社会労働委員会 第12号
- 発言数
- 224 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/04/24
会議録
○森下委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、港湾労働法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は、去る十日終了いたしております。 これより本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 港湾労働法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○森下委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) —————————————
○森下委員長 この際、向山一人君、森井忠良君、古寺宏君、米沢隆君、浦井洋君及び工藤晃君から、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者からその趣旨の説明を聴取いたします。向山一人君。
○向山委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 港湾労働法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。 一 常用港湾労働者の雇用の安定に関する施策を含む港湾労働対策の抜本的な改善について、引き続き検討を行うこと。 一 登録日雇港湾労働者について、月十四日以上の就労が確保される体制が確立されるよう、就労保障協定の締結などにつき関係事業主に対し適切な指導を行うこと。 一 港湾労働者の資質の向上を図るため、港湾関係者の十分な話し合いの下に、登録日雇港湾労働者について、円滑な新陳代謝が行われるよう努めること。 一 効果的な立入検査を実施すること等により、港湾における適正な雇用秩序を確保し、登録日雇港湾労働者の優先雇用体制の確立に努めること。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○森下委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○森下委員長 起立総員。よって、本案については、向山一人君外五名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。栗原労働大臣。
○栗原国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、努力してまいる所存でございます。 —————————————
○森下委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森下委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○森下委員長 次に、内閣提出、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山富市君。
○村山(富)委員 御案内のように、この国会は雇用国会と言われるように雇用問題を中心に議論されてまいりました。これはやはり依然として雇用・失業情勢が厳しいということを反映してなされたと思うのです。 そこで、いろいろ議論もされてまいりましたけれども、総体的に整理をして私はお尋ねしてみたいと思うのですが、日本経済を取り巻いておる最近の国際情勢は、石油問題等も含めてなお先行き不安な要因がたくさんある。しかし、全体として……(私語する者あり)
○森下委員長 御静粛に願います。
○村山(富)委員 やや景気は上向きの傾向にあるというふうにも言われております。しかし、その影響が労働市場にどのような形で及んでおるかということになりますと、依然として厳しいものがある。それだけに雇用対策も非常にむずかしい時期に差しかかっていると思うのですけれども、まず現在の雇用・失業情勢をどういうふうに認識されておるか、今後の見通しはどうなのか、そうした情勢の動きに対応して政府の基本的な雇用対策の考えは一体どういうものになっておるのか、そこらの点について冒頭に聞きたいと思うのです。
○細野政府委員 雇用・失業情勢及びその見通しについてのお尋ねでございますが、いま先生からも御指摘ございましたように、わが国の経済は、いろいろ不安要因を抱えながらも、景気対策の効果もございまして、内需の拡大を中心に着実な拡大基調にあるわけでございます。一方、雇用・失業情勢はいま御指摘のようになお厳しい状況にあるわけでございますが、このところ若干改善の動きも続いて見られるわけでございます。 具体的に申しますと、求人の動きを見ますと、最近製造業とか運輸・通信業に増加傾向が目立つわけであります。一方、有効求職者の方は、これまで増加傾向にあったわけでございますが、最近ようやく横ばいに転じているわけでございます。そういうことから、五十四年二月の有効求人倍率が〇・六五倍ということで、緩やかながら上昇傾向にあるわけでございます。なお、完全失業者は五十四年二月現在で百二十一万人、完全失業率は季節修正をいたしますと一・八八%でございまして、そういう意味では減少傾向にあるわけでございますが、しかし依然として水準自体は高水準の状況でございます。 こういうふうに、雇用・失業情勢全体が求人が増加するなどの先行きについての明るい兆しも見られるのでございますけれども、経済情勢の先行きとも絡みまして、あるいは一部の構造不況業種では依然として離職者の発生も予想されるというふうなことを総合しますと、やはりいましばらく楽観を許さない状況が続くというふうに判断をしているわけでございます。
○村山(富)委員 そこで、具体的にちょっとお尋ねしたいと思うのですが、ここ二、三年の推移を見てみますと、経済不況の続く中で、業種間あるいは地域間等の格差が大分拡大しておる。そういう格差の拡大に対応して、特定不況業種の問題やあるいは特定不況地域に対する対策等々を講じてきたわけでありますね。昨年一月から特定不況業種の離職者対策、また十一月からは特定の不況地域に対する離職者対策というものを講じてきているわけですけれども、こうした特別措置が具体的にどのような効果を上げているかどうか。 それから、この法案が施行されてから一年ぐらいたっているわけですけれども、離職者の発生の状況、今後の見通しあるいはまた、今度この離職者法案を期限を昭和五十八年の六月三十日まで延長するという提案になっているわけですけれども、五十八年の六月三十日まで延長しなければならない理由は一体何なのか等々についてお尋ねしたいと思うのです。
○細野政府委員 三点ほどお尋ねがございましたが、まず最初の特定不況業種対策、それから特定不況地域対策の効果あるいは離職者の発生状況、今後の見通し等についてお答えを申し上げます。 特定不況業種からの離職者につきましては、特定不況業種離職者臨時措置法によりまして手帳を発給しまして、就職指導、職業訓練の機動的な実施、雇用保険の延長給付、その他の各種手当等の支給等をやっているわけでございますが、この結果、本年二月末までに五万六千五百七十七人に求職手帳の発給をしているわけでございます。したがいまして、特定不況業種からのいわゆる合理化離職者の数というのは五万六千五百七十七人ということになるわけでございます。そのうちで、すでに二万一千四百四十九人が再就職しているわけでございまして、四割近くの方が再就職をしているという状況でございます。 それから特定不況地域からの離職者でございますが、これにつきましても、臨時措置法によりまして雇用安定事業を全面適用する、あるいは雇用保険の延長給付、公共事業への就労促進等、各種の施策を講じているわけでございますが、本法が施行されました昨年十一月にその指定された地域全体で〇・三一倍という有効求人倍率でございましたが、これが本年の二月には〇・三三倍ということで、一部北海道、東北関係を中心に情勢が悪化しているところがあるわけでございますが、そういうところを含めましても、総体的には若干改善の傾向が見られるというふうな状況でございまして、今後とも、両法の施行に当たりまして実情に即して弾力的に運用して効果を上げてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。 なお今後の離職者の見通しでございますけれども、景気の回復や構造不況業種対策の効果もございまして、業況が持ち直す方向に向かっている業種もある程度出てきているわけでございますが、なお造船業等構造的要因によりまして需給ギャップの大きい一部の業種におきましては、離職者の発生も予想されるという状況でございまして、先ほど御指摘のように、業種によりましてかなりアンバランスが出てきているというふうな状況でございます。 それから、延長法の期限をなぜ五十八年六月三十日にするかという点でございますが、これは両法ともいわば構造的な原因あるいは国際的な影響等に基づきます原因から発生する離職者対策の法律でございまして、そういう意味で、同じように、構造不況業種等に対する産業立法あるいは不況地域立法でございます特定不況産業安定臨時法あるいは特定不況地域離職者臨時措置法、これらのものと有機的、統一的に運用されなければならない面があるわけでございます。したがいまして、いま申し上げました二つの法律の有効期限とあわせまして、昭和五十八年六月三十日というふうに両法の期限を延長していただきたい、こういう考え方に立っているわけでございます。
○村山(富)委員 この法律は、一昨年十一月に議員立法の形でつくられた法律でありますが、その法律を採決する際に全会一致で特別決議がつけられております。その特別決議の中で「特定不況業種の指定に当たっては、法の趣旨を生かし、経済の実情に即応して弾力的に行うこと。」こういう特別決議が付されたわけですね。この法案の審議をする際にどういう業種を指定するかということが大変関心を持たれたところなんですけれども、その後の状況を私が聞くところによりますと、実際には製造業がほとんどでございまして、運輸業あるいは卸・小売業といったものに対する指定は大変しにくくなってきておる、こういう声も聞くのでありますが、実際にどうなっておるか、また、それが事実とするならば今後のこの法の運用や扱いについてもっと弾力的な運用をするような考えがあるのかどうか、その点についてお尋ねします。
○細野政府委員 臨時措置法の対象となる特定不況業種の指定基準につきましては、御案内のように安定審議会の答申を得て定められているところでございますが、一定の要件を満たす業種につきましては、産業との実態に即しまして随時きめ細かく指定をするなど、機動的、弾力的な適用に努めているところでございます。 現在三十九業種が指定をされているわけでございますが、そのうちで、先生御指摘のように三十三業種が製造業ということでございまして、そういう意味で製造業が多いというのは御指摘のとおりなわけでございます。しかし、その他の業種につきましても、現行の指定基準そのものに該当するものは当然これを指定をしていくわけでございまして、現に近海海運業、内航海運業等いわゆる製造業でないものにつきましても、六業種ほど指定をされているわけでございます。 なお卸売業、小売業につきましては、業種全体がいわゆる構造的な不況であるというふうなものが比較的ないということがございまして、そういう意味では基準に該当しないわけでございますけれども、たとえば特定不況地域の方につきましては、臨時措置法に基づきまして、これは卸・小売を含めましてすべてのものを対象にするというふうな形で、補完的に各種の援護措置を講じているわけでございまして、両制度相まちまして援護に欠けることのないように弾力的に運用してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○村山(富)委員 業種指定をするとなると、構造的な要因があるかどうかといったようなことやら、国際的な影響がどう出ているか等、非常に運用が限定されますね。そこで、いまお話しがありましたように特定不況地域に存在する業種等については対象にできるわけですから、したがって、そこらの両法律のかみ合わせを十分うまくやって、せっかくつくった法律ですから、その法律の趣旨が十分まんべんなく生かされるような弾力的運用というものを考えていく必要があるのではないかというふうに思いますので、その点は特に要請をしておきます。 そこで、なお続いてお尋ねしたいのですけれども、離職者の再就職を促進するためには、やはり失業中の生活をどう保障していくか、あるいは安心して就職活動ができるような手だてをどう講じていくかということに大きな問題があると思うのです。特に就職の困難な四十歳以上の特定不況業種の離職者については、九十日間の給付の延長をするということになっております。現在のような厳しい雇用情勢の中ではそれも十分とは言えない。そこで、こうした保険給付を補完する意味で就職促進手当というものが支給される。これはまた、ある意味では大変大きな役割りを果たしていると思うのです。ただ、この就職促進手当は造船業の離職者のみに支給されておって、他の特定不況業種の離職者は余り対象となっておらない、こういうことも聞いておるわけでありますけれども、業種を造船業だけに限定するのではなくて、すべての特定不況業種の離職者に対して支給するようなことを考える必要があるのではないか、こういう面もやはり弾力的に対応する必要があるのではないかというふうに思うのですが、その点はどうでしょうか。
○細野政府委員 就職促進手当の支給の問題でございますが、これは、従来から、保険が切れた場合等につきまして、特別の場合に、国が一般会計によりまして促進手当を支給するという特別の制度を設けておるわけでございます。したがいまして、一般の保険による受給者と促進手当を支給される方との間には扱い上の非常に大きな差がございますから、そういう意味で、この促進手当の支給を受ける方につきましての要件というものは、御指摘のように余り画一的、厳格に過ぎるのも問題でございますが、同時に、これが余り弾力的であいまいになりますとこれまた非常に不公平な問題を起こすわけでございまして、そういう意味で、この手当の性格それからこの手当制度の経緯を踏まえまして、国の施策ということによって行われるいろいろな合理化の中でも、特に、従来でございますと、国が直接買い上げをする等あるいは法律に基づく行為によって直接合理化が行われる場合等に限定をしてきているわけでございます。その点につきましては、先生の御指摘ございましたような弾力的に運用しなさいというような御意見、これは国会の御審議でもございましたし、安定審議会の答申の中にも、転換給付金制度というものとの現行制度とのバランスを考えなければならないのはもちろんなんだけれども、しかし、そうは言ってもやはり弾力的なところもなければいかぬ、こういう御指摘を受けておりまして、そこで、この特定不況業種離職者臨時措置法の施行に当たりまして、安定審議会の御意見等も踏まえまして、いわゆる法令に基づく行為による事業規模の縮小等あるいは事業所管官庁等が過剰設備の買い上げ等を行う場合に加えまして弾力的な基準を設けまして、現在実施をしているという状況なわけでございます。したがいまして、施行のときに弾力的に、従来に比べますと基準を相当緩和をしたのでございますけれども、現在までのところ、該当しているのは造船だけという状況なわけでございます。 しかし、そういう性格でございますので、先ほど申しましたように、これを余り乱にわたるような運用をしますと、かえってまた逆に、他の受給者とのバランスが非常に崩れて不公平という問題も生じますので、先ほど申しました法施行に当たりまして弾力的にしていただいた基準にのっとりまして、今後ともその基準に基づいて弾力的に運用してまいりたいというふうに考えておるわけでありまして、すべての特定不況業種まで拡大するということにはかなり問題があるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○村山(富)委員 現実にいま促進手当が支給されておるのは造船業だけですね。そうすると、それはもう弾力的に運用も何もないので、実際問題としては基準どおりに一応やっているというかっこうになっておると思うのです。 そこで、先ほど来議論がありますように、依然として厳しい雇用・失業情勢は続くというふうに考えられますし、保険給付もだんだん切れる人がふえてくるわけですから、したがって、そういう事態の推移をやはり勘案をしながら、有効に効力が生まれてくるような、そういう弾力的な判断というものもあってもいいんではないかというふうに思いますので、それはいまお話しありましたように、すべてに広げてしまうとまた促進手当を出す意味というものが減殺されてくるわけですから、したがってそこまでは申しませんけれども、しかし余りしゃくし定規に造船業だけといったようなことでなくて、やはりもう少しそういう意味では幅を持った形で弾力的な判断も必要ではないかというふうに思いますので、そういう点も十分ひとつ今後の扱いについては配慮してもらいたいというふうに思います。 それから、やはり離職者が再就職が可能になるような道を開いていくということが大事ですね、だれだって仕事はしたいわけですから。そこで、再就職を可能にさせるために離職者の職業訓練を行うわけですね。ところが実際には離職をしてどういう部面に雇用が拡大されていくかということも、やはり労働の需要と供給との関係を見合いながら、雇用が拡大され、就職が可能になるような将来の見通しが立てられるような、そういうところに再就職をしていくということは当然な話ですね。ですから、そういう部面にやはり再就職が可能になるような職種の職業訓練を行うことが大事ではないかというふうに思うのですけれども、たとえば長崎県なんかの例をいろいろ聞いてみますと、いまだに造船業から出てきた離職者に対して新しくまた別の造船関係の職業訓練をやる、こういうことになっておったのでは、私は余り効果は上がらぬのではないかと思うのです。ですから、職業訓練を行うに当たっては、やはり需要の多い職種、将来に見通しが立てられるような職種、そういう職種に対して積極的な職業訓練が行えるように配慮していく必要があるのではないかというふうに私は思うのですけれども、そういう点は現在どうなっておるか、これからどういうふうに考えておられますか、お尋ねします。
○石井政府委員 職業訓練が、離職者の再就職の問題に関連しまして重要な役割りを果たすことは御指摘のとおりでございます。御指摘のように、職業訓練の場合には特に従来の指導員あるいは訓練校というのがそう小回りがなかなかきかないという性格が非常にございまして、私どもも非常に苦労をしているわけでございますが、御指摘のように、やはり今後の職業訓練は将来のいわば発展といいますか、あるいは今後需要が多くなるような職種に転換をし、かつ、これに対して十分対応するような体制をとることは、これはもう基本的な問題でございます。 そこで、私どもとしましては、一つは、この前の訓練法の改正によりまして、従来の職業訓練校以外に、たとえば委託・速成訓練をするとかあるいは各種学校、専修学校に委託をするという道を開いておるわけでございます。 特に、長崎県の例をいま御指摘になりましたが、確かに最初のころは、なかなか小回りがきかないで、本省と県が本当に一体になりまして、これをどうするかということについて具体的に問題を取り上げてきたわけであります。そこで、いまの実態を申し上げますと、長崎県におきまして訓練科を新増設したのは五科ございます。たとえば家屋営繕あるいは電気工事、板金、建築製図、配管というようなものを新しく対応するために新設をいたしました。それから従来の訓練科を転換することでございますが、これについては、実態は四科を転換いたしました。すなわち、機械製図を構造物鉄工、電気機器を電気工事、プレハブ建築を建築、溶接を構造物鉄工というふうに、具体的に四科を転換をいたしました。また、造船関連の訓練科につきましては、造船科につきまして、県立の松浦高等訓練校の造船科を廃止いたしました。また、長崎高等訓練校の造船関係の溶接科を廃止するというようなことをいたしまして、具体的に転換の素材にいたしました。 そういうふうに、現在におきましてはかなり現実に対応するような転換あるいは新増設を行いまして、これに対応しておるわけでございますが、さらに今後とも、特に委託・速成訓練を含めまして現実に対応するような、あるいは需要の方向に沿うような訓練体制をとってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○村山(富)委員 私は、いまのような経済情勢の中では、とりわけいまのような雇用・失業情勢の中では職業訓練の持つ役割りというものはこれから大変大きなものになってくると思うのですね。単に離職者の再就職を可能にするために職業訓練を行うということは、緊急的な要件として必要である。ところが片一方では、生涯教育の一環として職業訓練はどうあるべきかといったような問題の提起もされておる。そこで、当面はやはり緊急的な措置としての、離職者に対する再就職を可能にする職業訓練というものが大変ウエートが高いと思うのですね。それだけに私は大変この運用がむずかしいと思うのですね。いまお話しがございましたように一つの職種が決められますと、それぞれ指導員もおりますし、その指導員は新しい職種を設けたから要らなくなったといって首を切るわけにいかぬし、そういう意味では転換は大変むずかしいと思うのですね。むずかしいと思うけれども、実際にはやはり、せっかく受ける職業訓練ですから、再就職が可能になるような需要の多い部面を選択しなければならぬのは当然の話であって、ですから、そういう点ではやはり大変むずかしい問題があると思いますけれども、工夫をこらして十分対応できるようなものを考えていく必要があるというように思うのですが、これはひとつ大臣、どうですかね。大変むずかしい問題ですけれども、あなたの考え方もここで聞いておきましょうか。
○栗原国務大臣 御指摘のとおりに、大変重要で、なおかつむずかしい問題だと思いますけれども、創意工夫をこらしていかなければならぬ、こう考えております。
○村山(富)委員 どうせ、この職業訓練の制度のあり方については各般から意見が出ていますし、早晩見直しをして、もう少し体系的なものにきちっと整理する必要があるのではないかというふうに思いますから、またそういう点は別の機会に議論をさしてもらいたいと思うのです。 それから、労働者の生活を守るためには失業者の救済をどうやっていくかということが必要である。しかし、何よりも大事なことは、やはりどうして失業を予防するかということが一番重要である。その失業を予防するために、私ども社会党は、この国会に対して、年齢差別の禁止とかあるいは雇用対策委員会の設置とか、こうした問題に対する法案の提案もしているわけです。まだ皆さんの了解も得られずに提案のしっ放しになっておるわけですけれども、これはひとつ機会を見て十分に御審議もいただきたい、そして一日も早く法案が成立するように促進方をお願い申し上げたいというふうに思っておりますけれども、現状はそういう状況になっております。 そこで、現行の失業予防をする対策として雇用安定資金という制度があるわけですね。ところが、この雇用安定資金というのは、これを活用する特定不況業種は、休業したりあるいは職業訓練をしたりするような余力が残っていない、そのためにこの雇用安定資金という制度が十分活用できずにおるのではないか、こういうふうに思われるのですけれども、こうしたみずからの力で休業したりあるいは職業訓練をしたりする余力を持っていないと思われるような企業についても、この安定資金が十分活用できるように思い切った要件の緩和をする必要があるのではないかというふうに思うのですけれども、実態はどういうふうになっておるか。今後の対応として、そういう要件の緩和をするような考え方を持っておられるかどうか。その点についてお尋ねします。
○細野政府委員 安定資金制度の要件の緩和につきましては、昨年の十月に労使の意見を聞きまして、ほとんど労使の意見を取り入れまして大幅な要件緩和を行って、一応現在のところ効果を上げておるというふうに考えておるのでございますけれども、御指摘のように造船業などの特定不況業種やら特定不況地域では、一部に依然として、要件の緩和をしてもらわないとなかなか実際の活用ができにくいという声があることも事実でございます。そういう意味で、先般社会労働委員会の附帯決議におきましてもそういう御指摘のあったところでございますので、私どもも、関係各方面や安定審議会の意見を聞きまして、そういう御要望についての十分な検討をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○村山(富)委員 現実にいまの実態として、この雇用安定資金制度がどの程度活用されているというふうに判断していますか。
○細野政府委員 この雇用調整給付金制度が発足した当時等に比べますと、最近その利用状況がかなり落ちておるわけでございますが、これはたとえば雇用管理調査等で見ますと、現実に休業という形で行う雇用調整の実態自体が減っているということが主たる原因でございまして、そのほかに、いま申しましたような若干の要件の問題等もあるかと思うわけでございます。そういう意味で、雇用調整給付金自体の利用が非常に減っていることについては、主として経営の実態自体が雇用調整のやり方として一時休業というようなものをとらなくなってきておることにございますけれども、要件問題もありますので、先ほど申しましたように、その要件緩和につきましてもさらに具体的に早急な検討をしたいというふうに考えておる次第でございます。
