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87回国会衆議院1979/03/16

商工委員会 第5号

発言数
79
登壇者
17
会派数
5
開催日
1979/03/16

会議録

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、参考人として日本綿スフ織物工業組合連合会理事長藤原一郎君、全日本婦人子供服工業組合連合会理事長田口正男君、日本繊維産元協同組合連合会理事長藤井政治君、名古屋大学経済学部長瀧澤菊太郎君、ゼンセン同盟書記長芦田甚之助君、日本繊維産業労働組合連合会顧問小口賢三君、以上六名の方々に御出席を願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  本委員会におきましては、目下、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について審査を行っておりますが、参考人各位におかれましては、本案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じます。  なお、議事の順序でございますが、最初に御意見をそれぞれ八分程度お述べいただき、次に委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。  それでは、まず藤原参考人にお願いいたします。

藤原一郎日本綿スフ織物工業組合連合会理事長

○藤原参考人 私は、日本綿スフ織物工業組合連合会理事長の藤原一郎でございます。  商工委員会の諸先生方には、常日ごろ私ども業界の振興につき、温かい御指導、御援助を賜っており、この場をかり、厚く御礼を申し上げます。また、本日は、大変御多忙の折から、各先生方に私ども業界の、構造改善に関する諸問題に対しての意見を聞いていただく機会をつくっていただき、まことにありがたく、厚く感謝を申し上げる次第でございます。  さて、本日は、繊維工業構造改善の臨時措置法の一部を改正する法律案について、意見を述べよとのことでございますので、同改正案について意見を述べるとともに、私ども業界の現状を御報告申し上げて、業界の窮状打開に対し、適切なる御配慮をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。  まず、構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案でございますが、これはぜひとも原案どおり、一日も早く国会を通過させ、成立させてくださるようお願い申し上げます。  御承知のとおり、私ども綿スフ織布業界は、昭和四十二年度から四十八年度までは旧構革法に基づき、国際競争力を早急に強化するという目的で、設備の近代化、生産または経営規模の適正化等の事業に重点を置き、構造改善を実施してまいりました。しかしながら、一方では設備の近代化、規模のメリットばかりが追求された結果、生産増強につながったのではないか、また、商品の開発とか技術の開発かおろそかになり、需要の高級化、多様化に対応する面が欠けていたのではないかという反省もありました。  このため、昭和四十九年、知識集約化を中心とする現構革法に改正されたのを機会に、私ども業界は法律の目的に沿い、国民の消費動向を的確に把握し、消費者が希望する多種多様な商品を開発すると同時に、生産、加工、販売、各部門の有機的な結合を図り、流通の近代化を推し進めるという方針で、これらの構造改善に積極的に取り組んだ次第でございます。しかし、残念ながら過去五年間ほとんどはかばかしくいかなかったわけです。その原因についてはさまざま考えられますが、次のようなことではないかと思うわけでございます。  第一に、四十八年のオイルショック、その後の急激な円高の到来による、長期にわたる経済環境の悪化による不況のため、自分の経営を維持していくのが精いっぱいであったこと、第二に、規則に定められた異業種間グループの結合及び商品開発等の知識集約事業の条件、またリース比率の条件等、私ども中小零細業者にとってなかなかなじみ得なかったことと同時に、条件が少し厳しかったのではないか、第三に、制度的に産地組合の積極的な活用がなし得なかったこと等であります。  今回の改正法におきましては、これらの点を十分認識せられて、知識集約グループとして、私どもに最も身近な産元、親機グループが追加になったこと、またリース比率の改善等、実施面での運用緩和、弾力化等を図られること、また小規模事業者の施設共同化事業について、大幅に条件を緩和する等、私ども中小企業者が相当取り組みやすいものとなりました。  今後の私ども繊維業界の環境は、発展途上国の追い上げ、先進国の保護貿易の拡大、また国内需要の停滞等、まことに厳しいものがあり、今日直ちに私ども業界自身がこれらを克服するため、あらゆる面で構造改善をしなければ、永久に立ち直りは不可能になると思われます。このため、私どもは、今回の法律案に基づき、早急に構造改善を推進しなければならないと考えておりますので、本改正案は一日も早く成立させてくださるよう、お願い申し上げます。  なお、私どもは中小零細業者でありますので、本改正法律実施の際には、だれにもなじみやすいものであり、実施しやすいものにしていただきたく、また産地組合の指導体制を積極的に活用でき得るようなこともあわせて、今後の運用をお願い申し上げる次第でございます。  次に、私どもの最近の業界の状況を御報告申し上げ、これに対する適切なる御配慮をお願いいたしたいと存じます。  まず輸入問題でございますが、御承知のごとく、私ども綿スフ織布業界は、昭和四十八年の石油危機以後の、急激なる経済の変動による構造的不況を脱却するため、昭和五十二年より三カ年計画で、業界挙げての自助努力により、過剰設備の共同廃棄を実施し、本年三月末まで約四万二千台の織機を処理し、その結果、昨今ようやく需給バランスもとれ、明るさが見え始めてきました。しかし、昨今の円高の影響による輸入の増加は著しく、綿織物については、昨年は一昨年の二倍強の輸入になり、このままの輸入が推移すれば、近く必ず需給のアンバランスを来し、また再び一昨年までの不況による混乱が起きるのではないかと、先行き非常に不安を抱いておる次第でございます。  このような無秩序な輸入の急増は、今後の私ども中小織布業界の存立に重大な影響を与えるばかりでなく、せっかくの構造改善の意欲も失わせるものと考えます。このため、私どもはいままで秩序ある輸入に対し、日本の輸入商社及び輸入大手国の中国に二回も代表団を派遣して再三要請いたしましたが、なかなか実効が上がらないのが実情でございます。現在、世界における日本の立場から、輸入の禁止とか制限が困難であることは十分承知しておりますが、せめて秩序ある輸入対策をとられ、国内市況の混乱を来さない措置をとっていただきたい。また、織物の輸入関税の、先進国との不均衡是正についても、あわせてお願い申し上げたいと考える次第でございます。  以上、私の意見並びに御要望を申し上げた次第でありますが、本日はこのような発言の機会を与えてくださったことに対し、重ねて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍子)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 どうもありがとうございました。  次に、田口参考人にお願いいたします。

田口正男全日本婦人子供服工業組合連合会理事長

○田口参考人 全国の婦人子供服工業組合連合会の田口でございます。  きょうは、私ども婦人子供服の業者として、初めて先生方の前で陳述する機会をお与えいただきまして、まことにありがとうございます。  私どもの婦人子供服の業界というものについて、おおよその輪郭、位置という点について触れてみたいと思います。  私どもの業界は、現在組合が全国で約三千ばかりございます。アウトサイダーを入れまして四千五百ぐらいかと思います。地区別には、東京、大阪、岐阜、名古屋、広島、新潟、佐野、桐生、それに神戸、福岡というような地区が主産地でございまして、素材をわれわれが仕入れしまして、それをデザイン化し、そして型紙を起こしまして、一部は自分の工場、大部分を下請縫製工場に委託いたしまして、縫製したものを百貨店並びに量販店、専門店に卸す、メーカーと卸の両機能を持った組合、業界でございます。これが大体のアウトラインでございます。  私どもの取り扱っている商品の特徴と申しますか、御存じのように婦人子供服は非常に流行が激しゅうございます。ことに色、デザイン、素材がシーズンによって非常に変わります。これは消費者の多様化、高度化、個性化というものによりまして、計画生産が非常に困難である、非常に短サイクルであるということで、勢い多品種少量生産方式をとらざるを得ぬ事情がございまして、非常に流行に左右されるということをまず御認識をいただきたい。  それから消費者のニーズに悪く言えば振り回される。情報を非常にスピーディーに、的確に、常に先手先手で把握しなければならないという、流行とともに消費者ニーズを大事にしなければならぬという仕事でございます。  それから気候に非常に左右される。昨年の夏のように猛暑が続きますと、業界は非常に恩恵をこうむるわけですが、ことしのように暖冬が一月以降続きますと、どうしても冬物が残るというふうに、お百姓さんと同じような、天候に左右される業界でございます。  それからいま一つは、非常に零細業者が多うございますので、勢い競争が激しい。これは、設備投資が下請を使う場合は要らないということのために、企画能力さえあれば簡単にこの仕事ができるというような、安易にできるというような面があるために、勢い業者数がふえていくわけでございます。  それからいま一つは、この業界は、戦後既製服化の波によりまして、また女性の職場進出が急速に進みまして、非常に急速に発展しておる業界ではございますが、取引そのものがまだまだ古い慣習にある。現在委託販売であるとか、派遣店員であるとかいうようなことが、まだ行われておる古い業界でございますが、これも相対によりまして漸次改善しつつある状況でございます。  このように、非常に不安定な要素を一面に持っておりますが、特に昨年来の旺盛な需要によりまして、ほとんどの業者がこの恩恵を受けておるわけでございます。  今後の問題点といたしまして、後進国からの追い上げという問題でございますが、韓国なり香港なり台湾から二次製品が入ってまいります。われわれがこれに対応するためには、どうしても高付加価値の商品をつくって、これに対応していかなければならぬということを常に考えておるし、また将来ともこうあらねばならぬ。遠い将来においては中国というものをめどにして、これの開発ということを考えていきたい。  それから先ほど申しましたような取引改善、正常化に業界ぐるみで当たっていかなければならぬという問題と、それから人材の育成という問題です。これは知識集約産業であればあるほど、それぞれの企業の人材、企画能力が経営を左右いたしますので、人材育成を会社の一番大きな一つの柱にしなければいかぬ。また業界としても当然のことでございます。今回の臨時措置法に基づきまして、いま藤原さんからお話がありました点はもちろんのことでございますが、特に人材育成基金が創設されようとしておることにつきましては、われわれ知識集約産業である業界としまして非常に高い評価をし、また賛意を申し上げるわけでございます。むしろこのことが遅きに失したというふうに感じますし、いま少し金額をふやしていただければ、これに越したことはなかったと思うのでございますが、いずれにしても、政府においてこういう呼び水と申しますか、起爆剤をつくっていただいた、指導をしていただいたことについては心から感謝申し上げます。ただ、現在の国内のアパレルの教育機関は、まだまだ内容が貧弱でございます。これはアメリカのファッション工科大学、FITのような、権威のある公的な教育機関の設立が本当に望ましいと思うわけでございますし、またわれわれ業界もここを卒業した人の受け入れ体制、優遇また資格を与えるというようなことも、当然考えていかなければならぬ。いずれにしましてもこの人材育成基金が設置されることによって、われわれ業界もこれに対応して、この措置法の整備の趣旨を体して、これを本当に有効に、かつ将来に伸びるような結束を図っていかなければならぬと思っております。  いずれにしましても、政府の施策のいかんにかかわらず、われわれは自動努力によってこういったものを解決していくことこそ原則とは思いますけれども、今後とも先生方の指導等を仰ぎたい、かように思います。  私の陳述はこれで終わらせていただきます。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 ありがとうございました。  次に、藤井参考人にお願いいたします。

