石炭対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/05/25
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 去る五月二十一日、二十二日の両日、三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱のガス突出災害について、現地に委員を派遣し、実情調査を行いましたので、私が派遣委員を代表して便宜この席から調査の概要を御報告申し上げます。 三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱の災害現地調査の結果を御報告申し上げます。 派遣委員は、古川喜一、倉成正君、岡田利春君、鍛治清君、稲富稜人君、安田純治君の六名であり、このほか、岡田春夫君、野村光雄君が現地参加されました。 調査日程は、五月二十一日、二十二日の二日間で、現地においては、まず病院に負傷者をお見舞いし、坑口において黙祷をささげ、犠牲者の御冥福をお祈りした後、札幌鉱山保安監督局、三菱石炭鉱業株式会社及び労働組合、職員組合並びに夕張市から、それぞれ説明、要望等を聴取いたしました。 次に、災害の状況について申し上げます。 災害は、五月十五日の二十一時ごろ、坑口より四千十七メートルの一卸六片下層第二ガス抜き卸坑道において発生したものでありますが、現場は、沿層掘進作業を実施中でありました。 災害の発見は、中央管制室へ一卸七片下層上段払いの担当係員から山鳴りと通気の逆流発生の通報があったので、中央管制室より一卸区域全係員に状況報告を求めたところ、六片下層第二ガス抜き卸のみが応答なく、かつ一卸区域のメタンガス濃度表示機器の異常を感知したので、同個所に異常事態が発生したことを確認し、直ちに一卸区域作業員の退避を指令するとともに、救護隊を招集し、罹災者の救出及び状況の調査を開始いたしました。 救護隊は、探検を行い、多量の突出炭と高濃度の可燃性ガスを確認するとともに、五名の行方不明者を救出するため、突出ガスの排除作業を実施いたしました。 また、ガス突出発生後、約四時間を経過した十六日午前一時三分ごろ、中央管制室へ第二ガス抜き卸付近に待機中の救護隊から圧風と炭じん発生の報告があり、第二ガス抜き卸において再度異常事態が発生したものと判断し、全坑退避命令を指令するとともに、再び救護隊を編成し、救護活動を行った結果、死亡者十名、重傷者十名の罹災者を救出収容したのであります。引き続き救護隊は坑内でガス排除、突出炭の除去作業を進めた結果、十八日の二十一時五十分までに、行方不明者五名を遺体で収容し、罹災者の収容を完了したのであります。罹災者は、死亡者十七名で、一次災害が六名、二次災害が十一名であります。重傷者は十一名で、一次災害が二名、二次災害で九名、軽傷者が一次災害で一名、死傷者合計二十九名であります。 災害は、最初ガス突出が発生し、その後罹災者の救出作業中にガス爆発が発生したものでありまして、それぞれの原因は、札幌鉱山保安監督局、警察当局において究明中であります。 次に、現地調査の結果、私どもが感じました点について申し上げます。 第一に、早急に原因究明をするとともに、ガス抜きボーリング工事の見直し、災害発生後の救護隊入坑時の安全確認、救護隊の装備等、いわゆる二次災害防止対策の確立に万全を期する必要があると思われます。 第二に、近時、採掘現場が深部化し危険性が増大しておりますが、保安技術の研究開発になお立ちおくれが感じられます。今後は、各炭鉱の状況に適応した研究開発の促進と具体的な対策の確立に一層の努力が必要であるとともに、深部化に伴う保安規程の見直しが必要であると思われます。 第三に、遺家族の方々については、労災補償、弔慰金等所定の補償給付が行われることになっておりますが、今後の生活に不安のないよう会社及び関係当局の十分な措置が必要と思われます。 第四に、操業の再開についてでありますが、災害の大きさに比べ災害現場付近の坑道等の被害はわりあい少なくて済んだようであり、早期に再開することが可能のことと思われますが、その場合には、安全確認に遺漏なきを期するよう強く要望しておきます。 次に、現地における主な要望は、 一、原因の徹底的究明と救護隊の装備及び救出活動の見直しに努めること、 二、遺族補償、負傷者に対する医療体制の確立等に万全を期すること、 三、一元的な保安監督体制を確立すること、 四、保安監督員制度の見直し、保安責任体制の明確化等を図ること、 五、実験炭鉱の設定や技術開発センターの設置等により、深部開発の保安技術の向上を図ること、 六、保安対策費を大幅に増額すること、 七、常設の救護体制を確立すること 等であります。 最後に、近年、石炭をめぐる状況は、イランの政変による国際的石油情勢の急激な変化、あるいは米国における原子力発電所の事故等もありまして、石炭エネルギーに対する重要性が国際的にも見直され、国際エネルギー機関、東京サミット等において、石炭利用の拡大が重要な議題となっている時期に、このような多くの犠牲者を出す重大災害を起こしたことは、まことに遺憾であります。 今後、特に深部開発における保安の確保には万全を期するよう政府当局、石炭関係者に強く要請するとともに、当委員会においても、保安問題について、さらに真剣に取り組むべきことを申し上げまして、報告を終わります。 ─────────────
○古川委員長 三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱ガス突出災害について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉成正君。
○倉成委員 ただいま委員長から御報告のありました、去る五月十五日の三菱石炭鉱業南大夕張炭鉱におけるガス突出並びにガス爆発災害に関して質問いたします。 今回の災害が、今日エネルギー危機が叫ばれる中で、石炭政策が見直しを要請されているさなかに起きた災害であるだけに、石炭産業に従事する方々はもちろん、石炭に関心のある人々に深い衝激を与えております。しかも、この南夕張鉱は開鉱以来、自立の保安体制ということをその社のスローガンにも掲げ、ほとんど大きな災害がなかっただけに、関係者の受けるショックは大きいものがあるわけでありますが、私は、この災害によって不幸にして亡くなられた十六名の方がさらに十七名に今日なられたということを、先ほど報告で聞いたわけでありますけれども、亡くなられた十七名の方々の御冥福と、遺族の方々に対しまして心からお見舞い申し上げますとともに、いまだ重傷を負われて入院加療中の皆様方の一日も早い御回復をお祈りするものでございます。同時に、今次の災害の原因の徹底的な究明をするとともに、このような犠牲の上に立って二度とこのような災害を繰り返すことのないよう万全の対策を講じ、また被災者の家族の援護に遺憾なきを期することを関係当局並びに会社の責任者へ要請するものでございます。 そこで質問は、まず保安対策についてであります。もちろんこの原因についてはただいま調査中でもあり、また生存者の方々が入院中であるということもあり、まだ十分な原因の解明ができていないと聞いておりますけれども、現在わかっている範囲でひとつ率直にお答えをいただけば幸いと思います。 私は、この第一次災害の原因がガス突出と言われておりますけれども、このガス突出なるものは、深部の掘削を進めていく上において不可抗力のものであるかどうかということを伺いたいのでございます。 この南夕張鉱を例にとりますと、ガス抜きであるとかあるいはエアプラスターの採用であるとか、いろいろな意味においてガス突出ということを頭に入れながら最善の努力をしておったようでございますけれども、しかし、現実にこのような悲惨なことが起こったということを考えますと、ガス突出なるものは不可避のものであるか、もし不可避のものであるとすれば、これまでの保安対策に改良すべき余地があるのかどうかということについて、ひとつ率直な当局の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 まず、今回このような事故が発生いたしましたことはまことに遺憾に存じております。なおかつ、責任者といたしましてお騒がせしましたことを深くおわび申し上げるわけでございます。 ただいま先生の御質問にございましたように、この炭層中に含まれておりますガス、これによって起きますガス突出というものは、これを完全に防ぐことはできないかどうかということでございますが、大事なことは、どうやってそれを予知するかということが一つございます。それからもう一つは、炭層中に含まれておりますガスを採掘以前に十分に抜く、この二つ問題があるわけでございます。 前者の予知の問題につきましては、これは非常にむずかしい問題でございまして、いろいろ研究もされておりますが、目下のところ完全に予知をするというような技術は完成されていないわけでございます。 そこで、第二の問題でございますガスを抜くという問題につきましては、これはほとんど完全と言えるぐらいの対策というのがとられておるわけでございます。すなわち、坑道の掘進あるいは採炭の切り羽というところにおきましては、事前にせん孔いたしまして相当長いボーリングを多数打つ、しかもそれを扇状に広げて打つ、そういうボーリングの穴を利用いたしまして十分にガスを抜くという技術がすでに確立されておるわけでございます。おおむねこのような技術によりましてガス突出というものをほとんど未然に防止できるというふうに私どもは確信しておるわけでございます。 しかし、何分にも相手は自然でございます。したがいまして、通常、先ほど申し上げておりますようなまことに予知できないような場面への遭遇ということはあるわけでございまして、この予知技術という問題を含めますと、一〇〇%そういうことを防止できるかと言われますと、ややじくじたるところがあるというのが現状でございます。
○倉成委員 南夕張鉱については、ガス抜きについては基準よりもはるかに多いガス抜きをやっておった。しかし、現実にこの事故が起こったわけです。そうすると、ガス突出による被害が過去一年ぐらいを例にとってどの程度あったのか、そしてまたこのガス突出による被害があった際に、死傷者が出た場合、これについてどういう教訓を当局として学んだか、ひとつ率直にお聞かせをいただきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 お答え申し上げます。 昭和五十年以降におきましてどのようなガス突出事故があったかということを概略申し上げたいと思います。 昭和五十年におきましては二件ございまして、そのうちの一件は死者五名を含めまして十九名の災害、もう一件は死者二名を含めまして五名の災害。五十一年では二件ございましたが、一件は人身事故なし、一件は重傷者一名ということでございました。五十二年は同じく二件ございましたが、これも一件は罹災者ゼロ、一件は重傷者一名ということで、五十一年、五十二年におきましてはガス突出はございましたものの人災事故としてはきわめて軽微でございました。さらに五十三年も同じでございまして二件ございましたけれども、一件が死亡者一名の事故、一件は罹災者なしということでございます。五十四年におきましては今日までにこの事故を含めまして二件ございましたが、一件は全く罹災者なし、もう一件が今回の死亡者十七名を含めまして二十九人の罹災者というような現状でございます。
○倉成委員 その中で死傷者が出たわけですね。その際にどういう教訓を学ばれたか。そのガス突出なるものは最善を尽くしてこれがないように努力している、これはよくわかります。また南夕張もそういうことをやっておったわけですね。しかし、現実にこういうことが起こったということに・なると、やはりガス突出の可能性は、確率としてはまだ非常に少ないけれども、残されている。そうなると、ガス突出が万一あった場合に、死傷者をなくするという努力が必要であります。その点について、過去のガス突出からどういう教訓を学ばれて、どういう点を改善されてきたかということを伺いたい。
○中西政府委員 この災害がございまして、私、その直後、十八日に通産省からということでお見舞いと激励に実は伺いました。その節、会社側あるいは労働組合の責任ある立場の方々からいろいろ話も伺いました。お見舞いとあわせて、いまお話しのいかなる教訓を得たかというようなことについても、向こうからの貴重な御意見を伺ってまいりました。 現段階では、何分全体調査をしておる段階でございますし、お話しのような不可抗力によるものかどうかということも、なお詰めなければならない問題が残っておるように思います。それらの調査の結果を得まして、ガス抜きのボーリングの問題あるいはプラスターの問題、大ぜいの御意見がございましたが、遠いところから遠隔操作ということを検討してはどうかというお話もございました。そういった問題につきまして、さらに現在の体制でいいのかどうか、ぜひとも検討を深め、また研究開発などもしなければならないというふうに現段階では考えておるところでございます。
○倉成委員 これからいろいろ原因を解明しながらこの問題の検討を深めていくということですが、現地では岡田委員からもエアプラスターの問題についていろいろお話がありましたけれども、やはりこういう事故があった場合には、その教訓を熱いうちに生かして、そして人命の死傷がないような最善の努力をひとつしていくようにお願いをしたいと思います。 それでは、次は第二次災害の問題に移りたいと思うのですが、今時の災害の特色は、一次災害の救助に当たった救護隊員が二次災害に遭遇しまして犠牲者を非常に大きくしたということが大きな特色であります。これは、同じ炭鉱に働く仲間の方々を思う気持ちということは本当に頭の下がる思いがいたすわけでございますけれども、やはりこのような事故を二度と繰り返さない、そして人命に対する死傷がないようにするということを考えるためには、二次災害の原因、これを徹底的に究明する必要があると思うのでございます。 そこで、一次災害が発生して、会社側の御報告あるいは鉱山保安監督局のいろいろなお話を聞いておりますと、管制室の主任が一卸七片付近で山鳴りと通気逆流発生の通報を一卸七片下層上段払いの担当係員から聞いたということでありますけれども、こういう直接の電話なり何なりで聞かなくても、中央管制塔の中でコンピューターシステムで、ある程度ガスの突出した場合にはCOの量が相当人命に影響を及ぼすとか、そういう把握はできないものかどうか。いまのそういう情報の収集という面についてどういうことになっているのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 御承知のように、この山では坑外の方で集中管制というのをやっております。そこでメタンガスの動きあるいはCOガスの動きというものを常時記録しておるわけでございまして、またそれに伴います警報装置というものでランプが点滅するあるいはブザーが鳴るというようなことがございますので、万一異常が発生いたしますれば、その中央管制においてそれを確認することができるということでございます。さらにあわせまして、坑内におる者が電話でもってそこへ連絡するという道もございまして、その面におきましては体制は十分に整っていたと言うことができると思います。