○村山(富)委員 雇用調整給付金なんかを使う必要がなくなったというのなら、これは結構な話ですからね。それはもうその利用度が落ちようと、それはむしろ歓迎すべきことであって、いいと思うのです。ただ、その要件が非常に厳しいから活用したいのだけれども活用できない、実際には困っているというふうな業種もあるいはあるかもしれませんから、そういう意味では、もう少し考えて、このつくった制度の意味が十分に活用されるような方向に運用する必要があるのではないかというふうに思いますので、その点は特にまた御配慮をいただきたいと思うのです。 それから、これはたびたび委員会で取り上げられて議論もしてまいりましたけれども、この雇用対策関係の給付金というのは似たようなものが大変多いですね。これはもうどんなにぼくらも整理してみても、聞かれた場合になかなかぱっと答えられないというぐらいありますし、先般も申し上げましたように百ぐらいその数があるのではないですかね。安定所の窓口へ行って聞いてみましても、それは職員も大変困っているという状況もあるやに聞いておりますし、それだけにまた、これを利用する側の方からしましても、大変複雑で、何がどういうふうに使えるのか、どういう効果が上がってくるのか、よくわからぬというような向きもあるわけです。したがって、これはやむを得ない点もあると思うんですね。客観的な条件というのはずっと変わってまいりますから、変わった条件に対応してどんどん新しいものをつくっていくということの積み重ねですから、したがって、結果的にはこういうふうになっているということもやむを得ない点があったと思うのです。しかも、これからなおまた新しくこういう制度を考えていく必要が生まれてくる可能性もあるわけですから、したがって、なお複雑化していく、こういう点も考えられますので、新しいそうした必要な制度をつくっていくことももちろん当然でありますけれども、既存のこうした給付金の整理を一遍やってみて、もっとわかりやすくまた利用しやすい、そういう給付金制度に改めていく必要があるのではないかというふうに思うのですけれども、どうですか。
○細野政府委員 御指摘のように、各種の給付金が種類が多くて内容が多岐にわたって、なかなか活用に不便だという声が関係者の間にあることは事実なわけでございます。この問題につきましては、よく実態を私どもも検討させていただきまして、その内容が実態的にどうしても必要だというものにつきましては、これはむしろ利用者の方が利用しやすいような、たとえば高齢者を雇う場合に使う給付金というのはこういうものがありますよというふうにまとめた、つまり利用者が利用目的別に給付金を整理するようなかっこうでもって使いやすいかっこうにするというようなことを、実態的に必要なものについてはそういう検討をしてまいりたいと思っております。 同時にまた、たとえば一例として、雇用奨励金のようなものは支給の対象者別に若干要件が違うものですから、そのたびに、同じ雇用奨励金でありながら、利用者別に一つずつの種類になっているが、そうまでしなくても、むしろ雇用奨励金は雇用奨励金としてまとめた方がはるかに利用される方には便利だというものもあるわけでありまして、そういうものにつきましては、これはまた一本の雇用奨励金にまとめる方が現実の活用にも便利だと思いますので統合することにする。つまり、どうしても必要なものにつきましては、できるだけ使いやすい形で利用に便利な方法を考える。それから、いま申し上げましたように実態的に統合してもいいもので、しかもその方が非常に利用者にも便利だというものにつきましてはこれを統合するというような、二つの方向で検討してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○村山(富)委員 それは整理をするとすれば、整理をする方法としては、これは特殊な要件に対応するものとして必要である、しかし似通ったものがあって、言うならば小出しにしておって余り効果がないというようなものもあるかもしれないと思うのです。しかしそれはつくるときには必要があってつくったわけですから、そのこと自体はとやかく言うものじゃありませんが、現在まで結果的に判断をしてみた場合に、いま申しましたように大変複雑で理解しにくい、したがって利用がしにくいというようなものもあるでしょうから、そこらはやはりそうした立場で、もっと効果の上がるように整理統合できるものについては整理統合して、仮に一万円ずつ金をやる、一万円ぽっちもらってもしようがないじゃないかというようなものじゃなくて、そういうものについては整理をして、たとえば三万円なら三万円上げる、こうなればもっと活用度が違ってきましょうから、そういう意味で、制度そのものの整理をもう一遍してみて、そして効果の上がるように、利用しやすいようにやっていく必要があるのではないかというふうに思います。この点は、実際問題として、ぼくら自身が何回説明を聞いてみても、自分の頭の中で整理をしてみて、この制度はこういうところに使うのだ、これはこうだということがなかなかわかりにくいようなところもありますし、それだけにまた、せっかくつくった制度が活用できないような部面もあると思いますから、そこらは十分ひとつ、そういう意味で検討してもらう必要があるのではないかと思うのです。 それから、これは直接法案との関連はございませんけれども、最後にちょっとお尋ねしておきたいと思うのですが、いま労働省は、定年は六十歳ぐらいに昭和六十年までには持っていきたい、こういう意味の指導をいたしておりますね。先般年金の基本構想懇談会から報告が出ておりますけれども、その報告によりますと、昭和七十年代を目途に年金の支給開始年齢を六十五歳にする、こういう意味のことが出ています。また、新聞ニュースの伝えるところによりますと、昨日ですか、厚生大臣から労働大臣に会談の申し入れがあって、この問題についての意見の交換をされたというふうにも聞いているわけですが、私は、年金の支給開始年齢を六十五歳にするとすれば、定年もやはり六十五歳までにして年金と定年がリンクされるような、引き継がれるようなものにしていく必要があるのではないかと思うのですけれども、実際問題として、いまの日本の職場の労働条件等を考えた場合に、六十五歳まで働いてもらうことがいいかどうかという問題については、大変大きな問題があると思うのです。したがって、これは必ずしも簡単に定年と年金とが引き継がれるというようなことにはならぬと思いますけれども、しかしそこらの問題については、仮に六十歳までに定年がなった、年金は六十五歳、こうなりますと五年間ブランクができるわけですからね。この五年間はどう埋めていくのかというような問題も起こるでしょうから、そうした問題についての大臣の考え方と、それからこの年金問題を扱う場合に、定年制の問題等との関連はどういうふうに考えておられるか、こういう点についてちょっとお尋ねしたいと思うのです。
○栗原国務大臣 きのう厚生大臣の方から、年金基本懇談会の報告が出たので年金問題についていろいろ懇談をしたいということで、私ども両相で会ったわけです。厚生大臣から、懇談会の報告を受けまして年金の受給年齢を引き上げざるを得ない、そういう方向でいかざるを得ないというふうなお話がございました。これは厚生省とか労働省とかいうものを離れまして、年金問題は国家的な大きな課題でございますから、なわ張り争い的にこの問題をとらえるべきではない、したがって虚心にお互いに話し合っていこうじゃないか。ただ労働省からすると、前々から言っているとおり、一応六十歳定年ということを昭和六十年までに実現するように努力いたしたい。その後どうするかというと、これはやはり社会保障の年金というものとできるだけ結びつけていくことが好ましい、こういう態度である。したがってわれわれのまず一番大きな問題は、定年を早く六十歳に持っていくということにある。それができない間に六十五歳ということになると、その間どうなるかという問題が出てくる。いま村山さんは、六十五歳まで働かせることが適当かどうかという問題について意見を言われました。これはなかなか異見のあるところだと思います。ただし私は、全般的に言って高齢社会になりますから、六十五歳でも働く意思のある者、そういう人たちに働いてもらうというのは当然だと思うのですね。ですから六十五歳に年金の受給資格が延びるならば、その間働く意思のある人、働ける人は働いてもらうという環境をつくることは、ただ単に労働政策のみならず、国全体の問題としても重要じゃないか。しかし、それはなかなか言うはやすく行うはかたいわけでございます。 そういう意味合いで、年金と定年を結びつけていくための努力をするけれども、その努力をするのには長期的にいろいろ考えていかなければならぬ問題点がある。だからいまは、できないとかできるとかそういった感覚でなしに、この構想に合わせるためには定年や何かの問題を一体どうするか、あるいは定年なんかの実態に即して年金の受給資格をどうするかという具体的な詰めをしていかなければならぬじゃないか、そういうことで今後お互いに虚心に国家的見地から検討しよう。これは労働省と厚生省だけで解決できる問題でない、広く横にも広がる問題だ。しかし厚生省、労働省が高齢者の雇用の問題、それと年金の問題とをうまく合わせることがまず一番大きな課題であるので、その点でやっていこうというようなことを話したわけでございますし、私の考え方も、現在のところいま申し上げましたところに尽きるわけでございます。
○村山(富)委員 六十五歳まで働くことが適当かどうかという問題については、もちろん生きがいの中には社会のために役立つような仕事をしたいということもあると思いますから、それは当然あり得るわけですよ。ただ、私がそういう意味で申し上げましたのは、いまの日本の職場環境が必ずしも六十五歳ぐらいまで働けるような職場環境になっていない。これはやはり、時間短縮の問題やら週休二日制の問題やら、前段に労働条件の整備が相当なされて、しかも老齢になっても十分対応して働ける職場が保障されるというふうな条件が前段に整備されて初めて可能なことであって、現状のような職場環境の中では私は無理が相当あると思うのです。現に運輸関係の労働者なんかは、六十歳まで働いてもいいと言われたって五十五歳までしか働けぬと言うのですから。そういう職場だってあるわけです。したがって私は、そういうものともかみ合わせながら、定年というものと年金というものがどういうふうにリンクされて生涯労働者が生活を保障されていくか、こういう体系的なものを総合的に判断しなければならぬ問題じゃないかと思うのです。したがって、直ちにどうのこうのということはなかなか結論が出せませんけれども、そうしたものも含めて今後慎重に扱っていただくようにお願いを申し上げまして、私は、時間が若干余りましたけれども、午後の時間に少し食い込みますので、これで質問を終わらせていただきます。 〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕
○竹内(黎)委員長代理 次に、草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 まず、これはきのうの新聞でもございますが、全国財務局長会議で大蔵省は最近の景気動向についていろいろな話をしておるわけでございますけれども、かなり雇用も徐々に改善をしてきておるというような報告をしておるようであります。あるいはまた、十日の日には、月例経済報告閣僚会議に四月の月例経済報告が提出をされまして、その中でも、インフレに対する予防の必要が中心になったようでございますが、「ゆるやかながらも着実な拡大を続け」と、景気というものがそういう形を続けておって、「常用雇用の減少に歯止めがかかり、完全失業率もこのところ低下を続けていることから、雇用情勢にも改善の動きがみられる」という指摘がされておるわけでございます。 こういうように、景気の動向と雇用情勢が非常に好転しておるという一般的な情勢分析がなされているわけでございますが、労働省としての見解はどうでしょう。
○細野政府委員 いま先生からも御指摘がございましたように、経済自体は、不安要因を抱えながらも、内需の拡大を中心に、着実に緩やかな拡大基調にあるというふうに考えておるわけでございます。雇用・失業情勢につきましては、全般的にはやはりなお厳しい情勢にあるというふうに考えております。ただ、月例報告等でも指摘されておりますように、改善の動きが最近続いていることも事実なわけでございまして、すなわち、求人等の動きを見ましても製造業、運輸・通信業で増加傾向が目立つ、一方、有効求職者の方は増加傾向から最近横ばいに転じている、このために有効求人倍率が最近月で〇・六五倍ということで、このところ緩やかな上昇傾向にあるという状況でございます。また完全失業者が百二十一万人、失業率は季節調整値で一・八八%というふうなことでございまして、これも傾向としては減少の傾向にあるということは確かなわけでございますが、しかし、水準としては依然としてかなり高水準であるという状況でございます。 したがいまして、先行きにつきましては明るい兆しも一部に見られてきておりますけれども、経済情勢全体の先行きとも絡み、あるいはまだ一部に需給ギャップの大きな業種等もございまして、離職者の発生が予想される業種もあるわけでございまして、やはりいましばらくは楽観を許さない状況が続くというふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 いま局長の方から言われたのはいわゆる労働省的な考え方で、あるいはまたわれわれにとりましてもそういうことだと思いますが、ただ、いま非常に一般論的に、雇用が徐々に改善というムード的な報道が出されておるわけでございます。実際上、今回のこの法案提出の基本的な考え方、この法律の延長の問題等を含めて、その決意をされた時点といまの、このような雇用が徐々に改善をされておるというような報道との関係、つまり労働省としては依然として高水準だからまだ好転と言い切れないという判断でこの法案を出されておみえになるわけですが、客観的には多少なりとも改善の方向だ、こういうことを言っておるわけですが、労働省として、将来の見通しは大体これでついた、これ以上悪くはならないというふうに——質問の趣旨をわかるやすく言うならば、少なくとももうこれ以上悪くならないのだというように断定をされるのか、あるいはそういう判断を言い切ることができるかどうか、お聞かせ願いたい。
○栗原国務大臣 将来を見通すということはそう簡単ではございませんが、私は決してこれで片がついたというふうには見ておりません。というのは、御案内のとおり石油問題が非常に大きな問題になりまして、大口需要などというものをカットするというような事態になりますと、これはもう雇用情勢は非常に深刻になると思うのですよ。したがいまして、私どもはこれ以上悪くならないように努力する、これ以上悪くならぬように努力するということはもうとことんやらなければならぬ。それは今度の五十四年度の予算の中でもいろいろ出ておるわけでありますけれども、そういう趣旨でいま考えております。しかも労働省というのは、いいときを予想するということは余りよくないと思うのです。悪いところに備えるという態度でないとフォローできないと思うのです。ですから、この法案は、若干経済情勢がよくなったからこれでよろしゅうございます、これは出さなくてもいいのだというのではなしに、現実にも雇用情勢が悪化する可能性というものはあるわけでございますから、それに対応して処置するということでございます。
○草川委員 いまの大臣の答弁は、私どもにとっても非常に同感ですね。ぜひそういう方向で労働省としては臨んでいただきたいと思います。 それからいま石油の問題、後でまた通産省に細かいことはお聞きするつもりでございますが、一般的には、金利が上がるわけですし、それから円安というのでしょうか、円もある程度安定をしてきますと、どうしても輸入材料の高騰ということになりますから、企業サイドとしては、経営上、いままである程度しわ寄せができたところがだんだん攻められてきたわけですから、残るのはやはり雇用の面なり労働条件にしわを寄せないと、企業としてはなかなか立ち行かぬという前提もあると思うのです。いわゆる雇用の量的な問題もさることながら、雇用の質的な面に私どももこれからは十分配慮をしていく必要がある、こう思うわけです。 そのような立場から、企業のことしの決算の内容なんかを見ておりましても、全体的に、製造業も、一部の造船なんかを除きますと、まあまあに回復をしておるわけでございますが、いわゆる常用雇用指数というものがどうしても下向きのままに、特に製造業における常用雇用指数なんというのは非常に下向きのままでございますが、これは一つの企業の減量経営の結果だと思うのです。これはことしの予算委員会でも何回か論議をされたことでございますが、労働大臣は通産大臣と一緒に経団連に、行き過ぎた減量経営のないようにという申し出をなされてみえるわけでございますが、実際上その申し出のフォローというのですか、その効果というものあるいは具体的な成果というのですか、それを何かその後点検をされてみえるのか、あるいはそれが何か具体的に数字で出てきておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○細野政府委員 行き過ぎた減量経営については雇用関係についても十分配慮してくれ、こういう要請を労働大臣、通産大臣から財界にお願いしたわけでございますが、その後のフォローにつきましては、直接的にはたとえば産業労働懇話会等の場その他、折に触れましていろいろな場で、関係方面にいろいろ働きかけをしておるわけでございます。 この効果だけの数字というのは、これはなかなか結果的に出てくるわけでございませんが、最近の経済情勢の反映もありまして、製造業を含めて少なくとも減量のテンポというようなものがかなり落ちてはきておりまして、もう少し何といいますか、着実な景気の動向が進めば増に転ずるというふうな可能性も出てきているやに見受けられるわけでありまして、そういう意味で、私どもの要請だけの効果ではもちろんないわけでございますけれども、方向としては私どもの要請した方向に向かって現実には動きつつあるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○草川委員 ぜひこれからも繰り返し、たとえば減量経営の行き過ぎばかりではなくて、定年制の六十歳の問題もございますし、あらゆる会合に積極的に労働省は乗り出していただいて、産業界全体に影響力を及ぼすように、これはぜひ繰り返し繰り返しやっていただきたい。あるいはまた、本当に成果があるのかないのかということを向こうに答えてもらう、少なくとも通産と労働大臣が今日の基本的な問題について申し入れたんだから、そういう成果いかんという答えをとるぐらいに臨んでいただきたい、こう要望をいたしておきます。 それから、これも何回かここでも論議をされておりますけれども、いまだ明確に労働大臣の判断というようなものもいただいてはないわけですが、いわゆる女子労働者の女子労働力の激増というものを一体これからどういうように受けとめていく必要があるのか。しかも、女子労働者の労働条件というものが一般の男子労働者の労働条件よりはかなり低いと推定をされるわけですね。それが部分的にはパートで就業がふえるという例もあるわけですし、それからまた、これは同じような別の立場からですけれども、いわゆる企業数がふえておるというのがあるわけですね。この四年間に三〇%ぐらい企業数がふえておるわけです。この企業数がふえておるというのは、これも一般論になりますけれども、やはり中小零細というのですか、ごくわずかの少人数で企業運営をするということが想像されるわけですね。この企業数というのは、第三次産業も手っ取り早いところでふえる場合もありますし、いわゆる製造業から労働力がどういうような形で移動をしていくか、いわゆる労働力の流動化というものも本当はずっとフォローして追跡調査をしないとなかなかわからぬ点があるのです。具体的には、たとえば造船なんかで失業者がふえますと、特に造船の下請なんかが建築の方へ行っておるのかあるいは第三次産業の方へ流れて行っておるのか、これもいまは確たる調査というのはどこもつかんでないわけですね。しかし一般的には、いま言いましたように中小企業というのですか零細な企業がふえてきて、どこかそこらで吸収をされておる。一面、新しい職場の労働条件が低いものですから、奥さんがパートでどこかに働き、それがまた女子労働としての労働力の急増という形になっておるわけですが、一般的にやはり共かせぎで大変苦労をしておるというのが結果として出ておるのではないかというのが私の言いたいところなんです。そういう点についていずれ、これは私の持論になりますけれども、労働市場というのが二重構造化する、いわゆる第二労働市場というものが出てくる。そこは賃金格差の低い、そういう一つの労働者群というものがこれから出てくるのではないか。こういう考え方を持っておるのですが、そのことについてどういうお考えを持たれるでしょうか。
○細野政府委員 女子の就業者の増加につきましてはいろいろな要因があるわけでございます。たとえば供給サイドから見ますと家事、育児の負担の軽減があるとか、高学歴化に伴いまして社会参加意識が高まるとか、あるいは住宅費、教育費負担等がふえてくることに対する追加所得を確保したい、そういうふうな要因、こういうことから就業意欲が高まってくるというふうに考えられるわけであります。一方、需要の面から見ますと、最近特に三次産業を中心に雇用が伸びているということから、女子に見合った需要が増加している、そういう側面もこれまた否定できないわけでございます。 その場合に、先生御指摘のように、これが低賃金労働になり、二重構造をだんだん大きくするんじゃなかろうかという御指摘でございます。この点も、率直に申しまして、三次産業の就業形態等について明確な調査等がない点から、はっきりしたお答えがなかなかしにくいわけでございます。しかし、たとえば規模別の賃金格差等を見ますと、五十一年くらいまでは確かに拡大傾向が出てきていたわけでございますが、五十二年にはこの規模別の格差の拡大傾向もむしろ逆に若干縮小するような傾向も出てくる等、いろいろ様相にも変化がございまして、一律に何といいますか、非常に規模の低い労働条件の悪いところに労働力が流動化しているというふうにも言い切れない側面がございます。それから三次産業のふえているところも、私どもが就調その他の調査でもって見た限りでは、従来の伝統的な流通部門等のふえ方というのは案外少なくて、対事業所サービスとかあるいは教育・福祉関係とかいうふうな、やや近代的なサービス業関係がかなり伸びているというふうなことでございます。したがいまして、確かに先生御指摘のような懸念もあるわけでございますので、今後三次産業を中心に、これらの雇用の伸び、就業の伸びの実態について明確に調査をいたしまして、その上に立って、問題のあるところ、それからむしろ今後とも伸びていくべき部面というようなものの仕分けもした上で、それぞれについての適切な対策を講ずべきものじゃなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○草川委員 特に労働基準法に基づく労働条件が保障されておるかどうか、これは賃金の面でも労働時間の問題についても、いろいろそういう調査の場合にどういう位置づけになっておるのか、ぜひ具体的に調べていただきたい、こういうように思います。 ところで、ひとつ今度は労働省の方から、全体的に構造不況産業というものがよみがえっておるのかどうか、これは造船を除いてということは私どももわかっておりますが、その他の各産業がたくさんあります。昨年の場合に略称構造不況法案が施行されておるわけでございますけれども、一体よみがえったのかどうか、これもお聞かせ願います。
○細野政府委員 この構造不況業種全体の見方等につきましては、私ども必ずしも専門的ではないのでございますけれども、一応私どもが関係の省庁から聞いておりますところを総合しますと、やはり構造不況業種自体につきましても雇用情勢を含めまして景気の回復なり業種対策の効果もございまして、業況がある程度持ち直す方向に向かっている業種も確かに見受けられるわけでございますが、なお、先生もお話しございましたように、造船では依然として深刻な状況にあって、離職者の発生も一部には引き続きあるという状況でございますし、そのほか紡績関係、アルミニウム製錬関係、海運等におきましても、過剰設備なり過剰船腹の廃棄等によりまして、そういう構造改善計画が現在進行中でございまして、そういう意味で若干の離職者の発生が予想されるものもあるわけでございます。そういう意味で、構造不況業種と言いましても、やはり業種によりましていろいろなアンバラが出てきておるというふうな感じを深くするわけでございます。
○草川委員 じゃ、もう少しお聞きしますが、私どもも、昨年来からいろいろとこの構造不況の問題については取り組んできたわけでございますが、労働省的には、構造不況のときにいわゆる産業構造の転換をするんだ、そして通産の方から安定計画を立てて、余剰設備を買い上げて、そこの労働者を職業訓練で具体的に受けざらとして転換させて、そして新しい要望のあるところへそれをそれぞれ向けていくのだ、こういう一つの流れがあったと思うのですよ、一般論的に去年からの構造不況に対する取り組み方には。ところが、それが実際現実に動いておるのか。構造不況法案が通った途端に景気が何となく違うような情勢になってきた。そこから出た失業者の人たちが本当に職業訓練に従事して、そして新しい第三次産業なら第三次産業に向かっておるのか。その流れが全部が全部でなくてもいい、たとえば一割程度はその流れに入っております、職業訓練も生きております、あるいは第三次産業の方に職業紹介がきれいにやられております、こういうふうにすべてフォローができておるのかどうか、まず聞きます。
