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87回国会衆議院1979/05/09

商工委員会 第14号

発言数
265
登壇者
31
会派数
6
開催日
1979/05/09

会議録

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 これより会議を開きます。  第八十四回国会内閣提出、エネルギーの使用の合理化に関する法律案を議題といたします。  本日は、参考人として日本電機工業会会長進藤貞和君、日本自動車工業会常任委員会委員長山本重信君、硝子繊維協会会長春日袈裟治君、日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長熊谷典文君、日本経済新聞社論説委員鎌田勲君、東海大学工学部教授八田桂三君、以上六名の方々の御出席を願っております。  この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  本委員会におきましては、目下、エネルギーの使用の合理化に関する法律案について審査を行っておりますが、参考人各位におかれましては、本案について、それぞれの立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じております。  なお、議事の順序でございますが、最初に御意見をそれぞれ十分程度お述べいただき、次に委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。  それでは、まず進藤参考人にお願いいたします。

進藤貞和日本電機工業会会長

○進藤参考人 日本電機工業会としてこの法案に対する意見を申し述べさせていただきます。  地球上の資源、エネルギーは有限でございまして、省エネルギーの問題は世界的な課題でございます。特に、その大部分を海外に依存しておりますわが国にとりまして、資源、エネルギーを大切にすることは国民的な課題としてますます重要になってまいっておりますが、これを解決するためには長期的な見通しに立った粘り強い取り組みが必要かと存じます。ここにエネルギーの使用の合理化に関する法律案が提出されましたが、まことに時宜を得たものであると存じます。  当家電業界といたしましても、早くから電気製品の省エネルギー化、すなわち効率改善に努力してまいりましたが、この法案の審議に関連いたしまして若干の意見を述べさせていただきます。  その一つは、家電製品のエネルギー消費効率の実態は、後で一、二の例を挙げて申し述べますように、ここ数年相当の改善がなされており、今後も努力を続けてまいる所存でございますが、さらに効率を高めるためには、新しい材料、技術等の研究開発が必要であります。このためには多額の費用とある程度の期間も必要であろうかと思いますが、これにより期待し得る製品一台当たりの効率の改善値は、現時点をベースに考えますと、そう極端に大きな数値とならないことであります。家電製品の普及台数から考えますと、たとえ一台当たりの効率改善はわずかでありましても、全体のエネルギー量から見れば相当な量となることは明らかでありまして、重要なことであろうかと存じます。  一方、家電製品を使います一般消費者にとりましては、一台当たりのエネルギー消費節約量、つまり電気代の軽減は製品によってはごくわずかでありますので、従来の製品の使いやすさを犠牲にしたり、また価格にまで影響を及ぼしたりすることは消費者にとって果たしてプラスかどうか疑問でありますので、この調和をいかにして行うかが家電業界としては重要なことと考えます。したがいまして、この立法に際し、あるいは施行、運用に当たりましては、この実態を十分御検討の上、たとえば第十八条の判断目標値の設定に当たりましては十分考慮していただきたいと存じます。  次に、家電製品のうちには、効率の改善をいかに行っても使い方が当を得ていなければ、結果的に省エネルギーとならない場合が多いということでございます。当業界といたしましては、家電製品の上手な使い方、すなわち省エネルギーのための注意を製品の個々の取り扱い説明書はもとより、映画、パンフレット等を作成いたしましてPRに努めてまいっておりますが、今回のこの法案と関連しまして、政府におかれましてはこの面の施策を十分配慮していただきたいと存じます。  次に、具体例について家電業界が行ってきた省エネルギー化の実態を申し上げますと、冷凍冷蔵庫では、冷却効果の向上が省エネルギーのための最も重要なポイントであります。このためには、断熱材の開発、断熱性能の向上、コンプレッサーの効率向上等に努め、またヒーター類の合理化を進めてまいりました結果、昭和四十八年ごろの製品の年平均一カ月の消費電力量を一〇〇といたしますと、昭和五十一年には七五%に、さらに現在では約五五%と約半減いたしており、効率向上に多大な成果を得ていると考えております。  次にルームエアコンでございますが、セパレート型千八百キロカロリークラスのものについて申し上げますと、昭和四十八年ごろまでの消費電力を一〇〇といたしますと、昭和五十年以降は約八五、昭和五十三年からは六六ぐらいになっておりまして、昭和四十八年に比べ省電力化は三〇%以上となっております。機器側の対策といたしましては、一番、熱交換器の形状を改善して熱交換能力の向上を図ったこと、二番、コンプレッサーの効率を上げたこと、三番、冷気の流れの改良を進めたこと、四番、自動温度調節機構の新開発によるむだな運転を制御したことなどが主なものでございます。  こうした努力の結果が、いま申し上げましたような数値の推移となっておりまして、かつ当該機器のエネルギー消費効率化といったものをカタログに自主的に表示しております。  最後に、これからの対応について申し上げます。  省資源及び省エネルギーの達成は、機器が生産されてからその使用が終わるまでのサイクルにおいて、これに消費される資源とエネルギーを最も有効に利用することにあると存じます。しかし、機器の省電力化と資源の節約とは両立しがたい場合が多くあります。たとえばエアコンにおいて省電力をしようとすれば、熱交換器の面積が大きくなることから資材を多く使うことなど、実際面では省エネルギーと資材の使い方における調和点を定めるのがなかなか困難なことであります。このためには、将来にわたって画期的な技術の開発、設計、製造の問題など、解決を要することが多々あります。また、冷蔵庫については、断熱材の改良、発明などにより効率の向上を図ってまいります。エアコンでは、この法案にもあるように、住宅の断熱効果、すなわち建築材及び構造等による影響が大きいので、機器側の効率向上も含めて総合的に電力消費を少なくするよう検討することが必要でございます。業界といたしましては、機器の効率向上について、技術面は言うに及ばず、関連分野との連係についても真剣に取り組んでまいる所存でございます。  つきましては、本法案第二十二条の金融及び税制上の措置、第二十三条の研究開発の推進及びその成果の普及等の措置及び第二十四条の国民の理解を深めるための教育、広報活動の実施などの面で、格別の御配慮をいただければ幸甚でございます。当業界といたしましても本法案の実施により、エネルギーの使用についての合理化は着実に促進されるものと信じております。  これで終わります。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 次に、山本参考人にお願いいたします。

山本重信日本自動車工業会常任委員会委員長

○山本参考人 ただいま委員長から御指名をいただきました日本自動車工業会の常任委員会委員長の山本重信でございます。商工委員会の諸先生におかれましては、平素から自動車産業に関しまして高いお立場から格別の御指導、御高配を賜っておりますことを厚く御礼申し上げます。  私どもは、今日エネルギー問題が国の内外を問わず緊急かつ重要な問題であることを十分に認識いたしまして、社会的責務としてこの問題の解決のために最大限の努力を傾注する所存でございます。  御高承のとおり、自動車はいまや国民の足として、また産業活動を支える動脈といたしまして、必要不可欠のものとなってまいっております。その自動車についてのエネルギー消費を考えてみますと、自動車を製造するために使用するエネルギーと、ユーザーが自動車を走らせるために使用するエネルギーとがございます。  まず、自動車の製造段階のエネルギーの低減につきましては、私どもは真剣に、そしてきめの細かい努力を続けてまいっておりまして、相当の成果を上げております。  次に、自動車の走行に使用されますエネルギーについて申し上げます。  すでに御高承のことと存じますけれども、石油消費全体の中に占めます自動車の消費するガソリンの割合は、日本では約一二%でございます。この点、米国では約四五%という高い割合になっておるのとは大きな相違がございます。そこで、自動車の走行エネルギーを低減するためには、まず自動車そのものの燃料消費率を向上させること、次に自動車が遅滞なく円滑に走行できるように交通環境を改善すること、そして第三に、自動車の合理的な利用を図ることが必要であると考える次第でございます。  まず、自動車の燃料消費率につきましては、従来からユーザーの皆さん方の関心が大変高くなっておりまして、最近では特にガソリンの値上がり傾向等もございまして、燃料消費率改善への要請が大変高まってきております。言いかえますと、自動車の燃料消費率の向上は、商品としての競争力を左右する最も重要な要因の一つになっております。したがいまして、私どもは従来から燃料消費率の向上のためには懸命の努力を続けてまいったのでございます。その結果、わが国で製造される自動車の燃料消費率は、総合的に見まして世界最高の水準にあると言えると存じます。これは昨今の国の省エネルギー施策と軌を一にするものでございまして、今後とも最大限の努力を積み重ねてまいる所存でございます。  次に、国際的な情勢につきまして若干触れてみたいと存じます。  米国におきましては昭和五十年にエネルギー政策・保全法が制定されまして、自動車の燃料消費率が規制されることになりました。これは、米国では、自動車のガソリン消費量が石油の全消費量の約四五%、量にして約四億キロリットルと、わが国の十二倍以上に達する状況でございますので、米国のエネルギー節約の大きな柱として取り上げられておるわけでございます。この規制は昭和五十三年から始まり、昭和六十年に最終目標を達成する計画になっております。このために米国の自動車メーカーは、月ロケット計画、いわゆるアポロプロジェクト等で開発されました技術はもとより、現在開発中のスペースシャトル等の分野の技術を広く自動車に応用いたしまして、燃料消費率の目標達成に努力いたしております。その総経費は約七百億ドル、円にいたしまして十五兆円に上る大規模な計画でございまして、今後数年間に全車種を小型化、軽量化するために全面的なモデルチェンジを実施する予定と聞いております。  いままで米国のメーカーは、どちらかといいますと小型車にはさほど力を入れておりませんでしたが、これからはいよいよ小型車部門に本腰を入れ始めた次第でございます。この計画の実施によりまして、米国メーカーは自動車の燃料消費率の向上を図るだけでございませんで、広くあらゆる分野の技術開発の成果を取り入れまして、自動車の総合的な性能の画期的な向上改善を実現しようといたしております。しかも、これらの車両を単に米国内だけでなく、世界的な規模で生産し、販売する、いわゆるワールドカー構想を展開しようといたしております。この結果、米国車は日本車とすべての領域で真っ向から競争することになります。私どもは、このように容易ならざる事態を迎えておりますので、これに対応いたしまして、より一層の燃料消費率の改善と同時に、車の総合的な性能の向上に努めまして、国際競争力を確保してまいりたい所存でございますので、この点先生方におかれましても十分な御理解を賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。  ただいま申し上げましたように、米国車は燃料消費率の改善と総合的な性能の向上を図ろうとしておるわけでございますが、これは従来の大型車中心の構成から、小さくて燃料消費率のよい小型車の分野に進出し、そこで日本車の水準に追いつき、さらに追い抜こうとしておるわけでございます。これに対しまして、日本車の場合はすでに小型化され、燃料消費率も総合的に見て世界最高の水準に到達いたしておる状況でございますので、さらにこれ以上燃料消費率の改善を図るということは簡単ではございません。したがいまして、車両全般にわたるすべての部分につきまして、じみちな、グラム単位の軽量化あるいは〇・数%というような単位の効率向上の積み重ねなどを必要とする段階に来ております。このためには、新しい材料の開発、新しいメカニズムの開発あるいは空気抵抗を低減するための車の形状の変更など、すべての面にわたって一つずつきめ細かな改良をいたしております。  こういう情勢でございますので、米国の場合と程度の差はございますけれども、私どもにとりましても、同じように車両のモデルチェンジということが不可欠の要件でございます。また、新しい技術開発及び生産準備のために、相当な準備期間と巨額の資金を必要とする事情にございます。もちろん私ども業界といたしましては十分に努力をいたす所存でございますので、わが国の自動車工業の現在置かれております立場につきまして、先生方の全面的な御理解と御支援をお願い申し上げる次第でございます。  私どもは、ここ数年環境の保全と安全性の向上に全力を注いでまいりました。  まず排出ガスの浄化につきましては、世界一厳しい規制であります乗用車の五十三年度排出ガス規制への対応を完了いたしたばかりでございます。引き続きまして五十四年トラック排出ガス規制並びに騒音規制に対応中でありまして、さらにその後、より厳しい規制の検討が進められております。また安全につきましては、従来の規制に加えまして、安全基準長期方策が検討されております。これらの排出ガス規制、騒音規制並びに安全規制への対応は、多くの場合に車の重量の増加を招き、効率の低下を来しますので、燃料消費率を悪化させる要因となるわけでございます。したがいまして、これらを同時に満たしながら燃料消費率を向上させるということはなかなか困難でございます。しかしながら、私どもは万難を排して困難を乗り越えるべく、最大の努力を傾注する所存でございます。  以上、自動車の燃料消費率の改善について申し上げた次第でございますが、次に、自動車の走行をスムーズにするための交通環境整備ということが、自動車の燃料消費の改善に重要な役割りを担っておるのでございます。これは短期的にすぐできることではございませんけれども、交通渋滞の多い大都市に、たとえば環状道路を建設するとか立体交差をふやす等いたしまして、ともすれば日本の道路整備が立ちおくれております状況だけに、これらの対策を積極的に推進していただくことが望まれる次第でございます。  さらに、自動車の合理的な利用の仕方あるいは急発進とか急ブレーキあるいは無理な追い越しというようなことをしないように、むだのない運転の方法を普及させることが自動車の燃料の節約に大きく役立つことと存ずるのでございます。  以上、自動車に関する実情につきまして若干所見を申し述べさせていただきましたが、現在御審議中のエネルギーの使用の合理化に関する法律案につきましては、私どもといたしましては基本的に時宜を得たものと存じております。その運用に当たりましては、何とぞ業界の実情を十分御勘案いただくようによろしくお願いを申し上げます。  たとえば、燃料消費率の向上につきましては、先ほど申し上げましたように、技術の研究開発から始まりまして、自動車全体にわたる改善を必要といたしますので、実情に即した対応ができますように、十分な御配慮、御理解を賜りますようにお願い申し上げます。  次に、燃料消費率の向上と排出ガス規制、騒音規制及び安全規制などとの間には、いわゆるトレードオフの関係がございますので、この点について総合的な御判断を賜りますようにお願いを申し上げます。また、自動車の走行環境条件の整備並びに自動車の合理的な利用方法や運転方法の普及のための施策の御推進をお願い申し上げます。  最後に、私どもは国の施策でありますエネルギー節約につきましては、最大限の努力をいたす所存でございますことを再度申し上げまして、私の陳述を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 次に、春日参考人にお願いいたします。

春日袈裟治硝子繊維協会会長

○春日参考人 私、ただいま指名されました硝子繊維協会の会長をしております春日でございます。本委員会におきまして、エネルギーの使用の合理化に関する法律案につきまして一言申し上げます。  私どもといたしましては、主としてこの法律案の第三章、民生部門の「建築物に係る措置」について申し上げたいと存じます。  顧みますと、いまから五年前のオイルショックは、石油エネルギーの九九・八%を海外に依存しておりますわが国にとりまして衝撃は大きく、政界、官界、業界各分野におきましてこれの対策が真剣に議論されました。政府におきましては、総合エネルギー調査会に省エネルギー部会を設けるなど、これが検討、審議がなされ、いろいろと紆余曲折はございましたが、今日の法案審議の時点にまで推進されましたことはまことに喜ばしい次第でございます。  この間、新聞だとかテレビ、雑誌などでも省エネルギーの重要性が報道され、国民の関心を呼び起こし、また各業界におきましてもそれぞれ努力がなされ、この法案検討の過程ですでに相当な程度のエネルギーの節約がなされましたことは、この法案の検討そのものが即効果をもたらしたものと考えております。  その一例といたしまして、民生部門に例をとりますと、優良断熱建材認定制度、断熱基準の設定、住宅金融公庫の割り増し融資の発足等がありました。現に、すでにこれらによりまして新築住宅の約四〇%程度が断熱材を使用して省エネルギーの効果を上げております。  そもそもこの法案の基本的な考え方は、建築主の自主的努力による節約でありまして、その判断基準、すなわちガイドラインを示しまして必要な指導、助言を行うことを骨子としております。これは欧米の例に見るごとく、強制罰則的なものではありません。わが国におきましては初めての省エネルギーに関する法律でありますので、国民の理解、協力を得ながら摩擦なく逐次効果を上げていくことが実情に即したものと思われます。  半面、急速な効果を期待することは困難かもしれません。しかしながら、この省エネルギー法案は、エネルギー事情の変化に応じまして基準の改定もできますし、また助成の策といたしまして金融上あるいは税制上の措置、技術開発の措置、教育、広報活動の努力もなされることになっており、適切な運営によってはその効果がきわめて大きく期待できるものであります。  このように、本法案は欧米の強制罰則型ではなく、指導、助言の誘導型であります。したがいまして、まず第一にこの法案をできるだけ早く成立させていただき、その実施に当たり特に次の四点を留意すべきであると思います。  一つといたしまして、これは施主の自主的努力でありますので、理解、協力を得られるような教育、広報活動の実施、二つとして、適切なるガイドラインの設定、三つといたしまして、これを実施する場合の行政の熱意のある指導、助言、四つとしましては、欧米においても大きく取り上げられております促進効果のある金融及び税制上の優遇助成策、以上の四点を積極かつ強力に推進し、目的の実現を期すべきだと思います。  なお、若干加えさせていただきますと、わが国の民生部門のエネルギーの使用量は、現在、国全体の使用量の約二〇%でありまして、欧米の三〇ないし三六%に比べますと比較的に低水準にありますけれども、わが国の生活並びに居住の水準の向上が成るとともに、この分野のエネルギーの使用量は欧米のそれに近づいていくものと考えられます。現に、昨年の夏はクーラーの増加となり、冬は暖冬でありましたにもかかわらず、前年度に比べましてその使用量は増加しております。  このように、生活の向上とともに確実に増加傾向にある中で、その居住水準を落とさずに冷暖房のエネルギーを節約するためには、建築物、特に住宅の断熱化が何よりも必要であります。たとえば、昭和六十年度にすべての住宅に五十ミリの断熱材を使用したといたしますと、その年に必要とされる石油輸入量の四・八%もの節約になります。五十三年度においても同様に冷房用電力を考えますと、黒四ダムの十一カ所分の電力が節約されます。このように断熱構造化はきわめて効果の大きな、重要な省エネルギー対策でありますので、この法案の第三章にありますように、建物の断熱構造化を図り熱損失を防止するということは、まことに妥当なことと考えられます。  なお、欧米では、建築基準法の中で強制的なものとし、これを定めておりまするが、日本の冷暖房の水準はいまだその域に達しておりません。それで、本法案で熱損失防止につきまして、建物の設計及び施工に関する指針を定めることになっておりまするが、これまた適切であると思われます。  日本の夏は暑いので冬は暖かいということが一般に思われておりますが、冬、東京はロンドンよりも寒いのであります。名古屋とパリはほぼ同じ寒さであるにもかかわらず、日本の断熱材の使用量はまことに少なく、一人当たりフランスの八分の一、アメリカの十三分の一、スウェーデンでは三十分の一というように、住宅の断熱化はきわめておくれております。  現在つくります建物は、エネルギーが不足を来す二十一世紀まで存続するものであります。これからますます高価格になるエネルギーの消費を少なくして、高い居住水準が得られる住宅、建物を、いまから建設していく必要があるかと存じます。すべての建物を一時に断熱化するということはなかなか困難であります。毎年毎年、逐次ストックをしていくより仕方がありません。また、約三千万戸と言われる既存の建物にも、部分的であっても断熱化をし、質の向上、省エネルギー化を実施する必要があります。ちなみに、アメリカにおいては、すでに既存の建物は六割以上断熱化がされておりまするが、日本はいまだ一〇%なのであります。  以上、そのためにはこの法案を早急に成立させていただき、広報活動を活発に行い、適切なる基準を定め、指導、助言を行うとともに、断熱化に対する欧米並みの融資、減税、補助等の助成策を積極的に推進し、省エネルギーの目的を達することを再度お願いいたしまして、私の意見を終わらしていただきます。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 次に、熊谷参考人にお願いいたします。

熊谷典文日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長

○熊谷参考人 私は、日本鉄鋼連盟のエネルギー対策委員会の委員長を務めております熊谷でございます。本日は、エネルギーの使用の合理化に関する法律案につきまして、鉄鋼業界としての立場から意見を述べさせていただく機会を与えられましたことに対しまして、まずもって心から御礼を申し上げます。  御承知のとおり、わが国の鉄鋼業のうち、電炉メーカーにつきましては購入電力がエネルギー源の主体を占めております。また、鉄鋼生産の八〇%内外を占めます銑鋼一貫製鉄所のエネルギー源の主体は原料炭でありますが、いずれにいたしましても、鉄鋼業においては生産コスト中に占めるエネルギー費の割合が大きいため、かねてから省エネルギーを本質的な課題として懸命に取り組んでまいりました。特に昭和四十八年末の石油危機以降は、省エネルギーについてさらに格段の努力を傾注してまいっておるのでございます。その結果、四十八年度を一〇〇としたエネルギー原単位は、五十三年度には九二以下にすることができました。この原単位八%の向上は、仮に石油に換算しますと、五百万キロリットルの節約を行ったことに相当するものであります。  このようなエネルギー節約の効果を上げました原動力は、鉄鋼業界の労使が石油危機以降の減速経済をいち早く自覚し、合理化とコストダウンに徹し、その一環として省エネルギーについて格段の努力をいたしました結果でございます。  具体的に申し上げますと、その対策は、高炉燃料比の引き下げあるいは加熱炉の温度制御などを含むエネルギー使用面での自主的な管理の強化。二番目が、無加熱圧延などに代表される生産プロセスの合理化。三番目が、高炉炉頂圧発電、加熱炉の廃熱回収などに代表される省エネルギー設備の新設など、多岐にわたる対策をとってまいりましたが、これまでのところは管理の強化や生産プロセスの改善が主流となっているのが現状でございます。  以上、簡単に鉄鋼業におけるエネルギー節約の実態を御説明申し上げましたが、次に、エネルギーの使用の合理化に関する法律案について、若干の意見を述べさせていただきたいと思います。  第一は、本法律案においては、エネルギーを消費するあらゆる部門をその対象として所要の措置を講ずることになっておりますが、このことはまことに当を得ていると思います。  わが国におきましては、エネルギー消費に占める産業部門のウエートが各国に比して高いのは御承知のとおりでございます。したがいまして、産業界において省エネルギーについて真剣に取り組む必要があることは当然であり、鉄鋼業界におきましても効率的なエネルギー使用をすでに行っております。その結果、現在のところ、欧米の鉄鋼業界に比較いたしまして、格段にすぐれた効率的な使用を行っておりますが、今後さらに一層の努力を傾けて、この改善を図ってまいるつもりでございます。  しかしながら、エネルギーの節約は産業界のみではなく、国民一人一人が実施するということが、国際的ないわゆる対外政策としてもまた同時に必要であることは申し上げるまでもないところでございます。  このように考えますと、本法案が民生用機器等を含めて節約策を講じていることは、省エネルギーを国民的課題として強力に推進する必要がある今日、きわめて結構な措置と考えます。  第二は、事業者の判断の基準となるべき事項の設定についてでございます。  鉄鋼業界のみならず、各産業界は各種の省エネルギー対策をすでに自主的に展開しているところでございます。しかし、これには多少まちまちのところがありますので、省エネルギーについて、今後の情勢の変化に立脚した事業者の判断基準を政府が公表されることは、すべての産業界が整合性を持ってその目標に向かって総合力を挙げて一歩前進するという意味において、適切な措置であると考えます。  しかしながら、この目標に到達するための具体的な実施策については、各企業それぞれの実情に応じた創意工夫と自主的活動を尊重し、これにゆだねるべきでありまして、画一的な細部にわたる規制はできるだけ避けるべきであると考えます。さきにも鉄鋼業における省エネルギーの成果について申し上げましたが、過去五年間における八%の省エネルギーのうち、従業員すべての自主的管理を含むじみちな工夫や努力の積み上げ効果がその半分以上を占めているのでありまして、いかに自主的努力が今後大切であるかということはおわかりいただけると思います。  第三は、金融及び税制上の助成措置についてであります。  さきに、これまでにわれわれが省エネルギーについて実施してきたものの主なものは、操業努力や管理強化であったことを申し上げました。しかし、この方向での省エネルギーにはもはや鉄鋼は限界が参っております。つまり、比較的容易で効果の大きい対策はすでに手が打たれてしまっていると言うことができます。今後一層のエネルギー節約を進めるためには、開発期間が長く、かつ経済的にも投資効率の少ないテーマにも取り組まざるを得ないと思います。たとえば鉄鋼業で申し上げますと、炉頂圧発電、加熱炉の廃熱回収、連続鋳造設備など、これまでに行ってまいりました設備対策に加えまして、今後はスラグ類からの顕熱回収、低温ガスからの熱回収など、困難な問題に取り組まざるを得ないと思いますが、このためには長い期間にわたる大きな研究開発と相当の設備投資が必要であります。  現在、すでに省エネルギー設備に対しましては多少の金融、税制上の優遇措置が、また研究開発につきましても多少の助成措置が講じられてはおりますが、いま申し上げましたような見地から、これらの助成措置の一層の拡大が望まれると思います。特に私は中小企業に対しては格段の配慮が必要ではないかと思うのでございます。  以上をもちまして、私の参考人としての意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 次に、鎌田参考人にお願いいたします。

鎌田勲日本経済新聞社論説委員

○鎌田参考人 鎌田でございます。私は、エネルギーの使用の合理化に関する法律案に基本的に賛成する立場から、私の考えを申し述べたいと思います。  基本的に賛成するのは、中長期的な国際エネルギー情勢の不安定性、その中でのわが国エネルギー事情のもろさから見て、エネルギー需要面での省エネルギー対策の推進が、エネルギー供給面での他の各種対策の推進と並んでわが国緊急の課題であること、そして、この法律案の成立が、そうした省エネルギー対策の中核として重要かつ不可欠な政策手段と考えられることによるのであります。  以下、賛成理由の個々の点についての私の考え方を明らかにしたいと思います。  まず第一の中長期的な国際エネルギー情勢の不安定性の問題でありますが、昭和四十八年秋の石油危機を一つの契機にいたしまして、世界の石油供給構造は不安定性を増し、その結果として、高価格、価格上昇の方向に向かいつつあると見ざるを得ない雲行きになっております。四十八年の石油危機は世界経済に大きな衝撃を与え、その後遺症が長く尾を引いてきておるわけでございますが、その反面、その後の長期にわたる世界景気の停滞で、世界の石油消費が伸び悩みとなっているため、とかく一般的にはエネルギー危機の認識が薄れがちのように見受けられてきているのであります。  しかし、昨年来のイランの政情不安と革命によるイラン石油の供給停止と供給減少は、世界の石油情勢を大きく揺り動かし、国際エネルギー情勢がいかに不安定な状況の上に立っているかを改めて強く印象づけたのであります。イランの政情は鎮静化に向かっているように見えるものの、なお予断を許さぬ情勢とも言われておりますし、イラン情勢がサウジアラビアなど、他のOPEC諸国への波紋を広げることも見逃せません。先ごろのOPECの石油値上げ半年繰り上げ決定は、そうした波紋の一つとも見られているのでありまして、今後さらに価格が上昇するとの見方も有力であります。しかもエジプト、イスラエルの単独和平に対する他のアラブ諸国の反発、中東をめぐる各国間の角逐などを考えますと、中東ではいつ何が起こるかはかり知れぬとも言われているのであります。  世界最大の石油輸出国サウジアラビア、世界第二位の石油輸出国イランを擁し、世界の石油輸出の大半を占める中東でのこのような政治的軍事的情勢の不安定性が、世界の石油供給をいつ混乱に導くかもしれぬ状態にしていることは明らかであり、それと絡んでのOPECの石油政策の動向が、高価格化、価格上昇への方向へ向かう傾向を内在していることも否定できません。  それならばこうした当面する情勢の見方を踏まえまして、中長期的な国際エネルギー情勢をどう見るかという点でございますが、これにつきましては一昨年から昨年にかけまして、各国の政府機関、調査機関、専門家たちが、将来のエネルギーの見通しにつきまして、ある者は一九八〇年代と言い、ある者は八五年ないしは九〇年にかけて第二のエネルギー危機が到来するという警鐘を乱打したのであります。他方、昨年後半あたりからは、長期の世界不況に基づく石油需給のだぶつきから、将来のエネルギー見通しについての楽観論が出てきているのであります。  一体これらをどう考えたらいいのか。世界のエネルギー情勢を見る場合に、それに大きな影響を与える要因として、一つは中東をめぐる政治、軍事情勢がどう変わるか。第二は世界のエネルギー需要の見通しと省エネルギーの進展状況。第三はOPECの石油生産政策とその供給規模。第四はOPEC以外の国々での石油供給見通し。第五は米国の石油需給と石油輸入の規模。第六は東欧共産圏にエネルギーを供給しておりますソ連における石油輸入の可能性。第七には代替エネルギーの開発度合いということになるでありましょう。それらの全体的見通しいかんによりまして、供給量と価格の面でのエネルギー危機が来るか否かの判断が分かれるのであります。  先ほど申しました警戒論、楽観論、それなりの理由があるわけでありまして、また問題が将来の見通しに属する以上、私といたしましては、どちらが一方的に正しく、他が一方的に間違っているとは言い切れない点があるのであります。しかしながら、はっきり言えることは、中東をめぐる政治的、軍事的情勢の不安定性、またOPECの石油資源温存的、石油制限的な政策動向などから見ました場合に、世界のエネルギー情勢が中長期的にも不安定性に満ちていること、そして今度のイラン革命の場合に、イランの問題の場合に見られるように、わずかに一つの前提条件が崩れても全体の展望が崩れてしまうこと、そうした供給の不安定性はほとんど直ちに価格の上昇に結びついていく可能性が強いこと、以上の点は非常にはっきり申し上げられることなのではないかと思うのであります。  次に、冒頭申し上げました第二の点、わが国エネルギー事情の脆弱性についてでございますが、この点につきましては、エネルギー消費量、石油消費量が自由世界第二位の規模に上っておりますわが国の石油依存度、輸入エネルギー依存度が、主要先進国中最も高いことを数字に徴してみれば足りると存ずるのであります。  しかも、エネルギーは産業活動、国民生活に欠かせないものでありまして、わが国経済が雇用、福祉などの面への配慮から、今後も安定的に成長していく必要があるとの前提に立てば、そのために必要な一定量のエネルギーは今後も確保していかなければならないわけであります。またエネルギー開発のリードタイム、計画から開発までの懐妊期間が、いまほぼ十年くらいかかるということを考えますと、十年後に見込まれる危機に対しましてはいまから対処しておかなければ間に合わない。そのときになってあわててもお手上げになるということであります。そうだとすれば、国際エネルギー情勢の展望、わが国のエネルギー事情から見まして、わが国としては、経済上の安全保障を守るために、将来の危機に備えての総合エネルギー対策を真剣に推進しなければならないことは、ほぼ国民的常識と言えるのではないかと考えるのであります。  そこで、冒頭第三に述べましたように、そうした総合エネルギー政策の大きな柱となるのが省エネルギー政策なのであります。  エネルギー供給面における脱石油、脱中東の政策、つまり脱石油の代替エネルギーの開発と、脱中東を目指す石油供給の確保と並びまして、需要面での省エネルギー政策の推進は、国民全体がいまや一丸となって取り組むべき国家的命題とさえ言えると思うのであります。  省エネルギーにはエネルギーの有効利用とむだ遣いをやめる、浪費をやめるという二つの側面があるわけであります。いまありますところの長期エネルギー需給暫定見通し、これは情勢の推移によりまして今後見直しが必要であろうと思いますけれども、しかしいま手がかりになるその見通しによりますと、昭和六十年度には、対策促進ケースといたしまして一〇・八%の省エネルギーを見込んでおる。つまり七億四千万キロリットルの需要のうち、八千万キロリットルの省エネルギーを達成しようとしておるのであります。省エネルギーは、きれいな安全なエネルギーをそれだけ確保したに等しい効果があるわけでありまして、エネルギー資源、石油資源の全く乏しいわが国の場合、非常に重要な施策と考えるのであります。  しかしながら、一人当たりエネルギー消費量が米国の三分の一で、ぜい肉の少ない体質のわが国の場合、今後の省エネルギーには、国全体としてのじみちで息の長い大きな努力が求められると思います。それだけに今度の法案によるような各種対策の推進がどうしても必要であります。  この法案は総合エネルギー調査会省エネルギー部会、私はこの委員の一人であったわけでありますが、その報告にうたってあります次の部分、つまり「省エネルギー政策とは、福祉水準の向上、雇用の維持、国際社会で果すべき我が国の責務などの諸々の社会的要請を満しながら、エネルギーを消費する各段階で無駄を省き、可能な限り効率的にエネルギーを使用することができるようにするために講ずる措置であり、割当制の様にエネルギー消費の絶対量を一定の範囲内に強制的に抑え込もうとするものではない。」という部分を尊重しているわけでございまして、産業、民生、運輸などエネルギー各消費部門での自発的な省エネルギー努力を極力引き出すことを基本にいたしまして法律をつくっておるわけであります。また、わが国経済社会全体を省エネルギー型に変える必要が今後あることや、省エネルギーの実効性を確保するためには、すべての部門にわたる省エネルギーの努力が必要であることなどから、すべての生産活動、消費活動を省エネルギーの対象にしているわけでございますが、これらの基本的な考え方は妥当であり、時宜に適したものであるというふうに考えるのであります。  この法案の成立によりまして、政府は省エネルギーの適切なガイドラインを示し、助言、指導するとともに、金融、税制上の助成措置、技術開発の画期的な強化、国民に対する指導、啓蒙、普及のための措置の強化などを推し進めるべきだと考えます。この法案の早期成立を望む次第でございます。そしてこの法案の成立がわが国産業構造を省エネルギー型に変えていくこと、そしてまた経済社会全体を省エネルギー型に変えていくことの大きな契機となることを期待する次第でございます。  以上をもちまして、私の陳述を終わらしていただきます。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 次に、八田参考人にお願いいたします。

