社会労働委員会 第5号
- 発言数
- 273 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/02/27
会議録
○森下委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安島友義君。
○安島委員 前回の委員会におきまして、冒頭、栗原労働大臣に経済団体首脳部との懇談内容について若干お尋ねをしたわけでございます。実はその直後、日経連タイムスを見ましたところが、かなり詳しく内容が報道されておりますが、少なくともこの報道を見る限り、まあ新大臣ですから初めから何もかも要望するのは困難だということは私も理解はできますが、ちょうど委員会の前日でございましたし、大臣もそのことは若干頭の中にあったのではないかと思うのですが、この委員会でこれまで論議され、非常にいま問題になっております雇用・失業というこの社会問題に対して、どうも正しく伝えられているのかどうかということに若干疑問を感じましたので、再度冒頭に質問したいのでございます。 この中で、この前も公明党の委員の方からの質問で若干労働省の見解が述べられましたが、経団連首脳部は現在の雇用情勢は完全雇用に近い状態だという認識に立っている。私は、それぞれのいわゆる経済団体あるいは労働界、そしてその行政の責任にある皆さんが、少なくとも基調の面では大筋で雇用・失業情勢というものを正しく把握するということが、これらの問題解決のためにどうしても必要であると思う。基本的に食い違いがあるようでは、これは幾ら論議をしても平行線になるのであります。 そこで、この経済団体首脳部の完全雇用に近い状態という言い方を、一体労働省、大臣としてはどういうふうに受けとめておられるのでしょうか、まずその点をお伺いしたいと思うのです。
○栗原国務大臣 私も日経連タイムスというのを見せてもらいました。あれは二つございまして、一つの方が労働大臣と通産大臣とがいわゆる経済団体の首脳部と話をしたというのであって、いま一つのものは何かの経団連の会合の記事だと思います。 前の方は私どもの見解を比較的正確に伝えていると思います。後の方の中で、いま安島さんのおっしゃったとおり、現状でも完全雇用にほぼ近い、完全雇用であるというような認識の記事がございましたけれども、私どもはそういう認識に立ちません。もし完全雇用に近い状態ならば、私どもも一生懸命苦労をするという必要もないし、皆さん方もいろいろの御忠言なり御忠告を真剣にやっていただくという必要もないわけでございまして、これが完全雇用に近い状態であるというような、真偽のほどはわかりませんけれども、いまの状態が完全雇用に近いという認識については私どものとらざるところでございます。
○安島委員 これはこれまでの委員会の中でも、いろいろ委員の質問に対する答弁の中で、欧米先進諸国の失業率等との対比においては確かに日本の場合は低い、そういうことから出発しているとするならば、はなはだしい認識不足である。日本のこれまでの雇用情勢の推移や日本的な労使関係とか、そういうようなものを承知の上で言っているのかどうかわかりませんけれども、少なくともその認識にははなはだしい相違があると言わざるを得ないのでございます。 そこでこれは次の質問になりますけれども、いまのような認識につきまして社会労働委員に現状を正しく理解してもらうようにしてほしいということが述べられているのですが、これはきわめて重大な問題で、私が冒頭申し述べました、まず現状の実態というものをお互いにどう理解するかということが出発点にならなければならない、そういう点で、社会労働委員が余り現状を正しく認識していないのじゃないか、労働省は教育をしてほしいというようなニュアンスの記事が載っていることについて、これは私は、そのことを聞いて黙って帰ってくるようなことでは、労働省が何のために財界の首脳と話をするのか全く真意がわからない。この点についてどう考えておられるのか、御返事をいただきたいのです。
○栗原国務大臣 社会労働委員会にいろいろ話をして教えてやるんだというような趣旨の話は、私ども経済団体の首脳部との話の中に出てきません、そんなものは。そういうような趣旨の話はございません。教えてやるとか現状を認識さしてやるというような趣旨のものはございません。ただ、私が承った中に、いちいろ財界の方の事情を話をしてもよいというようなニュアンスのものはあったと思います。それはあったけれども、いま言ったように、何かしら教えてやるとか指摘してやるとかというような趣旨には受け取りませんでした。全体としまして、私は、経済界の方々と社労の先生方と話をされるとかあるいは労働組合の方々と話をされるとか、そういう接触の機会を持たれることについては、それは大変結構じゃないかと思います、私個人の考え方として。ただ、いま御指摘のとおり、何か財界の方で社労の委員の先生方は認識不足だから教えてやるとかなんとかというニュアンスのものはございませんので、これは決してかばうわけでも何でもございません。事実は事実としてそのことをお伝え申し上げておきます。
○安島委員 この真意について労働省としても確かめてほしい。これは、ちょうど大臣が要請に行った直後の会見の模様と、そしてそれと並列的に記載されている内容であって、その文面で見る限り、少なくとも社会労働委員が正しく現状を認識してほしいという要請をこの中ではしているわけです。一体だれにどこで要請したのかということをこの文面で見る限りは、少なくとも労働省の幹部が列席されているような印象を受けるわけです。この点についてはこれ以上ここでは申し述べませんが、その真意をはっきり確かめてほしいと思います。これは私は黙認でき得ない問題だと思っておりますので、それ以上きょうは触れません。 次に、今度の労働省の予算、施策の中のいわば目玉とも言うべき雇用開発給付金につきまして、若干質問していきたいと思います。 この一人当たりの単価といいますか、給付金ですね、これは賃金をどのように算定しておりますか。
○細野政府委員 お尋ねの開発給付金でございますが、先生御案内のようにこれは支払った賃金に対する定率の助成でございますので、定額制の給付金のように一人当たり単価は幾らというふうな、そういう決め方をしているわけではないわけでございます。 ただ、それならば五十四年度の全体の予算額なんかをどういうふうにして計算しているんだ、こういうことになるかと思うわけでございますが、これにつきましては、五十三年度にすでに、中高年齢者の開発給付金というものは細々ながら現在実施をしているわけでございます。その場合の五十三年度の支給実績を考慮しまして、それによりまして月額については高年齢者約八万円、中年齢者約八万六千円ぐらいの、従来の支給実績から見てこのぐらいの実績になるだろう、こういう見込みで計算をしているということでございます。
○安島委員 聞き方が悪かったかもしれませんが、もっと端的にお伺いしたんです。たとえば、雇用される労働者の賃金の推定をどういうようにして、それによってこの定められるところにより月額賃金の五分の四、五分の三を給付されるわけでしょう。この算定基礎となる賃金というものは大体どういうふうにペースを想定されているのか、月額十五万円ですか、十二万円ですかと聞いているんです。
○細野政府委員 実際の算定をするときに使いましたやり方は、五十三年度の四月から八月の助成金そのものの支給実績から一人当たりの助成額をはじき出しまして、それに、恐らく五十三年度において賃金が上がればこれも自動的に上がってまいりますので、そういう意味でのアップ率を掛けまして、それに法律助成分を掛けてこのぐらいの助成額の所要額になる、こういう計算をしたわけでございます。したがいまして、初めに賃金の額等を想定したわけではないわけでございます。
○安島委員 何かこの辺にも、いまの労働省が、民間産業の高齢者の賃金というものをどういうふうに把握しているか、あるいはそういうことを踏まえて少なくともこれからどういうふうな行政を進めようとするのかという点で——実際の結果が予算で決められたことと相違があったから私はどうこうという意味じゃありませんよ。少なくとも諸官庁の場合はかなりきめの細かい予算編成作業が行われているはずなので、給付金の対象となる労働者の賃金というものを、少なくとも現在の民間産業の実態がどうであり、そして中年齢者の場合はどう推移するであろうかという大まかな検討の中でこの単価を推定すべきじゃないかと思うのですが、これはいままでのいわゆる給付金というものをあくまで対照して、それに一定の上乗せをしたというやり方でございますか。
○細野政府委員 所要額の計算、いろいろやり方があると思うわけでございますが、結局、一定の年齢の幅の中の人の中途採用の賃金がどうかということになるわけでございます。その場合に、それに見合う明確な統計というのはなかなか正確な統計がないわけでございますので、むしろ従来の実績そのものからはじき出すというのが一番実態に近いんじゃなかろうか、こういう考え方で算定をしているわけでございます。
○安島委員 失対労働者とこの雇用開発給付金とのかかわりについてお尋ねしたいと思うのですが、日雇い労働者の雇用奨励制度が三十七年に設置されまして、これらの労働者が民間の企業に雇い入れられた場合常用雇用というものがたてまえだそうですが、昭和四十六年にこの失対労働者を雇い入れた事業主に月一万四千円が給付される、補助される。それから就労した者は、その事業所に就労した場合には支度金の六万円の貸し付けがあるわけですが、一年間就労した場合にはこれは返還を免除するというようなことが、昨年ですか、六万円の支度金の貸し付けで一年間就労した場合には返さなくともよいという制度ができているわけですが、少なくともこの制度が三十七年に設けられて、具体的にこれらを対象とした場合の補助や給付については、この四十六年と五十三年に決められたもの以外にはないわけです。そこで、今度のこの雇用開発給付金の対象者に失対事業に携わっている労働者はなるのかならないのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○細野政府委員 御存じのように、開発給付金につきましては、安定所の紹介等によって中高年齢者を常用労働者として雇い入れる、こういうふうな要件がございますが、この要件に該当する限り、失対の就労者につきましても開発給付金の適用はあるわけでございます。
○安島委員 そうすると、私が申し上げました四十六年、五十三年の制度とのかかわりはどういうことになるのでございますか。
○細野政府委員 年齢のところでダブっておりますが、これは開発給付金をもらえば従来の雇用奨励金等は支給をしない、こういう併給調整の形で処理をしているわけでございます。それから、年齢が中高年にならない人については従来の雇用奨励金等の活用をしていただく、こういうことになるわけでございます。
○安島委員 現在の制度は、雇用開発給付金というものはこれは三年間でしたね。そうすると、その間にどういう変動が起こるかわかりませんが、そのことは仮定の問題ですが、三年の間は失対事業に携わる方々もこの雇用開発給付金の対象となり得る、三年間を経過した場合には現行の制度がそのまま存続した形で適用されるということになるわけですか。
○細野政府委員 いまお尋ねの三年という具体的な数字は現在まだ決まっておるわけではないわけでございますが、まあこのような手厚い制度についてはいつまでも継続してやるべきものじゃないのではなかろうかというふうに考えているわけでありまして、そういう意味での臨時的な緊急対策という性格があるわけでございます。その間においては、先ほど申しましたように年齢がダブルところについては併給調整により、それから年齢の若いところについては従来の制度により対処する、こういうかっこうでいきまして、この開発給付金の制度が変わった場合にはまたそれに対応して、その後においても現在の雇用奨励金制度等については存続をしているわけでございますから、それとの関係で調整をしていく、こういうことになるわけでございます。
○安島委員 次に、中高年齢者の給付の個別延長ですね。これは最高六十日でございますが、この受給要件に一から七項目が例示されているわけですが、これは具体的にはこのうちの一項でも満たしておれば資格が発生するという意味なのか、このすべてを満たさなければならないという意味なのか、よくわからないので、その点についてまずお尋ねします。
○細野政府委員 列記されております要件のすべてに該当しなければならないという趣旨でございます。
○安島委員 離職した日において四十五歳以上六十五歳未満の者であるということや、これは事業上の解雇や定年退職であるということ、こういうことはこれはあたりまえですが、この四項から六項まですべて満たさなければならないということはちょっと理解しにくいのですが、具体的には、もっと端的に言いまして、どういう場合に適用になるのか。定年退職とか事業上解雇ということは、これはもう常識的なことですから別といたしまして、少なくとも七は別として、四から六に包括されるこの資格要件というものは、端的に言うとどういうことになるのですか。
○細野政府委員 先生御指摘のように年齢の点と、それから事業主の都合と定年による離職、この二つは、先生もお話しございましたように、こういう要件を満たしていなければならぬということはすぐ御理解がいただけるところでございますが、そのほかの要件につきましては、一定範囲の扶養親族を持っているということと、それから再就職できなかったために引き続き援助を行う必要があると安定所長が認めたこと、これを実態的に申し上げれば、熱心に求職活動をしておられるというそういう要件さえ満たしておられれば、いまの扶養親族を有していることとその二つを備えていれば、大体要件を満たしておられるということになるわけであります。
○安島委員 あなたはその方の担当者なんですが、これはざっと読んでみましても一、二、三まではまだいいですよね。しかし一、二、三と四あるいは一、三、三と五というように、四、五の場合はそれぞれの事由があれば適用されると考えてよいのではないのですか。あなたはそれをすべてを満たさなければならないと言われたのですが、もう一度お伺いしたいのです。
○細野政府委員 先ほど申し上げましたように年齢の点、それからその事業主の都合なり定年に達したということによって離職をしたということ、それから一定の範囲の扶養親族を有しているというふうな要件を満たしておられる場合には、あとは熱心に求職活動をしておられるという普通の人であれば当然備えておる要件であるというふうに考えておるわけでございます。
○安島委員 予算対象人員数は大体どの程度に見積もっておられるわけですか。それからその根拠をお伺いしたいと思うのです。
○細野政府委員 先生も御存じのように、本年の一月から、年齢要件を従来の五十五歳以上というものを全国一律に四十五歳以上ということに引き下げたわけでございます。これに伴いまして、五十四年度におきましては当然それによる対象の増というものは大幅に考えられるわけでございまして、その増加分を考慮しまして五十四年度の対象人員は約十一万人というふうに見込んでいるわけでございます。
○安島委員 次に身体障害者対策について若干お伺いしたいのですが、私は、この身障者対策を進める場合には、医療、福祉と関連して総合的に雇用という問題を見直す必要があるのではないかというように思えますし、もうその段階に来ているのではないか。特に、これはいろいろこれまでの委員会でも議論になっているのですけれども、経営者に身障者の一定の雇用率を達成するように義務づけをして、それに満たない場合には給付金を納付するような制度になっているわけですが、特に大企業等の場合は雇用率に達していない。その面についてはこれはもっともっと行政指導を強化してもらう必要があると思うのです。実は私個々に聞いた限りにおきましては、必ずしもそれだけの問題ではなくて、少なくとも身体障害者を雇い入れた場合にあたりまえの人と同じような能率を期待しているというふうなことはない、何が障害になっているかという場合に、健康管理や安全管理の面で、一人を雇い入れることによってさらにいろいろな面で気を使うという、言葉は適当かどうかわかりませんが、いろいろと考えなければならない問題がありまして、軽度の場合は別としても、重度の身体障害者となりますと、どうしてもそういう点を考えるとなかなか踏み切れないという点。 それから、福祉工場のように一定の場所にそれなりの健康管理、安全管理に適した人を配置してそして仕事をさせるというのが、全国各地に部分的でございますが行われている。もちろん、この方だけで身体障害者の雇用の問題を考えるということは、一方においては差別的な取り扱いをするという批判もあるわけでございますから、これは並行して進めなければならない問題だと思うのです。 そこでいま、厚生省は厚生省の立場から身障者に対するいろいろな施策を講じてきている。労働省は労働省の立場からいろいろな施策を講じてきている。少なくともいまの雇用問題とか医療や福祉の問題等を考える場合には一現在の段階というのは縦割り行政の弊害というものが著しく、いろいろな面で問題が生じているように私は思われるわけです。したがって、身障者の雇用対策を考える場合でも、医療や福祉とかについてそれぞれの身体障害者の個々の実態に応じた対策というものをやはり総合的に考えないというと、なかなか問題が解決しないように思うのですが、この件につきましてどういうふうにお考えでしょうか。あるいは、今後厚生省の担当者とこの辺の問題について詰める用意があるのかどうかお伺いしたいのです。
○細野政府委員 先生御指摘のように、身体障害者の雇用という問題を考えます場合に、単に労働省の部内だけとってみましても、雇い入れ関係の問題だけではなくて、たとえば健康管理から安全衛生の問題、さらには賃金問題あるいは訓練の問題というふうに、省内の各局とも非常に密接な関連があるわけでございます。 それだけではなくて、なお先ほど先生から御指摘がございましたように、厚生行政との密接な連携ということも当然に必要なことでございまして、いろいろな問題について常時厚生省とは、それぞれ担当の課同士が連携、相談をしながら行政を進めているというのが現実の姿でございます。しかし、今後ますますこの問題は重要になってまいりますので、一層その連携の強化を図っていかなければならぬ、このように考えておるわけでございます。
○安島委員 雇用対策の面でも現在の各省庁にかなりかかわりがある。たとえば、私どもが常に主張していることですが、景気を浮揚させるための公共事業、これは建設省とか自治省とかいうようにまたがる分野、それと、今度は労働省として雇用面から、これらの政府の公共投資、公共事業等にどう密接に結びつけていくかということでは、雇用問題だけ考えても横との連携が非常に必要となってくる。このように、国民にとってはいよいよ負担がますます増大するような状況下にいま置かれているわけですから、貴重な国民の税金というものが正しく効率よく執行される、そしてその中に、雇用とか医療とか福祉の問題というものをどう絡めていくかということが非常に重要な問題になってきていると思うのです。 きょうはこの身障者の雇用と福祉、医療との関連についていまちょっとお尋ねしたいのですが、大臣は今後、これは時間がかかると思いますが、具体的な問題で厚生大臣等と話をし、関係担当者の間でこれを具体的に調整をするということについて、お考えがあればお伺いしたいのです。
○栗原国務大臣 一般的な問題といたしまして、各省庁がよく連絡をとって、行政が実効の上がるようにしなければならないという点については、私は全く賛成でございます。そして、例の雇用問題閣僚会議というものもございますし、その幹事会等もございますので、そういったところで問題になる点をよく詰めていきたい、そして実効の上がるようにしていきたいというのが私の基本的な考え方でございます。
○安島委員 強く要望しておきたいと思います。 さらにもう一点、先ほども触れましたが、身体障害者の受け入れ体制というものを強化させる行政指導は当然でございますが、いま各都道府県や市町村の幾つかで、いろいろな中高年齢層あるいは身体障害者、この場合は身体障害者ということで申し上げたいのですが、いろいろな施策をそれぞれの自治体の予算を計上して行っているのです。 先般、実は労働省の担当者の方に来ていただきまして、今度もいろいろ身障者の雇用受け入れを促進するような予算措置を講じてはおられるわけなのですが、どうもそれだけでは不十分だ、たとえば自治体等で行っているこういうような事業に対して一定の補助を国が与えるべきではないかというふうに考えるわけですが、どうも各省庁の予算というものは非常にぎくしゃくしておりまして、全然応用の幅がないのですね。その点についてもっと具体的に身体障害者の雇用対策を進められるならば、もっともっと地方自治体等で行っているようなこの事業に対して政府として一定の補助をする考え方があるかどうか。また、それらの問題は先ほどから触れておりますように厚生行政とのかかわりも出てくるので、これは今後検討してみる必要があるように思いますが、いかがでしょうか。
○細野政府委員 先生御指摘のように、身体障害者の問題、これは厚生省とも十分、お互いに連携をとって対策が総合的に進められるようにしていかなければならぬという点は、御指摘のとおりだというように考えているわけであります。 ただ問題は、非常に接点になる問題が往々にして出てくるわけでございますが、この場合において、お互いの担当分野というものをまず一応明確にした上で、それぞれの範囲内でお互いに協力する、こういうやり方をしませんと、ダブったり、あるいはむずかしい問題はお互いに逃げ合ったり、こういうことになるわけでございます。そういう意味でのお互いの分野の境界線というものを、労働省の関係では、その身体障害者が雇用関係にあるかどうかということを所管の一つの分界線というふうに考えておるわけでございまして、そこで雇用関係のないところについては厚生省にお願いする、雇用関係のあるものについては労働省で対処をする、こういう考え方で、両者がその上に立ってお互いに協力して総合的に実が上がるようにしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○安島委員 具体的に言えば、労働省にはかなりこの方の予算も現在あるはずだ。ところが使われない。いまの法の枠の中では使い道というものは限定されている。こういう問題を放置してはよくないのではないかという意味で申し上げているわけですから、それぞれの責任分野を明確にして予算というものを執行させるというのはあたりまえの話ですが、もっと幅広く物を考えなければ、中高年齢者の雇用対策とか身体障害者の雇用対策、福祉というような問題も含めて考えるというのはむずかしくなってきているのじゃないか。ですから、一つのことにしぼらないで、いろいろなことを総合的にやっていく必要があるのではないか。そのための法改正や、あるいは改正しなくともいまの資金の運用というものができるかどうか、その余地があるかというふうなことも、関係当局の間で見直す必要があるのではないかという趣旨で申し上げているわけです。いかがでしょうか。
○細野政府委員 先生御指摘のお気持ち、よくわかるわけでございますが、ただ先生もよく御存じのように、納付金の関係の制度につきましては、雇用率未達成の事業主から納付金を取りまして、雇用率以上雇っているところにこれを支給することによって経済的負担の調整を図りつつ、かつ雇用の率の達成を促進していこう、こういう基本的な考え方に立ちまして、そういう観点から、納付金というものが法律上義務づけられているわけであります。したがってその使い道も、事業主の身体障害者の雇用を促進する、こういうことに使うのがいまのたてまえからいうと当然でございますし、また法律上もその範囲で使うように限定されているわけでございます。 したがって、そういう範囲の中で納付金というものが大幅に活用されるように、たとえばこれもすでに先生御存じのように、一人雇っていただけば月十万、年額百二十万、二年間二百四十万を支給しようというような、これも非常に抜本的な制度を今回導入しているわけでございますが、そういう形で民間の事業主の身障者雇用が促進する形でこれが活用されるような方向で、現在検討しているというのが私どもの考え方でございます。
○安島委員 時間が制約されていますのでそれ以上お伺いしませんが、何かこれからお伺いする問題ともかかわりがありますが、考え方の幅がどうも狭過ぎる。私は法律はどうでもいいと言っているのではなくて、どうも物の考え方が狭過ぎはしないか、あるいは労働省の部内とかこの法律の枠の中ではむずかしいという問題であるならば、政府部内で、こういう問題は、ただ単に所管の労働省とか厚生省とかというようなものを離れて、雇用問題をどうするか、身障者の対策をどうするかというふうな問題で、その運用とか執行という点で検討の余地があるのではないかどうか、こういうふうな問題はもっとフリーな立場で検討してもらう必要があるのではないかということを指摘しておきたいと思います。 次に、雇用安定事業の予算対比についてですが、前回はさっとしか質問しませんので、この点について若干お伺いしたいのですが、結論から言いますと、雇用安定事業の予算は五十二年度で三百七十七億四千九百万を計上しておりますが、わずかに三十三億一千万円しか使われていない。五十三年度は、これは四月から十月までの実績ですが、恐らく大筋としては余りこの傾向は変わらないと私は見ているのですが、五十三年度の予算が六百十一億六千万であるのに対して、現在までに消化されているのは五十六億一千三百万、余りにもはなはだしい開きがあり過ぎます。特にこの中での特徴的な問題としましては、雇用調整給付金がはなはだしく実態にそぐわない予算ということに結果的になっているわけです。五十二年度が二百四十九億円計上してわずかに三十一億、端数の方はこれは切り捨てております。五十三年度も二百五十二億の予算に対して現在までの消化はわずかに二十八億、これが大きな特徴点です。それから事業転換等の雇用調整事業、これもかなり大きな予算を計上しておるのですけれども、たとえば事業転換等訓練給付金等の場合は百二十億計上してわずかに二千六百万、一体これはどういうことなんですか。この要因についてどう分析されているのか、お伺いしたいのです。
○細野政府委員 安定事業関係につきまして、予算と実績との間に大きな乖離があるという点につきましては、先生御指摘のとおりでございます。その原因は何かというお尋ねでございますが、大別しまして三つぐらい挙げられるわけでございます。 一つは、いま御指摘がございましたように、雇用調整給付金等の例にも見られますように、この制度を始めました直後におきましてはもう予想もしなかったほどたくさん出て、対応に大わらわになったというふうなこともございましたが、現在は経済情勢が変わりまして、ああいう一時的な休業という形で雇用調整が行われるというふうな実態自体が、きわめて減っておるわけでございます。そういう点は、雇用調整のやり方をいろいろ調査をしておる調査結果にも、一時的な休業の形による雇用調整というものが非常に減っているというふうに出ておりまして、したがってこの関係につきましては実態の変化によるわけでございます。 それから二番目の理由としましては、たとえば事業転換の訓練等につきましては、これは制度が発足しましてまだそう日がたっておりませんで、そのときの要件その他につきましても、私どももよくその実態等の経験なしに要件等を決めておりますので、そういう意味で実際の事態と要件とがなかなかかみ合わなかった、それから事業所の方もこの要件に対する対応体制がなかなかとりにくかった、こういう事情があるわけでございまして、そこで昨年の十月に、安定審議会を初め各関係の労使の方々から御意見を伺いまして、かなり要件の緩和なり手続の簡素化等を図ったわけでございます。 それから三番目の理由としましては、何といいましてもこの制度についてのPRがまだ不足であるという部分も確かにあるわけでございまして、そういう意味で、各種の制度のわかりやすいパンフレットとかリーフレットとかそういうものをつくる、あるいは関係の労使の団体にPRをお願いするとか、いろいろな形でそのPRに努めているというのが現在のところでございます。
○安島委員 五十四年度の予算を見ますと、この実績にかんがみましてかなり予算を少な目にしておりますね。ですが、それでも雇用調整給付金等につきましては百五十三億計上しているわけです。いま局長がお答えになりましたが、私はまだ認識が不十分だというふうに思うのです。この雇用調整給付金というのはある時期にはかなり使われましたね。根本的にいま経営側はこういうことを考えていないということなんですよ。つまり、事業転換等の余地があるならば、政府の補助を待つまでもなく、やるところはやっているのですよ。いろいろなことをある時期において行ってきたが、結局先々の見通しの上に立って、無理をして過剰雇用を抱えているよりは思い切って過剰雇用をなくそうという動きが、はっきりともういま出てきているのです。ですから、この雇用調整給付金というのは、私の理解では、待期しているときの休業補償的なものじゃないのですか。そうでしょう。そういうことはもうこれから絶対ないとは言えませんが、一般的な不況じゃなくて電力事情等が悪化して休業するというふうな場合のことは別といたしまして、通常の事業経営の中ではまずこういう考え方は大半の経営者はもうとらない、私は自分の体験を通してそういうふうに判断しております。ですから、非常に雇用対策の強化が叫ばれており、予算の方でもやはり有効活用を図らなければならない、そういう中で、まだまだ当局の方の民間産業や企業の実態把握というものは必ずしも十分ではないのではないかと私は思います。今回も、前から比べますと低くはなっているけれども、この予算が消化されるとはとうてい見ていない。その辺の見通しについては、この程度の予算ならば、知られてない部分もあるから労働省がよくPRすればまず大丈夫だというお見通しの上に立っているのですか。
○細野政府委員 先生にも御理解をいただきたいと思いますのは、雇用安定事業関係の各種の事業というのはもともとなかなか予測しにくいということから、そういう意味での変動に対応するために安定資金を積み立てているわけなんです。そういう性質のものでございますから、一般の予算関係と異なりまして、ほぼ満額消化されるということは、それが望ましいことではあるのですけれども、なかなかそういきにくい性格の事業が全体として仕組まれているという点は、ひとつ御理解いただきたいわけです。 そういう前提に立ちまして、先ほど先生御指摘ございましたように、いろいろな経済情勢から見て、今後なかなか使われにくいのじゃなかろうかというところは減らし、それから、今後非常に重要なことでもありかつ金が相当かかるだろうと思われる開発給付金等につきましては、これを大幅にふやすという考え方に立ちまして、五十四年度予算は編成されているわけでございます。 したがいまして、これがそのまま満額達成されるかどうかというお尋ねに対しましては、なかなか予測が困難な事業の性格でございますので、必ず満額いくとか、ほとんど出ませんということを、なかなかお答えしにくい性格の事業なのだという点につきましても御理解いただきたい、こう思うわけでございます。