藤井政治日本繊維産元協同組合連合会理事長

○藤井参考人 日本繊維産元協同組合連合会理事長藤井政治でございます。  諸先生方には平素より繊維産業に対して格段の御高配を賜り、ありがたく、厚く御礼申し上げます。  ことに本革は、このような場におきまして産元業界の意見を申し述べる機会を与えていただき、身に余る光栄に存じますとともに、過去数カ年、同じ繊維産業に携わりながら、いつもらち外に置かれていた私たち産元業界にとって、今日、この場で陳述させていただくことは無上の光栄であります。  さて、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について意見を述べよとのことでございますので、産元業界の意見を申し上げるとともに、繊維産業において産元が果たしている役割り等、業界の実情を御報告申し上げて御理解を賜り、今後の当業界の振興に関して、適切な御指導、御配慮をお願いいたしたいと考えております。  まず、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案でございますが、この法案は、産元を繊維工業の一つとして位置づけることを内容としておりまして、私どもとしては、昭和四十七年連合会を結成して以来、宿願として取り組んでまいりました産元の位置づけが実ったものとして、心から喜んでおります。したがいまして、本法案が一日も早く成立することを強く希望するものであります。  すでに十分な御理解をいただいているものと存じますが、繊維産地における産元の果たしている役割り、産元の位置づけといったものを、まず播州織産地を例に挙げて紹介させていただきます。  一番目は、産元の集約任務と信用代理性であります。御高承のとおり、播州織産地は、先染め織物の生産地で、糸を染める染色業、サイジング、整経等の下請企業群、織布業、整理加工業及び私たち産元業が運命共同体として、互いに緊密な連携を保っている産地であります。品種も多岐にわたり、規格についても数百種に及びます。  一方、織布業の規模を見ますと、近年とみに減少した若年労務者の不足に起因し、家族労働的企業として約千五百の企業が点在し、一企業平均約十六台、総台数約二万四千台の設備規模となっております。これら企業の信用面、資金面、技術面にはそれぞれ差があります。一企業単位で輸出、内地の商社、問屋を相手として商取引を図っても、先方の必要とする引き合いの単位にはなりませんし、一つのロットとしての需要を満たすこともできません。こうした織布企業を対象に、大、中の商社、問屋あるいは紡績が個々に取引を行うことは、信用面からも、また煩雑さの面でも困難な実情であることはおわかりいただけると思います。  かつてGHQの担当官が分散せる大企業と評されましたが、産地の営業部、財務部がすなわち産元であります。織布企業を集約して各企業に適した仕事を持ち帰り、縞割り、染色への発注、サイジング、整経等への作業委託、各織布企業に分割製織委託し、織り上がった織物を集中加工して、それぞれの指定倉庫まで納入する一連の業務、これが産元の大いなる役目であります。  その二としては、企画力、新製品提供力、採算力であります。企画、見積もりということも産元業務の大きな役割りであります。現在のように多種多様化した品種のはんらんしている中において、商社及び問屋あるいは紡績に至るまで、これら先染め織物の細かい見積もりのできるエキスパートがいないのが実情であります。すなわち、見積もりのできる能力を備えた人材を保有しているのが、私たち産元であると自負しております。  その三は、販売力であります。販売力については前述しましたが、新しい流行を察知して新規見本を作成するのも、産元のこれまた重要な役目であります。  その四は、資金面での役割りであります。一つの先染め織物をつくり出し、その商品代金を受け取るまでにはかなりの日数を要します。輸出の場合には原糸購入より約百三十日から四十日、内地では二百四十日の期間を要します。一方、織布工場及び準備工程に対しては現金で支払います。したがって、産元は連係企業に対して立てかえ払いを行い、連係企業の資金繰りの面でも大きな役割りを果たしています。  以上、四項目にわたって産元の果たしている役割り、重要性を申し述べたわけでございますが、繊維産地におけるこのような産元と連係の諸企業とは、対等でこそあれ、支配、被支配の関係と見られることは大きな誤りであり、産地という運命共同体にあって、連係企業を含めて、いずれが欠けてもその安定と発展は望めません。私どもとしては、産地における産元の果たすべき役割りを十分認識し、連係企業と相携えて、産地の安定と発展に尽力する所存であります。  なおこの際、私たちの要望を申し述べて発言を締めくくらせていただきます。  まず、今回の法改正において、繊維工業に産元の位置づけを明確化していただいているわけですが、今後、構造改善の制度の具体的な運用の問題を初めとして、施策の実施に際しても、私どもの意見が十分反映される必要があると思っております。具体的には、繊維工業審議会の委員に、産元代表を加えていただくよう希望いたします。  以上、産元業界を代表いたしまして、意見並びに産元の役割りについて御説明申し上げ、さらに希望を申し述べた次第でありますが、最後に、本日このような機会をお与えいただいたことに対して、重ねて厚く御礼申し上げます。まことにありがとうございました。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 ありがとうございました。  次に、瀧澤参考人にお願いいたします。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 名古屋大学の経済学部長瀧澤でございます。  私は、繊維工業審議会におきまして、今般の法律改正のベースとなりました答申の取りまとめに参加した者の一人として、意見を申し述べさせていただきます。  現行構造改善事業は、言うまでもなく、昭和四十二年から実施された特定繊維工業構造改善臨時措置法に基づく構造改善事業の後を受けまして、昭和四十九年から行われているものでありますが、それまでの、設備近代化やスケールメリットの追求などを中心とした、輸出競争力の維持強化を主眼とする政策から、高付加価値化、差別化等による、国際競争力の維持を図る、知識集約化路線へと移り変わってきたことは、御承知のとおりであります。  このような考え方に基づいて進められてきた現行の構造改善施策につきまして、この五年間を振り返ってみますと、これはどう見ましても十分な成果を上げているとは言えない状況でありますし、また、私どもの方へも、このやり方が業界にとって使いにくい制度であるとか、頭ではわかるけれども、実際問題としては取り組むのがむずかしいという声が多く寄せられておりました。  そこで、今回の見直しに当たりましては、第一に、知識集約化を基本とする政策を、わが国の繊維産業に適用することが果たして妥当であるのかどうか。第二に、現行制度の上で、たとえば垂直的統合の推進に関する制度要件などの面で、実情にそぐわない点があるのかどうか。第三に、構造改善事業に対する助成措置の面で、改善すべき点があるのかどうか等、いろいろの問題につきまして検討を行った次第であります。  まず第一の点につきましては、これまで日本の繊維産業の中心となりつつ、主として輸出産業として発展してきました糸や織物の部門では、その主要課題が設備近代化、生産性向上などによる価格競争力強化ということでありましたため、高付加価値化、差別化という知識集約化路線は比較的なじみが薄く、容易に浸透しがたいことは、残念ながら認めざるを得ないと思います。しかし繊維産業は、一般的に労働集約型産業としての性格が強く、労働コストの低い発展途上国の追い上げを受けやすい産業でありますから、この発展途上国との競合を回避し、国民生活産業として存続していくためには、欧米先進諸国の経験を顧みましても、やはり高付加価値化、差別化という、知識集約化路線を進む以外には道はないと考えられます。したかいまして、この基本的方向に沿いまして構造改善施策も推進されるべきであると考えられます。  次に、第二の制度要件の問題でありますが、わが国経済の現状及び今後の動向を考えますと、かつてのような高度成長を続けることは非常に困難であると推測されますので、ほかの産業による雇用の吸収に、大きな期待を抱くことはできないと思われます。したがいまして、政策の展開に当たりましては、このような面につきましても慎重に配慮をする必要があると思います。そこで、現行制度における種々の要件につきましても、こうした事情を十分配慮した上で、広範かつ円滑に構造改善事業が進行するように、地域、業種の実態に即したきめ細かい配慮をする必要があります。たとえば、現行の構造改善グループは、異業種連携グループに限定されておりますが、地域、業種の実態から見ますと、産元とか親機などを中心としたグループも、前に述べました知識集約化路線に沿ったものとして、対象に含めることが望ましいと考えます。  第三の助成措置につきましては、商品開発センターなどの商品開発、企画機能、情報機能の強化に重点を置く現在の方針は、基本的には今後も維持されるべきだと考えますが、需要構造の変化に対応したり、開発、企画した新製品を具体化するための設備近代化や合理化など、これらのことにもやはりこれまで以上の配慮が払われる必要があると考えます。  以上、構造改善事業制度に関して意見を申し述べましたが、次に、この制度の改善とは一応別の問題として、アパレル産業の振興の必要性について申し述べたいと思います。  わが国繊維産業が知識集約化を進め、国民生活産業として存続していく上において、付加価値の大きいアパレル産業が発展し、繊維産業全体の中でその比重を高めていくことがきわめて重要であることは、論をまたないと思います。  わが国のアパレル産業は、欧米諸国に比べまして歴史が浅く、未成熟な面が多いので、アパレル産業の振興を図っていく上で解決すべき課題は、広範多岐にわたっております。生産、流通の近代化、合理化、情報収集機能の強化等の各般の対策が必要でありますが、アパレル産業全体の基礎的かつ共通の基盤を早急に整備するという観点からいたしますと、まずアパレル産業を担う人材の問題に手をつける必要があると思います。私は、人材の育成といったことは、本来、各企業がみずからの負担において行っていくべきであると思いますが、前に述べました実情を考慮いたしますと、業界全体の基盤を整備するという意味で、人材育成の体制、この整備、充実につきましては、業界が一致して取り組む必要があると考えます。  この場合、いかなる体制が望ましいのかにつきましては、新しい人材育成機関の設立ということも考えられますが、現在の業界における実情を考慮いたしますと、当面は、むしろ既存の各種機関を活用することといたしまして、その質の充実、向上を図るため、教材、教育技法等の面での指導、援助及び特定の人材育成事業に対する講師費用等の面での助成などを行っていくことが適当であると考えます。そして、アパレル業界を初め関連業界が一致協力して、これらの機能を総合的に持つ中核機関を早急に整備することとし、これに対して、国も所要の支援を行っていくことか妥当であると考えます。  以上、アパレル産業における人材の育成について申し述べましたが、アパレル産業の振興を図っていくためには、これらとともに、従来から指摘されているように、生産、流通の近代化、合理化を含めた、幅の広い構造改善への努力が、不断に行われる必要があると思います。したがって、政府においては、今後ともアパレル産業のシステム化の問題等について、引き続き検討を進め、アパレル産業の振興に努める必要があると思います。  最後に、一言つけ加えさせていただきます。  これまで、繊維産業につきましては、他の中小企業施策を上回る措置が講じられてまいりました。しかし、今日では、内外環境の変化によりまして、苦境に陥っているのは繊維産業だけではありません。そこで、繊維産業は、その置かれている状況を冷静かつ的確に直視して、みずからの進むべき道を切り開く一層の努力を払ってほしいと思います。その努力なくしては、繊維産業に対し、このような特別な対策を引き続いて講じていくことに対する、国民の理解と合意を得かたいのではないかと思っている次第であります。  以上で私の意見陳述を終わります。ありがとうございました。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 ありがとうございました。  次に、芦田参考人にお願いいたします。

