅地の造成区域の週辺の状況、放流先の状況等を勘案して、宅地の造成区域内の下水を有効に排出するとともに、その排出によって宅地の造成区域及びその周辺の地域に溢水等による被害を生じないような構造及び能力で適当に配置されていること」というのが宅地基準の中に入っております。要は、その現実の適用ないし運用がどうかということでございますが、ただいま建設省からお話がございました優良宅地基準ないし優良住宅基準についても、さらにシビアに、民情に沿うようにしたい、こういう御意見であります。 私どもは、この税法の適用を受けます際に、都道府県知事または市町村長が優良住宅地または優良住宅の認定をしていただく、これが実際の宅地供給ないし住宅供給のベースになるわけでございますから、そのレベルをどのようなレベルのものにするか現在建設省と話を詰めておりますし、これからも詰めてまいりたいと思います。
○沢田委員 ではその点は、そういう吸い込み方式だなんて言って問題を生じないようにひとつお願いいたしたいと思います。 次に、先般多摩川の決壊の損害賠償の判決がありました。これは建設へ行って後で一回やりたいと思うのですが、大阪の寝屋川の判決もありました。そこで、この優良宅地の中にはんらん、いわゆる五十ミリの雨あるいは六十ミリの雨、百ミリの雨、そういう基準の中で湛水をするという条件の団地が優良団地という名前でつくられる可能性はいままでにも多かったのであります。それでいま建設省でこの優良宅地というのは、雨量として大体どの程度の雨量で湛水しない限度をもってこの優良宅地なり優良住宅という位置づけを考えておるのか。雨が降ったらすぐ床下浸水、これは耐用年数がうんと下がりますね。だから、片方は知らないから買う、入る、雨が降れば水が入ってしまう、こういう条件もなしとしません。その辺に対する建設省の優良宅地、優良住宅、こういうものの基準判断はどうお考えになっておりますか。
○木内説明員 優良宅地の場合でございますけれども、開発基準に準じて考えておりますので、その開発区域及びその周辺の地域に溢水等による被害が生じないような構造及び能力で適当に配置されているよう設計が定められているということになっておりまして、その河川の能力とかその地域の周辺の事情とかによって画一的じゃなくて、ケース・バイ・ケースで定められるということになろうかと思います。
○沢田委員 いや、そういうことではないんだ。それぞれの地域的な条件に、百ミリで、湛水するところもあるでしょう、七十ミリで湛水するところもあるでしょう。これは時間雨量と一日雨量といろいろありますが、少なくともそういうものを優良住宅とは言わないでしょう、平常の雨で床下浸水するようなものを。とすれば、おのずから地域的に合わせた条件というものが必要ですね。そのために、建築基準法十九条だと思いますが、湿地帯とかそういうところには地盤沈下をさせないくいを打たせるとか盛り土をさせるとか、建築基準法には決まっているわけだよね。それはやっていますか。
○木内説明員 開発許可等につきましては、そういう条件に合致するものだけ許可するという形になろうかと思います。
○沢田委員 建築主事がすでに監督しているわけだ。あなたが監督しているわけじゃない。建築主事は建築基準法を適用して、独立した権限を持って判断しているわけだ。だから、いまここであなたがやるということは、そういう通達を出して、建築主事がその認定に当たっては、そういうところの住宅を優良宅地とはみなさない、そういうところはだめだ、盛り土をしなさいあるいはくいを打ちなさいという指導をするというふうに解釈してよろしいですか。
○木内説明員 優良宅地認定あるいは優良住宅認定につきまして、先生の御質問にいろいろ問題点は感じておりますけれども、この場で十分お答えできませんので、いろいろ検討さしていただきたいと思います。
○沢田委員 いや、建築基準法の十九条に書いてある。十九条だとぼくは頭の中に入っているんだが、湿地帯にはくいを打ちなさい、地盤沈下のおそれがないようにしなさい、それから水が出るようなところは盛り土をさせなさい、そういうふうにちゃんと書いてある。それはしかし、建築主事は独立権限だ、事務手続法ですから独立権限で認定。あなたがここで答弁しても建築主事を拘束できない。だからあなたの方では、建築主事の認定に当たってはこういうことについて十分配慮しなければいけませんよという通知を出しますかどうですかと聞いているのですよ。あなたがここで答えたって、現行法規では建築主事を抑えられない。あなたもそれはわかるでしょう。だから、それは明確に通知を出して、建築主事の認定判断の中に一項入れて、そして加えなければいけないでしょう、こう私が言っているわけです。
○木内説明員 優良宅地認定につきましての運用につきまして、何らかの通達を出したいと考えておるわけです。
○高橋(元)政府委員 今回御審議をお願いいたしております租税特別措置法の三十一条の二の各号に列記しております優良住宅地または優良住宅の供給でございますが、これは基本は、一団の宅地の造成が開発許可を受けてやられる、その開発許可の基準をどういうふうに運用していくかということで、開発許可を受けなくて開発できる地域につきまして、それにかわる、それとほぼ等しい内容の都道府県知事の認定制というものを入れておるわけでございます。したがいまして開発許可の中に、先ほどお示しのありましたような排水について、当該地域における降水量も勘案した排水施設を設けろという基準がございます。それは恐らく今度お願いしております三十一条の二の二項の五号のハで言っております「都道府県知事の認定」につきましても同じような基準が定められているというふうに思いますし、それらの基準が実情に即して真に優良住宅地と称するに足るようなものであるように、私どもとしては建設省とよく協議をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○沢田委員 それは補足としてお聞きして、それはまた反論しても時間がありますから……。しかしそれにも若干問題があるわけです。 引き続いてもう一つそれに関連して、「又は」ということになっていることについてお答えをいただきたいのです。 都道府県知事が認可をすることも可能である、それから市町村長が許可をすることも可能である。そこで、優良住宅、優良宅地の認定の基準が明確でないと、都道府県知事の解釈と市町村長の解釈が食い違いが生ずる場合が起こり得る。さっき言った湛水、川なんというのは長いものですから、上流から判断をしてこなければならぬわけです。そういうようなものについて、市町村としては小さな区域で物を判断する場合と、大きな地域で判断をする場合と違う。たとえばわが埼玉県など、これでどんどん家ができたら、来年度の夏の水が供給できなくなってしまうだろうという問題もある、あるいは交通の便だって、大変足が守れないという問題も起こってくる。そういうことの判断は県知事でなければできない。市町村長がやるべきじゃないのです。そういう点になぜ「又は」をつけたのかというのがきわめて私は疑問なんです。しかもこれだけあいまいな条件の中で、市町村長はつくりたい、人口をふやしたい、そして県は抑制したい、こういう矛盾は起こり得るでしょう。そのことは予想しなかったのですか。
○高橋(元)政府委員 いまの御質問は、「一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅の建設」を行う個人の場合だと思いますが、その場合に、「都道府県知事又は市町村長」と書きましたのは、五十戸のものといたしますと、その敷地は千平米を超えることは明らかであります。しかし三十戸の中高層耐火共同住宅でございますと、いろいろケースはございましょうけれども、その敷地の規模が千平米を下回ることもあり得る。これは都市計画区域の中の市街化区域における既成宅地の問題でございますから、その場合には、開発許可に準じて行われる都道府県知事の認定、それと同じ内容を持ちますところの市町村長の認定というものによって、優良住宅の実を挙げていきたいというふうに思っておりますし、その具体的な基準をどうするかということにつきましても、これは建設省の通達によることでございましょうけれども、建設省とよく相談をいたしたいというふうに思います。
○沢田委員 私の言うのは、その趣旨はわかるのです。観念的にはそのとおりだろうし、また考え方としてもそのとおりだろう。しかし現実問題としてはその場所を見る場合の判断というものは、たとえばここでまた線引きの見直しを五十年度のものをやって、幾らかここで調整区域を市街化区域に入れると言っておりますが、それにしてみても、やはり判断というもののずれが起きるだろう。交通の問題学校の問題、あるいはいま言ったような水害の問題、そういうものについては、いろいろな解釈の差が県と市は起きないか、そういう危惧を私は持っているのだか、絶対ないと保証できる一つの物差しというものがあるのだろうか。ないのじゃないか、必ずしも一致しない分野が起きてきはしないか。その点について「又は」で、市町村は許可します、それから県は、それはちょっと待ってくれ、こういうことは起こり得るでしょう。その紛争の処理といいますか、そういうことは「又は」で解釈することが果たして適当なのか。これは法律ですから、市町村長が許可すれば県がだめだと言っても可能なんでしょう。あるいは、市町村長がだめだと言っても県がオーケーすれば大丈夫なんでしょう。それで法律論争が起きてしまうのではないか。不動産業者から見れば、市から許可をもらったのに県がだめだと言った、なぜだめなのかといって法律論争が裁判に持ち込まれるでしょう。その辺の解釈はどう調整するのですかということを私はお伺いしたい。