○倉成委員 一応メタンガスの異常表示が出た。しかし、もう少し細かい地区において、メタンガスの濃度が人命に影響が出るというようなことはつかめるようになっていないのかどうかということを伺いたいのです。というのは、結局六片の下層の第二ガス抜き卸から応答がなかった。応答がなかったからここは何か死傷者があったのじゃないかということになっているわけですけれども、そういうことではなくて、もう少しつかむ方法はないのかどうか、いまのこれが一応限界であるかどうか、ちょっと伺いたいのです。
○伊勢谷政府委員 ただいまの先生の御質問に対しましては、結局集中管制をいたします場合の測定点の数あるいはその集中管制の能力ということに尽きると思いますが、この鉱山の能力としましては七百点がございますが、現在この山が測定点を持っております数はたしか六百何点でございまして、ややまだ能力には余裕があるということではございますが、だからと申しまして、いま先生の御質問にございましたように、完全にその個所というものをその施設で指摘できたかどうかという点については若干疑問はあろうかと思います。
○倉成委員 実は私、コンピューターを多少専門にやっておりますので、そういう疑問を率直に申し上げたわけでございまして、いろいろ将来改善すべき余地があるとすれば、少しこういう機会にひとつ御検討をいただきたいと思います。 それから、一次災害が発生しました後救護隊が出動したわけです。救護隊長は礦務課長ということを伺っておるわけですけれども、この炭鉱における救護隊の日ごろの体制、そして今度保安の統括責任者から救護隊長に話がいってどういう形でどういう時間で現場に到着したのか、もしおわかりでしたらお教えいただきたいと思うのです。すなわち、救護隊長がどこにいたのか、そしてどういう形で現場に行ったのか、どういう装備をしていったのか、どのくらいの時間かかったのかということです。
○伊勢谷政府委員 お答え申し上げます。 事故が起きましたのが二十一時でございまして、それから二十一時五十分に災害対策本部が設置されまして、二十二時に救護隊が招集されております。それから二十三時、すなわち事故が起きましてから二時間でございますが、そのときに救護隊の第一班が入坑いたしております。さらに引き続きまして二十三時四十分、第二班が入坑いたしております。時間的にはそういうことでございます。 それから、救護隊の隊長は先生御指摘になりましたように礦務課長そのもの、これは同時に保安管理者でもあるわけですが、その人が一体救護隊の中でどのような指揮監督をやっておったのかということは、不幸なことにお亡くなりになっておられますので、どのような指揮命令を下したかということは今後の調査にまつよりほかにはございません。そういうようなことで、この点に関しましてはもう少し実情を調査いたしませんと明確にはわからないと申し上げるよりほかございません。
○倉成委員 私が伺っているのは、礦務課長さんが自宅におられて、そして自宅から徒歩で来られたのか、そして会社に来られて、災害のいろいろな設備というか装備のある部屋に入られて、それから入坑されたのかどうか、その間に時間的にどんな経過があったのか、日ごろからどういう——訓練をしばしばやっておられるということを伺っているのですけれども、そういう点を伺いたい。 と申しますのは、御案内のとおり死者があると同時に重傷者がある。だから、もし早く着いておれば重傷で、死亡しないで助かったかもしれないという問題があるわけですね。あるいはガス突出で直ちに死亡してしまったという場合もあるかもしれませんけれども、少し離れたところであれば早く救護が行けば助かったかもしれないということになりますと、後に触れたいと思いますが、労働組合からも、常設の救護隊をつくってほしいという御要望を現地で聞いてまいりましたけれども、そういう問題とも絡むものですから、救護隊員、これは隊長だけでなくて他の隊員の方がどういう状態であって、そうしてどういう経路を経て現場に臨まれたのか、そして、あるいはそれが全部そろわなくても時間を急げば一定の人数ですぐ入るということになるのかどうか、そういうところがもしおわかりでしたら教えていただきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 その点も、先ほど申し上げましたこれからの調査にまつところが多いのでございますが、まず第一に、隊長及び救護隊員は事故が起きたときにどこにいたかということでございますけれども、事故が起きたときにどこにいたのかということの確認はちょっとまだできておりませんけれども、多分推定いたしますには、恐らく、たとえば非番でおられた方でも、宿舎は大体炭鉱の近傍でございますから、そう遠く離れたところにおられたとは思いません。したがいまして、事故の通報を受けまして迅速に集まり、かつ隊を組むということにつきましては、時間的に問題が生じたとは推定できないわけであります。 それから、先ほど先生からもお話がありましたように、常時訓練をいたしておりますから、どのような装備をしなければいけないかということにつきましても、その判断に遺漏があったとは思えないわけでございます。これも推定でございます。 それからもう一つ、この救護隊がどのようなかっこうで現場に接近をし、貴重な人命を救助するかというところが判断といたしましては実は一番むずかしいところであろうと思います。と申しますのは、ガス突出でございますから、まずそのガスの濃度がどういう状態にあるのかということを一方においては調べなければいけませんし、またそれに伴いましてどうやってガスを薄めていくかということがあります。それと、先生も御指摘がありましたように、一刻も早くできるだけ生存の可能性の状態で救出しなければならないということでございますから、その判断の兼ね合いというものは実は非常にむずかしい問題でございまして、実はその辺が、実際に救護隊の隊長として中に入った方が、それに即応してどのような指揮命令を下したのかということとの関連があろうかと思います。したがいまして、その点は今後の調査にまたねばならないところが多いのではないかと思っております。
○倉成委員 いまいろいろ調査中でありますし、私もこれ以上申し上げるつもりはありませんけれども、災害が発生したのが五月十五日の二十一時、そしていまの御報告によりますと二十三時四十分に大体現場に入っているというお話でございました。その間二時間四十分かかっているわけですね。坑口から現場に行くには約十分で行けるわけですね。これは非常の事態ですから、そしていろいろな状況を判断をしなければならないいろいろな問題がありますから、われわれ素人がこの時間が遅いとか早いとか、そういうことを申し上げるつもりはございません。しかし、とにかく一刻を急ぐ、そしてその時間によって人命を救うことができるということを考えると、これらの問題はこれで十分だったということではなくて、素直に、もっと本当に謙虚にこれについて検討を進める必要があると私は思いますので、これはこれ以上は申し上げませんけれども一さらにいろいろ御調査をされるときに、そういう頭でひとつやっていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。 そこで、もう一つお尋ねしたいと思いますが、ガス突出の四時間後、ガス燃焼ともいいガス爆発ともいっておりますが、燃焼の中に爆発が入るようですけれども、素人的に言いますとガス爆発が起こった。そうすると、ここでの一番の問題は、火源がないのにガス爆発が起こった。しかし、ガス爆発が起こったという現実を動かすことはできないので、何らかの火源があったという点、この点、起こり得べからざることが現実には起こったわけでありますけれども、どういうものが火源として考え得るか、まだ調査中でありますので、これはわからないならわからないで結構でありますが、この点が一つ。 それからもう一つは、死亡者の方と重傷の方とあるわけですけれども、二次災害において死亡された方の装備がどういう状況であり、それからまた生き残られた方の装備がどういう装備であったか、差異がなかったかどうか、そういう点もしおわかりでしたらひとつ御報告いただきたい。
○伊勢谷政府委員 御質問の第一点につきましては、この第二次災害は突出いたしましたガスに何らかの火源がございまして、それが爆発というようなことに相なったわけでございますが、しからば火源はどういうことなのか。常日ごろから火源を全くなくなすということがこの鉱山におきましても十分にとられておりました。発破を使わないというのもその一つでございますが、この件は非常にむずかしい問題があろうかと思いますが、目下一般的な形で予測されておりますことは、一つは、送風等によって起きます静電気でございまして、この静電気の帯電によりましてあるいはそういう火源になるということがあり得るのではないかということ。それからもう一つは、いわゆる摩擦火花と申しますか、金属が衝撃いたしました場合に火花が散るというようなことが原因として考えられるかというような、いろいろの説が考えられるわけでありますが、この点につきましては、現場検証あるいはそこに遺留されましたいろいろな携帯品、そういったものの完全な調査によってこの類推をもっとしぼることは可能であろうかと思いますが、現在時点におきましては、まだその調査の過程にございまして、結論を得るまでには至っておりません。 それから、もう一つの御質問は、救護隊の二次災害に遭って死亡された方とそうでない方との間に相違があるかというような御質問でございましたが、確かに一つございまして、二次災害が爆発ということでございますが、これは保安上の用語では爆発と申しますけれども、坑内の破損状況が非常に軽微であるというところから、多分ブロー申しますか燃焼が起きる。要するに、メタンガスの燃焼によりまして酸素のある限り火炎が走るというような程度のものであったのではないかということが目下推定されておるわけでございますが、この罹災された方々の中で一般的に見られます傷害というのはやけど、火傷でございますが、同時に、亡くなられた方の原因は一酸化炭素中毒あるいは窒息死というようなことでございまして、いわゆる酸欠でございます。そういたしますると、重傷という形で残られた方は、酸素マスクをつけていたとかあるいは何らかのかっこうで通気の酸素、空気というものを多量に吸っている人が助かっているという状況から判断いたしますると、死亡された方は酸素マスクをそのときにおいてつけていなかったということに起因するところが多いのではないだろうかというところが御指摘のように類推されておるところでございます。
○倉成委員 今次の災害の特色は、二次災害によって死亡者が非常に多くなってきたということにあるわけですから、いまいろいろ原因を調査中であるわけでありますから私もこの程度にいたしますけれども、十分この教訓を生かして万全を期していただきたいと思います。 そこで、常設の救護体制について労組等から御要望がありましたけれども、これについてはどういう御意見をお持ちでしょうか。あとの質問がありますので、ひとつ簡単に結論だけで結構です。
○中西政府委員 現地でも御同様の問題の提起がありまして、検討を約して帰ったのでございますが、常設の救護隊の仕組みのようなことについても検討しなければならないと思います。 なお、生産と保安両面のことを考えなければいかぬということもありまして、それぞれの山で必要に応じて、いろんな体制について差もあり得るんじゃないかというふうにも考えられます。そういうことで、一律に規則のようなものでぴしゃっといけるかどうかについても、なお検討させてもらいたいと思うのでございます。 また、先ほど来お話がありました、現場に急行する時間的な問題も考えて、総合的に検討させていただきます。
○倉成委員 これは十分ひとつ御検討いただきたいと思います。 そこで、最後に、災害による罹災者の方々ですね、今度亡くなられた方々というのは三十代から四十代、それから五十をちょっと超した方々で、非常に働き盛りの方々ばかりで、御遺族の方々の悲しみもさぞかしと思うわけですけれども、こういう御遺族の方々に対してトータルでどの程度の手当てができるものか。それからまた、その遺族の子弟の方々、大学や高校や中学校へ行っている方々、そういう方々にどういう措置がされるのか、ひとつ結論的なものだけで結構ですから、お答えいただきたいと思います。
○細見説明員 お尋ねのございました遺族の方々に対する援護措置でございますけれども、私どもの方では、災害の発生とともに早急に調査を行いまして、ほぼ労災保険の給付に必要な調査はすでに完了いたしております。 その内容につきまして簡単に申し上げさせていただきますと、遺族の方については、まず遺族補償給付でございまして、これは年金でございます。現在の試算では、年額にいたしまして最高の方が三百九十一万幾ら、最低の方が百二十六万幾らということになっております。 それから、あわせまして、遺族特別支給金と言います一時金を一律に二百万円支給することといたしております。 さらに、葬祭料というのも葬儀をとり行っていただいた方に差し上げるということにいたしております。 さらに、御遺族の方々の今後の就学の援護につきましては、労災就学援護費という制度がございまして、小学校から大学まで支給いたすことになっておりますが、小学校につきましては一人につき月額三千五百円、中学校四千五百円、高等学校五千円、大学一万一千円となっております。 さらに、遺族の方が学齢に満たない方を保育所、幼稚園等に預けて働きにいかれるというような場合につきましては、保育児につき月額三千五百円の労災就労保育援護費というのを差し上げるということになっております。 労災の関係につきましては、以上のとおりでございます。
○倉成委員 負傷者の方に後遺症が残らないようにひとつ万全を期していただきたいと思います。 私は、今度の災害の取り扱いいかんということが、炭鉱に働く方々の全体の士気に非常に影響すると思うのです。それで、労使の方々、非常にこの悲しみを乗り越えて何とかがんばろうというお気持ちが、われわれが現場に参りましても痛いほど感じられるわけであります。したがって、今日のこの教訓を生かしまして、悲しみを乗り越えて、ひとつ一日も早くこの夕張の炭鉱が再開され、日本のエネルギーの供給源としての役割りを果たしていただくことを期待いたしたいと思います。 終わります。
○古川委員長 岡田春夫君。
○岡田(春)委員 亡くなられた方や御遺族に対して心から哀悼の意をささげたいと思います。 しかし、いま倉成さんからもお話がありましたように、徹底的に原因の究明をして、再びこういうことの起こらないような万全の措置をとってもらいたい。こういう点では亡くなった方にことさらむちうつというようなことのつもりは全然ございませんけれども、真相究明という中ではやはり厳格に実態を調べてもらう必要がある。 そこで、時間が二十五分しかないものですから簡単に伺いますけれども、局長が現地に行かれましたのはいつですか。
○伊勢谷政府委員 事故が起きました翌日、十六日の夕刻の四時か五時ごろではないかと思っております。
