商工委員会 第6号
- 発言数
- 277 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/03/20
会議録
○橋口委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提案理由の説明を聴取いたします。小坂経済企画庁長官。 ─────────────
○小坂国務大臣 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案について、提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 今日、開発途上国に対する経済協力は、ますますその重要性を増してきており、さきの主要国首脳会議等におきましても、経済協力の積極的な推進を図ることが、先進諸国にとっても不可欠であるという、共通の認識が明らかにされました。わが国といたしましても、昭和五十二年の政府開発援助実績を、三年間で倍増することを目標とする等、その積極的な拡充を図る旨を表明したところであります。 海外経済協力基金は、海外経済協力を促進することを目的として、開発途上国の産業の開発または経済の安定に寄与するため、必要な資金の貸し付け等の業務を行っており、今日では、わが国政府開発援助のおよそ二分の一を担う中心的な援助機関となっております。 したがって、わが国の政府開発援助を一層拡大していくためには、各種援助の充実と相まって、海外経済協力基金の事業規模を拡大するとともに、その事業運営の体制を整備強化することが緊要となっており、このため本法律案を提案した次第であります。 次に、本法律案の内容について御説明申し上げます。 改正の第一点は、基金の借入金等の限度額を引き上げることでございます。 基金の原資は、一般会計からの出資金と借入金及び債券発行に大別されますが、現行法では、資本金及び積立金の合計額を限度として、借り入れまたは債券の発行ができることとなっております。 政府開発援助三年倍増等の目標を実現するためには、基金の事業規模を大幅に拡大しなければなりませんが、現在のわが国の財政事情のもとでは、一般会計の出資に大きく依存している原資面の制約を緩和する必要があります。このため、借入金等の限度額を資本金及び積立金の合計額の三倍に引き上げ、今後の基金の活動に遺憾なきを期した次第であります。 改正の第二点は、基金が長期借り入れを行い、または債券を発行する場合に、政府がその債務について保証することができるようにすることでございます。 これは、基金の事業規模の拡大に伴い、資金調達の多様化を積極的に図るための改正であります。 改正の第三点は、基金に副総裁一人を置く等、事業運営の体制を整備強化することでございます。 基金の業務は、わが国の経済協力の進展に伴って、急速な拡大を示すとともに、貸し付け等の対象国も広がっており、今後さらにこれらの一層の拡充が見込まれます。また、基金の業務は、被援助国政府や国際開発金融機関等との折衝など、対外的性格がきわめて強いものであります。このため、代表権を有する副総裁一人を置く等、体制の整備強化を図ることとした次第であります。 なお、その他所要の規定の整備を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○橋口委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ────◇─────
○橋口委員長 内閣提出、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 本法案の中身の質問に入る前に、二、三お聞きしておきたいと思いますが、輸入生糸それから絹糸の割り当ての問題を最初お聞きしたいと思います。 言うまでもなく、わが国の絹業者は、原料コストの格差の問題を抱えながら仕事をしておるわけでありますけれども、実際に生糸なり絹を必要としております需要者が、原料が比較的低廉な価格で入手できるようにするためには、実需者への割り当てというものを大幅に増大をする必要があるのではないか、こういうふうに考えておるわけですが、最初にまず割り当てのシステム、またはその経路についてお伺いをしたいと思います。
○栗原政府委員 現在、生糸の実需者割り当てにつきましては、生糸一元輸入制度のもとにおきまして、絹業の経営安定を配慮いたしまして、絹織物製造業者等の実需者が、輸入生糸を安価に入手し得るように、年度といたしましては五十一年の秋から実施をいたしておるところでございます。その数量といたしましては、五十一年度一万四千俵、五十二年度三万俵、五十三年度、本年度でございますが、これは三万俵に加えまして、特別対策としてさらに二千五百俵を増加をさせていただいたところでございます。 私どもといたしましては、今後実需者の立場も踏まえまして、できるだけ安価に生糸が実需者に渡るように、農林水産省とも協議しながら、引き続き実需者制度の円滑な運用に努めてまいりたいと考えております。
○渡辺(三)委員 実際どこに割り当てられているのか、どういう経路でそれが実需者の方に入っていくのか、それについて少し詳しく御説明いただけませんか。
○松岡説明員 生糸の実需者の割り当てにつきましては、原則といたしまして各産地の指定団体におきまして、前年の実績をいろいろな書類によりまして検定いたします。そういった前年度の実績を基礎といたしまして、それを各指定団体に配分する、そういった手順をとっておりまして、割り当てといたしましては、具体的には年間四半期ごとに行っている、そういった手順を踏んでおるような次第でございます。
○渡辺(三)委員 絹糸の実需者に対する割り当ての問題ですが、これは通産省の割り当ての実施要綱が最初の予定よりも非常におくれて、実際の実需者に対する割り当てが時期的に非常におくれた、こういう話を聞いておるのですが、この実情はどういうふうになっていますか。
○栗原政府委員 絹糸につきましては、事前許可制の運用に当たりまして、本年度から新たに実需者割り当ての制度を設けることを決めた次第でございます。初めての制度でございますし、若干準備の期間を要しまして実施がおくれたわけでございますが、すでに去る三月三日に要綱等を発表いたしております。したがいまして、現在この実需者にかかわります手続につきましては、具体的にその実行に移っておるという段階でございます。
○渡辺(三)委員 先ほど生糸についていろいろ局長からお伺いをしましたが、絹糸についての割り当ての数量はどのようになっておりますか。
○栗原政府委員 本年度は七千五百俵を予定しております。
○渡辺(三)委員 それから、これは農林省にお伺いをしたいと思いますけれども、生糸の実需者の割り当てについて、入荷時期が非常に不規則だ、それで実際に生産を行う場合に、計画的な生産がなかなかやりにくいという実態があるのだ、こういうことを前からお聞きをしておるわけですけれども、そのような点についての農林省の見解をお聞きしたいと思います。
○松岡説明員 生糸の実需者の売り渡し制度につきましては、御案内のとおり、綿業安定緊急対策の一環といたしまして、五十一年十月から実施しているわけでございます。先ほども申し上げましたように、年間の量につきましては、原則として四半期ごとに割り当てているということでございまして、われわれといたしましても、糸価安定制度の適切な運用を妨げないという範囲におきまして、事情の許す限り、できるだけ定期的かつ早期の割り当てを実施してまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○渡辺(三)委員 いまのお話では、四半期ごとにずっと量を決めて割り当てを実施する、こういうふうなことなんですけれども、大体常識的に私ども考えますと、四半期ごとでありますから、年間の割り当て数量の四分の一をそれぞれ順調に、実際製造に携わる企業は、計画的な生産を行っていけるような、順調な割り当てをもちろん期待しておると思うのです。それが、たとえば十二月に割り当てられるものが非常に時期がおくれるとか、あるいは四半期が、等分ではなくて、非常に偏った割り当てになる、こういったような実情はございませんか。
○松岡説明員 今年度につきましては、先ほど通産省の局長から申し上げましたように、三万二千五百俵ということでやった次第でございますが、五月、七月、九月、十二月、それから三月、そういった割り当てを行っておりまして、それぞれ六千五百俵、七千五百俵、八千俵、八千俵、二千五百俵、こういう割り当ての実態でございます。申し上げましたように、一応定期的、かつ、ほぼ均等な割り当てになったのではないか、こういうふうに考える次第でございます。
○渡辺(三)委員 重ねてお伺いしますが、四半期ごとのすべての回というわけじゃありませんけれども、その時期によっては、実際手に入る時期が非常におくれるというふうなことは、現状あるいは過去においてございませんでしたか。
○松岡説明員 本件につきましては、実需者割り当てにつきましては、実需者が商社といわば結びつきを行いまして、品質なりあるいは特定の繊度なり、そういったものを一応約定いたしまして、そういった契約を尊重いたしまして事業団が売り渡す、こういう仕組みをとっておるわけでございます。したがいまして、実需者サイドの品質あるいは繊度といったものに対する御要望の程度によりましては、たとえば物がおくれて到着するといったようなこともございますが、われわれといたしましては、そういったことまで含めまして、余裕も見て、契約が円滑に推進できるようにというふうな指導もいたしておるような次第でございます。
○渡辺(三)委員 これは、今回政府が提案されている法律と、直接かかわるわけじゃありませんけれども、今度また新たに構造改善の一部改正法案ができた、こういうことを機会にして、産地の各地区からいろいろな要望がわれわれの手元に寄せられておるわけです。私も二、三の産地については、実際に足を運んで、いろいろお伺いをしておるわけでありますけれども、いまお話がありました契約に基づく引き渡し、これが実際には非常におくれておる。そういう面で不便をかこっておる実需者が相当多いように、私どもとしては伺っておるわけであります。この契約が行われたその月から、何日後までには間違いなく渡すのだ、こういうふうな何か一つの規制がありますか。
○松岡説明員 物は輸入品でございますから、先方の船積み時期を指定するというふうなことをやっております。
○渡辺(三)委員 この問題についてはいまも申し上げましたように、業界の非常に強い要望がありますし、生糸の場合には農林省、絹糸の場合には通産省ということになりましょうけれども、十分に実際の仕事に携わっている実需者の立場に立って、これがスムーズに入荷できるように、あるいは手元に直接入るように、一層今後とも指導を強めていただきたい、こういうふうに考えております。この問題については以上をもって次に進みたいと思います。 この前、二月二十八日の当委員会、さらにその次には参考人六名に来ていただいて、今度の法案についていろいろ審議をし、あるいは参考人の意見を賜ったわけでありますけれども、その際にも、参考人の意見としても、あるいはまた二十八日の質問の中でも、中心的に議論されましたのは、現在までの構造改善事業、これが必ずしも所期の目的を十分に達成したとは言えない。まあそれはそれなりのいろいろな理由があったわけでありますけれども、今年の六月三十日の期限をさらに五カ年延長して、それから内容的にもいままで不十分だ、こういうふうに思われている点を、十分に今度の改正法案では検討した上に、実績を上げていくのだというふうな話になっておるわけですが、一般的に高度成長から低成長に移った、そういう経済動向、これを反映しているということはあると思いますけれども、それとは別に、具体的な、現行法の中でこの点がきわめて不十分だった、したがってこれを直せば、今後は構造改善事業は一層スムーズに実施されるのだ、こういうふうな通産側が考えておられるポイントといいますか、それをひとつ挙げていただきたいと思うのです。
○栗原政府委員 御指摘のように、思うようになかなか構造改善が進まなかったことは事実でございます。その現行構造改善制度上の問題点として私どもが考えておりますのは、現行制度の中で、やはり地域なり業種なり、業態の実情に即してない点がかなりあったのではないかという反省をいたしております。そういった意味の議論を繊維工業審議会等で行いまして、第一点としては、具体的には御承知のように産元、親機を含みますグループ等につきましては、一定の同業種グループも構造改善の実施主体に加えるといった改正を、今回行うこととした次第でございます。これによりまして、産元とその関連の機屋さんあるいは親機、その関連の子機、親ニッター、その関連の子ニッター、いずれにいたしましても、現在の機屋さんの中で、約六割は賃加工の機屋さんであるということが言われておりますけれども、こういった非常に大きなシェアを占めます賃加工の機屋さんも、構造改善に参加できるような形でのシステムというものを、今回取り入れたいという意味合いも含めまして、産元、親機といったものを制度の対象に加えてきたという点が、まず第一点でございます。 第二点といたしましては、助成制度の内容自体につきましても、設備リース比率の改善、あるいは施設共同化事業融資制度の要件緩和といったような拡充を図っております。 さらに前回の構造改善の例にもかんがみまして、制度内容の周知徹底等につきましても、今回留意をしてまいりたい、かように考えております。
○渡辺(三)委員 そこで少し中身に入って具体的にお伺いをしますが、この今度の法改正によって、いま局長が言われましたように、産元なり親機なりを対象に拡大をする、こういうふうになるわけですが、これによって、たとえばこれまで構造改善事業の対象になじまなかった産地地域、そういう中で、たとえばこういうところについてはできるだろうというふうな産地名などを二、三挙げながら、具体的に御説明願えませんか。
○栗原政府委員 産地の実情に即した意味での産元、親機等の制度の導入ということでございますが、具体的に思い当たりますのは、たとえば福島県でございますが、福島県の場合には、私どもの承知しておりますところでは、親ニッターと子ニッターという二つのグループが存在するわけでございます。それ以外の、他の産地におきますような異業種の業者が存在しない、したがって、現行の構造改善制度のもとでは、異業種間連携ということでの、グループの組み方が非常に困難である、こういう実情にあるという状態でございまして、今回の改正におきまして、親ニッターと子ニッターといったグループが認められることになりますと、この福島の産地におきましても、構造改善グループというものを、ある一定の条件のもとに、同業種で結成できるということに相なるということが、一つの例に相なろうかと思います。
○渡辺(三)委員 いま福島の例を挙げられたわけですけれども、繰り返すわけではございませんが、これまではよくこの委員会でも言われましたように総件数にして五十六件、こういうふうなことで、それから実際準備された資金も十分に使われない、こういうふうな状況できたわけですが、今度の法改正によって、いまの福島だけの例じゃないと思いますけれども、いま御答弁になったような形でこの構造改善事業に乗りやすい、こういうことを通産側としては確信を持って提案をされたわけでしょうけれども、この五年間、これからやってどのぐらいこれが進む、なかなかこの前の議論の中でも、数字的には言いがたいというふうなお話がございましたけれども、おおよそのめどというものはお持ちになっておるのでしょうか。
○江崎国務大臣 過去五年間の経緯を見まして、そしていま局長が申し上げたように改めたわけでありまして、これはよく宣伝、周知徹底することが必要なのですね。そして、地方通産局などにおいても、今度はこういうふうになるからということを、具体的に指導することが一番大切なことだと思うのです。そうすれば相当な成果は上げ得るのではないかと思っております。
○渡辺(三)委員 いま大臣からお話がありましたが、そこで、それでは事務当局から少しいまの大臣の御答弁の中身について、さらに具体的にお伺いをしたいと思います。 確かに、末端にいきますと、こういう点について正しい受け取り方といいますか、周知徹底がなされておらない、非常に不足だ、こういう点があるわけですけれども、通産の機構、機能の中で、具体的にはどういうふうな手だてをもってそれを周知徹底させるのか。たとえば都道府県の責任者を通産が呼んで、この法律の趣旨なり内容を十分に説明するとか、あるいは、まあ通産省といっても、本省というよりは各通産局だと思いますけれども、各通産局でいま言ったようなことをやるとか、今度は県の単位で各地区から人を寄せて、十分そういう点の講習をするとか、いろいろ方法はあると思いますけれども、具体的に考えておられる内容としてはどういうものがありましょうか。
○栗原政府委員 ただいま御指摘になりましたような、役所としてのPRは、通産局経由あるいは地方自治体経由で当然行うわけでございますが、さらに振興事業団なり構造改善事業協会を通じまして、それぞれ普及、指導を行いたいと考えております。繊維の構造改善事業協会には登録指導員といった制度もございますし、こういった指導員制度も活用しながら、それぞれの産地におきまして、産地からのお話もございますし、産地組合等も活用しながら、できるだけ指導を行えるような措置を考えたい、かように存じておるわけでございます。そういった形で、役所、自治体、事業協会、中小企業振興事業団、それから産地のそれぞれの組合、こういったものを全体としてつかまえながら、積極的にPRをしてまいりたい、かように考えております。
○渡辺(三)委員 それから、今度の改正、対象を拡大するというふうな一つの大きな改正点、それとともに資金の確保の問題、いわゆる融資の問題でのいろいろ具体的な手だて、それはこれまでの経過の上に立って、ぜひこの点は改善をしなければならぬというふうな、幾つかの問題を出されておると思いますが、その中で、設備リース比率の改善の問題、いままで二分の一で頭打ちだったわけですけれども今度は三分の二にする、こういうふうな問題が一つありますが、これは具体的に言うとどういう効果があるか。これによってこの構造改善というものが非常に進む、こう考えられて、このような内容にされると思うのでありますけれども、この点少し中身を具体的に御答弁いただきたいと思います。
○栗原政府委員 今回の助成制度改善の中の、設備リース比率の改善でございますが、構造改善事業全体の融資額に占めます設備リース事業融資額の割合、これを設備リース比率と申しておりますが、これが従来二分の一頭打ちということでございまして、全体の金額のうちの、二分の一で限度を抑えられておるということでございますが、この二分の一頭打ち制度を、三分の二に引き上げるというのがこの内容でございます。二分の一から三分の二ということで、率としては余り大きくないように見えますけれども、これは全体の中に占める比率の関係でございますが、実際といたしましては金額としては、従来と同じ構造改善事業の中での設備リースの金額を前提としますと、むしろ倍の金額のものが借りられるという効果を持つわけでございまして、そういう意味では、この設備リース事業というものが、従来に比べて非常に大幅に拡充強化されたというふうにお考えいただければと思います。そういった意味で、今回の全体の助成の中では、これが一つの目玉になっておると考えております。
○渡辺(三)委員 そうしますと、一つの枠の中でいままで二分の一頭打ちだったのが今度は三分の二になる、こういうことによって、たとえば商品開発であるとか、共同施設であるとか、そういう点に逆に圧縮の影響というのは出てこないのでしょうか。
○栗原政府委員 結論から申して、そういうことはございません。
○渡辺(三)委員 それからもう一つ、助成措置の中で、施設共同化事業融資の問題、これの中身についてお伺いをしておきたいのですが、これは要件の改善が出ておるわけであります。従業員五人以下の規模の企業を、二十人以下に改正する、こういうふうな形で、小規模事業者の組合による、共同施設の事業が行われるというふうなかっこうになると思いますけれども、これによる効用を、具体的にどのように見通されておりますか。
○栗原政府委員 施設共同化事業につきましての要件緩和をいたしたわけでございますが、私どもとしましては、この施設共同化事業の要件緩和によって、対象になります小規模の事業者、通常の構造改善グループの中に入って、一人前の企業者として、高付加価値、差別化商品の、知識集約化事業に参画するわけにはなかなかまいらない小規模事業者の方々が、緩い要件のもとで、こういった形で設備リースが行える、そういう形で設備リース事業を活用しながら、体質の改善を図りつつ、さらに積極的に伸びて、今度は一人前の、さらに本格的な構造改善の基盤をもつくり上げることができるような、そういう意味での小規模対策事業だというふうな意味合いで、私どもとしては、特に零細企業の方に対して、この制度の活用ということをお勧めしたい、かように考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 ちょっと具体的なといいますか、技術的な中身になりますけれども、たとえばグループがあって、そのグループを構成する小規模の事業者が、幾つかずっとあるわけでしょうけれども、その場合に、いままではグループの中の従業員五名以下の企業者に対して融資が行われておったが、それが、グループを構成する、規模が二十名以下の事業については、全部この融資の対象になる、この中身はこういうふうな解釈でしょうか。
○栗原政府委員 要件の緩和は二つございまして、一つは、対象となります組合の構成員の三分の二以上が、五人以下の小企業でなくてはいかぬというのが、従来の基準でございましたが、今回はそのグループの中の、従来三分の二以上と言っていた要件を、二分の一以上というふうに緩和いたしましたので、五人以下の企業の割合が半分以上であればよろしいというふうに、まず要件を緩和したことが第一点でございます。それから、第二点は、この設備リースの対象となる企業でございますけれども、従来は従業員が五人以下の企業に限るということになっておりました。それを今回、従業員二十人以下の企業ならば対象にできるというふうに、少し大き目の企業も対象になり得るという形での要件緩和をいたした。この二点が改正の要点でございます。
○渡辺(三)委員 次に、発展途上国の繊維貿易構造といいますか、これについて若干お伺いをしたいわけでありますけれども、よく繊維の問題を議論する際に言われますように、発展途上国、たとえば東南アジアであるとかあるいはラテンアメリカであるとか、こういった国々の追い上げが非常に激しい、こういう事情の中で、日本の繊維産業が長い間占めてきた、国内産業の中における地位というものも後退をしてきたし、あるいは国際的な観点から見ても、日本の繊維産業というのは、これまで長い間日本の産業史の中で保っておった地位というものが、相対的に後退をしておる、こういうふうに言われておるわけであります。 そこでお伺いをしたいのは、まず東南アジアにしぼってお聞きしたいと思うのでありますが、東南アジアの国々の現在の繊維貿易構造、つまり発展途上国の場合には、この繊維自給化というものが急速に進んで、その体制がほぼでき上がって、そして今日では、さらに繊維輸出国としての地位を固めつつある、大ざっぱに言ってこういう状況だと思いますけれども、その状況をできれば数字を挙げて説明をしていただきたいと思うわけです。
○栗原政府委員 とりあえず手元にございますのが、韓国、台湾、香港の三カ国についての数字でございます。それ以外の国についてお尋ねがあれば担当課長からお答えさせていただきますが、韓国、台湾、香港の三カ国、これがわが国の繊維輸入の恐らく六割強くらいになろうかと思いますけれども、これらの国の生産設備能力を見てみますと、たとえば合成繊維でございますが、一九七〇年には設備能力としてわが国の一割弱くらいでございましたけれども、七七年には約五割、半分になってきておるというふうな増強が行われております。 それから、紡績関係の生産設備能力では、一九七〇年にわが国の約四分の一であったものが約二分の一になっております。 また、織機関係でございますけれども、一九七〇年にはわが国の能力の約一四%でありましたものが、七六年には約三分の一というふうに上昇いたしております。 生産数量について見ましても、ほぼ同じような傾向を示しておりまして、合繊につきましては一五%が五三%に、紡績につきましては三分の二であったものがわが国とほぼ同じ水準に、綿織物につきましては二八%であったものが七〇%に、それぞれ急激な上昇を見せている、こういった増加の状況でございます。
○渡辺(三)委員 そこで、よくわが国の今後の繊維産業のあり方、こういうことが議論をされる際に、高付加価値化あるいは差別化、こういう状況を強力につくっていかなければならぬ、こう言われておるわけでありますけれども、特に一九六〇年代から今日の段階までにおける発展途上国、とりわけいま局長が言われたような数カ国においては、まさに驚異的な発展段階をたどっているというふうに私どもも考えておるわけです。したがって、日本の今後の繊維産業のあり方として、高付加価値化ということが当然の命題でありますし、わかるのでありますけれども、しかし同時に、この十年間の実態を見てまいりますと、たとえば東南アジアの諸国においても、追っかけ日本のそういうふうな繊維産業のあり方をまねると言うと語弊がありますけれども、その水準に急速に追いつくというふうな状況が出てくるのじゃないか、こう考えておるわけです。その辺の御見解をひとつお伺いしたいと思うのです。
○栗原政府委員 ただいまお話ございましたように、これらの国におきまして、特に紡績あるいは織布、縫製といったような段階の製品につきましては、もう当然に能力としても国内の自給能力を上回る設備を持つに至っておりますし、その強みといたしまして労働コストが非常に低廉である、あるいは国によっては政府としても非常に積極的な輸出振興策をとっておる、それぞれの事情のもとに、積極的に輸出市場にも出てまいっております。また紡績、織布、縫製以外にも、合繊関係でもファイバーの生産、あるいはその原料段階の自給といったところまでも進んできておるというような状況でございまして、わが国としては、これらの製品に対しまして、内外の市場におきましてこれからもやはり競争を続けていかなくてはならない、こういう状況だと思います。 翻ってわが国の繊維産業の立場を考えてみますと、技術あるいは品質といったような面におきましては、これは非価格競争力という分野でございますけれども、こういった面におきましては、なおこれらの国に対して十分な優位性を持っているというふうに私ども考えております。賃金コストにおいては差があるわけでございますけれども、先ほどのような国の中でも賃金上昇の比率というものはかなり高いところもございますし、若干は格差の縮小といったようなことも、将来には予想されるということも一つあるかと思います。 いずれにいたしましても、今後、当然に設備の近代化等を含めた、コストの低減ということを図る必要があるわけでございますけれども、それに加えまして、今回の構造改善法で考えておりますような、製品の高付加価値化なりあるいは差別化なりといったような方向で、これらの国に対する競争力を強めていくという政策をとっていく必要があるのではないか、かように考えております。