○高橋(元)政府委員 先ほど御答弁したことと一部重複いたしますが、都道府県知事が優良宅地の認定をいたしますのは、一団の住宅の敷地が千平米を超える場合でございます。この場合には都道府県知事が認定をいたす権限を持っております。しかしながら、千平米未満の宅地に三十戸以上の戸数を持つ中高層耐火共同住宅が建つことはございます。その場合には、当該住宅は優良住宅に当たる、そういう認定は、県知事ではなくて市町村長、したがって、敷地千平米を超える場合は知事、千平米を超えない場合は市町村長ということでございます。
○沢田委員 あなたは全然見てないんだ。「又は」なんだよ。
○高橋(元)政府委員 法律の条文では三十一条の二の二項の六号の二でございます。「当該一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅の建設が優良な住宅の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより都道府県知事(当該中高層の耐火共同住宅でその用に供される土地の面積が千平方メートル未満のものにあっては、市町村長)の認定を受けたものであること。」こういうことで、知事または市町村長の権限に従って事務の配分をしたわけでございまして、その認定の内容がひとしく優良な住宅という客観的な基準を満たしておるものであるという必要があろうと思います。
○沢田委員 これで時間をとるとあとができなくなってしまうのですが、とにかくあなた方が配った文書の中でちゃんと「都道府県知事又は市町村長の認定を受けたものに限る。」こう書いてある、そのことを聞いているのです。「ものに限る。」とか「又は」というのはいずれも権限者になりますよ。紛争は起きませんか、その紛争の解釈はどうなんですか、それをはっきりさせてください。
○高橋(元)政府委員 いま御質問のありましたのは法案の要綱でございまして、その要綱に条文が書いてあると存じますが、その条文に従いますと、私が先ほど読み上げました租税特別措置法の三十一条の二の二項の六号の二というところになるわけでございます。それは要綱でございますから簡潔に書いてございますが、知事がやる場合と市町村長がやる場合と書き分けてあるわけであります。その書き分けてある場合は、敷地が千平米未満は市町村長、千平米以上は都道府県知事というふうにはっきり書き分けてございまして、両方が重複して認定権を行使するということはないわけであります。
○沢田委員 そうすると要綱は間違いだ、こういうことですね。
○高橋(元)政府委員 要綱が間違っておるわけではございませんけれども、法律の条文を省略して書いてございますので不正確な表現であろうかと思いますが、内容は法案でただいま私が御説明したことでございます。
○沢田委員 それはへ理屈というんだ。とにかくこれでは「又は」となっている。しかもこれは説明のときにぼくは念を押した。「又は」でいいのですか、こう解釈していいのですかと言ったら、そうですということなんです。大蔵部会に説明に来て、そのときの答弁では、これは「又は」になっているが、両方が権限者になりますがそのとおりですか、「及び」ではありませんかと言ったが、結局「及び」ではなかったんだな。それで「又は」ということで念を押したのです。それをしてそう答えたから、私はあえて質問したのですが、その点はその点で理解をすると同時に、優良宅地の認定に誤りのないよう期せられたいと思います。 次に、時間の関係がありますから、航空機燃料税と同じようにガソリン税の問題が、一番最後の方に租税特別措置法として載っております。これも値上げになっているのでありますが、現在の道路舗装、いろいろ見方があると思うのでありますが、ガソリン税を目的税で取るという時代的な背景、これは日本の今日の成長率の中で、道路がある程度日本の産業を育てていく上に大変必要な時期があった、だからどうしても道路を優先してある程度の交通網の整備というものが求められてきた、そのためにガソリン税を住民負担の名において目的税として徴収をしたものであると私は解釈をいたします。この点はそのとおりでよろしいのかどうかお答えいただきたい。
○高橋(元)政府委員 昭和二十四年に揮発油税ができたわけでございますが、その後二十八年になりまして道路整備費の財源等に関する臨時措置法というのができ、さらに三十三年にそれが道路整備緊急措置法という法律になって今日に及んでおるわけでございます。そういう使用特定の税収に基づく揮発油税及び地方道路税でございますが、税収を道路整備の財源に充てるということは歳出サイドの法律で定まっておるわけでございます。 その後の経緯をたどってまいりますと、御高承のとおり、道路整備の緊急性から、道路整備五カ年計画がその道路整備の実を上げますために逐次つくられてまいりました。それに要する財源を上げるという観点から、税率を引き上げて今日に及んでおるわけでございますが、昨年閣議決定になりました第八次道路整備五カ年計画も、二十八兆五千億円という事業費を投じて国道、市町村道、府県道を通ずる道路整備を図ることが緊急であるということでございますので、この財源を上げるために今回増税をお願いをいたしておるわけであります。
○沢田委員 国民の今日的なニーズからいきますと、いま国民が求めておるもの、これはそれぞれの主観があると思うのですが、これは大平総理の言われる言葉をわれわれが利用というかお互いの共感として感じましても、この低成長の中にあってどうやって景気を回復さして雇用を拡大するか、あるいは高齢化社会を迎えてどう福祉を充実するか、今日こういう条件の中にあると思う。ですからそういう立場において、このガソリン税というものは当初の目的から見ると、基本的にはある意味においては達成したというか、もう転換すべきであるというふうに解する時期に来ているのではないかという一面の真理があると私は思うのです。あるいは福祉の目的税をつくった方がいい、あるいは教育の目的税をつくった方がいい、あるいは医療の目的税をつくった方がいい、こういう発想すら今日あると思うのですね。今日道路の目的税が存在をする必要性は、ゼロだとは言いませんけれども、ウエートからいって果たしてその存在価値はあるのだろうか、これは疑問に感ぜざるを得ないのでありますが、その点どうお考えになっていますか。
○加藤(隆)政府委員 いま物主税局長が申しました道路整備緊急措置法の目的でございますが、道路を緊急に整備することによりという状態がいまもなお必要であるかどうかという問題だと思います。 今度の五カ年計画の中に、生活基盤整備とか生活環境の改善とか交通安全とか、そういう目標があるわけでございます。そういう目標は確かに時代によって変わるし、道路の整備状況で変わっていくという問題でございます。道路の整備状況を見ますと、改良舗装の率はそれぞれの道路の種類によって違いますが、引き続きまだ必要であるということ。それから道路整備の機能が、いろいろな機能を持っておる。緊急措置法では経済基盤の強化に資するというような字句も使われておりますが、今度の八次の道路計画では、いま申し上げましたような安全とか基盤整備とか生活環境改善とか、そういうような政策目標がうたわれておるわけでございます。したがって、一つは道路の整備状況、もう一つは道路の政策効果、そういうような面から見まして、いまなおガソリン税を特定財源として道路の整備をする必要があるのではないかと考えます。
○沢田委員 ただ、私が申し上げた転換といいますか、これは国民に同じ税金をたくさん負担させるわけにいかないのですから、やはりいまは選択、何が一番必要なのか、その必要にこたえることが政治だと思うのです。もちろん百花繚乱のごとくすべてに甘いあんみつをなめさせられればいいのですが、それは許されない。とすれば、いま国民が最も必要とするものにこたえる、限られた財源の中でサービスをするということだと思うのです。そこで私はもう転換の時期に来たのではないかと思っているわけですが、なおあるということですから、この点は、肯定じゃありませんけれども一応お考えおきを願って、次に行きます。 もし肯定した場合に、これも大蔵省に聞くのですが、これは読み上げると大変なんですけれどもちょっと言っておきます。高速道路二千百九十八キロ、これは一〇〇%舗装、都市高速二百二十四キロ、これは一〇〇%舗装、一般国道三万八千五百四十キロ、これは九三・七%、都道府県道十二万五千七百七十五キロ、七七・二%、主要地方道四万三千二百二十五キロ、八五%、一般都道府県道八万二千五百五十キロ、七三・一%、国、都道府県道計十六万四千三百十五キロ、八一・一%、続いて今度は市町村道、ここだけは言いたいわけですが、市町村道九十万一千七百十三キロ、それで三二・一%、この実態は引き続くと仮定をするならば、もしこの金を重点的に充てるとすれば、いま答弁にもにおわせたようだけれども、これは市町村道に出さなければならぬということは明らかだと思うのですね、この点はいかがですか。
○加藤(隆)政府委員 ただいまの舗装率の問題でございますが、道路を人馬車がもっぱら使っていた場合、それから自動車というものが出てきた場合でかなり違ってくるわけでございます。自動車が出てまいりまして、高速道路の場合には人馬車が通れないわけでございます。自動車というもので考えて舗装が一〇〇%になっておる。市町村道の場合には自動車の台数が比較的少ないわけでございます。 それからもう一つは、確かに立ちおくれという問題もございます。しかしながら、道路の改良舗装をやっていく場合にどういうふうにやっていくかという過去の経緯を背負っていたという問題もございます。そういうようなことでただいま先生が読み上げられましたような率になっているのだろうと思います。 ところで、しからば今後どうするのかという御質問でございますが、現在の昨年決まりました八次計画におきましては、だんだんと生活環境改善とか安全の方へいっておるわけです。その場合には、必ずしも市町村道だけではなく、たとえば東京都の街路の場合には主要地方道なり地方道もあるわけでございますし、県道もある、国道もあるわけでございます。そういうことで、いわゆる道路の法律上の格づけによって必ずしも律せられませんが、市町村道の場合にはどっちかというと地域に密着した道路でございます。そういうような方向に徐々にウエートが移りつつあることは事実でございます。