○岡田(春)委員 今度の災害で非常に特徴的なのは、第二次災害です。この第二次災害が起こった問題について、現地に行かれて局長はどういう印象を持たれましたか。
○伊勢谷政府委員 先生おっしゃいますように、今度の災害の大きな特徴は、恐らくいままでに余りなかったと思いますが、この二次災害の大きさでございます。私が現地に行きまして、一番最初に気をつけて会社側と話をし、かつ監督局長にもアドバイスいたしましたことは、絶対に第三次災害を起こすなということでございまして、これに全力を注ぎました。
○岡田(春)委員 先ほど倉成さんの質問に対する答弁の中で、救護隊が入ったのは第一班が二十三時、こういう御答弁がありました。そのときに救護隊員は何名入りましたか。
○伊勢谷政府委員 五名でございます。
○岡田(春)委員 その以前に救護隊員と言えない方々、広い意味で救護隊と言ってもいいかもしれないが、救出の方々がすでにお入りになっていたわけでしょう、それが十五名先に入っていたのだと思います。
○伊勢谷政府委員 確認はできておりませんが、何名か入っておられたということでございます。
○岡田(春)委員 確認できないというのはだめですよ。あなたのところで出している資料の中で、第二次災害の対象として二十名出ているじゃないですか。二十名出ておって、その中で括弧をつけて救護隊員として五名、本当は救護隊員は六名ですよ、第二次災害の対象は。というのは、斎藤さんを含めて六名ですよ。ですから、ここでやはり一番問題になる点は、先に入っておられた人はいつごろ入られたか、救護隊長である斎藤さんは救護隊が十一人入る前に入っていたのですよ。そうでしょう。そうでなければ、具体的に申し上げますと、あなたのところの資料を見れば、救護隊が入ってから救出ということになるのだが、それ以前に第一次災害の方二人救出されているのですよ。十時四十分に坑口に二人出ているのです。ですから、斎藤さん以下十五名の方は先に入っているのですよ、この点が重要な点なのです。いつ入ったのですか。斎藤さんは救護隊員としての資格をお持ちになっている。ほかの方は救護隊員としての資格をお持ちになってたんじゃないのじゃないかと思う。この点はどうなんでしょうか。
○石川説明員 ただいま先生からの御質問の、救護隊が入る以前に何人ほど、何時に入っておるかということでございますが、二十二時十三分に三名、これは今野礦務課長代理等三名入っております。それから二十二時十五分に後方連絡運搬要員として十名入っております。この中には水野労働部長、組合から参加されている方が入っておられます。それから……(岡田(春)委員「もうあと二名」と呼ぶ)現在まで確認できておりますのはこの十三名でございます。
○岡田(春)委員 だって、あなたのところ十五名と書いてあるでしょう。名前も全部出ているじゃない。しかも、いまの御答弁では私納得できないのは、救護隊の資格をお持ちになっておらない方もおられるのでしょう。そういうところに問題があるのですよ。あなた、局長として行かれたときに、第二次災害の点で一番あれされたというのはこういうところに問題があるので、やはりあれしなければならぬと思う。 もう一つこれに関連して、私は余り時間がないので簡単にあれしますが、私は保安監督上の責任の問題があるのではないかと思う。というのは、一つは、この十五名の方々はあなたもお調べになっておわかりのようだ、大体において軽装しておられました。救護隊は正式完全装備ですよ。それ以外の人はわりあいに軽装である。この点が一つ問題になりましょう。 それから、鉱山保安監督局が到着したのは十二時ですよ。十二時のときに、救護隊ではない関係の人、一応救出隊と言いましょ・、この方々も入っておられることは、保安監督局はわからないはずはない。なぜこういう方々に対して、すぐ出てもらうような努力をしなかったか、これは保安監督上の責任問題として、やはりここら辺は明らかにしていかなければならない問題だと思いますよ。これは今後再び事故を起こさないためにも、こういう点ははっきりしておかなければならない。こういう点、いままだお調べになっておらないのじゃないかと思うのだが、こういう点は局長としてはっきりお調べになる決意がおありですかどうですか。お調べになったら、私、また後の石特で伺いますから、そういう点をひとつ伺いたいと思います。
○伊勢谷政府委員 まず第一、救護隊あるいは救助隊と申しますか、そういう方々の入り方の点についてはよく厳密に調べてみたいと思います。 さらに、監督責任という問題について、これももちろん厳密に私ども調査いたしますが、私が現在知り得ておりますことでは、確かに十二時ごろには監督官は到着しておるわけでございますが、当時の会社側の状況というのは非常に混乱をいたしておりまして、状況の聴取を求めたところ、それに対して全くアプローチがなかったというような状態であって、第二次災害が起きましたのが一時でございますから、十二時から一時の間に、現地に到着いたしました監督官がその状況をつぶさに判断をし、的確な指示を与え得ることができたかということでございますと、どうも的確な指示を与えるだけの状況報告を受けていなかったというのが真相のようでございます。
○岡田(春)委員 それは常識的に考えられないでしょう。十二時に現地に到着した。一時に事故が起こった。監督官が、事故はどこですか、救護措置はどうなっていますかと一番最初に聞くのはあたりまえでしょう。そうしたら、救護隊は一班、二班が入った。救護隊というのは五人ですよ。十人入った。それ以外に十五人の救出隊が入っているのなら、そういう人はどうしていますか、それは軽装で入っているのじゃ困るじゃありませんか、出てもらわないと困ります、監督責任というものはそういう問題ですよ。やはりここら辺は、私きょうは意見だけ申し上げておきますけれども、われわれは、炭鉱の会社側としては非常にあわてたのも本当によくわかるのです。こういう事故が起こると思わなかったのだから、わかるのだけれども、やはりそこは冷静になってあわてないで、こういうようにしましょうと言うのが監督官の責任の問題でしょう。そういう点は、あなた方もっとお調べにならないといけないですよ。あと石特の際、私も石特の委員ですから、あなたにまた来ていただいてこういう点は明確にさせていただきましょう。 次の問題は、災害による罹災者対策、遺族の補償問題、これは労働省ですね。 さっきも若干御答弁がありましたが、一つは、下請の関係の人が一人入っているのです。われわれ事情聴取をしましたときに、たしか会社としては千五百万というお話でした。下請の関係も同様の措置をとっていただかなければならないし、政府の指導はそうしていただかなければならないのです。並びにこれに対して資金対策、これはやはり万全の措置を——三菱ですから大きいから心配ないと言えば心配ないかもしれないが、政府としてやれる措置は資金対策についても考えていただかなければならないわけです。そういう点全体についてひとつ御意見を伺いたいと思います。時間が余りないですから、簡単でいいです。
○細見説明員 本質的には労使間の問題であろうかと思いますけれども、今回に限りましては、ただいまの千五百万は下請の方で支払うということに進んでおるようでございます。
○岡田(春)委員 資金対策、その後の政府の援助はどうなりますか。
○高瀬政府委員 資金対策についてお答えいたします。 正確な損失額についてはまだ出ておりません。われわれの見当では災害関係で約三億から四億の直接損失があるのじゃないか。それから生産がかなりダウンをいたしますので、それが約八、九億という感じで、十億から十二億程度の損失になるのではないか。資金のことでございますので、会社全体の資金計画を見なければ資金不足があるかどうかわかりませんが、われわれの対応としましては、経営改善資金という制度がございまして、その制度を活用し、かつ親会社の三菱鉱業セメントさんと十分話し合った上で万遺漏ないようにしていきたいと考えております。
○岡田(春)委員 先ほど政務次官から、いわゆる常設組織の問題についてお話がありました。さっきのお話は前向きの話だと理解していいのだろうと思うのだが、これはあなたがよくおわかりのように、火事の場合、消防は、田舎へ行きますと、部落で消防団をつくり、公営の消防署というものをつくって、両方で協力関係をつくるわけです。やはり坑内の災害の場合、その両方を考える必要があると思います。炭鉱だけに任しておくのじゃだめだと思う。鉱山保安監督署が夕張にあるのです。あそこに五つなら五つの炭鉱がある。ここに常設の組織のような、いわゆる公営といいますか消防署のようなものを設けると同時に、各山でもそういう常設組織を確立してもらう。そういう二つの側面から前向きに御検討をやっていただけますかどうですか。
○中西政府委員 お話しの問題の御指摘の内容はよくわかります。これからお話も出るかと思いますが、再開に向けてのいろいろな努力もしなければいけませんし、救護体制の万全も期さなければいけません。ある意味で学識経験者などのいろいろな場での調査等も含めまして、いま先生が御指摘のようなことも関連がございますので、あわせて考えてまいりたいと思います。
○岡田(春)委員 あなたは北海道の実情は余り御存じないかもしれないけれども、岩見沢というところに鉱山保安センターというのがあります。そこから夕張まで一時間半かかるのです。ですから、災害が起こった場合、救護隊をそこから出したのじゃ間に合わないのです。さっきも倉成さんが再三言われたように、やはり夕張の鉱山保安監督署にそういう施設を置いておいて、これを救護隊の常設施設とする。これはいわゆる消防ならば公営の消防署ですね。それともう一つは、火事の場合で比較するのが一番わかりやすいのだが、部落なら部落に消防団というのがある。それは炭鉱の中にある救護隊組織ですね。この二つの協力関係をつくるということが非常に重要だと思う。問題点はそういう点で非常に明らかだと思いますので、これはぜひひとつ前向きに具体的に御検討をいただきたいと思うのです。もちろん専門家にやっていただいても結構でございますが、余り長く検討していますと、災害の問題ですからいつ起こるかわかりませんので、なるべく早急にそういう対策を講じていただくようにお約束いただけますかどうですか。
○中西政府委員 約束ということになると中身の問題に触れざるを得ないので、中身の検討を十分にさせていただきます。
○岡田(春)委員 前向きのつもりで伺っておきますが、そうでなくとも、通産省に鉱山保安関係があるのが問題なのではないかという声が出ておりますだけに、こういう点は十分御検討をいただきたいと思います。労働省が保安関係をやるべきではないかという意見はもう前から出ているので、保安の問題と救護の問題は一体の問題としてぜひとも取り組んでいただきたい。 もう一つは、これも深部開発になってから再三問題になっていることなのですが、幌内でも大災害がありましたね。あのときにも大変問題になったのですが、保安技術の開発センター、これは先ほどの委員長の調査団の報告書の中にもありますが、こういうものをやはり設けるべきではないか。深部開発になってくると、山はねとかガスの突出とかいうような特殊な問題が起こりますから、これを特別に開発する研究のセンターが必要だと思う。特に五十五年度の予算の中にこういう点についてもひとつ取り組んで組んでいく、さっきの救護隊の問題と両方とも予算化するというつもりで御検討を願いたいし、委員長の報告にもある問題ですから、この点については念を押して政府側の御見解を伺っておきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 御質問はセンターを新しくそこへつくれという御指摘でございますけれども、もちろんこの面の技術開発というのは非常に大事でございまして、これに即応いたしまして私どもの方は、特に五十四年度におきましては約二億円の予算を取りまして、すでに研究を石炭技術研究所の方に委託しておるということがございます。また研究機関といたしましては、石炭技術研究センターが九州にございます。それから御承知のように公害資源研究所というのもございます。したがいまして、研究体制としてはまずまずこれでいいのではないだろうか。問題は、いま御指摘になりましたように、深部に移行するに当たりまして、そのようなガスの多い鉱山におきます安全のための技術開発というものを、もっと積極的にやらなければいけないだろう。そういう意味合いにおきまして、今後ますますその面に努力していきたいと考えます。
○岡田(春)委員 ことしの予算化で、ガスの突出対策の委託研究費なんかあるんですか。ないでしょう。いままでと同じやつでしょう。
○有沢説明員 お答えいたします。 本年、約一億八千五百万円の予算で、石炭技研に種々の研究を委託しておるわけでございますが、その中にガス・岩石突出関係というものも委託しております。金額については、現在手元にございませんので、御必要とあらばまた調べてお答えいたします。
○岡田(春)委員 総額として一億のあれをした中にそういうのがあるというのだから、余り大した額じゃないですよね。政務次官、どうですか、こんなことじゃ話になりませんよ。北海道ばかりじゃなく、日本のこれからの石炭開発は、どんどん奥に入るのですよ。そういうときに必ず起こってくるのがガスの突出、山はね、それから地熱の高温度に基づく問題、こういうのに本格的に取り組まなければだめだと思いますよ。さっきも委員長報告の中で、エネルギーの見直しの問題があれほど取り上げられているときに、こういう災害が頻発するようなことになったら、二千万トン体制とか、千八百万トンというのは問題にならなくなってしまいますよね。やはり保安が第一ですから、そういう点では、新年度の中にも思い切ってそういう予算措置を考えていく、ここら辺は政治家としての政務次官の任務の一つだと思うのですよ。やはり、そういう点を思い切ってやっていただくことを、きょう江崎通産大臣がおりませんから、通産大臣にかわってあなたとしての御意見を伺いたいし、また、通産大臣が帰られたら、そういう問題についてもひとつ十分お話しをいただきたいと思います。いかがですか。
○中西政府委員 お話しのとおり、通産大臣、外国に行っておりますので、帰りましたら早速よくお話しをいたします。 そういった研究センターという一つの組織をつくるのがいいのかどうかとなりますと、いろんな角度から検討も必要だと思いますが、しかし、ガス突出等々につきましての研究を深めることは、全く異存はございませんので、そういった方向で考えたいと思います。
○岡田(春)委員 さっきの御答弁を聞いておっても、九州の方に研究所があるのですよ。それから東京のすぐ近くにあるのです。北海道にも白石というところに小さいのがある。やはり現場に近いところじゃないとだめですよ。さっきも局長が言ったように、現場の実態やいろいろな問題云々と言われた。その山々でいろいろな特殊条件がありますから、現場に直結できるような場所に、たとえば、初めから開発センターと言わなくても、工業技術院の夕張支所なら支所という形でも設けて研究を深めていくということが必要だと私は思うのです。そういう点を含めて、局長からひとつ御答弁をいただいて、保安の万全のために、深部開発に伴う保安対策についての今後の急速な研究体制の確立という点について御意見を伺っておきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 御趣旨に沿いまして、予算の増額を図るべく前向きに検討してまいります。 なお、先生の御質問に関しまして石炭課長より、ちょっと補足的に申したいということを言っておりますので、お願いいたします。
