商工委員会 第17号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/05/30
会議録
○橋口委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、産地中小企業対策臨時措置法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 まだ大臣がお見えになっておりませんから、最初は長官にお聞きをしたいと思います。 現在、政府が行っております産地中小企業の安定あるいは振興のためのいろいろな現行の制度、措置があると思いますけれども、この現行の制度なり施策というものは大要どのようなものになっておるか、これを最初にお伺いしたいと思います。
○左近政府委員 現在中小企業庁が中心になりましてやっております産地中小企業に対する対策というものでございますが、一番大きなポイントは、ここ数年来の不況、ことにそれが円高とかあるいは構造不況とか、そういう原因に由来する不況が非常に産地の中小企業に大きな打撃を与えておりましたので、対策の重点はむしろ緊急対策に置かれておったということが言えるかと思います。 そこで、緊急対策としましては、これは必ずしも産地だけには限定しておりませんが、円高対策というものがございます。それから、いわゆる構造不況に悩みます特定の産業に属する、いわば大企業に依存をしております地域、そういう地域における中小企業に対する対策ということで、特定不況地域対策法というものもできました。いずれも緊急融資対策が中心でございまして、低利のつなぎ資金、大体五年ないし六年程度の長期運転資金を供給する、またそれに伴う信用補完制度を拡充する、あるいは税制上の措置をする、こういうふうな措置が進められてきておったわけでございます。そのほかまた、一昨年来の倒産の頻発に伴いまして、連鎖倒産というものを防ぐための中小企業倒産対策緊急融資制度というものも実施してきたわけでございます。 以上のような緊急対策を実施するとともに、やはり産地自身の近代化も促進しなければいけないということから、近促法の体系の中で五十三年度から産地についてのいろいろな計画をつくるというふうな点を考えるという政策で、要するに産地振興ビジョンを作成するための補助金の交付というようなことを考えて実施をしておるわけでございます。ただ、これはいま申し上げましたように、ビジョンを描くというだけでありまして、実際上の実行に当たっていろいろな助成をするということは、まだ五十三年度は着手しておらなかったというのが現状でございます。その他産地については、産地の振興という見地から工業再配置の促進費というものを準備いたしまして、その産地に新たな企業を持ってまいりまして、産地の振興を図るという対策も講じております。 大体以上が、最近において産地に対してなされた対策であるということが言えるかと思います。
○渡辺(三)委員 いまお聞きしましたように、主としてここ数年来の不況あるいは円高、こういう状況に対応したきわめて緊急な、臨時的な措置が中心だと思うわけです。 それから、最後に長官が言われました工業再配置の問題にしましても、いま言ったような深刻な不況や円高の状況の中で、新たに誘導地域に対するあるいは産地に対する企業の張りつけというのは、御承知のように、たとえばそれぞれの団地などを見ましてもきわめて効果が薄いといいますか、そういう条件が一般的な条件としてないというところから思わしく進んでいない、こういうふうに私どもは考えておるわけです。 しかし、いずれにしましても、この緊急の措置は、たとえば二年間のものであったり、あるいはやや長いと思われるもので五年程度のものである、こういうふうな状況で対策を進めてこられたわけですが、今度のこの産地中小企業法、これはいままであるいは現におやりになっておる措置との関連でお聞きするわけですが、この法律によって産地中小企業というものをどういうふうに位置づけをしていくのか、そのねらい、こういうものについて、きのう来議論がありましたけれども、一応もう一回お聞きしておきたいと思うのです。
○左近政府委員 本法案のねらいについて御説明申し上げたいと思います。 先ほど申し上げましたように、中小企業の産地の実態に対処いたしまして、緊急対策を中心にいろいろな施策を講じてきたわけでございまして、その施策自体はそれなりに効果を上げたわけでございますが、その対策は、緊急対策という名のとおり、当面の中小企業に対する不況の打撃を回避するという趣旨でございますので、たとえば長期運転資金でつなぎ資金を出すということでございますが、これは当面倒産等の問題を回避できますけれども、つなぎ資金ということで延ばした問題は後に残っておるわけでございます。したがいまして、こういう当面の対策がある程度成果をおさめた後には、それに接しまして基本的な対策が必要であろうというふうに考えたわけでございます。ことに、円高と申しますのは、一昨年来円高の幅が相当高くございまして、仮にある程度景気が安定をいたしましても、また円がある程度下がりましても、一昨年来と比較いたしますと円高はまだまだ程度が厳しいということになっております。したがいまして、景気が回復したからもとの状態に返るということではなくて、不況になる前と不況後との間に構造的な変化が見出されるということでございますので、そういう構造的な変化に対処するためには、中小企業の体質を改善しなければいけないという問題がございます。したがいまして、本法案のねらいは、そういうふうに景気の回復過程において経済情勢が構造的に変わってきたことに対して、中小企業の体質を改善して、新しい経済情勢に対して適応できるように中小企業を持っていくということでございまして、いままでやってまいりましたものが短期的、それから言葉が若干不適当かもしれませんが、後ろ向き対策であるということであるとすれば、この法案は将来に向かっての長期的な構造改善対策であり、その意味では前向き対策であるというように考えられております。本法案はそういうねらいをもって立案されたものでございます。
○渡辺(三)委員 おっしゃるように、この法案はいわば中期、まあ長期とは言えないかと思いますけれども、七年間というふうな見通しをつけながら、いま長官が答弁されたように、産地の中小企業そのものを体質を強化していく、そのためのいろいろ必要な措置をこの法律の中に盛っておる、こういうことだと思うわけです。 それからもう一つは、いままでの緊急措置と若干違うというふうに私どもこの法案を見て考えますことは、それぞれの産地の盛衰は、もちろん地域経済に非常に大きな全体的な影響を及ぼすわけでありますけれども、この産地が都道府県等と十分な連絡をとり合いながら、そこでは振興計画をつくったりあるいは合理化計画をつくってそれを進める、こういう産地それ自体の自主的な一つの体質強化の方向、これについて政府なり都道府県なりがそれ相応の対策、措置をする、ここに一つの大きな特徴があるようにも見るわけであります。その点についてはどうお考えですか。
○左近政府委員 その点は、やはり本法案の考え方は御指摘のとおりになっておると思います。と申しますのは、これはつまり、いま申しました本法案のねらいに即するための振興手段の問題でございますが、これにつきましては、一昨年、昨年来の不況から、これを何とか打開しようという産地の努力の過程をながめますと、産地産地の実態に即した新製品をつくるとか、新技術を開発するということがやはり成功しておる。そしてその産地でなければできないようなものをつくっていくというふうなことが、新しい体質改善に一番効果があるというふうな結果が実例として出てきております。したがって、われわれといたしましては、政策手段としては、仰せのとおりむしろ産地の実態に応じた対策を実施する、そのためには産地自体の自主的な力を生かすとともに、産地の実態を非常によく把握しております自治体を中心に施策を進めていく、国はその自治体なり産地の事業者の方々の自主的な努力を応援をしていくというふうな形が一番適当ではないかというふうに考えまして、現在のような施策の形になっておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 産地がその実情に応じて自主的に具体的な計画を立てる、それを十分に検討しながら都道府県が承認をする、こういう一つの筋の立て方といいますか、これは私も賛成です。ですけれども、それをどのように国や都道府県が支えていくか、この問題が実は非常に大きな問題でありますし、産地それ自体もそれを渇望しておるのだと思うのです。そういう観点から言って、法案に盛られたような助成措置といいますか、あるいは指導的、助言的なその内容が十分なのかどうかという問題について、やはり少しく私どもとしては議論があるわけでありまして、これは後でまたお伺いをしてまいりたいと思います。 そこで、第一条の「目的」でありますけれども、この中で例示されておる「円相場の高騰」、この意味については、きのうも同僚議員からいろいろ質問がありました。そしてそれに長官も答えられたわけでありますけれども、さらにこの点はひとつはっきりと改めてお聞きをしておきたい、こういうふうに考えるわけであります。 そこでお聞きするのですが、「円相場の高騰」というふうにここで例示されておりますけれども、これはいつあるいはどの程度のことを起点として、それから上がった下がった、こういうふうな判断をなさっておるのか、きのうも若干この点についてはやりとりがありましたけれども、改めてお伺いをしたいと思います。
○左近政府委員 円相場の高騰というものにつきましてわれわれが考えておりますのは、最近時点において対策が講じられた事態ということでございまして、これは昨年の年初にいわゆる円高対策法というのを制定していただきましたけれども、そのときはその前年の中ごろ、つまり昭和五十二年の中ごろから、そのときは大体一ドル二百八十円から二百七十円台でございましたが、それから逐次上昇いたしまして、昨年の年初には二百四十円台になった。そのときに円高対策法ができたわけでございますが、その後も上昇を続けて、昨年の十月末には百七十円台にもなったということでございまして、大体円の高騰というものを最近の政策対象として考えておりますのは、一昨年の中ごろからの円の上昇ということを対象にしておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 きのうの長官の答弁では、最近のレートは、五月段階で二百十円台、五月の分としては二百十九円というふうな答弁がございました。これは、いま長官もおっしゃるように五十二年の中ごろは二百七、八十円台、それがその後順を追ってずっと、若干の変動はありますけれども上がってきた、こういうふうな状況下にあるわけですが、当時も零細な中小企業は非常にこの影響を深刻に受けたわけでありまして、私も当時幾つかの産地を見て回りながら、円相場の高騰による打撃の実態というものをいろいろ聞かしてもらいました。しかし、この法律は言うまでもなく七年である。したがって、今後の円相場の見通しがどのようになるかということを十分に頭の中に置きながら対処しなければならないという性格を持っておるわけでありまして、そういう意味では、ここには例示として「高騰」というふうにありますけれども、果たしてそういうふうな例示を特記することがいいのかどうか、この問題について若干意見があるわけであります。 実は円の変動が激しい当時、たとえば当委員会においても何回か経企庁長官やあるいは通産大臣に対してその見通しをお聞きしました。一昨年来何回かこの問題は議論になりましたけれども、もう一カ月先、二カ月先の見通しがどんどん変わる、こういうふうな状況を私どもは厳しく経験をしたわけです。今後、やや安定期に入ったとはいうものの、必ずしもいまのような状況で推移するのかどうか、こういう点から言うと非常に不安があるのではないか。特に七年間というふうな年月を見通してこれを言う場合にはなおさらのことだ、こういうふうに思うわけですね。そういう意味で今後の見通しを、これは大臣にお聞きすればいいと思うのですけれども、長官はどのように見通されておるのですか。
○左近政府委員 この為替の変動というものにつきましては、現在のような、国際的に各国がやっております変動相場制の前途を見通すことは非常にむずかしいものでございまして、ことに短期的には相当な変動があるというのは事実として変動相場制を採用して以来出てきておるわけでございます。ただ、ある程度長期的に見れば、やはり各国の経済力というものがその相場にあらわれてくるというのが定説でもございますし、またそうであろうとわれわれも考えるわけでございます。そういたしますと、いまの経済状態、これもまたエネルギーの状態その他がいろいろ変わりますので何とも言えませんが、少なくとも現在までの経済情勢を見れば、日本の経済力というものの高まりを反映しまして、過去のような水準にまた長期的に戻っていくということはあり得ないのではないか、やはりある程度の、昨年の百七十円というのは、少なくとも昨年段階では行き過ぎであろうというふうにわれわれも考えますけれども、やはり長期的に見ても、一昨年の水準より上がりこそすれ下がっていくということはないのではないかというのがわれわれの基本的な考え方だというふうにわれわれ考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 関連してお聞きをしますが、第二条の定義の中に、輸出の減少、それから「経済的事情の著しい変化によって生ずる事態」、この中で、「その業種に属する事業の目的物たる物品の輸出が円相場の高騰により減少すること」、それから「その他の経済的事情の著しい変化によって生ずる事態であって政令で定めるものに起因して」云々、こういうふうにあるわけですが、この「経済的事情の著しい変化によって生ずる事態であって政令で定めるものに起因」する、その政令はどういうことを予定しているのですか。
○左近政府委員 いま御指摘の部分は、「輸出が円相場の高騰により減少すること」というのは一つの例示でございまして「その他の経済的事情の著しい変化によって生ずる事態」というものを政令であわせて指定をしようということでございますので、現時点で考えております政令の案といたしましては、ここにあります輸出が円高によって減少するということが一つと、それからやはり円高によって輸入品が増大いたしまして、つまり代替品の輸入が増大いたしまして、この事業者の生産する物の生産が減退するということでございますので、円高によって輸出、輸入両面の事態をこの政令で指定をしたいというふうに考えております。 それから、これは現在の時点でございますが、将来われわれが検討を続けまして、これは七年の期間があるわけでございますから、われわれが検討をいたします態度といたしましては、やはり短期的な景気変動というものは除外をいたしまして、これはいわば構造改善、体質改善法でございますから、長期的に経済事情が構造的に変わったというふうなもの、その業種につきまして構造的な変化があるというようなものがありますれば、これに加えていくということでございまして、これは今後絶えず検討を続けた上で、もし必要なものがあれば、そのときに時を移さず政令に追加していくということになろうかと思います。
○渡辺(三)委員 時間がありませんから余り詳しくは言いませんけれども、原油の輸入価格の推移、ここ一、二年来ずっと見てまいりますと、これは今後もそうでありますけれども、相当の高騰が続くだろう、こういうふうに私どもは見るわけであります。こういったいわば原料あるいは材料の値上がり、こういうふうなものも当然この中には、若干のものは別として、著しいそういう変化が来れば当然この要素というものがこの中に入らなければならぬ、こういうふうに考えるわけですけれども、その点はいかがですか。
○左近政府委員 原油の値上がりその他資源の値上がり傾向というのはございますので、そういうものが相当程度に、これまた円高と同じでございまして、多少の値上がりというのは構造的な問題にならないと思いますが、相当な値上がりをいたしまして、しかもそれが長期間続くというふうな事態がはっきりいたしますれば、これについてはやはりこの政令に指定するものになるかもしれないということで検討に値するというように思います。したがいまして、こういう点については絶えず事態の推移を見ていかなければいけないと思いますが、いまのような問題も、構造的変化に及ぶような重大な状態に達しますれば十分考慮に値するというように考えるわけであります。
○渡辺(三)委員 そこでまた一条に戻るわけでありますけれども、今回出された法案は、単に円高法の延長というふうな狭い範囲内では私どもは考えたくない、こういうふうに思っておるわけです。そういう意味からすれば、確かに五十二年の七、八月あるいは六、七月段階の円の相場を基本にして考えれば、いま長官がお話しになったようにそれ以下に円が下がる、そのことによって大きな経済的な変動が産地中小企業を襲うというようなことはないかもしれません。五十二年の夏場に基点を置けばそういうふうに確かになる。しかし最近はずっと円高傾向が続いておりますから、これは仮の話でありますけれども、五十四年の五月、今日の段階における相場が、今度は逆に、そういうふうな円の相場を一つの現実のものとしながら、これに対応するようないろいろな施策、あるいは産地中小企業それ自体もそれに対応するような企業の体質、こういうものを基礎にして企業活動を進めていく、それが逆な現象で、今度は非常に円安の傾向が急激に出てくるというふうなことだってあり得るわけでありますし、円安の傾向が全部産地中小企業に対してプラス要因かと言うと、必ずしもそうはいかないと思うのです、変動それ自体が非常に問題なんですから。そういうふうな点から言えば、一条の例示としてこの「円相場の高騰」という、一つの例示ですから理解はできるのですけれども、こういう形で例示するよりは、むしろ私は円相場の著しい変動であるとか、そういうふうなもっと広い意味で例示され、なおかつ「その他の最近における経済的事情の著しい変化」と、こういうふうにした方がすんなりと素直な書き方ではないか、こういうふうに考えるのですけれども、これは後で大臣からも時間があれば重ねてお伺いしなければならぬと思いますが、長官としてはいかがですか。
○左近政府委員 この部分は、いまお話にありましたように、経済事情の著しい変化についての一つの例示でございますが、例示といたしましては、やはり一昨年の夏以来の円高というものが中小企業に非常に広範に影響を与えた、ことに産地の中小企業に対しては、日本全国に大きな影響を与えたということが言えると思いますし、それゆえにこそ、その後円高対策法というものも御制定願ったわけでございます。したがいまして、最近の時点における一番目につく問題はこのことでございます。しかも、先ほど申し上げましたように、最近若干円安の傾向があるといっても、一昨年の水準に比べてはまだ相当に高いし、しかも過去の円高時における傷跡を中小企業は皆それぞれ持っておる。ですから、その傷跡を早くいやさなければいけないという問題があるという時点を考えますと、現在の時点における例示としてはこれが一番包括的かつ適切ではないか。御指摘のとおり将来の問題としてもいろいろございますが、これは将来の考えられる問題でございまして、現実にある大きな問題ということになりますと、これが例示としては一番適切ではないかというようにわれわれは考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 産地中小企業の本質的な体質強化といいますか、あるいは長官もしばしば御答弁になっておるような新しい意味での構造改善といいますか、そういうふうな立場からきた場合には、私は固執するようでありますけれども、もっと広い意味で、しかも七年間という中期の見通しを前提にした法案でありますから、これは最近の状況から言えば確かに例示としての適切さはあると思います。私はそれは否定をしません。しかしいま申し上げましたような事情からすれば、円相場の変動というふうにもつと広い意味での包括的な表現をした方が、例示としても決して間違っていないし、その方がより実情に合っておる、こういうふうに考えるわけです。 時間の関係がありますから、これはまたさらに後に譲ることにしまして先に進みますけれども、この産地中小企業の体質改善の問題については、御承知のように第八十五国会、去年の十月に「現下の経済情勢に対応する中小企業対策の強化に関する件」、こういう決議をやっております。この四項目の中で、「中小企業産地については、抜本的な体質改善を行い、その振興を図るため、早急に対策を確立すること。」こういうふうに、当局もそうでありましょうけれども、私ども委員会としてもこの問題についての本当の意味での体質強化を図るためのいろいろな具体的な施策、これをとにかく早急に確立をしなければならぬ、こういうふうな立場での決議を上げた。そういう意味で、いわば産地中小企業にとっては非常に渇望された法案だと思うのですね。それにこたえてこれを出されたんだと思いますけれども、中にはまだまだ不十分さがある。これは一気にいかないというふうにおっしゃれば身もふたもないわけでありますけれども、しかし産地の中小企業が非常に強く望んでおった、それにこたえる法案としてはいささか不十分さがあるんではないか、こういうふうに考えておるわけであります。その幾つかはきのう来の質問にもありましたが、そこでひとついろいろお伺いをしていきたいと思います。 産地中小企業対策という意味ではありませんけれども、自治省では特定不況地域振興総合対策というものをお立てになって、現にそれが進められつつあるわけです。そこでまず最初に自治省からお見えになっていると思いますからお聞きをしたいわけでありますけれども、自治省が進められておる内容を見ますと、対策実施方針によって選定された地域数が百三地域、それから関係する市町村の数が百八十一市町村、相当広範になっております。こうした地域には通産省指定の特定不況地域、これがすべて含まれているというふうに見るわけでありますけれども、昭和五十三年度における財政措置、地方債の追加許可あるいは特別交付税の措置、こういうものが行われてきたと思いますが、五十三年度における財政措置の中身について、自治省の方からちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。
○金子説明員 自治省の方で行っております不況地域についての地方公共団体が行いました事業、これについての財源措置でございますが、公共事業等の裏財源につきましては別といたしまして、県、市町村の単独事業、これについての起債の充当を六十一億ほどやっております。それから特別交付税でございますが、百五十四億、このような数字に相なっております。
○渡辺(三)委員 そこで、重ねてお伺いするわけですが、これは自治省の方からお答えを願った方がいいか、あるいは長官の方がいいか判断をしていただきたいのですが、いま自治省が言われました五十三年の措置、これは、お伺いしますと五十三年度に限ったものではなくて、必要によって今後も続けるというお話のようであります。この自治省の行われておる財政措置と、今度の都道府県で行う産地中小企業のいろいろな施策、これは財政的な連動をどのようにお考えですか。
○左近政府委員 われわれの理解しておるところによりますと、自治省が現在施策を講じていただいております内容については、中心は不況によって——不況の要因はいろいろございますが、地方の経済が非常に窮迫する。それに伴って自治体の運営も非常にむずかしい。それで、自治体が自分自身の窮境から脱出し、また地域の経済をよくするというための施策を講ずるに当たって、必要な財源措置を応急的に措置していただくということであろうかと思いますが、先ほどから申し上げておりますように本件は長期的な構造政策でございます。したがいまして、自治省の現在の主眼点からは若干違う要素も出てくると思いますけれども、また自治省として将来こういう長期的な構造対策についてもいろいろな御配慮が願えれば、われわれとしては非常に望ましいわけでございます。 そういう意味において、今後とも自治省とも御連絡をとりながら、通産省、中小企業庁がやってまいります政策と自治体の政策とをうまくすり合わせることができるような財政的な基礎がとれるように、自治省にもよくお願いをしてみたいとわれわれは考えております。
○渡辺(三)委員 自治省でおやりになっておる対策の中で、振興総合対策要綱、こういうものが当然あるわけでありますけれども、この中身を見てまいりますと、必ずしも産地中小企業と特定不況産業はイコールでありませんから、その点は十分理解した上で御質問申し上げておるつもりでありますが、それにしましても、「不況産業である企業及びその関連企業の経営安定に関すること」あるいは「雇用安定対策に関すること」、「企業の業種転換の促進その他地域経済の構造改善のために必要な施策」、こういうふうに、当然今度の法案にもある意味でかかわり合ってくる問題がこの対策の中に幾つかあるわけであります。そして、それを推し進めるために特交なり起債なり、そういうふうな措置をとられておるわけでありますから、そういう面では本法案の中で今度はいろいろな施策を通産省がおやりになる。国としてもやるし、都道府県に対してもやらなければならぬし、都道府県もやる、それから産地の組合自体はもちろん自助努力で、その補助、援助を受けながらやっていく。こういうふうになりますと、とりわけ地域の中で考えますときには、自治体のおやりになるいろいろな施策が今度の法案とも非常に密接に絡んでくるのだというふうに私は理解をするわけです。そうでなければまた総合的な成果は出てこないだろうと考えるわけです。いま長官がお述べになりましたけれども、十分に緊密な連携をとりながら、それぞれのねらいは別にありますけれども、一致する面が非常に多いわけでありますから、その点は十分に配慮をしていただきたい、こういうふうに重ねて要望申し上げておきたいと思うのであります。なお、いまの問題に関連しまして、自治省側の御見解も承っておきたいと思います。
○金子説明員 私どもも特別交付税におきまして、地方公共団体の行う事業につきまして、特別の財政需要がある場合には財源の措置をいたしておりますが、必ずしも産地中小企業だけというふうに限って考えてはおりませんが、産地中小企業も含めまして、企業活動が不振になる地域がある、それに対して地方公共団体が対策を講ずる、それに伴って何らかの財源措置が必要であるというような場合には、特別交付税で十分に配慮してまいりたいと考えております。
○渡辺(三)委員 重ねてもう一点だけ自治省にお伺いしておきますが、先ほど私意見の形で申し上げましたが、五十四年度あるいはそれ以降も引き続きこの対策はお進めになる、こういうふうに確認させていただいてよろしいでしょうか。その点だけ。
○金子説明員 特定不況地域につきましての地方公共団体の要綱は、一応三カ年計画ということで作成をしてもらっております。その間経済情勢がどのように推移するか、その辺のところを見ながら私どもの方は対応してまいりたいと考えております。
○渡辺(三)委員 次に、本法案の三条、四条、振興計画、合理化計画のいわゆる「関連事業者」でありますけれども、この「関連事業者」というのは具体的にはどういうものを想定しておられるのか、この点をできるだけ具体的に明確にお願いしたいのです。
○左近政府委員 関連事業者として指定することを考えておりますものは、一つは特定業種に属する事業の部品あるいはそれの一部になります半製品をつくるもの、あるいは原材料をつくるものというようなものを考えております。つまり、その製品ができるに当たって必要不可欠なものをつくっていく、供給するというようなものは関連事業者と考えております。もう一つ、できました製品を販売するという面で、問屋さんとか流通業者も一体にならないとなかなか特定業種の振興を図ることができませんので、そういう流通関係の販売業者というふうなものを含めることを考えております。大体大きく分けてこの二つを主として関連事業者と考えておりますが、そのあとは実態に応じまして、その特定事業の振興に必要不可欠なものはなるべく広く入れ込みたいと考えております。
○渡辺(三)委員 細かい内容にわたってのお伺いになりますが、産地の中小企業が振興計画をつくるあるいは合理化計画をつくっていく、こういう場合に、いま長官が答弁になった関連組合も含めた形でそれが進められていくというふうなことになりますけれども、その場合の関連組合、本体の産地中小企業の組合と関連業者といいますか、それは一体の組合というふうな形で振興計画を準備する、それを都道府県の知事が承認をする、こういう形になりますか。それはいわゆる本体である産地中小企業者の組合と、それから関連、これが一本の組合というふうな形で承認を求めるという形になりますか。
○左近政府委員 振興計画自身は、これは一本のものにする必要があるというふうに考えております。しかし、その計画を実施する主体は、本体の特定業種の組合とそれから関連業者、これは関連業者の組合であっても個々の関連業者であってもいいのですが、これはやはり実施主体は別々になる。そういう実施主体が別々なものが共同して一つの計画をつくり上げて承認を求める、こういう形になろうかと考えております。
○渡辺(三)委員 そこで、時間がありませんから第八条に進みますけれども、「雇用の安定」、この問題で、いわゆる関連事業者をここでは対象から外しておりますね。三条、四条については、振興計画、合理化計画についてはいま長官が答弁になったとおりなんですけれども、雇用安定という条項ではこの関連事業者というのは対象から外される、こういうふうな形になっておるのですが、これはどういう立場からそのようにされておるのですか。
