社会労働委員会 第3号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/02/20
会議録
○森下委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本政策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山富市君。
○村山(富)委員 大臣の所信表明について若干お尋ねしたいと思うのですが、その所信表明の中で「雇用問題の解決は現在国政の最重要課題となっており、」こういうことを冒頭に述べられて、十万人の雇用創出を挙げられた。従来の雇用対策と違って若干前向きになっておる姿勢については、評価してもいいのではないかというふうに思っております。従来の雇用政策というのは、発生した失業に対する事後措置をどう講じていくか、言うならばしりぬぐい的な雇用政策であったわけです。しかし、大臣も所信表明で述べられておりますように、景気が若干回復をしたにしても雇用問題は解決しない、こういう状況になっておるのが特徴じゃないかと思うのです。それは、言うならば企業が減量経営をやっておる。その減量経営は何かと言えば、もう言わずもがなで、一つは人減らし合理化をやっておる。同時に、賃金カットを含めた低賃金政策をとっておる。これは、その減量経営の中身を分析してみますと、比較的給料の高い中高年齢者が対象になって整理されておる。こういうところにいまの雇用政策の深刻な問題点があるのではないか。ですから、景気が回復をしたにしても必ずしも雇用が改善をしないということが特徴ではないかと思います。 そこで、そうした状況の変化に対応して前向きに、どうして失業を予防するかあるいは雇用を確保するか、同時に、雇用創出をどう図っていくかということが当面の重要政策の一番大きな課題であるというふうに私は思うのです。言うならば雇用政策の発想の転換を行ってきた、また行わなければならぬというところにいまの問題点があるのではないかと思うのです。そこで、せっかく十万人の雇用創出を出しておるわけですから、そうした問題に触れて、これらが実効ある、効果の上がるものになるようにするために、若干の御質問をしてみたいと思うのです。 そこで最初にお尋ねしたいのは、新聞の報ずるところによりますと、十九日に財界四団体の責任者の方々と大臣はお会いしたそうでありますけれども、どういうテーマでお話しになったのか、それをまずお聞きしたいと思います。
○栗原国務大臣 昨日経済界の代表の方々とお会いいたしましたのは、国会の論議を踏まえまして、一つには減量経営の問題、いま一つは高年齢者の雇用の問題、これについてわれわれの国会における発言を述べまして、それに対する経済団体側の御意見を聞いたということであります。 どういうことを話をしたかといいますと、国会の論議の中では、企業は最近収益を上げてきているじゃないか、企業成績がよろしいじゃないか、にもかかわらず減量経営に藉口して人減らしをしておる、これは大変よくないことだ、政府の方は行政指導その他いろいろやると言っているけれども、行政指導その他でなかなかできるものではないじゃないか、解雇規制をしたらどうだ、それを法律化したらどうだ、こういう意見が一つにはある。それに対して私どもは、国会では、減量経営に藉口して余力のある企業が人減らしをするということは好ましくないので、関係方面にそういうことのないように強く要望する。もちろん企業が成績を上げたというのは、これは油ショック以来長期の不況にありまして、体質改善をしなければならぬ……(村山(富)委員「簡単に要点だけ言ってください」と呼ぶ)それでは要点だけ言いますが、詳しくお話ししなければ申しわけないと思って、では簡単にいたします。 体質改善のために企業がそうせざるを得なかったということはあるけれども、余力があるにもかかわらずそういうことをするということについてはやめてもらいたい。この点は強く要望したい。 それから解雇規制等については、やはりいまの年功序列の賃金体系、こういうものを具体的に詰めていかないと直ちにいかないので、その点についてはにわかに賛成できないという答弁をしておるのです。 いま一つの高年齢者の雇用に関する問題については、戦前戦後を通じて一番犠牲になった人たちが一たん離職したら再就職がない、そういうことでよろしいのかという強い指摘がある。定年制の延長とか年齢差別制限法、そういうものをつくれという要求がある。しかし、この問題についても定年延長というのをさらに積極的にやっていかなければならぬ。企業側としても大いにこの点については考えてもらいたい。直ちに法制化するつもりはないけれども、この点については十分考えてもらいたい。 減量経営につきましては、経済側の言い分の中に、一つには、私どもはいわゆる減量経営というのをやりたくてやっているわけじゃないのだ、いわゆる需要がないから仕事がない、こういうかっこうになるのです。だから需要を喚起してもらうことが一番大きな問題であって、そのための政府の経済政策全般についていろいろと御注文をさせていただいているわけだということです。ただし、余力があるにもかかわらず人減らしをするというようなことはすべきではないし、企業の社会的責任は痛感をしておりますということです。 それから定年延長の問題ですね。高年齢者の定年延長の問題については、きのうは日経連の桜田さんはこの問題については非常に積極的でして、高齢化社会だ、だからそれに向かってわれわれもできるだけの努力をいたしたいということでございました。
○村山(富)委員 問題は、これは労働省が言う十万人の雇用創出も、民間の活力を活用してそこに求めていくというところにあるわけですから、経営者の協力が得られなければできないのは当然なんで、そういう意味で、話し合いの結果、労働大臣はこれならいけるという確信を持ったのかどうか、そこらの点を聞きたかったわけです。(栗原国務大臣「十万人についてですか」と呼ぶ)雇用問題について経営四団体と会ったのは、どうして雇用創出を図っていくか、雇用の安定を求めていくか、これは民間の協力がなければできないことですから、したがって、話し合いの結果これならいけるという自信を持ったのかどうなのか、そこらの点を聞きたかったわけですが、それは後でまた一緒に答弁してもらいます。 私は、労働省がいままで取り組んできました、たとえば定年延長奨励金の問題にしても、それから継続雇用奨励金の問題にしても、余り実績が上がってないわけですね。予算が相当余っているわけですよ。言うならば、こうした施策に対する協力の度合いというものはむしろ大企業の方が悪いんではないか。大企業の方は遠慮なく五十五歳なら五十五歳でやめてもらう、そのしわ寄せはほとんど中小企業の方へ入っていっている、あるいは第三次産業の方へ入っていっている。こういう状況になっているところに一つの問題点があると思うので、そこらをやはりきちっとしてもらう必要があるのではないかということが一つです。 それから、そうした前段を踏まえて十万人の雇用制出というのは具体的にどういう手だてを講じてやっていこうとするのか、創出の見通しがあるのかどうか、そういう問題点について若干お尋ねします。
○谷口政府委員 来年度の重点として考えております十万人の雇用創出は、御承知のとおり中高年齢者の雇用を拡大するということを中心に雇用開発事業というものを創設して、十万人の雇用拡大を図っていこうという考え方でございますが、その基本となりますのは、要するに民間の活力を生かして雇用拡大を図っていこうということでございまして、問題はそういう需要があるかどうかということでございますけれども、最近、景気が緩やかではございますが回復する中で、求人が増加しております。このような求人の増加に対して、求職者をどう結びつけていくかということが一つの雇用拡大を図る上での重要なポイントになるわけでございまして、そういう観点からこのたびの雇用開発事業というものを考えたわけでございまして、従来の雇用開発給付金の助成措置をまさに飛躍的に内容を充実することによりまして、十万人の雇用創出を図っていこうということを考えているわけでございます。現在実施しております中高年齢者雇用開発給付金もすでにかなりの活用が進んでおりますので、私どもとしては、いろんな努力を積み重ねることによりまして、そういう目標の達成は可能であるというふうに考えているわけでございます。
○村山(富)委員 私はやはり、雇用創出問題というのは、これは企業は自由経済の中で何といったって利潤が基本ですからね、ですからさっき大臣も言われましたように、需要がなければ仕事がない、仕事がなければそれは人減らしする以外にない、こういうことになっていくんで、よほどやはり本気になった協力が得られなければできないのじゃないかと思うのですがね。 そこで、いまの雇用状況を考えた場合に、単に民間の活力を活用してそこに雇用創出を求めていくというだけではやはり不十分ではないか。もちろんそれが基本に座ってそこに求めていくことは当然ですけれども、それ以外にやっぱり、その地域に応じた県段階なら県段階の中においてどういうところに雇用の創出が求められるのかといったような実態の把握やあるいは調査や、そしてどんどん提言をして雇用創出を図っていく、そういう手だてもやはり必要ではないかというふうに思うのですね。これはやはりそういう手だてが講じられるような仕組みを考えていかないと、幾ら上の方だけでそんな話し合いを検討してみてもうまくいかぬのではないかというふうに思うのですね。これはもちろん労働省が真剣になってやっていただくことは当然のことですし、関係の各省とも協力をする、あるいは労使関係の協力も得る、あるいはまた学識経験者なりの協力も得るといったふうな広範な知識を結集して、そして本気になって図っていくというような段取りが必要ではないかというふうに思うのですが、そこらの点は大臣どうですか。
○栗原国務大臣 全く同感でございます。十万人の雇用創出の今度の制度でございますが、景気がきわめて悪いとき、冷えているときには、これをやってみましてもだめだと思うのです。それから景気が非常にいいときには、これまた非常にむだなことになります。ちょうど、ようやくちょろちょろ火で景気がよくなっていくというときでございますから、私どもとしてはタイムリーなものだと思うのです。ただ、お説のとおり、いままでのいろいろな制度が、制度はできたけれども実効が上がらなかった。これは一つには、制度そのものに魅力がなかったとかということもあるかもしれませんけれども、啓蒙といいますかPRといいますかそういうものが足らなかった、あるいは大ぜいの方々の力をかりるのに十分でなかったという点がありますので、地方の段階において特にいろいろの御意見を承り、既存の制度の中でやれることをどんどん改善していかなければならぬ、そういうことでございまして、全く同感でございます。
○村山(富)委員 これは時間がないので残念ですが、また別な機会に議論をしたいと思うのです。 十万人雇用が仮に三万人しかできなかった、四万人しかできなかったとなりますと、予算まで計上してやっているわけですから、それは労働省の行政の手腕、力量が問われると思うのです。これが十万人をオーバーしてもっとふえるということなら結構ですが、そのふえた場合なんかについても予算措置は十分考えていますね。
○栗原国務大臣 非常に希望するものが多くてふえた場合には、雇用特会でございますので弾力的に運用いたしたい、こう考えております。
○村山(富)委員 そこで次の質問に入りますが、雇用問題と関連をして最近構造不況業種、特に造船業界が深刻な問題を提起しておりますけれども、中でも大分県にございます臼杵鉄工所の問題について若干お尋ねしたいと思うのです。この問題は単に臼杵鉄工所だけの問題ではなくて、構造不況業種と言われる業界の中にあって失業を予防し雇用を確保する意味で、企業の社会的責任等も含めて相当深刻な問題を惹起しておりますので、今後の問題にも影響するかと思いますので、そういう立場から御質問をしたいと思うのです。 この臼杵鉄工所の問題に関連をして、問題を正しく理解をしていただくために、私はいままでの経過について若干述べてみたいと思うのですか、もしその経過について間違いがあれば間違いがあるというように指摘をしてもらいたいと思うのです。 この一年間の経過を振り返ってみますと、これは五十三年一月二十八日の読売新聞に報道されておるのですけれども、「二十億円の貨物船受注、危機乗り切りに見通し」というような記事で内容が書かれているわけでございます。その記事の後に、臼杵鉄工の清水という業務部長が談話を出しておりますけれども、その談話の中でこういうことを言っているわけです。「下請け従業員の削減は避けられないとしても、第二船台がフル操業できる見通しがついたので、木工の人員整理はまずあり得ない。」「見通しがある。」こういう談話を発表しているわけですね。 この読売新聞の記事と業務部長の談話に符合して、二月の十八口に臼杵鉄工所では中期合理化計画というものが発表されておりますが、この発表を見ましても、若干の下請従業員等の整理はあるにしても、本工については全く必要はない、といったような中期計画の中身になっているわけです。そして、これならいけるという見通しがついて、安心して仕事をしておった。二月の二十八日には石播からも船が回ってきて、いよいよ自信を持った、こういう状況にあったわけです。 ところが、四月の二十六日に突如として佐伯工場の閉鎖が提案をされたわけです。これだけ仕事もあって見通しも立ったと言って喜んで仕事をしておるときに、突然四月二十六日に佐伯工場閉鎖の提案があった。この臼杵鉄工というのは、その地域に及ぼす影響というものは大変大きいので、工業出荷額の四分の一を占めておりますから、もちろん地元経済界に対する影響は大変大きいわけですね。そこで、市を挙げ県を挙げて大変な問題に発展をしていったわけです。 そういう状況の中で、組合の万も心配をされまして、六月の十日から会社と精力的な会社閉鎖に対する団体交渉が行われた。その結果、労使の話し合いがつきまして、一つは工場閉鎖は撤回する、二つは希望退職を実施をする、三つ目は労使が協力をして再建に努力する、こういう三つの協定が結ばれまして、そして、希望退職も本工五百名にするという会社の希望どおりに退職者が出まして、五百名になったわけです。これで、労使が協力し合って会社再建をやろうではないかと意気込んでおったのであります。 ところが、そうした協定ができたにもかかわらず、七月二十八日に、会社は再び佐伯工場の閉鎖を前提とする会社更生法の申請を大分地方裁判所に出しておるわけです。十月十八日に更生開始の決定がなされまして、二人の管財人も決まって、いま更生手続がされておるという段階にあるわけです。 ところが、この間に、六月十六日会社と組合が閉鎖問題について団交して、さっき申し上げました三つの協定が成立をして、これで何とか会社の再建を図っていこうといって意気込んでおるやさきに会社更生の手続をしたということが一つと、同時に、そんな話し合いができて握手をしてこれでやろうと言っておる裏で、会社はすでに会社が受注をして仕事をやっておる千二百十七番船という船を、建造を急いでおるということを理由にして、せっかくつくっている船を石播に持って帰ったわけです。そしてその間に受注をしておる船のキャンセルがどんどん行われていった、こういう経過になっているわけですね。同時に、千二百十七番船台を石播に持って帰るけれども、これでは仕事がなくなるんだから、したがってその見返りに大型のタグボート二隻、スリランカ向けの船一隻をすぐに持ってきます、だから仕事は心配ないのです、こう言って安心をさせておいて、そして裏では会社更生法の申請をする、同時に、約束の船は全然よこさないというのでもう仕事がなくなってしまった、こういう状況になっておるのがいまの現状でございます。 いま申し上げました経過について、これは運輸省は直接造船業界には関係があるわけですから、いままでいろんな角度から御指導もされてきたと思うのです。したがって、こういう経過については十分承知かと思いますので、いま私が申し上げました経過について間違いがあるかないか、その点をひとつ確認をしておきたい。 それから労働省の方は、これはいま不当労働行為で地方労働委員会に提訴中でございますので、そうした経過についても報告をされていただいているというふうに思いますので、労働省の方にも見解を聞いておきたいと思います。
○間野説明員 臼杵鉄工所の特に佐伯造船所の問題につきまして、いま時間的経緯についてお話がございましたけれども、私どもといたしましては、二月十八日に中期合理化計画が提案されたというようなことと、それから一月二十八日の読売新聞の記事、これらの点についてはちょっと確認いたしておりませんが、四月二十七日に佐伯工場の閉鎖を内容とする再建計画を会社側が提案したということ以後の点につきましては、先生おっしゃったとおりに理解いたしております。 それから、その後の会社と組合とのやりとりにつきまして先生おっしゃいました点につきましては、必ずしも会社側はそう申しておらない点もございまして、そこに若干の当事者間での意見の食い違いがございます。たとえば千二百十七番船につきましては、確かに御指摘のように、本来臼杵鉄工所の方で下請するということになっておりましたものが、元請でございます石川島播磨の方へ移すということになっております。これは会社側の申し立てによりますと、本来ことしの一月の納期で契約しておったものが、昨年の六月に起工してことしの一月に引き渡すという契約であったわけなんですが、六月以降いろいろ不幸なことがございまして、とても納期に間に合わせられない状態になった、そういうことで、当時の臼杵鉄工所の社長さんの方からIHIで引き取ってほしいという要請があってこれを受けたのである、これで若干納期はおくれるが三月までには引き渡す予定で工事を進めておる、こういうふうに申しております。 それから団交の席で、おっしゃるようにかわりのタグボートとか何か貨物船を鋭意交渉中であったのですが、まだ現在のところ契約に至っていない、そういうことで、当時約束したのかしないのかその辺はよくわかりませんが、そういった船についてもまだ石川島で契約には至っていないというのが現状でございます。
○桑原政府委員 臼杵鉄工所の企業合理化に伴います労使紛争につきましては、いまお話しいただきました事実関係、私どもも聞いております。
○村山(富)委員 私が冒頭に、構造不況業種と言われる業界の中でこういうことがこれからも起こり得るのではないか、だからこれは今後に与える影響が大きいので大変重要な問題だというふうな位置づけをして御質問を申し上げましたのは、いままでの経過をあらまし申し上げましたけれども、明らかなように、表向きでは会社と組合が話をして、そして会社はこれはこのままでうまくいきますよ、一緒に力を合わせてがんばりましょうというような話をしながら、裏の方ではだんだん仕事を取り上げて、そしてもう干ぼしにしたようなかっこうで裸にされてしまって、そして、もうここまで来たんだから閉鎖か合理化かどっちかしかないじゃないか、こう言って押しつけられたんでは、これはもう組合の団結権もいろいろな権利も全然効力がなくなってしまうというような状況に追い込まれてしまっておるわけですね。こういうところに私は一番深刻な問題がこれからも起こってくるのではないかというふうに思うのです。 そこで、いま運輸省の方からもお話がございましたけれども、この千二百十七番船を持ち帰った、そして約束をした船は回ってこない、全然仕事がなくて干ぼしにされておる、こういう状況になっておる原因はどの辺にあるというふうに運輸省の方はお考えですか。
○間野説明員 私どもといたしましても、必ずしもこれが間違いなく真実であるというような原因を確実に把握しておるかといいますと、そうであるかどうか若干疑問なしとしないわけでございます。ただはっきり言えますことは、これだけ構造不況業種と言われて非常に困難な時期でございますので、少なくとも、労使の間に信頼感がない限り再建も非常にむずかしいことになるのではないかというふうに考えております。私どもの承知しております範囲では、会社側といたしましても今後関係組合と話し合いに応じながら信頼関係を回復していきたいという願望を持っておるように承知しておりますので、労使間の信頼関係さえ回復すれば今後何とかやっていける見通しもつくのではないかというふうに考えております。
○村山(富)委員 やはり問題の本質というものをある程度明らかにして、正しい認識に立っていろいろな対策を講じてもらわないと困るんで、そういう意味で私は申し上げておるのですけれども、さっきも言いましたように、仕事を取り上げてもう仕事が全然ない状況に追い込んでいって、そしてこれを聞きなさい、そうでなければ会社は閉鎖ですよ、こんな形で来られたんでは、大変大きな問題があるんじゃないかと思うのです。私は、こういう事実を裏づける資料もいま地労委の方に出されておりますけれども、その若干を御紹介しますと、石播が臼杵鉄工所に乗り出したのは四十一年ごろですけれども、株を五五%取得して、そして社長から専務からもう主要な人事は全部本社から派遣して、実質的に石播がその会社を系列下に置いてしまった、こういう状況になっておったと思うのです。そういう状況の中で、四十二年ごろから石播が直接指導して組合対策に乗り出しておるわけですね。その一つの資料が挙がっておるのですけれども、これは会社同士が電話で連絡をしておったメモがいま労働委員会の方に出されておるわけですけれども、こういうことが書いてあるわけです。いいですか、よく聞いてくださいよ。 「根本的には石播グループとしては佐伯の工事量を減少し、組合過激分子の不信任、排撃運動を組合内部に起こさせ新労を育成する」これが石播グループの方針である。こういう指示をしてやってきている。これは四十二年ごろから組合対策としてこういう手段がとられてきておる。これはもうずっといままで、さっき経過も述べましたけれども、一貫してそういう政策がとられておる。これは明らかなんですよ。ですから、組合の方が不信を持つのは当然なんで、そういう状況にいま置かれておるのが現状なんです。そういうことになってまいりますと、さっきから何回も言っていますけれども、組合の団結権も組合の雇用の保障も何もあったものじゃないということになるわけでございまして、そういう実態をまず正しく皆さん方に御認識を願っておきたいと私は思うのであります。 そこで問題は、やはり会社をどうして再建をしていくかということが一番重要な問題になってくるわけでございます。私は、こうした会社がやっている一連の不当労働行為というものは、やがて労働委員会の審問の中でも明らかになってくると思うのですけれども、特にこうした業種について、これはいろいろな経営の安定を図っていくために特安法という法律もできるし、それからその廃棄する事業所等を買い上げる協会法もできたり何かして、いろいろな手だてが講じられているわけです。しかし、その特安法や安定事業協会が船を買い上げる場合等につきましても、そこで働いている労働者あるいは労働組合等の関係者の意見も十分聞いて納得の上で申請をしてもらう、でなければ買い上げをしない、こういうところまで厳しく議論をされておるようでございますので、こうした法の趣旨から考えてみましても、やはり雇用を重点に考えて、いかにして雇用を確保しながら会社の再建を図っていくかということが重要だということは、もう申し上げるまでもないと思うのです。 とりわけこの佐伯工場というのは、さっきもちょっと触れましたけれども、佐伯市内における工業出荷額の四分の一を占めておる。この佐伯造船所がどうなるということは、その地域全体に与える影響も大変大きいわけです。そこで、知事やらあるいは市長やらあるいは経済界やら、そういう団体の方が全部こぞって協議会を結成して、そして何とか工場の再建を図ってくれ、工場の地域経済に及ぼす影響も十分考えて、それに見合ったような工場を残してもらいたい、こういう熱烈な運動もあるし、声も上がっているわけです。私は先般佐伯に参りましたけれども、つじつじにポスターが立っておりまして、佐伯の閉鎖は何としても思いとどまってもらいたい、造船所の灯を消すな、こう言って市民全体が立ち上がっているような状況でございますから、そうしたものも十分受けて、どうして現状を打開していくかということが一番大事な問題になると思うのです。 そこで、打開の方法としては、やはりとりあえず仕事が全然なくて裸にしておくような状況ではなくて、いままでの経過もあるわけですから、したがって約束どおり船は回して仕事をさせる、仕事をする中で、これから会社の再建をどうしていくかということを労使が真剣に話し合っていくということが何よりも大事ではないかというふうに思いますので、そうした点について運輸省はどういうふうにお考えになっているか、お聞きをしたいと思うのです。
○間野説明員 私ども、必ずしも個別の会社に船をあっせんするというようなことはなかなかできませんし、ただ、御指摘のように構造不況業種ということで設備の処理もやらなければならないわけですが、それにしても仕事の落ち込みが激し過ぎるものですから、今国会にも日本船のスクラップ・アンド・ビルドというようなことを趣旨にいたしまして利子補給法の改正案を御審議をお願いしておるわけですが、こういった国内船のスクラップ・アンド・ビルドというようなことで、今後三年間たとえば百万トンぐらいの新しい需要が期待できるとか、それから海上保安庁等の官公庁船の老朽船もこの際できるだけ早目に代替していただくというようなことをお願いしまして、非常に御協力いただいておりますので、一般論ではございますが、ほっておいた場合の極端な落ち込みに比べれば、かなりの仕事量が五十四年度も期待できるのではなかろうかというふうに考えております。 ただ、現在、必ずしも臼杵鉄工所の佐伯造船所に限りませんで、仕事がなくなってしまっておるところも幾つかございまして、それでも何とか次の船をとるまでがんばるというようなことでやっておりまして、いま仕事がないというのが必ずしも佐伯だけの問題ではないということは申し上げられるかと思います。
○村山(富)委員 さっきからずっとるる申し上げていますように、話に聞きますと、石播の方も正常化しさえすれば仕事はあります、また石播本社は保証してもいいんです、だけれども、いま異常だからそんなことはできません、それから船主も発注はしないでしょう、こういう言い方をしておるようですね。ところが、異常な現象にどうしてなったのか、どういうことが異常なのかという議論をしてみますと、いま申し上げましたように、一貫してずっともう、石播が乗り出してから組合つぶしをやっている。これは裏づけはさっき一例を申し上げましたけれども、明らかですからね。そうして現状は、裸にして、干ぼしにしてしまって、そしてこれでさあどうするか、こういう話になったのでは、これはやっぱり簡単に話に応ずるわけにいかぬということになるのは当然だと思うのです。ですから、やはり前段でお互いの労使関係の信頼が生まれるような手だてをする必要がある。手だてをするためには、会社が約束したことについては十分組合にもやってもらいたい。それは何かと言えば、仕事を回してそして、仕事はあるのですから、石播は持っているわけですから、仕事は仕事でさせてもらう、仕事をしながら、今後の会社の再建について労使が誠意を持って十分話し合うというのは、私は当然だと思うのです。それをぜひやっていただきたいというのが一つ。 それからもう一つは、いま更生法の手続中ですから管財人がおりますね。管財人が全責任を持っておるわけですから、管財人と組合と話をするのは当然なんです。この話し合いはなされているわけです。だけれども、どこが一番壁になるかといいますと、管財人だけではやっぱり話がつかない面があるわけです。なぜかと申しますと、石播がその気にならなければ話というのは進んでいかぬわけですから。不当労働行為の中でも、石播は雇用関係がないからと言ってお会いになっておらないようですが、しかし石播が乗り出してきてからの──法律的にどうのこうのという問題ではなくて、実態論として、この更生法の手続をしたときにいろいろ関係者が裁判所に呼ばれて尋問を受けているわけですけれども、その中で、石播が乗り出す前に社長やら会長やらをいたしておりました田中さんという方がおられるのですが、その田中さんが裁判所でこういうふうに述べられておるわけです。「私が以前臼杵鉄工の社長、会長をやっていたときもそうですが、石播は子会社である臼杵鉄工を毎週一回呼んで営業会議と称し、受注等について相談していましたが、その際、石播が取るなといえば取らないし、取れといえばやるというような状態で営業的な面でも石播の指示どおりに動いておりました。」こういうことも述べられておりますし、それは私が引いて矢野社長にかわってからも全く同じです、といったような陳述もしているわけですね。ですから、言うならば、この臼杵鉄工所がどうなるかということは石播のさじかげんで決まるというふうな状況にあるわけです。ですから、法律的に当事者関係があるのかないかといったような議論はあるにしても、実態論はこうですから、問題を解決しようとすれば、石播がやはり組合とも会うし、管財人とも話をして、そして三者が十分納得のいくような話をしながら、会社再建をどう進めていくかということの場がなければ、現状の打開はできないのではないかというふうに私は思うのです。 そこで、これは運輸省も労働省もそうですけれども、こうした状況に置かれておるとき、いま私が申しました二つですね。一つは、約束どおり仕事を回してそして仕事をさせる、仕事をしながら再建の話をすることが大事ではないか、そうでなければ話はうまくいきませんよということが一つ。もう一つは、石播の本社も、こういう実態論にあるわけですから、したがってそんなむずかしい理屈は言わずに、会社の再建について管財人を中心に組合とも十分会って話をしますというような姿勢になることが大事ではないか。そういう場を積極的につくっていって、そして不信感を取り除いて何とか話を軌道に乗せて、再建のめどがつくというところまでやはりお互いに努力をすることが大事ではないかというふうに思いますので、労働省は労働省の立場で、あるいは運輸省は運輸省の立場でそういう方向に協力してもらいたいと思うのですけれども、これはひとつ御見解を聞いておきたいと思うのです。
○栗原国務大臣 法律的な問題でなくて、実態論としていろいろいまお話がございました。この点につきましては事務当局に命じまして、石川島播磨によく事情を聴取させましてできるだけの努力をいたしたい、こう考えております。
○間野説明員 いまおっしゃいましたような方向で、何か実際上協議をするという方向で進んでおると私どもは承知しておりますので、大体おっしゃったような方向で進むのではないかというふうに期待しております。
○村山(富)委員 ひとつ、そういう方向で何とか問題解決が一日も早くできるように、それぞれの立場で徹底した、適正な指導をお願い申し上げたいということを要望いたしておきます。 次に、郵政省のよく言われるマル生問題について若干お尋ねをしたいと思うのです。 まずお尋ねしたいことは、ことしの正月は年賀郵便が相当混乱をしまして国民に大変な迷惑をかけ、あるいは年賀はがきだけではなくて、郵便に託した食料品が腐ったとか、あるいは現金書留がおくれて大変困ったとか、こういうふうに、言うならば実害も国民に与えているのではないかというふうに思われますが、そうした国民に対して大変迷惑をかけた、あるいは実害も与えたかもしらない、そういうことに対して郵政当局はどのような反省をし、責任を感じておられますか。
○守住政府委員 お答え申し上げます。 過般の年末年始、御指摘のように郵便が非常に混乱したわけでございますけれども、労使関係の中で非常に争点になりましたのが、私どもの郵政事業の国営事業としての事業運営のあり方と申しますか、あるいは人事管理制度その他の基本を問うような、基本的変更を求めるような問題が実は争点になりましたわけでございます。しかし、いろいろ基本的な問題の対立はありましても、何かそこにお互い理解し合える道はないかということでいろいろ努力はしたわけでございます。一方は、遺憾ながらその間怠業と違法行為を含むいろんな状態が郵便局の段階で出てまいりまして、管理者その他アルバイトの諸君みんな一緒になりまして、一生懸命何とか業務を確保したいということでやりましたわけでございますが、問題の性質上、なかなか足して二で割るというふうな交渉の結果ということにならない性質の事態でございまして、遺憾ながら交渉は決裂し中断する。後で公労委のお出ましもいただいたわけでございますけれども、実態的にはそのような姿で、国民の皆様、利用者の皆様に非常に御迷惑をおかけしたということをおわび申し上げたいと思う次第でございます。 また、それぞれ労使間の中で今回得ましたいろいろな教訓というものを私ども十分踏まえながら、今後に向かいまして事業のあるべき姿を追いながら、しかしまた、労使の間では何らかそこに信頼関係を回復していきたいということで交渉、話し合いを呼びかけまして、先ごろも大臣会見を持ちまして、その後それを糸口として現在交渉の段取りをつけまして、基本的なものはあるかもしれないけれども、どこかに妥協といいますか理解し合える部分、あるいはまた経済問題、労働条件問題等も多々あるわけでございますので、そのような現実的な解決を目指して努力をして責任を全うしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○村山(富)委員 反省をしておる、これはやはり、年賀郵便なんというのは一年に一遍お互いに文通し合う、ある意味では国民的な行事ですね。だからこれを混乱さしたというのは、ある意味ではもう大臣の責任問題が追及されるほどの大変な責任だと思うのです。反省をしておるというだけの話でなくて、やはり国民に対しての責任は郵政省が持っておるわけですし、あるいは職場における管理責任は管理者が持っておるわけです。したがって、そういう意味でもっと厳しい責任の反省が必要ではないかというふうに思うのですけれども、それを反省をしておる程度の話で済まされるから、私は問題が解決しないのではないかと思うのです。 そこでこういう混乱が起こった、さっきちょっと基本政策の問題等にも触れましたけれども、一つは組合が指摘しておりますように、いま公労委に提訴されておる案件、不当労働行為で救済申し立てをしておる案件が五十二件ほどあるそうですね。組合が掌握をしておる不当労働行為の案件というのは全部で言うと七千件ぐらいあるらしいですね。こんな職場はほかにないですよ、実際。これは私どもが職場の調査に参りましても全く異常に感じますよ。しかもそれは即決処分をやっておるでしょう。即決処分をやった件数は全部で三万七千六百七十八件あるというじゃないですか。こんな職場というのはないですよ、どこに行ったって。 そこで私は、もう時間もありませんから、その不当労働行為の案件について二、三ここで紹介をしておきたいと思うのです。 一つは日本橋郵便局で起こった問題ですけれども、郵便局長がその職員のお父さんに出した年賀はがきに、添え書きをしておるわけです。その添え書きの中身は、息子さんが胸章を着用せず、ワッペンをつけたりして心配。転勤希望もあり、素直さが欲しい、こういう添え書きをしておるんですね、郵便課長が局長の年賀はがきに。そこでその受け取ったお父さんから抗議が来たわけですよ。抗議が来ましたら、その抗議に対して謝罪文を書いているのです。謝罪文を出しているわけです。これは秀夫君というらしいのですが、「本来は、秀夫君と私の間のコミュニケーションが完全であれば、お父さまに御心配をおかけする筋のものでありませんでした。」というようなことを書いているんですね。これは転勤希望を出しているわけですよ。だから、転勤をしたいと思うんならこんな行為はやめた方がいいんではないですかと言わんばかりのことを書いているわけですね。これはもう明らかに介入ですよ。こんなことをすれば組合が黙っていないのは当然なんですよ。これが一つ。 それからもう一つは、ある組合員が、これはもう名前を言ってもいいんですけれども、ある組合員が組合に脱退届を出した。その脱退届の中身をちょっと紹介しますと、こう書いてあるわけですよ。「そこで問題は母からの涙ながらの話によると「仙台郵政局の実力者が息子を全逓を脱退したら何とか田舎の局へ転勤させましょう」との事で実直な母はすっかりその気になってしまい「どうか脱退して私を安心させてくれ」と泣いて訴えてきます。昔気質な母にここで労働運動の正しさを話しても父の失明で気も動転している現在今私にしてやる唯一の孝行」なのでありますから、ひとつ御理解をいただきたい、こういう中身ですよ。父が目を悪くしてそして母が大変困っておる。そのお母さんが涙ながらに訴えて、本人に、こういう話だから組合を脱退して親孝行してくれ、こう言って子供に訴えているわけですよ。こんなことまで何でさせる必要があるんですか。これも明らかに組合に対する不当介入です。これが一つ。 それからもう一つは、これは宮崎の日南局ですけれども、日南局の岡留という局長と田口という庶務課長がお父さんと職員を局長室に呼んで、全逓を誹謗中傷し、出世したいなら全逓に入るな、君は庶務会計課に配属された、将来有望視されている、全郵政に入った方がよいなどと発言して不当な介入をしておる。これは公労委にも出ていますから、この実態はあなた御存じですか。