○渡辺(三)委員 過去において、あるいは現在も含めてでありますけれども、日本の国が国として、あるいは日本の資本が、この発展途上国に対して行っておりまする、いわゆる海外経済協力、これはいろいろな形があると思いますけれども、そういう海外経済協力の形、または直接の投資によって、発展途上国の繊維産業の発展あるいは設備、こういうものにかかわったケースはどのようになっておりますか。
○栗原政府委員 ちょっとお尋ねで聞き取れなかった部分がございますが、経済協力なり投資に関連したケース……。
○渡辺(三)委員 質問の趣旨がおわかりにならなかったようでありますけれども、国の海外経済協力というふうな形あるいは日本の個々の資本が、具体的に申し上げますと、東南アジアの繊維産業のいろいろな施設なり設備、そういうものに対して直接投資をした、経済協力をした、こういうふうなケースがあるかどうか、こういうことを聞いているのです。
○栗原政府委員 担当でございませんので、経済協力の中身につきまして、具体的にどの程度のものが繊維にかかわっておるかという数字は持ち合わせておりませんけれども、海外投資の中の相当の部分は、これは民間の海外投資でございますが、その相当の部分は繊維に関連したものが、特に東南アジアを中心に行われていると考えております。たとえば近隣諸国に対します直接の海外投資の許可状況でございますが、昨年の九月末現在で、ちょっと合計がございませんが、たとえば韓国に対しましては件数が百件で一億六千三百万ドル、台湾に対しましては件数が七十六件で三千七百万ドル、香港に対しましては五十一件で九千四百万ドル、こういった形で、民間の海外投資の許可といったものが行われた実績がございます。
○渡辺(三)委員 そういう発展途上国の繊維産業が非常に急速に伸びておる、こういうふうな状況から、非常に強い意見としては、輸入規制をやらなければどうにもならぬじゃないかというふうな意見があることは御承知のとおりであります。しかし、大臣も力説されておりますように、単なる輸入規制というふうな形では国際的な経済協力関係がうまくいくものじゃない。したがって、秩序ある輸入といいますか、そういうものを考えなければいかぬということは強調されておるわけでありまして、そのことは私もわかるのでありますけれども、実際問題としていろいろな形で、特に民間の投資が多いかとは思いますけれども、発展途上国に対するたとえば繊維の設備の更新であるとか、そういう援助、協力と言えば言えるでしょうし、あるいは中身によっては、これは個々に全部調べてみなければわからぬですけれども、自社がもうけるために海外投資をやる、こういうふうないままでの積み上げが、発展途上国の繊維にかかわる追い上げというものになってきた。そこにも大きな原因があるのじゃないかと私どもは見ておるわけです。ですから、一方においては輸入ラッシュで困っており、片方においてはそういう海外投資をやるというふうな状況がこのまま続いていくということであれば、私どもそこに非常に大きな矛盾を感ずるわけでありまして、そういう意味で今後の近隣諸国における繊維にかかわる投資をどう考えるのか、こういうことをぜひお聞きしておきたいと思うのです。
○江崎国務大臣 御指摘の点は、確かに私も重要な問題だというふうに認識しております。ただ言えることは、先ほど来局長も申しておりますように、設備の合理化をしてコストをダウンすること、それから付加価値の高いものをつくりません限り、比較的競争力のないような、綿布だけであるとか、毛織物の布地だけであるとかといったようなものでありますと、紡機が糸を引いて織機が織布するというような形で、これは賃金の安いところにかなうはずがないのですね。ですから、日本の企業が外に行く場合も低賃金を求めて行った。そして同じようなものを入れてくる。これは確かに競争にたえられないわけであります。 ただ言えますことは、いま御指摘があったように、そういった中進国との競合という場合に、どうもこれは自由貿易の原則からいっても制限できないばかりか、その国々と日本との貿易バランスは、おおむね日本側の輸出超過という形でインバランスしておるわけです。したがって、どうもとめてとまらない。ただ、今後の一つの見通しとして言えますことは、それら中進国においても、ここのところへ来て急激に賃金がアップしておりまするので、日本が、一方では付加価値の高い知識集約型の国民的ニーズといいまするか、これは世界と言ってもよろしゅうございますが、消費者ニーズに合った製品をつくる努力をしておる、一方は従来の形で追い上げてはきておるが、賃金、コストが相当高まりつつあるということであれば、もうしばらくここのところを切り抜けていけば、日本の企業にも相当競争力が出てくるのではなかろうか。これを念じながら、今後の新法でできるだけきめ細かな対策をしていこうというふうに考えておるわけであります。
○栗原政府委員 制度的な面につきまして一言補足をさせていただきます。 現在、海外投資につきましては、原則はOECDの資本取引自由化コードに基づきまして、自由化されておるわけでございますが、特に国内産業に重要な影響を与える場合としまして、繊維につきましては特例が設けられておりまして、これは昨年四月から実施をいたしておりますけれども、外国為替管理法上、特定国向けの繊維の一定限度以上の海外投資につきましては、許可を要すべきものということにされておりますので、この許可制度の運用を通じまして、今後のあり方につきまして、私どもは十分注意をしてまいりたい、かように考えております。
○渡辺(三)委員 これは繊維に限らず、たとえば弱電のような分野においても、かつて日本では相当積極的に、たとえば韓国に対しても、台湾に対してもそうでありますけれども、資本の投下をやりながら、日本が技術の育成をやった、そういう面すらなかったわけではない。それがそういった国々の技術水準の向上あるいは経済力の向上の中で、いま追い上げられている羽目になっておるわけでありまして、こういう点については、今後のあり方について十分に慎重を期していただきたいというふうに考えておるわけです。 昨年の繊維製品輸入は二十五億ドル、こういうふうな状況で、前年対比でも大変な伸びになっておることはここでも議論されたとおりでありますし、そういう点についてはさらに慎重を期しながら、いわゆる表現はどうでもいいのですが、秩序ある輸入といいますか、そういうふうな観点を一層強めていただきたい。このことを強く要望しておきたいと思います。 それから、そろそろ時間でありますから、最後に一つだけお伺いしたいと思いますけれども、去年の十一月の答申の中でも言われておるわけでありますけれども、過剰供給あるいは過当競争体質の是正というふうな形で、それぞれ設備の廃棄であるとか抑制であるとか、ずっと進められてまいりました。そこで転廃業を余儀なくされている繊維事業者、これについては、いわゆる転換法であるとか、あるいは雇用保険法の助成措置、そういうことを活用しながら、雇用の安定を図っていかなければならない、こういうふうに述べておるわけですが、この中での転廃業の実態について、もし数字の準備があれば、ぜひお伺いをしたいと思うわけです。 また、転廃業に追い込まれた事業者が、具体的にどういう方面に事業転換をしておるのか、そういう点もつかんでおられれば、この際発表していただきたいと思います。
○栗原政府委員 私どもといたしまして、繊維事業者の事業転換の全部を必ずしも把握しているわけではございませんけれども、中小企業事業転換対策臨時措置法に基づきまして、各都道府県知事がこれまで認定を行いました事業転換計画、これが百三十二件ございますが、そのうち四十三件が繊維事業者からの転換計画ということに相なっております。 この転換計画の中での転換先でございますが、繊維関係以外の製造業が十、繊維関係の製造業が七、卸売、小売業が八、飲食業、旅館業等が十八、こういったような数字に相なっております。
○渡辺(三)委員 この問題も、実はほかの機会に何回かこの委員会で議論になりましたが、この転換法に基づく、いわゆる誘導的な新しい事業分野への転換、こういうものが必ずしも順調に進んでないように思うのですね。それで、いつかも申し上げたことがありますけれども、いまの数字の中にもちょっとありましたが、たとえばいままで小さな機屋さんを営んでおった、これが転廃を余儀なくされた、一体どこに行くか。同じような、いままで経験のある業種に転換をするというのは無理なんですね、実態が。それで、いまの数字にもありましたように、飲食店とか、とにかくいますぐに食っていかなくちゃならないというふうな形で、日銭の入るような商売に切りかえる、これはある意味では非常に安易な切りかえだと私は思うのですよ。別に飲食店が悪いというわけじゃありませんよ。ですけれども、そういうふうな形で、必ずしも転換法に言われているような内容への転換になっていないのじゃないか。こういう点については、通産としてはひとつ十分に考えなければならない問題ではないかと思うのですが、重ねてその見解をお伺いしたいと思います。
○栗原政府委員 私どもといたしましても、中小企業の転換対策促進の関連法あるいは雇用保険法等の活用によりまして、繊維産業はこれからも非常に厳しい道が続くわけでございますので、これらの転換につきましては、極力円滑にこれが進みますように、私どもは中小企業庁あるいは労働省その他関係の省庁とも十分連絡をとりまして、これらの転換がスムーズにまいるような努力をしてまいりたい、かように考えております。
○渡辺(三)委員 局長では若干この問題については答弁しにくいと思いますから、いまの転換問題については、いずれ少し時間をとって、十分に議論したいというふうに考えております。 さらにまた、海外投資の問題については、けさ趣旨説明がありましたように、海外経済協力の問題が法案として次回に出てくるわけでありますから、その際にさらに具体的に詰めていきたい、こういうふうに考えております。 ちょうど時間でありますから、以上をもって終わります。
○橋口委員長 飯田忠雄君。
○飯田委員 このたびの法律改正につきまして、疑問点二、三お伺いをいたします。 繊維工業構造改善臨時措置法という法律は、昭和四十二年七月に最初に立法をされましてからすでに十二年を経過し、最終改正をされてからでも五年を経過しております。しかも、いまなおその立法目的を十分達成し得ないという状況でありまして、今日まで通産大臣の承認を受けた構造改善事業計画は、五十六件にすぎないということを聞いております。このような状況でありまするのは、結局、政策に継続性がなく、観念的に過ぎるのではないか、そのために業界が政策についていけないのではないか、こういう御意見を漏らす方もございます。この点につきまして政府の御見解をお伺いいたします。
○栗原政府委員 御指摘のように、昭和四十二年から特繊法と言われる構造改善法が施行されまして、これはスケールメリットを中心に、国際競争力を強化しようあるいは過剰設備を解消していこう、こういう趣旨でまずつくられた法律でございますが、この法律の運用に当たりまして、まずスケールメリットのもとにおきます近代化ということにつきましては、この構造改善法のほかに、近促法の構造改善ともあわせまして、これはかなりの程度活用もされ、実際に近代化が進められてきたというふうに私ども考えております。 さらに、もう一つの目的でございます過剰設備の処理につきましても、対米関係の臨繊特の設備廃棄とあわせまして、過剰設備の処理としては、その時点においては、かなりの程度において実効を見たというふうに私ども考えておるわけでございます。 ただ、その後におきまして、オイルショックを経まして、大幅な需給ギャップが生じた、これは高度成長から安定成長への移行に伴いましてのギャップ、あるいはそれに基づきます不況の継続といったことからの、大幅な過剰要因というものが出てまいりましたために、一つは過剰設備がさらに出てきたという現象が目につくわけでございます。しかしながら、これはそれまでの政策の足らなかった点という意味ではなくて、新しい事態の発生という意味での過剰設備の発生というふうに、私どもとしては考えておるわけでございます。 一方、今回の構造改善法でございますが、やはりオイルショックを契機にいたしましたこの新しい事態におきまして、従来型の、国際競争力強化だけの路線では、これからの内外の、特に後進国からの追い上げを前提にいたしまして、日本の繊維産業というものが対応し切れないという立場から、異業種間連携、知識集約化といった形での路線を走り始めたという経緯に相なっているわけでございまして、私どもといたしましては、これが過去におきます同業種連携、競争力強化方式とやや路線が異なりますために、業界としての受けとめ方に多少ためらいがあったという点は否定いたしませんけれども、この路線自体はやはり今後わが国として、どうしても知識集約化の方向において続けていく必要があるし、これ以外に方法はないのではなかろうかという信念を持って進めておるところでございます。
○飯田委員 それでは次の問題に移りますが、このたびの法改正案を見ますと、金融対象条件の範囲を、産元、親機を含めた共同体的にしております。この問題は、一面では末端織物業者の金融返還能力の不足を保証する責任を、産元や親機に負わせる、そういう機構である、こういうふうに考えられまして、評価すべき点もあると思われますが、他面におきまして、輸出入業者の負担すべき為替相場の危険負担を、産元、親機を経まして加工賃低下という形で末端業者に責任を負わせておる、そういう仕組みを今後もなお保存し、法的根拠を与えていくという結果になるのではないか、こういう批判がなされております。この点につきまして、政府の御見解をお伺いいたします。
○栗原政府委員 今回、産元、親機等につきまして構革の対象にいたしましたのは、これの持つ商品企画なりあるいは情報収集機能といった知識集約化の機能に着目をいたした、そういった意味での、ふさわしいグループづくりというものを頭に置いたわけでございますが、ただいまおっしゃられました円高に伴います為替リスクの転嫁との関連でございますが、こういったグループが仮に結成されますれば、第三者に対しては、産元と子機というものはむしろ一体となって、共通の利害のもとに行動するという意味合いも出てまいりますので、必ずしもそのリスクの転嫁を受け入れるというたてまえのもとに、運用されるべきものではないというふうに考えておるわけでございます。
○飯田委員 いまの問題でございますが、金融をする場合に、もちろんいままでの小さな零細企業では返還能力がありませんので不安でございます。したがいまして、保証人が必要なんですが、その保証を産元とか親機がするという意味では、今度の金融措置は非常に意味があるということを先ほど申しましたのですが、しかし現実には、その借金を返す人は末端の業者なんです。産元が返してくれるわけではございませんので、保証人の責任は持ってくれた。そこで、結局金融というものが比較的容易になる。容易になっただけ、それだけ末端業者の責任は重くなってくることになるのではないか。こういうことで、結局弱い者にてこ入れをすることによってこれを支えて、強者の責任を弱者に負わせてしまう結果になりはしないかということを言うておる人がありますので、お尋ねしたわけです。 たとえば、これは問題がちょっと違うかもしれませんが、播州産地におきまして、近年における発展途上国の追い上げと、円相場の高騰その他の影響を非常に受けまして、このまま放置すれば、この地方の織物産業は衰亡してしまうのではないか、何とか対策を講じてほしいという現地の訴えがございます。そこで、今度この構造改善法の改正をすれば、この播州産地のような輸出向けウエートの高い産地、こういう産地における問題解消ということになるだろうか、こういう点につきまして、政府の御見解を承りたいのであります。
○栗原政府委員 御指摘の播州産地でございますが、先染めの綿、合繊織物の特に輸出比率の非常に高い産地だ、これは八割も輸出しておるというふうに承知いたしておりますけれども、そういった意味で、特に昨今の円相場の高騰によりまして、輸出面で、近隣諸国との輸出先での競合というものが、非常に問題になっているということであろうかと思います。 こういった情勢に対応いたしまして、現在私どもの承知しておりますところでは、播州産地のあり方につきまして、地元でも検討が進められているというふうに伺っております。これによりますと、やはり中長期的に発展途上国との競合を回避するために、品種の転換なり市場転換なりを目指しまして、そのために素材を多様化し、あるいは商品開発を進めるといったことが必要であるという方向を、検討しておられるようであります。こういった考え方につきましては、繊工審の答申等に示されましたような、知識集約化の方向に合致する方向であるというふうに私ども考えておりますし、妥当なものだというふうに私ども存じておるわけでございます。
○飯田委員 このたびの改正法によりますと、アパレル産業の問題を取り上げております。繊維産業の構造改善にアパレル産業を参加させる、これは一つの新しい案だと思いますが、問題は、その具体的な方策がわからないのではないか。たとえば播州織につきまして、アパレル産業をどのように構造改革として参加させるのか、これは非常にむずかしい問題であろうと思います。この点についてどのようにお考えになっているのか、お尋ねをいたしたいわけです。 播州織の産地の方からの意見を聞いてみますと、産地の中小企業の中核組織である産地組合を活用することが必要だ、こういうような意見も出ておるのですけれども、こういう意見は余りにも抽象的な意見で、具体的にアパレル産業との関連づけにはならないように思うのですが、政府の方で何かうまい御指導の方策はございましょうか、お伺いいたします。
○栗原政府委員 産地が今後どうあるべきかということについて、まず産地の方が自主的に、先ほど申し上げましたようなことでお考えいただいておるということでございますけれども、播州のような素材の産地にアパレルというものをどう結びつけていくかという問題でございますが、産地内の結びつきとして、播州の中で企業的に一、二結びつくというようなケースは当然あり得るし、あってしかるべきかとも思いますけれども、そういった素材産地が、即全部アパレルと全面的にその産地において結びつくこと自体が本当に望ましい、いい方向であるかどうかということにつきましては、相当慎重に検討してみなくてはいけないのじゃないかというような感じも、実は持っております。むしろ、それよりも、素材産地は素材産地として、別の地域におきます、もっと消費者ニーズに近い場所にございますアパレル産業と結びつくといったような形での発展というものも、当然本筋としては考えるべきことではなかろうかというような気もいたしますし、その点につきましては、なかなか一義的には申されないところかというふうに考えます。
○飯田委員 播州産地の問題につきましては、非常に困難な問題があろうと思いますが、播州産地では、現行法のもとで、産地ぐるみで何とかして知識集約化を進めていきたいということで、努力をして模索をしておるようでございます。ただ、どうしたらいいかという点が明確でない。そこで、政府の方の御指導によりまして、その点を明確にするとともに、積極的な援助を加えていただいて、播州産地というものを構造改善の理想型ということにしてもらいたい、こういうのが現地の要望でございます。 そこで、そういう問題につきまして、政府の方におかれましては、どのような御指導を願えるのか、お伺いをいたします。
○栗原政府委員 播州産地は、私ども承知しておりますところでは、これは非常に特別のケースであろうと思います。産地ぐるみで構造改善を進めていらっしゃるという産地として非常に特異なところであろうかというふうに私ども考えております。 これを実際に進めていかれるためには、産地全体を取りまとめていかれるという意味で、いろいろ産地としての御苦労が非常に大きいことだというふうに考えておりますけれども、もちろん産地ぐるみの構造改善自体が、今度の構造改善の典型例というわけでは必ずしもございませんで、一つのグループを結成すると、それは必ずしも産地ぐるみを意味するものでもないということは、御承知のとおりでございますけれども、播州のような、産地ぐるみで構造改善を行っておられるというのも、これはある場合には他のモデルにも十分なり得るようなケースでもございますし、この御熱意というものも、非常に他の範にするに足るというものでもございますので、私どもといたしましても、今後、こういった構造改善の制度を改める機会におきまして、他のPR等も含めまして、できるだけ積極的に、そういった意味での趣旨の広報に努めたい、かように考えている次第でございます。
○飯田委員 次の問題に移りますが、近年の織物の技術開発というものは、超自動織機といったような量産機種に偏してまいりました。そういうものを現地では購入いたしまして、その余剰機械を処分するということに非常に苦慮をいたしてきております。 ところが、今後の業界のあり方は、需要の多様化、高度化傾向に伴いまして、それに対処することが必要だ。そうなってまいりますと、そういう多様化、高度化傾向に伴う機械、こういうものを開発していかねばならないわけですが、そういう機械の開発というものは、現在わが国ではどの程度に進んでおるのか、またそれは現実には実現可能なのか、こういう問題が業者にとっては重大な問題であろうと思います。この点について、政府の方の御調査の結果をお伺いいたしたいと思います。
○森山(信)政府委員 繊維産業と繊維機械産業とは、お互いにフィードバックの関係にあろうかと思う次第でございます。そこで、ただいま先生から御指摘のございましたように、やはり繊維機械産業の立場から見ますと、繊維産業というものがどういう方向へ移っておるのか、つまり、ニーズがどういう方向へ転換しておるのかということを、常時把握する必要があろうかと思います。 〔委員長退席、野中委員長代理着席〕 私どもといたしましては、そういうマインドで繊維機械業界の指導に当たっているわけでございますが、現実の状態を申し上げますと、機振法という法律が昔ございました。その後機電法という法律になりまして、現在は機構法という法律に移っておりますが、従来から、こういった流れの法律の過程におきまして、繊維機械産業を特定の機械に指定いたしまして、高度化を図ってまいったところでございます。特に、昨年成立させていただきました機情法、特定機械情報産業振興臨時措置法、この中におきまして繊維機械を、先ほど申し上げました新しい繊維産業のニーズというものに対応した形で、合理化、高度化ができるような仕組みで政令の指定をいたしておりますし、今後そういう方向で指導してまいりたい、かように考えているところでございます。
○飯田委員 これは現実にどういう機械があるかということが私は問題だと思うのです。現在業界は、従来の機械で非常に苦しんでおるわけですが、もしそういう高度化、多様化の要求に応じ得る機械というものが現実にできるものなら、これは非常にいいわけですね。 そこで、私がお伺いしているのは、そういう機械をつくるだけの技術開発の見通しが一体あるのかどうかという問題です。見通しがあれば、業界はいましばらくがまんをしてやっていこう、こういうことになりましょうが、見通しもないのにがまんをするといっても、これははなはだ先が暗い。それで、そういう機械がつくられる見通しというものは少しでもあるのかどうか、また、大体どのくらいのものかということをお尋ねするわけです。
○森山(信)政府委員 端的にお答え申し上げますと、先ほど申し上げました機情法によります特定機械の指定は、幾つかのカテゴリーがございますけれども、繊維機械につきましては、高度化とい目標を掲げまして指定をしているわけでございます。したがいまして、現時点におきましてはニーズに対応することが大変むずかしいものでございましても、機械業界全体の立場から言いまして、これを高度化しなければならない、あるいは合理化をしなくちゃならないというものにつきましては、政策目標を掲げまして、それに一歩でも近づくように努力してまいりたい、こういう感じでございます。したがいまして、ほっておけば、黙っておけばなかなか達成できそうにないというのが現実だと思いますけれども、政策目標を掲げることによりまして、一歩でもその実現に近づけたいというのが私どもの念願でございます。
○飯田委員 政府の御念願はよくわかりましたが、問題は、これから五年間法律を延長するわけなんですが、この法律を五年間延長する間にそれが可能なのか、あるいは余り可能でないかという問題は、業者にとっては重大な問題だと思います。まあ政府の方の御方針は、そういう観念的な問題で事が足りるでしょうけれども、実際の業界というのは、そうした抽象的な問題ではもう不安でたまらない、これは現実であろうと思います。そこでこの問題をお尋ねしたのですが、これ以上追及いたしましても余りいいお答えが出ないと思いますので、この辺にしておきます。 次の問題としまして、最近の日中の経済協力の進展という問題から、中国から輸入品について、特恵供与を検討してもらいたいということで、日本政府でも検討しておられるということを聞いております。 そこで、綿スフ織物業界の要請によりますと、最近国際競争力が非常に低下してきた、海外からの輸入攻勢というものが非常に強いので困っている。そこで、綿スフ織物業界の国際競争力の低下ということを勘案してみますと、中国への特恵供与という問題につきまして、綿スフ織物は除外していただいた方が業界にとってはありがたい、こういうわけで要請が出ております。この問題につきまして、政府ではどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○江崎国務大臣 これは、御指摘のように、私も非常に重要な問題だというふうに思っております。 特恵関税につきましては、昨年十一月、日中貿易混合委員会の席上、中国側から正式に話があった。そこで政府部内では、繊維産業を初め、これは国内産業に与える影響も非常に多うございます。他国とのバランスの問題もあります。そういうことを考えまして、慎重に検討をしておるというわけでありまして、特にこれは総合的に判断をしていく必要があるというふうに考えております。
○飯田委員 私の質問を終わります。
○野中委員長代理 清水勇君。
○清水委員 これまで再三にわたって法律の改正をしてきているわけですが、特に四十九年の改正の際に、五十四年の六月までが最後の機会である、こういう意気込みで構改事業の推進を図ることにされたわけですが、現実には構造改善は遅々として進まない。産構審がきわめて遺憾な事態であったなどと言われているわけでありますが、まず最初に、こうして構改が進捗を見ないという要因は幾つかあるのでしょうけれども、政府として重点的な総括といいましょうか、見解といいましょうか、そういうものをどのようにまとめておられるのか、お聞かせをいただきたい。
○栗原政府委員 構革のおくれにつきましては、繊工審答申にも述べられておりますとおり、やはり一つは経済情勢の急激な変動、これはオイルショック後の長期不況あるいは急激な円高といった状況のもとにおきまして、当面の懸案処理に業界が追われざるを得なくなった、そういったために、積極的な前向きの構造改善に取り組む余力に乏しかったということは、一つ挙げられようかと思います。ただ、その際に、業界サイドの問題といたしましては、やはり現状認識について多少甘さがあったとか、意欲に乏しかったという指摘も同時にあることは事実でございます。 と同時に、私ども構造改善制度を進める立場におきまして、この制度自体につきましてやはり問題もなきにしもあらずという点もあろうかと思います。これは、地域なり業種、業態に必ずしも即さなかったといううらみが、制度についてあったということがまず第一点でございまして、これらについては、今回の法改正に当たりまして、十分意を用いて改正をするということについて、努力をいたしておる次第でございます。それからさらに、広報普及について、若干足らざる点があったという点もあろうかと思います。あるいはまた、手続その他の面につきましても、やや煩瑣のきらいがあったという御指摘をちょうだいしておるところでございます。 いま申し上げましたようなことが、やはり全体としておくれにつながったものだというふうに承知しております。
