商工委員会 第9号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/04/11
会議録
○橋口委員長 これより会議を開きます。内閣提出、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日、参考人として海外経済協力基金総裁石原周夫君及び海外経済協力基金理事結城茂君、以上二名の方が御出席になっております。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。
○板川委員 経企庁長官と通産大臣に伺いたいのです。 国際経済社会で、経済協力というのが非常に重視をされておりますが、経済協力の究極の目的あるいは理念、必要性といいましょうか、なぜ経済協力というのが重要なのか、この理念、考え方について、両大臣からとりあえず承りたいと思います。
○小坂国務大臣 日本が戦後異常な、疲弊したどん底から経済回復を行いまして、今年度大体二百三十兆円ぐらいの規模になると思うのでありますが、こうした大きな経済機構を動かしていく場合に、特に日本は資源のない国でございますし、また同時に、日本の産業構造自体が原料を輸入して加工していくという形のものに定着をしつつあるわけでありまして、そうしたような日本自体の問題から見ましても、世界との関係が平和でありかつ良好な状態でなければならない。同時に、世界全体の経済が常に拡大する方向に行かなければ困るわけでありまして、そうした意味において、特に経済協力ということは、日本自体にとりましてきわめて意味深いことであると思うのでございます。 同時に、また理念といたしましては、世界の各国に起こっているいろいろな情勢変化、やはりこの基盤は経済の問題でございますが、豊かな国になっていくということになれば世界はおのずから安定し、平和になるというふうに考えます。とりわけ南北問題につきまして、いままで日本も相当の貢献をした、理念的には考えがあったのでありますが、なかなかそれが行い得なかったような実態であったのですが、このところようやく日本の経済も二百兆を超す規模になり、しかも内需中心の経済体制が徐々に固まりつつあります。 こうしたときに、先般来三年倍増というような、そうしたポリシーが前内閣において決定されました。われわれは、その線はまことに妥当なものだと思って、今後も三年倍増のラインで努力をしていく。これは要するに世界に平和をということを理念として常に考えながら行動していくものでございまして、政府といたしましても、海外経済協力ということは非常に重要な施策、政策として、今後も努力をしてまいるつもりであります。
○江崎国務大臣 経企庁長官からお答えがあったとおりであります。貧富の差がこの世界にあることが、世界の平和に一番大きな乱れを生ずる原因にもなっております。この差を縮めるべく先進国が協力の手を差し伸べる、特に日本の場合は、経済協力プラス、資源を輸入して加工する優秀な技術を持っておりまするので、技術協力といった面で実効を上げてきて今日に至っておる、かように考えます。
○板川委員 両大臣の答弁を要約しますとこういうことになるんだろうと思います。国際経済社会において経済協力というのが非常に重視されるのは、一つは、一般論として、世界経済はますます相互に依存し、運命共同体的になりつつあります。先進国が持たない途上国に経済協力、援助することによって相互の友好と信頼を高め、それによって繁栄と平和がもたらされるという理念に基づいておるだろうと思います。また、日本の特殊の事情としては、お話がありましたが、わが国は無資源国であり、資源輸出国としての途上国との相互の依存関係は一層緊密でなければならない、これは有資源国との比較では論じることができない。経済協力を通じて途上国の経済社会の発展に協力することは、わが国の平和と繁栄にとって特に重要である、こういう要旨だろうと思います。われわれもその趣旨に賛同し、今回の法律改正には賛意を表するわけであります。 しかし、どうもわが国の海外経済協力の現状というのは、国際比較をしてみますといわば非常に低い水準にある。これは歴代の総理が各国から非難をされ、三年倍増という公約をせざるを得なくなったことにもあると思いますが、これは、答弁は事務局でよろしいですが、わが国の海外経済協力の現状と、それの国際比較について説明をしてほしい、こう思います。経済援助の総額、政府開発援助の状況あるいはグラントエレメントの指数、さらに経済協力の国際的目標に対して日本がどの程度の位置にあるのか、この点をひとつ説明してほしいと思います。
○宮崎(勇)政府委員 お答えいたします。 わが国の経済協力の現状でございますが、三点についてお答えいたします。 第一は援助の総額でございます。一九七七年のディスバースベースで見ますと、わが国の経済協力は全体で五十五億ドルになっております。その約半分、三十億ドルが政府資金であり、約二十五億ドルが民間資金となっております。政府資金は、大きく分けまして輸銀等による輸出信用等が約半分の十六億ドル、政府開発援助、いわゆるODAが約半分、十四億ドルとなっております。 それから、ただいま申し上げました政府開発援助について見ますと、金額は、一九七七年で支出ベースで十四億でありますけれども、DAC加盟国十七カ国中の第三番目、アメリカ、フランスに次いで大きな額になっております。GNPに対する比率をとりますと〇・二一でございまして、これは、DAC諸国の平均が〇・三一でございますので、それよりは若干低くなっているということでございます。したがいまして、わが国としましては、国際目標GNPの〇・七%に対しまして、引き続きその目標達成に努力をするということで、当面はとりあえず先進国並みの水準を目指すということでございます。 それから、わが国の政府開発援助のグラントエレメントにつきましては、一九七七年には七〇・二%になっております。これは、DAC勧告の目標が八六でございますし、このときのDAC十七カ国平均八九で、それを下回っておりますが、今後ともグラントエレメントの改善に努力をしたい、かように思っております。
○板川委員 国際比較をしてみますと、経済援助の総額でも低いし、それから政府開発援助も十七カ国のうちの十三位という状況であります。グラントエレメントの指数も、これまた七〇・二と非常に低い。政府はしばしば経済協力の国際目標達成のために努力を表明してまいっておりますが、昨年の五月には、日米首脳会議で政府間開発援助の三年間倍増を表明し、ボン・サミットにおいてもそれを表明して約束をしてきた。また、グラントエレメントについては八六%を目指して努力すると経済対策閣僚会議で決定をされておりますが、その後の事実はどういうふうに改善をされておるのか、その点について伺いたい。
○宮崎(勇)政府委員 開発援助の三年問倍増と申しますのは、昭和五十二暦年を基準といたしまして、つまり、そのときの援助の実績十四億二千四百万ドルを三年間で倍増するということで、昭和五十五年に二十八億四千八百万ドルにするということを目標にしているわけでございます。そのときにあわせてGNPに対する比率も高めようという努力を掲げているわけであります。そのため、昭和五十三年度において政府開発援助予算は六千三百五十四億円、対GNP比で〇・三%としておりますが、さらに昭和五十四年度の予算におきましては、この政府開発援助関係事業費の規模を七千二百十七億円、対GNP比〇・三一%としたところであります。 三年間倍増の目標の第一年度であります五十三年度の実績につきましては、六月にDACに提出するということで、集計を急いでおりまして、まだ現在のところは判明しておりません。しかしながら、五十三年度の予算の伸びあるいは執行率の高まりですとかあるいは円高の影響等から考えますと、この目標を達成するのはほぼ確実だというふうに見られております。そのODAの予算の中で半分を占めます海外経済協力基金だけについて見ますと、五十三年度の実績が二千七百三十九億円でございまして、五十二年度に比べて四一・九%の伸び、約二・二倍になっておりますので、大体基金ベースから考えますと、この三年間倍増というのは順調に経過しているというふうに考えられます。
○板川委員 援助予算が毎年拡大をされて、五十四年度の予算では前年比一三・六%伸びて七千二百十七億円となった。これは、三年で倍増するという基準年次である五十二年の政府開発援助の実績が三千八百二十五億円だ、これに対して大体丁九倍になっております。また、GNP比率も〇・三一で、一九七七年のDAC加盟国の平均水準に達している、こう言われておるわけでありますが、予算では以上のように毎年増加をしておりますが、予算の執行率を見ると、どうも遺憾ながら執行率が下がっておる。この執行率を見ますと、五十年は七八%、五十一年は七〇・三%、五十二年は六七・九%、こういうふうに執行率がこの二年間で一〇%も下がっている。予算は計上したが、執行率はずっと下がっておるというのでは、ある意味では絵にかいたモチみたいになりますし、一体執行率が激減しておる原因は何でありましょうか。予算だけつけて実質的に実行しないというのでは、また新たな国際的な非難を受けるのじゃないか、こう思いますが、執行率が低いという原因はどこにあるのか、この点伺っておきます。
○廣江政府委員 先生がいまおっしゃいました執行率は、暦年のディスバースが年度の予算に対して低くなっているではないかという御指摘かと思います。なるほど五十年七八%、暦年対年度でそれくらいであったものが、五十二年は七〇%くらいになっておるわけでございます。これを見ますと、執行率は、一番基本的には被援助国の事業の進捗その他によるわけでございます。御説のような低下の見られました年度は、考えますと、大体石油危機後で、発展途上国でもプロジェクトの進捗のおくれ等があった時期に当たるのではないかと思います。こういったものも大きな原因かと思いますし、さらに、この間円レートがかなり高くなっておりますが、こういうものも国際拠出等に響いていると思います。 言われましたようなディスバースの進捗状況でございますが、これにつきましては、相手方におきましてそうした事情がなくなるとともに、またわれわれの方でも相手方に対しましてできるだけの手を差し伸べ、手続等につきましても簡素化を図り、また指導もするというようなことで進捗を図るとともに、国内的な面におきましてもより一層いいプロジェクトを選択し、なるべく早くそれを進めるような方向の努力をいたしております。 先ほどお答えもいたしましたように、ODAの約半分を占めます海外経済協力基金の五十三年度の進捗状況は、先ほどの数字でございますと約八八%でございまして、その前の年が七四%、その前の年は六六%というわけでございますので、かなり目覚ましく向上しているわけでございますし、このような点を踏まえますと、五十三暦年のODAといいますか、予算のディスバースも向上するのではないかと思います。 いずれにいたしましても、先生の御指摘のような点もございますし、進捗には大いに努めなければいけないことかと思います。
○板川委員 五十年、五十一年、五十二年は執行率が非常に低いけれども、五十三年の見通しから見ると大変改善をされている、改善の徴候が見える、こういうことであろうと思いますが、経済の変動、円レートの高騰とかあるいは商品援助の比率が低くなって、プロジェクト援助の比重が高くなるとかいうようなことは、予算を組むときにある程度予想できることなのですね。だから、また、相手国もそういう経済の変動に応じて日本に海外協力を要請するわけだろうと思うのでありまして、いずれにいたしましてもこの予算を多く組んで、一応諸外国に対しては日本のかっこうをつけておいて、実際は援助が行われないという形をとったのでは、ますます国際的な信用を落とすのじゃないか、こういう点を憂えるわけでございまして、予算をとったら、なるべく一〇〇%に近いものが実現できるように努力をしなくちゃいかぬと思いますが、大臣いかがでありますか。 〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕
○小坂国務大臣 ただいまの御指摘はまことにごもっともでございます。そしてまた、特に予算の執行が多少ずれがあるということは、先方の国の事情もあると思いますが、また一方、わが国の援助の姿勢そのものが、相当大型のものに重点が置かれてきた結果ではないかと思います。したがって、いいプロジェクトがないと金が出せないということになるわけでありますが、われわれとしましては、民生に直結したような細かいものでも結構だから、また日本の援助が相手国の国民にはだ身でわかるような、そういう援助を今後は大いに増大させようということを、先般の閣僚会議でもわれわれとして意思統一をいたしておりますので、今年度以降はそうした細かいものの累積が多くなるはずでございますし、また、そういうことによって、日本は予算だけ計上して何もしないということでなしに、相手国の国民にもよくわかる援助というものが実現していくことを、きわめて重要な施策として推進をしてまいりたいと思いますが、また種々の点でお気づきの点がございましたらひとつ御注意をいただきたいというふうに思います。
○板川委員 参考人の海外経済協力基金総裁の石原さん、予算と執行率の乖離といいますか、この問題について、何か御意見があったらひとつ開陳してもらいたいと思います。
○石原参考人 ただいま企画庁の方からお答えをいただいたことで大体尽きておると思うのでございますが、板川委員御指摘のように、五十年、五十一年あたりは六割台の執行率であったことがございます。これはその当時、まだ石油動乱の直後になるわけでありまして、日本もそうであったわけでありますが、開発途上国も相当激しいインフレーションという状態でありまして、既定の計画のままでは実行しがたいというような問題が相当散発をいたしたわけであります。したがいまして、そのプロジェクトを、何らかの対応策なしに実行をすることができないという事態に陥ったところが少なくないわけであります。それが一つは五十年、五十一年にかけまして執行率が落ちておる、支出金額そのものも、五十年のごときは前年に比べて落ちておるという状態になったかと思います。その状態が逐次改善されつつあるということも背景にございますし、これは相手国政府及び日本政府の大変な御尽力をいただいたと思うわけでありますけれども、現実の実施機関といたしまして、私の方でも支出促進の努力をいたしました。その結果であろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、六割台から七割台、五十三年度は八割七分五厘ということになりますか、相当顕著な向上を示してきておるという状況にあるわけでございます。今後も引き続き、執行率の向上に向かって努力をいたしたいというふうに考えております。
○板川委員 今回の法律改正によりまして、借入金の限度額を、資本金及び積立金の合計額の三倍まで引き上げられるということになるわけであります。援助の総額の枠が拡大されることには賛成でありますが、もしこの三倍まで貸し出しが行われたとしましたならば、資金コストが高くなるのじゃないか、そして借款供与条件というのが悪くなるおそれがあると思います。そこで、DACの借款供与条件とわが国の供与条件との比較というのをひとつ説明してもらいたいと思います。
○宮崎(勇)政府委員 政府開発援助の援助条件でございますが、わが国の昭和五十二年のグラントエレメントが先ほど申し上げましたように七〇・二で、DAC平均で十七カ国の八九に比べますと劣っているわけでございます。したがって、今後この条件を改善していくためにいろいろなことをやっていかなければいけないわけでございまして、そのときに金利の問題が問題になるというのはお説のとおりでございます。現在、海外経済協力基金の原資でございます出資金と借入金につきましては、一対一という原則があるわけでございますが、今度の法律改正によりまして、これを一対三というふうに引き上げをお願いしているところでございます。現在の調達コストは大体三%程度になっております。 そこで、お話のように、これから片一方で事業規模が非常にふえてまいりまして、借入金の割合がふえるというようなことになりますと、資金の調達コストが一方では上がってまいります。それから、先ほど申しましたように、援助条件を改善するという意味では、国際的にも、そしてわが国としても、できるだけ改善しなければいけませんので、場合によっては逆ざやということが生ずる可能性があるわけでございます。しかし、基金法によりますと、基金が政府から交付金を受けるということができることになっておりまして、したがいまして、逆ざやが生じた場合にはそれでもって手当てをするということが考えられるわけでございます。今日のところはまだその必要はありませんけれども、将来はそういうことも考えられますので、交付金という制度があるわけでございます。もちろん、借入金の比率を高めるからといって、援助条件が悪くなる、そういうようなことは私どもは考えておりませんで、その比率の引き上げと条件の緩和とは全く別のことであるというふうに考えております。
○板川委員 援助の金利を見ますと、DACの平均で二・六%、日本は三・三二八%、これは日本の方が条件が悪い。償還期間を見ましても、外国は三十二年八カ月が平均、日本は二十七年、そうして据え置き期間も外国の平均が九年であり、日本は八年八カ月、そうは違いませんが、いずれにしましても、借款供与の条件が、国際的に見ますと若干日本の方が悪くなっておりますね。しかも、今度三倍に枠をふやすということになれば逆ざやになり資金コストが高くなる、こういうおそれがあるわけでありますが、そういう場合には交付金という制度があるから、そういう逆ざやになってコストが高くなった場合には、交付金制度を活用して政府からそういう措置を講じてもらう、あるいはその援助条件の緩和を図っていきます、そういう意味では心配ありません、こういうことなんでしょうか。
○小坂国務大臣 仰せのとおりでございます。
○板川委員 次に伺いたいことは、経済協力の中に無償援助というのがあるわけです。この無償援助というような場合に、これはわが国のいわば国民の税金で、相手国に友好を促進する意味を込めて援助するわけです。しかも、返済の義務を課さない、こういう形になるわけでありますが、この無償援助というものの正確さを期するために、何らかのチェックをする手段が制度的にあるだろうか、こういう点を私疑念を持つものですから、その点についてお伺いをいたします。
○大鷹説明員 ただいま御質問に出ました無償援助のチェックの点でございますけれども、チェックにつきましては、事前のチェックと事後のチェックと両方ございます。 事前のチェックに関しましては、無償援助を実施する前に、政府ベースの調査団を現地に派遣して、何が一番適切なプロジェクトであるか、どういう援助をすればいいのかということを調査いたします。 次に、事後の調査でございますけれども、私ども、行いました無償援助がどういうふうに有効に生かされているかを調べるために、外務省といたしましては、無償援助の諮問委員会というのをつくりました。これには九名の学識経験者の御参加をいただいております。こういう方々を適宜現地に派遣して、そうして客観的、公平に、一体日本の無償援助が相手国の国民の幸福に貢献しているかどうかを調べていただいております。そのほか、随時現地の日本の大使館の館員が、日本の無償援助の効果についてこれをフォローしている、こういうことでございます。
○板川委員 戦後わが国で、経済協力の実績の中で、賠償、準賠償、無償援助、いずれも返還を要求しない援助ですね、これは国別にどの程度、どういうふうにありましたか、これをちょっと説明をしていただきたい。賠償、準賠償、無償援助、これは東南アジアで十カ国にこれが行われておるわけでありますが、国別にその内容をひとつもう一遍報告をしてもらいたい。
○宮崎(勇)政府委員 賠償の方でございますが、ビルマが七百二十億、フィリピンが千九百二億、インドネシアが八百三億、旧南ベトナムが百四十億、合計三千五百六十五億五千二百万となっております。ドルベースで見ますと十億一千二百万ドルで、この四カ国についてはすべて完了しております。 それから、わが国の準賠償でございますが、いずれも円でございますが、タイが五十四億、ラオス十億、カンボジア十五億、タイ九十六億、ビルマ四百七十三億、韓国千六百九十八億、シンガポール二十九億、マレーシア二十九億、ミクロネシア十八億、シンガポール二十九億、合わせて二千四百五十二億七千七百万円となっております。
○板川委員 私の資料で、賠償、準賠償、それに無償等を合わせますと、東南アジア地域で合計で七千百四十六億円になる。そして、一位がフィリピンで一千九百六十億円、これは無償も賠償、準賠償も含めてです。二位が韓国で千七百四十四億円、三位がビルマで一千二百七十八億円、四位がインドネシアで一千七十九億円、五位がベトナムで四百五十億円、以下を省略いたしますが、こういうように賠償、準賠償、無償という支出が行われておるのであります。 しかし、無償援助、準賠償、こういうものについて、どうも果たして正確に日本の好意というのが——賠償の場合は別ですが、無償の場合なんか、日本の好意というのが相手にそのままつながっていくのかどうか、疑問を感じる点があるわけでありますね。 それは、一つの疑いを持たざるを得ないのは、たとえばインドネシアというのは、賠償も多いし無償も多いのです。それで、ずいぶん適当に使われたのではないかという感じがわれわれするわけであります。たとえば、週刊誌をにぎわせているデビ夫人のパリ社交界における華やかな生活費とか、一体それらはどうして出たんだろうという気持ちもあるわけでありまして、結局、もしそれが日本国民の無償なりあるいは賠償、準賠償という中から出されたとするならば、インドネシア国民に対して日本の好意というのがそれだけ割り引かれるわけでありますね。ですから、この無償援助などの場合には、日本の国民の好意というのが相手方に十分伝わるようなチェックをする必要があるだろう、こう思うのです。こういう点で、ひとつ大臣からの重ねてのお答えを願いたい。
○小坂国務大臣 ただいまのインドネシアの例等、われわれはその実態をよく把握いたしておりませんけれども、やはりそうした疑問が持たれるという点は、いま委員の仰せられましたように、せっかくの日本のあるいは日本国民の善意というものが、全く相手国の国民にはわからない、むしろそれが逆効果をもたらすというようなこともあり得ると考えまして、今後はそうした点について、先ほど申し上げましたように、大衆の生活に密着した面にわれわれは援助を強化していきたいということで、目に見えた協力あるいは援助というものに重点を置いていたしますから、したがいまして、その効果がどれほどあったかということについて、もちろんこれは相手国側のやることではございますけれども、われわれといたしましても、その実績がどうかということについては、常時関心を持ってフォローをすべきであるというふうに考えます。
○板川委員 次に通産大臣に二、三お伺いをいたしますが、民間代表によって日中長期貿易取り決めが昨年の二月とことしの三月、二回にわたって日本代表としての稲山氏と中国の代表の劉希文氏との問で結ばれております。特に第二次の、この三月二十九日に結ばれた内容は、第一次の取り決めをさらに飛躍させているものと思うのでありますが、政府はこれに対してどのような評価をしておるのか、まずこの点をお伺いをいたします。
○江崎国務大臣 いま御質問にありましたような経過をたどりまして、三月二十九日、劉希文さんと稲山嘉寛さんの間で日中の長期貿易取り決めの改定案文に調印がなされたわけであります。 私ども日本政府としましては、民間関係が非常に円滑に、両者の合意によってこういう形で着々と成果を得ておりますることは大変結構なことだ、また、これには協力を惜しまないという態度で高く評価しておるものであります。
○板川委員 昨年二月にこの長期貿易取り決めが行われた以降、わが国でプラント輸出契約が行われたのが四十九件、七千三百億円、ドルにいたしまして三十七億ドル、こういう契約が行われておるわけでありますが、しかし、この契約の決済条件が話がつかないためにいま停とんをしている。最終的な中国側の政府の了承を得ることができない。そこで日本側としては中国に——中国は御承知のようにドル建て輸出を希望しておりますし、日本は円建てを主張しているわけであります。まあ停とんしておったのが、日本側から今度これに対して円ドル折半ではいかがと、こういうような提案をしたと聞いておりますが、決済条件の見通しはどういうふうになるでしょうか。
○江崎国務大臣 御質問の点につきましては、私どもも、いろいろなうわさが飛びましたので、情報を確保する努力をしておったわけでありまするが、先ごろ来日されました劉希文さんと直接お目にかかってお話をしたわけでありまするが、経済政策の基本方針には変わりはない、農業、軽工業、重工業の順で近代化を図っていくという根本方針には一つも変わりはありません。ただ、その近代化を急ぐ余り、その支払い問題などをいささか度外視といいますか、ちょっとよそに置いて、それぞれのセクションが計画を進め過ぎるきらいがあるので、そこで、財政当局がその計画の進行状況と資金の状況とをにらみ合わせながら調整をしておるという段階であります。こういう回答を得たわけであります。しかも、日本との契約を進めておるものについては、御心配は要らないということもつけ加えて申しておられました。 そこで、円ドルの問題でありますが、御承知のようにわが国の国の金融機関から金を出します場合には、当然円を出すのが原則であります。しかし、今日基軸通貨であるドルをめぐってフロートしております関係から、中国側ではドル建てを要望されたわけでありますが、これはやはり国の基本方針をその御要求の線に沿って翻すということは、これはできることでもありませんし、また他国とのバランスもあります。しかし、できるだけ協力体制をとろうということで、よく円ドル半々と俗に言われておりますような形で打診をしたわけであります。これについては、劉希文さんは、日本側の考え方がはっきりわかったので、いずれ帰国をしてしかるべき機関と相談の上、追って返事をしましょう、こういうのが現状でございます。
○板川委員 この問題の見通しはいつごろつくか、見当はつきませんか。
○江崎国務大臣 なるべく早く御返事をいただきたいというふうに申してありますのと、先方側もやはり近代化計画を進行させる上から、早急に返事をされるものと期待しておる次第でございます。
○板川委員 終わりますが、日本は円建てという主張をしておったわけでありますが、輸銀にしろあるいは基金にしろ、かつて日本がドルが少ないときは、それは円建てでユーザンスをするなりあるいは基金援助をするなりということになるのは当然でありますが、最近のように日本が外貨がたまって多過ぎるというときに、あくまでも円建てを主張するというのはどういう理由でしょうか。この点、事務当局でも結構です。
○宮本(四)政府委員 一般的に申しまして、輸出業者がプラント輸出のような巨額な取引を海外といたします場合に、通貨を何によって決めるかということは、両当事者の決定の問題となっておるわけでございます。ただ、いまのお説の点は、日本がたとえば輸銀の借款を外国に供与する場合に、その通貨は何であるかというふうな場合におきましては、これは従来とも円で供給することをたてまえといたしておりまして、御存じのような実績が多々あるわけでございます。したがいまして、中国側が問題にいたしておりますのは、円による為替の切り上げのリスクなのか、ドルによる為替の切り下げのリスクなのか、あるいはそのリスクではなくて何か他に目的があるのか、いろいろ想像はされるのでございますけれども、私どもの方はとにかく両当事者でよく話をしていただく、それで合意されるような通貨を使用されるのが一番結構である。ただ、もう一つ、これは私よりむしろ通貨当局からお答えした方がいいのかと思いますけれども、世界全体の通貨の動きからいたしまして、ドルは基軸通貨であることは申すまでもありませんけれども、あわせましてわれわれの希望からいたしますと、円がもう少し使われる方がいい、こういうふうな感じも持っておりますので、この辺を総合的に判断をしながら、通貨の選択が決定されていくようにわれわれは期待しておる次第でございます。
○板川委員 終わりますけれども、どうも日本で援助をする場合に、円建てが原則である、それは当然だろうと思うのです。しかし、昔は、外貨が少なかった時代は、援助する場合に円建てでやるというのはわかるのですけれども、最近のようにドルがたまって仕方がないようなときにも、なおかつ原則として円建てというのはいかがなものかな、なぜなんだろう、こう実は考えておるわけでありますが、ただいまの説明、ちょっと納得いたしませんが、これは大蔵省関係では何かこの点についてうまい説明はありませんか。