○有沢説明員 先ほどのガス・岩石突出の話でございますが、石炭技研に委託しておりますもの、五十三年度五千三百万円でございます。五十四年は若干減りましたが、これは研究計画の推移のかげんでございます。これは年次計画でやっておりますので、全体的には増強してまいりたい、かように思っております。 それから、深部対策でございますが、このほかに、昭和五十年度の幌内の炭鉱の爆発事故がございました。その後、私ども、保安懇談会におきまして、各先生方の御意見をいろいろ伺いまして、対策を講じてきつつあるところでございますが、その中で、それを受けまして、私ども、公害資源研究所の札幌にございます研究所を石炭鉱山技術研究センターということに名前を変えまして、現在もっぱら深部保安技術にかなりウエートを置きまして検討を続けているという段階でございます。 なお、これにつきましては、石特会計の方から、五十四年度二千万円の予算をとって、いろいろ研究を続けていただいております。 以上でございます。
○岡田(春)委員 終わります。
○古川委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 今回の災害現場である一卸六片の下層第二ガス抜き卸。問題は、この坑道で、すでに一号から八号までのガス抜き座が設けられて、ガス抜きが行われておるわけです。 そこで私お聞きいたしたいのは、一号から六号までのガス抜き量について把握をされておるかどうか。この点、おわかりであれば御答弁願いたいと思います。
○石川説明員 お答えいたします。 ただいま一号から八号までボーリング座がございますが、一号から四号までのボーリング座はすでに吸収をいたしております。ただいま手元に資料がございませんが、五号以降のガス抜き量を申し上げますと、五号では六万五千立米、六号では十四万九千九百立米、七号では九万三千、八号では一万六千となっております。
○岡田(利)委員 私がここで注目をするのは、一番先端の八号のガス抜きは、穴が十一本掘られておるわけです。七号は十九本掘られて九万立米、八号は二万六千立米。そうしますと、もちろん七号より八号が先端でありますから、時間的な経過から見れば、量が少ないということはわかるわけです。それにしても、一番先端の一万六千立米というのは低過ぎるのではないか。ということは、ガス抜きが十分機能していない面があったのではないかという気がするわけです。場合によっては、これがもし順当にガス抜きされておれば、ガス突出が起きなかったかもしれない。また、これだけやっておるから、今度のガス突出で噴き出したガス量は四万六千くらいですか。ガス抜きが少なければ、まだ相当大きなガス突出が考えられる。ここにやはり一つの問題点があると思うのですね。この点をぜひ徹底的に解明していただきたいということを申し上げておきたいと思うわけです。 問題は、いまの場合に、ガス抜きを完全にやることによってガス突出を防止できるのか、それとも、ガス抜きを相当やっても、ガス突出のメカニズムはやはり完全には防止することができないということなのか、このポイントが、ガス突出対策で一番重要である、こう考えます。この点指摘をしておきますので、ひとつ十分調査を願いたいと思います。 そこで、ガス抜きをこれだけやっても、しかも無火源であって、ずいぶん慎重にやっているがガス突出が起きた、とすれば、やはりこのガス突出は幾らガス抜きをやってもあり得る、こういう想定に立っておかなければならないわけです。ここでは無火源でありますから、いわゆるエアプラスターが使われておるわけですが、この圧気による衝撃度はどの程度のものですか。
○石川説明員 ただいま御指摘のエアプラスターの破砕力でございますか、エアプラスターの破砕力は、筒の容量とかシヤプレートの厚さなどによって異なってまいりますけれども、このエアプラスターは単に炭壁を緩めるというだけの目的でございまして、採炭をするということではございません。したがいまして、EQS爆薬でございますね、あれの大体百グラム一本程度の破砕力でございます。 この災害がございました現場での対応でございますけれども、これは断面積が十七平方メーターでございますが、これに六本ないし七本のブラスティングを行いまして、大体一メーター程度掘進をいたしております。
○岡田(利)委員 発破掘進の場合、ガス抜き警戒区域でも発破掘進があるわけですが、この場合でも大体穿繰りは一メーター五十以内ぐらいではなかろうか、こう思うわけです。そして、この場合には発破なるがゆえにそれぞれ指導基準が設けられて、発破をかける距離、遮断幕の置き方、あるいは万が一の場合の退避所、退避所に対する空気の送風、こういう体制があって、発破の場合は掘進が行われておるわけですね。そうしますと、エアプラスターを使ってもこういう事故があるとすれば、発破と同じようにもし準備してあった場合でも人命が救助をされる体制、仕組み、あるいはまたエアプラスターの発射位置、引っ立てから発射位置の設定、こういう点については今次災害ではいずれ調査の上それぞれ検討して、しかるべき基準を設けて指導しなければならないという段階に入った、こう思いますが、いかがですか。
○石川説明員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘のとおり、エアプラスターの使用基準につきましては、保安規程によりまして保安基準が設定されております。具体的に申し上げますと、掘進の場合の避難距離でございますが、これは引っ立てから三十メーターというふうに規定されております。しかし、エアブラスティングとガスの突出の因果関係でございますが、これにつきましては、今回の災害を十分調査をいたしまして、保安の確保の面からこの因果関係が重要な要素であるということになりますれば、発破の基準等を参考にいたしまして、基準の改定等を考慮してまいりたい、このように考えております。
○岡田(利)委員 わが国の炭鉱は深部化するわけですが、深部化する場合の条件として温度が上がる、温度が上がればこれは装置をして冷たい空気を送って温度を下げる、そういうことになるんだと思うのです。それ以上なかなか方法はないんだと思うのです。それは坑口につけるか切り羽につけるかですね。 それから、地圧が非常に強くなる、これはどうしてこれを受ける枠を考えるか。大夕張ではモル式枠を施工している。なお一層盤圧があればこれは下盤打ちをするか、あるいは天盤追い切りをするか、一定の通風を保つ坑道を常に拡大仕繰りをやるということになるんだと私は思うのです。そうすると、あとはガスの量が多くなる、ガスの量が多くなるから突出が起こる、火源があってガスと接触すれば爆発がある、こういう問題が一番重要じゃないか。あとは水の問題も当然考えるわけです。大体、深部採掘の場合には以上のような問題点が考えられると思うわけです。 そうしますと、やはり何といってもガス突出あるいはまたガス爆発、これに対する対応ということが、特に人命上非常に重要なポイントだということになろうかと思うのです。 そこで、二次災害を見てまいりますと、大体四万六千立米のガスが出て、四百トンぐらいの炭じん、粉炭がそれで押し出されたという状況のもとでは、まず、その現場状況を探検するのは救護隊がやって、しかるべき報告を受けてこの対応策を考えるというのはイロハのイの字だ、こう私は思うのですが、いかがですか。
○石川説明員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘どおりかと思いますが、これはあくまでも推定でございますけれども、今回の場合も、現場に直接入りまして探検をいたしましたのは、救護隊員の五名ではなかったかと想定されます。したがいまして、ただいま御指摘のございましたイロハのイの場合でございますが、これは守られていたのではないかというふうに想定されるわけでございます。
○岡田(利)委員 現地で会社の報告によりますと、ここに書いてありますように、「砿務課長他は簡易酸素マスク」マインガムのことを言っているんだろうと思うのですね。これを「着用探検中、六片一立入にて二名の罹災者(死亡一名、負傷一名一を、更にガス抜卸内にて掘進員一名を救出し、引続き探検の結果多量の突出炭を確認し、該卸に配番されていた係員一名と掘進員四名の行方不明が判明した。」これは救護隊は入ってないんですよ。だから、ちょっと答弁が違うんですね。ですから、結局マインガムをつけた——もちろんマインガムをつけないで入れるはずがないんですから、マインガムをつけて一応一回探検をして現場を確かめている。これは現地の会社の報告ですよ。そしてその後「行方不明者五名の本格的救出作業を実施するため、通気設備の補修等を行い、」すでに風管が焼けているから、新しい風管をつけかえて、そして、ガス抜き卸気流のガスを希釈しながら、到着した救護隊第一班によって卸詰の湧出ガスの排除作業に当たったということですから、これは会社の報告だから、このとおり理解していいんじゃないでしょうかね。 そうすると、初めの探検はいわゆるマインガムをつけた救助隊、かけつけた礦務課長の指揮する救助隊によって探検が行われている、作業がすでに行われているということになるんではないでしょうか。
○石川説明員 ただいまの会社の報告でございますが、現場を確認する場合に、着装しました救護隊が現地に到着いたしておるわけでございますから、探検を行うという場合に救護隊は着装していなければいけないんじゃないか、また着装してないと現場に近づくことはなかなかむずかしいんではないだろうかというふうに想定されますけれども、この点につきましては、なお十分調査をいたしまして確認をいたしたいと思います。
○岡田(利)委員 いや、それはもう別に救命器を装備しなくても、マインガムを持てば酸素が出てくるわけですから、現場でも説明したように、それをくわえて鼻を押さえていけばどこまでも行けるんですよ、救命器にかわるもんですから”ただ、何かあった場合にすぐ外れるとか非常に問題があるんですけれども、それは行けるわけですから、当然やり得るわけです。このことが今後災害で定式化して認められておるとすれば問題点があるし、救護隊の発動その他について規則あるいは基準等についてすべて見直しをしなければならない内容になってくるんではないか、こう思うわけです。これは会社の報告ですから間違いないんですから、ぜひそういう点を原因究明の場合に十分ひとつ検討願っておきたいということです。 ここは無火源の坑道であることは間違いないわけですね。したがって、ガス突出、単純突出ですから、火源がないから燃焼爆発はないだろう。したがって、自分の呼吸だけを維持できれば探検が可能である。また、そのことによって一名がこの卸で救助されたわけですね。出戸の方では一名の死亡と一名の重傷、ですから二名の重傷者がこの人々によって救助されておるという事実があるわけですよ。だから、そういう常識概念があるからマインガムをつけて探検をしたんだろうと思うのですね。もし第二次災害が起きなければ、救助を行っておるわけですから、これは適切であったと言えるかもしれない。これは礦務課長さんが指揮しておるわけですから。火源がない、無火源の坑道だからということがびしっと常識化されておるわけですよ。そういう点では人間の常識を破る、何が火源であるかはわかりませんけれども、とにかく火源があったから燃焼が起きたということでありますから、この点今後の災害救助のあり方等で非常に重要な問題だと思いますので、これから十分詰めてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 それともう一つは、結果的に、災害者をずっと調べてまいりますと、ガス燃焼が起きた後、自力脱出をした人は全部救護隊員なんですよ。救命器装備の隊員は五名自力脱出をしている。もちろん重傷者ですね。出坑している時間が全部これに出ています。それで救護隊もわかりますし、ずっと拾っていきますとそういう数字になるわけです。したがって、救護隊の救命器装備をした者は自力脱出をした、そして恐らくその付近にいたのは私の推定ではマインガムの簡易救命器をつけた人だろうと思うのです。この人々五名は重傷でその後の救護隊によって救護されている。これは奥に燃えるわけじゃない、結局人気に向かって火は走りますが、むしろガスの薄いところにいた人は装備はしてないわけですよ、すでに風管が通って通気が確保されておるわけですから。これが全部いかれているわけですね。ですから、装備の違いによって——もし全員か救命器具の装備をしておればどうだったかということもあります。 それから火源の位置がどうだったか調べてみますと、とにかく奥にいたのが十名いずれも救護隊員あるいは恐らくマインガムをつけておっただろうと思われる人々、これが重傷で助かって、逆に出戸に近い方にいた者は全部死亡している。これは燃焼爆発の常識ですから、装備をしてないからそういう結果になったのだろうと思うのですね。そうすると、燃焼の地点というものもある程度想定はつくのではないか、こういままでの経験から言えば言えるわけであります。そういう意味で考えますと、救助のあり方ということについてやはりぴしっとしなければならない問題であるし、それぞれの山で応用動作がとられぬとすれば問題があるし、あるいはまた監督部長がいなくても監督官が派遣をされるわけですから、そうすると鉱務監督官の指示を受けて、相談をして事後の作業員を入れるとかそういう何か常識、ルールというものが確立されなければならないのではないか、そういうことを今度の災害は教えておるのではないか、こう思いますので、この点もいますぐどうするこうするということの答弁は求めませんけれども、問題点として提起をいたしておきたいと思います。 そこで、火源の想定について先ほど若干想定されることが述べられましたけれども、これがもし本当に究明されて、静電気のあれによって火源があれしたとか、金属音によって火花が散って引火をしたということになりますと、これまた従来の常識を破ることになる非常に大きな問題であって、炭鉱の保安体制を根本的に見直しをしなければならないということに私はつながっていくのだううと思うのです。そういう意味で、この火源の問題については相当時間もかかろうかと思いますけれども、従来の分析の想定をぶち破るとすれば相当大きな問題でありますので、この点については特に究明されると同時に、あらゆることを想定をして専門機関でも研究をしてもらうように措置をしていただきたいということを、これも強く申し上げておきたいと思います。 問題は、火源がなければ爆発燃焼が起きない。しかも濃度が高かったから燃焼になったわけですね。恐らく三〇%以上の濃度がその地点はあったのだろうと思うのです。薄ければ爆発するわけですからこんなことでは済まなかったはずなんですね。そうすると、この現場の想定というものは、風管の位置まではある程度ガスは薄められておるけれども、相当な、三十数%以上の濃度の状態にあった。ガス燃焼であればはっきりそう言えるわけですね。そういう状況の中で、いま言った人々がそういう着装装備で仕事をしていたということになるわけですから、ここは非常に重要な問題点であるということで、規則の改定その他まで及ぶ問題でありますので、こういう問題に対する今後の姿勢について局長から承っておきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 一つ一つの現状分析におきまして、先生のおっしゃっておられますことはお聞きいたしておりまして、私は非常に的確なことをおっしゃっているのではないかと思われます。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕 一つ一つのその問題点の御指摘はまことに重要でございまして、私どももその点につきましてこれから十分な調査をやってまいりたいと思います。このためには私は、早急に学識経験者によります調査団を編成いたしまして、ひとつ大々的に、しかも迅速に今度の一次災害、二次災害というものの原因調査をやってまいりたいと思います。そしてその結果に基づきまして、先生御指摘のように、規則等を改正した方がベターであるというような事実が出てまいりますれば、私たちは直ちにその方向に沿いまして善処してまいりたいと思います。
