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87回国会衆議院1979/02/02

大蔵委員会 第2号

発言数
103
登壇者
13
会派数
6
開催日
1979/02/02

会議録

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  この際、昭和五十三年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来理事会で御協議願い、お手元に配付いたしましたような草案を得ました次第であります。  まず、本起草案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。  本起草案は、昭和五十三年度に政府から交付される水田利用再編奨励補助金について、税制上、次の軽減措置を講ずるものであります。  すなわち、第一に、個人が交付を受ける同補助金については、一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は、一時所得の必要経費とみなすこととし、第二に、農業生産法人については圧縮記帳の特例を設け、当該法人が交付を受ける同補助金については、交付を受けた後二年以内に、事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮額を損金に算入することといたしました。  なお、本特例措置による国税の減収は約六億円と見込まれます。  以上が、本草案の趣旨及び内容であります。     —————————————  昭和五十三年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する   法律案     〔本旨末尾に掲載〕     —————————————

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 この際、本案は歳入の減少を伴うこととなりますので、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があれば発言を許します。金子大蔵大臣。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 この法律案につきましては、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対いたしません。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 お諮りいたします。  この起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案として決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田耻目君。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 大臣の所信表明を先般伺いまして、大変御苦心のほどがわかるのですが、特に最近の経済事情、長期にわたった不況感、それにまつわる税制、金融に一応大蔵省の実務者でありました大臣として苦心を払われておることに敬意を表しますが、特にあなたに対しては、私なり只松君なりは同期に国会へ出ておりますだけに、この重要な時期に、述べられたことが着実に実行できるように、実行できないことを所信表明なさっておるとは私、思いませんし、それだけに、決意を込めたあなたの実行力というものを私は求めたいと思うのです。  その点について、所信に基づいて質疑を行いたいと思いますが、その前に、あなたの実行する決意のほどをひとつお聞かせをいただきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 山田さんから御激励をいただきまして、感謝にたえません。  何分新米でございますけれども、とにかくこういう非常にむずかしい時期、特に恐らく戦後初めてと言ってもいいようなむずかしい予算編成を行わなければいかぬ時期にこの仕事をやることになりましたので、皆様の御支援を得て、言ったことは必ず着実にやっていくという決意でおりますので、よろしく御鞭撻のほどをお願い申し上げます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 あなたの所信表明をお伺いいたしますと、均衡のとれた経済社会の実現を目指していきたい、こういう一つの基本が明らかにされて、そのためには、一つは雇用の機会の増大、雇用の安定でございます。二つ目には経済の需給のバランスを図っていきたい、三つ目には健全財政を確立をしたい、歳入大臣としてのその意味がよく理解できますが、こうした三点の実行というのは、なかなか言うはやすく行うはかたい、しかしなさねばならぬ題目であるということは、この中に申されておるように、国の内外ともに緊急的な政治課題だ、こういう表現で尽きていると私は思うのです。いまあなたの決意の表明がございましたので、それは重ねて問いません。ただ、きょう私はきわめて限られた時間でございますから、この三点のうちで、特に本委員会として関心の深い財政再建についてからお伺いをいたしたいと思います。  この財政再建について、財政再建試算というものをお出しになっております。いわゆる収支試算表でございます。この収支試算表は、従前のそれとかなり異なりまして、いわゆる七カ年で計画を立てて、昭和五十九年には特例公債をゼロにする、こういう立場が示されております。特例公債をゼロにしていくということになりますと、どこにかわるべき歳入を求めるのか。もちろん予算委員会でも議論されてまいりましたし、本会議でも総理の所信の中にうかがわれておりますが、不急不要の歳出をできるだけ削っていきたい、こういうことが述べられておりますが、これにはおのずから限度があろうかと私は思うのです。そうなりますと問題は、どうしても税収によらねばならない。この税収というものは、この試算を見ますと、五十五年から五十九年で九兆一千百億見込まれております。したがって国民の税負担率は、現行の一九・六%から二六カ二分の一%に引き上げられてまいります。  この内容は、現行税制の見直しあるいは是正、よく言われておる不公平の是正、こういうものを含めておると思いますが、六・九%も負担率が高まるその本当の中身はこれではあるまい、恐らく金子大臣のお考えになっているのは新税の創設ではあるまいか、こういうふうに理解しておるのですが、いかがでございましょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 お手元に差し上げました財政収支試算では、仮に五十九年度脱却で六十年度はもうゼロでいこうと思うと、大体これくらいのペースで税収増を図っていかなきゃいけませんよということを機械的に計算をいたしたものでございまして、このとおりいくかどうかは、これはやはりそのときどきの経済情勢もございますから、各年度で中身を十分詰めてもらわなければなりませんけれども、しかしこの計算によりますと、増税額九兆一千億というような多額の金額になります。  ことしも御高承のように、二十五年間手がつきませんでした医師税制を初め租税特別措置あるいは交際費課税等につきまして、相当思い切ったメスを入れてまいったつもりでございますが、なかなかそれだけじゃ足りない。各方面からいろいろな新しい税をつくれという御提案も出ております。たとえば富裕税をやったらどうかとか、土地再評価税をやったらどうかとかございますけれども、とにかく福祉予算が、特に高年齢者社会を迎えてどんどんふえてまいりますので、とても追いつかない。それは一つは、シャウプ税制以来とってきました日本の直接税中心の制度が、高度成長時代にはよく機能をいたしまして、景気がよくなれば自然増収がずっとふえるというようなことで財政をカバーしてまいりましたけれども、石油ショック以来中成長の時代に入りますと、なかなかそんなわけにいかない。それは租税の弾性値でもはっきり出ておるのでございまして、高度成長時代には二%ぐらいだったのが、このごろは一%を割るというような状況でございまして、こういう時期になると、やはり直接税とあわせて間接税にある程度重点を移さざるを得ない。そういうところからわが国でも、一般消費税というようなものを導入せざるを得ない時期に来ておるのではないかということで御検討いただきたい、こういうことで申し上げておるような次第でございます。よろしくそこら辺を御了解をいただきたいと存じます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 最後にちょっと、ないかと思うというふうな非常に不確定なお話でございました一般消費税、しかし、これだけの六・九%も税負担率を高めていくという六カ年の、厳密に言えば七カ年になるかもしれませんが、いわゆる収支試算をお出しになって、それを基礎にことしの五十四年度国家予算はつくられていっておるわけですね。だから私は、この財政収支試算というものが、ただ金子大臣の発意によって生まれているものとは思わないのです。この基本は新経済社会計画によってつくられておる。新経済社会計画は弾性値を一・二と見ておるようですね。それを受けておるわけなんでしょう。だから、経常部門については一八・二%の率を見、投資部門については三・五%見ておる、こういうことは、向こう数カ年の日本の新経済社会計画の基本構想を受けてお立てになっておるのですから、私は漠然と、この二六カ二分の一%にふえるということは新税、それらしきもの、一般消費税みたいなものもあるというふうな未確定要素のものではないと思う。いやしくも歳入大臣ですから、租税特別措置を是正して、そして足らないところはこれによる、こういうふうな確たる方針をお持ちになって、あなたの財政確立の施政方針というものは生まれてきておるのだと私は受けとめておるのです。だけど、あなたのようなそんなことを言われておると、私は非常に不愉快になるのです。  それからもう一つは、この収支試算は昭和五十九年に特例公債をゼロにするようにできていますが、しかしそれも経済変動でどうなるかわからぬ、こういうおっしゃり方をしておると、何のためにこんなものをお出しになったのかと私は言いたくなるのですよ。だから、いまの経済情勢、財政情勢、これらをどう判断をしてお書きになったのだろうかと思うのですよ。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 多少誤解があったかもしれません。これは御承知のとおりの中期経済計画に基づきまして、このアウトラインができておりますので、現在の時点では六十年度の姿を描いて、その中間のあれは機械的にはじき出しておりますと、こういうことを申し上げたわけでございます。多少の入れかわり、波があることは当然のことでございますけれども、現在の経済の状況で六%なら六%の安定成長を続ける場合にはひとつこれで考えていきたい、こういうことでございまして、その際には一般消費税、これは先ほども申し上げましたように、現在の所得税、法人税中心の直接税体系では財政をもう賄い切れないのですから、やはりこういったところに重点を置いていかざるを得ないし、好むと好まざるとにかかわらずそういう方向へ行かなければなるまいと私どもは心得て、この案をお出ししたわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 あなたのお気持ちはわかります。わかりますけれども、国民はそういう話を聞いただけでは非常に不安感が起こるんですよ。一体いまの政府の姿勢というのは、今日のインフレ要因が高まりつつある段階にどう対処しようとしてくれるのか、そのことと、それに対処する方策も持ち得ないままこんなものを何となく出しておる、そのことについての不安定性というものから逃げ出すことはできないと思うのですね。だから私は、大臣がインフレ傾向が助長されればこの問題はだめになるかもしれないとおっしゃっていることが非常に気に残るのです。  そこで一歩進めまして聞いてみたいと思うのですが、いまの経済事情の中でインフレ要因というものはあるのかないのか。私は、マネーサプライ、M2がいま非常に増勢に進みつつあるということを一つは心配しています、二つ目には、ダウが六千二百円を上回ってしまった。その背景は、機関投資家が意欲的に株価つり上げに介入してきておる。これもインフレ要因としては無視できない。三つ目には、あなたが冒頭におっしゃった一般消費税の導入、このことは今日、大蔵省内部ですでに検討なさっているはずなんです。いわゆる全商品、サービスにかかる五%の増税ということです。これを国民は非常に気にしておりますし、税制としては逆進性を持つ、片一方ではインフレ要因になる、こういうことでいま反対の声を強めてきております。  日本経済新聞のマクロモデルによって計算されている中身を見ますと、消費税五%実施をすると物価は二・七%上がる。物価が二・七%上がれば経済成長は実質において二・三%程度下がる、こういうマクロモデルを計算、発表いたしております。私はこうした問題や、いま新聞でしきりに書き立てておりますイランの動乱、結果によって生ずる原油並びに石油製品の値上げ、みんなインフレ要因だと思えてならないのです。これを大蔵大臣は肯定なさるのか否定なさるのか、対処する手だてがあるのか、これらについてお伺いしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 結論的に申し上げますと、現在の日本の経済情勢から、インフレにすぐ突入するという心配というか状況にはない、これははっきり申し上げていいと思うのであります。  