○大村説明員 先ほど通産省からお答えがございましたように、わが国の輸銀が融資をする場合には、原則としてこれまで円建てでやってきております。したがいまして、中国の場合につきましてもこれを特に例外とするということは、ほかの国との関係もございまして、これはぜひ避けたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○板川委員 それは、円建てを貫こうというのでは、円ドル折半ではいかがなものかというわが方の意見というのは消えてしまうのですか。これはどういうふうになるのですか。従来やってきたことはわかります。それで、いま円ドル折半ではいかがなものか、こういうことを日本側が提起しておる。それを、いま円建てが原則で他国との差別はできないんだというふうになると、その話は御破算になるのですか。
○江崎国務大臣 それは、そういうことはございません。先ほど私が申し上げたように半々でいきましょう。これは諸外国の場合も従来要求がないわけではありませんが、したがってそういうときにも日本輸出入銀行の融資を円で八〇%とか七〇%とかにして、輸出契約の方は極力円建ての契約となるよう努めているわけですが、中国側の場合は事情を十分考慮して、そして五対五というような配慮もしておるわけでありまして、決して国際慣習から言いまして中国側に不当な、また無理なことをこちらが言っておるわけではなくて、むしろ非常に好意的に、できるだけ相手の要求の線に沿う形で努力をしてきておるというのが、五対五という提案になったわけでございます。
○板川委員 円建てが原則だとあくまで言うものですから、それでは五対五の話は消えるのかと思ったのですが、通産大臣がそうじゃないと言うのですから、私もわかります。 それでは、私の質問を終わります。
○山下(徳)委員長代理 上坂昇君。
○上坂委員 海外経済協力基金法の一部改正に関連して質問を申し上げます。 まず、一番先にイランのバンダルシャプール石油化学計画について通産大臣にお伺いいたしたい。 三月二十三日に三井物産、三井東圧、三井石油化学工業、東洋曹達、日本合成ゴム、この五社でつくっておりますイラン化学開発の相談役会で、イラン側と合意している工事を三カ月程度中断する、こういうことに決めたということであります。そして、この中断に伴う金利減免などを政府や金融機関に要請する。それからもう一つは、日イ合弁会社への資本参加などということについても、これは支援要請をすることになった、こういう報道でありますが、イランの政情不安と、この石油化学計画の中断ということでありますから、再開をもくろんでいると思いますが、そのことについて政府としてはどういう見通しを持っておられるか、お伺いをいたしたい。
○江崎国務大臣 この計画は着々と進行いたしまして、建設工事の八五%程度がすでに建設されておるということであります。そこで、現在イランの政変の影響を受けまして、この労働者の生活環境の問題、その他政局の不安定に伴う労働事情の不安定などがありまして、しばらく建設工事を休む、こういうことにしたもののようでありますが、これはあくまで小休止であって、完成するという目的、それから早く工事を再開したいという願望、これは変更がないというふうに聞いておる次第であります。 それから、いまお話しのありました、具体的にこういう協力をしてもらいたいという要請につきましては、まだはっきり承っていないわけでありますが、本プロジェクトが、御承知のようにバザルガン政権においても非常に高く評価を受け、今後日本の技術にも期待したいし、また同時に、油を輸出再開するときにはまず第一に日本に出したい、これは実際に行われましたが、そういう好意を持たれる一つの基礎になっておる石油化学プロジェクトでございまするので、わが方としてもその後また何か具体的な御相談でもあれば、できるだけ相談に応じたいという態度でおりますが、まだ具体的な要請等には接しておらないのであります。
○上坂委員 これは最初から通産省の方へは当然連絡があって、こうした計画に参加しているんだと思いますが、ここには協力基金の方では参加をしていないんではないかと私は思うのでありますが、していればそのことについての御説明をいただきたいのと、それから、私たちの考え方では、これは三井グループの商業ベースの仕事であります。それがいろいろな形で中断せざるを得ない。したがって、その間の金利とか何か、たくさん負担がかかるだろうと思うのですけれども、政府がこれについて援助していくということについていささか疑問を持つわけであります。この点についてはいま大臣が御答弁になったように、要請があればできるだけ協力をしていきたい、こういうお話でありますが、そこのところの、いま私たちが疑問に思っている点について御説明をいただければありがたいと思います。
○江崎国務大臣 この計画は、日本側の出資につきましては三井系五社の民間出資によって行われておるものであります。しかし、国の側から考えますると、イランとの最大、また最も重要な大型経済協力案件であるというふうにも言えるわけであります。したがって、政府としても従来からただ三井の出資だけというのにとどまらず、円借款、輸銀の融資、こういう形で支援をしてきておるわけです。そこで関係があるわけです。しかもイランの新政権は、本計画がイランの国民生活また近代化にとって最も重要なプロジェクトである、こういう高い評価をしており、しかもいっときも早く完成を望む、こういうことを言っておるわけであります。したがいまして、このことは、また民間ベースによる話し合いとは別途に、わが外務当局としても、わが国政府としても、当然その要請にはこたえていきたいという形でいま私は御答弁を申し上げた、こういうわけでございます。
○上坂委員 まだ要請がない段階ですから、どういうふうな具体的な措置をするかということについては、これから検討することになるだろうと考えられますが、その点については大臣の答弁を了承いたしたいと思います。 大臣は十二時にお引き取りだそうですからもう一つお伺いしますが、インドネシアのアサハン・アルミプロジェクトについて、住友アルミほか八社及び海外経済協力基金がそれぞれ二分の一出資で、日本アサハンアルミニウム株式会社がインドネシアのアサハン地区を中心にして建設中の、アルミニウム精錬工場と水力発電所の建設の現状及び見通しはどうなっておるのか、お答えをいただきたいと思います。
○江崎国務大臣 日本とインドネシアの合弁事業として、アサハン・アルミ計画は、スマトラ島北部におきまして年産二十二万五千トンの、アルミニウムとしては相当な規模の精錬工場、これに必要な水力発電所を建設するものであります。現在、一九八二年の一部完成、一九八四年の全設備の完成、こういった目標で着々と工事が進められようとしておるわけでありまして、本工事の着工は一九七六年九月、テンポラリー道路の建設に着手されまして以来、順調に工事が行われておるというふうに報告を受けております。 もし詳しく御必要があれば事務当局からお答えをさせます。
○上坂委員 一応資料はございますから詳しく説明は要らないのですが、ただ、一九八二年の運転開始、それから完成が八四年、こういうふうに聞いておるわけであります。 そこで、いまの進捗状況、これの見通しが立てられるのかどうか、その辺のところをちょっとお伺いしておきたい。
○小長説明員 先生のお話のとおりの手順で、事柄が進んでおります。
○上坂委員 そこで、いまわが国のアルミ業界は、大変な問題になっておるわけですね。私の福島県でも、昭和電工などがもう操短をいたしまして、非常に大きく合理化が進んでいる。そういう段階で、いま八二年に運転開始、二十二万五千トンという大きな計画が完成しますと、御承知のようにインドネシアは、この前も質問いたしましたが、化学肥料等がもう輸出国になってしまって、そのあおりをわが国が非常に負っているというところから、肥料工場が合理化をしなければならない、あるいは構造改善をしなければならぬという状況に来ているわけです。したがって、インドネシアが輸出国になるような状況になりはしないか、その場合日本としてはどうしなければならないかという問題も出てくるのじゃないかというふうに思うわけです。 そこで、この完成時のインドネシアにおけるアルミの需給について、どんなふうに見通しをされているのかお伺いをいたしたいと思います。
○小長説明員 お尋ねの点でございますが、インドネシアにおけるアルミの地金の需要というのは必ずしも大きくはございません。したがって、当面は輸出に回される部分が多いものと考えられるわけでございます。また、アルミ需要の性格から見まして、経済成長をかなり上回るテンポで需要が拡大するということも期待されておるわけでございまして、生産量の三分の一程度はインドネシア国内で消費されることになるものと思われます。八二年の段階は一部操業の段階でございますが、その段階におきましては、生産量は大体三万トン程度でございまして、そのうち約一万トンはインドネシアで消費をされるというふうに考えられております。
○上坂委員 インドネシアが二万トンは輸出をする。そうしますと、これは日本の合弁事業であるという形で、日本に引き取ってくれという形になってくるのではないかというふうに思いますが、その場合に日本のアルミ業界に与える影響、この点についてひとつ御説明をいただきたい。
○小長説明員 先生御指摘の点でございますが、産業構造審議会のアルミ部会でいろいろこの点については検討をいたしまして、五十三年の十月の段階で一応の答申が出ております。その答申によりますと、一九八三年度の国内需要を約二百十六万トンと想定をしております。これを国内生産と輸入によって満たすわけでございますが、このうち国内生産分につきましては、アルミニウム製練業の構造改善対策の一環といたしまして、約百十万トン程度を国内生産として想定をしておるわけでございます。アサハン計画は、先ほども申しましたように、一九八二年に一部稼働をいたしまして、八四年完成の予定となっておるわけでございますが、完成時には二十二万五千トンのアルミ地金を生産し、その三分の二程度をわが国に輸入するということになろうかと思うわけでございますが、この点につきましては、アルミ部会における答申において、需要予測の中にすでに織り込み済みになっておるわけでございます。したがって、特別な影響は出ないものとわれわれは考えております。
○上坂委員 この計画は産構審で含まれておる。こうしたものに類する各国に対する投資といいますか、経済協力というようなものが生じた場合には、いつでも国内のそうしたアルミ業界なりあるいは肥料業界なり、いろいろなところの需要の中に組み込んで、そこで検討をして、それから資本参加をしていく、こういうかっこうに大体するんだというふうに理解をしてよろしいですか。
○小長説明員 多少の前後の関係はあろうかと思いますけれども、常に将来展望に立ちました需要想定をいたしまして、その中におきましては経済協力によります海外生産分というのも当然勘案をいたしましてやっております。
○上坂委員 もう一つ、この建設についての資金の協力はどの程度になっているか、これをお知らせいただきたい。
○小長説明員 アサハン・アルミ計画は、当初の段階では総所要資金二千五百億円ということであったわけでございますが、その後コストオーバーなどが生じまして、現在の段階では四千百十億円が総所要資金ということになっております。そのうち日本側が負担をいたしますのは三千五百六十二億円ということでございまして、そのうち出資分が六百八十三億円、民間出資がそのうち半分の三百四十一億円、基金の出資が三百四十一億円ということになっております。インドネシア側の負担は五百四十七億円ということでございまして、そのうち出資金が二百二十七億円ということでございます。
○上坂委員 大臣、結構です。 次に、郵政省の方おいでになっておると思いますが、エジプトの通信網近代化二十カ年計画についてお伺いします。 エジプトでは、今後二十年間に電話交換網の近代化大規模プロジェクトを持っていると聞いておりますが、この計画の概要について御説明をいただきたい。
○佐瀬説明員 お答えいたします。 エジプトでは先般、今後二十年間に約四兆円に上る電気通信網の整備計画を策定し、さしあたってその第一段階といたしまして、明年、すなわち一九八〇年から五カ年計画で約六千億円のプロジェクトを予定しております。このプロジェクトの基本は、米国のコンチネンタル・テレフォン・インターナショナルと申します通信コンサルタント会社が作成した計画に基づいておるものでありまして、電子交換機の導入、電話局舎の建設、電話網運用にかかる管理、訓練等を含むものであります。 現在、上記五カ年計画をめぐりまして米国、ヨーロッパのコンサルタント及びメーカー各社が競争中でございますが、わが国も関係の団体、メーカー等が企業連合を結成いたしまして、昨年暮れプロポーザルをエジプト側に提出し、現地説明を行うなど、積極的な対応を図っております。 以上でございます。
○上坂委員 電話交換網の拡充計画といったようなものは、言ってみれば、通産省でよく言っている知識集約型産業の典型的なものだと思うのですね。そこで、将来、日本自体がどんなにそっちへ投資をしても逆輸入のおそれはない、こういうふうに一つは思います。それから、機器についても非常に系統的にずっと使われていくものだろう。したがって、技術水準の非常に高い日本のいわゆる通信技術というものによって協力ができる、そういう意味では、非常に国家的な事業として、これは十分考慮する必要がある、こういうふうに思うわけであります。 したがって、いまお話がありましたが、こうしたいわゆる国際的な一つの大きなプロジェクトに参加をする場合、郵政省の方でだけ取り扱うような形になるのか、それとも国全体、政府全体としてこういうものに参加をしていくことになるのか。そうでないと、やはりこうした大きなものにはなかなか参加できないのじゃないかというふうに思うのです。したがって、これは郵政省段階だけのものじゃなくて、あらゆる経済協力機関が総動員をされるような性質のものではないかと私は思うのです。そういう意味で経企庁長官の御答弁をいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 エジプトにつきましては、先般私のところへエジプトの副首相が参りまして、これは総理にも会い、また通産大臣にも会われたはずでありますが、そのときにエジプトの復興計画の概要の話がございました。百億ドルという膨大なものでありました。先方が私に要請されたことは、大体その百億ドルを日本とアメリカと西独でもって分担してくれというのが大筋でございました。その中でも、特に一応日本に対する期待というのが、住宅建設であるとか等々でございますが、その中には、ただいま委員の仰せられましたテレコミュニケーション関係のことは入っておらなかったように記憶しております。 いずれにいたしましても、エジプト側といたしましては、この百億ドルを三カ国で頼むということと、大体日本に対しての要望は、農業部門とかあるいはまた住宅関係とか、そうしたものが主体であったように記憶しております。したがいまして、これからの問題でございますが、サダト大統領も訪日をされるということでございますし、また、一説によりますと、通信関係は全部アメリカサイドが引き受けるんだという話も聞いたりしておりますが、その真偽は明確ではありません。 いずれにいたしましても、エジプト側と日本側と、今後こうした膨大な協力援助協定というものがもしもできるならば、その内容についてこれから逐次詰めていく段階だと思いますが、非常に巨額の協力になりますから、基本的には、私は、エジプトと日本の問で、経済協力協定のような大きな合意をまずとることが大事であろうということを、先方には話したわけであります。
○上坂委員 いまエジプトとイスラエルの問題で、中近東諸国からはエジプトはかなり非難の的になっている。そういう国際的ないろいろなトラブルやら政情の不安、そういうものとも関連をして、わが国は、特に石油の問題ではその他の国に非常に依存をしているわけでありますから、そういう意味で、かなり慎重にやらなければならないということも事実ではないか、こういうふうに私は思うのです。そういう意味で、これはいま大臣がおっしゃられたような参加の場合、そうしたいわゆる支障といいますか、そういうものが生じないようにして、これについて参加をしていくことができるのかどうか、その辺の見通しをひとつお伺いをいたしたい。
○小坂国務大臣 私の立場からは申し上げることがやや困難な問題だと思いますが、外務大臣は、先般来アメリカ及び西独等に対しまして、このエジプト援助について、アメリカも西独、ECも非常に熱意を示しておるわけでありますが、日本は、いま委員の仰せられましたように、石油取得の大きな問題が後ろにございますので、一辺倒というわけにはいかぬじゃないか。したがって、日本の中近東に対する協力体制は、それぞれの国別に最大の努力を払っていくというような基本的な路線であると私は承知しておるわけであります。エジプトとイスラエルの今度の平和問題が意外な波紋を中近東諸国に投げかけている事実もよく踏まえて、今後の体制整備には十分な注意をもって当たるということは、基本的にわれわれは踏まえておるつもりであります。
○上坂委員 この質問は終わりますが、いまの基金を通じて日本が参加をしている大型プロジェクトについての資料の提出を要望したいのです。これは委員長、取り上げていただきたいと思います。いいですか。委員長の方で、大型プロジェクトの全部について要請してください。 次に、農林省の方がいらしていればお伺いしますが、いわゆる米による経済援助の問題です。まず一九七六年、三木内閣のときでしたか、水利施設の整備で、今後十五年間で米の生産量を倍増する、いわゆるアジア・ニューディール構想というようなものを打ち上げて、その所要資金を六百十億ドルと見積もった、こういうことを私たち聞いたわけでありますが、これについては食糧援助、いわゆる食糧増産援助の部類に入ると思いますが、全体的にわが国の食糧増産援助、それから食糧援助について現状はどうなっておるか。それから、どういう国を対象として米のこうした援助をするのか、そういう点について御説明をいただきたいと思います。
○志村説明員 お答えいたします。 ただいまの御質問、大変包括的な御質問でございまして、私どもいま承知している限りでお答えをいたしたいと思います。 一九七六年に発表されました、恐らく東南アジアを中心とする米の増産計画のことかと考えますが、これは私の知る限りでは、民間の研究機関、団体がつくったものでございまして、私の方、そういったものを勉強はしておりますが、これについて政府が直接裏づけをするとか、そういうことにはなっていない、このように了解しております。 それはそれとしまして、発展途上国の食糧問題というのは、長期的には非常に重要な問題でございますので、これに対するわが国の考え方、特に農林省の考え方を簡単に御説明しますと、二つの考え方に分けられると思います。一つは、長期的な意味で、そういった国の食糧増産の自助努力に対して、日本としてできるだけの援助をしていくという考え方であります。もう一つは、それはそれとして、短期的に食糧が不足するケースがあるわけでございますので、それに対して日本として米その他の食糧で、できる範囲の援助をしていくというのが二つ目の考え方であります。 そのどちらについても現在わが国は努力をしておるわけでございますが、特に第一の考え方、自助努力に対する援助につきましては、これまでわが国は資金面、それから技術面で、できるだけのことをかなり長期間にわたってやってきております。農林省は、これまで技術面での協力にかなりの重点を置いて、相当多数の専門家を派遣し、また、そういった国からの専門家を受け入れて、研修事業をやってきております。 また、資金面の援助でも、御案内のように、海外経済協力基金の資金援助のほか、最近は肥料、農薬等の援助でございますね、こういったもののために、外務省、大蔵省等で、食糧増産援助ということで特別の予算を計上していただいておりますので、それの執行に当たって、農林省としてできるだけの助言をしていく、協力をしていくということでやっております。 次に、食糧の現物による援助でございますが、これは約十年ほど前からいわゆるケネディ・ラウンド食糧援助というものがございまして、これによって日本米あるいは外国のたとえばタイ米、ビルマ米、そういったものによる援助といったことをやってきておりますし、さらに最近では日本の余剰米を使いまして、日本の米はコストが高うございますから、これについて一定の財政負担をしながら計画的に援助をしていく、こういうことをやっております。 包括的に申し上げますと、以上のとおりでございます。
○上坂委員 途上国のいろいろな条件の中で、食糧増産計画というのは、土地改革なり技術水準、それからいろいろな政局不安、そういうようなものから、非常に時間がかかるというふうに思われるわけですね。そこで、食糧不足の悩みというのが各国ともなかなか解消できない、これが東南アジアの実態ではないかというように思うのです。 そこで、余剰米を援助物資として使っていくということをされているようでありますが、聞くところによりますと、政府直接借款による食糧援助の中では、米を貸して、しばらくたってから今度は米でそれを戻してもらうというようなやり方をしているということを聞いているわけですが、こういうやり方が実際に行われているのかどうか、その辺のところを、そしてもしそれが行われているとすれば、なぜそういう形のものが行われるのか、これをひとつ御説明をいただきたい。
○松山説明員 お答え申し上げます。 米の現物貸し付けでございますが、過去に韓国とパキスタンに貸し付けをいたしたことがございます。これは、やはり相手国の事情その他によりまして、将来の増産見込みが立ちます場合に、とりあえず現物で借りておいて返したいということもあったわけでございますが、同時に、その当時は延べ払いという形で日本米を援助輸出する道が開かれておりませんでした。そういうこともございまして、現物貸し付けという方法をとったわけでございますが、その後延べ払いの道を特別立法によって開きましたので、現在の一般的な方法といたしましては、延べ払い輸出の形をとっておる場合が多いわけでございます。最近では特にそういうことはございません。
○上坂委員 先ほど価格の問題がありましたね、国内価格と国際価格の問題がありまして、米の直接援助というのですか、それは非常にむずかしい。というのは、御承知のように、一千四百万トンからの生産があって、四百万トン、五百万トンといった古々米まで余剰米が出ている状況ですね。米がこっちで余っているからこれを使って援助するというようなおこがましい考え方ではないのですが、国際的な経済交流というのは、お互いに資源の有無相通じていくということが基本でなくちゃならぬというふうに思うのですね。そういう意味で、日本でお米がたくさんあって、そして向こうで飢餓的な状態にある、食糧で非常に困っているということであるならば、できるだけ多くの米をそちらへ援助していくということが必要じゃないか、こういうふうに思うのですね。それが余り大きく数量的にはできないというふうに考える。そのできない理由というのは、国内の法律なり何かの場合の制約ですね、条件、そういうものはどこにあるのかということについて御説明をいただきたいのです。
○松山説明員 御案内のとおり、累積いたしております過剰米の処理ということで、今後五年間にわたりましておおむね四百八十万トンといま見込んでおりますが、その過剰米を特別処理いたす、こういうことにいたしております。その場合、いろいろな手法がございますけれども、御指摘のように、過剰米を援助輸出に充てるということにつきましては、これを重要な用途の一つというふうに私ども考えておる次第でございます。したがいまして、相手国の状況なりあるいは伝統的な米輸出国との関係等に十分配慮をいたしながら、ただいま申しました長期的な延べ払いその他の、できるだけ相手国が受け入れやすいような条件を用意いたしまして、これの円滑な取り進めを図ってまいりたい、このように考えておりますけれども、量的には、率直に申しましてかなり米の国際的な需給が緩和しておるという事情もございまして、受け入れ国がどれくらい出てくるかということが、前回の処理のときとは多少様子が違っておるというふうに現状を認識いたしております。
○上坂委員 その場合にはかなりの数量を、国際的な事情で米の事情が緩和をされているからということでありますが、天候に支配されるし、特に東南アジア等では灌漑用水なり何なり完備していないわけですから、干ばつなり何かというのはかなり被害が大きい、そういう場合に相当数量を輸出する。それは貯蔵米でとっておくわけじゃないですから、要するに足りないからこれは一年で食べてしまうわけですからね。そうしますと、そういう援助というのは可能であると私は思うのですが、それがもし大量にできないといういわゆる日本的な制約条件があれば、そこのところをちょっともう一度説明してもらいたい。
○松山説明員 現在の処理計画によりますと、大体通年ペースで百万トンの処理、そのうち輸出用といたしましてとりあえず二十万トン見込んでおるわけでございますが、これの用途別の数量につきましては、そのときの事情に応じましてできるだけ弾力的に、かつ財政負担の少ない方法で考えてまいりたい、このように考えております。 ただ、受け入れ国側の受け入れ能力と申しますか、負担能力の問題がございまして、そういうことになってまいりますと、無償援助の対象にどれだけし得るかという議論はあろうかと思いますが、これは援助政策との調整の問題もございまして、私どもとしてはKR援助その他できるだけ無償援助にも活用していただきたいということで、関係省ともいろいろと御相談をしておる、こういうことでございます。
○上坂委員 それじゃこの問題は終わりますが、先ほど板川委員からもお話がありましたが、戦後、賠償を放棄した国について説明いただいたのですけれども、書いているうちにわからなくなってしまって、もう一度はっきりひとつ説明をしていただきたいことが第一点。 それから、産業開発あるいは工業技術、そうしたものの援助、これは国内の経済発展という意味で重要な問題でありますから、それだけの力を入れているわけでありますが、もう一つは、いわゆる発展途上国においては、民生安定ということが非常に重要なファクターとして取り上げられなければならないのではないかというふうに私は考えるわけであります。そういう意味で、教育なり医療、あるいは人口問題、そうした点についての援助、これが非常に大切になってくるだろうと思うのです。技術援助については大分たくさんあるようでありまして、ここにある資料でもえらいたくさんあるわけですがね。しかし、わりあいに、案外に項目は多いけれども、それほど大きくいっているのかどうかというところに疑問があるわけです。 そこで、こうしたものについての援助体制といいますか、そういうものについての現状と、それから将来はどういうふうに持っていきたいというふうに考えておられるのか、その辺のところをひとつお聞きをいたしたいと思います。
○大鷹説明員 ただいま先生から御指摘ございました民生安定の面でございますけれども、これは最近国際的にも発展途上国の民生の安定と申しますか、貧乏な人に対する援助をもっとやろうじゃないか、こういう風潮が高まっております。 〔山下(徳)委員長代理退席、委員長着席〕 これは一般にベーシック・ヒューマン・ニーズ、基本的な人間要求の充足、こういうむずかしい言葉を使っております。その具体的な中身は、教育であるとか医療であるとかあるいは飲料水であるとか、こういう人間の最も基本的な必要を満たしてやろう、こういうことでございます。 そこで、わが国といたしましてもこういう面での援助をもっと強化する必要があると認識しておりまして、たとえば借款につきましても、だんだんと、発展途上国によりましてはそういう方面のものを買うための借款を日本からしたいということで、たとえば教育とか医療の充実とか、そういう面のプロジェクトに対する借款の要求が来ておりますし、またこれに応じております。さらに無償援助につきまして申し上げますと、やはり学校の建設であるとかあるいは病院の建設、さらに安全な飲料水を得るための井戸を掘るとか、あるいはそのほか住宅の建設であるとか、そういう方面の活動をだんだんと拡充していく方向にございます。 これにつれまして技術協力の方も、大体いま申し上げたような分野での専門家を現地に派遣するなり、あるいは研修生を日本に受け入れるなりして協力していく。大まかにいきまして、先生のおっしゃいましたような民生安定の方向で、いろいろな援助のやり方を通じて日本政府としても努力を積み重ねていこう、こういう方針でございます。
