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87回国会衆議院1979/02/21

社会労働委員会医療保険制度に関する小委員会 第2号

発言数
83
登壇者
13
会派数
6
開催日
1979/02/21

会議録

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 これより医療保険制度に関する小委員会を開会いたします。  この際、本委員会の運営方針及び調査項目について御報告申し上げます。  まず、小委員会の運営につきましては、各党から、運営について御協議願うため、御推薦願いました相沢英之君、戸沢政方君、大原亨君、古寺宏君、和田耕作君、浦井洋君及び工藤晃君、以上七名の方々と随時協議して行いたいと存じますが、昨二十日の協議によりまして、一応政府当局あるいは参考人の出席を求めて説明または意見を聴取し質疑を行うような場合は速記を付すこととし、小委員間の自由な討議を行う場合は、速記を付さず、懇談形式をもって行うことといたしたいと存じますが、なおその都度運営委員各位と協議の上、運営してまいりたいと存じます。  次に、小委員会の調査項目についてでありますが、医療保険制度改革の基本的な問題を、それぞれ相関関係がありますが、調査の便宜上、お手元に配付してありますように、  (一) 医療保険制度の体系に関する問題  (二) 給付と負担に関する問題  (三) 医療費に関する問題  (四) 医療供給に関する問題  (五) 健康管理に関する問題以上五項目に分類して、順次取り上げてまいりたいと存じます。  なお、その順序につきましては、追って運営委員と協議することといたします。  以上、御報告申し上げます。     —————————————