芦田甚之助ゼンセン同盟書記長

○芦田参考人 ゼンセン同盟書記長の芦田でございます。  本改正案についてのゼンセン同盟の見解を申し上げます。  わが国の繊維産業にとって最大の課題は、国際競争力が相対的に低下する中で、いかに国内の消費者需要を的確に把握して、これをいかに拡大していくかというところにあると思います。繊維工業構造改善臨時措置法は、このような課題に対応して、消費者志向に根差した繊維産業の知識集約化を図るものとして、昭和四十九年に改正施行されました。しかし、長期にわたる繊維不況もあって、企業の対応は大変におくれてきました。したがって、現行繊維法を延長しなければ、構造改善は進捗しないと思います。したがって、本提案に基本的に賛成をいたしたいと思います。  また、わが国の繊維産業において重要な位置を占める産元、親機等を、構造改善事業の主体者に含め、産地における企業間提携を容易にした点、さらにアパレル産業の人材育成事業に着手した点等、改正のポイントについては、それなりに評価ができる点が多いと思います。  しかしながら、ここで現行繊維法の成果を振り返ってみますと、施行以来、通産大臣の承認を受けた構造改善事業計画は、わずかに五十六件を数えるにすぎないわけでございます。繊維法の延長問題を審議いたしました昨年の繊維工業審議会、産業構造審議会の合同会議で、ゼンセン同盟は、このような結果をもたらした原因につきまして、深く掘り下げを要請をした次第であります。この過去の反省が、今後、改正法に基づいてどのように生かされていくか、私どもとしては強く注視をしてまいりたいと考えております。  次に、本改正法の実施につきまして、次の事項を要請をいたしたいと思います。  一つは、政府、自治体に対してでございます。現行繊維法に基づく構造改善が進まなかった理由として、制度の枠組み要件か厳しかったこと、制度自体のPRか不足していたことか挙げられております。制度要件並びに運用については、思い切って弾力的に改善されたいと思います。また、制度内容の周知徹底に十分な体制をとっていただきたいと思います。中小企業が多いわけでありますので、この辺の留意を特に促しておきたいと思うわけでございます。  次に、業界、企業に対してでありますが、構造改善の成否は、ひとえに繊維業界及び繊維企業の自主的努力にかかっておるわけでございます。繊維業界、繊維事業経営者が厳しい現実を直視をいたしまして、この繊維法の改正延長に十分こたえられる実績を生み出していかれますことを、強く決意を促しておきたいと思うわけでございます。  次に、繊維産業の構造改善につきましては、本繊維法によるもののほか、取引関係の改善、過剰設備の処理、秩序ある輸入の確保等の基盤整備が必要でございます。  まず、過剰設備処理につきましては、特定不況産業安定臨時措置法に基づきまして、すでに合繊の設備凍結が完了をいたしておりますし、紡績業も順調に進行しておると思います。中小企業につきましても、中小企業振興事業団の融資を利用いたしまして、設備の買い上げ廃棄が進んでおり、全体的に需給バランスは改善されてきておるわけであります。今後、残された分野の過剰設備処理の促進を図っていただきたいと思います。  次に、繊維取引の近代化、これは返品問題を筆頭にいたしまして、遅々として改善が進んでおらないわけでございます。流通産業の振興に伴いまして、最近の三越問題に象徴されておる事態があるわけでありますが、本来的には業界間、企業間で解決すべき問題でありますけれども、行政を初めとする第三者の指導、介入が必要ではないかというふうに考えております。  次に輸入対策でありますが、昨年の繊維製品の輸入は、二十五億三千万ドルに及んで、前年比一五七%増でございます。内需に対する輸入量は、糸ベースで換算いたしまして、一七%を上回る状況になっております。このような高水準の輸入増は、過剰設備処理を初めとするわが国繊維産業の構造改善の努力を無にするだけでなく、近い将来、再び大量の設備廃棄並びにこれに伴う雇用問題を引き起こす懸念を持っておるわけであります。  繊維産業はいずれの国におきましても主要な産業でありまして、かつ多くの雇用を擁する産業であります。特に、中、低開発国にとりましては重要な輸出産業であり、それだけに先進工業国との競合は激しいわけでございます。このため、ガットのもとに国際繊維取り決めが成立をいたしまして、これに基づいてECやアメリカは多角的に二国間協定を結びまして、自国の繊維産業を強く防衛しておるわけでございます。昨今の繊維製品輸入の激増にもかかわらず、先進工業国の中にあって、ただひとりわが国だけが輸入市場をオープンにしておることは、大きな問題として指摘せざるを得ないわけであります。  わが国の繊維産業の従事者は百五十万人に及び、特に中高年労働者の重要な雇用の場となっております。われわれは、この大切な職場を輸入品によって削り取られていくのを、座視するわけにはいかないわけでありまして、政府が早急に国際繊維取り決めに基づきまして、二国間協定の締結交渉に着手することを強く要請する次第でありますし、この問題につきまして、国会の深い関心と理解を要請しておきたいと思います。  次に、わが国の繊維製造業は、衣服縫製等の製造業を含めて、ますます零細化の一途をたどっておるわけでございます。工業統計表によりますと、昭和五十一年の繊維製造業の一事業所当たりの平均従業員は十・一人であります。これは四十八年の十一・二人に比べますと、さらに零細化が進んでおるわけであります。円高による国際競争力の低下をカバーするために、繊維企業は、低賃金を求めていよいよ細分化されてきておるわけでございます。企業集約化を求める構造改善事業とはうらはらに、二重、三重の下請機構が進行して、家内労働への依存度もますます高くなっておるのが実態でございます。これらの繊維中小企業の労働者の労働条件の向上あるいは下向の歯どめのためにも、法定最低賃金の引き上げとともに、最低工賃の改善を含めた、家内労働法上の行政指導も、あわせて強化する必要があると思います。  以上、申し上げまして、私の見解といたします。ありがとうございました。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 ありがとうございました。  次に、小口参考人にお願いいたします。