○上坂委員 もちろん、この問題についてはこっちから押しつけるわけにいかないですね。これは日本が非文盲率一〇〇%だから、日本のようにやればそっちはうまくいくのだというような、思い上がったかっこうでいったのではこれは大変ですから、当然関係国からの要請といいますか、それに基づいてやられることになるだろうと思うのですが、そういう点では、いまお答えがあったように、これから十分これに対して力を入れていただくように要望しておきたいと思います。 それに基づいてもう一つ考えなくてはならぬのは、よくテレビなんか見ますと、海外へ、個人で行って、そして孤児などを収容して、いろいろなその国の民生の安定なりそういうものに尽くしている人があるわけですね。ところがそういう人たち、実際問題としてお嫁さんに行く人もない、北海道あたりへ仕事に行っても、北海道に行くんじゃいやだ、東京の方がいいというようなことになっちゃってなかなか行かないという状況の中で、いわゆる発展途上国の中に行って、そしてボランティアといいますか、そういう活動をされている個人の人々、こういう人たちの果たす役割りというのは、これはいわゆる国家間の交流に対して、非常に大きな、国民的な理解を得るという面では大変な貢献をしているのだろうというふうに思うのですね。ところが、そういう人に対してはなかなか民間的なベースでないと援助ができない。赤十字とかなんとかで援助をしているというふうに聞いておるわけです。 そこで、こうした人たちに対する調査というものを政府としては行っているのかどうか。もし行っていないとすれば、これはこれから大使館あるいは領事館を通じて十分調査をして、そしてこれに対して具体的に援助方法をどうするかというような形をとるべきではないかと私は思うのです。そうすれば、そうした意欲に燃えた人がもっともっと大きく発展をすることができるだろう、こんなふうに思うわけですが、その点はいかがでしょうか。
○大鷹説明員 ただいま先生お話ございました民間ベースでの婦人のいろいろなボランティアの活動でございますが、これにつきましては私ども大変これを高く評価しております。具体的なあれにつきましては、さらに在外公館を通じていろいろ調査をして、資料を集めたいと思っております。 ところで、民間ベースでのそういう婦人ボランティアのほかに、政府ベースでもそういう方々の御協力をいただいております。たとえば国際協力事業団が派遣いたしております専門家の中には女性の方も入っておりますし、さらにいわゆる青年海外協力隊でございますが、この中には相当数の婦人の方々が入っていらっしゃいます。たとえば看護婦の方であるとか学校の先生とか、いろいろな、非常に熱心なそういうボランティアの方々が、協力隊の中にまじって現地に溶け込んでやっていらっしゃいます。これは非常に国際的にも高い評価を受けておりまして、日本政府といたしましてもこの方々に深く感謝しているところでございます。
○上坂委員 いまお話がありましたように、政府でつかんでいるものについてはいろいろできるわけですが、つかめない人たち、この人たちについて早急に調査をして、そしてその人たちの活動を援助するような形でひとつ進めていただきたい。これは強く要望いたしておきます。 それからいわゆる途上国に対する援助の中で、先ほどから中国との関係はいろいろ出ておるわけですが、いわゆる朝鮮民主主義人民共和国との問については全く何もない。貿易が多少あるだけの話で、こうしたいわゆる海外経済協力の面では全然動いてない。これについては一体将来どういうふうにしていくのか。中国との関係がここまで来て、いろいろな問題が出ているわけですから、その点については大臣の所見をお聞きしたいと思います。
○小坂国務大臣 中国に関しましては、日中友好条約が発効しておりまして、これがすべてにかわって、賠償問題は一応それでけりがついているという考えでございまして、中国の開発には積極的に協力をしようということは、恐らく国民的コンセンサスがあると考えております。北朝鮮につきましては、遺憾ながらまだ国交がございませんものですから、こうした国交のない国との関連というものは、やはり政府としてはいかんともしがたいわけでございまして、望むらくはやはり朝鮮半島の安定と平和のためにも、北朝鮮がさらに経済的に良好な状態になるような、そうした協力を民間ベースでやはり進めていってもらうということが先行すべき事態ではないかというふうに思っております。
○上坂委員 これは外交問題になりますからなかなかむずかしいと思うのですが、そういう意欲があっても、実際問題として向こうからいろいろな代表が来るということになれば、非常に制約をしてなかなか入れてくれない、むずかしい条件をたくさんつけるというような状況がある。やはり政府全体として積極的にそうしたものを緩和をして、そして人的にもどんどん交流されていくという中で、朝鮮の平和な統一なり、あるいは北側とのいわゆる接触そして友好関係、こういう樹立に向かうべきだというふうに思うのです。そういう点で、こういうことについては長官としてはどういうふうにお考えになりますか。
○小坂国務大臣 もちろんわが国といたしましては、世界じゅうの国と友好的な関係を結ぶことが最も国策的に有利であるし、また特に朝鮮半島の平和安定ということは、日本にとりましてはきわめてバイタルな問題でございまして、そのようなことを踏まえますと、やはり北朝鮮の経済的発展ということ、民生の安定ということ、こうしたことが前進することを非常に期待をいたしております。
○上坂委員 時間ですから急ぎます。 法案についてですが、副総裁を設けるわけですが、どうも天下り天下りといっていろいろ非常に攻撃をされている段階で、また天下りのポストをつくる感じをこれは国民に持たせることになりはしないかと思うのです。副総裁を置かないと、国際的ないろいろな広がりの中から、基金としてはいろいろな交渉に出ていって国際的な舞台の中で活動をするのには、総裁一人では容易じゃないのだ、こういうようなお話のようです。しかし実際問題としては、総裁みずからが海外に行って全部決めてくるのじゃなくて、いわゆる大型プロジェクトなり何なりにしましても、各省の大臣がそれぞれ行って、そして向こうとのコンセンサスを得て、そういうものが基金を通じて資金援助あるいは技術援助なりというものがされるのだと私は思うのです。そういう意味では特に副総裁を、こうした国民的に官僚のポストづくりというふうに誤解をされているというよりも、そういうふうに見られている状況を、またしてもつくり出すということについては、これはいささかどうかと思うのです。そういう意味で、こういう質問をしても、いえそんなことは絶対ありませんとだけ答えられてしまうから、これは困っちゃうのですが、どうなんですか。私は本当のことを言うと必要ないと思うのですが、どうなんですか。
○小坂国務大臣 副総裁を増員することについてぜひ御理解を賜りたいと思うのでございます。と申しますのは、基金の活動が非常に拡大をしておること、同時にまた、先方とのいろいろな交渉の最終の調印とかあるいは最終的な話し合いというものは、相手国もしかるべき地位の人が出ます。まあ大臣相当と申しましょうか、あるいは向こうのそうした関係の総裁が出て、そして話し合いで調印にいくわけでございます。その場合に、現在のような広がりの中では総裁一人ではもうどうにもならない。私、ちょっと回数を記憶しておりませんが、四十九回一年に外遊しております。四十九回ということは月に二遍以上海外に飛んでいるということでございまして、日本の顔でございますから、やはりこちらも総裁が行かなければいけないであろうし、先方もそれなりの地位の人が出るわけでございまして、しかしこれではやはり事務的に最終的には行き詰まってしまいます。やはり代表権を持つ副総裁を置いて、そしてもっと仕事を進めたいというそれだけの理由でございます。もちろん大平内閣では、成立以来いわゆる簡素な行政機構ということをたてまえにしておりますので、われわれはこの基金の活動の拡充ということと同時に、人的構成の拡充ということも要求したのでありますが、このような大平内閣のたてまえと、これがどうなるのかということで、実は非常に率直に行政管理庁にこの判断をゆだねました。その結果、行政管理庁とされてもいろいろと調べてくれて、真にやむを得ない唯一のものであるということで、政府内部は意思統一ができたわけでございます。したがいまして、本日ここに行管の担当官が来ておられれば御説明いただきたいのでありますが、この基金法ができたころの総裁一名と理事四名ですか、このシステムはまだ五億ドル程度の基金活動の時代に設定したシステムでございますので、それがいまや巨大な活動、資金量も動かすことになっておりますし、その内容もますます複雑になっております。それからまた、先般来委員初め皆さんからの、海外経済協力そのものが大きなプロジェクトだけでなしに、もっと相手の国民にわかる身近な問題、たとえば学校、病院等々についても積極的にやれ、それが一番いいんだというお話も、われわれも全くそのとおりだと思います。そうなりますと、総裁が出向いて先方の政府との問でいろいろ調印する数はまた飛躍的に増大するのではないか。したがいまして、やはりその一種の外交儀礼という面も十分御理解いただけると思いますが、そのような意味合い等々を含めますと、ぜひ副総裁一名増員をお願いしたい、私はそのことが海外経済協力というものにもう一つ活力を与えるのではないかと思います。 また天下りというふうな御議論もあるようでございますが、われわれは、別に天下りのための副総裁ではなしに、基金活動を盛大にして、結局は日本のこれからの平和欲求への意思をこうした形の中で具体化していきたいということでございますので、どうかひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○上坂委員 いま長官の御答弁で、それが議事録に載りますと、その点でずっと国民に伝わりますから、いま言った攻撃というのですか、そういうものが大分緩和をされるのじゃないかと思います。御答弁をいただいて了解をいたしたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○橋口委員長 宮井泰良君。
○宮井委員 私は、質問に入る前に委員長に一言要求しておきたいのですが、私の質問時間は十二時十分からになっておったのです。それが二十五分まで延長した。こういうふうなだらだらしたような委員会では私は困ると思うのです。もっと時間をぴしっとして厳格に守って、それでその時間内で有効なる質疑をする、こういう線でひとつ理事会で諮っていただきたい、このことを委員長に要望します。
○橋口委員長 承知しました。
○宮井委員 ちょっと選挙疲れもありまして失礼なことも言ったと思いますが、私は、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案について御質問いたしたいと思います。 海外経済協力基金は、御存じのように海外経済協力を促進することを目的として昭和三十五年制定以来、四度にわたる法改正をいたしまして、開発途上国等に援助の拡大を図ってきたわけであります。そこで私は、経済協力全般にわたる意味で、法案の改正点の若干の問題点や、海外移住並びに最近にわかに問題になっておりますいわゆる海外帰国子女の教育全般について御質問をいたしたいと思います。時間の関係で全部できないかもわかりませんが、御了承いただきたいと思います。 そこで、まず最初に外務省にお伺いいたしますが、政府開発援助すなわちODAにつきましては、五十二年五月に五年で倍増の表明をいたしたわけでございますが、先般、これをさらに進めまして、ODAを三年間で倍増する表明をしたわけであります。DACの統計によりますと、わが国の経済協力総額は一九七七年で五十五億ドルで、前年に比べ三八・三%の増加であります。これはDAC加盟国中四位でございますが、GNPとの比率では〇・八一%で、国際目標の一・〇%にはまだ遠いわけでございます。またODAで見ますと、一九七七年で十四億ドル、GNPとの比率ではわずか〇・二一%で、DAC加盟国中の十三位でございます。そこで、ODAの執行率が非常に低いと各国からも指摘されておるわけでございますが、 ODAの無償と技術協力は執行率七〇%から九〇%と言われておるわけでございます。なぜ執行率がこのように悪いのか、この点をお伺いします。
○大鷹説明員 本委員会でたびたびいろいろな方々からお答え申し上げましたけれども、最近の経済協力基金の執行率は顕著に改善いたしております。五十三年度について申し上げますと、執行率は八八%ということでございます。もちろん無償、技術協力は従来から九〇%以上の執行率でございます。 そこで、なぜそれまで執行率がそれほどよくなかったかと申しますと、これは日本政府側の問題であるよりは、むしろ相手国側、つまり発展途上国側の方の事情が多いようでございます。と申しますのは、先方の行政事務の能率が非常に悪いとか、途中で急に計画を変更したり、あるいは権限が上の方に集中しているために、なかなか下の方の事務のあれがおくれるとか、いろいろな事情がございまして執行率が悪かった、こういう事情でございます。そこで、政府の方あるいは海外経済協力基金の方からもいろいろ専門家を現地に派遣しまして、いろいろ側面からこれを促進するような努力を払ってきておるわけでございます。いずれにいたしましても、現在は全体として借款、無償、技術協力、それぞれ執行率は非常によくなってきている、こういうふうに考えております。
○宮井委員 ODAの量をただふやせばよいというものではないと思います。開発途上国の援助吸収能力もあるわけでございまして、開発途上国の中でもプロジェクト等のプランの策定のうまい国もあればへたな国もある。したがいまして、ODAを増額するに当たり、そのような援助の対象をどのように調査されておるか、この点をお伺いします。
○大鷹説明員 原則としてわが国の経済協力は、相手の発展途上国からの要請を待って検討する、こういうことになっております。 そこで、プロジェクトの選定は、たてまえとしては相手国政府がまずやるわけでございます。しかし、国によってはそれを待ってやっていたのではなかなか話が進まないということもございますので、わが国政府の方で積極的にイニシアチブをとりまして、チーム——プロジェクト・ファインディング・チームという名前を使っておりますが、これを派遣したり、あるいは現地の大使館のスタッフの積極的な活動を通じてプロジェクトを発掘したり、そういう手段を使っておるわけでございます。
○宮井委員 そこで、海外経済協力基金の予算運用実績は、五十一年度が六六%、五十二年度が七四%、五十三年は八五%と聞いておりますが、私はいままでの経済協力、日本のお金の出し方が、有償とか無償、技術協力という出し方に重点を置いていたのではないかと思うわけでございます。したがいまして、経済協力、特に基金の場合は対象となるものを設定して、そこでお金を拠出していく、そのようなことはお考えになっておるのでしょうか。
○大鷹説明員 経済協力基金の借款の場合には、原則としてプロジェクトを選定いたしまして、そのプロジェクトに対して必要な額を借款として供与するということになっております。しかし、プロジェクトだけが対象ではございません。中にはいわゆるプログラム援助、あるいは日本語で商品借款と申しておりますが、そういうことで、たとえばいろいろな機器であるとか資機材であるとか、そういうものを借款として供与する、そういうものもございます。
○宮井委員 それでは外務省と経企庁にお伺いしますが、そこで問題なのは、ODAの借款の平均条件のグラントエレメントは、一九七五年で五三・九%、七六年で五一・五%、七七年で五二・一%で、DAC平均より一〇%ぐらいはハードな条件になっておるわけでございます。ODAの平均で見ましても七七年で七〇・二%、DAC平均八九・二%に比べてかなり低いものでございます。要するに、借款の条件等、いわゆる日本の援助の条件がハードである、結局いい条件で借款を出している他の先進諸国もそのとばっちりを受ける、このようになると思うわけでございます。 そこで、援助の執行率を上げたり、その質の改善には、贈与と言われるものをふやす必要があると思うが、どうでしょうか。また、経済協力基金もあると思いますが、国の実情の差によりまして、借款のグラントエレメントをもっと上げる努力をする必要があると思うわけですが、経企庁、どうお考えになっておるか。
○廣江政府委員 借款、援助の条件のことでございますが、御指摘のような点は総体として否めないと思います。ただ、先生に御理解を得たいと思いますが、日本は借款のグラントエレメントが七七年で全体で五二・一でございまして、DAC平均の六一・五からは見劣りがするわけでございますが、過去十年ぐらいの改善状況を見ました場合には、DACは借款のグラントエレメントが一九六七年で五六・八でございます。それが七七年に六一・五と、四・七%ふえておるわけでございますが、日本は三二・六から五二・一と、一九・五%改善されておるわけでございますし、条件の中で一番代表的な金利について見ましても、DACが三、五から約二・六の平均に十年の間で改善いたしておるのに対しまして、日本は四・八から三・三ぐらいに改善しておるわけでございます。 この条件のソフト化を大いに進めなければならないだろうという御趣旨は、まことにごもっともでございます。日本も、所得の低い国あるいは日本と非常に近接いたしておりまして、歴史的にも経済的にも縁の深い国等を中心といたしまして、そのほかの国もございますが、この条件のソフト化ということにつきましては、毎年努めておるところでもございますし、今後も大いに努めていかなければいけないところだと思っております。現に、最貧国といいますか、非常に貧しい国でございますバングラデシュというようなところにつきましては、二%を割るような金利の借款もいたしております。基金の借款を一度にゼロに近いところまで持ってくるというのもなかなかと思いますが、先生の御趣旨のような方向で今後とも大いに努めてまいりたいと思っております。
○大鷹説明員 借款につきましては、ただいま廣江審議官からお答え申し上げたとおりでございまして、借款の中には金利と期間と据え置き期間と、三つの要素がございます。それぞれ重要でございますけれども、その中で特に金利が大事なのでございます。近年、わが国の場合は少しずつこの金利条件を引き下げてきております。したがって、グラントエレメントの水準もじわじわと上がってきておるわけでございます。今後もなかんずく金利の引き下げに努力いたしたいと考えております。 その次に、全体としてのわが国経済協力、政府開発援助のグラントエレメントをどうやって引き上げるかということでございますが、それには三つの分野の努力を進めることが大事だろうと思います。その一つは、国際機関への拠出でございます。それからもう一つは、無償援助の拡充でございます。第三に技術協力の拡大、こういうことになろうかと思います。特に無償援助と技術協力に関しましては、わが国はほかの国に比べてまだ相対的に比重が低いわけでございますので、これにつきまして、特に重点的に力を注ぎたいと考えております。現に五十四年度予算では、無償につきましては前年度に比較いたしまして六〇%の増加、技術援助につきましては二〇%の増加を計上させていただいております。
○宮井委員 次に、外務省にお尋ねいたしますが、私は、最近とみに変化してきております海外への移住者に対する援護につきまして、お聞きをいたしたいと思います。 いままでの家族ぐるみの農業移住が減少いたしまして、単身青年の技術移住がふえておるわけでございますが、最近の傾向を移住者総数で見ますと、アメリカ合衆国へは一九七一年には五千九百三十一人でありましたのが、昨年は千九百三十一人、ペルーなどは百八人から昨年は二十一人と激減をいたしておるわけでございます。全体で見ましても、一九七一年には八千五百六十一人が昨年は三千六百四十八人となっておりますが、まずこうした減少傾向につき、外務省はどのように認識しておられるか、お伺いいたします。
○小野説明員 宮井先生の御指摘のとおり、昭和三十年代前半には年平均約一万数千人を数えました海外移住者は、わが国の経済の高度成長に伴いまして、近年は先ほど先生おっしゃいましたような数字に減少しております。しかし、他方、最近は、経済成長の減速化、雇用情勢の変化を背景にして、移住相談件数は増加の傾向を示しておりますけれども、わが国と中南米諸国との間には、所得や福祉の面でかなりの格差もございますために、この移住相談件数の増加が、移住者数の増加に直ちには結びついていないという現状でございます。他方、受け入れ国側におきましても、それぞれの国内事情から、移住者の受け入れを制限したり選択化する傾向が出ております。 このような内外の情勢は、当面大きく変化する見込みはないと思われますので、移住者数もここ数年の状態、すなわち横ばい状態が続くものと見ております。移住者が受け入れ国の善良な市民として、受け入れ国の繁栄に貢献しますことは、わが国と受け入れ国との友好親善関係を増進し、また国民全体の海外発展意欲の高揚にも資することになりますので、今後とも移住の推進には努力したい、かように考えております。
○宮井委員 そこで、戦後の移住者数は二十二万八千九百四十五人で、ブラジル、アメリカが最も数が多いわけでございます。その中で、渡航費支給者はブラジルが圧倒的に多く、五万二千二百八十四人、アメリカは三百八十八人と、移住人口に比べアメリカなどは大変少ないわけでございますが、この渡航費支給には所得制限があるように聞いておりますが、具体的にどのような実態なのか、お伺いをいたします。
○小野説明員 お答えいたします。 政府は、昭和三十八年度から、中南米諸国向けの移住者のうち、渡航費負担能力の乏しい人に対しまして渡航費の支給を行っております。この渡航費支給の基準は、昭和五十二年十月の改定によりまして現在は次のとおりでございます。 すなわち、雇用、技術移住者の場合、単身者につきましては、所得二百万円未満で支給率は八〇%、家族構成者につきましては、所得百八十万円未満で支給率は一〇〇%、百八十万円以上三百万円未満で八〇%となっております。次に自営移住者の場合には、所得三百五十万円未満で支給率は一〇〇%、三百五十万円以上四百八十万円未満で八〇%となっております。この支給額の基準となる航空運賃は、受け入れ国到着までの航空旅客運賃でございます。
○宮井委員 戦後、国際協力事業団の渡航者の状況は、六万人が農業者、三千人が技術者でございます。この中で、事業団直営入植地の農業移住者の、五十二年の二戸当たり平均の農家所得は二百七十八万六千円、わが国の農家では四百二十八万円でございます。移住先で農業経営は必ずしも良好とは言えないと思います。したがって、渡航費は所得制限を設けず、特に農業関係者には全額支給してもよいと思いますが、どうでしょうか。
○小野説明員 お答えいたします。 航空運賃の支給でございますが、これは先ほど申し上げましたように、渡航費負担能力の乏しい移住者が、移住先において速やかに定着、安定を図る一助として行っておるものでございますけれども、社会的公平の見地からも、渡航費負担能力の程度を勘案した現行の支給制度の継続が妥当ではなかろうか、かように考えております。
○宮井委員 時間はあるのですが、間もなく私は終えたいと思いますので、最後に、ちょっと順序が後先になりましたが、せっかくの大臣の御出席でございますので、経企庁長官に、先ほど来御質問いたしました政府開発援助についての執行率の点や、いろいろな点でまあお答えがあったわけでございますが、簡単で結構でございますので、一言だけお答えいただきまして、終わりたいと思います。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 ただいま委員から種々御指摘のございました、予算だけ取って執行率が悪いというようなことは、これは非常に重大なことだと思います。それが、相手国の内政上の結果そういうような事態が起こったのかもしれませんが、やはりわれわれの方のもっと積極的な熱意を、これだけの予算を使わせていただくからには示すべきではなかろうか、私はきわめて純粋にそう思うわけでございます。もちろん先方の立場に立って、そしてもっとわかりやすい——発展途上国は往々にして非常に高度の技術を要求することが私の体験からいってもございますが、しかしそれ以上に、もっと民衆に密着した、生活に密着したものを数多くやる、それに協力をしていくということの方が、はるかに日本の国民の気持ちが先方の国民にもわかるのではないかというふうに考えておりまして、今年度の予算執行に対しましては、できるだけそうした相手国側の国民に直接する部門に協力をしていこうというような方向をとりたいと思っております。 また予算面で申しますと、借款が全体の五〇%を占めております。先ほどから委員が非常に御主張になっていらっしゃいます無償あるいは技術援助は、全体の二〇%でございます。あと三〇%がいわゆる世界銀行その他に対する出資でございまして、私は、こういう比率自体やはり借款に非常に重点があるというふうに考えますが、私の率直な考えを申し上げますと、これは従来海外経済協力ということはややよけいなことだという認識があったのではないかと思うので、したがいまして、そうしたことをする場合、一番確実な問題で、ある程度それが回収できるということがどうしても私は行政府の頭にはあるのだろうと思うのであります。しかし、先般来経済協力ということが日本の基本的な政策であるし、また、そうすることによって、世界的な平和と安全というものをわれわれが積極的につくり出していくというような方向を、政府内部で十分認識を得たところでございますから、今後は積極的な展開を図りたいと思うのでございまして、また至らぬ点がございましたら、ぜひひとつわれわれにもいろいろ御忠告をいただきたいと思っております。
○宮井委員 ありがとうございました。終わります。
○橋口委員長 午後一時四十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十分休憩 ————◇————— 午後一時四十三分開議
○橋口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 参議院から送付されました内閣提出、特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律案を議題といたします。 提案理由の説明を聴取いたします。江崎通商産業大臣。 —————————————
○江崎国務大臣 特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年、生活水準の向上に伴い、ガスバーナーつきふろがま等、ガスを多量に消費する機器が普及するとともに、家屋の気密化が進行しているなどの事情を背景といたしまして、ガスの消費家庭におけるガスによる災害は一向に減少の兆しを見せず、その防止が今日大きな社会的課題となっております。 このような情勢に対処するため、政府といたしましては、従来からガス事業法及び液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の運用等、ガスによる災害の防止のために種々の対策を講じているところであります。 しかしながら、ガス消費機器の設置工事の欠陥に係る一酸化炭素中毒等による死傷事故につきましては、都市ガス、液化石油ガスとも、依然として後を絶たない状況であります。 このため、政府におきましては、通商産業大臣の諮問機関である高圧ガス及び火薬類保安審議会の一昨年八月の答申、「液化石油ガス消費者保安体制のあり方」及び資源エネルギー庁長官のもとで開催されたガス事業大都市対策調査会における各界有識者の御意見を踏まえ、ガス消費機器の設置工事に関する対策について検討を進めてまいりましたが、今般、ガス事業法及び液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律による保安規制を補完、充実するものとして、本法律案を提出した次第であります。 次に、本法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 第一は、この法律の適用対象となる特定工事についてであります。 この法律においては、ガスバーナーつきふろがま等、構造や使用状況等から見て、設置または変更の工事の欠陥に係る、ガスによる災害の発生のおそれが多いと認められる特定ガス消費機器の設置または変更の工事を、特定工事としております。 第二は、特定工事を事業として行う特定工事事業者の義務についてであります。 特定工事事業者には、特定工事を施工するときは、ガス消費機器設置工事監督者の資格を有する者に当該特定工事を実地に監督させ、またはその資格を有する特定工事事業者がみずから実地に監督すること及び特定工事を施工したときは、氏名、施工年月日等を記載した表示を付すことを義務づけております。 第三は、ガス消費機器設置工事監督者の資格についてであります。 ガス消費機器設置工事監督者の資格は、通商産業大臣またはその指定する者が行う特定工事に必要な知識及び技能に関する講習の課程を修了した者、液化石油ガス設備士または通商産業大臣がこれらの者と同等以上の知識及び技能を有していると認めた者であることとしております。 第四は、ガス消費機器設置工事監督者の義務についてであります。 ガス消費機器設置工事監督者については、一定期間ごとに通商産業大臣またはその指定する者が行う講習を受けること及び特定工事を実地に監督し、またはみずから特定工事を行うときは、その資格を証する書面を携帯することを義務づけております。 このほか、報告の徴収、権限の委任等、所要の規定を設けるとともに、ガス事業法に消費機器の設置または変更の工事に関する技術基準適合義務に係る規定を加えることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○橋口委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○橋口委員長 引き続き、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。岡本富夫君。