○沢田委員 そういう抽象的なことではなくて、この出発は十三分の十一と十三分の二という配分の基準なんですね、それがもとになったということに聞き及んでおります。しかしこんなことはどっちでもいいのです。それで、この舗装の実績から見て、今年度については向こう大体二千キロぐらい。これは九十万キロメートルですから四メートルとして三百六十万平方キロメートルとしまして、三万円の金額としますと大体十兆ぐらいかかるわけですね。ですから、この全額を向こう三年度に限っては地方に移すということを建設省は考えるべきだ。農林省関係は農免道路ですらも舗装になっているのですよ。市町村道の方がおくれてしまっている。こういう落差もあるわけですから、この配分を少なくとも逆転させて、逆に市町村道の整備に全面的に振り向けるというくらいの決意を持っていただきたいと思うのです。あるいは全面がだめだったら半々にするとか、とりあえずそのくらいの妥協は私もしないでもありませんけれども、国がこれも全部持っていて、市町村道の舗装まで国がやりますというやり方というのは筋が通らないじゃないかというふうに思うのです。この配分から見れば二千六百億に一兆四千億ですからね。一兆四千億は国で持っていますよ、片一方二千六百億は地方に渡しますよ、こういう配分でこの地方道の舗装ができるとは私は言えないと思う。これは断じてできない。だから、それではいかぬのだから、どうしても財源を市町村にこれは渡す、こういう大前提に立たなければ市町村道の整備というものはこれ以上よくならない、こういうふうに思うのですが、どうですか。
○加藤(隆)政府委員 この場合も、その市町村道の管理責任者というのは市町村長であるわけです。したがって、市町村長が自分でやるというケースもあり得るわけです。その場合にいまのお考えの問題は、国がそれをどういうふうに考えるかという問題だと思います。 国としましては、たとえば市町村道の財源強化については三十年代以降かなりのことをやってきているわけです。御承知のように、地方道路税の譲与税につきましては、五十一年度から市町村に五分の一譲与する、あるいは五十四年度からは増税分を市町村へ二〇%を三六%に上げるとか、あるいは自動車重量税につきましては、元来LPGなんかは御承知のように都道府県でございましたが、これは四分の一市町村に充てるとか、そういう税源を市町村に与えておるわけでございます。全体の財源と仕事との関係は地方財政計画でそごのないようにセットがされておるというようになっているわけでございます。
○沢田委員 もとがガソリン税ですよね。言うならば北海道の人が九州までガソリンで乗ってという、飛行機の問題は終わりましたから、自動車で旅行するなんというのは大体これはない。例外と言ってもいいくらいですね、何万人に一人か。大体ガソリン税というのはその地域で利用するのがたてまえです。いままでのガソリン税は、国の政策で吸い上げて国の産業目的のために使ってきた時代が今日まできたわけです。これからは、いまの舗装率からいっても市町村道が三二・一%という非常に低率なんだ、しかも三メートル道路とか四メートル道路に達しない道路も道路全体の中では七五%を占めていると言われているぐらいなんでありまして、そういう状況の中で、一方では農林省は土地改良区の農免道路で舗装もされている、市町村道だけ市民が長ぐつを履いていかなければバスの停留所まで行けない、こういう状況をつくっているのが今日のこの状態です。ですから、ガソリン税というものをもし取るとすれば、地域でいま二軒で三台の割合ですから、三千百万台にきているわけですから、そういう状況の中でこの配分を市町村に落としたらどうだ、思い切ってこれは市町村道の整備を向こう二年なら二年真っ当にやってみたらどうだ。私は、大平さんじゃないが、これが田園都市構想の一つの起点になるんだと思うのですよ。だから、何も国が持っていてああだこうだと配分したがらないで、そうなわ張り争いをしないで、向こう二年は少なくとも地方道を専門的にやって地域住民のためになるようにガソリン税を使いましょう。今日までずっときた中で、たった二年ができないはずないじゃないですか。しかも片一方はずっと舗装率が高くなったんだから、八〇%になるぐらいまではひとつがまんしてもらおうじゃないか。恐らく私は国民のコンセンサスは得られると思っています。その辺どうですか。
○加藤(隆)政府委員 ただいまも申しましたように、市町村道の管理主体は市町村でございます。市町村が独自でおやりになる場合があるわけです。したがって財源を、揮発油税という問題だけじゃなくて、道路関係あるいは自動車関係全体の財源の中でどう考えるかという問題があるわけでございます。それから起債の問題もあるわけでございます。 ただいま先生の御意見は、たとえば昨年の税調の答申の中にもそういう意見もございますが、これらの点はより幅広い検討が必要であるという御指摘はございます。ただ、昨年の八次の道路計画をつくります際にそういうような問題を議論いたしまして、先ほど申しましたように、仕事と仕事の責任者、それから税源、財源の関係、そういうようなかっこうで一応時代の要請には十分こたえているというふうに考えておるわけでございます。
○沢田委員 ちっとも時代の要請にこたえていないのです。 大蔵大臣もせっかく来ていますから、私の言っていることが無理なのか。その方法とか手だては別ですよ。ガソリン税というのは目的税でしょう。ほかのこととかなんとかの議論じゃないのです。いわゆる道路を直そうという目的税なんです。その目的税を、私はもう転換する時期に来ていると思うけれども、置くのだったならば、全体的なバランスを図る時期に来ているのじゃなかろうか、それが大平総理の言う田園都市構想にもつながるのじゃないか。そういう意味において、三二・一%という市町村道の舗装を改善する分に振り向けるということは無理な注文ですか。それは市町村長が管理するのだからいいのだ、都道府県が補助金を出せばいいのだという論理で済まされますか、大蔵大臣。大臣がせっかく来ておられるから、この不平等、ごらんになったと思うのですが、ほかの高速だとかなんかのは皆高率なんですよ。これは私が読んだのですからもう読み上げませんけれども、そういう意味において、ガソリン税という地元の人たちが使っているガソリンに伴って取った税金を地元に還元をするということは、そういう時期があっていいのじゃないかという気が私はする。またそれから中央にもし必要があれば持ってきてもいいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○加藤(隆)政府委員 その場合、先般申しましたが、地域の住民も国民であるわけでございますね。だから、国と地方とをそういうふうに対立的に考えるというのはいささかおかしいのではないかと思うのです。 それから、現実に過去三十年間を見ますと、特定財源の比率は市町村で、大体かつては一五、六だったのが最近時三三、四になっているわけです。そういうような努力はしてきておるわけです。それから建設省から御答弁をいただいたらいいと思うのでございますが、最近かなり急速に市町村道には力を入れているのは事実でございます。
○金子(一)国務大臣 途中から伺いましたのであるいは見当違いの答弁になるかもしれませんが、ガソリン税の道路整備に充てることに関する問題が一つあると思うのです。これは長い経過がございましたけれども、今日でもなお第八次道路整備五カ年計画では一般財源から相当つぎ込まなければならぬような状況で、今度引き上げをお願いしているようなことでございますから、これは目的税としていつまでも置いておくかどうかという議論は別にいたしまして、当面はひとつ道路財源に充てることでお認めいただきたい。 それから、国道、地方道がだんだんと舗装を初め整備されてきておるのに市町村道がまだずっとおくれているじゃないかという御指摘は、私はごもっともな御指摘だと思うのです。やはりこれから生活環境の整備というようなことに重点を置いて道路財源の配分を考えなければいかぬと思うのですが、加藤次長が言っておりますのは、過去においては市町村の道路整備の財源がなかったのを、ずいぶんいろいろなものを取り込んでそれはそれなりにやるようにいたしておりますよということを申し上げているのですが、それじゃなかなか追っつかないというのが沢田さんの御指摘だろうと思うので、この点は、担当の建設省の意見も私はまだ十分聞いておりませんが、今後の問題としてこの配分についてはこれからも検討させていただきます。
○沢田委員 残された時間がございませんので、お待ちになっていただいている他の同僚議員にも御迷惑だと思いますから、簡潔に一問だけであとはとどめていきたいと思います。 これはガソリン税であります。それ以外にも軽油もあるあるいはLPもある。この関係はどうなのかということについてだけ明確にしていただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 地方税のことでございますが、関連して申し上げます。 軽油引取税につきましては、地方税法の改正をもちまして二五%の引き上げを六月からお願いをいたすという予定であります。 LPGにつきましては、現在の税率はかなり設定されてからたつわけでございますが、タクシーが主として使っておるものでありますし、タクシーの社会的な役割りと申しますか経営状況と申しますか、その辺を勘案いたしまして、今回は据え置きということで考えておるようであります。