○岡田(利)委員 特に今度の災害のもう一つの特徴点は、罹災者の中に保安技術職員ではない労働組合の幹部の指導者が二名含まれているということが従来にないケースなんですね。やはり労使ともにこれは無火源の坑道である、そういう常識が日常から頭にありますから、すかっと救助に入れたのだと思うのです。また、そういうことについて組合の労働部長さんも会社の礦務課長さんも、ガス燃焼の爆発なんということは全然考えてなかったということが非常に特徴的なことである、こう思うのです。そういう点で、これからの災害というのは予期しないところに起きるという意味は、その炭鉱、炭鉱の常識外のことを想定してこれに対処する。災害救助の場合もそうだ。これが常識として逆に確立されなければならないということを今度の災害は教えた、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○伊勢谷政府委員 確かに御指摘の点があろうかと思います。 もう一つ大事なことは、この炭鉱におきます事故原因は一次災害、二次災害を含めまして調査をいたしますと同時に、やはりその結果に基づいてもう一度全炭鉱をそのような見地に基づいて調査を、これは監督局部といたしましてそういう全体的な再点検をやらせる必要もあるということだろうと思います。
○岡田(利)委員 従来の、戦後の災害統計をずっと調べて、特に最近の北海道では、芦別の爆発は二年前の五月十一日に起きておるわけです。今度も五月に起きておるわけです。いわば気圧の変動の非常に激しい時期である。したがって、坑内のガスの湧出量も当然気圧の変動に対応して変わってくる。これは常識であるわけです、そのことがどんぴしゃりじゃありませんけれども。七月に保安運動が全国的に行われるわけですけれども、炭鉱の場合、従来の重大災害の多い時点、そういう時点に保安を特に見直すとか保安月間にするとか、そういうことも今後工夫していいのではないかという気がしますので、この点は一つの私の意見として申し上げておきたいと思うのです。 最後に、時間がありませんからお聞きしますが、この南大夕張鉱は一卸それから三卸、四卸の体制で現場が展開されているわけです。一卸の場合には特にいわば背斜軸に向かっていくわけですね。急速に行くわけです。七片、八片。だから向斜よりも背斜に行く場合にガスの湧出量が多くなるのは常識ですし、それだけにこれからの一卸の採掘というものは、夕張炭層の背斜軸に入っていくわけですから、そういう点で特に慎重を要しなければならぬということは私も理解できるわけです。だがしかし、三卸、四卸については通気形態も独立しておるわけです。そういう意味で原因を徹底的に究明しなければならぬと同時に、この再開についても的確な判断をして措置をとらなければならない、こう思うわけであります。そうしますと、再開をする申請というものは、手順を決めて保安点検を行って、いついつから再開をしたい、もちろん労働組合の合意も得て行われるものだと思うわけです。そういう考え方である程度的確な指導も必要ではないだろうか。一卸については突出物を出すだけでもまだ相当時間がかかる、こう思うわけです。したがって、一卸の方についても、これは時間がかかるが、こういうような段取りで原因の究明と相まって再開の見通しを立てるべきだと思いますが、いかがですか。
○伊勢谷政府委員 今度の事故現場は、先生がいま御指摘になりましたように、全く新しいところに新しい採炭のための切り羽を設定するという卸の段階で坑道の炭層中への掘進の段階で起きておるということでございます。現在行っております他の切り羽は相当遠隔でございますし、いま先生御指摘になったような意味において系統も違っておるわけでございます。したがいまして、いま私が申し上げましたように、確かに事故原因の究明のための調査、あるいはその教訓に基づきまして規則の改正とか全炭鉱的な点検という点もきわめて大事でございますが、一方、そのために永久にと申しますか、非常に長い期間炭鉱を閉鎖しておくというわけには当然まいりません。また、現場から見ましてそういうことの必要性も薄いと思いますので、まずは鉱山会社側から再開計画というものを提出させまして、それに基づいて保安監督上の立場から十分な検討を加えました上で、時期はもちろん明示することはできませんけれども、比較的早い時期に再開ができる可能性はあるということを申し上げておきます。
○岡田(利)委員 時間が来ましたので、あと今後災害原因の究明の進捗状態も勘案して、また別途お尋ねすることとしまして、以上で終わります。
○中西(績)委員長代理 野村光雄君。
○野村委員 私は、地元の一人といたしまして、今回の災害に当たりまして犠牲になられました多くの方々に対しまして心からの御冥福と、また遺族に対しまして心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。 ちょうど十六日、私はたまたま上京いたしておりまして、朝六時のニュースを見て直ちに夕張の現地に東京から飛んだわけでございます。前後三日間にわたりまして現地の実態、災害対策等調査いたしてまいりました。非常に痛ましい二次災害、起きてならないことが起きたわけでございまして、今後二度と再びこのような二次災害が起きないように、いささか私、具体的な問題でお尋ねをいたしたいと思います。端的に御答弁をいただきたい。 まず最初に、現地の夕張保安監督署が同順業所からこの事故を知ったのは何時なのか。それから札幌にあります保安監督局が連絡を受けたのは何時なのか。それから伊勢谷局長がこの事故を知ったのは何時なのか、お尋ねいたします。
○伊勢谷政府委員 お答え申し上げます。 夕張監督署が会社側から通告を受けましたのは二十二時四十四分ごろのようでございます。監督署は直ちにこれを札幌の鉱山監督局の方に連絡をいたしております。 それから、私がこの災害を知りましたのは、私の下の石炭課長から、十六日の夜中の四時か五時ごろであったかと思います。
○野村委員 保安規則六十八条から言いますと、災害の場合、鉱業権者は、保安監督局長に直ちに報告をしなければならない、こういうふうに義務づけられているようでございますが、今度の場合、災害が大体九時に起きている。しかも地元の夕張に一時間四十四分もたってから報告があった。私は素人ですけれども、会社のとった処置というものは率直に言っていささか遅かったのではないか。この点に対してはどんな認識をしていらっしゃいますか。
○伊勢谷政府委員 炭鉱と夕張署との間と申しますのは車で多分十分か十五分ぐらいのところでございます。非常に近いわけでございます。そういう近さを考えますると、たとえば連絡方法として電話というものがもし仮になかったといたしましても、事故が起きましてから監督署の方に連絡があったのは、どちらかと申せば非常に遅かったと言うことができるのじゃないかと思います。
○野村委員 現代の文化の時代ですからわざわざ走っていったり車で報告する必要もない。規則からいっても、電話等で直ちに連絡しろと義務づけられております。そういう点から言いますと、会社は会社で言い分があるかもしれませんけれども、監督局としては若干遅きに失した、こういうことでございますね。それでなくてもおくれた報告を受けた監督局としては、規則上現地に到着して対策本部を設置しなければならない、こうなっておりますが、それぞれ現地に到着なさった時間は何時ですか。——そんなむずかしいこと聞いてないでしょう。着いたのは何時かと聞いているのです。
○伊勢谷政府委員 着きましたのは十六日零時ごろでございます。 いや、私がいま聞いておりましたのは、対策本部というのを設けたのは何時かということを聞いておったわけですが、これは到着と同時に対策本部を設置するということでございます。
○野村委員 そうすると、十時四十四分に知らせを受けて、現地へ到達したのは十二時ですか。一時間十五分かかって行っているんですか、これだけの緊急問題を受けていながら。
○伊勢谷政府委員 鉱山側から電話を受けましてから署のとりました措置は、まず第一は、札幌の鉱山監督局の方に連絡をすることが一つと、それから……。
○野村委員 何時に着いたのかと聞いているのだ。それは後から聞くからいいんだ。何時に現地へ到着なさったのかと聞いておる。
○伊勢谷政府委員 それは先ほどお答えいたしましたように、零時でございます。(野村委員「その間、少し長過ぎたんじゃないか」と呼ぶ)ですから、その間にとりました措置は、札幌の鉱山監督局に電話をすること、それから直ちに現場へ急行すること。現場へ急行するのは、先ほど私歩いて十五分ぐらいと申し上げておりましたが、いま聞きましたところ、四十分かかるそうでございます。
○野村委員 ずいぶん十分から延びましたね。歩いておいでになったのかもしれませんけれども、それはこだわりません。 それで、先ほどの方の御答弁を聞いておりますと、救護班が三回に分けてそれぞれ編成されて入ったようでございますが、もう一回ちょっと教えてくれませんか。何時に何名、何時に何名。
○石川説明員 お答えいたします。 救護隊の第一班五名が入坑いたしましたのが二十三時ごろでございます。 それから、先ほど岡田先生の御質問でちょっと混乱して数字が合わなかったのでございますが、ここで数字を改めさせていただきますと、二十二時十三分に三名入坑いたしております。それから、二十二時十五分、これは四名入坑いたしております。それから、二十二時四十五分に三名入坑いたしております。それから、二十三時ごろ、これは先ほど申し上げました救護隊でございますが、これが五名でございまして、合計十五名でございます。 それ以外に、坑内に残留いたしておりました係員等が五名おりまして、これに救助を要請した、こういうことでございます。
○野村委員 救護隊に対しては当然その目的なり、その目的についての人員編成、それに対する装備、こういう順序になってくると思うのですが、これは当然保安監督局の服務規程、こういう点からいっても、「保安監督局は、救助活動に対しては二次災害を防止するために努めなければならない」、こういう二次災害に対しては非常に重い義務づけをされております。それに対して、装備なり人数なりきちっと確認したんですか。会社任せですか。
○石川説明員 お答えいたします。 救助隊の編成は保安統括者の責務でございまして、これの配置、あるいは目的、あるいは行動範囲、あるいは入坑、出坑時間等につきまして、一切の責任を持っておるわけでございます。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕 従来の災害でございますと、救助隊が入坑する以前に監督官に種々報告がございまして、必要なサゼスチョンを与えることができたわけでございますが、今回の場合におきましては、監督官到着時点ではすでに入坑いたしておりましたので、適正な指示を与え得なかったという状況でございます。(「救護隊と救助隊をはっきり区別しなければだめだよ」と呼ぶ者あり)
○野村委員 それではその救助隊、救護隊、いま岡田先生おっしゃった、私は素人ですからよくわかりませんけれども、これ以外に編成して入っているでしょう。救助隊ですか、その後に入っているでしょう、私は現場で全部確認してまいりましたけれども。 もう一つ私はここで確認したいのです、もう時間ないから。この第二次災害で犠牲になられました死亡者、重軽傷者、これらの方々は、救護班なり救護隊なり、どういう目的と、指示と、だれの引率に基づいて何時何十分に入坑したんだ、こういうことが全部チェックできますか、この二十何名。
○石川説明員 お答えいたします。 先ほどの救護隊と救助隊の関係でございますが、二十三時に入りました五名が救護隊でございます。それ以外の十五名が救助隊でございます。 それから、入った人数と救護隊の五名との関係でございますけれども、二十二時十三分に三名入りまして、西尾保安技術管理者の指示によって入っております。 それから、同様、二十二時十五分に四名入っておりますが、これにつきましては那須という礦務課長代理でございますか、那須という方が西尾管理者の指示で入坑をいたしております。 それから、二十二時四十五分の三名につきましては、これは組合の生産部長の方、それから礦務課の保安係長の方が同行しまして入坑をいたしております。 それから、二十三時の救護隊につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
○野村委員 それ以外に、私が実際にただいま入院中の中川利信さん、この人と、担送者という立場で入った小磯学夫さんと約一時間余り、生々しい坑内での実態を生き残った方に聞いてまいりましたが、この方は十二時十分に川口さんという責任者の引率で、C人車は普通は十一時十分に出るんだそうですけれども、災害があったために十二時十分に十九名で入った。この人はだまたまガス突出現場から二百メートルぐらい離れました一卸五片北盤下坑道の電話係として部署についた。電話の番号が四一一番。ここでやっていて、二回目の爆発をしたときに砂金さんという人がふらふらして上がってきた。そのうち二回目の爆発があって、今度は担送する担架をあれしたところが六片に全部下げられていて、ない、こういうことで六片まで取りに行って、そのうちに十一メートルぐらい離れたところに電気の光がふらふらして倒れた。これは大変だといってここまで行った。引っ張り出しに行けるだろうと思って行ったら、中川室長代理が手を大やけどして倒れていた。いろいろな話をしておりましたけれども、そうやって最終的に中川さんを担架で連れ出してきた。こういう中で、一緒に入った中で犠牲者も出ておりますね。先ほども社会党さんの方からお話がありましたように、保安監督局で知らない人がたくさん入っているのじゃないですか。前にも入っているし、事故発生のさなかにおいても保安監督局で確認されないような編成なり人員が所定の装備なり目的なりを明確にしないで入っている、こういうことが二次災害をこのように巻き起こした最大の原因ではないのか。こういう点は聞いていないのですか。