○左近政府委員 本法は、申すまでもなく特定事業に従事しております企業の産地の振興というのを主眼にしておりますが、その企業の産地の振興に必要な範囲において関連事業者の振興も図っていくというのがこの立場でございます。そこで、雇用問題につきましては、産地の特定業種の雇用状態が悪いからといって、必ずしも関連業者の雇用状態が悪くなるというわけでもないという問題もございまして、これは必ずしも一体的に考えられる部分ではないだろうということになります。法律制定のときに、法制的ないろいろな議論がございまして、やはり法制的にはここに挙げるのは、法律としては不適当ではないかという判断になったわけでございます。 しかしながら実態的に申し上げますと、法律的に割り切るというだけでは済まないとわれわれは思っておりますし、また、そもそも本条は宣言規定でございまして、「努める」というふうな宣言規定でございますから、この範囲になくてもわれわれの努力はやる必要があるし、またやれるというふうに考えておりますので、その必要が生じた場合には、こういう関連事業者の雇用についてもわれわれはやらなければいけないというふうに考えておりますし、実際問題といたしましては、これは労働省がいろいろな施策を講ずるに当たって、こういう産地中小企業に対して特段な配慮を願うということでございまして、われわれがいろいろ労働省にお願いをして、こういう産地の中小企業者に対する優先的な配慮を求めるというのがこの規定の趣旨でございますので、必要が生じますれば関連業者についても必要な要請をするということはわれわれも十分に考えていきたいというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 三条、四条で明らかなように、本体である産地中小企業者、しかしそれの体質改善、振興のためにはどうしてもそれだけには限定できない。したがって、先ほど長官が答弁になったような関連業者というものも一つの振興計画の中に入れて、そして一体のものとしてこの措置をとっていかなければ、実際目的は達せられないということが厳然として三条、四条の中では明らかになっておる。したがって、その関連業者の雇用が本体である産地中小企業と同じように安定しておらなければ、あるいはもし問題があった場合にはそれに対する措置が行われなければ、私は片手落ちになると思うのですね。宣言というふうにおっしゃいました。確かにそうです。だから外してもいいという理屈にはならないだろう、私はこういうふうに思うわけであります。しかもそれは無条件で全部措置をしなければならぬということではなくて、これはもちろん本体である産地中小企業でありますけれども、「経済的事情の著しい変化により事業活動の縮小等を余儀なくされたものの雇用する労働者について、」こういうふうになっておりますから、そうでなければ必要ないわけなんです。このような状態になった場合には、やはり産地中小企業と同じように、これは不可欠のものとして、関連事業者の失業の予防やその他ここに書いてある雇用の安定を図るための必要な措置は当然必要であろうし、目的を達する意味においてはここに明示をしておいた方がより明確になってよろしい。宣言規定とは言いながら、それはやはりここに入れるべきだというふうに私は考えております。 それから八条の後ろの方の、「職業訓練の実施、就職のあっせんその他その者の職業及び生活の安定に資するため必要な措置」、これについても全くいま言ったような意味で、関連業者を含めてこの中では明確にしておく必要があるのではないか、こういうふうに私は考えるわけであります。時間があと十分ほどしかありませんから、せっかく労働省お見えになっておりますので、この問題については労働省からもひとつ見解をお伺いしておきたいと思います。
○白井説明員 お答えいたします。 法文上の問題は、いま通産省の方からお答えいただきました法制上の問題その他が関連いたすと思いますが、元来この法律は前向きの長期的な構造対策をねらうものであって、従来の不況対策とは違うわけでございますけれども、離職その他雇用に影響を持つことも十分考えられますので、その点につきましては、法律のこの協議に当たりまして、通産省とも、この振興計画または事業合理化計画の作成等に関連いたしまして、労働者の雇用の安定に十分配慮したものであることを確認すると申しますか、そのような形について今後協議を進めることにいたしております。そういうことで、全体的には、そういう計画の中の雇用問題については十分協議を進めさせていただきたいと思います。 なお具体的には、この八条に関連いたしましては、主体はここにございます中小企業者であるわけでございますが、従来から雇用安定資金制度、それから職業訓練や就職のあっせんにつきましては今国会で雇用保険法の改正等をお願いいたしまして、さらに対策を強化いたすことにいたしております。そういう点の強化と、さらには中小企業者に対します適用要件や助成率を厚くするというようなことでこれらの対策を十分進めてまいりたい。また関連業種対策もそれに関連して出てくる場合には十分進めてまいりたいというふうに思っております。
○渡辺(三)委員 いまの点は、私が先ほど申し上げましたような主張をこの際強くしておくにとどめます。 次に、最後の質問になりますけれども、せっかく大臣が来られましたから、もう一回聞き直して大臣からお聞きしようかと思います。 先ほど申し上げましたように、八十五国会で私どもは、この産地中小企業の体質改善を早急に強めるような、具体的な法律の提出をその中身の意味として含めた要望決議を行ったわけであります。確かに幾つかの面で大きな前進といいますか、要望にこたえる面はありますけれども、しかしそれにもかかわらず、まだまだ不十分な点があるわけでありまして、特に振興計画の中で新商品または新技術の開発はどのようにして具体的に行っていこうとするのか、それから需要の開拓、いずれもここに書いてあることは非常に必要なことなんです。必要なことで、産地の中小企業も一生懸命がんばっているわけです。しかし、なかなかそれが思うようにいかない、これが実態です。これは長官よくおわかりのとおりであります。この問題に対して、中小企業庁としては一体具体的にはどういう手段といいますか、あるいは考え方をお持ちになっておるのか、これは基本的な問題でありますけれども、ひとつ改めてここでお聞きしておきたいと思うのですね。これは、産地の中小企業は全くそのとおりだというふうに考えていると思う。なかなかそれができない。なぜできないのか、どういうふうにしてそれを打開するのか、体質強化というふうに言いますけれども、それはどのようにすれば成っていくのか、この点をひとつ長官からお伺いしたい。
○左近政府委員 中小企業の構造改善と先ほど申し上げましたけれども、それを実施していくということは、価格競争によらない、いわゆる非価格競争力をつけるということが今後一番重要ではないかというのがわれわれの認識でございます。そのためには技術を促進する、それから商品の開発能力をつける、そしてまたそういうものは、つまり具体的にある商品をつくるということではなくて、その商品をつくり上げていく力をつけるということでございますので、それはやはりその企業あるいは組合における人材を育成していくということが中心になっていくわけでございます。それについては長期的な心構えでやっていかなければいけないものでございますので、一年とかいうところですぐに効果をあらわし得ないわけでございますが、今後の産地振興政策の重点はそういうところに持っていくということでございますし、また振興計画をつくりあるいは企業がそれ自身の合理化計画をつくる際に当たって、そういう点に重点を置くようないわば指導と申しますか、われわれとしてもそういうものを行いまして、計画を樹立してもらう、そして計画が樹立いたしました暁には、その計画の実現に向かって予算面あるいは金融面において十分な助成をしていくということでこの問題を一歩でも前進させていきたいというのがわれわれの考えでございます。
○渡辺(三)委員 先ほども申し上げましたように、地場産業あるいは産地中小企業自体がみずから大変な努力をやって、しかも組合をつくってお互いが協力し合って振興計画をつくり上げていく、こういうことは基本でありますし、私も賛成です。このことはさきにも申し上げました。そういった自主的な、基準に従った一つの振興計画というものを都道府県の知事に提出をして、それが適当であるという承認を受ける、そういった手続なり順序なりというものはそれ自体いいと思うのです。 しかし、問題は、先ほど申し上げました新商品の開拓とか開発とかあるいは新技術の開発とか、需要の開拓、これが実際の効果を上げるようにする、そのこと自体が非常に重要であり、またむずかしい問題だと思うのですね。それは計画の段階でもそうでありますけれども、むしろそれを効果的に推し進める、または産地組合全体の企業活動の水準を上げる、こういった高度な技術者であるとか人材の養成、これはいま長官も言われました、それを形成するということが実は非常に大事なんだと思うのです。さらにまた公設の研究機関の充実、機能の向上、こういうものも不可欠なわけですね。したがって、これらに対する国なりあるいは都道府県の果たさなければならない大きな任務、役割りというものが、産地中小企業の体質を強化し、向上改善するためには、いま申し上げたような点がむしろ不可欠なんです。だから長官は、いま予算の面でも今後十分にとってと言われましたけれども、この点は本法案の中でもさらに強調して明確にして、それにこたえながら産地中小企業の自主的な意欲というものを大きく盛り立てていく、このことが私は不可欠だと思うのです。時間でありますから、その問題について大臣の御答弁を最後にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○左近政府委員 若干技術的な問題もございますので、先に私から一言申し上げさせていただきます。 いま仰せになりましたように、産地の中小企業の振興を図るために、国あるいは地方自治体が技術の振興、これは試験研究上の充実も含むわけでございます、あるいは人材の育成というようなものについて十分努力すべきことは当然のことであります。われわれとしても、振興計画の中でもそういうものを大いに織り込んでもらうように考えておりますし、国の施策としても予算的にも先ほど申し上げましたようにやることにいたしております。 そういう意味で、若干、法文にそれがあらわれてないじゃないかというようなお話がございましたが、その点については、われわれとしてももし必要があればもう少し法文に明確にするということも、法制的にも、やり方によっては決してそれができませんというようなことを申し上げられることではないのじゃないかというふうに考えております。
○江崎国務大臣 ただいま長官からお答えいたしましたように、中央、地方が一体になって合理化、近代化、そしてこの法律が目的としておりまする成果を上げるためのあらゆる努力を払うことは当然なことでありまして、十分そのあたりには留意いたしてまいりたいと考えます。
○渡辺(三)委員 終わります。
○橋口委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。短い時間でございますけれども、私もたまたま地元の方に陶磁器業界があるわけでございますので、参議院の方々も陶磁器業界の調査をやられたようでございますが、私なりに問題提起をしながら少し意見を反映させていただきたい、こう思うわけであります。 いろいろと現地の方々と御相談申し上げておりますと、大約して、早期にこの法案を生かしていただきたいという早期成立の要望。そしてまた二番目には、これは率直な話でございますけれども、輸出産業が多かったりあるいはまた中小零細が多いわけでありますから、お金のめんどうよりも実際は仕事が欲しい。同時に、仕事を欲しいために、特に輸出の場合については為替レートの安定を図ってもらいたい。同時に、当面する問題点としていわゆる油不足対策、いわゆるコストアップの問題、こういうのが非常に強かったようであります。そして最終的な要望といたしまして、いわゆる後継者対策、いまのままだと産地全体にいろいろな意味での網をかぶせていただいても後継者が育たないという悩み。以上のような点が私どもが率直に産地対策の一部分として陶磁器業界の方々とお話をしてきた内容の問題点であります。そういう点を踏まえまして、短い時間でございますけれども、少し質問をさせていただきます。 まず第一に、昨年の秋の臨時国会でいわゆる城下町法案、特に造船関係が中心でございますけれども、これができたわけであります。その後、いろいろな意味での景気の回復基調等もあるわけでございますけれども、法律ができてから短い期間ではございますが、この法が特定不況地域に対してどの程度有効な作用を果たしたのか、その点の現状はどうでしょうか。
○左近政府委員 特定不況地域中小企業対策臨時措置法は、昨年の十一月に施行されましたが、施行と同時に特定不況地域といたしまして三十地域を指定したわけでございます。これは、御承知のとおり造船とか非鉄金属とかあるいは化学繊維とか、そういうふうな業種に関連をする地域でございます。そして、最近の情勢にかんがみまして本年の四月にも二地域を追加指定いたしました。現在は指定地域が三十二地域になっております。 こういう地域に対しまして、政策といたしましてはやはり一番中心は金融政策でございまして、緊急融資を低利で準備をいたしたわけでございます。この緊急融資を受けるためには、中小企業が関連の市町村の認定を受けなければならないことになっておりますが、認定実績が四月末現在で大体三千三百件余りになっております。それから、その認定を受けて実際にお金を融資したという実績が四月末現在で件数としては大体三千六百件。先ほど申しました認定は三千三百でございますが、これは一つの認定によりましてお金を二件以上借りるというケースもございますので、件数としては三千六百件、それから金額として二百七十二億というものが貸し出されておるわけでございまして、今後もまた実態に応じて貸し出す状態でございます。 〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 円高対策とか、倒産関連対策についてもいろいろ緊急融資がございますが、これについては最近非常に減少してまいりましたけれども、この特定不況地域に対する融資はまだ継続する見込みであるというふうに金融機関も言っております。したがいまして、今後もこの特定不況地域に対しましては、金融対策その他の振興対策を実施していくということを考えておるわけでございます。
○草川委員 このいわゆる不況地域の振興ということになりますけれども、きのう少し報道もされておるようでございますけれども、通産省として工業再配置への投資減税ということが、これからの不況地域の振興に大変役に立つのではないだろうか、あるいはそのために取得設備の一〇%の税額控除等の見解も若干出ておるようでございますが、たまたま私ここへ来る前に、地元の方々から、一体この計画というものが何月ごろ、たとえばことしの夏ぐらいまでには審議会等を経てできるものであろうかどうか、こんなような質問もあったわけでございますが、その点についてはどうでしょう。
○江崎国務大臣 いろいろな角度から現在検討しておるということでありまして、まだ具体的になったものではありません。多少新聞社側の推測を交えての記事という表現の方が当たっておるというふうに思いますが、考え方の方向としてはああいう考え方を持っておることは事実でございます。
○草川委員 こういうものも大変な新しい問題提起だと思うので、ぜひいろいろな審議会等に現地の考え方が反映するようにお願いを申し上げたいわけであります。 それから第三番目の質問になりますが、この法律の適用でございますが、離職者法のときもそうでございましたが、たとえば適用の認定要件というものが対前年度の売り上げだとか、いろいろな条件があると思うのです。これは融資の場合もそうだと思いますけれども、たまたま長期の低迷の中の前年度マイナス一〇%だとか、そういう要件になりますと非常につらいという声があるわけであります。対前年度比だけを基準とすることについては問題があるのではないだろうか、いわゆる柔軟な対策が必要ではないだろうかという点が言われておるわけでありますが、その点についてはどういう御見解でしょうか。
○左近政府委員 この法律の業種指定要件が、経済事情の変化に応じて影響をこうむっておるということ、あるいは影響をこうむるおそれがあるということでございますので、やはり生産額等が減少したということが一つの基準になるわけでございますが、その基準のとり方につきましては、われわれといたしましては、これは長期的な問題でもございますから、従来の短期的な緊急立法よりは弾力的に処置をいたしたいということでございます。たとえば円高によりまして生産額が減少したというのも、必ずしも現在の時点でなくて、最も低下したときとその前の時点とを比較するということも可能と考えております。この法律の条文自身も、おそれがある場合というのも入っておりますし、将来に対する推測も入れた措置も可能になっておりますので、本法案としては比較的弾力的な運用ができるのではないかと思いますし、われわれといたしましても現実の運用は弾力的に実施をしていきたいというふうに考えておるわけです。
○草川委員 ぜひその点については弾力的な運営をお願いいたします。 一番最初に申し上げましたように、産地の方々とお話をしておりますと、輸出産業が多いわけでございまして、ぜひ仕事を安定的にとりたい、特に長期の契約をとりたいわけだけれども、御存じのとおり、何回か論議をされておるわけでございますが、一体安定的な為替レートというのをどの程度の水準に置いて経営計画を立てたらいいのかという悩みが、非常に切実なものがあるわけです。いろいろな産業がございますから、私は通産省に一律の御見解を求めようとは思いませんけれども、たとえば陶磁器業界なんかのいろいろなもの等の輸出採算ラインというものを、どの程度に置いたらいいのだろうか、これは素朴な質問なんですけれども、私どもも明快な答えが出ないわけですが、行政当局としての考え方はどうでしょう。
○江崎国務大臣 為替相場について政府側が具体的に見解を披瀝することは、国際的にも不適当というふうに言われておることは御存じのとおりであります。私も陶磁器業界の様子は一応理解しております。あなたとは同じ県でございます。 そんなことですが、当時二百二十円ラインというのが死活ラインだ、二百二十円までは何とかわれわれは文句を言わないできた。しかし二百二十円以上に円高が続きましたときに非常な陳情が殺到しました。そういう点を現実的に考えますると、陶磁器業界の場合はやはりそのあたりが一つの標準でなかったのではなかろうか。これはあくまで推測であります。当時、円高円高ということが昨年言われまして、二百二十円も円高だというわけです。去年は二百四十円がらみから始まったわけですが、どんどん高値が続いて、二百二十円になるまで陶磁器業界というものは比較的しんぼうして状況に耐えておられた。二十円よりも高くなった、その後いろいろな苦情が持ち込まれた、こういう現象を私はいま申し上げたわけであります。
○草川委員 いまおっしゃられましたように、一つの相場というのですか、現地の方々も二百二十円ぐらいが採算ベースだということを願っていたわけであります。特にことしの五月そういう時期があったわけです。非常に喜んでみえたわけであります。ところが、五月三日、ワシントンで大平総理の発言があったわけです。大平首相のプレスクラブでの演説がございましたし、いろいろなことがあったわけですが、そのときの総理の発言からまた、御存じのとおり二百二十円がぐんと二百円ですか、いまそういう状況になってきたわけでございまして、現地といたしましては、大平総理がなぜああいうような発言をしてくれたのか、はなはだ困るというような見解が実はあったわけであります。その点について、江崎大臣、非常にお近いわけでございますし、特に大平さんの一番のふところ刀として日本の国の通商行政をやっておみえになるわけですから、本当にそれはうまくいっておったのかどうか、これもまた中小企業の方々の素朴な質問でございますから、ひとつありていの御見解を賜りたい、こうお願いをするわけです。
○江崎国務大臣 大平総理がどういう場面でどうしてそういうことを言ったのか、私つまびらかにいたしておりませんから本当は批判の限りではありませんが、大平さんも予算委員会で、私どもそばで聞いておりましたのには、一国の首相が、フロートしておる場合に、適正な為替相場について物を言うことは適当でない、こういう答弁を現にしておりました。したがいまして、どうして二百円ということを言われたのか、ちょっと私その辺がよく理解できないわけであります。ただ、もし本当にそういうことを言われたのだとすれば、アメリカの場合は特に貿易のインバランスがはなはだしいということなどで、あるいはそういう表現になったかなと推測するものでありますが、一昨年から考えますと、五十二年の年初には二百九十円だったものがどんどん高くなって、そして二百四十円割れ、そして五十三年には二百四十円から百七十円台まで、たった二年の間に二百九十円から百七十円台へというような円高、乱高下というものは大変困るわけでありまして、むしろこれはアメリカ側にもドル防衛についての努力を要請しなければならぬというふうに考えます。 二百円については、私ちょっと根拠を明らかにいたしませんので、なおよく調べまして、しかるべきときにお答え申し上げたいと思います。
○草川委員 この為替レートの問題というのは、産地の方々の非常に重要な問題点でもございますので、私どもが申し上げる立場ではございませんが、ぜひいまのような意見を取り上げていただきたいとお願いするわけであります。 具体的な問題に入りますが、いわゆる産地組合に対する助成のことでございます。活路開拓調査指導事業の産地対策の枠が今度新設されましたが、一組合に三百五十万であります。これは、この程度で一体何がやれるのだろうか。たとえば市場調査をやらなければいけない、あるいはまた新しい商品の開発をするそのためのカタログもつくらなければいけない、いろいろな悩みがあるわけでございます。たとえば後の新商品開発能力育成事業等の補助金等も一組合に一千万あるわけでございますが、原型を変えたりデザインを変えたりしましても、小さなノベルティーだけでも十万程度の費用が要る。それを組合でまとめますと、なかなかこれだけの費用では対応ができないという声があるわけですが、この点についてどうでしょう。
○左近政府委員 この産地の組合が振興計画を実施するに当たって、いろいろな事業をするわけでございまして、それについて経費の補助を考えたわけでございまして、御指摘のような現在の予算の単価ということになりました。これは、確かに産地の組合の方々の意欲のある活動を支えるために十分であるということを、一言にして言い得るということは非常にむずかしいと思います。ただ、やはりこの産地の組合が御努力をなさる場合のこれは補助金でございますので、また産地の組合自身も、みずからもそういう経費を負担をしていただくということも、やはりお願いをしなければいけないということでございます。したがいまして、これは将来とも十分なように努力はいたしますけれども、当面やはり今回の予算の限度の金額で何とかやっていただきたいというのがわれわれの気持ちでございます。
○草川委員 これも要望になるわけでございますが、この都道府県の事業に対する助成の中で、いわゆる産地中小企業振興ビジョン作成費というのがあります。マスタープランを早くつくれというのは当然なことでございますが、一体いつごろまでのリミットということをお考えになっておられるのか、その点具体的になっておる時期がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○左近政府委員 われわれが考えておりますスケジュールでは、大体この法案を御承認願いまして施行できて、すぐにこの業種の指定をやりたいと思っております。業種指定ができますと各都道府県ですぐに振興ビジョンに取りかかっていただきたいと思っておりまして、その間産地の組合の方は振興計画づくりを始めるわけでございまして、結局振興ビジョンが絶対必要なのは、各産地の組合から出てまいります振興計画を承認する場合に、その承認の基準としてビジョンが必要でございますから、この振興計画を組合がつくって県に提出するまでにはまとめてもらいたいというふうに考えておりまして、大体時期としてはこの秋くらいにはまとめていただくということでございます。 それで、期間が非常に短いようでございますが、実は従来からこういう産地問題については都道府県も非常に関心を持っておりまして、府県独自でもいろいろ調査をやっているところが多いわけでございます。そういたしまして、これは法律案でございますから議決願わなければ動き出さないわけでございますが、こういう動きがある、国会で御審議を願うように国会に提出したということがございますので、県としては、独自な従来からの対策でいろいろ準備をしている県もあるやに聞いております。したがいまして、そういう事前の準備もあわせて考えますと、大体秋ぐらいにはでき上がるのではないかというようにわれわれは考えております。
○草川委員 この計画、いまおっしゃられたとおりなんですが、県だとか地元の方も非常に話はわかるわけですけれども、一たんビジョンというものをつくって固定化して、それが非常にコンクリートなものになってしまうと、後々また動きがつかないということになる心配もあるわけですね。さりとて非常にりっぱなものをつくるにはかなりの期間が要るじゃないか、あるいは有識者も要るじゃないか。地元の学者先生方にもお願いするわけですが、なかなか今日的な経済の見通し、世界経済の展望が確たるものができないわけですよ、市場調査もできない。そういうことがございますから、ある程度これは、もちろんビジョンをつくるわけですけれども、柔軟な形で将来、あのときにこういうものがあるじゃないかという形で、必ずしも行政が強く支配をしない形で、これはぜひ柔軟なもので対応ができるように生かさせていただきたい、私はこういうように思うわけであります。それは一つ私の要望でもございます。 それから地場産業振興の高等技術者研修でございます。一課程二十名ということになっておりますが、これもいろいろな産業の実態で、十名程度でやりたいという場合もある、こういうわけですね。これも私あれでございますが、たとえば実務経歴四年以上でどうだとか、実務経歴の問題等もございますので、これも柔軟な対応が必要だと思うのですが、どうでしょう。
○左近政府委員 この地場産業振興高等技術研修の実施に当たりましては、やはり各府県の地場産業の実態に即することが一番重要でございまして、その地場産業において高度の技術を研修によって普及をするというのが基本目的でございます。したがいまして、基本目的に沿うという限りにおいてなるべく弾力的に実施したいというふうに考えております。もちろんこういう補助金でございますから予算上、制度上の制約もございますが、制約の許す限り弾力的にやりまして、本来の目的を達成するようにいたしたいと思います。
○草川委員 今度は油の話になるわけでございますが、業界の方々は、窯を使用するわけでございますので、油の価格というものに非常に敏感な反応をされるわけであります。いま猛烈に供給制限が一つあるということと、価格が上がっておるという二つの条件から、このコストプッシュをどのように合理化で吸収するか、もう合理化努力は限界だ、こう言うわけですね。じゃ価格をアップするか、それも契約をしておるわけですからどうしようもない。こういう切実な悩みがあるわけです。特に、この三月末のOPECの総会でサーチャージというのですか、上乗せが採用されたというふうに聞いておるわけでございますし、六月のOPEC総会でサーチャージ分を取り入れた新しい公式価格が決められようとしておるわけですが、その点についての政府の見通しあるいは予測はどのような状況でございますか。
○神谷政府委員 六月のOPECの総会の見通しにつきまして、現時点におきまして確たることを公式の場で申し述べるような状況にもございませんし、差し控えるべきものと考えられますが、ただ、最近の世界の原油マーケットの状況について若干御説明させていただきますと、ただいま御指摘のございましたように、四月一日に一年分の段階値上げを前倒しして引き上げたほか、各国適宜サーチャージを乗せてよろしい、こういうふうに決まりまして、サウジアラビアだけはこれを乗せないで孤高を現在も保っておりますけれども、他の国は、タカ派と言われたイラクが一ドル二十ぐらいで比較的穏健なサーチャージを乗せ、イランあるいはクウェート等は一ドル八、九十というのを乗せておりました。イラクあるいはインドネシア等低目の引き上げ幅の国も、その後五月一日あるいは五月五日等になりまして段階的にサーチャージを引き上げまして、一ドル八、九十まで寄せてまいりまして、ここで収斂するのかと思いましたら、五月十五日にイランがさらに、比較的先頭を切っておったものに六十セントのサーチャージを乗せてきた。それに後を追うようにアブダビが八十セント、最近では、一昨日でございますが、カタールがこれもまた八十セントを乗せてきた。最近、五月の半ば以降サーチャージが従来のものに加えて六十ないし軽質油は八十セントというサーチャージが乗せられてきておる。 他方、スポットマーケットは異常な状態を来しておりまして、イランの原油輸出再開で一時若干冷えるかと思われましたものが、二十四、五ドルから二十ドル台に近づいておりましたのが、急転いたしまして三十ドルを超えて三十五ドルというようなものも出てまいりましたし、スポット物そのものの量が非常に少なくなってきておる、こういうことで、世界の原油マーケットはきわめてタイトに推移しておるという状況にございます。 こういう状況下で迎えますOPEC総会でございますので、きわめてわれわれはその成り行きを憂慮しておりますし、慎重に見守っておりますが、しかし、このような動向に対処するためにはやはり節約以外にございませんので、各国足並みをそろえて節約し、原油の需給関係をできるだけ緩和しながら、需給関係を通じてこれらの継続的な値上がりの動向というものを緩和してまいりたいと考えております。