○細野政府委員 御指摘の問題は、短期的な側面と中長期的な側面と両面あるかと思うわけであります。 現に失業しておられる方で求職をしておられるという場合に、現在の状況において、たとえば職種なり産業から見て求人が求職を上回るようなところはどこがあるのかというような問題、つまり現実の今日の生活を支えるための仕事をできるだけ早くあっせんをしなければならぬという側面から見ましたところと、それから今後将来的にも見込みのあるところに訓練をし、そういうところに就職をしていくことが中長期的に見れば非常に望ましいのではなかろうか、こういう両面があるかと思うわけであります。 まず短期的な側面から申し上げますと、たとえば職業訓練のあり方について委託訓練、速成訓練等のやり方を変えるとか、あるいは訓練の職種の中身を三次産業向けにだんだん転換していくとか、少なくとも現在、造船地域においては、造船に入るための訓練所であったものをよその職種に向くような訓練に切りかえるというようなことは、現実には進行しておるわけであります。 それじゃ、どのくらいほかの産業に現在の不況業種の離職者がいっておるかという点については、私ども部分的な調査をやってみますと、これは主として製造業関係が中心になりますけれども、たとえば特定不況業種の離職者については大部分の方が製造業に再就職しておられるという実態でございます。この辺は求職者の方の希望というものもなかなか非常に強く動いておるわけでありますし、場合によってはできるだけ地元を離れたくないということから、そういうふうな選択をされるというような面もあるわけでありまして、そこのところあたりは必ずしも理想的な形ではないかもしれないけれども、求職者の御希望とあれば、それも一つの現実的な処理ではなかろうかと私どもは考えておるわけでございます。 一方において、中長期的に見た場合の展望については非常にむずかしい問題を含んでおりまして、私どもも職種という観点から、今後の発展するべき職種の方向というもののかなり突っ込んだ調査分析をやってまいりたいと考えておりますが、同時に本来的に、この辺の問題になりますと産業所管官庁の産業構造政策が非常に強く影響を持つところでありまして、通産省を中心にその他、産業構造の今後のあり方についても現在検討が進められておるわけでありまして、私どもも、自分たちで職種関係を中心に検討を進めると同時に、各産業所管官庁でやっておられます産業構造についての今後のいろいろな検討についても随時連携、連絡をとりながら参加もさせていただいて、私どももいろいろ教えられたり意見を申し述べたりというようなことをしてまいりたい、そういうふうな過程を経て、それに見合って中期、長期的な職業訓練制度の体系的なあり方、それに即応した紹介のあり方というものも検討してまいりたいということで、これは現在手をつけ始めて進行中ということになるわけであります。 いずれにいたしましても、その両面を今後とも続けて、先生御指摘のような方向に離職者の就職対策を、のみならず、もっと広く訓練体制、紹介体制の改善を進めてまいりたいと考えておるわけであります。
○草川委員 離職、それから職業訓練、新しい紹介、それがもう少し何か生きた形で、現状の経済、産業構造の変化に対応できるようなものを強化してもらいたいという要望があるわけです。 そこで、ちょっと通産省の方がお見えになると思いますが、先ほど出ました産業構造政策の問題です。これはずばっと聞きますけれども、特定不況産業安定臨時措置法というものは、結局は債務保証の基金法案にすぎなかったのじゃないか。実際、産業構造の転換という形で非常に具体的に生かされた法案かどうかということについて、非常にまだ短期の話ですからあせって物を言うのはおかしいのですが、実際効果があったのかなかったのか、あるいは実績はどういう形でいるのか、あるいは不況産業はあの法案によってよみがえったのかどうか、そのことについて一回通産省の方からお聞きしたい。
○榎元説明員 先ほど職業安定局長から答弁があったとおりだと私どもも思っておりまして、昨年五月に法律制定以来、対象業種として十四業種、それから安定基本計画の策定を見たもの、あるいはあした告示になるものもありますから、それを含めまして十三業種、それから、そのうち過剰設備の処理等の目標を達成するために共同行為の指示をしましたものが七業種ございます。 それらの法律の運用を振り返ってみまして、あるいは民間産業界におきます構造改善対策の進捗状況がどうであったかというふうに見てみますと、先ほど御指摘のように、造船であるとかあるいは化学肥料であるとかそういったところはまだまだ道はなお険しいといった状況でございます。他方、合成繊維でありますとかあるいは平電炉でありますとかあるいはフェロアロイだとかいった産業につきましては、過剰設備の処理の目標を達成したといったようなこともありまして、ある程度の明るさが出てきておるといったことがあろうかと思います。 そういった状況を端的に言ってどう評価するか、あるいは効果はどうかということだろうと思いますけれども、御存じのとおりこの法律は五十八年六月末までの時限立法でございまして、その間を通じての安定基本計画、それぞれ産業ごとに策定されているわけですが、その目標が達成されたかどうかという点から評価していかなければならないということであろうかと思いますので、この時点でどうだというのはいかがかなと思われるわけでございますけれども、あえて申しますと、この法律の大きな目標でございました経済的あるいは社会的な摩擦の回避ということは、現時点においてそれなりに確保できたのではなかろうかと思っているわけでございます。ただ、経済全体が回復をしてきている中で、それぞれの業種も業況がよくなってきているものも見受けられるわけでございますけれども、しさいに検討をしてみますと、需給でありますとか市況でありますとか、それぞれのファクターに不安定要因があるものが多いわけであります。また、御指摘のように造船であるとかあるいは化学肥料であるとか、なかなか先が見えないというところもあるわけでございます。そういった状況を踏まえまして、やはりその評価そのものは、最終的にさせていただきますのはもう少し時間をかしていただけないかなと思っております。
○草川委員 私ども、いわゆる働く人たちの立場から見た鳴り物入りのこの法案が、実際は雇用という面でどう生かされてくるかについては、そう簡単には結論がつきませんが、そんなには昨年言ったような形で生かされてないのではないだろうか、こういう感じがするわけでございますが、きょうはその問題についてはその程度触れて、終わります。 時間がございませんので、今度は具体的な陶磁器業の内容について、通産の方にお伺いします。 いま産地振興法案というのが審議になっておるわけでございますが、関連業界、下請に対する影響も地域社会に大きな影響があるわけでございますが、地域指定はたとえば個別の地名を決定するのか、あるいはその個別の地名の中で、周辺の地域にもいろいろと従事する企業体があるわけでございますから、その指定地域はそこのたとえば業界の組合の決定に任せるべきじゃないだろうかというような、こういう感じがするわけですが、どういうふうにその地域指定をされるわけですか。
○松尾説明員 現在国会に提出しております産地振興法案につきましては、地域指定についてのお尋ねでございますが、地域指定につきましては、この法律が産地中小企業者に対していろいろな措置を講ずるという法律になっておりますので、地域の広がりとしては産地中小企業者の所在する地域を指定をするという考え方になります。したがいまして、産地中小企業者に対する対策は産地の組合を中心に組み上げられておりますので、大体申しますと、産地組合の組合員の所在する地域の広がりというもので画していくという考え方でおりまして、具体的には、地域指定に当たりましては都道府県知事に現地の事情をよく聞きまして、現地の実情に合った指定をしたいというふうに考えております。
○草川委員 ぜひ、組合サイドで地域指定がなされるように要望をいたしておきます。 それから、これはちょっと労働省に地元の陶磁器業界の方からの要望もあるのですが、円高が安定するまで雇用調整給付金制度の指定は継続すべきではないかという非常に強い要望がありますが、雇用調整給付金制度の継続の考え方はどうでしょうか。
○細野政府委員 この雇用調整給付金につきましては、業種についてまた指定期間を限って指定をする、こういうたてまえをとっておるわけでございますが、この指定期間については、昨年の十月にそれまで六カ月という指定期間をとっていたものを一年に延長する、それから再指定の場合に必要とされておりました三カ月の冷却期間もこれは撤廃するというふうなことで、したがいまして、連続してかなり長い期間指定できるような仕組みにしているわけでございます。 御指摘の陶磁器とかあるいは金属洋食器とか刃物等の円高の関連業種につきましては、円高を理由としまして、つまり従来の指定とは全く新たな観点から、さらに新しい事態に基づくそういう考え方に基づきまして、さらに一年間の新規指定をいたしまして、産業の実情に応じて弾力的に指定を行っておるわけでございまして、こういう考え方で今後とも対処してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 それから、やはり珪砂というのがあるのですが、瀬戸の陶磁器業界に非常に関連をする材料の珪砂業界というのがあるのですけれども、大体瀬戸地方では国内生産の七〇%を占めておるわけでございますが、昨今大手商社が非常に円高で条件がいいというわけで大量輸入をいたしまして、かなり雇用面にも影響しておるわけでございますが、珪砂輸入に当たって国内生産地を圧迫しないように指導すべきではないか、こういう考え方があるわけでございますが、その点どういうお考えでございましょうか。
○柴田説明員 先生御指摘のように、珪砂の輸入が近年におきまして大分ふえてまいりましたが、ことしに入りまして円安傾向も出てまいりましたし、景気回復に伴いまして需要も出てまいりましたので、五十三年あたりの数字を見ますと、国産が若干増加いたしまして輸入が減ってまいります。今後、この円安傾向というのは続くと思いますので、景気回復というものも続くと思いますので、輸入の増大ということはないであろう、そういうふうに見ておりますが、国内の珪砂の生産にも輸入は非常に影響を及ぼすことでございますので、十分実態を絶えず注意しながら適切な指導をしてまいりたい、そういうふうに考えております。
○草川委員 ぜひ、現地の事情等も考えまして、非常に零細でございますし、長期の展望を立てましても、私ども、いま急に国外から輸入をしなければならない、新しくふやす条件はないだろうという、こういう立場でございますので、ぜひ現状を確かめて処置をしていただきたい、こう思います。 今度は繊維産業のことでございますが、繊維も非常に状況がよくはなってきておるわけでございますが、この四月の初旬に、愛知県の岡崎地区において子供用セーターを主力にするニットウェアの製造業者が一連倒産をしておるわけでございますが、こういうような状況についてどういうように判断をなされてみえるのか、あるいは対応をどのように立てられてみえるのか、お伺いをしたい、こういうふうに思います。
○赤川説明員 御指摘の三友ニット、それから真和ニット及び濠綿でございますが、これはセーターを主力としたニットウェアの一連の関連グループでございます。ところがこれが、真和ニット協業組合が三月三十一日、それから三友ニット協同組合が四月三日、濠綿が四月四日にそれぞれ自己破産の申請を行いました。 これの原因でございますが、まず真和ニット組合は、四十四年につくられましてニットウェア製造を行っておりましたけれども、五十年ごろから新商品の開発とか、商社依存からの脱却等を目指していわば事業を行ってまいりましたけれども、五十二年ごろからどうも販売活動がうまくいかず、特に輸入品の不良の発生や暖冬の影響、さらには興南ニットの業績悪化等の関係から資金繰りの悪化が起こった、こういうことでございます。また三友ニットにつきましても、真和ニット協業組合を初めとしまして三十三社の業者でつくった協同組合でございますけれども、これも五十年度から構造改善事業といたしまして、設備の近代化、開発センター及び配送センターをつくってまいりましたけれども、これもやはり暖冬の影響、それから婦人セーターの販売の不振、さらには鹿児島の興南ニットの膨大な不良債権の発生という点から、資金繰りの大幅な悪化が生じたわけでございます。 両組合は、この過程でいわゆる融手というものを使っておりまして、そのやりくりがついに、本年三月二十日の興南ニットの倒産で表面化したというのが事実というふうに考えております。 なお、濠綿につきましても、この両組合の上位にございますまあ産元でございますけれども、全く同様の事情から、膨大な不良債権の発生、資金繰りの極端な悪化、さらには巨額の融手の存在等がございまして、自己破産の申請があったというふうに承知しております。 これに対する対策でございますけれども、これは当地区におきましては非常にウエートが大きいところから、地元の中小企業に対しますところの影響を配慮しまして、早速四月二日に、名古屋通産局に岡崎地区ニット産業緊急対策室を設置いたしまして、県、市と密接な連絡をとって、関連中小企業に対する現地相談会の開催、中小企業倒産対策緊急融資制度の活用、中小企業信用保険法に基づく倒産関連保険の適用、下請中小企業に対する取引のあっせん等を行っておりますが、今後とも、関連企業への影響を極力回避するために必要な措置を講じてまいりたい、かように思っております。
○草川委員 これは地域的には影響力が非常に大きいわけでございますし、いまいわゆるアパレル産業というのですか、アパレル産業全体への影響もあるわけでございますので、ぜひきめの細かい対応というのを立てていただきたいというふうに思うわけです。 実はそのほかに、油の需給状況とかたくさんあるのでございますが、せっかく通産の方においで願いましたが、時間がございませんのでこれで終わりますが。 実は、私ども、地方選挙でいろいろと各地区を歩きまして、細かい中小企業の実態等を調べるというわけではございませんけれども、要望を受けたり接したりしますと、やはり東京で一般論をながめておる実情とは大分違うわけですよ。実際予期しない倒産もあるわけでございますし、あるいはまた新規に紹介を受けた職場の労働条件というのがかなり過酷であったり、あるいはまたまだまだ非常におくれた労働市場というのもずいぶん見るわけですね。でございますから、今回こういうような新しいいろいろな法案審議もやるわけでございますが、ぜひとも従来の対応策のフォローアップだとか、あるいはまた、いま春闘なんかで賃金交渉をやっておりますけれども、賃金交渉の中で一体経営側は組合側に何を訴えておるのか、あるいはまた、組合側もそういう非常に苦しい条件の中でどうこれからの労働条件を引き上げていこうとしておるのか、これは随時労働行政全体の中で的確につかんでいただきたいと思うわけです。本当にきょうおいで願った方に申しわけございませんけれども、あるところでは非常に石油の燃料費が上がってきておる、そのためにコストアップになるから賃上げができないという、そういうような問題点もあります。あるいは、そういう業界の中である程度もっと燃料業者に交渉したらどうかという話をすれば、いやいや、供給削減を受けておるのだ、いや、国の方では供給削減なんというのはいま見通しとしてはないではないかと言っておるわけでございますが、現実にすでに中小なんかではそれを理由に値上げを要求をされているとか、いろいろな要望がございまして、私は、本当に労働行政というのは産業政策すべてのものがここにかぶさってきておる、こういう感じがいたしたわけであります。 時間が来ましたのでこれで終わりますが、そういうことも含めながら、ぜひ、離職者法の問題もさることながら、産業構造全体の問題でいろいろと労働省としても取り組んでいただきたいということを要望して、私の質問を終わります。 以上でございます。
○竹内(黎)委員長代理 次に、米沢隆君。
○米沢委員 まず最初に、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部改正に関する事項でありますが、近年漁業をめぐる国際環境が大変激変をいたし、このような臨時措置法をもって対応せざるを得ない、こういうことになっておるわけでありますが、今後の変化をどういうふうに予測をされておるのか。特に、日ソ漁業協定を取り巻く問題で特段の変化を見込んでおられるのかどうかを御説明いただきたい。
○中島説明員 御答弁申し上げます。 漁業に関する国際環境といたしましては、ただいま先生から御指摘がございましたように、最近の二百海里時代という新しい時代の本格的な到来を迎えているわけでございまして、御承知のように、わが国漁業は相当部分を従来から遠洋漁業に依存してきたわけでございます。したがいまして、この新しい時代を迎えましてきわめて厳しい立場に置かれているというわけでございます。 そこで、われわれといたしましては、従来の伝統的な操業の実績というものをできる限り確保するためにも、従来にも増して強力な漁業外交を展開をいたしまして、わが国の操業の確保に努めてまいりたいと考えているわけでございます。 そこで、特に日ソ漁業関係についてお尋ねがございましたが、日ソ間におきましては、二百海里時代に入りまして、現在三つの枠組みがすでにでき上がっているわけでございます。一つは、ソ連の二百海里内におけるわが国漁船の操業に関する日ソ漁業協定、それからわが国二百海里水域内においてソ連漁船が操業をするこれに関しますいわゆるソ日漁業協定、それからもう一つは、日ソ間の漁業協力に関して取り決めをいたしました日ソ漁業協力協定、この三つの枠組みがございまして、今後特にソ連との関係におきましては、こういったでき上がりました枠組みのもとにおきまして、できるだけわが国の操業の確保を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○米沢委員 その操業の確保に関連しまして、今後日ソ漁業協定、三つの枠組みに大きな変化はないと見ていいんですか。
○中島説明員 われわれといたしましては、現在のところ、これらはいずれもでき上がりましてまだそれほど長期を経ていないわけでございまして、さしあたり特別に大きなこの枠組みに変化を来すというようなことはないのではないかというふうに見ております。
○米沢委員 今後、当面日程に上ってくる漁業に関する国際協定はどんなものがあるんでしょうか。
○中島説明員 二百海里時代に入りましてから、たとえばいま御説明申し上げました日ソ間の協定、あるいは日米、それからカナダとの間、あるいは多数国間の条約、たとえば日米加漁業条約であるとか、あるいは北西大西洋の漁業条約とか、いろいろございます。一つは、これらの協定なり条約のもとにおいて、毎年定期的に所要の会議あるいは協議を持ちまして、その年の操業の条件について交渉あるいは協議をするということがございます。 〔竹内(黎)委員長代理退席、向山委員長 代理着席〕 それから、そのほか新たな協定を結ぶ必要があるというものにつきましては、いろいろあるわけでございますが、主要なものといたしましては、日本とオーストラリアとの交渉でございます。これは昨年の夏以来何回も継続的に交渉をしてまいっておりますが、また双方の意見の差が縮まっておらず、妥結、協定締結に至っておらないわけでございます。
○米沢委員 オーストラリアとの協定ですね。これは協定の内容いかんによってはまた漁業者からの離職者等がかなり多発する、そういう可能性を含んでおる問題ですか。
○中島説明員 われわれといたしましては、さような事態が発生することのないよう十分相手方にわが国の事情の理解を求めながら、粘り強く交渉を続けてまいりまして、円満な妥結に持ち込みたいというふうに考えて努力をいたしているところでございます。
○米沢委員 それでは、この法律に言う特定漁業から発生した離職者の実数はどういう推移をしつつあるのか。それから再就職状況ですね。「特定漁業離職者求職手帳発給状況」五十三年十二月末日の資料がありますが、就職件数なんというのはわずか二〇%ぎりぎりですよね。そういう意味で、再就職状況というのは残念ながら非常に思わしくない、そういう状況にあるわけです。そのあたりをどういうふうにつかんでおられるのか。 それから職訓の実績、それから公共事業の計画実施者に対してこのような離職者の雇い入れ促進について配慮するようになっているのでありますが、そこらの実績等について御説明をいただきたいと思います。
○細野政府委員 特定漁業離職者の数等についてのお尋ねでございますが、求職手帳を交付しております数は、これは陸上産業部門への再就職の希望者が労働省関係に来るわけでございますが、その数をまず最初に申し上げますと、全体としまして六百六十人が手帳の発給を受けておるわけでございます。その中で再就職した方の数は百五十九人、それから訓練の実施状況につきましては、訓練の受講の指示を受けている方が百三十六人、修了者が二十一人、受講中の方が七十七人でございます。 なお、御参考までに、海運局の方でお取り扱いの海から海へという方については、求職手帳の発給者数が六千七人、そのうちで就職者数が二百三人というふうに聞いているわけでございます。 なお、この漁業離職者で公共事業に就労しておる人がどのくらいあるか、こういうことでございますが、漁業離職者の方については特別の吸収率という制度をとっておりませんので、漁業離職者の数だけについて吸収実績というものはちょっと把握ができない状況でございますので、お許しをいただきたい、こう思うわけでございます。
○米沢委員 いま御説明いただきましたように、再就職状況というのは芳しくない。特に、この給付金の支給状況を見ましても、たとえば移転資金あるいは広域求職活動費、このあたりが、この資料によりますと五十三年一月から十月の累計でもゼロだということは、そこで離職した人はその地域でしか就職したがらない、結果的には、そこに雇用の需要があるかどうか、すべてそこらにかかってくるわけでありますけれども、いまのところ、いろいろな給付金等をもらって食いつないでおると思うのでありますが、ここらが期限がやってきた際に、逆にまた、新たな再就職でき得ない者が集団的に多発するということになりかねないわけでありますが、今後の再就職をさせるために一体どういう具体的な行政指導があるのか。それとも、いまこの法に言う制度をそのまま「さあ、いらっしゃい」という形で開いておいて、あとは時勢の流れを待つというそういう形になるのか。そこらをひとつ御説明いただきたい。 それから、公共事業等について配慮するという一項目を入れていただいて、特にこういう特定漁業から多発する離職者に何とか就職あるいは仕事をあっせんしようという、そういう配慮から出てきたこの一項目でありますけれども、そこらの実数はわからないとか、あるいはまた、一体どういう形で、ただ通達あるいは文書等でよろしくお願いしますという、そういうことで終わっておるのか、それとももう少し突っ込んだ要請の仕方がなされておるのか、その二点について御質問いたしたいと思います。
○細野政府委員 御存じのように、特定漁業離職者の方については就職促進手当が出ているわけでありまして、したがいまして、その金額等はもう五十四年度におきましては全国平均で約十万円くらいの金額になっているわけであります。このほかの業種の方に比べれば促進手当の支給の期間も長いわけでありまして、したがいまして、それとの比較で見ました場合に、他からの求人というものがかなりいい求人が出てこないとなかなか就職がしにくいという、そういう側面もあるわけでございます。したがいまして、けさほど来いろいろ御議論ございますように、一般的に景気の回復が着実になってきて、求人等も内容のいい求人等が出てくるということが、やはり再就職を促進する一つの大きなよりどころになるわけでありまして、そういう場合に備えて、今後求人等の出てきそうな、しかも良質の求人の出てきそうな職種についての訓練等を受講していただくやり方で、今後の再就職を促進していくことが一番現実的なやり方ではないかというふうに考えているわけであります。 なお、公共事業につきましても、先ほど申しましたように特別な吸収制度がないものですから、その報告が自動的に入ってくるようなかっこうにはなっていないわけでございますが、同時に、その促進手当の支給期間中に公共事業に使用されるというのもなかなか現実的にその期待がむずかしい面もあるわけでありまして、そういう意味で、調査した結果もそうたくさんの方が就労しているというふうには考えられないとは思いますが、いま申しましたように、その間の生活については促進手当によって維持されているというふうに考えているわけでございます。
○米沢委員 それから、この特定不況業種離職者臨時措置法の一部改正に関してでありますが、御案内のとおり経済の動向も緩やかな景気回復という形を見せ始めておりますが、依然として雇用・失業情勢というものは厳しい。そこで、まだ特定不況業種と言われるものから今後もかなりの離職者が出てくるであろう、こういうふうに予測がなされておるわけです。 そこで実績の問題でありますが、この法律の対象になっております指定された特定不況業種からの離職者の数、再就職状況、特に再就職状況に関連いたしまして、この特定不況業種から出てくる離職者の再就職状況とその他一般の離職者あるいは失業者の再就職状況と、果たして有意差みたいなものが認められるのかどうかというところが大変疑問でございますので、そのあたりを、もし数字がございましたら数字で御説明をいただきたいと思います。
○細野政府委員 ことしの二月末現在で特定不況業種離職者の発生状況でございますが、手帳の発給を受けた方が五万六千五百七十七人でございます。この中で再就職をされた方は二万一千四百九十九人でございますので、四割近くの方が就職をしておられるわけでございます。 それから訓練の状況を申し上げますと、受講の指示を受けた方が四千四百四十九人、それから修了者が一千三百七十四人、受講中の方が千八百六十人というふうな状況でございます。 それから公共事業への雇い入れの状況は、五十三年の四月から五十四年の二月まで、つまり五十三年度分ということになりますけれども、延べで一万三千五百十五人ということでございます。 それからなお、一般の求職者との間の就職率の比較についてのお尋ねがあったわけでございますが、まず、いま申しましたように約四割近く、正確には三八%の方が就職をしておられるわけでございますが、御案内のように全般的にも雇用・失業情勢が容易でない状況の中で、しかも特定不況業種の離職者の方は地域的にも集中している場合が多いわけでございまして、そういう事情の中でいま申しましたような数の就職をしておられるということは、現地の職安が相当むずかしい事情の中で再就職のためにできるだけの努力をした結果ではないかというふうに考えているわけでございます。 なお、一般の求職者の方をとってみますと、一般求職の中にはいわば転職希望者等も入っているわけでございまして、完全な失業者ばかりの数字じゃございませんので、直接比較するのも問題があるわけでございますけれども、ちなみにその数を申し上げますと、一般求職者の方が安定所の紹介で就職する率が三〇・三%ということでございまして、そういう意味では、先ほど申しました特定不況離職者の方についての就職率が高いというのは、やはり再就職についての現実の緊急度が高いということがそこに反映されているのではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