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 医療保険制度に関する件について調査を進めます。本日は、欧米各国における医療保険制度の実情について、厚生省当局から説明を聴取することといたします。小林保険局企画課長。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 お手元にお配りしてあります主要国の医療保険制度というペーパーがございますが、この資料は、いままでございます各種の文献資料をもとにいたしまして、最近諸外国に調査に行かれた方々の調査結果も踏まえまして、まとめたものであります。保険局においてまとめたものでございます。  そこで、御説明の方法でございますが、各国別に御説明した方が御理解得やすいと思いますので、恐れ入りますが、縦に御説明さしていただきます。  まず、アメリカでございますが、これはメディケアと呼ばれている制度でございまして、対象は六十五歳以上の老人と障害年金受給者、これを対象としておりまして、全体で国民の約一〇%程度をカバーしているという制度でございます。  経営主体は政府でございまして、保険給付は二つに分かれまして、一つは入院保険というものと、もう一つ補足的医療保険、二つに分かれます。  アメリカの場合、入院保険は、病院への収容の費用、それから検査の費用、薬剤費、こういったものをカバーしておりまして、お医者さんの診療費はそこに対象とされておりません。したがいまして、入院保険は、そういう医者の診療費用を除いた部分についてカバーしているということでございまして、これは現物給付扱いで、支給期間は九十日。この入院保険は強制加入制度となっております。  次の、補足的医療保険ですが、これは先ほど申しましたような、医者の診療費が入院保険でカバーされてないものですから、補足的医療保険の方で医師の診療費はカバーする、こういう制度でございます。これは任意加入となっていまして、原則は償還制をとっております。  この内容は、入院した際の医療から外来、往診等についての費用をもとにいたしまして、まず先に六十ドルを控除いたしまして、その残りの分の八〇%を保険料から給付する、こういう制度でございます。  一枚めくっていただきまして、歯科の給付は、アメリカの場合ございません。  それから、保険料でございますが、入院保険の場合、これは被用者と事業主それぞれ一%ずつでございます。これはアメリカの場合には、御承知のように、保険料という形ではなしに、タックス、社会保障税として取っております。その中から医療保険に回される分が労使とも一%、こういう意味でございます。  それから、補足的医療保険につきましては、これは定額の保険料が取られておりまして、各加入者から月七・七ドル定額で保険料を徴収する、こういうことになっております。  次に、患者の一部負担でございますが、まず、入院保険の場合には、当初の六十日間に百二十四ドル患者が負担しなければならない。六十日を超えまして六十一日目以降につきましては、一日について三十一ドルの自己負担をしなければならない、こういうことになっています。先ほど申しましたように、補足的医療保険の方は、一ページ目に御説明してありましたように、最初六十ドルを差し引きまして残りの八〇%の給付、こういうことでございます。  それから次に、まためくっていただきまして、国庫負担でございますが、補足的医療保険だけについて国庫負担がございまして、加入者が拠出する保険料と同額の拠出金を連邦政府が一般財源から出す、こういうことになっております。  それから、アメリカにおける最近の医療保険をめぐる動きでございますが、一つは、料率の引き上げでございまして、まず入院保険につきましては、事業主あるいは被用者が負担します保険料率、これが年を追いまして引き上げられております。一九七二年には〇・六%でありましたのが、一九七八年には一・〇%になっております。さらに七九年以降八五年ぐらいまで法律で段階的に引き上げるという規定が設けられておりまして、一九八五年には一・三五%にまで引き上げられるということになっております。  次の、補足的医療保険でございますが、これは定額の保険料ですが、これもやはり引き上げられておりまして、一九七三年には五・八ドルでありましたのが、だんだん引き上げられまして、一九七八年には七・七ドルになっているということでございます。  それから、保険料の引き上げと並行いたしまして患者負担も増額されておりまして、入院保険の場合には、一九七六年には当初の六十日間の患者負担額が九十二ドルでありましたのが、七八年には百二十四ドルというふうに増額が図られております。また六十一日目以降につきましても、一日につき、七六年のときは二十三ドルでありましたものが、七八年には三十一ドルというふうに引き上げられております。  以上がアメリカでございます。  恐縮ですが、またもとに戻っていただきまして、次にフランスを申し上げます。  フランスの場合には制度が幾つかございまして、一番大きいのは一般制度と呼ばれるものでございます。これが大体人口の七〇%ぐらいをカバーしている。そのほかに自営業者の制度、それから各種の特別制度にはいろいろございますが、たとえば鉱山労働者等を対象とする制度、そのほかにもございますが、ということで全体で十ぐらいの制度に分かれているようでございます。そういう幾つかの制度によりまして、ほとんど全国民がカバーされております。九九%ということになっておりますが、ほとんど大部分が各制度によってカバーされております。  それから、実施主体は疾病保険金庫、日本で言えば健保組合みたいなものだと思いますが、組合でございます。  保険給付は、フランスの場合特徴的なのは、原則はあくまで償還方式をとっているところにございます。もっともこれは従来から、たとえば公的病院の入院につきましては原則は償還方式といいながら、実際には現物給付方式がとられております。さらに一九六七年の三月から私的病院につきましても現物給付扱いができるということで、疾病金庫と医師団体の全国協約ができたという話を聞いておりますが、その後それがどういうふうに動いているか、まだ手元にはその情報が届いておりません。しかし、フランスの医療保険といいますと、原則は償還方式であるということでございます。  それで、償還率でございますが、通院の場合、つまり外来の場合は協定料金の七五%、つまり患者負担はこの逆の二五%が患者負担になる、こういう意味でございます。  それから、入院費につきましては、協定料金の八〇%。ただ、長期療養等の場合には費用が非常にかさみますし、患者の負担になりますので、こういう場合には一〇〇%償還するということになっております。これは例としては、たとえばがんとか小児麻痺等でございますが、こういうものについては全額償還ということになっておるようでございます。  それから、薬剤につきましては、非常にきめ細かく区分がございまして、普通の薬剤、通常薬剤の場合には償還率は七〇%でございます。それに対していわゆる大衆保健薬と呼ばれるもの、これは償還率をうんと落としまして四〇%しか償還しない。しかし、特定薬剤、これは括弧で書いてありますように、高価でかつ長期に使用するもの、ということでございますが、たとえば大部分は制がん剤であるというふうに聞いております。これは非常に高いし、しかも長い間使わなければいかぬということから、これは一〇〇%、全額償還を、する、こういうことになっております。  なお、検査補装具等につきましては、七〇%の償還でございます。  それから、歯科給付でございますが、一般の治療の場合の償還率は協定料金の七五%、義歯につきましてはレジン床を基準としてその七〇%を償還するということになっております。  次に、保険料でございますが、フランスの場合には料率が掛けられるもとになる報酬に二種類ございまして、一つは上限がついた給与、それからもう一つは、いわゆる総報酬、給与全部と、二つにそれぞれ料率が掛けられております。  そこで、上限つきの給与額につきましては、事業主が一〇・九五%、被保険者が三・〇%、いわゆる総報酬に掛けられる保険料率は、事業主が二・五%、被保険者が一・五%、合計いたしまして、事業主が二二・四五%に対しまして被保険者は四・五%ということで、かなり事業主の方に傾いた保険料率になっております。これはいろいろ説がございますが、フランスは非常に間接税が高いということが一つの理由となって、事業主負担の方に傾斜しているのではないかという説がございます。なお、給与の上限は、年額で四万三千三百二十フランということでございます。  それから、患者負担でございますが、これは先ほど申しましたとおり、さっきの償還される分の逆といいますか、一〇〇%から引いた分、つまり通院の場合ですと二五%、これが患者負担になるということでございます。  それから、国庫負担でございますが、フランスの場合には国庫負担は原則としてございません。ただ、一つありますのは、一九七四年に財政調整法という法律ができまして財政調整を実施しているわけでございますが、経過的な措置ではございますが、財政調整した場合にどうしても、冒頭に申し上げました一般制度から他の制度へ一方的に金が流れるということになります。つまり、もらう方はもらう方、出す方は出すだけ、こういうかっこうになるものですから、出す方の一般制度から非常に不満がつのりまして、ただでさえ財政状況は一般制度も余りよくないということだものですから、そこでいろいろ議論があったようですが、結局一般制度からほかの方へ財政調整資金を流すわけですが、その部分については国が一般制度に財源をカバーする、こういうことになっております。だから、実質的には国庫負担で財政調整をやるというような結果になっているように聞いております。国がその一般制度に財源を補てんする場合の財源としまして、現在アルコール製造税という税金がそれに充てられるということになっておるようでございます。  それから、フランスにおける最近の動きでございますが、いま申したように、一九七四年に社会保障財政調整法という法律が成立いたしました。それで、この赤字組合、黒字組合と書いてございますが、黒字組合が一般制度であります。赤字組合はその他の制度。それで黒字組合、一般制度は赤字組合に対して財源を出すわけですけれども、その分に見合うだけ国庫から補てんされる、その財源はアルコール製造税である、こういうことになるわけでございます。  