○守住政府委員 先生いま三点御指摘いただきましたけれども、後の二点は公労委へ出ておることを承知いたしております。 最初の日本橋の点につきましては、地方出身者の独身の職員を預かる担当課長といたしまして、日ごろいろいろ公務員としてのあり方等指導に努めておるところでございますけれども、その指導の点などをつい年賀状に書き添えをしたということでございますけれども、やはり年賀のあいさつとしてはふさわしくないということで、おわびの手紙を出して本人にも事情説明の上納得してもらったと聞いておりますが、勤務時間中にリボン、ワッペン等を着用するということは、判例にも出ておりますように認められてはいない勤務時間中の組合活動ということでございます。しかしまた、そのことだけをもって転勤等をさせないというふうな取り扱いなどは行っていないところでございます。 それから後の二つの点につきましては、現在公労委に行っております。 つまり二番目の点で、地方郵政局の有力者が間接的に脱退慫慂を行ったということが組合の資料に入っておりますけれども、現在のところの調査ではそのような事実はなかったと考えております。しかし、公労委申し立て事案でございますので、この事実関係あるいはその事実の前後関係あるいは評価の問題等々公労委で述べてまいりたい、このように考えておる次第でございます。 あと、日南も同じように受けとめておる次第でございます。
○村山(富)委員 これは公労委へ提訴中の案件が五十二件あって、いま私が言いました中でも二件はここに出ているわけです。ですから、公労委の審問でやがて明らかになると思うのですが、大臣、これは仮定の話で大変恐縮なんですが、仮に私がいま具体的に挙げましたような事例が本当だとすれば、これはやはり一般的には不当労働行為になりますね。どうですか。
○桑原政府委員 三つ例に挙げられましたけれども、一つの問題は、労働組合の正当な行為をしたことをもって不利益な扱いをしたかどうかという労組法七条の問題がございます。あと二つのものは、労働組合の組合員であることのゆえをもって不利益な扱いをしたかどうかという問題になりますが、いずれにいたしましても、お話はいろいろと事情が絡んでおりますので、具体的な事実に基づいてやはり権限ある公労委が判断すべき問題だと思いますので、私どもがここで仮のお答えをすることは差し控えたいと思います。
○村山(富)委員 事情があるにしても、具体的な事実は事実ですからね。これはいま公労委で審間中ですからお答えがしにくいのじゃないかと思いますが、これはだれが考えたって不当労働行為は明らかだというふうに言わなければならないと思うのです。 そこで、ひとつまたお尋ねしたいと思いますのは、さっき言いましたように、組合はそういう行き過ぎがあったりしますと直ちに即決処分で、三万七千六百七十八件も処分されておるわけです。ところが仮にいま私が指摘しましたのが事実だとしますと、管理者の方は公然と不当労働行為をやっておる。郵政省の方も若干の行き過ぎはここではあったかもしれませんというようなことを答弁の中では言っていますね。仮にそういう管理当局の行き過ぎが事実であったとした場合に、一体郵政省はどうしておるのか。これは交渉の中でこういう答弁をしていますね。「正すべきは正すとの態度で事案を調査の土、その内容に応じた適切な措置を従来から講じてきたところであり、今後とも同様に対処していきたいと思っています。」こういう答弁をしておるわけですね。これは、管理者が行き過ぎをして不当労働行為があった場合には、調査をしてこういうふうにやっています、こういう答弁ですね。わかりますか。組合の方は間違いがあると即決処分でやられるわけですよ。管理者の方は不当労働行為があった、行き過ぎがあったという事実があった者についてどうするのか、こういう組合の要求に対して「正すべきは正すとの態度で事案を調査の上、その内容に応じた適切な措置を従来から講じてきたところであり、」こう言っていますね。これは間違いないですね。今度の事件だけでなくていままでもあったことだと思いますが、いままでにこういうふうな行き過ぎが事実あったとした場合には何らか措置を講じているわけですか。
○守住政府委員 出過ぎ、行き過ぎの問題はいろいろあるわけでございますが、問題は不当労働行為というものにつきましては法的な判断を要するということでございまして、私ども、純粋にと申しますか不当労働行為の問題と、現場での労使間のいろいろな総体の中での相互の、職場闘争その他についてのいろいろな対応がございますので、管理者としてはやむを得ずいろいろな措置をとるという面と、両面あるわけでございます。 しぼって申し上げますと、法的な判断を要する不当労働行為の問題につきましては、これが公労委の命令等によって確定いたしました場合には、当該管理者に対しまして、ケース・バイ・ケースで具体的な事案に応じた懲戒処分を含む厳正な措置を、過去もとりましたし、今後も同じような考え方でいく、こういうことでございます。
○村山(富)委員 さっき言いましたように、組合の方は何かあったらすぐ即決処分でやられるわけでしょう。管理者の方は慎重に審査をして、そして事実が明確になったら何か措置を講じます。やはり処分というのは、組合の方も慎重に事実関係を調査して処分するのが当然の話です。私は何も向こうを一方的に処分しなさいと言っているわけじゃないのです。公平に扱いなさい、こう言っているだけです。不当労働行為をもう七千件も全国で繰り返し巻き返しやっておいて、そして組合の方は即決処分で処分をして、管理者の方は慎重に検討し調査をして扱いますという、いまの郵政当局の管理問題というのは、そういうところに混乱の最大の原因があるのではないかと言わざるを得ないと思うのです。 もう時間もありませんからもう一つ聞きたいと思うのですが、今度の年末年始の問題について、非常勤職員が組織をつくって交渉するのしないのといって、全国規模でトラブルが起こったことは新聞で報道されていましたね。この非常勤職員は公労法で言う非常勤の一般職の公務員である、こういうふうに規定されていると思うのです。これは労働省にお尋ねしますけれども、こういう非常勤職員が労働組合を組織した場合に、団結権や団体交渉権や労働協約締結権というものは公労法上ありますか、ないですか。
○桑原政府委員 年末に募集されましてお働きいただいた郵政のアルバイトの方々の問題でございますが、非常勤の一般職の国家公務員たる身分を有しておられるというふうに私どもは解しております。したがって、郵政事業に従事されるこれらの方々につきましては公労法の適用がある、こういうふうに理解をいたしております。
○村山(富)委員 公労法の適用を受けて、当然団結権も団体交渉権も労働協約締結権もあるその臨時アルバイトの労働者に対して、郵政省はどういう対応をしてきましたか。
○守住政府委員 ただいま労働省の方からお話がありましたとおり、団結権、団体交渉権があるというふうにもちろん承知をいたしておるわけでございますが、あれは一般労組の方でございますか、ちょうど十二月の下旬でございましたけれども、高校生等アルバイトが一般労組に加入したということで、団交の申し入れが幾つかの地域、局であったわけでございます。この十二月の下旬という時点が、御承知のとおり私どもの郵便局におきましての最大の繁忙期である、それから一方ではまた激しい闘争も行われておる、郵便物も非常に滞留しておる、監理者も日夜を分かたず苦労をしておった段階でございますし、また、団交申し入れの際も、どの高校生アルバイトが加入しておられるのかという労使関係の確認と申しますか、そういう点がわからない状態でございましたし、また、私ども初めてのケースで、団交に応じるとしてもどのような段階でどのような方法で応じるかということがございましたので、いろいろ検討を要するということで、年末を越しまして、年も明けまして、いろいろな段階で一般労組の方と、加入の状況という問題は残っておりますけれども、なお話し合いをやっておる、こういう状況でございます。
○村山(富)委員 これはもう時間がありませんから確認だけしておきますけれども、いま労働省も見解を述べられましたように、公労法上団結権も団体交渉権も労働協約締結権もある。この交渉ができるのは雇用関係のある間だけですね。雇用関係が切れてしまえばもう関係ないわけですからね。ですから、これは組合の方も時間的には制約があるわけですよ。それをいま繁忙だからという理由で交渉をやらなければ、いつの間にか切れてしまって話は切れてしまう。これではやはり法で保障された組合の権利というものはあってなきがごときものになると思うのです。ですからこれはやはり時期的なものがあると思うのですね。話なら聞くけれども交渉じゃありませんよとか、協定は結びませんよとか、あるいは局長には交渉権限がなくてこれは全部上の方でやりますといったような話もあるようですけれども、実際の雇用関係は局長に権限があって、局長が雇用するわけでしょう。ですから、交渉は局長と組合とが交渉するというのが本筋ですから、そのことをやはりしっかり踏まえて、今後十分交渉には応じますという態度をとるべきだと思いますが、どうですか。
○守住政府委員 この問題、年末におきまして地労委のお世話にもなったということでございますので、各方面の御意見を承りながら、適切に対処してまいりたいと思っております。
○村山(富)委員 いや、私が聞いているのは、公労法で言う組合としての権限もあるわけですから、今後はひとつ誠意を尽くして交渉にも応じますと、それは交渉はできぬという状況にあるのに交渉に応じろとか、そんなことを言っているのと違いますよ。一般的に考えた場合に、要求があれば十分交渉にも応じますという態度をとるのかどうかということを聞いておるわけです。
○守住政府委員 一般的には御指摘のように十分その交渉に応じていかなければならぬ、いろいろ技術論とかあれはございますけれども、それは応じていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○村山(富)委員 郵便事業というのは、私はいろいろ調べてみますと、総体予算の中で九〇%ぐらいを人件費が占めていますね。言うならば郵便事業というのは典型的な労働集約型の事業なんですね。それだけに、安定した業務運営をやっていこうとすれば、やはり労使関係がうまくいくということが大前提ですよ。その労使関係をうまくいかせるためには、いまやっているような異常な姿というものは直ちに直してもらって、そして正常な形で労使が話し合いをしていくことができる、そして労使が力を合わせて国民に対して責任の持てる郵便事業をやっていくということが一番大事ではないかと思うのですね。今後組合に対して誠意を持って、反省すべき点は反省をして十分話し合う用意があるかどうかということを最後に聞いておきたいと思います。
○守住政府委員 先生御指摘のような点が私どもも基本だと思います。年末ではなかなかいろいろなことがございましたけれども、実は昨夜も全逓の三役、委員長ともお会いしており、大臣も会見以降、これを軌道に乗せて修復していくために双方でやっていこう、こういうことでございます。
○村山(富)委員 当面する雇用政策の問題や、造船所の問題や、郵政マル生問題等について若干御質問しましたが、私はやはり、こういう不況な状況にあるあるいは深刻な雇用問題を背景に抱えておるときだけに、より労働組合の立場等々を尊重しながら誠意を持って尽くしていく、譲るべき点は譲るという腹がなければうまくいかぬと思いますから、そうした問題については積極的にそういう態度をとっていただいて、そして一日も早く労使が正常化して、安心して業務ができるという状況をつくっていく努力をしてもらう必要があるというふうに思いますし、とりわけ冒頭に言いました雇用問題については、これは単に民間の活力だけでなくて、国もやはりやらなければならぬことはやる、あるいは地方自治体もその気になって協力してもらうという各般の協力が必要だと思いますから、そういう場を積極的につくっていただいて、そして雇用創出が図られて、雇用問題はある程度安定する、こういう状況になるように今後一層の御努力を御期待申し上げまして、質問を終わります。(拍手)
○森下委員長 次に、島本虎三君。
○島本委員 まず労働大臣、先ほどからの質問もございましたが、今度の年賀郵便のああいうような状態、これはやはり今度の争議に対する一つの特殊性、国民生活に密接な関係を持つ郵政事業であるという、人的依存度の高い特性を持つ郵便事業であるということであります。そして、そのために安定した労使関係の確立こそ、また相互信頼の上に立った正常な労使関係が確立されることが特に必要な、こういうような事業体であるということであります。そういうようなことからして、全逓の争議に対する見解、ことに、この所管大臣は郵政大臣でありますが、これは労働問題を管轄するというような立場に立って、かつてないような異様な労使関係に対して大臣としてはどのように考え、今後指導を確立していこうと考えておりますか。これは労働問題全体の問題でありますので、ひとつ大臣の高邁なる識見をお聞かせ願いたいと思います。
○栗原国務大臣 御案内のとおり、いまもいろいろ論議が交わされたわけでございますが、郵政事業というのはきわめて公共性の高い事業でございまして、労使が本当に腹を打ち明けて、平和裏に話し合いで物事を解決していく、そういう姿勢をぜひとっていただきたいというふうに考えております。 しかし、やむを得ずいろいろの紛争が起きた場合には、不当労働行為等いろいろございましたときには、いわゆる公労委でいろいろ御処理をいただく、こういう方向でいくべきではないかと考えております。 しかし、予算委員会等でもお話がございましたけれども、郵政大臣も組合側と積極的に話し合っていくという姿勢のようでございますし、いまも局長のお話を聞きますと、それぞれ話し合いが行われているやに聞いております。したがいまして、今後こういう話し合い路線というものを着実に進めていただきまして、平和裏に解決し、国民の皆さんに迷惑をかけるような事態にならぬように善処していただきたい、こういうように期待をしております。
○島本委員 郵政省はそれに対して、いまの大臣の言葉をそのまま受け取って、どういうようにして今後やろうと思いますか。
○守住政府委員 あのような紛争状態の中での団交、話し合いということでなくて、本当に平和的な中で、お互い国家公務員の公共事業でございますので、その点、あるいはまた労働組合の立場、主張等にも十分耳を傾けながら、その中でのあるべき姿というものを交渉、話し合いの中で積み重ね、一つ一つ現実的な解決をやってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○島本委員 内容のない、ありきたりの言葉のように聞こえました。もう少し具体的な問題を当事者としてはっきり言えないのですか。労使の信頼関係を回復していきたいという村山委員に対する答弁が先ほどありましたから、そういうような言葉の一つや二つ出てもいいはずなんです。さっぱり出ない。本当に、先ほどの答弁で労使の信頼関係を回復していきたいのだ、この考え方、間違いございませんね。
○守住政府委員 間違いございません。
○島本委員 それならば附帯決議に対する考え方も、労使の関係に対する考え方はこれはきちっと実行する、またしていなければならないはずですが、これはやっておりますか。
○守住政府委員 郵便法関係等に関連いたしました附帯決議の中で、二つぐらい最近の問題としてあると理解しておりますけれども、一つは、郵便局段階におきますところの団交その他に新しいルールをしき、それを定着させ、労使間の理解を深めていくという一つの方向と、もう一つは、地方郵政局段階で労使の間で労使懇話会、懇談会と申しますか、そういうものを設けてまた理解を深め合っていくという、二つの方法論がある。 それぞれにつきまして、その後者の方につきましては、おととしの年末でございますが、そういうものを関係組合との間に合憲ができたわけでございますが、その後のいろいろな状況からなお細部のことで合意に至っていない。基本は双方とも合意をいたしておるところでございます。 それからまた、現場段階における新しいコミュニケーションルールにつきましては、おととしの年末、早期妥結でございましたが、その中で年末問題を下部段階で話し合いながら、昨年の三月から新しいルールによって団交その他、コミュニケーションルールを深めていく、そういうことになっておる次第でございます。
○島本委員 これは第七十五国会、郵便法の一部を改正する法律案に対する附帯決議でありますね。その中で、これはほとんどやっておるように聞こえるのでありますが、郵政事業労使懇談会について、これはもう地方の方ではできておらないのが実態ではございませんか。それと、郵便局における団体交渉制度の新たなルールについて、これは支部団交の一つのルールでありますが、これはもうできておりますが、三月一日にこれまた切れることになりますが、それに対してはどういうふうにするつもりでおりますか。それと、労使関係の正常化については、こうした事項のほかにも会議等を通じて周知徹底を図ってきたところである、今後ともこうした努力を継続していく考えである、これはやっていないじゃありませんか。こうしますと、国会決議に対しても、ある部分、都合のいい部分はやる、都合の悪い部分はやらない、こういうようなことがあることは国会の議決を無視することであり、挑戦することではございませんか。これで労使の円満なるこういうような話し合いができる、郵政省ではこう考えておるのですか。
○守住政府委員 まずその地方郵政段階における懇話会、懇談会の意思疎通の問題でございますが、基本は関係の労働組合との間に合意ができておりますけれども、なお細かい人数だとか、どういう地本、地区の関係とか、そういう点の細かいことが詰まっておらないということでございます。 それからまた、二番目の新ルールの問題、先生おっしゃいますように、有効期間が一年ということになっておりますけれども、またルール上のいろいろな問題点等について話し合いを進めるということで、私どもとしては、このルールを、もちろん改善の方向を考えながらこの定着化を図っていきたい、労使間の交渉事ではございますけれども、そのような考え方でおるわけでございます。 それから三番目の点は、これは組合の要求にも出ております不当労働行為の根絶等に対しまして、私どもの指導、従来からやっておりますけれども、さらに指導を徹底していくとか、あるいは労使の確認を、管理者等も新しい管理者等に交代するわけでございますので、その徹底をやっていくとか、いろいろ今回の教訓にかんがみましての指導徹底を図らなければならぬ、このように考えておる次第でございます。
○島本委員 これは労働省も、いまの受け答え全部労働省の関係にも即なりますので、よく聞いておいて、後から意見も聞きたいと思います。 そこで、いまのようにして労使の信頼関係の回復をしていきたい、こういうような考えは間違いないということはいまわかりました。それならば、この問題に対して聞いてまいりたいと思うのであります。 「東北郵政局管内における新任管理者訓練について」きのう資料をちょうだいしたのであります。これは、場所は仙台郵政研修所であります。そして参加者は、課長、副課長、局長代理、課長代理、主事、監察官並びに地方貯金局や保険局においては係長、こういうような人たちを相手にしてこれは訓練をしたのでありますが、訓練の目的、項目、こういうようなものは受け取っております。これは、一 労務管理の基本について、一 労使関係のルールについて、一 法令上の諸問題について、一 職場の秩序の維持について、一 職場管理のあり方について、一 事業の現状と問題点について、一 同和研修について、大体こういうような報告を受けましたが、これは間違いございませんか。
○守住政府委員 そのような訓練項目であるというふうに報告を受けております。詳細は、私、きのう初めて聞いたわけでございますけれども、そのような報告を受けております。
○島本委員 労使関係の信頼回復をしていきたいと望む、そしてこの新任管理者の訓練、この紙切れ一枚しか私にはくれないのであります。しかしながら、別途また、その内容等についてはわからないの一点張りであります。私はある程度の調査をさせてもらいました。確かにしているのであります。しかし、これは対組合に対する労務対策以外の何物でもないじゃございませんか。これで信頼関係の回復がどうして図れるのでしょうか。たとえば考査係長の講義、「懲戒処分上の問題点、能率ダウンは五〇%以上の人に処分、能率ダウン処分の方法、」これはずっと書いてあるのです。そうして「各人の平常能率を把握しておくこと。処分の量定。第一回は注意処分とすること。第二回目は訓告……翌日でもよろしい。第三回目は戒告。具体的には労担と連絡をとること。的をしぼって三人ぐらいに目をつけて行うこと。どこの局でもその核を取り除くことが必要。」こういうようなことをやっているのですよ。「その非の状況」、これについては「バカヤローそのものではだめだ。その状況がどうであったかが大切。管理にさわれば処分。けがをさせれば免職。証拠を十分に。でっち上げのときはどうしても穴が出る。気をつけろ。」それから「現認書。処分の資料とするためにつくる。処分のための物証として公平審査裁判所に提出する。」それから「組合は専門の弁護士もいる。敗れるも勝つも現認書による。書く場合は、庶務課長が各人のメモによりストーリーをつくる。それに基づいて各人が書く。連日態様ある場合に非行、今日は現認してやろう、処分してやろうという気持ちで書く。」これは一体何ですか。 それから下田法規係、長の講義、いろいろある。判決の与える影響がずっと書いてあって、その中にまだある。「悪慣行の是正。事実上長い間続いていれば一概に変更することは困難だ。慣行を是正しようとした形跡が残っていない。」「証人。組合は多数動員する。人証は組合が多く、官は少ない。人証では官がかなわない。物証。書証(現認書)、日誌、写真。日常の労務管理が大切である。」こういうふうなことをずっと講義して、これは新しい管理者に対する講義というより内容のレクチュアじゃありませんか。これが労使関係の信頼回復にどういうふうな効果を上げるのですか。具体的に言ってください。
○守住政府委員 いま御指摘の内容は詳細つまびらかにしておりませんけれども、職場秩序の維持の方のテーマとして出ておるものではないか。労務管理者に対しますところのいろいろな教育指導というのはもっと多面的なものでなければならぬ。したがいまして、いろいろな労使間のルールとか、労使の立場の尊重だとか、信頼関係の醸成あるいは職員管理等々をどうやっていくかというのも大きなテーマであるし、もう一つ、職場秩序の維持や、懲戒の法廷なり人事院審査の維持のためにもまた技術的な検討、研究もしなければならぬのじゃないか、このように考えておる次第でございます。
○島本委員 ちょっと念のため。じゃ、こういうような講義はよろしいという考えだということですか。
○守住政府委員 内容について云々しているわけではありませんので「職場の秩序の維持」の項目と申しますか、そういう懲戒権を行使する場合のいろいろな心得なり、技術的な点は必要ではないかと思っておる次第でございます。
○島本委員 これは労働省も聞いていなさるのでありますけれども、この訓練項目の内容を、いま言ったようですが、この項目は何ですか。「労務管理の基本 労使関係のルール 法令上の諸問題職場の秩序の維持 職場管理のあり方 事業の現状と問題点」、この内容はいま言ったようなことを講義している。りっぱな題名を掲げながら内容は全部これは反全逓じゃありませんか。こういうようなのが新任管理者の一つの訓練の内容になっているじゃありませんか。これが正しいと言ったら、いまのこういうような労使の関係は絶対是正されません。労働大臣、これをどう思いますか。
○桑原政府委員 いまの新任管理者訓練の項目でございますけれども、管理者たるべき資質向上のために、幅広く労務管理その他労使関係の信頼の確立のためのルールその他、そういったものを形成するための訓練でなければならぬと思います。したがって、それを壊すような訓練であるのは好ましくないだろうというふうに思います。
○島本委員 いまの答弁を十分聞いておいて、反省した方がいいと思うのです。項目はりっぱ、内容は下劣、これが新任管理者の訓練じゃありませんか。こういうようなことをして、善良なる労使慣行なんかできるわけはないです。これを厳重に調査して、いま言ったようなことが間違いであるのかどうか十分調べた上で、資料として出しておいてもらいたい、これを要請いたします。 こればかりに時間をとっていられないのであります。私としてはもっと大事な問題があるのであります。それは労働安全についてです。 これはいろいろ、最近の情勢は、労働大臣のこれによりましても、労働災害防止の問題について、最近多くなってきている「建設業を重点として労働災害防止対策を一段と強化してまいりたいと考えております。」こういうのがあるわけです。これは所信表明であります。しかし、労働災害に対してはどういうような指導措置を労働省としてされておりますか。それを伺います。
○野原政府委員 労働省としては、かねてからこの労働災害の防止を労働基準行政の最重点として取り組んでおります。特に本年度、昨年の四月になりますが「労働災害防止計画」、これは五年ごとに労働大臣が策定するものですが、これの五番目のものを定めまして、現在はこれを軸として、以下申し上げるような施策を進めております。 まず第一は、危険な事業場あるいは有害業務を抱えているような事業場、俗に言う問題の多い職場ということになりますが、そういうところに対しまして重点的な監督指導をやる、それが一つでございます。 次には、建物とか機械、こういうものができ上がってからしばしば問題を起こしますので、そういうことのないように、計画したり設計する段階で十分に中身をチェックし、その段階で改善をさせておるということ、その体制をさらに強化をしております。 それから、最近新しい機械等が出てまいって問題もありますので、これらにつきましてはその都度構造規格を定めまして、それに合致していないものの設置とか使用を禁止する、こういう体制を強化しております。 さらに、ソフトウエアの面では安全衛生教育、特に雇用調整との関係で職場を変わるというような方々も多いわけでありますので、そういった際の教育なりあるいは現場監督者に対する教育、こういうものを一層充実強化させております。 それから、世の中がだんだん進んできておりますので、そういったニーズに対応できるように科学的な施策を進める必要があります。そこで安全衛生についての研究、これの充実強化を図っております。 いま一つは、中小企業はやはり大規模事業場に比べまして格差が見られますので、これは基準等を示すということもさることながら、経済的あるいは技術的な援助が必要でありますので、そういった側面からのバックアップを年ごとに強化をしてまいっている状況でございます。
○島本委員 そのような状態に対する対処はわかりました。それには官公庁の方面は入っておりますか、入っておりませんか。簡単でいいです。
○野原政府委員 官公庁も含めて考えております。
○島本委員 官公庁だけの災害のケースは持っておられますか。
○野原政府委員 個々に把握してはおりますが、全体としてはまだつかんでおりません。
○島本委員 では、全体として私の方でつかんでおりますから、それをひとつ聞いてもらいたいのであります。 この公務災害の点、これは五十二年度においては一万百九十五件、これは郵政省であります。昭和三十七年のころは二千三百六十九件、五十二年は一万百九十五件、それから全官公庁関係を見ると一万五千七百十三件であります。これは昭和五十一年であります。そのうち郵政省が一万三百二十件であります。全部で一万五千七百十三件あるのに、郵政省だけが一万三百二十件。これは公務災害に対して郵政省の方では指導しているのですか、指導していないのですか。なぜこういうような数字が出るのですか。
○守住政府委員 お答え申し上げます。 実は、私どもの職場は御承知のとおり外勤作業の比重が非常に高いわけでございます。職員数も三十一万数千でございますが、外勤作業の職員が非常に多い。したがいまして、この中身を見てまいりますと、交通事故関係あるいは転倒・転落、転倒・転落の中に自損事故と申しますか、自分で転倒・転落したという、これは自転車や機動車に乗ってのものも実はこの中に入っておるわけでございますが、交通事故が非常に多い。したがいまして、マクロ的に見ましては最近の交通事故の傾向は民間の方は減少傾向にございますけれども、私どもの方はなかなかそうはいかないということで、七%減というふうな各局目標を掲げまして、この事故防止に最大の力点を置いてやっておる。もちろん全般的に設備関係、機械関係その他いろいろな疾病の問題等もございますけれども、疾病は別といたしまして、この災害の関係では、私どもとしては量的に非常に多い外勤職員の交通事故対策、これに力点を置いておる次第でございます。
○島本委員 確かに転倒・転落、交通事故、これが多いのであります。その中に設備関係が百三十四件、やけど、火傷関係が三十九件、機械類によって損害を受けているもの百七十件、その他二千六百四十三件、こうでしょう。こういうような内容を見ると、これはもう業務第一、そのための安全無視、こういうような傾向がはっきりあらわれているのじゃありませんか。むしろこういうような点は、仕事は仕事、そのためにはまず人命、健康が第一なんだ、それを損ねてまでも仕事をする、こういうようなことを命令してはいけないのだ、これが労安法の趣旨じゃありませんか。どうもこの場合には業務第一、そのための安全無視、こういうような一つの馬車馬、後ろから尻をたたくようなやり方で仕事をさしておる。その結果のこれは事故じゃありませんか。私は、そういうような状態からして労働安全衛生規則、こういうような点を軽んじているあるいは違反している、こういうようなことについて本当に残念に思っておる次第であります。そうでないと言うかもしれませんから、一つ一つ例を挙げてお聞きしなければならないと思います。 まず、去年の一月一日からこれは省令が改正されて、労働安全衛生規則改正が行われました。郵政省は対応しましたか。
○守住政府委員 それぞれの各私どものセクションで三事業をやっておりますけれども、私どもの方からそれぞれのセクションにももちろん通知いたしますし、それぞれの部門でこれを消化して対応するようにということでその徹底を図ったわけでございますが、遺憾ながらその違反といいますか、それに対応できなかった部分があったやに聞いております。
○島本委員 それは管理者の怠慢ということにつながりますが、五十三年一月一日、労働安全規則の改正、これは省は対応していないのです。この中にはベルトコンベヤーの非常停止操置、はっきりこれは義務づけてあります。荷物の落下防止、これも義務づけてあります。点検をせい。これも百五十一条の六十六ではっきり義務づけておるのであります。果たしてこれを十分やったかどうかであります。それならば、昭和五十三年八月二十七日午後六時ごろに、奈良交通の休場太郎氏五十一歳が、奈良局発着場で郵袋の積みおろしの間に、ベルトコンベヤーからすべり落ちそうになった郵袋をベルトに載せようとして、ベルコンのモータープーリー部付近で左手人指し指第一関節を切断する事故が起きた。こういうような事故に対してどういうような対処をいたしましたか。
○江上(貞)政府委員 御指摘の事故は五十三年八月に起こった事故だと存じますが、その後とりました対策でございますが、当該局でとりました対策と全国的にとりました対策とございます。当該奈良郵便局におきましては、そのベルトコンベヤーの使用を中止いたしまして、新規に、より安全なものを調達いたしまして使用することといたしました。全国的には、そのような事故が起こりましたので、全国の郵便局で使用いたしておりますポータブルコンベヤーにつきまして、安全点検と必要の個所の改修を指導することにしました。 なお、その後改正されましてから地方の部長会議あるいは局長会議が二回開催されておりますが、それぞれ安全点検の実施とさらに安全教育の徹底について指導いたしました。