○米沢委員 それから、就職指導の窓口をもう少し強化して、指導官の再教育をすべきだという意見が以前から出ておるわけでありますが、その点、どういうような取り組みをいまなされつつあるのか。 それから求職手帳、制度的には三カ月ですね、これを六カ月にしてくれとか、あるいはまた事務手続をもうちょっと簡素化すべきではないか、こういう意見も従来からなされておりますが、この二点について、どういう取り組みをなされ、どこまでいま行き着いておるのか、御説明をいただきたいと思うのです。
○細野政府委員 いま御指摘の、まず指導官についての教育、訓練等のお話がございましたが、私ども今後の安定所のあり方の改革の現在実験段階を経て実施をするという方向に向かっていまやっておるわけでございますが、その中の大きな項目が専門官制度の強化、養成という問題でございます。そういう意味で、今後私どもは、就職のお世話をする相談、指導に当たる職員につきましては、できるだけ専門的な知識を持った、そういう実務自体について熟練した人たちを養成をしていくということが非常に重要であるという、先生の御指摘の方向に沿ったことを考えているわけでありまして、そこで従来の紹介担当のところについて課があったりしているわけでございますが、そういうところについては課をむしろ専門官制度に切りかえまして、各種の専門官を養成をしていく、そのために研修制度についても今後非常に強化をしていくというふうな方向で、この問題に対処してまいりたい。同時に、求職をされる方の態様に応じて、たとえば単に情報を差し上げるだけで済む方、あるいはかなり念入りな指導相談をしなければならぬ方、さらには一対一でいわば個人的に接触して就職についてのお世話をしなければならぬ方、というふうな態様に応じた紹介の体制をとることによって、効率を上げると同時に内容の必要なものについては濃くしていこう、こういうふうなことをいま検討中で、実験をしてかなりその実験結果については効果がある、こういう評価を各地方からも得ているというふうな状況でございます。 それから手帳制度につきましては、これは恐らく、この離職者臨時措置法関係ではなくて、中高年措置関係の手帳制度についてのお尋ねじゃなかろうかというふうに思うわけでございますが、これらの制度につきましては、何分にもいわば保険の終了者等についての特別な制度でございますので、これにつきましてほかの受給者等にはない特別な制度を補完的に実施するものでございますので、そのあり方についてはいろいろと検討すべき事項が多いわけでありまして、一般論としましては、たとえば半年をはるかに超えた形で求職活動をやっておられますと、再就職意欲というようなものがかなり落ちてくるというふうな別の問題もあるわけでございまして、したがいまして、保険の受給期間と手帳の期間というようなものを合わせてみて大体現在のところというものが一般論としては限界なんじゃなかろうかというふうに考えているわけでございますが、なおいろんな今後の推移を見ながら引き続き研究をすべき問題じゃなかろうか、こう考えているわけでございます。
○米沢委員 終わります。
○向山委員長代理 次に、浦井洋君。
○浦井委員 まず特定不況業種の離職者法についてお尋ねしたいと思うのですが、労働省の方から少し数字を教えてほしいのです。現在離職者手帳の発給を受けた離職者の現状はどうなっておるか、簡単にひとつ。
○細野政府委員 手帳の発給を受けた方の数は、ことしの二月末現在で五万六千五百七十七人でございます。その中で再就職した方が二万一千四百九十九人、約四割近くでございます。それから、訓練を実施している状況で申し上げますと、受講の指示を受けた方が四千四百四十九人、修了者が千三百七十四人、受講中の方が千八百六十人というふうな状況でございます。
○浦井委員 きのう労働省の方からいただいた資料によると、雇用保険の失業給付が過ぎて、それから離職者法の就職促進手当あるいは待期手当などを訓練手当も含めましてもらわずに、結局就職指導を受けておるというだけの方が二千六百八十二人というふうな数字をいただいておるわけですが、この二千六百八十二人の人は離職者手帳を持っておるわけですから、この人々に対してどういう援助措置をとっておられるのか、ちょっと聞いておきたいと思う。
○細野政府委員 保険が切れてしまってということになりますと、先ほど先生からもお話しございましたように、訓練待期手当なり訓練手当というものを訓練を受講する方について支給する、こういう仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、その再就職について有効な訓練職種等がございましたならば、できるだけそういう訓練を受けられて、その結果として再就職に結びつくようにということが一つの基本的な私どもの方針になっておるわけでございますが、同時に、この特定不況業種あるいは地域におきましては積極的な求人開拓をやりまして、求人開拓と申しますのは、個々の求職者に見合った、しかも適当な時期に求人を開拓しないとなかなか結合しにくいという問題があるわけでございまして、そういう意味での具体的な適切な求人開拓を、特別の開拓班を設けたりあるいは安定所でも幹部クラスが動くとかあるいは県の首脳部の方に動いていただくとか、いろいろなやり方で網羅的、徹底的な求人開拓を実施して、求人自体につきましてはかなり増加傾向に入ってきておるというふうな状況でございます。さらに、御存じの雇用開発給付金を活用しまして、そういう開拓してきました求人との結合を一層促進をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○浦井委員 現在の施策を言われたわけですが、現実にはやはり二千六百八十二人というふうに、いろいろな事情があるにしても再就職もできておらない、しかもいろいろな手当などももらっておらないということになるわけでありますから、もっと職業訓練の項目を適当なものにするとか、あるいは私が前から言っておりますように、いろいろな就労事業があるわけでありますから、そういうものに就労できるようなより具体的な援助措置を強く要望しておきたいと思うわけです。よろしいですね。 そこで、就職促進手当の問題でありますが、この法律ができたときには造船が就職促進手当の適用外であった。それを去年の十一月から就職促進手当が支給されることになったわけでありますけれども、上限が五十四年度で三千三百円、だから月に直しますと十万円ということになるわけで、家族構成にもよりますけれども、最低保障である生活保護よりも下回る場合すらある、こういうことでありまして、これはやはり大蔵省などに強く要求をして、少なくとも雇用保険の失業給付と同額になる程度の額は保障しなければならぬのではないか、このように私は思うわけでありますが、どうですか。
○細野政府委員 促進手当の日額につきましては、先生も御案内のように賃金とか物価等の上昇に対応しまして毎年引き上げを行っておるわけであります。本年度におきましても日額三千三百円、前年に比べまして七・四%アップをしておるわけでありまして、月額に直しますと約十万近くにすでになっているわけであります。したがいまして、一般の現在の民間の求人賃金等に比べましてもかなり接近をしてきているわけでございまして、そういう意味で、この額を上げることについてはいろいろな意味での問題があるのではなかろうかというふうに思っておるわけであります。 一方、就職促進手当の性格そのものから見ましても、基本手当の終了後に、本人の拠出とはかかわりなく、一定期間全額国庫負担でやる特別の制度でございますから、これを保険の額に合わせて頭打ちを全部撤廃するということについて、性格的にも一つの問題があるわけでございます。 そういう現在の求人賃金との比較、あるいは手当制度の性格の両面から見ましても、最高限度の撤廃については問題があり、実現が困難であるというふうに思っておるわけであります。
○浦井委員 しかし、現実にはそれで生活をできない人がある以上は、制度的な問題はいろいろあるだろうと思いますけれども、これはひとつ鋭意引き上げることに努力をしていただきたいと思うわけです。 離職者の発生に関連をいたしまして、ひとつ大臣に実情を聞いていただきたいと思うのです。川崎重工、これは造船が主だと言われておるのですが、たとえば神戸造船所などでは造船部門はもう二五%、いまやまさに重機械工業になっておるわけなんですが、そこで減量経営ということの一環として、ことしの三月十二日から四月の末までを期限にして、特別人員対策というような非常に大規模な退職者募集をやっておるわけです。すでに私たちが入手した資料によりますと、四月十日時点で、オール川崎で二千九百八十六人、それから本社のある神戸造船所で四百九十八名が、この退職者募集に応じて退職をすることになっておるわけです。当然この中の造船関連の離職者には離職者手帳が交付されることになるだろうと思うのですけれども、兵庫県の場合は御承知のように三菱あり石播ありということで、こういう大企業の減量経営で、景気の先行きは見えたかもわかりませんけれども、雇用情勢はますます深刻になってきておるという状況であるわけです。 そこで、私たちがよく調べてみますと、川崎重工では、希望退職の募集ということで労使間の協定をお互いに結んでやっておるわけなんですが、事実上退職強要が行われておる。しかも許せないのは、体の欠陥を理由にしてやられておるということであります。 たとえて申し上げますと、Aという人にしておきますが、ことし五十歳で勤続二十九年十カ月であります。この方は、昭和三十年の四月に労災事故で、左の上腕の切断ということで障害三級になっておる。同じく障害者の奥さんと高校二年生の子供さんと三人暮らしであるけれども、三月末に職制に呼び出されて、二時間にわたって退職勧奨が行われておる。やめなければ清掃に回ってもらうとか、現場では油にまみれて真っ黒けでやっておるのにおまえは何だというようなことで、右腕しかないこのAさんに対して、現在事務部門に回っておるのですけれども、明らかに不可能なぞうきんしぼりであるとか、現場に出て作業せいということを強要しておるわけです。そこで、この人は、そういう圧力に抗しかねた形で四月三日付で退職届を出しておるわけです。私たちが訪ねていくと、もう職安に行くのもいやだというようなかっこうで、非常に沈うつな表情で家に閉じこもっておられる、こういう状態であります。 〔向山委員長代理退席、委員長着席〕 それから、もう一例挙げておきますと、これも五十歳で勤続二十八年一カ月の人、月収が十五万円余りで、高校二年の娘さんがおられる。それで、奥さんは和裁の内職をしておられるわけなんですが、この人に対しても六回もの呼び出しがあって退職を強要しておるわけです。この人は、緊張すると顔が引きつるというような持病がある。それでいまは、そういう過度の緊張のために非常に病状が悪くなっておるわけなんですが、許せないのは、君みたいな体でどこが買うてくれるのかというような脅迫じみたことを言うてみたり、やめないのならけがをしても会社の責任ではないという念書を書け、それに奥さんも同意をしたものとせよというようなことを強要されておる。 この人の場合はまだ退職しないでがんばっておるわけなんですが、やはりこれは人道上の問題だと私は思うわけで、労使間の問題だということで労働省の方は関知しませんと言われるかもわかりませんけれども、やはり何らかの形で行政が手を打ってこういう人たちの苦難を救うべきではないか、私はそう思うわけなんですが、どうですか。
○細野政府委員 身体障害者の方につきましては、身体障害者雇用促進法の規定で解雇の届出制度というのがあるわけでございます。これを活用しまして事前に動きを把握しまして、特に身体障害者をねらい撃ちするようなそういう著しく不当な動きに対しましては、私どもはできる限りそういう方が職場にとどまれるよう企業との接触をやっておるわけでございます。そういうふうな形で、先生御指摘のような身体障害者がねらい撃ちされるようなことのないように今後してまいりたいと考えているわけであります。 ただし、先ほど先生御指摘の方につきましては、私どもの調査では、労災の補償に係るけがではなくて、障害の原因が何か脱穀機による負傷で、職場の中の問題ではなかったように聞いております。なお、希望退職に応じられたということでございますが、その希望退職の過程においてどういうことがあったかというような点については、私どもも詳細を承知しておりませんので、そういうことを含めまして、先ほど申しましたように、ねらい撃ちするような著しく不当なものにつきましては接触してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○浦井委員 大臣にお聞きしたいのですが、退職の強制ではないのですが、川重の神戸造船所では、若い労働者が岐阜工場に配転を言われて、家の事情もこれあり、拒否をしたところが解雇をされたということで、現在裁判に持ち込んで係争中であるわけなんですが、そういうトラブルが少し頻発をしておるのではないかと思えるわけなんで、ひとつ大臣としても何らかの手を打つようなことを指示をしていただきたいと思うのです。
○細野政府委員 個別の労使関係の問題については、やはり原則として国が介入するのには問題があるというふうに思われるわけであります。したがいまして、先ほども申しましたように、たとえば身体障害者の方をねらい撃ちするとか国の方針に著しく反するようなことをやられた場合について、私どもが国の政策的な立場から、企業に対して私どもの考え方を伝え、再考を促すというような場合もあるわけでございますけれども、先ほど御指摘のように配転問題その他の個別の問題についてまでは、一々国が介入することについては問題があると考えるわけでございます。特にいま裁判等で係争中の問題であればなおさら、これはやはり法的に解決をすべき問題ではなかろうか、こう考えているわけでございます。
○浦井委員 やはり大臣としてもひとつ関心を持ってながめていただいて、行政としてできる限りの適切な手を打っていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。 そこで最後の問題でありますが、これは時間がございませんので私の方からなにしますと、雇調金の問題で、そちらの方からいただいた資料によりますと、確かに五十二年度までは中小企業の利用が多かったわけなんですが、五十二年度からは、利用する人の数も給付金額も、三百人以上の大企業が多くなっておるということがはっきりしておるわけです。だから、これは、雇調金という制度が本来失業防止ということになっておるのに、何か失業防止の効果ではなしに、大企業の場合には、雇調金制度をやってその給付を受けて、その後解雇というようなかっこうが出ておる例がよく見受けられるので、非常に制度的に問題があるのではないかという感じがするわけなんです。 たとえば二、三例を申し上げますと、日鋼室蘭では、去年の四月に従業員教育休暇を実施し、七月に一週間全従業員の休業をやっておる、いずれもこれは雇調金の対象になって給付を受けておるわけなんです。ところが、引き続いてことしの一月には特別退職奨励制度というものをこしらえて、千人を目標にして募集をし、すでに退職者を出している。それから住友重機の横須賀工場では、やはり去年の十月に教育訓練休暇をやっている。それで、これは雇調金の対象になる。ところが、十二月には転退職者優遇制度を発表しておる。そして、ことしの二月段階で見ますと、退職者募集をやって、全社で九百八十五人を解雇するというようなことなっておる。 こういうように、この二つの例でわかることは、先ほど申し上げたように失業防止のためではなしに、結局雇調金というのは解雇を前提にした制度として大企業が利用しておる傾向がある、こういう状態が出ておる。 それから、もう一つの問題は新日鉄の場合ですが、広畑や室蘭、こういうところでは、去年の三月から七月に、御承知のように大規模な訓練休暇をやっている。それで、雇調金の給付の対象になっている。しかし、九月期の決算では増益になっておるし、三月期の決算見込みではもう史上最高の利益が見込まれておる。だから、雇調金を含む安定資金によって休業中の賃金支払いを行って、それがそのままそっくり、金額的には企業の利益になって新日鉄の手元に残っておるというような状況が出てきておるわけであります。 だから、私が要望したいのは、大企業による雇調金制度の利用と、その後の雇用調整の実情を調査して、状況をはっきりと把握すべきではないか。そして、でき得べくんば、失業予防の効果が期待できない場合であるとか、あるいは雇調金制度を利用した直後に多額の利益を上げておるような場合には、何らかの方法で申請を保留するとか返還を求めるとかいうような、制度上の改善が図れないかということであります。それを要望しておきたいと思う。こういうことが横行していくというのは、やはり政府が確固として、解雇規制ということを法的にやるという点を抜きにしては、こういう雇調金制度というものも結局は大企業の経営に利するだけだということになってしまうわけで、この辺についての問題、局長と大臣に答弁を求めて、私の質問を終わりたいと思う。
○細野政府委員 雇用調整給付金が大企業に偏っていないかというまず第一点の御指摘でございますが、昨年の四月から十月までの実績で見ますと、中小企業の割合が事業所数で約九割、それから支給額で約五割近くでございまして、利用状況は必ずしも大企業に偏っているとは言えないのじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。 それから、その運用について、本来の失業の予防という性格にかかわらず、いわば希望退職の地ならしみたいになっているじゃないか、一口に言うとこういう御指摘ではないかと思うわけでありますが、これにつきましても、確かに失業の予防という観点から見て、それに引き続いて人員削減等が行われるということは望ましくないわけでございますが、ただ、そこを余り厳格に私どもが言いますと、また失業の予防自体にも役立たないということになって、そこの辺に非常にむずかしい点があるわけでございます。 そこで、その制度の適用に当たりましては、御案内のように労使の協定ということで、企業の実情をよく知っております労働組合にもそういう点についての御判断をいただくというやり方をとっておるということが一つございます。 さらには、支給に際しましてはこの制度の趣旨というものをよく事業主側に伝えまして、失業の予防ということについての事業主側の努力についても私ども指導いたしているわけでございます。ただ、結果的に、おっしゃるように本来の制度から見てやや問題があるなというふうなものがないとは言い切れないわけでございます。したがいまして、今後労働省としましても、受給した後の状況につきましてもできるだけ実情を把握しまして、趣旨が損なわれることのないように企業の指導を一層強化してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○栗原国務大臣 政府委員と認識は同じでございます。 ただ、一言つけ加えますと、こういう制度というのは弾力的に運用しないとうまくいかないわけですよ。ですから、弾力的にやるということについては変わりがございませんが、大企業であれ中小企業であれ乱用は戒めたい、こう考えております。
○浦井委員 終わります。
○森下委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○森下委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○森下委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森下委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○森下委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣提出、医薬品副作用被害救済基金法案及び薬事法の一部を改正する法律案、両案審査のため、来る二十七日、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森下委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森下委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ————◇————— 午後二時八分開議
○森下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山富市君。
○村山(富)委員 まず、ちょうどことしの春闘もいま山場を迎えようとしておるわけであります。かつて三木内閣当時に、スト、処分、ストという悪循環は断ち切りたい、解消したい、こういう基本方針が示されて、この委員会でも当時の労働大臣はたびたびそういう態度の表明をしてまいりました。こうした基本方針、見解については、いまも変わりはないかどうかということが一つ。 もう一つは、二十五日から私鉄、公労協を中心に事態の推移によってはストライキに入るという方針が決められております。その基本方針を踏まえるならば、政府はやはり労働省を中心にしてストライキが回避できるような努力を最大限すべきではないか。とりわけ、一部の声を聞きますと、私鉄の労使交渉に対して政府筋から何らかの圧力がかけられておるといったような話も聞くわけでありますけれども、こうした誤った行動については排除しながら、主体的に労使が誠意を持って交渉し得るような環境をつくっていく、同時に、可能な限りストライキが回避できるような最大限の努力をやはり側面的に払うべきではないかというふうに思いますけれども、労働大臣の見解を承りたいと思います。
○栗原国務大臣 最初に、ストライキをやった、それを処分した、またストライキをやった、それでまた処分する、そういうことはまことに好ましくない、そういう悪循環を断ち切りたいというのは、いまも政府として変わっておりません。 ただ問題は、今度の春闘でありますけれども、いろいろの評価はあると思いますけれども、私どもは、特に国鉄の労使が再建というものについて真剣に考える、そういう雰囲気がございます、この雰囲気というものはきわめて歓迎すべき方向であるというので、いろいろ議論はございましたけれども早期に回答を出す、それから有額回答につきましても昨年を上回る第一次有額回答をした、そういうことでございまして、私どもがそういう措置に出ましたのは少し甘過ぎるんじゃないかという御意見もわれわれの方に対してございます。しかし、そういう声がありましてもあえてそれをしたゆえんのものは、やはりストライキはよくない、そういうストライキがなくなるような環境をつくりたい、労使がそういう方向でいくならば、その環境づくりを政府としても精いっぱいやりたいということでやっているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今後もその環境づくりについては最善を尽くしたいと考えております。そういうことで進んでいきたいと思います。
○村山(富)委員 国民も非常に注目していますから、政府の与えられた立場というものも十分わかりますけれども、そうした基本方針を踏まえて最大限の努力をすべきではないかというふうに思いますので、強く要望しておきます。 次に、本年度の予算審議の際に、予算修正問題に関連をして社会党からも予算修正に対する要求を出し、自民党からその回答がございました。その回答について具体的にどのような措置がとられるのか、お尋ねをしたいと思うのです。 その回答の中には幾つかの問題点もあるわけです。とりわけ厚生省関係につきましては、与野党の合意に基づいた事項について適当な修正を行って、この委員会で成立を見たというふうな措置を講じてきたわけです。そこで、労働省に関連をする問題について、この際お尋ねをしておきたいと思うのです。 一つは、定年延長奨励金等については今後情勢を見てその支給額の引き上げを検討する。二つ目は、政労使公の四者による中央・地方機関を活用し失業、再就職などの雇用情勢についての調査を行う等、中高年齢者雇用開発給付金等による十万人の雇用創出の実現を図る。また、十万人の雇用創出を上回る需要があるときは、雇用安定資金等を活用し適切に対処する。三つ目は、地方重点地域に雇用発展職種研究開発委員会を設置する方向で検討する。四つ目は、定年延長の推進等については、立法化問題を含め政府の審議会の議を経て検討したい。こういう四項目にわたる回答がございました。この回答について政府はどのようにその実現方を措置されるのか、お尋ねをしたいと思います。
○栗原国務大臣 いまの問題に答える前に、先ほどのお話しの中で、政府が私鉄の賃金について圧力を加えているんじゃないかというような御疑問がございました。そういう事実はございません。 それからいま一つは、私どもは、そういう環境づくりをいたしますために最大の努力をいたしますけれども、しかし問題は、いま国民がどう考えているか、国民的な視野に立って粘り強く交渉を続ける、そしてストライキを回避する、労使がそういう努力をすることが最も肝要である。われわれはそういう環境をつくることは積極的にやりますけれども、問題は、労使がそういうストを避けるためにどうやるかというところに重点があることだけ、申し添えておきます。 次いで、お尋ねの点についてお答えをいたします。 予算審議に関連いたしまして、自由民主党から野党各党に提示した雇用対策につきましては、労働省といたしましては、その後、社会党からの要望の趣旨を十分検討し、また自由民主党と公明党及び民社党との間で行われた話し合いの経緯をも踏まえ、誠意を持って検討した結果、次のように対処することといたしました。 一つは定年延長奨励金でございますが、中小企業三十万円というふうに予算案にはなっておりますけれども、これを三十六万円、大企業の場合は二十万円を二十七万円、継続雇用奨励金につきましては中小企業十五万円を十八万円に、大企業十万円を十三万五千円、こういうことにいたしまして、中央職業安定審議会の議を経てできるだけ早く実施いたしたい、こう考えております。 次に、中高年齢者雇用開発給付金等による十万人の雇用創出の実現を図るために、中央・地方の職業安定審議会を活用することといたしまして、中央職業安定審議会におきましては必要に応じ現地調査を実施するとともに、中央職業安定審議会の積極的活用を図ることにいたします。雇用創出に関しましては、十万人を上回る需要があるときは、雇用安定資金等を活用し適切に措置するつもりでございます。 それから、政労使公の四者構成による地方雇用開発委員会をできるだけ早い時期に五カ所に設置いたしたい、こう考えております。 それから定年延長の推進につきましては、立法化問題も含め、できるだけ早い時期に雇用審議会に諮問することといたしております。 以上でございます。