一番こわいのは、新年度に十五兆何千億という国債を発行いたしまして、来年度末には五十九兆に累積いたします。ことしは国債はぎりぎりのところまで出そうということで出したんですが、毎年毎年こんなことをやってまいりますると、それこそ経済の成長安定どころかインフレ要因になりかねない心配を私どもむしろ持っておるのです。それだけにこの際、何らかの新税を導入して経済再建を考えなければいかぬと思っておるのですが、そこで、御指摘のございましたマネーサプライでございまするけれども、一二%前後でいま推移いたしております。過去の物価高のときに比べると半分程度になっておりまして、この程度のあれならば、今日の経済活動の情勢から言えば決して過大な数字ではないと私どもは判断いたしております。もちろんこれからもこの動きにつきましては、常時目を離さないで動きに十分慎重な対処をしていかなければいかぬと考えておる次第でございます。  それから、ダウがずっと上がり続けてきておるという問題は、これまた山田さん御承知のとおり、事業会社の金がだぶついておって、それを短期的に運用しておるというところに主な原因があるわけでございまして、これがすぐ過剰流動性となってあちこちへ飛び火していたずらをするというふうな状況にはまだないと私どもは判断いたしております。  それから、消費税が仮に五%だと二・七%という物価押し上げの要因になるという御指摘もございました。これは数字のとり方でいろいろの見方が違うのだろうと思いまするけれども、私どもの方の専門家を煩わしての計算では二・五%程度というふうに判断をいたしておるわけでございまして、これは一回限りのきわめて中立的な物価値上げになるわけでございまして、それがぐるぐる回転して雪だるま式に大きくなる筋合いのものでは私はないと思うのです。まあこれだけの増税をやるんですから、やはりある程度物価にはね返ることは、これは御了承いただきたいと思うのですが、ただ、これが大きなデフレ要因になって経済全体を小さくしてしまうんじゃないかという御心配については、これはほかの税でも同じでございまして、所得税、法人税その他の税でも同じでございまして、主として一般消費税はいま一番国民のニーズの高まっておる社会福祉に充当されるわけでございまするので、一応吸い上げて、それはさらに再配分されるというふうにお考えいただいたらいいんじゃなかろうかと考えておるわけでございます。私どもといたしましても、物価全体が大きく上がって国民生活がまだ一体どういうことじゃいというふうなことで御批判を受けるような政策は絶対にやるべきでないと考えております。  それから、イランの問題がございます。これは私ども大変実は心配しているわけでございまして、きょうも閣議で輸入先の分散についても早速手を打とうやというような申し合わせをやったばかりでございまするが、安定的な供給源の確保、それからやはり消費の節約についても、特に日本の場合には国内でエネルギー資源がないのですから、これはもう少し徹底させなければいくまいという気持ちでおります。ただ一番こわいのは、便乗値上げなんです。石油連盟でございますか、どこかの会社でございますか、一年がかりで一〇%上げようというOPECの話が出ておるのも、複利式で計算すれば一四・五になるんですか、それをこの際もう上げるぞというふうな話が出ますと、一波万波を呼ぶというようなことになりますので、そういう方面の手当てにつきましては、企画庁を中心に厳重な監視をし、行政指導を続けてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと大臣に端的に一問だけお伺いしておきます。  いま山田委員の方から一般消費税の重大性については問い合わせがあったわけでありますけれども、今国会、五月の二十日までですけれども、名前はどういうふうになるのだか知りませんが、一般消費税を出す御意向はおありなんですか。五十四年度の予算の審議を予算委員会でやっているわけでありますけれども、当委員会に出される予定のものというのはみんなその財源になっているものですね。専売公社法の改正にしろ、あるいは航空機燃料税にしろ、租税特別措置法にしろ、五十四年度財源に含まれている。ところが、一般消費税というのは財源に入っていないわけでありますから、単年度主義からいくならば、これは今国会に出すべき法案ではないと私は思うのであります。新聞その他では、今国会の末尾でも出したいというような意向が伝えられるのですけれども、いま大臣のお考えは、法制局等である程度の準備ができれば法案だけでもとにかく今国会に出したい、こういう御意向をお持ちなんですか、その点だけちょっと端的にお伺いしたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 佐藤さんにお答えいたします。  税制調査会の出しました結論に基づきまして、いま事務当局で鋭意中身を詰めております。これは各方面、各業界の意向も十分聞いて、実行する以上はスムーズに納得を得ながらやらなければなりませんから、相当の日数を要すると思います。法制局の審議にも相当手間取りましょうし、そういうことで、できるだけ努力をして、案がまとまればまとまった段階で、業界はもちろんでございますけれども、国会の皆さんにもひとつ、こういう点はおかしいぞとか一まあことしの予算には関係ありませんよ。ありませんが、ちょうどイギリスでブルーペーパーですか出して、国会でいろいろあらかじめ御議論をいただいた、ああいった方式で、一年がかりぐらいで十分論議を尽くしてやらないと、これは大法案ですから、それだけの慎重な配慮をすべきだというのが私の気持ちでございます。だから間に合えば、法律案として出せれば出したいという気持ちは持っておりますけれども、これは各方面の意見も十分聞いてやらなければなりませんから、いまそういう気持ちで事務当局で作業をしておるということをひとつ御了承賜りたいと思うのであります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 税負担の中で占めているお考えの基本は、これから審議をしていくであろう一般消費税ということに一応なってくるんだと思いますが、私がインフレ要因を四点ばかり提起をしましたが、この中には、そうではない大丈夫だという問題と心配なさっている問題と、それぞれございます。インフレというのは、新経済計画の基本構想では五%と見ているのですね、この五%が崩れてインフレ助長になってくると、この収支試算もみんな御破算です。だから、そういう不安定な要因というものをどうなくしていくのか、これはあなたの責任だと私は思うのですよ。これは不確定要素で物を言われても困るし、どうかひとつこれから一生懸命インフレ要因は除去してもらって、お出しになった考え方というものが全部正鵠で全部国民が合意するというものでないかもしれませんけれども、それはそれとして、とにかく取り巻いておる基礎条件だけはきちっと確定さしていく、そういう大蔵大臣の力を発揮していただきたい。特にこれは、時間がございませんから議論をいたしませんで、お願いしておきたいと思います。  二つ目に、あなたが申されておる三つの中軸の中で第一の雇用の増大、確保です。この問題については、いろいろ今日わが日本の国内経済社会でも大きく議論されております。国民の声も非常に恨みの声にまでなってきております。  おととい一月三十一日、自民党の河本政調会長が国民政治研究会で講演なさっております。その講演の内容を見ますと、企業は減量経営に入ってもう三年、四年になる。その減量経営の結果、不要になったと言ってはいけませんけれども、労働者をその枠組みから外して域首をする。しかし、そういう一つの繰り返しの中で企業収益は増大している、こういう指摘を河本さんはされておるのです。その増大をした中で、人員整理にのみなぜきゅうきゅうとするのか。これはいま社会的要請の中では不十分なやり方なんだ。だから企業としても、減量経営、収益増大、首切り、こういう三つの点を結び合わせながら企業収益を増大させるということは、社会的に歓迎されない。だから企業は、減量経営で上がる収益を労働者の首切りということに結びつけないように、こういうふうに講演をされております。  この発想、この考え方も新経済計画の基本と変わらないと私は見ているのです。だから、金子大蔵大臣にしても河本政調会長にしても、思っておられることはみんな一致しておる。それが社会の常識なんだ。しかしその常識は、口では言っているけれども実行は伴わない、ここに今日の日本の社会の悲劇もあるのです。私はそういう面から考えて、もっとひとつ大胆に現状を把握して措置をしていくということの処方が示されなければなるまいと思っております。  二つ目には、企画庁が出しておる五十三年度の年次経済報告、この中を見まして私はなるほどそうだと思うのです。それは、昭和五十年、この統計はそれしか出ておりませんから、昭和五十年の労働者の常用雇用の変動は、昭和五十年を九九・一%として昭和五十二年は九四・七に下がっておる。約五%弱常用労働者の数は減ってきております。ところが、減量経営でそういうふうに常用労働者の首は切っていくけれども、生産は維持していかなくちゃならぬ。どういう手段で維持していくのか。それが所定外労働時間の延長であります。その所定外労働時間の延長の実態を見ますと、五十年で一〇六・七、五十二年には一四〇・九、これだけ所定外労働時間はふえてきておるのです。そこで生産を上げているのです。だから、減量経営で人は整理しておいて、残余の労働者を余分に働かせて生産を上げ、収益を上げている、こういうものがこの年次報告にみごとに書かれておるのです。  ここに手を入れなければ失業者の救済はできないです。だから、大臣のおっしゃっておる雇用機会の増大、口だけじゃなくて、こういうところに実際手を入れてもらわないと、あなたのおっしゃる雇用機会の増大はできませんよ。私はこういうふうな状態の中で、この年次報告が最後に触れておりますのは、諸外国から、日本は働き過ぎだ。国際貿易で共通の土俵の上で争おうじゃないか、こういう意見がアメリカのカーター大統領からも指摘されておりますが、その一つの特徴として、いわゆるいまの時間外労働の中で、この前も私はここで申し上げたのですが、ヨーロッパでは時間外労働をするのは失業者への犯罪である、こういう言葉がいまよく言われているのです。だから、できるだけ公平にみんながこの世代を受け持って、分担をして、失業者を減らしていく、こういうことが非常に大切にされておるヨーロッパの現状から見たら、日本の経営者は、意識的に、目的的に、計画的に実行して人減らしをやって失業者をつくっておる。こういう点から考えてみなければ、やはり私は政治家としては、大臣としてはお困りではないだろうかと思うのですよ。そういう意味の指導なり政策強化をぜひとも強めていただきたいという気がいたします。こういう年次報告にしろあるいは新経済計画にしろ、言っていることはみんな共通だけれども、やっておることは別なことなんだ、これではいかにあなたが所信表明で、第一に雇用の機会を増大をしていきたいとおっしゃっても、実を結ばないでしょう。この点をひとつ十分判断をしていただきたいと思うのです。  私はこの報告書を見ながら、まあ執念と人には言われておるのですが、雇用安定の一方策として、世界先進国の中で、OECD等の参加国を見て、日本とスペインだけが週休二日がやられていない、この点はいかぬということで、週休二日の提起を願ったのですけれども、この企画庁の発行した報告書を見ても、昭和五十二年、週休二日は実施パーセントが二三%で終わって、それ以上は全然進んでいないと結論を結んでおりますが、私はきょうここに民間の調査資料をいただいてきました。  これは住友銀行が去年の五月、六月合併号で書いておるのであります。「経済月報」です。これをこの前もちょっと例として使ったのですが、いま私が言いました昭和五十二年に約四割近くふえてきた時間外労働、この時間外労働を原則的に禁止をする。しかし時間外労働は、経済の波動がございますから業務によって違いますけれども、それを一応上限を押さえたとしてもまあ解決の仕方はあるのですけれども、一応この「経済月報」は、全部時間外労働を廃止したとしたら三百七十九万人の雇用増ができる。それから週休二日制を実施をする。これは週四十時間労働です。いま日本は四十一時間五十五分というのが労働省の統計です。それを四十時間にする。これは週休二日です。一日八時間の五日間労働の四十時間にすると、二百二十二万人の雇用増になる。三つ目は、労働基準法で与えておる年次有給休暇、この年次有給休暇は、いま労働省の統計で見ますと、大体日本の全勤労者平均十三・四日です。この十三・四日の年次有給休暇を消化しておるのは八・二日です。この八・二日の年次有給休暇を十三・四日、一〇〇%与え切ることができたならば、九十九万人の雇用増となる。これは一つの民間の「経済月報」の統計ですけれども、私はなるほどと思うんです。  だから申し上げたように、最初の時間外労働は、ヨーロッパでは十時間ぐらいで限界を引いた国もあります。それは経済に波動性がありますから全部ゼロにすることは不可能ですが、日本のように、常用労働者は首を切って、残った労働者に四割も五十二年以来超過労働を強めてきておる、こういうやり方をしておったら、それは雇用機会の創出なんというのはできやしないと思うのです。特に二番目の週休二日制の問題、これは諸外国からも指摘されておるのですから、これは国の行政指導と法律でできるのです。三番目の年次有給休暇の完全消化の問題も法律で指導できるのです。それをやろうとせずに雇用機会をふやすということだけでは、一体政治家というものは何と無能なやつらだと言われたってしようがないですよ。私はそういう点を特にお願いしておきたいと思うのです。  時間がございませんから、それを前提として、この大蔵委員会は大蔵委員会単独でできる、そういう点があるのです、大臣。