八田桂三東海大学工学部教授

○八田参考人 私は東海大学工学部の八田でございます。簡単に私の考えを申し上げたいと思います。  いわゆる省エネルギー法で、エネルギーとは燃料及びそれを熱源とする熱並びに電力と定義しており、妥当でわかりやすいと思います。また法案の内容として、工場などにおける廃熱の回収利用とか、熱損失の防止とか、電力使用の合理化といった、工場におけるエネルギーのむだな使用の発生している個所についてガイドラインを設定し、産業部門のエネルギー使用の合理化を進めるとともに、建築物の省エネルギー構造化、機械器具の効率化といった措置を取り上げることは、現時点として妥当な内容だと考えております。  ところで、現段階では直ちに一律的なガイドラインとして取り上げるのは非常にむずかしい問題ですので、当面本法案のような措置が妥当だと思いますけれども、今後の課題として、エネルギーの質を考えた有効エネルギーあるいはエキセルギーの効率的利用の推進に努めていけば、省エネルギーはさらに一層進展をさせることができると考えております。  有効エネルギーとは、工学的に明確な定義がありますけれども、要は常温との温度差の大きい高温または低温の熱エネルギーで、動力や電力への変換効率のよいものと考えていただければ結構です。燃料は元来高い有効エネルギーを持ったエネルギー源なのです。一方社会的には各種の温度レベルの熱エネルギーが要り、その需要は地域的、季節的、時間的にきわめて多様で、かつ変動いたします。一方電力など動力需要も同様です。有効エネルギーの効率的利用には、低温度の熱需要に対して直接燃料を利用したりせず、燃料で発電した後、その原動機の廃熱を利用するなど、動力と熱との需要を合わせて、高温から低温へ温度レベル的に多段階利用を行い、さらに熱損失、摩擦損失などを減らすとともに、制動エネルギーの回収利用などをすればよいわけです。  しかし、さきに述べましたような社会における熱や動力の需要の性質から、これらをうまく組み合わせて多段階利用をすることは非常に困難なことです。その際、有効エネルギーの貯蔵や輸送が効率よくできますれば、その困難さは多少緩和することになりますけれども、有効エネルギーの貯蔵は、大量には揚水発電所の貯水とか燃料の形以外には困難ですし、輸送も熱エネルギーの場合には困難で、これまた電力か燃料の形以外では損失も大きくなります。結局有効エネルギーの多段階利用は、実際問題としては現時点ではきわめて困難だということになります。  しかし、省エネルギー、すなわち有効エネルギーの効率的利用の方法は、いま述べましたように、理論的には進むべき方向はわかっており、また純技術的にも、個別技術としましては既存のものが多いと言ってよいかと思いますが、コストが高くなるなど社会的経済的問題が多く、直ちに実用化することは、いま申し上げたようにきわめて多くの困難が伴うわけでございます。したがって、燃料などのエネルギーコストが上昇すれば自然に省エネルギーが進むということも事実だと思います。しかしそれが順調に進むように、あらかじめ社会的、政治経済的基盤を整備するとともに、技術的にも即応態勢がとれるよう準備しておくことは当を得たことだと思います。また、エネルギーをめぐる国際環境、たとえばIEAに対する姿勢といたしましても、このような法律や政策は必要だと思います。施行に当たっては、きめ細かい配慮のもとに実施され、不都合な点が見つかれば速やかに改善し、激しい変化をしつつある時代に即応する必要があることは申すまでもございません。  最後に、私が関係しておりますいわゆるムーンライト計画の高効率ガスタービンの開発にちょっと触れさしていただきたいと思います。  現在日本の火力発電所の効率は、最新鋭のものでも約四〇%ですが、この計画は大型省エネルギー技術開発費の資金を用い、まして、超合金やセラミックスなどの耐熱材料の開発や高温タービンなどの要素研究を行い、それらを総合いたしまして約七年間で五五%以上の総合効率を持ち、かつ負荷変動にも応じやすいレヒートガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせた火力発電プラントの技術開発をしようとするものでございます。また、このプラントは、さきに述べた有効エネルギーの多段階利用にも非常に有用でございまして、たとえばコミュニティーの集中冷暖房などにも威力を発揮いたします。さらにこの技術開発は省エネルギー効果はもとより、使用燃料の多様化、建設期間の短縮、さらには他の分野への技術波及効果も大きいと考えております。  なお、別途これと並行して約三年計画で高効率ガスタービンNOx等処理技術信頼性実証試験が計画されつつあることを聞いております。この計画によりガスタービンの公害防止技術の信頼性が十分実証されると存じますが、さらにまたこの計画は、時間の関係で現在ほとんど実証済みの技術を用いねばならぬという制約は受けるのでございますけれども、わが国の現在の最先端の技術を駆使し、たとえば世界じゅうでわが国独自の先進技術と言ってもよい製鉄に使われております高炉用の可変節軸流圧縮機などの技術をうまく利用するなど、工夫をこらすことによりまして、うまくいけば総合効率五〇%近くの効率が得られるものと期待しております。  最後に、この高効率ガスタービンの開発は国のプロジェクトでありますが、材料開発から実証運転まで含む大きなプロジェクトでございますので、国、メーカー、電力会社など関係者が協力されて、その達成に最善の努力をしていただきたいと考えております。また、一基当たりの建設費が非常に大きいこと、それから公共事業であることなどのために、当然と言えば当然と言えますが、従来技術的に保守的と申しますか、米国で実証済みのプラントしか御使用にならなかったような傾向が非常に私どもには見えます電力会社におかれましても、先進国のエネルギー事情が細部ではかなり違ってきた今日のことですので、今後は研究開発投資に力を入れられるとともに、特に新しい技術の採用に、より積極的な姿勢を示していただきたいと考えております。  少し勝手なことを申し上げましたが、これで私の考えを申し上げました。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。     —————————————

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  この際、質疑者各位にお願い申し上げます。  質疑の際には、あらかじめ答弁を求める参考人を指名して質疑を願います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 参考人の皆さんには御苦労さまです。私に与えられた質問の時間が二十分だそうでありますから、最初十分間私の方で各参考人に質問をいたします。あと十分間くらいの時間に御答弁を願いたい、こう思います。  まず、電機工業会から参られました進藤参考人にお伺いをいたしますが、冷蔵庫など非常に省エネルギーに貢献してきておるということを伺いました。そこで、今度の法律ではとりあえずクーラーと冷蔵庫の二つが当面特定機器に指定をされると思いますが、将来テレビにも拡大されると私は思います。これについて御意見を承りたいと思います。  それから、電気機器で新製品をよく開発をして宣伝する場合に、性能を非常に強調されますが、今後は性能と省エネルギーの関係、こういうのも同時に宣伝をしてもらいたいという希望を申し上げておきたいと思います。  次に、自動車工業会の山本参考人にお伺いをいたします。  自動車は、御承知のように生産でもエネルギーを多消費し、またその生産品を使用することによって、両面でエネルギー多消費産業でもあります。したがって、省エネルギーということを追求することは企業の社会的責任でもあろうと思うのであります。  そこで、「省エネルギー政策の必要性と課題」という総合エネルギー調査会の省エネルギー部会の報告によりますと、燃費が昭和四十五年でリットル当たり、わが国の自動車は平均八・九八キロ走っておったのが、五十年では八・七八キロと、〇・二キロ下がっております。これはこのところそういう傾向でありますが、一体この原因はどこにあるのだろうか、燃費の率が低下している原因はどこかということが第一。  それから、アメリカは省エネルギー法で自動車の燃費の目標を定めております。七八年にリットル当たり七・七キロ走っておったのが、八五年には十一・七キロを目標にして省エネルギーを進めておるわけであります。しかも、これには罰則がついておるという状況でありますが、お話がありましたように小型化は必至だろうと思います。日本の自動車は五十二年で十一・八キロというのですから、これは千五百CC平均、アメリカは三千CC平均であるわけですが、小型化し日本の燃費に追いついてくることは必至と思われますが、今後、これに対してどのような省エネルギー技術を進めるのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。  次に、硝子繊維協会の春日参考人にお伺いします。     〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕  この法律は、建築関係には勧告がないのです。御意見によると、指導、助言で誘導型の方がいいとか言われておりますが、自動車とかテレビ機器、冷蔵庫とかいうものの場合には、業界が必死に省エネルギーを進めておりますし、国際競争力もついておるわけです。建築関係こそ本来ならば強制をして、そしてそれに助成をする、こういう形をとった方がいいと私は思っておりますが、勧告がない。特定機器や工場に対しては勧告があるのに、勧告がない、やわらかい指導、助言、こういう誘導型というのは、本来ならば建築関係は逆にそうあるべきだと私は思うのですが、この点もう一遍ひとつ議論をしていただきたいと思います。  ガラス繊維でありますが、日本のように南北に長い国は、場所によりますと、これをやったために換気のエネルギーが必要だということになって、プラス・マイナス余り効果がないという説がありますが、この説に対してどのようなお考えであるか、伺いたいと思います。  次に、鉄鋼連盟の熊谷参考人にお伺いをいたします。  鉄鋼は、御承知のように産業の三〇%のエネルギーの消費をいたしております。最大の多消費産業であります。ですから、省エネルギーを進めるということは非常に重要だと思いますし、社会的責任でもあろうと思います。四十八年から五十三年の間で八%、量にして膨大な節約をしたと言われておりますが、今度の法律では、判断の基準となる事項を技術的に一律に決めるという内容になっておるようです。そういたしますと、新鋭設備を持っておるところと古い設備を持っておるところが一律に決められるのは果たして妥当なのかどうか、ちょっと疑問があります。  御承知のように熱管理法第四条で原単位という問題が規定されておったけれども、それがなかなかできなかった、熱管理法の第四条が動かなかったというのは、一律に決められたところに問題があったと思うのです。そういう点で、一律に技術的な基準を決められることが鉄鋼業の場合に果たして妥当なのか、こういう点についてお伺いをいたします。  それから、粗鋼のトン当たりのエネルギー消費原単位の国際比較を一言答弁していただきたいと思います。  次は日本経済の鎌田参考人にお伺いをいたします。  省エネルギーが重要だというのは当然なのですが、そうであるならば、この法律はなぜ省エネルギー、すなわち節約、合理的使用、リサイクル、こういう省エネルギー全般をとらえないで、その一部の使用の合理化だけに限ったのか。私どもこの法律に対して大変不満点を持っておるわけでありますが、この点についてどのようなお考えであるか。  それから、この法律は省エネルギーの推進母体というのが実は余りはっきりしていないのです。総理府には省エネルギー・省資源対策推進会議があり、経企庁には省資源・省エネルギー国民運動地方推進会議があり、通産省には省エネルギーセンターがあり、運輸省には省資源何とか会議があるというのですが、国民的な運動の母体としての省資源運動をやる母体が明白ではない。こういう点について鎌田参考人はどのような御意見でありましようか。  もう一つは、国際的な技術協力が日本はどうも不十分だと思います。御承知のようにIEAを中心に、多国間の国際技術協力が行われておるのですが、省エネルギーの技術などに九つの協定ができておるのに、日本はそのうち一つしか入っていない。多国間でやっておるのですが、二十九の協力協定ができておるのに、その中で十しか入っていない。日本の省エネルギーなり進んでいる技術が欲しいなというところに日本は入っていない、ずるいじゃないかという国際批判があるわけですが、この点についてどのような御意見でしょうか。  最後に八田参考人にお伺いいたしますが、ムーンライト計画に御参加されておると伺いました。そこで伺うのですが、このムーンライト計画をもっと早期に実現するのに一体何がネックになっているのでしょうか。たとえば資金でしょうか、人間でしょうか、時間でしょうか。こういう点を考えて、ガスタービンの開発の問題もありますが、どこにネックがあるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。  以上、十分間で終わります。

進藤貞和日本電機工業会会長

○進藤参考人 ただいまの板川先生の御質問にお答えをいたします。  第一番目のテレビの問題でございます。テレビは昭和四十三年ごろまで、真空管を使っておった時代でございますが、大体十八インチから二十インチ程度のもので、その当時三百ワットの電力を使っておったわけでございます。その後トランジスター化がされましたために、消費電力が約三分の一の百ワット程度になったということでございまして、今後これもICをもっと活用していくようになりますと、さらに小電力ということになってまいるわけでございまして、そういう点でテレビについてもそういうことを規制することは考えられると思います。  それから第二番目の、性能ばかり強調して省エネルギーのことを余り言わぬじゃないかというお話でございます。  われわれの業界といたしましては、省エネルギー並びに省資材、材料を余り使わぬということ、両方を目的にしてやってきたわけでございまして、それがひいては性能もよくしておる。ということは、先ほども冷凍冷蔵庫とエアコンについて申し上げましたけれども、昭和四十八年に比べて一つは半分ぐらいになる、一つは六六%になるというふうに省エネルギーになっておると同時に、さらに性能が昔のものに比べて非常によくなっておるということでございまして、単に性能だけを強調するのじゃなしに、両方の面において協調をとっていくように努力しておるつもりでございます。

山本重信日本自動車工業会常任委員会委員長

○山本参考人 板川先生からの御質問に対して簡単にお答えを申し上げます。  まず第一に、自動車では生産段階と走行段階と、両方でエネルギーを使うわけでございますが、走行段階の燃料の消費率が昭和四十五年から五十年にかけて低下をいたしました。悪化をしておるのでございます。これは先ほど冒頭陳述の中でもちょっと触れましたように、燃料の消費の問題と排ガス対策等がいわゆるトレードオフの関係にございました。ちょうど当時、昭和四十八年から始まりました排ガス規制が、四十八年規制、五十年規制、さらに五十一年規制、また五十三年規制というふうに矢継ぎ早に強化をされました。私どもといたしましては、何をさておいても排ガス対策に適応しようということでその対策をいたしましたために、燃費の方の改善のことまで手が回らなかったというのが実情でございます。幸いにして、その間にいろいろ研究努力をいたしました結果、昭和五十年以降まただんだんともとへ戻ってまいりまして、昭和五十三年の排ガス対策適合車の段階になりますと、おおむね前の水準にまで回復できました。排ガス対策をやりながら燃費の方も回復できたという実情でございます。  それから次に、アメリカのメーカーがエネルギー対策の関係を契機として全面的に小型化を図っております。したがいまして、近いうちに日本の車の水準に到達してくる、さらにそれを追い越そうという気配さえ感じられるのでございまして、私どもはそういう情勢は必ず来ると思います。先生の御指摘のとおりでございます。そういう前提において、この際全力を挙げてわれわれも負けないようにがんばろうということを考えております。  燃費の改善の方法としてはいろいろございます。いろいろございますが、日本の車はもう行きつくところまで来ておるような状況でございますので、あとは非常にきめの細かい車の軽量化ということで、どの部分をできれば軽くできるか、あるいは鉄をアルミに一部かえるとかプラスチックにかえるというようなことをいたしましたり、できるだけ燃費効率のいいエンジンを開発するとか、あるいはトランスミッションその他のメカニズムを工夫する、さらには車の形をできるだけ空気の抵抗の少ないものに変えることによりまして燃費の改善を図る、そういうきめの細かい対策をこれから懸命にやってまいりたいと存じておる次第でございます。

春日袈裟治硝子繊維協会会長

○春日参考人 ただいまの第三章の建築に関しまして、指導、助言で、勧告がないではないか、それはどうだというお話でございますが、これは、実は日本の省エネルギーに対する過去の経験が、建物に対してきわめて浅いということであります。欧米は、従来クローズドシステムと申しますか、穴の中に入って生活をして、窓を小さくするというような生活様式であって、日本は南方型で風を通しっ放しにして湿度をとってしまうという状態の習慣があったために、熱を逃がさないで、その逃がさない熱によって暖房なりあるいはその他の居住をしようという考え方がなかった、そういう点で経験が浅いということであります。  それで、もちろん勧告という方法があった方がその成果は上がる、あるいはもっと進めまして、アメリカとかドイツのように基準法の中に入れて、やらなければ罰金を取る、あるいはそのかわりにうんと低所得者には補助金を出してまでやらせる、そういう方法もありますが、何せ日本は現在こういうことに住宅の習慣上残念ながらなれておらない。これは先ほど、日本の民生が外国に比べて低い、要するに全体エネルギーの中では二〇%であって、外国は三〇%とか三六%もこれを使っているというのは、セントラルヒーティングだとかそういうものが非常に発達している。日本は一部屋を暖めたりあるいは部分的な暖め方、昔はこたつに入って暖めたというやり方でございますので、そういう点で余りこれを急激に強化しますと摩擦が出るし戸惑いが起きる。要するに逐次指針、ガイドラインをよく示して、それを施工上よく指導して効果を出すようにした方がベターではないか。逐次よくなれば、それを欧米並みに強化していってこの分野のエネルギーの節約を強化する。確かに民生のエネルギーは今後増大しますから、建築構造の断熱化は絶対必要でございますので、これをやる場合にぜひ助成策、ここに力を入れていただきたい。要するにそういうことをやれば金を貸してくれるとか、あるいはそういうことをやれば税金上の免除をするとかいう誘い水でやらしていただかないと、初めから強圧的にこれをやれといってもなかなかそういう習慣がないし、非常に多種多様に建物が多様化されていて一律にできない。住宅にしても何百種類の住宅の構造がございますので、そういう点で臨機応変にこういうものは指導、助言をして成果を上げるという方がいいのじゃないかと思います。  それから第二点の、日本は南北に長い、だから断熱効果を一体どうやってやるんだというふうに承ったのですが、もちろん長いと申しましてもアメリカに比べればずっと距離も短いし、そんなに長いわけではございませんが、まあ北海道と九州というように極端に見ますと確かに寒暖の差はあります。しかし現在地域別に断熱基準を設けて、要するに北海道は基準値を高くする、九州の方はその断熱基準を小さくするということでそういう方法は避けられますし、それからもう一つは、やはり冷房というものが今後住宅の中に、生活の向上とともに居住水準が上がってまいりますから、建物が欧米化してまいりますと、冷房ということに対する電力の使用は南の方の暖かいところでも必要になってくる。そういう意味ではやはり断熱化というものが南北を問わず今後ますます必要になってくるので、住宅というものを断熱化することによってエネルギーの節約を図るべきだと思います。     〔渡部(恒)委員長代理退席、野中委員長     代理着席〕  それから、いろいろな機器に関しても、いわゆる断熱化のない建物の中に入れますとその効果は出ませんから、やはり機器を入れていろいろな処置をする場合に、どうしてもまずその側になっている建築物、住宅、そういう形の器を完全に断熱化して、熱を逃がさないということは非常に大切だと思うのであります。  以上であります。

野中英二自由民主党

○野中委員長代理 参考人には簡潔に御答弁願います。熊谷参考人。

熊谷典文日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長

○熊谷参考人 じゃ私に対する御質問についてお答え申し上げます。  先生御指摘のように、設備ごとに原単位を決めていくというやり方は、古い設備もございますし、新しいものもございますので、非常にむずかしいと思いますし、効果は少ないと思います。しかし目標値を一律に決めるというのはできると思います。と申しますのは、鉄鋼も広うございますので、銑鋼一貫製鉄所あるいは平電炉、特殊鋼というように大きな区分けは必要かと思いますが、そういうような配慮を行っていけば一律に決めても差し支えないと思います。なお、事業所によりましては古い事業所と新しい事業所がございますので、この目標値の励行等につきましては、会社単位でそれを監視していただければ十分実情に合った措置がとれるのではなかろうか、かように考えております。

鎌田勲日本経済新聞社論説委員

○鎌田参考人 御質問にお答えしたいと思います。  省エネルギーは、先ほど申し上げましたように、効率的な利用の面と節約の両面があるわけでございまして、省エネルギー効果が大きいのは効率的な利用の方でございます。節約の方は相対的には省エネルギー効果が小さいわけであります。しかしながら、国民一人一人が省エネルギーの重要性を認識し、努力することは、家庭から輸送、産業へと省エネルギー努力の輪を広げることにつながっていくことでありまして、節約の重要性もまた申すまでもないところであります。  ただ、制度的に節約ということになりますと、いま国民の価値観は多様化しておりまして、何を節約すべきかにつきましてさまざまな議論が出てまいるでございましょう。したがいまして、それを具体的に決めるとなりますとなかなかむずかしい問題がございますし、わが国の今日の社会状況からすると制度化することはなじまないというふうに考えるわけであります。この法案の成立によりまして国民に対する啓蒙、普及、指導を強化することになるわけでございますから、その中で節約の重要性を訴える。そういう点では節約の精神、別な言葉で言えば倫理的省エネルギーの観念というものもこの法案の中に当然に仕組まれているというふうに私は考えているわけでございます。  第二の面でございますが、推進母体をはっきりさせるべきだ、その点はお説のとおりであると思います。  第三の、国際的な技術協力が不十分である、その中で、わが国が省エネルギーのプロジェクトに参加していないのはずるいのではないかという御意見でございます。  これは、各国の利害の調整がこのプロジェクトにつきましてはなかなかむずかしいとも聞いているのでございますが、他のプロジェクトでの利害調整の状況なども勘案しながら、基本的には参加する方向で前向きに検討すべきものであると考えます。  以上でございます。

八田桂三東海大学工学部教授

○八田参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。  ムーンライトの計画に対して、もっと早くできないか、それに対しては金か、人か、時間かという端的な御質問でございました。ムーンライトじゃなくて全般にもそういうことがございますが、ムーンライトに限りましても、テーマによってはかなりむずかしいテーマもございます。それから、ちょっと先ほど申し上げましたガスタービンのようなものですと、もうかなりのところまではいますぐやろうと思ったらできるようなところまで来ているものもございます。そういうものは、一番足りないのは金だと申し上げればいいだろうと思います。  そのときに日本で一番大きな問題は、これはムーンライトに限りませんけれども、研究設備でやや大型のものになりますと日本では非常に少なくなって、メーカーはもちろん持っておりません。たとえば、私、もう一つはジェットエンジンの大型プロジェクトというのをやっておりますけれども、そのジェットエンジンの航空性能試験というのがあって、その試験装置などは欧米では国家が皆持っておりますし、それからエンジンメーカーの大きなところは皆持っておるわけです。私企業で持っておるようなものが日本では全然ございません。したがって、この前、何かわざわざイギリスまで持っていって試験をしなければいけないというようなこともございました。今度のガスタービンなんかでやはり高圧燃焼ということが必要になってくるのですが、圧力が本当は五十気圧ぐらい欲しいのですが、二、三十気圧でも結構ですけれども、そのぐらいの圧力の大きな燃焼器の試験装置が必要なんですが、そういうものを欧米ではやはり各メーカーが皆持っておる。ところが、日本ではそういうものはいまのところほとんどない。そういうようなことが一番大きいことと、それからその次は、人の問題は当然ございます。  それは、人の問題は、特に国家の研究機関は総定員法に入っているものですから、総定員法でいまでも人を毎年少しずつ減らされるわけです。一方、大学院、私大学院にも、東大にもおりましたけれども、大学院の方ではドクターがあふれちゃって、オーバードクター問題と言って、就職口がなくて困っているというふうな問題がございます。その辺は国家としてうまく使われれば非常に望ましいことじゃないか。  それからあとは、日本は先進工業国ということになっておりますけれども、量産工業に対しては確かに先進的だと思いますが、事、少し本当に新しいものをやろうといたしますと、たとえば耐熱材料の非常にすぐれたものというふうなものをつくろうと思いますと、そういう産業的基盤といいますか、それはまだ非常に弱い。もう話にならないぐらい弱いと申し上げていいだろうと思います。その辺が大きな問題点だと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ありがとうございました。終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長代理 後藤茂君。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 参考人の皆さん御苦労さんでございます。  各参考人の皆さん方に、時間がございませんので一点だけ御質問をして御意見を聞かしていただきたいと思うのですが、まず最初に進藤参考人にお伺いをいたします。  これはあるいは、おつくりになっている立場からでございますので、答えにくければ鎌田参考人の御意見を聞かしていただければと思う点を一つ申し上げたいと思います。  それは、電気製品で最寄り商品と言われるようですけれども、たとえば自動鉛筆削り機だとかあるいは最近ではゴマすり器等も出てまいっているようです。これは技術的にはきわめて簡単ですね。今日の技術をもってすればすぐにできることなんですけれども、果たして子供たちあるいはビジネス上、瞬間的に鉛筆を削らなければならぬほど勉強が忙しいのか、あるいは事務がそれほど繁忙なのかということを考えてみますと、技術でできるからそういう商品をつくればいい、あるいは売れるからそれをつくればいいという問題ではないんじゃないだろうか。特に鉛筆等については、計算していけば恐らくすぐ出るだろうと思いますけれども、鉛筆の消費と使用する人数とを掛けていけば、森林資源のこと一つを考えても大変だろうと思うのです。たかが鉛筆一本でしょうけれども、こういった最寄り商品というのを、もう少し手をかけて昔のように肥後守で削るとか、すりばちだとこれはもう家庭における半永久的な商品だろうと私は思うのです。そういうものを使っていく。というのは、倫理的な省エネルギーということにもなるかもわかりませんけれども、電機工業会等にしては売れるからあるいはつくる技術があるから何でもつくるという、大したものじゃないでしょうけれども、汗をかいて生活していくということに逆らうようなことはやめた方がいいんじゃないだろうか、こう思うわけです。     〔野中委員長代理退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 お答えにくければこれは鎌田参考人の方にお願いしたいと思います。  二番目に山本参考人にお伺いしたいのですけれども、燃費の問題等から、特に自動車の軽量化が相当進んできている。しかし、最近は電車でも突風で飛ばされるような時代で、先ほどもトレードオフの問題が出ておりましたけれども、安全性との関係は相当真剣に考えておかなければならぬ。熊谷参考人もいらっしゃいますけれども、最近は一般の人が考えている以上にあの乗用車の鉄板は薄いですよ。非常に軽量化が進んでいるということで、省エネルギーということが軽量化に傾斜している。そのことによって安全の問題が損なわれてはいけないと思いますので、この点はこれからの法運営の中におきましても十分に考えていかなければならぬ問題だと思いますが、御意見をお伺いしたい。  それから、春日参考人にお伺いいたしますが、先ほど板川委員の方からも指摘がございましたけれども、個々の家屋なり建築物について、全部厳しい規制ということは大変むずかしいだろうと思いますけれども、特に一定規模以上のビル、建造物については、この程度ではなくて勧告なりあるいはもう少し厳しい規制があっていいんじゃないだろうか。特に一回大きなビルを建てますと、五年や十年でこれを改築するということはないわけですからそういうように考えます。したがって、一定規模以上のものについてはこの程度ではない考え方を持つべきだと思うわけですけれども、この点がいかがかということです。  それから、熊谷参考人にお伺いいたしますが、事業者の努力の中では廃熱の回収利用等も、この法律からいきますと工場におけるエネルギーの使用の合理化ということになる。つまり廃熱の回収利用というのは、その工場内において回収利用していくということが事業者の努力の設定になっているんだと思うのです。私はもう少し広げて、きょうは電力の方はお見えになっておりませんけれども、発電所の廃熱、温排水あるいは鉄鋼等々の温排水、廃熱を地域社会に還元するということが考えられないだろうかということを思っているわけです。そういう意味で、工場における温排水なり廃熱の回収利用を地域社会に還元する考え方はどうだろうかということをお伺いしたいと思います。  それから鎌田参考人にお伺いしたいのですけれども、いろいろなエネルギー関係の審議会等にも御参加をなさっておられると思います。特に今度の法律の一つの大きな欠点というのは、結局使用の合理化が中心になっているし、しかもそれが産業関係だけなんです。ほかの各分野にわたる部面が欠落しているわけです。特にたとえば農業の問題。最近では季節感というものはないくらいに農産物は私たちの口に入るわけですけれども、そのために農民の方々がビニールハウスをすることはまた別といたしまして、大変な石油を燃焼していくわけです。一日でも早く出荷することによって高い価格で売ることができる、こういうようなものはこの法律では一体どう考えていくのか、ないわけです。つまり私たちが審議をする過程におきましても、縦割り行政の欠陥がここにはあらわれてきていると思うのです。建築の問題にいたしましても、これは熊谷参考人の方が御存じだと思いますけれども、おっかなびっくりで建設省とのあれをやる、あるいは運輸省の公共交通の問題にいたしましても、通産省所管の法律ということでもあるのでしょうけれども、どうも遠慮がち。そういたしますと、鎌田参考人の、最近のエネルギーの中長期の見通しとその不安定性というものから考えてみますと、私どもから言えば、この程度の法律で省エネルギーの法律をつくりましたと言えるんだろうかということが一点。  それからもう一つ鎌田参考人にお伺いしたいのですが、夜間電力というのは、電気は発生即消費ですから、電力会社としては夜間の余剰電力は使ってもらった方がいい。ですから、テレビ等の深夜あるいはネオンサインだとかあるいは深夜族というものが生まれてくるような社会状況がつくられてきていると思うのです。私は、強制的につくられていると見ていいくらいにつくられてきていると思うのです。その点をもっと省エネルギーさせていく、いや、余っている電力を使うんだからいいじゃないかということではない方に持っていくためには、揚水発電等にもっと資金と努力を傾けるべきではないだろうか。夜間に使う電力を節約して、揚水発電等を建設していくということが必要じゃないかと思うのです。そういう意味ではわが国の場合の揚水発電への努力が大変足りないと思いますので、いまの縦割り行政の問題とこの夜間余剰電力の利用という点についてお伺いしたいと思います。  それから最後に八田参考人にお伺いいたしますが、電力の送電ロスが大変なウエートを占めているわけです。これは大変もったいないことだと思うのです。この送電ロスは、相当な技術研究が進んでいるとは思いますけれども、送電ロスの軽減というのを学問的にはどの程度にできるのか、あるいは先ほども人員と研究費の問題が出てまいっておりましたけれども、研究投資をもう少しふんだんに使っていく、あるいはそこに研究者を投入していけば、もっと送電ロス等が解消していけるのかどうか、この一点だけをお伺いしたいと思います。  以上でございます。

進藤貞和日本電機工業会会長

○進藤参考人 ただいまの御質問、電機工業会長としては大変お答えしにくいのでございますけれども、私ども三菱電機も多少やっておりますのでお答え申し上げたいと思います。  一般論としましては、消費者がいろいろな価値観を持っておりますので、家電製品に対してもいろいろなニーズがある。その中から需要に応じてつくっていくということが原則ではございますが、いま鉛筆削りとゴマすり器が例に挙げられたわけでございますが、実は私どもの会社もついこの間鉛筆削りが出ておりまして、知らぬ間にできておったので、こんなもの何でつくったのかという話をいたしましたところが、乾電池を大いに売ろうというわけで、乾電池応用製品としてつくったということでございますが、よくそういうものを見ますと、実際に鉛筆の先が余りシャープになり過ぎてぽきぽき折れる、そういうぽきぽき折れるようなものをつくったらいかぬのではないかということと、もう一つは、子供がナイフの使い方自身がもうできなくなっているというようなことから、確かに先生のお話のように、十分こういう点は考慮していかなきゃならぬと思っておりますが、また一方、そういうつまらぬものとはいえ、それによって雇用もふえておるということも考えますと、一概にそれがいかぬというわけにもいきませんし、御趣旨はまことによくわかりましたので、これからも工業会としてもそういう点については十分考慮していきたいと思います。

山本重信日本自動車工業会常任委員会委員長

○山本参考人 軽量化の場合の安全性について先生から御指摘をちょうだいいたしました。私ども現在すでに軽量化を進めてまいっておるわけでございますけれども、その際も、この安全性ということは何にも増して重要なこととして、私たち常に十分な注意を払ってやってまいっております。しかし、いよいよここまで来て、さらに一歩進めるという段階になりますと、なかなかむずかしい問題があるわけでございますけれども、先生のお話のように、安全性ということは何にも優先して私たち留意しなければいけないことと思いますので、ただいま御指摘の点につきましては、今後進める際にも十分に留意してやってまいりたいと存じます。