○島本委員 言葉はそういうふうに滑らかに出るのであります。しかし事故が起きたすぐ直後に、これは完全に、五十三年一月一日、この労安規則改正に省は対応していなかった。すなわち非常停止操置、こういうようなものに対してはつけていなかった。二の落下防止、これについてもはっきり対処していなかった。事前の点検、もちろんこれもやっていなかった。こういうような一つの怠慢による事故、これに対してどういうふうな対処をとったのですか。現地では事故個所に黄色いペンキで、いままでこうした事故はなかったのだが今後注意して取り扱ってほしい、こういうふうに書いているじゃありませんか。これは完全に、この労働安全規則改正に対応しなかったことを個人のミスにして張り出している。そして、引き続いてこの事故後もベルトコンベヤーを使用しようとしたじゃありませんか。これは一体どういうことですか。対応した行動ですか。労働省、これはあなたたちが侮辱されたことになるじゃありませんか、こういうことをやらして。何のためにこれを改正して出したのです。出した後で、そのように対応しないで事故を起こしておるのであります。これはどうしたのですか。
○野原政府委員 労働省としてはこの事態を重視いたしまして、直ちに、地元の奈良の労働基準監督署が九月一日に現場に乗り込みまして監督を実施し、その結果、いま先生が御指摘になりましたように、作業者が巻き込まれるおそれがあるにもかかわらず、いざという場合にはすぐそれをとめられるような非常停止ボタンが取りつけてありませんでしたので、これは法の違反であるから直ちに改善するようにということで是正を求めまして、九月十八日にその是正状況を確認いたしております。
○島本委員 これは、なおこのベルトコンベヤーを使用せんとしたのを、労働組合が申し出て、そしてその申告に基づいて九月一日に監督署が労使立ち会いの上で検査を行って、是正勧告書が手渡されたんでしょう。そして九月十八日までに改善の状況を報告せよと、この指導書も出されたんでしょう。
○野原政府委員 そのとおりです。
○島本委員 そうなんです。そういうようにして、はっきり規則が改正されても対処しない。そして、やるべくしてこの点検改修を言っているのにやらない。こういうような使用者に対してはそのままにしておいていいのですか。郵政省、どういうような措置をしましたか。
○江上(貞)政府委員 ベルトコンベヤーの点検改修等につきましては、ただいま御指摘のような問題もございまして、その後通達、総点検あるいは危険な個所の改修というような措置もとったわけでございます。ただ、残念なことに、改修を行う業者の仕事の都合等から、多少改修の仕事が進捗しなかったところもございました。ただ、今日現在ではすべて改修が完了したということについての報告を受けております。
○島本委員 若干誤解が入ってますよ。それは確かに対処したでしょう。しかしながら、皆さんがきらう全逓が一九七八年九月八日に、労働安全に関する緊急要求ということで皆さんの方に提起したでしょう。そして現場管理者に労働安全、労働災害防止を最優先事項として取り組むこと、こういうような申し出をし、これを確認したでしょう。きわめて妥当な要求であるのです。これは九月八日ですよ。これに対して、それから十一日たって九月十八日に、郵務局長、大臣官房資材部長、経理局長から地方郵政局長あてに、ポータブル・ベルトコンベヤー点検改修についてという指導通達を出して、そして十一月の末までに報告せい、こういうようなことを出しておりますが、そのとおりでしょう。イエスかノーかだけでいいですよ。
○江上(貞)政府委員 おおむね御指摘のとおりでございます。
○島本委員 そして十月十七日に今度は郵務部長、資材部長、経理部長、人事部長、今度は人事部長も入りましたね。その四者名で、郵便局長あてに郵便用ベルトコンベヤーの安全対策について実施通達を出して、十一月二十日までに点検改修を実施せよ、そして十一月末までに改修完了せよという指示を出した。これもそうでしょう。イエスかノーかでいいです。
○江上(貞)政府委員 御指摘の点は、恐らく郵政局が郵便局に対して発出したものと思われますので、ちょっと正確には存じておりません。
○島本委員 その際に郵務局長、これはあなたの方、本省の郵務局長、大臣官房資材部長、経理局長、これは地方の郵政局の方へいくと郵務部長になり、資材部長になり、経理部長になり、人事部長になるのでしょう。この郵務部長や資材部長や経理部長、こういう部長名で、郵政局長がやればいいのに部長名でぐっと出してやったという、これもそれぞれ意味がある。そうでしょう。仕事上必要であるというのは郵務部長の権限、資材部長の方では資材は幾らでも提供するからこれはきちっとしなさい、経理部長は金をこの方面で使ってもよろしい、こういうような認可を含む通達でしょう。人事部長は、その場合は労使の慣行含めてこれだけは優先してやれよ。これで、名前、がん首を四人ずっとそろえて出してやったのでしょう。十一月までに改修完了いたしましたか。
○江上(貞)政府委員 御承知のとおりベルトコンベヤーは、非常に多数の郵便局で非常に多種多様な機種あるいは年式のものを使っております。現場におきましても十一月末までに改修終了できるよう努力をしたようでございますが、ただ、改修を行います業者も限定をされておりまして、当初予定しております時期、ただいま御指摘の十一月末までには全部を完了いたしませんでした。ただ、先ほども申し上げましたように、その後指導いたしまして、現在ではすべての改修が完了したという報告を受けております。
○島本委員 十一月の末までに改修を完了せよという指示、これは管理者ならば守らなくてもよろしいぞ、こういうことを言外に含む指示ですか、郵務局長。
○江上(貞)政府委員 本省の通達そのものは早急にという指示をいたしまして、十一月末は実は報告を求める締め切りの日にいたしております。十二月期に繁忙に入りますので、私どもといたしましては、口頭その他ではなるべくその時期までに改修を終了するように、極力急ぐようにという指示はいたしました。
○島本委員 それならば、この東京鉄道郵便局東陽分局、十一月末までに完了したはずのベルトコンベヤーに、十二月二十八日午前二時四十五分ごろ、これまた臨時雇い、非常勤の木村実という人が巻き込まれて、今度は重体に陥っております。一体これはどういうことなんですか。
○江上(貞)政府委員 東京鉄道郵便局の東陽分局の件でございますが、実はこの分局で使用いたしておりますベルトコンベヤーは最新式のものでございまして、そういう意味で現地の管理職にも多少心の緩みのようなものがあったのではないかと思います。ただ、その後安全対策につきましては、東陽分局で使用中のポータブルコンベヤーの改修を直ちに実施いたしました。 なお、御指摘の方でございますが、実は六年ほど近隣局を含めましてこのような仕事に従事しておられる方でございまして、おいでになりましたときにも、労働安全の確保については、ミーティングその他では再三レクチュアをしたというふうには報告を受けております。
○島本委員 これは結局のところ、幾ら何と言っても、通達に基づいた改修が行われておればこういうような事故の発生は見なかったことでしょう。管理者であるならばこんなことを言ってもそれは認めてやる、こんなばかなことがありますか。この東陽分局、これは十月二日に開設になった局で、郵袋だけを扱う局でございましょう。そして、九月の段階で全逓と交渉した際に、大量のベルトコンベヤーを使用するのであるから──九月十九日ですよ。その交渉で組合側から、奈良のような事故の惹起しないものを入れよ、こういうような強い要請を受けて、それに対して郵政省側は、東陽分局は新局、奈良のような事故の起こらない改修されたりっぱなものを導入する、こういうように言っているでしょう。その点はいまあなたが言ったとおりです。したがって、東陽分局では完全に整備された機械が導入されたものだ、こういうふうに信じておるのは当然だと思うのです。これはまさに食言じゃありませんか。完全に整備されたものが事故が起こるのですか。その事故のときにはさまった郵袋、これですよ。それがこうまで曲がるのです。これはわれわれがちょっとやそっとやっても曲がりませんよ。大臣、ちょっと見てください。これはひどい。ベルコンによって壊れたメンコです。破損されたものです。ちょっと見てください。そうまで強く曲がるようなものなのです。これは業務優先、安全第二、この思想そのままの結果じゃありませんか。十一月下旬の、いま局長が言いましたけれども、改修業者の見積もりに対して改修したのではベルトコンベヤーの運転を停止させなければならないとして、改修作業を中止、延期させているじゃありませんか。わざわざ行った業者にストップをかけているじゃありませんか。そしてこの業者は、事件が発生するや直ちに呼び出されて改修に着手されている。何たることですか。こういうようなことが勝手に許されるものなのですか。この通達はどうして守られないのですか。その場合、管理者の場合は許されてしかるべきなのですか。確認に反している。食言している。こういうようなものに対して、これも全逓が悪いのですか。官自体が法違反を起こしていても、それでも、これは食言だとして片づけていいのですか。まだ改修してないものも二十から三十あるでしょう、全部やったと言いながら。こういうような状態にしておいていいのですか。これは郵政省に聞く前に、労働安全衛生の主管官庁である労働省、この実態について一体どう思いますか。
○野原政府委員 郵政省も国の機関でございますので、私どもとしては、率先して模範を示していただくことを期待しているわけですが、先ほど来いろいろ災害の事例のお話もございますので、問題もあるわけでございますが、そこで私どもとしては、郵政省で現在進めておられます一連の改修措置、これについての報告を求め、その結果を見まして必要によっては実際の現場について監督指導をする、あるいはまたその結果によってさらに要請もしたい、こういうふうに考えております。
○島本委員 しかしその場合に、管理者の食言に対してはどういうことになるのでしょうか。大臣、こういうようなことを正式の団体交渉ではっきり言っているのですが、完全にうそを言っているのです。この食言に対してはどういうことになるのですか。こんなことやってもいいことなんですか。人の命にかかわるような重大な食言をしているのです。大臣どう思います、これは。
○栗原国務大臣 食言をするということは、一般的によくないことですね。ですから、食言をすることのないように十分に注意をしてもらいたい、こう思います。
○島本委員 郵政省よく聞いておいてほしい。それだけじゃないのです。この事故に巻き込まれた臨時雇いの非常勤の木村という六十一歳になる人です。この人は十七日の日曜日から十八日にかけて十六時間勤務、その前後に四時間ずつありますから二十四時間勤務をやっているのです。そして十九日は、これは日勤をやっているのです。それで二十日から二十一日にかけて十六時間勤務、これまた前後に四時間ずつ超過勤務しておりますから、二十四時間勤務しております。二十二日、これは休みましたが、二十三日にはこれまた日勤をして、今度二十四日から二十五日にかけてまた十六時間勤務、前後に四時間ずつの超過勤務を入れて二十四時間勤務をしているのです。そして二十六日は休みを廃休しているのです。そして二十七日から二十八日これまた二十四時間勤務して、もういよいよ終わりという明け方の事故なのであります。これは人道上の問題じゃないですか。三分の二以上の組織した労働者との協定、これは基準法上の拘束力があるものだ。そのときは時間外協定が結ばれていないはずです。正規の労働時間以外勤務してはならないはずなんであります。三分の二以上の組織した労働者との協定、これは基準法上の拘束力があるものだ、こう思いますが、労働省どうですか。
○小粥説明員 先生御承知のように、基準法は一日八時間、週四十八時間の労働時間の原則を定めております。
○島本委員 そんなことじゃない。三分の二以上の組織した労働者との協定は基準法上の拘束力があるかないか。
○小粥説明員 三分の二以上の労働者で組織された組合と当局側との結びました協定は、基準法三十六条に基づく三六協定として有効に成立するわけでございます。
○島本委員 そうすると、時間外協定がないのに、いかにこれは季節労務者であっても、組合の持つ一般的拘束力によらなければならないはずのものであって、このようなことをやってはならないわけです。人道上の問題じゃないですか、人道上の。人であるならば──業務のために命を犠牲にまでして、健康や命を犠牲にしてもやらせなければならないのですか。人道的に問題です。これは非人道的な勤務条件ではないですか。これはまともなものでしょうかどうか。人事局長、まともなものですか、これは。
○守住政府委員 まともなものではございません。
○島本委員 まとものものではないものをやらした管理者の責任はどういたしますか。
○守住政府委員 御指摘の方、まことに御不幸なことになられたわけで、まことに残念に思っておる次第でございますが、過去数年間このような郵袋処理の郵便局に農閑期に集団で来ます経験者でございますけれども、そういうことでついつい……
○島本委員 よけいなことを言っちゃいけません。管理者の責任、どうだと聞いているのです。──じゃ労働大臣、これは管理者は責任ないですか。
○守住政府委員 このような取り扱いは当該局で直ちにやめた次第でございますけれども、今後これを再現させないように指導の徹底を図っていきたい、そういう形で浸透させていきたい、このように考えております。
○島本委員 やめたか、どこかへ行って異動になったか、それはわかりませんが、責任はあるというのですか、ないというのですか。どうも聞いても、そのものぴたっと言わない癖があるんですね、あなたは。ぴたっとなぜ言わないのですか。ありますとなぜ言わないのですか。そうでなければ、ありませんとなぜ言わないのですか。
○守住政府委員 ついつい時間外勤務をさせる結果になっておるという点につきまして責任はあると思っておりますけれども、その内容に応じて、私どもはやはり事実に即して考えなければいかぬ、このように思っております。
○島本委員 しかし、本年一月十一日現在の調査で、未調整、未改修のものが、東京だけでポータブルコンベア安全対策措置が十分されていないものがまだ六百六十九あるという、どうしたわけなんですか、これは。指示も通達も行われていないに等しいじゃありませんか。これはどうするつもりですか。
○江上(貞)政府委員 私どもが報告を受けておりますのは、現在使用いたしておりますのは全部改修が済んだというふうに報告を受けております。 なお、ポータブルコンベアには平常使用いたすものと年末の繁忙時期だけに使用いたすものと両方ございますが、年末の繁忙時期に使用いたすものにつきましては現在倉庫等に格納中でございますので、これらのものにつきましては、次回使用いたすまでに全部改修を終了したいというふうに思っております。
○島本委員 じゃ、十一月の末までにやれ、これはやっていない。やっていなくても管理者の場合ならそれを許す。全逓の場合ならどうですか。秒単位の賃金カット。全逓の場合なら労働組合に対して秒単位の賃金カット。監視労働。ラジオ体操をやってもこれは役務とみなす。勝手なことを言う。役務とは何のことを言うのですか。ヒトラーみたいな考えを持ってはいけませんよ。役務というのは、郵便の場合には、これは取り集めから配達を含めて全体的なサービスを言うんでしょう。あなたは二秒おくれた、二秒ですよ、出勤簿に判を押してはならない。そして出勤簿を取り上げてしまう。何をやるかというとラジオ体操をやる。郵便体操ですか。十秒おくれても働く意思がないものと決めつけたりしている。これはきのうだってはっきり言っている。あなたはわかっているでしょう。管理者なら、組合員の命にかかわるようなこういうような指示、通達に違反しても、これはもう慎重に緩く見てやる。組合員の場合ならば秒単位の賃金カットもする。監視労働もさせる。役務とは見ないようなラジオ体操ですか、こういうようなものも役務として扱う。十秒おくれても働く意思がないものと認める。私がいましゃべっておるほんの十秒、このくらいの間にでももうすでに差をつけている。十一月の末までにまだやっていないものに対しては管理者の場合は認めている。こういうようなことがとりもなおさず、信頼関係の回復をしていきたいという郵政省の態度なんですか。とんでもないですよ。管理者に対して全くこれは私は残念だと思います。いま私が言ったのは当然であると考えますか、それとも考慮する余地があると考えますか、人事局長。
○守住政府委員 この何秒……(島本委員「よけいなことを言わぬでもいい」と呼ぶ)賃カツというお言葉が非常に出ておりますので、それは恐らく組合のある方がお書きになったもので、現場の実態というのはいわば売り言葉、買い言葉といういろいろな会話が飛び交っておりますけれども、そういうあれの内容ではないか。したがいまして、そういう数秒で賃金カットをするとか処分をするとかいう事実はないわけでございまして、その点だけはひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。 しかし、いずれにいたしましても、そういう感情的な問題に現場の雰囲気がなっていくということは非尋に残念なことでございまして、私どもも、さらにまた労使の場を通じまして何とか規律ある明るい職場を目指してやっていきたい、このように考えております。
○島本委員 そうしたならば、きのうの予算委員会で安宅委員が質問した、この根拠はでたらめであったというのですか。これは東大です。この根拠に基づいてきのう質問しているのです。私はいまここで総括しただけなんです。それをでたらめだというのなら、これは重大な問題です。これはでたらめですか、どうなんですか。ちょっとこれをやってください。
○守住政府委員 拝見いたしておりますけれども、でたらめと申しておるわけではございません。そこにはいろいろな背景があるであろう、こういうことで、売り言葉に買い言葉みたいなものも中に出ておるのではないか、こういうことを申し上げておるだけでございます。 もう一つは、実は数秒で賃金カットとか処分とかということは、一切そんなことは考えられない、いたしておらないところでございます。
○島本委員 そういうことじゃないはずであります。もっともっと謙虚に、あなたはいまの質問を考えた方がいいと私は思います。 それと同時に、余り時間がないようですね、これはもっともっと資料はたくさんあるのですが、ひとつこの問題に対してどうお考えでございましょうか。 これは私も現実に調査に行ってびっくりしたのでありますが、札幌郵政研修所における腕章、ワッペンを着用した組合員が強制退所を命ぜられた件です。これは五十三年六月六日に、外務職員から内務職員に変更した札幌の一局員です。藤倉讓君です。これは郵政研修所に新任訓練生として入所いたしました。当時、職場はいろいろと反合闘争の最中でもあり、腕章、ワッペンを着用していたところ、その着用は違法だとして取り外し命令に加えて、当局が推進しているネームプレートを着用せいと命令して、七日間にわたる執拗な脅迫めいた説得を行い、その訓練をさせなかった。その結果、それを理由にして一週間後に強制退所を命じた。この問題についてはどういうことですか。リボンやワッペンは、労使の確認事項で、昭和四十六年ころでございましたか、つけないことのみをもって昇任昇格の対象とはしない、処分はしない、そして人事考課の対象にしない、はっきりそうなっているじゃありませんか。それを今度研修所の方では強制退所を命ずる。これは一体どういうことでしょうか。
○守住政府委員 一般に、ワッペン等を勤務時間中につけます、腕章ももちろんでございますが、そういうものは勤務時間中の組合活動である、職務専念義務違反であるということは判例等にも出ておることでございますけれども、特にこれが研修所の中で、他の研修生はつけていない中でこの方だけがつけておられるというふうな実態の中から、よりよい研修という観点から、いろいろこれは取り外してもらいたいということを説得したわけでございますが、なかなか聞かれない、それで、いろいろ成業の見込みがないとかいうふうなことで所属局の方へお帰りをいただいたというケースでございますが、なお具体的には、公労委の方へ不当労働行為案件というふうな角度で申し立てがなされておりますので、その中でいろいろな事実関係や、その事実の評価や、私どもの物の考え方も申し述べていきたいと思っております。
○島本委員 労働大臣もすぐ退出しなければならない時間で、これは申しわけないのでありますが、リボン、ワッペンのこの問題で、大臣の意見をちょっと……。 これは労使の確認事項なんです。そして、これをつける、つけないによって昇任昇格の対象にしない、そして処分をしない、人事考課の対象にしないということになっているのです。そして一方的に今度、郵便番号をつけましょうというリボンはつけさせているのです。そうして組合のつけるのは違法だというのです。それが確認事項であっても、退所までさせるのです。どうもこれはおかしいと思いませんか。こういうようなことで善良なる慣行、善良なると言うよりも、りっぱな労使関係が樹立すると思いますか、異常だと思いませんか、大臣の見解を聞かしてもらいたい。
○栗原国務大臣 いまの事案は不当労働行為として公労委の方へ提訴中のようでございますから、それについてとやかく言うことは控えさせていただきますが、いまいろいろとお話を聞いておりまして、労使の間に大変な不信感がある、この不信感を一刻も早く取り除かなければいけない、そのために郵政省の方も、大臣を初めとして精力的に取り組む姿勢のように見受けますので、労使の間で腹を割って平和裏に自主的に解決することを期待いたします。
○島本委員 最後にもう一つ。 期待しているようでありますが、各大臣がいままで期待しても、そのとおりやらないのです。今度私は、いまのあなたに心から期待するのであります。解決するまで監視し、指導してもらいたいのでありますが、その決意を聞かせて、後は退所してください。
○栗原国務大臣 御期待に沿うように努力をいたしたいと思います。
○島本委員 どうもありがとうございました。 こういうような関係は私は本当に残念なんであります。しかしながら、口ではりっぱな労使慣行を樹立するのだと言いながらも、結局は、いろいろ陰に回って反対のことをしているのがいままでの郵政官僚の実態です。こういうようなことでは口で何を言ってもだめです。そして命、健康を損ねてまでも仕事をまずやれというこの姿勢、どうも私は残念であります。 もうこれで時間になったそうでありますが、私はこういうようなことからして、労働省の局長にもはっきり申し上げておきたいのです。安全衛生規則が省令によってきちっと改正された、そしてこれが労働者のために安全だという基準やそういうようなものも指示された、わかっていても守らせておらない、それが同じ官庁の中にある、これは残念であります。そのために人命が損なわれるような──どうなるか、まだほとんど意識さえないのですよ、東陽局の分局の人は。そういうような状態にしておく、これはまさに労働安全規則、この面を通しましては労働省は完全に郵政省に無視されておることになるじゃありませんか。そういうようなことを官庁であるならば黙って許しておけるものでしょうか。最後に労働省の見解をおお聞きしたいのであります。
○野原政府委員 先ほど申し上げたように、やはり国の機関みずから率先して安全衛生規則を守っていただく、これがたてまえであり、私どもそういう方向で、今後さらに郵政省と連絡をとりながら完全実施を図ってまいりたいと思います。
○島本委員 そのことを肝に銘じておくようにお願いして、私の質問を終わります。(拍手)
○森下委員長 午後二時十分再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ────◇───── 午後二時十六分開議
○森下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。安島友義君。
○安島委員 労働大臣は就任以来、雇用対策を初め労働政策に非常に意欲的に活躍されているようでございまして、その点については敬意を表しますが、どうも私のこれまでの経験によりますと、初めはかなり意欲が見られるのでございますが、だんだんと労働問題のむずかしさがわかったのかどうかわかりませんが、とかくしりつぼみになる傾向もございますので、どうぞ最後まで現在の姿勢を持続していただきたいということをまず御要望申し上げておきます。 さて、初めに雇用・失業情勢の見通しについてお伺いしたいのですが、時間の関係がありますし、また後で関連がございますので、聞くことだけに端的にお答えいただきたい。 「いましばらく楽観を許さない」と述べておりますが、この「いましばらく」というのは半年ですか、一年ですか、数年ですか、それともそういう期限的なものは一切含まれていない「しばらく」という意味でございますか、その点をお伺いしたいのです。
○栗原国務大臣 「いましばらく楽観を許さない」という「しばらく」というのは、特定の期間を特に言うたわけではございません。非常に厳しい状況が続くということでございますが、少なくとも昭和五十三年度の失業者が大体百三十万と、こう見ておりますが、五十四年度も百三十万ぐらいの失業者が出ざるを得ないのではないか、そういう意味で申し上げているわけでございます。
○安島委員 このことは特に繰り返しませんが、どうも「いましばらく」というのは適切な表現とは思えない。大臣がそのような厳しい情勢判断に立っているとするならば、ここは意味合いが若干違うのではないかと思います。これは後に進めてまいります。 景気対策と雇用とのかかわりなんですが、これはたびたび私どもがこれまで指摘してまいりましたが、政府の雇用対策の考え方というものは、公共事業を拡大して景気の回復を図れば雇用の増加につながるという図式でございます。私どもは、今日の日本の産業構造や世界的ないろいろな厳しい経済環境の中では、失業という問題を社会問題としてとらえるべきであり、政府の施策というものがこれを社会問題としてとらえていないところに問題があるのではないかと私は思うのです。特に、これは予算委員会等でも指摘されたことですが、国、地方自治体を含めまして、五十三年度では約二十六兆円の公共事業を行っております。これに対する雇用効果は大体十七万人、そのうちで新規雇用創出はわずかに五万人だと言われているわけです。ここで私は、これは仮定の話ですが、政府のこの景気回復のための政策が、経済成長率が年六%程度これからも引き続き持続されると仮定すれば失業者は徐々に少なくなると考えておられるのか、必ずしも成長率と現在の雇用・失業情勢とは結びつかないと判断されているのか、その点についてお伺いしたいと思うのです。
○細野政府委員 成長率と失業の解消との関連についてのお尋ねでございましたが、私どもは基本的には、経済の成長が失業の解消なり雇用の改善のためには非常に重要だと考えております。 ただ、先生御指摘のように、経済が成長さえすれば雇用も自然にふえ失業も解消するというふうに、直接的な結びつきが最近の情勢下で非常に薄くなってきている。したがいまして、経済成長に加えて個別的な具体的な対策が必要になってきているという点は、私どももそう考えているわけでございます。 そういう意味で各般の個別的な対策、雇用対策について例を申し上げれば、中高年齢者雇用対策給付金などの大幅拡充というものを考えましたのも、そういう考え方に基づいているわけでございます。
○安島委員 景気対策と雇用とのかかわり合いで、私が指摘した失業問題を社会問題としてまだとらえ切っていないという指摘に対しては、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○栗原国務大臣 失業問題をただ単なる労働問題でなくて社会問題としてとらえるという観点から言いますと、まさに中高年齢者、特に高年齢者の雇用が非常にむずかしい、一たん離職するとなかなか再雇用がむずかしい、ここら辺はまさに労働問題の次元を越えた社会問題としてとらえなければならない、こういうふうに考えております。
○安島委員 午前中村山委員からも若干質問がございましたが、昨日大臣は江崎通産大臣と一緒に経済四団体首脳に会ったそうです。また、その内容についても新聞で一応拝見いたしました。これは、繰り返すようでございますが、何を重点に要請されたのか、簡潔にひとつ御説明いただきたいと思います。
○栗原国務大臣 先ほども申しましたとおり、私どもは国会の論議を踏まえて経済界の代表に要望した。一つは、減量経営に藉口する人減らしというものについては、社会的責任を感じてそういうことがないようにお願いしたい、余力があるにもかかわらずそういうことをされることのないようにというのが一つ。いま一つは、高年齢者の人たちの雇用をどうするか、その問題については、定年の延長ということを中心として強く要望したわけでございます。
○安島委員 過度の減量経営に対しても注意を促したというか要請したと聞いておりますが、後でも触れますが、政府がいま非常に厳しい財政の中から景気対策に思い切って金をつぎ込んで、いわば財政主導型の景気対策、国内の需要を喚起しようと努めていることと、経営者の経営を維持していくという観点からの減量経営というのは、そのことに関しては一概に否定できませんが、現在のような情勢では、政府がかなり無理をした借金財政の中で景気刺激策をとっているということと減量経営というものは矛盾しないでしょうか、その点どうお考えになりますか。
○栗原国務大臣 御案内のとおり長い油ショック以来の不況下でございまして、景気を何としてもよくしなければならない、そういうことから、御指摘のとおり政府は大量の国債を発行しても景気の回復に努めている。それから企業の方は企業の方で健全な体質にならなければいかぬ。健全な体質にならなければ企業の存続そのものが危ういという立場から懸命な努力をされたという点も認めなければならないと思います。 昨日の話の中でも、私どもが減量経営の問題について触れましたところが、経済界の代表の人たちの考え方の中には、私どもも雇用というものの社会的責任は十分に考えているつもりだ、ただ需要のないところには供給はできない、需要がなければ企業活動は活発になれない、そこら辺のこともひとつよく考えてもらいたいという話がございました。そこら辺は矛盾をしないと思います。政府の財政による景気刺激と企業の方の経営合理化といいますか体質改善といいますか、そこら辺が相伴わなければ雇用の拡大につながらないと思うのです。
○安島委員 実は、皆さんが経済団体首脳部と話し合いをされた多分後だと思いますが、桜田日経連会長の記者会見の模様が伝えられたわけです。一方の新聞報道によりますと、経済団体首脳部は、通産大臣と労働大臣との話し合いで、原則的に両大臣の要請は理解したというふうに報道され、その後の記者会見において桜田日経連会長は、この内容を見る限り、一体本当にその両大臣の要請を十分理解したのかどうか疑われるような、減量経営は当然であり、その過程で人減らしが行われるのもやむを得ない、こう述べている。こうなりますと、何が原則的に一致したのか、経済団体の首脳部は本当に現在の雇用・失業情勢をどのように受けとめられているのかが非常に疑問に思うのでございますが、その辺大臣の感触についてもう一度お伺いしたいと思います。
○栗原国務大臣 私もけさ新聞を見まして、私どもが接触した感触と大分違っているので、その点についてはこれはいかがなものかと思っているのです。少なくとも私どもの話の中では、日経連の会長は、減量経営については余力があって減量経営するというようなことは好ましくない、だからその点についてはよく理解をし、できるだけのことをしよう、こういうような御発言でございましたし、特に高齢者の問題につきましてはこれはむしろ社会的な問題だというくらいにまで言っておられましたので、少なくとも私どもとの話の中では非常に理解をしていただいたものと考えておるのです。新聞の報道と私が接触したニュアンスは違いますが、私は新聞の感触よりも私どもと経済団体の代表者との話し合いの方を信用しておりますし、それに信頼を置いております。こういうことであります。
○安島委員 また後で触れたいと思います。 次に、労働時間短縮と週休二日制についてでございますが、大臣の所信表明の中で触れられている部分、言葉じりをとらえるわけではありませんが、「勤労者福祉の向上、国際協調の確保」の次に「あるいは長期的に見た雇用機会の維持確保」に役立つ、こう述べているわけです。私は、大臣だけでなくて、何かいまの政府の労働政策、特に労働時間短縮、週休二日制に対する考えが、どうも単なる順序の関係ではなくて、本音がここにあらわれているような感じがしてならないのです、後で御答弁いただきますが。特に国際的には資源エネルギー問題、国内においてはいろいろな問題はありますけれども、恐らく経済成長率が六%前後の見通しが立てられるのもここ一、二年、数年間だろうと見ていいと思うのです。つまり成長率もやがて鈍化することは避けられない。そしてその反面国内においては高齢化社会が急速に進む。先ほどもちょっと触れましたが、膨大な赤字国債を発行しながら、財政主導型の景気刺激策をとって内需の喚起に努めている、こういう現状の中で、特に経済界は経営採算についてはドライに考えるから時間短縮のデメリットというものを考えているのだろうと思いますが、少なくとも雇用という面で考える限り雇用創出にこの労働時間短縮が直ちに結びつかないということ、これはこれまでも委員会で何回も質問したのですが、その都度いま直ちに雇用創出には結びつかないという答弁をいただいているのですが、これは具体的にどういうことを意味するのか。あるいは私が言ったように、時間短縮というものを別にこの順序でもってとふうな意味合いでないということならば、そのことも含めて、労働時間短縮というのはやはり世界的な趨勢ではないかとか、体をもっと働くべきときは働き、そして休むときは休む、そういう福祉社会型の方向に重要なかかわりがある、この考え方は私はいまでも変わりませんが、しかし今日の状況は、これは最も雇用創出とのかかわりにおいて考えるべきではないか。しかも、わが国の資本主義は高度に発展しているわけですから、世界の歴史を見ても、資本主義の発展段階と労働時間短縮の歴史というものは、これは非常にそういう方向で動いてきている。そういうことを考えるならば、時間短縮ということは、いろいろな困難があるけれども、これは労働政策として、少なくとも政府の労働政策としては非常に重要な位置づけにやはりあるのではないかと思うのですが、その点についてどうお考えになりますか。