この点に私たちは昭和五十年から着目をして、銀行法十八条を改正して、まず世界の先進国に見合ったように、金融の流れというものを土曜日はとめる、土曜日を銀行閉店をさせて、そうして銀行の人々に対しては週休二日制を完全に実施をしてあげる。現在保険業務も含めて一・四%でしょう。全体平均二三%ですよ。いかに金融機関がおくれているかということはおわかりだと思う。  だから、昭和五十年のこの予算国会で大平総理が、当時大蔵大臣でしたが、いろいろお話を詰めてまいりまして、わかった、一両年中には実施をしたい、銀行法十八条を改正するという約束をしてもう四年たつのです。一両年は四年を指しておると私は思いません。大平さんにうそをついちゃいかぬと私はきょうここへ来られたら言うのですよ。この草案は、前大蔵大臣の村山達雄さんがお書きになったのです。それを私と大平さんとで合意する条項として詰めたのです。だけれども、いまだ何もない。金子さん、引き継ぎを受けましたか。そういう点は大蔵でできるのです。  しかしその後、小委員会を設置をして、小委員会決議をして、銀行局長お見えですけれども、かなり厳しく実施方をお願いしまして、金融制度調査会も銀行法改正をいま審議をしておりますので、ことしのこの六、七月ごろには金融制度調査会も結論を出す、こういうことになっておるようでございまして、それが出れば大蔵省、特に銀行局は法の整備にかからねばなりません。その準備も進められておるやに伺っております。  この点は大臣、この委員会でできるのです。しかし、それは経済全体に関連をするとおっしゃればわかりますよ、わかるけれども、主務大臣はあなたです。関係大臣の根回しをして、大蔵はこういうことをやってきたんだ、いまここまで進んでおる、そういう根回しをなさって、あなたの決断を実行されてしかるべきだ、それが大蔵大臣だ、こう思うのですよ。だから、いまの銀行法の改正については、どうかひとつこの国会で約束を実行してほしい。もう延ばせませんよ。社会環境もうんと変わってきておるのですからもう延ばせない。だから、今回実施をしたいと私は思っているのです。大臣、ぜひとも決断をお願いしたい。もしも決断なさらぬようになりますと、いま出ておる十本の予算関連法案、一本の予算関係外の法案も私たちはこれと同じような比率で見たいと思うのですよ。ばかばかしいという気がするのですよ。だから、いま私が申し上げた銀行法の改正については決断をなさっていただきたい。いかがでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 金融機関の週休二日制の問題については、前々から伺っておりまして、いま進行状況も事務当局に聞いたところでございますけれども、いまお話のございましたような金融制度調査会での結論も近々出る運びになっておるようでございますから、郵便局その他のいろいろな関連もあるものですから厄介な問題もあるようでございますけれども、ぜひひとつこれは御要望にこたえるように努力したいと思います。  それから山田さん、雇用の本質に関する大変重大な問題、いろいろ御示唆をいただきまして、私も大いに得るところがあったわけでございますが、御承知のとおり、終身雇用をとっておったり給与の支払いの仕方が違っておる日本とヨーロッパを一律に考えるわけにはまいらぬ点もありますけれども、天下の大勢として漸次世の中がそういう方向へ動いているのですから、やはり企業は企業なりの責任を果たしてもらう、そういう意味のことを河本政調会長も言っておられます。私も全く同感で、これからの大事な問題ですからしっかり取り組んでまいりたいと考えておりますが、ただ、今度の予算でも御承知のとおり、いままで雇用機会の拡充についてとかくおくれがちでありました点に思いをいたしまして、いろいろな新しい制度、中高年層あるいは身体障害者その他の雇用開発に相当の予算をつぎ込み、機構をつくり、努力をしておることもお認めいただきたいと思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 これで終わりたいと思うのですが、いまのあなたがおっしゃったことは、銀行法の十八条改正の決意とは受け取れない。それはもう大平総理も御存じの事柄で、約束が延び延びになってきておるのですよ。片一方では作業が進んできておるのです。だから、その段階に来たんだから決意をしてほしい。あなたの検討するというのは、私はもう四年間聞きあきているのです。検討じゃなくて実行の段階に入ったことを確認をするという表現でもいい、何らかの意思を明らかにしてもらわないと、この大蔵委員会で何をわしら高い歳費をもらって仕事をしておるんだろうかと恥ずかしい気がしますよ。ひとつ決意を改めて聞きたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 とにかくこれはいま審議会でやっておる最中ですから、結論を待って御要望に沿うよう努力したい、こういうことでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 では、私の要望に沿いたいということですね。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 沿うように努力するとお考えいただきたいと思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 大臣、最初ですからなかなか歯切れは惑うございますが、しっかりがんばってください。  終わります。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 時間が少ししかありませんし、夜ですから、簡潔にお答え願いたいと思います。  まず第一に伺いたいのは、財政再処に対する姿・勢の問題であります。  山田さんへの答弁を聞いておりましたら、七ページのペーパーの財政収支試算が出されましたが、大臣は、機械的に計算をしたものであります。私は伺っておりましてやりきれない思いがいたしました。やはりこれだけ大変な財政危機であります。私はこういうときには、本当に日本の財政史上に残るような大大蔵大臣が、金子さんを決して大大蔵大臣でないと言っている意味でありませんが、あらわれて、懸命な努力をやはり国民とともになさるということが求められている、そういうときではないだろうかと思うわけであります。ですから、機械的に計算しましたペーパーを出して今国会おしまいということでは困りますので、やはり何かこれから五年か七年かかってこうしていきたい、国民にわかるような案をつくっていく、そういう責任がいまあるということではないかと思います。ですから、五十一年来の経過のように、ペーパーを出しておしまいというのではなくて、必死になって財政再建の中身をつくっていく、そして国民にわかるよう努力をしていく、そういう姿勢を持って、せめて西ドイツでいまやられているような制度くらいは早くつくろうじゃないか。御承知のとおりに、五年先まで法的な義務があって見通しを出し、それに基づいてその年度の財政施策があり、ローリングで毎年直していくということになるわけでありますが、やはりそれくらいな作業をぜひ今年はやっていきたいというふうにひとつ考えるべきではないかと思います。  さらに単刀直入に申しまして、このペーパーでいきますと九兆一千百億円の増税という計算になるわけでありますが、先ほどは非常に遠慮がちな御答弁でございましたが、だれが考えても一般消費税が切り札となるであろうというふうに思われているということだと思います。そういう面で、これは最も初歩的な計算をいたしましても、当初五%、三兆円前後ということから、この五%消費税を一〇%台に持っていくというようなことしか整合性はないんじゃないかと思うわけでありまして、そういうことはないのかあるいはやるのかあるいはわからぬのか、その辺を簡潔にお答え願いたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 ちょっと前もってお断りいたしたいのですが、この財政収支試算は全くの試算でございまして、いま伊藤さん御指摘のございましたような財政計画は、これをもとにしてこれからつくるわけなんですよ。そこで、毎年の拘束力のある程度あるやつですね、いまお話のございました西ドイツでやっておるようなのは、財政制度審議会に去年の九月からいろいろ審議してもらっているのです。当然中期経済計画やこれをもとにして議論してもらうことになっておるのですけれども、これまた時間がかかるものですから、私どもとりあえずの予算審議の際の手がかりにしていただくという意味において、六十年度の数字はもうこれは中期計画で動きませんから、五十四年度と六十年度はこれは確定的な数字、一応かたい数字とお考えいただいて、その間のあれをどんなふうに持っていったらいいかということで御検討いただければありがたい、こういう趣旨あるいは性格のものでございますので、その点は御了承賜りたいと思います。  それから、一般消費税が中心であることはもちろんでございますが、五%程度の税率を考えておることも事実でございますけれども、九兆何千億を一般消費税だけでやるのか、どういう税目をあと考えるのか、そこら辺はこれからの経済情勢を見ながらやることになるわけでございまして、もう最後は一〇%まで持っていくのだぞというところまでは事務当局はまだ踏み切っているわけでも何でもございません。これからの経済の推移を見て、とにかく社会保障をやり、これだけの国債償還をやるためにはこれくらいの増税は必要ですが、今後経済が安定していきますとある程度また自然増収も出てまいりましょうから、そこら辺とあわせ考えながら税のあんばいを考えていくということになろうかと思うのでございます。  以上でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いずれにしろいま要望しましたことは、検討しているうちに大臣の任期が終わったということにならぬように、今回はぜひお願いしたいと思います。  二つ目の質問は、十五兆二千七百億円の国債の管理運営の問題です。  御承知のとおり、昨年中ごろから消化難に陥っておりまして、ことし正月から上場されておるものでも額面割れが続いている、皆さん、深刻にお受け取りになっているとおりであります。私はたとえて言うならば、政府の政策あるいは政府の権威というものが国債に象徴されるものでありますから、それが額面割れになっているということは、政府の政策に対する信用がない、あるいは発行の主要な責任を持たれる大蔵大臣の権威の方も額面割れになっているというふうなことに、失礼ですがなるのではないだろうか。昨年よりも五兆円ふえ、それから今年度の消化も、ことしに入りましてからそういう状態、これは重大なことだろうと思います。山田さんが先ほど言われたような財政インフレの危険性をどう抑えるのかということになるわけであります。  それで、関係法案のときに詳しく審議したいとは思いますが、こういう状態の中で、非常に急いでいまの時点で何らか緊急の対策を打つ、あるいは見通しのある一つの対応を政府、大蔵省がとられるということがどうしても必要になっているということではないかと思います。たとえば六・一%国債の新規債の条件改定の問題、これも日本銀行総裁、全銀協の会長、それから金子さんも、ことしに入りましてから何とかしなければというふうな発言もされている。また日銀総裁も、新年度四月ごろが適当ではないかとか、あるいはそれを待たずにとかいうふうなことも言われているようですが、それらも含めて、詳しい話は別にして、当面何か手を打たなければならぬじゃないかということについて、それらのお考えを伺っておきたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 最近金利の底打ち感がだんだん浸透してきたものですから、特に長期の国債の消化の環境が大分さま変わりしてまいりましたことは事実でございます。六・一%の国債は一月に上場したばかりでございますので、いますぐ条件改定をやるかどうか、これはもう少し実際の値動き、市場の情勢を見きわめて態度を決めるべきだと私どもはいま考えておるのですが、とりあえずは、二月債は発行数量を減らしていくようなつもりでやっておる次第でございます。  そこで、全体としての国債の消化のやり方につきましては、伊藤さん御承知のとおり、去年は資金運用部資金の引き受けをやりませんでしたけれども、ことしは新たに一兆五千億円の資金運用部資金の引き受けをやらせることにしておりますし、それから、公募入札の中期債をうんと数をふやしました。従来三年ものだけでございましたのを、二年もの、四年ものも発行することにいたしまして、この金額を新年度は一兆七千億ふやすようなことにしておりますし、それから、そういうことでシンジケート団に引き受けてもらう国債の額は、新年度は一兆円ふえるだけでございますので、まあ市場の実勢をにらみながらやっていけば十分な消化ができるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 もう一つ質問したかったのですが、時間ですからやめます。また法案審議の中で詳しくやりたいと思います。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 大蔵大臣には、昼間の予算委員会、続いて大蔵委員会と、夜遅くまでの御奮闘に対しまして御苦労さまと申し上げたいと思います。時間も限られておりますので、端的にお答えをお願いしたいと思うわけでございます。  大臣が当委員会におきまして所信表明演説をされまして、私も内容について十分吟味をさせていただいたわけでございますが、先ほど来もお話がございました財政収支試算についてもう少しお話を伺いたい、こう思うわけでございます。  