春日袈裟治硝子繊維協会会長

○春日参考人 ビルのような大型の一定以上のものは勧告等をした方がいいのじゃないかというお話でございますが、もちろんそれができればやるべきだと思いますけれども、先ほども申し上げたとおり、ビルも多種多様ございますし、それから、工場などに比べますと、大型のビルと申しましてもそう多くのエネルギーというものは使っておりません。そういう意味で、いまこれの断熱化についての研究もそれぞれのところでなされております。外気によって冷房がトータルとして省エネルギーになるような研究の工事等のことも考えられておりますし、逐次そういうことに向かいまして強化していくということが望ましいと考えております。

熊谷典文日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長

○熊谷参考人 廃熱回収についてお答えします。  現在のところ中低温をいかに回収するかというのが非常に緊急な問題ではございますが、先生の御指摘の温水等を地域還元するというのも、エネルギーの有効利用の一つだと考えております。そういう意味におきまして、現在ある鉄鋼メーカーにおきましては、政府の委託を受けまして温排水の利用による地域還元の措置の研究をいたしております。したがいまして、先生のおっしゃる方向でわれわれも今後勉強をしてまいりたい、かように考えております。

鎌田勲日本経済新聞社論説委員

○鎌田参考人 先ほど電気製品に絡む第一点の御質問でございますが、今度の法案の成立によりまして国民に対する啓蒙、指導が進み、国民の省エネルギー意識が進展いたしますれば、当然にかような電気製品は買わなくなる、当然にそれらの電気製品は市場から姿を消すことになるであろうというふうに考えます。  第二の縦割り行政の総合調整化につきましては、全く同感でございます。  第三の夜間電力の点についてでございますが、御案内のように電力設備は昼間のピーク時需要を基準に設備ができているわけでございまして、夜間電力は、夜間に余っている設備を使いましてそれを蓄熱槽に蓄え、昼間に使うというような関係になっておるわけでございまして、これは設備使用の効率化にかなうものである、かように存じます。

八田桂三東海大学工学部教授

○八田参考人 ただいま送電ロスについての御質問でございましたけれども、工学的と申しましても別に魔法のものを持っているわけではございませんで、現在行われておりますような超高圧の送電とか、あるいは場所的には直流送電とか、そのほかに超電導という、非常に低温の状態で抵抗がなくなるというようなことはどんどん開発されておりますけれども、超電導がいますぐ短期的に実用になるとは——しばらく時間がかかるだろうと思います。  それからもう一つは、電気になってからの遠くへ送るということのロスも大事でございますが、近くでつくればいい、立地問題がございます。需要地の近くに発電所をつくればいいわけですが、いままでのところ、それの一番大きな問題は例の公害の問題です。公害防止技術がかなり進歩してまいりましたから、これはうまくやればかなりやれるだろう。  それから、これはちょっとオーバーかもしれませんけれども、いまのは電力を買ってからのロスのお話でございますけれども、電力をつくる前の燃料から計画できればなおいいわけでございますが、その点はいまの立地問題がうまくいきますと、先ほどもちょっと触れましたように、人間が住んでいて、それから温排水とかあらゆるものが熱エネルギーとして使いやすいようなところに発電所ができれば、送電ロスも減りますし、そういうものも全部効率よく使えることになります。  ただ、そのときに熱の需要と両方がなかなかうまくマッチしないわけです。その辺にいろいろな問題が残るだろうと思いますけれども、たとえば先ほどの農業の温室なんかの問題にしましても、温室でいきなり電気を使って、重油は重油でたいて、夜は電気をともしている。それなら、小さいガスタービンで発電して、その後を温水でやればいいということは技術的に可能なんですけれども、いまやるとコストが高くなるだろう。そんなふうないろいろな問題があるだろうと思います。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 岡本富夫君。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 参考人の皆さんには大変御苦労さまです。  最初に進藤参考人にお聞きいたします。先ほどもお話がありましたが、家電商品の省エネルギーを相当やってこられたということでありますが、ほかに具体例がありましたら、ひとつその例を挙げていただき、そしてその努力と、もう一つは将来の方針をお答えいただきたいと思います。  なお、アメリカあたりの省エネルギー政策を見ますと、家庭用エネルギー消費器具に対して、エネルギー消費の量を、ラベルを張って、このくらい消費するのだということを示すことが義務づけられているということがあるのですが、まだ日本ではそれは早いでしょうか。この点について、ひとつ。

進藤貞和日本電機工業会会長

○進藤参考人 お答え申し上げます。  先ほどは冷凍冷蔵庫とそれからクーラーの話を申し上げましたけれども、そのほかに、たとえば洗たく機、この洗たく機の例をとりますと、四十八年ごろ水を百五十リットルばかり使っておったのですが、最近これが同じものですすぎの効率を上げまして、現在では百リットル、いわゆる節水率が三〇%になるというようなものもやっております。  それから掃除機につきましても、昭和四十七年ごろには吸い込みの仕事の効率を一〇〇といたしますと、昭和五十二年に一一〇%、五十三年には一三〇%というふうに効率が上がっております。そういうことで、最近いろいろな材料あるいは品物の効率を上げることに努力をしておるわけでございます。  恐縮でございますが、後のことがちょっと聞き取りにくかったのでございますけれども、アメリカの問題……。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 それではこれは課題にしておきましょう。  家電用品のエネルギーの消費量を何ぼ消費するのだということを明示して、そういうラベルを張ることを義務づけるというのがアメリカあるいは西ドイツあたりのやり方なんです。日本ではまだ早いでしょうかということを聞いておるのです。

進藤貞和日本電機工業会会長

○進藤参考人 それにつきましては、やはりいろいろなものにつきましてパンフレット、説明書にそういうことを記入しております。ただ、義務づけるかどうかは別でございますけれども、メーカーとしてはそういうことを積極的にやっていきたいと考えております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 次に、山本参考人にお聞きいたします。  アメリカあたりでは、燃料の多消費型の自動車、こういうものに対しては課徴金とかペナルティーをかけるというようなことも言っております。これは日本ではどうか。これが一点。  それから次に、電気自動車がいまの省エネルギー対策のためにいろいろと研究されておるわけでありますけれども、これはどのくらい省エネルギーになるのか、おわかりでありましたらひとつ御答弁いただきたい。

山本重信日本自動車工業会常任委員会委員長

○山本参考人 岡本先生の御質問の第一は、アメリカでは燃料多消費型の車にペナルティーがかかっておるが、日本でもそういうことをやったらどうかというお尋ねだったと思います。  アメリカと日本と根本的に事情が違う点があると私は思います。アメリカは御存じのように、従来大型車が中心でございまして、そしてまた、石油の消費の中の四五%を自動車が使っておるというような状態でございます。そういう点でかなり思い切った誘導措置をとりませんと、なかなか省エネルギーという方向に進みにくい国情があると思います。したがって、政府としては思い切ったそういう罰則規定を設けた措置をとったのだろうと思うのであります。日本の場合はどちらかと申しますと、従来からも小型車中心でございます。そうして、省エネルギーにはもともと非常に努力をしてまいっておる状態でございますので、後は原則としてなるべく自主的な努力に任せる。そして、それによってこの目的に到達していくということで十分ではないかというふうに私は考える次第でございます。  それから、第二点は電気自動車についてのお尋ねでございます。  電気自動車につきましては、仮に発電所で石油をたかないで、石炭を使うとか、あるいは原子力発電を行って電力をとる、それを使った電気自動車というようなことを考えますと、石油を節約するという意味では一つの大きなテーマになると思うのでございます。ただ、現状ではいかがかと申しますと、残念ながら電気自動車にはまだ大変問題がございます。まず第一にバッテリーでございますが、これが従来から技術屋がずいぶん努力をして開発をしてまいったのでありますけれども、現状ではいかにも重うございます。それから、一回の充電をするのに非常に時間がかかります。そして、しかも走行距離、それから最高スピードが、どうも一般的な実用に向けるのにはまだ十分でないという状況でございます。しかも、製造コストが非常に割り高になっておるというのが現状でございます。したがいまして、現時点におきましては、電気自動車の用途は比較的限られておりまして、特定の工場、事業場の中で、構内で使うというようなことに限られておるのが現状でございます。  今後の見通しといたしましては、私は、一にかかってバッテリーの開発が現在より画期的なものができるかどうかということにあるように存じます。私どもも電池メーカーさんとは協力して開発を進めておるのでございますけれども、残念ながら現時点では、そう近い将来に現在のガソリン車に取ってかわるだけの役割りを果たすような電気自動車を期待することは、まだ見通しが立っていないというのが実情でございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 私たちは当委員会でもやかましく言いまして、せっかく五十億ばかり日本の国の国費を投入して電池の開発なんかをやっていただいたわけですが、これはやはり何とかして——アメリカでも、相当なお金をかけて電気自動車の開発をいまやっておるわけです。     〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕 たとえばイギリスに参りましても、牛乳配達あるいはまた新聞配達、こういうものに非常に使われておる。したがって、私は省エネルギーの立場から見ましても、夜間の電気が使える、こういうことからこの開発には若干力を入れていただきたい、これをひとつお願いいたしておきます。  次に春日参考人にお聞きいたしますが、断熱構造物について一般の住宅というのは、これはこれから推進しなければならないと思いますが、少なくともこの法律が施行されて省エネルギーを推進するにつきましては、住宅公団だとか、そういう国、地方公共団体というようなところが建てるところの住宅、あるいはまた国が建てる工場、事業場、たとえば電電公社あるいはまた専売公社の工場、こういうようなところには断熱構造を義務づけていく、これが私は一般の住宅をそういったものに誘導していく大きな力になるのではないか、こう考えるのですが、この点についてお答えいただきたい。  第二点は、大体三十坪ぐらいの住宅で材料とそれから工賃、大体どのくらい断熱構造にすると値段がかかるのか、この点おわかりでありましたら、ひとつお知らせいただきたい。

春日袈裟治硝子繊維協会会長

○春日参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。  公団住宅あるいはその他、国の大きな施設に関しては、義務づける方がいいじゃないかということでありますが、これはもちろんそういうことがまず最初に必要じゃないかと思います。これは国の予算というものがありますので、まずみずから示す、予算を使って、そういう公団住宅にしろ、あるいはいろんな国の施設の断熱構造化を図るということによって、これが一般民間の施設、そういうものにも一つの例示になりますので、逐次そういうことを義務づけられるように努力をしていただきたいと思います。  第二点に関しまして、三十坪ぐらいの建物に断熱材を使えばどんなぐらいの費用かと申しますと、材料それから工費をまぜまして、大体建設費の二%ぐらいであります。ですから、せいぜい、いまの三十坪程度の家だと二十数万円でできるのじゃないか。これはいろいろの人の立場で、そう少ない金ではないかもしれませんが、これだけの金でもってもし住宅の断熱化ができますと、これはもちろん断熱の基準の程度によりますけれども、五十ミリの断熱材を天井、壁、床その他全部にわたってクローズ的に使いました場合は、暖房費が約半分になります。要するに二%の材料、工事費を使うことによって、ランニングコストが約半分になるというメリットがありますので、ただいまの法律では自主的でございますが、大いにこれをPRをして、それをやった方が得だということを指導、助言をして、みんながやれば、エネルギーの節約という国のそういう大きな立場ではなくして、個々の人が経済的にも非常に得をするということになります。そういうふうに考えております。  終わります。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 次に熊谷参考人にお聞きいたしますが、先ほどの話では四十八年から約八%熱の消費を下げた、こういうことでありますけれども、私の方の調べたところによりますと、その中で高炉炉頂圧タービンを整備することによりまして、これは通産省の資料ですけれども、全国に高炉基数が、約三百立方メートル以上のものが五十三年に約七十基あるそうですが、そのうちの十七基、これで目標として年間約二十五万キロリットルの石油換算のエネルギーが節約できる、こういう推測をされたデータがあるわけですが、五十三年度末でまだ十基しかできていないようであります。七十基のうち十基ができただけだということでありますが、これは省エネルギー対策については非常に大きな効果があると思うのですが、この見通しはいかがでしょうか。全国になりますからあれですけれども、おわかりでありましたら御答弁いただきたい。

熊谷典文日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長

○熊谷参考人 お答えいたします。  現在高炉が六十四基ございます。したがいまして、七十基の炉頂発電ができるというのはちょっと私曲に落ちないのでございますが、現在動いておる高炉が四十基ばかりございます。現在の炉頂圧発電は建設中のものを入れて十五、六基あると思います。将来を考えました場合に、これが恐らく二十基程度には近いうちになるのではなかろうかと考えております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 この七十基というのは、実は通産省からもらった資料なんです。通産省が当初四十八年から五十三年までの間に十七基と推定いたしまして、そして二十五万キロリットルの石油換算の省エネルギーができるが、五十三年度末で十基しかまだできていないというのがこの資料なんです。これは私が調べたのではありませんけれども、そういう資料になっております。  そうすると、あなたのお答えではそのうち二十基は大体できるのじゃないか、あとの分はちょっとできない、こういうことでしょう。

熊谷典文日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長

○熊谷参考人 通産省の資料と違いがございますが、私が現在鉄鋼業界で聞いておりますところでは、現在炉頂圧発電は十基ではなくて十五基ございます。今後、動いておる高炉の半分程度は炉頂圧発電がつけられるのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 次に、転炉ガス回収装置ですね、これの状況もできましたら御答弁いただきたい。この通産省の資料によりますと、四十八年から五十二年までの間に石油換算で四十万キロリットルのエネルギーの回収が見込まれる。それからコークスの乾式の消火設備の設置、これが四十八年からこっちに三基つけたために石油換算で約八万キロリットル、こういうものが回収されたというようなデータが出ておるわけですが、この促進はいかがなさるのか、これもひとつお聞きをしておきたい。

熊谷典文日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長

○熊谷参考人 ただいま御指摘のございましたようないろいろな設備の改良、新設をやっております。そういうものを総計いたしまして、先ほど申し上げましたように石油換算五百万キロリットルの節約をいたしたわけでございます。今後とも可能な限りそういう省エネに役立つ設備はつけてまいりたいと思いますが、中心になりますのはやはり今後は中低温の熱回収設備あるいは連続鋳造設備の増強による省エネ、そういうものが中心になろうかと思います。そういうものを中心にして、さらに二次対策として数%のエネルギー節約を志向しておるのが各社の現状でございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 時間がありませんからこれ以上聞きませんが、ひとつできるだけ進めていただきたいと思います。  次に鎌田参考人にお聞きいたします。あなたも省エネルギー部会の方に入っておられたそうでありますが、これは通産省の資料ですが、「長期エネルギー需給暫定見通し」、これは御存じでございましょうか。この中で「五十年度(実績)」として「六十年度」、この中にたとえば原子力、これが五十年度が六百六十二万キロワット、六十年度にして二千六百万キロワット、こういうようなことで出ておるわけですが、現状では非常に危ないような状況になっておるのですが、そういうことになってきますと、わが国のエネルギーの見通しというものが非常に暗くなってくるのではないか、こういうことについて論議はなかったのかどうか。また結論としては、その場合はどうするのかというような論議はどうなったのか、できればひとつお聞かせいただきたいと思うのです。

鎌田勲日本経済新聞社論説委員

○鎌田参考人 お答えいたします。  いま御指摘のような検討はもちろん非常に精力的に行われたと思います。その結果といたしまして、諸般の状況を勘案した上で、対策促進ケースと申しますか、もろもろの対策を官民挙げて推進するということでいきますと、昭和六十年度の原子力開発の規模は三千三百万キロワットになるというようなことになり、またLNGについては三千万トンというような数字が出ておりまして、大体エネルギーの開発に精いっぱいの努力を払う、また省エネルギーに精いっぱいの努力を払う、その結果として輸入石油所要量を、対策促進ケースでは昭和六十年度に四億三千二百万キロリットルに抑えよう、石油依存度を昭和五十年度の七三%から六五%まで下げようではないか、こういうような検討が行われたわけでございます。その後情勢の変化があり、最近特に情勢の変化が著しいようでございますが、今後この情勢の変化の行く末を極力見きわめつつ、この暫定見通しにつきましても見直すべき時期が来るのではないか、かように考えております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 もう一点、鎌田参考人にお聞きいたしますが、このときの論議の中に、社会教育、特に学校教育、こういう問題がうたわれておるわけですが、御承知のように、高度成長の中において、わが国の国民の国民性として消費が美徳だというような現状でありますが、これはやはり学校の教育から直していかなければならぬ。昔、私たちは二宮金次郎の勤勉あるいは質実剛健とか、こういうような教育を受けたもので、物はもったいないという観念があるのですが、いまの若い人たち、子供たちにはそれがないわけですね。その点からこういった問題が取り上げられたのじゃないかと思うのですが、特にこの中で、時間がありませんから、学校教育についてどういうような方向づけが論議の中に見られたのか。それをひとつ鎌田参考人にお聞きしたいと思います。

鎌田勲日本経済新聞社論説委員

○鎌田参考人 お答えいたします。  学校教育の面におきましても、省エネルギーの意識を浸透徹底させるべきであるということについてはお説のとおりでございます。  先ほど、私、触れましたように、倫理的省エネルギーの必要性は、これは指摘するまでもない点でございまして、これが基本になり、家庭から輸送部門、産業部門への省エネルギーの進展を図ることができるのであろう、かように考えておる次第でございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 持ち時間が終わりましたので、八田参考人にお聞きしようと思いましたけれども、これで終わります。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 宮田早苗君。

宮田早苗民社党

○宮田委員 参考人の皆さんにはお疲れだと思いますが、私は、鉄鋼連盟の熊谷参考人と自動車工業会の山本参考人、お二方にそれぞれ二問あて質問をいたします。よろしくお願いいたします。  まず、鉄鋼業界についてでございますが、四十八年の石油危機以降、エネルギー管理が経営の中心的な課題となっていたわけでありまして、そのため各社が精力的に取り組まれてきたことに関しましては、私ども非常に関心を持っているところでございます。  そこで、熊谷参考人にお伺いいたしますのは、今回こうした新しい法律もできるわけでございますけれども、業界として、今後、省エネルギー化ということに対しまして、いかに取り組んでいかれるものかということが一点であります。  もう一つは、参考人の御意見を拝聴しておりまして、その中に、省エネの目標設定に関するくだりのところで、画一的な細部にわたる規制をすべきでない、こういう意見がございました、こう申されましたので、もう少しこの点について具体的に述べていただきたいということでございます。  次に、山本参考人にお伺いいたしますのは、まず、燃費に関しまする規制で、アメリカの厳しさをよく引き合いに出されておるわけでございますけれども、ヨーロッパ諸国はどうなのかということが余り出ないわけでありまして、さらにまた、わが国のメーカーがどのように対応していくのかということであります。  もう一つは、国産車の燃費の推移を見ますと、さっきもちょっと出ておりましたように、四十八年以降四十九年、五十年と低下をして、その後上昇しておるということなんでございますが、排出ガス規制への対応が燃費の低下を来した理由と思われるわけでございますが、燃費対策上トレードオフとなるものは具体的にどのようなものがあるのか、また、それに対しまして業界はどのように対処していくおつもりか、この点御説明をいただきたい、こう思います。  以上です。

熊谷典文日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長

○熊谷参考人 お答え申し上げます。  今後鉄鋼業界はどういうような省エネルギー対策をやるつもりかということでございますが、先ほど来申し上げましたように、われわれとしては多量のエネルギーを使っております。これをやはり節約することは社会的責任であるという意味で、格段の努力を従来からしておりました。いままでやりましたのは、早急にやれるもの、作業改善、生産工程の合理化等によりましてやってまいりましたが、その限度もようやく来ておりますので、今後は、先ほど申し上げましたように、炉頂圧発電の拡充とか連鋳設備の拡大とか、あるいはまた中低温廃熱の回収技術の開発、それの設備の設置等によりまして、何としてもやはりエネルギーを節約してまいりたい、かように考えています。各社とも、目標値はばらばらでございますが、いずれも第二次計画といたしまして数%の目標値を設定いたしまして、三カ年計画あるいは五カ年計画で邁進しておるところでございます。  今後大事な問題は、技術開発と設備投資だろうと思います。したがいまして、先ほども申し上げましたように、この面について格段の御配慮、特に公害等につきましては低利融資という制度もございましたが、私は、一般論として申し上げますと、こういうエネルギー節約にもやはり低利融資の制度を適用すべきだ、かように考えておるところでございます。そういうものをお願いはしますが、なくてもわれわれとしては最善の努力をするつもりでございます。  それから、きめ細かい規制は避けるべきであるという点の説明でございますが、この点は、先ほどくしくも板川先生から御指摘がございましたように、私が申し上げるのは、目標値を設定して、自主的判断、自主的努力に任すのはいいが、余り個々の設備について原単位を決めるやり方というのは、労多くして効がない、こういうことを申し上げたいわけでございます。と申し上げますのは、それぞれの設備が、古い設備もございますし新しい設備もございます。また、設備が大きなものもございますし小さなものもございます。それぞれ皆効率が違うわけでございます。さらに、同じ設備で、たとえば特殊鋼もつくればステンレスもつくるというように、いろいろな品物をつくっております。したがいまして、設備について原単位を決めるということは非常に困難でございます。そういうことをするよりは、むしろ大きく目標値を定めて、業界の自主的努力にまつ方がいい、こういう意味で申し上げた次第でございます。

山本重信日本自動車工業会常任委員会委員長

○山本参考人 お答え申し上げます。  まず第一は、ヨーロッパでの規制の状況についてのお尋ねでございます。  ヨーロッパでは、現在、イギリスとフランスとスウェーデン、この三つの国が燃費につきまして公表制度をとっております。いわゆる規制というのではございませんで、むしろユーザーに対する情報提供というようなことで、当局がその公表を行っております。特にそれ以上のいわゆる規制というような段階にはまだ入っておりません。  それから、第二のお尋ねは、燃費の改善とトレードオフになるものについてでございますが、先ほど申し上げましたように、排ガス対策がある意味から言うと非常に大きな影響を与えたわけでございまして、排ガスのために特に新しくコンバーターとかいろいろなものをつけましたために、燃費の方には大変悪い影響がありました。先ほど申し上げましたように、その点は今度の五十三年の排ガス規制を実施する過程におきましていろいろ技術開発を進めました結果、ほとんどもとに戻ったという状況でございます。  そのほかといたしましては、安全性の問題がございます。安全性を非常に重視して、たとえば衝突しても大丈夫だというようなことで、戦車か何かのようなものにしてしまいますと、重くなって燃費の面では当然マイナスになります。しかし、私たちは、この安全性という問題は何より優先すべきものだという考えでございますので、省エネルギーの推進をする過程におきましても、安全に支障がないかどうかということを常にチェックして進みたいと思います。  そのほか騒音対策の問題がございます。これも中に音を吸収する材料とか、それを遮断する材料とか、いろいろそういうものをつけたりしますので、ある面では車を重くし、燃費にはマイナスに働くことが考えられます。  そのほか、強いて申し上げますと、軽くするために、たとえば鉄のかわりにある部分をアルミにするとかプラスチックにするとか、あるいは薄くても強度のいい鉄板にするというようなことになりますと、ある面でコストが当然高くなるわけでございます。  そういう問題はございますけれども、私たちといたしましては、何とかこういういろいろな困難な問題を解決しながら、同時に燃費の改善を図るように努力してまいりたい、かように存じております。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 工藤晃君。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員(共) 工藤晃ですが、参考人の皆さんには御苦労さまです。時間が限られておりますので全員にお聞きできないことは残念ですが、お許しください。  最初に、鉄鋼連盟の熊谷参考人に伺いたいと思います。  二点ばかり伺うわけでありますが、実は、資源エネルギー問題研究所の「資源とエネルギー」という雑誌に今度の法案をめぐりまして座談会がありまして、ここに新日鉄のエネルギー管理部副部長の池田さんがおいでになりましていろいろお話しになっているわけなんです。この中で、池田さんの方は「私に言わせれば、重箱のすみをつつくような話じゃないのか。」というのが今度の法案に対する御意見で、こんなことに何で国が介入しなければいけないのかということを述べていたので、これが産業界の代表意見かなと思ったら、どうもそうではないように伺ったわけであります。ただ、鉄鋼の場合は、先ほどお話ありましたように、ずいぶん省エネルギーということでやられてきたということで、先ほどお話になったように、生産工程を改善したり管理の改善を主にしながらやってきた。しかし、これからは技術開発がどうしても大きな問題になっている、それが泣きどころじゃないだろうかということを言われている。この辺はただいまのお話と大体一致するところが多いように伺ったわけなんです。  そこで私が伺いたい二点というのは、一つの場合、これで熱管理上のいろいろなガイドラインを設けますけれども、実際設ける以上、一応中小企業でも実行可能なとか、いろいろな可能性も考えられるでしょう。だとすると、結局鉄鋼なんかの場合で大手がもうすでに到達したところと、しかしこれは中小にとってみればかなりむずかしい目標である。そうすると、結局大手にとってみるとそう努力の要らないところが目標のガイドラインになってしまって、中小企業は相当努力しなければいけないけれども、大手の方にとってはそれほど努力しなくてもいい線が引かれるような結果になるのではないだろうか、その辺どう判断されているか、これが一つであります。  それからもう一つ、これは先ほど熊谷さん言われましたように、あるいはまたここで新日鉄の方が言われているように、これから本番である省エネルギーというのは、要するに熱機関から出る熱の回収が主になりますね。炉頂圧発電にしろ熱の回収にしろ、これが一番大事になるけれども、これは相当設備投資も要るし、技術開発も要る。だとすると、特に鉄鋼業界としては、さしあたってどのくらい設備投資あるいは研究開発のための投資をやろうとしているのか。この二点について伺いたいわけです。

熊谷典文日本鉄鋼連盟エネルギー対策委員会委員長

○熊谷参考人 申しわけないのですが、私はその資料はまだ見ておりませんが、誤解があるといけないので申し上げますが、先ほど申し上げましたように、恐らく鉄はもう相当やった、やっておる、したがって、法律があってもなくてもやるんだというような意味で申し上げたのだろうと思います。決して鉄鋼業界全体がこの省エネルギーについて不熱心であるとか、この法案についてとやかく申しておるわけではございません。鉄鋼業界の意見は、先ほども私が委員長として明瞭に申し上げたとおりでございますので、御了解をお願い申し上げたいと思います。  それから、第一点の目標値が中小企業を基準にしてやるので、甘くなるのではないかという御指摘でございますが、これはどういう目標値をどういう方法で決めるかというのは、私は責任者でございませんのでお答えしようがございませんが、恐らく通産省としては鉄鋼一本でなくて、先ほど申し上げましたように、特殊鋼とか平電炉、これはどちらかというと中堅企業、中小企業でございます。それから、銑鋼一貫製鉄所、これは大手でございます。そういうように業種別に分けて決める可能性もございます。したがって、私どもは中小並みにやればいいというような甘い考え方で対応すると間違いだ、かように考えております。しかし、これはいずれ政府が決めることでございますので、私がとやかく申し上げるところではないと思います。  第二の、熱回収に今後重点を置かなければならないということは御指摘のとおりでございます。ただ、この熱回収のためにどのぐらいの技術開発をやって、設備投資をするかというのは、現在手元に資料を持っておりません。しかもこれは相当長期的にわたりますので、さしあたり五十四年ぐらいの設備投資計画等はあるかと思いますが、長期的なものはまだ各社できていないと思います。今後、御指摘の点は大事でございますので、この法案の成立を機会にわれわれもそういう勉強をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員(共) 続いて山本参考人に伺いたいと思います。  先ほどのお話によりますと、いまアメリカが相当巨額の投資をしながら、アメリカの自動車の体質改善といいますか、特に小型車においての体質改善をやろうとしている。これに対抗しなければいけないというお話で、そのためには相当また設備投資も要るというお話でありましたが、自動車工業会においては、ではそのための設備投資というものとしてどのくらい考えているのか。これが質問の第一点であります。  第二点としては、実はこれは私委員会でも取り上げた問題でありますが、日本の自動車の耐用年数は欧米車と比べて短いということが指摘されてまいりまして、たとえば日本経済調査協議会、これは代表理事は中山伊知郎さん、永野重雄さん、こういう方たちでありますが、そこでも問題提起されまして、西ドイツ並みに延ばしただけでも実は生産がそれだけ落とせますので、その面からする省エネルギーということが期待されるという指摘もありました。ただし、日経調の調査によりますと、それだけでなしに、実は走る距離が一万キロから二万キロあたりへいくと走行燃費の効率が落ちるので、その面から言うと、総合得点で言うと必ずしも省エネルギーにならないのだという結論なんですが、私が独自にいろいろ調べた結果、必ずしもそれは言えない。一万キロから二万キロで燃費の効率はそう落ちないということだったので、かなりこれが期待できるのではないかというふうに考えるわけです。だとしますと、自動車工業会として、一台一台の効率をよくするという努力と同時に、やはり社会的責任ということから、なるべく耐用年限が延びるような工夫ということも同時にしていただかなければならないのではないかと思いますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。

山本重信日本自動車工業会常任委員会委員長

○山本参考人 第一の設備投資の点でございます。  アメリカは、先ほど申し上げましたように大変な意気込みでございまして、これから数年間に七百億ドルという巨額の投資をすることにいたしております。私たちも負けないようにやるつもりでございますが、従来自動車業界の設備投資額は、直接の完成車メーカーだけで大体四千億円から五千億円くらいの間で参っております。そのほかにいろいろ部品関係とかがあると思いますが、これからこの設備投資の額がどうなるかということにつきましては、各社ともそれぞれかなり事情が違いますし、現在のところ、業界全体として今度のこのエネルギー対策のためにどれだけの投資をするかということについての計数的な調査はまだいたしておりませんので、きょうのところはちょっと申し上げられません。よろしくお願い申し上げます。  それから、第二点の耐用年数のことでございます。これは、日本の車が耐用年数が少し短いということをよく言われるのでございます。統計資料で見ますと、たとえばアメリカの車が十一年で、ドイツの車が九年で、日本の車が八年とかというようなことも言われるわけでございます。実はこの耐用年数というものの計算の仕方がいろいろございまして、私も余り詳しいそちらの統計の専門ではございませんけれども、過去、たとえば十年ぐらいたった前の車が現在どれくらい残っているかというようなことから計算をしてきておりますので、いわば現在言われておる耐用年数というのは、十年ぐらい古い車についての議論であるように、まずちょっと考えられる点がございます。  それからもう一つ、私たちメーカーとしてはっきり申し上げられますことは、私たちがつくっております日本の車、特に現在つくっております車は、耐久性ということについては国際的に見てどこにも劣らない、長く使っていただいて十分なだけの私ども自信を持って供給をいたしております。ただこれはどのぐらいたったら売り渡すか、そして中古車になり、それが転々と回って最後に廃車になるかというこの過程につきましては、その国の社会情勢あるいはユーザーの物の考え方とかいうことによりまして、比較的早目に切りかえていくというようなところでは、それがわりあい早く中古車になり、さらに廃車になるというようなことでございまして、メーカーは、たとえば耐久性のない、弱い車をつくっておるから耐用年数が短いというふうには御理解いただかないようにお願いいたしたいと思います。この点は私ども、特に外国へたとえば車を輸出しております場合も、日本の車の品質、耐久性についてはむしろ各国とも高い評価をいただいておる次第でございまして、国内で出している車についても全く同じような考えを持っております。  それから、古くなると燃費が悪くなるという話がございました。これは一万とかそこいらではほとんど変わらないと私は思います。しかしやはり数年間使っておりますと、ある程度、当然その間に、これはもう法律でも決められておる部品の交換とかいろいろしなければなりませんし、総合的には若干燃費が悪くなることはあると思います。しかしそれも相当に、恐らく数年たった場合のことであって、一万とか先生のお話のような期間ではそういう現象はないというふうに思います。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員(共) どうもありがとうございました。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 中馬弘毅君。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 予定の時間も大分オーバーしておりますので、簡単に残った問題で御質問さしてもらいます。  まず、鎌田参考人にお願いしたいと思うのですが、先ほど御陳述の中で、今回のこの法案を契機として、日本の省エネルギーの対策が一段と進むということを非常に評価されておりました。これは、特に鎌田さんあたりが出されました省エネルギー部会の答申がそのまま実施された場合の話でございましょうが、ここへ出てきておりますこの法案は、ほんのその一部だけのことでございまして、あと交通の問題あるいは農業の問題、その他先ほど問題になっておりました教育の問題、あるいは倫理の問題といったことはすべて何もなされておらないわけでございます。政策化されて初めてこれが効果が出てくるかと思うのですが、その政策化がなかなかおくれておるのが現実でございますし、そうするうちに第二次石油ショックといったことで、何もないままにまた大変なことになるということを私も恐れておるわけでございます。この点について、鎌田さんは、この政策のおくれあたりを、出された方の立場としてどのように御判断なされておるか、ひとつお答え願いたいと思います。