○沢田委員 あともう一つだけですが、配分と関連いたしますけれども、現在の配分は道路延長キロで配分されている。交通量というものが考えられてない。これも一つは矛盾だと思います。 それからもう一つは、直轄事業負担金というのがあって、国の道路をやる場合にはその三分の一もしくはそれぞれの負担が都道府県にはある、それぞれ市町村にもある。ところが、これでもらった金よりも直轄事業負担金で出す方が多いのですよ。言っている意味わかりますか。せっかくこれでやっています、やっていますと言っていますけれども、これでたとえば埼玉の例をとると二十五億くらいもらう。直轄事業負担金では八十億も国へ持っていかれるわけです。この中で、これも問題がありますけれども、ガードレールの掃除、この前の答弁ではガードレールの掃除は、ガードレールをふいたりなんかしているけれども、ごみをとったりなんかしているけれども、その維持管理については直轄事業負担金の中には算入しないようにしたい、そう建設は言っていたわけです。ところが、いまだに依然として予算が余ると、一生懸命どろ掃除をやったりガードレールをふいたりしている。どこの市町村がなかなかそこまで手が回りますか。国道だけですよ。しかも自動車の通る道を一生懸命ふいたって、人が通るわけではありはしない。それを一生懸命ふいて掃除している。美観もあることはわかりますけれども、そういう形の中に三分の一の直轄事業負担金を取られることはきわめて印象として悪い。都道府県も市町村も厳しい中に、そんな余分なことまで市町村の税金を取られるということは非常に印象の悪い条件です。 特にこの三つ申し上げました、直轄事業負担金とこの交付金がこれだけの格差があることは問題がありますよ、これは配分自身の問題にも交通量が入らないからである、こういうことも含めて御検討をいただくということをお願いして、私の質問は終わりたいと思います。
○金子(一)国務大臣 沢田さんのいまの御指摘の点は十分検討させます。
○加藤委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 大臣に先般御質問を申し上げましたときに、これからの財政の運営、歳入の面につきましても歳出を節減する面につきましても、広く国民一般の英知を結集する、総力を結集することが必要であるということを申し上げまして、大体において大臣も御賛同いただいたと思うのでございますけれども、特に歳出の節減といった問題につきましては、あるいはアメリカのフーバー委員会なりあるいはイギリスのロイアルコミッティーなり、何かそういうようなもので大きな力をバックにしなければ、なかなか行政の節減ということはむずかしいのではないかということを申し上げました。そのほか、あるいは一般消費税の導入といったような問題につきましても大平首相も、年末の暮れには入れよう、導入したいというような意向も示されておるようでございますけれども、歳入の問題も歳出の問題もともに広く国民の英知を結集する必要がある、総力を結集する必要がある。私がじっと見ておると、その努力がまだ足りないではないか。最近において大蔵省の努力されたのは増税キャンペーンだ。これは大変だという意味で、危機意識をあおる意味においては非常に努力をされたのだけれども、それじゃ一般消費税以外に方法はないのかといったような問題について、どれだけ誠実に国民の声なり識者の意見なりをお聞きになったかというような点についてはなはだ不十分であるように思いますが、フーバー委員会みたいなものを初めとして、何かそういう方面について新しく努力を試みようとしておられるものがあるかどうか、聞きたいと思います。
○金子(一)国務大臣 竹本さんからたしか二月の初めでございましたか、そういう御意見がございまして、もう少し世論を結集して財政の再建に当たり、また財政の節減合理化を考えていくべきじゃないかという御意見がございました。毎日こういうような御審議をいただいておる段階でございますから、まだ最終的な結論は得ておりませんけれども、そういう気持ちを体して、何らかの形でもう少し衆知を集めるようなことを考えていかなければいかぬなという切実な気持ちになっておることを申し上げておきたいと思います。
○竹本委員 切実なお気持ち、ありがたく評価をいたしますが、問題は間に合うようにやってもらいたい。内閣がかわったころに出てきてもしようがないですから、間に合うようにやってもらいたいという要望を申し上げておきたい。 それから、いわゆる一般消費税の導入の問題につきましても、いろいろ前提条件があり方法がある。私は必ずしも反対一本やりでないのだけれども、それにしても、いろいろ準備なり、少なくともまじめな比較検討が要る。メリット、デメリットの総合的な研究やあるいはタイミングの問題、あるいは前提条件をどう整備するかといったようないろいろの問題があると思うが、いま申しましたように、この点についてもまだ努力が足らないように思えます。 それから税理士法の改正の問題についても、これは実は私はある人から言われたのですけれども関係業界の意見はよくお聞きになるけれども、本当に税理士に頼むいわゆる消費者の声というものは全然聞いてもらえぬが、どういうふうにすればいいのだというような相談を受けました。それももっともだと思えましたから申し添えておくわけでございますが、いずれにいたしましても、広く意見を聞いていただきたいということが第一であります。 それから第二番目は、いまの一般消費税の導入の問題に関連して、これまたある専門家の意見でございますけれども、そういうめんどうで大変な問題をやるよりも、昭和十二年にやりました臨時租税増徴法というものがある、この問題との比較検討をされただろうかという質問を実はぼくは受けたのです。私も比較検討いたしておりませんので、自分の考えにはそれがなかったということをはっきり言ったわけです。 これは御承知のように、昭和十二年から十五年までの特殊な段階においてでございますけれども、しかしそれにしても大変な増税であって、七億円の税収入が一遍に九億円を突破しまして十億円に近づいた、すなわち三割の増収を一挙にやっておる。これは方法から言えば、技術的に言えば、下手な一般消費税の導入よりも非常に簡単ではないかという専門家の意見を受けたわけでございますが、その臨時租税増徴法といったようなものと一般消費税との間の利害得失について検討をされたかどうか、その点だけ伺いたい。
○金子(一)国務大臣 臨時租税増徴法というのは、戦時中ですからできた制度でございまして、現行の税制に即して申し上げまするならば、所得税の何割増し、法人税の何割増しということで付加的に課税することになるわけでございましょうけれども、今日の所得税は、もう各国の所得税負担に比べて異常に累進が急カーブになっておることは御承知のとおり。しかも百万、二百万前後のところがごそっと抜けておる。上の方だけ課税してみても、これは税額に限界があることは御承知のとおりでございます。また法人税につきましても、若干先進国と実効税率には差がありますものの、今日の段階で、景気を冷やすことになって、雇用の問題等のことを考えたならば果たしてそれがうまくいくかどうか、私は大きな疑問なしとしないのでありまして、所得に担税力を求めることは、これは従来同様やっていかなければいけませんけれども、むしろ所得でつかまえられなかった担税力を間接税に求める行き方を考えた方が税制として適切ではないか、かように考えておる次第でございます。
○竹本委員 いま大臣の御意見もごもっともな点が多々あると私も思います。ただ、私がいま指摘申し上げている重点は、そういう方法の技術的なやり方から言えば、ぼくは一般消費税よりもよほど簡単明瞭だと思うのですね。そういう意味で、しかも一遍に三割ふやしておるという実績もありますし、それから戦争中だったからという特殊の理由がありますけれども、ぼくはひょっと考えてみて驚いたのでありますが、これは大蔵省のキャンペーンの中にもありますけれども、たとえば一般の予算に対して公債の依存率が四〇%になったというのは、いままでに昭和八年と昭和二十年しかないのですね。でありますから、日本の財政ということの危機から言えば、かつてない三大危機の一つなんですよ。 そういう情勢であるから、もちろん直接税よりも間接税の方が広く取れるとか、多く取れるとか、簡単に取れるとか、それぞれ利害がありますが、いずれにしても、大蔵省のよく言われる財政の危機的状況ということから言えば、歴史において三回あるうちの四〇%の一つなんだから、よほど大きな決意が要るので、過去においてそういう例があるんですから、それをも踏まえて、真剣な意味で利害得失をなおよく十分に検討をしていただきたい。検討した結果、あらゆる意味でこちらの方がベターだということになれば、それも一つの結論だと思いますが、余り研究しないままにすぐ一般消費税へと飛びついたような形では、国民も納得しないではないかという点で要望を申し上げた、こういうことでございます。
○金子(一)国務大臣 いまの竹本さんの御指摘の点につきましては、一般消費税の中身の詰まった段階で、ひとつ十分比較検討、御審議いただくようにいたします。