○栗原国務大臣 時間短縮の問題で、時間短縮が直ちに雇用につながらない、こういう答弁を政府側でしておる、これはどういうことだというお尋ねのようでございますが、中基審の答申の中で、あれも読ましていただきましたけれども、私の読んだ限りにおきましては、時間短縮をすることによって生産性の向上というものが時間をかける間に定着をしてくる、そしてその生産性の向上が出てきたところで余裕が出てくる、その余裕が出てくるということが余暇の方へ回って、いろいろ第三次産業等が興ってくるんじゃないか、そういうように考えておるわけです。しかし生産性が上がるまでの間というのはやはり時間がかかる、だから時間短縮すればそれが直ちに雇用につながるというふうには読めないのではないか、こういうように考えるわけでございます。 ただ安島さんのおっしゃるとおり、時間短縮とか週休二日制というような問題は、国際協調の意味からもまた福祉の増進という意味合いからも、これは精力的に行政指導を徹底をしていかなければならない。すぐにつながるということにつきましては、いまのところそういうことにはならぬのではないかと考えておるわけでございます。
○安島委員 実は二、三日前だったと思いますが、佐世保重工の再建に関する経営側の提案を労働組合がやむを得ず受諾をしたという記事が載っておりまして、その中で私は非常に遺憾だと思いましたのは、いまの実態は十分とは言えませんが私も承知しておりますので、やはり経営が軌道に乗るまでの閥はそこの従業員で構成される労働組合も一定のしんぼうをしなければならぬ、私も民間出身のものですからそれは理解できるのです。ただ、ここでこの労働条件が一定の切り下げをされるというようなことは、労使協議で決まることですからそのことについてどうこうは言いませんが、たとえば景気がよくなるような場合には、賃金の場合だったらばもとに回復させるということに当然労働組合は黙っていませんが、また、恐らく労働時間の問題についても触れると思いますが、私の体験上は、賃金の問題は別として、一たん労働時間を延長したような場合、これをもとに戻すということは非常にむずかしい問題なんです。これは仮定の話ではありますけれども、私はこういう問題についてどうも時代逆行もはなはだしい。仕事量がない、まあ仕事も全体として造船はないわけです。その中での急速な合理化、午前中村山委員も具体的な例を挙げて質問をいたしましたが、こういうような状況の中で、いかに経営再建とはいえ、どうもその辺納得がいかない。この辺について労働省としてはどういうふうに承知しているのか、あるいは何らかの指導等を行ったのかどうか、その点についてお伺いしたいのです。
○岩崎政府委員 一般的に申しますと、労働者がその企業において一たん獲得したと申しますか享受し得ている労働条件、労働時間、休日も含めましてそういうものが、前から大臣もたびたび申し上げておりますが、単に減量経営とか、あるいは不況に藉口してそれが切り下げられるということについては私どもも好ましくないというように考えております。 ただ、具体的な企業の中での労働条件となりますと、たとえば労働基準法で言います労働時間あるいは休日、それすら守られていないような形での切り下げが行われると、これは即労働基準法上の監督の問題になりますが、それを相当上回った形で現在享受しているものが、その中で労使が本当に企業経営実態を双方で認識して、そしてその中でやむを得ない一時的ながまんということで、納得の上である切り下げが行われたということである限りは、その企業の実態を最も知っているのが労使でありますので、私どもはやむを得ない場合もあろうかというように考えております。
○安島委員 ここでは余りその点について触れるつもりはなかったのですが、たまたまこの時短の問題でちょっと労働省の考え方を確かめておきたいと思ったものですから。 たとえば御承知のように、造船産業の発展から今日の非常な低迷に至る状況の中で、発展段階においてはかなり政府の手厚い保護助成策が講じられてきたこと、そして造船の実態というものは、本工の比率がきわめて少なく、社外工、臨時工が多いということで、これは外国の労働組合ばかりではなくて、船主等からも批判されたことはもう御承知と思うのです。今度は全体として作業量が激減しているということで非常に苦労はされているとは思いますが、経営再建とは言いながら、その再建策というものがまた再びもとのような造船、これはもとのようなというのはどんどん造船の仕事がふえるという意味じゃありませんよ。造船の体質そのものが本当の意味の再建に役立つのかどうかという点では、こういうやり方での再建策というのには問題があるのではないか。これは労使間の協議によるのはあたりまえの話でございますが、少なくとも労働省としてこの辺の問題については適切な助言や指導が必要なのではないか。ただ、その会社がまあまあもとの状態になればいいというものだけで済むものなんでしょうか。その点、今度の再建策の中に盛られた内容について、何か、厳しい世界経済環境の中での本当の意味での再建策としての姿勢が、どうも一方的に労働者のみにしわ寄せされた再建策になっているというのはきわめて遺憾だと思います。この辺については、今後のいろいろな諸問題については労働省としても十分注意して指導してほしいと思います。 次に、中高年齢層の雇用対策についてですが、中高年齢層の雇用対策についてはかなり思い切った予算措置を講じられているということは私も評価いたします。ですが、手放しにほめることばかりではいろいろ問題がありますからさておきまして、まず前提として雇用開発給付金の運用執行についてですが、これは確認だけしておきますが、この給付金のいわば資格認定というものは出先の職業安定所長が行うこと、それからこの給付金の支給対象事業主というのは当然のことではありますが常用雇用者、つまり一時雇用、臨時雇用者ではないということですが、これは間違いありませんね。
○細野政府委員 ただいまの御質問のございました雇用開発給付金でございますが、まず職業安定所長の認定というお話がございましたが、要件が該当するかどうか等についての判断、この認定は安定所長がいたします。 なお、あるいはお尋ねが事前に安定所の紹介を条件とするかどうかというお尋ねでございましたら、また後ほど補足をさせていただきたいと思います。 それから、二番目の常用雇用を条件とするかどうかにつきましては、私どもは常用雇用を条件にしたい、こういうふうに考えております。
○安島委員 初めの方は、この認定はだれがやるのか、出先の職業安定所長なのかと聞いているわけです。
○細野政府委員 本省の定めました基準に基づきまして職業安定所長が認定をいたします。
○安島委員 これまでにもいろいろ雇用対策につきましては皆様も努力されてきたし、議会でもいろいろな立法措置、さらには予算の追加措置等もとってきたわけですが、この中で実効の上がったものももちろんありますが、この雇用安定事業に関しましては、どうも予算執行面で見る限りはほとんど効果が上がっていると思えない。一体この理由はどこにあるとお考えなのか、端的にお答えをいただきたいのです。
○細野政府委員 安定事業の実績が上がらない理由ということでございますが、一つには、一時休業等に対する雇用調整給付金等につきましては、これはもう先生も御存じのように、発足の当初に非常に活用されまして、予算対策に大わらわであったというような時点もあるわけでございますが、そういう面から見ますと、雇用調整のやり方が変わってきているということが、一時休業等に対する雇用調整給付金等が活用されていない一つの大きな理由なわけであります。 それからもう一つの問題としまして、やや長期的な問題としての事業転換対策関係の調整給付金につきましては、制度発足後間もないというようなこともございまして、企業側の対応がなかなかこれとマッチしなかったというふうなこともございます。 それから三番目に、共通の問題としましては、制度のPR等につきまして私どもの努力も十分でなくてその点についての徹底を見ていないというふうな、大きく分けますとこの三点ぐらいが理由ではなかろうかと考えているわけでございます。
○安島委員 この給付金の支給期間というものは、これは年齢で区分しておって、いわば中年の場合が最高一年、高年齢層の場合一年半ということですね。それから賃金の補助というかこの内容につきましては、中小企業の場合が五分の四、それから大企業の場合が五分の三ですね。これは雇い入れ側の方としては非常に魅力のある制度だと思うのです。 ただ問題は、私が先ほどこの資格要件を聞いたのは常用雇用者である、それは当然のことですね。政府が税金を使ってやるんですから、金の切れ目が縁の切れ目だなんということで解雇されたんではたまったもんじゃないのです。そのことと、実際は一年なり一年半は非常に妙味のあるものだが、常用雇用というのは年齢によってはこれは相当長い期間働いてもらうということが資格要件になるということとの兼ね合いにおいて、五十四年度予算ではこれによって約十万人の雇用創出、失業救済を図ろうとしているのですが、十万人というものの見当はどこからつけられたのですか。 それから、これについて雇用安定事業のようないままで余り実効が上がっていないという批判があるわけですが、今度は大体間違いないという確信を持っておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○細野政府委員 中高年齢者の雇用開発給付金を初め、雇用開発事業にかかわります各種の給付金につきましては、それぞれ現在までの関連している制度の実績等を見た上で、その上で積算をしているわけでございますが、特に御指摘の中高年の開発給付金につきましては、最近では、現在も細々の制度はあるわけですが、その制度自体が非常に活用されまして、最近は予算をオーバーいたしまして、恐らく五十三年度中には対象としまして約二万人を超えるんじゃなかろうかというふうな状況でございますので、私どもは先ほど御指摘の開発給付金で五万五千、その他を合わせて約十万というものは達成できるんではなかろうか、また達成しなければいかぬ、こういうつもりでおるわけでございます。
○安島委員 ぜひそういうように努力してもらいたいと思うのですが、そこでまた前に戻りまして、これまでのいろいろな雇用安定のための事業というものが、かなりの予算を計上したけれども、使い残しといいますか大部分の予算を残す結果になった、このことは、率直に言いまして、いわゆる民間産業の実態把握というものが不十分ではなかったのか、そしてこの労働の需要供給関係、雇用・失業情勢というのは、人間は生き物ですから動くわけです。そして今日のような状況の中では相当大きく動いているわけですから、マクロでだけとらえても、ミクロでの対策は後手後手と回ることは明らかなんです。そういう点で、いろいろ知恵をしぼって考えられたのだけれども、少なくとも民間産業、企業の実態には必ずしも即応していなかった予算措置だというのが最大の原因だと私は思います。 そういう点で、私は委員会の都度取り上げているのですが、労働省の情報統計については、マクロ的には私たちがいろいろなことを判断する場合には資料として別に不自由はしませんが、日常常に変化しているような動き、たとえば就業者数が増加しているといってもその中身の問題にどこまでメスを入れられているのかという問題、製造業等の場合にはもう相当、いままで五年間の間に百二十万人ぐらい人減らしが行われている。第三次産業の方に就業者がふえていったといっても、実は第三次産業も中身を見てみるとかなり漠然としているところに吸収されているというのが多い。これは少なくとも、政府が具体的な誘導政策によって過剰労働力を第三次産業に吸収したのとは根本的に違う。仕事がないから自分でいろいろ探したり、また失業者が非常に多いものだから、いままで雇い入れが非常にむずかしかったような産業や業種が雇い入れができるようになったということでの労働者の移動なんですね。こういうものを正確に把握するために、別に新たなものを設けろということだけを私は主張しているのじゃないのだが、少なくとも情報を迅速、的確に把握して対応策がとれるような情報センター、あるいは内閣統計局とかそれぞれの省に所属しているものの中での労働統計、雇用対策に必要な統計をある程度網羅するように、政府部内で何らかの形でそういう協力体制をとるとか、いずれにしても情報統計というものに対してはもっと迅速、的確なデータが必要なのではないかと思いますが、この点についてどうお考えでしょうか。
○細野政府委員 先生御指摘のように、特に三次産業関係につきましては、労働省だけではなくて、政府全体としましても統計的に把握が十分でないところもございます。したがいまして、たとえば来年度予算の中で、労働省自体も三次産業の分析についての調査、統計等を実施することにいたしております。それから通産省あるいは企画庁、それぞれ関連のところでもいろいろな調査なり分析をいたすことになっております。そういうものを総合して判断をしていかなければならぬわけでございますが、特に先生御指摘のように、各省がよく連携をとってそれぞれの調査や分析の協力体制をとりながら、しかもダブりがないように、そういう形で実施されるように特に配慮してまいりたいと考えておるわけでございます。
○安島委員 これは順序がちょっとずれましたけれども、現在の雇用・失業情勢の中で私が特に指摘しなければならないのは、企業の社会的責任、特に大企業の社会的責任、これはこれまでも表現は経済界、財界の人たちもそういう言葉を使っている、だれもが理解しているようなことですが、その中身については、本当に社会的責任を自覚しておられるのかどうかという点については非常に疑問があるわけです。 先ほども経済団体首脳部との会見内容につきまして若干触れましたが、後から触れます定年制の問題やいろいろな面を考えましても、今日の経済社会の中での企業の社会的責任というものをもっと具体的な形で政府は求めるべきではないのか。単に抽象的に協力を要請し、わかったということでいまの雇用問題、雇用の増加、失業問題を解決することは不可能に近い、こう思うのですが、そのことについてはすぐにはむずかしいかもしれませんが、企業の社会的責任を政府としては具体的にどのような形で、今後財界等に働きかけ、実効の上がるような施策をとるお考えなのか、その辺の考え方についてお伺いしたいのです。
○栗原国務大臣 先ほどもお話し申し上げましたとおり、私どもがきのう経済剛体の代表者の方々に会ったのもその一環でございます。ただ、それでは余り抽象的過ぎるのじゃないかという御意見もよくわかります。私どもはその点工夫をこらしてひとつ徹底をしていきたい、こう考えております。
○安島委員 中高年齢層対策と密接なかかわりがありますが、具体的に定年延長の問題についてお伺いしたいと思うのです。 先ほども申し上げましたように、日本の場合はもうすでに高齢化社会に足を踏み入れていますが、今後急速に進むわけですね。そこでよく言われるマクロとして見る見方──ミクロ的な物の立場では、考え方は理解できるが、実際には自分の企業に当てはめるとそのとおりにいかないということが続いているわけなんですけれども、考え方が正しければそれを実行してもらうように、具体的に足を踏み込まなければどうしようもないような時代に入ってきているわけなんです。私が言うまでもなく恐らくよく理解されていると思うのですが、それぞれの企業の置かれている立場は理解できますが、そういうように狭い意味で企業の立場を守ることは必ずしも企業自体のためにもならない、その時点においては企業のためになるかもしれないけれども、結局は社会的なコストが増大し、社会的なコストの増大は国民負担の増大につながり、そして国民の中にかなりを占める法人、いわゆる経営者の方々も応分の負担を当然しなければならないことになるのは明らかなんですね。所得階層の低い人からどんどん重税というわけにいきませんので、マクロ的には応分の負担を経済界も背負わなければならぬ。社会的コストが増大すれば、結局はめぐりめぐってやがて企業が負担することになることは自明の理だ。こういうような状況の中で、大企業の場合はいま定年制の普及率がきわめてよくない。 一つの例ですけれども、成長期の四十三年は六十歳定年の普及率は二〇・六%だったわけです。これが四十九年には三二・四%と、この期間に六十歳定年制はかなり普及したわけです。ところがこれ以降はもうほとんど足踏み状態。五十三年は三三・七%、微増ですね。そして私の見通しでは少なくともいまのままの状況で、いまのような対策でとどまるならばこれ以上伸びるという可能性は自分の体験からしてまず少ない。本当に普及率が若干伸びたとしてもこれは見るべきものはない。私は、今日の経済環境の中でそういう見通しに立っているわけなんです。 そこでお伺いしたいのは、これはこれまでもそうなんですが、政府は、労使協議による定年制の普及ということをたてまえとして行政指導の強化を図っていきたい、そのことは労働団体の首脳とも話をするとか、経済団体の首脳部とも話をして、大臣がきのうお会いしたように何度もそういうような話をして、両方の自覚を高めながらやっていこうということだと思うのですよ。そのこと自体は私は否定しません、あたりまえだと思うのです。問題は、行政指導の強化によって定年制の普及が高まるのかどうかという点なんですよ。私は、自分のこれまでの体験を通して非常にむずかしいという見方に立っているわけです。そして、各大臣や関係局長に毎回委員会でこの話を聞いても、時間短縮、定年延長は行政指導行政指導と言っているんだが、行政指導以上に足を踏み出せないというのはいかなる根拠、理由に基づくものなのか、お伺いしたいのです。
○細野政府委員 定年の延長につきましては、これも先生よく御存知のように、その阻害要因の一番大きな問題が年功序列賃金という問題、それから退職金の問題、人事が詰まることに伴う全体としてのモラルの低下という問題があるわけでございます心そういう点につきまして、それぞれの企業の中の条件整備というものをやりながら進めるのでなければ、円滑な実施ということはむずかしいのじゃなかろうか。したがって、その辺の前提条件抜きに法的な規制等をやることについては、やはり無理があるのじゃなかろうか。そういう点で、いま申し上げておりますような点についてはすぐれて労使間の協議によって改善をしていかなければならない問題でございますので、そういう点を並行しながら、行政指導をだんだん強めていきたいという考え方でいるわけでございます。
○安島委員 たとえば五十三年における六十歳延長の普及率というのが三三・七%だ、これを業種別に見ますと、建設業が五八・六%と他の業種に比べて非常に高いのです。この数字だけ見ますと、建設業というのは非常に定年制に対して理解が深いような錯覚を起こしますよ。私が先ほど統計というものの見方とか、その実態というものにメスを入れなければならないと言ったのもここに基因しているわけですが、建設業というのは余り好んで入りたがらない、したがってやむを得ず中高年齢層を雇い入れなければ仕事にならぬということで雇っているのが、結果として数字にあらわれているのですよ。少なくとも国の施策として、あるいは民間労使の協議にまつといっても、一つの目標を持って誘導的に定年制を普及しようという考えの場合は、どんな理由でもふえればいいというのでは、これは労働政策にはならないですね。少なくともやはり、今日の状況の中において、企業の社会的責任というものを踏まえながら、徐々に経営体質を強化しその方向に持っていこうという姿でなければ、部分的に定年制がよくなったとしても、その中身にタッチしなければ、これは就業者がふえてそして失業者がただ少なくなるのは結構だが、その中身はどうでもいいということでは問題がある。全く同じ次元でとらえなければならぬ。そういう意味で私は行政指導、もっと深く突っ込んでいけば、なぜもっと効果的な措置がとれないのかということをお伺いしたいわけなんです。政府は行政指導の枠内から一歩も外に踏み出すという姿勢がとれないのは何ゆえかというのをお伺いしているわけです。
○栗原国務大臣 いま安定局長から申し上げましたとおり、日本の年功序列の賃金体系、これに経営者の方も触れなければならぬし、労働側の方も触れざるを符ない、これを避けて通れないわけです。だから、一方だけがそれに触れる、一方が触れないというかっこうでは、この問題は突破口ができないと思うのです。したがいまして、私どもは、企業の社会的責任と同時に、労働組合の大きな意味の社会的責任というふうなものがどう合致できるか、その環境づくりにいま鋭意努力をしておる最中でございます。
○安島委員 いま野党間で雇用対策についていろいろ話し合いをしているわけですが、特に今度の国会で何とかこの定年延長にかかわる法案を提出したいということで話し合いをされている。これは今後の結果を待たなければ何とも言えませんが、そこで、これは仮定になりますけれども、野党共同提案で年齢差別制限法を提出した場合、栗原労働大臣は政府・自民党に積極的に働きかける用意がおありでしょうか。
○栗原国務大臣 定年制延長の法定化の問題から年齢差別制限法といった問題、大体同じ問題でございますが、いま申し上げましたように、ネックにどうメスを入れるかというのが重要な問題でございまして、野党の方で出された法案の中にそれについて有効な措置がとられておるということでありますれば、それはそれなりの評価もし、与党に対して話をするということも考えられますが、まだどういうものが出されるかわかりませんので、それを見せていただいた上で考えたいと思います。
○安島委員 先ほど局長も大臣も定年について当面は六十歳、将来は六十五歳ということですが、この六十歳定年制の普及率の障害になっているのは年功序列賃金体系だと言われていますが、どうもこの辺の認識は必ずしも十分だとは私は思えないのです。何かなかなか進まないものだから、経済団体が言っていることをそのままここで述べているように思われてならない。実態をごらんなさい。いま年功序列貸金体系というものは客観的にはもう崩壊しつつありますよ。残っていないとは言いませんが、残っているのは比較的大企業の中でですね、その組織された労働組合等の力関係によって支えられている部分はありますよ。むしろ最近の傾向というのは、若年層よりも年齢が高いからといって必ずしも給料が高いという状態はもうすでに変わりつつある。中小企業の場合はもうとても年功体系なんかにはなっていない。それに今度のこの長引く不況というもののあおりを受けて、大企業から系列会社、下請へと労働者就業状況がどんどん変化している。そして、その労働統計の中での就業者の伸びの中で非常に注目されなければならないのは、家庭の主婦の労働がふえている。私は、一般の労働環境が安定した中で家庭の主婦がどんどん働くというのはまことに結構だと思うのですよ。ところが雇う側の方は、比較的男子成人労働者と比べれば賃金が安くて、いつでも解雇できる人を雇うような方向にどんどん進んでいる。だから就業者がどんなにふえても、その中身というものは非常に問題がある。しかも就業状況というのは、入口のとびらがいままでは閉まっていたのが、ようやくこのごろかすかにとびらが開いてきている。出口の方は開きっ放しだが、いまの状態は。だから、まず吐き出された労働者の救済というものをどうするかと同時に、現在就業している人たちをやはり安定的に雇用というものを守るということがどうしても必要なのではないかと思うのです。 〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕 時間が来たようですから、私はいまの問題に関して一言、先ほど大臣の決意をお伺いしたわけですが、私がなぜ行政指導の枠内にとどまるのかということを聞いているのは、私はここが自民党・政府の労働政策の限界ではないかと言いたかったのです。そして、それは資本主義経済体制というものの枠組みの問題とのかかわりもある、そのことはわかりますが、現在、先ほどから強調しているように、むしろ自由経済社会を守ろうとすればするほど社会的なコントロールというものを、現状に即したコントロール機能を持つこともやはり必要なのではないか。これは皆さん方が考えるべき問題だけれども、かたくなな姿勢のようだからあえて踏み込んで、それが一つの障害になっているのだとするならば、そのことを皆さん方が長い目で見て、やはりこの辺のところが、最近は自民党なんかも広報活動でかなり勤労者層に呼びかけておられるようだが、この問題は、政府・自民党の労働政策がいまよりももっと踏み込んで、現状の状態の中で対応策をとろうとしておるのかどうか、やはり自民党の政府の中での労働政策はこの程度ですよと言われる分かれ道になりますということを、私は特に大臣に最後に強調して、大臣の再度の御見解を承りたいと思います。
○栗原国務大臣 私どもの行政指導に対する格段の御鞭撻の言葉と拝聴いたしまして、肝に銘じて指導徹底いたしたい、こう思います。
○安島委員 終わります。
○竹内(黎)委員長代理 次に、草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。 私は、まず第一番に、率直に申し上げまして、今度の五十四年度の予算で、労働省が緊急雇用ということで中高年齢者の雇用開発給付金で大幅な予算を計上しておるという、そういう積極的な姿勢については率直に評価を申し上げておきたいと思うのです。 しかし、雇用という問題は、基本的に労働省としても考えを直すべき時期に来ておるのではないか。早く言うなら、高度成長時代の延長線上の雇用問題というのはもう抜本的な見直しが必要である。これは一つは失業の防止という面と、それから失業者が出た場合の離職者対策という面、そして出た後の雇用をいかにつくり上げていくかという雇用開発、この三つの面が必要になってまいりますし、それから失業の防止も解雇制限法だとかいろいろなものもありますし、きのうのそれぞれ経済団体に対する通産、労働の申し入れも一つあるでしょうし、あるいはまたいまの日本の労働運動というものも、決して内政干渉する意味はございませんけれども、私どもの経験から言いますとどうしても事態が甘過ぎるような気がいたします、大量の希望退職を受け入れる等についても。そして、そういうような問題点を後で国に持ってくるということあるいは地方自治体に持ってくるということについても、大胆に私どもも問題提起をトータルな意味で指摘をしていかないと、雇用というものは基本的に解決しないという考え方を私は基本的に持っておるわけです。そういう意味で、ひとつ労働大臣にいまからいろいろと御質問を申し上げたいと思うのです。 まず第一に、これは予算委員会でも大分問題になっておりますけれども、新経済社会七カ年計画で六十年の失業率というものを一・七%と押さえているわけです。これは本来は経企庁なりに聞くべきところでございますが、労働省として、五十五、五十六、五十七といくわけでございますけれども、たとえば当面する目標値をどのように想定をしておるのか、そしてそのために六%をどうしてもキープをしなければいけないのか。予算委員会等の論議では六%はキープできないのではないだろうかというような意見も若干出ておるわけですけれども、その点についてまず大臣の見解を聞かしていただきたい。
○細野政府委員 雇用・失業情勢の改善のためには、基本的にやはり経済成長というものが必要でございます。その場合に、それだけで足りるかどうかについては私どももいろいろな問題があるというふうに思っておりますけれども、基本的にはある程度の適正な高さの経済成長というものは必要であるというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味で来年度におきまして六・三%、自今六十年までの間平均しまして六%弱ぐらいの経済成長というものは必要であるし、またその達成に努力しなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 そういうことだと思うのですけれども、ただ、前期経済計画というのが前に出ておるわけです。この前期経済計画では完全失業率というものを一・三%、大体百万ということになりますか、こう想定をしておるわけですけれども、今度は一・七と上がるわけですよ。この変化について、いろいろな論議が私はあったと思うのですよ。数字で〇・四%ですけれども、これは生きた、働く人の数字ですから、これを簡単に新経済社会七カ年計画で変更しましたというわけにいかぬと私は思うのですよ。まずこれは抜本的な問題だと思うのですが、見解はどうですか。
○栗原国務大臣 いろいろの論議を経た結果、一・三を一・七にしたことは事実でございます。ただ一・七%というのは、いわゆる私どもは一・七%、大体有効求人倍率が一に近いというところが完全雇用と見ていいのじゃないか、そういう前提に立っておるのです。それをなぜ完全雇用と見てよろしいかと言いますと、一つには、完全雇用の定義が非常にむずかしゅうございますが、端的に言いますと労働の需給というものが総量として大体均衡する、需要不足に基づくところの失業というものはほぼ解消している、そういうものは完全雇用というふうに見ていいのじゃないか。そうしてみますと、大体これからの傾向を見ますと、新規の労働力のふえ方の方が就業よりも多い。特に婦人を中心として多い。婦人というのは、一たん労働市場からリタイアして、そのままリタイアするかというとそうではなくて、また再就職の機会を求める。それから、若い人たちというのは、わりあいに求人は多いのですけれども求職は余りしないのですね。むしろ失業率が多い。言うなれば、職業に対する選好度というのが非常に強くなってきておる。それから、例の構造不況業種なんかに対する離職者もまた予想される。そういうことから考えてみますと大体一・七%、そして求人倍率がほぼ一に近い、世帯主の失業率を少なくする、こういうところで完全雇用と見ていいんじゃないか。そういうことで実は考えておるわけでございます。
○草川委員 そうすると、話が前に戻りますけれども、前期経済計画で考えておった一・三%の見方という方がやはり間違っておったということになりますね。甘過ぎたということにもなるかもわかりませんね。いまのお話だと、一・七の方が総量として労働力というものが均衡化してきておるというようなお話があったわけですけれども、その間にかなり産業構造の変化もあるでしょうし、それからいま言われましたように、たとえば婦人労働という問題もここで出てくるわけでございますが、婦人労働がふえてくる要因というものが、若年の二十から三十代でふえておるのか、そうではなくて、たとえば四十で子供がある程度成長して子供を高校に入れなければいけない、大学に入れなければいけない、家庭の負担からやむを得ず職を求めてくるというところに出てくるのか、あるいはまた、いま言われたように若い人たちが職業を選ぶ、非常に足踏みというんですかそういう期間があるから、一・七に上がっても、それは完全失業率というものが一・七でいいというような話ですけれども、どうもちょっと、私は率直に申し上げてそれは納得できません。
○栗原国務大臣 一・七%でよろしいと言うのではないのです。一・三%の方がなおよろしいのでございますけれども、一・七%でもまあまあ完全雇用という状態ではなかろうか、そう見てよろしいんじゃなかろうかということでございまして、決して一・三が悪いと言っているんではなくて、こいねがわくはそうありたいと思いますけれども、いまのところそういうような計画になっているわけでございます。
○草川委員 では、いまも話題になりましたが、雇用の面でどうしても無視できないのは女子の労働力の増加傾向だと思うのです。女子の労働の問題については、雇用需要というものが若干ふえても、いまのままの態勢でいくとするならば、これは多少、先ほどちょっと触れましたように、これは緩衝地帯になっておるんですよね。どっちにしても女子の労働というものが緩衝地帯になっておりますから、いつも縁辺労働力というような言葉が出ておりますけれども、そういうことで待機をしておるかもわかりませんし、これが出てくると、将来の雇用の問題についても相当大きな要素になってくるわけでございますが、労働省として女子の労働力というものをどのように長期的な展望で見ていくのか。これは過日参議院で、大平総理大臣もいろいろと問題のあるような発言があったようでございますが、栗原労働大臣としては、大平さんの非常に信頼厚い大臣であるわけでございますから、同様なお考えですか。たとえば女子は家庭に帰るべきである、かわいい何とかには云々という言葉がありますが、そういうような趣旨ですか、お聞かせ願いたい。
○栗原国務大臣 大平さんのあれは、年ごろのお嬢さんを持たれた親心の一つの発露がああいう形になったんでございましょうが、私には娘もおりませんからその実感はわかりません。 ただ、いま御指摘のとおり、女は家庭におればよろしい、そういうことは言えないんじゃないかと思います。女の人が家庭を選択するという場合に、その家庭を選択することを、いや家庭なんか選択するな、外へ出ろ、こういうことは言えませんけれども、自分が外で働きたいという者につきましては、もう社会経済情勢もずいぶん変わってきておりますし、女子の能力あるいは学歴等いろいろ昔と変わってきておりますので、これは女子の働く場というものは男子同様確保すべきだ、こういうことでございます。
○草川委員 女子の問題についても、基準法等のいろいろな提案もあるわけでございますから、また別の機会にいろいろな角度からぜひ私どもも討論に参加をしたい、こう思っておりますが、きょうは時間がございませんので、次の定年延長の方へ話を移していきたいと思うのです。 一番最初に申し上げましたように、雇用というものについていろいろな影響力があると私は思うのです。定年延長について労働省はかなり大胆に産業界に指導というのですか、要望をしておることも私どもは承知をしておるところです。だけれど、定年延長ということは簡単に、先ほども社会党の方の御発言もありましたけれども、よほど環境づくりというものをしっかりしないと、単純に延長を要望しても受け入れ体制というのは私はできないと思うわけであります。労働省は、職業安定所だったですかね、いろいろなふうに指導しておるようでございますけれども、たとえば賃金体系は年功型賃金体系というものがありますね。それから、それに伴う退職金制度というものもあるわけです。いまは、民間なんかの話を聞いておりますと、大体五十五で一たん退職金を受け取りながら、再雇用というような形で五十六、五十七、五十八と延びてきて、そして任意選択制というような形で、五十八歳ぐらいが重工業での平均になっておるのじゃないでしょうかね。その場合でも、賃上げはもう横ばいだ、定期昇給だけだとか、いろいろなパターンがあると思うけれども、そういうパターンを少し労働省としても、たとえば労働協会あたりで相当専門家の方々が研究されてみえるわけでありますし、あるいは企業の方も、何といったって労務コストというものはコストとして計算をするわけでありますから、いろいろな判断があると思うのですね。そのあるべき方向というものをもう少し、労働省は企業指導というものに一歩踏み込む必要があるのじゃないだろうか、こう思いますが、その点についてどうでしょう。