鎌田勲日本経済新聞社論説委員

○鎌田参考人 お答えいたします。  エネルギー事情の脆弱性を持つわが国として、将来の危機に備えるべきことは当然でありますが、しかし先ほども申し上げましたように、将来の見通しにつきましては警戒論、楽観論それぞれありまして、それが将来の見通しである以上、必ず第二のエネルギー危機が来るとも言い切れない面があるということを先ほど申し上げたわけであります。ここら辺、世間で一九八〇年代あるいは八五年、九〇年のエネルギー危機というものを想定して、警鐘を乱打している方々と私との若干の違いであろうと思うのでございますが、私はそういう観点に立ちますと、強制的規制措置を現時点で講ずるのには問題がある。やはり国民の自発的な省エネルギー努力を極力引き出すこの法案程度の政策が、現時点では妥当ではないかというふうに考えるのでございます。強制的な規制措置に種々のマイナスが伴うことも知られているとおりでございます。ただ、今後時代の推移を見、国民の理解と同意を得ながら、必要があれば強制的な措置を取り入れていくというような形にしておけばいいのではないかと考えます。  一方、供給中断というような緊急時に備えての省エネルギー対策を別途講じておくべきことは言うまでもございません。  以上でございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 山本参考人にお願いいたします。  先般トラックの過積み規制が行われまして、これによっていろいろな部面での、物価の値上がりなんかも含めた若干の影響が出ていることは御存じのとおりだと思うのです。これはもちろん安全上の問題からこの規制が行われた点が一番大きいわけでございますけれども、その安全性を無視しろということではなくて、トラックの過積み規制が省エネルギーに逆行していることが現実だと思うのですね。といいますのは、いままで一台に積んでおったものを二台に積まなければならないということ、あるいはいまトラックメーカーが非常に繁忙で、秋口まで受注残がいっぱいだといったようなこと、これはむしろ大量輸送の方に移していかなければならないのかもしれませんけれども、そういたしますと、むしろ安全と両立させる意味で、いままで積んでおったあの程度のものは、もう少し技術的に積めるような車をつくるとか、こういったことについての自動車メーカー側の対応というのはいかがでございましょう。

山本重信日本自動車工業会常任委員会委員長

○山本参考人 過積載問題についてのお尋ねでございますが、やはり安全ということが何より重要なことだと私ども思いますので、安全という観点から決められておる積載量を超過して運搬するということは何としても避けなければいけない、取り締まりがなくても避けなければいけないというふうに考えます。  それから、先生御指摘のように、エネルギーあるいは全体の効率の点から見まして、できるものならもっとたくさん積んで運んだ方がいいという気持ちはあるわけでございますけれども、現在のトラックの状況からいいますと、かなりいろいろな面で若干余分に積んでも差し支えないような設計上の工夫をしたりした面もないではないわけです。しかし、それは法律上規則の上で決められたことを守ってやるべきなのでありまして、それは逆に言いますと、今後この車の積載量を決定する場合に、メーカーの立場からいいますれば、あるいはその後のいろいろな車の品質の改善によりまして、もう少し余分に積んでもいいようなことを再検討する余地はあるのではないか。また私たちもそういう方向に向かってさらに技術的な努力をすべきである、こういう考えを持っております。しかし、いずれにしましても安全最優先ということで、安全上差し支えない範囲でそういった対策を考え、またそういう運用を行政当局の方にもお願いしていくべきであるというふうに考えております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 進藤参考人にお願いいたします。  これは一般の消費者の声でもあるのですが、先ほども少しお話が出ましたが、耐用年数が非常に短いじゃないか、あるいは壊れた場合にすでにそのものの交換部品がもうそろってないじゃないかといったような声が出ております。確かに直接のエネルギーじゃありませんが、日本全体のことで考えますと、省資源という意味からのエネルギー節約ということで、これの耐用年数あるいは部品の保存期間をもう少しはっきり明示して長く使っていただくという形は、省エネルギーの立場からいっても有効なことじゃないかと思うのですね。その部品の保存期間あたりを明示して、もう少し長く使っていただく形をとるということに対して、電機工業界あたりの御意見はいかがでございましょう。

進藤貞和日本電機工業会会長

○進藤参考人 いまのお話はまことにそのとおりでございます。  ただ、現在使っております家電品の補修部品につきましては、通産省の行政指導によりまして部品の保有期間が決められております。これは大体三十二ばかりの品目がございますけれども、五年から九年というところでございまして、一例を挙げますと、電気冷蔵庫、エアコンディショナーは九年、白黒テレビ、カラーテレビなどは八年というふうになっております。そして補修部品は常にそれによりまして用意をしておるわけでございます。また大量に使われるものにつきましては、その期限が切れておりましてもそれについてはいつでも供給できるようにしております。  ただ問題になりますのは、確かに古いものを使えばそれだけ省エネルギーということにはなりますけれども、余り古くなりますと、だんだん効率のいい品物ができてまいりますので、そっちを使った方がかえってエネルギーの節約になるというようなことも考えられるわけでございまして、そういうことで補修部品を使ってそれを直して、それを使ったときのエネルギーの消費の多いものを使うか、あるいは新しいものに変えてエネルギーの消費の少ないものを使うかという兼ね合いがございますけれども、それは、一般的に言えば長く使った方がいいのではないかということは考えられます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 長時間ありがとうございました。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 以上で参考人に対する質疑は終わりました。  参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、ありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十七分休憩      ————◇—————     午後二時十二分開議

山下徳夫自由民主党

○山下(徳)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続き政府に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 エネルギーの使用の合理化に関する法律案に対して質問いたします。  この法案は、省エネルギー政策の一部であるエネルギー使用の合理化を推進することを目的としています。われわれもこの法案の目的と規定に反対ではありません。しかし、この法案の規定するところが省エネルギー政策としては余りにも狭過ぎるという感じがするわけであります。この法案が立案をされた当時と今日では、わが国をめぐるエネルギー事情は、イラン石油問題、スリーマイル島の原発事故により原子力発電の開発のおくれなどが予想されまして、省エネルギーの要請は一層厳しくなっておると思います。使用の合理化のみでは不十分である、だからもっと充実した省エネルギー法を制定する必要がある、こういう観点から私どもは若干質問いたしたいと思います。  通産省に伺いますが、この法案の立案の背景となった点について、私はこのように理解しております。総合エネルギー調査会は五十二年八月に「長期エネルギー需給暫定見通し」を発表いたしました。これは、石油ショック後のエネルギー需給事情を勘案して、昭和六十年度を目標にエネルギーの長期需給見通しを発表した、そしてそれには省エネルギー政策が必要であるとし、一〇・八%の節約を図るべきだ、こう提言したわけであります。それに引き続いて、総合エネルギー調査会の省エネルギー部会が五十二年十一月二十五日、「省エネルギー政策の必要性と課題」と題して報告書をまとめた。その報告書に基づいて、それを基礎としてこの法律案が作成された、こういうふうに理解をいたしますが、これでよろしいかどうか、念のために伺っておきます。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 おっしゃるとおりでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そこで、五十二年八月の「長期エネルギー需給暫定見通し」、これは、内外のエネルギー事情の変化によって今日では達成見込みが不可能なもの、たとえば原子力発電、あるいは達成を恐らくオーバーするであろうというLNGなどがありまして、この「長期エネルギー需給暫定見通し」は再検討して軌道修正する必要がある、こう思います。新聞によりますと、政府もその方針を固めておられるということでありますが、これもまた御異議ありませんか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 御指摘の点はやはり現時点でいろいろ問題はありますが、石油の場合、価格は高騰しておりまするが、入手の量においてはいまのところどうやら確保できておるというのが御承知のとおりの実情でございます。それから五%節約、これはやはり徹底しなければならないというふうに考えております。  原子力発電所の建設については、御指摘の点確かに心配な点でありますが、見方によっては、今度のあの事故というものは、結果的にはやはり安全性は相当確保されておったということも言えなくはないわけであります。しかし、私どもはあくまでこの原因を究明いたしまして、カーター大統領も言っておりまするが、正しく国民に知らせることにより納得を得て、計画はぜひひとつ進めていきたいものだというふうに考えておるわけであります。  しかし、いろいろ御提示にありましたように、石油の先行き、原子力発電所の建設計画もときにスローダウンなどというような問題も予想されないわけのものではありません。しかし、そういうことがないように最善の努力をいたしてまいるつもりでおりますが、今後ともこの動向をにらみ合わせながら支障のないように計画を遂行していきたいというふうに考えます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 これはエネ庁長官でもいいのですが、私がいま議論したいというのは、いま石油事情がどの程度の需給情勢かということよりも、長期的展望の上に立ってエネルギー政策を議論しよう、こういうところに気持ちがありますから、いま当面の問題ではないと思います。  そこで、この長期エネルギー需給見通しの見直しを用意しておると言うのですが、たとえば需要の方ですね、長期暫定見通しによりますと、五十年から六十年にかけて石油換算で三億九千万キロリットルが七億四千万キロリットルになるだろう。しかし、一〇・八%の省エネルギー政策を進めることによって、需要を六億六千万キロリットルに抑えることができる、こういう見通しを持っておるわけですね。これをつくったときは暫定であり、つくったときからすでに三年間を経過いたしておりますから、この辺で七億四千万キロリットル、一〇・八%、六億六千万キロリットル、この数字を、見直しの場合変更するような状態ですか、今日までのところこれは大体この線で来ておりますか、六十年を予想するとこれでいいのかどうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 この計画のベースになっておりますのは、経済企画庁の中期経済見通しというものにのっとってやっておるわけでございます。したがいまして、需要見通しに関しましては、政府全体としての経済見通し、これの変更がない限りにおきまして、需要の方をこちらだけで勝手に変えるというような性質のものではないのではなかろうかというふうに考えております。  ただ、御承知のとおりに、昭和五十年代の前半期におきましては、企画庁の計画で考えておったよりも経済成長率は下回っておったという現実がございますし、エネルギーの消費に関しましてもこの暫定見通しよりは下回っておったというのが実情ではございます。しかし、そうかといいまして、企画庁の方の計画が変わらない先に、こちらだけ先走って変えてしまうというようなことは現段階では考えておりません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 政府の方として、内閣として、この見通しをまだ変えてない。けれどもエネ庁としてはいまのままでいったとすると、この七億四千万キロリットル、一〇・八%の節約、六億六千万キロリットルの需要というのよりも相当下回っておりますか、予想として。もうすでに三年間経過しているわけですから、半ば近くなるわけですから、大体の見当として、たとえばこれよりも一億キロリットルぐらい少なく済みそうだとか、あるいはこれでは足りないらしいとかというような検討はしておりませんか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 いまのところではまだそこまで立ち入った検討はやっておりませんが、大体の感じとして申し上げますならば、エネルギー総需要量といたしましては、あの計画の線からそんなには違わないのじゃないだろうかというような感じでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 大体そうは違わないような感じ、こういうふうにこの三年間の経過を見て考えておるということです。  そこで今度は供給の方ですが、水力の一般が二千二百五十万キロワット、揚水が千八百五十万キロワットというこの見通し、それから地熱が百万キロワット、国内石油、天然ガスが一千百万キロリットル、国内石炭が二千万トン、原子力発電が三千三百万キロワット、LNGが三千万トン、海外石炭が一億二百万トン、うち一般炭が千六百万トンですが、新エネルギーが二百三十万キロリットル、小計しまして二億二千八百万キロリットルということになっておりますし、輸入石油の所要量が四億三千二百万キロリットル、こういうふうになって、大体六億六千万キロリットルになるわけですが、この水力以下、地熱、輸入石油所要量、こういうところの見通しはどうですか、どの点がこの計画よりも不足をし、どの点がオーバーをしておるのか、総需要は大体六億六千万キロリットルぐらい必要だと言っているのですから、見通しとして供給量がどの程度になっておりますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 各項目につきまして、数量的に六十年度でこれくらい多くなるだろう、あるいは小さくなるだろうということをいまの段階で申し上げることはむずかしゅうございますが、感じとして申し上げますならば、一番心配があるのは原子力関係、これが果たして計画どおりいくかどうかといいますと、原子力につきましては不安が多い。よほど努力しないとなかなかそこまでいけないのではないかというふうな心配があるということでございます。  これに対しましてLNG、LPG、それから海外石炭、こういうものにつきましては、計画の達成は十分可能であるのみならず、場合によるとそれをオーバーすることもできるであろう、こういうふうな感じでおるわけでございます。  最後の一番大きな問題は輸入石油でございまして、輸入石油のうち、それはLPGを含んでおりますけれども、LPGを除いた輸入原油及び製品、これは四億キロリットルを若干割るというくらいの数字でございますけれども、これが果たして調達可能であるかどうかというのは非常に大きな問題でございます。その数字は、OECDにおける一九八五年、二千六百万バレル・パー・デー、これは自由世界の輸入可能量の想定でございますけれども、それとうらはらになっておる関係にございますけれども、現在ではまだOECDは二千六百万バレルという数字を変えておりません。したがいまして、OECDが変えていない段階で、わが方だけこれまた先走って変えるということはどうかという気がいたします。もしOECDが変えるというようなことがあれば、その変え方にもよりますけれども、その場合には、この計画のかなり大きな前提が変わってくるということにもなろうかと存じます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 原子力発電三千三百万キロワットに対して、現在運転中の十九基が千二百六十七万キロワット、建設中の九基八百十一万キロワット、合わせても二千百万くらいですね。準備中が七基、七百十万キロワット分がありますが、恐らくスリーマイル島の事故にかんがみて、準備中がこの期間にできる可能性はない。建設中のものでも運転開始が相当おくれる見込みだ、こういうことになりますと、原子力発電でも三千三百万の半分ちょっとくらいになる可能性があるわけですね。  さらに、輸入石油の四億三千二百万キロリットルというのはなかなかむずかしい状態になる。多少の石炭の輸入がふえたとしても、石油から石炭転換というのはこれまた急にはできないわけですから、全体として私は言いたいのは、こういう長期見通しの上からいっても、省エネルギー政策というのはもっと真剣に準備をし、進める体制を組まなくちゃいかぬじゃないか。いまイランの問題があって、あるいはスリーマイルの事故があっても、石油は結構何とか入っているという認識だけでは、当面はそれはそれでいくにしても、長期的な見通しの上に立ったら計画的に省エネルギー政策というのをもっと真剣に進めるべきではないか、私はこういう気持ちを言いたいのでありますが、通産大臣の認識はいかがですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 お説に全く同感でございます。東京サミットのエネルギー政策の準備会におきましても、やはり来年も五%節約を決めよう、こういう準備段階における話し合いが行われたことを見ましても、いま御指摘の点はきわめて重要だというふうに私も認識いたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 原子力発電所が事故を起こした場合の緊急対策について、関係各省に若干伺いたいと思うのですが、まず総理府総務長官にお伺いをいたします。  大平内閣は、スリーマイル島原発事故にかんがみて、わが国でも原発事故に備えて住民の避難対策などを総理府で取りまとめるように指示した、こういう報道がされておりますが、その後、この指示に基づいてどういう対策をとられ、あるいはこれをまとめてどういう対策を樹立していこうとするのか、この点の見通しをちょっと伺っておきます。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・環境庁長官事務代?

○三原国務大臣 お答えいたします。  板川委員御指摘のとおり、先般の閣議におきまして大平総理大臣から、スリーマイル島の事故にかんがみまして、わが国におきましても特別の対処をすべきではないか、検討を進めよということでございます。そこで、通産大臣もお見えでございますが、特に通産大臣とも十分連絡をいたしまして、実は原子力発電所等の防災に関する連絡会議というのを設置いたしまして、先般来数次にわたって関係局長、関係課長の会議をいたしまして、大体の基本方針を樹立願ったのが現段階でございます。しかし、なおアメリカから具体的なデータなども参って、それに肉づけをするということになるわけでございます。  そこで、私どもの方におきましては、いま申し上げました連絡会議において基本的な方針を樹立し、後は災害対策基本法に基づきまして、担当省庁でございます国土庁に基本方針を連絡、バトンを渡したということになりますが、バトンを渡しまして、今後は国土庁が防災に対する主管官庁として、基本方針に基づき、これに関係省庁が加わって、特にまたアメリカから参りますデータ等も参考にいたしまして具体的な対策案を立案し、そして発電所内の問題等は非常に御注意を願って今日まで安全体制を確立してもらっているわけでございますが、その他原子力研究所、そういう域内と域外の問題もあるものでございますから、そういうものは自治省等に関係し、警察などに関係をする、また地方公共団体にも関係するわけでございますが、こういう点を総合的に見直すと申しますか、再検討を加えて、安全、防災対策を確立していこうということで進めておる現況でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それでは、たとえばスリーマイル島の事故のようなことが起こった場合に、現地に乗り込んで、これはこの付近で起こるとは限りませんから、九州へ行ったり石川県へ行ったりするわけですが、現地に行って避難命令を出したり何かするような指揮をするところ、指揮官というのはどこになるのでしょうか。アメリカの例を見ると知事が決断を下しておるというのですが、どういう規模で避難命令を出すかという判断は、日本の場合にはどこが担当して決断するのでしょうか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・環境庁長官事務代?

○三原国務大臣 いまの御質問は、そうした事故が起こった場合に、まずどういうことで情報をキャッチして、どこがそういう指揮命令をするようなことになるのかということでございます。  その点も検討を進めたわけでございますが、とりあえずは市町村から知事に報告をする、そして知事は所管の国土庁に報告をしてまいる。それから発電所の場合には、通産局に連絡があり、通産局は通産省に御連絡をなさる。最終指揮はどこにするかというようなことも検討してまいりましたが、それは災害対策基本法に基づけば国土庁長官のところに行くであろう。最後は総理に行くかもしれませんが、そういう指揮命令系統。それから、参ります情報を上げてこなければなりません。そういう系統は、発電所の場合は通産省の方にまず行くであろう。一方では国土庁に直接来るものもあろうということで、そういうものもあわせてただいま具体的な検討をいたしておりますが、それと災害対策基本法との関係等もにらみ合わせながら、そうした非常事態が起こってはなりませんけれども、起こった場合の指揮命令系統、それに伴いまして具体的に今度は防護関係の措置をしなければならぬ、その専門家なりの体制をどうするのか、そういうようなことについていま具体的な検討を進めておる段階でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 建設省関係者が来ておると思いますが、建設省は、今後原発をつくる場合にはそういうことを想定して避難道路は必ず置くような考えを持っておるのですか。たとえば道も場所もないところへ避難しろと言っても困るので、建設省も災害が起きた場合に、原発の周辺に避難できるような道路をつくるという体制があるのかどうかということを聞いておきたいのです。

吉田公二建設省住宅局参事官

○吉田政府委員 私の担当の住宅の仕事ではございませんが、道路の行政の面におきましては、あらゆる観点からの事態に対応することは当面頭に置いているはずでございますので、具体的な問題について私詳細に存じませんが、いろいろな状態に対応するということを考慮に入れているはずではないかと思っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 自治省関係者が来ておると思いますが、自治省では防災対策といいますか、避難対策という問題について当面どのような対応をしようとしておるのですか。

中川登消防庁地域防災課長

○中川説明員 消防庁におきましては、原子力災害の特殊性にかんがみ、各省庁と原子力災害に対する具体的対応策を協議していくとともに、原子力安全委員会で専門的、技術的事項を検討されることになっておりますので、その結論を踏まえて、必要に応じて地方公共団体を指導していきたい、こういうように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 総務長官、防災総合対策といいますか、それが具体的に決まるのは大体いつごろですか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・環境庁長官事務代?

○三原国務大臣 いま明確にいつごろということはお答えできませんけれども、スリーマイル島あたりの調査がある程度具体化いたしまして、そのデータなどをキャッチをし、それを受けてやりたいと思います。できるだけ速やかにということで御指示を受けておりますので、準備をいたしておりますが、いつごろでございますということは残念ながら申し上げる段階までいっておりません。お許しいただきたい。

板川正吾日本社会党

○板川委員 任期中にできますか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・環境庁長官事務代?

○三原国務大臣 任期中にはできると思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 先ほどもちょっと触れましたが、この法律の立案の段階では、イランの石油問題も起こっていなかった、スリーマイル原発事故もなかった、原発は絶対安全だという神話が通用しておった時代で、昭和六十五年には六千万キロワットの原子力発電をやろう、こういうような計画を立てておったときなんですね。原子力は絶対安全という神話が崩壊した今日、さらにOPECの値上げが予想よりも急ピッチで上がってきておる。石油の高価格時代を迎えつつあるわけでありますが、この省エネルギー政策も、使用の合理化という狭い範囲に限定をしないで、もっと広く省エネルギー政策というのを進めるべきではないかと思うのです。本当から言えば、この法律は一たんここで継続にしておいて、もっと総合した省エネルギー政策というものをつくって置きかえていった方が、エネルギー政策上いいんじゃないかと私は思うのです。これでつくり上げていくと、その点で、総合的な省エネルギー政策を樹立する上で支障になるという感じがするわけですが、通産大臣どうお考えでしょう。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 御指摘の点は、確かに政治的に十分配慮をしていかなければならない問題だと思いますが、当面この計画の線に沿って、節約を加味しながらエネルギー源の多様化を図っていくということも急務中の急務であるというふうに考えるわけであります。石油消費節約については、今後とも十分検討をいたしまして、御趣旨を体しながらこの問題については別途取り組んでまいる必要があろうかというふうにも考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 総合的な、もっと幅広い省エネルギー政策というのは、石油の節約、それからこの法律にあります使用の合理化あるいは資源の再利用、こういう問題とひっくるめて一つの法体系にすべきでなかったか、私はこう思っておるのです。これは省エネルギー政策の中のある部分なんです。これでは不十分な感じがしてならないというところに、実は不満点があるわけであります。  もう一つこの法律の不満点は、重要な省エネルギー政策を進める上において、推進母体というのがはっきりしていないのですね。あるいは、ペーパーの上ではある形にはなっております。たとえば、総理府には省エネルギー・省資源対策推進会議というのがあります。これは、昨年わずか一回しか開会をされていない。ことしも一月に一回ありましたが、その後、IEAの節約の問題が出て初めて開かれておるというので、省エネルギー・省資源対策推進会議といっても、通常の状態では余り積極的な活動をしていない感じがいたします。これは総理府総務長官の所管であります。それから経済企画庁では、総理府と逆な表現ですが、省資源・省エネルギー国民運動地方推進会議というのがあるのです。これは民間団体のようですが、五十三年に発足をして、五十四年度の予算を見ますと約六千万なんですね。一体五十三年度の予算はどのくらいかというと、二千四百万ですか、そのうちの八百何十万、四〇%くらいは不用品の交換会の費用だというんですね。だから、経済企画庁で持っておる省資源・省エネルギー国民運動地方推進会議なんというのは、実はほかに効用を持っていない。それから、通産省の所管では、財団法人省エネルギーセンターがありますが、これはこの法律と直接関係はないんです。そして五十四年度の予算が七億四千万ですか、競輪から補助金をもらっているというんで、余りいい内容じゃないですね。さらに運輸省では、輸送部門の省エネルギーが非常に重要であるのに、運輸エネルギー問題対策会議というのがありますけれども、これまた大した活動をしてない。これは議長は大臣官房審議官で、メンバーが各部長ですが、活動しておりません。  この法案の二十四条でも、省エネルギーを進める、本法を進める上において、国は国民の理解と協力を求める、国民とともに省エネルギー政策を進める、こういっておるのですが、その母体が明白ではないですね。内閣として、政府として総合的な省エネルギー政策を進める中心母体というのが必要じゃないでしょうか。いまはイランの問題があっても何とか入ってくると言っても、もっと長期的に見た場合には、こういう傾向、省エネルギー政策は重要だというのは間違いない見通しだと思うのです。そうだとすれば、内閣としてこの省エネルギー政策を進める推進母体というのをどこかに求めて強化する必要があると思いますが、これは総理府総務長官ですか、内閣を代表してどうぞ。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官・環境庁長官事務代?

○三原国務大臣 お答えいたしますが、御指摘のとおりだと思います。そこで、一昨年の十二月に省エネルギー・省資源対策推進会議というのが設置されましたのも、いま板川委員御指摘の点で関係省庁の調整をやって、総合的に、効率的に推進をするためにつくった会議体であるわけでございます。いま御指摘のように、ひとつ具体的にもっと常置的な機関をつくってはどうだ、そこでやらしてはどうだということでございますが、この御意見も承りまして、諸般の情勢を勘案をして、新しくそういう本部的な機構をつくるかどうかというようなことも検討いたしましたが、現在ございます推進会議と、先ほど御指摘でございました民間におきまする中央推進連絡会議、それから地方の同じく推進会議、これらが有機的な連絡をとりながら、積極的に、総合的、効率的にやらしていただく。現状のままでやらしていただくことにひとつ重点を置いてやってはどうかということが私どもの現在の考え方でございまして、確かに総合調整なり推進の機能が十全でないではないかという点は反省をいたしまして、対処してまいりたいということで考えておるところでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 総理府に設けられている省エネルギー・省資源対策推進会議というのは、総務長官が議長で各省の事務次官がメンバーですから、これは最高の意思決定をするところでしょうが、しかしこれは意思決定する機関で運動の機関ではないのですね。ただ政府が決めたというだけでは十分ではないので、運動を推進する母体というのが必要だと私は思うのです。エネルギー消費の大体六割が産業関係ですし、民生関係が二〇%、運輸が一三%か一四%といいますから、運動の推進母体が、通産省なら通産省の中に実質的には置かれるとしても、私は必要だと思う。省エネルギーセンター、これは競輪から補助金がいっていますから、ある意味で通産省の所管ですけれども、これをいわば推進母体にするのか、あるいはこれを総理府のもとに置いて各省の総合的な推進母体にするのか。政府が決定してペーパーで発表したというだけじゃだめなんですよ。何か省エネルギーセンターなりを母体にして、民間の協力を求めるような機関にするためには、どうしても特殊法人にしないとぐあいが悪いんですね。ところが特殊法人はいまふやさないという方針のようなんで、われわれもそこで若干困るのですが、実際は特殊法人にして、競輪からもらうのではなくて予算をつけてやり、民間の協力を得て省エネルギーという問題に取り組んでいく必要があると思うのですが、いかがでしょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 御指摘の点はまことに重要だと思います。先ほど総理府総務長官からのお答えもありましたように、やはり今後長期的に節約をする、それからまたエネルギー源の多様化を図る、問題は多岐にわたりますので、そのあたりは十分実効が上がるように、いまの御意見なども体しながら具体的に結論を得るように急ぎたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ぜひひとつ両大臣に検討してもらいたいと思います。  それから、きょうは運輸大臣は呼べなかったのですが、実は運輸部門がこの法律の対象から除かれているのですね。このエネルギー使用合理化に関する総合エネルギー調査会省エネルギー部会から出された報告の中には、輸送部門の省エネルギーというのが相当のスペースをもって書かれているのですけれども、この法律には輸送部門の省エネルギーという項目がないのです。これは一体どういうことなんでしょうか。立案の経過について伺いたいと思うのです。  輸送部門の省エネルギー政策としては、たとえば効率的輸送体系の確立というのがあります。あるいは交錯輸送を解消するという問題もあります。それで、貨物では一トン一キロ当たりの輸送が、トラックは鉄道の約十倍のエネルギーを使います。旅客では一人が一キロ移動するのに、自家用車は鉄道の八倍のエネルギーを使っております。  そこで、将来このエネルギーが不足してくるならば、省エネルギー政策として輸送部門の省エネルギーというのも重要な対象にならなくてはならぬと私は思うのですが、今回除かれた理由はどこにあるのか、これは長官でもいいです、御答弁願いたい。