○竹本委員 それから今度は租税特別措置法について二つ、三つ申し上げます。 特別措置ということであるから、特別なる措置である。したがいまして、これはいつまでも恒久措置というものではないということで、一方から言うならば、必要なときにはつくる、しかしながら必要がなくなればやめるというように考えられる、また必要があれば新しくつくるということも考えられる、それがいわゆる特別措置でなければならぬと思うわけですね。そういう意味で、二つのことを伺いたいのです。 一つは、いまの租税特別措置というものを、たとえば医療の社会保険診療報酬の問題も先ほど議論が出ましたが、とにかく何年、たとえば五年なら五年の計画で一応全部を洗い直してみようというような考え方が年次計画においてありますかということが一つ。 それからもう一つは、今度大平さんが非常に哲学的構想に基ついていろいろなことを言っておられる。いわゆる田園都市構想あり、家庭生活基盤の充実あり、あるいは環太平洋構想もありというようなことでいろいろありますが、それらのものが租税特別措置にどう反映してくるのであるか、あるいは反映させていこうとしておるのであるかということを伺いたいのです。 と申しますのは、たとえば今度の租税特別措置法におきましても、同居しておる自己または配偶者の直系尊属の老人扶養家族という問題につきまして、四十万円に上げるという特別措置がありますね。あれは実は佐藤さんが大蔵大臣のときであったと思うのです。佐藤さんがやはり、家庭生活を非常に大切にしなければいけないとか、あるいは核家族の問題は困るとかいうような議論がいろいろありました。それを受けて私が、それならば、老人が所得があった場合に老人の一定の控除がある、若い人がやったときにもそれもまた控除がある、しかしながら、老人を家族として養っている場合の扶養親族としての場合には何のことも考えられていないのはおかしいではないか、むしろこれをお考えになって、税法でもそのめんどうを見て、当時の佐藤大蔵大臣が言っているような、日本的な家庭をもう一遍再建するための工夫をしたらどうでしょうということをぼくが御提言申し上げて、よかろうという話になった。それと同じような意味において、今度は大平さんが田園都市構想を言われ、家庭生活充実を言われたから、何らかの形においてそれが租税特別措置法に出てくる可能性があるのですか。プラスの方とマイナスの方と両方ですが、そのプラスありマイナスのあるところが特別措置だと思うのです。そこをお願いしたい。
○高橋(元)政府委員 租税特別措置につきましては、ただいまもお話ございましたように、社会経済情勢と申しますか、国民のニーズと申しますか、そういうものが絶えず移り変わっていくのに即しまして見直しを行っていかなければならない、意味を失ったものは潔く改廃をする、政策目的のために新たに講ずる必要があるものは導入をする、その際に租税負担の公平との関連について慎重に配慮する、これがたびたび申し上げております私どもの基本的な考え方であります。 現行の租税特別措置は、午前中にもお答えいたしましたように、百七十五項目にわたっておりますが、これらの項目についていつまでに全部やめるかという御質問でございますけれども、そのすべてが直ちにやめるべきものであるということはなかなか言えないかとも思いますけれども、大体において各個の規定にその性質に従いまして期限を付しております。たとえば所得税の分野では大体五年という期限をつけておりますし、法人税の分野では、御質問もありましたが、二年という特別措置の規定を置いておるわけでございます。期限が到来いたしました都度よく検討いたしまして、延ばすべきものは延ばす、整理、圧縮すべきものは圧縮をする、廃止すべきものは廃止する、そういうことをいたしてきておるわけでございます。ただ中には、たとえば重要文化財を国に売った場合、これは非課税にするという規定がございますけれども、こういうものは果たして時限立法になじむのかどうか、所得税なり法人税の分野の中の非常に特殊規定であるという考え方もできるとは思いますので、それらの問題はございますけれども、基本的にいま申し上げたようなことでいつも見直しを行っていきたい、そういう意味では毎年毎年が年次計画であるというふうに私ども一は考えております。 それから大平総理の政策要綱の中で、環太平洋連帯、それから家庭基盤あるいは田園都市構想というものが提唱されておりまして、これにつきましては現在、政府が寄り寄り所掌に従いまして勉強中であるということでございます。環太平洋構想の中で租税制特別措置に関連のあるものは、どちらかといえば少ないかと思います。 家庭基盤の問題は、たとえば年金でございますとか相続でございますとか、それに関連する税制でございますとか、それから住宅、医療というようなものが内容になると思います。住宅、医療等につきましては、現在の租税特別措置の中にもそれらの目的に従った規定が入っておるわけでございます。相続ということでございますけれども、これは税金をいじるだけというよりはむしろ、人倫の道を踏まえてつくられております相続制度そのものをどう見直していくかという基本の問題が一つあろうかと思います。そういうものに従って、特別措置というよりは相続の制度そのものを見直された結果として税法にどうそれが反映してくるのかということが、大もとであろうかというふうに存じますけれども、これらにつきましても勉強を怠ってはいけないということでございます。 田園都市につきましては、税財源の配分、それから住宅、教育、福祉というような分野で歳出において対応することも多いと思いますけれども、住宅、土地問題のように税制がその一翼を担わなければならないものもあるわけでございまして、それらにつきましても、構想の展開に即して、租税特別措置としてとらえるべきもの、また本法の段階でとらえるべきもの、いろいろ整理しながら考えてまいりたいというふうに思います。 今回の租税特別措置法の改正で、同居する老人扶養親族につきまして、三十五万円の現行の所得税法上の控除に加えて五万円の控除を特別措置としてつけるということを御審議をお願いいたしておるわけでございます。これは現在の老人は日本の場合には同居率が非常に高いわけでございます。現在老人扶養控除の適用を受けておられます方々の中で、子供と同居しておられる人は八七%に及んでおるというふうに聞いております。これは国勢調査の結果そうでございます。そういう八七%が三世代または三世代以上の同居であるという状態を維持していきながら、社会保障と家族内の連帯とによって老人の扶養を図っていくということが政策的にも非常に重要であるというふうに考えまして、法案として御審議をお願いいたしておるということでございます。
○竹本委員 いろいろ御説明をいただきましたが、これはちょっと大臣にも一要望しておきたいのです。 いろいろ個々のものを、大平構想らしきものを後から拾い集めてくれば、幾つかあると思うのですね。大平さんが哲学を言って、あるいは構想を言っているだけだと自分で言っているんだから、それもやむを得ないという面もありますけれども、しかしながら、せっかく大平内閣ができて大平さんが一つの構想を打ち出しておる、それなりに一つの意味があると思うのですね。意味があるんだから、その構想に基づいてこういうふうに考えていくんだという、後から後ろを向いて拾い集めたということではなくて、前向きにこういうこととこういうことをして、大平さんの考えなら考えというものの歴史的にも社会的にも意味のあるものは拾い上げてまいりましょうというような努力をされることの方が必要ではないかというふうに思います。これは要望にとどめておきます。ただ、いま予算の中からそれらしきものを全部チェックして拾い出せばそれはたくさんありますよ。しかし、それを言うならむしろ言わないのと同じだ。そうではなくして、一つの哲学なり一つの構想をということで打ち出すというのであれば、その打ち出した構想に基づいて新しい体系が考えられなければ政策原理にはならないという点を特に申し上げておきたいと思うのです。 それから次は、土地問題についてきょうは二、三の問題を伺っておきたいのです。 最初に、一般的なことになって恐縮ですけれども、たとえば憲法第二十五条には、われわれは「健康で文化的な最低限度の生活を營む権利を有する。」と厳粛に書いてある。その「健康で文化的な最低限度の生活」というところの中に住宅問題、土地問題をあわせてですが、住宅、土地問題はどの程度にどういうふうに位置づけられておるか。先ほど来優良な住宅はということでいろいろ議論がたくさん出ましたけれども、この点についてひとつ基本認識を伺っておきたい。「健康で文化的な最低限度の生活を營む権利」、その権利の中には土地問題住宅問題というものがどの程度に位置づけられておるものかということについて伺いたい。
○金子(一)国務大臣 大変むずかしい問題でございまして、憲法は基本原則を掲げ、政府としてとるべき目標を掲げておるわけでございまして、その具体化は一つ一つの施策にまたなければならぬわけでございますけれども、土地政策、住宅政策のおくれが大変目立っておって、必ずしも今日の国民の生活においてそれが十分生かされていない、これは残念なことでございます。少しでもそういう方面に役立つように政策を常時見直し推進していくことがわれわれ政治家としては大変大切なことではなかろうかと考えております。
○竹本委員 これと関連しますが、これはたしか磯村英一博士がいつか私に話したと思うのですが、日本では家庭を大切にしろとよく言う、ところが家庭を大切にしろと言うけれども、その意味がよく皆さんにわかっていない、こう言うのですね。家庭というのは「家」と「庭」と書いてある、ところがいまは庭のある家はほとんどないんだ、だから家庭を大切にしろと言うけれども、庭のことは全く忘れたような都市計画や住宅政策が横行している、こういうふうに言うのだが、建設省もいらっしゃるが、一体どうですか、家庭とは「家」と「庭」と理解しておりますか、おりませんか。
○渡辺説明員 大変むずかしい御質問でございます。いろいろな世論調査等を見ましても、庭つき一戸建て住宅に対する志向が非常に強いのは現実だと思います。ただ、日本の都市の現状を踏まえますと、そういったものを国民の要請として一〇〇%実現していくというのは非常にむずかしい現実ではないだろうか。そういった都市の構造あるいは業務地の配置といったものに即応しながら、できるだけ国民の要請に合ったものにしていくという努力をしているつもりでございます。