それから第二に、病院新設規制と簡単に書いてございますが、内容はフランスでは保健地図、保健マップというのをつくりまし工日本で言うと恐らく地域医療計画みたいなものだと思うのですけれども、そういう保健地図をもとにいたしまして知事が病院新設を許可するかしないかを決める、こういう許可制といいますか、それをとっているようでございます。  それから第三に、高額医療器械、たとえばCTスキャナーとかコバルト照射装置等でございますが、これにつきましては、設置する場合には厚生大臣の許可を必要とするということで、規制を強めているということでございます。  以上がフランスです。  また戻っていただきまして、西ドイツへ参りますが、西ドイツは適用対象は所得によって、月収二千七百七十五マルク以下は強制加入、それ以上は強制加入になっておりません。それにしても全国民の九二%ぐらいをカバーしているということになっております。  実施主体は公法人である疾病金庫、まあ組合でございます。これが全国で千四百二十五ございます。  この疾病金庫にはいろいろな種類がございますが、一番数の多いのは企業疾病金庫でございます。疾病金庫の数で申しますと、全部の疾病金庫の中の大体六五%ぐらい、これは企業の疾病金庫でございます。その次に多いのが地区の疾病金庫、これが数で言いますと二一%ぐらいになります。そのほかに同業疾病金庫とかいろいろございます。ただ、企業疾病金庫と地区の疾病金庫が大きな二つなんですけれども、金庫の数は、さっき申しましたように、六五%と二一%なんですが、加入者の数から申しますと一地区の疾病金庫は非常に大きいものが多いものですから、加入者数の比率でまいりますと、企業疾病金庫が大体一二%ぐらいです。地区の疾病金庫が四八%、半分の加入者は地区疾病金庫でカバーしている、こういうかっこうになるようでございます。  それから、保険給付ですが、これは西ドイツの場合は現物給付であります。そして本人家族とも一〇〇%と書いてありますが、患者負担はもちろんございます。これは後で申します。  予防給付がございます。ここに書いてあるように、検診とか予防診断、これがございます。  それから、歯科給付はドイツの場合、抜歯等の治療は一〇〇%カバーしておりますが、義歯については一九七七年から二〇%を患者が負担しなければならないということになっております。それから医療上特に必要と認められる場合であれば、金属床の義歯も給付の対象になります。ただ、患者の希望によって金属床義歯をつくる場合には、材料費の差額は患者が負担するということになっておるようでございます。  それから、保険料は各疾病金庫ごとに決められるわけでありますが、下は八%くらいから上は一三%くらいまでいろいろございます。平均いたしますと現在一一・三%、千分の百十三でございます。ドイツの場合には、労使の負担がはっきり折半負担となっておりまして、厳格な労使折半負担をとっております。  それから、患者の一部負担でございますが、ここにありますように、補装具等を請求する場合にはその費用の二〇%を患者が負担する。それから薬剤につきましては、処方された各医薬品ごとに一マルク。これは実は一九七七年の改正でこうなったわけでございますが、その前は処方せん一枚について最高二・五マルクということになっておりました。これが財政対策で各医薬品ごとに一マルク、つまり三つの薬剤を処方されますと三マルクになるわけでございます。  それから、国庫負担につきましては、ドイツの場合には原則としてございません。ごく微々たるものですが、たとえば学生保険だとかあるいは鉱山保険だとか、傷害者保険だとか、そういう特別の制度につきまして特殊の理由で国庫負担がちょっとありますが、全体の一、二%程度でネグリジブルだと思いますので、原則として国庫負担はないというふうに御理解いただきたいと思います。  それから、西ドイツの場合の最近の動きで特に注目されますのは、一九七七年に施行されました疾病保険経費節減法という法律でございます。  これはかなりドラスチックないろいろな改革を図っておりまして、第一に協調行動会議というのをつくる。これは何かと申しますと、疾病金庫、つまり保険者代表、保険医代表、それから病院経営者の代表、さらに薬品業界の代表、これらが入りまして四十名ぐらいの構成のようでございますが、ここでいろいろな審議をするわけでございます。主なのは診療総報酬額、それから医薬品費の最高限度額、これについて勧告をするという権能が与えられております。これは強制力はないようでございますけれども、診療報酬の大枠を勧告するということで、現に一九七八年にはこの勧告は五・五%といいものを勧告しております。これは、日本の場合と違いまして、いわゆる自然増を含めた全体の医療費総額の伸びが五・五%、こういうことでございます。  それから、診療報酬につきましては、被保険者の平均的賃金上昇率を考慮して決める、こういう規定が入っております。つまり、診療報酬の額を決める場合に、それは被保険者つまり労働者の賃金の伸びも考慮してその総額の伸びを決める、こういうことでございます。  それから第三に、薬剤費の負担につきまして、先ほど申し上げましたように、従来の処方せん一枚について最高二・五マルクという制度を改めまして、各医薬品ごとに一マルクの患者負担をするということになっております。  それから第四に、病院と開業医の機能の調整と簡単に書いてありますが、これは実は内容は、一言で言うと、病院で外来を認める方向を検討すべきではないか、こういうことのようでございます。つまり、ドイツの場合、病院と診療所の機能分化がはっきりしておりまして、本来、病院は入院だけ、こういうことなのですけれども、最近、ドイツもフランスもそうなのですけれども、入院の費用が非常にかさみまして、財政がかなり悪化している一つの大きな原因になっているという問題意識を持っておりますために、病院で外来を認めることによって入院の方を若干抑えるといいますか、そういう機能を予想しでいるといいますか、期待しているようなことを情報として聞いております。  それからあと最後に、看護婦による患者の家庭看護、在宅の看護、これなんかもやろうというのが、この節減法の中身でございます。  それから最後に、スウェーデンでございますが、スウェーデンの場合には、御承知のように、ちょっと特異なスタイルでございまして、いわゆるナショナル・ヘルス・サービス方式と社会保険方式のいわば組み合わせの制度でございます。  適用対象は全居住者でございまして、全国民の一〇〇%をカバーしております。  実施主体は「健康保険……政府 病院サービス……州」こういうふうに書いてありますがこの病院サービスの方はナショナル・ヘルス・サービス的なものでございます。つまり公負担でございます。それに対しまして健康保険でカバーする分といいますのは、外来診療とそれから現金給付でございます。傷病手当金等の現金給付、それと外来診療、これが保険でございます。保険の方は政府がやる、それから公費負担の病院サービスの方は州がやる、こういうシステムになっているようでございます。  それで、いずれも現物給付でございまして、本人、家族とも一〇〇%でありますが、これはもちろん、後で申しますように、患者負担がございます。  歯科給付は、千クローナまでは半額を自己負担する、千クローナを超える部分につきましては患者は二五%負担する。ただし、三千クローナを超えるような高額な場合には州知事の承認を受けなければならない、こういう規定になっております。  それから、保険料でございますが、スウェーデンの場合には、公費負担の方は全額公費で見るわけですが、健康保険部分につきましては国が一五%を見ます。この国の一五%の負担率というのは年々変わっておるようでございますが、一九七七年から七八年ぐらいはずっと一五%で落ちついているということであります。したがいまして、残りの八五%を保険料で賄う、こういうことになるわけですが、それを具体的に申しますと、自営業者と使用者が負担します。これは被保険者は負担いたしません。使用者の拠出金は支払い賃金総額の九・六%、自営業者の保険料は所得の九・六%、こういうものになります。したがいまして、ここで九・六%として出す保険料は、先ほど申しましたように、主として外来診療と現金給付の財源に用いられる。あとの公費負担の医療サービスの方は州と国が持つ、こういうことになるわけでございます。  それから、患者の一部負担でございますが、通院と入院と分かれていまして、通院の場合には、病院の場合に一回について二十クローナ、開業医の場合はちょっと高くて一回について三十クローナを患者負担しなければならない。入院の場合には一日について三十クローナとなっておりますが、これは厳密な意味の一部負担かどうかちょっとあれですが、実はこの入院した場合の三十クローナというのは傷病手当金から減額をされます。差し引かれます。それはそういう意味での事実上の一部負担金ということになります。  それから、薬剤につきまして二十五クローナまで負担いたします。薬の場合には、正確に言いますと最初の十クローナまでは全額患者負担、十クローナを超えます部分は五〇%患者が負担する。ただ、最高限度が決まっていまして、最高は二十五クローナで患者負担は頭打ちということになります。  それから、国庫負担につきましては、健保の場合の経費、これは、先ほど申しましたように、健康保険の分野につきましては一五%国が負担する。医療サービスの方につきましては当然のことながら国と地方公共団体、つまり州でございますが、国と州が医療サービスについては全部を持つということになっております。  それから、スウェーデンの最近の動きでございますが、一つは料率の引き上げでございまして、一九七六年に八・〇%でありましたのが、一九七八年には、先ほど申しましたように、九・六%に料率のアップが図られております。  それから、患者負担も増額されておりまして、通院の場合には、病院の場合に一九七七年には十五クローナでありましたのが、七八年には、先ほど申しましたように、二十クローナに上がっております。開業医の場合にも、同じく七七年に二十五クローナ、これが七八年には三十クローナに増額されております。  それから、薬剤につきましても同様でありまして、最高の負担額が七七年には二十クローナでありましたのが、七八年には二十五クローナと、それぞれ増額されております。  簡単でございますが、大体以上でございます。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 ちょっと速記をとめておいてください。     〔速記中止〕