○岩崎政府委員 いま賃金、退職金の問題でございますので、私からお答えさせていただきたいと思います。 いまお話しのとおり、定年延長の一つの阻害要因として、従来の年功序列賃金制あるいは退職金が年功に応じて加算されていくというようなことが、結局企業の負担を大きくするために、定年をなかなか延長できないというようなことが従来言われてきておりまして、私どもそのような観点から、定年延長をする場合の賃金あるいは退職金のあり方というものについて、これはやはり役人が一方的な形で労使に入り込んでいくというのは適当でございませんので、専門家特に賃金の専門家に委嘱をいたしまして、これは具体的には賃金制度研究会という形で御委嘱を申し上げたわけであります。それが一昨年の十二月に、ここにありますように「定年延長とこれからの賃金制度」ということで報告をいただきました。そこで定年延長を進める場合の賃金あるいは退職金のあり方について基本的な考え方を述べていただきますとともに、具体的な一つの改善事例と申しますか対応事例を非常に豊富に盛り込んだ形での報告をいただきました。結局は賃金問題になりますので、労使が自主的に話し合いをしていただいて対応していただくということが基本でございますので、私どもの行政といたしましては、いわば第三者の専門家が提言いただきましたものに基づきまして、これを積極的に検討していただき、労使が改善の一つの指針にしていただくということのために、これの周知徹底に努めているところでございます。各都道府県に労働基準局がありますが、それに大きな都道府県の大きな監督署と申しますか、そういうところには賃金相談室というものを設けておりまして、ここにやはり専門家の学者先生を中心に賃金相談員を御委嘱申し上げております。こういうようなところへ相談がございますればもちろんこれにお受けいたしますし、積極的な御助言等もいただくというような形でやっております。 なお、最近新聞に出ましたが、関西では産業労使会議というところでこの問題をお取り上げいただいて、定年延長、それに伴う賃金制度の改善のあり方ということについて、労使が合意をしていただいて推進していただくというような方向も出てまいっておりますので、こういうような機運があちこちで起こって、労使が企業別あるいは産業別あるいは地域別というようないろいろな形での御検討を深めていただければというように私どもは考えております。
○草川委員 定年の延長にも影響しますけれども、これはそのほかにワークシェアリングということを盛んに前労働大臣も言ってみえたわけでありますけれども、時間短縮の問題がありますし、週休二日制の問題もあるわけですし、もう少し一歩踏み込む指導というものがあっていいのではないだろうか。 たとえば、ことしは五十四年でございますから、たしか五十二年の十月に、労働基準局は、全国の出版業あるいは自動車産業の残業の立入調査をやったことがあるのです。それは操業度が上がってきておる、それを残業で消化をするのではなくて、もっと人を採用したらどうだろうという意味での立入調査でありまして、当初は非常に意気込んだ発表をしておみえになりました。ところがそれが、昨年の三月か四月ぐらいに一応のまとめが出ましたけれども、たしかそのときの発表でも、いま言いましたような産業では残業はふえておるという結果が出ておるのですが、それはそれっきりになっているわけですよね。いわゆるフォローというものができてないわけですよ。しかも、今度の定年延長の奨励金の増額なんかでも年間三十万でしょう。対象者は全国で約三万人ですよ。それでは、今日これだけ中高年齢社会だという時代に、わずか三万人の予算ですよ、そして年間三十万ですよというならば、やはり企業側としても迷うでしょうね。どちらかといえば、年功型賃金が延長されている限りは若年労働者にそれを振りかえた方が、得と言うと言葉が悪いわけですけれども、そういう道を選ぶと思うわけですよ。でございますから、これは言葉だけ定年延長をやりました、あるいは週休二日制だと非常に言いますけれども、立ち入る方法ということを考えていくバウンダリーというものをたくさんつくらない限り、これはなかなか一歩前進をしない、私はこう思うのですよ。
○岩崎政府委員 いま先生お話しいただきました件は、一昨年の十一月に中央労働基準審議会、これは公、労、使の三者構成でございますが、これの一致の御建議をいただきまして、時間短縮あるいは週休二日制、有給休暇消化の促進ということを行政指導で当面やっていけというお話を受けまして、私ども実態調査を、調査監督と申しておりますが、そういう形でやったものでございます。 その結果は昨年春まとまりましたので、それに基づきまして五月、六月に次官通達あるいは局長通達を全国に発信いたしまして、それに基づいて過長な時間外労働の解消あるいは有給休暇の取得の促進それから週休二日制の推進ということを柱に行政指導をしていこう、こういうことにしておるわけであります。 具体的には、たとえば過長な時間外労働と申しますと、現在の基準法の週建て四十八時間あるいは一日に八時間というものを相当超えた形で、しかもそれが恒常的な、生産計画の一つの前提になっているというようなことにつきましては非常に問題がございます。ただ、これは三六協定と申しております労使の時間外労働協定、これに基づいて行うわけですが、実は従来の時間外労働協定の様式ではちょっと天井がないというようなかっこうになっておりましたので、これを具体的に労使で、あるいは一日あるいは週単位あるいは月単位あるいはもう少し長期の単位で時間外労働の天井、限度を決めるというようなことを自主的にしていただきまして、何と申しましても労使の自主的な推進というものが第一でございますので、そういうことのための様式は実は昨年いっぱいかかりまして、今年の一月一日から施行ということになっております。 したがいまして、ちょっと遅くて恐縮なんですが、今年に入りましてようやく法令の裏づけもできまして、私ども行政指導もできるという状況になっておりますので、従来ともに、たとえば地域での経営者あるいは労使、中央ではもちろん産業別に労使会議等を開きまして、地方でも労働基準審議会あるいは産業労働懇話会というような機関を通じまして、労使あるいは国民のコンセンサスを広く得るというような形での対応はしてまいりましたが、これから具体的な個別指導を立ち入ってできる条件が出てまいりましたので、今後積極的に指導を推進してまいりたい、このように考えております。
○草川委員 きょうは余り時間がございませんので申し上げませんけれども、たとえば銀行だとか地方の相互銀行だとか、女子労働者がずいぶんいますが、実際はかなりオーバーしているのですよ。ですから、届け出の関係がありましてどんどん振りかえをやっているのですよ。そういう例というのは実はたくさんあるのです。だからせっかく意気込んで基準局はやられたわけですから、私が何回か言うように、産業ごとでいいですから少し立ち入ってやってもらいたいということなんです。そういうものをたくさん出すことによって世論というものが形成化されていく。やはりそれなりに残業があるならば、コストが上がろうと──コストが上がるならば、それをオンコストにするとかいうことで人を採用するというように切りかえませんと、今日は減量経営というのですか合理化というのですか、ずっと厳しい体制になっておるわけですから、勢いそういう道が選ばれると思うので、私はその点は強く申し入れをしておきたいというように思います。 そこで今度は、例の雇用開発事業で十万人の雇用創出を行うということが言われ、先ほどもこの点についていろいろと論議になっておるわけですけれども、本当にこれが実現されるのであろうかどうかということです。四十五歳から五十五歳あるいは五十五歳以上というものについては、かなり一般の方々に強い関心があることは事実なんです。これは私も率直に認めます。しかしそうは言いましても、いわゆる事務局としてどういう見通しを持っておられるのか、もう一回お伺いしたい。
○細野政府委員 開発給付金等を中心にします雇用開発事業の十万人が確保できるかどうかというお尋ねでございます。 最近幸いなことに、景気の回復に伴いまして、特に昨年の夏ごろから求人が増加の傾向になっておるわけでございます。問題は、その求人の増加と、それから中高年の特に男子を中心にする失業者との間の結合がなかなか円滑にいってないのではなかろうか。そのことがまた先ほど来御議論のございます失業者がなかなか減らないという問題にも結びついているのではなかろうか。したがいまして、そういう点で私どもはこの開発給付金の補助金の中身、それからその期間等につきまして抜本的な改善をいたしますれば、そのことがいまふえつつある求人、特にここ数カ月は、臨時、日雇い等に比べて常用の求人の方が伸び率が高いというような状況も出てきておるわけでございます。そういうことを踏まえまして、この制度によって先ほど来申し上げておりますような雇用増というものを確保していきたい、またそれができるんじゃなかろうか。それから一方におきまして、そういういま申し上げましたような事態に乗っかっているわけでございますけれども、現在やっております開発給付金制度そのものがすでにもう予算をかなりオーバーするぐらいの実績見通しになってきているというふうなことを総合いたしまして、私どもはこの十万人雇用なりあるいは中高年の開発給付金の五万五千なりという数字は確保できると思うし、またぜひしなければいかぬ、こういうふうに考えているわけでございます。
○草川委員 そういうことで、ぜひそれはいろいろな意味でのPRをしていただいて指導してもらいたいわけです。 これは私の感想ですけれども、私の感じで言うと、ひょっとするとこれは十万人を超えるという気がするのです。その場合に予算措置、いわゆる対応措置としてその他景気変動だとか転換訓練手当だとかいろいろなものがあるわけですけれども、それは流用するのですか。流用できるのですか。 あるいは、ついでにお答えをしてもらいたいのですけれども、もしそれでもだめな場合には、例の安定資金の積立金を崩すことができるのかどうか、これをちょっとお伺いします。
○細野政府委員 ほかのものが流用できるかどうかという点になりますと、ほかのものは余るという前提になりますから、そちらは一応余らないという前提で申し上げますと、まず一つには、ある程度の予算的な余裕を持っているつもりでございますけれども、それにしても、予定の人員を大幅に上回った場合には当然予算が足らないという問題が出てまいります。その場合には、まず雇用安定資金については繰り入れるという制度がございまして、五十四年度におきましても百億繰り入れることになっておりますから、まずこれを利用するということになります。それから二番目には、四事業全体で予備費を持っております。この予備費が五十四年度として百七十五億ございますから、これを取り崩すというやり方がございます。それでも足らない場合には、先生いまおっしゃいました雇用安定資金を使う、こういう形になるわけであります。 いずれにしましても、これ全体としましては目の飛び出るほど出ても大丈夫という状況でございますので、そういう意味では予算的に御心配をいただくようなことにはならないのじゃなかろうか、こういうふうに思っているわけでございます。
○草川委員 そうすると、雇用安定資金の取り崩しというのは、もしやるとするならば今回初めてですか。
○細野政府委員 前回は予備費等のあれをやっておるわけでございまして、資金を取り崩すということになれば今回初めてということになるわけでございます。
○草川委員 その安定資金の取り崩しというような腹まであるのですから、これは思い切って突破口を切り開くためにも、大臣以下、積極的な利用方を各産業界に呼びかけるというようなことを要望します。 それから、若干私の経験から言いましても、中小企業の方からそういう質問が多いからこういうことを言うわけですが、非常に興味を持つということで、不正受給をある程度は考えなければいかぬと思うのですね。極端なことを言うならば、特定の職業の名前を挙げるので批判になるかもわかりませんけれども、たとえば遊興関係、環境衛生というのですか、キャバレーであろうとパチンコ屋であろうと、その種の人たちでも安定所を通ずれば受給できるのかどうか、あるいは一年半なら一年半使って使用者側が解雇をしたときに、労働省はけしからぬと言って返還命令をするのかどうか。非常に極端な例ですけれども、質問いたします。
○細野政府委員 この開発給付金につきましては、当該事業所が雇用保険の対象となり得るような事業所でございますれば、その事業の内容については問わないということでございます。したがいまして、一般的には先ほどのお尋ねの場合には適用対象になるということでございます。ただし、これは中高年齢者でございますから、さっきお挙げになった事業に直接結びつくかどうかはこれは別問題でございます。 それから二番目の、支給を受けた後ですぐ首を切る、そういう事態のときどうするか、こういうことでございます。先ほども御説明申し上げましたが、常用雇用ということがこの給付金の条件になっておりますから、したがって当然、支給を終わってすぐ首を切るというようなことを予定しておる制度ではございません。したがいまして、そういう事態が起きました場合には、その解雇の事由を調べまして、その事由によっては、さっき先生のお話にもございましたように返還命令を出すということも考えておるわけでございます。
○草川委員 そこらあたりは、せっかくこういう善意の制度でございますから、ひとつ常識的な判断で、ときには柔軟にそしてまたときには厳格にやっていただきたいという要望を申し上げておくわけです。 それから、雇用安定事業だとか定年延長奨励金なんかのお話がいまあったわけですけれども、正直なことを申し上げて、過去の例でいきますと大幅な予算の未消化になっておるわけです。これは予算委員会でも指摘があったようでありますし、ほかの場でもずいぶん、一千億ぐらいのものがあり、さらにまた、その問題が中心になりまして使用者側の方からは弾力条項の提案をしろというような要望もかねてからあるわけです。 いろいろと調べてみますと、一つはこの手続のやり方が非常にむずかしいということ、それから制度が多過ぎてよほどのしっかりした担当者でないとなかなかなじまない、給付の申請ができづらいというようなことがございますので、ひとつそういう意味で、この五十四年度で、新しい事務的な方法とか簡素化ということを含めて何か新しい考え方が出ておるのかどうか、質問します。
○細野政府委員 いま御指摘のございました四事業関係の給付金につきまして、手続が煩瑣でなかろうか、こういうふうな御指摘もございました。そういう点についての労使のいろいろな御意見を伺いまして、安定審議会の中に専門の部会がございまして、その部会における労使の御意見を入れて、昨年の十月に手続の簡素化等も図ったわけでございます。労使の御要望で受け入れられるものについてはほとんど入れたつもりでございます。 ただ、一つの問題は、どうしても会計検査との関係があって、最小限必要な帳票書類等についてはこれだけはどうしても要るということで、そういう点の制約はございますけれども、そういうものにひっかからないものについてはほとんど労使の御意見を入れたつもりでございます。 なお、給付の中身につきましても、その際、たとえば要件の非常に厳格過ぎるもの等についての御指摘もございまして、その点についても、昨年の十月の改正の際に労使の御意見をほとんど入れたつもりでございます。 そのほかの内容の改善等もやっておりますのと、さらに先生御存じのように、特定不況地域の法律の際に、これを業種の制約を取っ払いまして、地域については全面適用するというやり方をいたしておりまして、そういうようないろいろな改善なりあるいは内容の拡大なりによりましてこれがより一層使われるようにすると同時に、PRにも十分力を入れてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 次にいきます。 今度の予算の中で職業相談員を大幅増加するということになっておりますけれども、これは非常にいいことだと私は思うのです。それで、どういう方々を実際に職業相談員として採用されるのかということをお聞かせ願いたいわけです。非常に小まめに求人開拓というのですか事業場の開拓をされる方々を集めませんと、たとえば地方なんかへいきまして、いわゆる一般の労働行政に関係のない役所の方々の定年後のそれこそ一つの雇用開発になっては困るわけですよ、これはいやみでも何でもないわけですけれども。本当に民間の中からでも、あるは労働畑の方々でも私は結構だと思うし、職安行政で有能な方々でもいいと思うのですけれども、足まめに、本当に足で中小企業だとかいろいろなところを開拓する人でないと、せっかく予算がついても問題があると私は思うのです。そういう意味で、この職業相談員というものの採用をどういうように考えておみえになるか、お聞かせ願いたいと思います。
○細野政府委員 お尋ねの相談員につきましては、就職の問題について熱意と識見を有する民間人の協力を得て、こういうのが私どもの基本的な考え方でございます。そういう意味で、社会的な信用のあるいろいろな民間の方々を広く私どもとしては相談員にお願いしておるわけでございまして、私も、ただいま先生の御指摘ございましたように、OBの方もかなりおられるのじゃないかと思って調べてみましたら、案外少のうございまして、たとえば職業相談員で申しますと安定行政のOBの方は一七・四%しかおられなくて、むしろそれ以外の方々が残りの大半であるということでございます。 なお、物によってはそれこそ労使の直接その問題の該当業種の方々をお願いするというようなやり方もしておりますし、それから特に離職者の方をお願いしているというような場合もあるわけでございます。 なお、先ほど求人活動についてのお話がございましたけれども、相談員の方に求人活動、開拓までお願いするというわけにちょっとまいりませんので、むしろいろいろなきめ細かな相談にこの相談員の方が乗っていただいて、それで安定所の職員の相談関係の業務を省いて、本来の職員が求人活動に精を出せるように、こういうような仕組みで考えておりますので、そういう意味で、先ほどお尋ねのような求人活動を直接お願いするというたてまえになっておりませんことだけちょっと申し添えさせていただきたいと思います。
○草川委員 そういう民間の、顔の広いという言葉が適当だかどうかわかりませんけれども、そういう方々の積極的な協力を求めていくということをぜひ広めていただきたいと思うのです。 その次に、ぜひこれは大臣から御見解を聞きたいのですけれども、予算の修正問題で野党がどういう話になっていくのか、あるいはいま労働界の方からもこの雇用の問題についていろいろな意見が出ておりますね、雇用創出機構だとか、あるいは労働省の方が言っておみえになります雇用問題政策会議だとか、研究開発委員会だとかいうのがあるわけですが、雇用というものについて労働界の方から積極的な提案が出たということは非常に喜ばしいことだと私は思うのです。これはひとつわれわれも素直に評価をしたいと思うし、できたら、こういう機会でありますから、政府側と一体になって新しい施策ができればそれにこしたことはない。 だけれども、そこでもう一つ考えなければいかぬのは、雇用という問題については、基本的に産業界も労働界も節度が前提でなければいかぬと思うのです。さっき言ったように日本の労使関係では企業内組合が一つの大きな特徴でありますから、最近は戦後と違って労働界も物わかりがいいわけですよ。それはいいことだと私は思うのです。だけれども、雇用の原点というものについて非常に厳しい姿勢があって、そして産業構造をどうしても転換をしなければいけない。だから産業構造を基本的に転換するために政策要求、制度要求というものが出てくるということで、それは産業的な手厚い保護あるいは切られた者に対する離職者対策というものをやることが一つの前提だと思うのですが、これがもし安易に失業者がどんどん流れてくるということを認めるような機構なら私はない方がいいと思うのです。これは私個人として率直な意見です。ですから、この判断というのは非常にむずかしい問題が出てくるわけでございますから、労働省としては、だからこそ日ごろから産労懇なんかをやっておると私は思うのです。だから、その産労懇なんかの場でいろいろと労働省が討議をしてきて、今回のような予算をつくり、政策会議とか委員会というものを中央につくり、地方にもいろいろな意見を聞くということを言っておる。ところが労働界の方は、そういう会合に出ておりながらも、また別な形で雇用創出機構というようなものを打ち出してみえる。これはどちらかというと産労懇の運営が悪いのか、大臣の運営が悪いのか、事務局の日ごろの根回しが悪いのか、これは相当問題があるでしょうね。どっちがいいか悪いかは別として、やはりそれは役所の方が問題があると言わざるを得ぬでしょう、せっかくこういう問題が出てくるわけですから。 だから、どちらがいいとか悪いとかではなくて、ここで本当に、いまの日本の労働問題にとって何が必要かということを謙虚に話をしなければいかぬと思うのです。そういう意味で、雇用創出機構なり雇用問題政策会議だとか対策委員会だとかいろいろな構想があるわけですけれども、基本的にこの雇用問題を解決するという原点に立って、それぞれの案の長所を採用して整合性のあるようなものに、たとえば、いま予算案の中にああいう言葉が出ておるわけですけれども、それも大胆に変更しながら、ある程度意向を入れながら将来の問題としてまた考えるとか、いろいろな意味で整合性のあるものを考えるべきではないだろうか、こう思うのですが、その点についてどうですか。
○栗原国務大臣 いまの草川さんのお説は、私は大変卓見だと思います。やはり労使の間に、労政使ですね、政労使でもいいわけですが、これにそれぞれ節度がなければならぬというのはそのとおりだと思うのです。そういうお説と、労働界の方から今度こういう要求を出したことはそれなりに評価すべきではないか、これも全く同感であります。何といいますか、雇用問題について、労働側も使用者側もそれから政府の方も非常に気合いがかかってきたと思いますね。ですから、この雰囲気というものは大事にしなければならぬ。 私どもが今度予算に計上しておりまする雇用問題政策会議というのも、衆知を合わせてやろう、労働省だけじゃできない、政府だけではできない、各界各層の大勢の方々のお力を借りて、いいことがあったらやろう、これがいいと言ったら、それに対していろいろ対応したらいいじゃないかということなんです。 ただ、毎回申し上げているとおり、機構をつくればいい、何とかというレッテルを、張ればいい、機構というものをつくればそれによって自動的に物事が解決するというのは、ちょっと発想が間違っておるのじゃないか。むしろ何をやるか、どうしたらいいか、その結果としていろいろ機構なり組織なりというものをつくらなければ、つくった方がよろしいと覆えばそれをやったらいいじゃないかということでございまして、屋上屋を重ねるようなことはしない方がいい。いままでの既存の制度の中でやらねばならぬことがあったらそれを徹底したらいい。徹底もしないで、ただ新たなものをつくっていくというのはよくない。しかし、せっかくの御提案でございますから、それは謙虚に聞いて、いいところはどしどし実現をしたい、こういう気持ちでございます。
○草川委員 労働界の方々も、私も直接お話を聞いたわけではございませんからあれですけれども、制度をつくることだけが目的ではないと思うのですよ。中身が目的だと思うのです。だから、それはある程度話をすれば私はわかると思うのですけれども、労働省の方も、今度の予算で出ておる雇用問題政策会議という名前は、あくまでもこれで押し通すという態度なのか、名前にはこだわらぬというようにおっしゃっておみえになるのか、その点について再度お答え願いたいと思います。
○栗原国務大臣 名前にこだわらないような状況ができますれば、こだわりません。ただ、いまのところは、どうするのかあるいは何をするのか、それを詰めているわけですね。全然これは没交渉じゃないのですよ。それぞれ非公式にいろいろ話をしておりますから、ですからいまの段階では名前云々以前の問題でございます。
○草川委員 じゃ、くどいようですけれども、いろんな諸条件さえ整えば、労働省としてもこだわらずに、積極的に組合側の意見を取り入れてやっていきたい、こういうことですね、結局考え方としては。そのとおりでいいですか。
○栗原国務大臣 ですから、先ほど来申し上げているとおり、そういうものが本当にためになるという合意ができれば、それはそのときに決断をすべきことだろうと思います。
○草川委員 そういうことで、本当にいい方向というものをぜひつくっていただきたいと思います。 最後の方になってまいりますけれども、先ほども、午前も午後も出ておりますが、きのうの経済団体と労働、通産大臣の懇談会の内容でございますけれども、いわゆる減量経営の行過ぎについて強い申し入れをされたと思うのです。どうも相手方は若干受けとめ方が違うようですが、これは何回か何回か、これも必要とあればやっていただきたい、こう思います。 ただ、こういうのが一つあるのですよ。これは私、非常に重要な問題だと思うし、本質的な問題かもわかりませんけれども、経営者側の方で、特に日経連の方が、企業は現在でも完全失業者と同数程度の過剰雇用を抱えておる、これは非常に重要な点だと思うのです。ですから、労働省として完全失業者というものをどの程度つかんでおるのか、これは想像の話ですけれども。しかもこれができたら、産業別にどういう産業に果たして過剰雇用というものがあるのだろうか、なかなかわからぬと思うのですけれども、これは重要な問題です。しかも日経連の方は、この深刻な事態への認識は野党側にはないということを言っておられます。野党側にはないというのは、野党はたくさんありましてわれわれもその一員ですが、そのときに労働大臣はそうだそうだと言われたのか、一遍その点の御見解を賜りたいと思います。
○栗原国務大臣 いまの点は、私どものところではそういうような話は一切ないのです。先ほども御質問がございまして、おまえいろいろ言ったようだけれども、相手の方はそんな感じじゃないぞという御質問がございましたが、少なくとも私どもとの間の話では、きわめて余力があるのにもかかわらず減量経営云々などというつもりはない、しかし需要がなければ供給できないのだ、だから、何かしら経営の合理化をしている、体質改善をしていること自体が悪いというようなことを言われるが、これは困るという話がまずあったわけです。しかし、労働大臣の言うとおり、余力があるのに減量経営に藉口するなどということは社会的責任を果たすことにならない、こういうまじめな返答があったのです。 いま一つは、高年齢者の問題につきましても、これは労働問題というよりも、むしろこれからの大きな政治、社会の問題だという御認識があったわけです。ですから、私がそうだそうだなんという場面は一切なかったわけでございます。
○草川委員 これは、どちらかというと通産の方もかなり熱心に言われておみえになるようでございますし、通産自身がこういう問題を取り上げるということも、私は非常に意義のあることだと思うので、今後は、これは労働だけではなくて、通産なりその他の関連省庁とも合わせてこの種の働きかけというのをぜひしていただきたい、こう要望をします。 それから、雇用の創出という面に入ってくるわけでございますけれども、従来民需という意味で民間の需要というものを高めるという考え方と、それからもう一つは、公共部門での雇用創出というものをいろいろと考えるべきではないかという意見もやはりあるわけであります。ところが、これは率直なことを申し上げて、労働省の方は、戦後の失対事業というものを非常に深刻に受けとめておるわけです。ずばり物を言えば、戦後の失対事業というものを失敗と受けとめておるという、こりておるという言葉の方が強いかもわかりません、これはいろいろ理由があるわけでありますけれども。しかし、そういうようなことで余り公共部門での雇用創出ということを逃げておりますと──従来の失対事業とは違う意味で私は言っておるわけでございますけれども、その点もう少し発想というものを切りかえて、たとえば昨年自治省あたりも、地方公共団体、地方自治体で事業開発をする場合には特別交付金をつけるとか起債をつけるとか、いろいろなことを言っておるわけでありますが、ヨーロッパのイタリアなんかでは労働プランというのがあるわけでありますけれども、労働団体だとか地域の自治体あたりがこういうものをやりたいといういろいろな要求が出ると、あえてそこに責任を持たして雇用というものをそこでつくらせる。具体的には港湾の清掃事業だとか、あるいは山林の技の伐採をやろうとか、非常に壮大な夢のあるプロジェクトというのができるわけです。だから私は、そういう点では、ひとつ労働省も、従来のこの失対事業というものではない公共部門での雇用開発ということについて、ある程度発想を切りかえてもいいような気がするわけですが、その点についての考え方を聞かせてください。
○細野政府委員 雇用の増大を図る場合には、やはり基本は民間でなければならぬというのが私どもは中心だと思っております。しかし、たとえば現段階のように従来の一〇%成長から六%成長に行くという構造変化の非常に大きいときに、それだけで対応できるかどうかという点については、先生からも御指摘がございましたように、やはりいろいろ考えなければならない問題があると思います。 そういう意味で、公共部門における雇用の創出という点は、私どももそれから政府全体もいろいろ考えているわけでありまして、たとえば公共事業の中におきましても、先生からいろいろ御指摘がございましたような造林関係とか、治山、林道関係とか、そういうふうなものを含めてやっておるというふうなことのほかに、たとえば造船につきましては、これも先生御存じのとおりでございますけれども、官公庁船の建造の問題とか、船舶の解撤の問題とか、あるいは石油備蓄基地の問題とか、さらにはプラントバージの問題とか、造船だけ考えましても、いわば運輸省の所管の範囲を超えて通産省にも協力してもらうというふうな形で、いろいろな官公需等による雇用の維持、増大というふうなことを考えておるわけでございます。 さらに、よく言われますけれども、社会福祉、文化、教養関係につきましても、関係省の御協力、それから財政当局なんかの理解も得まして、私どもが現在聞いているところでは、社会福祉、文教関係だけで五十四年度で約五万五千人くらい増員になるというふうに伺っているわけでございます。それに加えまして、先ほど先生から御指摘ございました、地方公共団体がいろいろな地元の状況に応じて雇用の維持、増大に役立つような事業をやる場合に何らかの援助ができないだろうか、いろいろ検討いたしまして、結局いま先生からお話しのように、自治省で特別の制度を設けることによりまして、そこで対応していこうというふうなことで、私どものいろいろ要請申し上げた点が実現をしたというふうな経緯にもなっているわけでございます。
○草川委員 時間が来ましたので、最後に、これは大臣にも要望するわけですが、いまおっしゃられましたように、公共部門の中でも特に社会福祉部門での雇用増というのは、探すとずいぶんあると思うのです。いま五万五千人の社会福祉関係での雇用増ということを言われましたけれども、いまのままでいきますと、その五万五千人には少なくとも中高年齢が流動化するという方向ではないと思うのです。ものすごい制限があるわけです。ですから、これは私どもの正木政審会長が予算委員会でも言ったわけですけれども、たとえばいま学校の定員を、クラス人員を少なくして教員をふやせ、しかもふやすには民間の経験豊かな高齢者を入れて、そこで大学を出た若い人たちだけに小学、中学を任せずにやったらどうだという提案があるわけですが、それは現体制では無理なわけです、いろいろな意味の制約があるわけですから。だから、マンパワー政策というのですか、労働省がイニシアをとって、文教にもあるいは厚生行政にも地方自治にも、よほど職種別、職能的にガイドを引っ張り込まないと、どちらかというといままでは産業のけつふきなんですね、解雇された人たちの対応であったわけですが、今度は少し前に出て、少なくとも産業の動きと並行しながら、解雇の見通しがあるならば解雇にいろいろなブレーキをかけるとか、制限をするとか、バウンダリーというのですか、背景をつくってもらう、あるいはいま言うように、雇用開発という面については考えればずいぶんあるわけですから、それが先ほどの労働界からも出ておるいろんな積極的な提案だと思うわけですから、ひとつ、そういう意味では英知を集中してやっていただきたいということでございますので、最後に、大臣からの答えを聞いて、私の話を終わりたいと思います。
○栗原国務大臣 お説はごもっともだと思います。なお、私ども五十四年度の予算を組むに当たりましては、各省庁と十分に連絡をとりまして、できるだけの措置をとったつもりでございますが、行政機構というのはいろいろございまして、私どもが他の省庁の分野まで積極的に踏み込むというのには、率直に言って問題はあろうと思います。しかし、謙虚にしかも勇ましく、この趣旨を生かしていくように努力をいたしたいと思います。
○草川委員 以上で終わります。
○竹内(黎)委員長代理 次に、古寺宏君。
○古寺委員 先ほど予算委員会で、大臣に定年延長の問題についてお尋ねをしたわけでございますが、きょうでございますか、新聞記事にも載ってございますが、行政指導をなさって定年延長を進めていらっしゃるというようなお話でございますが、行政指導だけではどうも定年延長の問題は効力がないというふうに考えられるわけなんでございますが、この点について大臣はどういうふうにお考えになっておられるか、承りたいと思います。
○栗原国務大臣 私、先ほども述べたと思いますけれども、定年延長がなぜスムーズにいかないかというネックは、わが国の年功序列の賃金慣行にある。経営側も労働側もそこに焦点を合わしてメスを入れていかなければ、これは実際問題として法律で強制するということが非常にむずかしくなるわけですね。しても実効が上がらないということになる。ですからそこをどう壊していくか、そこをどう解決していくかということのために、いわゆる行政指導を徹底をしていく。しかし、いままでの行政指導がそれでは十分であったかといいますと、これは私、率直に言って、いろいろ経過はございましたけれども、まだ十分だとは言えない。そこで、昨日も経済団体の方々にもお会いをして強い要請をしたわけでございます。強い要請をいたしますると、定年延長の問題につきましてはそれなりの反応が返ってくるわけです。なお、その他いろいろ私どもは工夫をこらして、定年延長ができるように行政指導を徹底してまいりたい、基本的にはその点についての環境づくりをやる、そうしないと問題解決しない、そういう認識でございます。