○竹本委員 そこで、これから議論をだんだん展開してまいりますが、「家」と「庭」が家庭だと言ったけれども、なかなかそうはいかないのがいまの現実です、こういうことをおっしゃった。そしてまた、憲法にいわれるような人間らしき生活に値するような住宅政策にだんだん近づけていこうという努力もお話があった。それはそれでよろしいのです。 そこで私は、ここで二つばかり伺いたいのだが、一つは、これは本当はどなたに聞くのがいいのかちょっと迷うところですけれども、土地問題の根本的解決という問題について、後でいろいろ申しますけれども、家と庭を備えることができないほど日本の土地は小さくて、細切れで話にならない。その問題を本格的に解決するために一つの考え方として、御承知のように土地バンク構想というものもある、あるいは社会主義国には土地国有制度という考え方もある。一体日本の今後の土地問題の根本解決ということについてはどういう方向に持っていこうと政府は考えておられるのか。ただ、いまある土地を少し有効に適切に使っていこうという枠の中で最大限度の努力をしていきましょうということを言われておるのか、あるいは抜本的な解決として何か大きな構想を持っておられるのか、その基本的あるいは抜本的な構想があるのかどうかということが一つ。 それからもう一つ、これも関連しますからあわせて申し上げますが、大事なことは都市の再開発だと私は思うのです。都市の再開発ということについて、都市再開発法という法律も四十四年かにできておるわけですけれども、あの法律を読んでみても、再開発といっているから再開発らしく聞こえるけれども、基本的に日本の経済構造、社会構造をどう変えていくのかというようなことについては余りぱっとした考え方は出ていない。そこで私は、いま二つのことをお伺いしたいのですけれども、一つは、土地の基本的な、抜本的な解決ということについて、たとえば松下電器の松下幸之助さんは、どうせ日本は小さいのだから島をつくれ、国土創成論を言っておられる、これも一つの考え方ですね。江戸だって、昔は半分でこの辺は皆たんぼだった、ちゃんと埋めたんじゃないか、何も土地を埋めて国をつくったのはオランダだけではないのだというようなことを国土創成論で松下さんはいろいろ言っておられる、それも正しい一つの考え方だと私は思うのです。だから、国づくりをするというか、多く島づくりをするということも一つの考え方です。 あるいは、いまある土地全部を有効に使うために、国有がいいか悪いか議論がありますけれども、国有論を言う人もおるし、土地バンク論を言う人もおる。一体日本の土地に関する基本的な政策は何かということが一つと、あわせて、これからの住宅、土地問題の一つの大きなポイントは都市の再開発だというふうに私は思う。ある人は、これは私の友人でございますけれども、都市の再開発について細かい計算をしまして、これは大体百兆円かかるというのだな、土地を全部買うのと新しく建物をつくるのと両方で。しかしながら非常に細かく計算をしまして、たとえばパリならパリのように東京都は全部十階建てにする、それ以下のものは認めないというような形にして高度化して本格的に利用すれば空閑地も十分できる、そういう計画を個人で物好きに実に丹念にやって、しかもそれは十分に可能であるという計算までしておる人もありますが、そういう問題も含めて、再開発なら再開発に意欲的に取り組むというならそれもわかるけれども、いまの政府にはそういうことも余り感じられない。あわせて二つですけれども、土地の基本的解決方策はどうか、それとの関連において都市再開発をいかに位置づけておるかということを聞きたい。
○加藤(隆)政府委員 大変むずかしい問題でございます。昨年の七月に自民党の方でいろいろ勉強されたものはございますが、私はそれが大体現実的な方向ではないかと思います。御承知かと思いますが、繰り返して言いますと、ただいま御指摘の再開発、それから関公といいまして関連公共施設を増強しろ、それから線引きの見直し、それから税制と金融と、こういうような五点につきまして基本的な考え方をおまとめになっております。五十四年度の予算編成の際も、建設省の方でそれを受けて、あるいは年来建設省は勉強しておるわけでございますが、ドラスチックな方法ということではございませんけれども、現実的な諸条件の中でそれぞれにつきまして、マイナーのものもありますが、解決を予算上も一歩前進はしたと思います。 それから第二点の再開発でございますが、御指摘のように、予算書をごらんいただきましても幾つかの項目がありますし、ただいま御指摘の法律も、それ以外にいろいろな法律がある。私どもも建設省と再開発の重要性について大いに論じまして、まことにささやかではございますが、大阪、東京、名古屋について再開発の新しい手法に踏み出して、昨年の三百億、ことし六百億になっております関連公共、ああいうような観点で弾力的に使える金を五十億ほどまとめてつけておりますが、確かに再開発は、宅地政策の一環として位置づけるという問題以外にもいろいろな問題があるわけでございます。それから来年度にかけて、現在いろいろな法制がございますが、そういうものの全面的見直しというようなことを建設省の方でも寄り寄り考えられているやに聞いております。御質問に対して大変マイナーな答弁でございますが、現状はそんなふうになっております。
○竹本委員 これはまあここで十分論議する場じゃないと思いますから……。ただ私は土地問題、住宅問題を考える場合に、そういう基本的な掘り下げから議論を展開するなりあるいは政策をひとつ考えてもらいたいという要望を含めて、初めからいろいろのことを申し上げた。しかし、いろいろいまおっしゃるように、五十億のどうのというようなこともありますけれども、なかなか国民に、これから再開発なら再開発で結構だが、本当に政府は再開発中心にひとつやり直すのだということで、国民にも一つの大きなビジョンをむしろ与えるぐらいの政策的な努力、取り組みがなければ問題の解決に余り役に立たない。顕微鏡的政治という言葉がありますけれども、顕微鏡にかけて見れば確かにそういう動きがないでもないといった程度の話では国民にアピールはしない。やはり政治ですから、国民にアピールしておるような政策原理と取り組みが、基本的なものが一つほしいということを申し上げたわけであります。 そこで、大臣、時間がありませんが、最後に一言申し上げて、後で各論はひとつ皆さんに聞いてもらえばいいのですが、今度の租税特別措置法で土地、住宅税制のところでぼくは根本的な誤りがあると思うのです。どういう誤りがあるかということについて申し上げる。 それは一つは、先ほど来優良なる宅地あるいは住宅地の供給という問題について、何が優良であるかということについての基準がなかなかむずかしかった、議論が出ました。それも大きな問題です。先ほどの憲法二十五条と関係があって特に大事な問題だが、私は細かいといいますか、具体的な税制の問題について一つ申し上げてみたいのだが、そこで基本的な間違いというのは、一つは、これは要するに、譲渡益に税金をかけるという問題なんでしょう。いいですか、譲渡益に税金をかけるという問題なんだよ。その問題と、都市計画法がどうのこうの、日本住宅公団がどうのこうのという問題で、要するに土地の開発の問題と混同されている。開発は、ミニ開発は困るのです。私はやはり大きな規模で開発して、国土の総合的、基本的な利用を考えなければならぬ。しかしながら税金をかけるときには、所得があって、金が入ったらそこに税金をかけるわけでしょう。その金がどこから入ってきたかということについて、百坪の土地を売ったか千坪の土地を売ったかということについて、金にどこに違いがありますか。所得があればそれに対して税金をかける。その金の額によって、大きい小さいによって税の、所得で言うなら所得税の累進が出てくる、それはよくわかるんですよ。しかしながら金の質について、どういう方面から入った、どういう譲渡益であるかということについて、税法がそこまで干渉するというか介入するということはおかしい。税は税だから、所得のあるところへ税をかければいいのです。それがどういう大きな開発をやるかミニ開発であるかということの問題はむしろ建設省の問題であり、先ほど来申し上げた土地開発の問題なんです。そこで土地開発のときには、大規模開発でなければ困るし、ミニ開発は困るし、あるいは家の建て方についても、建築基準法でいろいろ議論がやかましくありますが、細かい規定がある、当然だと思うのです。こちらで、建設省の範囲内において本格的に規制をし、パブリックコントロールを行わなければならない問題と、入った譲渡益に税金をかけるというときの問題とは質的にまるっきり違うと思うのですね。 それが、この条文をよく見ればひょっとして、高橋さん非常に頭がいい人だけれども、思いつきで、これはちょうどいい、都市計画があるからといって、都市計画法に規定しておるような条文を全部、「都市計画法の開発許可を受けて行う面積一千平方メートル以上の住宅地造成の用に供するための土地等の譲渡」とかなんとか、この条文を全部見てごらんなさい、皆都市計画法を受けてきていますよ。都市計画法というのはいま言ったように、総合計画という都市計画からきておるのであって、それはミニは困るとかいろいろな問題が出るのが当然なんです。しかしながら、いまわれわれが住宅問題として問題にしておるのは二つありまして、一つは庶民の住宅をいかに確保するかという問題が一つ、それからその土地を売った人に対する税金をどうするかという問題が一つ、特に税金について言うならば、その税金を少しまけることによってなるべく土地を早くはき出させるようにしようという土地の流動化の問題、税金の問題と、ミニ開発の問題とまるっきりそれぞれ次元が違うのです。それをこの租税特別措置法は全く、「次に掲げる土地等の譲渡に係る長期譲渡所得」云々ということからきて、全部都市計画法にいまおっかぶさっている。おっかぶさっているのはいいけれども、考え方の根本が、都市計画法の頭をそのまま使っている。 そこで、私は大臣に後で詳しく報告もしてもらいたいし、大臣にも考えてもらいたいと思うのは、開発はミニ開発は困るのですよ。ミニ開発が困るというならば、それはミニ開発が困るような規制をそちらでやればいいのです。こちらは、開発のためあるいは住宅に供するために土地を売って、その入ったお金に税金をかければいいのですよ。その相手が甲であるか乙であるか丙であるか、そんなことは余り関係ない。要するに入ったお金に税金をかければいいのです。ですから、それは税制が一応の政策目的を担って立つ場合もあるから、なるべくならば公用地に土地を売るようにしようという、これが発想のもとだと思うのですよ。