○安島委員 私は、日経連が主張している点で一つだけ同調できるのは、現在の労働関係法規というのが余りにも多過ぎて、その内容も非常に似通っている、そのことが法律や制度に対する理解が不十分というか混乱させている原因の一つにもなっている、あるいはせっかく予算を計上してもなかなか消化されていかないというようなかかわりも出てきているように思うのです。ですから、いろいろな歴史を持っておりますから一概には、整理統合と口では簡単ですがなかなかむずかしいと思いますし、これは前の委員会でも私は申し上げたのですよ。各種の奨励金制度や何かをもっと弾力的に運用する方途を考えるべきじゃないか、整理統合してみる必要があるのではないか、あるいはいまの法規を具体的に適用する部分を少なくとも関係者にはわかりやすいようなパンフレットをつくって流すとか、関連するような部分はこことこことこことのかかわりというふうに、見てわかるようにするなり何なりする必要があると思いますので、この点についてはさらに検討し、創意工夫を一段とこらしてほしいと思います。これは要望しておきます。 最後になりましたが、雇用をいかにつくり出すか、雇用創出と一口に言っておるわけでございますが、労働省また大臣もそう言っておるわけですけれども、雇用創出のための機構というのは単なる機構いじりであってはならない、これは私も全く同感なのです。ただ、現在のような懇談の域を出ていないような場で、本当に雇用創出という問題が計画的に、そしてそれが具体的な予算の裏づけを図るというまでに発展するとはとうてい思えない、こういう点で機構いじりに終わってはならないが、同時に、いろいろな幾つかの懇談の場で単に話し合うということだけに終わっても意味がないと思うのです。したがって、私はこの場というものの型にはとらわれませんが、具体的に、雇用創出をこういうような方法でこういう措置を講じたらいいじゃないかというプランをつくる、そしてそれが妥当と思われるものには予算の裏づけを図っていくというようなことで、仮称雇用対策委員会、先ほど言いましたようにこの名称とか構成等には私たちも一定の幅を持って考えたいと思いますけれども、まず、現在の労働省等が呼びかけているような場で十分であるとお考えなのでしょうか、それとも機構いじりに終わらない、中身の問題をもっと検討していくにふさわしい場をつくるということならば異論がないというお考えなのか、その辺を大臣の方からお伺いしたいと思うのです。
○栗原国務大臣 いまお話しのとおり、機構いじり的なものはやめるべきだという御発言に対しては賛意を表します。どうも、何か機構をつくればそれによって自然に何かができるのだ、また機構をつくってやるのだという傾向がございますけれども、従来からの経験にかんがみまして、それは必ずしも妥当ではないじゃないか、そういう意味で、私はいまの御発言につきましては賛意を表します。 ただ問題は、懇談会的なものであってちっとも実効が上がらないじゃないか、そういうことではいけないじゃないか、実効の上がるような場をつくったらどうだ、あるいは実効の上がるようなプランが出たならばそれに対して予算の裏づけをすべきじゃないか、ということにつきましても同感でございます。ですから、例の雇用創出機構の問題等につきましても、私どもは衆知を集めてやらなければならぬというの文例の雇用問題政策会議というところで各界の方々の御意見を聞こう。そしてその中でいいことがあったらどんどんそれを具体化していこう。それから、いままで労働省等にいろいろの審議会とか委員会とかございますが、そこらにつきましてももう一回よく洗い直してみまして、そしていいことをやっていく。どういうふうに機能を拡充していくか、機能の拡充でいくのかあるいは新たなものをつくる必要があるのか、その辺は弾力的に考えたい。 ただ、先ほど申しましたとおり、機構いじりになるようなことだけはやめたい。具体的に実効の上がるようなことをやっていきたい。また、それについては予算的な裏づけもやっていきたい。こういうことでございます。
○安島委員 終わります、
○森下委員長 次に、川本敏美君。
○川本委員 それでは、労働大臣に対して二、三点にわたって質問をいたしたいと思うわけです。 まず最初に私がお聞きしたいと思うことは、当面の深刻な雇用情勢の中で、これから労働省がとるべき雇用政策の基本的な問題についてまず一、二点お聞きをいたしたいと思うわけです。 先ほど来もお話がございましたように、深刻な雇用情勢を反映して、昨年来不況対策の法律だとか業種別とかあるいは地域別というような形でいろいろ制度が生まれてまいりました。私は、雇用政策そのものに対する政府の基本的な方針というものが果たして那辺にあるのかということについて、やはりこれは今後の重大な課題だと思うわけです。経済情勢というものは時々刻々として変化をしていく、それに対応する雇用政策といいますかあるいは産業政策といいますか、そういうものが確立されなければ、その場逃れの制度をつくっていっておったのでは国家百年の大計を誤るおそれがあると思うわけです。 たしか昨年の七月二十日だと思いますけれども、労働大臣の諮問機関ですか、いわゆる中期労働政策懇談会ですか、信州大学の教授の隅谷三喜男先生が座長を務めておられた、ここらからも一つの提言がなされておるわけです。その提言を私も拝見をいたしましたけれども、そういう提言を踏まえて、労働省はいわゆる雇用制度あるいは法律、この全般に対する見直しを当面迫られておるんじゃなかろうかと私は思うわけです。労働大臣、それについてひとつ御意見のほどをまずお聞きしたい。
○細野政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、隅谷先生の懇談会あるいは馬場先生をキャップとします雇用政策調査研究会それぞれから、今後の労働力需給の長期的に見た場合の動向、それから問題点あるいはこれに対処するための対策の基本的な方向等について、それぞれ御指摘なり御意見が出ているわけでございまして、私どももそういうものを踏まえまして、全般的に、先生も御案内の、現在ちょうど経済計画自体も中期計画自体が改定の時期でございまして、私どもも雇用対策基本計画自体の改定を現在検討中でございまして、そういうものの中に総合的に先生御指摘のような諸問題を洗い直した検討をしてまいりたい、このように思っておるわけでございます。
○川本委員 それなら具体的にお聞きしますが、この前も大臣は言っておられるのですが、第二次産業というものは将来さらに雇用を拡大する可能性があるのかどうか、この点について大臣はどう思っておられますか。
○栗原国務大臣 当面はなかなか厳しいと思いますけれども、第二次産業が将来どうなるかというよりも、どうしなければならないかという意味で申し上げますと、やはり第三次産業、第四次、第五次といろいろ言われておりますけれども、私は、第二次産業がやはり活力を持たないと、第三次、第四次、第五次というふうに発展的に永続的にいかないということを恐れているのです。そういう意味では第二次産業についても活力あるものにしていかなければならぬ、そのために政府は民間の方々と一体となってこの第二次産業の振興についてさらに意を用いなければならない、こう考えております。
○川本委員 第三次産業の雇用について、将来はどのようにあるべきだと思いますか。
○栗原国務大臣 第三次産業の中でもいろいろございますけれども、たとえば生活・福祉とか医療・保健とかあるいは教育・情報とかそういった方面ですね、こういう方面は公的にも私的にもさらに発展させていかなければならない、そこら辺に重点的にいかなければならぬ、こう思っております。
○川本委員 私は、いま手元に日本とアメリカとの人口千人当たりのいわゆる就業者の指標を持っておるのですが、いま大臣も言われましたけれども、わが国における第三次産業についても、その三次産業は何でもかんでも全部雇用の増大を期待することができるのかどうかということになると、これはやはり一つの問題があると思う。いま大臣も言われましたけれども、特にわが国とアメリカとを比較してみた場合、日本が非常におくれていると思うのは、第三次産業の中のいわゆる公共サービスの部門だろうと思うわけです。公共サービスの部門でも、いわゆるメディカルとか教育とかあるいは福祉関係の就業者の数は、人口千人当たりに直しますと、日本は、昭和五十二年末の総理府の労働力調査報告等によりますと、人口千人当たり三十六人の就業者の数。アメリカでは、これは五十一年末のアメリカの商務省の調査によるものですけれども、人口千人当たり六十三人。日本は三十六人でアメリカは六十三人、こんなに大きく違っておるわけです。こういうところにこれからの雇用問題の焦点を当てていくということは、やはり雇用創出という課題の中での一つの大切な問題ではなかろうかと私は考えておるわけです。その点について労働大臣は、いまそういう問題点は指摘されましたけれども、これを公的にやるのかあるいは私的サービスとしてやるのかというような、いろいろ課題によって違いますけれども、こういう問題がわが国のこれからの雇用問題での一番中心的な課題になることはもういまさら申し上げるまでもないと思うわけです。 ひとつ大臣が、いまの深刻な雇用不安を解消するために、一つにおいては第二次産業において安定的な成長をする中でさらに雇用をふやしていく、これがまず大事だ。次には、第三次産業の中でそういうメディカルとか教育とかあるいは福祉、こういう面における立ちおくれをなくしていくことによって雇用を拡大していこう、こういう意図を持っておられるということに考えてよろしいか。
○栗原国務大臣 さようお考えをいただいて結構でございます。
○川本委員 そうなれば、私はやはり問題が幾つかあると思うわけです。今日までの労働省のやっておられることが、各方面からいろいろ批判を受けておる。その批判の中身というものが、いわゆる経済成長率とかそれに見合う雇用需要率といいますか、そういうようなものを正確に把握できておるのかどうかということについて一つの問題点があろうかと思う。さらには産業別、職業別はもちろん、年齢別とか学歴別とか性別、こういうような形で将来の需要量あるいはわが国における最終雇用量、こういうものを十分分析し推定した上に立って、経済担当の各省と連携をしながら考えていく、こういう基本的な問題で労働省は著しく立ちおくれておると私は思うわけです。そういう点どうでしょう。
○細野政府委員 将来の労働力の需要のいろいろな要素についての今後の見通し、それから供給面から考えられる構造変化、そういうものの分析をした上で、経済政策等とも密接な連携をとりながら雇用対策を前進さすべきじゃないかという、その御趣旨については私ども全く同感でございます。 したがいまして、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、馬場先生をキャップにする専門家の学者の方々にもお集まりいただきまして、今後の労働力需給の状況とその問題点につきましての展望等についても、私どもも勉強をいたしまして、その成果に基づきまして、経済企画庁を初めとしての各経済官庁にもその成果を持ち込みまして、そういう角度から、経済計画の策定等につきましてもかなり私どもの意見を取り入れてもらっているというふうな状況でございます。 それから政策的な面につきましても、先ほど先生御自身からもお話しございましたように、隅谷先生の懇談会から出ておりますいろいろな今後の施策の方向についての問題点等につきましても、経済官庁等についてそういう内容のものをかなり取り入れさせているというふうに、私どもなりに努力をしているつもりでございます。
○川本委員 今度の第四次の雇用基本計画の策定は、いま進んでおるわけですか。
○細野政府委員 基本計画自体の内容は、先生も御案内のように、労働力需給の見通しと、それから問題点と、これに対する対策という、三つの内容から構成されるようになっているわけでございますが、その中の需給の見通しと問題点につきましては、さっき申しました馬場委員会の成果等を踏まえまして、現在私どもなりに一つの考え方を持っておるわけでございますが、そういうものを踏まえた上での今後の対策を中心にしまして、現在雇用審議会で御審議をいただいておるわけでございます。そういう意味で、雇用対策基本計画の改定自体は現在真っ最中というわけでございます。
○川本委員 一つは、いま申し上げたような経済政策と連動する産業政策の中での、これからの雇用の需要をどのように拡大していくかということが一つの問題点。もう一つは、私は高齢化社会の対応の問題があると思う。いわゆる急速に進行しつつある高齢化社会の中で、定年延長とかあるいはいわゆる継続雇用給付金ですか、そういうようなことの中で労働省自体も高齢化社会に対応しようとする努力の跡は見られるけれども、しかし先ほど来申し上げたような状態の中で私が感ずることは、今度の雇用開発給付金なんかにしても全く場当たり的な、思いつき的な政策の域を出ないんじゃないかと思うわけです。学者等からも先般来指摘されておるように、一つは、高度経済成長の中で生まれてきた雇用対策法とかあるいは中高年法とか、そういうような法律をどのように見直していくのか。あるいはたとえて言いますと、大量解雇制限法とか、われわれ社会党が早くから言っておりますけれども、年齢差別制限法とか男女差別制限法とかいろいろあります。さらには週休二日制、時間短縮あるいは残業禁止、こういうようなもろもろの問題が制度要求として出されておるわけですけれども、こういう減速経済といいますか安定成長経済の中で、雇用の質と量が本質的にいま大きく転換しようとしておる、こういう時期に対応する制度としては、現在のそういう雇対法や中高年法等も含めた、あるいは労働基準法も含めた基本的な見直しというものが、当面必要な課題ではなかろうかと私は考えておるわけです。そういう形の中で、特に私はそういうような高齢化社会への対応、経済政策との連動、こういうものを一つ考えた場合に、この際政労使公、こういう四者による国民の合意をつくり上げるための機関というものを労働大臣のもとにつくっていく、こういうことにも積極的に努力しなければいかぬのじゃなかろうか、こういうような感じがするわけですが、労働大臣、ひとつ御意見を聞きたい。
○栗原国務大臣 前々申し上げましたとおり、労働省だけでこの雇用問題が解決はできない。経済政策、産業政策との関連の中でやらなければならぬということからいたしますと、各省ともが主体でなければならぬ。しかし、政府だけではできない。民間の方々、労働者の方々、それから使用者の方々、学識経験者、そういう方々のお知恵を拝借をして、英知を結集して雇用創出を考えていかなければいけないということは前々申し上げているとおりでありますし、いまの川本さんのお話もそういう御趣旨と承りました。したがいまして、そのこと自体について私どもは賛成でございまして、ただそれをどう具現化するかという問題につきましては、屋上屋を重ねるようなことはいけないということを申し上げておるのです。政府としてはそういう英知を結集するという意味で雇用問題政策会議というのをつくっていくわけでございますが、これでもう万全である、もうほかのことには聞く耳を持たないというようなかたくなな態度ではございません。いろいろいい意見があったらぜひ御教示を賜りたい、そういうことでございます。
○川本委員 それでは私は次の問題に移りたいと思うのですが、次は、今度の雇用保険法の改正でもいろいろな給付金の制度がつくられようとしておるし、私は、雇用保険法あるいは中高年法や雇対法等を含めて、一体どのくらいの数の給付金の種類があるのかどうかということも定かではないわけですけれども、末端の安定所へ行きますと、安定所の職員すら、その自分の安定所で関係のあることは大体わかっておるけれども、それも大体ですよ、もう余り関係ないと思ったら全然頭から忘れてしまっておる。一般の工場、事業所の管理者はもちろん、労働者自身もこれだけめまぐるしく給付金の数がふえてくるとわからないわけです。労働省はこれを周知徹底するために今日までどのような努力をしておられますか。
○細野政府委員 この各種の給付金につきましては、先生も御指摘のようにいろいろな経緯があって、いろいろな必要に応じてできてきているという面もございますので、したがって種類が非常に多いわけでございますが、私どもとしましては、この安定所職員に対する理解の徹底はもちろんでございますけれども、御利用いただく労使の方に対してこれがよく知られていないということであれば、これは大変問題でございますので、従来もいろいろな、たとえば制度全体をわかりやすくそのかわり概括的に紹介したパンフレット、あるいは人を雇う場合に要るもの、再就職する場合に要るものというふうに、それぞれのお使いになる方の利用の目的に対応して、その場合にはこういうものがありますというふうに、利用者に対応した非常に限定的なパンフレット、それからできるだけ即決的にお返事ができるように、たとえば一つの例で申し上げれば、職員の机の上にそういう各種の制度を簡単に解説したものを刷り込んだ下敷きを配るとか、それから各安定所においても、いま先生御指摘ございましたように、それぞれの安定所で頻繁に使われるものについてはそれなりのまた制度の概要を書いたものを用意するとか、いろいろな工夫をこらしながらこの制度の普及徹底を進めておるわけでございます。また同時に、それぞれの業界なり労働組合なりに関係の深い問題につきましては、それぞれについてまた特に御説明申し上げまして、下部への御徹底をお願いするというようなこと、そのほか、新聞とかテレビとかそういうものでそういう機会があれば、できるだけそういうものについての周知徹底を心がけてやるとか、いろいろな工夫をしているわけでございますが、それでも御指摘のようになかなか徹底が十分でないわけでございまして、今後とも一層そういう点についての配慮をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○川本委員 局長いろいろおっしゃいますけれども、現実の問題として、雇用調整給付金が出た時代は雇用調整給付金のことを知っておったけれども、今日になって雇用調整給付金が御用じまいになって余り使わぬようになって、今度は雇用開発給付金の方に来たら、雇用調整給付金のことは忘れてしまわなければ人間というものは前へ進めないわけなんです。どんどんそういう新しい給付金の手当の制度ができてくるために、私の知っておる状態でも、安定所で、私なんかのようななまくらなのと違って、まじめで一生懸命に仕事に取り組む人が大体病気になって、長期の休職者が最近非常に多い。なまくらな私みたいな気性だったら次々と忘れていけるけれども、やはり末端で行政に携わる職員というものは何を聞かれても知っておらなければいかぬから、忘れていくわけにいかぬから、次々に新しいことに対応しなければいかぬ。これはぼくは大変な事態だと思うわけなんです。そこへもってきて、職員の数ですよ。ことしの予算編成の時期にも私どもは大臣に、ひとつ定数をしっかりふやせと言っていろいろお話ししましたけれども、残念ながら、歴史上始まって以来ないのだとか言いますが、プラス・マイナス・ゼロ。そういう中で、資料によりますと、来年度の予算の定員は一般会計では本年度より百十六人減るわけですね。そうしてその他の労災勘定、雇用勘定、徴収勘定あるいは石炭石油特別会計等全部見直しても、本当にわずかしか変動がないわけです。労働省の合計の数でいくと、これは昭和四十八年ですか、四十八年度の数よりもさらに現在の方が総定員では減っておるわけです。私はこんな状態で、これだけ目まぐるしく制度そのものが、給付金等の種類が変わる状態の中で、末端の行政に携わる人は大変だと思うわけです。まして、日々の対応だけで大変ですから、いま局長が言われたような、新しくできてきた制度を国民に啓発、指導して周知徹底するという時間的な余裕がない実情にあるわけです。新聞、テレビ等と言いますけれども、私はテレビ、新聞もよく読みますけれども、そんな、労働省が今度新しくこういう給付金の制度をつくりました、思い当たりのある方は安定所の窓口へというコマーシャルと、三月十五日税金の申告日が近づきました、税金相談の方は税務署へというコマーシャルとを見たら——いまだったら税金のものばかりで、安定所でこういう新しい制度をやりますから行ってくださいということは私はまだ見たことがない。一体そういうところにどのくらいの予算を使っておりますか。
○細野政府委員 先ほどテレビと申しましたのは、たとえば座談会とかいろいろなところで私ども初め部課長がそれぞれ出席する機会がございますので、そういう場合に、今度こういう新しい給付金ができたとか、そういうことをできるだけその席上でも申し上げて、ごらんになっている方々にそういう制度についての普及徹底を図りたい、こういうことを中心に申し上げたわけでございます。
○川本委員 私は、定員がふえなければ、そういう周知徹底、PRの予算というものをフルに使って、やはり企業家にもあるいは労働者にも周知徹底をするということがなければ、幾ら制度をつくってもこれは絵にかいたもちだと思うわけですね。ネコに小判だと思うわけです。まず一つは安定所の職員の数をもっとふやすこと、それも定数問題に縛られてできないというなら非常勤でも構わぬ、いろいろな形で確保をする。そしてその上さらに、テレビも今日は普及しておるのですから、税金の取る方ばかりのコマーシャルじゃなしに、給付金をやる方も、こういう制度が新しくできました、何か心当たりの方は安定所へというようなコマーシャルぐらいは、毎日スポットで出たって、いまの時期だったらあたりまえだと私は思うわけです。そういうことによって国民はああ労働省がやってくれておるなということがわかるけれども、いまだったら国民は労働省というのはあるのかないのかわからぬ。新聞にも書いてありましたね、休眠やと。そういうことのないように、ひとつ積極的なPRの方向を考えてもらうとともに、安定所の職員は先ほど申し上げたようにいま大変ですよ。たくさん病気になっておる人も出ておる。こういう方々をなくしていくということも、これは大臣や局長の大切な仕事だと私は思うわけです。ひとつがんばっていただきたい、このように思うわけです。 そこでもう一つ、小さいことですが、今度の雇用開発給付金とかあるいは定年延長の給付金、継続雇用の給付金とか、新しく拡大されましたけれども、実は私の知っておる私どもの方の中小企業、零細企業、従業員百人以下ぐらいの中小零細な企業で見てみますと、定年制がないのですね。私は奈良県の吉野郡ですけれども、私の地元の町の大淀町の吉野容器工業株式会社という、これは製材関係の会社ですけれども、七十人ぐらい従業員がおられる。ここなんかは戦後今日までずっと六十五歳定年なんです。絶対首は切らぬ。もちろん若い人はなかなか来てくれないから、平均年齢も四十八歳、五十歳と高い。中小零細な企業というのは家族的なところがありますから、一度雇い入れたら、大企業みたいにおまえは五十五だから定年でやめろ、六十だからやめろとなかなか言いにくいということで、定年制もないまま今日まで継続的にずっと、六十五歳を過ぎても、まだ働いておる間は健康だったら来てもいいじゃないかというような企業さえたくさんあると思うわけです。ところが、そういうところに対しては、一人もやめないのですから、継続雇用の給付金もなければ定年延長の給付金もなければ能力開発の給付金も全然いかない。しかし雇用保険には入っておるのだから、事業主の負担は同じように取られておる。そういう一つの制度の中で見落とされておる、一番困っておる中小零細企業が、実際は中高年を雇用して一つも失業者の群れの中へほうり出さぬでしんぼうしておる、そういうところに対する対策が一つ手落ちになっておるのじゃないかと思うわけなんです。その点について何とかこれは善処してもらわなければ片手落ちだと思うのですが、その点局長どうでしょう。
○細野政府委員 先生の御指摘の不公平じゃないかというお話につきましては、お気持ちとしてはよくわかるわけでございます。ただ、奨励金制度というのはどうしてもそういう性格を持つのではなかろうか。と申しますのは、あることを改善するために奨励をするということになりますので、その改善の実態のあるところについて、つまり変化のあるところについて奨励をするというかっこうをとらざるを得ないわけでございまして、そういう意味で、たとえば定年延長奨励金も、その定年がたとえば五十五であったものが六十になるというその動き、その改善、そこに着目しまして奨励金というものを出すということになりますので、見る角度によっては確かに不公平ではないかという御議論もよくわかるわけでございますが、奨励金制度というものの性格から見ると、いまの動きのない、つまり従来のままだというところについて奨励金を出すのは非常に困難というか、むずかしいというふうに申し上げざるを得ないわけでございます。 ただ、そういうふうに、雇用保険等の状況から見ましても非常に雇用保険の保険料の納入がよくて、ほとんど離職をしておらないというような事業所、そういう保険制度についても非常に協力しておられる事業所につきましては、たとえば大臣表彰を申し上げるとか、いろいろな別の形での表彰なり報奨なり感謝の気持ちをあらわすというような形があるわけでございまして、そういう方向で何かいい方法があるかどうか検討さしていただきたい、こう思うわけでございます。
○川本委員 それはおかしい。私の言うておることと表彰してもらうことと筋が違うと思うわけです。たとえて言いましたら、東急なら東急の会社が五十八歳なら五十八歳で定年であっても、五十八歳でやめてもらったら、その後東急不動産へ行こうとあるいは百貨店へ行こうと、レストランへ行こうと、関連の企業がたくさんあるわけですから、そこで一遍切って次の系列の会社へ回せば、そこで雇用開発給付金の適用を受けることもできるわけです。そうでしょう。中小零細な企業、従業員百人以下ぐらいの会社は、そこで首を切って系列の会社へちょっと籍だけ移して、そこで雇用開発給付金をもらおうたって、そういうことができない状態にあるのだから、制度というものを一〇〇%悪用と言ったらおかしいけれども、利用することはできない。そういうようなところをただ、そういうところはいいから大臣の表彰をするだけだ。仮に、数年前までというか四十八年ごろまでは定年を五十五歳でやっておったところが、それを六十歳まで四十八年に延長した、そうしたらもう、今日新しい制度ができても、定年延長給付金の該当企業でなくなるわけですよ。私は、いままで奈良県内で中小企業の方々といろいろ相談し、御指導も申し上げてきましたけれども、中小企業においては定年制をつくったりすることがかえっていけない、家族的な雇用関係をつくり上げていくことの方が大切だということで、故意に私は定年制をしかさないように今日まで指導してきたので、私の地元では定年制のない企業がたくさんあります。そういうところが、いろいろな制度ができても一つもその対象にならぬということになると、定年延長の給付金ももらえない。いままで五十五歳にしておいて来年から六十歳に変えたら、これはあなた、定年延長給付金の対象になりますのや。ですから私は、やはり何らかの形でそういう企業にも何らかの措置ができるようなことをぜひ考えてもらいたいと思うのです。
○細野政府委員 先ほど申し上げましたが、先生の不公平ではないかというお気持ちは非常によくわかるわけでございます。ただ、御理解いただきたいのは、そういう形でのものに奨励金を出す——奨励金を出すというのには、まず制度にふさわしいかどうかということ自体に問題がございますが、何らかの形で助成金を出すということになりますと、雇用しているということ自体を奨励するあるいは助成する、こういうかっこうにならざるを得ないわけでありまして、そうなると膨大な資金を必要とするということに逆になるわけでございまして、奨励制度という観点から見てもちょっと問題があるのみならず、財源措置から言っても、これはとても、普通の奨励金なりなんなりというふうなもので想定できる財源規模とはまるきり違う性質のものになりまして、非常にそれはやはり困難と申し上げざるを得ないわけでございます。したがいまして、そういう雇用行政等について非常に御協力いただいていることにつきまして、そういう感謝の気持ちをあらわすような何らかの形というものはないものかなという方向で検討さしていただくというふうに申し上げるしかないのじゃなかろうか、お気持ちは非常によくわかった上でこう申し上げざるを得ないのではなかろうかと思うわけでございます。
○川本委員 高齢化社会の到来を迎える中で、私と違って労働省は頭のいい人ばかりいるのだから、そんなことは皆さんに考えてもらうとしても、たとえて言えば、六十五歳定年制というようなものを導入した企業に対しては、六十五歳で今度雇用保険から離れていく人、離職する人に対して何らかの特別の措置を考えるようなことも一つの方法じゃないか。それなら財源的に今日大きな問題ではない。そういうのが制度にうまく見合うのかどうか、その点は私はわかりませんけれども、そういうような形で将来の高齢化社会にも対応できて、そして中高年の失業者を町にほうり出さないで済むような、そういうシステムを完成した中小零細な企業に対しては特別に何らかの措置を講じるというようなことでもぼくはいいのじゃないかと思うのですよ。現に六十五歳に定年延長をして、六十歳以上になっている人を継続してずっと雇用している、そういう事業場に対してはどうするかというようなことぐらいは考えてもいいはずだと私は思うのですが、どうでしょうか。
○細野政府委員 先生のいま御指摘のような趣旨も踏まえまして、これは先生御案内だとは思うのでございますけれども、六十歳以上というふうに記憶しておりますけれども、保険料を労使ともに免除をするというふうな制度を導入しているのも、一面先生のおっしゃっているような趣旨を踏まえたものと考えているわけでございます。
○川本委員 私はもう一点お聞きしたいのは、雇用保険法の中の日雇い失業者に対する失業給付の問題についてであります。これについては、実は私の先輩の八木一男代議士が出ておられたころにも、労働大臣に対して何度か質問をしておる。私もたしか五十二年の四月十三日だったですか、当時の石田労働大臣にも質問申し上げておるわけですが、現在の雇用保険法の中で私は制度的に見ておかしいと思うのは、いわゆる十八条の雇用保険の基本日額の自動的変更規定と四十九条の日雇い労働者に対する失業給付金の日額の自動的変更の規定の間に大きな違いがある。十八条では、いわゆる毎勤統計によって二〇%以上上下したときには自動的にスライドする。ところが、日雇い労働者の場合には一級、二級、三級という日額があって、そして二級の二分の一を一級に足し、あるいは二級の二分の一を三級に足して、その中での大きな不均衡が生じたときに初めて自動的に変更する、こういうことなんです。ところが、現実に昨年五月に、いわゆるその自動変更規定によって、一級の二千七百円を今度は四千百円まで改定されました。しかし、そのときは一番下の第三級を切り捨てて、三段階制は依然として三段階のままで、そのときに二千七百円から四千百円という、改定の率で見ますと五二%賃金が上昇しなければ自動変更できないということが、はっきりと数字で出てきておるわけです。昨年の春闘における労働者の賃上げの平均というのは五・八%くらいです。この減速経済の中で労働者のベースアップが年間五・八%だったら、五二%上がるのに何年かかりますか。その間、毎勤統計で二〇%上がったら一般失保の方はどんどんスライドで上がっていく。国民年金でもそうでしょう。厚生年金でもそうでしょう。年金法で五%以上物価が上がったら年金はスライドさせるということになっておるのを、ことしは特例として五%切れて四%でも上げるというような形をとっておるのに、ひとり日雇い労働者だけをこのような形で制度的に放置をしておくことは、私は日雇い労働者に対するべっ視の政策、日雇い労働者に対する差別の政策だと言われても仕方がないと思うのです。この点については早くから私も指摘をし、先輩の八木先生も指摘をしておるわけですけれども、その都度労働大臣は、できるだけ早い時期に見直したいとかあるいは次の法改正のときには何とか考えるとか言いながら、今日まで放置されてきておるわけです。私は、今日この制度をこのままで放置しておくことは、先ほど申し上げたように全く日雇い労働者に対するべっ視政策のあらわれであると思うわけです。その点について大臣、この問題について私は今度の雇用保険法の改正で出てくると思っておったのですが、それがまた見送られておる。どうでしょう、この点について早期にぜひ善処していただきたいと思うわけです。