○古寺委員 それが先日の竹入委員長の年齢差別禁止法に対する手段の鋭意検討中という内容かとも思うわけでございますが、昭和六十年には中高年齢者が労働人口の四〇%を占めるようになる、こういう確定した高年齢者の雇用安定をどうするかということは、大問題なわけなんですね。私どもが申し上げておりますこの年齢差別禁止法というのは、アメリカでは十二年前にすでに法制化されている。さらにまた、現在は七十歳まで定年が延長されている。これは非常に思い切った措置でございまして、この当時の背景というのは、今日のように、アメリカの情勢というものは目前に高齢化社会を迎えて、大急ぎでそういうような法律をつくったというような状況ではないわけですね。もちろん、アメリカの労働環境と日本のただいま大臣からお話のあったような環境の違い、これはございます。しかしながら、やがて高齢化社会を迎えて、五十五歳になって定年になって、後はもうぶらぶら遊んでいなければいけないとか、職もない、年金もまだもらえない、こういうような状態では、生活にも困るような状態になるのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。私は、むしろ日本の方がアメリカよりも先にこの法制化に対するいろいろな予防措置を講じて、いろいろなお話し合いをし、宣伝もし、協議もして、もっと早くこの法制化に踏み切るべきでなかったか。病気で言えば、いまもう重体でどうしようもない状態になっている人を、これは重病人ですからいたし方ありませんというようなそういう体制では、いわゆる対症療法だけではこの問題は解決できないと思うわけです。したがって、やはり労働大臣としても、今後の高齢化社会というものを考えた場合に、この高齢化社会を迎えての定年制なりあるいは年齢差別禁止法というものをお考えになる必要がある。あるいはそういう方向に向かって、そういう目標に向かって何かしらの、先ほど鋭意手段を検討中と申しておられましたが、何かしらの手段をお考えになる必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますが、私がいま申し上げた以外に、労働大臣として何か特別な妙案、妙手、腹案をお持ちになっているのかどうか、承りたいと思います。
○栗原国務大臣 いま妙手、妙案はないかということで、鋭意検討中でございます。
○古寺委員 鋭意検討しているうちに、きょう、先ほどもお話し申し上げましたが、すでに国家公務員の定年制の問題がもう着々と進んでいるわけです。きょうの新聞を見ますと、公務員の定年がもう六十歳に固まりつつある、こういうような報道までなされているわけでございますので、どうかひとつ労働省においても、その妙手、妙案を一日も早く打ち出していただいて、これからの高齢化社会にひとつ備えていただきたい。また、現在の中高年のいろいろな離職の問題、失業の問題等にも対処していただきたい、こう思うわけでございます。 次に、高年齢者の雇用率の実施状況でございます。大平総理は、先日の予算委員会におきまして、わが党の正木議員の質問に対して、雇用率未達成の企業に対し課徴金を課する方向で鋭意検討中である、こういう答弁をなさったんですね。労働大臣は、その総理の答弁を受けて、これもまた、現在鋭意検討中という御答弁かもわかりませんが、あれも検討中、これも検討中では何もできないわけでございますので、総理が、そういう方向で鋭意検討中である、こういうふうに申しているわけでございますから、それを受けている労働大臣としては、現在どの程度までこの問題に対処しているのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○栗原国務大臣 総理から私が検討を命ぜられましたのは、高年齢者の雇用を実質的に確保するためには一体どうしたらいいか、その場合に、身体障害者の雇用率等の義務化と同じような義務化というものも考えられないか、そういうあれがございましてね。ですから、総理の言う意味はいかにして高年齢者を雇用できるか、それが主でございまして、手段については一列を挙げたということなのです。 そういう意味合いで検討してみますと、これは先ほどから言っているとおり、定年や年齢制限と同じようにできないゆえんのものは何か。中小企業では大体高齢者の雇用はできているのですよ。ところが大企業はできない。大企業はなぜできないかというと、年功序列の賃金体系というのにぶつかるわけです。したがって、大企業に関する限りは定年制の問題と大体同じようなところに来るわけです。ですから、定年制の問題についてばっと解決といいますか前進できればこの問題も解決できる、そういう認識のもとにいまいろいろと、どうしたならば定年が延長できるかということで検討しているわけです。
○古寺委員 定年を延長しましても、大企業におきましては、若年定年制と申しますかどんどん首切りを行う、と言うと失礼でございますが、減量経営をやっていますね。そうしますと、せっかくいま定年制を早くつくりたいとおっしゃっても、鋭意検討中でなかなかできない。ですから、最近の情勢を見ますと、五十二年より五十三年の方が未達成企業が多くなっているわけです。いま大臣がおっしゃったように、中小企業はある程度達成しているけれども、大企業がやらないのですよ。中小企業の雇用率というものは、これは従業員の数が少ない。大企業は千人とか何千人とかという枠が大きいわけですから、六%といっても数にしますというと全く違うのですよ。 〔竹内(黎)委員長代理退席、越智(伊)委員 長代理着席〕 そういう大企業に雇用率を達成してもらうためには、やはり身障者の雇用率と同じように課徴金あるいは納付金制度、こういうものをつくる必要があると私は思うのです。つくらなければこれはいつまでたっても解決しないと思うのです。ところが、これに対しては大臣はなかなかイエスとは言えないでございましょうが、やはりいまの中高年層の雇用問題を解決していくためにはどうしても通らなければならない関所だと思うのです。この壁を打ち破っていかなければいけない。そういう意味におきましては、定年制が実現するまでの間、高齢者の雇用率の未達成の企業については、やはり身障者と同じように課徴金なり納付金をきちっと課する、こういう制度を早急につくる必要がある、こういうふうに考えますが、いかがですか。
○細野政府委員 ただいまのお尋ねの中で、大企業のところで非常に首切りが行われるので、したがって定年延長等をやってもなかなか片づかないじゃないか、こういう御趣旨のことがございましたが、しかし実際には、五十二年から五十三年の間に、大企業におきましては未達成企業の割合もふえておりませんし、実雇用率も下がっていないのであります。私どもも大企業を中心に実雇用率の達成についていろいろ指導をやっております。ですから、部分的な事例としては先生がおっしゃるような事例が起きていることも否定できないわけでございますが、全体から見ると、いま申しましたように、一面においては私どもの指導の効果もあって雇用が進んだところもあり、結果としては実雇用率も未達成企業の割合も悪い方にはいっていない、こういうことでございます。 それから、先ほど大臣から申し上げましたように、定年延長をしないで雇用率だけ上げようということになりますと、結局自分のところの従業員を五十五歳で首を切って、またよその人を採ってくるということになるわけでございまして、高年齢者の雇用率を上げるためにもどうしても定年問題というものは避けて通れない問題でございます。そういう意味で、先ほど来大臣がおっしゃっておりますように、やはり定年延長ということを中心に考え、かつ、それの阻害要因である年功賃金体系なり退職金なり人事管理なりという問題についての労使のコンセンサスづくりを早急にやらなければいかぬ。御指摘のように、ぼやぼやしていると間に合わないぞというのは私ども全く同感でございまして、そういう意味での条件づくり、環境整備というものを私どもも早急にやらなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。
○古寺委員 次に、身障者の雇用納付金制度についてでございますが、五十一年十月に実施して以来、納付金の総額、給付金の総額、それから残金について承りたいと思います。
○細野政府委員 身障の納付金制度についてのお尋ねでございますが、まず五十二年度を申し上げます。五十二年度につきましては、納付金の徴収額が九十六億円。支出の方を申し上げますと、調整金として約七億円、報奨金として約三億円、助成金として約七億円を支出しておるわけでございます。したがいまして、合計の十七億円と九十六億円の差の七十九億円、これが残金ということになるわけでございます。 それから五十三年度につきましては、納付金が百八十七億円徴収されておるわけであります。調整金として五十二年度の約二倍の十六億円、報奨金も二倍の約六億円を支出しておるわけでございますが、助成金につきましては現在申請受け付け中でございまして、これの計は出ていないわけでございます。したがって、残高についても現在はそういう意味でわからないということになるわけでございます。 なお、非常に余っているじゃないかということになるわけでございますが、先生も御存じかと存じますが、身障者の雇用の現状にかんがみまして、来年度は重度障害者等につきまして一人雇っていただければ年間百二十万、これを二年間継続して、二年で合計二百四十万ずつ差し上げようというふうな非常に思い切った制度を採用することにいたしております。さらに、重度障害者を多数雇用する事業所に対する助成等につきましても、その限度額なりあるいは助成率なりを大幅に上げるというふうな各種の制度の改善をやりまして、それに対するPRも徹底しまして、これが十分活用されるようにしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○古寺委員 思い切って身障者の雇用を促進してくださるというのは結構なのですが、五十二年度の場合でも七十九億ですね。これが雇用促進事業団の身障者の特別会計というところに積み立ててあるわけでございましょう。一番大事な問題は、やはり身障者のための雇用の場を創出することだと思うのです。これだけの七十九億というお金を二年間も眠らしておいて、そして利用しないで悠々としていらっしゃるというお気持ちは、私とうてい理解に苦しむわけでございますが、どうかひとつこの身障者の雇用を促進さしていくとともに、やはり身障者のための──私ども地方へ行ってコロニーですとか授産所へ行ってみますと大変なものですよ。きょうはこの問題をやりませんが、本当に冷淡な、これはすべてそうかもわかりませんが、いままでは冷淡な行政が行われているとしか言えないのです。ですから、こういう金を活用して気の毒な身障者の方々のための雇用の場をつくるなり、何か身障者のためにこれを活用していくということを私は労働省として当然にやらなければならない問題だと思う。貯金しておけば利息がつきますよという問題じゃないのですよ。こういう面の活用について今後ひとつ十二分に反省をして臨んでいただきたいと思います。
○細野政府委員 この納付金制度につきましては、基本的には先生おっしゃるとおりでございまして、こういう制度を活用して身体障害者がどんどん雇用されるように、私どもも知恵をしぼって考えていかなければならぬというふうに考えております。 ただ、若干御理解いただきたい点は、この制度というのは、雇用率未達成企業からその雇っていた場合に必要と思われる経費相当分を徴収して、それで雇用率以上に雇っているところにその増加経費分を補てんするという調整制度でございます。したがいまして、雇用がどんどん伸びていく限りにおいては収入が減って支出がふえるということが同時に行われてくるわけでございまして、そういう意味で、将来に備えてある程度の蓄積はしておかなければならぬという問題もあるわけでございまして、そういう意味で、ある程度の蓄積自体は当然予定をしていなければならないものなわけでございます。 ただ、冒頭申し上げましたように、それにしても少し蓄積が多過ぎるじゃないかという点は全く御指摘のとおりでございまして、私どもも大いに知恵をしぼっていかなければならぬというふうに反省をしているわけでございます。
○古寺委員 週休二日制、週四十時間労働の実現というのは、これは政府の目標でもあるわけでございますが、こういう時代でございますので、今後の雇用問題を考えて、新聞の記事にも大臣がおっしゃっておりましたし、委員会でも述べておられましたが、いわゆるワークシェアリングというのですか、こういうことでより多くの労働者に働く場を与えることが必要である、こういうわけなんですが、ヨーロッパ諸国ではこれが数年前から実施されて非常に効果を上げているというお話でございます。大臣としては今後も週休二日制、四十時間労働推進というものを行うお考えなのかどうか、承りたいと思います。
○栗原国務大臣 長期的な問題として、雇用の問題も福祉の問題もいろいろございます。そういう意味合いでこれは進めてまいりたい、こう思います。
○古寺委員 ここ四、五年の労働時間の推移と週休二日制の実施状況を見ますと、労働時間は時代の要請に逆行してふえております。特に所定外時間、いわゆる残業というものでございますが、伸びは非常に著しく、製造業の場合で申しますと、五十年の九・一時間から五十三年には十三・七時間、五時間も伸びているわけでございます。これでは幾ら雇用の確保あるいは雇用の創出といっても、実際には足元からこういう問題が崩れているわけでございまして、今後どういうふうにこの問題に対処されるのか、これもまた検討して行政指導をなさるのか、その点について承りたいと思います。
○岩崎政府委員 いま先生お話しの点でございますが、私どもがつかんでおります数字といたしまして、毎月勤労統計調査の数字がございます。これは規模三十人以上でございますが、これでまいりまして、いま御指摘のように、確かに五十年ぐらいを底にいたしましてここ一両年、ほんのわずかでございますけれども時間外労働がふえております。ただ、そのことは、昭和四十五年なりあるいはもっと前の昭和三十五年なりと比較いたしますと、所定外労働時間はもちろん少のうございますし、それから所定内労働時間がやはり四十九年、五十年から著しく下がってきております。ここ二、三年減少傾向が足踏みであることは否めませんけれども、そうかといって四十八年以前に逆戻りしているということはないわけでございます。 ただ、私どもの今後の進め方といたしましては、再三申し上げておりますが、一昨年暮れの労働基準審議会の公労使一致の御建議の趣旨に沿いまして、私ども昨年以来次官通達あるいは局長通達をもちまして、何と申しましてもこれは労使が積極的に取り組んでいこうという姿勢が第一でございますので、それのためのいろいろな会議を中央なりあるいは地方でやりますとともに、私ども行政といたしましても、あらゆる機会を通じて趣旨の周知徹底に努め、また具体的には過長な所定外労働時間の解消あるいは年次有給休暇の定められたものの完全消化の促進それから週休二日の推進ということで、集団的あるいは個別的にあらゆる機会を通じて行政指導を現在進めてまいっているところでございます。
○古寺委員 これは官公労働者に対しての公務員法の改正について、人事院は現在週休二日制のトライアルを、過去にも五十一年十月から一年間、それから五十三年の四月から一年間おやりになって、この三月で結論が出るわけでございますが、どういうふうに今後週休二日制を取り入れていくお考えか、承りたいと思います。
○金井政府委員 職員の週休二日制につきましては、ただいまもお話しのように、本年の三月末をもって試行が終了いたします。人事院といたしましては、現在行われておりますその試行の各省庁における実施状況、あるいは問題点の対策の検討について十分に注視をしながら検討を進めておるわけでございますけれども、試行終了後になりますと、その結果を各省庁から御報告いただきますので、それを十分に分析、検討いたしまして、また、社会一般の情勢あるいは国民一般の世論等そういう関係の情勢を考慮しました上で、自後の方策の検討を進めることにいたしております。 その検討に当たりましては、週休二日制はいわば世界の大勢でございますし、労働省の方におかれても一般の週休二日制の推進に努めておられるように承知しておりますし、また、人事院の調査におきましては、民間企業におきまして約七割の企業が何らかの形で週休二日制を行っておる、いわば定着しつつある状況にあるわけでございます。そういうことでございますので、公務員におきましてもできるだけ早い機会にこれを実現すべきものであるというふうに考えておりますので、職員の週休二日制につきましては、今後具体化の方向で検討を加えていきたいというふうに考えております。
○古寺委員 大臣、いま、これは総理府長官が人事院にあれしたんでしょうか、試行をやりまして、それで週休二日制を今度公務員も取り入れる、あるいは先ほどの予算委員会の大蔵大臣の答弁によりますと銀行においても週休二日制を検討中である、こういうお話でございますね。 ところが、私が先ほど申し上げましたように、一般の企業は逆に労働時間が延びる傾向にある、残業が延びる傾向にある。それで、先ほど御答弁いただきましたような、中央労働基準審議会でも、労働時間というものがふえれば逆に雇用が減少するんだ、こういうふうに建議をしているわけでございましょう。ですから、こういうような雇用創出ということも言われている今日、何としても週休二日あるいは労働時間の短縮、こういう問題についてもっと労働省が、大蔵省とかあるいは総理府じゃなくて、労働省がもっと積極的に、日本の雇用問題全体のお立場に立たれて行政を進めていただかなければ、いかに行政指導をしておりますと言っても一向に効果が上がらないのですから、こういう状態ですとまた諸外国から、日本人は働き過ぎであるとかいろいろな問題が出てくるわけでございましょう。ですから、そういう問題が起きないようにするためにも、今後この問題とひとつ真剣に取り組んでいただきたいと思います。 そして、時間がないからもう終わらなければいけないのですが、やはり職安行政の機構というものをもっと充実しなければ、どんなに制度をつくったりいろいろな妙案を考えてもこれはできないと私は思う。もういっぱい制度がある、妙薬がたくさん並んでいる。これは飲まなければ病気が治らぬのと同じですよ、飾っておくだけなんですから。こういうような労働行政をもっと進めていく上において、体制、機構を整えて、そして、これらの問題に今後ともぜひひとつ真剣に取り組んでいただきたいと思います。 それでは、質問を終わります。
○越智(伊)委員長代理 次に、和田耕作君。
○和田(耕)委員 私、きょう問題にしたいのは、公務員あるいは公共企業体の労働者諸君の仕事のしぶりという問題をひとつ真剣に考えてみる時期に来ておるのではないか、この問題をまず考えてみたいと思うのですけれども、戦後あるいは戦前は、日本の労働者の立場は社会的にもあるいは生活的にも非常にまずい状態、また経営者は主人のような顔をして労働者を差別的に使うという状態があった、こういう状態から新憲法ができて労働法の諸立法が確立をした。この過程で公務員の諸君が昔の主従のような関係を打ち破って、勇敢に労使平等の立場を切り開いていく過程で、公務員のあるいは公共企業体の労働者諸君の果たした役割りは非常に大きいと私も思う。日本の労働運動の民主化に果たした役割りというのは、これは本当に大きな役割りを果たした。こういうふうなしかもかなり大胆な行き過ぎたと思われるようなことがないと、なかなか新しい民主的な時代の労使関係というものはできない。これは高く評価するわけですけれども、現在では、特にこの数年間の段階は、その時期が去って新しい時期に入っておるときに、依然として前のような状態が続いている、こういうような問題を考える必要があるのではないか。むしろ現在では、民間のつまりうかうかしていると他の企業にやっつけられてしまう、あるいは国際的な競争におくれてしまう、そういう立場から、新しい責任感を持った民間の労働者が出てきつつあるときに、なお公務員あるいは公共企業体がいわゆる親方日の丸的な感覚を持ち続けておる。こういうふうな大きな目で見た、労働運動における意識の変化という問題を考えながら、現在の公務員のあるいは公共企業体の労働者諸君の仕事のしぶり、労働運動の展開の仕方、この問題を考えていく必要があると思うのですね。 そういう立場から、暮れから春に行われたいわゆる全逓信労働組合のマル生反対運動という問題を、ぜひともこれは真剣に考えてみる必要があると思うのです。私は何もいろんなイデオロギッシュな意味でこの問題を提起しようと思っていない。いないけれども、先ほど申し上げたとおり、戦後の労働運動の大きな流れの中でこの問題をとらえて考えてみると、果たして、たとえば七年前でしたか、国鉄労働組合にマル生運動というのがあった、現在また全逓信労働組合の中にこの問題が起こって、年末闘争あるいは年始の年賀状、郵便物が混乱をしたというこの事実をひとつ考えてみたいと思うのですけれども、いずれに軍配を挙げるという気持ちを持って私は質問をしているわけじゃないのです。 そういう立場から見て、このマル生というのは、つまり不当労働行為というものが背景にあって、当局が不当労働行為というものをやりながら生産性の向上に追い込んでいくというふうに見ている立場ですね。そういう立場からこのマル生、国鉄のマル生が行われたし、今度の全逓信労働組合のマル生が行われている。そして七千件にわたる不当労働行為の事実があるとこれを当局に指摘をしているというのですけれども、果たしてこの七千もにわたる不当労働行為という事実があったのかどうか、不当労働行為というものがもしあるとすれば、これは小さなことであれ、重大問題です、労働運動の基本の問題ですから。しかし、その七千と言われる不当労働行為の実態というものをはっきり突き詰めてみる必要がある。これは現在訴え出るところに訴え出ている問題だと思うのですけれども、その七千件の不当労働行為というものは大体どんなものか、このことからひとつ質問をしてみたい。
○守住政府委員 具体的なお尋ねでございますので、お答え申し上げます。 現在公労委に不当労働行為として申し立てられておるのは五十四件でございますが、そのほかに、地方の組合員の方から不当労働行為だということで本部の方へ集約されたものが六千件とか七千件ある、こういうふうな話があるわけでございます。私ども、その一部につきましてはあの話し合い等の中で例として出たこともございますけれども、全体としては私どもの方にまだ公式に提起されておらない、こういうことでございます。したがいまして、六千件、七千件とかいろいろ言葉の上で、私どもの方へ多数あるんだということで言われておる次第でございます。
○和田(耕)委員 それは具体的に六千とか七千とかいう事実を指摘して、当局に出しておるというわけじゃないのですか。
○守住政府委員 不当労働行為の問題は労組法第七条の問題でございますので、私どもあるいは組合だけで云々するという、もちろん、その中で労使の信頼関係を築いていくためには、それが法的にどうあれ、十分話し合ってお互い正すべきは正していかなければならぬという基本的考え方は持っておりますけれども、これがいわゆる法的な意味での不当労働行為であるかどうかは、そういう第三者のところの御判断を仰がなければならぬと思っておるわけでございます。七千件というのは、いま申し上げましたようにあるのだということで言われておるわけでございます。
○和田(耕)委員 たとえば具体的に二、三の違った例を挙げると、どういう例ですか。
○守住政府委員 全貌はわからないわけでございますけれども、一部話の中で出ておるというふうなことで見てまいりますと、具体的に申し上げますと、たとえば年次休暇を希望どおり与えられない、あるいは勤務時間中に勤務を欠いて欠務処理をされたなどという、仮にそれ自体、問題がないとは申しませんけれども、仮にそれ自体に問題があったといたしましても、不当労働行為という範疇には入らないのじゃないかというような事案につきましても、不満だということで本部へ挙げられておるのではないか、こういうことも考えられるわけでございます。 それから、不当労働行為と言う場合は法律的には正当な組合活動の妨害ということが含まれておるわけでございますけれども、たとえば勤務時間中に腕章だとかワッペンだとか、いろいろ問題が出ておりますけれども、そういうワッペンを着用する、それに対して注意をするということに対しての問題、あるいは掲示板の使用は許可制をとっておるところでございますけれども、それ以外のところの庁舎内に掲示物を張り出すということも間々あるわけでございます。これは全国的にあるわけではございませんで、一部の職場闘争という場合に出てくるわけでございますけれども、こういうものも労働組合としては正当な組合活動であるというとらえ方があるわけでございましょうけれども、そういう問題に対してのいろいろな管理者側の措置に対して、いわば不当な管理者の措置であるという受けとめ方だと思いますが、不当労働行為だと言うものもあろうかと思うわけでございます。 それから、特に言われておりますのは、人事差別ということでの不当労働行為ということが言われておるわけでございます。全逓の考え方としては、勤続年数を最優先で考える、あるいは単純先任権という物の考え方が基本にありますために、成績主義で国家公務員法下でやっておるわけでございますけれども、それに対する考え方の違いから、これがまた不当労働行為であるという認識のもとに挙げられておるものもあるのではないか、こういうふうな気もするわけでございます。 したがいまして、そういう点で、七千にはいろいろな面があるのだ。五十四件については、私ども正規の場で御説明もし、考え方も申しておるわけでございますが、この七千件につきましては、公労委の一時中断のメモにもありますように、中央労使間で十分分類整理して話し合いをし、お互いにその中から共通の信頼関係、認識を持っていかなければならないのじゃないか、このように考えておる次第でございます。
○和田(耕)委員 ぜひとも公労委の場で、いまのような具体的に挙げられた問題を一つ一つ、わかり切っている問題もあると思うのだけれども明らかにして、整理して、国民にわかるような形で説明をしていただきたいと思うのです。 いま挙げられた幾つかの例でよく私ども聞かれることは、腕章を巻いて外で郵便物の配達をする、勤務時間にも腕章を巻いて中で仕事をする、このことを当局がとがめたとして不当労働行為だということは、こういうところに、いままでずっとやってきた激しい運動の惰性みたいなものがいまだに残っておる一つの例だとぼくは思う。というのは、国民から見れば、腕章をつけて郵便物を配達してもらうということは何ら必要ないことですね。むしろその人の名前を胸につけて、私はこうこうこういう者です、郵便局の職員として責任を持って皆様方の大事なものを配達しておりますということが大事なことであって、これは窓口とか外務の人に名前をつけさせるというようなことは指導していませんか。もしそれを指導したとすれば、それは不当労働行為として抵抗されることになりますか。
○守住政府委員 職員の名札と申しますか、その点でございますが、特にお客様と直接接します窓口関係、接遇関係の大きな問題でございますので、こういう点ではいろいろ労働組合の理解も求めながらやっておるところでございます。それから、特に役職者につきましてもまたそのような呼びかけをやっているということでございまして、郵便の外務の諸君には、これはまた非常に抵抗感と申しますか受けとめ方がありまして、かえってそういうことが本当にいいのかどうか、失うものがまた大きいものがあってはかえってマイナスでございますので、そこらあたりは慎重な考え方、運用でいかなければならない、このように考えております。
○和田(耕)委員 たとえばいま銀行へ行きますと、どこの銀行でも窓口では名前をつけているわけですね。国民に接する人たち、責任のある仕事をしておる人が自分の名前をつけて責任の所在を明らかにすることは、むろん何も恥ずかしいことではない。公然とやるべきことですね。これは特に役所だけじゃないのです。地方公共団体、市役所なんかでもそういうことをやるべきだとぼくらは思っておるわけですけれども、やっておるところもあるのですが、なかなかやれないところもある。こういうことをやる気持ちになるかどうかということが公務員としての仕事のしぶりと関係してくる。しかも、こういうことを当局が指導した場合にこれが不当労働行為だというふうにもしなるとすれば、そういう例も聞きますけれども、これは組合の方の主張が間違っておると私は思う。一般の民間はそうじゃないのですから、公共的な仕事をしている人は皆つけているのですから。民間よりも役人の方が偉いというような議論は成り立たない。 また、昇給の問題にしてもよく働く人がいい待遇を受ける、あるいは地位の昇進も働かない人よりも速いということは、きわめて一般の常識なんですね。公務員なるがゆえにそういうきわめて一般の原則である行動が承認されない、むしろ、就職した年次別によって地位も賃金も区分するようにしろという主張の方が間違っている。当局がそういうことを言えばこれは不当労働行為だということも当たらない。 私は、組合の方で七千と言われますから、当局の方も指摘をすれば間違っていることもたくさんあると思いますけれども、いま挙げられた主なもの、これは掲示板にしてもそうですが、やたらにいろいろなところにやってもらっては困る。たとえば国鉄の労働者諸君が機関車のわきにいろいろなものを張りつけたり、物を書くということは、国民が大変憤慨していることの一つです。これをとがめたといって不当労働行為だと言うのは間違いだ。こういう問題は、私はいま公労協の諸君の行動を非難するというつもりではない。先ほど申し上げたように、時代の大きな変化のところに処しておる、この時代における公労協の人たちの仕事のしぶり、労働運動の仕方というものを考えてみる必要があるという立場から申し上げている。 これは、たとえば私ども若い時分に、特に公共的な重要産業は国有化すべきであるという考えを持っておった。これは一般的な社会主義者と言われる人の一般的な考え方でもあった。社会主義者でなくても公平に、平等的な感覚で物を見る人はみんなそういう考えを持っておった。この考え方が次第に間違っているというふうになってきた。それにもかかわらず、イギリスでもドイツでもフランスでも事あるたびに形を変えて、公共的な仕事のしぶりの方にそれが向いてきている。こういうことを考えますと、日本でたとえばスト権問題で公共企業体の処理の仕方を考えた場合に、さすがに郵便局を民間にしろという意見はないようですが、国鉄はばらして民間にした方がいい、こういう主張が有力に出てきている。国鉄なんという仕事は、最も公共的な企業体として必要なものだといまでも大部分の人は思うだろうと思う。しかもその国鉄ですらこれをばらして民間でやった方がよろしい、こういう意見をきわめて最高の学識経験者と言われる人が出しておるというところに問題がある。つまり、日本における実際上の公共的な仕事が国民の生活に関係の深い場面でその公共化が進行しない大きな理由は、現在ある公共企業体で働いている人たちの仕事のしぶりが、労働運動の仕方が国民から納得されないということじゃないのですか。もしこれが納得されておればもっともっと公共的な企業がふえておるはずです。またふえなければならないはずです。しかも、公共的な企業体への発展というものを妨げている、国民がそれを承知しない一番大きな理由は、いまの公共企業体で現に働いている人たちに責任がある、私はそう思うのですね。そういうふうな意味で、この問題についてはやはり現に働いている人たちがもっと謙虚に考えてみる必要があると思う。社会の発展の立場から見て、お互いの、この国民の生活の平等化という立場から見て、国民の大事ななものをあたかも自分のものであるかのような振る舞いの仕方は、これは労働運動でも何でもない。そういう問題を特に考えてみる必要があると私は思う。労働大臣、一般的な考えとしてどうでしょう。
○栗原国務大臣 使用者にいたしましても労働者にいたしましても、お互い厳しさを持つ、それは必要だと思います。と同時に、お互いにときどきこれでいいのかという謙虚さ、そういうものは持たなければならぬと思う。そしてお互いがそういう立場で忌憚なく話し合っていく、そして社会の期待にこたえていく、そういう態度が必要じゃないかと思います。
○和田(耕)委員 大体生命保険の事業とか、そして一般の金融事業なんというものは民間企業としては不適当なものですよ、実際は。これはもっと公共的な運営にすべきものです。しかし、これを公共的なものにすれば、国鉄のようになるのか郵便局のようになるのかということだけで、これは一向進みはしない。こういう問題をぜひとも考えてもらいたいと思うのですね。そういう立場から、今度の年末年始の郵便物を中心とした反マル生闘争なるものをひとつ厳密な立場で考えていただく必要がある。また、法に照らして間違っている人は、やはりこれは、いろいろのことはあっても処分するものは処分するという考え方は必要です。そういう立場をぜひともはっきりと考えてもらいたいと思います。 これでいまの問題は終わりますけれども、郵政省の郵務局長さんですか、御決意をひとつお聞かせいただきたい。
○守住政府委員 私といたしましては、労使関係、それから現場の労務管理、職員指導、職場規律、いろいろな面を預っているわけでございますが、この労使関係の問題は昨年から非常に基本的問題が争点になりまして、安易な妥協は許されない性質の国営事業のあり方、今後の長期的なあり方、人事管理のあり方の問題でございましたので、なかなか安易な妥協はできなかったわけでございます。しかし、年を明けまして、こういうことではいけない、お互いにこの年末、年始のことを教訓として反省をしながら、立場は違うし、主張は違うところが基本的にございますけれども、余りそういう違いを強調するのではなくて、もっと理解し合える部分といいますか、そういうまた身近な問題、労働条件等いろいろなものもある、そういうこと、あるいは差し迫った問題、そこらあたりからもう一遍労使とも振り返ってみて、話し合いの中でこのこじれた関係というものを修復していかなければいかぬ、こういう大きな話し合いの方向と申しますか、これを現在、その段取りその他つけつつあるところでございます。 しかし、また一方、職場の中ではいろいろ職場闘争方式というのが非常に浸透してまいりまして、職場の中でいろいろな抗議行動その他いろいろなものがある。このあり方につきましては、やはり国家公務員としてあるいは地域にサービスを提供する郵便局員としてのあり方というものの理解等も求めながら、しかしそこで極端な行為がありました場合、やはり国家公務員法に照らしての適切な措置は一方ではとっていかなければならぬ。したがいまして、問題の展開というのが非常にいわば多面的と申しますか、そういうあり方、行き方をしなければならぬという、いまそういう気持ちでおるわけでございますが、いずれの方向に対しましてもそれぞれ適切な対処をしてまいらなければならぬ、このような気持ちでおる次第でございます。