○草川委員 いまから私が質問するのは、これは意見を申し上げるのは非常に無理なことかもわかりませんけれども、実際この二〇%とか二五、六%とか、あるいは見通しの問題では下手すれば三〇とか四〇コストが上がってくるということになってまいりますと、実際この業界の方々の意見を聞くと、それは気の毒というよりも、早くやめた方がいいのではないだろうかというところまで実は追い込められてくることは間違いはないわけです。ですから、油の価格の見通しのガイダンスだけは何とか早く出してほしいという本当の訴えがあります。しかし、いまのお話ではございませんけれども、簡単にどういうような数値を出せるという条件にないことも私どもよくわかるわけでございますが、何らかのいわゆる中小企業の経営に対する指針は出してあげなければいかぬのじゃないだろうか。あるいはまた、従来やっておりましたところのいわゆる離職者法ではございませんが、雇用調整給付金制度の再活用というものも並行しながら、たとえば企業についての足踏みのような状況ということも適当な時期には指導しなければいかぬのじゃないか、こういうような感じがするわけでございますが、何かもう少し親切な指導というようなものがないだろうか、こういう意見になります。 あるいは、もう一つの面では、これもまた別に御論議がなされておると思うのでありますけれども、これも率直に申し上げて、いわゆる重油あるいは灯油、軽油という中間製品というものがいま猛烈な品不足になっておるわけですよ。私ども、地方の通産局といろいろな話をしますけれども、私どもが具体的な例を出すほどそんなにひどくないというのが役所の考え方なのです。ところが、実際に資材を講入する担当者に言わせてみると、私に言った以上にもっとひどい問題がある。そうして、値段を上げなければ入れないぞ、こういうおどしがある。いまさら仕入れ先を変えるわけにはいかない、問屋を変えるわけにはいかない。ガソリンの供給についてはまだまだ一般的なのがあるわけですが、特にこの中間製品の購入は、恐らく皆さんが考えておみえになります以上に実は深刻な状況、なかんずく中小業界の方々が多い、あるいは支払い条件が多少苦しいところはもっとひどい問題が来ておるわけですが、その点についての態度について最後にひとつ御見解を賜って私の質問を終わりたいと思うのですが、よろしくお願い申し上げます。
○江崎国務大臣 これは大変むずかしい問題提起だと思いますが、まず第一に、やはり絶対量が足りないことは確かでして、私も先ごろIEAの閣僚理事会に出席したわけでございますが、今後も不確定要素が非常に多いということで、来年も五%節約を継続しよう、こういう場面であります。その第一の節約が本当に行われておるかどうかという点になりますと、私は企業においては、前の石油ショック以来価格が四倍以上にもなったということから非常な節約合理化が行われまして、少なくともあの高度成長時代で日本の生産が一番上がりました昭和四十九年一月、要するに石油ショック直後ですね。それからだんだん世界的な不況で生産がスローダウンした五十年三月、これは二〇%減と言われております。それがことしは、この三月に高度成長時代のピーク時よりも七%も上回る高生産を実現したわけです。それでも石油の消費量というものは横ばいなのですね。これなどはまさに価格メカニズムといいますか、市場メカニズムといいましょうか、そういうものが働いて合理化された一つの成果だというふうに思えるわけであります。したがって、中小企業の場合もやはり合理化努力はどうしても果たしていただかなければならぬのではなかろうかという点であります。特に、いまも参議院の本会議でもそういう御質問があったわけですが、企業レベルよりも国民レベルの消費というものがその後非常に伸びているわけですね。電力消費を中心に四〇%近くも伸びておる。それからマイカーの消費量なんというものが大変伸びておるわけでございまして、国民レベルの節約を私どもは徹底をしていきたいと思います。 冷静に対処するということもやはり価格の高騰を防ぐための一つの大きな要素でありまするが、これは世界的に足並みの乱れがあります。そういったことがスポット物を中心にどんどん値上げが続く、あるいは産油国が長期契約の分までカットしてそれをスポット物に切りかえたり、高値を設定して国際入札を要請するというような不徳義な形にもあらわれておるわけであります。 いま目標を定かにせよと言われても全く困るわけでありまするが、節約を実行し、極力この値上がりを防いでいくということが一番実効の上がるもとであるというふうに私ども思っております。しかし、通産局を通じまして不当な便乗値上げなどがないように、一週間に一度ずつ現地で目標を決めてチェックしておることは先ごろ通達をしたところでありまするので、便乗値上げなどを誘わないように、また売り惜しみなどがないように、極力そのあたりは配慮をしてまいりたいというふうに思っております。
○草川委員 以上で終わります。どうもいろいろとありがとうございました。
○江崎国務大臣 ちょっと委員長、さっきの問題に関連していま情報が入りましたから、ちょっとお答えいたします。 先ほど、大平総理が一ドル二百円が適正レートであるかのごとき発言をしたが一体これはどうか、こういう御質問がございました。そこで私は事情をつまびらかにしませんので、ただいま事務当局から大平総理の秘書官に真相をただしましたところ、ナショナル・プレスクラブにおける大平総理の発言ということで、年末年始一ドル二百円前後で安定的に推移をしておった、そのように安定的に推移することが好ましいと考える、こういうふうに答えた、こういうのですね。したがって、為替の乱高下は困るということの趣旨であって、一ドル二百円が適正レートであるとは決して言っていない、いまこういう回答が参りましたので、念のために申し上げておきます。
○草川委員 どうもありがとうございました。
○渡部(恒)委員長代理 工藤晃君。
○工藤(晃)委員(共) 私は、日本共産党・革新共同を代表しまして、産地中小企業法案について質問します。産地中小企業を守って発展を図るという点、それから産地組合が振興計画をつくって知事が承認を与え、これに国が一定の助成を行う、こういう方向は賛成であります。特に、従来上からの押しつけ方式の近代化政策というのに比べて前進もあるというふうに考えます。しかし、やはり検討をしなければいけない重要な問題があります。それは昨日も提案理由の中で述べられた点でありますが、「産地中小企業の新たな経済的環境への適応を促進するため、本法案を立案した」、新たな経済環境への適応を図るということです。このことをどう考えるかという問題があります。もうこの委員会でいろいろ質疑が行われましたように、円高は一時百七十円台にも突入しました。先ほどは愛知の産地の問題で、二百二十円という、これ以上円高になると大変苦しかったという話も出ましたが、これは中小企業金融公庫月報のことしの二月号の中に、新潟県の燕の産地の調査報告が出ております。これによりましても相場が五十三年四月、二百二十三円、それから七月に二百五円といった、この二百二十円を超した後というのはもう大変な赤字に陥ったという深刻な実態が書いてあるわけです。そしてこの報告は、二百二十円がせいぜい採算のとれる線であるということであります。だから問題は、政府の経済政策が、一方では新しい法律によって中小企業対策を進めるということでありますが、円高がどんどん進んでいくということは放置しておいて、二百円に行くとかあるいはもっと行く、そういうことを放置しながら、その中で苦しいから産地中小企業が適応できるような、そういう方向を見出せるような何らかの助成をしようという、こういうことが新しい経済環境への適応ということなのか、あるいはもう一方ではわが国の経済の自主的な発展あるいは中小企業の発展ということから、望ましくない円相場がつくられることは避けながら、そういう努力も企面的にやり、同時にそうは言ってもいまの二百二十円というのは、それこそ議論がありましたように円高でありますので、産地中小企業に対してこのような助成をするのか、どちらか。円高を放置して、これはもうしようがない、手をつけないでおいてそれに適応させるというのか、あるいはこういう円相場もやはり望ましい方向へ多面的な対策をとりながら向ける努力をし、あわせてまたこういう産地の中小企業対策をとるのか、このどちらかという点についてはっきり伺いたいと思います。
○江崎国務大臣 為替レートの長期的な安定のためには、やはり各国の国際収支それからインフレ率などの基礎的要因の不均衡が改善されることがまず第一要件だと思います。わが国を初め、世界の主要国は協力をしまして不均衡是正の努力を行ってまいったわけでありますが、今後も引き続きこれは当然行われなければなりませんし、今度のサミットにおいても主要な論点として議論されることというふうに考えます。 短期的な為替市場の乱高下につきましては、通貨当局による市場への介入が行われる、これについても各国が当然協力し合って行うわけであります。したがって、為替相場の乱高下ということは、やはり政府としても極力回避できるようにあらゆる総合的な措置をとっていく。また、いまこの法律による産地対策は、そういう乱高下の間に波にもまれておる、一番高くなったといって波をかぶる、またそれが値が戻りつつあるというけれども、そのことによってまた国内的な市場を失うというような、波をかぶりやすい中小企業に前向きに対処しようというのが本法律案の趣旨であるというふうに理解をしていただきたいと思います。
○工藤(晃)委員(共) それで、先ほども問題になりましたワシントン・ナショナル・プレスクラブでの大平首相の発言でありますが、先ほどの秘書官からの説明というのは納得できないのです。これは私も終わった後外務省の担当官から、大体こういう新聞に伝えられたとおりですかと言ったら、全くそのとおりですと私は聞いております。たとえばこれは日本経済新聞に載っておりますが、要するに外人記者に聞かれて、「ことしに入って小康を得たので一ドル=二百円前後で続いてくれればと思っていたが、最近の安値だ。」最近は安値で困るということですね。これは読売新聞も、一ドル二百円前後の水準が続いてくれるのを願っていた、ところが円安になったのでこうした傾向を座して待つわけにはいかぬ。というのは、やはり大平さんの場合は二百二十円ぐらいに行くのは座して待つわけにはいかない、円安状態だからこれは何とか二百円に戻そうという趣旨で言ったわけでありまして、そして私は、このことは、さっき言いましたように外務省の担当者からもはっきり聞いているわけであります。国会におきましては、なるほど予算委員会などの答弁でそれは答えられない、それはそもそも為替相場の変動がつくり出すものだという答弁しかしなかったのが、アメリカに行くと二百円が望ましい。これが出てくるところは、あるいはアメリカとの間でそういう密約ができてしまったのか、あるいはまたさっき私が言いましたように、対外的調整のためには二百円というようなこと、あるいはもっと高くなっても構わないという立場をとるようになっているのか、どちらかとしか考えられないわけでありますが、この点について、もし通産大臣の方で二百円ということはとんでもないということであるならば、この問題について大平首相に対して、そういうことでは日本の中小企業を守る上では困るという意見をはっきり述べていただきたいと思うのですが、それをやられるかどうか伺いたいと思います。
○江崎国務大臣 これは草川委員にもお答えしましたように、私も実際その場に居合わせたわけじゃありませんから表現の詳しいことはわかりませんが、いま秘書にわざわざ確かめたわけですから、要するに二百円前後で安定的に推移していた、そのように安定的に推移することが好ましいと考えるということであって、この文章はどう見ても二百円が好ましいのじゃなくて、安定的に推移することが好ましいと、こう言っているわけですね。ですから外務省の人がどういう説明をしましたか、その人が経済問題に詳しい人であるかどうなのか、その辺がまたよくわかりませんというと、これはそれぞれの受け取り方が違ってくるわけでありますが、御承知のように大平総理は経済問題、財政問題については決して素人ではありませんので、フロートしておるものの適正価幾らと言われたときに、はい幾らくらいであります、幾らくらいが適正ですというようなことを軽々に答えるとは、私ども常識的に考えても思えません。これは先ほどお答えしたとおりでありまするので、まあいまの回答を御信頼いただきたいと思います。もとよりいまおっしゃるように、必要があれば私、どのようにでも大平さんに申し上げますが、こういって回答してきておることが正しいと私自身も確信をするわけであります。どうぞ御理解を願います。
○工藤(晃)委員(共) 私、この前本会議で大平首相に対しまして緊急質問をやりましたので、その前に事実を確かめておかなければいけないと思いまして、外務省の関係者でもちろんその場の事情を一番よく知っておられるはずの人から確かめたことでありますので、私の質問の中にも取り入れているわけであります。 この問題だけで行ったり来たりするわけにいかないので、あわせてなかなか最近大事な問題がありますね。日米通商交渉、首脳会談、そしてまたその前の東京ラウンド、それから東京サミットということになるわけですが、結局八〇年代の新しい環境ということを考えると、円相場がどうなるか、高いまま移るのではないかということや、またいろいろ変動があるのではないかということに加えまして、関税が八〇年代に引き下げられていく、非関税障壁の除去ということも進められるということですが、これに加えてもう一つ、経済構造の転換ということが大きな課題になってきたことは御存じのとおりであります。これはポジティブ・アジャストメント・ポリシーというふうにも言われております。これは太平首相がナショナル・プレスクラブ演説でもこのことを強調しておりますし、昨年六月のOECDの第十七回閣僚理事会の合意の中や、昨年のボン・サミットの宣言の中にも、ポジティブ・アジャストメント・ポリシーというのが出てきております。 さて、これは朝日新聞の五月二十日が伝えたことによりますと、これが今度の東京サミットの焦点になるのではないか。十八、十九日ワシントンで開かれた東京サミット第二回準備会議へ提出された専門家グループの報告書によりますと、日本は競争力の弱い産業への過保護を縮小せよというのが入るということも出てきております。これを裏づけるものとして、ブルメンソール米財務長官が、上院における証言において、これからは国際収支安定に役立つ中期的な経済の構造調整が議論されようということを言っております。それと同時にもう一つ挙げておかなければいけないのは、これは経団連が翻訳して出したものでありますが、アメリカの下院歳入委員会貿易小委員会の日米貿易タスクフォース報告、ジョーンズ委員会報告と言われるもの、これは牛場・ストラウス共同声明が実行されるかどうかひとつ監視してやろうというわけでこれができて、そこで報告しておるわけですが、たとえばこの十九ページにこう書いてあります。「一九七八年二月には、日本政府は、「円高対策法」を制定した。」これは円高の効果を相殺する意図を持っているというふうにして、要するにこういう円対法一つとっても、せっかく円高で効果が出ようとしているのに、日本の側ではこれを打ち消すような対策をとっているということを問題視しているわけです。別にこれはやめろとかなんとか書いてありませんが、ともかく問題視しております。これも私は外務省の関係者から聞きましたが、最近OECDの中では、日本がこういう産業に関する新しい法案をつくるたびにそこで話題になって、これがいわゆる積極調整政策に反するものではないかということがいろいろ問題にもなるという、こういう御時勢になっているわけですね。 そこで私は端的に伺いたいわけですが、こういう法案が出て、新しい産地中小企業対策が行われるというときに、いまの情勢で言いますと、あれはどうも長期にわたって弱い産業を保護するものであるからけしからぬというようなことが言われ出したようなときに、この中身をだんだん薄めていくようなことになってはいかぬというふうに私は思いますが、そういう外圧を受けたときに政府として決意があるのかどうか、それをはっきり答えていただかないと非常に心配があるわけです。
○江崎国務大臣 中小企業対策を薄めるなどということは毛頭考えておりません。これは、日本の産業構造をアメリカが十分理解しない立場でいろいろ議論することは御自由でございますが、何もそのことによって日本が直ちに影響を受けるものは一つもないというふうに考えます。ただ、よく一口に百二十億ドルと言われる貿易アンバランスはいかにも大き過ぎる。そのことが為替相場の乱高下にも影響するわけでありますが、しかしアメリカのインフレ、ドル防衛、これはストラウス・牛場会談においても十分配慮を願いたいということは大きな約束の柱でありますので、アメリカ側の努力にもかかわらず、依然としてドルが安定しないというようなことでわが国の中小企業が大変な被害を受ける、しかも零細企業がそのほとんどをなしておるというのであれば、それに対して経営安定策を講じようという緊急臨時的な手を打つことはまさに適切なものであるという理解に立って、私どもは本法案なども推進したいというふうに考えております。
○工藤(晃)委員(共) そういうふうに積極的に中小企業を守るというために対策を今後もとるということでありますので、そこで次にもう一つの関連した問題を伺いたいと思います。 中小企業庁の産地概況調査というのがここにもあります。これは五十二年度のものでありますが、三百二十六産地のうち、輸出依存度がゼロまたは二%以下というのが勘定してみますとざっと二百近くある。三百二十六のうちの二百近くでありますから、大部分がやはり内需向けの産地になっているということで、私も認識を新たにしたわけでありますが、五十二年度の中小企業白書を見ますと、ほとんどの産地製品と同一製品の輸入が年率一〇%以上の伸びである、これは七〇年から七五年をとってですね。産地中小企業と競合する品物の伸びがこのところ多いのだということが指摘されております。 さて、じゃ最近は特に製品の輸入が多くなったという状況の中で、こういう競合状態がどうなっているのかという点についてまず質問したいと思います。
○左近政府委員 いま御指摘のとおり、中小企業製品の中で輸出関連というものも相当ございますが、内需向けというものが相当大きな比重を占めておるというのが従来からの形でございます。ところが、円高の影響によりまして、やはりその内需向けに出荷しております製品と類似の製品、競合製品が主として発展途上国からだんだん輸入量がふえてくるという事態が発生しておりまして、これがいま御指摘になりましたような数字にもありますように、ここ一、二年中小企業製品と非常に競合する製品輸入が増大してきたという状態でございます。したがいまして、こういう事態に対処する意味においても、産地対策法というものを大いに活用してまいりたいというように考えておるところでございます。
○工藤(晃)委員(共) これは品目別にもっと細かく見ないとわからないかもしれませんが、特にことしの四月でも衣類の場合は九七%前年同月よりか伸びている、履物も八〇%、家具も九二%といったぐあいに、倍近い急増状態が出てきているわけであります。 そこで、この問題もあわせて伺いたいわけですが、実はわが党は、中小企業性の商品の輸入で中小企業あるいは産地が脅かされる場合には、緊急的な輸入制限対策をとるべきである、あるいはまた、もっぱらそういう被害を及ぼすような輸入目的、逆輸入目的の海外投資に、必要な規制措置をとるべきである、こういう趣旨の法案を国会に出してまいりました。これは何もわが党だけがこういうことを主張しているのではなしに、これまで当委員会で、たとえば四十九年三月十二日、伝統的工芸品産業の振興に関する法律案に対する附帯決議の中におきまして、あるいは四十九年五月八日、特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の中で、さらにまた、これは五十年七月四日の繊維関係伝統的工芸品産業の安定に関する件の決議の中で、あるいは五十一年五月二十四日の絹業安定対策に関する件の中で、あるいはまた例の特安法の附帯決議、これは五十三年四月四日の中で、さらにまた五十三年十月十八日の現下の経済情勢に対応する中小企業対策の強化に関する件の決議の中で、つまりこれだけでも当委員会において六回の決議を通じまして、同じような趣旨の、中小企業を守るときには、必要な場合には輸入規制などの対策もとれという決議が行われてきているわけでありますが、この機会に、やはりこの国会のこういう決議を受けて、政府が積極的に動くという姿勢を見せなければいけないと思いますが、一体どうなんでしょうか。
○左近政府委員 輸入が急増してきた、これにどう対処するかということでございますが、これは基本的な考え方といたしましては、産地法にもございますように、発展途上国が経済発展をいたしまして、それの製品が先進国にも入ってくる、こういう世界の大きな流れの中で、そういう経済の構造変化というものにどういうふうに適応していくかというのがまず産地法の考え方でございまして、基本的にはやはり製品の高度化ということで新しい分野を見出していく、そういたしまして、発展途上国の経済発展をも促進しながらわれわれも発展をしていくという、いわば共存の道を見つけていくというのが基本的な考えであろうというふうに考えておるわけであります。 ただ問題は、それが非常に急激であって、そういう体制をとり得ない時期に輸入が急増してまいりまして、産地の中小企業が壊滅するというような事態になりますれば、これはこれでまた問題が出てまいります。そういう点を御心配してのいろいろな御決議であるということで、われわれはその御決議の趣旨を受けとめておるわけでございます。したがいまして、これは情勢を見ながら、しかもそういう長期的な基本方針に反しない範囲で対策を講じていきたいということでございまして、繊維その他についてはいろいろな対策を考え、あるいは輸出国に対して自粛を求めるとか、あるいは輸入業者に対する行政指導をするとかいうようなこともやりつつあるわけでございます。したがいまして、そういう事態を十分考えながらやってまいりたいということでございまして、産地法推進の立場から言えば、そういう事態は基本的には産地法というようなものによりまして、中小企業の新しい分野への進出、新製品の開発というようなところで、長期的にはこれを解決していくという基本的方針は見失ってはならないというようにわれわれは考えておるわけでございます。
○工藤(晃)委員(共) いまのお考えは、これまでの決議を一方では尊重すると言うけれども、しかし基本的ないま述べた考え方としては、産地法でともかく製品の高級化でもやっていけば解決するというのですが、これでは私は大変不十分な対策にならざるを得ない、こう思います。 というのは、もうすでに述べましたような円高という環境や、これから関税が八〇年代に向かって下げられる、非関税障壁が取り払われる、言ってみると、そういうところに合わせて構造転換を進めていくということですが、これまでの経過からいっても、ただ製品の高級化とかいうことだけで中小企業が守られないことは、われわれいやというほど見てきましたし、現にこれまでの調査によりましても、特に昭和四十年代以降産地中小企業の比重というのがどんどん落ち出してきたわけであります。だから、そういう適応をするということをそういう消極的な立場で受け取りますと、結局四十年代以降の産地中小企業がどんどん落ち込んでいくという、それをそのまま延長して認めるということにもなるわけでありまして、この問題は、政府のこれからの中小企業政策全体の問題として、もっと正さなければいけないということを指摘したいわけでありますが、これについてもう一つ、緊急輸入制限について、日本の場合特別及び腰になっているのではないかということで、実はこれは私が言うのでなしに、日本興業銀行の興銀調査の一九七九年の一月号にこの問題提起が出てきておるわけです。ちょうど東京ラウンドがあり、またこれからのいろいろな経済交渉も日米間でもありますし、それからサミットもありますので、ひとつここで問題提起されていることに対してどう考えるのかということを質問したいわけであります。 ここで強調していることは、わが国は伝統的に貿易立国であったためか、緊急輸入制限には消極的だ。法体系はきわめてシンプルである。緊急輸入制限措置の根拠法はわずか関税定率法第九条しかない。そして、これは、そのときとり得る措置としては、関税を少し上げるその他の措置がとり得るだけだということになっているわけであります。これは欧米型のセーフガードシステムと比べると大変弱いものであるから、日本としても欧米型のセーフガードシステムを確立すべきではないか。この問題自体を検討する時期に来ているというのがこの問題提起であります。 そこで、この中で、ガットの立場と、それからアメリカの行っている、特に七四年の通商法ですね、その立場と日本とどこが違うかというので、実は八点ばかり書いておりますが、これを全部並べても時間がありませんので、たとえば、一、二挙げておきますと、日本の輸入制限措置の場合は関税措置だけだ、数量規制措置を含んでいない。しかし、アメリカはもとよりガットも数量規制措置を認めている、これが第一であります。 第二は、関税措置は特定品目に対する無差別適用のみであって、特定国に対する差別的適用を認めていない。ガットはまさにこの精神を貫いているわけでありますが、アメリカはこの差別的適用を七四年通商法の中にはっきり持ち込んでおります。 それから、三つ目に、緊急措置発動という適用の要件として、国内産業への被害またはそのおそれがある場合だけでなしに、日本の場合ですよ、国民経済上緊急に必要であると認められなければならないことがつけ加えられて初めて発動ができる。ところが、ガットやアメリカの場合は、特定産業に対する被害またはおそれがあるだけでこれが発動できるという、大変身軽になっている。八点あります。 以上、三点ばかり私、紹介したわけでありますが、こういう以上三点を見ても、日本の場合の緊急輸入制限措置というのはガットの水準から言って、あるいはまたアメリカがやっていることに比べれば一層のこと、この問題では及び腰であるということが指摘されて、この問題はいま真剣に考えるべきであるということであります。真剣に考えるべきであるという点ではわが党も全く賛成であります。しかも、興業銀行の言っているのは、何も構造転換をやらないというわけじゃないけれども、さっき言ったように、それこそ高級品をどんどんつくるとか、新しい需要を開拓するとか、そうしてその産地を発展させるとかいう目標は立てたとしても、これはしょせん中期的、長期的な時間の間でしか達成できない。そういうときに、急に情勢が変わって輸入がふえたようなときに、やはりこういう緊急輸入制限措置を日本として持っていないといわば時間をかせげない。産地法が目指すような新しい高級な品物に移るということを目指したとしても、余裕がなくなってしまう、そういう趣旨から言っても設けるべきではないかという提案が行われているわけですが、それに対してどうですか。大臣、どのように考えられますか。
○水野上政府委員 ただいま興銀資料によります比較の問題でお話があったわけでございますが、確かに緊急関税として関税定率法で定めてございますのは、緊急問題として書いてございますのは関税だけでございます。ただ、現在の外国為替及び外国貿易管理法によります輸入制限につきましては、国民経済及び国際貿易の健全な発達のためには輸入制限をすることができることになっておりまして、これは通商産業大臣の権限でできることでございます。したがいまして、ただいま御指摘のような緊急な事態が生じました場合に、緊急に輸入割り当て制に変えるということは、他の国に比較しまして決して繁雑な手続でなくてもできるシステムでございます。ただ、現実的にそういった措置をとるかどうかということになりますと、先ほどから中小企業庁長官等お答えになっておりますように、わが国の製品輸入のふえております東南アジア諸国、ヨーロッパ、アメリカ等、いずれも日本の大変な黒字になっておる国でございます。したがいまして、そういった場合に、直ちに輸入制限に訴えるよりも、相手国との話をいたしましたり、輸入業者を指導いたしましたり、そういった手段を事前にとっていくということでまいる方が妥当ではなかろうかと考えておる段階でございます。