○栗原国務大臣 私もよく聞いておりますが、まず最初に、まだこれまでできない、どうしてできないかということにつきまして政府委員から答弁させまして、その上で先生の御質問があり、またなくても、その上で私がお答えをさしていただきたいと思います。
○細野政府委員 先生の御指摘のいまのお話の中身は、大きく分けますと二つ問題点があったのじゃなかろうかと思うわけでございます。一つは、自動スライドする場合に、一般の保険の場合ですと二割なら二割という形でもって比較的回数多く改定があるにかかわらず、日雇い保険の場合には自動的スライドに浴するそういう機会が少ないではないか、そういう御指摘が一つ。それからもう一つは、日雇いの給付の実態から見てもう少し多段階にすべきではないかというものと、二つあったように思われるわけでございます。 まず最初の方の自動スライドの問題から申し上げますと、たとえば日雇い労働者の賃金の実態についての正確でかつ信用のおける調査というものがないということが、自動スライドのやり方が一般の被保険者と違うやり方をとらざるを得ない一つの大きな理由になっているわけでございます。詳しく申し上げますと、一般の場合には毎月勤労統計というかなり精度の高い賃金統計があるわけでございますが、日雇い労働者につきましてはそれと同じような意味での精度の高い調査というものがございませんで、したがって、そのいわばかなりの予算を伴う制度につきましてヤマカンでスライドをやるというふうなことは非常に適当でないという事情がございまして、なかなか一般の被保険者のようなスライド方式を導入することは困難だというのが一つでございます。 それからもう一つ、スライドにかかわります大きな問題は、たとえば一般の被保険者の場合と同じようなスライド方式を採用するといたしまして、たとえば二〇%一般被保険者が上がったので、その場合に同時に日雇いの方についても二〇%スライド方式をとるというふうなやり方をとりますと、現在の段階制を前提にいたします限り、どうしてもその結果現在よりも下がるという人が出ざるを得ない、そういう問題があるわけでございます。これを何とかしていわば既得権みたいなものを下がらないようにしようとすると、どうしても、たとえば三段階制を前提にしますとこれを五段階にせざるを得ない、その次に改定するときには今度十段階ぐらいにしなければ云々というような、極論するとネズミ算的に段階がふえていかないと下がる人のカバーができない。これはつまり段階制というものの持っている一つの宿命みたいなものでございまして、そういう意味で、一般の被保険者と同様のスライド方式というものを日雇いの被保険者について持ち込むことが困難であるというふうに考えているわけでございます。 なお現状から申し上げますと、先ほど先生の遅きに失したじゃないかという御批判がございましたけれども、いまの賃金実態の賃金分布を見てそれに応じて改定をするというやり方で、現在の分布で見ますと、ごく一部の賃金の高いところについて御不満もあろうかと思われますけれども、大部分といいますかほとんどの方については、賃金分布に見合った給付が行われているのじゃないかというふうに考えているわけでございます。 それから第二番目の、むしろ多段階にすることによって幅が縮まれば、先ほど先生の御指摘のような賃金分布に応じて比較的実態に見合った給付ができるのじゃなかろうか、それでいろいろ御指摘のあったような欠陥は免れるのじゃないかという問題でございますが、この点につきましても、ひとつ基本的な問題としまして、先生も御案内のように日雇い保険全体が非常に赤字の状況にございまして、その赤字の状況の中でさらにかなり大きな赤字要因をもたらすものを検討するとなりますと、これについては財政全般の検討、特に保険料率の改定問題というようなものと総合的に検討する必要があるという問題がもう一つございます。 先生も御案内のように、最近保険料率は、昨年の四月から安定資金の千分の〇・五、それから建設関係が昨年の十月から千分の〇・五でございます。それからさらに、この四月から保険料を、地域法案のときにお願いしました基本的な料率の値上げというようなことで、最近値上げがずっと続いておるような状況でございまして、すぐ料率の値上げというようなことをお願いするというのもなかなかむずかしい情勢にございまして、そういう事情があるということも先生もよく御存じの上でおっしゃっているのだと思うのでございますけれども、御理解をいただきたいというのが一つでございます。 それから二番目の問題は、多段階化に伴いまして、これも級別に印紙の貼付によって給付の計算をするというたてまえになっているということは先生よく御存じのところでございますが、段階がふえるたびに一級、二級、三級という級別の印紙が、ある日は一級を張ったりその次は二級だという入り乱れが出てくる可能性が非常に多いわけでございます。現在の状況で申し上げますと、三段階制でやっておりまして、九十何%までがほとんど同一の階級の印紙の貼付で済んでおるわけでありまして、そういう意味で、三段階制をとっているにかかわらずほとんど複雑な計算をしないで済んでいるという事情にあるわけでございます。これが段階制がふえればふえるほどそういう意味での識別が非常に手数を食い、かつ誤りも生じやすいというような状況もございまして、こういう意味での事務面の簡素化というのもあわせて考えないとなかなか実施が困難である、そういうことでございまして、この多段階の問題、先生先ほど御指摘のようにいろいろな経緯がある点、私どもも承知しているわけでございますが、そういう点の総合的な検討とあわせて検討させていただくという問題ではなかろうか。 先ほど申しましたような料率値上げ等についてはいろいろな事情がございますけれども、従来の経過も踏まえて、できるだけ早い時期にそういう総合的な検討をさせていただくというふうにお願いを申し上げたいと思うわけでございます。
○川本委員 ただいま局長から御説明いただいたようなことについては、もう過去に何回か議論済みだから私は申し上げなかったわけです。そういうことは理解していますよ。そういう問題については問題があることはよくわかっておる。ましていま日雇い労働者に関する財政の問題、赤字になると言われますけれども、それなら港湾労働法、何ですか大臣。港湾労働法、赤字を承知で引っ張り込んでおるのでしょう。港湾労働者の場合はこうするけれども、日雇い労働者は財政的にだめだ、これはもう日雇い労働者に対する差別観念を持っておると言われても仕方がないんじゃないでしょうか。多段階制にすることによって業務量がふえる、それはあたりまえです。業務量がふえたら職員をふやせばいいのです。自分らが職員をふやせぬからといって、そのしわ寄せを労働者にするというのは、これはもう根本的に間違うておると思う。まして雇用保険法の精神はどうですか。賃金の六〇%から八〇%の範囲内において失業給付をするということでしょう。私の奈良県の林業労働者の中には、高い人だったら日額一万八千円のもおるのですよ。一万円以上の労働者ばかりですよ。それが四千百円、これで雇用保険法、失業給付、法律どおり行けておると言えますか。私はそれだったら法治国家とは言えない、法があってなきがごとしだと思う。まず法の精神を生かすためにはどうあるべきか。日雇い労働者健康保険は九段階になっておる。日額九千五百円以上というのも一つの段階としてあるわけなんです。雇用保険の場合は日額五千四百円以上が一つの段階、それで終わり。そこは一遍に九段階にせいとは私は言いませんけれども、あるいは四段階にするとか五段階にする中で、やはりこういう制度的な欠陥というものはなくして、それで業務がふえればそれに対応するのが労働省だと思う。対応できないから労働者、おまえ四〇%でしんぼうせい、こんなことは法の精神から言っても言える問題じゃない。政府みずから法律を踏みにじるというようなことは私はおかしいと思うわけです。財政的な問題とかあるいはその業務量の増大ということは、私は理由にならぬと思いますよ。どうでしょう。せっかくいままで長い間かかっていろいろ議論を積み重ねてきて、今日もう議論は尽くされておると私は思うわけです。この問題についてひとつ大臣明快な御答弁をいただきたい。
○栗原国務大臣 川本さんのお話の中で、日雇いの方々をべっ視しているんじゃないか、差別をしているんじゃないかという御指摘をいただきましたけれども、私は、私自体はそういうような考え方はございませんし、労働省もそういう考え方でやっているものではないとかたく信じております。 ただこの問題、正直に申し上げまして、私もいまいままでの経過をずっと聞いているところなんです。私のいまの頭の中ではなかなかこれが、いろいろの事実関係、いろいろの制度の仕組み等について十分にまだ理解できてないというのが率直なところです。 ただ、いままでの経過を見ますと、川本先生と労働省との間にやりとりがありまして、できるだけ早くとかあるいは次期とかにはこれは直します、そういうようなやりとりがあるわけですね。これは私、新しくなった大臣としても行政の継続性、政治の継続性という観点からも大変重要視しなければならない、こう考えております。 そこで、せっかくいろいろ御意見がございますが、私自体もさらにこれはよく確かめまして、確かめてというのは問題点の所在を確かめまして、そして早急に、できるだけ早く結論を出すように努力をいたしたい。いま申し上げましたとおりいろいろのことがございますから、そこら辺をもう一回、もう一回というかもうしばらく私自体も検討させていただきまして、早急に結論が出るように努力いたしたいということで御了解をいただきたいと思います。
○川本委員 昨年の五月に四千百円というのをつくったということについては、私は認めますよ。それは評価します。ただ、それをつくったからもうそれでいいんだということにはならぬと私は思うわけです。ましてその間には、賃金が一年間に三八%も上がるという時期があったから五二%ということになったけれども、いま低成長の時代で五%前後の賃金上昇の中で、こんなもの五二%といったら十年近くかかりますよ。その間十八条の自動変更はどんどん、毎勤統計で二〇%で上がっていくわけですよ。私はこういう制度的な欠陥については、これをいま大臣が、わしは大臣になってまだ間がないからいま一生懸命聞いて勉強中だ。しかし、いま大臣みずからおっしゃったように、前の大臣からの継続性がある。前の大臣が次の法改正ではやりますと言ったものを、いまの大臣になってから、まあいま勉強中だからしばらく待て、これでは私は納得ができないと思う。委員長、どうでしょう。私は約束は守ってもらいたいと思う。ぜひこれは前の大臣と同じように、次の法改正のときには善処します、そのくらいの答弁はひとつ大臣、してくださいよ。
○栗原国務大臣 料率の改定等も行われると思いますので、そこら辺と総合的に対処したいというのがいまの私どもの考え方でございますが、その場をごまかしていこうというつもりはございませんので、われわれが誠心誠意を持って努力をするということでぜひ御了承賜りたいと思います。
○川本委員 私はその誠心誠意という言葉で今日までだまされてきたのだ。(「八木さんもだまされた」と呼ぶ者あり)八木さんは私よりもう一つりっぱな方ですけれども、あの方でさえだまされたのですからね。私は、大臣、その言葉で引き下がることはできぬと思う。私の先輩の八木さん、これ言うといて亡くなられましたけれども、いまごろ六道の辻で迷うておると私は思うのです。これは大臣からはっきりした答弁をもらわなければ、あの人の最後に言い残した言葉も実現できないようじゃ、私は申しわけないと思う。大臣も申しわけないと思うわけです。これはもうはっきり制度的には一つの穴なんですよ。問題点なんです。これを、先ほどおっしゃったように財政的にも業務的にも、あるいはいろいろな面でむずかしい点があることは十分承知いたします。しかし、それをひとつ労働省で克服してもらわなければ困る。それができないから、前に約束したけれどもまあちょっと待ってくれ、まあ待ってくれ、これでは全く国会の議論というものを軽視しておる、国会軽視につながると私は思うわけです。ひとつ大臣、もう一回、次には善処します、せめてそこまでは大臣、約束してもらわなければいかぬ。
○栗原国務大臣 先ほど申しましたとおり、日雇い保険の制度改正というようなとき、料率を改定するというようなとき、そういうときにはぜひというのがいまの考え方でございますけれども、しかし……
○川本委員 日雇い労働の問題を考えるのはこのときしかないわけだ、そんなのでごまかされておったら、何十年日雇い関係の条項を改正しないかもわからぬのだから、そんなごまかしじゃいけませんよ。もっとまともなことも言ってくれなきゃね。
○細野政府委員 先ほど来申し上げておりますし、先生も御理解いただいておるところではございますけれども、総合的な検討の中で処理しないで、単独にこれだけ切り離してということも、非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、先ほど大臣から申し上げましたように、そういう問題についての検討を早急にやって、そういう日雇い制度そのものの次の改定のときにその中で対処させていただきたい、こういうふうに申し上げるのが一番責任のあるお返事ではなかろうかと思うわけであります。できないことをここで申し上げるのはむしろ誠意に欠けるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。
○川本委員 大臣は先ほど、日雇い労働者に対する差別とかべっ視の気持ちはないとおっしゃいました。わかりますよ。私はそんなつもりじゃないという大臣の気持ちはわかりますが、制度的には現在差別の制度になっておるでしょう。このことは認めざるを得ないと思うのですよ。
○細野政府委員 先生御指摘のように、制度的にいろいろ問題点は、従来から御議論の中でいろいろな指摘があるわけでございまして、そういう点を踏まえて、先ほど申しましたように、関連するいろいろな問題と同時にやらしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○川本委員 関連する問題と同時にということは、いままで言っておった言葉より後退なんですよ。いままではもうこの制度の欠陥は認めて、非常にむずかしい問題であるということもいろいろ説明されて、しかし、その上、労働省の方々は頭がいいのだからそのぐらいの知恵は出しますということで、うちの八木さんには、次のときに考えます、こう言うところまで行っておる。当時より今日の労働省の皆さんはもう一つ頭のいい方がそろうておると思うから、むずかしいということだけでは私は引き下がるわけにはいかぬ。善処してください。
○栗原国務大臣 私は率直に申し上げているつもりです。この問題についてはいろいろ問題点がある。その問題について説明を聞いてみますが、どうもまだ、自分自身としてどうだということを確かめてみたいところがあるわけです。先生のお話もいまよく承りました。場合によっては他の機会、いろいろの機会を通じてお話も承りたいと思います。そして、労働省としてあるいはいままでの労働大臣としてそれぞれ発言をされてきておりますので、その継続性というものは私も十分に考えて、できるだけ早くしかるべき結論を出したいというこの私の心情をぜひ御理解いただきまして、御了承賜りたいと思います。
○川本委員 大臣おっしゃいましたけれども、私はそれではぐあいが悪いと思う。ということは、早期に結論を出したいということで、お気持ちはわかりますよ。会議録になったのを見たら、あなたが早期に結論を出したいと言っても、出てくる結論はどんな結論が出るのかという約束もなされていないものを、私は引き下がるわけにはいかぬと思う。いままでの私どもの議論が間違っておるのか、私どもの言うておることが正しいとお認めになった上に立って、労働省としては、その私どもの意見に従う方向で早期に結論を出す、次のときには考える、ここまで言ってもらわなければおかしいと思うのです。
○栗原国務大臣 先ほど来申し上げているとおり、いままでの経過があるわけですから、それについては私も十分それを踏まえてということでございます。ですから、いままでの経過を踏まえましてできるだけ善処いたしたい、こういうことで御了承いただきたいと思います。
○川本委員 しようがない。——終わります。
○森下委員長 午後二時三十分再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後二時五十四分開議
○森下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する質疑を続行いたします。水田稔君。
○水田委員 大臣は、所信表明の中でも「雇用問題の解決は現在国政の最重要課題であり、」こういうぐあいに言っておられるわけです。この雇用保険法の一部改正というのも全体の中の一部ではあるわけです。しかし、今回の全体の施策を見て、私どもは、まだまだ今日の事態の把握なり、深刻な状態についての対応がきわめて不十分だと思っておるわけです。 まず最初にお伺いしたいのは、この雇用保険法によってとってきた施策、そして今回改正しようとするいわゆる給付金の率の引き上げ等、そのもとになった五十三年度実施しておる実績というのが一体どうなっておるのか。 それからもう一つは、一般には十万人と言われるのですが、こういう施策によって十万人の雇用が実際確保できる具体的な根拠は一体何なのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○細野政府委員 お尋ねがございました給付金関係につきまして、特に最重点でございます開発給付金を中心に御説明申し上げますと、まず開発給付金は、先生御案内のように現在でもやっておる制度でございますが、それの昨年の四月から十月までの実績を申し上げますと、支給対象者が六千五百人でございます。最近活用度が高まりまして、給付金の受給資格者数が月間約三千人を超えておるという事情でございます。したがいまして、五十三年度全体としましては、支給対象者が約二万人から三万人くらいになるのではなかろうかというふうなことでございまして、額で見ますと、当初予算の約二倍ないし三倍ぐらいオーバーした消化が行われるのではなかろうかというふうに見込まれているわけでございます。 特に、十万人雇用というようなことを言っておりますのでそれが可能かというお尋ねでございましたが、いま申しましたように、現在の制度でも相当に活用されている状況でございます。そこへ持ってまいりまして、先生御案内のように、最近景気が回復する中で求人が増加しております。その求人増加も、ついここ二、三カ月の間は、臨時日雇いというよりも常用の求人の方の増加率がはるかに高いというような状況でございますし、規模別に見ましても、相当高規模のところまで前年に比べて求人が増加するというふうな状況でございます。 問題は、この求人の増加というものが具体的に中高年齢の失業者と現実に結びつくかどうかというところが一番問題のわけでございまして、そういう意味で、中高年齢者を雇った場合にその助成措置を飛躍的に拡充するという今回の措置によりまして、そういう意味で民間の活力を生かしながら雇用が拡大するということをねらってもおりますし、また期待もしているわけでございまして、先ほど申し上げましたような実績あるいは最近の求人の動向等から見まして、十万人の達成というのは可能ではなかろうか、またぜひやらなければならぬというふうに考えている次第でございます。
○水田委員 これは、一つはそういった形での雇用の確保という施策ではあるわけですが、今日、これは私の手元にあるもので一番新しいのでは、昨年の十二月ということですから、一、二月と若干動向が違うかもしれませんが、百十六万の失業者が存在している。それから俗には百二十万、また昭和五十二年の一月が百十四万、途中山はありますけれども、大体コンスタントに百二十万前後の失業者が現実に存在しておることは間違いない。そしてその中でも中高年が再就職はきわめて困難だ。そこへウエートを置いた一つの施策であることは間違いない。ただ、雇用の問題というのはそういう問題だけではなくて、全体的に考えなければならぬ問題があります。 そこで、実は、労働省が雇用をふやそうということで、次官と基準局長が去年通達を出しておりますね。これは五月に労働事務次官、六月に基準局長、内容は週休二日制の促進、時間外短縮、こういった内容のものです。これは御承知のように、そうすることによってその企業に雇用を増大させよう、こういう通達であります。こういう行政指導がされたわけですが、実績は具体的にはどういうぐあいに出ておるのか、お伺いしたいと思うのです。
○細野政府委員 いま先生御指摘をいただきましたとおり、昨年の五月次官通達、六月労働基準局長通達を発出いたしまして、過長な時間外労働の縮減、それから年次有給休暇の計画的な取得の促進、それから週休二日制、この三つを柱にいたしまして行政指導をしようということで進めてまいっておるわけでございます。 第一に、労使並びに国民一般のこの問題に対する認識を深めていただく、コンセンサスをつくり上げていただくということが重要でございまして、その点につきましては、中央におきましては産業別の労使会議、また地方におきましても労働基準審議会、あるいは都道府県に置かれております労使の産業労働懇話会というようなところで、いろいろとお話し合いをいただき、また私どもも御説明申し上げ、それからその他あらゆる機会を通じましての国民あるいは労使に対する周知徹底に努めてまいっております。この点につきましては、やや抽象的ではございますが、労働時間短縮問題というものについての認識が相当浸透してきているというように考えられるわけであります。 具体的なその三つの施策の実行ということになりますと、これは私ども、たとえば時間外労働の過長なものについてこれの縮減を図るということにつきましては、時間外労働は御案内のとおり労使の時間外労働協定によって実行されるわけでありますが、それをいろいろ私ども監督の場面で調べてみますと、やはりこの時間外労働の特に労働組合がないところの締結の仕方について、たとえば労働者代表の問題あるいは所定外労働時間の上限を労使で決めていただくというようなことについて十分でない、これは従来の届け出様式にも問題がございましたので、その点労働基準審議会にお諮りをいたしまして、施行規則の一部改正をいたしました。実はこれが具体的に実施されましたのが今年の一月からでございます。 それから年次有給休暇につきましても、できるだけ年度当初に、あるいは四半期ごとの当初に労使が話し合って、年次有給休暇の計画的な取得についての計画をつくっていただくというようなことで進めてまいっておるわけでありますが、その具体的な成果といいますと、現在、そういった一月一日からの施行規則に基づいて、地方段階で集団的な指導あるいは個別の監督指導ということで取りかかっておりますので、具体的な数字でどの程度の効果が上がっているかということをまだ御報告できる段階でないと考えております。
○水田委員 通達、行政指導でこういう実効が上がるかどうかということもまだわからぬということですか。あるいは、通達を出したら必ずそれが実際に実行されたかどうか、どういう成果が上がってきたか、そういう調査というのは労働省としてはやられておるのですか。
○岩崎政府委員 昨年の春行いました調査に基づきまして、私どもそういった点に問題があるということを考えまして、現実に指導しているわけでございます。もちろんそういった指導の結果、その前に調査をいたしました事業場につきまして、どういうふうに改善がされていくかということは当然見守っていかなくてはならないというように考えます。
○水田委員 私どもがもらった資料の中にこういうのがあるのです。昨年増産をした十八業種の中で人員をふやしたのは二業種だけ、十六業種というのは労働時間が全体にふえておる。それから常用労働者がその十六業種の中では七%減っておる、時間外労働が一五%ふえておる。まさに次官通達なり基準局長の通達とは逆の現象が起こっている。そういうものを把握して、具体的に通達が効果があるかどうかということをちゃんと締めくくらぬことには、出しっ放し、労働省は雇用問題についてやっておりますと文書を出しただけで終わり、こういうことになるのですが、そこらあたりの数字はつかまえておられるのですか。
○岩崎政府委員 いま先生御指摘の点は、労働時間短縮が雇用の縮減のいわばストップあるいは増大につながるべきではないかという御指摘かと思うのですが、確かに労働時間の短縮あるいは週休二日制というものが、長期的に長い目で見て、雇用の維持ないし増大につながるということを私どもも考えておりますが、即効的に短期的に考えますと、現在のような状況の中で、企業が立ち直りを見せてまいっておるとはいうものの、さらに先行きの不安感がまだある、あるいは労働時間短縮がコスト増につながるのではないかというような問題、あるいは企業経営についての先行きの不安というようなこともありまして、直ちに現時点で雇用の増につながるような形がなかなか出てこない。いま御指摘の点、私どももやや大きな形での調査というものはいたしておりますが、個別の問題につきまして先生御指摘のような形での把握は必ずしもいたしておりません。 いま時間外労働が増大したというお話がございました。しかし、一時非常に時間外労働が少なくなりまして、四十七、八年ごろと比べますと、現在多少上向いているとは申しますものの、まだ四十七、八年ごろのような形での時間外労働の増までは至っていないというようなこともございますので、私ども、いまこういう時期において、直ちに雇用増につながるという点についてはやや消極的な判断をいたしております。
○水田委員 局長、不況不況と言いますけれども、その中で好況業種というのがあったわけですね。たとえば自動車あるいは家電あるいは医薬品あるいはフィルム、公共事業の増大によってセメント、あるいは一番悪いと言われた平電炉など、回復しておる業種もあるわけです。そういう中で増産に転じておるところを見ても、雇用をふやそうというふうにはなってない。たとえば先ほどの通達が実際に労使の間、政府と使用者との間で話し合われて浸透しておるなら、逆な結果が出てきておると思うのです。ずっと自動車はよかったわけですからね。そういうことについて、私は、行政指導では、そういう意味での時間短縮をしたり週休二日制をやったりという中での雇用を増大するということは、事実上できないということを示しておると思う。そういうぐあいに、行政指導ではなかなか困難だと理解してよろしいですか。
○岩崎政府委員 ただいまもお答え申し上げましたとおり、労働基準審議会でも公労使一致で当面行政指導でやっていけ、それから昨年五月衆参両院でも雇用安定に関する御決議をいただいたわけでございますが、その趣旨に沿って、行政指導を私ども強力に進めていこうということでやっております。先ほどもお答え申し上げたとおり、長期的に見て私どもは雇用の維持増大につながることであるというように考えておりますので、短期的にあるいは個別個別のところでどういうふうになっていくかということは、あくまで労使が十分に話し合っていただいて、そしてこれをどのように持っていくかということを進めていただくように、私どもは十分浸透の努力をいたしたいと思っております。
○水田委員 大臣にお伺いしたいのですが、いま聞いていただいても、私は、いまの雇用不安といいますか雇用情勢というのは的確に把握されてないのじゃないか、そこからまあこの程度という考え方が出てくるのじゃないかと思うのです。 たとえば、高度経済成長の最終のときが昭和四十八年ですね、このときの失業者が六十八万、約七十万人と言われた。途中百四十万になったこともありますけれども、大体百二十万前後のところで推移してきておる。そういう点から見れば、大変不況といいながら好況のときの倍ぐらいか、こういうお考えがあるのではないかと思うのです。そういう理解の仕方、景気循環による、いま過熱状態だから少し冷やせというようなことで落ちてきた、一、二年すれば当然これは回復するというような、いわゆる景気循環的なことで起こっておるのとは違う条件もその中にはあるわけですね。ですから、そういう物の受け取め方、実態の把握というのがなければ、的確な雇用対策というのはそこから出てこないと思うのですね。 大臣、今日のきわめて深刻な雇用の実態というのは一体どういうことなのか、それはどういう取り組みをしなければならぬというように、これは細かいことでなくて、基本的な考え方でもおありなら、ひとつ聞かせていただきたい、こういうように思います。
○栗原国務大臣 いま水田さんも御指摘になりましたとおり、中高年齢者を中心といたしまして、非常に雇用は深刻だと認識しております。また、地域的に言えば特定の不況地域、あるいは業種で言えば特定の不況業種というものからの離職者もございまして、労働人口の増大と相まってなかなか雇用情勢は厳しい、そういう認識でございます。したがいまして、まあ十分でないというおしかりはあるかもしれませんけれども、今年五十四年度は、中高年齢者を中心とした雇用開発給付金の大幅な拡充、これを中心として施策をやっておるわけでございます。 いま時間の問題とも関連がございましたけれども、私どもは、時間を短縮するとか週休二日制ということは、長期的に見て、これは福祉その他だけでなしに、雇用の増大にもつながるということでやっておるわけでございますが、短期的にはいろいろ御指摘のような点があると思うのです。これを行政指導でなくて、たとえば法的に規制をするということになりますと、法的に規制されて一番困るのはどこかというと、逆に非常に中小の零細企業というものがえらくなるのではないか、こういう問題もあります。だから、余裕のあるものについての時間短縮についてさらに行政指導を徹底しよう、こういう御趣旨と承りますが、そういう点についてはさらに一段の工夫をこらしてやらなければならぬ、こう考えております。