○伊勢谷政府委員 私から先生の御質問に基づきます所見をちょっと述べてみたいと思います。 まず第一に、鉱山側から監督署の方への連絡がおくれたということは、これは非常に重大な問題だと思います。同時に、先生が御指摘になりましたように、一時間四十四分後に知らせを受けた。これは若干遅いのではないかという御指摘がございましたが、多少そういうことはありますが、それも一つの問題かと思います。 さらに、もう一つの問題は、十二時に着きましてから状況の説明を求めたところ、それに対する会社側のアプローチがきわめて悪いということが一つあろうかと思います。そのうちに二次災害が起きてしまうという不幸な事態があった。この辺が私は非常に問題だと思いますが、さらにもう一つここで大事なことは、九時に事故が起きまして以降の救助のあり方でございまして、御指摘がありましたように、正規の救護隊がまず第一に入るべきである。これは、そういうことが徹底しておるはずでございますが、そのとおりになっていないということは、私は非常に問題があろうかと思うわけであります。 なおかつ、これは若干結果論になりますが、十二時に監督官が現地に到着いたしまして、速やかに会社側が状況の説明をいたしました場合には、多分監督官は常日ごろの訓練から言いまして、救護隊の編成及びそのあり方につきまして指示を与えることができたのだろうと思います。それができるチャンスがなかったということは、前に申し上げました原因の結果論として出てくるのではないだろうかと私は思います。 以上、先生の御質問を総括いたしまして所見を申し上げますと、そういうことではないかと思います。
○野村委員 私は、先ほど言いましたように、十六日十二時半ごろ夕張へ東京から直行しました。それで午後保安監督局の対策本部を訪れました。塩田局長さんですか、たまたま上京なさっておったのだそうですね。私もけさ早く着きましたと。これは仕方ないと私は思う。しかし、局長はそのとき、救援隊というのは何名、何時に入れたんですかと聞きましたら、二十二時三十分に第一班六名、第二班は二十三時四十分五名、第三班零時二十分六名、こういうことで十七名入った。私は、そこですぐ、十七名入れて二十名の被害者が出たというのは合わないじゃないですか、おかしいですね、こう言ったら、いや先生、実はその第一班の二十二時三十分六名というのは、最初の目的で入って、爆発するまで四時間も入っているわけじゃないのです、一つの目的が終わると、すぐ交代して入るものですから人数が合わないのですよ、こう言ったから、それじゃ第一班の六名が出てきて、また第二班の五名が入っていった、そうすると、第二班と第三班が犠牲になったとしたら十一名になってしまうし、よけい合わないのじゃないですかと言ったら、答弁にすっかり困っていましたので、私も災害の最中だし、ここでこんなやりとりをしているより救出が第一だ、いずれにしてもがんばってくださいということで、私は納得しないで帰ってきた。帰ってきたら、先ほど言ったように、全く編成外のような十九名がこうやって入ってきて、この中でも犠牲者が出ている。私は、生々しいこういう体験を一時間余にわたって聞いてきてますます、これだけの災害が起きていながら、何の目的も、何のあれもなしにして簡単に入れるのか、そんなものじゃないだろう、一体監督局は何をやったのだ、そう言いたくなる。この点をひとつ明確にしていただきたい。 もう一つ、先ほどの重軽傷、亡くなられました二次災害の方々は、念を押しますけれども、全部わかっているのですか。これは第何班、だれそれの引率で入った人だということが全部わかるのですか。わからない人が何名いるのですか。これは問題ですよ、亡くなった人がどんな目的で入ったのか……。
○伊勢谷政府委員 後者の御質問につきましてはいま調査中でございます。ちょっとお待ちください。 その前に私申し上げておきますが、先生が現場にお着きになって、そこにいた札幌鉱山保安監督局長にお尋ねのときの答えの仕方というのが、今日わかっておる状況から比べて余り明確ではないのではないかといまおっしゃったのですが、この点につきましては、そのぐらいの時間のところですべてのことが明確になったということではございませんので、あるいはそういうことがあり得たかもしれないということで御容赦願いたいと思います。
○石川説明員 お答えいたします。 多少先ほどの答弁と重複をいたすと思いますが、二十二時十三分に三名入坑しておりまして、この場合の引率者は今野礦務課長代理でございます。これは西尾管理者の指示に従って入坑をいたしております。それから二十二時十五分に四名入っておりますが、この場合の引率者は水口という係員の方でございます。それから二十二時四十、五分に三名入坑いたしておりますが、これにつきましては斎藤礦務課長が引率者でございます。それから二十三時の五名につきましては、先ほど申し上げました救護隊でございます。
○野村委員 そうでなくて、いまの引率された人数の中に二十名全部入っているのですかと言っているのです。その引率された人は、引率者はわかったけれども、五名ぐらいの名前がわかっているわけでしょう。この二十名の罹災者というのは、正式に編成されて入って、引率されて入った者だけが不慮の災害の二次災害に遭っているのか、あなた方で目的も何にも与えないでいる者までもこの罹災者の中に入っているのかどうなのかということを聞いているのですよ。だれが引率して何名入ったのかということはわかったのだから、二十名の中にはいないのかというのです。それも確認されていないのですか。端的に言うけれども、菅原政義さんという人は何班に編成されたのですか。全部言ってくださいよ。
○石川説明員 お答えいたします。 ただいまの菅原生産部長は斎藤礦務課長と同時に入坑いたしております。これは二十二時四十五分でございます。それから亡くなられた方で二番片に張り番されておりました方が五名おります。(野村委員「一次災害のことはいいのですよ」と呼ぶ)いえ、一次災害ではございません。二次災害で二番片で張り番された方が五名おります。これは信田さんという方と、斎藤弘さんという方と、それから笹波さんという方と、それから大浦さんという方と、荒木さんという方でございます。(「ちょっともう一回言って」と呼ぶ者あり)信田喜一さん、それから斎藤弘さんでございます。それから、笹波和也さん、大浦信三郎さん、それから荒木元春さんでございます。
○野村委員 あとの人は第何班なんですか、けがしたり死んだ人は。二十名いるでしょう、二次災害。合わないでしょう、あなた。十五名入って、二十名罹災者がいるわけだから、その内訳を明確にしてくださいよ。——時間かないから後からきちっとしたものをください。
○石川説明員 差し上げます。
○野村委員 いいですか、そういうことぐらいはすぐわかっていなければだめでしょう、これだけの災害が起きたんだから。 それから、この際ですから、いま言ったようにつじつまの合わない、この第一次災害から第二次災害までの四時間の間というのは非常に貴重な時間なんです。いま言ったように会社の報告は手おくれする。保安監督局は十二人しか現地へ行かない。結局現地へ到着したのは三時間後だ。結局は対策の手おくれが重なり、それぞれの救護隊なり救護班の目的なり、その目的に対応した編成なり装備なり、こういうものが、保安監督局として責任を持って確認をしなければいけないものが確認されてない、こういうところに二次災害の大きな原因というものがあると私は思う。これが全部だとは言いませんけれども、二度と再び起こしてはならないから、こういうことを私はやかましく言っている。 次に、私はこの機会にお尋ねいたしますけれども、この事前の対策というものは当然石炭鉱山保安規則にのっとって、鉱山の救護隊の組織の編成でありますとか、練習の課程でありますとか、招集の方法でありますとか、使用器具の定期的点検でありますとか、こういうことが全部義務づけられております。こういうことが日ごろきちっと行われていたのかどうなのか。もう一つは、坑内労働者を対象にした、ガス突出でありますとか出水等の災害について、三カ月に一回以上退避訓練をしなければならない、こういう規定もございます。保安技術の職員は、一カ月に一回以上鉱山労働者の退避の指導に関する教育を行わなければならないとか、こういう明確な保安規則というものがきちっとできておったのかどうなのか、この点について具体的に、監督局としてのこの会社の事前のこういう保安規則にのっとった体制が整ったのかどうなのか、この点をひとつ確認したい。
○伊勢谷政府委員 まず鉱山の保安の問題につきましては、一つは自主保安の体制というのがございます。それと同時に、法律によりまして会社の組織の中に保安を取り扱う人々のシステムというのを構成しておるわけでございます。今度は、そういう保安上の仕事を取り扱います組織の中の人々につきましては、センターにおきまして訓練を施すということをやっておるわけでございます。この鉱山につきましても、この事故が起きます直前、三月あるいは四月におきまして、所要の人間がそのセンターに赴きましてその訓練を受けておるということは事実としてあったわけでございます。そういうような会社側の自主保安体制というものがございまして、また法律上でいろいろなそういうシステムをつくるということがございまして、さらにその上に、私どもの監督という立場からそれに対してまた的確な指示を与えるというようなことが行われておる。そういうかっこうでこの炭鉱の保安の仕組みというのは成り立っておるわけであります。 したがいまして、そのところから申し上げますならば、少なくとも自主保安体制に不備があったか。これは余りなかったのではないかと申せます。それからそのシステムの中に不備があったか。これは余りなかったのではないかと思います。訓練もきわめて十分であったのではないかと思いますが、実際に事故が起きまして二次災害の発生ということによっていまのような問題の御指摘を受けておるわけでございますが、一つには、先ほどほかの先生が御指摘になりましたように、やや、火源がないということでの二次災害が起きないという安心感と申しますか、そういう自信があり過ぎた点がある、そういうところでややそういう乱れがあった。これは事実、事故が起きますと多少混乱はいたします。それと、今度の事故のように生き埋めというような形で確認されたということによりまして、それを少しでも早く救助したいという人命尊重の立場という観点がございますだけに、多少その辺の判断の甘さがやや認められるかもしれませんが、逆を言いまして、人命尊重の見地からそういうところもあるいはやらなければならないというふうに考えられたという節もあるということで、確かに先生がおっしゃいましたような問題点は、もうちょっと時系列に明確にいたしまして、もちろん今後の調査の中から一つの教訓を導き出さなければならないと私は思っております。
○野村委員 時間でございますので、最後に、中西政務次官、せっかくお見えになりましたので、私は要望かたがた、御意見を伺いたいわけです。 先ほど来、各同僚委員からも要請がございました遺族の補償問題でございますとか、負傷者に対する今後の手当てでございますとか、これはひとつ万全を期していただきたいことを私は犠牲者にかわりまして強く御要望申し上げておきます。 次に、先ほど来、同僚委員からも私からも、二次災害併発に至る貴重な四時間のいきさつというものはお聞きになったとおりでございまして、失礼ですけれども、政務次官あたりが肩書き持って参りますと、規格どおりな会社なり保安局なりの御報告がございまして、本当の生々しい労働者の災害の実態というものはそう簡単に教えてくれない。こういう点からいいまして、いずれにいたしましても、今回の災害の問題はいろいろな問題が重なり合ってなったと思いますけれども、私としては、やはりこういうような実態から言うと、今回の二次災害というものは、反省すべきことはしっかり反省して、再び起きないためには厳しい現実というものをわきまえていかなければならない、こう思うのでございますけれども、政務次官としてひとつ二次災害の経緯に対しての率直な御感想なり今後の決意なりをお聞かせいただきたい。
○中西政府委員 先ほど来の各委員の御質疑をお聞きし、また答弁をわれわれの方から申し上げておる経過を聞きまして、本日のこの特別委員会はわれわれにとっても大変有意義ないろいろな御意見、御示唆をいただいたことを喜んでおるところでございます。 お話の遺族あるいは負傷者に対します弔意、その他お見舞いあるいはこれからの会社等を中心とする災害に対するいろいろな支出、そういった点についても遺憾のないことを期したいと思いますし、また、いまお話しがございました二次災害が起こったいろいろな経過にかんがみまして、われわれとしては十分調査あるいは研究を深めまして、皆さん方の御期待に沿うように努力をいたす所存でございます。
○古川委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十三分休憩 ────◇───── 午後二時六分開議
○古川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。稲富稜人君。
○稲富委員 私は、石炭産業が今日非常に大きく見直されようとしておるときに当たりまして、今回の北海道の南大夕張炭鉱の災害に対しましては非常に残念なことであると考えます。それと同時に、殉職されました多くの犠牲者の方々に対して、本当に御冥福をお祈りすると同時に、その御家族の方々に心からお悔やみ申し上げ、さらに災害に遭われまして加療中の方々に対して、一日も早く全快されることをお祈りするわけでございます。私たちは今日、そういう多くの犠牲者が出たことに対しまして、これを無にすることなく、今回のこの災害を将来の大きな教訓といたしまして、わが国の炭鉱災害をなくするために保安確保をなすべきであるという考えの上に立ちまして若干の質問をいたしたい、かように考えるわけでございます。 古くから、災害は忘れた時分にやってくる、こういうことを言われております。私はこういう言葉を思い出しながら炭鉱災害を顧みますと、炭鉱災害は、保安に対して安全であるという過信をしたときにやってくるという多くの事例をまた深く思い浮かべるのであります。 このような意味で、今回の南大夕張炭鉱の場合は、創業以来今日まで事故の起こったことのない山であるということ、それに事故を防止するためには一切の整備が完全になされている山であるというようなことに対する余りにも過剰信頼感があったことがこういう大災害を起こした大きな原因ではないか、かように考えるわけでございますが、これに対して、これを監督指導しておられます政府としましては、どういうふうにお考えになっておられますか、まず冒頭にお伺いしたいと思うのであります。