○工藤(晃)委員(共) 貿管令と言いましたけれども、実際、貿管令を最近発動してというのはなくて、一体いま言った趣旨が生きているのかどうかさえ趣旨が疑われるものであります。そういう点で、私は重ねて、さっきは興銀調査の問題提起でありますが、こういう産地中小企業を守って一層新しい形で発展させようというときであっても、さっき言いましたように、これはあくまで中期的ないし長期的な計画でありますから、どうしてもこの間、転換する、前進するその間、やはり急激に輸入がふえたりすることから守る措置、そういうことは積極的にとる点で、もっと考え方をはっきりさせる必要があるということを重ねて指摘しておきます。 時間もありませんので、次の問題に移りますが、先ほども私触れましたが、ともかく中小企業白書の五十二年度によりましても、一九六六年から七二年に地盤沈下したといいますか、低下した産地が多く見られるという指摘であります。それから、これは山崎充さん、静岡の経済研究所の方で、「日本の地場産業」、大変りっぱな本を書いておられると思いますが、この山崎さんの指摘によりましても、特に六六年以降七二年までの間に停滞が起きているという指摘があります。昭和四十年代以降の低落だということが指摘されております。そして、どういう部門でそうなったかということもいろいろ書いてありますが、それは省くこととしまして、一つここで考えなければいけないことは、これまでの中小企業の近代化促進ということで、とかく量産化、機械化という点がやられてきた。これからも、今度も、やりようによってはそれが全面に出るおそれがあります。もちろん、量産化、機械化を私は否定するものではないし、必要なものはやらなければいけないと思うのですが、それが一面的にやられた場合に、特に産地中小企業の場合にどういうマイナスを生じたかという指摘が具体的に行われております。しかも、この指摘というのは、全国相互銀行協会の一九七五年六月「不況影響調査」を引用しながらやっておりますが、むしろ最近の不況の中で、伝統型特産品の産地の方が不況の影響は少なかった。津軽塗の漆器などを例に挙げております。ところが、機械化、量産化に走ってしまって、漆器といっても、プラスチックでスプレーか何かで吹きつけるようなことに走ってしまったところでは不況の影響が大きく出ている。会津漆器、木曽漆器などを例に挙げております。また、事実、単純に機械化、量産化を図れば、それこそ追い上げ国から、その機械さえ入れば簡単に輸入してきてしまうから、たちまち追い上げられる原因をみずからつくっているようなものであります。そういう側面もあるわけです。 確かにいろいろ考えてみて、機械化、量産化だとか、あるいは材料革命というのをどこにどう取り入れるか。これは全然拒否するという立場はもちろん間違っているでしょうけれども、しかし、これまではともかくこれを一面的に推進してきたきらいがあるのではないか。したがって、今度の新しい法案によりまして新商品とか新技術開発ということを目指すというときも、やはりこの伝統的な工芸技術を保存しながら、新しい形で発展させるということに相当力を入れなければいけないのではないかと思いますが、その点について伺います。
○左近政府委員 いまの御指摘はまことに当を得た御指摘であろうとわれわれは考えております。やはり過去の産地の産業を振興する場合においても、その時代の経済が高度成長をしておるというようなことを踏まえまして、コストダウンというようなことを図るために量産化ということが大きな課題になり、それを実行してきたということは、その時点としてはそれなりに正しかったと思いますが、経済構造が変化したいまとなってまいりますと、むしろその大量生産ということがいろいろな問題を起こしておる。結局不況に耐え抜くときにおいてもそれが重荷になったという例はわれわれも体験したわけでございます。したがいまして、この産地法によります今後の新製品開発ということをやるときに、われわれが最も重点に置くのはむしろ非価格競争力をつける、つまり、量産化して値段を安くして売るというふうなことじゃなくて、その産地ごとの特徴のある商品をつくっていく、この産地でなければできないものをつくっていくというふうなことにこの産地産業の今後の方向を向けなければいけない。そしてその場合にも、むしろ具体的な大量生産の施設をつくるというんじゃなくて、新製品をつくり出すような人的な要素をつくる。そういう技術開発力、新製品を開発する力をつけていくということが基本になってまいると思います。したがいまして、そういう意味において、その産地が持っております伝統的な技術力とかあるいは伝わりましたデザインとか、そういうような産地産地の歴史的伝統を踏まえた新製品の開発をやっていくということが最も肝要であろうというふうにわれわれも考えております。
○工藤(晃)委員(共) そういう趣旨も踏まえまして、やはり新商品、新技術の開発が必要であるということになりますが、しかしその点に関して、もっと中小企業向けの研究開発補助金というのをふやしたらどうか。これはどうですか、通産省所管でいいわけでありますが、研究開発予算の中で大企業向け中小企業向けの比率といいますか、一体どうなっているのか、伺いたいと思います。
○左近政府委員 技術振興対策というのも各種ございまして、中小企業の技術振興対策の主眼は大体二つございまして、一つは、中小企業の技術指導を中心にしております各地方、つまり都道府県が持っております公立の試験研究機関の助成をするということで、そこの特殊な研究、それぞれの中小企業に向いた研究に対する助成金を出すとか、施設経費を出すというようなことが一つと、それからもう一つは、直接に中小企業者自身がやっております試験研究に対しまして助成の補助金を出すということがございます。したがいまして、大企業向けの研究自身もいろいろ各般にわたっておりますので、いま直ちに全体の比率を出すということは私の方でできませんので、お時間をいただきたいというふうに思いますが、御指摘のとおり、比率は余り高くはないという御指摘が当たっておるというふうに思います。 そこで、実はわれわれもこの産地振興対策で技術の開発というものが大きな分野を占めておるということを痛感いたしておりまして、この技術開発について、ことしも新たに、各公設試験研究所で、地方の産地の人々に対して大学院程度の技術を習得してもらうように、原則として大学卒の人に対して、より高い技術を習得してもらうための研修制度も新設したわけでございます。しかしながら、これについてはまだまだ十分とは言えないと思いますので、実は来年度以降の政策を現在検討しておりますが、その中で、やはりこの技術開発政策を大きな重点の一つに据えようということで、目下検討中でございます。
○工藤(晃)委員(共) それは後で詳しい資料を調べて出していただきたいと思いますが、ちなみにということで、科学技術庁計画局編の科学技術要覧を見ますと、七八年度通産省所管助成費合計は約二百七十四億円、それから中小企業向けに使われた額は、これは中小企業庁からいただいた資料を見ますと約十五億円ぐらいで、五・七%にすぎないということも大づかみでありますが、私たち見ております。これはぜひ資料を出していただきたいし、また、さっき言いましたような趣旨で、こういう研究開発に対する助成をもっと強めるべきであるということを重ねて主張したいと思います。 さて、産地業種と地域の指定について伺います。 政府は、産地の実態調査を毎年行っておりますが、この場合年間総生産額五億円以上を産地対象にしているということでありますが、それでも五億円以上のすべてをとらえていないのではないか、これは先ほどの山崎充氏の指摘もあるわけです。たとえば静岡県の例をとりまして、輸出木淡竹製品、これは五十億円、それからひな道具、ひな人形八十億円、そのほか仏壇、木製履物、それぞれ五億円以上でありますが、これらがどうもとらえられていないという指摘もあるわけであります。研究者の指摘でありますが、これは一つの県についてでありますので、恐らく全国的にそういうことがあるのではないか、これは一体どういうことかという問題です。
○左近政府委員 この中小企業庁が産地について調査をしておりますのは、昭和三十八年以降毎年産地の概況調査ということで調査をしておりまして、その調査の対象を出荷額五億円以上ということに限定をし、しかも産地を形成をしておるということで、企業集団としてやっておるわけでございますが、実際上各都道府県ともよく連絡をとりながらやっておりますけれども、御指摘のようなところが確かに脱落をしておる点もございます。したがいまして、こういう点についてはわれわれも産地の実態把握というものに努める必要がありますし、ことにこれからも産地法というものを制定していただいて、産地政策を中心にやっていくわけでございますので、より詳細な調査をし、そういう産地の実態が必ず把握できるように努力いたしたいと思っております。そのためにもやはりもう少し都道府県とも連絡を密にして、そういう新しい産地が出てくる場合あるいは従来見落とした産地のある場合というものを急速に修正いたしまして、来年度以降はそういうものが必ず入るようにいたしたいと思っております。
○工藤(晃)委員(共) そういうことで、では一層調査を広げて、落ちているところのないようにしていただきたいわけでありますが、それにつけてもこの法案が成立すれば、すぐに間もなく施行されるわけであります。そういうことを考えまして、たとえば中小企業近代化促進法施行令の第二条の中の最後のところに、「都道府県知事は、当該都道府県の区域内で少なくない数の中小企業者がその業種に属する事業を行っている場合において、その事業活動の状況からみて」、「大臣に対し、その旨を申し出ることができる。」指定業種とすることが適当であるということを申し出ることができるということが入っているわけでありますが、どうですか、施行令あたりで知事とかあるいは市町村の長が申し出ることができるといったことを積極的にうたい込んだ方がいいのではないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○左近政府委員 この産地の実態を把握しておるのは、むしろ中央の国ではなくて都道府県である、自治体であるということは御指摘のとおりであろうと思いますし、われわれもそういう意味において、この法律でも指定の場合には意見を聞くということになっておりますが、意見を聞くというのは、単にこちらから案を示して向こうの意見を聞くということだけではなくて、その精神を拡張いたしまして、むしろ県からこういう候補地があるよという話を聞こうという態度で現在考えております。したがいまして、この法律が施行されました暁には、実際問題としてむしろ府県の意向を尊重して、府県の意向で支障がなければそれを認めていくという態度で運用したいと思っております。したがいまして、法制的にそういうものを入れる必要はないと思いますけれども、運用上は御指摘のような形でできると思いますし、現にわれわれの方に、まだ法案はできておりませんけれども府県からいろいろなアプローチもございます。われわれとしては、これは正式には法律ができませんと府県にはアプローチできませんので、われわれの方から積極的に文書を出してどうこうというわけにはいきませんが、府県の方からはいろいろ意見が上がってきております。したがいまして、そういう意見を十分伺って、それによって、その中からわれわれの産地を選定していくという態度をとっていきたいというふうに思っております。
○工藤(晃)委員(共) 積極的に府県の意見を聞くということ、それは正しいと思います。ただ、そういうことからも、施行令にはそういうことをもっと明記しておいた方がいいのではないか、重ねて私の要望を申し上げておきます。 さて、ひとつ今度の法案の実際むずかしい問題としまして、こういう点があると思うのです。たとえば、振興計画を産地組合のイニシアチブでつくるということは、これは大変意義のあることだと思っております。ところが、先ほど私も引用しましたところの七七年度中小企業庁の調査、五十二年度の調査、この中で、アウトサイダーの生産比率が三〇%以上の産地をかなりの数拾うことができます。これは、大臣出身地の愛知県の一宮の毛織物機械染色整理の場合には、インサイダーが四〇%、アウトサイダーが六〇%ということになっているわけですね。もちろんアウトサイダーがこれほど高くないところの方が多いわけでありますが、実際においては個別にはこういうところがある。 それから、先ほど私が引用しました山崎充さんの本の中でも大変詳しく書かれているわけでありますが、産地と言っても事実上社会的分業体制になっていて、統括者である産元あるいは産地問屋、あるいはまたこれはメーカーである場合がありますが、そのほかは非常に仕事が細分化されていて、そこに専門業者が多数いて、そうしてまたその外側、底辺と言っていいでしょう、それこそ家内工業、内職がいっぱいある、これが産地の実態であるというのが全国調べた結論にもなり、その関係というのは多種多様だけれども、しかし、一つ共通してこの山崎氏も指摘しているのは、この産元とか統括者とほかの専門業者との関係その他というのは、横への関係ではなしに、実際上この統括者が生殺与奪の権を握っているような、支配従属の関係にどうしてもなっているという特徴もあるわけです。こういうことを考えるときに、これからはそういう産地組合をどう民主的に構成していくかという問題にもかかわることであって、これは全部国が指導してとか県が指導してという問題ではないと思いますけれども、しかし、現実にこういう実態であるときに、アウトサイダーもいる、それから同時に、それこそ組合に参加しないけれども、事実上内職その他で支えている大ぜいの業者がいる。私たちとしてはこの全体を発展させる、守っていくという立場をとらなければいけない。そこにこの法案の限界もあるように思うのですが、その辺はどのように乗り切っていこうとするのか。あるいは振興計画そのものをそういう人たちにもいろいろ反映できるようにし、何らかの形で助成が受けられるようないろいろな努力というのをしなければいけないと思いますが、その辺をどうやっていくのか。
○左近政府委員 御指摘のとおり、産地の状態というのは非常にそういう複雑な形態をとっているところが、ことに歴史的な産地ほどそういうのが多いのが事実でございます。ただ、この法案の精神は、やはりこの産地が組合ということで、個々の中小企業者でなくて組合で結集をして、そしてその組合として振興計画をつくって実施していく、その集団的な努力というものを促進するというのが本来の趣旨になっておりますので、このアウトサイダーというものが、もし本当に自分はもう一匹オオカミでやるのだと言われてしまいますと、この法案の対象にはならないということになるわけでございます。ただ、いま御指摘もありましたように、その組合の運営を民主化いたしまして、これは商工組合にいたしましてもみな加入脱退自由というような、民主的な運営ができるように法律がなっておりますので、これを確保いたしまして、そういうアウトサイダーが極力ないように持っていくということが一つの行き方だろうというふうに考えております。 それからもう一つ、いま御指摘になりました家内工業的なものにつきましても、われわれ極力含むようにいたしたいと思っております。そして大体こういう業種は、その主たる指定業種のいわば関連業種という形で位置づけられる、そのいわば一部を下請するというようなものでございますから、そういうことでございますので、むしろ関連事業者という形でこれに取り込んで、恩典も受けられるし、計画もやられるというようなことで解決を図ったらどうかというふうに考えております。 そういうことで、産地の実態に応じて、なるべく本当に自分が積極的に、そういうものに加わりたくないという人は別でございますが、何とか一緒にやりたいという人はまとめてやれるような、弾力的な運用を考えていきたいというふうに考えております。
○工藤(晃)委員(共) これはまた少し大きな問題にもなるのですが、通産省は昭和六十五年を目標とした地域別産業構造ビジョンを五十五年度じゅうにつくり上げるという方針を決めて、立地公害局地域振興対策室は作業に着手しているということであります。その四項目の柱の中の一つは中小企業産地であるということです。これは四月一日ごろの新聞にも、特に田園都市構想などといったものとの結びつきでいろいろ書かれて伝えられておりますが、恐らくこれは実際に進めていることとそう大きく変わらないと思います。この中には、中小企業産地については、大幅な再編策を検討しようとしている。その中で、輸出依存型から内需主導型への転換や、高次加工型産業への体質改善プランも打ち出すとか、いろいろ出されているわけです。 実は、わが党の商工部会の一人が、中小企業庁の担当者と思われる中小企業庁計画課の課長補佐に伺ったところが、このビジョンづくりをどうやろうとしているのかも知らないというので、これは通産省の中で立地公害局と中小企業庁との間で緊密な連携のもとにやられているかどうか、いささか疑問を感ぜざるを得なかったということが一つと、それからもう一つは、この法案の趣旨から言いまして、産地組合が振興計画をつくる、あるいは県の知事がそれを承認するという形で計画がつくられる一方、通産省の方でその産業構造ビジョンということで、上からの枠をどんどんはめていくような指導が行われて、せっかくの下からの民主的な計画づくりが阻害されるおそれが出てくるのではないかということが二つ。この問題について答えていただきたいと思います。
○稲葉説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、立地公害局におきましては本年じゅうにまとめられます予定の八〇年代の通商産業政策ビジョンを受けまして、五十五年度に地域産業ビジョンを作成することを検討しておるわけでございますが、現在御指摘のございました立地公害局と中小企業庁の連携がうまくいってないのではないかということにつきましては、まだ素案段階でございますので細かい点で十分な意思疎通を欠く面もあるかもしれませんけれども、私どもと中小企業庁は、特に小規模企業部等とは十分な連携をとりながらこの検討を進めているわけでございまして、先生御指摘のような点はないかというふうに考えられます。 それからもう一つは、上から枠をはめてくるのではないかという御指摘がございましたが、これにつきましては、われわれが考えております地域ビジョンは、多数の地域におきまして作成されますいろいろな計画が、全体として調和がとれるものとなるためには、より広域なビジョンも必要であるというふうに考えられますので、通産局単位で当該地域の産業構造とか、あるいは産業立地のあり方などについてのビジョンを明らかにしようとするものでございまして、各地域が地域振興計画などをつくる際の参考にしようとするものであります。 なお、ビジョンを作成するに当たりましては、地方公共団体など、地域の意向を十分に反映してまいりたいと考えております。
○工藤(晃)委員(共) それでは、最後にもう一つの問題を伺いたいのは、組合やあるいは中小企業者に対する融資や信用保証の枠を広げるという問題に関してであります。 もともと今度の法案の趣旨というのが、経済的諸事情の大きな変動、その中で事業活動に支障を生じた業種を対象にしているということでありますから、中長期的な展望を持って、そして体質改善を図るとか、発展の道を新たにつくり出していくということであるわけであります。それならば、結局それに参加できる中小企業というのは、中長期的にそういう施策に参加できるような体力を維持できないと、もともと最初から、この法案ができてもそういう業者にとっては役に立たないということになるわけです。 それで、端的に申しまして、融資を受ける意欲があっても、結局担保物件がないあるいはもう切れてしまったということで、この融資が利用できない、あるいは信用保証協会の方からも担保を要求される場合が多いために、この枠が利用できないということがあるわけです。 こういう点につきまして、私一つの例を挙げておきますと、これは中小企業信用保険公庫の月報の七九年一月号に、東京信用保証協会城北支所の方が書かれている中に、その結びとして、「今こそ協会は中小企業者のため物的信用の偏重を排し、経営者の手腕力量、信頼性等人的信用に重点を置き資金の円滑化を図ることが肝要です。」ということを一つの経験として書かれているわけです。ここらあたりを、これは実際に第一線でやられている方が実感を持って書かれていると思って私受けとめたわけでありますが、こういうことから言っても、従来のようにただ物的信用ということだけで信用保証枠の拡大だとかあるいは融資が得られるというのを、ここではもっと弾力化し、それこそ人的信用も含めて積極的に活用を図るということでなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○左近政府委員 中小企業の方々が今後構造改善を実施していく場合に、資金調達をするということは相当重要な問題でございます。そうしてまた、その資金調達を容易にする上において、信用保証協会を利用して大いに資金調達をやっていただくということをわれわれは考えて、この法案でも保険法の対策を拡充をしておるわけでございます。 それで、信用保証協会の保証につきましては、普通保証と無担保保証、特別小口保証というような種類がございまして、これは十分御案内と思いますが、特別小口保証は無担保無保証でございますし、無担保保証は文字どおり無担保でございます。ですから問題は、普通保証についてどの程度の担保をとっているかということでございますが、実際問題といたしましては、現在信用保証協会で担保をとっておりますケースというものは非常に少のうございまして、全保証件数のうちの八〇%は無担保ということになっております。したがいまして、物的担保というものを非常に信用保証協会が偏重しているということはないわけでございますし、またやむを得ず担保をとる場合においても、担保の評価において一般の金融機関よりも有利な取り扱いをするようになっております。 以上のことは、われわれの方から銀行局長と共同で通達を出しまして、指導しておるところでございかますので、今後もやはりなるべく担保はとらないようにして、人的保証というようなところで問題が片づくようにしていきたいというふうに考えております。また、現地の第一線で、いまのような記述がございましたこと、やはり現地の保証協会の方がそういう気構えでやっていただくということは非常に結構なことだとわれわれは考えております。 そういうことでございますので、信用保証協会の運営の仕方も、十分人的保証というようなものを重視して考えていく、物的な担保に余り固執しないというふうな考え方は、今後の運営に生かしていきたいというふうに考えております。
○工藤(晃)委員(共) これで質問を終わりますが、いま言った点で一層改善が図られることを要望します。 なお、先ほど私が述べましたが、大平首相の二百円発言というのは、さっき言ったような説明ではとても済まされるような問題ではございませんから、大臣もよく念にとめておいて、私たちの方もこの問題は改めてまた何らかの形で追及いたします。 これをもって私の質問を終わります。
○渡部(恒)委員長代理 午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時十七分休憩 ————◇————— 午後二時十分開議
○橋口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 時間の関係もありますから、法案の条文の順序を追って質問をしていきたいと思います。 まず、冒頭に大臣に、この「目的」に、「中小企業者が円相場の高騰その他の最近における経済的事情の著しい変化に対処して」云々と、こうあるわけですが、現在の円相場に対する大臣の認識、これは高騰と見るのですか、いわゆる円高と見るのですか、あるいは円安と見ているのですか。この条文からいたしますと、円高、円の高騰という認識の中に御提案になっていらっしゃるわけですが、いかがですか。
○江崎国務大臣 この問題は午前中にもいろいろ議論のあったところでございますが、政府当事者がフロートしておるものを大体幾らぐらいが妥当であると言うことはまことにむずかしい問題であると思います。また、言ってはならぬという一つの不文律のようなものもあるわけでございまして、昨年の一月、二百四十円から始まりました経緯を考えますると、当時、二百二十円というのはいろいろな産業にとって、今朝の草川さんの話では陶磁器の場合で話が出たわけですが、これが死活ライン、したがって大変高いものであるというような印象でその当時はとられたものであります。それが、円がどんどん高くなりまして、百七十円台までいってしまった。そういう場面から言えば、いま新聞などでは円安などという言葉を使いますが、まあ一昨年の二百九十円台、昨年年初の二百四十円台というあたりから考えれば、これは相当な乱高下があるわけでありまして、一口に高騰とかあるいは暴落とか、そういう言い方は適当でないと思いまするが、相当中小企業に打撃を与える数値ではあるというふうに思うものでございます。
○中村(重)委員 大臣の経過をたどってのいまのお答え、私もその認識に変わりはないのです。問題は、円安によって、御承知のとおり、これは企業の節度のない減量経営、生産規制なんということも関連してではあるのですが、卸売物価が政府の見通しをはるかに超えるような上昇なんですね。そのことは当然消費者物価にはね返ってくるでしょうし、それらのことの関連が、私は日本経済というものを非常に混乱をさせているというように思っているわけです。しかし、現在以上に円の相場が高かったその際に、大臣いまお答えになったように中小企業が非常な打撃を受けたということは事実です。また、円高のメリット、いわゆる円高差益というものを国民に還元をしなかった、それらのことが日本経済というものを、国民生活というものを非常に不安定な状態に追い込んだということは否定できないと私は考えているのです。大臣も国際会議等においでになり、東京サミットも控えているわけです。そうした国際的な関係、それから日本が置かれているそうした客観性という点から、円の高騰というのがどうであろうかということを、立法府としてこの政府提出の法案を審議するに当たって、私は考えざるを得ないわけです。 しかし、経過としては大臣がいまお答えになったようなことで、対象が中小企業ですから、対象中小企業が非常な打撃を受けていることは言うまでもない。さらに円高によるメリットを受けた大企業が、中小企業に対しても国民に対しても、先ほど申し上げたように為替差益を還元しなかったということとあわせて、ダブルパンチを中小企業は受けていると私は思う。そういう意味において、円相場の高騰という形で策を講じていこうとする考え方に対しては、私はそれなりの理由というものがある、それは肯定せざるを得ない、こう思っているわけです。 そこで、「円相場の高騰その他の最近における経済的事情の著しい変化に対処して」云々とあるわけですが、この条文の解釈は、円相場の高騰がなくとも、その他の経済的事情の著しい変化に対処して、この法律案というものが制定されたらば施策を講ずることができる、私はこう解釈をするのですが、そのとおりの解釈でよろしいですか。
○江崎国務大臣 私は、中村さんのおっしゃる意味がよく理解できるように思います。この「目的」に「円相場の高騰その他の最近における」とありますのは、円相場の高騰によって中小企業産地に構造的な変革を迫るような大きな要因がわき起こったということは否定できませんが、これは乱高下するわけでありまして、一口に高騰対策であるのかとおっしゃるならば、そういう意味ばかりではないのでありまして、いま先生御指摘のように、「最近における経済的事情の著しい変化に対処してその事業の合理化を計画的かつ速やかに進めるための措置等を講ずる」、ここにやはり重点を置かざるを得ないというふうに考えます。したがって、たとえば原材料が枯渇する、原材料の大幅な高騰などによって産地中小企業が構造的変化を迫られるような事態、そういった場面に、運用面において弾力的に十分配慮してまいることが何よりも必要であると考えます。
○中村(重)委員 この条文を読んで、「その他の最近における」というところに、私は中小企業庁も、中小企業がいろいろな事情によって苦しい経営に追い込まれているという実態をお考えになって、大臣お答えになったような広い範囲にこの法律が適用される、運用できるという考え方の上に立っておられるということは理解し、評価をするわけです。円相場の乱高下ということだけではなくて、後で私は具体的なこととしてお尋ねをするわけですが、私は長崎県でありますが、べっこうの産地である。これは円相場とは関係なく、ワシントン条約が締結をされる、いわゆる批准をされるということになってまいりますと、輸入そのものができなくなるということもある。今回は、最近の閣議決定ではなかったでしょうが、マスコミの報道によると、いまの国会ではワシントン条約は批准できないという方針をお決めになったようでございます。これが批准されるにいたしましても全面留保という形をおとりになるという通産省の配慮、そのことは外務省であるとかあるいは環境庁というものに対しても同意を得ているということを私ども伺っているわけであります。それらのことを考えてみますと、今度は批准はなかった、あっても全面留保という形になるとは言いながら、やはり資源を枯渇させてはいけないということで、いま栗原担当局長のもとでは、小さいものはとらないとか、あるいは節度ある輸入、できるだけ規制して最小限度の輸入にとどめるとか、いろいろ苦労をしておられるようでございます。生産、販売に当たっている者は中小企業者でございますから、そのことは即大きな打撃を受けるということに違いはないわけなんです。したがって、そのようなこともありますから、私は「円相場の高騰」というこの条文に入っていなくとも、「その他の最近における経済的事情の著しい変化」ということによって施策を講ずることができるのだという解釈の上に立っているわけでございます。大臣のいまの答弁はそういうことで理解してよろしいのだろうと思うのでありますが、最初に円相場の乱高下というお答えがあったものですから、ちょっとそこでひっかかってまいりますので、くどいようですが、もう一遍その点に対する解釈を聞かしてください。