どうもこの財政収支試算について大臣は、予算審議の手がかりにする試算表であるというような感じで先ほど御答弁いただいているわけでございますが、果たしてその程度の権威のないといいますか、国民に対して軽い感じでよろしいのかどうか、大変に私も疑問に思いながら伺っていたわけでございます。  この財政収支試算につきましては、昨年、一昨年と予算審議を前にして大蔵省から出されているわけでございますが、この問題については、すでに増税路線ということで、昨年もわが党の矢野書記長から、その内容的にずさんな点について、大蔵省に対しまして鋭いメスが入れられたわけでございますが、まずこの財政収支試算なるものの性格といいますか、大蔵省がどの程度重要視しておられるのか、またその位置づけといいますか、この点について大臣から最初に伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたように、中期経済計画のアウトラインが決まったものですから、それの上に乗っけて、中期経済計画で国民総生産をどう考えているのだ、社会保障事業費を六十年度にはどれぐらい増加しようとしておるのだ、公共投資はどうだ、そういうことになると結局、これは何と申しましても赤字国債の脱却を前提にいたしておりまするから、五十九年度までに赤字国債を脱却することにすると租税負担率は大体こんなかっこうでございます、この間の物価はどうだ、失業率はどうだというようなことで、一応整合性を持った計画が出ておりますから、それに合わせて私の方も五十四年度対六十年度の姿を描いたわけでございまして、その中間の年には実は余り意味はないのです。六十年度と五十四年度の比較に意味があるというふうにお考えいただいたらいいかと思うのでございます。  それからもう一つ、昨年の財政収支試算は、ABCDEというような幾つかのタイプのものを出しましたが、あれは、増税をすればこうなりますよ、増税しなければこうですよという幾つかの案を組み合わせて、ひとつ皆様に御検討いただきたいという姿のものをお示ししたわけでございまするけれども、そういうものではなくて、ことし御提示申し上げましたこの案は、六十年度の姿をこういうふうに描いて、そして税はこういうふうに、国債の依存度はこんなふうに、それからいまの主要歳出はこういうふうに持っていきたいがいかがでございましょう、こういう問いかけをしておる性格のものでございます。われわれも年度の途中で、たとえば増税をどうするかとか何をどうするかという入れかわりは多少あっても、最終目標は中期経済計画と整合性を持たしてこれでやっていきたい、こういう気持ちのものであるということをまず申し上げておきたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 ただいまの大臣のお話を伺っていますと、まず第一点は、いわゆる大蔵省が財政収支試算を作成するねらい、これは、深刻な国債依存に落ち込んでいる財政の窮状、これを何とか国民に訴えたいということ、どうも六十年との対比で、中身は余り考えていない、しかしながら政府の出しておる新経済社会七カ年計画の基本構想というベースには整合性を持たしておる、こういう言い方でございますが、果たしてそれで国民が納得のいく、また大蔵省の出す財政収支試算なるものがそういうものであるのか、大変これは問題があるのではないか。やはり財政収支試算なるものをつくる以上は、せっかく新経済社会七カ年計画の基本構想がつくられたわけでございますので、むしろ政策意図も含めたより現実的な財政収支試算というものを策定していく、そういう姿勢が大蔵省にあって当然ではないかという考え方に立ってつくるべきではないか、私はそう思うわけでありますし、また国民もそう期待しているのではないかと思うわけですが、大臣、その点についてはどのようにお考えになります。所見を伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 宮地さんちょっと誤解があるようですけれども、中期経済計画自体が、今日日本の置かれた財政事情、四〇%も国債を発行してサラ金財政で泳がなければいかぬような姿をさらに二年、三年と続けたら、完全に経済の運行がとまり、インフレになってしまいますよ、だからそれをやめるためにはまず赤字国債を脱却しなさいよ、そうして少なくとも社会保障関係のウエートはこれくらいに置いて国民の要望にこたえなさいよ、こういう姿を描き出しておるわけです。それに乗っかって、税の収入を計算するとまあこんなふうになりますということでございます。これは決して大蔵省が意図的に、宣伝的に書いたものじゃなくて、非常に深刻な今日の経済、財政の事態を反省して、ここまでひとつやらぬと将来これは恐るべき禍根を残しますよということを申し上げたい、こういうことでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 それでは現実的ではない。この財政収支試算なるものは、年度別にいろいろ数値を当てはめて機械的にやっておるけれども、これは余り国民の目から見たらいわゆる指標ではない、こうなるわけですね。  たとえば実際に皆さんが所信表明の中で、特に財政再建ということで先ほど来お話がありましたように、一般消費税の導入についても政府といたしまして、一般消費税を昭和五十五年度のできるだけ早い時期に実施するため、必要な諸準備を積極的に進めてまいる所存である、こううたっておる。しかし巷間言われているように、皆さんがこの一般消費税の導入というものを五十五年度にたとえば五%くらいで考える、そうすると大体三兆円くらいの増収がある、こう言われておるわけであります。そういうものは全くこういうものに出てこない。また弾性値にいたしましても、現実には大体〇・八くらい。ところが、これは明らかに一・二ということで策定しておる。あらゆる面から見て、これはもう確かに機械的で何ら指標にならない。財政の一番のかなめを押さえ、国民生活に最も重要な経済運営のかぎを握っておる大蔵省が、そういう姿勢の試算で果たして許されるか、私はそうではない、こう思うのです。  やはり六十年における一つのゾレンができたなら、現在ある情報なり皆さんが考えている政策などのある程度持っているものは最大限フルに盛り込んだ形で、大蔵省の試案としてもっと具体的現実味のある、国民にわかりやすい形のものを出すべきではないか、こう思うわけでございまして、この点については、明日予算委員会でわが党の書記長も厳しく、また具体的に皆さんと論議をするようでございますし、限られた時間でございますので、私は私なりの所見を踏まえながら、どうも納得のいかない、何かマンネリというか惰性化して機械的にやるという形に陥っているのではないか。三回目ですからここいらで、たとえば来年から財政収支試算について、もう少し実のあるものに試算をつくりかえるといいますか、基本的なつくる姿勢なりそういうものを考え直す考えがあるかどうか、最後にこの点について伺うっおきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 宮地さんに申し上げますが、それは全くおっしゃるとおりで、それは私どもは財政計画で固めていきたいと思うのです。その財政計画とこの収支試算をごっちゃにされるとちょっと困るのでございまして、具体的な毎年度、毎年度の予算、税収の関係はこれから固めるところであるということを申し上げておきたいと思うのですが、ちょっと敷衍して担当局長から一言だけ申し上げさせていただきます。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 先ほど宮地委員から、一般会計の税収の弾性値を高く見積もり過ぎているのではないか、そういう御指摘がございましたので、その点だけ補足させていただきます。  四十年代を通じまして平均した弾性値は、国税の場合一・二でございましたけれども、高度成長期と言われております四十七年以前の五カ年間を平均しますと、大体一・四でございます。最近は、いまお話のございましたように、一または一を切るような形勢になっておりますが、ここでこの中期財政収支試算の中でとりました想定は、安定成長期に移行をするわけでございますから、今後は一・二という過去十年間の、平均をとって税の自然増収を算定しても差し支えなかろう、こういう判断に基づいておるわけでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 次に、いわゆる不公平税制の是正という問題がやはり財政再建と関係のある最も重要な問題であろう、こう思うわけです。この不公平税制の是正について、五十四年度予算案の税制改正案も私たちはいろいろ皆さんから御説明を伺っておるわけでございますが、この問題に新大臣として、五十四年度予算案でどの程度決意を持って取り組んだのか、その辺についてのお考えをまず伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 一般消費税を五十五年度のなるべく早い時期に導入するというようなことが前提になっておりますから、ことしは真剣にいわゆる不公平税制と申しますか、租税特別措置の各項目について全面的に洗い直しをいたしました。その結果、たとえば四分の一世紀にわたって手がつきませんでした医師優遇税制、これはいろいろ御批判がありますけれども、あの程度に是正することができまして数歩前進だと私は思っておりますし、それから価格変動準備金、貸倒引当金、それらにつきましても相当思い切った段階的整理をやることにしておりますし、その他もろもろの租税特別措置の項目についても、これは過去三年か四年ほとんど全部洗い直したようなわけでございまして、交際費等につきましても、いろいろ議論のあるところでございましたけれども、この際ひとつ整理をやろうじゃないかということで御提案申し上げておるような、結論を得て御審議いただくことにしておるような次第でございます。  しかし、一般消費税というような各方面に大変関心を寄せていただいているような法案を御審議いただくわけですから、今後もいろいろな税制面についての不公平の是正につきましてはどんどんやってまいりたい。たとえば利子配当の総合課税の問題も、これは税制調査会で、五十五年度から実施することにいたしまして、いま具体的な案を検討していただいているような状況でございまして、明年におきましても引き続いてその点につきましては努力をしてまいりたいと考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 今回の大臣の所信表明の中に明確に一般消費税の問題をうたったわけでございます。そうなりますと、新税導入という問題が考えられるそういう新しい一つの環境下にあって、例年のいわゆる税制改正とは違った意味において思い切った税制改正というものが要請される時期にあるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。  そういう中において、新税導入などによる税負担を高める、その前に、いつも論議を呼んでいる当然の問題として不公平税制の是正を思い切ってやるべきである、あるいは行政改革、こういう当然やるべき問題を抜きにして、増税というもの、国民に負掛を新たに求めるということは物の道理としても非常によくない、こういう国民感情が当然いまあるわけでございまして、そういう意味合いから、毎年毎年当然税制改正、そういう中で大蔵省としても、租税特別措置法などを初めとして非常に取り組んできた姿勢、私も理解をしております。しかし、五十四年度においては、新たなそういう一つの環境下に、一つの段階にあるわけですから、もっと例年とは違った意味の勇気ある、思い切った、国民の納得のいく税制改正があってしかるべきではなかったか、こう思うわけでございまして、ただいまも大臣から利子配当の総合課税の問題が出されましたが、たとえば有価証券取引税の強化の問題、あるいは給与所得の青天井の廃止の問題などまだまだ十分税制改正をやる余地は残されているのではないか。百点満点にしてこれではやはり五十点にいくかいかないか。逆に言えばまだまだ余地が残されておる。これから思い切ってやっていくというお話でございますけれども、五十四年度に対する税制改正の取り組みは、不公平税制の是正という立場からもっと思い切ってやるべきではなかったか、こういうふうに思うわけでございますが、その点について所見を伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 一般消費税というようなものを導入しようという場合には、税の面だけでございませんで、国の歳出全般を洗い直して、不要不急の経費は思い切って圧縮しなければいけませんし、あるいはまた、機構の圧縮等につきましてもできるだけの手は尽くさなければいけませんので、不十分な点もありましたことは当然やむを得ないことだと思いますけれども、事税制に関しましては精いっぱいの努力をいたしたつもりでございます。いま御指摘のいろいろな点がございますが、これはまたさらに重ねて今後の検討ということにしてまいりたいと思っておりますから、よろしくどうぞ……。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 その辺が非常に甘いのではないか、こういうふうに私は感じるわけでございます。そういうような甘い、あるいは余地を残した段階では、不公平税制の是正という、そういう点の是正の甘さということからしても、一般消費税の導入については、時期的にはまだまだ考えるべきではない。また、現在の日本経済のいわゆるとらえ方ですけれども、むしろこの五十四年度、五十五年度においては景気が低迷しておる、あるいは雇用不安である。逆に、ことし五十四年度も半ばごろからは、公共料金を中心とした大変な物価高、あるいはアメリカの景気も昨年よりは落ち込んでくるのではないか。まああらゆる面で五十四年度の経済環境は非常に厳しい。