小口賢三日本繊維産業労働組合連合会顧問

○小口参考人 総評繊維労連の小口でございます。  繊維工業構造改善法一部改正に関する参考意見を述べさせていただきたいと思います。  本法の大筋において、私たちはこれを了解いたします。しかし、他の方からも述べられましたように、過去の実績や運営に多くの問題をはらんでおりますので、私たちとしては、以下述べますような運営についての要望を強調したいと思います。  第一点は、繊維産業を、産業構造全体の中でどのように戦略的に位置づけるか、このことを政府は明らかにしてもらいたいという点が一つです。  御案内のように、高度成長過程で、日本の輸出貿易の上で、重化学工業製品の輸出比率は非常に進みました。昨年で八五・八%の重化学工業比率に達し、これに対して、かつて輸出産業の担い手だった繊維産業は、今日、繊維原料と繊維製品の輸出比率だけを見ますと、五%に低下しております。加えて、国際収支の面から見まして、米国市場との間では百十六億ドルの黒字があり、東京サミットでこれがまた問題になるわけですが、そのほかに、ヨーロッパ市場との間でも六十三億以上の黒字があり、かつ韓国、台湾、香港、タイ、パキスタン等、東南アジア市場に対しても、五十八億ドルの輸出超過にあります。  そのほか米国EC市場では、日本製品に対する厳しい輸入規制が行われ、このような国際的な生産と輸出の条件に阻まれまして、とりわけ日本で大きな市場である東南アジアとの関係については、輸出品目は一次産品が多いために、将来開拓しようという東南アジア市場に対して、財界、とりわけ重化学工業界では、繊維軽工業製品はもう韓国、台湾、香港に任したらどうかという意見が一方で強くあります。それから輸出入大手商社は、本質的に輸出勘定と輸入勘定のバランスをとるのが営業の主体でありますので、このような産業構造、貿易構造が持っておる矛盾を、商社から見ますと、輸出入バランスを合わせるという観点から、中国、韓国を繊維加工基地として利用するというような動きが起こっております。  こういう風潮があるために、一方ではアパレル産業の国際競争力を高めるために、過去五年だけ見ましても、総額五千億円余に上る財政資金の投入をしてまいりました。そして、過剰設備の処理と設備近代化が進められてきたのですが、昨年は、とりわけ綿糸は九万九千トン、平年度の三倍、このうち六六%が韓国から輸入されました。また綿織物については、短繊維織物で三・三億平方メートル、前年の一・九倍も輸入されて、この中身の六九%は中国からです。  私たちは、日米間繊維の不当な輸入規制に対して反対してまいりました。そのときに、日本がアメリカに輸出した毛織物、化合繊の繊維輸出額は、アメリカの国内消費のわずか五%にすぎなかったのです。そしてヨーロッパでもアメリカでも、それぞれの労働組合は、それぞれの雇用を守るという立場から、一定の貿易政策を持っています。ヨーロッパの労働組合は、繊維貿易に関する国際取り決めについては、おおむね輸入伸び率は五、六%という範囲でとどめるべきだというのが常識になっています。これらの動きを見ますと、今日政府が進めております構造改善施策の推進と、一方、進行する繊維品の輸入政策との間には大きな矛盾があります。このままの状態で何ぼ構造改善を進めても、これは一体過剰設備かどうか、業者自身が判断がつかないという苦境に立たされています。  一方、国民一人当たりの衣料消費の点から見ますと、必ずしも日本は過剰生産ではありません。アメリカが二十四キロから二十五キロ、ヨーロッパは十七キロから十八キロ、日本は一番伸びたときが一九七三年の十五キロで、最近は実質賃金の低下とともに、十キロに低下しています。東南アジアは四、五キロの水準にあって、国際的に衣料商品における消費力の地域的な差というものも、非常に大きなものがあります。  こういうようなことを考えますと、私たちは繊維産業に働く労働者として、国民によい品を安くかつ安定的に供給するということを義務と考え、また伝統産業の中で働く誇りも持っています。しかし、安ければ買えばいいというような施策で、私は繊維産業を考えてほしくないと思います。国民の衣料品の大半を他国から供給を受けている国はありません。また、繊維産業の中で工夫されてつくり上げられてくる衣装というものは、その国の民族の文化というものの担い手でもありました。それらを考えますと、私たちは、最近の風潮について大変に疑問を持っています。  それらを考えまして、まず、産業構造の上で一体日本の繊維衣服産業の位置づけはどうしたらいいか、国内生産と輸入、輸出、海外投資、これらの問題についてもう少し確たる方針を出していただきたい。そうでないと、いろいろなメニューをつくって、金を貸します、金利もまけますと言ってみたところで、業界はそれを生かすだけの食欲が起きてこないのです。  二番目は、構造改善施策のビジョンと、その手段としての体制金融の役割りを明確にしてほしいという点です。  一九七四年の五月に構造改善臨時措置法が可決されたときに、これが最後だということで、業界も政府もそういう形で答申が行われましたけれども、今回また五年の延長になった。顧みると、一九五六年に繊維工業設備臨時措置法が制定されて以来、二十三年の期間が経過しています。その間、過剰設備の処理やカルテルによる勧告操短等が継続されて、いろいろなことが行われてまいりました。しかし、先ほど瀧澤先生の方からも御発言がありましたように、この長い努力にもかかわらず、歴年の構造改善施策が、成果を上げたと公言できる実績に乏しいわけです。これは、環境的には韓国、台湾、香港等の繊維品の輸出競争力の強化とか、原油値上げのような問題とか、円高の問題等があることは事実です。しかし、反面、最初に述べましたように、政府と大手メーカー、商社の間においても、繊維産業の位置づけというものについて、必ずしも明確な合意があったとは思えません。むしろそのときの法律のそれぞれの事業対象は、経済の変化におくれて対応してきたきらいがないとは言えません。特に、構造改善が終わったら、繊維産業の生産力と事業所数と雇用者とは、それぞれの業界はどのくらいの割合で全体的に結合していただいたらいいか、このビジョンが必ずしもはっきりしているとは言えないと思います。  私たちは中小二次加工に働いている労働者で、いろいろ仕事をやっておりまして、本来構造改善施策の基本というのは、次の四点でいいのではないかということを一貫して言ってまいりました。  すなわち、加工賃の適正化と付加価値の適正配分、二番目は、取引契約の近代化、言葉をかえて言えば、商品の売り買いについてお互いにもっと自己責任を徹底してほしい、返品制度というような不明朗な、無責任な押しつけは、とても中小企業労働者としてがまんできません。それから秩序ある輸入規制措置です。四番目は、最低賃金法、家内労働法の強化による公正競争の基盤の整備です。  この四つの原則というものは、中小企業の現場で労働問題に携わっておりますと、繊維産業のように、原糸の供給メーカーと大手商社が発注者になって、二次加工は中小企業で、ほとんどが受注生産による系列生産が体系的に完備している中において、加工賃とか取引契約とかいうようなものは、非常に不公正な競争で行われ、いろいろな意匠を考え、いろいろなデザインを考えた中小企業の付加価値は、不当に収奪されておるというのが実感でございます。そして現実に進められてまいりましたのは、過剰設備の処理との交換に、設備の近代化資金の融資とか、異業種間結合による事業共同化資金の融資というものが中心でした。その結果、確かに業界では木の織機が鉄の織機にかわったとか、高速編み立て機が入ったとか、ニット化とか既成服化が進行したことは事実です。しかし反面、織物業者を初め二次加工業者にとっては、近代化投資を急いだ産地と業者ほど、借金が残ったこともまた事実です。  私たちは、本来発注者と受注者の共同努力によって、設備の近代化、生産性の向上、品質の安定が図られ、二次加工業者の近代化投資は、生産性の向上と、加工賃の中での減価償却分として、調達吸収されていくべきものではないかと考えておるわけです。ところが、二次加工の中間段階において、体制金融が行われているために、この体制金融がこれを代位して、借金は自分の責任で機械を入れながら、それで織った製品及びそれによって生産性が上がったものは、加工賃の切り下げに回ってしまって、借金の返済の余裕が出ないというのが二次加工業者の実態です。そのために、常に不況の都度、返済期限の猶予というのが国会に陳情されております。  私たちから見れば、営業の自由ということから見ても、どの糸でどの織物を織るか、あるいはどこのメーカーの繊維機械を入れたら一番採算に合うか、どこの系列に入ってどういう商品生産をしたらよいかとか、あるいは自分の設備が過剰であるかどうかとか、これらは本来事業主自身が自主決定する問題であって、政府側がどのくらいの過剰設備があるからどのくらいスクラップしたらいいというようなことは、本来それ自身は施策の中心であるべきでないと思っています。ところが、いま言いましたような系列生産のもとでの、生産関係が固定されている条件下では、どんなに業者が考えても、糸は自分では買えない、生地は先方から与えられてそれを縫製する、そして自分が縫製したものは、またどこの商社を通して売る、全部決まっておるわけです。こういうような中での体制金融というのは、かえって大手メーカー、商社のリスクというものを結果的に肩がわりしているのではないか。  そのような意味で、二十三年の経過を経てみますと、政府側が、中小企業の強化ということが大義名分になりますが、結果的にこのような体制金融が、業界の体質について自助努力を欠かし、政府依存をつくったということを、一面私たちは疑問に思わざるを得ません。  そういう意味で、今回、産元、親機等が加わったことについても、今後この構造改善施策のビジョンというものを詰める場合に、資本の縦系列による工程間結合を強めるか、繊維産地の経済共同体としての機能を強めるか。この経済共同体としての機能については、先ほど藤原さんから四つの点を指摘されました。今日、日本の繊維産業が、五%という輸出の条件で、国内産業を、国内の市場をいかに守るかということになった場合に、長い目で見て、いまの輸出入商社が果たしている繊維に対する機能というものは、とりわけ産元、親機との関係で、再点検すべきではないかという意見を持っております。  最後に、三番目として、人材育成基金の運営に組合の代表を参加させてほしいということです。今後の日本の繊維産業が、アパレルの技術の向上、製品の向上などにあるということは、他の先生方から述べられたとおりです。しかし、現状は、ここでの人材と技術の育成、情報収集能力の実態については、やはりある程度の援助をする必要があるということを、私たち中小の縫製労働者、企業に接してみて痛感しています。その場合に、現有の工業試験所、技術開発センター、これらの施設を活用して、技術者の再訓練と受講者の雇用保障、技能検定制度というものを、総体的に配慮していただきたいと思っています。  いずれにしましても、繊維産業の事業所、雇用者は、長期的に見て一部他業種、他産業に転換せざるを得ない条件を抱えているということを、私たちは認めざるを得ません。その雇用転換を円滑に進める上でも、職業訓練の科目とか、学習要領の編成、人材育成基金の運営等について、産業別労働組合の役員を積極的に登用することによって、これらの措置の有効性を発揮していただくことが必要だ。  以上三点を述べまして、時間の超過したことをおわびしながら、私の発言を終わります。(拍手)

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 ありがとうございました。以上で参考人の意見の開陳は終わりました。     ─────────────

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので順次これを許します。後藤茂君。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 大変お忙しいところを、私どもの審議のために、貴重な御意見をちょうだいをいたしまして、まずお礼を申し上げたいと思います。お伺いしたいことがたくさんあるわけでございますか、時間が非常に限られておりますので、一、二点お伺いをしてみたいと思います。  先ほどから、各参考人の皆さん方から、秩序ある輸入を進めてもらいたい、こういう御指摘がございました。特に芦田参考人は、輸入市場をオープンにしているのはわが国だけだ、これは理解ができない、二国間協定等の締結についても、ひとつ政府は積極的にやるべきだという御意見等もちょうだいしたわけです。     〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 ただ、日本の産業構造なりあるいは国際協調、さらには最近垂直分業に対して水平分業という言業が言われ始めてきているときに、特にはだ着類だとか、簡単な衣料製品等は、後進国に道を譲らざるを得ないのではないかという意見も実はあるわけです。小口参考人からは、その位置づけが全く明らかになっていないので、一体どこが過剰設備であるかが、輸入との関連において明確にされていない、こういう御指摘もいただいたわけです。この秩序ある輸入につきまして、瀧澤参考人から、もう少し掘り下げて御意見をいただけないだろうかと思うのです。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  ただいまお話がございましたように、私は軽々に輸入制限というようなことを行うのは、やはり問題であると思います。  理由は、現在日本の貿易収支が大幅に黒字であり、かつ輸入が問題になっております国との間でも、先方の赤字が大きいというようなことで、これを軽々に行いますと、外国の批判も高まりますし、貿易によって立つわれわれ日本の立場を、大きく損なうことになると思います。ですから、こういう国際的な観点からも、また国内的にも企業の創造性と活力が、輸入制限によって損なわれるということも心配されますので、軽々に行うべきでないと考えます。  ただ、どんな事態が起こりましても輸入を放置せよということではなくて、ある特定の品目について急激に、広範に輸入の急増が起こりました場合には、国内需給を混乱に陥れますし、経営を不安定にいたしますし、構造改善を阻害することになると思われますので、そのような場合にはやはり輸入に対する処置を必要とすると思います。  その場合のやり方でありますけれども、まずそのような事態が起こっているということを、正確に、早く把握するための、体制の整備が必要であろうと思います。その上で、確かにそういう事態が起こっているということであれば、その事態の進行に応じまして、輸入業者などに対する強力な行政指導を行うということが、次の段階として必要であろうと思います。そして、それでも思うようにいかない場合には、さらに輸出国に対する自粛協力の要請、自粛をお願いするというようなことをしていく。それでも事態が解決しない場合に、初めて国際ルールに基づく措置をとっていく。こういうふうに順序を追って処置をとっていくことか妥当であろう。私は、秩序ある輸入というのは、そういう順序を追ってやっていくことであると理解しております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 田口参考人にお伺いしたいのですが、私事で恐縮ですけれど、私の義父がやはり参考人と同じような仕事をしておりまして、流行に左右されることに悩みまして、もうやめたいということで、十年余り前にその仕事をやめたわけです。今度人材養成の制度ができ上がってまいりますが、そのことと関連いたしまして、この産業においては情報が余りにも不足しているのではないか、私はかように思えてならないわけです。この情報を繊維業界全体が、それぞれの業種あるいは品種等において、どのように把握をしていくかということで、特に今度の法律案とも関連して、これからの問題として、情報を提供してもらう制度を整備してもらいたいという要望は、大変強いと思うのですけれども、どういうお考えをお持ちになっていらっしゃるか、お伺いをしたい。