○江崎国務大臣 仰せのとおり、円相場の高騰以外のその他の最近における経済的事情の著しい変化にも対応できるようにいたしておるわけでありまして、この点は御指摘のとおりでありますから、どうぞ御了解を願います。
○中村(重)委員 そこで長官、指定をする場合に地域を限って指定をするということなんですが、これは行政区域になりますか。県全体が一つの産地であるという場合があり得るわけです。あるいは市町村の区域というものもありますが、地域を限るということは都道府県という行政区域をお考えになっておりますか。
○左近政府委員 地域につきましては、実態的な産地の広がりを見て決めたいと思っておりまして、通常は市町村単位で、一つの市町村あるいは二つ以上の市町村という場合が多いと思いますが、全県的な産地状態になっておるというようなものもたまにはございます。そういう場合には県光一円ということもたまにはあり得るということでございまして、そこは大体市町村単位あるいはもう少し大きい単位ということを考えておるということでございます。
○中村(重)委員 そこで先ほど申し上げました具体的な例としてお尋ねをするわけであります。 調査室の方から資料として配られておりますものに産地の名前がずっと列挙してある。三百ぐらいありますか。実はその中にべっこうが入っていません。窯業は入っている。べっこうは入っていない。私はべっこうは当然産地として指定さるべきものである、こう考えておるわけであります。べっこうの場合、企業の数が九十です。これは長崎市が中心になりますが、従業員六百六十名、そのうちに身体障害者五十六名、それから生産高が三十億六千六百万円、小売業の販売高が百十億から百二十億、全国では二百億程度です。その中で、長崎で百十億から百二十億。それから従業員の数が先ほども申し上げましたように長崎の場合は六百六十名、それから販売業の場合におきましては千百ぐらいいるわけですが、全国では二千名ということです。だから、べっこうの生産、加工一販売、これは長崎県が大きな産地であることは議論の余地はなかろうと思う。それに対してべっこうが産地として入っていない。これはどうお考えになっていますか。これは産地としてお考えになっているのでしょう。
○左近政府委員 この参考に挙がっておりましたものは、産地の実態調査というものを相当以前から中小企業庁が実施しておりますが、その産地名を挙げておられたのだろうと思います。しかしながら、これはいわば産地法というものができる以前の、産地の一般的な状態を把握するという意味においてやっておりましたもので、午前にも御指摘がありましたが、こういう産地法という観点から見てまいりますと、あの中でまだ相当抜けておるものがあるというふうにわれわれも認識しておりますし、また逆に言うと、あの中で産地として挙げられたものでも、産地法から考えると必ずしも適当でないという産地も出てくると思います。そういうことでございますので、われわれといたしましてはあの産地にとらわれることなく、新しい観点で一遍十分見直しまして指定をしたいと思いますし、今度はむしろ産地の事情を一番把握しております府県の御意見を十分参照してやってまいりたいと思います。いまの御説明によりますれば当然産地としての資格があるのじゃなかろうか、もう少し調べさしていただきたいと思いますけれども、いまの数字から見ればそういう感じもいたしておりますので、これはまた十分府県と相談いたしまして決めていきたいというふうに考えます。
○中村(重)委員 それ以上のお答えはしにくいでしょう。私は、産地として指定される用意があるというように理解をいたします。 大島つむぎの場合はどうお考えになっておられますか。これは、栗原局長もお見えになっておられますが、産地だとずばりお答えになってよろしいのだろうと思いますが。
○左近政府委員 大島つむぎにつきましても、これは法律が決まりまして指定をするわけでございますから、産地に入れますというふうなことを申し上げるわけにはいきませんけれども、基準を適用すれば適合すると思います。ただ問題は、産地法の形で、積極的に産地が、では構造改善をしていこうという意欲があるというところからやってまいりますので、その辺の意欲を判断して県が考えるというふうに考えますので、われわれといたしましてはそういう形の上でひとつ最終的には決定をいたしたいというふうに思います。
○中村(重)委員 大島つむぎの場合は、いま委員長席に座っていらっしゃる橋口委員長もきわめて関心のある問題でして、これに関連して栗原局長にお尋ねしますが、大島つむぎの問題で韓国との関係でずいぶん努力しておられるということ、私は高く評価をしているわけですが、問題点がたくさん残っています。問題点の中身は限られた時間で申し上げませんが、どういうような交渉経過になっていますか。 問題点と言われる一、二を挙げると、生産反数の問題、それと、これは日本以外には入ってこないのですから、韓国において生産されておる数量と通産省が把握しておられる数量に格段の違いがある、そういう問題であるとか、あるいは大島つむぎの産地に大きな脅威を与えておるから、これの安定のためのいろいろな施策を講じてほしい、韓国とも交渉してほしいという要請を強く受けておられるわけですが、近く小委員会も開くつもりでありますけれども、ひとつ経過あるいは見通しを含めてお答えを願います。
○栗原政府委員 大島つむぎの問題は、日韓の絹交渉の中では非常に大きなテーマとして従来も取り上げられてきておりまして、昨年におきましては、みやげ物の数量制限、あるいは表示につきまして両端に表示して、畳み方も平畳みにするというような点について日韓に合意ができたということは御承知のとおりでございます。 今年に入りまして、五月の八、九の両日にわたりまして、韓国において、私ども小林審議官が代表となりまして日韓交渉をやりました。その中におきまして大島つむぎの問題も当然わが方として先方にわが方の要望を伝えたわけでございます。 そのときの問題点としましては、主たる点は二つございます。一つは別ビザと申しておりますけれども、現在、昨年まで三万六千五百反という大島つむぎの数量の枠が一応ございますけれども、それに見合うものについては特別のビザと申しますか、証明書を発行してくれということが業界の強い要望でもございますし、この点について先方に強く申し入れをいたしたわけでございます。 それからもう一点は、先ほどお話もございましたけれども、韓国内の大島つむぎの生産実態が非常にわかりにくいということについて、特に政府サイドにおいての韓国側の資料があればぜひひとつわが方にも教えてほしい、この二点につきまして申し入れをいたしたわけでございます。ただ、特に前者につきましては、別ビザの話につきましては先方としては技術的な理由その他を挙げまして強く反対をしておりました。全体の交渉自体も今回は第一回ということで物別れになっておるわけでございますけれども、話し合いはまとまっておりません。わが方といたしましては、これからも交渉を通じまして、粘り強くひとつ相手方と話し合っていきたい、かように考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 なお近く開かれる流通小委員会の中でお尋ねをしていくことにいたします。 そこで中小造船業ですが、これは長崎市の場合において申し上げるのですが、中小造船業の工業出荷額、これが六五%ぐらいあるわけです。それから、御承知のとおり三菱造船所という大手の最たる造船所があるのです。ところが、関連の下請業というものはこれまた物すごい、三菱造船が大きければ大きいほど関余の下請企業というものは多いわけです。これは当然本法の指定となるべきものだと理解をいたしますが、そのとおり考えてよろしいですか。
○左近政府委員 この中小造船業、それからまたそれの関連の下請のグループというような問題につきましては、これはやはりそのウエートなり、それからその地域での中小企業性と申しますか、というふうな点が一つの問題になる、非常に現在困っておられるということは明白でございます。でございますので、その辺をもう少し調査させていただきたいと思いますが、やはりこの産地の対象になり得る条件は備えておる。ただ、具体的な数値その他で最終的には断言はできませんが、その辺をもう少し調査させていただきたいと思いますが、この法案に無縁のものであるというようなことではないというふうにわれわれは考えております。
○中村(重)委員 対象となる、実際の指定の場合は実態を十分調査をして決定をする、こういうことですから、そのとおり了承いたします。 それから、先ほど具体的な問題についてお尋ねをしたわけですが、指定をする場合の認定基準というものがなかなかむずかしいのではなかろうかと思うのです。それから「政令で定めるものに起因して、」云々と、こう条文にあるわけなんですが、これらの一応の考え方だけをひとつお聞かせくださいませんか。
○左近政府委員 この基準でございますが、基準はこの法律の第二条の第二項に一号、二号、三号として挙げておりますが、一号はその事業が中小企業性の業種であることということでございまして、一応われわれが考えております内規としては、「相当部分」というのは大体半分ぐらい、二分の一が「相当部分」ということに当たるのではないかというふうに解しております。 それから第二の、これはいわば地域性の基準でございますが、これについては事業所の数がその地域で通常五十以上、あるいは全国の比率で申しまして、全国の事業所のうちの一〇%以上がそこに集中しておるというようなことと、それから生産額ないし取引額が十億円以上ないしは全国のそういう同業の者の一割以上があるというようなことを一応の内規としてわれわれ考えておるわけでございます。ただし、実際の適用については、その精神を生かして弾力的に扱いたいというふうに考えております。 それから三号がいわば不況要件と申しますか、「事業活動に支障を生じ、又は生ずるおそれがある」というふうな要件でございますが、これにつきましては、先ほどのように政令で起因する要件を書くわけでございますが、とりあえず現在政令で指定をしようと思っておりますのは、円高で輸出が減少した場合、それからまた、円高で今度は輸入が増加をいたしましたので、つまり関連商品の輸入が増加をいたしましたので、当該業種の商品の生産が減退したというものを指定しようというふうに考えております。
○中村(重)委員 いま政令で指定する場合、要するに円高とかその他、いわゆる為替相場の乱高下というようなことを考えているということなんですが、先ほど大臣と、いわゆる「その他の」という形で議論いたしましたが、政令で定める場合、目的の点について大臣と私との間に明確に解釈についてしたわけですから、これを否定してはいけませんよ、政令で。これは非常に重要な点ですから、もう一度お答えください。
○左近政府委員 若干私の言葉が足りませんでしたが、当面その二つと申し上げたわけでございまして、政令は当然その他の要因のものも入れ得る可能性がございますので、実態を調査しておりまして、必要が生じた場合には政令を追加していくということを考えておるわけでございます。その場合には必ずしも円の乱高下というようなことにこだわることではないというようなことでございます。
○中村(重)委員 それから産地を指定する場合、「主務大臣は、」「通商産業大臣に協議し、かつ、当該地域を管轄する都道府県知事及び中小企業近代化審議会の意見を聴かなければならない。」これは、都道府県知事の意見と審議会の意見というものとは必ずしも同じであるとは考えられない。相違することがある。その場合にどちらを優先するのですか。
○左近政府委員 いずれも意見を聞くということでございますので、法律的に言いますと、同じように尊重するということを言わざるを得ないわけでございます。ただし事柄の性質上、再々申し上げておりますように、地方の実態というのはやはり都道府県が一番よく御存じであるということでございますし、またわれわれの実際の運用としては、都道府県から申し出られたものを優先的に考えようというふうに考えておりますので、実際問題としては都道府県知事の意見が非常に大きなウエートを持つということは事実でございます。ただし、法律上、じゃ審議会の意見を排除してもやるというようなことをちょっとこの席で申し上げるわけにはいきませんので、その点は御容赦願いたいと思います。
○中村(重)委員 中小企業庁、これはほかの省もそうでしょうが、無数の法律をお出しになるのだな。法律をおつくりになるのだ。しかし、私どもも個別的には必要だものだから、これを否定しないで認める。ところがお役所が大変頭がいいものだから、なかなか条文を読んでもわけがわからぬような条文をおつくりになる。きわめて難解な条文をおつくりになるものだから、この運用のときに当たって非常に手続がうるさいですね。こっちでいいと思うとこっちにひっかかる、なかなか活用できない。それから申し上げたように、期間がかかるんだね。そうするといや気が差して、いいように思うけれどももうどうにもならないというので、この法律の適用を受けられないということが私は非常に多いと思う。この「振興計画」の第三条を読んでみても、なかなか難解であり、できるだけわかりやすくは書いているんだろうけれども、比較的わかりやすい条文にはなっていますが、またあっちこっちと突き当たるような感じがしてならない。だから指定は、申請をするまでにも手数がかかるんだけれども、そういった申請の作業にかかって提出をする、それから指定をする、大体どのくらいの期間で指定しようと考えているんですか。
○左近政府委員 こういう対策でございますので、われわれといたしましてもなるべく迅速に処理をしようということで準備をいたしております。法律といたしましては「公布の日から施行」ということになっておりますので、国会を通していただきますれば、若干の準備期間をおいて公布いたしまして、すぐに取りかかりたいと思っております。 実はこれ、法律ができておりませんので、正式には府県にどうこうというわけにはいきませんが、こういう法案を国会に御提案申し上げたという事実は各県に連絡をいたしまして、県もそれを見ていろいろ準備をしておることでございます。したがいまして、法案を成立させていただきますれば、早急に府県の意見を取りまとめ、それから審議会にも意見を諮って、公布をいたしましたら日ならずして指定ができるようにいたしたいというように考えております。そしてまた、この指定自身も大臣が定める、告示でやるということで、非常に手続としては簡易にできるようになっておりますので、その点も生かして、迅速な処理をいたしたいということで考えております。
○中村(重)委員 ともかく絵にかいたもちにならないようにしてほしいということです。 それから振興計画、事業合理化計画と、いろいろな計画が考えられているんだけれども、この産地法については、通産大臣聞いてくださいよ、あなたの前任者の河本さんが現職であられるとき、総裁選挙に立候補されました。ずいぶんこれはぶち上げられましたよ、大阪では言うまでもなく、あちこちで。だから、ものすごくすばらしい中身のある法律ができるんだろう、こう期待もした、それから相当な予算もつくんだろうと思って見ていたんですが、この法律案の条文を読んでみても、それから産地中小企業振興対策についてという資料、それから産地中小企業対策の体系、こういった資料をいただいているんだけれども、余りにも予算がちゃちですね。それから補助金にいたしましても、補助金というのは新設ですから、個人の企業に対して補助金の道を開いたということは私は評価しますよ。得てして関連行政で銭を貸すという融資が中心である。大企業に対しては組合法というものがあって、電子工業なんというものは研究組合をつくったら相当大幅な助成がある。中小企業というものはその点は非常に貧困であった。だから、これに三百五十万、それから組合の場合、一千万という補助金を出すことを——これは新設になるわけです。それにしても金額が余りに少ないですね。それから、これは都道府県が二分の一を負担するんでしょう。そうすると、都道府県が予算化しないと動き出さないんだ。そこらの手当て、見通し、それはどうお考えになっていらっしゃいますか。
○左近政府委員 まず、都道府県との関連について御説明申し上げます。 先ほども申し上げましたように、法案自身はもう御審議を願うことでございますので、まだ決まってないという段階ではございますが、こういうことを国会に御提案申し上げましたよということは都道府県にも十分連絡をしております。したがいまして、都道府県ではそれを見越して予算化をしていただいておる県もございますし、またいまはできないにしても、たとえば九月県会には予算化するというような段階のものも相当ございます。したがいまして、実際上はこの法律の施行に支障の生じないような形で準備ができておると申し上げても差し支えないかと思います。これも、いずれも府県の動きをいわば主体的に考えたということでありますので、府県の方もそういう点で主体的に動いていただいておるというのが現状でございます。
○江崎国務大臣 本法案は、産地の創意工夫を生かす、組合の自主的な新製品の開拓とか新販路の開拓とか、そういう面で私は非常に希望の持てるものだと思いますが、やはり今後の運用にかかっておるわけですね。意図するところは大いにいいわけですが、初年度ですから予算措置も必ずしも十分ではありませんが、これが本当に有効に働けば、今後とも予算の幅を御協力を得ながら増額していくことは決して不可能ではない、またやらなければならぬことだと思うのです。 これは、たとえばアパレル部門の振興対策としましても、いいことなんですが、さて一体どれだけの実績を上げるのだということを、私実際自問自答しているのですよ。ああいうものに一億五千万つけて、民間からも一億五千万つけて、その果実で一体どれだけのことができるのか、どういう計画がどういうふうに推進されるのか、これは私どもの責任ですが、実施面において実績を上げることがやはり産地法についても言えることだと思うわけでございます。したがって、今後ひとつ実績を顕著にして、予算確保に力を注いでまいりたいというふうに考えます。
○中村(重)委員 いまの大臣の気構えが、具体的な予算要求の行動の面において実現をしてもらわないといけない、これはやってほしいと思うのです。私はあなたの答弁をきょうは素直にそのまま受けとめておきたいと思うのです。 それから、補助金とあわせて「資金の確保」というのがある。いただいている資料を見ると、「中小企業金融公庫等の特別貸付、信用補完制度の特例、設備の廃棄又は譲渡に係る課税の特例等」、こういうようにある。ほかの資料を見ても中小企業振興事業団の高度化資金あるいは特別高度化資金、特に特別高度化資金に相当な期待を持っておられるようだが、そのとおり受けとめてよろしいですね。
○左近政府委員 この産地振興対策といたしましては、先ほど申し上げましたような組合に対する補助金を新設する、あるいは中小企業者に対する特別融資を新設するというだけでなしに、従来の制度をこの部面に大いに活用しようというように考えております。したがいまして、高度化資金についても、たとえば知識集約化共同事業というものは高度化事業の中でも非常に有利に、無利子の扱いを受けておりますが、この産地法の承認を受けたものもその知識集約化共同事業にいたしまして、無利子の適用を受けるようにするというような、この産地法の適用を受けるものについては、高度化資金についても一番優遇したものにしようというように考えております。
○中村(重)委員 一番優遇したものにしようということは、特別高度化資金を考えているということですね。
○左近政府委員 さようでございます。
○中村(重)委員 そこで大臣、この特別高度化資金というのは実にいい制度ですよ、八割無利子ですから。自己資金二〇%ですよ。問題は都道府県が四〇%負担しなければならぬということです。都道府県の財政から四〇%負担をするということがなかなかむずかしい。できる県もあるけれどもできない県もある。残念ながらわが県においては一件くらいしかないんだな、五年以上前からだ。アーケード街をつくる、街路灯をやる、駐車場をつくる、いろいろ対象はあるんだ、そういう事業も都道府県では行っている。ところが実際は、組合においても特別高度化資金の貸し付けを求めるんだけれども、また通産省もその用意はあるんだけれども、何といっても四〇%出さなければならない都道府県がこれを受け入れないと話にならぬ。だからこれをどうするのかという問題を実際問題としてお考えにならなければ、いま長官の答弁があったように、最も優遇したい、特別高度化資金だ、こう言われた。だが考え方だけ先行してもだめなんだ。大臣が先ほどお答えになったような、実際においてこれを裏づけするような道を開かなければ話にならぬ。大蔵省と強力な折衝が必要だろうし、あるいは都道府県との折衝というものは優先的にこれを受けとめていく、そういう合意がなされなければならぬ。大蔵省との折衝の問題は、四〇%という国の負担を五〇%くらいにする、都道府県の方を三〇%くらいに減額する、負担割合を変える。これは高度化資金の場合もそうだった。高度化資金の場合も、都道府県の負担分を減らして、いま六五%の中の二三%、そういう形に減らしてきたわけです。それが動き出している。特別高度化資金が、いま資料をいただいていないので、毎年どの程度全国的にこれが活用されているのかわからないんだけれども、私の知る範囲においては、都道府県がいま申し上げたようなことでなかなか受けとめない。いま長官が答弁されたように、これを最優先で活用しようというのだが、本当に考え方が実現するような方向に隘路をどう打開していこうとお考えになりますか、大臣。
○江崎国務大臣 国の財政事情が悪いように、地方財政も非常に因難にさらされておるわけです。御指摘の点はきわめて重要な点であります。こういった問題については、いまにわかに大蔵省もさてと話をしてみても名案の持ち合わせばありますまいが、しかし実効の上がるものについてはやはり他のものを切ってでもプラスをする、これが政治だろうと思うのです。したがいまして、私どもも今後にかけて十分努力をしてまいりたいというふうに思います。財政事情の困難なことは御承知のとおりでありまするが、努力をする、これは口先だけではなしに、十分ひとつ地方とも話し合いをしながら、大蔵省の決意を促すような努力を今後とも継続いたしたいと考えます。
○中村(重)委員 やろうとすれば方法は幾らでもあるんだ。都道府県の負担する四〇%負担を軽くするということも一つある。それから都道府県が負担をするものをまた別の方法でもって助成する。研究してみてください、方法は幾らでもあるから。また都道府県からもいろいろ要請も出ているはずなんだから。それをいま大臣が言われたような方向で、長官、ひとつ積極的にこの問題に取り組んでもらうのでなければいけない。 それから、これに「新商品又は新技術の開発又は企業化。」こうあるんだ。私は先ほどタイマイの問題を実は申し上げたのですが、これは栗原局長が一番御存じなんだけれども、資源が枯渇をしないために養殖をやってみたらどうか、養殖が果たしてそのままべっこう材料として使えるかどうか、これを研究調査をしてみなければならぬということで、いま産地なんかに業者が調査に出向く、外地に。それに対してまた助成の措置などを講じよう、そういう動きだってあるんだ。そのために研究はしてみるけれども、研究が必ずしも開発に結びつかないという場合だってあり得る。そこで、私どもはいろいろと与野党話し合いをいたしまして、原案には研究というのが入ってない。したがって、これはいま同僚議員がずっと質問をして出てきた問題でもあることですから、修正して研究ということを入れようということで、一応合意を見ているわけなんです。ですから、この点については御異論もなかろうと思いますからお答えはいただきません。実際の運用はあなた方の方でおやりになるんだから、これは開発にそのまま結びつかないからなんていうようなことになってくると、院の意思を行政府が無視することになる、そういうことがあってはならないということで、あえてこれを申し上げておきます。ただいま私が申し上げましたようなこと、そういう具体的な事実は、同じ通産省の中で担当局が十分把握しておる問題でもあるわけですから、この法律が施行される段階においてそういうものがより生かされるように、ひとつ対処してほしいということを要望いたしておきます。 それから事業の転換というのがあるんですが、この事業の転換は一部転換も認めますか、全部転換でなければいけませんか。
○左近政府委員 一部転換も認めていくつもりでございます。
○中村(重)委員 それから信用補完の制度の中でてん補率は引き上げてない。私は前もって説明を受けたんですが、てん補率は七〇%のままにしているが、なぜ八〇%ぐらいにしないのかと言ったら、これは前向きの立法ですから、後向きだったら八〇%ぐらいにしますけれども、前向きだから実は七〇%にしているんだ、こう言う。どうもいろいろ質疑をしてみると、前向きというようなことにそのままずばり考えられないような答弁が実はなされているわけです。てん補率の問題は今回は別に修正をしようとはしませんが、信用保険法案を来国会は出したいという御意向でもあるわけであります。また、別枠として三千万円を五千万円にする、今度は五千万円を一億にする、こうあるわけですが、一方は五千万を二倍の一億にし、片や三千万を六千万円にしないで五千万円にしている。これも当然六千万にそろえるべきであるという考えを持ちましたが、いろいろと大蔵省との折衝過程もあり、もうすでに予算も成立をしているわけでございますから、私どももその点を理解して、来るべき国会においては、いま私が指摘をいたしましたようなてん補率もそうですが、別枠の金額も引き上げる、その他信用補完制度の強化のために、現在の普通保険であるとか近代化保険であるとかあるいは無担保保険であるとかあるいは特別小口保険であるとか、当然改正をいたしまして、また信用保険公庫に対するところの出資も、あるいは保証能力を高めるために保証協会に対しても思い切った出資をしていく、そして保証能力を高めていくということでなければならないというように私は考えるのです。 もう一つは、もうすでに保険公庫に対する融資基金、準備基金その他予算は通ってしまった。ところが、この法律案の中身を見ただけで、信用保険公庫に対するところの相当な資金が必要になってくる。そうすると、既存の制度によるところの資金というものが枯渇をする、不足をする、それで保証協会の保証能力を低下させるということにもつながってくると私は思う。こういった産地法という法律を御提案になり、そして信用補完制度の強化をお考えになるのだったら、私はもっと予算要求を大幅に計上すべきであったと考える。その点非常に不足していることが残念でございますが、これらの点に対して今後どう対処しようとお考えになっておるか、その点をお聞かせいただきたい。
○左近政府委員 中小企業の信用補完の制度を強化することが必要であるということはわれわれも痛感いたしておりまして、そのためには信用保証協会、それからそれをバックアップします中小企業信用保険の制度というものを十分検討しなければいけないのではないかと考えております。現在の制度になりましてから大分年月もたっておりますので、われわれも現在検討を進めております。したがいまして、今回の本法でやりました特例措置は、その第一段階ということに御了解願えればと思います。われわれといたしましては十分検討を重ねまして、必要があれば制度の改正というところまで持っていきたいと現在考えておりますので、御了承願いたいと思います。
○中村(重)委員 実は大臣、私がいま申し上げました三千万を五千万に引き上げているのは、これを六千万にすべきである、五千万の方は一億にしているのだから、そういうことであったわけです。これが引き上げについて速やかに提案をする用意があるといったこと等もありましたので、実は修正しないで原案を認めることにいたしました。先ほど申し上げましたように、その他の保険の限度額についても引き上げをしなければならぬ時期に来ていると私は思います。したがって大臣に、この信用保険法の限度額引き上げを速やかに提案する用意があるかどうか、保証能力を高めるための積極的な対策を講ずる用意があるかどうか、その点に対してお答えをいただきます。
○江崎国務大臣 発足をさせまして、今後実情に応じまして十分御趣旨を体しながらよく検討いたしたいと考えます。
○中村(重)委員 満足いく答弁ではないのです。大臣よりも、むしろ長官の方が前進した答弁であったような気がして、大臣らしくない答弁だった、こう思って、いまの答弁に余りいい点を差し上げたくないのです。お役所の答弁のようなもので、大臣ならばずばりと答えることがあなたらしい答弁なんだけれども、ひとつ速やかに提案をしてほしい。後の答弁のとき追加してくださいよ。 それから、こういう限度額の引き上げ等をおやりになるのだけれども、問題は、中小企業は担保がないのだ。金は借りられる、借りられる道も制度としては開かれているが、担保がない。ところが、この場合はいろいろ新しい設備をやる、それを持み込み担保という形でやるのだから、別の担保は要らないのだということも事前には私は伺っている。ですから、その点をひとつ明確にしてほしいということが一点。 もう一つは、担保に提供する設備というものができないのだ。いわゆる研究とか開発とかという、形によって担保を提供する設備がない、金は要る、こういう問題。その場合、保証協会は独立採算制度だから、こういう制度をつくったけれども、肝心かなめの窓口の保証協会が保証しないということになったのではどうにもならない。それらの点をどう実効を上げていく考え方ですか。この点は信用補完の制度の問題でもあるわけですから、担保の問題で、重要な問題ですから、長官の答弁の後、ひとつ大臣からお答えをいただきたい。