○村山(富)委員 地方雇用開発委員会を五カ所に設置する。これは特定不況地域を指定した地域もあるわけですし、自主的に自治体がその地域でつくるというようなこともあり得ると思うのです。したがって、当面はこの五カ所を設置するけれども、その実績をにらみながら今後十分検討していただきたいことをつけ加えて要望して、私の質問を終わります。
○森下委員長 次に水田稔君。
○水田委員 午前中に論議されました特定不況業種の離職者臨時措置法に関連する問題でありますが、午前中の答弁でも、大臣から、運用については弾力的なということが何回も出たわけです。 一つ例を申し上げたいのですが、たとえばいま業種指定されてないソーダ工業というのがあります。苛性ソーダの業界です。これは一昨年から昨年にかけてたくさんな人員整理が実はされておるわけです。五十三年の秋には日本曹達で五百十名整理されている。そのときも問題になりましたけれども、全く法の救済というのは受けられなかったわけです。保土谷化学でも百名ぐらいの首切りが行われました。つい最近では苫小牧ソーダが閉鎖する、こういう事態が起こってきたのです。しかし、法律上の恩典は全くこの業界についてはできないということなんです。考えてみると、現に適用されておる業種というのはたくさんありますけれども、それらに比べてもなお深刻な状態にあ司現在の操業率が六〇%少々ということで、将来に向かってそれほど持ち直すということは、長い目で見ても、年率三%か四%の伸び率しか見られないという業種なんです。しかし、たてりからいいますとなかなかその枠に入りにくいということなんですが、一体このことを弾力的な運用という言葉の中でどういうぐあいに受けとめられるのか、あるいは現状をどういうぐあいに御理解なさっておられるのか。 もう一つは、午前中の答弁にもありましたけれども、この基準というのは二つあるわけなんですが、念のためにそこらあたりも詳しく聞かしていただきたい、こういうように思います。
○細野政府委員 特定不況業種の指定基準は、いま先生からお話しございましたように二つあるわけでございまして、これにつきましては、先生も御案内のように安定審議会にお諮りしてその意見を尊重して決めたところでございますが、その二つと申しますのは、一つは、その業種の事業活動それから雇用の状況を示すそれぞれの指標が、最近三年間とかあるいは最近六カ月というふうな形で見た場合に、これが減少傾向にあるということでございます。あるいは、製品または役務の供給能力が著しく過剰で、その状態が長期的に継続するという、いわば非常に客観的な数量的な基準でございます。それから二番目の要件は、その業種が単に不況状態にあるというだけではなくて、その業種について、法令に基づく行為によって、直接、事業規模の縮小等が行われる、あるいは事業所管官庁の明確な政策方針に基づいて、事業規模の縮小等が行われるというふうに、いわば国の施策そのものとして事業規模の縮小が行われるという、この二つの面を要件にいたしておるわけでございます。そのことは、対象業種に対しまして特別の、たとえば雇用保険制度等を補完するための一般会計による特別の制度が用意されているということとの絡みで、いま申し上げましたような二つの点が要件になっておるわけでございます。 先生御指摘の苛性ソーダ製造業につきましては、この指定基準から見ますと、まず第一番目の事業活動なり雇用の状況に関する要件については、その細部はともかくとしまして、大ざっぱに見ましておおむね基準に合致しているのではなかろうかというふうに私ども考えているわけでございます。しかし、第二の要件でございます国の方針に基づいて行われる事業規模の縮小かどうかというところが一つ問題になるわけでございまして、この点につきましては、その業種の構造改善対策につきまして業界内で現在検討中でございます。事業所管官庁としましても、業界の方針がまとまった段階で政策方針というものを具体化していきたい、こういうように考えているわけでございまして、その検討結果を待って、先生御指摘の苛性ソーダ業界に対する業種の指定問題も私ども検討してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○水田委員 二つの条件で一つは合致しておる、こう言われるのですが、この苛性ソーダの業界というのは、御承知のように四十六年の水銀問題で、技術的な検討がまさに十分されないままこれは転換ということになって、隔膜法に変えられたわけですね。その場合の設備投資が一番金利が高いところでやられる。ですから、一つは、不況と同時に、政府の方針によって、いま金利負担という大変なものを余分に抱えた状態になっているという条件があるわけですね。それからもう一つは、労働省も御存じのように、苛性ソーダというのは、普通の業種のように大体似通った会社が十とか二十あるのじゃなくて、たとえば資本金何百億という中で全体の生産の中の三%くらいを苛性ソーダをつくっておる、あるいは中堅は苛性ソーダと塩化物を半々ぐらいにつくっておる。あるいはガラスというものをつくる。これは一つは自動車との絡みから、非常にいま好況の中にあるソーダですが、そこで全部吸収できるものもある。あるいは、さっき申しました苫小牧ソーダや北海道曹達あるいは水島の関東電化のように、きわめて小さいソーダ専業で、そして塩化物を有効に使って何とか生きているという、まことに多種多様な業界で、資本の額から言っても、人員から言っても、業績から言っても、業界で自主的な話し合いでやれと言ったところで、これはとてもじゃないができる条件にない。そのことが今日まで適用されない主たる理由で、それですから、これから整理されるというのは、業界まとまっての整理は数が知れている。本来ならば、いままでにこそ救われるべきものが救われずに来たところに問題があるので、私は、弾力的な運用がなぜできないかという疑問を持つわけなのです。ですから、たとえて言いますと、自動車のフロントガラスをやっておるところはずっと好況ですから、それに供給するというところは悪くないわけですよ。好況ですから、そんな特定不況業種に指定してもらっては困るというのが当然出るわけですね。もう一つは、財閥の会社であって、従業員が万とおりまして、その中でソーダ関係が二、三百で、全体の生産額から言うと三%、五%というところは、ほかでカバーできまずから、そこが少々悪くてもまあ二、三年耐えていこうという自力がある。そうでない専業の中小が、まさにこの法律の適用を希望し、待っているわけですね。しかし、それができないままに経営を持ち切れなくて、そういう恩典を受けないでどんどん整理されていく。ですから、そのところを弾力的に運用するという中で、何とか引き上げる方法はないものか。いま局長が言われたようなことでは、業界のあれが全部整理がついた段階、もうつぶれるところはつぶれてしまって、初めてやりましょうかという形になりますね。私はそうとしか考えられないわけです。 そこで、私は、この法律の運用の中で一番問題があるのは、基準年次のとり方だろうと思う。なぜかと言いますと、四十八年のオイルショックですぐショックが来た業種と、それから引き続いて、たとえば造船は手持ちの仕事を持っていますから、二年ほど後へ残っていったわけですね。鉄鋼の方は五十一年、五十二年というのはまだ生産はそんなに落ちていない。五十三年でがたっと来たわけですね。造船もそうです、四十八年にがたっと落ちたのではないのです。ところがソーダは、四十八年のオイルショックの直後からがたっと落ちてそこから横ばい、もしくは年三%ぐらいのあれですから、幾ら基準年次をとっても、そこではなかなか合致しないという問題がある。私は、弾力的な運用という中では、一つは、その基準年次のとり方を、これは業種ごとに調べてごらんになったらわかると思う、繊維が一番来たはずです。だから、その業種ごとに、全く同じときに四十八年のオイルショックをもろに受けたということはないという事実、ですからそれを弾力的に、どう基準年次を見るかということが一つ。もう一つは業界の特性、大体似通った業態ならば話し合いは非常に早くつくわけです。なかなかこれがつかないという特殊な条件。もう一つは、政府の施策というのを考えた場合に、これはいわゆる水銀法から隔膜法に転換を命じたあのときのやり方というのは、恐らくしゃにむに見通しも何もないままにやった。そのことが今日のソーダの不況に二重、三重のかせになっているということを考えれば、そこらを総合的に考えれば、その弾力的な運用、当然何らかの措置をやってしかるべきで、似通った業種で見れば適用されたものはたくさんあるわけですが、ソーダだけが(2)の条件に見合わない、また業界がいま努力しているけれども、まだ相当の時日がかかる。時日がかかって待ってみれば、最後にはもう全部人員整理が済んでしまって、つぶれるものはつぶれてしまった後で、適用しましょう、要りません、とこういうことになる。そういう状態を考えたならば、私が申し上げたことについて、それぞれ考慮できる条件だと私は思うので、弾力的運用ということならば。 それで、一つは、基準年次のとり方というこの(1)の条項。法律を生かして使うなら、当然そういう見方をすべきだと思う。それから(2)の条項で言えば、一つは、直接ではないけれども政府の行政的な指導で水銀法を隔膜法に一挙に転換させた、そして大変な余分の設備投資をさせられた、しかも金利は最高のときのものをいまだにかぶっておる、そういう問題がある。そして、いま業界としては六〇%の操業率で、これから十年先を見込んでも七二、三%の操業率にしかならないという見通しの業界ですから、これがこの離職者法の適用の業種指定がされないというのは、むしろ常識的に言えばおかしな話なんです。ですから、これは法律を生かして運用するというならば、(1)の問題については基準年次のとり方、(2)の問題については、政府の方針で強制的に隔膜法に転換させたこと、そしていま努力している見通しというものは、ある程度業界のむずかしさを考慮して、若干時日がずれても、それを見通しがあるということで救い上げるというようなことは、やろうと思えば、本当に業界の実態を御存じなら、私は不可能なことじゃないと思うのです。 私の話を聞いて、大臣ひとつ。これは本当に深刻な問題なんです。ここに働いておる連中あるいは会社にとっても大変なことなんです。この離職者法が適用されて、根本的に全部が解消するというものではないのです。せめても、これだけの不況の中でみんながんばってきた、それぞれある程度の手当てはされてきた、しかし一番救ってほしいところが救われないというのがこういう法の運用の問題で起こっているということを御理解いただいて、何らかの救済の方、法をぜひ御検討いただきたいと思うのです。
○細野政府委員 御指摘がありました中で、第一の要件の見方の基準につきましては、先ほど私からも申し上げましたように現在かなり弾力的な考え方を取り入れておりますので、おおむね合致しているというふうに見ていいのじゃないかと思っているわけです。 問題は第二の方の要件でございまして、この点につきましては、何といいましても、事業所管官庁自体のそれについての明確な政策方針は立っていないというのが事実なわけでございまして、そういう意味で、これを、明確な政策方針に基づく合理化であるというふうに認定することはちょっと困難でございます。そういう意味で、事業所管官庁にこの問題についての政策方針をもっと早く明確にするというふうに、私どもの方からも先生のお考えをよく伝えたい、こういうふうに思っておりますけれども、そこのところを弾力的にと言われても、なかなか困難な状況にあるわけでございます。 そういう意味で、私どもとしましてもかなり弾力的には判断をさせていただいているのでございますけれども、現状においてはこれを特定不況業種として認定することは困難である。 ただし、先生も御案内のように、たとえばこの不況業種の指定を受けた場合に保険の九十日の個別延長等の問題がございますけれども、しかし中高年齢者の方であればこれは六十日の個別延長というような制度を全国的にやるとか、あるいは不況地域等につきましては安定資金を全面適用するとか、特定不況業種の指定をされたところとオーバーラップするようないろいろな施策を現在とっておりまして、その差というのもそう大きな著しい差にはなっていないわけでございまして、そういういろいろな補完的な制度で、現在実際にお困りのところについてはかなりカバーしているのじゃなかろうか、こう考えているわけでございます。
○水田委員 これは余り詳しく申し上げたくないのですが、昨年の七月に、ゴム履物業界について指定してもらったわけです。いま言われた第二の条項について、政府の政策方針という、このやり方の問題があると思うのですね。これはゴム履物については、いわゆる韓国、台湾ものから圧迫されてどうにもならないという中で、そういう手当てをしたわけです。これに比べてみますと、この方はもっとひどいわけですね。ですから、たとえば業界から出るものは、見通しとしては操業率六〇%で、とにかくこれは何らかの生産調整か設備廃棄か休止をしなければならぬのですね。ただ問題は、なかなか話がまとまらぬというのは、これがまた、政府の方針によって転換したため、設備廃棄は古いものから廃棄するのが常識なんですが、ところが新しいものが隔膜なんですね。古いもので残っておるのは水銀法なんですね。だから、品質の点と実際の売れ行きから言えば、古いものをつぶすわけにいかぬ。二重、三重に、政府のいろいろな強制的な転換によって起こったことが、今日のこの調整さえもできないということになっているのですね。 それからもう一つは、通産省の指導で生産調整をするということにするのか、そういうアクションがかかったということでやるのかどうかということも、実はソーダ工業会の亡くなられた三好会長が、塩が割り当て制だから、そこでコントロールするから、業界の自主的なあれで生産調整はしなくてもいいのだと言われた、そのことが引っかかっておるような気がして仕方がないのですね。塩が専売ですから、そこのところで事実上は生産調整というのがされているわけです。ですから、そういう条件も考えてみれば、業界から何らかのあれが出ない限りというのは、私は相当先になると思う。 さっきから言いましたように、業種が千差万別で、大きいところから小さいところ、専業があれば、ごく一部がある、半分くらいがある、そして業種によってはいいところがある、どうにもならないところがあるというようなことですし、それからもう一つは、生産調整についても、いわゆる塩の専売ということでコントロールされておるから、業界が、とにかく設備廃棄へいくまでの聞こういうことでもやろうかということは話をしなくてもいいということが、むしろ、通産の受け取り方としては何にも努力してないじゃないか、こういう話になるわけですから、私がいま申し上げたようなこと全部を詰めながら、これだけの業種にいつまでも適用されないというのも——業界で一生懸命やっていきなさいということでは、私も業界には一生懸命やっていますよ、あなた方業界が何らかの基本的な方向だけでも出しなさいということをこの一年来ずっとやってきているわけですね。それでなおかつ困るのは、現にこうやってはみ出してくる労働者が困るから私は申し上げるので、その点は業界にもよく伝えておきますというくらいでは困るのです。 大臣、私の話を聞いていただいて、どうですか。これは局長もよく御存じなんです。どの業種よりもひどい業態の中で、なお救われない業種の一つということはよく御存じなんですから、私が申し上げたように何らかの弾力的な運用という中で、(2)の条項についても、一つは政府の施策によって転換をさせられた、そのことが余分に加わっておるわけですから、それからもう一つは、生産調整というような行為というのが政府の政策方針か何かということによってないというのは、それはないのじゃなくて、塩が国の専売だということですでにコントロールされている、現実にはもう六〇%の操業しかされてない、将来見込みとしてはすぐに八〇%、八五%の操業率に回復する見通しは全くないというところでありますから、何らかの休廃止をやらざるを得ない。ですから、基本的な方針くらいでも出れば、この(2)の条項該当というようなそういう配慮というものは私はぜひしてもらいたいと思うのです。いかがです。
○栗原国務大臣 ぎりぎりどういうふうにしたらばこれが適用できるか、適用できないゆえんのものは何かということをさらに検討してみまして、その上で、労働省だけでできることであれば労働省で処置できますが、労働省以外のところとも相談をしなければならぬという場合には、そういうことを踏まえて適切に、できるものはできるように、できないものはこういうわけでできないというお答えをいたしたいと思います。
○水田委員 はい、わかりました。 いま雇用問題というのは一つの業種でも問題がありますし、地域でも問題があるわけですね。これもいわゆる業界における構造改善という中で起こってくる問題、恐らく大臣もお聞きになっているかもしれませんけれども、アンモニア肥料の関係が構造改善ということでこれから設備廃棄をやっていくことになっているわけです。これはアンモニアが二九・七%、尿素が四三・三%、もともとはアンモニアが二〇、尿素が四〇、湿式燐酸二〇%ということでやったのですが、ずっと調整する中でこういうことになってきたわけです。 いま三菱グループというのが最後に残っておるわけですね。ここで考えてほしいのは、そこで廃棄になったところは、法律でこういう恩典がありますよということだけでいいのかどうかということ、その以前の問題として、私は雇用問題として考えていただきたいのは、これは名前を挙げて悪いかもしれませんが、三菱グループではいわゆる鹿島コンビナートの中における鹿島アンモニア、それから小名浜の日本化成というところで、いずれもアンモニアをつくっておるわけです。これはアンモニア全体をグループの中で何%とやりますから、それぞれを何%削ってということにはならぬわけですね。で、いずれを落とすかということが検討されておるわけなんです。そういうことは当然業界が自主的にやることであって、国がとやかく口出しすべき問題ではないのですが、ここでそういう問題を考えるときに、たとえばその地域における雇用問題の影響ですね。これは大変な違いようがあるわけですね。いわゆる鹿島コンビナートの中における鹿島アンモニアというものの全体の中に占めるウエート、これは住友の金属を中心とした鉄鋼、それから石油化学が張りついた日本有数の、完成すればいまで言えば恐らく最高のコンビナートです。ところが、片一方の小名浜の方へいきますと、小名浜の日本化成というのはアンモニアとコークスなんです。これがメインになって、そこからアンモニア及びコークスガスが周りの工場へいって、コンビナートが成り立っているという小さなもので、いわば大人と幼稚園の子供くらいの違いのコンビナートということなんです。この日本化成のアンモニアをつぶすということになりますと、あとはコークス炉だけですから、周りの工場とは全く関係がなくなり、周りの会社も全部原料がとまるし、アンモニアを一々ボンベで持ってくるかということになるわけです。 日本化成を中心にした小名浜コンビナートは非常に小さなものですが、それでも六千人の労働者がおる。それで、肥料の構造改善でどっちかをぱっとやって、たとえば小名浜をつぶすとしますと、小名浜の工場地帯は全部つぶれるということですから、いわき市は人口が三十三万人ぐらいですが、二十六万人が署名をして、これは大変だということで、私どもは会社の自助努力の中の何をつぶすかということにまで触れようとは思いませんけれども、少なくともこれを考えた場合、小名浜というのは常磐炭鉱がつぶれてきたところで、そしてその中でささやかなコンビナートを市民全体で支えて、六千人というのですから、家族を含めて一世帯三人としても二万人近い家族が生活しておる、それがぺっしゃんこになるというので、その地域の雇用問題は当然考慮しなければならぬのではないか。そういう点について、これは法律的にあるいは権限としてやれるという問題ではないのですが、私は、離職者法の適用以前の問題として、不況地域なら地域指定をすればいいという問題ではなくて、それらをそうならないよう地域の雇用対策として何らか物を言うことはできないのかどうか、あるいは何らかの方策はないのか、非常にむずかしいと思うのですが、その点について局長なり大臣のお考えがありましたらぜひ聞かせていただきたいと思うのです。
○細野政府委員 先生もお触れになりましたように、原則論から申しますと、個々の企業の経営問題に国が直接関与するというのにはいろいろ問題があるわけでございます。しかし同時に、先生いま御指摘のように、地域に非常に大きな影響を及ぼすという状況でございますし、それから私どもの方にも関係の市町村あるいは関係の団体等からの強い御陳情もあったわけでございまして、そういう観点から、私ども、この場合の合理化計画の中心的存在でもある三菱化成の幹部に来ていただきまして、実情を伺うと同時に、経済の合理性という問題があると同時に雇用という問題もありますので、両方の調和に十分配慮して考えてくださいということを、この二月二日に要請をいたしているわけでございます。 現在まで私どもが聞いているところでは、合理化計画そのものはとりあえず実施が延期されまして、なお検討が行われている模様でございますけれども、具体的な実施時期とか内容等についての結論が出るにはさらに相当時間がかかる、こういうふうなことでございまして、私どもも事態の推移を注目している、こういう状況でございます。
○水田委員 答弁されるとおり直接介入できる筋合いのものではないけれども、事態が起こればこれは大変深刻な問題なんです。ですから、事態の推移を見守るというようなことでは私は困ると思うのです。ですから、ただいま一遍呼んで聞かれたと言うのですが、そこらあたりをもう一度。いわきという市の三十三万市民にとってみては大変なことなんです。ですからそういうことをもう少し、単純な将来のあれからいえば、新鋭設備を残して古いのをつぶそうというのは恐らく常識的になるわけですね、そうなる可能性がきわめて強いわけですから、法律的にどうこうできないけれども、地域の雇用問題として何らかの慎重な扱いをというのを、大臣あたりからでもどこかあるいは通産と話をしてもらうとか、その辺適当に、余り具体的に申し入ればできないと思いますけれども、よろしくお願いしたい。 それから、もう三菱化成というよりはこれは銀行サイドになっていますから、そこらあたりへは、地域雇用という問題でわれわれは重大な関心を持っておるので、慎重なというそういう程度のことでもやってもらわないと、私は一方的な形で押し切られる心配があると思うのです。もちろん私も、どっちを残してどうということを言える立場ではありませんから、それは申し上げませんが、少なくとも労働省として、その程度のことをこれからの問題としてぜひ物を言っていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○細野政府委員 先ほども申し上げましたように、二月二日には、うちの事務次官から三菱化成の副社長に対しまして、先ほど申しましたような、経済の合理性と雇用問題との調和ということについての配慮は十分してやっていただきたい、ということを要請いたしまして、これに対しまして副社長から、できる限りの配慮をしたいという答えを得、かつ、先ほど申しましたように現在の進捗状況が、現在検討中であるけれども具体的実施の時期なり内容等の結論が出るにはさらに時日を要する、というふうな御報告をいただいているわけでございます。ですからこの段階においては、さっき申しましたように事態の推移を見守っているというわけでございまして、決して要請しっ放しで全く手をこまねいているというわけではないわけでございます。
○水田委員 それでは、今後も事態の推移を見ながら、物を言うべき必要があれば言う、こういうぐあいにお考えになっていると理解してよろしいですか。
○細野政府委員 事態の状況に応じて適切に対処してまいりたい、こう思っております。
○水田委員 ぜひそのようにお願いしたいと思います。 雇用問題で、大臣が私どもの村山委員の質問に対してお答えになっていますが、経済界の代表の方々に、いわゆる減量経営ということで必要以上な人減らしということは慎んでもらいたい、こういう発言をなさっておるわけです。きょう現在、大臣のお考えは、いままでいろいろ経済団体と話されて、そんなことはないという話も出ておったと思うのですが、この不況の中でいまでもこの申し入れた気持ちというのは変わりありませんですか。
○栗原国務大臣 変わりございません。経営者が減量経営に藉口して人減らしをするということは厳に慎んでいただきたい、またわれわれは、経営者の方々がそういったことを社会的責任とお考えにならないような徴候があれば、随時そういうことのないように強い要請をいたしたい、こう考えております。
○水田委員 そこで、住友重機の指名解雇の問題なんです。多くの会社での人員整理というのは、いろいろやり方には問題がありますけれども、ほとんどが希望退職ということでやられてきた。それだけに労働省も、いま大臣が言われたように、不況を理由にした必要以上な、いわゆる減量経営ということでの人減らしというのは避けてもらいたいというお気持ちから見て、指名解雇というのは非常にショッキングな、この不況の中で労働省が取り組んできたことに対する、その顔を逆なでするような措置だったと私は思うのですね。これは大臣が社長をお呼びになって申し入れされておると聞いておるんですが、それはありませんか。