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 速記を始めてください。  それでは、自民党の方から、これに対して質問等ありましたら、順次手を挙げてください。  戸沢政方君。

戸沢政方自由民主党

○戸沢小委員 二点ばかりお伺いしたいのですが、これを見ますと、各国の医療保険について国庫負担をしているところは、外国においてはきわめて少ない。しておってもごく一部特例的に負担しているところが多いということですが、それに対して日本は非常に被用者保険についても地域保険についても国庫負担の比率が大きい、特に国保なんかについては給付費に対する国庫負担率から言ったら七割くらい負担している。これはどういう考えでしょうか。日本の医療保険に対する考え方、それで見ると、国家保障的な、負担面についてだけ見ると、ナショナルサービス的な面が強いような感じがするのですが、日本の医療保険について、そういう点どういうふうに考えたらいいのか。それが一つ。  もう一つは、西独の疾病保険経費節減法、非常にドラスチックな法律ができたわけですが、何かこれは聞くところによると、強制力もないし、余り実効が上がっておらぬというようなうわさ、話もちょっと聞いたのですが、それについてもし御存じでしたら、数字的なことでなくてもいいですが、聞かしていただきたいと思います。その二つをお願いします。

石野清治厚生省保険局長

○石野政府委員 第一点の問題についてお答え申し上げますけれども、これはどうして日本が高くてほかの国が低いのか、これは私も明確にお答えはできないのですが、ただ、日本の場合でも、四十八年の健保改正までは、御案内のとおり、定額なりあるいはは定率でも非常に低い率であったわけですね。それを保険料負担の引き上げというものと見合いで国庫負担を導入するという形で一六・四%まで上ってきた。これがいいか悪いかという議論はまた別にあるわけですけれども、御案内のとおり、日本の一般財源というものの見合いで考えてみますと、なかなか国庫負担をさらに増額するということはむずかしいことがあると思います。一方、被保険者の負担能力といいますか、国民所得との対比の問題もありますので、西独なりと比較してどうかということになりますと、なかなかむずかしい問題がございますけれども、わが国の国民所得の伸びを考えますと、これ以上国庫負担を大幅に増加しなくても、やはり負担を国民にお願いするという以外にないのじゃないかという感じがいたしております。  ただ、外国と比べて国庫負担が多いか少ないかという議論、これはその制度全体の仕組み、それから税体系の問題とか、いろいろな問題が非常に絡みますものですから、一概に比較できないのじゃないかな、そういう感じがいたしております。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 第二点の御質問でございますが、七七年の施行でございましてまだ余り時間がたっていませんので、詳しい情報は入っておりませんけれども、恐らく、疾病金庫側の人の話を聞きますと、かなり効果がある、こういうふうに言っているようでございます。現に、先ほど申しましたように、総医療費を五・五%というふうに勧告いたしました。これは法的な厳密な意味の拘束力はないようですけれども、現にこの五・五%は医師会がのんでおりまして、五・五でやっておるわけです。したがいまして、効果はかなりあるのじゃないかという方が正しい情報ではないかというふうにいまわれわれ承知しております。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 相沢英之君。

相沢英之自由民主党

○相沢小委員 ちょっと伺いたいのですけれども、保険給付については、ここに各国で給付の程度が違うことは出ているのですが、これはいまでなくていいのですけれども、金額にして被保険者一人頭どの程度の保険給付になっているのか、一遍出していただきたいのです。  というのは、よく日本の場合には薬づけとか、最近は検査づけとか、いろいろなことが言われるでしょう。実際にそういう保険給付の程度が具体的なものでわかればいいのですけれども、われわれわかりにくいので、一応金額で見てどの程度の給付になっているのか。それは非常に一人頭の給付の金額が高ければ、また本人に負担をさせるといっても、その度合いがおのずから違ってくるという面もあろうかと思うのですよ。だから、給付についての水準、まあ一つの物差しとして金額でどのくらいになっているか、これも出ますか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 ただいまの金額の比較ですが、ちょっといま手元にございませんので、次回くらいまでに資料として……。

相沢英之自由民主党

○相沢小委員 資料として出してください。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 絶対額でよろしゅうございますね。

相沢英之自由民主党

○相沢小委員 できたら、外来と入院というぐらいに分かれるかな。実際に全体としてどのくらいというのと、それからできれば一回のというのか、単位のとり方が問題だけれども、どの程度の給付になっているのか。たとえば入院なら一日幾らでもいいですよ。そういう単位でもいい。何かそういう比較し得るものがないかどうかですね。お願いします。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 それは後で資料で出してください。  大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原(亨)小委員 いまの相沢委員の話ですが、一人当たりの一年間の医療費、それから一件当たりの医療費、いまのはそういう点の比較で、円の単位に換算して……ひとつよくわかるようにね。  それから、二つほど制度上の問題について。  ボーナスの制度というのは外国にはほとんどないんだ。つまり、これは年金との関係もあるが、それは別にして、総報酬で保険料の計算をしているのか、月給から出しているのか。  それから、いつも一番問題ですが、日本では点数出来高払いだけれども、アメリカはちょっとなんだが、西ドイツ等を中心にして、点数出来高払いに相当する診療報酬の支払いのやり方についてですね。  たくさんあるが、その二つ、比較を……。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 第一点は、フランスの場合はちょっと違いますけれども、基礎は総報酬でございます。ボーナスはございませんから余り差はないのでございますけれども、総報酬です。ただ、フランスの場合には、その総報酬の中で、総報酬の分と頭打ちをつけている分と二種類あるということがちょっと特異ですが、そのほかは総報酬でございます。  第二点は出来高払いでございますが、フランスは完全に出来高払いでございます。これは償還制というせいもございますが、出来高払い制でございます。  それから、西ドイツは、さっき申しましたように、総報酬で決めてしまいますから、あとそれを医師会の中で区分けする場合に、各医者に配る場合に、出来高払いの要素を含めてやっているようでございますが、それは医師会内部の配分の話になりますから、日本で言う出来高払いとはちょっとニュアンスが異なっています。