林淳司運輸大臣官房政策課長

○林説明員 お答え申し上げます。  的確なお答えかどうかわかりませんけれども、この法律はそれなりの一つまとまった目的を持って提案されているものだと思います。そういうことで、私ども運輸省の関係といたしましても、たとえば自動車の燃費の改善でございますが、これについてそれなりの規定を置いております。  それから一般的な政策の問題といたしまして、運輸政策の面で省エネルギーというのが今後一つのきわめて重要な政策の目標であるということは、私どもも重々承知いたしておりまして、まさに先生御指摘のとおりだと思います。その点につきましては、従来から基本的にはエネルギー効率というのは、御指摘のとおり公共輸送機関がはるかにすぐれているわけでございまして、したがって、私どももできる限り私的な輸送手段から公共輸送機関に需要を誘導するというような方向で政策を進めてまいりたい、そういうことから、従来からたとえば地下鉄とかそういう高速鉄道の整備、あるいは自動車の場合にバスという公共輸送機関をできるだけ整備し使いやすくしていく、サービスを改善していくということに重点を置いて政策を進めておるわけでございまして、今後ともそういう方向の施策を重点的に進めてまいりたいと考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 運輸省でも別途に省エネルギー対策として検討をいたしておりますということです。  通産省に伺いますが、新エネルギー開発促進法なんという、新エネルギーですね。地熱、まだ残されている水力、あるいは太陽熱、水素エネルギー、その他いろいろの新しいエネルギーがあるわけです。これはサンシャイン計画で研究課題になっておるわけですが、このサンシャイン計画の中身などを中心にして、新しいエネルギー開発促進法というようなものを用意すべきではないだろうか、そしてもっと資金を投入して、国内にあるエネルギー資源を新規に開発し、再開発をしていく必要があるのではないだろうか。  たとえば小水力、いま日本で水力電気は二千二百万キロワット程度でありますが、小水力というのもこれを積み重ねていけば約二千万キロワット分くらいあると言われておるのです。ただコストが高いとかいろいろあるでしょうが、そういう国内にあって、あるいは国外でもいいのですが、まだ利用されないエネルギー、太陽熱利用というようなことは研究はしておりますけれども、何せその研究の成果のテンポが遅過ぎる。それは先ほど参考人と議論しましたが、資金と設備と人と時間という関係がありますが、とにかく時間だけでも、金で済むなら金を出して、もうちょっと早くこれを進める。そのために助成措置がある程度必要ですし、新エネルギー開発促進法というようなものを制定すべき時期に来ているのじゃないだろうか、こう思いますが、大臣いかがでありましょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 お話のように、太陽エネルギー、地熱、それから石炭とか水素など、クリーンな新エネルギーを活用するための革新的な技術の開発を図ること、そして、わが国の将来のエネルギーを安定的に供給する研究開発、それに対する努力、そして資金、御指摘の点は全く私どもも憂慮いたしておるところであります。五十五年から六十年にかけてのその研究開発費も約七兆円と言われます。一般会計から投入しても三兆七千億くらいは不足するであろうということが現実に問題になっておるわけでありますから、いま御指摘のような点を含めまして、十分ひとつ今後具体化するための検討をいたしまして、結論を得るようにしたいというふうに考えます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 昨年のわが国の新エネルギー開発資金というのを先進諸国と比較いたしますと、日本は大体アメリカの十五分の一、西独の三分の二、フランスの半分、こういうぐあいに非常に低いですね。  そこで、この新エネルギーの開発資金をどこから一そうでなくても赤字公債を発行して財政困難なときに、どうしたらいいのだという議論もあろうと思うのですが、たとえば石油関係の諸税というのがたくさんありますね。それで、それはほとんど道路に使われている。道路は自動車交通のためになる。自動車というのは、先ほど言ったように便利だけれども、鉄道は自動車の十分の一か八分の一しかエネルギーを食わない。それから、面積もとらない。大量輸送には鉄道輸送というのは非常に有効な省エネルギー機関でもあるのですね。     〔山下(徳)委員長代理退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 ところが、その自動車の諸税を道路に目的税で取られておって、そして、エネルギー消費型の交通体系なんですね。それも、日本がおくれておりましたから、ある程度必要であったから、過去のことをとかく言いませんが、これからは道路の整備を若干セーブしても、エネルギーそのものの確保の方に金を多く投じないといけないのじゃないでしょうか。新しい税金で新エネルギー開発資金ができないとすれば、いまある制度の中からそれを流用して調整をしてやる必要があるのじゃないかと思いますが、いかがですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 やはりエネルギー節約という意味、それからエネルギーの消費合理化ですね、こういう面から言いまして、私いまのお話というのは非常に重要な御発言だというふうに思います。  私、過去に自治大臣をいたしておりましたときに、社会党のいま委員長をやっておられる飛鳥田さんとお目にかかったことがあります。横浜市を視察したときに、政令指定都市の場合、交通問題というものが解決すれば、自分の仕事の誇張して言えば五〇%は解決したも同様なんだ、それくらいにこの交通問題を思っておるのだということをおっしゃったことをいまでも私は記憶いたしております。これは何も大都会ばかりではないわけでして、いまお話がありましたように軌道車の部門、それからいまの自動車の道路利用の部門、そういったものを、エネルギーの節約、合理化というならば、やはり体系的にもう一度見直すことも本当に重要な問題だと思います。  たとえば近距離ならば、これからつくる道路には必ず自転車レーンを設けるとか、それから、これからつくる道路にはバスレーンを設けるとか、もうちょっと、道路建設ということももとより重要ですから、その道路建設計画の上に義務づけるくらいの配慮があってしかるべきではないか。一遍そういうものをつくっておけば、これは長期に安全利用をしながらエネルギー節約と両立させることもできるわけですね。これは私、ただにいま板川さんの御質問というだけにとどまらす、一度関係閣僚とも十分協議をいたしまして、各省庁、横の事務的連絡も密にしながら、もう一遍、この省エネルギー、エネルギー使用の合理化、こういった問題と絡み合わせて十分検討したいと思います。どうぞひとつ、これは各政党におかれてもそれぞれ政策審議会、政調会等の段階でもう一遍見直しをする必要があると思うのですね。こういう作業は事務当局でも行われておりますが、はらはらで行われておりますね。これを統合していけば相当いい結果が出るように思いますので、重要な御提言として承っておきます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 今度総理が外遊して総理大臣代理をやられるとき、ひとつ閣議で御決定願えれば……。次にお伺いしたいことは、省エネルギー国際技術協力で日本は非常にずるいという批判があるのです。新エネルギー技術開発、省エネルギーの技術開発を進める上で、国際的な技術協力が重要であります。多国間技術協力というのも二十九あるそうでありますが、日本が参加しているのはわずか十件で、三分の一にすぎませんし、省エネルギーの技術協力は、世界で現在九件ある中で日本の参加しているのはわずか一件だそうです。それは、お互いに技術を出し合って新エネルギー開発なり省エネルギーの技術開発をしていこうということなんですが、国際的な非難というのは、どうも日本は自分の都合のいい方には参加するけれども、省エネルギーの技術開発のように、各国——これでも日本が進んでいるのだそうです。進んでいるものですから、各国はしたいというのだけれども、これは多国間協約の面ですが、日本は自分の出し分の方は余り入りたがらない。よその進んでいる方から知恵をかりようという方針はあるけれども、自分の方が進んでいるものをよそに見せようとしない、消極的だ、どうも日本の技術開発が多国間協定などに参加が少ないというのはずるい、こういう批判があるそうです。大臣、こういう国際批判にこたえて、批判がないように指導してもらいたいと思いますが、いかがですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 この問題はきのうも議論になっておったわけでありますが、日本の実情に全くそぐわないというようなものについては積極的に参加をしないというようでありますが、いまお話のありましたように、余り日本が恣意に陥っておるというようなそしりを受けませんように、十分実情に即してなお検討してまいることにいたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 通産大臣にもう一つ伺いますが、今回アメリカでカーター内閣が政治生命をかけて、いろいろの紆余曲折はあったけれども成立をしたエネルギー法、これを見ますと、エネルギー節約法、石炭への転換対策法、公共料金体系改定法、天然ガス価格法、エネルギー税制法、五つの法体系で整備されておるのですね。アメリカは自分の国の消費の半分は生産しているのです。輸入が多いといっても半分は自国の生産なんですね。しかもいざというとき掘る気ならまだあるわけですが、あえてそれを掘らないんだそうです。日本は全くない。ですから、いまは確かに何とかエネルギーの需要が賄われておりますが、どうもOPECの状況や、とにかく新しい石油を掘り出す新投資というのがずっと減ったのです。生産の金に対して投資の比率というのがぐっと最近落ちてきています。石油を何もあわてて増産することはない、地下から逃げてしまうわけじゃない、こういうこともあって増産体制というのはだんだん組めなくなってきている、こう思います。頼りにしておるサウジアラビアも、王政の状況からいうと親米派の何とか王子の方が大変政治的には弱くなってきて、アメリカの要請で増産体制をこれ以上する必要はないじゃないかという空気も出ているというのですね。ですから、とにかく石炭に転換をする準備をしなくちゃならないし、エネルギーを少なくして有効に使うためには、こういう法体系の整備というようなものは全般的になされなくちゃならない、石油業法あるいは石油需給適正化法、そういう程度でよろしいというわけにはいかなくなるんじゃないかと思いますが、石油を含め石炭への転換、新エネルギー、そういうものを含めて広範なエネルギー法体系というのを将来整備する必要がある、こう私は思いますが、御意見はいかがですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 アメリカの場合は日本の四倍近い消費量であるということもありましょうが、日本の企業というものがその七〇%までをエネルギー源として石油に頼っておる、そういうことを考えあわせますと、やはりいまおっしゃる意味は非常に重要だと思います。とりあえずはこの法律を成立させていただくと同時に、なお今後エネルギー事情の推移に適応するような形で、適切な対応策を練っていきたいというふうに思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 総論的質問は終わりまして、各論、法案の質疑に入りたい、こう思います。  この一条の「(目的)」で、「燃料資源の大部分を輸入に依存せざるを得ない我が国のエネルギー事情にかんがみ、燃料資源の有効な利用の確保」のために、「エネルギーの使用の合理化に関する所要の措置を講ずるととし、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」こう言っておるわけですが、先ほどからも触れておりましたように、使用の合理化という点のみに限定したことは一体どういう理由であったのか、いろいろあると思うのですよ。省エネルギー部会の答申は省エネルギーの政策を訴えておるので、使用の合理化という小範囲を言っていたんじゃないわけですが、あの省エネルギー部会の報告の中から、使用の合理化という点に狭くしぼって法律としたというのは一体どういう考え方であるか、この点伺います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 第一条では燃料資源の有効な利用の確保が目的になっておりまして、使用の合理化ということが手段で、目的と手段が一直線につながっておる、こういう関係になっております。先生御指摘のように、燃料資源の有効な利用の確保に資するためには、使用の合理化のほかに、たとえば科学技術の開発、新しい技術の開発であるとかあるいは油田や炭田の開発であるとかいうこともございましょうし、あるいは価格政策を活用するということもございましょうし、あるいは需給適正化法のように使用の制限というようなことに至る場合もございましょうし、この確保に資するための手段というものは多岐多様にわたっているというふうに思います。ですから、もしその多岐多様にわたる手段を全部カバーするということになりますと、エネルギー政策のデパートメントストアみたいな法律ができ上がる、こういうことになるでございましょうが、この法案は初めからいわば専門店ということでいっておりまして、使用の合理化にしぼって専門店化する。たとえば緊急時における燃料資源の有効な確保に関しては石油の需給適正化法があるし、あるいはまた電気事業法がある、そういう法体系でいけばよろしい、それからまた新技術の開発、こういうようなことは一般の予算制度なりあるいは工技院その他の研究機関の活動ということでいけばよくて、必ずしも一つの法律の中にそういうものを入れなければならないということにはならない。ここでは使用の合理化ということに手段をはっきりしぼった方がかえって法体系としてすっきりといいますか、論理的整合性がすっきりするのではないだろうか、そしてその方がこの法の適用を受ける人たちにもわかりやすくて実効性が高くなるのではなかろうか、そういう物の考え方に立ちまして法体系が組み立てられているわけでございます。デパートがいいのか専門店がいいのかというのはいろいろ考え方の存するところであろうかと存じますけれども、ここでは使用の合理化にしぼっていく、そういう基本的な構想でこの法律が設計されている、こういうことかと存じます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 では、この目的の燃料資源の有効な利用のために、節約というもう一つの専門店は今後どうされるのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 節約に関しましては、基本的には道徳、倫理の問題ではなかろうかというふうに考えております。一般の平常な事態におきましては、たとえばネオンサインはぜいたくであるとかあるいはお客の乗っていない国鉄のグリーン車が走っておるのはむだであるとか、したがってやめろとか、そういうことまで政府なり行政なりが入り込んでいくということには問題があるのではないだろうか。基本的にはむだ遣いをしないという倫理の徹底を図るということが必要であろうかと思いますが、それは広報、PRの手段なりあるいは教育というような場で行われるということがいいのではなかろうか。ただし例外がございまして、たとえば中東からの石油が全部とまってしまった、こういうような緊急事態が起こってまいりますと、これは国民一人一人に最低限必要なエネルギー量を公平に配分しなければいけないという問題が起こってまいりますから、その際には石油需給適正化法の緊急事態を発動する、そういうことによって強制的な節約を行わしめるということではなかろうかというふうに考えております。  アメリカの場合には、この間のカーターのエネルギー法によりまして、ガソリン浪費車と言っておりますが、燃費の非常に悪い車に対しましては、罰金的なペナルティーをかけるというようなことをやっておりますし、あるいは週末のガソリンスタンドの営業を強制的に制限してしまうというようなことをやっておりますけれども、これは、アメリカの自動車のガソリン消費量が常識外れに高過ぎるということから、あのくらいの規制をやってもいいのではないか、それからアメリカの国全体におけるガソリンの消費量も、得率四五%というようなことで、余りにも高過ぎますからああいうような規制というものを考えたのではなかろうかと思いますが、日本でそういうことを強制的に行うような客観的条件があるであろうかどうか、需給適正化法における緊急的な事態という判断を下すにいまのところ適切であるかどうかという問題になりますと、これは閣議で決定して告示するという手続になっております。したがいまして、資源エネルギー庁よりはるかに上の段階で判断すべき問題であろうかと存じますけれども、現段階ではまだそこのところまでは考えていない、節約は主として自発的に行うことがいいのではないか、こういうことになっているかと存じます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 天谷長官、天谷長官の定義は一種独特で、たとえば石油適正化法を発動して規制することが節約だ、いまちょっとこういうお言葉がありましたが、私はそういう場合には、結果は一つになるにしても、やり方は節約じゃなくて、それは規制だろうと思うのですよ。節約というのは、ここにありますように、日本はエネルギー資源の大半、圧倒的な多数を輸入しておる、それは石油が大部分ですし、その石油の供給が非常に危ぶまれてきたからその有効な利用を図るんだ、有効な利用を図るために節約する。それは強制をしてはいけないということではなくて、基準を定めて強制してやることも私はできると思うのですが、この節約をしたことによってエネルギーの有効な利用に資するということもあると思うのです。そういう場合には政府がそれに助成するという措置、またエネルギーが節約できるのには新エネルギーの開発、利用されていないエネルギーの開発というものもあるでしょうが、とにかく節約をして有効な利用に資することに対して、何らかの政策的な恩典を与えてこれを強制するということは——省エネルギーだといってその人たちが勝手にやることに任せることであって、政府は何らそれに口を出すべきじゃないというのは私はちょっとうなずけないですね。これは、国がエネルギーの有効な利用をさせるために節約をさせる必要があるならば、それを奨励する制度を設けて誘導していくということだってあっていいんじゃないですか。節約というのは個人の倫理だけに任せるというのはおかしいんじゃないですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 節約という言葉がいろいろな意味で使われるものですから、私が先生の意味しておられる節約をどうも取り違えたようでございますが、先生のおっしゃっているような意味で、たとえば一例を申し上げますならば、企業におきましてボイラーを燃焼する場合に、私素人でございますが、空気比というものが非常に重要だそうでございます。適当な空気比を守ると守らないとによりましてエネルギーの使用量が何割も違ってしまうというようなことがあるそうでございますが、適切な空気比を守ってエネルギー使用量が減るということ、これを先生が節約だとおっしゃるのであれば、この法律はまさにそういう節約を使用の合理化ということで推進をしようというふうに考えておりまして、それに対して助成策が果たして十分であるかどうかということにつきましては、いろいろ御議論のあるところかと存じますけれども、この法律体系はそういう式の使用の合理化を推進するための柱としたい、こういうふうに考えているわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私の概念は、使用の合理化というのは、技術的な方法を講ずることによってある意味では節約するのかもしれませんね。しかし、技術的な方法でなくて、エネルギーを使わないで済むいろいろの方法もあると思うのですね。それはいわゆる節約と称していいのじゃないかなと私は思っているのですよ。あんまり議論してもしようがないのですけれども、この使用の合理化というのはどうも狭い分野だけであって、もうちょっと燃料資源の有効な利用を図るための方法が他にある。たとえば自動車ならば軽量化というのもあるでしょうし、流線形という方法もあるだろうし、いろいろな形で燃料を節約する方法があるわけですね。ほかの面においても、民生の上においてもいろいろあると思う。そういうように燃料を節約できるようにやったものに対して、ある程度の助成をするようなこともあったっていいじゃないか。こういう工場と建物と機械機具だけにしぼったことはどうも狭過ぎたんじゃないか、こういう気持ちなんですよ。  では先に進みましょう。第三条で「工場におけるエネルギーの使用の合理化に努めなければならない。」といって事業場指定をいたしますが、この一から七までの当該する工場の設備、業種は、主としてどういうものを使っているどういう業種であるか、こういうような点を、ちょっとこの一から七までについて説明をしていただきたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 一号から七号に掲げる努力事項は業種別に定めるのではなくて、全業種にわたって共通的な事項として定めるものでございますけれども、あえて各号にかかわる措置の具体例を若干例示的に挙げさせていただきますと、次のとおりでございます。  まず第一号の、「燃料の燃焼の合理化」でございますが、これは先ほど申し上げましたボイラーなどの燃焼設備の空気比管理等を行うものでございまして、これはおおむねすべての業種に当てはまる措置であろうというふうに存じます。  それから第二号の、「加熱及び冷却並びに伝熱の合理化」でございますが、これは少し専門的な用語で恐縮でございますが、ヒートパターンの改善、それから熱交換器の配列の適正化などを行うものでございまして、主として鉄鋼業あるいは石油精製業などに該当する措置である。ヒートパターンといいますのは、昔の御飯を炊くときの初めしゅっしゅっ後ぱっぱですか、何か忘れましたけれども、あれ式で、初めうんと熱くしてそれから徐々に熱するとか、あるいは初めに徐々に熱して後から急に加熱するとか、そういう式のことをヒートパターンと言うようでございます。そのヒートパターンを改善しますと大分熱効率が違ってくるということでございます。  それから第三号の、「放射、伝導等による熱の損失の防止」でございますが、これは主として保温にかかる措置を講じるものであり、保温の対象となる設備が、たとえば蒸気使用設備ならば食品業、化学繊維、紙パルプ業などが該当業種となるかと存じます。  それから第四号の、「廃熱の回収利用」でございますが、これはたとえば燃焼廃ガスの廃熱回収を行うという場合には鉄鋼、窯業土石などが該当業種となるかと存じます。  それから第五号の、「熱の動力等への変換の合理化」、これは主として自家発電設備を有する業種、紙パルプ、化学あるいは電力、これが主な該当業種かと存じます。第六号の、「抵抗等による電気の損失の防止」及び第七号の、「電気の動力、熱等への変換の合理化」は、電気の使用にかかる措置を講ずるものでありますので、おおむねすべての業種が該当するかと存じますが、機械工業などは特にその顕著な例であろうというふうに考えます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 次に、第四条の関係で伺いますが、「事業者の判断の基準となるべき事項」です。「事業者の判断の基準となるべき事項」の骨子というものをひとつ業種ごとに説明してもらいたい。その基準の定め方の手続、それから発表の仕方、基準の内容あるいは期限をつけるのかどうか、そして事業所ごとに定めるのか、それとも画一的に一律に定めるのか。あるいは技術基準というのは日進月歩で進みますから、定めた事項が進歩におくれたような場合には変更することがあるとありますが、それについて、どういう判断のもとに改めるのか、その辺のことです。  もう一つは、一律に基準を示しますと、企業間で格差があってついていけない企業とそうでないものがある、こう思います。これは参考人とも議論になったのですが、熱管理法第四条の目標原単位という設定が、実際法律でつくられても実情に合わなくて結局動かなかったということもあるわけであって、この「事業者の判断の基準となるべき事項」が実情に合わないで動かないというようなことがないのかどうか、そういうおそれはないのかどうか、こういう点をひとつ説明していただきたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 判断基準の具体的な内容につきましては、法律の施行時までに詳細を詰めるということになっておりますが、現段階で主要な点についてこうであろうかというところを申し上げますと、大体次のとおりと存じます。  第一の、「燃料の燃焼の合理化」でございますが、これは適正な空気比の設定、維持を行うための燃焼管理を実施することが中心かと存じます。  それから第二の、「加熱及び冷却並びに伝熱の合理化」でございますが、工業炉等において、その構造や加熱される物質の性質に応じた加熱のパターンを改善することが中心かと存じます。  それから第三の、「放射、伝導等による熱の損失の防止」は、各種の工業炉、蒸気排管、貯槽等の設備の特性に応じて保温の標準を設定し、適切な保温措置を講ずること等でございます。  第四の、「廃熱の回収利用」、これは燃焼廃ガスそれから蒸気ドレーン等の廃熱を熱交換器、廃熱ボイラーなどによりまして可能な限り回収し、有効利用を図ること等でございます。  それから第五の、「熱の動力等への変換の合理化」、これは蒸気を工場で使用する一方で、発電にも利用している工場におきまして、使用量のバランスを操業効率が最高となるように調整を行うこと等でございます。  それから第六の、「抵抗等による電気の損失の防止」でありますが、工場内の配電損失の軽減のために、配電線路の短縮化、太線化及び配電電圧の適正化を図ること。それから変圧器の適正運転、力率の改善を図ることなどでございます。  それから第七の、「電気の動力、熱等への変換の合理化」でございますが、工場内の動力負荷の適正な配分や稼働台数の調整によって、電動機の適正負荷運転を行い、高い効率を維持することなど、これが判断の基準となるべき事項の骨子の概要でございます。  次に、事業者の判断の基準は業種ごとに縦割り的に定めるものではなくて、第三条の一号から七号に掲げる事項につきまして、各業種に共通する対策として定めるということで考えており、告示という形で公表したいと思っております。  基準の個々の事項につきましては、たとえば燃焼管理のための空気比の標準値が、ボイラーと工業炉では異なっているというふうに、設備の種類によって差が出てくる場合がございます。そのような点につきましては、個々の基準の内容を検討していく考えでございます。企業別等にばらばらに出すということではなくて、大体一律の基準として出したいというふうに考えております。  それから、これはいつまでも固定しておくのかという問題でございますが、これはやはり技術進歩と非常に密接な関係があることでございますから、新しい技術が出てまいりまして、それが一般に大体普及するという状況になってくれば、その段階でそういう技術を考慮して新しい基準をつくりかえなければならないのではなかろうかというふうに考えております。  それから、前の熱管理法が原単位を目標としたという点の可否の問題でございますが、判断の基準として考えられる有効なもの、だれでも考えつくものといたしましては、原単位水準、それから省エネルギー率というものがあろうかと存じます。こういう総合的なインディケーターを定めることができればそれによることが望ましいと思いますが、こういうようなインディケーターが立法技術的に見ましても、法律上の指標として採用することにはどうもいろいろむずかしい点があるのではなかろうかというふうに考えております。  御指摘のように、熱管理法においても目標原単位について検討は行われましたけれども、十分活用されたとは言いがたい状況であろうかと存じます。  その理由は、エネルギー原単位は同業種同規模の工場であっても、原料条件が違う、製品構成が違う、その他いろいろの違いはございますので、同一条件で比較する手法がないというような問題があるわけでございます。それから、省エネルギー率というようなことにつきましても、原単位の場合と似たような問題があるのではなかろうか。したがいまして、実情に即したやり方をしなければいけないというふうに考えております。  それから、同じ業種の中でも、大企業と中小企業との間で大分ばらつきがあって、一律の基準を定めますと大企業は何もしないし、中小企業は今度は息せき切って走らなくてはいけなくて、非常に問題が生ずるのではないかという御指摘がございましたが、この辺はやはり現実と理想のバランスの問題でございまして、いわば水車と水みたいな関係でありまして、余り水の中へ水車をつけてしまいますと回らなくなりますし、逆に水から離してしまえばこれも回らなくなるということであろうかと存じます。大体そのときの経済状態とか技術の水準とかいうものを考えまして、相当部分の企業が努力をすれば到達できるというような基準をつくるべきではなかろうか。それでは大企業の方は何もしなくていいではないかという御議論もあろうかと存じますが、国が発表した技術基準を見て、何にもしなくていいと言って寝てしまうような大企業はいずれ滅びるということになるでありましょうから、企業は、やはり生きていくためには、国が出してきた基準と自分の基準とが合致しておったら、もうウサギのように寝てしまうということではないのではなかろうかというふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 基準の決め方が非常に微妙であるし、重要でもあります。引き方によって効果がない場合もあるし、また、引き方によって中小企業には全く無理だということもあるわけですが、この基準の定め方、手続、これはどういうことになるのですか。非常に微妙であり、日進月歩の技術の進歩の中で、どういう方式でこの基準を定めるのですか。定め方、これを伺いたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 この基準は非常に技術的なものでございますから、その道の専門家の御意見をいろいろ聞きまして、それからまた、基準の適用を受ける産業界等の実情等もよく調べまして、役所の方で決めていきたい、こういうふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 たとえば審議会なりを設けて、そこで意見を聞くということをせずに、役所で調査の上に役所が決める、こういう形になるのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 この技術基準は、その性格がきわめて技術的な性格を持っていると存じますので、審議会にかけるということは考えておりません。しかしながら、もちろん専門家の御意見は広く聞かなければならない、こういうふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 専門家あるいは関係業界という、この決める前にペーパーの上だけで決めるのじゃないと思うんですね。そういうのでは決め方が非常に危ないですからね。だから、慎重にどこに線を引いたら有効なのかというのはなかなかむずかしい点もあると思うんですよ。それを決めるのに、通産省が最終的に決めるにしても、どういう手続なりどういう方法なりを、法律には書いてないけれども、私の方はこうやります、こういうふうにもっと具体的にその点の説明ができませんか。     〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 基準を決めるに当たりましては、言うまでもなく関係業界等の実情をよく調査しなければいけませんし、その調査結果に立脚し、それからそういう技術の大学その他の専門家等の意見もよく聞かなければなりませんし、それからある程度の案が決まってくれば、それは業界の方にもお見せして、それについてまた反論なり御意見なりを伺わなければいけませんし、いずれにしましても、そういう慎重な手続を経て、実情に即した基準をつくっていきたいというふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 なかなかむずかしいですね。そういうふうに決めるのは一種のカルテルみたいなもので、低く決めれば眠ってしまうし、高く決めればついていけないということになるわけですから、その決め方が非常にむずかしいなという感じがいたします。しかし、目的の方向によりよく動くような決め方をしてもらいたいな、こう思います。  それから、これは技術的な問題ですが、第六条で、工場指定の要件というのはどういうふうになっておりますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 指定工場指定の要件といたしましては、製造業その他政令で定める業種に属しており、かつ、エネルギーの使用量が政令で定める要件を満たすものとしておりまして、詳細は政令段階で検討することになっておりますが、現在のところ、政令で定める業種としては、一応次の五つを考えております。すなわち、第一、物品の製造の事業。第二、鉱物の採掘及び製錬の事業。第三、電気供給事業。第四、ガス供給事業。第五、熱供給事業でございます。それからまた、エネルギーの使用量に関しましては、熱管理指定工場については、年間の燃料及びこれを熱源とする熱の使用量がおおむね石油換算で三千キロリットル程度以上、電気管理指定工場につきましては、年間の電気使用量がおおむね千二百万キロワットアワー以上という要件で考えております。  なお、この基準による指定工場数は、製造業で熱管理指定工場約二千五百、電気管理指定工場約二千程度になるものというふうに考えており、製造業につきましては、使用されるエネルギーの約七割、非製造業につきましては大半がこの基準でそれぞれカバーされるであろうというふうに推定をいたしております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 わかりました。  第八条の二号ですが、「前号に掲げる者と同等以上の学識及び経験を有していると通商産業大臣が認定した者」、この認定の要件はどういうことですか、説明願いたいのです。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 認定の要件でございますが、電気主任技術者であるとかボイラー技士であるとか、こういうふうな一定の資格要件を持っている者とか、あるいはまた一定の研修を受けた者というような者の中から通産大臣が認定をしたいと思っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 次に、十条の関係ですが、十条で、「(エネルギー管理者等の義務)」としておるのですが、二項では、「特定事業者は、」「エネルギー管理者のその職務を行う上での意見を尊重しなければならない。」これは当然だと思います。ただし、その三項で、「エネルギー管理指定工場の従業員は、エネルギー管理者がその職務を行う上で必要であると認めてする指示に従わなければならない。」こう書いてあるので、ちょっとこれは行き過ぎじゃないかな、あえて書く必要はないんじゃないかな、当然のことだと思いますが、エネルギー管理者が直接従業員に指示をして、従業員はこれに従わなくてはならないということを法律で書く必要はないんじゃないか。これはエネルギー管理者が特定事業者、会社の指揮者に意見を言うのは職務上当然ですが、そこから指示が来るという形が普通であって、それをいきなり上の工場長なら工場長の指揮を飛び越えて、エネルギーに関すると称して直接指揮命令するような権限を与えるというのはさてどうかなという感じがいたしますが、どうでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 エネルギー管理者は、エネルギー使用合理化という特定の領域におきまして資格要件を持っており、それ相応の知識経験を持っておる、そしてその意見を事業者は尊重する、こういうたてまえになっておりまして、エネルギー管理者には相当の自治能力といいますか、そういうものを与えておる。  そこで、エネルギー管理者がその職責を十分果たしますためには、現場の従業員等で十分な知識経験のない者につきましては、相当の裁量権を持って指示をするというようなことにした方が目的達成ができるのではないかということで、ガス事業法その他にも例もございますので、一応こういうことになっておりますが、先生のおっしゃるようなお考えも十分考えまして、指示を乱発するとかそういうことにならないように注意をしなければいけないと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 エネルギー管理者が直接従業員に、危ないからこうしなさい、ああしなさいという指示はいいと思うのですが、「指示に従わなければならない。」ということまで書かなくてもいいんじゃないかという気持ちがしたものですから、あえて質問してみました。  次は十二条ですが、「主務大臣は、」「判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、」「必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。」こうあるわけですが、著しく不十分であると認める基準は具体的にどのようなものなのか。勧告をする場合どういうような手続をとられるのでしょうか。この著しく不十分だということと勧告との関係の手続といいましょうか、判断と手続というのをどういうふうにおやりになるつもりですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 著しく不十分とはどういうことであるかということでございますが、具体的には、まず第一に、当該工場におけるエネルギーの使用の合理化のための実施状況を総合的に見て、第四条第一項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして非常におくれておる、それから第二に、当該工場と同種同規模の他の工場のエネルギーの使用の合理化のための措置の実施状況に比較しても、相当程度不十分であると認められる場合というようなことを考えております。すなわち、基準から見て著しくよくない、横並びに見て著しくよくない、こういうような二つの要件に該当するような場合が著しくよくない場合じゃないかというふうな気がいたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 勧告は。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 勧告の手続でございますが、これにつきましては、これまた勧告の乱発になってはいけませんから、その工場の実情につきまして誤りのないようによく念を入れて調査をいたしまして、その調査に基づいて勧告をするということになるかと存じます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この十二条の四項ですが、十二条の二項とも関連するのですが、二項で、「主務大臣は、」「エネルギーの使用の合理化に関する計画を作成し、これを提出すべきことを求める」、事業者に対してこういう合理化計画を出させます。四項で、「主務大臣は、特定事業者が合理化計画を実施していないと認めるときは、」「合理化計画を」「実施すべき旨の勧告をすることができる。」二項で合理化計画を出させて、出した事業者がその合理化計画を実行してない、こういう場合に実行しろという勧告をするわけですが、この場合には、私は、貴重なエネルギー資源を節約なり合理的に使わないということに対して一種の社会的な制裁を加える必要があるんじゃないか、勧告をし、これを公表するというようなことにしたらいかがなものかと思いますが、この点どうお考えですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 この辺、考え方の問題でございまして、先生のようなお考えも十分成り立ち得ると考えるのでございますが、一応原案におきましては、公表というような社会的制裁措置をとる場合には、その行為が明らかに反社会的と認められる、それから第二に、何をしたら公表されるという構成要件が明確に定められるということが必要ではないかと思います。  エネルギーの使用の合理化につきましては、これを実施しない場合に社会に与える害悪は、それを実施すればより少ないエネルギー消費で済んだという程度のことでございまして、制裁を加えて実施を強く迫らなければならないような明白かつ切迫した害悪と言えるのかどうかというようなことで、この横並びの問題もいろいろございまして、それでは空っぽの電車を走らせておるのは一体どういうことなのであるかとか等々、本当に反社会的とまで言えるのかどうかという点で、ややちゅうちょ逡巡がございましたので、公表ということじゃなくてこの程度にとどめたということでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 主務大臣から、不十分だからといって、合理化計画を出しなさいと要請をされて、それを出しました、出したけれども、それは実行しないというのでは、十二条二項の「提出すべきことを求める」と、大臣がそこまでしてやらせようということに対して、出しておきながら実行しないという場合、それに勧告された場合には、勧告を発表することは、一種の反社会的行為であると言われてもいいんじゃないでしょうか。これは電車を走らせたけれどもお客がいなかったのと比較するのは妥当じゃないように思いますが、大した議論でないからその程度にとどめますけれども、余りおもしろい説明が多いものだから、ついひっかかりたくなるのだが。  次に、第十四条の「(建築主の判断の基準となるべき事項)」ですが、「判断の基準となるべき事項」は、具体的にどのようなもので決められるのか、この点を伺います。

吉田公二建設省住宅局参事官

○吉田政府委員 建築物は、住宅から大規模な業務用の建築物に至るまで、用途でございますとか、規模、構造等によりまして設計施工の内容がきわめて多様でございます。したがいまして、「(建築主の判断の基準となるべき事項)」のうち  の、「外壁、窓等を通しての熱の損失の防止のための措置」につきましては、省エネルギー化という目的のため、最終的な目標としての熱損失防止のための一つの指標を定めるということにいたしております。  すなわち、住宅につきましては、その指標といたしまして、外壁、窓などから伝導によって失われます熱及びすき間風によって失われる熱、こういったものを床面積一平方メートル当たりに換算いたしました値、これを熱損失係数と言っているわけでございますが、これを地域別に定めようというふうに考えております。  また、住宅以外の建築物につきましては、この熱損失係数を地域別及び建築物の用途別、規模別に定めますとともに、空気調和設備に係るエネルギーの効率的利用のための措置というものにつきましては、建築物に設置されます空気調和設備で消費されるエネルギー量を、室内をある温度に保つために取り除くべき熱量または供給すべき熱量で除した値、こういったものを地域別及び建築物の用途別、規模別に定めようというふうに考えている次第でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ちょっとお伺いをいたしますが、その基準からいいまして、窓のない建物、たとえばデパートなどに多くありますが、窓のない建物というのは省エネルギーの上からいって好ましい建物なのか、そうでないのか。  もう一つは、都市再開発によって高層ビルが、三十階、五十階というのができてきておりますが、省エネルギーというたてまえからいいまして、この高層ビルというのは好ましいのであるか否か、この点はエネルギーの上から検討されて結論を出したことがありますか。