田口正男全日本婦人子供服工業組合連合会理事長

○田口参考人 いま先生から御質問のありました情報の問題でございますが、アパレルの中の私ども婦人子供服におきまして、現在どういうような情報のキャッチをしているか、これは各企業によっても若干違いがございますが、皆さん御存じのように、婦人並びに子供のファッション源は、パリとニューヨークのオートクチュールが先行いたします。これに各社の企画陣が行きまして、シルエットとか素材の傾向とか色とかデザイン、これを日本人に向くようにアレンジして持ってくるのには、どういう方法がよかろうかというような、外国へ行って情報を求めるということと、いま外国のファッション雑誌が盛んに入ってまいりまして、むしろ先生とは違いまして、情報が多過ぎる、それをむしろ整理する、そして整理をして、それぞれの企業が一つのキャラクター、個性を出すということの方がむしろ問題だ、かように思っております。意を尽くしませんが……。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 小口参考人の方からも工業試験所の活用とか、あるいは瀧澤参考人からは、既存の各種機関の活用から、さらには中核的な機関をつくっていくべきではないか、こういうように言われておりましたけれども、繊維関係については、一つは、やはり昨年の構造不況に関するいろいろな産業の審議をしてまいりまして、どうも構造不況に陥った産業というのは、自助努力、自主努力の足りない、こう言っては大変失礼ですけれども、産業が非常に多いと思うのですね。本来、これだけ大きな産業ですから、もっと中核機関的なものがあってしかるべきだと思うのですが、今度は人材養成のための基金制度が設けられておりますけれども、こういったアパレル産業を振興していくためにもあるいは知識集約化あるいは高付加価値化に進めていくためにも、そういった機関がもういまから準備され、つくられていかなければならないのじゃないか、かように考えます。これは特に瀧澤先生にお伺いしたいと思います。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  確かに、おっしゃるようにそういう中核機関を必要とすると思います。現在、繊維工業構造改善事業協会というのが、構造改善の推進のための機関としてできておるわけでありますが、できればこれをもっと拡充強化をいたしまして、そのような役割りを十分に果たせるようにすることが望ましい。このアパレルについての中核機関も、実はこれを活用したいと私どもは考えておるわけでありますが、繰り返しますように、拡充強化をして十分活用できるようにしないともったいないというふうに私は思います。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 ありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 岡田哲児君。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 皆さん御苦労さまでございます。時間かございませんので、端的にお伺いいたしますので、お願いいたしたいと思います。  まず、藤原さんにお伺いしたいのですけれども、アウトサイダーに対する共同廃棄の指導なり効果なりが、どのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

藤原一郎日本綿スフ織物工業組合連合会理事長

○藤原参考人 お答えいたします。  アウトサイダーにつきましては、われわれ組合といたしましては、共同廃棄を一応対象外に置いております。対象にいたしておりません。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 田口さん、今後輸出向けが内需に転換をすることになってくるわけですが、この場合にトラブルは起こらないでしょうか。

田口正男全日本婦人子供服工業組合連合会理事長

○田口参考人 私どもは、現在のところ内需が大部分でございまして、輸出ということについては、将来の展望として、当然アメリカなりカナダ、オーストラリアを考えていかなければいかぬ。現在試験的にやっておる程度でございまして、内需が九七、八%というような現況でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 藤井さんにお願いしたいわけでありますが、産元、親機ぐるみの構造改善をやろうという業界の動きは多いのでしょうか。

藤井政治日本繊維産元協同組合連合会理事長

○藤井参考人 どの地域にもアウトサイダーは相当ございますが、われわれ先染めの産地播州は、いま綿工連の藤原理事長もおられますが、糸を染めて、とにかく小さいロットから大きなロットもございますが、そういうきめ細かいことをやるのに、われわれがいろいろな面において機場の代行として現在に至っておる。各産地もそういうような次第でございますが、なかなかきめ細かい仕事でございまして、アウトサイダーが年々非常にふえますけれども、われわれといたしましては、きめ細かに、末端に至るまで小さい織機のめんどうを見て、現在に至っておる次第でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 瀧澤先生、最近数年来のことですが、商品取引所が本来の機能から逸脱して、非常に投機の場所になっている。こういうことで弊害もあり、批判も強く出ているように思うのですが、この構造改善を推進しようとしている立場から見ますと、どうも逆行しているんじゃないかという感じがするわけでございます。きょうはお話はございませんでしたが、先生の商品取引所の機能に対する見方、考え方あるいは今後の方向、こういう点についてお伺いしたいと思います。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  商品取引所というのは、それぞれ長所と短所を持っていると思います。リスクをヘッジするという、これは本来の機能でございますが、これはともすると投機、それも過大な投機を生みやすいという弊害をもたらします。それから、これは換金性を持っておるわけですが、これも悪くいたしますと仮需を誘発して、生産過剰に陥りやすいという弊害がある。それで、ただいまお話にありましたように、取引所の中には、そういう弊害面が現在非常に強くあらわれているということは、御指摘のとおりであるというふうに思います。  この構造改善との関係でございますが、私は、現在の構造改善あるいはこれから行おうとしている構造改善というのは、仮需に依存した生産体制から、実需に沿った生産体制へ移行していくことを目指すものであるというふうに理解をしております。つまり消費指向ですね、実需に沿った生産体制に向かう。そうなりますと、もしそれがそのとおりに実現をいたしますれば、ヘッジ機関としての取引所の存在意義というものも、変わらざるを得ないであろう、リスクヘッジという点の機能が変わらざるを得ないであろう。そうすると、長期的には、もしそのような方向に順調に進めば、取引所は要らないというようなことになっていくであろうというふうに思われる。しかし、そこまでいくのはなかなか容易でございません。やはり当面の問題があるわけでございますから、これをいきなり廃止をしてしまうということは、現在、商社を通じて糸の相当部分が売られているというような実情がある限り、混乱を伴いますので、当面は監視と規制を強めつつ、弊害がなるべく起こらないように、あるいは起こった弊害をなるべく小さくとどめるようにしていく。そして、それでもなおその弊害が改まらないという場合には、その関係者の間で検討の場を設けまして、たとえば大衆玉の引き下げであるとか、供用品の品目の検討であるとかというようなことをやっていく必要があると思うのです。それでもなおかつ弊害が一向におさまらないという場合には、そのときには廃止ということも検討すべきであろうというふうに思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 先生もう一つ。  このアパレル産業の人材育成業務というのが、協会業務に加えられることになるのですが、具体的にどのような方法で人材育成というものがなされるのか、また、その効果をどういうふうに期待できるか、いままで私ども、伝統産業や、いろいろ人材育成という言葉は、使うには使うのですが、具体的にはまことにむずかしいと思うのです。ひとつその具体的な方法をお教え願いたいと思います。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 これも御指摘のように大変むずかしいと私も思っております。先ほどちょっと説明を時間の関係で省略いたしましたけれども、私は、今回の措置は、人材育成の第一歩であろうというふうに思っております。これで何もかにも解決するということではない。新しい人材育成機関をたとえばアメリカのように設立をして、そしてそこで本格的にやる、これが望ましいことは望ましいのでありますけれども、大変な資金も伴いますし、そこまでの準備もなかなか大変であろうというふうに考えられますので、当面は既存の機関を使う。その既存の機関をどういうふうに使って、たとえば教材の問題もございます、それから教育方法の問題もございます、カリキュラムの問題もございます、講師の問題もございます、いろいろな問題がございますが、そういうものを十分に検討し、調査する中核機関、これを設けて、そして各既存の機関に助成を行っていくという形で、まずとりあえず第一歩を踏み出すということであろうかと思います。したがいまして、これを足がかりにいたしまして、さらにこの人材育成につきましては拡充強化をしていく必要があろうかというふうに思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 五十二年一月二十四日に「繊維取引近代化憲章」というのが出され、五十二年五月二十五日に「書面契約推進に関する行動指針」というようなものが出されてきているのですが、近代化近代化といろいろ努力はされていると思うのですが、私は、現状のこの憲章寿とか精神的なものだけで、どうもわれわれが考えているような近代化は実現しないのではないかという、非常に悲観的な見方をしている一人なんですが、強く言われながらこれが実現しない。やはり法制化というか、規制をしない以上、お互いにやろうやろうというだけでは、どうも現状いかないように結論はいくんですが、どんなものでしょうか。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  私も、この取引改善がなかなか思うように進まないことについては、御指摘のように非常に困ったことだというふうに思っております。それで、現在は主として規制主義といいますか、そういうものを倫理的にあるいは道徳的に、規制をしようという形でやっておるわけでございます。私は、この面ももっと強化をしていく、たとえば公取のようなものを活用いたしまして、もっと強化をしていく必要があるというふうに思っておりますが、それと同時に、規制主義だけではなくて、取引改善をお互いの間で、こういうふうにうまくやろうじゃないかというような機運がもしありましたら、それを助成するという形で、助成主義ということもこの取引改善について考えたらどうであろうか。そういうふうに、一つでも二つでもうまくやっていくというグループを育てていくということを通じて、この取引改善を全体に、次第次第に浸透させていくというやり方もあるのではないか。したがいまして、今回の構造改善の中にも、実は取引改善グループというようなものを入れたらどうだということも考えてみました。しかし、これにはかなり莫大な運転資金を必要といたしますので、今回は入れないことになりましたけれども、私は、そういう形で、規制主義だけでやるのではなくて、他の方法をあわせてやるということも必要ではないかというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 ありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 渡辺三郎君。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 時間が七、八分しか残ってないようでありますから、一、二の点についてお伺いをしたいと思います。  先ほど来参考人のすべての先生方から共通して言われておりますことは、これまでの構造改善事業が必ずしも所期の進展を見ておらない、こういうふうな点がひとしく指摘をされたわけであります。したがって、今度の改正案におきましても、たとえば期間はもちろん五年延長する、さらにはまたその対象として、産元あるいは親機、子機で組織する特定組合も、構造改善事業の対象にするとか、こういう手が加えられたのだと思うわけです。そこで、先ほどもちょっと質問があったのですが、これについて少し明確にお聞きしたいと思います。  藤原参考人、それから藤井参考人のお二方にお伺いをしたいのですが、こういう今度の改正によって、これまで必ずしも十分な進展を見ておらなかったこの構造改善事業というものが、相当広範囲に、十分に法律の目的を達することができるような形で進められるものかどうか、そういう確信について、もし具体的な数字を挙げての見通しなどがあれば、お伺いをしたいと思うわけです。  これをお聞きしたいと思いますのは、私も今度の改正案が出ましてから、二、三の産地の業界の方々からいろいろお聞きをしました。そして問題点などを私なりに指摘をしたわけでありますけれども、どうも今度の改正によっても、必ずしも十分な関心をお持ちになっているとは言えない。一体これでどうなるんだろうかというふうな疑念の方が、意見としては先行しているように私は受け取ってまいったわけです。今度はわれわれも、この構造改善事業に乗れるんだなあというふうな程度の感触でありまして、果たしてこれでうまくいくのかどうか、こういうふうに考えておるのですが、その点などを含めてお聞かせをいただきたいと思います。