○岡本委員 ただいま議題となっております海外経済協力基金法の一部の改正、これはなぜ必要なのか、またいつごろから必要性が起きて、経済企画庁で検討なさって提出しようとしたのか、まず経済企画庁からお聞きしたい。
○小坂国務大臣 御承知のように、対外経済協力は、現在の日本にとりましては内政にも劣らぬほど重要な政策であるという認識を持つわけでございます。同時にまた、日本が対外経済協力を行っていくということを相当大幅に推進することが、世界の経済全般に対していい影響を与える、したがって、これは世界平和の一環として、日本がいままで以上に力を入れて行うべきものであるという、一種の世界的な使命というものをわれわれは強く認識したというところにございまして、したがいまして、この要請にこたえまして海外経済協力基金そのものも大幅に活動を拡大してまいりたい、そのことがやはり国としての姿勢を対外的に示すものでありまして、そのような考え方に立ちますと、やはりいままでのような基金法の範囲内ではなかなか活動が思うに任せない、特に資金の量も逐年増大をしておりますし、また一方、三年倍増というような方針もすでに決定されております、等々のことのために、この際基金法を改正しまして、活動範囲をさらに拡大をするという、その基盤をお認め願いたいというわけであります。
○岡本委員 閣議決定の前の、当初に経済企画庁からいろいろと案を出された、その案に従って私たちは検討をいたしました。そのときは副総裁制というものが入ってなかった。どうも各党賛成らしいということになって、あわてて入れてきたというように勘ぐるわけですが、どうもこの点、私はやはり法律というものは、前の四十五年の公害国会のようにあわててぱっぱっとつくって、あとは政令委任というものでなくして、やはりきちっとあらゆる角度から検討をして、そして十分なものを検討した結果、閣法として出していくのが普通じゃないか。したがって、当初に私たちがいただいたときには副総裁制が入っていなかったのに急遽入ったというのは、私はその点がまことに疑問でならない。この点について午前中に御答弁があったようでありますけれども、私はこういう安易な考え方、まして現在の石原総裁は非常に優秀な方で、お元気で、私は前にヨーロッパに一緒に行ったのですが、なかなか業務を全うされる方だ、こう私は思っておる。それに対してまた副総裁を置くというような、これが急に出てきたということに対して非常に疑問を感ずるわけですが、大臣、どう思いますか。
○小坂国務大臣 この点につきましては特に御理解を賜りたいと思っておるわけでございまして、われわれの当初の素案の段階で、副総裁制を置くということについて、あるいはお手元に差し出したものの中にはなかったかもしれません。しかし、私らが、大平内閣が成立以来この法案の内容及び今後の方針等を協議する中で、最も重要なことは、法案にございますように、一対一の比率から一対三の比率で基金の活動範囲を拡大するということと、もう一つは、この基金法の成立当時の基金の実際の活動は五億ドル程度のものからスタートしていったわけでございますが、それが今日では非常に拡大をしているということは御承知のとおりでございまして、私はやはり基金法というものは、一種の国の顔、代表するものだと思います。したがいまして、先方の国もこの調印その他にはしかるべき地位の者が出席をして、またわが方としてもなるべく総裁が出てこれと対応し、あるいは調印をするということが、外交上の一種の儀礼であるというふうに私どもは考えるわけでございまして、そうした考えから申しますと、石原総裁が昨年一年間で約四十九回の渡航をしておるわけであります。海外に出ておるわけでございます。一カ月に二度あるいは二度以上、もっと出ている場合もあるわけでございまして、こうした事態の中で、これからますます海外基金の活動を拡大していくこともさることながら、今後はそのアイテムが巨大なプロジェクトだけではないのでございまして、できるだけ民衆に近い、生活に近い、そうした問題に対してもわれわれは協力を惜しまないということで考えておるわけでございますので、恐らく今日のプログラムに基づきますと、石原総裁はほとんど回り切れないという事態が明らかだと思うのであります。 〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕 やはり外交慣例上のこともございまして、総裁にかわる代表権のある副総裁があって、そして総裁を助けて海外との折衝、そうしたことに当たってもらう方が、今後の基金活動には非常によろしいことだという判断をいたしたわけであります。 しかし、大平内閣は御承知のように小さな政府と申しましょうか、行政簡素化を看板にしておるわけであります。われわれの要望はもちろん基金の運営をさらに良好な状態にしたいという考えでありますが、この大平内閣の基本的な政治姿勢とこれが十分かみ合わなくては困るし、またそれを超えて、基金法だけが副総裁を一名増員するということであってはいけないわけでございますので、非常に率直にこの判断について行管庁の判断を求めたわけであります。行管庁におきましてもいろいろと審査をしてくれまして、また本日ここに出席していただいておるかどうかわかりませんが、行管庁の方ではそれなりの理由を明確に示してくれて、唯一の増員ということでしょうか、それを認めてくれたわけであります。したがいまして、政府内部において初めて行管庁の了解を得たわけでございますので、それを本法案の本文に盛ったというわけでございますので、お手元に差し上げたものとその後のものとの相違は、その政府内部の決定後にそうしたことになったものでございますから、委員のおっしゃるような違いがあらわれたのだろうと私は思っておりますが、いずれにいたしましても副総裁一名は、決して遊びの人間を置くつもりはございません。そしてこの経済協力というものをさらに前向きに拡大していく、そうした意欲のあらわれでございまして、ぜひこの点を御認識賜って、お許しをいただきたいというふうに思います。
○岡本委員 各公社公団、こういうものを見ましても、副総裁が要らないような状態でありながらできておる。これは退職金が高いからかもしれませんが、理事でも十分私はこういった総裁の命を受けてやれるのじゃないかと非常に疑問を感ずるわけです。 そこで、私も当委員会でこの経済協力基金法の質疑といいますか、審議をやったことがありますが、昭和五十一年度が六六%、五十二年度が七四%であった。すなわち三割ぐらいはなかなか消化ができてなかった。したがって、援助予算の増額を要求するたびに、大蔵省から消化不良を治すことが先決だということを、たびたび経済企画庁としては言われたと思うのですが、五十三年度になりまして九〇%近く、八八%ですか、消化されるようになったという原因はどこにあるのか、ひとつお聞きをいたしたい。事務当局でもよろしい。
○宮崎(勇)政府委員 御指摘のように昭和五十年、五十一年の執行率、特に基金の場合で見ますと、六五%あるいは六六%程度ということでございますが、これにはいろいろの事情がございまして、円高というようなこともございますけれども、相手国側で十分にそのプロジェクトをこなせないような状況が生じたり、主として相手国側のふなれというようなことから生じている面が多いというふうに考えております。ただし、いろいろ執行を促進しなければいけない事情が当然あるわけでございまして、その後鋭意努力し、五十二年には七四%、五十三年度には八八%というふうに上がってきているわけでございまして、今後とも執行率を高めていくという努力を続けていきたいというふうに考えております。
○岡本委員 大臣、私はこの原因というものをよく解明をして、ただ相手国があれだからということではなくして、解明をして、そして国連でも日本の経済協力は少ないのだ、非常に不信を買っている現在におきまして、どういうところに原因があるのだということをよく突っ込んで、その原因を除去してやらないと、たとえば五十三年度の九〇%近いのは、契約をしてから大体四、五年たって初めてそういった要求が出てくる。そういったいろいろな原因を解明してやらないと、結局また基金をふやしましても結果は出ない、次のときには大蔵省からしぼられる、こういうことになると思うのですよ。そういうことをひとつ強く要求をいたしておきます。 それからもう一つ、いままで経済協力が進まなかった一つの原因といたしまして、私はかつてインドに行ったことがあるのです。そうしますと、あちこち回りますと、民間の方で出まして、そして医療の問題だとかいろいろな問題で一生懸命に協力している。ところが政府の方からは何の援助もない。あるいは文化的といいますか、こういう問題でいろいろなところで協力している。こういうものが発展途上国あるいは世界全部ですが、政府でははっきりと握られていない。もう少し援助してもらえば私たちはもっと効果が上がるのだという悩みを各所で聞きました。現在の日本の国の経済協力のあり方、国際協力のあり方については、ただ基金をふやして、そして向こうの言うてくるに対してまたやっておるというぐらいのところで、そういった幅の広い経済協力を吸い上げて、そうして適切なことをやらなければ、私はお金を出しただけでは、これは本当に日本に対するところの国際間の信用というものが出てこないのじゃないかということをつくづく感じたわけです。しかも御承知のように日本においては行政が縦割りになっていますね。通産、農林、こうなっておりますから、その分だけは前に進んでおるようでありますけれども、横の連絡は全然ない。こういうことを考えましたときに、たとえば、私は、提唱いたしたいのは、国際協力の横の連携をとれるような統合本部というのですか、それは結局経企庁になってもよろしいと思いますが、そういうような一つのきちっとした強力なものにしないと、お金を出すだけでは、この基金を三倍にしたからといって、私は日本の国際経済に対するところの協力の実は上がらないということをつくづく感じて帰ってきたわけです。今後そういうことで、国際協力統合総合本部といいますか、そういういろいろなものを吸い上げてやっていこうというような、いますぐとは言いませんけれども、考え方を持っていただきたい、こう思うのですが、経企庁の長官の決意を承りたいと思います。
○小坂国務大臣 岡本委員がただいま御指摘になりましたことは本当に私は重大な点だと考えます。したがいまして、そのようなただ金額だけ、予算だけを見せてみても、これは何の意味もないということはよくわかりますから、われわれは今年度からは、そうしたやったこと、またやろうとしていることについては、できるだけその現地の実態を自分らの目で確かめ、耳で聞くということ、並びにそうした方面を旅行された民間の方々などの御意見、あるいはさらに、現地でいろいろとその地域のために働いていただいている日本人の方々の御意見、こうしたものを適宜吸い上げ、またそれをわれわれとして可能な限り援助をするというようなことと相まって、いただきました予算を有効にひとつ使うということで、今後は処理してまいりたいと思います。 それから第二点の、いわゆる海外経済協力というものが、これは日本の縦割り行政の中におりますと、やはり現状のような形が能率的であるというふうに、結果においてなるのはやむを得ないと思うのでございますが、こうしたことを一つの日本の大きな経済外交の一環として展開するために、われわれは一応閣内に関係閣僚会議というものを、官房長官主宰でときどきやるわけでございますが、こうしたやり方でいままでいろいろと問題になった点の解消に努めたり、さらにまた、いま委員のお示しのような問題の処理が、果たしていまのこのシステムでできないのかどうかというところまで十分詰めて、対策を考えたいと思っております。非常に示唆に富んだ有力な御意見と私は考えまして、十分今後もそうした御趣旨に沿って努力をしてまいりたいと思うわけであります。
○岡本委員 そこで、いまの縦割り行政で文化あるいはまた医療の問題、民生の問題、いろいろな問題を吸い上げてそれを調整し、全部生かしていく。そこに協力基金の協力あるいはまた政府の協力を進めるためには、何と言っても大切なのは、この法律がなければそういうものがなかなかできないのですよ。ですから、経済協力基本法というようなものを制定をして、これは仮称ですけれども、そして発展途上国のいろいろな情勢をそこに吸い上げてきて協力していく、きめの細かい対策のできるようなそういう考え方はどうだろうか。そうでなければこの基金を三倍にしましても、結局日本の国情というものを余り諸外国の人は知らないのです。日本も余りわからない。ですから、日本というのは悪いやつだ、こうだれかが言ったらみんなそうなっているのです。だから、経済協力基本法というような、仮称ですが、そういうものをひとつ考えたらどうかと思うのですが、いかがですか。
○小坂国務大臣 やはり基本法というようなものがあっていい場合、またつくっても余り効果が出ない場合、いろいろ私はあると思うのでございますが、いま私自身としましては、基本法までいっても現状のような各省の関係では、あるいは事務打ち合わせをしておるのでありましょうが、落ちも多い。しかもいろいろな民間のノーハウとか意見とかも十分に聞く機会も少ない。このような体制の中でいきなり基本法をぶつけても全く効果がないのじゃないかと思うので、当面はいま申し上げたような民間の意見やあるいは有識者の意見、また各省問の考え方というものをもっと常時コミュニケートするような、情報交換を密接にしていくという習慣、そしてまたそれをさらに一つの政策の行動の中に入れていくという、そういう習慣をつけることがいいのではないかと私は思っておるわけでございます。
○岡本委員 たとえば私たち審議した公害対策基本法というのがあるのですよね。そういうものなんかも各省庁間の推進会議といいますか、あるいはまた連絡会議をその法律に基づいてつくりまして、そしていろいろと審議をしている。西ドイツでは一九七五年の特別会議で、発展途上国との経済協力政策に関するテーゼというのですか、こういうものを五つの項目に分けて発表して、それが理念になっていろいろ行われておる。だから西ドイツの経済協力というのは非常にうまくいっておる。またカナダもやっぱり同じように一九七五年に国際開発協力戦略を発表して、それに沿って援助計画を行っておる。こういうことを考えますと、わが国のように機構が複雑で、複数分権型で各省ばらばらということでは、私はうまくいかないと思う。経済企画庁でいろいろ情報収集したり、あるいはいろいろなことを言っておりますけれども、これは強力な権限と、それに対処するあり方といいますか、こういうものがなければ、私はいかに基金を出しても、お金を出すだけで何にもならない、こういうように感ずるのですが、もう一歩進んだ経企庁長官の考え方はいかがですか。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 いわゆる海外の経済協力ということは、いままでの日本の政治理念の中では要するにややよけいなことの部類に入っておったと思うのです。つい最近までは私は率直に言ってそういうことじゃないか、そんな金があるならば国内のことを一生懸命やれというのが常識であろうと思うのでありますが、最近ようやく国民の間でも、また行政府の問でも、こうした経済協力ということが日本にとってむしろ非常に重要であるということと、また日本がこれだけの大きな経済力になったということによって、世界の経済がやはり順調に発展するということが結果においては日本のために非常に大事なことだということ、そういう認識がようよう固まって、いわゆる三年倍増というようなことが打ち出されて、それがわりあいに無理なく行政府の問でも国民の問でもある程度受け入れられるようになったのはつい最近のことでございますから、私はやはりこうしたことが実績として積み上げられてこそ、初めてより高度の行政機構としての統合ということも考えていいのではないかと思いますが、ようやくまだそうした考え方の第一歩をしるした時点でございますので、やはり政策の効率化ということを考えたときに、現状でもなお改善すべき点が多数あるし、また御指摘のような点を踏まえて今後運営すれば、私たちはなお相当の効果を上げ得る措置がとれるというふうに考えておりますので、御提案はよく考えさせていただきますが、現時点では、そうした基本法というものをいまぜひともつくらなければならないんだというところまで私の考えは熟しておりませんので、御了承いただきたいと思います。
○岡本委員 これは経済企画庁長官の、いままでのこの海外経済協力基金の審議の過程をあなた一遍読んでください。佐藤総理の時分、田中さんが通産大臣だったかな、宮澤さんが経済企画庁長官の時分だった。そのころも、この海外協力をきちんとやらなければいまに大変なことになるんだということを、当委員会では何遍も審議され、しかもそういうことに基づいてこういう基金もできたのでありまして、最近になってこういうことが騒がれてきたんじゃなくして——騒がれるのではないのですけれども、理解ができたんじゃなくして、もう早くから理解ができて、そして少なくとも国連の指針でありますところの、国際目標でありますところの〇・七%、ここまでを達成するためにどうするかということで、何遍も私たちは当委員会でも論議をしたことがある、決して最近になって、これは言葉を返して悪いですけれども、あなたの揚げ足を取っては悪いのですけれども、こういった問題が、大蔵省はどうか知りませんけれども、これは日本は御承知のように少資源国で、世界の協力なくしては、世界と友好がなければ、南北問題も一緒に解決しなければ日本が世界の一員として生きていけないんだということは、もう早くから、これを私論議したのはもうここ十年余りだったです。最近になってそのことが定着してきたんだなんというのは、ちょっと私は受け取りにくいのです。この問題は、長官はそうおっしゃるんだから、あなたの考えはそうか知りませんが、ここでひとつ変えていただきまして、もう一遍ちょっとよく検討していただきたい。そしていままで進まなかった、国連のこの国際目標にもなかなかいかなかった。ことしになって〇・二、三%でしょう。〇・七が大体あれですからね。こんなに遅々として進まなかったのに、いまになってからこうなったんだぐらいじゃ、これはちょっとお話にならないと思うのです。だからその点、私が提案をしたことについてはひとつよく検討をしていただいて、そして国際協力ができて、世界の中で日本が伍していけるような状態に持っていっていただきたい。特にこれはお願いしたいのですが、もう一遍ひとつ……。
○小坂国務大臣 委員のおっしゃることは非常によくわかっているのです。ですから、別にそれがいけないことだと申し上げておるわけじゃない。それでまたぜひそうした成果の上がるような方法を、われわれも決して現状で満足するわけではございませんから、今後はさらによく検討してまいりたいと思います。
○岡本委員 次に、これは相当前向きに検討しなければならぬと思うのですが、一九七七年の六月に、CIECですか、国際経済協力会議がありましたときに、発展途上国と先進国との問で、合意ができた点と合意ができなかった点があります。この中で、余り英語で言うよりも日本語で言った方がいいが、後発発展途上国と、それから非産油国の発展途上国、こういうところから要求が出た中に、先進国に対して、公的債務、要するに政府からやっておる債務ですね、これはひとつ棒引きしてもらいたい、商業債務については、二十五年間支払いを繰り延べしてもらいたいというような、こういう問題が合意しなかったということでありますけれども、わが国の基本姿勢はどうなのか、これについてひとつ御答弁いただきたい。
○大鷹説明員 岡本先生ただいまおっしゃいましたとおり、国際経済協力会議で、累積債務について何とか救済してほしいという声が、発展途上国の方から出てまいりました。これを受けまして、昨年の三月に国連のUNCTADで決議ができ上がっております。その決議の趣旨に沿いまして、わが国としてもすでに累積債務の救済についてはこれを実行に移しております。五十三年度は補正予算をちょうだいいたしまして、大体こういう形の措置をとっております。 まず、お話のあったLLDC、特に後発の、おくれた開発途上国に対しましては、元本、金利全部を、棒引きするのじゃなくて、それに相当するものを無償援助で別途供与する、それからいわゆる石油危機で最も影響を受けましたそういう国、これに対しましては、金利をできるだけ下げて、その差額を無償供与でやる、こういう措置でございます。これは今年度の予算の中にも引き続き同じスキームで予算を計上してございます。
○岡本委員 通産大臣が何か忙しいらしいですね。先に通産大臣の方の質問をいたしますが、イランに対して二百八十億円の協力基金が出ておりますが、これはいつごろから返済されるようになるのか。それからもう一つは、非常に体制が変わっても、これは返済可能なのか、この点についてひとつお聞きしておきたい。
○江崎国務大臣 御質問の円借款は一九七六年、二百八十八億円を供与しております。返済方法は、五年間の据え置き、その後十五年払いで返済を受けることになっております。これは、正式に日本政府がイラン政府に貸し付けをしたものというわけでありまして、イラン政府がいわゆる石油化学プロジェクトの——そうじゃないのですね。イラン政府が投資会社、NPCと言っておりますが、国営石油化学会社、これを通じて現地の三井関係グループとの合弁会社に転貸をしておる、こういう形式をとっております。したがいまして、政権がかわりましても、これは継続の原則がありまするし、イラン政府対日本政府というわけですから、イラン政府は返済義務を負っておるわけであります。したがって、今後問題が生ずることはないというふうに考えております。
○岡本委員 通産大臣にもう少し聞きたいと思ったのですが、時間が残り五分だというのでこれはだめだから、最後に、これはもっと時間がないと困るのだけれども、今国会におきまして大平総理の施政方針演説の中で、「私は、留学生や研修生の受け入れ、学者、技術者等の派遣を通じて、相手国のマンパワーの開発に対する協力を重視して」まいりたいと考えておる、こういう施政方針があるわけですが、この中で、時間がありませんからあれですが、まず最初に留学生ですね。 日本に留学した留学生が、帰りには大概反日になって帰るのです。その人たちが向こうへ帰ると政府の高官になるわけです。したがって、前に田中総理がタイあたりに行ったときにすごい反日の衝撃を受けた。実は私、長男をアメリカに留学させましたが、非常に大切にしてもらった。一年行かせたら、もう一年置いてくれ。しまいになったらもう帰ってきやせぬ。だからあわてて帰したのですけれども、そういうように向こうは親米派にして帰す。日本は反日家にして帰す。ここらは非常に日本政府として考えなければならぬと思う。これについて細かく私は文部省に質問しようと思ったけれども、時間がありませんから、この点をひとつ政府として、これはまあ通産大臣や経企庁長官は所管外だと、こう言ってしまえばそれまでですけれども、いかに経済協力でお金を出しあるいは発展途上国に対してお金を棒引きしても、日本に対して反日思想を持って帰った人がそこで行政をやるならば、これはもうどろぼうに追い銭というわけにはいかぬけれども、何にもならない。こういうことを考えますと、私は、そういったきめの細かい対策をやはりしなければならぬ。文部省だけに任しておくわけにいかない。 それで、先ほど申しましたように、経済協力基本法というようなものをつくったりあるいは統合本部みたいなものをつくって、それで文部省にもバックアップしていくとか、あるいはそういったものをちゃんとして、あらゆる面から経済協力が有効になる、それでなかったらどぶへ捨てたお金になってしまう、こういうことを考えておるわけですが、時間の都合で、もっとこの点についてお聞きしたいのですけれども、両大臣の確たる決意を聞きまして、また次の予算委員会あたりでも提案をしてみたい、こう思うのですが、お二人の大臣から……。
○江崎国務大臣 岡本さんのおっしゃることは、私は全く同感です。日本は独立を回復して今日に至るまで、特にアメリカなどでは、いま政府の幹部の中にもフルブライト奨学資金であるとか、政府交換学生であるとか、アメリカ側の協力に基づいて勉強をした諸君が相当な数に上るであろうというふうに思います。アメリカに行った人は、いま岡本さんが言われるようにみんないい感情で戻ってきておるのですね。日本の場合、必ずしも全部が全部そうとは私も思いませんが、国際学友会のあのトラブルなどをめぐりましても、あの東南アジア圏を中心とした寄宿舎ですな、ああいったものを考えましてもはなはだよくない。これは本当に残念だと思いますね。日本の国そのものが何となく西欧志向型にできているのですな。そして、ASEAN諸国が大切であることはわかり切っておるのに、こういった国々の留学生に対していささか冷たいのではないか。これは私、重要な御提議だと思いますよ。したがって、私どもも国務大臣として十分閣内にいまおっしゃったような雰囲気は反映させまして、言うならば、たとえば日本の家庭でゆとりのある家庭が、ASEAN諸国からの留学生を預かるぐらいの友好親善の真心があるのかどうなのか、ここらから私はお互いに国民レベルでも考え直す問題だと思っております。アメリカの場合はほとんどが、下宿もしましたが、向こうの家庭などに世話になった人もおりますが、非常な感銘を受けて戻ってきておりますね。ですから、そういうようなことが本当に実現するように、今後とも御趣旨を体して私どもも大いに努力したいと思います。これはぜひ御協力を願いたい問題だと思っております。
○小坂国務大臣 私も、岡本委員のただいまの御提言は非常に大事なことだし、私自身も常々そのように思っておるわけであります。問題は、やはり日本人が外国人に接するときの、そうした体験が少ないということにも起因していると思うのでありますが、今後は、いろいろな意味で留学生問題をきわめて重要な、経済外交とかなんとかいうことでなしに、日本の基本的な姿勢の中で留学生を大事にするという方向を努力してみたいと思っております。
○岡本委員 これで終わりますが、いま通産大臣おっしゃったようなそれは、各所で、各家庭で年に何回とか受け入れたりしているところもあるんですよ。そういうのが全然政府の方にわかってないんです。もうわかってくれぬのかと言っている人もいる。あるいは向こうで学者であった人が帰ってきて、向こうの人を何人か呼んで、そしていろいろ手当てしている、いろいろと援助している者もおる。そういうことを考えますと、私は、先ほど申しましたような、もっともっと強力な国際協力統合本部のようなものをつくって、全部手当てをしていくということによってもっと進むんじゃないか。いまのようにただ期待しておるとかではお話にならない。これを再度要求いたしまして終わります。
○山下(徳)委員長代理 工藤晃君。