○松井政府委員 まず、この住友重機の労働省が対応した経緯について申し上げまして、それからその過程におきまして、大臣が社長をお呼びになった事実はございませんでしたが、次官が呼びました事実はございますので、その辺の対応の状況をちょっと御説明してみたいと思います。 昨年の十一月ごろにこの住友重機の合理化提案が出まして、非常に大規模なものでございますので私どもも非常に注目しておりました。ことしの二、三月ごろになりまして、だんだん大詰めになってまいりまして、指名解雇というような話も出てまいりまして、新聞などでも取り上げられ、また当衆議院におきましてもまた参議院におきましても、いろんな委員会でこの住友重機の関係についての御質問があったわけでございます。そういうことから、私どもも大臣の御指示を受けまして、それでこの住友重機の関係者、責任者、たとえば労務担当の重役だとかあるいは組合の側も全造船の委員長の方にも来てもらいまして、それで、何とか指名解雇を避けて事態の話し合いによる円満な解決というものはできないものか、というようなことを双方にお話ししてきたわけでございます。特に、これを三月十五日でございましたか、かなり大詰め段階でこの問題がややむずかしくなってまいりまして、岡山地方労働委員会にかかりましたころとほぼ前後しておった時期かと思いますけれども、そのときに私どもの北川事務次官が西村社長を呼びまして、そして、この問題について話し合いによって円満な解決ができないものか、さらにそのころには岡山地労委の和解と いうような話も出てまいりましたものでございますから、これにも柔軟に対応をしてもらいたいという要望を申し上げたわけでございます。 ところで、この岡山地労委の和解の工作につきましては、先生御案内のようにはかばかしくいかなかったわけでございますが、それがうまくいかないということがありましたすぐ直後に、今度は私どもの労政局長が、この住友重機の労務担当の重役それから全造船の委員長、それぞれ個別に呼びまして、岡山地労委の経緯も詳しく聞きながら、さらに、双方基本的な立場はあるだろうけれども、何とか解決に行く道はないかということで、突っ込んだ話を伺ったわけでございますけれども、双方の基本的立場もありましてか、残念ながら解決の条件と申しますかそういうものは見出せなくて、結局指名解雇が行われ、そしてまた、組合の方からそれを裁判所に持っていくというような事態になってまいった、こういう経過でございます。
○水田委員 次官が社長を呼ばれたときの社長の回答というのは、どういうものですか。社長の回答と、それから恐らく兵頭労務担当重役だろうと思うのですね、地労委が不調になったときは。そのときの兵頭労務担当重役の回答というのは、どういうものですか。
○松井政府委員 次官の方からの要望は、事態の円満な解決のために十分努力してもらいたいという趣旨のことを申しまして、それに対して西村社長の方も、せっかくの要望ではありぜひ努力してみる、という趣旨の回答がございました。労務担当重役からも、同趣旨のお話があったと存じます。
○水田委員 この住友重機は、もともと千九百名の人員を整理しなければならぬという、途中で千二百人ということに変えたわけですね。そして希望退職を募った。全体の中で残ったのが、ちょっと人数は忘れましたが、恐らく浦賀と玉島と含めまして百人少々ということなんですね。ですから、会社の経営実態を調べてみますと、五十二年度の決算が税引き後の利益は二十八億七千万円、配当を一二%やっていますね。それから五十三年度の決算、これは予想なんですが、税引き後の利益が五億ないし十億で六%の株主配当をやる、こういう予定です。それから受注残が二千八百億円ある。内部留保は好況のときの分で五百八十億円。人数からいいますと千九百人やらなければもたないというのが千二百人になり、ほぼそれに近い者が希望退職で出た。そして残りが百名少々ですから、この経理内容から見れば、もうこの会社がもたないというものじゃないというようなことから考えれば、少なくともさっき大臣が言われたように、ここで強引に指名解雇というのは、いままでの労使関係のいろいろないきさつがあることはあるのですけれども、少なくとも、今日言うところの造船不況に対応して、この会社が生き残っていくための適正な解雇の枠をまさに逸脱しておる。もちろん仕事のしようが悪くて懲戒解雇になるというのは別ですよ。これは好況、不況に関係ないわけですからね。しかしこの場合の指名解雇というのは、まさにこれに藉口してやったとしか考えられない、こういうぐあいに私は思うのです。大臣、どうですか。いま私が申し上げたように、会社の経理内容はこういう状態で、そして一万人からおったのを千九百人減らす、千九百人を減らさなかったら倒れるという言い方をして、そして千二百人、ほぼそれに近いものが希望退職が出て、玉島だけで言いますと残ったのは十八名でしょう。しかも地労委の和解の中では、半分は残してもいいと言いながら、和解ができなかったからそれも全部首だというのです。まさに懲戒解雇のような形ですね。だから、そういう点から言えば、いまの不況を理由にした会社のやり方は、ほかの会社もそういうことはたくさんあったわけですけれども、このような必要以上の解雇は、何らかの労務政策上の必要からやったとしか思えない。しかも、労働省からの申し入れで十分それにこたえるということで話をしながら、しかも地労委の和解の中では、そういう意を受けて、半分ぐらいは残してもいい、これだけを認めてくれればという物の言い方は、それも本当に会社経営を何とかもたすための、これだけの人数は何とか協力してくれぬかということじゃなくて、まさに労務対策上、これは会社にとって思わしくないという者をこの際切ろうということにこの人員整理を使っておるとしか思えない。そのことが、いまあそこに働いておる労働者の反発を買って裁判にもなっておるわけですが、大臣が言われたように、私は、まさにこれは減量経営に藉口したいわゆる人減らし、経営内容から見てそういうぐあいに思うのですが、労働省の方はそういう点はいかがですか。経理内容等についてもある程度は会社の実態も調べられただろうと思うし、あるいはこのことが、今後、まだ肥料にしたってソーダにしたって構造不況で整理をするところが出てくるわけです。それから、景気はそれほど悪くないけれども、いままでが放漫で人をたくさん抱えておったというような理由でこれから人員整理をやるというところに、大変な影響を及ぼすと思うのです。労働省としては少し強気で、これも労使のことですから余り介入できぬかもしれませんが、少なくとも、いまの雇用問題についての政府の方針に盾突くような、まさに顔を逆なでするようなやり方をするのであれば、というぐらいなきつい態度は持っていただかないと、これだけ、百二十万から出た失業者が何とか仕事をと言っておる、それを一生懸命やっておる労働者の立場というのが、まさにこのことでなくなってしまうのじゃないか、私はそういう気持ちがいたすのですが、いかがですか。
○松井政府委員 私ども、もちろん減量経営に便乗したと申しますか、藉口したような人減らしというのはあるべきではないと存じますし、また原則として、こういう人員整理の問題は、指名解雇ではなくて、やはり話し合いによるべきであるというのが基本だと存じます。それで、この問題につきまして住友重機の方々とお話しをいたしました折にも、そういうことは常に申しております。 それからまた、先生の御指摘の会社の経理内容についてはどれほど聞いたか、洗ったかというような御質問もございましたが、私どもも、こういうような話を聞くに当たりましては、会社の状況も承っております。ただ、実際問題といたしまして、このような原則に従ってやっていくといたしましても、個々の会社の問題、それから労使関係の問題というのはやはり話し合いによってやることをお勧めいたしますけれども、最終的には私どもとしてどうしろこうしろというわけにはなかなかまいらぬわけでございますが、常にそういう基本的な立場についてはお話ししておるわけでございます。 それで、実際問題として、この経緯に当たりましても、先生いまお話しのように、岡山地労委の段階ではかなり突っ込んだ話し合いがございまして、私どもも、この岡山地労委の経緯を承りますときには、双方、住友重機の労務担当重役の方からもまた全造船の委員長からも、率直な打ち明けた内情は承ったわけでございます。そういうことで、そういうことを踏まえて解決の条件はないものかと考えてみましたが、双方の基本的な立場もありまして、なかなか、このようなことでお話し合いになったらいいのではないかというようなところまでは、残念ながらまいらなかったというのが実際でございます。
○水田委員 いろいろな会社の体質がありまして、私が在籍した会社はいま三千人ほど余っておるけれども、そのかわり給料は当分上げぬぞということで、いわゆる新規採用をやめて自然減ということで三年ぐらいがんばろう、こういうことでやっているが、これはやはり社内の留保があり、長い歴史があるからできるので、この住友重機というのも長い歴史があって、これだけの社内留保があるのですから、いろいろとそういう体質の違いはあるにしても、どこの業種もどこの会社もそういう努力をしておるさなかに、解決できぬはずがない。そして労働省も、労使は自由なのです、造船も悪ければ、これは労使の問題ですからやらなければ仕方がありませんというならいいのですよ。そのためにどれだけ政府が、造船の不況対策に力を入れて仕事をつくったり、あるいは受け皿としてどうする、地域指定をどうするというようなことで、ほかの業種に比べては非常に手厚いあれをやっておるわけでしょう。それはありがたくいただきます、しかしうちの方はもうけをもっと上げなければならぬから、必要以上の首切りも世間を騒がしてもやりますというような態度をとられて、労働省が黙っておる必要はないと私は思いますね。もちろん労働省の方で、こうしろという命令ができないのは私もよく知っています。知っていますけれども、少なくともいまの雇用問題がこれだけ厳しい中で、ほとんどの会社が、こういう場面を避けるべく、涙をのみながらお互いにやっておる、特に労働者が一番涙をのんでおる、そういう中でやってきておるだけに、いま言われたようにやってきたけれどもだめだった、あとは裁判所でやってくれということではなくて、少なくともその姿勢については、この前次官がお呼びになってやったのなら、いま地労委の調停が不調になって時間切れになるような状態でやられたけれども、今後の労使関係ということを考えても、もう一遍再考すべきじゃないかというようなことは申し入れしていいのじゃないか。これでは労働省は、全国の各業界に対しても示しがつかぬでしょう、これからどこを指導するにしても。労働省が、できるだけ話し合いで、指名解雇を避けて、混乱を避けて、受け皿はわれわれも一生懸命やるけれどもと言うても、あそこがああいうことをやっておるならうちもやりますよ、それはつぶれるときには労働省が全部めんどうを見てくれますからね、こう言われたら、労働省は雇用問題に対して、各企業に対する指導性というのは全くなくなると私は思うのです。 大臣、私は、法的に言えばもうそれ以上のことは言えない問題だということはよく承知しております。しかし、少なくともいま置かれておる全体的な雇用問題ということから、一つの企業の問題ではあるけれども、どうしろという命令をしたり指導をすることはできないが、労働省の会社に対する気持ちだとか意思表示だけはきちっとすることはしてもらわないと、後の示しがつかないと私は思いますが、いかがでしょう。
○松井政府委員 大臣のお答えの前に、最近の発展について申し上げたいと思います。 これは先ほど申しましたような経緯でございますので、私どもも解決の糸口をいきなり探すということはなかなかむずかしいと思っておりますが、実は去る二十日でございますか、総評の役員の方と住友重機の会社の社長でございましたか、お会いになりまして、そうして、少しまた話し合いを再開してみたらどうかというような会談と申しますか、そういうものがあったようでございます。それで、私どもも会社の方からその連絡をいただいております。それできょうでございますか、さらに今後どのように話を詰めていったらいいかということを、住友重機の担当重役と総評の担当の役員の方との間で話し合いを始めておられるようでございますので、私どもとしましても、このような形でもし双方の話し合いが実際的な中身に入っていくということができますならば、労働省としてもその場面で場合によってはお手伝いできるようなチャンスもあるのではないかと思いますので、そのような折には、私どもといたしましても、また双方から話を伺いながら間入ってお手伝いをするというようなことは、喜んでそのような方針でやっていきたいというつもりでおります。
○栗原国務大臣 私が次官に言いまして、この問題はよく会社の責任者を呼んで話をしなさい、特に労働側からはいろいろと意見があるようだからということで、強く要請をしたらどうかという話だった、それで一時は大分いい方向に向かったように思いました。ところが、こういう労使の間というのはひょっとしたところからつまずくのでしょうな、そうしていま裁判所で係争中、こういうふうになっているわけです。 労働省が毅然とした態度をとれというのは、私どもも毅然とした態度をとっていないとは思っていない。ただ毅然とした態度というのは、法的にこうせい、ああせいと言えないところに非常に悩みがあるわけです。また会社経営者からいたしますと、われわれの胸の内も承知してくれという訴えもあるわけです。そのことがうそであるか、うそでないかという判定もなかなかむずかしいというところに、われわれとして非常に苦労するところがございますけれども、われわれは基本的には、減量経営に藉口するということについてはどこまでも慎んでもらいたい、という方針でいくつもりです。 ただ、私が言うまでもなく御存じでしょうけれども、こういうこじれにこじれたものは、関係者がたゆまず努力をしていく環境をつくってあげる、一遍に解決しないからだめだというのではなくて、いろいろやらなければならぬ、それはいま政府委員の方からも答弁がありましたとおり、そういう環境も状況もまた生まれつつあるようでございますので、われわれとしてそれに対してお手伝いできることについてはお手伝いをする、そういう気持ちにはやぶさかではございません。
○水田委員 いま大臣から御答弁いただきましたように、訴訟になっておるからそれっきりというのじゃなくて、できれば、こういうことで指名解雇になったけれども、これを消すための努力は労使もやらなければならぬでしょうが、そういう中で、労働省も役割りを果たせる場面があればぜひ果たしていただきたい、そういう御要望を私は申し上げておきます。 それから、もう時間がありませんから最後に、これもいますぐという問題ではありませんが、大臣に御理解いただいておきたいのは、法律の適用とか運用ということ以外に、造船で、これは会社の名前は申し上げませんが、子供連れがみんなそれで泣いたわけなんです。五十三歳、四歳というのは、考えてみますと、昭和二十年の敗戦の中から今日まで造船業界を背負ってきた、現場で中心になって、非常に安い賃金で、食べるものもない状態の中から、今日まで支えてきた。その連中が、希望退職と言われながらも、実際問題としては五十歳以上は全部やめざるを得ないような中で、町にほうり出されているわけです。 どういうことかと言いますと、これ以上の者は希望退職を申し出てくれ、申し出ない場合には、どこか系列の、自分のところと離れたところに、定年まで二年ほどですから、単身で行ってくれというわけです。これは子供の年ごろからいって、また本人自身の年からいって、チョンガーで生活するということはとてもじゃないが耐えられない。すると、自動的にやめざるを得ない。私に、酒を飲みながら泣いて訴える、私は三十何年間一生懸命やってきたが、そういう形でいまやめざるを得ないと言って、それで泣くわけです。何人もそういう人がおります。そして、千五百人からの人がそういうことで町に出ていっているわけです。いわゆる不況地域に指定されております地域ですけれども、そういうところというのははみ出した人は大体そういう人で、そして、ほとんど一生を造船という仕事についておりますから、ほかの業種にかわろうにもなかなかかわれない。地域の産業自体が造船と関連するところですから、そこからどこか遠いところへ行けば全然別の職種があるかもしれませんけれども、そういう状態の中にあるということです。そういう実態というものを、法律をつくって救済なりをやれば大体救えるじゃないかということでなくて、この不況の中で労使の中における労働者の置かれておる立場、一人一人の失業者というのはどういう形の中に出てきておるのか。そしてそれが、再就職といっても、午前中の答弁にもありましたけれども、数だけ見れば四〇%就職しています、こう言うのですけれども、前の賃金に比べて全く同じで行っておるかというと、恐らく七掛けとか、いい人で八掛けでしょう。悪い人などは六掛けでも、雇用保険が切れればそういうことで家族を養うために行かざるを得ぬ。いま、そういうわびしい気持ちのこのようなたくさんの失業者がおるということを御理解いただきたい。 なお私は、法律上の救済だけではなくて、先ほど来三つほど申し上げましたけれども、現実の問題としての地域の雇用問題あるいは、住友のような会社は十分に成り立っていくと私は見ていますが、それでもなおかつ、首を切られた十七人という者にとっては、家族を抱えて大変な問題なんです。生き死にの問題なんです。そういう労働者がたくさんおるということを御理解いただいて、なお雇用対策に万全の対策を講じていただくように要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○森下委員長 次に、古寺宏君。
○古寺委員 さきに、衆議院における五十四年度予算審議に当たりまして、公明党・国民会議は、民社党と共同して、政府・自民党に予算修正を要求いたしまして、自民党から回答を得るとともに、予算委員会において大平総理から、同回答に沿って努力をする旨の御答弁を得ております。 つきましては、すでに年金等の改定については、私どもの要求どおり、当委員会の審議を経まして、老齢福祉年金の月額を八月から二万円に引き上げるとともに、老齢福祉年金以外の福祉年金、五年年金並びに福祉年金に連動する児童扶養手当等の引き上げについてもこれに準ずることになり、衆議院を通過いたしております。 そこで、これを除く二項目、雇用対策の強化、住宅宅地対策の拡充については、昨日自民、公明、民社三党が、さきの回答に基づき具体的な措置について協議いたしましたが、自民党から、次に述べるような具体的な回答を得るに至りました。これらの回答はいずれもさきの自民党からの回答をより具体化したものでありますが、当然政府としてもこれを実行に移されるべきであり、この際、政府のとるべき具体的な措置について明確な御答弁を承りたいのであります。 当委員会では、雇用対策の強化について承りたいと思います。 雇用発展職種研究開発委員会を地方重点地域に設置することにつきましては、政、労、使、公益の四者構成の委員会として、できるだけ早い時期に五カ所に設置する回答を得ましたが、政府として、いつごろどの地域に設置されるのか、その対処についてお答えをいただきたいと思います。
○細野政府委員 先生御指摘のように、政、労、使、公の四者構成による地方雇用開発委員会をできるだけ早い時期に五カ所設ける、こういう方針でいるわけでございます。 どこの地域にするかにつきましては、今後なお関係方面ともよく御相談の上、できるだけ早く決めたいというふうに考えているわけでございまして、この点におきまして、どこという場所までまだ特定されているわけではございません。
○古寺委員 第二に、定年延長奨励金及び継続雇用奨励金の支給額の引き上げについては、定年延長奨励金は中小企業三十六万円、大企業二十七万円とする、継続雇用奨励金は中小企業十八万円、大企業十三万五千円とする、これを中央職業安定審議会の議を経て、できるだけ早く実施すると回答を出されております。直ちに対処され、その実施時期は何月ごろとなるのか、お答えをいただきたいと思います。
○細野政府委員 定年延長奨励金と継続雇用奨励金につきましては、いま先生から御指摘のありました、それぞれの金額をできるだけ早く安定審議会の議を経て実施をいたしたい、こういうふうに思っているわけでございます。 具体的にいま実施時期として一応私どもはめどと考えておりますのは、現在国会で御審議をいただいております雇用保険法等の一部を改正する法律案の実施の時期に合わせまして、審議会にお諮りの上で実施するようにしたい、こういうふうに現在考えておるわけでございます。
○古寺委員 各種雇用奨励金、中高年齢者雇用開発給付金については、その運用が厳しいため、適用を受けない場合が多いとされております。企業が直接雇用した場合などは、事後承認でこれら給付金を支給するなど弾力的に運用すべきではないかと考えますが、いかがでございますか。
○細野政府委員 これらの奨励金なり給付金が、できるだけ雇用促進の効果を持つように弾力的に運用すべきであるという点については、私どもも同感なわけでございますが、ただ、いま先生御指摘のように、全く事後承認で、事実上雇用の促進の効果が上がらないというものについてまでこれを支給するということは、なかなかむずかしいのじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。 いずれにしましても、いま冒頭申しましたように、雇用促進の効果を上げるという趣旨を体しまして、弾力的運用を検討してまいりたい、こう思っておるわけであります。
○古寺委員 次に、定年延長の推進につきましては、立法化問題を含めて、できるだけ早い時期に雇用審議会に諮問することとすると回答をされております。これにつきましては、わが党としては、中高年齢者の急速な増大の推移から見て、中高年齢者の雇用確保がきわめて緊要であることから重大視し、すでに国会に定年制及び中高年齢者の雇入れの拒否の制限等に関する法律案を提出いたしております。年齢による雇用差別を禁止する同法案の趣旨に沿って諮問するとともに、その時期についても今国会の会期中に諮問されることを要求いたしますが、政府はどう対処なされるのか、承りたいと思います。
○細野政府委員 御指摘の問題につきましては、立法化問題を含めまして、定年延長の実効のある推進方法について雇用審議会にお諮りをしたい、こういうふうに思っておるわけでございますが、具体的な諮問の仕方なり時期等につきましては、さらに関係者ともよく検討した上で対処したい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○古寺委員 次に、労働市場センターの雇用情報機能の充実については、学識経験者による雇用情報研究会を設置し、機能の充実を図る方向について調査研究を進めると回答がございました。今後の雇用情勢から見て、求職・求人、職業訓練等について、雇用情報の内容と情報提供の拡充が要請されます。したがって、雇用情報研究会には労使代表の参加を得ることも必要と考えますが、同研究会の設置時期とあわせて政府はどのように対処されるのか、お答えを願いたいと思います。
○細野政府委員 この情報関係の業務というものは、かなり技術的、専門的な知識が必要でございますので、そういう意味で私どもは学識経験者による情報研究会を設けたい、その機能の充実を図る方向で調査研究を進めたい、その過程でいろいろ労使の御意見等も反映できるようなことを考えてまいりたいと考えておるわけでございます。 それから、研究会はできるだけ早く設けたい、そして情報機能の強化が早く実現するように努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○古寺委員 次に、中央卸売市場と地方市場の問題について承りたいと思いますが、最初に農林省に質問を申し上げます。 現行の卸売市場整備基本方針及び中央卸売市場整備計画は、昭和五十年に策定されたものでございますが、五十六年から第三次の整備基本方針及び整備計画によって今後整備が進む、こういうふうに承っているわけでございますが、大体いつごろまでに基本方針及び整備計画を策定する予定になっているか、お伺いしたいと思います。
○穂積説明員 ただいま先生のお話しのように、卸売市場の整備につきましては、卸売市場法の規定に基づきまして、まず国が卸売市場整備の基本方針を定めております。これに基づきまして、国が中央卸売市場の整備計画、それから各都道府県がそれぞれの市場の整備計画を立てるたてまえになっておりまして、これは昭和四十六年の法制定以降十年間の基本方針なり計画といたしまして立てておるところでございます。 ただいまは、お話しのように昭和五十一年度から六十年度までの十年間の整備基本方針と整備計画がございまして、これを法律の規定に基づきまして五年ごとに見直しを行うということになっております。 したがいまして、ただいまの第二次の基本方針なり整備計画を第三次の基本方針あるいは整備計画ということで、昭和五十六年度から十カ年の計画として策定する必要があるわけでございまして、このために、実は昨年十一月末に、卸売市場審議会の懇談会にお諮りいたしまして、卸売市場審議会の専門調査会を設けて検討を進めるということにいたしたわけでございます。 この専門調査会は、昨年十二月からすでに関係の業界あるいは学識経験者に専門調査委員をお願いいたしまして、検討を始めております。この検討の予定といたしましては、明年三月ごろまでをめどに専門調査会としての意見の取りまとめをお願いいたしまして、これを市場審議会に出していただき、その専門調査会の取りまとめ、報告をベースとしまして、市場審議会においての基本方針の策定を来年の十一月に予定しております。その基本方針を受けての整備計画の策定を、昭和五十六年度予算と並行いたしまして作業をする予定でございまして、第三次の整備計画につきましては昭和五十六年三月に確定する予定で取り進めているところでございます。
○古寺委員 その基本方針とか整備計画をつくるに当たって、市場の中で働いております労働者の安全とか健康、あるいは快適な作業環境というものが検討の中に入っておりますか。
○穂積説明員 実は、ただいまの第二次基本方針におきましても、お話しのような市場関係の就労者についての労働条件をよりよくするということを盛り込んでございまして、今度の第三次の検討におきましても、そのような労働環境の改善等を盛り込む方向で検討してまいりたいと思っております。
○古寺委員 それは今度の、あなたがいまお答えになりました審議会の専門調査会のどこの部門で検討なさるのですか。
○穂積説明員 専門調査会は総合部会と物別の部会、具体的には青果、水産物、食肉、花卉と、各物別部会に分かれて検討を進めておるところでございまして、御指摘の点につきましては総合部会においてその辺の御意見は伺ってまいりたいと思っております。