大原亨日本社会党

○大原(亨)小委員 西ドイツの場合は、病院と、言うなれば開業医、これの分配は医師会という単一団体がやるのですか。その相手は疾病金庫か。金庫が三つぐらいあるでしょう、企業と同業と地域と。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 制度はもっとたくさんございます。さっき代表例を申したのですが、幾つかございます。  それから、病院と開業医は診療報酬の支払いが違っております。さっき申しましたのは開業医の場合を申し上げたのですが、これは金庫と保険医団体が契約を結びまして総額を決めてしまうわけでございますね。それをぽっと渡して、それの配分は医師会というか医師団体、保険医団体の中で配分をする。出来高払いの要素も加味されているだろうと思いますけれども、いろいろな方式があるようでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)小委員 それで、総枠を決めるのは、賃金の上昇率を勘案してやるということですか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 はい。

大原亨日本社会党

○大原(亨)小委員 大体わかりました。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 村山富市君。

村山富市日本社会党

○村山(富)小委員 細かな質問で恐縮ですけれども、スウェーデンの場合に、自己負担の分が病院と開業医では違いますね。これはどういう理由で違うのだろうかということが一つの問題と、それから、先ほど一人当たりの医療費の問題がありましたけれども、総医療費の中における薬剤費の比率というのはどうなっているのか、一人当たりの薬剤費はどの程度か。円に換算してですね。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 最初の、患者負担が病院と開業医で変わっているということでございますが、推測がちょっとまじりますけれども、スウェーデンの場合には病院はほとんど公立でございます。それの差が出てくるのだろうというふうに思います。  それから、薬剤費の比率でございますが、ちょっとこれは、ここに掲げてある国全部手元にございませんが、アメリカ、フランス、イギリス、西ドイツというのが手元にございます。いずれも、時点がばらばらでございますが、たとえば一九七四年をとりますと、アメリカが一二・二%、それからフランスが二四・一%、それからイギリスが一一・九%、西ドイツが一九・四%。  ただ、ここでは日本の場合のいわゆる薬剤比率とこれはもう基礎的に全然違う面がありますのでちょっとお断りいたしますが、一つは、欧米諸国の薬剤費には入院の場合の薬代が入っておりません。それが一つでございます。それから、その分母の方も、欧米諸国の場合には医療費の範囲が日本の国民医療費の範囲と一致しません。向こうの方が広いといいますか、たとえば病院建設費とか設備投資、こういうものが分母に入ってしまうわけです。あと予防の費用ですね。分母が大きくなって分子の方が小さくなっている、こういうことでございますので、日本と一律に比較はできないということがございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)小委員 保険で両方見ておるのはどこですか。フランスですか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 西ドイツです。

村山富市日本社会党

○村山(富)小委員 あとの国はありませんね、両方保険で見ているのは。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 ちょっと、予防給付の有無を全部当たっておりませんので、ほかはないというようにいまここで申し上げかねますので、調べてきます。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 川本敏美君。

川本敏美日本社会党

○川本小委員 いまの御説明の中で、これらの国においては、いわゆる六十五歳以上とかあるいは六十歳以上とかというような区分をして、老人の保険というものといわゆるその他の被用者の保険というものとは全然区分してないわけですか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 アメリカは確かに一種の老人保険でございますね。老人保険に近いものでございます。これはちょっと特殊ですが、そのほか、たとえば西ドイツなんかは年金受給者なんかも全部金庫の保険でやっております。だから、分けておりません。

川本敏美日本社会党

○川本小委員 地域の保険に入っているのか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 全部の保険です。

川本敏美日本社会党

○川本小委員 同業保険とか地域の保険とかまじっておるのですか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 それぞれにまじっておるわけです。  それから、財源は、その年金受給者の場合は年金の方から一部保険の方へ入れております。保険料に見合う分として、受給者の分につきましては年金の方から医療費の方へ入れておるというようなことになっております。

川本敏美日本社会党

○川本小委員 もう一つお聞きしたいのは、フランスが黒字組合から赤字組合へ補てんをする、その場合に、いわゆるアルコール製造税でその分を補てんしておる。この総額はどのくらいになっておるか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 フランスの財政調政は、先ほど御説明しました一九七六年からのものについてそういうことになっているのですが、その前から実は一部についてやっていまして、その分の費用は出ているのですが、その一九七六年に決められた新しい制度、これはまだ実績が手元に届いておりません。どのくらいになるかちょっとわかりません。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 平石磨作太郎君。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石小委員 御説明いただいたのですが、要するに、あるのかどうかわかりませんが、保険外負担といったようなものが現実にあるのでしなうか、どうなんでしょうか。保険外負担というものがよそにはあるのでしょうか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 この資料に例もありまして、たとえば西ドイツの義歯なんか、これはまさに保険外負担でございます。それからあとイギリスもそうですし、スウェーデンもそうなんですが、民間病院に行った場合、この場合には保険で診てもらう分以外は保険外負担、いわゆる私費患者、これはあるようです。

大原亨日本社会党

○大原(亨)小委員 自己負担になるのですか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 それは保険で見てもらえない分があるわけです。

大原亨日本社会党

○大原(亨)小委員 それは自己負担ですか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 はい。あるいは保険外負担だという場合だと、一緒かどうかというと、ちょっと疑問がございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石小委員 それの対象にたしかなっているということですね、一部負担。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 そういう部分がある。