○伊勢谷政府委員 お答え申し上げます。 先生おっしゃいますように、確かにこの炭鉱は保安優良炭鉱ということになっておりますが、この保安体制につきましては、先般来お話し申し上げておりますように、たとえば中央集中管制システムをとりますとか、あるいは火源を絶つという意味において発破を使わずにエアプラスターを採用するとか、ガス抜きに万全を期するというようなことが非常に徹底しておりまして、そういう意味から申しますと、確かに保安体制は非常に優良であるということは言えるわけでございます。 すべて、事故ということを前提として物を考えます場合に、まずその防御体制が十分であったどうかということと同時に、一つは訓練の問題、それからもう一つはマインドの問題と申しますか、そういったものがあるのではないかと私は思います。 今度は訓練では一体どうかということになりますが、確かに訓練という点につきましても、そう手抜かりがあったとは私には思えないわけであります。ただ、この鉱山は開所以来大きな事故に見舞われていないということから見ますると、実際に事故に逢着した場合に、日ごろの訓練と比べますれば全体的にいささか動揺が大きかったということがあるわけであります。では、なぜその動揺が起きたかということをもうちょっと考えてみますと、私はやはりマインドということが非常に関係があるんだろうと思います。あるいは先生がおっしゃいますような、おれのところの山は非常に設備もいいし体制もいいんだから絶対安全だというようなことから、ややそのマインドにおいて欠けるところがあったのかもしれない。これは私の方としましては、もう少し状況の調査というようなことをやりまして判断をしてみたいとは思っておりますが、先生のおっしゃるようなことが全くなかったとは言い切れないんじゃないかというふうにいま私個人は考えております。
○稲富委員 私がここでお尋ねしたいと思いますことは、ただいまも局長より御答弁がありましたように、この山の保安体制は十分であったということを政府もお認めになっている。しかるにもかかわらずこういうような災害が発生した、こういうようなことにかんがみまして、常にわれわれが怠ってはならないことは、保安の機械設備に対する過信があってはいけないので、こういう点に対しましては、常に保安施設に対する点検等を怠ることがないように私たちは心がけなければいけないものである、かように考えます。私は、これを教訓として、この際、全国の鉱山に対して保安施設等に対する点検を怠らないように常にやるべきであるという指導をなすべきである、かように考えるわけでございます。もちろん、この山につきましてもこの点が確かに抜けておったのではないか、かように考えるわけでございますか、これに対してはどういうお考えを持っていらっしゃるか承りたいのでございます。
○伊勢谷政府委員 今回の事故の原因を一次災害、二次災害を含めまして調査をいたしますことは、私はまず第一に大事なことだと思っております。この調査に基づきましたいろいろの教訓の中から、いま先生がおっしゃいますように、この炭鉱のみならず他の炭鉱も含めまして総点検ということが必要になる事項が必ずやあるであろう。それは先生がおっしゃいますように、その備えておりますいろいろな保安設備というものをこの際もう一度点検してみるということも当然含まれるべきことでありますし、なおつけ加えて申し上げますならば、その調査の結果によりまして、法規上非常に不備な点があれば、私どもの方は迅速にそれに即応して改正をも行う必要があるのではないかと考えております。
○稲富委員 それで特に申し上げたいと思いますことは、今回の災害は二次災害を起こしたということにまた大きな特徴があるわけでございます。それで、いま申しましたように、二次災害を起こした原因は、一次災害が生じて、そして炭鉱関係者は自分の山はそういう災害等は起こらない山だという過信があり過ぎた。もちろん救護活動等に対しましては日ごろより訓練等はやられておったであろうとは思われますけれども、予期しない突発的な災害が生じたということから非常に周章ろうばいされたというような点があるのじゃないかと思われます。それは先刻からもいろいろ論議されておりますように、救護隊が出動する前に、救援隊と申しますか、こうした人たちが組織的な救援隊というものをつくって入ったのであるか、あるいは何とか早く救助に当たりたいという気持ちが焦っておのおの出たのであるか。これは救助隊というのはここで名をつけたわけなんでありますから、どういう名目で行かれたのか知りませんけれども、救護隊が派遣される前に数人の人たちがその救援作業に移っておったということ、こういうようなことは、やはり周章ろうばいして非常に不用意な行為であったのではなかろうかということも考えられます。こういうことに対しては、日ごろより保安監督局等は保安体制に対する十分な指導は怠ってはならない問題であるし、会社側もまた心得をしておかなくちゃならない問題であると思いますが、今回はそういうことなくして不用意にも、救護隊が編成される前に救援活動に移ったという状態、これをどう見るかということです。そういうことがやられるということになりますと、今後もこういう災害等で予期しないような二次災害が大きくなるということになるので、こういうようなことに対して今後どういうような指導をし、今回の場合、監督される立場としては、救護隊が編成される前の救護活動、こういう問題をどういうようにお考えになっておるか承りたいと思うのでございます。
○伊勢谷政府委員 お答え申し上げます。 午前中の御質疑にもございましたように、一次災害が起きた後の救出という行為のために入坑した方々が、文字どおりの救護隊という体制であったかあるいはそうでなかったかという点につきましては、私どもの答弁若干混乱した点があることはまことに申しわけないことだと思います。全く正確な事実の関係につきましては、実はもうちょっと調べてみなければいけない点が多少残っておりますが、どうも正規の救護隊という、いわゆる資格の面から申しましてそういうかっこうでない人がまず入っておる。その指揮をとっていた方はまさに資格を持っておった方かもしれません。ただし、一番最初に行動を起こしたその人たちがいわゆる救護隊の資格を持っていたかどうかという点については、どうも若干疑問がある。この点は今後最も詰めねばならない問題であると私は思っておりますが、その後におきまして正規の救護隊が編成され、それによって行動をしたということは事実であるわけであります。 しからば、なぜ一番最初にまともな意味における救護隊でないかっこうで入ったのかということでありますが、これは私が午前中に申し上げましたように、一つは、やはり人命の救助という立場から非常に急いだということがあったんではないか。さらに、これも調査の結果にまたねばなりませんが、あるいは先生が冒頭の御質問でおっしゃられたように、やや過信と申しますか、マインドがちょっとどうかなというようなこともあったかもしれません。しかし、恐らく人命救助ということを非常に強く念頭に持ったということがその動機であったのだろうと思うわけであります。 なお、もう一つ御参考までに申し上げておきたいことは、第三次の救助をやるというときに、これはもう私は現地に行っていたわけでございますが、私自身が炭鉱の責任者と話しておりましたときにも、うちの要するに一般係員といえども常日ごろ非常によく訓練されておるので保安要員とほとんど同等とみなして差し支えないというような状態にあるのですということを言っていたわけです。しかし、私どもはそれに対して、第三次救助というものは正規の救護隊編成をすることが条件だ、そういう条件でなければ一切だめだということを強く申していたわけでございますから、そういうことから見ましても非常によく訓練を受けているのだから、資格として保安要員であるか、あるいはそうでないかというよりも、むしろ実質を見てほしいという判断があるいは会社側にはあったのかなということを若干そのときに感じたということがございます。
○稲富委員 それで、私たちが現地に行って事情を聞きますと、救援隊の諸君は相当の装備をして入っている、最初に救助作業に当たった方は簡単な装備で入っている、こういう点が非常に粗漏でなかったか、こういう点も考えられるわけなのです。この点はやはり今後救護活動に当たりましても、日ごろの訓練、日ごろの心がけ、こういうことに対しては十分指導し、監督をすべき問題じゃないか、私はかように考えます。 特に、私たちは今回使われました酸素ボンベ等の救助器具等を見ましても、果たしてこれに対する操作のやり方等が十分練られておったのかどうか、あるいは操作をやっておっても、これは金属性でございますから、これをほかの方にぶつけた場合にはあるいは火が出るのだということかあり得るので、ほかの金属がまだ坑内にありますから、そういうことに対する注意等が怠られたのではないか。火元がないところにこういう爆発が来たという場合は、一応考えられることは、こういうような酸素ボンベ等がほかのものとぶつかった場合にも火を出すことがあるので、そういうこともともに考えて救護活動等に対する、この救護器具等の使い方に対しましても日ごろの訓練が必要なので、それに十分な訓練、必要を考えない人がそこに入っていくということにこういう状態が起こってくるということを考えるときに、こういうことに対しても十分今後精細なる注意と準備と心がけというものが必要ではないか、こういう点を監督局としても十分、日ごろの訓練、指導をやるべきではないかということを考えますが、その点はどうお考えになっているか。
○伊勢谷政府委員 一々おっしゃること、まことに私ごもっともだと思っております。すでにこの第三次の救助隊を入れますときに一つやりましたことは、たとえばヘッドランプをつけております場合に腰にちょうどバッテリーがつくわけですが、そのバッテリは金属のケースに入っておりますけれども、そういったものはすべて包帯のようなものでくるんで、どこかに当たっても大丈夫なようにしろということを監督局としては指示しておるわけでございます。やはりそういったようにすべて万全の注意を払って救護に当たる、救護隊の行動というものはそうでなくてはいけないのだということは御指摘のとおりでありまして、今後われわれといたしましては、そういう教訓を生かしまして、救護というものは正規の救護隊によって行われることをまず第一に原則とすべきであるという点、さらに救護に当たってはいま申し上げましたような点を含めまして最大の注意を持って行うべしという趣旨につきましては、これはもっと徹底させる必要があるということを痛感いたしております。
○稲富委員 時間がありませんから最後になりますが、それで私も先般現地を見まして会社側の説明及び鉱山監督局の説明とを聞きますと、従来この山、ガス抜き等に対しましてはあらゆる遺憾なき設備をやっているのだ、こういうようなことも私たち承っております。しかしながら、こういう事態が発生したわけでございますから、将来ガス抜きの問題あるいはガス発生探知器の設備とかあるいは保安警報装置に対しては係員を常置するとか、こういうような対策を講じるということが必要ではないか、こういう点を私たち非常に感を深くいたしましたので、こういうことに対する十分なる今後のひとつ心がけを指導していただきたいということをお願い申し上げたい。 さらに、わが国の炭鉱というものがだんだん深部化していくという傾向があるということはもう御承知のとおりでございますから、そういうことになりますと、わが国の炭鉱の特徴あるいはこれに対する保安技術等を将来ますます検討してまいらなければいけないと思いますが、こういうこと−に対しては鉱山監督局といたしてどういうような考え方を持っておられるか、この点承りまして私は質問を終わりたいと思うわけでございます。
○伊勢谷政府委員 午前中の御質疑でもお答え申し上げましたけれども、わが国におきます石炭の重要性というものは、いまのエネルギー事情から申しましてますます重要なことになってまいります。そういうことにもあわせまして、またますます採掘形態が深部に移行するということをも含めまして、この深部移行に対する、あるいは非常にガスの多い炭層の採掘ということに対します技術開発というものについて、これからより一層努力してまいりたいと思います。 なおかつ、われわれのとっております保安監督体制というものにつきましても、今度の調査の結果を踏まえまして、より一層厳密に実施していきたいと考えております。
○稲富委員 それじゃ私の質問はまた次の委員会に譲りまして、きょうはこれで終わります。
○古川委員長 安田純治君。
○安田委員 今回の事故については大変残念な事故でございまして、罹災された方々に対して心からお見舞いを申し上げたいと思うのですが、午前中来同僚委員がいろいろお伺いをいたしまして、問題点については大方指摘されたのではないかと思いますけれども、私は若干伺いたいのですが、このガス抜きボーリングに対して国から補助金が出ていると思いますけれども、その内容はどういうことになっておりますでしょうか。
○有沢説明員 お答え申し上げます。 私ども石特予算で鉱山保安確保事業費補助金という制度がございます。これに基づきまして保安専用機器その他保安工事等に対しまして補助金を交付しているわけでございますが、ガス抜き及び先進ボーリング工事につきましては、これは五十四年度の予算額でございますけれども、おおよそ二十三億六千万円ほどの補助金交付を予定いたしております。
○安田委員 これは大体、実際の補助金となりますと、メートル当たり幾らくらいになるのですかね。
○有沢説明員 お答え申し上げます。 これはボーリングをいたします際は、ボーリング座をつくってそれからボーリングをするわけでございますが、ボーリングそのものにつきましてお答え申し上げますと、大体これは一メーター当たり現在補助額にいたしまして千五百円から千六百円程度かと思います。
○安田委員 この国庫補助は当然炭鉱の直接の会社といいますか、ここに補助金が出るのだろうと思うのですが、実際に、たとえば南大夕張でガス抜きの作業に当たったのはダイヤコンサルタントという下請だと思うのですね。非常に重要なこうした部門について下請にやらせておるということはどうなのかということも考えてみなければならないのじゃないかと思います。ことに指揮命令、監督の点について遺憾がないのかどうか、その点についてはいかがでしょうか。
○有沢説明員 これは下請の技術能力等々にもよるところが大きいかと思いますけれども、当該下請会社は技術能力はそれ相応のものを持っておると私ども判断いたしております。 なお、下請が、いわゆる組が工事を行います際は、特に掘進工事等にありましては必ず会社の係員をカウンターパートとして添えまして、そして工事をサイドチェックしている、そういう状況になっております。
○安田委員 保安統括者は所長が兼務しているようでありますが、この点は問題ないのでしょうか。所長となると、やはり生産の責任者でもあるのではないかということから——もちろん保安と生産というものは、終局的には一致しなければ、こういう災害が起きたとき結局生産も落ちるわけですから、終局的な目的は同じかもしれませんが、直接的にはやはりどうしてもどちらに重点を置くかという問題が出てくるのだろうと思います。現地でも炭鉱の労働組合の方から、保安員の作業停止権を考えたらどうかということの要求が前からたびたびあるわけでありますが、この点について、こういう事故が起きた結果を考えますと、ぜひ踏み切っていただかなければ困るのじゃないかと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○伊勢谷政府委員 お説のような考え方もあるかと思いますが、より大事なことは、保安ということと生産ということとはある意味において不離一体のところがあるわけでございます。と申しますのは、生産に応じまして保安体制というものはやはり必要であるということがあるからでございます。したがいまして、やはり最高責任者と申しますのは、実質上の最高責任者であります所長がやることによって行われるということは、むしろその方が当然ではないだろうか。したがいまして、直下に保安上の十分な技術、知識を持った人が一人専任としているということで、これがすなわちいまの体制でございますが、そういうことによって最高責任者を補佐するというのが私は体制としては一番よろしいのではないかと思います。先生のようなお考え方もあるかと思いますが、私どもは今日までそういう考え方をとっておりますし、なおかつ現実に法規上つくっておりますシステムはすべてそういうふうになっておるわけでございます。