○水田委員 大臣、そういうことじゃないのです。たとえば六十八万人の失業者が四十八年におった。恐らくその内容まで労働省は調べておられると思うのです。あのときは人が足らぬわけですから、新卒なんというのは引っ張りだこという状態、中高年でもとにかく少しでも技術があれば引っ張りだこという状態の中で、約七十万の失業者がおった。これは一体何かというと、自分の好む職業にいこうとか生きがいを感ずるとかそういう問題を含めて、いわゆる選択的な失業、一部には、そうは言っても、会社の経営者のお粗末さによって倒れるというような摩擦的な失業もあったかもしらぬけれども、大半はいわゆる労働者側の選択的な条件による失業であった。今日の百二十万というのはまさにそういう者がほとんどおらない状態ですね。いわゆる産業構造が変わっていく、そして国際的な経済の中で日本の産業の置かれておる状態の中から構造的に起こってきた問題ですから、まさに摩擦的な失業が大半を占めておる。しかもそれは若年ではなくて世帯の中心になる中高年のところへ、あるいは女子の場合でも、主人が亡くなったりして自分が中心になって働かなければならぬという世帯主ですから、家族を含めてそういう深刻な状態というのは、四十八年の人数だけじゃなくて質的にきわめて転換をしておる、そういう理解がなければ対応策というものはきちっとしたものはできないと思うのですね。 もう一つは、雇用対策というのは景気循環的な、この時期を三年なら二年過ごせばいいということでの短期的な対策だけでは足りないわけですね。それはなぜかといえば、御承知のようにたとえば造船は三五%つぶそう、こう言っておる。日本の造船は半分あったらいいじゃないかという論議もあるくらいですね。そこで、戦後の約三十年間中核になって働いた連中が中高年で、具体的な例を申し上げますと、私の地元のある会社で、五十歳以上は全部やめてくれと言うのですね。労働者は泣いてますよ、子供はまだ育ち盛り。しかも、その連中は戦後の日本の経済をここまで支えた中心になった連中なのですね。そういう状態。あるいはアルミにしても、これは石油がべらぼうに高くなったものですから、電力料の関係で三七%は廃棄かあるいは凍結、こういう問題。あるいは肥料にしても、アンモニア二〇%、尿素四〇%、湿式燐酸二〇%をいま廃棄をする。当然そこでは労働者がはみ出してくるというような国際的な経済の状態を考えても、あるいは繊維とかゴム履物のような業種になりますと、開発途上国の追い上げがある。幾ら労使で努力しようともこれは限界があるわけですね。水平分業にするか垂直分業にするかということは、どこをとるか選択の問題にしても、長い目で見れば、当然そういう国際的な経済の流れの中で産業構造を変えていかざるを得ぬ状態。これは、石油の状態が四十八年以前の状態に戻らない限り、戻りっこない。そしてそれは、エネルギーの確保が一体幾らできるかというようなことを考えれば、当然変えていかなければならない。これは長期的な一つの展望を持たなければならない。本人の意思に基づかない構造転換をやる場合の、そういう中期的な展望も必要です。そして、そこで起こった急激な変化の中で応急的に何とか生活を保障しなければならぬという、短期的なものとがあるだろう。そういう理解をしてもらわなければ、雇用対策というのは国民の期待にこたえる対策なんてできっこないと思うのです。 そこで私は、この雇用保険法の一部改正というものもまさに短期的なものだと思う。たとえば一年とか一年半とか年数を限っておるわけですからね。それから、雇用保険がもらえるのを就職できるまで九十日ほど延ばすとかそういうような問題ですから、あくまでも短期的なものにすぎない。それで事足れりかというと決して足りない。そういう理解を大臣の方がきちっとしてもらわない限り、私は、雇用保険法の一部改正等で十万人も雇用の確保ができるのだということで、そういう政府の施策で十分だということは決して言ってもらいたくないと思うのです。 いま私が申し上げたような物の考え方について、私は、長期の展望というのは、これは主として企業が責任を負うべき分野だと思うのですね。化学産業が「危機への挑戦」という膨大な資料を、これは何百人という日本の最高レベルの技術者を集めて二年間の歳月をかけて、あれは少々の大学の研究ではできぬだろうと言われるそういう研究をやって、将来展望というものを、それは化学産業が生きていくための方向というものを出している。そういう中で、もちろん政府の施策の中にも必要なものもないことはないのですが、そういうことは企業の責任でしょう。それから中期の施策というのは、これは一つは政府の誘導という施策もなければならぬし、企業努力も必要でしょう。しかし、短期についてはこれは行政の責任、それは国だけではなしに地方自治体を含めて行政の責任ということでやる。その分野の中で雇用保険法の一部改正という一つの形が出ている。そういうきちっとした物の考え方の上で順次やってもらわぬと、さっきの基準局長のような、行政指導をやったけれどもやっただけの話で、どれだけの効果があるかということがわからぬでは、後の手の打ちようがないでしょう。そういうことをひとつ大臣に、物の考え方として、雇用政策について御答弁いただきたい。
○栗原国務大臣 私も水田さんのお考えになっているような考え方を持っておるのです。やはり長期的あるいは中期的、また短期的、現実的、それから応急的、そういう観点でやらなければならぬと思っているのです。そういうものの一環としていま法案の御審議をいただいておるので、考え方においてはそう違っていないと思います。御趣旨のような点で労働行政を進めていきたい、こう考えております。
○水田委員 私の申し上げたのは、短期についてはこの雇用保険法だけで、先ほど申し上げました中高年の人たちがそれだけで救われるかどうかというのは、私は疑問があると思う。 逆にお伺いするのですが、雇用保険の受給が終わって、終わってからの労働者の実態というのは、どういうぐあいにいま労働省としては調査をされ、把握されておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○佐野説明員 労働省といたしましては、最近の雇用・失業情勢にかんがみまして、失業者の求職の実態、就職の実態、それに就職期間がどのくらいあるか、失業中の生活状態はどうか、そういうことを調査するために、昭和五十四年度失業者帰趨調査を実施する予定でございます。
○水田委員 現在はないわけですか。
○佐野説明員 雇用保険の受給資格決定者につきまして、一部過去に調査したものはございます。
○水田委員 大臣、そういう情報というのはきわめて欠けておるわけですね。だから一この雇用保険法の一部改正だけで、いま百二十万の失業者を全部それで、行政で救えという意味じゃないのですけれども、きわめて私は不十分だと思うのですね。そこではやはり行政が直接的に何らかの仕事をつくっていくという、そういう考え方が出てこなければ、先ほど言いました長期、中期、短期というものを総合した雇用対策にはならぬと思うのですね。その点はいかがですか。
○栗原国務大臣 ごもっともでございまして、そのために不況業種の造船業等についての緊急の発注をするとか、あるいは生活・福祉、保健・医療、教育・文化、そういう部門に対する雇用の拡大を図るとか、あるいは公共事業の拡大強化を図っていくとか、そういった施策を講じていかなければならない、そう考えております。
○水田委員 抽象的にはそう言われて、では具体的にはどれだけのものが、百二十万がたとえば六・三%の成長を計算してどういうぐあいに、どこまでがいまの施策で救われる、その点どういうぐあいにお考えですか。
○細野政府委員 来年度の成長を予定しております六・三%、これによって現在の失業者がどのぐらいの影響を受けるか、こういうお尋ねでございますが、御案内のように、本年度の失業の年平均の見通し自体は、当初の見通しをオーバーいたしまして、約百三十万人ぐらいというふうに実績見込みとして見込まれているわけでございますが、先生先ほどから御指摘のように、経済状況はある程度回復の兆しが見えておりますけれども、雇用、特に失業情勢に対する影響というのは、すぐにはなかなか実効が上がってこないというふうなことから、来年度の失業者数自体は、いろんな努力をして大体横ばいの百三十万ぐらいじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○水田委員 数字で言えば百三十万ですが、それは一人一人生活がかかっておるわけですね。そのことを考えたら、いまの施策では全部救えないということを言われておるわけですな、百三十万また出るというのは。それに対して、そういう状態なら、これは短期的な、まさに短期的な施策としては、何らかのものをいまの上に考えなければならぬだろうと私は思うのです、一人一入生活しておるわけですから。しかも、先ほど言いましたように、昭和四十八年のときのような選択的な失業じゃないわけです。まさに摩擦的な、本人の意に反する失業、しかも一番苦労して、一番子供の育ち盛りの連中がほうり出されたわけですからね。その状態を、いわゆるこれだけ保険の給付を延ばせばいいということでは、切れたものの実態さえ明らかでない状態で、私は十分とは言い切れないと思うのですね。ですから、その点を、これは大臣の政治的な決断だと思うのですね。これは短期的に雇用、働く場所をつくるという、先ほど言われたようなことじゃなくて、というのは、たとえば企業がこの制度を利用して雇わない限り、これはいわゆる企業の力ですね、それに対してある程度の誘導ということでやられるわけですね。ですから、私が申し上げておるのは、直接的に行政が短期的なものについては配慮をする必要がある、そうしなければ、施策の成果というのは失業者が減って初めて施策は成果を上げるわけでしょう。横ばいになるということはそれほど効果がなかった、ほっておけばもっとふえるということでしょう。だから減していくということが、まして景気が回復基調にあると言われるなら、減るのがあたりまえであって、横ばいというのは施策の成果がないということに逆に言えばなると思うのですね。私は、具体的にこうだということは言っていただかなくてもいいのですが、そういう状態の理解を十分していただいて、何らかの行政的な雇用創出ということを考えざるを得ない、そういうお考えはぜひ持っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○細野政府委員 先生のただいまのお話しございました中で、中高年齢者等がふえている、したがってその失業の状態というものは深刻になっているという点はおっしゃるとおりかと思うのでございますが、ただ若干私どもオーバーに承りましたのは、高度成長の過程においてはほとんどが自発的な失業で、現在はほとんど非自発的な失業だというふうな御趣旨のお話でございましたが、それはやや事実ではなくて、むしろ、非自発的な離職というのは離職理由が明確にわかっている者の中の約三分の一程度という状況でございますし、それから年齢から見ましても、四十五歳以上というところあたりは四十四万程度、これも五十三年三月の百四十一万という一番失業者の多い時点につかまえた数を一〇〇とした場合の数字でございます。そういう意味で、失業の中身自体が悪くなっていることは事実なんですけれども、大部分の者が非自発的離職者であり、年配者であり、かつ生活をしょっているという言い方はちょっと——たとえば世帯主で申し上げましても、百四十一万中世帯主というのは五十二万人という状況でございます。したがいまして、現在ふえている中で、中高年齢者の方も悪くなっておりますけれども、若年の非自発的な失業自体がふえているというふうな状況でございまして、したがいまして、全体の失業者がなかなか減りにくい事情には、中高年齢失業者がせっかくふえつつある求人と結びつきにくい面、これがあるのも事実でございます。と同時に、先ほど来申しておりますように、比較的その若年の、あるいは中年の女子の、家庭からの非労働力が労働力化するというふうな、いろいろな要素全体が積み重なりましてなかなか減りにくいということを申し上げておるわけでありまして、そういう意味で、私どもは、対策といたしましては、先ほど大臣からもお話ございましたけれども、単に経済成長によって一般的な需要を喚起するというだけではなかなか具体的な失業者の吸収に結びつかない。そういうことから、あるいは社会福祉とか、文化、教育、そういう面につきましても、今年度の予算におきましては、かなりそういう雇用増との結びつきというものを配慮した予算を組んでいただいておりますし、それから造船業に対しましても、各種の緊急の雇用に結びつくような需要を喚起することによって失業の発生を極力減らすというふうな措置もとっておりますし、さらには公共事業に対する吸収率制度というようなものを、現在相当各県とも協力し、各事業所管官庁とも協力しまして、その実効を上げる方向でもやっておりますし、それに加えて、先ほど来申し上げております中高年の雇用開発給付金によって、増加するおそれのある中高年齢者の増というものを防止し、できればそれを減らしていくというふうなことまで考えているという状況なわけでございます。
○水田委員 いま言われた施策をして、なおかつ横ばいで百三十万人ぐらいの失業者が存在する、こういうぐあいに言われるわけでしょう。だから先ほど言いますように、施策というのは、景気が回復基調にあり、それなりの雇用対策が政府の施策としてやられたならば失業者は減るというふうに国民は常識的に思っていますね。それが減らないというのは不十分だという意味じゃないのですか。 それからもう一つ、公共事業のことが出ましたから、これはちょっと内容的に問題がある。これは神戸市で、公共事業の中で雇用対策として割り当てられたものだという話で聞いたのですが、千六百五十億円、それで二万人の雇用がそこで起こってくるという、こういう計算式があるそうです。それで五十四年度が二百二十億円、そういう公共投資で二万六千五百人の雇用がそこで起こってくるはずだ、こういう計算があるのだそうです。実際には、それは全く計算できないというのですね。先ほど言われました公共事業等で雇用がどれだけ、昨年実際に、計算上じゃなくて実際に伸びたというそういうデータはありますか。
○細野政府委員 公共事業によって直接ふえた数というものを、たとえば年度別の公共事業と直接結びつけてフォローするというやり方は、ほとんど不可能なわけであります。ただし、先生も御案内のように、労働力調査等によりまして、建設業自体がどれだけふえているかという数字はあるわけでございます。 そういう観点から申し上げますと、五十三年度の当初予算及びその後の追加予算によって、大体労働需要が直接ふえるであろうというその数自体につきましては、当初予算において十七万、追加によって十六万、合計三十三万という数字をすでに政府が申し上げておるわけでございますが、その追加分についての効果というようなものは現在まだあらわれる段階に来ておりませんが、現在の建設業の就業者の増というものは、約二十二、三万ぐらいのペースで対前年に比べて増加をしておるわけでございまして、そういう意味で、これが何年度分の雇用の効果だというようなことを個別に結びつけて調査をするということはできませんけれども、結果として、現に建設業における就業者がいま申し上げましたように約二十二、三万ふえているというふうなことは、公共事業の効果であるというふうに見てしかるべきじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。
○水田委員 いろいろ御答弁いただいておるわけですが、それらを聞いても、今日のいわゆる経済の周期的な不況というのじゃなくて、大変な大変動をする、そういう雇用問題をどう解消していくかということについては、私はいろいろな調査なり情報というのがきわめて欠けておるという感じがして仕方がないわけです。 たとえば、構造不況という業種がたくさんあります。そこで平電炉でどれだけの人が、あるいは造船業でどれだけの人がどういうぐあいな失業をしていったのか、そういう数字は持っておられますか。
○細野政府委員 各業界におきまして、どれだけの人間が減ったかという数字はわかります。 それから、それぞれの特定不況業種として指定されたものにつきまして、それぞれの合理化計画に基づいて、手帳の発給を受けている人がどのくらいあって、その人たちがどういうところに就職しているかというふうなこともわかるようになっております。
○水田委員 たとえば、造船の下請というのはたくさんありましたね。これは本工より先に整理されたわけですが、それらがどれだけの数字で、どういうぐあいな整理をされていったか、そういう調査はありますか。
○細野政府委員 造船業の本工のみならず、構内下請等の数がどういうふうに推移をしているかという数はございます。 それから、先ほど申しましたように、特定不況業種の認定を受けて、その認定を受けた結果に基づいて手帳の発給件数がどれだけあり、どれだけの人が現在滞留し、どれだけの人が就職しているかという数字はございます。
○水田委員 私、この間神戸へ参りまして、兵庫県の話を聞いたわけですが、造船の下請にどれだけどういう人が働いておって、それがどういう形でやめて、どうなっておるか、そういうデータは、一々追跡していって調査する人がいなければ全くつかまえられなかったわけですね。ですから、その調査は私は正確なものはないと思うのです。 それからもう一つは、それでは一般的な離職者がどういう形でいまおるか。これは、この間民間の労働組合が約八百人を対象に追跡調査をしたのが新聞にも報道されましたが、こういう調査は労働省でやられていますか。雇用の実態として、これに類するようなことを……。
○細野政府委員 先ほど申し上げましたように、手帳所持者がどのぐらいいて、それがどのぐらい滞留して、どのぐらい就職して、その就職先はどういうところへ就職したかというふうな調査はございます。
○水田委員 いま百二十万人失業者がおると言われている。求人が大体七十万から八十万ですね。しかしそれは、いわゆる求人倍率で言っているようにそのままいくわけでなくて、好みもありますからそのとおりいかないわけですが、こういうのが結びつけられるようなたとえば情報等は、整備されたものがありますか。
○細野政府委員 先生御存じのように、各安定所にはそれぞれの求人、求職が来ておるわけでございますけれども、その求人、求職の全国的なトータルとして、たとえば職種別の求人倍率がどうなっているか、あるいは年齢別の求人倍率がどうなっているか、こういう点につきましては、全国的な、一元的な把握も現在できておるわけでございます。
○水田委員 そうすると、いまの百二十万と七十万というのは、若干はこのようにいきましょうけれども、ほとんどが、これは求人者と求職者とがドッキングできないような条件のものだ、それがこういう形で出ておるわけですか。
○細野政府委員 先生御指摘のその百二十万という数字自体は、御存じの労働力調査によるものでございまして、その中から安定所に求職申し込みをしてないものがかなりあるわけでございます。したがいまして、安定所としましては、求人と求職の関係、つまり安定所に対する求職申し込みのあったものと、それから安定所に対する求人の申し込みのあったものとの関係においてその結合を図る、こういうことをしておるわけでございますが、この割合が先生御案内のように大体現在は〇・六を上回るというぐらいの状況でございまして、昨年に比べてかなり改善傾向にはございますけれども、依然として求職が大幅に超過しているという点は、そういう意味で、事態の全般的な改善というのがおくれているというのは事実でございます。 それがなぜ結合しないのかというのは、いろいろ理由がございますが、たとえば、従来でございますと求人の内容がかなり常用が少なかった。一方において求職の方の内容としては、先ほど先生からも御指摘ございましたように、中高年の、特に特定不況業種等でございますとわが国の企業の中では中堅以上ぐらいのところがかなり入っている、そういう業種からの離職者であるというふうな状況から、なかなか結合しにくい。あるいは雇用保険の延長なり、あるいは促進手当が造船等については出ておりますが、そういうものとの絡みで、それを大幅に上回るような額の求人というのはなかなか見つけにくかった。そういうふうないろいろな事情があるわけでございます。 ただ、その後につきましては、先ほど申しましたように、求人もようやく常用求人が増加傾向に、ここ二、三カ月でございますけれども、二割ぐらいの高さでもって常用求人が伸びるというふうな状況でございますし、それから規模的にもかなり、たとえば九百九十九人ぐらいまでは昨年よりも求人が増に転ずるというふうな状況で、求人の内容も逐次改善してきておりますので、先ほど申しましたような開発給付金その他を活用することによって、この結合はかなり進むのじゃなかろうか。あるいは、求人開拓を従来からもやっておりますけれども、こういう求人増の動向によって、一層拍車をかけた求人の把握に努めまして、そういう結合に全力を挙げてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○水田委員 情報がきわめて不足しておるために的確な対策がとれない。先ほども申し上げましたように、産業構造を転換していくために摩擦なく労働者が移動できる条件、そしてその中で応急的に何をしなければならぬかというようなことで言いますと、たとえばいま調査していますと言うけれども、こういう調査は初めてですね。私は初めてだと思います。これは大々的にはやられてない、やられてないからこそ、この調査はこの間新聞に大きく報道されたわけですね。 それから、私が聞いておる範囲では、たとえば尼崎の安定所で、これは労働組合側がやったのですが、いわゆる雇用保険をもらっておる連中に実態調査をやっておる。そういう部分的にこれは自発的にやられたものがあって、本来なら雇用対策をやる労働省がこういうものを全体的に把握する、あるいは情報がもう少し相互にきちっとかみ合うならば、失業者と求人者の間を埋めることができる、そういう情報がきわめて欠けておると思う。ですから、雇用対策をやる上では、中長期そして短期をやる上で一番いま大事なことは、現状の把握並びにその調査ですね。そうして、その情報をきちっと持つということが一番私は労働省の仕事として大事じゃないか。そのためには、雇用保険の切れた者の実態調査、先ほど答弁がありましたけれども、それだけではなくて、全体的な雇用の実態、失業の実態等の調査をきちっとやる、そこから雇用対策は出発するのだ、そういう考え方をぜひ持っていただきたいと思います。この点は大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○栗原国務大臣 労働省もそれなりに調査をしておることはお認めいただきたいと思いますが、それで十分かというと十分でない、これは事実であります。これは労働省だけでできる問題ではなくて、通産省その他の各省ともよく相談をしまして、重複して調査をしてもいけないわけでございますから、そこら辺をよく整理してやっていきたい。御趣旨の点はごもっともでございますので、よく連絡をとりながら必要なものをやるように努力をいたしたい、こう考えます。
○水田委員 そこで、時間の関係がありますから、あと一つで終わりたいと思うのですが、一時的な不況ということだけの雇用対策では足らないわけでありまして、産業構造がころっと変わるわけですから、そういう中で、当然この産業は国際的な条件の中で縮小せざるを得ない、あるいはこういった業種はこれからの国際社会で工業先進国の日本としては伸ばしていかなければならないということになりましょうし、またもう一つは、エネルギーを多く使う産業というのはこれから日本では困る、しかしエネルギーの使いようが少なければ当然雇用は減るという矛盾があるわけです。ですから、国際的に日本が生きていくために、エネルギーを余り使わなくて雇用をふやす産業というのは一体何か、そういうようなことを考えると職業訓練、いまやっておるのを見ますと非常にメニューはたくさんあるわけですね。しかし、二年とか三年とかいう、ある程度の高度な技術を身につける訓練というのは、新卒の子に対する施策なんですね。ですから、転職の職業訓練というのは、中に一年というのもありますけれども、ほとんどが六カ月ということなのです。 私は昨年香川県の丸亀というところに行きまして、職業訓練校の先生をしておる人と一緒に、夜遅くなったために晩御飯を食べに行きがけたら、俗にピンクバーの呼び込みをやっておるのですね。私より背の高いスマートな若い青年で、チョウネクタイを締めて、兄さんいらっしゃい、こう言うわけですね。それで私の連れている人を見て、あっ先生、こう言うのですね。それで後は言わなくなって、私どもも通り過ぎて御飯を食べに行ったのですが、その人に聞いたのです。先生というのは何ですか、こう言ったら、私が県のいわゆる専修学校で教えた子なんだ。訓練を受けて何をしておるかというと、三次産業でも一番好ましからざるところへ行っているわけですね。その人は本当にわびしい、こう言うのですね。 そこで、いまの転職する人のいわゆる職業訓練というのは、多くがたとえば植木屋さんのあれであるとか、ブロックを積むだとか、あるいは溶接だとか、あるいは木工だとか、そこを出ても、いままでの一人前の労働者として働いておった賃金はもらえぬわけですね。六カ月の訓練を受けたって言ってみたら見習いですよ。左官の下手間ぐらいのことに使われたりということになるわけですね。これからの日本の産業構造の転換を考えると、当然そういう年代の人たち、あるいは中高年以前の三十代でも、自分の人生というものを考えてもう一遍やり直そう、そういうことにならざるを得ないのですね。そういう点では、職業訓練の実態が、大きく変わっていく日本の雇用情勢に対応するのにはきわめて不十分ではないか、こういうぐあいに私は考えておるわけですが、一体どういうぐあいにお考えか、現状の説明なりお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
○石井政府委員 お答えいたします。 特に現在の離転職者訓練につきましては、先生の御指摘のように、現在約四百の訓練所を持っておりますが、これは従来基本的には養成訓練から出発をした訓練校でございますから、これを離転職者訓練という新しい要請にどう対応するかということがいま最大の問題でございます。御指摘のように、問題は、現在の雇用・失業情勢という中から出ておる求職者とそれから求人の側との対応をした関係で、職業訓練をいかに有効にそれに媒介をさすかということが私どもの基本でございます。その場合、現在のところは各地域におけるニーズを考えながら、たとえば中高年の訓練職種について年々新設を行いまして、これを補完をしておるというのが現状でございます。 しかし、御指摘のように、将来の長い構造変化を考えますと、将来のそういう産業構造に対応するような職種をどういうふうにとらえて、これをどういうふうに設定をしていくかということは、非常に長期的にも重要なことでございますので、これにつきましては、現在の職業安定行政全体としての課題でもございますし、あるいは通産省もそういう問題が問題でもございますので、それに対応いたしまして、この問題につきましては、長期的観点を踏まえながら、職業能力開発センターあるいは職業訓練研究センターで今後開発を進めたいと思います。 それからもう一つの問題は、いまの状況では六カ月の訓練期間であるから、どうもその内容が実態上役に立たぬというか、現実の要請に対応できないのじゃないかという御指摘でございます。現在、御指摘のように六カ月の基準でやっておりますが、実際は一年まで延ばしてこれを訓練しておる、職種によってはそういう訓練をしておるのが現状でございます。なお、本年一月三十一日に雇用保険法の施行令の改正をいたしまして、そういう離転職者を対象とした訓練の期間を最高二年まで拡大をするということを現実にやっておるわけでございまして、また必要に応じては、六カ月あるいは一年の離転職者訓練をやった者が、さらにたとえば職場に入って適応訓練を受ける場合に、同じような、いわばオン・ザ・ジョブ的な考え方を持ってそれに引き継いでいく体制を整えよう、こういうことで現在努力をしておりますので、御指摘のような点につきましてはさらに御趣旨に沿うような進め方をしてまいりたいというふうに考えております。
○水田委員 先ほど申し上げましたように、尼崎の安定所に雇用保険を受け取りに来る人たちのアンケートをとりましたら、これは職業訓練について、訓練を受けても仕事がない、ですから、これは単に期間を延ばすことでは私はだめだと思うのですね。もう一つの意見は、訓練の中身に問題がある、こういうことが現実に雇用保険をもらっておる連中、訓練を受けようとしている人たちの気持ちなんですね。本当を言えば、そういうことはもっと早く労働省がちゃんと調査をして、そのニーズにこたえるようなメニューを転職者の訓練について私はつくるべきだったと思うのです。 そこで、最後に大臣に。私はこう思うのです。短期的な応急的な措置というのは、もう少し手厚くしない限り、失業者はこの一年間でそれほど減らないだろうということが一つ。それから長期について言えば、少なくとも、いままで働いておった職場からはみ出した場合、まるまるくれというのは無理にしても、八割ぐらいの給与で生活保障ができて、二年なら二年あなたは訓練を受けて、新しい職場で一人前の労働者として働けるような技術を身につけなさい。一つは雇用保険の関係、一つは二年間の職業訓練で、そこで新しい生きがいが求められるような高度な技術、半年をまた一年に延ばすとかいうようなものをやったってそれほど魅力はないわけですから、そういう中で新しい職。もう一つは、通産の仕事としては、一体日本が国際的な経済の中でどういうところで生きていかなければならないか、あるいはどういう産業は、これは仕方がない、開発途上国に譲るというような、そういうような分類での誘導というのはこれは通産省の仕事でしょうが、少なくとも労働省では、一つは二年程度は生活保障をするということと、一つはそれに対して新しい職場でいままでと変わらない賃金が受け取れる技能を身につけた労働者として出ていく、そういうメニューを本当ならばいまの段階でちゃんとつくっておく。現在調査してみたら、行ってみたって中身が問題だから行ったってつまらぬ、雇用保険をもらうのは期間が延びるから行っておけ、こういう形になったのでは、私は、せっかくの税金を使っての訓練も、あるいは保険給付を受けても、もったいないと思うのです。ですから大臣、私が申し上げました二年なら二年の生活保障、そして二年なら二年、三年なら三年で高度な技術を身につける、そういうようなことを考えなければ、混乱なく産業構造の転換においての雇用の問題というのには対応できない、こういうぐあいに思うのですが、大臣のお考えをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○栗原国務大臣 離職者の生活をどう保障していくかというのは大きな問題でございまして、これにつきましては御案内のとおり、年齢あるいは業種、地域等によりましていろいろとそれなりの措置を講じてきていると思うのです。その点につきましては、いまのところわれわれはそれでいきたいと思っております。 それから、訓練の問題につきまして、長期の訓練をしてしっかりした技能を身につけさせろというお話でございますが、趣旨としては賛成でございまして、そのために、いま訓練局長から話がありましたとおり、訓練の期間を場合によっては、ものによっては一年から二年にするというふうに改めたわけでございまして、とにかく大きく経済が変わりつつある、それに対応して調査をしどうするか、それに対する職能訓練をどうするかというような問題につきましては、お説のとおりでございますので、ひとつせっかくがんばってみたい、こう思っております。
○水田委員 これで終わります。(拍手)
○森下委員長 次に、平石磨作太郎君。