吉田公二建設省住宅局参事官

○吉田政府委員 窓の問題でございますが、一般に窓等の開口部というものと外壁というものとを比較いたしますと、確かに断熱性能は窓の方が悪いわけでございます。でございますから、窓が全然ないビルの方が、熱損失というだけの観点から見れば効率がいいということは言えると思います。  ただ、しかし、建築物というものはそれを使って業務を行うわけでございますので、自然採光による室内環境の条件でありますとか、あるいは開口部が全くないビルというものにつきましては、火災等の有事の際の避難の問題でございますとか、消防の問題でございますとかいうようなことも総合的に検討しながら計画されるべきものであろうと思います。  御指摘の断熱性能だけということから見ますと、それは窓がない方が効率はいいということは言えると思います。(板川委員「相殺してどっちがプラスなのか、マイナスなのか」と呼ぶ)私ども基準を定めようとする場合には、通常の建築物の形態をベースとして基準を定めるというふうに考えてございますので、窓がないものというものを余儀なくするというようなことを考えるつまりはございません。  それから、超高層ビル等の問題でございますが、一般的に申しまして、建築物の単位床面積当たりの熱効率と申しますか、外壁、窓等の外周面積の比率がなるべく小さい方が、大きいものに比べて熱の損失は少ないわけでございます。でございますから、同じ床面積の場合には、小さな規模の建築物がたくさん建っている状態よりは、高層化して大規模な建築物となった方が、一般的に申しまして単位床面積当たりの、外周面積と申しますか、外気に触れる面積が小さくなるわけでございますので、小さな規模の建物がたくさんあるよりは、大規模な建物の方が省エネルギーとしてはよい条件となるわけでございます。  ただ、同じ床面積でありますと、同じ床面積の建物で、いわゆるペンシル型と申しますか、そういうものはまた外気に触れる面積が広くなるわけでございますけれども、冬季の日照の受け入れというような面からいってのメリットもございますし、また反面、高層建築物につきましてはエレベーターでございますとか、給水施設の高性能化というものが必要となる面で、別途のエネルギーを使うという面もございます。でございますから、建築物の高層化というものをエネルギー消費という面で見ると、一長一短というふうに考えられるわけでございますが、まあ建築物の問題につきましては、エネルギーの問題のほかに、土地の合理的利用でございますとか市街地におきます良好な空間構成、そういったものも考慮に入れるわけでございまして、これは総合して判断すべきものではないかというふうに思っている次第でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この第十五条の関係ですが、建築物については勧告の規定がないのですが、これはどうしてかなと思うのです。指定工場とか特定機器とかというのは、企業の国際競争力からいってコストをできるだけ安くということから、省エネルギー対策が進んでいくのはあたりまえです。そうでなければ国際競争に負けてしまいますが、しかし建物の場合には、私は勧告なりのもっと強い要請があってもいいのではないか、強制規定があってもいいのではないか。現に外国では強制規定で、建築基準法なりを変えて強制的にやらせておるわけです。そのためにはこの助成措置が必要だ。助成措置をしても建築基準法を強化して、あるいは勧告の規定などを入れて、半ば強制的にやらせた方が本当はいいのではないかと思うのです。どっちかというと、強い要請をするなら建築物にかかわる項目に勧告が当然なければならないのですが、ないのですね。これは一たんビルをつくってやり直すというわけにそう簡単にいかない、何十年かたたなければできないわけですから、私は、なぜこの建築物の項目、十五条関係に、指導、助言だけの誘導政策だけであって、勧告というもうちょっと強い規定というものがないのだろうか、本来ここにこそあってしかるべきだ、そしてここにこそ助成なりを——アメリカの場合には一五%、最高三百ドルまで税金を免除する、こういうふうな助成措置もあるのに、勧告もなく助言、指導だけに終わっておるのは、横の比較でバランスがとれてない、こう思いますが、どうしてないのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 建築物の省エネルギーにつきましては、断熱構造化ということが中心でございますが、日本の気候がアメリカ、ヨーロッパとは大分違っておりまして、日本の現在の家庭における暖房水準、それから日本の気候の状況等から見まして、住宅の断熱構造化ということに強い強制力を持たせるということは余り妥当ではないのではなかろうかという点と、それから住宅以外の建築物につきましては、省エネルギーのための方策が技術的にいろいろ方法がありまして、なお研究を要するというような段階である、こういう事情がございましたので、産業部門と同様の措置を直ちに講ずるのはむずかしいと考えまして、一般的に指導、助言ということにとどめたわけでございます。  建築物関係の助成措置につきましては、住宅の断熱構造化に対する住宅金融公庫の割り増し融資制度がございますけれども、われわれもこれで十分だとは考えておりませんので、今後事態の推移を十分注視しつつ、適切な措置を講ずるように努力をしたいと思っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 割り増し融資といったって十万円であって、七%と五・何%ですか、その差を比較してもそんなに大した金額じゃないのですね。  時間がありませんから、あと二問ほどひとつ続けて申し上げますが、政令で定める特定機器は乗用車、冷蔵庫、クーラーと言われておりますが、なぜトラックを除外されたのか、それから判断の基準となるべき骨子を具体的に説明してほしい。  それから自動車の場合は、アメリカなどでは省エネルギーの目標を達しなければ罰則があるくらいに強制しておるのですね。日本ではそういうことを考えていないのかどうかという点もあわせて答弁してください。  それから十九条ですが、十九条には、「性能の向上を相当程度行う必要があると認めるときは、当該製造事業者等に対し、その目標を示して、」「性能の向上を図るべき旨の勧告をすることができる。」こういうふうに輸入する特定機器について適用があります。この場合自動車が多いのだろうと思いますが、自動車で性能の悪い場合には改善の勧告をする、こういう規定になるわけだと思いますが、こういう項目は欧米側から言うと日本側の巧妙な輸入制限、こういうふうに見られるおそれはないのかという点を伺っておきます。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 十八条第一項の特定機器といたしましては、乗用車、冷蔵庫等を考えております。これらの製造事業者等の判断の基準としては、当該機器についてメーカー間の実質的競争条件の公平性を担保するという見地から、一定の合理的な範囲でクラス分けをした上で、クラス別に一年間に国内向け製造または出荷される機器のエネルギー消費効率の加重平均値が、一定の基準値を満足するというようなことを考えております。  クラス分けと申しますのは、たとえば乗用車について申し上げますると、排気量または重量という物差しで区分分けをする。ルームエアコン等につきましては、空冷式あるいは水冷式というクラス分けをするというようなことを考えております。  トラックをなぜ除外したのかという御質問でございますが、トラックにつきましては、荷物の積み方やトラックの使用の仕方によりましてエネルギーの使用が千差万別になりまして、一律の物差しではかったり比較することがきわめてむずかしいと思われますので、トラックは除外したわけでございます。  それから、アメリカで乗用車に相当厳しい規制をかけているのに日本は緩いではないかという御指摘でございますが、アメリカの場合は世界で一番燃費の悪い車をつくっておるのに対しまして、日本では世界で一番いい燃費の車をつくっております。その日米の差が原因であると存じます。  それから、輸入機器は一体どうするのかということでございますが、先生御指摘のとおり、輸入機器について勧告等いたしますと、いわゆる非関税障壁ではないかというような疑いも出てくるでございましょうし、輸入機器にいきなり勧告してみたからといってそう簡単に直るものでもございませんし、いまのところ輸入機器につきましては政令段階で適用除外をしていきたいと考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 もう一つ、第五章の雑則の関係で伺いたいのです。二十二条「(金融上及び税制上の措置)」として、「国は、エネルギーの使用の合理化を促進するために必要な金融上及び税制上の措置を講ずるよう努めなければならない。」こう書いてありますが、なぜ使用の合理化という点のみに必要な金融上、税制上の措置をするのか、もっと広い範囲でこれはすべきではないかという点であります。  それから二十三条も同じでありますが、「国は、」「研究開発の推進及びその成果の普及等必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」これまた使用の合理化にひっかかっているわけでありまして、なぜ研究開発の推進、成果の普及を使用合理化の狭い範囲にとどめるのか、これは目的と関連をいたしますが、二十四条でも「国は、教育活動、広報活動等を通じて、エネルギーの使用の合理化に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努めなければならない。」これまた使用の合理化にひっかかっておるが、この二十二条、二十三条、二十四条などは、使用の合理化以外に節約という面も含めたことに対して税制上、金融上の措置があったり、あるいは科学技術の振興の項目がひっかかったり、あるいは国民の理解を深めるための措置等がひっかかったりした方が私はいいと思うのですね。その点で私どもは、「(目的)」の中に「等」を挿入して、この二十二、二十三、二十四条に「等」を入れることによって、たとえば節約をしたものあるいは石油から石炭使用に燃料転換を図ったもの、新しいシステムの導入で省エネルギーを進めたもの、自動車などで軽量化、流線化、伝動装置の工夫などをやった、これは一例ですが、こういう省エネルギー上有効なことをやったところにも金融上、税制上、科学技術の振興、国民の理解を深める措置があってもいいのじゃないか、こう思うのですね。この点でどうお考えでありましょうか。  時間がございませんから二十三条はこれで終わりますが、もう一つは二十五条の関係です。エネ庁は、エネルギー白書を出す用意があるかという点であります。  エネルギーが国民生活にとっても非常に重要になってきておりますから、エネルギー白書というものを将来出して、そして国民の理解と協力を求めるようにしていくべきだ、私はこう思うものですから、この点について一括して御答弁を願いたい、こう思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 まず二十二条から二十四条におきまして、使用の合理化だけに限定するのはどうか、「等」を入れるべきではないかという御指摘でございますが、この議論は最初の「(目的)」のところでお答え申し上げたことと結局同じことになりますので、私どもは、原案提出者としては「(目的)」のところで御説明申し上げたような考え方でございますけれども、それは立法者の御判断によりまして御判断をなさるべきことではなかろうかというふうに存じます。  それから、省エネルギー白書を出してはどうかという御指摘でございますけれども、省エネルギーにつきましては、あらゆる機会をとらえて国民によくPRをしなければいけないということは全く同感でございます。しかしながら、この省エネルギーの実施状況についての報告の場所でございますが、総合エネルギー調査会という場がございますので、この場におきまして適宜報告をして、その報告書を国民にも明らかにしてまいるということで実情に沿うのではなかろうかというふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 以上で終わります。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 何ぼいい法律ができましても、それが動かなければ何にもならないというように私は感ずるわけですが、まず、取り締まる方の通産省の姿勢を聞かなければならないのです。  それで、例を挙げますと、二十六年の熱管理法の罰則のところで、この法律に違反した者はいろいろ罰則があったはずですが、いままで熱管理法においてそういう罰則を受けた人はいるのかどうか、一つお聞きします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 罰則を適用した例はございません。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 私、大阪通産局の「熱管理指定工場名簿」を、これは都道府県のを同じように資料にいただいたわけですけれども、この中を見ますと、たとえば「工場名」、「所在地」、「熱管理者等氏名」という一覧表があるのです。その中に、「熱管理者等氏名」というのが入っていないのが、抜けているのが見受けられるわけです。これは名古屋の通産局のもそうであります。ということは、これはこの工場から熱管理者の氏名が届けられていないのかどうか。二十六年からでありますから、一年、二年、三年ぐらいは抜けておったかもわかりませんけれども、これを見ますと、五十二年のも出ていないのです。こういうようなずさんなことでは、熱管理法が結局は有名無実であった。今度省エネルギーの法案をつくりましても、同じような罰則をつけても、いままでと同じようになってしまうのではないかと私は非常に懸念をしておるわけです。この点ひとつ御答弁願いたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 いま御指摘の届け出がなかったのかどうかという点につきましては、私どもは届け出があったものと考えておりますけれども、なお調査いたさないと自信を持ってお答えできませんので、調査をさせていただきます。  それから、法の執行を厳正にやらなければいけないという点につきましては、全く御指摘のとおりでございますので、今後そういう方向で努力をいたしたいと思います。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 これは大臣、こういうことで、名古屋通産局の資料を見ますと、局長表彰、大臣表彰というものもあるのですね。ところが、そこに熱管理士の氏名がない。何でこういうのが表彰されたのか、こう思うのですね。これは資料のつくり方も悪かったのか、ということは、この通産局もたった一人か二人なんです。とてもここまでめんどうを見ていないのですよ。わかっていない。今度この省エネルギー法案ができましても、いまと同じような通産省の管理の仕方であれば、何の効果も上がらない。結局あってなきに等しい。若干は効果のあるところもあるでしょうけれども。ということで、私はその点が非常に心配なんです。この点は、やはり罰則もついている法律でありますから、しっかりと監視あるいは強力な指導、これができるようにひとつ大臣から最初に確たる答弁をいただいておきますが、どうですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 国民の良識の問題もありますし、国民が積極的にそれぞれの場面において協調してもらうことを私どもは期待するわけでありますが、御趣旨の点についてはよく徹底させるようにしてまいりたいと思います。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 次に、石油の情勢について少しお聞きしますが、イランの政変を契機として、石油供給について非常に不安が生じておる。中東諸国からの石油輸入、この今後の見通し、それから石油価格上昇、この上昇が国内の石油価格にどういうように影響するのか、この点についてひとつ御答弁願いたいと思うのです。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷政府委員 まず中東諸国からの石油輸入の今後の見通しについて御説明させていただきますが、何と申しましても、基本的に不透明な部分が非常に多いわけでございますので、今後このようになるということを自信を持って言うことは非常にむずかしゅうございますけれども、イランは、最近一カ月間の平均の生産量を見てみますと、四百万バレル・パー・デー程度のものを産出いたしておるわけでございます。これが今後どのように安定的に継続していくかということに関しては、万全の信頼を置くわけにはまいりませんが、いずれにいたしましても、近時若干の生産が回復しておることは事実でございます。  他方、サウジアラビアが、従来九百五十万バレル・パー・デーの生産水準。要するに、同国の自主規制しておる生産より百万バレル・パー・デーぐらい増産しておりましたものを若干減少させておる。要するに八百五十万バレル・パー・デーまで、百万バレル下げておるということでございますので、IEAが五%の節約を決定いたしますに当たって想定した中東原油の供給状況と、余り大きくかけ違わないような状況で現在のところは推移しておる、こういう状況にございます。  ただ、イランの生産ないし輸出が継続的に行われた場合に、サウジ以外の他のOPEC諸国等も増産をやや締めるというような動き、あるいは一部にはそのような申し合わせもあるというようなことが言われてございます。したがいまして、イランの増産に伴って他のOPEC諸国がどのような生産を行っていくかということが、今後の一番大きな問題になろうかと思います。  いずれにいたしましても、需給はほぼ現状のようなタイトのまましばらく推移していくことになるのではないかと考えられますし、長期的には供給源の分散化等で、中東依存度を今後極力減らしてまいりたいと思っておりますが、中東に依存する率を大幅に削減するということは困難だろうと思いますので、なお中東からの安定的な供給を期待してまいりたいと考えております。  それから、価格につきましては、ただいま申し上げましたような状況でございますので、世界の原油市況がタイトに推移しておることを反映いたしまして、すでに先生御承知のように、三月末のOPECの臨時総会におきまして原油価格の九%追加値上げを行ったほかに、各国が独自のプレミアムを付加しております。しかも、サウジアラビアはプレミアムを付加しておりませんが、それ以外の付加した国々のプレミアムもかなりの差がございます。一ドル八、九十というイランのようなものから、イラクのようにかなり低目のものがございましたが、最近イラクあるいはインドネシア等が逐次サーチャージの追加を行いまして、そのサーチャージの幅は、高いイランのサーチャージ近辺に皆さや寄せされつつあるというような微妙な修正の動きがございます。  今後、これがどうなってまいるかは、消費各国の節約がどのように成功していくかということに基本的にはかかっておると思います。六月のOPECの会合の動きがどのようになっていくかも、節約問題、要するに需要と供給との関連に依存すると思いますので、今後とも国内の節約を強力に推進することによって、世界の原油市場に与えるインパクトを少しでも少なくするようにしてまいりたいと思っております。  これらの石油製品価格に与える影響につきましては、実はこのほかに円のレートの動向に非常に大きく依存いたします。最近また微妙な動きを円レートがいたしておりますが、円安がさらに追加すればこれに追い打ちをかけることになりますし、円がまた若干高目に戻れば一部相殺するような動きになってくる、こういうことになります。  いずれにいたしましても、四月一日からの値上がりというものが、在庫がなくなった後石油製品価格に転嫁されるということはやはりやむを得ない動きだろうと思いますので、ここで石油製品の価格修正の動きというのが出てくることが予測されますが、その後は、六月のOPECの総会の動向その他を見てみませんと、いたずらに予測を立てることはできないと思います。ただ、いずれにいたしましても、六月以降の原油マーケットにおきます原油価格も微調整に終わることを期待いたしておりますし、国内の石油製品価格もできるだけ早く新しい価格体系に収斂することを期待しておる次第でございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 そこで、五%石油節約対策が講じられるようでありますが、これはIEAの合意事項だそうであります。しからばわが国においては、この石油消費五%節減対策が達成できるのかどうか、特にいま、原子力発電の点検が行われておるこういうときにおいて、石油換算五%節約に対する影響ですね、あるいはまたこれが達成できるのかどうか、これについてひとつお答えを願いたい。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 これはやはりどうしても実現しなければならないと思います。いわゆる二百万バレル・パー・デー足りない分だけは、われわれも有力な消費国としてぜひ執行をしたい。現在は、御承知のとおり国民の良識による協力に待つわけでありまするが、非需要期でありますこの夏場にかけて相当強くアピールしまして、政府機関のいろいろな広報宣伝はもとよりでありまするが、民間の機関にも広く呼びかけまして徐々に徹底をして、そしてことしの秋口からいわゆる最需要期にかけては十分徹底される、また日本人の能力というものは、当然こういった節約協力にも順応できるというような体制に持っていきたいということで、閣内でも寄り寄り相談しておるところであります。  先ほどお示しのとおり、この大飯の原子力発電所を初め、これがいつまでも停止状況が続くということになりますると、いまここでにわかに数値であらわすわけにはまいりませんが、確かに影響なしとはいたしません。幸い、原子力安全委員会においても、停止点検の結果安全であるという結論にだんだん近づきつつあると承っておりまするので、近く再開されるものというふうに思っておる次第でございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 この「長期エネルギー需給暫定見通し」、これは先ほど鎌田参考人に聞きますと、若干また見直ししなければならぬのではないかというようなお話でありましたけれども、六十年度の見通しで一〇・八%ですか、省エネルギーの目標を示しておるけれども、最近の情勢とにらみ合わせて果たしてこのような見通しになるのかどうか、またこの法案がどの程度この目的達成のために寄与するのか、また、できればこの法案の中にエネルギー計画というものを書き込んでいかなければならないのではないか、こういう感じがするのですけれども、これについての御答弁をいただきたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 総合エネルギー調査会の「長期エネルギー需給暫定見通し」中の省エネルギー率一〇・八%という目標でございますが、これは産業、民生、輸送各部門において最大限の省エネルギー努力を行った場合において達成すべき目標として見通されたものでございます。  その内容は、まず産業部門におきましては、たとえば鉄鋼業における炉頂圧発電設備の導入、それから各業種共通の廃熱の回収利用、電気の使用合理化等を行う。民生部門では住宅、ビルの省エネルギー構造化等、輸送部門では自動車の燃費向上等でございまして、いずれの対策も非常に長期にわたるじみちな努力を必要とするものでございます。一〇・八%の目標は、こうしたおのおのの対策について技術的可能性、経済的合理性を勘案しつつ、官民挙げて最大限の努力を行った場合を前提として積み上げ、算出したものでございまして、現段階におきましてもこれ以上の目標値を示すということは、実行可能性からいいましてなかなかむずかしいのではなかろうかというふうに考えております。ただ、この一〇・八%の省エネルギーという場合に、六十年度までの間の産業構造の変化による省エネルギー分はこの中に含んでおりません。したがいまして、六十年度までの産業構造の変革を見込んだ省エネルギー効率ということになりますと、一〇・八よりさらに数%ふえるということになるであろうというふうに思っております。しかし、いずれにしましてもこの省エネルギー目標というのはかなり厳しい目標であるというふうに考えております。  次に、この法案がどの程度目標達成に寄与するのかという点でございますけれども、この法案は、エネルギー使用の合理化ということを根幹にして組み立てられているものでございますが、先ほど申し上げました一〇・八%の省エネルギーは、産業部門、輸送部門、民生部門等におきますエネルギー使用の合理化ということが一番ベースになっておりますので、この法律が省エネルギーに寄与するところは非常に大きいのではなかろうかというふうに考えております。  しかしながら、こういう省エネルギーというのは、実際問題としましては民間企業あるいは家庭等の自発的な努力というものが一番根底にあるわけでございます。この自発的な努力は、五十二年の暫定見通しがつくられたときから後に、昨年からことしにかけまして、御承知のOPECの大幅値上げというものがございまして、石油製品の値段がうんと上がっておるわけでございますから、その価格の刺激を通じましてこの省エネルギー努力というのは非常に強まっているはずでございます。また、民間のそういう省エネルギー努力の上に政府がこういう法案によりましていろいろな促進措置、刺激措置を講じようとしているわけでございますので、両々相まちまして一〇・八%の省エネルギーを達成したい、こういうふうに考えておる次第でございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 この目標より少し高目になってこないとなかなか目的が達成できないんではないか、そのためには相当この法案によってその目的を達成しなければならない、こういうふうに考えるわけです。  そこで、産業の省エネルギーについて、きょうも午前中鉄鋼の代表の方に来ていただいたわけですけれども、この鉄鋼業者の省エネルギーの指導はどうしていくのか、それから高炉の設備の、私先ほど参考人に炉頂圧タービンのことを聞いたわけですけれども、余り認識がなかった、というよりも若干通産省との基数においての食い違い、それから通産省が当初計画した五十三年に十七基というのが十基しかできてないというようなこともありましたけれども、転炉ガスの回収装置の指導、こういうのを通産省としてはどういうように今後やっていくのか、これをひとつお聞きしたいと思います。

大永勇作通商産業省基礎産業局長

○大永政府委員 鉄鋼業の省エネルギーでございますが、日本の鉄鋼業は非常に新鋭設備が多うございますので、諸外国に比べますと一番効率のいい水準になっておりますが、オイルショックを契機といたしまして一層の省エネルギーの努力を続けてまいっておりまして、昭和五十二年度におきます鉄鋼トン当たりのエネルギー消費原単位は、昭和四十九年度に比べまして約六%下がっております。五十三年にはさらに下がっておるものと考えられます。本省エネルギー法案が制定されますれば四条に基づきます判断の基準ができますので、その基準に基づきましてさらに一層省エネルギー化の促進につきまして指導してまいりたいと存ずるわけでございます。その際には、先生ただいま御指摘になりました炉頂圧発電の設置の促進はもちろんでございますが、そのほか連続鋳造設備等々、鉄鋼の製造過程のすべてにわたります省エネルギーを促進するということになろうかと存じます。  次に炉頂圧発電の設備の設置状況でございますが、一番最新時点におきます状況につきまして申し上げますと、第一号機が設置されましたのは昭和四十九年度でございますが、それ以来逐次設置してまいりまして、五十三年度末までに十五基が設置されております。五十四年度中にはさらにこれに加えまして八基の新設が予定されておりますので、五十四年度末には二十三基の設置見込みでございます。  現在高炉の全体の機数は六十四基ございますが、その中で休止しておるのがございまして、動いておるのは四十四基でございます。この四十四基の中で、五十四年度末に二十三基が設置されることになるわけでございます。それ以外の高炉につきましても、五十五年度以降逐次設置が進められるということになろうと存じております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 非常に金もかかるようでありますけれども、炉頂圧タービンあるいはまた転炉ガス、こういうものは非常に大きな省エネルギーのもとになりますから、これは極力進めていただくように要求をいたしておきます。  こういった省エネルギー用対策をするにおきましては、どうしても金がかかるわけですね。それに対するところの助成措置、特に中小企業に対してはどういうような措置をするのか、これをひとつ明確にしていただきたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 産業の省エネルギー設備投資に対する助成措置は、本法に基づく使用合理化措置とともに、産業の省エネルギー化を促進する上におきまして重要な施策と考えておりますので、このため従来から拡充強化に努めてきたところでございます。  まず金融上の助成措置といたしましては、熱交換器、廃熱ボイラーなどの省エネルギー設備投資に対しまして開発銀行による融資、これは省資源、省エネルギー枠五十四年度百九十億の内数ということになっておりますが、日本開発銀行の融資をする、特に中小企業に対しては、五十三年度から中小企業金融公庫による融資制度を設けております。これは省エネルギー貸し付けが五十四年度五十億円ということになっております。  税制上の措置といたしましては、省エネルギー設備に対しまして、国税においては初年度四分の一の特別償却制度を五十三年度から設けておりますし、また、地方税につきましては、固定資産税の課税標準を、取得後三年間三分の二に軽減する制度を五十四年度から設けたところでございます。いずれも金融上の措置と相まって、産業界の省エネルギー化に寄与するものというふうに考えております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 次に、建築物の省エネルギーについて、けさ参考人の方にも申し上げたわけですけれども、国がつくる、要するに住宅公団あるいはまた専売公社の工場とか、電電公社だとか、そういう建築物については省エネルギーの構造を義務づけたらどうかというようなお話をしまして、非常に賛成のようでありましたが、これは民間の一般の建築物を推進するにおいても非常に有効であろうと思うのですが、この点について建設省の御意見を承りたい。     〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕

吉田公二建設省住宅局参事官

○吉田政府委員 この法案が成立いたしますれば、当然国、公共団体、公共機関が建築いたします建築物についてはこの努力義務がかかるわけでございますので、当然対処していくわけでございます。いま御指摘ございました公団住宅なんかの公共住宅につきましては、大体のものが集合住宅でございますので、いわゆるすき間風等によります熱の損失というのは少ない構造でございます。それに、特に近年いわゆる結露対策、室内に露を結ぶという結露の問題に対する対策といたしまして、住宅の断熱性能の向上というものを図ってきておりますので、一般の住宅に比しましてはかなりの省エネルギー性を有していると言えるわけでございますが、今後ともいわば率先して設計面におきまして十分対応し、省エネルギー化の推進を図ってまいりたいというように考えております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 義務づけたらなぜいけないのですか。

吉田公二建設省住宅局参事官

○吉田政府委員 こういった訓示規定と申しますか、努力義務が定められるわけでございますので、こういうものを定めている国の直接の意思を体して、執行する機関がこれに即応して行うのは当然でございますので、これは当然のことといたしまして実施していくというつもりでおるわけでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 通産大臣はどこかへ行ったのかね。

山下徳夫自由民主党

○山下(徳)委員長代理 速記をとめて。     〔速記中止〕

山下徳夫自由民主党

○山下(徳)委員長代理 速記を起こして。  岡本君。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 じゃ、通産大臣への質問は後にします。  十二条の一項で合理化計画を勧告した、ところがなかなかそうやらないというものに対して、勧告だけではなくして公表するというのはどうか。先ほど聞いておりますと、それは反対でないのだからというようなお話がありましたけれども、勧告を受けただけで、後受けっ放しでやらないようでもぐあいが悪いですね。その場合どうするのか、これをひとつお聞きしておきたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 日本の社会におきましては、勧告を受けてそれを全く無視してしまうというようなことは、非常に例外的な事例ではないだろうかというふうに私ども考えております。勧告しても実行できないという場合には、どういう理由でそういうことになっているのかよく実情を調べまして、その際適切な措置をとりたいというふうに考えております。  なお、公表につきましても、法律上の制度として公表制度をとるかどうかということはともかくといたしまして、勧告等を行えば、日本のジャーナリズムにおきましては、そういうことは大体新聞に載っかるというのが従来の報道機関の常識であろうかと思いますから、実際問題としましては、勧告をすれば世間にも知れわたりまして、それ相応の効果もあることではないだろうかと考えております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 先ほど大臣に聞きますと、相当みんなで省エネルギーに向かって力を入れなけれならぬと言う。また石油の需給見通しにつきましても、お聞きしますと相当厳しいような状態でありますから、一つの法律というものができましたら、それに若干権威がなければならないと私は思うのです。熱管理法みたいなものでは話にならない。ましてそういう時代に入ってきた。前のオイルショックのときは、これはつくられたショックでありましたから、入ってくる石油を見ると少しも減ってないわけですから、事実は石油はあったわけですから、このときと大分事情が違うように思うわけです。今度は、通産省の姿勢としては相当腰を入れてこの問題に取り組まなければ、ただIEAや外国に対するアドバルーンのように、日本もこうやってますというのでは、これはぐあいが悪い、そういう時代に入ってきたのではないかと思うものですから、ひとつそういう点については特に申し上げておきます。  そこで、石油代替エネルギーについてちょっとお聞きしたいのですが、石油が逼迫してくるということになりますと、これに対する代替エネルギーが必要であろうと思う。それに対する取り組み方、それからまた、それについては財源問題がネックになってくると思うのです。この二点について大臣からひとつお聞きをしたい、こう思うのです。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 これは全く重要な点でありまして、私どももエネルギーの安定供給、これをどう確保していくかというためには、石油の代替エネルギーの開発導入が絶対不可欠の条件であるというふうにとらえております。その代替エネルギーの一番効率的なものは原子力発電である。これが今度のあの初歩的なミスによりまして大変むずかしい問題に逢着したわけであります。しかし、やはり人間のやることには過ちもあるわけでありまするから、そういう点は謙虚に受けとめまして、安全度を確認し、どういう点がどう悪かったのか、これは的確に情報をキャッチすると同時に、国民にもわかりやすく、納得のいくように理解を願うとともに、ますます原子力発電の安全性を高める努力も一方では続けていくということが必要だというふうに考えます。何といってもまず安全性の確立、そして信頼性を取り戻すこと、政治的には特にそういう点に注意を払いまして万全を期してまいりたいと思います。  それとともに、しばしばここでも議論になっておりまするように、国内炭の二千万トン規模の確保であるとか輸入石炭も昭和六十年度には千六百万程度の導入を図るというようなことなどについても積極的に取り組んでまいりたいと思います。  そのほか、何といっても五%程度の節約ということは実現していかなければなりません。  それからサンシャイン計画、きのうもサンシャイン計画などとはいささかおこがましいと、いま経費の問題もいかにも少な過ぎるではないかという御指摘もありましたが、今度カーター大統領と大平総理とのこういった次期エネルギー開発研究についての合意が、協定という形で成文化されたのなどを背景にしまして、やはり太陽エネルギー等を初めとする新エネルギーの開発に長期的には旺盛に取り組んでいきたいと思います。  さっきもお答えしておりましたように、五十五年から六十年までの計画そのものをちょっと考えただけでも、新エネルギー開発のためには七兆円程度の経費を要する。一般会計からいまの成長ベースでこれに経費を投入するとしても、やはり三兆七千億程度の不足が生ずるというような事態でありまするので、これらについてはひとつ大いに財源対策を含めて、実現できる努力を払ってまいりたいというふうに考えております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 先ほど板川委員から、アメリカのスリーマイル島の原発の事故を考えて、日本でも防災対策といいますか、こういう連絡会議をやっておるのだという話でありましたが、地方自治体あるいはまた特に消防署とかあるいは警察だとか、そういうところにおきましても、そういう事故が起きたときに何らなすすべがない。危なくて行けないわけですよね。防具もありません。またそういった放射能の漏れが全然つかめない。ということは、現在の公害対策基本法の中から原子力問題だけは抜かれているわけですよね。だから、地方自治体でもそういう検査方法もなければ、またそういうことにはタッチできないことになるわけですから、そこに事故が起こったときはもうどうしようもない。みんな逃げるしかない。警察でも逃げるでしょう、これは危なくて。そういった面も考えますと、この連絡会議をいま通産大臣も入ってやっていらっしゃるということでありますから、そういった根本的な問題をひとつ加味して、そして事故が起こったときにはどうするか。アメリカのように広いと退避させればよかった。日本のようなところであったらこれは大変なことになるんではないか、こういうふうに考えますので、その公害対策基本法の中にもやはりひとつ原子力問題を適用除外にしないようなことも考えて、これはいますぐ答弁してくれと言われてもできませんから、検討をしていただきたい。これは要望いたします。  最後に、サミットにおけるところのエネルギー問題を討議するために、箱根で会合をしたと聞いておりますが、わが国はどのような立場で議論をしたのか、これをひとつ明らかにしていただいて終わりたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 最初に非常に形式的なことを申し上げてまことに恐縮でございますけれども、箱根に各国のエネルギー専門家が集まって会議をしたわけでございますが、この集まった人たちの資格は、サミットの個人的アドバイザーという資格で集まっておりまして、その直接の役目は、サミットの下に準備委員会というのがございますが、その準備委員会が主としてコミュニケの準備をしているわけでございますけれども、そのコミュニケの準備のまた準備についていろいろ討議をして、その準備委員会の議論の材料にする、こういうのが箱根で行われました会議の性格でございます。したがいまして、その会議の約束は、そこで議論しましたことはサミットないしその準備委員会に報告するのが役目であって、一般に公表はしないというそういう枠をはめられておりますので、きわめて大ざっぱなことしか申し上げられないということを御了承いただきたいと思います。  箱根におきましての主要な関心事は、まず現下の中東における情勢の緊張及びそれから来るところのエネルギー情勢の緊迫、こういうものに関しての認識を統一するということが一番基本でございます。それからそういう情勢認識に基づいて、各国がばらばらの行動をするよりも、できるだけ協調した行動をした方がいいということから、どういう分野で協調ができるであろうかというようなことを議論をいたしたわけでございます。  そうしますと、結局エネルギーの供給、特に石油の供給に関しましてはいろいろ不確定な要因がある。そしてその不確定な要因というのは消費国側のコントロール外のところにあって、いわばどうしようもない。そういたしますと、消費国側として自主的に、自発的にできることと言えば、やはり消費節約が第一ということでございますから、消費節約についてしっかりやろうというような点。それからその次には石油の供給に不安定性が強まっているといたしますならば、どうしても代替エネルギーの開発をやらなければいけない、代替エネルギーの開発は、これまた石炭にしろ原子力にしろ国際協力が必要でございますので、その分野において国際協力を強化していこう。それからもう少し先の話になりますが、新エネルギーの開発あるいは省エネルギーに関する新しい技術の開発、こういうようなことに関しましても、各国個別にやるよりもできるだけ協力する方が望ましゅうございますので、協力し得るような分野を探求していこう、こういうようなこと。それからその次には、産油国との対話ということが非常にむずかしい問題でございますけれども、ぜひともやらなければいけない問題でございますので、産油国との対話の糸口をどういうふうにして見つけていこうか。それから非産油国の発展途上国が非常に苦しい立場に立っておりますので、非産油発展途上国における代替エネルギー開発あるいは石油エネルギー開発等についてどういうふうな協力ができるであろうか、こういうようなことが主たる討議のテーマであったわけでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下(徳)委員長代理 清水勇君。