藤原一郎日本綿スフ織物工業組合連合会理事長

○藤原参考人 お答えいたします。  これまでの構造改善事業は、必ずしもうまく生きなかったということは、ただいま申し上げたとおりでございまして、この点につきましては、まず不況であったということでございます。それからもう一つ、組合主導型でなかったがために、なじみにくかったという点、いわゆるそれぞれの垂直型グループで、グループを組んでやっていくということは、何かグループが外へ離れてしまうような感触がいたしたりいたしまして、組合主導型ではなかったということが、私としては大きく進展しなかった一つの要因であろう。当初に申し上げましたように、まず不況であって、そこまで気持ちが動かなかったということも、これも大きな重要な事項でございます。  それで、今度のこの構造改善につきましては、その審議過程におきましても、大体繊維が甘えておるじゃないか、もっとしっかり、真剣に自助努力をやらなければならないんじゃないかというようなことの、いろいろの御指摘等もございまして、今度は内容も相当変わってまいりますので、心を新たにして、真剣に取り組んでみたい、必ずあとの五カ年の間にはそれぞれの成果を上げたい、こういうことを心に期しておるわけでございまして、そういうことも傘下組合に十分徹底したい、こういう考えております。

藤井政治日本繊維産元協同組合連合会理事長

○藤井参考人 四産地を代表いたしまして、まず御指摘の件でございますが、播州産地のこの先染めは、非常に複雑な製品でございますが、播州におきましては、市長を会長といたしまして播振協というものがございまして、毎月一回の定例会議をやっております。それには織り、染め、加工、染織、それからゼンセン、産地の七、八〇%までが繊維に従事しておる関係で、その各トップの方が毎月寄って、そして輸出が悪いとか内需が悪いとか、仕事の面とか、そういうことについて、絶えず工賃とかいろいろな面におきまして結束を密にいたしまして、どの団体も運命共同体、それをスローガンにいたしまして今日までやっておりますが、今回の件につきまして、われわれといたしましては、なお一層緊密の度を密にしてやっていきたい、かように思いますし、その点につきましてはスムーズにいっておる、こう私は考えます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 次に、田口参考人にお聞きをしたいのですが、さらにこれは瀧澤先生の方にも一言お伺いをしたいと思います。  アパレル産業の育成の問題、いまもいろいろ質問があって、参考人の先生方からお話がございました。これは確かにハード、ソフト両面におけるノーハウの蓄積が絶対に必要なわけでありまして、これからこの面についてのさらに一層の施策なりあるいは努力というものが、業界自身でも続けていかれると思いますけれども、しかし、アパレル産業の場合には、そういう面で、ある程度いま進展をしてきておるのは、一部の大手メーカーということになっておるのではないか。この産業でも中小零細企業というものはたくさんあるわけでありまして、それがこの法律の趣旨にもありますような方向で、十分なソフト、ハード両面のノーハウを蓄積するというのは並み大抵のものではない、こういうふうに考えておるわけです。一部の大手のメーカーは別にしまして、こういう中小零細が具体的にこういう条件を整えるといいますか、そのためには何が必要なのかという点、これは短い時間でなかなかむずかしいとは思いますけれども、お聞かせをいただければ幸いであります。

田口正男全日本婦人子供服工業組合連合会理事長

○田口参考人 お答えします。  どちらかといいますと、大きい企業は比較的人材育成もある程度可能なのですが、特に中以下の企業におきましては、人材育成が資金、カリキュラム、講師、すべてにわたって単独では非常にむずかしい。したがって、今度の育成資金が出ることによって、小規模ほどこの恩恵に浴しやすいということで、非常に評価したい。これはいま瀧澤先生からも御指摘がございましたが、将来的には権威のある教育機関にもっていかなければいけないし、またわれわれも、そこで教育を受けた人の受け入れということも権威づけていかなければいかぬ、かように思っております。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように未成熟でありますので、いろいろな問題がございます。ただ、強いて順序をつけるといたしますと、共通の基盤整備といたしまして、まず人材の育成から着手をするということが妥当であろうかと思います。次に問題になりますのは、やはり流通取引の改善であろうというふうに私は思います。それから、それと並んで生産、流通を含めた全体のシステム化ということが、今後のアパレル産業の振興にとって大変重要であるというふうに考えております。  以上であります。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いまの、先生が最後におっしゃった問題、たとえば生産、流通の整備というのは、中小零細の企業を水平的に集約をするというふうな形、あるいはそういうふうになった場合に、今度は大手のメーカーとの関係をどうするかとかいったような問題も、今後の見通しの問題としては考えておられるのでしょうか。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  これは私はいろいろなやり方があるのだろうというふうに思います。アパレル産業というのは、繰り返して申し上げますようにまだ未成熟でございますので、いろいろな発展の可能性を持っているというふうに思います。現在の大手メーカーが発展してきたプロセスというのも、もとは小さいところからずっと発展をしてきたわけでございます。ですから、大手と手を結んでやるというような形もあると思いますし、自分たちの間でグループ化をしてやるというやり方もあります。場合によれば単独で伸びてくるということもあるのじゃないかというふうに思います。ですから、その辺のところを、中小零細メーカーでもどういう道があり得るかということを、十分検討してやっていく必要があるのではないかと思っております。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 飯田忠雄君。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田委員 藤原参考人にお尋ねをいたします。  先ほどの御説明でいろいろのことがございまして、特に輸入の問題がございましたが、現実の輸入状況というものにつきまして、もう少し詳しく御報告をお願いいたしたいのと、それから、現在繊維産業にその輸入が一体どういう影響を及ぼしておるのかという問題、それに対して参考人はどういう処置をしたらこの問題について妥当な解決ができるか、こういうことにつきまして御意見を承りたいと思います。お願いいたします。

藤原一郎日本綿スフ織物工業組合連合会理事長

○藤原参考人 お答えいたします。  ただいまの輸入の現状でございますけれども、われわれ綿関係で一番多く入りましたのが四十八年のあの過熱時でございまして、このときには五億四千万ほどの輸入量がありました。もちろん内地もあのとおりの過熱の状況でございましたから、大きな影響なしに終わったわけでございますが、その後鎮静をずっと続けてまいっておりまして、昨年度は一昨年度の二・二倍になりますか、一昨年度一億ほどの輸入量に対して、昨年度は二億二千万ヤールの輸入がありました。昨年は従来よりも二倍の量にふえてまいりました。さらに、これは二月二十日にならないとわかりませんが、ことしの一月の情報では、昨年度千五百万ヤールに対して、二千二百万ヤール入っておるということしの一月の現状でございます。したがいまして、私たちは、秩序ある輸入ということで前からいつも申し上げておりますように、秩序ある輸入でわれわれの業界を脅かさないようにしてほしい。そういうことにつきましては内地の輸入商社あたりともいろいろ懇談いたしますし、三カ月に一回は懇談会を持っておりますし、さらに、ちらっと最初の陳述でも申し上げましたように、その二億二千万ヤールの六四%までが中国綿布でございますので、中国はわれわれにとって大きな脅威の的ということで、中国にも二回われわれの代表団を派遣して、何とかその輸入の量を、われわれの希望するような量に抑えてくれというような話し合いもやってきたわけでございますが、いずれにいたしましても実際的な効果は、ただいま瀧澤先生からも輸入問題についてお話がありましたように、大きな影響が出るという状況になりますと、大手商社に対する行政指導ということも一つの大きな効果でないか、こういうふうに考えております。  以上でございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田委員 それでは次に、同じく藤原参考人に主としてお伺いいたします。  関税の不均衡という問題があるということを聞いておりますが、この関税の現実の不均衡が、今日のわが国の繊維産業にどういう影響を及ぼすのかという問題について、御意見を承りたいと思います。

藤原一郎日本綿スフ織物工業組合連合会理事長

○藤原参考人 お答えいたします。  関税の問題につきましても、先般お話が出ておったのでございますが、いずれにいたしましても、いま東京ラウンドでいろいろ交渉中だということも聞いておりますけれども、わが国の関税は五・六%、それから綿織物でアメリカヘは一五・二一%ですか、それからECには一五%というような率関税であって、われわれのところは余りにも不均衡過ぎる、特にアメリカ向きの、特にわれわれが生産しております別珍、コール天のごときは、三五%くらいまで税金をかけられておるというような状況でございますから、余りにも不均衡過ぎる。それで、どうしてもそれだけの不均衡は、われわれに大きな輸出に対する影響をもたらすということでございますので、この点につきましても十分ひとつ御考慮をいただきたい。  以上でございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田委員 次に、私ども、よく西脇の方へ参りまして、いろいろの方からお話を承るわけですが、その場合に、よく過剰設備の廃棄ということを言われて、実は借金をして設備をしたものを廃棄をすることになるのだが、こういう機械を政府が買い取ってくれればいいのに、買い取るという措置もしないでやられるのは非常に困るということを、よく聞くわけでございます。借金が相当あるようでございますが、こういうような問題につきまして、新しい機械を発明をして、知識集約的な産業を興すということは、理論的にはそのとおりでございますが、それが果たして現実に可能なのかどうかという問題について、実際の業界におられる藤原参考人の御意見を承りたいと思いますが、よろしくお願いします。

藤原一郎日本綿スフ織物工業組合連合会理事長

○藤原参考人 お答えいたします。  播州で先生がいろいろお聞きせられたというお話でございますけれども、播州は御承知のように、ただいま藤井参考人からもお話が出ましたように、大体産元と織りと染めと加工とが、バランスを持った産地でございまして、長年、七五%まで輸出物を生産しておるような産地でございますから、バランスがとれておる。したがいまして、バランスのとれたところで、織機のみが共同廃棄で廃棄するということについては、他に及ぼす影響もございますし、いろいろな問題がございますので、そういう意見が出たのだと思いますが、播州産地といたしまして、そういう状況でございますので、先生のお耳に入ったのだと思いますけれども、したがいまして、今度の共同廃棄では、一部廃業者を除きましては全然いたしておりません。  以上でございます。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田委員 次に小口参考人に少しくお伺いいたしたいのですが、体制金融は、強力な業者の身がわりとなる傾向が強いというお話を承りましたが、私もそのように感じはするけれども、そういうことは、具体的にはどういうような形であらわれるのでございましょうか、お尋ねいたします。