○平石委員 日本の経済が長期不況の中で、雇用と失業の問題というのは大変いま大きな政治的課題になっておりますが、今国会においてもこれから活発な論戦が行われるのではないか、このように、いわば雇用国会だと言われるほど大きな政治問題になっております。 そういう中で中高年の対策、これはもう各党ともこの問題については大変厳しい、そしていろいろたくさんの提案を行っております。私たち公明党も、この雇用の創出とかあるいは雇用情報機関の設置、こういったことで、過日の予算委員会でもわが党の政審会長から質問が出たわけでございます。 このように非常に問題化されておりますが、わが党が過日、二十二日の日ですか、雇用年齢差別禁止法、これを今国会に提案をいたしたわけです。これについて、過日の予算委員会で野党の先生の質問の中で、労働大臣は、野党に定年延長とかそういった雇用創出に対する具体案があるのなら検討してもいいのだ、こういうような大臣答弁が得られておりますが、わが党が出したこの年齢差別禁止法案については検討する用意があるかどうか、一言大臣にお伺いしてみたいと思います。
○栗原国務大臣 私、申し上げておりますとおり、この年齢差別禁止法案といいますか、いわゆる定年延長を法制化しろというのと同じ趣旨の、一連の高年齢者をどう雇用するかという各党からのいろいろな御意見がございます。これについて実は真剣に検討しているのです。検討しておってどこに突き当たるかというと、やはり日本の年功序列的賃金体系にぶつかるのです。この問題を避けて通れない。この問題を避けて、ただ単に法的に規制をするといいますと、法的に規制すればそれじゃそれが自然に解消されていくかというと、自然に解消されていかない、そこに大きな問題がございます。ですから、この問題については労使の間で、定年延長をしなければならぬというのはもうだんだん国民的な合意になってきていると思うのです。これはまた労働省としても積極的に推進しなければならぬというので、皆さん方からすると何をしているのかというおしかりがあるかもしれませんが、私どもは私どもで、それなりに苦労をして、これから進めていくところなのです。したがいまして、労使においてもう一歩突き進んで、この定年制の問題と年功序列の賃金体系との関係について合意を得るように努力をしてもらいたい。また、関西の方でも労使の方々がいろいろとこの問題についての合意ができつつある。各地域でそういうような動きが出てくるように、ひとつ誘導していきたいと思っております。いまのところ検討しておりまするけれども、年功序列の賃金体系、退職金の問題、管理の問題等につきましては、これは法によって規制するということが非常にむずかしい、だから行政指導をさらに密度を濃くしてやっていかなければならぬ、そういうふうに認識をしております。
○平石委員 大臣は、いま年功序列型賃金というものが行われている以上非常にむずかしい問題だ、この点わからぬでもございません。わからぬでもございませんが、現実にはもうそれは崩れつつあるということ、そして、この年功序列が現在採用されておるというのはほとんどがもう大企業であって、中小企業の中ではほとんどもうこれは崩壊してしまっておるのではないかというように、だんだんと情勢は変わってきております。そういう中で、いま減量経営だとかいったような形になって、どんどん減量経営というものがこれから定着をしてくるというような状態すら見られるという現状です。 〔委員長退席、越智(伊)委員長代理着席〕 そういう中で、わが党が出した年齢差別禁止法、これなどを十分検討していただいて——単なる行政指導というだけではもう手に負えないんじゃないか。いま自由主義体制の中ですから非常に困難な面もありましょうけれども、年齢によって差別をしていくというような現状を変えて、そして雇用の創出ということにある程度の規制をもっていくべきじゃないか、これからそう対応していかねばならぬじゃないかというように私は感ずるわけであります。アメリカなんかは、御案内と思いますが、もうすでに十二年前にこの法律ができておる。そして、四十二年から法制化されまして現にそのことが行われておるという現状等も参考にすべきじゃないか。当時アメリカにおいてはそういった雇用の問題がそれほど差し迫った問題ではなかったけれども、将来雇用問題が大きな問題になろうかというところで、すでに十二年前に踏み切っておる。そういうことを考えますと、いまの日本の現状から見ました場合には、本当に馬が壁に乗りかかったという段階でありますので、単なる行政指導だけでは私は心配でならぬ。ひとつ大臣、勇断をもってこのことは御検討いただきたい、このように要請をするわけです。もう一言ひとつお願いしたいと思います。
○栗原国務大臣 私も、勇断をもってやれというお気持ち、よくわかるのです。しかし、物事には、どういうふうに環境をつくっていって最後にどうするかということもございます。これをいまの段階で法制化するということは、かえってほかの摩擦が出てくるのではないかということもございますので、行政指導を徹底させていきたい。お気持ちはよくわかります。しかし、行政指導を積極的にやっていきたい、こう考えております。
○平石委員 それでは、時間の関係で次へ進めさせていただきますが、いまの長期不況の中で、雇用あるいは失業ということはきわめて厳しい段階に差し迫っておるわけですが、私の地元の雇用・失業情勢は、全国的に見てみましても全く低位であるということは御案内だと思うのです。高知県におきましても、昨年来企業倒産が相次ぎまして、特に造船業については五社のうちの二社が倒産の憂き目に遭う、そして現在どうにかというような高知造船につきましても、過日経営ピンチに陥ったというところから、この二月の十四日でもって二十七名を解雇するという通告も出たということで、大変な不安の情勢にあるわけです。こういう中で、昨年いろいろと臨時対策の法案が成立をし、そして地域指定にまで高知市を入れていただいたわけですが、こういう中で、労働省は、高知県の雇用・失業状況について、さらに訓練の問題あるいは再就職の問題、これらについてどのように情勢を把握しておられるか、ひとつお伺いしてみたいと思います。
○細野政府委員 先生からお話がございましたように、高知県の雇用・失業情勢、なかんずく失業の情勢というのは、従来からたとえば求人倍率が全国的に比べて悪くて、非常に求人あるいは雇用機会の足りない地域であったわけでございます。そこへ持ってきて、いままたお話がございましたように、造船を中心に構造不況業種の影響の問題が出てまいりまして、現在も引き続き、全国平均的な状況に比べますとかなり雇用・失業情勢の悪い地域になっているわけでありまして、そういう意味で、いまお話がございましたように造船その他について不況業種の指定をすると同時に、高知職安の管内を不況地域に指定をいたしまして、これらに基づく各種の手厚い援護制度をすべて適用するという措置をとって対処している次第でございます。
○平石委員 いまお答えをいただきましたが、現実には、私が聞いてみましてもあるいは調査に参りましても、余り効果が出ていない。だから訓練行政におきましても、職安行政におきましても、本当に高知県の場合は全くお先真っ暗というような情勢にあるわけです。そして数字の上から見てみましても、徐々にある程度改善しつつあるという傾向には見えます。だが、現実に顕著なものが見えてこないという中で非常な焦りも持っておるわけですが、それへまた追い打ちをかけるように、この問高知県南国市の鈴江農機という会社が、会社更生法の適用申請をこの二月の一日にしたというようなことが出てきたわけです。 この会社は、もう三十二年間高知県においては有数な地場産業として発展をしてまいりました。したがって、下請関連企業等も三十七社もあるというような会社でありまして、これが倒産するということになりますと、前段出ました失業の問題へさらに追い打ちをかけてくるということで、高知県もあるいは南国市もそして関係の団体等、必死になってこの対策に現在奔走しておるわけです。現実にはそういう状況に立ち至ってきたのですが、労働省はこれについて把握をしておられるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○細野政府委員 お尋ねのございました鈴江農機製作所の問題でございますが、二月一日に会社更正法の適用申請を行っておりまして、二月五日に百四十五名を解雇しているというふうに聞いております。 労働者側は、この解雇を不服としまして高知県の地労委に申し立てまして、係争中であると言われております。 現在係争中の者は、百四十五名のうち百三十五名というふうに聞いております。これらの方々のうちで、百三十一名が二月八日に安定所に出頭しまして、解雇の効力について争いがある場合の特例的な措置としての、条件つきの受給資格の決定を行っているわけでございます。 大体そういう状況を把握しております。
○平石委員 条件つき給付の受給をしておるということで、百三十名ですか、どうにか受給資格を得て現在行われておるということですが、この条件つき給付というのは、一応係争中の仮のものなんでしょうか、どうなんでしょう。
○細野政府委員 雇用保険の失業給付の受給をするという場合には、これは当然に意思能力を持って求職するということを前提にしているわけでございますから、本来的に言いますと、ほかの会社からの求人等に対して紹介を受けた場合には行かなければならぬ、行くという意味は、面接をしたり何なりして求職活動をやらなければいかぬ、こういうのがたてまえでございますが、解雇について争っております場合には、当然のことでございますけれども、もとの会社へ復帰するということを御本人は前提にしておられるわけでありますから、そういう意味で一般の求職者とは違った状況にあって、たとえば一般の求職者につきましては、職業紹介や訓練の指示、そういうものを断った場合にはそれなりの制限があるわけでございますが、そういう点につきましても弾力的に考えるという意味合いにおきまして特例的な扱いをしておるということでございまして、その他について、特に一般の所定給付につきまして特別の差があるわけではございません。
○平石委員 労働者にとっては非常にありがたいことなので、労働省のそういう臨機応変の特例措置の適用については感謝申し上げるわけですが、この鈴江農機の下請関連企業、これは先ほどもちょっと触れましたが、三十七社あるわけです。一〇〇%鈴江に依存しているという企業が五社ございます。六〇%以上というのは十九社あるわけです。そのようにほとんどの企業が鈴江に依存をしておる。これに関連して大体二千人ぐらいに影響が出てくるのではなかろうかということですが、この下請企業についてはいまの問題はどうでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○細野政府委員 お話しございましたように、鈴江農機につきましてはかなりの下請関連企業がございます。その状況について申し上げますと、数から言いますと全体で百八社の関連中小企業がございまして、県別では高知県が一番多くて三十八社、以下岡山二十二社、兵庫十三社、広島十社、その他二十五社というふうな状況になっておるわけでございますが、これらの状況につきまして私どもの方が現在まで把握しておりますのは、まずことしの三月一日からこの鈴江農機を雇用安定事業の大型倒産事業主に指定をしておるわけでございます。この効果といたしましては、これらの関連下請中小企業に対しまして安定資金制度が適用されるということになるわけでございます。これらを活用しまして、労働者の失業の予防なり雇用の安定に事業主が努力されることを私どもは期待をしておるわけでございます。 なお、不幸にしましてこれら関連下請中小企業から離職者が発生した場合にどうなるか、こういうことでございますが、この場合には求職者に見合いました特別の求人開拓等を行ってその再就職に努めることは当然でございますけれども、御案内のように特に高知の下請企業につきましては、特定不況地域の指定もされておりますから、いわゆる雇用安定事業の全面適用を受ける、あるいは雇用保険の延長給付を受けるというふうなそれぞれの適用がありますほかに、公共事業に対する特別な吸収率の設定があるというようなことでございまして、こういうものを活用しましてその再就職に全力を挙げてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、現段階では関連下請中小企業からの離職者の数は二名というふうに聞いておりますが、詳細についてはなお調査中であります。
○平石委員 いまの答弁の中にございました離職者臨時措置法あるいは特定地域の指定等、これは離職が確定をすればそれの適用がなされるという御答弁だと受け取っていいわけですね。その場合に、いま特例措置としてやっておられるものは返納するという形になるわけですか。
○細野政府委員 離職が確定すれば当然給付の対象になっていく、こういうことでございます。それから、復職が確定すればそれは返納していただく、こういうことになるわけでございます。
○平石委員 よくわかりました。 そこで、労働組合の方では、現在、こういった突然の状況というものに対して、組合員が積み立てた闘争資金も払い戻すとか、あるいはいろいろみずから防衛するという意味でのことを行って、この緊急事態に対処しておるのですが、会社の方でまだ未払い賃金があるというようなことも聞いておるのです。この未払い賃金というものについてはどういうようにしていかれるのか、労働省の対策をお伺いしてみたいと思います。
○岩崎政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの会社の賃金不払い額等につきまして、実は今年の一月十二日に高知労働基準監督署に賃金不払いの申告がございました。調べまして一月二十二日に申告監督を実施いたしまして、是正勧告をいたしております。 そのときに調べ上げました賃金不払い額につきましては、五十三年十一月分が千六百七十八万円余、十二月分が四千二百五十万円余、五十四年一月分が三千六百八十七万円余、それに二十六名の退職金分が三千百三十二万円、このように把握しております。
○平石委員 約一億円というものが退職金を含めて未払い賃金という形になっておりますが、これなんかはもうすでに、いま答弁にありましたように署長の認定がなされておる。これに対して労働省は、これは立てかえ払いというような制度がありますが、こういう適用はどうでしょう、やっていただけるかどうか。
○岩崎政府委員 未払い賃金の立てかえ払い事業は、破産宣告あるいは更生手続開始決定があるなど企業が倒産した場合において、たとえば破産宣告あるいは決定日より六カ月前から二年間に退職した労働者の未払いの定期賃金、退職手当について一定額を立てかえ払いをするという制度でございますが、この会社は、先ほど先生もお話しありましたように、現在更生手続開始の申し立てを行っておるわけでございます。したがって、その開始決定がありますれば、その先ほどの期間内に退職した労働者については立てかえ払いの対象になる、こういう仕組みになっております。
○平石委員 恐らく、更生手続が申し立てられましたので開始決定がなされると思います。私、ちょっと裁判所の方へも連絡をとってお聞きしましたが、現在その開始決定についての調査等が行われて、近く開始決定が行われるのじゃないかというようなことをも聞いておるわけです。これが決定になりましたならば、いまお答えにありましたように、約一億円何がしというものを労働省の方で立てかえていただくということに相なるわけでございますね。
○岩崎政府委員 お答えいたします。 実は額に一定の限度がございます。概算で申し上げますと、一カ月十七万円を限度といたしまして、それの三カ月相当分掛ける〇・八ということになっておりまして、それが限度額でございます。そういたしますと、定期賃金並びに退職手当を合計して算定いたしましても、一人につき現在の額の上限が四十万八千円でございます。それの対象人数分ということになりますので、ちょっと概算いたしますと、それが総額一億に至るのかどうかということは、ちょっとそれより下回るのではないかというふうに考えられます。
○平石委員 四十万八千円を最高限度として措置なされるということで、そういう点は理解をいたしました。したがって、いま現実には一億何がしというものが未払いになって、皆さん困っておられるわけですが、全部が全部といってもこれはなかなか大変なことだとは思うのですが、将来これをもっと拡充強化をするという意思はございませんか。
○岩崎政府委員 従来やっております立てかえ払いの実績で申しますと、一人当たり平均十数万円ということになっております。それで、現在五十三年度の予算では四十万八千円ということになっておりますが、この考え方は、一般の勤労者の賃金の平均をとりまして、それが十七万円ぐらいになるわけでございますが、それの〇・八を掛けているという考え方は、その未払いのために労働者が生活の不安定をもたらされているということを救済するためでございますので、その間生活を支えていく限度ということでございまして、〇・八というのは、退職いたしておりますので、たとえば各種の公租公課の負担あるいは保険料の負担そのほか、働いている場合に当然の負担となってくるようなものは必要がないので、それを差し引いたのが腰だめとして〇・八を掛けたということになっております。したがって、賃金水準の変化等によりましてまたその限度額の上限を上げるということは考えられますが、いまのところは、過去の実績並びに最近の賃金の動向からいって、その程度が妥当な線ではないかというように考えております。
○平石委員 いま実績の話も出ましたが、これは予算的に見てみましても実行が少ないわけです。これは少ないことがいいことはいいことなんですが、五十四年度におきましても大体五十億円というものを予算化されておりますし、五十二年度も五十億円、五十二年度は六十八億円、これらが実際は二、三十億円程度の執行になっておるようでありますが、これをどんどん執行するのは余りいい状況ではありませんので、責めるわけにはいきませんが、さらにこれの引き上げ等についても要請をしておきたい、こう思うわけです。 ところで、次に、下請企業の代表者の方も、結局、労働省あるいは通産省がいままで地場産業の育成だとか雇用の促進だとかおっしゃっておられるけれども、現実には余り役に立たないといったようなことまで言っておることが出ておりましたが、通産省の方はお見えになっておりますか。
○越智(伊)委員長代理 通産は後にしてください。
○平石委員 それでは通産は後回しにします。 こういった不況で地方自治体は大変減収にもなりますし、またさらに失業対策等、いろいろ公共事業等でも政府からめんどうを見ていただいておりますが、地元の地方自治体にとりましては、大変な事態を迎えて頭を抱えておるのが現状でございます。したがって、過日の地域指定等もいただいて、高知市を初め南国市等も、その面での救済措置といったことに全力を挙げておるようなんですが、法人税等につきましても、南国市長の言葉をかりれば、五十二年度で約一億円程度は減収になってしまった、したがって、あれよあれよと見ているうちにそういうような形で倒産されてしまうということで、行政として非常な限界を感ずるというようなことも聞いたわけですが、地方自治体に対する財政的な措置ということについてはどのようにしておられるか、自治省の方にお伺いをしてみたいと思うのです。
○土田説明員 南国市に対します財政対策の問題につきまして、お答え申し上げます。 いまお尋ねがございましたように、昨年度末に市の方から、法人関係の住民税につきまして八千八百万円ほどの減収がございますので、これに対します財政措置を講じてもらいたいというお申し出がございました。私どもといたしましては、八千八百万円の減収補てんのための起債の発行を認めまして、それによりまして財源補てんをするという措置を講じたところでございます。この減収補てんのための起債の償還につきましては、市町村分の基準財政収入額の算入率であります七五%が将来元利償還として算入されますので、この減収によって今後の南国市の財政措置に支障を生ずるというようなことはないだろうというふうに考えております。 それからもう一つの問題といたしまして、農機具関係の業績不振によりましていろいろ地元に問題があることは事実でございます。この問題につきましては、特定不況地域としての地域の指定をいたしまして、それで地元におきましてつくりました計画に対しますいろいろの所要財源につきましては、地方債それから特別交付税を通じまして、今後財政措置をしてまいるという考え方でございます。
○平石委員 いまの答弁の中にありました起債というのは、政府の方で元利償還を七五%はする、こういうことなんですね。
○土田説明員 減収補てん債につきましては七五%の補てんをする、基準財政収入額で算入します精算の場合と同じ方法で算入をいたすということでございます。
○平石委員 いまのような措置をとっていただくのでわりかた助かりますが、問題は、起債だけではなかなか地方自治体自体の財政能力を高めるというわけにはまいりません。そこで、前回の特定不況地域指定、この中で特交等の重点配分がなされるということが言われておるわけです。自治省は、現在特別交付税についてはすでに検討をなされておると思うのですが、特に不況地域については重点配分を行うように作業中かどうか、そしてどう重点配分を行うのか、ひとつお伺いしてみたいと思います。
○土田説明員 各地域からの具体的な計画をとりまして、現在計画の内容を精査中でございますけれども、これに対します必要な財源につきましては、地方債でいくものは地方債でいく、それから特別交付税措置が必要なものは特別交付税で措置するということで作業中でございます。
○平石委員 地方団体は経済の不況とそういう中で、特に私の地元の方なんかは財政力が非常に弱い町村のみというような情勢の中で、今回の事態を迎えておるわけでして、今後やはり地方自治体の財政能力を高める意味でもっと重点的に配分をしていただきたい、このように強く要請をするわけです。この不況業種を抱えておる公共団体というものは、特に地方税等につきましても徴収猶予をしたりとかいろいろな形で、何とか企業の立ち直りを助ける意味でそういうことも行っておるわけですが、もっと地方自治体の能力を高める意味での、今後長期にわたるということになれば、自治省の特段のこれらの拡充強化ということを強く要請をしたいと思うわけです。 通産は見えてますか。まだですか。
○越智(伊)委員長代理 まだのようですから、もうちょっと待ってください。
○平石委員 それではまたもとへ戻って、大臣にちょっとお伺いします。 先ほど、年齢差別禁止法ですね、これは行政指導で云々ということ、あるいは定年延長についてもそうですが、やはりいまの現状から考えたら、大臣のおっしゃることも理解できないではございません。理解できないではございませんが、いまのままでいくと、やはりただのしり抜けといったような情勢になって、私は単なる行政指導だけでは効果を発揮しないと思う。過日、大臣は経済団体等ともお会いをなされて、延長についてはひとつ特段の御協力をいただきたいという要請もせられたということが報道されておりましたが、そういう要請をするということだけで大臣は効果が出てくるとお思いですか、どうですか。
○栗原国務大臣 私は、いまの世の中の動き、これからの世の中の動きというものについて財界の代表の人たちと私たちとの間で意見の食い違いがあるならば、これは問題だと思いますけれども、意見の食い違いはないと思います。したがいまして、一回私どもがやったからそれによって直ちに門戸が開かれるというほど、行政指導はやさしいものではないと思います。これは継続反復していろいろの機会にそういうことをしなければならぬ。 それからいま一つは、財界に対して言うだけではなくて、労働側ですね、これに対しましても、問題は何かというと年功序列の賃金体系にあるわけですから、これについてどう対応されるのか、そこら辺も篤と話し合いをやっていかなければならないと思うのです。私どもは使用者側にのみこの問題をぶつけておっては解決しない、労働者の代表の方々にもこの話をぶつけて、そして定年延長ができるようなそういう環境をつくるために、精いっぱいがんばりたいというのがいまの私どもの偽らざる気持ちでございます。
○平石委員 同じような答弁で進展はございませんけれども、やはり先ほども申し上げたように、中小企業の段階では崩壊されてき出したということがもう実態だと思います。そういうように社会が変わってきておりますので、大企業の方もいつまでも年功序列ということは維持できなくなってくるという事態にならぬとも限らぬ。そういう情勢も生まれてくる。はや退職金等につきましても、ある企業なんかは、過日の新聞報道によりますと、もう賃金からそのままスライドでということを取りやめて、退職単価を決めていこうか、あるいは退職金については一時支払いがむずかしいので、これを年金に切りかえていこうかというような動きも出てき始めたという、そういうようにだんだんと社会は成熟しつつはあると思うのです、私のいま申し上げることについて。成熟しつつはあるとは思うのですが、ただ待つというだけでも私はいけないのじゃないかと思う。だから大臣は、そういう形に要請をするあるいは行政指導をする、お願いをするということだけでなしに、むしろそれを誘導するような行政的な手は打てないか。その一つとして私どもは先ほど申し上げたように差別禁止法を提案しておるわけですが、一つの誘導政策をもやはり私は考えていかなければいかぬ時期が来たのじゃないかというように感ずるわけですが、いかがなものでしょう。
○栗原国務大臣 ですから、私どもは誘導政策といいますか、誘導するために行政指導を徹底的にやっていきたい。それから、いまの社会がそういう機運になってきたというのは、社会がほっておいてそうなってきたとばかりは言えないと思うのです。いままでの、われわれだけではございません、いろいろの関係者が定年に関するいろいろな論議あるいは行政で言うならば指導、こういうようなものも総合的に力を発揮してきているのじゃないかと思うのです。現に関西の方などを見ましても、近く関西の労使の方々が私のところへ、定年延長の問題について、実質的な定年延長についていろいろ取り計られているようでございます、それについて私のところにおいでになるようでございますが、われわれの行政指導がまんざら功を奏してないとは——これは私どもの力のみとは言いませんけれども、行政指導も相当の効果を上げてきているのじゃないかというふうに思いますので、先ほど来申し上げましたとおりさらに積極的に推し進めていきたい、こう考えております。
○平石委員 通産、見えましたか。
○越智(伊)委員長代理 まだですから、次の機会にしてください。
○平石委員 それでは通産のは、おいでにならぬからやめます。 そこで大臣、いま高知県のことをずっとお聞きいただいたと思いますが、それぞれ更生手続等の手続がなされております。この手続がなされ、更生決定が行われるという段階になれば、それぞれの所要の対策が労働省から打たれることは当然なことだと思うのですが、いま質問の中でも、論議の中でも出ましたように、さらに制度の充実ということ、それからきめ細かく一人一人の失業者について救済策がとられますように、私は強く要請をしたい。したがって、これからの雇用保険の行政に当たっては、特に訓練行政あるいは職安行政、これは私は非常にむずかしい段階に入っておるのじゃないか。そして、特にその点については失業者が非常に手を伸べて求めておることである。ところが、労働省の行政がそこまで十分な配慮が行き届いてないというような情勢等もあるので、最後に大臣のこれからの決意と取り組み方についてお聞かせいただきたい、そして終わらせてもらいたいと思います。
○栗原国務大臣 いまいろいろと実情を私もお聞かせをいただいたわけでございます。労働省としてでき得ますことは、適切に最大の努力をいたしたい、こう考えております。
○平石委員 以上で終わります。
○越智(伊)委員長代理 次に、谷口是巨君。
○谷口委員 私は、雇用問題一般について少し意見をただしてみたいと思います。 ここに第三次雇用対策基本計画というのがございますけれども、これが五十一年四月にスタートしたわけですね。そしていまちょうど三年になるわけです。この中にはこういう基本的なことがうたってあるわけですけれども「成長率低下のもとでインフレなき完全雇用を達成・維持することを課題」としましたと載っているわけですね。このインフレという問題については、いろいろなほかの要因、たとえば円高だとかいろいろな問題によって余り進行してなかった。確かにこのとおりになっておりますが、しかし雇用の問題では、相当これは目標と違っているわけですね、現状が。こういう問題について、ここに述べられている完全雇用というものの規定ですけれども、非常にむずかしい。この中にもはっきり何%と書いてありませんが、この第三次の計画が出たときには、完全雇用というのは大体どういう程度を考えておられたのですか。
○細野政府委員 完全雇用というのはどういう状態かというのはなかなかむずかしい問題でございまして、それぞれの国の経済あるいは労働市場の状況、そういうものの制度的な面も踏まえまして、その上で雇用関係、失業関係、場合によっては労働条件その他のいろんな諸要素の諸指標を総合的に判断して論ずべきものではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。そういう意味で、その国の完全雇用の率というものは、当然各国別にも違いがございますし、それからそれぞれの国の歴史的な段階においても必ずしも同一ではない、こういうものかと思われるわけでございますが、一応、この当時におきまして、政府の全体の経済計画や雇用対策基本計画におきまして、おおむね一・三%程度というものを想定していたということは事実かと思うわけでございます。
○谷口委員 じゃ、完全ということは大体失業率が一・三%を想定しておった、こういうことですね。五十年代の前期経済計画、これによりますと五十五年の完全失業率一・三%、これにはちゃんと出ているわけですけれども、さきに発表された新経済社会七カ年計画の基本構想に見るいわゆる完全失業率の目標というのは、これが一・七%になっているわけですね。この差が〇・四%あるわけですが、これはどういうわけでこのような数字の差ができたのですか。
○細野政府委員 先ほど申しましたが、完全雇用の状態というものをどういうメルクマールでつかまえて、どういうふうに総合的に判断するかという問題は、なかなかむずかしい問題があるわけでございますが、一応今後の雇用・失業情勢あるいは労働市場の状況というようなものを想定して考えてみますと、当面構造不況業種等の影響によりまして、雇用・失業情勢に暗さが色濃く影響を及ぼしているわけでございますが、そういう点を一応捨象いたしまして、たとえば計画の前半にそういう一種の大幅な需給ギャップみたいなものが解消されるという前提で見ましても、今後の労働市場の状況というふうなものを考えます場合に、一つには、家庭の主婦を中心にしまして女子の労働力というものが今後かなり労働力率が高まって、労働市場に進出してくるのではなかろうかというふうな一つの側面、それからもう一つには、従来でございますと、いい悪いは別にいたしまして、家庭の主婦等の女子労働力というのは好況のときには労働市場に進出しまして、不況になるとこれが家庭に戻るという形で、悪い意味で言いますと、一種の景気の調節弁的な役割りをみずから果たしておられたというふうな面があるわけでございますが、そういう側面がだんだん薄れてまいりまして、むしろ、職を失った場合にはそのまま失業者として、求職の形でもって労働市場に残られるというふうな傾向がだんだん強まってきているわけでございます。それから三番目には、現在でもそうでございますけれども、若年の層を中心にしまして職業に対する選好度のようなものがかなり高まってまいりました。したがって、職場を選んで就職する、安易に手軽な職業にはむしろ就職しないという状況が進むというふうな、何といいますか、欧米等と比べてみました場合に、いわば欧米並みの近代化みたいなものが労働市場の中に進みつつあるのではなかろうかということが考えられるわけでございます。 そういう意味で、労働市場に失業が顕在化しやすい要因が進みつつあるのじゃなかろうか、そういうふうなことが想定をされるわけでございまして、そういうふうな要素を総合的に判断をしまして、一方におきまして今後の経済成長というものの動向をにらんでみましたときに、かつてのような高度成長を続けることがなかなかむずかしいのじゃなかろうかというふうな状況を勘案してみました場合に、そういう安定した成長というものを前提にした中でいま申しましたような状況というものが進行するというふうに考えますと、その中で、先ほども先生から御指摘ございましたように、一方においてインフレを抑えながら進めなければならない、一方において雇用の改善を進めなければならぬというふうなことの両方の要素を考え合わせてみたときに、一・七%以下程度に失業者を抑え、かつ需要と供給の関係がほぼ均衡する、それでできるだけ世帯主の失業率は抑えるというふうな三つの条件がある程度満たされれば、一応その六十年という目標時点における完全雇用と見てもいいのじゃなかろうかというふうな考え方で現在の新七カ年計画も考えておりますし、それから私どもも大体同じような考え方を持っているというわけでございます。