○左近政府委員 仰せのとおり、中小企業者が資金を借り入れる際の担保というのが一番大きな問題になるわけでございます。いまお話しのとおり、この中で中小企業者自体に貸し付ける場合に、合理化のための設備を取得するための資金につきましては、取得いたしました設備を担保に入れることができるわけでございます。しかしながら、試験研究とか商品開発というものの資金につきましては、なかなかそういうものが担保として提供しにくいというのは事実でございます。 そこで、これは一般的な問題でございますが、信用保証協会が保証する場合に、必ずしも担保を要求しないで、人的保証というようなもので処理するようにということは、われわれが累次指導しておるところでございます。また、担保を取るにしても、一般金融機関よりも担保価値などを有利に見るということも指導しておるわけでございます。したがいまして、今後も十分指導いたしまして、ことに試験研究的なものについては、事柄の性質上なかなか担保が差し出しにくい事情もあるわけでございますから、そういう点を勘案して、個別的な判断で、そういうことで保証の支障がないような指導をしてまいりたいと思います。そしてまた、その指導をするに当たっては、信用保険公庫が信用保証協会に貸し付けております融資基金等もございますので、そういうものの運用によって、いまのようなことが円滑にやれるように信用保証協会を指導してまいりたいと考えております。
○江崎国務大臣 人的担保の評価とかいう意味は、経営手腕の評価のわけですから、私はいま長官が答えましたように、その方にだんだん重点を置くということは当然のことだと思っております。 それから、先ほどの信用保険の特例についての金額の問題でございますが、これはどうも私の答弁が御満足がいかなかったようでありまするが、十分御趣旨を体しまして配慮をしたいと考えます。
○中村(重)委員 実は長官、先ほど私の方の部会を開いて、この三千万を六千万に引き上げるべきであるということで一応合意をした。これを原案のまま一応認めようということにしたわけだ。ところが、私が申し上げたように、出先の方になってくると時間もかかる、むずかしいことを言う、そしてなかなか認めない、これを改善させなければ意味ないではないかという強い意見も出ました。私はもっともだと思う。いまあなたお答えになったけれども、私だけでなくて、与党の諸君だってそういういろいろな苦情は聞いていると思う。だから、単なる通達を出すとかあるいは希望するとかいうことだけではなくて、本当に実効の上がるようなことをおやりにならないと私はいけないと思う。中に飛び込まなければだめなんだ。長官も東京だけにいるわけではないだろうけれども、ただ来る連中から聞くだけではなくて、みずから飛び込んでいってその実態をつかむ、生の声を聞く、そうして実情に合った行政を進めていくということでないといけないと思う。 私は何回も申し上げたことがあるのだけれども、とにかく中小企業庁は通産省の十一階に、天に近いところに鎮座ましましておるといったような考え方が現実にはあるような気がしてならぬ。ですから、気持ちは一階にもおりていくとか、どんどん現地に飛び込んでいって実態を把握する、こういう態度でやってもらわなければならぬということを申し上げておきますから、ひとつ最後に決意のほどを聞かしていただきたい。 それから特別償却の点も、建物、機械についての償却もお考えになっていらっしゃるようですが、これも今後十分大蔵省とも折衝して、できるだけ前進したものに改める点は改めていくということにしてほしいと思います。 それから、労働省からもお見えでございますが、雇用対策の問題について、失業の予防、その他雇用の安定の問題職業訓練の実施、これに対する必要な措置、それから中小企業に関連して、直接これとは結びつかないのですが、中小企業に働く従業者の退職金共済制度というのがある。この共済制度というものは旧態依然として政府の補助額というものが非常に少ない。いい制度だけれども、これが有効に働いてない。だから、もっと国の負担というものを大きくして、補助を大きくして魅力ある制度にしていかなければ、もう雇用問題というのは今日最重要課題であるというように私は考えるのです。これから製造業から流通業へ、大企業から中小企業へとどんどん進出をしていっているわけですから、魅力あるそういう雇用対策を講じていく必要があるという点。 それから、身体障害者の、先ほど申し上げましたように、べっこうなんかにいたしましてもたくさんの身体障害者の人が働いておる。これがほかにかわっていくということになってまいりますと、また新たな訓練を受けなければならぬ。ところが、なかなかこれがむずかしい。また、精神薄弱者なんかが働いても賃金の保障がない。幾ら以下はだめだということが決められてない。最低賃金の保障もない。一カ月二万円ぐらいで働いているというような身体障害者、精神薄弱者なんかがいるという実態をひとつ考えてもらいたい。雇用主には奨励金がある。そして、実際に働いているそうした恵まれない人たちが冷遇されている。これにこの法律に基づくところの適用というものが行われてくるということになってまいりますと、これをどうするかという実際問題を真剣に考えていくのでなければならないと思います。 〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 時間の関係上まとめてお尋ねをいたしましたが、それらの点に対する考え方を、所管が違うようでございますから、それぞれひとつお答えをいただきたい。
○白井説明員 お答えいたします。 この法律の八条に基づきます失業の予防その他雇用の安定、さらには職業訓練の実施、就職のあっせんにつきましては、従来から雇用安定資金制度その他失業給付の活用によりまして実施していくわけでございますが、今回、国会に雇用保険法の改正をお願いいたしておりまして、訓練の前後の給付の延長とか、それから雇用開発事業の実施等もお願いいたしております。これらの施策を十分活用いたしまして、さらには中小企業に対しましては、適用要件や助成率の緩和をさらに広げまして、十分有効に活用できるように実施してまいりたいと思っております。 それからなお、共済の退職金の問題でございますが、私、所管が違いますけれども、この問題につきましては、いま先生のおっしゃいました趣旨を体しまして、多分あれは五年ごとに見直しすることになっておりますので、見直しの年が一、二年のうちにあると思います。そういう時期に十分勘案できるようにいたしたいというふうに思っております。 なお、身体障害者の問題につきましては、別の課長にお願いします。
○守屋説明員 身体障害者の職業訓練につきましては、私ども特に現在の雇用情勢から見まして、非常に重要な訓練のテーマであるというように考えております。 そこで、この訓練につきましては、一般的には健常者の方と同じように訓練が受けられる方につきましては、全国に約四百ある一般の訓練校に御入所いただいておりますが、重度の障害者の方あるいは先ほど先生のお話にございました心の方の障害の方、こういう方につきましては、これは別途、今年度二校ふやしまして、現在十六校の専門の身体障害者職業訓練校がございまして、そこで専門的な職業訓練をやっておりますが、特に今年度所沢に開校いたしますところの中央身体障害者職業訓練校におきましては、訓練の技法等もいままでより格段に充実した新しい技法でもってこの訓練をやっていきたいというように考えておりまして、ここで今後の新しい職種等の訓練の開発等の研究もあわせて行うということで、さらに一層身体障害者の職業訓練の充実に努めてまいりたいというように考えております。
○左近政府委員 いま御指摘のありました中小企業庁としての心構え、まことにごもっともでございます。われわれといたしましても、従来とも一生懸命に地域の実情を把握するように努めたわけでございますが、この産地法というものは、考え方自身も地域の自主的な発意を中心に推進していくということでございますので、今後一層現地の事情を十分把握して、末端に至るまでわれわれの考えているものが浸透するような努力をいたしたいというふうに考えております。
○渡部(恒)委員長代理 大成正雄君。
○大成委員 新自由クラブを代表いたしまして、本案につきまして若干の質疑をさせていただきたいと存じます。 〔渡部(恒)委員長代理退席、野中委員長代理着席〕 私どもは、この内外の厳しい経済環境の変化あるいは産業構造の変化に対応して、わが国の中小企業がその活力を温存、培養できる、そういった方向の中で本法が活用されることを期待いたしておるわけであります。また、同時に、本法が特定地域の特定業種といったとらえ方で、包括的な臨時措置としての中小企業の育成振興策としての立法になっておるわけでありますが、この特定産地、特定業種といったとらえ方以外に、広範な中小企業一般、特に輸出関連企業の中小企業の育成もなおざりにはできない、このように考えるわけであります。 そういった観点から幾つかの御質問を申し上げさせていただきたいと思うのですが、まず第一に、本法律案時に予見をされた内外の経済環境と今日の経済環境では、急速な変化を来しておることも事実だと思います。本法の審議資料として提案されたこの資料に引用しておる産地の調査資料等も、その後の五十三年十一月時点の調査とではかなり相違のあることも事実であります。昨今のこの経済環境に対してどのような変化があるか、またそのこと自体が本法にどのような影響を与えると考えているか、この点からまず承っていきたいと思います。
○左近政府委員 本法の趣旨は、円高というようなことで経済環境が非常に変化をいたしまして、その変化した経済環境に中小企業が適応できるように、中長期的な体質改善を進めていくというのがねらいでございます。そういう点から申しますと、実はたとえば経済環境の中で円相場は非常に変動をいたしておりますので、この法案を立案したときとまた円相場が変わっておることは事実でございます。御案内のとおり、一昨年の中ごろから円が高騰してまいりまして、昨年の十月の末に百七十円台まで高騰したわけでございます。その間、中小企業、ことに輸出中小企業が非常な打撃をこうむったということは事実でございます。その後また円の情勢が変わってまいりまして、現在は二百十円から二百二十円というところを往復をしておるということでございます。したがいまして、短期的に見ますと、昨年よりはことしは若干円が安くなったということは言えるわけでございますが、基本的な基調といたしましては、一昨年二百七、八十円のレートのときから比べますと、現在の二百二十円でもまだ五十円あるいは六十円円高であるという事実がございます。そしてまた見落とすことができないのは、やはりこの円高の過程で中小企業が、ことに輸出中小企業が危機に襲われて、それを緊急対策でつなぎ資金を出して防いでおりますが、相当な傷を負っておる。その傷を負いながら今後生きていかなければいけないという事実があるという事実は、現在も一向変わっておらないわけでございます。したがいまして、この法律の趣旨なり、やり方につきましては、最近の円の価格の変動というものはむしろ余り影響はない、基本的な方向は多少円が上下いたしましても変わることはないというふうにわれわれ考えておるところでございます。
○大成委員 かつて私が本委員会で、昨年のこの段階でわが国の輸出関連企業の価格競争力、いわゆる実勢レートは大体どのくらいに見たらいいのかという質問に対して、当時の通産大臣の答弁では二百二十円くらい、こういう答弁がなされておったと思います。昨今の円レートからいたしますと、先ほどの大臣の御答弁もありましたが、二百二十円までは参りませんけれども、その近いところにまで安定してきておる、こういう状態だと思うのでございます。一昨年から昨年段階のこの輸出関連企業の異常な深刻な事態というものは、円相場そのものが異常であり、かつ急激であったというところにこの問題を生じたわけであります。 そういった事態に対して、関連企業はそれなりの努力をしてまいりました。この五十三年度版の中小企業の年次報告を拝見いたしましても、その対応の実態を見ますと、みずからのコスト低減努力が五七%、つなぎ資金の導入三一%、公定歩合の引き下げに伴う金利の軽減が三九%という報告がなされておるわけであります。同時に、採算レートの昨年十一月段階の調査では、二百円台が二〇・一%、二百二十円台が一九・九%、百九十円台が一二・七%というぐあいに、前の段階の調査からしますと、たとえば二百四十円台では一〇・七%、二百三十円台では七・六%と、こういった調査結果からしますとかなり好転をしておるというふうに見られるわけであります。 同時に五十四年度の輸出向けの出荷の見通しを調査した報告を見ますというと、いまの状態で増加するだろうというのが二〇・一%、横ばいが三六%、減少というのが四三・九%という数字になっておるわけでありますから、まあまあそれぞれの企業努力の成果があらわれておるというふうに見ていいと思うのでございます。 そこで、今後のこの円相場の見通し、または中長期的に本法の政策効果を期待する立場から、この円相場というものはどのくらいに期待をしておるのか。また、その対応力、価格競争力等に対してはどのように効果を期待しておるのか、このことをひとつ承りたいと思います。
○左近政府委員 円相場の見通しにつきましては、現在のような変動相場制の中ではなかなか見通しがつけにくいということもございますし、先ほど大臣も申しておりましたように、変動相場というのは市場の実勢によって動くという原則でございますので、政府当局者が幾らが適当であるかを言うのは適当でないということであろうかと思いますので、御容赦願いたいわけでありますが、先ほども申し上げましたように、長期的に見て一時の円相場の乱高下は別といたしまして、長期的に見れば、やはりその国の経済力によって相場が形成されていくということであろうかと思います。したがいまして、長期的に見て日本の経済力がいまのような状態である限り、円がどんどん安くなるという状態は出てこないのではないかというふうに考えておるわけであります。そして本法で考えております中小企業の今後の改善の目標といたしましては、こういう外界の変化、つまり円相場の高下というものが致命的な打撃にならないように中小企業の体質を強めていく。たとえば産地として特有の製品でございますれば、円高になりましてもドル価格を高めて対処できる。つまり値段が通るという事実が円高の時代でもあったわけでございます。したがいまして、われわれの考えておるところは、円の価格がいかようになるにしろ、産地がそれに十分対応できるような実力を養成していくというのがこの法のねらいでございますので、そういう意味において今後の見通しもさることながら、そういう円相場等の変動にも負けないような産地を形成していくことに努力してみたいというふうに考えております。
○大成委員 確かにそういうことは言えると思うのでございます。しかしながら、行政の効果を期待する、指導する立場からするならば、ある程度の目安があるわけでありますから、それらの点については十分先を見越した努力をお願い申し上げたいと思います。 産地企業のみならず、一般的な輸出関連企業も含めて、先刻申し上げましたとおりの円高対応努力はしてまいったわけであります。同時にまた、その努力の結果が出ておると思うのです。中小企業庁の調査によりますと、五十二年十二月末で二百四十円台が採算点だといったものが、五十三年の十一月末までは二百円が採算レートとレベルアップした企業が七%、二百円以上で一三%、こういう結果になっております。また同様に、二百五十円が採算点で、それ以上だったらうちはどうにもやっていけないといった企業も、昨年十一月の段階では二百円以上になった企業が七%ぐらい占めておるというふうに、対応力を強めております。 どのようにしてレベルアップしたかということでございますが、これまた調査の結果を見ますと、生産工程の合理化が六三%、金融機関との金利軽減交渉が五五%、原材料買い入れ単価の引き下げが五四%、下請単価の引き下げが三三%、過剰雇用の解雇によるものが二九%、設備廃棄また在庫整理が二七%という数字は、円高対応力、すなわち価格競争力をつける上にどういうデータが重要であったかということがうなづけるデータになっておると思うのであります。 そこで政府としては、このような企業の円高対応努力に対してどのように評価しておるか、簡潔に御答弁願いたいと思います。
○左近政府委員 いま挙げられましたように、中小企業は円高によりまして一時非常にショックを受けたのでございますが、それに対して必死になりましていろいろな対策を講じた。いまのような各面の努力をした上で、たとえば採算点も逐次改善してきておるというのが事実でございまして、われわれといたしましては、その中小企業の努力は大変高く評価しておるわけでございます。そして本法を考えました動機の一つも、そのような円高の中でもコスト低減に努力しておられます中小企業の自主的努力をもっと継続していただいて、さらに実り多きものにしていただく。そして先ほど申しましたように、環境がどう変化しても十分自立できるような産地をつくる、中小企業者をつくっていくということをやっていきたいということでございまして、この円高の過程での中小企業の方の御努力をさらに一層発展させようというのがわれわれの考え方でございます。
○大成委員 次に、本法は単なる国内的な問題だけでなく、外からながめたときに本法の存在そのものがいろいろな意見のあるところだろうと思いますが、これらの経済摩擦の一つの要因として、本法が外からの意見としてとやかく言われるような筋合いのものであるかどうかについて、大臣がいないのですが、どなたかおられますか。
○左近政府委員 本法は、先ほどから申し上げておりますように、経済事情の変化に応じまして新製品の開発とか新技術の開発あるいは新市場の開拓というふうなことで中小企業の力を改善していく、力を強めていくということでございます。そしてまた、そういう中小企業の力をつけていくということでは、もちろん日本は国際経済の中で大きな地位を占めておりますし、中小企業といえども製品の輸出とかあるいは類似製品の輸入という面において絶えず国際的な経済の中に生きておるわけでございます。したがいまして、その中で中小企業が十分存立するような形で発展していくということは、とりもなおさず他国との間の問題もだんだん解消していくということでございます。したがいまして、本法の考え方は、実は現在世界的にも言われております構造改善というものの方向と合致するものでございます。しかも、われわれといたしましては、そういうことが外部から言われない前に、日本の中小企業の生きる道としてそういう国際的な経済の状態と合致する道を選んでいくというふうに考えておりますので、経済摩擦という点で言うならば、むしろ経済摩擦の回避に大変役に立つものであるということをわれわれは主張したいわけでございますし、この趣旨は海外にも機会あるごとに十分伝えたいというふうに考えております。
○大成委員 次に、本法の定義について若干の御質問をさしていただきたいと思うのですが、本法施行を見越しまして、中小企業庁としては全国都道府県に対して対象地域、業種等の事前の調査をしておったはずであります。そういった事前の調査の中で、対象の業種の基準とかあるいはその解釈とか選別とかいった根拠があったと思うのですが、どういう根拠で、数多くの産地企業の中からこの業種は対象にしよう、この地域はちょっと今回は対象外だとか、そういったことがあったと思うのですが、その基準、準拠すべきものがありましたらお示しいただきたいと思います。
○左近政府委員 この法律では第二条の第二項に三つの基準が掲げられております。 一つは、いわゆるそういう業種が中小企業性を持っていることということで、われわれの内規として考えますと、生産額で見まして中小企業の生産額がその業種でおおむね半分以上を占めておるものというのを選びたい。ですから大企業が非常に多いものは除外するということでございます。 それから第二の基準は、いわば産地性を持っておるということでございますが、これについては、大体その業種を指定する場合に地域もあわせて指定するわけでございますが、その地域の中で事業所の数が五十以上あるということ、あるいは場合によっては、全国の事業所の数が少ないような場合もございますので、全国の数の一割以上はあることというようなことを考えております。それからもう一つ、生産額、取引額というようなところで見ますと、その地域の中で大体十億円以上であること、あるいは場合によっては全国比一割以上であることというような基準を考えております。ただしこれは一応の内規でございますから、相当弾力的に考えていきたいということを考えております。 それから第三といたしましては、円高による輸出の減退とかあるいは円高による外国製品の輸入の増大によって、その業種の製品の生産が減ってくるというふうなことを考えまして、それによって最盛期から比べまして輸出なり生産なりが減少しておるということでございまして、これも大体五%以上減少という基準を考えておりますが、こういうふうな減少という基準を考えておる。 以上のようなことを大体頭に置きながらわれわれ判定いたしたいと思っております。ただ地方の県に対しましては、これをそれほど厳しくわれわれは申し上げておりません。まだ法律もできておりませんから厳しくは申し上げておりませんので、県としては通常の概念で産地として考えられるところ、しかもそれに手当てをしなければいけないところという点をいろいろ御検討になっているのだろうと思います。そういうことでいろいろお話も聞いておりますが、法律を制定していただきますれば、そういう点で基準もきっちりいたしまして、十分に御相談をした上で決めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○大成委員 その点について再質問させていただきますが、特定業種、特定地域といった範疇からしますと若干問題があろうかと思うのですけれども、地域的にたとえば機械金属加工、家電、弱電あるいは輸送機器といった広範な下請加工業者が集積されておる、そういった地域も将来は対象になると思ってよろしいかどうか、ひとつ承りたいと思います。
○左近政府委員 先ほど申しました基準がございます。その基準の中で、はいれるかどうかということで検討を申し上げたいと思っておりますが、われわれといたしましてはそういうものが全然検討の対象にならないというふうには考えておりません。ですから、基準を考えながら具体的なケースケースに当たって検討いたしまして、この基準に適合するものは入れていくということで解決をしていきたいというように考えております。
○大成委員 第二条二項の三に「その他の経済的事情の著しい変化によって生ずる事態」、こうあるわけでございます。今後のわが国の産業構造のあるべき姿といたしましては、新たな国際分業への道というものをたどらざるを得ない。そのことは輸入製品の増加あるいは水平分業比率の増加であるとかあるいは輸出先市場の分散化と多角化とかいった方向づけが強いられてくると思います。したがいまして、本法の最終的な目的とするいわゆる高付加価値製品あるいは労働集約型製品あるいは知識集約型製品への転換ということが当然目標にされてくると思うのでありますが、ここに言う「その他の経済的事情の著しい変化によって生ずる事態」というのはどのような事態を予見しておられるのかを承りたいと思います。
○左近政府委員 ここの条文の意味は、経済的事情の著しい変化に応じて生ずる事態というものを、政令でこれとこれとというふうに決めることにしておるということでございまして、それの一つの例として、輸出が円相場の高騰によって減少するというのを挙げております。ただ、これは経済事情の著しい変化というのが実態的にあるという認識をし次第政令に指定するということでございますので、現在の時点では、例示に挙げられておりますように、円相場による輸出の減少というものがもちろん挙げられますが、もう一つ挙げようと思っておりますのは、やはり円相場の高騰によって競合品の輸入が増加をいたしまして、それでその業種に属する製品の生産が減少してくるというものを挙げようと思っておりますが、先ほど大臣も、そのほかの現象があらわれたときにはそういう事態を十分検討して、そして著しい経済事情の変化ということになりますれば、政令に逐次追加をしていくということは申し上げましたが、われわれとしても考えておるところでございます。したがいまして、この法施行になりました当座は、いまの二つのものを政令で指定する、そして今後必要に応じて追加をしていく、こういうことになるわけでございます。
○大成委員 次に、振興計画について、これは本法の一番大事なところでございますから、若干御質問させていただきたいと思うのです。 従来の輸出関連企業等の、あるいは円高を強く受けた企業等の調査結果等からいたしますと、貴重なレポートが中小企業庁からなされております。たとえば、輸出関連中小企業で、新製品の開発を実施した企業というのは三三%、製品の高級化を図ったというのが二九%、特に衣服、繊維関係では四〇%、あるいは輸送用機械では九%といった違い、格差があるようでございますけれども、いずれにしてもそういう努力をしたということであります。また、その努力の結果がいい結果として出ておるということでございます。また、その体制はどうかということを見ますと、自企業で従来の体制でそういった開発を進めたというのが七割、自企業内に新たな組織をつくって開発をしたというが二〇%、それから国、県の指導所に相談をしてその成果を得たというのが七%といったようなこと等が出ておるわけであります。特に、新製品、技術の開発上最も一留意すべき点として、情報の収集ということが六一%、施設、機械の整備というのが三九%といったことが主たる内容になっておるわけでありますけれども、この過去の成功事例から、中小企業庁としては本法の一つの指標としてどのような教訓を学び取っておられるのかを承りたいと思います。
○左近政府委員 振興計画をつくるということで、この産地の中核になります商工組合等の組合が新しい道を開くわけでございます。また、それに従いまして各組合員であります中小企業者がそれぞれの合理化の計画をいたします。その過程で、実はいま御指摘になりましたように円高の難関を乗り越えるようないろいろな努力をした、その努力を生かしていきたいということでございまして、しかもその努力の一番中心点は、新製品とか新技術を開発する能力を持つということであろうと思います。特定のものをつくる、特定のものをつくることについて援助するというのではなくて、時代の変化に応じて絶えず新しい製品を生み出していくような力を企業につける。それはやはりそういうスタッフを養成するということでもありましょうし、あるいはそういう資金力をつけるということでもありましょうが、そういう点において、過去において中小企業の努力なされたその方向をわれわれはくみ取りながら実施していく、またそういうことで、それぞれ各地にそういう力があるものでございますから、できるだけ自主的に計画をつくっていただくという方向で、この計画を持っていきたいというように考えておるところでございます。
○大成委員 この新製品、技術の開発ということはそう簡単なことではないわけでありますが、特にそれが成功するということのためには確かに金の、いわゆる資金的な面も重要な要素でありましょう。しかしながら、過去の成功事例からいたしますと、そのニーズの発掘をどうするかということ、先ほど情報収集が六一%ということを申し上げたわけでありますが、このことが非常に大事なこと、あるいはまた新しい需要をつくり出す、そういったことも非常に重要なことであります。 同時に、重要なことは、本法でも一部指摘はされていますが、若干弱い感じはしますが、いわゆる人材の育成ということが非常に重要な問題であります。中小企業庁で行った技術活動実態調査というものの結果を見ますと、自社内で技術開発を行う際の問題点として挙げていることは、まず第一に人材面の制約というのが五九%、それから費用面の制約が四一%、企業内組織体制の不備というものが二六%という数字を挙げておるわけであります。 同時にまた、中小企業庁で調べた実態調査の結果からしますと、いわゆる新製品、技術開発に関する今後のニーズはどうかということになりますと、人材面の充実を図るというのが五〇・五%、品質管理の徹底を図るというのが四七%、それから自企業内で技術開発を行うというのが三五%、それから精度の向上に努めるというのが一八・一%、標準化、規格化を図るというのが一三・九%という数字になっております。これも貴重なデータだと私は考えるわけでございます。 そこで、この人材の育成に関しましては、一般的な中小企業技術者の研修であるとか経営管理者研修とか、それに加えて、さらに本法にいう地場産業振興高等技術者研修制度といったものを考えておられるようでありますが、その人の問題、ニーズ発掘の問題、需要創出の問題、こういった情報に関連した政府の施策としてどのような力強い施策を用意しておられるのかを承りたいと思います。