○工藤(晃)委員(共) 日本共産党・革新共同を代表して、海外経済協力基金法の一部改正法案について質疑を行います。 今度、資金の枠を大いに拡大するということでありますが、私は問題は、これまでの政府の経済協力政策の方向がどうであったのか、そこでまた基金がどういう特殊な役割りを果たしてきたのかという、ここをこそ今度検討されなければいけない点だ、こう思うわけであります。 そこで、私は具体的に、まず、基金の業務にとって大きな比重を占める直接借款ですね、その業務がどういうふうに進行するのか、どのように行われるのか伺いたいと思います。ただ、答弁される方にお願いしたいのですが、この問題につきましては、七七年四月十二日衆議院の決算委員会におきまして、ソウル地下鉄の問題も取り上げられながらかなり詳しく述べられております。私もこの会議録はよく読んでおりますので、したがってこれを読んでいるということを前提にして、簡単に答弁していただきたいわけであります。 さて、基金の仕事が始まる前の段階として、これは最初に一の段階と呼んでおきますが、政府が相手国政府にあるプロジェクトについて援助すること、借款を与えることを約束する。約束してから今度は交換公文が締結される。そこまでの段階を仮に一としますと、ここの段階で、交換公文の中で直接借款の総額が示されるということになると思うのです。 ところで、この段階で政府が相手国政府の要請に基づいて直接借款を与えることまで約束するのですが、相手国政府が要請し、こちらがそれをよろしい、援助するのに適当であると認める過程というのは、私の理解している範囲内では、相手国政府の方が開発事業に対して第三者のコンサルタントに頼んで、いわゆるフィージビリティースタディーというのを行っておいて、そしてそういうものが示される。ところが日本政府の方は、相手国政府の方が一応専門的に名の通った機関でそういうフィージビリティースタディーを行っているから、それはそれで一応信頼が置けるものとして、新たに独自の、はっきり言えば厳格にしようと、かなり疑ってかかるようなことをもちまして独自のフィージビリティースタディーを行って、そういう上で向こうから出たものをよろしい、あるいは否と言う、こういう判断を行っているのか。それとも、要請主義という言葉も聞いたわけですが、要請主義をとって、相手国の方がフィージビリティースタディーも済ましているから、相手国の提示、もちろんいろいろ吟味はするものの、基本的にはこれを尊重していくという、そういう立場なのか、ここのところをまずお願いします。
○宮崎(勇)政府委員 政府借款の順序は、大体先生お述べになったような大筋でございますが、直接借款供与にかかわります政府交換公文の締結に際しましては、対象案件の事業計画あるいは資金計画等を、相手国の提出する資料に基づいて検討いたします。これには、お述べになりましたように先方の政府がコンサルタントを使い、あるいはわが方の現地の機関と相談するということがありますが、あるいは必要に応じて日本が調査団を派遣するというようなことによって、総合的な見地からその妥当性を確認しているわけであります。このような過程におきまして、政府が必要に応じて随時、たとえば海外経済協力基金等の、専門的な見地からの意見を聞いているわけでございます。 それで、先ほどお述べになりましたフィージビリティースタディーでございますが、それは基金が政府交換公文の締結を受けて、借款の実施機関という立場からさらに詳細な検討を行って、案件のフィージビリティーを確認する、その上で借款契約、こういうことになっているわけでございます。
○工藤(晃)委員(共) じゃ次で、いま宮崎さん、その次のお話になりましたが、今度は交換公文の後は、相手国政府と基金が借款契約を結ぶというそこへ進むわけですね。それで、そのときは、交換公文では総額こうだったけれども、その中に具体的に幾つかこういう開発事業が含まれる、たとえばそういうことで、さらに具体的に中身を分けまして指定して、そうしてそれに対して幾ら援助するとか借款を与える、こういうことになってくる。その段階で基金としては、先ほどもうすでに答弁あったと思うんですが、相手国政府から実施計画を改めてとって、そうしてそれについてどの程度これが確かなものであるかとか、そういう検討をするというわけなんですが、その場合、基本的に基金としては向こうから出されたものに対して、基金として独自に、相当厳格にフィージビリティースタディーをやるという立場を貫こうとしているのかどうか、これが一点。 それから二つ目に、じゃそのとき基金として妥当かどうかという物差しは一体何であるのかということ、まずこの点について伺いたいんです。 それから同時に、しかしもう政府が交換公文で約束してしまっていますからね。それを基金としてこれまで待ったをかけたり大幅な再検討を求める、こういうことをやった例が過去にあったのかなかったのか、以上三点について伺いたいと思います。
○石原参考人 お答えを申し上げます。 最初の点のフィージビリティースタディーというものと、それ以後におきまして基金が貸し付けをいたしますまでの間のプロセスの話でございますが、フィージビリティースタディーと申しまするのは、先ほど経済企画庁の方から御答弁がありましたように、交換公文を締結するに先立ちまして、経済協力事業団を中心といたしますチームが参りまして、現地において計画の実情を見まして、これは妥当であるという判断、あるいはこういう点が妥当でないという判断、そういう判断をいたしましてフィージビリティーレポートというものを出すわけであります。それに基づきまして交換公文が作成せられるというのが、先ほど企画庁の方から御答弁がありました段階であります。基金が仕事をする段階がその後に参るわけであります。 例外的にと申しまするか、現在のところでは、いろいろ何度もチームが来て同じようなことをやるということになっては困るものでありますから、フィージビリティースタディーのチームあるいは政府の調査班、そういうものに基金の人間が参加をいたしまして、その段階におけるプロセスに参加をするということをやっておるケースがだんだんふえてきておりまするが、原則的に申しますると、交換公文以後に基金が自分自身の審査を行うわけであります。経済協力基金が借款をいたすわけでありまするから、その意味におきまして金融機関という立場があります。その立場からの審査をいたすということに相なるわけであります。その場合には、内容が適切であり、事業が達成せられる見込みがあるということが、法律にも業務方法書にもうたわれているわけでありまして、私どもがやりまするのは、その内容が適切であるか、事業達成の見込みがあるかという点であります。先方から事業計画書というものを提出してまいりまするから、その書面におきましてある程度の審査をいたします。と同時に、現地に出張いたしまして、現地の状況はどうであるか、現地政府あるいは実施担当者でありまする政府機関、そういうふうなものがどういうふうに考えておるかという点につきましての説明を聴取をいたすわけであります。 具体的なポイントについて申し上げますると、その計画がどういうような収支の見通しになるか、どういうような資金の見通しになるか、そういうような側面がございます。それからまた、実施をいたしまする主体が、先ほど申し上げました事業達成の見込みがあるかということとも関連をいたすわけでありまするが、技術的にあるいは事務的に、その仕事を遂行するいままでの経験でありまするとか、スタッフでありまするとか、そういうようなものを判断をいたしまして、コンサルタントをつける場合ももちろんございます。それも含めまして、果たしてこの事業主体が実施をするということで仕事が十分いくであろうかという点の審査をいたします。あるいは資金の調達方法あるいは機材、設備の調達でありますとか、そういうような点も含めました判断をいたしまして、これで適当である、内容が適切であり、事業を達成する見込みがあるという判断を得まして、相手側と貸し付け契約を締結するという段階が参るわけであります。 おっしゃいますように、貸付金の総額でありまするとか、あるいは貸し付けの対象事業でありまするとか、あるいは金利でありまするとか、償還期間、据え置き期間というようなものは交換公文で決まっておるわけでありまするから、それに基づきまして決めるわけでありまするが、審査の結果、こういう点で修正を要するのではないかというような点がありまして、必ずしも交換公文の金額と私どもが貸し付け契約をいたします金額というのは、ぴったりそのままにまいるというわけのものでもございません。しかし、大体におきまして、大枠の決まっている範囲内におきまして、さらにいわばそれを金融機関——金融機関の立場だけだと言うと多少語弊があるかと思いまするが、先ほど申しましたような趣旨の審査をいたしまして、貸し付けをいたすというのが手順にはなっておるわけであります。
○工藤(晃)委員(共) いまの石原さんのお話で、結局交換公文で大枠が決まっているから、あと修正することがあっても、そう大きな修正が行われたことはないというふうに理解しましたが、私、今度の質問に当たりまして、企画庁調整局の経済協力第一課長からもいろいろお話を伺いました。そこで、もう少しはっきりさせたい点というのは、結局政府としては相手の要請を尊重する要請主義をとっている、これが一点ですね。これははっきりそういうことが言える。したがって、専門的な立ち入ったフィージビリティースタディーというのは、相手国政府が第三者のコンサルタントを依頼してやって、もちろん政府としても若干の調査とか聞きただしはやるけれども、主要には、そこでやったものがやられているから、重ねてそれと同じ規模とか、同じような構えでのというのはないというふうにはっきり聞きましたが、大体そう理解してよろしいわけですか。
○石原参考人 フィージビリティースタディーの段階でもそうでございまするし、私どもが行います審査の段階でもそうでありますが、技術的側面というものは相当大きなウエートを持っておるわけであります。経済協力事業団を中心といたしまする、日本側におきまして行いますフィージビリティースタディー、その場合におきましても、これはおのおの専門家を網羅したチームをつくってまいるわけであります。私どもの方にも技術関係のスタッフはおるわけであります。たとえば、発電所のサイトがここでいいのかどうか、そのために、交換公文ができました後にいきなり貸し付け契約を締結いたしませんで、エンジニアリングローンというものを出しまして、技術的ということに限りませんけれども、全体の設計上これでうまくいくかどうかというようなことをさらに検討いたします貸付金をいたしまして、それがある期間で結論を得まして、その結果に基づいて貸し付け契約を行うという場合も相当ございます。 でございまするから、最初に向こう側もある程度のフィージビリティースタディーというようなことになりまするかどうか、調査をし、あるいは準備をしてまいる場合もございまするけれども、それはまたそれといたしまして、日本側で行いますフィージビリティースタディーの場合におきましても、ある程度の検討をいたしまして、交換公文の締結に至るわけでありまするが、それでもなお不十分であるということで、また若干の期間をかけまして、われわれの方からのローンを貸し付けをいたしまして、もう一遍詳細な検討をしてみるということをやっているケースもございます。たとえば発電所のサイトあるいは工場のサイトなんという問題でございますると、後で調べたところで、ここは不適当である、したがってここに切りかえるべきだということで、・またそこに切りかえた場合にはどうなるかということで、計画を見直すというようなこともやっておるわけでありまするから、向こう側のイニシアチブで話が行われるということはあるわけでありますが、それでは向こうの言うことは大体いいらしいというような前提で必ずしもやっているわけではございません。
○工藤(晃)委員(共) いまの点につきましては、私のところで伺いました経済企画庁のお話と若干ずれているわけですが、この問題、もっと詳しく立ち入ってという時間がないので、これはもうちょっとおきまして、いまの、基金が相手国政府との問で借款契約を結ぶまでを第二段階とすると、その次に出てくる問題は、相手国政府がいろいろ具体的な調達を行うというときに、いろいろ輸入するとか、あるいは事業者を決めるとか、そういうとき大抵入札の形式をとるであろう。その場合、供給者が日本の供給者になるかならないか、まあいろいろありますが、ともかく今度は個々の供給契約あるいは輸出入契約みたいなもの、これは基金に対して承認を求めるということになっているというふうに理解しておりますが、結局そのとき出てくる問題で、従来問題になっている入札価格が適当かどうかという問題について、これは私が先ほど述べましたところの一九七七年四月十二日の決算委員会ですね。そこで経済企画庁側と基金側の答弁がありました。ですから、ここではそれをもう一度確認するだけなんですが、結局結論から言うと、原価計算など詳しく積み上げて、問題とするということはございませんということが一点です。それから、よほどかけ離れて、ちょっと常識で考えられないようなものが出てきたときには問題にするという程度だということになっています。 そこで、どうもこの値段がおかしい、そういうときは勧告したりすることがあるのですか、勧告して聞かなかった場合には、基金のこれからの貸し付けば、ちょっと聞くまでとめますという、そういうことをやったことがあるのか、このことだけにつきまして、実は私の質問時間も限られておりますので、いままでいろいろなところで答弁されたことは議事録で見ておりますから、そこに限ってちょっとお答え願いたいと思うのです。
○石原参考人 調達契約の段階に参りまして、入札をいたしまして契約をいたします。そこで契約の承認という段階が参るわけであります。 ただいまお尋ねの点は、価格の点をおっしゃっておるわけでありますが、私どもが審査をいたしておりまする基準は、先ほど申し上げましたように内容が適切であり、事業達成の見込みがあるということでありまして、経済効果、経理問題あるいは先ほどちょっと申しおくれましたけれども、費用効果と申しまするか、費用便益と申しまするか、そういう点も当然一つのポイントになるわけであります。そういうような経済性も当然見ますし、先ほど実施主体の問題もあるということを申し上げたわけであります。したがいまして、その価格で調達をいたしました場合、これが果たして経済性がどうなるのかということは、先ほど申し上げましたような審査の問題でもありまするし、具体的な契約をいたしました場合の問題でもございます。そういう意味で、価格というのはやはりその仕事が円滑に、また効果的に行われるということの一つのポイントでありまするから、それは当然一つの項目ではあろう。しかしそれは全体の経済性がどうだろうか、その非常に高い価格のために全体の収益性が損なわれるということでも困るわけでありまするから、そういう点はそれとして検討の対象ではございます。ただ、いま工藤委員御指摘の機会にも申されたのでありますが、原価計算的なことをやっているわけではありませんという点はそのとおりでございます。 それで、非常に食い違いができました場合どうするかという点がいまのお尋ねでございますけれども、こちら側はアドバイスをする立場にもございますので、この価格ではいかがであろうかということを申しましたケースは、きわめて少のうございますけれども、ございます。
○工藤(晃)委員(共) では、いまの最後の、アドバイスして聞かなかった場合、貸し付けをやめるとかそういうことをやったのかどうか、それをちょっと後の機会に答えていただきたい。 それで、問題は、その後の段階に入っていくと、結局相手国政府からどこの口座に払い込んでくれという要請が来て、払い込んでいく。恐らくこれは何らかの工事進捗や何かエビデンスをとりながらやるのだろうと思いますが、問題は完成した後ですね。完成した後そのダムがどうなっているのか、鉄道がどうなっているのか、そういうことで果たして最初の開発計画が達成されたのかどうかという、その詳細な後追い調査というのは、個々のケースについてやっているのかやっていないのか、その点について伺います。
○石原参考人 具体的に事業に着手をいたしまして、仕事ができ上がりますまでの間報告も受けますし、現地に人間が参る場合もございますし、駐在事務所を利用する場合もございます。あるいはコンサルタントから事情を聴取する場合もございますけれども、フォローをいたしておるわけであります。工事が完成をいたしますと、本来その事業を経営していく責任と申しますか、当然相手側にあるわけでありますから、非常に多くのケースにおきまして、事後において運営の状況を見るということは、特別のいわゆる監査的な意味においてはやっておりません。ただ、私どもの出張者はちょいちょい現地に参るわけでありますから、運営の状況がどうであるかということをその機会に調べるということはしばしばございます。 先ほど、監査というのを一々やっているわけではないと申し上げましたけれども、いままで三回ほど、仕事の運営の実情につきまして調査をいたしたケースはございます。
○工藤(晃)委員(共) 総裁のお話だと、一々やらないけれども、かなりやる、関係者が現地へ行って見ることもあるということです。この点につきましても、私経済企画庁の経済協力第一課長から伺ったときには、たてまえとしてそういう後追い調査はやらない、やるとすれば、全体としての経済効果がこういう基金なんかの仕事でどうかということでやるというふうに伺ったわけで、少しニュアンスの違いがあって、私は疑問を残しているわけでありますが、それでももう少し先へ進みたいと思います。 次の問題ですが、これはアジア開発銀行の元総裁で御存じの渡辺武さんが、サンケイ新聞の七八年九月二十七日の「正論」というところでこういうことを書いておるわけです。「金さえバラまけば援助の効果が挙がるものではない。これまで途上国に対する無益無用な援助がいかに多かったかは援助の歴史が物語っている。私自身、援助によってつくられたダムの水が、田畑をうるおすことなしに海に流れているのも見たし、化学工場として建設された建物で、単に大瓶から小瓶へのつめ替え作業が行われているのも見た。物資による援助が横流しされて、悪徳役人のふところをこやすことも少ないとはいえないし、技術援助の名目でぜいたくな旅行をする先進国の人がひんしゅくを買っている例も多い。」これが元アジア開発銀行総裁の経験として述べられていて、私はここで指摘されていることには非常に同感を覚えるわけなんです。つまり、ダムをつくった、それで田畑に流すはずの水が海に流れていた、化学工場だと思ったら、ただびんの詰めかえ作業場にすぎなかった。これはやはりアジア開銀の総裁としてお話になっていることであります。もとよりこれは、基金の関連したプロジェクトについてこうだということを少しも言っているわけではないということは、もちろんつけ加えておきますけれども、しかし、私の理解するところでは、渡辺武氏はこういう方面での経験というのは非常に豊富な方であるだけに、広く日本の経済援助全体についてこういう批判をここで行っていることに対して、先ほどの一つ一つ後追いをきちっとやっているわけでないといういまの基金のあり方からいって、こういう渡辺武氏の指摘に対しましてどういう感想を持たれるのか。どこをどうしなければいけないと考えておられるのか。これは企画庁長官、答弁願いたいと思います。
○小坂国務大臣 渡辺武さんは私もよく存じ上げている方でありまして、別にでたらめをおっしゃっている方とは絶対思わないのでございます。したがいまして、往々にしてこういう援助というものがその国の恣意によって、われわれの善意を越えた形でいろいろなされることもあるものだと思います。しかし、われわれは、こうした協力をするということは、国民の貴重な金を使わしてもらっているという立場に立ちます場合には、それが外交的に非常に非礼にわたらない限りにおいては、相当その後のフォローアップはして当然ではないかと思うのでございます。ただ、そういうことは絶対してはならないものだと決めつけることは間違いだと思いまして、われわれは今後能率的な協力、援助をするというためにも、現実になされていることがどの程度であるかということぐらいは、それぞれの機関において常時注意深くフォローしていくのが当然であろうというふうに思います。
○工藤(晃)委員(共) 国会で大きく問題になりましたソウル地下鉄事件につきましても、これは基金のあり方が問われているわけであります。そして、私は、こういう具体的な問題が出ながらも、政府として、また基金として、ここから教訓を正しくくみ上げるという姿勢がまだ出てないと考えざるを得ないわけであります。 ソウル地下鉄事件では四商社が出てくるし、日立製作所も出てくる、そしてかなり高い利益を上げたということも明らかになってきて、そういうソウル地下鉄事業に基金からの借款が使われたというだけでなしに、もともと交換公文が取り交わされる前の段階から、最初の商社の相手へのリベートの払い込みが行われたというように、事前に韓国、日本の政財界の結託で、そして日本の特定のグループに仕事がいくような仕掛けをつくりつつ、しかもそれに経済協力基金の資金をつけるというこういうもくろみが事前に先行していて、そして交換公文が取り決められていく。たとえば、第一回目の四商社の二百五十万ドルの払い込みというのは、交換公文調印の八カ月前であって、ちょうど佐藤首相訪韓のころであった。それから二回目は、七三年三月十四日、落札の直前であった、こういうことが出てきているわけです。 以上のことはみんな国会でのこれまでの商社の幹部の方からの直接のお話で、もう確かめられていることに基づいて私は述べているわけですが、問題は、さっき伺ったわけですが、たとえば入札価格に対してどういう問題があるかというときに、高過ぎるんじゃないかどうか。これは高過ぎて収益性に問題を起こすのではないか、もちろんこういう見地も一つあるだろうと思います。それから、高過ぎて、関係する企業のもうけが余りにも大き過ぎて、これはいろいろ問題がある、これもあると思うのです。しかし問題は、この前の七七年四月十二日の決算委員会での倉成長官などのお話でも、よほど非常識に高いときには物申すということなんですね。ところが、問題は、高いからどこの企業がもうけたというだけでなしに、もっと重大な問題は、実はそれはシナリオの一部分であって、事前に特定の企業に仕事がいくように、利益がいくようにして、その便宜を取り計らったところへ謝礼するためのお金を、リベートをつくり出すために、たとえば四商社の利益を粗利益でこんなに高くするとか、どこかの企業がこんなにするということのためにこれをやるわけなのです。したがって、基金として、こういう基金の借款にまつわってこういう腐敗事件が進行したという事実からすれば、当然、ただ経済効率の上でこの値段がどうだという見地だけでなしに、何かこれはおかしなことがあるのではないかということぐらいもう少し敏感にお感じになって、そして政府関係機関にも提示して、そういうことがあるかないかの調査も行う、これぐらいの姿勢がなければ、これからずいぶん資金量を大きくして相当大型の貸し付けを行う基金としては、国民の側からすればまことに心もとないわけなんです。しかもこの業務方法書の第三条に資金の効率的利用を図り、その適正を期するとあるんだけれども、このもとは、借入金が最近多くなりますが、血税も使われるわけなので、そういう資金の効率的利用というので、そこからどんどん賄賂が飛ぶようなことがあってはならないという立場ももっと強く貫かなければ、こういうことが繰り返し起こるのではないだろうかということを非常に心配しているわけですが、この点につきましても企画庁長官の御答弁を願いたいと思います。
○小坂国務大臣 ソウル地下鉄の事件につきましては、いま司直の方でいろいろやっておると思いますが、少なくとも政府サイド、協力基金を含めまして、私らは別に落ち度があったとは思っておらないわけであります。 いずれにいたしましても、こういうような協力、援助という名の中で一種の商取引が混在してきて、それがきわめて厳正であるべき経済協力というものを非常に乱した、あるいは乱してしまったというようなことは、われわれは大変遺憾と思うところでございまして、今後はこうした実例に照らして、そのような危険性が感ぜられるときには、よくわれわれとしてはそうした問題についての配慮と善処をやってまいりたいというふうに思っております。
○工藤(晃)委員(共) 政府の方で落ち度がないというふうに答弁されたわけですが、この点についてはまことに大きな疑問を感じますし、納得できませんが、ともかくこういう乱すことのないようにということは伺っておきます。 それで問題は、私が最初に企画庁から伺ったときに、要するに相手の立場を尊重せざるを得ない、そういうこと、要請主義という言葉をお使いになったわけでありますが、結局、では、この援助に絡んで、いろいろ不明朗な賄賂が飛んだり、そういうようなことがあってはならないと思うわけだけれども、私の伺った限りでは、結局それは相手国政府がどの程度潔癖といいますか、そういうことに厳しい姿勢をとっているのか、どの程度ルーズであるかにかかってくるので、日本側政府としてはどうしようもないことであるというふうに伺っているわけなんであります。しかし、これは大変なことだと思います。もちろんそういうことは他人事でもなく、日本での航空機疑獄問題でも、要するに日本では賄賂を渡すのが当然だというようなことが、アメリカのそういう関係した会社の人間に伝えられたというようなことも伝えられておりますから、他人事ではないわけでありますが、しかし私は、ここで強調しておきたいのは、この援助に絡んでいろいろな賄賂が飛ぶとか、そういう問題についてどう防止していくのかということは、相当深刻に考えなければ、そのこと自体、日本が援助したけれども、結果としてそこの国の民衆は、この援助そのものに対して非常に大きな疑問を持つという結果になっているわけであります。 これは一九七〇年十月三十日、ソウル外信記者クラブでの金大中氏、そのときの新民党大統領候補の演説で、国交正常から五年、日韓の親善は両国政府間の親善に終わり、日韓の経済協力は、一部財界と政府与党の財産づくりと腐敗を助長したという金大中さんの鋭い批判もあります。 それからついでに、これは朝日新聞の七七年一月二十三日付で、これは総合商社をずっと扱ってきた欄でありますが、総合商社のいろいろな会長の話がここで出てきます。名前が出てくる方もいますし、出てこない方もあります。「とくに開発途上国ではワイロは当たり前だよ。相手が堂々と要求するんだ。それが商習慣だ。日本だけきれいごとをいっていたら、欧米の諸国に次々と敗退しちゃうよ。そうなったら日本の経済はどうなるのかね。書生論はやめてくれ」、これはA商社の会長。「ワイロは合法化すべきだね。そのカネに見合う働きをさせれば支出の名目がたつんだから」、B商社の社長。それから、名前を出している例では、三菱商事社長田部文一郎氏が、「ワイロの問題?当該国のモラルに照らして、常識程度なのか、行き過ぎかということだろう。そういったことには一切手をふれないということでは、大きな範囲の市場から撤退せねばならないかもしれない。」こういうぐあいであり、数多くこれに似たようなことを私は幾らでも出すことができます。 いまこういうことをお聞きになって、やはり基金が相手国政府に貸す、何らかの事業が行われる、最近は、これはもういわゆるタイドでなしにアンタイドにしたから、必ずしも供給者が日本に来るとは限らないというけれども、ともかくこれまではまずまず日本の商社やなんかが関係して、仕事が行われた例が実際上は多いわけなんですから、それについて考えるとすれば、担当しているこれらのおえら方がみんな賄賂は当然だと言っていると、結局基金が使われた経済協力がそれを助長するという結果にもなっているわけなんです。 そこで、私はもう一度いまの金大中氏のかつて行われたそういう演説だとか、こういう商社、中には名前もちゃんと出しておられる方も言っていることでありますが、こういう問題に対して、今後経済協力に基づいてそういう腐敗や賄賂がはびこらないようにするためには、これは政府としてはどういう努力をしなければいけないのか、基金としてはどうするのか。そこについてちょっと長官に伺いたいと思います。