そういうような情勢下においては、財政再建という一つのにしきの御旗はあるにせよ、国民生活を守るという立場に立って、新税導入においては慎重過ぎるほど慎重にすべきである。そのことが財政を預かる当局として、私は良心といいますか良識の範囲ではないか、こういうふうに思うわけでございますが、大臣として、この五十四年度の経済、経済見通し六・三%というふうに見ておりますけれども、この五十四年度の経済というもの、日本経済の位置といいますか置かれた立場、こういうものをどういうふうに理解し、また日本経済のかじ取りにおいてどういうふうにしていこうという考えを持っておられるのか、その点について伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま六・三%の成長率という御指摘がございましたけれども、やっと過去二年間にわたる努力が実りまして、経済界全般に明るい兆しが見えてきた、民間の経済活力が、まだ一人歩きはとてもできませんけれども、何とか一本立ちで立ち上がれそうな空気になってきたというのが今日の状況ではなかろうかと思っておるのであります。  大体最近の経済成長は、八%を行っているのですが、去年は御承知のとおり、円が暴騰いたしましたために輸出が落ちまして、それが経済の足を引っ張ったということでございますけれども、ことしはそれが大分変わってくるのではないかと思うのです。そうなると、六・三は大体いけるんじゃなかろうか。アメリカの景気も、もう少しスローダウンが先に延びそうだという話も出ておりますが、これは経済のことだからわかりませんけれども、事日本経済に関してはどうやらちょっと春めいたものが感じられる。ただ一方において、構造不況業種があったり、企業城下町の悲惨な状況が続いている、これが全体としての足を引っ張っているようなかっこうでございます。だから人によっては、もう一、二年財政で汗をかいて景気を刺激して、それからでも増税をやるのは遅くないじゃないかというような議論をされる方も多かったのでございますけれども、もう御承知のとおり税収はすっかり落ち込んできておりまするし、それに国債をこれ以上もう増発することは不可能な状況でございます。ちょっと国債の消化にかげりが出たという話が先ほども御指摘ございましたけれども、これが十五兆だ、十六兆だ、十七兆だなんていったら完全に日本経済はパンクするのじゃなかろうか。アメリカの経済学者が言っているようなケインズ流の、銀行預金に、預貯金にたくさん金が回っているのだからそれを借りて使えよ、税金で取ってまた返せばいいじゃないかというふうにはなかなか日本の財政は回りませんので、やはり財政再建ということを考えながら、六%台の安定成長をここ数年続けていくことを考えていったらいいのじゃなかろうか、別途構造不況業種その他についてはきめ細かい対策を講じていきたい、こんなふうに考えておる次第でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 われわれもこの六%台の実質経済成長率の維持、これはやはり日本経済の現在の置かれた立場、また雇用不安の解消などからどうしてもこれはやらなければならない、またやるべき数値であろう。ただ、昨年は七%ということで大分その公約論がいろいろ問題になったわけですけれども、これが努力目標であるという単なる数値であってはならない。六・三%という数値、この数字は単なる数値ではなくして、やはり現在の置かれた国民生活を守り、雇用不安を解消し、今後政府の言うような福祉社会をつくっていくためには、どうしてもやっていかなくてはならない一つの私は数字であろうと思うのです。  しかし、六%台というこの経済成長率、昨年は七%と言って実際には落ち込んでいく。しかしあらわれる数字に対しての政府の責任あるいは所管大臣の責任という問題については、どうも最後があやふやになるやの感じがしてならないわけです。大臣、この六・三%という政府の決めた実質経済成長率、これを達成するための最大の努力はすると思いますが、政府としてのこれに対する責任、この問題についてはどう受けとめておられるか、伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 大変むずかしい御質問で、去年は、それが公約なのか目標なのかいろいろ議論ございましたが、これは理屈を申せば、いまの民間経済の方がこれだけ伸びます、財政はこれだけがんばりますということで出た結論が六・三なんです。これがやはり世間に発表されますと、それは政府の努力目標であり、政策目標であり、恐らく六・三まで出してくれるのならば明るい見通しを持っていいのだなという気持ちになっていただくわけですから、われわれとしても、できるだけ皆さんに政策がうまくいかないで失望させることのないように最大限の努力をしなければいかぬことは、これは当然でございまして、本来の性格はそういう性格のものでございます。下から積み上げてきてあれが六・三です。初めから七とか六・五と言って、それでつぎはぎにしてでっち上げたものでないということだけは、去年とちょっと違う点だけは御了承をいただきたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 もう一点、今度は消費者物価の問題ですね。これが四・九%ということですけれども、どうも昨年は円高ということで、むしろ政府の努力よりも円高、ドル安というそういう国際的な経済環境にたまたま助けられて、原材料が下がり、非常にデフレ的に働き、たまたまこの物価の問題については落ちついた。そういう点では、政策的な面よりも対外的な要因の方が非常に強かったのではないか。しかし五十四年度の物価については、非常にわれわれも危惧をする点があるわけです。恐らくもう昨年のような円高現象というものは、先ほどもお話がありましたけれども起こらないだろう。逆に円安というような状況が起きるかもしれない。それに比べまして、むしろ政府主導で公共料金の引き上げがメジロ押しに予想されているわけです。米の四・二%、国鉄の八%、あるいはたばこ、これは皆さんがこれから論議するわけですけれども、たばこの問題、そして国立大学の問題など大変な公共料金の値上げが予想され、恐らく五十四年度の物価問題は、非常に重要な財政インフレ、先ほどもマネーサプライの問題が出ておりましたけれども、一二%前後、まあそういうような経済環境を見てまいりますと、五十四年度における消費者物価の動向、これは国民生活にとって非常に重要な問題になるのではないか、こういうふうにわれわれも踏んでいるわけでございます。  大臣、この消費者物価の問題については、財政当局としてどういうふうに取り組んでいかれようとするのか。むしろ政府主導の公共料金値上げで火つけ役になっているのではないかとわれわれは危惧をするわけでございますが、その点についての御見解を伺っておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 昨年は御指摘のとおり、円高に助けられ、また公共料金の値上げもこれはというものはございませんでしたから、四%台に推移いたしましたけれども、ことしは米、国鉄、たばこ等々の公共料金、これは米にいたしましても国鉄にいたしましても極力値上げ幅を抑えましたり実施の時期をずらして、国民生活に直接大きく響かぬようには最善の手を尽くしてもらったわけでございまするけれども、それにしても、こういったもので〇・八%ぐらい押し上げるだろうと企画庁は計算いたしております。そのほかにOPECの問題がありますし、そういったものを入れますと四・九くらいになるのじゃなかろうか。ぜひその線は守らないと、やはりこれは国民生活に大きな影響を及ぼしますから、全精力を物価安定につぎ込まなければいかぬと考えておりますが、特にこわいのは石油が上がるということで、それが便乗値上げにつながるということになりますと、その影響の方がこわいですから、全力を挙げて物価の安定に努力をしてまいりたい。流通機構その他の整備の問題もございますし、物価については最善の努力をするつもりでおることを申し上げておきたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 最後に、予算委員会で問題になっておりますE2Cの予算削除の問題です。予算委員会では総理と防衛庁長官がいろいろ答弁をしておるようでございますが、この予算については、大臣の復活折衝の段階で大蔵大臣がお認めになったわけです。この点についてわれわれは財政当局は冷静に、もっと勇気ある判断をしてほしかった。これは防衛庁長官の場合には、専守防衛という立場からいろいろ考え方があるにしても、大蔵大臣たる者はもっと責任ある、勇気ある態度をとってほしかった。内閣における閣議の決定とはいえ、私はやはり金子大蔵大臣の見識の問題ではないか、こう思うわけでございますが、この点についてどうお考えになってこの復活折衝をお認めになったのか、その点についてのお考えを最後に一言伺いたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 これは大臣折衝で認めたわけじゃないのです。国防会議が翌日でしたかその晩にございまして、国防会議で純軍事的なというか防衛的な見地から必要とするかどうかの結論を聞いて決めましょうということでやったわけでございまして、私どもは、総理初め関係閣僚が言っておりますように、疑惑と国防的な見地とは切り離して必要なものは認めるべきだという考え方から結論を出したわけでございます。その点はどうぞ御了承賜りたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 時間が参りましたので、終わります。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本委員 金子先生が財政の危機的状況という中で大蔵大臣になられまして、おめでとうというよりも御苦労さんと言わなければならぬと思いますが、ひとつ一生懸命がんばってもらいたいと要望を申し上げておきます。  そこで、余り時間もありませんので、ポイントをただ結論を聞く程度にとどめたいと思いますけれども、一つは、先ほど来一般消費税の問題が非常に議論になっておりましたけれども、今日の財政での危機的状況というものは、歳入の伸びが悪いとかいう歳入の面に問題があるか、あるいは歳出の面、放漫財政、年間二五%ずつ伸びてきた、そして福祉国家の建設という大きな課題もありましたけれども、歳出の面の方に無理があったか、どちらの方が財政危機の基本的最重要な原因であると大臣は考えておられるか。両方ともだというような答弁でなくて、どちらにより重点があるかということを聞いているのですから……。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 御鞭撻いただきまして、ありがとうございます。  これはおしかりを受けるかもしれぬけれども、いまの御質問に対しては、やはり両方に原因があると思うのです。歳入については、先ほども他の議員にお答えいたしましたように、高度成長時代の税制がいまもう言うことを聞かなくなってしまった。やはり間接税的なものでカバーしない限りは税収の確保は図れません。現にアメリカ、ヨーロッパで、特にヨーロッパで間接税、直接税半々にいっている。あれは、向こうは三%とか三・五%の経済成長ですからね。日本のように六%もいってないのですから、どうしてもそういうことでいかないと財政が賄い切れないという点があると思います。歳入で一番大きい問題はそれです。  それから歳出の方は、一番大きなのはやはり福祉、文教、公共事業だろうと思うのでございますが、もう数年しますと、老齢者社会に突入いたしますし、そのときの財政負担が相当大きなものになりますから、やはり相当考えていかなければいけない。文教についても同様でございますが、一方公共事業の方は、これはまだ生活環境整備が進んでおりません。それに、やはり景気を維持するためにはある程度ふくらませなきゃならぬ。そのしわは結局一般経常費の万へどんどん寄せる以外に手がないと思うのです。その切り方が不十分だという御指摘を先ほど受けておるわけでございますが、ことし限りの予算でございませんので、これからもぜひひとつお知恵をおかりし、工夫をこらして御期待にこたえてまいるつもりでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 わかったようなわからぬようなところもありますが、大平内閣だからがまんいたします。  そこで次にお伺いをするのは、ずっと前にはいわゆる三K問題というのが非常にやかましかった。今度の予算編成を見ておると、三K問題に対して勇敢に立ち向かうという姿勢はほとんどうかがえない。しかし私は、歳入が原因か歳出が原因か両方が原因かは別にしても、これからの財政の再建、健全化ということの第一の関門は、やはり三K問題をひとつ克服するということにあると思いますが、その点についての大胆の結論だけお伺いしたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 保険制度につきましては、健保についてはただいま御審議をいただいておる段階でございますし、米につきましては、消費者米価の値上げによって格差是正を図っているところでございますし、国鉄も御高承のとおり、なかなか地方の要望というのは根強いものですから簡単にいきませんけれども、ひとつ赤字ばかりつくるような鉄道のあり方についてしっかり考え直してくれよということで、運輸大臣にやかましく言っているような段階でございます。