○和田(耕)委員 ひとつがんばっていただきたいと思いますし、特に労使関係というものを重視して、やはり全部が間違っているわけではないのでしょうから、正しい主張にはよく耳を傾けるという姿勢をぜひとも貫いて、早く公共企業体の場面でいい労使関係をつくって、国民にサービスできるいわゆる正しい意味の生産性の非常に向上した状態をぜひともつくっていただきたいと思うのです。このことは、今後の日本の国民の生活にとって、産業のあり方にとって非常に大事なことだと思いますので、また公共企業体が順調に発展していくためにもこれは避けて通れない問題ですから、ぜひともひとつお願いをしたいと思います。 それで、もう一つの問題につきまして、これは先ほど同僚委員の皆さん方が御質問になっている点でございますけれども、年功序列体系の賃金というものがやはり中高年齢層の就職ということについての一番大きなネックであるということは、もう全部の人が認めておる問題、労働大臣も認めておる問題なんですが、これを切り開いていく方法としてはいわゆる指導ですね。指導という形で果たしてうまくいくかどうか。いままでもう相当の経験を積まれておるわけですけれども、いかがでしょう。
○細野政府委員 御指摘のように、この問題は指導でやるというのはなかなかむずかしい点がございます。しかし、たとえば実際問題として、定年延長する際に賃金体系を変えた好事例を集めるというふうなやり方、これは現に少しずつやっております。それからもう一つは、経営者側に高齢者の雇用問題についてのいろいろな調査研究をするための開発協会というのが現在できておりますが、そこいらで業種別に見た場合の経営者側の賃金体系の一つの指導的なサンプルみたいなものをつくってもらっているというふうなやり方で、この問題の前進を図る。それからさらには、今月の初めに関西の労使会議におきまして、代表的な労使双方がお集りになって、定年延長を含む雇用延長をやるための条件みたいなものについての合意をしていただいておるわけであります。そういうものに参加された方々はいずれも労使のそれぞれの業種における指導的な方々ですから、そういう方々を通じて各業種についての徹底を図っていただくとか、いろいろなやり方をこれは積み重ねていくしか手がないんじゃなかろうか。 こういう機運が起きた上で、初めて定年延長奨励金というような奨励金制度なんというものも、火のないところではなかなか活用される見込みというものが薄いわけでございまして、そういう土壌の上に、今回飛躍的に拡充しました奨励金制度というようなものを絡まして活用されるようにしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○和田(耕)委員 これは、たとえばアメリカとか西欧諸国では若い者が先に首を切られるという、いわゆる先任権というのですか、何かありますね。あれはつまり基本に能率給というものがあるから、結局若手はやめてもらっても会社のためには余りマイナスにならない、しかしある程度年配の者がやめると困るという背景があるからああいう制度が行われるわけではないかと思うのですけれども、つまり、本当の自由な雇用関係だとそういうふうな能率というものを基準にしてその問題を解決されるのですけれども、日本の場合は、いい悪いにかかわらず、年功序列という長年の制度があるわけですから、これを自由な制度に切りかえると言ってもなかなかむずかしい。これを完全な能率給に持っていくと言っても、これは根底から非常に制度運用の問題を考えていく必要がありますから、むずかしい。 〔越智(伊)委員長代理退席、委員長着席〕 これはある程度まで法制化という考え方を導入していくということが目的を達成するために必要ではないかということを最近私は考えるのですが、昨年、一昨年もこの問題を質問したときに、法制化にはなじまない、確かに私もそう思う。私どもとよく話し合う同盟の諸君もそういう考えを持つのですけれども、しかし、それで中高年齢層の相当の雇用の増が見つけられればいいのですけれども、なかなからちが明かぬということになると、法律のつくり方もいろいろ問題がありますが、いわゆる制度まで何かつくり方を考えた法制化というものが必要ではないだろうか。しかし、能率給的なものを考える場合にも、どこがピークか、どこから下がっていくかということも、いろいろな仕事のしぶりによって違ってくるでしょうし、非常にむずかしい問題だと思うのですけれども、しかし何らかの法制化というものをここのあたりで一遍考案してみる必要がありはしないか、そう思うのですけれども、いかがでしょうか。
○細野政府委員 おっしゃるお気持ちはかなり私どもも同感できるわけでありまして、こういう高齢化のテンポの速いときに、行政指導でもってこのテンポにおくれずに定年の延長を進めていかなければならぬということを考えますと、よほどいろんな手段が要るのではないかという点は、全く気持ちとしては同じなわけでございます。 ただ、やはり非常にむずかしい問題は、たとえば年齢の差別禁止ということを考えてみますときに、年齢によって差別をするということからいいますと、解雇するのも差別でありますけれども、それによって労働条件を優遇しているのも差別なわけでございます。したがって、その差別禁止ということを徹底すれば年功序列賃金体系は全部アウトだ、こういうことになるわけでございまして、そのことを同時に強行するような、つまり強行性が同時でなければ、これは非常につじつまの合わないことになるわけであります。そのことを考えてみましても、これを法律で強制するということにはやはり非常に問題があると考えざるを得ないわけでございます。したがって、基本的にそういう性格でございますので、どうしても法律にはなじまないのではなかろうか。 しかし、おっしゃるように、よほど行政手段を考えて促進を図らないとテンポにおくれるのではなかろうか、この点は全くおっしゃるとおりでございますので、先ほど申し上げましたようないろいろな手段を講じますほかに、たとえば、これは先ほど申し上げた関西の労使の決議の中にもあることなんでございますけれども、思い切って定年延長ということができないのなら、再雇用制度を導入してはどうか。再雇用賃金ということですとわりに労使は、いわゆる賃金体系そのものの手直しということよりは比較的この点についての話し合いがしやすい。その上で、ある程度落ちついたところで定年延長に切りかえる。そのときに、その再雇用賃金で決めたものが賃金体系としては急に落ちるようなかっこうになりますから、そこのところがそのままでいいかどうかということを再度協議するというような、そういうやり方も一つの方法ではなかろうか。そういういろいろな手を考えて、この問題の前進に対して全力を尽くさなければいかぬというふうに私ども考えているわけでございます。
○和田(耕)委員 なるほど再雇用制度というふうなものも、人生の一つの点だけではなくて、三つぐらいの関門をつくればもっとスムーズにできるということも考えられますね。これを普通に自由な制度で役所が行政指導でできればそれが一番いいのですけれども、なかなかできないとなれば、やはりそういう問題もぜひとも考えてみる必要があると私は思います。 それと関連して、いま中高年齢層の人たちの雇用を義務づけるという制度が、義務づけるといっても身体障害者とは違った形ですけれども、これは官庁とか公共企業体と一般の企業と区別して考える必要があるのではないでしょうか。これはいかがでしょうか。
○細野政府委員 先生御指摘のように、現在の高年齢者の雇用率につきましては、民間と官公庁とは別途の取り扱いをいたしております。
○和田(耕)委員 いまその率はどういうふうなことになっておりますか。
○細野政府委員 民間につきましては、先ほど先生からお話しございましたように、努力義務という形で、そのかわり全産業一律に企業単位で見て六%ということを努力義務にしたわけでございます。これに対しまして、官公庁につきましては、適職という制度を導入しまして職種別の率を定めまして、その率の達成について協力を仰ぐ、こういうかっこうをとっているわけでございます。
○和田(耕)委員 やはり%は六%ですか。
○細野政府委員 いいえ、職種別に違っておるわけでございます。
○和田(耕)委員 官庁、公共企業体は三分の一ぐらいは中高年齢層でもできる仕事がありやしないかというふうに私は思うのですけれども、ひとつこれは思い切った例を示さないと、日本の場合は指導をする側がそういう例を示すということがないと、民間にやれと言ってもなかなかやれない。そういうことも案外重要だと思いますから、官庁あるいは公共企業体でもっともっとこの雇用率の義務づけを厳しくするということをぜひ考えていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、公務員につきましては適職を選びまして、その適職につきましては、高いものはたとえば九五%とか九〇%とか、そういうふうな非常に高い率までいっているわけでございます。 それからなお、全般的に申し上げますと、国家公務員を例にとりますと、高齢者五十五歳以上の方の実雇用率は、官公庁の場合九%を超えて約一〇%近くまでいっているわけであります。したがいまして、高齢者問題なり定年の問題につきましては、民間と公務員の場合ではやや違う角度の問題が実はあるわけでございます。したがいまして、公務員の場合も若くてやめるという方もあれば、いま申しましたように、民間に課せられている雇用率から言えばはるかにオーバーしているぐらい高齢者を雇用しているという両方の側面がありまして、その両方が同時に問題になっているというのが現在の公務員の場合の定年の問題でございます。そういう意味から申しますと、先ほど先生御指摘ございましたように、模範と言っていいかどうか知りませんけれども、雇用率自体から言えば、国家公務員等につきましては十分実雇用率としては目的を達しているということが言えるわけでございます。
○和田(耕)委員 これは先ほどから申し上げておりますようにある程度の強制力、いまのような率を決めてあれするとしても、それよりは金を払った方がましだという、民間の方はそういうあれがあるので、何かひとつもっと法律で強制の度合いを高めるような、しかも余り機械的でないことを何とか考えてもらいたいと思います。根本的な解決になるまでの過度期の問題をぜひともひとつ考えていただきたいと思います。 と同時にまた、今年の、いまの大学卒の就職状況というのはどういうことになっているのでしょう。
○細野政府委員 大学卒の就職の内定状況を見ますと、ことしの三月卒業予定者につきましては、ほぼ昨年並みというふうに私どもは承っておるわけでございまして、大卒の中でまだ内定していない人も残っているわけでございますけれども、中小企業から求人増等もございますので、職種にこだわらなければおおむね就職できるんじゃなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。
○和田(耕)委員 自分の思うところへ行けないというのはある程度までしようがないことですけれども、大部分の者が思うところへ行けないなんということになると、これはまたちょっと問題が出てくる可能性があるわけですけれども、そういうふうな問題について、今後の問題として何かお考えになっている点がありますか。
○細野政府委員 結局大卒の方につきましては、従来の考え方でいきますと、これはホワイトカラーになるんだ、あるいは中堅的な幹部になるんだ、そういうふうなイメージがずっと続いていたわけでございますけれども、これだけ大学への進学率が高まりますと、そういうイメージどおりにいくというわけにはどうしてもまいりませんで、したがって、現在の労働市場の状況とか、その場合の賃金の状況とか、いろいろな意味での情報を大学側にも提供し、学生にも理解してもらいまして、そういうことをのみ込みの上でいわば就職活動をしてもらうということがやはり基本的に重要なわけであります。そういう意味で大学側とも密接に連絡をとりまして、そういう点についての配慮をしているわけでございますが、比較を単純にはできませんけれども、ヨーロッパの国なんかに比べますと、わが国の場合には、大学を卒業するということとそれからいわば社会の身分階層みたいなものの結びつきが非常に薄いということがございまして、そういう意味では、私どもが当初懸念していたよりは、学生側の選職の態度自体もかなり、何といいますか弾力的なところがございまして、これだけ急激な進学率の向上がありながら、そう大きな社会的テンションは起きてないんじゃなかろうか。しかし部分的には、地元へ就職したいというけれどもなかなか地元には就職口がないとか、不況という点も影響があるわけでございますけれども、あるいは大企業へ行きたいと思ったけれども行けない、そういう問題も部分的には確かに生じておりまして、そういう点についてはさっき申しましたような情報の提供、その他の就職指導というような形で対処してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○和田(耕)委員 それから最後に、いま特定不況業種というのが日本の重要基幹産業に起こっておるわけですけれども、それに従って非常に有能な技術者、そしてしっかりした熟練工、こういう人たちが失職をしている。たとえば最近親戚の者があって原子力関係のものに就職のあっせんをすると、なかなか就職できない。やっとのことあるところで、それに近いところで就職できるということがある。話を聞いてみると、原子力関係のたとえば博士コースを出たというような人が、これはもう半分ぐらいじゃなくて、大部分の者が遊んでいるような状態があると聞いておりますね。つまり、こういう現在の構造不況というものを背景にして、将来非常に大事だと思われる頭脳が、学者であり、技術者であり、熟練労働者であるという人が、心ならずも他の仕事をするという状態が非常にたくさんある。 この問題はぜひとも政府として、つまり労働省としても考える必要があると私は思うのですね。そのために、いま日本として必要な、通産省などもやっているが、一つの部局の問題じゃないと思いますけれども、大きなプロジェクトをつくり、それを実用化するための大規模な工業試験的な機関を国がつくって、あるいは国がお金を出して援助してそういうふうなものをつくって、そういう大事な労働者を、あるいは技術者を、単者を温存していくということがぼくは非常に必要だと思うのです。できれば航空機産業とかそういうものをどんどんつくっていった方がいいと私は思うのですけれども、これはまたいろいろ反対する人もおるしあれだけれども、国が相当大規模な工業試験機関のようなものをつくってそういう人たちを、とにかく自分の好きな、自分の欲する仕事につけさしてあげるということは、ひとつ労働大臣、もしこれが賛成であれば、閣議、総理に、あの人も、総理もわからない人じゃないと思いますから、ぜひともそういうことをして雇用の場を創出していっていただきたいと思いますね。いかがでしょうか。
○栗原国務大臣 実は私も構造不況業種の中で離職された人、そういう人たちがどういう方面へ再就職しているか、あるいは離職した人たちの中に技能があるのかないのか、そこら辺はよく調べなければならぬ。技能のある方についてはそれをどういう方面へ融通したらいいか、そこら辺を関係省庁と連絡をとって早速調査しなければならぬということを、私、大臣に就任して早々言うたわけです。その結果は、まだどういう程度になっているかという取りまとめはしておりませんけれども、いまの先生のお話のとおり、これは非常に重要な問題でございます。今後、雇用問題閣僚会議というのがございますが、そこの席等でこの問題も取り上げ、また幹事会等でも、そういった離職者の実態、どういう方面へ誘導できるか、特に技術のある人は、というようなことについてはいろいろ検討してもらいたい、こう考えております。
○和田(耕)委員 終わります。
○森下委員長 次に、浦井洋君。
○浦井委員 大臣は所信表明の中で、けさ方から言われておるわけですが、「雇用問題の解決は現在国政の最重要課題となっており」云々、しかもきのうは財界首脳と会われるというようなことであるし、労働省もことしの予算案の目玉、目玉という表現が適切かどうかわかりませんが、雇用対策を掲げておられるわけであります。しかし、またいろいろ私、見ていきますと、かなり基本的なところでぴったりと現在の状況に照合しておらないというか、ぐっと言えばきわめて不十分なものであると思わざるを得ないわけであります。 そこで、この問題に関連をいたしまして、去年の十月十七日に三菱重工神戸造船所の、いわゆる玉突き解雇ではないかということで、労働省の方も調査をするという約束を賜っておりますので、その調査結果を改めて御報告願いたい。
○細野政府委員 いま御指摘がございました三菱重工業の神戸造船所からの下請事業所への出向者をめぐる問題につきまして、御指摘のように調査をいたしました。それによりますと、五十一年の一月から五十三年の九月までの間に下請であります共栄社マナベ及び宮家興産へ出向しております者が、前者の共栄社マナベにつきましては十一名、それから宮家興産へは十五名というふうになっております。この期間中にこの両社から従業員で退職した者がそれぞれ二十三名及び三十五名になっております。 以上の点は先生からも御指摘のあったとおりでございますが、この間の両社における退職者の退職事由を調査いたしましたところ、共栄社マナベにつきましては、いま申し上げました二十三人のうちで病気と病死が七名、それから高齢、これは六十二歳から七十二歳というふうに調査されておりますが、これが八名でございます。それから転職が五名、結婚等家庭の事情ということでやめられた方が三名、合計二十三名でございます。それから宮家興産でございますが、定年の到達ということで五名、それから定年後の再雇用契約期間満了ということで十九名、それから工場移転に伴う通勤困難ということで五名、それから勤務態度不良による解雇ということで二名、それから高齢ということで一名、それから転職が一名、それから病気が二名、以上三十五名でございます。 出向者の受け入れによって、先生の御指摘によるいわゆる玉突き解雇と見られる状況にある者はなかったと判断をしているわけでございます。 なお、同様の御指摘を受けて公正取引委員会も同様の調査をいたしておりまして、私ども念のために公取の判断も聞いてみましたところが、公取も私どもと全く同じ判断であったと聞いております。
○浦井委員 いまの報告で、いわゆる玉突き解雇というのはなかったということでありますが、大臣に一言簡単に聞いておきたいのですが、いわゆる玉突き解雇というのは御存じだろうと思うのですが、こういうことは特にいまの深刻な雇用情勢の中で許されることではないと思うのですが、どうでしょう。
○栗原国務大臣 いま安定局長から話しましたとおり、そういう事実はないということでございます。(浦井委員「本来玉突き解雇はあってはならぬということでしょう。」と呼ぶ)それは、玉突き解雇というようなことで恣意的にやるということ、それは許されないと思います。
○浦井委員 そこで、私どもは実はかなり苦労をいたしまして、いま言われた人たちの中の部分ではありますけれども、主に神戸市内に住んでいる人の追跡調査をやったわけであります。宮家興産だけでありましたけれども、十六名の人の追跡調査をやりました。かなり膨大な聞き取り調査をやったわけでありますが、その中で二つのケースを大臣にお話を聞いていただきたいと思う。 一人。これは仮にAさんとしておきます。六十三歳の男性であります。二十五年間三菱重工神戸造船所に製かん工として勤めた。そして、五十八歳で定年なんで三菱重工をやめ宮家興産に勤務した。これは下請関連会社です。そこでフォークリフトの運転をやった。それで昨年の六月十五日に退職をしておる。いま局長の言われた中の定年延長の打ち切りといいますか、期間満了というカテゴリーに入るわけであります。ただ問題は、退職のときのいきさつが、これはぜひ大臣に聞いておっていただきたいのですが、三菱の構内でフォークリフトを運転しておった。二台宮家が持っておったものが一台になって、しかも三菱重工の稲美工場といって、一番早く行っても一時間ぐらいかかるところに配転を言われて、しかもその場所で何をすんのやと聞いたらはつり──はつりというのを御存じでしょう。エアハンマーみたいなもので鉄板を削るわけです。そういうのはやったことはない。しかしそういうことを言われたので、そこで通勤時間も長くなるし、そんな経験もないというので一応は断ったのだけれども、まあいろいろとあって結局はやめざるを得なくなった。しかもこの関連会社は、やめるときに、職安がうるさいのでひとつ自己都合で退職したということにしてくれというようなかっこうで言うてきたのだけれども、これはがんばって、雇用保険の給付を受けなければいかぬので、一応解雇という形にしてもらったのだというようなことを言っておるわけであります。これが実情なんです。 もう一例言っておきます。五十九歳のこれも男性であります。宮家興産に四年間勤務しておったけれども、この人は二見工場という一時間のところに配転をさせられた。一日行った。行ったところが仕事がほとんどない。そしてそこの職制といいますか管理者は、仕事がないんだ、あんたもええところを探してもろうた方がええかもわからぬなというかっこうで、暗に退職をサゼスチョンされるというようなことで、当初は年も若いしやめるつもりは毛頭ないということであったわけでありますけれども、この宮家興産に勤務しておるときに、病気になって休んだのを無理して雇用し続けてもらったというような恩義を感じて、やめてしまった。これは自己都合に分類されておるわけです。 こういう二例を私、出してみたわけでありますが、そこで私が言いたいのは、調査しますということで、恐らく企業に電話でもかけて説明を受けられたわけでしょうけれども、それだけではなかなか実態はつかめない。玉突き解雇であるとかそういうことによって現実に人減らしが起こっていって、その人減らしの実態はきわめて巧妙にやられて、法的なあるいは行政的な網の目にかからぬようなかっこうでやられておるのだということであります。これを大臣に言いたいわけです。だから、財界人に会われるのも私は別に悪いとは言いませんけれども、会われるのならせめてこういうような実態をつかんで、こんなことなんだ、だからあなた方は、行き過ぎた減量というようなことで労働者、特に下請の労働者には被害を与えないようにせいというような、そういう詰め方をやってもらわなければ私はだめなんだというふうに思うわけであります。しかも、その大臣を補佐する労働省の方はやはりこういう実態をつかむ、現場にも積極的に入っていって実態をつかんで、いまの人減らし合理化、そして減量経営ということを浮き彫りにするような行政努力がぜひ必要なのではないか。そして、私どもは前から言っておりますけれども、こういう時期であるわけですから、解雇規制を法制化するというようなこともぜひ必要ではないかというふうに、私は大胆に要望もしお願いもするわけでありますが、ひとつ大臣の御見解を聞いておきたいと思います。
○栗原国務大臣 減量経常に藉口する人減らしとか玉突き解雇、そういったものの実態、正直言ってなかなか把握し切れるものじゃないですよ。労働省しっかりやれと言って、しっかりやれということは言えますけれども、実際問題として、それをぎゅっとつかめるというようなそういう体制にはなかなかならないと思うのです。しかも、これは事の性質上、企業の経営上の問題ですからどうしても労使が一番よく知っているわけですよ。だから労使の話し合いにゆだねる以外にない。労使が円満に心を打ち割って話し合いができるような、あるいは厳しい中にもそういう関係をつくる以外に手はないのじゃないでしょうか。
○浦井委員 歴代の労働大臣も労働省も、いつもそういう形でいわば逃げられるわけでありまして、しかしいまの雇用状況は非常に深刻だというのは先刻から大臣もよく御承知だと思うので、それに行政が乗り出して歯どめをかけるくらいの、そういう決意を持って具体的な施策をやらなければならぬということを重ねて私は強調しておきたいと思う。 そこで、とにかく時間が短いので先を急ぎますけれども、次に地方公営競馬の職場で、特に払い戻し職場で頸肩腕症候群が多発をしている。大臣、ここに私は持ってきたのですけれども、特に決定的なのは馬券です。頸肩腕症候群が多発した一つの大きなきっかけは、いままでの古い馬券であれば、中年の御婦人が働いておるのですけれども、机の上に置いて、こういうかっこうで当たり券がないかどうか点検できた。ところが、それが自動化されて非常に分厚くなって、とてもこれではできぬというわけです。そうすると、上肢を血に浮かしたかっこうで点検をする。そして、払い戻しですから当たった人がだあっと詰めかけてわいわい言っている、非常に緊張した状態で仕事をやっておる中で、頸腕が多発をしているということなんです。 そこで、この件については五十三年五月にこの所轄の監督署が労働条件の改善、特に休憩時間を含むところの就業規則を作成するようにということで指導したわけです。ところが、私きのうも聞いてみますと、指導はしたけれどもまだ具体的に改善はされておらぬということなんですが、何で改善されておらないのですか。これについて。
○小粥説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、昨年の五月に、地方競馬開催に当たっております県、市に対しまして、特に休憩時間の付与についての指導をいたしたわけでございます。その後、それぞれ県、市で検討しているというふうに報告を受けておりますけれども、実際に、レースの開催間隔といったようなものとの関係で所定の休憩時間がまとめてなかなかとりにくいというような事情にございまして、その辺の要員の配置なりなんなりをどうしたらよいか、いま県、市の方で検討しているというふうに聞いております。そういう点で時間がかかっているようでございます。
○浦井委員 一つはそういうことなんでしょうが、しかし主な原因は、私はいろいろ事情聴取をしてみますと、やはり日雇いという雇用形態になっておるということで、こういう中年の婦人を中心とした労働者を雇用しておる責任がどこにあるのかということがもうひとつはっきりしておらぬということを、私はいろいろ訴えられておるわけであります。 端的に聞きたいのですけれども、この雇用責任があるのは一体どこなのかということですね。それで、答えを言いますけれども、要するに開催をしておる自治体、突き詰めて言えば自治体の長、こういうことになるというふうに考えていいわけですね。
○小粥説明員 御指摘のとおり、開催者である県あるいは市が雇用主になるわけでございまして、具体的にはその県、市のたとえば収益室長であるとかいう方々が雇用契約の当時者になっております。
○浦井委員 そうすると、雇用形態というか実情が非常にややこしいようですが、公営競馬管理事務所であるとか、あるいは地方競馬事務協議会であるとか、あるいは開催執務委員会というようなところが雇用責任を負っておるのではないわけですね。
○小粥説明員 県の場合それから市の場合でそれぞれ契約の当事者が名称が違っておりますけれども、いずれもそれぞれの地方公共団体の組織としてやっておるわけでございますから、県あるいは市がその雇用主である。それで、競馬管理室長あるいは事業室長というような方が具体的な契約の当事者になっておる、こういう形態でございます。
○浦井委員 だから、いまもこれは裁判が起こっておりますが、被告は知事なり開催市の市長になっておるわけです。それでいいわけですね。──はい、それを確認しておいたらいいです。そうであるならば、指導されたその指導のやり方も、きのうお聞きしたわけでありますけれども、もう一遍、本当に雇用責任を持っておるラインの人をきちんと集めて、結局自治体の代表でありますけれども、もう一遍きちんと指導をやってほしい。特にいま申し上げたような休憩時間を確保するということになれば、結局は人員をふやさなければいかぬわけでしょう。そういうことも含めて就業規則をつくるというところに帰結するわけですけれども、そういうことを早くやらせるような指導を適確にやってほしい。このまま放置しておきますと、ますます頸腕が多発をいたしまして、労働者保護の観点にもとるということになるわけであります。 それともう一つ、不幸にして職業病になった人に対しては、申請があれば遅滞なく認定をしていくということをやっていただきたいと思うのですが、簡単にひとつ基準局長。
○岩崎政府委員 いま先史御指摘の県ないし市町村に対します指導、監督については、先生おっしゃるような趣旨で進めてまいりたいと存じます。 それから、職業病の認定につきましては、それぞれの具体的な発症状況その他につきましていろいろとむずかしい問題もあるわけでございますけれども、私どもとしては、その申請がありましたら、できる限り適正かつ迅速に認定の決定をいたしたいということは常々やっておりますが、非常にむずかしいケースなどにつきまして若干遅滞がある点につきましては、私どもも認識しております。今後一層適正かつ迅速にやっていきたい、このように考えます。
○浦井委員 それ、よろしくやっていただきたいと思います。 そこでもう一つの問題でありますが、大臣もこれは御承知だと思うのですが、二月の初めにわが党の不破議員が予算委員会の総括質問でベルトコンベヤー作業の問題を取り上げたわけでありますが、結局、減量経営ということで三菱重工なんかでは出向、配転、そして下請では玉突き解雇という、おたくの方はないというふうな調査結果でありますが、私たちはあると思っている、それが巧妙にやられておると思うのです。一方では、現在仕事についておる人の健康を破壊していっておるという問題ですね。 そういう中で、私、ここでもう一遍松下電器のベルトコンベヤーを使う職場の問題を取り上げたいと思うのです。 ここでは、労働省からいただいた資料によると、松下電器の茨木工場だけでも労災認定患者が七名、会社承認の患者が八名、計十五名が通院または静養をしておるという数字が出ておるわけであります。その資料によりますと、ベルトコンベヤーを使用しておる職場で何人働いておるかといいますと、五十年が二百七十三人、五十一年が二百三十四人、五十二年が二百四十一人。だから、十五人がそのまま照応するかしないかは別にして、年度の別はあるにしても、とにかく二百四十人から二百七十人ぐらいまでの中で十五人も現在静養したり通院したりしておるということは、やはり多発というか、少なくとも問題のある職場だというふうに思うわけですが、この点についての労働省の見解をちょっと聞いておきたい。
○野原政府委員 実は昭和五十一年の二月に、そこで働いておる方から地元の茨木労働基準監督署の方に申告がありまして、私どもこれを非常に重視して直ちに監督をし、その結果若干問題点もありましたので、それぞれ改善の措置を指示したわけであります。 そこで、先生御指摘のような問題がかなり改善をされたということでありますが、その際同時に、会社側の方では、従来手作業が非常に多かったわけですね。それを繰り返しておるうちに、いまのような頸肩腕症候群その他の症状を呈するということもありましたので、それらの作業の七五%ぐらいは現在機械化をされている。それからベルトコンベヤー作業の場合にはどうしても、ベルトが流れていますのでついそれにつられて一緒に姿勢が崩れるとか、あるいは短時間にやらぬといかぬというので気があせる、そういうような問題もありましたので、それをその後フリーフロー式と言いましても、一たん作業者がとめて、多少時間的余裕を持って、姿勢も無理なく作業ができるというふうに改善をしたり、かつまた、休憩等についても前よりも倍の休憩時間を挿入し、さらにリラックス体操をするというようなことで、現在は相当改善をされておるというふうに考えております。
○浦井委員 だから、私は実態をよくつかんでほしいと言うのですよ。フリーフローライン方式で、一たんその前でとまるということでしょう、自由に流れていくということで。それで、なるほどそれはとまることはとまります。しかし、そこの現場の労働者が訴えておるのによりますと、これはとまられると後へずっとつかえるわけですから、非常に緊張が高くなって、気がせいて、よけいに体がえらい。それからフリーフローライン方式に変えたときは、以前は片手で挿入しておった、ところがその後両手で挿入する、体がコの字型になるわけですね。だから、これはもうフリーフローライン方式になってからむしろえらい。事実おたくが出された資料の中にも、会社承認の中のF、G、Hという人は、これは愁訴だけだという話でありますけれども、やはり頸肩腕様の症状を訴えておられるわけでしょう。だから、それだけ見ても、フリーフローライン方式で軽くなったという会社の言い分をそのまま認めてもらったら困る。それから休憩時間が確かに五分から十分になった。しかし、その十分の実態は、三分間体操するわけです、それからトイレに行くわけです、それからフリーフローライン方式になったので、ここにある次の材料を準備をしなければならぬということになって、十分になっても実質的な休憩時間というのはないんだということであります。 だから、私もう一つデータを挙げておきますと、そのフリーフローライン方式なり、五十一年のおたくの方の指導の前後を比べてみますと、テレビの職場ですけれども、一人一日に扱うテレビの台数が四百台から五百台になっておる。それからインサート、挿入する点数が一台十三点から二十点にふえておる。だから、平均の時間が、一点が五秒であったのが一点が二・五秒になっておる。密度がまさに倍になっておる。こういうことで、やはり依然として多発しておるし問題があるということが、私たちの聞き取り調査でわかったわけであります。 だから、私要望したいのは、五十一年の調査の項目を資料としていただいたのですけれども、肝心のことが抜けておるわけですよ。作業密度が抜けておる。それから一連続時間の検討が抜けておる。だから、私が少なくともここで言いたいのは、一連続時間と密接な関係のある休憩時間をこんな十分にふやすだけでなしに、きちんと完全に休憩をとらせるというふうにもう一遍指導をしていただきたい。このことをひとつお願いをしておきたいのですけれども、どうですか。