○清水委員 いま局長から幾つかの点が挙げられているわけですが、私もいま反省というか、取りまとめておられる点は同感なんであります。同時に、重視をされてしかるべきことは、一つは、たとえば対前年比で輸入量が二倍にも三倍にも激増する、こういう事態に直面をして、先行きの見通しが立たないといった意味で、構造改善意欲が減退をしているというようなことがあるのではないか、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。
○栗原政府委員 今回の、四十九年以降の構革の時点を考えてみますと、ただいまの輸入の点について見てみますと、たとえば五十一年、五十二年というのは、輸入はほぼ横ばいでございます。これはむしろ微減の数字であったかと思いますけれども、輸入はふえておりません。これが急激にふえましたのは五十三年に入ってからでございまして、これは御承知のように、市況の好転もございますし、そのほか、昨夏の暑さに基づく需要の増大といったようなこともございますが、いずれにしてもそういった状況を背景に、昨年輸入がふえたというのが実態だと思います。 私どもといたしましても、構造改善を進めているさなかに、急激に大幅な輸入増加があるということは、決して好ましいものとも思っておりませんし、そういった事態が仮に——現在そうであると申すわけではございませんけれども、仮に将来あるような場合には、これは行政指導なりあるいは相手国に対する輸出の自粛要請なり、しかるべき措置をとって対処してまいりたい、かように考えております。
○清水委員 さらに、構造改善への取り組みに消極的にならざるを得なかった、そういう問題点として、たとえば近代化や高度化をしたことで、下請業者が加工賃をたたかれる、こういったケースを仄聞をしておりますし、また、現実に借り入れた近代化資金の返済ができないといったような窮状も間々指摘をされる。よく近代化貧乏とか、近代化倒産とかという事例も、指摘をされているわけでありますが、そうしたことがありとすれば、勢い構造改善への取り組みに消極的にならざるを得ないといったことも、あながち責められないのではないかという感じがするのでありますが、その点はどうでしょう。
○栗原政府委員 過去、たとえば昭和四十年代の中ごろの構造改善期間中におきまして、構造改善資金を借り入れた方々が、四十八、九年を経過しまして、その後の長期不況に際会いたしまして、ただいま御指摘のありますような、資金返済に非常に難渋するといったような事例は、それぞれの産地において私どもあるというふうに承知しております。 こういったことは、構革自体についての問題点であるのか、あるいはそういった不況の継続のもとにおいての、やむを得ない事態であるかの判断は別といたしまして、いずれにいたしましても、そういったことが仮にある場合には、償還の猶予なり期間の延長なりといったような、弾力的な対応策は当然とるわけでございますし、今回の私どもの構造改善におきましては、もちろん目標は高付加価値製品あるいは差別化製品をつくっていくということで、そのグループ内での付加価値を増大させるというところにねらいがあるわけでございまして、そういった事態にならないような、りっぱなグループづくりというものをひとつ自主的にお考えいただきたい、かように存ずる次第でございます。
○清水委員 さらに言わせていただくと、私はやはり一番のポイントは繊維産業の将来性、これがまことに不透明である、あるいは先行きの見通しが立たない、あるいは立ちにくい、こういう情勢が構改意欲の減退と無関係でないのではないかという感じがするのです。 たとえば、構造改善をやれば安定的な見通しが得られる、それはむろん高付加価値製品を生み出すとか、一定のメリットということは想定ができるわけでありますが、しかし業界全体としての安定的な見通しが得られるということであるならば、これは俗な言い方でありますが、かねや太鼓で宣伝しなくても飛びついてくるというのが必然だと思うのです。ところが、申し上げたように、この危惧があったり、先行きの見通しが立たなかったりする、そういうことが結局構造改善意欲というものを針らせているのではないか、ですからそういう点で言えば、私は繊維産業の将来性というものについて、やはり一定のビジョンといいましょうか、方向といいましょうか、そういうものが明らかにされていくということが非常に重要なことなんじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょう。
○江崎国務大臣 全く同感であります。そういうことが今度アパレル産業を振興しよう、資金はわずかですが、民間と出し合って、まずその根底をなす人材育成から始めようというところに着目をした理由であります。 おっしゃるように、今後の繊維の見通しはいかんという点は、それは個々の業者にしてみますと、非常に重要な点なんですね。ですからやはり、高付加価値と一口で言うことで簡単ですが、一体どういうものを創出したら、アパレル、アパレルと言うけれどもどういうものがいいのだ、たとえばエネルギー節約でノー上着というならば、どんなシャツが売れるのか、これは人材によって生み出されるものですが、本当にそれが国民的ニーズに合うのかどうなのかということが決まらないのに、中小企業者が売れるか売れないかわからぬものにまさか取り組むわけにまいりませんね。今後やはりよくよく組合がお互いに知恵を出し合ったり、またお互いが研究、工夫をしながらいく、そういう意味で、今度の改善は役に立っておると思いまするが、長期視点に立てば一億一千万人の消費者を持っておる産業でありまするから、決してそう悲観するものではない。ただ、創意工夫のないもの、知識集約型でないものは、これはやはりどうしても中進国に追い上げられる。それならば、やはり価値の高い、デザインのいい、消費者ニーズに合ったもの、どうもそういうところが結論のように思います。
○清水委員 いまの大臣の御発言とも関連をして、どうしても必要なことは、これから五年、五十九年六月をめどにして、今度こそ根本的な構造改善の推進に当たるということだろうと私は思います。そこで、そうだとすれば五年後の産業ビジョン、五年後にはこうなるんだ、あるいはこうしなければならないんだといったものが、ある程度描かれていなければいけないんじゃないか。単に口の上で、知識集約型に転換をしなければならぬ、あるいは高付加価値製品を生み出さなければならぬといったことだけでは、大臣の言われるとおり、業界が果たして本当に飛びついてくるかどうかという問題にぶつかるんじゃないか。日本の産業構造の中に占める繊維産業というものの位置づけ、同時に五年後の繊維産業のあるべき姿、そしてそういうことを達成することが、実は将来、洋々たるということはちょっとオーバーかもしれませんが、前途を展望することができるのだ、こういう意味で、やはり関係業界の積極的な意欲を振起させるあるいは取り組みを促すということがないと、ぼくは十分だとは言えないんじゃないかと思いますが、どうでしょう。
○栗原政府委員 現在政府で持っております新経済社会七カ年計画というのがございますが、この期間の年平均の国民総支出の伸びというのは、六%前後を想定していると思います。一方、個人消費につきましては、若干低い五%前後というものを頭に置いておるわけでございますけれども、この期間中いろいろ内容は流動的だろうと思いますし、予測的数値と実績というものを、具体的に個々の産業において、個別に展開するということはなかなかむずかしゅうございます。そういう意味におきまして、これをそのままとるわけにはまいらないわけでございますけれども、私どもが繊工審等におきまして議論をいたしました、大まかな将来の姿というものを申し上げますと、やはり繊維の内需の伸びというものは、個人消費の伸びよりもかなり低くなるんではないか。現在の被服支出の伸びも若干低下しておりますし、そういう意味で、内需の伸びは三%程度といったものを一応想定してはどうかというような考え方をいたしております。そういった状況のもとで、内需はその程度の伸び。一方、輸出につきましては、今後高級化を指向していくわけでございますが、数量的にはやはり減少せざるを得ないと思います。さらにまた輸入につきましては、漸次数量的には増加するということも予想せざるを得ない。こういった状況で考えますと、大まかに申しまして、全体の生産の伸びというのは、横ばいという程度のことを見込まざるを得ないだろうというふうに考えております。 一方、その中身といたしまして、天然繊維というものがやはり少し減って、化学繊維、合成繊維というもののシェア、現在でも半分ほどございますけれども、それがさらにもう少しふえるのではないか、こういったような全体としての姿の中で、先ほど大臣からも申し上げておりますアパレル産業、この分野が先進国型に近づいていって、漸次ウエートを増していく、そして川上部門が少しずつ全体の中でのシェアを減らしていく、こういった型に全体の姿はなるのではなかろうかというふうに考えております。
○清水委員 大臣も局長もアパレル産業について触れられておりますから、後で少しまとめてその点についてはお尋ねをするつもりでおります。 これは参考までにちょっと大臣に見解を承りたいのですが、つい先年、先年というより、去年まで不況の代名詞と言われていたような繊維産業、これが、全体として業績の向上というものが徐々に図られてきているし、ある面で言えば予想以上の状況を現出をしている。そういう意味で私は非常に好ましい傾向だと思うわけですが、この繊維産業が、合繊から始まって、綿糸にしても紡績にしてもそうですけれども、全体として業績が向上をしてきているということは、これは短期的な現象としてとらえるものなのか、あるいは中長期的に展望することができるとごらんになっているのか、その辺ちょっと聞かせてください。
○江崎国務大臣 これは先ほどから局長もお答えしておりまするように、昨年来の場合は、夏が例年より暑かった、消費が非常に伸びた、こういった助けがあったことは否めないと思います。それから、物価が従来よりだんだん安定度が増してきたということも、消費意欲をそそったということもあろうかと思います。しかし、繊維業全体から言いますると、やはり設備廃棄を伴う構造改善をしなければならぬ、その設備廃棄も二〇%程度は最低考慮しなければならないというわけですから、中長期的に、いまの状況でもう好転したのだなどとはとうてい言えない状況にあるという認識でございます。
○清水委員 それでは次に少し具体的に聞いてまいりたいと思います。 繊維工業の定義を改正をして、新たに産元、親機を対象事業に加える、こういうことになったわけでありますが、まずこの点に触れて最初に聞いておきたいのは、四十九年の改正の際に、産元、親機を事業対象から外しているわけです。全く検討がなかったわけではないと思いますが、除外をしているその理由をお聞かせを願いたいと思います。
○栗原政府委員 当時の検討を私詳細に承知しているわけではございませんけれども、やはり流通部門を担当している分野についての企業の認識というものが、現在ほどは強くなかったということが一つあろうかと思います。と同時に、流通についての物の考え方について、産元のその地域なりなんなりにおきます影響力についての見方について、それぞれ心配も若干あったというような推測もできる次第でございます。
○清水委員 率直に言って、産元あるいは親機の機能というものを考えた場合、下請等から見ると、ちょっとオーバーかもしれませんが、オールマイティー的な存在であると言えなくはない。産元の持つたとえば集約的な機能、資金面でも製品代金の受け取りまでの間の立てかえ払いをするなど、ある意味で下請の生殺与奪の権というとオーバーかもしれませんが、そういう力を持っていると言ってもいいんじゃないか。それゆえに産元、親機を含む、あるいは含むというよりも、これをグループのリーダーとして構造改善を進めるという場合、よほど注意をしないと、いま局長もちらっと心配があったと言われているわけですが、いうところの大企業による下請の系列支配を強化をする、こういった結果を招いたり、あるいは今日要請をされている取引関係の改善、近代化、これに逆行するような弊害を引き起こす懸念も、なしとはしないんじゃないかと私は心配するのでありますが、そういう心配はございませんか。
○栗原政府委員 今回の構造改善におきまして、グループの結成をいたし、産元あるいは親機が、子機をグループとして、構造改善事業に取り組むわけでございますが、この中におきまして、私どもといたしましても、かりそめにもそういった優越的地位にある企業、必ずしも大企業とは限りませんけれども、比較的大きな企業が、そういった支配的な力を乱用するような心配があってはならないと、私ども今回の法改正に当たりましては、十分その点につきましては留意をいたしたつもりでございます。そういった意味におきまして、今後グループ結成に関しましての承認の際、あるいは承認以降のそれぞれの時点におきまして、そういったことのないようなチェックを十分いたしたい、かように考えております。
○清水委員 チェックをしていく、こういうことでありますが、具体的に構造改善事業計画の承認に当たって、どういう仕組みで、どのようにそういうおそれのないようにチェックをするか、方策についてちょっとお聞かせを願いたい。
○栗原政府委員 まず計画承認の段階でございますけれども、これは各都道府県なり通産局に置かれます、御承知の指導援助委員会といった場がございます。この場におきまして計画の内容の一つといたしまして、計画実施者について記載した書類というのを提出をさせます。そこで産元あるいは親機等と賃加工業者との取引関係あるいは資本関係といったものを十分にまず把握する、そうしてこういった実態把握を前提にいたしまして、それぞれチェックをいたしたいというふうに考えております。内容の方向といたしましては、この計画の内容が、この法律に基づきます基本指針に照らして適切であるか否かというのが、判断の基準になろうかと考えております。産元の系列支配といったような、方針に沿わないような計画が承認されないように、十分注意をいたしたいというふうに考えております。 さらに構造改善承認以降の問題といたしまして、もしそういった事態が発生するような場合には、法の八条に基づく大臣の指導、助言といった規定もございますし、さらには、この法律に基づいて計画の承認を取り消すといった形の措置もございますので、以降のチェック、フォローは十分可能かと考えております。
○清水委員 その点は厳に留意をしていただきたいということを要望しておきます。 それから、ついでに聞いておきたいのでありますが、通産当局として、いわゆる産業政策上、これから進めようとするグループ化、集約化等を想定をした場合に、産元などによる、比較的大きな企業の縦系列といいましょうか、垂直型構造といいましょうか、そういう結合関係をより重視をしようとされるのか、あるいは産地の水平的な、共同体機能というものを積極的に育てていこうとされるのか、この辺について私にはどうもはっきりしない部分があるわけですが、そういう方向性という点について、所見を聞いておきたいと思います。
○栗原政府委員 先生ただいま御指摘になりました水平的なつながり、これは同業種的なつながりにおきます構造改善でございますが、これは、昭和四十二年の特繊法の段階に、頭に置いておりました構造改善の一つの姿でございます。これは、国際競争力強化ということを主眼にいたしました構造改善のあり方と関連しての方式だと思います。私どもとしては、繊維産業の構造改善というのは、そういった形での改善というものは、一応卒業したというふうに考えておるわけでございまして、私どもといたしまして、今回集約化を中心に考えております方式としては、必ずしも垂直型とは申しませんけれども、知識集約化の実を上げられるような機能を持った、異業種間連携を中心に、同業種の場合であってもそういう機能を持っておればよろしいわけですが、そういった異業種間連携を中心にした、あるいは同業種でもそういう機能を持ったグループをつくっていく、それによって高付加価値化、差別化といった知識集約化の実を上げていきたい、こういう趣旨で考えております。
○清水委員 一口に言えば、今後は垂直型の方向へ力を入れていきたいということのようでありますから、それはそれで、先へ進みたいと思います。 さてそこで、このアパレル産業の振興ということについて、先ほど来政府の見解も述べておられるわけでありますが、率直に言って繊維産業に占める被服製造業の割合というのが、日本の場合に、七四年度の数字しかここにありませんが、二〇・六%、アメリカは四〇・一%、西ドイツは三六・九%といったような割合になっているわけでありますが、私は、率直に言って、国民の被服消費量と、この低さというものは、無関係ではないのじゃないかという感じが一つ。それからもう一つは、いずれにせよ欧米諸国と比べて、その占める割合が小さい。そこで、どの程度まで高めようというような構想を持ってアパレル産業の振興に当たられようとしているのか、この点お聞かせをいただきたい。
○栗原政府委員 ちょっとただいま消費量の数字が手元に見つかりませんので、シェアといいますかアパレル製造業の割合の数字だけで見てまいりますと、御指摘のように、確かにわが国は米国、西独等と比べまして、事業者数なり従業者数あるいは付加価値額において、かなり低いといった意味での差がございます。これは先ほど申し上げましたように、川上部門にどちらかと言えば頭でっかちであるわが国の繊維産業構造というものが、今後漸次川中、川下、特に川下のアパレル分野において、付加価値あるいは事業者数、従業者数といった点において発展をすると思われますので、この数字は漸次先進国型に近づくというふうに私どもは考えておりますけれども、たとえば米国では付加価値で五割以上、西独でも同様、米国では事業者数は七割も占めておるというような、こういった数字が妥当なのかどうかにつきましては、私どもといたしましても、どうも定量的にはなかなか現在申し上げにくい、方向としてそういった方向に進むであろうという程度のお答えしか、現在のところでは申し上げられないということでございます。
○清水委員 さてそこで、アパレル産業の振興を図るためには、何としても当面人材の育成が重要だと提起をされているわけであります。ここで言われる人材というものは、どういう能力を持つ人材を考えておられるのか。少なくとも消費者のニーズに対応できる企画開発能力等を、今日要請をされているわけであります。そういうものに重点を置こうという意欲が見られるわけでございますが、人材の育成について、その目指す方向というものを具体的にお示しを願いたいと思います。
○栗原政府委員 今回対象にいたします人材育成の方向でございますけれども、衣服に関し、新商品等の開発または企業化、需要の開拓等に必要な技術及び知識を有する技術者、経営管理者等の養成及び研修、こういったことが法律にも述べられております。したがいまして、単にデザイナーというような、狭い範囲内での人材養成に限定いたしませんで、全体としてのプランニングも行えるような、そういう経営管理者的な機能を備えた人の養成も含め、かつデザイン、これをまたパターンにいろいろ直す人、そのほか、このアパレル産業を具体的に実施していく段階では、いろいろな技術者も各段階においておりますが、そういった、かなり広い分野での人材養成というものを対象に、考えてまいりたいと思っております。
○清水委員 ちょっと質問が前後するのかもしれませんが、これは大臣に所見を承った方がいいのかもしれません。 私は、基本的に言って、繊維産業あるいはアパレル産業に優秀な人材を吸収し、あるいは確保するということのためには、産業自体にさっきも触れたような将来性とか魅力がなければならない。そういう魅力ある存在というのが、やはり一つの大前提になるんだろうと思います。その点で言うと、最近仄聞をすると、大学等の繊維学部などでは、志望者が減退をしているといったようなことが言われております。これでは、つまりそういう状態では、有為な人材を確保するあるいはすそ野をしっかり固めていくということにならないんじゃないかというふうな気がするものですから、学校教育との兼ね合いで、将来にわたる人材の養成といったようなものを、どう配慮されているのかお聞かせ願いたい。
○江崎国務大臣 これは現実的な、重要な御指摘だと思います。従来の繊維関係学科の学生諸君は、紡績であるとか織布工場であるとか、盛んなころにはしきりに実習に出ていたものです。ですから、人材養成の一環として、もとより大学にそういう学科を置く、たとえばデザインなんか当然必要ですね。また現在、芸術大学等でデザイン科を設けておるところもございます。特に服飾部門の新たな学科を設けることも当然必要でしょうし、あるいは従来あるものを利用することも必要ですし、大学などとは緊密な連携をとっていくことは、これはもう御意見のように活発にやらなければならぬことだというふうに思います。
○清水委員 いまの点で、たとえば文部省と具体的な御相談をなさっておられますか。
○栗原政府委員 非常に具体的な相談までには至っておりませんが、この法律を改正するに際しまして、文部省に対しても説明も行い、今後とも十分連絡をとってまいりたい、かように考えております。
○清水委員 また別な面で、国なり都道府県に、さまざまな試験研究機関というものが設置をされておりますが、これらの機関を、人材育成という点で、特段に位置づけるというようなお考えはあるのでしょうか。
○江崎国務大臣 いままででも国立あるいは県立と、いろいろありますね。これはもう当然いまでも役に立っておるわけですから、今後こういう機関を、アパレルの人材養成に結びつけることは、大事なことだというふうに思います。これは一例でありますが、愛知県などの場合は、たまたま県立の繊維試験所がありまして、それを今度のこの法律だとかあるいは産地中小企業振興対策などと結び合わせて、県立のファッションセンターをそこへ併設しようというような構想もあるというふうに聞いております。ですから、今後とも十分川下との兼ね合いで、活用されなければならないというふうに考えます。
○清水委員 往々にして従来の試験研究機関は、たとえば織機の改良といった、川上関係に重点が置かれていて、いまいみじくも大臣が言われるように、川下に対する配慮と言いましょうか、非常に薄かったと思うわけであります。アパレル産業のキャラクターと言えるかどうか知りませんが、多種少量生産あるいは高付加価値製品を生み出さなければならない、こういう機能にふさわしい役割りというものを、試験研究機関が担っていくということが、もっと積極的に位置づけられてしかるべきじゃないか。そういう点では、いま愛知県の例が述べられましたが、通産当局として、一回全国的な視野で考えてみたらどうかという気がするわけでありますが、いかがでしょうか。
○江崎国務大臣 清水さん、先ほどからなかなかいい御提案をいただいているわけでして、これは積極的にやらなくてはならぬと思うのです。先ほど局長が話しましたように、文部省と予算獲得について話し合ったということは大変結構なことですが、その後まだ話が進んでいないとすれば、これはやはり活発にやらなければ、なかなか実効は上がりませんので、いま御意見は局長以下も一緒に聞いておるわけですから、十分ひとつ現実の問題として御意見を取り入れて、積極的に結びつけをやりたいというふうに思います。
○清水委員 さらにアパレル産業に関連をして、一つだけ聞いておきたいことは、これは、縫製については大部分下請に依存をする、こういう傾向が強い。ですから設備投資をしなくても、あるいは設備投資ということを考えなくても、企画力さえあれば企業化ができる、こういう性格の業界ですから、ほっておくと企業が乱立をし、過当競争に拍車をかけるといったことが一面では起こり得るんじゃないか。したがって、これに何らかの行政指導を加える必要がありはしないか。また同時に、個々のアパレル産業を構成する個別企業というものは、非常に零細性が強い。したがって、たとえばこれの協業化とか共同化といったような点に、かなり力を入れるという方針があるわけでありますが、必ずしも零細のところへ届くようなPRがいままでない。この点はさっき局長もこれから一生懸命やるんだと言われているが、この点を特に強化をする必要があるんじゃないかというふうな気がするのでありますが、どうでしょう。
○栗原政府委員 アパレル産業につきましては、御指摘のように特に数が非常に多い。特にまた新しい産業でございますので、非常に入れかわり競争の激しい業界でございます。この中で私どもといたしましては、やはり今回の構造改善法の制度の中で、知識集約化を目指しましたグループづくりというものを、当然このアパレル産業も重要な一環として進めていくということがまず第一でございますが、特に小規模の企業につきましては、産地の小規模繊維事業者に対しましての技術指導を含め、さらに今回の、小規模事業者に対します共同施設の助成も含めまして、積極的にこの関係の制度を活用していただくように努力をいたしたい、かように考えております。
○清水委員 次に、二次加工についての取引関係についてお尋ねをしたいと思います。 私が言うまでもなく、今日取引条件の近代化というものが非常に強調されている。強調されているということは、そうなっていないということを裏書きをしているわけなんですが、政府として、現状の取引関係について、どのような点に重大な問題があるか、その認識のほどをまずお聞かせいただきたいと思います。
○栗原政府委員 現在の繊維産業は、わが国におきまして、特に非常に歴史の長い産業でございまして、この取引についてはいろいろな昔からの伝統もあり、困難な点がございます。具体的に申しますと、たとえば今回の答申でも指摘されておるように、取引の問題といたしまして、まず返品率が高いとか、あるいは手形サイトが長いとか、書面契約が必ずしも十分行われていないとか、いろいろな問題点が指摘されております。さらにこういった取引慣行の問題があるために、生産段階あるいは流通段階が、お互いに協調して発展していくような基盤がなかなかうまくいかないような、逆の問題点も出てきておるというような指摘もされております。 こういった状況におきまして、私どもといたしましては、まず一つはこの不合理と申しますか、近代的でない取引慣行を、合理的なもの、近代的なものにしていこうという、一つの考え方があるわけでございます。と同時に、非常に不当と申しますか、悪質なと申しますか、違法なと申しますか、そういうグループの取引も別途またあるわけでございまして、これらについては、それぞれ別の考え方で対応していく必要があるんじゃないかというふうに考えておるところでございます。