○小坂国務大臣 経済協力が、特に先方の申し出を待って受け身でいくという、これは私は一つの思慮深いやり方だと思うのです。しかし、そういう場合には、やはりわれわれの方としてはそれがどのように使われたかということについては、ほとんど発言権を一時放棄するようなことにもなるわけでありますから、そうしたことから起こる将来にわたってのいろいろな不愉快な出来事に対して、われわれはある時点では全く責任の負いようがないということにもなっていると思うのであります。 私もその商社のリーダーの発言を確かに新聞で拝見したこともあります。またその他の、金大中氏の発言等についても他の書物で拝見したこともございます。やはりこういう事態が現実にあるということは、実に嘆かわしいことであるとわれわれは率直に思っております。しかし、政府の援助について、これが今後さらにそういう問題を助長するような形で行われなければならないとするならば、これは非常に考えなくてはならないし、またわれわれとしましては、可能な限りそうした問題から遠ざかる形での、純粋の意味の援助というもの、そしてまたある場合には、相手国の人々が目に見えて実感として援助をしてもらったということのわかるようなプロジェクト、そうしたものをきわめて中心的な課題として追うことによって、いうところの、暗い意味での取引の絡んだような援助から、できるだけ遠ざかることができるのではないかというふうに思うわけであります。きわめて積極的な発言ができないのは委員も御理解いただけると思いますが、そのような考え方で、今後は将来にわたって問題の起きないような方向に、政府全般心を引き締めて対処してまいりたい、そのような覚悟でおります。
○石原参考人 本来、援助に関連をいたしました調達というものは、相手国政府あるいは政府機関と供給者との間の相対的な関係、その間で適法な手続、手順を経て決まりましたものでございますから、したがって、そうであります限りは原則として尊重せられるという筋道であろうかと思います。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、「内容が適切であり、」かつ事業の成功する「見込みがある」ということがうたわれておりまして、それが何と申しましても一つの目安になるわけでありますから、われわれとしても今後その趣旨に沿いまして、十分に審査に遺漏なきを期してまいりたいと考えております。
○工藤(晃)委員(共) では、あともう一問伺いますが、その前に、いま物差しとして「内容が適切であり、」そして「見込みがある」、「見込みがある」というのも、実はこの基金法の第一次改正のときに、確実に達成ができるというのを、「見込みがある」というのに非常にやわらげたことによって、砕いて言うと、大分危なっかしいものに対してもどんどん貸せるようになったわけなんです。 〔山下(徳)委員長代理退席、野中委員長代理着席〕 しかし、適切であるとかいう問題も、たとえばある国で国論が分かれていて、時の支配層とかあるいは政府はこういう方向は適切である、ところが民衆の側、野党の側は適切でないというようなときにそういうプロジェクトをやる、それはどちらをとるのか、こういう問題も実はあるわけですね、適切であるかないかという。それからもう一つ、「見込みがある」というのは、達成可能であるか、これは資金計画的にとかあるいは技術的にとか、いろいろあると思うのです。だからそういう物差し自身も、適切であるとかないとかいうのも、これはきわめて恣意的に使われている現状ではないかと思います。 そこで最後の一問というのは、わが国の経済協力について、どうであったかという評価を行う際に、ODA、政府開発援助がタイドであるかアンタイドであるとか、そういう問題でいろいろ取り上げられるわけでありますが、しかし、アンタイドであっても、日本の経済協力基金が果たしてきた役割りを見ると、そこの政府開発援助が先行していって、そして今度は民間投資ただ商品輸出じゃなしに、民間投資の地ならし的なことを非常にやってきたのじゃないか。ところが、その政府開発援助が先行し、地ならしされ、そこに行った民間投資が東南アジアにおきまして、そこの国の民衆からかなり強い非難を浴びている。時間がないので、これはちょっと挙げられませんが、そもそもそういう位置づけでこの基金が運用されてきたのではないかということを示す一つの証拠といたしまして、日本経済調査協議会「南北問題と日本経済」一九六五年五月という調査報告があります。この調査協議会自体は財界の機関と言っていいでありましょうが、しかしこの報告書を書いたのは土光敏夫石川島播磨重工会長を中心にして、そして土光委員会がつくられました。この土光委員会の中には、実は政府の外務省国連局の方、通商局、通商局、大蔵省国際金融局、通商局、通商局、外務省経済協力局と、続々と関係の政府機関の重要メンバーが委員に入ってやったのがこの報告書なのですね。それで、この中にはっきりと書いてあることは、これからの長期借款のあり方として、地ならしをしていかなければいけないということがうたわれているわけですね。これは第七章の四、「わが国の長期信用供与について 今後の方向」に、要するに「これらに対しては政府ベースの円借款あるいはクレジットラインの設定などにより、経済開発に協力すると共に、将来の商業ベースでの援助の「地ならし」をすることも必要となろう。」と言って、まずODAというのは、日本の商業ベースのこれからの進出の地ならしなのだということをここにうたっているわけなので、結果としてそれはそういうふうになっているわけなのですが、こういう関係、地ならし論を進めるというのはいまも変わりないのか。そうすると大分問題があると思います。この問題につきまして最後に一問伺います。
○石原参考人 お答えをいたします。 民間投資と政府投資、またその中の政府開発投資というものが相並行し、相関連をして行われていくということは、開発途上国の経済が発展し、あるいは安定をするということに不可欠の要素であろうと思いまするから、政府開発援助が民間投資の対象になりますものにある程度の影響を持つということは、当然であろうと思います。ただ、現在行われておりまする政府開発援助あるいは私どもの協力基金の対象だけに限ってみましても、御承知のように運輸、通信あるいは農業、電力というようなものが一番ウエートを占めておるわけでありまして、それらは、特定の民間の投資に対する地ならしということが否定されるわけではありませんけれども、むしろ全国民の経済、全国民の生活というものの基本になる、そういうようなものが中心であるかと思います。したがいまして、現在行われておりまする投資が、民間の投資がそれに従って伸びていくというために不可欠である場合もございます。しかし、それが目的で政府開発援助が使われるというわけではないのであって、むしろ先ごろほかの御質問に対して外務省からもお答えがあったのでありますが、べーシック・ヒューマン・ニーズと申しますか、根本的な人間生活の要求というもの、たとえば医療である、教育である、あるいは灌漑である、あるいは人口計画であるというような、人口計画はまだほとんどその緒についてないわけでございますが、そういうような、民生に直接関連をする部面というものが最近において逐次あらわれつつあり、今後においていよいよふえてまいる。農村総合開発というような新しい提案も起こってきているわけでありまして、援助の内容そのものも、ある程度そういうような変更を来しつつあるという現状であることを申し上げておきます。
○工藤(晃)委員(共) これをもって質問を終わります。
○野中委員長代理 大成正雄君。
○大成委員 すでに各党の御質問が続いてまいりましたので、重複する部分があろうかと存じますが、お許しをいただきたいと存じます。 まず最初に、三年倍増計画というものが八〇年に達成されることはほぼ間違いないわけでありますけれども、この達成した後における政府開発援助の計画的な、安定的な拡充がきわめて重要であるということが指摘をされておるわけでありまして、まことに同感でございます。 そこで、この三年倍増計画を達成した後におけるDACにおけるわが国の政府開発援助のシェアあるいはその位置づけ等をも踏まえながら、今後どのような計画性や安定性を持ってこのような援助を続けられようとしているのか、政府の方針についてまず承らせていただきたいと存じます。
○小坂国務大臣 三年倍増の達成はありがたいことにほぼ確実だと思いますが、その後の方向につきましては、すでにわれわれといたしましては、国際的な水準であるGNP〇・七というものを目指して努力していくのが適当であろうというふうに考えております。 ただ、方向はそういう方向でありますが、しかしこの内容につきましては、いままだ国際的な話し合いも進行しているところでありますし、内容について確たることを申し上げられませんが、基本的な方向としては、海外経済協力は今後ますます国の基本的な姿勢として継続し、拡大をしていくという方向でございます。
○大成委員 ぜひそうあってほしいと思うわけでありますが、しかしながら国民負担のことも考えなければなりませんし、内国経済も考えていかなければなりませんし、何よりも、当面するわが国のこの財政の現況等からいたしまして、言うはやすく行うはかたいといった実態であろうと思うわけであります。今日、われわれに提供された資料によりますと、五十三年度の予算で国民一人当たり五千八百円、標準的な四人世帯で二万三千円、こういう数字になっておるわけでありますが、これ以上さらに負担がかさむということについては、国民に対するコンセンサスも得られなければならないと思います。また、このような援助原資を確保するためにも、あらゆる努力が傾注されなければならないと思うのでございますが、そういった国民とのコンセンサスあるいは財政の現況を踏まえて、それらの達成について政府としてどのようにお考えになっておられるか、承りたいと存じます。
○宮崎(勇)政府委員 先生御指摘のように、わが国の財政というのはいま非常に困難な状況に入っているわけでございます。それと同時に、一方では、御指摘のように海外協力も拡充していかなければいけないということで、大変むずかしい状況にあるわけでございます。その一つといたしまして、今回、政府援助の大半を占めます海外経済協力基金の資金の手当てと申しますか、法改正をお願いいたしまして、借入金の限度を引き上げる、それとあわせて政府保証債の発行による資金調達方法の多様化ということをお願いしているわけでございます。 借入金等の借入限度の引き上げは、従来一般会計に依存しておりました資金面での制約を緩和するということでありまして、借入金の限度額を、これまで資本金及び積立金の合計の範囲内とありましたものを、三倍までに引き上げるということでございます。それから、この借入限度の引き上げに伴いまして、資金借り入れが増加するわけでございますが、資金調達の多様化を図るために政府保証債の発行を行うということを考えております。 こういう措置によりまして、今後、片一方では厳しい財政事情のもとではありますけれども、海外協力を充実させていかなければいけない、こういうことでございます。
○大成委員 現在借入残高が、現年度で八千九十四億という数字になっておるわけでございますが、これが一兆円を超える時点は大体いつごろと推定しておられるのですか。
○宮崎(勇)政府委員 明確にはお答えできませんが、ことしの終わりから来年にかけてというふうに考えております。
○大成委員 この借入金の資金コストが、後ほど触れますグラントエレメントにも関係してくると思うのですが、この資金コストについては、いまどのように政府としてはこれを緩和するような考え方を持っておるのですか。
○宮崎(勇)政府委員 現在は調達コストが大体三%程度でございます。それで、今後事業量がふえてまいりますのと、片一方では御指摘のようにグラントエレメントを改善しなければいけないということで、金利を低下させていかなければいけないという要請がございます。したがって、場合によっては調達コストと貸付金利の逆ざやというものが生ずる可能性があるわけですが、その場合には基金法で交付金を受けることができるようになっておりますので、それによって手当てをしたい、借入限度が変更いたしましても、条件の緩和には引き続き努力をしていかなければいけないというふうに考えております。
○大成委員 前者の御質問でもいろいろ触れられておりましたが、発展途上国の適当なニーズを発掘するということがきわめて重要であることは論をまちません。南北間のいろいろな利害関係も非常に複雑多様化しておりますし、また、それぞれの援助対象国のニーズも非常に複雑多様化しておるわけでありますが、そのニーズにかなった援助によって、その効果をさらに高めるということは当然のことでございます。言うべくしてそのことはなかなか容易なことではありませんが、適当なニーズの発掘をするために、現在出先の努力、あるいはこの基金自体の努力とか、民間の情報であるとか、いろいろあると思うのですが、今後どのようにやり方を変えていこうか、あるいはこういう面の努力をしていこうかとか、そういうお考えがあろうかと思うのです。どなたから御答弁いただくのが適当でしょうか、ひとつその辺のところをお願いしたいと思います。
○大鷹説明員 相手国のニーズに合致した協力をすることはまことに大事でございます。この点政府としても深く認識しております。 そこで、具体的にこれを実現いたすために、まず第一番に私どもは現地の在外公館の活用をしております。在外公館は、海外経済協力基金の駐在員、国際協力事業団の駐在員、こういう方々の助言、協力を得るとともに、さらに世銀であるとかあるいは国連の出先機関、こういうところの専門家の意見も徴しまして、積極的にその国のニーズに合ったプロジェクトを発掘して、先方の政府と密接に接触しながら助言、協力するということをやっております。これが第一でございます。 それから第二に、これは最近始めたことでございますけれども、特に在外公館が配置されていないとか、在外公館のスタッフが手薄であるとか、こういう国につきましては、本国からプロジェクト・ファインディング・チームといいまして、プロジェクトを発掘するための調査団を派遣しております。昨年度はアフリカに三班派遣するとともに、南太平洋地域にも一班これを派遣いたしました。これからもこういうふうにおくれた国につきましては、在外公館の活用だけではなく、本国から調査団を積極的に派遣して発掘に努めたいと考えております。 〔野中委員長代理退席、委員長着席〕
○大成委員 次に執行率の問題でございますけれども、われわれに報告されている資料等からいたしましても、必ずしも執行率が高くはない。五十年度で七八%、五十一年度で七〇・三%、五十二年度で六七・九%、こういうパーセンテージになっております。とりわけ直接借款等を見ますと、五十二年の実績では〇・四二、すなわち四二%、こういった実態になっておるわけであります。 この執行率が上がらないということは、それなりのいろいろな理由があることはもちろん明らかでございますが、この執行率を上げるために、過去の経験、実績を踏まえながら、どういうことに配慮していったらいいのか、あるいはその執行率が上がらない理由は何なのかということについて承りたいわけであります。 ついでに、特に過去の実績等からして、執行率が非常に顕著に低い、こういった具体例を挙げて、ひとつ幾つか御指摘をいただきたいと思うのであります。
○大鷹説明員 日本の経済協力の形態にはいろいろなものがございます。 まず借款でございます。ただいま先生の御指摘になった執行率は、経済協力基金に関することであろうと思います。この借款の執行率につきましては、これは日本側と相手国側と両方に問題があろうかと思います。ただ日本側の方につきましては、現在、関係省庁の協議体制、さらに連絡体制を緊密にして、手続を迅速化するということで鋭意努めております。 ところが日本側だけではなくて、本当の理由は相手国の方にあることも多いわけでございます。それは、一つには先方の行政能率が非常に低いということ、あるいは不可抗力でございますけれども、たとえば戦争が起きたとか、革命が起きたとか、急に計画を変更してしまったとか、どうにも私どもの手の届かないような点もございます。幸い、最近、経済協力基金の石原総裁以下、皆様の格段の御努力の結果、五十三年度は執行率は八八%に引き上がっております。これは現地政府その他機関と経済協力基金の方々が一生懸命協力されまして、事務の簡素化、迅速化を図られた結果であろうと思います。 それから、借款のほかに無償と技術協力がございますけれども、この二つにつきましてはできるだけ執行を迅速化するために、事前に先方のニーズをあらかじめ調査をしておくとか、あるいは予算で予定されておりますよりもやや多目に計画をつくって、そして計画変更なんかで実行できない場合に備えて多少のマージンを取っておくとか、そういういろいろな方法を通じて執行率を引き上げることに努力をしているわけでございます。
○大成委員 具体例については、また後ほど機会を見てお伺いさせていただきたいと思います。 次にグラントエレメントの改善努力の問題でございます。七七年でDACの平均が八九・二%でありますか、これに対して贈与の比率で言いますと、日本の場合に三七・七あるいは七〇・二%とか、そういった政府開発援助あるいは贈与のそれぞれの比率が非常に低いわけでありまして、もちろん今後これらは相当努力をされまして引き上げられると思うのでございます。また、金利であるとかサイトであるとか、そういったものも数字の上ではっきりDACの平均から落ちておる。これらは当然平均まで早急に持っていかなければいけない、こういったことでありましょう。特に加盟国十七カ国中十六位であるといった現状は、速やかに改善をされなければならないと思うわけであります。これらについて政府の具体的な方策等を承りたいと思います。
○大鷹説明員 確かにわが国はDAC十七カ国中グラントエレメント、質に関しましては第十六位でございます。それはなぜかと申しますと、わが国の場合には援助の総額の約半分を借款が占めているという事実があるからでございます。借款条件に関しましては、わが国の場合徐々に改善しつつございます。ことにその借款の中でも金利でございますね、期間とか据え置き期間とかございますけれども、特に金利に関しましてはできるだけこれを低い方向、ソフト化することに努力してきておりますし、これからもその線で努力をしてまいりたいと思っております。 そのほかに、全体として日本の経済協力、政府開発援助の質を高めるためには、まず第一に、国際機関への拠出をふやすというやり方がございます。ただし、わが国の場合、すでに全開発協力の三〇%をこれらが占めている、すでに高い水準に達しているという事情がございます。 その次に、わが国の場合、無償援助の比率を高めるということが大事だろうと思います。すでにこの方針に従いまして、今年度は昨年度に比べまして予算は六〇%増を計上しております。 また、さらに第三番目に、質を向上するためには技術協力の比重を高める必要があろうかと思います。DAC全般の平均は二〇%でございますけれども、わが国の場合は技術協力が占める比重は一〇%でございます。これを徐々に高めるという方針でございまして、現に今年度の予算は前年度に比べまして二〇%増を計上しております。
○大成委員 それなりにいまお挙げになりましたいろいろな理由がおありであろうと思いますが、それぞれ努力がなされなければならぬと思います。 その中の一つとして、技術協力の拡充の問題についてでございますが、この援助の成果を高めるためには、あるいはまた現地のニーズに当てはまったそういう援助を施行するためには、人的な交流であるとか文化交流の拡充強化が叫ばれておるわけであります。政府開発援助に占める技術援助のシェアなんかを見ましても、わが国は七七年の留学生、研修生で三千五百七十八万ドル、六千八百六十二人という数字を示しております。また、専門家や協力隊の隊員の派遣が六千七百三十四万ドルで五千四百二十五人、そのシェアが一〇・四%、こういう数字になっておるわけであります。もちろん、この点については七一年あたりの比率で言いますと、約五倍ぐらいにふえておるわけでございまして、七七年中の実施が一億四千七百八十万ドル、こういう数字になっております。試みにこれを他国に比較してみますと、オーストラリアが二一・三%、ベルギーが四〇・九、デンマークが一六・五、イタリアが二〇・五、フィンランドが二〇・九、フランスが四八・一、西ドイツが三七・六、オランダが二一・二%、こういうような数値に比較いたしますと、この政府開発援助に占める一〇・四%のわが国の比率というのは、金額はともあれ、非常に低い。特に留学生なんかを見た場合、西ドイツが二万八千六百九十人、こういう数字でありまして、わが国の努力がまだまだ足らないような気がいたすわけであります。 こういった人的な交流あるいは文化交流を拡充強化するために、政府が一段と努力をしなければなりませんが、今後どのようにこの改善努力をしようとしているのか承りたいと思います。
○大鷹説明員 ただいま大成先生から御指摘の技術協力の重要性につきましては、まことに適切な御助言をいただきましてありがとう存じます。政府といたしましてもこの重要性を重視いたしまして、具体的にいろいろな施策をとっております。 そこで、もともとわが国の経済協力は、先方の国の自助努力を助けるというのがたてまえでございますけれども、幾ら経済インフラを建設し、工場ができても、これを運営する現地の人が育ってなければ何にもならないわけでございます。そこで、そういう人づくりというものを政府としても非常に重視して、これに相当なエネルギーと資源を割いております。御指摘のように、相当の人数の研修生をわが国に呼び、また専門家も相当数を派遣しております。専門家のほかにいわゆる青年海外協力隊の隊員、こういうものも派遣しているわけでございます。具体的な人数で申しますと、五十二年度では、研修員は約二千六百名受け入れておりますし、さらに専門家につきましては三千名以上、それから青年海外協力隊につきましては約二百五十名を派遣しております。こういう技術協力は先方の人づくりに貢献するだけではなく、いわゆる人的交流を通じまして、心と心の触れ合いの場を提供するものでございます。したがって、これは友好親善のために非常に重要なかなめの分野と心得ております。これからもますますこの分野での政府の努力を積み重ねていきたいと考えております。 なお、先ほど先生からディスバースが非常におくれた例があれば指摘せよということで、私、その場で申し上げることを失念して失礼申し上げましたが、一、二例を申し上げますと、バングラデシュに対する無償協力でございます。これは中央農業普及技術開発研究所、これをつくる計画がございましたところ、先方の政府と約束ができた後でいわゆるクーデターが起こりまして、そして政権がかわってしまったもので大分実現がおくれた、こういうことがございます。 それからもう一つ具体的な例としては、アフリカのルワンダという国に国営のマッチ工場をつくる計画がございました。これはその後タンザニア経由ルワンダに運ぶ鉄道が閉鎖されまして、物資が運べなくなったために非常にこの実現がおくれた、こういうケースがございました。
○大成委員 この経済協力の今後の問題点の一つとして、わが国の産業政策との調整の問題があるわけであります。これは政府の開発援助だけでなく、民間の投資あるいは技術協力、いろいろあると思うのですけれども、いわゆるブーメラン現象的なものとしてわが国の産業政策の転換が強いられる、こういったことが計画的にかつ速やかに、順調に行われなければならないわけでございます。業種転換なり新製品技術の開発なり、こういった方向の努力は、これだけの問題としてでなく進めていかなければならない重要な産業課題でございますが、とりわけ近隣中進国あるいは発展途上国との競合あるいは輸出活力、こういったことを考えますと、わが国の産業調整というものは、援助も重要だが、これもまた非常に重要だ、こういうことになろうかと思います。たとえばシンガポール、これは海外投資になっておるようでありますけれども、七七年度このシンガポールに対して五百九十六件、三億七千万ドルという実績がありますけれども、この中に大型経済協力プロジェクトとしてエチレン生産計画やあるいはその誘導品の生産計画というものがあります。高圧ポリエチレン十二万トン、あるいはポリプロピレン十万トン、エチレンオキサイド十万トン、中圧ポリエチレン五万トン、こういったような計画の内容のようでありますが、こういうものがわが国の化繊業界と競合することは、これは当然のことだと思います。台湾等に対しても、あるいは韓国等に対しても、他の業種等においてもいろいろなそういう競合の問題が出てくるわけでございますが、そういったことを考えながらこの産業調整をどう進めていくのか。余りやり過ぎてもまた他国の批判も受けるでしょうし、相手側にもまた問題も起こってくると思うのでございますが、その辺のところをどのように考えておられるのか、またどのようにこれをわが国の産業政策として展開していこうとしているのか、この点を承りたいと思います。
○小長説明員 先生御指摘のように、産業調整の問題に関しましては、われわれといたしましてもきわめて積極的な対応を図っていく必要があるのではないかと思っております。たまたま例示をされましたシンガポールのペトケミの問題でございますが、実は石油化学の海外プロジェクトといたしましては、韓国の麗水計画を初めといたしまして、イランの石油化学プロジェクト、それからサウジアラビアのプロジェクト、それにシンガポールのプロジェクトと、幾つかございます。そういう石油化学のプロジェクトにつきましても、日本の石油化学の長期展望に立ちまして、長期の需給計画の中にある程度織り込む努力も並行してやっておるわけでございます。 それから、具体的に産業調整に積極的に対応していく措置といたしまして、第一に私どもは、産業調整が円滑に進展するための基盤を形成していくことがまず重要ではないか。そのためには技術開発を推進し、新規産業の育成を図っていくということは当然先生の御指摘のとおりでございますし、あわせて持続的な経済成長を維持していくということも、絶対必要なのではないかと思っております。 第二といたしまして、産業調整過程において生ぜざるを得ない雇用問題の解決という問題があるわけでございますが、その問題に関しましては、特に雇用対策の拡充強化を図ることが必要ではないかと考えております。現在、雇用保険法とかあるいは特定不況業種離職者臨時措置法といったような法律がございますけれども、そういう措置によりまして、産業調整に伴う雇用問題の施策を、今後とも継続的に図ってまいりたいというふうに考えております。 それから第三に、産業調整を具体的に進めるに当たりましては、業種によりましては事業転換を進める必要が出てくるのではないかと思うわけでございます。したがって、そういう業種につきましては、事業転換が円滑に推進されるような施策を準備する必要があるわけでございまして、現在、中小企業事業転換対策臨時措置法等の立法措置が購ぜられているわけでございますので、それらの措置を有効に活用いたしまして、産業転換を進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○大成委員 最後に総裁に承りたいのでございますが、大変御苦労をいただいておるわけでございますが、今回の法案で副総裁を一人ふやす。私ども、これだけ大きなスケールになってまいりました経済援助を、そのリーダーシップとして、当然、いろいろ御異論のある方もおられるようですが、副総裁をふやすということは私どもは当然のことだと思っております。 それはそれで私どもは大賛成でございますが、いま役員さんが六人、職員さんが百九十三人というように先ほど教えていただいたわけでございます。役員構成も大事ですが、やはり実際に世界をまたにかけて飛んで歩いて、きめ細かくいろいろ作業を進めていただく職員の方々のこの量と質の問題もきわめて重要な問題だ、このように考えます。冒頭、この三年間倍増計画達成後においても、かなり比重を上げていかなければならないといった使命もあるわけであります。こういった仕事は金だけの問題でなく、先刻来いろいろ御指摘もありましたが、やはり人が仕事をするのだ。その能力というものは非常に重要な問題だと思うのでございますが、総裁が長い問このお仕事で御苦労されてきまして、国際的な期待に沿ってこの基金がうまく機能していくために、その人的な要素あるいは人的な、いわゆる定数、あるいは質的な組み合わせとか、こういったことに対して、率直にひとつ総裁の御意見をお聞かせいただければありがたいと思います。