村山富市日本社会党

○村山(富)小委員 たとえば日本の場合、例が違うから答弁しにくいと思うのだけれども、歯科の場合、差額徴収があるとか、それから一般の医療だって自由診療とかありますね。そういうものがあるのかどうかということです。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 たとえば典型的な例で日本で言います差額ベッドですね、あれなんかは西ドイツでもイギリスでもございます。たとえば一人部屋に入りたいというような場合には、その分、差額ベッド料というのはあります。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 一通り各党終わってからまたやりますから……。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石小委員 医療費のチェック機能ですね、これも総額では西ドイツにそういった勧告制度がありますが、出来高払いという場合に、日本で言えば支払基金で一応審査をしておる。そういう機能は各国ともどういう形になっておりますか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 たとえばドイツの場合は、先ほど申しましたように、医師会内部で、それから保険医団体内部でやりますが、そのときには審査委員会というものがございまして、かなり厳重なチェックをしておるようでございます。たとえば、平均を出して多いものはそういう査定をするとか、そういうこともやっておるようでございます。それから、あとの国だと、フランスは全国協定料金になっておりまして、疾病金庫の全国組織とそれから保険医団体の全国組織と協定料金を結んでいまして、それでやっております。あれは償還制ですからちょっと日本と違いますけれども、審査の中身はちょっと私どももわかりません。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石小委員 これは本当かどうかわかりませんが、アメリカの制度の中で医師とそれから審査する医師とが病院へ訪問をして、カルテを中心にして、もう退院をしたらいいじゃないかといったような、カルテを中心に話し合ってチェック機能をしておるとかいうことを聞いたのですが、そんなことがありますか、書類審査だけでなしに。

吉村仁厚生大臣官房審議官

○吉村政府委員 アメリカの場合は、公的な医療保険でカバーされているのは一〇%ぐらい、あとはいわゆる民間保険でカバーをしておるわけですね。したがって、その民間保険も含めると、保険全体のカバーというのは約九〇%ぐらいというように私は聞いております。そして、その民間の医療保険で、ちょうど生命保険の給付をするときに生命保険の委託医師さんが行っていろいろの方々を調べますねそういうような形で、民間の保険会社に属するお医者さんがその病院へ行っていろいろ調べて自分の保険会社から払う金を査定する、そういうことは聞いております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石小委員 私もそうです。  それからもう一つ、この資料ですね。いまだんだん各党から要求がございましたが、非常に大まかでわかりにくいんで、これのもっと詳しい資料があれば、次に出していただければ非常に参考になると思います。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 いまの資料はありますか。

吉村仁厚生大臣官房審議官

○吉村政府委員 ポイントのこういうところを詳しくとおっしゃっていただける方がありがたいのです。たとえば、先ほどおっしゃいましたような審査はどうなっておるかとか、そんな点を詳しくとおっしゃれば、その点をいろいろの角度から調べてみたいと思いますが、全体的に詳しくというと、何か外国に関する本とかというものをお渡ししなければならないことになっちゃうのですが。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石小委員 審査機能とそれから保険外負担、こういったものが各国にあれば、それらについて詳しく提出をいただきたい、こういうことです。以上です。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 和田さん。

和田耕作民社党

○和田(耕)小委員 いまの問題で、たとえば日本に医療制度の研究家がおるでしょう。その人が出した本がある。こういう本を参考として出してもらえるといいと思うのですね、いまの問題は。  それで、各国の制度はみんなずいぶん違うのだけれども、西ドイツと日本の制度は比較的似ていますね。日本の制度は西ドイツを一応念頭に入れてつくった制度ですか。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 健康保険法をつくりますときは、西ドイツを手本にしたと聞いております。ただ、その後ずいぶん情勢が変わっておりますから、改正がございますから、ぴったり合いませんが、もともとは西ドイツをまねしたというふうに聞いております。

和田耕作民社党

○和田(耕)小委員 この薬剤一つに対して一マルクずつ取るという制度、これも薬剤費の一部負担ですが、こういう制度を西ドイツはやっているわけですね。これは文字どおり一部負担だけれども、日本の今度の場合は半額、五〇%取ろうというわけですが、これはどこから出たアイデアですか。

吉村仁厚生大臣官房審議官

○吉村政府委員 ドイツやらフランスのをいろいろ加味をいたしまして、二分の一ぐらいが一番よかろうということにしたわけであります。ちょうど今度の案でも、重要医薬品、たとえばフランス等におきまして制がん剤あたりは一〇〇%償還をする、そういうことになっておりますが、私の方もそれをまねたわけではございませんが、そういう厚生大臣が指定する重要な医薬品については、二分の一でなしに一〇〇%給付をする、こういうところはフランスでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)小委員 それからもう一つ、フランスの償還制度というのを、このごろ日本でもこういう制度をやったらいいなんということを言う人があちこちおるけれども、この償還制度というものができるまでの経過がわかっていたら、知らせてほしいのです。初めからこういう制度だったのか。