○清水委員 たとえば、いまの答弁の中にもある、書面契約がない。これはやはりそうさせなければならない。必ず書面による契約というものを履行させるというような、具体的な行政指導についてどうお考えになっているのか。あるいは、全体として取引契約の不明確性というものがあって、中には、単価が後で決められるといったケースも指摘されておるわけです。ですから、改善させるのだと言われるわけですが、これもわかり切っていることなんですが、どう改善させるか、古くして新しい課題なんです。急に起こってきておる問題ではない。ですから、この辺のところももうちょっとはっきりさせてもらいたい。あるいは不当返品、勝手に検査基準をつくって、そして不合格品を押しつけるというやり方もまかり通る。こんなことをされたんじゃ、下請は成り立つわけがないですから、こういう点についてやはり改善を要するとか、困った現象だとかいうことでなく、具体的に、どう行政指導を強化して改善を図らせるのか、この辺の所信を披瀝していただきたい。
○栗原政府委員 先ほどお答え申し上げましたうちの、まずこれは絶対にいかぬというカテゴリーのことがあろうかと思います。これは、たとえば不当に優越的な地位を乱用して、不公正な取引に該当するような行為をするといったようなこと。不当な返品もそれに該当する場合もございましょうし、そのほかいろいろなケースがあり得ると思いますけれども、こういった独禁法体系の中で、不公正取引に該当するような行為、これはこの体系のもとで、当然しかるべく対処をされるべきものだと私ども考えております。と同時に、また下請関係にあるものについては、下請代金支払遅延等防止法といった法律もありますし、その体系の中で定められた手続は、当然経ていただく必要があると考えております。 こういった形での法体系の中で取り締まりをされるべき行為は、それぞれの官庁とも御相談をいたしまして、対処いたしたいと考えておるわけでありますけれども、それ以外に、より望ましい、あるいはより合理的なというグループの扱いが実はあるわけでございまして、これが長年の伝統の中で、それぞれある意味では不合理なんですけれども、合理的な面も取引の中であり得るのかもしれませんし、なかなか一挙に解消できないという形で、現在も残っておる取引形態があるわけであります。こういうものにつきましては、やはり強制するという形でなくて、業界全体の総意の中で、みながそれをやめていこうという合意を形成しながら、漸次解消を図っていくという方向がよろしいのではないかというふうに考えておりまして、具体的に申しますと、繊維取引近代化推進協議会という協議会を五十一年に結成いたしまして、関係の五十団体がこれに参加をしておりますが、こういう中で繊維取引の近代化憲章をつくり、書面契約の履行を図る。あるいは最近におきましては、個別業種ごとに取引上の指針をつくっていく。これは毛織物の関係でございますけれども、業種別の取引指針も考えていくといったようなことで、一挙にとは参りませんけれども、漸次改善を図ってまいりたい、かように考えております。
○清水委員 推進協議会を舞台にする自助努力を促す、これは当然に必要なことですが、同時に、たとえば中小企業団体組織法の十七条でありましたか、こういうものを活用をさせて、たとえば発注者団体と受注者団体が話し合う、つまり交渉をして、いわゆる適正なあるいは基本的な加工賃というものを協定をするといったような条件を、醸成をするような指導というようなものが、今後重視をされてしかるべきではないかと思いますが、どうでしょう。
○栗原政府委員 御指摘の点は、私どもも全く同感でございます。団体法に基づきます安定事業なり、あるいは組合協約といったような規定を活用しまして、こういった取引の適正化というものを推進していくということを、私どもとしてもぜひ指導、助言してまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 次に、労働省も見えていますね。 いわゆる下請単価あるいは加工工賃の適正化を図る社会的な基盤というものを醸成する、こういう立場で、少なくとも主要な労働条件、たとえば最低賃金であるとか、年間休日日数であるとか、残業割り増し賃金であるとかといったものについては、関係労働組合と、これは全部が労働組合を持っている企業ではありませんが、関係業者との間で協約化をする。さらに、欲を言えば、労働組合法による拡張適用でこれを普遍的に広げていく、私は、今日こういうことが必要になっているんじゃないかと感ずるわけでありますが、労働省としてはどういうふうに指導をなすっておられますか。
○花田説明員 お答え申します。 繊維工業の労働条件につきましては、労働者という見地からは、先生御指摘のように、最低賃金でございますとか労働基準法というもの、あるいは団体関係でいきますと労働組合法というものがございまして、労働者の条件を下から支えるということになっているわけでございます。繊維産業の場合、比較的女子が多いというようなこともございまして、いろいろむずかしい問題もあるかと思いますけれども、一応最低労働条件につきましてはきちんと守る。ことに末端におきましては、労働基準監督機関がございまして、それが臨検をするということによって、その下支えをするというふうなことをやっております。 そのほか、家内労働者につきましては、家内労働法というのがございまして、労働者ではないけれども、それに準ずる性格を持った小さい、個人企業みたいなものの中で、労働者性に準ずる性格を持つものにつきましても、たとえば最低賃金に準じました最低工賃の設定、あるいは工賃の支払いがおくれないように、支払い規定を適用して強制するというような形で、その保護に努めてまいっておるというような状況でございます。
○清水委員 仕組みなどは私も十分承知をしているのです。が、しかし、現実には地方最低賃金審議会、地賃と称するところで、家内労働法に基づく最低工賃であるとかあるいは包括的な最低賃金を決めていることは、これはよく承知をしておりますけれども、私が言っているのは、そうではなしに、関係労働組合と関係業者との間で、最低賃金を初め、いま言うような労働日数であるとか、残業割り増し賃金といったようものを、交渉を通じて協約化をする、そしてできればこれを普遍的に産地に及ぼしていく、横断的にこれを広げていくという意味で、拡張適用の道を講ずるというようなことについて、これは少なくても、先ほど来、不公正な取引というようなことが問題になっているのですが、そういう不公正取引をそこから改善をしていく一つの下支えになる、そういう社会的な基盤になるということで、もっと積極的に前向きに取り組むべきじゃないか。あるいは、そういう雰囲気、空気を醸成をするような指導を行うべきじゃないか、こういうことを聞いているのです。だから、そういう点について少し……。
○花田説明員 御指摘のように、最低労働条件といいますか、それが労使のお話し合いによって決められることは一番望ましいことでございまして、私どもも、そういう労働組合がつくられて、それが使用者とお話をして、自分の労働条件を決めるということは非常に望ましいことでございますので、たとえば都道府県の労政課ないしは労政事務所などを通じまして、そういうことができるように御相談を受けるとか、指導に努めているところでございます。 ただ、世界各国もそうでございましょうけれども、労働組合の組織化というのはどうも限界があるようでございまして、いまでも、全体で言いますと三割強ぐらいの組織率でございます。したがいまして、いわゆる労働組合みたいな組織をつくって、使用者と話していくということについては、なかなか力が及ばないという点があろうかと思います。そこで、それを補う方法といたしまして、そういう組織のないところには、法定の労働条件という形で、たとえば先ほど先生が御指摘になりました賃金とか工賃につきましても、下支えを決めてしまう。労使で話し合っても、これは下回ることができないという意味で、強制力があるわけでございますけれども、そういう形で、組織の弱いところの下支えをしていきたいということでございます。 なお、こういうふうに工賃ないしは最低賃金を決めますときには、先生御案内と思いますけれども、一応関係業界、たとえば繊維でございますと繊維の業界から、組合のあるところは組合、それから使用者の団体という形で委員が出まして、そこで十分議論を闘わして決めるという形で、組織のないところにはそういう労働者の意見あるいは使用者の意見を反映させる形で、何とか下支えをつくりたいというふうなことをやっております。
○清水委員 私は、労働省には、さらに関係産地等に対して積極的な指導といいましょうか、助言といいましょうか、そういうことを県等と連絡の上、強力に推進をしてもらいたい、こういう希望を申し上げます。 また、同時に、これは労働省の仕事だ、通産はそれほど重視しないんだなんということでは困る。少なくても、やはり企業経営者に影響力の強い通産省がその気になるかどうかということが、いまやらんとしている労働省の政策が、円滑に推進できるかどうかということに、深いかかわり合いがあると思うのです。そういう意味で、通産省としては、いま私が申し上げていることについて、どういうふうな対応をなさっていこうとされるか、ひとつ決意のほどを承りたい。
○栗原政府委員 ただいま労働省から御答弁がございましたけれども、事は労働省の所管の問題ではございますが、現実に、御指摘のように繊維事業者にも非常にかかわりの深い事柄でございますし、私どもといたしましても、家内労働法の趣旨に従いまして、労働省とも密接に連絡をとりまして、御協力申し上げたい、かように存じております。
○清水委員 時間がなくなりましたから、最後に一つ、いわゆる最近強調される、秩序ある輸入という問題に触れて、要望をあわせ、また大臣の決意のほどを承りたいと思いますが、実は、せっかく困難を冒して、たとえば構造改善事業等に取り組む。そして、いまある過剰な設備を処理をするというようなことも、当然付随的に出てくるわけでありますが、需給のバランスをとることによって、産業全体の安定化を促進するという努力を、業界は業界で進めようとしているわけです。 しかし、今日のような、私に言わせればまことに無秩序と思われるような輸入、それは五十一年、五十二年は横ばいだったが、五十三年がひどかったのだ、これは特異なケースなんだというのではなしに、こういったことが引き続きさらに予見をされるわけですから、そうだとすると、いかに構造改善をやり、あるいは知識集約化の方向を進めてみても、輸入というものが野放しの状況になっていたのでは、やがてまた、二年、三年の間に大変な需給のアンバランスを来し、過剰設備が問題になり、さらに業界全体が成り立っていかないというような状況に直面をするわけです。 これらの点については、いままでにるる議論があるわけでありますから、大臣の言われる筋も私はわからないではありませんけれども、しかし、ある特定の品目について、急激に輸入量がふえるなんということは、業種について壊滅的な打撃をもたらすわけですから、やはりそういう場合には、もっと商社に対して厳しく自粛を促すとか、あるいは関係相手国に自粛を求めるとか、それだけでも聞かなければ、国際ルールにのっとって、たとえば二国間協定なんということも含めて、対処をするくらいな腹構えを示すときに来ているんじゃないか。そうしないと、やはり業界は安心しないんじゃないか、こういう感じがするのでありますが、どうでしょう。
○江崎国務大臣 私も個人的には全く同感するところが多いわけです。ただし、これを国際的な通商関係の上から考えますと、どうも追い上げをしておる国々は、主としてアジア地域の中進国ですな。この国々とは大変な貿易のインバランスがあるということで、なかなか思うに任せません。しかし、七七年にはだんだん鎮静化しました。七八年には景気の回復もありまして、また増加傾向にある。この増加傾向がいつまでも続くかということは、必ずしも定かではありませんが、傾向として中進国の追い上げは否定できないと思います。 しからばどうするのか。そこで、主として付加価値の低い部門とか、あるいは機械がつくってくれるていのものはどうしても中進国に譲らなければならない。当方としては知識集約型のものにだんだん限られていく、これも一つの趨勢だろうと思うのです。ところが、いまお話にありましたように、特定製品が急激に入ってくる、そしてわが国の市場を乱すなんということになりますれば、これはそのこうむる影響は大変でありまするから、そのあたりについては、局長以下事務当局もしさいに注視をして、行政指導をする。また、相手国に物を言う必要があれば物を言うということは、これはもう国際慣習の中にあることですから、でき得ることであるというふうに思います。ただ、傾向としては、そのためにアパレル部門に力を入れるとか、知識集約型に構造をだんだん切りかえていくとか、この努力はやはり怠ってはならないというふうに思うものでございます。
○清水委員 終わります。
○野中委員長代理 薮仲義彦君。
○薮仲委員 私は、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、時間が限られておりますので、問題点を二、三にしぼって質問をさせていただきます。 先般来、この法案の審議がずっと行われてまいりまして、この構造改善事業が四十九年から五年たった今日、実効のあったものがいわゆる五十六グループ、これが非常に少なかったということがいろいろ指摘されております。その理由としては、オイルショック、設備過剰、円高、発展途上国の追い上げ等、実効が上がらなかった要因がいろいろ挙げられておるのでありますけれども、私は逆の立場からこのことをちょっとお伺いしてみたい。 五十六グループ、三千三百七十六の企業が参加したわけでございますけれども、これらが構造改善事業に参加をしたということで、通産省が当初目的とした所期の目的が達成できたのかどうか、それをお伺いしたいわけですね。というのは、この構造改善の目的が、一つは消費者のニーズの掌握にある。特に最近、消費が高級化、多様化、個性化の方向に向かっておって、非常にニーズがつかみにくいということを含めて、新商品をどういうふうに開発するか、また企業間の協調、連携が非常に大事だ、こういうことからこれが行われたわけでございますから、私がお伺いしたいのは、この構造改善事業に乗った五十六グループ、これは通産省の望んだような、一つは知識集約化ということでしょうけれども、好ましい形で機能したのかどうか、これが第一点。それから、五年間おやりになって具体的に成功したのか、成功したならば、実際その中で高付加価値の製品、差別化の傾向というものが具体的にあったのか、あれば具体的にお話しをいただきたいと思うのです。
○栗原政府委員 過去行われました五十六グループでございますが、手元に各グループにつきましての成果の資料をちょっと持ち合わせておりませんけれども、全体として見まして、付加価値生産性につきまして、かなり向上を見たという数字が出ていると思います。そういった意味におきまして、五十六グループにつきましては、それぞれかなりの成果を挙げているとは存じますけれども、御指摘のように、予算の一割か二割しか使えないような程度の進み方ということでございますし、全体としての進みぐあいは、われわれとしてもはなはだ不十分であるというふうに存じておるわけでございます。 なお、具体的な成果についてどうかということでございますが、端的に、具体的なものとした形での御説明は、ちょっと申し上げられませんけれども、このグループづくりと離れまして、具体的にどういうものが差別化商品であるかというようなことで申し上げますれば、たとえば糸の段階におきましては……
○薮仲委員 質問にすぱっと答えていただけば結構です、時間がありませんから。成功した例がわからなければわからない、あればあると。
○栗原政府委員 はい。それでは具体的な成功例といたしましては、たとえば福井県の三興繊維協同組合でございますけれども、五十年から五十三年までの四年間にわたりまして構造改善事業を実施しております。実施前の四十九年に比べまして、五十二年度で、物的生産性で一六五%、付加価値生産性で一二七%といった実績のあるところがございます。
○薮仲委員 時間の関係で、質問の要旨に明確にお答えいただきたいのでございますが、いまの具体的な問題は、必ずしも明確ではございませんけれども、ではもう少しお伺いしますが、通産省としては、この構造改善の方向は、五十六グループの結果からして、将来選択すべき正しい方向だと判断なさったのですか。
○栗原政府委員 今後の知識集約化の方向に沿った方向だと考えております。
○薮仲委員 それでは、きょうはこの問題についてはその局長の判断だけ求めておきます。 けれども、ここでもう一点お伺いしたいのは、先ほど来指摘されておりますように、この構造改善が進まなかったのは、一つはその企業の方が望んでいらっしゃる現実にそぐわない面があった。一部ではPR不足ということも言われておりますけれども、乗りにくい面があったから今度改善します、こういうことでございますから、それはそれとして理由がある、こう思います。 それでは私は、もう一歩お伺いしたいのは、じゃその反面、五十六のグループが構造改善をいたしましたが、その中に、指摘されるべき問題点は何もなかったのかどうか、その点をお伺いしたいのです。
○栗原政府委員 結成したグループにつきましては、それぞれの方向で努力をなされ、かなりの成果を上げられたと思いますが、やはり結成に至らざるグループ、事業者につきましては、それぞれ問題があったかと思います。これはいま御指摘のいろいろな諸事情もございますし、また制度的な面におきましても、先ほど来お答え申し上げておりますような、いろいろな不十分さというものが、その中にはあったかと思います。いずれにいたしましても、これらにつきましては今後の反省の材料といたしまして、改善に努力をいたしまして、今回の構造改善を実のあるものにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○薮仲委員 きょうは、これはちょっとこの辺でやめておきますけれども、私がなぜこの点を指摘したかといいますと、今後これを五年間延長いたしますと、そうしてそのようにいたしますと、通産省のその方向によって、繊維産業というものが流れをつくっていくわけです。しかし、いま私がちょっと聞いただけでも、成功例について的確な掌握がない、あるいはまた構造改善をやった現実についての掌握がない。これは、本法案を、構造改善するという意味合いでお出しになるお立場の所管の局としては、私ははなはだ遺憾だということをここでは指摘しておきます。あえてこれ以上申し上げません。 と同時に、それではそれを踏まえた上で、将来通産省がこの構造改善を進捗いたします、過去五年間に五十六でした、今後五年間で、いまこの繊維産業につきましては三十四万の事業所があるということが言われておりますが、どの程度までこの構造改善が進むのか、いわゆるどの程度までグループ化が進めば、この構造改善の所期の目的を、法案の趣旨を達したと理解するのか、その見通しについてお答えいただきたいのです。
○栗原政府委員 端的にお答えいたしまして、私どもは数量的なめどというものを現在持っているわけではございませんが、少なくとも現状で用意しておる予算というものが十分活用されるように、あるいはそれが活用されたならば、さらに増額も可能になる状態になるということを、期待しておる次第でございます。
○薮仲委員 きょうはこの問題の指摘はこの程度にしておきたいと思います。 次の問題に移りますけれども、次は産元について何点かお伺いしたいと思うのですが、今回の改正案の中で、産元が構造改善の対象になってきている。まず第一点でございますけれども、この産元という業種でございますが、通産省はこの繊維産業の中でどのように位置づけ、またどのような役割りを持っていると理解しているのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○栗原政府委員 産元の数は正確には把握できませんが、私どもの調査の数字といたしまして、九百前後というものが全国的にあろうかと思います。大企業も多少はございますけれども、中小企業が大部分、こういう存在でございます。これらの産元は、それぞれの産地におきまして金融機能あるいはリスク負担機能を持ちながら、あるいは原材料の支給等も行いながら、賃機等に対しての加工を行わせ、各繊維の分断されましたいろいろな工程間におきまして、その流通の仲介を果たすという産地卸売業を指しているものだ、かように考えております。
○薮仲委員 そうしますと、局長はこの産元というものの立場は、産地産業としては非常に重要だと理解しているのですか。
○栗原政府委員 産元あるいは親機との関連におきまして賃加工しております機屋さんの数というのが、全国的に六〇%に相なるという数字もあります。このうち産元の分が幾らかは、詳細をちょっと私ども現在つかんでおりませんけれども、かなり多くの部分がそういった形でつながりを持っているということで、現実に産地において非常に重要な役割りを果たしているものというふうに考えております。
○薮仲委員 いま局長のお話のように、産元というものが産地における重要な役割りを果たしておる。今回の改正案で、初めて産元というものが繊維工業の仲間入りといいますか、業界の方はそういうことを非常に喜んでいらっしゃるようでございます。そういうことであるならば、通産省は将来にわたってこの産元に対して、どのように発展育成しようとしているのか、その辺の局長のお考えをお伺いしたいと思います。
○栗原政府委員 産元の機能は、産地によってかなり現実には異なっていることは、御承知のとおりでございますが、私どもがこの法律改正に際しまして、産元の機能の中で特に評価しておりますのは、産元が、この知識集約化といった全体の流れの中で、情報の収集機能なり、商品の開発機能というものを持ちながら、そういった知識集約化グループの一つの中核といたしまして、これからのわが国の繊維の構造改善の中で、重要な役割りを果たしていただく、そういう意味において評価をいたしておる次第でございまして、全体の活動の方向がそういう方向に進むように、ひとつ産元としても行動していただきたい、かように考えておるわけでございます。
○薮仲委員 それほど産元の地域における影響性といいますか、立場というものは非常に大きい。先ほどの局長の御答弁の中にも、その地域において、いろいろ弱小な企業の方との関連の中で、この産元という生産活動が行われておる。そうなってまいりますと、先ほどのお話のようにいろいろな面でリスクをしょい込んでおります。その中で、産元が果たす役割りは大きいのです。その点考えますと、やはりこれから産元に対する振興の意味を含めて、何らかの金融面あるいは税制面で、具体的な形で措置を講じなければならない、そのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○栗原政府委員 当面私どもの考えておりますのは、この知識集約化グループの結成に際しての、産元に対する助成という観点からの措置でございまして、こういった観点から、産元を今回の法律改正に当たりましては、正式に繊維事業者として位置づけるということとあわせまして、税制上の特例措置の対象にもなるということに相なっておるわけでございますが、この知識集約化に関連する助成措置の、資金面での中小企業振興事業団等の資金の活用も、当然その意味においては付帯的に可能になるというのが、当面のメリットに相なります。
○薮仲委員 それでは、今度の法案の中に、具体的にアパレル等を通じまして人材育成ということが出てきているわけでございますが、産元等においても、やはり将来のために地場産業を育成する、そういう観点から人材の養成というのは、非常に大事な要件だろうとは思うのでございますが、もしも今後産元等で人材育成を図りたいというようなことが提起された場合に、具体的に今回のこの法案との関連の中で、どのようなことがなされるのか、ちょっとお伺いしたいのです。
○栗原政府委員 今回の人材育成の対象でございますが、その対象となるべき人材は、必ずしもアパレル産業部門のみに限られたものではございません。繊維製品につきましては、もちろんアパレル段階、製品段階の問題が一番大きいわけでございますけれども、その素材というものも非常に重要な問題でございまして、糸なり織物なりという素材も非常に重要でございますし、そういった関連におきまして、製品の高付加価値化、差別化というものを実行していく段階におきまして、当然産元段階におきます人材養成というものも、この一環として考えられるべきものというふうに考えております。
○薮仲委員 それでは、産元から具体的に人材育成について何か相談を受けたら、通産当局としてはどのようなことを考えられますか。
○栗原政府委員 たとえば、産元さんが独自に何らかの研修事業等をおやりになるような場合を想定いたしますれば、講師の派遣でありますとか、あるいはどういう教育技法あるいはカリキュラムをもってしたらいいかというような意味での、指導助言といったようなことが対象になりましょうし、それから今後の発展のいかんにもよりますけれども、民間業界としていろいろな形で研修機関等を運用してまいります際に、その中に参加していただくというようなことも当然考えられるかと思います。
○薮仲委員 それでは、もう少し産元についてお伺いしますけれども、私は、産元というものの地域に与える影響というのは非常に大きいのではないか。極端な言い方をしますと、産元が倒産しますと、その地域全体の産業といいますか、その地域社会に及ぼす影響は非常に大きなものがある。こうなってきますと、産地産業としての産元の置かれた立場を考えますと、後ろ向きという言葉が妥当かどうかわかりませんけれども、やはり産元が産地に与える影響を考えますと、もしも倒産というようなケースが起きた場合に、非常に懸念される事態が起きるんじゃないか。現在、倒産防止共済制度、これが最高限度額一千二百万。あるいは中小企業倒産対策緊急融資制度、こういうものがございますが、通常は六千万、あるいは別枠二千万、この程度のというとちょっと語弊がございますけれども、いわゆる数千万というオーダーの融資でございます。しかし、産元が実際取り扱っております資金量というものは、数千万のオーダーではなく、億のオーダーで倒産の危険が考えられるわけでございます。確かにこれをいまからとやかく言うのはいかがかと思うわけでございますが、やはりこのような最悪の事態に対しても、何らかの制度的な、あるいは手続的なものを通産省としてお考えなのかどうか、その辺を伺っておきたいのです。
○栗原政府委員 倒産対策につきましては、先生お話しのように、保険制度その他の対策が用意されておるわけでございまして、私どもといたしましては、各地におきます倒産につきましては、通産局が中心になりまして、それぞれの時点におきまして関連倒産の防止、あるいはその関連におきます諸般の問題の解決に尽力をいたしておるところでございますが、ただ、産元だけに対して、あるいは産元という趣旨に着目をして、特別の措置というわけには実際問題としてなかなかまいらない点が多いかと思います。ただ、私どもが申し上げられますのは、過去において、事例として一村産業という、これはわが国最大の産元でございますが、これが経営状態が非常に悪化をいたしまして、この再建については、通産省としては非常な協力をいたしたということがございます。やはり個々のケースに応じた対応ということに相なろうかと思います。