しかし、そのときの考えは一応はよくわかるけれども、考えてみれば、まず第一に、土地売買の実態というものを考えてみると、私もいろいろ調査してみるけれども、いま東京では中古の住宅の売買が五〇%を超えているのですよ。宅地じゃないですよ。だから中古の住宅の売買は五四%くらいになるのですよ。五〇%を超えている。しかも今度は新築住宅はどうかというと、大体が平均二十坪ですよ。大きいところが二十五坪。先ほどもいろいろ議論が出ましたけれども、そういうところしかないんで、今度この政策の一つのねらいというものが住宅供給の土地の流動化を大いに図ろうというならば、庶民が使う土地、庶民が買う土地の流動化を図らなければ、三井や三菱がやるような土地の大きな開発がどうのこうのいうような議論をしてみたって次元が違うのです。だから一つは、この租税特別措置法の改正は一体何が目的なのか。ミニ開発の抑制をしようというのが目的なのか、地価の安定を図るのが目的なのか、都市計画法に基づく開発を促進するというそれが目的なのか、あるいは私が言っておるような宅地の供給そのものが目的なのか。庶民が必要としているのは宅地の供給なんですよ。その宅地というのはいま言ったように、建てるときは大体二十坪、古い家で大体五十坪。それから東京都のいろいろ調べを見ましても、東京都の中で大体地域によっていろいろ違いますけれども、全体として見れば、東京都の中で二十三区ですか、区の方から見ましても、区内で個人宅地所有者の割合を見ると四〇・五%まで百平米以下なんですよ。だから、供給源が百平米以下が四〇・五%。それから、郡部は少し変わっておりますけれども、それでも二割は百平米以下なんですよ。だから、いまから家を建てたい、土地を買おう、サラリーマンが家を買おうといった場合に、千平米以上の土地を買おうという人は、大蔵省の局長なら買えるか知らぬけれども、普通は買えませんよ。だからそういう意味から言うと、われわれ一般庶民が買える土地の供給がふえるような、そういう手を打たなければだめですよ。 ところが、いま言ったように二十坪、せいぜい二十五坪だ、中古の家で五十坪だというときに、千平米だなんていう都市計画法の考え方をそのまま持ってきてここへ移して、そういう法律をつくるというのはどういうわけだ。いや、それはミニ開発は困るからやるんだというならば、それは国土利用計画法なり都市計画法を改めればいいでしょう。そっちを変えていらっしゃいよ。あるいは先ほど言ったように、土地の再開発法を生かして、東京都はいまから三カ年か五カ年計画でこれだけ確保するんだというそういう基本政策を立てる、そういう基本的な法律体制をつくる、それは結構ですよ。ところがいま言っているように、いま必要になっているのは、われわれが言うのは庶民の住宅、それに必要な土地の供給を促進してください、流動化をさしてくださいということ。そうすると、その土地が流動化するように四〇%を二〇%にするとか二千万円を四千万円にするとかいういろいろ努力は、そういう庶民のための役に立つ土地の流動化にやる、そういう法律でなければならぬ、こう思うのですね。だから私に言わせますと、東京都におけるサラリーマンの必要としている土地の大きさ、それから東京都で残っておる空き地というか土地のあり方、その両方から考えてみて、一体何をこの法律はねらっておるのかわからない。もしミニ開発は困るというならば、ミニ開発規制の別の法律でしっかりやりなさい。庶民のための土地と言うならば、庶民が買う土地がより多くより早く流れ出てくるような法律にしなさい。それにはいま言ったように、二〇%なら二〇%を——極端に言えばただし書きなんかほとんど全部要らない。公共のために必要だとかなんとかというのは、たとえば公用地の先買い権もありますから、そういう法律をつくって公用地は公用地で獲得するということをぼくは一つも異論はないのですよ。庶民の住宅という基本目的を誤ってはならぬということを言っておる。この点をひとつ伺いたい。
○高橋(元)政府委員 繰り返したびたび申し上げておって恐縮でございますが、昭和五十年から現在の土地税制ができておりまして、五年間その税制に従って長期譲渡について所得税本則の課税を強化しておるわけであります。そういう状況で三年たちまして、五十五年にこの重課規定の適用期限が来るというようなことになりまして、それは大体地主の方々がそういうことをみんな思い、不動産の売買をしておる人がそういうことを思い、そういうことから始まって土地の売買がかなり減ってきた。それが地価の上昇を招き、また宅地の供給を減らしておる、こういう状況があると思うのです。土地について確かに利用の基本を定める国土利用計画法なり都市計画法なり建築基準法なりそういうものがしっかりしてなければならない、そういうものによって土地利用、宅地供給、住宅建設、そういうものの骨格がつくられなければならない、それは私ども当然だと思いますし、現在の建設省、国土庁の方の運用もそういう方向でやっておられると思うのですけれども、たまたま税制が、五十三年度中に現在の税制を改めないと、その辺のいま緊急とされておる土地の流動化というものが阻害されるのではないかという問題が非常に強くなってまいったわけでございます。 土地税制を五年間のうちに改定をいたしますということでございますので、土地の供給をふやす、しかも優良な宅地の供給をふやす、地価の上昇を招かない、そういうことが一番政策的に重要なことだというふうに思います。全体の土地の譲渡所得について、たとえばすべて二分の一の課税に戻ってしまうということは現在、国民が土地について持っておる特別の感情でございますとか、開発利益に対する課税のあり方でございますとか、そういうことを考えませんければ簡単に手のつかないことでありますので、現在千平米以上の土地について優良住宅地の認定または都市計画法の開発許可を受けて行うという要件を付して、今回六項目について現在の長期譲渡所得の緩和を行ないましたのは、それによって都市計画法の開発許可を受けて行われる場合、それから都道府県知事の認定を受けて行われる場合には、公共、公益施設の配置、それから河川、道路、学校、公園等の公共施設の管理基準、それらに照らしまして優良な住環境が保障されるということを考えて、したがいましてそのよりどころとして千平米というものをとったわけでございます。マンション、分譲戸建てにつきましても、ある程度のまとまりのある優良な住環境を備えるものを本制度の対象とするということで、都市計画法の都市施設の基準五十戸以上というものに準拠して決めたわけでございます。 一戸一戸が優良な住宅であるとしても、全体としてまとまった場合に一つの街区としての優良な住環境が維持される必要があるというふうに考えますが、その場合の基準として都市計画法など現行の土地利用法制をよりどころにする。そのために千平米という一団地の規模を設けまして、それによって現行の諸法規の許可なり認定なり、その場合の施設基準なりというものを取り入れるということが適当であると考えてやったわけでございまして、こういうある程度以上のまとまった規模の団地で優良な住環境を備えておるもの、それがまた分譲されて個人に渡っていくわけでございます。昭和五十二年に私ども全国にわたって土地の譲渡について実態調査をやってみたわけでございますが、最近の五十二年の課税状況で申しますと、たまたま現在の税制が二千万円まで二〇%比例となっておりまして、それ以上四分の三総合でございます。したがって、二〇%比例であります二千万までの譲渡の件数というのは非常に多いわけです。全体の九割ぐらいにはまっております。しかしながらだんだん売られていく土地が細分化していくというようなこともございます。そういう意味で、現在の住宅供給なり公用地取得の重要性にかんがみ、今回の法律をつくって御審議をお願いしておるわけでございます。
○竹本委員 二千万円、四千万円とかいうような問題は私は一つも反対してないのですよ。それで結構だ。極端に言えば、むしろそれを全部に広げなければ話にならぬではないですか。それを千平米というようなことによって、一体庶民のだれがどれだけ助かるのですか。なるほど団地に買って、それで団地を造成してもいい、それで団地ができた、それをまた小さく切って売れば間接には宅地供給にはなりますから、それも一つの役割りはありますよ。しかしながら、私が住んでいる土地を売ってやるとか、あるいはその辺の空き地がサラリーマンの退職金で買える土地だから買いましょうといった場合に、売る人にも買う人にも、売る人に税金がかかれば結局買う人に転嫁されるのですから、そういうものに役に立つような税法を考えるというならばわかります、こう言うのです。それを、全然関係のないことの話をしておるのは、主税局長は非常に頭はいいけれども、守備範囲を超えているのではないですか。越権行為とは申しませんけれども、守備範囲が違う。いま私が言う大事なところのミニ開発を規制するというのは、建設省のこれからの都市計画法なりあるいは国土利用計画法なりの問題だ。しかし建設省といえども私に言わせれば、今日は時間がないから申しませんが、法務省の調べたところによると、二百六十万件の土地の移転価格なり売買価格の中で、国土利用計画法の対象になる二千平米以上のものはたった一割しかないのですよ。九割はその二千平米までいかないのです。だから、日本の商取引の九割以上というものは全部小物なんです。細切れなんだ。だから、細切れはいけないと言ってみても、現実に小さいもので、ちょうど人間だってそうだ、小さな人間におまえ大きくなれと言ったってなりはしないじゃないですか。土地だって、そこに与えられている土地が狭いながらも楽しいわが家になるというときに、それを本人が希望してそれを買って家をつくろうというなら、その土地を供給して、売った人には税法上の特典を公平に与えてやったらいいじゃないか。しかし、その家が小さくて困るというなら、別にそういう地域には家は建てさせないとか、あるいは建築基準法でこれ以下の家は建てさせないとか、そういうことは建設省で幾らおやりになっても私は文句は申しません、こう言っているのです。 