○越智(伊)委員長代理 ただいま通産省より出席いたしましたので、先ほどの平石磨作太郎君の保留分の質疑を許します。平石君。
○平石委員 通産省へお伺いいたしますが、高知県の南国市後免町にあります鈴江農機が、五十四年の二月一日に会社更生法の適用申請が行われて、五十三億円の負債だと言っておりますが、裁判所の調査では六十億ぐらいあるのじゃないか、このように言われていま審理中であります。したがって、この会社が更生手続を申し立てたという状況、そしてこの見通しについては通産はどのように把握しておられるか、お伺いいたしたいと思います。
○棚橋説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、鈴江農機は、高知県南国市に本拠地を持ちます中堅企業の農業機械メーカーでございますが、このたび、残念ながら経営不振で会社更生法の申請をしております。基本的には、率直に申し上げまして、経営方針にいろいろ問題があったように聞いておりますが、たとえばコンポストプラントといいます新しい農機具を開発して売り出そうとしたところ、その製品の販売が思うに任せなかったというのが一つの引き金になりまして、五十一年ごろから不振を続けておりまして、これが五十三年度に、これも先生御案内のように第二次水田利用再編対策、相当の減反政策がとられまして、農業機械メーカーが全体的に——ちなみに、昨年は生産金額で二〇%程度のダウンになっておりますが、この影響も、やはり経営が弱体化しておりましたところですから、大きく受けまして、二月一日に高知地方裁判所に会社更生法による更生手続開始の申し立てを行ったところでございます。 それから、更生決定の目途について通産省としてはどう考えるかという御質問につきましては、大変失礼ですが、これもやはり裁判所が決めることでございますので、私どもとしてはいつごろということを明示的に申し上げる立場にございませんが、現在、二月十四日に更生法の規定に基づきまして高知裁判所が二名の調査委員と保全管理人を任命しておりまして、諸手続を進めております。通産省としましても、できる限り速やかに更生手続開始の決定が行われまして、適切な更生計画に基づいて一日も早く健全な形の再建が行われるように期待しているところでございます。
○平石委員 通産省がこの状況について、いま更生手続についてある程度の見通しをお聞きしたわけですが、通産省自体としてどのように対処しておられるのか、このこともお伺いしたいと思います。
○棚橋説明員 申しおくれましたが、更生手続開始の申し立てを行う前に、私どもとしましては、四国通産局を通じましてメインバンクの四国銀行あるいは大蔵省の四国財務局それから主要取引先などから情報を逐次いただきまして、いろいろな話し合いをしていたわけでございますが、現在は裁判所の更生手続開始の決定待ちというところでございます。 ただ、関連企業に大きな影響がありますと問題が生じます。そこで、二月上旬に四国通産局から担当者を派遣いたしまして、中小企業信用保険法に基づきます倒産企業の指定についての調査を行いまして、この現地調査の結果で鈴江農機を二月十三日付で倒産企業に指定したところでございます。倒産企業の指定によりまして、中小企業信用保険法第二条第四項第一号の規定に基づきまして指定をしたところでございますが、これによりまして、下請企業の関連倒産については、たとえば信用補完面についての特例措置、付保限度額を通常の五千万円から一億円にする、あるいは保険のてん補率を七割から八割にする、保険料も三分の一軽減するというような諸対策を行っておりまして、私どもとしましては、この措置、そのほかの助成策を含めまして、できるだけ関連下請企業の倒産を防止したい、このように考えております。ちなみに、本日現在では、下請企業五社から倒産関連中小企業者の認定申請が行われております。
○平石委員 中小企業信用保険法の特例措置としての措置をとられたということですが、いま内容についてのお話がございました。こういった企業はほとんどが担保を使い切ってしまっておるというのが現状だと思うのです。いわば無担保というような情勢に追い込まれての倒産ということになるわけでして、さらに、下請企業につきましても関連倒産の防止ということについてお話がありましたが、これらの企業もやはり担保というものについてはほとんどないのが現状ではないか。こういう無担保の状態に陥っておる者に、この中小企業信用保険法によって、いま内容的には言われましたが、担保のないような企業にどういうように対処せられるのか、もう一言お答えいただきたいと思います。
○山口説明員 お答えいたします。 いま課長からお答えいたしましたように、信用保険法の倒産企業に指定いたしたわけでございます。この効果といたしまして、説明がありましたように、保険の付保限度額が二倍になるということでございます。その内容でございますが、通常に対しまして普通保険、これが五千万円の枠があるわけなんですが、これは原則として担保を徴するとなっておりますが、さらにこれに加えまして無担保八百万円の枠が別枠で設定されます。したがいまして、下請企業の方にとりましては、この八百万の別枠と従来の八百万と合わせまして一千六百万の無担保保証が受けられる、こういう措置になりますので、原則としてこの措置によって対処してまいりたいと考えております。
○平石委員 以上で終わります。
○越智(伊)委員長代理 平石君の関連質疑を終わります。 谷口君。
○谷口委員 では、私は先ほどの質問を続行いたします。 五十五年の労働人口から見た場合完全失業率一・三%、また六十年の労働力の人口から見て一・七%というのは、具体的な数字は算出されてあると思いますが、どうですか。
○細野政府委員 労働力の需要、すなわち六十年代におきます就業者の総数と、それから逆に供給面から見まして年齢別あるいは性別に労働力率等を推計いたしまして、そこから積み上げてまいりました供給の総数、その差として百万人程度、約一・七%という数字が想定をされておるわけでございます。 〔越智(伊)委員長代理退席、竹内(黎)委員長代理着席〕
○谷口委員 百万人程度と一口に言いますけれども、これは相当な数になるわけですね。そういうことを見ますと、結局、政府としては、雇用問題に対しては非常に効果のある打つ手は余りないんだというふうなことを物語っているように私たちに見えるのですが、その辺、どうですか。
○細野政府委員 たとえば完全雇用という問題についての最も権威のある本と言われているビバリッジの「自由社会における完全雇用」という本を見ましても、その中でも指摘されておりますように、自由社会の中で失業者がいないという社会自体はかえって不自然な社会でございまして、摩擦的ないしは一時的、経過的な失業者というものが相当数いること自体が、その国のいろいろな経済発展が円滑に、たとえば産業構造が円滑に転換していくというそういうことに伴って当然出てくる問題なわけでありまして、したがって、失業者の数が極端に少なくて、たとえばそれがゼロがいいんだというわけにはまいりませんで、問題は百万なら百万、七十万なら七十万、あるいはある国によっては二百万なら二百万という、そういう失業者の中身、これが非常に滞留するような意味での失業者なのか、あるいはいわば摩擦的、一時的、経過的な失業者なのかというところに問題があるわけでございます。そういう意味で、単に百万人という数が非常に多いから雇用対策の効果とかそういうものが全くないじゃなかろうかというふうに評価をされるのはいかがか、こういうふうに思うわけであります。 そういう意味で、私どもは、先ほど申し上げましたように、全体として求人と求職とのバランスがとれ、しかも失業率も一・七%程度であって、しかも世帯主の失業率がそれよりも低いということであれば、しかもその失業者の失業期間というものが非常に長いというものでなければ、少なくとも完全雇用という状態に近いものだというふうに見ていいんじゃなかろうかと思っておるわけでございます。
○谷口委員 いろいろ理屈は述べられますけれども、やはり百万になるというようなことはわれわれから見ると失業者の数が決して減らない、そういう状態をやはり私たちは直視していかなければいかぬと思うのですね。それはそのままで置きますけれども、現在第四次雇用対策基本計画というものを策定されているように聞いておりますけれども、第三次計画に対して内容的にどんな意識を持って検討に臨んでおられるのか、答弁をひとつ簡潔に願います。
○細野政府委員 最近の雇用、失業情勢等を見ました場合に、たとえば円高の進展とか構造不況業種の問題とかそれから第三次産業のウエートが増大している、そういう意味で、産業構造の変化が進展しているというのが需要の面から見て大きな変化でございます。それから供給の面でも、労働力人口の高齢化が非常に急速に進んでいる、あるいは先ほども申しましたけれども、家庭の主婦等を中心とした労働力供給圧力が高まってくるというふうな、需給両面にわたる構造的変化が進んでおるわけでございまして、こういう需給両面にわたる変化に対応して、そこから考えられるいろいろな問題に対処できる計画にしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○谷口委員 労働省が発表しました毎勤統計によりますと、五十三年一月から十二月ですが、従業員三十人以上の企業の常用雇用者は前年よりも一・二%減少しているわけですね。これを企業規模別に見ていきますと、従業員が五百人以上というようないわゆる大企業に非常に人減らしが目立ってくるわけです。一方、上場されているところの会社の三月期の決算の予想というのを聞いてみますと、これは非常に増益見込みがなされているわけであります。この五十三年度の実情を見ると、まさに大企業の減量経営、すなわち人減らしで増益を結局見たということができるのではないかというふうに言えるわけですね。このような状態と現在の深刻な雇用問題、これをにらみ合わせまして、非常に重大な問題ですけれども、労働省としてはこういう人減らし現象、それによる増益にどういうふうな認識を持っておられるか、伺っておきたいと思います。
○細野政府委員 先生御指摘のように、増益の傾向があらわれているにかかわらず、雇用・失業情勢、なかんずく失業情勢にいい影響が出てないじゃないかという御指摘でございました。確かにおっしゃるとおりの状況が昨年の秋ぐらいまでは続いていたわけでございますが、ようやく最近になりまして、先生も御存じかと思いますけれども、求人が非常に拡大傾向が強く出てまいりました。それも製造業を中心にして拡大する傾向が出てきておりまして、その中身も、従来のように臨時日雇いという形ではなくて常用の形での求人が増加をする、あるいは従来は規模の小さいところでふえて規模の大きなところは求人がふえないというような状況がございましたが、最近はたとえば九百九十九人以下のところまでは求人が前年に比べてふえるというような状況が出てきておるわけでございます。 したがいまして、ようやく企業側が景気の先行きに対する信頼感を持ち始めてきているんではなかろうか、そういうところに着目いたしまして、たとえばこの法案でお願いしておりますような中高年齢者雇用開発給付金というような制度を活用いたしまして、こういう求人の増加傾向と失業者との結合を図ってまいりたいというふうに考えているわけであります。 なお、企業にゆとりがあるにもかかわらず、いわば減量経営に藉口いたしまして労働者数を減らすというようなことがあってはならないという観点から、先般労働大臣に経済四団体の首脳とも会っていただきまして、その席上労働大臣から、そういうゆとりのある企業については雇用の安定についても十分配慮願いたいということを要請いたしまして、原則的に企業側の了解も得たというふうな経緯になったわけでございます。
○谷口委員 二月十九日でございましたか、桜田日経連の会長さんが記者会見でこういう趣旨のことを言っておられるようですね。減量経営によって企業を存続させることが雇用の維持と拡大に役立つ、またその過程で失業者が出るのは当然であると言われたように伝えられておるわけでございますが、政府はいま雇用問題に一番真剣になっておるときであるし、また現状維持は当然ですけれども、さらに雇用の拡大に向かって政策の転回をしている、こんなときに、このような余りタイミングに合わない発言というのは、国民の立場から見てちょっと好ましくないと思いますね。そういう面から、こういう企業に対する労働省の指導というのはどういうふうにやってあるんですか。
○栗原国務大臣 桜田さんの記者会見のもの、私直接聞いておりませんからわかりませんが、桜田さんとの話の中で私どもの受けたのは——私はこう言ったんですよ。企業が体質改善をするために合理化を進めていかなければならぬ、体質改善のためにいろいろ努力しなければならない、そういうものの結果が企業の成績がよくなってきたということになるというのは、一応それはそれなりにわかる、しかしながら、その減量経営に藉口して、余力があるにもかかわらずやってもらっては困ります、こういう話をしたわけです。それに対する私の受け取り方は、財界側の意向としまして、私どもも好んで減量経営するんじゃないんです、需要がないところには供給ができません、そういう需要のないときにはどうするかというと、やはり経営の健全化、体質の強化を図らなければならない、それはわかっていただきたいというような趣旨にとったのです。だから好きこのんでやっているわけではない、体質改善のためにそういうこともやらざるを得ないということを御理解いただきたい、こういうふうに私どもはとっておるわけです。
○谷口委員 非常にタイミングに合わない発言というのは好ましくないんですから、特に政府は、力の強いところとか大企業とかいうところには少し弱いような感じがいたしますので、叱咤激励のために、私はいまあなたに力を与えようと思って言っているわけですから、もう少し強腰でひとつ今後指導をしていただきたい。 それから、六十歳の定年制についていま国民的な合意に達しているように私は思います。ほぼでき上がっていると思いますけれども、むしろこれは法制化に踏み切ってもいいような機運になったと思いますが、政府どうですか、簡単に答えてください。もうあと時間がありませんから。
○栗原国務大臣 先ほどもお答えしたんでありますが、私は国民的な合意ができつつあると思っておるのです。ただ問題は、労使の合意をどうしてとるかというところにかかるわけです。その労使の合意をとるために、法的措置をとることがいいのかあるいは行政指導するのがいいのかということになりますと、私どもの現時点の判断では行政指導をさらに徹底させていきたい、こういうことでございます。
○谷口委員 私はその逆でありまして、やはりきちっとした態度で法制化していくべきだと思うのですよ。行政指導行政指導とおっしゃるけれども、そんなに行政指導で何でもかんでもうまくいくはずがない、いやだと言ったらそれで終わりですから。いろいろな問題がありますけれども、やはり前向きで進むべきじゃないかと私は思っているわけです。政府は五十五歳から六十歳に移行ということを考慮しているわけですけれども、減量経営がいまだにまだずっと進行しているわけです。その今日にどのようにしてこれを実施に持っていくのか。たとえば米国では、この一月に雇用法の改正によって定年が六十五歳から七十歳に延長されているわけです。法律事項によって実施した方が効果がある、そうしなければいけないんだ、私はそのように思いますし、またわが党では、過日、定年制及び中高年齢者の雇入れの拒否の制限等に関する法律案を実は提出したわけです。したがって、この問題と関連して、大臣は先般、定年制について国会でよい案があれば検討するにやぶさかでない、こういうことですから、真剣に検討していただきたいと思いますが、その決意を一言伺っておきます。
○栗原国務大臣 それはもう、どうしたら定年が延長できるか、そのための案は虚心に聞くつもりでございます。 ただ、いま問題になるのはやはり年功序列の賃金体系、これが定年制を法制化することによって打ち破られるのかあるいはそうでないのか、そこら辺が非常にむずかしいところでございまして、その点について、環境をさらに熟するようにしていくのが当面の大きな課題ではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○谷口委員 次に、雇用保険法についてお尋ねをいたしますけれども、雇用保険の改正点の質問に入るために伺うのですが、政府は現在の雇用情勢が悪い方のピークにあると思うのか、あるいはまだこれから先悪化する情勢が来ると思うのか。もう一つ言えば、現在ピークに達しておって、これは当分続くと思っているのか。この辺の認識をひとつ伺ってから質問に入ります。
○細野政府委員 先ほど申し上げましたように、求人が内容を含めて非常にいい方向に向かっているというような明るい面も一部にございます。しかしながら同時に、たとえば造船業等におきまして、構造不況的な業種からの離職者がさらに引き続き発生するというふうな側面もございますし、いろいろなことを総合的に判断いたしますと、やはり楽観を許さない状況がしばらく続くというふうに見るべきだと思っているわけでございます。
○谷口委員 楽観を許さない情勢が続くということは、現在はほぼ悪いピークに来ている、もしかしたらもう少し悪くなるかもしれぬという意味ですか。
○細野政府委員 明るい面とそれからやはり暗い面とが交錯しておりますので、そういう意味で、楽観を許さない事態が続くというふうに見ざるを得ないということを申し上げたわけでございます。
○谷口委員 ちょっと答弁が的確じゃないです。私が聞いておるのは、将来非常に心配な面があるということは私もわかるけれども、もっとぐっと悪くなるおそれがあるのか、そうじゃなくて、あるいはそうなるかもしれぬということなのかと聞いておる。現在がピークの一番底なのか、もっとぐっといくぞというふうに考えていらっしゃるのかというふうに聞いているわけです。
○細野政府委員 基本的には今後の経済情勢の見通し等にかかわる問題でございますから、なかなか的確なお答えを申し上げることは困難でございますが、ただ、現在五十三年平均で百三十万ぐらいの失業者が実績見込みとして見込まれておりまして、いろいろな努力をして、五十四年度におきましては、やはり同じぐらいの百三十万ぐらいの失業者というものは覚悟せざるを得ないのではないかというふうに見ていることからも御判断いただけるのじゃないかと思うわけでございます。
○谷口委員 余り判断できないから聞いているわけです。続く可能性はあっても、あなた方のお話を聞いていると、これ以上悪くなるおそれはもう余りない。ということは、もうすでに増益傾向も出てきておることだし、これから真剣に取り組んでいけば、もうそれほど悪い、ぐっとしたピークが来るとは私は考えられないのですよ。余り的確な答弁がもらえぬが、余り的確な答弁をしないのが労働省の方針のようでございますけれども、それはここでやっていきますと、余り時間がありませんから……。 政府は、今回改正して、失業給付の充実によって百五十三万ですか百六十三万でしたかの失業者の生活安定を図る、このように明確にうたってあるわけです。 そこで、各延長給付の過去の実績ですね、たとえば人数と給付額について、五十一年、五十二年の実績について簡単にひとつ数字を御説明いただきます。
○川上説明員 延長給付の実績でございますが、まず個別延長給付について申し上げますと、昭和五十年度におきましては千八百八十三人、金額にいたしまして一億七千七百万、それから五十一年は人数にいたしまして三万二千三百七十四人、金額にいたしまして五十一億八千七百万、五十二年度は人数にいたしまして二万五千三百四十六人、金額にいたしまして五十二億一千六百万程度になっております。 個別延長給付以外に訓練延長給付等もございますが、訓練延長給付について五十二年度だけ申し上げますと、一万九千二百九十七人、百九億程度の実績になっております。
○谷口委員 私が入手した資料によりますと、広域延長給付については五十一年度は新規受給者が一、受給実人員が三となっています。それから五十二年度は新規受給者が一、受給実人員が一名、それから全国延長給付については全部ゼロ、このように承知しておりますが、間違いありませんか。
○川上説明員 広域延長給付について申し上げなくて、大変失礼いたしました。 広域延長給付につきまして先生いま御指摘の数字は、私どもの用語で申しますと受給者実人員ということで、毎月その給付をもらっておる人が何人おったかということで、それを一年間をならしてみた場合に何人、こういう数字でございます。 それで、私、手元にございます数字で何人の人がその給付を受けたかということを申し上げますと、五十一年度が十四名、それから五十三年度が十名が実績でございます。これは期間の長さによって先ほどのような数字になってくるかと思います。 全国延長につきましては、これは全国延長の規定が発動されておりませんので、対象者はございません。
○谷口委員 私の資料と若干食い違っていますけれども、大した違いじゃないですね。大した数ではない。しかし、一応そのあなたの数を認めますけれども、この広域延長給付あるいは全国延長給付というのは、日本全国の数から見ますと、対象者の数から見るとほとんどゼロに等しいわけですね。一つは完全に発動していないからゼロだけれども、もう一つの方もほとんどゼロに等しい。ただ、個別延長あるいは訓練延長については少し数が出てきているわけですね。 そこで問題になるのは、中高年齢者の失業者、これは五十数万人おるわけですが、その中のごく一部の人しかこれは対象になっていないわけですね。こんな状態の中で、今度の単なる期間の延長をすることだけによって、失業者五十数万人のうちのいわゆる中高年齢者の生活の安定、これは本当に実効あるものにつながるかどうかと非常に疑問に思うわけですが、その辺の見解はどうですか。
○細野政府委員 先生のいまお挙げになりました数字は、恐らく労働力調査の特別調査の数字かと思うわけでございますが、あの調査の場合は、調査月の最後の週において金をもらっておるかどうか、こういう仕組みでございますので、私どもの保険の受給者の数とその労働力調査の受給者の数というものがかなり差がございまして、私どもの方の業務統計によりますと六十万ぐらいの人が受給をしておるわけでありまして、そういう意味で、この制度が、各種の延長制度をまじえまして、失業者の求職活動中の生活の保障に有効な役割りを果たしているというふうに考えているわけでございます。
○谷口委員 いまの話を聞きますと理由があるようですが、それにしても、人数あるいは金額がきわめて少ないわけですね。 もっと時間があればもう少し突っ込んでいくつもりでございましたが、同僚委員に時間を譲りましたので、まことに残念でございますが途中をはしょります。 それから伺いたいのは、途中残念ですけれども次回に譲りまして、職業訓練に当たりまして、中高年齢者に対する能力再開発ということのために、訓練校がかなり設置されているわけでございますけれども、雇用促進事業団で行っている訓練の入校状況及び就職状況、これはどうなっているか、簡単にひとつ御答弁願います。数だけで結構ですから。
○石井政府委員 雇用促進事業団で行っている中高年齢者の能力再開発訓練の入校状況をまず申し上げますと、昭和五十二年度で定員に対しまして七〇・二%であります。それから就職状況は同じく昭和五十二年度で七三・七%ということでございます。
○谷口委員 この職業訓練のあり方が私は一つ問題になろうかと思うのです。というのは、いままでの職業訓練のあり方というのは高度成長に合わせて計画されてきたはずですね。したがいまして、ちょっと訓練すればすぐ求人があったという状況もありました。また、地域によってはある主力の産業に対して合うような訓練の仕方をしていたとか、いろいろそういうものがあったわけですね。現状としては、なかなか実際に自分が望む職業につくことが困難になってきた。そういう点から見ますと、いままでの教科内容とかあるいは備えられた機械の設備状況とかあるいは訓練期間とか、そういう問題は一考を要するときが来たのではないか。それに対する認識はいかがですか。
○石井政府委員 職業訓練につきまして、先生御指摘のように、現下の情勢から見て非常に重要であることは確かでございます。 一つは、いわゆる職業訓練の器といいますか、訓練校だけでこれを処理するということは、現在の需要に対して対応できませんので、一つのやり方としましては、この前の訓練法改正によりまして、各種学校あるいは専修学校、認定訓練施設というような、いわば施設外の訓練の器を活用するということにいたしました。 それから訓練の内容につきましては、当然のことながら、その地域の需要を察知いたしまして訓練科目の新設をいたしますけれども、これも大体十科目くらいの新設を行うということを現在までやっております。将来につきましてはさらに、今後の見通しを含めて種目の設定をしなければいかぬというように考えております。 それから期間につきましても、一つは、現在能力再開発訓練は六カ月の基準でございますが、職種によりましては一年、あるいはこの前の御決定によりましてこれからは二年まで職種によっては延長できるというふうに変えてまいりましたので、今後ともやってまいりたいと思います。
○谷口委員 大体時間が来つつありますけれども、あと一問で終わりますので、ひとつよろしく願いたいと思います。 端的に質問の全体をちょっと言いますけれども、職安行政につきましていろいろ私なんかは感じていることがあるのです。雇用対策事業の各給付の取り扱いは、全部要するに職安を通じてやることになっているわけですね。ここを通じないといろいろな給付の対象にならない。このように職安を通じて行う、その結果の就職が現実にいま非常に少ないわけです。 こういう問題を踏まえましてわが党では、この前実際に青森とか宮城とかに調査団が行ったのですよ。それで実際に職安行政というものを見てきているわけですけれども、これらの特定不況地域の職安ですらも以前のままの陣容でやっているわけですね。内容が複雑になり困難になっているのにかかわらず、増員がされていないのです。これは職安法の目的達成に支障を来すのは私は当然だと思うのです。そういう問題についてどうしようと考えているのか。 また、雇用開発事業に当たっては、事業主が職安を通じて雇い入れた場合にという、現在の給付のいわゆる支給条件があるわけですけれども、たとえばいま職安の手を経ないで、余り望む職業がない、どっちかというと余り親切に扱ってもらえないとか、いろいろそういう批判が現実にあるわけですね。それで、自分の縁故だとかいろいろなところを探して入っていっているのが現状なんです。その場合に、ここでひとつ門戸を開いて、事業主が直接に雇った場合でも、事後に報告をするとかいろいろなことを考えて、これもいろいろな支給の対象になるように考えていく必要があるのではないか。そうしなければ予算が余ってしようがないですよ。実際に金がどんどん出なければこれは役に立たないのですから、あれもやらぬ、これもやらぬではだめで、これもやりましょう、これもやりましょうということが基本的な考え方にならない限り、これはうまくいかないと思うのですが、総括的なことで最後に大臣、あなたの有能にして積極的な態度を一言聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○細野政府委員 事務的な面について私からまずお答え申し上げます。 職安経由を給付金の条件としておりますことにつきましては、これはやはり、再就職について非常に困難を感じておられるかどうかという点についての判断は、安定所に求職活動をしておられるということが一つの大きなメルクマールである、そういう観点と、もう一つは、たとえば開発給付金について申し上げますれば、開発給付金によって中高年齢者を雇い入れたことによって、中高年齢者の割合なり人数が高まったかどうかということが一つの要件になっております。そういうことについての確認を事前にしておきませんと、なかなか確認もむずかしく、かつ将来トラブルが起きるというふうな両方の面があるわけでございまして、そういう意味で、中年の方については安定所の経由を条件として現在もやっておるわけでございますし、今後の運用においてもそれは持続してまいりたいというふうに考えております。 ただ、高年齢者については非常に就職が困難であり、かつ人数も比較的少ないということから、御案内かと思いますけれども、必ずしも安定所を経由しない場合でも、これを給付の対象とするという道を開いているということでございます。 それから定員関係の問題についての御指摘がございましたが、おっしゃるように、非常に業務がふえているにかかわらず安定所の職員の数が限定をされているということで、悪戦苦闘をしておりますけれども、来年度におきましては、特定不況業種関係あるいは特定不況地域関係を中心にいたしまして、安定所関係、これは地方を含めてでございますが、全体で二十二名、ネットで増をいただきまして、御指摘のような特定不況地域、業種関係を中心に、この人間を配備してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○栗原国務大臣 いま安定局長からお話ししたとおりでございますが、定員の問題につきましては御激励の言葉として拝聴いたしまして、私どもそのために努力をいたしたいと思います。 なお給付金の問題につきましては、乱用だけはいけないと思いますけれども、乱用にならぬということであるならば、これは弾力的に運用する。いやしくも非常に柔軟性を欠いたためにこの給付金が消化できない、利用されないということはわれわれの本旨ではございません。
○谷口委員 終わります。
○竹内(黎)委員長代理 次に、田中美智子君。