吉村仁厚生大臣官房審議官

○吉村政府委員 フランスは非常に自由を高く評価するお国柄のようでございまして、現物給付ということになると、どうしてもお医者さんを何らかの形で規制をする。料金も規制をするし、ある場合には診療行為そのものにも何か規制を加えなければならぬとか、そういうようないろいろな自由を規制するような仕掛けというものはどうしても必要になってくる、付随してくる。そこを非常にいやがって現物給付というのは医師会が受けなかった、初めから自由診療を基礎にして償還制にしたというように聞いております。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 浦井洋君。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井小委員 給付やら負担の内容を、他の社会保障制度、年金であるとかあるいは社会福祉、生活扶助というようなものとも総合でとらえないと、一律にどっちがどうだというようなことは、これだけでは判定しがたいというふうに思うわけです。  そこで、フランスと西ドイツが社会保険制度をとりておるんで、その二つの国についてちょっと質問したいのですが、いまもずっと出ておりますように、資料として出していただく部分が多いかとも思うのです。一まず、フランスについてですが、傷病手当金制度がこの表に全部抜けておるわけです。これはドイツもそうですけれども、傷病手当金制度が一体どういうふうになっておるのか。これは社会保険の制度のうちだろうと思うので、これを知らしてほしいということです。  それから、フランスについて言うならば、通院、外来の方は償還制であり、入院の方は、先ほど言われたように、実質現物給付ですかね。その中で給付率なり償還率が一〇〇%のものがかなりある、医療行為なり薬なりというかっこうで。だから、その給付率なり償還率一〇〇%というのは一体どういうものかというような、少し細かい資料を出していただきたい。それで、金額の上でも、一〇〇%のものが占める比率は一体トータルでどれくらいになるかということを、ちょっと計算して資料として出していただきたいと思うのであります。  それから、先ほども出ていましたけれども、フランスの場合に、予防給付であるとかリハビリ給付があるのかないのか、あればどういう内容なのか、それでそのやってみた実績は一体どうなのか。たとえば病気が減ったとかいうような具体的なデータ、それを出していただきたい。  それから、この表の中に、薬剤のところで、通常薬剤、大衆保健薬、特定薬剤というふうに分けてある。これは具体的に、どういうふうに分けておるのかようわからぬので、分ける基準なりあるいは具体的な薬品名なんかを少し典型例を出していただきたい。  それから、薬価の決め方ですが、外来の場合には医薬分業になっているだろうと思うのですが、薬価の決め方が一体どういうふうに決められていっておるのか。これがちょっと調べてみても、いまのところ私らではわからぬわけです。だから、日本のように薬価基準があるのかどうか、あるいはメーカーの言いなりの値段がついておるのかどうかというようなこと、その辺ですね。  それから、先ほどの報告の中でヘルスマップですか、保健地図、これで医療供給体制の整備をやったり、あるいはCTスキャンであるとか、そういうものの何か適正配置委員会みたいなものでもあるのだろうと思うのですが、その辺の仕組みですね、保健マップを中心にして医療供給体制の側でどういうようなことが行われておるのかということ。  それから、ついでに、先ほどからちょっと出ていましたけれども、どうも診療概況というのが別にあるらしいですね、プロフィールとかいう。フランスを二十何ぼの区域に分けまして、そこでの平均的な診療の姿というんですかね、そういうものがあるらしいのですが、そういうものに関しての資料なりデータなりがあれば出していただきたい。プロフィールというような訳になっております。以上がフランスです。  次に、西ドイツの方は、先ほど申し上げたように、傷病手当金制度というのが非常に発達していて、休んだ途端に雇用主の全額負担で、賃金継続支払い法というのがあって、六週間一〇〇%出る。その後から傷病手当金を適用する、こういうふうになっておるはずなんです。だから、保険財政の中で傷病手当金の占める率が非常に低くなっておる。だから、その辺のデータ的な解説みたいなもの、それが第一点。  それから、予防、リハビリ給付。これははっきりとリハビリは別の法律が西ドイツではあるわけですし、それから予防も入っおるということで、そういう点ひとつ知らしていただきたい。  それから、フランスと同じく、薬価の決め方、これも外来は医薬分業になっておるだろうと思うのです。  それからその次の問題は、例の節減法、これは、先ほど節減法が実施されて医療費節約という点でかなり効果があったということですが、私の聞いたところでは、この法律ができるもっと前に、医師会なんかの自粛といいますか自律行為があって、かなり下がってきた。そして節減法ができるということになったのは、先ほど小林さんが言われたように、年金受給者の医療費の問題で非常に矛盾が出てきたので、医療費そのものを節減するというよりも、その辺の矛盾を解決するために節減法が制定されたというふうに聞いておるので、その辺の詳しい話をお聞かせ願いたい。そういう経過に立った上で、果たして節減法というのがいま西ドイツでどういうメリットがあったのか、どういうデメリットがあったのか、どういう評価がされておるのかという、その辺を聞きたい。それも被保険者であるとかあるいは医療従事者なんかがどんなことを言っているのかとか、何かそういう団体の代表がコメントしているようなものがあればいただきたい。  それから最後ですが、これはいまちょっと報告があったのでありますが、節減法の中の四番と五番の病院と診療所の調整の問題とか、訪問看護の問題なんか、少し制度的に具体的に、どのようにしているのか、そしてその実績はどうなのかという辺をお話しいただいてもいいし、少し体系づけた制度と実績とを資料として出していただきたいわけです。  以上です。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 いま直ちにお答えできるものだけ拾ってお答えいたします。  まず、傷病手当金でございますが、フランスの場合は支給額が収入の五〇%でありまして、支給期間は十二カ月、ただ一定の要件を満たしている場合、あるいは長期疾病の場合には三年間でございます。待期期間は日本と同じように三日間でございます。  それから、西ドイツの場合の傷病手当金は、先生おっしゃるとおりでありまして、傷病手当金そのものは七週目以降に出される、前の六週間は先生御指摘の賃金継続支給法というのがございまして、それで事業主が一〇〇%賃金の支払いをする、その後追っかけて傷病手当金が出る、こういうかっこうでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井小委員 その点について、たとえば子供が病気になった場合に、おやじさんが休んでも傷病手当金が出るというようなことを聞いているのですよ。本で見たのです。そういう点までひとつ細かいものを出してください。

吉村仁厚生大臣官房審議官

○吉村政府委員 いまおっしゃったのは、ドイツ、フランスでございますか。(浦井小委員「西ドイツです」と呼ぶ)スウェーデンでは奥さんが子供を産みますね。ところが、だんなさんの方が子守りをするために休む。そうすると、出産手当金がだんなの方にも出る、こういうように聞きました。だから、奥さんの方がお休みになろうと、だんなの方がお休みになろうと、どちらでも出るというふうに聞きましたが、傷病手当金については私はちょっと聞いておりませんので、調べてお答えいたします。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井小委員 その辺、おたくにとって都合のよいデータばかり出さずに、全部詳しく調べて資料として出してほしい。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 もう一つお答えできますのは、先ほどの薬剤関係の種類でございますけれども、四〇%償還のいわゆる大衆薬ですね、これは乱用されるおそれのある医薬品ということでして、例としましては、対機能衰退剤、多種ビタミン剤、ビタミンC剤、精神高進剤、肝臓機能調整剤、胆汁分泌促進剤、それから浄化剤、対貧血剤、こういうようなものが四〇%償還です。それから一〇〇%償還の方ですが、これは代替性がなくて特に高価なものということで、約百品目あるようですが、制がん剤が一番多いのですけれども、あと代用血漿とかグロブリン免疫剤とか、こういうものが指定されております。さっきの四〇%償還は七百二十九品目、それから一〇〇%償還が約百品目。リストはございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井小委員 リストは出してください、日本語で。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 いまの、主要な品目だけでよろしゅうございますか。ずらっとリストが並んでまして……。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井小委員 それはわかりますけれどもね。そのリストも一冊いただいてもいいし、代表的なものをピックアップして日本語に直してみてください。