○安田委員 それであれば、なお末端の労働者といいますか、保安員ですね、盛んに炭鉱の労働組合なんかで主張しているように、作業停止権という大きな権限をある意味では与えておかないとまずいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○石川説明員 お答えいたします。 坑内で働く方々の保安に関する意見は、労働組合も参加しております保安委員会というのがございまして、これで十分意向を反映できますし、またその意見はダイレクトに保安統括者の方に参ることになっておりますので、十分意見をくみ取れるという体制になっておるのではないかとわれわれ考えております。
○安田委員 そうおっしゃいますけれども、大きな事故が起きてわれわれが現地に入る、そして現地の人々と、委員派遣というような形じゃなくていろいろ聞いてみると、生の声では相当不満が、あのときこうしたらよかったのじゃないかとかこうだったのじゃないかという不満が出てくるわけであります。それは先ほど同僚の野村委員が大変強い言葉で言われましたけれども、いろいろ現場で生の声を聞きますと、事故が起きないうちはそういう声も聞こえないのかもしれませんけれども、職場ではそういう声が起きて常にあるのかもしれませんし、わかりませんけれども、事故が起きていろいろ現地の人たちに聞いてみると、前からあそこはガスがこうだったとか、いろいろな問題が出てくるわけであります。今度の場合には事故に直接——事故後といいますか、事故それ自体といいますか、それについてのいろいろなうわさといいますか話が聞こえてくるわけでありますが、それ以前の問題でも、本当に働いている人々の声を聞けば、保安については相当いろいろ文句がある例が多いと思うのですよ。ですから、いままでそうやってきたと言うけれども、ぜひこの際、そうした問題を考えてみる必要があると思います。私ここで押し問答しておってもしようがないのですが、そういう点ではいまのお答えでは、実際の事故の状況における対応の仕方といいますか、その以前の事故防止の問題ですけれども、不十分ではなかろうかというふうに思うのですが、その点はいかが考えますか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 先生のおっしゃっております作業停止権というのは、事故が起きて直後の措置を意味しておられるのか、あるいは事故が起きまして、後相当たってからのことをおっしゃっておるのか、若干わからない点がございますけれども、やはり事故と生産活動の停止という問題は、一時的に、事故が起きた直後につきましてはもう当然のこととして考えられるわけですけれども、今度は事故がありましてから生産再開という場合におきます判断というような場合をいろいろ考えてみますると、聞くべき意見は聞きながら、やはり責任者が最終的には判断するという体制がシステム上必要ではないだろうかというふうに私は思いますので、そういう意味から申しましても、現在のシステムが今回の事件にかんがみまして非常におかしかったというふうには私どもは現在の時点では考えておりません。もちろん今後の調査の結果によりまして、そういうようなところに非常にまずい面があるかどうかということがキーポイントになるかと思いますが、現在時点におきましては、私はそういうような報告をいまだに受けておりませんし、またそういうことはないのではないかと思っております。
○安田委員 いや私の申し上げているのは事故が起きた直後じゃなくて、常日ごろということなんですけれども、前の芦別のときも私現地でいろいろな人に話を聞いたら、大体あそこはガスが多くてどうとかこうとか、日ごろ危ないと思っていたのだとか、そういう話が出てくるのですよ。なぜじゃそのとき作業をやめていろいろやらなかったかと不思議に思うのですけれども、いままでのシステムでは不十分ではないかと思うのですが、それは押し問答しておってもしようがありませんけれども、私としてはそう思うわけであります。ぜひ前向きで検討していただきたいと思うのです。 先ほど来救護班の編成、組成の問題ですね、それから救助隊という言葉を使ったりいろいろしておりまして、時間のずれとか、非常に複雑でございまして、一覧表を書いてもなかなかうまくわからないのじゃないかと思うのですが、これは今後とも調査をやっていただくことにいたしまして、どうも先ほど来の御答弁を伺っておりますと、訓練は十分だったとかいろいろおっしゃるけれども、結局、もしそうだとしたらその訓練は全く役に立っておらぬ、結果としてみればそう言わざるを得ないわけです。役に立たない訓練は、訓練として十分なものだと言えるのかということを言わざるを得ないわけであります。もちろん正式な救護班以外の方が入っていらっしゃる。個人個人の働いている人の立場から見れば、一刻も早く同僚を救い出したいという気持ちは当然でありまして、だからこそ一つのシステムが必要なのだろうと思うのです。個人の判断でばらばらにやられると二次災害、三次災害が起きることもあるし、また救助できる人も救助できない場合だってあり得る。もちろん逆の場合で、不規則に真っ先に駆けつけたために助けたということもあり得るかもしれませんが、しかし、全体的に人間の行動として考えますと、これは一人一人が早く同僚を助けたいという気持ちはもう当然なことで、救護班以外に中に入って行った人なんかを責めることはできないと思うのです。そういうことがあればこそ救護班という仕組みを設けて、一班五人で、五班なら五班システムで、酸素吸入器や何かを何ぼ置くとかということも決まっているわけです。そして、システムがきちっとあるのは、そういう働く人々の焦る気持ちが当然起きるから予定しているのだろうと思うのです。ですから、そういう意味で一刻も早く助けたかった気持ちがあったろうというのはあたりまえの話なので、そんなことで、先に入っている人のお気持ちは当然なのだから責めることは決してできないし、むしろその人一人一人の感じから見れば人間としてほめるべきことなのだろうけれども、会社側として、システムを動かす側としてそんなことで責任をやわらげることはできないのじゃないだろうか、だからこそ責任はますます厳しく問われなければならないのじゃないか、こういうふうに私は思うのです。 予期しない災害のためにろうばいされたのも、確かに人間の気持ちとしてはそうあろうかと思いますけれども、何月何日何時何分にどういう災害が起きるか予期したのじゃ災害じゃないのでして、それでも起きたらこれは人殺しと全く同じです。起きるのは大体が予期しない災害でしょう。ですから、そういうときに、周章ろうばいしていたからだとかというよりは、元来ここは火源がない山だからといって安心したのだとか、そういうことはどうも言いわけにならないのじゃないか。そういうことであればこそ日ごろの訓練やいろいろなものが、そのために監督局もあるのじゃないかと思うのですが、その点での責任はどう説明されますか。
○伊勢谷政府委員 先生の御質問は責任という問題についてでございますけれども、これに対して御答弁申し上げますためには、もう少し実態調査が進みましてすべての事実を明らかにいたしまして、その上の判断に立ってお答えするのが必要なことではないかと私は思うわけでございます。いままでの知り得た事実だけで責任に及びますような事柄の判断をいまここで申し上げますことは、いささか穏当を欠くと思いますので、調査の結果を待ってからお答え申し上げるということをお許し願いたいと思います。
○安田委員 終局的にはそうなることであろうと思いますが、いままで午前中来の問答を聞いておりますと、一刻も早く助けたいために人命救助を焦ったのじゃないかとか、行動をした人の心理の推測といいますか、どうもそういうことに答弁が集中しているように思うのです。私としてはそうじゃなくて、事故が起きれば現場にいる一人一人、たとえばシステムの責任者だって、個人としてみれば一刻も早く助けたいという人情、そういう人間の心理としての気持ちが起きるのは当然なので、そのことでどうこう言われたのじゃ困る。それだからこそ人間の組織にはシステムがいろいろあって、規則もあって、お役所もあって、そして動かしていくものじゃないか。ですから、そういう組織としての責任といいますか、組織を現実に動かすのは会社であり、監督するのは監督局だと思うのですが、こういうところの責任というものを痛感していただかなければ困るのです。午前中からの御答弁を聞いていると、一人一人入った人や何かの一あるいは斎藤課長さんもそうかもしれません。それは指揮者であるという資格を持っているにしても、個人としては焦ったのかもしれません。しかし、私は、そういうような話で物を見られたのでは困るということで申し上げているのです。ですから、原因の究明がきちっと行われてからきちっとした理論的な責任に対する御説明をいただくとしましても、午前中からの答弁のいわばニュアンスの置き方というものはきわめて不満であるというつもりで質問申し上げているわけであります。 そこで、この問題はそのくらいにして、そういう個人のマインドといいますか、マインドの中には会社側全体のムードも指してはおるのだろうと思うのですが、そういう点ではぜひ組織としての責任、それを動かす人としての責任、この問題を十分お考えいただきたい。ことに監督官が到着してから以降に二次災害が起きておる。御答弁によると、会社側のアプローチが悪かった、これだけの話です。これもまた徹底的に調査してみなければだれがどう悪いのかわからないかもしれませんけれども、もしそういう御答弁でしたら、監督官が会社のアプローチが悪いからと言ってぼやっとしておったのかどうか、そういうこともおかしな話じゃなかろうか。あの災害のさなかに、ノミ取り眼で入っていってがちゃがちゃやれないような雰囲気だったろうとは思うのだけれども、それはもうはっきりしてみなければわかりませんが、一時間もたって第二次災害が起きておるということになりますと、監督官は一体何をやっていたのだ。いや、会社のアプローチが悪かったのだ、それだけではどうも、監督官の権限は一体——われわれ私人が入ったのなら、こら、よけいなことを言うなと言われればそれまでですけれども、監督官でしょう。それがいて、会社のアプローチが悪かったでは済まされないと私は思いますので、これもひとつきちっとしていただきたいと思います。 もう一つ伺っておきますが、ガス検定器というのですか、この検査はどういうふうにやっておるのでしょうか、誤差というものはないような仕組みになっておるのかどうか。
○有沢説明員 ガス検定器でございますが、これは公資研という検定機関がございますけれども、頻度は二年に一回の割合で全量検査をいたしております。
○安田委員 これは現地で気密性が保たれなければ、もちろん不正確になるわけですね。実はこうしたところに在任しておって退職した人の話を私は聞いたのですけれども、在任中一度もガス検定器の検査を受けたことはない。ごみがたまったり何かするということで、掃除は毎日きちんとしているそうです。そして監督官が来られてそういうものを外から見ることは見る。しかし、検査というのは在任中一度も受けなかったという退職者の話をちょっと聞いたのです。これは私どもも正確にきちっと調べてみなければわかりませんけれども、そういうことを言う人もいるのですが、そういうことはあり得ないことなのですね。
○有沢説明員 実態をよく調べてみたいと思います。私どもといたしましては二年に一回の検査ということを確信いたしております。
○安田委員 これも実態を調査して御報告をいただきたいと思います。 時間が来ましたけれども、もう一つだけ伺いたいのでお許しをいただきたいと思うのです。 現地で、労働組合と会社で事故の対策委員会といいますか、究明委員会のようなものをつくっているという御説明がわれわれにあったわけですが、ちょっと気になったのは、炭職協というのですか、職員労働組合の人がまず会社と炭労の方で委員会をつくって、その後で職組と会社側でやることになっておったが、われわれはまだやっておらぬ、やっておらぬ理由は人数が少ないし、被災者のお葬式なんかに行って手が追われているということと——そこまではいいのです。私ちらっと聞いておやつと思ったのですが、われわれが入ると混乱するのでという言葉を現地の説明で聞いたのです。その辺がどういうことになっているのか、それは会社の、企業内の自主的な委員会でしょうからあなたの方でよくわからないかもしれませんけれども、なぜそういうふうに職組と労組と会社と一緒の委員会ができないのかという点についてちょっとお調べいただきたいと思うのです。混乱するという理由がよくわからなかったのですが、あるいは言葉の使い方を職組の方がちょっと間違ったのかもしれませんけれども、組合によってはいろいろ考え方の違いがあると思うのですが、事安全に関しては、それほど考え方が違うのかな、そういうために三者で一体となってはなかなかやりにくい問題があるのか、あるいはそれ以外の問題があるために一緒にならないのかよくわかりませんけれども、その点はおたくの方でもお調べになっていないと思いますので、いずれ調べていただきたいと思うのです。 要するに、チームワークが大切なことだと思うので、そういう点で労働組合が幾つに分かれているとか、会社がそれに対してどういう態度をとるかということは、労使間の問題ですから、私ども何も言う気はございませんけれども、それが安全問題について何かぎくしゃくするようなことがあれば、これはまた考えてみなければならない問題があるのじゃなかろうかと思います。ぎくしゃくしていなければ一番いいことですが、その点をなおちょっと調査してみていただきたい。 被害者に対する補償やなんかの問題は同僚委員が聞きましたので、この点はぜひ万全を期するようにお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○中西政府委員 ただいまいろいろな点の御指摘がございました。午前中の最後に私ちょっと申し上げたのでございますが、大変有意義な委員会でまことにありがとうございました。 なお、あわせてお知らせということでございますが、できるだけ早い機会に権威ある調査団を編成いたしまして、そして原因の究明に当たりたい。あわせて再開のこととも絡む問題でございますので、できるだけ早い機会に調査団を送らしていただきたいと思っておりますので、お伝え申し上げておきます。 ありがとうございました。
○古川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十三分散会