○古寺委員 それでは、その総合部会の構成メンバーの中で、いわゆる労働環境なり労働者の安全とか健康を今後どのように整備計画に盛り込んでいくべきかということの専門家はどなたでございますか。
○穂積説明員 御質問の点につきましては、そのような具体的な専門家としての委員はお願いしてはございません。ただ学識経験者ということで市場関係の諸問題に精通している先生方をお願いしておりますので、その辺は御相談してまいりたいと思っております。
○古寺委員 水産物とか農産物とか、そういう流通の問題についての専門家あるいは権威者は入っておりますね。だけれども、実際に市場で働く人のための権威者なり専門家というのは入ってございませんね。あなたが強いておっしゃるならば、はっきり何という方かおっしゃってください。
○穂積説明員 先ほどもお答えしましたように、この労働環境問題の専門家ということではお願いしてはございません。ただ、この市場関係の問題につきましてお詳しいその学識経験者としての先生方に、御指摘のような点を御相談できるのではないかと考えております。
○古寺委員 それは私から申し上げますならば、人間尊重の立場に立ったいわゆる審議会のメンバーの構成ではないのです。 この市場という特殊性、非常に時間的にも変則的な、そういう労働条件に置かれている方々、しかもそこにはいろいろな問題が起きてきているわけです。外傷の問題あるいは頸肩腕症候群、高血圧、脳卒中、いろいろな問題がございます。そういうような原因をいろいろ調べてみますと、やはりきちっとした環境づくりですね。労働者の健康と安全を守る、それからまた作業の環境条件をよくしてあげる、そういう配慮が第一次の場合も第二次の整備計画の場合も欠けておると私は思うのです。ですから、私がいまこういうことを申し上げるのは、これから始まる第三次の整備計画の場合には、いままでの第一次、第二次の整備計画を反省して、今度は人間尊重、労働者の立場も十二分に尊重した整備計画というものを考えていただかなければいけない、こういう意味で申し上げているわけでございます。 そこで、次は労働省にお尋ねしますが、労働省として、全国の中央卸売市場また地方市場、こういうところで働いている労働者の数なりあるいは労働者の状況というものを把握しておられますか。
○小粥説明員 全国の卸売市場に働く労働者の数、私どもとして直接全国的な数字を把握はいたしておりませんけれども、農林水産省の方でそうした数字も持っておられる由に承っておりますが、そうした数字は参考にさせていただいております。 なお、そこに働く労働者の労働実態あるいは労働条件の実態がどうなっているかという点につきましては、これは必ずしも全国の卸売市場全部をシラミつぶしに監督指導しているわけではございませんが、たとえば東京の例で申し上げますと、東京の中央卸売市場については、東京の関係の監督署において五十三年度においても約百事業所についての監督指導を行っておりまして、その中から幾つか、労働基準法上の違反に該当する事例も認められております。
○古寺委員 それじゃ農林省、全国の卸売市場の数と地方市場の数はどのくらいございますか。それから、そこで働いている労働人口はどのくらいございます。
○穂積説明員 中央卸売市場がただいまのところ全国で八十八ございます。先月の三十日に浜松の中央卸売市場が加わりまして、八十八でございます。それに、地方卸売市場でございますが、これにつきましては、最近時の数字は実はまだ把握しておりませんが、一年前の段階ではおよそ千九百余りでございます。それが市場の数でございます。 それから、この市場に働く従業者でございますが、まず卸売業者の従業者につきましてはおよそ二万三千人、それから中央卸売市場の仲卸業者の従業者がおよそ五万一千人でございます。そのような数の中央卸売市場関係の業界の方々でございます。さらに、これに実は売買参加者、小売商などが市場に買い出しに出てまいりますので、ごらんのように非常に喧騒な市場ということになるわけでございます。 地方卸売市場につきましての正確な関係の業者は、ただいまのところ把握してございませんが、農畜水産業関係の卸売業に従事する従業者の数が、商業統計ではおよそ三十万人となっておるはずでございますから、ただいま申し上げた中央卸売市場関係の卸、仲卸の七万五千人余り以外のかなりの方が、地方卸売市場関係の方ではないかと思っております。
○古寺委員 そういう卸売市場でもってどういうような疾病が発生しているか、御存じですか。
○穂積説明員 具体的な疾病の状況につきましては詳しくは承知しておりません。
○古寺委員 今後これは非常に重要な問題でございますので、市場で働いている労働者にどういうような病気が多いか、それから災害が多いか、そういうものを十分にひとつ検討して、整備計画をこれから推進していっていただきたいと思うのです。 そこで、卸売市場におきましては、非常に不規則と申しますか、朝は早い、それからもう午後の二時ごろには仕事を終わって帰るというような生活を繰り返しているのでございますが、健康診断ですね、これは市場関係には現在何人ぐらいおやりになっておりますか。
○小粥説明員 労働安全衛生法で定めております健康診断の実施の数が、全体としてどれだけかということを把握いたしておりませんが、先ほど申し上げました東京の例で申し上げますと、約百の事業所のうち、労働安全衛生法で決めております定期の健康診断が実施されていないところが四十七でございますから、約半数ぐらいが実施されていないという状況になっております。
○古寺委員 これは非常に大事な問題でございまして、労働省の方でも、指導監督が十分によく行われているところと、監督官が少ないために十分に指導や監督がなされていないというようなところもあるわけです。 私が申し上げたいのは、やはり健康診断はきちっとやっていただきたい、それから、少なくとも従業員数の多いところは、労働人口の多いところは、もちろん産業医とかそういう医師の配属も必要になりましょうが、少なくとも保健婦とかそういう方については配置をするというようなことをきちっと義務づける、そうでなければ、外傷があっても、あるいはいろんな生活の指導、衛生教育、そういうものが十分に行われないのですね。そういう面については、やはり労働省の方からもこういう整備計画の中に盛り込んでいただきませんと、全然農林水産省の方ではそういう問題については考えていないのですね。もちろん労働者の福利厚生施設についても考えておりません。そういう点について、労働省として、やはりきちっとした福祉会館とか福利厚生施設をつくって、その中に保健室なりあるいは休憩室なり食堂なりそういうものを設けて、そういう非常に変則的な時間帯で働いている方々の健康を守るということが必要じゃないかと思うのですが、いかがですか。
○野原政府委員 御承知のように、一定の規模以上の事業場には産業医とかあるいは衛生管理者を置きなさいということで、これらの方々が中心になって積極的に安全衛生の管理が行われておるわけでありますが、卸売市場の場合には、たくさんの事業場が入りまじっておりまして、しかも零細規模のものがかなり多いということで、こういった点にやや難点があるわけですが、そこで私どもとしては、いま先生もおっしゃいましたように、やはりそういう管理体制をもっときちっと確立することが非常に大事だと考えますので、共同してそういった管理体制を確立をするというような点について、従来からも指導はしておるのですが、そういった点をさらに今後強力に進めてまいりたいというふうに思っております。
○穂積説明員 私ども、中央卸売市場の施設整備につきましては、卸売市場法の規定を根拠としまして国からの助成をしているところでございますが、その助成の対象としまして、福利厚生関係の施設を取り組むように開設者に対して指導はしているところでございます。 御承知のように、深夜あるいは早朝にわたる業務の特性からしまして、こうした福利厚生面で配慮をするということは重要と考えておりますので、施設面の整備については今後ともそのような方向で考えてまいりたいと存じておる次第でございます。
○古寺委員 現在、全国の卸売市場あるいは地方市場の中で、保健室なりあるいはお医者さんなり保健婦さんなり、何人ぐらいいらっしゃいますか。
○穂積説明員 具体的な数は存じておりませんが、近いところの例のなにを申し上げては失礼ですが、たとえば築地市場でも最近厚生会館というのをつくりまして、いろいろな厚生関係の施設の充実を図ったところでございます。
○古寺委員 それから、市場というのは非常に遠隔地にあるわけでございますが、特に積雪寒冷地、こういうところはやはり暖房はもちろんでございますが、十分に気象条件に合った施設、そういうものをつくりませんと、野菜にしましてもいろいろ弊害が出ているわけですね。ましてや人間の場合には、いろいろな人体に対する影響があるわけです。そういう面が全然、私、無視されているというわけでもないのですが、非常に地域に合わない設計がされているように思うのですが、今後のこの整備計画に当たりましては、やはり地域の御意見というものを十分に受け入れていただいて、そして気候条件、気象条件にあった施設というものをつくる必要があるのじゃないか。 そして、しかもそういう市場で働いている人はほとんどが中高年齢者です。これは平均年齢をお聞きしても労働省はお答えできないと思うのですが、ほとんど中高年齢者で、若年の方が春に十人入社しますと、定着する人は二人ぐらいなのですね。八人ぐらいの人はこの不規則な生活ですからやめてしまうのです。そうしますと、後継者の問題もある。それから、いま働いている中高年齢者の方々に対しては十分に安全や健康というものについても配慮してあげる必要がある。そういう面を取り入れた整備計画というものを私としてはぜひ推進をしていただきたい、こういうふうに考えているのですが、いかがですか。
○穂積説明員 先生お話しの、まず地域の特性に応じてという点につきましては、まことにおっしゃるとおりだと存じます。開設者それぞれに、市場がその地域で最もふさわしい施設ということで、そのレイアウト、内容等を吟味して、設計し建設するように指導しているつもりでございますが、今後ともその点は気をつけてまいりたいと存じます。 それから後段のお話しでございますが、その際にこの労働の特性等を十分考慮してのいろいろな施設を充実すべきではないかという点につきましても、これは市それぞれに財政事情等の問題がございますが、そういう点をどう考えているかというようなことは、指導の上で聞いて、適切な指導をしてまいりたいと存じます。
○古寺委員 積雪寒冷地の場合は、除排雪の問題でございますとか融雪溝の問題でございますとか、いろいろあるのです。ブルドーザーを買わぬといかぬ。融雪溝をつくらぬといかぬ。そういうものは、補助の対象になっていないという場合はつくらないようになる。あるいは、基幹施設については三分の一の補助があるけれども、付属施設、浄化槽でございますとか電気でございますとか排水でございますとか、そういうものについては五分の一補助であるとか、そういうようないろいろな財政的な面で、地方財政では十分カバーできないということで、非常に整備がおくれている面もあるわけです。ですから、今後そういう面に対する補助率のアップの問題もあります。 それからもう一つは、都道府県によって全く違うのですね。ある県では、これは広域的な全県的な、もう皆さんが、生産者も消費者も非常に利益を受ける問題でございますので、これに補助をしている県と、全く補助をしていない県と、ばらばらなんです。しかも、農林省ではそういう都道府県が助成をするようにということを指導しているけれども、自治省の方ではそれはいかぬ、こういうまた指導をしているのですね。非常にちぐはぐなんですよ。そういう問題について、今後この整備計画を進めるに当たって農林省としてはどういうふうにお考えになって進めているのか、承りたいと思います。
○穂積説明員 まず補助率の問題でございますが、この補助率をもっとアップしてほしいという要望は確かにございます。私どもとしましては、この補助体系の中で、新設市場につきましての基幹施設に対する四割補助を最高限としまして、格差をつけて設定している補助率を、これは改善がなかなか困難な状況の中で、その補助対象とする施設の範囲をできるだけ広げるということで、財政当局の理解を得まして、順次その改善を図ってまいったということがございます。このような努力の結果、おおむね現在では、補助対象としてはこの辺まで来たかなという感じのところまで実績がございますが、今後、全体の助成体系をどうするかということも一つの問題として、どう取り組むかを考えてまいりたいと思っております。 ただ、御指摘の、それに上乗せしての府県の助成がばらばらであるという点につきまして、どうするかという問題でございます。これにつきましては、まず開設者が府県自体の場合は、これは問題ございません。国の補助に対して独自にどう判断するかで決まる、たとえば東京都なり大阪府が開設するような場合ということでございます。しかし、その府県と異なる地方自治体の開設者に対して、府県が上乗せ補助をするかどうかということにつきましては、これはその府県の、一つは地方自治体の自主性という問題がございます。その関係などからしまして、これを国が一律の基準を設定して上乗せをせよというようなこと、あるいはこの上乗せ補助を義務づけるということについては困難ではないかと思っております。 といいますのは、ある市場の投資というのはかなりの額になります。これを数年の間に建設するということで調達する資金につきましては、これは国の助成の裏は地方債をもって充てているわけでございますが、その地方債に充てる分を幾らか減らすために助成をするという場合と、地方債の利子補給というような形の場合と、それぞれ府県の実情に応じておつき合いいただいているというようなことがございますので、これを一律化することは困難、府県の自主性というようなこともこれあり、というような感じで見ておるところでございます。
○古寺委員 そう簡単におっしゃらずに、自治省ともよく相談して、これは今後の課題ですから、あっちの県へ行くとこうだ、こっちの県はこうだというふうにばらばらですから、やはりこれはきちっと一定のルールをつくりまして、市場というものを十分整備していくように努めるのが農林水産省の務めじゃないかと私は思うのです。 それから次は労働省でございますが、健康診断をやっているわけですね。卸とか仲卸業者、そういう方々は非常に数は限られておりますが、青森市の例で申し上げますと、ああいう小さな市場でも千人くらいの労働者がいらっしゃる。この健康診断を労働省にお願いして、日本労働者福祉協会というのですか、そこから検診車が参りましていろいろ健康診断をやってくださる。非常に結構なことなのですが、料金が高い。一人千四百円なんです。ところが成人病センターというところにお願いしてやりますと、同じ項目で一千二十円なんですよ。労働者の福祉向上を図らなければならない協会の方が料金が高い。非常に矛盾しているように思うのです。これはやはり成人病センターと同じような料金で健康診断をやってあげるとか、あるいはこういうものに対しては助成をして、むしろ安い料金でやってあげるというような配慮が必要じゃないかと思うのですが、いかがですか。
○野原政府委員 この健診機関につきましては実はいろいろ問題もございまして、現在一定の基準を設けまして、それの基準に合ったものに対して、これは労働省が補助をしている中央労働災害防止協会というところで名簿に登載をさせまして、内容の充実を図っているということもやっておるわけでございますが、いまの手数料の問題につきましては、実はこういった健診機関でつくっております全国的な団体もございますので、その団体でかねがねそういった調整も図っているやに承っておるのですが、ただいまの御指摘もございましたので、さらにそういった面についての指導を強めてまいりたいというように考えております。
○古寺委員 先ほどお話がございましたように、全国の中央卸売市場は八十八市場、それから産地地方市場につきましては、私がお聞きしたところでは千九百十六市場、この中で働いている人口というものは、数字にあらわれているのは少ないのですが、生産者あるいはそこから仕入れしていく方、いろいろな売買参加者、そういう方々を入れますと相当の人口に上ります。しかも、その中には隠れたいろいろな労働災害というものが発生しつつある。先ほども申し上げましたように中高年齢者が非常に多いわけでございますので、今後の整備計画に当たっては、そういう面が十分に反映されるような考え方で整備を進めていただかなければいけませんので、労働省としても、今度の新しい整備計画の中には労働省の考え方、意見というものが十分盛り込まれるように進めていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○岩崎政府委員 いろいろ先生から貴重な御意見を伺いました。私どもも農林省と十分連絡をとらせていただきまして、私どもの考え方が取り上げていただけるような形で進めてまいりたいと思います。
○古寺委員 終わります。
○森下委員長 次に、米沢隆君。
○米沢委員 先ほども同僚の古寺議員の方から御質問がありましたが、さきの予算審議に関連をいたしまして、雇用対策の強化について自民党の方から回答がなされ、昨日その詰めみたいなものが行われたわけでありますが、政府のこれに関する対処の方針について、若干の質疑をさせていただきたいと思います。 第一は、雇用開発委員会を設置するという問題であります。政府の対処の方針といたしましては、政、労、使、公の四者構成による地方雇用開発委員会をできるだけ早い時期に五カ所に設置するということであります。が、これは中央にも同じような委員会ができて、その下にとりあえず五つの地方雇用開発委員会ができる、そういうふうに理解をしておるわけですが、それでいいのか。同時に、その中央の雇用開発委員会と地方の雇用開発委員会との関連といいましょうか、仕事の分担、指導助言のあり方等についてまず御説明をいただきたいと思います。
○細野政府委員 御指摘のように政、労、使、公四者構成の地方雇用開発委員会を五カ所設けるということでございますが、中央に置かれます開発委員会は学識経験者だけで行われるものでございまして、この中央の開発委員会と地方の開発委員会とは、直接その上下関係ということでありますよりも、地方の開発委員会自体は、その地方における雇用開発についてのいろいろな研究調査をやっていただいて、その結果を物によっては知事さんに、物によっては地方の安定審議会に、物によっては労働省に直接反映していただいて、それがまた、中央の開発委員会なり中央の安定審議会なりという形で処理をされていく、こういう仕組みで考えているわけでございます。
○米沢委員 名前は同一でありますけれども、地方の雇用開発委員会は四者構成で、中央の方は学識経験者である。しかし、各地方でそれぞれ地域の特殊性に応じていろいろと雇用機会の開発等について研究調査をされるにいたしましても、結局、五つの設置されるであろう地方開発委員会でやる仕事が、同じようなことをして、かなりの金がかかるとか、あるいはまた、独自にやることのデメリットみたいなものも出てくるわけでありまして、その際はやはり中央の方で調整をされるなり、あるいは共通のものは共通のものとして逆に中央が乗り出していくとか、そういう関係にまで発展すべきではないかと思うのでありますが、いかがですか。
○細野政府委員 この地方の開発委員会自体のあり方、さらには中央の開発委員会との関係、あるいは中央の開発委員会と雇用問題政策会議との関係とか安定審議会との関係とか、それぞれにつきましては、その運用について、今後とも関係の労働団体等ともよく意思疎通をしながら、それぞれのところで行われるものがそれぞれに反映をされ、適切な連携をとりながら行われるように配慮してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○米沢委員 そこで、地方の雇用開発委員会というのは、どこが主体性を持ってやるかという問題が気になるわけであります。国の結局地方の出先機関であります職安などが主体性を持って進めるのか。それとも、県のたとえば労働部みたいなものがありますが、そういうところに委託をしてやられるのか。その主体性がどこに実際あるのかという問題について、どのようにお考えですか。
○細野政府委員 この経費の面から言いますと、国が安定機関に対して配賦するというかっこうでやらざるを得ないわけでありますが、しかし、実際にこの開発委員会がうまく運用されるためには、いま先生からも御指摘ございましたように、県の労働部なりあるいはもっと上の県の知事さん、副知事さんという首脳部なりが、この問題についての理解と熱意とそれから協力していただくという体制がないと、とてもうまくいくとは考えられないわけでありまして、そういう意味でも、県の上層部の理解を得てこの委員会が円滑に運用されるように私どもも十分配慮してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○米沢委員 これがうまくいきますと、われわれがかねてから要請をいたしておりました雇用開発機構みたいなものができるわけであります。うまくいくとすれば、これは法制化されて、最終的には全国に設置されるという方向が望ましいわけでありますが、いまのところ実績を見て法制化を検討することだそうでありますが、そういうふうに理解をしていいのか。同時にまた、法制化されるという場合に、どういう条件が満たされればそういう法制化に進めようとされるのか、その点を明らかにしてほしいと思います。
○細野政府委員 この地方の開発委員会が、いま先生からも御指摘ありましたように、これが非常にうまく運用されるためにはいろいろな問題がございますし、それからいわばパイオニア的な仕事でございますので、これがどういう成果を上げるかどうかについても、いまのところなかなか予測がつきにくい面もかなり多いわけでございます。したがいまして、この委員会の運用の実績を見た上で、必要があるならばその際、状況に応じての法制化ということも検討していいのではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。
○米沢委員 次は、この定年延長の推進については、立法化問題も含め政府の審議会の議を経て検討したい、こういうことでありますが、先ほどの質問の中で、国会が終了するまでに雇用審議会に諮問するということが、ちょっと答弁として抜けておったようでありますが、そういうふうに理解をしていいのか。 それから、雇用審議会に諮問される場合にやはり問題は、白紙で委任をするのか、労働省としての基本姿勢を明確にして諮問されるのかという、そこがキーポイントだと思うのです。そういう意味で、そこでいろいろと質疑の過程で、労働大臣の方から国の基本姿勢についてはるる述べられておりますけれども、ちょっと手ぬるいと思うのは、定年延長を即法律化するというよりも、われわれの意図は、少なくとも年齢によって差別がされない、そういう法律をつくることによって、それもある程度時期を見て、期間をかなり考慮してつくることによって、結果的に定年延長というものが満たされていく、そういうようなものをわれわれはいつも言っておったわけでありますけれども、定年延長即法律はどうもという、そこまでしかどうも話が進んでないような感じがするわけでありまして、そういう意味で、この際雇用審議会に諮問される場合、私は、労働省としての基本姿勢、少なくともわれわれが要請しておりますようなかっこうでの内容に色をつけて、白紙委任ではないかっこうでの諮問というのが諮られるべきだと思うのでありますが、大臣の所信を聞かしていただきたいと思います。
○細野政府委員 定年延長の問題につきましての諮問の時期等につきましては、先ほども申し上げましたように、現在雇用審議会は雇用対策基本計画の改定作業をやっている途中でございますので、この諮問の時期等については関係者ともよく御相談の上で決めさしていただきたい、できるだけ早くやりたい、こういうことで、いつというところまでまだ詰まっていないわけでございます。 それから諮問の内容につきましても、これも、いま申しましたような関係者の方とよく意思疎通をした上で決めていきたい、こういうふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、定年延長に実効が上がるようなそういうやり方、推進方法というものはどういうやり方が考えられるか、というふうな形で諮問を申し上げるべきものではなかろうか。そのときに、当然立法化問題というものも一つの問題点として議論をしていただくべき問題ではなかろうか、というふうに考えているわけでございます。
○米沢委員 実質的に定年延長が確保される方向はどういうものがあるか、そういう感じでの諮問内容だということでありますが、そこで労働省としての、われわれはこう思うというのは何もないのですか。
○細野政府委員 労働省の考え方としましては、定年の問題につきまして、これを法律によって強制することにはいろいろ問題があるということはしばしば申し上げているとおりでございます。しかしながら、一方において急速に高齢化が進んでいる中で、定年延長そのものについての実効を上げなければならないという点についても、私どもは全くそのように考えているわけであります。そういう中において実効の上がる定年延長の進め方というのはどういうやり方が一番いいか、雇用審議会の御意見を伺いたい、そのときに立法化の問題も含めて御検討いただきたい、こういう考え方で御審議を煩わしたい、こう思っているわけでございます。