こういった問題を一つずつ片づけてまいりたい、これが財政再建の一つの手がかりになると私は考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 そこで、いま御努力の経過については大体私もわかっておりますが、問題は、収支試算にもありますように、五十九年度には赤字公債を出さないようにしよう、さらに増税、五年間に九兆円でしたかやりましても、なお公債依存度は二〇%をなかなか割れないというような状況だと思いますが、歳入の問題はまた後で、歳入委員会でございますからゆっくり論議をするとして、いまの三K問題に関連して私は、これは一内閣、一大臣の思いつきや努力では非常に限界があると思うのです。努力の限界がある。そこで、これは国民の英知を結集して、あるいは場合によっては与野党が本当に胸襟を開いて論議をして、あらゆる力、エネルギーを結集してこれに立ち向かわなければならぬ。そういう意味においてやはり参考になるのは、わが国の場合には、佐藤さんや太田薫さんたちがやった臨時行政調査会ですかといったようなものがありましたけれども、もう一遍あれの新しい版をつくって、総意総力を結集して当たらなければ、大蔵大臣ががんばってみられてもなかなか限界がある。フーバー委員会か、イギリスはロイアルコミッティでしたか、そういうようなものがありましたが、日本でもいまこそ、財政の再建という大旆をかざして各党に呼びかける、各専門分野の人にも呼びかける、総力を結集していくという必要がある。そういう委員会を内閣につくるか国会につくるか、あるいは総理の諮問機関にするか大蔵大臣の諮問機関にするか、そういうことは別として、構想としては、一内閣、一大臣の取り組みという形でなくて、もっと総力結集の姿勢を整えるべきである、こう思いますけれども、その点について大臣は、そういうことをやろうという考え方があるかないか、その点、だけ伺いたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 大変有益なる御示唆をいただきまして感謝にたえませんが、いま財政制度審議会というのが大蔵省に置かれておりまして、これは各界各方面の専門家に集まっていただいておるのですが、竹本さんのお話は、もっと各党の人も入れてというようなお話でございます。そこら辺は、一内閣なり一大蔵大臣でこれだけの大問題は片づけられるはずがないのでございますから、十分にまた御意見を承る場は考えていかなければいかぬ、その際はまたよろしく御協力のほどをお願いいたします。

竹本孫一民社党

○竹本委員 これは単なる政治答弁でなくて、本当にそれをやらなければだめだと思うのですね。かつて公害関係の立法を十幾つかやりましたが、あのときには、大臣も御存じかと思いますけれども、政策審議会長を中心にして、各党の政審会長会談といったような場でお互いに誠心誠意協力をしまして、その結果、あれだけの法案が非常にスムーズに通ったという実績があるわけですね。それで、やはり行政機構の改革にしてもあるいは三K問題の解決にしても、いろいろ利害が複雑であるし、よく言われるように官僚の皆さんもまたいろいろの動きが微妙でございますから、よほどしっかりした政治姿勢で取り組まなければこの問題も解決はできない。それには、そうした仕組みをつくらなければいかぬということについては、本当に積極的かつ具体的に努力をされるようにきょうは要望をしておきます。  あと細かい具体的な問題について二、三伺います。  一つは、銀行法の改正でございますが、先ほど来御議論がありました問題も含めてですが、私は、三木内閣ができました最初の予算委員会において銀行法の改正を強く要請しまして、三木総理がこれにこたえて、その結果、大蔵省も非常な御努力をいただいて、金融制度調査会でいませっかく案を検討しておられる。だんだん聞いてみると、ことしの五月ごろには一つの考え方がまとまるようでございますが、大臣にいま伺いたいことは、金子さんが大蔵大臣であられる間というか、あるいはもっと積極的、具体的に申しますと、ことしの冬の通常国会には銀行法の改正を大蔵省として提案される意思、決意ありや否や。私がやりましたのは、昭和四十九年十二月、三木内閣ができた最初のときでございますから、あれから大体四年たっておる。慎重審議も結構だけれども、四年たってしまうと、下手をすると円高、ドル安を初めとして経済情勢は一変してしまっておる。もちろん銀行法は基本的な法律でございますから、個々の動きにはとらわれなくてもいいと思いますけれども、いずれにしても、四年というのは十分の日時をかしてあるつもりなんだが、大臣は次の通常国会には銀行法の改正を必ず出すという決意を持っておられるかおられないか、これも明快な答弁をお願いしたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 金融制度調査会の審議の状況については、いま御指摘のとおり、ことしの前半には結論が出ると思いますので、その結論を踏まえて、次の通常国会にはぜひ提案して御審議を賜りたい、こう考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 銀行法の改正は通常国会にはぜひ出すという御意思である、こう見ていいわけですね。先ほどの一般消費税と同じように、出るのか出ないのか半分しかわからないようなことでは困りますから、明確に出すということにしていただいて、きょうはその範囲にとどめておきます。そして、その重点はどこにあるか、またどこにあるべきかということにつきましては、改めて論議をさせていただくということにしたいと思います。  次には、国債の値下がりの問題でございますが、金利の自由化ということも金融制度調査会あたりでもってよく言われる言葉でありますが、なかなか実現にはむずかしい問題がある。特に最近は、その問題との関連におきまして、事業債の発行の問題につきましても、企業は二月には千六百億円ぐらい出してほしいと言うけれども、証券会社は値下がりを考えていろいろの動きも複雑にあるようで、千億円が限界だと言って押したり引いたりしておるようでございますが、結局、根本は国債の利回りをどうするかという問題ですが、これも結論だけ伺うのですけれども、一つは、三月から国債の利回りについて再検討を加える意思ありや否や。それから、一般的に国債が、先ほど来お話にも出ておりますが、四〇%になるといったような問題で大変な問題でございますが、市中消化の原則を貫くという意味において、長期国債の入札方式に切りかえる決意があるのか、あるとすればいつから本格的にこれを切りかえていかれるつもりであるか、その二つの点についてやはり具体的な結論をお願いしたい。

田中敬大蔵省理財局長

○田中(敬)政府委員 御指摘のように、六・一%国債の流通利回りが発行利回りと非常に乖離をいたしております。そのために公社債市場にいろいろ問題点が発生しております。しかしながら、六・一%国債がこの一月に上場されて棒下げに下げておりますけれども、他方六・六%国債あるいは八%クーポン国債というようなものはほぼ横ばいでさしたる変化もございませんし、短中期債の利回りというものもほぼ横ばいの状況でございます。一方、市中の貸出金利というものはずっと下げ続けているというような状況でございますので、この六・一%クーポン国債の市場実勢というものは、金利の底打ち感以外に何か心理的な要因があるのであろうというふうに考えております。そういう意味におきまして、先ほど大臣が申し上げましたように、二月には発行額を圧縮することによりまして、なおさらに市場の実勢を見きわめてみたいということでございまして、その市場実勢いかんによりますので、三月から改定するかあるいはそれ以降になるかという点につきましては、現在お答えいたしかねる状況でございます。  それから、十年の長期債の公募入札をする意思があるかということでございますが、私どもは率直に申し上げまして、全然ございません。と申しますのは、やはり金利の自由化という問題は漸進的に考えるべき問題でございますし、現在中期債が公募入札制度によってうまく消化されておるというのは、日本の金融市場、公社債市場の構造がそうなっておるから、あるいはまた、そういうものに対するニーズがあるからでございまして、いま金融市場、公社債市場が現状のままで十年という長い国債を入札すれば、決してこれはいい結果にならないというふうに考えております。時間がございませんので、いろいろ理論的なことは申し上げませんが、結論的には十年国債を公募入札する意思はございません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 最後のところは答弁がはっきりしておるので、はっきりしておるということは結構なことだと思いますよ。  これも論議がいろいろあるでしょうけれども、機会がありませんので、もう一つ伺いたいことがある。それはデノミの問題です。考えてみると、昭和三十四年の五月に岸内閣、山際日銀総裁時代からデノミ、デノミということで続いてまいりましたし、特に福田内閣総理大臣、去年の正月にもデノミと言って大騒ぎをやられた。デノミをやるために、株が少し上がったり、またやがて下がったりして、証券業界は非常にまたこれを歓迎する向きもあるわけですけれども、日本の経済の実態から見てこれはなかなか簡単にできない。大平さんの答弁を調べてみると、これはいつかはやらなければならないリビングイシュー、現実的課題であるが、なかなかそういう条件が整わないというような答弁をされたこともある。私はいまもそうだと思うのですね。  大体政策が行き詰まったような場合にはデノミを言う、あるいは証券界は種がなくなるとデノミをはやすというようなことで、少なくとも健全なる経済の運営ということとはむしろかけ離れた形においてデノミの問題がよく取り上げられるということを私は残念に思っておる。もちろん私もデノミはやらなければならぬと思っておりますよ。ただ、いま内外の情勢がそれに適してタイミングとしていいかどうかというところだけが問題なんです。私もデノミをやるべきだと思っておるけれども、タイミングの問題だ。そこで、財政の危機的状況だというようなことで、これから財政の再建そのものに真正面から取り組んでいってもなおかつどれだけ効果が上げられるか心配だといういまの状況の中で、デノミを言うというようなことは私はやはりむずかしい情勢だと思うのだけれども、大臣としての考えはむしろ明確にしておいていただいて、そのために妙なうわさが飛んだり証券界で株が上がったり下がったりするようなことのないように、この点ははっきり姿勢を示しておいていただいた方がいいのではないかと思うので伺います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 デノミの話ですが、私は竹本さんと全く同意見です。今日の経済情勢、政治情勢のもとにおいて軽々にデノミなんぞをやるべきじゃない、もっと安定したときにそれを考えるべきだ、当分デノミをやる必要はないと考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 最後にもう一つ、税理士法の改正の問題でございますが、これがなかなかいま論議を呼んでおるようでございます。御承知のようにこの点はまた、利害関係が非常に複雑に入り乱れておるので、一つのグループが非常に賛成と言えば他のグループは非常に反対だと言う。そういうような複雑な問題も、これは大蔵省としては取り上げること自体を非常に慎重にやってもらうべき問題ではないか。利害関係の諸団体の調整もつかないときに法案を出してみても、通る心配もないし、いたずらに事態を混乱させるということにもなるので、その点について基本的に大臣はどういうお考えを持っておられるかを聞いておきたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 この問題も、いま御指摘のございましたとおり、なかなか意見がまとまらないで、それぞれの立場でまだ対立状態が続いておるようなわけでございますから、十分ひとつその間の意見を調整した上で結論を出したい、こういうふうに考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 大臣から大変明快な御答弁をいただきまして、大平さんではないが、品位がありかつ活力のある答弁のようでございますから、大いに敬意を表して、質問を終わります。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 時間も大変限られておりますので、端的に御質問したいと思います。  まず最初に、同僚委員の方からいろいろ一般消費税の導入の問題で質疑がありましたけれども、ちょっとお答えを聞いておってはっきりしない点、確かめておきたいと思います。  この一般消費税法案は、いま案をまとめておるけれども、出す前にあらかじめ国会筋の意見を聞いて間に合ったら出す、こういうお答えだったでしょうか、それともそういうのは法案を出してから後で聞くということなんでしょうか、それが何かあいまいだったものですから……。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 これはもう十分各界の意見を聞いたところで案をまとめなければいけませんから、当然各界の意見を聞きます。そうして案をまとめた上で、国会に提出して国会の皆さんの御意見を承ってまとめたい、最終的なものにしたい、こういう気持ちでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうすると、現在案をまとめている段階で、全く海のものとも山のものともわからぬという状態ではもうないと思うのですね。相当ある程度詰まっているのじゃないかというふうにも、法案大綱も公表されておるようでありますし、ほとんど懸案事項を詰めた段階ではないかと思われますけれども、いかがですか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 事務的な問題でございますから、私の方からお答えをさしていただきます。  