○薮仲委員 どうか個々のケースに対しまして、十分な対応をお願いをいたしておきます。 次に、今回の法改正で、初めて産元が繊維産業の中でその立場が認められた、こういうわけでございますけれども、この法律は時限立法でございますので、五年先に対する業界等の不安もございます。やはりこういうものを踏まえまして、ただいま局長のお話にもありましたように、将来にわたって繊維工業の中で産元の立場というものをどのように扱われるか、やはりそれなりの理解の上で今回の構造改善の中にお入れになったと思うのでございますが、将来にわたっての行政上の取り扱いはどのように考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○栗原政府委員 産元につきましては、先ほど来申し上げておりますように、その持ちます商品開発能力、あるいは情報収集機能といったような意味合いを含めての重要性を、私どもとしては認識しておるつもりでございまして、将来、五年先のことでございますけれども、その法律の存廃いかんにかかわらず、そういった認識を持って対応してまいりたい、かように考えております。
○薮仲委員 それでは、この産元等を締めくくる意味でお伺いしたいのでございますが、こういう繊維産業の持つ特殊性といいますか、どうしても地域産業としてその役割りが非常に大きい。その地域に、長い歴史と伝統の中で培われた産地産業、こういうものでありますから、やはり通産省としてのグループ化と同時に、地域産業としての振興ということも、これは今後大事な施策ではないか、こう思うわけでございますが、いわゆる産地産業、地域産業に対してという観点からとらえたときに、通産省当局は今後どういう考えをお持ちであるか、お伺いしたいのです。
○栗原政府委員 今回の法改正に当たりましても、地域産業と申しますか、産地ごとの特性を十分に反映したような構造改善が行われることが必要だというたてまえから、産元等についての取り扱いも今回新たに行ったわけでございまして、そういった意味におきまして、今後とも法律の運用等につきましては、できるだけ産地の実態に即した、弾力的な運用を心がけたいというふうに、まず一つ考えております。 さらに、繊維の場合は、特に産地を形成しておることが多いわけでございます。繊維以外の雑貨等の産地も含めまして、現在中小企業庁におきまして、産地中小企業対策臨時措置法を用意しておられます。こういった全体としての産地対策も含めて、私どもとしては両々相まちまして繊維対策に遺憾なきを期したい。かように考えている次第でございます。
○薮仲委員 それでは、どうか今後とも産元に対してあるいは産地産業に対して、いろいろな意味でその地域が発展するような施策を講じていただくようお願いをいたしておきます。 次の問題に移らしていただきますけれども、繊維工業は、先ほど来指摘されておりますように、発展途上国の追い上げが急増しておる。特に貿易の状態では、糸で五十二年度が一億八千二百万ドルが、五十三年度は四億五千万ドル、約二・五倍だ。これは輸入でございますけれども、織物で五十二年度、五十三年度を比較しますと一・五倍、二次製品でも、五十二年度、五十三年度を比較しますと一・四倍、このように輸入が増加しておるわけでございます。特にこの中で、先ほど大臣の御答弁もちょっとございましたけれども、綿糸であるとか合繊糸であるとか綿織物、これらの対前年度比の輸入が、綿糸の場合は三・四二倍、異常な輸入の増を見ているわけでございます。こういうことは国内業者にとっては非常に厳しい問題になってくると思うのでございます。本来貿易は自由であらねばならない、この原則は当然でありますが、このような事態になったときに、適正な輸入であってほしいというような形での、何らかの行政指導的なお考えがあるのかどうか、これが一点。 それから、今後のことでお伺いしておきますけれども、今後このような発展途上国の追い上げにさらされる製品は、どんなものが考えられるのか、考えられるのでございましたら、それをお答えいただきたい。と同時に、それに対して国内の産業に対してどのような対策を指示なさっていらっしゃるか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
○栗原政府委員 まず、輸入問題の第一点でございますが、先ほど大臣もお答え申し上げましたように、いろいろ国際的な環境を踏まえますと、なかなか直接の輸入制限という措置はむずかしいわけでございまして、そういった意味合いにおきまして、仮に将来特定品目につきましての輸入が急増をして、そのために国内で非常に大きな影響が出てくるというような状態に立ち至るようなことがあれば、私どもといたしましても、必要な行政指導なりあるいは関係輸出国への自粛要請なりといったような措置を考えていきたい、かように考えておるわけでございます。 なお、今後どういうものが具体的に問題になりそうであるかというお尋ねでございますが、なかなか具体的に申し上げられませんけれども、やはり商品としての差別性の少ないものということに相なりましょうか、具体的に、比較的に値段の安いようなものが、やはり数量としてふえてくるのではないかというふうに考えております。
○薮仲委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○野中委員長代理 午後三時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時三十四分休憩 ────◇───── 午後三時六分開議
○橋口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 大臣にちょっとお伺いをするのですが、現在政府は、新経済社会七カ年計画の策定を進めているわけですね。そこで、ことしの一月に基本構想は閣議了解ができたと伺っているわけです。近く、五月ごろか、答申もあるということなんですが、その中で、繊維産業というのは、御承知のとおり先進工業国あるいは発展途上国、これとの絡みというのが強いわけですが、国内でも産地の形成ということによって、地域に密着して、地域経済に重要な役割りを果たしているわけなんですが、特に繊維産業は歴史的な産業である。国際的な関係というのが非常に強い。 そこで、通産省も一九八〇年代の通商政策のビジョンの策定に取り組んでいるように、これも伺っているわけなんですが、その進捗状況はどこまでいっているのか。それから、基本的な問題意識、考え方というものがあるだろうと思うのであります。それらの点について、ひとつ大臣からお答え願いたい。
○江崎国務大臣 いまお話しの七カ年計画につきましては、御承知のようにおおむね平均伸び率は六%弱、民間の最終消費支出は、平均伸び率を五%強、この辺に置きまして見ておるわけでありますが、御承知のように、この年間の国際的な情勢がどういうことになるのか。たとえばことしでも、内需が非常に堅調で、経済発展がうまく遂げられそうだと思っておるところへ、油の問題が起こってまいりまして、ちょっと今後先行きに不安があるというようなわけで、そういう不確定要素を除きますると、今後におきまして、その中において繊維産業をどう位置づけていくのか、これは簡単には申し上げることはむずかしいと思いまするが、昨年十一月の繊維工業審議会それから産業構造審議会の場では、昭和五十八年度の需給見通しについておおむね次のような見方で一つのコンセンサスを得ておる。 その第一は、内需は緩やかな回復基調を続ける。しかし国民総支出の伸び率を下回って、三%前後で推移するのではなかろうか。一方、国際競争力の低下に伴って輸出は減少をする。それから輸入の増加が一方では見込まれる。これは国際協調の面からどんどんふえる。国内生産の量的拡大はむずかしくなっていく。現状の横ばい程度で何とかいかせなければならないという計画に立っております。また、国内生産の素材別の内訳を見ますると、化学繊維の数量がだんだん増加するのではなかろうか。業種別の構成につきましては、いわゆる川上部門といわれる紡績業、それから織物業等の比重が減少をして、今朝来いろいろ申し上げております、衣服製造業を中心とするところのアパレル部門に比重が重くなるというふうに、私どもは繊維の位置づけを一応見通しておるわけでありまするが、これも不確定要素が多うございますので、一口には言いにくいと思います。 それから、八〇年代のビジョンをどういうふうに考えておるか、その構想の基礎いかんという御質問でございまするが、昨年の十月末に、八〇年代通商産業政策研究会をつくりまして、全省を挙げて目下精力的な検討を行ってきております。五月の下旬に基本的な骨子の中間取りまとめを行いまして、本年じゅうには産業構造審議会の答申を得る予定となっておるわけでございまするが、そのビジョンにおける繊維産業の位置づけについては、これまた検討中というわけです。 昨年十一月の繊維工業審議会及び産業構造審議会の場では、昭和五十八年度の需給見通しについて、おおむね先ほど申し上げたような方向を打ち出しておるわけでございまして、これは繰り返しません。したがって、ひとつ今後鋭意取り組みに努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 栗原局長から、いまの大臣の答弁を補足する形でもう少し……。たとえば、合繊がどうだとか綿糸がどうだとかという見通しについて触れたのです。先進工業国あるいは発展途上国、さらに韓国であるとか香港であるとか、そういう中進国との絡みが出てくるわけだから、その競争力を試算をしてのお答えであったのだろうと思いますけれども、その点をもう少し局長から詳しく、いまお答えになったことの基礎になるものを……。
○栗原政府委員 一応、繊工審、産構審の五十八年度需給見通しについての数字的なものがあるわけでありますが、内需につきましては、五十八年度百八十万トン、伸び率といたしましては、五十二−五十八で四・一%、輸出につきましては、五十八年度四十九万トン、伸び率が五十二−五十八でマイナス六%、輸入につきましては、五十八年度三十万トン、伸び率が五十二−五十八で一〇・二%という内容になっておりまして、全体をトータルいたしました生産の伸びというのは、五十二−五十八の伸びで一・二%ということで、ほぼ横ばいの数字を想定しているというのが全体の輪郭でございます。 輸出及び輸入につきましては、大臣先ほど申されましたように、輸出の競争力が相対的に低下する、あるいは輸入につきましても、低価格品を中心に、漸次増加せざるを得ないという見通しに立っての一応の積算ということでございます。
○中村(重)委員 いまのようなお答えがあったんですけれども、そのとおりにいかない場合は、不確定要素というものがあって、それによってうまくいかなかったんだということになりますね。そうした不確定要素によっての振れというものがあるにしても、繊維産業というものを、産業構造の転換の中においてどう位置づけるかという基本的なものが確立をしていると、そうした不確定要素によっての大きな振れというものはあり得ないし、あってはならないというように私は思うんですよ。先進工業国というのは、さらに繊維産業に対して、技術革新その他、発展のための努力をしていくでありましょうし、発展途上国もまたそれなりの、さらに前進した施策というものを講じていく。現在、韓国とか台湾であるとか香港が相当活発に日本繊維産業を追い上げ、国内だけではなくて、海外において競争力を失いつつあるというのが実態だろうと思うんです。ですから、そういったことを念頭に置いて、その上に立っていまのようなお答えがあったのかどうか、その点いかがですか。
○江崎国務大臣 大変重要な御指摘についての御質問だと思ってお答えをしておるわけです。 繊維そのものが高成長を遂げる産業とは、先行きちょっと考えられませんね。比較的低い成長率で、横ばい的にいけば大変結構だということだと思いまするが、韓国とか台湾とか、そういった国々が急速に追いかけております。したがって、紡機が糸を紡ぐし、織機が織布してくれるしということになりますと、どうしても日本としては、短期的には、いま御審議を願っておる、要するにアパレル部門に重点を置いていく。長期的にどうするんだということになりますと、これは私、やはり相手国との貿易インバランスがにわかに解消するとは思いませんので、これはケース・バイ・ケースの話でありまするが、やはり分業制度をこれらの国々と考えてまいりませんと、本当の確たる見通しというものが立てにくくなると思うんですね。 長期的には、ちょうどEC構想のような、アジア地域におけるエコノミックコミュニティーを形成していく必要があるんじゃないか。そういうことも、決してもう議論の時代ではなくなりつつある。特に繊維などの場合は、糸を紡いだり簡単な布を織ったりというだけならば、日本では、労賃の上からいってもとうてい競争に立てなくなる。もう現に競争力を失っておりますね。したがって、そういうことを、このアジア地域において話し合いをしながら、水平分業の形をどう取り入れていくかということも当然考慮の中に入れていきませんと、場当たり政策のそしりを免れなくなるというふうに考えます。
○中村(重)委員 繊維産業というのは幾多の変遷があった。それにしても、歴史的に見ると、かつては日本の重要な、いわゆる主要産業であった。ずっと斜陽化してきて、競争力を失ってきたとはいいながら、やはり産地形成をやって、地域経済には相当寄与しているし、特に労働集約産業である。雇用問題というのがきわめて重要なこの段階の中において、もう少し真剣に、この繊維産業の問題は政府としてもビジョンづくりをやり、これに対処していく必要があるのじゃないか。 そのように考えてみると、昭和四十二年八月十五日から構造改善事業が施行されて、何回も内容充実をして、そしてさらに期間の延長をやってきた。同じようなことの繰り返しの中で、少しばかりいわゆる繊維の縫製みたいな形でこうやってきている。そして時限立法になっているんだな。私は、繊維産業の歴史性、また重要な意義を持っているということから考えてみると、やはり恒久立法にする必要があるのじゃないかと思う。そのことを通産省としては検討していないのかどうか。恒久立法にすることは正しくない、適当ではないという考え方というものはどういうことなんだろう。それから、時限立法としても、これで終わりだ、もう最後だということだった。この前もそうだった。今度は本当に最後だと思っているのかどうか。であるとするならば、これは恒久立法というものも必要性がないということになってくるだろう。先ほど繊維産業のビジョンについて大臣からお答えがあり、また数字を挙げて栗原局長からお答えがあった。そのことを考えてみると、繰り返して申し上げると、繊維産業の歴史性、果たしている重要な役割りからすると、特に労働集約産業であるという点からして、どうしても恒久立法ということによって、その健全化を図っていくということでないといけないのだろうという気がします。いかがですか。
○江崎国務大臣 従来の経緯が、設備が過剰であったり、これを廃棄したり、どう調整するかということでだんだん来て、ここへ来てまた新たな構想をもって延長をお願いしておるわけでありますが、おっしゃる意味はよくわかります。しかし、日本の繊維産業というものは、先ほど私は悲観的な一面を申し上げたわけですが、いい面から言うならば、中村さんがいま言われますように、長い苦難の道を耐えて切り抜けてきただけありまして、まだ何といっても、値段の上では競争はできないにしても、品質とか耐久力とか、そういう別な面からいいますならば、十分強い競争力を持っておるということは言えなくないと思います。 それからもう一つ言えることは、一億一千万人の消費層を持っておる。幸いわが国は経済的にも他の中進国とは違ってゆとりがあるということ、たとえば去年でも、ちょっと暑い夏になればにわかに繊維の消費が進んで、好況感をもたらすというようなことも可能なわけでありまして、したがって今後、おくれておるこのアパレル部門というものに本当に力を入れる、午前中も清水さんから御指摘があって、私、早速局長とも話し合っておったわけでありますが、やはりアパレル部門に一億五千万円の予算をつけたから、さあそれでひとつ人材養成だという、かけ声だけでどうにもなるものじゃありません。だとすれば、アパレル部門を本当に盛んにするというならば、数少ないその道の学識経験者であるとか、いろいろな人を寄せて、衆知を集めて、今後これを急速に発展させるような方途を講じていく、これはもう大事なことだと思いまして、今後そういう面に鋭意努力してまいりたいと考えます。
○中村(重)委員 繊維産業のビジョン、その中でアパレル部門というものに対して相当なウエートを置いている。してみると、今回のこの改正法案というのは、やはりそのビジョンに沿った形、そういうことで御提案になっているように思うのです。そうすると、やはり時限立法で五年ということなんだから、それでは五年後はどういう姿になると見ているのですか。
○栗原政府委員 五年後のビジョンにつきましては、先ほど大臣からもお答え申し上げました、昨年十一月の繊維工業審議会、それから産構審の一応のビジョンがあるわけでございますが、これに到達するための量的な構造改善の数字といったようなものは、現在のところめどとしては持っておりません。残念ながらそういう数字的なものはまだ持っておりませんが、定性的には先ほど申し上げましたような、川上部門のウェートが漸次低下をして、川下のアパレル部門が漸次ふえていくといったような形におきまして、日本の繊維産業の構造が少しずつ知識集約型のもとに、再編成されていくという過程を経ていくのではなかろうかというふうに考えております。
○中村(重)委員 先ほど大臣のお答えがあったのだと思うのですけれども、聞き漏らしたのですが、私は、繊維産業のそうした重要性から考えて、恒久立法というものの必要性があるのではないか、その点にウエートを置いてお尋ねをしたわけです。将来のビジョンづくり、それから競争力がないとしても、いわゆる質的な面において競争力を強化していく必要がある、そしてなかんずくアパレル部門に大きなウエートを置くのだと言われるならば、やはりこの法律は恒久立法にしていく必要があると私は思うのです。その点を率直にどうお考えになっていらっしゃるか、お伺いいたしたい。
○江崎国務大臣 これは私からも、また局長からもお答えしたように、当面これでいこうということですが、中村さんが言われます意味もよくわかりますので、十分そういう御意見を踏まえて、今後検討をすることにいたします。
○中村(重)委員 それから国際分業、まあ事実上、国際分業というような方向に、好む好まないは別として進んでいるようにも感じるのです。今回御提案になりました改正法案は、繊維産業というものは、やはり国際分業化の方向を進んでいかなければならない、そのためには、いわゆる柱であるアパレル部門に日本は活路を見出していく、そういう考え方の上に立って御提案になっているわけですか。
○江崎国務大臣 そのとおりでございます。
○中村(重)委員 そうしてみると、国際分業化というのはどういう方向で進んでいくでしょう。見通しとしてはどうなんですか。
○栗原政府委員 日本の繊維産業の構造から見まして、まず川上の天然繊維の糸の部門あるいは合成繊維のファイバーあるいは糸の部門、こういった部門は、特に合繊につきましては、現在でもかなりの輸出ウエートを持っております。三割以上の輸出ウエートになっておりますが、こういった分野におきましては、やはり漸次輸出のウエートが低下するであろうというふうにまず考えます、さらに輸入も若干ふえるかもしれません。それから川中、川下につきましては、現在でも輸出はそれほど多くないわけでございますが、この多くない輸出も、さらに競争力の点から見て、高級化はいたしますものの、量的には減少するであろうという形になることを予想しております。 一方、輸入の方は、川上あるいは川中につきましても、現在ある程度の数量が入っておりますが、これも漸次増加するという形に相なろうと思います。 全体といたしまして、川上、川中の部門が輸出の減少あるいは輸入の増加という形で、相当程度ウエートを変えていく形に相なろうかと思います。その中で、アパレル部門、川下部門を、場合によっては輸出も可能なような状態にまで持っていき、国内についても、高級化、多様化の路線に沿うような部門については、十分内需を確保していくという形で、ウエートを伸ばしていくというような姿に相なろうかと思います。 個々の分野でどの程度が国際分業の落ちつきになるのか、これは目標ではなくて、むしろ競争場裏における結果の問題であろうかという感じがいたしております。
○中村(重)委員 それから、現行繊維法の施行以来の姿を見ているのですが、私は商工委員会に所属している期間が長いだけに、ある程度の動きを把握しているつもりなんです。失敗もあった。見通しの誤り、織機の買い上げなんてまさにその典型的なものなんですよ。その点は問題点ではありますが、もう一つ言えることは、構造改善事業計画というものにどこまで業界が情熱を燃やしているか。それから参加者が非常に少ないということだ。これをどう見ているのですか。どこに問題点があるのか。反省として、制度の枠組みなんというものが厳しくて、余りお役所的で、どうにも参加しようにも参加するすべがないということが一つ言えると思うのです。それから、やはり構造改善事業というものが、大きい企業というものにウエートか置かれていて、そうして4さい企業というものはそれに巻き込まれていって、本当に安定した方向になり得ないという否定的な考え方、そういうような点もあるのではなかろうかという感じがいたします。反省を含めて、どうしてこう参加者が少ないのか、どうして成功しないのか、その点どういう見解を持っていますか。
○栗原政府委員 四十九年に始まりました今回の構造改善、五年目を迎えたわけでございますが、このおくれにつきましての考えられる理由というものは、幾つかあろうかと思いますが、やはり一つは客観情勢が非常に厳しかったということが挙げられようかと思います。これは、オイルショック以降の長期的な不況の継続、特に一昨年来、円高という状況にございまして、業界も非常に苦境にあえいでおったわけでございまして、したがいまして、前向きの構造改善というものに取り組む余力に非常に乏しかったという、業界サイドとしても余儀ない事情があったということは、一つ考えられようかと思います。 しかしながら、それだけではございませんで、御指摘のありましたように、制度そのものについても、やはりこれは地域なり業種なり業態に即したような形での使いやすさというものについて、問題があったんではなかろうかという反省もございます。したがいまして、そういった点につきましては、たとえば産元、親機等も含めた一定条件のもとには、同業種グループも対象になり得るような改正というものも、今回御提案申し上げている次第でございます。さらに、この制度の周知徹底等につきましても、反省するところもございました。それらにつきましても、今回意を新たにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 公取委員長、非常に重要な会議に御出席になっておられる中で、無理に時間を割いて御出席いただいて敬意を表するわけですが、まだ恐らく会議が続いておられると思いますから、公取委員長にお尋ねをするのですが、不況カルテル全廃という、公取からはっきりそのような発表をしたのでもないのでしょうけれども、新聞報道等においては、全廃というようなニュースが流れているわけなんですが、ほとんど三月末に期限切れというようなことになりますね、合繊あるいはアルミその他。公取委員長としては、不況カルテル認定の要件というものがもう解消したということになれば、これは当然廃止をしなければならないわけですが、そこらの認識を含めて、いわゆる全廃をするお考え方なのかどうか。いかがですか。
○橋口政府委員 現在進行中の不況カルテルは、三月末で期限の参ります三品目と、それから四月末に期限の参ります両更クラフト紙の四品目でございます。そのうち、三月末に期限の参ります三品目につきましては、今日の時点におきまして延長の申請が出されておりません。今日までそれぞれの業界と意見を交換してまいりましたし、また通産御当局とも内々相談をしてまいったわけでございますが、見通しといたしまして、三月末に期限の切れます三品目の更新は、なしと申し上げて差し支えないと思います。 それから全廃の方針を決めたのかということでございますが、これは国会でもお答え申し上げておりますように、公正取引委員会としまして不況要件の有無にかかわらず、不況カルテルは一切認めないという方針を決めたことはございません。もちろん不況要件がいまあるかどうかにつきましては、業界との間に意見のすり合わせが必要になるわけでございまして、今日といえども不況要件がある場合には、これは十分検討する必要があるというふうに考えております。しかしながら、三月末で期限の切れます三品目につきましては、おおむね不況要件が解消しているということにつきまして、業界との間に合意があるというふうに考えております。 四月末に期限の参ります両更クラフトにつきましては、まだ多少時間もございますので、不況要件があるかどうか、将来における価格の動向等も十分見きわめて対処いたしたいというふうに考えておるわけでございまして、理由の有無にかかわらず、不況カルテルを一切認めないという方針ではございませんが、同時にまた、理由のあるなしにかかわらず、不況時には不況カルテルを積極的に認めるべきであるという意見にもくみするものではございません。
○中村(重)委員 不況要件があるかないか、それと関連をしてくることは、御承知のとおり石油価格が非常に上昇しているようであります。それと関連して、ナフサの価格上昇というものは、海外において想像以上なものがあるのですね。日本はナフサが高くて、何とかしてもらわなければどうにもならないということを合繊業界なんか言っておった。いまむしろ国内のナフサの方が安くなっているという。高くて競争力がない、こう言ってきたことと関連をして考えなければならないことは、ナフサの価格上昇ということを、不況カルテルを廃止することに関連づけてお考えになるのか、その点は検討の対象としてお考えになっていらっしゃるのかどうか。
○橋口政府委員 不況要件は、御承知のように市場価格と原価との間に不均衡がありまして、損失がある場合に発生するわけでございますから、したがいまして、販売価格の状態とコストの状況とを相互に検討する必要がございます。市価の方は、御承知のように徐々にではございますけれども回復をいたしておるわけでございまして、一方、コスト面をとらえてみますと、減量経営やあるいは金融費用の減少、かつてに比べての円高等の影響で、コスト面ではかなり改善されているというふうに見ておるわけでございます。ただ、今後の問題としましては、かつてに比べまして相対的に円安の状況が発生をいたしておりますし、それからまたナフサ価格の問題も将来出てくるわけでございますから、そういうコスト面からの上昇要因というものも確かにあろうかと思います。それに伴いまして販売価格の、市価の面がどういうふうになるか、この相対関係で考えてまいる必要がござしますし、それから全体としての物価の情勢ということにも配慮する必要があるわけでございますから、マクロ経済として不況の状態であるか、全体として活気を呈しているかということも、客観的な条件として、判断の要素に入ってくるというふうに考えております。