小林功典厚生省保険局企画課長

○小林説明員 薬品名ですから、日本語といってもかたかなに直すだけになってしまいまして、翻訳ということじゃありません。品名でございますので、日本語でといっても、ちょっとむずかしゅうございますけれども。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 工藤晃君。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)小委員(新自) ただいまいろいろ御説明いただいた資料ですけれども、日本の健康保険制度と比較するということは、この資料からでは私は困難だと思うのですね。ただ、社会的な背景も違えば他の社会保障的な制度もすべて違うでしょうし、それからそういう福祉社会のあり方も違うでしょうから、その中に置かれている医療制度だけを比較するということは、現在この資料ではむずかしいと思いますし、また幾ら詳しく説明いただいたとしても、比較にはできない、参考にはなっても比較にはならない、こういう感じを受けているわけです。この制度、どの国も、ああこれはいい制度であるというふうに感心できるようなものじゃないというふうにも、この比較の中から見れば思えるわけで、各国ともどもこの制度のために抱えているまた問題点というものが、異なっても、いろいろあるのじゃないかと思うのですね。日本の健康保険制度の中にもそういう矛盾点とか高齢化社会という、社会の態様が非常に急に変わってきたということ、あるいはまた国民の健康に対する概念とかあるいは社会保障という概念、こういうものを含めてずいぶん変わってきているので、制度そのものがそれに対応し切れない、そういうところに矛盾点かいっぱい出てきているのだろうと思うし、この各国の制度を見ても、やはりそういう矛盾点がいっぱい吹き出しているのじゃないかという感じがするんです。ですから、私の場合には、二十一世紀にかけて日本の健康保険制度をもう一辺洗い直してつくり直すためにはどのようにすればいいかということの参考として、そういう長所、欠点をもう少し詳しく各国ごとに、この制度の上から起きてきている問題点はどういうところにあるのかということを、資料として御提出願えればありがたいと思うのですね。それが一点です。  それから、いま日本で負担の公平とか給付の平等とかという問題でいろいろ問題になっているところがあるんですが、各国ともにそういう問題を抱えておると思うのですね、各論的に言えば。そこら辺のところはどういうふうにこれに対応しようとしておるのか、どういうふうに解決をしてきたかあるいはまたどういうふうに今後解決をしなければならぬという問題を抱えているかということについて、資料があればひとつお知らせを願いたいと思います。これが二番目。  それから三番目には、高齢化社会に対応する老人医療の問題について、日本の場合にはいまから急激に成熟していくでしょうが、ヨーロッパの場合には非常に長い年月がかかっていま現在になっているんでしょうが、この老人医療の問題についてはどのような対応策をいままでとってきたのか、そういうことについて、各国ごとに、もし対策の要綱というか方針みたいなものがあれば参考にさせていただきたい、こう思います。  それからもう一つは、総医療費の国民所得に対比した比較がありましたら、日本を含めて最近の資料をお出し願いたい。  それからもう一点は、今後の健康という問題は、経費の問題と深く大きく絡まってくると思うのですね。特に日本の場合には成人病その他、医療費が非常にかさんでくるであろうと言われている。その問題点に対して、そういうものを予防的に、たとえばそれが発生を非常に抑止するというふうな対策を講じるとすれば、それを制度の中にどのように取り入れていけばいいのかということについて日本はどう考え、あるいはまた諸外国においては健康づくりというか、テーマになっておりますけれども、こういう問題について、社会保障の中にどうこれを取り込んでいったのかということ、あるいは将来どうするという資料がありましたら、お知らせ願いたい。  そういうことを資料として御提出願いながら最後にお願いしたいのは、ここに提出されております資料(一)、(二)、(三)、(四)、(五)、あるいは二枚目の十四項目、こういうものに対して、いま申し上げたような点から、その一つ一つについて、各国はこの問題をどのように解決しようとしているのかあるいは解決しているのか、そういうことがありましたら、ひとつぜひ整理してください。

石野清治厚生省保険局長

○石野政府委員 ただいま広範な資料要求がありましたし、また非常にお答えにくい中身の資料でございますので、いまのお話の全部はおつくりするわけにはいかぬと思います。ただ、私の方からあらかじめお断り申し上げますけれども、この医療保険制度をお出ししたのは、何もこれを比較して日本をこうしろという話ではなくて、先進諸外国ではどうなっているのだろうかということを客観的にお示しするための数字でございますので、これは全く他意はございません。したがって、これでは足らないものにつきましては、補足させていただきます。  それから、国民所得に対します医療費の問題、これはすぐ出せるわけですけれども、そのほかの、各国の長所、短所とかいう問題につきましては、それぞれ沿革等もございますし、他制度との絡みもございますので、これを出せとおっしゃっても、はっきり申し上げて、私どもは出す意思はございません。  それからあと、十四項目についてそれぞれ各国はどういうふうな対応の仕方をしているのかということ、これまた全部分解してやっていかなければならぬわけですけれども、出せとおっしゃっても、私どもいまちょっと能力がないということでございます。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)小委員(新自) 石野さんのお話なんだけれども、出す意思がないと聞こえたのだけれども、意思がないのですか、それとも資料がないのですか。

石野清治厚生省保険局長

○石野政府委員 資料があるものにつきましては全部お出しします。それから、分析したりするものについては、能力のある限りは分析しますけれども、その能力にも限界がございますので、そこはひとつ御勘弁願いたい、こういうことでございます。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)小委員(新自) 私は、せっかくこうやって比較されたのだから、日本の制度を既成概念の上に立って物を考えるのじゃなくて、一度ばらばらにして考えてみて、新しいものを構築した方が結局高齢化社会に対応しやすいのじゃないか、またその方が早いのじゃないかという考え方も一方で持ちながら、現実にどう対応するかということを比較したい、こう思ったのです。ですから、せっかく出していただいた資料ですから、国々によってこういう問題を抱えながら、やはり国民の側からすれば不満もあろうし、またこういうふうにもしてもらいたいという要求もあるでしょうし、この制度の上に乗ってやる以上やはり診療担当者側にもいろいろ不満もあれば、あるいはこれがいいという長所、欠点もおありになるでしょうから、そういうものはわれわれが資料として持ちたくても持てないものですから、皆さんにお願いをして、もしわかっている部分があればそれだけでも結構だから、やはり他山の石をもって自分の何というか反省の材料にしていったらいいのじゃないかという気がしたものですからいま申し上げたわけで、決して私の方にも他意があって申し上げているわけじゃないのです。そういうことです。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田小委員長 それでは、あと御自由に聞かれること、ありますか。  それでは、本日はこの程度にいたして、次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十九分散会

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