小口賢三日本繊維産業労働組合連合会顧問

○小口参考人 一番あるのは織り工賃が安いということだと思うのですね。先ほども述べましたように、機械設備を入れるというのは体制金融でやりますから、発注者側自身は、保証人にはなっても金は借りないわけです。しかし、発注者ですから、新しい機械で生産性が上がった分は、見ておれば生産性が上がってくるのはわかりますから、生産性が上がった分だけは加工賃は下げてきますね。その下げ方が、加工賃の契約が、瀧澤先生がおっしゃったように、ほとんど口約束で行われておりますから、契約の内容の中で、たとえば構造改善で借りた織機の減価償却費分については、メーター当たり幾らというような契約が慣習上ないわけです。それで、業界が一緒に入れますと、生産性も同じように上がってくる。そうなりますと、結果的に、業者の立場から見れば加工賃は下がるけれども、減価償却費分がないから、それ自身が返せないという形で現象が出てくる。だから、返さない結果が、結果的に不況になれば借金だけ残って、国会に延期してくれ延期してくれというような形になってしまう。だから、もともと私はこの体制金融をつけるということよりかは、現在の取引改善、加工賃の適正化、そういう部分に最も力を入れれば、その都度その都度、体制金融で何百億という金を貸さなければいけないものかどうかということに、本質的な疑問を私は持っておるわけです。

飯田忠雄公明党・国民会議

○飯田委員 どうもありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 薮仲義彦君。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 参考人の方、大変御苦労さまでございます。私は、時間の関係で、大変恐縮でございますけれども、産元の問題についてだけ、参考人の方の御意見を伺わさしていただきたい、こう思います。  ただいま藤井参考人から、産元の役割りと現状について御説明がありました。産地における産元の役割りが大変重要である、こういう点についてはよく理解できました。  そこで、二、三お伺いしたいのでございますが、一つは、産元は、いままで卸売業というような概念しかされていなかった。しかし産元の実際的な機能といいますか、役割りは、先ほどのお話のように、染色、サイジング、整経、織布、整理加工と、実際は生産活動と同じことをやっている、こういう観点から、今回の法律改正の中で構造改善の対象になってきた、こう思うのでございます。  その中身の方で、私は今後どうすべきかということのために、実態をお伺いしたいのですか、ただいまお話を伺っておりますと、産元の実態の中身の中で、お話のように企業という観点からしますと、非常に弱体といいますか、弱小の企業を抱えながら、そういう企業を抱えて、あるいはその企業の持っている不足な部分を産元が補いながら、いろいろと産地産業の発展のために御努力いただいている。非常に重要な役割りであると同時に、ある意味では非常に危険を背負っているのじゃないか。いろいろな危険がある。特に繊維産業というのは、昔から取引慣行というのは非常に非近代的である、こう言われております。こういうものは、今後構造改善の中でどう改善されていかなければならないか。先ほど瀧澤先生の方からも、企業自体が努力しなさい、こういう御指摘は当然だと思うのでございます。しかし、今後このように、法律の中身の中で構造改善の対象になるということであるならば、やはりそこも改善されていかなければならない将来の大きな問題と思いますので、その点から藤井参考人に、現状ですね、そしてまたどうすべきかというお考え、同じように、今度は同じ問題で瀧澤先生のお考え、お二人の御意見をちょっとお伺いしたいと思うのです。

藤井政治日本繊維産元協同組合連合会理事長

○藤井参考人 ただいまの御指摘でございますが、各産地もそうでございますが、中小零細企業の機場に対しまして、われわれ産元が織機の保証、また銀行、金融の保証をしております。そういう関係で、その工場には何としてもパンを与えなければいかぬ。仮に輸出のないとき、仕事のないときでも、見込みをしましてでもその機場には仕事を与えぬことには、借金が返されぬ、また金利も払われぬというような状態、そういう悪循環をいままで、現在も繰り返しておる次第でございますが、そういう機場に限りまして、大体家内工業式でやっておりますから、われわれが絶えずその工場を監視いたしまして、そして家の者がなるべく入って、能率も上げるように、またその工場に対してはでき得る限り工賃のいいものを回すようにいたしまして、早く返済を免れるように、そういうような状態、特に播州におきましては、そういう悪循環をいままでずっと繰り返しておる状態でございますが、しかし仕事の面におきまして、輸出の悪いときには内地をやるとか、内地の悪いときには輸出があるとかというような状態で、仕事の面がスムーズにいっておる関係で、その工場も年々歳々成績を上げておる現状でございます。ちょうど綿工連の藤原理事長もおられますが、そういうような実態でございますから、各産地とも金融に対しても、そういう政府から出ておる各資金に対しましても、産元がまず保証をしておるというような状態でございますから、その工場に対しては、十分に仕事の面についてわれわれ見定めておるような次第でございます。  以上でございます。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  産元と一口に申しましても、これは同じ産地の中でもいろいろございますし、それからまた産地ごとにいろいろ異なっていると思います。それで、産元は、一般に販売機能、融資リスクを負担する。それから生産組織機能と生産管理機能だと思うのです。自分で生産をするのではない、生産組織機能と管理機能だと思います。そのほかに情報収集機能であるとか、商品企画開発機能であるとかというものを持っているものが多いというふうに言われておるわけでございますが、これらを持っていない、あるいは不十分にしか持っていないものも、また非常に多いと思います。それで、今後の方向としては、産元自体もそういう機能を十分に持つように努力をするし、またそういう方向に持っていかなければいけないというふうに思います。  それからもう一つ。産元と、それからその下にいるメーカーとの関係でございますが、個々の産元とメーカーとの間は、比較的順調、円滑にやっておるのですけれども、産地によりましては、その産元グループあるいはメーカーグループというふうに、グループにいたしますと、これがなかなか順調、円滑にいっているとは言えない。むしろ対立しているというような状態も見られます。こういうことでは今後産地の発展は期しがたいというふうに思われますので、その産地ごとに産元グループ、それからメーカーグループとの協調を図るように、これはぜひ必要なことだと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 それではもう一点お伺いしたいと思うのですが、さっき藤井参考人のお話の中で、GHQの担当官が、分散せる大企業という言い方をした、こういうお話がございました。一面当たっておりますけれども、一面ちょっと産元の体質から言って非常に弱い面があるのじゃないか、特に資本であるとか、そういう面では、大企業と言うには産元はとても——機能面てはわかります。と同時に、たとえば商社が来て工場をつくって、そこで産元さんと同じことをやっても、ぐあいが悪くなれば商社の方は撤退することができます。しかし産地産業というものは、景気がよかろうと悪かろうと、その産地からへばりついて離れられない、こういう体質の中で、過去の歴史の中で産地というものは育ってきたのではないか。そうすると、この機能というものは、産地にとっては非常に大事です。  そこで私は、これは恐らく藤井参考人にお伺いしても余りずばりとお話しできなかろうと思いますので、瀧澤先生にずばりお伺いしたいのでございますが、さっき先生は三点からお話があったと思います。時間の関係で一点だけにしぼってお伺いしたいのですが、いわゆる構造改善の中身の中で、助成措置、こういうお話がございました。この産元の機能の面から考えまして、現行の制度における助成措置というものは、非常に産元にしにくいのじゃないか。いままでの繊維業界に対する助成というのは、確かに繊維というのは糸でございますけれども、助成の実際の現実は機械の方へしかなされていない。しかし産元に、ではどういう形で助成ができるかということは、この構造改善の法案の改正とともに、将来にわたって重大な課題だと私は思うのです。また、現地産元は非常にそのことを望んでいらっしゃるのじゃないか、こう思いますが、その点、産元に対する助成措置の効果、どういうことができるか、ずばり先生の御意見をお伺いしたいと思います。     〔渡部(恒)委員長代理退席、山下(徳)委員長代理着席〕

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  先ほど産元の持つ機能について申し上げました。今度の構造改善につきましては、その持っておる機能の中で、情報収集機能、それから企画機能、それから従来から持っております生産組織、管理、これらの機能を構造改善によって強化しつつ、産元とメーカーとの、一体としての発展を図っていく体制を整えるということであろうかと思います。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下(徳)委員長代理 宮田早苗君。

宮田早苗民社党

○宮田委員 瀧澤参考人にまずお聞きをするわけでございます。  わが国繊維産業の将来は、アパレル産業の発展がうまくいくかどうかにかかっている、こう思うのです。本法改正の趣旨もそういうふうに読み取れるわけでございますが、西欧諸国に比べておくれているとはいえ、現状の川下部門の経営感覚からいって、垂直統合を志向するだろうか、私ははなはだ疑問に思っておるわけでございます。国内で名の通った縫製メーカーは、メーカーではございますけれども、実態は一次、二次、下請、ひいては家内労働で製品化して、ブランドだけで勝負をするという、卸問屋機能に徹するのが最も効率がいいわけでございます。川上、川中、川下、特に川下は逆三角形になっておるようでございますが、川下からその下が今度は三角形というか、二重、三重になっておるんじゃないかと思います。こういう現実を直視いたしますときに、政策で誘導できるものでしょうか。この点について先生の御意見をまずお伺いいたします。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  垂直統合というのは、御承知のように非常にかたい合同、合併というような形のものから、きわめて緩やかな提携というようなものまで含めて考えております。それで、いまお話にありましたのは、かなりやわらかい部分の結びつきというものについての御指摘だろうと思うのですけれども、この構造改善事業として助成するもの以外の、自主的に行っている垂直的なグループ化というものは、現実に着々と進行しておるわけであります。これは合繊メーカー、紡績メーカーあるいは商社、その他現実にそういう方向に動いておりますので、そういうことが、むずかしいことは事実でありますけれども、私は不可能なことであるとは思いません。それで、このように助成をすることによって、そのような方向に進むのが一歩でも二歩でもやりやすくなっていくということであるならば、その成果を期待してよろしいのではないかというふうに思う次第であります。

宮田早苗民社党

○宮田委員 関連をいたしまして田口参考人にお伺いいたします。  きょうは、デザインに詳しい参考人がいらっしゃらないのではないかと思いますが、衣類の需要変化で、高級化という概念はわかるわけでございますが、しかし多様化、個性化、この何々化というのは、産業審の答申でよく使われておるわけでございますが、これに対応する業界の体質改善といっても、消費者は、店頭に並んだ商品をいわば追いかけているわけです。残念ながら二十代前後の若者の服装、服飾についていけない世代にいまやなっておるんじゃないかと思うのです。日本じゅうどこを歩いてもというのはオーバーでございますけれども、若者の服装というのは、個性化といいましても何か同じジャンルであり、また既製品化されたものの組み合わせであったりして、東京にいるのか福岡にいるのかわからなかったりするような状態だと思います。一流メーカーの商品開発もさることでございますが、中小企業といえども、個性のあるデザイナーや経営者がいるような気もするわけでございますが、田口参考人に、アパレル企業育成論ですね、いまの問題を踏まえてお聞かせ願いたいと思います。