十二月の二十七日に政府の税制調査会が、一般消費税特別部会の報告を受けまして御案内のとおり、五十四年度の税制改正に関する答申の中に「一般消費税大綱」というものを答申がございまして、発表いたしております。なお、その大綱に盛られておりませんけれども、その大綱を作成するに至りました際にいろいろ議論が出てまいった考え方、これまた多数意見、少数意見等がかなり明らかな形で審議経過ということで示されております。現在私どもの方で作業をいたしておりますのは、その中で、たとえば非課税法人の範囲をどういたしますとか、それから課税から除外される物品または取引の範囲をどういたしますとか、それからさらには、既存の国、地方を通じます個別の消費税との調整をどういたしますとか、これは関係の業界または関係の各所管省等々がございますので、それらと具体的な詰めを行っておるということでございます。  法案の骨子になります新税の仕組みにつきましては、かねて中期答申で示されまして以来かなり詰まって今回の大綱になっておるわけでございますが、さらに具体的に既存の税制との調整等々、先ほど私が申し上げましたことを含めて詳細なものにまとめていくということが、いま大臣からお答えになったことの具体的な内容でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そういう手順でありますと、これは大臣にお願いしたいわけですけれども、そういうたとえば非課税対象のものをどうするかとかということですね、これは業界と詰めておる。これがまとまりつつある段階で、こうした形での一般消費税がどのような範囲において影響を与えるか、この資料をできるだけ早い機会に国会の方にも提出すべきではないか。これはいつも、いろいろ去年の十月あたりから議論が出ておりまして、まだ非課税対象がどうなるかどうかわからぬのでというようなお答えも大分あったようで、いつまでたってもおのおの自分たちの方で試算したもので計算してこうなるああなると論じているわけですが、少なくともこの案が煮詰まってぼっと法案を出してというのじゃなくて、そうした案が煮詰まったならば、まずもってこの与える影響について、所得階層別の税負担率がどうなるとか、あるいは直接税、間接税、一般消費税も間接税の一つでしょうけれども、この一般消費税を合わせてそれぞれ幾らとなって、負担状況はどうなると考えるか、国民生活に与える影響、経済に与える影響、こうしたものについての一応大蔵省の考え方、これをそうした細かいものを煮詰める段階でぜひ出していただきたい。それに基づいてやはりわれわれの方でも相当研究をし、討論をして、それから法案という手順になるのではなかろうかと思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょう。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 いまお示しのございましたたとえば所得階層別の租税の負担率、これにつきましても、私ども先ほどお答え申し上げましたように、課税品の範囲とかそれから既存の物品税を初めとする個別消費税との調整とかそういうことについて、幾つかの案を持っておりますけれども、その案を実施可能なものに詰めておるわけでございます。その段階でかなり動くわけでございますし、もう一つ技術的な困難と申しますのは、現在総理府が作成しております家計消費調査年報でございますか、あれはかなり大まかな項目でくくられておりますので、たとえば既存の個別消費税の課税の対象になっております物品またはサービスということになりますと、これまた原表に戻りまして特別に集計をやってもらわなければならないという問題がございます。それとの調整をどう図るかというようなこと。それから、かねていろいろこの委員会でもお取り上げいただいておったわけですが、いわゆる隠れた税と申しますか、非課税品の流通ないし生産の過程でかかりました税金で控除できないものというものの影響をどうするか、これも産業連関表等々使いましていろいろ作業しておりますが、これもなかなか理論的にも技術的にもデータ的にもむずかしい点がございまして、なかなか詰め切れないわけでございます。それで、たびたび予算委員会、当委員会等でそういう御指摘がございまして、私どもの方も、まさに新しい税金を国民一般に負担をお願いいたすわけでございますから、いまお示しのあったような調査につきまして、できるだけ正確なものをつくって国会でも御審議をいただく、世の中にもそういうものをもっていろいろ御議論をしていただくということが必要、だと思っておりますが、ただいま直ちにそれをお示しできるというところまで実のところ、作業の過程もございますので詰まっておりません。努力をいたします。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 私はお願いしたいのは、そういうデータを出していただいて十分議論をするということの方が、むしろ一つの手順としては先ではなかろうか。それから物価に与える影響を、質疑の中で、税率の二分の一ぐらいである、これもきわめてアバウトな数字だと思うのですが、いろいろ各団体によって、いやそんなはずはないというので、いろいろ計算が出ているようでございまして、こういうことでは困るので、やはり大蔵省のお考えならお考えを数字に基づいてまず示される、そこから議論が始まるのではなかろうか。突然でき上がった法案をぼっと出してきて逐条審議的にやれ、その中でもやれるんじゃないかというのでは困るので、ぜひそういう点をお願いしておきたい。その点大臣、いかがでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 まだ大蔵省、成案を得てないものですから、細かい点の詰めの段階なものですから、世間では、大蔵省どんな案を考えているのか疑心暗鬼で、むしろ反対の空気が高まっておるというふうに私は見ております。中身がある程度煮詰まったところで、こんなことでやるんですよ、徴税も申告も楽なんですよ、中小企業者に余り影響ないんですよという具体案を出せば、ああそんなことだったかと御安心いただける向きも相当多いのではないかと思うものですから、私は、できるだけ安田さんの御要望に沿うように努力してまいりたいと考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 ぜひお願いしたいと思うのです。ただ私は、大臣のおっしゃるように簡単なものではなくて、発表されればなお、これはとんでもないということになるんじゃなかろうかとあらゆる観点から見て思いますけれども、それはそれとして見方の違いですから、手順としてはぜひそういう手順を踏んでいきたいということをはっきりお答えいただいたと思います。  次に、また手順の問題ですが、一般消費税のような新税を導入する前に、不公正税制の是正、それから不要不急の支出の削減、こういうことが必要だということがたびたび、私もこの間ここで御質問させていただきましたし、お答えもいただいたと思うのですが、先ほど同僚委員の質問に対しまして大臣は、税制の部分については努力したつもりだというお話で、あたかも不要不急の経費についてはまだ削減が不十分であるというふうに聞こえる御答弁があったんですが、大臣認められますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 大変正確を欠いた答弁をいたしまして恐縮しておりますが、やはり歳出を切らなきゃ意味がないのですから、役所の生活費に当たる部分はもう思い切って切り込みまして、連続三年間前年同額でございます。それから経常費、つまりいろいろな政策をやるものもスクラップ・アンド・ビルドで、不要不急のものを極力整理して新しい政策をやってもらう。補助金の整理も思い切ってやったりそういうことで、例年にない整理をしたと思うのですけれども、やはりやってみるとなかなか金額全体としてはそう大きくならないので、もっと来年はひとつその点はしっかりやらなきゃいかぬ。全力を挙げてやっておることは事実でございますけれども、なかなか顧みておおこれはうまくいったなと思うところまではいっておりません、こういう意味で申し上げたわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 どうも私の思いますのに、先ほど宮地委員の質問の中にありましたけれども、たとえばE2C、これは復活している。不要不急であるかどうかについては大いに議論のあるところでありますが、どうも努力をしておっても、まだ新税を導入する前提条件としての十分条件を削減についても満たしてないんじゃないか。その点どうですか、十分条件を満たしているほどの削減があったということですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 E2Cの問題は、これは全く純国防的見地から、これはお立場が違いますから御了承をいただけないと思うけれども、日本の国防に大きな穴があいておるということが前々から言われておることでありまして、まあ国防会議でもぜひこれだけは——初めはたしか八機言ってきたと思うのですが、四機に圧縮した姿でワンスポットというのですかワンポイント認めた、こういうことでございますので、よろしくひとつ……。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 いや、私はここで国防論争をやる気はないのですが、おとといからの予算委員会の質疑の中身を見ましても、どうも四機ではそれ自体としてもうまことに中途半端であるということで、たとえば変なたとえですけれども、この間首相官邸に右翼が潜入しましたが、あれは赤外線装置がないところから入ったのだそうで、ほかのところをやっても一カ所抜けては何の意味もないというようなことになりますので、まさに不要不急の金だというふうに私は思いますけれども、ここで国防論争をする気はありません。  ただ問題は、例年になく努力したと言われること、主観的にそういうふうな努力をしたということと、客観的に見て新しい税を導入する前提条件として十分条件であるほど削減がきちんとされている——補助金の整理もそうです。外郭団体いろいろありますね、そういう問題もあります。いろいろありますけれども、そういう点で、不公正税制の是正もそれから不要不急の経費の削減も、新しい税金を導入するに前提条件として十分条件だということになっておると認識されているかどうか。まだ不十分ではないかと認識されているのじゃないかと思うのですが、どうですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 主観的には、とにかく大蔵大臣になってからまだ何カ月になりますか、二カ月早々でございますから、精いっぱいやったつもりですけれども、客観的には不十分な点があったことは十分認めます。しかし、これからもそれはひとつしっかりやってまいりましょう、こう言っているのでございますから、ひとつ誠意を認めていただきたい。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 一生懸命努力されているとおっしゃいますけれども、やはり前々から手順として、まず新税を導入する前には不要不急経費の削減、そして不公正税制の是正をやる、それが前提であるということを大分強く御答弁されておるようでありまして、それから見ると、努力したけれどもまだ不十分だという程度では、今国会中にできるだけ早く一般消費税導入の法案を審議したいとおっしゃる答弁とはどうも矛盾するのではなかろうか。現在の御認識では、前提条件にまだ不十分だという御認識がある。努力はしたけれども、結果としてまだ不十分であるという御認識があれば、これは今国会で一般消費税の提案をできるならしたいとおっしゃる御答弁と何か矛盾するように伺うのですが、その点は、時間がございませんので後でまとめてお答えいただきたいと思います。  もう一つは、この一般消費税の導入は、物価のはね返りや何かについて影響するにとどまらずな、たとえば執行体制、税務職員の増員、労働条件などがどうなるのかということについて非常に大きな影響があると思います。国税庁長官も、いつ導入されても支障がないように万全の準備を進めているという趣旨のことを当委員会で前もって述べられておるように伺いますので、この際お聞きしておきたいのですが、特に職員の増員がどれくらい必要になるか、明らかにされたいと思います。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 一般消費税を導入するに当たりまして、執行体制あるいは職員の増員をどのくらいにするかというのは、制度の細目の詰めと並行して検討すべき問題だと思っております。したがいまして現段階では、まだ具体的なめどを正直のところ持っていないわけでございますが、ただその検討に当たりまして、やはり納税者の手間をできるだけ省くとか、あるいは税務行政の面でもできるだけ簡素な形でやるように工夫してまいるつもりでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 どうも前の国税庁長官の答弁は、いつ導入されても支障がないように万全の準備を進めている、これから進めるのではなくて進めているというふうに伺ったのですけれども、そうするとある程度、それは何百何十何人とかということはともかくとして、何千人くらいどうしても必要だとか、何かの数字はそれなりにお考えではないかと思うのですが、どうですか。これも全くわからないでいるわけですか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 いま御答弁申し上げましたように、制度の細目によりまして非常に人数が違ってまいります。したがいまして、制度の細目と並行してやるわけでございまして、腰だめにも現在数字を持っておりません。