清水勇日本社会党

○清水委員 実は私、法案の審議の前提条件として、先般のスリーマイル島における原発事故であるとか、あるいは石油需給見通しの問題であるとか、やや総論的なことで幾つかの点をお聞きをしたかったわけでありますが、時間の消費の節約を図るという意味で、その点はこれまでずいぶんやりとりがございましたので割愛をいたします。ただ若干のことを大臣に承ってみたいと思います。  というのは、いわゆる石油危機を経て七四年の十一月でしたか、OECDの下部機構ということでIEAができた。石油の備蓄あるいはエネルギーの消費の節約、さらには新エネルギーの開発の促進等々積極的に進めていこうということを目的としているわけでありますが、どうも私、率直に言って省エネルギー政策なりあるいは新エネルギー開発ということについて、わが国の取り組みがいささか消極的ではなかったのか、こういうことを言わざるを得ないのです。先ほど板川委員も指摘をされているように、たとえばIEAの省エネルギー協定が九つある。が、しかしわが国はエネルギーの多段利用の研究開発計画だけに加盟をしている。こういうことではいうところの国際的な責務を果たすというようなことにならないんじゃないか、非常に消極的なんではないか、こういうふうに言わざるを得ないのですが、大臣の御所見をお聞きをしたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 御指摘のように私もこれが十分行われておるとは思いません。石油ショック後、企業などにおいては使用の合理化、効率化を大いに図ったわけでありますし、また、幸い日本の企業はこの値段のアップ率を吸収することにも他国に先駆けて成功をしたわけであります。とにかく量はあるという安易感が、やはり研究開発にも多額の経費を要するということで、本来一番根本であるべきはずの研究開発がなおざりにされた傾向なしとしないと思います。そこに石油があるんだ、だから値段は高くなったが、安易に使えるからまずこれを消費しようという安易な気風というものは、もうしかし今度の段階では許されないというふうに考えております。  サンシャイン計画、決して十分とは言えません。しかしこれとてもいろんなリスクを負いながら着々と進めております。先ほど来いろいろ答弁をしておりますので繰り返しはいたしませんが、今後財源対策等についても十分ひとつ努力をしてみたいというふうに考えます。またムーンライト計画も、乏しいながらも軌道に乗りまして、相当な成果を期待できる構想はでき上がった、これからこれをどう進めるかということだと思います。これらについては十分御趣旨を体しまして、予算措置なども講じてまいりたいというふうに考えます。

清水勇日本社会党

○清水委員 そこで、今日課題になっている省エネルギー政策のことでありますが、これは言うまでもなく総合的なエネルギー政策のいわば重要な一つの柱である、こういうふうに私は考えております。とりわけアメリカに次ぐ第二のエネルギー多消費国である。のみならず、先進国の中では最も資源小国と言われる状況である。ですから、IEAから言われるとか、そこで相談をするまでもなく、わが国が積極的に省エネルギー政策を推進をする、あるいは新エネルギー開発を推進をするということでなければ、いま大臣の言われるような国際的な角度での責務を果たすというようなことにはならないのじゃないか。確かにムーンライト計画だとかサンシャイン計画だとか、後で触れますけれども、一応の努力をされていることは私も認めないわけではありませんが、特にこの際に大臣に承りたいことは、そういう意味でいままでどうも省エネルギー政策にやや十分でなかったうらみがあったかもしれぬともしおっしゃられるならば、この際、わが国の省エネルギー政策というものはかなり進んでいる方だと聞いているのでありますが、IEAの省エネルギーにかかわる全協定に積極的に参加をする、こうあってしかるべきではないかと思うのですが、その辺はどうでしょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 いろいろな協定がございますが、日本の実情に直ちに合わないものについては検討考慮中である、こういうふうに御理解を願いたいと思います。日本として積極的に協定に参加すべきものは進んで参加するように対策をいたします。

清水勇日本社会党

○清水委員 ぜひそういうことで積極的に対応していただきたいということを希望しておきます。  さて、私はついでながら申し上げると、どうも省エネルギー政策に消極的ではなかったのかということを裏づける意味で、大臣も予算のことにちょっと触れられましたけれども、予算を見ると一目瞭然なんですね。確かに去年と比べればかなり大幅になった。しかしもとが小さいのですから、伸び率が高くてもたかだか三十億に満たない。当面五%、将来一〇・八%に及ぶ節約を達成をしよう、これが実現をすれば経済的といいましょうか、金額的に見て大変な利益が生ずるわけなのでありますから、そうだとすれば、たとえばいま大臣が述べられましたけれども、ムーンライト計画等についてももっと思い切った予算がついてしかるべきなのじゃないか。実はきょう午前中に参考人からの御意見をお聞きした際に、たとえば高効率ガスタービンの開発が一つの大きな課題になっている。が、しかし一基当たりの建設費が非常に高くて、高いといいましょうか、大きくかかるので、たとえば米国で使用済みのものを入れて云々というようなことを言われていたのでありますが、そういうことではならないのじゃないか。したがって、五%なり将来の一〇・八%なりの節約の達成、これによって生ずる経済的なメリットというようなことを想定すれば、まさに先行投資というような意味合いからも省エネルギー政策といいましょうか、ムーンライト計画等に思い切った予算をつけていいのじゃないか、こういうふうに思いますし、そうあって初めて大臣がおっしゃるように、省エネルギー政策についてもわが国は一生懸命やっているのだよということを内外に示し得るのじゃないか、そういう意味でひとつもうちょっと突っ込んだ大臣の所信をお聞かせを願いたい。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 ムーンライト計画は昨年度の制定で二十億円、それが三十億円になった。これは伸び率としては相当なものだというふうに思いますが、お説のようにもっともっと増高させる必要があります。サンシャイン計画にしてもそうだと思います。  実は私ごとを申して大変恐縮でございますが、たとえば日本は、日米安全保障条約における防衛費の分担金の割合にしても、アメリカに比較すれば極端に少ないわけですね。五十一年の、かつての会計検査院長が上下両院に勧告をした数値を見ましても三千億対一千億程度、三対一というような形ですね。そうであるならば、次期エネルギー開発研究のために日本はもっと金額を投ずべきだ、そしてアメリカはもとよりのこと、世界の人類のために役立つような努力を払おうではないかということを当時の福田首相に提言して、それが取り入れられ、その延長として今度大平・カーター協定がなされたわけでございまして、いささかその点では満足とまではいかないまでも、一歩前進したなという感じを持っておるわけであります。いま防衛費が世界の先進国に比べてきわめて少ないというなら、その間に次期エネルギーの開発研究であるとか節約、ムーンライト計画の推進であるとか、こういうことにこそ力を入れなければならぬということを思います。私もただに通産大臣という立場だけでなしに、政治家として責任を感じておりまするので、今後とも清水さんのおっしゃる御趣旨を体して十分努力をいたしてまいりたいと思います。

清水勇日本社会党

○清水委員 決意のほどを承りましたのでそれ以上は申し上げませんが、ただ感想として一つだけ聞いていただきたい。たとえば私、新エネルギー開発予算のことについて、二月十四日に大臣の所信に触れて質問をした際にもちょっと申し上げたのですけれども、全体として非常に小さい、いまおっしゃられたとおり。省エネルギー予算も同様。これはつまるところ、今年度の予算を見てもいわゆるエネルギーの研究開発関係予算の九〇%余を実は原発関係が占めている。どちらかというと原子力発電に一辺倒と言っていいほど傾斜をする。こういう姿勢といま申し上げたものとは無関係ではないのではないか、こんなことを感じてならないわけでありまして、私は本法案については基本的に賛成をする立場に立っておりますが、しかしいま申し上げたような姿勢については残念ながら賛成ができない。こういうことで、ぜひひとつ大臣、決意を述べられているわけでありますから、そういう立場で対処していただきたい、こう思います。  さて、これは釈迦に説法ですから、そんなばかなことを聞かなくてもいいのかもしれませんが、実はきのうの大臣の答弁を聞いていて一つだけ気になることがあった。というのは、たとえば石油の需給見通しに関連をして、北海油田とかアラスカやメキシコ油田も開発をされた、国際的に見ると今日石油の需給関係は悪いことはないのだ、余り心配することはないのだというような意味合いのことを述べておられる。現実にはそういう見方に立脚をする見方というのが一部にあることは事実なんですが、これがたとえば省エネルギー政策などといったようなものにかかわり合いを持つようなことでは、せっかくの決意も竜頭蛇尾に終わらざるを得ないというふうな感じがするわけであります。言うまでもなく、きょうあすの石油の需給関係、エネルギーの問題を論じているのではなしに、たとえば一九九〇年前後から逼迫状況を来すのではないかといわれる事態に、どのようにエネルギーの安定供給を確保するか、さっき大臣が言われたとおりなんです。そういう視点から、大臣はなかなか能弁でいらっしゃるからいろいろおっしゃられるわけでありますが、やはり十分御注意をいただいて見解を披瀝していただく必要があるのではないか、こんなふうに思うのです。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 これはあるいは私の言葉が足らなくて誤解を受けたのではないかと思います。それは、節約は絶対しなければならぬ、積み増し分を入れてとにかく一日二百万バレル・パー・デー足りない、この現実は実行しなければならない。しかし、値段はどんどん上がるが、昨年同期に比べるというと、もとよりこれは商社などの努力もあろうが、ことしも量は確保できておる。いろいろさっき言われたような事情もある。だから何もあわてて——節約を実行することによって値段を抑えることができるから、ここにウエートがあるのです、私がきのう申した意味は。いや、量はあるから心配するな、そんなことを言っているんではないのです。ただ、いまこの場面では量があるにもかかわらず足りないといういわゆる不足感が不必要に値段をあおっておる、こういう傾向があるから、われわれは節約ということを前提にして高値を呼ぶ石油の値段を極力抑えていこう、これを申したわけですが、ちょっと私の言葉や表現が足りませんために御心配をかけたとすれば、真意はそこにありまするので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。

清水勇日本社会党

○清水委員 その点はわかりました。  さてそこで、これはエネ庁の長官に承るべきことかもしれませんが、長期エネルギー需給見通し、これをエネ庁として示しておられるわけでありますが、そこでの省エネルギーの対策促進目標、これは具体的な数字は申し上げません、それと本法案とはいかなる連関性といいましょうか、結びつきを持っているのか、明確にしていただきたいと思います。また同時に、たとえば一九八五年にはこうするのだとか一九九〇年はこうだというようなものが出ておりますが、年次ごとにそういう数値というものを持っておられるのかどうか、お聞かせを願いたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 長期需給見通し、これは総合エネルギー調査会の発表した数字でございまして、もちろん通産省も大いにこれに参画をしておるわけでございます。これの対策促進ケース、昭和六十年度一〇・八%の省エネルギー目標、これの算出根拠は、産業部門、民生部門、輸送部門、三つに分けまして、特に産業部門につきましてはエネルギー多消費産業につきまして一体どのような省エネルギーの技術が可能であるか、それからどのような省エネルギー設備投資が行われ得るであろうかというようなことをかなりチェックいたしまして、積み上げをいたしまして、努力すればどの程度の節約が可能であるということを出しておる。それから民生部門では、そう言いましてもなかなかむずかしゅうございますが、しかし日本の家庭の断熱化というようなことは、日本の気候のせいもございますけれども、欧米と比べてまだおくれておりますが、おくれておる以上は今後は非常に進む可能性もはらんでいるわけでございますから、そういう断熱化等の効果を見込みまして一応の数字の推定をしておる。それから輸送部門につきましては、主として燃費の向上等からこの程度の省エネルギーを期待してもいいであろうというようなことで、そういうものをすべて積み上げまして一〇・八%という数字を出しているわけでございます。  ですから、この一〇・八%の省エネルギーの内容は、この法律で言っておりますところのエネルギー使用の合理化ということとほとんど同じことでございます。もったいないから使うのをやめろとかいう式のことではなくて、使用方法の合理化ということに重点を置きましてこの一〇・八%を達成しよう、こういうふうにしておるわけでございますが、そういう使用の合理化ということは、言うまでもなく基本的には企業や家計の自発的な合理化努力によるものでございます。企業や家計が余り自発的に合理化しようという意欲がなければ、とうてい一〇・八%などというものは期待できないと思いますが、幸いにしまして日本の企業なり家計なり、いずれもできるだけ合理化をし、効率化をしようという強い意欲を持っておりますし、幸か不幸か石油の価格が上昇しているということも、プライスメカニズムが働きましてそういう節約を刺激するであろうと思いますが、それに加えてこの法律によりまして、そういう自発的な企業、家計の合理化努力に一層の刺激推進剤を加えよう、こういうふうに考えているわけでございます。ですから、五十二年にあの見通しをつくりました当時におきまして、あれは精いっぱいの努力目標であったと思いますけれども、しかしその後不幸にして石油の価格が約二六%ぐらい上がってしまった。これは、上がったということは非常に困ったことでございますが、しかし省エネルギーというところから見れば、多分これが省エネルギーの推進剤として働くであろうと思います。それからまた、この法律も当然そういう合理的使用ということを、いろいろな方法を講じて推進をしようとしているわけでございますから、こういう官民の努力が一体となって一〇・八%の合理化と省エネルギー化ということを実現することを強く期待をしておるわけでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 それでは法案の中身に触れながらお尋ねを続けていきますが、いずれにしてもいま長官が言われるように、一九八五年、昭和六十年と言われるわけでありますが、あと六年、その年度では単年度に八千万キロリッターからの消費の節約を実現をする。これは並み大抵のことではないと思うのですね。  そこでお尋ねをするわけなんでありますが、たとえば第二章に「工場に係る措置」という規定がございます。判断の基準いわゆるガイドラインでありましょうが、これを示す、指導や助言を行い、熱管理工場を指定をし、その事業者に対してエネルギーの使用の合理化に関する必要な勧告をする、合理化計画を出させる、その中身が適切でなければ変更させる、あるいは計画を確実に実施に移すようにさらに勧告をする等々の規定が列挙をされております。  そこで、私はちょっとお尋ねをしたいのでありますが、現行の熱管理法では第四条で目標原単位を示す、こういう規定がございますね。しかし、昭和二十六年でありましたか、本法が成立をして以来今日まで、この目標原単位というものは一回も公表されていないのではないかというふうに承知をしているわけでありますが、これはどういう理由だったのでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 大分前のことでございますから立法当時の事情がよくわかりませんけれども、まあ比較的単純に考えて、原単位は目標として非常にいいラインと申しますかインディケーターであるというふうに考えたのではなかろうかと思いますけれども、実際にその法律を施行しようといたしますと、原単位と申しましても、たとえば同じ産業グループの中におきましても企業ごとにいろいろな事情がありますし、機械ごとにも新旧の差がある、そういうことでございますので、一律に原単位を示すということは考えるほどやさしくはなくて、どうも実際上は原単位というのはいい目標ではなかったということではなかろうかと思います。そういうわけで、結局いままでのところ原単位という目標は実際上は余り活用されなかったということで、われわれとしても反省をしておるところでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 そこで、本法案では判断の基準を示すと言われている。これも長官言われるように簡単なことではないと思うのです。非常にむずかしい内容を含んでいると思うのです。私は、目標原単位の轍を踏まないということを長官に断言をしてもらいたい。この点、これから法律をつくろうというわけですから、断言できるとおっしゃるに違いないと思うのですが、どうでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 原単位目標は、法が昭和二十六年に施行されましてから二十数年の間、結局一回も実用に供されなかったということでありますから、こういうことでは全く法律をつくる意味がないわけでございまして、そういうようなことはわれわれは二度と繰り返してはならないというようにかたく信じております。

清水勇日本社会党

○清水委員 私は率直に言って、本法がエネルギーの消費節約について実効を上げ得るかどうかというかぎは、かかってこの判断の基準をどう定めるか、こういうところにあるのじゃないかと思うのですね。その意味で、判断の基準と言ってみても非常に高度に専門的でまた技術的な判断を必要とする、こういうふうに考えるわけでありますが、先ほど来の板川委員の質問に対するお答えを聞いておりますと、何か専門家の意見を聞いたり対応する業界からも意見を聞いたりして通産省が判断をするんだ、こういうふうに言われているのでありますが、それで果たして万全なのかどうか、どうも私は非常に疑問を抱くのです。その点はどうでしょう。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 この問題は、先生御指摘のとおりきわめてむずかしい問題でございまして、第一番目に、現段階における技術水準なり工場の設備の新旧の度合いなり、その他いろいろな要因を判断いたしまして、どの程度の判断基準ならば皆からいい目標として受け入れられるであろうか。余り現実からかけ離れて高い目標を示しましても、これは実行不可能ということになってしまいますし、それから一番劣等生の工場でもすぐできるというようなものであれば余り意味がないことでございますし、したがいまして、一体どの辺が一番妥当な基準であるかということは、おっしゃるとおり非常にむずかしいということはよくわかっております。しかし、やり方としましては、やはり専門家の意見をよく聞く、それから業界の実態をよく調査する、それからまあ場合によっては諸外国の例等もよく調べる、そういうようなことで個別具体的に判断していくよりほかに、何か方程式みたいなものがあるというわけでもないかと存じますので、できるだけ広く意見を聞き、勉強もし、調査もし、外国の事情も調べ、個別具体的に妥当な基準を定めていくということではなかろうかと思っております。原単位の場合の失敗というのは、余りにも一律画一的な目標を定め過ぎようとした点にあるのではなかろうかというふうに考えますので、なるべく具体的な状況を勉強しながらやっていきたい、こういうふうに思っております。

清水勇日本社会党

○清水委員 この判断の基準の定め方について、将来ともにいま言われるような手続でやっていく。たとえば審議会を設ける、あるいは専門委員会を置くなんというようなことは全く考えておりませんか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 遠い先のことまで別に決めているわけではございませんが、さしあたり審議会というような形式は、こういう非常に専門的な事項について特に必要であるというふうには考えておりません。個別具体的に専門家なり業界なり学識経験者なりの意見を聞きながら進めていきたいと思っております。

清水勇日本社会党

○清水委員 さてそこで、先ほど長官は、石油が二ドルとか三ドルとかの安い時分にはいざ知らず、最近のような高価格時代になると、ほっておいたって企業は省エネルギーといいましょうか、企業利益を確保するというような立場からそうした努力をするに違いないと、わが国の国民性に触れ、企業の体質に触れて感想を述べておられるのですけれども、なるほどそういう見方もあると思います。しかしもう一つは、いままで自主的にできるだけの努力をやってきたんだ、この上役所からやかましいことを言われるのはお断りだというような反応も全くないとは言えない。  そこで、私が心配になるのは、いまたとえば勧告をするとか指導、助言をするとかという域を越えていないわけなのですけれども、単に勧告をするという弱い規定ではなしに、企業に指示をする、あるいは指示に従わないものについては、さっきも御議論がございましたが、やはり社会的に公表をする、それから合理化計画なんかも提出を求めるなどという消極的なものではなしに、提出を命ずるといったような形で、一面では少し強い措置といいましょうか、こういうものを考える必要があるのじゃないか、こう思うのです。同時に、そういう措置を国が企業に求める以上、やはり政府としては、現在開銀等で設備に対する特別融資をしていると言われるけれども、その金利が一般金利より高いと私は思うのです。多分七・一%でしょうか。だから、これをある程度下げるとか、初年度において減価償却を四分の一認めるような税制上の措置を講じていると言っておりますが、たとえばダイレクトに影響がある減税措置を講ずるとかを裏づけにしながら、前段に言うようなある程度の強い措置をとる、こういうふうにすべきだと思うのですが、どうでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 御指摘のとおり、二つの考え方があると思います。  一つの考え方は、民間の企業は基本的に合理化努力をしておる、いわば病人が自分で体を治そうとする意欲を持っているというのは基本前提であって、その意欲に信頼をしまして、その上にプラス若干の刺激、指導を政府がやっていく。したがって、その場合には助成措置はやや弱いものになっていく、これが一つの考え方であり、この法案は大体そういう考え方に立っているわけであります。もっと徹底した考え方になりますと、政府はそんなことには口出ししなくていい、すべて民間に任せておけばうまくいくのだという徹底した考え方があると思いますが、ここではそういう考え方はとっておりませんで、民間の努力をベースにするけれども、政府がそれを誘導をしていくというのがこの立場でございます。  もう一つの立場は、いま先生が御指摘になりましたように、もう少し強い指導なり、場合によっては強制までして、それの見合いに今度はもっと高度の助成をしてはどうかという哲学と申しますか、考え方があり得ると思いますが、非常に実際的なことを申し上げますと、確かに高度の助成をした方がよろしいと思いますし、私どもも本当はしたいのでございます。しかし、財政当局としては、そう欲しいと言いましてもみんなくれるという仕掛けにはなかなかなっておらないわけでございまして、財政は非常に苦しいという現状もございますから、助成をそう高度にするといいましても限界というものがございます。それからまた、政府の方が強い指示、場合によっては強制も行うという場合に、たとえば先ほど申し上げました基準等が、だれが見てもこれは疑いのない基準だということが非常にはっきりしておりますれば、それは政府も自信を持って強制なり何なりできないこともないと思いますけれども、こういうことを申し上げては恐縮でございますが、そういう基準とかいうものはそれほど絶対的な真理というものではないのじゃないか、ときには過ちも含んでいるでございましょうし、そういうものにつきましてはある余裕を持たせながら緩やかに誘導していくということの方がいいのではないかと私どもは思いまして、現在のような体系になっている次第でございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 長官のお話を聞いていると、一面では自信のないような言われ方もされるのでありますが、判断の基準もベストなものを示すことが非常にむずかしい、せいぜいよりベターなものしか示し得ないのじゃないか、したがって対応する国の政策もなかなかそのベストの政策がとれない、こういうニュアンスが感じられて、私はいささか及び腰ではないのかという感がしないでもないのであります。それでは本法を制定する真の意義を十二分に発揮できないのじゃないか。世上どうもこの法案はあめもなければむちもないなんというような見方もあるようでありまして、まことに迫力が乏しいじゃないか、どれだけの実効が確保できるのか、こういう見方もあるわけでありますから、にわかにそうした点について所見を求めることは無理でありましょうから、私の感想だけを述べて、十二分に検討していただきたいということを希望しておきたいと思います。  そこで次に、建築物に係る措置について、第三章で規定されているわけなのですが、率直に言ってもう前略で申し上げます。  いずれにしても、今日の民生部門における低位なエネルギー消費、これはおっしゃるように消費生活水準が向上するあるいは近代化するというものとのかかわり合いで、急速に欧米水準に接近してくるのじゃないか、こういうふうに思います。そうであればなおさら省エネルギーというような視点に立っての、たとえば住宅部門なんかをとらえてみた場合、断熱材の使用が普及していくだろう、こう思います。  そこで問題は、参考人の意見にもございましたが、断熱材を使用するということは勢い建築費が割高になる、そこで建築主、施主になかなか負担がかかって、断熱効果を上げるような施策を遂行するというようなことに難がある、こういうふうに言われておりましたが、私もそう思います。諸外国では一定の税制上の優遇措置を講ずるなり助成措置を講じている。わが国では現在断熱材を使用する場合に、住公融資の枠にほんのわずか、都市ならば十万円程度の上乗せをする、これでは私は問題にならないと思うのです。もっと思い切った増額をすべきじゃないか、また同時に一定期間断熱材使用の建築物については減税措置を講ずる、こういうことを行うべきだと思うのでありますが、なぜやらないのか、この点まずお聞きしたい。

吉田公二建設省住宅局参事官

○吉田政府委員 欧米、特に冬寒冷の厳しい国におきましていろいろの措置がとられているというのは先生御指摘のとおりだと思います。わが国は、どちらかと申しますと温暖な部類に属しますので、従来確かにエアコンディショニングなんというのも余り普及しておりませんでした。冷暖房の機器とか設備の普及が近年非常に著しくなってまいりましたので、最近ではかなりの普及を見てきた、おっしゃるように今後さらに普及していくだろうというふうに見通せるところでございます。  わが国におきまして、住宅におきます断熱と申しますか、省エネ的な考え方を入れました一番最初のものは、北海道におきまして北海道防寒住宅建設等促進法に基づく施策があるわけでございまして、これでは公営住宅の構造でございますとか、公庫融資の建設単価というものに防寒構造というものを加味した措置をとってきた、これは省エネというよりは、むしろ北海道という属性から防寒対策としての構造をとってきたわけでございますが、結果的には省エネ構造になっていたということは言えるかと思うわけでございます。  実は最近におきます傾向にかんがみまして、昨年、昭和五十三年度に住宅金融公庫の貸し付けにおきまして、断熱構造化を伴う住宅の改良工事というものに対しまして、先生御指摘のような十万円の上乗せというものを設けたわけでございます。一般に住宅改良工事につきましては、木造で最高二百五十万までの融資があるわけでございますから、これに断熱構造を伴う場合には十万上乗せをするということで実施を図っていくというのが昨年の施策でございまして、さらに五十四年度、本年度からは新築につきましても断熱構造、いわゆる壁等の断熱構造、これにつきましては十万円の上乗せ、それからさらに寒冷地におきまして開口部、窓の二重サッシでございますとか複層ガラス、こういうものを用いました新築の場合に二十万さらに上乗せして三十万にする、こういうような措置を実は今年度からとることにいたしたわけでございます。  遅きに失するではないかと御指摘あればそのとおりかと思いますが、こういった割り増し制度を設けることにいたしまして、この活用によりまして省エネルギー化に役立てたいというふうに考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても公庫融資自体、昨年、ことしとやってまいりましたので、ただいまの先生御指摘のような点もよく考えまして、事態の推移を見きわめましてさらに必要な措置を検討してまいりたいと思っておるところでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 私は、たとえば税制上の優遇措置、減税なら減税、これが必要だということは建設当局だって承知をされていると思うのですね。さっき企業に対する措置について財政当局が非常に厳しいと長官言われておるわけですが、仮にそういうところに一つの壁があるとするならば、やはりこれは大臣に少し考えてもらわなければならぬと思うのですけれども、たとえばいまソーラーハウスをできるだけ普及しようという政策をとっておられる。私どもの県なんかでもかなり最近は太陽熱を利用して給湯だとかあるいは冷暖房システム、つまりソーラーハウスを取り入れるというような傾向が出てきているわけなんですが、単に住宅関係企業へ助成をするというだけではなしに、さっき申し上げているように建築主といいましょうか、施主に対して一定の補助をする、あるいは税制上の減税措置を講ずる、こういったことは、断熱材の問題もそうですけれども、太陽熱を利用するような住宅に対しても当然行われてしかるべきじゃないか、それが実は省エネルギーという視点に立った政策の普及を積極的に促進をする刺激剤になるのではないか、こんなふうに思うのですが、それらについてどうも大蔵当局がうんと言わないという傾向について、もしそうだとすれば所管大臣として一言あってしかるべきじゃないかというふうに思うのでありますが、どうでしょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 租税特別措置法に基づく特別償却、これは御承知のように初年度取得価額の四分の一の適用、それから固定資産税の軽減措置、これは取得後三年間で課税標準を三分の二にする、こういう施策がとられておるわけでありまするが、これは十分じゃありませんですね。よく御趣旨を体しましてエネルギー節約のこの時勢に合うように、財源難で大蔵省が抵抗する立場もよくわかりますが、今後ソーラーシステムを奨励する意味からいっても、今後とも大蔵大臣とは折衝を続けてまいりたいというふうに考えます。

清水勇日本社会党

○清水委員 それから建設省にもう一つだけ聞いておきたいのですけれども、この条文を見ると、エネルギー多消費と言うべきビルなどの大型建築物について省エネルギーに関する判断の基準にかかわる勧告という措置がありませんね。指導と助言しかない。これではすこぶるあいまいで、余り目的に沿うた効果を上げ得ないんじゃないか、こう思うのですが、なぜそういう弱い措置にしているのでしょうか。

吉田公二建設省住宅局参事官

○吉田政府委員 省エネルギーの対策にいたしましても、部門別に若干ニュアンスの差があるかと思います。産業部門におきまして、十二条におきますようなエネルギー管理指定工場となっているような大口工場につきまして、勧告という制度があることはあるわけでございますが、建築物につきましては、住宅はともかくといたしまして、オフィスビルについて見ましても、そのような大口工場に比較いたしますと、まだまだ使用のレベルが低いという点もございます。  それから建築物は毎年二百万棟近く建てられているわけでございますが、それぞれ用途、規模、構造また建築主の設計に対する考え方、そういうことから、設計でございますとか施工の内容がきわめて多様でございますので、省エネルギー化につきましては国が省エネルギー化の方向を示しまして、これによって建築主がそれぞれの実態に即した対策を立てるということが適切ではないかというふうに考えて、現在のような規定にいたしたわけでございます。  ただ、大規模建築物につきましては、従来からも建築基準法上非常に大きなものについては、大体建設行政として具体的に個々に指導しているものが多うございまして、今後こういった省エネルギーの見地からも、この指導、助言の規定に基づきまして強力に指導していくつもりでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 時間もありませんから次に進みますが、次に第四章で、機械器具に係る措置について規定があるわけであります。私はこの規定の個々について触れませんが、基本的に言って、たとえば省エネルギー製品を普及をする、あるいは全体として商品の耐用年数を高めるといいましょうか、延長するといいましょうか、そういうことを図る、そういった政策を重視することが、この際非常に重要なのではないか、こういうふうに考えるわけですが、そうした点について何か通産当局として構想をお持ちでしょうか。

森山信吾通商産業省機械情報産業局長

○森山(信)政府委員 私の方では、主として自動車でございますとか、家電製品でございますとか、いわゆるエネルギーをたくさん使います商品を担当いたしておりますので、私どもの局の立場を御説明しておきたいと思います。  いま御指摘のございましたように、商品の耐用年数をできるだけ延ばすということは、省資源という立場から考えますと当然のことでございまして、私どもそれなりの対応をしてまいったつもりでございます。現に、自動車につきましても、あるいは家電につきましても、このところかなり耐用年数が長くなっているという状態でございます。その裏づけといたしまして、たとえば家電製品等につきましては、過去に生産されました製品の部品の供給につきまして、一定の期間保有をすることを行政指導しておるわけでございます。現在、私どもは三十二品目につきましての行政指導をいたしておりますし、業界はまた別個の観点から、五十品目につきまして部品の供給を長期化するということをやっております。また自動車につきましては、御承知のとおり車検という制度があるわけでございます。これは原則として二年に一回車検をやっておりますので、その車検の際には部品の供給が必ず必要になってまいりますので、そういう点を勘案いたしまして、自動車メーカーは部品の供給を相当長期間するということに努めておるわけでございます。  しかしながら、こういった耐用年数の長期化ということも大事ではございますけれども、一方、使い方、ソフトウエアと言いましょうか、自動車の乗り方あるいは家電の使い方、こういったことがやはり問題になってくるのではないかということでございまして、私どもは、たとえば自動車工業会なり、あるいは電機工業会なりなどを通じまして、できるだけ自動車なり家電なりの使い方をうまくしようではないかというPRをするように現在努めておるところでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 いま局長からお話がありましたが、そうは言いつつも、たとえば自動車にしても、家電にしても、正直言うと不必要と思われるくらいにモデルチェンジが行われたり、相変わらず使い捨てといったような、そういう気風をあおるというようなことがなしとはしない、残っている。ですからこの点は、やはりいま言われるように、業界に対しても単に自助努力を待つというのではなくて、少し積極的に指導なりあるいは規制なりを加えていただくように要望しておきます。  時間もありませんので、最後に一言だけ大臣に申し上げたいのですが、この春以来、大臣を先頭に、通産当局が省エネルギーというようなことについてかなり積極的にその推進を図ろうという努力をされてきていることに対して私は敬意を表しますが、ただ、週休二日制にしても、サマータイムにしても、夏季一斉休暇にしても、どうも竜頭蛇尾に終わってしまうのではないかという感を免れない。わずかに江崎さんの省エネルックだけが脚光を浴びる、こういうことでは、省エネルックも、結構長野県では県庁なんかでもそうだし、銀行あたりでもそうしましょうということで一定の効果はあるのですけれども、しかしそれだけではいささか心細いのではないか。だから、この点は時間もありませんから余りやりとりできませんが、それを実現できない隘路がどこかにあるならば、それを打開するために、つまり週休二日なり夏季一斉休暇なりというものの実現を積極的に推進していただくように一層の御努力を煩わしたい。  それからもう一つは、発想の転換なんということをいきなり申し上げるとおかしいのでありますが、消費の節約あるいは省エネルギーということがさんざん言われておるわけですが、同時に、最近は繊維にしてもしかり、他の工業製品を見てもそうですけれども、いわゆる石油を原料にするような製品が非常に多く出回っておりますね。確かに、さっきも申し上げたように、バレル当たり二ドル、三ドルなんという安い石油が無限に近く購入できるというような時代にはそれが一つの方法であったかもしれませんが、今日のような新しいエネルギーの逼迫というものを想定する場合、やはり一考あってしかるべきなのではないか。たとえば肥料なんかもどんどん普及をされているわけですが、金肥がいわゆる土壌を荒らす、作物に悪い影響をもたらしている。そこで最近は有機肥料が見直されるというような時代に一面ではなろうとしているわけなんです。また石炭のお話もさっき大臣からございましたけれども、この見直しも行われるような昨今になっている。そういうことから言って、やはり何でも石油に依存せねばならぬというような物の発想を、この際少し考え直してみる必要があるのではないか。こういう点でうんちくの深い大臣の所見を承って、私は終わりたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 週休二日制とかサマータイム制度の取り入れとか、これは私個人は、しばしばここでも申し上げておりまするように、ぜひ推進したいという閣僚の一人であります。ただこれは、省エネルギーという観点だけでは解決できない労働問題であるとか、輸送問題であるとか、また中小企業対策であるとか、いろいろ多岐にわたるわけであります。したがいまして、いま関係省庁の間で熱心に協議を重ねておりますが、どうも結論が遅い。これはやはり、大平総理なども前向きで検討しようじゃないかということをしばしば言っておるのです。また、今度東京サミットが開かれて、これに集まる諸外国は大体八〇%から九〇%台で週休二日制が行われておるというような実情からしましても、私はぜひ実現したいものだと思って積極的に検討をしておるわけであります。  エネルギーの節約という点からまいりますると、ここに事務当局が試算してくれました数字があります。年間に換算しますと、完全週休二日制がとられれば百八十万キロリットル、サマータイム制は二十六万キロリットル。ただしこれは、エネルギーの消費節約という面を推進するのには大いに役に立つであろうという注釈づきであります。したがいまして、これらについては今後とも十分検討を加え、実現できるような方途を模索してまいりたいというふうに考えます。  それから、この石油消費節約というときに、石油が安価で安直に手に入ったときと同じような形で石油化学製品を何でも奨励するのはおかしいのではないか、化学繊維製品、化学肥料等の場合における石油消費というものを考えますと、やはり御指摘の点は私は問題があると思うのです。それこそ、それにかわる物が幾らもあるならば、やはり転換をしていく行政的な措置というものも必要だというふうに考えます。これらについては、よく御趣旨を体して検討いたします。