田口正男全日本婦人子供服工業組合連合会理事長

○田口参考人 お答えいたします。  非常にむずかしい問題でございますけれども、情報網で、テレビというものによって、東京の流行がすぐ福岡にというように伝わるような今日、私はデザインのことは余り詳しくございませんけれども、見ておりますと、どうしても個性化を図らなければいかぬという方針ではございますけれども、リスクをどうしても企業が持つ現在の取引の状況においては、当然売れ筋に、これは言いかえれば消費者ニーズにあるわけですが、先生方から見ると同じような洋服に見えますけれども、これが色なり素材なりシルエット等において、個性化を図られつつあるわけでございます。ただ、後進国との違いは、非常に素材がよくなったということと、縫製技術がよくなったということが言えるし、また、そこにわれわれの商品企画の中心を置いていかなければいかぬ、外目から見て大して変わってはおりませんけれども、実際面におきましては、低開発国から見ますと、商品は非常に高いレベルになってまいりました。今日パリなりニューヨークの商品自身と対比したときには、決して遜色のない域に達してきたと思います。  そういうふうなことで、今後どうしても低付加価値でなく、高付加価値の作品を市場に出していかなければならぬのがわれわれの宿命でもございます。  以上でございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 もう一問だけ、瀧澤先生、それから芦田参考人に御意見を伺いたいと思いますのは、いまも出ておりましたように、繊維産業の近代化を阻害する一つの要因として、商品取引のあり方を指摘する意見が、最近大変強くなってきておるのではないかと思います。  そこで、繊維品の上場制度、この廃止をまともに検討すべきだという意見もあるわけでございますけれども、この点についてはどういうお考えをお持ちですか。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、順序を追ってやっていくというのが私の考えでございますが、いま、先ほど申し上げました三つの段階の二番目ぐらいのところに来ているのではないか、もう少しこれが問題化してまいりますと、先ほど言いました三番目の、上場廃止の検討を本格的に取り上げるというところに行くのではないか、私はそういうように思っております。

芦田甚之助ゼンセン同盟書記長

○芦田参考人 私どもは、以前から商品取引所における繊維品の上場廃止を主張しておるわけでありますが、一つは、われわれ労働者のつくり出したものが、投機の対象としてやられておるということは、感情的に納得できないという面があります。それからもう一つは、投機の対象になりますと、本来メーカーは、生産性の向上によって、適正利潤というものを求めていくべきだと私は思うのですけれども、そういう生産性の向上に努力するよりも、投機でもうけた方が楽だというふうなことになってしまいますから、そのことによって日本の繊維産業、特に紡績業の近代化をおくらせておるのではないかと私は思います。  それから、瀧澤先生は、先ほど、仮需から実需志向の生産体制になっていけば、おのずから商品取引所の機能は弱まってくるではないか、こういうお話でしたが、それは私もそのとおりだとは思いますけれども、商品取引所に繊維品の上場を廃止することによって、逆に仮需体制から実需体制へ、促進することになるのではないかというふうに思います。

宮田早苗民社党

○宮田委員 どうもありがとうございました。

山下徳夫自由民主党

○山下(徳)委員長代理 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 各参考人の皆さんには、ありがとうございます。  早速藤原参考人にお尋ねをいたしますが、先ほど、構造改善事業の実施に当たって、産地組合の活用を望む、こういう御意見がございました。かねがね組合の関係の皆さんからは、そういった御意見を伺っておるわけでございますが、具体的に申しますと、どういう活用の仕方があるか、さまざまな御意見や案があろうかと思いますが、もう少し詳しくその点について御意見をお述べいただきたいと思います。

藤原一郎日本綿スフ織物工業組合連合会理事長

○藤原参考人 お答えいたします。  私が組合主導型を申し上げましたのは、構革法で言う組合主導型で、相当数のものが消化された、約六百億円ぐらいなものが消化されたというふうに記憶いたしております。第一回の七年間の構革法によりまして、それだけのものが消化された。第二回目のものは、いまいろいろ論議されておりますように、知識集約型の縦系列ということになりまして、もう一つ組合がタッチし得ない部門が出てきた。そのことか——そのことたけてはございません。もちろん最大の原因は不況で、長い不況でございましたから、その意欲を失っておったということは事実でございますけれども、また一面、組合の主導がなかったということも、そういうような面で進展しなかったのではないか、そのほか内容等におきましてもいろいろな問題がございますけれども、まず組合主導型も一つの大きな要因でなかったか、こういうふうに思っておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 やり方はいろいろあると思いますが、御意見は今後の審議にも十分参考にさせていただきたいと思うのであります。  生活産業局長お見えいただいておりますので、そうした組合主導型といいますか、あるいは産地組合が新しい構革事業の推進に積極的に参画していくような方法、これは法案が成立後、実施段階に入ってからのことでありますが、行政の面にも十分そういった御意見を参考にして進めていただきたいと思うのですけれども、いまの御意見についての局長の見解を伺っておきたいと思います。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○栗原政府委員 産地組合が産地の組合員に対しまして、従来からの経験にかんかみまして、非常に豊富な人材を持っておりますし、いろいろ経験を持っておるということで、大きな影響を持っていると私どもも承知をいたしております。したがいまして、今回の構革に関連いたしまして、これからの構革の制度の普及なり指導等につきまして、たとえば事業協会の登録指導員といったようなものに、当然産地組合の方にも入っていただくとか、そのほか、具体的にまだそれぞれこういう項目でというところまで詰まっておりませんけれども、ひとつ産地の方々ともいろいろ御相談をさせていただきまして、しかるべく産地組合の活用が図られるような方法を、ぜひ考えていきたい、かように考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 瀧澤参考人にお尋ねをしたいと思いますが、三点について御意見を伺いたいと思います。  まず第一点は、今後におけるいわゆる産地組合の役割りに、どういったことを期待されるかということでございます。  俗に、縦の関係と横の関係、こういった言い方もされておりますけれども、スケールメリットの追求から、知識集約の方向へというふうな方針が打ち出されてまいりました。人によりますと、もう横はすることは終わった、これからは縦だ、こういう言い方をする人さえあるように伺っておるのでありますが、しかし現実にこういった協同組合の果たしておる役割りは、大きなものがありますし、また長年の歴史と伝統、そしてまた法律上の根拠も備えておるわけであります。そうした点についての将来の役割りについて御意見を伺いたい、これが一点であります。  第二点は、新しい構造改善事業が過去五年の間に五十数件、十五万余りの事業所の中で事業所数にして数%足らず、非常に十分な成果を上げることができなかったということが言われておるわけであります。財政措置も、せっかく用意しましたのがかなり使い残しになる。つまり、ごく一部の事業所、グループしか乗れなかったということなんですが、今度の新しい改正法案ではそうしたことがないように、法律も変えればやり方も改めていく、こう言われておるのです。しかしながらそれで参加するグループ、事業所数が見通しとして果たしてどれぐらいあるだろうか。これは審議の中でも指摘されたことでありますが、必ずしも事業所割合あるいは労働者割合から見まして、そう十分な数字が期待できないのではないか。予算措置から見ましても、大体計上されております予算を全額使い果たしたとしましても、五年間でグループ数、事業所数で、過去五年とそう大きな違いがない予算しか計上されていないわけです。だとしますと、大部分の事業所あるいはその事業所の労働者が、新しい知識集約化の事業に乗れないという結果も予想されるわけですが、ということは、同時に格差の拡大といいますか、落ちこぼれ問題といいますか、そうしたことが起こってくるわけでありまして、こういう産地間における格差の拡大の防止として、どのようなことが考えられるか。これが第二点であります。  それから第三点としましては、特に多い零細賃機業者、それから繊維労働者、この人たちが構造改善事業にどういうかかわり合いを持つかということでございますが、私も十分意見を伺ったわけではありませんけれども、しかし組合ぐるみで構造改善に参加をしておる産地でさえ、賃機業者の人たちに聞きますと、構造改善事業に余り関心を示さない。賃機業者は賃織りに徹するんだ、こういう意見も間々聞かれるわけでございます。しかし、繊維労働者の方からは、先ほど小口参考人からも、人材育成基金に労働組合代表の参加を求める、こういったような積極的な御提言もありましたが、こうした賃機業者、繊維労働者をこの新しい構造改善事業にどういうふうにかかわらせていくか、この三つの点について御意見を伺いたいと思います。

瀧澤菊太郎名古屋大学経済学部長

○瀧澤参考人 お答えいたします。  まず第一の点でございますが、私は、産地組合というのは、これまで役割りを果たしてまいりましたし、今後もやはり果たす役割りは大きいというふうに考えております。どういう役割りかと申しますと、産地全体としての情報機能であるとか、それから指導機能であるとか、それから産地全体のビジョンを作成していく機能であるとか、それから、場合によりましては、産地ごとに実態が異なりますけれども、共同事業といたしまして、共同施設ということもあると思いますし、それから共同販売、共同購入というような事業もあるかと思います。こういうような機能は、今後垂直的な統合を促進する中におきましても、やはり役割りとして果たしていく必要があると思いますし、十分また果たせるのではないかというふうに思っております。  第二点の、構造改善の中で格差が発生をするのではないかという御指摘でございますが、これは、見通しといたしましては、今度いろいろ手直しをいたしましたので、これまでの五年間のようなことではなく、もっとこの構造改善事業というものは進むというふうに私は期待をしております。ただ、予算を全部使い果たしましても、すべての繊維業者が構造改善を達成するというわけにはいかないということは、御指摘のとおりであります。     〔山下(徳)委員長代理退席、委員長着席〕 その場合、この構造改善事業に乗らないで、自分たちだけで体質を強化していくという業者も、私は少なからずあると思います。しかし、そういうこともできない、構造改善事業にも乗れないという業者が残るのは、やはり残念ながら否定できないのではないかと思います。そういうことに対しては、私は転廃業の円滑化ということを十分に講じておく必要があろうかというふうに思います。と同時に、零細な業者の方に対しても、横のグループ化というものをできるだけ促進をして、そして縦のグループ化につながれるように指導をしていくという、そういう指導も重要であろうかというふうに思います。  これは三番目のお答えにもつながるわけでありますけれども、基本的には、その零細賃機と言われる方々につきましても、現実の厳しい状況というものを十分に認識し、そして自覚し、それからどういうふうに自分の道を切り開いていくかという意欲を持っていただくということが、やはり重要であろうと思うのです。その上で、そういう意欲を持たれた方々の間のグループ化というものを進めて、そしてそれを全体の縦のグループ化につなげられるような努力をしていくということが、今後必要であろうかというふうに考えております。  以上であります。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 ありがとうございました。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。  次回は、来る二十日、火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十七分散会

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