○米沢委員 この定年延長との関連では、例の厚生年金等の支給開始年齢とかに深い関連があるわけでありまして、すでに年金懇談会等が六十五歳あたりを打ち上げて、ちょうど五十歳前後の皆さんからはかなりいろいろな意見を聞かしていただいておるわけでありますが、そういう意味では、年金の支給開始年齢だけが引き上げられて、定年延長が一向にそういうかっこうで進まないということであれば、ますます欲求不満は高まるわけでありまして、早急に結論が出るように、あるいは早急に結論が出て、実効が得られるような方向を早く見出していただきたいと要請をいたしておきたいと思います。 それから、労働市場センターの問題でありますが、学識経験者による雇用情報研究会を設置し、労働市場センターの機能の充実を図る方向について調査研究を進める、こういうことでありますが、この労働市場センターの機能を充実するねらいをどこに定めるかという問題だと思いますね。インプットするものが確定したもの、あるいは確実性のあるもの、あるいは幅広いものでない限り、幾らコンピューターを使っても答えは出てこないわけでありまして、そういう意味で結論は、いま就職を欲しいという皆さんが、どこにどういう職種がある、どれくらいの賃金で雇い入れておる、そのあたりを簡単に手早く見てとれる、そういう情報をつくっていただくことが、何といっても最終の目的だと思うのでありますけれども、そういう意味で、雇用情報研究会なるものが一体どこらにねらいを定めてつくられようとしておるのか、その点を聞かしてほしいと思います。
○細野政府委員 労働市場センターの情報機能の充実強化ということを御主張なさる方の中にも、実はいろいろな方があるわけでありまして、いま先生から御指摘のように、当面とにかく、どこにどういう種類の職業についてむしろ求人が超過であって、しかもその労働条件がどうなっているかというような、当面の実践的な面を非常に重視される方もございますし、それから、たとえば職業訓練等の改革をやる場合におきましても、やはりある程度中期的な見通しの上に立って、将来発展すべきそういうところに着目してやらないと、目先だけでもって設備投資をするというのも非常に問題がある。むしろそういう中長期的な見通しの上に立って職業訓練の体制を整え、それと紹介とを結びつけていけというふうな、そういうことに力点を置かれる御主張もあるし、いろいろあるわけでございます。私どもは、いずれも理想的に言えば重要であるというふうに思っておるわけでございますし、とりあえずの問題としては、現在どういう職種について求人超過であり、それから、部分的にはそこの求人賃金が幾らかということは現在でもわかる点がかなりあるわけでございまして、そういう意味での情報は持っておるわけでございますが、ですから、当面の問題についても、それをもっと迅速に、しかもいろいろな職種を網羅して、しかも幅広く情報が収集できるようにしなければいかぬということ。それから中長期的な見通しの上に立って、たとえばアメリカでオキュペーショナルアウトルックという、職種別の現状から将来の見通し等についての情報を、労働省が各安定所に配付をして職業指導、職業紹介の参考資料として使っておる例もあるわけでございまして、そういうものも将来の問題として日本においてもやれるような体制に持っていけるとすれば、それも一つのあるべき姿ではなかろうかというふうな、いろいろな角度がございます。 そこで、この問題についての学識経験の深い方々に、とりあえずこの辺から、大体将来こういう方向に持っていくというふうな、そういう基本的な議論からまず始めていただいて、同時に、先生御指摘のように、労働市場センターのアウトプット、インプットの機能自体についても、現時点においてはまだ制約がございますので、そういう点の成熟とあわせながら、逐次それを拡大していくということを考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
○米沢委員 いずれにいたしましても、いまおっしゃいましたように、当面必要とするもの、求人情報をいかに提供できるかということと、将来どういう職種が大きくなって、どこらにどういう職種がふえていくのかという研究開発、この二面作戦が必要だと思うのでありますが、当面の問題を考えた場合に、少なくとも職安を通さずに就職される方が七割ぐらいおるんでしょう。そうなりますと、職安を通したものはちゃんと統計が出ますから、それぞれ職安を通す職種については各職種についての情報が大体把握できたにいたしましても、実際は職安を通さない就職というのが逆に多いわけでありますから、そういう意味では、運営に対する労使の参加みたいなものがここではぜひ必要なのではないか。基本を論議される場合には確かに学識経験者で結構かもしれませんが、ところが今度は、具体的にそれじゃどういう方向で取り組もうかとなったときには、運用面において労使の参加というのは必要不可欠だと思うのでありますが、その点をどういうふうにお考えでしょうか。
○細野政府委員 私どもは、この問題について労働四団体等ともいろいろとお話しをしているわけでございますが、その過程におきまして労働四団体からも、たとえば雇用問題政策会議等を活用しまして、その中で、今後のいろいろな問題についての基本的な考え方等について労働省に反映をしていただいて、それをたとえば開発研究会とかあるいは労働市場センターの雇用情報研究会とか、それぞれへ必要に応じて反映をしていくという方式を労働側から御提案があって、私どもはそういう点については十分考慮してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○米沢委員 時間もありませんが、簡単に触れてみたいと思います。 御案内のとおり、五十年の四月に、個人経営の農林水産業を除き、商業、サービス業などは労働者一人を使用する場合でも強制的に労働保険が適用される、こういう法改正ができて、すでに四年ですね。しかし、こういう法改正ができましたけれども、実際は経営者に義務づけられております労働保険の未加入の事業所が余りにも多過ぎる。これは大変大きな問題だと思うのです。そういうことで、実際この未加入の多い理由をどういうふうに考えられて、どういう対策を持たれようとしておるのか。そしてまた実数ですね、そのあたりをどういうふうに把握をされているのか。お聞かせをいただきたいと思います。
○関(英)政府委員 ただいま御指摘のように、零細の事業所につきましては非常に数が膨大である、それから非常に変動が大きいということ、また事業主の事務能力も乏しいというようなことがございまして、法制上適用すべきでありながら、現在でも未加入となっているというのが実情でございます。 労働省といたしましては、第一線の機関で鋭意把握、適用に努めているわけでございますが、いま申したような実情からしまして、できる限り、事業主の団体を通じましてそして適用するという労働保険事務組合方式、これによります適用を推進して、漸次増加を見つつあるわけでございます。 零細事業所の数がどうかというのは、具体的に把握することは非常に困難でございまして、現在どのくらい残っておるかということを正確に申し上げることは非常に困難でございますが、いろんな統計から類推してみましても、なお相当数の未加入事業所があることは事実でございます。これからも鋭意適用の促進を図ってまいりたいと思っております。 なお、未加入の場合のところの労働者が離職するなり、あるいは事故に遭われたような場合で必要があれば、そのときに把握をいたしまして、さかのぼって適用するような形で、給付の方に支障のないように、実際の運用上相努めているところでございます。
○米沢委員 これは労働者を保護する立場からなされておるわけですから、いまのところ未加入でも支給される、こういう制度になっておるわけですね。いまおっしゃいましたように、事務組合方式みたいなもので漸次加入者をふやしておるという話でありますが、実際、この一番問題は、費用負担の面で公平を欠くことはなはだしいと私は思うのですね。同時にまた、未加入事業所の労働者がたとえば労災事故なんかに遭ったときには迅速に給付活動ができない、そういう新たな問題も指摘されておるわけでありまして、別に加入しなくても給付されるんだというそういう意識が実際あるのは事実ですし、私のおります宮崎県なんかは半数ぐらいしか加入しておりません。そういう意味ではもっともっとPRというよりも、罰則規定がないものですから、五人未満は加入しなくてもいいんだと言う人もおりますし、またそういうところまでしか知らない人もおりますし、入らなくても労働者は保護されると言う人もおります。そういう意味で、費用の負担の公平という意味からも、あるいは迅速に救済をするというたてまえからも、もっともっとPRを強化されて、できれば罰則規定でも入れてやるべき問題ではないか、ぼくはそこまで考えておるわけでございます。今後の御検討をよろしくお願いします。 終わります。
○森下委員長 次に、田中美智子君。
○田中(美)委員 それでは、労働大臣と婦人少年局長と基準局長に、まず質問をしたいと思います。 いままで銀行などの男女賃金差別というので、些少ではありますけれども一部分、いろいろと改善をしていただいたという経過もあります。それは、銀行は労働の中身というものが同一労働だということが非常にわかりやすいということもあったわけですね。これは、あるアメリカの婦人問題の研究家が私のところに来られまして、なぜ日本は銀行の男女差別だけが非常に直っているのか、というような質問を受けたことがあるわけです。それを見ましても、結局中身の問題が非常にわかりやすいということだと思うわけなんです。 それで、きょうは、社会保険診療報酬支払基金、いま基金というふうに略して申しますけれども、ここでの労働の中身を見てみますと、等級が低いほど全く同一労働になっている。これは非常にわかりやすいわけですね。むしろ銀行以上にわかりやすい。ここは政府の関係特殊法人になっておりますので、その点でぜひ労働大臣にお調べをいただきたいと思うのです。私が調べましたところでは、これは全国にありますが、この基金に男子の労働者が約五千四百名、女子が半分で二千七百名くらいいるわけです。東京基金だけでちょっと調べてみましたところが、五等級のところで勤続十一年——大臣、聞いていますね。勤続十一年で男子は全員五等級になっているわけです。しかし女子は全員なっていないということが出ています。それから勤続十二年のところでも、男子は全員五等級になっているけれども女子は一名もいない、ゼロだ。それから四等級のところでも、勤続十五年で男子は全員四等級になっているけれども女子はゼロだ。勤続十六年で見ましても、男は全員、女は全部だめだということで、言っていきますと切りがないわけです。十九年から二十五年、ここまでのところを比較してみましても、男子は全員が一人残らず四等級、三等級になっている。しかし、女子は全部五等級以下であるという調査が出ているわけです。この私の調査が正しいかどうかは、私はこれを見てやったわけですけれども、これを大臣に差し上げておきますので、後できっちりとごらんになっていただきたいと思います。私はいまこの中を部分的にちょっと話しただけですけれども、これは基金側も認めているわけです。こういう状態になっていることは明らかに男女差別であり、労働基準法四条違反ではないかと思いますので、これに対してはどのように思われるかということを、時間がありませんので簡潔に、お三人の方からお伺いしたいと思います。
○森山(真)政府委員 社会保険診療報酬支払基金におきまして、昇格に関して男女の差別があってそのために男女の賃金額に差がある、これは労働基準法四条の違反ではないかという申告があったということは私も聞いております。しかし、これにつきましては、所管の権限のあります労働基準局におきまして実態を調査中であるということでございますので、実態が明らかになりました上で判断されるべきものと考えております。
○田中(美)委員 ですから、森山さんに言うわけですけれども、基準局任せではなくて、何のために婦人少年局があるのかということですので、婦人少年局としても、いま私が部分的に簡単な数字を申し上げましたが、これが果たして正しいかどうかということを調査をしていただきたい。これが事実であるならば明らかに男女差別だと思いますけれども、この数字だけでどう思いますか。
○森山(真)政府委員 労働基準法の違反に関する、あるいはそれの疑いに関する申告につきましては、労働基準局が責任のある、また権限のある機関でおられますので、そのことにつきましては労働基準局にお任せするべきであると思います。 一般的な男女平等の問題、一般的に男女の差別をなくしていくという啓発、指導につきましては、婦人少年局としては一生懸命努力をしているところでございます。
○田中(美)委員 一生懸命勉強しているだけではしようがないのですね。勉強しているのではなくて、こういう状態はどうなのかと聞いているわけです。私の質問に答えていただきたいのです、そんなに逃げないで。これが正しいかどうかわかりませんよ。私が手に入れた資料ではこうなっているが、これは差別ではないかと聞いているのです。これが事実かどうだかわかりませんから、調べていただきたいわけですね。その御意見を森山さんに聞いているわけです。御勉強だけしていただいては困るわけです。
○森山(真)政府委員 私はいま努力をしていると申したのでございますが、もし先生御指摘のようなことが事実であるとしますればそれは差別ではないかと思われますので、そのようなことは改めなければならないと考えますが、基準法違反につきましては労働基準局の権限でいらっしゃるというふうに思いますので……
○田中(美)委員 それはよくわかっています。ただ、あなたの御意見を聞きたかったわけです。頼りにしているわけですから御意見を聞いたので、ただ御勉強だけしていただいたのでは困るということです。 基準局長、いかがですか。
○岩崎政府委員 いま御指摘の案件につきましては、昨年の八月ですか、管轄の東京の基準局の三田監督署に申告があったということは承知しております。 現在、三田監督署で、恐らく先生御指摘のような資料にも基づいていると思いますが、実態調査をしておるところでございますので、私どもはその実態調査の結果を見守っている、こういう段階でございます。
○田中(美)委員 私の質問に答えていただきたいと思うのです。私は申告しているとかしていないとかというようなことは触れていません。この事実というのがもし事実であったらどうなのかと聞いているわけです。男は全員五等級、四等級、三等級になっているのに女はなっていない。男は一〇〇%なっている。これが事実であるならば、男女差別であるかどうであるかということをお聞きしているわけです。現状がどうかということは調べてみなければまだわかりません。ですからお調べになっていらっしゃるわけでしょう。だからそれは聞いていません。これが事実であるなら、いまそこにお示ししたのが事実であるならば、これは差別であるかどうかと聞いているわけです。ですからイエスかノーかでお答えください。
○岩崎政府委員 こういう形であらわれていることがありましても、そのあらわれている理由が、たとえば勤務評定とか、使用者側にもそれぞれのこういうふうにしている理由があるのかもしれませんし、労使の話し合いということも行われているかもしれません。そういうことも総合勘案して、現状として認識しなければならないことだと考えております。
○田中(美)委員 大臣も御存じだと思いますけれども、森山さんも御存じだと思いますが、厚生省や労働省では大体三十三歳か四歳ごろまでは年限で上がっていっているわけですね。そこの中には勤務評定はほとんどなく、上がっていっている。それから徐々に、個々に勤務評定というものが入ってくるわけですね。それは私は理解できます。それが基金の場合は二十九歳からさっと差がつくわけです。ですから二十九歳まではあれですけれども、そこから差がつくわけです。ということは、公務員と比べても非常に早く勤務評定が入っているということですね。ですから、そこのところを見た場合に、最初から勤務評定でやるのではないわけですから、いまあなたがおっしゃった、私も全部とは言いません、少なくとも十一年とか十二年というところで、これが二十九歳ですよ、ここのところからもう男と女で一〇〇%とゼロ%というふうに差がついている。これはどう思うかと言っているわけです。この中にも勤務評定を考えなければならないのですか、いまのお答えですと。
○岩崎政府委員 実際にこの基金で勤務評定というものをどういう形でやっているかも私どもは直接認識しておりませんが、それは先生おっしゃるように最初の年から何年までは勤務評定なしにやっているのかどうか、それも形だけであらわれておりますけれども、そういうものの集積の上で一定のところから出てきているのかもしれませんし、そこのところは何とも、いまの段階では私からどちらがどうというふうに断言することはできないと思います。
○田中(美)委員 現状はいま調査中なんですからね。あなたが断言できないというならそれは構いません。しかし、いまのこの表で言った場合には森山さんはある、差別だと言っているのですね。それなら、あなたはそれは差別ではないとおっしゃるわけですか。
○岩崎政府委員 森山局長も、形でもって出ているものがどうかと言われればそうだと、しかしこの形に出ているその要因、そういうものまで総合勘案しなければこの表を読み切れないと思いますから、私は必ずしもこれだけ見て断言はできないと申し上げておるのです。
○田中(美)委員 この形で言っているわけです。これが事実であったらどうかと聞いているのです。事実かどうかはまだあなたと私とでは同一の認識に立っていないわけですからね。ですからいま私の意見を主張はしません。しかし、これが事実であったならばどうかと聞いているわけです。
○岩崎政府委員 ですから、事実であったならばとおっしゃいますが、これだけを見て、それで事実の全貌だというふうに必ずしも申し上げることができないというふうに申し上げているわけです。
○田中(美)委員 もう結構です。あなたの言うことはただの逃げの一手です。 大臣、これが事実であるならばどうですか。
○栗原国務大臣 政府委員は専門家です、少なくとも私よりも。その専門家の政府委員から、いろいろこの表といいますかこの絵図の背後にあるもの、それまで全部含めて見なければ何とも言えないということでございますから、私はそれを一応了といたします。 なお、先ほど来言っているとおり、私どもは、調査した結果、その実態がわかった段階において不当であるならばそれは改めなければいけない、それだけははっきり申し上げます。
○田中(美)委員 そうすると、大臣というのは要らぬことになりますね。そんなことはないですか。
○栗原国務大臣 大臣は、おりますよ。大臣は判断を下すのには慎重に判断しなきゃならぬ、そういう意味で私は言っている。
○田中(美)委員 大臣は月給だけもらっているわけじゃないですからね。大臣というのは要るわけですから。幾ら専門家がいても、専門家も人間ですから誤りもあります。ですから、専門家が誤ったらそのまま誤るような大臣では困るわけです。そうですね。
○栗原国務大臣 それは、フレンドリーにやりましょうや。私は、ただ月給をもらっている大臣と違いますよ。ただ、私の言うのは慎重を期さなければならないということなんです。いまこの段階であなたにお答えしなければ大臣でない、そういうものじゃないと思いますよ。
○田中(美)委員 私は、お答えしなければ大臣じゃないと言ってないのですね。専門家が言ったのだから私はそれを賛成だとおっしゃるから、そんなことでは大臣らしくないと言っただけで、数字の上でこういうはっきりとした差が出ている場合に、これを今度はあなたの方で立証しなければならないわけなんですよ。それは具体的に職務や能率や技能、こういうことで、どうしてこうなっているかということを立証しなければいけないのですね。ですから、これでやめますけれども、至急これをお調べになって、こういう事実が本当かどうか、その表を基金も「うん」と言ったというふうに、私はこれはまた聞きです、基金から直接聞いてませんので、おたくの方でもお調べになって、そして立証してください。具体的に職務、職能、技能というので、基金の中は女は全部能力も技能も職務も男に劣っているのかどうか。劣っているならそれをきっちり立証していただきたい。そうでないならばこれはすぐに訂正していただきたい。改善していただきたい。よろしいですね、大臣。それは大臣、「うん」だけではなくて、ちゃんとおっしゃってください。
○栗原国務大臣 ですから、実態をよく調査いたしまして適切に処置いたします。
○田中(美)委員 その次は雇用保険法の個別延長給付の暫定措置、附則第十六条の問題ですけれども、おわかりだと思いますので細かいところは略していきます。三十日の雇用保険をもらっていた者が、いろいろな形で仕事がない場合に、給付の延長があるということですね。時間がありませんので細かいことを略しますので、お互いにわかった時点でお話ししていきたいと思います。この中で該当者が十八歳未満の子供のある場合。それから廃疾の場合もありますね。それから配偶者がある場合ということになっているわけですね。そうしますと、独身者はどうなるのかということです。四十五歳から六十五歳までになっていますけれども、いままで五十五歳だったわけですけれども、真ん中をとって五十五歳ぐらいにしますと、十八歳未満の子供を養っているという人は非常に数としては少ないわけですが、それは三子とか四子とかというのがまだ十八歳未満ということもあると思いますけれども、実際には少ない。これが悪いと言っているんじゃありません。独身者はどうなるかと言っているわけなんですけれども、特に独身者の中には、この時代には婦人が圧倒的に多いわけです。大臣も御存じだと思いますけれども、ちょうど私ども年輩の女性というのは非常に結婚難であったわけです。戦争で男がほとんど死んじゃった。この人たちというのは、戦前の教育で職業教育も受けないままに社会に放り出されて、結婚できないでずっと働いてこられた人たちです。御存じのように女の定年制というのはまだ非常に早いわけですね。それで定年制で首を切られる、そして雇用保険をもらっているという場合に、どうしてこの人たちだけが二カ月延長をもらえないのか。特にこういう人たちというのは親を抱えているというのが非常に数として多いのです。年とった親を扶養しているわけなんです。ですから、その親を扶養しているにもかかわらず、その親というのがほとんどが年金をもらっていない親です。御存じだと思います。年齢的に見て、年金をもらっていない親を扶養している人が非常に多い。特に年金は福祉年金をもらっているような親を養っているんですね。そういう婦人に対して、この二カ月の延長がないというのは非常に片手落ちではないか、なぜここからそれが落ちているのかというので、これをやはり私は改善していただきたいというふうに思うわけです。いかがでしょうか。
○細野政府委員 個別延長給付につきましては、本来の所定給付日数に加えて特別の措置として行われるものでございますから、特別の要件をやはり満たしていただかなければならぬ。その要件の中の一つとして、先生お尋ねの一定範囲の扶養親族を有しているということがあるわけでございまして、その一定範囲の扶養親族の中身がいま先生の御指摘になったような形になっているわけでございます。したがいまして、十八歳未満の子供とかあるいは一定の廃疾状態にある子供を持っているという場合については、一般の人よりもよりそういう状態が非常に多いと同時に、そういう人たちに対する特別な対策をやる必要度が、他の要件もありますけれども、一つの要件としてそういう必要度が高いんじゃないかと、こういう見方に立っているわけでございます。その点、逆に父母ということになりますと、わが国の社会がいま核家族化しているというような問題、あるいは一方において、先生は先ほど少ないとはおっしゃいますけれども、やはりたとえばお母さんの場合ですとお父さんの遺族年金の支給を受けておられるというような場合もございますし、御本人自身が社会保険の対象であるというような場合も少なくないわけでございまして、そういう意味で、その必要度について、先ほどの十八歳未満とか一定の廃疾の子供を持っておられるという場合に比べて特に援助しなければならぬというケースは少ないし、かつ、その必要度も少ないんじゃなかろうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田中(美)委員 そうするとあなたは、独身の人は少ないからいいという考え方ですか。私はいま子供の場合と比較しているんじゃないのです。どっちが大事かと比較しているんじゃないのです。じゃ、子供と配偶者がいる場合はどうなのか。妻が働いて高給を取っていても、延長しているじゃないですか。それなのに、なぜ独身の女性というのがそういう状態になるのかと、私はあなたの意見を聞いているんです。大臣とあなたの意見を聞いているんですね。これは法律の不備でないかと聞いているんです。何も子供のいる場合のこれは必要度が高いとか低いとか、それを言っているんじゃないんです。そうした独身は男性にもいるはずですよ、数は少ないけれども。特に女性が圧倒的に多いのです。独身婦人連盟というのさえできているぐらいなんですからね。ここら辺のところを、やはり片手落ちではないのかと、気持ちを聞いているのですよ。ですから、いますぐ直せないにしても、これを直す方向で行ってほしいということを聞いているのです。必要度が多いとか少ないとか、数が少ないとかの問題じゃなくて、それを言っているわけです。時間がありませんので、大臣、どう思いますか。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、当面の措置というのは、あくまでも一般の人に比べて必要度が高い、そういう前提でやっておりますから、したがいまして、その必要度が高いかどうかということが一つの判断基準になりますのと、それから配偶者につきましてもやはり扶養しているかどうかということを認定の要件にしているわけでございますので、したがいましてやはり扶養しているかどうかということが問題になるということでございまして、そういう意味でなかなか困難でなかろうかというふうに思っております。
○田中(美)委員 扶養しているとあなたはおっしゃいますけれども、実際にはそういうふうにやられてないのですよ。妻さえいれば実際に二カ月延長しているのですよ。私はそれでいいと思うのですよ。ですから、独身の女性の場合も独身の男性の場合も、これは検討事項として私は検討していただきたい。大臣に最後にお答え願いたいと思います。
○栗原国務大臣 一定の要件というものをつくるのには、それだけの理由があってつくったわけです。いま細野局長はそういう意味でお答えをしたと思います。ただ、これは当面の措置でございますので、当面の措置を見まして、その上で考えるべきところがあったら考えていきたい、こういうふうに思っております。
○田中(美)委員 では、質問を終わります。
○森下委員長 次回は、明二十五日水曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十二分散会