清水勇日本社会党

○清水委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下(徳)委員長代理 中馬弘毅君。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 少しさかのぼりますけれども、今度のエネルギー対策の今後のことにもかかわりますので、あえてお聞きしたいと思います。  四十八年の石油ショック後の省エネルギー対策でございますが、四十八年十一月に「石油緊急対策要綱」が出されまして、大企業ないし大口電力需要者一〇%削減、これは行政指導されたわけでございます。     〔山下(徳)委員長代理退席、野中委員長代理着席〕 また、民生におきましても、深夜テレビの規制だとかあるいはネオン点灯時間の短縮だとか、ガソリンスタンドの休日自粛といったようなことが行われたわけでございますけれども、その次の年の八月には総理大臣の告示で、事態消滅ということで、諸対策は全面解除になったわけでございます。その後四年余り、イランの問題あるいは今度のスリーマイル事件が起こるまでほとんど対策がなかったのではないかと言ってもいいのではないかと思うのです。  一方、アメリカなどは、カーターのエネルギー対策にも見られますように、相当引き続き対策を継続しております。ということは、あれを全面解除してしまったような形になったのは、当時の認識として政府は、あれはただ単なる一時的な事態だと考えておって、二度と起こるものじゃないんだという認識だったのか。石油資源の将来はいろいろ北海油田だあるいはアラスカだといったことで、実は明るいんだという御認識だったのか、あるいは不況だから規制しなくとも石油削減がひとりでにできるとお考えだったのか、あるいは石油業者の圧力に屈せられたのか。いろいろなことが考えられるわけでございますけれども、どうなんでございますか。当時の認識として、あのことを全面解除されて、野放しになってしまって現在に来ておるこの状況についてでございますけれども、当時の認識がどうだったのかを、率直なところをお聞かせ願いたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 この認識については、四十八年の石油ショックの経験もあります。それで、IEAにおける事務レベルの会合などを通じまして、イランの減産体制というものが相当長期にわたるのではないか、しかし、まあどうにかOPEC諸国の協力によって減産分をできるだけ補うという形にはなっておる。しかし、絶対量は足りない。よくわかっておりましたが、あわてて対策をすることによって、あの石油ショックのときに一番迷惑をこうむり、損失をこうむったのは消費者である、したがって、絶対量は足りないが、今度は冷静に対処しようではないか、しかも、前回の場合は、OPEC諸国は共同歩調で値上げをしてきたわけであります。今度の場合は、イランの政変ということによって減産はされたが、OPEC諸国の長期契約の責任において増産体制に入ろうということでもあった。しかし、この不足な事態は相当長期にわたるであろうということはしきりに言われておったわけです。ですから、私どもも、当時三%節約ということを打ち出したことは御承知のとおりであります。その後、IEAの理事者レベルの会合において五%の節約を実施しよう、その五%の中には、たとえば日本がゆとりある輸入ができるというのであるならば、九十日分のIEAにおける規定どおりの積み増し分を含んで、二百万バレル・パー・デーの節約をしよう、これは五%だ、こうなったわけですね。したがいまして、三%の節約というものも決して思いつきや腰だめで国民に節約要請をしたものではないわけでありまして、やはり一つの方針に基づいた三%であり、五%である、こういう節約数値が出てまいったものというふうに御理解を願いたいのであります。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 四十八年当時の規制なりなんなりをずっと続けるということではないにしても、引き続き省エネルギー対策を継続しておれば、経済構造あるいは国民生活の意識の中に少しはこの省エネルギーという意識が定着しておったのではなかろうか。政府として、それについての御反省をどう考えておられるか、まずはお伺いしたいと思います。と同時に、IEAに言われたからとかいう形ではなくて、今度の「石油消費節減対策の推進について」といった推進会議の決定、こういった決定は無資源国日本の長期的な国家目標なのか、それとも、四十八年と同じようにあるいは一時的な緊急避難対策なのか。この点について、この法案なり今後の対策がまた一過性のものになってしまうのではないかということを恐れる余り、あえて大臣に御答弁をお願いしたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 四十八年の石油ショックで価格が四倍になったということは、大変な大きな影響をわが国産業に与えました。しかし、量はあったわけですね。したがって、この価格の高騰分については、日本は生産に吸収することを可能にしたわけです。そういう点では、世界的にはまさに優等生であったと思います。特に昨年などは、おおむね五%程度需給のバランスから言うと供給がだぶつきぎみであった。それが安値模様になる。これは円高のせいもあります。いろいろありますが、とにかく五%程度は余剰分があったという現実。そういうことになりますと、やはり生産をして輸出をしていくというこの国のたてまえから申しますると、まあ安易に入手できる石油につい手が伸びるということは、これもどうもとめてとまらない一つの傾向であろうというふうに考えます。  しかし、今後の情勢というものは、やはり絶対量が足りない、まだ不確実要素も多いということで、節約を貫いていこう。この節約の意味は、量が足りないという意味が一つ。それからもう一つは、節約することによって、産油国が勝手にプレミアムをつけたり値段をつり上げるということを極力防止していこう、こういうことの意味もあるわけでありますので、そういったことを考えながら十分節約を徹底するようにしてまいりたいというふうに考えております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 一時的ではなくて、今後永続的にこの施策をより一層進めていかれんことを望んでおきます。  長官にお聞きいたしますが、長期エネルギー需給の見通しについてでございますけれども、五十二年六月の暫定見通し、これが出ましたときに、私も科技特で、これは計画なのか努力目標なのか、あるいは単なる予想なのかといったようなことも踏まえて御質問いたしました。特に問題点として指摘しておきましたのは、原子力が三千三百万キロワット、これは立地の問題やあるいは安全の問題からなかなか容易じゃないじゃないかといったようなこと、あるいはまた、海外石炭、これは一億トンでございますけれども、これも一般炭の国際市場がまだ確立されておらない。と同時に、もしそれが自由に入ってきたとしても、技術が確立されていない中でこれをどんどん燃やすことは、技術的な意味での公害を引き起こさないか。そして、新エネルギーの開発も、聞くところによると資金や体制の問題で必ずしもそれほど進んでいない。とすると、これは相当な努力目標じゃないかといったようなこともお尋ねしたわけですが、その後、この計画の見直しということも先ほどの御答弁なんかでもおっしゃっておりましたが、大体、原子力それから海外石炭、新エネルギーの開発、この三つでいいと思うのですが、どの程度現段階では考えておられましょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 この暫定見通しの性格でございますけれども、もともとこれは厳密な意味での計画というようなものではないと思います。エネルギー調査会が作成しましたところの暫定見通しであるということでございまして、これがいろいろな政策なりあるいは企業経営のガイドラインとして機能するということが目的であろうというふうに考えております。  ところで、五十二年の六月以降、イランの動乱に基づくところの石油供給の不安定化という事態があり、特にその結果といたしまして、石油の価格が二十数%上がっておるという事態が起こりました。それからまた、スリーマイルの事件が起こりまして、原子力発電に関する一般的な不安が高まっているという状況もございます。  こういう状況下で、この暫定見通しが六十年に一体どれくらい目標が達成されるであろうかということでございますが、まず、原子力につきましては、いまの段階で三千三百というのはかなりむずかしい目標でございまして、六十年の目標が一年なりあるいはもう少しおくれる可能性があるのではなかろうかというような感じがいたします。これに対しまして、海外石炭、原料炭を除きますが、一般炭について考えてみますと、現在電力会社等も一般炭の利用に非常に前向きに取り組もうという姿勢でございますので、そこに掲げてある千六百万トンという数字は十分に達成可能ではなかろうかというふうに考えております。LNGにつきましても現在鋭意努力をいたしておりますから、暫定見通しに掲げられてある数字よりも多分もう少しよけいいくのではなかろうかというように考えております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 石油備蓄の現状を少し教えていただきたいのです。現段階は大体九十日弱じゃないかと思うのですが、この新事態に対処した今後の目標をどの程度に置いておられるのか。また、国際的ないろいろな状況から考えていきますと、百五十日くらい備蓄しなければならないんじゃないかと思っておるのです。その場合に、現在のように民間にだけ依存しておくことは非常に限度がある。そうしますと、相当部分は国家備蓄ということまでも考えていかなければならないのじゃないかと思っておるのです。この点についていかがでございましょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷政府委員 石油備蓄に関しましては、民間備蓄と国家備蓄と二つございまして、民間備蓄につきましては、IEAの約束もございまして九十日備蓄を目標に進んできておったわけでございますけれども、最近のイランの危機に基づくところの石油供給不安定化によりまして、やや備蓄の積み増しが伸び悩んでおるというような状況を呈しておりまして、現在多分八十二日か三日分くらいの民間備蓄があるというふうに思います。これのほかに政府備蓄といたしましては、タンカー備蓄が大体七日分くらいあるわけでございます。したがいまして、政府備蓄と民間備蓄と足しますと、かつかつ九十日分くらいということで、ただ、いまは需要の端境期でございますから、本当はもう少し備蓄が伸びておりませんと、需要期になりましてから九十日を割ってしまうということになるのでございますが、ともかく現状は大体九十日かつかつぐらいのところということでございます。  OECDのヨーロッパ諸国は、平均いたしまして内需量の大体百九日分くらいの備蓄を保有しておるということでございますから、少くともわが国も大体それくらいのところまでは当面伸ばすことが必要である。民間備蓄は九十日分くらいが限度と考えておりまして、それから上の積み増し分につきましては国家備蓄でやらなければいかぬというふうに考えておりますが、当面国家備蓄の規模を二千万キロリットル、いま五百二十万キロリットルでございますが、これを二千万キロリットルに拡大する予定で、五十四年度予算におきましては立地点選定のための調査費を計上いたしております。  また長期的な国家備蓄の目標といたしましては、昨年十月に総合エネルギー調査会の石油部会から、長期的には三千万キロリットルを目標とすべきだ。正確に言いますと、長期的には三千万キロリットルを目標としつつ、今後備蓄のあり方を規定する諸条件の変化に照応しながら対処していくこととし、当面現行の一千万キロリットルを二千万キロリットルに拡大することとし、直ちにこれに着手すべきであるという答申を得ておりますので、通産省といたしましてはこうした線に沿って国家備蓄の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 この石油備蓄にしましても、問題になっております新エネルギーの開発にしましても、相当な資金が要るわけでございます。その資金対策をどのようにお考えになっておるのか。私たちも総合エネルギー税ということを主張もいたしておりますが、場合によっては人為的、段階的にプライスメカニズムの刺激を高めるような意味でエネルギーの価格を順番的に上げていくとか、あるいは道路だけではなくて、総合エネルギー対策にこのエネルギー税の上がったものを使うといったようなことまでも含めた資金対策をどのようにお考えになっているのか、これについてお答え願いたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 今朝来しばしばお答えいたしてまいったところでありまするから多くを繰り返しませんが、やはり新たな措置をとらなければならないというふうに考えます。ただ、この価格メカニズムというか、市場メカニズムを背景に節約を図ったりあるいはまたその余剰収入分を新しいエネルギー研究開発費に充てるということは、諸物価とのにらみ合わせなどから申しまして、言うことは簡単ですが、いざ実行をするという段階になりまするといろいろ影響するところが大きいと思います。したがって、そういう問題なども踏まえながら十分検討してまいりたいと考えます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 運輸省はお見えになっていますか。——この省エネルギーに関連して特に大きい交通体系の問題でございますけれども、運輸委員会の方でも何度かお聞きしておりますが、特に政府全体としての省エネルギー対策として総合交通体系、特に大量輸送交通への誘導政策、こういったものをどう具体化されて、いつまでにこれと関連してかなりの具体案を出してこられるのか。特にまたマイカーの規制あたり、ただ運輸省だけの問題ではないと思います。これにつきましてもどのようにお考えかを御答弁願います。

林淳司運輸大臣官房政策課長

○林説明員 お答え申し上げます。  一つはマイカーと公共輸送との関係ということでございますが、自家用車と申しましても、その機動性とか利便性というものから、ある意味でいまや国民の足という面もございます。日常生活に定着しておるという面もございます。そういう事実がある反面、一方において省エネルギーの問題安全性とか環境あるいは空間の有効利用というふうな問題こういう観点からすると、いろいろ問題があるということもまた事実でございます。こういうことから、私どもといたしましては、直ちに直接的な規制手段によって自家用車を抑えるというふうなことはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、ただ、今後の自動車交通のあり方としまして、特に大都市等におきましては道路の混雑とか交通公害、交通事故というような弊害をできるだけ少なくするという観点、あるいはいま問題になっております省エネルギーという問題、こういう問題を考えた場合に、やはり公共輸送機関というものを極力充実さしていく。たとえば地下鉄の整備でありますとかその他の高速鉄道の整備あるいはバスに関しまして、乗り継ぎターミナルだとかあるいはバスを利用しやすくするためのいろんな施策を進めていくということによりまして、できる限り自家用車による輸送需要というものを公共輸送の方へ誘導していくという政策を強力に進めるということが、きわめて重要であると思っております。  総合交通体系との関係でございますけれども、これについては、御承知のとおり昭和四十六年に政府として総合交通体系についての施策を決定しております。しかし、その当時の状況と現在の状況ではかなり変わってきておるということは、これまた事実でございまして、特にいま問題になっておりますエネルギー問題という観点から、この四十六年の総合交通体系というものはそれ相当の見直しをする必要もあろうかということで、私どもとしましては、これについての見直し作業を早急にやらなければならぬということで、目下いろいろと検討を進めておるところでございます。ただ、いつまでにどういうふうな形でそれをつくり上げるかということについては、現段階ではまだ必ずしも明確ではございませんが、そういう方向で鋭意作業を進めておるという段階でございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 四十六年というのは、これは石油ショック以前の話でございまして、それから何度も何度も見直しをやる、あるいは検討するという御答弁は、もうこの三年来もらっているわけでございますけれども、何ら具体案が出てこない。特にこうした形で、省エネルギーを考えた上での交通体系といったことにまでも及ぼしていく場合に、もう少しこの法案とも関連して、運輸省の方としても具体的な検討がなされてしかるべきだと思うのです。運輸省だけでできない問題であるならば、じゃ全体の問題としてはこれはどこがやらなければならないことなのか、そのあたりどうなんですか。

林淳司運輸大臣官房政策課長

○林説明員 お答え申し上げます。  総合交通体系の問題につきましては、これは経済企画庁が一応取りまとめということになっておりまして、関係各省が協力して政策を進めていく、こういうことに政府部内ではなっております。その中でも運輸省の関係はきわめて重要な部分を占めておるわけでございますので、私どもとしましても、経済企画庁とも十分連携をとりながら必要な見直しを進めていきたい。ただいま先生から御指摘いただきましたように、私どもとしましてもこれはきわめて重要な問題だと認識しておりますので、今後その方向で鋭意検討を進めていく、早急に結論を得たいというふうに考えております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 余り個々の問題をやっていても時間がございませんので……。  先ほどサマータイムの問題が出ましたが、政府は余り積極的でないと聞いております。大臣は何か積極論者のようでございますけれども。諸外国、先進国はかなり実施しているわけでございまして、国際交流の上からも、向こうに行って、時差以上に時計をよく見回したり引っ込めたりしなければならない。あるいはテレックスの場合などの問題とかございます。できることならば合わせた方が、ただエネルギー節約だけの意味ではなくても必要ではないかとすら思っておりますが、どういうところにそのネックがあるのか、少し具体的に御答弁をお願いしたいと思うのです。

菊川忠雄内閣官房内閣審議官

○菊川説明員 サマータイムの問題につきましては、先生おっしゃいますとおり省エネルギーにも寄与するということでございまして、検討すべき課題の一つとは考えております。     〔野中委員長代理退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 ただ省エネルギーの観点からいきますと、実際の節約効果は必ずしも大きくないということもございますし、その反面、従来のいろんな経験等から考えますと、昼間の時間が朝早く起きるということで長くなるわけでございまして、その結果として労働が過重になる、あるいは体調の変化を来すというようなことを懸念する声がこれまでかなり強くあったわけでございます。また、ところによりましては朝早く、まだ暗いうちから通勤通学をしなければならないというようなこともございますし、そのほか、実施いたしますとなりますと、いろんな交通機関のダイヤの調整といったような問題があるわけでございまして、種々の問題点もございますので、なお今後検討していかなければならないというふうに考えている次第でございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 ということは、当面はサマータイムの実施は考えないと判断してよろしゅうございますか。

菊川忠雄内閣官房内閣審議官

○菊川説明員 いますぐに実施ということはちょっとむずかしいのではないかと思っております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 それから建設省にお聞きいたしたいと思います。  住宅の断熱構造化の助成でございますが、現在住宅金融公庫割り増しが十万ぐらいつくような形でございます。しかしこれも居住部分全体でないと適用されないと聞いているんですね。しかし、現実に欧米のように家全体が何か一つのかたまった形になっている、あるいはそういう暖房をしなければならない、冷房をしなければならないという住宅構造じゃなくて、日本の場合にはむしろ個々の部屋がそれぞれ独立しておって、そして実際の現在の使われ方にしましても、たとえば茶の間と、お客さんが来たときの応接間くらいしかクーラーやらあるいは暖房設備は置かない。そうすると、その部分だけでいいのではないかとすら思うわけでございます。全部にすることが果たして本当の意味での省資源までも含めた省エネルギーにつながるのかどうか。全部にかぶせないとこれは対象にならないといったことについてどうお考えなのか。むしろそのように全部をするようなあるいはゆとりのある、集中冷暖房でもできる方だけが優遇されて、それ以外の方が優遇されない形になってしまいはしないかということでございますね。  それともう一つは、米国のように減税までも考えたらどうかということでございます。やるのであれば減税までも考えたらどうかということで、これは、企業の方は省エネルギー設備の減税は行われておりますけれども、住宅の場合には、ただ公庫融資の割り増しがあるだけということじゃなくて、減税の方までも考えたらどうかと思うのでございますけれども、その点についてはいかがでございますか。

吉田公二建設省住宅局参事官

○吉田政府委員 公庫の割り増し貸し付け、これは住宅の改良について昨年、新築につきまして五十四年度から設けたわけでございまして、改良にわたる部分につきましては、当該改良部分だけで、もちろんそれ以上にわたらないわけでございますから、その部分でも対象になるわけでございますが、御指摘のように新築につきましては、住戸全体に対して断熱構造をとるものだけに今年度のやり方としては限定しております。  それからまた、住宅につきまして、助成策としては公庫の割り増し貸し付けだけであるというのも御指摘のとおりでございます。新築につきまして今年度初めてやるわけでございますので、その実施の経過等をよく見守ってまた検討していきたいというふうに考えております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 これも、より民生におけるこの断熱構造化の助成という意味であれば、企業の方にだけ例の投資減税をするのではなくて、住宅の方にもというのは、これは庶民の声だということを御理解いただきたいというふうに思います。  それから節約の精神といったようなこともこの答申の中に出ておりますけれども、たとえば家庭用の電力、ガス、水道、この料金体系を再検討することについて、私たちもいろいろ提言はいたしております。超過累進料金体系として、少なくとも日常使うものの範囲であればほとんど安い値段であって、それを超えたら高くなる。これでこそ初めて不要な部屋の電気を消すことになりましょうし、あるいは水道を流しっ放しで使うという形じゃなくて、ためて使うという形にもなろうかと思うのです。これは、ただ省エネルギーという一面だけじゃなくて、節約の精神を植えつけるという意味でもどうしても必要なことだと思うのです。ただ精神論だけではなくて、実際にこうした誘導策をとっていく必要があるんじゃないか。これについてはどうお考えでございますか。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島(格)政府委員 ただいま先生御指摘の、エネルギー節約の観点から料金制度を考えたらどうかということでございますが、この点につきましては私どもとしましても長期的には検討すべき問題だという認識でおります。  ただ電気とガスとは若干事情を異にしておりまして、電気につきましては先生御承知のことと存じますが、四十九年の料金改定のときに、電気はいわゆる原価費用が高い。たとえば石油ショック前に比べて、いまの発電所の建設コストは三倍から四倍になっておる。そういう原価が非常に高くなってきているということも反映いたしまして、たとえば家庭用電気料金につきましては三段階料金制度、百二十キロワットアワーまでが一番安くて、それから二百、二百より上ということで、原価との関係と、それから省エネルギーといいますか、節約ということを兼ねてやっておるわけでございますが、一応原価主義の範囲内で実施しておるというのが現状でございます。  それから、ガスにつきましては現在そういう制度をとっておりませんが、これは若干電気とコストのカーブが違うといいますか、異なっておりまして、原価費用は必ずしも逓増コストになっておらない。と申しますのは、たとえばLNGなんかを導入いたしますと、熱量が非常に高いということで、従来の導管の余力で二倍運べるというような問題も一方であって、コスト主義から逓増料金ではなかなかむずかしいという問題が一つと、それからもう一つは、代替燃料といいますか、ガスの代替物が石油、灯油その他ございまして、実際ガスで高くした場合には石油の方へ移る。     〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕 これはガスと石油との関係だけで言えば同じことでございますが、都市ガスにおきましては現在LNGの導入ということを図っておりまして、大体大手三社で五割くらいまでなっておりますが、これをさらにふやしていくということで脱石油をやっておるわけでございまして、ガス料金を逓増料金にすることによりまして都市ガスの消費が減る、それが石油に移るということでは、総合エネルギー政策の点からもどうかというむずかしい問題もあるということでございます。もちろん先生御指摘の、節約の観点からの料金制度ということはわれわれも検討したいと思いますが、そういうことを総合的に考えて進めていきたい、このように考えております。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 これもただコストだとか、いま言った代替の問題じゃなくて、国民の節約精神の向上のような意味でのことでございますので、そう御理解いただきたいと思います。  それから文部省はお見えになっておりますか。——ここで学校教育における省エネルギー政策というようなことでちょっとお尋ねしたいんですが、小中学校の校舎、いわゆる義務教育の校舎で暖房を実施しているのが何%、あるいは冷房を実施しているのが何%、厳密な数字ではなくて大体の感じでも結構ですが、どの程度でございますか。

横瀬庄次文部省管理局教育施設部助成課長

○横瀬説明員 ただいまの御質問に対して的確な数字を持っておりませんけれども、感じを申し上げますと、小学校の学校建築に対しましては国が補助金を出しておるわけでございますが、この補助金の対象といたしまして暖房あるいは冷房を対象にいたしておりますのは積雪寒冷地の学校、それと盲学校、聾学校、養護学校というような特殊教育を実施している学校、これの場合と、それから公立学校の場合に、公害防止事業をやっておるのがございますが、こういうものは冷暖房工事、エアコンが必要でございますので、そういった場合、そのいわば三つの場合に限っておりまして、現在のところ、そういった意味で暖冷房工事がどうしても必要不可欠と認められるものに限って国の補助対象にしているというような実情でございます。ただ、実際問題として設置者である市町村が暖冷房工事をどのくらい実施しているかということになりますと、それはそれぞれの設置者の任意でもございますので、その実態全体は私どもまだつかまえていません。そういった実態でございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 いまのそういう断熱工事の意味じゃなくて、暖房をしているあるいは冷房をしているという意味でございますけれども、そう理解していいわけですか。

横瀬庄次文部省管理局教育施設部助成課長

○横瀬説明員 冷暖房工事を、国の補助対象にそのものを認めているかどうかの判断基準でございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 文部省として、先ほど騒音のところだとかあるいは公害地区だとかちょっとおっしゃっていましたが、それが基準と考えていいわけですか。

横瀬庄次文部省管理局教育施設部助成課長

○横瀬説明員 そのとおりでございます。  もう一度繰り返しますと、積雪寒冷地域の学校、それから特殊教育を行っている学校、公害防止事業に伴って行われる場合、この三つの場合でございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 私は、学校施設の冷暖房化の是非についてあえて提言しているわけでございますけれども、学校教育というのは、ただ勉強だけではなくて精神的、肉体的に強い個人の育成にあるはずなんですね。そうしますと、私たち小さいころ、これは戦後ではございましたが、暖房も冷房ももちろんなかった、その中で、別に現在の子供たちよりもその当時の子供たちの方が勉強ができなかったということはないと思っております。むしろそういう冷暖房の中に入って、そして月に一遍だけ耐寒マラソンをしたところで逆に死者が出るようなことにもなってしまうわけでございまして、むしろそういう冷暖房化をすることが、弱い個人を育てていることにもつながってきているわけでございます。したがって、一つの教育方針として、文部省の方針として、たとえば小中学校には、特殊な場合は別ですけれども、精神的、肉体的な意味で、強い個人の育成のために冷暖房工事は一切しないんだ、冷暖房の実施はしないんだといったことすら必要じゃないかと思うのですが、そういうところはいかがでございますか。

島田治文部省体育局学校保健課長

○島田説明員 先ほど助成課長がお答え申し上げましたように、学業を続けていくのに相当寒い、またむちゃくちゃに暑いというときには、必要なものは必要であろうかと思いますが、一概に言い切れないわけでございますけれども、全体の基本的な考え方としては、私どもも御指摘のとおり体力づくりといいますか、しっかりしたたくましい体をつくっていくということでどうしていったらいいかという観点を中心に、物を考えていかなければならないのじゃないか。これは体育局全体としてそういうふうに考えておるわけでございます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 寒冷地や沖繩だけではなくて、私大阪でございますけれども、大阪でもかなりのところが冷暖房化が進み始めております。そのことについて、文部省としていまおっしゃったような方針であられるんであれば、そういう指導を出されたらいかがか、これは少なくとも省エネルギーにもつながってくるというような気がいたしております。総合的な省エネルギー対策、これは技術的なものよりも、むしろ社会的なあるいは文化的な意味でも変換が必要になってまいります。産業構造の誘導だとかあるいは交通体系、それから農林水産業のあり方あるいは先ほど言いましたような教育といったようなこともございます。これがなされなければ一〇・八%の節減というのは、今回の法案だけではとうていできるものではないと思っております。そういう総合的な省エネルギー政策といいますか、これをいつごろ立案、実施されるのか、このあたりを大臣にお聞きいたしまして私の質問を終わらせたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 すでに五%節約は実施に移しておるわけでありまするが、今後の推移を見きわめながら適時適切な対処をしていきたいというふうに考えます。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 終わります。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 エネルギーの使用の合理化に関する法律案に対し、野中英二君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブ五派共同提案に係る修正案及び工藤晃君から修正案が、それぞれ提出されております。  両修正案について提出者より順次趣旨の説明を求めます。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ただいま提案いたしました修正案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の案文はお手元に配付したとおりであります。  修正の第一点は、「(目的)」のうち、「エネルギーの使用の合理化に関する所要の措置」を、「エネルギーの使用の合理化に関する所要の措置等」に改め、また、国が行う金融上及び税制上の措置、科学技術の振興のための措置並びに国民の理解を深めるための措置に関する条文中、「エネルギーの使用の合理化」を、「エネルギーの使用の合理化等」に改めるものでありまして、国の努力義務はエネルギーの使用の合理化に関する措置にとどまらないものとするものであります。  第二点は、主務大臣がエネルギー管理指定工場に対して行う勧告に関する条文中、合理化計画の提出を「求めることができる。」を、「指示することができる。」に改め、また合理化計画の変更及び合理化計画の確実な実施を求める「勧告」を「指示」に改めるものであります。  第三点は、内外のエネルギー事情、その他の経済事情の推移に応じ、本文の内容に検討を加え、必要な措置を講ずるものとする検討条項を加えるものであります。  以上が提案の趣旨であります。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 次に、工藤晃君。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員(共) 内閣提出のエネルギーの使用の合理化に関する法律案に対する日本共産党・革新共同の修正案について一言御説明申し上げます。  修正点はお手元にお配りしてある文案どおりであります。すなわち、第二十二条に国がとるべき金融上及び税制上の措置が書かれておりますが、この措置の対象から大企業者は除外しておくことを明記するという修正であります。  その理由は、第一に、資金上などの困難にぶつかるであろう中小企業者や勤労者などにはこのような対策をとることは当然でありますが、資金力、技術力等々の面で優越した力を持っている大企業にまでこのような対策をとることは行き過ぎだからであります。特に、この法案の内容が、全体として企業への強制措置をとらない誘導策になっていることからも、大企業者へのこうした助成は不必要であります。  第二に、わが国の戦後の税制、金融の仕組みは、大企業への恩典が数多く設けられており、今日日本経済の民主的再建を進めなければならないとき、こういう大企業本位の仕組みの全面的再検討を行わなければならないのでありますが、この新法によって大企業への助成をさらにふやすのは、この方向への逆行になるからであります。  委員各位の御賛同をお願いいたしまして、修正案提出の説明といたします。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 以上で両修正案の趣旨の説明は終わりました。     —————————————

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 これより原案及びこれに対する両修正案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、工藤晃君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、野中英二君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 起立総員。よって、本案は野中英二君外四名提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。     —————————————

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対し、野中英二君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブ五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。岡田哲児君。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     エネルギーの使用の合理化に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、現下の国際石油情勢及び長期的なエネルギー需給の動向にかんがみ、一層実効ある省エネルギーの達成を期するため、省エネルギー型産業構造への転換及び総合交通体系の見直しを図るほか、一般的なエネルギーの節約等を総合的に推進する省エネルギー対策を抜本的に拡充強化し、併せて代替エネルギーの開発導入を積極的に推進するとともに、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、省エネルギー対策を円滑かつ効率的に推進するため、関係省庁問の連絡協調体制を一層緊密化するとともに、省エネルギー対策の中核的推進機関として財団法人省エネルギーセンターを充実し、その活用を図ること。  二、広く省エネルギーに関する国民の理解と協力を求めるため、省エネルギーの目標、計画的推進の措置、施策の実施状況等を明らかにし、一般に周知徹底すること。  三、特定事業者が、正当な理由がなく、主務大臣の合理化計画を実施すべき旨の指示に従わなかったときは、必要に応じ適切な措置を講ずるよう努めること。  四、エネルギーの使用の合理化に関する判断基準等の策定にあたっては、目標、方法等を明示し、省エネルギーの実効を期し得るよう特に配慮すること。  五、エネルギーの使用の合理化等の施策の実施にあたっては、中小企業に対する金融、税制上の措置等について特段に配慮し、円滑な施策の推進に努めること。  六、輸入エネルギー依存度の低減を図るため、サンシャイン計画及びムーンライト計画の研究開発体制の強化を図り、その実用化時期を早めるよう努力すること。 以上でございます。  附帯決議案の各項目の内容につきましては、審査の過程及び案文によりまして御理解いただけるものと存じますので、詳細の説明は省略させていただきます。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、附帯決議について、政府から発言を求められておりますので、これを許します。江崎通商産業大臣。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・内閣総理大臣臨時代理

○江崎国務大臣 ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、万全を期する考えでございます。ありがとうございました。     —————————————

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 お諮りいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 次回は、来る十一日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時二分散会      ————◇—————

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