そうじゃなくて、税法の上で守備範囲を超えてそういうところに出ていくということに非常な疑問を持っておるから、この租税特別措置法の規定はただし書き以下はほとんど、要するに守備範囲以外にたまたま都市計画法が頭にほんと浮かんでそれをずっと移し込んだ、こういうことであって、全く税法の根本原理に合っていない。税法というものは、団地に売ろうが、大蔵省の局長に売ろうがあるいは建設省の係長に売ろうが、そんなことは関係ないじゃないですか、売ってもうけた利益に対して税金さえかければいいのだから。相手に、どうだ、いや団地に売ったところは、先ほど来いろいろ議論が出たが、優良な土地だと言われるなら、優良な土地は地価が高いのですよ。それが資本主義のプライスメカニズムなんですよ。優良か優良でないかということは、先ほど基準がずいぶん問題になって、建設省がいろいろ答弁されましたけれども、建設省の答弁もさることながら、一番大事なことは、優良な土地は値段が高くなっているということです。それが資本主義のプライスメカニズムなんです。だから、そこまで大蔵省が干渉する必要はないのだ。優良な土地は値段が高い。高く売れて高くもうかったら、その金に税金をかけなさいとぼくは言っているのだから、それはそれでいいでしょう。だから、優良な土地だとかあるいはこれは係長に売る土地だからというようなことで、売った利益に対して差別をするとはどういうことですか。お金に色がついているか、使用目的でなぜ制限するか、そういうことがおかしいから、都市、ミニ開発を抑えようとかいったふうな都市計画の理念としては正しいのだったけれども、それをちょっと思いつきでぽんとここへ税法で移し込んだために、税としては収入があったものの所得に対して税をかけるんだから、その所得の源泉がどこから来たかということについて、しかも公であったか団地であったか係長であったかということについて差別をするということはおかしい、こう言うのです。違いますか。
○高橋(元)政府委員 土地についての譲渡の税負担を軽減をいたします、それを限定的に軽減をいたしますわけでございますから、その場合に、誘導するような政策効果というものを頭の中に置かなければならない、その誘導すべき政策効果の対象というのが優良な住宅地ということでございます。一軒一軒の家が、先ほども申し上げたことですが、非常に優良な住宅でありましても、全体としてまとまった一つの街区として優良な住環境を維持されるというのが、これからの都市環境のあるべき姿かというふうに私ども素人なりに思うわけでございますが、そういうものに役立たせていきますためには、一定の施設基準というものが保障される必要がある、その施設基準というものを現在都市計画法なり国土利用計画法なりでいろいろ設定しておられるわけで、それが実質的に担保されるものとして開発許可なり優良宅地の認定なり優良住宅の認定の制度というものがあるわけでございますから、そういう開発許可なり認定制度をかぶるような宅地の供給、これは売られる方は百平米ずつ売って集めて千平米になっても一向構わないわけでございます。構わないわけでございますが、それがつくられて宅地になっていく段階で施設基準というものは、くどいようで恐縮でございますが、保障されるために、現在六通りの項目を選びまして、その三つが公的な取得の促進であり、三つが優良住宅地ないし優良住宅の供給につながる、こういうことにいたしたわけでございます。
○竹本委員 これは発想の根本が違っているのですから、なかなかむずかしいと思うのですけれども、私はどうしてもこれは納得できない。各野党の同志の皆さんにもいろいろと御相談をしてみたい、こう思っているのです。 というのは、発想の根本が間違っている。いまもお話にありましたように、全体としてまとまっていい住宅地域になるのだというならば、その地域は高く売れますよ。あるいは高く買えばいいです。それを大蔵省が何も干渉する必要はない。むしろ建設省が、そういうまとまったところはいい住宅地になりますから、こういうところを指定して、ドイツなんかでは住宅地として住宅しか使われないようになっているでしょう、そういうことをやればいいです。だから、それは都市計画なりあるいは国土利用計画の方で、あるいはさらには建築基準法で幾らでも規制をしなさい、それは結構です。そこで全体としての調和がとれたような美しい都市づくりをやればいいです。しかしそのことと、そこへ土地を提供した人の税金と、そうでないところのサラリーマンに売った土地のよって得た譲渡益に対して差別をつけなければならぬということは、税の公平の原則から言っても非常におかしいし理由がないですよ。金に色がついていないのだから理由がない。 そういう意味で私は、あくまでもいい土地というならば、先ほど来言うように、それは建設省が歓迎し、あるいは国民、市民が歓迎するような土地は値段が上がるはずなんですから、高く売れるはずなんですので、それは高く売って結構ですと言うのです。それでちゃんと段階がついている。大蔵省が税を少しまけるとかまけないとか言わなくても、土地がちゃんと上がって値段が高くなっていますよ。それをだから、資本主義である以上はプライスメカニズムに第一に任せなさい。プライスメカニズムに任せ切れないで、ここは乱開発しては困るというならば、それは建設省の守備範囲だから、建設省が都市計画法なり国土利用計画法なりで幾らでも規制をしなさい。大蔵省の守備範囲は、それらのものに売った土地に対する譲渡益に対して税金をかければそれでいいのですということを言っているのです。 そうして最後に私が言うのは、いまのこの制度をつくったおかげで、それじゃ一体だれが幾ら助かるかということになると、ほとんどサラリーマンには関係ないようなことになってしまいはしないか。間接にはもちろんありますよ、しかし直接必要なことは、先ほども申しましたように、新築しても二十坪か二十五坪しか建てられない人たちが土地がなくて、いまはむしろ土地が御承知のように東京都は九・八%か上がったでしょう。あれは平均ですからね。実際は五割上がったところもあるのですよ。そんなにどんどん土地が上がるというのは、これからインフレにもなるだろうということで、またいろいろ期待権もあってどんどん上がってあるのだけれども、いずれにしても、土地がないということが一番住宅問題の悩みなんです。その流動化する土地というのは、小さな三十坪か五十坪の土地が流動化してこなければ意味がないのです。百坪、千平米の話をしたって全然次元が違う話をしておられるのではないかということを言っている。 時間も大体参りましたから、そういう意味で、これは一遍でなかなかぼくは解決できないように思うが、政務次官どうですか、ぼくの言う意味を、いま言ったポイントについて第三者として一遍ゆっくり考えてもらいたいのです。
○林(義)政府委員 第三者として考えろというお話でございますが、私もいまのお話を聞かしていただきまして、率直に申し上げたいと思いますが、最初にお話がございましたとおり、土地政策をどうするか、土地バンクをどうするかとか公有を図るとかいろいろなことがあるからという話から始まったわけであります。現在われわれ思っておりますのは、土地について私的所有権というものを認めるというたてまえでやっておりますし、その中において都市再開発をどう進めていくかというのが問題だろうと思うのです。いろいろな優良宅地をつくるということは、一つのいまの政策の大きな目標でもありますし、これをやっていかなければならないということでありましたならば、まず何をおいても、そこにいろいろな優遇策を講じていこう。予算におきましても環境整備のための費用を出すというふうなこともやっておりますし、また、今度つくった税制でもっていろいろとめんどうを見ていくというのもまさに政策税制のたぐいであろうと私は思います。 竹本先生おっしゃるとおり、金は土地を売ったら、十坪売ろうと百坪売ろうと千坪売ろうと同じではないか、それは同じように税金をかければいい、確かにそれは御議論だと思いますが、その中で、いまやらなければならない住宅政策ないしは都市再開発政策の推進ということでこの制度をいま御提案申し上げておるわけでございます。先生の御議論いろいろありますし、私もいろいろと勉強さしてもらっておりますし、松下さんの国土創成論などというのも非常におもしろい考え方であります。最近は何か聞きますと、ブラジルに日本の土地をつくる、ブラジルへ行って土地を買った方がいいのだというようなお話もありますし、いろいろなことを考えていかなければならない。これからも当委員会におきましてもいろいろと御指導のほどを心からお願いいたしたいと思いますし、いま提案しておりますところのこの問題は、先ほど来申し上げておりますように、優良な宅地をつくる、それから公のために使うところのものについてできるだけ早く土地が取得できるようにやろうという制度であることを重ねて申し上げまして、答弁といたします。
○竹本委員 これで終わりますが、最後にもう一度申し上げておきます。 次元が違うものを一緒に持ってきてごたごたな租税特別措置のこの条文は、私は、高橋さん十分敬意を払っている人だけれども、絶対に納得はできません。それからもう一つは、いま言ったように、庶民の一番必要な住宅が建設できるように土地の供給を流動化させるという一つの目的もこれあってそういうようなことを考えられたのだけれども、それが大きなものにだけ偏り過ぎている。一番大事な庶民の層、そういうものに対する考え方はほとんど配慮が足りないという点で、二重に納得ができませんので、この条文だけは絶対にいただけないということだけ申し上げて、なお後お互いに、それはもっといい知恵を出せるものならば出せるようによく御相談をしたい。 以上で終わります。
○加藤委員長 次回は、来る二十三日金曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十三分散会 ————◇—————