○石原参考人 協力基金の今後の事務量あるいは質的にむずかしい仕事がふえてまいるということに関連をいたしまして、役員だけでなくて職員の増加並びに質の向上が大事であるという先生の御説を、大変ありがたく拝聴いたしてまいりまして、そのとおりだと思っておるわけであります。 まず、人員の量の方の問題でございますが、五十二年以降引き続き三年ほどにかけまして、十名ないし十数名の増員を、現在非常にむずかしい時期でありますにかかわらず、大変政府当局の御理解をいただきましてふやしていただきました。決して十分だということを申し上げるわけでもございませんけれども、今日といたしましては相当程度の御心配をいただいたというふうに考えておるわけであります。今後も引き続き、先生がおっしゃいますように今後の事務量もいよいよふえてまいるわけでありますから、政府に重ねてお願いをしなければならぬというふうに考えております。 質の問題につきましては、実は十二、三年前から基金自体での採用を始めておるわけであります。まだ十二、三年の年月しか経ていないものでありますから、非常に大きな部分出向者の方々をいただいておるわけであります。各省並びに民間各界の方々でありまするが、大変に御協力をいただきまして、一体として運営をいたしてまいっておると思っております。ただ、技術の職員の方が相当おられるわけでありまして、これは自分の方で採用するということがなかなかむずかしいものでありまするから、これは各省あるいは民間の専門家の方に来ていただいておる。今後もやはりそういうことでやっていかなければならないかと思っておりますが、これもやはりいい方に来ていただいているわけでありますから、今後も質の充実と申しますか、十分配意をいたしまして、仕事がやっていけるようにしたいと考えておるわけであります。
○大成委員 終わります。
○橋口委員長 これより本案について、内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 総理には大変お忙しい中を御出席をいただいたわけでありますが、いま本委員会は、内閣提出の海外経済協力基金法の一部改正法案、これを審議をしている最中であります。この法案をめぐって、広くわが国の海外経済援助のありようについて、質疑がいままで交わされてまいりました。経企、通産の両大臣からも、きわめて積極的な、前向きの答弁をもらっているわけですが、この問題は、今日わが国の置かれている立場からしますと、国際的な論議の対象にもなるきわめて重大な問題であるわけでありまして、そのために総理の御出席を願ったわけであります。また、関係する省庁も非常に多くにわたっておりますので、本委員会のこれまでの質疑を踏まえながら、二、三の基本的な問題について御質問を申し上げたいと思います。 最初にお伺いをしたいと思いますのは、いま申し上げましたとおりこの海外経済援助、協力、これにかかわる省庁は非常に多いわけであります。経企庁、外務省、大蔵省、さらに通産省、農林水産省、このほかにも郵政あるいは運輸両省も関係を持っておるわけです。こうした海外経済協力の関係省庁の連絡に当たっておりますのが御承知のように総理府の官房審議室、この中の対外経済協力担当事務室、こういうふうになっておるわけですが、いままでの質疑の中でもいろいろ言われましたけれども、この海外経済協力というものを計画的かつ合理的に推進するためには、いま申し上げましたようなきわめて多くの各省庁の調整というものが十分に行われなければ、さらにまた一元化の検討なども行わなければ非常にまちまちになってしまう、不十分な面が出てくるのではないか、こういうふうな懸念が表明をされておるわけであります。新たにそのための省庁をつくれと言うわけじゃありませんけれども、実際の機能を十分に発揮できるようにするために、一体どのような前向きの考え方を総理はお持ちになっておられるか、この点をまず最初にお伺いをしたいと思います。
○大平内閣総理大臣 渡辺さんがいま御指摘になりました経済協力行政の一元化も含めて、効率化を図らなければならないという問題の提起は、ずいぶん前々からあったわけでございます。現にあるわけでございますが、私は、まず最初に、一元化していくということは、必ずしも実効を上げ得ないのではないかと考えております。何とならば、一元化をいたしましても、財政の方は大蔵省、その他基金関係では企画庁でございますとかというところへどうしても相談をせねばなりませんし、それから個々のプロジェクトにつきましては、それぞれの関係各省庁に諮るということになりますので、現在の四省を中心に連絡調整をやりながら決めておるところへ、経済協力の一元化機関ができますと、もう一つ加わるということになりまして、ますます複雑になってくるのじゃないかと思います。 そこで、やはりこれは現在のあるがままの仕組みをどのように有効に働かすかということに尽きるのではないかと考えております。そのやり方につきましては、いろいろ各省庁で工夫していただかなければなりませんけれども、何か有効な手だてがありそうだとみんな考えるわけでございますが、私どもも実は考えてみたわけでございますけれども、実際はそういう道はないわけで、現在の経済協力行政の仕組みをできるだけ生かして、効率的に運営してまいるということではないか、私の意見を求められるならばそういう考えでございまして、私の内閣になりましても、したがいましてこの問題につきましては、特に経済協力行政の取り組み方を少し変えようという考えは、いまのところ持っておりません。
○渡辺(三)委員 いま総理は行政機構、そういう面を中心にお述べになったと思います。 そこで、海外経済援助についての政府の基本的な理念といいますか、そういう面と、援助の計画性、この問題について、いま御答弁がありました効率的な一つの運営という面に絡んで、さらに御質問を申し上げたいと思います。 率直に言って、政府の基本理念というのをどこに置かれているのか、この点が審議を通じてもどうもすかっと十分にはわからない、こういう面があるのではないかと思うのであります。たとえば政府の直接援助あるいは延べ払い、それぞれ幾らで、どういうふうにしていくのか、そしてまたそれを補完する意味で民間の海外投資は幾らだ、初めからしっかりした基本的な考え方なり計画なりがあって総合的な海外援助、協力というものがなされているというふうには必ずしも思いません。いま総理も言われましたように、各省庁が必要によってそれぞれの国に対して援助をする、こういうふうな形が実態になっておることはわかりますけれども、果たしてそれだけでいいのか。もっと具体的に、政府が基本的な計画なり理念なりというものを明確にしておいて、それに基づいての政府援助なり民間の海外投資なりというものを組み合わせていくというふうな考え方が、当初からきちっと定められておるのがあるべき姿ではないか、こういうふうに考えます。 それから、時間がありませんから引き続き御質問を申し上げたいと思いますが、発展途上国に対して、それぞれのグループに分けてそれぞれの援助の仕方というものを、しかも中期、長期の計画性というものを十分に踏まえながら推進をする必要があるのではなかろうか。つまり、それぞれの国の求めている援助、しかもその効果がきわめて明確になるように、絶えず確かめることが必要でありましょうし、また、同時に、わが国へのその援助による影響というものも緻密に検討し、計算をしながら、わが国の経済の実態なりそういうものを推しはかりながら進めていく、こういう全体的な計画性というものが非常に必要ではないかというふうに考えるのですが、いままでの援助の全体を考えますと、必ずしもそういう計画的なものになっておらないという気がするわけです。そういう点について総理の御見解を賜りたいと思います。
○大平内閣総理大臣 最初の御質問の、経済協力の基本的な考え方でございますが、これはまず相手方の、つまり受益国、協力を受ける方の国の希望をできるだけ考えなければならない。その国の利益になるように、その国の自立に役立つように、その国の国民の福祉に役立つようにその国が考えるし、計画したものに対しまして、わが国がどのように親切に相談に乗りあるいはお手伝いをするか。すなわちこれは後の御質問にも関連するのでございますが、日本があらかじめ計画をいたしまして、こういう考え方でやるというよりは、先方の考え方、希望というものをしんしゃくいたしまして、日本の方で何ができるか何ができないか、どの程度できるか、そういう点を考えていくべきものではないかと考えます。 しかしながら、第二の問題として、どういう対象を選ぶかという場合に、たとえば相手の国が非常に工業化を急ぐ、農業をないがしろにする、あるいはろくすっぽ行政の計画能力も持たないという国々に計画を期待しても、それは本来無理な話でございますので、そういう国々には、もう少しマンパワーの開発というような点でおつき合いをするというようなことを、日本が、つまりわれわれの方で考えていくということも必要ではないか、そういう意味で、そういうことを念頭に置いて経済協力というものは考えなければならないのではないかと思います。しかし、何よりも根本的なことは、わが国のやはり世界に対する責任として、当然相当程度の経済協力をして差し上げる責任があるのではないか、世界、社会に対するわが国の義務等を考えるべきではないか、そのように思います。 それから、第二の計画性の問題でございますが、先ほど申しましたように、この計画性には制約がございまして、先方の事情、先方の希望に対しましてわが国の方でどのようにおつき合いをし、お手伝いをするかということでございますから、そういう意味で受け身の状況になるわけでございます。しかし、あなたも御指摘のように、相手次第によってやっておるだけではいけないのであって、経済協力をする世界、社会に対する義務があるとすれば、そしてわが国の能力に応じてそれをやるべきものであるとすれば、わが国の方である程度の計画性を持たなければいかぬのじゃないかという御指摘は、それはそれとして、私は仰せのとおりだと思うのでございます。したがって、われわれは毎年毎年考える経済計画、財政計画を立てる場合におきまして、この程度はひとつ経済協力として考えよう、そしてそれについて、質的にはこの程度の向上と改善を図っていこうという目安は、やはり、一応計画的に持たないといけないのじゃないかと思うのでございます。 日本の場合は、渡辺さんも御承知のように、賠償から出発したものでございますから、相当ゆがんだ形で対外経済協力的な仕事に入ってしまったわけでございまして、ようやくいまごろになりまして、本来の意味の経済協力というものに取り組むことになってきておるのでございます。気がついてみると、やはり先進諸国に比べて若干質量とも見劣りがするということでございますので、最近、前の内閣が決めましたように、政府援助は三年の問に二倍にいたしますとか、条件につきましても、改善の方向に鋭意向かっておるわけでございます。もろもろの先進国よりは、いま改善のテンポは速くなっておると私は思いますけれども、いまなおまだ若干の見劣りがするということは残念でございまして、それは急いで先進国並みのところには持っていかなければいかぬのじゃないかと思っております。
○渡辺(三)委員 質問の項目がたくさんあるのですが、時間でありますから、最後に一つだけお伺いしたいと思います。 総理は、五月の七日に一応予定されておりますUNCTAD、これをきわめて積極的にお考えになって、御出席の意向があるようにお伺いをしておるわけですが、これは正式に出席なさることがお決まりになったのかどうか。 それから、出席されるとすれば、これに向けて総理の基本的な考え方といいますか、決意といいますか、特に、わが国はいま海外経済協力で大きな注目を国際的にも浴びておる、こういう段階でありますから、その点について最後にお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○大平内閣総理大臣 五月にマニラで開催される予定になっておりまするUNCTADの総会には、国会の方で特に御用がない限りは、私自身出席させていただきたいということで、いま国対を通じて御相談をいたしておるところでございます。 今度のUNCTAD総会は、一つには、アジアで開かれることになりましたということ、それがたまたま六月末に予定されておりまする東京サミットの前に開かれるということでございます。東京サミットでは南北問題というものが当然議題になることでございましょうから、その直前に行われますマニラのUNCTAD総会というものは大きく影を落とすことになろうと存じます。とりわけ日本の経済協力政策というものが、アジアを初めとして、関係国の非常に注目を引いておるときでございますので、日本としてはこう考えるということはそこで鮮明にいたす必要があるのじゃないか。そこに集まりました各国の首脳と顔合わせをいたすということも必要であろう、そういう意味で、国会のお許しがあれば出席いたしたいと考えております。
○橋口委員長 板川正吾君。
○板川委員 私は、経済協力という問題に関連して、この際、大平総理にお伺いをいたします。 質問は二点ありますが、時間が限られておりますから、私の方で趣旨をまず説明しました後に御答弁を願いたい、こう思います。 質問の第一点は、日中平和友好条約が批准をされ、日中問が完全に正常化されてまいりました。そこで、この際日本は中国に対して、戦争中の償いという意味を込めて、特別な経済援助をもって中国の経済近代化のために協力すべきではないかと思いますが、総理は、この点についてどう考えておられるか、こういう問題であります。 もちろん、これは戦時賠償ではありません。中国は、日中正常化の共同声明の中で、わが国に対する賠償を放棄しておりますから、賠償ではありません。しかし、日本国民として、戦時中中国で犯した非人道的行為に対して何らかの反省のしるしとして、中国に対し特別な経済協力を行うべきでないかと思うのです。 総理も御承知のように、戦後わが国は、経済力が回復するに従って、戦争で迷惑をかけた近隣の諸国に、経済協力という名前で賠償、準賠償、無償援助を行ってまいりました。その実績を見ますと、第一位がフィリピンで、千九百六十億円の賠償、準賠償、無償援助を行っております。第二位が韓国で千七百四十四億円であります。第三位がビルマで千二百七十八億円、第四位がインドネシアで千七十九億円、第五位がベトナムで四百五十億円、その他五カ国、合計十カ国で七千百四十六億円を援助してまいったのであります。戦争で迷惑をかけたアジアの近隣諸国にはすべて賠償や無償援助を行ってきているのであります。わが国は、中国が賠償を放棄したから何もする必要はないというのでは、東洋の君子とは言えないのではないかと思います。いま中国は、経済の近代化を目指して懸命に努力をしておりますが、民間協定による日中長期貿易取り決めは、いま中国の資金事情もあって停とんをして、合意に達しておりません。ですから、わが国の特別な対中経済協力の方針が決まればそうした問題は解決をし、日中問の子々孫々に至る信頼と友好が確立されるのではないか、中国に対する特別な経済協力を行うべきではないかと思いますが、総理の見解をお伺いをいたします。これが第一点です。
○大平内閣総理大臣 一九七二年の日中共同声明は、板川さんも御承知のように二つの面がありまして、一つは暗い過去を清算するということ、あとの半分は、これから先、日中の協力関係をこういう原則で打ち立てよう、過去と将来に向けて二つの約束をいたしておるわけでございます。前段で、もろもろの、領土の問題でございますとか、戦争終結の問題とかとあわせまして、賠償につきまして、中国は賠償を請求しないということが決められたわけでございます。したがって、賠償の問題はもうそこで最終的に決着がついておるわけでございます。したがって、賠償とか賠償にかわるものとか、そういう考え方に立脚して日中関係を考えることは正しくない、また中国の意図でもないと私は考えておりまして、今後の日中関係というのは、日中平和友好条約にも示されておるような原則に立ちまして鋭意進めてまいるべきでございまして、過去との関連という点につきましては、心情的な気持ちは板川さんおっしゃることはわからぬわけではございませんけれども、そういうものではなくて、公明に処理してまいるべきものと考えております。
○板川委員 賠償ではないということは私も申し上げたとおりです。しかし、賠償を放棄したから何もしなくていいというのでは、どうもその辺、日本国民として戦争中の反省のしるしとして何らかの態度をとるべきではないか、こういうのが私の気持ちであります。特にいま中国は新しい経済の近代化を目指しておりますから、経済協力を通じてそういうあかしを日本は立てるべきではないか、こう思うのであります。恐らく心情は私も総理も同じだろうと思います。しかし、具体的にいまどうこうするという内容の答弁ができないということにあるんじゃないかと思いますが、その心情が今後具体化されることを期待いたしまして、この第一問は終わります。 質問の第二点ですが、クリスチャンであります大平総理の平和と繁栄についての所見、哲学についてお伺いをいたしたいと思います。 国際社会にとって、経済協力がなぜ重要なのかと言えば、持てる先進国が持たない途上国に対し、経済協力をすることによって相互の経済発展を促進し、友好と信頼を高めることが平和と繁栄にとって大変有効な手段であるからであると思います。私の質問の趣旨は、日本は軍縮をしながらその費用を経済援助に回すという方式、実はこの方式は、西独の社会民主党党首のブラント氏がヨーロッパの十数カ国の首脳に話しかけて、軍縮をしよう、その資金を経済援助に回そう、そうして南北問題なりを解決していこうということに政治的生命をかけていると言われておるのであります。 御承知のように、日本は憲法で戦争を放棄しています。最近は、経済の相互依存関係が緊密になり、資源の自給率がますます低下しています。戦争になれば、そういう資源の供給が断たれるばかりではなくて、アメリカのスリーマイル原発事故のような事故が、あるいはそれの何千倍も大きな事故が起こる可能性も予想されます。日本の平和と繁栄を維持するのには、有事立法などによって国際紛争を武力で解決しようとする方向でなく、逆に日本は防衛費を徐々に削減し、その分を国連に拠出をし、国連はそれを多国間の経済援助資金として使う、その方式を年々着実に、国内政策をとりつつ行っていくならば、国連の権威も高まりますし、途上国も潤って、南北問題の融和にもなりますし、日本に対する国際的な信頼と評価も高まってきて、ひいては日本の安全に貢献するのではないかと思うのであります。 そこで、こうした軍縮をしてそれを途上国の経済援助に回すという趣旨の哲学を、今回の東京サミットなどでひとつ提起する気持ちはないでしょうか。この点について、クリスチャン総理の平和の哲学をお伺いしたいと思います。
○大平内閣総理大臣 大きくは、内政であれ、外交であれ、平和を希求して、平和を招来するように考えていかなければならぬことは当然でございます。経済協力も、したがってそういう意味で平和あるいは安全の保障ということに無関係ではないと思います。また、国際機関がたくさんできておりまして、それが紛争処理いたしたり、平和的な環境をつくり上げるということを目標にいたしましていろいろな仕事をやっておるわけでございまして、経済協力もそういう国際機関の手でやっておるものも相当たくさんできてきておるわけでございまして、それはそれとして皆意味があると思うのでございますが、あなたの言われる意味は、軍縮を提唱し、軍縮によって得られる資源というものを経済協力に充てて、平和に寄与するような意図で世界政治を指導するようにしようじゃないかという提案をしてみてはどうだという、これは大変大きな御提案でございまして、にわかに自信のある御答弁はなかなかできませんけれども、私といたしましては、そういう手段に訴えなくても、現在われわれが平和に寄与する手段はたくさんあるわけでございますので、とりわけ経済協力の面ではたくさんの機会が与えられ、手段もあるわけでございますから、それにわれわれといたしましては精力を傾注していくということで、必要で十分ではなかろうかというように思います。
○板川委員 いろいろ平和を達成する手段は幾通りもありますけれども、たまたま経済協力基金法という関連した法律ですから、経済協力という点に力点を置いた質問をしたわけであります。西欧諸国でもそういう機運もあるようでありますから、ひとつこういうヒントを将来の政治の課題の中に生かしてもらいたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○橋口委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 今国会において大平総理の施政方針演説の中で、「私は、留学生や研修生の受け入れ、学者、技術者等の派遣を通じて、相手国のマンパワーの開発に対する協力を重視して」まいります、こういう施政方針がありました。先ほど私、当委員会でいろいろ質問したのですけれども、この点についてはちょっと時間がなかったので……。 そこで、総理の考え方としてこういうはっきりした方針が出ているわけですが、発展途上国から見えた留学生が、帰りには反日思想になって帰る、その証拠が、先ほども申し上げたのですが、あの田中総理がタイの方に行ったときに大変な反発があった。日本に留学した人たちが帰れば、向こうで政府の主要な地位につくんじゃないか、したがって私は、この留学生に対する恩情あるところの取り扱い、まあ文部省からいろいろ聞いておりますけれども、わずか三畳か四畳半ぐらいの問に入っているとか、それもまた全部が収容できないとか、こういうことでありますので、いますぐとは言いませんけれども、次の予算編成に当たっては、この留学生問題を重視するところの予算を組んでいただきたい、こう思うのですが、まず総理から。
○大平内閣総理大臣 先ほども渡辺さんの御質問に答えましたように、開発途上国におきまして一番大事なことは、私どもの考えでは、いろいろな事業を起こすことも大事、雇用の機会をつくることも大事でございますけれども、やはりその国のマンパワーが開発されて、まず行政能力、計画能力を身につけられて、それから計画されるプロジェクト自体もまた生かされてくるような状況が望ましいのではないか。したがって、留学生の受け入れでございますとかあるいは研修生の受け入れ、あるいは学者だとか技術者だとか技能者だとかの派遣だとか、いろいろな形でマンパワーの開発に御協力申し上げるのは、一番適切な経済協力の方法じゃないかと思います。 ところが、実際いま先進諸国と比較してみますと、留学生を受け入れている数が非常に少ない。また技術者等の派遣を見てみますと、これもまた非常に少ないのですね。やはりこれはもう少しがんばらなければいけないんじゃないか。幸いに政府援助を三年間に二倍にするという機会に、これはちゃんと各省庁においてそこは考えていただきたいと思って、いま政府部内で私もやかましく言いまして、この推進に当たっておるわけでございます。予算を取ることも大事でございますけれども、実際それをうまく活用して、いま岡本さん言われるように、ちゃんと留学生なら留学生を受け入れて、それを十分テークケアができて、日本に来てよかったというようにしてもらわなければいかぬと思うのでございますので、そういう点あわせて考えてまいるつもりでございます。もちろん来年度の予算につきましては、その点気をつけて、御指摘のような方向に努力をしたいと考えております。
○岡本委員 次に、先ほどお話がありましたように、縦割り行政だけで、非常にいままで経済協力が進まなかった。先ほどもお話ししたのですが、これはもう私実感で見てきたわけですけれども、たとえばインドへ行けば、一生懸命医療問題でやっておる。あるいはまたフィリピンへ参りましたときも、教育問題では協力している。しかし、政府からもう少し援助がありたり、もう少し何かあれば私たちはもっとやれるんじゃないか。教育あるいは文化あるいは技術協力、こういうものは全部が掌握されていないのです、日本の国で。要するに各省庁でも握っていない、こういうことでありますから、私は、先ほど経企庁長官にも提案をしておいたのですけれども、なかなか経企庁長官は一遍には御答弁なかったのですけれども、たとえば国際協力総合本部というようなものをつくって、そういうものを全部網羅して、そして、そういうところに予算をつけたりあるいは政府から協力していくとすれば、私は、いま審議しておりますところの協力基金がもっと生きてくるんではないか、こういうふうに考えられるのです。だから、その点を一遍よく調査をし、あるいは各界の意見を聞いて、ひとつ検討していただきたいと思うのですが、総理、いかがでしょうか。
○大平内閣総理大臣 私、田中内閣のときに外務大臣をしておりまして、総理大臣の命令がありまして、いままで三カ月ごとに経済協力の実績を調べて、その三カ月の時間帯内にどれだけの進展がどのセクションでどういうようになっておるかを調べろというわけですね。それを一カ月に短縮をいたしまして、一カ月ごとに報告をとるようにして、それを閣議に報告するようになったのです。 それで、いろいろやってみまして経験したことでございますが、わが国の官庁は、ここにたくさんお役人がおられますけれども、私も役人の出身でございますけれども、余り偉そうなことも言えないのですが、実際は各省庁の中ですいすいと仕事が協力して進められておる状況ではいかにないかということですね。それで、これはどういうことなのか、やはり自分のやっておる仕事を念入りにやっておるのかどうか、私もよくわかりませんけれども、大いにけつをひっぱたきまして、それでずいぶん促進を図ってきつつあるわけでございます。 だから、これは先ほども、渡辺さんのときも申し上げたのですけれども、役所をいろいろいじくってみましても、役人がしっかりしてくれないと、一つの役所がやってもまた各部局でやるわけですから、その協力がうまくとれなければどうにもならぬわけです。日本の行政機構全体がいまのままでも別に差し支えないけれども、やはりそこは中で十分の連絡が早くとれて、仕事が能率的に進むようにしないといかぬ。そして、政治が事実を掌握しておって、それを誘導していくというようにしていかなければならぬと思います。なかなか思うに任せませんけれども、懸命にやってみます。
○岡本委員 総理、来年になると約一兆円の日本の大事な血税が支出されるわけですよね。さらにまたこれから続くということでありますから、そういうお金は、経済協力をしたために本当に日本が感謝され、日本が世界の平和の一員として尊敬されるような、そういう効果あるものにしなければならぬ。それについては、若干付随的な予算をつけても決してむだではない、こう私は思うのです。だから、いまおっしゃったことをひとつ念頭に入れておきまして、やっていただかないとまた文句を言う、こういうことにいたします。 そこで次に、先ほどお聞きしますと、総理は五月七日、マニラにおけるところのUNCTADの総会にお出かけだそうでありますが、おいでになる理念、ただ理念と言っても漠然となりましょうからこちらから申し上げますが、東京サミットの問題、南北問題が一つの課題になろうということで、この南北問題に関する種々の問題については、経済の合理性のみにアプローチするのでなく、福祉原理を国際的に適用するという考え方、そういう理念に立ってお行きになるのか、これをひとつ承っておきたいと思うのです。——もう一度申しますよ。南北問題に関する種々の問題について、経済合理性のみによるアプローチでなく、すなわち早く言えば、お金を出してそれで協力する、それについては、返済するのではなくして、福祉原理ですね。特に発展途上国の中でも非常に後発性の国がありますね。そういうところに対する福祉原理を国際的に適用するというような理念をお持ちになってお行きになるのか、この点ひとつお聞きしておきたいと思います。
○大平内閣総理大臣 まず、わが国の利益を考えて経済協力をやるというようなことはいたしちゃならぬと思います。あくまでも受益国の利益を考える、受益国の国民の福祉を考える、その国の経済の自立を助けるということを考えるということでなければならぬので、経済協力を通じてわが国の都合のいいことをやろうというようなことは、毛頭考えちゃいけないことだと思います。 それから第二番目に、それでは対象国の中におきまして、福祉を力点に置くのか、経済開発、経済合理性の発揮を目的とするのかということになりますと、これは第一義的にはやっぱりその国が決めることだと思うのでございまして、その国が決めたことが、われわれが見て、その国の国民の福祉、その国の経済の自立に役立つということでございますならば、それを尊重していく。われわれの方からこうしなさい、ああしなさいということはいたさないというつもりでございます。
○岡本委員 私の言っているのは、それはその国の事情もあると思うんですけれども、たとえて申しますと、これも先ほど質問いたしまして、いま少しは進んでおるようでありますが、途上国と先進国との会議で、七七年六月にCIEC、こういう国際協力会議がありまして、その中で、途上国の中で特に後発発展途上国あるいは非産油国から、いままでの公的債務を棒引きにしてもらいたい、それから商業債務は二十五年間繰り延べしてもらいたいというような、これは合意できなかったということですけれども、こういうことが出てくると思うんですよ。その場合の総理の考え方ですね。帰って相談するというわけにいかないでしょうから、こういうことは一応どういう考え——福祉というのは、差し上げてしまうということなんですね。その点についてちょっとお聞きしておきたい。