○左近政府委員 御指摘のように、今後中小企業が新製品、新技術を開発していくというふうなところでは、情報を収集するのを容易にする、そして需要を大いに開拓する、それから人材を育成するというふうな、いわばソフト面での前進というのが必要であろうかということでございます。したがいまして、われわれの方が振興計画を実施するに当たりまして、組合に補助金として出しますものにつきましても、新製品、新技術の開発あるいは市場開拓という趣旨でございますが、実際に使うのは、実はむしろ施設をつくるというものよりは、いま申し上げましたソフト関係のものに大いに使っていただこうということでありますし、また、補助金もそういうものに使えるように運用したいというように考えております。そしてそのほかに、先ほど御指摘がありましたように、地場産業振興高等技術者研修というものを地方の公立の試験研究所で実施をするというようなことも創設をいたしました。 したがいまして、そういう点では、振興計画によって組合自体もいまのような諸点を実施する。それから国もいまのように技術研修制度を新たにつくるということ、それからまた、中小企業振興事業団がいろいろな情報を府県の総合指導所とかあるいは公設試験研究所に流しておりますが、それを強化するということも考えております。 さらに、情報につきましては、いま府県では技術関係の情報と経営関係の情報が中央から別々に行くことになりまして、それぞれ情報を提供するのが分かれております。そこが府県としてもそれではいけないということで、中小企業の地域情報センターということで、あらゆる情報を一カ所に集めまして、中小企業がそこに照会をすれば中小企業に関することは何でもわかるということにいたしたいということで、いろいろやっております。もちろん、より詳しい情報についてはそれぞれの個所で、たとえば技術関係であれば公設の試験研究所で、あるいは経営の関係であれば総合指導所でやるわけでございますが、とにかく、どこにそういう情報があるかという所在を教える意味においても、集中した場所が要るというようなこともございまして、これもことしから国も補助することにいたしておりまして、これは全国次第にそういうものがふえてまいるというふうに考えております。 以上のようなことでございまして、本年からそういう新たな施策も講じておりますけれども、この面では、まだまだやらなければいけないことが多いと思います。 現在、また五十五年度予算に向かっていろいろ検討しておりますが、そういう面でも、いまのような御指摘の面について十分な国の施策が行き渡りまして、地方のそういう動きをうまくバックアップできるようにいたしたいというふうに考えております。
○大成委員 時間がありませんから、肝心なことだけ簡潔にまとめてお聞きします。 新製品、新技術の開発には企業秘密や特許というものがつきものでありますが、この企業秘密、特許というようなものは、振興計画でどのように保障されていくのかということは非常に重要な問題だと思います。その点が一つ。 それから、新製品、技術の開発で非常に重要なことは、いわゆるその資金の問題であります。要するに、非常にリスクを伴うものでありますから、一般の金融では、制度金融も含めてなかなか金融はつかない、こういう問題もあるわけでありますが、本法で措置しようとしている金融制度では、そのリスクも含めてめんどうを見ようということであるのかどうかを承らせていただきたい、それが第二点。 三番目には、この助成が、三百五十万の交付とか一千万の補助とかということを予算の積算の基礎にしているわけでありますが、その金額を限定しておるのは、いわゆる握り金的な性格であるというふうにも理解できるわけでありますけれども、何か根拠があって三百五十万とか一千万とかというふうな限定額を予算の積算にしているのかどうか、この点が第三点。 第四点といたしましては、振興計画が作成できた、政府もこれをめんどうを見る、こういう段階になって、もし計画倒れになったときには、このすでに交付なり補助をした金は返還を要求されるのかどうか、この点を承らせていただきたいと思います。
○左近政府委員 第一点の、新商品、新技術の開発が企業秘密、特許というものと非常に関係がある、その場合に、振興計画でそういうものが保持されるかどうかというような御質問だと思いますが、これについては、振興事業として行います場合、ことに組合がやる場合には組合が、中小企業者が集まりまして、新商品のプロトタイプと申しますか、まず原型をつくっていく、そして実際の商品をつくっていくのは個々の企業に任すというような形になろうかと思います。したがいまして、振興計画自身はそういう事業の概要ということにとどまりますので、計画を見て企業秘密や特許がわかるというようなものではないと思います。それでまた、やります事業はそういうことでございますから、そういうプロトタイプを組合でやって、あと実際の商品化は企業がやるということでございますので、問題は回避できるというふうにわれわれは考えております。 それから第二点の資金の確保についてでございますが、これについては、特別の融資制度を設けまして、新商品、新技術の開発について、金利も安いものにしますが、そのときにはやはりそういうものの性格上、ある程度のリスクがあるということは前提に置いて、そういうものでも貸せるような形でやっていきたいというふうに考えております。 それから、補助金の三百五十万ないし一千万という話でございますが、これはやはり予算の積算根拠でございまして、これの具体的な内容は、各産地でこういう計画こういう計画というのを積み上げていただきまして、それを承認するということでございます。金額については不十分ではないかという御指摘もあろうかと思いますが、われわれとしては、現在の時点で、国の財政を考えて、この段階でやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。 それから、こういうことが計画倒れになったときに補助金等はどうかということでございますが、補助金は、具体的には調査事業とか研修事業とか、そういうものを前提にやっておりますので、振興計画ができまして、そういう調査事業をやるという、その補助に関連する事業がやられますれば、これはもう返還の必要はないということでございます。したがいまして、この補助対象になっております事業がやられなければこれは返還しなければいけませんが、そういう調査事業をやった上で振興計画の一部が実行不可能になったという場合でも、調査がやられておりますればこれは補助金を返還する必要はないというふうにわれわれは考えております。
○大成委員 大臣がちょうどお見えになられましたので、最後に一、二御質問させていただきます。 大臣は、先日英国へ参られましてサッチャーさんにお目にかかられた。私もそれに先立って行ってまいりましたけれども、いわゆる保守党の勝利に導いたサッチャーさんの政策の中で、安上がりの政府と申しますか、企業や個人に余り国が介入すべきじゃないんじゃないか、したがって国営とか公社とか、そういったことから努めて手を引いていく、また企業の自主的な活力を培養するということを強く訴えられておったと思うのですね。 わが国の中小企業政策というのは、諸外国に比べてきわめてきめ細かであり、充実しているということは、これはもう大臣御承知のとおりであり、われわれもまたそれを認めるわけでありますけれども、一方、わが国の一つの政府課題としても、チープガバメントということは非常に大事なことだと思うのですね。私は、だからといってこの法律は意味がないということを言っているのじゃありませんよ。ありませんけれども、次から次へと業種転換法あり、この産地振興法もありというようなぐあいで、いろいろな施策を積み上げていっているわけなんですけれども、大臣の将来の産業政策というか、ビジョンとして、国が余り企業の中に立ち入って、てこ入れをしていくということは好ましいことなのかどうか、英国あたりの最近の新保守主義的な一つの政策の展開等を見聞された結果、どのようにお考えになられるのか、それが第一点。 それから第二点は、冒頭申し上げましたように、本法は特定地域の特定業種という一つの枠組みの中で、輸出関連企業等の新商品あるいは新技術の開発を促進していこうというねらいでありますが、それ以外に、自社の企業努力によって輸出関連の企業として社会に貢献した企業は幾らもあります。そういった企業とこういう手厚い保護育成を受ける企業と、法のもとの平等ということにおいて問題はないのかどうか、この点、二つだけ大臣に承らせていただきたいと思うのです。
○江崎国務大臣 イギリス政府が自由的な企業経営方針で今後対応していこうというさっきの分析は、私もそのとおりだというふうに理解をしてまいりました。少なくとも税金のむだ遣いをしたり——国費を提供することによって十分立ち直る見込みのある企業はこれは協力もするが、見込みのないものは思い切ってもうつぶしても仕方がないといったような強い発言を、私が会いました産業大臣なども率直に語っておられたところであります。 日本の場合は、これはいままでが自由経済を基盤にして、企業そのものが自由な、比較的濶達な競争のできる環境で育ってきたわけであります。そういう場面で、日本の中小企業というものが非常に数が多い、まあ中小企業といいますが、零細企業もきわめて多い。これが、日本の経済がだんだん大きくなり、国際化してくるに従って、諸外国のインフレ率の度合いまた日本の力の度合い、国際収支等に見られるような経済力、こういったものによって非常に影響を受けやすい。したがって、どの企業も本来が自助努力で存立しておるわけですし、それによって経営が保たれていくという基本は、自由経済が背景である以上当然なことであります。しかし、いま申し上げたような外的要因で、もろに体質に影響を受けるというのであるならば、できるだけ緊急臨時の措置として政府が協力体制に立つということは、これはまた当然だと思いますね。特に国際収支などの面は、よく言われますように、それによって好況をもたらされる企業もある、それによってまた雇用も達成される。しかしその反面、大変な犠牲を受ける、波を受けるというのであるなら、その零細な企業にある程度の協力を政府がしていくということは、これはやはり大切なことだと思います。したがって、今度のこの産地法などにつきましても、きめ細かに現実に即して十分対応できる形で今後とも運用をしていきたいというふうに考えます。
○大成委員 法のもとの平等の問題については、どのように考えておられますか。
○江崎国務大臣 これは、平等を欠くというものではないので、臨時、一時的に円高であったり、あるいはまた後進国、中進国の追い上げによって構造改善を余儀なくされるということになれば、いままでもいろいろな法律で対応してまいりましたように、自助努力は中心ですが、できるだけの措置はする。これはやはり大事なことであって、それが法の平等に背くていのものではないというふうに考えます。
○大成委員 終わります。
○野中委員長代理 玉城栄一君。
○玉城委員 長官の方にまず最初にお伺いをいたしますが、基本的な問題、確認の意味でお伺いをしておきたいわけであります。 産地中小企業の振興ということについて、基本的にどういう考え方を持ってどういうふうに進めていかれようとしてこの法案を御提案になっておられるのか、概略御説明いただきたいと思います。
○左近政府委員 この産地中小企業の振興についてわれわれが考えまするところは、一つは円高というものの現象によりまして、産地の中小企業が非常にむずかしい事態を迎えました。それを考えますと、やはり世界の経済状態の変化に応じて、産地の中小企業が今後発展する経済的な環境というものが非常に変わってきた、したがって、そういう新しい経済環境に適応する努力をいまこそやらなければいけない。幸いにして景気は徐々に回復してまいりましたけれども、こういう回復してきた時点で、さらに積極的に新しい経済の変動に対応する力をつけなければいけないということが基本でございます。しかも円高の過程において、産地の中小企業は、各地において中小企業白書などにも出ておりますようにいろいろな努力をなされて、その円高の障害の克服に努力を傾け、そしてまたそれはそれとしてある程度の成果を得たわけでございます。したがいまして、そういう円高の過程での努力を生かして、そういう自主的な努力をさらに一層進めていく、そして産地産地の実態に応じた発展を今後国も応援をしていくというのが、この産地中小企業の振興対策の基本ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○玉城委員 御趣旨はよく理解できるわけでありますが、二番目の問題といたしまして、これからは地域の時代あるいは地域主義ということが叫ばれて久しいわけであります。そこでこの法案で、私、都道府県並びに市町村、いわゆる地方の自治体の役割りというものは非常に重要なものがあると思うわけであります。そういう立場から、この法案で都道府県あるいは市町村の役割りというものをどういう位置づけをしておられるのか、これが第一点ですね。 それから、産地の指定に当たって都道府県知事の意見を尊重される、その尊重されることはどの程度知事の意見を尊重されて産地指定をされようとするのか。 それから次に、産地組合が作成する振興計画、これは都道府県知事の承認を受ける、こういうことになっているわけですが、私もそれは当然そうなくてはならないと思います。それがどういう意義があるのか、その必要性、意義。 それから次に、そういう承認事務を都道府県に負わせるわけですから、当然それに伴う人員であるとかあるいは予算とか、大きな負担がかかってくると思うわけです。そういう点について中小企業庁とされてどういう手当てを考えておられるのか。位置づけ、それから知事の意見の尊重、それから振興計画の承認の意義と申しますか、それから都道府県への負担、どう手当てをされようとするのか、その点まとめてお伺いをいたします。
○左近政府委員 まず基本的には産地の振興というのは、産地の具体的な実情、過去の歴史的な条件、現地の産地の抱えておる問題というものを十分生かして対策を講じなければいけないということは、先ほど申しましたように、円高に対して各企業が対策を講じている過程でも見られたわけでございまして、産地の独特なものをつくることこそ今後に生き抜く道であるというようにわれわれ考えております。したがいまして、地域的なものを尊重するということが基本的な概念でございまして、そういう意味において都道府県のこの法案の運営についての役割りは非常に大きいというふうに考えております。そしてその役割りの一つが、この産地の特定業種を指定する場合に意見を聞くということでございますが、意見の聞き方、実際上はこの法律にもございますが、指定をしようとするときは意見を聞くということになっておりますが、実際の運営は、指定をしようとするときというその指定の準備をする段階であらかじめ十分知事の意見を聞いておきたいというか、むしろ知事から十分意見を出しておいてもらいたい。そうしまして、知事の方から出てきた意見に基づいて指定をどうするかを考えて、そして最終確認の意味において、もう一遍知事の意見を聞くということにいたしたいというふうに考えておりまして、この意見を聞くというのも、単に中央で大体おぜん立てをした後、最後に単に確認の意味で聞くというふうなことではないというふうにわれわれは運用を実施したいというふうに考えております。 それから次に、振興計画の承認でございますが、これについてはやはり県が一番実態を知っておりますので、承認をしていただきたいというふうに考えておりますが、ただ、県が承認に当たりましても、やはりその地域について、その産地について将来どういうふうに持っていくかという、いわばビジョンがなければなかなかこれ、いいか悪いか言えないということが当然ございます。したがいまして、実はこの法律では表には出ておりませんが、各府県にはこの法律が施行されまして、しかも業種が指定されますと、その産地についての振興ビジョンというものを、県が中心になって策定をしてもらおうというふうに考えております。もちろんこの振興ビジョンの策定に当たっては、地元の産地の方々の意見も聞く、それから学識経験者の意見も聞く、あるいは中央のわれわれの意見も聞いていただくということでございますが、そういう意見を総合して県が振興ビジョンをつくっていただく、そしてその振興ビジョンに従って承認をするということに考えておるわけでございます。 それから、じゃ都道府県がそういうふうにいろいろ事務をやりますので、それについての経費負担等々についてはどう考えておるかということでございますが、これについては、いま言いました振興ビジョンをやる調査費も含めまして、事務経費についてはわれわれの方で補助をするということにいたしておりまして、この点は自治省とも御相談をして、自治省としてもそういうことで結構であるということになっておりますので、事務的な経費を補助をしてそういう仕事をやっていただくという段階になっております。 〔野中委員長代理退席、委員長着席〕
○玉城委員 この法案で、いま御説明のありましたとおり、自治体の役割りというのは非常に重要な部分を占めてくるわけであります。いま御説明があったわけでありますが、それに伴っての地方自治体への負担の問題については、そういうことがないように十分考慮するというお話でございますので、その点は、地方自治体の役割りというものを非常に発揮させる意味におきましても、そういう点の配慮あるいは手当てというものを十分していただきたい、このように思うわけであります。 そこで、国と都道府県、そして産地の企業、三位一体と申しますか、そういう立場で、こういう内外の非常に厳しい経済環境の中で、産地の中小企業の方々がただ生き延びていくというだけではもちろんないわけですから、あらゆる創意工夫、あらゆる可能性というものを追求しながらあらゆる努力を積み重ねていく、都道府県、国の三位一体のそういう協力体制というものも、当然これから非常に重要なことになってくるのではないかと思うわけであります。 そこで、今度は産地の中小企業側に対して、この法案を提案されている政府の立場からどういうことを期待をしあるいは望んでおられるのか。産地の中小企業側に対する国からの期待、どういうことを望んでおられるのか、その点がありましたら御説明を承りたいと思います。
○左近政府委員 先ほど申しましたように、この法案ができました一つの契機は、円高に対処する産地の方々の御努力を応援しようということでございます。したがいまして、産地の中小企業の方の自主的な努力というものは十分期待されておるわけでございますが、そういう意味において、今後もそういう自主的な活動をやっていただくということを一番中心に考えたいと思います。そのほか、これはやはり産地の組合中心に事業をやっていくわけでございますから、組合の中に結集していただいて、団結の中でこの問題を解決していただくということが非常に望ましいということでございます。それから第三点といたしましては、やはり新技術、新製品の開発ということでございますから、相当思い切った考え方でそういうものに取り組んでいただきたいというふうなことが考えられますが、基本的には先ほど言いましたように産地の方々の自主的な努力を応援するということでございますので、特にこうしなければいけないということをわれわれは考えておるわけではございません。
○玉城委員 そこで、この法案の第九条には、国及び都道府県は「振興事業又は合理化事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行うものとする。」指導及び助言を国は行うということになっておるわけですが、具体的にどういう指導あるいは助言というものを考えておられるのか、これが一点。 次に国の側からの情報提供ですけれども、産地中小企業の方々は、当然そういう情報収集能力というものは非常に限られてくると思うわけであります。したがいまして、最新の技術の導入とかあるいは開拓とか、それに伴ういろいろな情報提供というものは、当然国、そして県が豊富に提供されなければならないと思うわけであります。したがいまして、先ほどの指導、助言の問題と情報提供についてどういう考え方を持っておられるのか、お伺いをいたします。
○左近政府委員 指導、助言というものは、従来からも国あるいは地方公共団体といたしまして、産地診断とか産地の巡回指導というようなことでいろいろ御相談に応じてきたわけでございますが、五十四年度につきましては、特定の産地の中小企業にとってはさらにまた振興診断をやるということを考えておりまして、この診断事業というものを中心に推進してまいりたいと思っております。また、具体的な振興計画なり合理化計画をつくる段階に当たって、われわれもいろいろ御相談に応じたいというふうに考えております。 それから、やはり情報提供というのが御指摘のとおり非常に重要な問題になっております。したがいまして、この情報提供については今後も十分力を注ぎたいと思っておりますが、特定な産地対策に関しましては、都道府県にたとえば産地中小企業対策推進協議会というふうな名前のものを設けまして、先ほど申しました産地の中小企業振興ビジョンを作成していただくということになっておりますが、その振興ビジョンをつくるときにいろいろな情報が要りますので、そういう情報を国の方からいろいろ提供いたしたいというふうに考えております。それから現在やっております組織といたしましては、中小企業振興事業団に中小企業情報センターというのがございまして、そこで内外の中小企業に関する情報を都道府県の関係機関に出しておりますし、都道府県にも先ほど申しましたように地域情報センターという一本化した情報センターもできてまいりますので、情報対策は今後も重点的に実施をしてまいりたいというふうに考えております。
○玉城委員 そこで非常に重要になってきますのはこの法案で、いわゆる産地の指定の問題だと思うわけであります。今年度は九十産地程度予定しておられるという御説明も承っておるわけでありますけれども、その産地の指定に当たっては、画一的ではなくて、その地域の実情に応じて、いわゆる特殊性というものを十分考慮して、弾力的な運用を図っていきたいということを長官は何回も御説明しておられるわけであります。その弾力的運用ということについて改めて、確認の意味でもありますけれども、もう少し御説明をしていただきたいと思うのです。
○左近政府委員 指定の基準は、先ほどから申しておりますように法律で決まっておりまして、中小企業性の業種であること、あるいは産地性があること、あるいは事業活動に現在支障が生じておるかあるいは生ずるおそれがあること、こういうふうな三つの条件がございます。そしてまた、これは先ほど申しましたように一応の内規を決めておりますけれども、産地の実態というのは産地産地によって非常に状態が異なる部面もございますので、これについては繰り返し申し上げておるように弾力的に配慮いたしたいと思いますが、それの配慮の仕方といたしましては、地元の府県の意見を十分尊重する、そして府県といろいろ御相談をして、この法律に挙げておる三つの基準の精神に合致しているかどうかということを判定をしてまいりたいというように考えております。
○玉城委員 そこで大臣にこの問題をお伺いしておきたいのですが、沖繩の中小企業の問題について、ぜひこの機会に大臣の御認識と考え方を承りたいわけであります。 御存じのとおり、沖繩県が本土に復帰いたしましてちょうど今月、五月で七年を越えまして、八年目に入っているわけであります。御案内のとおり戦後の荒廃、そして二十数年米軍の占領下に置かれてまして、いわゆる基地依存型経済、ドル経済圏内であったわけです。それが復帰の前年、例の一ドル三百六十円が三百五円というニクソン・ドルショック、いわゆる復帰ショックですね、それから言われるところの海洋博ショックだとか四十八年の例の石油ショック等々打撃を受けながら、そして御案内のとおり最近のドル安円高ですね。これはまだまだ基地経済の影響は非常に大きいわけでありますから、そういうことで非常に脆弱な経済基盤、そして特に復帰後の内外の厳しい経済環境で、沖繩の中小零細企業というものはその存立さえも危ういという、非常に深刻な状態に現実に置かれているわけであります。 そこで、そういういろいろなハンディがある立場から考えますときに、政府とされても特別な保護対策が、これまでもなされておりますし、これからも当然必要ではないか、本土並みになるまでの間は、そのように非常に痛感するわけであります。そういう立場から大臣の考えをぜひ承っておきたい、このように思うわけであります。
○江崎国務大臣 私も実は沖繩の復帰運動に国民運動本部長ということで党を代表して促進運動に参加した責任者の一人でございます。したがいまして、沖繩のその後の環境の変化、情勢の変化、特に経済問題の進展ぐあい等には深い関心を持っておるつもりであります。最近は非常に観光客がふえまして、むしろ海洋博当時よりもまた沖繩観光客が多くなるというような情勢を聞いて、大変力強く思っております。 中小企業の対策につきましては、これは玉城さんも十分御承知のとおり、沖繩の経済、社会情勢を十分勘案して特別の配慮をしておるところでありますね。その第一は、業種別振興策について中小企業近代化促進法に基づいて七十の指定業種の近代化を推進しておるところであります。しかも沖繩の中小企業者については、特例としてこのほか百三十五業種を指定業種ということにしております。第二点は、中小企業者に対する金融上の措置についても、特別対策として御承知のとおり本土よりも低い金利で貸し付けておるという点、それから第三の点は、税制について、近促法関係では五十七年五月十五日まで割り増し償却に特例を認める。それから五十四年度創設の産業転換投資促進税制においては、米軍の縮小等によりまして転業を余儀なくされたもの等を対象にする。それから第四には、円高法の適用について、米軍基地内の軍人軍属、これらの家族を相手に外国通貨で取引を行っている中小企業者に特例措置を講じております。したがって、こういった措置は今後ともやはり特段の配慮を沖繩についてはしていく必要がある。やはり復帰をして本当によかったという実感は、経済的に満足感が出てまいりませんというと、やはりよかったという感じにつながりません。したがって、十分今後とも特段の配慮をしてまいりたいというふうに考えます。
○玉城委員 今後とも大臣は特段の配慮をしていきたいというお考えをお示しになったわけでありますが、それで長官にお伺いしたいのですが、この法案に関連をいたしまして、いま大臣のお話もございましたとおり、やはり沖繩県のこれまでの経過の特殊性というものは、当然この法案においても検討の配慮の中に私は入り得るものだ、そういう感じがするわけであります。 そこで時間もございませんので、実は長官も御案内のとおり、沖繩に伝統産業が各種あるわけでありますが、沖繩県の代表的な伝統織物の一つであります琉球がすりですね。この琉球がすりは、現在那覇市並びに南風原村の両市村で生産をされているわけであります。企業数が約百五十、従業員の数が約七百名余、それから年間の生産高が約十二億余、それから昭和五十年に琉球がすり事業協同組合が設立をされて、産地の形成がされておるわけでありますが、御存じのとおり非常に内外の経済情勢が厳しいということで、非常に低迷状態にあるわけであります。これは沖繩の伝統織物の代表的なものの一つでありますし、ぜひこの機会に、特に地元の関係者はこの法案について非常に期待をして、意欲的にいま準備を進めておるわけであります。この法案、それは私としては時宜を得たものであると思いますし、そういう形で産地指定がされまして新商品、新技術の開発とか需要の開拓等、あるいは予算とか財投とかあるいは税制の面で総合的な対策が行われていけば、私は今後の沖繩の自立経済に、あるいはひとりこの琉球がすりだけの問題ではなくして、他の伝統産業、いろんな地場産業にも波及的な効果が大きく出てくるものと私たちも期待をしておるわけであります。 そこで、この法案が成立後、地元から産地指定の申請がなされてきた場合に、先ほど大臣のお話もございましたとおり、またこの産地指定における地域地域の実情、特殊性、そういうものを当然考慮していくというお考え方等からしまして、いまの琉球がすりの産地指定という問題の申請が出てきた場合に、当然いま申し上げましたいろいろなことを踏まえて前向きの検討をされる御用意があるかどうか、長官の方からお伺いしたいと思います。
○左近政府委員 琉球がすりの産地というものについては、われわれも知識をいささか持ち合わせております。したがいまして、いまお話もございましたし、われわれといましましては、現在法律が制定されておりませんし、また実際に動き出してもおりませんから、指定が確実だというようなことはまだ私の口から申し上げかねますけれども、われわれが得ております感触といたしましては、沖繩県においてはやはりこういう業種は産地としての一つの有力なものであろうかというような感じがいたしております。したがいまして、お話のように沖繩県の方から話が出てまいりますれば、ひとつ前向きに検討させていただきたいというように考えております。
○玉城委員 これは地元の問題でありますので私ちょっとなにだと思いますが、やはり過去の沖繩のいろんな特殊性から出てきている経済的な問題等を考えますときに、この法案の要件に少なくとも該当すると思われるこういうものについては、ぜひ通産省とされても積極的に配慮をしていただきたいと思いますが、その点よろしくお願いを申し上げまして私の質問を終わります。