○中村(重)委員 確かに減量経営ということによって、企業の利潤率というのは高くなってきた、早く言えば経営が非常に安定をしてきたということが言える。ところが、一方においては、減量経営によって、雇用の創出が大きな政治課題になっているのにもかかわらず、失業者は増大をしているという。この面というのは、これは重視しなければならない。したがって、減量経営というのは通産大臣としてもほっておくわけにはいかない、やはり総合的な経営体制を求めていくであろう、またそうでなければならないというように思うわけなんです。ですから、減量経営とかあるいは金融緩和とかということによって、コストというものが非常に低下をしてきた。そこで経営が非常に安定をしてきて、ただいま私が申し上げたような一面というものがあるわけだから、このカルテルは、好ましくはないけれども、及ばす影響というのは非常に大きいというような点等から考えてみると、通産省と公取は十分ひとつ、その点はあらゆる面から検討して、総合的な対策の中で対処していく必要があるであろうと私は思います。 この点も後で通産大臣からもお答えをいただきたいわけなのですが、公取委員長に、合繊業界が御承知のとおり特定不況産業安定臨時措置法の設備廃棄の指定業種になっているわけなんですね。不況カルテル廃止との関連ですね、この点はどのようにお考えになっておられるのか。
○橋口政府委員 構造不況法案が成立しました経緯を考えてみますと、一般的な不況状態の中におきます合繊不況に対処するために、生産調整カルテルで不況状態から脱却し得る当該物資の需給のバランスがとれるというのが普通の形でございますが、昭和四十九年から始まりました今次の不況におきましては、不況の程度が予想以上に深刻であった。その深刻であった不況の状態の中におきまして、合繊その他の特定の物資につきましては、過剰設備の圧力というものが、市価の回復に悪い影響を与えておるという状態がございましたから、いわゆる構造不況法案というものが成立したわけでございまして、これに伴いまして、設備の凍結あるいは廃棄ということが起こったわけでございます。したがいまして、理論上で考えますと、望ましい生産設備の水準というものが確保されますならば、一般的な市況に対する圧力というものは解消する理屈でございますから、構造不況法に基づきまして、いわゆる指定業種としての設備の凍結ないし廃棄ということが行われましたならば、一般的な生産制限カルテルというものが解消されてしかるべきだというのが、公正取引委員会の見解でございます。 しかしながら、そうは申しましても、設備の凍結あるいは廃棄によりましてもなおかつ市況が回復しない、依然として不況要件があるという場合には、設備凍結のカルテルと、生産制限カルテルとが併進することはあり得べしというのも、また同時に公正取引委員会の見解でございまして、従来はそういう見解に基づきまして、両者が併進するという状態であったわけでございます。幸いにして、最近の状態では、いわゆる生産カルテルの方はこれを解消しても差し支えないという事態になったわけでございますから、一方におきまして構造不況法に基づく設備の制限カルテルというものが存在して、少しも差し支えないというふうに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 この不況カルテルというのは、緊急避難ということですね。設備廃棄というのは設備過剰である、どうしてもこの設備を廃棄してしまわなければ不況業種というものは立ち直ることができない。これはやはり冒頭私がお尋ねした、繊維産業のビジョンの問題とも関連をしてくるわけなんですね。ですから公取が、不況カルテルというものによるよりも、特定不況産業安定臨時措置法、いわゆる不況法ということにウエートを置いた形で、不況克服をやらせた方がいいといったような形の報道等もなされている。いま委員長からお答えもあったわけなのですけれども、そのいずれにウエートを置いていくのかということですね。これは、一方は緊急避難、一方はむしろ恒久的なことですから、これも通産当局とビジョンの問題も含めて十分検討をして、誤りなき措置を講じてもらうということでなければ、私はいけないというように思います。ですから、先ほどの見解を求めましたこととあわせて、公取委員長お忙しいようですから、後でお帰りになってからで結構でございますからお答えをいただきます。 いまの点についてもう一度委員長からお答えをいただきたいのと、ついでに、同僚委員の諸君に御同意をいただいておりますからお尋ねをするのですが、書籍の再販廃止といったような問題は、非常な関心事であるようであります。この点は調査の段階であろうと思っていますから、的確なお答えは出ないのかもしれません。ただ心配をいたしますのは、書籍というのは文化、教育、それらにも重要なウエートを持っているということ、かといって、そういう書籍類であるから、漫画であろうが何であろうが、全部再販の対象になるのかどうかという点、公取もそこらの点は相当慎重に、調査の中で検討をされるであろう、このように思います。この点についても、ひとつ繊維の問題とあわせてお答えをいただきたい。
○橋口政府委員 結論的に申しますと、構造不況法と、独占禁止法の不況カルテルの制度は、併存し得るという考え方でございます。これは理論上併存し得るということでございまして、片方は長期構造的な問題に対する処方せんという性格を持っておりますし、それから独禁法の不況カルテルは、おっしゃいましたような緊急避難的な、サイクリカルな性格を持っておるというふうに考えておるところでございます。 それから書籍の問題でございますが、書籍その他の出版物の生産、流通、販売、版元、取次、小売、各段階にいろいろ問題があるというふうに考えております。端的に申しまして、幾つかの病理現象と申しますか、病気の症候群というものが見られるわけでございまして、この病理現象の原因がどこにあるかということにつきましても、透徹した分析が必要になると思いますし、また業界の実態を十分承知する必要があるわけでございますから、現在広範な調査をいたしておる段階でございまして、その一環として、いわゆる法定再販制度の是非の問題も含めて調査をしているというのが現状でございます。 なお、昨年から公正取引委員会のモニター八百十八名に対しましても調査をいたしまして、ちょうど先生がおっしゃいましたような趣旨の回答も出ております。たとえば専門書その他の一般図書につきましては、再販制度を残しておいた方がいいという意見の方がやや多いわけでございますが、雑誌につきましては、再販制度を廃止した方がいいという意見の方がはるかに多いというような、そういう姿が出ております。ただ、私がこういうことを申し上げますと、何か公取委が書籍の性格によって再販制度の適用を考える、いわば文化に対して判断を示すというような非難が出るおそれがございますので、今日までそういう考え方は申したことはございませんが、アンケートの調査ではそういう趣旨の回答も来ております。しかしながら、その法定再販がいいかどうかという問題は、実は一番最後に出てくる問題でございまして、冒頭に申し上げましたように、現在完全に生じております幾つかの病理現象に対して、どういう処方せんがあり得るかということにつきまして、模索をしている段階でございまして、最初から法定再販を廃止するというふうな前提とか、あるいは予断を持ってやっているわけでもございませんし、同時にまた、法定再販に一切手をつけないという覚悟を持ってやっておるわけでもございません。これが正確な現状でございます。
○中村(重)委員 時間の関係がありまして、大体申し合わせで社会党が一時間、同僚岡田委員の質疑もあるわけであります。また一般質問の機会にお尋ねをすることにいたします。委員長の時間の関係もありますから、どうぞお引き取りをいただきたい。 通産大臣から、先ほど私が申し上げた点についての御見解を聞かせていただきたい。
○江崎国務大臣 独禁法に基づくカルテルの条件については、公取委員長から話があったとおりでありまして、需給のバランスのぐあい、値崩れのぐあい、これを一々しさいに検討して、外すものは外すということでありませんと、最近相当市況が強くなった製品も、御指摘のようにあるわけであります。よく配慮をして、今後に資したいというふうに考えております。 〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕
○中村(重)委員 それでは繊維の問題、まだいろいろ輸入対策であるとかあるいは古い慣習というものが残されて、そのために下請事業というものは非常に混乱をしている。これは工賃であるとかあるいは家内労働とか、何とか改善をしなければならないいろいろな問題が山積をしていると思います。それらの問題は岡田委員から後でお尋ねをすることにいたします。 森山情報局長いらっしゃいますか——一般質問の中で詳しくお尋ねをいたしますが、非常に緊急な問題のようにも私は感じ取っておりますテレビのダンピングの支払い、非常に強い姿勢でアメリカが臨んできている、これに対してどう対処していくのかという点が非常に重要な、急を要する問題でもあるやに伺っているわけですが、これをお答えをいただきたい。 それから、予算委員会の中で、外国で売っている品物よりも国内で売っている方が高い、こんなばかなことがあってはならないという指摘に対して、通産大臣もこれを改善するというお答えもしているのですが、これはダンピングの問題とも関連をしていくであろうと私は思います。それらの問題も含めて、ひとつ森山局長からお答えをいただいて、必要であれば通産大臣からもまたお答えをいただきたい。
○森山(信)政府委員 テレビのダンピングの問題につきましては、中村先生よく御承知のとおり、大変古い話でございまして、そもそもの淵源を申し上げますと、一九六八年の三月に、アメリカの電子工業会が財務省に提訴をしたことが始まりでございます。その後、幾たびかの紆余曲折があったわけでございますが、昨年の三月三十一日に、アメリカの財務省がいわゆるクロの裁定を出しまして、一九七二年及び一九七三年前半の輸出分につきまして、いわゆる物品税方式によりまして税を査定をしたわけでございます。総額で四千六百万ドルという査定でございます。 これに対しまして、私ども日本政府といたしまして、あるいは日本の業界といたしましても、このいわゆる物品税方式は大変不合理な査定の仕方である、国際的な慣例から見ましても、この方式はおかしいということを強く主張したわけでございまして、幾たびかのやりとりがあったわけでございますが、結局のところ一九七八年、つまり昨年の九月二十一日にアメリカ財務省といたしましては、やはり金を徴収いたしたいということを決めたわけでございます。また私の方といたしましては、幾たびかの抗議をいたしまして、三回にわたりまして徴収を延期したわけでございますが、この三月十二日をもちまして支払い期限が終わったわけでございます。そこで、アメリカ財務省といたしましては、三月十三日に発表をいたしまして、今回はもう支払い期限は延長しない、ただし支払いは一部現金で支払ってもらって、一部はいわゆる約束手形で払ってもらう、そのかわり、いまからじっくり時間をかけて、八月一日までに作業のやり直しをしましょう、こういう発表をしたわけでございます。ある程度弾力的な応対をしてくれたという感じはいたしますけれども、基本的にはまだ私どもの主張と大変隔たりがございますので、私どもといたしましてはなお強い姿勢でアメリカ政府と交渉したい、こういう気持ちでございます。 ただし、先ほど申し上げました現金の部分をどの程度にするかにつきましては、十三日の発表によりますと、二週間以内に各社別に通知をするということでございますので、各社別にどういう実態になっているかが現段階においてまだわかっておりません。したがいまして、いま申し上げました強い姿勢で臨むという基本的な態度を堅持しつつ、二週間後に行われるであろう各社別の裁定の状況を見た上で判断をしたい、これが私どもの現在の基本的な考え方でございます。
○江崎国務大臣 予算委員会で、たしかやはり社会党の議員から、いまお話のありましたような質問がありました。まさに、国内で高くて外国で安い、おかしいではないか、しかも、これをダンピングと言わないで何がダンピングかというわけで、私も森山局長を初め、関係者にいろいろ話を聞いてみたわけでありまするが、国内の場合は一年間の保証措置が厳守せられておる、あるいはまたアフターサービスについてもずいぶん念入りなサービスが保証されておるというようなことで、これは必ずしも一口にダンピングと言える性質のものではない、いわゆるアメリカ市場の商習慣と、競争激甚な日本国内における商習慣とがいま申し上げたような点で違っておるのであってダンピングではない、しかしそういうふうにアメリカ側にとられたことについては残念だが、わかりやすく言えばそういうことですよという説明を私受けたわけであります。そういうことであろうかというわけで、一応の理解をしておるわけでありまするが、もし私の答弁で何か不備があれば、事務当局から補足をいたさせたいと思います。
○中村(重)委員 これで終わりますが、いずれにいたしましても四千六百万ドル、約百億、これはたしか一九七二年から七三年上期の分で、七カ年半ということになってくると、五億ドルくらいになるのだろうと私は思っているのです。四千六百万ドルで終わらないということになってくるとこれは大変重要な問題だ。 強い姿勢ということになってくると、訴訟ということになってくるのでしょう。そうなってまいりましても、結局、関税裁判所に訴訟を提起すると、供託をしなければならぬということになる。この種のものは関税裁判所だという扱いに向こうさんがなれば、そうしなければならぬ。これはいずれにしても大変長い期間かかるでしょうし、そのような金を供託しなければならぬということになれば大変重要である。かといって、これを支払ったから現金が幾らになり、手形が幾らになるかわかりませんけれども、それによって今度はまた矢継ぎ早に次の請求をされるということになってくるとこれは大変なことになる。そのことは、結局コスト高になって、国内の消費者に対する負担という形にはね返ってくるということも避けられないだろう、だから十分慎重に対処してほしい。また、こういうことがそう起こらないように、予算委員会で指摘をされたようなことが、いま大臣のお答えもありましたけれども、今度同僚井上議員が言ったことだけではなくて、いつも問題になってきているわけですから、ひとつ通産省としても、十分指導に誤りないようにしてほしいという点を強く要望しておきたいと思います。 大体妥協の方向で進んでいるのかどうか、もしこれが、相手があることですから、局長の答弁が影響するということであればお答えは要りません。差し支えなければお答えを願いたい。
○森山(信)政府委員 妥結と申しますのは、私どもとしましては、いわゆる物品税方式を撤回してくれることだと思います。ただ、現段階におきまして、物品税方式を撤回したのか、あるいはそのままの方式で現金が幾ら、手形を幾らと査定したのか、それは発表を見てみないとわからないものでございますから、現段階では何とも申し上げようがないわけでございます。いずれその様相がはっきりすると思いますので、その段階では先ほどお答え申し上げましたように、私どもとしましては強い姿勢で応対を決めたい、こういうふうに考えております。
○中村(重)委員 終わります。
○渡部(恒)委員長代理 岡田哲児君。
○岡田(哲)委員 時間がありませんので端的に確認をいたしますから、よろしくお願いをしたいと思います。 繊維工業構造改善事業協会、これが、いままでの審議の中で相当充実をさせなければならぬというふうに考えているわけでございますが、その充実の方法と同時に、人材や技術の育成の問題、情報収集、こういうような仕事も出てくるし、また育成資金の十分な活用を図らせる、配分というようなものも仕事のうちとして出てくるように思うわけです。 そこで、当然考えられますことは、工業試験所や技術開発センター、技術者の再訓練、それから受講者の雇用保障、技能検定制による社会的地位の保障、同時に訓練の科目、学習要領の編成、こういうようなことを考えますと、先ほども大臣ちょっとお答えがありましたが、高度なノーハウを身につけた専門家やあるいはファッション傾向に即応するような人材、いろいろ考えられるのですが、相当幅広い形で人材育成のためのものをつくっていかなければならぬというふうに考えるのですが、特に労働組合の方からもこの中へ入っていくという強い希望もございますので、その辺幅広く考えていいか、当然入れるというふうに考えていいのか、その辺だけちょっとお伺いしておきます。 〔渡部(恒)委員長代理退席、野中委員長代理着席〕
○江崎国務大臣 私は、経験豊かな労働組合の代表を、評議員の中に入れていい問題だというふうに思います。十分検討いたします。
○岡田(哲)委員 実現するように、よろしくお願いをしておきたいと思います。 それから次は、国際競争力の低下をカバーするために、繊維企業が低賃金を求めていよいよ細分化される。企業集約化を求める構造改善事業とはうらはらに、二重三重の下請機構が進行し、家内労働への依存度もますます高くなっているのが実態でございます。これらの繊維中小企業の労働者の労働条件の向上、それから最低賃金の引き上げ、最低工賃の改善等を含めた家内労働法上の問題が、先ほども労働省からも話がございました。しかし、ともするとこういう問題は労働省の担当なんだということで考える傾向が、通産側にある。私はどう考えてみても、最近の事情から見ると、生産から流通段階の繊維の関係を見ましてもそう思うのですが、一つの産業政策として、最低のこういうものを、どういう形に向上さしていくかというのは、大きな通産省の仕事だというふうに考え、産業政策の上でこれを位置づけていくというふうに確認したいのですが、見解はどうでしょうか。
○栗原政府委員 特に加工賃の関連の御質問でございますが、基本的に加工賃の水準をどうするか、どう考えるかという問題につきましては、私どもといたしましては、原則はやはり当事者間の問題であるというふうに実は考えておるわけでございます。ただし、先ほど御質問もございましたように、家内労働法というような法律の体系におきまして、繊維の事業者あるいは労働組合の関係者等も参加いたしまして、最低工賃等の議論も行われるというようなお話も伺いました。私どもといたしましても、そういった際には労働省とも十分連絡をとりまして、しかるべく家内労働の趣旨に従った御協力を申し上げたい、かように存じております。
○岡田(哲)委員 最低加工賃あるいは下請の人たちの現状から見ますと、これを十分通産側からも考えながら指導していく、こういう形をぜひとっていただくようにお願いをしておきたいと思います。 それから、いままでもずっと議論がございましたが、わが国の繊維の関係で見ますと、百貨店を中心とした返品自由という商法、繊維流通構造がこういう形になっておって、最初に売り場に出した商品のうち、ある程度の部分が売れればもとがとれる、こういう仕組みになっている。残りは仕入れ先に返せばいいし、仕入れ先でも最初から採算上余り当てにしていないので、残ったやつはバーゲンで無秩序に売りさばいてしまう。極端なマークアップ政策と、無計画なバーゲンの日常化は、業界にとっても消費者にとっても大変不幸だ、こういうふうに言われているわけですが、こういうことから見ますと、売れなければ投げ売りをする、横流し、返品といった、こういう商慣行が存在するがために、安易な仕入れと販売、それから各企業の見込み生産、さらに資金能力を超えた発注というものが出てくるわけでございまして、こういうものは全体の流れの中で考えない以上、この繊維流通構造というものは私は直らないというふうに考えております。 いままでもずいぶん議論がございましたように、契約の問題等でも、書面ということは指導されているようなんでございます。この前も言いましたように、憲章を幾らつくろうと指針をつくろうと、そういうことだけではなかなかいかない。業界の人たちに聞きましても、これはやはりそういうものを守らぬ方が得だというような意見すら出てくるわけでありまして、こういう自主努力はもとよりでありますが、自主努力を育成強化しながら、さらに行政的に相当一つの力を発揮しないと、この流通問題というのは解決しない、私はこういうふうに考えますので、ぜひ強力な行政指導を流通の中に取り入れていくようにしてもらいたい、こういうふうに思うのですが、見解はどうでしょう。
○栗原政府委員 繊維のいろいろな取引慣行の中に非常に不合理なものがございます。こういったものにつきましては、古い伝統を持った産業でございますし、その流れという問題もございますし、またそれぞれの慣行が、先ほど御指摘にもなりましたように、各段階でお互いに複雑に絡み合っているというような性格もございまして、一朝一夕にこれを解決することは非常に困難な性格の問題でございますけれども、私どもといたしましては現在繊維の取引近代化推進協議会という、業界五十団体の場を設けまして、業界全体の総意をまとめながら、業界の自主的なそういった努力に対しまして、役所としてもできるだけの指導、援助をしながら、取引改善に努めてまいりたい、かように考えております。
○岡田(哲)委員 その自主努力と、やらせることについては、先ほども言っているように、私は、これに任しておいては実際できないのではないか、この間学者先生にも話を聞いても、これは自主努力が一番望ましい、それは育成強化していくことはもとよりでありますが、もっと強力な通産の指導というものを、この流通段階の中に取り入れていかないと、幾ら一方で構造改善を進めていっても実らないというふうに感ずるわけですから、ぜひそういうことを強く申し上げておきたいと思います。 時間がございませんので最後にちょっと聞きたいと思いますのは、内需縫製設備で共同廃棄の計画が進められているようでございます。この関係については、登録制度が現在はないわけですね。そこで今後設備の点については、登録制度というようなものを考えていかなければ、実際いかぬのじゃないかと考えるのですが、どうでしょう。
○栗原政府委員 現在内地向けの縫製業界におきまして、設備の処理、廃棄といったものを考えたいという動きがあることは御指摘のとおりでございます。ただ、この際の問題といたしましては、ただいまお話もございましたように、業界の設備について、現在登録制等がございませんので、実態の把握が非常に困難である、したがいまして、廃棄等を行った場合の効果の測定についても、きわめて困難な問題が出てくるという、廃棄実施上の問題点がございます。ただ、そういった問題があるために、それでは登録制を縫製のミシンについて行うかどうかということにつきましては、これはまた別の問題であろうかと考えております。これはやはり団体法に基づきますいろいろな不況要件その他との絡みもございましょうし、そういったものがあった方が、共同廃棄には便利だということは事実でございますけれども、そのことと登録制とは一応別な問題として、切り離して検討するべきではなかろうかというふうに考えております。
○岡田(哲)委員 最後に、人材育成基金として三億円が予定されているのですが、この三億円という根拠、しかもこの使途といいますか、どういうようにこの三億円を今後使っていこうと考えられておるのか、その中身をひとつ示しておいていただきたいと思います。
○栗原政府委員 三億円の収入に関しましての考え方でございますが、やはり一つは業界が共通に活用できるような調査研究、たとえば教材の作成でございますとか、カリキュラム、教育技法の開発でございますとか、そういった業界として共通に活用できるような調査研究に充てたいということが第一点でございます。 それから第二点といたしましては、とりあえず現存するいろいろな研修あるいは教育施設に対する助成を考えておりますが、特に講師の派遣等の費用に、これを活用してまいりたいということでございます。 いずれにいたしましても金額が限られておりますので、効率的な、有効な使途を考えてまいりたいというふうに考えます。
○岡田(哲)委員 大臣、先ほど清水委員の質疑の中にも出ておりましたが、この人材育成ということは、私は、言葉では言えても、中身のある、成果を上げる点については大変だというふうに考えておる一人なのです。大学ばかりでない、現在ある教育施設その他の使い方もあるでしょうし、それから今後の育成あるいは技術養成という点について、これは今度の法案の中でも一つの非常に大きな柱であるわけですが、最後にこれについての決意をお伺いをして、終わりたいと思います。
○栗原政府委員 御指摘のように、人材育成につきましては、私どもアパレル産業振興の最大の手段ということで、現在御提案申し上げている次第でございます。大臣も先般来いろいろお答え申し上げておりますように、当面は先ほど申し上げましたようなところから出発いたしますけれども、その実際の運用の状況、これに対します業界の対応状況というものも踏まえまして、将来できるだけいま御指摘のような方向で、漸次これを拡大し、発展させる方向で考えていきたい、かように考えております。
○岡田(哲)委員 終わります。
○野中委員長代理 岡本富夫君。
○岡本委員 いま議題となっております法案は、私も五年前に当委員会で審議をしたことがありますが、そのときには、五年延長するとまことにすばらしくなるのだというような、ビジョンのような話を聞いて安心したのですけれども、結局その後見ますと、ほとんど成果を上げてない。その点についてはいろいろとあると思いますけれども、先ほど同僚委員の方から聞いても余りはっきりしないわけです。私はこの法律案を見まして、大臣、この繊維工業構造改善事業協会を残すために五年延長するのじゃないか、こう勘ぐる向きもあるのですよ。と申しますのは、あとのいろいろ規則を見ましても、前と一向に変わってないのですよ。いろいろと大蔵省の規制もあろうと思うのですが、やはり思い切った助成の仕方あるいはまた育成の仕方をしないと、またぞろ五年たっても余り大したことなかった、こういうことになるのではないか、こう思うのですが、それについてまず局長さんから、確信があるのかどうか、これを一遍お聞きしておきたい。
○栗原政府委員 構造改善事業協会でございますが、昭和四十二年に設立されて以来、現在資本金四十四億五千万円、職員五十五人ということで、成立をいたしておるわけでございます。 今回アパレルの人材育成基金を追加いたしまして、従来のいろいろな債務保証基金あるいは振興基金、その他技術指導のための助成金の交付あるいは情報の提供、収集といったような業務に加えまして、人材育成の業務が加えられるわけでございますが、私どもといたしましては、現状の繊維産業が置かれた内外の非常に厳しい情勢を踏まえまして、これを切り開いていくためには、やはり今後とも格段の努力が必要であるというふうに承知をいたしておりますし、人材育成業務を含めまして、今後ともこの構造改善事業協会の業務がより一層充実されますように、努力をいたしたいと考えております。
○岡本委員 変なことを言うと悪いけれども、どうも私は通産省の天下りの場所をつくっているみたいなものだと思うのですよ。こんなのじゃお話にならないと思うのです。繊維業界は非常に不況で、いまはわりに好況になっているのですが、斜陽産業だとかいいます。ところが大臣も御承知のように、外国へ行きますと、ピエール・カルダンだとかあるいはクリスチャン・ディオールあるいはまたグッチ、こういうのを日本へ持って帰るわけですね。こういうような新商品、こういう世界的に宣伝できるような商品を開発できる、そういう人材の育成、こう言います。ところが人材の育成についての講師の派遣だとか、それからカリキュラムを見ますと、田中千代あたりの小さな服装学校のそういうのを調べてくるとか、こんなのでは、私はまたぞろ何にもならないと思うのです。したがって、いま各業界を見ますと、パリのファッションあるいはアメリカと、あっちこっち情報をその日のうちに受けて、そして非常に一生懸命やっておるのです。ところがそれに対する助成金というものが非常に少ない。だからもう一つ思わしくいかない。したがって私は、この協会が、ただやるときに助成金をちょっちょっと、講師の派遣に少しずつ出すということでなくして、もっと業界が信頼できて役立つ、そういう活動をできるようなことにしなければならないと思うのですが、ひとつ大臣、どうですか、これは。