○田中(美)委員 質問いたします。 今回の雇用保険法の改正案は中高年の常用雇用の促進を目的としている。しかし、パートなど不安定な雇用が非常に増大しているわけですから、このパートに対する対策が行政面から抜け落ちているというふうに私は思います。この問題について質問したいと思います。 いま、正社員とパートの比ですが、正社員が減って、パートの比率が近年急激に伸びているという傾向があります。労働省が出されました五十二年度の「婦人労働の実情」によりますと、この十七年間にパートが四倍にふえています。このパートの中の大多数が婦人だという特質があるわけですけれども、今国会の予算委員会に提出されました資料を見ましても、この三年間に、三百人以上の労働者のいる事業所、大企業ですね、ここでは約二・二倍もパートがふえている。このように、常識で皆さんも御存じのように、パートの賃金も労働条件も非常に低いわけですけれども、このパートの方たちの声というのがいろいろなところに反映されているわけです。 七七年十二月に電機労連が調査をしました。これによりますと一賃金が低い、これは全般的に賃金が低いというのではなくて、正社員に比べるとパートが非常に低い、こう言っているのが六二%、ボーナスが非常に少ないということを言っているのが四一%、それから退職金を出してほしい、退職金が出てないところがあるんですね、これが四〇%もいる。それから雇用が不安定だ、これは御存じのように、二六%もいるわけですけれども、いつ首になるかわからないし、安心して働いていられないという人が二六%。だから正社員にしてほしいという人がパートの中で約六〇%もいるという調査が出ています。 それからまた、愛知県にあります「新婦人」という婦人会ですけれども、この「新婦人」の昨年の調査によりましても、大体ほぼ同じような数字が出ているわけです。 〔竹内(黎)委員長代理退席、戸井田委員長 代理着席〕 先ほど申しました「婦人労働の実情」これを見ますと、この統計から計算してみますと、女子のパートと女子の正社員の一時間当たりの賃金を比較しますと、パートは正社員の六六・四%だ。これはおたくの調査で、賃金が低いということがはっきり出ているわけですね。それから、この賃金というのは高卒の正社員の初任給ですが、この人たちの八六%という低さなんです。ですから、パート労働者、これは主婦が非常に多いわけですので、三十歳、四十歳、五十歳という人たちが、十八歳の女子の正社員の労働者の初任給の八六%という低い賃金で働いているということは、おたくの調査ではっきりと出ているわけです。こういう余りにもひどい低賃金の労働者の数がどんどんふえていって、そして正社員の方の数が減っているということはゆゆしき問題ではないかというふうに思います。 それで大臣にお聞きしたいわけですけれども、常時十人以上の労働者を雇用している事業主は、就業規則を行政官庁に届ける義務があるということですね。そうすると、パートといえども、労働者であるわけですから、この労働基準法が適用されるのは当然だと思います。そうですね。
○岩崎政府委員 いま御指摘のとおり、十人以上の企業については就業規則をつくらなければならぬ。その就業規則の適用範囲につきましては、その就業規則自体どのような規定の仕方をしているか、あるいはその事業場の慣行がどうなっているかということによって異なりますが、原則としては、全労働者に何らかの形で適用される就業規則が作成されるべきであるということは当然のことでございます。
○田中(美)委員 ですから、パートといえども労働基準法が適用されるわけですね。この労働基準法に基づいて就業規則というものが労使の話し合いや何かの間でつくられていくわけですね。そうしますと、この就業規則がパート用がない場合には、いまつくられている事業所の就業規則、言葉をかえれば正社員用と言うか、そのつもりでしょうね、正社員用のつもりの就業規則がパートに適用されるということになりますね。そこをはっきりしてください。
○岩崎政府委員 いま申し上げたのですが、一般従業員の就業の準則という形で定められているということで、特にパートについては決めてないという場合に、一般従業員について規定されております規定が直ちにパートにもそのまま全面的に適用になるかと申しますと、そこに就業形態その他について異なることがあるわけでございますから、その規定の趣旨あるいはその事業場における雇用慣行その他の労使慣行、そういうものによりまして適用の有無について考えなければならないと思います。
○田中(美)委員 それはおかしいじゃないですか。就業規則が一つしがなければ、就業規則のない労働者が存在するということはおかしいわけでしょう。ですから、その就業規則を適用させたくないならばパート用の就業規則というのをつくらなければ、就業規則のない労働者がいるということは労働基準法違反じゃないですか。簡単に答えてください、くなりくなりやらないで、はっきりと。
○小粥説明員 従業員の全部について適用される就業規則を決めていなくて、一部に適用される就業規則にしかなっていない場合、これは残された適用されない労働者が存在する分について、基準法上の就業規則作成の義務に違反するという形での法違反の問題が出てまいります。その場合に、したがって一部の人間には適用されないけれども、その場合、じゃ一般従業員について決めてある就業規則が当然に、たとえばそのパートの人に適用になるかという点については、先ほど局長がお答え申したとおりでございます。
○田中(美)委員 そんなおかしいことはないじゃないですか。これは判例でもちゃんと出ていますよ。御存じでしょうか。これは昭和二十四年に日本油脂事件というので、東京地裁で、パート用、臨時用の就業規則がない場合、これは労働基準法違反をしているわけでしょう。それをそのままにしておいて、その人たちは就業規則も何もないということはおかしいじゃないですか。なければ、そこの会社にある就業規則に適用されるということは、裁判所でも判決が出ています。 これは昭和四十一年です。これも横浜地裁で、日本ビクター事件というので、やはりそれは適用されるんだとなっているわけですね。ですから適用されないというならば、それはパート用の、臨時用の就業規則がなければならないわけじゃないですか。その法律違反をしている。もうしているんだから、この労働者には何も就業規則なんてなくてもいいんだ、そんなことが日本であるはずがないじゃないですか、法治国家で。その会社にある就業規則にいくはずじゃないですか。
○岩崎政府委員 いま御指摘のように、一般従業員についてだけしか、常時の雇用労働者についてだけしか適用されないだろうと思われる就業規則があって、そしてパートタイマーが現におられる。しかし、パートタイマーについては、たとえば一日に四時間ないし五時間という個別の契約で就業しているというようなことは当然あり得るわけです。ですから、私どもはもちろん、そのパートタイマーについて適用されるべき就業規則が存在しなければならないということは、先ほど監督課長が申し上げたとおりなんですが、そういうような問題については、たとえば私ども監督指導の際あるいは申告がありますれば、当然その違反を指摘して是正をさせるという措置はとっておりますけれども、そういった欠缺の場合に、直ちにパートにまで、たとえば就労八時間というふうに決めてある就業規則がそのまま適用になるかどうかということになりますと、やはりその実態に即して考えなければならない点があると思います。
○田中(美)委員 それでは、就業規則の中には労基法の最低基準を満たしていなければならないですね。その上に、労使のいろいろな話し合いでいろいろなものが入っているわけですね。そうすると、先ほど労働基準法にパートも適用すると言っているわけですからね。そうすると、たとえば年次休暇のようなもの、こういうものは、一年間継続して全労働日の八割以上出勤している場合には最低六日間の有給休暇を与えるということになっていますね。すると、これはパートに適用されるわけですね。
○小粥説明員 基準法三十九条の年休に関する規定の適用について、パート労働者を当然に排除するという趣旨はございませんで、適用になるわけでございます。
○田中(美)委員 そうすると、その就業規則があろうとなかろうと、ないということはこれは違反ですからね。労基法違反ですからね。だから年休は六日あるということですね、パートの場合。そうしますと、この一年間継続している場合ということですけれども、二カ月でやめさせて、またその次雇って二カ月、また雇って二カ月と、それで一年間続いている場合には、これはやはり一年間継続とみなしていいわけですね。そうすると六日間の有給休暇があるということですね、一年間勤めれば。
○小粥説明員 基準法三十九条には年休取得の要件がいろいろ書いてございますから、その要件を満たす限りにおいて、パート労働者といえども年休の規定の適用がある場合がございます。ただ、いろいろな要件がございますから、その要件を満たさない場合は、これは当然適用がなくなる場合もございますけれども、そういう意味で申し上げたわけでございます。
○田中(美)委員 その要件というのは、継続して一年間勤務し、決められた労働日、それの八割を出勤していればいいわけですね。もう一度確認します。いいですね。——お早く願います。
○小粥説明員 お答えいたします。 基準法三十九条に「全労働日の八割」ということがございますので、その八割を出勤している場合に、パートタイマーにも年休の規定の適用があるということは御指摘のとおりでございます。その場合パートについて全労働日をどう見るかといったような問題は、具体的には個々にございますけれども、適用の有無についてはそういうことでございます。
○田中(美)委員 わかりました。労働省のコンメンタールにもはっきりと「契約した日数の八割」というふうに書いてありますので、有給休暇が六日間いただけるということがいまはっきりしたと思います。現実にはこれがなかなか行われていないわけですからね。ですから、もうちょっと労働省がきちっとこういうのは徹底するようにしてほしいと思うのです。十八歳の高校卒の賃金以下で働いている四十、五十のおばさんが、年休を一日ももらえないというようなことが実際に起きておるということは、労働基準法違反だというふうに思いますので、そういう御指導をきっちりしていただきたいと思います。 それから、先ほど就業規則の問題で少し意見の相違があるように思ったわけですけれども、この就業規則をつくって、これを届け出る義務があるわけですね。そのときに、労働者全体の意見が反映するためには労働者の過半数の代表の意見をつけなければいけないというふうになっておりますね。そのときの過半数というのは何を言っているわけですか。何の過半数なんですか。
○小粥説明員 その事業場で労働基準法の適用を受ける全労働者の過半数ということでございます。
○田中(美)委員 そうしますと、パートも適用を受けるわけですから、社員とパートを全部合わせたものの過半数ということですね。
○小粥説明員 一般従業員とパートと二つのグループの従業員しかいない場合であれば、御指摘のとおり両方合わせた数の過半数ということでございます。
○田中(美)委員 そうすると、特別の例をちょっとお聞きします。 たとえばレストランあさくまというところがあるのですけれども、ここでは正社員が百人、パートが二千人もいるのです。こういう場合には過半数は千五十一人、その数だけ代表すればいいということになりますね。だから、この場合にはパートの声も反映されるわけです。 しかしこういう場合があります。千人正社員がいてパートの方が二百人いる。こういう場合には過半数といいますと、千二百人の過半数ですから、六百一人でいいわけでしょう。これの代表者であればいいわけですね。そうしますと、正社員千人の中の六百一人の代表者ということにもしすれば、二百人のパートの意見というのは事実上全く反映されないということになるわけですね。その違いはわかりますね。 それから今度は、先ほどの別々に就業規則をつくるという場合がありますね。そうしますと一この別々につくるパート用の就業規則というものも、やはりいまの例で言えば千二百人の過半数でやらなければならないわけですね。そうしますと、パート用の就業規則でさえ、正社員六百一名の代表者でもってできるということもあり得ますね。そうしますと、会社の正社員用の就業規則も正社員六百一名だけでつくるし、パート用の就業規則も正社員六百一名のでつくるしということになれば、パート二百名というのは、何かできても自分の意見は何にも反映されないということになるのですけれども、この過半数の解釈の仕方です。おかしいと思いませんか。それで、いまのようにパートがどんどんふえて、あさくまのように正社員が百人しかいないのにパートが二千人いるというような、こういうふうになってくるわけですから、情勢が来ているわけですから。 いまのは極端な例ですけれども、やはり過半数というのは、正社員の過半数とパートの過半数と合わせたものが全体の過半数になる、こういう解釈をすることができるんじゃないかと思うのですけれども、いかがなものでしょうか。
○小粥説明員 基準法八十九条での就業規則に関する定めは、元来、いろいろなグループの労働者についてそれぞれ個別に規則をつくるということを必ずしも当然の前提にはしていないわけでございます。これは決め方次第で、たとえば一つの就業規則の中に正社員についてはこう、あるいはパートについてはこうというふうに書き分けることもできるわけでございます。むしろそうした姿の方を一つの前提に置いていると考えてもよろしいかと思うのですけれども、したがって、まとまった一つの就業規則に対して労働者の意見を聞く場合は、過半数という場合はなべて全労働者の過半数というとらえ方をいたしておるわけでございます。したがって、実際の適用に当たって、確かに規則を別々につくるとなりますと、それぞれの規則が適用されるグループの労働者の過半数ごとに数を合わせるという考え方もあり得ようかと思いますけれども、最初に申し上げたように、一つの就業規則という考え方に立っておりますので、したがって、労働者の過半数の解釈は、全体の過半数という解釈をとっているわけでございます。
○田中(美)委員 とっていることに矛盾があるから、私は聞いているわけですよ。私の言うことがおかしいというのなら、どこがおかしいと言ってほしい。おたくのとっている考え方がおかしいから私が指摘しているので、どうとっているかということを聞いているんじゃないですからね。ちゃんとかみ合った回答をしてほしいと思うんですね。私は何も二本つくれとか一本つくれとかということは言っていません。先ほど言ったように、就業規則がパートが入っていない場合には労基法違反なわけでしょう。ですから、一本にしようと二本にしようと、パートの意見が入らなければならないわけでしょう。ここは結局、就業規則をつくるということは、全労働者の意見を入れるためにやっているのですから、別々につくろうと一本つくろうと、やはり正社員の過半数とパートの過半数と、これを合わせて全体の過半数というふうに解釈をしないと——正社員だけの事業所で、そして過半数の労働組合を持っているところは文句ありませんよね。しかし、いま現状が変わりつつあるわけです。パートがどんどん多くなっているわけです。この人たちの意見が全然反映されないということでは困るので、ですから、過半数ということは何の過半数だということは書いてないわけですから、現状に見合ったように、パートがたくさんふえているところの事業所では、正社員の過半数とパートの過半数と合わせたものが全体の過半数になって、その代表者の意見がつけられるというふうにすれば、現状に合ったものになり、パートの意見が一応反映されるという形式をとれるわけです。ですから、こう解釈できないかと聞いているのです。できないならできないと、あなたがどう考えているかと聞いているんじゃないので、できるかできないかと聞いているのですから。局長お答え願います。
○岩崎政府委員 法律の規定の限度で私ども解釈せざるを得ないわけですが、いまおっしゃる御趣旨は、実態に即して考えますと非常によくわかります。ただ、法律に違反するということは同時に罰則を伴いますので、そこのところは望ましい姿を指導していくということはできるにしても、違反であるか違反でないかということになりますと、先ほど監督課長が申し上げたように法律違反−先ほどのように、パートを入れないでこちらだけで過半数というような意見を聞いただけでは違反ではないかということになりますと、これは違反とまでは解釈できない、こういうことだと思います。
○田中(美)委員 ちょっとおかしい。私の言ったのは、最初に言ったのは、就業規則のない労働者がいるということは労働基準法違反ですねと。これは先ほどお認めになった。それとは違うのですね。ですから、いまおっしゃったように、これを両方の過半数ずつにするという解釈というものを指導してくれと、こう言っているのです。パートがどんどんふえているのですから。過半数のことをいま言っているのですよ。だから、私は法律違反だなんて言っていませんよ。法律では過半数と言っているのですから、この過半数の解釈を、パートがふえたところは両方の過半数でやっていくように指導してくれと、こう言っているわけです。わかりましたか。
○小粥説明員 先生のおっしゃるのは、パートがふえた実態に合わせて過半数の解釈もこういうふうに考えて指導すべきじゃないかという御指摘だろうと思うのですが、冒頭に申し上げましたとおりに、本来、就業規則は個々の従来員と会社との間に結ばれる契約を統一的に処理しようということで制度化されているものでございますから、したがって、本来でしたら一本にまとまった就業規則というのが好ましい。もちろん、その中での労働者の勤務の実態に応じた書き分けが必要になると思いますけれども、元来はそういう一本という考え方で法律の考え方も立てられている、こういうふうに考えておりますので、これを別々に分けて考えるということはむしろおかしいのじゃないかというふうに考えております。
○田中(美)委員 結構です。あなたは実情を全然考えようとしないのですよ。私は何も二本つくれとは言ってないでしょう。一本でいい。一本でいいけれども、全労働者の意見が反映するためには、パートの方が全然抜けているじゃないかと、千人と二百人の場合は抜けているじゃないかということを言っているのです。それを理解しようとしない労働省の姿勢が、このようなパートを放置しているのですよ。いまの回答の中にはっきりと労働省の姿勢が出ているのですよ。低賃金労働者を切り捨てていくような、そういう姿勢が出ていると思うのです。大臣、しっかり聞いていてほしいと思うのです。 次に移りますけれども、つながっているのです。いま新聞などにも出ておりますように、パートは三人に一人の時代が二人に一人の時代になってきていると、こう言っているのです。ということは、労働者の半分がパートになってきているのですよ。そのパートの意見を反映させるということさえ、労働省は言を左右にしてやろうとはしない。それぐらいのことは法律を改正しなくったって、指導でできることじゃないですか。私はそういう姿勢が間違っていると思うのです。五十三年の、去年の日経流通新聞の調査によりますと、ちょっと読み上げてみます、ほんのわずかですけれども。たとえばいづみやというスーパー、これは五四・八%がパートですよ。稲毛屋は六〇・九%がパート。オーケーというところは五六・一%。カスミストアーは五七・一%。メモでもしたらどうですか、こんなにいっぱいあるのですから。覚えられないでしょう。サニーマートは五五・七%。千葉薬品は五九・六%。マルフジフードは六五・三%。これは高いところをいま引き出しました。この赤線の引いてあるところがそうですね。あとはほとんど四〇%台ですよ。これは「日本の小売業調査」というのですね。ここまでパートの数がふえているということは、これは望ましいことではないし、先ほどのような低賃金労働者になっていくわけですからね。その中で、三越、高島屋、大丸など大手の百貨店でも確実にパートの切りかえが進んでいる。正社員をやめてパートが進んでいる。 中日新聞が去年の十二月十六日、去年の末ですね、企業戦略というのを報道しているのです。これによりますと、スーパーユニーは現在三五%パートだけれども、数年先には五〇%にまで持っていくという目標を掲げている。スーパーヤマナカは、社員がいま六百四十人いる。パートが九百人いる。これを八時間労働に換算してみますと四三%になる。これを五〇%にまで持っていく、こういう戦略を立てているわけです。ですから、どんどん二人に一人の時代になってきているわけです。それからもう一つの、先ほど言いましたあさくまなんというのは百対二千でしょう。つまり二十倍もパートがいるんです。このパートの意見をどうするか。反映させるということぐらいは指導でもってできないはずはないでしょう。その上に、これは産業労働調査所の調査ですけれども、ミツミ電機というところがあります。ここは三年間に正社員を減らしてパートをふやしているんですけれども、この数を見てみますと、七五年の一月には六百六十四名正社員がいまして、パートがゼロだったんです。大臣、よく聞いててくださいよ。そうしたところが、七八年には正社員が四百三十七名になってしまったわけです。そしてパートは二百十名ふやしているわけです。ということは、正社員を二百二十七名減らしてパートを二百十名ふやしているということなんです。このパートというのはほとんど六時間、七時間のパートですよ。そして職員の数はほとんど変わらない。こういうふうに、正社員を減らしてパートをふやしているという極端なところさえ出ているんですね。ですから、これに対する何らかの歯どめをかけない限りは、あさくまのように二十倍もパートがいるというところが出てくるじゃないか。だから、まず就業規則をつくるときにこのパートの意見が反映されるような指導をしてほしいということが一点なんですね。これは大臣が答えていただきたい。その指導をしてほしい。こんな指導は簡単でしょう。通達を出して、なるべくそうしなさいということですね。なぜこういうことを言うかというと、パートの意見がちゃんと反映されれば、就業規則というのがあるんだ、労働基準法というのがあるんだということの労働者としての自覚もできるわけですね。それぐらいのことは労働省がしたっていいじゃないですか。むずかしいことを言っているわけじゃないんですね。 それから先ほどの電機労連の調査によりましても、パートの中の六〇%が本採用にしてほしい、正社員にしてほしい、こう言っているわけですね。ですから、何年も何年もパート、十年も十五年も臨時で働く人がいるんですから、やはりこういう人たちを本採用、正社員にしていく道、こういうものを労働省がもうちょっとちゃんと指導していただきたい。この二点を私はいまお願いしているわけです。労働大臣の決意と具体的にどういうことをするか、たとえば各地方の基準局なり何なりに通達を出して、そしてそういう指導ができるようなことをしてほしい。何も法律に違反しているとかしてないとか言っているんじゃないんです。指導をしてほしい。そうしないと、極端に言えばたった一人の従業員、正社員で、あと全部パートという企業が出てくるじゃないか。だからそれに何らかの歯どめをかけてほしい、こういうふうに言っているんです。大臣答えていただきたい。
○岩崎政府委員 先生御指摘のように、確かにスーパーマーケットとかあるいは外食産業とか、そういうところにパートが非常に多くなっているということは承知しております。そしてその方々の労働時間というのは、大体四時間から六時間、七時間というようにフルタイムでないわけでございます。ただ、そういった業体は開店時間が非常に長くて、お客の繁閑などがありますので、パートでもってそこをうまく時間帯をやっていくというような実情があるようにも聞いておりますし、それに対応する、特に主婦のパートタイマー希望者というのも、たとえば家事の合い間にと申し上げてはいけないのかもしれませんが、あるいは育児、教育にかかるのでフルタイマーではできないというような希望と合って、それでパートが非常に多くなっているという面もあろうかと思います。 ただ私どもも、確かに現在そういう問題が相当広がってきておりますので、実態調査を早急にいたしまして、そうしてそれに対応して検討していきたいということで、いま作業を実際に進めておるところでございますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと思います。
○栗原国務大臣 いま局長からお話がございましたが、パートが非常にふえておるという実態は私もよくわかります。ただ、パートがふえるというそれをどういうふうに解釈するかというのは、人によっていろいろ違うと思います。それはさておきまして、正直言ってこのパートに対する実態調査というものがわれわれとして必ずしも十分でないと思うのです。そういう点で実態をよくわきまえまして、対処申し上げたい、こう考えます。
○田中(美)委員 先ほど局長が言われましたように、主婦でパートがいいという人もいるわけです。ですからこの電機労連の調査では、四〇%はパートでいいと言っているわけですね。六〇%が本採用になりたいと言っている。ですから私は、この六〇%については、全部要求どおり正社員にとこう言っているんではなくて、どんどんふえるということは問題だから——パートがいけないとは言ってないのです。パートが好きな人はパートでいいんだ。しかしその中で本採用、もう事実上ミツミ電機のように六時間も七時間も働いている、そういうパートはやっぱり本採用にする道をつくってほしい、こういう指導をしてほしい。 それで、先ほどおっしゃいましたけれども、今度五十四年度に第三次産業の調査をやりますね。三万事業所ですかの調査をやりますね。その中に、いろいろこういう新聞やいろんなところが調査をしているにもかかわらず国がやっていないというのは、いま局長がおっしゃったようにおたくは怠慢だと思うのですね。ですから、今度の三万事業所の調査の中にこのパートの調査を入れてほしい。ここでやってほしい。そうしないと、やります、やりますでいつになるかわからないんで、これでやってほしいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○中谷説明員 来年度予算で第三次産業の雇用実態調査というものを予定しておりますけれども、第三次産業は御承知のようにパートタイマーが非常に多い業種でございますので、パートの数、比率あるいは労働条件についても調べるような方向で検討しております。
○戸井田委員長代理 田中委員、結論を急いでください。質疑時間が済んでいますから結論を急いでください。
○田中(美)委員 もうこれで終わりますので。 検討でなくて、きっちりと入れていただきたい。いま調査をすると言われたんですが、入れていただきたい。その回答をいただきたいと思います。
○中谷説明員 その方向で調査を実施いたしたいと思います。
○田中(美)委員 じゃ、質問を終わります。
○戸井田委員長代理 次に、工藤君。 〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕
○工藤(晃)委員(新自) 大臣、大変お疲れのところ恐縮ですが、私が最後ですからもうしばらくお願いをいたします。 きょうは日本の労働行政の基本的な質問から入らしていただきたいと思うのですが、非常に低成長であり、産業構造の変化に伴う産業の質的転換を急いでやっていかなければならない。一方では高齢化社会が急激に訪れてまいっております。ヨーロッパ先進国では百年から百五十年という長い成熟期間を経て高齢化社会が参っておりますが、日本の場合にはその三分の一ぐらいの速さでいま訪れようとしている。そこに雇用の問題は大変深刻な影を投げかけているわけでございます。もちろん構造不況とはいえ、世界の不況のあらしの中にすべてが埋没され、そして不況感が非常に国民の中には強く浸透をしている、そういう中で、どのような形で今後日本が進んでいけばいいかという問題は大変むずかしい問題であり、産業構造の変化とそれから完全雇用という全く相入れない矛盾した、非常にむずかしい、調整のとりにくいこういう問題を一緒に抱えている、こういうことから、この雇用問題は大変重要な政策の一つになってまいりました。 そこで大臣に、こういう問題を踏まえてどのような今後の対応をなさろうとしているのか、基本的なお考えをまずお伺いさせていただきたいと思います。
○栗原国務大臣 労働情勢が非常に厳しい、雇用情勢が非常に厳しいということについては、私も胸を痛めておる一人でございますが、雇用を拡大をする、雇用を増大するために何が一番基本的なものかというと、やはりマクロ的に見ますと経済成長だと思うのです。経済成長率を五十四年度六・三%というふうに政府は考えておるわけでございますけれども、労働省といたしましても、この予算を組むに当たりまして高目の経済成長率ということで努力をした結果でございます。 しかし、マクロだけの経済成長ですべてが、いまの雇用情勢、失業情勢というものを解決できるかというとできない。それは構造不況業種などにつきましては、幾ら成長率をよくしましてもなかなかそういうものは日が当たっていかない。だから、そういう構造変革に伴うような産業をまた喚起しなければならない。いま二次産業、三次産業、四次産業、五次産業といろいろ言いますけれども、私は基本的には二次産業に対してさらに活力ある働きをしてもらう、そのために政府全体として民間の方々にも御協力をいただく、そういう態度が必要ではないかと思うのです。 それと同時に、政府部門でやれるものは何かということを考えますと、御案内のとおり第三次産業の中で、生活・福祉とかあるいは医療・保健とか教育・情報とか、そういった部門に対して公私にわたって、特に公の部門でそういうものを拡大していこうじゃないか。だから、労働省だけでできるものではない、各省一体となって、公共事業を初めとしてそういうものにも前進をしていかなければならない。 それから同時に、民間の企業に活力をフルに出してもらう。そのためにどこに焦点を置くかということになりますと、やはりいま失業情勢の中で一番深刻なのが中高年齢者でございますので、この中高年齢者を抱えて企業が仕事を興してもらう、やってもらうという場合には、この中高年齢者を対象として思い切った政策的な措置を講じようということで、いま予算案として議員の皆さんの御審議を煩わしておる、そういうような問題これで対処していきたい。 そのほか、週休二日制とかあるいは時間短縮とか、長期的に見まして福祉のみならず雇用の拡大につながるような問題につきましても、積極的にやっていかなければならない。 一言で申し上げますと、労働省だけでできるものじゃない、政府だけでできるものじゃない、民間の方々の活力を利用して大いにやっていかなければならぬ。それで、そのために私どもが英知を結集する必要がありますので、その国民各界各層の英知を結集して、新たな雇用を創出できるような仕組みというものを考えたらどうだ、そのために、政府といたしましては雇用問題政策会議というところでそういう機能を果たしていきたい、こう考えておるわけでございます。