○野原政府委員 このコンベヤー作業でありますが、これはやはり作業の種類によりましてかなり実態も違いますので、フリーフローラインに変えたことによってまた新しい問題が提起されたというお話でありますが、その辺私どもさらにその後の状況等もつぶさに把握いたしまして、それに対応できるような改善措置を求めていきたいというふうに考えております。 それから労働密度がかえって上がったのではないかという御指摘でございましたが、実は私どもの方で調査したデータによりますと、これはやはりテレビを組み立てておる茨木工場の例でありますが、その中のライン化されている挿入作業というものでございますが、確かに五十年と五十四年を比べますと生産台数は一日当たり百台ぐらいふえております。ところが、機械化が相当されましたので、一人一台当たりの作業点数といいますか、これが作業密度をあらわすものだと思いますが、二十八点から十八点にむしろ下がっておる。そうかといって、一点当たりの時間が非常に長いのじゃないかという懸念もあろうかと思うのですが、その辺、むしろ一点当たりの時間は余り変わらぬということで、私どもの判断といたしましては、生産台数は上がっているけれども、労働密度の方はそれに伴って上がっておるという事実はないのではないか。しかし、その辺も御指摘もございましたので、詳細にさらにもう一度確認をし、しかるべき改善措置を指示したいというふうに考えております。
○浦井委員 私たちが調べた聞き取り調査では、一台十三点であったのが一台が二十点になっておる。挿入ですね。これは母集団のとり方にもよるだろうと思うのですけれども。それから平均の時間が五秒から二・五秒に短縮しておる。だからこれはもう一遍きちんと、そういう私が言ったようなことを重点にして指導していただけますね。
○野原政府委員 先生御指摘の趣旨に従いまして事実を確認し、もし改善を要する点があれば直ちに改善措置を指示したいと思います。
○浦井委員 最後の問題に入るわけでありますけれども、私が一番初めに申し上げたように、労災認定が七人で、会社承認が八人だ。この会社承認の八人の病名というのは何ですか、わかりますか。
○原説明員 ただいま御指摘の点にお答えいたします。 会社承認の認定患者につきましては、頸腕等の認定患者ということで頸肩腕症候群の方々が多いかと思っておりますが、詳細は会社の方で把握しておりますので、私ども正確なところを存じておりません。
○浦井委員 要するに頸肩腕症候群あるいはそれに近い、こういうことですね。
○原説明員 頸肩腕症候群またはそれに類似の疾病ないし障害を訴えている方のようでございます。ただ、三名の方は主訴だけであるように聞いております。
○浦井委員 これは何で労災申請をしないのですかね。
○原説明員 私ども詳細は会社内の処理で済んでおりますので把握をしておらないわけでございますが、頸肩腕症候群等につきましては、一般に発症の初期から早く治療の中に入る方が効果的に処理ができる、あるいは重度な障害にならないというようなことが言われておりまして、そのようなところから会社の中で管理をし、早期の診断なりあるいは早期の作業管理、配置転換等をやっておるという形で把握をしておるのだと思います。その詳細は私どもは把握をしておりません。
○浦井委員 一遍詳細を把握していただきたいと思うのです。というのは、確かに労災認定七名、会社承認八名ということなのですが、私たちが茨木工場の医務室に、健康管理室ですか、通っている人の数を勘定してみましたら、いまでもやはり三十数名おるわけなのです。五十一年当時、その工場で認定とか会社承認以外に三十八名おるというふうに労働組合から指摘があって、その後指導が入っておるわけです。しかし、正確な数字はつかめないですけれども、いまでもなおかつ三十人以上はこの十五人以外におる、こういう実情がわかっておるわけなのです。健康管理室での健診というのは、労使協定の一つである健康管理協定に基づいてやられておるわけでしょう。だから、ひとつ私お願いしたいのですが、本当にそこの職場の実態を知ろうと思えば、できたらその健康管理室の、そこにかかっている人の資料なんかをひとつ提出させて調べるくらいまでやってほしいと思うのですが、どうですか。
○岩崎政府委員 具体的に、正確なことは実際に調べて把握しなければ申し上げられませんけれども、多少一般論として申し上げますと、職業病の予防対策ということを私ども非常に強調して指導をしておりますので、会社側がむしろ自主的に、たとえば労使の話し合いで、衛生委員会とかそういうものを経まして、早期に健康診断あるいはそれに至らない前の健康管理、そういうものを事前にやって、それで早期に発見した者についてはまず会社内で早いうちに治療をする、あるいは配置転換をする、あるいは適当な休みをとらせるということで対処していただくのがむしろ好ましいことだと思っております。その結果、労災の認定までに至らない者が会社内のたとえば健康保険で治療が行われておるというようなことであっても、それは労災の認定を申請しようと労働者が考える場合、必ずしもそれを妨げることになるわけではございませんと思います。したがって、そのこと自体、私ども必ずしもどうこう言うべきことではなかろうと思っております。
○浦井委員 これは原則論から言いますと、やはり労働災害であるとか職業病というのは企業主負担で治していくということで、健康保険ということであれば労使の負担ということになりますから、これは健康保険法違反の疑いもあるわけです。だから岩崎さん、きちんとそこらは踏まえてやって、そして、会社の労使の間でつくった協定を見ますと、あなた方がつくられた認定基準とほとんど一緒ですよ。総則から何からほとんど一緒ですよ。だから労働災害、職業病であるということを早くやって、変に囲い込むと、私は言いとうないのですが、労災隠しということが起こってくるんですよ。だからその辺は、いまは十五人の人が、七人が水面上に浮かんで、八人が水面すれすれのところであっぷあっぷしておって、水面より下に何人おるかわからぬという状態なので、そういう水面上だけを見るのでなしに、水面下も含めて、あの職場が一体どうなのかという実態を把握するような努力をひとつ労働省としてやっていただきたい、早急に指導していただきたい、こういうことです。
○岩崎政府委員 具体的なお話でもございますので、私ども早急に調査いたしたいと思います。
○浦井委員 大臣、何かありますか。
○栗原国務大臣 労災隠しの起こらぬようにいたしたいと思います。
○浦井委員 終わります。
○森下委員長 次に、工藤晃君。
○工藤(晃)委員(新自) 本日は大臣に雇用と第三次産業、特に環衛業の関連について、しぼった質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、大臣の所信表明の中で「雇用・失業情勢は、完全失業者が百万人以上の高水準で推移し、また有効求人倍率も最近やや上昇傾向が見られるもののなお求職超過の状態にあり、依然として厳しい状況が続いており」、「構造不況業種等における雇用問題など不安要因もあって、雇用・失業情勢は、いましばらく楽観を許さない状況が続く」こういうことをおっしゃっておられます。それから、そういう意味で、雇用問題の解決は現在国政の最重要課題だということも指摘されておられるし、それから雇用の改善のためには、昭和五十四年度は六・三%の経済成長を達成したい、こういうこともおっしゃっておられますし、それから、民間の活力を生かす方向での雇用の開発、拡大を図る強力な措置を講じたい、そしてその目玉としては、中高年齢者の雇用機会の開発を主体として十万人の雇用創出を図りたい、こういうことをおっしゃっておられるわけでございます。最後には、中高年齢者の雇用の安定に重点を置いた強力な雇用対策を展開していく所存だ、こういうふうにおっしゃっておられますが、大臣、これについてもう一度確認をさせていただきます。そうでございますか。
○栗原国務大臣 そういう認識で労働行政をやっていきたい、こう考えております。
○工藤(晃)委員(新自) そこで、きょうは厚生省もそれから通産の方にもお見えいただいているわけなので、確かに雇用の創出を図るということは重大なことなのですが、その十万人の雇用の創出の持っていき場所などについてはどなたかいろいろ御検討なさっておられるはずでございますが、それについて簡単に、どういうような具体的な方法で雇用創出をされるか。一応資料はちょうだいしておりますから、いろいろ経営者側に雇用を誘導するような方法はとられておることはよくわかっておるのですが、業態としてどういう業態へそういう十万人という雇用の創出を図っていこうというふうに考えておられるのか、重点があればそういう点について御説明いただきたいと思います。
○細野政府委員 先生御存じのように、開発給付金自体は、制度自体が業種とかなんとかを特定しているものではございませんけれども、それにしても、活用されるその分野についての見通しを、こういうお話でございます。 最近の求人の増加状況等を見ますと、当然三次産業が一番雇用あるいは求人が伸びているわけでございますが、製造業関係に限りますと、最近では金属製造業関係が比較的雇用あるいは求人の伸びが大きいというふうなことでございます。それから三次関係ではサービス関係、流通関係あるいは対事業所サービス関係、そういうところの伸びが大きいというふうな状況でございます。
○工藤(晃)委員(新自) あなたのおっしゃったとおりで、第二次産業、特に製造業の方は雇用が落ち込んでいく、これも昭和四十九年以降ずっとそういう傾向をたどっているということ、まあ言えば慢性的な雇用の減少状態にある。一方でまた、いまおっしゃったように、第三次産業では雇用が確実に増大していっているという現象にあるわけでございます。五十三年度の資料でも、製造業では一千三百二十六万人で、前年より十四万人、一%も減少を来している。それからまた、逆にサービス業の方では九百四十三万人で、四十万人も雇用が増大している。そのパーセントから言うと四・四%である。こういうふうな資料もいただいているわけでございます。 こういうことを見ますと、雇用を創出する、新しくつくり出すというよりも、第二次産業から第三次産業への職業の転換を図っているという内容に近いものではないかということも考えられるわけです。もちろんその一人一人の内訳はわかりませんけれども、数から見た場合には、第二次から第三次へという移行の傾向は大変強い。恐らく今後ともそういう状況はより進むであろうということが考えられているわけでございます。 私が持っております資料でも「製造業では厳しい減量経営が行われ、人減らしが進んでいる。昭和四十八年から五十二年の間に、製造業の雇用者数は九十万人減少した。この四年間に、労働力人口は二百万人も増えているから、まともにいったら失業者数は二百九十万人も増え、欧米なみの深刻な失業問題が発生したはずだ。ところが、流通・サービス業で合計二百三十万人も雇用が増加したので、失業者数は、差し引き六十万人の増加にとどまることができた。」、こういうことも書いているわけです。逆にまた設備投資の方から見ても「製造業の実質設備投資額は、石油ショック以後、毎年低下の一途をたどっているのに流通・サービス業などの第三次産業のそれは上昇傾向を続け、民間設備投資総額に占める比率は、昭和四十五年の三三パーセントから、五十年には四五パーセントに増えた。」、こういうことも言われているわけです。それからまた「製造業では、現在、約二〇パーセントの従業員が過剰という状態にあるから、これからも失業者は増えるだろう。」、こういうことも言っているわけですね。 こういうことを考えますと、雇用問題というのは非常に厳しい状況の中に置かれているということが浮き彫りにされていると同時に、要するに失業対策、雇用の創出ということは緊急課題であることには間違いないけれども、しかしながらどこかへ薄めてしまう、そういう考え方であっては大変問題があるんではないかという気が私はするのです。やはりちゃんとした計画的な雇用の創出を図っていくと同時に、そういう流入先に対する配慮がなされているかどうかということが大変大きな問題であろうというふうに私は考えるわけで、受けざらに対する配慮がなく、逆に言えば、お嫁にやるのに親は一生懸命娘に支度金をさせいろいろなものを持たしていくけれども、もらってくれる夫になってくれる人が生活能力があるかどうかということも何ら考えないというふうな、たとえばそういう思いやりであるならば、逆に言って雇用の問題はまた次の段階で大変深刻な問題を起こしてくるんじゃないか。たとえば過当競争という形になってあらわれてきて、AからBに問題が移行しただけであり、その間に時間のずれができたというだけであって、考えてみれば計画的な雇用の創出にはなっていかない、そういうふうに考えるわけで、そういう面について十分な御配慮がなされているかどうかについて大臣からお聞きしたいと思います。
○栗原国務大臣 本来的に言いますと、第二次産業に技術革新というふうなものが行われますればこれが一番いいのですが、残念ながらそこまで来ていない。そうなりますと勢い第三次産業、第三次産業の中で生活、保健・医療、それから教育、情報、そういった部門に雇用を拡大していく、そういう点では、いま政府もそれなりの仕事、予算的な措置を講じているわけであります。ただ、民間の問題に対しましては果たしていままでの傾向で、第三次産業にこういうふうに行ったから今後もそういう方向に行くかどうかというのはなかなか問題でございますし、またどういう方向へ行ったらいいかという基礎的な調査というのも、御指摘のとおり残念ながら十分できていないわけです。遅まきではございまするけれども、私どももその点について意を用いますし、通産省もそういうつもりでやっております。各省力を合わせまして、そういった今後の方向について努力をいたしたいと考えております。
○工藤(晃)委員(新自) 確かに大臣おっしゃったように、私の方にちょうだいしております資料の「労働省主要予算(案)の概要」の中にも、八ページに「第三次産業雇用実態調査の実施」という新しい項目が設けられているわけですね。だからそういう意欲のあることはこの数字からもわかるわけでございますけれども、これはきょうに始まった問題ではなくて、昭和四十九年からそういう傾向を大きく続けてきているわけですよ。ですから、いままで受けざらの方の対策が一切考えられていなかったということを逆に証明するようなものですね。たとえば特定の構造不況業種などに対しては、通産あるいは労働その他でいろいろな施策を講じながらそういう救済措置は講じているわけですが、要するに、そういう人々が移動してきた場所の受けざらには何ら配慮がなされていないということを証明したようなものですね、いまの御回答は。だからこれは、確かに第三次産業でも、特に吸収し得るだけのエネルギーを持っている業体であればそれでいいと私は思うのです。ですがその受け入れていく、あるいは受けざらになっている業種が非常に零細な生業のようなそういう方々が多い業体へ流入してくるということになると、これは大変大きな問題を醸し出すと同時に、そこにおいてのまた、次の不況というあらしにその業体が見舞われるというかっこうになるわけで、そういうことで、たまたま最近、これは厚生省の方でございますけれども、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案が二月十三日に衆議院を通過したわけです。こういう法律をなぜつくったかというと、そういう環衛業界が現在でも過当競争にある、サービス業においての過当競争というのは自殺行為なんだというところから、ある程度正しい適正な競争をさせる、そういう意味において過当競争を防止しなければならない、あるいはまた営業の自主的な組織による共同施設事業の一層の充実を図るとか、いわば非常に足腰の弱い業種に対して配慮していこうということで、こういうふうな法律を一部改正してつくられてきたわけだろうと思うのです。われわれもそれに対しては積極的な賛成を示したわけで、それはなぜかというと、こういう低成長の中でそういうあらしをすぐ受けやすい、そしてまた過当競争というのは、そういう生業としていかなければならないような業体の方々にとってはそういう風雨を一遍に受けてしまう、こういうものに対して何らかの施策を講じてやる必要があるんじゃないかというところから、こういう問題が提起されたと私は信じているわけです。ですが、片一方で通産にしてもあるいは労働省にしても、そういう第二次産業の製造業におけるいわゆる人減らし、減量経済、減量経営という形から吐き出したものを、要するにそういう受けざらの対策を考えないでもしそういうところへ流入さしていったとすれば、一方においてはそういう方々に対する思いやりある政治をしようではないかと言いながら、そういうところにどんどん、逆に言えば支度金をつけて送り出してやるということになりますと、公害問題を例に挙げれば大変穏当ではないかもしれませんが、最近は公害でも東京湾の閉鎖性水域に対する水質汚濁の問題、これもみんな吐き出したヘドロがそのまま蓄積していく、それが閉鎖性水域においてだんだんたまっちゃって、いまその処置をどうするかということになったらどうにもならない、こういうことですね。そういうこともすべて工業用排水とかあるいは家庭用雑排水、こういうものの対策を怠ってきた一つの大きな結果でございます。そういうところに沈でんしたヘドロをどう処理するかということになると、膨大な予算とそれからどうにもならないほど、解決のしようがないほどむずかしい問題にいまなっている。こういうことが一つの結果として出てくるわけで、やはりこれも、この問題をいまの問題にすりかえてみますと、そういう危険性を多分にいま持っているんじゃないか、こういうふうに私はとらえているわけです。 そういう中へ流入してきて、吸収されるからそれはそれでいいんじゃないか、吸収するだけのエネルギーがあるからいいじゃないかというふうにお考えになっているとすれば、大変大きな判断の誤りがそこにあるような気がするのです。というのは、サービス業というのは押し込めば押し込むほど押し込められるのです。しかしながら、そういうことに対しての何らかの代償というものがどういうところで払われてくるかというと、サービスの低下でございます。サービス業がサービスの低下を来すということはこれは致命的であり、また国民に対して不利益をもたらす問題であります。そういうことから考えますと、やはりサービスは向上さしていかなければならない。そのためには健全経営をしてやらなければいけない。そのために片一方じゃ十分配慮しながら何かの努力を重ねているときに、一方からそういうものへじゃんじゃんヘドロを吐き出すという、こういうような状態がもし今後とも続くとすれば、これはやはり大いに注意をしなければならない問題だろう、こう思うわけでございます。 その中で、環衛業の実態、そういうものをちょっと浮き彫りにするために申し上げますと、非常に小規模であって、これは厚生白露の中からちょっと引っ張り出しましたけれども「環境衛生関係営業の多くは中小零細企業によって占められており、従業者五人未満の事業所は八割を超えている。営業規模が小さいことは、国民のニーズの多様化に対応しやすいという利点をもつ反面、経営の近代化に立ち遅れる傾向をもたらしている。これらの営業は、比較的少額の資金により開業できることなどから、新規参入が容易であり、過当競争になりがちな体質をもっている。従って、経営が不安定な状態に陥りやすく、適正な衛生基準の維持等の健全な経営が阻害されるおそれがある。」こういうことを指摘しているわけですね。 ところが、第二次産業から第三次産業、特にこの環衛業界へ、こういう不況が続きますと大挙流れ込んでいくということになりますと、大変大きな問題がまたそこにも起きてくるということです。私が申し上げたいことは、その受けざらをやはり足腰を強くしてやる必要があるんじゃないか。適正な受けざらというものをまずつくって、過当競争を排しながら、お互いに健全経営が維持できるような配慮をしてやりながらそういうところに転業をさしていくという、そういうみぞを掘ってやる必要が絶対にある、こう信じているわけでございます。 そういうことについて、たとえば飲食店なんかが一番そのいい例で、転業する先で一番簡単に考えるのはやはり飲食業で、だれしも考えやすい。先ほど申し上げたようにそういう体質から見てそういうことが起きやすいので、昭和四十年には五十六万一千六百三十六軒の飲食店営業が、昭和五十二年には百十六万五軒といいますと、国民九十何人に対して一軒というような非常に多い業体でございます。そういうふうなところで、まず全体から見ると常雇用数が一・八人ですね。私企業の場合には〇・八人ですか、そういう非常に零細なところへどんどんそういうものが流れ込んでいくということについては、大変憂慮をしているわけです。そういうことに対して、これは何かみんなでというか、たとえば関係省庁、労働省とかあるいは通産とか厚生とか、そういう環衛業に関与しながら雇用のスムーズな安定を図っていくというために、これはどうしても縦割り行政だけでは無理だと思いますから、横の連携をとっていただいて、早急にその問題の解決に取り組んでいただかなければならないんじゃないか、こういうことを強く考える次第でございます。そういう点についてひとつ大臣のお考えを簡単に伺わせてください。
○細野政府委員 三次産業が伸びているわけでございまして、その場合に先生御指摘のように、従来不完全就業と言われたり、あるいは流通過程におけるむしろ過剰な人間を抱えているところがますますふえていくんじゃないかという御懸念あるいは御注意、その点は私どもも十分受けとめまして対処していかなければならぬというふうに考えているわけでございます。 ただ、最近の三次産業の伸びは、先ほど先生からお話がございましたように、二次がだめなので三次に押し込まれるかっこうでいっているという側面ばかりじゃございませんで、三次産業肉体が伸びるべき必然性を持って伸びている側面もかなりございます。たとえば最近ふえているものでも一番多いところを見ますと、教育関係とか医療関係、あるいは事業所サービス関係でも情報サービス関係とか調査・広告関係、そういうふうなところが実数から言えばかなり伸びておりまして、飲食店関係なんかはむしろ従業員数は減っているぐらいの状況でございます。そういう意味で、三次産業自体も近代的なところがかなり伸びているということも一面言えるわけでございます。それは当然、かつての高度成長以来の成長の成果あるいは国民所得の増というようなものが反映をしているという側面もあるわけでございます。 ただ、そういう点について、たとえば業種とそれから雇用条件の中身とか、そういう点の細かい点についての分析がクロスでとれないという従来の欠点がございましたので、先ほど労働大臣から申し上げましたように、そういうクロスがとれてきちんとした調査ができるようにしたいということで、新しい調査を現在考えているわけでございます。 なお、各省間の調整の問題については大臣からお答えがあると思います。
○栗原国務大臣 先ほどもお話を申し上げたのですが、雇用問題閣僚会議というのがございます。そこで当面の課題になることを詰めていきたい、特に幹事会をフルに活用していきたい、こう考えております。
○工藤(晃)委員(新自) 先ほどの局長の御答弁は、私の聞いていることに答えていらっしゃらないわけでございます。私が申し上げているのは、環衛業との関連においてどういうふうになさいますかということを申し上げている。第三次産業という大きな器の中で物を論じているわけじゃないので、そういう零細な生業の方々がひしめき合っているというその中へ、そういう新しい資本力を投入し、大店舗が職業転換をしてきたとなれば、その周囲は一編にあおりを食ってしまう、そういうことの心配を私は申し上げているので、近代化を図ればそれでいいではないかという考え方は、私は環衛業界においては当てはまらないんじゃないかと思うのです。だから、そういう意味で私は御指摘を申し上げたわけです。 たとえば飲食店にしても、あなたがおっしゃったように、売り上げは昭和四十三年を一〇〇としましたときに五十年で一三九・二、それから五十一年で一五二・三と非常に伸びが悪いわけですね。ところが逆に数の方を見ますと、これは大変な数がふえてきているわけですね、毎年新陳代謝をしながら。だから飲食店を一例に挙げましても、昭和五十二年に施設数が百十六万五軒で、その中で新規開業が二十一万六千七百二十軒、営業をやめた方が十六万一千二百八十軒、それで実際にふえたのは五万五千四百四十軒、こういうふうに数はふえていく。新陳代謝はする。言えば片一方でどんどんつぶれて、片一方でどんどん生まれていっている。それで、その営業の伸びは大変悪いというところに野方図に、言えば民間が勝手にそういうところへ転出をしていくということは大変危険ではないかということを申し上げたわけなんで、私はそういう点を中心として指摘をしているわけです。 時間があと五分になりましたので、私、実際考えまして、たとえばこういう案はどうだろうかということを提案したいのです。 これは環衛法が改正になりますと、通りました場合ですけれども、新しい事業として中央、県の方でこういう環衛業界の指導センターというものができるわけですね。そういうところにたとえば環衛業界の状態を調査させるとか、あるいは実際にその現場の声というものを吸い上げるという形で、そういう中からうまく適正配置をしていくというような考え方とか、あるいは一方の労働の特性として現在女子の雇用がどんどん増大していっている、逆に男性の方が落ち込んでいっているという状態もありますし、それからパートの傾向が非常に強い、そういう傾向も統計上出ているわけです。ですから、たとえば高齢化社会を迎えるに当たって雇用構造も変革をしていかなければならない、そういうときに最も適応している業体、業界というのもやはり環衛業なんですね。だからそういうパートタイムとか、あるいは女子の働く場所とか、あるいは中高年齢層の方々が八時間労働はたえられないけれどもせめて一日の二時間とか三時間とかはお手伝いができるんだというようなところを、中高年齢層の雇用開発の市場として再開発をしてみる、そういう考え方をしたらどうだろうか。たとえばオーナーになってくるのでは過当競争になってきてしまいますが、そういうところで部分的に何時から何時まではどうしても人が欲しいんだ、しかしながら一日雇う必要がないというようなところへ充当していけば、足りないところと足りるところがうまくドッキングするんじゃないか、そういうことも今後大いに研究開発する部門ではなかろうかというふうなことを考えているわけです。そういうことについて調査、あっせんというようなことも、新しくできる環衛業界の指導センターとかなんとかいうようなところの事業にたとえば委託する。これは各県にできていますでしょう。これで、私は一つの例を挙げて申し上げているので、そうなさいということを申し上げているのではないのです。せっかくできたものですから、そういうものを御利用になったらいかがですかということを申し上げているわけなんで、またそういうことについて御相談もされたらどうでしょうということの提案を私はしたわけなんです。そういうことについては、それこそ総合的にそういうものの調査あるいは指導というものを具体的に早速手がけていただきたい、これがきょうの私のお願いでございますから、それについて、せっかくお見えいただいておりますから通産省の方、あるいは厚生省の方もそういう考え方についてどういうふうな御判断をお持ちになるか、あわせてこの機会にお聞きをしておきたいと思います。
○林説明員 環衛業を転換先の業種としてやるような転換事業、これは先生御指摘のように、環衛業につきましては経営規模が零細であるとかあるいは一般的に過当競争の状態があるというようなことからいたしまして、地域なり業種によりましては、事業転換をすることによりまして過度な競争を引き起こすということも一つ考えられるわけでございます。それから、そういう形の中でその事業転換によりまして既存の環衛業者の経営の圧迫を招く、こういうようなことがあってはならないわけでございまして、事業転換ということにつきましては、その事業の転換先の業種を決めるというようなことあるいは既存の環衛業者につきましていろいろ経営の安定を図るという形の中で助成事業をやっておるわけでございますが、そういう助成のあり方ということも今後十分配慮していかなければならないというふうに考えております。 そういういろいろな受け入れ体制の整備の中では、先生御指摘のように、これからもそういう問題につきまして各省とも十分協議をしてやっていきたいというふうに考えております。
○山口説明員 お答えいたします。 現在、中小企業の中で製造業から他産業に事業転換していく、このような場合、助成の対象になりますものは、事業転換法という法律がございまして法律で認定いたしておりますが、過去二年間のデータを見ますと、製造業からサービス業には合計で四十五件、全体の転換が百二十七件ですが、多いとも言えますし、こんなものだということも言えるかと思います。 ただ、われわれといたしましては、先生御指摘のようなサービス産業における零細性ということについて、しかも過当競争が起こりやすいということでございますので、そういったサービス産業が経営の悪化を来さないような何らかの対策が必要であろうと思っておるわけでございます。 具体的には、現在、小規模零細企業対策といたしまして経営指導員の積極的な活用とか、あるいは経営改善資金等によりましてその経営の近代化あるいは体質の強化というものを積極的に図っておるわけでございます。今後ともこういった施策の拡充強化に努めてまいりまして、中小サービス業者の経営体質の健全化ということに努めてまいりたいと思っております。 さらに転換の問題につきましては、こういった助成ばかりではなくて、転換先業種の的確な情報を提供するということが何よりも大事であろう、こういうふうに思っております。そこで中小企業振興事業団の中に情報センターというものを設置いたしまして、転換先業種につきまして需給状況あるいは市場あるいは技術、こういった情報を中小企業の方々に提供する制度があるわけですけれども、現在これで百五十業種程度の情報提供ができることになっていますが、来年度はこれを三百業種にふやしまして、これは主としてサービス業を中心に情報の整備に努めてまいりたいと思っております。したがいまして、こういったサービス産業につきまして今後適切な事業転換が行われる一助になるだろう、こういうふうに思っております。 それから関係各省の連絡協調につきましては、従来からもそういったことに心がけておりますが、いま御提案のような趣旨を踏まえまして、厚生省等とも協議いたしまして御趣旨に沿いたいと思っております。
○工藤(晃)委員(新自) ぜひ協調していただいて、総合的な判断の上に立ったよき指導をしていただきたいと思います。 終わります。 ────◇─────
○森下委員長 この際、本日付託になりました内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。労働大臣栗原祐幸君。 ─────────────
○栗原国務大臣 ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 わが国の雇用・失業情勢は、景気が緩やかな回復の傾向にある中で、依然として厳しい情勢にあります。 このような情勢に対処し、離職者の再就職の援助とともに、雇用機会の増大のための施策をさらに積極的に推進していくことが重要となっております。 政府といたしましては、離職者の再就職を容易にするため、公共職業訓練等を受講する離職者に対する援助を強化するとともに、民間の活力を生かして中高年齢者等の雇用機会の増大を積極的に図っていくこととし、これらの事項を中心として関係審議会に諮り、その答申に基づいて、この法律案を作成し、提案した次第であります。 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。 第一は、雇用保険法の一部改正であります。 その一は、公共職業訓練等の受講を容易にし、かつ、公共職業訓練等の修了者の再就職を促進するため、現在公共職業訓練等を受講している期間についてのみ行われている失業給付の給付日数の延長に関する措置を充実し、新たに、雇用保険の受給資格者が公共職業訓練等を受けるために待期している場合及び公共職業訓練等を受け終わってもなお就職が困難な場合についても、一定の日数を限度として給付日数を延長することができることとすることであります。 その二は、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由による雇用機会の減少に対処し、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、雇用安定事業の一環として、新たに、事業主に対して中高年齢者等の雇用機会を増大させるために必要な助成及び援助の事業を行うこととすることであります。 第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正であります。 雇用安定事業等の四事業に係る保険料率は、現在、賃金の千分の三・五の率とされておりますが、雇用安定資金の積み立ての状況に対応してこの保険料率を弾力的に調整することができるようにするため、雇用安定資金の残高が、四事業に充てるべき保険料徴収額の一年分に相当する額を超えるに至った場合には、四事業に係る保険料率を一年間千分の三に変更することとしております。 第三は、船員保険法の一部改正であります。 その一は、船員保険についても、雇用保険と同様に、先ほど御説明申し上げました公共職業訓練等を受講する者に対する失業保険金の給付日数の延長に関する措置の充実を図ることであります。 その二は、船員保険の失業部門の保険料率を当分の間千分の三引き上げることであります。 以上、雇用保険法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○森下委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 次回は、明後二十二日木曜日午前十時三十分理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十四分散会 ────◇─────