○小坂国務大臣 累積債務につきましては、それぞれの国の実情に応じて、それに見返るような新しい援助をいたしておるわけであります。
○岡本委員 総理、大体のことを言って顔を並べただけではまずいので、やはりある程度の腹をくくって行かなければならぬと思うので私は申し上げたわけです。 そこで、UNCTAD総会の後、情報によると総理は他の諸国、豪州とかニュージーランドとか、そういうところを訪問する予定があるのかどうか。こういうことが出ているのですけれども、これはございませんね。どうですか。
○大平内閣総理大臣 この国会の末期になってまいりますので、仮にマニラに行かしていただきましても、その後豪州とかニュージーランドに足を伸ばすという余裕は、今回はございません。
○岡本委員 最後に、東京サミットの話が出ましたが、いま園田外務大臣とストラウス会談ですか、この中で、政府の調達品目ですね、これを開放するように、非常に強い要望があるそうでありますけれども、これは総理は柔軟な姿勢で臨むのか、この点を一つ。 もう一つは、エジプトとイスラエルの援助を、アメリカから日本に分担を求めてくるんではないか、こういうようなことでありますが、これを求められたら、やはり援助をするのか、これが二点。 三点目は、ベトナムがソ連の基地化すれば、日本からいままでの援助を打ち切るのかどうか。 この三点について、ひとつ明瞭にお答えいただいて、終わりたいと思います。
○大平内閣総理大臣 対米経済問題で、いま非常に象徴的な問題になっております政府調達の問題でございますが、これにつきましては、アメリカ側は大変強い要請を持っておるようでございます。私どもとしては、これに対しまして、問題になったことでございますから、できるだけ早く解決をしたい。先方も早く解決をしたいということでございまして、明日の夕刻園田外務大臣が帰りますので、先方と意見も十分闘わしてきたわけでございますから、よく承った上で対処ぶりを相談いたしたいと思いまして、できたら早く解決いたしたいと思っております。わが国といたしましても相当譲歩しなければならぬと思いますけれども、アメリカ側にも相当理解を求めなければならぬのじゃないかと思っております。 第二のエジプト等の援助問題でございますが、これは、すでにもうわが国といたしましては援助を実行いたしておるわけでございまして、こういう事態にかんがみまして、どの程度、どういう面において新たな対応をしてまいるかということにつきましてはまだ決めておりませんで、内外のいろいろな条件を考えながら、わが国といたしましてこれは自主的に決めにゃいかぬことでございます。アメリカがどう言うこう言うということでなくて、わが国としての立場で決めてまいらなければいけないのじゃないかと考えております。 それから一番最後のベトナム援助につきましては、去年の援助分につきましてはすでにもう約束をいたしたわけでございまして、それは実行いたすつもりでございます。今年度分につきましてはまだ決めておりませんけれども、インドシナ半島の状況を見ながら考慮していきたい、判断をしていきたいと思っております。
○岡本委員 アメリカで園田外務大臣が、ベトナムについては次は打ち切るのだというような表明をなさっているという報道があるのですね。そういうことをおっしゃるということは、やはり総理の判断といいますか、訓令を受けて話をしないと、勝手に決めてくるわけにいかないと思うのです。だからその点について、総理の判断がまだできてないのかどうか、この報道が間違いなのか、ちょっとそれだけお聞きして、終わりたいと思うのです。
○大平内閣総理大臣 アメリカで園田外務大臣がどんな話をしたのか、私まだ承っておりませんが、あしたの晩に帰りますから、よく事情は聞いてみたいと思いますが、先ほど申しましたように、インドシナ半島の状況の推移を見ながら判断せにゃいかぬと思っておりまして、どうするかにつきましては、政府としてはまだ決めておりません。
○橋口委員長 宮田早苗君。
○宮田委員 統一地方選の前半戦も終わりまして、幾つかの重要法案を残しておる国会ではございますが、ここに来て政府は外交の季節と申しますか、外交スケジュールが次々に具体化しているようでございます。 折しも海外協力基金法を審議しておるわけですが、この法律が先進国、発展途上国すべてにかかわるだけに、総理の対外援助政策の根幹と申しますか、そういう点について、三点だけお伺いをいたします。続けて先に質問をいたしますので、答弁も一続けてお願いいたします。 まず一点は、政府の当面いたします外交日程の頂点は、何といいましても六月末の東京サミットでございましょうが、その前段には、今月末の日米欧委員会、五月の第五回国連貿易開発会議、さらに日米首脳会議がそれぞれ開かれるわけです。いずれもエネルギー、南北問題、それに先進国と発展途上国の産業構造調整問題等が重要なテーマでございますが、特に、最後に申しました産業調整問題は、民間企業の労使が非常に関心を抱いている問題だと私ども認識しております。アメリカとの政府調達資材問題の折衝が難航していますように、黒字国への風当たりはますます強く、産業調整についてもわが国の決断を迫られる問題でしょう。しかし、一方的な譲歩になるような会議、会談となったのでは、貿易立国でございますわが国の産業が壊滅しかねないという危惧の声が強いことにかんがみまして、一連の国際会議に臨む首相の姿勢を、主としてこの調整問題にしぼって伺いたいということであります。 二点目は、イランの政変、イスラエルとエジプトとの和平、中越紛争等々、国際情勢の目まぐるしい変化の中で、わが国外交をどう展開するか、まことに重要な転機にあるわけと思います。これら当事国と、これを取り巻く関係の深い諸国への経済、技術援助を今後どう展開していくおつもりか、その点。 最後の三点目でございますが、私どもは、わが国の経済協力体制を強化するため、中央省庁の統廃合を前提として、経済協力省設置構想を提唱しておるのでございます。今回の基金法改正で副総裁を置くことにしておりますが、それなりの機能充実にはなると思います。しかし問題は、高級官僚の天下りポストの新設でございまして、いまや世論となっておりますこれら役員の高額な給与、世間では考えられないほどの退職金制度に対する批判にどう総理がこたえられるか、こう思うのです。基金の副総裁だけを論じても始まらないわけでございますが、このような改正を一つの契機に、公社公団等の役員の待遇問題を抜本的に見直すべきだ、こう思うのですが、総理のお考えを示していただきたい。 この三つでございます。
○大平内閣総理大臣 東京サミットにおきまして構造政策を取り上げるかどうか、取り上げるとしたらどのような議題のもとで取り扱うことになるのか、これは準備会議でいま議題中心に関係者で打ち合わせておりますので、いまの段階で何とも言えないのであります。ただ、これまでの経緯から申しますと、昨年六月にOECDの閣僚協議会で、長期的に自由貿易を維持していくため、保護的な政府介入を極力回避しながら経済効率を高めていくことが大事であるということが、調整政策の一般方針としてうたわれております。わが国といたしましては、このOECDの討議ぶりを踏まえまして、市場メカニズムの活用を基本としながら、産業構造の円滑な転換、高度化を促進し得る政策運営を図ってまいるという方針で従来ともまいりましたが、今後もそういう方針でいくつもりでございます。特にここで新たな構造政策を打ち出すということはいま考えていないのであります。サミットにおいてどのようにこれが出、取り上げられるかという問題を、いま準備会議で煮つめているというように御承知を願います。 それから、イランや中越紛争国等に対する経済技術援助の進め方でございます。イランは革命後新しい政権ができて、いま政情の安定に努力をされておるようでございまして、この推移を見ながらわが国の経済技術協力というものをどのようにいまから取り進めてまいるか、まず第一に、先方の政府が確立いたしまして、われわれとの交渉が長期の展望に立って持てるようになった段階で考えなければならないのではないかと思っております。 中越の方でございますが、これにつきましては、先ほども申しましたように、インドシナ半島の状況を見ながらことしどうするかは考えていかねばならぬと思っておりますが、まだ決めるに至っておりません。 第三の経済協力省の設置というような考え方でございますが、一般的に、中央各省庁を初めといたしまして、機構をふやすということは極力抑えなければならぬことでございまするし、それから冒頭私も御答弁申し上げましたように、経済協力省をつくりますと、いまの四省体制の上にもう一つ役者がふえるわけでありまして、こんなことをやりますとなお厄介になると考えて、余り私は賛成いたしかねます。ただ、いまの体制の中での協力は、よほど効率的にやっていただかないといけない。その点につきましては十分注意を促していくつもりでございます。 それから、今度基金の方に副総裁を置くということでございますが、それに関連いたしまして、政府機関、外郭機構等の役職員についてどう考えるかということでございますが、中央、地方あるいは政府機関を通じまして、極力定員は簡素で、機構もまた簡素であってほしいと願っておるわけでございます。ただ、定員の一般的な削減は一律に実施してまいりますけれども、新たな必要を生じた場合には、増員を別途見なければならぬ場合も現実にございます。しかし、いずれにしても、それを差し引きいたしまして、政府全体といたしましては相当程度の減員になるように考えてきておるわけでございます。一方、基金の副総裁をふやして、後を考えないというのじゃなくて、これをふやす以上は、政府関係機関の機構につきましては全体として十分な配慮を加えまして、行政費の節減になるように配慮していくことは当然の責任であると考えております。
○宮田委員 終わります。
○橋口委員長 工藤晃君。
○工藤(晃)委員(共) 総理に伺いますが、日本共産党の経済協力についての立場というのは、大きく言えば新国際経済秩序を目指すということがあります。もちろんこの新国際経済秩序を目指すということは、発展途上国、非同盟諸国が進めてきた、大国支配中心の旧国際経済秩序を直して、どの民族も平等、公平の新しい経済秩序に移るという方向でありますが、同時に、それだけにとどまらず、日本を含めて発達した資本主義国相互間の経済主権も守られるようにすべきであるという内容を特に言っております。さらに経済協力の問題については、われわれの日本共産党の五原則というのを出しております。これは後で申し上げることです。 そういうことを前提に置きまして、これまでの経済協力のあり方について一、二点伺いたいわけであります。 先ほども経済協力にいろいろねじれがあったということを言われました。これは非常に興味深い指摘だと思いました。しかし、このねじれとは何かということをもう少し深刻に検討すべきではないかということを言いたいのであります。 幾つかの面がありますが、その一つの問題は、戦後の日本の経済協力というのは、日米安保条約ができて、改定され、日米経済協力というのを進められた、その一つの枠組みの中で推進されてきた。それで、いつも背後にアメリカのアジア戦略というものがあって、それへの日本政府の協力要請がありまして、その関連であるねじれがっくり出されたのではないか、こういうふうに見るわけであります。 これを証明するものは幾つもありますが、五十二年度の経済協力基金の直接借款を見ますと、韓国、フィリピン、タイ、そしてインドネシア、四カ国だけで六二・五%と著しい集中が見られます。そしてこの四カ国集中ということも、年度別、国別承諾実績で見ますと、韓国は六六年からずっとふえてきますし、インドネシアは六八年からずっとふえてきます。フィリピンは七一年から、タイはその前の六九年であります。そして、以上集中四カ国はそうでありますが、南ベトナムに対しましては、七二年から七四年にかけて、そして七五年の四月に南ベトナムが解放勢力によって解放された直前まで日本政府が援助を行う、こういう関係もあったわけであります。 いま私は、特に、韓国は六六年からとかいろいろ年代を申し上げましたが、これは歴史的にどういうことがたどれるであろうか。経済協力基金ができたのは日米安保条約改定を受けてでありますが、特にその後、非常に劇的に日本の政府の援助が進むのは、六四年、六五年、六六年であります。そうして六四年について言いますと、トンキン湾事件がありまして、アメリカは北爆を始める。その前後に、これは六四年五月、時のエマーソン駐日米臨時代理大使のころでありますが、そのとき、いわゆる対南ベトナム援助要請をそのときの大平外相にされて、その後実施が進みます。それからまた、六四年の九月のことになりますが、ウィリアム・P・バンディー米国務次官補が来まして、そこで特に日韓正常化が極東の平和のために必要だということで非常に促進され、そしてそれから急速に進み、日韓経済協力が始まるわけであります。それから劇的だと言った六五年は、四月にジョンソン米大統領がジョンズホプキンズ大学でジョンズホプキンズ方式なるものを打ち出して、その筋書き、シナリオに沿って生まれたのが御存じのようにアジア開発銀行でありますが、同時にそのころから急激に援助が始まったというのが、先ほどの韓国などの例であります。 そして、インドネシアについて言いますと、決定的だったのは例の九・三〇事件の後にアメリカのかつての国防長官であるマクナマラ氏が世銀総裁になりまして、これは六八年六月日本に参りまして、ともかく日本はインドネシアに対してわずか一億一千万ドルの援助で、東南アジアの安定と平和が買えると思っているのかというきつい言葉を吐いたり、あの当時の情勢がそのまま進めばインドネシアは完全に赤化していた、その時点において西側寄りの政権をつくろうと思えば数百億ドルあるいは数千億ドルの資金を必要としただろう、一億一千万ドルは微々たるものである、こういうことを言われたというのが、当時政府筋の話を聞いた人の、ある講演の議事録から私は見たことを覚えているわけであります。 こうしてインドネシアも始まる。そしてまた後は、ニクソン戦略のベトナム化ということで、特に東南アジア、フィリピン、タイ、そこらへの援助が急速に広がるわけです。 以上が、四カ国に集中しているとか、そういうことでありますが、総理がせっかくねじれがあって、これから援助が本格的だと言われた以上、そういう戦後のアメリカのアジア戦略の中に相当どっぷりつかり込んできたような形での援助のやり方についても、ここらで日本として反省し、検討しということをやらないと、これから量的にふやそうとしても、それが結局アジア諸民族から、本当の意味での新国際経済秩序の前進にならないという批判を浴びる原因になるのではないだろうか。その点について、首相は歴史の人でもありますし、それぞれ大事な場面におられたわけでありますから、その問題につきまして御意見を伺いたいと思います。
○大平内閣総理大臣 あなたのお話を聞いておりますと、私ども人形にすぎないので、アメリカの意図を受けてそれを機械的にやっておるにすぎないような印象を受けますが、工藤さんはそういう意味でないかもしれませんけれども、そういうものじゃないんです。 まず第一にお聞き取りいただきたいのは、先ほど申しましたようにねじれとあなたが言っておられますことは、わが国は最初から経済協力に乗り出したわけじゃない。最初はいや応なしに賠償から始まったのでございまして、本来の意味の経済協力ではなかったという、そういうスタートをした。それで、最近になりましてそれが終わりまして、ようやっと本来の経済協力に入ってまいりました。したがって、先進諸国に比べまして質、量ともにややおくれを見ておるのは、そういう事情があったのでございますということを申し上げたのが一つでございます。それは御理解をいただきたいと思います。 第二は、韓国にいたしましてもビルマにいたしましても、無償経済協力、有償経済協力をやったのはちょうど六四年ごろからじゃないかというような御指摘でございますけれども、本来日本とアメリカが腹を合わして韓国とやるのでございましたならば、そんなに待たなくても、朝鮮事変の後早速やっておったはずですよ。そういうことができなかったというのは、日韓の間に原則問題がございまして、請求権をどう取り扱うかという問題がございまして、いろいろのむずかしい交渉がございました後で、ようやっとあのころになって、ひとつ実際的な解決をしようということになったのでございまして、ちょうどアメリカからやってくれと言われたから、はあそれじゃやりましょうなんという、そういう簡単なものではなかったということをひとつ御理解をいただきたいと思うのでございまして、私もその場面にずっとおった人間といたしまして、アメリカからこうせよああせよ、してもらいたいというようなことを経済協力について言われたことはございません。それほど日本政府はお粗末ではございませんですから、その点はひとつ色めがねで見ないようにお願いをしたいと思います。
○工藤(晃)委員(共) もう時間が参りましたが、もう少し歴史的証言も伺いたいところであります。いずれにせよわが党は、経済協力については五つの原則として、民主公開、国民の前で公開できる形でやれ。それから自主性の原則、いま言ったようなああいう方向でないこと。新植民地主義反対の原則。そして平和中立。最後に、全世界の人類の進歩への貢献ということは積極的にやるべきだ。そういう意味から言っても、非常に足りない問題が多々ありますが、時間がありませんので、意見だけ述べまして私の質疑を終わります。
○橋口委員長 大成正雄君。
○大成委員 本法改正に関連いたしまして、総理に御所見を承らしていただきたいと存じます。 本法改正の骨子は、副総裁一人を置く、またその事業規模を拡大するために借入金の限度額を引き上げる、これが大きな骨子になっております。ボン・サミットの公約がこれによってようやく見通しが立ってまいったわけでありますが、問題は、その量から質の問題が問われる。たとえば先ほども議論したところでございますけれども、グラントエレメントを取り上げましても、政府開発援助あるいは贈与、借款、いずれにいたしましてもDACの平均よりも下回っておるわけであります。特に借款の条件としての金利、日本が三・三%、DACが二・六%でありますから、〇・七%日本の方が高いわけでありまして、加盟十七国中十六位という不名誉な状態にあるわけであります。これから総理に御努力をいただかなければならないのは、その事業規模の拡大については、三年倍増のこの目標の見通しは立ったわけでありますから、これからはその質の改善に向かって御努力がなされなければならないわけであります。 しかしながら、今年度の出資金の前年比伸び率を見ましても、五十三年度三〇・一%が今年度は二二・五%と、こういうふうに引き下がっておるわけでございまして、今年度この予算から千百五十億を出資しておるわけであります。本来なれば出資金をもっとふやすべきだ、こういう理屈もあろうかと思うのでございますが、八兆五百五十億も赤字国債を発行しておるという財政の現況からするならば、それもままならないという状況だと思います。そこで一方、この国債の消化に関しましては、市中の実勢価格等の問題もありまして、当月分の国債の消化も困難であるといった状態に立ち至っておるわけでありますが、資金運用部資金の借り入れが今年度二千五百十一億予定されておりますけれども、この資金運用部資金の金利との関連からいたしまして、このグラントエレメントの金利を引き下げるという努力は交付金だけでいいのかどうか、こういった問題もあるわけであります。 そこで端的にお伺いしますが、公定歩合の現状はいじらざるを得ないという判断に総理は現在もう立っておられるのかどうか。これは総理の胸三寸にかかっておられるんだろうと思うのでありますが、今後のこの基金の運用にも重大な関連もありますので、そのことをまず承らせていただきたいと思います。
○大平内閣総理大臣 いまの経済状況でございますが、卸売物価の上げ足がやや早まってまいったということ、石油の値上げも発表されたというようなことで、物価の安定基調をこのままで維持できるかどうかということにつきましては二説ございまして、金利政策に訴えるべきではないかという説と、そこまで訴える必要はないのではないかという自重論とあるように私は思います。そこで、そういう問題につきましては、日銀初め経済関係の各省でいろいろ検討がされておるんじゃないかと思いますので、どういうことにいたしますか、まだ御相談も受けておりませんので、この機会には申し上げかねます。ただ物価が手放しで楽観できる状況ではないので、金融政策も警戒的に運営せなければならぬというようなことは、かねがね予算委員会でもすでに日銀総裁が言われておることでございます。けれども、金利政策に訴えるかどうかというぎりぎりのところの問題につきましては、まだ私、どのようなことになっておるのか、御連絡を受けておりません。
○大成委員 この倍増達成後におきましても、DACの各国に比較して日本の格段の努力が望まれるということでございましょう。しかしながら、予算委員会に示された財政収支試算等の内容からいたしましても、そういった格段の努力をしていくということは並み並みならないことだと思います。この政府出資金ももちろんそうでありますが、この基金の運用が資本金と積立金の合計額の三倍まで借入金の枠を拡大をするといった、そういう借入金依存の基金の運用ということだけでは、将来これもやはり一面において財政の困難性を増してくる原因になるんじゃないだろうか、このように考えるわけですが、総理として、将来の基金のあるべき姿というものに対して、本法改正の借入金の限度額を三倍にふやしたというだけで、将来これでいいのかどうか、この点をひとつ承らせていただきたいと思います。
○大平内閣総理大臣 わが国の経済協力は質量ともに問題があると思っております。先進国の平均水準から見ましても、量的にも劣っておるし、質的にもまだ改善の余地があるわけでございます。したがいまして、わが国の国際責任を果たす上から申しますと、やはり質量とも相当思い切った改善が要るのではないかと考えております。したがって、少なくとも先進諸国の平均の水準までは満たしておかないといけないのではないか。国内的にはあなたが御指摘のようにいろいろ問題、制約がございますが、それはできるだけ克服をいたしまして、あるべき国際水準というものを達成するように努力していかなければならぬと考えております。
○大成委員 終わります。
○橋口委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○橋口委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。工藤晃君。
○工藤(晃)委員(共) 私は、日本共産党・革新共同を代表し、ただいま議題となりました海外経済協力基金法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。 日本共産党は、技術経済協力は、一、民主公開、二、自主性、三、新植民地主義反対、四、平和中立、五、人類進歩を目指す国際連帯、以上の五原則に基づき積極的に進めることを主張してまいりました。 この立場から今日まで自民党政府の政府開発援助を見るとき、質疑で明らかにしましたように、日米軍事同盟を中軸とする国際経済関係の枠の中で、アメリカのアジア戦略にとっての重要拠点である韓国、タイ、フィリピン、インドネシアなどの政権支援に集中しており、アメリカの肩がわりを務めるものとなってきたわけであります。 一方、わが国大企業の海外進出も、これらの国、地域に集中しております。そしてアジア地域における外国資本の直接投資は、日本がいまやアメリカを追い越して第一位となっているのでありますが、海外経済協力基金による直接借款がその地ならし役を果たしてきたことは、直接借款と民間直接投資の動向から見ても明らかであります。この結果、経済協力相手国の国民から、日本の経済援助は日本企業の利潤追求が目的で、経済協力の名に値しないという正当、的確な批判がなされているのであります。 さらに基金の運営について見ますと、個々の経済協力の内容についてはほとんど公開せず、また協力事業がいかに実施されたかについては事実上関知しないという実態であり、そのようにならざるを得ない仕組みになっているのであります。まさにつかみ金的な支出を行っているのであります。このためソウル地下鉄事件に見られるように、基金の借款が政、財、官界を巻き込んだ汚職、腐敗の温床となってきたのであります。 いま根本的に検討されなければならないのは、単に経済協力の額の多寡ではなく、このような政府の経済協力の基本方向と、それに沿った基金の運営実態であり、仕組みであります。 本改正法案は、政府の経済協力の基本的性格と実態を改めることなく、かつ基金の支出の仕組みと非民主的運営にメスを入れることなく、ただ借入限度額を拡大し、もって貸し付けの量的拡大を図ろうとするものであります。 以上、私は政府に対し、本法案を撤回するよう求め、あわせ経済協力政策そのものの根本的転換を求めるものであります。
○橋口委員長 以上で討論は終局いたしました。 —————————————
○橋口委員長 これより採決に入ります。 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立多数。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。(拍手) —————————————
○橋口委員長 次に、本案に対し、野中英二君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブ五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。岡田哲児君。
○岡田(哲)委員 ただいま提案いたしました附帯決議案につきまして、提案者を代表して、私からその趣旨を御説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 本法施行にあたり、最近におけるわが国経済協力の重要性にかんがみ、一層その実効を挙げるための基礎として、発展途上国との相互理解をさらに深め、広範な人的交流を活発化するよう諸般の施策の拡充を図るとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 経済協力の計画的推進を図るため、各省庁間の連絡・協力体制を強化するとともに、政府の執行手続の簡素化及び基金の業務遂行の効率化等により、援助執行の迅速化に努めること。 二 資金援助については、その目的を的確に達成するため、援助額の決定、援助手続等の適正化に一層努めるとともに、援助の効果が明確になるよう努力すること。 三 基金の借款供与については、条件緩和に一層努力するとともに、借入金等の増大に伴う資金コストの上昇の事態に対しては、交付金制度の活用等により対処すること。 四 技術協力を積極的に推進するため、コンサルテイング企業の育成を図るとともに、派遣技術者等の養成及び海外からの研修員等の受入れ体制を整備強化し、派遣技術者等の海外における待遇、帰国後の処遇、子弟の教育等について十分な措置を講ずること。 五 特に開発の遅れている発展途上国に対しては、重点的に当該国の事情に即応した医療、教育等の社会開発援助を行うとともに、食糧需給の不均衡な国に対しては、食糧増産基盤整備のためのプロジェクト援助及び技術指導を推進し、当面、適切な現物援助について十分配慮すること。 以上であります。 附帯決議の内容につきましては、審議の経過及び案文によりまして御理解いただけると存じますので、詳細の説明は省略いたします。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○橋口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小坂経済企画庁長官。
○小坂国務大臣 御審議の過程におきましていろいろ御質問、御意見をいただきまして、感謝を申し上げます。 ただいま御決議になりました附帯決議の御趣旨は、これを体して善処いたしたいと存じます。 —————————————
○橋口委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○橋口委員長 次回は、来る二十四日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十四分散会 ————◇—————