○江崎国務大臣 御指摘の点は全くそのとおりだと思いますよ。おざなりなら一億五千万円ばかり、ばかりですな、まさに。どうにもなりませんね。民間からも同額ないしそれ以上出そうというわけですけれども、民間でも、たとえばレナウンだとかワコールだとか、相当アパレル部門で成功していますわね。ですから、そういう進んだ企業もあるわけですが、これを全般的に敷衍しよう。本当にこれは十年遅いと思うのですよ、私どもも多少繊維のことはわかるのですが。ですから、いまあなたがおっしゃるように、もっと学者とか、けさも清水さんが言われるように、従来の大学のそれぞれの部門を活用しながら、もっと大々的に進めませんと、おざなりになりますね。それじゃ意味がないと思うのです。やはり本当に付加価値の高いものというのは、まあなかなか通産省が号令をかけたぐらいですぐうまくいくとは思えませんが、通産省というのはそういう環境をつくるわけでしょうね。そういうことだと思いますよ、役所というのは。ですから、そういう環境をつくることによって、業界は広く熱意を感じて立ち上がってくれる、これが一番大事なことですが、やはり意気込みとしていまおっしゃるように、もう少し本格的に取り組みませんと、そしていつかも私ここで申し上げたのですが、あれは関西財界へ、通産大臣になるというと行く習慣があるものですから、あそこは繊維産業の盛んなところですから、もう京都がいいとか大阪がいいとか、そんな取り合いっこをしていないで、どこでもいいから、車で三十分か一時間で行けるのですから、高速道路もある時代ですから、思い切ってファッションセンターをつくるぐらいの意気込みで、合意を得るように話し合ってくれと言って、けしかけてきたわけですが、おっしゃる意味は私は全く同感でございます。
○岡本委員 それは、たとえば協会あたりが音頭をとって、将来大学まで持っていくのだ、またそこまでのくらいのビジョンを出して、そしてそこに政府が本当にお金をつぎ込んだら、そういうことができるんだ、できたんだという証拠のある、こういうことにしないと、いまのままじゃお話にならないと私は思うのです。 それからもう一つは、いま大臣の決意を聞きましたから、あと五年間お待ちいたしましてどうなるか見ますけれども、もう一つは、近促法あるいはまたきょうの新聞を見ると、円高の関連法あるいはまた産地対策法、こういう法律がたくさん出てくるのですよね、同じ繊維なら繊維のところに。これが円滑に、本当に業界に理解ができてない、あるいはまたそれを使えない、ここらが私は一つの問題点ではないかと思うのです。ですから、たくさん法律を出すのもよろしいけれども、この一本の法律でほとんどできていくのだというぐらいの、盛りだくさんと言えばおかしいのですけれども、一本の法律だって、規則を見て、これをそしゃくするのが業界で大変なんですよ。これはまた地方自治体へいったら、ちょっとわからないということをやっていますが、こういうところがやはりもう少し、ただふわっとあるのだ、ただたくさん法律があるのだだけじゃお話にならないと思うのです。これをひとつ整合性のあるものにして、実際に役立つものにしていただきたい。 それから最後に、産元を今度この中に入れた。入れたけれども、産元はただ名前を入れただけですよね。したがって、今後繊維工業審議会委員の中に、産元の代表も入れるというような、適切な措置も講じてもらいたい、こう思うのです。 それを後でひとつ答弁いただくことにしまして、先ほどから申しましたように、いずれにいたしましても、この協会あたりで何もせずに、協会を呼んで、何をやっているんだと言ったって、本当に恥ずかしいです、これは。ですから、胸を張ってこういうようにしました、こういうようにしますと言えるような、答えが出るような指導をしていただきたい。金だけ出して、後知らぬ顔をしておったのでは話にならぬと思うのです。 この二点について最後に決意を承って、私はきょうは終わります。これは何ぼやってみても同じことだったら話にならぬと思うのです。
○江崎国務大臣 産元を入れるのは、先ほど労働組合などの経験豊かな代表を入れるのと同じように、私はやはり大事なことだと思います。よく検討いたします。 それから、繊維工業構造改善事業協会、繊維工業構造改善臨時措置法に基づいた、その特別認可法人としての機能が十分であるかどうか、これはきょうはちょっと間に合いませんが、何かしかるべきときにここの責任者などを参考人で呼び出していただいて、びしびしひとつ、どういう成果を上げたというやつを聞いてみてください。いやいや、ほんとにね。無為にして徒食するようなことなら、こんなもの要らぬのですから。そうかといって、事務方から返事をしますと、先輩もよけいいますからな、そう御期待に沿えるような答えはなかなかできない。私は政治家ですから率直に言いますが、どうかするというと、こういうところにはゴルフ族が蟠踞しておるものですよ。これはそういうことないと局長が言っていますから、私も信頼をしていますが、やっぱりたまには参考人でこういうのを呼んで、成果いかんということをびしびし聞いていただくと、やはりそれはそれなりに役に立つように思います。それは全く同感でございます。私もいまたまたま責任の衝にありますので、十分監督してまいりたいと思います。そうして御期待にこたえるように、こういう人たちが努力してくれるように、大いにひとつ約束をここでしっかりしておきます。速記録を後からこの協会の方へ回させますから、どうぞ御注目を願いたいと思います。
○岡本委員 終わります。
○野中委員長代理 宮田早苗君。
○宮田委員 繊維産業を取り巻く経営環境は、ここに来て改善の兆しが見えてきたというのが一般的な見方、こう思います。こういう時期に構造改善臨時措置法が本格的な審議をされることになったわけですが、一部では、設備廃棄を含む構造改善が進捗するだろうかという見方も、一方であるわけであります。私どもは、経営好転のいまこそ、従来の轍を踏まないためにも、中長期的視野に立った近代化の方策を確立すべきだと思っているわけですが、過去の本法の運用が、必ずしも成果を上げていないことにかんがみまして、本法改正案成立後の取り組みについて、まず政府の考え方をお尋ねいたします。
○栗原政府委員 景気の回復も、繊維産業を含めまして、順調に進んできておるという状態のもとにおきまして、本法が成立しました時点におきましては、やはり民間サイドも、従来の長期不況下における後ろ向きの姿勢とは異なりまして、前向きに取り組むという意欲がかなり出てきていると思います。そういった意味におきまして、私どもといたしましても、今回の制度改善を含めまして、さらに周知徹底も含めまして、できるだけこの制度がスピーディーに実施に移されるような努力をいたしたい、かように考える次第でございます。
○宮田委員 特にいま行われております設備廃棄の問題について、実態はどういうふうになっておりますか。
○栗原政府委員 設備の共同廃棄でございますが、五十二年度から開始をいたしまして、五十二年度には四業種、五十三年度には十二業種、現在までに十六業種が共同廃棄に取り組んでいる状態でございます。これらの業種につきましては、それぞれの業種の実態に応じました過剰度を算出いたしまして、平均的に言いますと、おおむね二割の過剰設備の廃棄を目途として、現在共同廃棄を行っているという状況でございます。 代表的なものにつきましては、たとえば絹織物関係の織機については、現在八〇%強の進捗率でございますし、綿スフにつきましても、八〇%程度の進捗率になっていると思います。ただ、合繊関係の織機につきましては、若干進捗がおくれておるという状況がございます。
○宮田委員 現行法の成果を振り返ってみますと、施行以来、通産大臣の承認を受けた構造改善事業計画はわずかに五十六件という数字が出ておるわけでありまして、うまくいかなかった、あるいはまた業界自体が制度を利用しなかったということになるんじゃないかと思いますが、この理由はどういうところにあるか、その点もひとつお願いします。
○栗原政府委員 原因は一つではございませんが、やはり最大の原因は、環境が非常に厳しかったということかと存じます。やはり長期不況がオイルショック以降継続したこと、さらに、円高というようなことが一昨年来急激に起こってきたこと、こういった中におきまして、繊維事業者が前向きに構造改善に取り組むだけの余力が乏しかったということが、まず第一に挙げられようかと思いますが、それ以外にも、さらに、構造改善の現行の制度について、地域なり業種、業態に即しないような、使いにくい面もあったということも指摘されようかと存じます。これらの点については、今回改善を考えている次第でございます。またさらに、制度の周知徹底等につきましても、今後遺憾なきを期したい、かように考えているわけでございます。
○宮田委員 先日の本委員会での参考人からの意見聴取の際に、参考人の方からも、本法改正の早期成立を期待する意見が出ておりましたが、構造改善がうまくいくかどうかのかぎを握っているのは、繊維産業の経営者の姿勢と思います。大企業から中小、また零細業者、さらにはメーカーから流通分野まで、非常に広範な事業主がいるわけで、本法改正の趣旨、ねらいをどう徹底させるかが重要なポイントだと思うのでございますが、この徹底の仕方について、有効な手だてがあるかどうか、その手だてについて御説明願いたいと思います。
○栗原政府委員 構造改善の進捗に関しましての基本というのは、業界の取り組むべき、これに対する意欲の問題であるという御指摘は、そのとおりだと存じます。やはり私どもの今回考えております構造改善につきましては、業界の自主的な努力を前提にしながらの構造改善であるということでございますので、何といたしましても繊維事業者の方々に、現在の内外の厳しい情勢を御認識いただいて、それに対応する道を、この形で切り開いていただきたいというのが、本制度の趣旨でございます。そういった意味におきまして、繊工審の答申におきましても、そういった点を強く指摘されているわけでございますけれども、今回、法改正が認められるような時点におきましては、私ども役所にいたしましても、また事業協会にいたしましても、また中小企業振興事業団にいたしましても、それぞれのルートも通じ、各産地におきます産地組合等の活用も含めまして、これらの制度の周知徹底、利用に努めたい、かように考えております。
○宮田委員 大臣にお伺いいたしますが、先日の参考人の意見で、主として労働組合の方から強い意見だったわけですが、発展途上国からの製品輸入が急増していることに対する危機感というのが、非常に強く出ていたわけであります。 国際分業の時代あるいは国際収支対策と、国内的には景気回復過程での雇用問題を考えますと、むずかしい局面に直面してきたと言えると思いますが、輸入について、二国間協定をという声が高まっておるわけでございますが、この点について、大臣の、大局的な立場での御意見をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○江崎国務大臣 いま繊維産業を追い上げている国々というのは、おおむね中進国であります。この国々とは、おおむね倍額ぐらい日本が輸出超過のインバランスを示しております。そういうこともあって、いま自由貿易を拡大して、この世界の安定的な経済発展を持続させていこうというわが国の国策から言えば、なかなか言うべくして、この追い上げを水際で退けるということはむずかしい問題だというふうに思います。 ただ、言えることは、午前中からも申し上げておりまするように、特殊な品物が大量に入ってきて、わが国の市場を極端に圧迫してくるというような事態があれば、これは国際慣習に従って、相手国に注意喚起をすることもできまするし、十分行政指導を輸入業者にしていくということもできるわけであります。現在のところはそこまでは至っていないというふうに、私ども見ておるわけであります。 ただしかし、何といっても、何遍も申し上げておりまするように、簡単な製品ですと、これは性能の高い機械が、同じような形でつくり上げるということになりますと、どうしても労賃の安い市場の産品が安く入ってくる、これはもう自然の成り行きですから、なかなか日本としてもこれと競争することができない。とすれば、やはり知識集約型の産業に転換していかざるを得ないということで苦労をし、この法案審議もお願いしておるというわけでございます。しかし、労働組合の皆さんが心配して言われるのは、そういう極端な場合のことを言っておられると思いまするので、細心の注意を払ってまいります。
○宮田委員 この改正案は、本法を五十九年まで延長をするわけでございます。昭和五十九年あるいは六十年時点で、わが国の繊維産業がどのような姿になっているか、それから、政府の経済政策の柱と言えます新七カ年計画は、この昭和六十年を見通そうとしているわけですが、消費支出に占める衣料品の支出あるいは繊維産業界の構造改善が進むことによります雇用状態はどうなるか等々、繊維産業に働く労働者がひとしく興味を抱いているところだと思いますので、この点はいかがですか。
○栗原政府委員 繊維に関しましての将来図につきましては、昨年の十一月に繊維工業審議会及び産業構造審議会の場におきまして、五十八年の需給見通しにつきまして議論をいたしたことがございます。このコンセンサスによりますと、考え方といたしましては、内需は今後三%程度の緩やかな回復を続けるということでございまして、全体の消費支出あるいは国民総支出の伸びよりは、かなり低い水準でしか伸びないということを前提にいたしまして、一方輸出につきましては、やはり国際競争力の低下に伴って、ある程度の減少を見ざるを得ないだろうということ、輸入につきましては、さらに漸次増加も見込まれるという要素を加味いたしますと、内需の増が輸出減、輸入増で相殺をされまして、全体としては生産はおおむね横ばい程度になるであろうという姿を想定をいたしておるわけでございます。この場合に、天然繊維よりは化学繊維がふえていくという中身の変化もございましょうし、アパレル分野のシェアが、全体の中でウエートを増していくというような姿もあろうかと思います。 こういった形でございますが、全体の雇用者数については、特に想定はいたしておりませんけれども、こういった全体の姿の中で、生産が横ばいであるというような姿を前提にいたしますと、やはり趨勢的には減少傾向に向かわざるを得ないのではないかという感じを持っております。
○宮田委員 ただいまの答弁に関連をして、もう少しお聞きいたしますが、その際、雇用がどれだけふえるとか、減るとかということではなしに、雇用形態の姿、どういうふうな形態になるであろうかということにも大変興味を持つわけなのでございますが、いまのような繊維産業の状態でいきますと、結局正方形を縦にしたようなということなのでしょうが、この法律が浸透いたしますと、アパレル産業が相当すそ野として広がってくる。だから、その場合の雇用形態というのは、相当に変化をしてくるのではないかと思いますが、そういう点についてはどのような判断、抽象的で結構でございますが、お考えになっておりますか。
○栗原政府委員 非常にむずかしいお尋ねでございますけれども、やはり川上部門の紡績でありますとか、そういった段階はウェートを減少せざるを得ないということになろうかと思いますし、それとは逆に、やはりアパレル部門と申しますか、川中、川下以降の分野の雇用、これは製造段階のみならず、流通段階も含めての話でございますが、そういった分野で、全体としての雇用が維持されていくといったような姿が、常識的に考えられるのだろうというふうに承知をいたしております。
○宮田委員 そうなることの方が、より私どもからいいますと好ましいのだという気持ちなのです。 そこで、アパレル産業の振興が、この改正案の主要な柱になっておるわけであります。消費者に最も近い位置にありますいわゆる川下産業として、今後の繊維産業の中核を担う分野として期待されておるわけでございますが、現状はどうなのかを考えてみる必要があろうかと思います。 現在のアパレル関係の商品企画や、流通業界からの情報把握力は、西欧諸国に比べて弱いという指摘もまた一方にあると思います。外国の有名デザイン、有名ブランドに依存する事例が多いという指摘もまたあるわけですが、国内にも結構名の通った婦人服や紳士服の縫製メーカーが、幾つかあると思うのです。特定企業でなくて結構ですので、川中との関係、それからさらには製品化に当たっての下請発注の実態、こういうことについてはどうなっておるか、お聞きをいたします。
○栗原政府委員 第一点のわが国のアパレル分野、特に川下の分野におきます情報収集なり商品企画能力につきましては、やはり私といたしましては、諸外国に比べてかなりおくれているという感じを持っております。これは、わが国のアパレル産業の発達の歴史が非常に浅いということもございますし、また企業も非常に弱体なものが多く、数が多いということもございますし、それぞれ原因はございますけれども、やはりそういった意味での能力は非常に劣っておるというのが事実だろうかと思います。そういった一環といたしましては、やはり業界共通の問題としては、人材が不足しておるということも、その一つの有力な原因になっているのではないかという気がいたしております。 なおまた、これらのアパレル産業におきます下請あるいは加工の業態の問題でございますけれども、必ずしも単一の段階でなくて、多層段階において、いろいろな形で加工が行われているというようなことがございまして、またそういった中小の零細企業につきまして、やはり親機であるとか、親ニッターであるとか、あるいはアパレルの製造、卸といったような方々が、いろいろな意味での情報収集なり商品企画も実際には担当してやっておられる、こういう形があるというふうに承知しております。
○宮田委員 おっしゃるように、おくれていると言われておりますわが国のアパレル産業は、メーカーと言われる範疇の中に入るのか、あるいは商品企画と販売、つまり縫製はほとんどこの下請化している企業なのかという疑問もまた出てくるわけでありまして、この実態を見ますときに、繊維産業界の垂直化をどう具体化していくか、まず資本の系列化に置いていくのか、あるいは下請業者の集団化というか、協業化を目指していくのか、行政としてどう対応していこうとするか、ここらが重要ではないかと思いますが、その説明ができればお願いいたします。
○栗原政府委員 こういった零細な形でのアパレル製造業者を、グループ化していくという方法といたしましては、やはりアパレル製造、卸といったような、これらの商品企画なり情報収集を担当している、そういう機能を持ったグループに着目をいたしまして、こういった人たちを中心といたしますグループ化を、本構造改善の中で取り上げていくということが、一つの方法であろうかというふうに思います。 〔野中委員長代理退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 と同時に、そういった形以外に、やはり非常に零細小規模の方が多いわけでございますので、今回も制度改善を行っております小規模の共同施設の制度の利用によりまして、そういった小規模零細業者の方々の近代化、合理化ということを図って いくということも、さらにもう一つの方法ではないかと思います。そのほか、中小企業一般に認められております近代化資金制度その他の活用にもよりまして、全体としての水準を上げていくということを、広く考えていくべきではないかと存じております。
○宮田委員 もう一つのこの法案の中心が、アパレルの人材育成ということになっておるわけですが、人材育成の今日の状況は、いろいろな専門的な教育機関もありましょう、あるいはまたそれぞれ高等学校、大学でこの種の教育をするというようなことがございましょうが、現在の状況としては、どの程度の状況かということを掌握しておいでになりますならば、御説明願いたいと思います。掌握できかねておりますならばよろしいです。
○栗原政府委員 ちょっといま手元に資料がございませんので見つかりませんが、私の記憶しておりますところでは、民間の教育研修機関、たしか私どもの調べたところでは十一あったと思います。これはいろいろな組合の施設であります場合もございますし、企業の施設である場合もございますし、いろいろな形をとっておりますが、十一という数字がございます。それ以外に各大学、短期大学あるいは専修学校等におきます紡織あるいは美術系の学部でありますとか、あるいは特に各種専修学校におきます家政、被服科というようなところを加えますと、これは千以上になるという計算に相なると思います。いずれにしても、私どもの当面考えておりますのは、民間の既就業者の方々の再教育という観点でございますので、とりあえずこの十一に見合う部分というのが対象になろうかと思います。
○宮田委員 そこで、特にアパレル産業界に対しまして、この種の人材育成を広げてもらわなければならぬということになるわけでございますが、広げるに当たりましては、やはり行政の強力な指導というものが特に必要になるわけです。この法律ができました暁には、さらにふやす御意向と思いますが、ふやすに当たりまして、ある程度の助成策というのが必要だと思いますが、そういう問題についていまお考えを持っておいでになるかどうか、その点お聞かせを願いたいと思います。
○栗原政府委員 私どもといたしましては、今後、今回の予算の具体的な実施の状況も踏まえまして、さらにこれに対します業界の対応も踏まえまして、これをさらに発展的に拡大をしてまいりたいという考え方でございますし、特にその際におきまして、基金につきましても金額的な増加ということのみならず、業界におきましてもそれに対応した、これはお金の面というだけではなくて、業界自体としてもできればまとまって、全体として共同の研修、教育の場というものをつくっていくような方向で考えていただければわれわれとしても非常に望ましい、こういった感じもあわせて持っております。
○宮田委員 後から労働省の方に家内労働問題を質問いたしますが、その前に、まず縫製メーカーの仕事が、家内労働分野、いわば低加工賃分野におろされているのが実態だと思いますが、将来のあるべき姿として、産業政策を担当する通産省としては、この現実をどう見ておいでになるか、その点お聞きいたします。
○栗原政府委員 零細な、特に家内労働に近い形での下請加工段階の方々でございますけれども、私どもといたしましては、全体の構造改善の中で、当該業種あるいは当該物品につきましての需給の改善なり、あるいは構造改善グループ化の成果等によりまして、全体の付加価値が増加いたしまして、したがってその配分も増加するという形で解決されれば、最も望ましいというふうに思うわけでございますけれども、しかしながら、特にそういった零細の段階での家内工業的な問題につきましては、これは法のたてまえといたしましても、最低賃金に準ずるような形での加工賃といった物の考え方もなさっておられるようでございますし、そういった段階のお話につきましては、私どもも労働省とも十分よく連絡をとりまして、しかるべき御協力は申し上げたい、かように考えておる次第でございます。
○宮田委員 さきにお伺いいたしました設備廃棄の問題について、もう一度、特殊な輸出用は別にいたしまして、国内向けの縫製メーカーの設備廃棄について、ちょっとお伺いしたいことがございますが、まず廃棄について、国内の意思統一が可能かどうかということについてであります。と言いますのは、過当競争が、若干の品質問題はあるといたしましても、安い紳士服とか、OL向けの商品を市場に提供しているメリットというようなことあたりをずっと勘案してまいりますと、これからの設備廃棄ということについては、いままでと違って、若干の困難が伴うのじゃないかと思いますが、そういう問題についての実態把握をどうされておいでになるか、お聞かせ願いたいと思います。
○栗原政府委員 縫製業におきます設備の共同廃棄でございますが、輸出の縫製品業界におきましては、すでに昭和五十三年度におきまして設備の共同廃棄が実施されております。全体の生産能力の約三割に相当いたします一万四千台の設備が、廃棄をされた結果になっております。 もう一点、内需向けの縫製品関係でございますけれども、これは布帛、被服、既製服、こういった各工業組合連合会を中心にいたしまして、昨年の十月ごろから検討が始められまして、ことしに入って三回ほど、三団体の協調体制も整いまして、現在、この廃棄に関します基礎的な資料づくりに着手した段階だというふうに聞いております。組合員の保有設備の台数あるいは全国の総保有台数、これからの製品の需給動向等々の調査に着手をしているという状況でございます。 この縫製品につきましては、昭和五十五年におきまして設備廃棄を実施したいというふうに考えておるようでございますけれども、現時点におきましては、国内全体の設備の把握につきまして、これは統計が実はございませんので、この実態把握調査に相当な時間がかかるというふうに見ております。
○宮田委員 次に移りますが、商品取引所の上場問題についてでございます。 取引所での流通量は、業界が必要とする量の一〇%ぐらいしか流通していないという指摘があるわけであります。これが全体の相場を必要以上につり上げて、悪い効果しか出ていないのじゃないか、そうすると、取引所の存在理由というのがないんじゃないか、こう思いますが、その点についてはどうですか。
○栗原政府委員 この取引所問題につきましては、昭和五十一年におきましても、すでに繊工審の提言の際に、関係者間で活発な議論が行われておりまして、さらに昨年十一月の繊工審の答申の際にも、同様な議論が行われているところでございます。商品取引所につきましては、五十一年の段階におきましても、長期的に見た場合に構造改善がだんだん進んでまいりまして、実際の需要に沿ったような生産販売が行われるということになれば、ヘッジ機能を持つ商品取引所の機能というものも、かなり現在とは姿が変わってくるだろうという考え方のもとに、長期的には問題があるという感じを出しておりますけれども、当面の問題といたしましては、現状かなりヘッジ機能も活用されているという実態もございます。したがいまして、ただいま御指摘もございましたような、過度の投機が業界に無用の混乱を引き起こさないような、そういう監視規制体制を強めるという形で、関係者間で商品取引所の運用改善についての検討をすべきである、こういう趣旨の提言が行われたわけでございます。私ども通産省といたしましては、こういった答申に沿いまして、過度の投機によりまして、相場が乱高下することは望ましくないという考え方のもとに、特に問題のございます毛糸につきましては、四者協議会というものも設けまして、取引所の適切な管理運営を行うという体制をとっている次第でございます。
○宮田委員 労働省の方にお伺いいたします。 繊維産業に最も多い、家内労働者の実態についてお伺いするわけですが、時宜にかなった対策を立てていただくために、これから質問をしようと思いますが、繊維産業におきます家内労働者の最近の動向は大体どうなっておるか、お聞きいたします。
○花田説明員 お答え申し上げます。 家内労働の動向でございますけれども、先生御案内のように、家内労働は、自宅で主として働くという形態でございまして、工場で働く労働者と違いまして、私ども把握が非常にむずかしいということでございますけれども、一応私どもの把握いたしました限りでは、家内労働者は約百五十万人いるということでございますけれども、そのうちの約半分、七十万ちょっとが繊維工業に従事している家内労働者ではないかというふうに考えております。家内労働者は、不況あるいは景気の波によって若干変動をいたすと思いますので、細かいのはなかなかつかみ切れませんけれども、現状では大体そのような感じではないかというふうに思っております。