○工藤(晃)委員(新自) それだけの大臣の御説明では、果たして日本の将来に安定した雇用が獲得できるのかどうか、ちょっと疑問な感じがいたします。ということは、先ほど大臣もおっしゃいましたように経済成長六・三%を確保しなければならぬ、確かにそれはそうなんだけれども、しかしながら一方において、産業構造の変化に伴うそのどうにもならない業態をどう転換するかという、こういう問題を抱えているので、経済成長だけに頼れないということ、まことにそのとおりでございまして、そうなると産業構造の転換というのは、言うはやすく行うは大変むずかしい問題だろうと思うのです。 と申しますのは、たとえば昭和四十年に同じような、いまのような類似した産業構造の変化に伴う不況がございました。そのときにはたとえば石炭産業とかあるいは黄麻とか、その他数え上げれば切りがないのですが、そういう産業構造の変化に伴う不況感が出てまいりましたけれども、その転換を図るために非常に政府もそのときは苦労された。ところが、そういう業態の中で、たとえば石炭産業もこれは完全な斜陽になってしまう。福岡においては生活保護の適用者が他の県に比べて非常に極端に多いという実態がいまでもあります。これはその前身は炭鉱労働者が非常に多いわけで、そうすると、産業構造の変化に伴って転換をするのだと言っても、実態は、あれから十数年たちましてもいまだにそのつめ跡を大きく国民の中に残している、こういう実態があります。ですから一言で言って、産業構造の転換を行うことによって雇用を創出するのだという、こういう考え方は、非常に言葉の上のあやのように聞こえて仕方がないのです。 そこで、そういう長い年月で徐々に円満に転換をしていかなければ、その雇用の問題は大変危険な状態に追い込まれるわけですから、たとえば省エネルギー政策とか、あるいは知識集約型産業だとか、あるいは国際分業論だとか、当面する問題解決のためにいろいろな意見が出ておりますけれども、そのどれを取り上げてもやはりそれなりの苦労と努力と、それから長期にわたるたゆまない継続がなされなければ、そういう言葉の結果にはならない。 そうすると一方では、そういうふうな問題を抱えて長期の雇用対策を考えなければならない。しかしながら一方では、あっという間に平均年齢は、いまから十五年たちますと、いま七十五歳の平均寿命が八十歳まで延びると言われている。そうするとまたそこで高齢者の雇用問題が大きくクローズアップされてくる。そうすると、一方では産業構造の転換を図るために長い年月をかけなければならないし、一方では大急ぎで長寿社会、高齢化社会が来てしまう、このギャップをどのように埋めるかということが大変大きな問題であり、そこら辺に、いま大臣がおっしゃいましたようなお答えでは果たしてそのギャップを埋めることが可能なのかどうか、大変私は疑問に思うわけでございます。 そこで、できるだけ社会にショックを与えないような形で職業転換がスムーズに円滑に図られるということが大事なことであって、新しい雇用を創出するということは、いまの段階、低成長の将来の見通しにおいても景気の回復というのは大変暇がかかるのじゃないか、あるいは低成長時代にもう入ってしまっているんだから、高度成長のような期待は持てない、こういう見込みを大多数の方がしておる現状においては、やはり新しい分野の雇用をどんどん開発し創出していくということには大変むずかしいいまのような問題がありますから、さしあたりは、やはり現在長い間続いております百二十万前後の完全失業者をいかに救済していくかという当面の緊急課題を解決しながら、高齢化社会の問題を抱えた中高年齢層の雇用対策というものもあわせて考えていかなければならない。こういう大変困難なことであろうと思いますけれども、しかしながら、これは国民のすべてが不安な日々を送っているわけでございまして、先行き見込みも大変暗い、こういう実感を生活の実感として持っているわけであります。そういう時代に一方では、国民の側から見れば、高齢化社会というものに対応するためにいかに健康を守っていくか、この健康の保障と生活の保障というものと生きがいというような三つの条件をどのように対応させてくれるのかということが、国民の切なる願いだろうと思います。そういう意味においては、一方で健康社会の創出という問題も考えなければいけないし、片一方では、いま申し上げたような非常にむずかしい問題をあわせて解決しながら雇用の創出をしていく、こういうことになろうかと思います。 そこで日本の場合に、こういう構造不況、これはほとんど製造業ですから、そういう第二次産業から第三次産業への雇用の円滑な移動というものが、今後とも大きな政治の課題になると思うのです。それを一つ誤りますと、今度は第三次産業の中の平衡感覚がなくなってしまう。それによって過当競争が起き、またそこで失業問題が新たな分野で起きてくる、こういう状況に入る危険性を多分に持っている。しかしながら、一方ではこの第三次産業への雇用の移転というものが実際に数字の上でもはっきりと出ている。こういう現状でございます。 そこで、労働行政の本年度の予算の概要を見ましても、雇用という問題は一番先に書いてあるし、最大の目玉であるし、また十万人の雇用創出という問題が労働省の目玉商品としてうたわれているわけですね。たとえば「停滞する雇用情勢に対応する雇用安定対策の強化」という項目の「緊急雇用対策の推進等」という項目の中で「雇用開発事業の創設」、これは予算から見ると、十万人雇用するために四百五十六億ぐらいの金を使うわけです。そうしますと一人頭幾らの金額かというと、四十五万円ちょっとの金をかけて十万人の雇用を創出しよう。しかしながら、この内容を見ますと、たとえば新たに雇用を創出してくれるような企業に対しては国がめんどうを見ます、賃金の二分の一とか三分の一を私どもが半年なり一年なりあるいは一年半なり見ましょうという形です。雇用の創出という意味が、私どもが言葉から受けるニュアンスというのは、何か新しい市場を開拓してそこへどんどん雇用が吸収されていくというふうな感じを大変受けやすいのだけれども、少なくともこの予算の方から見ますと、賃金を安く雇ってもらえるようにしますからどうか余分な人でも入れてくださいよという、あるいはそういうことによって賃金は安く使えるのだからでは一人余分に使おうという、非常にこそくな対策であるわけです。そういうふうに私は受け取っているわけなんです。病気で言えば応急対策とでも申しますか、カンフル剤の役目は果たせても、少なくとも根治療法にはつながらないのじゃないか。その間に、おてんとうさまが東から上って西へ落ちる間には景気も回復してくるだろうし、高度成長のようなこともまた夢よもう一度と来るかもしれない。それに期待をかけているならこういうやり方もいいと思うのです。しかしながら、日本の雇用の将来というのは大変厳しく、先ほどからるる申しましたような形で訪れてくるだろうとすれば、ことしの予算をいまから何年か続けている間にどうなるのかということについては、大変不安な感じがするわけでございます。 もう一点は、そういう雇用の実態というのは、こういうものが少なくとも第三次産業のどういうところへ流れていくのかということについての調査が、余り行われていないように思うわけです。そうしますと、この間の社労委でも大臣にちょっと申し上げたのだけれども、第三次産業への計画的な雇用の移転というものが行われなければ、閉鎖性水域における産業廃棄物を含むヘドロのたれ流しのようになってしまうのではないか。第三次産業の方でそれが沈でんしたまったときには、これは大変困った状態になってしまうのではないかと思う。そういうことについてはどうかひとつ十分御勘案を、願いたいということを申したのですが、やはりきょうもその問題についてもう少し各論的にお話しをしてみたい、こう思うのです。 そういうことで、大臣に最初に基本的な姿勢をお問い申し上げたわけで、いまから御質問申し上げるのは、そういう今後の困難な状況の中で、第二次産業から第三次産業への雇用の移転というものについて、どのように政府はそれを移転されようとしているのか、そういった点についての御見解を承りたいと思います。
○細野政府委員 二次産業から三次産業への労働力人口の移動の実態でございますが、この関係につきましては、労働省は雇用動向調査という調査を実施しておりまして、毎年上半期及び一年間全体と両方の調査結果を発表しております。 それによりますと、二次産業から離職あるいは退職した方がそれぞれどの産業に再就職したか、こういう結果がわかるようになっているわけでございますが、二次産業へ約六割、三次産業に約四割ということで、二次産業からの離退職者については、一般に言われておりますのに比べまして、意外に二次産業そのものにもう一遍再就職している方の比率が多いわけであります。ただし、先生の御指摘のように、最近は三次産業へ行く離職者も増加をしてきておりまして、こういう移動を円滑にするための援助措置が必要だという点については、御指摘のとおりだというふうに考えるわけであります。 なお構造不況業種だけに限って見まして、しかも全体の離退職者、つまり一般の自己都合退職者等がどこへ行ったかということはちょっとわかりかねるのですが、いわゆる特定不況業種離職者臨時措置法の手帳の発給対象になった方については、その行き先がわかるわけでございます。その行き先を見ますと、五十三年に安定所を通じまして再就職した人の統計でございますけれども、製造業に就職した人はやはり六割、建設、卸・小売、サービスなどがそれぞれ約一割、ここでもやはり製造業から製造業へという方が非常に多いわけでありまして、そういう意味で、いわゆる合理化離職者等につきましては、仕事の経験等から再び同じ業種へ就業を希望する方が多いという実態もございますので、やはり全般的に景気回復をして、製造業での雇用需要の増加を図ることが基本的には必要だというふうに感じているわけでございます。
○工藤(晃)委員(新自) 過去のデータはそういうふうなものを指しておりますけれども、そういう形態というのは今後とも存続されていくのか、そういう数字はこれからどんどん変わっていくのか、どのようにお考えになりますか。
○細野政府委員 先ほども触れましたように、最近三次への移動の割合が、全般の割合としてはさっき申し上げたとおりですけれども、だんだん三次の方が高まってきているという傾向がございまして、将来におきましてはやはり大きく雇用増が期待できるのは三次産業であって、二次産業で大きく伸びることを期待するのは産業全体としてはなかなかむずかしいという状況をあわせ勘案しますと、やはり三次産業への労働移動がだんだんふえていくというふうに見るべきだと考えております。
○工藤(晃)委員(新自) 「就業構造の国際比較産業別構成」というデータを見ますと、一九七七年の日本の第三次産業の全産業に占めるパーセントは五三・三、こういう数字になっております。アメリカが第三次産業が六九・六、イギリスが五八・四、フランスが五一・九、西ドイツが四七・八、イタリアが四一・一、こういう数字になっております。これから見ますと、日本も相当なところまで第三次産業への人口移動が進んできているのじゃないか。実際にそういう人口比率を見ていっても、そういう点において、まだまだ第三次産業で収容ベースはたくさんありますよ、何ぼでも流れてきてくださいよと言えるほど、私はこの数字を見てから将来を展望した場合に、そんなに雇用の受けざらが大きい、パイが大きいというふうには思えない。そこにも第三次産業の抱える問題がある。いまは第二次産業の中の製造業で大きな問題を提起しているけれども、これから時間がずれたら、今度は第三次産業の中でそういう問題が起きてくる。そういう可能性を多分に持っているし、第三次産業の中で特にサービス業を中心とした場合には、このサービス業の実態というのは、過当競争というものがあって非常に危険な業体が多い。どこの中でもありますけれども、特にサービス業というのは過当競争に陥りやすい。そういう傾向を持っているところでございますから、そういうところへ十分適正配置的な移動をいまから考慮していかなければ、そういういま申し上げたような第三次産業の中での混乱が今度は起きてくる。そういう順番にまたなってくるのじゃないか。そうすると今度は、第二次産業の受けざらが第三次産業であり、第三次産業の受けざらが一体どこへ行くのかということになってくると、その中では、昭和四十年のときの炭鉱の問題を一つ取り上げてみても何か予知でき得るわけであって、生活保護世帯への転落ということも十分考えられてくる、そういうふうに心配しております。すべての第三次産業がそうだというわけじゃございませんので、その点は、業種によってはそういうところへ非常に危険な歩みを続けていくのじゃないか、こういう心配をしているわけでございます。 そういう関連の中から、第三次産業の中で、特にサービス部門の零細企業の集団である環衛業という業種がございますけれども、環衛十七団体の中に含まれてくるような、業態は大変零細であり、資本力はなく、そしてまた過当競争、供給過剰という状況の中にこれが追い込まれている。現在でもそういう状態の中に追い込まれているわけです。しかしながら一方では、高齢化社会で、定年退職五十五歳後の非常に健康なお年寄りがふえてくる、あるいは御婦人のパートタイムも先ほど問題になっておりましたけれども、パートタイムという問題も含めて雇用希望者が非常に増大していくということになりますと、今度はそういう人たちが第二の人生を開くために、自分の退職金を持って最もとっつきやすい業種への職業転換をみずから図っていく。こういう可能性もいま現在あるわけで、たとえばそれが料理飲食だとか喫茶店だとかいうふうな、わりと簡単に小資本で職業転換ができるようなところへ、なけなしの自分の老後の生活資金を投入してしまう、そしてそこで過当競争の中からお互いに沈没してしまって、今度はさあどこへ自分の生活の糧を求めようかといったときには、やはりその先は生活保護へ行く可能性が非常に強いのじゃないかということを考えますと、一方において中高年齢層の雇用の問題は大事であると同時に、そういう方々がそういう形で第三次産業へ流入していかないように、やはり正しい、収容力のあるそういうエネルギーを持ったところへうまく誘導してあげるような政策というものが、一方においてはいまとられていかなければならないのではないか。そういうプロジェクトを組んで、そういう方々へのきめの細かい懇切丁寧な指導というものがやはりいまこそ望まれているのじゃないか、こう思うのですね。 それからもう一つは、雇用の創出というような言葉を使えば非常にきれいに聞こえるんだけれども、もっともっと事態は深刻であって、失業者をどう救済するかということの問題に現実は当面するわけですから、そういうときにやはり、完全雇用とかあるいは常雇用とかいうふうなシステムをより強化し、雇用条件を改善していかなければならぬということは、一方において労働条件の改善をしていくということは大事なことなんだけれども、しかし、急激に訪れてくるこういう対策に対して、そういうことばかりに逆に熱中していたら、そういうパートタイムによってでも今後の中高年齢層の雇用の解決の一助になるべきところも逆に見逃していく、こういう形が起きて、失業の救済にはつながっていかない部分も起きてくるであろうというように考えるわけです。そういう意味で、今度はパートタイムの問題を含めて勘案してみたいと思います。 そこで、どんどんパートタイムがふえていくという社会情勢の中には、そういう背景があってのことであろうというふうに考えるわけですが、そういうことについて、パートタイムという雇用機構というかパートタイム形態というか、そういう雇用の問題について労働省は現在どのように取り組んでおられるのかをお聞きしたい、こう思います。
○細野政府委員 パートタイムの雇用形態につきましては、先ほども御議論がございましたように、現実に行われている形にはいろいろな問題があるわけでございます。しかしながら、一方におきまして、先生も御指摘のように、三次産業のウエートが今後産業構造としてもだんだん増加をしていくだろう。それから一方、これも御指摘ございましたけれども、高年齢化というものが進んでいくだろうというふうなことを勘案いたしますと、その二つの結びつきの形としてパートタイムのような形というものも、需要供給両方の面からの必要性というものもまた出てくるというのも、これもまた一面の現実ではなかろうかと思うわけでございまして、そういう意味で、それぞれの産業におきまする雇用の実態とか労働者のそれぞれの属性から見ましたいろいろな要望というようなものに対応いたしまして、それぞれきめ細かな雇用対策を進めていくということが必要なんじゃなかろうかというふうに考えているわけでございまして、そういう意味でパートそのものを、そういう実態に即した合理的な形で運用されること自体は望ましいことではなかろうかというふうに考えているわけでございます。 そういう意味で、一律にこれは問題があるからだめだとか、あるいは無条件でこれは非常にいい形だというふうになかなか申し上げにくい点がございますが、いま申し上げましたような前提の上でこれが合理的に活用されることは、やはりいろいろな効用を持っているのではなかろうかと思っているわけでございます。
○工藤(晃)委員(新自) 私も全く同感でございまして、パートタイム形式というのは今後日本の雇用の一つの大きな流れになっていくだろう、こう思いますし、また当然であろうと思います。なぜならば、この高齢化社会に労働条件、八時間労働を肉体的にお年寄りに強いるということは、逆に言えば全くその人の体力を考えないことでございますから。やはりその人たちが、一方においては福祉の推進というか社会保障の推進による年金とかあるいは住宅絡みの年金制度とか、そういう福祉政策でお年寄りの老後の保障を片一方で図りながら、一方ではやはり、それじゃ年金だけでのんびりと二十年も遊んで食っていくのかということになると、それだけの余力は私は当分日本にはないと思いますから、当然そういう公園のベンチで朝から晩まで時間を費やすというのではなくて、自分なりの肉体的なあるいは精神的な労働条件に合ったところを見つけて社会に対応していくという時代が、当然好む好まざるによらず訪れてまいるはずでございます。ですから、もしそういうことが前提として考え得るならば、いまから早目にそういう問題に対する対応、パートタイム形態というものをより有効に社会に定着させていくという政策が必要であると同時に、そういうものがより円滑に機能していくという、そしてまた、それが社会の一つの形態として定着していけるようにしむけていくことが労働行政の中では十分考えていく必要がある問題であろう、こう考えますが、大臣いかがですか。
○栗原国務大臣 パートがだんだんふえてくるという傾向、これをどのように評価するかというのはいろいろの意見がございます。いま工藤さんのおっしゃられたようなことについては、労働省としてもそれなりの評価をしておりますが、最終的といいますかこれからの問題といたしましては、とにかくパートの実態を把握いたしまして適切な措置をとっていきたい、こう考えております。
○工藤(晃)委員(新自) そこで具体的な一つの提案を私はしてみたいと思うのです。たとえば、一つの提案をする前に例を挙げてみたいと思うのですが、クリーニング業なんです。 そうすると、一方では業界の中で、大きな企業とそれから生業という零細なクリーニング業との間に峻烈な過当競争が現在行われているわけです。そこへもってきて、職業転換とかあるいは業種の転換などを一方で推進する。そういう政府の政策を享受し得るのは、そういう小さな生業をしている人ではなくて大きく企業化した、まあ一例を挙げているのですが、クリーニング業界の中でも、そういう方々がそういう雇用の創出その他の恩典を受けやすい。そうするとなおさら過当競争を激化させるという結果になって、一方で二次産業の中で第三次産業への雇用の転出をスムーズにやろうとしながら、一方で業界の中で力のあるところへどんどんまた安い労働力を提供するという結果になってしまっては、大変危険なことになってしまいますから、一例をただいま挙げましたけれども、この十万人雇用創出ということも、こういうたとえば中小企業に対しては助成率を三分の二を五分の四にするとか、大企業の場合に二分の一を五分の三にするとか、あるいは中年齢者は六カ月を一年にするとか、高年齢者は一年を一年六カ月にするとか、こういう条件だけでたとえば雇用の創出をしようと思えば、一例を挙げての典型的な例ですけれども、クリーニング業界において、大きな業界はそれではそういう雇用をわれわれはどんどん吸収してもっとシェアを拡大しようではないか、こういうことがやりやすいわけです。ところが御主人と奥さんでクリーニングをやっておるようなところへは、人手が一人欲しいといってもなかなか来てくれない。しかしながら、こういう条件整備をしたところへ申し込んで来てもらうということはなかなか思いもつかないし、自分たちで手続もできない、こういう状況が生まれてまいろうと思います。そうすると、片一方で環衛法の一部改正によって、そういう過当競争の防止だとかあるいはまた、大きな資本力の差異が業界の中に混乱を起こさせることに対して、正しい競争の原理をそこに定着させようという形でつくられていながら、片一方でまたこういう対策がそういうものをどんどん破壊してしまうという、破壊しているというのじゃないのです、破壊してしまうというようなことが起きてしまったのでは、大変大きな問題をそこに提起することになりますので、こういうことについては十分配慮していかなければならないのじゃないかということを私は申し上げたいわけです。同時にまた、常用雇用だけに対して雇用の創出を考えるのではなくて、そういうパートタイムというような形式に対しても、雇用の創出をより円滑に受けざらをつくっていくということも必要であろうと思うし、それから環衛業の特性として、パートタイムという形式の雇用を生み出す余地はまだまだあるわけです。ですから、そういう意味においても、第三次産業の中におけるこういう環衛業というような特殊な業種の中では、パートタイム形式で雇用を受けざらとして受けていくということは大変有効な方法だし、また高齢化社会に対応するための一つの手段として前向きに検討する価値があるのではないか、こう考えているわけですが、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○細野政府委員 先生御指摘のように、過当競争の行われているところへ野放図に人の誘導を図っていくというのには問題があるのではなかろうかという御指摘は、まさにそのとおりでございまして、そういう点につきまして、そういう方向に労働力が流れていくことに対して安定機関等につきましても重大な関心を持ってこれは配意し、また行政上にそういう点を留意しながら進めなければいかぬというふうに考えております。 それから第三番目に、いま御指摘がございましたそういう三次産業関係のパート関係において、中高年の女子の方とかあるいは非常に高年の年金受給者等の方々の働く場として非常に適当ではなかろうかという御指摘についても、まさにそのとおりだというふうに考えるわけでございます。 ただ一点、念のために申し上げておきますと、今度の中高年齢者の雇用開発給付金につきましては、これはやはり中高年の男子世帯主が、最近の景気の回復に伴う求人の増加傾向にもかかわらず、こういう方々、つまり家族をしょい込み生活をしょっている方々の失業がなかなか解消されないという点に着目しまして、こういう方々が具体的に求人と結合するということをねらいにいたしておりますので、そういう意味では先ほどの、年金を受給する方々が単に金をもらうというだけではなくて、生きがい的に仕事をしていかれようという方々に対する対策とはまた趣が異なりまして、そういう意味で、開発給付金の対象というのはあくまでも常用雇用というものを対象にしてまいりたい。 それから、いま先生から御指摘のあったような年配の方々の生きがい的な職場については、また別途の対策として、そういう方々についての職業紹介を円滑にするとか、あるいは厚生省との連携を密にしてそういう方々の生きがいが実現できるようないろいろなきめの細かい施策を講じていくという、二つの方向で対処すべきものではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。
○工藤(晃)委員(新自) もちろんそのとおりでございまして、私もそれには異論がない。しかし、こういう問題も、雇用開発事業についても職安を通して雇用関係を結ばなければそういう制度の恩典を受けられないということになっていますが、私がちょうだいいたしました資料によりますと、全職業紹介の中で安定所を通すのは二〇・七%でございました。あと縁故が二六・一%、広告が二三%というような数字になっております。そうしますと、職業安定所を通さなければそういう国の制度の活用は受けられないということであれば、実際にそういうものの活用を受けられるということになってくると、そういう環衛業界のような零細な企業体は、いろいろな事務処理の書式を整えてそういうところへ申し込んで来てもらうというよりも、つい自分の店の先へ募集広告をして来てもらった人を雇ってしまう。そうすると、そういう業界こそ言えば一番国が対応してやらなければならないようなところが、逆にこういう制度の恩典を受けにくい。一方では、それはいい制度ができたから、おれのところの会社は過当競争のためにもっと人を入れて安い給料でうんと使えばシェアの拡大を図れるのじゃないかというような、言えば体質の強い人はそういうところへ申し込んでそういう雇用を創出していくという、先ほども申し上げたような形態を今後もとるのであろうという心配があります。ですから、私が申し上げたいのは、特にこういう不況下においては、過当競争で常に供給過剰の中でお互いにあえいでいる環衛業界の人たちへ、こういう雇用の創出をできるだけ活用させてあげるということが大事だと思うのです。だから常用雇用でも結構ですから、こういう職業安定所を通すという形態をもう少し一般化するというテクニックというか考え方が必要になってくるのじゃないか、そういう誘導をしてあげれば、みんなが喜ぶ一つの制度になって雇用も創出されれば、また受けざらの方でも、それを大変歓迎するということになってくる可能性がそこから起きてくるのじゃないか。 そこで私は提案を申し上げたいのは、今度は環衛法の一部改正法案ができました。それで、その中に環衛指導センターというものを設けて営業の指導をしたり、あるいは共同の事業活動を円滑にしたりというふうな、これはリードするシステムですが、そういうところで、たとえばいまの労働省が出しておりますこういう雇用創出のための開発事業とうまくそういう制度をドッキングしてやれば、そういうものの活用ということがそういう過当競争のところへうまく流れ込んでいって、そしてお互いの繁栄のためにプラスになっていくんじゃないかという考え方ですね。要するに、オーナーとして入り込んできたんじゃ大変だけれども、そういう形で入ってきてもらう分には歓迎というか、適正配置という形でうまく配置できるんじゃないか。これは一つの案です。案ですが、そういう考え方を具体的にお持ちになってはいかがかということで御提案を申し上げたい、こういうふうに考えているわけでございますが、その点いかがですか。
○細野政府委員 まず、すぐできることといたしましては、同業組合等にこの制度をよく御理解いただいて、それで傘下の組合員の方々が私どもの開発給付金の制度というものをよく御理解をいただいて、それを活用していただくということをまず私どもとしては努めるべきだろう、こういうふうに思っております。 それからなお、同業組合等におかれて有料なり無料なりの職業紹介をお考えになる場合にはどうか、こういう問題がもう一つ先の問題としてあるわけでございますが、その場合につきましては、私ども正直申しまして実態をよく存じ上げておりませんので、御指摘の環境衛生事業関係についての事情をよく調査させていただきまして、その上でこの問題についての私どもの判断をさしていただきたい。そういう意味で、実態調査の上で検討さしていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○工藤(晃)委員(新自) 第三次産業の実態調査の予算もとってあるようですね。しかし、資料の御提供をいただいたら、昭和四十七年から五十年、こういうところのデータをもとに調べるのだということも言われておるようですが、それは高度成長の時代のデータでございますから、そういうものを資料にして調べたって何の意味もないですから、できるだけそれは新しいデータを基礎にして御調査を願いたいと思いますが、これは付言でございます。 しかしながら、先ほどのことですけれども、そういう実態調査をなさるにも、たとえば労働省でもなさいます。厚生省でもいたします。それから通産省でもやっています。こういうふうに、いろいろな第三次産業に対する実態調査をやりますと言って、みんな調査なさるのですが、やはりそこにできるだけ関連を持たせ連動をさせて、結果がいい結果になるように、お互いにお互いの持っているポジションをよく理解し合うという、そういう作業がないとやはりこれはなかなか雇用の創出もうまくいきにくい。先ほども申し上げましたような、お互いにぶつけ合うような結果になってしまうことも中から起きてくる。特に緊張した過当競争の中に一つ石を投げますと、その影響は大変大きいわけでございますから、そういうことも含めて、実は私はきょう厚生省を呼んでいるのです。ということは、厚生省の方ではやはりそういう問題について真剣に考えておられる。そういう中で、私は、労働省のこういう雇用創出という施策と、環衛の業界の中でのそういう円滑な機能を発揮するための条件づくりというものを考えられたらいかがなものか、こういうことで実は呼んでおりますので、厚生省の意見もあわせて私は伺いたいと思います。
○林説明員 環衛業につきましては、零細な企業が圧倒的に多いわけでございます。そういうことに起因いたしまして、いろいろ関係各省でもお考えいただいておりますせっかくのいろんな施設等、こういうものも、先生御指摘のように個々ではいろいろ手続が繁雑というような形で実行が困難な面、こういう形もあろうかと思います。私どもといたしましては、雇用の受け入れにつきましては経営指導体制というものの充実に努めておるわけでございますが、当面そういうことを通じて対処をしていきたい。そういうこととあわせまして、業者の団体であります環境衛生同業組合、こういうところが組合員の受け入れという形につきまして積極的な役割りを果たす、こういうことにつきまして指導を強化していきたいと考えております。 それから改正環衛法につきまして、先生お話しございましたように、環境衛生営業指導センターというものが設けられるわけでございます。このセンターは、環境衛生関係営業全般の健全な経営を図る、こういうことを目的にして設立されているというふうに理解をいたしております。この事業は、法案によりますと環境衛生営業全般に関しまして情報の収集あるいは提供、あるいは環衛業全般につきまして調査研究を行う、こういうことを本来業務といたしておるわけでございます。したがいまして、センターが発足した後はこのセンターを十分活用していきたい。それとともに環衛業に対する雇用の受け入れ、こういうことにつきましてセンターが関係者と十分話し合いをする、こういうことについても指導していきたいと思います。 また、私どもといたしましても関係省庁、労働省その他と十分相談、協議をしてやっていきたいというふうに考えております。
○工藤(晃)委員(新自) 大臣、このように厚生省も言っておりますので、ひとつ中高年齢者雇用開発給付金の制度をそういうものに結びつけて、できるだけ運用をスムーズになさりながら、第二次産業から第三次産業への移転を円滑にしていただきたいと心から願うわけでございます。 そこでひとつ、関係省庁と話し合われていまの問題についても具体的にお話し合いをしていただけるかどうか、最後にお聞きをして、私の質問を終わります。
○栗原国務大臣 お説のとおり、この制度が十分に活用されるように、関係省庁と連絡をとりまして適切な処置をとりたい、こう考えております。
○工藤(晃)委員(新自) それはぜひ具体的に実行していただきたいと思います。 終わります。
○森下委員長 次回は、明後三月一日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十八分散会