○橋口委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 最初に大臣に、わが国の中小企業対策について何かサッチャーさんから企業に余り力を入れるなというような話があったということですが、わが国の中小企業は、経済構造が二重構造になっておるということをやはり頭に置いていただかなければならない。景気の変動によって大企業のしわ寄せというものが絶えず中小企業にきておる。しかもわが国の経済を支えておるところの企業の九六%が中小企業でありまして、それがいままで日本の国の経済復興なりあるいは日本の国の経済に大きな寄与をしてきた。 そこで、中小企業対策の法案というものはたくさんある。四十二年でしたか、当商工委員会でも当時の影山中小企業庁長官は、世界に冠たる中小企業対策があるんだというような発言をされました。しかし中身を見ますと、私も自分で商売をしておったこともありますから、たとえば政府三機関の金を利用しようとするとなかなかむずかしい。ということは規則で大きく縛られておる。この規則を改正しなければならぬというわけで、私は当時一つ一つずいぶん検討いたしました。そして規則の改定を若干やってもらったことがある。こういうことを考えますと、わが国の中小企業対策については、さらに手厚い政府の施策が必要である、これを最初に申し上げたいのですが、大臣の確たる所見をまずいただいておきたい。
○江崎国務大臣 先ほどのサッチャーさんの話は、大成さんからお話があったわけで、要するに国営で安易について赤字を出しておる企業にはもう余り助成はいたしません、税金のむだ遣いはしません、こういう方針を述べておられたが、あなたはどうだと言われるから、そういうふうに私も経済大臣から聞きましたということで、中小企業とは全く別問題の話題でございますから、どうぞそのあたりは御了解願いたいと思います。むしろ、日本の中小企業政策については、この間のカナダのクラークという新首相、この人が一月九日に通産省へ来たのです。私に会いたいと言うので、何ですかと言ったら、日本の中小企業対策を学びに来たというわけです。私も大臣になってまだほんの二月ぐらいのところでしたから、いやわが省には左近という中小企業庁長官、ベテランがおるから、場合によったらこの人にも会ったらどうですかと言ったのです。これは中小企業対策を日本で学んで、それを直ちに進歩保守党の政策に取り入れようという形で、日本の中小企業政策を学びに来たことは私は事実だと思いますね。それがどの程度役に立ったかは別問題といたしまして、お話にありましたように、まさに中小企業は日本経済の根底をなしておりますし、日本経済を支えておるものだと考えます。したがいまして、今後ともあとう限り強力な措置をとっていくことは当然だと思います。 それから、御指摘の金融にいたしましても、いろいろな助成方途にしましても、手続の簡素化ということは本当に必要な点ですね。私もしみじみそういうことを思います。法律はずいぶんありますが、それがどの程度利用されておるかというと、この間の繊維法の延長のときにここでいろいろ議論が展開されて、私自身が責任者としていささか恥ずかしい思いをしたことによっても明らかでありますから、今後効率的に運営されるように、これは通産省全体としてよく対応していきたいと考えます。
○岡本委員 もう一つ大臣の所見を伺いたいのですが、最近全国中小企業商工中央会ですか、これは当商工委員会にいらっしゃった、自民党の代議士だった小山さんが会長をしておりますが、こういう方々からも、通産省の中に中小企業庁があるわけですけれども、大企業と中小企業が一緒になっておる省ですから、中小企業省をというような考えだったけれども、そこまではなかなかいかぬだろうということですから、少なくとも中小企業庁の長官としては大臣級の人を充てていただいたらどうだろう、そういうような要請も来ておるわけです。いま、左近さんはすばらしい中小企業庁長官だというような話がありましたけれども、悪いとは申しませんが、江崎通産大臣と比べると、これは役人さんですからちょっとぐあいが、そういうような意見があるわけですが、これに対するあなたの前向きの御意見を承っておきたいと思うのです。
○江崎国務大臣 私ども政府与党の中にも中小企業省をつくれという意見がございます。これは私もしばしば陳情を受けてよく承知しているところでございますが、現在通産省で円滑に運営されておりますし、その業務そのものもオーバーラップするものが多うございます。これは行政面、金融面、税制面、いろいろな面で一緒の方がかえって効率が上がる。したがって、大平さんの言われる簡素にして効率的な官庁の運営という面から言うならば、いまの中小企業庁という形がまあ現況に適するのではないかと考えます。また、左近長官はまことに有能な人でありまして、私自身も心から信頼をしておる次第でございます。
○岡本委員 現在は調査しないとちょっとわかりませんが、私この商工委員会に籍を置きまして約十三年、その間におきまして、中小企業向けの予算が出る、それが全部消化されない、その消化されないものは結局ほかの方に、ということは大企業の方に融通されておる、こういう状態を間々見たことがある。したがって、中小企業庁と通産省と離したものになりますと、三月、年度末に予算が全部使い切れていないと、それは政府のお役人さんレベルでありますけれども、次の予算のぐあいが悪いというのでどんどん使う、いままでそういう状態がありました。そういうことを考えますと、中小企業関係の予算の余ったものを大企業に回してしまうというようなことがありましたら、本当の中小企業対策ができない。同時に、中小企業者の皆さんも、法律をつくりましてもなかなか不勉強なところがある。したがって、法律にうまく乗ればちゃんとうまくいくのにそれが乗れない。大企業はそれだけ勉強いたしておりますから、フルにこの法律を利用することができる。この差が一つあります。 同時にまた、中小企業向けの融資、大体中小企業向けの対策というのは何かというと金融と税制ですが、税金も余り大したことはない。特効薬のようなものはいままで見当たらなかった。ですから、どうしても予算を残す場合が多かったわけですから、その点もお考えいただきまして、いますぐに中小企業省をつくるという考えにまでは及びませんけれども、私は根本にはそれを持っているわけですけれども、少なくとも中小企業向けの大臣を推進したい、こういう中小企業全体の方の意見を持っているのがあの全国中小企業商工中央会ですから、江崎通産大臣の前向きの御答弁をお聞きしておきたいと思うのです。いかがですか。
○江崎国務大臣 御意見としてよく承っておきます。
○岡本委員 それでは、今回のこの法案の対象となる産地につきましては、先般繊維工業の改善臨時措置法を審議いたしましたけれども、これとの重複といいますか、よく似たところが対象地域におなりになるようなところがあるのですが、この関係あるいは差について簡単にお聞かせ願いたいと思うのです。
○左近政府委員 繊維工業構造改善臨時措置法は繊維産業の構造改善を推進するという意味でできた法律でございますし、本法は産地の中小企業の振興ということでございますので、趣旨、目的が相違するということでございますけれども、現実には繊維の産地につきましては繊維工業構造改善の法律と本法と、両方の適用を受けるという事態もあろうかと思います。 われわれといたしましては、両方重複適用していいと思っておりまして、繊維の産地につきましては両方によるいろんな合理化策をそれぞれ推進していただければ、より繊維の産地の振興が進むのではないかということでございまして、またそういう点でいろいろうまく連絡をとってやりたいと思っておりますので、生活産業局とも実施の面においてはうまく連絡をとって、両々相まって繊維産業の振興が進むようにいたしたいというふう、に考えております。
○岡本委員 次に、この法律案、当初計画されたときにはたしか十年の時限立法のような状態だったと思うのですが、途中でこれ七年に短縮されておるのですが、なぜこれが三年間短縮されたのか、この点ひとつお聞きしておきたい。
○左近政府委員 本法につきまして、成案ができる過程で十年という数字が出たことがあるというわけではございません。そのいろいろな議論の過程では何年にするか、あるいは恒久法にするか、いろんな議論もあったわけでございますが、成案になったときにはすでに七年ということでございまして、十年を七年に短縮したというわけではございません。 それで七年にした根拠でございますが、これは業種の指定を大体二年間でやりまして、そしてあと五年間で具体的な計画を実行に移していく、この計画自身は新製品の開発等でございますから一年や二年では無理でございますので、五年間の猶予をとったということでございます。 ただ、また反面、こういうふうに世界の経済状態が変わり、わが国の経済状態が変わるという現在の時点でございますから、余りこういう対策を延び延びにいたしておりますと新しい事態に対応できなくなりますので、やはり五年ぐらいの間にはぜひ効果を上げてもらいたいという考え方もございまして、そういうことから二年の指定で五年間でやるというのがこの法案の考え方ということになったわけでございます。
○岡本委員 確かに早いにこしたことはありませんけれども、なかなか中小企業対策というものは、ましてこの産地、一つ一ついろいろ事情が違いますし、それから組合をつくる、あるいは一つの団体というようなものをつくろうといたしましてもなかなか手間がかかるものです。したがって、やはり早いにこしたことはありませんけれども、なかなかそうはいかない場合もあります。したがって、私は、もしもこの七年の間に全部できない、それで法律が切れちゃったという場合には、あとの人たちが今度はできなくなりますから、その時点において見直すとか延長を考えるとかいうような考え方があるのかないのか、この点をひとつお聞きしておきたいと思います。
○左近政府委員 いま申し上げましたように、七年というのが一定のタイムスケジュールを考えながら決めた数字でございます。したがいまして、いまの段階ではひとつ七年間でこの対策を完成させたいという気構えでやってまいりたいと思います。ただ、不測の事態が発生するおそれもございますので、そういう事態はまたその事態で考えてみたいということでございますが、いまからあらかじめ延長を予定して政策を実行するということになりますと、せっかくこの七年間で効果を上げようという全体の意気込みが減殺されますので、いまの段階では七年ということでやってまいりたいというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○岡本委員 まあそういう答えしかいまのところはちょっとむずかしいだろうと思います。ですから、それはひとつ附帯決議でまた要望いたしておきます。 そこで産地の指定につきまして、この「目的」のところに、「円相場の高騰その他の最近における経済的事情の著しい変化」とありますから、まずさしあたっての産地の指定に当たっては恐らくは輸出入、すなわち円相場の高騰と言えば輸出入に一番関係しますから、それが指定を受けるだろうと思いますが、その後に続いて、次には内需中心の産地産業もこの法律で取り組んでいくようになるのか、指定していくのか、この点をひとつお聞きしておきたい。
○左近政府委員 法律の条文が「経済的事情の著しい変化によって生ずる事態であって政令で定めるもの」ということでございまして、その政令で定めるものの例示として「輸出が円相場の高騰により減少すること」ということが挙がっておるわけでございます。したがってこれはあくまで例示でございますので、先ほど大臣も申しましたが、将来の経済的事情の著しい変化、これはやはり構造変化というように認められるものが出てまいりますれば、政令で追加指定をしていくということが必要になってくるというようにわれわれも考えておるわけでございます。
○岡本委員 たとえば陶器の中に、淡路島のかわらですね、こういう色がわらもあるわけですが、非常に石油、燃料が上がった、あるいはまた土が少なくなってきた、あるいはまたその他の条件によってそういった産地指定にしてもらわなければならぬということになってきた場合は、この産地の指定の中に入るようになるのでしょうか、この点ひとつお聞きしておきます。
○左近政府委員 基本的な考え方はいま申し上げたとおりでございますので、具体的な案件につきましてはわれわれも十分調査をいたしまして、こういう産地法の精神に沿うようなものについては極力判断をいたしまして、具体的な御期待に沿えるような検討をいたしてみたいと思います。 ただこれについてはやはり先ほど申し上げました条件、いわゆる構造的な、経済的な変化というものがあるかどうかというところがまた一つの判断の基準になろうかと思いますので、具体的な案件につきましては十分勉強させていただきたいと思います。
○岡本委員 それからこの振興計画につきまして、産地の組合がしっかりしているところはそういった振興計画ができると思うのですけれども、中小企業は、こういった産地の企業の実情を見ますと、一人が提唱してもなかなかまとまらない。これは実際に当たってみなければなかなかこの振興計画はできないわけですが、これについてはやはりどうしても都道府県の協力がなければならないと思うのですが、この協力をどういうように取りつけるのか、この辺に対するところのひとつ自信のほどを示していただきたい。
○左近政府委員 組合の健全な発達ということにつきましては、中小企業庁の組織化政策ということで中小企業団体中央会、これは全国にもございますし、府県にもございますが、これによる指導とか組合員の研修等々、いろいろなことをやってきておるわけでございます。 ただこの産地対策の中心になるといたしますれば、いま御指摘のように相当強力なものになり、いろいろまた企画力も持たなければいけないということでございますので、いま申しましたこの従来の指導路線から一層指導を強めるとともに、やはり一番産地の実態に詳しいのは都道府県でございますから、都道府県は従来とも指導をしておりますが、ひとつわれわれとも相談をしながら、この指定、それから振興計画をつくるというような段階において、十分な指導を進めていきたいというふうに考えております。
○岡本委員 それから公定歩合が今度引き上げられた。そうなりますと、いろいろ各種の金利が出ておりますけれども、この金利が公定歩合の引き上げによって変わってくるのではないか、こう思うのですけれども、それについては特に大蔵省とよく話をして、余りかけ離れた融資制度にならないような考え方でやっていただきたいということを、これは要望いたしておきます、これはいま言ってもそのとおりということになってしまうと話にならぬので。 そこで、五十四年度からジェトロが海外の産地の調査を始めるようなことが報道されておるわけですが、ジェトロがいまごろというのは非常に遅いなと感じておるわけです。私も、ロンドンに行ったときにもジェトロに行きました。いろいろやったけれども、この産地のことについてはそのとき聞かなかったのですが、各省相当予算も出して世界にジェトロが出ておるわけですから、これは十分この産地の状況の調査をしていただき、またその情報を提供してもらうようにやってもらいたいのですが、これはいまどういう状況なのか。中小企業庁が把握しておったらひとつお聞かせ願いたいと思います。
○水野上政府委員 わが国の中小企業を中心とします地場産業につきましては、先ほどからいろいろ御審議がございましたように、円高と発展途上国からの追い上げによりまして大変困難な状態に立ち至っておる業種もたくさんあるわけでございますけれども、欧米の産地、たとえば西独のゾーリンゲンでございますとか、イギリスのシェフィールドでございますとか、そういった特定の産地につきましては漸次高度化を図ってまいりまして、非常に地盤を固め、将来の発展につながっておる産地がたくさんあるわけでございます。したがいまして、こういった産地につきまして、たとえばどういうふうに近代化を図ってきたのか、あるいは技術者、特に後継者の養成をどういうふうにやっておるのか、あるいは新しいマーケットといたしましてどういうふうな努力を開拓のために払っておるのか、そういったことを直接調査をいたしまして、その調査結果をいろいろ日本の関連業者に指針としてお話すれば、今後の地場産業の近代化のために非常に役に立つのではないかということで、本年度から、わずかでございますけれども四百五十万円の新しい予算がつきましたので、本年はできれば二業種程度やってまいりたいということで考えております。 現在のところ、名古屋地方から要望の強い刃物につきまして、英国のシェフィールドの刃物産地、それから大阪地方で要望の強い繊維のイタリアのロンバルジア地方におきますアパレル、この二業種について調査を進めたいということで、関連業界といろいろ相談をしておるところでございます。 調査結果につきましては、先生お話のございましたように、中小関連業者にはできるだけ詳しい調査結果を御報告するとともに、ジェトロの出先が二十九カ所日本国内にございますけれども、それらの地域でも説明会を開く、あるいは中央におきましても説明会をやるということで、できるだけ皆様方に広く利用していただけるような方策をとってまいりたいというふうに考えております。
○岡本委員 このジェトロの活躍については相当期待ができると思いますので、少し予算をよけいつけて、続けて強力にやっていただきたい、こう思うのです。 次に産地の人材育成について若干お聞きしますが、地場産業振興高等技術者研修制度というのをつくるのだそうでありますけれども、この構想はどうなのか。初年度は何か非常に少ないようでありますが、また教師はどんな人が当たるのか。これは教える先生によって大分違うわけですね。私は政府のいろいろなこういうやり方を見ておりますと、教える先生が非常にしっかりしてない、そのために習ったことが大したことないというのが非常にあったような状態をよく見ておるわけですが、この構想と、それからどうするのかということをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○左近政府委員 最近の技術の進歩は相当激しゅうございますし、産地の企業が新製品の開発をするといたしましても、相当高度の技術的な知識が要るということでございます。そこで、従来公設試験研究所で中小企業の方々の研修をやってまいりましたのは、むしろ大学卒程度までの学力を与えるという意味において、高等学校卒業程度の学力の人を教育したというようなところが多かったわけでございますが、いまではやはり産地の技術開発の中核になるような人は、大学院を卒業する程度の技術が必要ではないかというふうな発想に基づきまして、この公設の試験研究所で、つまり大学卒程度の学力のある人を集めて、いま申しましたように特定の技術について大学院程度の教育をするということを考えたわけでございます。 そこで、その研修の成果が上がるかどうかは、御指摘のとおりその先生にもよるわけでございますが、これはやはり大学の先生とか、あるいは試験研究所の所員とか、あるいは大企業の研究所の人とか、そういう人をテーマによって選びまして実施をしたいということでございまして、本年度予算の実施に当たりましていま各県と相談をしておりますが、大体予定どおりの進行をしております。今年度は小規模でございますが、これがうまくいきますればさらに拡大をして実施していきたいというふうに考えております。
○岡本委員 私は、一つの制度をつくって本当に産地の人材の育成というものに取り組まれたら、これはもう徹底してやっていく、それでぐあいが悪いことに対してはまた試行錯誤しながら——少しやってみたけれども余り成果が上がっていない、そういう制度があるからやっただけ、そういうことでそのままいくようなことでは相ならないと私は思うのです。本当に人材をつくろうとしたら、この教育につきましてはしっかりと取り組むということ、これが私はまず大切な要項になろうと思いますので、ひとつあなたが長官をやめられても後の皆さんに申し送っていけるようなことを要求いたしておきます。 そこで、この産地企業というのはいろいろなものがありますし、またいろいろな要望、またいろいろ特殊なところがございますので、この法律にきちっとうまく合わないかもわからないというような、よく産地で独特な振興計画、こういうものができて、あなたの方の政令にうまく合わない場合がある、規則に合わない場合がある、こういうことができた場合どうするのか。自治省の方でたしか不況企業に対するところの要綱づくりですか、前にやっておりましたけれども、そういうもので対応ができないのか。そして、この中に取り込んでいくというようないい方法がないのか。これをひとつお聞きをいたしておきたいと思うのですが、いかがですか。
○左近政府委員 この法律の運用に当たりましては、この法律の精神を生かしまして、なるべく弾力的に実態に応じて措置をしていきたいというふうに考えておりますので、具体的な産地についていろいろ当方も勉強いたしまして、具体的な成果が上がるような方策を考えていきたいというふうに考えております。 それから、自治省の対策につきましては、政策の対象が自治体でございまして、その自治体がいろいろ中小企業対策等々をやるに当たっての財源を確保する意味において、交付税だとかあるいは起債という面での特例を考えるという施策でございます。したがいまして、われわれの施策と、それから自治省の自治体を支援するという施策が両々相まって効果を上げるということをわれわれも期待をし、絶えず自治省と連絡をとっているわけでございますので、今後も連絡を密にいたしまして、そういう中小企業対策が成果を上げるようにいたしたいというふうに考えております。
○岡本委員 大臣、こういう中小企業の対策につきまして、もう一つ申し上げておきたいことがあるのです。 政令ができ、それから規則ができ、いろいろなのができてくるわけですけれども、これに、あそこが合わない、ここが合わない、ここがということで、本当の小さい産地にまいりますとなかなか取り込めないような実態が非常にたくさん出てくると思うのです。そのときに、まあ長官は運用に弾力性を持つと、こうおっしゃるのですけれども、規則になりましたやつはなかなか運用に弾力性を持たぬわけですよ。だから、ひとつこれはどういう表現にしたらよいのか、極力地場産業というものを育成できるような、いろいろな細かい規則を余りつくらずにそこに入れるようにしておいて、たくさん受け入れられるように、規則があると、その規則が壁になって入れないという場合が非常にある。そういう点をひとつお考えをいただいて、指示をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○江崎国務大臣 御指摘の点は、私も同感であります。やはり運用の面に当たっては弾力的に運用する、これは大体トップはそういう考えですが、地方へ行きますとなかなかむずかしい。中には気むずかしい人までおりまして、大変運用を損ねることが現実にはありますね。お互いに長いこと議員をやっておりますとそういう場面に突き当たります。したがって、そういうことのないように、十分ひとつ中小企業庁長官を初め幹部に責任を持ってもらいたいと思いますし、また、私も督励をいたしたいと考えます。
○岡本委員 最後に、労働省にひとつお伺いしますが、最近、地方の時代あるいはまた田園都市構想等が発表されておりますけれども、過疎過密の解消あるいはまた若者のUターン現象、あるいはJターン現象と申しまして、Uターンとよく似たものですが、そういうことで地方の方に職場を求める、こういうことを考えますと、雇用の確保というものが大きな問題になってこようと思うのですが、労働省の地方に対するところの雇用政策について、短期的あるいは長期的対策をひとつ最後に伺っておきたいと思うのです。
○白井説明員 お答えいたします。 最近、地方出身者に、いま先生おっしゃいましたように、Uターン、Jターン現象が非常に多く見えるわけでございますが、これにはいわゆる新規学卒と、それから一たん就職後またUターンされる方があるわけですけれども、新規学卒につきましては、これは民間の調査ではございますが、大学卒で大体四〇%ぐらいがUターンしているという結果になっております。それから、一たん就職してUターン、Jターンされる方につきましては、全体の調査が現在計画中で十分ではございませんが、鹿児島県とかいろいろな県で調査した結果を見ますと、一応大部分は就職している模様でございますが、それに満足している者が半分以上で、約三割程度はいろいろと問題もあるというような状況でございます。 そういうようなことで、地方に安定した雇用機会を確保することは、基本的には企業立地や地場産業の育成等によるわけでございますが、その辺は関係各省、各県と十分連絡をとって進めますとともに、これらのUターン労働者に対しましては、学卒につきましては学生センター等もございますし、それから、それぞれ各安定所等で希望、職歴に応じた職業紹介を行い、求人開拓を進めていくというような体制で進めております。 それから、中長期的には、本年度、中央地方に、地方は一部でございますが、雇用開発委員会というものを設置いたしまして、今後伸びる職種または伸びる産業等につきまして、これらのところで究極的に検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○岡本委員 終わります。
○橋口委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○橋口委員長 産地中小企業対策臨時措置法案に対し、渡部恒三君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ六派共同提案に係る修正案が提出されております。 この際、修正案について、提出者より趣旨の説明を求めます。渡辺三郎君。 ————————————— 産地中小企業対策臨時措置法案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○渡辺(三)委員 ただいま提案いたしました修正案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の案文はお手元に配付したとおりであります。 修正の第一点は、産地組合が作成する振興計画において、人材の養成がきわめて重要であることにかんがみ、振興計画の内容として、「人材の養成」を明示することであります。 第二点は、産地において関連中小企業者の労働者の雇用の安定等が重要であることにかんがみ、国及び都道府県が講ずる雇用の安定措置等の対象として関連中小企業者を加えることであります。 第三点は、産地中小企業が行う新商品、新技術の開発等への援助に関する国及び都道府県の責務を明確にするため、国及び都道府県は、技術の研究開発の推進、情報の提供及び人材の養成に努めるものとする旨を規定することであります。 以上が提案の趣旨であります。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○橋口委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○橋口委員長 これより原案及びこれに対する修正案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 渡部恒三君外五名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、本案は渡部恒三君外五名提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○橋口委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対し、渡部恒三君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。岡田哲児君。
○岡田(哲)委員 ただいま提案いたしました附帯決議案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 産地中小企業対策臨時措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、産地中小企業者の新たな経済的環境への適応を促進する見地から、産地の実情に即し弾力的運用に努めるとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 本法の有効期間内にその目的が達成されるよう、産地業種・地域の指定、振興計画と事業合理化計画の策定、計画に基づく事業の実施等の促進を図ること。 二 産地が新商品・新技術の開発に円滑に取り組めるよう、国公立試験研究機関の充実と活用を図ること。 三 産地中小企業者の合理化事業のための金融が円滑に行われるよう関係機関を指導するほか、中小企業信用補完制度については、実情に応じて中小企業信用保険における付保限度額の引上げ等、速やかに制度の強化拡充に努めること。 以上でございます。 附帯決議案の各項目の内容につきましては、審議の過程及び案文によりまして御理解をいただけるものと存じますので、詳細の説明は省略をさせていただきます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○橋口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。江崎通商産業大臣。
○江崎国務大臣 ただいま御決議をいただきまして大変ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、産地中小企業振興対策の実施に遺憾なきを期してまいる所存であります。 —————————————
○橋口委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○橋口委員長 次回は、来る六月一日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十五分散会 ————◇—————