○宮田委員 百五十万のうちの七十万というのは、縫製だけでございますか。
○花田説明員 七十万の内訳は、繊維産業と私ども称しておりますけれども、繊維工業と衣服、身の回り品製造業、この二つにまたがる分野でございます。したがいまして、大体多いのは、たとえば男子の既製服あるいは婦人服等のまとめの業務、いわゆる縫製、これはかなり多いわけでございますけれども、そのほかに和服の縫製関係、それからよこ編みメリヤスとか、かすりとか、そういう形での織物関係と、各種あるわけでございます。
○宮田委員 繊維産業の経営規模の零細性については、改めて指摘するまでもございませんが、アパレル産業育成政策を推進する際に、家内労働者の労働条件改善を大きな柱とすべきだと思うわけであります。ただいまの答弁のように、家内労働者の約半数が繊維産業で働いているわけですが、全国的に最低工賃の決定状況はどうなっておるか、適用状況もあわせて御答弁願いたいと思います。
○花田説明員 最低工賃についてのお尋ねでございますけれども、繊維工業関係で決まっております最低賃金は、全国でいま百七件でございます。これは、家内労働全体で決まっております最低工賃が、百六十四件でございますけれども、全体の約六五%が繊維工業の最低工費であるというふうになっております。この当事者といいますか、最低工賃の義務を課せられます委託者というのが約二万六千人おりまして、繊維を含めたほかの家内労働が約三万でございますので、その八七%が繊維であるというふうになっております。 それから、その適用を受けます、権利を保全されます家内労働者の数は、繊維でございますと約二十九万人でございます。これは家内労働者の中で、最低工賃の適用を受けます家内労働者が約四十万でございますので、大体その七割強ということでございます。
○宮田委員 この最低工賃の適用を受けております労働者は、全体の約二八%と、まだまだ低いわけでございますが、繊維関係についてはわりあい高い数字と言ってもいいのではないか、こう思います。労働省は、この最低工賃設定促進について、どのような御指導をしておいでになるか、その点もお聞きいたします。
○花田説明員 繊維の最低工賃につきましては、家内労働の最低工賃の決め方一般に共通する問題でございますけれども、御案内のとおり、雇用労働者の場合と違いまして、一時間幾ら、一日幾らというふうに決められません。ピースレートでございまして、どういう工程に、どういう品目で、どういう作業でやると一個幾らとか一枚幾らというふうになりまして、非常に複雑になるわけでございます。決めますときに、よそとの関連を見るあるいは早く決めるという点では、非常な障害があるわけでございます。ただ、必要な限りにおいて最低工賃を決めるというのは、ぜひ必要なことでございますので、たとえば中央で家内労働審議会という三者構成の審議の場がございますけれども、ここに、どういうふうにしたら最低工賃の決定が促進されるであろうかということを御諮問いたしまして、ここで得た結論で、たとえばもう少し審議会の効率化を図って、早く決めるようにしろとか、それから決定だけではなくて、時間がたてば実効性が薄まるので、改定を速やかにするとか、あるいは隣の県で一つの工程について最低工賃が決められているのに、隣の県ではないということになりますと、交通の便利なところでございますと、そこに逃げてしまうということになりまして、本来の最低工賃の機能が果たせないということでございますので、そういうことを関係局で相談をして決めるというような御結論をいただきましたので、それを私の方は地方の都道府県労働基準局に指示をいたしまして、できるだけ必要な業種、しかも関連のある業種は速やかに決めるという方針で進んでおります。 地方では、それぞれその管内の家内労働を掌握いたしまして、やはり問題がありそうだ、あるいはこれはぜひ決めないと、家内労働者の労働条件の保護に欠けるというおそれのあります場合には、できるだけその最低工賃を取り上げて、決定するという努力をしているところでございます。
○宮田委員 いまの賃金水準、これは妥当なところと思っておいでになるか、その点どうですか。
○花田説明員 繊維工業の最低工賃の金額につきましては、先ほどちょっと御説明いたしましたが、ピースレートで決められますので、他との比較をする場合に、標準時間で換算いたしまして、必要経費を抜くという作業をやりますので、複雑で、なかなか比較ができないのでございますけれども、たとえば五十三年度に決められた繊維関係の最低工賃を、八時間換算で見ますと、大体二千円から二千五百円ということになろうかと思います。確かに、物によっては低いというものもあるわけでございますけれども、決定の場合には、いわゆる類似労働者の最低賃金というものを参考にいたしまして、雇用労働の方が高くて、家内労働者の工賃が低いという形で、こちらの方に逃げてこないように、できるだけバランスをとった決定をするように努めておりますけれども、中には雇用労働者と違った業態、あるいは自宅で自由な時間にできるというような、特定の職種もございまして、中には若干低いのもあろうかと思いますけれども、できるだけ賃金との見合い、ことに最低賃金との見合いで決めまして、お互いのバランスがとれるように努力しているつもりでございます。
○宮田委員 最後にもう一つお伺いいたしますが、家内労働対策は、賃金だけではないわけでございます。安全管理体制の確立も急がなくてはならぬと思います。労災保険への加入も少ないと思うのですよ。事故に対します適切な救済策も講じられていないのが実態じゃないか、こう思いますが、労働省として、今後これに対する対応策をお伺いいたします。
○花田説明員 先生御指摘のとおり、家内労働の問題は工賃だけではございませんで、そもそも家内労働法ができますきっかけは、安全衛生問題であったのは、先生御記憶のとおりかと思います。したがいまして、一応家内労働法の中にも安全衛生の規定はございまして、一応きわめて危ないというものについては、一定の規制がなされておりますけれども、やはり私ども十分な把握というのはなかなかできておりませんので、もう少しきめ細かい対策もやりたいということでございまして、現在、家内労働審議会に安全衛生に関する小委員会というのを設けまして、ここで、もう少しきめの細かい対策というものができないかという形で、御検討をいただいているわけでございます。 それから先生御指摘の、何かけががあった場合の措置ということで、労災補償という問題がございますけれども、実は労災補償保険は、御案内のとおり工場で働く、したがって使用者が管理できる、責任を負えるということを前提にしておりますので、家内労働のように使用者が管理できない、自分で時間なり労務の中身を管理するといったものについては、実は法律的な責任を使用者に無過失で課すということができないものでございますから、そのままストレートで加入ということにはなっていないわけでございますが、せっかくある労災保険の保険制度を利用いたしまして、特別加入というものがございまして、そこで危険、有害業務について、特別加入はできるという形になっております。いまのところ繊維でもって危険な作業といいますと、典型的なのは動力を使います繊機でございまして、これについては加入はできることになっております。ただ、比較的状況は進んでおりませんので、これは私どものPR不足というか、そういうこともございますし、それから事故がなかなか起こらなければ、その加入料金などは工賃にはね返した方がいいというようなこともございまして、進んでおりませんけれども、私の方も事故を防ぐという対策をきめ細かく、もう少し詰めたいと思っておりますし、起こった場合の措置ということも含めて、積極的にPRしてまいりたいというふうに思っております。
○宮田委員 せっかく大臣お見えでございますので、質問を終わるに当たりまして要望をしておきます。 今日の日本は、技術が革新され、トップの状況にあるわけでございますが、繊維も長い間の産業でございますだけに、本来ならば、繊維産業が日本のトップの技術、トップの体制を整えておかなければならぬはずが、どうもこの法律をつくってやらなければならぬというふうに思っておるわけでありますが、やはり大臣、さっきもおっしゃいましたように、経営側の方にもしっかりハッパをかけていただいて、できぬことはないと私は思っておるところでございますので、格段の御指導をお願いしまして、質問を終わります。
○渡部(恒)委員長代理 大成正雄君。
○大成委員 私は、本法改正の機会に若干御質問をさしていただきたいと存じます。すでに先輩の皆さんからそれぞれ質疑がなされておりますので、重複の点は簡略に御答弁をいただいて結構でございます。 まず、本法改正に当たりまして、私なりの考え方でございますけれども、三つのいいところがある。一つの縦系列で活路開拓の道を開いた。たとえば産元、親機等を、委託事業として構造改善に加えたということ。二番目には、アパレル産業に発展の道を見出したこと。それから三番目には人材育成の大切なことに気がついたこと。この三つが、言うならば本法改正の一つの長所であると考えます。 顧みまして、戦後のわが国の繊維政策を見ますと、言うならばスクラップとビルド、要するに後追いのスクラップとビルドの連続であり、また調整、凍結、廃棄といったような政策の連続であったと思うのです。私は、本法改正の内容で、これからのわが国の繊維産業が大きく活路を開拓できるかどうかということでございますが、業界の自主的な努力が非常に大事なような気がいたします。 そこで、以上の観点から幾つかの点を御質問申し上げるわけでありますが、まず最初に、繊維川上産業の合繊、毛紡績、綿紡、こういった業界の状況について、大ざっぱにお聞きをしてまいりたいと思うのですが、最近、いずれもこの三月期の決算あるいは九月期の見込み等を見ますと、非常に業況が好転をしてきておる、そういう傾向が見られるわけであります。 〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、この合繊あるいは毛紡績あるいは綿紡、こういった業界の景況好転の基礎要因というものは何なのかということを、まず承りたいと存じます。
○江崎国務大臣 これは、午前中からしばしば御質問もありましたので、余りくどい話は差し控えまするが、政府として、きょうまで繊維産業の不況からの立ち直りを図るために、過剰設備を処理してきたことがじわじわときいてきた、需給調整がきいてきたわけですね。それから、倒産防止対策について、いろいろな施策をとってきたところであります。それと物価の安定、それと昨年の夏の異常な暑さ、これが消費を誘ったということであるというふうに一応理解いたしております。
○大成委員 確かにそういった傾向はあると思うのでございますが、いま繊維産業の場合には、いわゆる特定不況の諸施策を進めておる段階でございます。いわゆる増益の基調が出てきたといっても、設備の凍結なり、カルテルは廃止になるでしょうけれども、その他の調整措置は引き続き行っていかなければならないと思うのですが、これらに対する考え方はいかがなものでございましょうか。
○江崎国務大臣 お示しのとおりに、着々、一つずつしていかなければならぬというふうに考えております。そして、よく議論をされましたように、川下部門で、もうちょっと日本の行く道を確固たるものにしたいという努力でございます。
○大成委員 わかりました。すでにいろいろこの点については重複しているようですからはしょりまして、綿紡績関係の、輸入と在庫の調整とをどうしていくかという問題についてだけ、ひとつ承っておきたいと思うのです。 いわゆる近隣の中進国からの輸入も、かなりばかにできない量になっております。もちろんそれが日本の繊維産業に決定的な影響を与えるとは思いませんけれども、今後におきまして、この近隣の中進国からの繊維あるいは製品の輸入ということに対しては、どのような姿勢で臨んでいこうとしているのか、在庫の調整をどうしようとしているのか、この点だけを承っておきたいと思います。
○栗原政府委員 綿糸の輸入が高水準なことは御承知のとおりでございますが、昨年は四十五万こりを超える水準ということでございまして、ことしの一、二月もかなり高いレベルでございます。四−六月につきましては多少スローダウンしそうだということでございますが、こういった輸入の増加を受けまして、綿製品の総在庫の動きでございますけれども、昨年六月、不況カルテル打ち切り時におきましては七十万こりの水準でございましたけれども、十二月には七十七万こり、若干増加の趨勢を見せております。現在の需給関係の実情から見まして、この輸入なり在庫のレベルが高過ぎるから、直ちに調整の必要ありとまでは考えておりませんけれども、先行きの需給関係につきましては、私どもといたしましても慎重に注視をしてまいりたい、かように考えております。
○大成委員 繊維産業の進むべき道、すなわち主として川下に関しまして承りたいと思うのでございますが、この繊維産業の好転につきましては、先ほど大臣から概略お述べになりました。国際的な原料価格の上昇であるとか、あるいは天候、気象の要因、あるいはカルテルの実施、人員の削減といった、こういう諸施策の複合相乗的な効果が今日の好転の原因である、このように理解して差し支えないであろうと思うわけでありますが、もう一つある。これは付加価値の高い差別化商品の開発に成功したという一例があると思うのです。たとえば合繊の分野におきまして、東レが人工皮革のエクセーヌ、これは百八十億という大型商品になっておるようでありますが、あるいはクラレのアマーラあるいは絹のタッチを出したそういう製品であるとか、起毛的なそういう繊維製品であるとか、あるいはジョーゼットだとか、こういった付加価値の高い商品開発に成功したという技術開発力が、大きな影響を及ぼしておると思うのです。こういった傾向が、すなわちこの繊維産業の今後の進むべき道につながっていく乙とであろうと理解をいたすわけであります。 国が繊維産業の進むべき道として、答申を受けておるわけでありますが、答申の中に幾つかの柱を出しております。この柱は、知識集約化の推進であるとか、アパレル産業の発展であるとかあるいは生産と流通の協調的発展であるとか、過剰供給、過当競争の体質の是正であるとか、こういった柱を立てて貴重な答申をなされておるわけでございますが、昨年の段階において、御承知のとおりわが国の有数なファッション、アパレル業界におきまして、ヴァンヂャケットであるとかあるいは婦人服の花咲であるとかいった、あるいは子供服関係でも有名なブランド店が倒産をいたしたわけであります。子供服の谷村であるとかユアーズであるとかあるいはVANであるとか、そういったものが三十一件も数えておるわけでありますが、こういった倒産の教訓というものは、これまたこれからの繊維産業の進むべき道、とりわけアパレル産業の進むべき道の教訓だと思うのです。通産省は、このようなわが国有数の企業の倒産の教訓というものを、どのように受けとめておられるかを承りたいと思います。
○栗原政府委員 ヴァンヂャケットにつきましては、この倒産原因につきましては、同社が非常に急速に成長しておりまして、その間におきまして、資本力なり経営管理といった、企業経営面の充実近代化に必ずしも十分でなかったというような点が、倒産の一つの原因として挙げられております。また花咲につきましては、販売なり在庫管理なり、そういった部門の強化が立ちおくれておったというような原因が指摘されております。いずれにいたしましても、不況のもとにおきまして、業況が悪化している中におきまして、膨大な在庫負担、資金繰り難ということから、昨年の四月に相次いで倒産に至ったと聞き及んでおります。 私どもといたしましては、この両者のケースというものは、アパレル産業全般の一般的な状況を反映したものだとは思いませんけれども、しかしながら、アパレル産業につきましては、他の産業に比べまして、やはりその取引の内容から見ましてもかなり不確実性が高い、リスクも多いという面があることはもちろん否定されませんし、一面またアパレル産業の方が、急速な進展をしてきた企業が多いわけでございまして、そのために花咲、ヴァンヂャケットの例に見ますような、企業活動の機能の面で、その不確実に対応できますような、成熟度という点において欠ける点があったのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。そういった意味におきまして、企業体質の強化なり、企業の活動機能の成熟ということにつきまして、やはり私どもが今回御提案申し上げておりますような人材育成の一環といたしまして、経営管理機能の強化といった意味合いも含めまして、企業機能の強化を図っていく必要があるのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○大成委員 結果において論評するならば、いまの局長の言うことは、決して間違ってはおらないと思うのです。ただなぜそうなったかということになりますと、これは本法改正の一番大事なところだと思うのですけれども、商品開発力あるいは企画力とか、こういったことに象徴される消費者ニーズの変化に対応できなかった、それを先取りできなかったということに帰するのじゃないだろうか、たとえばヴァンヂャケットの場合には、スポーツ化であるとかあるいはカジュアル化であるとか、時代の先取りができなかった。すなわち商品構成が、売れない商品がストックしてしまって、資本の回転がつかなくなってしまったという結果だろうと思うのです。子供の服の場合にも同じことが言えると思うのです。従来の子供服といったパターンから脱皮ができなかった。そういうことがすなわち倒産に結びついてきたのだというふうに理解をいたすわけであります。 たとえば大臣に一つ承っておきたいと思うのですけれども、ことしのデパートで、パリコレクションとニューヨークのコレクションとで、どっちがいま力を入れられていると思いますか。
○江崎国務大臣 どうも私も余りその点つまびらかにしませんが、御承知のように、アメリカとのインバランス解消のために、三井物産の社長、副団長に岡田三越社長、これらが買い付けに参りました。この間、いまのワールド・インポート・マートの大型展示場というようなものの開場式があったのです。そこで私は開場式に参りまして後、ワールド・インポート・マートを見て歩いた印象では、アメリカ製品、いまお示しのニューヨークファッション、これに力を入れておる、そういう傾向が強いというふうに認識しております。いま事務当局もおおむねそうだ、こう言っております。
○大成委員 そういうことを御存じになっておられる通産大臣がおられるというのですから、恐らく本法は成功するでしょう。 ともかく、先ほどちょっとどなたかからお話がありましたが、最近ディオールであるとかカルダンであるとかあるいはサンローランであるとか、そういったブランド商品指向よりは、いわゆるカジュアルなそういったものを指向するという傾向が非常に強いし、またそういう製品がよく売れている。商品のセンスやキャラクターというものが問われるといったそういう時代になってきておる。その結果がいま大臣がおっしゃったように、ニューヨークファッションが非常に盛況であるということだと思うのです。この商品企画開発といったことに関しますと、商品情報あるいは消費者ニーズの吸収ということですが、日本を主体にしたそういった情報の収集も必要でしょうけれども、海外の情報収集ということも非常に必要だと思うのです。ですから、日本の機関がたとえばニューヨークにそういった情報の収集、分析、提供の機関を持っているかどうかということでありますが、この点は局長どうですか。
○栗原政府委員 必ずしも十分ではございませんけれども、構造改善事業協会におきまして、海外におきます繊維産業の動向を含めまして、海外情報につきましても収集をいたしまして、業界に対する提供事業を行っておるところでございます。
○大成委員 私は、やはりこれから日本のアパレル産業に、いわゆる国際的な視野において活力や将来性を見出していくということになりますと、この情報収集ということは非常に大事だし、すなわち人材の育成と同様非常に重要なことだと思うので、在外公館が他の情報については出先に目を持っているのと同じように、このことも非常に検討の余地のあることじゃないだろうか。これはぜひひとつ、民間の自主的なそういう情報の収集も大事ですが、政府機関の出先にもそのくらいのものはやはり検討させるということが必要のような気がいたします。官僚ドブネズミ論というのがありますけれども、外務大臣なんかはベストドレッサーだなんということがよく言われますが、官僚そのものの、特に通産省のお役人さんのファッション感覚というようなもの、こういったものもやはります真っ先に考えていかねばならぬのじゃないだろうか、そうでなければ、この生き馬の目を抜くような、そういう激しい競争をしておる民間のファッション業界、アパレル業界に対して、指導するなんということはなかなかできないんじゃないかと思うのですが、ひとつ率先そのファッションの先端を行けとまでは言いませんけれども、何たるかを理解をする、実践するといった役人の姿であってほしい。ドブネズミみたいなことだけでは、これはそういった指導ができないような気がいたします。 さてそこで、この人材の育成の問題について承らしていただきたいと思うのですが、この間高島屋の女子社員が役員に登用されたという話が新聞に出ています。マタニティードレスの開発を率先されたようでございますけれども、ああいった一つの人材というものが、非常に大事なような気がいたすわけであります。いわゆる官製において、人材を育成するということはなかなか容易ではないと思うのですが、そのすそ野の深く広い、そういった分野を創造していくことが大事だ。アメリカの、たとえばファッションアパレル関係からしますと、大学そのものがかなりそういった人材育成の素地に重きを置いておりますし、もちろん民間にも相当の力を置いておるわけでありますが、わが国のそれを検討したときに、非常に弱いと思うのですね。一億五千万くらいの政府資金を協会の方に出して、おまえたちも同額出せと言って、三億くらいのそういう金を出すことによって、人材が育成されるといったことではないと思うのですね。これはいまここで多くを論議できませんが、そういったことであるということだけは、申し上げさせていただきたいと思うのです。 それから、全国都道府県に、特に繊維関係地場産業を持った県には、いわゆる繊維試験所みたいなものがありますよ。そういった繊維工業の試験所あたりでは、かなりユニークな研究開発なんかも進め、またかなりの有為な人材もおるはずです。そういった人たちを発掘して、世に出していくということか非常に大事なことだと思うのですね。ここに言う、協会に対して一億五千万を出資するというだけのことでなく、全国都道府県が、地場産業に密着していま一生懸命取り組んでいる現場のそういう人たちを、どうしたら伸ばしてあげられるんだということもぜひ検討していただきたい、これが一つ。 それからもう一つは、販売士という制度があるのは御存じだと思うのですが、流通の第一線の一つの資格として、販売士というものがいま見直されているのですよね。一級から二級、三級とありますが、少なくも消費者ニーズを吸収するという点においては、販売士というものの資格制度は非常に重要だと思うのです。先ほど申し上げた高島屋の女性社員の重役登用の問題も、いわゆる現場から消費者のニーズを吸収した結果、非常にユニークな提言がなされ、それが実現されたことによって、大いに企業に貢献したということだろうと思うのですよ。要するに人材育成という面で、ぜひこの販売士の制度というものを、もう一回、この法律のたてまえから見直していただきたい。簿記がどうだとか、あるいはいろんな経営理論がどうだとかということよりは、そういった目を持っていただくことが非常に大事だと思いますので、そんなことを御提言申し上げて、ちょうど時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○橋口委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○橋口委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○橋口委員長 次に、本案に対し、渡部恒三君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブ五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。岡田哲児君。
○岡田(哲)委員 提案者を代表いたしまして、附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 政府は、本法施行にあたり、国民衣料の安定供給、繊維産業の地場産業としての特色等の観点から今後における繊維産業の位置づけを明確にするとともに、構造改善事業の所期の目的を達成するよう、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。 一、構造改善事業を計画的かつ強力に推進するため、中核的役割を果すべき繊維工業構造改善事業協会の機能を拡充強化するとともに、構造改善事業の実施にあたって産地組合等が指導助言できるような運用を図ること。 二、アパレル産業の振興の重要性にかんがみ、その基礎的共通基盤の整備を図るための施策を講じ、特に、人材育成基金については、業界等が十分活用できるよう、その適正な運営を図るとともに、人材育成機関の一層の充実強化を図ること。 三、繊維製品の生産・流通段階における取引について、不当返品の排除、書面契約の励行、決済条件の改善、賃加工等下請取引の適正化等をはじめ、不合理な取引慣行の是正のため、業界の自主努力と相まって、強力な指導を進めること。 四、構造改善の阻害要因となるような特定品目の集中的な輸入急増を回避するため、輸入動向等を的確かつ早期に把握するとともに、輸入急増があった場合には、それによる国内産業の被害を最小限に止めるための諸般の施策を強力に講ずること。 五、繊維工業の家内労働への依存が少なくない実情にかんがみ、適正な家内労働工賃の確保並びに従業員の労働条件及び労働環境の改善等が図られるよう、関係事業者に対し適切な指導を行うこと。 六、繊維関連の商品取引所が健全に運営されるよう指導監督に遺漏なきを期するとともに、上場品目の見直し等について検討を進めること。 以上でございます。 附帯決議の各項目につきましては、委員会審議及び案文を通じ、十分御理解いただけるものと存じます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○橋口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について、政府から発言を求められておりますので、これを許します。江崎通商産業大臣。
○江崎国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、対処する考えであります。 ─────────────
○橋口委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○橋口委員長 次回は、来る二十三日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十二分散会 ────◇─────