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 五十五年度の導入ですから、五十五年度人員増員をお願いするにしても、まだいまから出す段階ではございませんので、米山次長からお話のありましたように、中身がどうなるのか。非常に簡単なものだったらそう増員する必要がありません。大体所得税、法人税で各課で中心にやってもらえばきわめて簡素な姿でできるのではないかとわれわれは考えておるわけです。労働強化というようなことは一切持ち込まぬように考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 時間が来ましたので、これでやめますけれども、どうもそういう意味で、できるだけ早い時期に御審議願いたいというようなお話ですが、全然条件がいま言ったように、審議する最初のいろいろな国民生活に対する影響、経済に対する影響の数字も、あるいは税務署員がどういうふうになるのか、執行体制がどうなるかということも、来年導入だからということでいま全く数字を持ってない。制度がどうなるかによって決まるのだ。しかし通常国会は、東京サミットもございますから延長国会ではないだろうと思うので、あとわずかですよね。そうすると、どうも前提条件は全然整ってない。しゃにむに今国会中にはぜひ一般消費税導入の法案を審議したいというような姿勢を示される真意がどこにあるのか、大蔵大臣に最後に伺って、質問を終わりたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 まとまれば、その段階においてひとつ御審議いただき、御検討いただき、御議論を賜りたい、こういうことでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 時間が来ましたので、終わります。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 永原稔君。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 大分遅くなりましたので、簡単にお答えをいただきたいと思います。  貯蓄性向と内需の拡大、いま日本の貯蓄性向が非常に高いと言われておりますけれども、これは喜ぶべき現象かどうか、大臣はどうお考えでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 日本の貯蓄性向は、たとえば五十一年で比較いたしますと、日本が二二・四でございますが、これに対してアメリカが五・七、イギリスが一一・三、西独が一二・九という姿でございまして、日本の貯蓄性向は非常に高いわけでございます。  これは基本的には、わが国の国民性として非常に勤勉であるということが背景にあると思いますし、そのほかいろいろ社会的な仕組みから申しましても、一般的に経常的な支出は毎月の収入によって賄うという傾向があるわけでございますけれども、日本の場合にはボーナスの比率が非常に高い、これが貯蓄に回るという点がございます。それから日本の場合には、賃金が年功序列制でございますので、比較的消費の必要の少なくなった階層に非常に所得がふえるというようなことも一つの理由になっております。それから、家屋その他の実物資産がまだ各国よりもおくれている面があるわけでございまして、これが貯蓄を高めておるという面もあるわけでございまして、このような日本のいろいろ社会的な環境あるいは国民性、そのようなものが背景になってこのような貯蓄性向の高さとなってあらわれている、このように考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 なおこの貯蓄性向を高めようとするような運動がなされておりますけれども、二月一日からは貯蓄増強推進運動、こういうのが展開されております。これは日銀の方で事務局を担当している推進本部が通知を出しますので、これはお上の命を受けて都道府県では、それぞれ役所の前にたれ幕まで張って推進運動をやっているわけですけれども、こういうものを本当に内需の拡大という観点で見た場合に、どういうように受け取っていいのかなと疑問を持ちますが、いかがでしょうか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 貯蓄につきましては、わが国の場合には、社会資本の立ちおくれということもございますし、あるいは産業構造の転換という点からも貯蓄が必要でございますし、それから、国債の健全な消化という面からも貯蓄はなお重要な意味を持っているわけでございます。しかし先生の御指摘のように、貯蓄性向はひたすら高ければいいというものではございませんので、やはり消費と貯蓄との適正なバランスが必要である、このように考えております。したがいまして、日本銀行あるいは大蔵省で行っております貯蓄推進運動も、ひたすら貯蓄の増強を目指すということではございませんで、たとえば青少年に対して健全な金銭観を養成させるとか、あるいは家計の合理化、計画化を図るというようなことを目途としておりまして、要するに、健全な貯蓄を行ってそれを計画的に合理的に消費に向かわせる、そのような形で健全な消費を促進するということを目途として運動を行っているわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 いま内需の拡大ということを非常に強調されて、またその線に沿っていかなければならないということはわかるわけです。大臣のいろいろな所信表明を拝見しまして、内需を中心に安定した成長への道を着実に歩むに至っているというようにおっしゃっていらしゃいますけれども、マクロ的に見て上を向いて歩こうという時代ではなくなった、ミクロ的に足元を見詰めていかなければならないような時代になってきたと思うのです。そういうときに、本当に内需を中心にして安定した成長への道をたどっていると言えるだろうか。安定した成長と言うからには、やはりある程度の均衡ある発展ということが見られなければならないと思いますけれども、いまのような構造不況業種の存在している中で、本当に内需を中心として安定した成長と言えるだろうか。ミクロ的に考えてみて、そういう点に疑問を持ちますけれども、いかがでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 最近の消費の動向を見ましても、百貨店の売り上げ状況を見ましても大分活気づいて消費が伸びてきておりますから、先ほどもちょっと申し上げましたように、構造不況業種その他困っている部門は各地で相当ございまするけれども、全体として考えたならば、やはり経済全体としては確かな足取りで動き出してきたなあという感を深ういたしている次第でございまして、もう一息で民間は皆一本立ちで歩けるようになるんじゃなかろうか。そういう方向へぜひひとつわれわれとしては引っ張っていきたいという気持ちでやっている次第でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 内需の拡大、消費の拡張というようなことを、個人消費を拡大していくというようなことで、大臣は、消費は美徳とか消費者は王様というようなああいうキャッチフレーズをどういうようにお受けとめになりますか。資源有限時代という言葉がこのごろ総理大臣がかわられて少なくなったのですけれども、こういう中でもやはり精神的なものがいま銀行局長の方からいろいろお話がありました。こういうものが必要だとは思いますけれども、内需の拡大と消費というものについての考え方、どういうようにお考えになっているでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 消費者は王様という時代が高度成長の時代には一時ございましたけれども、日本のような経済構造の国では必ずしもそれは言えないと思うのです。ただ、明治から大正の初めにかけてのような、もう極力質素な、堅実な生活一点張りでやれよというような時代ではなくなりましたから、やはりそこに一定の限界があると思いますけれども、私は、やはり気持ちは堅実で、しかもある程度生活は豊かでというような社会づくりをやっていくことが一番いいんじゃなかろうかという気持ちを持っております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 いたずらな消費ばかりを推進していてもいけないと思いますので、お気持ちのような点でぜひ推進していただきたいと思います。  この財政演説を拝見して、最後に、「地方公共団体に対し、国と同一の基調により、一般行政経費の節減合理化を推進するとともに、財源の重点的かつ効率的配分を行い、節度ある財政運営を図るよう要請するものであります。」一国の財政を担当する大蔵大臣として、地方団体についてもこういうような所信をお述べになっていらっしゃいます。所管がどうこうということではなくて、私はやはり通常国会においてこういうような所信をお述べになるのは適当だと思います。  そういう観点から実際に見てみまして、「国と同一の基調により、」こういうようなことが述べられておりますけれども、地方団体の実態を見ていきますと、国より進んでいるところがあるのです。たとえば都道府県の県議会議員の定数、法定定数と条例定数を比べれば七十五名も減員している。これが市になりますと二千四百六人法定定数より減員している。町村では一万八百十二名、これだけの人を減らしているのです。こういうような厳しい状況で財政運営をやっている。  ところが、いま国のこの財政再建に悲壮な決意で臨んでいらっしゃる大臣ですけれども、国会議員を何かお考えになることがあっただろうか。たとえばアメリカと日本と比べて、国土はあんなに違います。人口は日本の約倍。上院議員はアメリカでは百名、日本では二百五十二名、衆議院においても下院と比べれば若干多いわけですけれども、こういうようなものについて、本当に政治家が身を正し、こういうものを削減をしていく、こういうような決意を示すとともに、また行政改革の推進を実施しながら、公務員の定員の削減というようなこともあわせて、血の出るような努力をしていかなければ、この財政再建について、単に増税というだけでは国民は納得すまい、こう思うのです。こういうものについて、大臣の所管ではない、こういうようにおっしゃらないで、財政再建に取り組む大蔵大臣として、こういうものについての御見解をまず第一点として承ってみたい。  第二点として、先ほど来一般消費税の問題が出ております。細目が決まらないから増員ということは細かくはわからない、これは当然だと思いますけれども、五%として三兆円。法人税あるいは所得税の申告と同時に徴収するということなので、人手が少なくて済むというようなお考えがあるかもしれない。しかし、所得税のほぼ半分に匹敵するような三兆円の増税ということになるとすると、これはやはり人手が要るというのは当然だと思うのです。しかし、今度の行政改革などを見ていきますと、スクラップ・アンド・ビルドというような名においていろいろお考えになっていますけれども、一つの省の中で、たとえば外務省の中南米局を新設するとすれば文化事業部を削る。大平総理大臣はこれから文化の時代と言いながらも、そういうようなやりくりをせざるを得ない論理的な矛盾を国民に示すような状況になっている。やはり政府は、各省独立というような観点からではなくて、総定員法に示されているように、国家公務員の総数というものを抑えたならば、本当に不急不要であるのはどこであるか洗い出してやるのが行政改革でなければならない、こう思うのです。もしも一般消費税、私どもはまだ納得はしておりませんが、こういうものが実現される場合に、必ずや人は増員されるでしょう。これを大蔵省の中で解決せよと言ってもこれは解決できない問題だと思うのです。総合的に行政全般を見て行政改革などに取り組むべきだ。これだけ胸を張って大臣が地方自治体に、国と同じ基調でやれとおっしゃっているからには、地方が総合行政をやっているだけに、そういう苦労を味わっているだけに、政府もやはり姿勢を正すべきではないか、こういうように思いますが、こういう点についてのお考えを伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 永原さんの御意見、まことにごもっともだと思います。地方自治体の持っていき方につきましては、しょっちゅう澁谷自治大臣とも相談しながら、国もひとつうんとぜい肉を落とすから、いま御指摘のございましたような非常な努力を払っておられる自治体があることは私ども十分承知いたしております、しかし中には、相当問題のところも多いものですから、ひとつそういう点はこれから協力をお願いしようじゃないか、こういうようなことから、この問の財政演説になったわけでございます。  一般消費税を施行する際の人員の問題につきましても御提言をいただきましたけれども、私どもは、なるべく人手を減らして能率を上げて煩を省くようなことで行けぬかということでいま検討してもらっている段階でございまして、まだ結論が出るに至っておりません。しかし機構、定員全般につきましては、お話しのような線でこれからもぜひ圧縮するように持っていきたいと思いますし、国会の問題は、これは私ども言うのは越権かもしれませんが、大変貴重な御提言でございまして、十分拝聴いたします。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

加藤六月自由民主党

○加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後九時六分散会

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